原子力問題調査特別委員会 第3号
- 発言数
- 130 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2016/04/21
会議録
○三原委員長 これより会議を開きます。 議事に入るに先立ちまして、委員会を代表して一言申し上げます。 このたびの熊本県を中心とする地震による被害でお亡くなりになられた方々とその御遺族の皆様に対しまして、深く哀悼の意を表します。 また、被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げますとともに、負傷された方々が一日も早く御回復されますようお祈り申し上げます。 これより、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。 全員の御起立をお願いいたします。——黙祷。 〔総員起立、黙祷〕
○三原委員長 黙祷を終わります。御着席ください。 ————◇—————
○三原委員長 原子力問題に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、参考人として東京電力ホールディングス株式会社代表執行役副社長山口博君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として内閣府大臣官房審議官中西宏典君、内閣府大臣官房審議官山本哲也君、外務省総合外交政策局軍縮不拡散・科学部長相川一俊君、文部科学省大臣官房審議官板倉周一郎君、経済産業省大臣官房原子力事故災害対処審議官平井裕秀君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長多田明弘君、環境省水・大気環境局長高橋康夫君、原子力規制庁次長荻野徹君、原子力規制庁長官官房緊急事態対策監大村哲臣君、原子力規制庁長官官房核物質・放射線総括審議官片山啓君、原子力規制庁長官官房審議官山田知穂君、原子力規制庁長官官房審議官青木昌浩君及び原子力規制庁原子力規制部長櫻田道夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○三原委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小熊慎司君。
○小熊委員 民進党の小熊慎司です。 冒頭、私からも、熊本、九州地方の地震において犠牲になられた方々、また被災された皆様には、心よりお悔やみとお見舞いを申し上げる次第でございます。 昨日も、我が党の岡田代表が、官邸において総理に、今回の災害の激甚災害への指定とか、また首相を本部長とする緊急災害対策本部の設置を求めました。また、その際に、九州の川内原発について、避難先の受け入れ体制とか、検証をしっかりしていただきたいということもあわせて申し入れした次第であります。 この件に関しまして、三月十四日の朝日新聞の朝刊の報道について田中委員長にお聞きします。 田中委員長は福島の県北の御出身で、中学、高校時代は私の地元の会津におられて、私の高校の尊敬する先輩の一人でもありますけれども、残っている同級生たちも、田中委員長は非常に温厚だという話をされていました。その温厚な田中委員長が、この朝刊に関してはかなり激烈に憤慨をされていて、この朝刊の報道に関しては、犯罪的だとまで激しい言葉で抗議をされているところでもあります。 この朝日新聞と規制委員会とのやりとり、ホームページ等で規制委員会も説明をしっかりされているところではありますが、今回こうした地震もあった中で、五年前の大震災の折も、間違った情報のもとに適正な避難がなされなかった、そうしたこともありました。やはり、正しい情報をしっかりと地域住民の方々にお知らせをする、把握をしていただくということが重要なのでありますけれども、今回のこの朝日新聞の報道について、全ての人が専門的な知識を持ち合わせていない、客観的な判断ができる知識を持っていない、私も含めてですけれども、そういう中で、何を信じていいのかと不安になってしまう点もあります。 規制委員会においては正しい情報発信をしているとはいえ、やはり安心と安全が乖離しているというのが現実だというふうに思っています。そうした地域住民の安心といったところまで含めて、改めて、正しい情報の発信、御理解を得ていくために、今回の報道のやりとりを踏まえて、その経緯と、今後のそうした地域住民の安全、安心の確保のためにどのように取り組んでいくのか、お聞きいたします。
○田中政府特別補佐人 まず、今後の取り組みを御回答させていただく前に、事実関係をちょっと御紹介させていただきたいと思います。 三月十四日の朝日新聞において、避難の指標に使う原発周辺に置いてある空間線量計の設置が、緊急時の防護措置がとれないというような誤った報道がなされた、そういうことについて、私の方から強い抗議の意思を示しました。 実は、実際の自然放射線のレベルから時間当たり五百マイクロシーベルトまでの線量を常にはからなきゃいけないわけです。はかれるような体制、そのためには、二つの線量計、一つの線量計で全部をはかるということはできないので、二種類の線量計、低い方と高い方をはかれるものを大体半々ぐらいに設置して、それを使って避難の基礎データを得ようということで置いたわけですけれども、低い方では五百マイクロはかれない、だからはかれない、緊急時に役に立たないという報道があったので、これは住民に無用な不安とか誤解を招くということで、事実と違うということで強く抗議させていただきました。 実際には、余り詳しい御説明は省きますけれども、川内原発とか高浜原発の周囲、京都府も含めまして、私どもとしては、我々が今後、何か事故が起きた、要は緊急事態が起きたときに、その判断に誤りがないように十分なデータがとれるような数の線量計は設置してあります。 それから、固定線量計だけではなくて移動のモニタリングのシステム、あるいはハンディーというか、持って歩けるような線量計というのもありますし、各サイトにはモニタリング専門官というのも予算をつけていただきまして、今二人から三人程度配置しておりますので、大体そういう対応をしております。 こういった体制につきましては、平成二十六年九月十二日の原子力防災会議において川内地域についての緊急時の対応のあり方、高浜地域については平成二十七年十二月十八日の原子力防災会議において、それぞれ具体的で合理的であるというふうなものとして了承されております。 もちろん、緊急時のモニタリングの体制について、先生御指摘のように、安全だけじゃなくて安心、住民の安全、安心感が要るということですので、防災訓練等の結果を踏まえていくとか、常日ごろ、そういった放射線に対する理解のレベルをもう少し高めていただくような取り組みも、今後引き続きやっていきたいというふうに思っております。
○小熊委員 同様の質疑が参議院の方でもされた議事録を拝見して、そのやりとりも見ながら、原子力規制委員会の対応といったものに瑕疵があるとは私も思いませんし、朝日新聞の報道の仕方が少し誤解を招くような嫌いがあったのかなというのは私も印象としてはあるわけでありますけれども、今、最後に委員長がおっしゃっていただいたとおり、地域住民の方々の理解というのは非常に難しいものがあるというふうに思います。 今、我々福島県も県民一丸となって風評被害対策とかいろいろやっているんですけれども、例えば、生産物なんかに関しても、全量検査をして安全だということを打ち出していながら、実際、他県ではそういうものはやっていないのに、福島県のものがうがった見方で見られてしまう。逆に、福島県内で他県のもの、海外のものをはかってみると、福島県産のものより高い数値が出る、もちろん安全の基準値内ではありますけれども、高いものが出るというのもまた現実であって、そういう科学的根拠とはまた別に世の中の動きというのがなされている。 そうした背景があるというのは、みんなが正しい知識を持っている、理解があるというわけではありませんので、長期的には放射線教育といったものをしっかりしていくことも加味しながら、あと、やはり、今でも、どこの場でもそうですけれども、口コミとかまたネットの世界で都市伝説みたいな情報とか意見がまことしやかに広がってしまう。今、そうしたSNS等の発展によって、昔よりもそういう部分が広がりやすい環境にもあるわけであります。 今、規制委員会の対応しているモニタリングに関する体制というのは私も了とするところでありますけれども、地域住民への理解促進というのはより一層やっていかなければいけないというふうに思っています。そうしたこと抜きには、間違った情報のもとに、避難するときに動いてしまう住民たちも出かねないということになってきますので、最後に言及していただいた、安心のためにどこまでやるかというのは、ある意味過剰な対応までやらなきゃいけないぐらいの話だというふうに思います。 そういった点を考慮していただきながら理解を求めていかないと、世間的には、多分、規制委員会のホームページよりもやはり新聞の方を信じてしまうというのが一般の人の感覚だというふうに思いますので、ぜひそういった点をより意識して情報発信をしていく、理解を求めていくということが必要だというふうに思います。 もう一度、田中委員長、お願いいたします。
○田中政府特別補佐人 先生御指摘のとおり、私も福島に、ここに来る前に大分現地に入りまして、その後もずっといろいろな方からいろいろなことを言われます。 それで、福島の復興にとって何が大事かというと、やはり正しい情報が国内外にきちっと伝わるということですが、今先生も御指摘のように、なかなかそれがうまく伝わっていかないということです。 そういった情報の伝達を担うメディアの役割は非常に大きいと私は思っていますし、メディアがきちっとした正しい情報を発信していただくことが復興にもつながるんだということで、ぜひメディアには正確な情報を出していただくようにという思いがあって、その逆だったものですから、少し強い言葉で私が抗議をしたというところもあります。 今後とも、やはり、いろいろ被災をした場合に、福島に限らず、どういった正しい情報が伝わるべきかということ、必要であれば幾らでもそういう指摘はすべきだと思いますけれども、客観的に、科学的に正しい情報を出していただくことがまず第一義的に大事であるということです。 そういったことの意味で、メディアの協力は、私としては、今回は強い抗議をしましたけれども、その裏には、ぜひそういう協力をしていただきたいという思いを持っております。 ですから、いろいろな形で住民の方々とのコミュニケーションを図って、理解促進に努めていきたいと思います。
○小熊委員 ぜひそういった方向性で取り組んでいただきたいのと同時に、でも、なかなかやはり厳しいものがあります。 御承知のように、福島県内で、テレビで天気予報の前後に各地の放射線量というのを出しています。低い数値なんですけれども、そんな情報発表をしている地域なんてありませんから、観光客も温泉とかに泊まってそのニュースを見て、それを見ちゃうとやはりどきっとするらしいんですね。でも、実際、ではその空間線量がどうなんだというと、安全なレベルですけれども、他県の方があるけれども、それは発表もしていないし、皆さん知らないから平気でいる。 まして、観光客は多少は戻ってきていますけれども、教育旅行、修学旅行は、とりわけ関東の人たちは来ていない。理解している人もいるけれども、PTAの中に反対する人がいれば、やはりそれを避けてしまうというのが現実です。 いろいろな御支援も福島県はいただいているところですけれども、なかなか理解が進まないところがあって、福島県のホームページでも、例えば海外のどこどこの都市が空間線量は幾らですと、そういう比較ができるように発表もしています。福島県より高いところも全世界にいっぱいあるんですけれども、世界的な理解も進まなくて、御承知のとおり、今、外国人誘客、日本は二千万人を超えるということになっていますが、福島県は、これだけ東京から近い利点があるのにもかかわらず、外国人観光客が来ていないというのも、そうした国際的な風評被害、理解が進んでいないというところでもあります。 ですから、情報の発信の仕方、正しい情報を出すというだけでは、実は一般の人には伝わらないというのも今の現実であります。一定程度の理解は得られます。だけれども、何割かのところはやはり情報がしっかり把握していただけないので、とりわけ規制委員としては、さまざまな安全、安心のためにも、福島のことじゃなくて今回の朝日新聞とのやりとりの中でのことも、そういう点も踏まえて、いろいろな多角的な取り組み方が必要だというふうに思います。 田中委員長は真面目なのでストレートに取り組んでいますけれども、少しまた違ったやわらかい感じでどうアプローチしたらいいのかというのもやっていくことが必要だと思います。 というのは、風評被害も、正しい情報を流すより、例えば一つのバラエティー番組を福島でやって、それを放映するというだけで何か変わるという雰囲気もあったりしているものですから、そういうことが必要だというふうに思います。 この際、この委員の皆様方、こうした御理解をしている委員の皆様、多うございます。また、福島県にも大変御尽力をいただいた委員長を初め、さはさりながら、現場は福島県だけではなくて、それぞれの地元でも、福島のものを食べておられるのか、もしくは、皆さんの地元で、かつては福島に修学旅行へ行っていた学校があったなら、ぜひPTAの方々と議論をして、実際そういう放射線教育というのがどの程度浸透しているのかというのをぜひ周りの方とも議論していただく。それもまた現場である、被災地の現場と同じだというふうに思いますので、ぜひ、委員長を初め、御尽力いただきますようお願い申し上げて、次の質問に移りたいというふうに思います。 東電の福島第一原発の溶けた炉心、燃料デブリについて、今、実態を把握すべく尽力をしているところでありますけれども、これがどう取り出せるのか。これは状況をしっかり把握しなければ、どう取り出すかというのは決まりません。今、ロボットでやろうかとか、いろいろやっておりますけれども、取り出した後どこに持っていくかというのも決まっていないのも事実であります。 先ごろ、これは記者のぶら下がりでの回答だったというふうにお聞きしていますが、規制委員会の更田副委員長が、状況によってはこの燃料デブリも取り出さないという選択肢もあり得るという発言をされました。その発言一つとってみても、専門的に、取り出さないというのがどういうふうになるのかというのは我々は知り得ませんので、ただその一言が報道されてしまうと、この先福島県はどうなるんだろうという不安がやはり広がってしまいました。 改めて、燃料デブリの処理について、また、更田副委員長の発言の真意についてお伺いをいたします。
○田中政府特別補佐人 本年二月十九日に、更田委員が福島第一原子力発電所を視察されました。これは、五年たつということで、規制委員会としてももう一度現場をそれぞれの目で見ておこうということで手分けして行ったわけですけれども、訪問させていただきました。 そのときに、記者の方から、場合によってはデブリを取り出さず、そのまま置いておくことが選択肢としてあり得るかという質問を受けたそうです。その質問に対して、いろいろな選択肢があり得るであろうと発言されたことがああいった新聞報道になったということでございます。 ですから、更田委員みずからが、取り出さずにそのまま置いておくということも選択肢としてあり得るということを直接的に申し上げたわけではないのだけれどもというお話でした。 原子力規制委員会では、本年一月二十七日に開催しました特定原子力施設監視・評価検討会、これは一Fの廃止措置についての安全を確保するための検討会でございますが、そこで、中期的リスクの低減目標マップ、昨年これを、一Fの廃止措置の状況が住民からよく見えないということがありましたので、私どもとして工夫して、今どういうことが進んで、どういうことが課題になっているかというマップをつくらせていただきました。その進捗状況を確認しましたが、このマップは、基本的には大体五年程度先まで見て、どういったことが優先的に行われるべきであろうかということをマップとしているものです。 その中では、まだ燃料デブリについては、今先生御指摘のように、どういった状況になっているかもよくわからない状況ですので、その取り出し方とかその措置については言及できるものではないというふうに位置づけています。 そういう議論を踏まえて、更田委員が、いろいろな選択肢があるので今の段階では確定的なことは申し上げるべきではないというふうに回答したとお聞きしています。 いずれにしろ、燃料デブリの取り出しというのは、これは非常に大きな仕事です。どういう方法でやるかということについては私どもとしても日々いろいろ議論しておりますけれども、事業者である東京電力の方から取り出しについての申請があれば、安全性をきちっと見て、厳格に審査をして確認してまいりたいと思います。
