国土交通委員会 第14号
- 発言数
- 147 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2016/05/13
会議録
○谷委員長 これより会議を開きます。 国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、政府参考人として国土交通省大臣官房危機管理・運輸安全政策審議官野俣光孝君、総合政策局長毛利信二君、国土政策局長本東信君、土地・建設産業局長谷脇暁君、都市局長栗田卓也君、水管理・国土保全局長金尾健司君、道路局長森昌文君、住宅局長由木文彦君、鉄道局長藤田耕三君、自動車局長藤井直樹君、航空局長佐藤善信君、外務省大臣官房参事官高橋克彦君、文化庁文化財部長村田善則君及び環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長鎌形浩史君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○谷委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小宮山泰子君。
○小宮山委員 おはようございます。久しぶりに最初に質問させていただきます。民進党の小宮山泰子でございます。 本日は、木造住宅、また、伝統的構法や歴史的景観、自然との共生を基本のテーマとして、熊本地震への対応、その復旧後の機能強化等についても質問をさせていただきたいと思います。 先日、十一日の発表ではございますが、環境省から、倒壊した瓦れきなど災害廃棄物が最大百三十万トン生じるという報道がございました。これは中越地震のときの約二倍を超すという多くの量でもございます。 いまだに千三百回を超す地震が地域では起きております。今まで考えてこなかったほどの震動、揺れが続いているわけでありますが、一刻も早い復旧のため、また、地域でもさまざまなごみが出ていて、衛生上、そういった問題もございます。 この点につきまして、まずは、現状と政府の対応、廃棄物の対応についてお聞かせください。
○鎌形政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘のとおり、環境省では、今般の地震による熊本県内の災害廃棄物の発生量は百万トンから百三十万トンという推計を出してございます。 この膨大な災害廃棄物を速やかに処理することが必要でございまして、熊本県に対しまして、東日本大震災で私どもの蓄積したノウハウを生かしまして、まずは、県による災害廃棄物事務を受託してはいかがか、あるいは二次仮置き場を設置して効率的な選別、破砕などを行ってはいかがか、あるいは、広域的な処理が必要な場合が生じますが、この場合には環境省が積極的に調整に入っていく、こういった提案をさせていただいて、協議を進めているところでございます。 現在、熊本県において、関係市町村との連携のもと、災害廃棄物の発生量推計に加えて、今後の処理の方向性を示す基本方針あるいは具体的な実行計画の策定について検討が行われてございますけれども、私ども環境省といたしましても、この災害廃棄物の処理を迅速かつ適切に進めていけるように、熊本県と熊本市などの被災市町村に対して最大限協力し、一緒になって処理を進める、こういう観点から支援していきたいと考えているところでございます。
○小宮山委員 今までの、東日本大震災、そういったときの廃棄物処理の経験を生かされているということ、また、当初から分別、選別等されているということで、大変迅速に行っていただいていることに感謝をいたしますが、また、アスベスト等そういったさまざまな物質が瓦れき等には入っております。ボランティアの方も入ってきておる中で、ぜひこの安全対策というのもあわせて環境省におきましては啓蒙活動もしていただきたいというふうに思っております。 さて、この中には多くの建築に関する廃棄物も含まれているかと思います。そして、これを減らすということが大変重要かとも思っております。そもそも、建築に関する廃棄物というのは廃棄物の中でも大きなウエートを占めておりますので、この関係についても今までもさまざまな法案、二〇〇〇年度ですか、つくられてもおりますが、やれることというのはたくさんあるかと思います。 環境省でこの百三十万トンの試算を出したやり方は、全壊や半壊、そういったものを、場合によっては衛星写真、住宅地図と照らし合わせて計算をしたというふうに伺いました。そういう中においては、まだまだ再生が可能な建物もあるのではないか、全壊をする前にまずは使えるもののリユース、そういったものもぜひ視点として入れていただくことも御依頼いたします。 さて、現地では、阿蘇神社や熊本城など文化財である木造建築の倒壊も多く報告されております。職人がつくる木の家ネットで活動されている建築士など専門家、建築学会の方が現地入りして調査も行っていると伺います。熊本地震被災地調査に参加された木の家ネットの建築士の皆さんの感想、見解というものをお聞かせいただく機会がございました。一部ちょっと紹介をさせていただきたいと思います。 土壁は千五百年の歴史があるとされている、地震が周期的に発生する日本で長きにわたって土壁が建材として使われ続けてきた理由は、身近にある材料でつくれること以外に、地震時には地震のエネルギーをまず土壁が壊れながら吸収することで軸組みにダイレクトなダメージを与えないこと、そして壊れても修復が可能であることがあると思う、地震発生直後のニュースで土壁の建物の被害が報道されていた、土壁は仕上げのしっくいが剥落しただけでも大きな被害を受けたように見える、ましてや土が落ちて竹小舞があらわになっていると衝撃的な光景として映る、しかし土壁が壊れることは織り込み済みで、いわば確信犯なのだという御意見。 また、伝統構法によってつくられた建築物は、変形性能を有し、ある一定以上の地震力が入力されると移動することによって力を逃がすことから倒壊を免れるケースが多い、もとの木材や土などの自然素材の材料をリサイクル、リユースする意味でも廃棄物にしないことでゼロエミッションを達成することができる、このような提案もありました。 また、西原村の宮山という地域の氏神様である八王社は、享保二十年、一七三五年再建とあるので約二百八十年の建築、拝殿は阿蘇神社と同じく壁がないので倒壊していたが、本殿、脇殿などは二十センチから四十センチ滑るように移動しており、比較的容易にもとの位置に戻せると判断できる、特に文化財の指定を受けておらず、補助金も現在のままでは期待できない、行政はこのような歴史的建造物に関しては特に指定がなくても補助金をつけるべきと主張したいというような御提言もございました。 熊本城などでは、巨額の費用がかかるとしても、復旧されることによって、熊本地震、また、この地域の復興のシンボルになるんだとも思っております。しかし、民間の住宅もしかりですけれども、建物の撤去費用は公費負担が国九割、自治体一割となることもあって、町並みなどを形成してきた木造住宅の場合、家を直して住むよりも経済的に撤去を選択することにつながりかねないと、この災害対応においては危惧するところでもございます。 昔から、古くからある町並み、それが復活することによって、やはり自分の故郷が震災から立ち直る、そういった精神的なシンボルにもなるのではないかと思うときに、町並み、景観の整った町の復旧を望む場合は、壊してなくしてしまうばかりではなく、震災後にも残った既存の建物を生かし、うまく使い続けていくことも重要かと考えております。 そこで、現在さまざまな多くの文化財も被災に遭っております。国指定だけではないものもありますが、文化庁といたしまして、文化財の被害の取り組み状況、また、文化財の復旧のためには多くの職人がその技術を生かさなければなりませんが、昨今なかなかこの技術者というものも数が少なくなってきたのも事実であります。この後継者育成も含めまして、文化庁の対応についてお聞かせいただければと思います。
○村田政府参考人 お答え申し上げます。 まず、今回の地震におきまして被害を生じた文化財の状況でございますけれども、昨日の時点で、九州各県の教育委員会からは、国指定文化財等の被害につきまして合計百三十四件の被害が報告をされているところでございます。 文化庁といたしましては、熊本県と大分県に被害状況把握のために文化財調査官等を派遣しまして、各所の被害確認に取り組んでいるところでございますが、御指摘ございましたとおり多くの文化財が大変な被害を受けている状況につきまして、極めて深刻に受けとめているところでございます。 こうした状況を踏まえまして、文化庁におきましては、熊本城を初めとする被災文化財の復旧に対応するために、専門の調査官から構成されますプロジェクトチームを設置したところでございます。 国指定等の文化財の修理につきましては、国の通常の補助に加えまして、災害復旧の場合には、八五%を上限に二〇%のかさ上げ措置を講じているところでございます。また、文化財の修理には、御指摘ございました文化財としての価値を維持しながら修理をしなければいけないという難しさがあることから、文化庁としては技術的な支援にもしっかり努めてまいりたいと思っております。 それで、さらにもう一つのお尋ねでございます、今後、文化財の復旧に携わる技術者の方々の確保ということでございます。これにつきましては御指摘のとおり、我が国の貴重な文化財を後世に伝えていく、これは災害復旧の場合もそうでございますけれども、やはり文化財の修理技術の保存、継承ということも大切な観点と認識してございます。 このため、文化庁におきましては、文化財の保存のために欠くことができない文化財の修理技術者を、選定保存技術として七十件選定してございます。その中には、建造物の修理でございますとか木工も含まれてございます。そうした選定保存技術の保持者あるいは保存団体が行う後継者、伝承者の養成、技術、技能の向上等に対して補助を行っているところでございます。 今後とも、我が国の貴重な文化財が将来にわたり保存、継承されるよう、保存技術の継承者、後継者の育成に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○小宮山委員 指定をされている文化財というのには、今の答弁のようにさまざまな指定もあるし補助も出るんですけれども、そうでない社、先ほどの二百八十年建っている社、そういったものについては、クラウドファンディングであったり寄附金など、さまざまな手当てをされることが望まれるんだと思います。 しかし、その中にも恐らく観光施設として成り立つものも多くあると思います。こういった分野において文化的価値を見出すことは、日本はまだまだ十分ではないというふうに思っておりますので、この点は文化庁としてもさらに何らかの支援策を、税制優遇であったり、そういったものも含めて御検討いただきたいというふうに要望をさせていただきます。 そこで、大臣、これは通告はしておりませんけれども、観光庁を所管する国交大臣でもございます。さまざまな地域、各国の大使の中には盆踊り、そういったものも好きだと。やはり日本の文化や歴史的に積み上げられたものというのも大切にしていかなければなりません。そして、そのもの自体が観光資源ともなるかと思います。 特に木造で百年を超す、二百年を超す、そういった施設においては、逆に言えば、二百八十年木造がもつということは大変大きな実証でもあったと思います。コンクリートの寿命でいえば六十年ぐらいとも言われていることもあります。長期優良住宅などさまざまな制度をこれまで国会も含めて国交省は主導してつくってきたかと考えておりますが、やはりこういった文化財に資するような木造の建築物といったものに関しては保存また復旧等もしなければならないと思いますが、文化財に対しての思いも含めて、大臣、何か御見解がございましたらお聞かせいただければと思います。
○石井国務大臣 私も、四月の二十九、三十と熊本地震の被災地の調査をしてまいりました。地元の方がおっしゃるには、熊本は三つの観光資源がある、熊本城、水前寺公園、阿蘇。この三つともが大きな被害を受けて大変な状況になっているということでございました。 私も、熊本城それから阿蘇地域、現地を実際に視察してまいりましたが、本当に大変な被害でございました。そのほかにも、阿蘇神社等は今後視察をしていきたいと思いますけれども、いずれにいたしましても、こういった伝統的な建造物の復旧復興につきましては、文化庁ともしっかりと連携をしながら、国、県、市、しっかりと力を合わせて復旧復興に全力で取り組んでいきたい、このように考えております。
○小宮山委員 文化財指定は受けなくとも、また、日常に溶け込んでいるからこそ二百八十年もの間、社が守られた。こういったものが復興されることによって、世界に対しても、日本の技術力の高さであったり、また日本が育んできた文化や歴史、その地域の特性というものは、今後とも、観光資源も含めて多くの方に知っていただきたいと思っております。ぜひそういった観点に立ちまして、また、観光庁初め大臣においては陣頭指揮をとって、復興復旧、そして広報も含めて推進をしていただきたいと思います。 さて、東日本大震災の後に、私自身、宮城県の蒲生浄水処理センターの視察をさせていただきました。その被災状況を視察した際に、仙台市長から、原況復旧ではなく、機能にプラスアルファを加えて、将来にたえ得る、より高度化するインフラ復旧ができるようにといった要望が述べられたことが強く印象に残っております。その後、この処理センターにおきましては高度化をされ、今立派な形で、海外からも、特にアジアから視察団が来るなど、活動されているところであります。 例えば、三十年前につくった施設設備など、現在は技術進歩しております。将来に向けて、設備の主たる目的は変えなくとも、高度化した設備も認めるべきかと思っております。 例えば、浄水処理センターがそうですけれども、熊本地震から復旧するときに、多くの映像の中において電柱が傾いていたり倒れていたり、そういった中に交通が遮断されたりなんという風景も随分見ました。現在はさまざまな形で通信網も電力網も復旧をされていると伺っておりますけれども、こういったときに復旧復興をさせるためには、無電柱化など別の形での復旧というやり方もあるのではないかと考えております。 この点に関しまして、どのような方法があるのか、また、その範囲を認めていかれるのか。特に今回は、東日本大震災の後につくりました非常災害の初めての指定もされるということでありますので、また、本日閣議決定で、来週明けには与野党協力をしての早期の復興に対する補正予算も組み終わることになります。この点に関しましてお聞かせいただければと思います。
○森政府参考人 お答えいたします。 今回、熊本地震におきましては、多数の電柱が倒壊をしたり傾いたりということが発生をいたしました。しかしながら、まずは被災者の生活を守るという視点で、地域におきます電力、通信のサービス提供を早期に回復させるという観点で、一部、仮設電柱あるいは高圧発電機車といったようなものを持ち込みまして、応急的な復旧を今行っているというふうに聞いているところでございます。 無電柱化を行うということは、特に今回のような実際の災害発生時に救急救命あるいは緊急物資の輸送といった視点で、特に緊急輸送道路の中でも無電柱化を図るということ自身、非常に効果が高いという認識をしているところでございます。 このため、国土交通省といたしましても、熊本地震の本復旧に当たりまして、特に道路の防災の観点あるいは良好な景観の確保という観点で、必要箇所での一層の無電柱化を進めていけますように、電力、通信といったような関係事業者の方々と積極的に調整をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。 以上でございます。
○小宮山委員 この四月には規定を少し緩和したりと、無電柱化の実現に対しては一歩前進をしているということも伺っております。この点は私も大変評価をしているところでもございますし、これからもさまざまな努力をしていきたいというふうに思います。 さて、さらに、少しまちづくり関係に入っていきたいと思います。 今国会には都市再生法の改正案も提出されております。都市再生特別措置法は、平成十四年に制定の後、これまで七回の改正を経て現在に至っております。私自身も、二〇〇七年改正時及び二〇〇九年改正時に国土交通委員会で法案質疑に立たせていただきました。二〇〇九年改正時の審議では、歩行者ネットワーク協定の導入に当たり、何件の協定締結を見込んでいるかなどについて質問させていただきました。 それから大分月日がたっておりますので、この点に関しまして、改めて歩行者ネットワーク協定の現状について、件数、導入後の評価などについてお聞かせください。
○栗田政府参考人 歩行者ネットワーク協定の件数、導入後の評価についてのお尋ねでございます。 これまでの実績としまして、福岡市で、はかた駅前通り地下道路、ここで一件協定が結ばれておるところでございます。この事例は、福岡市とJR九州など周辺のビル所有者が、博多駅近傍の地下道と地上への出入り口部分につきまして、歩行者が支障なく通行できるよう協定を締結して日常の維持管理を行っていただいております。 このネットワーク協定、関係する地権者の全員の同意が必要でありますので、締結に当たっては丁寧な手続が求められるものでございます。協定が締結されましたら、承継効によって所有者がかわっても将来にわたって効力が生じます。そういった意味で、通行路を確保するということで有効な制度と考えています。 歩行者の移動上の利便性、安全性の向上が必要な地区で積極的な活用が図られますように、引き続き制度の周知に努めてまいります。
○小宮山委員 二〇〇九年の改正時から日がたっておりますが一件ということで、もう少し目標が高かったような記憶をしておりますので、現実というものはこういうものなのかなという思いもしております。 また、評価についてというんですが、評価というかこれからの努力についてお聞かせいただきました。せっかく法制度を整えたわけですから、ぜひ、もう少しこの制度の有効性を伝える努力もあわせてお願いしたいと思います。 さて、この法案の中にまたさらに追加されているものとしては、都市の競争力強化という点が大きく取り上げられていることが見受けられます。 森記念財団、世界の都市総合ランキング二〇一四をもとに国土交通省都市局作成の資料「東京の強みと弱み」では、優位にある指標は、経済、研究・開発、交通・アクセス、劣位にある指標は、文化・交流、居住、交通・アクセスと指摘されております。 好きなタレント、嫌いなタレントを選ぶというような調査でも、同一の方が双方に入る、上位に並ぶということはよくあることでもあります。都市の機能とか暮らしやすさなどの評価についても同様なことが言えるのではないか、さまざまな見方、切り方によって優位性というものは変わってしまうというふうに感じております。そこで考えると、国際競争力がある、ない、高い、低いといった比較も、なかなか一概にできるものではないというふうに捉えることが可能だと思います。 そこで、都市の国際競争力について、政府はどのような定義、そして捉え方をしているのかお聞かせください。
