予算委員会 第18号
- 発言数
- 345 件
- 登壇者
- 42 名
- 会派数
- 10
- 開催日
- 2015/04/09
会議録
○委員長(岸宏一君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 平成二十七年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。 本日午前は、安倍内閣の基本姿勢に関する集中審議を行うこととし、質疑は往復方式で行い、質疑割当て時間は百七十四分とし、各会派への割当て時間は、自由民主党十分、民主党・新緑風会五十一分、公明党十九分、維新の党十八分、日本共産党十八分、日本を元気にする会・無所属会十八分、次世代の党十分、無所属クラブ十分、社会民主党・護憲連合十分、新党改革・無所属の会十分とすること、質疑順位につきましてはお手元の通告表のとおりでございます。 また、午後は、締めくくり質疑を四十三分行うこととし、各会派への割当て時間は、自由民主党三分、民主党・新緑風会十六分、公明党四分、維新の党四分、日本共産党四分、日本を元気にする会・無所属会四分、次世代の党二分、無所属クラブ二分、社会民主党・護憲連合二分、新党改革・無所属の会二分とすること、質疑順位につきましてはお手元の通告表のとおりでございます。 ─────────────
○委員長(岸宏一君) 平成二十七年度一般会計予算、平成二十七年度特別会計予算、平成二十七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、安倍内閣の基本姿勢に関する集中審議を行います。 これより質疑を行います。古賀友一郎君。
○古賀友一郎君 おはようございます。自由民主党、長崎県選出の古賀友一郎でございます。緊張いたしております。 安倍総理には、先月十八日にも戦後七十年談話と核兵器の廃絶について質問させていただいたところですが、今回は、安倍内閣の基本姿勢ということで、政策目標の在り方について議論させていただきたいと思います。 まず、食料自給力の目標について質問いたします。 先月末に閣議決定されました食料・農業・農村基本計画では、十年後の食料自給率を現状三九%から四五%に引き上げる目標が設定されるとともに、新たに、国内の農地等の資源を最大限活用した場合にどこまで食料供給できるか、言わば我が国の潜在的な食料供給能力を表す食料自給力が指標化されました。私は、農政の基本は安全保障政策だと考えておりますので、今回の食料自給力の指標化は大変良い取組だと思っております。 また、この食料自給力の議論の過程では、当初、政府は農業生産力だけを対象に検討しておりましたけれども、我が国の場合、農業だけでなく水産業も含めて指標化を検討すべきと訴えてまいりましたところ、農林水産業全体での指標としていただきました。この場をお借りして、政府に御礼申し上げたいと思います。 ただ、私が今日総理に申し上げたいことは、せっかくのこの指標が、基本計画では単に食料安全保障の議論を深めるための言わば参考程度の扱いになっておって、目指すべき目標とは位置付けられていないということにあります。 ここで、パネルを御覧いただきたいと思います。(資料提示) 今回発表されました食料自給力指標によりますと、パターンCやD、下の方ですが、これは栄養バランスを加味するかどうかの違いでありますけれども、そのように、とにかく芋を中心に作付けをすれば、国民一人一日当たり二千百四十七キロカロリー、このブルーのラインでありますけれども、それを、必要エネルギーを供給できそうなんだけれども、片やパターンAやBのように、上の方ですけれども、米、小麦を中心とする今の食生活に近い形では供給が難しいという現状が示されたわけであります。 これは、要するに、食料輸入が困難になった場合に、急場は何とかしのげそうだけれども長期化してくると苦しくなるということを表しているわけでございますから、私は、今後、このパターンAやB、特にこの栄養バランスも加味したパターンAの場合でも必要エネルギーを国民に供給できるようにしておくことが、これは目指すべき目標ではないかと思います。 そして、それを踏まえて、そのために農地をどれだけ確保しておかなければならないのか、あるいは単位当たりの収穫量をどれだけ引き上げなければならないのか、また農業者、漁業者をどれだけ確保しておかなければならないのかといったその次の段階の目標設定につなげていくべきだと考えているところでございます。 安倍総理は、一日の当委員会でも、食料自給力の向上が重要だと答弁をされました。当然の御見識と思います。そこで、それをもう一歩進めまして、これを政府の目標として取り組んでいくべきと考えますけれども、御所見を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 食料の安定供給を将来にわたって確保していくことは国民に対する国家の最も基本的な責務であり、国内農業生産の増大を図り、食料自給率と、そして今御指摘もいただきました食料自給力を共に向上させていくことが重要であると思います。 先日、閣議決定いたしました新しい食料・農業・農村基本計画においては、農業の成長産業化に向けた改革を進めていくことによって、十年後の食料自給率を、カロリーベースでは現在三九%から四五%に、金額ベースでは現在六五%から七三%に引き上げる目標を設定をしているところであります。さらに、食料安全保障の議論を深める観点から、国内の農地を最大限活用した場合にどこまで供給できるかを表す食料自給力指標を今回新たに示しているところであります。 この指標については、食用とはならない花や、あるいはカロリーの少ない野菜に代わって、その代わりにお米や芋類を作付けした場合に得られる供給可能なカロリーを栄養バランスも考慮した複数のパターンに分けてお示しをしているということは今お話をしていただいたとおりでございます。これは、まさに食料安全保障の観点から、いざというときに全ての農地を活用して日本人の食を供給していくということであります。 その際、カロリーだけに注目したもの、あるいは栄養バランス全体を加味したもの等についてお示しをさせていただいているところでございますが、しかし、これは一定の仮定を置いて試算したものであることから、食料自給率のように目標とすることにはなじまないと考えますが、今後の農政を進めていく上で重要なものと考えております。
○古賀友一郎君 ありがとうございました。 まだ現段階ではなじまないということでありますけれども、私は、今の時代、食料自給率よりもこの自給力の方をやはり重視して取り組んでいくべきだと思います。是非、この指標を精査をして、前向きに今後目標化していっていただきたいと、このようにお願いを申し上げまして、次の質問に移ります。 次に、介護職員の賃金引上げ目標について伺います。 二〇二五年度には介護職員が三十万人も不足をするという厚生労働省の予測を踏まえまして、私、前回の質問で塩崎厚労大臣に対して、政府として一定の目標を定めた上で取り組んでいくべきという趣旨の質問をいたしました。大臣からは、賃金水準が主な要因となって人材確保ができないことにならないような水準を目指すべきとしながらも、やり方は従来どおりといった趣旨の答弁をいただいたところで残念ながら時間切れとなって、議論を深め切れませんでした。 私は、人材確保にネックとならないような賃金を目指すべきであるというこの認識は大臣と共有できたと思っておりますけれども、そうであれば、その水準を具体的な目標にすべきだと思います。 介護職の有効求人倍率は常に一を超える水準で、一貫して全職種の平均を大きく上回っておりまして、近年は平均の二倍ほどの水準で推移をいたしております。世論調査でも半分以上の人から介護職は賃金水準が低い仕事と受け止められているわけでありますから、やはり私は、人材獲得競争において賃金水準がネックになっていると考えるべきだと思います。 そういう状況の中にあって、まさしく行き当たりばったりで引き上げていっても、今回のような介護報酬二・二七%の引下げもありましたし、労働市場や現場の介護職員の方々の不安は払拭できないんじゃないかと、このように心配をいたしております。 やはり私は、他の職種とのバランス、あるいはちゃんと人生設計ができるような水準などをしっかり検討をした上で、政府はそこを目指すんだというメッセージを発しながら計画的に取り組んでいく必要があるのではないかと、このように思っております。 私がこの問題にこだわっておりますのは、事は介護だけではなくて、年金財政への影響も心配しているからです。 昨年発表されました年金の財政検証結果によりますと、今後、労働市場への参加が進むことを前提に所得代替率五〇%以上は確保できるということでございましたけれども、その検証のバックデータによりますと、労働市場への参加の中心となるのはこの医療・福祉分野であるとされておりまして、言わば介護労働市場への参加が進むかどうかによって今後の年金の持続可能性も左右される状況にあるというわけであります。 そして、更に申し上げれば、介護人材の確保は地方創生の成否も左右するというふうに思います。介護需要は全国津々浦々にございまして、地方における若い人の貴重な雇用の場でもございます。私が最近オープニングに出席いたしました壱岐市の特養でも、一旦島を離れた若い人がUターンをして就職をしておりました。そういう人たちが生涯の職業としてライフプランを描けるようにすることこそがまさしく地方創生の具現化だというふうに思うわけであります。 そこで、以上を踏まえまして、この介護職員の賃金引上げ目標の設定について、安倍総理のお考えを伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 高齢化が進展していく中、国民が安心して介護サービスを利用できるように介護人材を確保することは重要な課題と考えています。 このため、今回の介護報酬改定では、基本部分は、全体として事業者の安定的な経営に必要な収支差が残るようにしつつ適正化を行う一方、賃金が相対的に低い状況にある介護職員について最重要の課題として確保を図るため、他の報酬とは別枠で一人当たり月額一万二千円相当の処遇改善を実現するための加算を設ける。そして、中重度の要介護者等を受け入れる場合に加算したり、あるいは小規模な地域密着型サービスに手厚い報酬を設定するなどきめ細かく配慮することにより、質の高いサービスを提供する事業者には手厚い報酬が支払われ、一律の引下げとはならないようにしています。 また、平成二十七年度からは、都道府県に設置した基金を活用し、介護人材の確保に向けた取組を一層進めることとしています。報道によれば、加算分を上回る処遇改善や介護以外の職員の賃上げといった動きもあるとされており、こうした動きが広がっていくことを期待したいと思います。 引き続き、都道府県等と連携しながら、介護職員の処遇改善に取り組んでいきたい、質の高い介護人材を確保していきたいと考えております。
○古賀友一郎君 終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で古賀友一郎君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、安井美沙子さんの質疑を行います。安井美沙子さん。
○安井美沙子君 民主党・新緑風会の安井美沙子でございます。 今日は、集中審議のテーマが安倍内閣の基本姿勢ということでございまして、冒頭に、安倍内閣の政策に共通する特徴を私なりに三つほど挙げさせていただきたいと思います。 まず一つ目、近視眼的で中長期的なビジョンがない。とにかく目先。成果が出るまでに時間の掛かる政策というのもたくさんあります。しかし、それに、将来の日本にとって大事であっても、そういった時間の掛かる政策にじっくり取り組んでいくという姿勢が見られません。 そして二つ目、威勢のいい目標やスローガンを掲げるけれども、ゴール達成に向けた具体的な道筋が見えない。世界で一番企業が活躍しやすい国、全ての女性が輝く日本、こういったこと、目先の、足下の状況を見たときに、決してこれが実現可能と思えないところから、総理のテンションになかなか付いていけません。 三つ目、政策の進捗状況を客観的に評価しない。都合のいいデータだけを持ち出されるので、客観的にそれを評価していないということを危惧します。客観的に評価できないと次の政策を見誤ると、それを危惧していろいろ御意見を申し上げると、民主党のときよりはましだと視点をずらされます。それポイントではないんです。ここ、客観的に状況を認識するということをされ、できていないことはできていない、しかしこうやって取り組むんだというふうにおっしゃれば、私は安倍内閣の評価はぐんと上がると思っています。 では、この特徴を念頭に具体的な政策についてお伺いをしていきます。 まず、地方創生についてお伺いします。 プレミアム付き地域振興券というのがあります。これ平成二十六年度の補正予算で付けられたものですけれども、補正予算三・五兆円余りのうち二千五百四十億円が緊急経済対策として地域住民に直接届きます。三月六日に自治体からの申請が締め切られましたので、今まさに全国で執行中です。 パネル一を上げてください。(資料提示) これが今の交付状況です。交付金の目的にかなう内容であれば地方公共団体において自由に事業設計が可能という触れ込みだったのですが、現場ではここのパネルにあります五つの類型のどれかで申請するように誘導されまして、結果的にはプレミアム付き地域振興券が千七百八十八自治体のうち九七%以上に当たる千七百三十九の自治体が発行したんです。 これ、地域の発意と言えるんでしょうか。この結果を御覧になって、総理はどう思われますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 二十六年度の補正予算に盛り込んだ地域消費喚起・生活支援型交付金については、本年三月、都道府県、市町村に対し交付決定を行いました。このうち、プレミアム付き商品券事業については三十四の都道府県及び九八%の市町村が域内の消費喚起策として取り組むこととしています。また、四十六道府県及び約二割の市町村が、ふるさと名物商品・旅行券事業を域外からの消費を取り込む施策として取り組むこととしております。 特徴ある取組として、プレミアム付き商品券としては、複数市町村が財源を持ち寄り共同で商品券を発行、神奈川県南足柄市外五市町など。地元特産品の購入が可能な商品券の発行、これは福井県鯖江市で眼鏡などの商品券を発行しています。(発言する者あり)今現場の状況について御説明しています。などの例があり……(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 御静粛に願います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) また、ふるさと名物商品・旅行券としては、地域食材を活用した域内外連携型商品券事業を行っています。三重県で野生の鹿肉やイノシシ肉をみえジビエとして食事や商品購入に利用可能なプレミアム付き商品券を販売をしております。 地域のイベント、あるいはまた地域スポーツ等と連携などの例もあるわけでありまして……(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 総理、簡潔に御答弁願います。 それから、静粛にしてください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは山口県下関市でマラソン等のイベント開催の際に市内宿泊を割引価格で提供した、こうした例もあるわけでありまして、こうした例を今まさにテレビで見ている方々に御紹介することによって理解が深まっていくのではないか、このように思うところでございます。 四月一日に販売を開始した鳥取県の旅行券が即日完売をしたわけでありまして、各地で徐々に事業が本格稼働しつつあり、補助額以上の消費が喚起され、全国津々浦々で大きな景気浮揚効果があることを期待しています。 今後、政策効果の十分な検証についても各自治体に働きかけていきたいと、このように考えております。
○安井美沙子君 私がお聞きしたのは、地域の発意で交付金の目的にかなえば自由な事業設計が可能という触れ込みであったにもかかわらず、蓋を開けてみれば九七・六%の自治体がプレミアム付き商品券を結局のところ発行したと。これは全く画一的で金太郎あめじゃないかということなんですよ。そのことを、中身が違うとおっしゃいますけれども、スキームは同じ、同じ国が決めたこのスキームの中で自由に作りなさいなんというのは、地方自治を冒涜していますよ。この枠の中でやりなさいと最初に枠を作るというのは、地方自治体の自由な発意を阻害していると思います。 今回は、小渕内閣当時の……(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 静かにして。
○安井美沙子君 小渕内閣当時の地域振興券とか麻生内閣当時の定額給付金のときに経済効果が非常に限定的だった、ごくごく限定的だったということの反省から、国費投入分をプレミアム分だけに限定したということは評価できます。しかし、振興券というスキーム自体、そろそろやめてはいかがでしょうか。 今、統一地方選挙にまさに照準を合わせたようにこの地域振興券というのが皆様に使われているわけですけれども、国民の皆様の中には、プレミアムが付いていますから、まあ、お得だわと思いながら喜んで使っていただいているかもしれませんけれども、所詮一過性のことです。原資は税金です。本来、医療や介護といった大事なところに使うべき税金がそっちに回っているわけですから、それだけ経済効果がよほどないと、これ見合わないわけです。今回、PDCAを回して政策評価を一生懸命しようとされていることは承知していますけれども、この地域振興券を前提とした政策評価であれば、所詮そのための参考値にしかならないと思っています。 これ、御担当の小泉政務官にも来ていただいていますけれども、この分析結果、いつどのような形で公表されるおつもりでしょうか。
○大臣政務官(小泉進次郎君) 安井先生の御指摘のとおり、大切なことは、やったことの効果を検証をしっかりやることだと思います。 ですので、今回のこのプレミアム商品券の結果につきましても、多くの自治体はまず今年度の前半に事業実施を執行すると思います。ただ一方で、ふるさと旅行券など、例えば旅行で秋や冬のシーズンに向けてやりたいという自治体もありますから、そういったケースの場合はしっかり検証するのはやはり今年度の後半になると思います。ですので、しっかりそういった段階で内閣府として検証して効果を見極めていきたいと思っております。どういった形……(発言する者あり)公表もしっかりやっていきます。その公表の在り方につきましても、しっかり現場の状況を踏まえて対応していきたいと思います。公表はしっかりやります。
○安井美沙子君 これはしっかり提示していただきたいと思っています。そして、まさか、もう一度地域振興券というようなことが来年の補正でも出てこない保証はありませんので、そのときには今回の検証結果をしっかりと厳しくチェックさせていただくつもりです。そもそも、この地域振興券のスキーム自体、私は大いに反対をしております。 次に、一括交付金についてお伺いします。 この地域振興券の交付実態から、安倍政権の地方創生の姿勢が透けて見えたというふうに思っています。相変わらず中央集権的で、地方を画一的な枠にはめようという、そういうスタイルです。 民主党政権時代に導入した一括交付金、これ使い勝手が悪いと安倍政権になってすぐに廃止されましたが、地域に権限と財源を移譲することが地域活性化の第一歩という民主党の哲学を体現したものでありました。省庁ごとの縦割り的な発想では創意工夫に満ちた地域づくりはできないことから、交付金の自由度を高めるために、八省庁の九つの交付金、補助金を一まとめにしました。一括交付金という一つのお財布の中で、予算を学校に使うか防災に使うか道路に使うかといった省庁を超えた難しい判断が求められますので、この自由度が高いということは首長や地方議会の責任も重いということです。省庁別の補助金に長年慣れ親しんできた地方行政の現場に戸惑いがあるのは当然です。 以前、社会整備総合交付金を導入したときも、その前にあったまちづくり交付金、いわゆるまち交として親しまれてきた、これに比べて使い勝手が悪いという声がありました。しかし、今ではこの社会整備総合交付金、すっかり定着しております。使い勝手というのは改善していけばいいだけの話なんです。 町づくりは縦割り的な発想ではできません。なぜ、時代を逆行するような形で一括交付金を廃止し、国の省庁別、縦割りの発想を押し付けるんでしょうか。総理、御見解をお願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 民主党政権時代に創設された地域自主戦略交付金については、手続の煩雑さなど様々な問題点が指摘されていたことから、平成二十五年度に廃止をし、地方からの意見を踏まえ、より大きな政策目的にまとめるなど運用改善を図った上で、各省庁の交付金等に移行をいたしました。 今後も、地方の意見を踏まえた不断の検討を行い、真に地方にとって効果が高く、使い勝手の良い施策の仕組みづくりを推進していきたいと考えております。
○安井美沙子君 これまでの総理の答弁を私は読んだ上で質問しています。この答弁が何度も出てきたので、使い勝手は改善すればいいのだという、これまでのまちづくり交付金から社会整備総合交付金への移行の話も御説明した上で質問しているのに、前からの答弁を繰り返すのは、私の話は何にも聞いていないわけじゃないですか。もういいかげんこういう答弁はやめてください。 それから、来年度からの地方版総合戦略、これから安倍政権の地方創生というのが始まると思いますが、いよいよ本格的に。官僚の派遣を希望する自治体が百十九にも上り、当初の想定の五倍となったという報道がありました。その記事の中で、官僚派遣を熱望する首長のコメントとして、予算獲得のパイプ役になってほしかったという言葉が引用されていました。地方自治体も縦割りの発想を捨て切れていないということですね。 官僚はもちろん優秀で、私もいろいろ助けていただいていますけれども、まさに縦割りの発想が残念ながら染み付いています。何か質問しても所管以外のことにはお答えいただけない、考えないという癖が付いていらっしゃるのは残念なところです。地方に派遣された官僚が、急に思考、行動パターンを変えてこの町づくりをできるのでしょうか。 首長のコメントにあったとおり、国が認めてくれそうな模範的な計画作りを手伝い、補助金を獲得するのが関の山ではないかと思うのですが、この官僚派遣に何を期待しているのでしょうか。総理、お願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 地方創生に積極的に取り組む小規模な市町村に対し、国家公務員のほか、これは国家公務員だけではありません。御存じですか。(発言する者あり)いや、それをおっしゃらなかったから、今。国家公務員のほか研究者等を派遣する地方創生人材……(発言する者あり)国家公務員のほか研究者等を派遣する地方創生人材支援制度を創設したところであります。派遣される方々は、自らの意思により地域で働くことを選択したものであります。そのことも付け加えておきたいと思います。 専門知識を生かして、市町村長の補佐役として一定期間働いていただくことになります。本年三月末には派遣者を対象とする激励会を開催をし、私からも、自らの目線で多くの魅力を発見し、そして地域で新たな風を巻き起こしていただくように激励をしたところでございます。 今までの言わば役所からお願いをするということとは全くこれは違うわけでありまして、まさに地域のために地域の皆さんと一体となって自分の発想を生かしていきたい、自分のキャリアを生かしていきたい、自分の見識を生かしていきたいという、そういう情熱を持って自ら手を挙げていただいているわけであります。 四月から第一期生として四十八名を派遣したところでありまして、当面、七十名が派遣される予定でありますが、派遣者については、総合戦略の策定や推進の中核的な役割を担うなど、地方創生の担い手として活躍をしていただきたい。もちろん、地域のことを一番よく考えている、あるいは地域のことを思っているのは地域で生活している皆さんでありますが、同時に、外から冷静な目で見たり、あるいは分析をしたり、広い見地から様々な意見を言っていただくことは当然私は必要なんだろうと、そういうものを生かしながら地域の皆さんとともに地域創生に頑張っていただきたいと、このように期待しているところでございます。
○安井美沙子君 結局は情熱に懸けているという、考え方、思考パターンは変わらないけれども、情熱があれば何とかなるだろうと、そういう御答弁だったと思います。これまでの、地方に権限と財源を移さなければ結局今までと何も変わらないわけですから、民主党は地方に財源と権限を移譲するということがなくてはならないと思っていますので、今の安倍政権の地方創生というのは異次元でも何でもないというふうに思っております。 次に、消費税増税による逆進性対策についてお伺いをいたします。 平成二十四年の八月に、民主党政権時に、三党合意によって、いわゆる社会保障・税一体改革関連法を成立させました。このパネルにあります長い名前の法律が、その一部ですけれども、その七条に、政府は、給付付き税額控除、長いので赤いところだけ見ていただければ構いませんけれども、給付付き税額控除についても複数税率についても、具体化に向けてそれぞれ検討し、その結果に基づき速やかに必要な措置を講じなければいけないと法律で定められております。 本来、同時に検討し比較考量すべきところ、昨年十一月の与党税制協議会合意に基づいて、政府は専ら複数税率だけを検討しています。四月七日の新聞には、具体案八案あったものが既に三案に絞り込まれているという報道がありました。与党はともかく、政府としては法律で定められた検討事項であるんですから、給付付き税額控除についても、複数税率と同時期、同スピードで検討すべきであると考えます。財務省の方と話をすると全くゼロベース、ほとんど検討していないということが分かります。 来年の税制改正までに複数税率と比較検討するだけの調査分析ができるのでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) まず、税制抜本改革法において、低所得者への配慮として、いわゆる給付付きの税額控除と複数税率、通称軽減税率と言われるもの等の検討がされておりますが、与党においては軽減税率制度の検討が進められているところとこれは承知いたしております。 政府としては、まずは三党における検討というものを踏まえるべきものと考えておりますので、引き続き与党の議論を見守ってまいりたい、これは基本的な姿勢であります。 これ、それぞれ、給付付き税額控除、またいわゆる軽減税率というのは、メリット、デメリット、いろいろありますのはもう御存じのとおりだと思いますが、少なくとも今の段階で三つに絞ったというような話はございません。
○安井美沙子君 法律に基づいて政府では給付付き税額控除も検討していただけるという今の御答弁でありましたので、税制改正議論が本格化するときには必ず二つとも同じテーブルにのせて議論ができるよう、下準備をよろしくお願いいたします。もし、これ準備ができないということであれば、民主党が具体案を作りますので、是非これを御検討ください。 軽減税率について、複数税率ですけれども、消費税一〇%での、その段階での導入は百害あって一利なしと考えております。そもそも、この一番にありますけれども、この導入目的は逆進性対策のはずなのに、高額所得者にもこの恩恵が及ぶので逆進性対策にならない。逆進性対策が目的なのに逆進性対策にならない。この時点で、入口でもう既にアウトだと思うんですけれども、総理、いかがですか。総理、お願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 軽減税率と逆進性についての御指摘でございますが、消費税の軽減税率が逆進性対策になるのかという点については、軽減税率制度について様々な御意見がある中で、例えば、昨年、与党税制協議会が行った団体ヒアリングにおいては、痛税感を緩和するといった意見がある一方、高所得者にも恩恵が及ぶのではないかとの懸念もあったということは承知をしております。
○安井美沙子君 逆進性対策としては問題があるという御答弁だったと理解しました。 次に、これでいいますと三番になるんですけれども、業界の陳情合戦が始まるのが目に見えています。一〇%の引上げ時点に、例えば精米だけに対象品目を限定した場合に、翌年には、じゃ、パンも頼みます、麺も頼みますと、枠を拡大してほしいという要望が当然出てきます。これ、また企業・団体献金の温床にならないと保証できるんでしょうか。総理、いかがですか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは軽減税率のいわゆる線引き、線引きって意味分かりますか、線引きの難しさというのが伴いますので、これ弊害が生じるのではないかというのは、何も今に始まった話じゃなくて昔からあります。物品税って御存じでしょう、生まれていらっしゃいますよね、あの頃は。 ですから、そういった意味では、与党税制協議会が行った団体ヒアリングの中においても、対象の拡大を求める陳情合戦となって、ひいては消費税、税制の本質をゆがめるのではないかとの声があったと、先ほど総理から説明されたとおりでもあります。こうした意見を踏まえつつ議論が進められている最中だと思います。私どもも、その点に関しては十分留意しておかねばならぬものだと思っております。
