法務委員会 第9号
- 発言数
- 211 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2016/04/06
会議録
○葉梨委員長 これより会議を開きます。 第百八十九回国会、内閣提出、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案につきましては、第百八十九回国会におきまして既に趣旨の説明を聴取いたしておりますので、これを省略いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○葉梨委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○葉梨委員長 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として法務省入国管理局長井上宏君、外務省大臣官房参事官宮川学君、厚生労働省大臣官房審議官堀江裕君及び厚生労働省職業能力開発局長宮川晃君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○葉梨委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○葉梨委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。門博文君。
○門委員 おはようございます。自由民主党の門博文でございます。本日は、質問の機会を頂戴いたしまして、まことにありがとうございます。 外国人の技能実習制度に関連した法律ということで本日質問をさせていただきますけれども、限られた時間内で手短に質問させていただきたいと思います。 まず、お手元に資料をお配りいたしまして、資料一として、訪日外国人旅行者数の推移ということでお配りをいたしました。 皆様方も御承知のように、去年一年間に千九百七十四万人という外国人の方々が日本を訪れられた。そして、この間、政府の新しいビジョンが掲げられて、二〇二〇年には四千万人を目指そうというような大きな目標が掲げられました。 それで、観光庁の方で、ことしですね、今、一月と二月の数字はどうなっているかということでお出しいただきましたら、もう既に一月、二月で去年を四三・七%上回っているようなハイピッチで外国人旅行客の皆さんが日本を訪れるようなことになってきたということであります。 また一方で、きのうからTPPの審議も始まりましたけれども、その中でも、我々、TPPで、強い農業をつくるということで、農業関係の輸出一兆円を目指すんだというようなことが掲げられております。 これは、日本が幕末から明治になって鎖国が解けて開国をした、それで外国とのいろいろなつながりができてきたんですけれども、日本の企業は確かにどんどんどんどん海外へ進出をしていきました。ところが、今、私たちの目の前に訪れている新しい兆しというか変化は、年間に四千万人も日本に外国の方が来られたりとか、今まで、日本の土地の中で、農業といいますと、日本人が日本人のためだけに生産物をつくっていたということがほとんどの価値観でありましたけれども、これからは、日本の国土を使ってつくられたものをどんどん海外の人にも買ってもらう、食べてもらうというようなことで、新しい外国との関係というんですか、日本人が外国の方々とどうつき合っていくかということの価値観の違いを、今、我々は方向性を示していかなければいけない、そんなタイミングに来ているのではないかというふうに私は思っております。 その中で、改めて冒頭にお伺いしたいのは、外国人労働者及び難民の受け入れ等について、政府の基本的な考え方についてお尋ねをさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○井上政府参考人 お答えいたします。 まず、外国人労働者の受け入れに関してでございます。 専門的、技術的分野の外国人については、我が国の経済社会の活性化に資することから、これを積極的に受け入れることが重要と認識しておりますが、他方、専門的、技術的分野とは評価されない分野の外国人の受け入れにつきましては、ニーズの把握や経済的効果の検証のほか、日本人の雇用への影響、産業構造への影響、教育、社会保障等の社会的コスト、治安など、幅広い観点から、国民的コンセンサスを踏まえつつ、政府全体で検討していく必要があると考えております。 次に、難民の保護に関する基本的な考え方でございますが、国際的な取り決めである難民条約等に規定されている難民の定義にのっとりまして、難民認定申請者が難民条約に定義する難民に当たるかどうかを個別に判断しております。また、難民と認定できない場合でありましても、本国情勢などを踏まえ、人道上の配慮が必要と認められる場合には、我が国への在留を認めております。 法務省としては、法令にのっとり、今後とも真の難民の迅速かつ確実な庇護を図ってまいります。
○門委員 ありがとうございました。 そういった基本的なお考えのもとに、これから、さっき申し上げましたように、我々日本は、向こう五十年たって百年たったときに、歴史を振り返ってみれば、二〇一六年、一七年、二〇年、東京オリンピック・パラリンピックのあたりで、多分、外国の方々に対してどういうふうな方向性で我々が接していくか、受け入れていくかということが決められたということを後世言われるような重要な時期に来ているんだというふうに思います。 その上で、今回の法律の本題であります外国人技能実習制度、この制度の意義についても改めて見解をお聞かせいただけますでしょうか。
○井上政府参考人 外国人技能実習制度につきましては、技能、技術または知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う人づくりに協力することを目的とする制度でございまして、我が国の国際貢献において重要な役割を果たしているものでございます。
○門委員 今、開発途上国への国際貢献ということでお答えをいただいたと思います。 その上で、国際貢献が最も大切な意義ということだと思いますので、国際貢献をするのは、国際貢献が目的であって、あくまでも技能実習制度というのは手段というか方便というか、目的は本来は国際貢献だという観点で少し質問をさせていただきたいと思います。 そう考えますと、日本で技能実習をされて、滞在をされて、いろいろな資格とか技術を修得される。本来は、私は、この制度の一番の大切なことは、この実習された方々が本国へ帰られて、どれだけ社会に、どれだけその国の発展に自分が修得した技能の分野で貢献をされたか、そこが本当はこの制度の一番の大切なことだと思うんです。 今回は、いろいろな制度を、問題点を見直していこうということですけれども、改めて、帰られた方々の状況というのをどのように捕捉されているのか。例えば、それぞれの来られた本国から日本政府に対して、これだけ実習生たちは我が国の発展のために役に立っていますとか、感謝の気持ちということではないかもわかりませんけれども、そういう御感想など伝えられていることがあれば、そのあたりも含めてお聞かせいただけますでしょうか。
○宮川(晃)政府参考人 お答えいたします。 厚生労働省としては、実習生の帰国後の就職状況や日本で修得した技能などの活用状況を把握するために、フォローアップ調査を行っているところでございます。 平成二十六年度の調査結果によりますれば、技能実習期間を通じて学んだことが役に立ったとする回答が九八・四%、役に立った具体的な内容として修得した技能を挙げた方が最多の六九・一%、帰国後に従事する仕事の内容として、同じまたは関連のある仕事とする回答が七五・二%となっておりまして、実習生が日本で修得した技能は母国でおおむね生かされているものと考えているところでございます。
○門委員 限られた時間ですので、それほど詳しくはお伺いできないかもわかりませんけれども、我々もこれから議員の国際交流、議員交流ということで、送られた国に訪問する機会もあると思いますので、そういうときに、向こうから来られた方がどうなっているかということは詳しく知っておいた方がいろいろな交流もさらに盛んになると思いますので、さらなるフォローと報告の方をぜひともお願いしたいと思います。 それで、もう一点ですけれども、お配りをさせていただきました資料二の方に、技能実習の職種、これは二十八年の四月一日時点の職種ですけれども、七十四職種百三十三作業ということになっておるんです。これは、どういう根拠というか、どういうルールというか、一定のルールの中でどんなふうにこの七十四職種百三十三作業をお決めになっているか、お聞かせいただけますでしょうか。
○宮川(晃)政府参考人 お答えいたします。 委員御指摘の対象職種につきましては、業所管省庁の同意のもと、一つは単純作業でないこと、それから送り出し国の実習ニーズに合致すること、そして実習の成果を評価できる公的評価システムがあることといった要件を満たす場合に、新たな対象職種として厚生労働大臣公示により定めております。 その際には、作業内容、送り出し国のニーズ、試験システムの適格性などについて専門的、実務的な知見を有する外部有識者の意見を聞くこととしております。
○門委員 そこで、私は、地元で飲食業をされている方からこんなお話を伺ったんですけれども、その方は、実際、自分のお店をベトナムに何店舗かお出しになられています。それで、ベトナムの人たちは大変真面目でよく働いてくれて、飲食業においても、衛生管理とか飲食業の経営そのものについてまだまだ成熟したものがベトナムにないので、この子たちを本来は日本の方に連れてきて、自分の店であればまた別の仕組みがあるということはお伺いしているんですけれども、もうちょっと飲食に関係してまさに技能実習をさせたらどうかというふうに思うんだけれども、残念ながらこの職種の中にはそういうものが今入ってきていないと。 今御答弁の中にもありましたけれども、私は、ある程度、受け入れている我が国日本の事情というか、一定のルールは必要だとは思うんですけれども、今お答えの中にもあったように、送り出し国が何を求めているのか、そこの地域とか国柄によって、日本の何を学びたいと思っていらっしゃるのか、今、お聞きいただいているとは伺いましたけれども、もう少しそこらあたりは積極的に、ニーズというか需要というか、そういうものを聞いたらどうかというふうに思うんですけれども、そのあたりの状況をもう少し詳しくお聞かせいただけますか。
○宮川(晃)政府参考人 お答えいたします。 送り出し国のニーズでございますが、職種追加に当たりましては、原則として、追加の要望があった職種に係る業界団体から、実習生の送り出し国となり得る複数国の行政機関の要望書を提出させることなどによりまして、送り出し国のニーズの確認をするという形をとっておるところでございます。
○門委員 ぜひ、そのあたり、先ほどの意義というか目的が国際貢献ということであれば、日本の事情で変えられないところはあるかもわかりませんけれども、できるだけ柔軟というか、工夫をして、本当に送り出し国のお役に立てることは何なのか、そういうことをこれからも前向きにお考えいただいて、この職種、これは百三十三作業あるので、本当は、全部の職種にどれだけの人がかかわっていらっしゃるか、お聞きしたいところでもあったんですけれども、中には、全くというか、ほとんどこの職種に参加されていない分野も実は多分あるんだと思うんですね。 そういうニーズがあるところ、人気があるところ、実際に実績が積まれているところを重視しつつ、これからも、新しい分野を追加、もしくは不要な部分を減らすということもひょっとしたら必要なのかもわかりませんけれども、そのあたりのところを柔軟に御対応いただきたいと思います。 それでは、次の質問に移らせていただきます。 今回、この法制度をつくっていくという背景に、国連または米国から、我が国における外国人技能実習制度に対していろいろな批判があって、その背景の中でこういうことを今進めていこうということになったとお伺いしておりますけれども、この批判の内容、その点について具体的にちょっと簡潔にお願いしたいんですけれども、お答えいただけますか。
○井上政府参考人 まず、アメリカの関係でございます。 技能実習制度に関しましては、二〇一四年の米国国務省人身取引報告書におきまして、強制労働に寄与する旅券のとめ置き等の禁止の強化でありますとか、技能実習制度の運営監査を行う第三者機関の設立、強制労働を行わせた者の責任を明確化する管理制度の構築、外国人労働者が人権侵害行為を指摘できるメカニズムの構築を行うよう、日本政府に対し勧告がされております。 これにつきましては、翌二〇一五年の人身取引報告書におきましては、技能実習法案が国会に提出されたことを踏まえまして、この勧告された事項の大部分につきましては、同法案を施行すべきという勧告に変わっておるところでございます。 また、国連の方からの指摘に関しましては、国連自由権規約委員会が二〇一四年に示した日本に対する第六回定期報告に関する最終見解というものがございます。そこにおきまして、技能実習制度につきまして、「低賃金労働者の確保のためではなく、能力養成に焦点を置いた新たな制度へと代えることを真剣に検討すべきである。」といった見解が示されております。 以上でございます。
○門委員 それを受けて今回の法律ということになったというふうに思いますけれども、この法律のポイントについてあわせてお伺いできますか。
○井上政府参考人 ただいま申し上げました米国と国連からの指摘に対応する形でまとめますと、例えば、旅券等を取り上げる行為に対する罰則の整備でございますとか、法的権限に基づいて監理団体や実習実施者を指導監督できる外国人技能実習機構の創設、監理団体による実習実施者に対する監査の強化、技能実習を強制する行為をした監理団体に対する罰則の整備、実習実施者等の不正行為を申告したことを理由とする不利益取り扱いの禁止とその罰則の整備、あるいは技能実習機構における技能実習生に対する相談、援助業務の実施、さらには技能実習の各段階の修了時における技能評価の義務づけ、そのような措置をこの法案では講ずることとしておりまして、これらは、米国や国連からの批判や指摘に十分応えるものになっていると考えております。
○門委員 その中で、実習生の人たちの保護というか、そういう観点で、通報とか申告窓口も整備していくというようなことがこの中に盛り込まれているというふうにお伺いしているんです。 データを見させていただきますと、非常に年齢的に若い方々が来られています。そして、言葉の問題もあったり、日本のいろいろな風土とか習慣に対してふなれな状態で来られて、職場の環境とか、思っていたことと違うことがいろいろ起こってきたときに、この人たちを保護していくために通報とか申告窓口を整備しようということになっているとお伺いしているんですけれども、それがどこかの法務局であったり労働基準監督署であったり、そうしたときに、我々でもなかなかそこに相談に行こうかなというふうにはならない。ましてや、今申し上げたように、言葉やいろいろなことが不自由な方々が、果たして、窓口をあけたからといって、パンフレットにここへ来てくださいというふうに書いただけで来るのかどうか。 それで、今どきのことですから、メールとかSNSとかが発達していますから、そういう形ででも、不安や苦情というか、そういう困ったことを相談していくような、そういう窓口の整備についてはどうお考えになっているか、お聞かせください。
○宮川(晃)政府参考人 お答えいたします。 御指摘の通報相談窓口につきましては、新たに外国人技能実習機構を設立し、技能実習生から、実習実施者や監理団体による法令違反の申告あるいは権利侵害についての相談を円滑に受け付けられるよう母国語による対応を予定しているところでございまして、今先生御指摘のようなさまざまな手法を活用してまいりたいと考えております。
○門委員 ぜひ、その点、具体的にいろいろな方法を、状況を見ながら工夫をして取り組んでいただきたいと思います。 私自身も二十前後の子供がおりますけれども、自分が親の立場に立って、自分の子供たちが海外にそうやって出ていったときに、親も大変不安に思っていますし、置かれている環境が劣悪であれば、そういうことは余計に心配をしますし、話は戻りますけれども、せっかく国際貢献でやろうとしていることが、逆の効果というか状態になることを非常に懸念しておりますので、御対応いただきたいと思います。 時間がもう間もなくということになりましたので、ちょっと飛ばしまして、最後に五番の質問をさせていただきたいと思うんですけれども、技能実習制度にかえて外国人労働者の受け入れ制度を整備したらどうかというような意見というか現実も、今、いろいろなところで聞かせていただくようなことがあります。 さっき申し上げたように、外国の方がたくさん日本へ入ってこられて、在留資格、学生で来られて、アルバイト、週二十八時間ですか、その範疇でお仕事をされていて、我々もこの近くでコンビニへ行こうが飲食店へ行こうが、本当にほとんど外国の方々が対応しているというお店も珍しくないと思うんですけれども、冒頭申し上げましたように、日本が、向こう五十年、向こう百年を見たときに、どのように外国人の労働者の方々を受け入れていくのか、その制度の整備をどのように考えていくのか、最後にお答えをいただきたいと思います。