○小熊委員 実際、とりわけ原発施設の地域住民の方々が今帰還されるような地域も出てきている中で、でも、中には、私の地元にも、避難していて、もう家を建てちゃった若い方がおられて、それは何でだと聞いたら、除染等がうまくいったとしても、くすぶった原発が近くにあるのでもう帰りませんというようなことを言っていました。 例えば、放射性物質を帯びた除去土壌等の中間貯蔵施設の取り組みがなされていて、三十年後には県外だと言っていますけれども、それも、そういうふうになるだろうなんて思っている人はほとんど福島県内にはいませんし、まして、燃料デブリがどういう状況になって、もし取り出せたとしても、青森の中間貯蔵施設に行くものでもないわけですね、あそこは事故の起きていない燃料棒だけの受け入れで。 ではどこに行くのというのも全然議論されていないわけです。状況がどうであろうとも、それを最終的にどこでどうするのかという議論が見えていない、もちろん、どういうふうになっているかわからないから保管の仕方もわからない、場所も決められないというのはありますけれども、でも、大体の想定の中で、どういうところでやるのかなというのは多分検討できるはずだと私は思うんです。 でも、大体、我々地元の人間たちが言っているのは、結局取り出せたとしてもあそこの敷地内にずっと置くんでしょうというような、諦めたような発言をされる方が多いわけです。 それだけ非常にセンシティブな課題でもありますので、更田副委員長の発言の真意というのは今お聞きしましたけれども、やはり我々政治家も言葉一つでいろいろ世の中を騒がせてしまったりしますし、より誤解を招きかねないような発言はぜひ控えていただいて、適正な発言に努めていただくよう委員長からも副委員長には言っていただきたいというふうに思います。 今、デブリに関しては現状がわからないとしても、この先どうなっていくんだろう。わからない、わからないだけではなくて、不安にならない形での将来的な選択肢、規制委員会として考え得る安全な管理、住民の安心といったものを得るためのさまざまな情報発信、また取り組みに対する姿勢をぜひお願いしたいというふうに思います。 また、それにあわせて、これは経産省の方にお聞きします。 今汚染水の処理をしていますが、残念ながら、今の技術では放射性トリチウムだけは取り除けないということで、汚染水処理はしているんですけれどもタンクはどんどんどんどんたまっていっているのを私も現場に行って見てきました。これも、恐らくあと数年後に敷地内ではもう満杯になってしまうというのも計算上成り立つわけでありまして、どうするんだと。 当時から、実際は放射性トリチウムは事故の起きていない原発でも海洋放出を全世界的に一定程度の基準のもとにしているというのも私は承知をしているところでありますけれども、これだけの事故が起きて、地元の漁協とか地域住民にも海洋放出に関しては福島県内においては理解を得られていませんから、タンクに今やっているという状況であります。 五年たって、経産省の方でも海洋放出についても検討を始めたということをお聞きいたしましたけれども、その事実関係と状況についてお聞きをいたします。
○平井政府参考人 お答え申し上げます。 トリチウム水の取り扱いについての御質問をいただきました。 この扱いにつきましては、IAEAからも、あらゆる選択肢を検討すべきという助言をいただいているところでございまして、現在、政府の汚染水処理対策委員会の下に設置されました専門家による会議でありますトリチウム水タスクフォース、こちらにおきまして、本格的検討に向けた基礎資料作成のための技術的検討を進めているところでございます。 御指摘の報道というところにつきましては、先日、四月十九日の会合におきまして、海洋や大気に放出する場合など、海洋放出のみならず選択肢ごとに処理期間、コスト、そのほかさまざまな要素についての試算結果をお示ししたところでございますが、まだ現時点で政府としての方針をお示ししたということはございません。 トリチウム水の取り扱いにつきましては、御指摘のとおりでございまして、風評被害も懸念されるところでありますので、専門家による検討結果を踏まえながら、関係者の御理解を得て、方針決定に向けた取り組みを丁寧に進めていく、そのような状況でございます。
○小熊委員 関係者の理解を求めていくということでありますけれども、敷地内に、処理してトリチウムだけが残った水がたまっていくのは、物理的に何年後というのは見えているわけであります。 その後、では、理解を得られなければ、それを超えるということになれば新たな敷地の確保も必要となってきますので、時間が制約をされているという状況でありますから、その中で正しい決断と、今おっしゃったとおり、関係する団体また県民の理解というのをどう得ていくかというのは、本当にぎりぎりのところにあるというふうに思います。そういう意味では、しっかりと取り組んでいただいて決断をしていただきたいというふうに思います。 この件に関しても、科学的根拠と人々の安心といったものがやはり乖離しているという背景もありますから、経産省においても、そういった点を考慮しながら、どうやっていけばいいかというのを進めていただきたいというふうに思っていますので、よろしくお願いいたします。 次に移りますけれども、たびたび、さまざまな委員会で質問してきました。また、福島県内においては、どの政党も東京電力の第二原発は廃炉だと言っているわけでありますし、県内市町村、福島県、またそれぞれの議会でもこれはそういう決定をして、もう県民の総意となっているんです。 何回もこの国会でも質問すると、時間によって変わってきたんです。最初は、福島の原発はちょっと違いますよね、普通の規制どおりに動かす、再稼働するというものではないという発言があったんですが、だんだん時間がたってくると、大臣たちの答弁も、事業者の判断ですというふうに言い始めて、中には、ある経産大臣は、今の経産大臣じゃなくて、かつてのある経産大臣は、株主との関係もありますと言って、福島県と株主とをてんびんにかけるような発言もあったので、ちょっとゆゆしき状況だなというふうに思っています。 事業者の判断、事業者の判断と言っていますので、きょう東電にも来ていただいていますから、事業者としてはこの第二の廃炉については今どういう状況で検討されているか、お聞きいたします。
○山口参考人 お答え申し上げます。 福島第二原子力発電所につきましては、御指摘のとおり、福島県並びに県内の各自治体の議会様から廃炉の決議がなされているということは承知しておりますが、今後の扱いにつきましては、地域の皆様を初め、広く社会の皆様の御意見や、国のエネルギー政策の動向、並びに、現在そうした役割を果たしておりますけれども、福島第一廃炉作業のバックアップ機能としての役割等を総合的に勘案いたしまして、事業者として判断してまいりたいと考えているところでございます。 なお、今、福島第二は、安定した燃料の冷却維持を図りながら、先ほども申し上げましたとおり、福島第一の廃炉作業のバックアップに注力しているところでございます。 今後も、福島第二を含めまして、当社の持っているリソースを福島第一の廃炉作業に投入して、安全かつ着実にまず廃炉を進めてまいる所存でございます。 以上でございます。
○小熊委員 地域住民はもう結論が出ているわけです、廃炉してほしいというのは出ていますし、国の総合的なエネルギー政策といいますけれども、国も、総理大臣も含め、事業者の判断ですよと言い切っています。 東京電力の経営状況をこれは圧迫するんですか。まして動かすなんてこと、あえて規制委員長には聞きませんけれども、普通の原発のスキームに従って再稼働というのは、事務的には処理できて判断も下せるんでしょうけれども、とても地域住民がそれをオーケーするとは、県民がオーケーするとは思えません。 このままの状況が続けば、耐用年数等を考えれば、だらだらと今、安定的に停止をしていて、そのうち結局、自然と廃炉になるんじゃないか、そういうふうに言っている同僚の国会議員もいます。ここは、本来は与党も、原子力災害については政治が前面に立つというふうに言っているわけです。でも、実際は事業者任せになっていて、これは政治が東電の皆さんにやめてくださいと言えばやめるんでしょう。いろいろな経営的な判断というのもありますか。東電の財務上、いきなり廃炉と言っちゃうとそういう部分にも影響するというのは、そこも考慮に入っているんですか。どうですか。
○山口参考人 お答え申し上げます。 繰り返し的なことになりますけれども、今おっしゃられたようなことも含めまして総合的に判断していくということでございますが、まず現時点におきましては、福島第一の廃炉作業のためにリソースを最大限投入しているということでございまして、意思決定の条件等もまだ決まった状況にあるわけではないということでございます。
○小熊委員 第一の処理に集中していると言っていますが、福島県民としては、第一をちゃんと処理することも含め、第二を廃炉にするというのも福島の復興には欠かせないものだというふうに言っています。 福島県も、再生可能エネルギーで新たな福島県をつくっていく、再生可能エネルギーの先進地にするといって取り組んでいる中で、動かせるかもしれない原発があるというのは非常に皮肉なことですよ。第二の廃炉も決まって、福島県は再生可能エネルギーで復興していくんだ、新しい福島県をつくっていく条件の一つですから、第一を一生懸命とりあえずやっていますからというのでは、全然理解を得られるものではありませんよ。 状況がそろえば再稼働の申請をするということも検討しているんですか、社内では。どうですか。
○山口参考人 お答え申し上げます。 今御指摘にありました再エネ等の支援につきましても、私どもは全力を尽くしているところでございますが、現時点におきまして、繰り返しになりますけれども、まだ意思決定の条件等について決まっている状況にはございません。
○小熊委員 四年後には東京オリンピック・パラリンピックが行われて、第二原発の近くのJヴィレッジも再開をして、日本代表の合宿地にもすると言っています。いろいろな形を捉えて、政府の方でも、復興の情報発信にオリンピックをしていくということを言っていただいていて、宮城県ではサッカーをやったりとか、福島県では何をやるかまだ決まってはいませんけれども、サッカーの代表チームはやるということです。そういうときに第二のあり方が決まっていないというのもよくないと私は思うんです、福島の復興の姿を全世界に発信する大きな契機のときに。 やはり、ここ数年のうちに、第二を動かすということはもう一〇〇%無理だというふうに私は思います、技術的な話ではなくて。であるならば、数年以内に廃炉に向けた社内的な条件整備、また政府との、政府はこの件に関して、先日違う委員会で復興大臣に聞きましたけれども、東電と話し合っていることはないというふうなことがありましたけれども、これはやはり、政府の方も話し合っていかなきゃいけないというふうに思っていますよ。そんな軽い話ではないんですね、実は。ずるずるやっているのではなくて、ぜひ、この数年以内にどうするかというのを検討していただきたい、結果を出していただきたい。 私も、民進党に参加する前に、この三年間の中で申請がなければ自然と第二は廃炉にするというような法律も無理くりつくってみましたけれども、各党の皆さんに、県内選出の先生方でしたけれども、いろいろな意見がありました。だけれども、総じてやはり第二は廃炉にしたいというのが、党派関係なく福島県の選出の国会議員の意見でもありました、これは野党、与党ということではなくて。ただ、そういう意味では、政府がもっと後押しして廃炉と言った方が早いというふうには思うんですが、一義的には事業者の判断と言っていますから。 東京電力も、福島県に対して、社員の方々もボランティアで除染とかしていただいているのもわかってはいますけれども、それ以上にこの第二に関しての判断をするということが、事故を起こした事業者として県民に対する当然の真摯なことだというふうに思いますので、これは早期の決断を求めて、時間が来ましたので、質問を終了させていただきます。 どうもありがとうございました。
○三原委員長 次に、足立康史君。
○足立委員 おおさか維新の会の足立康史でございます。 まず最初に、九州の熊本地震等で犠牲になられた方々、また御遺族の皆様にお悔やみを申し上げますとともに、また、今も本当に大変な状況が続いております。被災されている皆様にお見舞いを申し上げたいと存じます。 こういう大変厳しい状況に今被災地がある中で、今、実は隣で、同じ階で総務委員会をやっています。私は総務委員でもありますので、先ほどまで向こうにおりましたが、本当にひどい。国会はちょっとしっかりしないといけませんね。 きょうは、委員長それから田嶋筆頭には先に謝っておきますが、委員長、これはひどいんですよ、総務委員会。総務委員長はしっかりしているんですよ、遠山総務委員長はしっかりしているんですけれども、まず、テレビカメラがわあっと来ているわけです、田中委員長。総務委員会はずらっとテレビカメラですよ。 何をやっているかといったら、松本内閣府副大臣を呼んで、民進党の議員が、もう永田メール以下だと思いますよ、僕は。マスコミの、週刊誌の下請じゃないですか、あの人たちは。一生懸命被災地で頑張ってきた松本副大臣を呼んで、週刊誌を読み上げて、どうなんだと追及して、カメラをいっぱい呼んでいるんですよ。 松本副大臣は、立派にちゃんと、一体現地がどうなっていて、自分はどういう本意でとしっかり御説明されました。よくわかりました。全く問題ありません。むしろ、そのお取り組みに私は心から敬意を持ちました。 私は、大阪の自民党とはいろいろ戦っていますよ。しかし、政府・与党、この震災対策はよくやっていると思います。 それから、若干、マスコミにはいろいろ言いたいことがありますよ、私どもも。 片山代表の発言もちょっと取り上げられました。言葉遣いをきっちり、丁寧にせなあかんと思いますが、結局、マスコミもよくないんですよ。言葉尻を捉えていろいろ本意じゃないものを広げて、それが何になりますか。それは訂正をさせていただいて、おわびを申し上げましたが。 大事なことは、被災地を守り、国、地域を前に進めることじゃないですか。原子力政策を前に進めることじゃないですか。民進党がやっていることは邪魔ばかり。九州の被災地をしっかりお守りする、この作業を今政府は一生懸命やっています。その邪魔をしているのは民進党ですよ。 この高井議員という人は、本当に僕は永田メール以下だと思いますよ。単に週刊誌の受け売りでやる。民進党はもう本当にやめた方がいいですよ、この政党。田中委員長に言っても仕方ないですね。申しわけありません。田嶋筆頭は立派な方ですけれども。僕が名前を呼ぶと多分迷惑だと思うので、もうやめます。 きょう、どうしても質問したいことが幾つもあります。 まず一つは、十九日、おとついに、菅元総理が環境委員会で、環境大臣に対してだと思いますが、九州の川内原発を予防的な観点からとめろ、こう言いました。 田中委員長、こういうことは可能ですか。
○田中政府特別補佐人 私どもとしては、安全上懸念がある場合、周辺に非常に重大な影響を及ぼすような安全上の問題がある場合には、それを停止することを求めるということはできる。 これは、原子炉規制法第六十四条第一項の規定により、原子炉等に関し、地震、火災その他の災害が起こったことにより原子炉等による災害が発生するおそれがある場合においては応急の措置を講じることが義務づけられているということですので、そういった判断をした場合には、私どもとしては事業者に停止を求めるということはあります。 ただ、予防的という意味をどういうふうに捉えるかということについては、私どもは、あくまでも科学的に判断してそういう判断をさせていただきたい、そういうふうに思います。
