北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会 第3号
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- 5
- 開催日
- 2016/05/12
会議録
○今津委員長 これより会議を開きます。 北朝鮮による拉致問題等に関する件について調査を進めます。 この際、今月の米国出張について政府から報告を聴取いたします。加藤拉致問題担当大臣。
○加藤国務大臣 拉致問題担当大臣の加藤勝信でございます。 今月行った私の米国出張について御報告申し上げます。 冒頭、まずは、熊本県熊本地方等を震源とする一連の地震により亡くなられた方々に御冥福をお祈りするとともに、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。 今回の米国出張では、拉致問題を初めとする北朝鮮人権状況の改善に向けた国際協調を積極的に働きかけるべく、ワシントンDC及びニューヨークに行ってまいりました。 ワシントンDCでは、現地時間の五月二日、日本政府と米国のシンクタンクとの共催により、シンポジウム「北朝鮮における人権問題の解決に向けて 日米韓の連携」を開催しました。私と米韓の人権問題責任者等により、拉致問題の解決に向けた日米韓の連携について議論をいたしました。 ニューヨークでは、現地時間の五月四日、日本政府主催によるシンポジウム「北朝鮮の人権状況 人間性の回復に向けた戦略」を開催いたしました。マルズキ・ダルスマン北朝鮮人権状況特別報告者に基調講演をいただき、関係国やNGOの代表なども交えて、北朝鮮の人権状況改善のための国連人権プロセスを活用した具体的戦略について議論をいたしました。 拉致被害者御家族の飯塚耕一郎氏、横田拓也氏、特定失踪者御家族の大澤昭一氏にもそれぞれの行事に御参加いただき、肉親との再会を希求する切実な思いを訴えていただきました。 私からは、今回の訪米を通じて、国際社会に対して、安倍内閣の最重要課題である拉致問題に政府の責任において最優先に取り組んでいること、北朝鮮による拉致問題の現状及び悲惨さ、国際連携の一層の強化の必要性について発信してまいりました。 両行事を通じて、拉致問題を初めとする北朝鮮の人権問題の解決に向け、米国や韓国といった関係国及び国連との連携を強化することができ、有益な取り組みとなりました。 さらに、シャノン国務省国務次官やクリテンブリンク国家安全保障会議アジア上級部長と面会し、拉致問題等北朝鮮人権状況を含む北朝鮮情勢について有意義な意見交換を行いました。 拉致問題を初めとする北朝鮮の人権状況の改善を求める国際社会の機運はこれまでになく高まっています。今後とも、国際社会との連携をさらに強化して、全ての拉致被害者の一日も早い帰国に向け、全力を尽くしていく所存であります。 引き続き、今津委員長を初め理事、委員の皆さんの御理解、御協力を心よりお願い申し上げます。
○今津委員長 以上で報告は終わりました。 —————————————
○今津委員長 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官岡本宰君、警察庁警備局外事情報部長松本光弘君、法務省大臣官房審議官佐々木聖子君、公安調査庁次長杉山治樹君、外務省大臣官房審議官中村吉利君、外務省大臣官房審議官大菅岳史君、外務省大臣官房参事官飯島俊郎君、外務省大臣官房参事官高橋克彦君、外務省北米局長森健良君、文部科学省国際統括官山脇良雄君、経済産業省貿易経済協力局貿易管理部長高田修三君及び防衛省人事教育局長深山延暁君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○今津委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○今津委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松原仁君。
○松原委員 民進党の松原仁であります。 きょうは、まず冒頭申し上げたいのは、北朝鮮側がストックホルム合意をしてから今日まで、何ら誠意ある回答を示していない。一年と言われた期限もとっくに過ぎている。 私は、日本人は我慢強い民族でありますが、怒りを持ってこのことに対して北朝鮮に対してメッセージを発する。それは、ストックホルム合意の破棄というのは極めて重要だと思っております。これは時間が余ったら質疑いたしますが。 そうした怒りの中に、さまざまな北朝鮮に対しての制裁的なことが必要である。しかも、あの国は今、核開発、ミサイル開発をしているわけであって、これ自体、ストックホルム合意違反であります。そのことに絡んで、日本から技術が北朝鮮に流れていたとしたら、ゆゆしき大事であります。国際社会からも許されないことであります。 こういった観点から質問をいたします。 まず冒頭、公安調査庁にお伺いしますが、在日本朝鮮人科学技術協会、これはどういう組織か、お伺いいたします。
○杉山政府参考人 在日本朝鮮人科学技術協会、科協と言っておりますが、これは、在日朝鮮人の科学者、技術者等で構成された、朝鮮総連の傘下にある団体でございまして、その主な活動目的としては、科学技術によって北朝鮮を支援するということであると認識をしております。
○松原委員 略して科協でありますが、その科協が、そういった北朝鮮に科学技術をもって貢献する団体であるとするならば、その科協が、日本のさまざまな公的な、例えば原子力開発機関等にいた場合に、当然、そういった情報、知見、こういったものを、彼らが貢献するべき祖国のために資する可能性があると思っております。 それは、北朝鮮の大量破壊兵器の開発やミサイル技術の進展に寄与するということになって、とんでもない話になるわけでありますが、このことについての公安調査庁の御見解をお伺いいたします。
○杉山政府参考人 科協の関係者が北朝鮮による核及びミサイル開発に関与しているという指摘が報道等でこれまでなされてきたところでございまして、公安調査庁では重大な関心を持って調査を進めているところでございます。
○松原委員 つまり、そのことの有無を含めて調査をしていると。有無、あるかないか。可能性が私は高いと思っておりますが、そのことを含めて調査をしている、こういうことですか。公安調査庁。
○杉山政府参考人 関与の有無及びその態様について調査を進めておるということでございます。
○松原委員 この科協の会長が、北朝鮮側の機関誌の一つに、ウリナラ科学技術ベストテンというのを載っけているんですね。このベストテンの中身が問題でありまして、ことしのベストテン、トップが人工地球衛星打ち上げ成功。これがベストワンに載っているんですよ。 科協においては、こういったロケット技術、ミサイル技術が、データ的に彼らのことしの十大成果の最高位にある。これは我々から見たらミサイルで、許しがたいと言っているものであります。この相関性があるということを、まずもって我々は認識をしておかなければいけない。 次に、警察庁の方にお伺いいたします。 警察庁においては、この略称を科協と言いますが、これをどのような団体と認識をしているか、お答えいただきたい。
○松本政府参考人 お答えいたします。 御指摘の在日本朝鮮人科学技術協会でございますが、これは、北朝鮮と密接な関係を有します朝鮮総連の傘下団体の一つといたしまして、在日朝鮮人の科学者、技術者などで構成される団体であると承知しております。 当庁としては、そのような性格の団体でございますので、公共の安全と秩序を維持するという観点からさまざまな情報収集活動を行っておりますし、また、具体的な刑罰法令に違反する行為があれば厳正に対処する所存でございます。
○松原委員 科協が、その目的として北朝鮮のこういったロケットを含む科学技術の振興に貢献する団体であるということの認識は、当然警察庁もお持ちでしょうか。
○松本政府参考人 情報収集活動の具体的な内容につきましてはお答えを差し控えさせていただきたいと思いますが、過去の事例等を若干御紹介させていただきますと、若干古うございますけれども、平成六年には、ミサイルの研究開発に使われるおそれのあるジェットミルという機械がございますが、そうした機械などが北朝鮮に不正輸出されたという事件を摘発しておりますし、その際には、科協の構成員がこれに関与しているということも明らかになっております。 したがいまして、この科協には一定の科学的知識を有する者がいると考えまして、引き続き徹底して情報収集を行っているということでございます。
○松原委員 改めてもう一回、警察庁広報誌の「焦点」における「先端科学技術等をねらった対日有害活動」について、これは警察庁の広報誌に載っているわけでありまして、このことを、ちょっと前後になるかもしれませんが、もう一回詳しく内容をお伺いしたい。
○松本政府参考人 お尋ねの広報誌でございますが、当庁において出しております「焦点」というもので、過去に、北朝鮮を初めとする先端科学技術収集につきまして特集したものがございます。 それに即して御説明を申し上げますと、我々といたしましては、先端科学技術の調達活動、こうしたものを含めた違法な情報収集という対日有害活動につきまして、事件捜査等を通じて明らかにしてきているということでございまして、具体的な事案といたしましては、濃縮ウランの製造に転用可能な直流安定化電源というもの、あるいは、生物兵器の製造に転用可能な凍結乾燥機といったもの、このような大量破壊兵器関連物資につきましても北朝鮮に向けた不正輸出事案があったということで、検挙、摘発しているということが過去にはございます。
○松原委員 さっき公安調査庁から、科協というのは、北朝鮮の科学技術の進展に貢献する団体であるという認識を公安調査庁は持っているという答弁があったわけであります。今、警察庁からは、具体的な事例として、こういった「焦点」という広報誌にまで載っている対日有害活動というものも御紹介があったわけであります。 常にこういったものは、当然、技術者を介して北朝鮮に技術が流れるというわけであって、ど素人がフロッピーに入れて持っていけば別でありますが、入手する情報源を含めて、しかるべきところにいないとそういった技術は入らないというのは当然だと思っております。 このことについて、どなたか答弁できますか。内調でも結構ですよ、お願いします。
○松本政府参考人 科協の中に一定の知識を持った科学者がいないと科協は情報収集できないということはおっしゃるとおりで、間違いないことだと考えまして、そのような観点から、我々は情報収集をいたしております。
○松原委員 なかなか日本語として途中が大分省略された表現だろうと思いますが、要するに、科協の中にそういった情報収集可能な人間がいて、その結果として、まあ、文脈は続いていませんから責任になりませんから、私が解釈しているんですから、その上で、「焦点」に出るような、日本からの技術が有害対日活動で北朝鮮に行っていると。その技術は当然、ミサイルや核開発に使われている、こういうふうなことになると思います。 この辺の御認識、加藤さん、どうでしょうか。
○加藤国務大臣 一つ一つの具体の話については、ちょっと私も承知をしておりませんけれども、今委員御指摘のように、そうした日本における研究者が、我が国の安全を脅かす可能性のある情報を外国に提供するということはあってはならないことだというふうに認識をしております。
○松原委員 そういう中で、昨今メディアでも既に大分取り扱われております。「正論」の論文で西岡さんが個名まで挙げております。 具体的な中身は、産経ニュースには、京大准教授に対北制裁、核研究で総連系から奨励金受ける、再入国禁止措置の対象に、こうあります。 文章は、核実験や弾道ミサイル発射実験を繰り返す北朝鮮への独自制裁として日本政府が在日本朝鮮人総聯合会幹部や傘下の科協の構成員を対象に実施している北朝鮮渡航後の再入国禁止措置の対象に、京都大学原子炉実験所の男性准教授が含まれていることが明らかになった、准教授は過去云々とあります。 その下のパラグラフには、同実験所は先月、准教授から事情聴取、准教授は、ことし二月中旬に法務省から、北朝鮮に渡航した場合は再入国できないとの通知を受けたことを認める一方、北朝鮮渡航は一度もない、今回の措置について心当たりはないと話した、こういう話であります。 ちょっと順番が逆になりますが、再入国禁止について法務省にお伺いしたい。再入国禁止を通知するということは、その者に対してあるのかどうかお伺いしたい。
○佐々木政府参考人 お答えいたします。 措置の対象者につきましては、政府全体で総合的に判断をしておりますところ、その氏名、肩書、人数等の詳細については、事柄の性質上、お答えを差し控えさせていただきます。 一般論で御説明申し上げますと、今般の措置対象者が既に再入国許可を受けている場合には、入管法の規定により当該許可を取り消し、その旨を当該対象者に通知することになります。 また、今般の措置対象者がみなし再入国許可の対象者であった場合には、同じく入管法の規定によりまして、北朝鮮向けの渡航についてはみなし再入国許可の対象にならないこととなりまして、その旨を当該対象者に通知することになることを御報告いたします。
○松原委員 共同通信の配信記事にもこういうのがありまして、北朝鮮に対する日本政府の独自制裁で、訪朝後の再入国が原則禁止された在日朝鮮人科学技術協会、科協ですね、五人のうち、五人と明確に書いてあります、一人はロケットエンジン開発の権威とされる東大出身の研究者、博士号を持っている、こういうふうに書いてあります。その人間が北朝鮮の金剛原動機という会社の役員を過去やっていたということでありまして、その金剛原動機というのは、日本側が日本の技術が漏れてはいけないというその中の一社になっておりまして、経済産業省が指定している三百九番目の会社になっているわけであります。こういった事実があるわけであります。 京都大学であるとか他の大学や国公立の施設において、日本の技術を勉強しているところにおいて、北朝鮮の科協の人間がいて、それが事実上北朝鮮にそういった技術を持っていくということは、これは国際社会から見ても許されないし、日本の拉致問題という固有の問題がある我々からすれば、絶対に許されないことだろうと私は思っております。 西岡さんの論文では、この具体的な中身がほぼ特定できるわけであります。西岡論文の中では、その名前が明快に記されております。一人は卞哲浩。卞哲浩というのは、京都大学原子炉実験所准教授ということで、記事に該当しているわけであります。徐錫洪というのは東京大学でありまして、エンジン工学の権威である。金剛原動機合営会社にいたということであります。それから、徐判道という名前。あと二名、西岡論文に書いてありますが、こういった人たちは明らかにここに該当しているわけであります。 こういうこと、そして北朝鮮がミサイルを発射していること、北朝鮮の核開発もミサイル開発も日本の技術が行った可能性が極めて濃厚であると私は認識しております。 感想を両大臣にお伺いしたい。
○加藤国務大臣 事実関係に関してはちょっと、先ほど申し上げたように、知る立場ではございませんので、それについてコメントは控えさせていただきたいと思いますけれども、ただ、先ほど申し上げましたように、そうした日本の、特に国公立の研究所等で研究をされている方々が、そこの情報を、特に我が国の安全保障に大変脅威のある国に対して持って出るということは、断固として許してはならない、こういうふうに私は思います。
○岸田国務大臣 まず、我が国の科学技術が流出することによって我が国の国民の命や暮らしや安全保障が脅かされるとしたならば、これはゆゆしきことであり、これは許してはならないことであると思います。 そして、マスコミの報道、そして西岡さんのこの記事についても御指摘がありました。 こうした再入国禁止措置の対象は、関係省庁の情報に基づいて、政府全体として総合的に判断することになりますが、再入国禁止措置の対象になる人物の個人名は、従来からもこれは明らかにしておりません。これを明らかにしますと、この人が対象である、そうすると、それ以外の人間は対象ではないことが明らかになるわけですから、この対象にならなかった人間は安心して行き来ができるということになります。こうした措置の効力を薄めることにもなりかねません。 こうした措置の圧力をしっかり維持するためにも、個人名は明らかにしないというのが再入国禁止措置の従来からの方針であり、今回も個人名を明らかにすることは控えなければならないと思っています。