○井上政府参考人 我が国の少子高齢化、人口減少が進む中で、外国人材の受け入れのあり方につきましては、国民の各界でさまざまな意見があると承知しており、政府としても、その検討を進めていく必要があると考えております。 しかし、そもそもこの技能実習制度という制度は、これは単純な労働力の受け入れではございませんで、開発途上国等への技能移転を通じた国際貢献という重要な意義を有する制度でありまして、今回の法案により適正化を図りつつ、今後とも活用していくべきものでありまして、外国人労働者の受け入れ制度によって代替されるものではないと考えております。 中長期的な外国人材の受け入れに関しましては、「日本再興戦略」改訂二〇一五におきまして、「真に必要な分野に着目しつつ、」「総合的かつ具体的な検討を進める。」「移民政策と誤解されないような仕組みや国民的コンセンサス形成の在り方などを含めた必要な事項の調査・検討を政府横断的に進めていく。」とされているところでございますので、法務省といたしましても、出入国管理を所管する立場から、この検討に積極的に参画してまいりたいと考えております。
○門委員 それでは、時間になりましたので質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○葉梨委員長 以上で門博文君の質疑は終了いたしました。 次に、吉田宣弘君。
○吉田(宣)委員 公明党の吉田宣弘です。本日も質疑に立たせていただけて、心から感謝を申し上げます。 私は、本日、外国人技能実習制度の改正案を中心に質問させていただきたいと思います。 この外国人技能実習制度は、平成五年に制度設立されたとお聞きしました。したがって、実に二十年以上実施されてきたわけでございます。この間、日本で技能を身につけて母国に帰って、母国の経済発展に貢献してきたことと推察をいたします。 そこで、まずお聞きしたいのは、技能実習生を送り出してきた各国は、この日本の技能実習制度に対してこれまでどのように評価をしておられるのか、法務省からお聞きしたいと思います。
○井上政府参考人 我が国の技能実習制度につきましての送り出し国からの評価でございますが、例えば中国政府の関係者からは、技能実習制度はすばらしいと思う、これまでも帰国してからの成功者を何人も見てきた、まだまだ中国は発展途上であり、特に技術面については先進国に学ぶことがこの国の発展につながるであろうとの評価を受けております。また、ベトナム政府関係者からは、技能実習制度によるベトナムの若者の人材育成に関し謝意が表明されるとともに、技能実習期間の延長や対象職種の拡大についての要請を受けております。 このように、送り出し国からは、我が国の技能実習制度がその国の人材育成や自国の発展に貢献していると一定の評価をいただくとともに、制度拡充についての要望も受けているところでございます。
○吉田(宣)委員 そのように積極的に評価をしていただいているところもあるかと思いますが、他方で、実習実施機関による入管法令違反や労働関係法令違反が増加している傾向にあるというふうに私はお見受けしております。また、アメリカ国務省等国内外から、この技能実習制度について、労働関係法令違反に基づく人権侵害事案に対して批判がなされているというふうにお聞きをしております。 私は、このように入管法令や労働関係法令違反が発生してしまう背景には、まず、この制度を実施する受け入れ企業や監理団体がこの技能実習制度の目的を正しく理解をしていないのではないか、そういうふうな気がしております。すなわち、違反を犯してしまうような企業というのは、技能実習というふうな目的ではなくて、人手不足、人材不足を補うための手段というふうに取り違えてしまっているのではないかというふうに思うわけでございます。 そこで、この外国人技能実習制度を日本が実施する意義について、法務省に改めて確認をさせていただきたいと思います。
○井上政府参考人 技能実習制度は、技能等の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う人づくりに協力することを目的とする制度でございまして、我が国の国際貢献において重要な意義を有するものでございます。 ところが、委員御指摘のように、一部でございますけれども、この制度の趣旨が労働力の確保策と誤解され、法令違反等の問題事案が生じているのも事実でございます。 そこで、本法案により、制度の一層の適正化を実現し、外国人技能実習制度が本来の意義どおりの役割を果たせるようにすべきものであると考えております。
○吉田(宣)委員 ぜひお願いいたします。 国際貢献であるという意義について、受け入れ企業や監理団体にはしっかりと理解をしてもらわなければいけないと私は思っておりますが、そのためには、今おっしゃったこの制度の意義について周知徹底していくことが極めて大切ではなかろうかというふうに思います。 そこで、法務省として、この技能実習制度は国際貢献である、その意義についてどのように周知徹底を図っておられるのかについてお教えください。
○井上政府参考人 法務省におきましては、平成二十一年十二月に、監理団体や実習実施機関が具体的にどのような点に留意すれば適正に技能実習生を受け入れることができるかなどを明らかにするためのガイドラインとしまして、技能実習生の入国・在留管理に関する指針というものを策定、公表したほか、不正行為に係る統計や事例を毎年公表するなどしております。これらの内容は、常時ホームページに記載しておるほか、受け入れ企業や監理団体が集まる説明会などの場に法務省やあるいは地方入国管理局の職員が積極的に出向いて直接詳細に解説するなどして、その周知徹底を図っているところでございます。 また、厚生労働省におきましても、公益財団法人国際研修協力機構に対する委託事業という形でございますが、実習実施機関及び監理団体が参加する連絡協議会での指導でございますとか、適正な労働条件通知を確保するためのモデル労働条件通知書の作成、普及等の取り組みを行っているところでございます。
○吉田(宣)委員 周知徹底はぜひこれまでどおり図っていただきたいと思うんですけれども、私は、まだ少し足らないというふうに認識をしております。 違反は決してあってはならないわけであって、これはなくしていかなければならないわけでございますけれども、それというのも、この技能実習制度というのは、実習が現実の労働の提供というふうな形で行われるから、したがって、この制度には、実習という目的と、労働力不足を補うというふうな目的がいつもすりかわってしまうような、そういったリスクが常に内在をしているというふうに考えております。 そこで、今般の法改正において、この技能実習制度の適正化を十分に担保できる改正が多く含まれているというふうに私はお聞きをしました。 私が理解したところで、時間がないので少し手短に申し上げれば、外国人技能実習機構を認可法人として設立し、監理団体はこの機構を通じて主務大臣の許可を得なければならないこととし、受け入れ企業も機構に届けることとする。技能実習生ごとに技能実習計画を立て、機構による認定を受ける。技能実習生に対する人権侵害行為などについては罰則をもって備え、実習生に対する相談体制の拡充など、技能実習生の保護などに対する措置を講ずるというふうに大まかに理解をしているところでございますが、このような理解で間違いないでしょうか。
○井上政府参考人 ただいま委員に御説明いただいたとおりでございます。
○吉田(宣)委員 このような措置を講じて、ぜひ、人権侵害事案を一つも出さないというふうな取り組みを私は期待したいと思います。 もう一点お尋ねしたいんですけれども、この法改正において重要な機能を果たすのがこの技能実習生の機構だというふうに思いますが、この機構がしっかり機能しなければならないというふうに考えております。 現在、技能実習生が日本で約十九万人実習をしているというふうにお聞きしておりますが、機構の人員並びに体制について、十分と言えるようなところまで構築できるのかどうかについてお聞きをしたいと思います。
○宮川(晃)政府参考人 お答えいたします。 新たに設置されます外国人技能実習機構の組織体制につきましては、本部及び全国十三カ所の地方事務所を設置することとし、本部約八十名、地方事務所約二百五十名の総勢三百三十名程度の体制を確保したいと考えております。 この体制につきましては、地域のバランスや想定される業務量等に鑑み設定したものでございまして、その業務量に十分対応できるものと考えております。
○吉田(宣)委員 もう一点、機構という外部的な規制というふうな制度に加えて、監理団体についても内部的に自律して適正化を担保するようなことが必要ではないかというふうに私は考えておりますが、そういった観点からこの改正案の中に取り組みがございますでしょうか、お聞きしたいと思います。
○宮川(晃)政府参考人 今回の改正案では、監理団体について許可制とし、直近五年間に関係法令による処分等を受けていないことはもとより、一つは、実習実施者に対し一定の頻度で監査を実施すること、講習施設を確保し、講習を適切に実施すること、また、技能実習生からの相談に対応する体制を構築すること、そして外部役員、外部監査の措置を実施することなどを求めまして、監理団体がみずから適正に業務を行っていく体制を担保していくことを考えております。
○吉田(宣)委員 今度は、別の観点から一つお聞きしたいと思います。 今回、適正化の目的のもと法規制が強化されるというふうに理解しておりますが、ほとんどの監理団体それから受け入れ企業というのは真面目に外国人技能実習制度というものに取り組んでいるというふうに私は思っております。ごく一部のところでそういった違反事例というのが出ているというふうに理解しておりますけれども、この多くの真面目な企業が、今回の法規制によって、これまでにないような、無駄なといいますか、不要な、過度な事務負担というものを受けてはいけないというふうに私は思っております。この点について厚労省から意見を伺いたいと思います。
○宮川(晃)政府参考人 委員御指摘のとおり、大部分の受け入れ企業及び監理団体は、法令を遵守し、適切に制度を活用いただいているものと承知しております。 こうした中、本法案による制度見直しにつきましては、監理団体における外部役員、外部監査など、新たに導入される要件はあるものの、多くは現行の入管法令で定められた要件を踏襲するものであり、これまで適切に実習を実施されている方々にとって過度な負担にはならないものと考えているところでございます。
○吉田(宣)委員 以上、適正化についてお聞きをしております。しっかりと、違反事例がなくなるように、また受け入れ企業が困らないような運用を期待したいところでございます。 次に、拡充について一点お伺いをしたいと思います。 今般の法改正においては技能実習制度の拡充策というのが盛り込まれているというふうにお聞きをしておりますが、具体的にどのように拡充をしていくのかについて法務省から確認をさせてください。
○井上政府参考人 技能実習制度の拡充につきましては、平成二十六年六月に閣議決定されました「日本再興戦略」改訂二〇一四におきまして、国際貢献を目的とするという趣旨を徹底するため、制度の適正化を図るとともに、実習期間の延長、受け入れ枠の拡大、対象職種の拡大を行うこととされております。 これを踏まえまして、実習期間の延長につきましては、本法案において、在留資格として技能実習三号というものを創設する規定を盛り込んでおりまして、優良な受け入れ機関に限り、技能実習の期間を最長五年にできることとしております。 また、受け入れ枠の拡大につきましては、優良な受け入れ機関等に限りまして、現行の二倍程度までの人数枠の拡大を認めることとし、対象職種の拡大につきましては、複数職種の実習を認める等の拡充を図ることとしております。
○吉田(宣)委員 技能実習三号が新たに追加される、在留期間も五年に延長する、二倍の人員を受け入れる、そういった拡充策がなされると伺いました。 この拡充によって、技能実習生というのはさらにその技能を日本で深めることができて、母国に帰ったときに、これまで以上に母国の経済発展に貢献していくというふうに私は考えておりますので、積極的に評価をしたいと思います。 ただ、先ほど申し上げた、技能実習生の人権をしっかり守っていかなければならないという観点から、今般の拡充策の前に、しっかりとまず適正化の方を定着させてからでもいいのではないか、その後に拡充してもいいのではないかというふうな考えもあるかと思いますけれども、この点につきましては法務大臣から御所見をお伺いしたいと思います。
○岩城国務大臣 今回の制度拡充の中身につきましては今説明のあったとおりでありますが、優良な受け入れ機関に限って拡充を認めることによりまして、技能実習制度の活用を促進するものであります。そして、速やかにこれを行うことが国際貢献という制度の趣旨にかなうものであると考えております。 また、制度の拡充は、技能実習の適正な実施へのインセンティブを高めることにもつながりますことから、新しい制度の施行と同時に実施するのが相当である、そのように考えております。
○吉田(宣)委員 今回の拡充が適正化へのインセンティブにもなるというふうなことでございました。適正化と同時に拡充を図るという重要な意義があるというふうに私はお聞きをさせていただいたところでございます。 加えて、今般、介護職の職種追加についてお聞かせをいただければと思います。 介護職の職種追加については、今回の法案の内容には含まれてはいないというふうに承知をしておりますけれども、今後検討が進められていくというふうにお聞きをしております。 そこで、まず、そもそも外国に介護技能を身につけた人材のニーズがあるかについて、厚労省からお聞きしたいと思います。
○堀江政府参考人 お答え申し上げます。 開発途上国、特にASEAN諸国におきましては、今後、我が国以上のペースで高齢化が進展することが予測されておりまして、これまでに日本が蓄積してきました認知症ケアですとか自立支援といった介護に関する知識、技術の修得や、人材の育成に対するニーズは増大するものと考えてございます。現実に、ベトナム及びモンゴルから、技能実習生を送り出すことに対する要望が出されておりますし、また、介護福祉士の養成施設の留学生というのがおりまして、現時点では在留資格が認められていませんので、仮に卒業して介護福祉士の資格が取れた場合でも日本で働くことはできない形なんですけれども、そこでも、例えば平成二十六年度では五十九人が入学している、こういった状況にございます。
○吉田(宣)委員 ニーズがあるということは、介護分野においても技能実習制度を通じて国際貢献していくことができるという意味では、外国人技能実習制度の意義に合致するのではないかというふうに思います。 一方で、外国人から介護を受ける要介護者に対しては、十分な配慮というものが必要であるというふうに私は思います。対人サービスという特質を踏まえた対応が必要なんだというふうに考えますが、この法案が成立した後、介護の職種追加についてどのように進めていくのかについて、厚労省からお伺いをしたいと思います。
○堀江政府参考人 厚生労働省の方で既に検討会を開催して検討を進めてございまして、そうした課題ですとか懸念といったものに応えられますように、介護職に対するイメージ低下を招かないようにすること、それから、外国人について日本人と同様に適切な処遇を確保し、日本人労働者の処遇、労働環境の改善の努力というのが損なわれないようにすること、それから、介護サービスの質を担保するとともに利用者の不安を招かないようにすること、そういう三つの要件に対応することが必要だということで、具体的な制度設計の考え方が示されているところでございます。閣議決定に基づきましてそうした詳細が確定した時点で、介護サービスの特性に基づく要請に対応できることを確認の上、対象職種への追加を行う、このように考えてございます。
○吉田(宣)委員 介護者、すなわち技能実習生に不安や不満があると、サービスを受ける要介護者に不利益が及びかねないというふうに私は思います。そういった意味においては、介護職に技能実習制度が拡充した際には、介護サービスの質をしっかり担保するとともに、利用者、要介護者の不安を招かないようにしていく、このことが極めて大切だと思いますけれども、厚労省から、この点、所見をお伺いしたいと思います。