○足立委員 ありがとうございました。 今大事なことは、今まさに委員長がおっしゃった、科学的にしっかりと判断していくことです。 それから、もう一つ大事なのは、法の支配です。立憲主義です。大体、民進党が言っている立憲主義は全く立憲主義じゃないんですよ。 だって、きのうも経済産業委員会で民進党の議員が、科学的にはとめる必要がないことはわかりましたが、政治的な観点からとめるべきだと発言されました。おとつい、菅元総理は、予防的にとめるべきだとおっしゃいました。 大体、彼らは、民主党政権のときに法的根拠もなく浜岡原発をとめ、また、法的根拠もなく再開をしました。再開するときは、一人でやるのが怖いから、四大臣会合ですよ。一人で決められないから四大臣みんな集まって、責任を分散して再開したんですよ。何も根拠法はありませんよ。 何でその民進党が共産党と一緒になって立憲主義という旗を振れるんですか。おかしいと思いませんか。彼らは超法規的なグループなんです。何をやるかわからないんです。 私、よくわかりました。今、田中委員長がおっしゃった炉規法の六十四条に、原子力災害が発生するおそれがあり、または発生した場合には応急の措置を講じなければならない。これは義務規定です。三項に、原子炉に係る災害発生の急迫した危険がある場合には必要な措置を講ずることを命ずることができる。これが法律です。 結局、民進党というのはこの急迫という言葉を非常に広く捉えているんですね、きっと。急迫、どこかで聞いた言葉ですね。結局、民進党というのは何でもありなんです。どんな場合でも、科学的でなくても、政治家が政治的観点から急迫という法律の条文を拡大解釈して原発をとめることができると思っているんですよ。 そういう、急迫という二文字を拡大解釈している民進党からすれば、去年の安保法制も、現行法でいいじゃないかと。 現行法には、現行じゃない、もう改正されました、改正される前の憲法解釈、昭和四十七年の政府見解では、ちょっと話が飛びますけれども、済みません、委員長、これは大事な話なので、ぜひ御理解をいただきたいと思います。昭和四十七年の政府見解で、釈迦に説法でありますが、「わが国に対する急迫、不正の侵害に対処する場合に限られるのであつて、したがつて、」「いわゆる集団的自衛権の行使は、憲法上許されない」という解釈が当時あった。 江田憲司さんとかわけのわからぬ議員が、一緒に法案をつくったのに、今、共産党と一緒に演説しているんですよ、マイクを握って。廃止法でいいというわけですよ。安全保障法制廃止法でいいと言っているんですよ、江田憲司さん。許せないですよね。 きっと、江田憲司さんもそうだと思いますが、田嶋委員は別でありますが、今民進党に集まっていらっしゃる議員は、いわゆる日本の法令における急迫という二文字について、非常に拡大解釈ができる人たちなんです。だから、現行法でも、個別的自衛権だけで、これだけ安全保障環境が変わっている中でも日本国を守り切ることができると思っているんですよ。そんな政党にまた政権をとらせてみてください、もう大変ですよ。 民主党政権だったら、川内原発をとめていますよ。今、もしこれが民主党政権だったら、炉規法六十四条の三項、原子力災害発生の急迫した危険がある場合を拡大解釈して、今、川内原発をとめています。そして、今九州は電力が非常に不安定になっています。現地は電気を何とか復旧させようと頑張っているときに、原発をとめて、百数十ガルが問題だというときに、まだ十ガルなんですよ。それよりは、原発を安定的に、恒常的に運転させてやるのがいいに決まっているじゃないですか。 今、北海道五区、京都三区で民進党と我々は戦っていますが、絶対に今国政に必要な政党は、民進党ではなくておおさか維新の会ですよ、京都では。ちょっと雰囲気が悪いですかね。 もう一つ重要なのは、あと三分しかないんですが、きのう、経済産業委員会で、福島第一原発から放出されたセシウム137等の放射性物質の一、二割しか今管理できていない、こういうふうに八割、九割は、まあ指定廃棄物として管理されているのは一%以下だと思います、ほとんどの放射性物質は日本じゅうに散ったんです。 私がなぜこういうことを言うかというと、田中委員長、汚染水の問題ですよ。 それから、田中委員長にぜひ知っておいていただきたい。当時橋下市長が福島以外の瓦れきを受け入れただけで、大阪市役所はデモの方々に取り囲まれて、市長をやめろ、大阪から出ていけと言われたんですよ、橋下市長は。何で橋下市長は汚染されていない福島以外の瓦れきを受け入れただけで大阪から出ていけと非難され、希釈すれば放出できる汚染水がなぜ大変なコストをかけて、また負担をかけて今も温存されているのか。田中委員長、これは何でだと思いますか。
○田中政府特別補佐人 御質問にお答えするのは非常に難しいことでありますけれども、私を含めて国際的な安全の指導者は、やはり汚染水からトリチウムを取り除くというのは技術的にも非常に困難であるから、希釈して排出濃度基準以下になったら排水した方がいいということを私自身も含めて常々申し上げてきました。 今、御承知のように、一千トンタンクが千基以上あります。それがもう敷地をほとんど埋め尽くさんばかりになっておりますし、その中の水が今後、タンクといっても寿命がありますので、いろいろな形で、コントロールできない状況、管理できない状況で仮に漏れるような事態が起こるということも考えなきゃいけないので、安全上考えたら、コントロールしながら排水させていただくよう住民の理解を求めていただくという方がいいでしょうということは申し上げた。規制庁の問題ではありません。
○足立委員 まさに今、田中委員長がおっしゃった、規制庁の問題じゃないんですよ。自民党の問題なんです。 平先生を尊敬していますが、平筆頭を初め自民党はだらしないですよ。早くやりましょうよ。希釈して放出するしかないんです。本当のことを国民に言うべきです。大体、自民党はだらしないんですよ。民進党から、だらしない、民進党みたいないいかげんな政党から首切り法案とか残業代ゼロ法案と言われたら、法案提出をやめるんですよ、成長戦略に必要な法案を。 自民党、しっかりしてくださいと申し上げて、質問を終わります。ありがとうございます。
○三原委員長 次に、鷲尾英一郎君。
○鷲尾委員 民進党の鷲尾でございます。 まず冒頭、熊本並びに大分で被災された皆様方に心からお見舞いを申し上げておきたいというふうに思います。お亡くなりになられた方の御冥福と、御遺族にお悔やみを申し上げておきたいと思います。 それでは質問に入らせていただきたいと思いますが、質疑通告とちょっと順序を変えます。 熊本の地震についてでありますけれども、先ほど来、他委員会でもいろいろな話があったということでお話がございましたけれども、実際、今稼働中の川内原発でありますが、これは原子力規制委員会として、審査の際に、こういった地震動について想定をした審査がもちろんなされていると思いますけれども、想定を審査の際にされていて、それで今の川内原発の稼働についてコメントされているというふうに認識をしておりますけれども、当委員会でも改めて田中委員長から御答弁をいただきたいと思います。
○田中政府特別補佐人 今回の地震が発生している布田川断層帯、日奈久断層帯については、川内原子力発電所の審査において、これまでのさまざまな文献調査の結果から、これら二つの断層帯が連動して一気に動くことを想定しております。長さにして九十二・七キロメートルです。これだけ一緒に動きますと、マグニチュードとしては八・一というふうに評価しております。その結果、川内原発の方にどの程度の地震動が来るか、大体百五十ガルぐらいの地震動が来るという評価になっております。 実際には、震源地からの距離とか、それによって影響が違ってくるわけですけれども、原子力発電所の耐震設計に用いている近傍の、より近いところの活断層による地震影響に比べると小さいということを確認させていただいております。 実際に、今回の一連の地震において測定されている原子力発電所での地震動というのは、六百二十ガルが一応基準地震動として求めているわけですけれども、それに対して、補助建屋とか、いわゆる原子炉をコントロールするようなところでの測定された地震動は数ガルから数十ガル、二十ガルぐらいということで、今、安全上の問題はないというふうに私どもとしては判断しているところでございます。
○鷲尾委員 今ほど御答弁ありましたけれども、基準となるというか、最大受けるであろうというのは百五十ガル、そういう発言でございました。そういう意味では、想定の範囲内であるということだと今の御答弁で認識をいたしたところであります。 あわせて、今、川内原発について実際にどういう影響があったかということはいろいろと報告を受けておられると思いますが、その点についてもコメントをいただけますか。
○田中政府特別補佐人 ただいま申し上げましたように、実際に地震動としては数ガルから数十ガル程度が観測されております。 これは、原子炉の自動停止が大体八十から二百六十ガルぐらいに設定してあります。これは、安全上、予防的に、まさに早目にとめてしまうわけですけれども、そういうものと比べても非常に小さいということで、随時、地震が起こるたびに報告を受けておりますし、私どもの検査官もそこに常駐しております、見ておりますが、特に今のところ、安全上問題になるようなトラブル、何か支障が起きているということは報告をされておりません。
○鷲尾委員 想定される範囲内であり、影響もしっかりと受けながら御判断をされているということで、そこは御信頼申し上げたいというふうに思います。 私の地元でありますと、ちょうど今から九年前に中越沖地震というのがありまして、本当に柏崎刈羽原発の近くが震源地でありまして、たしか、柏崎刈羽原発の原子炉の中には想定の四倍を超える地震動が衝撃として加わった。しかし、その際は、しっかりとめて、それこそ冷やして閉じ込めるということがしっかりとできました。一部、何かちょっと火災が発生したというところはありましたけれども、想定を超えるものでもしっかりとまったということで、あのときは非常に我々も安心をしたわけであります。 実際にこういったさまざまな種類の地震が起こるわけですが、福島の例もございますし、ぜひ、科学的見地でしっかりと、あらゆることを想定し、審査をしていただきたいなというふうに思っているところであります。 そこで、審査という部分で、柏崎刈羽原発の話をさせていただきたいというふうに思うんです。 地元では、賛否両論、いろいろあるわけでありますけれども、地元自治体としては、ぜひ再稼働を早く求めたいという旨の決議を政府の方にも上げているところであります。 しかし、特にBWRの六号機、七号機の再稼働につきましてでありますけれども、以前は、原子力規制委員会の方で優先的に審査をする、集中的に資源を投下していく、それで、BWRについては柏崎刈羽の六号機、七号機の審査を今後のひな形としたいという話までおっしゃっておられました。しかし、現状はそれを取りやめるという結論に至っているわけであります。 いろいろ問題があるのはわかっております。例えば、火災防護上、敷設されるケーブルが不適切に敷設されたということが明らかになった。これは恐らく、安全審査上、合格しても、そのケーブルが是正されなければ、規制委としてどうなんだろうという判断になろうかと思います。あるいは、メルトダウンの事実につきまして、社内のマニュアルを使えばもっと早くメルトダウンという判断ができただろうということの、その存在自体がなかなか組織的に気づくことができなかったという旨もこれあり。あるいは、これが一番大きいというふうに思うんですけれども、原発の耐震評価につきまして、もう一度資料の出し直しをしたいというところも原因じゃないかというふうに言われているところであります。 この点につきまして、規制委員会として、集中的な審査体制を、柏崎刈羽の六号機、七号機について、それはやらないということの判断の根拠をしっかりと言明していただきたい。 あわせて、これをひな形にするというふうに言っていたわけですから、今後のBWRの審査の体制をどういうふうに考えておられるのか、さらには、柏崎刈羽の審査の状況と今後の見通しについてもコメントをいただきたいと思います。
○田中政府特別補佐人 柏崎刈羽六、七号機については、BWRの審査、いわゆる新基準への適合性審査のひな形を作成するという観点から、昨年八月に集中的に審査するプラントとして選定して審査を進めてまいりました。 おおむねプラントに関する審査が終了する見込みとなっていたところでございますが、東京電力から申請された基準地震動が大きくなったことに伴い、東京電力自身が、耐震設計方針の審査に出す耐震強度の評価について、従来とは異なる手法等を用いる方針であるということが出てまいりました。このため、この二月に、東京電力による資料の準備に相当の時間を要するということになりました。 そういった状況を踏まえて、プラントの審査においては、耐震設計方針に係るものを除いて、他のプラントの審査のひな形となる審査資料がおおむね整理されたことから、他のプラントについても審査を進めるということで、並行して進めるという判断をさせていただきました。 したがいまして、現在は、柏崎刈羽六、七号機の審査と並行して、これは東京電力がどういった評価をして出してくるかということにかかっているわけですが、それと並行して、島根二号、女川二号、浜岡四号、東海第二についても審査を並行審査として進めているところであります。 引き続きこういった審査については鋭意進めてまいりたいと思いますが、今の段階で柏崎刈羽がどういった進捗になるかということは、私どもの方からはちょっと判断できる状況にはありません。
○鷲尾委員 地元の自治体としてもぜひとも再稼働をしていただきたいという話もありますし、もちろんその他県内にいろいろな政治的議論はありますけれども、今、委員長のお言葉の中にも、東電の資料のそろい方ということも当然それはあるんでしょうけれども、ぜひ、BWRの審査という意味においても、柏崎刈羽もしっかり、地元からの要望もこれあり、迅速に審査をされることを望みたいというふうに思います。 それから、これは規制委員会というか政府に問いたいというふうに思うんですけれども、ちょっとその前に、この間六ケ所に行ってまいりました。六ケ所の再処理工場を見てまいりまして、今、核燃サイクルの議論についても、他委員会でも議論があったというふうにお聞きをしておりますし、直接処分をやるのかとか、あるいは再処理を進めていくべきかとか、いろいろな議論があることは承知をいたしておりますけれども、実際に六ケ所の再処理工場を視察させていただきまして、私としては、技術力の高さに非常に感銘を受けた次第でございます。 実際、核燃サイクルということで、今も政府は全量再処理をしていくということの方針を堅持して、我々の政権時代も、エネ環計画においては、中長期的には核燃サイクルはぶれずに進めていくんだ、こういう話を二〇一二年に決定をした上で進められているというふうに承知をしておりますけれども、そういう意味におきまして、実際に実地にさまざまなお話を聞いて、その高い技術力や人材に触れることができたというのは私は非常によかったなというふうに思っているところであります。 そこで、六ケ所の審査の状況といいましょうか、規制委員会からも、安全管理体制につきまして、さまざま六ケ所についても指摘が、この間経過があり、それを再処理工場の方でも、サイトの方でもさまざまな対策を行いつつ、今審査が進捗しているというふうに考えておりますけれども、過去指摘をした部分が現在どう是正をされてきておるのか、あるいは、核燃サイクルのプロセスの中で六ケ所の再処理工場は極めて重要な施設でありますので、今後の審査の見通しにつきましてもコメントいただけたらと思います。
○田中政府特別補佐人 六ケ所の再処理施設につきましては、平成二十六年一月に事業変更許可申請を受理し、これまで五十五回の審査会合を実施しております。これは耐震等に係る調査が二十五回、プラントについて、それ以外が三十回ということでございますけれども、こういった審査会合を鋭意、今、事業者の提出した、検討を踏まえて審査を継続しているところでございます。 現在の状況ですが、まず、地盤の方についてはほぼ見通しが立ってきたというところでございまして、今、プラントの方の設計基準の主要な論点、あるいは想定すべき重大事故、これは原子力発電所とちょっと様子が違いますので、そういったことの基本的な考え方等について確認を行ったところで、今後、重大事故対策等についての有効性評価を審査していくという段階であります。 今後の見通しのお尋ねですけれども、審査に対する事業者の対応状況がどの程度進むかによるところが大きくて、今ここで一概に申し上げるのは大変困難ですけれども、原子力規制委員会としては、引き続き厳正かつ着実に審査を進めてまいりたいと思います。
○鷲尾委員 規制委員会の立場としては当然だと思いますので、本当に誰からも疑念が持たれないような形で、科学的調査に基づいてしっかりと審査を進めていただきたい、それほど重要な施設であるということを私からも申し上げたいというふうに思います。 それで、核燃サイクルと核セキュリティーにつきまして、政府の見解をこれからちょっと問いただしてまいりたいというふうに思うんです。 実際、再処理あるいは直接処分のメリット、デメリットを言われているところが多々あるわけです。いろいろな議論があるわけでございますけれども、その中で私が個人的に気になっているのは、コスト計算のことははっきり言って気になっています。 私も公認会計士をやっているものですから、コスト計算ということになると、かなり厳密に計算をしていただいた方がいいんじゃないかなというふうに思っておりますし、過去も、コスト検証委員会等でさまざまな議論がなされて、キロワットアワー当たりで直接処分と再処理とでコストの比較等々をされていることは承知をいたしているわけです。 これは今後も恐らく議論になるというふうに思いますし、賛否の中で議論があると思いますけれども、私としては、これも誰の目にも見て理解できるような形で政府がしっかりと広報していくという必要性を感じておりますので、その点をまず申し上げながら、では、その他の点ということでいきますと、当委員会でも議論がありましたけれども、核燃サイクルは、資源の有効活用であるとか、あるいはごみ自身の減容化、量を少なくするでありますとか、あるいはごみ自身の有毒性をできる限り低減していくということで核燃サイクルを進めていくということが一つの大義名分になっていると思うんですけれども、それに加えて、きょうは核セキュリティーという観点からも少し議論をさせていただきたいなというふうに思っているわけであります。 一方で、我が党内でも、直接処分という形で政権時代にも議論がありましたし、私もその議論にかかわってまいりましたが、直接処分をするということについて、例えば、もちろんお金がかかるかかからないかという部分においては、使用済み燃料自体をそのまま直接処分すると、今の試算でいくとかからないということなんでしょうけれども、実際に、使用済み燃料が百年を超えるような長期間経てしまいますと、当然、その使用済み燃料の放射能が低下して取り扱いが比較的容易になるということが指摘されているわけでありまして、そうすると、核拡散抵抗性というものが低くなる、こういう可能性があると指摘されていますが、この点は技術的にどうなのかということを、きょうはエネ庁にも来ていただいていますから、御答弁いただきたいと思います。