○松原委員 西岡論文で既に書かれていたので、そのことをあえて申し上げたわけであります。 さて、これは北朝鮮に渡航した場合に再入国禁止ということでありますが、実は、北朝鮮でなくても、第三国においてそういう技術は簡単に相手に渡すことができるわけであります。 ということはどういうことかというと、情報を持ち得るところにそういう者がいるということが、それ自体、もう情報は持って、北朝鮮以外でも、今だったらフロッピーディスクやそういったもので渡せる。その瞬間に警察庁が、おまえ何やっているんだ、こういうふうには言えないわけですから、現実には、情報自体をそういうふうな極めて問題がある可能性がある人たちには渡さないということは、国際社会に対する日本の矜持としてやるべきだろうということを申し上げておきます。 二月の十日に官房長官が記者会見で発表しまして、官房長官はこう言っていますね。第一に、在日外国人の核・ミサイル技術者の、北朝鮮を渡航先とした再入国の禁止を含め、従来より対象者を拡大して人的往来の規制措置の実施をする、こういうふうに官房長官は言っているわけであります。その中で、あえて七番目の項目に今言ったことを入れている、特出ししているわけであります。 このことは当然、今私が申し上げたこと、産経新聞や共同通信のデータもしくは西岡論文と符合する、こういうふうに思っておりますが、そこについての所見というのはありますか。なければ簡単で結構ですが。
○岸田国務大臣 基本的に、先ほど申し上げたように、我が国の科学技術が流出することによって我が国の国民の命や暮らし、安全保障が脅かされることはあってはならないと思います。 そういった問題意識が背景にあるからこそ、今回の措置の中にこういったものも含まれたと認識いたします。
○松原委員 もうちょっと官房長官の認識は厳しい認識だと思いますよ。やはり明らかに、これは他の国々から見たら、米国等から見ても、日本が北朝鮮の核、ミサイルの技術を結果的に流しているんじゃないかというふうな危険性、可能性を踏まえて、だからこそ特出しにして言っているんだと私は解釈しています。極めて好意的に解釈しております。 次に、いわゆる国連安保理決議一七一八、8(a)(2)、もしくは外為法二十五条の二にこうしたことが抵触するかどうか、簡単にお答えいただきたい。
○岸田国務大臣 御指摘の国連安保理決議一七一八号主文8(a)でですが、全ての国連加盟国が、北朝鮮に対する自国の領域を通ずる、または自国民による大量破壊兵器関連の一定の品目や技術の直接または間接の移転を防止すること、これを決定しております。 これに基づいて、我が国においては、国内法において、大量破壊兵器の開発などに転用し得る特定技術を外国において提供することを目的とする取引、これは規制をされているものと承知をしております。
○高木副大臣 ただいま御指摘いただいた問題の中で、大量破壊兵器の開発などに転用され得る特定技術を外国において提供することを目的とする取引は、それを行おうとする者の国籍にかかわらず、これは外為法第二十五条第一項において、経済産業大臣の許可を要することになっておりますので、この許可をとらずに技術を提供した場合は外為法違反となります。
○松原委員 これは懲役七年以下、こういうことでよろしいですか。
○高木副大臣 そのとおりです。
○松原委員 この国連安保理決議に関しては、安全保障理事会または委員会により指定される、北朝鮮の核関連、弾道ミサイル関連またはその他大量破壊兵器の計画に資する品目、資材、機材、物品及び技術と、技術が入っているわけであります。まさにここに抵触をしてくるということを率直に申し上げたいわけであります。 私は、そうした状況の中において、今回のこの事案は、報道がそのとおりであるとすれば、まさにそのとおりの話であって、許しがたいものになるということを申し上げたい。これは、情報を持ってしまえば、北朝鮮じゃなくても、技術であれば、物は違うかもしれない、技術だったらどこでも渡せるわけであります。 そこで、私は申し上げたいのでありますが、日本の公的機関もしくは大学において、大量破壊兵器に資するような先端的技術を科協の人間もしくはそれに類する人間等々がそこで働いて入手をすること自体をやはり抑制しなければ、所期の目的は達成できないと思っております。 安全保障貿易に係る機微技術管理ガイダンスについて、これは外国人と書いてありますが、この外国人というふうなせりふは果たして妥当なのかどうかということを申し上げたいわけであります。 過去において、日本人でも、オウム真理教のような、ああいった極めて悪質な事件も発生をしているわけでありまして。このガイダンスには、外国人、こうなっていますね、機微技術の研究開発に従事する教職員を外国から採用する際には、当該採用者のいろいろなチェックをしなさい、スクリーニングしなさいと書いてある。 これは、いわゆる外国人ではなくて、日本に居住できる人も含めて、日本人を含めて該当させるべきだと思いますが、いかがですか、経済産業省。
○高木副大臣 経済産業省として、大学及び研究機関向けの、安全保障貿易に係る機微技術管理ガイダンスにおきまして、大学等が機微技術の研究開発に従事する教職員を外国から採用する際には、安全保障にかかわる貿易に当たる可能性があるため、当該採用者の経歴などをチェックするように推奨しております。 本ガイダンスはあくまでも外為法で規制される貿易を対象とするものであり、日本国内における日本人の間の知識の交換などについて規律することは法律の授権の範囲を超えております。 ただし、一般論として、大学などにおいて機微技術を適切に管理することを促す取り組みを強化することについては、文部科学省とも相談しながら、さらなる検討を進めていきたいと考えております。
○松原委員 先ほどから言っているように、技術は、それを入手してしまえば、北朝鮮ではなくてもどこでも渡せるし、しかし、これは北朝鮮だけではなくて、オウム真理教のような団体が過去やったようなことは起こり得るわけであります。 したがって、今回、科協の者が二人、三人いたという京都であろうとさまざまな研究機関であろうと原子力の研究機関であろうと、そういった課題がありますが、私はそこは、そういった方々は、申しわけないけれども、悪いけれども、あなた方は極めてリスクがある、したがって、極めて最先端の核技術、ミサイル技術、そこにおいて働くことはできませんよというぐらいのスクリーニングをしないと、ガイダンスだけでは不十分だと思うんですよ。そういうスクリーニングをしないと、第二、第三のこういった日本技術が移転される可能性というものは否定できないわけであります。 文部科学省と経済産業省の決意をお伺いしたい。
○義家副大臣 国立大学法人における教員の採用については、教育研究実績に鑑み、各大学の責任と判断で行われるものでありますが、関係機関からの情報が行われ、例えば国家の安全保障の観点で考慮が必要な場合には、必要な対応がとられるべきものと考えております。
○高木副大臣 経産省としても、文科省と協力して、大学並びに研究機関に対して、ガイダンスも含めて輸出管理に関するさまざまな普及啓発活動をこれまでも行ってまいりましたけれども、今御指摘いただきましたし、今後、文科省と協力して、採用時により慎重な経歴などの確認をするよう、大学等への働きかけをさらに強化していきたいと思います。
○松原委員 例えば、反社会的勢力に対して口座を開かせないというのが今あります。同じような話ですよ。それは公安調査庁や警察庁の助言が必要になります。 公安調査庁、警察庁、これに対してスクリーニングの依頼があった場合はきちっと助言できるかどうか、お答えいただきたい。
○杉山政府参考人 スクリーニングというのがどのような項目についてどのような情報を提供しろということなのか明らかでないので、一概にお答えすることは困難ですけれども、法令の範囲内で可能な協力はしていきたいと思っております。
○松本政府参考人 スクリーニング制度につきましては、どのような項目についてということを現時点まだ伺っておりませんので、一概にちょっとお答えはできないんですが、所管の省庁から御相談があれば、我々としても適切に対処してまいりたいと考えております。
○松原委員 これは、両大臣、やらないといかぬですよ。やはり、それは研究の自由というのは本来あるけれども、これだけ世の中物騒になっている中において、そういうふうに北朝鮮のような国家があると。 僕は文科省の答弁は非常にいいと思います、前向きにやると。だから、前向きに仕組みをつくってくださいよ、仕組みを、システムを。いわゆる独立行政法人の国立大学においては、そういった科協の人間を含む、それだけではないですよ、さまざまな人間がそういうふうに情報を持っていくことを不可能にさせてほしい。 経済産業省は、高木さん、決意の表明だと私は思っていますから。きちっとこれは、そうしないと、国際社会からどうなっているんだということになりますよ。
○高木副大臣 済みません。先ほど外為法の罰則で七年と言いましたけれども、これは十年以下ということで、訂正させていただきます。 もう一つ、今言われたように、この問題というのは大変重要な問題と思いますので、さらに文科省、経産省、連携を密にしながらこの問題に取り組んでいきたいと思います。
○松原委員 これがきちっとできるようにならないと、やはり、拉致問題で地政学的にも一番北との対峙をしなければいけない日本として、何だということになると思うんですよ。こういうスクリーニングする体制ができて、就職するときに事前チェックをする。やはり危険があるわけですから、それを思い切ってやる。安倍さんはそれに対して賛同すると思いますよ、恐らく。わからないけれども。 このことは、今言った国連の安保理決議の一七一八の8の(a)の(2)を貫徹するためにも絶対必要だと思います。 外務大臣のこのことに関する見識と所見と決意をお伺いします。
○岸田国務大臣 外務省の立場からしましても、この安保理決議の実効性をしっかり確保するために取り組みを進めていくということは大変重要だと思います。 そのために、スクリーニングというもの、具体的にどうするかということについては関係省庁とよく連携しなければならないと思います。 安保理決議の実効性確保の観点から、しっかりと連携させていただきたいと思います。
○松原委員 今の岸田外務大臣の発言は、そうした、私が問題意識として持ち、個別の具体的なことはお立場上言えなかったけれども、今のこの西岡論文や産経新聞の報道を見ても、マスコミは全部流していますから、このことに関して強い問題意識を持ち、日本が国際社会の国家の一員としてきちっと対応する、同時に、拉致問題がある国家としてきちっと対応する、その強い意思の表明と受けとめて、ゆめゆめ将来日本の技術が行ったということが証明されないように、ぜひ早い段階でこのことを実行していただきたい。要請申し上げまして、私、松原仁の質問を終わります。 以上です。
○今津委員長 次に、村岡敏英君。
○村岡委員 民進党、村岡でございます。 きょうは拉致特別委員会で、今国会初めてということですけれども、この問題は本当に国家にとって、国民の生命と財産を守る、この基本が失われているということで、大変重要な問題で、この国会で開かれたことを委員長初め理事の皆さんに感謝いたします。 そこで、私も国会議員になる前、自分の地元で、由利本荘市というところで救う会というのを立ち上げて、その代表もやっておりました。その当時、めぐみさんの弟さんや、また調査会の荒木会長や、いろいろな方々が来ていただきました。そして、その方々から、DVDや何かを一般の市民の人にも見ていただいたわけですけれども、この拉致の問題が全国的に、もちろん救う会はあるんですけれども、その関心度が低くなってはいけない。やはり日本人として、自分の自由を奪われ、北朝鮮で拉致されて本当に助けを待っている、そしてまた、その被害者家族の人たちはいわれなきことを言われてずっと過ごしてきた、このことを忘れちゃいけない、こう思っております。 そして、私も一つあるのが、梶山自治大臣だったときに、初めて国会で疑いがあるということを政府が表明したわけですけれども、それから小泉訪朝までの間、なかなか進まなかった。私も官房長官秘書官をやっていたわけですけれども、いろいろな問題のときにそれが中心的な課題にならなかったことは、やはりその当時の政府側の方のスタッフですけれどもいて、大変じくじたる思いがあることが現実であります。 やはり、このことは政府が真剣に取り組み、そして国民にも、この問題は解決しなければならない、北朝鮮は絶対許さない、この表明をしっかり両大臣にしていただきたいんです。そして、このテレビは日本国民だけじゃなく必ず北朝鮮も見ています、そこに強い姿勢を両大臣からまずは表明していただきたい、こういうふうに思っております。
○加藤国務大臣 拉致は、これまでも申し上げておりますように、我が国の主権を脅かすものであり、さらに拉致被害者の方々の夢のある人生を断ち切り、そして家族との大事な時間さえ奪ってしまう、まさに人権、人道上許し得ない、こうした行為だというふうに認識をしております。 そういう中で、既に拉致が行われてからもう四十年以上たっているわけでありまして、拉致被害者その方御自身、そして家族の方も高齢化が進んでおります。もう一刻の猶予もならない、こういう思いで、一日も早い拉致被害者の全ての方の帰国に向けて、我々として、政府の責任において、また安倍内閣においては優先する課題として取り組んでいきたいというふうに思います。 そういう中におきましても、今お話がありましたように、我々の一挙手一投足を向こうは見ているわけであります。政府として一体として取り組むと同時に、やはり国民の皆さんからも、拉致の問題は許せない、そしてこの問題が解決しなければ何も進まない、そういう思いをしっかり共有していくことも必要だ。 そういった取り組みも含めて、さらには、今回、ニューヨーク、ワシントンでも行いました、国際社会あるいは関係国との連携をしっかり進めながら、そうした圧力のもとで、今申し上げた一日も早い帰国に向けての流れをしっかりとつくっていけるように努力をしていきたい、こう思っています。
○岸田国務大臣 この拉致問題は、国家の主権にかかわる問題であり、また国民の命、そして安全にかかわる重大な課題であり、今の内閣にとりましても最重要課題の一つであると認識をしております。 その中にあって、我が国はこの拉致問題に今日まで取り組んできましたが、今現在、全ての拉致被害者の方々の帰国が実現していない、それのみならず北朝鮮が次々と挑発行為を繰り返している、この現状についてまことに遺憾に思いますし、これは絶対に容認してはならないということを強く思います。 外交の立場からも、この北朝鮮との二国間関係はもちろんでありますが、国際社会を巻き込んで、しっかりとした決意を示さなければなりません。総理も私も、あらゆる機会を捉えて、北朝鮮問題、拉致問題を各国に訴え続けております。 ぜひ、この強い意思をこれから示しながら、具体的な結果に結びつけるよう、最善の努力を続けていきたいと考えます。
○村岡委員 その決意は、常に、北朝鮮に向けても、そして国民にも、この問題を解決しなきゃいけないんだということをぜひ訴え続けていただきたい、こう思っております。 というのは、A氏という料理人が指導者と会ったということですけれども、日本の評判はどうだったとお聞きしたとテレビでは報道しています。その中で考えれば、最悪の最悪なんです。この問題を解決しない限り、北朝鮮は決して国際社会の中で一緒にはなれないんだ、こういう強いメッセージをしっかりと発信していただきたい、こう思っております。 そして、国民の皆さんと共有するのは、即位二十周年のときの天皇皇后両陛下のお言葉です。それまでの間、我々同胞の日本人が北朝鮮に拉致されていたということを思いやらなかった。それがこのような結果を招いて、そして何十年も北朝鮮に拉致されている。 この状況をやはりしっかりと日本人が認識して、自分たちの、日本人の同胞を助けるんだという思いを常に言い続ける、そして、これがなければ北朝鮮は、国際社会には日本が、そして世界の人たちが入れないんだということのメッセージをぜひ発し続けていただきたい、こういうふうに思っております。 そして、先ほど松原委員からもありましたが、ストックホルム合意から二年、このストックホルム合意を約束違反、ほごにしているのは北朝鮮だということはわかっております。しかしながら、このストックホルム合意は北朝鮮は守るんだという踏み込みの中で、北朝鮮がこういう結果になったことに対して、外務大臣はどのように思われているでしょうか。
