法務委員会 第13号
- 発言数
- 86 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2016/04/22
会議録
○葉梨委員長 これより会議を開きます。 第百八十九回国会、内閣提出、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案及び出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。 本日は、両案審査のため、参考人として、神奈川県立保健福祉大学名誉教授根本嘉昭君、Jプロネット協同組合常務理事村尾和男君、獨協大学法学部教授多賀谷一照君、福島大学行政政策学類教授坂本恵君及び慶應義塾大学総合政策学部教授後藤純一君、以上五名の方々に御出席をいただいております。 この際、参考人各位に委員会を代表して一言御挨拶を申し上げます。 本日は、御多忙の中、御出席を賜りまして、まことにありがとうございます。それぞれのお立場から忌憚のない御意見を賜れば幸いに存じます。 次に、議事の順序について申し上げます。 まず、根本参考人、村尾参考人、多賀谷参考人、坂本参考人、後藤参考人の順に、それぞれ十五分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。 なお、御発言の際はその都度委員長の許可を得て発言していただくようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。 それでは、まず根本参考人にお願いいたします。
○根本参考人 委員長そして委員の皆様方、本日は、このような発言の機会を与えていただき、本当にありがとうございます。 私は、社会福祉、中でも公的扶助を専門としておりまして、外国人の受け入れ制度に関しては門外漢でありますけれども、たまたまこの十年ほど介護福祉士の国家試験にかかわってきた関係もありまして、平成二十六年十月に厚生労働省に設置されました外国人介護人材受入れの在り方に関する検討会、少し長い名前なんですが、この検討会の座長を務めさせていただきました。 この検討会は、平成二十六年六月に閣議決定されました「日本再興戦略」改訂二〇一四において示されました、一つ、介護福祉士資格を取得した留学生が、卒業後に国内での就労を可能にするため、在留資格の拡充を含め、年内を目途に制度設計等を行うこと、一つ、外国人技能実習制度の対象職種に介護分野を追加することについて、日本語要件等の介護分野特有の観点を踏まえつつ、年内を目途に検討し、結論を得ることという、この「日本再興戦略」改訂二〇一四の要請に応えるために設置されたものでございます。 この検討会には、学識経験者や実際に介護分野において外国人の就労に関係している介護サービス関係者などに御参集いただきまして、検討を重ね、これまで二つの報告書を取りまとめております。 そのうち、平成二十七年二月、昨年の二月に取りまとめました報告書の内容が今回の二つの法案に関係しているところも多々ございまして、その報告書を取りまとめた立場から、本日、ここに招聘され、発言を求められていると理解しております。 まず、この報告書に盛られている外国人介護人材と我が国の介護との関係という最も基本的なスタンスにつきまして、考え方を述べさせていただきます。 それは、現在の我が国における少子高齢化の進行、とりわけ、二〇二五年問題と言われておりますように、今から九年後の二〇二五年、平成三十七年には最大で二百五十万人規模の介護人材が必要とされておりますけれども、この介護人材の確保につきましては、国内の人材確保対策を充実強化していくことで対応し、安易に外国人介護人材を活用するという考え方はとるべきではないということでございます。 すなわち、外国人介護人材の受け入れは、あくまでもそれぞれの制度の趣旨に従って対応するものでありまして、資格を取得した留学生への在留資格の付与に関しては、専門的、技術的分野への外国人労働者の受け入れ、そして技能実習制度に関しては、日本から相手国への技能移転という、それぞれの制度本来の趣旨に資するものであって、決して外国人を介護人材として安易に活用するものではないということでございます。 そして、そのような視点に立ちまして、さらに介護分野に外国人を受け入れるに当たりまして、いろいろと指摘されております懸念に対応するために、次の三つの点について適切な対応が図られるように検討いたしました。 その三つの点とは、第一に、介護職に対するイメージの低下を招かないようにすること、第二に、外国人について日本人と同様に適切な処遇をすることを確保し、日本人労働者の処遇や労働環境の努力が損なわれないようにすること、そして第三に、介護は対人サービスでありまして、また、公的財源に基づき提供されるものであることを踏まえまして、介護サービスの質を担保するとともに、利用者の不安を招かないようにすること。 このような外国人介護人材と我が国の介護との関係という基本的なスタンスを踏まえまして、これから意見を述べさせていただきたいと思います。 現行制度におきまして、外国人の介護福祉士候補者及び介護福祉士の資格取得者の受け入れが行われておりますのは、経済連携協定、EPAに基づいて、日本と当該国との経済連携の強化の観点から、協定に基づいた公的な枠組みのもとに特例的に行われているものと承知しております。 そして、平成二十年度より、このEPAに基づく外国人介護福祉士候補者の受け入れを開始いたしまして、現在は、インドネシア、フィリピン及びベトナムの三カ国から受け入れておりまして、平成二十七年度までには、その数は累計で二千百六名になっているということでございます。 御承知のとおり、これらEPAの介護福祉士候補者は、日本に入国して、それぞれの受け入れ介護施設におきまして、就労しながら介護の経験を積み、三年間の就労で介護福祉士の国家試験の受験資格を得て、四年目に国家試験を受験することになります。 この国家試験の合格率は、EPAとして初回受験となる平成二十三年度には、受験生全体の合格率は六三・九%でありましたけれども、これに対してEPAの受験生の合格率は三七・九%でありました。その後の各方面の努力によりまして、平成二十七年度には、全体の合格率五七・九%に対しまして五〇・九%、三七・九%から五〇・九%へと上昇してきております。 また、平成二十六年度までに国家試験に合格して資格を取得された方のうち、約二百五十名の方が現在も引き続いて我が国で活躍されているものと伺っております。 これらEPA介護福祉士の方々の働きぶりはまことに目覚ましいものがありまして、受け入れ施設の細やかなフォローアップもありまして、利用者の方々からの評価は相当高いものがあるというふうに承知しております。 そして、このようなEPA介護福祉士の活躍ぶり等の経験は、外国人介護人材に関する制度を検討するに当たりまして大いに参考になると思います。 そのような総論的なお話を前提といたしまして、次に、今回の法案に関係すると思われることを二つのポイントに絞りましてお話ししたいと思います。 まず第一に、介護福祉士資格を取得した留学生への在留資格の付与、在留資格「介護」の創設についてでございます。 「日本再興戦略」改訂二〇一四におきまして、外国人留学生が日本の高等教育機関を卒業した場合と明記されておりますように、今回の在留資格の拡充の対象となる者は、介護福祉士の国家資格の取得を目的として養成施設に留学し、そこを卒業して介護福祉士資格を取得した者とすることが適当であると考えます。 さらに、今回の入管法の改正で受け入れることとしているのは、介護福祉士という国家資格を取得した専門的知識を持った人材であり、その在留資格は専門的、技術的分野の一つとして付与されるものであるということを踏まえますと、日本人と同様に就労場所を限定せずに認めるべきであること、さらに、介護福祉士養成施設で受け入れる留学生の人数につきましては、教育指導や実習受け入れの観点から、看護師等養成所の運営に関する枠組み等も参考にしながら、個々の教育機関の状況に応じまして介護を学ぶ学生の各学年別定員の上限を定めるべきであること等の結論に検討会では達した次第でございます。 いずれにいたしましても、この枠組みによる受け入れにつきましては、国家資格である介護福祉士の資格を有している者を想定しておりますので、先ほど申し上げました三つの懸念、すなわち、介護職に対するイメージダウン、日本人労働者の処遇の低下、さらに介護サービスの質の低下という三つの懸念につきましては、いずれも当たらないものと思っております。 次に、第二に、技能実習制度への対象職種の追加についてでございます。 冒頭述べましたように、私は、技能実習制度を初めとする外国人の受け入れ制度については専門外でありますけれども、言うまでもなく、技能実習という制度は、日本から途上国等に対しまして、技能移転を通じての人づくりに協力することがその目的であると理解しております。 日本は、他国と比較いたしまして高齢化が急速に進展し、認知症を初め医療的ニーズを持つ高齢者の増加等、その介護ニーズも、量的に増大しているだけではなく、質的にも多様化、高度化、複雑化してきております。このような状況に対応している我が国の介護に関する技術、技能につきまして、海外から取り入れようとする動きも出てきており、こうした介護技能を他国に移転することは、国際的にも意義のあるものであり、技能実習制度の趣旨にもかなうものと考えております。 他方、現行の技能実習制度に対しましては、さまざまな問題指摘がございまして、また、それに応えるための制度の抜本的な見直しが進められて今日に至っていると承知しております。 技能実習の対象職種に介護を追加するに当たりましては、技能実習制度本体の見直しを踏まえる必要があるとともに、人を相手とする対人サービスである介護分野ということで、より適切な対応が求められるということになります。 検討会におきましては、技能実習制度の見直しの検討状況について聴取いたしましたけれども、内容としては、制度の趣旨、目的に沿った技能等の修得、移転が確保され、かつ、技能実習生の人権確保が図られるよう制度の適正化を図るものであり、その見直しの内容は、検討会として評価させていただきました。 また、先ほど来申し上げている三つの懸念に対応するために検討を要する事項として、一つ、移転対象となる業務内容、範囲を明確化すること、二つ、必要なコミュニケーション能力を確保すること、三つ、適切な評価システムを構築すること、四つ、適切な実習実施機関の対象範囲を設定すること、五つ、実習体制を確保すること、そして第六に、日本人と同等処遇を担保すること、第七に、監理団体による監理の徹底などにつきまして検討し、介護固有の具体的方策をあわせ講じることによりまして、さまざまな懸念に対して適切に対応していくことが適当であるとされました。 したがいまして、検討会としては、技能実習制度本体の見直しの詳細が確定した段階で、今お話しいたしました介護固有の具体的方策をあわせ講じることによりまして、さまざまな懸念に対して適切に対応できることを確認した上で、新たな技能実習制度の施行と同時に介護の職種追加を行うことが適当であるという結論に到達した次第でございます。 もちろん、技能実習の職種追加に関しましても、現行の枠組みであるEPAに基づく受け入れを参考にした着眼点から検討を加えておりますので、先ほどの懸念につきましても払拭できるものであると考えておりまして、関係者を初め国民の皆様方にもきっと受け入れていただけるものと思っております。 以上、私が座長を務めました外国人介護人材受入れの在り方に関する検討会の取りまとめに基づきまして意見を述べさせていただきました。 今後、関係省庁において検討される部分を含め、可能な限り早期に、また適切な形で制度が開始されることを御期待申し上げまして、私の意見陳述を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。(拍手)
○葉梨委員長 ありがとうございました。 次に、村尾参考人にお願いいたします。
○村尾参考人 初めまして。私は、Jプロネット協同組合の常務理事をしております村尾と申します。どうぞよろしくお願いいたします。 私たちは、Jプロネット協同組合という監理団体で、本部を愛知県、支部を東海と九州に置いて活動しております。 本日は、私どもの意見を聞いていただく機会を設けていただきまして、本当にありがとうございます。今回は、井出先生を初め諸先生方、また関係の皆様に心から厚くお礼申し上げます。 早速でありますが、本題に入らせていただきます。 まず一つ目は、せっかくの機会ですので、Jプロの概要を少し話をさせていただきます。二つ目は、二〇一〇年七月の改正入管法についての現場の実感であります。三つ目は、実習生制度について、我々の要望も含めて発表させていただきたいと思っております。よろしくお願いします。 まず一つ目の、弊組合について簡単に紹介させていただきます。 Jプロネットという名前なんですが、JプロのJはジャパンのJであります。それから、プロは、プロダクション、プロフェッショナルということからプロと使わせてもらっています。ネットはネットワークから。要するに、製造業を中心としたネットワークを構成するという意味であります。 二〇〇四年、平成十六年に研修生制度を我々活用させていただきまして、製造業に特化した監理団体を設立しました。発起人でありました一人が九州の大手自動車メーカーの元幹部ということもありまして、受け入れ実習実施機関、企業様は、北九州の自動車メーカーを皮切りに、自動車及び自動車の部品メーカーが多く、本部を九州に置きました。 その後、時代の変化とともに、自動車関連の部品メーカーで、東海地区の方へ拡大することになりまして、二〇〇九年から愛知県に本部を移転し、現在に至ります。 おかげさまで、現在は、五十九社の受け入れ実習実施機関とおつき合いをさせていただいております。 弊組合は、二〇〇五年一月の実習生受け入れから現在まで、二千六百名強の累積人員になります。ほとんどがまだ中国の実習生でして、八四%を占めます。あとは、ベトナムの一五%、タイの一%。最近は、ミャンマー、まだ入国はしておりませんが、進めております。 実習生の数は、現在、六百四十名強。一時は、二〇〇八年の二月ごろは九百九十名ぐらいまで監理させてもらっていましたが、リーマン・ショックの関係で半減しました。現在、徐々に増員の傾向にある状況であります。 最近の状況は、この業界の動向と変わらず、ベトナム、タイの実習生の受け入れが、企業さんの要望もありまして若干多くなってきた傾向があります。直近では、ミャンマーの実習生も受け入れを始めました。また、中国、ベトナムとともに、ここ二、三年は、実習実施機関の現地法人への再就職者が増加の傾向にあります。近年は、建設関連のお話も特徴であります。 最近の中国の応募状況や質の低下等々も考慮しまして、タイですとかミャンマーの国への進出、実習実施機関の要望等も踏まえて対応させていただいております。 先ほども申し上げましたが、弊組合の特徴の一つに、発起人の一人が大手の自動車メーカーの出身ということもありまして、組合の立ち上げ当初から製造業に特化した組合であります。日本の物づくりの精神は今も変わっておりません。 実習生には、技能の修得はもちろんでありますが、日本語能力の向上、物づくりの基本的な考え方、あるいは配属先の企業さんの社風、日本人の考え方を肌で感じ習得し、母国へ持ち帰り、伝承するということであります。 弊組合では、中国の送り出し機関、ミャンマーの送り出し機関、日本の企業の協力を得まして、そこで教育した、より企業さんのニーズに合った人材を提供するように力を注いでおります。 入国後の教育です。これも義務づけられているんですが、入国直後の一カ月間にわたる講習を実施する施設を福岡に保有しております。これは、中学校の、廃校になったというのか、遊休施設を借用させていただいております。その中では、日本語、規律訓練、ごみの分別方法、交通安全、そして日本の文化、日本人との接し方等々について、組合の専任講師が実施しております。また、法的保護ですとか、警察、消防、郵政、そういった関係も専門の講師を招聘して実施しております。 生活指導についてですが、弊組合が大切にしていますのは日常のコミュニケーションであります。最低月に一回以上は、寮の巡回あるいは職場の巡回を必ずやっております。巡回時には、本人たちの悩みや相談事をいつでも相談できるような体制をとっております。 それから、日本語能力向上の取り組みであります。日本語検定試験、これは年に二回ありますが、合格者への報奨金制度をとっております。 