○堀江政府参考人 先ほど御紹介申し上げました検討会の方でも、介護サービスの質を担保するとともに、利用者の不安を招かないよう、利用者が安心してサービスを受けるのに必要な程度の言語能力を担保されること、それから、技能実習生であっても、他の日本人と比較してサービスの水準が著しく劣ることがなく、その安定性、確実性が担保されていること、それから、利用者との間でトラブル等が起きたり、技能実習生の労働者の権利が犯されたりする状況が生じないようなことが重要というふうに認識してございまして、その線に沿いまして実施していきたいというふうに考えております。
○吉田(宣)委員 サービスを受ける利用者の立場に立って、しっかりとした検討を加えていっていただきたいと思います。 以上、これまでやりとりをさせていただきましたけれども、きめ細やかな対応がやはり今般の法改正においては求められているかというふうに私は思っております。最後に、今までのやりとりを受けての法務大臣の御所見をお伺いして、質問を終えたいと思います。
○岩城国務大臣 介護分野に技能実習生を受け入れることに対しましては、もう既に答弁がありましたとおり、介護職に対するイメージ低下、あるいは日本人介護従事者の待遇向上への影響、そして介護サービスの質の低下や利用者の不安などの懸念が示されております。 そこで、本法案による技能実習制度本体の見直しとあわせて、対人サービスという介護分野の特性に応じた要件を設けるなどの具体的方策を講じることが必要と認識しておりまして、そうした方策の適切な実現を通じて、そういった懸念を払拭してまいりたいと考えております。
○吉田(宣)委員 質問を終わります。
○葉梨委員長 以上で吉田宣弘君の質疑は終了いたしました。 次に、井出庸生君。
○井出委員 民進党、信州長野の井出庸生です。本日もよろしくお願いいたします。 まず、この外国人技能実習制度の私の率直な感想を申し上げるので、大臣からも感想をいただきたいんです。 これは海外への技術移転、国際貢献であると。しかし、この長年の利用によって、多くの外国人を日本に、さまざまな分野、製造、繊維、農業、漁業で受け入れてまいりました。もはや技能実習生なしには日本のそうした産業が成り立たない、または、技能実習生がいなくなってしまったら、日本人では到底その仕事をやりたがらない、そういう実態もある。私は、むしろ、今や日本が逆に国際的な貢献を受けているのではないか、そのように考えて、きょうここに立っているのですが、まず大臣の感想をいただきたいと思います。
○岩城国務大臣 委員のお話で、日本が逆に貢献を受けているんじゃないか、そういった側面もあるのではないかというお話でございました。 私どもといたしましては、この制度はあくまでも、技術、技能の海外移転を通じて国際貢献を果たしていきたいと考えておりますし、そういった意味で、日本の持つ技能、技術を実習生にきちんと修得をしていただきまして、帰国されましてから、その国の発展に寄与していただきたい、そういった制度だと考えております。
○井出委員 局長と厚生労働省の審議官にもちょっと、どちらでも構いませんので伺いたいのですが、外国人技能実習生が、今申し上げましたように、かなりの人数が入ってきて、日本のそれぞれの産業の一分野、一業種、仕事の支えになっている、その実態というものはお認めになるかどうか、伺いたいと思います。
○井上政府参考人 技能実習生が昨年度でありますと年間で約十九万人以上も在留して、それぞれ各方面の、今委員御指摘ありましたいろいろな職業のジャンルにおきまして、現場において実務実習を行いながら技能を身につけて、そして、身につけた技能を持って帰国されていっている、そういう実情にあることは間違いございません。
○井出委員 済みません、厚労省の堀江審議官にも伺いますが、今、十九万人という井上入管局長からのお話がありましたが、前向きに質問しますと、技能実習生が日本において国際的な貢献、日本の産業において欠かせない、大活躍をしている、そういう実態を厚労省としてもきちっと認識、お認めいただけるかどうか、伺いたいと思います。
○宮川(晃)政府参考人 お答えいたします。 外国人技能実習制度につきましては、先ほど入国管理局長から御説明申し上げましたとおり、開発途上地域の経済発展を担う人づくりの協力ということでございまして、あくまでも、確かに十九万人という多大な方々が現場で働いているという実態はございますけれども、この方々が日本で、今現在の制度ですと三年間、今後、この法案が通りますれば五年間までの期間、技能を身につけていただいて、帰っていただき、母国でその技能、技術を発揮していただく、こういう制度でございますので、そういう意味での制度だと御理解いただきたいと思います。
○井出委員 なかなか手がたいな、そんな感想をお話ししたいんですが。 ただ、現実として十九万人いらっしゃって、当然、労働基準法、労働関係法制の適用のもとに皆さん働いて、実習をされているんですが、この法律の一つ大きな論点に、外国人技能実習生は一つの実習先に入ったら移動の自由がないということが言われております。 そこで、まず、これは厚生労働省ですか、伺いたいんですが、日本国憲法の第二十二条、「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。」と。このことが憲法には明記をされているんですが、これは、日本で働く外国人、日本にいらっしゃる外国人にもやはり準用されるべきと厚労省はお考えかどうか、伺いたいと思います。
○宮川(晃)政府参考人 御指名でございますので、私から答えさせていただきます。 この法律に基づく、入国管理法制に基づくものとして、移動とか就職に係る一定の制限があり得るものと考えておりますけれども、その点につきましては、法務省の方に御質問いただければと考えております。
○井出委員 法務省は後ほど伺いますので、もう一つ厚生労働省に伺います。 基本的人権、これは国際的にも言われておりますが、基本的人権の一つに自由権というものがありまして、日本も、国際人権法、自由権規約、こういったものに参加をしていると思いますが、この自由権の中に、経済的な自由権、精神的自由権、人身の自由というものがありまして、当然その中に職業の選択の自由、移動の自由というものが入ってくるかなと思います。 まずちょっとここで、済みません、法務省に聞かなきゃいけないんですね。日本国憲法で今お話ししたことがあり、国際的な自由権という概念でそういうものがある。日本で働く外国人にそういったものが準用されるべきとお考えかどうか、では井上さんに伺います。
○井上政府参考人 憲法の大きな質問でございますので、答弁が難しいんですけれども、一般的に、基本権の性質上、特に日本国民に限定されるもの以外については、外国人にもその保障は及ぶという理解も随分あるとは思います。ただ、先ほど委員御指摘のように、自由権にもいろいろ種類がございまして、特に経済的自由の領域では、いろいろ規制もあることがいろいろな法律ではあるのかなというふうに理解してございます。 入管法制に関することで申し上げますと、まず大前提としてあるのが、国際慣習法におきまして、特別の条約とかがある場合は除きますけれども、外国人を自国内に受け入れるかどうか、受け入れる場合にいかなる条件を付するか、こういうものはそれぞれの国家が自由に決定することができるというのが基本でございます。 我が国におきましては、その考えを踏まえまして、入管法において在留資格という制度を設けまして、それぞれの外国人にこういう活動をするということを許容する在留資格、それを与えた範囲で活動を認めるということにしてございまして、その限りにおいて一定の制約がある場合も出てきているであろうということでございます。
○井出委員 国家が自国に外国人を入れるときに自由に決定をできる、そういうことで入管法で制限を設けている。その目的は何ですか。何のために制限を設けるのか、思いつくもので結構ですので。
○井上政府参考人 入管法の目的は、外国人の適正な出入国の管理ということになってございますが、実際に外国人が我が国に入って生活されますと、我が国の国民の生活、さまざまなものにいろいろな影響がございますので、そことの調整をする必要があるということが基本的な要請だろうと思います。
○井出委員 その国民生活への影響、調整というものを、何か例示をしていただきたいと思います。何のためにそういうものが必要になってくるのか。
○井上政府参考人 お答えいたします。 入管法におきましては、いわゆる上陸基準省令と申しておりますけれども、こういう活動は在留資格で認めるという中におきましても、一定の基準を、それぞれ、国民生活とか、そういうこととの調整のために設けることができるということを法令で決めております。 例えば、技能という在留資格の分野でいきますと、これは経験的にいろいろなことができる技能というジャンルでありますけれども、これは特殊な分野における技能だということが法律で定められていまして、具体的には、我が国の国民ではなかなかできない、外国の方にやってもらった方がいろいろな意味でメリットがあるというようなものを省令で列挙してございまして、典型的には、外国に固有の料理でございますとか、外国に固有の建築でしたか、そのようなものでありますとか、そういうジャンルに限り技能として認めるというような調整を行っているというのが、一つの例で挙げられると思います。
○井出委員 それは、そういう在留資格もあるかと思うんですけれども、この技能実習制度においては、外国人の特殊な技能を導入する在留資格ではありませんよね。技能実習制度において、移転の自由を認めない。それが、適正な入国管理であるとか、国民生活の影響調整と。 もう少しわかりやすく聞きますと、技能実習生に移動の自由を認めたらどうなっちゃうからだめなんだ、そういうことをちょっとざっくばらんに答えていただきたいと思います。
○井上政府参考人 技能実習の場合に移動の自由を原則的に認めないとしているその主たる理由は、技能実習という制度の趣旨にむしろ求めるべきでございまして、限られた期間内、一年でありますとか三年でありますとか、現行法でいいますと最長三年間でございますが、その限られた期間内に計画的かつ効率的に技能を修得するためにはどうすべきかという観点からいきますと、これは、一つの実習先で一貫して実習を行って、その方が早く効率的に高い技能を身につけることができるだろう。 そういうことから、実習生が自由な意思で、移動させるというよりは、あらかじめ決められた計画の中で、きちんと一つのところで段階を踏んでレベルアップをしていく方が望ましいという意味で、原則として移動の自由、移籍の自由を認めていないということでございます。 他方、例外的な場合として、例えば実習先が倒産してしまいましたとか、あるいは、人権侵害行為があって、そこで続けるのは実習の実を上げるために適当でないというような場合には、これは別のところで条件が合うところがあればそちらに移籍してもらう、そのようなこともしているわけでございます。
○井出委員 今それぞれの在留資格に沿った制限の理由をお話しいただいたんですが、もう少し新聞ですとか世間一般的に言われているような、外国人が入ってきて自由に移動することによって、地域の住民への影響ですとか治安への影響ですとか、そういうことについては何か見解はありますか。
○井上政府参考人 原則として任意の移籍を認めていないという趣旨は、今申し上げたとおり、技能の修得という観点からでございます。 ただ、地域社会との関係などはむしろ、共生社会を進めるという意味から、広くもっと交流があってしかるべきではないかという要請もございますし、治安への影響というのは、それは個別のケースの例外的な、悪影響がある事例は出るかどうか知りませんが、それがために移籍を認めないとか、そういうことでは全然ございません。
○井出委員 私よりも大分先進的な、寛容なお考えであるなと思いました。 そこで、今までいろいろ、なぜ外国人の在留資格の制限、特に、きょうは技能実習ですのでその件を伺ってきたのですが、外国人の技能実習生は、労働基準法、そういう労働関係法制が適用になるかと思うんですけれども、労働基準法の第三条に、「使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。」と。これと移動の制限というものはどういう説明になるのか、ちょっと説明をしてください。 私は、移動、職業選択の自由は、労働基準法の三条と照らし合わせれば、外国の方でもきちっと認められるべき、特に技能実習生において、そう思うんですけれども、いかがでしょうか。
○宮川(晃)政府参考人 お答え申し上げます。 先生御指摘の労働基準法三条、労働基準法そのものが個別的労使関係、すなわち労働者と使用者との間を規律する法律でございますので、そういう意味での国籍等を理由とした差別的取り扱いを禁じたものでございます。 したがいまして、先生御指摘のような移動の自由という観点での規定ではないものではないかと承知しております。
○井出委員 ですから、憲法や国際的な自由権規約というものは国家と人との関係だ、そして労働基準法は人と雇用主との関係だ、そういう整理かなと思います。 そうすると、憲法二十二条の「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。」、これは雇用主と雇用される側の人間には全く当てはまらない、そういうことになっちゃうんですか。
○宮川(晃)政府参考人 お答え申し上げます。 労働基準法は、先ほど申しましたように、使用者、雇う方と雇われる方との間を規律する法律でございます。 先生御指摘の方ですと、例えば職業安定法という法律で、これは憲法の規定を受けた形で、「何人も、公共の福祉に反しない限り、職業を自由に選択することができる。」という規定がございます。これが職業選択の自由を憲法に基づいて一般法に律したものでございますが、これは職業選択の自由という形で、御本人のものを公共の福祉に反しない限り、したがって、他の法律で規制されない限りという意味と理解しているところでございます。
○井出委員 今御紹介いただいた職業安定法ですか、何人もというのは外国人もきちっと入る、そういうことですか。
○宮川(晃)政府参考人 お答えいたします。 法律の許される範囲内で外国人も適用されると思っております。
○井出委員 今、公共の福祉というところを、法律の許される範囲、ほかの法律との定めの中でということで、そういう読みかえといいますか、そういう御趣旨だという御説明があったんですけれども、私、公共の福祉というのは、社会の安全だとか安定だとか、そんなようなイメージで捉えてきておりまして、入管局長がさっきおっしゃった、技能実習であればその計画を効率的にやっていくとか、ほかの在留資格であれば外国人の得意分野を生かしていただくとか、そういうもの、それが果たして憲法の公共の福祉という言葉に当てはまるのか。 私は、憲法の方がやはり上なんじゃないかな、憲法があって入管のいろいろな規則があるんじゃないかなと思いますが、その点についてはいかがですか。これはどちらにお伺いしたら、井上さんにお伺いしたらいいんですかね。
○井上政府参考人 技能実習の場合に、移動の自由というのと職場をかわる自由というのと、もしかしたら少し違うのかなと思いまして、まず、日常的な行動の自由というのは技能実習でももちろん認められておりまして、これは外国人と日本人の差はきっとほとんどなかろうと思います。 どこの事業所において技能実習を行うかという点につきまして、これは自由に選べる権利を制約しているというふうに考えるべきなのか、それとも、技能実習という制度を選択された人はそういう効率的なシステムをあえて選んだというふうに考えるべきなのか、どっちかな、私は後者の方で説明できないかなと今ちょっと考えながら答弁しているところでございます。