○安井美沙子君 留意をしていただくだけでは足りませんで、もし、これ軽減税率の対象にしてほしいと考える団体が寄附の申出があった場合、これを受けたら疑惑を招くと思いませんか。李下に冠を正さずといいますが、結局後で調べたら、ここから、この団体、この企業から寄附を例えば閣僚の方が受けていたということになると疑惑を招きかねませんが、総理、いかがですか。総理に聞いています。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、仮定の質問にはなかなかお答えできませんですね。実際にこうなった場合はどうですかという具体的な話をされた方がよろしいと思いますが。
○安井美沙子君 現在、政治資金の問題がこれだけクローズアップされ、今回の国会審議でも、遺憾なことですが、この問題に多くの時間を使わざるを得ませんでした。だから、こういう状況を招かないように事前に予防策としてお伺いしているんです。仮定の質問ではありません。 今の御答弁がまさに安倍内閣の姿勢を表しているんじゃないですか。事態が起こってからそれを何とか取り繕えばいい。そうじゃなくて、そういうことが起こらないように法律でそれをきちっと予防する、あるいは閣議決定でもいいです、そういったことをするのが本来の在り方じゃないですか。 次に、五番になりますけれども、EU理事会の指令でも、複数税率を導入するのは消費税率本体が一五%以上になってからとなっています。法人税の実効税率引下げにおいてはEUを参考にしたとよく御説明されていますけれども、この場合は先行事例が豊富なEUは参考にしないのでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 諸外国で導入をされておりますいわゆる軽減税率については、OECDのレポートなどというものがいろいろございますけれども、低所得者を支援する目的で導入されております軽減税率、例えば食料品等を対象とする場合には、付加価値税の逆進性を弱めるという一定の効果がある一方で、高所得者にも恩恵を与える、また対象品目の線引きに混乱が生じる、多額の減収を生じるというような課題もあると指摘されているものと、これはOECDのレポートからで承知をいたしております。 いずれにせよ、軽減税率につきましては、こうした懸念を踏まえつつ、二十七年度の与党税制大綱に沿って与党で議論が進められているところでありまして、引き続き協議は見守ってまいりたいと考えております。
○安井美沙子君 全体についてのお話をされてもしようがなくて、この一〇%導入時に軽減税率を導入するということはEUでもやっていないんだけれども、なぜ日本ではこんな早くやるのかという疑問を今投げたわけですが、お答えはいただけませんでした。 民主党はもちろんなんですけれども、経済界も軽減税率には反対の声が多いです。自民党の中でも反対の方が本音は多いとも聞いています。軽減税率の推進の中心はまさに公明党さんです。地元愛知でも山口党首のポスターがあちこちに掲示されておりまして、今こそ軽減税率実現へと、町じゅうに貼られています。 ホームページも拝見したんですけれども、ちょっと読み上げます。「公明党は、消費税率一〇%引き上げと同時の軽減税率導入を強力に訴え、行動している唯一の政党です。税収の減少を防ぎたい財務省、事務負担の増加を嫌がる経済界、両者の意見を踏まえて軽減税率の導入に慎重な自民党。その中で制度づくりの案を示し、与党の協議を粘り強く前に進めてきたのが公明党です。」。 公明党は、なぜ軽減税率にそんなにこだわるのでしょうか。太田大臣、閣僚のお一人として所見をお願いします。
○国務大臣(太田昭宏君) 私はまさに閣僚という立場で、公明党を代表するものではありませんので、直接の答弁は差し控えたいと思いますが、閣僚の一人ということは、昨年十二月の連立政権合意というものに基づいて私は現在の職にあるという捉え方だと思います。 そういう意味におきましては、軽減税率においては、昨年十二月十五日の自民党・公明党連立政権合意及び昨年十二月三十日の平成二十七年度税制改正大綱に基づきまして、現在、自由民主党そして公明党両党間において議論、検討されているものと承知しております。 その政権合意におきましては、「軽減税率制度については、関係事業者を含む国民の理解を得た上で、税率一〇%時に導入する。平成二十九年度からの導入を目指して、対象品目、区分経理、安定財源等について早急に具体的な検討を進める。」と、このように記されているところでございます。
○安井美沙子君 御説明はいただけませんでしたけれども、先ほど申し上げましたように、内閣の中でも、結局、その軽減税率を一番推進していらっしゃるのは公明党から出ていらっしゃる太田大臣に間違いないわけで、国民に対して、なぜ軽減税率がいいのか、これだけ批判があってもなぜ軽減税率を進めなければいけないのかを説明される責任があると思います。 このパネルの二番ですけれども、この大きな一番の問題は、巨額の税収毀損があるということなんです。例えば、お米だけを八%に据え置く、ほかのものが全て一〇%になってもお米だけは八%に据え置いた場合は四百億円の減収、これをもし全ての飲食料品とした場合は一兆三千二百億円の減収となるわけです。予定されていた税収が入らなくなれば社会保障政策を実施するための財源が不足し、サービスレベルを低下させるか、あるいは消費税率本体を上げなきゃならなくなるかもしれないんですよ。 だから、一見、軽減税率を導入してお財布に優しい、さっきの地域振興券と同じで、お財布に優しいといって喜ぶ方が多いかもしれませんけれども、実はこの軽減税率を導入した結果、近い将来に消費税本体が一〇%どころじゃなく、一二、一三、一四、一五と上げざるを得ない、結局、あのときの軽減税率は何だったのということになりかねないわけですよ。 こういうことを考えた上で、太田大臣、もう一回答弁お願いします。
○国務大臣(太田昭宏君) 財政等の問題については財務大臣の所管であるというふうに思います。 先ほど、国民にこれほどの反対があるにもかかわらずと、そのように安井先生はおっしゃいましたが、世論調査によれば七十数%を超える方がこの軽減税率をやってくれという声であるということだけは申し上げておきます。
○安井美沙子君 私は、国民の間で反対があるとは言っていません……(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 静かにしてください、静かに。
○安井美沙子君 経済界その他で反対があると申し上げたのであって、国民の間に反対があるとは言っていません。むしろ、お財布に優しいので国民の皆さんが賛成するのは当然かなと思います。でも、それは説明責任を果たしていないからですよ。後でどんな不幸が訪れるかをきちっと説明しないで、今、目下、目先良くなるということだけを伝えているから賛成になるわけです。これは非常に無責任だと思います。 ここまで答弁をしていただけないということになると言わざるを得ないんですけれども、ちまたでは、自民党は公明党が安保法制で協力したことへの御礼として渋々軽減税率を認めるのだという話が公然とされています。国民の命を守る安保法制、安全保障と社会保障の一体改革は、どちらも日本の将来を左右する重要な話です。これは両方別々に、是々非々で考えていただかないと困ります。 次に、給付付き税額控除ですけれども、この話を出しますと、必ず所得や資産の捕捉に課題が残るという話で止まってしまうんですけれども、軽減税率に比べれば低所得者に限って消費税の還付ができるということではよほど筋がいい政策です。来年一月からマイナンバー制度の利用が開始されますので、是非これを両方組み合わせてしっかりと推進していただきたいと思います。これは答弁をお願いしても分かっていますので、もうやめます。 次に、女性の活躍についてお伺いします。 日本再興戦略に、二〇二〇年までに社会のあらゆる分野において指導的地位にいる人の三〇%を女性にするという目標が掲げられています。総理も、世界経済フォーラムでの演説や様々な機会で言及されています。この場合の指導的地位にいる人というのは課長級以上というふうに理解しています。 平成二十六年時点では、民間企業における課長職以上というのは八・三%、国家公務員では三・三%、これが現状です。つまり、これが現状であるのに、あと五年で課長級以上の女性管理職を三〇%にするというのは驚異的なスピードなんですけれども……(発言する者あり)あっ、気合。この三〇%というときの安倍政権の目標は、どの指標をベースにしたものなんでしょうか。少なくとも民間と公務員と分かれているわけなので、まずどの指標を使おうとしているのかを教えてください。
○国務大臣(有村治子君) お答えいたします。 御案内のとおり、御指摘のとおり、二〇二〇年までに指導的地位に女性が占める割合を三〇%とする目標を政府において掲げております。 これが政府の文言として出てきてから十二年目になりますが、私も、去年九月着任したとき、この三〇%というのは極めてチャレンジングな高いハードルだということを率直に印象として申し上げました。 その指標ということですが、政治分野、行政、民間で雇用されている分野、農林水産分野など、様々な分野で達成をしたいというふうに考えておりまして、実は、平成十九年に、男女共同参画会議において、この指導的地位に女性が占める割合に関する状況を毎年調査、公表すべく、フォローアップ指標というのを設けています。百を優に超える指標でございます。委員が御指摘いただいたのはそのうちの二つでございますが、今、実勢として百二十ぐらいのフォローアップ指標を持っております。 その中で、これは毎年かなり生真面目に見ておりまして、例えば農業委員のトレンドがほかと比べて少ないというときは、なぜこれが少ないのか、そしてどう改善するのかということを毎年毎年フォローアップをして見ているという状況でございます。
○安井美沙子君 今の御答弁は、結局、国民にとって、何をもって三〇%達成したのか、あるいは達成していないかということが分かりません。それなのに、あちこちで女性の指導的地位に就く人を三〇%にすると、二〇二〇年までに三〇%にすると豪語されますが、その進捗状況をフォローすることができないじゃないですか。これでは、政策として私は正しいとは思えません。 そもそも女性の就労率ってまだ四三%です。働いている女性のうち六八%が非正規雇用です。非正規雇用の方は、残念ながら管理職になる可能性はゼロに近いと思います。どうやって課長級以上を三〇%にするんでしょうか。 女性管理職が極端に少ない日本の現状について、何がネックになっていて、その障害をどう取り除けば三〇%というものを達成できるとお考えなのか、総理の御見解をお願いします。 総理、お願いします。これがこの話題において総理にお聞きする最後になりますので、総理、お願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 二〇二〇年までに指導的地位に女性が占める割合を三〇%とする目標については、政治分野、行政分野、雇用分野、農林水産分野など、各々の分野において達成を目指すものであります。 そして、今御指摘の指導的立場に女性が少ないことについては、就業継続年数が短いことや非正規での就業も多いことにより、指導的立場になり得る女性の育成がなされていないことが一つの要因として考えられます。また、子育てなど家庭生活との両立が困難な場合があること、また、ロールモデルとなる女性の管理職が少なく、キャリアプランを描きにくいこと、そしてまた、伝統的な男女の役割分担に関する意識がまだ残っているといった要因も考えられると思います。 政府としては、指導的地位に就く女性を増やすため、職場での女性の採用、育成、登用を促すとともに、家庭との両立等を推進する必要があると考えています。このため、企業等に女性の採用、登用等の行動計画の策定を義務付ける女性活躍推進法案を今国会に提出しているところでございまして、この早期の成立を目指していきたいと思います。 また、女性登用に関する情報開示を推進する観点から、有価証券報告書において役員に占める女性比率の掲載を義務付ける内閣府令を今年三月末から施行したところであります。また、職業と家庭との両立を促すため、待機児童解消を始めとする子育てしながら仕事が継続できる環境の整備、育休中の女性の能力開発支援のための助成金の給付、そして長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進などによるワーク・ライフ・バランスの推進など、できる限りの方策を講じていくこととしておりまして、あらゆる分野で女性が生き生きと活躍する社会の実現を目指していきたいと考えております。
○安井美沙子君 これでなぜ拍手が出るのか全く理解できません。 有村大臣にお聞きしないでわざわざ総理に聞いたのは、総理があちらこちらで女性の指導的地位の人を三〇%にすると力を込めておっしゃっているから、細々とした政策ではなくて、今ある障害を取り除き三〇%達成するという、それが気合だけじゃなくて、何かやっぱり思っていらっしゃることがあるんじゃないかと思ってわざわざ総理を指名させていただいたわけです。 総理は、全上場企業三千六百八社に対して、役員に一人は女性を登用することを要請したと伺っています。また、官邸や省庁で女性登用をPRしたりしていることも悪いとは思いません。しかし、ほとんどの女性にとっては影響のない、雲の上の話であります。自分の環境は何も変わりません。この女性活躍推進法案もほとんど期待をしていません。むしろ、女性たちが安心して、子供を産んでもキャリアに影響がないことを担保する環境整備が必要です。 管理職における女性の割合というのは、意外と中小企業の方が高いんです、一〇%台。いわゆる大企業になりますと限りなくゼロに近い。これが現状です。じゃ、今少ない大企業だけ管理職を頑張って増やせばいいかというとそうではなくて、日本の企業の九九・七%は皆さん御存じのように中小企業ですし、全雇用者の七割の方が中小企業に就労しているわけです。ですから、ここで女性の管理職を増やさないと三〇%の実現というのは程遠いことになります。 この中小企業でというのは、当然、雇用者数が少ないわけですからワークシェアリングというのは難しい。育休を取ろうとしても代わりの人がいないですよね。そんなところで女性はおろか男性が育休を取るというのは非常にハードルが高いことだと思います。中小企業で女性の管理職を増やすことに、できることは何ですか。
○国務大臣(有村治子君) お答えいたします。 安井委員の真摯な問題意識は共感するところがございます。特に、中小企業において、組織の規模が小さいために家庭の事情を抱えた方のカバーを同僚がしづらいという傾向には、もっと丁寧に見ていかなければならないというふうに思います。中小企業においてワーク・ライフ・バランスを実現するためには、それなりの手当てもしていかなければならないというふうに思っております。 そのため、厚生労働省では、中小企業に決め打ちをしてそこにやっぱり手厚い支援をしていかなきゃいけないという問題意識の下に、育休復帰支援プラン、あるいは期間限定の雇用者に継続就業をしてもらえるような中小企業への支援、あるいは子育て期に短時間勤務でそれを支援するような助成金ということを中小企業にターゲットを絞ってやっておられます。また、内閣府、我が方でも、中小企業の経営者や管理職を対象とした広報啓発、また好事例の検証ということを積極的にやっております。 そういう意味では、中小企業であってこそ、人が少ないからこそワーク・ライフ・バランスということを実現していくためには、かなり丁寧な、助成金も含め、また好事例の紹介、横展開も含めて手当てをしていかなければならないという問題意識の下で進めております。
○安井美沙子君 中小企業に目配りをしていただいていることは本当に有り難いと思いますし、これがやっぱり女性の管理職を増やしていく上でキーとなると思いますので、是非、その女性が輝くための何とか推進本部、失礼しました、正式な名前忘れましたけれども、そこは取りまとめをするだけでなくて、各省庁の背中をしっかりと押していただきたいと思います。そして、やっぱり女性の大臣にせっかく就いていただいているので、女性の気持ちを代弁する人、ここは少ないですから、国会というのは。是非、御自身の経験や思いも投入して、リーダーシップを発揮していただきたいというふうに期待申し上げます。 最近非常に残念に思っていますのは、私は男女雇用機会均等法世代ですけれども、私の時代はキャリアウーマンというのを非常に憧れていて、肩で風を切って歩くような、そういった女性に憧れる向きが多かったです。だけれども、今の若い女性、女子大生とかあるいは社会人の若い方々と話をしていると、必ずしもそういうふうにはなりたくないという声が多いんです。私たちが幸せなモデルに思えてもらえないという残念なことなんですけれども、実際、責任ある仕事をするだけでも大変なところ、子育てと両立するということになりますと、よほど体力とメンタルの強さと、それから運に恵まれない限り厳しいというのが現実なんですね。 だから、先ほど、上場企業で役員をつくるとか、大手の企業、従業員数三百一人以上のところで必ず指導的地位を優先的につくるとか、こういったトップのところだけに何か、今回の官製春闘と言われているような、政府が要請をして要請をしてシンボルをつくっていくと、こういうようなやり方ではなくて、底上げをしていくような、そういう政策が必要なんです。 これは、最初に申し上げた安倍政権の基本姿勢という、この特徴を申し上げさせていただいた、ここに返るわけですけれども、目標をぶち上げてもその目標が余りにも非現実的だからみんながテンションが上がらない、そして具体的な道筋がない、ここが一番の問題だと思っています。具体的な道筋を聞くと細かい政策が出てくる、百ぐらいの政策が出てくる。何にも変わらないんですよ。だから、これが重要だと思うような三つぐらいに絞ってやっぱりがんがん底上げするようなことをしていただかないと、いろいろ挙げてくださっているゴール、これは何も達成しないままに、先になってほかの内閣になったときに忘れられると、そういうことになると思います。 世界で一番企業が活躍しやすい国というのも同じです。頑張っていらっしゃるのは分かるけれども、世界で一番というと本当に夢のような気がいたします。だから、スローガンと具体的な方策が余りにも懸け離れているとみんな盛り上がりませんので、是非そこはもっと見える化、それこそ見える化をしてみんなの気持ちを高めていただきたいし、私たちはきちっと客観的にそれをいろいろ指摘をしますので、できているところはできている、そして、できていないところはできていないと素直に認め、野党の声も聞き、そこで話し合っていく、こういう国会審議ができれば、国民の皆様も国会の意義を感じるし、安倍内閣の評価は確実に上がると思います。 最後に、政治と金の問題、嫌ですけれども、聞かせていただきます。 昨日の予算委員会で、我が会派の小川委員が質問の中で要求した資料がございます。地方博友会の年会費は、これは年会費ではなく、任意の寄附であり、毎年初めに、年初めに下村大臣の自民党東京都第十一総支部から博友会会員に一斉に依頼状を出している、郵便で出しているとの答弁がありました。約一万人の会員に対して一斉に依頼状を郵送で送っていらっしゃるという……(発言する者あり)ごめんなさい、千人の会員に対して一斉に郵便を送っていらっしゃるということなので、この郵便代が、政治資金団体たくさんお持ちですけれども、どこかに必ず収支報告に計上されているはずなので、これを示していただきたいというのが昨日の小川委員の要求でありました。 これについてお調べいただけるという答弁でしたので、調査結果をお知らせください。
○国務大臣(下村博文君) できたら全国で一万人ぐらいの方に政党支部として寄附がお願いできるような、そういう信頼が得られるような政治活動ができればと思います。 そして、地方の博友会については、これは任意団体でありますので、御指摘ありましたように、十一選挙区支部から直接郵送で依頼をしております、寄附のお願いですね。郵送代は十一選挙区支部で計上しております。この地方の博友会はその他の政治団体という位置付けになりますので、経常経費の個別記載義務はありません。経常経費そのものについては、収支報告書の支出の総括表の中に一括して記載をしております。 それから、全部で一千数百ということを申し上げたわけで、地方の博友会だけで一千数百ということではなくて、それ以外については、十一選挙区支部への寄附のお願い、これは私はそれ以外に東京の届け出ている博友会、それから博文会と、そういう団体もございます。これらの政治団体からの会員に対するお願いということなので、これは各政治団体から郵送し、郵送代は各政治団体で計上処理をしているところでございます。
○安井美沙子君 実際に、何月何日にどこの支部から幾らというふうにお答えいただけるものと思ったんですけれども。 私の方でちょっと見ましたけれども、十一総支部については、二十三年分、二十四年分、二十五年分共に、年の初めにというふうにおっしゃっていたので、一月とかせいぜい三月までかなと思いましたけど、郵送代八十円掛ける千人分、八万円ぐらいの支出というのはないんですね、郵送代は。博友会というところもなし。博文会というところもなし。郵送代のレベルは一万円とかそのレベルなんですね。 全部これ、私、数字持っていますけれども、いつ、どこに掲載されているんですか。
○国務大臣(下村博文君) 年に一度、一月、二月に全国の私に縁のある方々に対して政党支部からということで寄附のお願いしておりますが、これは必ずしも一斉に出しているわけじゃなくて、事務手続上ですね、数百ごととか何回かに分けて郵送をしております。 そういうことで、別に意図的にということじゃなくて、これは金額の中の話、それから、その他の政治団体なので経常経費の個別記載義務はありませんので、しかし、経常経費そのものはこれは収支報告書支出の中に、総括表の中に一括して掲載しています。何回かに分けて郵送しているということであります。
○安井美沙子君 大臣がおっしゃっているのは一万円未満であれば郵送代というのが出てこないという意味だと思いますけれども、郵送代というのが一万円ちょっとぐらいのレベルで何個か出てくるんですね。 なので、例えば二十四年であれば、二月六日一万八千四百十四円というのがありますけれども、これではないというふうにおっしゃっているんだと思います。それから、二十五年分は前半はなし、二十三年分は一月十八日に三万百六十円というのがあります。だけれども、これはこの寄附金のお願いの郵送ではなく、一千通であってもそれを細かく一万円未満に分割して郵送していて、その切手代というのは、はがき代というのは、封筒代というのは一万円未満になって、その他のところに入っていると、そういうふうにおっしゃりたいわけですね。なかなか苦しい説明のような気がいたしますけれども、もし事実であるのならば、その他のところに、ここにあるのだということをお示しいただきたいし、何ですか……(発言する者あり)領収書見ます。それで、これだけ今疑惑を呼んでいるわけですから、きちっと御説明をされた方がいいと思います。 もう時間なんですけれども、この一連の博友会の疑惑で今回の国会の審議時間をどれだけ割いたかと思うと悲しくなります。これ、私たちが勝手にやっているんだろうと言わないでください。政治資金規正法の趣旨を骨抜きにするわけにはいかないので、国民の皆さんに代わってこの疑惑を追及させていただいています。この真実がどうであれ、疑惑を招いた下村大臣の責任は重いと、そのことを指摘して質問を終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で安井美沙子さんの質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、河野義博君の質疑を行います。河野義博君。
○河野義博君 公明党の河野義博です。 まず、難病支援に関して伺います。 昨年五月、難病医療法と改正児童福祉法、いわゆる難病関連二法が成立したことによりまして、従来、法的根拠を持たなかった難病患者への医療費助成が法律により裏付けをされ、国の難病対策は四十年ぶりの抜本改革をされました。 パネルの一枚目を御覧ください。(資料提示) 医療費が助成される指定難病、いわゆる大人の難病の数、従来は五十六疾病であったものが、今年七月には約三百に拡大をされ、医療費助成の受給者は倍増する予定です。また、小児慢性特定疾病、いわゆる子供の難病の数も五百十四から七百四まで拡大、子供の受給者数も一・五倍に拡大されることになり、全国に喜びの声が広がっております。 難病対策については、公明党も長くその支援に取り組み、国会議員と地方議員のネットワークを生かしながら患者と家族に寄り添って着実に政策を積み上げ、今回の改革に貢献できたと自負をしております。 一方で、何といっても、今回の抜本改革、これは難病支援をライフワークとされている安倍総理の強力なリーダーシップがあったからこそ実現できた支援拡大であります。予算措置でも、平成二十七年度は昨年度に比べて五百四十八億円を増加させ、合計一千四百六億円とすることもできました。 そこで、一連の難病対策に関する政府の取組に関しまして総理の御所見を伺います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今まで医療費助成の対象疾病を五十六に指定していたわけでございますが、この五十六疾病以外の難病の方々、難病というのは、その病気の原因が分からない中でなかなか治らないという大きな不安を抱えている、かつ政府からもその指定をもらっていないということで大きな不安になっている、何とかしてもらいたいという声が全国から届いておりました。 そこで、我々、今回、難病対策を充実強化するための新法によって、本年一月に施行されました、五十六から百十に拡大したところでございますが、さらに本年七月を目指して約三百に拡大することとしております。また、小児慢性特定疾病についても、本年一月に新たに百七を追加し、七百四に拡大をいたしました。 これらの実現に当たりましては、難病患者の方々を始め幅広い御意見を伺ってまいりましたが、それを各地域できめ細かく酌み取った提言を公明党からもいただきました。改めて御礼を申し上げたいと、大いなる後押しになったと考えています。 また、医療費助成に加えて、多方面からの支援を充実していくことも重要と考えています。このため、データを集約し、治療に役立てるよう調査研究を進める、拠点病院の整備など医療体制の確保を図る、難病相談・支援センターなどを通じ相談支援を充実する、そして、小児慢性特定疾病については、児童が社会性を身に付け将来の自立が促進されるよう支援を強化するといったことに取り組んでいます。 こうした支援を総合的に進めるため、基本方針を策定し、難病の克服に向けて更に力を尽くしてまいりたいと思います。
○河野義博君 総理のお言葉から、地方からの声をたくさん上げていただいたということで、感謝の意が表されまして、本当に私もそのとおりだと思います。地方議員の先輩議員たちは長く地道に難病支援に取り組んでまいりまして、地方議会においても、治療薬の開発ですとか、患者、家族の支援を求める意見書を数多く採択してまいりました。これからも国と地方が一体となって難病対策、推し進めていきたいと思っております。 次に、対象となる疾病数が拡大した、予算措置も拡大した、非常に喜ばしいことなんですけれども、一方で、患者の就職支援、また患者の生活支援、大切な視点だと思っております。難病になっても働くことができる患者さんは大勢おられるわけで、そうした方々の就労支援に関して厚生労働省としてどのように取り組まれておられますでしょうか、大臣の御所見をお聞かせください。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生御指摘のように、難病を持ちながらも働けるということはとても大事なことでございまして、平成二十五年度から、全国十五か所のハローワークで難病に関する専門的な知識を持つ難病患者就職サポーターというのを設置をしております。しかし、今申し上げたように十五か所ということであって、残念ながら私の四国にはゼロということでもございますので、今年度予算、二十七年度予算におきましてこれを全国に拡充をし、各都道府県一か所のハローワークに少なくとも配置をできるように予算案に盛り込んでいるところでございまして、今後とも、都道府県に設置をしております難病相談・支援センター、こういった地域の関連機関とも連携をして、難病患者の方々に対する就労支援をしっかりと充実をしてまいりたいというふうに思っております。