○岸田国務大臣 まず、拉致問題を含む北朝鮮問題について、我が国としましては、対話と圧力、そして行動対行動、この原則に基づいて対応してきました。 その中にありまして、この拉致問題は、全ての拉致被害者の方々の帰国を実現しなければならないという問題の性質上、対話という要素がなくてはならない、こうした課題でもあります。 そして、北朝鮮は、拉致問題は解決済みというかたくなな態度をとり続けてきました。この北朝鮮に対して、かたく閉ざされた交渉の扉を開き、一昨年三月、一年四カ月ぶりに対話を再開いたしました。その結果として、その五月にストックホルム合意が結ばれました。そこで全ての日本人に関する包括的、全面的な調査を約束させたわけです。 にもかかわらず、今日まで全ての拉致被害者の方々の帰国が実現していないことはまことに遺憾なことでありますが、引き続き、北朝鮮に対しましては、対話と圧力、厳しい圧力はもちろん必要です。ただ、一方で、拉致問題を解決する対話という要素がどうしても必要になってくる。このことを考えますと、同時に、対話の窓口を我が国から閉ざすということはしてはならないと思います。 ぜひ、今、国際社会を挙げて北朝鮮に対して強い圧力をかけています、この圧力の実効性を確保し、その反応等もしっかり見ながら、具体的な、より効果的な対応を引き続き、絶えず検討していかなければならない、このように考えます。
○村岡委員 そのストックホルム合意から、約束違反、そして卑劣な行為をしているのはもちろん北朝鮮なんですが、しかし、二年近くたつ中、一向に進まない。やはり、そこは、どういう攻め方をするのかということをもう一度、戦略見直しというのも必要だと思うんです。やはり、一刻の猶予もならないということですから。 その点では、拉致担当の加藤大臣はどのように思われているでしょうか。
○加藤国務大臣 今、岸田外務大臣からもお話がありましたけれども、まさにこの間の経緯というのは、残念ながら、遺憾としか申し上げられない。拉致被害者の方の帰国が実現するわけでもなく、また、それに向けての具体的な見通しを見出しているわけでもないというわけであります。 そういう中で、先般の核、そしてミサイルの北朝鮮におけるそうした動向を踏まえた国連での決議、あるいは我が国の独自の措置、こうしたことを踏まえて、こうした圧力の中で、逆に、対話、そしてその中においてこの拉致問題の解決、そのチャンスというものをしっかりと見出していきたい、この圧力の中でそうした対応を引き出していきたい、こういうふうに考えております。
○村岡委員 行動対行動、対話対対話とも続けていくということですけれども、全部は言えないことはわかっています。 しかしながら、戦略をしっかりと立てていかなければ、卑劣な行為をしている北朝鮮ですから、それは、拉致被害者のことを調べると言っておきながら、ミサイルを発射し、核開発をして、どんどん、むしろ国際社会に対して拉致問題がなかったかのように、ミサイルや核の問題だけに絞り込まれて、我々日本、この拉致された、また世界にも拉致された方々がいますけれども、そのことを忘れさせているような形になっていることに対し、しっかりとした行動をとっていただきたい、こう思っています。 そこで、今、北朝鮮で労働党大会がありました。体制的には変わらないわけですけれども、この中で、核は、保有国だと言いながら、そして核をなくすために努力すると相矛盾することを言っている北朝鮮に対して、日本政府としてどのように考えているか、岸田外務大臣に。
○岸田国務大臣 御指摘のように、北朝鮮の第七回党大会が先日開催され、党の活動総括報告の中で、安保理決議あるいは六者会合共同声明を遵守することなく、核武力を質、量的にさらに強化していく意思を示した、このことはまず断じて受け入れることはできません。北朝鮮は一方的な主張を行う前に、安保理決議等を遵守し、みずからの非核化を実現する必要があります。 ぜひ、こうした安保理決議、そして六者会合共同声明、さらには日朝平壌宣言、こうした国際的な約束をしっかり果たすべく、国際社会と協力して圧力をしっかりかけていかなければならない、このように思います。こうしたさまざまな決議等の誠実かつ完全な実施を求めていきたいと考えます。
○村岡委員 加藤大臣にお伺いしたいんですが、もちろん、国際的な平和の中で、核の問題、ミサイルの問題、大事です。しかし、家族会の方が心配しているのが、拉致の問題がその陰に隠れてしまうんじゃないか、そこの不安があるわけです。そこに対して、家族会にどのような御説明をし、また、その方々に説明していくのか、ちょっと加藤大臣からお願いします。
○加藤国務大臣 家族会の方などにおいてもそうした御懸念を持っておられるということは、承知をしております。 ただ、この最近の流れ、先ほど申し上げた我が国の北朝鮮への措置、あるいは国連での決議において、もちろん直接としては核開発あるいは弾道ミサイルの開発ということがあるわけでありますけれども、その大要においては、やはり拉致問題があるということ、あるいは人権状況が改善されていないということが明確に言われているわけでありまして、まさにこうした核やミサイルの問題が問題化されると、それに比例して、この人権に関する問題に対する国際社会の関心というのも高まってきているわけでありまして、むしろ、全体としてまた人権状況をしっかり改善していこう、こういう動きが出てきているわけであります。 こういう動きは、先ほど申し上げました、まさに国際社会の圧力、こうした核、ミサイルのみならず人権に関する圧力、この高まりの中で、対話を行いながら、拉致被害者の方々の一日も早い帰国に向けてしっかりと取り組ませていただきたい、こう思います。
○村岡委員 家族会の方々にはしっかりとそこの御説明をお願いしたい、こう思っています。 そこで、先ほど加藤大臣からもありましたけれども、六カ国の中で協議していて、やはり最重要に北朝鮮に圧力をかけられるのは、日本ももちろんアメリカもですが、中国、こういうふうな形で報道も、そして六カ国の中もそう思っています。北朝鮮も、当然、一番貿易が、九割という中でやっていますから。この中国に対して、中国が一緒になって北朝鮮の拉致の問題、核の問題、ミサイルの問題、この点に関しては、外務省として、外務大臣、どのように取り組んでおられるか、お聞かせください。
○岸田国務大臣 御指摘のように、中国は安保理常任理事国であり、六者会合議長国でもあります。そして、御指摘のように、現状で北朝鮮との貿易の約九割を占めています。中国の役割は極めて重要だと思っています。 まず、今回の安保理決議二二七〇を受けて、中国外交部の報道官は、真摯かつ全面的に決議を執行する旨発言をしています。また、日中外相電話会談等の機会を通じて、安保理決議を厳格に履行していく、こういった確認も行っています。そして、安保理決議の履行の実効性を担保するために、国連の安保理の下には北朝鮮制裁委員会という委員会が設けられます。それから、専門家パネルも設けられます。この専門家パネルの中には日本人も参加しています。 こうした体制で、ぜひ、国連の場においても中国を初め多くの関係国の決議の履行状況をしっかり確認する、こういったことに貢献することも重要なのではないか、このように考えます。 こういったさまざまな観点から、中国の協力、制裁の履行の重要性をしっかり注視していきたいと思います。
○村岡委員 加藤大臣にお聞きしたいんです。 先ほど、松原委員の中で科協の話がありました。それは、具体的に名前を伝えると、それに外れているということで逆に安心されるということがありました。 ただ、それが本当に効いているのかどうか、ほかに戦略がないのか。例えば、人数というのを少し多目に言うという戦略もあると思う、誰か特定はされないけれども。やはりそれだけ見ているんだという何かメッセージをしないと、科協の人たちが、そのまま、自分たちは監視されているんだという思いのある人もいるけれども、思いのない人もいる。 そういう中でいくと、全面的な抑止力になっているかどうかというのが、何か違う戦略を考えながら、北朝鮮に協力する人たちに対してはメッセージを出さなきゃいけない。その点は何か考えていらっしゃるでしょうか。
○加藤国務大臣 制裁そのものは政府全体として議論しているところでございますので、今の段階で、新たなものを具体的にという状況にはないというふうに承知はしております。 ただ、今申し上げたように、この拉致の問題に対することも含めて、北朝鮮側の対応をしっかり見きわめながら、必要な措置はしっかりとっていかなければならない、そして、その中で、拉致問題の解決、すなわち一日も早い拉致被害者の全ての方の帰国、これを実現すべく取り組んでいきたい、こう思っております。
○村岡委員 このストックホルムの合意をしてもう二年になるという中、全然進んでいないということは、拉致されていた、北朝鮮におられる方々も大変不安に感じていると思います。また、拉致被害者の家族の方々も不安に感じています。 新たな制裁措置をやっているわけですけれども、これはやはり対話を重ねながら制裁を、相手に有効な制裁をとらないと、結局相手はもう逃げ道を持っている、こういう状態ですから、その点はしっかりとやっていただきたい、こう思っております。 これは、全国で拉致の被害者の疑いがある人がもう八百名を超えている。我が秋田県にも、濃厚だと言われている方々が五名います。 そういう意味では、全国にかかわる人たちが北朝鮮に拉致される可能性がある、こういう状況ですから、ぜひともここは、二人の大臣にも、そして総理にも、最重要課題という方針なんですから、もっとメッセージを強くやっていただきたいということを述べて、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○今津委員長 次に、菊田真紀子君。
○菊田委員 民進党の菊田真紀子でございます。 北朝鮮は、ことし一月に四度目となる核実験を実施し、その後も弾道ミサイル発射を実施するなど、我が国と東アジアの平和と安全にとって重大な脅威を繰り返しています。 このため、我が国は独自の対北朝鮮措置を決定しましたが、北朝鮮は、日本がストックホルム合意の破棄を公言したことになると一方的に主張し、二月十二日、拉致被害者を含む日本人行方不明者の調査の全面中止と特別調査委員会の解体を発表しました。 外務大臣に確認をいたします。ストックホルム合意は今でも有効なのでしょうか。 政府は、拉致問題の解決に向け全力を尽くすと繰り返し述べ、対話と圧力、行動対行動の原則を貫くとしていますが、さきに開催された朝鮮労働党大会において、金正恩第一書記は、責任ある核保有国であると改めて公言しており、核開発を推進する姿勢を見せています。 北朝鮮がストックホルム合意を一方的に破棄し、拉致被害者の帰国に向けた進展が全く見られない現状において、日本政府はどのように働きかけていくのでしょうか。北朝鮮のペースに乗せられて、これ以上時間を無為に費やすべきではありません。具体的に期限を区切って、北朝鮮に対してもっと強力に圧力をかけながら交渉すべきではありませんか。 外務大臣の見解をお聞かせいただきたい。
○岸田国務大臣 幾つか御質問いただきました。 まず、ストックホルム合意についてですが、北朝鮮が一方的に、我が国がストックホルム合意を破棄したことを公言したことになると主張していること、これは全く受け入れることができないと思っています。 先ほど申し上げたように、拉致問題を解決するためには対話という要素が必要になります。我が国としましては、引き続き、対話と圧力の方針のもとで北朝鮮に強い圧力をかけながら、一方で、対話の窓口を我が国から閉ざすということはしてはならないと考えています。ストックホルム合意に基づいて、引き続き我が国は主張を続けていかなければならないと思います。 そして、今回の朝鮮労働党の第七回党大会において、引き続き、核開発、ミサイル開発を続けるということを公言したことについては、これは断じて容認することはできないと考えています。累次の安保理決議、六者会合声明、日朝平壌宣言等に反するものであり、これはまことに遺憾であり、容認することはできません。 そして、これからどうするかということですが、まずは、今、各国が独自の措置をことしに入ってから発表しました。そして、強い内容の安保理決議が採択されました。この実効性をまず確保することが重要であると思います。そして、この実効性をしっかり確保した上で、北朝鮮がその結果を受けてどう対応するのか、これをしっかりと見きわめていかなければなりません。その上で最も効果的な対応を考えていく、これが我が国に課せられた北朝鮮に対する対応の大変重要なポイントではないか、このように考えております。 それから、期限を区切るべきではないかという御質問がありました。 最も大切なことは、一日も早く全ての拉致被害者の方々の帰国を実現するということであります。そのために何が効果的なのかということを絶えず考えていかなければならないと思います。今の現状において何か具体的な期限を設定するということが効果的なのかどうかは、なかなか判断が難しいと思います。 いずれにせよ、今言った方針のもとで具体的な対応は考えていきたいと存じます。ただ、今現在、具体的な期限は考えていないというのが政府の方針であります。
○菊田委員 もう二年近く北朝鮮は約束を全く果たしていないわけでありますし、本当に、被害者の御家族の皆さん、そして多くの国民の皆さんがじりじりとした思いで待っているわけでありますので、私は、交渉事ですから、やはりここは期限をしっかり区切って、いつまでに返事を出せ、誠意ある態度を見せろと言うことが、今やるべき交渉ではないかと思うんですが、改めて、大臣、いかがですか。
○岸田国務大臣 委員のおっしゃるような御指摘をほかからも受けることがあります。こういった御指摘も踏まえて、何が最も効果的なのか、政府としても真剣に対応を考えていきたいと思います。
○菊田委員 三十六年ぶりとなる朝鮮労働党大会におきまして、金正恩第一書記は、拉致問題には何ら言及をいたしませんでした。その一方、日本について、我が民族への過去の罪悪を反省し、謝罪すべきで、南北統一を妨害してはならないと述べたと報じられています。 二〇〇二年九月の日朝平壌宣言では、「日本側は、過去の植民地支配によって、朝鮮の人々に多大の損害と苦痛を与えたという歴史の事実を謙虚に受け止め、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明した。」とはっきり書かれています。拉致問題については一言も記述がないのに、日本は北朝鮮に対して過去の植民地支配について文章で明確に謝罪をしているんです。 今回の金正恩第一書記の発言は、この平壌宣言における日本の表明を無視するものであり、到底受け入れられません。政府として強く抗議すべきと考えますが、外務大臣の見解を求めます。
○岸田国務大臣 五月六日から九日にかけて行われました第七回朝鮮労働党大会におきまして、御指摘のように、金正恩第一書記は、過去の罪悪について反省、謝罪し、さらには朝鮮統一を妨害してはならない、こういった旨述べました。さらには、日本については、朝鮮半島に対する再侵略野望を捨てるべきだ、こういった発言もありました。 こうした主張、朝鮮半島に対する再侵略野望などの発言は全く根拠がないことでありますし、反省等の発言につきましても、日朝平壌宣言に明記されている内容を踏まえない一方的なものである、断じて受け入れられないと考えます。 抗議するべきだという御指摘がありました。我が国として今御指摘があった文言は決して受け入れることはできないわけですが、具体的な核実験あるいは弾道ミサイルの発射等においては、我が国は適切に抗議をしております。 一方で、我が国に対するさまざまな北朝鮮のコメントは、日々、絶えずさまざまなコメントが、いろいろな場で、いろいろな形で北朝鮮側から発せられています。その一々について全て抗議するというような対応はまだ、今現実では行っていないということであります。 ぜひ、重要なポイントにおいて、必要に応じて適切な抗議は続けていきたいと考えます。
○菊田委員 私は、断じて受け入れられないということをきちっとやはり政府が、抗議をしなければ相手には何も伝わらないわけですから、何か、日本という国は何を言っても何をしても何の行動も示さないのではないかと見られることが一番リスクだというふうに思いますので、しっかり抗議をしていただきたいというふうに思います。 冒頭、加藤大臣より、今回の訪米報告がありました。 四日、ニューヨークの国連本部において北朝鮮の人権侵害に関するシンポジウムが開催をされ、拉致被害者の家族の方々も参加されました。国連本部において拉致問題担当の加藤大臣が発信をされたことは大変意義深いことだというふうに評価をしたいと思いますが、その上で、政府の役割は、発信にとどまらず、それを具体的な外交交渉につなげていくことではないでしょうか。 平成二十六年の国連総会決議は、拉致問題などを含め、北朝鮮の人権状況について、安保理が国際刑事裁判所に付託することを含め、行動するよう勧告をしています。北朝鮮はICC非締約国ですが、北朝鮮による人道に対する罪を、安保理決議によってICCの検察官に付託することは可能なはずです。 まず、政府参考人にお伺いしますが、これまでICCに加盟していない国の事案が安保理決議によってICCに付託された前例について、簡潔にお答えください。 その上で、加藤大臣が参加をされたワシントンでのシンポジウムにおいても、韓国の李政勲人権大使が、北朝鮮の人権侵害に関する金正恩第一書記の責任追及のためICCに付託すると迫ることの有効性を指摘したというふうに報じられております。 北朝鮮に対してより強力な圧力をかけるため、安保理メンバーである日本は、拉致問題がICCに付託されるよう積極的な外交を展開すべきだと考えますが、続いて外務大臣の見解をお聞かせください。 また、拉致問題をICCに付託する安保理決議はこの問題の解決に有効と考えるのかどうか、加藤大臣にも御見解をお伺いいたします。