○栗田政府参考人 都市の国際競争力についてでございます。 委員、今御指摘いただいたとおりでありますけれども、都市の国際競争力といいましても、例えば、交通アクセスですとか外国語の通用性ですとかマーケットの大きさですとか、あるいは治安、そういったいろいろな要素によって議論がされますし、どれを重視するか、いろいろな見方があるというようなものだと思います。 そういった中で、都市行政の観点からは、大規模で優良な民間都市開発事業を促しまして、都市の国際ビジネス環境ですとか生活環境の向上を図る、そういったことを通じまして、世界じゅうから海外企業やビジネスパーソン等を呼び込むことが大事というように考えています。 実際に、ある民間団体の調査ですけれども、外国人のビジネスパーソンに対しまして、オフィスの施設設備の重視度といったようなことをお尋ねされています。その中では、約八〇%が省エネ性能、共用施設などのビル設備のグレードの高さを重視するとか、あるいは約九〇%の方々がすぐれた防災体制、そういったことの充実を重視されているというような結果が出ております。 具体的な我々の施策としましても、大規模で優良な民間都市開発事業によりまして、高性能のオフィスビルあるいは充実した設備を備えた国際会議場、そういったことを進めていくことが大事だと考えております。 都市の国際競争力の観点から、経済効果がどういうふうにあるのかという例を一つ御紹介申し上げたいと思います。 しばしば、国際展示会を開催すると大変経済効果が大きいということが言われます。例えば、ことし三月に東京のビッグサイトでエネルギー関係の展示会が開催されました。六十七カ国から七千五百人の外国人の御参加がございました。ある民間機関の試算でございますが、その経済効果として、三日間で延べ一万六千人の宿泊、あるいは会場設営や広告、飲食、交通、トータル七十二億円の経済波及効果があったというようにされております。民間団体の資料から拝借したものというようにお断り申し上げる数字ではございますが、御報告さしあげたいと思います。 いずれにしましても、都市の国際競争力強化のために、都市行政の観点から積極的に取り組んでまいります。
○小宮山委員 具体的な数字も挙げていただき、ありがとうございます。 二〇〇七年改正時、私も質疑の中では、都市再生特別措置法のもとで、東京を頂点とする一極一軸の国土構造になっていないか、一極一軸型から地方都市を含む都市の再生、町、村も含めた国づくりに変えなければならないと、都市再生のあり方についての見直しを提言させていただきました。 国際的都市の再生とともに、地方都市、さらには町村部も含めた魅力ある地域づくりも目指していくべきだという強い思いを込めて当時質問をさせていただきました。 交通、治安、経済、さまざまな面から競争力を競い合う東京や大阪といった国際的な都市の都市再生を進め国際競争力を強化することは、世界じゅうから人や投資を引き寄せるとともに、日本国内においても相当程度に人や物、お金が集まることにつながるんだと、今の御提示いただきました数値からも理解をすることができます。 また、都市再生特別措置法の成立とこれまでの改正などを通じて、都市再生法改正案の対象となる都市再生特別地区、七十八地区指定されていますが、ますます便利になっていきます。これによって、東京、大阪など大都市部への集中を助長する効果も伴ってくるのではないでしょうか。かつて均衡ある発展を目指した時代とは大きく異なってきたことを感じております。 二〇一四年、政府は、東京圏への人口の過度の集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を確保するための取り組みを地方創生のキャッチフレーズとして打ち出しております。 今国会でも関係する法律として地域再生法の一部を改正する法律が可決、成立をしております。 この中において東京圏への人口集中是正など目的が明記されている地方創生への取り組みと、都市、殊に東京の国際競争力向上に向けての近年の都市再生特別措置法の流れは相反する面が感じられるんです。この点に関しましての見解をお聞かせいただければと思っております。
○栗田政府参考人 グローバルな都市間競争が激化する中で、我が国は、海外から人材、企業、投資などを呼び込み、競争に打ちかっていく必要があると思います。そのためには、我が国経済の成長エンジンであります東京など大都市の都市機能の強化を図ることが大事だと考えております。 他方、今、地方創生の観点からのお尋ねがございましたけれども、東京一極集中の是正に取り組むということも重要でありまして、昨年八月に閣議決定しました国土形成計画の全国計画の中でも、東京一極集中の是正を重要な課題と位置づけているところでございます。 これまでも、都市再生特別措置法の中でも、全国都市再生という形で、例えば、交付金の交付、あるいはまちづくりの担い手を育てる、こういったもろもろの措置を講じてまいりました。都市再生への社会資本整備総合交付金による支援は、これまで全国で一千二十三市町村、二千七百九地区に及んでおるところでございます。 今後も、町中への都市機能の効率的な誘導ですとか、官民連携による町のにぎわい創出、こういった施策を推進しまして、全国の地方都市におけるにぎわいのあるまちづくりを促していきたいと考えております。 東京など大都市の国際競争力強化につきましては、地方から大都市に人材を呼び寄せるということではなく、海外から人材、企業、投資等を呼び込む、こういった視点が大事と考えております。 したがいまして、大都市の国際競争力の強化と地方創生、これを二項対立的に捉える政策目的ではなくて、むしろ車の両輪というように考えておるところでございます。引き続き、大都市、地方都市双方について必要な都市政策の展開に努めてまいります。
○小宮山委員 まち・ひと・しごと創生法起草のもととなった、二〇一四年、まち・ひと・しごと創生本部の基本方針の中では、「東京圏の活力の維持・向上を図りつつ、過密化・人口集中を軽減し、」という文言が使われておりました。しかし、法文の目的になりますと、「東京圏への人口の過度の集中を是正」することを目的としておりまして、「東京圏の活力の維持・向上を図りつつ、」とは書いてなく、東京都あるいは東京圏が示すところ、すなわち埼玉や神奈川、千葉などの、全てではないですけれども一部は、ある意味、読み方によっては、人口流入をしないようにとも読み取れるような法案になっていったのも事実であります。 この点を考えますと、都市部も地方も農村部もバランスよく開発され、あるいは再開発されて、安心して暮らせる、仕事ができる、教育が受けられる、子育てができる日本をつくっていくべきと私は考えております。 また、国交省においても、昨今は、コンパクトシティーなど居住の便利さ、また、地方都市のこれからのあり方などさまざまな提言をされておりますが、昨今の政府におきましては、都市再生、地方創生、さらには一億総活躍というお題目が並び、そのもとで事業を進めようとすることに関しては、並べてみると、結果的にさまざまな矛盾を感じるものが多くあります。言い方によれば、お金をばらまく、税金をばらまく、そういったことのお題目にすぎないのではないかという懸念が拭えません。 この点に関しまして、矛盾は感じないのか、ぜひ大臣の御見解を聞かせていただければと思います。
○石井国務大臣 国土交通省といたしましては、都市再生等を推進する中で、これまでも、地域の主体性のもとに、歴史、自然、文化等の地域資源を生かし、魅力や活力のあるまちづくりを目指してきたところでございます。 地方公共団体による、まちづくりを支援する主要な政策手段の一つとして、社会資本整備総合交付金による財政支援がございますけれども、この交付金の活用に当たりましては、地方公共団体が、事業に先立って明確な目標等を定めた計画を策定するとともに、事業の完了後に事後評価を実施いたしまして、事業の効果の検証も行っているところでございます。 PDCAサイクルにより、効果の高い事業を対象とした支援を行っているところでございまして、今後も、実効性の高い事業への支援を通じまして、地域資源を生かした魅力や活力のあるまちづくりに努めていきたいと考えております。
○小宮山委員 魅力ある、活力あるまちづくりに努めてまいりますという大臣の言葉でございますが、もう少し具体的にお聞かせいただけないでしょうか。 大規模だからとかではなく、本来であるならば、地方分権、地域主権と言われる時代になって、先ほど挙げました東京の弱み、強みというような、地方から見ても、それぞれの町が自分たちのアイデンティティーというものを認識し、そしてそこを生かすという、地方においての決定というものが大変重要かと思っております。 大臣の考える魅力あるまちづくり、個性的なまちづくり、または地域のアイデンティティーあふれるまちづくりというものについて、御見解、御認識をお聞かせいただければと思います。
○石井国務大臣 人口減少や高齢化、国際化が進展する中で、我が国の都市はそれぞれの個性や強みを生かして、また一方で弱みを克服していく必要があるというふうに考えております。 その中で、地域固有の文化や歴史、景観を資源として生かしつつ、地域の主体的な創意と工夫を生かしていくことが非常に重要というふうに考えております。 例えば、委員の地元の川越では蔵を生かした歴史的なまちづくりが行われておりますし、また岐阜市では、長良川や金華山、ウ飼いといった自然や文化を生かしたまちづくりが進められているところでございます。 今後とも、全国で魅力のある創意工夫を凝らした主体的なまちづくりを積極的に支援してまいりたいと考えております。
○小宮山委員 大臣の目指すまちづくりについて、できれば原稿なしでお答えいただきたかったなと思います。 また、私の地元川越を取り上げていただいて、ありがとうございます。この町並み保存という中におきましては、私の父も昭和五十年代に、電線の地中化をして町並みができた方がいいということで尽力をさせていただきましたし、また保存については、市民団体の方、また建築士などの資格を持った市の行政の方が川越の市民として「町づくり規範」、景観の規範をつくったことから、またナショナルトラストの手法を取り入れたことから始まるものでもございます。 そういった力というもの、そして、自分たちでこの町をつくる、そういう意識というものの支援をこれからもしていただけたらと思いますし、そういった活動を全国でしている方々には、私自身も、改めて敬意と、これからもぜひ学ばせていただきたいと思います。 さて、二〇二〇年にはオリンピック・パラリンピックが東京で行われることになります。この中で、東京の強み、弱みという中に先ほど交通というものが両方に入っておりましたが、まだまだバリアフリーに対しては不十分なのではないかという懸念を持っております。 国交省のバリアフリーのガイドライン、これをさまざまな事業者は参考にし、建物であったり、駅であったり、いろいろなところで今活用されているところでもあります。また、バリアフリーの整備をすることによって、今よく言われる、オリンピックが終わった以降、レガシーとなるハードの部分が、本当の意味で一番、オリンピックをやりパラリンピックを招致したからこそ進んだというふうに言われる、そういったレガシーになるものだと確信もしております。 これによって、多くの障害をお持ちの方が、また難病や、今までさまざまなバリアがあったから町に出られなかった方がもっと地域に出て社会と触れるといった機会になる、きっかけになる、そういったパラリンピックに向けた整備というのは大変望ましいところでもございます。 そこで、まだまだ、国交省のバリアフリーのガイドラインはしっかりつくられているものではありますが、その本質的な趣旨から離れた、数字だけ活用するような施設整備の仕方というのも散見をされます。この点に関しまして、どのような対応、啓蒙活動も含めまして、国交省としては対応していかれるのか、バリアフリー対策についてお聞かせいただければと思います。
○毛利政府参考人 バリアフリーに関して二点お尋ねがございました。 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック、特にパラリンピックに向けて、そしてその後も考えますと、障害者にとりましてバリアのない環境をつくることが必要でございまして、国土交通分野におきましても交通や道路、建築物等のバリアフリー化の推進が大変重要と考えております。 政府全体では、ユニバーサルデザイン関係府省等連絡会議が本年二月に設置されまして、競技会場、アクセス経路等の整備の加速、あるいは、ユニバーサルデザインのまちづくり、心のバリアフリーについての検討が進められているところでございます。 国土交通省としましても、関係省庁や関係自治体、関係事業者等と連携しながら、大会に向けまして、空港から競技会場等までのアクセス経路について、持続的、一体的なバリアフリー化を推進するとともに、ICT等の活用を通じました先進的なユニバーサルデザインのまちづくり、さらには、大会を契機とした全国のバリアフリー化の推進に取り組んでいるところでございます。 特に、今年度、障害者団体からの参画もいただきまして、全国的に心のバリアフリーのセミナー、キャンペーン等を実施いたしまして、国民的運動として展開したいと考えております。 もう一点、現場の整備の状況についても御指摘がございました。 国交省では、バリアフリー法に基づく数値目標を定めまして、全国でバリアフリー化を推進しておりますけれども、このようなハード面の整備に当たりましては、御指摘ありましたように、施行者がバリアフリーの本旨をよく理解して、より使いやすいものにしていくことが重要と考えております。 御指摘ありましたように、バリアフリー整備の趣旨や考え方等を解説したガイドラインを作成して、その点は、さまざまな障害特性をお持ちの方がいらっしゃいますので、そういう方々を想定してバリアフリー化を進めることが重要なんだということを示してきているところでございますが、今後さらに一層の普及促進を図ってまいりたいと思います。 引き続き、関係省庁等と密接に連携しながら、ハード、ソフト両面にわたりますバリアフリー化にしっかり取り組んでまいりたいと考えます。
○小宮山委員 ありがとうございます。 ことしですけれども、足立区内に建設中の木造五階建て特別養護老人ホームの建築現場を視察させていただきました。これについては、今まで木造関係で多く質問をさせていただいておりましたので、太田前国交大臣から、建築中に見てきたらいいよと言っていただいたことがきっかけで行ってまいりました。 一階部分は鉄筋コンクリートづくりですが、二階から五階をツーバイフォー工法でつくられておりまして、国内最大級のものと伺いました。この建築物の中では、中層木造建築物の地震時の横揺れに有効な新技術としてカナダで開発されたミッドプライウオールシステムと呼ばれるものが、国内で初めて採用されたということも特筆されるものかと思います。 最近は、新素材、例えば、経産省が進めておりますセルロースナノファイバー、CNFなどもありますし、また直交集成板、CLTなどもございます。このような画期的かつ有効な木造技術の普及促進について、また、被災地での復興時に先行的に導入を進めることも有効と考えておりますが、御見解をお聞かせいただければと思います。
○由木政府参考人 お答えいたします。 国土交通省では、従来から、例えば、構造や防火等の面で先導的な木造建築技術が導入されますモデル的な建築物の整備に対しまして助成をしてまいっております。民間事業者から提案を受けまして、専門家の御評価をいただいた上で選定をしている手続をとっております。 今御紹介をいただきました足立区の特別養護老人ホームも、この助成をしている物件でございます。ツーバイフォー工法でありながら、面材の板を縦枠で両側から挟み込むという工法をとることによりまして通常よりも高い構造強度を実現する技術、これが今お話しいただいたミッドプライウオールシステムと呼ばれるものでございます。これとともに、施工を効率的にできるユニット工法を採用した大変先導的なものということで採用したところでございます。 御指摘いただいた被災地の観点ということでありますと、東日本大震災で被災をいたしました石巻市におきまして、中心市街地の活性化のための商業施設と住宅の複合施設について、同じような助成をしてまいっております。これは、地域の中小工務店でも施工できます在来の木造軸組み工法を採用しながらも、通常よりも大幅に高い構造強度の壁、耐力壁を用いるというものを評価して採用したものでございまして、その技術の先導性と同時に、地元経済が震災から復興するということに貢献する面に着目をいたしまして助成をしているものでございます。 こうした先導的な建物、取り組みにつきましては、その成果を事例集として取りまとめておりまして、ホームページ等で公表するとともに、普及のためにシンポジウムを開催いたしております。こうした周知措置を講じることによりまして、積極的に普及あるいは啓発に努めてまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。
○小宮山委員 最後になりますけれども、実は、東洋経済の今月号、五月十四日号、「生涯未婚」特集の中の記事で「結婚遠のく住宅事情」というのがございました。要は、日本政府は、持ち家促進の住宅政策を展開し、住宅建設政策を進めてきたということであります。賃貸住宅をほとんど支援しなかった。先進諸国の中で日本の賃貸政策は際立って弱くて、欧米諸国では公的賃貸住宅のストックが蓄積され、家賃補助など公的住宅手当を供給する制度があるということであります。また、若い人たちのアフター・ハウジング・インカムはマイナスであったりすることもあります。 こうやって考えますと、今回、多くの被災者が家を失い、また家から離れなければならない、そういった事態のときに、持ち家中心の住宅政策ではなく、賃貸住宅の情報をストックして、家賃補助など、また住宅手当というような形なのかもしれませんが、公的手当を供給する、日本では新たな住宅政策への転換が重要かと考えております。この点について、最後に大臣にお伺いしたいと思います。
○石井国務大臣 結婚を希望する若者世帯や単身高齢者世帯を初めさまざまな世帯が、持ち家、民間賃貸住宅、公的賃貸住宅など、それぞれの暮らし方に応じた希望する住宅に住むことができる環境を整備することは重要と考えております。 特に、低額所得者などに対する住宅セーフティーネットの強化のためには、公営住宅を初めとする公的賃貸住宅を活用するとともに、民間賃貸住宅の活用を促進することが重要であります。 このため、現在、民間空き家を活用し、低所得者世帯向けに賃貸住宅を供給する際の改修費への補助を行うとともに、地方公共団体との連携を前提に、住宅の整備費や家賃低廉化への支援を通じた良質な賃貸住宅の供給を行っているところであります。 さらに、既存住宅を活用し、さまざまな世帯が必要な広さを備えた住宅に低廉な家賃で容易に入居できるよう、空き家等の既存の民間賃貸住宅を活用した新たな仕組みを構築することが必要と考えて、新たな住生活基本計画における基本的な施策として位置づけたところであります。 現在、社会資本整備審議会住宅宅地分科会のもとに新たな住宅セーフティネット検討小委員会を設置し、具体的な検討を開始したところでありまして、今後、御指摘の家賃低廉化も含め、幅広い観点から検討を行っていただき、本年夏をめどに一定の中間取りまとめを行っていただきたいと考えているところであります。 これまでの既存の施策に加えてこうした新たな仕組みを創設することによりまして、全ての世帯が安心して暮らせる住生活を実現するために積極的に取り組んでまいりたいと存じます。
○小宮山委員 公団自治協の方からも伺いました。やはり、生涯、賃貸住宅で暮らすということ、それにおいても生活や居住の安定が目指せる、そういった制度の設立を強く望み、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○谷委員長 次に、坂本哲志君。