○河野義博君 これまで全国に十五か所しか配置をされていなかった難病患者の就職支援相談員、これを今年度から全国四十七都道府県に拡大する、着実な拡大だと、着実な前進だと思います。 私も先日、東京に設置されています渋谷区のハローワークにお邪魔してまいりました。広い東京でたった一人の難病患者の就職支援相談員です。アドバイスは今予約制になっていまして、現在一か月待ちだということです。 医療と労働という異なる分野の両方の専門知識が求められる職場で、支援員の育成というのは喫緊の課題であります。また、難病患者が働くことに対して、医療の現場や労働の現場、価値観が、まだまだ大きな考え方に違いがあるといった大きな課題も指摘をされました。ようやく軌道に乗りつつあるこの難病患者の就職支援でございますので、これからも政府の積極的な支援をお願いをいたします。 続きまして、就労支援とともに大切なのが患者の生活支援であります。患者を二十四時間三百六十五日支える家族のサポート、これも大切な視点だと思っております。 先日、私の地元福岡市でお子さんの介護を二十年以上続けておられるお母様から切実に御要望をいただきました。毎日の介護が必要ですので、月に何度か短期入所施設、いわゆるショートステイサービスを利用して泊まりがけで支援をお願いしている、預かってもらうというサービスが利用できるんですけれども、長年介護を積み重ねて心身共に本当に疲れ果てておられまして、このショートステイが数少ない本当に介護から解放される期間なんですけれども、その通所施設への、短期入所施設への送迎サービス、この送迎サービスが受けられないために短期入所サービス自体が受けられないと、どうにか送迎サービスを増やしてもらえないだろうかという御要望をいただきました。 実際に地元の自治体に確認をしてみますと、そういったニーズは多いと。施設としてもやりたいんだけれども、実際に人手が足りないと。実際に施設で送迎サービスを行っているのは約半数という状況でした。恐らく全国的にも同じような声が上がっているかと思いますが、国としては、この状況、どのように把握をしておられ、どういった方針で取り組んでいかれるのか、厚労大臣、見解をお聞かせください。
○国務大臣(塩崎恭久君) 難病を含めた障害者の方々を支える家族の皆さん方の御労苦というのは大変なものがあるわけで、そういう意味では、レスパイトを含めて、短期入所、ショートステイというのが極めて有効な手だてだというふうに思っております。報酬の請求データの集計などによってこの短期入所の実態は把握ができるわけでございまして、平成二十六年の十二月現在で約三割の事業所がこの送迎加算を算定をしているところでございます。全国の三千九百二十三事業所のうちの千百四十一ということでございます。 短期入所というのは難病患者を含む障害者やその家族を支えるサービスでございまして、支援を必要とする方が適切にサービスを利用できるように、事業者において利用者やその家族の状況に応じて適切に送迎を行っていただくことが極めて重要であるわけでございまして、施設の人手不足、今御指摘がございましたけれども、この対策として、今般、介護と同様に、今回の障害福祉サービスの報酬改定において、福祉・介護職の処遇改善加算、これについて一人当たり月額一・二万円相当の上乗せを行ったところでございますけれども、引き続き運営実態をしっかりとこれは把握をして、そして、施設における人手不足解消のために障害福祉サービスにおける処遇改善、人材確保の推進に努めていかなければならないというふうに考えております。
○河野義博君 難病支援の対象疾病数が増えまして予算措置も充実した、大変喜ばしいことでございます。一方で、患者の就労支援や生活支援、まだまだ課題も多いと思っております。今後とも、政府一体となった取組をお願いをしたいと思います。 続きまして、テーマを変えまして、トラック運送業に関して次は伺います。 国内貨物輸送の九割以上を担うトラック運送業、六万三千の事業者、そして百八十万人で構成をされております一大産業であります。 お手元のパネル二枚目を御覧ください。近年、ドライバーが高齢化をしておりまして、若い担い手が減少しております。その原因といいますと、明らかに低賃金で長時間労働といったことが挙げられます。パネルの右下を御覧いただきますと、全産業に比べて賃金は二割安い、一方で労働時間は二割長いという点に問題は集約されておりまして、平成二年の規制緩和でトラック事業者数は急増いたしました。競争環境が厳しくなった結果、相対的に地位も下がりまして、荷主に比べて、契約形態がトラック業者までは二重三重の構造になっていますため、相対的に地位も低い、契約書も締結されていないようなケースも多いと。 荷主とトラックの業者の適切な取引関係にないといった点も指摘をされているわけでありますけれども、こういった問題に関する改善策、国土交通省の取組を太田大臣よりお聞かせください。
○国務大臣(太田昭宏君) 日本経済からいきまして、トラック産業極めて大事であると認識をしておりますし、全体的には、景気、経済を良くするとか、あるいは環境への対応ということについての援助をするとか、あるいは道路状況等々、高速料金等も踏まえて様々なバックアップ体制を取らなくてはいけないと思っておりますが、荷主との取引関係を含めた健全な市場環境の整備ということも必要でございます。この九九%が経営基盤の脆弱な中小零細事業者でありまして、かつ厳しい競争環境にあることから、荷主等に対して弱い立場にあるということがなかなか十分言えないというようなこともございます。また、法令遵守や安全運行に対する意識が低い事業者も存在するという状況でもあります。 このため、荷主との適正取引の推進に向けまして、トラック事業者が燃料サーチャージ導入の交渉に取り組みやすい環境の整備、こういうことができるように、運輸局が出張説明会を実施をしておりますし、また運賃や荷役作業などの契約内容を明確にする取引書面化の普及、定着、これもまた必要でありまして、あるいはセミナー、モデル事業等を行っているという状況にもございます。こうしたことによって、適正な運賃の収受、それから手待ち時間というのがありますが、この削減ということを図ってまいります。 また、不適正事業者の排除及び参入の防止に向けまして、適正化実施機関が悪質な事業者を運輸局に速報する等によって監査・速報制度の効果的な運用、あるいは社会保険加入状況のチェック、これらについても強化を図っていきたいと考えているところでございます。
○河野義博君 大臣、御認識をいただいておりますとおり、中小零細の事業者は荷主に対して今非常に弱い立場にあります。燃料サーチャージの促進、取引書面化の推進、そういった取組を通じて、健全な市場環境の整備を是非とも引き続きお願いをしたいと思っております。 加えまして、トラック輸送が日本の物流を将来にわたってしっかりと支え続けるためには、業界を魅力ある産業にしていかなければなりません。 近年、燃料の代金が高騰しておりました。業界は廃業が相次ぐなど危機的な状況が続いていたわけですが、昨今の燃料価格下がってまいりました。燃料価格が下がったことによって、業界全体は、若干でございますけれども持ち直しつつある。 今こそ長期的な視野に立って業界の活性に向けた施策を大胆に打ち出していくべきだと思いますけれども、大臣の所見をいま一度お聞かせください。
○国務大臣(太田昭宏君) 現場で働く人が貴いのだという社会を目指していかなくてはいけないし、そして、あらゆるこういうビジョンを立てるんですけれども、担い手、若い人も含めて、そこにしっかりバックアップをしていくという体制をつくることが私は大事だと思います。また、IT技術の発展や通販の普及にもよりまして人が動かずに物が買えるようになってきたとはいいながら、実際物を戸口に運ぶというのは、これはトラック運送だと思います。 将来にわたって経済と国民生活を支える基盤としての役割を果たしていくためには、もう御指摘のように魅力のあるトラック産業となっていく必要があると思います。 そのためには、健全な市場環境の整備に加えて、業界の活性化及び生産性の向上が必要だと思います。トラガールプロジェクト、女性の活躍、あるいは準中型運転者免許制度に係る対応等による若者や女性の活躍、定着に向けた取組、あるいは環境対応車の導入や燃料貯蔵庫設備の整備など設備投資の支援によるトラック産業の体質強化、あるいは、トラック事業者、荷主、そして厚生労働省、国土交通省等による協議会を設置をするということで、先般公表したロードマップに基づきまして取引環境の改善及び長時間労働の抑制等に取り組んでまいります。協議会はまずこの四月に立ち上げたいと、このように考えています。 これらによりまして、トラック運送業が将来にわたって日本を支える魅力ある産業となるように全力を尽くしたいと思っております。
○河野義博君 長時間労働削減に向けた取組に新たに厚労省を巻き込んでいくという、これは画期的な取組だと思っております。 行政、荷主、事業者でこれまでも協議会は設置してまいりましたけれども、いかに、荷待ち時間を短くしろと、まあ簡単に言いますけれども、荷主の地位が圧倒的に高くて、なかなかトラック業者から荷待ち時間を短くしてくれとは言える立場にない。そこで、労働基準を監督されている厚労省に入っていただいて、荷主を指導監督できる立場にある厚労省が入っていくという、これは大変意義深い取組だと思っております。引き続き、太田大臣のリーダーシップに期待をさせていただきます。 最後に、総理に伺います。 日本経済、そして地方経済を支える、地方創生を支える重要な役割を果たしているトラック業界でございます。業界の健全な発展に向けた総理の決意、最後に聞かせてください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今議員が御指摘になったとおり、トラック輸送は国内の貨物輸送量の九割を担うライフラインであり、経済の好循環、地方創生を実現していく上で極めて重要な産業であると認識をしています。その上におきまして、このライフラインを支えている業界の皆さんには誇りを持って仕事をしていただきたいと思います。 一方で、トラック運送事業者の九九%は中小企業であり、荷主との関係で弱い立場にあることも事実であります。事業が健全に発展していくためには、長時間労働等の構造的な問題を解決をしていく、そして魅力ある職場へと改善をしていくとともに、燃料費等のコストを適正に転嫁できるよう荷主の理解を求めるなどの取組が求められるものと理解をしています。 先ほど大臣から答弁があったように、荷主を所管する経済産業省や長時間労働対策を所管する厚生労働省、関係団体などが参画する協議会を今月中を目途に立ち上げるといった取組が進められております。今後とも、こうした場などを活用しながら、関係省庁一体となって取組を進めるようにしてまいりたいと思います。
○河野義博君 地方創生の重要な担い手であるトラック運送業の発展というのは大変重要な課題であります。引き続き政府一体となった取組をお願いいたしまして、私の質問とさせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で河野義博君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、儀間光男君の質疑を行います。儀間光男君。
○儀間光男君 維新の党の儀間光男でございます。 今日は、安倍内閣の基本姿勢についてというテーマでありますから総理に質問をさせていただきますが、通告した質問を申し上げる前に、安倍総理、残念なことがあります。 言葉尻を取ろうとは決して思いませんが、昨日の本委員会で、同僚議員が普天間の辺野古の基地問題問われたときに、粛々と進めていくという言葉がありました。せっかく四日、五日、菅官房長官が行かれて翁長知事と向き合って、この言葉が気になるんだったら使わないでおきましょうということだったのに、昨日また総理のあの言葉でちょっとがっくりしたんですね。 粛々という言葉の語源、意味を取ってみたら、雑音に耳を貸すことなくとあるんですよ。そうなると、沖縄の声は雑音になってしまったということがあって、日頃気の良い私もショックを受けておりますが、何か少し言葉を統一していただけませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 昨日の答弁については、新たな法制が必要ではないか、辺野古に基地を建設する上においてはと、こういうことでございましたので、現状においては法令にのっとって進めているということを大体趣旨として申し上げたわけでございます。 確かに、今まで政府として粛々という言葉を使っておりましたので、私もこの答弁の中で、松田公太議員への答弁として言葉を使ったわけでございますが、その言葉が上から目線的な雰囲気があるのでやめてもらいたいということであれば、これはあえて私も使う必要はないと、このように思っております。
○儀間光男君 普通、釈迦に説法で恐縮ですが、差別している人は、差別したということに意識がないんだそうですね。セクハラをしたという人は、セクハラをしたという意識がないんだそうです。そういう意味からすると、言葉は非常に大事であることから、是非とも、ぴりぴりしている国と県の立場を考えると、総理がいつもおっしゃるように、県民の心に寄り添って丁寧にやっていくんだという言葉を、姿勢を堅持していただきたいということをお願いしたいと思います。 さて、質問に入りますが、今日、国家安全保障上に係る土地の取引の法的規制についてでございます。 総理は、第二次安倍内閣スタート以来、地球儀を俯瞰する外交を展開するとおっしゃって、そのとおり二年余の間に実に五十数か国を訪問され、我が国の将来に向けて積極的平和外交、総理の言葉です、を展開する中で日本の安全、安定の確立に奔走されており、その労は多といたしたいと思います。 ただ、やはり総理といっても人間ですから、人のすることですから、それらが全て百ということはなかなか難しい、異論もいろいろあると思います。しかし、その間、外交におかれましては、日本の安全保障の確保のために、いわゆる外からの攻めに対しての防衛体制を強化されていることは評価に値するだろうと思います。 例えば、自衛隊の最近の装備を見ますというと、先日就航されました空母に見まごうほどの立派な護衛艦「いずも」、その就役など、怠りなく整備を努めているように思います。それは、日米安保条約を基軸に、さらにアジア、東アジアの国々との友好親善、その強化もその一つであると思います。 ところが一方、あえて内国と言わせていただきますが、内国での安全体制、国民の安全体制はどうかというと、いま少し整えが不備ではないかというふうにいぶかっているところであります。国家安全保障上に係る土地の取引、法的規制の未整備がそれでございます。そのことがややもするとテロ集団の拠点化に手を貸してしまう結果にならないのか危惧されてならないのでありますが、総理、いかがでしょうか、国家安全上の土地に係る規制についてそういう観点からどういう御所見をお持ちか、伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国境離島や防衛施設周辺等における外国人や外国資本による土地の取得に関しては、国家安全保障に関わる重要な問題と認識をしています。現状においては、外国人や外国資本であることのみをもって国家安全保障の観点から土地取得を規制することはできないものと承知をしています。 このようなことから、一昨年、平成二十五年の十二月でありますが、我が国として初めて策定をいたしました国家安全保障戦略において、「国家安全保障の観点から国境離島、防衛施設周辺等における土地所有の状況把握に努め、土地利用等の在り方について検討する。」と明記をいたしました。 国家安全保障戦略に従い、これまでの間に、離島に所在する自衛隊施設や主要な防衛施設等百七十か所について、隣接する土地の調査を行ったところでございます。さらに、現在引き続き飛行場施設等九十四か所について調査を進めているところでございます。
○儀間光男君 後で出る質問ですが、先にお答えをいただいてしまいました。ありがとうございました。 でも、また違った観点から言わせていただきますが、今やテロリストに国境がない、どの国々もテロの脅威にさらされておびえているというのが世界の現況だと思うんです。 それを前提に我が国の国境ラインを俯瞰してみるというと、特に大陸側の国境離島ですが、北から北方領土、奥尻、利尻、あるいは佐渡島、竹島、壱岐、対馬、天草、熊本の離島、あるいは長崎県の離島、鹿児島県の離島、沖縄県の離島、久米島から尖閣、西の与那国から南の波照間、太平洋側に行きますというと、小笠原から八丈、あるいは南北大東から南鳥島という国境ラインがありますけれど、ここは海上保安庁がどの程度で強化してやっているか分かりませんが、あるいは自衛隊がどの程度の頻度で警戒態勢しているか分かりませんが、土地の取得の面からすると全く無防備な状態なんですね。それが心配されてならないのでありますが、いわゆる全くもって無防備であるというふうに思えてなりません。 つまり、内国で発生するかもしれないテロ行為や様々な事象に対処をする備えが土地取引の面から不備であると。必ずしも自衛隊基地、それに関わる防衛施設がない離島もいっぱいありまして、後で説明しますけれども、そういうことでございます。 なかんずく、国の安全に係る土地、今総理から答弁ありましたように、自衛隊基地の周辺、それから米軍基地の周辺、水源涵養林の周辺、あるいは原発、石油コンビナートなどなどがこれらの地域の土地でございますが、特に政治的意図を持った資本や外国人がその土地を取得しようとして、言葉は悪いんですが暗躍しているというふうに仄聞するのでありますが、総理はその辺、聞いたことがございますか。お聞かせください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国の安全保障に関わることでございますから、様々な角度から情報の収集をしているところでございますが、現在のところ、そうした米軍基地周辺の土地あるいはまた自衛隊の施設周辺の土地において、テロ活動に関わる準備等について、そういう事象については、我々、現在のところ把握しているわけではございません。
○儀間光男君 是非、自衛隊基地周辺のみならず、今言う国内を俯瞰する国境離島、それの重要ポイントの土地の件についても関心を示していただきたいと思います。 ちょっとパネルで説明しますが、(資料提示)皆さんの手元には西表の位置図も配付してありますが、テレビの向こうの皆さんにはちょっと準備ができていなくて、西表島そのもののパネルを準備させていただきました。 パネル見て左側に赤い線で囲った島がございます。内離島と、こう言います。その先に外離があって、その対岸に舟浮というところがあります。その奥地に舟浮湾があって、これは天然の良港です。戦前、我が国の海軍も使用したといういわく付きのところですが、ここはまさに自然の良港で、この内離島、いわゆる港湾口にある内離島の土地所有者、その七割は台湾系日本人です。 その方がお年を召したので、もう台湾、母国へ引き揚げるということでこの土地を売出しに出たんですね。そうすると、一見外国の方だとおぼしき人が五、六名来て会っているんですが、この地主の方、あなた方には売らないんだと、あなた方には売らないと、こういうことで断ったんですが、その数か月後に、この方はかわいそうに、台湾の台北を流れる淡水河、大きな川で基隆河と合流するんですが、その淡水河で刺殺死体で見付けられるんですよ。奥さんも見付かったんですね。 そういうことを仄聞したので、私ども維新の党、沖縄プロジェクトチームで調査に入りました。行って地域の人々の話を聞くというと、実に地域の人々のこのことに対する恐怖心、あつれき、これは大変なものであって、こんなことがあったら大変だと。例えばこの舟浮港、港湾、これは水深も非常に深くて、今後我が国が何かに使おうと思えば使える。しかも、ここは今は、現在は国際避難港になっておって、いろんな船籍の船が台風避難などで入ってくる可能性があって、また、たまたま入っております。 こういう重要な地域で、この内離の島が政治的な意図を持った方々に占有されてしまうと、この島は完全に、この西表がコントロールを失う、我が国のコントロールを失ってしまうということから、離島の重要なところはその土地の取引をチェックする必要があるんじゃないか、法制化をする必要があるんじゃないかというふうに思っておるんでありますが。 いかがでしょうかね、自衛隊基地周辺のみならず離島のこういう重要なところ、ここも戦略上必要なところ、経済も防衛でもですよ、と思われるところの重要な土地はこういうところまで規制を掛けていく必要があると思うんですが、いま一度御答弁いただきたい。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま委員が御指摘になったような離島、国境離島も含め、こうした離島に対してどのような管理をしていくべきかということについては、先ほど申し上げましたようにNSCにおいても議論をしているところでございまして、そういう問題意識からも調査を始めております。 政府としては、引き続き国家安全保障戦略に従い関係省庁が連携して所要の調査検討を進めてまいりたいと思いますし、今、儀間委員が御指摘になったような問題意識もしっかりと留意しながら検討を進めていきたいと思っております。
○儀間光男君 ありがとうございます。 実際、二、三年前ですけれども、長崎県の五島市の玉之浦漁港、ここに中国の漁船団が九十隻以上国旗を掲げて入港しまして、避難を名目に一時占拠するんですよ。地元の漁船が入れなかったという事件があったんですね。そういう実態を見るというと、その辺やはり、自衛隊、防衛関係の戦略的な、防衛戦略的な重要な土地じゃないにしても、生活するための、あるいは国土防衛をする、領土を維持するという観点からも、これはチェックされていいものだと思っております。 最後の質問になると思いますが、ここで伺いたいんですが、総理、実は百八十五回の議会に当時の日本維新の会が提案された、議員発議、議員立法ですから、党所属の議員がやったんですが、安全保障上重要な土地に係る取引についての法案が実は提案されました、御承知だと思うんですが。継続審査に付されたんでありますけれども、十一月の衆議院の解散・総選挙によって審議が未了し、廃案となった経緯があります。 総理、今お話があったことも含めまして、総理はまた同時に自民党の総裁でもあることから、陣頭指揮をお執りになって、この国境離島の重要土地に至るまで、国の安全の、内国の安全のために管理をしていくんだということで陣頭指揮をお執りになって、我が党を始め各党に呼びかけをしてこの法案の制定してはいかがというふうに思うんでありますが、御所見をいただきたいと思いますし、なおその方向であってほしいと、こういうふうに思いますが、お答えをいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 法整備に関しましては、今議員が御紹介されましたように、平成二十五年十一月に当時の日本維新の会から、国家安全保障上重要な土地等に係る取引等の規制等に関する法律案が議員立法として提出されたことは承知をしております。 この法案については、議員立法でございまして、さきの衆院の解散に伴って廃案となっていることから政府としてコメントすることは差し控えたいと思いますが、この問題意識につきましては敬意を表したいと思いますし、自民党としても基本的にこの問題意識は共有しているものと、このように思います。 いずれにせよ、今後の議員立法につきましては、政党間における話合いも進んでいく、あるいは政党間において協議が行われるかどうかということにつきましても、それぞれの党でまず議論していくことになるのではないかと思います。
○儀間光男君 御答弁ありがとうございました。 時間になりましたから終わります。ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で儀間光男君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、大門実紀史君の質疑を行います。大門実紀史君。
○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史です。 今日は、税金の取り方、税制について質問をいたします。 この間、この委員会でも貧困の広がりという点が指摘されてまいりました。貯蓄ゼロの世帯が全世帯の三割を超え、年収二百万以下のワーキングプアも一千百万人を超えると。さらに、生活保護世帯も増え続けて、過去最高の百六十二万世帯に達しております。その上、八%への消費税増税が所得の低い人ほど重い負担にのしかかっているわけです。 一方、アベノミクスは海外マネーを呼び込んで円安、株高をつくり出して、大企業や株主、株を持っている大金持ち、富裕層を大変大もうけさせたわけであります。野村総合研究所の調査によりますと、金融資産を一億円以上持つ富裕層は百万世帯を超えて、この二年間で二四%も増加し、この層が保有する金融資産は何と二百四十一兆円にもなったということであります。 実際の株式の売却、譲渡所得で見ても、二〇一二年の一・三兆円から二〇一三年の三・七兆円に二・八倍にも増加をしております。しかも、一部の富裕層に利益が集中しているということで、パネルを用意いたしました。(資料提示) 左側の、株式譲渡所得がある申告納税者は二十八万八千人なんですけれども、これを所得階層別に見ますと、緑の部分ですね、所得一億円を超えるという層は人数では僅か七千人でございます。全体の二・六%にすぎない人たちがこの株の売買の株式譲渡所得全体の六七・六%を占めていると。つまり、アベノミクスの恩恵は、株主といってもこういう一部の富裕層に集中をしているわけであります。 貧困が広がっていると指摘されている一方で、そこには手当てや配慮がされないで、こういう一部の富裕層が大もうけをすると、こういう経済政策は、私、世界でも聞いたことがありません。どこかおかしいんじゃないかと私は思いますが、麻生大臣、いかがですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、富裕層への課税の在り方については、これは、格差のいわゆる固定化というものを避けるという点から大いに関心のあるところですが、同時に、忘れてならない観点というのは、勤労意欲というものや事業意欲、また富裕層等の所得や資産が、これをやると国外流出などにどのような影響を与えるかといったことを考えて、日本経済としてどうかというところを考えておかないと、総合的に考える必要があるんだと思っておりますが。 そういった中で、まずは今般実施した所得税、相続税の見直しをやっておりますので、よく御存じのとおりだと思いますが、そういう影響を見ていく必要があると考えておりまして、その上で、今後の日本の税体系の在り方について一言申し上げるんであれば、これは、消費税は今後も増大する社会保障の充填に充てるということにいたしておりますし、税体系の中で重要な役割を担ってもらわなければならないということははっきりしていると思っております。 また同時に、それを前提としつつ、今御指摘のあります所得税とか資産課税といったいわゆる経済用語で応能課税というものから言わせていただければ、これは大門先生御関心の垂直的公平というものを確保するという観点というものを含めましてどのように組み合わせていくかという点は、これは、今後、経済構造、社会構造がいろいろ変化をいたしますので、それを踏まえながら引き続きこれは検討させていかなければならぬ状態だと思って、本年から少し、四〇を四五にしたりいろいろ変えておりますけれども、そういったところを全体的に今後考えていく必要があろうと思っております。