また、組合独自の日本語スピーチコンテストを実施しまして、実習生の日本語力向上を図っております。特にスピーチコンテストにおきましては、年々好評で、ことしで十回目を迎えることになります。各回百二十名から百五十名ぐらいの聴衆を集めて、約二十名の弁士を各受け入れ機関から選出し、実施しております。中には、上位を目指し、企業内で予選会を実施して本大会に出てくるというふうな盛り上がりも見せております。レベルも年々向上しまして、三分間ぐらいの発表なんですが、ほとんどの弁士は原稿なしで発表するぐらいまで成長しております。さらに、二〇一三年度からは、我々事務局ではなくて、MCを実習生の中から出すとか、あるいは、実習生主導型のイベントに今変更しつつありまして、非常に好評を得ております。 指導体制でありますが、弊組合事務局の常勤職員は二十一名であります。日本人が十三名、中国人が六名、ベトナム人が二名のスタッフで、実習生専属で、いつでも相談、対応できる体制を整えております。 余談になりますが、二〇一二年、中国の済南市で、中国中日研修生協力機構、日本でいいますJITCOさんに当たるCISCOさんから弊組合も表彰を受けさせていただきました。研修生受け入れ優秀機関ということで名誉ある表彰をいただきましたが、約二千ある組合の中で、日本で十八の団体が選ばれた中に入っております。 次に、二つ目としまして、二〇一〇年改正入管法の影響についてであります。 入国一年目から労働関係法令の適用が実施されました。改正までは研修生ですから、残業、休日出勤、深夜勤務はできなかったのですが、この改正後は実習生となりまして、企業配属後すぐに労働法が適用されたことは、実習生にとっても実務的に技能修得向上につながり、実習実施機関の実習現場にとっても、また労務管理面でも、オペレーションがやりやすくなりました。 法改正前の実習生制度のように、日本人の職場、あるいは実習生、研修生の職場というような区別が必要なくなったというのが一つ。それから、現場管理も極めてスムーズになりました。労務管理面で他の従業員と同等に扱えるというのも大きなメリットであります。それから、実践的な技能の修得という面では、日本の従業員と同じ立場で、同じ土俵の中で扱えるということになりました。 このことから、組合、監理団体も実習実施機関も、この制度はよい制度であり、ぜひ継続をしていただきたいというふうに思っております。 検証でありますが、発展途上国の繁栄に寄与しているのは間違いないでしょう。国際貢献に寄与している。それから、帰国後の就職にも成果を上げている。それから、実習生は、このチャンスがなければ日本のよさを実感できないというふうなところもあります。それから、日本の実習体験で憧れを持って帰った者はたくさんおります。またチャンスがあれば日本へ来たいという実習生もたくさん出てきております。 最後に、三つ目としまして、実習生制度についての要望であります。 職種の拡大で、自動車組み立て職種や自動車部品製造職種の導入についてであります。 前述のように、弊組合は自動車関連企業がほとんどで、仕上げ、溶接、塗装、機械加工などの職種で実習をしております。この制度が発足してから二十年以上たって、この間、自動車製造にかかわる職種の拡大がないのは、私どもは問題ではないかというふうに考えます。 また、今、自動車製造過程では自動化が進んでいますが、自動化が進んでいない、労働集約の度合いが最も高い工程は組み立て工程だというふうに考えます。 自動車業界は、御存じのとおり、現在、世界各地に現地法人を配置し、日夜生産をしております。日本で学んだ高い組み立て技能のノウハウを現地法人で生かすことができれば、自動車業界はもちろんですが、技能を修得した実習生、また現地の国にとっても非常に意義あるものと考えます。 現在は、自動車製造のみならず製造業全体に言えることですが、少なくとも三年間同じ仕事はありません。日進月歩、変化している状況であります。つまり、日々改善、進化されておりまして、作業も単純作業から複合作業に変わってきております。一人の実習生にとってみますと、単能化でなく多能工が世間一般の製造業体制だというふうに考えます。 ぜひ、自動車製造職種及び自動車部品製造職種の導入についても一度御検討をいただきたいと思います。ただ、組み立て工程になりますと、技能検定という面では、検定試験がなかなか難しい部分があると思いますが、一度御検討をいただきたい。 直近では、総菜、あるいは座席シートの縫製、自動車整備、ビルクリーニング等を追加されております。また、先ほどもお話がありましたが、介護の取り組みも検討されているというふうに伺っております。 次に、技能検定試験と実態作業についてであります。 技能実習生が二年目に技能実習二号のロに移行する場合には、御存じと思いますが、技能検定試験の基礎二級の合格が必須条件になっております。しかし、その職種の技能検定試験は、現在の現場作業と大きく乖離しています。 例えば溶接であります。自動車業界での溶接は、ほとんどロボットあるいはスポット溶接で、人間の手での溶接はほとんどありません。現在は、特殊部品や手直し工程などとなっております。 また、旋盤の職種についても、日本では自動化されたコンピューターコントロールのNC旋盤が多い中、技能検定試験では、今もって、マニュアル操作の普通旋盤で検定試験を受けないかぬというふうなことになっております。 日本で実習している実習制度だからこそ、技能検定試験も、日本の実情にマッチした検定試験をやっていただきたいという要望であります。 次に、技能実習期間の延長についてであります。 現在の実習制度では、実習期間は、入国から一年、一年、一年と、節ある三年となっております。しかし、組合員企業やその現場の声を聞きますと、優秀な実習生には、高い技能を修得させるために、もっと長い期間を設けてほしいなというふうな要望もあります。また、一部の実習生からも、より高度な技能を身につけたいという声も耳にしております。 そこで、企業、実習生の同意のもと、何かのハードルをクリアすれば一年とか二年とかの延長の措置をとっていただけたら、この実習制度がさらに高い評価及び効果を上げるものと考えます。そのために、例えば二年に一度の帰国義務等の人権的な配慮というのは当然必要になってくると思います。 どうぞよろしくお願いいたします。 以上で私の発表を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○葉梨委員長 ありがとうございました。 次に、多賀谷参考人にお願いいたします。
○多賀谷参考人 獨協大学法学部の多賀谷と申します。よろしくお願いいたします。 私は、法務省にある出入国政策懇談会の委員、座長代理を長らくやっておりまして、このたび、この技能実習制度についても、技能実習制度の見直しに関する法務省・厚生労働省合同有識者懇談会の座長を仰せつかって、昨年、平成二十七年一月三十日に報告書を出したものであります。その立場から、あるいは私の知見から、この技能実習制度のあり方について御報告したいと思います。 第一に、技能実習制度というのは、既にもう御紹介ありましたけれども、資格に基づく在留資格でありまして、企業等で技能を修得して本国に帰る仕組みであります。送り出し国にとっては技能実習のニーズがあり、それを我が国で企業が、OJT、オン・ジョブ・トレーニングとして訓練をするという、まあ、日本でいえば学生が企業でインターンシップをするという、それにある意味では類似するような制度であるというふうに考えております。 したがって、技能実習を受ける外国人は単純労働者ではありません。専門的技能をいまだ必ずしも有していないけれども、実習を通して専門職的な技能の修得を目指す者、そのような外国人による修業システムであります。外国人は、本国に帰国後、本国に貢献する、あるいは、日本を含めた第三国でも専門職として活躍するかもしれません。また、このような制度は、日本の企業が多国籍企業としてアジア各国に展開する場合において、日本の技術を修得した優秀な外国人が現地に行くということはアジア全体での日本の企業の経済的発展という点でも決して損ではない、そういう仕組みであります。 そこで、第二に、管理のシステムですけれども、そのような技能実習生を企業、実習実施機関が受け入れる場合に、実効的にOJTがなされているかということをチェックするシステムとしてもともとありますのは、監理団体による監理というものです。監理団体というものは約千九百団体ありまして、そのうち中小企業事業協同組合が千六百八十であります。その千九百団体のもとに、実際に実習を行う実習実施機関は約三万五千あります。 この監理団体の大半を占める事業協同組合は、今御報告いただいたJプロネットさんのように同業種組合といいますか、建設業とか運輸業とか、それぞれ業種ごとに組合をつくっている。そういう組合のメンバーであれば、お互いに、違反をすれば他の組合員に迷惑をかけるという意識があって自律性が保たれる、そういうことを想定して監理団体に任せたというところがあります。 ところが、現実には、そういう同業種協同組合だけではなくて異業種協同組合、要するに、各種製造業、農業、建設業などを横断的に組合化するような組織が存在し、そして、それは監理団体でありますが、ある種のビジネスをやっているという面があります。Jプロネットさんのような監理団体ならいいわけですが、異業種監理団体の一部に、やはりそういう組織があることは否めないというところであります。 すなわち、例えば、そこに書きましたけれども、傘下団体といいますか、協同組合の中には、どの程度の実習実施機関をその下部に設けているか。七五%、大半の監理団体は二十社以下。しかし、七%という一部は、五十社以上とか、あるいは百社以上の実習実施機関を抱えているという場合もある。この場合には、実効的なコントロールということは実際上なかなか困難である。そして、そういう監理団体のもとの実習実施機関は、同一都道府県にとどまっていることなく、極めて広範囲で、かなり複数都道府県にまたがっているような実習実施機関を抱えている監理団体もあります。 その意味において、本来は監理団体というのは非営利団体なんですけれども、現実には、実習実施機関から年会費を徴収して、ある種の営利的な活動をしているんじゃないか。そして、これは私自体はよくはわかりませんけれども、しかし、どうもそういう監理団体が、外国の送り出し機関とブローカー的な形で活動をして外国人を受け入れている。そして、本来外国人に与えられるべき金銭が、途中で取り上げられてといいますか、途中でそういうブローカー的な存在に渡り、十分なお金が最終的に技能実習生には渡らないというような仕組みがあるのではないかという疑いがあります。 その意味において、実習実施機関のコントロールというのは重大な問題があるということはよく言われているわけですけれども、監理団体以外のシステムというものも、必ずしもうまく今までは機能していなかったのではないか。いわゆる国際研修協力機構、JITCOによるチェックというものも、強制を伴う調査権限もありませんし、あるいはJITCO自体も実習実施機関の会費によって運営されているので、限界があるだろう。 そして、入国管理局による入国管理、それから厚生労働省による外国人労働者就業管理という、それぞれ独自の観点でやっているわけですけれども、連携が十分ではなかった。それゆえこの懇談会で両方一緒に検討したわけですけれども、その意味において、どうも未熟練労働者が技能実習の名をかりて我が国に入ってきているのではないかという懸念が起きております。そういう点で、そういう仕組みを改善しようというのがこの研究会。 ただ、一部からは、技能実習制度にかえて労働許可制、単純労働者をそのまま採用すべきだという見解がとられることがありますけれども、韓国のような労働許可制の導入の是非と技能実習制度の存廃は、私は別の問題であると考えます。 確かに、技能実習制度では、今申し上げたように問題のある運用がされていますけれども、他方、Jプロネットさんのように、制度として有効に機能している、そういう場合がございます。 その意味において、労働許可制の導入をするかどうかというのは、この懇談会ではそういう議論はいたしませんでしたし、それは、人口の一割を外国人が占めるというヨーロッパの仕組み、ヨーロッパと同じようになるのか、そういう点を考えると、やはりなお慎重に考えるべきだろう、まだ成案はないというのが我が国の現状だろうと思います。 したがって、今回の制度改正は、実習実施機関、監理団体を、これまでの監理団体による自主的コントロール、あるいはその他のコントロールにかえて、公的機関がより強くコントロールする、そういうことを志向した仕組みであるというふうに私は考えます。 その意味において、改正の方向性ですけれども、監督の仕組みのありようについては、法案の中身ですから、実習機関の届け出制とか、監理団体許可制とか、計画違反の場合の改善命令等、罰則の強化等について、あえてこれ以上申し上げませんけれども、公的機関による監督の意義、責任といいますか、実際に、実習実施機関による外国人雇用において人権侵害とかセクハラなどの事例があるというふうに外部から指摘されておるわけです。 従来は、そういう問題の是正を監理団体に委ね、国が直接監督しないということについて、人権問題であるということで、欧米も含めて批判をされているわけです。その意味において、この法改正は、そういう同業者的な監督にかえて国が直接関与する仕組みを設けておく、そういう制度改正だろうと思います。 そして、これは私の私見なんですけれども、先ほども言いましたように、この仕組みは今後どういうふうになるかはわかりませんけれども、いずれにせよ、外国人がさまざまな形で我が国に入っていらっしゃる、その場合に濫用的な仕組みにならないように、そういう公権力、法的な規制のモデルとなるのではないかという気がいたします。そのモデルとしてちゃんとそれを運用していただきたいところであります。 もちろん、新しい機構による仕組みのほかに、業法との連携といいますか、我が国は建設業とか農水業、それぞれの分野ごとに業法の仕組みがありますので、その業法による仕組みと連携して規律をすべきだろう。 東京オリンピックを迎えての建設労働者の場合が、ちょっとこの制度とは違いますけれども、その典型的な仕組みですし、また、地域協議会という仕組みは、協同組合の場合には都道府県がそれをコントロールするのが原則ですが、都道府県だけでやることはできないので、都道府県並びに地方出先機関、業法を担当する省庁の出先機関でそのコントロールをする、そういう仕組みになる。 そういう全体の仕組みとして、外国人についての規律の仕組み、外国人の流入についても比率をコントロールすべきだろうと思います。 それから、送り出し国との政府間取り決めですけれども、これにつきましては、外国の送り出し機関については我が国の主権が及ばないので、コントロールは限界があるわけですけれども、少なくとも、外国の送り出し機関と我が国の機関との間の、ちょっとそういうことを言うとあれですが、ブローカー的な連携というものを遮断する必要があると思います。 最後に、この法案は、優良団体のもとでの技能実習生についての期間延長、再実習ということを志向しております。優良団体については、受け入れ人数枠の拡大とか対象職種の拡大、サービス業も含めた拡大とか多能化とか、あるいは受け入れ期間の延長というような仕組みが志向されております。 それについては異論はありませんですけれども、ただ、やはりぜひ検討していただきたいのは、期間延長、人数枠等、優良団体へそれを認めるという仕組みを利用して、単純労働者の受け入れという技能実習制度の逸脱的な利用がくれぐれもないように、新たなる機関には責任を持って監督をしていただきたいと思います。 今までは、技能実習制度を用いた人権侵害的な活動について、実は裁判が起きたことがありました。その場合においては民事裁判ということになりますけれども、新たな機関の場合には、認可法人でも国家権力の一部ですから、今回は国が責任を問われるということになりますので、そういうことがないように運用する義務があるというふうに言えると思います。 以上で私の報告を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○葉梨委員長 ありがとうございました。 次に、坂本参考人にお願いします。