○飯島政府参考人 お答え申し上げます。 今私の手元にございます資料におきましては、ICCにおきましては、二〇〇二年の設置以来、十の事態、具体的には、中央アフリカで二件、コートジボワール、リビア、スーダン・ダルフール、コンゴ民主共和国、マリ、ケニア、ウガンダ、ジョージアについて管轄権を行使しておりまして、このうちコンゴ民主共和国の三つの事件が結審しております。中央アフリカの一事件につきましては、第一審裁判部の判決が言い渡されたところでございます。
○岸田国務大臣 御指摘のように、昨年十二月に国連総会で採択された北朝鮮人権状況決議では、北朝鮮の人権状況のICCへの付託の検討等を含め、安保理が適切な行動をとることが促されております。 安保理によるICCへの付託については、ICCローマ規程では国連憲章第七章の規定に基づく安保理決議が必要である、このように規定をされています。この決議を採択するには、全ての常任理事国の同意が必要であるという現実があります。こうした現実を前にして、我が国としては、ぜひ安保理のメンバーとして他の関係国としっかり協議を行っていきたいと考えます。
○加藤国務大臣 昨年十二月の国連総会決議、そして本年三月に国連人権理事会で採択された北朝鮮人権状況決議では、さきの国連総会決議を歓迎するとともに、説明責任の問題に重点的に取り組む独立した専門家グループ、これはICCの役割を含めて、北朝鮮における人道に対する犯罪の被害者のために、真実と正義を確保するための実用的な説明責任メカニズムを勧告するとされているところでございます。 安保理におけるICCへの付託について外務大臣から今お話がございましたけれども、まず、今後設置される専門家グループに対して、同グループの独立性は当然尊重していかなければなりませんけれども、可能な限りの協力を行い、緊密な連携を図りつつ、そうしたメカニズムを進めていけるよう我が国としても努力をしていきたい、こういうふうに思います。
○菊田委員 ありがとうございました。 全ての常任理事国の承認が要るということで、これは確かに簡単なことではないということは承知をいたしております。しかし、日本が声を上げ続け、行動をし続け、そして動かそうという努力を続けることが、北朝鮮に対する一つの圧力につながるというふうに私は思っておりますので、ぜひしっかりお取り組みをいただきたいというふうに要望いたします。 国連以外の場でも、北朝鮮に対する国際的圧力を高めることは重要です。ことし、我が国が主催をする重要な国際会議として、今月末のG7伊勢志摩サミットがあり、また八月にはケニアで開催される第六回アフリカ開発会議がありますが、いずれの機会においても、首脳宣言に拉致問題に関する力強いメッセージを盛り込んで、そして国際社会にアピールすべきだと考えます。 昨日の一部報道によりますと、安倍総理は、伊勢志摩サミットにおいて、北朝鮮の核それからミサイル開発問題を主要議題として取り上げ、首脳宣言に北朝鮮への強い非難を明記する方針を固めたと報じられていますが、事実関係についてまず伺いたいと思います。核、ミサイルとともに、拉致問題についても取り上げるつもりはないのでしょうか。 TICADの主要テーマはアフリカにおける貧困の撲滅であり、拉致問題が議題として取り上げられたということはこれまではなかったと承知をしておりますが、貧困問題と人権状況の改善は普遍的な課題でありますし、かつ表裏一体の問題であります。五十三ものアフリカ諸国の支持と理解を得ることは、国際的な対北朝鮮包囲網を構築する上で極めて有効であると考えますが、外務大臣の見解をお伺いいたします。
○岸田国務大臣 今回のG7伊勢志摩サミットですが、サミットの成果文書については、これは各国でこれから議論するわけですので、予断を持って申し上げることはできませんが、少なくとも、八年ぶりにアジアで開催されるG7サミットでありますので、アジアの問題がしっかり取り上げられる、これは当然のことだと思いますし、アジアの問題の中でもこの北朝鮮問題は最も重視される話題であると認識をしています。よって、核、ミサイルのみならず、拉致問題を含めて、北朝鮮問題はしっかり議論されることになると考えています。 そして、TICADの取り組みですが、人道あるいは人権、こうした問題はアフリカ諸国にとっても大変重要な問題であると認識をしております。そして、我が国は、さまざまな機会を捉えてアフリカ諸国に対しましてもこの拉致問題をしっかりと伝え、理解と支持を求めてきました。 ぜひ、今回のアフリカ首脳が一堂に会するTICADの機会を活用して、引き続き、こうした拉致問題を含む人権、人道問題についてもしっかりと連携をしていきたいと考えます。
○菊田委員 残された時間はそう多くありません。ぜひ政府挙げて、安倍内閣のうちにこの問題は必ず解決をするんだとおっしゃっていただいております、本当に国民の皆さんも私たちも期待をしております、一日も早く全ての拉致被害者の皆さんがお帰りになられるように全力を挙げて取り組んでいただきますよう要望いたしまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○今津委員長 次に、笠井亮君。
○笠井委員 日本共産党の笠井亮です。 冒頭、岸田外務大臣に質問いたします。 オバマ米大統領が、来る五月二十七日、現職のアメリカ大統領として初めて被爆地広島を訪問することになりました。ホワイトハウスは、核兵器のない世界を追求する取り組みを強調するための歴史的な訪問であり、未来に焦点を当てた前向きな展望を打ち出すとしております。 今回の広島訪問は、まさに重要な前向きの一歩であり、被爆の実相をじかに知ってほしいという被爆地の、そして被爆者の願いに応えるものでもあるというふうに思いますが、大臣の所見を伺いたいと思います。
○岸田国務大臣 このたび、オバマ大統領が、伊勢志摩サミット終了後、被爆地広島を訪問することが発表されました。 この訪問は、犠牲になられた方々を追悼することとあわせて、核兵器のない世界を実現しようとする国際社会の機運を再び盛り上げるための重要な機会であり、歴史的な訪問になると考えます。日本政府としても、これは歓迎をしております。 この核軍縮・不拡散の国際的な動きにつきましては、昨年、五年に一度のNPT運用検討会議も開催されましたが、結果として、核兵器国と非核兵器国が鋭く対立して、成果文書すら採択できなかった、こうした残念なこともありました。 こうした、しぼんでいる、核兵器のない世界をつくっていこうという国際社会における機運を、ぜひ、この訪問を一つのきっかけとし、再び盛り上げる、反転攻勢に転ずる、こうした機会になることを期待しております。
○笠井委員 今回の重要な前向きの一歩を、まさに核兵器のない世界につなげるためには何が必要か、そこが大きな問題になってくると思います。 この間、核兵器禁止条約の国際交渉開始を求める世界の流れというのは力強く前進している。今大臣が言われた昨年のNPTの運用検討会議、再検討会議では、加盟国の多くが核兵器の禁止、廃絶の法的枠組みづくりに賛同すると。そして、十二月の国連総会は、核兵器のない世界を実現するための法的措置を議論する作業部会の設置を決議いたしました。 ホワイトハウスのアーネスト報道官は、五月十日の記者会見で、オバマ大統領は核兵器のない世界というみずからの目標の実現に向けて前向きなメッセージを発信する意向だというふうに述べました。 そうであるなら、核兵器禁止条約の国際交渉の開始を求める世界の声に背を向けてきたようなこれまでのアメリカ政府の態度、あるいは日本政府もそれと同じような態度をとっていますが、それを改めることが必要だと思うんですけれども、岸田大臣、いかがでしょうか。
○岸田国務大臣 今日までの核軍縮・不拡散の取り組みを振り返るときに、核兵器国と非核兵器国が協力しなければ結果につながらないということをたびたび痛感してきました。 核兵器のない世界を目指す、これは、アメリカも含めて多くの国々がこの大きな理想には共感しているわけですが、そのための、結果を出すための努力をしなければならない、このように考えます。 先日のG7外相会談においても、核兵器国と非核兵器国両方が含まれるG7の枠組みで、広島宣言という強い決議を発することができました。 そして、今回、もしオバマ大統領の広島訪問が実現すれば、核兵器国のリーダーと非核兵器国のリーダーがともに被爆地を訪問する、こうしたことになるわけでありますが、こうした取り組みを通じて、ぜひ、国際社会に核兵器国と非核兵器国の協力を促していく努力が重要になる、こうしたことを促していくことを行っていきたいと強く考えます。 ぜひ、そういった観点から、具体的な対応について考えるべきであると思います。
○笠井委員 核兵器のない世界は一致してみんなでやらなきゃできないわけですが、そのためにもということでいうと、具体的な手だてということでこの間日本政府あるいは核保有国が言っていたのはステップ・バイ・ステップという話になるわけで、そういう考えでいくというのは、それこそやはり核抑止力の考え方にしがみついた核軍事の均衡論であって、歴史的に横行してきた核保有国を合理化するそういう理屈になってくる。 結局、そういう中で、核兵器国と非保有国の間の橋渡しというようなことで日本政府なんかも言われて、いろいろ行動もされるわけですが、結局のところ、では、そういう中でどうするかというと、核保有国の代弁者としての役割を例えば作業部会なんかでも務めているということになります。 アメリカ大統領の初の広島訪問という重要な前向きの一歩を踏み出す歴史的な機会だからこそ、広島、長崎を体験した日本の政府が、やはりそういう点ではきっぱりと、アメリカの核の傘に頼るという態度をやめて、核抑止力への固執をやめて、核兵器禁止条約の交渉開始の流れにともに加わるようにアメリカに対しても働きかける、みずからもそういう立場に立つということが大事だというふうに思います。 この問題は、さらにいろいろな機会にまた議論していきたいと思います。 さて、北朝鮮問題ですが、北朝鮮の金正恩第一書記は、先日の朝鮮労働党大会で、責任ある核保有国として核・ミサイル開発を継続する姿勢を示しました。国連決議や六カ国協議の共同声明、あるいは日朝平壌宣言に反するこうした主張というのは、断じて容認できないと思います。 改めて、岸田大臣の所見をこの点で伺いたいと思います。
○岸田国務大臣 今回の第七回朝鮮労働党大会において、核武力を質、量的にさらに強化していく意思、また、いわゆる衛星の打ち上げを継続する姿勢、こういったものを強調したこと、これは断じて受け入れることはできません。これは、累次の国連安保理決議違反であり、六者会合共同声明にも反しますし、日朝平壌宣言にも反するものであると考えます。断じて容認できないと考えます。 北朝鮮は、こうした一方的な主張を行う前に、一連の安保理決議等をしっかり遵守し、みずからの非核化を実現するとともに、弾道ミサイル計画を放棄する、こうした必要があると考えます。 ぜひ、国際社会と連携しながら、この安保理決議等を誠実に、そして完全に実施するよう求めていかなければならないと思いますし、一方で、いかなる事態にも対応できるよう、情報収集、警戒監視等には万全を期していかなければならない、このように考えます。
○笠井委員 岸田大臣はこの間、四月のたしか二十九日から五月一日ですか、中国・北京を訪問されて、王毅外相らと会談をされました。 外相会談では、この北朝鮮問題について、繰り返される挑発行動に対し深刻な懸念が双方から表明されるとともに、率直に意見交換が行われ、安保理決議の厳密な履行を含め、緊密に連携していくことで一致したというふうに聞いておりますけれども、この日中の外相会談では、北朝鮮問題をめぐってどのような意見交換が行われて、どのような一致を見たのか。外務大臣、お答えいただきたいと思います。
○岸田国務大臣 四月三十日に行いました日中外相会談におきましては、日中両国で協力すべき共通課題として、三つ取り上げました。三つの共通課題、一つが北朝鮮であり、二つ目が国連での協力であり、三つ目としてテロ対策、中東情勢を挙げました。この三つの共通課題のうちの一つとして北朝鮮問題を取り上げ、議論を行った次第であります。 そして、具体的なこの議論につきましては、まさに委員の方から御紹介がありました、北朝鮮により繰り返される挑発行動に対し深刻な懸念が双方から表明されるとともに、率直に意見交換が行われ、安保理決議の厳格な履行を含め、日中間で緊密に連携していくことで一致できました。このことは有意義であったと考えています。
○笠井委員 北朝鮮による四度目の核実験の強行や、事実上の弾道ミサイル発射というのは、明確に国連決議に違反する暴挙であって、世界の平和と安定への重大な脅威であることは明らかで、我が党は強い抗議を表明したところであります。 こうした北朝鮮による暴挙に対して、国連安保理は三月三日、大幅な追加制裁を盛り込んだ決議第二千二百七十号、二二七〇号を全会一致で採択いたしました。国連安保理による制裁決議は、北朝鮮が二〇〇六年十月に初めて核実験を強行して以降、これが五度目になると思います。 今回の決議では、北朝鮮の核兵器やミサイル開発にかかわる人、物、金の国際的な流れを断つために、北朝鮮を出入りする全ての貨物の検査など、かつてなく厳しい内容が盛り込まれたとされておりますけれども、その主な内容は何か、紹介をいただきたいと思うんです。政府参考人、お願いします。
○飯島政府参考人 お答え申し上げます。 安保理決議第二二七〇号は、北朝鮮による一月の核実験及び二月の弾道ミサイル発射を安保理決議違反と認定し、これを強く非難するとともに、貿易、金融、人の往来、航空・海上輸送等に関する措置の大幅な追加、強化を定めており、包括的かつ強い内容のものとなっております。特に強化された内容としましては、以下の点が挙げられます。 一、特定の天然資源の北朝鮮からの輸出禁止。二、航空燃料の北朝鮮への輸出禁止。三、北朝鮮の銀行支店等の開設及び北朝鮮の銀行との取引関係の維持、確立等の禁止。四、北朝鮮関連の全ての貨物の検査の実施。五、違法活動の疑いのある船舶の入港禁止。六、決議違反に関与していると認められる北朝鮮外交官の国外退去。七、資産凍結、入国禁止の対象となる個人、団体の大幅な追加指定として、新たに十六個人、十二団体の追加。 以上でございます。
○笠井委員 広範囲にわたって、かつてなく厳しい内容と言えると思います。 北朝鮮の核開発を実質的に抑制するには、制裁を実効あるものにすることがまさに不可欠であります。我が党は、北朝鮮を核兵器放棄のための対話のテーブルに着かせる上で、この安保理決議を歓迎するものであります。 そこで、具体的に伺いたいと思うんですが、この安保理決議を受けて日本政府としてどのような措置を講じたかということについて、答弁をお願いします。
○岸田国務大臣 我が国としましても、安保理決議第二二七〇号を着実に実施していくこと、これは極めて重要であると考えています。 既に我が国は厳しい独自の措置を課してきたところでありますが、今回の決議の採択を受け、資産凍結の対象となる個人、団体の追加指定、北朝鮮の金融機関による本邦での支店設置の禁止等の金融関連措置、そして北朝鮮関連船舶の入港禁止措置、こうした措置を実施しております。
○笠井委員 安保理決議を受けて、関係国でも制裁措置を課す動きが見られると思うんですけれども、例えば、米国、中国ではどのような動きがあるでしょうか。
○岸田国務大臣 安保理決議二二七〇号の採択を受けた各国の動きですが、まず、米国政府は、北朝鮮関連の団体、個人を制裁対象に追加指定する旨、発表いたしました。また、三月十六日には、米国政府は、安保理決議等を実施するための新たな大統領令を発出するとともに、制裁対象となる団体、個人をさらに追加指定しました。 中国ですが、四月五日、中国商務部及び税関総署が安保理決議二二七〇号を履行するための措置の一環として、北朝鮮との鉱産物等の輸出入禁止に関する公告を公布いたしました。 ロシアについては、安保理決議二二七〇号の採択を受けて、外務省が、安保理が採択する決議は全ての国連加盟国にとって拘束力を有することを想起する、このようなコメントを発出しております。 ただ、これは、決議採択後九十日以内に各国が安保理に報告することが要請されているということでありますので、決議の履行のための具体的な措置はもうしばらく注視していかなければなりません。 そして、その上で、政府としましては、北朝鮮制裁委員会専門家パネルの作業に積極的に関与し、厳格な履行が確保されるよう努力していきたいと考えます。
