地方創生に関する特別委員会 第13号
- 発言数
- 263 件
- 登壇者
- 36 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2016/04/26
会議録
○山本委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官向井治紀君、内閣官房内閣参事官蔵持京治君、内閣府大臣官房参事官中村裕一郎君、内閣府規制改革推進室次長刀禰俊哉君、内閣府地方創生推進事務局長佐々木基君、総務省大臣官房審議官亀水晋君、総務省総合通信基盤局電波部長渡辺克也君、法務省大臣官房審議官佐々木聖子君、文部科学省大臣官房審議官松尾泰樹君、文部科学省初等中等教育局長小松親次郎君、文化庁長官官房審議官磯谷桂介君、厚生労働省大臣官房審議官樽見英樹君、厚生労働省大臣官房審議官森和彦君、厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部長福田祐典君、厚生労働省職業安定局雇用開発部長広畑義久君、農林水産省大臣官房審議官川島俊郎君、農林水産省大臣官房審議官大角亨君、農林水産省大臣官房審議官山北幸泰君、経済産業省大臣官房審議官前田泰宏君、国土交通省大臣官房審議官持永秀毅君、国土交通省大臣官房審議官佐南谷英龍君、国土交通省大臣官房審議官杉藤崇君、国土交通省航空局次長重田雅史君、国土交通省航空局航空ネットワーク部長和田浩一君、観光庁観光地域振興部長加藤庸之君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○山本委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。青柳陽一郎君。
○青柳委員 おはようございます。民進党の青柳陽一郎でございます。 本日は、四十分の質疑の時間をいただきました。ありがとうございます。 まず、本日の国家戦略特区法の質疑に入る前に、前回の質疑の続きであります地方公営企業法の問題について、前回の続きで一点確認させていただきたいと思います。 前回の質疑で確認したんですけれども、地方公営企業法において定められている企業というのは、企業の経済性を発揮するとともに、本来の目的である公共の福祉の増進をするように運営されなければならないと規定されているわけでございます。 その事業分野というのは、公共交通、鉄道、バス、地下鉄、病院などありますけれども、特にその中で独占率が高いもの、一番守られている業態というのは水道事業でありまして、その水道事業の独占率というのは九九%以上だということが明らかになりました。 さらに、水道事業の料金設定というのはいわゆる総括原価方式で、経費プラス利益が水道料金になっているということも前回の質疑で明らかになりました。 これに加えて、私の地元であります横浜市の水道局の給料、この給料は、平均月収六十一万円です。国税庁の民間給与実態調査統計による民間の給料の平均月収は三十四万五千円ですから、これをはるかに上回る給料をもらって、独占で運営しているということです。 これだけ恵まれた経営環境で運営している企業というのは、一般企業ではあり得ません。こうした恵まれた事業環境の中で、公営企業というのは、本来の目的である公共の福祉の増進を果たしていかなければならないというのは当然の役割であるということです。つまり、地域貢献、社会貢献というのが一般の企業よりも当然多く求められる、これが当然、役割であるということだと思います。 さらに申し上げると、横浜市水道局のホームページを確認すると、平成二十八年度の事業計画の中に、遊休土地の活用による地域との連携というのが新規事業でわざわざうたわれているわけでございます。こういう状況です。 ところが、今、横浜市水道局の地元では、今申し上げたことと真逆のことが行われております。水道局の遊休地の活用について、その活用方法をめぐって地元と大変大きなトラブルになっている、そごが生じているのが実態です。 私は、先ほど来申し上げているように、CSRや地域貢献、つまり外部不経済というものを内部化していくことというのは今一般企業でも求められている時代に、今申し上げた、これだけ優遇されている公営企業が地元の意向を無視して全く地域貢献しないというのは大変問題があると思います。 総務省に改めて伺いたいと思います。この地方公営企業法を所管している総務省は、こうした問題についてどのようにお考えになっているのか、全く見過ごすのか、この点について伺いたいと思います。
○亀水政府参考人 お答えをいたします。 地方公営企業が住民の声をもっと聞くべきだという御趣旨かと承りました。 地方公営企業におきましては、予算、決算について、住民の代表である議会の議決等を経ることとなっており、住民の声を反映して事業を進めることとなっております。 また、総務省におきましては、平成二十六年八月の公営企業の経営に当たっての留意事項通知におきまして、資産の有効活用等を含む中長期的な経営の基本計画である経営戦略の策定に当たって、議会、住民に対して、その意義、内容等をわかりやすく説明し、理解を得ることが必要であるとしてきているところでございます。 各地方公営企業の具体的な資産の管理につきましても、各地方公営企業の経営状況や地域の実情、住民の意見等を十分勘案の上、各地方公営企業において適切に判断されるべきものと考えております。
○青柳委員 ありがとうございます。前回の答弁よりは一歩進んで、少し丁寧に答弁していただいたかなと思います。 つまり、何が言いたいかといえば、公営企業であるんですから、しっかり地元の意見を聞いて、理解を得て経営するように、こういうことだろうというふうに今の答弁を理解いたしました。そのことをきちんと踏まえて、今後、こうした問題を何も指摘しないのであれば、やりたい放題になりますから、私は、しっかり、見ていくものは見ていく、チェックするものはチェックしていく、地方議会であろうが国会であろうが、こうしたことはきちんと指摘するべきだと思いまして、この問題を取り上げさせていただきました。 それでは、次の質問に移りたいと思います。 また、せっかくの機会なので、人口問題、少子化に関する石破大臣の御見識から伺って、法案の審議に入りたいと思います。 安倍政権は新三本の矢で、希望出生率一・八、五十年後の人口一億人維持というのを掲げております。現人口を維持していくためには、出生率が二・〇七必要であります。今現状は一・四二という数字です。 この原因は、未婚率、経済、所得の問題、育児負担の重さなど、さまざま今指摘されております。いずれにしても、一億人を維持していく、希望出生率一・八、これは私は相当高いハードルだろうというふうに思っておりますけれども、人口問題、少子化問題に対する大臣の危機意識と、安倍政権が掲げるこの目標の実現、本当にできるのかということについて、まず御見識を伺いたいと思います。
○石破国務大臣 見識かどうかは別として、今のままの出生、死亡の状況がこのまま続くとどうなるかということを計算すると、全く恣意を排してやっているわけですが、西暦二一〇〇年に我が国の人口は五千二百万人になる、二百年後には千三百九十一万人になる、三百年後には四百二十三万人になる。ずっとこの計算をやると、西暦二九〇〇年には日本人は四千人になって、西暦三〇〇〇年になれば千人になって、こういうことになるわけで、千年も先でしょうと言うけれども、千年前といったらついこの間みたいな話ですよね、人類の長い歴史から見れば。そうすると、国そのものが溶解しつつあるというか、そういう認識を私自身持っておって、この少子化に歯どめをかけるというのは国家のために必要なことだと思っています。 そんなこと、おまえは簡単にできるのかいという話ですが、結局、置換水準というものがあって、この数字を達成すれば人口というのは維持できますよというのはありますよね。それを考えたときに、我が国において、地方公共団体は千七百十八あるのですが、出生率が一・八を超えている団体は百二十団体ございます。二・〇を超えているものが二十七団体あるわけで、本当にだめか、不可能かといえば、日本の中でそういうのを達成している自治体もたくさんあるわけでございますね。 一番子供が生まれているのは鹿児島県の徳之島にある伊仙町ですが、そこは、確かに、行って話を聞いてみると、さもありなんみたいな政策を、つまり、日本全国、北海道から沖縄まで別の法律が適用されているわけではない、別の制度があるわけではない、同じ法律、同じ制度のもとでそういうことを達成している自治体があるわけですね。 もちろん、国としても、そういう政策をさらに充実させねばならぬ、予算も拡充せねばならぬ、そのとおりだと思いますが、それぞれの自治体において工夫のできる余地というのはたくさんあるんじゃないか。最初からそんな不可能なことと言ったら話は何も始まらないのであって、できているところありますよねということなんです。 そこはどういうことなのかというのをよく分析をして、全国展開をするということもあわせて考えたいと思っています。そうしないと国がなくなりますので、今を生きる我々としては、これは国家に対する、あるいは次の時代に対する責任だというふうに私自身は考えておるところであります。
○青柳委員 ありがとうございます。大臣のお考えを伺いました。 ただ、やはり、人口問題というのは国家の根幹ですから、簡単に解決できる問題ではないという認識もわかりました。 次に、もう一点伺いたいと思います。 これも安倍政権がこれまでずっと掲げてきていることですけれども、日本を世界で一番ビジネスがしやすい環境にするというメッセージを発してこられました。 これは石破大臣に伺いますが、特区の関係でいけば、日本を世界で一番ビジネスがしやすい環境にするということは、どのような政策を打ってどのような方針で達成していくのかについて、まず大きく伺いたいと思います。
○石破国務大臣 世界で一番ビジネスをしやすい国という漠たる話ではよくわからないので、それは一体何だろうかということを考えたときに、例えば、対日直投と申しますが、GDPに占めます対海外からの投資の割合からいくと、日本よりも低いのはネパール、アンゴラ、ブルンジという話であって、そうすると、何で外国からの投資がこんなに少ないんでしょうかということは、外国の方々、外国の企業の方々の御意見も聞きながら、それは単に言葉の壁とか法制度の壁とかそういうものだけではないと思いますが、どうすれば海外の方々が日本に来てビジネスを展開しやすいのかということが一つ。 もう一つは、新しく仕事を始めるという意味での起業というものが日本は決して多いというわけではない。何も、フランスのようにインターネットだけで起業できる、そこまでやると言っているわけではありませんが、どのようにしたらば起業ができるのかということは、政府の仕組み全体も含めて考えていかねばならないことだと私は思っております。 新しく業を起こしたい方々が支障となると感じているもの、新しく業を起こそうとすれば、登記もしなければならぬしというようなことで、法律的な知識も必要ですね、あるいは行政的な届け出も必要ですねというようなことになります。 そういうものをなるべく負担を軽減するということで、福岡なぞでやっておりますようなスタートアップというものがしやすいような、そういう展開というものもこれから全国に向けて拡大をする必要があるだろうと思っております。 起業する方、若い方であり女性の方であり、なかなか女性の起業家というのは出てきにくいんですが、例えば山口県なんかでやっている事業からすると、女性にターゲットを当てて、女性の方が起業しやすい環境をつくっていくということが山口県において展開されているわけですが、なぜ起業が少ないのか、それはどういうような阻害要因によるものなのかというのをきちんと分析して、起業というものを進めてまいりたいと思っております。
○青柳委員 ありがとうございます。 今、三点、大臣から指摘がありました。外国からの投資が少ない、外国人のビジネスがしにくい環境、それから起業の問題、それから女性の起業家の問題と、主に三点、御答弁いただきましたけれども、私は、一点目の外国人がビジネスしにくい環境があるんじゃないかと。つまり、これは、ビザ、在留資格の問題だと思います。 在留資格の問題について伺う前に、厚生労働省に、そもそも、日本の免許、免状、国家資格について伺いたいと思います。 この国家資格、免許、免状の意味は、日本国内において、あなたはこの分野できちんと仕事をしていいですよと仕事をすることを認めるのが資格だろうというふうに理解しておりますけれども、そういう理解でよろしいでしょうか。
○樽見政府参考人 事前のお話で、美容業についてということで伺っておりましたので……(青柳委員「それは後で取り上げますから、一般的に、免許、免状、国家資格の意味を言ってください」と呼ぶ)はい。 私どもの、厚生労働省の分野は、大体、公衆衛生、健康被害ということが問題になるわけでございますけれども、一定の知識を持っていただいているということで、感染症のおそれ、あるいは健康被害のおそれ、公衆衛生の確保、そういう観点から、それに支障が生じないようにということでやっているということでございます。
○青柳委員 資格を取れば一定の働くことを認められたというふうに解していいんだろうと思います。 そうすると、現在どういうことが行われているかというと、日本に留学してきた海外の学生は年々増加しておりますが、日本に留学してきた海外の学生が一生懸命勉強して、日本語で日本の国家資格を取りました、ところが、取った後、在留資格はもらえませんので、学校を卒業したら帰国してくださいと言われてしまうというのが現状です。 ここは、私は、政策の一貫性がないというか不一致があるんじゃないかと思います。日本で働いていいですよという資格をもらいながら、学生でないと帰国しなければならない、こういう留学生の声を多く聞きます。実際、留学生は、日本の大学あるいは高等教育機関、専門学校を卒業した後、七〇%以上の人が日本に滞在していないという状況です。 こうしたことは、私は、政策の不一致というか一貫性がないんじゃないかなと思っておりますが、大臣はどのようにお考えになりますか。
○石破国務大臣 それは、そういう面があるだろうなと思っております。 日本でせっかく学んでいただいた知識も、あるいは技量も、あるいは日本語も相当にレベルが上がった方々をどう活用していくのかというのは極めて大事なことであります。 もちろん、日本に留学した方々が日本のファンになり、母国にお帰りになってそういうのを広めていただくという価値も大事ですが、せっかく日本で学んだ方々が、その知見を、学生の身分を喪失しても生かせるような、そういうような方策は考えていかねばならないことであります。 私は、先般、北海道の新篠津というところに行ったのですね。村ですけれども、ここはタイのお客様が物すごくふえているんです。何でタイのお客様がそんなにふえているかというと、学生さんですけれども、日本に留学しているタイの学生さんを、新篠津に時々来てもらって、接客であるとか、あるいはタイ人の方々のお好みであるとか、そういうのに合わせてそこの新篠津の観光というのを展開している。 そうすると、目に見えてタイ人のお客様がふえるということになるわけで、これから先、インバウンドの活用、あるいは広く地方創生という意味合いにおいて、日本に留学された方々にいかにして我が国で働く場を得ていただくかということにはいろいろな工夫の余地があるだろうというふうに思っております。 また御見解を承りたいと存じます。
○青柳委員 ありがとうございます。 今大臣から、まさにいい事例を御紹介いただきました。タイ人が日本で活躍するとタイ人の観光客がふえると。 まさにこういう分野は、タイの事例だけでなくて各分野で広がっているんです。ところが、せっかく日本で働ける資格、免許を取得しても、卒業後七〇%以上の学生は帰国してしまうというのは、これは私は損失があるんじゃないかなと考えております。 そこで、伺いますけれども、今現在検討している国家戦略特区におけるクールジャパン特区、これは現在どういうものを検討しているのか、これは政府参考人の方から御答弁いただきたいと思います。現在の検討状況とあわせて、どういう分野を検討しているのかについて伺いたいと思います。
○佐々木(基)政府参考人 お答え申し上げます。 クールジャパン分野ということでございますので、ファッション、デザイン、アニメ、食等の分野を対象とするということを想定しているわけでございます。 それで、今先生の方からお話がありましたけれども、こうした分野を学びに来た外国人の留学生が、在留ということでいいますと、日本で実務経験を積むために、学校を出た後、就職しようと思いますと、その在留資格というものが適切なものがない、あるいは明確になっていないということがございます。 したがいまして、そういった就業許可の基準が明確になるように、政府といたしましては、一年以内を目途にガイドラインを整備するといったようなことを含めます一年以内の検討ということで、特区法に規定をさせていただいたところでございます。 早急に各省庁と連携をとりまして、協議を進めていきたいと考えております。
○青柳委員 ありがとうございます。 一年以内にガイドラインを示すということで今検討してくださっているということでございます。 今御説明いただいた分野、食、ファッション、デザイン、アニメ、きのう私が役所から聞いたときは、それに加えて美容も入っていたわけでございますが、食、美容、ファッション、アニメ、こうした分野はまさに日本でいえば専門学校が教育機会を提供している分野なんですね。この分野、食、美容、ファッション、デザイン、アニメは、まさにクールジャパンと言われるほど海外から非常に高く評価されている分野で、留学生は年々ふえている分野です。 これも繰り返しになりますけれども、こうした分野の留学生がふえていて、勉強して何とか日本の資格を取ったとしても、繰り返しますけれども、仕事ができないんですね、滞在できない。これを今どのように変えていくかということを一年以内に検討していただけるということだったと思います。 専門学校の分野でいえば、専門学校を卒業した人たちは、きょうちょっと資料を皆さんにお配りしていませんけれども、一般の大学卒に比べて、不況時でも就職率が高いんです。それからもう一つ特徴的なのは、地元に就職する割合が圧倒的に高いんです。専門学校を卒業した人は、大学卒業者に比べて、地元に就職する割合が八割以上ということで、まさに地方創生、地域にも貢献しているというのが特徴なんです。 ですから私は、今申し上げているような課題がある、外国人の留学生がふえていて、その留学生が残ってくれればさらにその国の観光客がふえるという大臣の御答弁もありましたし、実際に、地元で就職する若い人がふえていくという効果もあります。これこそ私は地方創生につながるし、まさに真のクールジャパンにつながっていくんだと思いますが、大臣、今の検討状況を聞いた上で、どのように今後リーダーシップを持って進めていただけるかについて、大臣の御決意もお伺いしたいと思います。
○石破国務大臣 そういう方々の活用は図るべきだと思っております。 そういう方々が多く日本において職を得ていただくということは、それはすぐ日本人の職場を奪うのではないかとかそういう御懸念を示される方もあるのですが、そういう狭量的な考え方ばかりではいかぬだろうと。もちろん、日本人のそういう技能のある方がきちんと就職できるということが前提なんですけれども、これから先、人口減少社会に入るわけで、結局そういう中で下手をすると縮小再生産になってしまう危険性があるわけですね。 これは全ての分野において言えることですけれども、マーケットを外へ求めていくということをやらないと、もちろん、冒頭の委員の御質問にあったように、人口減少に歯どめをかけるべく、それは、ありとあらゆる政策を展開いたしますが、仮に人口置換水準まで上がったとしても、少なくとも向こう二十年間はお子さんを産んでくださる女性の数は減ることにもう決まっているので、急に今この世の中に二十の女性を出現させることはできませんもので。そうすると、その間において、外へ向けていろいろなマーケットを拡大していくという観点は必要なことなのだろうと。 日本人の最大限のいろいろなスキルの発揮と、それから職場の維持というものを前提としながらも、今委員の御指摘のようなことは政府として考えていかねばならないことだと思っております。
○青柳委員 ありがとうございます。 今、クールジャパンという観点で検討してくれていると思いますけれども、例えば、欧米で見られるようなアーティストビザですとかマイスタービザのようなものもぜひ検討していただければいいんじゃないかなと思っております。 そこでもう一つ、大臣の大きなお考えを伺いたいと思います。 きょう、これまでの議論で、人口問題、これは大変な危機意識がある、少子化問題、このハードルを越えていくのは大変だ、ビジネスがしやすい環境は何か、これは外国人の投資をふやしていく、外国人が日本でもう少し活躍できる場所をつくるという答弁もございました。それから、今私が申し上げたような留学生の問題、クールジャパン、こうした問題がきょうの議論で明らかになったわけです。 こうした状況の中で、大臣は今活用とおっしゃられましたが、外国人の活躍というのは、これまで、日本では労働力としてのみ受け入れるということでした。けさの一部報道では、自民党の特命委員会で、移民ではなくて労働力として受け入れていくというような答申をまとめたという報道もありましたけれども、私は、外国人を労働力としてのみ受け入れるのではなくて、外国人に安定した法的地位と待遇を保障する、国民として受け入れるという外国人政策に転換すべきときが来ているのではないかという提言がありまして、これも一考に値するんじゃないかと思っております。つまり、移民政策について少し考えていかなきゃいけないフェーズというか時期に来ているんじゃないかということで、元東京入国管理局長の坂中さんという方がいまして、盛んにこの問題を提言しているわけです。 これまでの、労働力として外国人を活用して受け入れるだけではなくて、今言ったように、留学生の時代からしっかり日本に住んでもらい、日本の文化も理解してもらって共生していくということであれば、今言われているような外国人の治安の問題ですとかというのは相当クリアできるんじゃないかという提言がなされておりますが、きょうの議論を踏まえて、ビジネスしやすい環境、人口の問題等々踏まえまして、大臣の外国人政策について、大きな御見識、お考えをお伺いしたいと思います。
○石破国務大臣 政府の立場といたしましては、昨年六月三十日に閣議決定をいたしておりますが、「日本再興戦略」改訂二〇一五というのがございます。「日本再興戦略」改訂二〇一五はこのように言っております。 移民政策と誤解されないように配慮をしながら、我が国の将来の形や国民生活全体に関する問題として、中長期的な外国人材の受け入れについては国民的なコンセンサスを踏まえつつ、政府全体で検討していく必要がある。 これが政府の立場でございます。ですから、政府の一員としてこの立場でございます。 それは、移民政策とは何なんでしょうねということを定義からきちんと押さえないと、移民政策にあなたは賛成ですか反対ですかといったときに、何となく賛成というニュアンスが伝わる途端にわわわわわっと大非難を浴びて発言をやめちゃうというような話が世の中にないわけではない。 だけれども、移民政策というのを法的に考えると、これはむしろ法務省の領域かもしれませんが、例えば帰化でありますとか永住権の取得でありますとか、そういうものを前提として多くの外国の方を受け入れるということが定義だとすれば、それが定義だと言っているわけじゃありませんが、だとすると、また別の議論が展開されるのだろうと思うのですね。 我が国において女性のさらなる活躍の場を求めるとか、高齢者の方々、アクティブシニアの方々の活躍の場をつくっていくとか、そういうことをやっていかねばなりません。そこにおいて、労働力、GDPというのを考えたときに、労働者の数というのは必須要件でございますので、それをどう考えるかというお話と、委員御指摘のように、そういう方々の活躍の場というものをどのような政策的なというんでしょうか、価値観というんでしょうか、それで求めていくのかというのは、まさしく政府が申し上げておりますように、国民的なコンセンサスも踏まえつつ検討するということだと思っております。 私は、女性でありますとか高齢者の方々の活躍の場をもっと広げていくということは必要なことだと思っております。それとはまた別の価値観を持って外国の方々の日本における活躍をどのように図っていくかということは、私はここはこうだということを言い切る知見を持ちませんが、私自身として今委員の御指摘の方の御見識もよく勉強しながら、自分としての意見をまとめていきたいと思っております。 閣僚の一人といたしましては、政府の方針のとおりでございます。
○青柳委員 ありがとうございます。 私自身もまだ移民政策、移民という言葉がすぐに国民の間に受け入れられるとはとても思えませんが、きょうの議論のとおり、人口の問題ですとか、ビジネスがしやすい環境の問題ですとか、あります。ですから、まずは、きょう答弁のあったクールジャパン人材もそうですし、留学生で頑張って日本語を勉強し、日本の文化を勉強し、そして日本の国家資格を取った、せめてそういう人が残りたいと言えば残れるような環境は私は整備すべきだろうというふうに思いますので、この点は指摘しておきたいと思います。 時間の関係で、最後に一問お伺いしたいと思います。 これも大臣にせっかくなので伺いたいと思いますが、石破大臣は、世界で一番美しいスタバ、スターバックスコーヒー、これはどこにあるか御存じでしょうか。石破大臣の地元の鳥取県はスタバじゃなくて砂場で有名でございますが、実は世界一美しいと言われているスタバは富山県にあります。しかも、環水公園という都市公園の中にあるんですね。それが世界で一番美しいスタバと言われています。つまり、公共インフラの中にカフェがあるということです。 私は、特区、地方創生、この問題で、活用できる公共インフラ、稼げる公共インフラというのはまだ日本国内にたくさんあるんだろうと思っております。公共インフラを稼ぐインフラに変えれば、税収の面で自治体にもいい、利用者の目線で見ても市民にとってもよい、そして事業を行う事業者にとってもよい、まさに三方よしだろうと思っています。 自治体にもいい、利用者にもいい、事業者にもいい、こういう公共インフラを使って稼いでいくという好事例を、ぜひ大臣、どんどん生み出していっていただきたいなと思います。 このスタバ、最近結構有名なんですが、大臣は御存じなかったというのはとても残念だと思います。 これから、公園に限らず河川も使えるわけです。それから、道路を使っている事例もあります。こうした、公共インフラを稼ぐ形にしていくということをぜひ大臣も先頭に立ってPRしていただき、これは特区でなくても、もう既に公園法が改正されてできるようにはなっています。しかし、やろうとすると、実際、自治体は随分かたいそうなんですね。こんなことはできないと言われる自治体の方が多いというふうに仄聞しております。 私は、こうした好循環の事例をふやしていくべきだと思いますので、大臣にもぜひそうした点についての御見解そして御決意を最後にお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○石破国務大臣 不勉強で大変申しわけございません。済みません、この間までスタバがなかったので。今でもないわけではないのですよ。うちの知事が、平井さんが、スタバはないけれども砂場はあるとか言ったもので急に有名になってしまいまして、その後、スタバは開店をいたしました。今度はすなば珈琲というのが新しく開店して、そっちの方がお客がいるという不思議な現象が鳥取では起こっておるわけでございますが、富山の事例を知りませんで、大変申しわけございません。 都市公園だからだめとか農地だからだめとか、そういうお話ではなくて、農地の中にレストランを設ける、あるいは都市公園の中に保育所を設けるというようなことは、つまりそれが、農地としての用がきちんと維持をされている限り、都市公園としての、あるいは公園としての機能がきちんと維持をされている限り、農地だからすなわちだめでありますとか、都市公園、公園だからすなわちだめでありますということをお役所は言いそうなんですが、そうではありませんということだと思っております。 ですから、それが、農家レストランの場合には六次産業化という、農地がさらに有効に活用されるということになるわけですよね。農地にほかのものを建てるのはすなわちだめという話にはならないのでしょう。そして、公園の中にそういう保育の施設があるということは、子供たちにとっても、あるいは保護者の方にとっても、地域の方にとっても有効なことなのであって、そういう事例をさらにふやしていきたいと思っております。 農家レストラン設置に係る特例というのは今のところ七件、都市公園の占用許可に係る都市公園法の特例というのは今のところ五件でございます。まだ始まったばかりでありますので、ではそれで一体どんな効果が上がったのかねというものを見るにはもう少し時間がかかるだろうと思っております。農家レストランにいたしましても、納税するというのはまだ、平成二十九年のお話になるかというふうに思っております。 そういうことになりますと、まだ、どういう経済効果が上がったかということはここで断定的に申し上げられませんが、そういう効果がきちんと発現されたかどうかということもよく検証していきながら、こういう取り組みを広げていきたいと考えておるところでございます。
○青柳委員 ありがとうございます。 これで質問を終えたいと思います。ありがとうございました。
○山本委員長 次に、高井崇志君。
○高井委員 岡山から参りました高井崇志と申します。 きょうは、この地方創生特別委員会で質問の機会をいただき、ありがとうございます。 私は、ふだんは総務委員会と内閣委員会に所属しているんですけれども、あるいはいろいろな委員会の場に立たせていただくと、必ず岡山から参りましたと言うことにしております。大臣とはお隣、岡山から参りました。そういう意味で、私も地元を愛し、そして何とか地元岡山の発展をと願っておりますので、この地方創生特別委員会でもぜひ質問に立たせていただきたかったわけですけれども、きょうはその機会をいただきました。 きょうは国家戦略特区の法案でございますので、まずは、私は実は二十数年前から総務省で働いておりました。入省した一九九三年、平成五年なんですけれども、そのころはさすがにまだ特区という言葉はそんなになかったと思いますが、しかし、数年ぐらいして、ですから、もう二十年ぐらい前から特区という言葉はずっとあったように思います。その中でも、小泉内閣のときに構造改革特区が始まり、その後、総合特区、そして国家戦略特区、この国家戦略特区の中には地方創生特区と、非常に特区という言葉がいろいろあって、どうもわかりにくいという印象を持つんです。 この委員会でも何度も質問があったかもしれませんけれども、改めて、それぞれの特区がどういうすみ分けになっているのか、もう既になくなっている特区もあるのか、あるいは細々でもまだ残っているのか。ちょっと全体像がわかりにくいので、ひとつこの特区の全体像を御説明いただきたいと思います。