○坂本参考人 本日はよろしくお願いします。福島大学の坂本と申します。 お手元の資料の方ですけれども、私の陳述用のフリーペーパー二枚ワンセットと、韓国の雇用許可制に関するペーパーを、ちょっと分厚いものですけれども出させていただいております。 二〇一一年から四年間、文科省の科研費基盤Bの方で、外国人研修・技能実習生の人権擁護のための日本ベトナム共同アクションプラン策定研究というもので研究代表を務めさせていただきました。 本日は、三点について専門的知見を述べさせていただきます。 まず、本委員会でも論じてこられました外国人技能実習生への深刻な人権侵害がなぜなくならないのか、その構造的理由と解決策ということです。 熊本県を中心とした地震による被害が続いております。心よりお見舞い申し上げます。 御案内のとおり、今回被害が集中しております阿蘇、天草地方は有数の農業地域で、その農業生産の中心を担ってきたのが外国人技能実習生でもございます。 他方、この地域でも、実習生の権利が侵害されるということが繰り返されてまいりました。 二〇一一年には、三人の中国人実習生が阿蘇のトマト農家で研修、実習しておりましたけれども、夏は非常に暑いハウスの中で就労し、冬は鳥肉加工の農家などに二重派遣をされて冷凍庫の中で仕事をする。余りに過酷な労働ということで、実習の場所をかわりたいということを受け入れ機関に申し出たものの断られて、支援団体に助けを求めて駆け込んだ。 この件は、その後訴訟となりました。原告の一人は帰国後、中国の送り出し会社の方から、無断で受け入れ先を出奔したということで、この実習生の連帯保証人が裁判を起こされて、十五万元の支払い命令を受けております。十五万元は日本円で百八十万ですけれども、物価が違いますので、一千万円ぐらいの感覚かと思います。 それから、二〇〇七年から八年にかけてですけれども、これは天草の縫製加工会社でしたけれども、同じく中国人実習生、同様の訴訟が起こされました。原告勝訴の地裁判決が確定しましたけれども、この裁判ではJITCOの責任も俎上に上がりました。 現在、技能実習生は全国で十九万人ということですか。メード・イン・ジャパンの生産現場の一端を既に支えているのが外国人技能実習生であるということ、やはり、改めてそういう認識を持つ必要があるのかなと思います。 最賃法違反それから残業の強要ということが全国至るところで起こっておりますけれども、その理由は、やはり構造的な理由が背景にあるということです。 一つの理由は、現地派遣機関が徴収する高額な保証金の問題です。 金額一万ドルから一万五千ドル、百二十とか二百万円ということです。海外の派遣機関が設定する場合もありますけれども、先ほどもちょっとありましたけれども、日本側の受け入れ監理団体がこの金額を現地の派遣機関に持ちかけるケースも少なからずございます。つまり、日本の監理団体が向こうの派遣機関に、これだけの金額を保証金として取ってほしいと言う。この資金の捻出に、現地の実習生家族は、田畑、家屋を担保に入れて、銀行や親族から借金をして工面をしてくるわけです。三年間逃げずに実習を修了すれば返金されるわけですけれども、いわゆる逃亡をすると取り上げられるわけです。 つまり、保証金というのは、実習生を逃がさない、逃亡防止の目的で行われております。いかに最賃以下の違法な給与であろうが、過労死水準の二倍を超える残業をほぼ毎月強要されようが、逃亡することで保証金を取り上げられるということの恐怖心から、多くの実習生がそういう状況を甘受せざるを得ない状況に追い込まれている人権侵害の温床がここにあるわけです。 問題なのは、JITCOがこの状況を知りながら、二国間協議の場でも保証金の根絶を一切求められない。新たに設置される技能実習機構も、保証金根絶をやはり明確に掲げられていないのではないか。保証金が放置されている限り、入管法を改定して保護法を新設しても、結局、問題は解決されることはないということなわけです。 逆に、韓国が二〇〇四年に導入した雇用許可制に倣って、送り出し国との間できちんと二国間協定を締結して、韓国は雇用労働部といいますけれども、主管をして、入ってくるときの韓国語教育から帰国までの全てのプロセスを国が運営するということによって、ブローカーの介在する余地がなくなる。保証金を取った国は、逆に一定期間の受け入れ停止ペナルティーが科されたこともあります。保証金も根絶されました。 この制度に倣うのであれば、やはり日本においても人権侵害を生じさせる最大の理由の一つを排除できることになるだろうと思います。 ペーパーの方も後ほど御参照いただければと思います。 二点目です。技能実習制度への介護の職種追加は、一体、日本の介護現場に何をもたらすと想定されるのか、どういう対策があるのかということです。 現状ですけれども、既に幾つかの県では、昨年六、七月段階で、県内の介護施設に、介護実習生受け入れをうたう法人とか団体が外国人介護実習生の受け入れの意思があるのかどうかという項目と、受け入れる場合の必要人数などのアンケート調査が行われております。アンケート配布ですね。さらに、受け入れを表明した介護施設職員が、百五十名、二百名という規模で昨年秋段階で現地を訪問して、実質的な面談を行う面談ツアーが実施されているケースもございます。 こういった受け入れ関係者は、事前に法務省、厚労省に出向いて担当官から説明を受けている場合があるので、両省は実情を把握されているかと思います。 初の対人サービスとしての職種です。日本は、介護保険がありますから、在宅とともに施設介護が主流なわけです。しかし、中国、ベトナムでは、実態は家族のきずなを基盤にした親族間介護です。介護の発想も技術もやはり異なりますし、施設介護の経験を持った者の確保というのが、ごく一部専門学校等を除いて極めて困難です。 もう一つは、介護は単一職種で非常に大規模な受け入れになることが想定されるということです。 縫製加工とか自動車部品、農業というのは、地域で偏差があります。しかし、介護施設というのは、全国全ての都道府県に満遍なく存在するわけですね。福島県は二百万人ほどですけれども、例えば、要件を満たす介護施設が二百ぐらいあったとしますと、平均二名ずつ受け入れると、単年度に四百名です。もし掛ける三という発想をされるのであれば、三年ですね、千二百名です。これが四十七都道府県で起これば、三年間で少なく見積もっても五万六千四百名。これは大都市圏の要素をカウントせずにその数字ですので、さらに膨大な数になることが十分予想される。 外国人介護人材受入れの在り方に関する検討会における議論の中間まとめ、昨年二月に出していただきましたけれども、その中で、二〇二五年に向けて、最大で約二百五十万人規模の介護人材の確保がうたわれておりますけれども、外国人材に関しては、介護在留資格付与とかEPAの部分、緩和がうたわれておりますけれども、結局かなり限られております。実質は、技能実習生が海外介護人材をほぼ担うということは明らかです。 一番末尾にちょっと添付をしました表なんですけれども、これはある県の海外介護士受け入れをうたう法人の介護技能実習生の受け入れスケジュール、導入費用なる資料なんですけれども、この給与シミュレーション、月額費用というところをよく見ると、左側の方ですけれども、組合監理費三万円と送り出し管理費五千円とございます。これは、一人の介護実習生につき、合わせて月三万五千円が受け入れ組合と送り出し機関に渡るということが明示をされております。 今次法改正は、明示をされていれば事実上徴収可能とするものですので、こういう不当な利益を生む可能性のある受け入れ機関、派遣機関の役割を日本政府みずから追認することになる。 同じく、この右側の上の表なんですけれども、給与欄には、二年目以降、実習生給与を十五万、これはいいんですけれども、その下に、よく見ると、夜勤手当一万五千円と書いてあるんですね。二十名程度の入居施設であれば、外国人技能実習生が単独で、単価三千円計算みたいなので、要は、月五回、夜勤を担うということが想定されているということです。 日本語能力がN4とか、せいぜいN3レベルしかないような外国人実習生が、夜間に入居者の生命にかかわる事態が生じた場合に、例えば救急車がちゃんと呼べるのか、症状がきちんと伝えられるのか、非常に疑問が残ります。 日本の技術の海外移転、これは実体のない看板になってきておりますし、不足する常勤の夜勤介護人材の確保の方策としかやはり映らないということです。 介護人材の不足が叫ばれているという実態はよく理解できますし、介護施設の御苦労も十分理解しております。しかし、同時に、日本の介護システム、これをやはり中長期的に維持するというには、労働市場補完性、平たく言うと、日本人の優先雇用ということなんですけれども、この原則をやはり貫かれるべきです。日本人介護職の就労条件の改善を行わずに、外国人介護人材が安易な代替策ということになることがあってはやはりならない。 年度ごとに介護分野の受け入れ上限、クオータといいますけれども、クオータを設定しない限り、外国人労働者の無制限な受け入れが続き、既に地方の若年層では、介護は三Kだということで、離職に歯どめがかからない傾向が一層加速させられることになるのではないかと考えます。 ほかの職種はおくとしても、先行する形で、介護に関しては、とりわけやはり受け入れ上限、クオータ設定というのは必須の課題ではないかというふうに私自身は考えております。 受け入れ上限の把握、これは可能です。日本でいうと、例えば介護施設がハローワークに募集をかけるわけですけれども、募集をかけても埋まらない部分が、応募がない部分があるわけですよね。ここの部分がクオータになるわけです。これを全国ないし県レベルで数字で算出するということはできるわけです。その埋まらないクオータの部分を海外からの人材で埋めるということにすると、日本人の優先雇用原則が維持できますし、本当に必要な海外人材の受け入れにつながるわけですね。 現場の問題としても、入居者二十人とか四十人の施設で、四分の一とか五分の一が日本語能力の低い外国人実習生になると、施設の日本人職員の負担がやはり増すということが考えられるわけです。 受け入れ上限が実現すると、法務省が言われる介護労働者へのイメージ低下ということも恐らく避けられると思いますし、各施設ごと受け入れ人数を厳格化すると、研修、実習の効率も上がるわけです。数は限定されますけれども、質の高い介護を利用者に提供することもできる。介護施設自体がメリットを本当に実感できることになるのではないかと考えます。 最後ですけれども、アジア各国が経済成長して、いずれ少子化が訪れます。そういう中で、外国人単純労働者の争奪戦時代に既に突入しているという現状です。これは二年前にNHKが二つの番組で取り上げました。 ベトナム、フィリピンなど、依然として送り出し圧力が強いので、募集人員が集まらないということを今想定するのはなかなか難しいですけれども、しかし、中国が一つの例です。中国国内の都市部給与が上昇すれば、多額の保証金を払ってわざわざ日本に行くという選択はしないわけですね。これが中国人実習生の割合の相対的減少の原因なわけです。 派遣後進国のバングラデシュ、ミャンマーでも、保証金問題、人権侵害事案を解決もせずに、在留期間だけ五年に延ばそうという日本は、出稼ぎ先として魅力的ではやはりなくなってきているということなわけです。 雇用許可制を導入して、高額な保証金もなくして、韓国は最長九年八カ月、台湾は十二年滞在でできます。そういう在留あるいは事業場移動の一定の自由化を実現した韓国、台湾などに、やはりそちらの方に行きたいと思うのは自然な選択ではないかと考えます。個人を単なる労働力とする見方を捨てて、就労環境の整備、移民政策を含めて、一人の人間として総合的な支援、こういう形でやはり国際的にも目に見える前進をする必要がある。単なる人権擁護の問題ということだけではなくて、日本経済の継続的な成長をどう維持していくのかということがかかった問題でもございますので、今次法改正での、本委員会での引き続く御審議を期待したいと思います。 以上です。(拍手)
○葉梨委員長 ありがとうございました。 次に、後藤参考人にお願いいたします。
○後藤参考人 慶應義塾大学の後藤と申します。 本日は、衆議院法務委員会におきましてこのような意見を述べさせていただく機会をいただきましたこと、ありがとうございます。 申しわけございません。ここで座って、ハンドマイクでお話しさせていただきます。 私は、大学で少子高齢化と外国人労働者問題を長く研究しておりますけれども、その前はアメリカに長く住んでいまして、留学もしましたし、世界銀行と米州開発銀行で、ワシントンにございますけれども、働いてもおりました。したがって、日本人として受け入れ国の立場から、そして、実際に外国人として働いた経験を生かして、外国人労働者の立場からお話をさせていただきたいと思います。そういう経験を持っておりました。したがって、経済学の観点から、外国人労働者と人手不足の問題をどのように捉えていくべきか、そして、この二つの法案はどのような意義を持っているかということをお話ししたいと思います。 まず、話の流れですけれども、総論といたしまして、人手不足と外国人労働者という問題を、特に経済学の観点からどのように考えることができるかということをお話しして、それから、こうしたことを踏まえて、各論として、二つの法案に対して私はどのような意見を持っているかということをお話ししたいと思います。 皆さんのお手元に配っていただきましたパワーポイントに基づいてお話ししたいと思います。 まず、総論でございます。 労働力不足と外国人労働者。人手不足ということを考える場合には、それが短期的な人手不足であるのか、それが中長期的な人手不足であるのかという二つのことを明確に分けて考える必要があると思います。 人手不足の短期的要因。景気がよくなったから人が足りない。それで、二〇二〇年にオリンピックがあるから人が足りないという短期的な問題と、そもそも日本が、人口学的に見て、少子高齢化を背景にして、何十年単位あるいは百年単位で人が減ってきている、そういう中長期的な人手不足ということを分けて考える必要があると思います。 まず短期的な要因ですが、その下に人手不足の短期的要因と書いております。 大きな要因としては、一つが景気回復だと思います。 完全失業率の折れ線グラフをお示ししましたけれども、例えば、二〇〇九年の七月には五・五%だった失業率が、直近の二〇一六年の二月には三・三%、半分ぐらいに低下してきております。つまり、景気回復でこのように失業率が低下することによって人が足りなくなった。そして、もう一つが、特殊要因として一番大きなのがオリンピックですね。オリンピックのためにいろいろなものをつくらなくてはいけない。そのために建設労働者等々が不足してくるという問題があります。 それで、いずれにしましても、短期的要因の場合は、この要因が去ったときにどうするかということを考えておく必要があると思います。 景気がいいときにどんどんどんどん人を受け入れて、では不況になったらどうするのかという問題があります。オリンピックの場合も、オリンピックの建設要因があるからどんどん受け入れて、その後どうするかという問題があります。 外国人労働者は物ではなくて人ですので、なかなか、必要なときに買って、要らなくなったらすぐにお帰りくださいというわけにはまいりませんので、その要因の後のことを考えた上での受け入れということを考える必要があるのではないかというふうに思います。 続きまして、少子高齢化に伴う人口の減少及び年齢構成の変化。つまり、中長期的要因でございます。 皆さん御案内のように、日本は少子高齢化の真っただ中にいます。出生率も、第二次世界大戦後の四ぐらいから、今一・四二まで低下してきています。一年に生まれる赤ちゃんの数も、三百万人ぐらいから百万人へと、三分の一になってきています。 そのため、この図にお示ししましたように、この図は、一番下の青いのが年少人口、そして真ん中の赤いのが生産年齢人口、一番上の水色が高齢人口でございます。 これを見ていただければわかりますように、昔は、生産年齢人口が非常に多くて、高齢人口が非常に少なかった。したがって、たくさんの人間で少しの人間をサポートすればよかったわけですが、これがどんどんふえてきまして、二〇五〇年を越えたあたりになると、もう生産年齢人口と高齢人口が余り変わらなくなってきて、一人が一人を支えなきゃいけないような状況になってきているということで、非常に問題となります。当然のことながら、働く人が減るわけですから、労働力不足の問題もございます。 それで、労働力不足とか人口減少をどういうふうに考えるか、人口減少、労働力減少への対応ということでございますが、今申しましたように、基本認識は、少子化により日本の労働力は減少、高齢化していく。さまざまな数字がございますが、一つの数字だと、生産年齢人口は、今後二十年間に千三百万人も、すごく多い数字だと思います、減少していくということが予想されております。 