○大門実紀史君 消費税は、本会議でも指摘いたしましたけれど、社会保障に必ずしも全部使われているわけではないということを含めてやっぱり税体系考えていただかなければいけないと思いますけど、更に言えば、富裕層の中でも一握りの超富裕層、超大金持ちですね、の資産増加が物すごいわけでございます。 これは、アベノミクスがといいますか、二〇一二年の十一月十四日の民主党政権の野田前首相が解散を表明した日から株が上がり始めました。その二〇一二年十一月十四日から二〇一五年の三月三十一日までの株価上昇によって増えた時価総額を計算してみました。この間に保有株式の時価が百億円以上増えた株主が二百二十人に達しました。その資産増加の合計は何と十一兆円を超えております。 パネルにしたのは、うち一千億円以上資産が増加した十八人の方をパネルにいたしました。日本の超富裕層であります。見れば誰か分かってしまいますけれども、一応イニシャルにしておきましたが、この二年前は、一千億円を超えたのは二人だけだったんですね。それが急激に増えております。 ちょっとこのイニシャルパネルなんですけれども、これはこの委員会で度々取り上げてきたんですが、これらの超富裕層は、今まで海外の税金の安い国に資産管理会社、ペーパーカンパニーをつくって課税逃れをしてきたという点はこの予算委員会でも度々指摘しました。一応、一応今のところ合法的かも分かりませんけれど、やはりモラルが問われるんではないかと思います。きちんとやっぱり税金払ってもらうように国税当局も注視してほしいなと思っております。とにかく、アベノミクスで一部の富裕層が莫大な利益を手にしたわけであります。 世界的に見ますと、アベノミクスほど極端ではありませんけれど、マネー経済が世界に今浸透しておりまして、貧富の格差が広がっております。格差の是正というのは今や国際的なテーマになっておりまして、OECDもこの点について報告を出しております。 何を言っているかパネルにしましたが、格差の拡大が経済成長を大幅に抑制している、格差を是正する税制改革や教育への支出によって経済が成長するということで、今年の一月、アメリカは、こういう線に沿って、貧富の格差を是正するために最低賃金を引き上げると同時に富裕層や大もうけしている金融機関に増税をして、その税収増を中低所得者の減税あるいは学費補助、この学費補助というのは、コミュニティーカレッジというのがアメリカにありますけれども、若者が技術を身に付ける教育機関、その学費免除に使おうということであります。いわゆる低所得の家庭の子供たちに教育機会を与えようというところに使おうということを打ち出しております。もちろん議会では共和党などが抵抗しておりますけれども、方向としては私はこれは正しい方向だと思っております。 総理に伺いますけれども、日本もそろそろ方向転換をして、富裕層に課税をして、所得の低い層の負担軽減とかあるいは教育や社会保障に使うという方向に転換すべきじゃないかと思いますが、総理、いかがお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私どもの経済政策によって、経済が好循環の中に入りつつあるわけでございます。 そこで、この経済が成長していく中においてそうした果実をどのように国民の皆様に均てんをしていくかということでございますが、我々、この二年間、消費税も含めまして十二・二兆円税収は増えたわけでございますが、同時に、子供への教育、幼児教育の無償化を進めていく、あるいはまた、高校生の方々への奨学給付金、そして大学生の方々の奨学金、無利子の奨学金、あるいは返し方について新しい選択肢をつくっていく、そして授業料の減免等にもしっかりと力を入れていきたいと、こう思っているところでございます。 今後、先ほど麻生副総理から答弁もいたしましたが、相続税あるいはまた所得税における最高税率の引上げ等も行っているわけでございまして、こうした形によって言わば利益を上げている人たちから税金をいただき、そしてそれをしっかりとこうした教育等の分野へも支出をしていきたいと、こう思っているところでございます。 同時に、先ほど表として見せておられましたが、あの例えば家具のニトリという会社がございますが、そこはまさに、こうした中におきまして従業員の給与をベースアップを五千円以上するということも行っているわけでございますし、パートの方々への対応もしているのではないかと、このように思います。
○大門実紀史君 今後いろいろ考えるということですけど、もっと早く私は踏み出すべきだと、今踏み出すべきだと思っておりまして、アメリカは、富裕層への増税とともに、下の方に書いています金融機関への課税というのがあります。これは、大もうけしている銀行や金融機関に課税して、それを回そうということなんですけれども。 実は、次のパネルですね、日本もアベノミクスで一番もうけているのは、業種でいいますと、自動車などの輸出製造業のことがよく話題になりますけれども、金融保険業なんですね。 この間の増益額で見ますと、一位が金融保険業、二位が輸出製造業、自動車などですね、三位が建設業で、これは今の公共事業の影響でございます。特に、下のグラフで、五大銀行、三菱UFJ、みずほ、三井住友などですけれども、この五大銀行グループの利益はリーマン・ショック前の最高利益を超えたということになっております。 なぜこんなにもうかっているのかといいますと、これこそアベノミクスのおかげでございまして、日銀の量的緩和というのは日銀が銀行から国債をどんどんどんどん買ってあげるわけですけれども、銀行は国から買った国債を高く日銀に売るわけですね。横流しするだけで利ざやが稼げるということで、この国債の売却益がかなり膨らんできているわけでありまして、まさに国策でもうけさせてもらっているわけであります。 ところが、銀行や保険業などの金融業界の要望に沿って、本来見直すべき税制改正が行われませんでした。受取配当益金不算入制度といって、ちょっと難しいんですけれど、要するに、資産運用とかマネーゲームを目的とした株式の保有については、その配当についてきちっと税金を払ってもらいますよという方向が出たんですよね。ところが、銀行始め金融業界はもうかっているくせに猛烈な反対運動を展開して、結果的に骨抜きになったわけであります。 これは参考人で結構ですけれども、この受取配当益金不算入制度の見直しについては、当初、自民党の税制調査会では二つの案が示されたんです。課税強化の厳しい案と、それと緩い案が示されて、結果的に今回の改正案はその緩い方の案になってしまったんですけれども、もしも自民党税調で示された厳しい方の案だったら、国と地方合わせてあと幾ら入ってきたか、増収になったか、これ数字ですので、参考人で結構です。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。 先生のおっしゃいました内容は、恐らく、持ち株比率五%以下の株式に係ります受取配当についての益金不算入割合を、今回法案成立させていただきましたものが二〇%でございますが、それを仮にゼロであった場合はどうかと、こういうお尋ねかと思います。 そういうことでございますれば、平年度ベースで、国税でプラス六百億円、地方税でプラス二百億円、合わせて八百億円ということが試算できると思います。
○大門実紀史君 つまり、国税六百、地方二百億で八百億ですね。八百億円というと、国と地方ということはあるんですけど、規模でいいますと、そのお金があったら何ができるかといいますと、年金のマクロ経済スライドを発動しなくていいんですよね。つまり、年金減らさなくて済む金額をもうかっている金融業界におまけをしてあげたということになるわけであります。なぜ、きちんと増税をして、そういう年金の引下げなんかやらなくて済んだのに、そこに手当てをしなかったのかということが、具体的にはそういうことが問われているわけであります。 総理にお伺いしたいんですけれども、この実効税率の引下げの財源ですよね、これ、当初、今言った受取配当益金不算入の見直しなど、課税ベースの拡大で財源を確保するというような方向はあったんですけれども、結局、今言ったみたいにいろんなことが骨抜きになって、差引き二千六十億円もの減税になったわけですね。当初は減税にならないように課税ベースの拡大で穴埋めするんだと言ったんですけれど、結局減税になったわけですね。 やっぱり、苦しい庶民には平気で消費税増税と言っておいて、こういうもうかっている大企業とか大銀行には何かおまけをしてあげる、配慮してあげる、やることが逆さまじゃないかと私思うんですよね。応能負担を原則とした税制というのは、これはもう今や我が党共産党だけが言っているわけじゃなくて、OECDもそういう流れにしないと世界の経済成長はないんだということを言っているわけでありまして、この企業課税も、前申し上げたように、競争のためといったって、もう競争でいえばアジアと同じようなレベルになっているわけです、GDPでいきますとね。 そういうことになぜ配慮をして、こういう逆さまの税制をやり続けるのか。もう最後ですので、総理のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘が今、大門先生ありましたように、負担能力のある企業においては応分の負担をいただく必要があるということだと思いますが、今回の法人税課税においても、過去の欠損金というものがあっても当期で利益を稼いだ企業については欠損金の繰越控除というのがありましたけれども、この繰越控除、今までは所得の八〇%だったものを今回引き下げて、どんと引き下げて、一五%引き下げて六五、それから平成二十九年度以後は所得の五〇まで、三〇%引き下げますというようなこともやらさせていただいて、制限するといった方向で見直しを行っております。 一方で、法人課税につきましては、これは日本経済全体を活性化させる見地から検討すべきものだということで、稼ぎを増やしたらその分課税をというようなアプローチではなくて、利益を上げることに対するインセンティブを引き上げることが有効だというような局面なんだと今思っております。 そこで、今般の法人税課税におきましても、稼ぐ力のある企業の税負担を軽減して企業の意識とか行動に変化を起こさせるということが大事なんだと思っておりますので、内部留保が三百四兆円が三百二十八兆円まで、一年間で二十四兆円増えておるというような実態でありますので、そういったものを円滑に地方に下請にということやら給料のアップやらということで、今、全国各地への展開をつながっていくように法人税の構造改革というものを狙いとしているところでもございます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もちろん、負担能力のある企業には応分の負担をいただく必要があると、こう考えています。我が国においては、一部の企業に税負担が偏っているとの指摘もあることから、そうした状況を改善し、広く負担を分かち合う構造としていくことも必要でありまして、引き続き課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げる改革に取り組んでまいりたいと、このように思います。 こうした成長志向型の改革により企業が収益力を高めれば、継続的な賃上げや下請企業の価格転嫁につながり、ひいては経済の好循環を全国津々浦々に広げていくことにつながるのではないかと考えております。
○大門実紀史君 とにかく応能負担を原則とした税制に抜本的に改革されることを求めて、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で大門実紀史君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、松田公太君の質疑を行います。松田公太君。
○松田公太君 日本を元気にする会・無所属会の松田公太でございます。 二日連続となりますが、昨日のテーマは政治理念でしたのであのように憲法論を含めた質疑をさせていただきましたが、今日も、テーマどおり、基本姿勢についてお伺いしたいと思っております。 〔委員長退席、理事岡田広君着席〕 安倍政権は二〇二〇年のプライマリーバランス黒字化を目指して財政健全化に取り組んでいるとのことですが、国の借金は増加の一途です。 会社に例えれば国民の皆さんも分かりやすいと思いますけれども、潰れそうな会社を立て直すためには、粗利益を伸ばすことと経費を削減すること、この両方が重要になってくるわけですね。利益を伸ばすためには、新規事業を立ち上げて、稼ぐ力をどんどん養わなくてはいけない。それが規制改革と例えばベンチャーが育つための環境を整えるということだと思いますので、アベノミクス第三の矢に関して、我が党としてももうこれは積極的に協力、推進していきたいと思っているところでございます。特に、ベンチャー企業をゼロからつくり、上場も経験した起業家が二名おりますので、今後は、アントレプレナー、これを増やすための施策などについてもいろいろと議論させていただきたいと思っている次第でございます。 今日は、予算審議の最終日でもありますので、国の余分な費用の削減や余剰資金の活用について幾つかお聞きしたいと思います。 先月の予算委員会で、我が会派の行田委員が外為特会に関して質問をさせていただきました。一般会計が非常に厳しい中で、必要以上に特会にお金がたまっているのではないかという論点です。他国の債券の償還期限が来た分については、ロールオーバーせずに少しずつ換金していって財源の足しにするべきじゃないかということでした。しかし、それに対しては、麻生大臣から、この場でつまびらかに話すことはできないということで、なかなか満足のいく回答はいただけなかったようです。 私は、同じ観点から、労働保険特会についてお聞きしたいと思います。 まずお聞きしたいのは、安倍政権として、現在三・五%の失業率が今後数年間ほどでどのように推移していくと考えているかということですが、安倍総理、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今後の失業率の見通しですか。ちょっと事前に通告をいただいていなかったので、つぶさにあれですけれども、私どもとしては、アベノミクスで経済を再生をするということで、失業率をできる限り小さくしていくという、下げていくということが大事であり、多くの雇用機会をつくっていくということを目的にいろいろなことを今やらせていただいているわけでございますので、今後どうなるのかは、これはもう経済でありますから、どちらの方向に行くかは、我々がしっかりと経済政策をやることによっていい方向に向けていくというのが一番大事なことだというふうに思っております。
○松田公太君 総理はこの件について何か一言ございますか、失業率がどのように推移していくと考えているかということですけれども。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 失業率については現在低水準になっているところでございまして、同時に、有効求人倍率についても二十一年ぶりの高い水準になっておりまして、職を求める人の数よりも人を求める仕事の数の方が多いという状況を一年以上にわたって実現をしているわけでございます。こうした状況をしっかりと維持そして拡大をしていきたいと、こう考えているところでございます。 失業率については、もちろん更に下げていくように、労働環境が改善をしていくことによって、当然これは賃金にも好影響が出てくるものと考えております。
○松田公太君 この状況が続けば、失業率、現在三・五%ということですが、これが低い水準が続くということだと思いますが、いかがでしょうか、そのような状況が続くということであれば、やはり労働保険特会の積立金を一部取り崩して、国の赤字国債を減らしませんか。これは麻生大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、過日御質問があったんで、そのときも一部お答えしましたけれども。 〔理事岡田広君退席、委員長着席〕 これは、まず大事なことは、これは保険であって税金を突っ込んでいるわけではありませんので、雇用保険料自体は失業等の給付などが景気動向によって大きく変動することが考えられますので、雇用保険財政の中期的な安定というのを確保するという観点を考えますとこれはなかなか大事なところで、実際に、平成六年度は、当時約五兆円あった積立金が平成十四年では実に四千億円まで、十分の一に激減しております。 急速に減少したことがあるんですが、その結果、雇用情勢が非常に厳しい状況であるにもかかわらず雇用保険料は引き上げるということで給付日数の削減をやることになりまして、暫定的に千分の十四というまで、十二から十四までしておりますし、日数もたしか、百二十日を半分、いや半分以下にしたな、三十日までに減らしたというような、いや九十日か、三十日減らして九十日にしたんだと思いますが、そういうことをさせていただくということで。 不況期におけます国民生活というものへの影響をできる限り緩和するという観点から、雇用情勢が悪化したときでも安定的に失業給付が行われるようにするということが重要なのであって、過去の経緯を踏まえますと、今の積立金というものは、経済の規模も大きくなっておりますし、必ずしも過大なものとは考えておりませず、また給付の、雇用の保険料ですので、この費用の負担者であります労使の間での合意も踏まえつつこれは考えねばならぬところだと思っております。
○松田公太君 今、麻生大臣がおっしゃった十数年前、四千億円近くに落ちたときから、おっしゃるように給付日数の改正などいろいろ改正がありまして、そこからある意味、右肩上がりで変化を、増加をしてきているということだと思いますが、麻生大臣はそのちょうどリーマン・ショックのときに総理大臣を務められていましたので景気の動向に非常に敏感だと思いますけれども、リーマン・ショックのときでさえ、実は五・三兆円ほど積立金が残っていたんですね。あのとき一気に失業者数増えましたね。百万人ぐらいにたしかなったと思いますけれども、給付がですね。私は、半分とか例えば二兆円とか取り崩してほしいと言っているわけじゃないんですね。これだけ今財政が厳しいわけですから、百億円でも二百億円でも、可能な金額を少しでも捻出して借金返済に充てるべきじゃないかなというふうに思っているわけなんです。 これは塩崎大臣にお聞きしたいんですが、いかがでしょうか、例えば百億円でも取り崩して、毎年、今約千五百億円出ている雇用保険の国庫負担金、これを少しでも減らすということは考えられませんかね。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど麻生大臣から申し上げたように、これは不況期に備えて好況期にしっかりと積み立てておく必要があるわけでございまして、今お話しでございますけれども、この雇用保険の積立金については、そもそもこの雇用保険の積立ては、御案内のように労使から徴収をしている雇用保険料で、それで積み上がってきて不測の事態に備えると、こういう格好になっているわけでございますので、これを今、一般会計に繰り入れろと、こういう御提案でございますけれども、雇用保険制度以外の財源として活用することについて保険料の負担をいただいている方々の御理解をいただくことは、なかなかこれは難しいんじゃないのかなというふうに思っておりまして。 備えをしっかりとするという意味においてこういう形になっているわけでありますし、保険料の引下げということについてもよく提案をされるわけでありますけれども、これについても、労働保険の保険料の徴収等に関する法律によって、積立金などが失業等給付の二倍を超える場合に、厚生労働大臣が労働政策審議会の意見を聞いて法律で定められた限度まで弾力的に引き下げられる仕組みとなっておりまして、現在の保険料率は既に法律で定められた下限まで引き下げられているところでございまして、今、千分の十まで下がっているわけです。原則は千分の十四であることは、もう先生御案内のとおりでありまして。 今後の保険料率の在り方については、昨年の雇用保険改正における、いわゆる育児休業給付というのに回すということにもなっておりまして、これが一体どうなるのか、それから給付の拡充による財政影響がこういうものについて必ず出てくるわけでありますから、これを見た上で保険財政の安定的な運営というものを考えなきゃいけないということであれば、ますますもって、先生今お話しのような形で一般会計にというふうになかなか合意が得られるとは思えないなというふうに思います。
○松田公太君 今いろいろお話をいただいたわけですが、例えば、労使の承認が得られないということですが、今現状は、労働政策審議会というところがありまして、ここでいろいろ話し合っておるわけですけれども、安倍総理のリーダーシップであれば、そういったところに出ていって、例えばこれを理解してほしいというようなことも私はできるんじゃないかなと。皆さんに給与を上げてくれと言ってあれだけ反応するわけですから、これ私、可能なんじゃないかなというふうに思っておりますし、国庫負担金を減らすというのは、これはある意味、同じ勘定の中での話ですから、これは幾らでも調整ができるんじゃないかなというふうに思うんですね。 また、もう一つ、弾力条項についてのお話がありましたが、これも改正すればいい話だというふうに私は思っているわけです。保険料率を下げたらいいというお話、逆に塩崎大臣の方からありましたが、私もそれに賛成でして、消費税が今上がって消費が落ち込んでいるという状況では、事業者に例えば月に数百円とか数千円だけでもお返しすることできれば景気に良い効果をもたらすことができると思いますし、当たり前ですが、雇用者にとっても従業員数が多ければ多いほど効果がこれ大きくなるわけですね。 また、適用の事業場数ですけれども、現在三百二万あるということですけれども、労働保険を納めていない事業者も相当いるようだと認識しておりますが、この引下げの恩恵というのは、真面目に払っている事業者に恩恵が行き渡るわけですから、これ非常にフェアじゃないかなというふうに思っている次第でございます。頭数で従業員分を支払っているわけですから、節税ができる法人税よりもフェアかもしれませんというふうに私は思うわけですね。 いずれにせよ、是非この話は、私は両方の面で、保険料率下げるということと、あと一部取り崩すということを考えていただきたいと、このように思っている次第でございます。 ちょっと時間が大分たちましたので、次に行かせていただきますが、次のクールジャパンの質問をちょっと飛ばさせていただいて、東京電力の会計に関する問題についてお聞きしたいと思います。 これは先日の経済産業委員会で東電の廣瀬社長にも伺ったところなんですが、三月二十三日に会計検査院から公表された東電の検査報告についてお聞きしたいと思います。 それによりますと、国が原子力損害賠償・廃炉等支援機構を通じて上限の九兆円を東電に交付した場合、全額を回収できるのが三十年後となってしまう、交付国債に関する利息分の約千二百六十四億円は実質的にこれはもう税負担、国民負担になってしまうということなんですね。また、廃炉作業、汚染水作業ですね、これへの国の財政措置は二十三年度から二十六年度で千八百九十二億円に上るというふうに聞いております。 私は、かねてから、東電は法的整理するべきだと提言させていただいておりますけれども、今後、存続するということを前提とした場合、やはり東電の存続のためには、国民負担、これを極力小さくしなくちゃいけないというのは当たり前の話で、徹底した経営の合理化が必要になってくるわけです。 現在、東電に回収できる債権があったとしたら、例えばそれが公費の投入前にできたものだったとしても、私は、しっかりと回収する、これが必要なことじゃないかなと思いますし、今後、例えば何かしらの契約をするということであれば、東電にとって不利益にならないようなチェックも私は必要だと思っています。 例えば、これ会計検査院の調査で出た話ですけれども、フランスのアレバ社、ここと契約した除染装置、また日立GEニュークリア・エナジー、また東芝などと契約した除去装置、塩分の除去装置ですが、これが約七百億円、これ汚染対策費として出ているわけですけど、無駄になっているということなんです。 これも廣瀬社長に先日質問したところ、何か瑕疵があったわけではないというふうに答弁されていましたが、実際にそういった機械を動かした期間というのが、除染装置については三か月で、塩分の除去装置については最短で五日間しか動かさなかったというものもあるわけですね。理由の一つとして注水量が減ったからなんという話もされていましたが、私はそれも提言したんですけれども、あれだけ多くの注水をする必要があるのかと。もう汚染水をある意味無駄に増やしてしまっているだけじゃないかということも言ったわけですけれども、いずれにせよ無駄になってしまっているのが現状なんです。 東電の株主であり親会社は国なわけですから、所管の経産大臣には厳しくチェックと追及をしていただきたいと思うんですね。本当に装置に瑕疵がなかったとしたら、東電の契約やその見込み、計画、これに問題があったということですから、厳しく原因追及をしていただきたいと思いますし、改善方法、これも提示していただきたいと思います。また、もし装置に瑕疵があった、発見されたという場合であれば、相手が日本の企業だろうがフランスの企業だろうが、代金の返還請求、これをしっかり行っていただきたいと思うんですが、宮沢大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮沢洋一君) 過日の経産委員会での議論を私は聞いておりました。廣瀬社長からいろいろ、アレバ社の件についても大変緊急事態の中で役に立ったというような答弁があったと思います。 ともかく四年前の状況を考えてみますと、ともかく汚染水対策、原発の処理といったものについて、国を挙げてといいますか、世界の英知を結集して取り組んでいかなきゃいけない、しかも世界に全く前例のないことをやるということで、いろんな試行錯誤、改良といったものを続けてきておりまして、ともかく住民の方の不安を早く取り除かなきゃいけないということで、予防的、重層的な対策を講ずる中でいろんなものに挑戦し、その中では正直言って完璧でなかったもの、うまくいかなかったものもあります。 やはりその部分を、当時の大変な騒ぎの中でやったところが多々ありますけれども、今後は実効性、効率性といったものをしっかり我々としてもチェックをしていかなければいけないと、こういうふうに思っております。
○松田公太君 確かに、前例がないことをやっているわけですから大変なのはよく分かりますけれども、かといって丸投げして、失敗しても何のおとがめもなしというのは私はおかしいんじゃないかなと思います。結局は国民のお金で東電を救済して、廃炉、除染、これもお金を出しているから私はそのような甘い考え方になってしまっているんではないかなというふうに思うわけですね。 やはり経産大臣、しっかりしたチェックを行っていただいて、場合によっては国民負担を可能な限り減らすために代金を返済していただくということも含めて追及をしていただきたいと、このように思っている次第でございます。 大分時間が進んでしまいまして、最後の質問に行かせていただきたいと思いますが、国会議員の歳費についてなんですけれども、数年前、私が発議者となって、議員の歳費三割カット、ボーナス、これは期末手当ですが、五割カットという法案を提出したことがあります。残念ながら、他党の賛同を得られずに廃案となってしまったわけですけれども、この法案を提出した理由は、当時、消費税増税の話をしていたのと公務員の給与をカットするという話が出ていたときでして、それであれば国の取締役とも言える国会議員がまず自分たちの身を切る必要があるだろうと、社員に負担を強いる前に、会社でいえば役員が自らの身を削るというのはもう当たり前のことですから、国会議員もやはり身を削るべきだという気持ちだったわけです。今は更に当時よりも借金が増えているわけですから、やはり国会議員の歳費はカットするべきだというふうに思っております。 これについて総理にお聞きしたいんですが、総理は果たしてどう思っていらっしゃるかということですね。既に民主党時代から、閣僚の、公務員の給与の一部を減らしているということは存じ上げていますので、国会議員としてもこれぐらい堂々とカットするべきじゃないかということを是非遠慮なくおっしゃっていただければと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政治活動に係る経費の問題は、議員活動、ひいては民主主義の根幹に関わる重要な問題だと思います。 その在り方については、政治活動に係る費用全体について、金額の多寡、使用の範囲、国民への説明責任など、多角的な観点から総合的に議論すべき問題であるとともに、様々な事情や環境の下にある者が国会議員として活動するための基盤となるものであることに鑑みれば、多数の意見で押し切る性格のものではないと、このように思いますので、こうした課題については国会において各会派で真摯な御議論をいただきたいと、このように思います。 また、閣僚の給与につきましては、御紹介をいただきましたが、特例による減額がなくなって以降も、引き続き相当する額、閣僚は二割、私は三割を国庫に返納しているところでございます。
○松田公太君 時間が来ましたので終わりにしますが、こういう話をすると、国会議員の給与三割カットなんて大したことないじゃないかとよく言われるんですね。要は百八十億円ぐらいにしかならないと。でも、私は逆だと思っています。
○委員長(岸宏一君) 時間が過ぎておりますから、おまとめください。
○松田公太君 はい。 本日私が取り上げた数字は、九十六兆円の数字からいうと小さいと思われるかもしれませんけれども、是非、ちりも積もれば山となるということで、安倍総理にはそういうことを考えていただいて、しっかりとカットを、経費のカットを、余剰なお金をしっかり組替えするということも考えながら予算、また経営を続けていただければと、このように思います。 どうもありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で松田公太君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、松沢成文君の質疑を行います。松沢成文君。