○井出委員 移動の自由は日常認められている、しかし、寮に暮らしていたり、日本人は車を持っていますけれども技能実習の方は自転車しかもらえなかったりとか、そういう問題もあります。 きょう、厚生労働省の宮川局長から、公共の福祉というところは法律の定めにのっとってというようなお考えを一ついただいたんですけれども、憲法の公共の福祉というところと、技能実習制度ですとかの趣旨が公共の福祉に反しない限りであれば、この憲法のとおりだと思うんですよ。だから、憲法も、居住、移転及び職業選択の自由を全てに認めろとは言っていないんですね、公共の福祉に反しない限りと言っているので。ですから、外国人技能実習生が原則移転だめだというものは、公共の福祉に反するおそれがあるから、そういう制限があると思うんですね。 そこの具体的な説明というものを次回ちょっとお願いしたい、井上さんに説明をいただきたいと思います。 余り、ちょっと理念的な話ばかりしていても議論が深まりませんので、少し各論に入っていきたいんです。 技能実習の移動の制限の部分、原則移動ができなくなっているんですが、その中で、技能実習生の入国・在留管理に関する指針、平成二十五年十二月改訂、法務省入国管理局、その三十四ページ(七)に、「倒産等により技能実習が継続できなくなった場合の取扱い」と。 実習実施機関の倒産や不正行為、実習実施機関と技能実習生との間の諸問題などにより、技能実習が継続できなくなる場合があります。 万一、このような事態が発生した場合には、技能実習の継続が不可能となった事実とその対応策を速やかに地方入国管理局に報告しなければなりません。 また、技能実習生本人の責めによらない事由により継続困難となった場合には、技能実習生が引き続き技能実習を行うことを希望し、適正な技能実習を実施する体制を有していると認められる他の機関に受け入れられるときは、引き続き在留が認められます。 と書いてあるんですが、この技能実習が実施できなくなる場合ですね、実習機関の倒産や不正行為、実習実施機関と技能実習生との間の諸問題、この諸問題というのはどんなものがあるのか。 今まであったケースですとか、想定されているものを教えてください。
○井上政府参考人 ちょっと突然のお尋ねであれですが、技能実習生の責めによらない事由で困難になる場合と責めによる場合と、両方あるということでございます。 技能実習生本人の責めによらない事由で継続困難というのは、倒産とか、あるいは実習実施者側の一方的な人権侵害行為とか、そのようなものが典型的なものだろうと思います。技能実習生の責めによる継続困難というのは、勝手に逃げ出してしまったとか、定められた作業をしなくなったとか、そういうことでもうこの実習を続けられなくなるようなケースということもあろうかと思います。 ちょっと不十分かもしれませんが。
○井出委員 済みません、ちょっと不十分なのでもう一度お話ししたいんですが、その技能実習生本人の責めによらない事由が、倒産や不正行為、実習生の責任じゃない、実習生以外の要因ですね、その場合は在留が認められる。責めによるのは、何かの責任が、逃げちゃったり何か悪いことをしたりということだと思うんですけれども。 その前に、「実習実施機関の倒産や不正行為、実習実施機関と技能実習生との間の諸問題などにより、技能実習が継続できなくなる場合があります。」こうしたときには報告をしなければいけない。この倒産や不正行為というのは、今局長がおっしゃった、本人の責めによらない事由ですね。後段の、実習実施機関と実習生との間の諸問題、これが一体何なのか。その諸問題が引き続きの実習につながるものとつながらないものがあるのかないのか、そこを伺いたいと思います。
○井上政府参考人 この不正行為というところ、要するに、私ども入管が不正行為を認定して受け入れを停止するような非常に質の悪いものと考えますと、そこまでいかないけれどもやはりトラブルになるような、迷惑をかけるような行為というようなものがいろいろ想定されるんじゃないかと思います。
○井出委員 「倒産等により技能実習が継続できなくなった場合の取扱い」、この入国管理局が出している指針なんですが、明確に書いてあるのは、技能実習生本人の責めによらない事由によって継続困難となったときは、本人が希望していれば、引き続きほかの団体がきちっと受け入れれば在留が認められるんですよと。だから、そのとおり読めば、本人の責めによる継続困難は一切認めないのかなと思うんですよ。 ただ、私が着目したその諸問題というのは、諸問題の中には継続が認められるものもあるのかないのか。この指針に示されている、技能実習生が何か困難なことがあって継続するときというのは、もう完全にこれは本人にちょっとでも何か責任があるものは一切認めない、そう読めばいいのか、そういう意味で、その諸問題に対する見解をいただきたいと思います。
○井上政府参考人 委員御指摘のこの指針の記述は、技能実習が継続できなくなる場合の原因として「実習実施機関と技能実習生との間の諸問題」というものを掲げてございますので、その諸問題の発生原因につきましては、技能実習生の責めによる場合と責めによらない場合と、やはり両方あるだろうと。責めによらない事由の場合には、その継続ができるような努力をするということをここで定めているという、そのようなことであります。
○井出委員 だから、責めによる場合はだめだ、そういうことだと思うんですが。 その本人の責めによる、責めによらないというのは、これは一体どうやって実態が決まるのか、教えてください。
○井上政府参考人 技能実習の継続ができなくなった場合、個々の案件ごとに調査をするということにもちろんなるわけでございます。そのきっかけは、例えば、いきなりいなくなったという失踪なのか、例に挙げれば、これはそういう届け出がありますので、その届け出をきっかけにして地方入管局の方で調査をして、必要に応じて現地に行き、関係者から事情を聞き、あるいは関係する証拠類があればそれを見るなどして、どういう事情でいなくなったのかということを調べていく。 その結果、例えば、それは実習実施者側に実は不正な行為があっていなくなったんだということであれば本人の責めによらない場合になると思いますし、ただ普通にやっている中でいきなり本人の方がふっといなくなるというような場合には、それは実習生の方の責めによる場合だというふうに考えられる。 ケース・バイ・ケースで、個々の案件についての事実関係をきちんと調査して、それに基づいて判断するということになります。
○井出委員 その事実関係の調査というのは、どこがどのぐらいの期間をかけてやるのか、そこに当然、実態として労働ですから、厚生労働省も絡むのかどうか、そこを教えてください。
○井上政府参考人 これも全く事案ごとに異なります。 どういうきっかけが最初にあるかということで、例えば労働局の方の調査が先にあって、こういう入管法の不正がありますよという通報を受けてうちが調べに行く場合もございますし、逆に、地方入管局の方に通報なりなんなりがございまして、調べた結果、これは労働法令違反の悪いものがあるなとなったら、今度はこちらから労働基準監督署の方に通報するとか、あるいは、もともと両方の端緒を持った場合には一緒に調べに行くというようなこともございます。 そこはケース・バイ・ケースで、お互いが所掌のことをきちんとやっていくということになってございます。
○井出委員 継続困難な事由が発生して調査をされる、技能実習生が失踪したりすると話は聞けないのかもしれないですけれども、きちっと話は聞ける。 本人の責めによるものかよらないのか、そこに争いが生じた場合というのはどういう処理をされるんですか。
○井上政府参考人 技能実習生が失踪した場合はもちろん本人から聞けませんが、周りのほかの実習生とかほかの従業員とかから間接的な情報はいろいろ聞けることもございます。いろいろな、刑事事件とは違いますが証拠ですね、広い意味での証拠を集めまして、行政調査によってということになりますが、どれがどういうふうに真実であろうかというのはやはり行政調査なりに評価をして、こういう事実が認められるということを判断していくということになります。
○井出委員 その行政調査に不服があった場合、当然、行政のやることですから不服申し立てというものができるかと思いますし、最終的には裁判ということもあるかと思うんですが、その二つの権利というものはきちっと実習生に担保をされているのか。
○井上政府参考人 ただいま申し上げている不正行為による不利益を受けるのは、技能実習生ではなくて、受け入れ側の機関ということになります。 もし技能実習生の方が何か責めを負う場合があるとしたら、一般的な入管法令違反で退去強制事由に当たるとか、オーバーステイしているとか、資格外の活動をしているとか、そういうことになれば、それはそれで入管法上の退去強制等の手続に行きますが、今申し上げた、諸問題に関して行政調査をして不正行為を通知するというのは、これは実習実施者とか監理団体、受け入れ側の不正なことにつきまして通知をして、今後、技能実習生の受け入れを当分の間停止させる、そういう不利益な効果をもたらすものでございますので、技能実習生の方からそれを争うという場面は余り想定できないだろうと思います。
○井出委員 済みません、ちょっと私の理解が悪いのかもしれませんが。 では、例えば技能実習生が飛び出していってしまう、二、三日いなくなる、もしくは仕事が嫌だという話になって、そこの実施者と対立があって、技能実習生は、実施者が悪いんだ、これは実施者に責めがあります、私はほかのところで継続したいと。それで、実習実施者の方は、いやいや、こいつがちょっと、何かちょっとくせが悪くて、とんでもないやろうなんだと。そういう争いというのはあると思うんですけれども、それに対して、どっちでもいいですよ、最終的に行政の処分に対する不服の申し立てや裁判というものがきちっとできるのかどうか。
○井上政府参考人 技能実習生側に対する直接的な不利益処分というと、やはり退去強制の事由に当たった場合になってくるかと思いますけれども、それにつきましては、もちろん行政訴訟、取り消し訴訟等、できることになっております。
○井出委員 日本人であれば、そういう仕事上のトラブルとか雇用主との争いがあっても、時間をかけて解決をする、行政の判断や司法判断を仰いで、何か名誉を回復したり、逆に転職をしたりということはあるかと思うんです。 大臣、今のやりとりを、ここまで来るのにかなり時間かかったんですけれども、実際、そういう局面があって、行政の調査ですとかそれに対する不服ですとか、場合によっては裁判というものがある。物すごい時間がかかると思うんですよ。それを一年や三年の技能実習生は、事実上、使えない権利になってしまっているんじゃないかなと。 もっと言えば、これから五年になりますよね。五年になっても、たしか移動は認められるのが四年目だったと思うんですけれども、四年目に認められたとしても、果たして、雇用者とのトラブル、本人の責めによる理由なのか、本人の責めによらない理由なのか。 私は、今の実態、そしてこれからも事実上、裁判ですとか行政の寛大な判断を仰ぐとか、そういうことは技能実習制度においては不可能じゃないかと。これは決定的な欠陥であって、ここを何とか、もしこの技能実習制度が、さっき、別の委員の方とのやりとりの中で、井上さんが今後とも維持すべき制度なんだとおっしゃっておりましたけれども、この大きな欠陥をまず何とかしない限りは、とても維持もできないし、また人権侵害だとか何だと言われ続ける、ここが一番のポイントだと思いますが、いかがですか。
○岩城国務大臣 実習生を保護するという観点から、さまざまな問題の御指摘が井出委員からあったものと承知をしております。 そこで、今までの経緯等も踏まえまして、今度の新たな法案といいますか、お願いしているわけでありますけれども、その中では、さまざまな、そういった実習生が抱える課題、それから意見、そういったものを、相談体制を充実していくことが大事だと思っておりまして、技能実習機構、その機構でそういった相談窓口を設けて、その体制を充実していきたい、それによって対応していきたい、そんなふうに考えております。
○井出委員 実習実施者やまた入管の方が大臣のように大変寛大な方であれば、私もそれでどうぞお願いしますと言いたいところなんですけれども、恐らくそうではないと思うんですね。もし、大臣のような方が現場に全ていらっしゃったら、この制度はこんなに国際的に批判を浴びないと思いますので、これは根本的な問題であるということを申し上げなければいけないと思います。 あと、入管局長に引き続き伺いたいのですが、技能実習制度は、ですから、本人の責めによらない事由でない限りは移転は認めませんよ、そういうことだと思うんですけれども、ほかの在留資格で、研究ですとか経営、留学、こういったものは、私の理解ですと移動できると思うんですよ。後で届け出を十四日以内とかにしなければいけないと思うんですが。在留期間も最長で五年ですか。これは、本人の責めによらない事由というのは、ほかの在留資格も似たようなことになっているんですか、技能実習生だけですか。
○井上政府参考人 受け入れ先をかわる事由という御指摘だろうと思いますけれども、例えば、留学であれば、ここの学校をやめて別の学校に移る、あるいは、技術・人文知識等でございますれば、どこの会社をやめてほかの会社に移るということは、一般的に、その在留資格が求めている活動の類型に入っていれば認められるということになっております。 そういう意味で、技能実習というのは、最初にも申し上げましたように、非常に短期間に技能を身につけてもらうために、最初の一号、二号の三年間の間は一つのところで一貫してやるのが適当だろうという考えのもとに、そこの移動は原則認めないということでやっておりますが、今回、新法を通していただきまして三号ができますれば、そこはちょっと応用段階になりますので、その段階では、あるいはほかの在留資格と同様といいましょうか、移動がある程度できるようになってくる、そういうふうなことであります。
○井出委員 質問が下手くそで申しわけないのでもう一度伺うんですけれども、例えば研究という在留資格は、本邦の公私の機関との契約に基づいて研究を行う業務に従事する活動なんですよ。ですから、研究機関との契約で来られるわけなんですけれども、ここも何か、研究機関の都合でほかの研究機関にさっと移れるときもあれば、やはり、さっきの実習生じゃないんですけれども、トラブルはあると思うんですね。いや、あいつは全然朝出てこないんだとか、逆に、あの研究の上司がとんでもないんだ、何も仕事をくれないと。 技能実習の方は、本人の責めがあったらだめなんですよ、帰ってくれという話ですよね。そういう規定は、研究とか経営とか、こういった分野にもあるのかどうか、そこがちょっとわからないんですね。 技能実習の法案だけこういう厳しい規定があるのじゃないか、そう思っているんですけれども、いかがですか。
○井上政府参考人 委員の御指摘のように、例えば研究でありますれば、公私の機関との契約に基づいて研究を行う、その別の公私の機関にかわるに際して、どういうトラブルがあったかとかいうことは特に問題にしないことでございます。 そういう意味では、技能実習で責めによるかどうかを言っているのは、しかし、継続させる取り扱いをするかどうかの文脈で一応言っていることではございますけれども、それは、技能実習という制度をより充実して、技能を身につけたいという人の要望を生かせる範囲では別のところでも例外的に認めていこうという考えでそういう規定を設けているものと理解しております。
○井出委員 技能実習は、実習で日本にいらっしゃって技能を学ぶんですけれども、やることは労働ですよね。海外の方の在留資格、特に就労資格、いろいろな活動ができる、そういうところも、実際やることは労働だ。もっと大きく言うと、日本は日本人が広く労働している。 日本人は、トラブルがあったら時間をかけて話し合えばいいし、そのトラブルを解決するのが嫌だったら、すっとやめて転職する、泣き寝入りとも言いますけれども、そういうこともできるんですよ。 在留資格も、今の御答弁だと、技能実習ほどは、雇用される側といいますか、個人にとって厳しい規定ではない。技能実習制度が、どうも研修ということで、本人に全く責任がないときじゃないと移動は認められないと。それは、研修の目的であろうと、在留資格であろうと、日本人の労働であろうと、やはり自分がやっている活動を継続したい、それはもう同じ思いだと思います。 先ほど、憲法の話と、労働法制、職業安定法の話をしましたけれども、やはりこれから技能実習制度を拡大していく、そういうことであれば、これだけ、技能実習制度だけ移転を認めない、それは何もなきゃいいんですよ、実習実施者が全て大臣のような寛容な方であればこれでいいと思います、でも、そうではないので。 ですから、倒産等により技能実習が継続できなくなった場合の取り扱い、この指針というものは、やはりこれを機に改めなきゃいけないと思いますけれども、いかがですか。
○葉梨委員長 ちょっと話がかみ合っていないような気がするんだけれども、例えば、研究という資格で入ってきた人が、自分の事由によるか相手の事由によるかによらずに、研究ができなくなってしまった場合、ずっと日本にい続けることができるのかということも含めて、答弁してください。