○佐々木(基)政府参考人 お答え申し上げます。 今お話がありましたように、構造改革特区、総合特区、国家戦略特区、地方創生特区ということで四つの特区制度があるわけでございますけれども、その目的なり役割を簡潔に申し上げたいと思います。 構造改革特区につきましては、一等最初は平成十四年からの制度でございまして、全国どの地域でも活用できる規制改革を措置する制度ということでございます。件数は、以前に比べるとかなり減ってきているという状況でございます。 総合特区につきましては、財政支援も含めまして総合的に支援していこう、そういう制度が特徴でございます。 さらに、国家戦略特区につきましては、何といいましても岩盤規制の改革に突破口を開く、こういう制度の趣旨でございます。 地方創生特区は、ただいま先生がおっしゃいましたように国家戦略特区の一部でございまして、ただ、その国家戦略特区の枠組みを活用して規制改革による地方創生の新たなモデルを構築しようとする、そういう制度でございまして、それなりにそれぞれ異なる役割を有していると考えております。
○高井委員 一応、今、すみ分けているように説明はいただきましたけれども、もともと歴史が違うというか、そのときの政権によってつくられてきた特区が順番にあって、そしてそれが今も生き残っているがゆえに、やはりそれぞれの違いを持たせなきゃいけないということで、ちょっとつじつま合わせ的な説明に私には聞こえました。 私はこの国家戦略特区は今やはり安倍内閣の目玉だということだろうと思うんですけれども、これは総理もこういう発言をされましたし、石破大臣もおっしゃったと思いますが、世界で一番ビジネスがしやすい国、そういうものを目指そうという中で国家戦略特区というものが位置づけられていると考えております。 では、これが果たしてそうなっているのかということであります。 これは我が党の福田委員の代表質問でも取り上げたかと思いますけれども、世界銀行のビジネス環境ランキングによれば、二〇一四年で十九位だったものを二〇二〇年までに三位に持っていこうという戦略目標がある、しかし、現実にはことし、二〇一六年は二十四位に後退しているということで、世界で一番ビジネスがしやすい国というその目標に照らして、この国家戦略特区というのが果たして本当に機能しているんだろうかというところが非常に疑問なわけです。これは、大臣、いかがでしょうか。
○石破国務大臣 世界銀行のランキングだけが一つの指標かといえばそうでもないんでしょうけれども、その数字はよく検証というか、見ていかなければいけないと思っています。うちも頑張っているけれども、よそももっと頑張っているものねというような、そういう面があるのかもしれません。 私は、そういうものを見るときに、対内直投の対GDP比というのが上がっていかなければだめなんだろうなというふうに思っております。その場合に、いろいろな特区制度を活用してどれほど海外の方々のビジネスがしやすくなったか、あるいは日本人もそうなんですけれども。先ほどの青柳委員の御質問にもお答えしましたが、日本人がそもそもビジネスをやりにくくないかというところもあるんだろうと思います。ですから、スタートアップですとか、そういうものを使って外国人の方々あるいは若い方々、女性の方々が業を起こしやすいような状況をつくっていかねばならないと思っております。 国家戦略特区で申し上げれば、居住環境を含め世界と戦える国際都市の形成、医療等の国際的イノベーション拠点整備といった取り組みを行っておるわけであります。東京圏では、都市再生プロジェクトというものを用いまして、都市計画の認可手続をワンストップ化する、これは明確に終期を定めたことによりスピードが物すごく速くなりました、よって二・五兆円の経済効果が得られましたということですし、増大する外国人患者のニーズに応えるために、二国間協定の締結または変更により外国人医師を新たに受け入れ、自国民のみならず全ての外国人患者に対する診療を可能としているとか、いろいろな玉はあるわけです。 実際に、外国の方、若い方、女性の方、起業したいと思っている方、あるいはもう一つは、岡山もそうかもしれませんが、地方において、もう商売は自分の代で終わりだという方が多くて、廃業がすごく多いわけでございます。子供にも後を継がせられないし、自分の代で終わりだということで、新規に開業するということもそうなんですけれども、廃業が非常にふえているというのはなぜなのだろうかということも見ながら、ビジネスがしやすいということが抽象的な言葉に終わることなく、いろいろな分野において数字がきちんと実証可能になるような成果を上げたいと思っております。
○高井委員 私は、特区、世界で一番ビジネスがしやすい、まあ、ビジネスがしやすいという面を考えると、金融とか税制とか財政上の支援はやはり欠かせないんじゃないかと。 総合特区ではこういった支援があったわけです。ただ、これはかなりばらまきのようになってしまって件数もふえて、現政権は余り評価をされていないのかもしれませんけれども、それであれば、総合特区をそのままやれということではなくて改善した上で、しかしやはり金融、税制、財政上の支援というのはあるべきではないかというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。
○佐々木(基)政府参考人 お答え申し上げます。 国家戦略特区と総合特区の性格の違いというものもございまして、今、国家戦略特区におきましてはベンチャー企業等の先駆的な事業に対する金融上の支援措置でございますとか設備投資減税や研究開発税制の特例といった税制上の措置は用意されているわけでございますけれども、お話がありましたように、今、国家戦略特区につきましては規制・制度改革による事業の促進というものを柱としておりますものですから、総合特区制度と同様の財政支援措置を盛り込むということにはなっていないわけでございます。 ただ、今後のことでございますけれども、困難な規制改革課題にチャレンジする自治体には、地方創生に関する交付金というものが今度できましたので、そういったものを積極的に配分するといったことで、規制改革と資金支援をパッケージにした地方創生ということを集中的に推進していってはどうかというふうに考えているところでございます。
○高井委員 私は、この特区が地方創生特区と一緒になっているところに少し、先ほど冒頭申し上げた世界で一番ビジネスがしやすい国を目指すというところとちょっと矛盾があるのかなと。やはりいろいろな地方を活性化させるための特区というのはそれはそれであった方がいいんでしょうけれども、財政上の支援ということでいえば、今十カ所ですよね、特に都心部が多いわけでありまして、ではそこにだけ支援をすればいいのかということとは私はちょっと矛盾してくるんだろうと思っています。 そういう意味でいうと、観点が変わりますけれども、やはり規制緩和、これについては私は、特区である必要はないというか、試験的に特区でやってみてそれをいち早く全国に拡大する、これが役割でありますから、必ずしも東京とか大阪とかだけでやる必要はなくて、もっともっと広げていけばいいと思います。しかし、現実には今二百の自治体に提案してもらっているのに、特区という性格を考えればそんなにふやせないということで十にとどまっている。これはちょっと私は矛盾しているんじゃないか、地方創生という観点からも矛盾しているんじゃないかと思っています。 構造改革特区というのがまだあるわけですから、先ほどの御説明で数は減ってきているとちょっと言ったような気がするんですけれども、そこは減らすことではなくて、こういった二百の自治体が提案してきているのであれば、それをその構造改革特区でもっともっと活用して規制緩和を進めていくべきじゃないか。 新聞報道を見たら、国家戦略特区で検討するからちょっと待ってくれとか、受け付けられないというような対応もあったと。事実かどうかわかりませんが、そういう報道もあったんですが、それはやはり構造改革特区というものを余り活用していないということではないかと考えますけれども、大臣、いかがですか。
○石破国務大臣 構造改革特区自体の数というのは確かに御指摘のように減っております。この制度ができたのが平成十四年度だったと思いますが、千七十七件だったのが平成二十六年度は百六十一件だということなんですけれども、数が減ったからもうこれは要らないよねという話にはならないと思っています。 私どもとして反省しておりますのは、これを使ってみませんかというPRというのか、きのう私はキャンペーンという言葉を使いましたが、その自治体の職員の方あるいはその市町村長の方々がこれをやってみたいねと思えるような商品の売り込みというのは、私どもはもう少し努力が必要なのではないかと思っております。 今年度も政務もみんな動員いたしましてこの活用というものに、わかっていただけるようにしなきゃいけないし、御提案があった場合に、委員がおっしゃるように、ちょっとお待ちくださいとか、ほかの制度がありますからとか、そういうことではなくて、一緒になって実現するようにいたしましょうというようなマインドをもう少し醸成したいと思っておるところでございます。 国家戦略特区法でございますが、そこには二つの構造改革特区法の連携に係る規定、すなわち、構造改革特区の規制改革事項について国家戦略特区の区域計画上の認定ができる、国家戦略特区の規制改革提案について構造改革特区の提案としてみなすことができる、こうなっているんですけれども、これは言われただけでは何のことだかさっぱりわからぬというお話であります。 ですから、これはこういうことですよということをわかりやすく御説明しなければなりませんで、この規定を活用いたしまして、北九州市におけるシニアハローワークの設置等々実際に実現できたものがあるわけですから、国家戦略特区、構造改革特区の一体的な運営とは何だ、そしてそれによっていかなる相乗効果を目指すんだということをさらにわかりやすく自治体の方々あるいは国民の皆様宛てにお示しして、この制度のさらなる活用というものを図りたいと思っておるところであります。
○高井委員 私は、この構造改革特区と国家戦略特区をうまく使い分けたらいいんじゃないかなと、今の大臣の御答弁も聞いていて思いました。 先ほど、世界で一番ビジネスをしやすい国にする、まさに世界を相手に特区をつくっていこう、これはやはり東京とか大阪とかいったところでやるべきかなと思いますが、そういった規制緩和をどこかの地域でまず試しにやってみよう、そういう目的であれば、私は、構造改革特区をもっと使っていただいて、自治体に広く求めていけばいいんじゃないかなと。どうしても国家戦略特区でやろうと思うと十をそんなに数をふやせない、今までふやし過ぎたという反省もあるんだと思いますから、そこはぜひちょっと御検討いただきたいなと思います。 ただ、もう一つの、世界でビジネスを一番しやすくするという観点のほかに、岩盤規制と言われる非常に厚い規制に何とか風穴をあけたい。これは、安倍総理が一昨年の一月になりますか、二年以上前に、岩盤規制は二年で集中改革をするというふうにダボス会議で宣言された、そこからスタートしているのだと思いますが、二年で集中改革をするとおっしゃったわけで、二年たちましたけれども、どうなんでしょうか、これはもう達成できたとお考えなのか。そして、そのお考え次第ですけれども、今後どこまでそれをやっていくというお考えなのか。これもあわせて大臣にお聞きいたします。
○石破国務大臣 この二年間で四十五の規制改革を実現したわけであります。メニューを活用しまして、現在、十区域に上る国家戦略特区というものを設けておりまして、二年間で百七十一の事業を進めました。具体的には、旅館業法の特例による特区民泊、外国人家事支援人材の活用による女性の社会進出支援、公立学校運営の民間委託を認める公設民営学校の設置等々があるわけであります。 今申し上げた特区民泊にしても外国人家事支援人材にしても公設民営にしても、そんなものは絶対にだめとおっしゃる方も大勢いらっしゃいました。そういうものをこの制度を活用して実現できるようにしたというのは成果だと思いますが、以上、おしまいという話になるわけはないのであって、集中取り組み期間が終わりましたからこれで終わりというお話には全然ならないわけであります。 今年度からの取り組みに関係いたします新たな目標というものにつきましては、今月十三日、特区諮問会議がございました。そこにおいて、特区というのはどうだったのという評価をしなければ次の話になりませんもので、評価というものも発表し、総理にも御認識をいただいたところであります。 次回の会議はそれほど遅くなく設定したいと思っておりますが、そこにおいて、今年度からどのような取り組みをするのか、そしてどのような目標を設定するのかというのを遅滞なくというか可能な限り早く設定し、集中取り組み期間が終わったからそれでおしまいということにはしないということでございます。
○高井委員 それでは、少し観点が変わりますけれども、私は、先ほど申し上げましたとおり、この国家戦略特区は、世界一ビジネスをしやすい国にする、そういう発想からすれば……。その前に、今、山口筆頭理事がお席に戻られたので、実は岩盤規制のことで一つ質問したかったことがあります。 それは、岩盤規制の象徴はやはり医学部の話、それから獣医学部の話。特に獣医学部の話、四国の話でございます。愛媛県の今治市で獣医学部が特区のメニューの中に入ったということで、実はこれは、新聞記事を持ってまいりましたけれども、十年来の悲願だと。 私も実は、民主党政権のときにも国会議員をやっていましたけれども、そのときからずっとこの問題に取り組んできているんですけれども、実は獣医学部というのは半世紀新設されていないんですね。ところが偏在があるんです、獣医さんの数というか、まず大学が四国には一校もない、それから中国、四国合わせても二大学しかないということで。私は岡山ですから、非常に中四国で獣医さんが足りない、やはり大学がないとなかなか県庁とかそういったところで採用しようと思っても採用できないという問題があって、ずっと要望し続けてまいったんですけれども、なかなかこれが実現しなかった。それが今回の国家戦略特区で一つの希望が見えてきたわけではありますが、しかし、まだこれは決まったわけではない、これからいろいろな課題があるということなのであります。 私は、きょう文部科学省に来ていただいていると思いますけれども、これはぜひ実現をしていただきたいと強くお願いいたします。いかがでしょうか。
○松尾政府参考人 お答えいたします。 獣医学部の新設についてでございますけれども、全体的に獣医師の需要がおおむね充足していると考えられることから、告示において現在抑制されているところでございます。 一方で、現在、先生御指摘の愛媛県今治市などから獣医学部の新設につきましての提案が出されているところでございまして、愛媛県今治市につきましては国家戦略特区として区域指定がされているところでございます。 その上で、獣医学部の新設についてでございますけれども、昨年改訂されました「日本再興戦略」改訂二〇一五に記載が盛り込まれているところでございまして、それに基づきまして、現在の提案主体による既存の獣医師養成でない構想が具体化し、ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な需要が明らかになり、かつ、既存の大学・学部では対応が困難な場合には、近年の獣医師の需要の動向も考慮しつつ、農水省等とも連携して、全国的見地から検討を行ってまいりたいというふうに思っている次第でございます。
○高井委員 獣医の数が足りているんだというお話でありますけれども、東日本大震災のときも獣医師の方が足りないと。 あと、私は動物福祉などもやっていますけれども、今、殺処分というのをできるだけ減らしていこうという中で、獣医さんによる安楽死をさせる役割というのも、私のイメージからすると獣医さんが非常に足りないし、ましてや中四国という意味では非常に足りていない。大臣も中国地方でありますので、ぜひ。 私は、きのうも質問の前にレクチャーさせていただいて、今回もいろいろな省庁にまたがるものですから本当にたくさんの役所の皆さんに来ていただいて申しわけなかったんですが、しかし、聞いていると、この質問はどっちが答えるんだというところで内閣府と各省庁のせめぎ合いもありますし、また、結局それは各省庁が決めることですからというようなものが多いんですね。しかし、それであればそもそも内閣府は要らないじゃないか。 国家戦略特区をやるのはある意味各省庁を説得してやってもらう、私はまさにそのトップにいるのが石破大臣だと思います。この獣医学部の件も含めて、こういった各省庁がいろいろ抵抗することに対してそれを説得する役割が石破大臣じゃないかと思いますけれども、大臣、いかがですか。
○石破国務大臣 きのうも議論がありましたが、これはみんなもろ手を挙げて賛成なんというようなことはないわけであります。さればこそ特区というものを使って、メリット、デメリットというのか、そういうものをきちんと検証して、全国展開というのを前提とはいたしません、前提としているんだったら特区なんかやらなくていいので、それがどうなんだろうねということを検証しながらやっていくというお話なのであります。各省庁、省庁というよりも、その後ろにいろいろな利害関係がございますのでね。でもそれをだからこそ特区でやってみようよということを申し上げるのが私どもの責務であって、さればこそ今国会にもいろいろなものを提案させていただいておるわけでございます。 獣医学部について申し上げれば、私もまだ若いころに鳥取大学に獣医学部をつくりませんかという話を随分とやってうまくいかなかったという経験もございますが、結局、獣医さんのライセンスをお持ちの方でも、今、産業用動物、そういうものに携わっていただける獣医さんの数が足りないのではないだろうか。そうすると、獣医さんの数全体の問題というよりも、お医者さんじゃありませんが、その偏在みたいなものもひょっとしたらあるのかもしれないというふうに思っております。 今文科省からお答えを申し上げましたように、平成二十七年六月三十日に閣議決定がございます。「日本再興戦略」改訂二〇一五というものでございます。そこは今文科省が申し上げたとおりの内容ということになっておりまして、これをきちんと満たしたかどうかということはやはりきちんと検証されてしかるべきであろうというふうに思っております。 閣議決定でございますので、この趣旨は極めて重いものでありますから、実際にそれでも必要だということになれば、それはそれを拒むものではございません。この閣議決定の意味をよく理解しながら私どもは今後進めてまいりたいと思っております。
○高井委員 今、大臣、経験があられるので、産業用動物と小動物の偏在の話をしていただきましたけれども、同じように地域の偏在も、中四国が足りないという問題もありますし、あと、この問題は実は農水省と文科省でいろいろせめぎ合いというか、私もお願いしても、どっちが責任を持つのかよくわからないというようなことがありました。こういうものこそまさに内閣府が出て、大臣が調整していただくことかな。もちろんさっきの閣議決定を満たすことが前提なんでしょうけれども、いずれにしても、これはぜひ、ここまで来たわけですから、実現に向けてお願いしたいと思います。 それでは、ちょっと観点が変わりまして、東京の話をしたいと思います。 私は先ほど、この国家戦略特区というのは地方創生特区という意味合いも大事でありながら、世界で一番ビジネスをしやすい国、そして世界のロンドンとかパリとかニューヨークとか、そういったところと戦って日本に魅力を持ってもらう、それにはやはり東京だろうと思います。舛添知事が、新聞記事なんですけれども、金融センターをつくりたいと。東京国際金融センター構想、東京を米国のウォール街やイギリスのシティーに並ぶ地位にしたい、今回がラストチャンスだ、これを逃せば日本経済は立ち直れない、これはまことにもっともな指摘であります。 実は、フィンテックという金融とITが融合した言葉がありまして、あした財務金融委員会ではフィンテックに関連する法案が審議されるんですが、私はそこでも質問に立つんです。このフィンテックというのが世界で今大変注目を浴びている、しかし、日本は周回おくれだと言われている。各国とも国が前面に出て、先ほどの、アメリカでいえばウォール街、イギリスでいえばシティー、こういったところに拠点をつくったり、そこにさまざまな規制緩和をしたり金融の支援をしたりマッチングの場をつくったり、そういうことをやって、まさに世界の中から、フィンテックというのは金融とITですから、ITのベンチャー企業とかがどんどん集まっている、こういった状況になっているわけです。 今回、国家戦略特区の中で東京も、東京地域が指定されて、十カ所ぐらい、大手町のあたりに金融拠点を整備したいという東京の構想があるわけです。私は、まさに東京がやろうとしていることと国がいかに支援できるかということで、これは日本の中のバランスというよりも、世界と戦っていく、そして世界で一番ビジネスのしやすい国をつくるという最初に総理が言われた原点からすれば、こういったことが大変重要だと思っているんです。実際に東京都知事と話ができるのは大臣しかいないと思いますが、大臣は舛添知事とはこういう話し合いをしているんでしょうか。特に、この国際金融特区ということについて大臣はどうお考えになっているか、お聞かせください。
○石破国務大臣 舛添さんとは、まだ舛添さんが国会議員になる前から三十数年来の友人でありますので、たびたびといってもお互い忙しいのでしょっちゅう会っているわけにはいきませんが、事あるごとに会っていろいろな意見交換はしておるところでございます。 御指摘のように、国家戦略特区制度を用いまして本年四月十三日に認定いたしておりますが、大手町常盤橋地区におきます国際金融拠点を整備する都市再生プロジェクトというものもこの構想の一環であるというふうに思っておるところでございます。 金融センターという、箱物とは言いませんが、そういうものをつくったときに、今委員御指摘のような、どういうようなビジネスをやっていくか、どういうような商品をそこにおいて提供するかという、むしろそっちの方が大事なのかもしれないなと思ったりいたしております。この手の話は、周回おくれのトップランナーみたいな話にならないものですから、やはり世界最先端を走っていかねばならないだろう。 これは累次申し上げていることでございますが、地方創生というと何か、地方ばかりが何かやるのかよというような話になります。そうではなくて、東京が持っている金融ですとかあるいは情報ですとか文化ですとか、そういうものの発信力というものをさらに高めるということも地方創生の重要な眼目の一つでございます。 そこにおいて金融というものをどのように活用していくかということは、これから先、舛添さんともよくお話をしながら、早い実現というものを期してまいりたいと考えております。
○高井委員 先日、このフィンテックに一生懸命取り組んでいるベンチャー企業の方々に国会に来ていただいて超党派の勉強会をやったんですが、そのときに出た意見が、東京というのはチャンスなんだ、世界のロンドンでもニューヨークでも、これだけ国の機関が集中して集まっていて、そして民間企業も集中して集まっている、こんな立地はないんだと。あとは国なり東京都なりがほかのアメリカやイギリス並みに応援してくれたらもう一気に、フィンテックという今まさに始まったばかりの、周回おくれと言いつつもまだ十分追い越せるチャンスがある分野で、私はこのフィンテックというものの一大拠点を東京につくるべきだと。 これはまず真っ先に舛添知事に言わなきゃいけないんでしょうけれども、それを応援したり、あるいは舛添知事をその気にさせていただくのも石破大臣のお役割だと思いますので、ぜひそのことは気にかけていただきたいと思います。 それと、もう一つ、東京の話なんですけれども、竹芝にコンテンツ特区、私は総務省出身なのでICTが専門で、コンテンツに着目した特区をつくろうといってCiP協議会というのが、私の総務省の元先輩というか上司の中村伊知哉さんという方が理事長でやっているんですけれども、まさに竹芝にデジタルコンテンツの拠点をつくると。それはもう、アメリカ、ロンドンや、パリや、シンガポール、ソウル、あるいはボストン、西海岸、こういったところをつなぐ拠点をつくっていこうという非常に壮大な構想を今東京都と一緒にやっておられるんです。 しかし、その中で幾つか特区の要望を出されています。正式に出ていないのかもしれませんけれども、その中で著作権特区と電波特区というのがあって、特に著作権特区というのは、私は実は岡山県庁に総務省から出向していた当時に特区で提案をして、そのときも文化庁からけんもほろろに断られたことがあるんです。これは何かというと、いろいろデジタルコンテンツをホームページ上でアップしたりアーカイブしようと思っても、例えば著作者不明の戦前の写真とか戦時中の写真とか、もう誰が著作者かわからないから、本当は載せたいんだけれども、しかし、その許諾を得るのに非常に時間がかかったりお金がかかってできないと。 私はこんなものは本当は日本全国早く変えたいんですけれども、すぐにできないのであれば、まずは特区でこれを試しにやってみる、そして問題がなければ全国に広げるというふうにやるべきだし、それから電波特区というのも提案されていますが、これはいろいろな外国の製品とかが電波の技術基準適合確認というのを受けなきゃいけないんですが、これを例えば竹芝のこの拠点だけは緩めてまずはそれをやってみる、使ってみる、そういうような特区を私はやればいいんじゃないかと考えます。 きょうは、文化庁と総務省、それぞれ来ていただきました。大分時間がなくなってきたので、簡潔にちょっとお答えいただけたらと思います。
○磯谷政府参考人 お答え申し上げます。 お尋ねのアーカイブ特区に関しましては、その構想の具体的な内容等について当事者において検討中ということなどがございますので、現時点で個別にお答えすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、一般論としましては、委員御指摘のように、著作権法が私人間のルールとして無体物である著作物について私人間の財産権を想定するものであるところ、特定の地域においてのみ特例を認めるということは特区制度には基本的にはなじまないと考えておりますが、政府としましては、アーカイブの利活用促進が大変重要な課題というふうに考えております。 御指摘いただきましたように、例えば文化庁においても著作物等のアーカイブ化の促進に資するための著作権利者不明等の場合の裁定制度について累次の改善を行ってきておりまして、二十六年には権利者捜索の要件の緩和、申請手続の簡素化、そしてさらに、ことしの二月には過去に裁定を受けた著作物等について権利者捜索要件をより緩和するなどの措置を講じております。 今後とも、権利者不明著作物の活用に向けて必要な措置を講じていくとともに、デジタルアーカイブの活用促進について、関係省庁と連携しつつしっかりと取り組みを進めてまいりたいと思っております。
○渡辺政府参考人 お答え申し上げます。 電波の利用形態につきましては国によって異なる部分も多くございまして、したがって、日本の技術基準に適合しない外国の無線機を日本国内において使用した場合、他の無線システムに混信を与えるという可能性がございます。このため、外国製の無線機を国内で使用するに際しましては、技術基準適合証明を取得することにより、我が国の技術基準に適合していることを確認いただくという必要がございます。 一方、外国の無線局を実験的に使用したいという場合に関しましては、今御説明した技術基準適合証明を取得いただかなくても、実験試験局という制度がございまして、これによって無線局免許を取得することによって使用することが可能でございます。 また、総務省では、特区など特定の地域においてあらかじめ一定の調整を行っていただくということで、実験試験局の開設に要する期間を大幅に短縮し、実験がより迅速に行えるような、実験試験局制度の見直しといったものを昨年実施したところでございます。これによりまして、通常ですと六カ月ぐらいの免許の処理期間といったものが一週間から二週間ぐらいに短縮されるということで、さまざまな実験をより迅速に行うことが可能となったというふうに認識してございます。 総務省としましては、今後も、特区におけるさまざまなニーズに対応いたしました円滑な電波利用の実現に向けまして、しっかり取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
○高井委員 実は、私が岡山県庁で著作権特区を要望したときも、同じ答えというか、著作権は規制じゃないと言って断られたんです。それはそうかもしれませんが、そこは別に、特区が規制だけをやる、役所的にはそういう答えかもしれませんが、それで世の中がいろいろうまく回っていくのであれば、そういった範囲を少し広げてやるということも、ぜひそれは政治決断でやっていただけたらなと思いますので、また御検討ください。 それでは、続きまして、ICTという観点で、これも特区で候補に挙がっていますが、自動走行、自動運転。 これは、小泉前政務官がこう言っています。日本を世界初の完全自動走行社会にしたいというふうに言っていたわけです。これは果たして一体、私も全く賛同しますけれども、では、いつまでにどうやって達成するんでしょうか。 これは関係省庁もかなりまたがるので、法改正とかさまざまな課題が多い。それでも、世界各国どこだって課題がありますからね、それをいち早くやることで、日本がまさに世界で最初にこの社会をつくったら経済効果だって物すごく大きいし、社会的な利便も広がりますから、これを一体どういうスケジュールでやられようとしているのか、お聞きいたします。
○向井政府参考人 お答えいたします。 自動走行に関しましては、政府のIT戦略本部におきまして、政府全体の戦略を含むロードマップ、官民ITSロードマップ二〇一五を策定しているところでございます。 その中で、加速、操舵、制動を全てドライバー以外が行い、ドライバーが全く関与しないいわゆる完全走行につきましては、その想定試用時期を二〇二〇年代後半以降としているところでございます。 完全自動走行の実現には、システムの研究開発、実証、道路交通法、道路運送車両法等の関係法令の制度整備、高精度地図等のデジタルインフラ、いわゆるGPSのさらなる精緻化というのがございます。 課題は多岐にわたるわけでございますが、一方で技術進歩も日々進んでいるところでございます。したがいまして、これらの想定時期をさらに早めるようなことも含めて、今後さらに、完全自動走行の早期実現に向けて、関係省庁と民間企業が一体となって積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
○高井委員 先ほども申しましたけれども、ジュネーブ条約という条約があって、運転手が乗っていなきゃだめなんだとか、あるいは技術の進歩がある、これは全部世界共通ですから。その中で日本が一歩も二歩も踏み出るためには、しかし、今内閣官房が答えていただきましたけれども、警察であったり、国交省であったり、総務省であったり、経済産業省であったり、関係省庁が非常に多岐にまたがる、こういうのを前に進めるのは我が国は非常に苦手だ、私は官僚出身でありますのでそう思うんですね。ですから、向井審議官は一生懸命頑張っていただいていると思いますが、ぜひこれも政治の後押しで、政治のリーダーシップで進めるんだと言わないと各省庁は絶対動きませんから、ぜひこれは石破大臣にもお願いをしたいと思います。 あと五分になりましたので、もう一つ関連して、ドローンについてお聞きいたします。 ドローンも、安倍総理が官民対話で三年以内に実用化するというふうに発言されていますけれども、これは具体的にどうやって三年以内に実用化する考えなのか、お聞かせください。
