原子力問題調査特別委員会 第4号
- 発言数
- 127 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2016/05/12
会議録
○三原委員長 これより会議を開きます。 原子力問題に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣府大臣官房審議官山本哲也君、文部科学省大臣官房審議官板倉周一郎君、資源エネルギー庁資源エネルギー政策統括調整官吉野恭司君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長多田明弘君、原子力規制庁長官官房緊急事態対策監大村哲臣君、原子力規制庁長官官房審議官山田知穂君、原子力規制庁長官官房審議官青木昌浩君及び原子力規制庁原子力規制部長櫻田道夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○三原委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐々木紀君。
○佐々木(紀)委員 自由民主党の佐々木紀でございます。 きょうは、質問の機会をいただきまして、まことにありがとうございます。また、田中委員長に答弁に立っていただけるよう調整いただいたことも感謝したいと思います。 そこで、すぐに田中委員長に御質問したいところでありますが、先に経産省にお伺いをしたいと思います。 ここに五月九日の朝日新聞の記事を持ってまいりました。二人の元総理が並んで、片方は熊本県知事を経験された方でありますけれども、ここに、「原発は、安全で、一番安く、クリーン。」と書かれているんですけれども、その下の文章が問題でして、「これ、全部うそだ。」、こう書かれているんです。 こういう意見広告を掲載されているわけでありますけれども、大変影響力のあるお二人が国の方針とは違う主張を大々的にされているということは、私は大変問題があるのではないかと思いますけれども、政府の見解をお伺いしたいと思います。
○多田政府参考人 お答え申し上げます。 原発に対してはさまざまな御意見があることは承知をしております。ただ、御指摘の意見広告につきましては、一民間団体の御意見でもございまして、コメントは差し控えたいと思います。 私ども、五年前に福島第一原発の事故という経験をいたしまして、安全神話に基づく原子力に安易に依存してはならないという大きな教訓を得たことは御承知のとおりでございます。これを踏まえ、原子力発電への依存度は可能な限り低減させるという目標を掲げたところでございます。 他方で、これも御承知のとおり、あらゆる面ですぐれたエネルギーはないという認識を持っておりまして、昨年、エネルギーミックスを策定するに当たりましても、改めて、スリーEプラスS、このエネルギー政策の目標の実現を念頭に、現実面におきまして、火力発電への過度な依存に伴うエネルギー自給率の大幅な低下、あるいは二酸化炭素の排出量の増加、さらには電力料金の上昇に伴います国民の方々あるいは中小企業の負担増加、こういった課題を見詰め直しまして、やはり、資源の乏しい我が国のエネルギー政策上、再生可能エネルギーの最大限の導入を行っていくことはもちろんでございますけれども、原子力という選択肢を放棄すれば責任あるエネルギー政策を実行できない、逆に申し上げれば、一定程度の原発の再稼働は必要であり、ゼロにはできない、こういう判断を行ったところでございます。 そうした中で、準国産であって、運転コストも低廉で温室効果ガスも排出しないという特性を持つ原発の最大の課題は安全性でございます。したがいまして、この点につきましては、独立した原子力規制委員会の厳格な審査を経たものについてのみ再稼働させる、こういう考え方をとっております。 もう一点の課題は、社会的な信頼だと思っております。原子力そのもの、そして事業者、さらには行政に対しまして、福島第一の事故後に失われた社会的信頼の回復を図らねばならないと思っております。安倍総理も国民の信頼回復が何より重要とおっしゃっているのは、そういう趣旨かと思っております。 引き続き、安全最優先の姿勢で真摯に再稼働に対応していくことを通じまして、国民の方々の、そして社会的信頼を回復すべく取り組んでまいりたいと思っております。
○佐々木(紀)委員 ありがとうございます。私も本当にそのとおりだというふうに思っております。 一方で、今、熊本の地震のような災害が起こったわけでありますけれども、やはり電気が安定して供給されるということがいかにありがたいことか、改めて身にしみるわけであります。 停電が解消されるだけで被災者は安心しますし、避難生活の負担も軽くなりますし、復旧作業もはかどるわけであります。被災地である熊本の電力の安定供給にも原発は寄与しているわけでありますから、この時期での元熊本県知事によるこのような意見広告は大変残念であると私は考えています。 原発は、化石燃料資源に乏しい日本にとっては大変重要なベースロード電源であり、電力の安定供給に欠かせないものであります。新規制基準に適合すると認められた原発は、地元を初めとした国民の理解を得た上で再稼働を進めるべきだというふうに思っています。 しかし、この原発の再稼働ですけれども、滞っております。ことしの三月十一日で福島事故から五年、原子力規制委員会が発足してから約三年半が経過しましたが、遅々として原子力発電所の再稼働が進んでいません。 原子力発電所の新規制基準の適合性審査の申請があった二十六基のうち、現在運転しているのは川内一、二号機の二基のみです。ようやく再稼働した高浜三号機は大津地裁による運転差しとめで停止、また四号機も運転差しとめの対象となっています。また、伊方三号機は設置変更許可等を終え、使用前検査を行っている段階であり、再稼働間近ですが、その他の二十一基はまだ設置変更許可の申請中という状況にあります。 そこで、この適合性審査が進まないことについて質問させていただきたいと思います。 前述のように、新規制基準の適合性審査の申請があった二十六基のうち、審査を終えて設置変更許可されたのは五基のみです。そのうち、川内一、二号機と高浜三、四号機を例にとりますと、申請から設置変更許可までに約一年二カ月から一年七カ月かかり、その後、工事計画等の認可や使用前検査で再稼働するまでにはさらに十カ月から一年かかっています。審査中のプラントの中には、平成二十五年七月の新規制基準の施行日に申請してから約二年十カ月が経過したプラントもあります。このように、審査が停滞しているのは明らかです。 原子力発電所は、日本のエネルギー政策上重要なベースロード電源であり、これが審査の停滞により再稼働できない状況というのは、原子力規制委員会、原子力規制庁の審査体制が不十分、すなわち、審査員の数の不足と力量不足があるのではないかと思います。 そこで、効率的な審査を進めるために具体的にどのようにされているか、政府の対応をお聞きしたいと思います。
○田中政府特別補佐人 審査がおくれているという御指摘でございますが、私どもとしても、当初から、審査を全体として効率的に進めるために、適合性審査の結果のみならず、主要な論点等もあわせてまとめた審査書の作成、適合性審査で確認すべき事項の整理、審査をより効率的に進めるための集中審査などの工夫を重ねてきております。原子力規制委員会としては、引き続きこうした取り組みを継続していく考えであります。 一方、事業者においても、先行審査における論点を踏まえて準備を行うなど、そういった課題について鋭意対応していただく必要があります。効率的な審査を進めるという観点からは、事業者の準備というのが極めて重要であります。 こういった観点から、事業者に対しては、審査書のみならず先行審査の状況も公開されておりますけれども、現場に足を運んでいただいて十分にフォローしていただいて、それを踏襲していただくようにすることで審査の効率を上げるという方向で指導しているところでありますし、それを鋭意今後も進めていきたいと考えております。
○佐々木(紀)委員 ありがとうございました。 御説明いただいたとおり、効率的な審査を進めるには、人材の確保だけでなく、いつまでに審査を終えるなどといった目標を掲げることも有効だと思います。そうすれば、その期限を守るためにどの程度の人材が必要かも見えてきますし、既存の人員でやろうとすると、当然おくれてきます。 また、審査の仕方についても、今ほど御説明のように工夫をされているということでありますけれども、過去の知見や再稼働させた実績を次の審査に生かすなど、審査の重点化や合理化もしていただきたいと思います。 また、炉安審や燃安審も大いに活用して、迅速かつ効率的で確実な審査をお願いしたいというふうに思います。 次に、敷地内破砕帯の評価が行われているプラントの適合性審査についてお聞きいたします。なぜならば、原子力規制委員会が設置した有識者会合による敷地内破砕帯の評価が審査のおくれにつながっているのではないかなというふうに考えているからです。 敷地内破砕帯評価の対象となった発電所は、大飯、美浜、東通、敦賀、志賀、「もんじゅ」の六つあるわけでありますけれども、これら敷地内破砕帯評価を実施中の発電所については、有識者会合による評価書が取りまとまり、原子力規制委員会へ報告がなされない限り、適合性審査に移ることができないというふうに決めてあります。 そこで、これからは志賀原発における有識者会合についてお伺いします。 四月二十七日に最終の有識者会合の評価書というのが原子力規制委員会に提出されたわけです。実に、一昨年八月の二号機の適合性申請から、既に約一年九カ月が経過しております。つまり、有識者会合のこの報告が出るまでの間、二年近く審査が滞っていたということになります。 もう報告書が出ましたので、今後適合性審査が再開されることになろうと思いますけれども、その際、原子力規制委員会は、適合性審査に当たっては、この有識者会合による評価を重要な知見の一つとして参考にするとしています。 そもそも、有識者会合自体が法的根拠がなく、また評価書が参考という位置づけにすぎないのであれば、許認可の可否を決定する適合性審査を早期に再開し、そこで速やかに評価を確定させるべきであると考えます。有識者会合に時間をかけるべきではありません。 このように一昨年八月の適合性申請からかなりの時間が経過している志賀二号機については、早期に審査を再開すべきであると思います。規制委員会の見解をお伺いしたいところでありますけれども、ちょっと時間がありませんので、指摘することにとどめておきたいというふうに思います。ぜひ志賀二号機については、速やかに適合性審査を開始していただきたいというふうに思います。 この有識者会合の評価書の具体的な中身についてもお聞きします。 有識者会合では、現地調査も行った上で評価を行いました。その結果がお手元の資料にあります。 この図を見ていただきたいんですけれども、問題になっているのは、一号機の原子炉建屋をかすめるように走っているS—1、黄色というかダイダイ色のラインであります。これが活断層かどうかということが議論されているわけです。ちなみに、S—1のSはシームのことで、破砕帯とは違います。破砕帯とは、過去に繰り返し動くことで幅の厚い断面となったもののことをいいますけれども、シームとは薄い粘土層のことで、断層にはほど遠いイメージです。 報告書では、S—1の南東部、この青色の区間ですけれども、後期更新世、十二から十三万年前以降の活動はないという見解は一致しておりまして、四月二十七日の原子力規制委員会の場でもそれを認めています。その一方で、S—1の北西部、赤色の区間、ちょっとピンク色っぽく見えていますけれども、については、変位したと解釈するのが合理的という逆の評価がされました。 同じシームなのに、途中から動く方と動かない部分に分かれているということなんですね。この時点で私は既にちょっと疑問を持っているわけでありますけれども、なぜ同じシームなのに二つの評価が存在するかというと、根拠となる資料が違うからです。 S—1北西部の判断資料は、今から三十年前の志賀一号機の建設前に行われたトレンチ調査の壁面のスケッチを用いています。審査ガイドでは、設置面での確認が困難な場合には、当該断層の延長部で確認される断層等の性状等によって判断するとありますので、旧トレンチ部分というのは建屋が建って確認できないわけですから、旧トレンチからの延長部であるS—1で調査することとされており、有識者会合でも、この地点、つまり駐車場南東方トレンチと書いてある真ん中の方にある青色に囲まれた部分で調査をして、南東部については活動性はないと判断しております。これは大変合理的で科学的な判断と言えます。 本来、北西部についてもこの調査で十分判断してもいいわけなんです。しかし、このS—1の北西部は、変位したと解釈するのが合理的という異なった判断がされているんです。それはなぜかといいますと、建設時と比べて新しい知見がないにもかかわらず、当時のスケッチを持ち出してきて判断しているからなんですね。 これについては、最終評価書において、今回の評価は限られた資料やデータに基づいて行われたとしており、有識者会合も、これは科学的な判断とは言えないと認めています。四月二十七日の原子力規制委員会の場でも、有識者会合の事務局である原子力規制庁から、限られたデータで議論しても結論が出ないという説明がなされるとともに、有識者会合のメンバーの一人でもある石渡委員からは、これは解釈であるということが重要との念押しがあり、田中委員長も曖昧さがあるということを認めています。 このように、不十分なデータによる解釈であり、曖昧さが残る評価であることから、より正確、確実な評価のために、今後の課題というのを出されて事業者に宿題を出されたわけであります。そういった意味でも、原子力規制委員会の場で更田委員長代理が指摘したように、今回の評価報告は、中間報告的な位置づけの域を出ない中途半端なものではないかというふうに考えています。 そもそも、三十年前当時、審査官や専門家が、このスケッチだけでなく、現物も見て、活動性に関しては問題となるものではないと判断したので発電所が建設されたのであって、その後新たな知見がないのであるから、当時のトレンチが現存しない今にあっては、審査ガイドに沿った形での評価、つまり延長部での現地調査で判断すべきであり、その現地調査では問題ないと判断されたにもかかわらず、その後新しい知見が出たわけでもない当時のスケッチを持ち出してきて判断するというのは、科学的ではないというよりも、常軌を逸しているのではないかとすら言えると思います。事業者にすれば、そのような判断がなされるのであれば最初から建設しなかったと言いたいところだと思います。したがって、結論ありき、もう言いがかりに近い内容なのではないかな、私はそういうふうに思っています。 こんな曖昧で非科学的で一方的な内容を導くのに二年近く費やして、事業者に調査のためのトレンチやボーリングなどに多額の費用を負担させて、意見すら聞かないで行った評価というのは大変問題があると思います。 さらには、この程度の内容にもかかわらず、地元では、黒評価、志賀直下に活断層、北電の主張完全否定と報道されて、あたかも有識者会合の評価が審査そのものであるかのような誤った捉え方をされ、住民の不安をあおってしまったとも言えます。 原子力規制庁は、有識者会合の評価書だけで審査するわけにはいかない、限界があったということも事実と説明しており、田中知委員からは、事業者から出される拡充データ等をもとに、審査会合においては科学的、総合的に判断していくことが必要という注文までつけられています。 破砕帯の問題は、原子力発電所の存立や電力会社の経営、ひいては日本のエネルギー政策に大きな影響を与える問題でもあることから、有識者会合の評価書はさきに述べたように解釈と位置づけられたものでありますけれども、有識者会合の五人の解釈だけで決まることがあってはならないし、そのようなことがあれば厳密な規制行政とは言いがたいと思います。 そこで、お伺いします。 有識者会合が取りまとめた評価報告書は、適合性審査において重要な知見の一つとして参考にするとされておりますが、有識者会合自体、法的根拠がないものであり、北陸電力による調査結果を踏まえていない、スケッチ等の限られた情報のみによる評価と言えることから、こういったものを重要な知見として取り扱うことは問題があると考えます。 適合性審査においては、有識者会合の評価書をベースに審査を行うのではなく、ピアレビュー会合で出された意見を尊重するとともに、宿題とされた事業者の追加調査結果も踏まえて、事業者と十分な議論を行いながら科学的、総合的な審査を進め、白紙の状態から判断すべきと考えますが、規制委員会の見解をお伺いしたいと思います。