○井上政府参考人 ただいま委員長から御指示いただいたように、ほかの、ほかのといいましょうか、研究にしろ技術にしろ、在留資格は、そういう一定の活動をするために認めているものでございますので、その活動が続く以上は在留を認めることにしておるわけでございます。これらは、いわゆる専門的、技術的分野というものでございまして、国策としても積極的に受け入れるということで実施しているわけでございます。 それに対して、技能実習制度の方は、これは繰り返しにならざるを得ないんですが、やはり効率的に技能を修得していただくためには、少なくとも最初のうちは同じところで一貫した実習を受けるのが一番よいという考えのもとに、原則的にはそこでずっとしてもらう。それができない事由がある場合に例外的な取り扱いをするということにしてございますので、そういう意味で、移動ができない仕組みとしているところでございます。 もしそこで、それを理由にして人権侵害等が起こるのは、これは好ましくないとかよくないことで、とめなければならないことでございますので、そこは、先ほど大臣も御答弁いただきましたけれども、まずは、その相談体制、そういうものも充実させて、トラブルが起こり始めた、芽のうちから早く相談していただいて、うまく調整をするとか、あるいは、そもそも、今回の法案の中で、いろいろな監理監督体制を全体的にきちんとするようにしてございます。監理団体の許可制から始まり、計画の認定制、そして主務大臣による改善命令とか取り消しとか、そういう監理監督、技能実習機構による立ち入りの実地検査とか、いろいろなことで人権侵害の発生を防ぐための仕組みをつくって、それで、あわせて技能実習生の適正な実施を確保していこうとしているところでございます。
○葉梨委員長 研究の資格で入ってきた人は、研究をやめても日本にいられるんですか。
○井上政府参考人 済みません。 研究をするために在留を認めておるわけでございますから、研究をしなくなったら、基本的に、在留は認められないで、帰っていただくことになります。
○井出委員 そうなんです。研究の方は、研究を継続していれば、その範囲で在留が認められる。ですから、技能実習生も、やはり実習を継続していれば在留が認められる、そういう方向にこの指針を書き直した方がいいと思うんですよね。 一つのところで計画的、効率的にと何回か御答弁をいただいているんですけれども、一つの実習先の研修計画が果たしてベストなのか。幾つも計画が、十も二十もあって、最初から自由にえり好みで来られて、それだったらまだしも、実際は何か、向こうにブローカーみたいな人がいて、わらにもすがる思いでやってきているわけですね。 ですから、少なくともこの指針を、本人の責めによらない事由で継続困難とか、こんな厳しい話ではなくて、引き続き研修を継続するためですとか、もっとほかへ行った方がいい研修が受けられるとか、そういう表現の変更、それが必要。そうじゃないと、職種も広がる、年数もふえる。ここを、もうこれを機に直す、これを直すと直さないでは全然違うと思うんですけれども、どうですか。
○井上政府参考人 繰り返しになってしまって恐縮でございますが、やはり技能実習制度というものは、短期間に効率的な技能を修得していただくために、技能実習生の任意、気ままに実習先をかわるというようなことは想定していない仕組みでございます。
○井出委員 短期間に効率的にとおっしゃいますが、一カ所目の計画がベストと誰が言えるのか。それから、この制度自体も、今度、三年を五年に、短期間に効率的を長期間に効率的にしていくわけですよね。これはどう考えても、一カ所にいなきゃいけないという、ここが一番の問題だと思いますよ。これがある限り、一生言われると思いますよ、この技能実習制度というものは。 ここを変えるだけで、私みたいなこの法案に対する大変厳しい考えを持っている人も、ああ、劇的に変わった、よくなったとなると思うんですけれども、違いますか。
○井上政府参考人 もう一つつけ加えて説明させていただきますと、そもそも、日本に来る前に、これからどういう仕事で、どういうところで、どういう条件で働くんだというところは全く誤解がないように、今もしておるんですが、二カ国語で併記した契約書とかそういうものを示して、その辺できちんと話をして、それで合意の上で来ていただく。 そうであれば、責めによらないでほかに移転していくということは、基本的には、そこで三年間なら三年間技能を修得するんだということで入国していただいた方でありますので、そこで働くことがそれほどの問題を生じることはない。前もってちゃんと十分な情報を渡して、納得の上で来ていただくようにするということを、今もしておりますが、これは今後ともますます充実させていって、そういうトラブルをなるべくなくすような努力は今後もしてまいりたいと思います。
○井出委員 入国面の今の制度ですとか改善は、この法改正で図っていくと思うんですよ。より受け入れ先のイメージしやすい、より合意した、事前の契約といったらあれですけれども、事前の意思疎通というものはしっかりできると思うんですけれども、そうはいっても、三年が五年に延びる、職種は広がる。ここにも書いてありますけれども、「万一、このような事態が発生した場合」と、やはり万一というのは発生するんですよ。そのときに、本人の責めじゃないとき以外は認めませんよと。 研修制度なんですよね。研修をちゃんと完遂して、五年計画とか三年計画で来たら、ちゃんとその期間を全うしてもらって海外に帰ってもらうんですよね。だったら、研修を続けられるところにもう少し重きを置かなきゃ。今まで全部聞いてきた答弁を総合しても、今回は、私はこれを強く言いたいですけれども、どうですか。
○井上政府参考人 今回の法案が成立いたしまして三号ができましたら、二号から三号に移る段階では、御本人の意向も尊重して、適当な受け入れ先があればそちらに移動できるような形に持っていく、その予定にしてございます。
○井出委員 二号でも三号でも四号でもいいんですけれども、少なくとも、この三年という期間だって、私は十分、一カ所しか認められないというのは、研修というのは何か、苦行とか修行みたいな意味合いがこの法律にはあるんですか。
○井上政府参考人 苦行でも修行でもなく、実務の実習を通じて技能を修得していただく活動でございます。その技能の修得につきましては、一貫した計画のもとで、同じところで計画的に積み上げていくことが一番効率的だという考えでやっていることでございます。
○井出委員 冒頭述べた感想とだんだん私も考えが違ってきて、おかしいなと思っているんですけれども。 三年間の研修を、一年半で何かあって帰されるのと、二カ所目に移れて三年間やって帰っていくんだったら、どう考えても、三年間やって帰った方が活躍するし、アンケートにも答えてくれると思いますけれども、どうですか。
○井上政府参考人 三年間続けることがそういう苦しい嫌な思い出にならないように、ぜひ適正に技能実習が行われるようにしなければならないと思います。 そのために、まさに事前にどういうことをするかということを十分にわかっていただいた上で、なおかつ、違法、不当なことがないような監督体制も整備し、そして相談体制もますます、母国語で、いろいろな時間にできるようなことも充実させることによって、全体として技能の修得が円滑に、適正に行われるように、さらによい方向に進めていきたいと思ってこの法案を提出させていただいているということでございます。
○井出委員 この法案は、そもそも、この制度を続けるかどうか、外国人労働者を含めた広い議論が一つありますし、この制度をやるとしても、その職種の問題とかいろいろありますし、その中で、どんどん現行の政府案に沿った議論をしたとしても、この移動の自由というところだけは大きな議論で、私、個人的には非常にここの改善を、きょう最初の審議で求めましたけれども、これからも求め続けていきたいと思いますので、よろしくお願いします。 きょうは終わります。
○葉梨委員長 以上で井出庸生君の質疑は終了いたしました。 次に、逢坂誠二君。
○逢坂委員 きょうが技能実習制度の事実上の最初の審議ということになるわけですが、私も冒頭に、この技能実習制度に対する感想を少しお話ししたいと思うんです。 やはり、技能実習という名前と実態が随分とかけ離れてきているのではないかという印象を持たざるを得ない。もちろん、そのことが日本の社会にとって全部悪いことなんだと言うつもりは必ずしもありませんけれども、建前といいましょうか、それと、本音とは言わないけれども、実態が随分と乖離してきているなと。この乖離をあえて見ないままにして、形式上手直しをしていくことで今の日本の実態解決につながっていくのかどうか、非常に私は悩ましい思いでおります。 私の地元でも、たくさんの技能実習生がいわゆる研修をしておられます。私も何度も現場にも足を運びました。いろいろな方の話も聞かせていただきました。実際に実習生を受け入れている経営者の方、あるいは、同じ職種であっても、あえて受け入れないんだという経営者の方、そういう方の話を聞いてみると、今回の法改正がそういう実態にちゃんと即したものになるのかどうかというのは非常に悩ましいなという思いでおります。 そこで、まず最初に、平成二十六年六月二十四日の閣議決定、この内容について少しお伺いしたいんですが、「日本再興戦略」改訂二〇一四、「外国人技能実習制度の見直し」という項目がございまして、この冒頭にこんな言葉があります。「現在は技能実習制度の対象とされていないものの、国内外で人材需要が高まることが見込まれる分野・職種のうち、制度趣旨を踏まえ、移転すべき技能として適当なものについて、随時対象職種に追加していく。」というくだりがあるわけですね。 この中の言葉、言葉尻を捉えたような質問になるかもしれませんけれども、確認の意味で改めて聞きたいと思います。 まず、この中の「制度趣旨を踏まえ、」というところでありますけれども、外国人技能実習制度の改めての制度趣旨、これについてお知らせください。
○井上政府参考人 お答えいたします。 技能実習制度の趣旨につきましては、技能、技術または知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う人づくりに協力することを目的とする制度でございまして、我が国の国際貢献において重要な役割を果たしているということでございます。
○逢坂委員 開発途上国に技能などを移転して人づくりに貢献をしていくことだということでありますけれども、いわゆる国際貢献というふうに捉えていいんだろうというふうに思います。 そこで、今回、同じくだりでありますけれども、「国内外で人材需要が高まることが見込まれる分野・職種のうち、」というふうにありますが、国内外で人材需要が高まるというふうに見ている分野、職種というのはどんなものが今想定されているんでしょうか。
○宮川(晃)政府参考人 お答えいたします。 技能実習の対象となる分野、職種のお尋ねでございますけれども、厚生労働省といたしましては、送り出し国からの実習ニーズがあり、日本国内で受け入れ可能な業界団体側の要望等のある職種、作業について、業所管省庁などの意見を踏まえ、追加の可否を決定しているところでございます。具体的には、「日本再興戦略」改訂二〇一四の閣議決定日以降、例えば自動車整備など、七つの職種、作業を追加しているところでございます。 今後とも、送り出し国からの技能移転ニーズなどを踏まえながら、制度趣旨に沿った職種追加を行ってまいりたいと思っております。
○逢坂委員 この日本再興戦略の閣議決定以降、七つを追加したということでありますけれども、現時点でそれ以外に何らか考えているもの、予定されているもの、「分野・職種のうち、」ということがあるんですけれども、その点、何かありますか。
○宮川(晃)政府参考人 現時点でもさまざまな段階での検討段階のものはございますが、まだ具体的なものになっておりませんので、内容については差し控えさせていただきます。
○逢坂委員 そこで、ちょっと通告していなかったんですが、多分、宮川局長は資料をお持ちだと思うので教えていただきたいんです。 先ほど、途上国に貢献する、国際貢献の意味合いがあるという制度趣旨をおっしゃられました。それで、本当に貢献しているのかどうかについてフォローアップの調査をしているというのを、先ほど与党の議員の方の質問に答えられておりましたけれども、その数値を改めて教えていただきたいのと同時に、そのフォローアップ調査の回答率というのはどれぐらいなのか、教えていただけますか。
○宮川(晃)政府参考人 お答えさせていただきます。 先ほどの答弁では、技能実習期間を通じて学んだことが役に立ったと回答した人は九八・四%、それから、役立った具体的内容で、修得した技能と答えられた方が六九・一%等の答えでございます。それで、同じ仕事または同種の仕事と回答した人が合わせて七五・二%。 この調査方法でございますが、これは、監理団体を通じまして母国語調査票を送付し、調査対象者本人への配付を依頼し、調査対象者帰国後、母国から郵送等で送ってもらうものでございまして、調査対象者数六千二百七十四名、有効回答数五百七十八名、回収率九・二%となっております。
○逢坂委員 確かに、アンケートといいましょうかフォローアップ調査の上では、非常に有効にこの制度が機能しているように一見聞こえるんですけれども、調査の対象が、全体数から見ると回答しているのが九%余りということなわけですよね。だから、ほかに回答していない方はどんな理由で回答していないのかわかりませんけれども、本当にこの技能実習制度が途上国の皆さんに対する支援、国際貢献になっているのかどうかという点については、そのフォローアップ調査だけから判断するのは少し課題があるのではないかなという気が私はいたします。もう少し丁寧なフォローアップをされるということが私は必要だろうと思っております。 それから、同じ閣議決定でございますけれども、「国内外で人材需要が高まることが見込まれる分野・職種のうち、」というふうにあるんですね。それで、外国人の技能実習制度でありますから、当然、私なぞは、国外で需要が見込まれるというふうに一見思っちゃうんですが、国外ではなくて、「国内外で人材需要が高まることが見込まれる」というふうになっている。要するに、日本国内の人材需要も見込まれる分野についてこの外国人技能実習の職種を追加していくんだということでありますけれども、国内ということが入っている理由について御説明いただけますか。
○宮川(晃)政府参考人 お答えいたします。 技能実習制度は、国内の人手不足対策ではなく、開発途上国等に対する技能移転を目的としており、対象職種については、送り出し国側の、日本で技能等を修得するニーズに合致することを求めております。その上で、技能実習生の受け入れの前提といたしまして日本国内の受け入れ機関側の受け入れ能力があることから、先ほど先生の御指摘のような閣議決定において、御指摘のように整理されたものと承知しております。
○逢坂委員 国内の人材不足対策ではないんだと。それから、送り出し国にそういうニーズがあることが大事なんだということ。あわせて、日本側の受け入れ能力という言葉がございました。受け入れ能力という言葉はなかなか一般的には理解しがたい言葉のような気もするんですけれども、これはもっと具体的に言うとどういう意味でしょうか。
○宮川(晃)政府参考人 お答えいたします。 OJTという形とはいえ、雇用されますので、雇用のニーズがあるということ、いわゆるそういう意味での雇用のキャパシティーがあるという意味だと考えております。
○逢坂委員 雇用のニーズがある、キャパシティーがあると英語で言われました。もう少し日本語でわかりやすく言っていただきたいんですけれども、要するに、雇用できるだけの余裕があるという意味なんでしょうか。それはどういうことなんでしょうか。
○宮川(晃)政府参考人 お答えいたします。 技能実習制度として技能実習生を受け入れる意味での雇用する能力があるということでございます。
○逢坂委員 雇用する能力があるということは、具体的に言うと、例えば、業績を拡大する、どんどんどんどん業績を拡大していって人を受け入れる能力があるということなのか、あるいは、業績の拡大はしないけれども、そもそもそこに人材がいないから受け入れなければいけないということなのか、あるいは、それ以外の類型というのはあるのでしょうか。
○宮川(晃)政府参考人 お答えいたします。 事業として雇用を求めている状況であるという意味で、さまざまなパターンがあろうかと思います。今先生のお示しいただいた二類型は、さまざまな形の中であるのではなかろうかと思っております。
○逢坂委員 いや、私は、閣議決定で国内外と書いてあるのを見て非常に気になったわけですね。「国内外で人材需要が高まることが見込まれる」と書いてある。 それで、冒頭に宮川局長からも、決してこれは人材不足対策ではないんだという話があったんですが、雇用を受け入れる能力があるということを考えてみたときに、もう人材も十分に足りているし、これ以上業績を拡大しようとも思っていないというところは、それでは、これは、雇用を受け入れる能力があるというふうには判断されないということでよろしいんでしょうか。