○多田政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘のとおり、使用済み燃料を直接処分いたした場合には、ガラス固化体の処分と異なりまして、廃棄物自身の中にウラン、プルトニウムが含まれた形で処分されることになります。そのことによります特有の課題といたしまして、IAEAによりますと、いわゆる核セキュリティー上の観点からの措置が必要とされているものと承知しております。これは、言いかえますと、この使用済み燃料につきまして何らかの意図的な侵入とか、そうしたことがあり得るということを想定されての措置かと思っております。具体的には、処分施設の閉鎖後におきましても回収不可能とみなすことはできないということで、保障措置の対象とする、こういったIAEAの見解が出ております。 この保障措置と申しますものは、核物質が平和目的だけに利用され、核兵器等に転用されないことを担保するために行われます検認活動のことを指しているところでございます。
○鷲尾委員 ですから、IAEAの話が今出ましたけれども、そういう可能性は現にあるということなんだと思います。 使用済み燃料の直接処分場自体が、プルトニウムがそれ自体に含まれているわけですから、言い方的にはいろいろあるんでしょうけれども、直接処分場自体がプルトニウム鉱山と化してしまう。これは私自身は非常に問題があるなというふうに思っているんです、核不拡散という観点から。 今度は外務省にも問いたいと思いますけれども、これはいかがですか、直接処分について。
○相川政府参考人 お答え申し上げます。 我が国は核燃料サイクルを推進していく方針でございまして、そうでない場合を想定したお尋ねにお答えすることはなかなか難しいところがございますが、その上であえて申し上げれば、使用済み燃料をいかなる方法で処分したり、もしくは再処理を経てMOX燃料を核燃料サイクルの中で活用していく場合でありましても、IAEAの保障措置や核セキュリティー上の措置が適正に講じられることが必要であり、我が国の原子力活動においてはそうした措置が適正に講じられていると承知しております。
○鷲尾委員 要点としては、仮定についてはなかなかお答えしにくいということだと思うんですけれども、実際、そこはしっかり検討いただきたいわけです。 たしか、技術的見地からは検討するという話になるんですけれども、今おっしゃった国際的な核セキュリティーの問題も技術的見地にまつわる問題として当然付随しているわけですから、そこは、仮定だから答えられないというよりは、しっかり検討をしていただきたいなというふうに思っているわけでして、これは政府一体としてちゃんと検討しておかなければいけないんじゃないかなというふうに思っているところであります。 その上でですけれども、今ほど少しお話がありましたが、再処理についても、今、エネ庁、外務省ともに若干コメントをしていただきましたけれども、再処理と直接処分を比べたときに核セキュリティーとしてどうなのかというところを、端的に両省庁から御答弁をいただきたいわけであります。端的にどうなのかと。
○多田政府参考人 お答え申し上げます。 なかなか端的にお答えするのは難しいのでございますが、地下に埋めますガラス固化体と直接処分の場合の使用済み燃料というのを比較した場合には、それのみで比較いたしますと、セキュリティー上のリスクというのは、プルトニウムが入っているか入っていないかという違いがあろうかと思います。 ただ、全体といたしまして、地上にあるものも含めまして考えるとこれはどうなのかということについては、なかなか簡単に答えるのは難しいかと思っております。
○相川政府参考人 お答え申し上げます。 端的にということでございまして、使用済み燃料の再処理を含む我が国の原子力政策を推進していく上では、核不拡散、セキュリティー上の観点というのを踏まえることは当然の前提であると考えております。
○鷲尾委員 外務省の答えがちょっと食い違っている感じもしますが、きょうのところはしようがないですね。核セキュリティーという観点で両方を比べていただきたいなというふうに思うところであります。 それでは、再処理工場について。 私は、現地に伺って、先ほど来申し上げていますが、非常に技術的なレベルが高いんだろうなということを非常に感じたわけです。現場の研究開発の苦労話でありますとか、あるいは人材としてどういった人材が今入ってきているのかとか、そういうお話を現場で聞くと、これはかなり国際的に見ても、やはり日本の誇るべき技術力がここにもあらわれているなということを感じるに十分な状況でありました。 そこで、実際、ここまで積み上げた再処理に関する日本の技術がどういうふうに評価されているかということを教えていただきたいんです。あわせて、ここまで積み上げてきたものが国策がぶれてしまうと海外に流出してしまうとか、さまざまな心配もあるわけであります。その点につきまして御答弁をいただきたいと思います。
○多田政府参考人 お答え申し上げます。 六ケ所再処理工場の技術についての評価ということでございますが、御案内のとおり、再処理事業を目指している国、それから再処理をやらない国とありますけれども、再処理事業をやっておりますイギリス、フランス、ドイツ、ロシア、インド、中国、こういった国々は、全て国の機関あるいは国営の企業が取り組んでいるものでございます。そうした中で、平和利用を掲げる我が国においては民間企業がこれまでの積み重ねの中で技術を蓄積してきているという意味で、非常に希有な例だと思っております。 御視察をいただいたということでございますけれども、三千人を超える企業の職員の方々が日夜必死に取り組んでおられるということでございますし、この機会にぜひ申し上げさせていただきたいのは、六ケ所再処理工場は、二十三回の竣工のおくれということで皆様方に大変御心配をおかけしておりますけれども、技術面では、アクティブ試験を終了し、無事、ガラス固化体にしていくといった手法を確立しているところでございまして、先ほど田中委員長の御答弁にもありましたとおり、今その安全の審査を受けている、こういう状況でございます。私どもといたしましては、これの二〇一八年度上期の竣工の実現に向けて努力されることを強く期待しているところでございます。 その上で、私どもも、技術の集積、蓄積、そうしたものが海外に流出したり、あるいは今後の人材育成という観点から、核燃料サイクル政策というものを政府がしっかりと推進していくという姿勢を出すということが極めて重要だと思っておりまして、そうした観点もございまして、さきに決定いたしましたエネルギー基本計画の中では、自治体や国際社会の理解を得ながら、使用済み燃料の再処理等を行う核燃料サイクルを推進するということを明示させていただいているところでございます。 昨今では、欧米各国の機関でございますとか企業の方々、五十カ国から訪問を受けておりますし、直近では、アメリカのケネディ在日大使なども視察されたと思っております。 また、再処理のみならず、その前工程でありますウランの濃縮、それから低レベル放射性廃棄物の埋設、こういったところも日本原燃は取り組んでいるところでございます。この低レベルの放射性廃棄物の埋設につきましては、お隣の韓国も大変国内で御苦労されておりまして、日本原燃の取り組みについて評価をし、何度も視察をされている、こんなようなことも伺っております。 このようなことを申し上げた上で、国としてもしっかりと取り組んでいきたいと思っております。
○鷲尾委員 本当に現場の皆さんも頑張っておられるのを見て頼もしく思ったところでありますので、ぜひそういうことをこの国会でも私は表明をさせていただきたいというふうに思います。 最後に、廃炉についてですが、徐々に徐々に進んできておるというふうに聞いておりますけれども、廃炉については、伊方一号機が廃炉をされて、これはPWRですけれども、地元からは、これも廃炉についての研究拠点として使っていくんだ、そういう声が上がっているというふうに承知をいたしております。 柏崎刈羽のことになってしまいますけれども、当然、エネルギー基本計画の中で、エネルギーミックス、原子力の電源構成がどれぐらいというのは政府は発表されているわけで、ただ、具体的にどの原子炉をどういうふうに生かしていくかという話はまだ議論をされていないわけであります。 そこでなんですけれども、地元の自治体としては、原子力立地地域として、産業の振興、それから、それこそ持続的な発展を切に願って国策に協力しているという側面もあります。そこで、政府にコメントをいただきたいのは、廃炉プロセスがこれから進んでいく中で、廃炉の研究施設なども立地自治体にしっかりと置いていく、そういう発想も大事だと思っております。この点、御答弁いただきたいと思います。
○多田政府参考人 お答え申し上げます。 廃炉と立地地域との関係でございます。 御案内のとおり、私ども、原発依存度を低減していくという方針のもとで、廃炉の環境整備というものも重要な課題として取り組んでおります。この結果、昨年は五基、そしてことしは伊方の一号という廃炉の判断がなされたところでございます。 この廃炉の判断は事業者が判断するものでございますけれども、これまで御協力をいただいております立地地域の方々にさまざまな影響を与えることはもちろんでございまして、私ども、こうした地域を何とかサポートしていくという観点から、先般成立していただきました平成二十八年度予算の中でも、エネルギー構造転換理解促進事業というもの、それからもう一つ、原子力発電施設等立地地域基盤整備支援事業交付金といったようなものを設けさせていただいております。 これらは、今御指摘の廃炉の研究施設といったようなことも一つの候補になるかと思いますけれども、さまざまな形でこれまで原発に依存してきたところが、他のエネルギーの集積地として考えていこうといった構造転換の理解を促進する等々の取り組みでございます。 一点、廃炉の研究拠点について一言申し上げますと、愛媛県の知事の方からは、伊方三号についての御理解をいただくときの御要望といたしまして、伊方発電所における廃炉技術の研究といったものをいただいております。また、福島の方でも、別途、国際産学官共同研究室ということで、浜通りにイノベーションを起こすという中の一つといたしまして、廃炉国際共同研究センター、こうしたものについての話も出ております。 したがいまして、私どもは、廃炉を決定されました地域に対する支援の中で、廃炉の研究拠点というものを、それぞれ一つずつばらばらにつくるのがいいのか、集積していった方がいいのかというようなことも今後考えなければいけないかと思っておりますが、いずれにしても、これまで御協力いただいております立地地域に対する支援をしっかりと考えていきたいと思っております。
○鷲尾委員 質問を終わります。ありがとうございました。
○三原委員長 次に、木内孝胤君。
○木内(孝)委員 民進党、木内孝胤でございます。 まず冒頭、熊本震災におきまして犠牲になられました皆様の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された方にお見舞いを申し上げます。 きょうは、川内原発についてお伺いをしたいと思います。 震災が起きましてから、震源地から多少離れているとはいえ、川内原発が大丈夫なのかという声もたくさんございます。一方で、いろいろ説明を聞いておりましたらば、自動的に停止される基準の水平で百六十ガルに対して八・六ガルだということで、実は川内原発におきましてはそれほど大した揺れもない、震災が起きてから数日後、緊急的に会合が開かれ、特段問題がないということで稼働を続けるという報告がございました。 特段問題がないので稼働を続けるという報告は、それはそれで結構なんですが、もう少し中身を国民にわかりやすく、あと、いつ、どこで、どういう方が集まって、特に論点になったことなどがあればその論点を教えていただきたいということ。 あと、もう一つ気になっておりますのは、熊本で震災があっていろいろ余震が続いている中で、予防的ということではないですけれども、どこにどう地震が展開するか非常にわからなくなってきている、そういう中で稼働が続いているのを非常に心配している方も多うございます。 この点につきまして、どういうような審査基準で、審査体制でやったのか、詳細に、国民にわかりやすくお伝えいただければと思います。
○櫻田政府参考人 お答え申し上げます。 まず、我々の一般的な対応の考え方から申し上げますが、原子力発電所が地震に遭うということが起きた場合にどのような報告があるかということでございますけれども、原子力施設が立地している市町村で震度四を超える地震が発生した場合に、施設に異常がないかどうかということについて事業者から報告を受けるということになってございます。 今回の地震では、川内原子力発電所は、震度四になった場合もありますし、ならない場合もあるんですけれども、いずれにしましても、特段影響が発生しているという報告にはなっていない、そういう影響はないという報告を受けている、こういう状況でございます。 それから、原子力施設の立地地域には原子力規制事務所というのを置いてございまして、そこに原子力保安検査官という検査官が常駐してございます。この保安検査官は、日常的に発電所の内外の異常がないかどうかということも調査してございます。今回の地震が発生して以降、勤務しながら、そういう異常がないかどうかということも確認をして、その結果を我々は受けておりますが、特に今のところ異常がないということでございます。 それから、今委員のお話もありましたけれども、今回どういう地震動が発生したのかということについても報告を受けてございます。 これらの情報について、今週の月曜日、四月十八日に原子力規制委員会の臨時会合を開きまして、ここで今のような状況の御報告を申し上げました。その会合の中で、原子力規制委員会として、川内原発は停止する必要がない、こういう御判断をいただいているところでございます。 ただ、情報の発信について、我々の従来の基準でございますと、例えば川内であれば、薩摩川内市で震度五弱を超える地震が発生した場合にそういう異常の有無についての情報を発信する、こういうルールでやってきたんですけれども、そこに至らないのでなかなか発信がおくれていた、こういうことがございましたので、そこは反省いたしまして、今改めておりまして、九州地域で震度五弱以上の地震が発生した場合に、川内も含めて近隣の原子力発電所の状況について情報収集して皆さんにお伝えする、こういう体制を改めてつくりまして、今、そういう情報発信をしているということでございます。 それからもう一つ、審査のことについてお尋ねがございました。 新規制基準への適合性の審査を行った結果として設置許可をしているわけでございますが、その中では、今回の地震の震源となっています日奈久断層帯あるいは布田川断層帯、これらから発生する地震についても検討してございます。 先ほど委員長からも別の御答弁でありましたけれども、この二つの断層帯二つが一気に動く、連動して動くということで、長さ九十二キロ、マグニチュード八・一の地震が発生するということも評価をした上で、川内原子力発電所の設計の基準となる地震動を定めてございます。それが、先ほどもありましたように、六百二十ガルというような数字でございます。その断層から発生する地震は百五十ガル程度ということで、別の断層から発生するものが、六百二十ガルというものがありますので、その範囲内に十分おさまるということで、今回の震源となっているところの断層からの影響についても十分評価をした形で基準地震動を定めている、こういうことでございます。 この審査に当たりましては、私どもの職員の中で地震関係の知識を持っている者、あるいは、当初、規制庁と別の組織でございました原子力安全基盤機構という専門家集団がございましたけれども、これが統合されましたので、そこにいた関係の専門の職員も審査に参加をして、きちんと評価した上で確認をして、このような地震の評価で差し支えないという判断をしたということでございます。
○木内(孝)委員 今回の審査プロセスや会合の中身、この情報開示というのはいつごろどういうタイミングで議事録等を開示されるんでしょうか。 これをお伺いしています理由の一つは、三・一一の地震の際ですが、さまざまな情報開示がおくれた、メルトダウンしていたという情報開示がかなりの期間おくれていたということや、あるいは、三月十一日当日、五時十五分ぐらいの段階では、あと一時間ぐらいで燃料棒が水面上に出る可能性がある、そういう話し合いが現場ではなされていたにもかかわらず、それが結果として官邸にも情報が上がっていなかった、こういう大変ひどい状況だったと思っております。 そうした意味で、情報開示がきちっとなされないのではないかという疑念をまだ国民は持っていまして、当時と今とそこの組織がどう改善されたのか、情報開示の発信している内容が正しいのか、こうした改善点等についてお聞かせいただければと思います。
○櫻田政府参考人 お答え申し上げます。 今委員がお話しされた東京電力福島第一原子力発電所事故の際の情報発信は原子力災害のときの話でございますので、今回、今我々が行っているものとは大分性格が違うとは思います。 ただ、先ほどちょっと御紹介しましたが、現時点においては、九州地方で震度五弱以上の地震が発生した場合に、近隣、具体的に申し上げますと、川内、佐賀県の玄海原子力発電所、愛媛県の伊方発電所、それから島根発電所、この四つの発電所の状況について、おおむね、多分三十分あるいは一時間弱以内には、状況についての情報提供をホームページあるいはツイッターで発信する、こういうような体制を講じてございます。 それから、先ほど御紹介いたしました原子力規制委員会の会合については、資料あるいは議事録について、遅滞なく、多分、その日のうちぐらいにはホームページにアップされるような形で情報発信をしているということでございます。