○田中政府特別補佐人 先生が非常によく御説明いただいたので、加えることはそう多くはないんですけれども、もともと、この破砕帯調査について、なぜ志賀が始まったかといいますと、旧安全・保安院の会合において、今先生御指摘の旧スケッチ、その図が話題になりまして、これは活断層に間違いないという評価がありまして、さらに調査をする必要があるという御指摘をいただいた一つであります。それをベースに、結局、私どもに与えられた一つの宿題でありますので、それをきちっと専門家の御意見を集めて評価していただこうということで、有識者会合というのは始まっています。 ですから、そのこと自体が全く唐突なことではありませんし、その過程において事業者の意見を聞かないということを御指摘されましたけれども、そういうことではなくて、事業者からもできるだけ多くのデータを出していただくようお願いしましたけれども、旧トレンチについて見ると、旧安全・保安院から御指摘された明らかに活断層であるというようなものを覆すような古いデータ、要するに直下のデータがその一枚しか今まで出てきていないんです、何度も出すようにお願いしているんですが。 そういうことで、結局、それを否定できないということで今回のような結論になっておりますけれども、今御指摘のように、私どもとしても、それだけで判断するのは少し拙速過ぎるのではないかということ、それから、有識者の方も、これだけ限られたデータなので確定的なことは言えないということで、六項目について、さらに今後こういった点にデータの拡充が必要という報告書になっておりますので、そういったデータを拡充して今後の私どもの審査に役立てていきたいということであります。 それから、有識者会合が法的位置づけがないという御指摘ですけれども、これは、私どもだけではなくて、ほかのどんな場合でもそうですけれども、専門的知見を得るために、そういった有識者会合的なものは随時つくっていろいろな御意見をいただいて、それを参考にしながら判断していくということであります。 あくまでもそれは参考にしていくということで、最終的には原子力規制委員会が判断をするということにはいささかも迷いはありませんけれども、そういうふうな位置づけでございますので、この辺は、今後とも、この活断層だけではなくて、最近は、火山部会の火山とか、いろいろな極めて専門的なところについてはそういった有識者の御助力をいただかなきゃいけないということだけは申し上げておきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○佐々木(紀)委員 ありがとうございます。 旧トレンチはもう建屋の下にあって見えないわけですから、その場合は延長線上で判断すべしということなので、それで十分なんですよ。その建屋の下の判断というのは三十年前に、建設前に行われているわけでありますから、そこをまた戻してきて判断するのはどうかというふうに思います。 今御指摘のように、有識者会合の評価はあくまでも参考、本当に参考程度ということにしていただいて、審査会合でしっかりと審査をしていただきたいというふうに御指摘だけさせていただきまして、質問を終えたいと思います。 どうもありがとうございました。
○三原委員長 次に、簗和生君。
○簗委員 自由民主党の簗和生でございます。 本日は、質問の機会をいただきまして、まことにありがとうございます。 本日は、我が国のエネルギー政策について、今、我が国が置かれた状況、国情に鑑みた本質的な議論が行われているのかという観点から質問をさせていただきたいというふうに思います。 我が国は、エネルギーの脆弱性を抱えているとよく言われます。海外にエネルギー資源の多くを依存している、化石燃料に乏しいという国情ですから、海外のエネルギーをめぐる状況の変化に大きく影響を受けやすい、そうした状況を抱えているわけであります。 その中で、いかにエネルギー安全保障を確保して国民生活、経済活動を守り、さらには、それをいかに低コストで、つまりは国民負担を抑制する中で実現していくか、これが我が国のエネルギー政策の肝であるということは皆さんも一致している考え方であると思います。 その中で、まず確認をしたいんですけれども、東日本大震災の発生によりまして、その前後で我が国の電源構成は大きく変化をしました。これについて事実確認と、そして経済産業省の電源構成に対する見解、国民生活や産業活動への影響も含めて、改めてまず確認をしたいと思います。
○吉野政府参考人 お答えいたします。 福島第一原発の事故の後、国内の原発が全て停止したことによりまして、火力発電への依存度が九割近くになっている、一方、固定価格制度が開始された後に、再エネの導入量は三年間で倍増しているということでございまして、我が国の電源構成は震災前後で大きく変化をしております。 こうした中で、エネルギー安全保障の観点からは、震災前に約二割でありましたエネルギーの自給率が六%程度まで下がってきている、これは主要先進国の中では極めて低い水準であると認識をしております。 一方、国民負担の観点では、電気料金が家庭用で約二割、産業用で三割上昇しておりまして、国民生活や産業に大きな負担となっていると考えております。
○簗委員 今御答弁をいただきました安全保障の観点、すなわち自給率という点からも、さらには国民負担、産業活動、あるいは家庭用の料金という話もありましたけれども、そういう面で、今我が国にとっては、はっきり言ってしまえば好ましい状況にはないというふうに言えると思います。 その中で、エネルギー基本計画において、エネルギーミックス、二〇三〇年度の電源構成の目標が掲げられているわけでありますけれども、これについて伺っていきたいと思います。 まず、エネルギーミックスにおける電源構成ですけれども、先ほども質問したように、エネルギーの安全保障という観点と国民負担の抑制という観点から経済産業省としてどのような見解を持っているのか、これをまず伺いたいと思います。
○吉野政府参考人 昨年七月に策定をしましたエネルギーミックスでございますけれども、これは、安全性の確保を大前提に、安定供給、電力コストの引き下げ、CO2の排出の抑制、この三つを同時に達成するように検討を行ったものでございます。 具体的には、エネルギー安全保障の観点からは、自給率を震災前の約二割をさらに上回るおおむね二五%程度まで改善する、国民負担抑制の観点からは、電力コストを現状よりも引き下げる、二〇一三年のレベルよりも引き下げるといったところを達成しなければならない、このために、徹底した省エネ、再エネの最大限の導入などを行ったぎりぎりの姿として描き出したものでございます。 その結果として、各電源の比率は、再生可能エネルギーが二二から二四%程度、原子力が二二から二〇%程度、このようにお出しをしたものでございます。
○簗委員 今、国民負担のお話がありました。二〇一三年度よりもコストを引き下げる、それに向かって頑張るというお話でございますけれども、実現可能性という点についてはしっかりと確認をさせていただきたいというふうに思います。今どのような見込み、見立てを持っているのか、もう一度お話を聞かせていただきたいと思います。
○吉野政府参考人 お答えします。 申し上げましたとおり、エネルギーミックスの一つの目標として、電力コストを一三年度のレベルよりも下げるということを申し上げましたが、これを実現するには、すなわちエネルギーミックスそのものを実現しなければならないということでございます。 そのためには各分野でそれぞれ徹底した取り組みが大事ということで、省エネに関しましては、産業トップランナー、中小企業の省エネ、住宅の省エネといったところを進めてまいりますし、再エネに関しましては、ただいままさにFIT制度の見直しの観点から法案の審議をいただいておりますけれども、中長期的な価格目標の設定、比較的規模の大きな太陽光発電については入札の導入、それから、FIT以外でも、技術開発、さらにはアセスメントの規制改革といったところに関してあわせて取り組んでまいります。 それから、火力発電に関しましても、発電効率の向上なども大事。 そして、原発に関しましては、いかなる事情よりも安全性を最優先し、原子力規制委員会によって新規制基準への適合が認められた場合には、地元の理解を得ながら再稼働を進めていくということでございます。 エネルギーミックスは、施策を講じたときに実現されるであろう将来の需給構造の見通しというふうにうたわれておりますので、こうした施策を全て進めることによって何とか実現をしたいと考えているところでございます。
○簗委員 今の答弁ですと、海外への輸入依存という中では、どうしても、今、原油価格が比較的落ちついている、そういう状況もありますし、あるいはまた、為替レートの変動でも影響を受けるわけです。そうしたものも含めて、しっかりと今後の推移を注視しながら、このコストの低減というものを実現していただきたい、それをまずお願いしたいと思います。 続けて、二〇三〇年度のエネルギーミックスにおいての原子力の比率について話を伺っていきたいと思います。 二〇%から二二%と今想定をしているということでございますけれども、この実現の見込みを伺いたいと思います。 先ほど来佐々木委員からもお話がありました、適合性審査がスムーズに進んでいないんじゃないか、そういう国民の懸念もあります。その中で、この取り組みの進捗状況について、今、経済産業省としてどのように評価をしているか、今後どうしていくのかについて見解を伺います。
○多田政府参考人 お答え申し上げます。 エネルギーミックスで掲げました二〇三〇年度の電源構成に占めます原子力の比率、これは二〇から二二%とさせていただいたところでございます。 この点につきまして、既に御案内のとおり、これまでに二十六基の再稼働の適合性審査の申請が出ているところでございます。 私どもといたしましては、もちろん規制委員会の審査を経て、そして既存の原発を再稼働する、これがまず第一番でございます。そして、一部の炉につきましては、法令で認められました四十年を超える運転期間延長、こうしたものも期待をしているところでございます。 そして、稼働率という問題がございます。これは、震災前は平均が七割程度であったわけでございますけれども、例えば八割程度まで、これは自主的安全性向上のさまざまな取り組みがあって初めて実現できると思っておりますけれども、そうした稼働率の向上によって二〇三〇年度の二〇から二二%という比率を目指したい、このように考えておりますし、それは達成可能であると思っております。 この四月から小売の全面自由化をやらせていただいております。そうした自由化の中でそうしたミックスの実現が可能なのかどうか、こういった御指摘も時にあるところでございます。 私ども、まず申し上げておきたいと思いますのは、自由化といいましても、小売の全面自由化をしておりますけれども、例えば送配電部門でございますとかそうしたものについてはしっかりと規制があるわけでございます。その上で、この自由化のもとにおきましても、エネルギーミックスで目指しております姿の実現に向けて政策措置を講じていくということを我々はしっかりと考えていきたいと思っております。 例えば、自由化の後であっても、事業者が原子力事業の課題に円滑に対応できるような必要な措置があれば、これは講じていかなければいけないと思っておりまして、その一つの例といたしまして、この国会におきまして使用済み燃料の再処理等を着実に進めるための法案を提出させていただきまして、おかげさまで昨日成立をさせていただいたところでございます。 今後、こうしたものの進捗状況を見ながら、必要があればしっかりと検討をしていきたいと思っております。
○簗委員 さまざまな施策を講じてしっかりとこの原子力比率の実現に努力していただくということでありますけれども、きょう、あわせて指摘をしたい点があります。 それは、二〇三〇年度の電源構成を目標にして議論をしているわけですけれども、二〇三〇年度以降はどうなるのかという議論なんです。 これはどういうことかといいますと、現状では政府としてはその先についてはまだ見解を提示されていないので、ここではお答えは難しい部分もあると思うんですけれども、国民の率直な疑問はこうですよ。 例えば、原発を再稼働して、そして運転延長もしていくということで、二〇三〇年度においては何とかこの目標の比率は達成するということであっても、その先はどうなるのか。 当然、再稼働しても、それは廃炉になる時期が来る。運転延長しても、そこで終わり。そうであれば、当然、次の手として新増設あるいはリプレースという話もしていかなければいけない。それも、二〇三〇年度になって慌てて、間に合わないからやろうということでは遅いわけですから、逆算をして、どの時点においてそういう議論をして、しっかりとした計画を今のうちから立てていかなければいけないのか、そういう議論が必要になる。それこそがまさにエネルギーの安全保障であって、国民生活や産業活動に責任を持つ政府の役割であるというふうに思います。 そういう中で、お答えはできないのかもしれないですけれども、二〇三〇年度以降についてどう考えているのか、これについて一応聞かせていただきます。
○多田政府参考人 お答え申し上げます。 今先生御質問の中でも既にお触れになっていただきましたけれども、二〇三〇年度以降の、これは原子力のみならず、全体の電源構成につきまして、政府として現時点で具体的な見通しを検討しているわけではございません。 なお、これは御承知のとおりかと思いますが、このエネルギーミックスの原発比率を検討していくに際しましても、先ほど吉野調整官の方からお話がありましたが、スリーEプラスSという政策目標を同時達成するためにどうしたことをやっていくか、徹底した省エネ、再エネの最大限の導入、そして火力の効率化等々をやっていくことで原子力依存度を低減させた結果、いわば引き算の結果として原子力の比率という数字が出てきたものでございます。 したがいまして、このミックスの比率を検討していくに当たりましては、もともと、稼働する基数でありますとか、そうしたものを積み上げて計算したものではないということでございます。その意味で、例えば、今御指摘のございます新増設、リプレースとの関係等々について何かシミュレーションとかをしていくということもなかなかなじむアプローチではないというところを申し上げさせていただきたいと思っております。 答えとしては不十分だと思っております。
○簗委員 今答弁できる範囲でお答えをいただいたんだと思います。 我々は、原発ありきということで議論をしているわけではないんです。よくレッテル張りをされて、原発推進派と言う方もいるわけですけれども、そういうことではなくて、我が国の国情をしっかり踏まえて、エネルギー安全保障をいかに確保していくかという観点から、原発の必要性をしっかりと認識して必要な手だてを打っていこうということでありますから、そういう議論をぜひしていただきたいと思います。 原発推進派などというレッテル張りは、本当に言論を萎縮させて、そして真に必要な議論を阻害して、我が国のエネルギー政策を、安全保障を危機に陥れる、そういうものを私ははらんでいると思いますので、しっかりとした現実を見据えた議論を国として主導していただきたいというふうに思います。 最後の質問になるかと思いますけれども、原子力の関係人材の今の状況について伺います。 震災後の原発停止によって若者の原子力離れが生じているんじゃないか、そういう懸念があります。大学の原子力関連学科を志望する人が減少しているとか、そんな声も聞こえてきます。 改めて伺いますけれども、現在の、原発停止後の原子力分野への志望状況や育成の状況について伺います。まず文部科学省から聞かせてください。
○板倉政府参考人 お答え申し上げます。 文部科学省が行っております学校基本統計によりますと、東日本大震災の後、原子力関連の学科等への学生の入学者数は減少してございます。平成二十七年度におきましては、前年度に比べて微増となっておりまして、これは徐々に回復しているところでございますが、まだ震災前の水準には至っておりません。 また、一般社団法人の日本原子力産業協会によりますと、この協会が主催します原子力関係企業の合同就職説明会参加企業数及び参加学生数は、東日本大震災後、減少しております。特に、原子力以外の分野を専攻する学生の参加につきましては、震災前の水準に比べると大きく下回っているという状況が続いているところでございます。 この原子力人材につきましては、エネルギー基本計画に記載があるとおり、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉や原子力の安全等において高いレベルの人材の確保がますます重要であると認識しておりまして、文部科学省としましては、今後も、大学や産業界、関係省庁等との連携を図りながら、原子力人材の育成に関する取り組みをしっかりと進めてまいりたいと考えてございます。
○簗委員 今御答弁いただいたように、このままでは原子力発電所の安全性の向上あるいは廃炉作業に必要な人材が枯渇していくおそれがありますので、しっかりと人材育成というものをこれからの原子力政策の中心に据えて政策を打っていただきたいというふうに思います。 次に聞きたいのは、今、試験研究炉、研究用の原子炉ですけれども、これが停止状況にあったということで、これの審査の状況それから再稼働の状況等について現状を確認させていただきたいと思います。
○板倉政府参考人 お答え申し上げます。 京都大学、近畿大学及び日本原子力研究開発機構が所有する研究用原子炉につきましては、現在、原子力規制委員会における新規制基準の適合性審査を終了したものはなく、全てが停止中であると承知してございます。 このうち、京都大学の研究炉でありますKUCA及び近畿大学の研究炉でありますUTR—KINKIにつきましては、五月十一日、昨日でございますが、原子力規制委員会におきまして原子炉設置変更が許可されたところでございまして、これは新規制基準が適用されて以来、研究炉としては初めての許可でございます。この両大学としましては、今後、保安規定変更認可申請の審査や使用前検査などを経た上で、ことしの夏以降に運転を再開したいとの意向を持っていると承知してございます。 一方で、京都大学のもう一つの研究炉でありますKUR及び原子力機構が保有する複数の研究用原子炉につきましては、新規制基準の適合性審査が進められているところであります。また、同機構の「常陽」につきましては、今年度には申請を行うべく、その準備をしていると承知しております。 これら研究用原子炉につきましては、福島第一原子力発電所の廃炉や運転中の発電炉の安全確保を支えるとともに、中性子を用いた科学研究や原子炉運転実習などの人材育成ができる貴重な機会を提供するものと考えてございまして、文部科学省としましては、これらの施設の早期運転再開に向けて、引き続き必要な支援を行ってまいりたいと考えてございます。