○宮川(晃)政府参考人 お答えいたします。 先ほど申しましたように、この技能実習制度二号に移行するためには職種を公示しなければならない、その際には、このような国内外の人材需要が高まることが見込まれる分野の業界団体からそのニーズを申請していただくという形になっておりまして、そういう意味での雇用の能力があるということを業界団体として判断されたものと承知しております。
○逢坂委員 必ずしも質問に答えてもらっていないんですけれども、業界団体からいわゆる人材需要があるんだということを踏まえて追加していくんだといったような答弁だったかと思うんですが、要するに、結果から見ると、確かに技能実習、技能実習とは言っているんですけれども、雇用の受け入れ能力、いわゆる雇用人材にあきがなければ、あるいは雇用人材を拡大するということがなければ、技能実習生を受け入れるということにはならないということなんじゃないかと思うんですけれども、この点、改めていかがですか。
○宮川(晃)政府参考人 お答えいたします。 繰り返しになりますけれども、このような形での技能実習という形の受け入れを図ろうとする業界団体からお聞きしたニーズということで、職種追加の対象としているところでございます。
○逢坂委員 業界団体からの聞き取りといいましょうか、そういう話を聞いた上でということでありますけれども、ざっくばらんに言って、私などが見ているところは、事実上、いわゆる労働の担い手というふうになっているところが相当多いのではないかという気がするんですね。 だから、確かに言葉では技能実習、技能実習と言っているんですけれども、この閣議決定にあるように、国内外での人材需要が高まる、国内においても人材需要が高まる分野、そこでなければ実はこの技能実習制度というのは適用し得ないのではないかという印象を私は持つわけですし、実は政府自身もそう思っているのではないかなというふうに思います。 そこで、改めてもう一度宮川局長にお伺いしたいんですが、技能実習生としていらっしゃっていろいろなことをやられるということと、いわゆる人材不足ではないんだというところの線引きというのは、具体的にはどういうことによって担保するといいましょうか、やっているんでしょうか。
○宮川(晃)政府参考人 お答えいたします。 まさにこの閣議決定の中にあります「移転すべき技能として適当なもの」という解釈のことになろうかと思いますが、技能実習制度の対象職種につきましては、先ほど来御説明申し上げているとおり、業所管団体から、業所管省庁の同意のもと、一つは単純作業でないこと、二つ目としては送り出し国の実習ニーズに合致すること、三つとしては実習の成果を評価できる公的評価システムがあること、こういった要件を満たす場合に、新たに二号として追加できる対象職種として厚生労働大臣公示に定めているところでございます。 対象職種の選定に当たりましては、専門的、実務的な知見を有する外部有識者の意見を聞くこととしておりまして、移転すべき技能として適当なものかどうかを確認しているところでございます。
○逢坂委員 移転すべき技能として適当なもの、適当なものを判断するその基準みたいなものを今おっしゃっていただいたんだと思いますが、単純作業ではない、送り出し国の実習ニーズに合致する、実習の成果が評価できる公的評価システムがあることなどを、適当なものと判断するある種の基準だというふうに御答弁いただいたんですけれども、人材需要があるということと、中身が適当であるかというところ、先ほどの話だと、関係団体から話を聞いて人材需要について判断をしているというふうにおっしゃっていたんですけれども、その際に、今おっしゃられた適当なものである基準というのは、これはどのように適用しているんですか。どう判断されているんですか。
○宮川(晃)政府参考人 お答えいたします。 先ほどの答弁と若干一部繰り返しになりますが、対象職種の選定に当たりましては、作業内容、送り出し国のニーズ、試験システムの適格性などにつきまして、専門的、実務的な知見を有する外部有識者の意見を聞くこととしておりまして、その要件を満たした、移転すべき技能として適当なものを確認しているところでございます。
○逢坂委員 それでは、改めてまた別の観点から聞きますけれども、業界団体から人材需要が高まるよと見込まれるものがあった、それから、国外からも実習のニーズがあったということでありますけれども、そういうふうに、両者の、国内外の人材需要が高まるというようなものがあった場合、移転すべき技能として適当ではなかったものというのは、これまで例えばどんなものがありますか。
○宮川(晃)政府参考人 お答えいたします。 これまでも、いろいろな御要望というか、こういうことができないかどうかという個別のお尋ねはいろいろございましたけれども、その中では、明らかに単純作業としか見られないようなもの、あるいは送り出し国のニーズが必ずしも明確でないもの、実習の成果を評価できる公的評価システムがないようなものも多々あったわけでございますが、ただ、個別の名称については差し控えさせていただきたいと思います。
○逢坂委員 個人情報でもなければ、単に職種がどんなものがあったんですかと聞いているので、差し控える意味は余りないような気はするんですけれども。まあ、よろしいでしょう。次回までに差し控えないで言っていただければと思うんですが。 それでは、今度、送り出し国のニーズというところがございましたけれども、これはどのように把握しているんでしょうか。
○宮川(晃)政府参考人 お答えいたします。 この件につきましては、関係団体から要望を聞く際に、送り出し国として複数国のニーズが具体的にあることを聴取しているところでございます。
○逢坂委員 今、関係団体とおっしゃったのは、これは日本国内の関係団体ということでしょうか。
○宮川(晃)政府参考人 日本国内の関係団体でございます。
○逢坂委員 日本国内の関係団体から、あえて、どこか送り出し国、あそこにこういうニーズがあるんだということを聞いていると。 本来、直接的に送り出し国の側に聞くのが私は筋のような気がするんですけれども、なぜあえて関係団体から聞いているんでしょうか。
○宮川(晃)政府参考人 お答えいたします。 私どもの手続上、まず、複数国からのニーズを関係団体に証明させるという意味で聞いているところでございます。
○逢坂委員 複数国からのニーズを関係団体に証明させるという意味で聞いているというふうにおっしゃったのかもしれませんが、ということは、最初に、他国、発展途上国などに対して、何かニーズはございませんか、日本はこういう制度を持っていますよ、だから皆さんの方でニーズがあったら教えてください、そういうニーズが国に寄せられる。それを関係団体に投げかけて、こんなニーズがあるんですけれども皆さんもというようなやり方をしているということなんでしょうか。
○宮川(晃)政府参考人 お答えいたします。 現在のやり方を御説明いたしますと、送り出し国からのニーズを直接把握するというやり方ではなく、先ほど申しましたように、関係団体を通じてのニーズ把握という形でございます。 ただ、諸外国などの政府関係者の方が来られたときに、具体的な職種を挙げて、こういうものについて考えられないだろうかというようなお話や御要望などは承ることも多々ございますが、ただ、職種を追加する際の仕組みとしては、先ほど申した手続をとらせていただいているところでございます。
○逢坂委員 私のうがった見方かもしれないんですけれども、ある種、日本の関係団体を基本にして、関係団体に人材需要がある、受け入れ能力がある、先ほどの話でありますと、雇用の受け入れ能力があることをまず一つの出発点にして、関係団体から話を聞いてやるということになりますと、私のうがった見方ですよ、ある種の人集めのように思えてならないんですよね。 本来であれば、そうではなくて、もっと途上国の皆さんから、こんなニーズがありますよ、だから日本国ではこんな受け入れはしていただけませんかというのが私は筋なんじゃないかと。それを受けて、政府なり、政府でなくてもいいのかもしれませんけれども、国内のいろいろな分野の職種の方に、こういうニーズが海外から寄せられている、だから研修生として受け入れる、これは日本の国際貢献になるんじゃないですかというのが、私は、研修制度、技能実習制度としては筋のような気がするんですけれども、いかがですか。
○宮川(晃)政府参考人 お答えいたします。 この制度は、民間における国際協力という形で行われている制度でございまして、その点で、国主導で行う国際協力という点とは若干異なるところと思っております。 その点で、関係団体を通じた形でのニーズの把握を含め、現在のやり方という形で適当なものだと考えているところでございます。
○逢坂委員 この話はもっともっとやらなきゃいけないんですけれども、それでは次に、ちょっと別な観点でお話をさせていただきます。 この技能実習制度のルールとして、送り出し国で全く別の仕事についていた、例えば、日本へ来て農業実習に従事をしたいというふうに言われている方が、実は、送り出し国においては農業ではなくて全く別の職種についていた、そういう方はこの技能実習制度というのは受けられるんでしょうか。
○井上政府参考人 技能実習を行おうとする職種と同種の職種の経験があるということが必要になっております。
○逢坂委員 そうなんですね。この技能実習制度というのは、送り出し国において同種の仕事をしている、その経験があるということが非常に大事だというふうに言われているわけですね。 それでは、これはどちらに聞けばいいのかわかりませんけれども、多分、法務省かな、同種の職種についていたということは、どんな方法によって確認をされておりますか。
○井上政府参考人 その職業についていたことの証明の文書を提出させております。
○逢坂委員 私の記憶では、その職務についていたという証明の文書、これの信憑性が危ういとか、あるいはそれが虚偽であったといったような事案もあったように記憶をしているんですが、そのような事案があったかなかったかということと、もしあった場合には、その職種についていたかどうかというのはどうやって再度確認しているか、具体的な現場の対応はわかりますでしょうか。
○井上政府参考人 文書の記載内容に疑義があるときには、適宜の方法で裏づけをとるなりなんなりして、その信憑性を判断いたします。 信憑性がないということであれば、それは申請者がもともとございますので、ちゃんと補充して立証するように指示して、ちゃんとしていたよということの証拠をもっとちゃんと出しなさいということを、文書の追加の提出を求めるなどして、その信憑性が認められるかどうかを判断してまいります。
○逢坂委員 そこで、まず一つお伺いしたいのは、なぜ同種の職種についていた経験があるということを必要としているのかということと、もう一つは、日本で技能実習を終えて、送り出し国、自分の母国へお帰りになった後、同じような職種につくということを期待しているのかどうか、その二点、いかがですか。
○井上政府参考人 お答えいたします。 前についていた職種の文書だけではなくて、母国に戻った後、同じような職種の職業につく予定であるということの証明も求めてございます。 これらはいずれも、技能実習制度の趣旨に鑑みまして、日本で修得した技能、要するに、その技能を日本で修得して、それを母国に帰って生かすということが確実であるということの一つの証左とするために前職と復職の証明を求めている、そういうことになります。
○逢坂委員 多分、そういうことが制度設計の建前としては必要になる、技能実習ですから、国へ帰られてから全く違ったものにつかれては困るということもそうなんだろうというふうに思います。 ただ、発展途上国に対して貢献をするという意味であるならば、母国にいたときに同じ仕事についていたということは必ずしも問わなくていいような気はするんですけれども、この辺はいかがですか。
○井上政府参考人 お答えいたします。 現在におきましても、前職の要件は、その職業についていなかったことについて正当な理由、特別な理由がある場合には、免除していることもございます。典型的には、職業学校なんかを出てすぐ日本に来るような場合、これはまだ職業についていない段階ですけれども、その場合には、戻ってから就職する見込みが確実であれば、制度の趣旨は確実になるということで、前職の方は、そういうやや例外的な取り扱いも認めております。
○逢坂委員 今のは例外的な取り扱いということですけれども、件数として全体にどの程度あるかというのはおわかりですか。それはわからないですか。ごくごくまれな例ということですか。数字はありますか。通告していないので、ごめんなさい。
○葉梨委員長 手元に数字はございますか。では、次回までに。
○逢坂委員 私は、純粋なという言い方をするとちょっと変な言い方かもしれませんが、発展途上国の皆さんに対する日本としての貢献であるということであるならば、前職が何であっても、新たなものにチャレンジをしたいということであれば認めてもいいのかなという気は内心しないでもないんですけれども、改めて、でも、この方針は今後も変わらないということでよろしいですか。
○井上政府参考人 前職の要件を求めているのは、やはり、技能を修得するための本気度を示す一つの指標ということで意味はあろうと思いますけれども、委員御指摘のように、その国にない技能を日本で学んで持ち帰ろうという場合に、余りそこを厳格に言うとかえって制度の幅が狭くなるんじゃないかという御意見があることも承知してございまして、今後、修得した技能がちゃんと母国で生かされるということが確保される中で、どのような取り扱いまでできるかということは、さらに検討してまいりたいと思います。
○逢坂委員 実は、私は、この技能実習制度について、多分、国会で議論されている方、私も場合によってはそうなのかもしれませんし、制度設計を実際にされている方も場合によってはそうなのかもしれないんですが、本当の現場でどういうやりとりがあって海外から研修生に来ていただいているのかとか、実際にどういうプロセスを経て今度はお帰りになっているのかというところについて、本当のところが把握されていないような気がしてしようがないんですね。 実は、余り具体的なことは言えないんですけれども、私の知人でも、今度、外国人技能実習制度が拡大されるようだということで、いろいろと国を回って人を探して歩いているというような実態も一部にあるように思うんですね。だから、片や、ある種、そういう人探しが前提になってこの制度がもし成り立っているとするならば、私たちは、この制度に対する根本的な考え方をもう少し改めていかなければならないんじゃないかなという気が私はしています。 きょうの短いやりとりの中ではその部分は余りまだ明らかになっていませんけれども、これからもう少し議論を積み重ねる中で、この技能実習制度の課題を明確にしていきたいなというふうに思います。 そこで、ほかにいっぱい質問することがあったんですけれども、きょうはこの点だけ、少しだけ言及して、最後にしたいと思うんです。 平成二十七年二月十日の閣議決定、産業競争力の強化に関する実行計画二〇一五年版、この中にこの技能実習についての言及がございまして、「介護の対象職種追加に向け、質の担保など、介護サービスの特性に基づく要請に対応できるよう具体的な制度設計を進め、技能実習制度の見直しの詳細が確定した段階で、介護サービスの特性に基づく要請に対応できることを確認の上、新たな技能実習制度の施行と同時に対象職種への追加を行う。」すなわち、今回、今議論している法律が施行されたら、それと同時に介護を技能実習の対象職種に追加するんだということが書いてあるんです。 きょうは入り口ですので余り深い議論はできませんけれども、介護を技能実習の対象職種にすることによって、何らかの不都合というか、現場として、何かこれはよろしくないなということが出るようなことは、何か想定されているものはありますか。
○堀江政府参考人 お答え申し上げます。 介護を職種追加することでの懸念、これは、克服していかなければいけないことでございますけれども、介護職に対するイメージの低下を招かないようにしなきゃいけないということ、それから、外国人につきまして、日本人と同様に適切な処遇を確保しませんと、日本人労働者の処遇、労働環境の改善の努力が損なわれることもありますので、そうならないようにしなければいけないということ、それから、介護は対人サービスでありまして、また、公的財源に基づき提供されるものであることを踏まえまして、介護サービスの質を担保して利用者の不安を招かないようにすることが重要であるというふうに認識してございます。