○松沢成文君 次世代の党の松沢成文です。 まず、今日は、配偶者控除の見直し問題について、まず総理の政策理念を伺いたいと思います。 自民党は、この前の参議院の選挙までの総合政策で、配偶者控除の維持というのを継続して掲げておりました。つまり、外で働くだけが労働ではない、家庭で家事をこなして、子育てや介護に専念するのも立派な労働だと。その家庭内労働の価値を認め、社会の基礎単位である家族を大切にするという視点に立って家庭基盤の充実を図るために配偶者控除は重要だということだと思います。私も家族の価値を重視する保守主義者でありまして、総理も同じ考えだと思って安心をしていたところであります。 ところが、その参院選の半年後、総理は方針を百八十度転換をしてしまいました。成長戦略の議論の中で、女性の社会進出を促進するために配偶者控除の見直しについて関係閣僚に指示を出したわけであります。つまり、恐らく、配偶者控除によるいわゆる百三万円の壁が女性の社会進出を妨げているという意見に影響されたんだと思います。昨年では政府税調で五つの見直し案が示されましたが、そのいずれもが配偶者控除を減額、廃止してしまう内容でありました。 こうした議論の中で、私が違和感を覚えるのは、専ら専業主婦問題が労働経済政策の観点ばかりから論じられていて、家庭、子育て、介護、こうした福祉、教育政策の観点がすっぽり抜け落ちていることなんです。家庭内労働の対価という配偶者控除制度の本来の趣旨がすっかり忘れられてしまっているように思います。 総理の友人でもあると思います、私も親しくしていますが、テレビ東京出身の政治解説者篠原文也さん、御存じだと思いますが、第一次安倍政権のときに、「子どもと家族を応援する日本」重点戦略会議の委員に任命されたと。そのときに安倍総理から、専業主婦家庭をしっかり守るように頑張ってほしいと言われて委員になったそうです。ところが、第二次安倍政権になってみると、全くそれと違った方向に総理は政策の指示を出している、これは総理の変節ではないかとえらく怒っておりました。私もそう感じているんですね。 安倍総理、あなたの配偶者控除問題に対する政策理念はどこにあるんでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、安倍内閣においては、女性が輝く社会を目指して、子育て支援そして女性の再就職支援等を力強く進めているところでございます。あわせて、昨年十月の経済財政諮問会議において、女性の就労拡大を抑制する効果をもたらしている仕組みや慣行等についても、関係大臣に対して女性の活躍に向けて総合的に具体的取組の検討を進めるよう指示したところでございます。 御指摘の配偶者控除については、配偶者の就労を抑制する効果があるとの指摘がある一方、今お話しになったように、家族の助け合いや家庭における子育てに対する配偶者の貢献を積極的に評価すべきとの指摘もなされています。私といたしましては、こうした様々な立場の御議論をしっかりと受け止めていく必要があると、こう考えておりまして、具体的な制度の在り方については、現在、政府税制調査会の専門家に御議論をいただいておりますが、昨年十一月の論点整理においては、複数の選択肢を示した上で、家族の在り方や働き方に関する国民の価値観に深く関わることから、今後、幅広く丁寧な国民的議論が必要とされているところであります。 そして、私の考えでございますが、私は家族の価値を大切にしております。自由民主党もそういう党でございます。配偶者控除については、政府税制調査会や党税制調査会において引き続き検討されるものと考えておりますが、家族の在り方や働き方について国民的議論を行いながら、そしてもちろん専業主婦が果たしている、今議員が挙げられたような、そういう重要な役割等も勘案しながら判断していくべき問題であると考えております。
○松沢成文君 次に、児童手当でもちょっと制度上おかしなことがあるのでお聞きしたいと思います。専業主婦世帯と共働き世帯で大きな格差があるんですね。 ちょっと皆さん、この表というか図を見てください。(資料提示)一千万円の所得がある世帯で、これ四人家族を例に取りました。 専業主婦で子供二人の世帯ですね。これは所得一千万円、旦那さんが稼いできます。扶養家族は三人ですから、所得制限は九百六十万。これ所得制限を超えていますので、旦那さんのお給料は、これは児童一人当たり所得制限なしの特例給付の五千円しかもらえないんですね。 一方、共働きの世帯、ここでは、例えば旦那さんが七百万、奥様が三百万稼いだとします。しかし、この制度上、主たる生計者の所得がカウントされるんですね。そうしますと、扶養家族二人、所得制限は九百十七万、ちょっと低くなりますが、さあ、ここで問題なのが、七百万円はこの九百十七万より低いですから、この世帯は児童手当を満額もらえるんです。これは一万円から一万五千円です。 こうやって、同じ家族の所得なのに、専業主婦世帯と共働き世帯、これ二倍から三倍、もらえる児童手当が格差があるんですね。 私はこれは大きな制度的な問題だと思いますが、総理、これ、いかがお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 社会保障の各制度では所得水準に応じて給付の制限や負担の増減を行う場合がありますが、その際、特定の個人の所得を見るか世帯の所得を見るかは、各制度の趣旨や成り立ちなどによって異なるものと承知をしております。 児童手当の所得制限については、制度創設以来、世帯の中での主たる生計維持者の所得を基準としておりますが、共働き世帯が過半数となった今日、いただいた御意見も一つの考えであると思います。 ただ、この場合には、児童手当を支給する対象者の範囲や基準の在り方をどのように考えるか、仮に見直しを行う場合、それにより受給者に相当の変化が生じることをどう考えるか、市町村の事務負担等、多くの検討を要する論点もあると認識をしております。
○松沢成文君 この大きな格差はしっかり制度的に見直していただきたいと思います。 最後に、国立大学法人における国旗掲揚、国歌斉唱について質問いたします。 この表を見ていただきたいと思いますが、ここ二年間の国立大学法人の国旗・国歌の実施状況であります。国旗を掲揚しない大学が十二から十三あります。国歌斉唱に至ってはもうほとんどの国立大学が実施をしておりません。 私学とは異なって、国立大学というのはほとんどが国からの運営交付金や補助金で運営されているわけです。私は、国民感情としても、国民の税金で賄われている国立大学なのだから、入学式、卒業式で国旗掲揚、国歌斉唱はある意味で当然だと思っているんじゃないでしょうか。しかも、国立大というのは将来の国家を担うリーダーを育成する機関ですよね。国旗も掲揚せず、国歌も斉唱せずでは、国のリーダーとしてのアイデンティティーが育まれるんでしょうか。 国は、小中高で学習指導要領の下に国旗・国歌を尊重するようしっかり教育しているはずです。それが最終段階の最高学府の大学では存在しない。終わり悪ければ全て悪しになっちゃいます。大学の自治や大学の学問の自由というのは尊重すべきですが、国立大学の入学式、卒業式に国旗・国歌があるのはむしろ当然の姿で、それが自治や自由を妨げるものではないはずです。 まず、総理、この調査結果を見てどのようにお感じになりますか。感想を聞かせていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 感想としては、大体、大学という性格上こういうことになっているのかなと思いますが、ただ一方、学習指導要領がある中学そして高校においてはしっかりと実施されていると同時に、今委員がおっしゃったように、税金によって賄われているということに鑑みれば、言わば新教育基本法の方針にのっとって正しく実施されるべきではないかと、私はこんな感想を持ったところでございます。
○松沢成文君 文科大臣、これ、各国立大学に国旗掲揚、国歌斉唱をしっかり実施するよう指導をしてもいいんじゃないですか。これは設置者の意思として伝えるべきではないかと思いますが、大臣はいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 国旗及び国歌に関する法律の制定から十五年経過いたしました。 先ほど安倍総理からお話がありましたが、小中高等学校においては、学習指導要領に基づき、国旗・国歌の意義を理解させ、尊重させる態度を育てるとともに、入学式、卒業式においては国旗を掲揚し国歌を斉唱するよう指導しているところでございます。 大学ではこのような学習指導要領のようなものはないということで、入学式、卒業式における国旗や国歌の取扱いについては大学の教育研究活動の一環として行われていることに鑑み、各大学の自主的な判断に委ねられているという現状がございます。 文科省としては、国旗掲揚、国歌斉唱、長年の慣行により広く国民の間に定着していること、また平成十一年の八月に国旗及び国歌に関する法律が施行されたことを踏まえて、各大学において適切な対応が取られるよう要請してまいりたいと思います。
○松沢成文君 しっかり要請をしていただきたいと思います。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で松沢成文君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、薬師寺みちよさんの質疑を行います。薬師寺みちよさん。
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。本日もしっかりと質疑をしてまいりたいと思います。 今日のテーマは、政治分野における女性の参画についてでございます。 私ども参議院も女性議員は一五・七%しかおりませんし、隣の衆議院は九・五%。人口が五〇%、五〇%を男女占めているにもかかわらず、余りにも少ない数字だと思っております。もう私が申し上げるまでもなく、諸外国、特に先進諸外国との格差は更に広がる一方だというこの現状。 総理にお尋ねしたいんですけれども、このように女性の政治参加が遅れたことで、この日本社会が何を失ったと考えていらっしゃいますでしょうか。お願い申し上げます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政治分野における女性の参画拡大は、政治に多様な民意を反映させるという観点からも大変重要であると考えています。例えば、少子高齢化が急速に進展する中において、子育てなど比較的女性の関心の高い課題についての政策や方針に国民の声を反映させやすくする側面があると認識をしています。 政治分野への女性の参画と拡大が十分に進んでいない理由として、女性の政治参画を進める機運が十分ではないこと、そして育児等と政治活動の両立が難しい場合があること、伝統的な男女の役割分担に関する意識があること、そしてロールモデルの不足などの指摘がございます。 昨年の衆議院議員総選挙の結果、我が国における女性の国会議員の割合は一〇・八%から一一・六%、衆議院では八・一から九・五へと上昇したものの、各国と比較すると低い割合にとどまっています。また、地方議員においても徐々にその割合は上昇しつつあるものの、都道府県議会では八・七%、市議会では一二・八%にとどまっています。 女性が生き生きと輝くことで、様々な価値観が共生する柔軟性と活力ある社会を創造することができます。そのような社会を実現する上において、政策決定過程においても女性が活躍することが重要でありまして、今後、特に地方議会においてもなかなか様々な課題がございまして、自由民主党におきましてももう少し多くの候補者を立てようと努力をしたところでございますが、なかなか手が挙がってこないというのも現実でございまして、今後、自民党において進めておりますそうした地方議員も含めた議員の養成において女性が参加していくように努めていきたいと、このように思っております。 何が失われたかということについては、最初に申し上げましたような様々な視点がよりしっかりと反映されていくということについては、これはマイナスではないのかと、このように思うところでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 もう今様々な問題について語っていただきましたけれども、これ大きなことがまだまだこの根底にはございます。少なくとも一人いれば、まだその議論の中で女性政策触っていただけるんですけれども、実は全国の地方議会千七百八十八のうち、二割に当たる三百七十九の市町村議会には女性議員が一人もいない、やっぱりこういう状況でございます。 その中で、私もいろいろ調べてみましたら、実は、「政治分野における女性の活躍促進について」というところで、前森大臣が各政党の幹事長宛てに要請文を出していらっしゃいました。この中でも、各政党の役員に占める女性の割合を増やしてほしい、女性候補者の割合を増やしてほしいということが書かれておりますけれども、現在行われている四十一県議会議員選挙におきまして女性の候補者が過去最高の一一・六%、それでもまだまだ一一・六%。残念なことに、主要政党の中でも最低三・六%であったのが自民党でございました。 一刻も早く自民党の中でも女性議員が増えるような工夫をしていただきたいんですけれども、総理、最高責任者として一言いただけますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政治における女性の参画の拡大は、先ほど申し上げましたように、多様な民意を反映させ、国民のニーズに的確に応えていく上でも重要な課題であると認識しておりますが、女性議員の割合について政府として具体的な目標年次や目標割合を設定していくということは困難でございますが、安倍内閣においては、今年も各政党に対して、議員候補者や党役員における女性の割合が高まるよう要請を行ったところでございます。 自由民主党といたしましては、改造前はいわゆる三役のうち二人は女性でございまして、現在も、政調会長、党の政策責任者は女性でございます。これは、政権与党であった自由民主党時代には女性は三役には一人もいなかったわけでございます。野党時代に小池百合子さんが総務会長に就任したということでございますが、与党になって、言わば政策責任者ということにおいては、与党として実際に政策を実行していく立場の与党の責任者ということになったということで、大きな意義、意味があったのではないかと、こう思います。 さらに、今回の統一地方選挙や昨年の衆議院総選挙における自民党の公約においても政治の場への女性の更なる参加を促進する旨を盛り込んでいるところでございまして、今後とも、政治の世界においてもより多くの女性の方々に活躍していただくよう、人材の発掘や育成、そして環境の整備に取り組んでいきたいと思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 私もそういう多くの地方議員の声を受けて、愛知県で地方議員の皆様方と女性議員勉強会というものを立ち上げてまいりました。そうしましたら、県内外から多くのお問合せをいただきました。実は、どの政党とは申し上げませんけれども、候補者として最後の選考まで残ったんだけれども、女性ということで最後の選考、候補者を落とされてしまった。その中で、今既に県議会議員選挙、他党に移られて戦っていらっしゃる方、無所属で出馬をなさった方、様々な方がいらっしゃいます。 一刻も早く、女性だからこそ本当は候補者になっていただかなければならないような土壌というものを各政党の皆様方にも御準備いただきたいと思います。 そこで、一つ紹介したい事例がございます。 少子化対策として大変成功した国としてフランス、これは有名でございます。フランス、先日大変面白い選挙制度をしかれました。二〇〇〇年には既に候補者の男女同数とすることを目指したパリテ法というものが成立したことは有名でございますけれども、先月、フランスの日本でいうと県議会に当たる議会におきまして、混合ダブルス方式という選挙です。男女二人一組で立候補する。これでしたら必ず男性が五〇%、女性が五〇%を占めるということで、これなぜかと申しましたら、やはりこれは日本と同じです。子育て、高齢者介護など市民生活に密着したことに関わっている県議会にもかかわらず、女性議員が一三・九%と少なかったためだというふうになっております。 これを見ましても、少子化の対策にも一刻も早く女性議員を生み出すことが必要だと思いますけれども、総理、どのくらいの数値を目標に、このような積極的な、いわゆるポジティブアクションというものを日本も打ち出し、女性の政治参画というものを目指していくべきだと考えますけれども、御意見いただけますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほども少し申し上げましたが、言わば数値目標を、それぞれこれは政党の考え方でございますから、そこで今政府の立場として数値目標について言及することについては困難であろうと、差し控えた方がいいのではないかと、こう思いますが、それぞれの政党が言わば政党としての考え方を示す意味において、どれぐらいの割合で女性候補者を出していくということを考えていくことは大切でしょうし、そのこと自体を国民にアピールしていくということも必要かもしれないと、このように思うところでございます。 法律にのっとって今フランスで行っている思い切った制度でございますが、それが日本に当てはまるかどうかというのはまた別の問題なんだろうと思うわけでございますが、いずれにせよ、最初に申し上げましたように、様々な価値観が民意の反映として政策の場で生かされていくことが大切であろうと、このように思うわけでございまして、有権者の半分は女性でございますから、そういう多様性を確保していく上においても、民意の要請を確保していく上においても、各党で努力をしていくことが望まれると、このように思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 昨日議論をさせていただきましたジェンダー予算、いわゆるジェンダーの視点を生かした予算というものの問題もそうです。少子化の問題、地方創生の問題、国の根幹に関わるそれぞれ大きな問題の解決のためにも、一刻も早く、私は、そういう強いポジティブアクションを総理自ら打ち出され、女性議員を生み出し、もうこの今の直面をしている日本の問題の解決に女性の参画していただけますようお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で薬師寺みちよさんの質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、福島みずほさんの質疑を行います。福島みずほさん。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。 五月に集団的自衛権の行使を認める法案などがたくさん出てくると言われています。集団的自衛権の行使を日本が、自衛隊がする場合に、米軍や多国籍軍の指揮下に入るのでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 集団的自衛権を行使する上においては三要件があるわけでございまして、この三要件に合致すれば、集団的自衛権を法令にのっとって行使をしていくことになるわけでございますが、他国の軍隊の指揮権に入るということはございません。
○福島みずほ君 集団的自衛権の行使とは、集団的軍事行動、集団的な軍事活動、集団的に戦争する、集団的に武力行使をすることです。そのときに、多国籍軍あるいは米軍の指揮下に入らなくて、実際それは現実的でしょうか。実際は指揮下に入ることになると思います。 次に、後方支援についてお聞きをいたします。 戦場の隣で弾薬を提供すること、このことは一体化とならないと言っていますが、戦場の隣で提供することは、まさにこれは一体化ではないでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この一体化しないという考え方については、今までの考え方を踏襲するものであります。言わば、武力行使と一体化しないことによって、それは後方支援であると、武力行使にはならないという考え方は踏襲するわけでございます。その際、我々は、今までの概念である非戦闘地域という概念があったわけでございますが、今まで様々な活動を経験をしてきたわけでございます。そういう経験にのっとった上で、戦闘現場では行わないという考え方を取ることにしたわけでございます。 具体的には、法制を進め、国会に提出をさせていただいた段階で御議論をいただきたいと、このように思います。
○福島みずほ君 集団的自衛権の行使も問題ですが、この後方支援という名の下に、戦場の隣で弾薬を提供する、場合によっては給油も行うということで、これは今までの概念を、更に後方支援を拡大をしています。これを一体と言わなければ、一体じゃ何を一体と言うのか。 今までは地理的概念がありました。サマワに行くことについても私たちは批判をしておりましたが、でも非戦闘地域で地理的に離れているということでしたが、今度は戦場の隣で提供します。戦場の隣はあっという間に戦場になるかもしれません。サッカー場のように線が引いてあるわけではありませんから、いつ戦場になるか分からない。そこで弾薬を提供しても一体化ではないと言うのであれば、何をもって一体化と言うのかというふうに思います。限りなく集団的自衛権の行使と後方支援が近づいていくというふうに思います。 この後方支援というときに、じゃ、この後方支援をするときに、多国籍軍、米軍の指揮下に入るんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、この一体化論について基本的な考えをお話をさせていただきたいと思います。 我が国の安全の確保や国際社会の平和と安定のために活動する他国の軍隊への支援については、安全保障環境の変化等を踏まえて必要な支援活動を十分に行い得るよう検討をしています。 我が国が行う支援活動と憲法との関係については、先般の閣議決定において、いわゆる武力の行使との一体化論それ自体は前提とした上で、これは先ほど御説明したとおりでございますが、その議論の積み重ねを踏まえまして、これまでの自衛隊の活動の実経験、そして国際連合の集団安全保障措置の実態等を勘案して検討した結果、他国が現に戦闘を行っている現場、言わば先ほど申し上げました戦闘現場ですね、ではない場所で実施する補給、輸送などの支援活動については、支援内容のいかんを問わず、他国の武力行使と一体化するものではないと判断するに至ったものであります。 もちろん、万が一、状況の変化が起こった場合、自衛隊が活動している場所が現に戦闘行為を行っている現場となった場合には、直ちに活動を中止又は中断することになります。 実際に自衛隊が活動する範囲については、このような基本的な考え方に従い、現場の部隊で判断する事項と政府として判断する事項の整理を含め、法案策定作業の中で具体的な基準や手続を十分に検討していくことになります。 いずれにせよ、先ほど私が答弁したとおり、自衛隊が米国の指揮下に入るということはないということははっきりと申し上げておきたいと、このように思いますし、集団的自衛権の行使を認めている国においても、他国の指揮下に入るということを想定している国というのは、私は今の段階では頭に浮かばないわけでございます。
○福島みずほ君 後方支援のときに、これは政府の答弁でも、支援内容のいかんを問わずに他国の武力行使と一体化するものではないと言っているんですが、支援内容のいかんを問わずというのも問題です。 実際、イラク特措法のときには地理的概念を設けて、非戦闘地域で遠く離れているというのも、大森四原則、これを踏襲をしていたと言っていたが、そのイラク特措法の中ですら、米軍を運んだのはこれはイラク特措法及び憲法九条に反するというのが裁判所の見解でした。 今度の出てくる法案で、集団的自衛権の行使を認め共同で戦争をする、一緒に武力行使をするということも問題ですが、後方支援という名の下に、今までは一体化だからできないというのに、戦場の隣で弾薬を提供する、もう一歩進んで変えることになり、極めて問題だと思います。 総理は、集団的自衛権の行使の場合も後方支援の場合も指揮命令下に入らない、統合本部に入らないということなんでしょうか。そうだとしても、実際はそれで後方支援やれないですよ、いわゆる。それから、集団的自衛権の行使で指揮命令下に入らなくてどうして集団でやれるんでしょうか。 総理、恒久法についてお聞きをします。 今までは自衛隊を海外に派兵するのにテロ特措法、イラク特措法を必要としました。にもかかわらず、この度、恒久法が出てくる予定です。なぜ新たな立法なくして自衛隊を海外に出せるんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 他国のコマンドに入るということについて、例えば韓国の場合、在韓米軍と韓国の間においては、米軍のコマンドの下にあるということがこれは両国の間であらかじめ決まっていることでございますし、また、NATOにおいては、これはそういう枠組みになっておりますが、しかし必ずしも米軍のコマンドの下になるということではないわけでございまして、NATO司令部の下にこれは運営されていくということでございますが、一般論として、集団的自衛権イコールどこかの国のコマンドに入るということではないということを先ほども申し上げたわけでございます。 そこで、政府としては、恒久法についてでありますが、昨年七月の閣議決定にのっとり、国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から、国際社会の平和と安定のために、自衛隊が幅広い支援活動で十分に役割を果たすことができるようにするための法整備を進めることとしています。具体的には、諸外国の軍隊等に対するいわゆる後方支援などの活動を通じ、国際社会の平和及び安全の確保に積極的に寄与していくことを検討しているところでございまして、その際、あらゆる事態に切れ目のない対応を可能とすることが重要であると考えております。 このような観点からは、具体的な必要性が発生してから改めて立法措置を行うよりも、自衛隊の活動の前提となる法的根拠をあらかじめ定めておく方が、具体的な必要性が発生した後、速やかに派遣準備を行うことが可能になり、閣議決定にある切れ目のない対応が実現できると考えています。また、これにより、平素から各国とも連携した情報収集や教育訓練が可能となり、派遣に先立つ現地調査や各国との調整も迅速に実施できるものと考えています。 具体的には法整備の内容は現在検討中でありまして、詳細については、与党協議においても御議論をいただきながら引き続き検討していきたいと考えています。
○福島みずほ君 恒久法を作るなんて論外ですよ。そもそもこれらの法案には、社民党は、立憲主義に反する、違憲であると反対ですが、恒久法を作ったら、いつでもどこでも自衛隊行けるじゃないですか。しかも、事後承認でも場合によっては可能としています。 新たな法律を作るのと、それから承認では、国会の関与が全く違います。いとまがない、あるいはシームレスなどと言いながら、切れ目のないと言いながら、国会軽視ですよ。国会で新たな立法も作らずに自衛隊を海外に出すのは、今までと違ってもう本当に暴挙だと思います。事後承認でよければ、国会は一切関与できないんですよ。自衛隊海外に出した後、その後、事後承認だったら一切関与ができません。 日米ガイドラインと、それからたくさんの戦争関連法案、集団的自衛権も含めた法案を同じときに発表するのも論外です。日米ガイドラインは全く国会の関与もありませんし、日米ガイドラインを作って、まだ法律が成立していないときに国会を拘束する、あるいはするのは極めて問題だと思います。 米軍の指揮下に世界で戦争をさせてはなりません。以上を述べて、質問を終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で福島みずほさんの質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、平野達男君の質疑を行います。平野達男君。
○平野達男君 平野達男でございます。 本予算委員会で、私は、東電福島第一原発の事故を受けまして、再稼働の在り方あるいは核燃料サイクル等々の問題につきまして、何回かにわたって議論をさせていただきました。今日は最終日でもありますけれども、最後の問題、高レベル放射性廃棄物の最終処分という問題について、若干の議論をさせていただきたいというふうに思います。 これまで我が国では約二万六千トンの使用済核燃料が出されています。そのうち八千七百トンについては、我が国はこれ全量再処理という方針がございますから、イギリス、フランス等々に委託したり、あるいは国内で再処理をやってきまして、四十七トンのプルトニウムを分離してきています。そして、ガラス固化体、これが我が国でいうところの高レベル放射性廃棄物ということになるわけでありますが、今二千百六十七本の高レベル放射性廃棄物、ガラス固化体があるということです。そのほかに一万七千三百トンの使用済核燃料があります。 今この高レベル放射性廃棄物の地層処分、これは最終処分法という法律がございまして、地層処分をやるということが基本方針になっていますが、今どういう状況になっているか、経産大臣で結構です、経産大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(宮沢洋一君) おっしゃった高レベル放射性廃棄物の最終処分というのは大変大事な問題でありまして、何とか我々の世代のうちに解決をしなければいけない問題だと思っております。 おっしゃいますように、処分方法につきましては四十年にわたり研究、評価を行ってきたところでありますけれども、科学的知見が蓄積されている地層処分を前提に取組も進んでおります。そして、おっしゃいましたように、二〇〇〇年に最終処分法を制定いたしまして処分地選定に向けた取組も進めてきておりますけれども、今に至るまで最初の調査にも着手できていないというのが現状であります。 一方で、こうした反省も踏まえて、昨年四月のエネルギー基本計画におきましては、これまでのいわゆる手挙げ方式から転換して科学的根拠に基づき国から適地を提示するなど、国が前面に立って取組を進めていく方針を決定しております。 さらに、その後、審議会での議論を経まして、今般、最終処分法に基づく基本方針の改定案を取りまとめ、パブリックコメントを先日行いましたけれども、今その結果を精査しているところでありまして、できるだけ早く基本方針を改定したいと考えております。