○蔵持政府参考人 お答えいたします。 委員御指摘のとおり、安倍総理から、早ければ三年以内にドローンを使った荷物配送を可能とすることを目指しますとの御発言があり、その御発言を受けて、昨年十二月より、官民にわたる幅広い関係者の知見を結集して議論を行っているところであります。 現在、将来的な小型無人機の利活用を見据えた技術開発や環境整備を進めていくために、利活用と技術開発に関するロードマップの取りまとめに向けた作業を進めるとともに、さらなる安全確保の制度設計の方向性について今年夏までに取りまとめることとしております。また、千葉や徳島ではドローンを活用した荷物配送の実証実験も行われているところでございます。 小型無人機は空の産業革命とも言われる新たな可能性を有する分野でありますので、安全の確保を万全にしつつ、新産業の創出それから国民の生活の質の向上の観点にも配慮して、バランスのとれた取り組みを進めてまいりたいと考えております。
○高井委員 今の御答弁は内閣官房の蔵持参事官、内閣官房副長官補室がこのドローンをやっているんですね。これも国交省、警察庁、総務省、いろいろな省庁にまたがって、結局ここがやっていますけれども、内閣官房副長官補室なんて本当に少ない人数の中で、なぜここがまだやっているんだろうか、早く向井審議官のIT戦略室に移すかですね。やはり体制が非常にいろいろな省庁にまたがることがICTの分野は多いんですけれども、それがなかなか進んでいないという問題があります。 もう一つ、ICTについてお聞きしたいんですが、今、ドローンや自動走行もそうですけれども、あるいは医療とか教育とか農業とか国家戦略特区の中でも話題になっている、今回の法案の中でも医療は出てきますけれども、こういったいろいろな省庁にまたがる規制をICTという観点で一括して一括法を出してしまおう、規制緩和の一括法をつくろうという構想が、これは民主党政権のときもありましたし、今回も内部ではそういう検討をされているというふうに仄聞しているんですけれども、これもいち早く整備すべきじゃないでしょうか。いかがですか。
○向井政府参考人 お答え申し上げます。 ITは地域、世代を超えたあらゆる分野で活用される基盤でありまして、これは時代の流れ、所与、これを前提に考えないといけないということでございます。 一方で、御指摘のとおり、いろいろな分野でいまだに書面を原則とするというふうな規制が各所で残っておるところでございます。 現在、私どもでは、そのような規制を総ざらいしまして、その中で特に民間のニーズの強い、多いもの等をピックアップいたしまして、それをできるだけ規制を改革するような方向でやっていきたいと思っております。 どういう形にするか、一括法とか、そういう形になるのかどうかというのはまた別でございますけれども、ITを使いました情報の利活用を進めていくという観点からもこういうふうな取り組みが必要だと思っておりまして、今後とも真剣に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○高井委員 これは本当に大事なことだと思うんですね。ぜひ本当に、今国会にも出してほしかったですけれども、次の国会では必ず出していただきたいと思います。 今答えられた向井審議官のIT総合戦略室というのは七十名しかいないんですね。しかも、半分が民間からの出向者ということで、この七十名でこれだけのいろいろな省庁にまたがる規制やICTの問題を取り上げるのは本当に無理がある。私は総務省に、総務省も同じようなことをやっていますので、総務省から百名ぐらい人を出して一緒にやったらどうですか、そういう提案もしていますけれども、ぜひこのIT総合戦略室に頑張っていただきたい。 そして、石破大臣にも、各省庁をまたがったり規制を変えていくことを今IT総合戦略室は一生懸命頑張っていますので、ぜひ大臣からも応援していただきたいということをお願いして、時間になりましたので、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○山本委員長 次に、井坂信彦君。
○井坂委員 民進党の井坂信彦です。 特区の議論をさせていただくのは私、実は今回が初めてになりますので、せっかくの機会ですので、そもそも論から大臣と議論をさせていただきたいというふうに思います。 まず、規制緩和、これは、私は、よい提案が出てきたときは、別に特区限定ということではなく、当然全国で最初からやっていただくべきだというふうに思います。規制緩和のよい提案、なぜ最初から全国で実施せずに特区限定で始めるのか、お伺いいたします。
○石破国務大臣 これは、なぜ最初から全国でやらぬのかというお話であります。特段の懸念事項がなければ速やかに全国で展開すべきだ、それは基本的にはそのとおりなのであります。 ただ、規制を改革したときに、いわゆる負の側面というのか影の面というのか、これは意外とわからないことがあるのかもしれない。あるいは、今回の農地等もそうですし服薬指導もそうなんですけれども、最初からそういうことが起こるんじゃないかというふうに懸念をされている部分もあるわけで、いきなり全国展開というよりは、まず特区で実証してみましょうということであります。そういたしますと、区域を限定し、実証的に実施をするということになるわけでございます。 全国展開については、その評価をきちんと行いました上で、特区諮問会議の調査審議などを通じて、適切にというのはできるものは早くやっちゃいましょうということだと思いますが、実施をしてまいりたいというふうに考えております。 やはりこの特区の制度というのは、今まで、岩盤規制かどうかは別として、そういうような規制をするべき理由があったので。それが、時代が変わりました、農地もそうです、服薬指導もそうです、有償自家用自動車運送もそうなんですが、時代が変わったのでということだけで全国展開していいことにはならない。しかしながら、そこにおいてきちんとした知見が得られたとするならば、そこは全国展開を遅滞なく行うべきものだ、そこにおいて必要な手続を踏む、こういうことであります。
○井坂委員 私が少しなぜだろうなとわからないのは、大臣がおっしゃるとおり、それはどんな変更も、やってみたら思わぬ負の側面があったということはあると思うんです。ただ、通常のおよそあらゆる法改正は、時代の変化とともに法改正を行って、そして全国一律にやるわけであります。もしやってみて本当に予想できなかった負の側面が出たときのために、三年後とか五年後の見直し検討規定も入れたりなんかしながら、やはり全国一律でルール変更するというのが基本中の基本だというふうに思うんですね。なぜ規制改革だけ特区限定なのか。 特段の懸念事項が当初からあれば、それは当然、こういう懸念があるので全国でいきなりやると弊害も大きいだろうということで地域限定あるいは期間限定で試してみるということは一定理解ができるわけでありますけれども、やってみなければわからない負の側面ということが理由で地域限定ということにはならないというふうに私は思うんですけれども、そこはいかがですか。
○石破国務大臣 それは、多分こういうことだと思いますね。 賛成もあれば反対もあるんです。この手のお話というのは、例えば企業が農地を所有するということを考えてみても、このお話は少なくとも私が政務次官をしていたときからありましたね、森内閣、随分昔の話になりましたが。そういう話がずっとあって、賛成もあれば反対もあるわけです。それぞれバックグラウンドがあるわけです。そうしますと、どっちもいろいろな御意見はおありでしょうが、地域限定の特区でやってみて実際にどうなのかというものを見ましょうねというステップを踏まないと前に進まなかったというのは、実際問題としてそういうことがあったと思います。 規制改革に反対される方々も、別にそれが既得権益とかネガティブな言葉でくくられちゃうようなそういうのではなくて、それなりにいろいろな安全性とかなんとかを考えておっしゃっておられるわけで、やはりそこは、こういう特区の手法を使ってやるということが事を前に進めるために一番現実的だという判断をしておるところでございます。 ですから、いきなり全国展開ということになるとかえって物事は前に進まないのではないだろうかというふうに思っておりまして、この特区の議論にしても、我が党の中でも、賛成、反対、かんかんがくがくいろいろな議論がございました。恐らく御党でもそうだと思います。 というようなことなので、やはり特区というものを使って実証しましょうというステップを踏む、そのことによって懸念が払拭されるか、あるいは懸念された事項が顕在化するとするならば、それに必要な措置を講ずるということによって全国展開ということが一番現実的ではないかなというふうに思ってこのような手法を用いているところでございます。
○井坂委員 賛否相半ばする課題、その中で地域限定でまずはやらせてもらって、そして、その中で大臣がおっしゃるように実証して懸念が払拭されれば、それはまた次のステップ、全国展開に行けるだろうと。逆に、懸念が想定どおり、やはりこれはまずいんじゃないか、やってみたらやはりこの規制は緩和すべきじゃないんじゃないかとなれば、全国展開どころか、むしろ、これからはもう特区内でもやってはいけないという話になるんだろうというふうに思います。 そこでお伺いをいたしますが、地域限定で実証実験をして、それで、全国展開するのか、それとも特区も含めてやらないのか判定をしていく、ここは私も一定理解をするところであります。 ただ、そうお聞きして、では実際の仕組みはどうなっているんですかということで事前にかなり担当の方に詳しく実情をお聞きしたんですが、大臣がおっしゃるところの懸念、懸念のあるかないかの実証実験という意味での特区であれば、当然、全国実施できない理由となる問題点、懸念、要は、最初から全国でやったらまずい、こういう懸念があるんだということがあって、それが事前にちゃんとリストアップをされていて、では特区でまずやらせてくださいと特区でやったところ、この懸念のリストが、これは大丈夫だった、これも大丈夫だった、これも心配したほどではなかったということになって、そこがちゃんと検証されて、では皆さん、全国でやっても問題ないですよね、こういうところまでしっかり段取りされていれば私は大臣のおっしゃった御説明で理解ができるんです。 ところが、実際どうもそうはなっていないように思われますので、お伺いをしたいと思います。 地域限定で実証実験とおっしゃいますが、全国実施できない理由となる問題点、懸念、これは事前にリストアップをまずしているのか。また、問題が実際に起こるか、特区で実証実験とおっしゃるんですから測定をちゃんとしているのか。さらには、その検証をして全国実施の可否を判定する仕組みはあるのか。これは通告どおりです。お伺いいたします。
○石破国務大臣 そうでないとこの特区の制度は意味がないんだと私は思っておりまして、懸念される事項かくのごとしというのは、実際に法律案を作成します場合にも、これでもかというほど上がってきております。それに対してどういう法律構成をしてこの特区というものをやっていくのかということも、一つ一つについて私が知る限り相当に詰めた議論をし、法制局との協議も経ておるところでございます。懸念事項というものは考えられる限りリストアップをして、それを実証すべく特区を運用するということになります。 そこでどうでしたかということも、それは不断の点検というものを行っていきながら、その期間を了したので、そこから、さて今から検証を始めましょうかというようなことではなくて、その検証というものを不断にやっていくということでございます。 ですから、特区というものの運用が終わりましたときに、全国展開をするか否かということは、間髪を入れずにとは申しませんが、余り時を置かずにやらないと、時代の変化というものにこの国のいろいろな構造がついていかないということになるのだというふうに考えておるところでございます。 定量的に効果を予見するということは、定量的にですよ、定性的にはわかるんですけれども、定量的に予見をするということは極めて難しいので、全国展開に関しましては個別に判断をすることになりますが、基本的な考え方は今申し述べたとおりでございます。
○井坂委員 事前に担当の方と随分しつこく議論しましたので、多分、今そういう御答弁だと思うんです。ただ、実態、要は、懸念のリストは山ほどあるんだ、それは日々チェックしているんだとおっしゃいますが、本当にそうなのかというふうに私は思っております。 大臣が今おっしゃったそういう考え方で特区を運営していただいている、政治家、トップとしての大臣のそういうお考えは私は同意をいたしますけれども、ところが、実際の運用を見ていますと、別に懸念のリストもどこにも見当たりませんし、また、この懸念の測定の方法も事前に決めているような様子は全くうかがえません。さらには、先般出された第一次指定の六区域の最初の評価、これも私、拝見しましたけれども、そういう懸念に関する記述は一切なく、単に、改革メニューが使われたのか使われなかったのか、また、よい経済効果があったなかった、そのことしか評価をされていないわけであります。 大臣が今おっしゃったことは私、同意をいたしますが、実際の仕組みとして、要は、いわゆる本当にPDCA、プランもされていないというふうに思いますし、チェック、実証実験ですから、これがありやなしやというものを特区で調べるんだ、ありやなしやはこういうふうに測定をするんだ、その測定結果に基づいて、なければ全国展開をするし、懸念が思った以上にあればこの規制緩和はだめだというふうに判断をします、こういう仕組みが私は現状ないというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○石破国務大臣 このPDCAというのがワークをしているかどうかというのは、きちんとこうやってチェックを行いましたよ、そしてまた、まず最初の段階で、プランの段階で、こういうことを検証しますよということはかなり精密にやっているつもりですが、委員の御指摘でもございますので、さらに改善の余地があるかどうかは、よく指示をして、また議論もさせていただきたいと思っております。 特にCの部分、チェックの部分は、どういう項目をどのように判断するのか。定性的、定量的、両方ございます。定性的にしか判断できないというものもございますので、どのように改善をする必要があるのか、私も役所に帰りましてもう一度見直しは指示いたしますが、ぜひ議員の方からも、こことこことここはこういうふうにした方がよいのではないかという御提案があれば、また真摯に承りたいと思っております。
○井坂委員 ありがとうございます。ぜひ、地域限定の実証実験というコンセプトの部分をしっかり貫徹していただきたいというふうに思います。 それでは、今回の法改正の各論に移らせていただきたいと思います。 まず、クールジャパンの外国人材受け入れということでありますけれども、これは実際何をされるんですかということで事前に担当の方に伺いましたところ、外国人が日本で就労する際の基準を明確にするガイドラインを作成するんだ、こういうことであります。 参考人にお伺いいたしますが、これはそもそも特区限定でやるような話なんでしょうか。
○佐々木(聖)政府参考人 委員御指摘のとおり、クールジャパンにかかわる外国人材の受け入れに関しまして、就労できるか否かの予見可能性を高めるべく、現在、当省におきまして、関係省庁と協議しつつ、在留資格、技術・人文知識・国際業務のもとで就労が可能なケース等をわかりやすく例示したガイドラインの作成を進めているところでございますが、本ガイドラインに関しましては、国家戦略特別区域内のみの取り扱いを示すものではありません。
○井坂委員 国家戦略特区内のみでのガイドラインではない、全国共通のガイドラインだということであります。 隣に書いてあります、民間と連携した出入国手続の迅速化、これも事前にお伺いをしたんですけれども、これは、出入国管理の際のバイオカートという仕事の民間委託をしていくんだ、こういうことでスピードアップを図るんだ、こういうことを御説明いただきました。 これは特区限定なんでしょうか。
○佐々木(聖)政府参考人 今年度におきまして、まず初めに関西空港、高松空港それから那覇空港への導入を予定しているものでございますが、特区内にこれを設けるというものではございません。
○井坂委員 これも別に特区内に限った話ではないということであります。 ちょっと参考人に続けてお伺いをしたいんですけれども、今回、国家戦略特区法の一部改正ということで七つの目玉があるうちの二つがクールジャパン外国人材の受け入れ、それから出入国手続のスピードアップということで、七分の二の分野を受け持っておられるわけでありますが、今おっしゃったのは全然特区限定の話ではないということでありますから、今回、特区限定で行う二分野の規制緩和は何がありますか。
○佐々木(聖)政府参考人 今の時点で想定しているものはございません。
○井坂委員 そうすると、具体的な規制緩和のメニューは全く想定もされていないし、自治体から具体的な提案もないけれども特区でやるということですか。
○佐々木(聖)政府参考人 この法律に規定されました以上、また今後につきまして可能性はあるかと思いますが、先ほど御報告申し上げましたように、今の時点で法務省として想定しているものはないということでございます。
○井坂委員 ちょっと大臣にお伺いをしたいんですけれども、今、クールジャパンとか出入国手続の迅速化に関しては、現状想定されるものは、特区限定ではなく全国一律の対策、変更を準備されていると。 いろいろ今耳打ちされていますけれども、これは具体的な改革メニューも今はない、自治体からの提案もないということで、先ほどの実証実験だという話に立てば、そもそもメニューがない中で、当然懸念事項も何もない、なぜこれが最初から特区でしかやらないというふうにやってしまうんですか。
○石破国務大臣 これから特にクールジャパンについては、特区の使い方というのが、かなり可能性があると私自身は思っておるところでございます。きょう最初の質問にもお答えをしましたが、出入国管理、もちろん出入国の厳正は担保した上でですが、主に法務省のテリトリーになろうかと思いますが、これを特区において活用する可能性というのはこれから先あるだろうというふうに思っています。 実際の現状について申し上げれば今何かのニーズがあるわけではありませんけれども、そういうようなニーズは、これから先、恐らくかなりの確率で発生すると思っております。そういうものに対応できるような仕組みというものはつくっておく必要があると考えておる次第でございます。
○井坂委員 ちょっと、私、大事なところだと思いますので重ねてお伺いしますが、出入国管理の迅速化とかクールジャパン人材の受け入れ促進、これはいいことだ、私はやるべきだと思うんですよ。何も特区に限定する必要はないと思うんです、基本的にこういったよいことは。 特区限定にする理由は何ですかと最初にお伺いしたら、いろいろ後ろから言いわけの準備をしておられますけれども、具体的な懸念があるから地域限定で実験するんだ、こういう議論でここまで来たわけですが、具体的なメニューもなく、当然具体的な懸念もない中で、なぜこの分野の規制緩和は特区限定でやると最初から決めてしまうんですか。
○石破国務大臣 観光客も含めたでございますが、外国の方の受け入れにつきましては、クールジャパンにかかわる外国人材の受け入れ促進という御提案、これは幾つかの方からの御提案をいただいております。具体名をここで申し上げることはいたしません。お尋ねがあればお答えいたしますが。あるいは、民間事業者と連携した出入国手続その他の空海港における手続の迅速化ということは、福岡市あるいは沖縄県から提案をいただいているところであって、具体的な提案が全くないというものではございません。 これを実際に展開しますときに、やはり出入国管理という極めて国家主権にかかわりますこと、あるいは国民の生命、身体、財産の安全等にもかかわることでございますので、この運用というのはかなり厳格に行う必要性があろうかというふうに思っております。 必要性もあります、そういう人材を活用するという必要性と、出入国管理の厳正化、厳正化というものを担保した上での迅速化というものを図る場合に、やはりこれは特区という手法の活用の可能性というのは随分あるのではないか。これが出入国管理に関しますものであるだけに、いきなり全国展開ということは、それこそ懸念なしとしないという考え方でございます。
○井坂委員 今のところ、ニーズはあるとおっしゃいましたけれども、具体的なメニューがまだない中で、この分野は特区でやるような、要は、まだ何もないけれども具体的な懸念が多くありそうな規制緩和がこれからたくさん出そうだ、こういうことなのかなというふうに思います。そういう見通しのもとに、あらかじめ今回、雑則やら附則ですか、検討事項の中に入れていく、こういう御説明でありますが、私は、最初から申し上げている議論の中で、ここはやや苦しいところではないかなというふうに正直思っております。 同じ文脈で次のこともお伺いしたいんですが、テレビ電話での服薬指導ということも出てきております。 私、ふだん厚生労働委員会におりますので、これも賛否相半ばする問題だということはわかっておりますが、今回、要は、本当に遠隔診療するような地域に限って、しかも特区内かつ僻地というところでこういったことを解禁するということでありますが、私はこういうニーズはあると思うんですね、別に特区内に限らず。別に、特区といったって都会みたいなところもいっぱいあるわけですから、そうじゃなくて、これはもう全国の僻地で実証実験をやっていただいたらいいんじゃないかなと思うわけでありますが、これは通告は参考人だったので、参考人にお伺いします。
○森政府参考人 お答えいたします。 今回の特例措置は、平成二十七年六月に閣議決定されました「日本再興戦略」改訂二〇一五に基づきまして、遠隔診療のニーズに対応するために、医療機関や薬局といった医療資源が乏しい離島、僻地について、国家戦略特区において実証的に、対面での服薬指導が行えない場合にテレビ電話を活用して服薬指導を可能とするよう法的措置を講じるというふうにされたものでございます。 処方薬につきましては、薬剤師と患者の双方向で柔軟かつ臨機応変なやりとりを通じて患者さんの状態を慎重に確認するということとともに、適切な指導、それから、その指導内容を確実に理解していただく、こういうことが重要でございまして、平成二十五年の旧薬事法改正におきましても対面の服薬指導というのが義務づけられまして、その際、処方薬の対面での服薬指導は堅持するものというふうに附帯決議が行われております。今回の特例措置を実証的に行うことも含めまして、慎重に議論をすべきものというふうに考えてございます。
○井坂委員 賛否があって慎重にというのはわかるんですが、これを特区内の僻地とする理由があるのかということです。別に、全国、特区外の僻地でだってやったらいいというふうに思いますので。 ちょっと時間がありませんから、次のテーマに行きたいと思います。 医療機器開発の迅速化ということでメニューに上がっておりますが、これはどのような規制緩和を行いますか。
○森政府参考人 お答えいたします。 革新的な医療機器の開発から承認、市販までのプロセスを短縮化するということのために、個々の医療機器の特性に応じて必要とされる有効性、安全性等のデータを適切な試験計画に基づいて集めることが重要だと考えてございます。 このために、平成二十三年度より、大学あるいはベンチャー企業などに向けました薬事戦略相談というものを医薬品医療機器総合機構において実施してまいっております。 今般、これに加えまして、国家戦略特区内の臨床研究中核病院、ここを対象にしまして、必要に応じて、医薬品医療機器総合機構、PMDAの職員を出張させまして、臨床試験など承認申請に必要な試験の実施に関する助言を行わせていただくことによりまして、革新的な医療機器の効率的な開発計画の立案とその円滑な実施を支援するということで、特区医療機器薬事戦略相談というものを昨年の十一月より開始しているところでございます。
○井坂委員 今回、このメニューというかこの分野では、PMDAの職員さんが臨床研究中核病院の方に出前相談に応じる、これが規制緩和だということでありますが、最後におっしゃった、昨年十一月から始めているということであります。これは既にやっているということなんですが、これは特区法を改正しなくてももう十一月からできていたということですか。特区法改正は必要なんですか。
○森政府参考人 昨年十一月から実施を始めているところは事実でございます。 このような薬事戦略相談は柔軟に対応することが大事だと考えておりまして、実態として先にやらせていただいておりますが、このような仕組みをより強固でかつ明確に行われるようなものとするために、今回、特区法ということで検討いただいているということでございます。
○井坂委員 法律が変わる前から既にやっていたことが今回の法改正の規制緩和のメニューだということであります。 特区内の臨床研究中核病院にのみこれを許すということでありますけれども、今、臨床研究中核病院は結局、特区内にほとんどあって、柏市の国立がん研究センター東病院ですか、ここだけが特区外の臨床研究中核病院であります。ここももうやったらどうですか。
○森政府参考人 お答えいたします。 国家戦略特区内においては高度な医療を提供するための特例などの措置が行われておりまして、こうしたことを踏まえて、医療分野の国際競争力強化と拠点形成を図る上での相乗的な効果が期待されるということで、国家戦略特区内の臨床研究中核病院をこの措置の対象としてございます。 このような観点からは、現在、特区外に所在します国立がん研究センター東病院、柏市でございますが、こちらは本措置の対象外というふうになってございますが、この病院で開発されている医療機器につきましても、PMDAが行う治験相談や従来からやっている薬事戦略相談など、こういったものを御活用いただくことで効果的な臨床開発を進めるように助言をしてまいりたいというふうに考えてございます。
○井坂委員 従来からやっている普通の薬事戦略相談、要は出前で相談には応じないけれどもということですよね、それで足りるんだったら、別にそんな、今回わざわざ特区のメニューですといって出前相談を特区内だけで行う必要はないんですよ。従来のでは物足りないから出前相談という新たなメニューをやって。 特区特区とおっしゃるけれども、これはもう臨床研究中核病院に必要な政策なんじゃないですか、特区に必要というより。全部で八つあるうちの七つが特区内で、残りがこの柏だけなので、柏だけ除外する意味が私はよくわかりませんが、ちょっと、柏はこれまでどおりでいいんだ、柏以外七つは特区だからよりいろいろしてあげるんだ、そこの整合性を教えてください。
○森政府参考人 お答えいたします。 委員御指摘の、いい医療機器を開発するところにはできるだけ手を差し伸べるということが大事であるということについては、私どもも全く同感でございます。 この件につきましては、昨年十一月から実施要綱を公表して始めているところでございますが、これらの実績を積み重ねる中で、効果的な相談、助言ができるように、今確かめながらやっている段階でございます。それを踏まえて、今後さらに対応してまいりたいというふうに考えてございます。
○井坂委員 だから、ちょっとしつこくて申しわけないんですけれども、別に、最初、臨床研究中核病院の八つのうち七つ限定で実験しようと、八つ全部で実験しようと一緒じゃないですかと言っているんです。私は別に柏から何か頼まれているわけではないですよ。別に柏と何もないですけれども、やはり政策というのは基本的にはフェアにやらなければいけないというふうに思いますから、単に特区という縛りがこの政策にとって正しいのか、それとも臨床研究中核病院向けの政策として臨床研究中核病院に限って実施すべきなのか、私は後者だと思いますが、いかがですか。
○森政府参考人 お答えいたします。 御趣旨につきましては、私どもも思いを同じにするところでございます。 ただ、拠点形成を進めるということ、それから、実際に開発をしている具体的な案件があるかといったこと、こうしたことを踏まえて、個々のケースについての取り扱いについてなるべく前に進めるように検討してまいりたいというふうに考えております。先ほど申し上げたとおりでございます。
○井坂委員 時間の問題もありますので、ちょっと次のテーマに行きたいと思いますけれども、今回、また次のメニューですが、障害者雇用率、これも、一社だけでなくて複数社で障害者雇用の人数を合算することを認めていこうという規制緩和、これが特区限定で拡大をされるということであります。 これまでは、事業協同組合、水産加工業協同組合、商工組合、そして商店街振興組合、この四種類の組合、グループは最初から全国で障害者雇用を通算できる、合算できるということで既にやられておりましたが、今回追加をされるLLPと略される有限責任事業組合、これは今回特区限定でこの通算、合算制度を解禁するということであります。 参考人にお伺いいたしますが、これまでは全国でやっていたのに、このLLPだけ、よほどの理由があったのか特区限定にして全国では始めない、これはなぜですか。
○広畑政府参考人 お答え申し上げます。 ただいま御指摘いただきました今回の措置でございますが、中小企業が複数集まって事業協同組合などを設立した場合に一つの企業とみなして障害者雇用率を算定します事業協同組合等算定特例の仕組みにおきまして、御指摘のLLPを活用することで、中小企業におきます障害者雇用の促進を図ろうとするものでございます。 これは、一社のみでは障害のある方に行っていただく仕事量の確保が困難でございます中小企業の要望を踏まえまして、平成二十一年度に事業協同組合等の特例を創設いたしましたが、その実績は四件と少ない実態にございます。 また、LLPの活用については今回初めて提案を受けております。今回の改正案は、特区制度を活用いたしまして、意欲のある地域で先行的に実施をいたしまして、設立の手続やあるいは運営の仕組みが比較的簡便で、また異業種の事業主の参加も期待できるLLPを活用した障害者雇用の促進について、必要な事前規制とあわせまして、その可能性を検証することとしたものでございます。 特区制度は市町村が主体になってございますので、特区制度を活用しようとする意欲のある自治体と協力いたしまして特例措置の周知や活用促進の取り組みが可能であることから、この特例が活用されることを期待しております。 全国展開につきましては、その実績を踏まえまして検討してまいりたいと考えております。
○井坂委員 これまでの四種類の組合は平成二十一年から始めたけれども、全部合わせて四件しか使われた例がない、だから、今回は、意欲のある自治体に優先的に使ってもらうという意味で特区にしたんだ、こういう御説明であります。 そこで、お伺いいたします。 やる気のある自治体を最初から確保するという意味で特区にしたということでありますが、そもそもこれを最初に提案した自治体はどこでしょうか。
○広畑政府参考人 お答え申し上げます。 私どもは徳島市と聞いております。
○井坂委員 徳島市がやる気があると手を挙げてきたので特区でやるということでありますが、この徳島市というのは、今回、特区に入っていて、このLLPの合算、算定特例は使えるんでしょうか。
○佐々木(基)政府参考人 お答えします。 徳島市につきましては、国家戦略特区に今入っておりません。
○井坂委員 大臣、おかしくないですか。 要は、特区ではなくて全国でやってくださいと言ったら、全国でやっても前回手を挙げるところがなかったので、今回は手挙げをしたやる気のある自治体に限って認めるという趣旨で特区で始めますとおっしゃったんです。やる気があると手を挙げた自治体はどこですかとお聞きをしたら、徳島市ですと。ところが、徳島市は特区に入っておりませんから、やる気があって手を挙げたのに、今回特区に限っているがゆえにこの特例は使えないんです。おかしくないですか。