○逢坂委員 もっと簡単に言って、例えば、四十数度のいわゆる温かい風呂に入って、いやあ、落ちついたな、きょうも一日終わったか、こういう、風呂に入ってちゃぷちゃぷやる文化の国というのは、私は余り世界になさそうな気がする。バスタブに入って、泡いっぱいのところへ入ってというようなのは、何かヨーロッパの映画で見たような気がしますけれども、例えば、そういう文化のない国の方々が日本へ来て、シャワーとかいわゆる沐浴みたいな、そういうことをやる文化のような方がこの国へ来て、いわゆる入浴サービスをやるなんということになったときに、ちゃんとできるものなのでしょうか、単純な疑問ですけれども。
○竹内副大臣 お答えいたします。 委員の御指摘、よく理解できるところもございますけれども、ASEAN諸国におきましては、今後、我が国以上のペースで高齢化が進展するところも予測されておりまして、日本の介護技術の修得や人材の育成に対するニーズは増大するものと考えております。こうしたことも踏まえて、今回の追加の検討を進めているということでございます。 繰り返しになりますが、先ほど指摘をさせていただきましたように、安価な労働力の確保策として利用されることがないようにしないといけないというふうに思っておりますし、また、コミュニケーション能力とか、今後、介護サービスの質の担保等が確実に図られるように適切に対応する必要があるということは申し添えておきたいと思います。
○逢坂委員 きょうは入り口の議論ですからまだ余り深い議論になっておりませんけれども、竹内副大臣、ありがとうございました。 大臣、最後に、先ほどの井出委員の質問もそうですし、何か本質的なところで、ターゲットというか、この技能実習制度というのはどこかちょっとずれているような気がするわけですけれども、そんな御感想はお持ちになられませんか。
○岩城国務大臣 きょうは、逢坂委員から有益な御指摘をいただいたものと思っております。 今まで、現在の制度を運用する中で、先ほど来お話がありました、重ねてのお答えになりますから具体的には申し上げませんけれども、さまざまな課題や問題点が指摘されていることは事実であります。そういったことを踏まえまして、今度の新たな制度に変えたいということでの法の改正をお願いしているわけでありますので、今後の議論を通じてそういったことをしっかりと御理解いただくように、私どもも努めてまいりたいと考えております。
○逢坂委員 終わります。
○葉梨委員長 以上で逢坂誠二君の質疑は終了いたしました。 次に、畑野君枝君。
○畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。 外国人技能実習法案について質問をいたします。 この制度は、一九五〇年代に本来の技能移転を目的とする外国人研修制度としてスタートしましたが、六〇年代には既に、研修とは名ばかりの外国人労働力の供給手段として利用され始め、改変を経つつも、基本的仕組みを維持しながら現在に至っております。中国、ベトナム、フィリピンなどから、現時点で七十四業種百三十三作業、約十九万人の外国人労働者を受け入れ、人手不足の中小零細企業では、低賃金の極めて使いやすい労働力として活用されてきました。 先日、新聞で、外国人技能実習生への労働基準法違反について報道されました。資料一をごらんください。右側の記事です。 外国人技能実習生に違法な長時間労働をさせたなどとして、岐阜労働基準監督署は三月二十二日、岐阜県の婦人子供服製造会社社長と岐阜市の技能実習生受け入れ事務コンサルタントを、最低賃金法と労働基準法(割り増し賃金不払いなど)に違反した疑いで逮捕した。技能実習生に対する労基法違反などでの逮捕は異例だ。 二〇一四年十二月から一五年八月、中国人技能実習生四人に対し、岐阜県の最低賃金(当時は時給七百三十八円)に満たない額で、一日八時間の法定労働時間を超えて働かせ、割り増し賃金も支給しなかった疑いがある。不払いの賃金は計約四百七十五万円になる。 労基署の立入調査に応じなかったり、虚偽の説明を繰り返したりしていたといい、悪質性が高いと判断、逮捕されたと見られる。技能実習生は午後十時から翌午前五時の深夜帯や休日にも働かされていたという報道でございます。 外国人技能実習制度に関して、労働関係法令違反事件はどのようになっているか、直近の年度の実態を伺いたいのと、外国人技能実習法案はこれに対してどのように対応するのか、伺います。
○宮川(晃)政府参考人 お答えいたします。 現在、労働基準監督署等におきまして、実習実施機関に対して監督指導を行っておりまして、平成二十六年に三千九百十八機関に監督指導を実施した際には、全体の七六・〇%である二千九百七十七機関に労働基準法等の法令違反が認められ、法令違反の内容としては、労働時間や安全基準、割り増し賃金に係る違反が多いという結果が得られたところでございます。 これらの法令違反が認められた場合には、労働基準監督署などにおいて厳しく指導しているところでございます。 その上で、提出させていただいている法案におきましては、新たに外国人技能実習機構を創設し、受け入れ機関への実地検査等の権限を付与することで、法令違反の是正を徹底することとしております。 引き続き、労働基準監督署などとも連携しつつ、外国人技能実習機構においてもしっかりと対応を行い、法令遵守を徹底してまいりたいと考えております。
○畑野委員 本当に違反が多いわけですよね。七六%、前の年よりもまた件数でもふえているという実態です。 一つ伺いますが、重大または悪質な違反というのは何件送検されているか、わかりますか。
○宮川(晃)政府参考人 大変恐れ入りますが、ちょっと手持ちの資料がございませんので、また後ほど御報告させていただきます。
○畑野委員 それでは具体的に伺います。 ことしの三月十六日、日本弁護士連合会に人権救済の申し立てがされた件です。二〇一五年六月に宮城県気仙沼から逃げたベトナム人実習生の話です。 愛知県の労働組合に相談に来た、母国の工場労働者で、溶接の職種だと思って二〇一四年八月に広島から入国したが、実際に派遣された先は鳥取県の建設業で、同年十一月には宮城県の工事現場の土木作業員として働かされた、各地転々としていると。実習生は、仕事の内容が母国で試験を受けた職種と違うことを受け入れ機関などに訴えたが、逆に帰国させられるおそれが出てきたため、二〇一五年一月に宿舎を逃げ出したというんです。 伺いますけれども、外国人技能実習生が契約した職種と、現実に従事する職種が異なっている場合、受け入れ機関の不正行為に当たるのですか。
○宮川(晃)政府参考人 先ほどは大変失礼いたしました。 送検の数字がわかりましたので、御報告させていただきます。平成二十六年の監督実施の結果、重大、悪質な労働基準関係法令違反が認められた事案として労働基準監督機関が送検した件数は二十六件でございました。
○井上政府参考人 委員の御質問にお答えいたします。 入国管理局におきましては、技能実習生の入国に当たっての審査におきまして、職種を含めた技能実習の内容が募集の段階で技能実習生に伝えられ、技能実習生がその内容を理解していることを文書により確認する、それと同時に、その内容を踏まえた技能実習計画が策定されることを確認してございます。そして、このようにして策定された技能実習計画に記載された職種と異なる職種の技能実習を実施しているような場合であれば、それは不正行為に当たることになります。
○畑野委員 この件では、その後の調査で受け入れ機関の書類偽造が明らかになり、また実際の監理は別のブローカー企業に行わせていたことも明らかになりました。 ここでは株式会社Kと言っておきますが、その中に送り出し機関の支部があって、そのKの社長が代表となっていた、また同社内には複数の受け入れ機関があり、そのうちO協同組合は、昨年二千万円の横領で役員が逮捕されている、こういう状況です。遅くとも昨年末までには、名目上の受け入れ機関が失踪の直接の原因である指導体制の不備で処分を受けて、企業には不正行為が通知されております。 伺いますが、私の本会議質問での答弁では悪質なブローカーの存在を認めておられますが、法案ではどのような対応がとられるのですか。
○井上政府参考人 お答えいたします。 御指摘のありました昨年九月の本会議における法務大臣答弁では、過去の入管による摘発事例では、ブローカーが失踪した技能実習生に不法就労先をあっせんした事例も少なくないというようなことをお答えしてございます。 こうした外国人に不法就労先をあっせんするようなブローカーにつきましては、これは技能実習制度に特有というよりは外国人に対するものということで、基本的には入管法によって取り締まるという性質であると理解してございます。すなわち、ブローカーや失踪した技能実習生を雇用した者に対して不法就労助長の罪を適用するなどして対処していくことになります。
○畑野委員 このブローカーというのは、許可を受けていない、そういうあってはならない監理団体が監理行為を行っているということですから、これはどういうふうになるんですか。
○井上政府参考人 個別具体的な事実関係に係りますけれども、監理団体としての許可を受けずに実習監理業務を行ったことについては、禁止されて、処罰にも値するということになります。
○畑野委員 そこで、さらに伺いますが、受け入れ機関などの不正行為により処分をされた場合にもかかわらず、ベトナム人技能実習生を支援している労働組合の担当者から伺いますと、その方が受け入れ先の確保に奔走していらっしゃる。本来、監理団体等の不正行為があることが理由で技能実習が継続できない場合は、監理団体が新しい受け入れ先企業を探すことをやるべきではないかと思うんです。 法案では、新しい受け入れ先を誰が責任を持って探すことになるんですか。
○井上政府参考人 お答えいたします。 監理団体等の不正行為を理由として技能実習が継続できない場合の継続のシステムでございます。 新しい技能実習法案におきましては、監理団体等の不正を理由に技能実習の継続が困難となった技能実習生について、監理団体等に技能実習の継続が困難となった旨の届け出義務を課すとともに、当該技能実習生の移籍が円滑に行われるよう、連絡調整その他の必要な措置を講じるべき義務を法律上明確に課してございます。かつ、こうした措置が円滑になされるよう、主務大臣が必要な指導助言を行うことも法律に明記してございます。 さらに、外国人技能実習機構につきましても法律の規定を置きまして、個々の事案や本人の希望も考慮して、許可制や届け出制等、あるいは事業報告等によって把握している全国の監理団体や実習実施者の情報も活用しながら、移籍先の調整を含めた移籍支援を技能実習機構が行う、そのようなことができるようにしてございます。
○畑野委員 受け入れ機関などの不正で技能実習が継続できない場合、技能実習生は大変な不安に陥ると思うんです。 入国管理局は、監理団体、実習実施機関の不正行為があった場合、不正行為を認定したとき、技能実習生に対してその説明をしていますか。 あわせて伺いたいのは、監理団体が新しい受け入れ先を探すべきであるということ、他の実習実施機関に受け入れられるときは引き続き技能実習生として在留が認められるということを実習生に説明しているのか、状況を伺います。
○井上政府参考人 まず、不正行為の認定がされた場合からお答えいたします。 当該受け入れ機関で不正行為が認定されますと、受け入れの継続ができなくなります。技能実習を継続することができなくなりますので、そのような場合には、従来から、監理団体等に対しまして、JITCO等の協力を受けるなどして新たな受け入れ先の確保に努めるよう指導しているところでございます。 この点、技能実習を継続できなくなった機関が受け入れていた当該技能実習生が技能実習の継続を希望している場合には、当該機関またはその監理団体は、その旨を地方入管局に申し出るとともに、新たな実習実施機関を探す必要がございまして、技能実習生に対しても当該機関から、技能実習を継続することができなくなった理由について説明がなされているものと認識してございます。 したがいまして、当局から直接技能実習生に不正行為があった場合の対応を説明することはしてございませんが、監理団体の対応を通じまして技能実習生に必要な情報が伝わり、その保護が図られるというようなことで進んでいると理解しております。
○畑野委員 そういうふうになっているところが問題なわけですよ。やはり、そこのところをきちんと説明していく必要があると思うんです。 さらに伺いますが、この件で、ベトナム人実習生の受け入れ先確保は受け入れ機関の責任であったと。ベトナム人技能実習生を支援している労働組合の担当者の方からは、受け入れ先確保に本当に走り回った、ことし二月一日、新たな受け入れ機関での在留資格の許可申請も行った、名古屋入管は、提出した書類に不備はないとした、ところが法務省は、失踪の原因となった受け入れ機関の不正処分を当該実習生に知らせることもなく、在留期間の切れる三月十六日になって、昨年九月に特定活動を許可してからの期間について調査を延長するとしてきたということなんです。 伺いますが、失踪の原因が受け入れ機関等の不正行為であることが明らかになった時点で、昨年八月にこの方が申し出た技能実習の在留資格期間延長を認めるべきではないかと思いますが、いかがですか。
○井上政府参考人 お答えいたします。 個別の案件についての答弁は差し控えさせていただきたいと思いますが、一般論として申し上げますと、失踪した技能実習生から在留期間の更新の許可申請等があった場合のことになりますけれども、技能実習生が失踪した理由でございますとか在留を希望する理由、さらには当該技能実習生がどのような在留状況で経過して今日に至っているか等の諸事情を考慮いたしまして、個々の事案に応じて在留期間の更新を認めるなど、適切に対応することになります。
○畑野委員 既に出頭してから九カ月もたっている、この間、友人たちの支援や労働基準監督署の協力もあって、不払い賃金を取り戻すなどやってきたんだけれども、それも限界だと。今回の引き延ばしは強制帰国の理由をつくるためではないかというふうに労働組合の担当者から伺いました。労働組合の方は、監理団体の不正が明らかになった後もこれを実習生に伝えず、いたずらに調査期間を引き延ばしたことは人権侵害に当たるということで、日弁連に人権救済を申し立てたわけですが、三月十八日に受理されております。 技能実習制度は、米国人身売買報告書においても人権侵害の温床となっていると指摘をされておりまして、法務省の帰国ありきの対応はこれを助長することになるということで、厳しく指摘をし、改善を求めたいと思います。 次に、入国管理局の報告では、昨年は受け入れ機関の不正が五年連続で増加しているということです。このうち団体監理型の監理団体による不正は三十二件で、二〇一〇年に制度が改正されてから最も多くなっている。ここでは、実習実施機関への監査を委託先企業に行わせていた不正事例も報告されています。実習生の失踪が激増し、昨年は五千八百八人となっています。中には、監理団体による強制帰国を恐れて申告しなかったり、失踪することも少なくないと聞いております。 伺いますが、外国人技能実習生が人権侵害を受け、やむを得ずに失踪する事件について、どのように対応されるのか、岩城法務大臣に伺います。
○岩城国務大臣 技能実習生の失踪者が増加していることにつきましては、私どもも大変重く受けとめております。そして、その理由としては、近年、高い賃金を求めて失踪する事案が増加しておりますけれども、委員御指摘のような技能実習生に対する人権侵害等、受け入れ機関側の問題がある場合もあると認識をしております。 現行制度におきましては、人権侵害を受け、やむを得ずに失踪したような場合につきまして、技能実習生が引き続き他の機関で技能実習を行うことを希望するときは、失踪した理由、新たな実習実施機関の受け入れ体制、当該技能実習生の在留状況等を踏まえ、個々の事案に応じて引き続き在留を認めるなど、適切に対応することとしております。 そして、本法案による今後の対応でありますが、技能実習法案におきましては、実習生に対する人権侵害行為の禁止規定や罰則を設けるほか、技能実習生からの相談の受け付け体制や、所定の受け入れ機関での技能実習を継続することが困難となった技能実習生の転籍を支援する体制を整備することとしております。