○坂本(哲)委員 自由民主党の坂本哲志でございます。 今回発生いたしました熊本大地震の被災地、被災者の一人として、今回この委員会におきまして発言の機会を与えていただきました。委員長、理事を初めとする関係者の皆様方に心から御礼を申し上げたいと思います。 早速、質問に入らせていただきます。 熊本と大分を結びます国道五十七号、そしてそこから分岐をいたします、熊本と宮崎を結びます国道三百二十五号、そして、立野ダム建設に伴います工事用道路として国によって建設され、そしてその後南阿蘇村に移管をされました村道栃の木立野線、さらには一級河川黒川、白川の合流地点にかかります阿蘇大橋、またさらにJR豊肥線、第三セクター南阿蘇鉄道、こういったものが立野地区の山腹の大規模崩壊によりまして一挙に破壊をされました。 現場は、人間の体でいいますと血管が集中する心臓部でありました。特に大規模な崩壊が発生いたしました阿蘇大橋地区の破壊の光景はすさまじいものがあります。復興ができるだろうかと気の遠くなるような感じがいたします。これまでにない高度な技術が必要であることは、私のような素人目にも一目瞭然であります。 阿蘇大橋地区につきまして、砂防、道路、鉄道など各部局にまたがる工事になると思いますが、まず連携を密にして崩壊箇所を一体的に考え、復旧に取り組んでいただきたい。今後、どのような高度な技術力を発揮し、一体的復旧に臨もうとしているのか、政府の方にお伺いをいたしたいと思います。 同時に、高度な技術力を必要とするものは、今言いました箇所だけではありません、まだまだあります。甚大な被害を受けました県道熊本高森線の俵山トンネル、崩壊をいたしました。先ほど言いました村道栃の木立野線阿蘇長陽大橋というものが落橋しかかっております。こういったものにつきましては、自治体の対応では到底困難であります。国が代行して復旧すべきであると考えておりますけれども、見解をいただきたいと思います。
○宮内大臣政務官 お答えをいたします。 私も五月四日に現地に入りまして、この土砂災害のスケールの大きさとか、まさに息をのむような思いでございました。 委員御指摘の阿蘇大橋地区は、熊本と大分を結ぶ交通の大動脈でありまして、阿蘇観光の玄関口でもあることから、その一日も早い復旧は最重要課題の一つというふうに強く認識をしておるところでございます。 このため、五月五日より、まずは直轄砂防事業による緊急的な斜面対策工事に着手したところでございます。工事に当たりましては、まだまだ多くのクラックが入っているような中での対応でございますので、万全な斜面監視とか無人化施工技術の活用、さらには道路、鉄道と一体となった迅速な復旧など、高度な技術力が必要となっておるわけであります。 このため、五月十日に、学識者及び実務者から成る検討会を設置いたしまして、対策の考え方や施工計画について助言を求めておるところでございます。 今後、早急に助言をいただいた上で、総理からの指示であります、できることは全てやるという政府方針のもとに、一日も早い阿蘇大橋地区の復旧復興に向けて、我が国の技術力の総力を結集して取り組んでまいりたいと考えております。 また、県道熊本高森線俵山トンネル及び村道栃の木立野線阿蘇長陽大橋についてでございますけれども、熊本地震を大規模災害復興法に基づく非常災害に指定する政令が本日公布、施行されたことを受けまして、法律に基づく国の直轄代行の要請が熊本県知事及び南阿蘇村長よりございました。 この二路線につきましては、坂本委員を初めといたしまして地元の国会議員の先生方から強い強い御要望をいただいておる路線でございます。国土交通省といたしましては、熊本県並びに南阿蘇村の地域の実情を勘案いたしまして、国が代行して復旧工事を行うこととしているところでございます。一日も早く復旧できるよう全力で取り組んでまいりたいと思っております。
○坂本(哲)委員 県道、村道に対します国の直轄代行、心から感謝を申し上げたいと思います。最先端の技術を駆使して、一日も早い復旧復興をお願いしたいところでございます。 その中で、特に熊本県民だけではなく観光客や産業関係者の関心が高いのは、今後、国道五十七号がどうなるかということであります。現在、立野地区で五十七号の復旧工事が進められていますが、より安全で安定した復旧を早期に行うためには、国道五十七号を別線で復旧することも視野に入れるべきであると考えております。 現地の住民の方々の不安を早く解消するためにも、応急的な現道の復旧も必要でございますけれども、同時に別線による国道五十七号の復旧復興に対して早期に着手する必要があると思いますが、その状況についてお伺いをいたしたいと思います。 また、阿蘇大橋につきましては、これまでの場所でのかけかえは難しいという発言もあったところであります。私たちも現場を見て、そう思います。だとすれば、現在の場所以外に、上流、下流などにかけかえられることが可能なのかどうか、これもあわせてお伺いをいたしたいと思います。
○森政府参考人 お答えいたします。 まず、国道五十七号でございますが、今回被災を受けて、一日も早い復旧が必要であるわけでございます。特に、今回大きな被災を受けました地区、この周辺の、例えば立野地区につきましても、国道五十七号の上部の山側が崩落をしているというものに加えまして、下側というんでしょうか、足元側の黒川につきましても、かなり大規模な崩落が見受けられるところでございます。また、今後の余震あるいは降雨によりまして、こういった崩壊がまたさらに進むのではないかというような可能性も認識しているところでございます。 現在のルートにつきまして、道路を設置するような空間が確保できるのかどうか、上を確保していても下の方からまたえぐられていくというようなこともあり得ますので、専門家の意見も伺いながら、現道での応急仮復旧の可否も含めまして、別線での本復旧について検討を進めてまいりたいというふうに考えております。 また、国道三百二十五号の阿蘇大橋でございます。 これにつきましても、今お話をさせていただきました山側の安定化処理、そして川側の黒川の崩落あるいは侵食といったようなことを踏まえまして、どのような位置で架設をすればよいかということを今検討を始めさせていただいておりまして、昨日も、学識経験者を含めた技術検討会を立ち上げさせていただいたところでございます。 今後、地質調査等々も進めまして、現位置での復旧の可否あるいは位置の変更といったようなものも、関係方面の御意見を伺いながら、最適な復旧箇所を定めてまいりたいというふうに考えているところでございます。 以上でございます。
○坂本(哲)委員 有識者によります技術検討会、何回かこれから進められていくと思いますけれども、できるだけ早く結論を出していただきたいと思うところでございます。また、それに対する財源の手当て等も、我々議員として、全力で訴えてまいりたいと思っております。 次に、JRの豊肥線の早期復旧、そして、同じく、第三セクター南阿蘇鉄道の復旧につきましての質問をさせていただきます。 両鉄道とも、通勤通学、通院、買い物など、住民の足として、また観光鉄道として欠かせないものであります。 豊肥本線は、別府と熊本を結ぶ路線であります。崩落があった立野地域からスイッチバック方式で阿蘇カルデラ内に上がって、阿蘇高原を駆け抜けるというような、九州中部を横断する鉄道であります。全国的に話題となっておりますクルーズトレインの「ななつ星in九州」のルートにもなっておりまして、大変人気の高い路線でもあります。また、「あそぼーい!」という子供が楽しむ専用列車も走っておりまして、一日も早い復旧は、大人だけではなくて、子供たちも待ち望んでいるところであります。 しかし、立野地区以外にも路線の崩壊箇所やトンネルの崩落箇所があり、莫大な費用が要るということは、もう自明の理であります。国としての財政支援がない限り、豊肥本線を復活させることはできないと思います。国の財政支援を切にお願いするところでありますけれども、これについての御見解をお願いいたしたいと思います。 一方、南阿蘇鉄道は、昭和六十一年にJR高森線から第三セクター運営となった、立野—高森間の延長十七・七キロメートルの鉄道でございます。阿蘇郡高森町の町長が社長を務め、自治体を中心とした運営になっております。 この鉄道の中には、高さ四十メートル、あるいは高さ六十二メートルという、大正末期あるいは昭和二年に建設され、現在、近代土木遺産にも認定されている鉄橋も存在するなど、非常に文化的にも重要な鉄道であります。 しかし、運営が厳しく、負担金などは到底出せる状態ではございません。東日本大震災で被害を受けました三陸鉄道は、国と自治体で二分の一ずつの支援を得て、鉄道事業者の負担なしで復活をいたしました。このことは記憶に新しいところであります。しかも、自治体には復興特別交付税が充てられまして、自治体の負担もごく小さいものでありました。 今回も同様のスキームをお願いしたいところでございます。特に復興交付金の創設には特別措置法も必要であります。そういうことで、特措法への応援も国交省としてもお願いいたしたいところであります。南阿蘇鉄道では、おととい、十一日、臨時取締役会を開催いたしまして、この復旧に前向きに取り組んでいくという決意をしたところであります。 まずは、第三セクターの復旧に対する財政的支援のスキームをどのように考えていらっしゃるのか、このことについてもお伺いをいたしたいと思います。
○藤田政府参考人 お答えいたします。 JR九州の豊肥線につきましては、今回の地震による阿蘇大橋地区での大規模な斜面崩壊によりまして、並行している国道五十七号とともに大きな被害が発生いたしました。 このため、当該地区における鉄道の復旧を砂防事業や国道の復旧事業と一体的に進めるべく、現在、国土交通省とJR九州の関係者間で協議、検討を進めているところでございます。 また、阿蘇大橋地区以外の箇所におきましても、トンネルの損傷や落石等が発生しておりまして、現在JR九州において復旧方法等について検討がされております。 御指摘のありましたように、豊肥線は熊本と大分を結ぶ九州を横断する幹線鉄道であり、九州横断特急や特急「あそぼーい!」、さらにはクルーズトレイン「ななつ星」も走行するなど、観光鉄道としても重要な役割を果たしております。 被災した鉄道施設の復旧に対する国の助成措置、これは、鉄道軌道整備法による補助制度でございますけれども、赤字企業を対象とするものでありまして、経営が黒字であるJR九州につきましては本制度の適用の対象等になりませんけれども、国土交通省としましては、こうした豊肥線の重要性に鑑みまして、できることは全てやるという政府の方針を踏まえながら、一日も早い全線再開が実現するように、砂防事業等の一体的な事業の推進など、可能な限りの協力をしてまいる所存でございます。 それから、南阿蘇鉄道高森線につきましては、沿線地域の学生の通学や高齢者の通院等の足として、また阿蘇地域の観光路線として大変重要な役割を担っていると承知しております。また、鉄道施設の中には、土木学会が選奨土木遺産として認定した橋梁も含まれるというふうに承知しております。 この被害状況でございますけれども、先月末の専門家による現地調査によりまして、立野—長陽駅間における土砂流入、トンネルの損傷、橋梁の変状等が確認されました。今後、具体的な復旧方法や復旧費用等を精査するために、専門家によるさらなる調査が行われる予定と聞いております。 御指摘のありました東日本大震災の際の支援につきましては、三陸鉄道を初めとする四つの第三セクターの鉄道事業者に対しまして、被災した施設を自治体が保有することを条件に、国と自治体が補助対象事業費の二分の一ずつを負担する予算措置を講じました。また、あわせて、自治体の負担に対しましては、震災復興特別交付税が措置されたところでございます。 南阿蘇鉄道につきましては、今後行われる調査によりまして復旧事業の規模等が明らかになるものと考えておりますけれども、沿線自治体の要望等を踏まえながら、また、貴重な鉄道遺産も含まれることを念頭に置きながら、従来の鉄軌道整備法による災害復旧補助を含め、どのような支援、協力が可能か、引き続き検討してまいりたいと考えております。
○坂本(哲)委員 豊肥線につきましては、JR九州が助成措置の適用にならないということでありますけれども、こういう大規模な震災でございます、ぜひ特段の配慮をお願いいたしたいと思います。 また、第三セクターにつきましては、現在、熊本市内等に通う高校生は、スクールバスを急遽チャーターいたしまして迂回をしているところでございます。一日も早い財政支援スキームによります復旧復興をお願いいたしたいと思います。 私は先日、阿蘇山麓及び外輪山をヘリコプターで視察いたしました。阿蘇の外輪山は阿蘇の五岳を囲んでおりますが、南阿蘇村や阿蘇市の外輪山の山頂や尾根には、大きな亀裂や陥没、爪でひっかいたような崩落箇所が見られます。麓には集落が点在しており、そこの住民は現在避難生活を強いられております。 熊本は六月半ばに入りますと梅雨に入ります。四年前、阿蘇地方は、九州北部豪雨災害で、時間当たり百八ミリの豪雨が降り、土石流が相次ぎ、三十名の死者、二名の行方不明者、二十七名の負傷者を出しました。住民はそのときの恐ろしさを知っています。 今回最も恐れられているのは、これらの亀裂や陥没地域を豪雨が襲い、地震で崩れかけた山々にさらに大規模な崩壊をもたらすのではないかという恐怖感でございます。梅雨前にあらゆる手段を使い、そして亀裂などの実態を把握するとともに、その危険度を調査していただきたいというふうに思います。 もし、雨量により危険度が高いと判断された場合には、速やかな全員の退去を勧告しなくてはなりません。そして、長期避難者に対しての対策もとらなくてはなりません。危険度調査や影響評価を早急に実施していくべきだと考えますけれども、見解をお伺いいたしたいと思います。
○金尾政府参考人 被災地では、地震により地盤が緩んでいる状況でございまして、土砂災害警戒情報の発表基準を引き下げて運用しております。このように警戒避難体制の強化を図っておるところでございます。 また、今後の降雨に備え、熊本県内における緊急度の高い危険箇所等の点検を実施し、応急的な対策や警戒が必要な百三十一カ所などを熊本県及び関係市町村に説明の上、今後の対応について助言をいたしました。 この緊急点検やヘリコプターによる上空からの調査などにおいて確認できました亀裂についても、熊本県及び関係市町村に説明し、注意を促しております。これらの亀裂のうち、特に阿蘇大橋地区や高野台地区など崩壊の危険性の高い地区では、亀裂の拡大を監視するための伸縮計を既に設置しているところでございます。 引き続き、集落との関係などから監視が必要な箇所については、熊本県と連携して、亀裂の監視を実施し、市町村に情報提供するとともに、住民の適切な避難行動につながるよう必要な助言に努めてまいります。 今後とも、二次災害防止のため、自治体とも連携し、全力で取り組んでまいります。
○坂本(哲)委員 住民の方々が一番恐れていることでございますので、調査の結果につきましては、刻々ときめ細やかな情報提供というものをお願いいたしたいと思っております。 もう一つ、地域高規格道路でございます中九州横断道路についてお伺いいたします。 これも、熊本と大分を結びます延長百二十キロメートルの地域高規格でありまして、平成七年に事業着手され、これまで大分側の十九キロメートルが供用開始をされました。熊本—阿蘇—大分、まさに観光、経済の中核となる、完成が一日も早く待たれる中九州横断道路でございます。特に、阿蘇地域の生活の糧となります観光産業の復興のためには、中九州横断道路全線を復興道路として早期に整備することが欠かせません。そのことが中九州経済、観光、産業再生への一番の近道であると考えております。 五月三十一日には、東京で私たち国会議員団、県議団、そして県当局と期成会を開くことも計画をしているところでございます。今回の地震からの復興のために中九州横断道路の全線整備を切に望むところでございますので、今後のことについての見解をお伺いいたしたいと思います。
○森政府参考人 お答えいたします。 委員御指摘の中九州横断道路、今回の熊本大地震の際にも、大分県の竹田側の方から物資が届けられる、あるいはボランティアの方々がそちらの方から阿蘇地域に入ってこられているというような実態もございまして、災害時の住民の避難、あるいは緊急物資といったような輸送の観点からも重要な路線だというふうに認識しているところでございます。 現在、委員も御指摘ございましたように、大分県側の開通のみ見られているところでございまして、残り区間につきまして、今鋭意調査を進めているところでございます。 今事業を進めております大野竹田道路といったもの、これも平成三十年度には開通しますが、残りの滝室坂道路といったものについても今鋭意事業を進めているところでございます。残り区間につきましても、できるだけ早く手続を進めて、事業化に持っていけるように頑張っていきたいというふうに思います。 いずれにしましても、阿蘇地区が発展していく、あるいはこれから復興していく上でも重要な路線だというふうに認識しておりますので、なお一層努力をしてまいりたいというふうに思います。 以上でございます。
○坂本(哲)委員 安倍総理は、やれることは全てやるとおっしゃいました。ぜひ政府当局の御尽力をお願いいたしたいと思いますし、谷委員長におかれましては、個人的に二日間にわたって熊本を視察していただきました。この国土交通委員会の委員の皆様方の御支援と御協力も切にお願いを申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございます。
○谷委員長 次に、樋口尚也君。
○樋口委員 おはようございます。公明党の樋口尚也でございます。 坂本先生に続きまして、質問をさせていただきます。 私も、五月の八日に、被災地熊本にお邪魔をさせていただきました。首長さん、そして自治体の皆様は口々に、国交省さんを初め行政の皆様、そして自衛隊の皆様が本当に責任感と実行力とスピード感を持って行動してくださっていることに心から感謝をするとおっしゃり、そして逆に国交省のリエゾンの方に話を聞くと、こんな厳しい状況にもかかわらず、首長さんや役場の皆様が一体となって明るく、タフに、前向きに頑張っていらっしゃる、逆に教えてもらうことばかりだ、こういうふうにおっしゃっていました。被災地で頑張られる全ての皆様に敬意を表して、質問をさせていただきたいと思います。 四月の二十二日、私、当委員会におきまして、防災の司令塔の役割を果たす市町村の庁舎の耐震化や建てかえのためには民間の資金とノウハウを活用するべきだ、こういう問題提起をさせていただいたところでございます。 市町村においては、財政面の制約もあり、庁舎の建てかえなどはどうしても優先順位が低くなってしまいます。後回しになってしまいます。また、役所の建てかえはぜいたくだ、税金の無駄遣いだと政争の具にされることもしばしばあるわけであります。そこで、それゆえに、民間のノウハウを使い、リーズナブルに、市民にとっても納得のいく形の司令塔として庁舎をつくることは極めて重要なことだと思います。 過日、熊本の被災地の現場にお邪魔をした際に、庁舎の現状を拝見しました。司令塔としての庁舎の重要性を改めて認識をいたしました。首長さんに話を聞き、国交省のリエゾンの方にも話を聞きましたが、何とかかんとか役場に入れたからよかった、データや資料、この宝物がなければ何の仕事にもならなかった、こういうふうにおっしゃって、役所がもって、何とか入れたからよかったと。 しかし一方では、発災から三週間以上たってから参りましたけれども、老朽化のために安全確保が難しく、住民の方の手続はそこでは行えないので、役場の入り口には手書きで、役場は給水のみ、手続何もできません、こう書いてあるわけでございます。住民の皆様の相談や種々の申請手続がおくれても困ります。安心、安全の役所の重要性ということを痛感した次第でございます。 そこで、お伺いをいたします。 自治体の厳しい財政状況の中、耐震性を備えた庁舎の建てかえを進めるためには、民間の資金やノウハウの活用が重要だと考えますけれども、国交省の見解をお聞かせください。 〔委員長退席、小島委員長代理着席〕
○毛利政府参考人 老朽化が進むインフラや公共施設の適切な維持管理、更新を進めていくことは喫緊の課題でございます。災害発生時に司令塔機能、窓口機能を果たすべき庁舎につきましても同様でございまして、その耐震性の確保は自治体にとって重要な課題であると考えます。 その際、厳しい財政事情の中でどのように効率的に推進していくか、選択と集中を迫られる中では、御指摘のように、民間の資金やノウハウを活用することも有効な手段の一つであると思います。 実際に、大都市の自治体に限らず、人口五万人以下の自治体におきましても、庁舎建てかえの機会に民間企業に建設、管理を委ね、新設された庁舎をリースバックで利用する事例が見られております。 こうしたPPP、PFIの活用に当たりましては、当該公有資産の活用可能性、事業採算性などクリアすべき前提条件ですとか、活用する側のノウハウが必要でございますが、国交省としましては、公的不動産の有効活用を推進する立場からも高い関心を持っているところでございます。 このため、PPP、PFIを推進するため全国各ブロックに昨年度創設いたしました産官学金から成ります地域プラットホームを活用して、こうした課題の解決に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