○石破国務大臣 釈然としないですね、しません。 でありますからして、障害者雇用の特例の提案を行っていただいた徳島などの自治体についても、今後特区に指定をするという可能性、これは当然残っているわけでございます。ですから、どうも、先ほど来の議論を聞いていると、何か変だねという感じが当然しないではない。徳島県の山口筆頭もいらっしゃいますが、何か不思議な感じがしないわけではありません。ですから、特区の指定というものを今後行う可能性というのは当然あるわけでございまして、その点をよく踏まえながら、おかしなことというものが起こらないようにしていかねばならないと思っております。
○井坂委員 今回、LLPはなぜ特区限定なのか、しかも、提案した徳島市がそもそも使えない仕組みでやるのかということで、端的にわかりやすい事例として議論させていただきました。ただ、これは、この問題だけではなくて、実は国家戦略特区の抱える構造的な問題でもあるというふうに思っています。 つまりは、全国でやはりいろいろな規制改革、規制緩和のアイデア、メニュー提案、いろいろな自治体が出し得るわけです。ところが、特区外の自治体、今回の徳島市のようなそういうところが幾らいい提案を出しても、国家戦略特区に国にお認めいただくというのは大変ハードルが高いことですから、今も全国に全部で十しかないという中で、では徳島市が特区に来年認められるのか、再来年認められるのか、これはなかなか見通しが立たないところだろうというふうに思います。そうすると、これはもう構造的な問題ですけれども、いい提案を出したのにそれは出した自治体は使えずに、そして、国際戦略特区の改革メニューですといって提案していない十の特区内の自治体は別に手も挙げていないけれども使っていいよ、こういうことになる。 私は、大臣がちらっとおっしゃった、これは国家戦略特区とはやや違う仕組みになるかもしれませんが、やはり手を挙げた一番やる気のあるところが真っ先にそれを身をもって実行できる、リーディングプロジェクトとして世に問うことができる、また実証実験の現場を持つことができる、こういう仕組みがこの国家戦略特区の裏に構造上必要だというふうに思います。大臣、いかがでしょうか。
○石破国務大臣 政府のやっていることも完璧とは限りませんので、それはそれを期すように努力をしなければいかぬわけです。さればこそ、こういう議論をしているわけですね。こちらはもちろん完璧のつもりで出していますが、いろいろな御指摘を承りながらやっていかねばならぬ。もちろん、政府としてそういうものを出すべく努力もしています。ですけれども、いろいろな御提案というものをいただきながらやっていく、改善していくというのは当然のことであって、政府としてそういう謙虚な姿勢を持つことは必要で、これは全く修正の余地なしなぞという傲慢なことを申し上げるつもりは私は全くございません。 そういたしますと、今の徳島の例で申し上げれば、これを今後特区に指定するという可能性は当然残っているというか、あるというふうに先ほど申し上げたとおりでございます。ですから、委員がおっしゃいますように、この国家戦略特区の持っているいろいろな不都合といいますか、構造的に持っている問題点というものをどのようにバックアップしていくかということは考えていかねばならないことでございます。 ですから、今回、徳島が要望したのに特区じゃないからだめよ、ほかのところは要望もしていないのにこういう恩恵というか、そういうものに浴するのは変じゃないかということなんですけれども、このことだけで国家戦略特区をやっているわけじゃございませんので。ほかの多くのメニューもございます。ですから、こういう徳島のような例をどのようにしてこれから先対応していくかということは、御指摘も踏まえて私どもとして検討してまいりたいと思っております。
○井坂委員 これまでも議論があったと思いますが、今、構造改革特区、総合特区、それから今回の国家戦略特区と、三種類それぞれ微妙に役割と守備範囲が違う特区が併存しているわけであります。事前に私はこの問題を担当の方に指摘申し上げて、これは国家戦略特区じゃなくて構造改革特区で、やりたい自治体がどんどんできるようにすればということを申し上げたんですね。ところが、国家戦略特区になぜかこだわっておられるということであります。 私は、別に、これを国家戦略特区に入れるのもいいと思いますよ。ただ、こういうことをやり過ぎると、まさについ最近、第一次の六特区での評価書に書いてあったように、せっかくメニューを解禁したのに誰も使ってないやないかということがどんどんふえてくるわけです。だって、特区内の自治体が誰も手を挙げていないのがどんどん特区メニューに入ってくるんですから。だから、そうではなくて、国家戦略特区に入れてもいいですけれども、やはり手を挙げた自治体がちゃんと真っ先に使えるようにする、こういう制度をつくるということ、そのやり方はもちろん大臣の方がお詳しいでしょうけれども、こういう運用をする。 ちょっと国家戦略特区について私がきょういろいろ御指摘を申し上げたのは、いろいろな改革メニューを何でも特区特区とやり過ぎではないかなというふうに思います。臨床研究中核病院の問題も、お聞きになっていて、もう別に柏もやったらええんちゃうかなと思われたんじゃないかと思うんです。あるいはクールジャパンとかあの辺も、まだ何もない中で本当に特区限定でいいのかと私は申し上げました。 ぜひ、この国家戦略特区、これを大々的にやりたい政権としてのお気持ちはわかるんですが、やはり、本来の趣旨は、いい提案は全国展開、それができない理由があれば特区で実証実験、それはきちんとやっていただきたいですし、この国家戦略特区がいいのか、構造改革特区がいいのか、あるいは総合特区がいいのか、これは案件ごとに虚心坦懐に振り分けていただきたいと思います。 最後に一言お願いをして、質疑を終わります。
○石破国務大臣 御指摘、確かに承りました。 さっきの柏の場合は、私どもの所管ではございません。厚生労働省においてよくよく検討した上でこういう結論になったものと思いますが、しかし、その柏のがんセンター東病院でしたかについても、この特区の意図するところがそこにおいても発現されるような、そういう運用がなされるというふうに承知いたしております。 完璧ではないと申し上げたのは、完璧ではないものを最初から出そうと思っているわけではなくて、そういうような御指摘を踏まえてよりよいものにしていく、そのために委員会の議論というのはあるのであって、完璧じゃないものを出しちゃいかぬよというような場外発言がございましたが、そんなつもりで私どもは申し上げているつもりは全くございません。御指摘をよく踏まえて、今後対応いたしてまいります。
○井坂委員 終わります。ありがとうございます。
○山本委員長 次に、篠原豪君。
○篠原(豪)委員 民進党の篠原豪でございます。 我が党としては、この法案質疑の最後になりますので、これまでの議論を踏まえながらお話を伺いたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 政府は、国家戦略特区について、成長戦略の一丁目一番地として取り組んでいます。この基本方針にあるとおり、従来の特区制度では十分実現できなかった規制改革、いわゆる岩盤規制、これはもう何度も出てきていますけれども、この改革を実行する突破口として創設したものだと思います。きのうの連合審査では、宮崎委員などからもありましたけれども、やってみてうまくいけばそれを全国に本格導入して広げていく、そのための可能性を探る制度だというふうに理解しています。 その中で、私がまず気になるのが、本法律案に、一定の要件のもとに、特区の中に特例を活用できる地域を政令でさらに限定的に定めて、かつ五年間の時限措置とする農地法の特例、これも盛り込まれているところだと思います。これはもうずっとこの間議論がありましたけれども、これは、私からしても、見ようによっては、国家戦略特区の中にさらに別の意味合いを持たせた特区をつくるというふうに見えるわけです。 あくまでも期限を区切った試験的な制度ということであれば、本措置は国家戦略特区制度が目指した理念にそぐわないのではないか。また、今後も、いわゆるこの岩盤規制の緩和について、地域限定で、かつ時限的な措置を盛り込んでいく、そういった可能性はあるのでしょうか。大臣に伺います。
○石破国務大臣 時限を限った特例措置が講じられるのは今回が初めてなので、そういう議論というものは当然起こってくるものだと思っております。 企業の農地所有の特例、今回の法案に盛り込んでいるものでございますが、時限を限りました特例措置でありましても、実施状況の評価を通じ、新たな制度改革につながるということは十分考えられるものでありますので、時限を区切っているのでこれはだめだということにはならないのは委員も御承知のことでございます。 では、五年たったらどうなるのということは、今の時点では決まっておりません。しかしながら、今後、実施状況の評価が行われる、経済社会の構造改革の観点からの新たな制度改革が行われることというのは十分に考えられることでございますので、特区の理念というものに違背するものではないと考えております。
○篠原(豪)委員 そうはいっても、やはり、やってみてうまくいけば全国に導入していくというのは、では時限で全国にいろいろと導入していくのかという話にもつながっていくと思います。だけれども、継続的にやっていくというものであるのであれば、何か少し、何で期間を区切ったのかなというところは、私としては気になります。 次に、東京の一極集中に逆行するかもしれないということについてお伺いしたいんですけれども、オリンピックに向けて、東京では、国家戦略特区を使った大規模プロジェクト、これが数多く進行中です。その規模については、四月十三日に公表された三月三十一日付の国家戦略特別区域の評価を読んでみますと、対象事業だけで二兆四千五百億円規模の経済波及効果を見込んでいるとしています。 これは、特区制度の成果としては、東京だけを考えればよいことにも見えますけれども、一方で、一極集中にこれは拍車をかけていくのではないか、この特区制度を使えば。言いかえれば、地方創生を進めるとして、これは東京でブレーキを踏みながら同時に地方でもアクセルを吹かしているというような状況になっていくんじゃないかと思います。 そこで、地方創生と東京一極集中の是正に向けた施策のあり方を今この時点でどういうふうに思っていらっしゃるか、改めて伺います。
○石破国務大臣 この国家戦略特区の活用は、もちろん東京に限ったものではない、全国的に展開するものであって、そこに都市と地方の差を設けているものでは全くございません。 私は累次申し上げておることですが、地方創生というプロジェクトは、東京の富と人を全国にばらまきましょうなぞという、そんなことを考えているわけではない。東京の持っているいろいろな特性、金融でありますとか文化でありますとか情報でありますとか、その力はさらに高めていかなきゃいかぬと思っているのでございます。 東京の一極集中是正というのは、また別の機会に議論させていただければありがたいのですが、結局何で一極集中になっているか。というのは、いろいろな原因があって、十八歳のとき、あるいは大学を卒業した、あるいは高等教育機関の教育を了した後にわっと入ってくるというのが実は一極集中の大きな原因であって、この国家戦略特区とはまた違うものではないかと思っております。 東京は東京で稼いでもらわなきゃ困るので、東京の持っている力を最大限に国家戦略特区を用いて発現させていくということは、東京の一極集中是正ということと違う考え方に基づいているものだとは私は別に思っておりません。 よく整理をして御説明するようにいたしたいと思います。
○篠原(豪)委員 わかりました。 これを見せていただきますと、東京圏はすごいプロジェクトが多いんだなというふうに思います。十五事項四十二事業ですか、本当に多岐にわたっていますね。それこそ、いろいろな整備事業もそうですし、公証人役場外定款認証事業とか、地域限定保育士事業とか、あるいは医師の養成に係る大学の設置事業とか、本当にいろいろなものが入っていて、こういう金額になっていくんだなというのが……。それはそれで、やはり、こういうことをしっかり一つにまとめてやっていくというのは私も大事だとは思っています。 ただ、地方に対して、こういったことがどういうふうに作用して、結局、財源もいろいろなものも限られているので、どういうふうにきちっと見ていくのかというのは大事なところだと思いますので、よろしくお願いします。 私の地元の神奈川でも、実は、国際戦略総合特区として、京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区というのをやっています。これは、グローバル展開する企業による革新的な医療品、医薬機器の開発、健康関連産業の創出を進めるものです。神奈川県はこれだけじゃなくて、実は東京圏国家戦略特区にも入っていまして、こちらの方は、最先端医療、最新技術の追求と未病を治すという二つのアプローチで、ヘルスケア・ニューフロンティアといって、医療と未病の観点から、健康寿命日本一ということで、新たな市場、産業の創出を目指します。 横浜市でも、みんなでこれから健康でやっていこうというので、万歩計を皆さんに配ってやったりするような事業ももう既にやっていまして、これはとてもいい取り組みだというふうに思っているんです。 これは、どちらも健康医療産業を中心にした取り組みであって、県では一つの推進本部が両特区を所管しています。 何が違うのかというのが気になったので調べたんですけれども、法目的を確認してみると、国家戦略特区法の方は、「産業の国際競争力を強化するとともに、国際的な経済活動の拠点を形成すること」となっています。これはきのう、寺田委員が大分この点について質疑をさせていただいたんだと思います。一方の総合特区法の方は、「産業の国際競争力の強化及び」、ここからが違って、「地域の活性化に関する施策を総合的かつ集中的に推進すること」となっています。 ということになると、国際競争力の強化が国際戦略総合特区、地域の活性化が地域活性化総合特区を指すものだというふうに考えます。しかし、国家戦略特区と総合特区の目的は、冒頭にも申し上げましたように、産業の国際競争力の強化が入っているのは同じで、その後に違う概念、地方創生ということが加わっていることを除けば、目指すところは、とりようによってはどちらも同じだというふうに考えられる。 そうなると、総合特区の方は財政措置もありますので、地方自治体にとっては総合特区の方がメリットがあるというふうに考えるのが自然ではないかと思います。であるならば、この違う制度を、さっき井坂委員からも議論がありましたけれども、これを別個にいつまでも続ける必要は、もはやないんじゃないかということです。 このことについては、去年の審査の際にも、構造改革特区も含め特区制度全般を整理する必要があるのではないかということを議論し、大臣自身も、歴史が積み重なってわかりにくくなっているということで、ユーザーフレンドリーという観点からどうかという認識を示されたというふうに思います。 では、それで御答弁いただいたようにその後進んだのかどうかということが気になりますので、ここでお伺いします。 国家戦略特区制度と総合特区制度の特例措置を相互に適用する、あるいは一つにまとめていくといった措置を講じた方がいいんじゃないか、これは参考人にお伺いします。
○佐々木(基)政府参考人 お答えいたします。 国家戦略特区制度と総合特区制度について、今先生おっしゃいましたように目的も若干違うということでございまして、したがって、案件の募集の仕方でございますとか、手続というものも違っているわけでございます。 そういうこともございますものですから、総合特区で認められた規制の特例措置を直ちに一律に国家戦略特区に認めるということにつきましては、両制度の趣旨、手続等からいって十分に検討が要るんじゃないかというふうに思っております。 ただ、当然のことでございますけれども、国家戦略特区の区域会議におきまして、総合特区の特例措置につきまして、国家戦略特区で活用したいという具体的な提案があれば、当然のことながらワーキンググループ等において検討し、各省庁と折衝した上でその実現に向けて努力していくということになるわけでございます。
○篠原(豪)委員 そうはいいましても、やはり歴史が積み重なって、大臣御自身も、これはユーザーフレンドリーという観点からどうしたらいいかということをおっしゃっていましたので、これはもう将来的にやはり統合していくという方向で考えたらいいのかと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○石破国務大臣 累次お答えしておりますように、目的が違うので二つの制度があるわけです。ただ、ユーザーの側からすると、何が国家戦略特区で何が総合特区なんだかよくわからないというところがありまして、やり方としては、この二つの連携というものを、実際に今、そういう連携で実績もあるわけでございます。 この国家戦略特区と総合特区をどのようにして連携してやっていくかということのノウハウというものをよくわかりやすく御説明をして、両制度の特性を生かしながら効果を発現していくというやり方を私どもとしてはとりたいと思っていますが、仮に委員御指摘のように統合するとしたら、どういう統合の仕方があるのかということは、法律的にどう組み立てるかというのもございますので、それは検討してみたいと思っています。 名前を一つにして、タイプA、タイプBとかすると、名前は一つになったが、結局、今までと変わらないじゃないというようなことも起こり得ることでございますので、今のところは、この連携というものをどのようにしてよりよく活用していくかという方向で詰めていきたいと思っておりますが、仮に委員御指摘のように統合するとせば、どのような法律構成になっていくのかということを、もし委員の方でお考えがあれば、こういう形でどうなんだろうかというふうに御提案をいただければ、大変に私どもとしてもありがたいと思っております。 政府として今のところこれを統合する考えはございませんが、仮に統合するとせば、こんなことだというようなことをお示しをいただければ、これは私個人としては大変に参考になると思っております。
○篠原(豪)委員 ありがとうございます。 統合をするしないは別にして、本当にこれからいろいろと提案も出てきて、いろいろな形がある中で、本当に使い道のいいようなもの、これはもう特区制度そのものかどうかわからないという話はさっき井坂さんからもありましたけれども、やはりそういったことをしっかりと次のステージとして考える段に来ているんじゃないかと思いますので、ぜひ一緒に、僕たちはそんなに力はありませんので、ぜひ石破大臣のリーダーシップをもってやっていただいて、それに対して何かあれば御提案させていただくなりさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。 評価についてもう少しお伺いしたいんですけれども、平成二十七年度国家戦略特別区域の評価、六区域合同国家戦略特別区域会議、三月三十一日に出したものですね、公表されたのは四月ですけれども。これで、一次指定された六特区、東京圏、関西圏、新潟市、養父市、福岡市、沖縄県について初めての評価が行われました。 まず、今回の評価結果を受けて、特区で成功したと思われる点、あるいは失敗したと思われる点について政府はどのように考えているのか、率直にお伺いいたしたいと思います。
○佐々木(基)政府参考人 お答え申し上げます。 個別には、具体的な成果はかなり上がってきているというふうに思っております。 前にも御紹介をさせていただきましたけれども、例えば旅館業法の特例で特区民泊をスタートさせたりとか、外国人家事支援人材を活用した女性の社会進出支援に取り組んだりとか、あるいは公立学校運営の民間委託を認める公設民営学校の設置、こういったことで具体的な成果としては上がっていると思っております。 その一方で、失敗した点といいますか、うまくいっていない点ということにおきましては、これは国家戦略特区の特色の一つでもございますけれども、本来活用されるべき改革メニューが未活用のままでいるというものがかなりあるということについて、これが反省点ということで、評価でも上げられたところでございます。
○篠原(豪)委員 おっしゃるように、評価すべき点と今後に向けた課題が記載されていますけれども、政府の一年目の取り組みとしては、おおむね良好に進捗をしているんじゃないかということも認識をしているんです。 しかし、今回の評価結果そのものについてお伺いしたいんですけれども、基本方針にある評価項目というのは、主に、個別認定事業の進捗状況、規制改革事項の活用及び見込み状況、そして追加規制改革事項の提案状況について評価を実施したというふうになっております。 他方で、同じ基本方針に、その他の評価項目として、認定区域計画の実施により実現した経済的社会的効果、次に、区域計画において設定した目標の達成状況、また政府の成長戦略である日本再興戦略で設定したKPIへの寄与度、これも、規制の特例の活用によって弊害が生じている場合には、弊害の内容及び対策の実施状況といったものも評価しようというふうになっております。 しかし、今回の評価において、こうした観点で見てみますと、こうした観点での評価結果は見当たりませんでした。なかったですね。そうなりますと、これは、なぜ言われている評価項目があるにもかかわらずこれをしなかったのか、その理由は何か、そして、それが十分だと思っているかどうか、お伺いをいたします。
○佐々木(基)政府参考人 お答えいたします。 国家戦略特区の評価についてでございますけれども、これも国家戦略特区が持っている特色と言えるかと思いますけれども、単にどのくらい成果があったということだけではなくて、本来活用されるべき改革メニューが未活用のままになっているのがどのくらいあるかとか、あるいは今後の規制改革事項の活用見込みとか提案状況といった、それぞれの公共団体の特区に取り組む姿勢についても総合的に評価をしているところでございます。 数値で実施状況を評価するということも非常に重要な視点であると考えておりますけれども、今回の評価につきましては、次元の異なる多様な改革事項を幅広く取り上げて総合的に評価するように努めた結果というふうに考えております。 いずれにいたしましても、御指摘のように、評価の方法につきましては、今後とも検討を行いまして、よりよい評価ができるよう必要な見直しを行っていくことが必要だと考えております。
○篠原(豪)委員 国家戦略特別区域の評価に関する基本的な事項として、定量的な目標の設定を区域計画においてやりましょうと。国家戦略特区において実施されるプロジェクトについては、成果目標の設定及びPDCAサイクルによる進捗管理を適切に行うことが重要であることから、法第十二条において定期的に評価を行うと。その際、これは石破大臣がずっとおっしゃられている再興戦略KPIなどの項目の達成にどの程度貢献できるかをできる限り設定することとなっていまして、いろいろと項目があって、目立っているところは実際に評価されていないんです。 ですので、これは大臣がおっしゃっていることと大分違ってしまっているんじゃないかというふうに思いますので、一言いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○石破国務大臣 改善すべきは改善していかなければなりません。 だから、政府が言っておいてみずから何だよみたいな、そういうそしりを受けないようにさらに改善に努めてまいりたいと思います。
○篠原(豪)委員 大臣が一番おっしゃられている肝の一つでもありますので、ぜひよろしくお願いをいたします。 次に、沖縄県についても、実はいろいろとこれまでにもありまして、活用している規制改革が二項三事業と、他の区域に比べて著しく少ないと評価をされております。昨年四月の段階では区域計画の認定も受けていないということで、特区指定の取り消しも、第一次指定区域の改革の成果を早急に評価し、進捗がおくれている区域については、指定の取り消しも含めた厳格な対応も検討すべきだというような、報道においてもそういう声が出ているということであります。 そこで、現状、いろいろと制度をつくっても、実際には活用していることが少ないんじゃないかという話が少しありました。その点は改善しなきゃいけないということをおっしゃっていたと思うんですけれども、この現状を見て、沖縄県の取り組みをどのように評価しているのか。また、この特区諮問会議において出たような話で、例えば、それは別に沖縄じゃなくてもいいんですけれども、やっておいて、その後の取り組みでこれがしっかりと機能していないとなったときには特区指定の取り消しということも行っていくという可能性はあるんでしょうか。どうなのかということを石破大臣にお伺いいたします。
○石破国務大臣 特区指定の取り消しというものは当然あることでございます。 民間の有識者からは、評価の低い特区等に対しては、指定の取り消しも含めた厳格な対応を求めるという御指摘もございまして、これは遊びや冗談で特区をやっているわけじゃないので、活用していただかないとすれば、特区というのは厳選してやっておりますので、そうであれば、ほかのところでやった方が効果が発現するということであれば、そういうことも当然あり得ることだと思っています。 残念ながら、沖縄につきましては、やや取り組みで、もう少し頑張っていただけませんかというのがないわけではございません。これは、地方創生全てそうなのですけれども、国と地方との共同作業でございますので、私どもとして沖縄県に対して、一次産業でありますとか観光分野でありますとか、そういう分野での特例の御活用をお願いしたい、あるいは追加の規制改革の御提案をいただきたいというふうに私どもは思っておるところでございます。 これは私、沖縄に行くたびに申し上げていることですが、沖縄というのは、多分日本の中で一番ポテンシャルを持った地域だと思っております。これから先、人口もふえていくわけでありますし、あるいはアジアに一番近いわけでありますし、これから先いろいろな、米軍の用地が返ってくることによって非常に活用の可能な、そういう土地がたくさんあるということもございます。あるいは、いいことか悪いことかは別として、原発がないということもございます。そうすると、沖縄の持っている特性を最大限に生かしていただく、そのために特区を御活用いただくというのは極めて重要なことだと思っております。 もちろん、地域限定保育士試験というものを実施することによって保育士の掘り起こしに極めて高い効果を発揮していただいたということもございます。あるいは、病床規制の特例を御活用いただくなどという取り組みはありますが、いずれにしても、特区の事業数、提案数とも少ないので、一緒に頑張りましょう、日本国のために、沖縄のためのみならず、頑張りましょうということは、私どもとして沖縄県に働きかけ、同じ意識を持って取り組んでまいりたいと思います。
○篠原(豪)委員 沖縄というものの持っている潜在能力、ケーパビリティーを最大限引き出していくというのは私もいいことだと思いますし、それがいろいろな日本の一つの文化の形であるとか、地域の経済圏の形というものの中心として、いい地理的条件にもありますし、せっかくなので積極的にやっていくということが、沖縄だけで人員とか足りないのであれば、あるいは手続とかいろいろなことが大変だということになっているのであれば、その辺も含めてしっかりと組んでやっていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。 先ほどありましたけれども、国家戦略特区指定の透明性について、徳島県の話をもうちょっとお伺いしてみようかなというふうに思います。 国家戦略特区ですけれども、国が地域を指定して、日本経済の再生に資するプロジェクトをトップダウンで国家戦略として推進する点が他の特区制度と違うんだと、あえて言えば思います。この指定の基準については、効果や意欲、実行力などを勘案してやっていくんだと思いますけれども、地方自治体からは、これはいつも言われることかもしれませんが、その選定基準や検討の過程が見えてこないと言われることがあるんですね。 気になるのが、先ほどもありました、さっき井坂委員が言っていた、本法案における障害者雇用の特例措置。これは、徳島県及び徳島市からの提案で実現したというふうに私も承知しています。先ほどの議論にありましたけれども、徳島県も徳島市も国家戦略特区に指定されていないので、本法律案が成立したとしても活用することができないという、よくわからないことが起きているんだと思います。 基本方針を見てみますと、指定に当たっては、その基準が、恣意的な指定とならないよう、その検討過程の透明性を確保するとともに、可能な限り定量的な指標も活用しつつ、客観的な評価に基づいて検討を行うというふうに書いてありました。 そこで、何でこういうふうになったのかということが気になります。徳島とかも含めてなんですが、提案募集に応じた自治体へのフォローアップというのはどういうふうになっているのかということ、また、特区として、指定、不指定の理由、提案した特例措置が今回のように採用されない場合の説明というのはどのように行っているのかというところが気になりますので、これが適切に行われているのかどうかも含めてお伺いをいたします。
○佐々木(基)政府参考人 お答えいたします。 特区の基本方針には、特区に指定する際の基準についても明記しているところでございます。この基準を踏まえまして、国家戦略特区ワーキンググループにおきまして自治体等からの提案に対するヒアリング等を重ねておりますけれども、その状況につきましては、議事要旨等をホームページにおいて明らかにしているところでございます。 一方、春と秋に行っております規制改革事項の一斉提案募集に応じて提出のありました提案につきましては、実施可能なものにつきましては実施可能であるという旨を、また、実現が難しいものにつきましては、その理由を関係省庁の意見として取りまとめて、これを提案者にお示ししているところでございます。さらに、この関係省庁意見に対しましてなお意見がある自治体等につきましては、さらなる意見を提出して関係省庁との議論を深めることができる機会を設けているところでございます。 以上のように、現場ニーズに基づく貴重な規制改革提案をしていただく自治体に対しましては、できる限り透明なプロセスが確保されるよう努めてまいりたいと考えております。
○篠原(豪)委員 大臣、私の手元にも徳島県の提案がございます。この資料を見ますと、非常によくできているんですよね。私はそう思います。 アイデアを出した自治体からアイデアだけとって特区化したら、これを求めた地域は指定地域にしないということが起きているということはどうなんだという話を先ほど質問としてしましたけれども、やはりこれは、ここまでやられていて、いい案を出させると言っているのであれば、大臣、先ほども少しおっしゃっていただきましたが、もう少し踏み込んで、このことについてどう思っているか、お伺いさせていただきたいと思います。
○石破国務大臣 提案の意欲をそぐようなことをやっちゃいかぬので、せっかく提案したのに何なんだよという思いが生じたとしたら、これは何にもならないということでありますので、その徳島のお考えというものを生かす仕組みというもの、先ほどの答弁の中では特区に指定する可能性ももちろんありますというふうに申し上げましたが、どういう形をとれば徳島の思いというものに応えることができるか、これは山口筆頭もいらっしゃいますが、我が党の徳島の方々ともお話をしながら、政府としてきちんとした方針を出してまいりたいと思います。