○簗委員 最後の質問にしますけれども、経済産業省から、人材の今の状況について、あるいは今後の取り組み等について聞かせてください。
○多田政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘いただきましたけれども、この原子力分野は非常に裾野の広い人材によって初めて支えられている分野でございます。 改めて申し上げるまでもございませんけれども、電力業界はもちろんですけれども、当然、炉をつくっているメーカー、それから研究を支えているアカデミアの部分、そうした幅広い人材があって初めて、もう一つつけ加えるとすれば、先ほど来御議論がありますけれども、恐らく行政の中にもしっかりした専門的な人材がいるということがこの国の将来を考える上で大変重要だと思っております。 その意味で、私ども、総合資源エネルギー調査会の下に、自主的安全性向上、そして、技術とあわせて人材も含めて議論をしていくワーキンググループというものを設置いたしまして、累次の議論を重ねているところでございます。例えば、その中の一つの成果といたしましては、軽水炉安全技術・人材ロードマップというふうなものを策定いたしまして、その検討に当たりましては文部科学省様にも参画していただいて、両省で連携して取り組んでいるところでございます。 今後を考えますと、恐らく、高等教育だけではなくて、初等中等教育のところからしっかりとこうした重要性なりエネルギーに関心を持っていただく、さらには、その中で原子力に関心を持っていただく、そういった人材を育成する、そうした視点も大変重要かと思っておりまして、これは経済産業省だけではできない仕事でございますので、関係省庁と連携してしっかりと取り組んでいきたいと思っております。
○簗委員 ありがとうございました。 政府においては、我が国のエネルギー事情、こういった事実をしっかりと周知して、そして真に必要な議論を喚起し、責任のあるこれからの取り組みを主導していただきたい、それを強く求めて質問を終わります。 ありがとうございました。
○三原委員長 次に、岡本三成君。
○岡本(三)委員 皆様、おはようございます。公明党の岡本三成です。質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。 早速、質問に入らせていただきます。 私は、原発の再稼働に関しましては、その原発施設がただ単に安全ということだけでは不十分だと思っているんです。安全であることと同時に、地域の住民の方が安心と感じていただけるような状況をつくり得なければ、軽々に再稼働は認められないのではないかなというふうに考えております。 その意味から、きょうも、科学的知見に基づく安全性の確認、これは非常に重要ですけれども、それに加えまして、そのことをどのように地域の方とコミュニケーションをとって安心感を醸成していくかということの重要性も兼ねて、質問させていただければと思います。 先般の熊本を中心とした地震で話題になっておりますのは、九州にたくさんあると言われております活断層の危険性であります。 今回の地震は、私は非常に大きなインパクトを今後の再稼働の判断においても与えているのではないかなと思っていることがありまして、昨日の報道で京都大学の新しい研究結果が発表されておりまして、それは、地震がたった一回だけ例えば震度七が起こったときと、地震が連続して震度七規模が起こったときでは、対応できる建物の強化のレベルが違うものでなければいけないという研究結果なんです。つまり、たった一回だけ震度七が起きたときと比べまして、二回連続で起きたときには、現行の耐震基準よりも最低五割増しの強度が必要だというふうな研究結果が出ております。 その意味で、先ほども若干質問に出ておりましたけれども、四月二十七日に新聞報道に出ております志賀原発に関する有識者の報告書の中で、活断層がその下にあることが否定できないというこの報告書、もちろん、この有識者会議の報告書は法的な拘束力もありませんし、それだけで規制委員会が評価をするということではないことは理解しておりますけれども、今後、事業者の方がそのことを活断層でないという論拠を仮に示すことができたとしても、その地域の方々の安心感を醸成するためにはかなり高いハードルがあるのではないかというふうに私は考えております。 その意味で、改めて規制庁に、現在、この有識者会議から出た評価書をどのように受けとめているか、そして、今後どのような方針で、どのようなスケジュールで結論を出していくのかということを御答弁いただければと思います。 〔委員長退席、平委員長代理着席〕
○田中政府特別補佐人 有識者会合は六つのサイトについてのみ設けておりまして、サイトはそのほかにもございます。例えば川内の場合は、有識者会合というのはありませんでしたけれども、規制委員会の中できちっとそういった評価をして判断しております。 有識者会合の位置づけですけれども、有識者は、当然、先生御存じのように専門家ですので、専門的な知見からいろいろなお考え、判断を示していただくということが大事であります。最終的には、そういった判断、知見、評価を踏まえながら、私どもとしては、さらに念入りに必要なデータを拡充して、最終的に、科学技術的に納得できるようなもの、ここに活断層がない、直下にないと少なくとも我々として十分確信できると判断できない限りは、許可に至らないというふうに考えています。 志賀二号の適合性審査では、今後の課題として、先ほどもお答え申し上げましたけれども、限られたデータの中でしか判断できなかったという有識者会合の御見解です。今後、こういった点がデータの拡充が必要だと具体的に六項目出ておりますので、そういったものをきちっと拡充して、それをもとに判断をしていきたいというふうに考えております。
○岡本(三)委員 私は、今おっしゃったように、有識者会合の評価書が全てだというふうには思っていませんけれども、地域の住民の方からすると、非常に知見を持った専門家の方々がおっしゃることに対して、それと違うような意見があって、どちらが正しいかを評価できる、できないということよりも、やはり漠然とした不安は残るんだと思うんです。ですから、先ほど申し上げましたように、安心をどのように醸成するかということを常に考えながらの、コミュニケーションも含めた規制委員会の活動というのをぜひ肝に銘じていただければと思います。 続きまして、高浜原発の廃炉問題、延長につきまして質問をさせていただきたいんです。 二〇一三年の規制法におきまして、原則四十年ということが原発においては示されましたけれども、加えまして、規制委員会の許可があれば、一回限りにおきまして最長二十年まで運転が延長できるということが決められております。 四月二十七日に関電から高浜原発の延長申請が出ているわけですけれども、この一号機、二号機については、新基準に適合していると、審査合格を決定したというふうに承知をしておりますけれども、今後、延長認可をされる御判断に至るのではないかと思っています。今回、これが延長認可されますと、最長六十年に向けた初めてのケースになってまいります。 そこで、確認をさせていただきたいんですけれども、もともと、東日本大震災が起きましたときに、当時、野田総理はこういうふうにおっしゃっています。四十年を超える運転につきましては極めて例外的なケースに限られる、これは国会答弁です。加えまして、田中委員長御自身も延長は相当困難だというふうに答弁されていますけれども、今回、初めて申請をされたものが仮に延長認可されたとしますと、多くある原発の中で、たまたま一件目に申請されたものが例外中の例外、最も経年劣化が進んでいない優等生だったのか。 私は何を危惧しているかというと、延長して六十年というのは例外中の例外であるはずなのに、なし崩し的にどんどんどんどん延長申請、認可がされていって、気づいてみれば、ほとんど全部六十年が耐用年数になっているのではないかということが懸念されているんですね。 やはり、地域の皆さんは、基本は四十年で、本当に今後もあと二十年使えるものに限って例外的に六十年まで認められるというふうに思っていらっしゃいますので、今回のこの一事例目が実は例外中の例外で、今後はそんなにハードルは低くないんだということを確認させていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○田中政府特別補佐人 四十年以上の寿命延長についての申請は出ておりませんけれども、御案内のように、もう既に六つの原子炉については、事業者みずからが、寿命延長することは難しい、要するにコスト的にも割が合わないということかと思いますけれども、そういうことで、もう廃炉が決まっております。 その中で、高浜一、二号機と美浜三号機については関西電力が寿命延長を申請してまいりました。これについては、社長にも来ていただいて、どういう覚悟なのかということは私どもとしても委員会として十分に確認させていただいた上で、審査に入っております。 まず、寿命延長する場合の最大のハードルは、新しい規制基準、これはバックフィットしていますので、それに合致するかどうかということがまず第一の関門になります。 その上で、さらに二十年の延長期間中にこのプラントが健全に稼働できるかどうかということであります。もちろん、途中で、高経年化の十年ごとの検査とか、定検とか、保安検査とか、それぞれにそういった安全確保については検査等を十分重ねるわけですけれども、一応、二十年間動かせるかどうかという判断をすることになります。 現段階で、高浜一、二号機については、新しい規制基準に一応合致するというところまでは認めたということであります。ただ、そのために必要な経費というのも相当多額になりますので、これは事業者の判断だと思いますけれども、どんどんそういったことで寿命延長を申請してくるというふうには想像はできないんですけれども、それはあくまでも事業者の判断になろうかと思います。 私どもとしては、そういう申請があれば、きちっと法律に基づいて審査を厳正に行いたいと考えております。
○岡本(三)委員 今までの国会答弁の中に、繰り返しになりますけれども、申請があったとしても延長は例外中の例外で、基本的な考え方としては相当困難だというふうに答弁し続けてきたわけですから、その高いハードルを維持する形で今後も審査をお願いできればと思います。 加えまして、今回、一回限りで最長二十年なんですけれども、これは、どんなときに二十年で、どんなときであれば例えば十年までしか認めない、五年までしか認めないというような、基準が不透明ではないかなというふうに普通の国民感覚ではあると思うんですけれども、地域住民の方から見たときに、どういう物差し、どういう合理的基準であれば何年だというマトリックスみたいなものはあるんでしょうか。
○山田政府参考人 運転期間延長認可制度におきましては、事業者が発電所の運転を延長しようとする期間にわたって安全が確保されるということが必要でございます。このため、経年劣化の評価の対象となる機器や構造物がこの期間において技術基準に適合するということが必要でございまして、これらの機器、構造物ごとに要求される事項を審査基準やガイドに定めているところでございます。したがって、プラントごとに延長しようとする期間が決まれば、その期間について、これらの要求を満たしているかどうかを判断するという仕組みになってございます。 なお、原子力発電所の運転期間をどの程度延長するのかということについては、事業者の申請に対し、これらの基準等を適用し、それぞれの機器や構造物の経年劣化の状況を考慮して判断をするということでございまして、決まったものについて満たすべき基準が合っているかどうか、そういうことを判断するという仕組みになってございます。 規制委員会といたしましては、運転期間の延長の申請ごとに、審査基準に基づき厳正に確認をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○岡本(三)委員 普通の肌感覚からしまして、耐用年数四十年と言われているものを、一回だけ二十年、つまり、今まで四十年使えると思っていたものを、五〇%の期間をいきなり延長申請するのはかなり大ざっぱじゃないかなという気がするんです。 これは、ちょっと調べますと、米国の方式を見習ったというふうに報道されているところがあるんですけれども、日本は世界一厳しい安全基準を満たすと言っておりますので、どこかの国のトップに合わせるということではなくて、日本独自の基準があっていいと思うんです。 今後、運用の中で、私がもし事業者だったら、もしこれが経済合理的にも、また安全性としても担保できると思ったら、五年だけ延長させてくださいとなかなか申請しないと思うんです。やはり二十年というとりあえず高いハードルを投げておいて、そして、皆さんの御判断で、十年なり五年なりというところで、最後、落としどころを見きわめていこうと言うと思うんです。 やはり、もともと四十年と言っていたものが、一回こっきりで二十年というのは余りにも大ざっぱな延長申請だと思いますので、もうちょっと小刻みに、例えば、五年で一回やって、もう一回経年劣化を確認して、さらに申請をしてというふうに、運用の中で細かく安全性をチェックしていくようなことはできないんでしょうか。
○山田政府参考人 先生の御指摘は、複数回に分けて運転期間の延長を認める運用とすべきという御指摘かと思いますけれども、原子炉等規制法によれば、発電用原子炉を運転することができる期間は四十年、その期間の満了に際し、原子力規制委員会の審査を経て認可を受けて、運転期間を一度だけというふうに現時点では規定されているところでございます。 したがいまして、運転期間の延長制度に係る最初の申請であります関西電力高浜一、二号炉及び美浜三号炉の審査を進めているというのが現段階でございますので、原子力規制委員会といたしましては、まずは現在の審査を適切に進めることが重要であるというふうに考えてございます。 なお、高経年化した原子力発電所につきましては、延長した期間内において、全ての原子力発電所に課せられる十三カ月ごとの定期検査や四半期ごとの保安検査に加えて、十年ごとに長期保守管理方針を策定させるといったような、定期的に安全の状況を確保させるという体系を設けているところでございます。
○岡本(三)委員 一旦延長を許可しても定期的なチェックをさせるということ、これは法律でたった一回と決めていますので、私は、個人的には、一回で二十年よりは、五年ごとに申請をして、それをオフィシャルなチェックポイントにして、さらに延長できるかどうかということを判断していただいた方が、そこにもし私が住んでいたら安心感は高いと思うんですけれども、今の法律のもとでできるようなチェック体制があるという御答弁ですので、そのことを厳格にやると同時に、適切に地域住民の方に報告をするような体制も担保していただければと思います。 最後に、防災計画と避難訓練についてお伺いしたいんです。 昔といいますか、東日本大震災の前は、原発には危険性がないということをメッセージとして発することが重要でしたから、訓練をすること自体が、その原発に危険性があるのではないかなという不安を与えてしまうということで、訓練すること自体にもさまざまな抵抗があったのではないかなと思うんです。ただ、現在、こういう状況ですから、この訓練の重要性に関しては誰も疑わないところだと思うんです。 それで、各自治体で防災計画を立てて緊急時の避難訓練を実施はしていらっしゃいますけれども、過去に行われたものの地域住民の方のアンケート等を見てみますと、住民の方が、これは、いざ事故が起こったらもう逃げようがないね、実際、自分たちもきょうやってみてうまくいかなかった、事故が起こったらしようがないという諦めの声も一部に出ているような訓練が幾つか出てきているのも、皆さんさまざまな報道等でごらんになっていると思うんです。 先ほど申し上げましたように、再稼働に関しましては、当然、施設が安全であるということと同時に、地域の方が安心してその地域で暮らし続けることができるということが重要ですので、今は訓練等を全て地域の自治体に任せていることになっていますけれども、一旦事故が起きれば全て国が責任をとって適切な処理をしていくと政府として明言されているわけですから、この訓練の評価についても国が適切にチェックをしていくことがより必要ではないかなと思っているんです。 何が言いたいかというと、最終的に内閣が原発の安全性について責任を持つと言っていらっしゃるわけですから、地域の防災計画や避難訓練の評価もちゃんと行った上で、避難訓練がうまくいってスムーズだったというその実績自体も、規制庁の判断だけではなくて内閣として評価をして、最終的な再稼働の実現を是とするか非とするかということについて必要条件として考えていくべきではないかなと思っているんです。 最終的に責任をとると言う割には、内閣は、規制庁が決めてください、訓練は自治体がやってくださいみたいな、余りにも丸投げみたいに感じてしまうんですけれども、いかがでしょうか。
○井上副大臣 先生御指摘のとおり、地域住民の安全、安心という観点から、防災計画、避難計画、あるいは防災訓練は大変重要なものだと思っております。このことは、原発の再稼働をするかどうかにかかわらず、やはり不断の努力を行って、常に改善強化をしていくということが重要だと思っております。そういった観点から、内閣府といたしましても、原子力規制委員会に丸投げということでは全くなくて、しっかり務めを果たしております。 具体的には、地域防災計画、避難計画につきましては、策定段階から政府がしっかり関与して、関係自治体とともに地域ごとに設置した地域原子力防災協議会で確認した上で、総理を議長とする原子力防災会議で了承することとしております。このプロセスを通じて、国が前面に立ち自治体を支援する体制により、しっかり対応を行ってまいります。 さらに、政府としては、一旦策定した計画であっても支援と確認を継続して行い、また、訓練の結果、検証も踏まえて原子力災害対策の改善強化を図っているところでございます。