○笠井委員 米国、中国に加えてロシアについても今あわせてお答えいただいたのですけれども、具体的な動きということで紹介がありました。あわせて、九十日以内に安保理への報告が提出されるのでそれを見ないといけないけれどもとおっしゃったわけですが。 これまで累次の安保理決議が出されたにもかかわらず、制裁措置の履行というのがまだまだ不十分だったというふうに指摘をされてきているわけであります。 北朝鮮の核開発が世界と北東アジアの平和と安全を脅かしている今日、北朝鮮の最大の貿易相手国である中国を初めとして各国が制裁措置を全面的に実施して制裁の実効性を高める、こういうことが強く求められる。決めた、そして具体的にそれぞれ安保理決議に基づいていろいろやっているんだけれども、実際にまだまだ不十分と言われている中での実効性と、それから、全面的にそれをやっていくということが、最大の貿易相手国である中国を初めとして各国に本当に求められているんじゃないかというふうに思うんですけれども、この点ではどのように考えていらっしゃるでしょうか。
○岸田国務大臣 安保理決議二二七〇号を受けて、各国がこの決議の中身をしっかりと履行する、実行する、このことは極めて重要であると考えます。 我が国としましても、今の時点で求められていることは既に実施済みであると認識をしておりますが、各国の状況についても引き続きしっかり注視していきたいと考えます。 国連安保理の下に設けられている北朝鮮制裁委員会あるいは専門家パネル、こうしたものにしっかり関与して、厳格な履行を確保していく、こういった努力は重要であると考えます。
○笠井委員 安保理決議は、同時に、北朝鮮に対するかつてない厳しい制裁措置を決定する一方で、事態の平和的、外交的かつ政治的解決、それから、対話を通じた平和的かつ包括的解決を強調して、緊張を悪化させるおそれのあるいかなる行動も差し控えるように各国に呼びかけて、問題の解決方向をあわせて明確に示しているというふうに思います。 その上で、六カ国協議への支持を再確認して、その再開を呼びかけて、二〇〇五年九月の共同声明での誓約への支持を再表明するよというふうに述べていると思うんですけれども、そういう記述がある、そういうことがあわせて決まっているということは間違いないでしょうか。
○飯島政府参考人 お答え申し上げます。 ただいま委員が言及されました部分につきましては、安保理決議第二二七〇号の主文49は、朝鮮半島及び北東アジア全体における平和と安定の維持が重要であることを改めて表明し、事態の平和的、外交的、政治的解決の約束を表明し、また、対話を通じた平和的かつ包括的な解決を容易にし、また、緊張を悪化させるおそれのあるいかなる行動も差し控えるための理事国及びその他の国による努力を歓迎するとしております。 また、同決議の主文50は、 六者会合への支持を再確認し、その再開を要請し、中国、北朝鮮、日本、大韓民国、ロシア連邦及びアメリカ合衆国によって二千五年九月十九日に採択された共同声明に定める約束(六者会合の目標は平和的な方法による朝鮮半島の検証可能な非核化であること、アメリカ合衆国及び北朝鮮は相互の主権を尊重し、平和裡に共存することを約束したこと、六者は経済協力を推進することを約束したことを含む。)への支持を改めて表明する。 としております。
○笠井委員 そういう中で、今、国際社会に求められているのは、この安保理決議に沿って問題をいかに外交的に解決していくかであって、制裁措置を実効性を持って全面的に実施する、これは大事ですけれども、この目的も、事態の外交的解決に置くべきだというふうに思うんですが、その点ではいかがでしょうか。大臣。
○岸田国務大臣 北朝鮮の核・ミサイル問題を平和的に解決するためには、対話という要素も必要であると考えます。ただ、意味ある対話を行うためには、北朝鮮が非核化等に向けた真剣な意思や具体的な行動を示すことが重要であると考えます。 いずれにせよ、我が国としましては、対話と圧力、行動対行動、こうした基本的な方針はこれからも維持していきたいと考えます。
○笠井委員 ことし一月十二日の衆議院予算委員会で、私自身、安倍総理、それから岸田大臣とも議論をしたことでもあるわけですが、北朝鮮の核問題を解決する方法というのはやはり対話しかなくて、その対話の場として最もふさわしいのが六者会合、六カ国協議だと。 北朝鮮を六カ国協議という対話のテーブルに着かせるための国際社会の一致結束した外交努力こそ、今何よりも大事じゃないかと思うんですが、その点、改めて大臣、どうでしょうか。
○岸田国務大臣 まず、六者会合というのは、諸懸案を解決するための有効な枠組みであるとは考えます。 ただ、先ほども申し上げましたように、意味ある対話のためには、北朝鮮が非核化等に向けた真剣な意思あるいは具体的な行動を示すことが重要であると考えます。 まずは、引き続き、関係国と緊密に連携しながら、北朝鮮に対して、さらなる挑発行動を自制し、安保理決議、六者会合共同声明等を誠実かつ完全に実施するよう求めていきたいと考えます。
○笠井委員 北朝鮮の真剣な意思と行動を引き出す、それをやる上でも、やはり、六者会合というところで本当にそのテーブルに着かせる、そういう努力が必要だということだと私は思いますし、そのことをいよいよ、やることが必要だということを述べておきたいと思います。 最後になりますが、これは両大臣に同じ問いで伺いたいと思います。加藤拉致問題担当大臣と岸田外務大臣に対してですが。 さまざま今も議論がありましたが、拉致被害者の一日も早い帰国を実現して、拉致問題の早期解決を図っていく、これをやっていく上で、日本政府がこの現局面の中で果たすべき役割というのはどんなところにあるというふうにお考えか。加藤大臣、岸田大臣、それぞれに伺いたいと思います。
○加藤国務大臣 拉致を初めとした人権問題、そして核やミサイル、こうした国際社会の懸念に対して真摯に北朝鮮は耳を傾けようとしていない。そういう中で、この一連の、今御議論がありました国連決議を含めて、国際社会が一致団結して北朝鮮にまさに実効性のある、痛みのある圧力を加えて、そして、そうした行為に対しては必ず厳しい代償が伴っていくということを明確にまず認識させる必要があるということで、今対応させていただいております。 さらに、国際社会の中で、北朝鮮をめぐる諸懸案、この拉致の問題、そして核、ミサイル、これがまさに共通の課題として認識され、懸案の解決に向けて、人権問題も含めて一致した行動が見られるようになってきているわけでありまして、そうした機運もさらに高めるべく努力をしていかなければならないというふうに思います。 ただ、いずれにしても、日朝間においては、そうした厳しい圧力のもと、しかし、並行して対話を継続していく中で、この拉致、核、ミサイル、特に私の立場からいえば拉致問題、これに対して、具体的な帰国に向けての道筋をしっかりつくり出していく必要がある。 そういった意味からも、先ほどから申し上げておりますけれども、そうした今プレッシャーが、さらに圧力が高まっているわけであります。そういう中で、一つ一つその動向をよく見きわめながら、どういう対応がそうした拉致被害者の方々の一日も早い帰国につながっていくのか、そういったことをしっかり注視しながら対応をさせていただきたいというふうに思っております。
○岸田国務大臣 拉致問題は、国家の主権にかかわる問題であり、国民の命、安全にかかわる重要な課題であり、そして、今の政権にとりまして最重要課題であると認識をしています。 そして、外交の立場からは、日朝間でしっかり働きかけていく、これはもちろん重要ですが、あわせて、国際社会において拉致問題を早期解決していかなければならないというこの機運を高めていかなければなりません。ですから、さまざまな国との二国間協議、そして国連等の国際場裏でのこの議論、こうしたさまざまな機会を捉えて各国に拉致問題を想起させ、協力を要請していく、こういった努力もあわせて重要であると認識をいたします。 対話と圧力、行動対行動の方針のもと、全力で取り組んでいきたいと考えます。
○笠井委員 今、両大臣から御答弁があったんですが、やはりこの拉致問題の解決、早期にということで努力もし続けてきて、もう大分時間がたってきていることであります。それから、拉致被害者の一日も早い帰国という点でも、家族の方々あるいは関係の方々というのは、その心痛はもう本当に大変なことがある。 私自身も、この特別委員会に所属して十年ぐらいになりますか、こういう形で議論をさせていただきながらも、いまだに解決していないというのは、本当に力を合わせてやらなきゃいけない課題だと思っております。 やはり、そういう点では、六カ国協議、六者会合の再開によって、対話を通じて解決の道に戻して、北朝鮮に核兵器を放棄させる、政治、外交圧力を抜本的に強める、そのことがまた拉致問題の早期解決にとっても重要だ、いわば車の両輪といいますか。そういうことも含めて、政治の力、日本政府の努力、そして国会でも大いに議論もするということでやっていく必要がある。 このことを重ねて最後に申し上げまして、質問を終わります。
○今津委員長 次に、松浪健太君。
○松浪委員 このたび、拉致特の委員にならせていただきました松浪健太であります。 加藤大臣も、これまでこういう問題にも大変深くかかわっていらっしゃったことも私も重々承知の上なんでありますが、お話の中に、安倍内閣の最重要課題である拉致問題とありましたけれども、安倍内閣発足以降、この拉致特もどれだけ開かれているのかというと、年に一度ぐらいしか、これも一年ぶりの議論でありまして、きょう三時間やっても、これで安倍内閣になってようやく十時間をやっと超える程度ということであります。 拉致担当大臣も、古屋大臣から次は山谷大臣と、三人目ということになりますので、これがTPPであれば、甘利先生もああいう問題でなければやはり継続してやっていらっしゃったと思いますので、ぜひともこれを、最重要の課題にするし、きょうも多くの委員の皆さんがいらっしゃいますけれども、もっと頻繁にこれを行っていく。 何も与党だけの問題ではないと思います。野党も、大臣がそろわないと開かないとかいろいろなこともありますけれども、やろうと思えば、予算委員会の裏側で参考人なりなんなりということもできるわけですから。先ほどの理事会で委員長から、これから今国会ももう一回やっていこうということもおっしゃっていただいたのでこれ以上は申し上げませんけれども、この委員会が活発になるように、与野党の皆様の協力をこれからますますお願いいたしたいと思います。 最初になんですけれども、私自身もかつて、自民党時代、一年生のころに、特定船舶入港禁止法案とか外為法の改正なんかにもかかわらせていただいて、今は核の問題があって厳しい姿勢はとり続けなければならないとは私も思いますけれども、一方、拉致問題が長年スタックしてしまっているということも、これも事実であろうと思います。先ほどから岸田大臣も対話と圧力という言葉を繰り返されましたけれども、もはやもうこの対話と圧力というスキームがなかなか機能していないというのが私は現実だと思います。 そこで、少し角度を変えまして、例えば、イギリスは二〇〇三年から北朝鮮に大使を置かれているわけであります。イギリスなんかの表現ではクリティカルエンゲージメント、批判的関与という言葉を使います。デービッド・スリンさんという北朝鮮の初代イギリス大使は、批判をしながらでもやはり対話をしなければならないと。 そのときには、北朝鮮にいる駐在員の皆さんも、これは記事がありまして、彼の回想録ですけれども、ロスト・ゼア・テンパー、切れることもあったけれども言いたいことをしっかりと言って、そこから本当に腹を割った交渉が必要であるということもおっしゃっておりますし、また、公館があるからこそさまざまなレベルで、当時ですら金正日さんの批判を聞くというようなところまで、腹を割ってやったんだということも書かれております。 まず冒頭、日本も、対話と圧力という言い方よりも、もはや、もっと政治家もそれから役所も、こういう核が大変なときでありますけれども、拉致があるからこそ我々は拉致問題で切り込んでもっと関与を深めるんだという、クリティカルエンゲージメントに日本も転換すべきだと私は思いますけれども、いかがですか。
○岸田国務大臣 英国のクリティカルエンゲージメント、関与政策と訳すんでしょうか、この政策についてですが、まず、他国の政策ですので、私の立場からこれを批評、批判することは控えなければならないと思いますが、その英国と我が国も、核・ミサイル開発は断じて容認できない、こうした認識では一致しておりますし、北朝鮮問題の対応に当たっては、情報共有を含め、しっかりと緊密に連携をしております。 そして、このクリティカルエンゲージメントのポイントが対話の部分だとするならば、対話の重要性は我々も痛感しています。特に、拉致問題という問題の性質上、全ての拉致被害者の方々の帰国を実現するためには、対話の要素は必要であると認識をしております。 であるからこそ、ストックホルム合意も結ばれたわけでありますし、北朝鮮の大使館ルートを通じてのやりとりも行っているわけですし、また、昨年八月には、私自身、北朝鮮のリ・スヨン外相と会談も行いました。 こうした対話はこれからも大事にしていきたいと思いますが、ただ、対話のための対話では意味がない、これもしっかり念頭に置いておかなければなりません。ぜひ効果的な関与、対話を行っていきたいと思います。
○松浪委員 私も、二年前の七月に、アントニオ猪木さんらと北朝鮮に渡らせていただきました。向こうへ行って開城まで車で行かせていただきましたけれども、道を見ると、どれだけの車が走っているのか、どれだけの物資が流れているのか、それからまた、軍人がどの程度土木作業をしているのか、どのようなインフラになっているのか、こういったことをやはり見ることも、相手を知らないと交渉もできないと思うし。 我々も、姜錫柱さんという、朝鮮労働党のトップの方ですね、昔、小泉総理が金正日さんと握手をしている切手が今でも北朝鮮では唯一まだ売っているんですけれども、そこにおられたのが姜錫柱さんという方ですけれども、これぐらいの方と我々は三回ほど膝詰めでいろいろ話をさせていただきました。我々は野党ですからこうしたことをやっているわけですけれども、やはり与党、政府も、それぐらい腹を割ってやるラインというのをつくらないといけない。 そのためには、まず、今も駐中国の大使館でやりとりを国はやっているわけですけれども、私は、これをもうちょっと深く、やはり今外務省の皆さんも常識がぼけてきていると思いますよ。向こうへ行ったら、毎年どれぐらい北朝鮮に日本人は渡っているんだ、在日朝鮮人は渡っているんだ、全くわからないというのが現状でありますし。 こうした中で、在日朝鮮人の皆さん、朝鮮学校の皆さんは修学旅行に行っているんですよと聞いたことがあります。今でも行っていますよ、たくさん我々もお会いしました。 ですから、そういうこともしっかりと、やはり現場の皆さんがもっと現場に即して活動できる体制が必要だと思います。 やはり議員外交というのは、我々も野党とはいえバッジがついているからそういう高官の皆さんともしっかりと、最初は我々も、クリティカルエンゲージメントじゃないですけれども、直前にミサイルが飛んでこれはどういうことだと言って率直に責めて、相手もいい気持ちはしなかったと思いますけれども、そういうことをやらせていただくというのは本当に大事だと思います。 今回も平壌マラソンなんというのがありまして、アントニオ猪木さんもスターターで呼ばれていたんですけれども、私はあれはスポーツですからいいと思うんですが、なかなか国会の方はそれを許しませんでしたけれども。外交というのは、外務省がやっているオーソドックスな方法だけではなくて、時には役所の想像を超えたラインというのも私は大事だと思います。 そうした意味で、まあ、猪木さんの話をやって、なんですけれども、かつてイラク戦争のときには、四十人クウェートから連れていかれたときに、人質をとられたときには、アントニオ猪木さんは自分で飛行機をチャーターして、外務省からこれはだめだと言われたけれども、みずからの意思で行って、それで、人質の家族も四十六人連れていって、私は本当にこれは命がけの仕事だったなと思います。 政府の見解とこういう結果が違ったわけですけれども、例えば、政府としてはあのときの総括というのはどういうふうに捉えていらっしゃるか、聞きたいと思います。また、あわせて議員外交の可能性についても。手短にお願いします。