○篠原(豪)委員 ありがとうございます。 ぜひ、しっかりとした御対応、できるのであれば、お願いをしておきます。済みません。 ところで、今度、国家戦略特区の指定の範囲の考え方ということがちょっと気になりまして、お伺いしたいんです。 国家戦略特区の基本方針には、読みますと、国家戦略特区の区域指定については二つの類型があるふうになっています。今回はこの区域指定に漏れたということになります。 まず、都道府県または一体となって広域的な都市圏を形成する区域を指定する比較的広域的な指定というのが一つ目です。もう一つが、一定の分野において、地域以外の視点も含めた明確な条件を設定した上で、国家戦略として革新的な事業を連携して強力に推進する市町村を絞り込んで特定し、地理的な連担性にとらわれずに区域を指定する革新的事業連携型指定というのがございます。 後段の方の革新的事業連携型指定というのは、当初のバーチャル特区というような呼び方もされていたというふうに伺っています。中身は地域という物理的条件ではなくて、一つのテーマというものを掲げて、そのもとに論理的な条件により限定された対象に対し適用するといったものであります。 現在、十特区ありまして、具体的に言えば関西圏、養父市、広島県・今治市、福岡市・北九州市、沖縄県、愛知県、東京圏、新潟市、仙台市、仙北市というふうに十個あるんですけれども、こういう分け方であるんですが、このうち革新的事業連携で指定されている特区というのが幾つあるのかということ、その数について、その原因がそうなっていることはどういうふうに考えているかということ、これは参考人の方に伺います。
○佐々木(基)政府参考人 お答え申し上げます。 おっしゃいましたように、国家戦略特区の区域の範囲ということは二つのタイプがあるわけでございます。そのうち革新的な取り組みを強力に推進するということで革新的事業連携型指定というものがございますが、これは六特区でございます。 内容を御説明申し上げますと、兵庫県の養父市、新潟県新潟市、福岡県福岡市及び北九州市、秋田県仙北市、宮城県仙台市、広島県及び愛媛県今治市の六特区でございまして、例えば養父市におきましては農業の先進的な取り組みをしておりますし、新潟についても同様でございます。仙北につきましてはドローン等の新しい産業についての取り組みも熱心にやっている。 それぞれ革新的な取り組みを強力に推進するという意味で、この六特区を革新的事業連携型指定としているところでございます。
○篠原(豪)委員 そうなると、今回の遠隔服薬指導やドローンといった、今ありましたけれども、新技術が活躍してくれれば、やはりこれも有効なのではないかと思います。 このあり方について、二つのあり方があるんですけれども、地域を指定するのと革新的なものというのがあるんですが、大臣は、これについて今後どういうふうにバランスをとってやっていくつもりなのかということについて、何かお考えがあればお伺いしたいと思います。
○石破国務大臣 これは、今お話しのように二つの類型があるわけで、例えば遠隔服薬指導とかドローンとかいうと、どう聞いても、革新的事業連携型指定の方がこれはふさわしいんじゃないのと。言葉から聞けばそう思うわけで、それでもいいわけです。仙北なんぞというもののドローンはこれでやっているわけですから。 何で二つの類型があるかというと、二つの類型でメニューが違うわけではない。区域を指定するという区域指定の考え方に基づいて二つの類型をつくっているので、つけた名前がそれにぴったり合っているかというと、そうでもないかもしれないなという感じを持っております。 もう決めちゃったものですから、今から変えるわけにもいかぬのですけれども、この二つ、どっちをとっても、メニューが違うわけじゃない。区域をどうしますかという考え方で分けておりますので、その辺の周知徹底というものはさらに工夫をしたいと思っております。
○篠原(豪)委員 特区は本当にいろいろあって、わかりづらいというふうな声もありますので、やはり総合的に統合していくのか、まとめていくのかというところがどんどんどんどん広がっていっているということが現状だと思いますので、ぜひその点もお考えいただければと思います。 次に、租税特別措置についてお伺いします。 この法案では、租税特別措置で、特区内での特定の事業に取り組んだ企業の所得金額の二〇%、これを損金の額に算入することを認める課税の特例措置を講じることにしています。この適用を受けることができる事業及び対象企業の要件というのは、内閣府令で定めることになっています。対象事業としては、医療や農業、そしてIoT、物のインターネットですか、という分野を対象とすることを考えるというふうに聞いています。 多分、財務省とも協議した上で、今後、施行規則を定めていくことになるんだと思うんですけれども、法律が成立してから、対象事業や企業の要件を別途定めるということになると、やはりこれは国民の皆様への説明をどうするかといった問題とか、税の公平性という観点から問題が出てくることもあり得るんじゃないかというふうに思います。 なぜならば、ないと思いますけれども、見方によっては、行政にとって都合がよい、恣意的な運用をされているんじゃないかというようなことがあったときに、指定されてしまえば、立法府としてのチェック機能がなかなか果たせないということです。 であるならば、租税特別措置の審査の段階を、やはりできるだけ具体性を持って、課税の特例対象となる特定事業の内容、対象企業の考え方について、なぜその事業を選定したのか等の理由も含めて、しっかりと明らかにしていく必要があると思うんですが、この点についてどういうふうにお考えか、お伺いします。
○佐々木(基)政府参考人 お答えいたします。 今おっしゃいましたように、租特法の対象となる具体的な事業の詳細につきましては、今後、税務当局と相談をしながら、政省令などにおいて定めていくということになるわけでございます。 私どもといたしましては、できるだけ利用していただきたいというふうに思っておりますので、具体的な内容が決まり次第、わかりやすい資料などをつくりまして、広報に努めまして、議員御指摘の御趣旨を踏まえまして、審査の段階において具体的に明らかになるようにしてまいりたいと考えております。
○篠原(豪)委員 ありがとうございます。 明らかにしていくということは大事だと思いますので、ぜひしっかりとやっていただきたいと思うんです。 本課税の特例措置は、いわゆる現在の総合特区における国際戦略総合特区の指定特定事業法人の課税の特例措置、所得控除と同様の仕組みですね。 では、そちらの方はなるべく利用してほしいという話がありましたけれども、では、そっちの方と同じ仕組みなのでどういうふうになっているのかということを見てみますと、財務省の租税特別措置の適用実態調査の結果に関する報告書というのが私の手元にあるんですが、ここには同制度の利用実績というのはないというふうに書いています。ないですね。ゼロ件。またゼロ件なんですけれども、手挙げ方式もゼロ件だし、ゼロ件というのは多いんですね、制度はあるんですけれども。 一方で、もう一つの選択適用となっている機械等の特別償却、法人税の特別控除の利用実績というのは、平成二十六年度でそれぞれ、特別償却の方が六件、そして特別控除の方が三十七件というふうになっています。 総合特区で所得控除の特例が今ゼロ件でしたので、これを利用されなかった理由を、今回また新しく同じ制度をつくるわけですから、どのように分析をされているのか。そして、この実績を見ますと、やはり企業にとっては、特別償却であるとか特別控除、機械等の特別償却、法人税の特別控除の方が使い勝手がいいんじゃないかというふうに思っています。 その意味で、あえて所得控除の特例を設ける意味というのが果たしてあるのかと思うんですけれども、この点について政府はどうお考えか、お伺いします。
○佐々木(基)政府参考人 お答え申し上げます。 総合特区の所得控除が措置されました国際戦略総合特区におきましては、航空機産業でございますとか次世代の自動車産業というように物づくり産業の拠点の形成が主になっているところから、起業により事業展開するところではなくて、従前の会社形態のまま大胆な設備投資を行うケースが大半となっております。このために、設備投資減税の方が適しており、実際に多く活用されてきた、そういう事情がございます。 これに対しまして、今後の国家戦略特区におきましては、所得控除はベンチャー支援の位置づけとなっておりまして、開業ワンストップセンターや公証人法の特例、あるいは雇用労働センターといったベンチャー支援のための規制の特例措置が数多く用意されているところから見ますと、今後はかなり利用されるのではないかというふうに期待をしているところでございます。
○篠原(豪)委員 今おっしゃったように、企業の選択肢をいろいろふやすということもあろうと思うんですけれども、やはり税制はシンプルであった方がわかりやすいですし、租税特別措置という名で、今のところは使われていないので、そういう措置を講ずるということを、そうやっておっしゃるのであれば、やはりしっかりとやっていただきたいと思いますよ。 実際に、この結果を見れば、今のところ、やはり、それはお役所の中でいろいろ書いてみたんだけれども、自治体が利用しやすい、自治体のニーズに合致しているのかということもあると思います。 この租税特別措置については、今、去年設置されたものも含めてこれは定期的に評価をし、これはやはり、制度ができて全くこの利用がないということであれば、こういった特別措置というのも見直していかなければいけないだろうというふうに思います。 この点について、石破大臣、お考えをお伺いします。
○石破国務大臣 これは、我々政府として、あるいは党税調もございますが、そういう見直しというものは毎年やっていかなければなりません。そうでなければ租税特例措置の意味がございませんので、毎年これはきちんとやっていく。そこにおいて効果あるいは反省、検証等々を詳細に行っていくのは当然のことでございます。
○篠原(豪)委員 ありがとうございます。しっかりやっていただきたいと思います。 ちょっと話を民泊の対応にかえてみたいと思います。というのは、先ほど、評価の中で、民泊というのが始まって、これも評価されて、よかった取り組みだというふうになっています。おっしゃいましたので、伺います。 これは、本年から、国家戦略特区の初期メニューとして盛り込まれていた民泊、特区民泊が、東京の大田区でようやく始まった。しかしながら、特区民泊については、政令及び条例によって最低六泊七日以上であることが、利用者の立場から、使い勝手が悪いんじゃないかというような指摘がされています。 一方で、民泊サービスの法的対応については厚労省と観光庁による「民泊サービス」のあり方に関する検討会において鋭意検討が進められていて、検討会における検討結果に基づいて、当面の措置として、この四月一日から簡易宿泊所の面積基準を緩和するなどの措置が講じられるというふうにも承知しています。 政府としては、何とか旅館業法の枠内でのサービスを義務づけようと悪戦苦闘しているのかどうかわかりませんけれども、今、民泊サービスというのが、いろいろサイトを見てみますと、いっぱい出てくる現状でございまして、だから、これも、何と言ったらいいのか難しいんですが、グレーであるというのかわかりませんし、違法というんじゃなかったら脱法というのかもわかりませんけれども、なかなか言い方が難しいという状態が今起きております。 この現状に対して、やはり旅館業法のもとで許可を得て真剣に、真摯に経営に取り組む事業者がこれは不利益をこうむることがあっていいのかどうかという問題が一つあります。 やはり民泊サービスに対する法的対応というのが、今の状態を見ればわあっと広がっていますので、これはどういうふうに対応していくのかということ、これは何か、法的な対応も含めて早急に講ずる必要があるんじゃないかということについて伺います。 そして、その中で、何でこうなっているかというと、やはり特区の民泊については、実際の立ち上げがおくれたため、利用者のニーズに合わない形で制度が取り残されてしまって、実際には、実証実験としての意義はあるんだと思うんですけれども、これはこの状態になっていくと、本当にどういうふうにまとめていくのかということになると思うので、まず政府に対しましては、最初に申し上げた、真面目にやっている方々、旅館業法のもとでやっている方々に対して、どう思っていらっしゃって、どうするつもりなのか。あと、例えば今声が上がっているのは、六泊七日というのは長過ぎるんじゃないかということについてどういうふうに思われているか、お伺いいたします。
○福田政府参考人 お答えいたします。 いわゆる民泊サービスにつきましては、適正なルールのもとにその活用が図られるよう、必要な規制改革を進めていく必要があると考えております。 このため、委員御指摘のとおり、現在、観光庁と共同で開催しております「民泊サービス」のあり方に関する検討会におきまして検討を進めているところでございます。 旅館業法のもとで経営を行う既存のホテル、旅館との競争条件の確保が図られるようにするとともに、違法な民泊が行われることがないよう、仲介事業者や管理者に対して適切な規制が図られるよう、現在御議論をいただいているところでございます。今後は、六月中を目途に取りまとめられます最終報告書を受けて、関係省庁とともに、必要な法整備に取り組んでまいりたいと考えてございます。 また、いわゆる特区民泊について、御指摘のとおり、条件緩和の要望があることは承知をいたしておりますが、特区制度を活用して行われております民泊事業につきましては、旅館業法の適用の対象外でございまして、行政による立入調査権限がないことなどを十分に踏まえる必要があると考えております。 まずは、特区におきます制度の実施状況の検証結果を踏まえていくことが必要であると考えてございます。 以上でございます。
○篠原(豪)委員 今のお話はお話で、それはやはり政府の立場として一定理解できますし、大事なことなんだと思います。 しかし、実態を見てみますと、そういうのも紹介するサイトもあるようでして、そこを見ますと、わあっと、例えば京都だけで三百件とか並んでいるわけです、ラグジュアリーなものからいろいろなものがありますけれども。それをどういうふうに規制していくのかというのは、これは走り出しているんじゃないかと思われますので、なかなか難しい。 六泊七日という規制を変えていくということは、まあ大体、海外の方は、欧米の方々であれば、文化とかそういうものをトレースしていきますので、東から入る、あるいは西から入って、ずっと片方に抜けていくという形になると思いますので、一つの拠点を六泊七日というのは実際のニーズには合わないんだろうというふうに思います。 特区として成功をしているというふうにおっしゃった民泊も、実態を見れば、いろいろとこういう問題が起きているというのが事実であります。このことについては、やはり実態と合わないものをつくってしまってはこれはどうにもなりませんので、せっかくやろうということであれば、特区の中で、国際的なものを使って経済を上げていく、社会の状況をよくしていくということが、これが特区の本質でありますので、そのことについてあわせてやっていただきたいと思います。 最後に一言、この点について、特区の民泊も含めて、実際に制度上問題がある、実態にそぐわないということがある、このことに対して、こういったことは民泊だけじゃないですけれども、どのようなことで、こういった実態が起きているとすれば変えていきたいと思っていらっしゃるか、これを大臣に最後にお伺いして、質問を終わります。
○石破国務大臣 実態は委員御指摘のとおりでございます。 ですから、これに対応する制度がなくて、外国からお客さんがいっぱい来る。外国からだけではなくて、京都なんて今はホテルがとれないですからね、我々が行ってもね。(篠原(豪)委員「先生でもですか」と呼ぶ)とれないです。とれないから来ないでくださいとか不思議なことが起こったりして、これは決していい状況じゃない。 この民泊をどう活用するかなんですが、これが、簡易宿所でもありません、旅館業法に定められたものでもありません、特区でもありませんということになると、この世界は一体何ということになるわけです。そうすると、そこから所得を得た場合にどうするんだという話もあるし、既存の旅館業、いろいろな規制によって、いろいろな負担に耐えながらやっていらっしゃる既存の業者さんもおられるわけで、そこをどう考えるかというお話です。 特区でいくのか。仮に、特区で、大田区で今やっているわけですが、そうすると、六泊する人というのはどれぐらいいるのというお話ですし、それからまた、床面積二十五平米というのは、これは本当にどうなのということもございます。ですから、私どもといたしまして、滞在日数七日以上の要件、あるいは床面積二十五平米以上の要件については、その緩和を求める御意見もいただいておるところでございます。 大田区などにおきます取り組みの検証を行った上ででございますが、これらを引き下げるという見直しを行うことも検討してまいりたいと思っております。
○篠原(豪)委員 時間ですので終わりますけれども、まずは、一つは、この特区そのものを新しいステージに、大きく、統合も含めてやっていくような段階に来ているんじゃないかということが一点。そしてもう一つは、細かいところを見ましても、いろいろ制度上見直すところがありますということがもう一点。 これは両方とも、両輪ですから、しっかりとやっていただければと思っております。そのリーダーシップを大臣に御期待を申し上げ、私の質問とさせていただきます。 ありがとうございました。
○山本委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後零時二分休憩 ————◇————— 午後一時十四分開議
○山本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。野中厚君。
○野中委員 自由民主党の野中厚でございます。 地方創生に関する特別委員会において初めての質問の機会をいただいたことを感謝いたしまして、質問に入らせていただきたいと存じます。 まず、国家戦略特区の一部を改正する法案であります。 そもそも私は、特区の定義、理念について二年前まで勘違いをしていた部分がありました。地元要望で、どうしても国の基準に満たない、だけれども非常に特殊な地域であるので特区として指定して整備をしてほしいという地域からの要望がありましたが、そもそも当時私は、基準、規制をその地域のみ特例として緩和する、撤廃するというのが特区であるというふうに思っておりました。 しかし、二年前、そういった地元要望で省庁の方にお聞きしたところ、特区というのは確かに規制を緩和する、時に撤廃し特例として認めるのはそうであるが、それを先行モデルとして全国に発信していくということを教わったわけであります。改めて、認識を改めた中で、この国家戦略特区というのは規制・制度改革の突破口を開く大きな取り組みであるというふうに感じておるところであります。 そこで、質問に入らせていただきたいと思います。 国家戦略特区について、平成二十七年度末までの二年間を集中取り組み期間としておったわけでありますけれども、今後についてであります。これまでの集中期間で緩和された事項を中心に、今後、特区地区をふやすべく、全国にこれから発信していくのか、また期間後も募集を継続してさらに規制改革を行っていくのか。今後の取り組みについてお伺いしたいと思います。
○佐々木(基)政府参考人 お答え申し上げます。 これまでの二年間で、現在、十区域に上ります国家戦略特区におきましては、三十五の改革メニューを活用して合計百七十一の事業を進めてきたところでございます。 このうち、一昨年五月に一次指定した六区域における百十三事業を対象に、今般、本制度として初めての評価を行いまして、今月十三日に開催した特区諮問会議で総理に報告後、公表したところでございます。各事業については総じてスピーディーに進捗していると評価できる一方で、各特区において本来活用されるべき改革メニューが未活用のままとなっている点など課題もあると認識しております。 そこで、今後のことでございますけれども、集中取り組み期間は昨年度で終わったところでございますけれども、我が国におきます国際ビジネス拠点の形成でございますとか産業競争力の強化、こういった国家戦略特区の目的につきましては、依然としてその役割は大きいというふうに考えております。したがいまして、集中取り組み期間後の今年度からの取り組みに係る新たな目標につきましては、特区諮問会議における評価の結果や総理の指示を踏まえまして、次回の会議で設定することといたしておるところでございます。
○野中委員 ありがとうございます。 今後も集中取り組み期間が終わっても継続していくと認識をしました。 今回の七つの特例措置のうちの一つであります企業による農地取得の特例についてお伺いしたいと思います。 私の地元は埼玉県でも県内一の米どころ、いわゆる農村地区の出であります。私は祖父から農地というのは先祖代々の土地であるから必ず守るようにという教えを受けてまいりましたが、残念ながら守るという概念がなくなってきて、やはりその理由として、担い手不足そしてまた高齢化に伴って耕作放棄地がふえてきたというのが現状ではないかというふうに思っております。それを打破すべく、企業による農地取得の特例を設けたというふうに認識をしております。 これは地方自治体が間に入るということでありまして、その特例に手を挙げて採択される、そして規模によってであると思うんですが、その段階で既に地方自治体は農地を農地の所有者から取得しているというふうには思うんですけれども、その後、規模によって地方議会のチェックを受けるということでよろしいでしょうか。
○山北政府参考人 お答えをいたします。 委員御指摘のとおりでございますが、地方自治法によりまして、地方公共団体が一定規模以上の農地を購入する場合、または処分する場合も同じでございますが、市の場合は五十アール以上の農地を二千万円以上で購入するときということになりますけれども、そういう場合には議会の議決を経る必要があるところでございます。
○野中委員 ありがとうございました。 この確認をしたのは、企業の農業参入という点では一緒でありましてケースの詳細は異なるんですけれども、実は、前回の二月県議会において埼玉県で附帯決議がついた事例がございます。これは国の補助金によって民間の活力を生かして農業の成長産業化に取り組むという事業であったんですが、異なるのは、県の所有する土地を民間に貸し付ける、またその技術普及という点でありまして、それが果たして地元の農家の方に利益を生むのかという点から附帯決議がついたんです。 この責任の所在というところで質問に入らせていただきたいんですが、企業が農地を取得する前、議会の判断によって企業の希望どおりにいかなかった場合、例えば否決または県議会のように附帯決議がついた場合、民間企業ですから訴訟問題も起きるかもしれません。附帯決議に従ってくれという交渉を企業と地方自治体の間で行うかというのが一点であります。 そしてもう一点、お聞きしたい点が、農地を取得した企業について、取得したという前提でありますけれども、企業というのは利益を追求する、当然のことであります。そろばんをはじくプロであっても、つくり手のプロではないということであります。 私が地方議会のときに、大手商社が農業に参入したということでその事例を東北に見に行ったことがあるんですけれども、その商社の方は、地元農家と競合しないように、日本が輸出に頼っておりますパプリカをつくっておりました。パプリカをつくって、本当にハウス内も非常に管理をされていたんですが、ただ、説明をしてくださった方がおっしゃった一言が非常に印象的だったんです。十年でペイしようと思ったんですが、なかなか農業はうまくいかないなということでありました。 農業というのはなかなか思いどおりにいかないというふうに私は思っております。採算が合わない、その場合、手放さなきゃいけないという判断もやはり民間企業はするケースがあるのではないかというふうに思っておりますが、手放すときに責任は発生するのか。 そしてまた、リースの扱いで企業は取得するわけですからチェックを受けているわけですけれども、自治体が買い戻すことができるというのは昨日の委員会で答弁がございましたが、逆に取得した企業がほかの民間企業に売却するというケースが生じた場合、それは地方自治体のチェック下に置かれるのか、またはそのチェックから外れるのか。 以上についてお伺いしたいと思います。
○山北政府参考人 お答えをいたします。 地方公共団体が農地の所有権を取得いたしまして、その所有権を企業に移転することにつきまして議会の同意が得られなかった場合、こういう場合におきましては、企業が当該農地の所有権の取得を断念するか、または契約の内容を変更して再度議会の議決を経るということについて、地方公共団体と企業との間において検討していただくことになるというふうに考えております。 また、企業が農地を適正に利用していない場合、こういう場合には、農地の所有権を企業から地方公共団体に移転する旨の書面契約を企業と地方公共団体との間で締結していることを今回は要件としております。そういう意味では、農地として利用しなければ地方公共団体に戻るということでございますが、この場合の移転につきましては、地方公共団体は不動産登記法によりまして遅滞なく仮登記の嘱託をするということになっておるわけでございます。 このため、基本的には農地として利用しなければ戻るということでございますが、仮に転売されてしまったという場合であっても、この仮登記の効力が優先されまして、地方公共団体に所有権が移転されることになっておるところでございます。
○野中委員 ちょっと確認なんですけれども、農地を取得した民間企業がほかの企業に、ほかの企業も農地として使いたいという場合においてはどうなんでしょうか。ちょっとお伺いしたいと思います。
○山北政府参考人 お答えいたします。 今回の特区においては、まず取得する企業がその全ての農地について適正に農地を利用することを要件としているわけでございまして、それを転売しようとするのはその要件に反することになりますので、地方公共団体に所有権が移転するという契約が生きてくるということでございます。
○野中委員 ありがとうございます。 すなわち、リースの効力から外れることはなくて、企業がもう使えないということになったら地方自治体に戻るという認識をさせていただきました。 これを確認させていただいたのは、どうしても農業というのは非常に古くから日本に根づいたものがあります。そして、非常に危惧している部分としては企業の参入というところでありまして、実にこの五年間の経過措置というのは、今後の企業の農地取得、参入に対して大きな影響を与えるのではないかというふうに思っております。 私としては、企業が農地を取得するのであれば、その農地を中心とした地域のコミュニティーもありますし、例えば藻刈りとかもありますので、そういったところにも積極的に参加して地域におりていってもらえる、そういった企業が参入する事例ができることで今後の企業の農地取得の展開にもつながっていくのではないかというふうに思っておりますので、ぜひともしっかりとフォローをしていただきたいというふうに思っております。 最後の質問に入らせていただきます。 今回、地方創生特別委員会に所属をさせていただいて、今までは産官学、産学官連携とか、そういった言葉はよく耳にするわけでありましたけれども、地方創生の旗印のもと、国の動きが変わってきた中で、よく石破大臣も答弁をされておられますが、産官学金労言という言葉を耳にするわけであります。私としては非常に、これこそが地方創生の今後に、また地域発展にもつながるものであると思っております。 よく、地元でおりますと、地方創生、地域のためにこうした方がいいけれども、どこに聞けばいいんだという方が多くいらっしゃいます。例えば商工会とか団体の方が多くいらっしゃいまして、その地域のためであったらやはりそこの市に聞いてくれ、市と国で話し合いをする場があるのでとりあえず市に言ってくれというふうに言っているんですが、市、自治体の中でそういった協議というのは会議にしても定期的に行われているのかというふうに思っております。 やはりそういった定期的な会を持つことによって単発的に終わることなく、地方版の総合戦略にも産官学金労言の会は重要であるというふうに記述がされてあると記憶しておりますけれども、そういった産官学金労言が連携をとることで地域がまた発展するものであるというふうに思っております。その場を定期的に持つことが大切だと思っております。 例えば、なかなか変化を嫌う、先例を大事にする地方自治体でありますけれども、地銀というのはその地域のお金の流れとか業界の動きというのは非常に把握されておられる、また商工会もそうだと思っております。そういった意見を聞くことで、例えばRESASの動きにしても、ああ、なるほどなと深く理解した中で政策を打てるというふうに思うんですが、大臣の御所見を、やはりこういった会議というのは単発的ではなくて継続的に行うべきということについてお伺いしたいと思います。
○石破国務大臣 委員御指摘のように、これは単発、つまり、総合戦略をつくるのでこういう産官学金労言の会議をつくりました、総合戦略を書いたら解散しちゃいましたみたいなことは余り望ましいことだと思っておりません。これは別に法律で自治体にお願いすることではございませんけれども、加須市なら加須市で市長さんに任せておけばいいでしょうというような、加須市がそうだと言っているわけじゃありませんが、そういうお任せ民主主義からは脱しなければいけないのだと思っております。 したがいまして、商工会議所、商工会、建設業協会、JA、商店街、何でもいいんですが、産業に携わる方。官は役所でございます。学は大学、高専、高等学校。中学校が参画しているところも随分あります。産官学ですね。 あとは、貸借対照表が読めず、損益計算書が読めずというのはやはりまずいんだろうと思っていて、地銀それから信用金庫、そういう金融機関が参画する。それはそこの行政の範囲だけでやっているわけじゃございませんので、そんなことをやっていたら金融の商売は成り立ちませんので、金。産官学金。 働き方を変えるためには、当然、連合を初めとする労働組合の方々のお力というのは必要で、これも選挙とは別物でございますから、労働界の方々の御意見も聞かなきゃいかぬ。 言というのは地元のメディアですよね。新聞であり、テレビであり、そこで何が起こっているか一番知っているのはあるいはメディアかもしれません。こういうことがありますよ、あるいはそういうことを発信しますよというのはメディアの役割であって、産官学金労言の会議体のようなものはできれば恒常的に常設的に行っていただきたいし、そこは議会との関係もきちんと考えなければいけませんが、PDCAというのはそこにおいても機能すべきものだと考えておるところでございます。
○野中委員 ありがとうございました。 質問を終わります。
○山本委員長 次に、宮本岳志君。
○宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。 私はこれまで、当委員会で、あなた方の地方創生なるものが結局失敗に終わるのは、地方を疲弊させてきたみずからの政治や政策に対する総括も反省もないところにその最大の原因がある、こういうふうに一貫して指摘をしてまいりました。 特区をめぐっても、この間、構造改革特区とか総合特区とか国家戦略特区とか名前はいろいろ変わるわけですけれども、その結果についての総括も反省もないままに進められております。今回も、相も変わらぬ繰り返しにすぎないと思うんですね。 この特別区域政策というものは、私はその最初から、つじつまの合わない、原理的におかしい政策だと思ってまいりました。本当によいことだというのであれば、特区限定などと言わず、全国全てで大手を振ってやればよいではないか。そうならないのは、つまり、特区で限定的に始めなければならない理由は不安や危険があるからにほかなりません。しかし、全国でやることに不安や危険があるのならば、特区だからといってやってよいというものでもなかろうと思うんですね。 大臣、そもそも、全国的にやるには不安も危険もあるものを、なぜ限定された地域でならやってよいのでしょうか。