○岡本(三)委員 今の御答弁に加えまして、ぜひ今後どこかで再稼働の決断の事前の必要条件を変えていただいて、さまざまな科学的な知見のもとの評価とともに、訓練を事前に行って、その訓練がスムーズに行われたということをちゃんとチェックして、そのことが再稼働の判断の大きな基準の一つになるというような運用を目指していただきたいということをお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○平委員長代理 次に、小熊慎司君。
○小熊委員 民進党の小熊慎司です。 五年前に発生しました東京電力の原子力発電所の事故以来、地震、津波だけでなかったわけですね、東日本大震災はこの原子力発電所の事故でいまだに継続中の災害ですし、複合的なさまざまなことが起きている中で、原子力災害というのは、長期間にわたって、しかも、当該地域だけではなくて国全体に大きく影響を与えるということで、もう再び事故を起こしてはならないということは皆さん共有をしているところでもありますし、そうしたさなかで、規制委員会というのも立ち上がって、今努力をしているところであります。 そのとき、私たちは、いろいろな説明の中で想定外でしたという言葉が一番耳ざわりな言葉でありましたし、これは全てを想定内に入れていかなきゃいけない。まして、今ほどお話しさせていただいたとおり、原子力災害というのは、一たび何か起きれば、深刻で、長期化をして、広い範囲で複合的に影響を与えるものであります。 今、熊本、大分、九州地方で起きている地震、まだおさまっていないわけでありますけれども、この地震に関しても、何人かの専門家は例を見ない地震だというふうに言っているわけです。過去の例を捉えてみても、こういった地震は起きていなかったといった発言も見受けられるところであります。 そうした中で、九州地方にある川内原発について、田中委員長は、今動かしていても安全であるということで判断をしているわけでありますけれども、ただ、それだけでは私は足りないなというふうに思っています。 まず初めにお聞きいたしますけれども、実際、今回の九州での地震も予見できなかった部分、またその後の本震みたいなのが、二回続いたというのも予見ができなかったということでありますけれども、災害に対して全てを想定内に入れるということであれば、今回川内原発は停止していませんけれども、何か災害が起きて、この後ももっと大きなものが出てくるというふうに予見をして、どういった場合に停止をするという判断があるんでしょうか。まずお聞きをいたします。
○田中政府特別補佐人 先生御指摘のように、一般論として、どういった災害を予見してどうだということではありませんけれども、原子炉規制法上、六十四条第三項においては、原子力規制委員会は、原子炉等による災害発生の急迫した危険がある場合には、原子炉等による災害を防止するため緊急の必要があると認めるときは、原子力事業者に対して、原子力施設等の使用の停止、その他必要な措置を講ずることを命ずることができるとされておりますので、今具体的にそういうふうには想定しておりませんけれども、そういった事態が生じたような場合には、そういう判断をすることになろうかと思います。 なお、今回の熊本地震に対して、私たちが、どうして安全であるか、今の段階でとめる必要がないかということは、今回動いていますのは布田川、日奈久断層で、私どもの審査、川内原発の地震動の審査のときに、九十二・七キロ、最大の長さが一度に動く、その場合にはマグニチュード八・一程度の地震動がある、その場合に川内原発にどの程度の影響があるかということも評価しており、大体百ガルです、Ssに対して。 実際には、川内の原発に影響を与えるのは、そのほかのもっと近傍の活断層あるいは想定していないような活断層というのも想定していまして、それで六百二十ガルです。今回熊本で起きた最大の本震のときに、余震のときが一番大きかったんですが、十二・六ガルぐらいの地震動を観測しております。 ですから、そういったことを踏まえまして、今回の熊本で起こっていることは、私どもにとっては、想定内とか想定外とかという言い方は余り適当だとは思いませんけれども、一応あそこはずっと動くものだということで評価しておりますので、そういうことに基づいて今回の私どもとしての判断をさせていただいております。 もちろん、これからどういう事態が起こるかということについては十分注視しながら判断させていただきたいと思います。
○小熊委員 地震予知に関しては確定的なものが出せないというのもまた事実でありますし、今委員長から御説明のあったところ、南西に延びていっても大丈夫だろうという判断ではあるんですが、ただ、まだ余震がずっと続いているので何が起きるかわからない、また周辺の断層にも影響を与えるだろうということを考えれば、私はとめるべきだったというふうに思いますけれども、とめないという判断。 ただ、とめるかとめないか、またもう一つの選択肢があったというふうに、福島原発に四十年間かかわった技術屋さんからお聞きをいたしました。 というのは、その人も、とめるべきだ、一定時期は様子を見るべきだと言っていましたが、とめないのであれば、例えば六〇%ぐらいの稼働にして様子を見ていくということで現場の作業をしている人間のプレッシャーとかそうした緊張感といったものも全然違うと言うんですね。 それは、離れてはいたとしても、まだ余震がずっと続いている、今までに例のない地震だという中で、大丈夫だと言われて動かしていくのと、一応様子を見ようと言って、とめないまでも五割、六割で運転をしていって様子を見ていく。五割、六割であれば、一〇〇%動かしていて何か起きたときよりも対処の仕方があると現場の人が言っているんですね。緊張感も全然違うということをおっしゃっています。 たてつけとして動かすか動かさないかだけの判断しかないのであれば、今後そういうふうに、五割、六割、一定程度に抑えて様子を見て動かし続けるといった選択肢もあるんじゃないか、それは現場からの声なんです。この点についてはいかがでしょうか。
○田中政府特別補佐人 先生御指摘のように、現場の方の意見は意見としてお聞きいたしますが、出力を六割に下げたからリスクが大きく低減するということについては、私どもとしては、すぐ同意できるかどうかということについては少し慎重にならざるを得ません。 なお、原子炉は、基準地震動は川内原発の場合は六百二十ガルですけれども、自動停止というか、安全のために自動的にとまる設定もしております。それは、いわゆる直下で起こった場合は垂直、縦波的な振動が来ますとこれは八十ガルでとまることになっておりますし、水平、横波的な振動の場合は百六十ガルでとまるようになっていますので、かなり事前に、機器に損傷を及ぼすことのない時点で自動的にとまるように設定されております。 その点は、六百二十ガルを超えるのではないかという御心配もあろうかと思いますけれども、事前にきちっととまるということだけは御理解いただければと思います。
○小熊委員 私自身も詳しい話ではありませんが、その現場の声からすると、全てのことを想定内に入れると、全安全非常系統を駆使しても危険な場合を生じたときにどうするかということを考えておかなきゃいけないということも出ている。それは現場の声の一つで、それが正しいかどうかはあれですけれども、そういった声もあるわけであります。 あと、この委員会でも何回も議論させていただいていますけれども、安全と安心がどうしても分離してしまっているのが現実です。そうした場合において、余震がずっと続いているということを考えれば、地域住民、また日本の国民全体に対して、本当に大丈夫かと思っている疑念に対して、もうちょっと踏み込んだ対応をしていく、より以上、過剰と言われるかもしれないぐらいの対策をとっていくということも必要だというふうに思います。 そうした安全と安心の安心の部分に関しては、まだまだ、規制委員会としても大丈夫だと言っていてもそれは伝わっていないというふうに思います。 もう時間が来ましたからあれですけれども、避難計画に関しても、先ほども議論がありました。今回、今まで例のない地震ということでもありますので、この際、これは熊本、九州地震の前の避難計画でもありますから、この地震を契機として、この今回の地震をしっかり検証して、避難計画ももう一度洗い直し、見直しをすべきだというふうに思いますけれども、避難計画についてはどうでしょうか。
○井上副大臣 川内地域の避難計画におきましては、複数の避難経路をあらかじめ設定して、仮に不通になった場合、代替経路を設定して避難することとしております。設定した避難経路については、これまでに地震による影響がなかったことを確認しております。 また、避難計画では、避難先について広範囲に定めておりまして、仮に避難先が使用できない場合は使用できる避難先を選定するなど、柔軟な対応を行うこととしております。 したがって、現時点で策定した避難計画に特定の問題は生じておりませんけれども、引き続き、余震が続いておりますので、注意深く見ていく必要があると考えています。
○小熊委員 とにかく全てを想定内に入れる、人知を超えたような天災があるのも事実ですから、想定外のことも起き得るというのが現実です。しかしながら、本当に、いろいろな対策、また原子力行政については、もう二度と福島の事故と同じようなことを起こしてはならないというふうに思います。そういう意味では、人間の英知の中で安全だ、大丈夫だということ以上に、本当にあつものに懲りてなますを吹くぐらいのことでやっていかなければならないというふうに私は思います。 我が党といたしましても、参議院選挙に向けても原発ゼロを目指すということを明言させていただいています。 いろいろなエネルギーのあり方というのがありますけれども、エネルギーは大事です、でも、それ以上にやはり人の命が大事だということを考えれば、私は、この原子力の問題というのは、もうなくしていっていいものだというふうに思っています。 まして、我々が解決をしていない使用済み核燃料の問題も、これは次世代に負の遺産を残していくわけです。今、電力を享受してこの恩恵にあずかりながら、負の遺産を解決していない、全世界の中でもこれを解決している国がほとんどないということを考えれば、この原子力というものは、残念ながら、いろいろな意味で利点があるのも事実でありますけれども、総合的に見れば、これはなくしていく。なくしたとしても負の遺産は残るわけです。 今生きている我々の自分勝手なことだけで進めていくということではなくて、五年前の原発事故、また今回の九州の地震をもってしても、いろいろな意味で不安が生じているわけでありますし、これを契機にしっかりと我々が目指すべき社会といったものを改めて考え直していきたいと思います。 我々民進党は、そうした思いを受けて、原発ゼロを目指すということをこの参議院選挙で明確に主張させていただき、そして国の姿勢も今後ただしていきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。 以上で質問を終わります。
○平委員長代理 次に、菅直人君。
○菅(直)委員 きょうは、特に、先ほども他の委員からもありましたけれども、老朽原発の問題について質疑をしたいと思います。 まず、皆さんのお手元に資料をお配りしましたが、第一の資料は、これは一般的な話ですが、世界各国で特に国境沿いにある隣の国の老朽原発を心配する声があちこちで上がっていまして、それについては国を越えてできるだけ早く廃炉にするように、そういう動きが進んでいるということをちょっと紹介させていただきました。 その上で、まず運転延長の問題ですが、先ほども議論がありましたけれども、もともと、法改正までは、我が国では原発の運転期間そのものは決まっていなかったと認識しています。それが、野田内閣のときに、野党の方の賛成もいただいて改正された法案で初めて四十年と。議事録も読みましたが、原則四十年、そして、例外的に二十年を上限に延長を審査する。それには、かなり厳しい、例えば特別点検等を行う、そういうことになっているというふうに理解しております。 まず委員長にお聞きしたいんですが、この延長ということについて、私は、まさに原則は四十年で運転を停止して廃炉にする、その中での例外的な対応だ、ですから、それに当たっては、従来の一般的な稼働とかという問題よりももっと厳しい基準で審査をされることだと思います。この特別点検も実施されているんだと思いますが、高浜一号、二号について、そういう姿勢で臨んでおられるのかどうかについてちょっとお聞きしたいと思います。 〔平委員長代理退席、委員長着席〕
○田中政府特別補佐人 先ほどもお答えしたので少し繰り返しになるところがありますけれども、四十年を超えて運転する場合には、まず、基本的には新しい規制基準にきちっと合致しているということが大前提になります。その上で、二十年の延長ということであれば、その期間にプラントの健全性が保たれるかどうかということについては、いわゆる高経年化も含めましてきちっと審査をしているところであります。 もちろん、途中において、先ほども議論がありましたけれども、定期的にいろいろな検査等も、見直し等も行いながら安全の確保に努めていくということについては、申すまでもありません。
○菅(直)委員 確認しますが、今委員長が言われた中で、高浜一号、二号についてですけれども、新規制基準には一応、いわば許可というか合格が出た、そして、今は延長についての審査が行われている、そういう理解でいいんでしょうか。
○田中政府特別補佐人 いわゆる許可が出た段階でありまして、これから工事認可というのがありますので、まずそこを確かめる必要があるということです。 と同時に、高経年化についての検査、対応、そういったところがまだ残っておりますので、まだ四十年を超えて延長できるかどうかということの最終判断に至っているわけではありません。
○菅(直)委員 ということは、新規制基準についても、まだその工事認可までは至っていない、そして、もちろん延長については今審査中と。 これは、既に特別点検を踏まえた申請が出ているというふうに理解していいですか。
○山田政府参考人 四十年の運転延長認可の申請に当たりましては、特別点検の結果と、それから六十年までの運転延長期間を想定した高経年化、劣化の技術評価をするということが前提になっておりまして、先生御指摘のとおり、特別点検は終了したものになってございます。
○菅(直)委員 一号、二号はもう既に四十年を経過していて、この法律の経過措置の中で、たしか三年間の延長が、申請延長といいましょうか、認められていて、その期限がことしの七月七日というふうに理解していますが、それで間違いありませんか。
○山田政府参考人 改正されました原子炉等規制法から三年ということでございますので、そちらは二〇一三年の七月八日でございますので、先生御指摘のとおり、七月七日でございます。
○菅(直)委員 つまり、あと二カ月間の中で、そういった大変重要な判断を委員会としてはされるわけです。 そこで、幾つかの点について、まずお聞きをいたしたいと思います。 まず、この間の原子力規制委員会における審査の中で、ちょっと、私、保安院時代のいろいろな提出されたものと比較をしてみたんですけれども、今皆さんのお手元に置いてありますが、資料の特に四、五、六、これが、現在審査をされている高浜一号、二号の劣化状況評価の補足説明資料ということであります。見ていただくとわかるように、黒塗りではなくて白抜きですね、TPPのあの報告書ばりの白抜きの部分が大変多いわけです。 過去の、例えば二〇一二年の同じ関西電力の美浜二号機のそうした資料を見てみますと、こういう白抜きの部分は、私が見た限り、ほとんどありません。そういった意味で、私は、何か保安院時代よりも、規制委員会になってから逆に公開性がだんだん下がっているんじゃないか、こうも見ていたんですけれども、少なくとも、規制委員会では、公開基準というのをつくられてきちんとやっておられるはずです。 委員長にお尋ねしたいんですが、少なくとも保安院時代に比べて公開という原則が後退したということはないとはっきり言っていただけますか。
○田中政府特別補佐人 原子力規制委員会では、業務運営の透明性の確保というのを非常に重要な方針に掲げておりまして、事業者からの申請等は、原則として、可能な限り公開することとしております。私どもとしては、審査会合も含めまして、できるだけ公開という原則には変わりありません。 その中で、セキュリティー関係のところ、それから商業機密に当たる情報、商業機密に当たるというのは大体事業者から出てくるわけですが、そういったところについては、情報公開法上、不開示情報に該当するとして、公開しないという判断をしているところがあります。 公開しております資料は極めて膨大ですので、全ての資料をあらかじめ全てにわたって詳細に精査することが困難なところもありますし、セキュリティー関係については、これは御了解いただきたいと思いますが、商業機密については、事業者からの申請ということをベースに今のところ対応しております。 ほかの業務も非常に立て込んでおるということもあってそういう判断をしておりますが、先生御指摘のような事実がどういうところにあるのかということについては、今後精査して、できるだけ情報公開ができるように努めてまいりたいと思います。