それで、この際にどうするかということですが、私は、人口政策的な対応と労働政策的な対応があると思います。 言うまでもなく、出生率が低下したことが根本要因であれば、出生率を上げる、そして子供をふやすという人口政策的な対応が長期的には必要だと思います。 ただ、もし、あした出生率が二にどんと上がったとしても、子供が生まれるまでには約十カ月なり一年かかるでしょうし、そして、その生まれた子供がすぐに仕事に行くわけではございませんので、人口政策的な対応がどれだけうまくいっても、短期、足元の解決にはならないということがあります。つまり、二十年なり三十年なりは、人口政策的対応がどれだけうまくいっても人手不足に悩まなきゃいけないということがございます。 そこで重要になってくるのが労働政策的対応だと思いますが、これには、外国人労働者受け入れが唯一の政策ではないと私は思います。労働生産性を引き上げること、つまり、少ない人間でもたくさんのものがつくれるようになっていくこと。そして、物、金の移動の促進、つまり、人が日本に来て働いてもらうかわりに、外国の人が外国でつくったものを買うという形も可能だと思います。一つの研究としては、関税相当率を二%下げるということは、外国人労働者を八百万人受け入れるのに相当することのインパクトがあるということで、物の移動というのは大きなインパクトがあると思います。 続きまして、女性、高齢者、若年者という国内の労働者を戦力化するということがあるかと思います。 いずれにしましても、人口減少、労働力減少への対応としては、外国人労働者の受け入れだけじゃなくて、総合的な対策が必要であるということが重要だと思います。 それともう一つ。外国人労働者というのは、人を受け入れるわけですから、物じゃありませんので、住居、医療、子女の教育等々、いろいろ必要なことがありますので、単に何人受け入れるという数値目標を掲げるだけじゃなくて、受け入れた場合、どのようにその人たちを処遇していくかということもセットで考える必要があると思います。 こういったような総論を踏まえまして、各論として、二つの法案についての私の意見を述べさせていただきます。 まず最初が、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案に対してでございます。 技能実習制度、これは皆さん御案内のように、平成五年にスタートいたしまして、統計によって十七万人という数字と十九万人という数字がありますけれども、二十万人近くの人がいる。これは、下の日本で就労する外国人のカテゴリーを見てわかりますように、技能実習生の数というのは、一番上の専門的、技術的労働者とほぼ同じ数、つまり、非常に経済において大きなウエートを持っているものだということを考える必要があるかと思います。 そして、これまで指摘されてきた問題点は二つあると思います。一つが建前と本音の問題。これは後で詳しく申し上げます。そして、もう一つが劣悪労働条件の問題。先ほど別の参考人の方が事例をおっしゃいましたけれども。 建前と本音、つまり、建前は非常に崇高な理念がうたわれていますが、現実ではなかなかそうはなっていない。なので、建前と本音の乖離を少なくするような新制度が必要じゃないかというのが私の根本的な考え方でございます。 それで、提出された法案を読ませていただきました。そして、技能実習に関する包括的な法案である、これは高く評価できると思います。これまでこういうきちんとした法案がなかったので、いろいろ問題もあったんでしょうけれども、包括的な法案として提出されたということは大きな意義があると思います。 それで、その内容ですが、技能実習制度の適正化と技能実習制度の拡充の二つの軸がございまして、そのそれぞれについての意見を述べさせていただきたいと思います。 まず、技能実習の適正化の部分、これは基本的に全面的に賛成です。非常に劣悪なことがありましたので、それを少なくするような体制も整備して、問題が起きた場合は罰するというようなことも必要だと思いますので、高く評価できると思います。 私が意見を述べさせていただきたいのは、拡充部分の方でございます。つまり、建前と本音をそのままにしておいて拡充するということが正しいのかどうかということでございます。 建前、いろいろなところにいろいろなものが書いてございますけれども、例えば、この委員会における政府の説明資料を読ませていただきますと、外国人技能実習制度は、諸外国の青壮年労働者等を日本に受け入れて、日本の産業、職業上の技能、技術、知識等を修得させ、それぞれの国の産業発展に寄与する人材を育成することを目的とするという理念がうたわれて、法案の三条二項は、「技能実習は、労働力の需給の調整の手段として行われてはならない。」、つまり、受け入れる人は技能を授けることが目的で、自分ちの労働力不足に対処するようなことはいけないということが書いてあります。 ただ、この建前ではつじつまが合わないことが幾つかあるんじゃないかと思います。 つまり、NGOで受け入れるような場合は別ですけれども、企業が受け入れる場合、ビジネスとしてやるわけですから、ペイしないことをやれというのはなかなか難しいんじゃないかと思います。 つまり、この技能実習制度の費用負担ですが、通常、教育の費用負担というのは、学ぶ者が教える人に払います。大学でも、外国人留学生から大学は金を取ります。しかし、この技能実習に関しては、教える方が、企業が、教材費、実習費、給与、それで多くの場合は渡航費用も全て払うという仕組みになっています。これが経済的に見て成り立つのかどうかというのは非常に疑問であります。 インセンティブは、大きい企業でしたらCSRという考え方があるのかもしれません。何万人の企業で五人受け入れるのであれば、企業のイメージアップとかあるのかもしれませんが、従業員規模十人なり二十人のところがCSRを狙ってやるとは考えられません。やはり、法案では禁じられているところの必要な労働力の確保ということが根底にあるのではないかと思います。 それで、もう一つが技能実習期間ですが、当該技能を修得するのに、きちんと学校でやれば、三年とか五年かからず、もうちょっと簡単に短く済むのではないかというふうな気がいたします。 そこで私が重要だと考えますのは、そろそろ本音で制度設計する時期が来ているのではないか、もう始まって二十年以上たっていますので。 つまり、高齢化の進展で介護労働者の不足に直面する日本ということと、世界経済の低迷で、所得減少、雇用機会減少に直面する開発途上国ということがあるので、海外からの労働力の秩序ある受け入れを図る制度として捉え、つまり、労働力不足に対処することであっても秩序ある形で受け入れればいいのではないかということを理念とした新制度の構築、これを雇用許可制と呼ぶのも可能だと思います。雇用許可制と呼ぶと、ちょっと何か別の国での制度で、余り、いろいろなイメージがありますけれども、呼び方はともかくとして、新制度をやっていくことが必要ではないかというふうに思います。それで、この新制度であれば教えることではありませんから、既に技能を持っている外国人労働者を受け入れるということも可能になっていきます。 続きまして、もう一つの法案に関しては、基本的に私は賛成でございます。介護福祉士資格を取得した外国人留学生のための在留資格を創設し、偽装滞在の対策を強化する、まさに賛成でございます。 ただ、一つ考えておかなきゃいけないのは、資格要件を緩めないことが重要だと思います。介護福祉士資格を修得した外国人留学生、これを、これに準ずる云々かんぬんで緩めて、事実上、なし崩し的に非熟練労働者を対象とすることがないような運用をしていただくということをお願いして、賛成いたします。 時間も参りましたので、以上でございます。ありがとうございました。(拍手)
○葉梨委員長 ありがとうございました。 以上で参考人の方々の御意見の開陳は終わりました。 —————————————
○葉梨委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。若狭勝君。
○若狭委員 自由民主党の若狭でございます。 本日は、五人の先生方、お忙しいところありがとうございます。 早速ですが、私の方から質問をさせていただきたいと思います。 まずは、今回のこの外国人技能実習の適正という問題について、今後、何が最も一番大事な施策というか方針、方向性であるかということについてお聞きしたいと思います。 御案内のとおり、今回の技能実習も、結局は我が国の国際貢献というのが一つの軸になっています。それは極めて大事なことではありますが、他方、皆様方からも一部指摘がございましたが、やはり実態は、偽って外国人の方の安い労働力、サービスを受けるというような、いわば、私に言わせると刑法の詐欺というような問題にもなりかねないですよね。 実際は、そういうことで、アメリカの二〇一四年の国務省からの報告において、日本がそうした外国人の人権というものにきちんと目が行き届くようなシステムを構築するようにというような勧告もなされていると思います。 そういう中で、さりとて、私のこれまでの経験によりますと、やはり、大企業から中小企業、零細企業まで含めて、経営者というのは、どうしてもやはりもうけ、利潤の確保ということに目が移りがちである。したがって、今回もいろいろな形で労働関係法令の違反等がこれまであったわけですが、言うなればそれは、私から見ていると、いわば経営者にとっては一つの本能的な面もあると私は思っているんですね。ですから、この問題というのはかなり深い、根深い問題があるんです。 そういう状況下において、五人の先生方、坂本先生はこの法案については反対かと思うんですが、仮に法案が通ったとした場合に、今後、やはりそうした適正化に向けて最も大事な、今回用意しているのは幾つかあるんですが、しかしながら、その中でも、皆さん方の目から見て、これが一番コア、肝だというものについて教えていただければ幸いでございます。 根本先生の方から順次お願いできればと思います。
○根本参考人 御質問ありがとうございます。 技能実習の適正という問題について、何が一番肝かというふうなことでございますけれども、私は、介護職種が追加されるということに関しまして言えば、やはり何といっても、適正化された新制度の建前と申しますか、制度のあり方そのものをきちんとやっていただくということに尽きるのではないかというふうに思います。 現行の制度における問題点はいろいろありますが、しかし、それは私の専門外でありますのであれですけれども、少なくとも、今お示しいただいている新しい制度については、ぜひそれをそのままやっていただいて、我が国のすぐれた介護技術、その介護技術の中には当然介護の理念というふうなものも含むわけでありますけれども、そういう我が国のすぐれた介護技術、介護理念をきちんと掌握していただきたい。 そのために、私ども検討会で考えたのは、先ほどもちょっと御紹介いたしましたけれども、一応、介護特有のいろいろな懸念に対する配慮として七つのいろいろな対策を考えたわけでありますが、その七つをきちんと同時並行してやっていこう、建前で、あくまでもおかしなことはおかしいという形で正していきたい、それに尽きるというふうに思います。お答えになっているかどうかあれですが、私の考えはそうでございます。
○村尾参考人 御質問に対してですが、私ども監理団体は、企業さんに喜んでいただける人材を送り込もうというのが肝でありまして、実習生に対して、では何が一番喜んでいただけるかというと、実際に現場に入って、日本語がわからない子が、危ないよ、わかったかと、はい、わかりましたと言って余分な仕事をやってしまうというのが一番我々にとっては心配なことであります。 したがって、面接をやります。現地に行って面接をやったり、あるいは学科試験をやったり、適性検査もやってきます。当然、企業さんも現地に行って選考に加わっていただきますが、日本語の、最低でも四級ぐらいまでは話せるような人材をできるだけ確保しようというのが我々の組合の方針でありまして、日本に入ってきて一カ月間、とにかく、これは危ないんだよと言われることがわかる程度、最低でもそれぐらいの日本語力を確保していきたいというふうに考えております。 お答えになるかどうかわかりませんが、以上です。
○多賀谷参考人 私は、適正化にとって最も重要なのは、やはり監理団体の許可制だと思います。基本的に、Jプロネットさんみたいな何ら問題のない監理団体が一方にありますが、他方において、異業種監理団体の一部には、やはりちょっと問題のある監理団体がある。それを、機構が許可制を通じてコントロールする。 そしてもう一つは、やはりその場合に、どうしても、業種ごとに体系的に管理して受け入れるという方向に進むべきだと。 その意味において、私は、運用は知りませんけれども、建設業界が東京オリンピックまで別のシステムとして受け入れると。その場合には、このシステムとは違いますけれども、建設業法等に基づいて、業界単位でどういうふうに外国人を受け入れるかということをきちっとプログラムするのではないかというふうに期待しております。 同じように介護についても、やはり介護に特殊な状況がありますから、それは介護単位で、介護専門の監理団体がそれについて外国人を受け入れ、異業種監理団体のような形で単なる労働者として受け入れる、そういう仕組みではないようにした方がいいだろうと思います。
○坂本参考人 御質問ありがとうございます。 とりわけ、いわゆる団体監理型ということで、本当に小さな中小零細企業が寄り合って協同組合、監理団体をつくられているというケースがたくさんあるわけですけれども、そういうところで特に私が関心があるのは、メーカーの方から、部品単価であるとか、切り下げが相次ぐと。そういう本当に中小零細企業が疲弊をしている中で、最後の手段として外国人技能実習生を使わざるを得ない。そういう中で、違法と意識もありながら、そうせざるを得ないというか、もうやっていけないという状況から考えると、中小零細企業に対する抜本的な支援、農業分野もそうでしょうし、漁業の部分もそうなんですけれども、そこはやはりワンセットで考えていく必要があるのかなと思います。 保証金とかブローカーの問題はありますけれども、そういうのが月三万五千円もかかると、払う方の企業にとっても厳しいわけです。実習生のピンはねにもつながるわけですので、民間・民間からGツーGですね。政府間のところに切りかえる、移民政策も含めてきちんとコントロールして、来ていただいて気持ちよく帰っていただくというようなシステムに変更する必要があるのかと思います。
○後藤参考人 私は、基本的には、建前と本音がなくせるような、インセンティブコンパチブルといいますか、本音で動けばシステムがうまくいくような新しい仕組みを検討するということが一番必要だと思います。 それで、もし法案に、今後、新しい制度を検討するということを書くことが可能であれば書かれればいいでしょうし、それが難しければ、それとは別に省庁、議員の方々で検討していただくことが必要だと思います。 それで、もし今の法案のままで、これは労働力需給に使っちゃいけなくて、技能を教えるんだという理念を貫くとするならば、そういう法案ができた場合には、その理念に反するものは厳しく取り締まるという仕組みが必要だと思います。まず、監理団体の許可制とか、ちゃんとした人にやってもらう。それで、違反事例については行政が多大なる努力を払って厳しく取り締まっていって、理念を守らせるようなことをやるということが必要ではないかと思います。
○若狭委員 それでは、次の質問でございますが、今回、在留資格で介護というのが付加されるという法案になっているわけですが、そもそも平成二十二年のときには、介護については専門的、技術的分野の業務としての評価がまだ確立していないという、入管の政策懇談会というところが報告書において指摘しているところがあるんです。それから数年たったら、介護というのはやはり専門的、技術的分野に属するという形に変わったんだと思うんですね。そういう意味においては、こうした専門的、技術的分野とかいうのもかなり流動的な面があるんだというふうに私は思っているんです。 それを踏まえて、今後、もう少しどんどん在留資格を広げていく、あるいは単純労働者も含めて受け入れをしていくということについて皆さんの見解をお聞きしたいと思うんです。 政府の今のスタンスとしては、あくまで総合的かつ具体的な検討を今後進めるというようなスタンスだと思うんですが、今の皆さんの立場のもとで、特に後藤先生が賛成の可能性があるんですが、逆に多賀谷先生は少なくとも反対という可能性もあると思うので、お二人の先生にまずお聞きしたいと思います。