○石破国務大臣 それを不安とか危険とかというネガティブな言葉で捉えるのか、それとも懸念される事項というのか。別に私は言葉の遊びをするつもりはないんですけれども。 例えば、今御審議をいただいておる農地の問題、あるいは服薬指導のお話、有償旅客運送のお話にしても、こういうことって懸念されるよねというのはあるわけでございます。企業が農地を持っちゃうとごみ捨て場にするんじゃないんですかとか、テレビ電話を使って服薬指導というものをやるとすれば、顔色がちゃんと判断できなかったらどうしますかとか、それがやがてひいてはライドシェアというのか、そういうものを認めることになるんじゃないんですかとか、そういう懸念があるわけでございます。 そういうものがどうなのかという実証はしていかねばならないものだと思いますし、例えば農地のお話でいえば、これは養父市が非常に積極的に御提案をいただいているものでございます。そうだとすれば、いろいろな懸念に対して私どもとして今回の法律でもいろいろな措置を講じております、あるいは運用でもそうであります。そういうものを講じてなおかつそういうような懸念というものが払拭されないとするならば、そんなものは全国展開をしてはいけません。それが懸念が払拭されたというふうに得心のいくものであるならば、全国展開をやらないという理由はどこにもないということであって、実験台にしてみようとか、そういうようなふらちな考えは全く持っていないものでございます。
○宮本(岳)委員 特区というものは全国でやるには懸念があるものをある地域に限定して試してみようというわけでありますから、実証という言葉を使われましたけれども、しかし、実証する政府はそういう意図でやるんでしょうが、実証されるその地方、それから地域住民はたまったものではない。失敗すれば、その結果、その地域の住民の命と暮らしにもかかわる事態さえ起こり得るわけですね。 きょうは、子供たちを実験台にし、失敗によって最も重大な事態を生んだ、あなた方の失敗策の典型例、伊賀市意育教育特区というものについて議論したいと思うんです。 三重県伊賀市の伊賀市意育教育特区は、それまでは禁じられていた株式会社による学校経営を特区のみ可能とする二〇〇二年施行の構造改革特別区域法に基づいて、内閣府及び文部科学省の認定を受けて設立されました。ここに株式会社立高等学校として二〇〇五年九月に開校したのが、ウィッツ青山学園高等学校であります。 このウィッツ青山学園高校が、昨年十二月八日、東京地検特捜部の捜索を受けて大事件となりました。 きょうは、この問題の対応に当たってきた義家弘介文部科学副大臣に来ていただいております。副大臣、地検特捜部の捜索を受けた容疑はどのようなものですか。
○義家副大臣 ウィッツ青山高等学校に在籍する生徒の高等学校就学支援金に関する詐欺容疑と聞いております。
○宮本(岳)委員 高校授業料無償化、就学支援金支給制度は、二〇一〇年の通常国会に当時の民主党政権により法案が提出され、私も修正案の提案に加わり、民主、公明、共産の三党で修正した上で可決、成立した法律であります。その後、自公政権に戻り、公立高校の無償化に所得制限が導入されるとともに、低所得者世帯の私立高校生への給付金は増額をされました。 高等学校の学費を軽減することで学習機会の均等に寄与することを目的としたこの制度が詐欺に使われるというようなことは、到底看過できるものではありません。 馳文部科学大臣も記者会見で、私自身、大臣として憤りを禁じ得ない、こういう人が教育を語る資格があるのか、ふざけているのか、公教育をなめているのかと怒りをあらわにされたのも当然のことであります。 その後、伊賀市を通じて実態の報告を求め、義家副大臣を座長とするタスクフォースで教育上の問題点を明らかにしてきたようでありますけれども、どのような問題が明らかになっておりますか。
○義家副大臣 文部科学省では、ウィッツ青山高等学校の在学生徒の高等学校等就学支援金に関する詐欺の疑いについての東京地検特捜部の強制捜査に端を発し、昨年十二月二十四日に私を座長とする広域通信制高校緊急タスクフォースを設置し、同校の問題への対応も含め、広域通信制高校の運営実態の把握、適正化や指導監督体制の改善等について検討を行ってきたところであります。 先ほど委員が御指摘のように、本来、特区の中で行う教育という形で認可しているわけですが、サポート校という名前で、把握できない、管理できない形で全国展開されている、その中から出てきたものが、今回、東京で東京地検特捜部が動いたものの中の一つなわけです。 その中で、まず同校の実態については、これまでの伊賀市からの報告をまとめますと、まずは、同校みずからが通信制課程において完全に人員不足であり、生徒の管理ができていない。具体的には、それぞれのサポート校、LETSと呼んでいますけれども、LETSに聞かないと実態はわからない。 続きまして、校長を含む全ての役員に学校を経営するために必要な知識経験を有する者がおりません。これは、特区学校審議会の中でもウィッツみずからが認めているところでございます。 また、通信制課程の標準シラバス、年間指導計画も作成していない。サポート校に丸投げという状況である。 さらには、学習指導要領に基づいた指導をしてこなかったという形を認めたほか、同校の通信制課程の教育は、実質的には、同校と契約関係にある全国各地の民間施設において、同校の校長の監督が直ちには行き届かない形で行われていたこと、特に面接指導において、同校における不適切な管理運営に起因して、学校指導要領が示す各教科、科目の目標、内容等に照らして著しく不適切な活動を行ってきたことが判明しております。 また、所管庁である伊賀市においても、このウィッツに対して専任スタッフが置かれていなかった、それから、それぞれの協力校の実態を明らかにするようなマンパワーもなかなかないという状況の中で課題がございました。 文部科学省としましては、伊賀市に対して所轄庁としての適正な指導監督の実施及びそのために必要な体制の強化等について現在指導しているところでありまして、今この時間も特区学校審議会が開かれている状況でございます。
○宮本(岳)委員 配付資料一を見ていただきたい。ウィッツ青山学園高校が伊賀市に提出した資料であります。 後期スクーリングでユニバーサル・スタジオ・ジャパンにバスツアーに出かけております。途中、名阪上野ドライブインに立ち寄り生徒が伊賀の名産に触れたから家庭科、宿泊先周辺を散策したから社会、USJで土産物を買い、おつりの計算をしたから数学、さまざまな職業を見たから総合、舞台セットを鑑賞したから美術などという単位認定をしております。 このようなスクーリングが高校教育の内容として到底単位認定できるようなものでないことは明らかですね、義家副大臣。
○義家副大臣 明らかであり、言語道断であろうと思います。
○宮本(岳)委員 後期スクーリングだけではないですよ。 二枚目、配付資料二は前期スクーリングのものであります。 同じように、バスの中で洋画鑑賞をして英語と国語、ジャージーアイスクリーム手づくり体験が家庭科と社会、散策、自然観察、スケッチをしたら理科と体育と芸術。毎回この調子であります。 内閣府地方創生推進事務局のホームページを見ますと、構造改革特区の説明として「実情に合わなくなった国の規制が、民間企業の経済活動や地方公共団体の事業を妨げていることがあります。 構造改革特区制度は、こうした実情に合わなくなった国の規制について、地域を限定して改革することにより、構造改革を進め、地域を活性化させることを目的として平成十四年度に創設されました。」と書かれてあります。 大臣、バスの中で洋画を鑑賞して英語や国語の高校の単位に認定したり、USJで土産物を買い、おつりの計算をして高校の数学の単位に認定したりしてはならない、これが民間企業の経済活動や地方公共団体の事業を妨げている文部科学省の規制なのか、地域の活性化を実現するためには取り除かなければならない規制なのか。いかがですか。
○石破国務大臣 これは主に文科省においてお答えすべきものかと思いますが、委員がおっしゃったようなお話は、私も報告を受けて、仰天という言葉はこのためにあるような言葉であって、幾ら何でもひどかろうというものだと思っております。 したがって、この制度にこの学校の運営そのものが合致しているとは到底思えないものでありまして、これは悪用というのか何というのか、言葉の形容のしようがございませんが、それは当事者のお話を聞いてみないとよくわかりません。私自身は当事者のお話を聞いたわけではございませんが、文面で見る限り、報道で知る限り、このようなものはこのような特区にはなじまないのではないかという感想を私自身は持っております。 実際、文科省において、伊賀市とも協議の上、それなりに厳しい措置をおとりになるのではないかというふうに考えております。
○宮本(岳)委員 では、そもそもこの問題がどういう問題なのか、たまたま特異な事例なのか、それとも、地域限定とはいえ本来営利を目的とする株式会社に学校経営をやらせたことから、ある意味必然的に生じたものなのかということを考えてみたいと思うんですね。 そもそも株式会社による学校経営は、平成十五年、二〇〇三年以前には長く許されておりませんでした。文部科学省でも副大臣でもいいですが、それはどういう理由からですか。
○義家副大臣 学校は、言うまでもなく、教育基本法第六条にも定められているとおり、公の性質を有するものでありまして、公共性、継続性、安定性が不可欠であります。そこで、それらを担保するための制度として学校法人制度が設けられております。一方で、株式会社は学校法人に比べてこれらの点の確保について懸念があることから、学校の設置主体としては国、地方公共団体及び学校法人を基本としてきたところであります。 その後、総合規制改革会議等においてさまざまな議論があり、株式会社による学校設置について、情報公開や第三者評価、セーフティーネットの構築などの条件を整えることによって検討し得るのではないかという指摘が行われてまいりました。そこで、このような議論を踏まえて検討した結果、特区制度の趣旨に鑑み、特別なニーズがある場合において、特区申請自治体により公共性、継続性、安定性が確保される場合は株式会社による学校の設置を認めることとしたものであります。 一方で、全国でアメーバのように、あたかも特区の中の学校教育の教室があるかのような展開をしていくということはまさに想定していなかったことでありまして、この部分において起こってきている今の負の部分に対しては現在厳しく対応しているところでございます。 驚くべきことに、これは委員御指摘のとおり卒業とは認められないと言いつつも、この三月に卒業予定者が約四百名いたわけですけれども、全通研に加盟の学校等に協力をいただきながら緊急回復措置という形でさまざまな授業を行ってきたんですが、一方、同時に、二月のこの問題が発覚して議論している最中に、生徒たちに卒業認定書と卒業証書をそのまま公印を押して送ってしまっている。結果として生徒は卒業できないと言われていたけれども卒業できたじゃないかという形に今なっているので、現在行われている特区審議会においてこの部分についてしっかりとお話ししているところでございます。
○宮本(岳)委員 学校は公の性質を有するものであり、その設置と運営は極めて公共性の高いものであります。 にもかかわらず、二〇〇三年の通常国会、この株式会社立学校を解禁する特区法の改正を進めたとき、遠山文部科学大臣はこう答弁をしております。構造改革特区は、地方公共団体あるいは民間団体の発想を重視し、いろいろなアイデアを生かして日本を活性化しようというものだ、私どもとしては、本来あるべき学校教育の持つ公共性、安定性、継続性といったものはしっかりと守りながら、いいアイデアで、しかもそういったセーフティーネットがしっかり保たれるようなものについて認めたんだ、こう言うんですね。しかし、実際はこういう事例が発生した。 実は、歴史を振り返ると、この直前、二〇〇二年から二〇〇三年にかけて文部科学省と総合規制改革会議の間で激しい応酬がありました。 文科省が学校の公共性を理由に、営利目的で事業を行う株式会社は学校の設置者になることにはなじまない、こう主張したのに対して、総合規制改革会議側は、通常の競争的な市場では、株式会社は利益最大化のためには結局、教育の質を高め価格を抑えて市場競争で生き残るほかなく、株式会社だからといって公共性の高い事業を担えないということはないと反論いたしました。 また、教育への再投資が確保できないおそれを指摘する文科省に対して、配当は間接金融における利息支払いと同じで、配当後は利益剰余金として積み立てられ、将来の教育投資に向けられるはずだ、こういう反論が総合規制改革会議の方からあったわけであります。 これは事務方でいいですが、こういう議論があったことは事実ですね。
○刀禰政府参考人 お答えいたします。 当時の総合規制改革会議におきまして、教育を担う主体の多様化を図り、消費者の選択肢の拡大と競争的環境を通じた教育サービスの質的向上を目指すという観点などから、教育分野において株式会社参入について議論が行われたものと承知をしております。 平成十四年十二月に規制改革の推進に関する第二次答申がございましたが、そこにおきまして、株式会社などの民間主体による教育分野への参入については、情報開示制度、第三者評価による質の担保及びセーフティーネットの整備等を前提に、教育の公共性、安定性、継続性の確保に留意しつつ、特に大学院レベルの社会人のための職業実務教育等の分野についてそのあり方を検討すべきであるとし、平成十五年度中に検討、結論とされたところでございます。 これを踏まえて関係府省において検討が行われ、平成十五年七月、構造改革特区において株式会社による学校の設置が認められたと承知しております。
○宮本(岳)委員 いやいや、公共性も安定性も継続性も守られていないんですよ。 今回のウィッツ青山学園高校事件は、このときの議論に決着をつけたと思います。 資料三を見ていただきたい。これは、文部科学省提出資料をもとに私の事務所でつくったグラフであります。 左の青い棒グラフが、ウィッツ青山学園高校の広域通信制生徒数。二〇〇六年、開校時の八十九人から、二〇一五年、千二百人近くへと激増しております。右の赤い棒グラフは全日制の生徒数。二十一人で始まった全日制は、二〇〇九年の五十一人をピークにまた減少し、二〇一五年には二十一人と、毎年定員割れが続いている。きょう資料が届きましたが、うち入寮生徒数に至っては、ここ二年連続わずか三人ですよ。結局、全日制の赤字は明白で、専ら広域通信制の生徒をふやしてきたわけであります。 その結果、資料四の折れ線グラフを見ていただきたい。青いグラフ、売上高は二〇一〇年の一億三千九百万円から二〇一四年の二億円近くに急増。その最大の要因は、八千二百万円から一億六千百万円へと倍増した緑のグラフ、就学支援金収入であります。一方、赤の折れ線グラフ、人件費、教材費、経費は一億千二百万円から八千二百万円へと三割近くも減らされております。 これは既にNHKの番組でも放送されましたけれども、全国四十五カ所に設置されたLETSなるサポート校を通じて、就学支援金目当てで、なりふり構わぬ通信制の生徒の勧誘をやってきたということですね、義家副大臣。
○義家副大臣 勧誘マニュアル等、報道されている内容に鑑みれば、まさにそういう意図があるというふうに断じざるを得ないと思っております。
○宮本(岳)委員 では、その売上金、もっとはっきり言えば国民の税金を原資とする就学支援金は何に使われたのか。 この間、二〇一二年度から二〇一五年十二月にかけて、学校を運営する株式会社ウィッツは親会社である東理ホールディングスに経営指導料名目で二億円近くを支払ってまいりました。年次を追って、幾ら支払われたかお答えいただけますか、文科省。
○小松政府参考人 お答えを申し上げます。 年次を追いまして、平成二十四年に三千百五十万円、平成二十五年に三千六百万円、平成二十六年に六千万円、以上がウィッツから株式会社東理ホールディングスへ支払われました経営指導料と聞いております。
○宮本(岳)委員 平成二十七年に七千百万円というものもお聞きをしたわけでありますね。総額では一億九千八百五十万円になると思います。何が配当後は利益剰余金として積み立てられ、将来の教育投資に向けられるだと言わなければなりません。親会社が吸い上げているわけであります。 資料五を見ていただきたい。昨年六月二十五日に発表された東理ホールディングスの第十一期有価証券報告書の関係会社の状況欄であります。下から四段目に株式会社ウィッツがあります。赤い線を引いておきました。経営管理に関する契約を締結している。この契約に基づいて経営管理料というものが払われているということであります。 文科省に聞きますけれども、このウィッツ青山学園の設置主体である株式会社ウィッツというものは、開校時からこの東理ホールディングスの子会社でありましたか。
○小松政府参考人 お答え申し上げます。 所轄庁である伊賀市から聴取したところによりますと、東理ホールディングスがウィッツを子会社とした時期については、平成十九年三月と承知しております。 ちなみに、東理ホールディングスにつきましては、平成十六年に株式会社東京理化工業所の株式移転による完全親会社として純粋持ち株会社を設立し、東証二部に上場し、社名を株式会社東理ホールディングスとしたものと承知しております。
○宮本(岳)委員 私は決して、株立学校を設立する株式会社が全て金もうけ主義だと決めつけるつもりはないんです。しかし、設立した後から金もうけ主義の別の企業に子会社化されてしまえば同じことなんですね。学校設立会社が他の企業に買収されないという保証などどこにもない。現に、このウィッツは東理ホールディングスに買収されて子会社になったわけですね。 したがって、株式会社に学校経営を任せたことが間違っていたと言わざるを得ません。 資料六を見ていただきたい。これは、今じゃないですよ、二〇一四年、二年前の三月二十七日の第十八回伊賀市意育教育特区学校審議会記録の二ページであります。 二〇一四年には、自公政権が高校無償化に所得制限を導入し、そのかわり低所得家庭の私立高校生への支援金を上積みする法改正を行いました。年収二百五十万円以下の住民税非課税世帯なら二・五倍、二十九万七千円の支援金を学校設置者に給付することになりました。 このとき、ウィッツ青山学園は伊賀市に単位認定料の値上げを申し出ております。下線部。開校時に単位認定料は二十一万円であったが、この就学支援金制度ができたときに、低所得者が二十一万円までしか受け取れないため現在の二十三万七千円に変更した、今回、低所得者への就学支援金が最大二十九万七千円となるので増額を行いたいと言っております。 低所得者が受け取れないのではありません。株式会社ウィッツが受け取れないということじゃありませんか。さすがにこれには委員から、就学支援金が上がるから単位認定料も上げるとしか聞こえない、こういう異論が出て、審議会はこれを認めませんでした。 この審議会で副校長は、会社としては通信制の充実のために収益を上げていく、収益を上げるために増額を行うとはっきり述べております。これはつまり、就学支援金が増額されたから会社の収益のために目いっぱいもらおう、どうせもらえるんだったら最高額までもらおうと。 義家副大臣、これは就学支援金の趣旨に照らして全く不適切な運用の仕方ではありませんか。
○義家副大臣 全くおっしゃるとおりでございまして、就学支援金という制度そして低所得者に対する配慮というものを、ある意味冒涜するようなありようであろうというふうに思っております。 そして、この就学支援金制度と特に特区の学校の周りにあるサポート校との兼ね合いが、かなりはまってしまったというか、非常にあしき広がりを見せてしまった。と申しますのも、学校にできるだけ来なくて向学意識がなくて在籍だけしている人がそのまま本校に代理受給されるわけですから、それがどんどんどんどん広がっていくような懸念というのは当然存在します。 本来、離れていればいるほど手がかかるのが通信制教育でありまして、現在もそのように一生懸命汗を流している通信制学校がある一方で、このような運用が行われている学校があらわれてしまったことは大変遺憾であると思っております。
○宮本(岳)委員 このサポート校というのは、フランチャイズのような形で、早い話が塾ですよ。塾のフランチャイズみたいなものでありまして、これは学校教育とは全く別物であります。 週刊朝日、昨年十二月二十五日号によると、ウィッツ青山学園のサポート校の一つ、これは一番問題になっているところですけれども、四谷キャンパスの幹部は、一人につき二十四万円の紹介料などをちらつかせながら、年収三百五十万円未満の方を御紹介ください、年収がそれを超えると就学支援金が減ってしまうので、うちのビジネスモデルが成り立たなくなるなどと、入学者獲得に奔走していたと報じました。 もはやビジネスモデルにすらなっていたということなんですね。驚くべき不適切な事態でありますけれども、それが構造改革特区の名でまかり通っていたわけです。 しかし、文部科学省も、これを知らなかったということでは済まされないと思うんですよ。 文部科学省は、この間、数度にわたって、学校設置会社による学校設置事業の調査を行い、結果を発表してまいりました。二〇一一年度の調査結果報告書によると、教育研究面で株式会社立の高等学校にはどのような実態が見られましたか。
○小松政府参考人 お答え申し上げます。 二〇一一年の調査結果報告書でございますけれども、株式会社立の高等学校につきまして調べましたもので、添削レポートの大部分を多肢選択式としている例あるいは添削に際して解説を付さない例、面接指導におけるメディア利用の際に成果の評価を行っていない例、試験を自宅で実施している例、学校の教員ではないサポート校の職員が添削指導を行っている例、特区の区域外に設置する教育施設で試験を実施している例などの不適切な教育活動等の事例が見られたことを記載しております。
○宮本(岳)委員 ここまでつかんでいるんですね。 このとき既に文部科学省は、ウィッツ青山学園高校の、全部じゃないですよ、全部でないにしても、今回明らかになったような不適切な教育研究面の実態はつかんでいたんじゃないですか。
○小松政府参考人 お答えをいたします。 先ほど申し上げましたのは、お尋ねのありました二〇一一年の調査結果は学校設置会社による学校設置事業の全般としてつかんでおります。その中で、ウィッツ青山高校も含めて設置会社として捉えておりますけれども、今お尋ねのウィッツ青山学園高校における今般明らかになった面接指導等の具体的な実態等につきましては、ことしの二月に、地検の捜査等をきっかけとした調査の中で所轄庁である伊賀市からの報告を受けて把握したという状況にございます。
○宮本(岳)委員 いや、これはちょっと納得いかぬのですね。 二〇一一年に調査した、添削レポートが選択式だ、あるいは面接指導におけるメディア利用の際に成果の評価を行っていない、見ているかどうかもわからない、試験を自宅で実施している、学校の教員でないサポート校の職員が添削している、まさにこの間、LETSとウィッツ青山学園高校で起こっている事例なんですけれども。それじゃないんだ、全国でこれがあったんだというんだったら、では、このウィッツ青山学園みたいな事態は、さっきみんな驚いたと思うんですが、驚くに当たらず、全国の広域通信制株立学校で幾らでもあるということですか。
○小松政府参考人 お答えを申し上げます。 先ほど少し申し上げましたが、二〇一一年度に実施いたしました調査の中で、ウィッツ青山学園高校につきましては先ほどの幾つかの事項が当てはまるということでございました。そのほかにも是正を含むべき事項が見られたことは事実でございます。 そこで、文部科学省といたしましては、ウィッツ青山高校を含みます学校設置会社による学校設置事業に関するこの調査結果をもとに、その翌年八月に、構造改革特区推進本部、全閣僚で構成しておりますけれども、そこにおいて是正の方針が決定されるということになりまして、その全体として、個別の事例もございますけれども、トータルとして是正が必要であろうということで、学校設置会社への改善指導を促す通知を発出するなどして所轄庁も含めて指導を行ってきた、こういう経過でございます。
○宮本(岳)委員 手元にありますが、文部科学省としては、当時の城井大臣政務官の通知というのが出ております。しかし、ウィッツ青山学園の副校長は、ことし二月十日の第二十二回伊賀市意育教育特区学校審議会で、このときの文科省調査のことについて、過去に文部科学省が調査に来られた際に一つはスクーリング計画書などを提出させていただいて、それで大丈夫だという認識を、その当時は注意をされなかったので、それに基づいて実施をしてきたと語っております。 これは内閣府に聞くんですけれども、そういう決定をしたという話が今ありましたからね。これは内閣府で、多分本部で決定したんだと思うんですが、平成二十四年八月二十一日に構造改革特別区域推進本部が出した評価・調査委員会の評価意見に関する今後の政府の対応方針では、学校設置会社による学校設置事業八一六についてどのような是正措置が決められましたか、内閣府。
○佐々木(基)政府参考人 ただいまお話のありました、推進本部におきまして決定された措置について御説明を申し上げます。 一つは、内閣府は面接指導等が特区区域内で行われるよう認定団体に対して周知、指導すること、二番目が、規制所管省庁は適切な教育活動が実現するよう認定団体に対して周知、指導する、三番目が、内閣府及び規制所管省庁は学校に対する助言指導体制の確保を認定団体に対して要請するということでございます。
○宮本(岳)委員 この文書によりますと、弊害が生じていても、規制の特例措置の要件または手続を見直すことで弊害の予防等の措置が確保され、是正または追加された予防等の措置について特区における検証を要すると認められる場合に該当するため、是正し、運用を見直した、こうなっております。 それに添付された別紙を見て愕然といたしました。各株立学校が掲げる教育の目的、内容にも十分留意しつつ、画一的に新たな基準を課すなど過度の規制強化につながらないようにしなければならないと、まるで現状追認ともいうべき文書まで添付されているわけですね。政府がそんな対応では、先ほど紹介したように、ウィッツ青山学園が何も注意されなかったのでそれで大丈夫だというお墨つきをもらったと考えるのも不思議ではないと思うんですね。 文部科学省に聞くんですけれども、なぜあの時点で国としてしっかりと現場に踏み込んで徹底的に是正しなかったんですか。
○義家副大臣 私自身もずっとこの問題に問題意識を持って取り組んでまいりましたけれども、特区の株式会社立学校の難しさでありまして、設置者は教育委員会ではなくて例えば特区の申請をした首長なんですね。文部科学省がその首長に対して何かができるかといえばできませんで、結局、教育というのは一年間、三年間というように経過を見ていくものでありますけれども、調査した点の状態でしか把握できないという制度上の文部科学省の権能の限界というものもございます。 しかしながら、このような事態が発生したことを重く受けとめた上で、今後、全国の広域通信制学校を対象とした調査の実施や、それから質の確保、向上、あるいは改めていろいろなところに伺っていくというような取り組みを中間取りまとめとしてまとめたばかりでございます。
○宮本(岳)委員 先ほど紹介した二〇〇三年三月二十六日の参議院文教科学委員会で、当時の遠山文科大臣は構造改革特区による株式会社立学校について、そこに学ぶ子供たちについては一回限りの人生でその時期学ぶわけでございますから、その子供の利益に十分配慮した上で、条件もつけた上でこのプランについて私どもとして協力していくという判断をとったと答弁をされました。 しかし、今日、ウィッツ青山学園の生徒たちに学校は非常識にも卒業証書を出したというふうに今御報告がありましたが、それは正式な卒業とは認められません。卒業見込みの生徒だけで四百人、その他も含めれば六百人以上の生徒たちが単位認定されず、追加スクーリングを受けなければ卒業証書も本来は受け取れない事態となっております。教育はやり直しがきかないから、学校の設置については厳しい規制がかかってきたんですね。 今、全国にある株式会社立の通信高校、これをちょっと見てみますと、十九校のうち十二校は廃校になった学校を活用しております。ウィッツ青山学園高校の三重県伊賀市を初め、福島県川内村、茨城県大子町、熊本県山都町、北海道和寒町など、過疎化している自治体が、子供がいなくなった学校に高校生がスクーリングに来てくれるなら大歓迎とばかりに、町おこし、村おこしとしてこの制度に飛びついた面があるんです。 しかし、このような過疎化している町や村に、広域通信制の高等学校を所轄庁として指導監督することは不可能です。なぜなら、そもそも高等学校を指導監督した経験など全くないじゃありませんか。義家副大臣、そうじゃないですか。
○義家副大臣 全くそのとおりでありまして、千人を超えるような生徒、あるいは、どこに通信制サポート校があるのかの把握も自治体を超えて把握していかなきゃならないという意味では、人員として監督指導体制が脆弱であるということは明らかであろうというふうに思います。
○宮本(岳)委員 大臣、文科省や政府が実験的に教育特区というようなものを認めて、営利目的で事業を行う株式会社に学校の設置を認めた結果が、一回限りの子供たちの人生に取り返しのつかない傷を残したと言わなければなりません。 構造改革特区、とりわけ株式会社立学校については問題が多く、これは誤りであったとお認めになりますか、大臣。
○石破国務大臣 聞けば聞くほどひどい話で、委員がおっしゃるように教育というのはやり直しがきかないので、誰が一番の被害者かといえば、それは子供たちが一番の被害者であることは間違いないということだと思っております。 今、義家副大臣から答弁がございましたように、それぞれがどこでどのように展開しているのかという実態を文科省においてきちんと把握していただき、是正すべき点は是正をしなければならない。 これが制度が引き起こした構造的な問題であるのか、それとも、私はウィッツ青山学園の経営者を存じませんが、制度を悪用した悪逆非道なやり方なのか。やはり、制度自体に構造的な問題があったというよりも、これを悪用した、そういうような人の問題ではないかと思います。こういうものをいかにして排除するかについては文科省においてまた御検討いただくことだと思いますが、私ども内閣府といたしましても、こういうことが起こらないように、私は余り二度と起こらないようにという言葉を多用するのは好きじゃないんですけれども、こういうことが起こらないためにどういうようなことができるのかということは文科省ともよく協議をしてまいりたいと思っております。
○宮本(岳)委員 私は、当委員会で一貫して、これまでの自民党政治の誤りから目をそらさず、これを直視し、その総括と反省に立つことなくして地方創生などおぼつかないと指摘をしてまいりました。 しかし、石破大臣は、平成の大合併も、地域再生も、三位一体改革も、地方分権改革の名による規制緩和も、構造改革特区も、制度としては、私がこれだけ事実を示しても、その誤りさえお認めになりません。結局、総括も反省もしようとしませんでした。そして、相も変わらず、また新手の一層悪い特区を押し売りしようとしている。 もはやこのような政権に未来はないということを申し上げて、私の質問を終わります。
○山本委員長 次に、田村貴昭君。