○菅(直)委員 この点、非常に重要なんですね。確かに、規制委員会が出された中に、情報公開法第五条の不開示情報に該当するものは出さないと。その中に、もちろんセキュリティー上の問題も書いてあります。 しかし、企業秘密、今委員長は商業機密と言われましたが、同じだと思いますが、しかも、申請者がこれは企業秘密だと言ったら、今の話では、私の理解では、そういう指摘があったら出していない。これだと、実際にこの中身を私も見ましたが、ほとんどのところで白抜きですから、とてもとても第三者が、専門的な知識を持った人でさえ、それを見ても判断のしようがないというのが現状です。 ですから、まさに原子力規制委員会という、最も透明性を高くしてそれによって国民の信頼を得る、特にそういう性質の高いところが、例えば今回の場合だと関電ですが、関電がこれもこれもこれも企業秘密だからこれは公開できないと言ったら、はい、そうですかと言って全部白抜きにする、この扱いはとても国民的に理解ができないと私は思いますが、委員長、いかがですか。
○田中政府特別補佐人 先生御指摘の点も私も同意できるところはありますので、そういった点について、もし今後改善すべきところがあれば改善を図っていきたいと思います。 ただ、御承知のように、私ども、事務方も相当毎日徹夜続きのような仕事をしておりまして、膨大な公開資料を、公開要求に対して、細部まで全部見て、事業者に確認するというようなところまで手が及んでいないところもありますので、これは改善する方向で努力させていただくということで御理解いただければと思います。
○菅(直)委員 改善するということですので、この程度にとどめますが、確かに作業としていろいろあると思いますが、これは原則的な問題なんですね。 当事者が言ったからという話であれば、ある意味で余り触れられたくない数字も、それが企業的な秘密であるかどうかは別として、つまり、安全性の判断のときに、データのばらつきが当然あるわけですから、余りばらついたところを示したくないみたいな判断も含めて企業秘密と言われる可能性が当然あるわけですから、そこは、改善をするという委員長の言葉を信じて、その改善の中身をまたしっかりと見守っていきたいと思っています。 そこで、次に、もう少し内容的なところに入りたいと思います。 私も、もちろん専門家ではありませんので、内容的なところをどこまで踏み込めるかということはわかりませんが、皆さんにお配りした資料でいいますと、まず資料二とさらに資料三、資料四にかかるところであります。 資料二は、これはもちろん原子力規制委員会自身が出されている審査基準の中で、特に老朽化というか高経年化に関して、中性子照射脆化という評価対象があって、「加圧熱衝撃評価の結果、原子炉圧力容器の評価対象部位において静的平面ひずみ破壊靱性値が応力拡大係数を上回ること。」と、私も全部理解できたわけではありませんが、こういう項目があります。 次の資料三を見ますと、高浜一号機で、三十年目のとき、二〇〇三年のときに出されたのがこの資料三の上で、今回、二〇一五年に出されたのが四十年目で、下であります。この上側に二本並んでいるのがいわゆる破壊靱性値を示していて、特に二本のうちの下が運転から六十年たったときの破壊靱性値だ、これが下側の応力拡大係数を上回っていることが必要だと。確かに、三十年目のときにはこのギャップがかなりあって、上回っています。しかし、四十年目のときは、このギャップがかなり狭くなっております。 この部分だけを取り出した図面が資料三であります。三十年目の予測では、この左のスケールは応力だと聞きましたけれども、その応力の五〇より上のところからずっと上がっているわけですが、それが四十年目の予測では、五〇よりも下のところから上がってきて、上回らなければならないものに対してギャップがかなり小さくなっているわけです。 三十年目に運転六十年後の予測をした、四十年目に運転六十年目のことを予測したと。いろいろお聞きしますと、いや、予測の式が変わったからとかということの説明もいただきました。 しかし、一般的に言えば、三十年目の予測に比べて四十年目の予測がこのギャップが小さくなっているということは、やはり、数式が変わったか変わらないかは別として、四十年目の予測では三十年目の予測よりもそのギャップが小さくなったという意味で、これを危険と言っていいのかどうかわかりませんが、少なくとも、上回らなきゃいけないその基準の上回り方が小さくなったという意味では、これがもし逆転したら、当然認可はおりないわけでしょうから。 一般的に言うと、危険性が高まったというふうに見るのが普通かと思いますが、このあたりについて、委員長、ちょっとどう理解すればいいか、教えていただけますか。
○山田政府参考人 技術的なことでございますので、私の方から御説明をさせていただきたいと思います。 まず、三十年目と四十年目の評価で大きな違いがあるというふうに御指摘をいただきました。 それにつきましては、先生御指摘いただきましたとおり、この大きな違いが出ている理由としては、評価をするために適用しております規格が、三十年目の評価の際には、日本電気協会の原子力発電所用機器に対する破壊靱性の確認試験方法、JEAC4206というものの二〇〇〇年版が適用されてございます。一方、四十年目の評価におきましては、同規格が改定されてございまして、最新のものということで、数字で申し上げますと、JEAC4206—2007の二〇一三年追補版というものが適用されてございます。 これは、技術の進歩、新しい知見を反映して、より新しい評価方法を取り入れたということで、この二つの評価方法の違いとしては、二〇一三年追補版という方が、より厳しいというか、保守的な評価が出るような規格になってございます。 したがいまして、今回の評価におきましては、より厳しい評価が出た結果として、いわゆるPTS曲線と言われています、下側の方にありました曲線の方に近づいているということでございます。 近づいたら危険かどうかということについての御指摘もございました。 この左上側にあります曲線といいますものは、これは、ある仕様の金属材料に対してどういう状態まで設計上使うことを認めるかという制限値をあらわしたものでございまして、実際に圧力容器で存在しているものそのものの値を示しているものではございません。評価のために使われているものでございます。 それから、右下側にあります、PTS曲線と言われているものでございますけれども、こちらの方も、ある大きさの欠陥を想定いたしまして、その欠陥が存在をしているという条件のもとで評価をしたものということでございますので、両者とも、評価上、設計上妥当かどうかということを評価するために設けられているものでございます。 したがいまして、この二つの曲線が仮に交わったとしても、直ちに、破壊が迫っている、圧力容器が破壊される状態が迫っているというわけではないということを御理解いただきたいと思います。 ということで、余裕が少なくなっていることについては、評価方法が変わっているということで、必ずしも安全性が下がったということではないというふうに考えてございます。
○菅(直)委員 では、別の聞き方をしますね。 資料二にある審査基準で、上回っていることとありますよね。ということは、上回らないという結果が出たら当然許可は出ませんよね。どうですか。
○山田政府参考人 先生御指摘のとおり、申請を審査いたします基準におきましては、上回らないことと定めてございますので、評価として、この両曲線が交わった場合については基準を満たしていないということになりますので、認可はできないということになると考えてございます。
○菅(直)委員 つまり、危険性という言葉が適切かどうかは別として、少なくともクロスしたらこの審査基準には適合できないわけですよ。 一般的には、この審査基準というのは、まさに中性子照射による脆化についての審査の、いろいろな審査があるんでしょうが、その重要な一項目であって、やはり、つまりは、脆化が進んで、ある状態の中ではぱりんと金属が割れる可能性がより高まった、その基準をこういう形で評価しているんだから。 あなたは、何かクロスしたからそういうことが迫っている状態でないと言うけれども、それは現実に迫っているかどうかではなくて、審査としてはそういう意味合いの審査なんでしょう。つまり、より安全性をしっかり確保するには、少なくともこれがクロスしていてはいけないという、それは基本的には、劣化がこれ以上進んではいけないという審査なんでしょう。 だから、そういう意味で言えば、一般の言葉で言えば、やはり、より安全性の幅が狭まっている、そう言えませんか。
○山田政府参考人 審査におきましては、十分な余裕といいますか保守性を持って安全性が確保されていることを確認するということになってございます。 したがいまして、余裕を持った状態で基準ですとか評価方法とかというものは決まっておりますので、基準を満たさなければ、先生御指摘のとおり、認めない、基準を満たしておれば認めるという形になるというふうに考えてございます。
○菅(直)委員 これ以上言っても言葉の水かけ論になりますから。 それと、計算方式が何か三十年と四十年は変わったと。でも、それは、最初の答弁にもあったように、ある意味ではより進歩したというか、従来よりもより進歩したという理解の中で新しい式を使われたんでしょうから、逆に言えば、三十年よりも、一般的に言えばより進歩した知見の中でつくられた予想式ですから、より確度が高くなった。確度が高くなったものでより安全性のギャップが、余裕が少なくなった、少なくともその理解は間違いないんでしょう。
○山田政府参考人 危険に近づいたかどうかということについてはちょっといろいろな御判断があろうかと思いますけれども、最新の知見をもとにして、より十分な安全が確保できるようにということで新しくつくられた基準でございまして、それについては、従来の基準よりも十分技術的な妥当性があり、さらに保守的な評価になっているということを確認した上で、使うことについて我々として是認をしているものでございます。 そういう意味では、余裕が小さくなったのは評価方法が厳しくなったからということで、それが危険になったか危険でないかということに直接つながるものではないというふうに考えてございます。
○菅(直)委員 本当に水かけ論だから、言葉の水かけ論はやめますけれども。 危険につながるかつながらないかという言葉の使い方はともかくとして、少なくとも、これがクロスした場合は許可しないという、そういう一種の安全基準というか、そういうことがあるのは、より知見が進んだ中の新しい式でやったときに、近づいたということは事実なんだから、それについて危険性が高まった、高まらないではないという言い方は、一般論として言われるのはちょっとそれは言い過ぎだと思いますよ。まさに、先ほど言われたように、全く危険性が変わらないのなら、こっちは許可できるけれどもこっちは許可できないなんという判断そのものが意味がなくなるじゃないですか。 ですから、少なくとも、そういう判断の基準としては、より厳しい状況になったということではないですか。 そこで、この問題としての最後にもう一つだけ聞きます。 三十年目のときに運転六十年後を予測し、四十年目のときにこれで六十年目を予測すると。例えば五十年目のときに六十年目を予測することは、もちろん今できるわけじゃありませんが、そのときに、もし、これがクロスするような結果が出たらどうなるんですか。
○山田政府参考人 将来のことでございますので、どういう状況になるのかということを現時点で確実なことを申し上げるのはちょっと難しいところがございますけれども、仮に二つの曲線が重なるという評価があった場合については、そのまま使い続けていいのかどうかということについてはきちんとした評価を改めてやり直すということになるというふうに考えています。 それで、何らかの対策がとれるかどうかということについてもあわせて確認がされるものであるというふうに認識をしてございます。
○菅(直)委員 先ほどほかの委員の方からも、もし延長が認められるときに、二十年というのを一遍でやるのかとかいろいろな意見も出ました。多分、四十年の後の五十年のチェックはあるんだと思います、従来からあるチェックは。 だから、そういうことを考えると、冒頭申し上げたように、この延長というのは、原則的には、こういう脆化の問題もあるので四十年ぐらいでもうやめておいた方がいいという、大きな意味での過去の知見から決められたもので、そういう意味では、より厳しい基準で、もし延長を認める場合は例外的だということですので、こういう今の議論もよく踏まえて、つまりは、ぎりぎり、今度は五十年目のときにクロスしたら改めて何かの手当てができるかどうか決めるなんというのは、それはおかしな話ですよ。 今の基準では、もしクロスした場合はだめだということがはっきりこの審査基準に書いてあるのに、今度は、そうなったときはそうなったでまた考えるなんということは、それは論理的には成り立たない話ですから。 そのことだけ申し上げて、もう一つだけ、次のことを取り上げたいと思います。 今も、日本電気協会という名称が答弁の中で出ました。多くのことについて、経年劣化の判断でも、日本電気協会の規格が採用と言っていいんでしょうか、されていますが、この日本電気協会について、学会とも違って、どちらかといえば電力関係業界の皆さんの集まりだというふうに名簿を見ると見受けられるんですが、だからいけないとかいいということを一言も言うつもりはありません。 しかし、ある意味では、審査を受ける立場にある関係者が多く入っているところの規格を原子力規制委員会が採用している。そこに、本当に公平性あるいは独立性という本来の原子力規制委員会の立場が、こういう団体の規格を使うことが矛盾する面がないのかどうか。あるいは、もしかしたら、こういうことをやっているからそういう心配は無用だと言われるなら、どういう手当てをしてそのことを担保されているのか、お聞かせをいただきたいと思います。これは委員長からお願いします。
○田中政府特別補佐人 日本電気協会は、先生御指摘のように、事業者が中心のメンバーになっているということは事実であります。 そういったところでも、協会自身も、中立性、透明性、公開性を確保するという意味でさまざまな努力をしておりまして、同一業種の委員を三分の一以下にするとか、議事録、議論の様子は日本電気協会のホームページに掲載するなどというふうな取り組みもしていることは承知しています。 しかし、私どもとしては、そういうことをしても、原子力事業者を中心とする委員構成であるということを認識して、電気協会などの定める規格を規制に活用するに当たっては、規格策定プロセスだけではなくて、規定内容が技術的に妥当であるかどうかという観点から技術評価をきちっとした上で活用させていただいております。
○菅(直)委員 ここに、平成二十四年の原子力規制委員会の十一回会議録とか、最近のは平成二十七年の三十二回会議録があって、その中で、この日本電気協会のことがいろいろと、委員会の中でも少なくとも話題になっております。 その中で、時間の関係であえて読み上げませんけれども、やはりここが、非常に重要な先ほどの式などもここの規格委員会というところが考えてやっている。そういうものに対して、原子力規制委員会の中でも若干議論があっているとこの議事録を見てもわかります。 今、私自身の結論は申し上げるだけのあれをまだ持っていません。もちろん、いろいろな知見を持っている皆さんの意見を反映するということは、技術の進歩の中では常に必要だと思います。ただ、本当にこの日本電気協会が外に対しても公開性があるのか。ある専門家の方がいろいろと質問したけれどもなかなか返事がなかったとか、そういうことも直接聞いております。 ですから、それは、原子力規制委員会であると同時にこの日本電気協会自身が、ある意味では原子力規制委員会が国民に対して信頼を持たれるための公開性、独立性を重要視されているのと同じように、この日本電気協会がそういう姿勢を持っているのかどうか、私は、その点についてはもう一度きちんと当事者を呼んでよく聞かれるなり、あるいは、いろいろと質問状も出されているようですが、そういう姿勢については確かめられるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○田中政府特別補佐人 電気協会に限らず、学協会規格というのは、私どもはどうしても利用しなければいけません。特に機械学会とか原子力学会等のいわゆる標準委員会のデータも含めましてそうであります。 民間規格と私ども呼んでおりますけれども、こういった学協会規格を利用するに当たっては独自に技術評価を行うということを平成二十六年十一月十二日の原子力規制委員会で決めておりまして、私どもとしては、規制委員会の委員、それから規制庁の職員及び技術支援機関職員による検討チームをもって実施するということであります。 そういう中で、もし疑問点があれば、それらについては、当該学協会の担当者なりを呼んで、きちっと疑念を晴らした上で利用するというプロセスを踏ませていただくことにしております。
○菅(直)委員 ほぼ時間になりましたのでこれで終わりにしますが、最後に今、委員長が、そういうことについてはきちんとある意味でチェックをしているんだとおっしゃいましたので、ぜひこれからも、私も見守っていきたいと思います。 やはり、技術評価ということはもちろん一番重要だと思いますが、何かプロセスは余り見ないんだということが先ほどの委員長の言葉にもありました。プロセスというのはどういう意味かわかりませんが、先ほど三分の一以上にならないようにしているとかというのも一つのプロセスだと思うんですね。どういうメンバーが構成メンバーになっているかということと、そこで提案されている規格なりが本当に公正なものかということは、関係性が遮断されているわけじゃありませんので、やはりそういう面も含めてしっかりとこれからもチェックされることを強く要請して、私の質問を終わります。
○三原委員長 次に、阿部知子君。