○樋口委員 毛利局長、ありがとうございます。 プラットホーム、ぜひ活用していただきたいと思うんです。 課題は、自治体の皆様は、PPPや、その一部のPFIに対するノウハウがないということと、あとは、これまでの御自分たちの発注方式があるから、それにこだわりがある、これが現場の声だというふうに思っております。 PPPは公民が連携して公共サービスの提供を行うものですけれども、このPPPに対するノウハウのない自治体に、先ほどのプラットホームなどを通じて政府がどのように情報提供していくのか、お答えをいただきたいと思います。
○毛利政府参考人 お答えをいたします。 本年二月に国土交通省が実施いたしました自治体アンケート調査結果によりますと、PPP、PFIを推進する予定のないと答えた自治体が三割近くございましたけれども、その八割がノウハウがないことをその理由として挙げておりました。 このため、国交省としましては、地域プラットホームの活動といたしまして、本年度から新たにサポーターの派遣を追加する予定でございます。このサポーターと申しますのは、PPP、PFIの経験を積みました自治体の職員や民間の専門家等をPPP、PFIを検討している自治体に派遣いたしまして、その契約等を含むノウハウを伝えることによりまして、案件の発掘、形成を支援しようとするものでございます。 案件形成の芽が生まれましたら、具体的な調査等に要する費用に対しましては、別途従来より財政支援も行っているところでございます。 今後とも、内閣府や総務省等関係府省と連携いたしながら、自治体や民間事業者の意向、ニーズをしっかり把握しつつ、PPP、PFIの活用を積極的に推進してまいりたいと考えております。 〔小島委員長代理退席、委員長着席〕
○樋口委員 庁舎の建てかえや耐震化は結局住民の皆様の利益になる、このように思っておりますので、積極的な御推進をお願いしたいと思います。 続きまして、熊本城についてです。 国指定特別史跡である熊本城も大きな被害を受けました。熊本県民の皆様の誇り、そして熊本の心、そして熊本のシンボルである熊本城の一日も早い復旧をお願いしたいと思います。昨日十二日、第一回目の熊本城復旧復興に関する会議が行われたというふうに聞いているところでございます。 まずは、文化庁さんに伺います。 国の特別史跡である石垣、そして重要文化財である宇土やぐらなどの十三棟は文化庁が復旧に当たることとなると思いますけれども、文化庁の取り組みについてお伺いをしたいと思います。
○村田政府参考人 お答え申し上げます。 文化財の関係でございますけれども、熊本城では、御指摘ございましたとおり、特別史跡に指定をされております熊本城跡の石垣の大規模な崩落、それから重要文化財に指定をされております長塀の倒壊など、十三件の建造物の被害がございました。 文化庁におきましては、被害状況を把握するために、文化財調査官を派遣いたしまして、熊本城初め各所の被害の確認に取り組んでいるところでございますが、お話がございましたとおり、熊本県にとっての大切なシンボルである熊本城初め多くの文化財が大変な被害を受けている現状につきまして、極めて深刻に受けとめているところでございます。 国指定等の文化財の修理につきましては、通常の補助事業に加えまして、災害復旧の場合につきましては、八五%を上限に二〇%のかさ上げ措置を講じているところでございます。また、文化財の修理につきましては、特に文化財としての価値を維持しながら修理をしなければいけないということで、技術的な難しさがあるということで、文化庁としては技術的な支援にもしっかり努めてまいりたいと考えております。 こうしたことから、文化庁におきましては、熊本城を初めとする被災した文化財の復旧に対応するために、専門の文化財調査官を中心に構成されますプロジェクトチームを発足させたところでございます。また、熊本城の早期復旧に向けましては、先ほどお話がございました、地元で昨日調整の会議が行われたところでございます。 今後、こうした会議での御議論も踏まえながら、特に熊本県や熊本市、地元からの御要望ということを踏まえながら、国土交通省等とも連携をしっかりしながら、被災した文化財を早期に復旧修理できるよう、文化庁としても最大限努力してまいりたいと考えております。
○樋口委員 ありがとうございました。 御承知のとおり、熊本城一帯は熊本城公園として公開をされているわけでございますが、このうち被害を受けた天守閣、本丸御殿、そして飯田丸五階やぐら、これは文化財保護法上の位置づけがないために国交省が復旧を支援することになります。 昨日は、直轄工事で復旧を、こういう御要望もあったかというふうな報道にも接しておりますけれども、やはりシンボルである熊本城の復旧を一日も急いでほしい、こういう声に対して国交省の取り組みを伺いたいと思います。
○栗田政府参考人 熊本城公園全域が熊本市が管理する都市公園、その中で、天守閣、本丸御殿など、公園施設という位置づけ、今委員にお触れいただいたとおりでございます。もちろん、先ほど文化財部長から答弁ございましたとおり、文化財、特別史跡、多数ございます。 このため、被災直後から、文化庁と連携して災害復旧に向けた調整を行ってまいりました。昨日、熊本市、熊本県、文化庁、国土交通省の実務レベルの連絡調整の会議であります熊本城公園復旧推進調整会議を熊本市において開催いたしました。 会議の中では、熊本城の早期復旧に向けまして、天守閣の復旧に着手するための工事用道路の早期確保、どの道路をまずあけていこうか、あるいは石垣の被害の拡大を防ぐための応急的な雨水対策の実施、それから天守閣の現況把握のための調査の依頼、そういったことに向けまして、もろもろの調整を行ったところでございます。 被災しました公園施設の復旧につきましては、公共土木施設の災害復旧事業として通常の都市公園の補助率よりも高い国庫負担により補助できることとなっておりますし、既に熊本地震が激甚災害に指定されておりますので、災害復旧事業についてさらに補助率のかさ上げ措置が講じられます。 引き続きまして、文化庁はもちろんのことながら、熊本県、熊本市と連携しながら、熊本のシンボルであります熊本城公園の早期復旧に向けまして国土交通省として最大限努力してまいります。
○樋口委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いします。 続いて、観光振興について伺っていきたいと思います。 私も九州出身ですけれども、九州にとって観光は命であります。しかしながら、残念なことに、今現在でも七十万泊がキャンセルをされています。特に修学旅行生のキャンセルが多い、また、海外のお客様は韓国を初め多くの方々がキャンセルなさっている、こういう状況が相次いでいるところでございます。 復興のためには、九州観光が大事であります。きょうは、二点の提案をさせていただきたいと思います。 まず一点目は、ビザについてであります。 現在、中国人個人観光客に数次査証、マルチビザが発給をされています。そのうち、沖縄と東北三県を訪問する中国人個人観光客に対しては、滞在期間九十日、有効期限三年間、いわゆる沖縄マルチビザ、そして東北マルチビザが発給をされているわけでございます。 まず、外務省にお伺いをいたします。 中国人に対する沖縄・東北三県個人観光数次ビザの緩和状況及び発給実績はどうなっているのか、お答えをお願いします。
○高橋政府参考人 お答えいたします。 中国人に対する沖縄個人観光数次ビザは二〇一一年七月、東北三県ビザは二〇一二年七月に導入いたしました。二〇一五年一月には、両制度の経済要件を緩和するなどして発給対象を拡大しております。 沖縄数次ビザについては、導入した二〇一一年には約九千件でございましたけれども、二〇一四年には約一万八千四百件、要件緩和を始めた二〇一五年については、暫定値でございますけれども、約六万三千件の発給となっております。 東北三県数次ビザに関しましては、二〇一二年当初は約五百件でございましたが、二〇一四年には約千六百件、要件緩和を始めました二〇一五年については、これも暫定値でございますが、約一万五百件の発給となっております。
○樋口委員 ありがとうございます。大幅に伸びているということが一目瞭然であります。 私は、地震で被災をされた地域の皆様の元気の回復や、復旧とともに復興も一緒にやらなければいけない、こういう思いで、中国人向けの沖縄・東北三県マルチビザを熊本、大分にも拡大して、熊本・大分マルチビザをつくってはどうかというふうに考えますけれども、今後のビザ発給緩和に向けた国交省の見解をお伺いしたいと思います。
○津島大臣政務官 樋口尚也委員にお答え申し上げます。 ビザ緩和については、一般論で申し上げれば、訪日外国人旅行者数及び旅行消費額の増加を図る上で有効な手段の一つであり、三月に取りまとめられた明日の日本を支える観光ビジョンにおいても、ビザ緩和を戦略的に実施することとしているところでございます。 その上で、熊本、大分での地震の影響で落ち込んでいる九州の観光については、効果のある支援策を地元の要望も踏まえながら臨機応変に実施をいたしまして、九州地方の観光復興につなげていく必要があると考えております。 今後とも、関係省庁と連携し、議員御指摘の点も含め、どのような支援策が効果があるのか総合的に検討して、具体化を図ってまいりたいと考えております。
○樋口委員 ありがとうございます。 ぜひ、この熊本・大分マルチビザをつくっていただくことで、九州に元気を、九州の復興をというふうに思いますので、戦略的なビザ緩和をお願いしたいと思います。 続きまして、次の提案であります。 この熊本地震の影響を受けまして旅行のキャンセルが相次いでいるわけでございますが、地域経済に大きな影響を生じているわけであります。 そこで、九州を目的地としたプレミアムつきの旅行券を発行することで、九州への旅行の需要を喚起する、このことが大事ではないかと思いますけれども、この点について、いかがでしょうか。
○津島大臣政務官 お答え申し上げます。 今般の熊本地震により、熊本県、大分県を初め九州各県で旅館やホテルの予約キャンセルが相次いでおります。このことは、観光産業が裾野の広い産業であるということに鑑みますと、九州地方の経済全体にも多大な影響を与えているものと考えております。 このような中、九州地方の観光団体や自治体等から、宿泊費などが割引となる、いわゆるプレミアム旅行券についての強い御要望をいただいているところでございます。この旅行券については、九州の観光地への旅行需要を回復するための呼び水として期待が高いと聞いております。 したがって、現在、地域ごとのニーズの詳細を把握するとともに、どのような形で対応することが適切であるのか、関係省庁とともに検討しているところでございます。 いずれにせよ、地域の意向をしっかりとお伺いしながら、ことしの夏休みなどの多客期を逸することのないように速やかに対応してまいります。
○樋口委員 時期まで明確に言っていただいて、大変ありがたいなと思います。プレミアムつきの旅行券は、全国でというふうにも我が党も思っておりますけれども、まずはやはり九州でというふうに思いますので、よろしくお願いを申し上げます。 最後に一問、角度を変えまして、民間航空機における搭載医薬品の更新状況についてお伺いをしたいと思います。 航空法の六十二条に航空機に救急用具を装備することが定められており、各エアラインには、平成十二年一月二十八日制定の「救急の用に供する医薬品及び医療用具について」という通達が運輸省航空局長名で発せられております。ここには「最小限装備しなければならない救急用医薬品等」と「追加することができる標準的な救急用医薬品等」という二つの別表が添付されており、具体的な医薬品名が列挙をされているところであります。 そこで、お伺いをいたします。 今申し上げましたとおり、航空局長から各航空会社への通達は平成十二年の一月と十六年も前のものでありますから、航空機に搭載しなければならない医薬品の中には、最近使われることがなくなったのではないかという古い医薬品があるのではないか、こういう指摘もあるところであります。国交省の御認識はいかがでしょうか。
○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。 委員御指摘のように、航空法の規定により、航空会社は、客席数が六十を超える旅客機に、機内で救急患者が発生した場合に備え、医薬品及び医療用具を装備することが義務づけられております。 具体的には、航空局が国際標準に準拠して定めた通達におきまして、鎮静剤など搭載すべき医薬品及び医療用具の種別を定めるとともに、医薬品については各種別ごとに医薬品名を例示しておりまして、航空会社は、当該通達に基づき、産業医と相談の上、適切な医薬品及び医療用具を搭載しているものと承知をしております。 委員の御指摘を踏まえまして、また、平成十二年以来、御指摘のようにこの通達が改定されていないということも踏まえまして、医療関係者及び航空会社と調整の上、今後とも適切な医薬品及び医療用具が搭載されるよう航空局として必要な対応を行ってまいりたいと考えております。
○樋口委員 佐藤局長、ありがとうございます。 きのう、質問するに際して航空局さんからこの通達をいただきまして、搭載する医薬品名の一覧をいただいたわけです。昨夜、念のためにそれぞれの医薬品を薬価基準収載品目と照らし合わせてみました。 その結果ですけれども、例えば、最低限装備しなければならないとされる医薬品の子宮収縮剤メテナリンと、追加することのできる標準的な救急用医薬品にある気管支拡張剤のネオフィリンMは、現在、薬価基準には収載されておらず、既に製造販売が中止をされておりました。ただし、これらの二つの医薬品には代替品があります。 ところが、非麻薬性鎮痛剤のスタドールは、二〇〇九年の十月に既に販売中止となっており、代替品もありませんでした。また、抗ヒスタミン剤の注射液としてピレチア等とありますけれども、複数の医薬品があるような記載になっておりますが、ピレチアというのは錠剤でありまして、注射液はヒベルナというもの一つしかありませんでした。 さらには、冠動脈拡張剤のミリスロールは毒薬と記載をされておりますけれども、これは劇薬の間違いではないかというふうに思います。血圧降下剤のニフェジピンの劇薬指定も、記載が漏れているのではないかというふうに思います。こんなことがわかった次第であります。 ぜひこの機会に、一度この別表全体を点検されて適宜適切な見直しをされることを求めまして、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○谷委員長 次に、本村賢太郎君。
○本村(賢)委員 民進党の本村賢太郎でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 四月二十日に交通政策審議会の答申が出ましたが、数点お伺いしてまいりたいと思います。 一問目は、遅延についてであります。 これは、東京における今後の都市鉄道のあり方について、特に対応の必要性が増大している事柄として遅延対策を取り上げておりまして、「東京圏の都市鉄道が稠密な運行ダイヤを前提としつつも定時性を確保してきたという点については世界に誇るべきものであるが、近年そうした鉄道輸送の信頼性について懸念が生じる事態となっている。」と指摘がされております。 この点について、首都圏における電車の遅延対策について答申を受けて今後どのように取り組んでいくのか、対策を具体的にお伺いいたします。
○藤田政府参考人 お答えいたします。 鉄道輸送の信頼性を向上させる上で、定時性の確保は大変重要な課題であると認識しております。 近年、首都圏の都市鉄道におきましては、混雑による乗降時間の増大等に伴う慢性的な遅延や、あるいは異常気象、機器故障等に伴う長時間かつ広範囲にわたる遅延等が発生しておりまして、対策の必要性が増大しております。 今御指摘のありました四月二十日の交通政策審議会におきましても、東京圏における今後の都市鉄道のあり方についての答申百九十八号が出されたわけでございますけれども、その中で遅延対策は重要なテーマの一つという位置づけになっております。 この答申を踏まえまして、今後の対策でございますけれども、遅延の現状と改善の状況について、当面は、遅延証明書等をもとに指標として見える化をいたしまして、毎年公表を行うといったこと、あるいは、その見える化の結果を踏まえまして、駅施設の改良でありますとか案内の改善など、ハード、ソフトにわたる対策を行うように鉄道事業者に対して働きかけを行うこと、さらには、降雪時等において、利用者の行動判断に資するよう、最低限情報提供すべき内容とその表現方法に関するルールを示すこと、こういったことを具体的に取り組んでまいりたいと考えております。
○本村(賢)委員 今局長の方から、見える化、そして情報の提供というお話がございました。しっかりと国交省としてリードしていただきたいと思っております。 首都圏のダイヤは御存じのとおり過密でありまして、一度遅延が発生しますと、調整弁がないためどんどん積み重なってまいります。 私も、小田急線の町田駅から国会議事堂まで通勤をしてまいります。小田急線は、上下線別に、初電から十時、そして十時から十七時、十七時から零時ごろまでの時間帯別に、五分以上おくれた場合に遅延証明書を発行しているわけでありますが、例えば五月七日からきのうまでの間だけで、六日間で三十回、証明書が出ているわけでありまして、本当に、通勤や通学で使う皆さんにとっても電車は貴重な足でありますので、遅延対策をしっかりと取り組みをお願いしてまいりたいと思います。 次の質問に入らせていただきます。 次は、昨年からずっと追いかけてまいりました小田急多摩線の延伸についてでございますが、この小田急多摩線に関しましても、唐木田駅から相模原、上溝という方向について、地域の成長に応じた鉄道ネットワークの充実に資するプロジェクトとして位置づけられておりまして、加山市長を先頭に大変市民の皆さんからも御期待が多いお話でありますし、かつて太田前大臣からも、地元から大変な熱意もあるということで、この委員会でも何度も御答弁をいただいております。 相模総合補給廠という基地の返還がございまして、まちづくりにも欠かせない事業となっているわけでありまして、本事業の意義や課題について大臣はどのように捉えていらっしゃるのか、また、国としては今後どのような協力が可能なのか、お伺いいたします。
○石井国務大臣 四月に取りまとめられました交通政策審議会答申第百九十八号におきましては、おおむね十五年後、二〇三〇年ごろの東京圏の都市鉄道が目指すべき姿として、国際競争力の強化等、六つの項目が示されております。 あわせて、目指すべき姿を実現する上で意義のあるプロジェクトが二十四記載されておりまして、御指摘の小田急多摩線の延伸につきましては、「地域の成長に応じた鉄道ネットワークの充実に資するプロジェクト」として記載をされているところでございます。 このプロジェクトにつきましては、答申にありますとおり、相模原市及び町田市と都心部とのアクセス利便性の向上に意義があると認識をしております。 一方、今後の課題といたしまして、収支採算性の確保に必要な取り組みを着実に進めることや、費用負担のあり方の検討、関係地方公共団体が協調することなどがあると認識をしております。 本プロジェクトの推進に当たりましては、答申で示された課題の解決に向けて、まずは関係地方公共団体等において検討を進めていただくことが重要であると考えておりまして、国土交通省といたしましては、この検討状況を踏まえつつ、どのような支援が可能なのか検討してまいりたいと思っております。