○岸田国務大臣 まず、北朝鮮に関して言えば、邦人の方の渡航は控えていただくようお願いをしております。 そして、一般論として議員外交を申し上げるならば、グローバル化する社会において、課題も、そして関係者も多様化しています。議員外交など、政府のみならず、さまざまな関係者がオール・ジャパンで外交に取り組むというのは大変意義があると思います。外交は政府が最終的に責任を持つべきであるということは大前提でありますが、議員外交は大変有力な外交のツールであると認識をいたします。 そして、アントニオ猪木議員の一九九〇年の行動に対する政府の考え方ですが、当時のフセイン政権は、日本人を含む外国人に対して出国を認めず、人間の盾といたしました。 日本政府として一刻も早い日本人の解放を実現すべく、イラク政府への直接の申し入れのみならず、国連安保理、そして国連事務総長、赤十字国際委員会等とも連携しつつ、人質の解放についてイラク側に働きかけるなど最大限の努力を行ったが、実際に解放されるまで数カ月を要しました。その中で、猪木議員が個人的にイラク政府に働きかけを行い、多くの方々が御帰国されたものです。 このように、国会議員が御自身の知見や人脈を活用して海外の日本国民の生命を守られたことは、結果的に、外交において議員が大きな役割を果たしたと評価すべき事例になったと考えます。
○松浪委員 ありがとうございます。 与野党ともにいろいろな立場がありますけれども、目的は一つだと思います。 これに加えて、次の課題に行こうと思いますけれども、先ほど平壌マラソンの話をしました。四月十日に行われて、実は日本からも二十二人のランナーが走っておられます。どういう内訳かということを私も聞きましたら、七十三歳を超えて百回もマラソンを走っている、平壌で走れるからといって走ったというのは、割と、これは余り政治的な色合いのない方が実際に北朝鮮に渡って、そして、日本国政府は自粛をお願いしているわけですけれども、実際、日本人も渡っているという事実があります。 その人数はなかなか考えられませんけれども、同じく国交を北朝鮮と持っていないアメリカも、今、米国人が北朝鮮で逮捕されて懲役刑に服しているというような例もあって、アメリカの場合は、アメリカ、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドなんかはスウェーデンの大使館が領事業務を代行するというような体制をしいているわけであります。 我が国も、こういう日本人が北朝鮮に行くという事実がある以上、政府として公式にそうした在北朝鮮の大使館がある国とこうした関係を結ぶべきだと思いますけれども、いかがですか。
○岸田国務大臣 まず、我が国としましては、外国の機関に対して邦人保護にかかわる領事業務の代行を求めるということは、これはさまざまな個人情報の提供が必要となりますので、個人情報保護の観点などから慎重を期す必要があると考えています。これが基本的な考え方です。 アメリカとスウェーデンの例をお挙げいただきましたが、仮に北朝鮮において邦人保護事案が発生し、第三国の機関に領事業務の代行を依頼した場合、日本の場合は、やはり言葉の問題あるいは習慣の違いなどから別のトラブルが発生する可能性もある、こういった指摘もあります。スウェーデンとアメリカの例とは状況が少し異なるのではないか、このようにも感じるところであります。
○松浪委員 今、テレビなんかによく出ていらっしゃる拓大の武貞先生なんかに話を聞きますと、自分が北朝鮮に行ってもし拘束されたときには、個別のラインでスウェーデンの大使館、イギリスの大使館に事前に協力を要請してあるというようなこともおっしゃっておりますけれども、もしそういう保護事案があった場合に、では、実際、政府はどういうふうに動くということがスキームとして考えられますか。
○岸田国務大臣 まず、基本的に、政府としましては、国民の皆様に、目的のいかんを問わず、北朝鮮への渡航は自粛していただきたいとお願いをしています。 そして、もし事案が発生した場合どうするのかということですが、北朝鮮で邦人保護を行う必要が生じた場合などは、やはり、北京に所在する北朝鮮の大使館ルートの連絡を含めて、北朝鮮側に適切な処理を求めることになると考えます。
○松浪委員 もう時間が参りました。きょうは共産党さんの半分しか時間がありませんでして、次からはそういうことがないと思いますけれども、次の質問は次に移したいと思います。 ありがとうございました。
○今津委員長 次に、斎藤洋明君。
○斎藤(洋)委員 自由民主党の斎藤洋明でございます。 きょうのこの質疑が拉致問題の一刻も早い全面解決につながることを祈念しながら、早速質問に入らせていただきます。 まず第一に、北朝鮮では先日九日に、三十六年ぶりに朝鮮労働党大会が開催をされて金正恩氏が党委員長というポストに就任をしたという報道がございます。今現在の北朝鮮の統治体制の現状について、我が国政府としてどのように評価されているか、拉致問題担当大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○加藤国務大臣 九日に閉幕いたしました朝鮮労働党の第七回の党大会の結果、党幹部の人事などが発表されたというふうに承知をしておりますが、現在の、この党大会後の北朝鮮の統治体制については引き続き慎重に分析をしていかなければならないというふうに考えております。
○斎藤(洋)委員 ぜひ分析をお願いしたいと思っております。 特に、私が問題意識を持っておりますのは、北朝鮮の独自の統治体制の分析なくして拉致問題の解決は困難であろうと思っておりまして、特に北朝鮮の国内の内部の問題として、例えば軍と党との関係というのがあるときに、今、拉致被害者の方々を具体的に国家のどの組織が管理をしていて、かつ、拉致問題を解決するときにどの組織の機関決定が必要になってくるのか、あるいはトップダウンで一発でできるのかということが極めて重要になってくると思いますので、ぜひ詳細な分析をお願いしたいと考えております。 引き続きまして、拉致問題の解決には交渉が必要になってまいりますことから、北朝鮮の今現在の経済状況についての分析が不可欠であると考えております。 北朝鮮の経済状況につきまして、特に食料とエネルギーの観点から政府の認識を、これは外務省にお伺いしたいと思います。
○大菅政府参考人 お答えいたします。 北朝鮮は非常に閉鎖的な体制をしいておりますので、内部の状況について正確に把握することは困難でございますが、例えば御質問のございました食料につきまして、国連は、二〇一三年から二〇一四年にかけての北朝鮮の穀物生産量は約五百九十万トンであり、約三十万トンが不足しているという推計を行っております。また、昨年は、干ばつの影響もございまして農業生産に影響があったというふうに言われております。 また、エネルギー事情につきましては、これは韓国統計庁が出しておる数字でございますけれども、北朝鮮の二〇一四年の発電電力総量が約二百億キロワットということで、韓国の約五千億キロワットに比べて二十五分の一程度ということであると承知しております。 こういったことから、政府としましては、食料、エネルギー事情を含む北朝鮮の経済状況は極めて厳しい状況にあるというふうに認識しております。
○斎藤(洋)委員 ありがとうございます。 先ほど、党大会についての質問もさせていただきましたけれども、報道によりますと、党大会でも核と経済の並進路線ということを打ち出したということが言われております。その心を読み取りますと、核、ミサイルの開発を進めるというのは外交面の姿勢でしょうし、また、経済も並行して進めるということは、逆に読みますと、経済的にはやはり相当苦しい状況にあるということではないかというふうに思っております。 続きまして、問いの三といたしまして三番目に、我が国の国内の結束をしっかり固めていくことが拉致問題の解決に重要であるという観点からお尋ねをしたいと思っております。 先ほど、野党の委員からも御質問あるいは御発言がありましたとおり、与野党の結束、これは当然不可欠の課題であります。 かつて、いわゆる市民の党という国内の政治団体と、我が国の国内の複数の政治家、これは国政と地方政党両方でありますが、複数の政治家との関係が問題となりました。今現在、このいわゆる市民の党及びその当該団体と密接にかかわる個人あるいは団体の活動実態をどのように政府として把握されているか、お尋ねをしたいと思います。
○杉山政府参考人 市民の党につきましては、過去の報道などで、よど号ハイジャック犯の子息が同党から三鷹市議選に立候補したということは承知しております。 この団体の現状等につきまして個別具体的な事項については、今後の調査業務に支障を来すおそれがあるため、回答は差し控えさせていただきたいと思います。 ただ、今出ました北朝鮮のよど号ハイジャック犯、あるいはその関係者等の動向に関しましては、今後も関心を持って注視していきたいと考えております。
○斎藤(洋)委員 ありがとうございます。 ただいまお尋ねをしましたのは、最大限政府として答えられる範囲でお答えいただいたと思っておりますが、当時もよど号犯の子息であるから問題視をされたわけではなくて、また私も、単に子息であるから問題にしたいわけではありませんで、北朝鮮国内で教育を受けているということ、さらに、政治的な主張の内容を拝見しておりますと、北朝鮮と密接な関係を持ちながら我が国国内で政治活動を行っている、さらに申し上げれば、選挙に立候補をしたということでありますから、北朝鮮と密接なつながりを有する勢力が、公職に立候補者を立てて当選を目指して活動を行っているという実態がいまだに我が国内にあるということが大変問題であるというふうに思っております。 拉致問題の解決には、インテリジェンス活動というのは当然不可欠のことでありますが、もちろん海外での活動も大事でありますし、また、我が国国内でも依然としてそういう動きがありそういう団体が活動しているということは、銘記をしながら取り組んでいく必要があるというふうに思っております。 引き続きまして、国際社会との協調の状況についてお尋ねをしたいと思います。 再三質問されておりますとおり、拉致問題の解決につきましては、我が国としての取り組みも大変重要であると同時に、国際社会からの圧力ということが不可欠であると考えております。 拉致問題担当大臣の渡米の成果につきましては冒頭報告をいただいたところでありますが、今回の渡米の成果も含めまして、拉致問題の解決に向けての国際社会との連携状況につきまして改めて御答弁いただきたいと思います。
○加藤国務大臣 国際社会では、一昨年の二月の北朝鮮における人権に関する国連調査委員会、これはCOIの報告書と言われておりますけれども、これが公表されて以降、拉致問題の解決を含む北朝鮮における人権状況、この改善に向けた機運、それを非常に問題視し、関心が高まってきているというふうに認識をしております。 国連総会の北朝鮮人権状況決議、これは、EUと共同提出し、十一年連続で決議されているわけでありますけれども、この三月には、国連人権理事会で、北朝鮮における人道に対する犯罪の責任追及を求める強い内容の決議が採択をされ、我が国としては、この決議に基づいて、この夏以降に設置される予定でありますが、独立専門家グループに対して、このグループの独立性は尊重しながら、可能な限りの協力をし、緊密に連絡、連携をしていきたいというふうに思っております。 また、アメリカあるいは韓国との間についても、先般の日米韓の首脳会談において、オバマ大統領、朴大統領からも、日本の拉致問題に対する取り組みに対して理解と支持を得、また、同日に行われた日韓首脳会議でも、朴大統領から、韓国にも同様の問題があり、協力していきたいという発言もなされ、北朝鮮に対する強固な姿勢を安倍総理と朴槿恵大統領の間でも確認し、連携をすることとしたところであります。 私も、ワシントン、ニューヨークで、先ほど御報告をいたしましたシンポジウムも開催をさせていただきました。これまでも、拉致被害者の御家族の方々が、そして歴代の大臣の方々がやはり継続してこうした取り組みをしてきたこと、そういったことも一つ一つあって、まだまだこれからさらに国際社会の関心を高めていかなければなりませんけれども、そうした広がりが着実に進んでいるということを実感もさせていただき、また、今回のこうした一連のシンポジウムを通じて、日米韓の三カ国の連携、また国連との連携も一層強化に向けた、そうしたきっかけにつながったというふうに確信をしているところであります。 引き続き、こうした関係国との連携、そして国際社会等の場、国連の場も活用しながら、対話と圧力、行動対行動の原則のもと、北朝鮮に対して厳しい圧力を加えながら、全ての拉致被害者の一日も早い帰国の実現に向けて、具体的な行動をしっかりと引き出していきたい、それに向けて努力をさらに傾注していきたい、こう思っております。
○斎藤(洋)委員 ありがとうございます。 引き続き、国際社会との連携をぜひ進めていただきたいと考えております。 例えば米国でも、近年、関係者の皆様の御努力によりまして、拉致問題に対する関心が従来に比べて非常に高まっているという感触は私も感じております。 国際社会との協力なくして拉致問題の解決はないと思いますし、特に日米韓という一つのサイドと、それからもう一つは、スウェーデンでありますとかモンゴルでありますとか、あるいはベトナムといったような、また違った角度で本件にコミットできるような国々もいかに巻き込んでいくかということが非常に重要であると考えておりますので、ぜひお取り組みをよろしくお願い申し上げたいと思います。 また、既に御質問が出ましたのでお尋ね申しませんが、G7伊勢志摩サミットにおきましてもぜひ拉致問題も一つのテーマとして取り上げていただきまして、これは犯罪行為でありますから、国際交渉、交渉の対象というよりも、本来であれば犯罪行為として処罰をされて、直ちに被害者が取り戻されるべき事案でありますから、そういった観点から、伊勢志摩サミットでぜひ取り上げていただいて、国際社会への発信を強めていただきますように、よろしくお願い申し上げます。 最後に、私から、非常に強い関心を持っておりまして、ぜひ本日も質問申し上げたいこととしまして、いかに具体的に交渉を進めていくかということについてお尋ねをしたいと思っております。 先ほど、ほかの委員からも御発言がありました、議員外交も含めてさまざま多元的なルートで働きかけをしていくということは私も必要であると思っております。 一方で、混線をしてしまったりですとか、あるいは北朝鮮側に誤った、我が国の本来の交渉姿勢とは異なるメッセージを与えてしまうようでは、これは悪影響があるということで、悪しき多元外交には陥らないように細心の注意を払いながら、つまり、連携をしながら交渉を進めていく必要があると思っております。 特に私が期待をかけておりますのは、これは今もやっていただいているというふうに私は確信しておりますけれども、例えば、第三国で我が国内には報道されない形での交渉ですとか、もちろん事務レベルの交渉にも意味はあると私は思いますので事務レベルでの接触ですとか、あるいは政務レベルでの接触ということも必要に応じて行っていくべきではないかと考えております。 ですので、具体的にどうしていますとか、これからどうしますということではなくて、私は必要だと思いますが、その点に関しまして、政府の見解を外務省にお尋ねしたいと思います。
○大菅政府参考人 政府としましては、拉致問題の解決に向けた努力の一環といたしまして、御指摘のような第三国における北朝鮮に対する働きかけを従来から行ってきております。 実際に、平成二十四年十一月にはモンゴルにおいて日朝政府間協議を実施いたしました。それから、二十六年、おととしには中国それからスウェーデンにおいて日朝政府間協議を実施いたしました。また、岸田大臣から紹介がありましたが、昨年にはマレーシアにおいて岸田大臣とリ・スヨン北朝鮮外相との間での会談、これも行ったところでございます。 今後につきましては、これまた岸田大臣から繰り返し御答弁させていただきましたが、北朝鮮に対して厳しい圧力をかけながらも、同時に、対話の窓口を我が国から閉ざすことはないという考えで臨みたいと考えております。