○平野達男君 今大臣から紹介がありました最終処分法というのは、西暦二〇〇〇年にできています。これは一九九九年の、核燃料サイクル機構、現在のJAEAですね、これが、我が国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性、第二次取りまとめというのをまとめまして、地層処分に好ましい環境は広く存在するという結論を出しているわけです。これを受けて二〇〇〇年に最終処分法が成立されました。 しかし、日本は二〇一一年に東日本大震災を経験しています。学術会議が、東日本大震災によって地層処分の是非を判断するに際しての背景事情が大きく変化したということで、技術的信頼性についてのもう一回再検討をすべきではないかという提案をしています。同じ趣旨の提案を原子力学会もしておりますし、原子力委員会もしております。 地層処分は、地下三百メートルより深いところに高レベル放射性廃棄物を万年単位、直接処分であれば十万年単位でとにかく安定した状態で埋め続けなければならないという意味においては、日本列島そのものを相手にします。 ところが、東日本大震災で、日本列島というのがどういうものかということについての私どもは再認識を迫られていると思います。これだけ動く日本列島、不確実性が多い日本列島、その中で本当に地層処分ができるのかということの技術的な信頼性ということについては、一九九九年のこの段階では、私、極めて緩い。地震もそんなに起こらない、津波なんかそんなに来ない、そう思ったからこそ福島の第一原発が起こったんですが、原子力利用の世界の中ではそういう日本列島全体に対する甘さというのがあったと思います。その甘さの中で出てきたこの技術的信頼性ということについては、基本的にはもう一回原点から私はこれは再検討すべきではないかというふうに思います。 今、世界で最終処分場を建設しておるのはフィンランドのオンカロです。これ一か所だけです、本当の本格的な建設をしているのは。私もオンカロに行ってきましたけれども、一言で言ったら、フィンランドの地層と日本の地層というのは天と地ぐらいの差があります。今日、これを細かく説明している暇はありません。あそこなら何となくできるかもしれないという感じはしますが、私も土木屋ですからいろんなトンネル現場を見ています、圧倒的に違うんです。その厳しさというものを、日本はもう一回原点に立ち返ってこれ検討していかないと、今、政府が前面に立つ、どうのこうの言ったって、国の信用している技術的信頼性については私は陰りが生じていると思うし、そこの基にある原点に立ち返らない限り、技術的な信頼性については一歩も進まないんじゃないかという強い私は危機感を持っておりますが、経産大臣、どうでしょうか。
○国務大臣(宮沢洋一君) 地震後でございますけれども、学術会議とか原子力委員会また原子力学会がそれぞれ提言を出されていることは承知しております。それぞれ違う点もありますけれども、処分方法としてなぜ地層処分が適当なのか、多様な分野の科学者間の十分な認識共有や国民との対話を図るとともに、地層処分の推進主体とは異なる組織から評価を受ける仕組みを整備し、社会的な理解を得ていくとの重要性をそれぞれ指摘されていると思っております。 一方で、我が国は地層処分ということを前提にしてきておりますし、また委員おっしゃるように、土地の地盤等々を考えて、ヨーロッパとは違うとおっしゃれば、その点はありますけれども、国際的にも各国で地層処分に向けた取組が現在進められております。 一方で、じゃ、地層処分でないとすると、宇宙にとか深海とかいろいろあるわけですが、それぞれ今の状況で現実的ではない。そうすると、人的管理といいますか、地層処分を取りあえずしないでおいて管理をしておくというような現状的な話というものもあるわけでありますけれども、やはり今まで科学者、特に原子力の専門家の間だけで議論してきたということにつきましては、私どもとしても、いろいろな方の意見も聞きながらやっていく必要があろうかというふうに思っております。
○平野達男君 私が言いたいのは、地層処分のできるという前提条件が、もう一回再検討しない限り、この話は一歩も進まないと思います。仮にもう一回それを再検討したとしても、それが信頼できるかどうかという別問題があります。ここで候補地と指定されたとしても、地元は駄目だと言うかもしれません。その問題はまず別として、その前段の話として、候補地を選定するための基盤というのはやっぱり大きく揺らいでいると思うし、ここについてしっかりとした踏み込みをしない限り、地層処分は、今まで先送りされてきたように先送りされ続けるというふうに思います。 私は、福島の東電福島第一原発の事故に関連しましては、再稼働に関しても、ちょっと話が変わりますけれども、例えば東電福島第一原発の避難がどういうふうに行われたかという検証すらまだやっていません。五年目に入りましたけれども、あそこで避難者が、何が起こったかの検証も終わっていないですよ。 それが、東電福島第一原発事故は天災が引き起こしました。もう一回もし、これは前にも言いましたけれども、原発事故は起こらないと思いますが、起こっちゃ駄目ですけれども、もし起こるとすれば、天災と重ねる必要があります、そのときの避難計画をどうするか。この原子力災害対策指針はそんなことは全く考えていません。内閣府の、これは川内原発の対応ですけれども、これも逃げれるという前提に立っています。極めて大きな天災が起きて、それで原発事故が重なる。本当に逃げれるんですかという発想が全くない。これは、福島原発のやっぱり教訓を踏まえていないというふうにしか言わざるを得ないですよ。 それからもう一つ、核燃料サイクル。五十年前から計画が始まりましたけれども、とっくに日本では高速増殖炉を軸としたプルトニウムを使った核燃料サイクルができているはずでした。全くできていません。使用済核燃料がどんどん積まって再処理しなくちゃならないから、できたプルトニウムをどうしようかといって、プルサーマルもやろうとしていますけれども、これもめどが立っていない。決まっていないことだらけですよ。技術を信じて技術がやれると思ったことが全くできていない。これも、私は東電福島第一原発事故を契機にいろいろ見てきて分かったことです。 そしてさらに、高レベル放射性廃棄物、これは今、日本はガラス固化体を高レベル放射性廃棄物にしておりますけれども、フィンランドはワンススルー方式ですから、使用済核燃料をそのまま地層処分します。だけど、日本は全量を再処理するという方針だけは決めていますが、できたプルトニウムをどうするかの方針も決まっていない。だから、地層処分も本当にガラス固化体なのかあるいは使用済核燃料なのか、これすら決まっていませんよ。何もかにも決まっていないことが多過ぎる。ただ、低濃縮ウランで燃やすということだけは成功しました。 私は、東電福島第一原発の最大の教訓というのは、再稼働するための規制強化をすることじゃないですよ、原発の全体の全てを含めた状態についての全部再検討をした上で、今何が問題になって何が先送りされてきたか。私に言わせれば、決めないことに慣れ過ぎているし、決めないことが当たり前過ぎているような、そういう原子力の利用の世界になっているような感じがします。 ちょっと時間になりました。総理に一言お伺いしたかったんですが、委員長、お許しいただければ総理に一言答弁をお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
○委員長(岸宏一君) じゃ、安倍内閣総理大臣、簡潔にひとつお願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま様々な課題について委員から御指摘をいただきました。そうした課題についても政府としてはしっかりと検討しているということは申し上げておきたいと思います。 いずれにいたしましても、既に我が国は相当量の使用済燃料を保管しており、原発の再稼働の有無にかかわらず、高レベル放射性廃棄物の最終処分が必要であることからは逃れることはできないわけでありまして、廃棄物を発生させた現世代の責任として、将来世代に負担を先送りしないように最終処分場をしっかり確保することこそ政治の責任であろうと、こう思います。 最終処分場の選定については、国民や地域の御理解をいただきながら一歩ずつ進めていくことが不可欠であろうと思います。これまでのやり方を見直しをし、科学的根拠に基づき国から適地を提示するなど、国が前面に立って取組を進めていく考えでございます。
○平野達男君 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で平野達男君の質疑は終了いたしました。(拍手) これにて安倍内閣の基本姿勢に関する集中審議は終了いたしました。 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時十分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(岸宏一君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、平成二十七年度総予算三案を一括して議題とし、これより締めくくり質疑に入ります。石井準一君。
○石井準一君 自由民主党の石井準一であります。 平成二十七年度総予算を三月十三日に参議院が受領してから間もなく四週間となり、東京の桜の花も間もなく見納めとなろうとしております。 平成二十七年度予算は二年ぶりの越年編成となり、結果として十一日間の暫定予算が編成をされ、残念ながら年度内成立には至りませんでしたが、この間、関係者の御努力の結果、本日、締めくくり総括質疑を迎えることとなりました。与党理事の一人として、岸宏一委員長の下、与党岡田筆頭理事、野党小川筆頭理事を始め、本委員会の運営に御協力いただいた全ての方々に感謝を申し上げる次第であります。 本日に至るまで、参議院では五回にわたる集中審議も実施をし、内閣の基本姿勢、地方創生、社会保障、外交・安全保障、国民生活、エネルギーなど、幅広い分野において与野党を問わず各議員の専門分野を駆使した提言型の質疑も行われ、参議院らしい審議になったものと考えております。 また、委員派遣におきましても、地域の現状をしっかりと視察をし、様々な課題について実情を伺うことができたことや、公聴会における意見陳述を通じて専門家の優れた知見に接することができたことも、今回の予算審議において大いに参考になったところであります。 さて、参議院の存在意義と役割といたしましては、従来から、衆議院と異なる選挙方法による多様な民意の反映、衆議院に対する抑制、均衡、補完、六年間の任期を生かした長期的展望に立った政策立案、審議といったことが期待をされております。 一方、予算審議に関しましては、憲法上三十日の自然成立のルールがあり、この限られた時間的制約の中で、参議院に期待される機能を十二分に発揮をし、充実した審議を行うことが求められているわけであります。参議院における片道方式の質疑も、答弁する側、政府にとっては大変な面もあろうかと思いますが、参議院らしい審議を模索していく中で生み出された先人の知恵ではないかというふうに思うわけであります。 今申し述べました参議院に期待される意義と役割を踏まえ、安倍総理は今回の参議院での予算審議をどのように総括されているのか、率直な御所見をお伺いをしたいというふうに思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の参議院の御審議によりまして、政府が今回お諮りをさせていただきました平成二十七年度予算について、国民の皆様に御説明をさせていただく機会をいただいたと。また、質疑を重ねていくことによって、様々な課題、また私どもの取組について明らかになってきたのではないかと、こう思う次第でございます。熱心な御議論に、改めて政府として敬意を表したいと思います。
○石井準一君 まさに、政治は国家国民の繁栄と平和のためのものであります。今予算委員会に協力いただきました全ての方々に改めて感謝を申し上げ、私の質問とさせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で石井準一君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、那谷屋正義君の質疑を行います。那谷屋正義君。
○那谷屋正義君 民主党の那谷屋正義でございます。 本日は、衆参を通じて今年度予算の審議を行う最後の日ということになりまして、私も冒頭いろいろとお話し申し上げようと思いましたら、もう全て石井委員にまとめられましたので、それは野党としても、まあ野党の立場もあって省略をさせていただきたいと思います。 ただ、一つだけ、やっぱり私自身整理をしておかなきゃいけないなと。これは、午前中の質疑の中でうちの安井委員の方からも指摘がありましたけれども、どうも政府、閣僚の皆さんの言葉が、大変言葉が、受入れはいいんですけれども、どうも実現が不可能だとか、そういうふうなことが非常に思われる、いわゆる言葉と現実性が乖離をするということが相当私は感じたものがあります。これは見解の相違と言われればそれまでだと思いますが、しかし、事実に基づかない発言等々もございました。 そうしたことの中で、国権の最高機関たる国会の中において言葉とか発言というものをやはり大事にしなければいけないという観点から、大変恐縮ではございますが、ただいまから道徳の授業的な感じのものをやらせていただきたいというふうに思っております。 まず、総理大臣、間もなく、道徳の教科化というふうなことが今進んでおりますけれども、この道徳の教科化というものの目的について、総理の口からお述べいただけたらと思いますけど。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 道徳教育は、子供たちに規範意識や公共の精神、豊かな人間性を育む上で極めて重要なものであり、平成十八年に改正した教育基本法においても、教育の目標として道徳心を培うことを規定したところでございます。 一方、これまでの道徳教育は、教師の指導力に差があること、他教科に比べ軽視されがちであること、形式的な指導に偏りがちであることなど、多くの課題が指摘をされていました。また、いじめの問題等に起因して尊い命が絶たれるといった痛ましい事案も生じています。こうした状況の下、教育再生実行会議等における検討を踏まえまして、道徳を特別の教科として位置付け、充実を図ることとしたものであります。 道徳の教科化に当たっては、答えが一つではない問題について、考え、議論する道徳に転換するなど、指導内容や指導方法を改善充実すること、検定教科書を用いてより体系的な指導を行うこと、指導資料の作成や研修の充実により教師の指導力を向上することなどに取り組むこととしています。これらにより、各学校において道徳教育が抜本的に充実されるものと考えております。
○那谷屋正義君 道徳の大事さというものについては、現場を経験した私にとってもそれは否定するものではありませんし、やはり今まさに充実させていくべきものの一つだろうというふうに思っています。しかし、それを教科化するということになると、これはまた様々問題が起こってくるのではないかというふうに思っています。 この教科化というのは、ちょっとお尋ねをしたいんですが、教育現場からこういうふうにした方がいいんじゃないかというような声が上がってきたのかどうか、お聞きをしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 道徳教育については、平成二十四年度に実施した道徳教育実施状況調査の結果におきまして、効果的な指導方法が分からない、また適切な教材の入手が難しいといった各学校自身が考えている実態が明らかになっております。 また、平成二十五年二月の教育再生実行会議第一次提言におきまして道徳の時間の新たな枠組みによる教科化が提言されたことを受けまして、文部科学省に設置した道徳教育の充実に関する懇談会や中教審においては、歴史的経緯に影響され、いまだに道徳教育そのものを忌避しがちな風潮がある、あるいは教員の指導力が不十分である、また他教科に比べて軽んじられている、あるいは読み物の登場人物の心情理解のみに偏った形式的な指導が行われる等の例、そういうふうな課題が指摘をされました。 これを踏まえまして、中教審におきまして、道徳の時間については、学習指導要領に示された内容を体系的に学ぶという教科と共通する側面がある一方、道徳教育全体の要となっている人格全体に関わる道徳性を育成するものであり、原則として学級担任が担当することが望ましいこと、また数値などによる評価はなじまないことなど教科とは異なる側面があり、道徳の時間を従来の教科とは異なる特別の教科として新たに位置付けることと提案されました。また、道徳科を要とした効果的な指導をより確実に展開するために、検定教科書を導入することが提言されました。 文科省としては、これらの指摘を踏まえまして、道徳の時間を教育課程上、特別の教科に位置付けたところでございます。 このことにより、全国の小中学校において、従来の読み物道徳と言われたり軽視されておりました道徳教育から、教科書を使って、子供たちが答えが一つではない問題を道徳的課題として捉え、考えたり議論したりする、そういう道徳へと質的転換が可能になると考えております。
○那谷屋正義君 今言われた、その答えが一つではないというふうなことは、現実に今でもそのように道徳の授業の中では行われておりまして、一つの例えば事象があったときにいろんな対応、態度、そういったものが子供から出てきます。さあ、そして、ほかの人がこういうことを考えているけど私だったらどうするんだろうという、そういう考えをまとめていく、そういうふうなことを経験するということが求められた教科だというふうに思うんですが、今、教科化ということについて言えば、教科化というとやはりどうしてもそこに評価というものが伴うというふうに思うんですけれども、それについてはどのように今お考えでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 那谷屋委員も長く学校の先生をされておられましたから、道徳も教えられたのではないかと思います。私も昔の教師の指導書を読みますと、この物語はこんなふうに解説すべきだと、こんなふうに読み取るべきだというのがありましたが、それは、先ほど申し上げましたように、これからの時代は、一方的に教師の価値観、指導書の価値観を与えるということではなくて、正義というのもいろんな角度によって考え方が違いますから、子供たちに議論をさせることによって、より社会において生かし合う、生きていく、そういう意味での道徳を活用する必要があると思います。 ですから、これは絶対的な他の教科のような評価はなじまないというふうに考えておりまして、他者との比較ではなくて、個々の子供がどれぐらい道徳的な観点から人間的に伸びようとしているのかということについて教師が記述式で表すような形、つまり絶対的あるいは相対的な評価はしない、それが特別の教科化という意味でありまして、評価についても、他者との比較ではなくて、子供がどれぐらいその学期の中で伸びているかというのを記述式で書いたらどうかということが今議論として進められているところであります。
○那谷屋正義君 評価の方法として、言ってみれば数値化をしない、記述でやるというお話でありますけれども、実は、今でも様々な子供の学期末におけるお知らせ、通知、昔でいうと通知表、そういったものに道徳的なものも含めて日頃の行動の様子、子供たちの発達の様子を記述でお知らせをしているわけでありまして、改めて、そこに、道徳教科というところの欄にそのことを書くということは非常に困難性を伴うというふうに私は思います。これは、書く方も受ける方もそういうふうに思うと、そういうふうな危険性があるというふうに言わざるを得ないと。 一つには、例えば、この四月一日から改正地教行法が施行されました。首長が一定、教育に関してこれまで以上に関われる、関与できるようになったわけでありますけれども、首長主導のおそれというものがこの道徳教育においてないかどうか、その辺についてはどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、今年の四月一日から地方教育行政の組織及び運営に関する法律、地教行法が改正されました。首長と教育委員会が相互の連携を図りつつ、より民意を反映した教育行政を推進するため、首長による大綱の策定や総合教育会議の設置について制度化されたわけでございます。 その際、首長が大綱や総合教育会議の場において教育内容について取り上げることもあると考えられますが、新制度におきましても、教育委員会は従来どおりの職務権限を持つこととし、首長から独立した教育行政の執行機関として最終的な決定権限を有するということは、これは変わっておりません。したがって、道徳教育の内容についても、教育の政治的中立性、継続性、安定性の確保が図られるわけでございます。
○那谷屋正義君 道徳教育、いわゆる心の教育というのは、時代背景に様々大きく影響されやすいものでありますし、非常にナイーブなものもあります。そういう意味で、首長が一定の観念を子供たちに押し付けるような、そういうふうなことがあっては私はならないというふうに思います。今大臣言われたように、教育の中立性、継続性、安定性というものが確保されるように、今後とも文科省としてはしっかりとそこは注視していただきたいというふうに思います。 さて、評価ということについて、ちょっとこれもまた視点変えた形でお尋ねをしたいと思います。 総理、総理は余りふだん電車には乗られないと思うんですが、夜、電車に乗っていた、座れたんですけれども、そこに大分お酒を飲んだ酔っ払った人がかばんを持ってやってきました。そして、そのかばんを網棚の上に置いていった。で、その酒を飲まれて大分酔っている方が、前に乗っていた人よりも早く降りたわけです。ところが、かばんを網棚に置いていったまんまだった。このとき総理は、もし総理がその前に乗っていた人だとすると、どんなふうな対応を取られるでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そのときの状況によりますが、これはやはりかばんを忘れたということを認識すれば、そのかばんを駅員さんか誰かに、さっき乗っていた人がこんな人だったけれども、忘れ物ですよといって届けるのではないかと思います。 かつて、中学校時代だったかな、傘を忘れた人がいて、それを届けて、駅員さんにいい子だと褒められたことを覚えております。
○那谷屋正義君 それは、そのかばんを持って駅員さんに届けるという、そういうことですか。なるほど。 じゃ、ちなみに、道徳の教科化の一番の主導者である文科大臣、文科大臣だったらどうしますか。
○国務大臣(下村博文君) 一般的には、瞬間的に言えば、その忘れた人にすぐかばんを届けるようにするという行動を取るというのがパターンとしてあり得ると思いますが、ただ、今総理からも答弁がありましたが、具体的な状況によって対応も異なってくることはあると思います。場合によっては、今のように、総理の子供のときのように、駅員とか車掌さんに伝えたりするとか届けるとかいうこともあるかもしれませんので、一概にこれはこういうパターンだとは言えない部分があるというふうに思います。 しかし、先ほどもちょっと答弁させていただきましたが、これまでの道徳教育というのは、ともすれば、読み物を読ませて、この物語からこのような価値観を読み取るべきだという一方的に指導する嫌いがやっぱりあったと思います。しかし、次代を担う子供たちの道徳性を育むためには、必ずしも答えは一つではない、そういう課題を子供たちに投げかけて、そして子供たち自身が考え、議論する道徳へと転換することが必要でありまして、今のようなお話も、これだけが答えで、それ以外は不正解だということではないというふうに思います。 そういう中で、自己や人間の生き方を考え、主体的な判断の中で行動して、そして自立した人間として他者とともにより良く生きようとする、そういう道徳心が育まれるものではないかと考えます。
○那谷屋正義君 文科大臣は様々大局的に物を言われましたけど、総理はさすがに模範的な解答を示されたなというふうに思います。 ただ、私だったらどうするか。そのときの気分次第ですね、まずは。自分の疲れ度合いとかいろいろあると思います。だけど、基本的には、やっぱりなるべく早くその人に気付かせてあげたい、なるべく早くその人に戻してあげたいという、そういう気持ちがどうしてもありますから、つい持っていってあげる、その人に忘れましたよってやってあげたいなという思いもあるんではないかというふうに思うんですけれども、法務大臣、突然で申し訳ありませんけど、法務大臣でしたら、この点はどのようにやられますか。
○国務大臣(上川陽子君) 法務大臣ということではなく一人の人間としてということだと思いますけれども、今のようなシチュエーションというのを、どういう状況でどういう電車なのかとかいろんなことがあるので、なかなか一概に答えることはできないんですが、今先生から、非常に自然な形で飲んでいらっしゃってうっかりと忘れられたというような場面だとするならば、大きな声でお忘れになっていますよというふうに声を掛けるというのが、まず第一段階の反応を私はすると思います。
○那谷屋正義君 この問題を取ってもいろんな答えがあったなというふうに思います。 実は、この問題、若い、若いと言っていいかどうか分かりません、とにかく二十六歳の女性がそういうふうなものを見て、その荷物をその人に、慌てて網棚から荷物を取って忘れましたよということで届けようとしたんです。で、電車から降りた瞬間にがちゃっと手錠が掛かっちゃったという、こういうことであります。 つまり、今ちらっと言われていましたけれども、いわゆる通称置き引きというふうな、そういうふうな罪に問われてしまう。その人は親切心からやったにもかかわらず、そういうふうなことがあるということの中で、やはりこれ、なかなか難しい問題なんだろうなと、我々も電車に乗っていて注意しなきゃいけない話じゃないかなというふうにも思うので、ちょっとここで言わせていただきましたけれども。 そういうふうにして、非常に一つの問題取っても様々な対応がある、そして、あるいは法的なものが絡んでくるということがある中で、やはり評価というものは難しいんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 今回の道徳の特別の教科化は、昨年十月の中教審答申「道徳に係る教育課程の改善等について」を踏まえて行ったものでございます。 この答申におきまして、評価に関して、児童生徒が自らの成長を実感し、学習意欲を高め、道徳性の向上につなげていくことや、評価を踏まえ、教員が道徳教育に関する目標や計画、指導方法の改善充実に取り組むことが期待されることなど、一人一人の良さを伸ばし、成長を促すための適切な評価を行うことなどが必要と提言されました。 同時に、道徳性は、今御指摘がありましたが、極めて多様な児童生徒の人格全体に関わるものでありますので、個人内の成長過程を重視すべきであって、特別の教科、道徳については、指導要録等に示す評価としては、数値などによる評価は導入すべきではないということも併せて提言されたところでございます。 今回の道徳の特別の教科化は、考え、議論する道徳へと質的に、これまでの道徳から質的に転換することを目的としておりまして、教師の求める発言をする子供が増えたり、本音で語ることができなくなったりするような、そういう道徳教育は厳に避けなければならないと思います。 このため、文科省としては、子供たちがいかに成長したかを積極的に受け止め、励ます評価の確立のために、平成二十七年度に、評価や道徳教育、発達障害等の専門家による会議を設けまして、道徳科の評価に関する専門的な検討を行った上で教師用指導資料の作成や指導要録の改正を行うこととしたいと思います。
○那谷屋正義君 道徳の教科化については、また今後、委員会の中でも議論をさせていただきたいと思いますけれども、今は予算のことであります。 今年度の道徳教育に関する予算というのはどのぐらいなんでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 二十七年度予算案において、道徳教育に関して、まずは「私たちの道徳」という教材がございますが、これを全国の小中学生へ配布するのに六億円、また道徳の指導方法等に関する教師用資料の作成、配布に一・六億円、また教員研修など各地域の道徳教育の改善充実を図る取組の支援として七億円など、道徳教育の抜本的改善充実に必要な経費として十四億六千万円を盛り込んでいるところでございます。 これらの施策によりまして、従来の読み物道徳と言われたり軽視されたりした道徳教育から、考え、議論する道徳へと質的転換を図ってまいりたいと思います。