○本村(賢)委員 需要や採算性や費用対効果など、幾つかの課題があること、意義があることも指摘をされておりまして、十分承知をしているつもりでありますが、相模原の新たなまちづくり、特に、二百十四ヘクタールという基地の返還が一部行われる関係で、新しいまちづくりが今行われております。それとこの小田急多摩線延伸がセットでございますので、ぜひとも国交省としても強い御指導をお願いしてまいりたいと思っております。 次に、羽田空港アクセス線の新設についても、御承知のように、交通政策審議会の国際競争力の強化に資する鉄道ネットワークのプロジェクトに位置づけられておりまして、田町駅付近、大井町駅付近、東京テレポートから東京貨物ターミナル付近、さらには羽田空港国際ターミナルを結ぶ、JR東日本を主体とするプロジェクトでございます。意義、課題についてはもう指摘をされておりますが、特に私は意義について、「休止線等の既存ストックを活用することにより、全線新線整備の事業よりも早期整備が可能。」と指摘をされておりまして、ここは大きなポイントかなと思ってございます。 そこで、実現すれば都心から羽田空港までのアクセスが格段によくなり、国際化を進める羽田空港にとっても強みとなるわけでありまして、羽田空港は、御承知のとおり、もう既にハブ化が進んでおりますので、そういった点においても、本事業の意義や課題について大臣はどのように捉えていらっしゃるのか、また、国として可能な支援内容をお伺いしてまいりたいと思います。
○石井国務大臣 羽田空港アクセス線につきましては、答申にありますように、羽田空港と国際競争力強化の拠点である都心や新宿、渋谷、池袋、臨海部等副都心とのアクセス利便性の向上などに意義があると認識をしております。 一方、課題といたしましては、他の空港アクセス路線との補完関係を考慮しつつ、事業化に向けまして、関係地方公共団体、鉄道事業者等におきまして事業計画の深度化を図ることなどがあると認識をしております。 このプロジェクトの推進に当たりましては、答申で示された課題の解決に向けまして、まずは関係地方公共団体等において検討を進めていただくことが重要であるというふうに考えておりまして、国土交通省といたしましては、この検討状況を踏まえつつ、どのような支援が可能なのか検討してまいりたいと思っております。
○本村(賢)委員 実現すれば、東京駅から羽田空港間が、現在三十五分間かかりますが、十八分間に短縮されますし、新宿から羽田空港間は現在約四十五分間かかるわけでありますが、これが半分以下の二十三分となるわけでありまして、アクセス利便向上が非常に高まるわけでございます。ぜひとも、この羽田新線の話に関しても御支援をお願いしてまいりたいと思っております。 次に、リニア中央新幹線について、この答申の中にもございますが、私どもの相模原市には新駅設置という話がございまして、地元緑区の橋本駅にリニア中央新幹線の新駅の設置がございます。 現在の地元の工事の進捗状況をお伺いしてまいりたいと思っておりますし、また、地元相模原でも中心線測量に着手していると承知をしておりますが、住民とのトラブルなどが発生していないのか、また、住民理解を深めていくためには周辺自治体が試乗できる機会をふやしてはどうかと考えておりますが、国交省の見解をお伺いいたします。
○藤田政府参考人 リニア中央新幹線につきましては、平成二十六年十月の工事実施計画認可以降、市区町村単位あるいは地区単位での事業説明会を経まして、現在、沿線各地で用地説明会などが開催されております。 また、工事に関しましては、品川駅や南アルプストンネルの山梨工区において起工式が開催され、本格工事に着手しているほか、長大な山岳トンネルや都市部の大深度トンネルの非常口工事について順次契約手続が進められております。 御指摘の地元住民との関係でございますけれども、例えば神奈川県内の事例について申し上げますと、用地取得に向けた手続が進められる中で、一部で地権者等の理解が得られずに、中心線測量等に入れていない箇所もあるというふうに聞いております。 この事業が円滑に実施されるためには、地元の理解と協力を得ることが不可欠でございます。国土交通省としましても、引き続きJR東海に対して、地元に対して丁寧な説明をするように指導監督してまいりたいと考えております。 それから、リニアの試乗でございますけれども、JR東海におきまして、現在、一般の方を対象とした体験乗車あるいは実験線の存在する山梨県民向けの体験乗車を実施しているものと承知しております。 試乗の実施につきましては、これは基本的にはJR東海が走行試験の日程等を勘案しながら判断することになりますけれども、一般論として申し上げますと、一般の方の試乗によりまして超電導リニアへの理解を深めていただくことは有意義であるというふうに考えております。
○本村(賢)委員 地元の皆さんからよくお話を聞くことは、引っ越しや移転をする個人宅や各お店の皆さんに対する御説明をもう少し丁寧にしてほしいという話も地元から聞こえてまいりますので、JR東海を含めて御指導をお願いしてまいりたいと思っております。 次の質問に入らせていただきます。 次は、訪日外国人に向けた観光ルートについてお伺いしてまいりたいと思います。 既に政府は訪日外国人旅行者数二千万人を目標に取り組んでまいりまして、三月三十日に開催されました明日の日本を支える観光ビジョン構想会議において、二〇二〇年に四千万人、二〇三〇年に六千万人と新たな目標が掲げられておりまして、評価をしてまいりたいと思います。 そうした中で、観光庁としてどのような取り組みを行って、新たな観光ルートの発掘や創出における取り組みを行っていくのか、また、外国語対応の整備など、ふえる訪日外国人の受け入れ環境を整備することもあわせて行う必要があると考えますが、政府の見解をお伺いいたします。
○津島大臣政務官 本村賢太郎委員にお答え申し上げます。 訪日外国人旅行者数はこの三年間で二倍以上となりまして、昨年、一千九百七十四万人に達しましたが、依然として、東京、京都、大阪など、いわゆるゴールデンルートに集中しております。 増加する訪日外国人旅行者をゴールデンルート以外の地域にも呼び込むため、国土交通省では、平成二十七年度に広域観光周遊ルート形成促進事業を新たに創設し、昨年六月、全国で七つの広域観光周遊ルートを認定いたしました。 各広域観光周遊ルートでは、歴史、文化や食など、テーマやストーリーに基づいて周遊できる具体的な二十のモデルコースを先月策定したところでございます。今後、コース上において外国語対応や無料WiFi環境等の受け入れ環境整備、海外プロモーションの実施など、地域のお取り組みを重点的に支援してまいります。 なお、地方創生の推進のため、訪日外国人旅行者の地方誘客をさらに加速する観点から、現在、広域観光周遊ルートについて追加募集を行っているところでございまして、今後とも、このような取り組みを通じて、訪日外国人旅行者に向けた新たな観光ルートの発掘、創出に努めてまいります。
○本村(賢)委員 私どもの地元の神奈川県にも、横浜や鎌倉や箱根といったゴールデンルートがございますけれども、相模原市や県央の方にも例えば丹沢大山や宮ケ瀬ダムといった観光地もございまして、東京から神奈川、山梨、静岡といったルートなんかも私はいいんじゃないかなと思います。 ぜひ、これから五月十八日まで追加募集があると思いますが、各自治体の皆さんがこぞって手を挙げていただくことを願っております。 次の質問に入りますが、今私が触れました宮ケ瀬ダムについて、地元の非常に大事な観光資源でございまして、ここを有効活用するべきだなと思っております。 そういった中で、私も、地元の相模原市、神奈川県に対しても、観光ルートの中に丹沢大山、宮ケ瀬ダムを含めた中で提案をしたらどうだという提案をしているわけであります。例えば、現在、観光放水をしてみたり、それから湖面利用の中でカヌーなども行われていることは承知をしていますが、実は、このダムで釣りができるのかどうかという話もよく聞かれておりまして、釣りはもう全国的にやられる方が多くいらっしゃいますので、宮ケ瀬ダムで釣りを行うことは可能なのか、どうすれば行うことができるのか。今一般的には、皆さん、できないという認識でいらっしゃる方が多いものですから、お伺いいたします。
○金尾政府参考人 国土交通省では、神奈川県それから地元自治体等と連携し、地域のニーズを把握しながら、宮ケ瀬ダムと貯水池である宮ケ瀬湖を活用した水源地域の活性化に努めてきたところでございます。 宮ケ瀬湖の湖面利用につきましては、平成十年より、神奈川県及び地元自治体とともに自然環境の保全と秩序ある利用の促進を図るための検討を開始いたしまして、平成十一年四月に、宮ケ瀬湖湖面利用についての基本協定書を締結しております。 その協定では、魚釣りの目的で湖面利用を行う場合には、ローボート、いわゆる手こぎボートでございますが、これのみによることとされております。一方、現在ある係留設備は、遊覧船、それから競技に用いるカヌー及び漕艇のみの利用に制限されていることから、現状ではローボートの使用ができない状況となっております。 また、宮ケ瀬湖は一部を除き湖岸が大変急峻で危険なために、ダム管理者が許可した場合を除き、立ち入りを禁止しております。こういうことでございますので、実態としては、今魚釣りを行うことができない、難しいという状況にございます。 ただ、宮ケ瀬湖の適正な湖面利用を図ることは、国土交通省としても地域と共有の課題と考えておりますので、委員御指摘の魚釣りを含め、利用者のニーズを十分に伺いながら、それを踏まえて必要な調整に努めてまいりたいと考えております。
○本村(賢)委員 再質問しますが、法律上は禁止をされていないが、約束事で現在はローボートがおろせないからできないというわけでありまして、ローボートがおろせるようになればできるということでよろしいですか。
○金尾政府参考人 先ほど申しましたように、係留設備が遊覧船と競技用のカヌーだけに制限されております。これは神奈川県の条例で決まっておることでございますので、さまざまな利用者がいる中で、魚釣りなどのニーズもよくお伺いをいたしまして、調整をしてまいりたいというふうに考えております。
○本村(賢)委員 次の質問に入ります。 次は、タカタ製エアバッグのリコールについて。 これも昨年から追いかけておりますが、米国では、規制当局である運輸省道路交通安全局とタカタ社との間の修正合意において、根本原因を経年劣化と結論づけ、硝酸アンモニウムを使用し、かつ乾燥剤が入っていないエアバッグインフレーターを搭載する車両のうち、これまで公道での事故や実験でのふぐあいが起きていない型式のものまでも新たな予防的リコールの対象と追加をされてまいりました。これを受けて、今後、欧州や我が国でも予防的リコールの対象として同様の型式のものを追加していくことになると思いますが、既に我が国でも、国交省が自動車メーカー各社に予防的措置の指示を出したことも承知をしております。 自動車が市場に出回るまでには、国交省が型式認証を行い、また、部品メーカーから自動車メーカーへの納入時にも安全面の試験や検査が入念に行われなくてはならないということは承知をしておりますが、米国を中心に起こっている事故について、部品の経年劣化を予見できなかったことも要因の一つではないかと思います。 今回の予見できなかった責任については、国交省、自動車メーカー、部品メーカーであるタカタのいずれにあるのか、お伺いいたします。
○藤井政府参考人 お答えいたします。 タカタ製のエアバッグのふぐあいは、平成十六年に米国において初めて発生をしております。ふぐあいの原因については、一部はインフレーター、ガスの発生装置でございますが、こちらの製造工程の管理の不備であることが確認されております。ただ、そのような不備がない大部分のインフレーターの異常破裂については原因を特定することができず、タカタ及び国内外の自動車メーカーが複数の外部調査機関を活用し、調査を実施してきたところでございます。 この調査によって、ことしになって、乾燥剤が入っていないインフレーター内部の火薬、硝酸アンモニウムでございますが、こちらが湿気がある状態で長期間の温度変化にさらされると劣化をし、異常破裂をするおそれがあるということが明らかになったということでございます。 この調査結果を踏まえて、先ほど委員御指摘のとおり、米国当局はタカタ製エアバッグをリコール対象に追加し、それを踏まえて国土交通省におきましても、国内におけるリコール対象の追加について自動車メーカーに検討を求めているということでございます。 今委員御指摘の責任ということでありますけれども、異常破裂の原因究明につきましては、タカタ及び自動車メーカーが主体となって行うべき問題であると考えております。国土交通省としましては、両者に対しまして、先ほど申し上げたとおり、調査を続けてきたところでありますけれども、調査結果をできる限り早く取りまとめ、それを踏まえた対策をとるようにと指導をしてきたということでございます。
○本村(賢)委員 タカタ製のエアバッグで事故が続いていることは承知をしておりますけれども、日本の大事な企業の一つでありますので、ぜひとも、国交省としてもリーダーシップを発揮しながら、指導を徹底しながら、これからも世界に誇るエアバッグを創設できるタカタ社を御支援していただきたいと思います。 次の質問に入ります。 次は、高速道路の渋滞について御質問をさせていただきたいと思います。 四月の二十八日に高速道路の渋滞ワーストランキングが発表されまして、これは昨年に続き二回目だと承知をしております。 一位は海老名ジャンクションから横浜町田の上り線の百三十四時間で、昨年同様一位でございます。また、三位は横浜町田から海老名ジャンクションの百七時間、これも昨年に続いて第三位であります。昨年二位だった秦野中井—厚木は六位となったわけでありますが、かわりにことしの二位は東名川崎から東京の百二十六時間で、いずれも東名高速の神奈川、東京間の区間であること、これが非常に大きな問題だと認識をしております。 ワースト一位と三位は横浜町田—海老名ジャンクションの区間で、これまでと変わらなかったわけでありますが、この区間の渋滞対策については急務であると考えております。 渋滞が発生する原因について大臣はどのようにお考えになっているのか、また、いつまでにどのような対策を行っていくのか、お伺いいたします。
○石井国務大臣 東名高速の横浜町田インターチェンジから海老名ジャンクションの区間では、大和トンネル付近において休日等を中心に激しい渋滞が発生をしております。 上下線ともに大和トンネル手前で上り坂となっておりまして、速度低下を引き起こすため、局所的に処理できる交通容量が低下をし、渋滞が発生しているものと考えられます。 国、県、警察、高速道路会社等で構成をされます東名軸渋滞ボトルネック検討ワーキンググループにおきまして対策を検討してまいりましたが、大和トンネル付近の渋滞対策といたしましては、現在三車線となっている大和トンネル等を拡幅し、付加車線を設置するとの結論を得たところであります。 現在、中日本高速道路会社が、付加車線の設置に向け、関係機関との協議や工事の発注手続を進めております。国土交通省といたしましても、激しい渋滞が発生している現状を踏まえ、高速道路会社と連携し、早期に対策を進めてまいる考え方でございます。
○本村(賢)委員 東名軸渋滞ボトルネック検討ワーキンググループにおいても、今大臣が言われたように、大和トンネルの上下線九キロを拡幅するという話でありますけれども、これもできれば目標年次をしっかり示して、いつごろまでにどのような目標を持って進めていくんだということを御検討いただければというふうに思っております。 そうした中で、大和トンネルは東名の上り下り区間の大変な渋滞区間でございまして、トンネルの手前で皆さんがブレーキを踏むことによって渋滞が発生をするんじゃないかというお話もあります。 今年、大和トンネル付近の渋滞に関する質問主意書を政府に出させていただきまして、昭和三十九年九月に高速道路予定地の近くでジェット機が墜落したことを踏まえて、トンネルを上にかぶせたというか、東名高速の上につけたというような形だというふうに伺っておりますが、二〇一七年には空母艦載機五十九機が岩国基地に移駐する予定でありまして、そういったことを踏まえて今後トンネルは不要となってくるんじゃないかなというふうに考えております。 この大和トンネルを撤去してしまえばブレーキを踏む方が少なくなってまいりますし、ちょうどここが上り線は上り坂な関係もあるものですから、私は、このトンネルを取ってしまう、そういった大胆な発想をしていくことによって交通渋滞がなくなるんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○森政府参考人 お答えいたします。 大和トンネル付近におきましては、今御指摘ございましたように、ちょうど建設中でございました昭和三十九年にこの予定地近くで起こりました米軍機の墜落事故等を踏まえまして、航空機事故に対する高速道路の安全対策として、ふたかけ構造を採用させていただいたという状況になっております。 このトンネルの取り扱いにつきましては、やはり安全対策の必要性というものもございます。また、最近におきましても、資機材の落下事故等々が自治体から報告されている、そういう報告もございますので、地域の御意見、そして防衛省さん等々の関係機関の御意見も踏まえながら慎重に検討を行っていくということにさせていただければというふうに思っております。 以上でございます。
○本村(賢)委員 それから、東名高速渋滞の大きな理由にやはり海老名ジャンクションがあると思います。 昨年も太田前大臣に何度もこの質問をさせていただきまして、質問後、大臣から呼んでいただいて、あなたもよくこの質問をやるから、一生懸命取り組んでやるからというお話をいただいて、そのうち、十月三十日には、外回り方向であるFランプ、Dランプ、圏央道を北側に向かうランプウエーの路肩をなくして二車線とすることによって渋滞が解消されたということもございます。 昨年十二月三日の国土交通委員会で、石井大臣に対しましては、この圏央道の南向き、内回りにつきましては路肩をなくして二車線にするべきじゃないかという御提案をさせていただいたわけでありますが、今まだこの課題が残っております。 ぜひとも、石井大臣には、太田前大臣がFランプ、Dランプをやったように、南向き、内回りにつきましても路肩をなくして二車線にすることによって、今度は圏央道から東名に入る渋滞がなくなるんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○石井国務大臣 海老名ジャンクションでは、圏央道の開通により交通量が増加をいたしまして、特に東名高速から圏央道の北向きへ進むランプの合流部を先頭に渋滞が発生をしておりました。 これに対しまして、昨年十月より、一車線のため混雑していたランプの合流部について既存の幅員の中で二車線の運用を開始いたしまして、その後、この合流部を先頭にした渋滞は発生をしておりません。 御指摘の圏央道南向きにつきましては、圏央道から東名高速に向かうランプへの分流部において、これは、東名高速の大和トンネルや海老名サービスエリアを先頭とする渋滞の影響もあり、ほぼ毎日、平均百分程度の渋滞の発生を確認しているところでございます。 この海老名ジャンクションのさらなる渋滞対策につきましては、東名軸渋滞ボトルネック検討ワーキンググループにおきまして、東名高速本線の対策も含めて、あわせて検討を進めていきたいというふうに考えております。
○本村(賢)委員 十二月三日の御質問と大体同じような答弁でありましたが、ぜひとも、あの質問からもう半年近くたっているわけでありまして、このワーキンググループの考え方や東名高速本線の対策ももちろん十分検討していただいていると思いますけれども、さらなる取り組みを大臣の手によってお願いしてまいりたいと思っております。 次の質問に入らせていただきます。 次は、首都圏広域地方計画についてお伺いしてまいりたいと思っております。 これは、私どもの相模原を中心とした首都圏南西部国際都市群創出プロジェクトなど、三十八のプロジェクトが掲げられていることを承知しておるわけでありますけれども、本年三月に策定された首都圏広域地方計画の各プロジェクトの具体化に向けて国はどのように支援を行っていくのか。例えば相模原を中心とした、先ほど御指摘しました首都圏南西部国際都市群の場合であればどのような支援を行うことが可能なのか、具体的に大臣の方から御答弁をお願いいたします。