○木内(孝)委員 今回、川内原発を停止する場合、あるいは稼働を続ける場合と二つあると思いますが、九州電力さんの業績に与える影響、これは、とめた場合、当然ほかの火力発電等でコストがかかると思いますけれども、どれぐらい業績に影響があるか、もしわかればお聞かせいただければと思います。
○多田政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘のとおり、原発の再稼働によって供給力が積み増されますと、震災前には長期間停止していました火力、あるいは定期検査を繰り延べしている火力などへの依存が回避されて一層の安定供給につながる、こういったこともありまして再稼働を進めているわけでございますけれども、裏返す形でこの燃料費が浮くわけですが、もしとめると、それがまたさらにかかってしまう、こういうことになります。 九州電力の試算の方で申しますと、川内原発一、二号機を動かすことによりまして、火力の燃料費などにつきましては、二つ合わせてでございますが、毎月百億円程度減少するということでございますので、裏返しますと、もし二基とめるということになりますと、これだけコスト増になる、こういうことになろうかと思います。
○木内(孝)委員 この間の委員会でも質問をしたんですが、原賠法第三条の定義ですと、異常に巨大な天変地異が起きた場合、国が負担をするということになっておりますが、昨今の東日本大震災は異常に巨大な天変地異には該当していない、したがって、一義的には、当時、今もそうですけれども、東京電力さんがその負担をしている。 今回、仮にこの熊本震災が川内原発のすぐそばで起きたと仮定した場合、これは異常に巨大な天変地異というふうに定義づけられる状況なのか否か、これをお聞かせいただければと思います。
○板倉政府参考人 お答え申し上げます。 原子力損害賠償法第三条第一項ただし書きの適用につきましては、異常に巨大な天災地変の場合に原子力事業者は免責されることになっておりますが、これにつきましては、昭和三十六年の法案提出時の国会審議において、人類の予想していないような大きなもの、全く想像を絶するような事態であるなどと説明されてございます。これは、原子力事業者にそのような責任を負わせることが余りにも過酷な場合にのみ原子力事業者を免責するという趣旨であると理解してございます。 このような考え方にのっとりまして、東北地方太平洋沖地震についても、過去に世界で発生した地震と比較して、人類が到底予想し得ない、全く想像を絶するものと言うことはできないと解されたため、この第三条第一項ただし書きではなく、原子力事業者が責任を負うべきであるとする第三条第一項本文が適用されるものとされたものでございます。 今回の熊本の地震につきましては、そういう意味では、仮定の話になるのでお答えできかねますが、東北地方太平洋沖地震のケースを考えれば、過去に発生した地震と比較しまして、全く想像を絶するものではないというのが東北地方太平洋沖地震について適用されたということを考えて、それに従って法律を適用することになろうかと考えてございます。
○木内(孝)委員 今の答弁から読み取れますことは、熊本の震災あるいは東日本大震災があったとしても、国は、こうした場合、前面に出て責任をとらないというふうにも読み取れます。 もちろん、第十六条に国が費用負担をするということもありますし、当然、原賠機構等も設立されて費用は負担をしておりますけれども、一義的には、結局九州電力が、あるいは東京電力が負担をするということになると、この施設を稼働させるかさせないかというのは、一年間で千二百億円もの業績に影響がある場合、どうしても、やはりコストを一義的には九州電力さんが負担するということになると、停止させるかさせないかというのは、当然、事業会社ですから、経済合理性のことも考えるんだと思います。 もちろん安全第一で、安全優先で考えていらっしゃるとは信じてはおりますけれども、これだけ一義的に千二百億円もの負担を電力会社が押しつけられるということになると、原子力規制委員会という別組織が幾ら判断しているとはいっても、やはり結局のところ仲間内的な、本当の意味で、第三者、独立した委員会ということにはなっておりますが、結局、任命権者は政府であったりとかいろいろあるわけですから、この原賠法第三条が残っている限り、この法改正をしない限り、常にこうした、経済合理性なのか安全性なのか。 さっき小熊委員からも質問ありましたけれども、株主のことも見ないといけないというふうに経産大臣が発言したと。当然、九州電力の経営幹部からしたら、株主のことも意識はせざるを得ないと思うんです。安全性と株主と、これだけ国が負担をせずに、一義的に九州電力が負担をするとなると、私は、冷静で真っ当な判断をしづらい構造的な問題を今抱えていると思っています。 私は、東日本大震災のときに、この間も申し上げましたが、早急に賠償支援をしなきゃいけないということで、原賠機構の設立には自分も多少かかわりましたし、賛成の立場でありましたが、その後、結局、原賠法第三条の中身が全く変わっていませんし、これだけ大きな地震が起きても国は前面に出ないということを宣言され続けているというのは、私は、今後いろいろな事故につながりかねない、そういう構造上の問題を抱えているというふうに考えております。 この原賠法、国が前面に出ないというこの点に関して、エネ庁さんなのかわかりませんけれども、もし御意見ございましたらお聞かせいただければと思います。
○板倉政府参考人 お答え申し上げます。 今後の原子力損害賠償制度の見直しにつきましては、万が一原子力事故が発生した場合に備え、現在、内閣府の原子力委員会のもとに設置された原子力損害賠償制度専門部会において、専門的かつ総合的な観点から検討が進められているところでございます。 専門部会では、委員御指摘の、事業者と国の責任のあり方や免責規定のあり方を含むさまざまな問題について検討を行っておりまして、原子力損害賠償法を所管する文部科学省としましては、今後も専門部会における検討に必要な協力を行ってまいりたいと考えてございます。
○木内(孝)委員 最後に、原賠法三条の改正に前向きに取り組んでいただきたいということをお願い申し上げて、質問を終わります。 ありがとうございます。
○三原委員長 次に、藤野保史君。
○藤野委員 日本共産党の藤野保史です。 質問に先立ちまして、私からも、熊本県を中心とした九州地方地震によって犠牲になられた方々に心から哀悼の意を表したいと思います。また、本当に心身ともに大変な状況で苦しんでいらっしゃる被災者の方々に、心からお見舞いを申し上げます。 あわせて、日本共産党としても、救難支援に全力を尽くしたいと思っております。 それでは、質問に入らせていただきます。 日本共産党の国会議員団としましても、四月十六日に政府に申し入れを行いました。一つは、救難救援に全力を尽くすこと、同時に、不測の事態に備えて川内原発はとめるべきだ、そして、今回得られたさまざまな新しい知見を踏まえて、再稼働賛成の方も含めて真剣な検討を行うべきだ、こういうような中身の申し入れをさせていただきました。この点にかかわって、幾つか質問をさせていただきたいと思っております。 今回の地震の大きな特徴といいますのは、やはり非常に大きな余震といいますか地震が続いているということだと思います。私、お話を聞きますと、余震が怖くて家に戻れない、特に子供たちが家に入ることを怖がるんだ、だから、しようがなく車中泊ということを強いられているというお話をお聞きしました。 駐車場に二千台もの車が並ぶという光景は、私も初めて見た光景であります。夜になるとマンションやおうちから人がぞろぞろぞろぞろ出てきて駐車場に向かうというお話も現地の方から聞きました。本当にこういう新しい事態が生まれている。 前提として確認したいんですけれども、原子力災害対策指針というのがあると思いますが、過酷事故などが原発で起きた場合に、UPZあるいはPAZ、それぞれでどのように避難すべきか、どのような方針になっているでしょうか。 〔委員長退席、平委員長代理着席〕
○山本政府参考人 お尋ねの原子力災害時におきます対策は原子力災害対策指針に具体的に定めておりまして、原子力発電所からおおむね五キロ圏内のPAZにおきましては、緊急事態宣言が発令され全面緊急事態に至りますと、即時避難をまず実施いただきます。それから、その外側でありますおおむね五キロから三十キロ圏、UPZと称してございますけれども、この方々については、まず屋内退避の防護措置を実施するというのが基本になってございます。
○藤野委員 いわゆる二段階避難という方針でありまして、屋内退避というのが柱の一つになっているわけですが、しかし、今回の地震を見ますと、余震が続く状況で屋内にい続けろということができるのかということが問われたと思うんですね。 委員長にこれはお聞きしたいんですが、今回、やはり屋内退避という方針に非常に大きな不安の声、矛盾が浮き彫りになったと思うんですね。少なくとも、規制委員会として、この屋内退避という方針がワークするのか、機能するのかということを再検討されるお考えはありませんか。
○田中政府特別補佐人 原子力発電所等で重大事故が起きて環境に放射能が出た場合を想定して防災指針をつくらせていただいています。 それで、五キロ圏内については、放射能が出る前、エマージェンシー・アクション・レベルというか、緊急事態が発令された場合に、まずは予防的に避難するということです。五キロより外側、以遠の場合には屋内退避を中心にということです。 これは、当初、放射能が環境に出た場合、出る放射能というのは大体、希ガスとか沃素とかそういったものですので、それを吸い込まないことに万全を尽くすべきだということですので、今回のような地震が起きた場合でも、基本的には、公共の避難場所、そういったところにとどまっていただくということが必要かと思います。 それで、プルームの通過、放射能の通過というのはそう長時間続きませんので、その間は何とかそこにとどまっていただくことが大事だと思っております。 〔平委員長代理退席、委員長着席〕
○藤野委員 いや、ですから、屋内に入るのが怖い、だから仕方がなく車中泊をしているという、これが今回の地震の非常に大きな、新しい知見と言ってもいいものだと私は思うんですね。 これがもとで、屋内退避を強いるという方針がワークしないんじゃないかという問題が出てきているわけですから、これはしっかり検討していただかないと本当に困るというふうに思うんですね。これを検討しないままやるというのは、逆に、先ほどお話があった、科学的じゃなくなってくると私は思うんです。 そしてもう一つ、規制委員会の方針の問題についてお聞きしたいんですが、先日、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム、SPEEDIの問題についていろいろな動きがありました。 規制委員会としては、これは使わないという従来の方針を三月十六日に確認された。他方で、三月十一日の原子力関係閣僚会議では、自治体の責任でSPEEDIを使っていいですよと活用することを容認した。同じSPEEDIをめぐって、三月十一日に閣僚会議は使っていい、三月十六日には規制委員会はこれを否定したということになるわけであります。 これは、両者食い違っている。住民からしますと本当に混乱すると思うんですが、委員長、どのように思われますか。
○田中政府特別補佐人 閣僚会議と全国知事会の協議において、そういった、先生御指摘のような結論がまとめられたということは聞いております。 実は、ちょっと読ませていただきたいと思うんですが、国会事故調に、「誤解と混乱を来したSPEEDIによる計算結果の公表」というまとめがあります。「三月二十三日、安全委員会は、逆推定計算に基づく放射性物質の拡散状況の再現計算の結果を公表した。公表されたものが予測計算の結果と誤解されたために、SPEEDIの計算結果がすみやかに公表されていれば住民は放射線被ばくを避けられたはずである、避難や退避の対策に使えたはずであるとの誤解が生じた。」ということです。 つまり、測定値があってそれを再現するシミュレーションはできるけれども、事故が起きたときにはまずSPEEDIによる評価はできないということで、これは私どもも福島の経験も踏まえてそういうことで判断しておりますので、先ほどの閣僚会議と知事会とのまとめについては、私どもは、それはそれとして見ていくという考えでございます。
○藤野委員 私、SPEEDIの評価は聞いていないんですね。SPEEDIをめぐって政府と規制委員会が言っていることが違うじゃないか、住民は大混乱するんじゃないですかとお聞きしているんです。 委員長自身、三月十六日の記者会見でも、多分住民にとっては非常に大混乱を起こすのではないかとおっしゃっている。そうだと思います。やはり、住民からすれば、自治体からはこっちに来るぞみたいな情報が出てきて、しかし規制委員会からは屋内退避しておけ、どっちを信頼したらいいんだと。大変な状況だと思うんですね。 ですから、委員長、端的にお聞きしたいんですが、二段階避難というのは、このSPEEDIをめぐっても破綻しているんじゃないですか。一方で、こっちに来るぞという情報が出てくる。一方で、屋内退避しろという。屋内退避という二段階避難の柱はもう破綻しているんじゃないでしょうか。いかがですか。
○田中政府特別補佐人 こういった緊急時、福島の経験が私どもに教えていることは、慌てて避難することによって、いわゆる避難に伴う関連死というのは数百人、多くは千人を超えるという評価もありますけれども、そういった犠牲者を出すということが伴っております。そういったことを踏まえて、そういった被害を最小限にする方法として、私どもはそういう提案をさせていただいています。 新規制基準では、福島のような大量の放射能が出ないような対策を非常に厳重に求めておりますので、私どもとしては、これで十分住民の安全は担保できるというふうに考えています。
○藤野委員 何か安全神話のようなことをおっしゃられましたけれども、私の質問は、要するに、SPEEDIをめぐって政府と規制委員会が言っていることが違うんです。 今、これで、こっちが正しいんだみたいなことをおっしゃいましたけれども、では何で閣僚会議で調整しなかったのか。事前の調整はされなかったんですか。
○田中政府特別補佐人 閣僚会議の方には私ども出席しておりませんので、調整はしておりません。
○藤野委員 常に答えないんですけれども、要するに、出席しているかどうかじゃなくて、事前に問い合わせとかはなかったんですか。調整はされなかったんですか。いかがですか。
○田中政府特別補佐人 調整はしておりません。 こういったことで、もし自治体がSPEEDIを、予測的手法を緊急時の防護措置に使うということであれば、それが私どもの提案しているものより効果的なものということであれば、それはきちっと住民に説明していただく必要があるというふうに思いますが、それ以上のことは私どもとしては関与しておりません。
○藤野委員 いや、関与しているんですよ、川内原発は動かしていいと言っているんですから。 大体、こんな方針のもとで川内原発を動かし続けるということは絶対許されないと思いますよ。政府と規制委員会で言っていることが違うわけです。住民はどうするんですか。もし川内原発で過酷事故があったら、誰の言うことを聞いたらいいんですか。 物すごく関与していると思いますけれども、規制委員長、いかがですか。
○田中政府特別補佐人 まず、住民の避難等の指示につきましては、周辺にあります放射線モニタリング等のデータを見ながら、あるいはプラントの状況を見ながら私が判断し、総理に意見を具申して、総理から避難指示が出ると思います。それで、それに基づいて、各自治体、県あるいは当該自治体側の責任において避難がされるというふうな仕組みになっていると理解しております。
○藤野委員 屋内退避という方針が、強い余震が何度も続くもとで破綻している。しかも、SPEEDIについて政府と規制委員会が言っていることが違う。要するに、自分たちが決めた、自分たちが言っている方針が破綻しているにもかかわらず、川内原発を動かし続ける。本当にこんな無責任なやり方は許せないと思うんです。 同時に、私、どうしてもわからなかったんです、何でこんな不自然なことになるのかと。SPEEDIをめぐって、政府と規制委員会が折り合おうともしない。調整しなかったとおっしゃいました。驚きますよ、こんな大事な方針をめぐって。 なぜなのかといろいろ調べておりましたら、なるほどと思うことが一つだけありました。それが、配付資料でお配りしている新潟日報の記事であります。大見出しで「自治体のSPEEDI活用 経産省、規制委押し切る」と書いてあります。「背景には、原発の再稼働を推し進める政府の意向がにじむ。」これは、新潟にある柏崎刈羽原発をめぐる報道であります。「今回の決定は、SPEEDIの活用で最後まで折り合わなかった規制委を、経産省が押し切る形で固めた重要施策だ。」こう報じております。 委員長にお聞きしますが、背景はこういうことなんですか。
○田中政府特別補佐人 背景については、私は承知しておりません。
○藤野委員 これだけ重要なことについて承知していないということ自身が驚くわけですけれども、委員長自身、三月十六日の記者会見で、泉田さんはそういう理解をしていただけますかと、泉田知事の名前まで挙げてコメントされているわけで、重々承知だというふうに思うんですね。 今回、形の上では全国知事会の要請に応えたことになっていますけれども、実態としては、新潟の泉田知事が、柏崎刈羽に関連してこのSPEEDIの活用ということを強く求めていた、こういう文脈の中での出来事なわけですね。 ですから、柏崎刈羽再稼働の環境整備のためにこれを押し切られた、規制委員会が押し切られた、この表現で言えばですね。私はこういうことが事実じゃないかと思うんですが、委員長、いかがですか。