○阿部委員 民進党の阿部知子です。 本日は、質問の時間をありがとうございます。 そして、冒頭から拝聴をしておりましたが、実は、本委員会が原子力の主には安全規制にかかわります委員会であることから、御出席がかなうのが原子力規制委員長、これは大変なお仕事をしながらの委員会を抱えて、本当にお疲れさまなことだと思います。 と同時に、ほかの大臣等々はここには来られないわけで、冒頭の質問にもございましたが、この国を預かる総理大臣であった小泉純一郎さん、あるいは細川さん、そして先ほど御質問の菅さんも元総理であられて、非常に国の骨格にかかわるエネルギーや原子力政策について、実は国会の中には論ずるべき委員会の設置がないんだと私は日ごろから残念に思っております。 先ほどの御答弁も、資源エネ庁の多田さんが専ら国のエネルギー基本計画を代弁する形でお話しでありましたが、質問者の方はもっと骨太に聞いておられるんだと思います。使用済み燃料の問題も含めて、若い世代に本当にこのまま負荷をかけ続けていいのか等々、私は、小泉元総理の御発言というのは、安くもない、クリーンでもない、安全でもないんじゃないかという本当に国民にわかりやすい疑問というか問題提起で、それに応え得るような国会の論議の場があってくれたらいいなと思っております。 それは、原発推進とか、私のように原発をなくしていこうという、その立場の違いを超えて骨格的な論議がなされることを願っておりまして、この場は、しかし、さはさりながら、特に原子力の安全規制についてお伺いをする場であると認識をいたしますので、その前提に沿っての質問をさせていただきます。 まず、田中委員長に伺いたいですが、せんだって来、熊本、大分の大地震、そしていまだに続く余震などの中でも、川内原発の稼働をどうするか、何人かの委員も、他の委員会でもお取り上げであったと思います。 私は、きょう、そのことを直接ではなくて、いわゆる事が起きたとき、何か起きたときのモニタリング体制について、これは常に、もちろん地震があれなかれ、自然災害であれ人為的な事故であれ、原発の周辺の安全性ということで特に住民の高い関心のある部分ですので、これについてお尋ねをいたします。 まず、いわゆる原子力災害の対策指針等で言われております、原発から五から三十キロ圏、いわゆるUPZにおける緊急時モニタリングということで、特にここは数時間以内をめどに、OILという基準で、五百マイクロシーベルトを超えた場合は直ちに避難をしなければならないと指針に書き記されておりますが、果たしてこの川内地域周辺では、UPZのエリア分けが四十四区域あると思いますが、その中に五百マイクロシーベルト以上をはかれるようなモニタリングが置かれた箇所は何カ所ございますでしょうか。
○田中政府特別補佐人 モニタリングは二種類ありまして、低線量用が二十三台、これは二十マイクロシーベルトをきちっとはかれる。それから、五百マイクロシーベルト以上をはかるか、もう少し下の方からはかれますけれども、高線量用が二十六台配置されております。
○阿部委員 今委員長のお手元に、川内地域のモニタリングポストの設置状況というふうにお示しをさせていただきました。ある地域には高線量と低線量がともに併設をされておりますが、地域によっては低線量計のみ、あるいは高線量計のみというところも、高線量計は赤、低線量計は黒で示されております。 それで、五百マイクロシーベルト以上という高線量計、これは直ちにということでありますので、それが設置されていない区域がございます場合に、例えば一地域に高線量計が二つある場合もあると思いますが、その地域がエリアごと避難するという場合に情報のおくれが生じ、避難について不安が残るということで、朝日新聞等々が問題を提起したんだと私は読み解きました。 委員長にあっては、必ずしも高線量の測定ができない地域がこの図のようにございますことについては、どのようにお考えになり、また住民に説明をされるかについて伺います。
○田中政府特別補佐人 避難の詳細についていろいろ私から申し上げるのは適当かどうかということでありますけれども、一応、原子力防災に関しては、避難の判断等については私が判断して総理に申し上げるという立場にありますので、私自身がこういった事故が起きたときにどういうふうな判断をするかということをちょっと申し上げたいと思います。 まず、原子力発電所、プラントで何か起きたときは、エマージェンシー・アクション・レベルという幾つかの基準がありまして、そういったものが発動されます。例えば非常用冷却装置が動いたとか、そういうことになります。 実際に環境に放射能が出てくるまでには相当時間があるわけですので、そういったプラントの状況を見て、まず敷地の周辺の線量を見て、それから、PAZ、今先生御指摘ありませんでしたけれども、ゼロから五キロ以内については、アクションレベルが出たところでもう避難を始めるということになっていますので、そういった判断をさせていただきます。 それで、当然、近傍からだんだん線量は低く、場合によっては風向きによって少し違いますけれども、基本的にはそういった方向になりますので、そういった中の方の状況を見ながらUPZについてどういう適切な判断をするかということであります。 今、それについて、シミュレーションの方がいいとか、そういういろいろな御意見がありましたけれども、私どもも福島の経験とかいろいろなことを考えたときに、実績から、やはり測定値をベースにして判断するのがいいんだということで、こういうことになっています。 五百マイクロシーベルトをはかれない、五百マイクロシーベルトというのはもうとてつもない事故だということでありますので、この場合には、もう既に相当ひどいことになっているという判断はできますので、先生御心配のように、住民の方にはその場合には大変な御迷惑になると思いますし、私自身、こんな事故を起こしては絶対いけないと思いますけれども、そういう判断はできるというふうに思っております。
○阿部委員 今、委員長のおっしゃいましたPAZは、その五キロは、事が起ころうが起こるまいが、そこで拡散しようがしまいが、予防的に移す、五キロですから。ところが、五キロから三十キロは、これもおっしゃいましたが、日常的なモニタリングをきちんとしていく中で危険を察知して避難をしていただく。 そして、政府のお出しになったいろいろな指針によれば、各地域に避難のためのモニタリングが置かれることとなっておりまして、そう考えると、この川内原発の場合に、二十マイクロから以上というのと五百マイクロから以上というのが二種類あって、本来であれば、今、委員長がおっしゃったように五百マイクロというのは相当大変なことなので、それをまずキャッチするようなものを設置することで安全性ということをメッセージできるんだと私は思います。 いろいろ政府の指針を読んでも、基本的に地区ごとに一地点、そしてOIL1、五百マイクロ以上のためのものを一地区に一地点と書いてございます。ここから先は実は各自治体に委ねられておりまして、各地で違いがございます。 たまたま川内原発の場合は、このように低線量のものしかない。しかし、事が起きたとき、一番緊急性の高いものの設置ということは、これは、風向きを見ればわかる、あるいは地形を見ればわかるということだけではやはり、それゆえに、SPEEDI等々の流れを見たり量を見たりするのではなく、定点的なモニタリングとなさったんだと思いますので、ぜひ、原子力規制委員長としては、実は避難計画は自治体がやるということの組み立てにはなってございますが、これが本当にあるレベルに達するものであるのかということを点検していただく。アメリカのNRCなどでは、避難計画についてもそれなりの見識と指導をしておられると思います。 私は、今、委員長のお仕事、原子力規制庁の仕事が少ない人員で大変だということはおっしゃったとおりだと思いますが、これは国民の安全と安心、両方にかかわる事態だと思いますので、なお、各地域の差とか、本当にモニタリングの精度は大丈夫なのかとか、そういうことにも目を光らせていただきたいですが、いかがでしょうか。
○田中政府特別補佐人 先生御指摘のように、地域の方に安心してもらうということはとても大事なことで、モニタリングもこれで十分だというふうに私ども考えているわけではありません。とりあえず緊急事態が起こったときの判断には最低限整備されてきているというふうに理解しておりますので、今後の訓練等を通して拡充を図っていきたいと思います。 なお、新しい規制庁になりましてからは、各地域に、まだ全部配置されておるわけではありませんけれども、放射線専門のモニタリング専門官というのが二人ぐらいずつ配置してありまして、資機材等も順次整備しておりますし、できれば、私個人の意見としては、ハンディーのサーベイメーター等において、地域の主な、例えば学校の先生とか、そういうところに置いて、何か起こったときにはすぐにはかっていただくような、そういうシステムも今後充実させていきたいというふうに考えております。
○阿部委員 今委員長の御指摘にございましたように、各地域で本当に差がございます。そして、今の御提言も、学校等々は子供のいる場所ですので、そうしたこともあわせて実施をしていただきたいと思います。 さて、もう一つ。今のは三十キロ圏の話ですが、三十キロを外れるとモニタリング体制というのは急速に薄くなってまいります。 そこで、高浜原発の例をとりますと、例えば高浜では、UPZの外三十キロ圏内で、京都府では設置されている線量計は十マイクロシーベルトまでしかはかれない。福島の例を見ても、飯舘とか二本松、四十五キロ、六十キロ離れても、当然高線量になるわけで、こうした三十キロ圏外をどうしていくのか。 私が担当者に伺いましたら、航空機モニタリングを使ってそういうものの補足もしていくということでありましたが、果たして航空機モニタリングも、実は、福島の場合はアメリカが航空機でモニタリングして日本よりも早い情報を得たんだと思います。 この三十キロ圏外についてどのような充実を図るか、あるいは、航空機モニタリングの機器がどこにあって、どのようにそこにやってくることができるかなどについて、委員長は、何度も恐縮です、本来の、今の範囲ではないというところであろうと思いますが、しかし、やはりガイドラインないし方向性を出していただかないと本当に安心というふうにはならないと思いますので、お答えを願いたいと思います。
○田中政府特別補佐人 航空機モニタリングも一つの方法でありますけれども、航空機モニタリングは空間分解能も悪いし、すぐにデータがまとまるわけではありませんので、基本的には、私は、地上の移動用のモニタリングカー等を使って、必要な方向というのは大体想定できますので、そちらの方をきちっとモニタリングカーで測定するというのを基本にすべきだと思います。 繰り返しですけれども、そういったことも含めまして、簡単なサーベイメーターというか線量計ですと十五万円か二十万円ぐらいで一器準備できますので、そういったものをできれば各学校等に置いて、常にいざというときにははかっていただけるようにしておくのがよろしいんじゃないかというふうには思っております。
○阿部委員 今の委員長のお答えの、確かに航空機モニタリングは精度が悪いです。ただ、きのうの御答弁でそうでありましたので。私は、委員長がおっしゃったように、モニタリングカーとか学校ごとの設置とかが重要だと思います。 そして、果たしてモニタリングカーが、三十キロ圏外、実際はどのようにどこからどう配備されるかということも必要になってまいりますので、ぜひその点も含めてお願いをしたいと思います。これは御答弁は求めません。 引き続いて、昨日、参議院の方でも再処理に係る法案が成立いたしましたが、私は、既に衆議院の審議段階から大変懸念していることがございます。 実は、再処理等々の拠出金にかえていって使用済み燃料を確実に処理していこうという法案は、今度、電力自由化で電力会社が破産したり破綻したりした場合に、拠出にしておかないとお金が確保されないからという、金目の、財政の面でありました。 私は、そこまで考えるのであれば、電力会社が破綻した、その結果管財人に管理が任される等々の事態もあり得るので、そのときに、例えば、ここの安全管理、使用済み燃料プールの安全、あるいは燃料取り出しの安全、果ては廃炉に至る安全管理、これは三十年もかかるかもしれません、そういうものが管財人のもとで行われるのかどうか、本当にそこが不安であります。 破綻した場合の安全管理等はどうお考えであるのか、また、規制庁として規制のあり方に何か御準備があるのか、これをお願いいたします。
○田中政府特別補佐人 まず、ちょっとしゃくし定規のお答えになるかと思いますけれども、原子炉規制法上は、原子炉設置者が解散した場合には、破産管財人等が六カ月以内に廃止措置計画の許可申請を行い、廃止措置が完了するまで施設の安全管理等を行うことが義務づけられております。 先生の御質問は、破産管財人がそこまでできるのかということですので、仮定の質問に具体的な対応をお答えするというのは、今、私の立場からは非常に困難でありますけれども、東京電力の福島第一の場合を見ても国が一定程度の関与をして安全確保に取り組んでいるということから、多分そういうことになるのではないか、これは個人的な意見でございますが、そういうふうに思います。
○阿部委員 私も、当然そうならざるを得ないし、そうした事態も、もし、あれだけ拠出金の方にしておかないとお金が足りない足りないという論議の一方で、しかし、破産する、破綻するとなれば、当然そういうことも考え得る。特に、廃炉などは三十年の長い期間でありますので、むしろその間の安全管理ですね、六カ月では済まない事態でありますので、重々念頭に置いていただきたい。 私の読み込むところによりますと、今回、次の質問にも関係しますが、IRRS、いわゆる原子力規制に関する、規制庁のさまざまな規制体制の評価の中の勧告の八という部分にも、途中で廃炉とか廃止になった場合の対応についてもここをきちんと方針立てるべきだというふうに私には読み込める部分がありました。 委員長はここをどのように読まれたでしょうか。これは、原子力及び放射線関連施設の廃止措置を運転期間中でも考慮することを規制要求すると。すなわち、これから何かあって破綻する、でも、そこのことも含めて廃止や、その次の措置があることも含めて規制要件の中には入れるというふうに書いてあると思うのですが、いかがでしょうか。
○田中政府特別補佐人 二点あろうかと思うんです。 第一点は、新しい原子炉を設置する場合には、廃止措置まで含めた設計対応を含めてやるべきだというのが一つの視点かと思います。 それから、今後、いずれにしろ原子炉はどこかの時点で廃止の段階に入りますので、そういったときの対応、例えば積立金のようなこともきちっと確保すべきだ、そういうことではないかと思います。 IRRSというのは日本国全体に対しての勧告、レビューですので、その辺については私どもの所掌ではないので、いずれにしても、廃止措置が安全にきちっと進むようにするということが私たちの役目ですので、そういった観点から取り組んでいきたい、対応したいと思います。
○阿部委員 やはり、廃炉とか廃止ということがリアルに課題になってきている中で、いろいろなケースの廃炉、廃止があり、そのときの安全管理という意味で、委員長がさらに規制庁の役割を高めていただけることを期待します。 それともう一つこの再処理法案で大変気になっておりましたのが、いわゆる使用済みMOX燃料であります。 使用済みMOX燃料というものも、またもう一回再処理して燃やしていくというのが核燃料サイクルで、そうでないとサイクルになりませんけれども、委員長は平成二十六年の十一月十九日に記者会見でお述べなのですが、使用済みMOX燃料を再処理並びにまた燃やしていくには、高速炉を動かさない限り処理したMOX燃料は使えないという理解の方がいいでしょうというふうに述べておられます。 これは規制という意味で述べられたのかどうかはわかりませんが、現実的に、使用済みMOX燃料をもし再処理したとして、実際には、二回目のサイクルは高速炉でしか回らない、燃やせないというふうに委員長が理解をされておるのかどうかが一点。 その場合には、まだ使用済みMOX燃料の再処理施設は姿もありません、ないんですね。そうすると、当然、その使用済みMOX燃料を保管していかなければならない時間というものも長くなってくる。次、燃やせない、高速炉もまだない、保管期間も長くなる。このときの使用済みMOX燃料は他のウラン燃料よりも熱量が多く発生するというふうに原子力委員会などでも試算をされておりまして、この点については、規制という側面からは何か安全規制でお考えがおありかどうか。 二点お願いします。
○田中政府特別補佐人 第一点の御質問ですけれども、基本的に、一度プルサーマル等で燃した燃料、MOXの使用済み燃料になるわけですけれども、こういったものは大分プルトニウムが劣化しますので、さらにそのまま仮に再処理したとしても、軽水炉に入れてさらに利用するという観点からいうと、熱中性子炉は中性子のエネルギーが低いわけですので、核分裂を非常にしにくい状況になります、物理的に。 そういうことで、基本的には高速炉の方がいいでしょうというのは、これは学生時代の勉強みたいなところを申し上げたわけで、規制委員長としての立場から申し上げたわけではございません。 それから、MOXの使用済み燃料は軽水炉の燃料よりも発熱量が大きいということですが、長期的に見ると、長寿命の核種が残りますので幾らか高いですけれども、そのことによって基本的に非常に大きな差が出てくるかというと、状況によりますが、普通、保管とかそういった状況の中では、それほど大きな安全上の問題、差異は出てこないというふうに認識しております。 ただ、使用済みMOX燃料のそういったことについてはまだ我が国では実績がありませんので、もう少し詳細に、今後出てきた時点で評価させていただきたいと思います。