○畑野委員 高い賃金を求めるとおっしゃられましたが、もともと低い。雇用主変更をこれまで許されずに、奴隷的とも言われるような状態になってきた。もう本当に人間としてどうしたらいいのかということまで追い込まれているわけなんです。ぜひこの解決が急がれていると思うんです。 資料の一枚目の左側に載っている記事です。ごらんいただければと思います。 見出しは、「困窮の末ヤギ盗み食べた ベトナム人実習に耐えかね逃走 毎日二十時間働く」という例です。真ん中にはヤギの写真も写っております。岐阜県で昨年八月、除草用に飼われていたヤギを盗み、食べたとして窃盗罪に問われたベトナム人の被告は、外国人技能実習生として来日していた。日本では、毎日午前六時から翌午前二時まで働きながら、家賃として二万円が天引きされ、手取りは六万円程度。来日に必要だった百五十万円が返せなくなることを恐れ、我慢していたが、ついに逃げ出し、食べるものはなく、ヤギを盗んでしまったということです。 技能実習生は、名目上の制度目的により、技能実習を実施する受け入れ機関を特定した上で在留資格が与えられ、原則として職場移転の自由がありません。技能実習計画に対して技能実習生が受け入れ機関の処遇に不満を持ったとしても、他の職場に転職することはできない。一旦技能実習に入った技能実習生は、技能実習計画に対してみずからの意見を言う制度もありません。 そこで伺いますが、法案では、技能実習生が技能実習計画に疑問を持ち実習先を変更したい場合どうするのか、岩城法務大臣に伺います。
○岩城国務大臣 まず、技能実習計画につきまして、法案では、主務省令で具体的な認定基準を設け、その基準に従って審査し、適切なもののみを認定するという仕組みを設けており、技能修得の効果や技能実習生の待遇などの面で、技能実習生に技能実習開始前から疑問を抱かせるような問題のある技能実習計画は、この段階で排除されることとなります。 また、技能実習開始後、技能実習生が技能実習計画に疑問を持って実習先の変更を希望する場合、新たに設けられる外国人技能実習機構に相談することができることとなっております。 そして、その事情いかんによって異なりますけれども、例えば、実習実施者が明らかに指導力を欠いていたり、実習実施者による人権侵害や不正行為が行われたことにより実習の継続が困難と認められるような場合には、外国人技能実習機構は、実習先の変更を認め、新たな実習実施者が作成した技能実習計画を審査の上、認定することとなっております。
○畑野委員 例えば、母国で職種を書くときに、母国語が書いてなくて、日本語しか書いてないから読めなくて、だまされて連れてこられるということもあるわけですね。ですから、そういう実態、きょうは時間が余りありませんので、引き続き、その点などを含めて、実態と今後どうするのかというのを伺っていきたいというふうに思います。 次に、死亡事故について伺います。 厚労省の資料によりますと、二〇一四年度の死亡事故が三十四件に及んでおります。死亡事故の詳細について伺いたいのですが、あわせて、次の質問も御答弁ください。 近年、死亡事故が増加傾向にある。自殺事件がそのうち六件を占めるということです。事実関係とその原因について、詳しい報告を伺いたいと思います。 皆さんのお手元の資料では、四枚目のところにございます。
○宮川(晃)政府参考人 御説明申し上げます。 三十四件の内訳でございますけれども、脳・心臓疾患が六件、自殺が六件、業務外での水難事故六件、作業中の事故五件、自転車の交通事故四件、その他の交通事故二件、悪性新生物二件、その他三件となってございます。 自殺事件がそのうち六件を占めておりますが、これらのうち三件につきましては、母国の家族または他の実習生とのトラブルなどの原因があったものと推測されるものでございますが、他の三件については、原因や背景事情の推測が困難な事案と承知しております。
○畑野委員 深刻な資料を厚生労働省が出してくださいました。四枚目、五枚目、六枚目です。一人一人の実態が本当に深刻な状況です。また引き続き、この点についても次の機会にと思っております。 自殺に至らなかったんですが、自殺をしようとした実習生の例が報道されております。資料の二枚目に戻っていただければと思います。 二〇一二年八月、来日した、当時二十四歳の中国人女性です。 九カ月後、労働基準監督署の調査で資格外作業が発覚し、養鶏場で働けなくなった。実習生の受け入れの仲介などをする監理団体の寮で一旦過ごしたが、この団体も別の不正行為で営業停止に。稼ぎがないまま帰国すると借金や違約金が残ると思い、昨年二月ごろ寮を出た。つてを頼って熊本県でホステスとして働いた。 同六月、女性は同県警に出入国管理法違反、資格外労働容疑で逮捕された。同九月、熊本地裁で罰金刑の判決を受け、退去強制命令が出た。さらに、収容されている間に帰国への不安から床に頭を打ちつけて自殺を図った。とめに入った入管職員にけがをさせたとして公務執行妨害などの容疑で逮捕され、福岡地裁で執行猶予つきの有罪判決を受け、昨年末に帰国した。 この方は、だまされた気がしますと。日本語で、日本が好きで来た、真面目に仕事をしたかったと言っている、女性が中国側の仲介者に払ったとされる保証金や違約金は、出入国管理法の関係省令で禁止されていると。しかし、実態は違うということであります。 あわせて、資料の次の三枚目のところで、実習生が相次ぐ死亡事故という報道記事もございます。先ほどもお話がありました。 この方は、虚血性心疾患で急死をした。岐阜県の鋳造会社で働く二十七歳のフィリピン人実習生が宿舎で亡くなった。岐阜労働基準監督署は、一月から四月に月七十八時間半から百二十二時間半の残業があったとして、会社と社長を労基法違反容疑で書類送検した。 労基署は長時間労働と死亡の関連が強いと判断し、フィリピンの遺族に労災補償の申請書類を送付。遺族は申請する見通しだ。厚生労働省が実習生の過労死について統計をとる二〇一一年度以降は認定はなく、順調に進めば異例の認定になるという記事です。 なぜこのように自殺事件が多く発生しているのか、どう対処しているのか、過労死として認定しているのか、伺いたいと思います。 あわせて、外国人技能実習生の死亡事故が発生した場合、母国のしかるべき機関に報告はされているのでしょうか。
○宮川(晃)政府参考人 お答えいたします。 実習生が健康で安心して実習するため、現行制度上、一つは、実習実施機関が生活指導員を置くとともに、監理団体においても実習生からの相談に対応する措置を講ずることとされております。さらに、我が厚生労働省においては、メンタルヘルス専門家による巡回指導を委託で行っているところでございます。 実習生が自殺する原因は事案により異なっており、必ずしも明らかではないケースが多いわけですが、不幸にして死亡事案が発生した場合には、監理団体または実習実施機関が地方入国管理局及びJITCOに報告することとされております。また、一般に、監理団体などにおいて、送り出し機関との契約に基づき、送り出し機関に報告がなされるものと承知しております。 あわせて、JITCOが死亡事案を把握した場合には、実習実施機関等に対する訪問調査を行うとともに、必要に応じて労災保険の請求手続等の周知を行っております。また、労働基準監督署におきましても、JITCOからの情報を受け、必要に応じ請求勧奨を行っているところでございます。 なお、平成二十六年度におきましては実習生が過労死として認定された事案はございませんが、労災請求がなされた場合は、過労死等の認定基準に基づき業務上外の判断を行うこととしております。
○畑野委員 最後に、岩城法務大臣に伺います。 寮費の問題です。 愛知県のある企業で、二十七人の実習生が、一部屋に九人、二段ベッドで生活し、寮費は一人四万円を請求されていたということなんですね。 新機構では手数料も新設され、技能評価試験料も高騰する中、寮費が高くなるのではないか、このような高額な寮費は失踪の原因となりかねないという問題があると思います。 これまで政府は諸般の事情だと言ってまいりましたが、そうではなくて、同程度の住宅家賃の近隣相場を超えてはならないとすべきではないでしょうか。
○岩城国務大臣 まず、現行の制度のもとでは、入国管理局は、宿舎費を賃金から控除する場合につきまして、労働基準法にのっとった労使協定の締結の存在を前提として、控除する寮費の額が実費を超えてはいけない旨指導しております。 この実費とは実際に要する費用を意味するものでありますが、当該費用を判断するに当たりましては、物件の構造や築年数はもちろんのこと、共用部分の状況など、諸般の事情を総合的に考慮した上で、社会通念に照らして判断することとしております。 この点、新制度におきましては、適正な宿舎費について、より明確化していきたいと考えております。 宿舎費の適正価格につきましては、同程度の住宅家賃の近隣相場は一つの参考指標にはなりますが、これのみをもって一律の基準とするのは必ずしも適当ではなく、どのような着眼点で宿舎費の適否を見ていくのが適当かについて、さらに検討していくこととしていきたいと考えております。
○畑野委員 徹底した審議を求めて、質問を終わります。
○葉梨委員長 以上で畑野君枝君の質疑は終了いたしました。 次に、木下智彦君。
○木下委員 おおさか維新の会、木下智彦です。きょうは、お時間をいただきましてありがとうございます。 早速お話しさせていただきたいんですけれども、きょう朝から聞いていて思ったのが、この法律、本来の趣旨と起こっていることというのがなかなかうまく合致していない部分が多いからいろいろな話があるんだろうなと。例えば実習の場所を移動する話であってもそうですし、先ほどの人権の問題であるとか、そういった問題も、どうしてそういうことが起こるのかなというふうにいうと、もともとこの法律の趣旨で書かれていることがうまく理解されていない、現場では違った意味でいろいろな捉え方がされているんじゃないかな、それが一つの問題だろうと。 もう一度、改めてこの制度の趣旨というところを読み返してみたんです。簡単に書いてありますけれども、ちょっとお話しさせていただきますと、技能実習制度自体は、開発途上地域等への技能等の移転を図り、その経済発展を担う人づくりに協力することを目的とする制度、我が国の国際貢献において重要な役割を果たしているが、一方で、同制度に関しては、制度の趣旨を理解せず、国内の人手不足を補う安価な労働力の確保策として使われており云々というふうな話が、やはりそういうことがあるのでこの法律をもう少し強化していこうという話なんだろうなと思ったんです。 きょう用意していた質問はあるんですけれども、その前に、もう少し原則的なことを大臣にお聞かせいただきたいんです。特に、この法律に余り直接的に関連していないんですけれども、今聞いていてちょっとつくってみたんですね、簡単な問題なんですけれども。 これは経済活動の原則的な話だと思うんですけれども、ある労働市場で、流動性の高い労働力と、それから、何らかの国の政策であったり制度によって流動性が低い労働力が混在するような、そういった労働市場があった場合に、雇用者側はその賃金を何を基準にして決めていくか。高い方を基準にするのか、低い方を基準にするのか、これはどちらだと思われますか。これは一般的なことだと思うんですけれども。
○岩城国務大臣 私が今までの経験の中でそういったことにつきまして深く考える立場になかったものですから、ちょっと、今のおただしについて、どちらがいいとか悪いとか、そういったことについてはお答えできませんので、御理解いただきたいと思います。
○木下委員 済みません、突然だったので。 そうしたら、そのまま私がどんどん話をさせていただきます。そうなると、もう質問がなくて終わってしまうかもしれませんけれども。 要は、労働市場で、流動性の高いところと流動性の低い労働力が混在するとどういうことが起こるかというと、当然のことながら、流動性の高い労働力というのは、より高い賃金を求めて違うところの職種に移動していくわけです。硬直化した流動性の低い労働力は、そのままそこにとどまらざるを得ない。そうなると、雇用者側の方に主導権を握られてしまいがちになります。となると、どういうことが起こるかというと、当然のことながら、賃金は上がる可能性が低くなっていく。そういうことになるということなんですね。 そうなると、当然のことながら、流動性の高い労働力はそのままどんどんどんどんいろいろなところにかわっていくから、そういう労働力が入った職種、市場はより発展していくということになる。 ただ、硬直性が高い労働力がとどまるところに関しては、どういうことが起こるかというと、一つは賃金が安くなります。先ほど言ったように、雇用主が力を持ちがちになる。そうなると、労働環境はどんどんどんどん劣悪化していく可能性が高い。そういう形になっていくということなんですね。 そうなると、これは、一遍そういうことが起こってしまうと、加速度を増す可能性がある。なぜかというと、新たに違うところから、そういった硬直性の高い労働力がとどまっている市場にほかの労働力が移動してこないことになるわけですね。そうすると、どんどん、賃金も極限に安くなっていく可能性は高いし、それがまた、政策的にどこかで歯どめをかけるとしても、ほかの職種と比べてみると違いが大きくなっていく、こういうことが起こるわけだと思っているんです。 そうなると、これは今、労働市場全体で見たときにそういうことがあるということは、特定の職種においても同じようなことは起こり得るということなんですね。 翻って今回のこの制度を見てみたときに、もともとの趣旨は、要は技能を実習させるというふうなことなんですけれども、相当慎重にやらないと、今の影響力を大きく受ける、もしくはもう既に受けているんじゃないかなというふうに思うんですね。それが結局、きょう、いろいろな方がお話をされていました、そういった問題を引き起こしているということになるんだと思うんです。 だから、例えば、技能実習をさせるんだ、それは趣旨としてはいいと思います。それをそのまま一般の労働市場の中でうまく展開できないと、結局、硬直性も出てきて、劣悪な環境も出てくる。こういうことが起こっているために、さっき言われていた人権の問題であるとか、そういう問題も出てくる。 出てきたらどうしなければいけないかというと、またこの法律を改正して、何とか締めつけをしようと。ただ、法律をうまく施行していかなければどういうことが起こるかというと、より硬直的な市場を招きかねないというふうな、こういう状態になっていると思うんです。 これは意識の問題だけではないと思うんですね。これはもう、きょう何度も言われていると思うんですけれども、日本に来る人は、どんな研修をして、契約書の中に技能実習するとかどうたらこうたらと書いたところで、日本にもうけに来ているんですよ。はっきり言ってそうですよ。そうじゃない人もいるから、そういうふうになると申しわけないですけれども、ほとんどの人がそういうふうな考え方でしょう、恐らく。違う人には大変申しわけないです。ただ、そういうことは多い。 使っている側もどうかというと、使うところはもう既に硬直化している労働市場になっているわけですから、だったら、より安い、より使いやすい、しかも流動的ではないものを使わざるを得ない状況になっているということなんですね。これをどうやって変えていくんですか、このままでは変えられないんじゃないかなと、きょうお話を聞いていて、私は思い出してしまったんです。 大臣に御意見を聞いても、多分、そうだなとは言えないと思うんですけれども、どうすればいいのかなという、本当に素朴な疑問として思っていまして、何も聞かないというのはあれなので、意見だけ言うのもあれなんですけれども、もしよろしければ、大臣、本当にどう思っていらっしゃるか、ちょっとでもヒントになるようなこと、これをどう変えていけばいいのかというところのヒントになればと思うので、そのエッセンス、ちょっとでも結構ですので、言っていただければと思います。
○岩城国務大臣 流動性の高い労働力あるいは低い労働力、それによって硬直化する、労働市場の問題等についていろいろと御指摘をいただきまして、大変参考にさせていただきました。 そういったことも踏まえまして、これから新しい制度の中でどのように運用していくかということを十二分に考えながら取り組んでいきたいと思っております。
○木下委員 運用とおっしゃられましたけれども、運用と言いながら、これは恐らく毎度毎度改正していかなきゃいけないと思うんですね。運用だけでは本質的な問題を変えることはできないと思っています。だから、今回のところでどう手を入れていくかというのは、難しい部分もあるかもしれません。ただやはり、本質的な部分を考えたときに、技能実習のあり方がこれでいいのかどうか。 それから、外国人の労働力、これからまたどんどんどんどんそういう議論はこの中で展開されていくと思いますけれども、ここは、やはりもうちょっと真剣に、当然、今真剣じゃないとは言いませんけれども、真剣に議論に参加していただいて、大臣も思っていらっしゃることをどんどんこの場で言えるような、そういう法案審議にしていきたいと思います。 きょうは最初なので、時間を余らせていますけれども、これでおしまいにさせていただきたいと思います。 どうもありがとうございます。
○葉梨委員長 以上で木下智彦君の質疑は終了いたしました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時一分散会