○斎藤(洋)委員 ぜひよろしくお願いしたいと思っております。 先ほど、拉致問題を担当する大臣はなるべく長期的に取り組んでいただきたいという発言がありましたけれども、政治家サイドだけではなくて、外務省の担当者の方々もなるべく安定をして長期的に本件に取り組んでいただきたいと私は考えておりますので、ぜひその点も御配慮をお願いしたいと思います。 それから、第三国での接触ということに私は強い期待を持っておりまして、つまり、日朝間での交渉というのは、当時の小泉総理大臣の訪朝という極めて電撃的な、衝撃的な絵が国際的に流れましたために、その後、あれと同じような劇的な解決というのがどういうふうに再現できるんだろうかということがある意味イメージしづらい状況があるというふうに思っております。 ですので、例えば、第三国を間に介す形で拉致被害者を早期に全員帰国させることができるのであれば、私はそれも一つの選択肢として検討いただきたいというふうに思っておりますので、これは御答弁は結構ですので、発言させていただきたいと思います。 最後に、交渉姿勢につきまして、あらかじめ何か見返りを与えるような交渉姿勢で臨むということは断じてあってはならないというふうに考えております。特に、交渉開始の糸口といいますか窓口を開くに当たって米の支援が行われたということも過去にはございます。 私の考えとしましては、拉致問題が解決した後の米の支援ですとか、そういったことであればカードとして持つということは考えられると思いますが、政府の御見解を外務省にお尋ねしたいと思います。
○大菅政府参考人 御指摘のございました支援につきましては、北朝鮮から拉致問題の解決に向けた前向きな、具体的な行動を引き出すために何が最も効果的かという観点から検討すべきものと考えております。 ただし、現時点において、ストックホルム合意に基づく調査を開始してから二年近くたった今も、全ての拉致被害者の帰国に向けた具体的な進展が示されていない、こういった現時点での状況を踏まえれば、現時点で北朝鮮に対する御指摘のような支援を行うという考えは全くございません。
○斎藤(洋)委員 ありがとうございます。 全く、私もそれで賛成でございます。具体的な動きがない間に何か見返りを与えるかのようなメッセージを発信するということはあってはならないと考えておりますので、何か進展があった場合に交渉のカードをしっかりと政府として準備していただく、そして行動対行動の原則をあくまでも徹底して守っていただくということを改めてお願いしたいと思っております。 私も新潟県でありますが、新潟県は、拉致被害者あるいは拉致による被害が疑われる方々が大変多く出ております。新潟県、私も含めまして、一丸となって拉致問題の解決に取り組んでまいりたいということをいま一度お誓い申し上げまして、私からの質問を終わらせていただきます。 朝鮮学校の問題につきましても質問したいと考えておりましたが、これはぜひ同僚議員に取り上げていただきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
○今津委員長 次に、長尾敬君。
○長尾委員 自由民主党の長尾敬でございます。 質問の機会をいただいて、ありがとうございます。 発言は、この委員会で都合七回目になります。質問の内容あるいは質問通告、言葉を選ばずに言えば、多少マニアックなものも含めて根掘り葉掘り聞きたいところではありますが、なるほど、外交上の問題また捜査上の問題ということで、平場ではなかなかというようなやりとり。 また、委員会も、先ほど松浪委員からも御指摘がありましたように、なかなか開かれぬというところは、委員長並びに理事各位に、私からも頻繁に開催していただくことをお願いしたいと思います。調査室の資料がただただ分厚くなるだけの委員会ではいけないというふうに思っております。 そして、非常に単純な話なんですが、拉致に直接自分が関与したということをみずから著書にし、告白をし、被害者家族に謝罪をした八尾恵氏の件についてであります。 恐らく、警察はきっちりとさまざまな角度で取り調べをしていただいている、あるいはしていただいたというふうに承知しておりますが、なぜ刑事事件で立件をできないのか、御答弁ください。
○松本政府参考人 質問にお答えする前に、一点、申しわけございません。 先ほど、松原委員の御質問におきまして、科協がロケットを含む科学技術の振興に貢献する団体であるかどうかといったような当庁の認識に関するお尋ねがございましたけれども、その際、過去の事例といたしまして、平成六年にジェットミルという機械の北朝鮮向け不正輸出事件を摘発したと申し上げたところでございますが、正確に申し上げますと、平成十五年に摘発した関連事件の捜査において、そのような平成六年の事案を把握したということでございまして、この場をおかりして、おわびして訂正させていただきます。 次に、長尾委員からのお尋ねでございますが、現在、有本恵子さん拉致事件につきましては、事案の全容解明に向けまして、関係者の事情聴取を含めまして、必要な捜査を引き続き行っているところでございますけれども、残念ながら、現時点では立件に必要な証拠が足りない、積み上げに至っていないということでございます。 しかしながら、我々といたしましては、事案の重大性に鑑みまして、今後とも、さらに証拠を積み上げていく、あるいは関連情報の収集に努めていくということで、事案の全容解明に向けて捜査に全力を挙げてまいりたいと存じます。
○長尾委員 拉致事件は、発生当時は、これはいわば誘拐事件であり刑事事件であるということです。本当に我々が忘れてはならないのは、それがなぜか外交案件、外交問題になっているというこの不自然さ。優秀な警察ですから、当時の通信であるとか無線であるとか、さまざまなことは傍受していたはずの中で、これは私の想像ですけれども、どこかでその背景に北朝鮮あるいは朝鮮総連の存在というものが確認できたやもしれない。 いつごろかというのは、これは捜査上のことで御答弁いただけないかもしれませんけれども、やはりそういう中で、私が拉致をしましたというふうに言っている本人が普通に日常生活をしている。罪は一つつながっておりますが、いわゆる公正証書原本不実記載、同行使罪で神奈川県警の外事課に逮捕されて、罰金刑の、五万円の略式起訴で終わっている。この現実というのは、やはり我々は解決されるまで永遠に忘れてはならないというふうに思っております。 そして、がらりとかわりまして、平成二十六年五月二十九日のストックホルム合意から二年。各委員からお話がありましたけれども、この合意に関する政府の現時点の総合評価、一般論で結構ですので、御答弁ください。
○大菅政府参考人 お答えいたします。 ストックホルム合意に基づく調査を開始されて二年近くたった現在でも、拉致被害者の御帰国が実現していないということは極めて遺憾というふうに考えております。 さらに、北朝鮮が国際社会の制止を無視して四回目の核実験、その後さらに弾道ミサイル発射、こういったことを強行したことも容認できませんが、この後、北朝鮮が、我が国の独自措置を指して、我が国がストックホルム合意の破棄を公言したことになると一方的に主張して、全ての日本人に関する包括的調査を全面中止し特別調査委員会の解体を宣言した、こういったことは極めて遺憾であり、全く受け入れることができないというふうに考えております。これが現状でございます。
○長尾委員 後ほど触れますが、一旦、合意の後、経済制裁について一部解除をしたわけです。それを解除した後に、またさらに強い形でもう一回復活させているということについては、後ほど質問をさせていただきたいと思います。 このストックホルム合意の後、平成二十六年の十月二十七日から三十日まで、政府担当者を平壌に派遣して、いわゆる特別調査委員会の徐大河委員長らと協議を行った事実があります。これは、当時の宋日昊朝日国交正常化交渉担当大使に、報道ベースですけれども、詳しく聞きたければ平壌に来て特別委員会に直接聞いてくれというような発言があった経緯に基づくものと承知しておりますけれども、あのときの成果というのは事実上のゼロ回答、ゼロ成果だったというふうに、私自身は認識しているんです。 問題なのは、先ほど斎藤委員がちょっと言いかけたことなんですが、特別調査委員会というものが果たしてこの拉致問題を解決するためのカウンターパートナー、いわゆる相手としてふさわしいかどうか、私は非常に疑問を持っているんですが、政府としてはこの委員会の位置づけをどう捉まえていらっしゃるんでしょうか、御答弁ください。
○大菅政府参考人 まず、委員御指摘のございました平成二十六年十月、平壌での特別調査委員会との協議の経緯でございますけれども、その前の月、平成二十六年九月末、瀋陽で行われました日朝外交当局間の会合におきまして、北朝鮮側から、調査は初期段階であり、日本人一人一人に関する具体的な調査結果を通報できる段階にはない、そういう説明がございました。 このような説明を我が国として受け入れることができず、拉致問題こそが最重要課題であるとこれまで北朝鮮側に繰り返し伝えてきた日本政府の立場を直接調査委員会の責任者に明確に伝え、調査の現状について詳細を聴取する、さらに、北朝鮮が迅速に調査を行い、その結果を速やかに、かつ正直に通報することを強く求める、そういう観点から、十月に平壌に政府担当者を派遣するということを決めた経緯がございます。 この徐大河氏が委員長を務めます特別調査委員会、これは、北朝鮮の最高指導機関である国防委員会から、全ての機関を対象にした調査を行うことのできる特別な権限を付与されているというふうに承知しております。 十月の平壌での協議におきましては、拉致被害者の方々の個別の安否情報、消息についての具体的な情報を得ることはできませんでしたが、この訪朝を通じて、拉致問題解決に向けた日本の強い決意を北朝鮮の最高指導部に伝え、また北朝鮮からは、過去の調査結果にこだわることなく新しい角度から調査を深めていく、特殊機関に対して徹底的に調査を行う、こういった説明を得ることができました。
○長尾委員 今後の交渉相手でございますのであえてちょっと申し上げますと、いわば民間のあるシンポジウムの中の私のメモ書きなんですけれども、北朝鮮は、特別調査委員会の権限が国防委員会から委任された、今御答弁ありましたけれども、国防委員会の権限を強調して、あたかも北朝鮮が大きな変更をして拉致問題に真剣に取り組むかのような印象をやはり与えているような気がしてならない。 というのは、北朝鮮の実際の権力がどこにあるかということになれば、国防委員会でなく、先軍政治だから軍部だということでもない、ではどこかといえば、これは民間調査で明らかになっているのは、指導部、組織指導部が党や政府、軍、工作機関の人事権を持って検閲するというふうに私は認識をしています。例えば、組織部とその関連の国家保衛部の役割といえば、要は、組織部が誰を捕まえに行けという指示をする側であって、保衛部が実行部隊で動くというような役割分担。であるならば、組織部がやはり我々の一番交渉相手とする部分ではないかなと。 というのは、実は、ファン・ジャンヨプ氏、元朝鮮労働党の書記長、韓国に亡命されて亡くなられましたが、平成二十二年の四月にひそかに来日をされていらっしゃいます。この際、私、拉致特の理事でございましたもので、大変な厳重警戒の中でお目にかかって、意見交換をさせていただきました。 そのときに、ファン・ジャンヨプ氏、こうおっしゃっているんです。拉致対策本部のホームページにあるものをそのまま読ませていただきます。「金正日が軍隊においては最も、軍隊の上位層には余り頭のいい人は配置しません。なぜならば、実質的な権限のある人には名誉を与えないんです。ですから、ポストは高くても、実質的な権限はないんです。党の組織は徹底した権限を持っています。」ちょっと中略、「やはり組織部が最も力がある、権限があると言えるでしょう。どんな人が出ても党を掌握しなければなりません。軍隊だけでやっていくことはできないのです。軍はあくまでも人々、住民を脅かすために必要な存在であるからです。」というふうにお話をされていらっしゃいます。 これを考えたときに、やはり、あのときの訪朝というものが、どうも私は、とりあえず北朝鮮は日本に対してちゃんとやっていますよというようなアピールに使われてしまったんじゃないかなという疑念を払拭できません。 とにかく、特別調査委員会というものが窓口として対応できるか、そういうことに足り得る組織なのかということを、もう一度ちょっと検証していただければなというふうに強くお願いをさせていただきたいというふうに思います。 そして、先ほど斎藤委員の方からお話がありました、朝鮮学校の問題について触れさせていただきます。 資料の一ページ目の中に、実は、安倍総理が、拉致問題を解決しなければ北朝鮮が未来を描くことができないということで、平成二十七年六月の二十五日に、自民党拉致対策本部対北朝鮮措置シミュレーション・チーム、これは私はチームの一員を務めさせていただきましたが、十三項目の要請文を出させていただきました。恐らく、それを受けて、一六年の二月十日に政府が新たな制裁措置を決定したものと承知しております。 ちょっと簡単な質問なんですが、これを決定した背景を政府として御答弁ください。
○大菅政府参考人 お答え申し上げます。 対北朝鮮措置につきましては、核、ミサイル、拉致、こういったさまざまな諸懸案の解決に向けた前向きな具体的な行動を北朝鮮から引き出す上で何が最も効果的かという観点から不断に検討を行ってまいりましたし、その一環として、自民党からの提言、これも参考にしてまいりました。 そういった検討の結果として、二月十日に我が国独自の措置を実施するということを決定したものでございます。
○長尾委員 時間もありませんのでこちらから申し上げてしまいますが、これは六月の二十五日なんですね。それで、核実験とミサイルというものがあって、それが引き金になったんじゃないかというような考え方を持たざるを得ないんです。 ちょっと表現はよくないんですけれども、もしそれがなければ、では拉致の問題を引き金に経済制裁措置をもう一回厳しいものにしてくれたかどうかというのが非常に疑問でならないんですね。 その中に、朝鮮学校の補助金問題、これが入っていなかったのはなぜですか。
○大菅政府参考人 繰り返しになりまして恐縮でございますが、対北朝鮮措置につきましては、自民党からの要請、これも踏まえまして、拉致、核、ミサイル、諸懸案を包括的に解決するために何が最も効果的かという観点から真剣に検討いたしまして、その結果として、自民党の方から指摘のございました朝鮮学校補助金問題は入れない形で、結果として二月十日の措置を決定したということでございます。
○長尾委員 外務省の今の答弁には、ちょっと憤りを禁じ得ないんですけれども。 公安調査庁さんにお聞きします。 朝鮮総連の組織というものはどういうものか。朝鮮総連と朝鮮学校との関係について御答弁ください。
○杉山政府参考人 お答え申し上げます。 朝鮮総連は、北朝鮮を支持する在日朝鮮人などで構成された団体で、北朝鮮の強い影響下にあり、その指示、指導を受けつつ、北朝鮮に対する支援活動あるいは我が国に対する働きかけなど、さまざまな活動を行っている団体でございます。 朝鮮人学校との関係でございますが、朝鮮総連は、朝鮮高級学校など朝鮮人学校での民族教育を愛族愛国運動の生命線というふうに位置づけておりまして、北朝鮮、朝鮮総連に貢献し得る人材の育成に取り組んでおり、その影響は、朝鮮人学校の教育内容、それから人事、財政に及んでいるものと承知をしております。
○長尾委員 これは、民主党政権下で高校の無償化問題が出たときから私はずっと言っていることなんですが、ようやく馳文科大臣が文書を出してくださいました。確かに子供たちに罪はありませんけれども、今、公安調査庁さんから御答弁をいただいたように、財政的にも人事的にも大きな影響力がある組織からというようなことであれば、どれだけ国連が我が国がほかのところで強い経済措置を講じたところで、蛇口をひねってお湯をためようと思ってもお風呂の栓が抜けているような状態だというふうに言われてもいたし方ない。 文科省さん、きょう質問を用意していましたけれども、ちょっと時間がないのでお願いにさせていただきますが、あくまでも通知でございます。ただ、総務省さんも、きょう来てはいませんけれども、自治体の判断によるところということで。馳大臣が、とにかく大臣通知ですから、今までと違うわけですよね。総務省がやっていたいわゆる固定資産税の減免措置と違って、今回は大臣通知が出ているわけですので、ここはひとつ、文科省さんとしても総務省さんとしても、決して無関係な立場ではなく、朝鮮学校の補助金についてはきっちりとストップしていっているかどうか、フォローアップをしていただきたいなというふうに思っております。 それから、最後になんですけれども、先ほどの科協の話にちょっと通ずるんですが、防衛省さん、防衛大学校の学生募集要項の中、「この試験を受けられない者」に「日本国籍を有しない者」、そして幾つかあって、その中に「日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者」というふうに書いてございます。 よもや、朝鮮総連関係、あるいは中国共産党の幹部の方々の関係者、あるいは御子息、あるいはその組織構成員たる人間が、そういうところに入学しないだろうなという懸念を持っているんですが、その懸念が全く当たらぬということを御答弁いただきたいというふうに思います。