○多賀谷参考人 賛成か反対かというのは……
○葉梨委員長 いや、賛成反対という立場を明らかにしてということではなくて、考え方を言っていただければと思います。
○多賀谷参考人 わかりました。 私も確かにその当時政策懇談会にいましたけれども、今後、専門技術的な分野がどうなるかという話ですけれども、今、高度専門職については受け入れの資格をつくってありますけれども、それに入ってくる人が非常に少ないというのが実情でございます。 その意味において、私はやはり、中度専門職という概念はないかもしれませんけれども、ある程度の専門技能を備えた外国人が我が国で人材として活躍される、そういう方向が望ましいだろうと思います。 例えば、実際には今、留学生がたくさん日本にいますけれども、その留学生の中のかなりの方々が、卒業して、資格を変更して、我が国にいる。これはある意味において、中度専門職なんです。技能実習の方々も、あるいは介護の方々も、やはりそういう形で中程度の技能は持っている方々にある程度認めている。しかし、単純労働者として受け入れるというのはやはり問題があるだろうと思います。
○後藤参考人 私は、介護労働者と一口に言っても、いろいろなタイプがあるのではないかと思います。まず介護福祉士を取得した人々、つまり、二年間専門学校に行ってみっちり仕込まれても一〇〇%なれないかもしれないような介護労働者と、いわゆる介護補助的労働者と二つあると思います。 先ほど私が賛成だと申し上げたのは前者に対してであって、後者の非熟練労働者に近いような人々については、今、介護福祉士の試験に合格したにもかかわらず仕事をしていない人が数十万人以上います。だから、そちらの方の活用が先ではないかというふうに思います。 だから、一番重要なのは、介護労働者と一口に言ってしまうと、それが専門労働者なのか非熟練労働者なのかわからなくなりますから、いわゆる介護福祉士の試験に受かった人々とそうでない人々というのは、分けて考える必要があるのではないかというふうな気がいたします。
○若狭委員 そうしましたら、次の質問でございます。 今回の出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案の中では、いわゆる偽装滞在者に対する対策として罰則を新設しているということがございまして、後藤先生はこのいただいた資料のところで若干その辺を踏まえていらっしゃるので、その点について若干お聞きしたいんです。 いずれにしても、外国人がそういう形で、成り済ましたりとか偽って我が国に入ってくるということは治安上も非常に問題があるということですから、その辺をやはりきちんと罰則を新設して強化する必要があると思われるんですが、日本弁護士会や何かはその辺については反対していると思うんですよね。 ですから、そうしたいろいろな動きがある中で、後藤先生が偽装滞在者についての対策の強化という面においてどのようなお考えをされているかということについて、若干お聞きしたいと思います。
○後藤参考人 私、もちろん人権を守るということが究極的には絶対に必要で、最低限守る人権があることは承知しておりますけれども、それを前提としまして、やはり法は守られるために制定されるものであって、これこれの人々は滞在してもいいんだ、そうでなくて、例えば結婚を偽ってやってきたような偽装滞在者に関しては、やはり厳しく取り締まるということは必要ではないかというふうに思います。
○若狭委員 同じ質問について、根本先生はどのようにお考え、ちょっと専門外なんですが、一つの対策として、きちんとそういう有用な外国人を技能実習としてなりいろいろな形で受け入れる、外国人を受け入れるということはいいんですが、その一方では、やはりよからぬ人間も入ってくる、そうした視点も持たなければいけないのではないかという思いが私はあるんですけれども、その辺は意識としてはどのような意識でございましょうか。
○根本参考人 全く門外漢で申しわけないんですけれども、少なくとも、介護、福祉に関するような人々はそのような悪いことはしないという前提でいろいろな仕組みが構築されているというふうに今のところ思っております。 そういうことでよろしいでしょうか。済みません。
○若狭委員 最後でございますが、刑法とか刑事関係に全然携わっていない人の目から見ると、こうした問題についてどのような意識があるかなということを若干お聞きした次第なので、専門外だったので申しわけないと思うんですが。 いずれにしても、本日は、五人の先生方、本当にありがとうございました。 以上をもちまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。
○葉梨委員長 以上で若狭勝君の質疑は終了いたしました。 次に、木下智彦君。
○木下委員 おおさか維新の会、木下智彦でございます。 まず、本日、無理を押して皆様来ていただきまして、お話を聞いていても、本当にまとまったお話を聞かせていただきましたので、きょうここへ立って質問することはほとんどなくなってしまったなと思うぐらい、まとまってお話をいただいたかなと思います。 そうはいいながら、少しお時間をいただきますので、おつき合いいただきたいと思うんです。 まず最初にですけれども、村尾参考人にお聞かせいただきたいんです。 きょう聞いていて、すごくしっかりと監理もされている団体だなと。本当に、こういうところが全ての監理団体として存在するのであれば、制度としては、今回の外国人技能実習制度に関してはうまく回っていくはずだ、皆さんもそう思われたと思うんですね。 そこで、あえて聞かせていただきたいんですけれども、これぐらいすばらしいことでやられている中で、やはり、そうはいいながら、過去に失踪があったりとか、いろいろな問題があったかと思うんですね。そういったところを、実例などをちょっと挙げていただいて、そういうところでもそういうのがあるのかということをちょっと聞かせていただきたいなと思います。
○村尾参考人 ただいまの御質問ですが、うちでも、かなりの数を扱っている以上、やはり問題があります。失踪も、本当に立ち上げ当初というのはすごく多かったんですね。年間で六人とかいうふうなこともありましたが、直近六年ぐらいはありません。 ありませんといいましても、四年ぐらい前に一つありまして、実はこれは、九州の企業さんで働いていた、溶接のかなり腕のいいベトナムの子だったんですね。あさってもう帰国する、満了して帰国する。当日迎えに行ったら、もうもぬけの殻になっている。友達等にいろいろ話を聞きますと、横浜の辺でいい金になる溶接の仕事があるというふうな、もう連絡網がすごいんですね。そういうふうなことで、彼一人、四年前ですけれども。今はありません。 ただ、自分の都合で帰国する子はおります。病気になったり、あるいは両親が病気になって亡くなったりというふうなことで帰っていく子はおりますけれども、おかげさまで、今のところ失踪はそれぐらいの程度でございます。
○木下委員 ありがとうございます。 今お話を聞かせていただいていたら、やはりしっかり監理していれば、監理と言うのはあれですけれども、運営方針も含めてしっかりと監理されていれば、問題もほとんどないというふうな形だと思います。今、数人言われましたけれども、数人なんて、日本人の中でも同じようなことは当然起こるぐらいの割合なのかなというふうに聞かせていただきました。 ただ、そうはいいながら、今回の法案、こういうふうな形で、監理体制をちゃんとしていこうとか、そういうことで、中身としては非常に前向きな部分というのがあると私は思いますので、最後に後藤参考人もおっしゃられていたように、基本的には、これがしっかり守られれば、いい方向へ行くだろうと思うんです。 ただ、そのかわり、なぜこういうことが必要かと考えると、そこの根本の部分が、なぜなのか。 きょう、いろいろお話しされました。ただ、その一番の原因は何かというと、送り出し機関に保証金の問題があったりとか、いろいろありますけれども、要は、いろいろなところでお話があった中でも言葉が出ていましたけれども、やはり日本に出稼ぎに来ているという意識が非常に強いんだと思うんですね。Jプロネットさんは違うと思いますけれども、それは来られる方もそうですし、逆に、使われている、雇用主となられている方、雇用主という言い方もちょっと私はどうなんだろうと思うんですけれども、結局、労働力として、単純なというか安価な労働力だ、それでよく働いてくれる労働力だという使い方をしてしまうということ、ここに一番私は問題があると思います。 それこそが、後藤参考人もおっしゃられていました建前と本音という部分の、本音の部分が見え隠れする部分ではないかと思うんです。 それで、きょう、もうほとんど聞くことがなくなったと言いながら、後藤参考人は非常にこの建前と本音という部分についてお話をされておりました。 やはり私が思うのは、こういった建前と本音があるから今のこういう問題が起こり、そして何らかの対処をしなきゃいけない、これが根本だと思うんです。そうかどうかというところは、恐らく、一人一人が聞いていて、違うとかいろいろな御意見があるかと思うので、後藤参考人が言われたそういう内容について、建前と本音というのがまだこの制度中にあると思われるかどうかという点を、各参考人の方々、後藤参考人以外の方々にお聞かせいただきたいんです。 というのは、ちょっと笑いも出ましたけれども、後藤参考人が言われました、そろそろ本音で議論するべきことだと思っているんです。ですから、皆さんのそういったところの意見をまず聞かせていただくことが本当に重要なことなのではないかと思いますので、お願いいたします。
○根本参考人 本当に、先ほど来申し上げているように、私ども介護の分野は、その意味では全く新参者でございまして、この新しい制度に乗っかる方でございます。 あくまでも建前が建前どおり実施される、さらにそれに加えて、介護特有のいろいろな諸問題、それにもきちんと対応していく、それについてはやはり責任を持って、関係者においてきちんと責任をとる。特に監理団体による監理の徹底とか、日本人との同等処遇の担保であるとか、それから受け入れ人数をそれぞれの施設ごとに上限を設けるとか、そういうようないろいろな部分についてきちんと枠をつくり、そしてその枠がきちんと実施できるような仕組みを構築していくだろう、そして、その前提としてある新制度はきちんと担保されていくのだろうということであるというふうに思っております。
○村尾参考人 非常に難しいお話でして、実習生が日本へ来て、では、金のために働くんだ、三年たったら、貯金をして母国へ持って帰って、親孝行するんだ、あるいは自分が商売をするんだというふうな考えの子もたくさんおります。実際には、技能を伝承して、その技能を母国に持って帰って、それを伝承するんだというふうな考えも当然それはあるんですが。 おかげさまで、うちの組合は大手の実習実施機関が多うございまして、こんなことを申し上げてどうかわかりませんけれども、三年たったら、僕は三百万ためて帰るんだと。実際にそれぐらいためて帰る子がたくさんおります。というのは、企業さんによっては、日本人もボーナスをもらうんだから、多少あの子たちにも、五万円とか十万円やるよというふうな企業さんも、非常に、労働力としては働いてもらっているんですが、そうでなくて、本当に人間的な扱いをしていただいているというのか、日本人と余り変わらないような扱いをしていただいている企業さんが、うちはおかげさまで多いものですから。 そういう面では、先生おっしゃるように、本音と建前の部分で、やはり見え隠れする部分はたくさんあると思っております。 よろしいでしょうか。
○多賀谷参考人 本音と建前の話ですけれども、技能実習制度は、出稼ぎをさせることを認めるわけではなくて、基本的にその外国人の能力のグレードアップということを目的としていると思います。ただ、それが同時に、外国人にとってみれば、日本で何がしかの給料をもらって働くと。その両方が両立している限りにおいて、技能実習制度というものは認める。 こういう制度ができても、運用という形で、その両方のどちらが強くなるかというのはわかりませんけれども、しかし、少なくとも言えることは、この新しい仕組みで、明らかに出稼ぎ目的で来ている外国人を受け入れているような仕組みが廃絶されるだろう。そういう意味において、本音と建前の間が狭くなる、そうならざるを得ないという、そのためにこの制度をつくったんだろうと思います。
○坂本参考人 技能実習制度自体、できてからもう二十年以上たちましたので、二十数年前は、日本の高度技術を海外に移転するということがかなり、建前と実態部分が一致している部分もあったのかと思うんですけれども、今の日本経済であるとか日本の経済的な位置ということから考えると、やはりその看板自体もかなり古くなってきているのかなというふうに思います。 建前と本音の乖離ということで、私は、後藤先生の御意見に全く賛成ですし、後藤先生の授業も一度伺いに行きたいなと思うぐらいなんですけれども。 抜本的にこの制度についてはやはり改定する時期に来ていると思いますし、では、抜本的に改定するのであればどういうイメージで改定をしていくのかということに関して、研究調査等をやはりもうきちんと進めるべき時期ではないかと考えております。
○木下委員 ありがとうございます。 ここで総括して、後藤先生からお話しいただきたいんですけれども、ちょっと私がその前にお話をさせていただきます。 今お話を聞いていても、ここにいる皆さんもおわかりだと思うんですけれども、やはり建前と本音、これが密接にくっついていく、両立というふうに言いましたけれども、建前と本音が実質的に同じものにくっついていく、これができれば、一番制度としてはすばらしいものになるんだ、これが皆さん言われたことだと私は思います。やはりそういう形にやっていかなきゃいけない。 例えば、村尾参考人がおっしゃられていました、お金をやはり何百万もためるんだと。それは一つの、働く側からしたら物すごくモチベーションになるんだと思うんですね、ある程度の働くことに対するインセンティブがかかりながら。それが働く喜びになり、そして技術修得の喜びになる。こういうことをすればこれだけの対価があるんだと思えば、それを自分の国に持って帰って、これで自分の国を豊かにしていくんだという考えも生まれてくるんだろうというふうに思います。 しかも、なおかつ、恐らくそういう方々は日本を好きになって、また日本に来てみたい、日本で働いてみたいというふうな欲も出てくるんだろう、望みも出てくるんだろうということが、今のお話を聞いていて非常にわかりました。 ただ、私もこの法案を見ていて思ったんですけれども、この法案の裏にあるのは何かというと、政府がどこまで何を考えているかということなんです。本来であれば、きょうお話ししたような話がもっと政府内で話されるべきだと思います。そこの中で、いや、やはりやめておこうとするのか、これを推進していこうというのか、それは意見があると思うんですけれども、そういった話がまだまだ私は足りないんじゃないかなということで、きょうのお話を聞いていて思ったんです。 後藤先生にその辺をもう少し深くお話しいただきたいんですけれども、実際に、今後なんですけれども、この背景にあるのは何かというと、やはり、先ほどもお話しされていましたけれども、外国人の労働力をどう捉えるかということ。一つの解はもうここに書かれておりましたけれども、実際にどれぐらいのウエートでやるべきなのか。 それから、今後、早期にやはりこの話をしていかなければいけないのか、まだ先送りをしていいのかどうか、そういった点を踏まえて、どれぐらいこの外国人労働力というものの重要性が今高まっているのかというふうな御認識をちょっとお聞かせください。