○阿部委員 委員長のお手元の資料二枚目に、使用済みのMOX燃料の発生する熱量について、原子力委員会の平成十六年の十一月のデータをお示ししてございます。三年ほどで確かに普通のウラン燃料と同じ発熱レベルにはあるところでなるのですが、その後ずっと長い経過をとりますと、かなりの熱量の差がある。熱量の大きなものを処理するには、処分場にしても大きなものが普通は要ると考えられると思うんです。 確かに、今委員長がおっしゃったように、まだ経験がないからということであろうかと思いますが、使用済みMOXをもう一度再処理して燃やす過程もまだ動いていないとなれば、当然、使用済みMOX燃料として長い期間の保管ということも課題になってまいりますので、これは、かつて平成十六年に出された原子力委員会の資料ですけれども、よく規制庁としても御検討いただきまして、私は、熱量が余り問題なく変わらないというのではないと思いますので、なお委員長には検討していただけたらと思います。指摘をさせていただきます。 最後の質問に移らせていただきます。 先ほど少し取り上げさせていただきましたIRRS、日本への総合規制評価サービスというのを規制庁もお受け入れになって、規制のあり方をよりよくしていこうということでお取り組みかと思います。これは多岐にわたる指摘ですので、きょう取り上げさせていただきたいのは主に二点ございます。 実は、原子力規制庁は、頑張って、再稼働のための要件とか安全性についてはお示しをいただいておるところでありますが、しかし、その一方で、放射線防御については、今、放射線影響協会などが被曝のモニタリングをしたりしておられますが、その精度がどうか、レベルがどうかなどの、放射線防御にかかわります部分での原子力規制庁の、いわゆるそれらをチェックしたり検証したりする機能が弱いのではないかという勧告があるかと思います。この点について一点。 もう一つ、原子力の安全規制ということでいえば、厚生労働省も被曝管理、労働安全衛生法や電離則にのっとってやっておられるわけで、他の省庁との連携を規制庁に求める指摘もあると思います。 私は、以前から、委員長には、日本の被曝の一元管理がなされていないことは国として大変問題があろうということで、この点においても原子力規制庁にリーダーシップをとっていただきたいし、腰が重い厚生労働省とすれば、何とか協力してそちらに一致してやっていっていただきたいと思うものであります。 このIRRSの二点の指摘、今あるモニタリングについての精度はどうか、さらに高めていくための指導も必要であろう、それから、ほかの監督官庁との横横連携についても指摘が勧告でなされていると受けとめましたが、委員長のお考えを伺います。
○田中政府特別補佐人 我が国のいわゆる放射線被曝に関する個人の線量評価については、原子力発電事業者を初めとした原子力事業者については、先生御指摘のように影響協会が委託に基づいてきちっとデータも集約して整理されているということでありますけれども、放射線被曝を受ける機会というのは、医療被曝とか、特に最近でいいますと、航空機乗務員とか、それから一F事故によって起こった福島県民の被曝とか、非常に多岐にわたっております。そういった被曝を全然把握しないでいいのかということについては、以前、学術会議でも相当議論されて、そういった申し入れを受けてもおります。 私自身も、そういうことをきちっと捉まえて記録として残しておく必要があるのではないかというふうには思いますが、それを私ども原子力規制庁がやれるかというと、いろいろな意味ですぐにはそういう状況にはないということを申し上げたいと思います。 その観点から、ぜひ、厚労省という他省庁と協力をしてやりなさいということだと思いますが、こういった問題は、なかなか、受け皿をきちっとつくってやっていくというその趣旨も含めまして十分に議論していく必要があるんだと思いますので、行政庁だけの努力で、厚労省といえども自分だけの努力でできるようなことでもないのかもしれないので、ぜひ、先生方を含めて国会等でよく議論していただいて、どこがどうすべきかということを御指示いただければ幸いだと思います。
○阿部委員 毎回この質問を原子力規制委員長に投げて、ほぼ同趣旨のお返事であるわけです。 もちろん、事故による被曝、住民の被曝、除染作業の被曝、医療被曝、航空機に乗ったときの被曝、とにかく一人の人間が一生の中で受ける放射線について一元的なデータが残るように、これもアメリカでは原子力規制委員会がリーダーシップをとって一元管理に持っていったと思います。 私は、今、少ない人数であれもこれもというところで大変御無理を重ねていただいているのは重々承知の上で、しかし、本当に重要な、人間の健康、環境への影響ということをやっていただく担当としての原子力規制庁と思っております。 もちろん、私ども国会議員ももっと挙げて、例えば、大体、普通の国では個人の被曝量は国家管理です、そうなっていないというところの問題も含めてまた御指摘をさせていただきますし、他国から指摘されることがなくなるように、私も国会も挙げて、また委員長にも御尽力をいただきたいと思います。 終わらせていただきます。
○三原委員長 次に、藤野保史君。
○藤野委員 日本共産党の藤野保史です。 私は、北陸電力の志賀原発についてお聞きしたいと思います。 私は北陸信越ブロックで選出していただいていまして、地元の一つということで、何度も行ってまいりました。昨年の九月には、志賀原発の敷地の外の活断層調査にも参加をさせていただきまして、主に、原発の北九キロにあります富来川南岸断層というもの、これを中心に周辺を見させていただきました。 例えば、あそこには能登金剛という有名な観光地がありまして、巌門という場所に行きましたら、海岸の岩がばきっと直線で割れておりまして、どう見ても断層による割れなわけですね。 敷地内には、先ほども出ましたけれども、Sで幾つか断層がある。外にはKとかFとかいう名前のつく断層もありまして、そういうものも見てまいりました。 また、地震による隆起で生まれたと考えられております海食ノッチというのもありまして、ノッチというのはくぼみという意味で、波とか海水でうがたれてできたくぼみ、これが海水面上ではなくて十メートルとか二十メートルとか高いところにあるということ、そういうものも見てまいりました。 さらには、ヤッコカンザシという化石、これは釣りなんかで使うゴカイの仲間と言われているんですが、この化石も海水面より上にあるということで、断層とあわせて考えますと、過去に活発な地盤活動があったというのが大変よくわかりました。 特徴的なのは、こうしたことを地質学者などの専門家と地域に住まわれている住民の方が協力して調査研究を重ねてきた、こういうことなんです。市民参加型と言えるんじゃないかと思うんですね。 学者の方が、例えば、ここでもし活断層が動いたらこういうものがあるはずなんだよなというようなことを言いますと、地元の方が、ああ、そういうものならあそこにあったよというので、例えば海食ノッチとかヤッコカンザシの化石とかを小まめに海岸線を歩いて見つけてこられる、地元しかわからないようなルートで探してこられる、それをまた学者の方が検証して、確認して、学会などにも報告していくというような、まさに学者と住民のコラボレーション。全国的に見てもちょっと貴重な成果じゃないかなと思うんですが、そうしたことをやられている。 私もそれに参加しまして、敷地内のお話がありましたけれども、敷地内の断層だけ見ていたらわからないような原発周辺の地域の実像といいますか、よりリアルに、複眼的にわかるなと思っております。 その上でなんですが、きょうは、やはり敷地内の断層についてお聞きをしたいと思います。 配付資料をお配りさせていただいておりますが、その一番目を見ていただきますと、これは規制庁からいただいた資料をもとにちょっと色づけをしたんですが、一号機、二号機とありまして、一号機の山吹色が原子炉建屋、その下の緑がタービン建屋、二号機のピンクのところが二号炉原子炉建屋で、青がタービン建屋となっております。 中には、S—1からS—8まで、いわゆるシームと言われるものが八本縦横に走っているんですが、よくもこんなところに建てたなというふうに私自身は思うんですけれども、これは私だけの感想ではなくて、規制庁の前の保安院時代に設けられた専門家会合でも、よくこんなのが審査を通ったというぐらいだというような感想も専門家の方から出ているということであります。 ここで規制委員会に確認したいんですが、先ほどもお話がありました、バックフィット等のチェックをして、先日、四月二十七日に有識者会合の評価書が出されましたが、この中で、敷地内のS—1、そしてS—2・S—6断層をどのように評価されていますでしょうか。
○櫻田政府参考人 お答え申し上げます。 委員御指摘の評価書の中におきましては、S—1破砕帯、S—2・S—6破砕帯の評価を行ってございます。 まず、S—1破砕帯につきましては、これは建設時のトレンチのスケッチ及び岩盤調査で確認された情報から、S—1破砕帯の北西部分については後期更新世以降に活動したと解釈するのが合理的である、それから一方、同じ破砕帯の南東部については後期更新世以降の活動はない、このような評価でございました。 それから、S—2破砕帯、S—6破砕帯、これは一続きのものという形で扱われてございますけれども、いずれにつきましても後期更新世以降に活動した可能性があるという評価でございました。 さらに、今回の評価は限られた資料やデータに基づいて行われたものであり、より正確、確実な評価をするためには、断層破砕部の詳細な性状など、データ等の拡充が必要であるということで、六項目の今後の課題もあわせて示されているというのが結論でございます。
○藤野委員 つまり、いずれの断層も活断層だというのが有識者会合の結論ということになっております。 田中委員長も、四月二十七日の記者会見で、今後、今おっしゃったように、六点ほど論点としては残っているけれども、現状のままだと、多分、評価書案が尊重されるとおっしゃっております。重要な知見として規制委員会としてもこの評価書案を扱うということであります。 他方、新規制基準は、活断層の真上に原子炉等の重要施設をつくることを認めておりません。当然のことだと思うんですね。 ですから、委員長にお聞きしたいんですけれども、この規制基準にのっとってといいますか、規制基準の立場からすれば、一号炉は速やかに廃炉にすべきじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○田中政府特別補佐人 ただいま櫻田の方から御説明申し上げましたように、動く可能性は否定できないという、今はもう既に見ることができない昔の旧トレンチのスケッチを見て、それをベースに有識者会合がそういう御判断をされたということです。 ただし、否定できないということなんだけれども、きちっと、そういったものが活断層かどうか、動くのかどうか、後期更新世以降、活動する可能性があるかどうか、そういうことを確認するためには、六つのデータ、六点について具体的に御指示が、示唆がありましたので、まず事業者にきちっとデータを出していただいて、そのことをベースに実際に一号機の下のS—1が動くのかどうかということを判断していきたい、それが今後の審査会合の課題だと思っております。
○藤野委員 審査されるということなんですけれども、やはり、審査が長引けば長引くほど、活断層の真上に原子炉が建っているという状況は続くわけですね。 しかも、原子力規制庁に聞いたらば、一号機の建屋の中には使用済み核燃料が六百九十二体入っているということで、住民の皆さんは不安で仕方がないというふうにおっしゃっております。そういう点でも、直ちに廃炉を決断すべきだと思います。 さらに、六点とおっしゃいましたけれども、あくまでS—1からS—2、S—6だけなんですね。ほかにS—8まである。S—4というのは一号機の原子炉建屋の真下を通っているわけで、1と2、6だけじゃなくて、ほかのものもしっかり判断すべきだというふうに思います。 その上で、きょうは、時間の関係もありますので、二号炉についてお聞きをしたいと思います。 規制委員会に確認したいんですが、S—2・S—6断層の真上には二号機のタービン建屋があって、その建屋の中には原子炉補機冷却水系の配管がある、これは間違いないでしょうか。
○櫻田政府参考人 お答え申し上げます。 恐らく、委員がきょう御用意された資料の中から今お話をされたと思います。そこに設置変更許可申請書なども書いてございまして、今御指摘いただいたことは事実かというふうに考えます。
○藤野委員 今お話があったように、配付資料一をまた見ていただきたいんですが、今私が申し上げたのは、二号機タービン建屋、水色で囲ってある部分であります、そこをS—6が、S—2とつながっているわけですが、通っている。 配付資料の二を見ていただきますと、これは北陸電力さんの資料から枠で囲ったんですけれども、タービン建屋がなぜか非常にちっちゃく描かれているんですが、本当はもっと大きいんですが、そこに原子炉補機冷却水系というのがあって、その下に活断層があるということになります。 規制委員会にもう一点確認したいんですが、もしこの原子炉補機冷却水系の配管が壊れて機能を失ったら、過酷事故の際の崩壊熱を除去できなくなるおそれがあるんじゃないでしょうか。
○櫻田政府参考人 お答え申し上げます。 現在存在している補機冷却水系のみで除熱をしようということであるとすれば、そのとおりでございます。 ただ、私どもが今審査をしている基準になってございます新規制基準におきましては、そういう通常使われる設備が壊れたことも想定して、それでも過酷事故に至らないようにする、あるいは至ったとしてもその影響を抑えることを要求してございますので、直ちにといいますか、ここの配管が壊れたら全く制御できなくなるということでは新規制基準には適合とは言えない、こういう審査をすることになろうかというふうに考えてございます。
○藤野委員 今答弁ありましたけれども、そのおそれがあるということであります。 配付資料の三番目を見ていただきますと、これは国会事故調の報告書から抜き出させていただきました。少し長いんですが、紹介させていただきます。 原子炉圧力容器の水を数分間で空にするほどのペースで、毎時約五千六百トンもの蒸気をタービンへと送り出している原子炉の核エネルギーは、たとえその五%程度であっても膨大である。これが、原子炉緊急停止(スクラム)に成功しても、その直後に依然と発生している原子炉内の崩壊熱である。崩壊熱の発生は、その後時間とともに低下していく。 こうありまして、 しかし、元の値が膨大であるだけに、〇・一%といっても依然かなりの発熱量に相当する。この崩壊熱を除去しなければ、崩壊熱の発生源である燃料ペレットや燃料被覆管の温度が上昇を続け、溶融や損傷、崩壊が起こってしまう。 初期冷却に失敗した場合、その後の復旧が極めて困難で複雑なものになってしまう。第一、第二、第三と、次々と壁を突破しながら、放射性物質の放出が起こってしまうからである。 という指摘が国会事故調でされております。 つまり、緊急停止できたとしても、それだけでは不十分であって、その時点であるその熱を冷まさなければ、除去しなければ、結局はここに書いてあるようなメルトダウン、メルトスルーまで至ってしまうおそれが大きいし、実際、福島でそのことが起きたということであります。 私たちはこのことを福島の大きな教訓として学ばなければいけないと思うんですが、だからこそと言ってはなんですけれども、規制委員会の基準にもこのことが反映されていると私は理解しております。 配付資料の四を見ていただきますと、これはいわゆる設置変更許可申請書なんですが、左にありますのは、原子炉停止後、今言ったスクラム後、炉心から崩壊熱を除去するための施設として、真ん中辺に、ちょっと薄くなっていまして申しわけないんですが、原子炉補機冷却水系というのが補助設備の一番上のところに載っております。 つまり、タービン建屋にあるこの崩壊熱を除去するための施設、これがなくなるとその後の冷却ができなくなるおそれがあるということで、田中委員長にお聞きしたいんですが、新規制基準というのは、原子炉だけじゃなくて、こうした安全上重要な機器についても活断層の上にあってはいけないとしているんじゃないでしょうか。
○田中政府特別補佐人 一般論として、補機系もそうですけれども、事故対策上必要な安全機能を有する施設は大体Sクラスということですので、Sクラスの下に活断層があってはいけないというのは御指摘のとおりです。
○藤野委員 そうなると、まさにいわゆる安全上重要な施設である原子炉補機冷却水系があるタービン建屋の真下にS—2、S—6が通っているということになるわけですから、本当に、そうした規制基準の立場に立っても、これはやはり二号も廃炉にするしかないというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○田中政府特別補佐人 活断層の有無についてもまだ今後の審査案件ですので、予断を持ってお答えするのは差し控えたいと思います。 もちろん、そういったことで活断層であるということになれば、それに対して、そのままでは認めるということにはならないと思いますけれども、その前提となるところがまだ確定しておりませんので、今後の課題だというふうに御説明させていただきたいと思います。