○田中政府特別補佐人 先ほども申し上げましたけれども、SPEEDIというのは本当に避難に使えるかどうかということについては、私どもは大変疑義を持っております。 それで、全国知事会と申しましても、何人かの知事はSPEEDIを使うと言っているところもありまして、私どもは使わないという声も聞いております。 ですから、私ども、住民に対する安全を確保する立場からは、やはり私どもの考えを堅持させていただくということで、柏崎刈羽の審査に影響しているということは全くありませんので、その点は御了承願いたいと思います。
○藤野委員 私は、柏崎刈羽の審査のことなど一度も聞いていないんです。 要は、規制委員会はSPEEDIを使わない方が正しいと思っているのに、それを経産省が柏崎刈羽の再稼働環境整備のために押し切った、いまだに折り合っていない、住民だけが取り残されている。一番被害を受けているのは住民だと私は思います。柏崎刈羽をめぐってこういう状況がつくられている。 仮にこれが事実だとすれば、再稼働の環境整備のために田中委員長が正しいと思っていないことまで決められている。これが事実だとすれば、私は、規制委員会の存在意義にもかかわる重大問題だというふうに思います。絶対に許すわけにはいかないと思っております。 今、いろいろ質問しても、やはり答弁ができない。住民は納得できないと思いますよ。 何でこういうことになるかということのもう一つの背景について最後に聞きたいんですけれども、避難計画が規制委員会の審査の枠外にある。もし、避難を全体として規制委員会が掌握して、これが一番いいんだということなら、SPEEDIのような、今回のような事態は起きないと思いますよ。委員長、そういうふうに思われませんか。
○田中政府特別補佐人 避難を審査に入れるかどうかということについては、幾つかの功罪がありますので、各国によっても違いますし、ですから、それを一概にここで論ずることはできないと思います。 日本ではやはり地域の状況を踏まえてきちっとした避難計画をつくっていただくということで、私どもの申し上げております測定値に基づいた避難をするということが最もよいと私どもは判断しておりますけれども、そういったベースで避難計画をつくっていただいているものと思いますので、審査に入れるかどうかということとは必ずしも、一義的にそれが一番いいんだということにはならないんだろうと思います。
○藤野委員 避難計画に入れていただいていると言いましたけれども、違うんですよ。全国知事会はSPEEDIを使いたいと言っていて、食い違っているわけですね。 ですから、何で食い違うかというと、やはり、避難は自治体に丸投げ、最終責任は自治体、こういうフレームワークになっている、スキームになっているということが今回の事態の大もとにもあると言わざるを得ないと思うんですね。誰も責任を持っていない。 大津地裁が先日出されました。三月九日です。この中で私が大変重要だなと思ったのは、避難計画の部分でこういう指摘をしております。 住民の不安を述べて、「安全確保対策としてその不安に応えるためにも、地方公共団体個々によるよりは、国家主導での具体的で可視的な避難計画が早急に策定されることが必要であり、この避難計画をも視野に入れた幅広い規制基準が望まれるばかりか、それ以上に、過酷事故を経た現時点においては、そのような基準を策定すべき信義則上の義務が国家には発生している」、こういう指摘であります。 国に、要するにそういう避難計画を含めて新規制基準をつくる信義則上の義務があるという、これは大変大事な点だと思うんです。この判決が言うような、避難計画をも視野に入れた、しかも具体的で可視的な避難計画を視野に入れた規制基準をつくるべきだ、こういう判示なわけですね。そういう意味では、やはりこうしたものが必要になってくると思います。 配付資料の一枚目を見ますと、UPZだけでも本当に大変多くの人々がかかわる、住民がかかわるそういう問題で規制委員会と政府が分かれている。こういう状況のまま、川内原発を初め、動かすこと、あるいは審査を進めることは到底許されないということを指摘して、質問を終わります。
○三原委員長 次に、細田健一君。
○細田(健)委員 新潟二区の細田健一でございます。 質問の機会をお与えいただきまして、改めて関係者の方に厚く御礼を申し上げます。 まず冒頭、私からも、今般の熊本、大分地震でお亡くなりになった方々に対して心から御冥福をお祈り申し上げますとともに、また、被災をされている皆様方に心からお見舞いを申し上げます。 先ほども議論がございました、今回の地震を機に、川内原発についてさまざまな問題提起が行われているわけでございますが、これは私の後に質問される、まさに立地地域から選出をされておられます宮路委員が質問されるというふうに伺っております。 委員長が退室をされて非常に残念ではありますが、今回は事務方に質問させていただくということで、私自身は、規制庁は限られた人員とリソースの中で本当に頑張っておられるというふうに考えております。改めて、規制庁の皆様方の御努力に対して心から敬意を表します。 ただ、最終的な権限は、当然、委員長を初めとする規制委員の先生方がお持ちなわけでございますので、やや限界はあると思いますが、今回の質疑の内容について委員長にお伝えをいただいて、さまざまな御検討を行っていただくように、ぜひよろしくお願いしたいと思っております。 それでは、早速質問させていただきます。 まず、福島事故の総括と検証が終わっていないという議論をされる方がいらっしゃいます。ただ、私の知る限り、例えば事故の検証と総括でいいますと、国会事故調でありますとか政府の事故調、民間事故調、東京電力の事故調、それから規制委員会も独自の調査をされたというふうに伺っておりますが、少なくともその五つの主体が調査をされ報告書を出されたということで、ある種、事故の検証と総括というには十分な活動が行われているというふうに私は考えております。 新しい規制基準は、その福島の十分な検証と総括を踏まえた上で作成されていまして、新しい規制基準に適合すれば、少なくとも福島事故と同種の事故発生のリスクというのは格段に低減をされるというふうに考えておりますが、この点についての規制庁の見解をよろしくお願いします。
○大村政府参考人 お答え申し上げます。 福島第一原子力発電所事故以前の安全規制の問題点としましては、シビアアクシデント対策が規制の対象とされなかった、十分な備えがなかったというようなこと、それから、新たな基準を既設の原子力発電所にさかのぼって適用するというような法的な仕組みがなかったというようなことなどが指摘をされたということでございます。 原子力規制委員会が策定しました新規制基準につきましては、そういったような教訓を踏まえました上で、IAEAや諸外国の規制基準も確認しながら、さらに、我が国は自然条件が非常に厳しいというようなことも勘案して策定をしたものでございます。 具体的には、福島第一原子力発電所の教訓を踏まえまして、地震、津波とも基準を強化する、その上で、既設の原子炉に対してもバックフィットをさせるというようなこと、それから、それに加えまして、仮にシビアアクシデントが発生した場合においても、炉心損傷の防止、格納容器の破損の防止、放射性物質の拡散の抑制、さまざま対策を要求しているというものでございます。 こうした基準への適合状況をしっかりと確認することによりまして、福島第一原子力発電所事故と同様な事故を防止できるというふうに考えているところでございます。
○細田(健)委員 ありがとうございました。 さらに、今お話がありましたけれども、新しい規制基準というのは、大規模な自然災害への対応強化、これもお話がありましたけれども、地震だけではなく津波、火山噴火、あるいは竜巻も自然災害の中に含まれて、これらに対する対応も要求している。 したがって、これらの自然災害リスクというのも、新しい規制基準に適合すれば、原子力発電所を稼働するに当たって相当程度軽減されているというふうに認識をしておりますが、規制庁の見解を簡潔に、よろしくお願いします。
○大村政府参考人 お答え申し上げます。 福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえますと、安全機能が一斉に喪失することを防止するということが何よりも重要というふうに認識しております。新規制基準におきましては、地震以外にもさまざまな、施設や設備に影響を及ぼす可能性がある自然現象というものが考えられますので、そのような自然災害に起因する事故を防止することが最も重要ということで、そのための対策を強化しているところでございます。 津波に対しましては、これまでの最大を上回るレベルの津波を策定いたしまして、防潮堤等の設置を求めている。地震に対しましては、敷地の地下構造を三次元的に把握すること等の厳しい基準を設定してございます。また、火山に対しましても、想定される自然現象として新たに明示をした上でその影響をあらかじめ評価するということで、必要な対策を講じているところでございます。
○細田(健)委員 ありがとうございます。 自然現象についても、地震、津波だけでなく、火山、竜巻、あるいは森林火災についても対応されているというようなお話だったと思います。 これも先ほどからお話がございました。先日、関西電力高浜原子力発電所の三、四号機をめぐって、大津地裁が三月九日に運転を認めない決定をいたしたわけでございます。私も一読いたしましたが、これはある種非常に驚きがいろいろございまして、例えば、自然災害については津波対策に限定されていて、ほかの要素が十分に検討し尽くされたかは疑問である、これは判決の中に書いてあるわけなんですが、こういう明らかに事実誤認の部分もあるのではないかというふうに考えております。先ほど来いろいろお話があった規制庁のここ数年の活動というのも、ある意味全く無視したような形で判決の文章が書かれているわけでございます。 規制委員会、規制庁が個々の判決についてコメントをしないという立場をとっておられるのは私は理解をしております。当然、裁判官、裁判所の独立というのは十分に守られなければならないわけですけれども、ただ、判決が出た後、少なくとも判決というある種の国家機関の判断がなされた後では、その判断についてさまざまな検証が行われて、かつ、それについて自由な批判が行われるということが、やはり民主主義社会にとって非常に重要なことではないかというふうに考えております。 したがって、規制庁の従前の立場というのはあるんですけれども、この大津地裁の判決について、少なくとも判決が出た後に、今、いろいろ十分に安全に動かせるという新しい規制基準をつくり、それにのっとって審査が行われているわけですから、そういう活動を踏まえて規制委員会あるいは規制庁がコメントをされるとか、あるいはきっちりした形で反論されるとか、そういうことが必要ではないかというふうに思うんですが、規制庁、いかがでしょうか。
○荻野政府参考人 お答え申し上げます。 大津地裁の決定についてのお尋ねということでございます。 これはいろいろな形でるるお尋ねをいただいておりますけれども、この地裁の決定そのものにつきましては、やはり訴訟の当事者ではないということで、行政の立場からコメントすることは適切ではないということは御理解いただきたいと思います。 その上で、新規制基準あるいはその基準に基づく審査についての考え方といったものにつきましては、規制委員会として適切に説明責任を果たさなければならない、それで十分でないという点があれば努力をしていかなければならないというふうにも考えております。 結果的にこの地裁決定の直後になりましたけれども、規制委員長等が、震災から五周年ということで、いろいろな形で講演等を行うような機会がございまして、そういった場ではかなり丁寧に、先ほど参考人から御答弁いただいた内容をさらに敷衍するような形で新規制基準についての考え方の御説明をしております。 また、今般の震災に関連しましても、審査のあり方等についていろいろな形で御説明、記者会見等を含めてございました。そういった中でもなるべくわかりやすく説明をしていこうということで、そういった発信の努力を続けているところでございます。
○細田(健)委員 ありがとうございます。 ぜひ委員長に委員会の質疑の中でこういう意見があったということをお伝えいただいて、やはり、先ほど来お話がありますが、国民の皆様方の不安にきちんと応えていくということが非常に大切だと思いますので、あらゆる機会を通じて説明責任を果たしていただきたいということは、ぜひ委員長にお伝えをいただきたいと思います。 それでは、済みません、ちょっと時間の関係から、問いの五というのに移らせていただきたいんです。 四月十三日に規制庁が、「国際アドバイザーからの意見について」という資料を公表いたしました。この中で、メザーブさんというもとのアメリカのNRCの委員長、国際的に非常に評価されている専門家の方でいらっしゃいますが、そのメザーブさんのレターの中で、彼が、四十年超の原発の稼働の運転認可について、非常に問題があるというふうに書かれている。 これは文章をそのまま読み上げますと、「ライセンス更新を規定する条項は極めて問題であります。当初のライセンス有効期限の十五カ月より前にライセンス更新を申請することを禁止する条項により、審査のための期間が短くなってしまいます。」またさらに、アメリカの原子力規制委員会では「ライセンス期間の終了より遡って二十年前までに申請することを認めています。」というふうにレターの中で書かれているわけですね。 さらに、このレターの中で、「これでは、原子力規制委員会にとって他の業務が高い優先度を持つかも知れない時期に、ライセンス更新に向き合うプレッシャーを与えることになります。また、事業者は電力を顧客に供給できるよう発電容量を確保するために前もって計画する必要があり、原子炉の継続運転を当てにできるか否かについて、事業者がライセンスの有効期限よりも十分前に知っておくことの必要性は、正当なものです。」というふうにあわせて指摘されているわけでございます。 つまり、いわゆる事業者の予見可能性の観点、あるいは、まさに今起こっているわけなんですが、規制当局が非常に忙しい大変な時期に十五カ月という非常に短い期間でしか審査を受け付けなければ、結果として運転延長の審査というのが不十分なままで終了してしまうのではないかというような問題提起がなされているわけです。 それで、私の理解では、この十五カ月という期間は、いわゆる規制委員会の規則、省令ベースで制定されているというふうに認識をしておりますが、このレターにあるように、アメリカのNRCでは二十年前から受け付けるというふうにされているわけですね。いずれにせよ、科学的、合理的に判断をしていただければと思いますが、十五カ月というのはいかにも短い。したがって、例えば、省令を書きかえて、五年前からその申請を受け付けるというふうな形にしてはいかがかと思うんですが、この点についての御見解はいかがでしょうか。
○荻野政府参考人 お答えを申し上げます。 委員から御紹介がありましたように、元NRC委員長であるメザーブ氏ほか二名の国際アドバイザーの方から、メザーブさんの名前でレターをいただいているところでございます。検査等五項目についてレターをいただきまして、非常に傾聴すべき内容のものについて、今後の活動に生かしたいということで、これは四月十三日の規制委員会の会合で公式に御紹介しています。 ただ、今御指摘のございました、引用していただきました運転許可の更新として書かれている部分につきましては、これは委員会の場でも各委員から申し上げておりますけれども、若干、事実誤認といいますか、制度についてちょっと誤解があるように思われます。 この制度につきまして、現在十五カ月となっているということでございます。これは、四十年の運転期間延長認可制度を前提といたしまして、その申請の期間でございます。この事業者の申請につきましては、基本的に、審査の過程で、できれば直近の施設の劣化状況等を示していただく必要があるということでございます。それで、なるべく直近の状況が知りたい。 他方、どういう審査を行うかということでございますけれども、高経年の劣化の状況等の審査でございまして、これは従前からも高経年化対策でチェックを、審査をする制度がございまして、従前のプラクティスからして、必要な審査期間として一年程度であろうということでございます。 こういったことから、施設の最新の状況を含めた状況を申請者に出していただく、他方、審査にはおおむね一年ぐらいを見込めば十分であろうということで、申請の時期をその満了日の一年前から一年三カ月前までの期間としたということでございます。 他方、メザーブさんのレターもそうでございますけれども、いろいろな意味で適合性審査に非常に時間を要しているのではないか、いろいろな意味で業務が逼迫しているではないかということがございます。 これは、実のところ、高経年の部分の審査で非常に切迫しているということではなくて、基本的には適合性審査そのもののお話かと存じます。 高経年の運転延長認可の前提としまして、適合性審査で設置変更許可、それから工事計画の認可といった手続を要します。これについて相当の時間を要しているのは事実かと思います。 運転期間延長認可の前提としての新規制基準への適合性の審査につきましては、これ自体には申請時期に制限があるということではございませんで、十分早い時期から申請をしていただくということは可能でございます。 また、いろいろな意味でスケジュール的に切迫する可能性があるということは当然予想されることでございまして、これは既に、一昨年になりますけれども、平成二十六年十一月には、今後のスケジュール感を持って、十分時間的な余裕を持っていろいろな申請をしていただきたいということで各事業者にはお願いをしているということでございます。 以上でございます。