○後藤参考人 先ほどのグラフでもお見せしましたけれども、今後二十年ぐらいの間に千三百万人、生産年齢人口が減ってくるということを考えますと、もう待ったなしで今やる必要がある問題だと思います。 その際、やはり国民的な議論のコンセンサスを得るためには本音で議論し合わなきゃだめだと思います。それが、ともすれば、今まで建前だけが押し通されて、今回も、技能実習は崇高な理念がうたわれて、決して人手不足対策にしちゃいけないというふうになっていますけれども、それで押し通すんじゃなくて、余り無理な、崇高な建前を言うのをやめて、本音に近づけた形で全て議論していく。その上で、外国人労働者問題をどうするかということをすぐやる必要があると思います。 その際、私の個人的見解としては、いわゆる専門的、技術的労働者、プロフェッショナルは必ず不足しますし、来てもらうべきだと思います。積極的に受け入れを図る。これは政府の方針もそうだと思います。むしろ、来てほしいんだけれども来てもらえない、アメリカにとられちゃうというようなところがあるので、いろいろなことをやる必要があると思います。 非熟練労働者に関しては、これはやはり本音でもう一回議論すると、難しい問題をはらんでいると思います。つまり、千三百万人、生産年齢人口が減るというのは深刻ですけれども、日本の女性を初め、さまざまな労働者の戦力化とかをやっていけば、相当程度はカバーできるのかもしれません。それでも必要となってくるものが、多分、介護なんかは多少あるのではないかと思いますが、そういうことを議論するためには、やはり、本当に非熟練の外国人労働者を受け入れるべきかどうかということを考える必要があると思います。 つまり、崇高な理念での制度で何となく受け入れるということはまずいので、今すぐに本音での議論をする必要があるんじゃないかというふうに考えます。
○木下委員 ありがとうございます。 やはり本音という部分が話しにくい状態にあるんだと思うんですね。なぜか。やはりそこは、言葉にすると移民というふうな言葉が出てくる。それに対してはさまざまな意見がありますけれども、どうしても、日本というのが旧来から島国である中で、どういう位置づけをするか。ここは、皆さん恐らく頭の中に、どこかで話さなきゃいけない、これは多分皆さん一緒だと思うんです。ただ、これが話されていないというのが一番問題かなと。 今のお話を聞いていてもそうだったんですけれども、女性の活用であるとか、そういったものも今、政府がいろいろとやろうとしています。ただ、そこと並行して、こういうこともちゃんと同じ土俵に乗せて話していくことが一番重要じゃないかなというふうに、きょうの皆さんのお話を聞いていて思いました。 もう時間がないので、多賀谷参考人の方に。そういったところも踏まえまして、実際どういうふうにすれば本音の話がしていけるのか、ここが非常に難しいと思うんです。ただ、こういうことを論じる機会がなければやはりブレークスルーというのは生まれないというふうに思っておりますので、実際どういうことを掲げてお話ししていくことが本当に重要なのかといった点でちょっとお話しいただきたいんですけれども、最後にお願いいたします。
○多賀谷参考人 検討会での議論とは別の話になって、私見という形になってしまいますけれども。 いわゆる移民というような話をすると、移民論者の中には、生産労働人口が一千三百万人減ってしまう、それを入れるということで、一千万人入れろというような乱暴な議論をする。それはやはりヨーロッパと同じようなことになる。つまり、人口の一割が外国人だ。それを一どきにやるのは幾ら何でも乱暴だろうと思います。 今現在、日本には、定住的にいらっしゃる外国人は二百五十万人いらっしゃるでしょう。それが減っていくんじゃなくて、若干ふえていくということになるんでしょうけれども。しかし、残りの部分は、後藤先生が言ったように、高齢者とか女性の方々が働くという形になって、三つの要素がある。あとは、生産労働人口をIT化によって減らす。それらを全て含めた上で、では外国人をどの程度入れるかということを政策的に皆さんに判断していただきたい、そういう話です。それしか言えません。 以上です。
○木下委員 ありがとうございます。 ふだん、小声でいつも話しているようなこと以上のことがきょう話せたと思っております。引き続き、こういうお話を私もこの国会内で続けていきたいというふうに、きょうお話しいただきまして強く思いましたので、これからもそういうふうにさせていただきたいと思います。 どうもありがとうございました。
○葉梨委員長 以上で木下智彦君の質疑は終了いたしました。 次に、吉田宣弘君。
○吉田(宣)委員 公明党の吉田宣弘でございます。 本日は、五人の参考人の皆様、本委員会にお越しいただき、充実審議のために貴重な御意見を賜りましたこと、まず冒頭、心から御礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。 限られた時間でございますが、お一人一問ずつ、順番に質問をさせていただければと思っております。 まず、根本参考人にお伺いをいたします。 今回の外国人技能実習生の法改正ですが、今回は、介護人材の実習ということは改正の中には含まれていないということでございますけれども、将来それを含めていくというふうな検討が今後なされていくというふうに承知をしております。 私は、介護という極めて特殊な職種の中でこの技能実習生を受け入れていくということについては、やはりサービスを受ける側の国民の皆様の立場に立って十分慎重な検討がなされなければいけないなというふうに思っておる一方、先ほど坂本先生からも一つの問題提起がありました、実習生が一人で夜勤をするようなことは、私は、サービスを受ける側の立場の国民からしても、やはりそういったことは避けていかなければならないなと。一方で、実習である以上、十分な技能を身につけるためにはそういった実務ということも避けられないなというふうに私も思っておりますが、実施するに当たって、やはり細やかな配慮というのが極めて不可欠だというふうに思います。 先生からの御指摘の七つの対策というところにもあったかもしれませんけれども、そういった点において、我々法案を審議する立場において特に肝に銘じておくべきところについて御教示をいただければというふうに思います。
○根本参考人 御質問ありがとうございます。 やはり、今おっしゃられたように、これまでの技能実習生と違って、もし介護等を対象とすることであれば、対人、人を相手とする福祉サービスを拡大するわけでありますから、当然そこには、それまでと違ったいろいろな配慮をしなくちゃならない。特に、今おっしゃったコミュニケーションの問題が前提となるような、一人で夜勤の問題であるとか、あるいは、今までは施設介護が中心でありますけれども、もしかしたら在宅介護の場というふうなものまでも一人で対応するとか、利用者の人権もそうですし、それから実習生の人権にもかかわりかねないようなところというのは、いろいろな場が想定されるんだろうと思います。 恐らく、この新しい制度に介護を導入するに当たっては、まず、いろいろな危険な場というのは可能な限り避けて、とりあえずできるところから少しずつやっていくというのが大事なのではないかな、そしてまた、今も言ったような人権に直接かかわるような部分については、やはりそのモデル的な経験を踏まえて、場合によっては、人の配置であるとか何かも含めたいろいろな適切な配慮が必要になるのではないかな、とりあえずはソフトランディングできる場からスタートしていくのが正しい手法ではないかなというふうに思っております。
○吉田(宣)委員 細やかな御指摘を本当にありがとうございます。参考にさせていただきたいと思います。 次に、村尾参考人に御質問をさせていただきたいと思います。 今回の改正で、適正化というふうなことに向けて規制が強化されるという側面がございますけれども、これまで適切に実習を実施してきた監理団体また実習実施者にとって事務的に過度な負担になるのではないかというふうな御懸念はございませんでしょうか。実務的な観点から御所見をいただければと思います。
○村尾参考人 適正化という部分でありますが、我々は、実習生に対してやりがいを持つ仕事をやらせるべきだと。 そのためには、裏にはたくさんの話がありまして、先ほどもお話しさせていただきましたが、技能の向上にもつながるでしょうし、日本語のレベルアップにもつながるでしょうけれども、今回の改正法につきまして、二千近くの監理団体が日本の中にあるというふうに聞いておりますが、我々、こういう監理団体の仕事をやっていましても、たかが愛知県の中なんですけれども、横のつながりがほとんどありません。あるいは、愛知県の中の監理団体が集まってのミーティングだとか、こういう問題についていろいろ相談をしたりとかアドバイスをいただくとかいうふうな制度がないんでしょうね。 小さな市ですけれども、豊田市の中にも十ぐらいの監理団体があると聞いておりますが、何かのついでにしか、あっ、ここも監理団体だなというぐらいしかないんですよ。その横のつながりがもっともっとあれば状況が浸透していくんじゃないかなというふうに一つは思っております。 それから、改正の中で、千九百の監理団体の中で、本当に三人ぐらいとか、自分の会社を監理団体に一つ出して自分のところで入れるというふうな監理団体もたくさんあると思います。そこら辺のやはり浸透していない指導というのか、そういったなかなか浸透されていない部分があるんじゃないかなというふうな気がします。 私は、実習生のためには、もっと、厳しいところは厳しくやっていただくというふうな改正をぜひお願いしたいと思っております。 以上でございます。
○吉田(宣)委員 御意見ありがとうございます。 次に、多賀谷参考人にお伺いしたいと思います。 先ほど、参考人の御意見の中に、日本の企業にとって損ではないというふうな御発言がございました。私、単に、労働力不足を補う、そういった意味での趣旨ではないというふうに承知をさせていただいているところでございますけれども、私が少し推察するに、企業活動というのは、昨今のグローバル化で、日本の国内にとどまっていないというふうな活動をして、外国でも当然、工場があったり、いろいろな活動を日本国外でされているかというふうに承知をしておりますけれども、今回の技能実習制度の拡充策において、もちろん、日本が外国に対して国際貢献をするというふうな大目的は、それはそれとしてあるわけですけれども、それが一方で日本の企業にとってもメリットになるというふうな点が今申し上げたところからあるというふうに私は思っております。 その点について、先生がおっしゃっておった日本企業にとっても損ではないというふうな視点をもう少し詳し目に御教示いただければというふうに思うんですけれども、よろしくお願いいたします。
○多賀谷参考人 基本的に技能実習生が日本で行うことはオン・ジョブ・トレーニングなわけですけれども、日本人の新入社員も実習をしながら一人前になってくる、基本的にはそれと同じ面があるだろうというふうに思います。 それからもう一つ、特にこれは大企業や何かの企業型の場合ですけれども、その場合には、海外に支店というものがありますので、そこに送り込むための能力のある外国人を育成するんだとか、多分、そういう目的もあると思うんです。 いずれにせよ、基本的に日本人と同じ意味で戦力になっているということは事実。単に教えているだけではなくて、実際上は仕事をしてもらっていて、それは日本人の新入社員と同じように戦力になっているということだと思います。
○吉田(宣)委員 ありがとうございます。 次に、坂本参考人にぜひお伺いしたいと思います。 今般、坂本先生はこの法改正について少し消極的な御意見だというふうに先ほどの流れで御承知をさせていただいている意味からすると、少し聞きづらいお話かもしれませんが、御容赦ください。 先生も冒頭御指摘をいただいたとおり、この法律の制度運用において人権侵犯事案というものが生じてしまったということは、これはやはり残念ながら事実であって、このことを受けて、外国や国際機関からも批判が届いているところであるというふうに承知をしております。 ただ一方で、これを改正せずに放置しておくわけにはいかないというふうなことが要請としてあるわけであって、今般の、先ほど申し上げたような、適正化に向けて規制を強化するような改正が盛り込まれているところでございます。 そういった今般の法改正によって人権侵害事案というものは、済みません、私は減少するのではないかというふうに評価をしているところでございますけれども、先生は、今般の改正について、そういった人権侵犯事案が減少するとか、例えば、ほかにも、外国からの批判に対してそれに応え得るような改正であると評価ができるかどうか、御所見をいただければというふうに思います。
○坂本参考人 ありがとうございます。 前回の法改正でも今回の法改正でもそうですけれども、やはり、人権侵害を含めてさまざま起こっているトラブルにどう対応するのかという中で出てきた部分がかなりあるというふうに認識をしております。 今回、実習生保護の新法の方ですけれども、実習生からの申告権をお認めいただいている。このあたりは、かなり前進の部分として評価をしたいと思っております。 消極的というよりも、心配がまだ多々あるということなんですけれども、前回の法改正で一年目から技能実習というふうになったときにもそうなんですけれども、あのときに、法務省の方の「入管法が変わります」という資料をゆうべちょっとまた読み返していたときに、保証金がなくなりますということが法務省資料にも書かれていました。これは、入国審査するときにチェックするのでそういう保証金はなくなるんだということが明示されていたんですけれども、結局、その後、保証金の状況はほとんど変わっていませんので、罰則等法的な根拠も含めて、権利保護もするし、違法な受け入れがされた場合に、罰則をきちんと伴うような法的な根拠がやはり同時に必要になってくると思います。
○吉田(宣)委員 ありがとうございます。 続きまして、後藤参考人にお伺いをしたいと思います。 後藤先生にはかなり大きな観点からの御質問になることを御容赦ください。 先ほど来、先生の御意見の中に、いわゆる本音と建前というふうなお話がございました。結局、この法律を審議するに当たって、私は、この問題が最大の論点であろうというふうに思っているわけでございます。 外国人技能実習生の目的は、外国人が技能を修得することを目的とした法律であって、日本の国内の労働力不足を補う目的ではないというふうな、これが建前でございます。外国人が技能を実習することによって、彼らが母国に戻り、身につけた技能を母国で発揮して母国の発展に寄与するというふうな、日本のいわゆる国際貢献の一つのあり方だというふうに私は理解をさせていただいているところでございます。 ただ一方で、技能実習生が日本に来て、やはり労働の提供という手段をもって行われるというふうなことに注視をすれば、この技能実習生の制度について、今後必要な法規制というのはこの法律もしくは入管法だけにはとどまらないんだろうというふうに私自身は感じているところでございます。 そして、先生は先ほど、新しい制度というふうなところで御意見をいただきましたけれども、新しい制度となると、私は、もう少しまだ、済みません、先生の御意見について深く理解ができていませんし、浅くもできていないかもしれません。 本音というところを強調すれば、日本の労働力不足をどう補っていくのかというふうなところがどうしても強調されてしまうのかなというふうな思いがある一方で、私は先ほどあえて建前と申し上げましたが、実は、日本が外国に向かって国際貢献をしていくということは、これはこれで極めて重要な本音だろうというふうにも思うわけです。 そういった意味からすると、この法改正、もしくは今後の運用、それからさらに新しい制度設計に向けて、私は、技能実習生の目的である国際貢献、これは決してその旗をおろしてはいけないんじゃないかというふうに思っておりまして、この両立をいかに図るか、これが一番、我々がこれからも苦慮して研究も深めていかなければいけないところだというふうに思います。 今申し上げたような観点から、この両立を図るための一つのお考えといいますか、そういった方向性といいますか、先生の御所見をぜひ賜れればというふうに思うところでございます。