○田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。 宮本岳志議員に続いて、また新手のひどい特区の話についてお伺いしたいと思います。 農地法等の特区について質問をいたします。 昨日の連合審査でも、企業の農地取得を認める特例措置についてさまざまな質疑がありました。 私は、きょう、鹿児島県の薩摩川内市の唐浜ラッキョウの取り組みについて少し紹介したいと思います。 リース方式で企業参入に挑戦してきた、苦労をされてきたところの話でありますし、日本農業新聞、ことし二月二十四日付でも紹介されました。私も、現地に事実を確かめてきたところであります。 薩摩川内市は、二〇〇四年から唐浜らっきょう生産振興特区を推進してきました。企業参入を導入しました。その背景には、全国的にも共通する課題でもあるんですが、生産者の減少、地元の貴重な特産品を何とか維持して生産を拡大したいということでありました。そこで、やってみたんですけれども、スタート時は七社が参入いたしました。しかし、撤退が相次ぎました。現在は、企業参入で残っているのはゼロになったと伺っています。 農林水産省、お越しでしょうか。唐浜らっきょう生産振興特区の参入と現在残っている企業参入については私が今話したとおりでしょうか。事実確認をさせていただきたいと思います。いかがでしょうか。
○山北政府参考人 お答えをいたします。 鹿児島県の薩摩川内市におきましては、平成十六年六月に構造改革特区の認定を受けまして、リース方式による企業参入を進めたところでございます。 具体的には、地元の建設会社などの七社の企業が遊休農地を借り受けて農業に参入いたしまして、地域の特産品であったラッキョウの生産を行ったところでございます。 しかしながら、本業の経営ですとかあるいは農業経営が不振であったことから、平成二十六年の六月までに七社全社が農業から撤退したと承知しているところでございます。 なお、現在、これらの企業が借り受けていた農地につきましては、全てリース契約が解約されまして、多くは他の担い手が耕作を行うなど適正な農地利用が行われているものというふうに承知をしているところでございます。
○田村(貴)委員 リース契約方式での賃借は三年契約だったんですね。しかし、一作で三社が撤退をいたしました。やはり企業は、赤字や倒産のリスクがあります。薩摩川内市の場合、相次いで企業が参入したが、次々に撤退していく、市の農業公社が新たな農業者を確保して事なきを得たのが実態である。今おっしゃったとおりです。市の担当者の方もこういうふうにおっしゃっていました。これはまだ農地の取得が企業にはされていないから、農業公社が間に立って何とか生産が維持されてきたということを示しているのではないでしょうか。 再び農林水産省にお伺いします。 国家戦略特区内で企業が農地取得をするには、改正案第十八条一項で掲げる一号から三号の要件の全てを満たしている法人としています。そういう法人について、農業委員会は農地の取得を許可することができるとしています。例えば、適正でない利用の仕方をした場合にはその農地を自治体に移転する旨を自治体と企業との間の契約でうたうとしています。また、同条第六項では、適正でない利用などがあった場合は、農業委員会がその旨を地方公共団体に通知するとしています。しかし、これでは、一旦は農地の不適正な利用が起こることになってしまうのであります。 安倍総理は、第十九回国家戦略特区諮問会議の関係で、よそ者の企業は農地を荒らすのではないかという地域の懸念を払拭するため、企業の負担で原状回復する仕組みを設けたのですと言われています。企業の負担で原状回復する仕組みは、法案のどこに担保されているのでしょうか。説明をいただきたいと思います。
○山北政府参考人 今御指摘のありました二月五日の国家戦略特別区域諮問会議におきまして、総理発言でございますが、養父市が、農地を所有して農業を行う企業に対しまして一定の負担、十アール当たり十五万円ということでございますが、を求める条例を制定したことに対しまして、その意気込みを評価する発言を行われたものというふうに認識をしているところでございます。 今回の特区におきます農地所有の特例におきましては、企業が農地を適正に利用していない場合には農地の所有権を企業から当該地方公共団体に移転することとし、その旨の書面契約を企業と地方公共団体との間で締結していることを要件としているところでございます。 このため、企業が仮に耕作放棄をするような場合には、地方公共団体に農地の所有権そのものが移転されることから、地方公共団体が責任を持って確実に原状回復することができる仕組みというふうになっておりまして、養父市の条例より今回の特区特例の方が厳しいものであるというふうに考えているところでございます。
○田村(貴)委員 それでは、なぜ自治体と企業の間の契約でしか担保ができないのでしょうか。法による事前の防止規定というのは、この特区ではないのでしょうか。
○山北政府参考人 お答えいたします。 二十一年の農地法の改正によりまして、リース方式の場合には企業の全面参入が認められているわけでございますが、こういったリース方式の場合にも、法律上は、企業が農地を適正に利用しない場合にはリース契約を解除する旨の書面契約の締結を義務づけているところでございます。契約解除の際の原状回復責任ですとかあるいは費用負担につきましては、当事者間の契約書において定められているところでございます。 今回の特区特例でも、原状回復の担保の具体的な仕組みを法定しているわけではございませんけれども、今回の措置でリース方式の原状回復措置とのバランスがとれておりまして、また、今回の特区特例というのは、地方公共団体が責任を持って取り組むことを前提に強い要望があったものでありますから、地方公共団体には責任を持って適切に運用していただけるものというふうに考えているところでございます。
○田村(貴)委員 所有権を移してしまうから契約でしか担保できないということです。 法定はしていないと今お話がありました。では、ずっとこの委員会でも論議されていますように契約が守られなかった場合に、自治体としてはどのような対策、対抗措置を打てるんでしょうか。これは訴訟しかないということなんでしょうか。その辺について説明していただきたいと思います。
○山北政府参考人 特区で参入いたしました企業が撤退する場合におきましては、契約に基づきまして農地の所有権が地方公共団体に移転されることとなるところでございます。この際の原状回復責任ですとか費用負担につきましては、当該地方公共団体と企業との間で契約書にあらかじめ定めておくべきものでございまして、地方公共団体に責任を持って判断していただくというふうにしているところでございます。 また、仮に株式会社が破産したり資力がない場合というのは、実際上、市町村が原状回復を行うこともあり得ると思いますので、こうした点も含めまして、地方公共団体においては契約の内容を慎重に検討することになるというふうに考えているところでございます。
○田村(貴)委員 企業が撤退してしまう、あるいは経営破綻に追い込まれる、そうしたことも想定しておかなければならないというふうに思うわけです。 例えば、その法人が逃げてしまったら、行方をくらまして所在がつかめなくなってしまったら、契約そのものをほごにし、そして自治体に権利をまた譲るということができるんでしょうか。相手側が逃げてしまったら、契約について変更手続もできないのではないかなというふうに思うんですけれども、そうした場合についてはどういうふうな措置が講じられるんでしょうか。法人がつかまらない場合。
○山北政府参考人 今回の措置におきましては、先ほど申し上げましたように、企業が農地を適正に利用していない場合には地方公共団体にその所有権が移転するということでございます。その所有権の移転につきましては、地方公共団体は不動産登記法によりまして遅滞なく仮登記の嘱託をするということでございますので、その登記に基づきまして確実に所有権が地方公共団体に戻るということでございます。
○田村(貴)委員 それでは、その法人が経営破綻を招いたときにはどういうことになるんでしょうか。例えば会社更生法とか、あるいは経営破綻に追い込まれてしまった、莫大な債務を持ってしまった、その債権者に農地等が担保あるいは債務としてとられてしまう、そうしたことになってしまった場合に、どういうふうに自治体は取り戻し、原状回復ができるのか、このことについてもお聞かせいただきたいと思います。
○山北政府参考人 お答えをいたします。 そういった場合には、所有権としては地方公共団体に戻るということでございますので、そのときのコストが地方公共団体の負担になるということはあり得るというふうに思っております。そういうことを含めまして、今回の制度を運用するに当たっては、地方公共団体においてその契約の内容を含めて慎重に判断されるものというふうに考えているところでございます。
○田村(貴)委員 先ほどの唐浜のラッキョウのリース契約でも、リース契約で本当によかったと言われています。 採算が合わない、もうけにならないといったら、やはり撤退するわけですね。撤退したときにいわゆる係争事案になってしまう、調停やあるいは裁判になってしまう、これは自治体にとってはリスクを負ってしまうわけです。それから、原状回復にしたって、自治体の自己負担になっていくということは明らかでありますね。そうしたことも含めて議論をしなければいけない、そういうこともしっかりと捉えておかなければいけない、私はそういうふうに考えるわけであります。 所有を企業に一旦移してしまうということで農地としての適正な利用と保全が保っていけるのか、やはり懸念は残るわけであります。今質問してきましたように、農地の保全という点でも、所有権を移した方がいいのだろうという合理的な理由は私は見出せません。 先ほど紹介した日本農業新聞の記事では、撤退した元建設会社の社員の方の話が紹介されています。人件費の見通しが甘く大赤字だった、もしも当時農地を所有していたら、資材の置き場にするか転売していただろうというふうにおっしゃっています。また、JA北さつま川内営農センター長は、リース方式での企業参入は歓迎だとしながら、所有は別問題だとおっしゃっています。記事では、採算が合わないと企業は撤退しやすい、後に残った農地の保全が、周囲の農業者や住民にとって重い問題になるというところまで指摘されています。 これは、リースの特区を活用したいわゆる企業の農地利用についての歴史的な経験則であります。こうした経験則を踏まえてみるならば、やはり私は、所有権を移転する、企業に農地を明け渡す、こういう特区のやり方はやってはいけないというふうに考えます。 日本農業新聞の記事にも、企業が経営判断で撤退して維持できない農地が出ても、リースだから農地を守れたというふうにあります。私の事務所の方からも薩摩川内市の方にお聞きしますと、それがやはり当時の実感であったというふうに述べられています。 今度の改正案で、安倍総理が言うように、地域の不安の払拭につながっていくんでしょうか。かえって不安と懸念が大きくなるのではないでしょうか。なぜ農地取得を可能とする改正案が必要なのかという問題になってきます。 どれほどせっぱ詰まったニーズがあるのか、これは全国的にどれほど引き合いとかニーズの声が上がっているのか、このことについて教えていただきたいと思います。
○佐々木(基)政府参考人 お答えいたします。 私どものところには、農業を安定的、長期的な経営基盤のもとでやりたい、あるいは大規模経営とか六次産業化に取り組んでいきたいというところから農地の所有を求めるニーズが届いてきております。 それは、一つには、リース方式といいますのはもちろん有効な手段ではございますけれども、契約の更新に伴いまして賃借料が変更されたり、あるいは、十年以上の期間のものにつきましては更新ができない、そういうリスクも考えられるということもございますし、また、そのリース期間において投下した資本を回収して営農をやっていくのには短過ぎるというようなこともあるわけでございます。 要望でございますけれども、養父市を初め全国の自治体や事業者から、平成二十五年から二十七年にかけまして合計二十件の提案が寄せられております。 具体的なニーズでございますが、例えば養父市におきましては、農地を所有する意向を示している法人につきましては、数千万円の追加出資を行い、耕作する農地面積を十ヘクタール程度に拡大したい、拡大に当たっては、特例を活用して休耕田を取得、所有し、農地の再生を行いたいというようなことで、具体的な希望を持つ企業の声を養父市を通じて聞いているところでございます。
○田村(貴)委員 ちょっと驚きました。全国からこの特区についてわんさかわんさか引き合いとか要望が起こっているのかなと思っていましたけれども、三年間でわずか二十件ですか。その程度の要望ですか。それで、ずっと生産者が日本の食料とそして食料主権を守るために、自給率を上げるために頑張って守ってきた農地を営利を目的とする企業に譲り渡す、そういう特区を今切り開いていいのかなという思いが率直に私はあります。 最後に石破大臣にお伺いしたいというふうに思いますけれども、ことし三月二日の国家戦略特区諮問会議での「国家戦略特区における追加の規制改革事項等について」ということの中身であります。 企業による農地取得の特例について、喫緊の課題である担い手不足や耕作放棄地等の解消を図ろうとする国家戦略特区において、農地を取得して農業経営を行おうとする法人について、地方自治体を通じた農地の取得や農地の不適正な利用の際の当該自治体への移転など一定の要件を満たす場合には、農地の取得を認める特例を今後五年間の時限措置として設けるとしたわけなんです。そして、今度の改正案になっております。 薩摩川内市の事例からいっても、企業による農地取得の特例が、喫緊の課題である担い手不足や耕作放棄地の解消、これには役立っていないどころか、それは危険であり、やってはならないというふうになってきたと思います。 石破大臣、以上のように、私は、きょう、ラッキョウのリース特区の話を引き合いに話をさせていただきましたけれども、こうした特区による農地の企業取得についてはやめた方がいいと思います。いかがでしょうか。
○石破国務大臣 この川内市の事例は私も報道で拝見をいたしておるところであります。そこでいろいろな方がいろいろなことをおっしゃっておられて、企業が経営判断で撤退して維持できない農地が出ても、リースだから農地を守れたのだ、見出しもそんな形になっていたと思いますが、今回の法案は、リースによらずして所有権の移転という形をとっても農地が守れるという仕組みになっております。確かに、手続というものは踏まなければいけませんが、リースでなければ農地は守れない、所有権が移転をすれば農地は守れないということであれば、このような提案はいたしておりません。そのように対応しているものでございます。 もう一つは、農業参入をするという場合に農地を持てばマイナスになるよというのは経営者の常識だというような、そういう報道もあったやに承知をいたしておりますが、それは経営者の判断というものなのでしょう。先ほど、うまくいかなかった例で、人件費の見積もりが甘かったという話ですけれども、そんなものはそもそも参入するなという話なのです。 私も、農林水産大臣をやっておりましたときに、かなり企業の農業経営というものの例は見てまいりました。農業は企業が簡単に入れるほど甘いものではないというのは承知をいたしておりまして、所有権を持つという形態ではありませんが、企業が農業の経営から撤退をしたという例も多く承知をいたしております。ですから、今回は、どういう企業が農地を保有するのかということは、行政において相当に厳しく見ていかなければならない。間違っても、人件費の見積もりが甘いなどという、そんなものが農地を保有するようなことはあってはならないことでございます。 ですから、どういう企業が参入をしていくのかということは、農地の重要性に鑑みてよくよく吟味をし厳選をしていかなければいけないと思っています。これが、仮に自治体が農地を買い取らなければいけないような、そういう事態が生起したとするならば、何でそんなのを選んだんだという話になるのだと私は思っております。 やはり所有権というオールマイティーの権利を持つことによって、長期的な農業の経営の展望が可能なのではないか。リースの限界というものがあるのは、政府参考人から御説明したとおりでございます。リースの方が安いよね、農地を保有するとコストがかかるよねということを承知の上で、なおかつ転用しないでこういうものに参入するというものはよほどの企業だというふうに思っておりまして、そこからまた新たな展開というものがあるというふうに考えております。 したがいまして、今回の提案もそういうような考えに基づいてやらせていただいておるものでございますので、どうぞ御理解を賜りたいと存じます。
○田村(貴)委員 リースでも取得でも、破綻するときは破綻する、撤退するときは期日を考えずに撤退する、これが利益を追求する企業のあり方であります。農業、農村に新たなもうけの場を広げたい財界の従来からの要求に基づくやり方、そして、地域の農業振興に心を砕いて必死に特産品の維持やあるいはその拡大のために頑張る農家の人たちの苦労を考えたら、今度の農地取得の特例を設けることには私は反対であります。 次の質問に移ります。 熊本地震と被災者の支援について質問をいたします。 新聞の見出しにこういう題字が躍っています。避難所生活、近づく限界、衛生悪化、感染症懸念。避難所、ひしめく人々、廊下が寝床、絶えぬ往来。避難所の生活環境の改善が緊急かつ重要な問題になっています。 内閣府政策統括官、被災者行政担当参事官が十五日に熊本県に通知をした、「避難所の生活環境の整備等について」という文書があります。これによりますと、一日も早く被災者の方々の生活環境を整えることが重要である、特に高齢者や障害者等の要配慮者及び女性や外国人についても十分な配慮が必要であるとしていますけれども、十五日に参事官が発したこの文書、そのとおりでしょうか。
○中村政府参考人 お答えいたします。 御指摘のとおりでございます。
○田村(貴)委員 そして、避難所の設置期間の長期化が見込まれる場合には、次の備品を整備し、被災者に対するプライバシーの確保、暑さ寒さ対策、入浴及び洗濯の機会確保等、生活環境の改善対策を講じることとして、その備品については、簡易ベッド、畳、マット、カーペット、冷暖房機器、テレビ、ラジオ、仮設洗濯場、簡易シャワー、仮設風呂、仮設トイレとあります。 熊本で、発災から十一日たちました。発災翌日にはこの通知が発せられているわけであります。にもかかわらず、圧倒的多数の避難所ではこうした備品は到着していません。私は、熊本に三日間入って、複数の自治体、避難所を回って見てきました。なぜなんでしょうか。 二十三日に、熊本市の六百名が避難する都心の避難所を訪ねました。それから、阿蘇市の大きな避難所も見て回ってまいりました。入った人みんな言います。かたい床に、まあ段ボールがあれば。あるいは、ウレタン製の薄いマットを敷いて寝ている。足の悪い方は本当につらそうであります。広い体育館に十日たっても畳一枚入っていない。間仕切りも皆無。洗濯機など見たことない。十日間、お風呂に入りたくても入れない。ウエットティッシュで体を拭いている。きょうもテレビのニュースであっていました。 二十四日に同僚議員が、益城町、御船町、熊本市を回ってきましたけれども、私と同様の調査結果でありました。 参事官にお尋ねしたいと思います。 自治体の手だてが打たれていないのでしょうか。それとも、打つ余裕がないのでしょうか。だとすれば、通知を出した政府、内閣府として今どのような対応をされているのでしょうか。お伺いします。
○中村政府参考人 お答えいたします。 自治体におきましては、地震発災後の対応にやや混乱等も生じているような事情もあるように伺っておりまして、まだ御指摘のような実態がありますのはそのような影響があるのかというふうには思っております。 内閣府といたしましては、なかなか、直接個別の避難所に改善措置を講ずるということが難しい面もございますけれども、改めて、発しました通知の趣旨を再度徹底する等、必要な対応をとってまいりたいと存じます。
○田村(貴)委員 私は、この熊本県の災害救助担当に出した通知というのは非常に大事だなと思っています。ここに書いてある避難所の設置、備品については、本当に必要であります。だからこそ、あるべき姿をぜひ実現していただきたい。しかも、喫緊の課題です。速やかに実現していただきたい。 自治体の方は、これらの備品については発注しているんでしょうか。必要なところにこれらの備品が届く、一応そういう段取りになっているんでしょうか。それさえもつかめていないのか。その点についてはどうですか。
○中村政府参考人 お答えいたします。 避難所で必要としております物資につきましては、発災後、当分の間ということで、内閣府の方でも取りまとめて直接お送りするような体制はとっております。 ただ、やはり、具体的にこういうものが必要であるというような情報が十分に届いてこないような面が今までございまして。ただ、その状況も徐々に改善はしつつあるように聞いておりますので、今後しっかり対応してまいりたいと存じます。
○田村(貴)委員 聞いている。ちょっと他人事のように聞こえますよ。通知は出したら、これはおしまいですか。通知は努力目標なんですか。地震の恐怖に日々おびえて暮らしている方がおられます。家を失った、家族も失った、塗炭の苦しみと悲しみの中にある被災者がおられるわけです。けがをした人、仕事に行くこともできない市民が多数おられます。心身ともに落ちつく場所をつくっていくのは政治と行政の役割ではありませんか。 「避難所の生活環境の整備等について」、この文書は、被災者行政担当参事官名で出されています。この参事官というのは中村参事官、あなたですね。そうですね。お答えください。
○中村政府参考人 お答えします。 現在その参事官の任にあるのは私でございます。
○田村(貴)委員 そうであるならば、避難所のあるべき姿を自治体に求めた責任者として、これらの備品の確保と提供のめどについて明らかにすべきであります。 この委員会でめどについて明らかにすることはできませんか。発災から十一日たって、畳一枚、マット一枚、そして間仕切りもない。洗濯機もない。お風呂にも入れない。それ以上のことはいっぱいあるんですけれども、まずは落ちついて安心して寝ることができる、その体制をとることが今一番求められている。だから私はこれにこだわるんです。 備品について、確保と提供のめどについて、参事官、今どのようにお考えでしょうか。自治体から聞いているじゃだめなんです。どうですか。
○中村政府参考人 お答えいたします。 現場の避難所において充足しているかどうかということでございますので、私どもの確認する手だてとしては、基本的に自治体の方にお尋ねするということがむしろ一番確かな情報ルートなのではないかというふうに思っております。
○田村(貴)委員 この文書を発した一番の責任者としては、私は今の発言は少々無責任に聞こえるというふうに思います。 いろいろ聞きたいことがあります。被災者の正確な掌握について、これはぜひ進めていかなければなりません。 内閣府が毎日発表している被害状況等についての資料があります。インターネットでもとれます。四月十九日発表分までは、熊本県、屋外避難者なしと記載されています。誰がどう見ても、テレビの映像、新聞の報道を見ても、屋外避難者なしなどという状況にはありません。なぜ、なしとしてきたんでしょうか。お答えできますか。
○中村政府参考人 私の方ではちょっと承知をいたしておりません。
○田村(貴)委員 それでは、強く求めたいと思います。 指定避難所、自主避難所、車中泊を初め屋外で過ごす被災者をできるだけつかむ。指定も、そして自主避難も、屋外、テントの人、車中泊の人、これをやっている自治体はあります。甲佐町とか、一部でやっているところがあります。できます。そして、車中泊の人にも、状況はどうですかと、そして、食事を提供している自治体があるんです。これを被災地全県でやらないと次の手を打つことにならないわけなんです。 私が行った避難所では、私の住んでいる地元北九州市からの頼もしい職員派遣があっていました。それから、ボランティア志願の方もたくさんおられます。列をなして、自分でできることはないかと、今、熊本でボランティアにいそしむ方がふえている。だから、マンパワーは確保されつつある。そういう掌握はできないはずはないと思うんですよね。 まずは正確な被災者、避難所、避難者の数をつかむ、これは大事だと思うんですけれども、どうされますか。
○中村政府参考人 お答えいたします。 正確な実情をつかむ必要があるということは、私も全くそのとおりだと存じます。したがいまして、今御紹介のありました、きちっと把握している事例を至急調べさせていただきまして、必要な措置を検討したいと思います。
○田村(貴)委員 朝も夜も、それから御飯だけをとりに来た町民の方、それから車中泊でお弁当を届けた、おにぎりを届けた、そんなところまでカウントしている自治体もあるわけですから、これはやはりやろうと思ったらできることなんです。やらなければ次に進みません。 この行政が発表しているカウントというのは、指定避難所の被災者だけの数になっているんでしょうか、それとも自主避難者も含めての数になっているんでしょうか。ここはちょっとわからないんですけれども、教えてください。
○中村政府参考人 政府におきまして集計をしております避難者の数といたしましては、指定避難所かどうかといった区別はしておりません。
○田村(貴)委員 わかりました。避難所の被災者についての数は全て含まれていると。そうしたら、今度は、避難所そのものの掌握もしていただきたいというふうに思います。本震を受けて指定避難所がダメージを受けて、そして閉所となって、被災者が退所を迫られた。この委員会でも、私、参事官と何回もやり合ってきました。NHKの調査によれば、指定避難所になっているのに使えなくなったところが四十カ所、そして施設の一部に被害が出ているところが三十四カ所になっているとの報道であります。これはもうすごい数であります。行き場を失った被災者の方、そうした避難者の方の対策を急いで進めていただきたい。この間から言っているとおりです。これは要望にとどめておきたいと思います。 それから、被災家屋の掌握についてであります。これは国土交通省の方にお伺いします。 被災家屋の掌握、二次災害防止のためにも、被災建築物応急危険度判定が今まさに急がれています。全国からの判定士も百五十人から六百人に増員されたというふうにも伺っております。応急危険度判定をいつまでに終わらせていくか、めどをつけて取り組む、そういう時期に来ているというふうに考えますけれども、国交省、いかがでしょうか。
○杉藤政府参考人 お答え申し上げます。 被災建築物の応急危険度判定は、余震などによる二次災害を防止するとともに、被災した自宅を使用しても大丈夫かどうかを確認するため、被災した住宅や建築物について、倒壊の危険性や外壁、窓ガラスの落下などの危険性を判定するものでございます。 熊本県では、益城町と熊本市におきまして発災翌日の四月十五日から判定活動を開始いたしまして、これまでに十市町村において判定活動が行われてございます。 国土交通省におきましては、判定士の人員確保に向け、全国からの広域的な応援に関する調整を行っているところでございまして、委員御指摘のとおり、四月二十三日以降は約六百名体制で判定を促進してございます。この結果、昨日までに、延べ二千二百五十人体制で二万三千八百五十七件について判定が行われてございます。 判定の終了時期につきましては、菊陽町が四月二十三日、益城町が四月二十四日、山都町が四月二十五日に当初予定分を完了してございます。その他の市町村につきましても、今、六百人体制で動員をかけて実施してございますので、地元の状況を踏まえつつ、できる限り速やかに実施してまいりたいというふうに考えてございます。 一日も早く判定活動が完了できるよう、国としても全力で支援してまいります。
○田村(貴)委員 大型連休前、あるいは連休をまたいでということになるんでしょうか。ある自治体に行きましたら、なかなか把握は人手不足でできないということで、もう連休明けになってしまうんじゃないかと言われていましたけれども、その辺のめどについてはいかがですか。
○杉藤政府参考人 お答え申し上げます。 具体的な日時につきまして確定的なことは申し上げられませんけれども、六百名体制になりまして、一日五千件とか六千件とかいったペースで進めてございますので、できる限り早く当初分の実施の完了を目指したいというふうに考えてございます。
○田村(貴)委員 先ほどの「避難所の生活環境の整備等について」に戻るんですけれども、福祉避難所について、これは今一番大事です。 災害弱者、どこに行けば、福祉避難所の人手不足。福祉避難所、機能せず、周知なし、人も足りず。こうした新聞の見出しを見るに、やはり心が痛みます。一般の避難所での生活が厳しい高齢者や障害者の受け入れができない深刻な事態となっているわけであります。受け入れるスペースはあったとしても、支える側の職員、専門職がいないとの理由であります。 参事官の通知では、高齢者や障害者等の要配慮者のニーズを把握し、必要な対応を行う、社会福祉施設等の協力も得つつ、福祉避難所を設置するなどの措置を講ずることとされています。しかし、指定福祉避難所百七十六カ所のうち機能しているのは三十五カ所、利用者は百四人、そういう報道もあっています。これはどうしましょうか。すぐに手だてを打たなければなりません。 要配慮者のニーズを把握して、福祉避難所の強化を急いで進めていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○中村政府参考人 お答えいたします。 福祉避難所の機能が図られるように対処していかなければならないということは、確かに私もそのとおりだと思いますので、繰り返しになりますけれども、改めて、自治体に働きかけを行ってまいりたいと存じます。
○田村(貴)委員 どうもきょうは煮え切らない答弁が多かったんですけれども。地震の発生をとめることはできません。しかし、災害関連死は、行政と政治の力でとめることができます。被災者の掌握、車中泊の被災者、屋外被災者にもしっかりと支援の手を差し伸べていただきたい。そして、自主避難所にも支援物資を届けて、避難所と同じ支援をやっていただきたい。人間らしく生活できるように避難所の抜本改善を、きょうやる、あしたは、次はここまでやる、そういう目標とめどを持ってしっかりとやっていただきたい。私たちも頑張って支援物資を届けて、また調査活動に赴きたいというふうに思います。 きょうはここで終わりたいと思います。以上で質問を終わります。
○山本委員長 次に、椎木保君。
○椎木委員 おおさか維新の会の椎木保です。 私でこの法案の審議も最後になります。これまで、石破大臣そして政府参考人からるる答弁いただきまして、党としては、判断をもって、きょう私が最後の質疑に立たせていただきますので、これまでの質疑の視点とは少し変えて、ちょっと幅広い視点で質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 初めに、クールジャパン外国人材の受け入れ促進についてお聞きします。 本法案は、法施行後一年以内を目途にして具体策を措置するとしていますが、各省の現在の取り組みや今後の検討方針について質問いたします。 まず、ファッション、デザイン分野において、日本のファッション、デザインを学びに海外から多くの留学生が来られています。日本のファッション、デザインを学びに海外から多くの留学生たちが専修学校や各種学校などの日本の教育機関を卒業しても就職がままならない、こういった話を聞きます。その実態とこれに対する対応はどうなっているでしょうか、答弁を求めます。