○藤野委員 先ほども言ったんですけれども、この活断層の上に、一号でいえば原子炉が乗っているし、二号でいえばこういう安全上重要な機器が乗っている。二号でいえば、いわゆる燃料が八百七十二体、これは原子炉内に装荷されている状況で今審査を受けているという状況であります。 ですから、新規制基準では、まさに先ほど紹介した福島のああいう経験も受けて、重要な機器も活断層の上に置いてはいけない、そういう基準をつくったわけですから、本当にその基準にしっかりのっとって、活断層の上にこういうものがあってはいけない。 先ほど、冷却できないことはないんだとか、非常用注水車を持ってくるとかいうことだと思うんですが、そういう話じゃないんです。非常用注水車云々じゃなくて、この基準を満たさなければ、要するに、活断層の上にこういうものを置いちゃだめだ、そういう基準なわけですから、置いている時点でアウトなんですね。ほかに車があるとかどうこうという話ではない。 ですから、一号も二号もまさにそうした状況にあるということを踏まえて、しかも、住民の皆さんは、そこに燃料が装荷されていたり、使用済みプールにあるということそのものに大変不安を持っているということですから、直ちにこれは廃炉の決断をすべきだというふうに思います。 そして、もう一点、冒頭紹介したんですけれども、志賀原発の周辺、敷地内だけじゃなくて周辺というのも活断層がたくさんありまして、北陸電力自身が、敷地への影響が大きい活断層というのを提出していると思います。これによると、二十二本の活断層がいわゆる能登半島を、たくさんあると北電自身が言っている。 実際、二〇〇七年には、三月二十五日ですけれども、能登半島でマグニチュード六・九の大きな地震が起きました。私も現場にも参りました。この能登半島地震は、実は、それまでは地震空白地域と言われる地帯で起きた大きな地震でありまして、志賀原発がある志賀町も震度六弱の揺れが襲いましたし、最大震度は震度六強であります。ちなみに、志賀町では、全壊は十四、半壊が二百十七、一部損壊は三千四百余りに上っている。志賀町でさえそうなんですね。 田中委員長にもう一度お聞きしたいんですが、有識者会合でまさに専門家はそういう判定を下しました。そして、敷地内だけじゃなくて敷地外でもそういう大きな地震、ちなみに、能登半島地震の震央から志賀原発まではわずか十八キロなんですね、こういう近さでそういう大きな地震も起きております。 ですから、やはり率直に言って、もう志賀原発は一号も二号も立地不適だというふうに言わざるを得ないんじゃないか。一、二号とも設置許可そのものを取り消すべきじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○田中政府特別補佐人 先ほど来、繰り返しになりますけれども、まず、有識者会合の御指摘も、敷地内だけではなくて、海岸線等の変動も含めて、海の中も含めて調査するようにという御指摘をいただいています。ぜひ、そういったことの指摘を真摯に受けとめて、事業者にも受けとめていただいて、それで、そういったデータをもとに判断をしていきたいと思います。 その結果としてどういう結論が出るかということについては、今ここでお答えするのは差し控えたいと思います。
○藤野委員 最後になりますが、重要な知見にするというのは実は大変重いことで、参考にすると言うと軽く聞こえるんですが、冒頭紹介した地元の皆さんの調査というのは、規制委員会に何度も提出しているんですね。資料として採用してほしいと言うんですが、これは採用されないんです。まさに参考。しかし、この有識者会合の評価書案はまさに重要な知見として取り入れられているというこの重さをぜひ受けとめていただいて、早急に判断をしていただくことを求めて、質問を終わります。
○三原委員長 次に、河野正美君。
○河野(正)委員 おおさか維新の会の河野正美でございます。 早速質問に入りたいと思います。 五月九日、今年度初めて、放射性廃棄物の最終処分に向けた全国シンポジウムが東京で開催をされました。昨年度も同様のシンポジウムが開かれましたが、その開催結果をどのように評価されているのか、昨年度の経験を踏まえ、今年度はどのように開催していく考えか、昨年度と今年度の取り組みの違い、そして狙いについてお示しいただきたいと思います。
○多田政府参考人 お答え申し上げます。 最終処分の関係の全国シンポジウムでございます。 今先生御指摘のとおり、この全国シンポジウム、昨年の七年ぶりの基本方針の改定の後、昨年、第一弾、第二弾、春と秋、そして今回、第三弾ということでやらせていただいているものでございます。 内容といたしまして、当初、第一弾のときには、七年ぶりに改定いたしました基本方針の内容を中心に御説明をさせていただきました。そして、第二弾では、第一弾のときの御質問の多さを踏まえまして、地層処分が本当にできるのかといった技術的な面、あるいはその必要性といったあたりを中心に御説明をさせていただきました。 さらに、今回は、昨年の十二月に最終処分関係閣僚会議で、国民や地域の方々に冷静に受けとめていただける環境を整えた上で、いわゆる科学的有望地の本年中の提示を目指すということを決めましたので、そうした内容を中心に御説明をさせていただいているところでございます。 これまでの評価ということで御質問がございましたけれども、我々として、理解度の進展というものについては参加していただいた方々の評価に委ねたいと思いますが、我々としては、例えば、お母様世代の参加が少ない、それから、開催場所が全国で九カ所に限られておりますので、二次広報のあり方、こうしたものにさまざま取り組む工夫が必要かと思っております。 また、国際的な状況、海外の取り組みについての御関心が非常に強いということで、三月の二十八日に国際シンポジウムを東京で開催させていただきましたが、こうした取り組みの内容を動画で御紹介したり、そうした工夫をしているところでございます。 開催都市、あるいは、週末中心から平日もやるようにする、それから、質問の時間を多くとる等々、そうした取り組みで工夫をしながら現在取り組んでいるところでございます。
○河野(正)委員 年内には、国が最終処分の科学的有望地を提示するというふうにも言われております。 私、約三年前に、環境委員会の理事として、フィンランドのオンカロに行かせていただいたんですが、そもそも、地震が多く、また地下水も、他国から狙われるぐらい豊富な地下水があると言われる我が国において、フィンランドのオンカロのような強固な地盤、埋設するような地盤があるのかということを疑問に思っております。 その点についての見解とあわせ、現在までの取り組みの状況と提示する時期の見通し、提示した後の国民や自治体に向けた説明をどのように考えておられるのか、伺いたいと思います。
○多田政府参考人 お答え申し上げます。 オンカロ、北欧諸国との岩盤、地層構造の違いという点についてまず御質問をいただきました。 この点につきましては、シンポジウムの参加者からも数多く御質問をいただくところでございますが、御案内のとおり、実は、我が国においては、一九七〇年代から、地層処分が我が国において可能かどうかということの研究を積み重ねてまいりました。その結果、一九九九年に、日本においても地層処分は技術的に実現可能だということを確認させていただきまして、それを踏まえて、翌年の二〇〇〇年に最終処分法を定めた、そして、地層処分をやるということに決めた、こういう経緯がございます。 御案内のとおり、フィンランドについては先カンブリア紀の地層、こうした古い地層が日本にないということはそのとおりでございますけれども、我が国においても、十分安定した岩盤というものが存在するということは確認がされているところでございます。 その上で、今後の取り組みでございますけれども、今、科学的有望地というものについて、検討を審議会でお願いしているところでございます。 科学的有望地の要件、基準というものを御議論いただいているところでございますが、審議会のメンバーだけで御議論いただくことについて、やや疑問を持たれている方もおられるということで、審議会に参加していない関係学会にも広く御説明を行ってピアレビューを行っております。さらに、国際的な評価も大事だということで、今月下旬には、OECD・NEAのレビューも受けることにいたしております。 こうしたことの積み重ねの上で、先ほど申し上げましたが、本年中に提示を目指しております。 提示をした後でございますが、国民の方々に、提示と調査の申し入れというものは別物であるということを十分に御説明しながら、有望地になった地域を中心に丁寧な説明の積み重ねというものをやっていきたいと思っております。 その際には、これもシンポジウムの場でもさまざま御指摘をいただいていますが、そもそも説明に来ている人間が信用できないぞ、こういった御指摘をいただいております。住民の方々から説明者がきちんと信頼されるような環境、これは、国あるいはNUMOについて反省しなければいけない点は多々あろうかと思っております。そうしたことをきちんと踏まえた上で、真摯に御説明を重ねていきたいと思っております。
○河野(正)委員 ぜひ信頼されるようになっていただきたいと思います。 四月二十七日に毎日新聞が、佐賀県玄海町長が処分場受け入れに前向きであると報じたことをきっかけとして、佐賀県内はもちろんのこと、隣接する福岡県を初め、多くの自治体や住民から反対や懸念、心配の声が上がっております。この玄海町での動きについて国がどのように受けとめられているのか、簡単にお答えください。
○多田政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘のあった玄海町長の御発言、私どもも報道内容で知りました。その後、実際にどのような御発言をされたのかということを、事実関係を玄海町の方に問い合わせをさせていただきました。 その内容によりますと、玄海町長は、みずから積極的に誘致するという考えはない、ただ、この問題が国全体にとって避けて通れない非常に重要な問題であるということは認識している、したがって、将来的に国から話があれば、話を聞く用意はある、ただ、その際にも町民や議会の意見をよく聞く必要があり、難しい話だと思う、こういった趣旨をおっしゃられたということでございまして、現時点で、将来、調査を受け入れるということをおっしゃったということでは全くないというふうに理解をしております。 私どもは町長の御発言自身を評価する立場にはございませんけれども、先ほど来申し上げております科学的有望地の提示というものを冷静に受けとめていただける環境、そういう方向性には沿った御発言なのかなというふうに、これは期待を込めて感じているところでございます。 私どもといたしましては、この最終処分の処分地の選定というものの重要性について、一人でも多くの方々に御理解いただけることを期待しているところでございます。
○河野(正)委員 我々世代は原子力発電の恩恵をもう受けた世代でございますので、やはりその点は、次世代に核のごみの問題を先送りするのでなくて、真摯に今こそしっかりと議論していかなければいけないと思っております。玄海町がどうかは別として、本当に、議論されるということはいいことではないかなというふうに考えております。 また町長は、四月十九日に経済産業省の有識者研究会が沿岸部の海底地下に埋め立てる工法を提示したことで前向きになったというふうに発言もされているようでございます。ことし国が示す科学的有望地には沿岸部の海底地下も含まれると考えてよろしいのかどうか、伺いたいと思います。
○多田政府参考人 お答え申し上げます。 先ほど申し上げましたように、科学的有望地は現在審議会で議論中でございますが、その検討過程におきまして、廃棄物の輸送時の安全性確保の観点からは、海上輸送を前提とした上で、港湾からの陸上輸送の距離ができるだけ短い方が好ましい、こういった議論がなされているところでございます。 そうした中で、地上施設を陸地に設置した上で、斜めに坑道といいますかトンネルを掘って海側に延ばしまして、地下の処分施設は海底の下の安定した岩盤に設置するというオプションもあるのではないか、こういった議論がなされているところでございます。 私ども、そうした海底下のオプションも含めた沿岸部で処分を行う場合の地質環境の特性でありますとか技術的対応可能性などにつきまして、別途専門家を集めて検討を深めるということで、現在検討を行っているところでございます。 私どもとして、そうしたオプションの一つとして議論していることは事実でございますが、あくまでさまざまなオプションの一つであって、国がそこを目指しているわけではございません。 科学的有望地は、陸地を塗り分けることにしているところでございます。
○河野(正)委員 最終処分のための施設について、原子力規制委員会による規制のあり方などをどのように定められているのか、教えていただきたいと思います。
○青木政府参考人 回答いたします。 御指摘の最終処分場は、ガラス固化体等の地層処分を行うものでございますから、原子炉等規制法におきましては第一種廃棄物埋設事業に該当すると認識しております。 原子力規制委員会としましては、最終処分に関する検討の進捗に従いまして、規制法に基づきまして、審査基準等を整備し、事業者から事業許可申請書を受理しまして、その申請内容について審査を行い、また、その後必要な検査等を適切に行うこととなります。 なお、第一種廃棄物埋設施設の審査基準につきましては、今後の原子力発電環境整備機構の検討状況等を踏まえまして、必要な規則等を整備していくこととしております。
○河野(正)委員 先ほど来話があっている沿岸部の海底地下に最終処分場をつくるということは、海底の中でどういうことが起きているのかが非常に未知な部分も多いのじゃないかなというふうに考えております。今、熊本を中心に、非常にまだ、今なお地震の被害で苦しんでいる方がいらっしゃる中で、そういった地層を本当に十分我々が理解できているのかどうか。 そうした技術の安全性を規制当局はどのように審査していくのか、果たして本当に信頼に足る審査が可能なのかどうか、この点についてお聞かせください。
○青木政府参考人 回答いたします。 議員から御指摘ありました技術検討会についての検討状況、検討していることは承知しておりますが、詳細につきましては、我々参画しておりませんので、承知しておりません。 また、先ほど紹介しましたように、具体的な審査基準がまだ決まっておりませんので、現段階で審査のあり方については御説明する段階にはございませんけれども、原子力規制委員会としては、先ほど申し上げましたように、進捗状況に合わせて、万全の体制を整えて対応していくことになります。 なお、今後整備する規則等でございますけれども、長期にわたりまして埋設した放射性廃棄物に起因する公衆の被曝を低減するための基準として、当然のことながら、放射性物質の閉じ込め、隔離、それと地震等による損傷の防止、そういったものの要求事項を含むようにすることと考えております。
○河野(正)委員 御承知のように、我が国は四方を海に囲まれた島国でございます。海底地下の施設で万が一不測の事態が生じれば、放射能汚染の規模というのははかり知れないものがあると思います。 深刻な海洋汚染が生じれば、近隣諸国との国際問題にも発展しかねません。特に、玄海原発というのは中国や韓国にも極めて近い地域にあります。また、とりわけ、これらの国々は、近隣の国であって仲よくしなければいけないんですが、平素から我が国に対しては極めて厳しい態度を見せることがしばしばあるようにも感じております。 万が一、不測の事態が生じたときでも人がコントロールしやすい環境に置いておくことが、最終処分施設の立地を検討する上では重要なのではないかと考えます。 海底地下への処分施設の建設に伴うこういったリスクをどのように考えておられるのか、政府の見解を伺いたいと思います。
○多田政府参考人 お答え申し上げます。 まずちょっと申し上げさせていただこうと思っておりますのは、陸地であろうと沿岸海底下であろうと、私どもは、将来にわたりまして人間が積極的な管理を続けるということには限界があるだろうと思っておりまして、そういうことを続けることがなくても人間の生活環境に放射性物質が悪影響を及ぼさないように処分をしていかなければいけない、これが地層処分の大前提であるというふうに考えております。 そうした前提の中で、海域を含みます沿岸部で地層処分を行う場合の地質環境特性あるいは技術的対応可能性について現在検討中だということは先ほど申し上げたとおりでございます。 まだ最終取りまとめには至っておりませんけれども、御指摘がされている中では、沿岸部における地下水の流れを把握するための調査、評価技術、あるいは地層処分を行う上での必要な基本的な技術、これはおおむね整備されていて、沿岸海底下においても地層処分は技術的に実現可能と考えられるという方向で議論がされております。 また、沿岸海底下を含む沿岸部は、地下水の流れが非常にゆっくりだ、そういう場所を見つけられることが期待できるといったような議論もなされております。他方で、海水と普通の淡水、塩水と淡水がまざることについてどういう効果があるのかとかいったような指摘も一部されているところでございます。 いずれにいたしましても、先生御指摘の点も含めまして、どこにするかということを決めていく際に信頼性を高めていくことが重要であることは間違いありませんので、今後、研究課題と取り組みの全体像につきましては、処分の実施主体でありますNUMO、あるいは基盤研究を担います研究開発機関、これがしっかりと問題を共有し、着実に取り組みを進めて、そして規制当局が決めます規制基準をしっかりとクリアしていく、これが大事なことかと思っております。
○河野(正)委員 時間が来たので終わらせていただきますが、いずれにせよ、この瞬間も核のごみというのはふえ続けているわけでございます。しっかりと早期に検討して、どのように処分していくのかを決めていくことが我々世代の責任だと考えておりますので、しっかりとした対応をお願いしたいと思います。 フィンランドでは十万年後の安全ということでやっておりますので、しっかり将来に美しい国を継承していかなければならないということを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○三原委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時六分散会