○後藤参考人 非常に難しい問題をいただきました。私のできる範囲でお答えさせていただきたいと思います。 吉田委員おっしゃいましたように、確かに、本音の部分と建前の部分と両方がある、国際貢献も重要であり日本の労働力確保も重要である、これを認識して考えてみる必要があると思います。 今の技能実習制度では、国際貢献という目的と、建前上はないのかもしれませんけれども、本音、労働力確保というのが混在しています。それをやはりきちんと分けて、豊かな国日本が開発途上国に教えてあげるということは、やはり国とか公的なところが責任を持って、JICAであったりいろいろなところがあると思いますけれども、やるという制度は絶対に必要だと思います。そのために、技能実習制度の建前、純建前部分はそういうところで積極的に推進し、日本の国際貢献を図っていくということが重要だと思います。 もう一つの、本音部分が見え隠れする、見え隠れするというよりもかなりのウエートを占めているのかもしれないという実態に鑑みますれば、やはり、先ほども申し上げましたけれども、今後、少子高齢化で非常に労働力が不足していくであろう日本、それと、世界の非常に不安定な経済状況のもとで、一次産品の価格が下がったりとかいろいろな問題がありますけれども、困っている開発途上国、働くところがない、所得が低い、そういう両方のニーズを合致させるものとして、日本における雇用というのも一つの選択肢として考えたらいいのではないかと思います。 その際に、先ほどのお話でも申し上げましたけれども、きちんと秩序立った受け入れをするということと、受け入れに当たってはというか受け入れの前に、まず、女性、高齢者、若年者等々の日本の労働力の活用、あるいはITとかを活用した労働生産性の向上等々を考えた上で、本当にこれが必要かということを検討した上で、その上でも必要だということであれば、秩序立った形で受け入れていく必要があるのかもしれないと思います。 私の直観では、恐らく専門的な労働者というのは著しく不足するので、受け入れなくてはいけないと思いますけれども、未熟練の労働者に関しては、まだまだ国内労働力を十分に戦力化すればうまくいくのではないかと思います。 そういう広い問題でありますので、吉田委員おっしゃいましたように、入管法、技能実習だけの問題じゃなくて、日本全体の広い観点からの検討を待ったなしですぐやるということが重要ではないかというふうに考えます。
○吉田(宣)委員 ありがとうございました。 本日は、極めて貴重な御意見を賜れたと、私も大変感謝を申し上げている次第でございます。先生方からいただきました貴重な御意見を、私、今後また国会での審議にしっかり生かしてまいりたいというふうに思いますので、どうかよろしくお願いいたします。 本日はありがとうございました。質問を終わります。
○葉梨委員長 以上で吉田宣弘君の質疑は終了いたしました。 次に、畑野君枝君。
○畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。 本日は、根本嘉昭参考人、村尾和男参考人、多賀谷一照参考人、坂本恵参考人、後藤純一参考人、皆様に貴重な御意見を伺い、ありがとうございます。 まず初めに、全ての参考人の皆さんにお伺いをいたします。 先ほどからもお話がありますように、外国人技能実習制度において人権侵害の問題が多数指摘されていることについてどのようにお考えになるのか、また、外国人技能実習生がみずからの意思によって実習先を移転することができない、変更することができないということについてどのようにしていくべきだとお考えなのか、この二点について伺いたいと思います。
○根本参考人 御質問ありがとうございます。 最初の人権侵害のおそれというのは、先ほども申し上げたように、人を通じて人のサービスを提供するという、特にヒューマンサービスの典型である介護というふうなものでは、物すごくあると思うんです。そして、それがチームでアプローチしているようなサービスであれば、集団対集団でサービスが提供できているような場であれば比較的それは少ないんだろうと思いますけれども、特に、パーソナルと申しますか、マンツーマンの形でサービスが提供されるときに、その人権侵害というのは、またそのリスクというのはより強まるんだろうというふうに思っております。また、その人権侵害は、恐らく、単に日本国内だけにとどまらずに、非常に微妙な部分もあれば、国際問題にもすぐに発展しかねないような微妙な問題にもなりかねない、非常に大きなリスクを抱えているところだろうと思います。 したがいまして、先ほども申し上げたところでありますけれども、まず、そのような介護の分野に拡大するに当たっては、可能な限りそのようなリスクが少ないところから始めていくということがまず肝要かなというふうに思っておりますし、また、我が国の介護人材不足というのが今言われておりますけれども、先ほど、それに対しては外国人を充てないという大原則を言いました。そういうふうな考え方でいって、潜在の介護福祉士さんであるとか、そのほかいろいろな日本の人材でもって現在の介護の人材不足には対応していくというのが大きな基本方針であります。 それであれば、何で介護の現場にそのような外国人の実習生を受け入れるのかということですが、これは私見になりますけれども、実際にEPAの外国人の介護福祉士さんが働いている場においても、非常に大きなものとして言われているのが、外国人を介護の現場に入れるということは物すごいメリットがあるというんですね。それは何かというと、やはり人と人とのかかわりの中で来ることですから、当然、外国の文化を背景とする人格を持った介護士さんがいることによって、その施設の文化、介護現場の文化が非常により豊かになっていくというふうなメリットがある。これが恐らく、我が国で外国人の方に介護の現場に来ていただくことの最大のメリットかなというふうにも思います。 それともう一つ、ちょっと話が外れて恐縮ですけれども、今、日本の方々が相当海外に出ておりますけれども、日本で介護の経験を持った人たちがそれぞれの国に戻っていろいろな仕事をやっているときに、外国にいる日本人が何か介護が必要になったときに、そのような人たちがいるところに行くところの安心感というのは物すごく大きいものがあるというふうにも言われております。だから、その意味で、やはりただ単なる人手不足ということではない大きなメリットが、外国人の方を入れるということについてあるんだろう。 いずれにしても、外国人の方の人権侵害、非常に微妙な問題がたくさんあるので、まずそこは、できるだけそのおそれを回避するような形のところからスタートするのが一番よろしいのかなというふうにも思っております。 それから、実習先を変更するという問題でありますが、それはまだちょっと実際に動いて見てみないとわからないし、少なくとも、今考えているいろいろな、先ほども申し上げた七つの対策をきちんと対応していけば、恐らくそう簡単にはお逃げにならないのではないかというふうに思っているところでございます。
○村尾参考人 やはり、日本人と同じ立場で扱うというのが私は一番根底にあると思うんです。 それはどういうことかというと、職場の人間関係も含めて、我々も巡回させてもらっています、何かあるとちゃんと連絡してきてくれるような、我々の職員と実習生との関係、そういったものを大事にしている、我々はそれをやらせているんです。 例えば、実習生だけが残業が多いとか、あるいは日本人が嫌う仕事をやらされる、そういうのは、我々も職場巡回していますからすぐわかりますので、実習先の方へ話をしていく。我々のところは今のところほとんどないんですけれども。 そういうふうなことで、やはり日本人と同じ立場で、日本人にはこう言うけれども、実習生にはこういう言い方をするではやはりまずいと思います。企業さんが雇用されているものですから、日本人と同じような立場でやっていただこうということでうちも進めております。 それから、移転の話がうちも一件ありました。ありましたのは、生産が落ちてしまって、ほかの組合さんからうちの方へかわってきたというふうな、同じ職種で同じ技能検定二級を取って、あと二年間残っているんだけれども、今、うちの仕事はこれ以上やれないというふうなことから、うちの方へ移転してきたのが四名おりますけれども、あとは、今までは経験もございません。 以上です。
○多賀谷参考人 人権侵害というのがどういう場合か、実例は知りませんけれども、想定で申し上げます。 一つは、先ほど来、低賃金の外国人労働者を受け入れることが目的といいますか、要するに、本音と建前じゃなくて本音だけのような問題がある。そういうのはあるかもしれません。ただし、そういう中小企業等があったら、今回の法改正でそれはできなくなるだろうと思います。 あともう一つは、恐らく、外国人と雇用者との間の意思疎通の問題があります。特に、少人数で、要するに、外国人も一人か二人、そして雇っている方も一人か二人、そういうところだと、労働環境といっても、そこでどういうふうに外国人を遇していいか、恐らく、言葉の疎通がうまくいかない、そういうような関係でなっている例が多分あるんだろうと思います。それはやはり、今後、監理団体を通じて、あるいは業単位でそういうものは是正していくべきだと思います。 それから、移転の話ですけれども、外国人は、一応建前としては、労働者ではなくて技能実習者として雇う、例えば大学でいえば、学生としてやる。学生がある大学から別の大学へ移るというのはそう簡単にできるわけではありませんし、今回の制度でも、二号から三号に移るときとか、あるいは、それこそ実習実施者から人権侵害的な行為をされたときとか、そういう形で限定して移転の可能性を認めている。そういう方向でいくしかないんじゃないかと思います。
○坂本参考人 ありがとうございます。 人権侵害ですけれども、一つぜひ申し上げたいことですけれども、私も多く実習生に接してまいりましたけれども、実習生たちは本当に非常に大きな夢を持って日本に来ている。子供のころから、日本というのは、技術の進んだ、アニメ、コスプレなんかも含めた文化的な魅力があって、本当にいつか行きたいと思っていた、その夢が実現したということで来られるわけですね。ただ、一旦会社に入ると、初日から残業、時給三百円ということで、そういう夢が打ち砕かれるということがあってはならないというふうに思います。 介護に関しては、一言だけですけれども、台湾が今、五十五万人ぐらい海外労働人材を入れていますけれども、製造業が六〇%です。残り四〇%は家庭内介護、看護です。台湾で今一番問題になっているのは、家庭内介護、看護で起こる人権侵害です。だから、家事労働で単独でいくというようなことがもし想定されているということなのであれば、非常に憂慮すべきことではないかなと思います。 それから、移転ですけれども、これは、実習実施機関と実習生の関係はやはり対等ではないわけですし、人権侵害が生じている場合、実習生はおびえている中で、まともな技術修得、それを海外移転ということにならないわけでして、制度の趣旨からいっても、本人の責に帰さない事由の場合はもちろんですけれども、複数のところで技術を学ぶということがより高度なことになるというケースもあり得るわけです。システムとして保障するということは、必要な選択肢かと思います。
○後藤参考人 人権侵害の問題と実習先を変更する問題について考えを述べさせていただきます。 まず、人権侵害の問題でございますけれども、これは、言うまでもなく、全ての受け入れ事業者に起きていることじゃなくて、一部分の不心得なところで問題になって、その問題の程度が、非常に大問題になること、ひどいことをやっているような状況が生じています。 であることを考えますと、まず、そういうよろしくないところに実習生を行かせないような仕組みが重要だと思います。 今、団体監理型では、比較的容易に、どこにでもと言っては語弊がありますけれども、配分されているようなところがあるようですけれども、それを、多賀谷先生もおっしゃいましたように、きちんとした監理団体をつくって、ちゃんと受け入れ先を審査して、そういうことをやらないようなところに行かせるということがまず重要だと思います。その上で、体制を整備しても起きる可能性はございますので、行政なんかがしっかりしまして、そういう侵害事件に関しては今までよりもより一層厳しい立場で臨むということですね。だから、配分をきちんとするということと、起きた場合には厳しく取り締まるという二つのことをやっていくということが重要だと思います。 実習先を変更する問題、これについては非常に難しい問題だと思いますが、まず、変更したくなるようなことが起きるというのは、さっきの人権侵害問題等が密接に影響していると思うんですよね。非常にいい処遇を受けている場合であれば特段別のところへ行こうということはないのであって、だから、一番の人権侵害に対する対策が完全に確保できれば、かなりの程度、変更しようとするインセンティブは減るのではないかと思います。 それでも変更するという場合、例えば私が慶應大学で教えている留学生がどうしても早稲田に行きたいというのであれば、もう一回早稲田の方でしっかり審査をしてもらって受け入れるのであれば、それはそれでいいのかなという気もいたします。
○葉梨委員長 では、根本参考人。追加の発言があるようです。
○根本参考人 追加というか、私の発言が何かもし誤解を生んでいたらいけないなと思って、ちょっと一言ですが。 今回の、技能実習制度に関しまして介護職種を追加することについて、在宅サービスと申しますか、一対一の訪問系のサービスというのは全く想定をしていないということでございます。それについては強く申し上げさせていただきたいと思います。
○畑野委員 皆様、ありがとうございました。 移転の話にもかかわるんですが、先ほど、高額な保証金の話がありました。それで、それを解消するというか、保証金を取らないというふうにするという点で、坂本参考人の方で何か具体的な例がありましたら教えていただきたいと思います。
○坂本参考人 保証金の件ですけれども、アジアの場合、送り出し国が基本的には多くて、受け入れているのは韓国、台湾、日本と、比較的数は限られております。 台湾も人口二千三百万に対して五十五万人受け入れています。数でいうと、実態的には、人口差も考えると日本の十倍ぐらいなんですけれども、私ども、十年ぐらいフォローしていますけれども、台湾で保証金問題が出ているということはほとんど聞いていないです。 それから、ASEANの中でも、送り出しつつ入れるということも多々起こっているんですけれども、日本のような一万ドルを超える保証金の存在ということはほぼ確認できておりませんでして、韓国がなくなったということも、韓国の場合はあったけれどもなくなったという意味では、韓国は非常に特徴的ですね。百万円を用意するか、その必要がないかということになると、日本が選択肢から落ちるということが今後十分想定されるかなというふうに考えます。
○畑野委員 今のお話、先ほどの移転の話も含めて、自分の意思でかわることができるということなどを含めて、坂本参考人、もう少し詳しく海外の実例を教えていただければ幸いです。
○坂本参考人 後藤参考人の方から新しい制度設計の必要性ということでお話しいただきましたので、私は韓国のお話を少しさせていただきますけれども、韓国というよりも、新しいイメージとしてどういう可能性があり得るのかということで少しお聞きいただければ幸いです。 韓国は、一九九三年に産業研修生制度というのをとりました。これは、実は日本の実習生制度をまねて入れた制度なんですね。これは民間・民間の関係でしたので、受け入れも民間、送り出しも民間でしたので、ここもまねたのかと思うんですけれども、非常に高額な保証金がありました。パスポート取り上げとか、差別、暴力もございましたし、本当に驚く数字ですけれども、そういう中で、全体の失踪率が五〇%を超した、二人に一人がいなくなったということが起こりまして、これではいけないということになって、雇用許可制と言われるものが導入されたのが二〇〇四年のことでした。 一つきょう御紹介したいのは、受け入れプロセスが非常に透明化されたということで、ここから日本が学ぶことは大きいのではないかということです。韓国の場合は、従業員三百名以下の中小企業にこの雇用許可制というのが適用されます。その企業が十四日間公募をかけたけれども、応募がない部分を海外人材で埋めていいという許可を国が与える、その雇用許可を与えるという意味で雇用許可制という名前になっております。 一番大きく変わったのは、韓国は、相手の国とも必ず全部二国間協定を結んで、相手国にも不正な派遣を禁じているということなんですね。全てのプロセスを国が管理しているんです。選抜もそう、導入もそう、監理もそう、それから帰国支援も、全て民間を排して、韓国の場合は雇用労働部というんですけれども、ここが管轄をするということなんです。送り出しも民間機関はだめだと。日本の実習生制度は全部民間ですよね、中国もベトナムも。ベトナムは、派遣機関が七十からあっという間に二百を超えましたけれども、全部民間なわけですね。そうじゃない、国がやるべきだということに制度上なっているわけですね。 そういうことですので、民間の介在余地がなくなったということです。民間が介在すると、利益を生まないといけないので、必ず余計なお金が必要になるということなわけですね。 ここに全体のプロセスが透明化をされたということが非常に重要だと思います。つまり、民間・民間、プライベート・プライベート、PツーPから、ガバメント・ガバメント、GツーGに、そういう管理への転換が行われたということです。 日本ではもちろんそうはなっておりませんでして、JITCOが一部関与しますけれども、実態的には監理団体が関与することでさまざまトラブルが起こっているケースもあるわけです。後を絶たないということですので、可能なところからGツーGへと切りかえていく、がらっと制度を変えるというよりも、国の関与をさらに深めて、できるところからGツーGへと切りかえていくという決断が非常に実態的ではないかなというふうに思います。 ブローカー、実習実施機関の不正に対して、新しくできる機構の体制がこれで十分かどうかという議論をこの委員会でもやっていただきましたけれども、この新しい機構は、やはり受け入れ業務が中心ということになるかと思います。本部八十名、全体で三百三十名という体制で不正に介在するブローカー問題なんかも含めて取り締まるのは、やはり極めて厳しい。何というか、できないことをできるというふうにはやはり言わない方がいいのではないかなというふうに思います。 根本的には、そういう違法が介在できるというシステム自体を変えていくということ、日本でもそういう大きな転換が必要になってくるのかなというふうに考えます。