○那谷屋正義君 今、「私たちの道徳」というお話がございましたけれども、これは先ほど大臣言われましたけれども、道徳が教科化されると同時に検定教科書を導入するというふうに言われていますけれども、その際、この「私たちの道徳」というのはどうされるんでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 道徳教育の充実を図るためには充実した教材が不可欠であり、小学校は平成三十年度、中学校は平成三十一年度から全ての子供たちに道徳科の教科書、これを無償で給与されることとしたいと思います。それまでの間においても、道徳教育の充実が求められることはもちろんでありまして、今年三月の学習指導要領の改正に伴い、この四月から各学校の判断で、特別の教科、道徳の先行実施が可能となっております。優れた教材が必要であることは変わりなく、「私たちの道徳」は引き続き配布をしてまいりたいと思います。 しかし、特別の教科化された際には、これは教科書が新しく作成されて、検定教科書として配布されることになりますので、「私たちの道徳」はそこではもう配布は終わりということになります。
○那谷屋正義君 それが引き続き行われるようでは国定教科書的な感じになってしまいますので、それは安心しましたけれども。 さっき予算聞いたらば、合計大体十五億程度と。この額が大きいか小さいかということでありますけれども、今でも様々な資料がございます、「私たちの道徳」という資料も見させていただきました。そして、実は同じ題名の副読本がたくさんいろんな会社から出ています。そういったものを見ても、どれを取ってもそんなに引けを取らないんじゃないかなというふうに思うんですけれども、それよりも、今言われたように、道徳をより充実させる意味では、非常にその環境整備が大変だなというふうに思います。要するに、これまで以上に子供たちの一人一人の成長の様子を教師が見なければいけない。もちろん、そのことは使命ですけれども、しかし、今の環境の中ではなかなかそういう状況になっていかないという問題があります。 ですから、道徳を教科化するよりも、よりそういう意味で、子供たちの教育を強化するという意味では、何かほかにいい方法というのがあるんじゃないかと思うんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(下村博文君) もっとよくいい方法として教員の定数改善ということを御指摘されたいんだと思います。それは、それの部分も必要だと思います。ただ、教員が子供たちと向き合う時間を確保することは必要ですから、教職員の指導体制の整備を図ると、これは是非やっていきたいと思います。 そのため、平成二十七年度予算におきまして、教員が授業に一層専念できるようチームとしての学校の教育力、組織力を最大化するとともに、いじめ等の問題行動等の課題に対応するため、新たな定数措置を講じたところであります。 他方、我が国の道徳教育を全体として捉えると、歴史的な経緯に影響され、いまだに道徳教育そのものを忌避しがちな風潮があることや、教育関係者にもその理念が十分に理解されておらず、効果的な指導方法も共有されていないということ、また、各教科等に比べて軽視しがちであるというような多くの課題が指摘されているところでもございます。 いじめ問題等に起因して、子供の心身の発達に重大な支障が生じる事案や尊い命が絶たれるといった痛ましい事案まで生じておりまして、いじめを早い時期で発見し、その芽を摘み取り、全ての子供たちを救うことが喫緊の課題でもあります。 教員が子供たちと向き合う時間を確保するための条件整備とそれから道徳教育の充実強化は、二者択一的なことではなく、この双方を同時に行っていくことによって学校が本来の役割をしっかりと果たすことができるように応援してまいりたいと思います。
○那谷屋正義君 双方がというふうな今お話があり、私もそのとおりだと思います。しかし、今その双方の片方がなかなか十分になっていない中でのこの教科化というのは、やはり私は問題ではないかと。教育現場からもあるいは保護者の方からも非常に不安の声が多く寄せられているということ、現場からの必ずしもニーズではないということ、こういったことをここで申し上げておきたいというふうに思います。 さて、冒頭申し上げましたように、国会というのは非常に、ある意味、言葉に責任を持たなければならないところでありますけれども、二月十九日の衆議院の予算委員会で、西川前農水大臣の政治と金の論議のさなかに、突然、総理がその総理席から、日教組、日教組はどうするんだという、そういう発言があって、その後、何人かのうちの委員とのやり取りの中でいろいろと言われていますけれども、しかし、何であそこで日教組というのが出てきたんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先般の衆議院予算委員会におきまして、これは、かつて北海道教職員組合の違法な献金や教職員の不適切な勤務実態が明らかとなる中で、教職員の服務に関し教育委員会に対し指導、助言、さらには是正の要求や指示をする立場にある文部科学省の大臣政務官が、政務官に在職しながら、教職員の支持を受ける日本民主教育政治連盟の副会長の職に就いていたこと等について指摘をしようとしたところでございますが、私の記憶違いもございまして、正確性を欠く発言をいたしましたことについては遺憾であり、訂正申し上げてきたところでございますが、改めておわび申し上げたいと思います。
○那谷屋正義君 これ議事録に載らなかったらば、私どもも、総理、血気盛んな方でございますから、よくそこから声出されるのは分かっておるんですが、議事録に載ってしまうと、やはりちょっとこれでいいのかなという思いの中で私どもも今聞かせていただいております。 神本政務官の話を今されましたけれども、話題は西川前農水大臣の話だったのに、なぜ突然、しかも神本さんが政務官やってたなんていうのは、我々が政権取った、もっと前の話、相当前の話ですけれども、何でその話がそこで出てくるのかというのが私はちょっと非常に不思議なんですけれども、それについてはいかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは構図として、その構図が大分同じような構図ではないかということを申し上げたかったところでございます。
○那谷屋正義君 同じような構図でないということは今認識されているというふうに思いますけれども。 しかし、そんなに日教組のことを思っていただいているのかと思うと、改めてここで、何というのかな、今後も是非御助言を賜れればというふうに思いますけれども、しかし、やはりその議論をしていない中で、そのときの委員会で一定のクローズをしたその話についてまた持ち出してくるということについては、やはり私はやるべきではないんじゃないかなと。 ある種の、例えば、いや、日教組の好き嫌いは結構です、個人的にあってもいいと思います。でも、幾ら何でもそれをやじ席、やじ席じゃありません、総理席あるいは答弁席から、どうするんだ日教組はとか、あるいは神本政務官の場合はどうなのかという、そういう発言というのは私は慎むべきだというふうに思いますし、神本政務官に対してもやっぱり一言言っていただくべきものだというふうに思いますけれども。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 神本政務官に関する発言につきましても、言わば記憶の違いがございまして、それにつきましても、今申し上げましたように、遺憾であり、訂正をさせていただいたところでございますが、改めておわびを申し上げたいと思いますし、今後、尊敬する那谷屋議員のお言葉でございますから、しっかりと受け止めていきたいと、このように思います。
○那谷屋正義君 今総理から、やはりあの場にふさわしい発言ではなかったし、その内容もということで認めていただいたというふうに受け止めたいというふうに思います。 しかし、その総理の発言のもとになったというのが、実は下村文科大臣、平成二十四年の四月十八日の文部科学委員会で、当時の神本政務官に下村大臣は委員として様々な質問をされていました。そのときの下村大臣といいますか、その当時の下村委員として、どのようなお立場、どのような気持ちで質問をされたのでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘の平成二十四年の四月の十八日に、これは衆議院の文部科学委員会で、当時、神本文科大臣政務官に質問した内容についての御質問だと思います。 当時、神本政務官は、政務官と同時に日教組の組織の一つでもあります、政治組織でありますか、日本民主教育政治連盟の副会長をされておられました、兼務されておられました。 その中で、神本政務官は、その副会長というお立場から、具体的な私質問申し上げているんですが、さきの大戦及びそれに至る一連の事変等に関する時期において、旧陸海軍の関与の下に、女性に対して組織的かつ継続的な性的な行為の強制が行われたとして、強制連行があったことを前提とする戦時性的強制被害者問題解決促進法案の発議者であると。これを進めておられると。慰安婦問題についてそういう形で携わっておられると。 一方、これは、政府の方は平成十九年に、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかったというのが政府見解としてあると。これは、政府見解としての立場として、政務官としてどうお考えかということと、実際に今、副会長をされておられると。副会長として、先ほどの戦時性的強制被害者問題解決促進法案発議者。同じことについて相矛盾する立場であるということで、どちらか整理された方がいいのではないですかと、政務官を辞められるか、それとも副会長を辞められるか、どちらか、同時というのはなかなか政策の整合性上難しいのではないですかと、そういう質問をさせていただきました。
○那谷屋正義君 大変親切心から出た質問だというふうな雰囲気を今いただきましたけれども、しかし、言ってみれば、大臣政務官をしているというのは問題だと思いませんかというふうなところの質問ですとか、つまり、言ってみれば政務官にやはりあなたはふさわしくないと、辞めた方がいいんじゃないかというふうな、まあ悪く取るとですね、そういうふうにも受け取れるわけです。 今大臣に向けられている様々な疑惑というものと比較対照しながら、自分がそういうふうにして委員のときに政務官に迫ったそのことが、それ以上のこととして今大臣の身に迫っているんです。しかし、大臣は、なかなか我々には理解できないような説明でもってずっとそれを繰り返されるという、そのことについてどう思われますか。
○国務大臣(下村博文君) 那谷屋先生、それは全くの事実誤認でありまして、当時の議事録読んでいただきたいと思うんですが、私は、政務官を辞めるか副会長を辞めるか、どちらかにされる必要があるのではないですかということを申し上げたわけであります。その後、御判断をされて副会長の方を、日教組の日本民主教育政治連盟の副会長をお辞めになったということですから、その後、国会で何の問題にもしなかったということでありまして、私は別に政務官を絶対辞めろということを申し上げたわけではありません。 これは、そういう意味での兼職というのは、政策だけでなく、やっぱり整理をする必要があるということで、私も民間の団体の副会長等幾つかしている部分がありますが、それは今休職をさせていただいております。 そのことと、それから今回の質問というのは、それは全然別の話であって、これは私は誠心誠意きちっと説明をさせていただいていると思っておりますが、不明な点があるということであれば、更に誠意を持って説明をさせていただきたいと思います。
○那谷屋正義君 道徳の教科化ということも始まったわけでありますけれども、やはり子供たちが、道徳の教科化をするときの文科大臣って誰なんだろうといったときに、その文科大臣がいわゆる政治と金の疑惑の問題で仮に辞めるというふうなことになったときには、これはやはりちょっと問題だなと、日本の教育史に大きな汚点を残すんじゃないかなというふうに思わざるを得ないところがございます。 様々な責任というものが文科大臣にはおありになるわけでありますから、やはり今掛けられている疑惑に対してはしっかりとその説明責任なり責任を取る、そのことをしっかりとやっていただくと。そうしなければ、やはり子供たちにこうするべきだ、ああするべきだという話をしても、なかなかそれは説得力に欠けるというふうに思うわけであります。 今後も、やはりちょっとそのことについては明らかになっていない部分がかなりありますので、しっかりと追及していく、そのことを申し上げておきたいというふうに思います。 今日は、道徳の教科化から始まって、それが必ずしも現場のニーズに合っていないというようなお話がありました。今回の政府予算案を見ても、本当に多くの国民が望んでいるものへの予算配分なのかということについては、この間ずっといろいろとうちの委員が質問させていただいたように、言葉だけが舞い踊りをしていて、なかなかその現実性がないというふうなことを言わざるを得ません。 そういう意味では、今後様々な施策の中でもその問題点について指摘をしていくということを申し上げさせていただいて、若干残りましたけれども、私の質問を終わりたいと思います。
○委員長(岸宏一君) 以上で那谷屋正義君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、横山信一君の質疑を行います。横山信一君。
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。 公明党の、様々議論させていただきましたけれども、今国会での重要なテーマの一つでございます農業の成長産業化のことについて、若干ではございますけれども、議論させていただきたいと思います。 当初予算案には、補正を含めて畜産収益力強化対策があります。これは、本年三月にまとめられました酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針、通称酪肉近と呼んでおりますが、この酪肉近の実現に向けた事業であります。そこで、酪農、畜産の収益性向上に取り組む意義について、これは農林水産大臣に伺います。 あわせて、子牛や飼料の高騰で経営が圧迫されている酪農、畜産農家は、一戸の農家だけで生産基盤の強化に取り組むには厳しい現状があります。そのため、畜産クラスターの中心的経営体を支援するこの事業は大変に人気があるというふうに聞いております。どれくらいの希望が寄せられているのか伺います。
○国務大臣(林芳正君) 我が国の畜産、酪農は、輸入飼料価格などの上昇を背景に生乳の生産量それから飼養頭数減少しておりまして、生産基盤の弱体化が懸念をされております。 これらの課題に対応して、畜産の収益性を向上させるために、今お触れいただきました畜産クラスター計画に位置付けられた地域の中心的な経営体を始め地域の関係者が連携、結集して、地域全体で畜産の収益性を向上させるというこの畜産クラスターの取組を推進しているところでございます。 予算の要望額ということでございましたが、平成二十六年度の補正と平成二十七年度当初予算案合わせまして二百七十九億円を計上しておりますが、全体で要望が二倍を超えておりまして六百五十五億円上がっております。 内訳を申し上げますと、飼料収穫機、搾乳ロボットなどの収益性向上の方の機械の導入、畜産収益力強化支援事業と称しておりますが、これについては予算額百五十億円に対しまして要望額が四百三十三億円と、三倍近い要望がございます。それから、畜舎、自給飼料の調製、保管の施設等の整備、これが畜産競争力強化整備事業の方でございますが、予算額百二十六億円に対して要望額二百三十億円と、これも二倍近い要望がございます。 こういう事業を活用して、要望もたくさん寄せられておりますので、地域全体で畜産の収益力の向上をしっかりと推進していきたいと思っております。
○横山信一君 牛肉に関して言えば、輸入自由化の中で、特に和牛の分野は独自の地位を築いてきたところでございます。 ところが、今様々ありますけれども、飼料高騰あるいは子牛価格の高騰で大変に経営が厳しい状況に追い込まれているという中でのこうした事業でありますが、期待も大きかったと思うのでありますが、予算額に比べて二倍、あるいは全体で三倍近くの要望額があるということで、クラスター協議会が立ち上げられているわけでありますから、特に畜産、酪農は来年度に向けての投資というのは常にやっていかなければいけない、そういう農業でありますので、このままにしておくわけにはいかないわけでありますから、補正も含めて是非この事業を継続できるように、これは麻生大臣にお願いをしておきます。 さて、昨年の牛肉の輸出額、これは八十一・七億円でございまして、平成二十五年の約六十億円を大幅に上回っているということで、非常に順調に輸出が好調になっている、また和牛の評価が国際的に高まっているというふうに言えると思います。 しかし、足下を見ると、繁殖農家というのは高齢の小規模経営が多いと、また、後継者不足から飼養頭数が減少し、それが子牛価格の高騰につながっているということで、悪循環に陥っているという状況がございます。 これを解決するには、酪肉近で示された生産構造の転換による規模拡大が必要だということは理解できます。しかし、今までも規模を含めた生産基盤の強化が進められてきました。その上で、そうならなかった地域というのもたくさんあるわけでありまして、今後どのように取組を進めていくのか、これも林大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(林芳正君) まず、先ほど要望の総計を六百五十五億と申し上げましたが、六百六十五億の誤りでございましたので、訂正させていただきたいと思います。 今後、どういうふうに進めていくかということでございますが、先ほど申し上げましたようなロボットの活用化をして省力化をして担い手の育成、労働力の確保をする、それから肉用牛の飼養拠点の整備、それから受精卵の移植技術の活用によって飼養頭数を拡大していくこと、それから餌ですね、国産の粗飼料それから餌米、こういったものの生産、利用を拡大して国産飼料の生産基盤、輸入に頼らないで済むような方向へ持っていく、こういうことの確立の取組を推進していきたいと、こういうふうに思っております。 今申し上げた畜産クラスター関連事業の措置で、補助率を今機械リースでは三分の一から二分の一へ引き上げるということと、それから、今まで共同利用ということでございましたが、法人化を計画していただければ個別の経営でもこの施設整備の支援の対象とするということで、この支援策の充実強化を広げていきたいと、こういうふうに思っております。 こういうことを、この酪肉近の方針の周知を徹底をして、地域ブロックごとに説明会を開催するなどして、しっかりと周知を徹底しながら策を進めていきたいと、こういうふうに思っております。
○横山信一君 規模拡大によりまして競争力を強化しても、常に収益を上げられるとは限らないわけであります。農業経営に行き詰まり一たび離農してしまうと、農地などの生産基盤を復元することは難しくなります。 農業を成長産業にするということは、安定した農業生産を確保するということが必ず必要だということであります。農業先進国のアメリカなどでは、農業経営全体をカバーするための収入保険制度が導入をされております。一方、我が国の農業共済は、自然災害による収量の減少を対象にしていて、農産物の価格下落による収入変動は対象になっておりません。セーフティーネットのナラシ対策というのもありますけれども、これは対象作物が限定的であります。 そのため、公明党は、二〇〇二年に初めて参議院決算委員会で収入保険制度を取り上げました。また、二〇一〇年からは、マニフェストによりまして農家の経営全体に着目したこの収入保険制度の導入を訴えてきました。ようやく昨年度に調査費が付いて、今年度は市場化調査が始まるという状況でございます。現在の検討状況並びに制度化に向けた今後の見通しを林大臣に伺います。 あわせて、農業を成長産業化する上で収入保険制度の導入はどのような役割を担うと考えるのか、最後に総理に伺って、質問を終わります。
○国務大臣(林芳正君) 現在の検討状況でございますが、現行の農業共済制度の問題点について今御指摘があったとおりでございます。したがって、収入保険は全ての農作物を対象にしまして、農業経営全体の収入に着目をしてやっていこうということで調査検討しております。 農業者の経営データを収集して収入保険の設計に向けて調査検討を進めてきておりまして、現在、二十七年産を対象に農業者の協力を得て制度の仕組みの検証を行う事業化調査をやっておりまして、二十六年中に加入していただいて、二十七年産で実際に作っていただいて、二十八年に納税申告をするというFSをやろうと、こういうことで予定どおり実施をしておりまして、この事業化調査の結果を踏まえて制度を固めてまいりまして、調査の結果にもよりますが、調査検討が順調に進んでいきますと、平成二十九年の通常国会に関連法案を出していきたいと思っておるところでございます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 改革を進め、意欲ある担い手が新しい作物や販売、加工にチャレンジすることを促していくためには、農業経営の安定に向けたセーフティーネットを整備していくことも重要であると考えています。 一方で、現在の農業共済制度は、自然災害による収量の減少には対応するが価格低下には対応できない、対象品目は収量を確認できるものに限定され、経営全体をカバーしていないという課題があるため、農業経営全体の収入に着目した収入保険の導入について検討を進めていくことが必要と考えています。 いずれにいたしましても、これまでの農政改革に加えて、セーフティーネットの整備も進め、若い皆さんにとって魅力ある強い農業、美しく活力ある農村を実現できるようにしていきたいと思います。
○横山信一君 終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で横山信一君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、川田龍平君の質疑を行います。川田龍平君。
○川田龍平君 よろしくお願いします。 限られた時間ですが、医療保険制度がどうあるべきかということについて総理と議論させていただきたいと思います。 私は、医療保険制度というものは、国民の価値観、国民性、あるいは文化や社会の歴史的な背景を基につくられてきたものだと考えていますが、総理の御所見を伺います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この医療保険制度については、各国の医療制度については、全ての国民を対象にするかあるいは一部の国民のみを対象とするか、あるいは社会保険方式でいくか税方式かなど、その国の成り立ちも含めて様々であると承知をしておりますが、このような制度は、それぞれの社会の成り立ちや国の成り立ち、あるいは文化的な背景等によって発展してきたものと考えております。
○川田龍平君 この国の医療保険の将来は、まさに国民の選択に懸かっていると思います。我が国の医療保険制度については、国民の評価よりも国際的な評価が大変高いと私は理解していますが、総理はどの辺りが特にこの国際的な評価が高いと考えておられるでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国では、国民皆保険の下、相対的に中位の医療費で世界最高レベルの健康寿命の長さ、乳幼児の死亡率の低さを達成をしています。国際的にも高い評価をいただいていると思います。 国民相互の支え合いにより、誰でも安心して必要な医療を受けられる国民皆保険を達成してきたところであり、今後も、高齢化が進展する中でも、給付と負担のバランスを取りながら、世界に冠たるこの国民皆保険制度をしっかりと次の世代に引き渡していきたいと思います。
○川田龍平君 では、その治療成績についてはいかがお考えでしょうか。日本は、医療は世界的に見ても大変レベルが高いと感じていますが、どうでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 例えば、健康寿命を見てみても、日本は七十五歳、アメリカが七十歳でございます、男女計であります。平均寿命も、日本が八十四歳、アメリカ七十九歳、イギリス八十一、その他も八十一歳、二歳ぐらいが先進国でありまして、それから乳幼児の死亡数、千人当たりで見ても、アメリカが六人、イギリス四人、ドイツ三人、フランス三人に対して日本は二人ということで、アウトカムとしても非常にいい結果が出ているのではないかなというふうに思います。
○川田龍平君 私も、決して低くない、むしろ大変高いと感じています。 例えば心臓移植で見ても、世界の五年生存率は七一・九%に対して日本は九六・二%と、大変圧倒的な高さです。そのほか直腸がんや胃がんの手術でも、圧倒的に日本の治療成績が優れているということが国際的なデータベースからも明らかになっています。ドラッグラグの問題もかなり解消されてきています。 じゃ次に、総理に伺いたいんですが、米国、アメリカの医療について御所見を伺いたいと思います。 確かに、アメリカの医療、医学教育や診断法、治療法ですとか、最新の医薬品、医療機器の多くが米国発です。一方で、アメリカの医療費は総額で見てもGDP比で見ても大変高額です。米国では医療は個人が選択するサービスという新自由主義的な考え方で制度設計がされておりまして、その結果、医療費が値上がりをし、国民の六人に一人が無保険という、国民の間に医療格差が生み出されていました。 この米国の医療格差や医療費が高い理由について、私のように医療制度への市場原理、市場主義の導入のせいだとする考え方と、むしろまだまだ自由な競争が不足しているからだという考え方があるようですが、総理はどちらの立場に立たれるでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本と米国は、そもそも国の成り立ちが違うんだろうと思います。 日本は、古来から、朝早く起きて田を耕し、そしてあぜや畝を形作って、水を分かち合い、お互いに助け合ってきたという長い歴史があるんだろうと思います。一方、米国は、ネイティブの方々は別ですが、各国から移民がやってきて自分でフロンティアを切り開いていく、自分のことは自分で守っていくという、そういう伝統がある、その代わりチャンスがあると。こういう成り立ちが随分違うんだろうと思います。 そこで、米国では、社会保障に対して政府に求められる役割が小さく、そして低所得者や高齢者等に対する公的医療保険制度、いわゆるメディケア、メディケードはありますが、市場メカニズムに委ねられている部分が相対的に大きいものと承知をしています。こうしたことから、保険に加入していない無保険者が約四千万人存在をしており、現在、無保険者の減少に向けて改革が行われているものと承知をしているところでございます。 米国においては、民間の保険に大体これは委ねているわけでございます。そうなりますと、やはり、この保険の中には細かく自分が受けられる治療等々が書いてありますので、そうしたことに対応していくためにも事務手続にも随分お金が掛かっているというふうに私も聞いているわけでございます。これは人生の生き方にも関わってくるわけでございますが、私は、日本においては、今我々がまさに形作っているこの皆保険制度をしっかりと守っていきたいと、こう思う次第でございます。 言わば米国は、個人の医療費負担は高いわけでありますが、公費が出ているのは、日本と比べれば当然それは公費がカバーしているものが少ないということになるんだろうと。日本の場合は、公費は大きくカバーをしているということになりますが、一人当たりの医療費ということについてはむしろ米国よりも効率的ではないかと、このように思います。
○川田龍平君 総理は、自動車とか果物ですとか衣類ですとか、いろんなそういう物品と同じようにこの医療も消費者、患者の自由な選択が可能と考えておられるでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この医療における患者の選択についてでございますが、医者と患者の間には疾病や治療方法に関する知識に大きな格差がございます。情報の非対称性がありますから、患者が医療を自由に選択することには一定の限界があるんだろうと思います。こうした格差をできるだけ縮小し、必要な情報を得た上で適切に選択できるようインフォームド・コンセントやセカンドオピニオンなど、患者への情報提供が適切に行われることは重要と考えています。 かつては、例えば投薬に対して、それに伴ういわゆる副作用等に対する情報の提供というのは、かつてはほとんど行われていなかったのでありますが、今はそうした情報提供が行われるのは随分常識的になってきた。また、セカンドオピニオンを求めることに、昔は、これ、ずっとお世話になっている先生だからということもあったんですが、今はこれがかなり常識的になってきたのではないかと、このように思うところでございます。