○田所大臣政務官 お答えいたします。 ファッション、デザインの分野については、大学や専門学校で学んだ留学生が、これらの分野の知識等を要する業務に従事する場合には、技術・人文知識・国際業務の在留資格に該当し、受け入れを認めているところであります。 御指摘の、留学生がファッション、デザイン分野で就職できない理由について、入国管理制度によるものかどうかは必ずしも明らかでありませんけれども、就労の可否に関する予見可能性を高めることが重要であるというふうに考え、現在、当省において、関係省庁と協議しつつ、在留資格、技術・人文知識・国際業務のもとで就労が可能なケース等をわかりやすく例示したガイドラインの作成を進めておるところでございます。
○椎木委員 特に、着物の着つけ、ネイル、スタイリングなど、自分と同じ母国の外国人観光客をもてなし、サービスを提供したいという外国人留学生が多く専門学校に来ていると聞いております。 日本のこのクール、これらを海外に発信してくれる彼らを今後どのように受け入れていくのか、お伺いしたいと思います。
○田所大臣政務官 御指摘の活動が専門的、技術的分野に該当する場合は、現状においてもその在留を認めているところであります。 他方で、専門的、技術的分野とは評価されない分野における外国人の受け入れについては、一つ、ニーズの把握や経済的効果の検証のほか、その他、日本人の雇用への影響、産業構造への影響、教育、社会保障等の社会的コスト、治安など、幅広い観点から検討すべき問題であり、業所管省庁を初めとする関係省庁と連携しつつ、検討を行う必要があるというふうに考えているわけでございます。
○椎木委員 ありがとうございます。 今後とも、引き続きしっかり検討していただいて、できるだけその受け入れ体制が整うようにお願いしたいと思います。 次に、アニメ分野、これらでは、就職はおろか、外国人留学生の受け入れすら認めていない学校があると聞いております。 その実態と対応策はどのように考えているのか、答弁を求めます。
○星野大臣政務官 お答え申し上げます。 アニメーション制作の国際分業が進展する中で、アニメ分野で我が国産業を育成するためには、外国人留学生の受け入れが重要であると認識をしております。特に、日本のアニメは世界で親しまれておりまして、日本に留学してアニメの技能を学びたいと希望する外国人も多いと聞いております。 アニメの制作技能の育成機関には、株式会社形態のアニメーションスクールなど、いわゆる無認可校もございます。現在は、このような無認可校への留学に対するビザの発給はされていないと承知をしております。 アニメ分野におけるいわゆる無認可校への留学ビザ発給については、本法案において、法律の施行後一年以内を目途として必要な措置を講ずるとされたことを踏まえまして、具体的な留学ビザの発給体制について早急に法務省と協議をしていく考えでございます。
○椎木委員 大変ありがたい、早急にという言葉もつけていただきまして、私たちも、協力できるところはしっかりしていきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いしたいと思います。 次に、食分野では、日本料理を学びに来た外国人留学生の就職には一定の道が開かれていますが、日本料理以外、これらについては十年以上の実務経験が必要とされています。フランス料理や中華料理にも日本風のアレンジがあるわけですけれども、こうした、厳密な日本料理でなくとも、日本風料理のクールジャパンを進める上で、今後どのような対応が考えられるのか、答弁を求めます。
○齋藤副大臣 委員お話しのように、今、日本食、食文化、まず、これを海外に普及するということが極めて大事だなということで、日本の調理師学校を卒業した外国人、これにつきましては、卒業後二年間、日本料理店における就労が認められているところであります。 二十五年十二月に、我が国の伝統的な食文化である和食がユネスコの無形文化遺産に登録をされました。そういうことも踏まえまして、今、農水省では、本格的な日本料理店、まがいものが海外で非常に多いものですから、まずは、本当の日本食というものはどういうものかということを知っていただくことが極めて重要だなということで、そういう施策を進めているところであります。 一方で、委員御指摘のように、クールジャパンを進める上で、海外のレストランにおいても、日本産の食材、日本風なものというものの魅力もまた同時に、混然一体としないように発信をしていくことが大事だと思っておりまして、このため、農水省は、本年度から日本産食材サポーター店認定制度というのを創設いたしまして、海外の日本料理店だけじゃなくて、例えば、フランス料理店や中華料理店において、日本食材を積極的に活用していただいているところにはこの認定をする、そういう試みもしているところであります。 以上です。
○椎木委員 非常に齋藤政務官らしいという……(石破国務大臣「副大臣です」と呼ぶ)副大臣です、失礼しました。私が千葉にいたときは政務官のイメージがありましたので。本当に知的な。 ただ、これはどうなんでしょうか。今後、本当にこのクールジャパンを進めていくということが現実的に、先ほどの星野政務官の答弁じゃないですけれども、早期にといいますか、そういうことが見込めるんでしょうか。一言でお願いしたいと思います。
○齋藤副大臣 今、海外におきまして、日本食レストランというのが急増いたしております。ただ、我々が問題にしておりますのは、その日本食レストランはたくさんあるんですが、残念ながら、日本で日本食の経験がない人たちが、日本食と称して、そして誤解を与えているということがありますので、まずは本物の日本食というものはどういうものかということを認知していただいた上で、委員おっしゃるように、いろいろなアレンジをしていくということが大筋かなというふうに考えておりますので、その方向で努力していきたいと思っております。
○椎木委員 ありがとうございます。大変よく理解することができました。 次の質問に入ります。 民間と連携した出入国手続等の迅速化についてお尋ねいたします。 昨年度の訪日観光客が目標を大きく上回る中で、さらなるインバウンド需要の取り込みを目指し、先月末、政府として、新たな観光ビジョンも出されております。より一層の出入国手続の迅速化のために、空港や港湾の管理者との協力の上、さらなる制度改革、いわゆるCIQ、これらの手続の簡素化が望まれると思います。 こうした中、税関、入管、検疫ごとに、制度所管官庁が異なりますが、さらなるインバウンド取り込みに向けて、今後、具体的な策、あるいは現状、そういった今後の見通しを含めて答弁を求めたいと思います。
○大岡大臣政務官 椎木先生にお答え申し上げます。 まず、CIQのC、税関からお答えを申し上げます。 税関におきましては、訪日外国人が増加する中、テロ発生や不正薬物の国内流入等を阻止するために、厳格な水際取り締まりと円滑な旅客の通関、これは非常に相反することなんですけれども、これの両立が求められております。 このため、税関におきましては、エックス線検査装置等の取り締まり検査機器あるいは定員の確保等、必要な体制整備を進めると同時に、旅客の予約情報でございます乗客予約記録等の航空会社から報告される事前情報を活用しまして、密輸リスクの低い旅行者をあらかじめ特定して、到着されてから円滑な旅客の通関を図るなど、税関業務の効率化に努めているところでございまして、今後とも、訪日外国人の増加に対して、厳格な水際取り締まりと円滑な通関手続、この二つの両立に努めてまいりたいと考えております。
○田所大臣政務官 CIQのIでございますけれども、入国審査の迅速化に向けた取り組みについてであります。 近年の訪日外国人旅行者数が大幅に増加を続けているという中で、法務省は、これまでも、人的体制の充実や物的設備強化等に計画的に取り組んできたところであります。 本年三月に、明日の日本を支える観光ビジョン構想会議において取りまとめられた観光ビジョンに基づき、法務省としては、顔認証技術等の最先端技術を活用した革新的な出入国審査を導入するなど、思い切った取り組みを可能な限り早期にそして着実に行っていくことによって、円滑な入国審査と厳格な水際対策を高度な次元で両立させ、訪日外国人の円滑で適切な審査を実現していきたいというふうに考えております。 また、民間についての協力のお尋ねでございます。 民間との連携では、法務省においては、これまでも、迅速な審査を実施するための、空港の審査場において案内等を行うブースコンシェルジュのほか、審査手続の支援を行う通訳人、自動化ゲート利用者登録の事務補助員など、民間の力を活用しつつ、さまざまな取り組みを行ってまいりました。今後とも、バイオカートの導入に伴う捜査補助員の活用など、民間の力も十分に活用しつつ、出入国手続の迅速化を図ってまいりたいというふうに考えております。
○齋藤副大臣 検疫についてですけれども、外国人の観光客がふえるというのは大変ありがたいことなんですが、一方で、これに伴いまして、家畜の伝染病、疾病ですとか植物の病害虫の侵入というリスクが高まるところは正直否めないところでありまして、輸入検疫体制というものの整備をより一層進めていかなくちゃいけないと考えています。 昨年も、クルーズ船が急増したということで緊急増員を行いまして、新規定員六名を、家畜・植物防疫官は今度はトータルで十六名、二十八年度は要求をしていくということでありますし、検疫探知犬の増頭、これも二十八年度四頭ふやすということで体制を強化すると同時に、迅速化、円滑化を図っていかなくちゃいけない。その両にらみでいかなくちゃいけないと思っております。 また、逆に、外国人旅行者が国内のものを持ち帰られる場合にも、どういうものが持ち帰られるかという情報発信が非常に重要だと思っておりまして、このパンフレットなんかを的確に手元に届くようにすると同時に、ことしの一月からはシンガポール向けの畜産物の携帯品、これは牛肉ですとか、これについてはシンガポール当局と協議をいたしまして、簡易な証明書で輸出が行えるということになりました。 観光ビジョンの実現に向けて、動植物検疫体制の両面での強化を図っていきたいと思っております。 以上です。
○三ッ林大臣政務官 厚生労働省であります。 検疫についてでありますけれども、近年、訪日外国人旅行者が急増する中で、国内に常在しない感染症の侵入を防止するため、迅速かつ適正な水際対策を実施する体制を確保する必要があると認識しております。 このため、平成二十七年七月に、訪日外国人旅行者の急増等に対応するため、二十八名の緊急増員を行いました。さらに、平成二十八年度には、主要空港等における航空機の増便や海港におけるクルーズ船の増加等に対応できるよう、検疫官、検疫所職員十七名を増員したところでございます。 また、運用面におきましても、航空機の増便が見込まれる空港やクルーズ船の急増が見込まれる海港を管轄する検疫所に人員を重点的に配置するとともに、検疫官が常駐しない複数の海空港などにおいても、ほかの検疫所で常駐する検疫官を派遣して機動的に検疫を行っているところでございます。 厚生労働省として、今後とも、迅速かつ適正な検疫を実施できるよう、必要な検疫体制の確保に努めてまいりたい、そのように考えております。
○椎木委員 私が質問するに抱いていた懸念というのが、今のCIQ、それぞれの副大臣や政務官の答弁で本当に大変よくわかりました。こちらが心配している以上にしっかりと対策を講じていただいているというような認識でおりますので、引き続きよろしくお願いしたいと思います。 次に、国交省にお尋ねしたいと思います。 空港や港湾を担当している国交省として、制度面での現在の対応状況や今後の具体策はあるのでしょうか。答弁を求めます。
○津島大臣政務官 椎木保委員にお答え申し上げます。 国土交通省といたしましても、訪日外国人旅行者の皆様が円滑かつ快適に我が国への出入国を行えるよう、関係省庁と連携しながら、施設面において出入国環境を整えることが重要であると認識をしております。 このため、空港では、現在、関西国際空港、新千歳空港及び那覇空港の三空港において、CIQスペースの拡張に取り組んでおります。 また、港湾では、現在、クルーズ船を受け入れる旅客施設の整備を支援する制度の創設を盛り込んだ港湾法改正案を今国会に提出しておりまして、その制度によりまして、CIQスペース等の整備促進に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 今後とも、より多くの外国人旅行者に快適に日本を楽しんでいただけるよう、関係省庁や自治体と連携をいたしまして、訪日外国人旅行者の移動実態等も踏まえながら、必要な取り組みを進めてまいります。 以上です。
○椎木委員 まさに津島政務官の最後の答弁の文言のとおりだと思います、目指すところは。よろしくお願いしたいと思います。 次に、出入国管理とは少し話がそれますが、観光ビジョン、これらにもあるとおり、地元の旅館や商工団体が企画する地域の旅行商品、いわゆる着地型旅行商品を私は解禁すべきだと思います。また、旅行業法上の必置資格である旅行業務取扱管理者、これらを一定の研修のみで置けるような資格制度の改革も必要だと思いますが、見解を伺います。
○津島大臣政務官 お答え申し上げます。 旅行業法では、取引の公正の維持とともに、旅行者保護の観点から、旅行商品の品質保持、無理のない旅程の設定管理等が行われるよう、営業所ごとに、一定水準以上の法律、旅行実務の知識を有する旅行業務取扱管理者を選任することとなっております。 このため、旅行業務取扱管理者は、旅行業法や旅行業約款に加え、仲介する各種運送サービスや宿泊サービスの法令と契約、運賃制度等を習得する必要がございます。こうした知識や能力の有無を判定し、一定水準以上の旅行商品が提供されるよう、旅行業務取扱管理者については国家試験が設けられておるところでございます。 国土交通省としては、旅行業務取扱管理者の責務を果たすために必要な知識、能力の判定のため、一定の試験は必要であると考えております。 なお、地域限定で着地型旅行のみを取り扱う場合には、現行の旅行業務取扱管理者の試験より簡易な試験の導入を検討するよう規制改革実施計画に盛り込まれているため、今後、対応について検討してまいりたいと考えているところでございます。 以上です。
○椎木委員 きょうは、冒頭申し上げましたけれども、最後の質疑ということなので、できるだけ、これまでの質問の視点を変えて、少し幅広い分野でそれぞれ質問させていただいておりますけれども、こちらが期待していた以上に取り組んでいただいているんだなということが非常に実感できました。 石破大臣には、最後に一、二問とは思っていたんですけれども、ちょっと時間が思ったよりありますので、少し長目に答弁いただければと思うんですけれども。 クールジャパン、外国人材の受け入れ促進、そして民間と連携した出入国手続等の迅速化、この二項目について、制度の所管官庁に対して、現時点での検討状況をきょうはお聞きしました。外国人の受け入れに対し、各省ともおおむね頑張っているという感想を持たせていただいております。ただ、やはり一部ではまだ若干不十分かなという面も感じざるを得ない面も多少ありますけれども、この制度、そしてこの分野を所管している各省の意見を聞いて、全体を推進していく立場の石破大臣の所感を聞かせていただければと思います。
○石破国務大臣 CIQにつきましては、私は長く自民党でCIQ議連の会長というのをやらせていただいているのですが、やはり外国人のを入れる、受け入れるときに、CIQ、これは国家公務員の定員という枠がございますが、それを超えて増員もいたしておるところでございます。 これをやらないと、訪日外国人観光客二千万とか三千万とか言ってみたところで、その出入国に物すごい時間がかかるということであれば、それは怒って二度と来なくなるわけでございますから、そこはいろいろな、例えばOG、OBの活用でありますとか、機械化でありますとか、レーンの工夫ですとか、各省においていろいろな工夫をしていただいて、法務省であれ、農水省であれ、あるいは厚労省であれ、そういうような体制を整えてきているというふうに承知をいたしておるところでございます。 また、クールジャパンにつきましては、国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案におきまして、第三十七条の二あるいは附則の第二条においてそのようなことを規定させていただいておるところでございます。 附則の第二条におきましては、法施行後一年以内を目途としてその具体的な方策について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる、こう書いてあるわけで、検討するだけではどうにもならぬので、その必要な措置というものを講じていかなければなりません。 クールジャパンというものをやっていく上において、これは前の担当であります山口前大臣からもよく教えていただいておるところでありますが、これをいかにして活用するか、あるいは、日本において習得したクールジャパンの技術なるものをさらに外国でどう広めるのかということは必要なことだと思っております。 今の委員の御質問の中に、着つけでありますとかネイルでありますとか、そういういろいろなお話がございました。午前中の質疑で申し上げたかと思いますが、そういうクールジャパンの人材ではありませんが、北海道の新篠津の例のお話をいたしました。 やはり、外国人観光客がふえているというところは、外国人の方々のいろいろな知見というものを十分に活用して、これが日本の文化だ、わからない人が悪いんだみたいなことのみならず、やはりタイの方が思い描いている日本の文化というのはあるのです。タイの方々にしてみれば、雪景色を見ながら露天風呂に入るというのは今まで一度も経験したことがないことなので、それはやはり行ってみたい、見てみたいというのがある。でも、来ても、ちっとも言葉は通じない、習慣は通じないということで、悲しくなるだけなのですね。そういう外国の方々のいろいろな活躍の場というものを求めていかないと、我が国の経済発展は極めて難しかろうというふうに考えております。 今後とも、委員の知見を承りながら、努力をしてまいりたいと存じます。
○椎木委員 ありがとうございました。 私も地方行政を約十八年やらせてもらったんですけれども、今回もこの特区法案を拝見させてもらって、もともとが地方が早くこういう特区で国に対してお願いしていたんですね。それがここに来て非常に特区が幅広くなってきた。 きのうの質問では、余り数が多くてちょっとわかりづらいところもあるんじゃないのかという質問をさせてもらいましたけれども、そうした中で、きのうの森山農水大臣も答弁の中で言っていましたけれども、養父市の熱意といいますか、そういうものに打たれて試験的にスタートしたという答弁がありました。 私は、ちょっとこれは語弊を招いたらあれなんですけれども、行政経験をしていて、先輩、上司、あるいは行政評価の専門家に言われたのは、行政の仕事というのは費用対効果はなじまないと。これは私もちょっと苦しい立場ではあるんですね、やはり国民の皆様の税金で事業を推進するわけですから。ただ、一方で、地方の自治体がもう何年も何年も努力をされてきて、熱意を持って国に特区を申請してお願いする、これは、私は、試験的という言葉を削除しても認めるべきだと思いますし、そういうものを一つ一つ推進していく中で、見直しだとか、あるいは成果をさらにより効果的に見直していくとか、そういう特区のあり方が望ましいんじゃないかなと思っているんです。 ただ、どうしてもこの法案審議の中で常々悩んでいたのが、費用対効果、民間でいえば、事業に着手する段階で、事業の効果の見込みだとか成果の見通しといいますか、そういうものをある程度科学的に数値であらわして、それでスタートするというのが大体民間のやり方だと思うんですね、赤字が見込まれるとか五分五分では大体前には進みませんから。ただ、行政というのはそれだけでは果たしてどうなんだろう、特に国が都道府県、市町村をつかさどるわけですから。 この点について、最後に、大臣の考えといいますか、個人的な見解で結構ですので、それだけお願いしたいと思います。
○石破国務大臣 やはり税金を使ってやるわけですから、費用対効果というものの分析の手法というものは必要だと思っております。BバイCというのはそういうものでございます。 私が昔、農林水産政務次官をしておったころですから今から二十何年も前のことですが、では、土地改良法において土地改良法施行令というのがございまして、まだBバイCなんという言葉が一般的に流布する前からそういう考え方がございました。ただ、これも、BバイCの手法はあるんですけれども、何の数字を入れるかによって数字は大きく振れます。農産品でも果物でも、千疋屋で一番高く売れた場合なんて数字を入れるとBバイCが一を超えるのは当たり前の話で、これを恣意的に運用してはいけないということが一つ。 それからもう一つは、何でもかんでもBバイCでいけばいいというものではありませんが、やはりいろいろな施策を展開する上において、まさしくこれがPDCAのPDCAたるゆえんだと思いますけれども、効果検証を全く伴わないというものは絶対によくなくて、それがまた行政の内部だけで効果検証が行われるということは決してよくない。やはり納税者の方々が、地域の住民の方々がその効果を検証するということをやらないと、それは財政民主主義にも何にもならぬのだろうというふうに思っております。 行政は、民間と違いまして、強制的に税金が集められますし、そしてまた債券を発行することもできるわけで、この二点において民間とは異なる面がございますが、だからといって、BバイCの考え方が要らないとか、PDCAが回らなくていいとかそういうことには全然なりません。やはりそれは、地域の納税者の方々の御理解を得るという意味で、私は費用対効果というものはさらに厳密に考えられるべきものだと。ただもうかればいいとかそういうものではないことはよく承知の上で申し上げているところでございます。
○椎木委員 時間ですので終わります。 国民の皆様、そして、特区を申請してくる市町村の皆様の熱意、そういうものもしっかり成果として見込んで、引き続き地方創生を進めていただきたいと思います。 我が党も、きょうは賛成の立場で質疑をさせていただきました。今後ともよろしくお願いします。 以上で終わります。
○山本委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○山本委員長 これより討論に入ります。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。福田昭夫君。
○福田(昭)委員 民進党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案につきまして、反対の立場から討論を行います。 規制改革に取り組み、経済社会の構造を改革し、産業の国際競争力を高めることは、私たちも大変重要だと考えています。また、地方創生や国際的な経済活動拠点を形成する観点から、これらを一部地域で重点的に行うことについても否定しません。 しかし、本改正案には、検討が不十分で弊害が懸念される内容が盛り込まれており、一言で言って、筋が悪いものとなっています。 以下、反対の理由を申し述べます。 まず、本法案は、過疎地等で自家用自動車による外国人観光客らの有償運送を認めるとしています。地域の足を確保し、地方で観光を振興することは重要だと我々も考えています。 しかし、今制度は、外国人観光客に限らず誰でも運送できる一方で、株式会社以外は容易に参入できます。さらに、第二種運転免許の取得が義務とされていないなど、タクシーなどに比べ、安全対策、犯罪防止策も極めて不十分です。これでは政府公認の白タク行為になりかねません。また、バスやタクシーなど、既存の公共交通のさらなる衰退を招き、かえって交通の便が悪化するおそれも拭えません。 次に、本法案は、農業の担い手が不足している過疎地等で、株式会社による農地の取得を認めようとしています。 しかし、企業の農地所有について規制を緩和した改正農地法は、まさに今月施行されたばかりである上、現在でも株式会社がリース方式で農業に参入することは十分可能です。我が会派の質問者から何度も、具体的にどんなニーズがあるのかとの質問がありましたが、政府から明確な回答が得られません。 これでは、転売目的の取得が横行し、農地が荒廃するのではないかなどの懸念が解消されません。また、農地が適切に利用されない場合は、所有権が地方公共団体に移されますが、譲渡価格について規定がなく、住民の負担増にもなりかねません。 以上が、反対する主な理由であります。 本法案には、ほかにも、薬剤師による遠隔服薬指導など、慎重な検討を要する内容も含まれています。我々は、規制改革や地方の発展は大変重要だと思っていますが、本改正案が大きな弊害をもたらせば、地方の崩壊に拍車をかけかねないことを指摘して、反対討論といたします。 以上です。
○山本委員長 次に、田村貴昭君。
○田村(貴)委員 私は、日本共産党を代表して、国家戦略特区法の改正案に対する反対討論を行います。 第一は、農地法等の特例です。 企業による農地所有は、耕作者の地位の安定を否定し、農地制度を根幹から覆すものです。 農地所有適格法人以外の法人も、リース方式であれば、農地を適正に利用していない場合にリース契約を解除するなど、一定の要件を満たせば農業への参入が可能です。しかし、企業に農地の所有権まで与えるならば、農地の荒廃、転用を防ぐことはできません。 企業の農地所有の自由化は、農業、農村に新たなもうけの場を広げたい財界の年来の要求です。五年間の時限措置をてこに、全面的に広げようとするもので、断じて許せません。 第二は、道路運送法の特例です。 いわゆるライドシェアは白タク行為として禁止されています。本法案は、現行の自家用有償旅客運送制度を拡充して国家戦略特区推進者の要求に応えようというものです。 外国人観光客の受け入れのためと言いますが、事実上、誰でも運送の対象となります。また、運送区域も、地域住民が参加する運営協議会の合意は不要となり、国家戦略特区の区域会議で決めることができます。参入のハードルは低くなり、白タク行為がしやすくなります。 第三は、雑則規定を根拠にした運用拡大による規制緩和です。 革新的医療機器の開発を促進するとして、特区内の臨床研究中核病院に対する医薬品医療機器総合機構の職員による出張、相談の制度をつくるとしています。医療技術の迅速な開発を優先すれば、安全性がおろそかになりかねません。 外国人観光客の来日促進に対応するとして、出入国手続への民間委託化を拡大することには反対です。外国人の入国を認めるか否かは、国家の主権の行使に属するものです。職員の大幅増員を行って体制を整備すべきであり、民間委託は行うべきではありません。 最後に、特区内で特定事業を実施する法人への課税の特例は、安倍内閣が成長戦略で重点とする、医療や農業、IoT事業等を行う企業が対象です。大企業に対する税制の優遇措置であり、反対です。 以上を述べて討論とします。
○山本委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○山本委員長 これより採決に入ります。 内閣提出、国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○山本委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○山本委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、山口俊一君外三名から、自由民主党、民進党・無所属クラブ、公明党及びおおさか維新の会の四派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。宮崎岳志君。
○宮崎(岳)委員 民進党・無所属クラブ、宮崎岳志です。 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明いたします。 案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。 国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用等について遺憾なきを期すべきである。 一 法人農地取得事業の実施に当たっては、この制度が担い手不足や耕作放棄が深刻な地域の農業の活性化を目的としていることに鑑み、この目的から逸脱した全国展開を前提としないこと。また、本法に基づく対象地域を検討するに当たっては、当該地域の農業経営及び農地の利用状況等について慎重に検討すること。 二 株式会社の農地所有を認めるに当たっては、当該農地等が目的外使用、転売又は開発行為等により荒廃すること等のないよう十分に配慮すること。 三 株式会社の農地所有を認めた後、目的外使用等を理由に農地等の所有権を特定地方公共団体に移転するに当たっては、当該地方公共団体は住民の負担を軽減するよう努め、売買による場合においては適切な価格で取得するなど、当該地方公共団体の住民に必要以上の負担とならないよう配慮すること。 四 国家戦略特別区域自家用有償観光旅客等運送事業については、あくまでバス・タクシー等が極端に不足している地域における観光客等の移動の利便性の確保が目的であり、同制度の全国での実施や、いわゆる「ライドシェア」の導入は認めないこと。 五 自家用自動車による有償運送において、観光客等を対象にする場合には、運転者に第二種運転免許の取得者を充てるなど、安全の確保に万全を期すること。併せて、運転者や乗客が犯罪に巻き込まれないよう、タクシー事業者に準じた対策を講ずること。 六 過疎地等において移動手段の確保を図るに当たっては、自家用自動車による有償運送はあくまで特例であることに鑑み、バス・タクシー等の一般旅客自動車運送事業の振興や、それらへの公的補助、業務委託など、バス・タクシー等の活用についても併せて取り組むこと。 七 国家戦略特別区域自家用有償観光旅客等運送事業は、あくまで非営利を前提に特例として認められる点に鑑み、バス・タクシー等の既存の有償運送事業者で対応可能な場合にはこれを認めないこと。また、事業の実施に当たっては、バス・タクシー等の既存の有償運送事業者との協議を十分に行うべく努めること。さらに、自家用自動車による有償運送が、いわゆる白タク行為となることを防ぐ観点から、事実上の営利事業とならないよう万全の対策を講ずること。 八 国家戦略特別区域処方箋薬剤遠隔指導事業の実施に当たっては、薬剤師による服薬指導が対面を原則としていることに鑑み、あくまで離島や過疎地など、対面での服薬指導が困難な地域に限定し、これらの地域要件を外した全国展開を前提としないこと。 以上であります。
○山本委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○山本委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。 この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。石破国務大臣。
○石破国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重いたしてまいります。 —————————————
○山本委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○山本委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時三十二分散会