○細田(健)委員 申しわけありませんが、今の答弁は全く私は不十分だと思っています。 これはぜひ委員長にお伝えいただきたいんですが、一つは、最新の状況とおっしゃいましたが、つまり、経年劣化に対する対応というのは、別にある一時点で終わるんじゃなくて、ずっと運転を続けていって、ずっとずっと継続的に行われるべきものですよね。 ですから、例えば十五カ月前にいきなり出してどうなっているんだというよりも、むしろ、例えば、それこそ五年間、あるいは十年間継続的に劣化に対する対応がきちんと行われているかどうかというのを見ていくということがまず必要なんじゃないかなというふうに思いますし、それだからこそ、NRCは二十年前から受け付けると言っているわけです。 また、今の御答弁にありましたが、やや意図的にといいますか、議論を混乱させていて、結局、今、新しい規制基準への対応の審査というのがきちんと終わっていないので、結果的に四十年超の審査がそれに乗っかるような形になっているわけなんですが、それとはやや問題が異なると思っております。 いずれにせよ、答弁は求めませんが、この点についてはぜひ委員長に御報告をいただいて、前向きな対応をしていただきたいというふうに考えております。 それで、時間がないんですが、あと一問だけ、非常に短くお答えをいただければと思います。 昨年の八月の二十日に自民党の政務調査会が「原子力利用の安全に係る行政組織の三年見直し等に関する提言」というのを出しました。この中で、今、原子力規制委員会本体が非常にさまざまな審査で忙殺されているので、燃安審と炉安審をより活用せよと。 つまり、燃安審、炉安審に前さばきをさせて、規制委員会は燃安審、炉安審の前さばきがきちんと行われているかどうかということを審査すればいいじゃないか、それによってより効率的な審査が行われ、さらに原子力規制委員会は大所高所から審査を行えるんじゃないかという提言をしておりますが、これに対する規制庁の御見解をぜひよろしくお願いしたいと思います。
○荻野政府参考人 原子力規制委員会といたしましては、原子力規制委員会設置法制定時の参議院附帯決議において、炉安審、燃安審につきまして、原子力規制委員会の判断を代替することなく、その判断に対する客観的な助言を行うにとどめるものとするといったことの趣旨を踏まえまして、まずそれにふさわしい役割を果たしていただきたいということでございます。 自民党の提言等もございますので、火山モニタリング評価につきましていろいろな助言をいただくということで、新たに委員の任命等を行っているところでございます。
○細田(健)委員 これは田中委員長等々の御判断ということなんですけれども、ぜひ、やはり同じようにこういう意見が出たということは委員長にお伝えいただいて、今の体制強化は必要だと思っておりますし、それには燃安審、炉安審の積極的活用が必要であると思っておりますので、この点については改めて申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○三原委員長 次に、宮路拓馬君。
○宮路委員 まず冒頭、私からも、今回の熊本の地震でお亡くなりになられた方々、そしてその御遺族の皆様に哀悼の意をささげるとともに、そしてまた、被災された皆様に対しましてお見舞い申し上げたいと思います。そして、一刻も早い救出、救助、復旧への道筋をつけていくことが我々皆に求められていることだと思いますので、全力を尽くしてまいりたい、このように思っております。 先ほど細田委員の方からも御紹介ありましたが、今回の熊本地震におきまして、私の地元にあります川内原発、これに関しても、さまざまな委員会、そして当然、本原子力特委におきましてもこれまで議論が重ねられたところでございますけれども、その点について私も御質問させていただきたい、このように思っております。 私、個人的になんですけれども、今回、熊本地震における川内原発をめぐる議論に当たって改めて思ったことでありますが、我々は科学に対し謙虚でなければならないということであろうと思います。 福島第一原子力発電所の事故を思い出してもそうなんですけれども、これは政府あるいは国会の事故調の報告書の中でも言及されておりますが、東電の試算で最大十五・七メートルの波高を得たが、東電は津波が来る緊急性は低いと判断したということで、それが直接の原因となって福島第一原子力発電所の事故が起こったというふうに私は認識をしております。 今回、この点につきまして、先日の四月十八日の原子力規制委員会の後の田中委員長の会見の中でも、田中委員長は恐らく同じ思いであろうと思いますが、世間からあるいは政治家から原発の停止を求められたとしても、それに科学的根拠がなければそうした判断はしないといった旨の御発言をされたというふうに伺っております。 私も、まさにそうあるべきである、それを委員長は明言されたものだと思いますが、きょう委員長はもう既に退席されておりますが、委員長をお支えになられている事務局である原子力規制庁の方から、委員長の発言の趣旨について改めて確認をさせていただきたいと思います。
○荻野政府参考人 委員御紹介いただいたとおりでございますけれども、原子力規制委員会はあくまで科学的、技術的な見地から判断するという立場、役割でございまして、そのように実践している、委員長はこのようなことを申し上げたということでございます。
○宮路委員 ぜひその信念で今後とも職務に当たっていただきたい、このように思っております。 一方で、技術的に、科学をしっかりと謙虚に受けとめてやっていくことは大事なんですが、一方で、やはり国民の皆様の不安にわかりやすく応えていくということも大事であろうと思います。 今回、川内原発のことに関しまして、私の地元のみならず全国の皆様方がまた注目されている中にありまして、改めて、科学的に、そしてわかりやすく、今回の地震について川内原発の新規制基準の審査の中でどのように評価していたのか、これを御説明いただきたいと思います。
○荻野政府参考人 お答え申し上げます。 審査で、いろいろな膨大な事項について審査をしているわけでございますが、とりわけ御関心が高いであろう地震の関係について申し上げます。 今回の地震が発生しておりますのは、布田川断層帯それから日奈久断層帯というところと承知しておりますが、川内原子力発電所の審査におきましても、文献調査結果等から、これら二つの断層帯が連動して一気に動くということが想定される。その場合には、長さ九十二・七キロメートル、マグニチュード八・一、そういう地震といいますか、事象が起きるということを前提に審査をしているわけでございます。 川内原発の地震動の評価につきましては、もちろんこれだけではなくて、近傍のいろいろな調査をしております。マグニチュードと震源から発電所までの距離によってその影響がどうなるかということを評価しております。 結果的に申し上げますと、布田川断層帯それから日奈久断層帯の連動による影響が、より原子炉に近い近傍の別の活断層による地震に比べて影響が小さいということが確認されているということで、そういう意味で、逆に、原子炉近傍にある活断層による地震動をもとに原子炉の耐震設計についての審査を行っているということでございます。
○宮路委員 審査におきましては、今回の地震以上の相当程度のものをしっかりと想定して審査をされているということで、今回の地震においても安全性に問題はないという判断を下されたことをよく理解することができました。 とはいえ、改めてお伺いしますけれども、国会の場でも、あるいは報道等でも、原発を停止させる必要はないのかといったような意見が出ているところもまた事実であります。この点について、もう一度御答弁をいただければと思います。
○荻野政府参考人 今回の地震の川内原子力発電所への影響ということでのお尋ねかと思います。 まず、事業者からは、今回の一連の地震により川内原子力発電所に特段の影響は発生していないという報告を受けております。 そもそも、川内原子力発電所につきましては、福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえて定めました新しい新規制基準の適合性審査をし、運転に当たり求めてきたレベルの安全性が確保されているということを確認しているところでございます。 審査につきましては、原子力発電所の耐震設計の基本となる基準地震動が、先ほども申し上げましたように、原子炉施設の周辺の断層等を評価した上で定められておりまして、その基準地震動に対して、原子炉の安全上重要な設備の機能が損なわれないということを確認しているわけでございます。 また、原子力発電所は、地震により一定の値以上の揺れを検知した場合には、原子炉を自動停止させて安全を確保する機能を有しております。現在運転を継続しております川内原子力発電所においては、これまでに原子炉を自動停止させるというような大きさの揺れは観測をされていないということでございます。 具体的には、原子炉建屋内にいろいろなたくさんの地震計がございますが、観測された地震動は数ガルから十数ガル程度でございます。これに対しまして、念のために原子炉を自動停止させる設定値といいますのは、これも複数ございますが、八十から二百六十ガルで設定しております。さらに、審査の前提となります基準地震動につきましては六百二十ガルということでございます。 そういう状況でございまして、そういう前提で、現在、川内原子力発電所につきましては原子炉を停止させる必要があるとは判断しておりませんが、いずれにしましても、引き続き地震の状況を注視いたしまして、あわせて、原子炉の状況につきましては、状況に変化がないといったことも含めて、適切に情報発信に努めてまいりたいと考えております。
○宮路委員 一昨日の衆議院本会議におきましても、丸川環境大臣が同趣旨の御答弁をされました。 今回の地震は十数ガル、原子炉自動停止設定値は八十から二百六十ガル、そして、川内原発については六百二十ガル。今回の地震が十数ガルということを考えれば、全くもって余裕のある数字であるということを改めて国民の皆さんに知っていただくということは非常に大事であると考えまして、重ねて御答弁をいただいたところであります。 もう一つ、今回の地震に関して御質問させていただきたいと思います。 同じく一昨日の衆議院本会議、民進党の本村賢太郎議員の御質問の中に、川内原発については、避難ルートにおける橋梁のうち、市町村道の約七割が耐震化されていません、また、新幹線の復旧のめどが立っていないなど、避難計画の前提が満たされておりません、民進党は、被災者に寄り添う観点から、川内原発の停止をすべきと考えますと。この民進党はという部分を私に変更されるという話も伺っておりますが、いずれにせよ、衆議院本会議の場において、新幹線の復旧のめどが立っていないなど、避難計画の前提が満たされておりませんというような発言をされております。 あわせて、共産党におかれましても、先日、政府への申し入れの中で、新幹線あるいは高速道の不通により避難ができない状況になっている、したがってとめるべきだという申し入れを行っているというふうに認識しておりますが、私が個人的に把握している範囲では、川内の避難計画の中にそうしたものは位置づけられていないというふうに認識しておりますが、改めてここで、川内地域の避難計画に今回の地震によって支障は生じていないのか、お伺いしたいと思います。
○山本政府参考人 お答え申し上げます。 川内地域の避難計画におきましては、現状において、新幹線による避難は含めてございません。避難手段につきましては、自家用車あるいはバスなどを基本としているところでございます。 それから、避難経路についてでございますけれども、この避難計画におきましては、あらかじめ複数の経路を設定して、仮に不通になった場合は代替経路を設定して避難する、こういう考え方をとっているところでございます。 それで、今回の熊本地震におきましては、この避難計画において予定しております避難経路は、いずれも現状において通行どめ等の問題がないということを、今現在のところ確認させていただいたところでございます。ただ、地震がまだ続いてございますので、その動向はしっかり注視していきたいというふうに考えているところでございます。 いずれにしましても、住民の皆さんの安全を最優先に対応してまいりたいというふうに考えてございます。
○宮路委員 もう一点、今回の熊本地震におきまして、阿蘇山において小規模ながら噴火があったというふうにも聞いておるところであります。川内原発に関して言うと、我が桜島、昨年もその桜島の噴火が原発に影響はないのかというのは議論になったところでありますが、今回、阿蘇山の小規模の噴火もあったことも踏まえ、改めて、川内原発における火山対策についてお伺いしたいと思います。
○荻野政府参考人 お答えいたします。 川内原発の火山対策につきましては、審査の過程で、桜島で過去最大規模の噴火が起きるということを前提に、それでも火砕流が敷地に到達しないこと、また、十五センチ程度の火山灰が積もったとしても原子炉の安全性を損なわないということを確認しているところでございます。 また、現況でございますけれども、そもそも、今回の地震等が発生する以前の段階で、気象庁におきましては、阿蘇山は噴火警戒レベル二、桜島は噴火警戒レベル三というふうにしておりました。この警戒レベルには現在のところ変更はございません。要するに、今までと同じ状態であるということでございます。 また、原子炉の場所でございますけれども、現時点で火山灰、噴火降下物があるということもございません。 したがいまして、火山に関して特段必要な対応をとるべき状況にはないということでございます。
○宮路委員 ちょっとここからは熊本地震から離れまして、もう一つ、国民の皆様あるいは川内原発周辺の地元の皆様の原発に対する信頼、安心という観点から、それを脅かすというか、それに影響を与えるような事案が発生をいたしました。これについては、本日の質疑の冒頭、小熊委員の方からも質疑があったところでございますが、三月十四日の朝日新聞の記事に関してであります。鹿児島県におけるモニタリングポストの設置等に関しての、足りていないんじゃないか、あるいは、高線量についてはかれない線量計があるんじゃないかといったような記事でありました。 冒頭でも御答弁いただいておりましたけれども、改めて、地元の皆様あるいは国民の皆様に安全、安心に思っていただけるように御説明をお願いしたいと思います。
○片山政府参考人 お答え申し上げます。 緊急時のモニタリング体制の整備に当たりましては、自然放射線のレベル、〇・〇三とか四マイクロシーベルトといったあたりから、具体的に、事故が起きたときの住民の防護措置の判断の基準である二十マイクロシーベルト・パー・アワーですとか五百マイクロシーベルト・パー・アワーといった幅広い空間線量率というものをきちんと測定できる体制をとるということが大事になってまいります。 そういう意味で申し上げますと、低線量域に強い測定器と高線量域に強い測定器、これらを組み合わせて、地域の実情に応じて適切に配置をするということが大事になってまいります。また、それぞれの線量計と防護措置の実施区域をきちんと対応させておくということが大事になってまいります。 こうしたことを、UPZの全域で防護措置の判断が可能となる体制を、この二つが相まって、そういう体制をとるということが大事だというふうに思っております。 そういう意味で申し上げますと、原子力規制委員会として、鹿児島県の川内原発の立地地域、UPZについては、住民避難の判断を行うのに必要かつ十分な性能を持った線量計が適切に配置されているというふうに認識をしているところでございます。
○宮路委員 非常にわかりやすかったです。 低線量を測定できる検査器と、そしてまた高線量を測定できる検査器、両方必要だと。したがって、低線量に関しては高線量がはかれなくて当然であるということでありまして、それを高線量がはかれないと批判するのは、そうした構造を全く理解していないということであろうと思いますので、この点についても、今大変わかりやすく御説明いただいたので、そうした情報発信にぜひ引き続き努めていただきたい、このように考えております。 もう一つ御質問させていただきたいと思います。 今回、私、川内原発を地元に抱えているということを先ほども申し上げておりますけれども、一つ、住民の皆様の不安をまたかき立てる事態として、緊急時対策所を免震重要棟から既存の耐震棟に変更したということがございました。地元にとっては一部寝耳に水といったような話もあり、九電は大丈夫かということもあったわけでありますが、こここそ、原子力規制委員会は科学的知見に基づいてしっかり審査をして、そして安全性を確保した上で認めるというプロセスの、まさに権化というか、まさにそのものだというふうに思っております。 この点について、規制委員会、規制庁の見解を伺いたいと思います。