○石井国務大臣 広域地方計画に盛り込まれたプロジェクトの推進に当たりましては、国、地方公共団体、経済団体等で構成をいたします広域地方計画協議会を中心に、国と地方、官民の連携により取り組んでいくことが重要と考えております。 具体的には、協議会のもとにプロジェクトの具体化に向けたプロジェクトチームを設置いたしまして、国はその運営や検討を支援するとともに、関係省庁が連携し、対応する施策を集中的、重層的に講じることとしております。 今委員御指摘の首都圏南西部国際都市群の創出プロジェクトにつきましては、圏央道やリニア中央新幹線整備の効果等を生かしまして、内陸型国際ゲートウエーの整備推進、産業・研究機能の集積強化、災害時の拠点機能の強化等を図るものであります。 このプロジェクトは、首都圏広域地方計画が目指す対流型首都圏を実現する上で重要な意義を有するものと考えておりまして、国としても支援をしていきたいと考えております。 今年度は、相模原市が計画をしております相模原駅周辺の広域交流拠点整備についての検討、調査を支援することとしております。
○本村(賢)委員 先ほど交通政策審議会の質疑の中でも指摘しました、私ども相模原にはリニア中央新幹線の新駅が開通する予定でありまして、これが開通すれば首都圏南西部全域と羽田空港や中部、関西などとのアクセスが飛躍的に向上すると見込まれておりまして、多数の大学や研究機関が集積していることから、産業集積や立地特性を生かした業務機能の集積が進むことで、首都圏を牽引する国際的な都市圏として発展していくことが期待されておりますので、今後も、ぜひとも強い御支援をお願いしてまいりたいと思っております。 次の質問に入らせていただきます。 次は、これも昨年から追いかけております、くい問題でありまして、昨年十一月二十四日に旭化成建材は、全ての調査が終了し、追跡可能な二千八百六十四件について三百六十件にデータ偽装があったと報告がございました。 この中で、今回、独自調査を実施したマンションの住民から、データ流用の有無について流用なしとする根拠の提出を求めるべきだったとか、十一月二十四日以降に発覚したデータ不正の公表をすべきだった、追加でデータ不正が発覚したならばデータ偽装なしとした物件について再調査を指示すべきだった、そういった御意見や、データ不正が発覚した物件の調査について、不正を行った施工会社に調査指示をしているのはおかしいとの声が上がっているわけであります。 そういった昨年発覚した旭化成建材によるくい打ちデータ流用問題でありますが、旭化成建材が点検を行い流用なしとされた物件で住民による調査を実施したところ、くい打ちデータの不正が見つかった事案が発生しております。十二月三日の国交委員会でも述べたように、国交省が確認、指導を行うべきだと改めて思いますが、国交省の見解をお伺いいたします。
○谷脇政府参考人 お答えいたします。 旭化成建材がくい工事を施工した物件につきましては、昨年十月に、データ流用の有無を調査し、報告するよう国土交通省から指示をしたところでございます。 その際、旭化成及び旭化成建材のみによる調査ではなく、工事の元請建設会社、さらにマンションの売り主が責任を持って調査をし、連携して結果を報告するよう指示をしたところでございます。 また、データ流用が明らかになった物件につきましては、地方公共団体の建築関係部局が安全性の確認を行ってきたというところでございます。 この指示に基づく報告によりましてデータ流用が判明いたしました物件、今御指摘ございました三百六十件につきましては、現時点で調査が終了した三百五十七件全てで安全性の確認ができたところでございます。 旭化成建材におきましては、国土交通省の中間取りまとめ、これは昨年の十二月でございましたけれども、これ以降も、その時点では施工データが確認できなかった物件などにつきまして検証作業を続けているところでございます。 その中で、三百六十件以外にも流用が行われていた物件があるということは承知をしているところでございます。 国土交通省といたしましては、これらの物件につきましても、三百六十件と同様に安全性の確認を進めているところでございます。 いずれにいたしましても、昨年末の対策委員会で再発防止策を取りまとめいただいております。これを速やかに実行に移すことが重要であるというふうに考えておりまして、既に、基礎ぐい工事の適正な施工を図るために、ことしの三月の四日でございますけれども、基礎ぐい工事の一般的な施工ルールあるいは工事監理ガイドライン、こういうものを定めたところでございます。 引き続き、しっかりと再発防止に取り組み、建設工事の個々の現場の改善、ひいては建設業の信頼の回復へとつなげていきたいというふうに考えております。
○本村(賢)委員 時間が参りましたが、最後に、昨年も指摘しましたが、皆さん、マンション購入は人生をかけて購入されているわけでありまして、このくい打ちデータの偽装によって多くの国民の皆様が、本当にこれからの生活をどうしたらいいんだろうかという相談も多くございます。 今後も、ゼネコンを含めて、くい会社を含めてしっかりと指導をお願いして、私の質問を終わりにします。 ありがとうございました。
○谷委員長 次に、畠山和也君。
○畠山委員 日本共産党の畠山和也です。 公共交通の重要性にかかわって、本委員会でも何度も取り上げられてきていますJR北海道の安全対策や現状について質問を行います。 まず、昨年末ですが、十二月二十七日にJR北海道函館線の嵐山トンネル内で出火がありました。私は旭川にあるこのトンネル現場に行って、外側から視察もさせてもらいましたけれども、トンネル上部が黒く焦げていまして、非常に大きな出火であることを実感しました。その原因と今後の対策については、有識者を交えた委員会で検討中とのことです。 たびたびJR北海道についてはこのような事故あるいは出火などで心配な事案が発生してきて、道民の不安がかき立てられているというのは御承知のとおりだと思います。 そこで、この火災についてまず一点だけ確認をします。避難訓練についてです。 これらの安全対策については、もちろん多額の費用がかかりますし、時間がかかるものですが、その間の対策の一つとしては、十分な防災訓練であったり避難訓練は当然必要なことと思います。 そこで、伺います。 JR北海道の営業範囲内でのトンネル数、また、そのうち電化区間のトンネル数は幾つあるか、今回出火の起きたこの嵐山トンネルで避難訓練は行われていたかなど、これらトンネルの避難訓練の有無について国として承知をしているかどうか伺います。
○藤田政府参考人 お答えいたします。 JR北海道のトンネルの数でございますけれども、百八十二カ所でございます。そのうち、電化区間のトンネルの数は四十三カ所でございます。 それから、訓練の状況でございますけれども、嵐山トンネルと同様の電化区間のトンネルでの避難訓練の回数、平成二十三年度から二十七年度の五年間で十二回実施していると承知しております。
○畠山委員 もう一度確認しますが、その十二回のうちに、嵐山トンネルで避難訓練が行われたのは確認できていますか。
○藤田政府参考人 お答えいたします。 手元のリストによりますと、嵐山トンネルはこの五年間の訓練対象には入ってはおらないというふうに承知しております。
○畠山委員 つまり、避難訓練がされていないというわけであります。今ありましたように、電化だけでも四十三で、そのうち十二ですから、嵐山トンネル以外でも何かの事態の際の避難訓練は行われていないというわけです。国として、こういう事態に問題意識を持たなければいけないと私は思います。 二〇一一年五月に、JR北海道は石勝線でトンネル火災を起こして、三十九人の方が病院に搬送されました。当時、こういった安全対策の不備やさまざまな指令のやりとりなどなどでさまざまな問題が発覚する中で、死者がなかったのは奇跡だったというふうに思います。私もその後現場や車両を見させていただきましたが、車内の椅子だとかは全部溶け落ちて、よくこれで大きな被害が出なかったと思ったほど、ぞっとするような内容でありました。その後、JR北海道としては、さまざまな対策マニュアルなども講じたところです。 それで、今回の嵐山トンネルの火災というのは、午前四時ぐらいで、乗客が乗っていなかった時間帯でしたが、それでよしとするわけにはもちろんいきません。 そこで、これは大臣に伺いたいんですが、監督責任を持つ国として、安全対策、とりわけ今私が述べました避難訓練の実施をきちんと国としても確認し、必要なことがあれば指導もしていくことを求めたいと思いますが、いかがでしょうか。 〔委員長退席、小島委員長代理着席〕
○石井国務大臣 鉄道の安全を確保する上でトンネル内での火災への対策は重要でありまして、その一環として、異常時を想定したトンネル内における避難訓練についても適切に実施される必要があると認識をしております。 鉄道事業者では、これまでの火災事故等を受けまして、適宜、異常時対応のマニュアルを見直すとともに、そのマニュアルに基づいて定期的に避難訓練を行っております。 国土交通省におきましては、この避難訓練が適切に行われているかどうか、保安監査で確認をしております。 今後とも、鉄道事業者において避難訓練が確実に実施されるよう必要な指導をしてまいります。
○畠山委員 そうであるならば、先ほどあったように、電化区間のトンネルが四十三ある中で十二しか避難訓練が行われていないという事態については、是正が必要ではないかと改めて私は強調したいというふうに思います。鉄道事業者として乗客の命を預かっているわけですから、その責任を自覚すべきことを、JRに対しても、この場からも私から表明をしておきたいというふうに思います。 そこで、問題については構造的に捉えなければいけないと思います。 この問題について、JR北海道から私も聞き取りなどを行いましたが、もちろん安全対策は最優先だとしつつも、必ず最後に落ちつく話というのは、そうはいってもお金がないんですということの繰り返しでありました。 それはことし三月のダイヤ改正にもあらわれて、JR北海道では、駅の廃止が八つ、減便が普通列車で七十九、特急列車では車内販売も自動販売機さえもなくしたものもあります。 高波や台風によって線路が被害を受けた日高本線が間もなく一年半になりますが、これもまた復旧される見通しがありません。 それで、お手元に資料が配付されていると思いますが、この日高本線というのは、ここにありますように、苫小牧から様似まででありまして、現在の不通区間は鵡川駅から様似駅の約百十六キロになります。今は代行バスが運行していますが、途中にあります静内駅で乗りかえをしなければなりません。 百十六キロというのは、東京駅を起点に東海道新幹線で考えると、熱海までが大体百キロなんですね。それをはるかに超えるわけですから、そこをバスで連日行くということの大変さは想像できるかと思います。 そこで、まず確認をします。 このように百キロ超となるような長距離を走る代行バスというのが全国にあるんでしょうか。あわせて、このような状況は国としてやむなしと考えているのか、認識を伺います。
○藤田政府参考人 日高線につきましては、昨年一月の高波による被害のために鵡川—様似間で鉄道を運休しておりまして、昨年一月から代行バスが運行されております。代行バスの運行距離、御指摘にございましたように、鉄道の営業キロで申しますと全体で百十六キロ、運行系統としては鵡川—静内間の五十一・六キロと静内—様似間の六十四・四キロに分かれている、こういう状況でございます。 ほかに百キロを超える代行バスがあるかというお尋ねでございますけれども、現在運行されているもので一番長い災害等による代行バスは、常磐線の竜田—原ノ町間の四十六キロというふうに承知をしております。 日高線における代行バスの運行でございますけれども、鉄道が運休している状況の中で、地域の交通手段の確保のために必要な措置であるというふうに認識をしております。 JR北海道におきましては、バスの運転時刻を高校の登下校の時刻に合わせたり、所要時間を短縮するために運行経路を見直すなど、できる限り利用者の利便を確保するように努めているというふうに承知をしております。
○畠山委員 したがって、百キロ超の代行バスというのは日本にはないわけです。 そこで、今さまざまな時間のやりくりだとかJR北海道で努力をされているという旨の認識の答弁がありましたが、これは実態をやはりよく見る必要があると思うんですよ。 時間がかかるのは、先ほどの距離もそうですが、北海道ですから、冬道、悪天候、そして、代行バスは大型ですので、代行ですから駅前なども通っていくんだけれども、国道から駅前に行くときに細い道なんかを通るわけだから、くねくねして時間も余計にかかる。 例えば、鵡川から静内まで、静内に高校もありますが、農業高校もあるんですね、ここで鵡川から朝通うようにされると、今までだと一時間十分ほどで行ったものがバスだと一時間四十八分かかって、一・五倍ぐらいかかっているんです。また、途中駅にある新冠町には高校がありません。部活、塾、学校の講習などなどがこれらのバスの運行時間に拘束をされるわけです。 そして、ここを線路と並行して走っている国道が、ずっと長い一車線区間もありまして、いろいろなものを運ぶ工事車両であったり、観光シーズンもたくさん車が通るんですけれども、そうなると、ゆっくり走っていけばなかなか前に進めないということもある。 深刻だなと思ったのは、車椅子の方のお話でした。この代行バスへ乗るのに一カ月前から予約が必要と言われているそうです。なぜか。それは、バスの乗りおりにJRが介護事業者などへの介助を頼むためだそうです。しかし、その方が通う病院というのは、バスに乗っていくわけですけれども、専門医が常駐していないために一カ月前でも予定が立たない。予約ができないわけですよ。それで、何とかかんとか、では十三時ぐらいのバスに乗せてくださいというふうに言ったら、いや、その時間は事業者が確保できないので十一時にお願いできないかとか、そんなやりとりがされているというのが現実です。 もう一つ言えば、運賃や切符というのはその乗りおりした駅に行って払うんですね。バスでお金を扱わないんですよ。だから、ちょっとバス停が駅から離れたら、駅までとことこ行って、そこで切符や、お金を払わなきゃいけない。観光客なんかはこういう仕組みをわからないから、どうしたらいいかという状況にもちろんなるわけです。 いろいろたくさん言いましたけれども、一体これで公共交通としての機能を果たしていると言えるのかどうかということを問いたいんですね。 そこで、確認することがあります。 交通政策基本法の第二節には国の施策が書かれています。第十六条と第十七条を読み上げてください。 〔小島委員長代理退席、委員長着席〕
○藤田政府参考人 交通政策基本法第十六条を読み上げさせていただきます。「国は、国民が日常生活及び社会生活を営むに当たって必要不可欠な通勤、通学、通院その他の人又は物の移動を円滑に行うことができるようにするため、離島に係る交通事情その他地域における自然的経済的社会的諸条件に配慮しつつ、交通手段の確保その他必要な施策を講ずるものとする。」 十七条を読み上げさせていただきます。「国は、高齢者、障害者、妊産婦その他の者で日常生活又は社会生活に身体の機能上の制限を受けるもの及び乳幼児を同伴する者が日常生活及び社会生活を営むに当たり円滑に移動することができるようにするため、自動車、鉄道車両、船舶及び航空機、旅客施設、道路並びに駐車場に係る構造及び設備の改善の推進その他必要な施策を講ずるものとする。」 以上でございます。
○畠山委員 そこで、大臣に伺います。 今読み上げられました交通政策基本法では、十六条で日常生活等に必要不可欠な交通手段の確保を国の施策として書かれています。また、高齢者、障害者、妊産婦等の円滑な移動のための施策を講ずることが第十七条に書かれています。 しかし、先ほど紹介した実態は、この法の中身と乖離しているのではないでしょうか。これはまず、大臣の認識として伺いたい。
○石井国務大臣 日高線は、昨年一月の低気圧による高波によりまして、線路脇の盛り土の土砂が流出する被害が発生したため、鵡川—様似間で鉄道が運休をしております。また、昨年の九月には、重ねて台風の影響により護岸等が倒壊し、路盤が流出する被害も発生しております。 こうした状況を踏まえ、鉄道の復旧方針について、昨年六月より、北海道庁、JR北海道、国土交通省の三者から成る検討会議を開催して、検討を行っているところであります。 また、住民生活に必要な交通手段を当面確保する観点から、JR北海道が代行バスの運行を行っております。 こうした状況は、交通政策基本法の考え方に沿ったものであると考えております。
○畠山委員 今基本法に沿ったものだという答弁でしたが、でも、私が先ほど言った、車椅子の方がバスに乗るのに一カ月前から予約が必要だけれども、それは現状としてかみ合っていないことを紹介したんですよ。 第十六条も第十七条も主語は国になっていて、国が責任を負うべき内容を定めていると思うんですよ。少なくとも、いつまでも代行バス運転に頼るのではなくて、国が責任を持って、まず日高本線の復旧をやりますということを言うべきではないでしょうか。
○石井国務大臣 日高線の復旧方針につきましては、先ほど御紹介いたしましたとおり、昨年六月から、北海道庁、JR北海道及び国土交通省の三者から成るJR日高線検討会議を開催して、検討を行っているところであります。 また、復旧には多額の費用がかかることを踏まえまして、復旧後にJR北海道と地域が一体となって日高線を持続的に維持していくための方策につきましても、JR北海道と沿線自治体との間で協議が行われているところであります。 国土交通省といたしましては、こうした協議の場を通じて、それぞれの関係者が何ができるか議論を深め、関係者間の調整が促進されるように努めてまいりたいと考えております。
○畠山委員 事務方も含めて、そういうお話を何度も聞いてきたんですよね。国は調整に努めるというような話も昨年来から聞いてきました。 しかし、間もなくもう一年半になるというのに復旧の方針さえまとまらないのは、さまざまな要因がありますけれども、冒頭述べたように、JR北海道にとっても経営状況が見通せないことがある中で、交通政策基本法の趣旨にのっとり国が踏み出さないとなかなか解決に向かわないんじゃないかという点を強く要求しておきたいと思います。 そこで、最後に問いたいのが、なぜここまでJR北海道の問題が矛盾の深まりを見せているかということについてです。 それは、結論から言えば、我が党は繰り返し言ってきましたが、国鉄の分割・民営化によるものだという点を改めて強調したいと思います。 ことしで国鉄の分割・民営化から二十九年がたちます。東日本、東海、西日本は鉄道事業でも順調ではありますが、この間上場しましたけれども、九州はちょっと、北海道や四国などは当初から赤字路線が多く経営困難がわかっていたこと、国としても三島特例なども行い、当時、上げた国会で附帯決議もついたわけですけれども、さまざまな国としてやるべきことが盛り込まれていたんですよね。 もう一度読み直して、附帯決議の二に次のように書いてありました。「各旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社の輸送の安全の確保及び災害の防止のための施設の整備・維持、水害・雪害等による災害復旧に必要な資金の確保について特別の配慮を行うこと。」と附帯決議で付されています。 さまざまな北海道や四国、九州の状況を、特に今、熊本の様子なども見たら、こういう附帯決議が付されるのは私は当然だというふうに思います。今の日高本線の現状も、こういうことを鑑みて行うべきではないんでしょうか。 もちろん、当時から三十年近くたって、JR北海道自身の経営がどうであったかということも問わなければなりません。しかし、赤字路線を抱えるこのような北海道などで困難が見通せていたと思われるのに対して、今JR自身の責任などとともに、国の責任も改めて問わなくてはいけないのではないかと私は思います。 今代行バスで、なかなかJRに乗れなくて苦労している日高沿線住民の皆さんの前で、いやいや、国の責任など当時からありませんということは言えるんでしょうか。今こそ私は分割・民営化においての国の責任について考え直すときだと思いますが、大臣の認識を伺います。