○深山政府参考人 お答えを申し上げます。 まず、御指摘のとおり、防大の受験に際しましては、日本国籍を有するかどうかが要件となっております。 次に、御指摘のとおり、「日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者」、これは欠格条項でございますけれども、これは自衛隊員のみならず他の一般職の国家公務員にも同様の欠格条項があるわけでございますが、こうした制度になっております。 後段につきましては、このような団体としては、具体的には、破壊活動防止法により団体活動の制限あるいは解散の指定を受ける団体が考えられるところでございますけれども、現在のところは、破壊活動防止法に基づきこのような処分が行われる団体はないと承知しております。 いずれにいたしましても、自衛隊は我が国の平和と独立を守るという任務を有し、自衛官の職務は武器弾薬その他防衛装備品等を取り扱う性格を有しておりますので、隊員の採用に当たっては、自衛隊法に定める欠格事由の有無、その他隊員として真にふさわしいかどうかに関することなどにつきまして、必要な調査を行っているところでございます。 いずれにいたしましても、防衛省といたしましては、今後とも適切な採用業務を行っていきたいと考えておるところでございます。
○長尾委員 破防法という法律がありますが、その適用になった団体がまだかつてないということでありますが、それは今までのことで、そのあたりはしっかり我が国の国民の生命と財産を守るに足り得る体制を整えていただきたいと思います。 加藤大臣の絶大なリーダーシップをもって、安倍総理のもと、拉致事件が解決されるよう、ともに頑張っていくと決意しまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○今津委員長 次に、上田勇君。
○上田委員 公明党の上田勇でございます。 きょう拉致問題特別委員会の質疑が開催されましたことは、本当に意義のあることだというふうに思っております。 安倍総理は、拉致問題の解決は安倍政権の最重要課題であり最優先に取り組んでいると、たびたび発言をされております。加藤大臣も同じ思いで取り組まれていることだというふうに推察いたします。引き続き、拉致問題の解決に向けて全力を尽くしていただくことを期待するとともに、国会としても、党派を超えて総理そして加藤大臣の取り組みを全面的にサポートしていきたいというふうに考えておりますので、そのことをまず申し上げたいというふうに思っております。 質問に移らせていただきますけれども、まず最初に、きょう加藤大臣から冒頭御報告もございましたが、ニューヨークの国連での我が国政府主催の国際シンポジウムについてであります。 拉致問題の解決のためには、当然のことながら国際社会の一致した取り組みが必要であります。そのために、国際社会の関心を高めて世論を喚起していくということを目的といたしましたこういうシンポジウムの開催というのは、極めて意義深いものだというふうに受けとめております。 今回の成果については先ほど御報告をいただいたところでありますけれども、拉致問題を含む北朝鮮の人権問題については、残念ながら海外での認知度というのはまだまだそれほど高くはない。したがって、こうしたシンポジウムなどの啓発活動というのは継続的に粘り強く取り組んでいかなければならない、そのことが重要であるというふうに考えております。 一方、一部の論調では、今回のシンポジウムについて、参加者はやはりどうしても関係者がほとんどだった、そして海外メディアの取り扱いというのも必ずしも大きくなかった、国際的な世論を喚起するという意味での効果については限定的だったんじゃないかというようなものもございます。 政府や学識者の関心を高めるということも重要なんですけれども、同時に、やはりいろいろな国の一般市民の世論を喚起していくことも重要でありますので、今のこうした一部の論調というのは必ずしもそれが的確なものだというふうには思いませんが、一般的な世論を喚起していくという意味ではさらに広く関心を集めるさまざまな工夫とか努力が必要である、これは事実なのではないかというふうに思います。 大臣の御見解を伺いたいと思います。
○加藤国務大臣 今回、ニューヨークで国連本部を活用して実施いたしましたこのシンポジウムでは、百十名収容の会場に対して百五十名の方の御出席をいただいたところでありまして、ニューヨーク近郊の大学の関係者や学生、あるいはNGOの皆さん方、やはり国連という場でございましたから国連の職員の方、さらにはアメリカ、オーストラリア、EU、韓国、アラブ首長国連邦、ノルウェー、リトアニア等々幅広い国の外交団の関係者もございましたので、そういう意味で、外交関係の方々という意味での偏りはどうしても、国連本部ということでございます、かなりありましたけれども、ただ、広範な国々の方々が関心を持ってこれに参加していただいたということは言えるのではないかと思います。 それからまた、ワシントンではCSISと共催をいたしました。このときには、声がけは私どもではなくてCSISのネットワークを通じてお集めをいただきましたので、これはこれまでにない方々にもお声がけがあり、そうした方々も百名程度御出席をいただいた、こういうふうに認識をしております。 また、国際広報というのは非常に重要でありますけれども、今回は海外のメディアでありますワシントン・ポストとUSAトゥデーにおいても取材があり、私もインタビューを受けさせていただきました。実際、その結果が報道されたところでございます。 こうした一つ一つの積み重ねをやりながら、やはり拉致問題に関する国際世論の理解と支持を得ていけるように、いろいろな広報を考えていかなきゃいけないかなと。 特に、今回、向こうの記者の方で、非常に精通している方もいらっしゃるんですが、ほとんど知らないけれどもこういうことがあるからということで、取材をされてこられた方もありました。やはり、そういう方々に対して、どういうソースを提供すると御理解をいただき、またさまざまな形で記事を展開いただけるか、そういったこともいろいろ工夫をしていかなきゃならないなということを改めて感じさせていただきました。 そういったようなさまざまな工夫をしながら、そうした国際的な世論の高まり、また圧力の中で、拉致被害者全ての方の一日も早い帰国に向けた道筋をしっかりとつくっていけるように努力をしていきたいと思います。
○上田委員 ありがとうございます。 今大臣から御答弁がありましたとおり、やはり海外における一般の世論というのが高まっていかないと、なかなか政府を本当の意味で動かすということになっていかない。そういう意味では、これから粘り強い取り組みが必要なんだというふうに思いますので、ぜひよろしくお願いしたいというふうに思います。 以下、外務省に何点かお伺いしたいというふうに思います。 まず、北朝鮮の核・ミサイル発射実験でありますが、北朝鮮は国連決議に違反をして、国際社会の声を無視して核実験、ミサイル発射実験を続けております。国連初めさまざまな国際的な場でもたびたびこの問題が取り上げられて、決議が採択をされ、制裁が発動はされています。 しかし、結果を見ますと、北朝鮮はそうした国際社会の反応など全く眼中にないかのように核兵器や長距離ミサイルの開発を続けている、挑発的な行為を繰り返しています。このままだと結局は既成事実化してしまうんじゃないか、そんな危惧が持たれます。それこそが今の北朝鮮の狙いなんじゃないかなというふうにも受けとめます。 そうなりますと、日本にとっては極めて重大な脅威になりますし、日本に限らず、これは世界全体にとっても極めて深刻な問題になってくる。北朝鮮のこうした行為をとめるためには、繰り返し繰り返し、しつこいぐらいこの問題はいろいろと取り上げていかなければなりませんし、同時に、圧力も、単に制裁をするぞということだけじゃなくて、実効のあるものでなければやはり効かないんだろうというふうに思います。 今後、こうしたことが既成事実化して、その上でいろいろな交渉を行うというようなことがないように、政府としてどういう対応をしていくのか、お伺いしたいというふうに思います。
○大菅政府参考人 お答えいたします。 委員御指摘のとおり、北朝鮮の核・ミサイル開発は、我が国の安全に対する重大な脅威であるのみならず、北朝鮮に全ての核兵器、核弾道ミサイル計画の放棄を求めた一連の安保理決議の明白な違反、挑戦でございます。その既成事実化を認めることはできないという点につきましては政府としても重視しておりまして、米国、韓国を初めとする関係国と緊密に連携しながら、北朝鮮に対して安保理決議等を誠実、完全に実施するよう強く求めていくということが、まずございます。 さらに、御指摘のございました、ことしの三月二日に採択されました安保理決議第二千二百七十号でございますけれども、これは、これまでの累次の決議に比べまして制裁の内容を大幅に追加、強化するものとなっております。それ自体が国際社会の北朝鮮に対する強固な、断固たる姿勢を示していると考えますが、まさにこのような包括的かつ強い内容の決議を関係国と連携しながら実効性のあるものとすることに努めていくというのが二つ目でございます。 具体的には、安保理の下部機関でございます北朝鮮制裁委員会、それからまたそのもとにございます専門家パネル、こういったところで各国の対北朝鮮措置の実施状況を監視していく、そういう体制になっておりますので、我が国としましても、この制裁委員会それから専門家パネルの作業に積極的に関与していくという方針でございます。
○上田委員 今おっしゃっていただいたように、政府としてもさまざまな取り組みはしていただいている、一生懸命努力をしていただいていることは理解いたします。 でも、結果的に、いまだにやはりミサイルの発射実験が行われ、核開発は続いている。今後、これが既成事実となって、そこが出発点になって交渉することになってしまうということは絶対避けなければならないことだろうというふうに思います。 そこで、今おっしゃったとおり、今まで制裁をさまざま発動してきた。では、この制裁が果たして効果が上がってきたのかという点が重要なんだと思います。 内容を見ればかなりこれは厳しい内容ではあるんですけれども、どうも、これまで北朝鮮側のいろいろなところでの発言を見ますと、制裁措置というのは余り効果はないんだ、我々は大丈夫なんだ、北朝鮮の経済は順調だみたいな発言が多く出ています。内容を見れば、いや、そんなことはないんだろうなというふうには思うんですが、一方で、北朝鮮の政権からしてみると、国民生活が困窮していても、それは本当に痛手になっていないのかもしれない。そうすると、どういう対応をすることが一番効果的なのかということは、よく考えなければならないことだろうというふうに思います。 そこで、これまでそうした制裁措置をたびたび発動してきたわけですけれども、それの効果をどういうふうに分析されているのか、そして、今ちょっと答弁にもあったんですが、ことしの三月には大幅に追加、強化をしたわけですけれども、ここでさらに期待される効果をどういうふうに分析されているのか、政府としてのお考えを伺いたいというふうに思います。
○大菅政府参考人 制裁の効果についての御質問でございます。 これまでの我が国独自措置、それからこれまでの安保理決議に基づく制裁がどういった影響を北朝鮮に与えているか重大な関心を持って注視はしておりますが、現時点で、国の体制が非常に閉鎖的であるということもございまして、確定的に評価することは困難でございます。 先ほど別途の御答弁をさせていただきましたが、北朝鮮の経済状態自体は非常に脆弱な状態にあるというのが国連等の分析でもございます。他方、累次の安保理決議に基づく措置の目的自体は、北朝鮮の経済そのものに打撃を与えるというよりは、核・ミサイル開発ができないようにするというところに主眼がございます。今回採択された安保理決議におきましても、人道上のニーズについては例外措置が設けられているという点もございます。 いずれにしましても、大量破壊兵器開発を食いとめるための制裁措置については、先ほども申しましたが、安保理決議の厳格な履行を我が国と周辺国、中国が最も貿易量については北朝鮮との関係が大きい、九割を占めるということでございますので、中国の履行状況、それから抜け穴がその他ないかどうかをきちっと監視していく、そのための場所として安保理の下部機関でありますところの北朝鮮制裁委員会、さらにその下の制裁パネル、こういったところときっちりと連携しながら、今後の制裁の効果についてもフォローしていきたいと考えております。
○上田委員 今答弁にあったんですが、もちろん制裁の目的というのはミサイルや核開発をやめさせることでありますので、そこに主眼を置いた内容とするということはそのとおりだというふうに思います。私たちも、別に、北朝鮮の国民を困らせよう、生活を困窮させようというようなことを目的としているつもりはないというのはおっしゃるとおりなんだと思いますが、でも、結果を見ると、今、核兵器の開発もどんどん進んでしまう、ミサイルの発射実験は毎月のように行われたというような実態があって、全然それは効いていないんじゃないかというふうに思わざるを得ない部分があります。 もちろん、何がどういうふうに効くのかというのを分析するのはなかなか困難な面も多いとは思いますけれども、やはり効く対応をする、効果的な対応をするということが重要だと考えていますので、ぜひ、そういったこともよく分析をしていただいて、より効果的な制裁措置の発動を初めとする対応をお願いしたいと考えておりますので、どうかよろしくお願いをいたします。 最後に、今月の六日から九日に北朝鮮労働党大会が開かれました。三十六年ぶりだそうでございます。 この大会で金正恩は活動総括報告を述べておりますけれども、その中で、核大国と経済建設のいわゆる並進路線というのを打ち出しています。一方では、核保有国であるということを改めて宣言して、核戦力を含めた軍事力を強化していくという方針を打ち出している。もう一方では経済を立て直すんだということなんですが、しかし、この二つというのは成り立たないと思います。 経済を立て直していくためには、北朝鮮も金正恩の報告の中でも認めているように、周辺国や国際社会との、これはもちろん我が国も含むんですけれども、関係改善が大前提でありまして、それを行うためには、核、ミサイルを初めとする軍事力強化路線というのを放棄してもらうしかないわけであります。こうしたメッセージをやはりさらに明確に繰り返し繰り返し発信していくことが必要だと思います。 また、この党大会について各方面でその意図に関する分析とか論評というのがあるんですが、その中には、北朝鮮が今、韓国との関係改善を非常に強く望んでいるのではないか、またアメリカや日本との関係改善の道も探っているのではないかというようなものもあります。この報告の内容を見ただけではなかなかそうは思えませんけれども、そういう分析をされている専門家もいる。 しかし、関係改善を望むのであれば、核、ミサイル、そして我が国との関係においては拉致問題、これに誠意を持って対応することが基礎である、大前提であるというふうに考えておりますけれども、そのあたりの政府の御見解を伺いたいと思います。
○大菅政府参考人 党大会における北朝鮮の関係国との関係改善の意図について御質問がございました。 まさに御指摘ございましたとおり、党大会の活動総括報告の中で、金正恩第一書記は、南北関係の根本的な改善ということを言及しております。また、米国との関係でも、休戦協定を平和協定にかえるといったようなことを求めております。 その一方で、金正恩第一書記は、安保理決議それから六者会合共同声明を遵守することなく、核武力を質的、量的にさらに強化していく意思、さらに、いわゆる衛星の打ち上げを継続する、こういった姿勢も強調しているところでございます。 さらに、我が国につきましては一カ所言及がございまして、そこでは、朝鮮半島に対する再侵略の野望を捨てるとともに過去の罪悪について反省、謝罪すべきといった、一方的な主張も行っているところでございます。 委員御指摘のとおり、北朝鮮が国際社会との関係改善を望むのであれば、まず挑発行動を自制し、累次の安保理決議を遵守するといったことを通じて諸懸案の包括的解決に向けた前向きな動きを示す必要がある、このように考えております。 また、我が国との関係におきましては、拉致問題の解決なくして北朝鮮との国交正常化はあり得ないという立場をこれまで繰り返し明らかにしてきたところでございます。 政府としましては、対話と圧力、行動対行動の原則のもと、北朝鮮が諸懸案の包括的解決に向けた前向きな動きを引き出すべく、引き続き全力を尽くしてまいる所存でございます。
○上田委員 終わります。どうもありがとうございました。
○今津委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時四十五分散会