○畑野委員 ありがとうございました。
○葉梨委員長 以上で畑野君枝君の質疑は終了いたしました。 次に、井出庸生君。
○井出委員 民進党、信州長野県の井出庸生と申します。 五人の参考人の皆様、きょうは本当にお忙しいところお時間をつくっていただきまして、まず感謝を申し上げます。 早速ですが、まず、Jプロネットの村尾さんに伺っていきたいんです。 村尾さんは監理団体として実習生業務にかかわられているお立場でありますが、お話の中で、大手の自動車会社の役員がJプロネットをスタートさせたというようなお話があったと思いますが、組合設立のきっかけといいますか、どういう目的で組合をつくってこの技能実習制度を活用しようといういきさつがあったのかを簡単に教えてください。
○村尾参考人 冒頭に発表させていただきました経緯につきましてですが、中小企業さん、あるいは大手も含めてなんですが、海外の技能移転というふうなことが根底にありまして、これからやはりだんだんと日本人の採用も少なくなってくるだろう、日本の技能を身につけてもらうにはやはりそういう制度に乗っかった方がいいだろうというのが、ここ十一年ぐらい前にできた制度でありまして、企業さんに貢献したいというのが大きな狙いであります。 よろしいですか。
○井出委員 ありがとうございます。 お話ですと、実際、多くの実習先が組合に参加されて、想像するに自動車関係の会社が多いのかなと思いますし、また、自動車会社が現地の法人を持たれていて、実習生が帰国したときに、現地法人があればそこで働く。それは一つ、この制度を、ほかの委員からも、大変すばらしい運用をされているといったような声も上がっておりました。 実習を終えた方というのが、海外の現地法人なんかに行くというのは割合わかりやすいと思うんですけれども、海外でどのような活動をされているかというのは、把握というか、そういうところはどのようにこれまで見てこられたのか、教えてください。
○村尾参考人 正式な数はちょっとわかりませんけれども、例でいいますと、一番最初に入った実習生が、三十人ぐらい一つの会社に入りまして、現法へ十二人ぐらい行きました。そこでは、現法といいましても、現地の工場と自分の生まれているところがかなり離れている子も中にはおりまして、現法のある工場のすぐ近くから全員来ているわけではないものですから、そういった面では数が制限されます。 一番いい例としましては、その中で、三年間こちらで実習をやって、現地の方へ、現法に行きまして、リーダー格で頑張ってくれていまして、本当に職制まで行ったというふうなケースもありますが、全体からいいますと本当に微々たるものです、三パーあるかないか。 最初のうちは、選考するときは、現地に来るんだよといって面接をやるんです。三年過ぎると、そんなことは帰ってから考えるよというふうなことと、現地との賃金差がかなり違いまして、日本で十五万をもらっている子が、向こうへ行ったら三、四万とか八万とかいうふうな金になるとなると、なかなか、やはり考えて、現法の工場の働いている人たちの給料と日本人が働いている給料とはかなりの差があるものですから、やはりそこら辺の乖離が大分あるように思います。 実際には、我々もそういう流れで進めたいと思っているんですけれども、なかなか全員が全員というわけにいかないというのが現状でございます。
○井出委員 ありがとうございます。 今、現法に行かれる方は、工場の場所とかもありますし、賃金の問題とかで微々たるものだという話がありましたが、それでも、自動車の大手で、現地法人がある、海外で働き先があれば、そこに行って活躍する方というのも実際いて、そういう方のお話も聞けるわけです。 ですから、村尾さんのところのように、自動車業界という、裾野が広くて、海外にも現地法人を持っていて、大手企業で、そういう自動車産業であればこの技能実習制度というものはまだ活路があるのかなと私は思いますし、当初はそういう大きな企業が対象だったんじゃないかなと思うんですよ。 それが今、いろいろなところへ職種が広がって、今度、介護にも広がっていくわけなんですが、監理団体、実習先、きちっとこの制度の趣旨を理解してやり切れるだけの力、人を育てるのには企業側、受け入れ側の労力もかかりますので、そこについては私は現状にいささか疑問を持っていて、村尾さんのような、そういうお力のある企業また実習先の集まりであれば、まだきょうお話しいただいたような好事例もあるのかなと思うんですが、この制度全般を見たときに、受け入れ先、監理団体たる実務をちゃんと全うできるところが一体どれだけあるのだろう、そういう思いを持つんですが、その点についてちょっと御所見、感想をいただきたいと思います。
○村尾参考人 井出先生、実はうちも大手ばかりではないんですよ。最近ありますのが建設業、一社に二人とか、そういう方も最近はふえてきました。例えば総菜しかり、そういう方がふえてきたものですから、必ず現法へという話でもありません。 そういった意味では、日本で技能を身につけて、お金もためて、帰って、現法のないところあるいは送り出し機関から企業の紹介のないようなところには、やはり自分で活路を見出さないかぬということになるんです。 そうすると、彼らあるいは彼女たちに聞きますと、母国に帰ったら、実家の方へ帰ったら自分で商売をやるんだ、オートバイの店をつくるんだとか部品会社をつくるだとか機械会社をつくるんだとかというふうな、ある程度大きな夢を持ってこちらに来ていて、そのために金をためるとかというふうな者も大分ふえてきております。 こんなところでよろしいでしょうか。
○井出委員 プロネットのホームページを見させていただいて、ちょっと質問したいことがあるんですが、受け入れ先に対して費用の概算というものをお示しになっているかと思うんですけれども、例えばJITCOへの会員費、これは任意だとも書いてありましたけれども、その中で一つ監理費というものがあって、何か、実習先が何人受け入れるか、あと、どこの国から受け入れるかでちょっと事情が変わってきますというようなことが書いてあるんですけれども、その監理費というものが大体どういう性質のもので、何人ぐらいだったら幾らぐらいみたいなところ、ちょっと実態を教えていただきたいと思います。
○村尾参考人 非常に難しい答弁になりますが、監理費というのは実際には監理団体が決める話でありまして、高いところだと六万とか七万とかいうところもありますし、安くても三万とか。 では、その金は何に使うんだという話になりますと、実習生を受け入れますと、送り出し機関というのがあるんですね、ベトナムであったり中国であったり。そこで一カ月か二カ月、三カ月、教育をしてこちらへ送ってくるものですから、三年間はそこへ、例えば三千円とか五千円とかいうふうなものを返します。 仮に三万もらったとしますと、二万五千円がうちの取り分になるんですが、それは、うちから企業さんへ訪問したり、それはもう最低月に二回は行っているんですね。近場もあれば、愛知県から神奈川まで来たり、かなり遠いところもあります。それから、あとは監理団体がやる三カ月に一回の監査というのがあります。これも入管法で決まっていまして、悪いものがあればちゃんと出せよ、不法滞在がおれば出せよというふうなことも書いて出さないかぬものですから、それは必ずレポートを入管の方へ出しております。 ですから、監理費は、我々の職員の給料だけでなくて、そういう交通費であったり宿泊費であったりというものと、それから、我々の給料というのは、ほかに共同購買をやっておりまして、作業服ですとかそういったものを組合員へ支給しているというのか、買ってもらっているんですね。その費用もいただいて、要するに、株式会社ではありませんから利益を目的としておりませんので、そこら辺は最小の利益ということでやらせてもらっております。 よろしいでしょうか。
○井出委員 ありがとうございます。少しイメージが湧きました。 あと、それと、お話の中で、最初は自動車関係の受け入れから始まったと思うんですけれども、建設関係の受け入れを始められたいきさつとか理由を教えていただきたいのが一点と、あと、お話の中で、中国人の質がちょっと低下して、今、ベトナムとかほかの国のニーズが多いというお話があったんですけれども、中国人の質の低下というものは、もう少し、どんなようなことなのかなというところ、お感じになっているところを教えてください。
○村尾参考人 オリンピックの関係もありまして、建設というのは、東海では余りないんですが、九州の方でかなりふえてきました。左官もそうです。型枠もそうです。そういったものが、小さな会社さんなんですから、二人とか三人ぐらい入る。今、建設関係で、本当に少ないですよ、二十人いるかどうかぐらいの数なんですが、オリンピックの関係もあるかと思いますけれども、そういうので徐々にふえてきているのが現状であります。 それから、中国の技能実習生が若干質も悪くなったとかいうふうなお話です。 これにつきましては、やはり中国の経済成長もありまして、応募してくる子の数がだんだん少なくなってきたというのが実情であります。今までは大体、一人について三人ぐらいの中で面接をやって、適性もやって、運動能力もやって、一人とってくるというのが、今、二倍ぐらい、二人に一人というふうぐらいに、それもだんだんと、質が悪いといいますか、勉強してきていない、日本語も余りしゃべれないとかいうふうな子がふえてきました。だから、うちの組合だけでいいますと、ベトナムがぐっとふえてきましたね。 というふうなことで、企業さんによっては、漢字が読める中国人がいいよというオーダーもいただくんです。漢字が読めると、危険というと、その実習はやりませんからね。ベトナム人だと、危険と書いてもそれはわかりませんから。 要は、我々が欲しているというのか考えていますのは、日本語をできるだけしゃべれる子をとってきたいというのが実情であります。
○井出委員 詳しく御説明いただきましてありがとうございます。 次に、根本参考人に介護のことを少し伺いたいんですが、実は先日、EPAの介護士候補を受け入れているところにみんなで視察に行ってきまして、若い女性二人、大変前向きにやっているところを見てきたんです。 そこは、大変実績規模の大きい、全国展開をやっている介護施設、病院も持っているんですが、ただ、そこでちょっと私が質問しましたときに、EPAは国際貢献的な意味合いもあるし、今、何人か受け入れていらっしゃるんですけれども、技能実習生を受け入れるかどうかということについては、ちょっとわからないと。やはり人一人来てもらって育てていくのには費用もかかりますし、また、技能実習生は帰らなければいけない、そういうところの御懸念があるというようなお話をされておりました。 ちょうどその日に我々は入国管理局の方にも視察に行ってきまして、たまたま、不法滞在でその日摘発をされてきたという外国人の数十人の方を目にする機会があって、その半数が技能実習制度からの脱走だった、そんなようなお話もいただいているんです。 私も目でずっと観察していただけなんですが、残念ながら、介護施設で会ったEPAの介護士候補のお二人と、入管で見た、技能実習を脱走したという人たちとでは、年齢は近い人もいますけれども、経済状況ですとか、例えば日本語を学ぶ学習能力、意欲ですとか、そういうところにやはり大きな差があるのではないか。 もう一つ考えられるのは、私は、これから在留資格と技能実習の両方で介護を認めたときに、やはり戦力が欲しいですから、きちっと、ゆとりのある、人を養っていけるような介護施設はそういう人を採ると思うんですよ。でも、残念ながら、人不足で、お金もちょっと、正直、経営も大変厳しい、そうなってくると、猫の手もかりたいというところが技能実習生の方に行ってしまうのではないか。私は、そうした、介護現場の労働の質が変容していく、また、しっかりとした経営をされている施設となかなか苦しいながらにやっている施設とで内容の格差が広がっていってしまうのではないかという懸念を持っているんですが、そういう御議論ですとか、また御助言があればちょっと伺いたいと思います。
○根本参考人 御質問ありがとうございます。 先ほど来申し上げていることに尽きるわけでありますけれども、そのようなEPAの候補者に関しては、非常にモラルが高い、そしてそれが物すごくいいというのは御理解いただいたというふうに思います。 技能実習生の受け入れニーズというのがどれぐらい実際にあるかということは、またこれから制度構築の過程において実際に確認していくことだろうと思いますけれども、少なくとも、繰り返しになりますけれども、施設の人材不足ではないという建前はどこまでも貫いていかなくちゃいけないなと思いますし、あくまでも、社会貢献と申しますか、国際貢献の一環として、余裕のあるところというか、そういうような志に燃えているようなところから技能実習生の受け入れはやっていくべきだろうと思います。 そしてさらに、その場合に大事なことの一つとしては、やはりコミュニケーション能力と申しますか、日本語能力等もあるんだろうと思いますが、それについてもきちんとかせをはめておりますし、それから、一年ごとに、必要な、どこら辺まで到達したかという到達目標をきちんと確認した上でさらに次のステップに行くとかいうふうなこととか、さらに、受け入れ機関の資格みたいなものについてもきちんと担保していくとかいうふうなことの中で、御懸念の点がないような方向に行くんだろうということを期待しているところでございます。
○井出委員 ありがとうございます。 しっかりと技能実習制度の趣旨を理解して、技能実習生を育てられるような体力のあるところがやっていくべきだというお話だったかと思います。きょういただいた御意見をよく踏まえて、また今後の議論をしていきたいと思います。 きょうは皆さんに質問ができなくて大変申しわけありませんが、いただいた御意見、必ず今後の議論に反映させていただきます。 きょうは本当にありがとうございました。
○葉梨委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人の方々には、貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。 —————————————
○葉梨委員長 この際、連合審査会開会に関する件についてお諮りいたします。 ただいま議題となっております両案に対し、厚生労働委員会から連合審査会開会の申し入れがありましたので、これを受諾するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○葉梨委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 また、連合審査会において、政府参考人及び参考人から説明または意見を聴取する必要が生じました場合には、出席を求めることとし、その取り扱いにつきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○葉梨委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次に、お諮りいたします。 連合審査会において、最高裁判所から出席説明の要求がありました場合には、これを承認することとし、その取り扱いにつきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○葉梨委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 なお、連合審査会は、来る二十六日火曜日午前九時から開会いたしますので、御了承願います。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時五十六分散会