○石井国務大臣 国鉄の分割・民営化は、公社制度のもとで全国一元的な運営が行われてきた国鉄の経営形態を改め、健全な事業体としての経営基盤を確立した上で、国鉄の事業を再生するために行われたものであります。 JR北海道におきましては、会社発足以来、こうした趣旨を踏まえて事業運営を行ってきましたけれども、国鉄改革から約三十年が経過する中で、地域における人口減少や道路整備の進展など、さまざまな事情の変化がございました。 JR北海道においては、こうした国鉄改革以降の事情の変化を踏まえながら、引き続き、国鉄改革の趣旨を踏まえた経営に努めてもらいたいと考えております。国としても、そのために必要な支援を行ってまいります。
○畠山委員 情勢の変化があったということだけでとどめてはいけないと私は思うんですよ。 実は、さまざまなそういう現場に行ったときに、一枚の資料をいただきました。これは手元にあるんですけれども、一九八六年五月二十二日付の朝日新聞で、当時政権党だった自民党が、もちろん今も政権党ですけれども、新聞広告を出されていました。こう書いています。「六十二年四月を目指して新しい鉄道をみなさんと一緒に考える——自民党」「民営分割ご期待ください。」「全国画一からローカル優先のサービスに徹します。」「ローカル線もなくなりません。」「民営分割ご安心ください。」とあります。 全然違うじゃないか、何の努力がされているのかと地元の方から話がありました。私、これを紹介した理由というのは、大事にこうやって持っていて、地域住民の方が、地域の足を守ってほしい、そういう気持ちがわかりますかということを訴えたいがために、きょうこちらに持ってきたんです。 だって、地方自治体の首長さんもそうですし、地元の住民も今受け身ではなく知恵を絞って、先ほどから大臣も述べられているように、協議会で話し合いをしてきているんですよ。地元自治体の協議会では利用促進策も提案しているのは、国としても承知しているではありませんか。だから、JRや国が応える番ではないのか。新幹線の延伸は進めながら、何で在来線支援の旗を振らないのかと私は思います。 経営面でも安全面でも公共交通の維持という面でもJR北海道の矛盾が噴出しているのは、根本的に、国鉄改革、分割・民営化に端を発するものだと思います。 そこで、あしたから再国有化しろとかいう話ではありません、少なくとも検証が必要な時期を迎えているのではないか、そういう対策をとる気はないか、最後に大臣に伺います。
○石井国務大臣 国鉄の分割・民営化によりまして、効率的で責任のある経営が実施できる体制が整えられた結果、全体として鉄道サービスの信頼性や快適性が格段に向上いたしました。 また、経営面でも、JR本州三社は既に完全民営化され、JR九州も完全民営化に向けて昨年JR会社法が改正されるなど、順調に推移している面もあると考えております。 一方、JR北海道、JR四国及びJR貨物の三社については、各社それぞれ状況は異なりますが、まだ経営自立が可能になるような段階には至っておりません。 このため、国としては、これら三社に対しまして、実質的な経営安定基金の積み増しや設備投資に対する助成や無利子貸し付けなどの支援を行っているところであります。このような措置を通じて、経営自立に向けて着実に取り組みを指導してまいりたいと考えております。
○畠山委員 今、最後に話された内容というのはこれまでもやってきて、しかし、JR北海道の経営状況も聞きましたけれども、また二年後、三年後ぐらいに運用益なども下がって、ますます大変になるんじゃないか。それが、この間の三月のダイヤ改正で減便であったり駅の廃止に直結しているというのは道民誰もが感じているものですよ。民営化すればバラ色になるかのように言われてきた中身は、しかし、今JR北海道の現状を見れば胸を張って本当に言えるのか。私は、違うということを強調したいと思います。 沿線住民からは、JRを守りもしないで何が地方創生かという声を聞きました。当然の思いだと思います。国として復旧や安全対策や緊急策をとるとともに、根本的には分割・民営化についての検討をするよう求めて、私の質問を終わります。
○谷委員長 次に、本村伸子君。
○本村(伸)委員 日本共産党の本村伸子です。 よろしくお願いいたします。 三菱自動車燃費性能偽装や東亜建設工業の羽田滑走路液状化対策工事偽装など、深刻な不正、偽装事件が相次いでおります。監督官庁としての国土交通省の監査、検査が形骸化していることの証左だというふうに思います。 昨年来続いております、具体的には軽井沢スキーバス事故、そして東洋ゴムによる免震ゴム偽装事件、そして三井住友建設、旭化成建材、日立ハイテクノロジーズのくい打ち工事偽装、そして二〇〇〇年、二〇〇四年のリコール隠し事件に次ぐ三度目の不祥事となった三菱自動車の燃費性能偽装、そして東亜建設工業による羽田空港の滑走路の液状化対策工事の偽装、虚偽の報告。くい打ち工事データ偽装は、建設業界全体に蔓延をしておりました。 どれもが企業任せ、事後チェックにした監査、検査体制によるひずみのあらわれだというふうに思います。今回の燃費性能偽装は三菱自動車だけなのか、羽田滑走路工事の偽装はほかの工事はないのか、出ないのか、疑問が次々と湧いてまいります。 企業が偽装に走るというのは、モラルの低下、法令遵守意識の欠如など、要因はあると思いますけれども、こう立て続けに起こるということは、何か根本的な問題があるのではないかと思わざるを得ないというふうに思います。 共通しているのは、競争に打ちかつため性能、技術の向上を求めたけれども達成できなかった、にもかかわらず、それを隠して、偽装して商品を販売し、工事を施工した。深刻な事態が相次いでおります。 国土交通大臣にお伺いしますけれども、これは抜本的、根本的な対応が必要になっている、こう思いますけれども、認識を伺いたいと思います。
○石井国務大臣 まず、今回の三菱自動車工業の不正行為に関しましては、これまで同社が国土交通省に対しまして、燃費試験及び排出ガス試験に使用する走行抵抗値に関し、長年にわたり国が定めた方法以外の方法で測定を行っていたこと、また、実測を行わず机上で計算していたこと、さらには、データを改ざんしていたこと等が明らかになっております。 また、東亜建設工業株式会社の施工不良に関しましては、羽田空港C滑走路の耐震化工事のうち、同社が平成二十七年度に施工した延長七十五メーターの区間について、施工不良であったこと、また発注者に対し虚偽の報告を行っていたことについて報告がございました。 こういった不正行為は、我が国の産業への信頼性を根本から損なうだけでなく、国民に大きな不信感を与えるものであります。 委員から、競争が激しくなって、他社との競争の中で偽装が行われたのではないかという御指摘がございました。競争自体は決して悪くはないと思いますけれども、競争に打ちかつためにデータを偽装するなんということはあってはならないことでありまして、私といたしましても断じて許すことはできない、このように考えております。
○本村(伸)委員 私が問いましたのは、抜本的、根本的な対応が必要じゃないかということを問うたわけですけれども、大きな問題の一つとして、安心、安全を確保するべき国交省の監査、検査の体制の問題だというふうに思います。 三菱自動車の燃費性能偽装のもとになった型式認定では、国交省は、三菱自動車が実施した実証実験の結果を書いた書面のみを検査対象にして、国交省そして研究所での実証実験は行っていない、こういう問題がございます。 また、報道ではこう書かれております。三菱自動車は、二十五年前から法令と異なる方法で燃費データをはかり続けるなど三段階で不正を行っていたが、国交省は、いずれの段階の不正も見抜けず、三菱自動車側の提出した最終的なデータだけをうのみにしていた、こういうふうにも報道されております。 さらに、羽田の事件では、液状化対策工事では、工事の進捗状況について、国交省は、中間検査、完了検査を実施し、東亜建設工業の下請業者が実施する工事に立ち会っていたというわけですけれども、施工不良を見抜くことができず、気づくことができず、業者が提出した施工状況データをうそだと見抜けなかったわけでございます。 国交省の監査、検査のやり方、全く不十分だというふうに思いますけれども、大臣の認識を伺いたいと思います。
○石井国務大臣 自動車の型式指定に関する国土交通省の審査におきましては、一定の気象条件のもとで測定する必要があるもの、また複数回にわたり測定する必要があるものなどについて、自動車メーカーから提出されたデータを使用しております。 これらのデータにつきましては、自動車メーカーとの信頼関係を前提に、これまでは特段のチェックを行わず使用してきたところでございますが、今回の三菱自動車工業の不正行為を踏まえ、この点について所要の見直しを行う必要があると考えておりまして、今具体的に検討を開始したところであります。 また、東亜建設工業の施工不良に関しましては、発注者である関東地方整備局から、契約図書に基づき、工事途中段階における立ち会いを含めた監督、工事完了後における受注者から提出される資料等の検査を実施しておりましたが、一方で、この工事は地中工事であり、かつ、滑走路を供用しながらの施工であったため、監督、検査においては書面に頼らざるを得ない部分が多いということもございました。 今回このような事案が起こったことから、今後、同様の工事の監督、検査の手法を検証していきたいというふうに考えております。
○本村(伸)委員 運輸、建設の分野でのうそ、ごまかし、そして詐欺的な行為は、国民の皆さんや住民の皆さんの命に直結する問題が多いわけでございます。国会としても、これを看過してはならないというふうに思います。 この運輸、建設分野での虚偽、偽装の問題について、この国土交通委員会での集中審議を求めたいと思います。 委員長、お願いいたします。
○谷委員長 ただいまの件につきましては、別途、理事会で協議いたします。
○本村(伸)委員 とりわけ、三回目の不正を行いました三菱自動車の役員には、参考人としてこの委員会に出てきてもらわなければいけないというふうに思っております。 今回の三菱自動車の燃費不正で、三菱側から国交省へ二回の報告がされているというふうに思いますけれども、まだ不十分ということで再報告を求められております。 不正を行った三菱自動車の責任追及は当然のことだというふうに思います。一方で、国交省がなぜ不正を見抜けなかったのかということが、国民の皆さんの、住民の皆さんの大きな疑問でございます。先日も答弁の中で、きょうも、先ほど言われましたけれども、メーカーの数値を信頼して審査をしてきた、この点がデータ改ざんの背景にあったというふうに答弁をされております。また、大臣も記者会見の中で、検査方法の見直しにつきましてはタスクフォースにおいて速やかに検討するというふうに述べられております。 そこで、確認をしたいんですけれども、自動車会社からの自主申告頼みの検査体制に問題があったと反省をしているのか、そして、検査体制の見直しは自主申告に頼らない方向で見直しを行うというふうに考えているのか、大臣、お示しいただきたいと思います。
○石井国務大臣 法令を遵守してデータの測定等を行うことは自動車メーカーの当然の責務でありまして、特に三菱自動車工業のような大企業がこういった不正を長年にわたり続けてきたことは、大変ゆゆしき問題であるというふうに考えております。 国土交通省といたしましては、今回の事態を踏まえまして、四月二十八日にタスクフォースを省内に設置いたしまして、自動車の型式指定に関する国土交通省の審査に当たって、自動車メーカーが提出するデータに関する不正を防止するために、必要な措置につきまして速やかに検討を行っているところでございます。
○本村(伸)委員 先ほども申し上げましたように、企業の自主申告に頼らない方向で、第三者がしっかりとチェックする方向で見直さなければならないということを強調させていただきたいと思います。 そして次に、羽田の問題ですけれども、液状化対策工事の偽装工事、そして報告の問題について、少し具体的に伺いたいと思います。 施工不良の概要について、計画数量に対する達成度はどうだったのかということをお示しいただきたいと思います。
○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。 羽田空港C滑走路の耐震化工事のうち、東亜建設工業が平成二十七年度に施工した延長七十五メートルにおきまして、施工不良があったこと、発注者である関東地方整備局に対して虚偽の報告を行っていたことについて報告を受けているところであります。 その報告によれば、施工不良の状況については、契約で指定した位置どおりに地盤に穴をあけた割合、それと契約で指定した大きさどおりに地盤をボール状に固めることができた割合はいずれもゼロ%ということでございました。また、薬液の注入量につきましては、契約で指定した量の五・四%しか実際には注入をされていなかったということでございます。
○本村(伸)委員 管もバルーンも達成率ゼロ%。達成率ゼロ%ということは、計画した施工が全くできていないということで、施工したとは言えない。そして、薬液も五・四%ということは、誤差の範囲だと言えるというふうに思います。これは施工不良ではなく、施工の偽装だというふうに思います。 そうした工事、施工を見抜けなかったというのは、どういう検査なんでしょうか。これは検査と言えるんでしょうか。
○佐藤政府参考人 発注者であります関東地方整備局から、契約図書に基づきまして、工事完了後に受注者から提出される資料等の検査を実施しており、その際の手法は基本的に問題はなかったと聞いております。 一方で、本件工事は地中工事であり、かつ、滑走路を供用しながらの施工であったため、検査は書面に頼らざるを得ない部分が多いということがございました。 今回、このような事案が起こりましたことから、今後、同様の工事の検査の手法について再検証していきたいと考えております。
○本村(伸)委員 工事中、複数回あった整備局の検査のたびに、薬液の注入量や地盤強度の数値を仕様書どおりに報告書類に記載していたと言われておりますけれども、報告書を見るだけなのか、現場に立ち会って監視するのではないか、確認をしたいと思います。
○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。 発注者である関東地方整備局の事務所におきましては、週一回から三回、現場に立ち会って施工状況を確認しておりました。 例えば、薬液を注入するために掘削した穴の長さにつきましては、掘削するために使用するパイプの長さ、それから掘削後に地表からはみ出しているパイプの長さを確認し、この差をはかることにより、計画どおりの長さの穴を掘削できているかを確認しております。また、薬液注入工につきましては、注入位置、注入速度、注入量を現場立ち会いにより確認しております。 しかしながら、今回このような事案が起こったことから、今後、同様の工事の検査の手法について再検証していきたいと考えております。
○本村(伸)委員 また、今回バルーングラウト工法というものが採用されたそうですけれども、地中にはコンクリート片や古タイヤなどがあったとの報道もありますけれども、地中に想定外の障害物があったことなどから掘削がうまくいかずというふうにも報道されております。 とすれば、この工法が羽田C滑走路の地盤に適正だったのか疑問が湧いてまいります。管もバルーンも達成率ゼロ%ですから、この工法に無理はないというふうに考えているのか、お示しいただきたいと思います。
○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。 今回の工事において、このバルーングラウト工法を採用するに当たり、類似した工法の施工実績が過去、羽田空港においてあり、加えて、東亜建設工業を含む民間事業者の研究会が試験施工を行い、所要の延長の穴を精度よく掘削できることが報告されたため、同工法を採用したところであります。 また、仮に、地中において障害物が発見された場合や薬液が地盤に浸透しない場合など、契約のとおりに施工することが難しいと判断される場合には、施工方法の変更について、契約に基づき、受注者から発注者に協議がなされることとなっております。ただ今回、実際には、この受注者から発注者への協議はなされませんでした。 しかしながら、今回このような事案が起こったことから、採用された工法が適正であったか否かについて、今後、再検証してまいりたいと考えております。
○本村(伸)委員 運輸、建設分野での国交省の監査、検査のあり方を抜本的に変えていかなければいけないというふうに強調させていただきたいと思いますし、安全のために、必要な国交省の人員も強化しなければいけないというふうに思います。 そして、この国会では、この運輸、建設分野での国交省の監査、検査のあり方の検証、そして規制緩和政策についての検証、安全、安心確保の取り組みへの検証、不正を行った企業のトップや有識者や現場の方々なども呼んで、国会としても集中審議をして責任を果たすことを求めて、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○谷委員長 次に、井上英孝君。
○井上(英)委員 それでは、早速質疑に入らせていただきます。 本日は、三菱自動車の不正事案について質疑をさせていただきますけれども、三菱自動車工業の燃費試験における不正事案につきましては、国の自動車認証制度並びに自動車産業全体への社会的信頼というものに対する大いなる裏切り行為であり、断じて許しがたい事案じゃないかなというふうに思います。 過去のリコール隠し事案で三菱自動車は会社として社会的にも大きな制裁を受けて、その教訓を深く胸に刻んで再生を図ってきた。多くの国民が期待をしていたというふうに思いますが、その期待も裏切ったということになります。その罪は非常に重いんじゃないかなというふうに考えます。 今回の事案を受けて、三菱自動車の国内受注台数が半減したというような報道がされていますが、会社のあり方から解体的見直しというのが行われて、二度とこのような事態を起こさないという会社に生まれ変わらない限り、三菱自動車の再起はないんじゃないかというふうに考えます。 国の自動車認証の制度との関係では、これまでは性善説に基づいて、認証を申請するメーカーの報告を信頼した審査が行われていましたが、その前提というのがこれで崩れてしまったということであります。 自動車局は、不正行為を防止するタスクフォースというのを立ち上げ、四月二十八日から検討を開始したというふうに伺っておりますけれども、自動車産業への信頼を回復するために、必要なありとあらゆる方策というのが実行に移されることを期待しております。 そのためには、かなりのマンパワーやかなりの予算というのがひょっとしたら必要とされる場合があるかもしれませんけれども、民間活力もうまく使いながら、不正行為の防止が徹底されるということをまずもってお願いして、質問に入らせていただきます。 今回の事案は、先ほど申し上げたように、あってはならない事案であるというふうに考えますが、一方で、燃費というものが自動車販売の実績を大きく左右するファクターであることに注目しなくてはいけないというふうに思います。 認証制度の背景事情として、あえて国交省にお伺いをいたしますけれども、自動車販売の背景として、過度な燃費競争になっているのか、どのような印象をお持ちか、お答えいただけますでしょうか。