○荻野政府参考人 お答え申し上げます。 お尋ねの件につきましては、まず、昨年の十二月十七日に、九州電力から、既に許可を受けた免震重要棟内の緊急時対策所の設置というものを取りやめて、耐震構造の代替緊急時対策所を緊急時対策所として利用するという内容の設置変更許可申請がございました。 この申請内容につきまして、規制委員会としましては、審査会合において、どのような安全性向上につながるのかという説明を求めました。規制委員会は安全性の観点から科学的、技術的に判断をするというのが役割でございますので、どのような安全性向上につながるのかという説明を求めましたが、十分な回答が得られませんでした。そこで、再度よく検討するようにという指示をいたしました。 そうしますと、その後、本年の三月二十五日になりまして、九州電力から、改めて川内原子力発電所の緊急時対策所の変更に係る設置変更許可申請がございました。 これにつきましては、今後、今回の変更によって安全性が図られるかどうかといったことを科学的、技術的な見地から厳正に審査をしていくことでございますが、まだ受け取った直後ということでございまして、現時点でその中身について申し上げる段階にはございません。
○宮路委員 ぜひ、科学的、技術的見地からしっかりと審査をし、国民の信頼に応えていただきたいと思います。 繰り返しになりますが、今回の件を通じても、改めて、我々は科学に対して謙虚でなければならない、決してパフォーマンスで原発を停止するなどあってはならない、むしろそうした姿勢は国民の不信を招く、そのように考えております。 あくまでも、原子力規制委員会設置の趣旨に基づいて、科学的、技術的に審査をする、あるいは判断をする、これを肝に銘じていただきたい、このように思っております。それが国民の信頼につながる、それを申し上げて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○三原委員長 次に、樋口尚也君。
○樋口委員 公明党の樋口尚也でございます。 初めに、熊本、大分で発生いたしました震災でお亡くなりになった皆様に心から御冥福をお祈り申し上げたいと思います。そして、多くの方が被災をされていらっしゃいます。全ての皆様にお見舞いを申し上げます。 私も、福岡県、九州の出身であります。復興復旧に全力で頑張っていくと決意を申し上げ、質問を開始させていただきたいと思います。 本日は、先ほど自民党の細田健一先生からも御指摘がありましたけれども、高浜について聞きたいと思います。 事実誤認もあったということもありますし、国民の皆様の不安に応えるという点からも、高浜原子力発電所の審査の事実関係について、基本的な点も含めて確認をしてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。 初めに、平成二十三年六月に政府の原子力災害対策本部がまとめた、原子力安全に関するIAEA閣僚会議に対する日本国政府の報告書があります。その報告書の中に、津波の襲来により全ての交流電源を失うとともに、海へ熱を輸送する機能も喪失、交流電源が全て喪失したことから、いずれも炉心冷却が行われなくなり、炉心の損傷が開始し、溶融に至ったという趣旨の記載があります。 福島第一原子力発電所事故の主たる原因を津波としていいのかどうか、お伺いをしたいと思います。
○山田政府参考人 お答え申し上げます。 事故当時のプラントデータからは、地震発生から津波到達までの間、原子炉の水位、圧力に大きな変化は生じていないことから、炉心損傷や炉心溶融に至ったのは、津波により全ての交流電源が喪失し、最終的に原子炉を冷却する手段を失ったことによるものであると考えられます。 他方、国会事故調では、地震による配管の微小な貫通亀裂から冷却材が噴出する小規模LOCA、冷却材喪失事故でございますけれども、これが起きた場合でも、十時間ほど放置すると数十トンの冷却材が喪失し、炉心損傷や炉心溶融に至る可能性があるという御指摘をいただいております。 その後、原子力規制委員会の方で分析をしてございまして、津波到達までの間に漏えいが発生したということを示すデータはないという確認をしてございます。 なお、東京電力福島第一原子力発電所事故の継続的な分析、調査というものは、原子力規制委員会の重要な所掌事務の一つでございますが、原子炉格納容器の損傷状況等については、現時点は、放射線量が高いということもございますので、現地調査を着手できていないという状況にございます。 技術的に未解決な問題については今後も調査を継続いたしまして、新たな知見が得られれば基準等に反映をしてまいりたいというふうに考えてございます。
○樋口委員 よろしくお願いします。 次に、新規制基準の策定に当たっては、津波対策以外にも、地震、火災、火山の噴火、竜巻等に対する対策や過酷事故対策についても検討が行われて、基準の強化が図られているというふうに認識しておりますが、その理解でよろしかったでしょうか、お伺いいたします。
○大村政府参考人 お答え申し上げます。 福島第一原子力発電所事故では、大規模な地震、それから、それに続きます津波によりまして、複数の安全機能が一斉に喪失をしてシビアアクシデントに至ったというものでございます。こうした同様の事故を防止するためには、安全機能が一斉に喪失することを防止することが非常に重要でございます。 このため、新規制基準の策定に当たりましては、津波、それから地震、火山、竜巻など自然現象に係る基準を強化しております。それから、自然現象以外にも、安全機能の一斉喪失を起こす可能性がありますものとして、停電であるとか火災というような事象がございますので、この対策についても基準を強化したところでございます。 さらに、福島第一原子力発電所事故ではシビアアクシデントの進展を食いとめられなかったという非常に大きな反省がございますので、こうしたことが発生した場合の対策についても、新規制基準におきましては、炉心損傷の防止、格納容器の破損防止、放射性物質の拡散の抑制、さまざまな対策を新たに要求しているところでございます。
○樋口委員 高浜発電所周辺の活断層調査について伺います。 事業者は、文献調査や地質構造調査等の詳細な調査を行って、その上で、断層の長さや連動性等については十分に余裕を持って判断したものとしています。 原子力規制委員会においては、事業者が評価した断層の長さは新規制基準に照らして妥当なものと評価をしているのかどうかという点についてお伺いをしたいと思います。
○山田政府参考人 事業者は、新規制基準に基づきまして、敷地周辺において文献調査や詳細な地質構造調査等を行い、活断層の位置、長さ、連動の可能性などを評価しております。 原子力規制委員会は、事業者が実施をした活断層の評価について、調査方法の妥当性も含め、断層の長さが適切に評価されているか、複数の活断層の連動の可能性が考慮されているかなどを確認いたしますとともに、新規制基準に照らして適切ではないと判断した場合には審査で指摘を行っております。 例えば、FO—A、FO—Bと呼ばれる断層と熊川断層、これにつきましては、事業者は、当初、約十五キロメートル離れているということから連動しないというふうにしておりましたけれども、断層の有無が不明瞭な区間が相当程度あるということを踏まえまして、原子力規制委員会の審査の中で連動の可能性を指摘いたしました結果、両断層が連動して、長さ六十三・四キロの区間が活動するという評価となってございます。 原子力規制委員会としては、事業者の断層の評価は新規制基準に照らして妥当なものというふうに最終的には判断をしてございます。
○樋口委員 次に、地震動評価についてお伺いをいたします。 事業者は、断層の長さや連動性等、安全に配慮して慎重に評価をし、その上で、基準地震動は十分に大きいと判断しているとしています。 原子力規制委員会は、事業者が策定した基準地震動は新規制基準に照らして妥当なものと評価をしているのかどうか、お伺いをいたします。
○山田政府参考人 高浜発電所の基準地震動につきましては、敷地に大きな影響を与えると予想される地震として、FO—A、FO—B、熊川断層の三連動の地震などを想定し、地震動評価が行われてございます。地震動評価を行うに当たっては、原子力発電所の耐震設計に影響が大きい短周期の地震動のレベルを一・五倍に引き上げるケースなど、各種の不確かさが考慮されているところでございます。 原子力規制委員会としては、このように各種の不確かさを考慮して、最新の科学的、技術的知見を踏まえ適切に作成された基準地震動は、新規制基準に照らして妥当なものというふうに判断をしたところでございます。
○樋口委員 次に、津波の調査について伺いたいと思います。 西暦一五八六年の天正地震により大津波が発生した可能性があるという研究報告もあります。事業者は、適切な調査地点で津波堆積物調査を実施するとともに、文献調査や聞き取り調査により、過去一万年の間に大きな津波は発生していないことを確認しているとしております。 原子力規制委員会においては、事業者の評価を妥当なものと認識しているのかどうか、お伺いをしたいと思います。
○山田政府参考人 お答え申し上げます。 新規制基準では、原子力発電所の津波評価に当たっては、敷地周辺に襲来した可能性のある津波に係る調査を求めてございます。 原子力規制委員会としては、事業者が、この新規制基準に基づいて、敷地周辺の既往の津波及び痕跡高についての文献調査や若狭湾沿岸の津波堆積物調査を実施しており、過去一万年間の間に発電所の安全性に影響を与えるような津波の痕跡は認められないとしていることは妥当と判断しているところでございます。
○樋口委員 続いて、発電所において、外部電源を喪失した場合に備えてディーゼル発電機等の非常用電源を準備しておりますけれども、この非常用電源であるディーゼル発電機のこれまでに発生した起動失敗事例について、原子力規制委員会として必要な対策を事業者に指示し、そしてその対策が十分であることを確認されているかどうか、お伺いをいたします。
○山田政府参考人 定期で行われます起動試験において、ディーゼル発電機の起動に失敗したといったような場合については、事業者において原因究明等の措置が行われていること、これについて、保安検査官が保安検査等の際に、事業者による対応、不適合措置が行われていることを確認してございます。 また、ディーゼル発電機の起動に失敗し、運転上の制限逸脱といったような状態が発生した場合には、立入検査を実施して状況について確認をするといったようなことも、その時々の状況に応じて実施をしているところでございます。
○樋口委員 続きまして、使用済み燃料ピットの冷却設備について伺います。 この使用済み燃料ピットの冷却設備については、安全性審査の対象か、対象ではないのか、また、高浜発電所の三号、四号の場合には、使用済み燃料ピットの冷却設備を新規制基準に照らして妥当なものと判断しているのかどうか、お伺いをしたいと思います。
○山田政府参考人 まず、審査の対象にしているかどうかということでございますけれども、使用済み燃料ピットの冷却設備は対象にしてございます。具体的には、高浜発電所三、四号機の使用済み燃料ピットについては、基準地震動の発生を想定した耐震検査により、地震力に対して損傷することなく、使用済み燃料の冠水状態を維持して崩壊熱を除去することができること、それから、使用済み燃料から放射線を遮蔽できることについて確認をしてございます。 また、使用済み燃料ピットの冷却機能や注水機能が喪失した場合や水の漏えいがあった場合でも、可搬型設備を使用した給水により使用済み燃料を冷却し、放射線を遮蔽し、臨界を防止できること、さらに、万が一大量の水の漏えいがあったとしても、燃料の著しい損傷の進行を緩和するとともに、臨界を防止できることを確認して、基準に適合しているという判断をしているところでございます。
○樋口委員 昨日、四月二十日に、高浜発電所一号、二号についても新規制基準に合格したことを示す審査書が正式に決定をされたところでございます。 確認ですが、高浜三号、四号の審査に当たって、高浜一号、二号に燃料を装荷しないという前提から、一号、二号機の建屋内に緊急時対策所を設置することで既に許可がされておりました。 一方で、高浜一号、二号の再稼働に当たっては、今回の設置変更許可申請に記載されているとおり、高浜原子力発電所一号から四号機までの四基で同時に重大事故が発生しても対応できるような体制の設備に加えて、一号、二号の建屋から十分に離れた位置に、万一の事故の拠点となる耐震構造の新しい緊急時対策所を設置するものというふうに認識をしておりますけれども、相違はありませんでしょうか。
○山田政府参考人 平成二十七年二月十二日の高浜発電所三、四号炉の設置変更許可につきましては、先生今御指摘がございましたとおり、一、二号炉の原子炉容器に燃料が装荷されないということを前提として、一、二号炉の原子炉補助建屋に緊急時対策所を設置するという内容でございました。 その後、昨日、四月二十日に許可をいたしました高浜発電所の設置変更許可申請では、三、四号炉に加えて一、二号炉も運転をするということを前提にしておりますことから、一—四号機に重大事故が同時に発生した場合、これを考慮いたしまして、各号炉ごとに対応ができる設備や体制が整備されていること、それから、緊急時対策所を一号炉から四号炉の共通施設として新設するということについて審査で確認をしているところでございます。
○樋口委員 ありがとうございます。 最後に、話がかわりますけれども、先ほど木内先生からもありました原賠法についてお伺いをしたいというふうに思います。 電気事業法の改正に際しまして、附帯決議にこうあります。「原子力損害賠償制度については、小売全面自由化により競争が進展し、また、原子力依存度が低減していく中においても、安定的・効率的な事業実施が確保される必要があることから、国と事業者の責任負担の在り方を含め、遅滞なく検討を行う」とされているところであります。 昨年五月、先ほども御答弁ありましたが、原子力委員会が原子力損害賠償制度専門部会を立ち上げて、これまでに八回議論をされているというふうに承っています。 原子力損害賠償制度は、エネルギー政策やCO2削減などの政策目的に密接に関連をしています。ことしの四月から小売全面自由化が始まりました。今後、競争の進展が見込まれる中で、政策目的に必要となる原子力発電を民間で行っていくためには、原子力損害賠償制度を見直す上では、一つは、迅速かつ確実な被害者救済を図ること、もう一つは、原子力事業の担い手を確保していくこと、この二つが非常に重要であります。 そのためには、あらかじめ国の役割を明確化する原賠法そして原子力損害賠償・廃炉等支援機構法の早急な見直しが必要だというふうに考えておりますけれども、この見直しの方向性や時期などについて御説明をいただきたいと思います。
○中西政府参考人 お答え申し上げます。 先生御指摘いただきましたように、原子力委員会のもとに原子力損害賠償制度専門部会というのを設けてきてございます。 その部会におきまして、これまでの議論につきまして、現行の原子力損害賠償法の目的規定でございます被害者の救済と原子力事業の健全な発達という基本的な枠組みに関する課題、あるいは、原子力事業者及び国の責務、具体的な措置、原子力損害賠償・廃炉等支援機構を初めといたします原子力損害賠償に係る制度のあり方といった課題について審議をこれまで行わせていただいております。 多様な意見を出していただきながら、現在、鋭意検討を進めているということでございますし、また、引き続き、迅速かつ確実な被害者救済を図るための手続のあり方といった課題についても今後審議が行われるという予定になってございます。 先生御指摘のように、原子力損害賠償制度の見直しに当たりましては、今申し上げましたようなさまざまな課題につきまして、専門的かつ総合的な観点から検討していただくことが前提となってまいりますので、今後、専門部会での審議をもう少し尽くすための時間が必要だということにつきましては御理解をいただければと思ってございます。よろしくお願いいたします。
○樋口委員 昨年、政府においては、我が国における二〇三〇年のエネルギーミックスのあるべき姿についてまとめられて、原子力については、重要なベースロード電源ということで、二〇%から二二%程度を確保するということの位置づけがなされているところであります。 エネルギーミックスの実現によりまして、我が国におけるエネルギー自給率の向上、そして電力コストの削減、温室効果ガスの削減といったさまざまな効果が期待されておりますけれども、これには原子力が一定の役割を果たしているということは否定できないところであります。 資源の乏しい我が国において、原子力は、安全確保を大前提として、引き続き一定の活用をしていくことになるわけでございますから、原子力規制委員会におかれましては、なお一層、安全の確保を大前提としていただいた上で、引き続き効率的な審査を行っていただき、速やかな御判断を賜りますようにお願いをしたいと思います。 一方で、世論を見ますと、原子力の再稼働については依然反対が多く、原子力に対する国民の皆様の御理解は十分に進んでいないということを実感もしております。 政府におかれては、前面に立ち、国民の理解を得られるように全力で取り組んでいただきたいことを申し上げ、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○三原委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時五分散会