○藤井政府参考人 お答えをいたします。 乗用車の平均燃費は、年八%の割合で上昇しているというのが近年の傾向でございます。そういう意味において、燃費性能について消費者の関心は高いということは認識をしております。 ただ一方で、自動車の販売の実態を見ますと、例えば二〇一五年の軽自動車の販売台数で見てみたところでありますけれども、一位のホンダのN—BOX、これは燃費が一リッター当たり二十五・八キロでございます。二位のダイハツのタントという車が二十八キロ、三位の日産デイズという車が三十・四キロということで、少なくとも、こういった数字から見る限り、販売台数が全て燃費性能のよさに応じたものということにはなっていない。 そういう意味で、自動車自体というのは当然競争があるわけですけれども、競争は、燃費性能だけではなくて、デザイン、価格、安全性、そういった自動車の総合的な商品性によって行われているものと認識をしているところでございます。
○井上(英)委員 今答弁いただいたように、燃費だけではない、さまざまな要因があるけれども、大きく一つの要因であるというふうにお答えをいただいたと思います。 今から二十五年前、一九九一年に道路運送車両法で、燃費実験の前提となる数値、走行抵抗の測定法が惰行法というふうに指定をされましたが、三菱自動車の資料では、それと異なる高速惰行法という手法を採用し、会社のマニュアルで惰行法というのが追記されたのが二〇〇七年、その十六年後となっています。それ以前、それ以後とも一貫して高速惰行法ということで計測を続け、逆算して惰行法による値を偽装する計算方法まで開発していた、ちょっと悪質性が感じられるんですけれども、そのように伺っています。 実に二十五年、四半世紀にわたって偽装といいますかが続けられてきたことになりますけれども、国にお尋ねしたいのは、この二十五年もの間、こういう偽装というか、見抜くチャンスが本当に全くなかったのか。先ほども申し上げたように、不正のリコール事案というのが過去に、三菱自動車に限っては三件あったと思うんですね。そのたびに徹底的な監査もされたと思いますけれども、見抜くことができなかったのか、お答えいただけますでしょうか。
○藤井政府参考人 お答えをいたします。 自動車の型式指定に関する国土交通省の審査においては、一定の気象条件のもとで測定する必要があるもの、あるいは複数回にわたって測定をしなければいけないもの、こういったものにつきましては、自動車メーカーから提出されたデータというものをその審査に使用してきているところでございます。 これらのデータにつきましては、自動車メーカーとの信頼関係を前提に、特段のチェックというものを行わずに審査に当たってそのデータを使用してきているという実態が私どもにもございました。今回の不正事案というのは、まさにそういったことが背景となって生じたものだというふうに認識をしているところでございます。
○井上(英)委員 今回、種々、信用していた、性善説でやっていたというのは理解できるんですけれども、四月二十日にこの不正行為の報告を受けて、二十六日に事実上一回目の報告というのがあって、それでは足りないということで、たしかおとついの五月十一日に再報告というのをしていて、結果的に、来週の五月十八日に再々報告ということになったんですね。 国民からすると、やはり、この期限までに報告しなさいと言っていることが再報告になり、また再々報告になるという姿を見るだけでも、監督官庁の国交省にとっては非常にぶざまで、二十五年間見つけられなかったということに関しては、やはり猛省を促したいというふうに思います。 次に、今回の事案の発覚後に国交省が行った立入検査で判明した事実として、走行抵抗値についての話をさせていただきますけれども、今回の四車種にある、それぞれの四仕様あるうちの一仕様、つまり燃費訴求車と言われる仕様車で不正にデータ計測というのを行った上で、残りの三仕様については、独自に開発した、偽装というか改ざんというか、そういう計算方法で燃費を算出していた、走行抵抗値を算出していたということになります。 まず、この三仕様については、本当に実測を行ったのか、行っていないのか。先ほど燃費の競争というのがありましたけれども、どのような動機で偽装を行ったと把握しているのか、お答えいただけますでしょうか。
○藤井政府参考人 お答えいたします。 これまでの三菱自動車からの報告に基づきますと、軽自動車、今問題になっております四車種、先ほど委員御指摘のとおり、四つの仕様というのがあるわけですけれども、そのうちの一仕様、燃費を訴求した車というものの走行抵抗値については実測がされておりますが、ただ、その方法は、国が定めた惰行法というものではなかったという問題がまずございます。 その上で、残りの三仕様、これは、実測を行うべきところ、先ほど申し上げました一仕様の実測のデータをもとに、机上の計算を行って数値を提出していたということでございます。 さらには、先ほど申し上げました、その実測を行った一仕様、現実に型式の指定を申請するときには、実測した走行抵抗値ではなく、燃費の目標値を達成するということを念頭に置いた、根拠のない不正な走行抵抗値が提出をされていたというふうに、この報告から認識をしておるところでございます。
○井上(英)委員 動機については、なかなか国交省としてはまだ確認できていないということですかね。
○藤井政府参考人 お答えいたします。 動機、原因については、私どものさらなる把握が必要だと考えておりますけれども、現時点で申し上げますと、三菱自動車工業が五月十一日に私どもに対して三回目の報告を行っておりますけれども、その中で、あるいはその後の記者会見でも申しておることでありますが、今回、先ほど申し上げたような一連の経緯につきまして、担当者らが燃費を商品の一番の訴求ポイントというふうに認識をし、開発関連部門の管理職、役員からの燃費向上の要請を必達の目標だと感じていたことなどをその一つの要因に挙げているところでございます。
○井上(英)委員 やはり、先ほども申し上げた、消費者が消費行動に移る中の一つの大きい要因だったと思うんですね、燃費という数字に対して。それがやはり過度な燃費競争を生み、ちょっとゆがめた会社組織になっていったのかなと。きょうは朝から、本社が実測している子会社に指示をしたというような報道もされておりますけれども、さらなるきっちりとした調査を行っていただきたいと思います。 ちょっと時間が限られているので急ぎます。 現在、独立行政法人の中の交通安全環境研究所、交通研で行われている燃費実験、次は燃費実験を聞きたいと思うんですけれども、先ほど言われた、メーカーから言われた申告値に基づいて燃費実験が行われるというふうに伺っています。 このような事案が起これば、当然のことながら、メーカーが申告する走行抵抗値に対して、一つ一つ国が再検証にかかわるべきじゃないかという議論が出てくるかと思います。局長もそういうふうな話をちょっとされているというふうにもちらっと聞いていますけれども、それは、やはりマンパワー、それから予算が非常にかかってくるかと思います。 ここは提案なんですけれども、メーカーのデータの試験の際に、国の検査官が立ち会うだとか、走行試験の映像を撮って後でやるだとか、リアルタイムのデータを提出させて、試験時、そういう不正がないかどうかを確認できるような方法だとか、メーカーは嫌がるかもわかりませんけれども、一堂に会して検査をするとか、いろいろ方法があると思いますけれども、現段階でどのようにお考えか、お聞かせください。
○藤井政府参考人 お答えいたします。 先ほどの不正のありました四車種については、委員御指摘のとおり、私どもの独立行政法人のテストコースを使いまして実測を私どもで行っているところでございます。ただ、これにはかなりの要員と時間がかかるというのは事実でございます。 現実に、今回は、その四車種を計測し直すのに六月中はかかるということを今見込んでいるところでありますけれども、そういった中で、全ての測定をこういった形で国ないし機構が行うということにした場合には、要員、場所の制約で型式指定の手続にも非常に支障が出てくるといった問題点が出てくるものと承知をしております。 ただ、その一方で、今回不正事案があったわけでありますので、自動車メーカーから提出される走行抵抗値あるいはその他の数値について、その真正さをチェックして、不正を防止するための手段を講じることが不可欠であると認識をしているところでございます。 これにつきましては、事案の直後から、私どもにおいてタスクフォースを立ち上げて検討を始めたところでございまして、今委員の御指摘になったようなことも踏まえた上で、その対策を至急に検討してまいりたいと考えております。
○井上(英)委員 交通研では、該当車種の再検証というのをゴールデンウイーク中、五月二日から始めて、それでも一カ月ぐらいかかる、六月頭になるというふうに聞いていますので、それが全部ということになってくるとかなりの時間もかかってくるんですけれども、急いでお願いをしたいと思います。 これまで三菱自動車が届け出した、公表していた燃費というのは、結果的に偽装ということになっていまして、今回の根本的な問題というのは、先ほど言いましたように、燃費競争が全てとは言わないですけれども、やはり燃費というものに対して消費者が過剰にというか過敏に反応するというのは一つの要因だというふうに先ほど答弁もありました。 ですから、今後は、燃費のデータの取得方法とか表示方法をやはり根本的に変えていく必要が、見直す必要があるんじゃないかというふうに思います。例えば、走行条件、運転の仕方というのをいろいろ変えてみて、条件ごとに数値を出すとか、燃費は幅を持って表示するということを義務づけるとか、どのようにお考えか、お聞かせいただけますでしょうか。
○藤井政府参考人 お答えいたします。 自動車メーカーは、エネルギーの使用の合理化等に関する法律に基づいて、販売する自動車について、一定条件のもとで測定された燃費値を表示することが義務づけられているところでございます。これによって消費者に対して燃費性能の比較を可能として、より燃費性能のよい自動車の普及を促進するという目的がございます。 ただ、委員御指摘のとおり、実際の走行では、気象、路面勾配あるいは車両重量などの走行条件の違いに加えて、例えば、エアコンなどを使うか使わないか、こういったことによって表示燃費を下回る、そういった御指摘も多々あるところでございます。 国土交通省としましては、現在、二〇一八年を目途としまして国際的に共通の燃費の測定方法というのを採用した上で、走行環境の違いに応じた新たな燃費の表示方法を導入すべく検討を進めているところでございます。これらの取り組みによりまして、燃費値と実際の走行時の燃費値の差ができる限り小さいものになるように努めてまいりたいと考えております。
○井上(英)委員 ありがとうございます。 さまざまなことはあると思いますけれども、過敏に反応してしまって、メーカー側もついついそちら側に気をとられてしまって一方的な流れになってしまうというようなことも防ぐ抑止力になるのではないかなというふうに思いますので、ぜひ積極的に考えていただけたらと思います。 今回の三菱自動車、やはり企業風土に大きな問題があったんじゃないかというふうに思うんですけれども、局長、企業風土にどのような問題があると感じておられるか、お答えいただけますでしょうか。
○藤井政府参考人 お答えいたします。 三菱自動車工業におきましては、先ほど委員から御指摘のとおり、リコールの関係、リコール隠しその他、たび重なる不正行為等が指摘をされてきておるところでございます。 このような経緯にもかかわらず、今回再び不正行為が行われていたということについては、同社のコンプライアンスに対する基本的な姿勢に疑問を感じざるを得ない、そういう点で極めて遺憾であると考えております。 一昨日の同社からの報告におきましては、今回の不正行為の背景として、燃費目標の達成の困難さにもかかわらず、関係者の積極的な関与あるいは実務状況の確認、さらには外部からのチェック、こういったものが不足していたなど、業務運営に当たっての問題があったということを報告で受けているところでございます。 今回のような不正行為の再発防止に当たっては、こういったいわゆる企業風土の変革というものが不可欠であると考えているところでございます。
○井上(英)委員 調査をきっちりとやっていただいて、ぜひともまた御報告をいただけたらというふうに思います。 それでは、大臣、お聞きをさせていただきますけれども、やはり非常にゆゆしき事態、事案だというふうに思うんですね。でも、何よりも三菱自動車の車を利用しているユーザーの皆さんが抱いている不安というのをやはり払拭すべきだというふうに思います。 不正に取得された型式認証に基づいてつくられた車を走らせて大丈夫なのかというふうに思っておられる方も多分おられると思いますので、やはり、その辺の誤解を解いていく、そしてまた、いち早く情報を周知徹底してユーザーを安心させる必要があると思いますけれども、大臣の見解をお伺いいたします。
○石井国務大臣 自動車ユーザーの不安を払拭するためには、まずは、三菱自動車工業が会社を挙げて、今回の不正行為の全容を明らかにするとともに、責任を明確にし、会社側が提出することとされている他のデータも含め、改ざん等の再発防止策を講じることが必要となると考えております。 一方、国土交通省といたしましては、まず、データの改ざん等がありました軽自動車四車種について、本来の正しい方法により、燃費値と排出ガス値を早急に測定、算定する必要があると考えております。 このため、五月二日より、独立行政法人自動車技術総合機構におきまして、走行抵抗値及び燃費、排出ガス値の確認試験を開始いたしました。確認試験の結果につきましては、六月中に取りまとめ、公表することを予定しております。 国土交通省といたしましては、確認試験を速やかに進めるとともに、今後の三菱自動車工業からの報告等を踏まえまして、このような事態が二度と起きないよう、再発防止に向けて必要な対策を講じてまいりたいと考えております。 なお、今回の三菱自動車工業の不正行為を受けまして、内外の自動車メーカーに対して、同様の事案の有無について五月十八日までに報告を求め、その結果について公表することとしております。 ユーザーの不信感の解消に向けて、今後とも適時適切に情報提供を行ってまいりたいと考えております。
○井上(英)委員 早くユーザーの方が安心できるような環境というのをやはり整えるべきだと思っています。素人的には、環境性能に対する数値ということと保安基準ということに関しては少し違うんじゃないかなと。私は素人なので、その辺も含めてしっかりと調査をしていただいて、早くユーザーに告知をしていただいて、安心をさせていただけたらというふうに思います。 時間も来ましたのであれですけれども、やはり、三度のリコール、それから今回の不正ということで、累犯性が非常に高いというふうに思っています。 運送事業法なんかと違って、営業ができなくなるとか、そういうことはないんですね。自動車メーカーは、いつまでたっても、こういういろいろな不正をしていても、自動車をつくり続けることはできるんですね。でも、やはりそれぐらいのことをやっていくぐらいじゃないと、抑止力が働かないんじゃないかなという思いもあります。 今後、重い処分というのもぜひ考えていただきたいと思いますし、それから、今後、本当にどのような制度構築をして、こういう認証制度というもののチェックをしていくのか、最後に大臣、もう一度お伺いをさせていただきます。
○石井国務大臣 今回の不正の事案を踏まえまして、二度とこういった事態が起きないように、国の検査方法もしっかりと見直してまいりたいと存じます。
○井上(英)委員 どうもありがとうございました。 ————◇—————
○谷委員長 次に、内閣提出、承認第二号、特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件及び内閣提出、承認第三号、第二号と同様の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件の両件を一括して議題といたします。 順次趣旨の説明を聴取いたします。国土交通大臣石井啓一君。 ————————————— 特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件(承認第二号) 特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件(承認第三号) 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○石井国務大臣 ただいま議題となりました特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件の提案理由につきまして御説明申し上げます。 我が国は、平成十八年十月九日の北朝鮮による核実験を実施した旨の発表を初めとする我が国を取り巻く国際情勢に鑑み、同年十月十四日以降、北朝鮮船籍の全ての船舶に対する本邦の港への入港禁止を実施してきております。さらに、本年一月六日に北朝鮮が核実験を実施したこと及び本年二月七日に人工衛星と称する弾道ミサイルを発射したこと等を踏まえ、北朝鮮の動向や国際社会の対応ぶり等の諸般の事情を総合的に勘案し、我が国の平和及び安全を維持するために特に必要があると認め、特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第三条第三項の規定に基づき、本年二月十九日の閣議において、平成二十九年四月十三日までの間、本年二月十九日以後に北朝鮮の港に寄港したことが我が国の法令に基づく手続等によって確認された第三国籍船舶に対し、本邦の港への入港を禁止することを決定いたしました。本件はこれに基づく入港禁止の実施について、同法第五条第一項の規定に基づき国会の承認を求めるものであります。 以上が、本件を提案する理由であります。 本件につき速やかに御承認いただきますよう、御審議をよろしくお願いいたします。 続いて、ただいま議題となりました特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件の提案理由につきまして御説明申し上げます。 我が国は、平成十八年十月九日の北朝鮮による核実験を実施した旨の発表を初めとする我が国を取り巻く国際情勢に鑑み、同年十月十四日以降、北朝鮮船籍の全ての船舶に対する本邦の港への入港禁止を実施しているほか、本年二月十九日以後に北朝鮮の港に寄港したことが我が国の法令に基づく手続等によって確認された第三国籍船舶に対し、本邦の港への入港を禁止しております。さらに、本年一月六日に北朝鮮が核実験を実施したこと及び本年二月七日に人工衛星と称する弾道ミサイルを発射したこと等を受けて本年三月二日に国際連合安全保障理事会決議第二千二百七十号が採択されたこと等を踏まえ、北朝鮮の動向や国際社会の対応ぶり等の諸般の事情を総合的に勘案し、我が国の平和及び安全を維持するために特に必要があると認め、特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第三条第三項の規定に基づき、本年四月一日の閣議において、平成二十九年四月十三日までの間、国際連合安全保障理事会の決定等に基づき凍結またはその他の関連する措置の対象とされた船舶であって、その国際海事機関船舶識別番号が明示されるものに対し、本邦の港への入港を禁止することを決定いたしました。本件はこれに基づく入港禁止の実施について、同法第五条第一項の規定に基づき国会の承認を求めるものであります。 以上が、本件を提案する理由であります。 本件につき速やかに御承認いただきますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。
○谷委員長 これにて両件の趣旨の説明は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時十四分散会