○川田龍平君 医療においては、私も、売手と買手の間で、特に患者と医師という立場では、やっぱりなかなか自由で対等な取引というのは成立しないと思います。医療にはあらかじめ価格を予測できない不確実性というのがありまして、先ほど総理からもありましたけれども、情報の非対称性というものが存在するということです。やはりここで、医療においては患者の自由な選択というのは不可能で、やはりこれは、市場に委ねるということは、かえって非効率であったり医療費の高騰、さらには昔もありましたように質の低下を招くということも議論の結論と是非していただきたいと思います。 総理は社会保障費の抑制について度々当委員会でも発言されていますが、医療費についてはいかがでしょうか。医療費の伸びは経済成長とどのような関係にあると考えておられますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 医療制度は、国民皆保険の下、病気となった方を治療し、社会復帰につなげるなど、国民生活の安定と向上を図り、経済成長を支える重要な役割を担っていると思います。また、医療の提供に当たり、地域の雇用を生み出すとともに、革新的なイノベーションなどを通じ、経済成長に大きく貢献し得るものと考えています。 他方、国民の医療は税や保険料等によって賄われているわけでありまして、今後とも国民皆保険を堅持していくために経済との調和を図ることが必要であると考えております。
○川田龍平君 医療費が伸びることは経済成長に良い効果があっても悪影響があるとのエビデンスはないということだと思います。むしろ、この国の医療費は決して高くありません。 日本は、主要先進国の中で最も高齢化率が高く、国民医療費の対GDP比が最も低い国です。一人当たりの米ドル換算の医療費での比較では、日本はOECD平均よりも低い額となって、G7平均の約七〇%程度しか医療費を使っておりません。盲腸炎の治療費を海外旅行保険会社の調査で比較すると、日本は四十万円に対し、ヨーロッパ、欧州は倍以上、アメリカは二百万円と、フィリピン、マレーシア、ベトナム、中国以外のアジア諸国は日本より高いことが分かります。 こういった今の国の医療費というのはそんなに高くないという中で、是非、患者申出療養について聞いておきたいと思います。 本会議において、困難な病気と闘う患者の思いにしっかり応えてまいりますと答弁を総理からいただきましたが、総理は具体的に誰の思いを聞いて応えようとしているのでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今般の患者申出療養は、困難な病気と闘う患者の方々の国内未承認の医薬品等を安全性、有効性を確認しつつ、迅速に使用したいという思いに応えるためであります。今までの仕組みではそれに応え得なかったのでございますが、先進的な医療について、患者の申出を起点として、身近な医療機関で迅速に受けられるようにするものであります。同時に、保険収載に向け実施計画の作成等を求めることとしています。患者団体からは、安全性、有効性や先進的な医療が保険外にとどまることへの懸念が示された経緯もあり、これらにしっかりと配慮する必要があると考えています。 法案成立後には、施行に向けて、患者の方々を含む関係者の御意見をしっかりと受け止めながら、伺いながら、丁寧に進めていきたい、準備を進めていきたいと思います。
○川田龍平君 保険収載される保証がどこにもない、そして結果として患者負担が増大するとして日本最大の患者団体がこの法案に強く反対されていることを御存じでしょうか。是非、この法案について、しっかりと患者の意見も聞いて議論していただければと思います。 最後に、世界に誇るべき我が国の国民皆保険制度について世界に発信していくことについて、これまでの実績と成果について各大臣から伺いたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど来、総理からお答え申し上げているように、日本は国民皆保険の下で世界最高レベルの健康寿命と保健医療水準を達成している数少ない国ではないかなというふうに思っております。ユニバーサル・ヘルス・カバレッジと言われていますけれども、まさにそれを実現している珍しい国ということで、今年ダボスで議論をしてまいりましたけれども、やはりそういう意味で世界からも見られているというふうに思いました。 そういう意味で、私どもも、例えば東南アジアの諸国に対しても、私どもが学んできて達成したことなどを学んでいただいて、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジを達成していただくために、例えばミャンマーとかあるいはベトナムとか、そういう国々に対して、こちらに来てもらって我々の制度を学んでもらう。それから、ちょうど今日、ベトナムで、本日から三日間、厚生労働省の職員が行ってセミナーを開催するということを今日からやります。 そのようなことで、公的医療保険制度に関する我が国の経験を生かして、ASEAN等の新興途上国における医療水準の向上に貢献してまいりたいと思っております。
○委員長(岸宏一君) 川田さん、よろしいですか。時間も来ているようですからね。
○川田龍平君 時間ですね。はい、分かりました。 是非、軍事ではなく、医療分野において国際貢献をして安全保障政策をしっかりしていただけるように、よろしくお願いいたします。 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で川田龍平君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、辰巳孝太郎君の質疑を行います。辰巳孝太郎君。
○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎です。 昨年九月の二十四日、千葉県銚子市にある県営住宅にお住まいの四十三歳の母親が、当時十三歳の娘の首を絞めて殺害する痛ましい事件が起こりました。母子家庭の二人暮らしで、家賃を滞納し、その日は県営住宅からの強制退去が執行をされる日でありました。家を失ったら生きていけないという思い詰めての無理心中未遂でありました。行政は救うことができなかったのか。この問題について質問をいたします。 まず、国交大臣にお聞きしますが、公営住宅法の趣旨、目的を確認したいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 公営住宅法の目的は、第一条におきまして、「国及び地方公共団体が協力して、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸し、又は転貸することにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的とする。」と規定されています。
○辰巳孝太郎君 ところが、最も福祉や手当てを必要とされる公営住宅の現場でこの悲惨な事件は起こりました。当時、母親の収入は、パート収入が七万円、児童扶養手当等を合わせましても十二万円程度でありました。入居許可が取り消された二〇一三年三月三十一日時点で十一万五千二百円、九か月分の家賃滞納が確認をされております。 公営住宅は収入によって家賃が決定しますが、所得によっては更に減額できることになっております。この母親の収入、所得では、家賃は減額できたのではないですか。
○政府参考人(橋本公博君) お答え申し上げます。 千葉県によりますと、この世帯における非課税所得も含めた具体的な所得金額を把握していないということから、減免基準に該当するか否かを判断可能な正確な収入月額の算定は困難であったとのことでございます。仮に、議員御指摘のとおり給与所得が毎月七万円、児童扶養手当が毎月五万円でこれ以外の収入がなかったとした場合には、県の基準では家賃の減額率八〇%の適用は可能ではなかったかと考えます。
○辰巳孝太郎君 それでは、県は家賃の減免の申請を促したんでしょうか。
○政府参考人(橋本公博君) 千葉県によりますと、家賃減免制度につきましては、鍵の引渡時に行う入居者説明会において県営住宅の住まいのしおりを配付して説明する、また毎年度の家賃決定通知書の裏面に制度についても記載をしてお知らせをしておるということでございます。 ただし、御指摘の世帯につきましては、家賃滞納開始後に文書による通知等により御本人の事情を把握するよう努めたものの、連絡あるいは相談がいただけなかったとのことでございます。
○辰巳孝太郎君 滞納後はされていないということなんですね。 公営住宅の家賃滞納に対する国の取組はどうなのか。一九八九年、当時の建設省住宅局通知で家賃の滞納についてどのように記していますか。紹介ください。
○政府参考人(橋本公博君) 平成元年十一月二十一日付けの住宅局長通知におきましては、「家賃の滞納が生じた場合、入居者に対する家賃支払いの督促等の措置を早期に講じること。なお、このとき併せて、収入等の状況、入居者の事情を十分に把握するとともに、保証人に対しても早期に入居者の家賃滞納の状況を通知すること、」、これらにより「把握した入居者の収入状況等により、所得が著しく低額又は病気等により著しく多額の支出を要する等により、家賃負担が著しく過大となり、やむを得ず家賃を支払えない状況にある者に対しては、家賃の減免等の措置を講ずること等により、入居者の支払い能力に応じて負担の軽減を図るようにすること。この場合、民生部局との連携を十分にとること。」としております。
○辰巳孝太郎君 この場合、住宅は県営ですから千葉県、民生部局となると銚子市となるわけです。 それでは、通知にあるような収入等の状況、入居者の事情の十分な把握、民生部局とのそれぞれの十分な連携はできていたんでしょうか。
○政府参考人(橋本公博君) 千葉県によりますと、御指摘のケースにつきましては、家賃が滞納され始めた後に事情をお伺いする旨の文書をお送りをしておるということでございますが、残念ながら御本人から県に対して連絡あるいは相談はいただけなかったとのことでございます。
○辰巳孝太郎君 十分にできていないんですね。 それでは、国交省が求めていることが実施されなかったからこのような痛ましい事件が起こったとは考えないんでしょうか。大臣、どうですか。
○国務大臣(太田昭宏君) 御指摘の事件が起きてしまったことは極めて残念に思うところです。現在は公判前でありまして、事実の全容が明らかでないことから、事件自体について述べることは差し控えさせていただきます。 この公営住宅の滞納家賃の徴収、この問題につきましては、国交省としてもこの事件後の平成二十六年十一月に改めて地方公共団体宛てに通知を発出をいたしたところです。この中で、入居者の状況の把握に努めることや福祉部局との連携を強化することについて徹底を図ったところでございます。 今後も、現場レベルまでこうした徹底がされるよう、全国の公営住宅管理担当者を集めた研修会などの機会を活用して対応策を周知したいと思っております。
○辰巳孝太郎君 国はそう言うんですよ。だけど、行政、県や市は縦割り行政ですから、収入も十分に把握できない、連携できていないということが問題でこういう事件が起こってしまったんですね。 では、指摘しなきゃいけないのは、国交省はこの滞納住宅の徴収業務の強化は熱心に推進をしてきたということであります。二〇〇七年の事務連絡では、ノウハウを有する民間業者を活用することを通じて、徴収に関する能力の向上や事務の効率化を図りと、官民一体で徴収業務の強化の音頭を取っているわけであります。公営住宅で家賃を滞納するというのは相当のことだと私は思います。しかし、この中では、一切滞納解消への援助とか家賃減免制度の周知徹底の必要性などの言及は全くないわけなんですよ。私は、国交省というのは力の入れるところがちょっと違うんちゃうかというふうに言わなければならないと思います。 では、生活保護行政についてはどうか。この二〇一三年三月三十一日、入居許可の取消しとなりました。その翌日、長女が中学校に入学した。国民健康保険料の滞納分を分けて支払うことを約束して短期証を発行してもらった。そのときに生活保護を勧められて、隣の社会福祉課に行っているんです、お母さんは。しかし、申請はせずに帰ったんですね。 まず、確認しますけれども、生活保護が必要な人に手当てされない、いわゆる水際作戦というのはあってはならないと思いますけれども、それでよいですね。
○国務大臣(塩崎恭久君) まず第一に、今回の痛ましい事件、中学二年生の女の子がこのようなことになったことに対して改めてお悔やみ申し上げたいと思います。 今お話がありましたが、生活保護の相談があった場合に、相談者の生活状況を丁寧に把握をするということがまず第一、生活保護の仕組みについて理解を得られるように十分説明をする、そして、必要に応じて利用可能な他の福祉施策の紹介をするなどの対応をやるということが定められているわけでありまして、相談に当たっては、相談者の申請権を侵害しないということはもとより、申請権を侵害していると疑われるような行為も厳に慎むということとなっておりまして、適切な窓口対応に努めるように全国の地方自治体に通知をしておるところでございまして、今お話しの、御指摘の水際作戦はあってはならないものだというふうに考えております。
○辰巳孝太郎君 あってはならないんですけれども、生活保護の申請がもしこの母親からあれば、認められていたんじゃないですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回、千葉県の方から確認をしたところ、本事案については、生活保護制度の内容を聞きたいという相談はされて、制度概要を説明し、今後何かあれば来所するということだったそうでございまして、面接をそれで終わったということで、この対応自体には問題がなかったというふうに報告を受けているところでございます。
○辰巳孝太郎君 私は、国保料も滞納、家賃も滞納しているこの世帯が、本当に申請の意思がなかったのかと言わなければならないと思います。母親もここで救済されていれば、もっと違った結果になっていたのではないかと思うんですね。 最後に、総理にお聞きします。 必要とされる人に生活保護が行き渡っていない現実があります。政府は何をすべきだとお考えですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 御指摘のような痛ましい事件が起こったことは残念の極みであります。 公営住宅の滞納家賃の徴収に当たっては、入居者の置かれている状況に十分配慮をしながら行うことが重要と認識します。今回の事件を受けて、改めて国土交通省より各自治体に対し、住宅部局と生活保護等を扱う民生部局との間で十分連携して対応するよう徹底を行ったところであります。 具体的に言えば、家賃の督促の際には、戸別訪問等により入居者の状況を十分に把握をする、やむを得ず家賃を支払えない者に対しては、住宅部局と民生部局の間で情報共有を図りつつ家賃の軽減策を講じる、必要に応じ、滞納者に対し、生活保護など居住安定のための支援策の情報提供を行うなどの対応を行うことを要請したと承知をしています。 今後も、現場レベルまでこうした趣旨が徹底されるよう、全国の公営住宅管理担当者を集めた研修会などあらゆる機会を活用し、今回のようなケースへの対応策等を広く周知する予定と聞いています。引き続き、国土交通省と厚生労働省が協力をしつつ、各自治体に対し助言を行うようにしてまいりたいと思います。
○委員長(岸宏一君) 以上で辰巳孝太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、山田太郎君の質疑を行います。山田太郎君。
○山田太郎君 日本を元気にする会・無所属会の山田太郎でございます。 今日は締めくくりということなので、ちょっとざっくりしたことをお伺いしていきたいと思いますが、政治の役割は社会不安の解消というところにあると思いますが、そこで総理にちょっとお伺いしたいんですが、総理が考える、いろんなことで尽力されていると思うんですけれども、今、日本が抱える社会不安って何なのか、優先順位を五つ挙げるとしたらどんなものか、是非教えていただきたいんですが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 社会不安というか、言わば高い優先順位ということについて言えば、まずは東日本大震災からの復興であろうと。五年目を迎えたわけでありますが、まだ道半ばであり、内閣の総力を挙げていきたいと思います。 その上で申し上げれば、経済の再生が第一でありまして、経済は国の、国力の源泉でありまして、強い経済なくして財政再建も安定した社会保障も外交上の地位も望めないと思います。将来を見据えれば、人口減少、高齢化の克服が大きな課題であり、その中で、女性活躍を含め、若者、高齢者、難病や障害を持つ方、誰にとってもチャンスのあふれる社会をつくっていきたいと思います。子供たちの可能性を伸ばす教育再生も進めていきますし、その上において、またさらには地方創生も進めていきたいと、こう思いますし、また外交、安全保障の立て直しも欠かせないと、こう考えています。
○山田太郎君 ありがとうございます。 もう一つは、そういった不安解消のためには経済を何とかするということが安倍内閣としてもアベノミクスということで挙げられていると思うんですが、ただ、今回の予算委員会の審議を聞いていると、どうもできない国家目標を挙げて、あり得ない前提で政策を語っているというような感もなきにしもあらずということでありまして、例えば賃金上昇に関しても、要は二・三から一・三というのを想定しながら年金等の計算をしていたようですが、やっぱり十年取っても最高で一・四%しか行ったことがありませんし、平均で〇・一なんですね。 物価上昇も、二%安定目標、日銀とアコードということですが、これも残念ながら、二%をこの十年あるいは二十年で超えたことはないと。 プライマリーバランスも、実は内閣府試算では経済再生ケースでも九・四兆円の赤字というのが出ておりまして、財務省試算では三%の経済成長という高い成長をしても四十六兆円の赤字ということでありまして、総理は高々にプライマリーバランス、二〇二〇年やると言っていらっしゃるんですが、足下の官僚の皆さんはできないという資料を出してきているわけであります。 特殊合計出生率に関しても、一・八というのは相当厳しいということも分かっておりますし、総人口に関しても、社人研の方がやっぱり一億人は割るだろう、八千万人台に行くんではないかと。こんなような議論がある中で、本当に楽観的な数値だけでいわゆる政策ということができたのかどうか、今回の予算委員会は非常にそこが随分かみ合わなかったんじゃないかなと。 楽観的であればそれは結果としていいんですが、悲観的とは言いませんけれども、やっぱり我々、国民の責務、やっぱり不安に思っているのは、そうならなかった場合にどうなるんだろう、それをちゃんと政府は政策として取っているのかどうかと。このことも問われていたんですが、なかなかそこについては議論がなかったと思うんですが、その辺り、甘利大臣そして安倍総理、是非お答えいただきたいんですけど、いかがでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) 内閣府のいわゆる中長期試算では、足下のトレンドで行った場合どうなるかというベースラインのケースと、それから、三本の矢を始めとする成長戦略がきちんとワークして、その結果得られる数字はどうかということを再生ケースで示しているわけであります。 過去のトレンドでずっと見よというお話もありますけれども、過去のトレンドというのは十五年以上続いたデフレなんです。我々はデフレを脱却すると、デフレを脱却する内閣がデフレ脱却できないケースで事を試算していくというのは極めて悲観的だというふうに思っております。 もちろん、しっかりと政策を投入をしていって再生が実現するようにしていきたいというふうに思っておりますし、二〇一五年のPBの赤字の半減も一〇%の引上げが前提で語られていましたけれども、それがなされない中でも実現はしたわけでありますから、将来に向かっての展望はしっかり開けてくるというふうに思っております。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そもそも、人口が減少している中においてデフレから脱却できないという説すらあったわけでありまして、金融政策においてデフレは脱却できないという説も強かったわけでございますが、まさに私たちの三本の矢の政策によって現在はデフレではないという状況をつくり出すことができたわけでございます。そして、例えば政労使の会議等をやっても、賃金は上がっていかない、こうさんざん批判されていたわけでございますが、昨年、事実、十五年ぶりの高い平均の賃上げを実現したわけでございますし、今年はそれを上回る状況をつくり始めているのが現実でございます。 先ほど甘利大臣から御説明したように、中長期試算においては、三本の矢の効果が着実に発現し、中期的に成長率が高まっていく経済再生ケースと、足下の潜在成長率並みの堅めの成長率を前提としたベースラインケースの二つのシナリオに基づく試算が示されているということでございますので、楽観的過ぎるとの指摘は当たらないと考えております。
○山田太郎君 責任を持ってどう考えるかというところが残っていますし、本当に中長期的にデフレが脱却できるかはもうちょっと待たなければ確かに分からないところではあるかとは思っております。 さて、もう一つ、ゴールデンウイークに安倍総理の方はアメリカの方に行かれるということで、オバマ大統領との面談、また米国でのいわゆる演説もされるというふうに聞いております。当然TPPの話もされると思いますが、そのTPPの知財の中で、著作権の非親告罪に関して、先日、予算委の中でも、日本の漫画、アニメ又はゲーム、もしかしたら音楽、映像についても日本文化に大きな影響を与えるかもしれないと、こういうことが明らかになってきています。 クールジャパンの一角を持つ二次創作についても大きな影響があるということから、是非ともこの著作権の非親告罪化については、改めて受け入れられない、又はその条項を留保する、そういったことをせめてアメリカに伝達し、議論していただけないでしょうか。また、最低限の交渉においては日本文化を守るために、仮に非親告罪化ということであれば、悪質な海賊版のみが非親告罪の対象となるような交渉をお願いしたいと思うんですが、これはもう総理、オバマ大統領と会ってくる極めて重要な局面ですので、お願いできないでしょうか。 総理に、じゃ、お願いします。
○国務大臣(甘利明君) 必要があれば総理が補足答弁をされると思います。 この非親告罪化の流れ、これは参加国の中で、前にも説明しましたとおり、そういう方向で大勢が流れているということは申し上げたとおりであります。 ただ、そこにどういう懸念があるかということもよく承知を政府としていたしております。その懸念がそのとおりになってしまわないように、十二か国の流れの中でもしっかり懸念を払拭できるように交渉をしていきたいというふうに思っております。
○委員長(岸宏一君) 総理、補足しますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 基本的には、日米におけるTPP交渉については最終局面に入っているんだろうと、このように思います。首脳会談においてTPPの個々の事柄に対する交渉を行うということは考えておりませんが、いずれにいたしましても、このTPPについては、人、物、金がアジア太平洋地域を自由に行き交う野心的な試みであり、是非早期の妥結を目指していきたいと思います。
○山田太郎君 著作権の非親告罪化が個々の問題と言われちゃったのはちょっと残念でありまして、日本文化全体の大きな影響があるというふうに思っておりますので、そんな認識で是非、総理、やっていただければと思っています。 さて、最後の質問になると思いますが、今政治は若者向けの政策が少ないと、こういうふうにも言われていると思います。やっぱり若者は大変にまた社会不安を抱えていると思いますが、総理の御認識もいただきたいと思うんですが、安倍総理が考える若者の不安、どんなところを若者が不安と思っているのか。最近、上から目線なんというふうにも言われちゃっていますので、国民目線でもって是非認識を共有させていただければというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 若い皆さんは、将来にわたって例えば年金等の社会保障は大丈夫なんだろうかという不安があるんだろうと思います。若者といっても一概には言えないわけでございますし、自分の将来について自分がしっかりとキャリア形成をしていくことができるかどうかと、そういう不安もあるんだろうと、こう思います。そういう不安に対しては、まさに若者の不安は国の将来を危うくすると、このように思いますので、しっかりと、誰にでもチャンスのある、能力を生かせる社会をつくっていきたいと思います。
○山田太郎君 これで終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で山田太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、松沢成文君の質疑を行います。松沢成文君。
○松沢成文君 次世代の党の松沢成文でございます。 今日は最終の質問なので、恒例のJTの完全民営化問題について改めて政府の姿勢をただしたいと思います。 私は、たばこ製造会社であるJTを国が保護、監督するという公的関与の必要性は全く見出せないし、政府保有株を売却して即刻民営化すべきだと思っています。そして、その株の売却益二・五兆円は復興財源に有効に使えるわけであります。これに対して、財務大臣は、JTの経営の自律性だとか、あるいは葉たばこ農家やたばこ小売店などの関連産業への影響を理由に反対の姿勢に終始いたしました。 しかし、この問題の最大のポイントは、当事者であるJT自身が一刻も早く民営化してくれと政府に要望していることなんです。国際市場でライバル会社との競争に勝ち抜き成長を実現したいと、そのためには早期に完全民営化を推進してたばこ事業諸制度を見直してほしいと、強くJT自身が要求しているんですね。 このように、JTが求める会社の経営の将来像と監督官庁である財務省の方針というのはこんなに大きく食い違っているんです。このまま政府として放置していていいんでしょうか。JT法第十二条では、財務大臣はJTを監督する、必要なときには監督上命令を出すことができると、こうなっています。 さあ、財務大臣、お伺いしますけれども、大臣はこれまでJTの社長に会ったことありますか。民営化問題について議論したことありますか。ないのであれば、即刻JTの社長と会うべきではないでしょうか。大臣には、JTの事業を監督する権限と同時に責任があるはずです。JTの社長と直談判して、民営化問題を話し合って、その結果を国会に報告してほしいと思います。実行する意思はありますでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) たばこの民営化の話に限らず、JTの社長と会ったことあります。元次官ですしね。その前、今度のは下から来ている人ですけれども、会ったことありますし、話もしたこともあります。
○松沢成文君 だから、JTの要望する民営化問題についてしっかり話をして、その結果を国会に報告する、これをやっていただけますか。
○国務大臣(麻生太郎君) まだしゃべって大丈夫ですか。(発言する者あり)そうですか。許認可持っているのはあなた、こっち。 今話した話の内容をきちんと双方で話をすることは、これまでもしましたが、今度来た話を、双方で話をした話を報告するかどうかにつきましては、相手側の話もありますので、この場で即答することは差し控えさせていただきます。
○松沢成文君 最後に総理に伺います。 財務大臣、もうやる気ないんですよ。これはやっぱり総理が、きちっとやっぱり国のリーダーとして、農協の萬歳さんとも話して直談判しているんですから、JTの社長と話して、きちっと民営化方針、議論していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私がJTの社長と会うということについては予定はしておりませんが、JT株の売却による完全民営化については、葉たばこ農家や小売店への影響等、様々な考慮すべき課題を総合的に判断しつつ検討していく考えでございます。
○松沢成文君 終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で松沢成文君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、水野賢一君の質疑を行います。水野賢一君。
○水野賢一君 総理にお伺いしますけれども、防衛出動をして自衛のために武力行使をするときというのは、相手国に宣戦布告をするということを想定しているのでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国に憲法上認められるのは、我が国を防衛するためのやむを得ない自衛の措置としての武力の行使のみであります。我が国の武力の行使は武力攻撃事態法や自衛隊法に定める手続の下に行われるということは、もう委員も御承知のとおりなんだろうと思います。 お尋ねのこの宣戦布告について言えば、現在の国連憲章の下においては、自衛権の行使や国連安保理の決定に基づく行動を別にすれば、武力の行使が一般に禁止されており、伝統的な意味での戦争は認められていません。かつての宣戦布告、すなわち戦争が違法ではないことを前提とした、適法な戦争開始の手続としての宣戦布告に関する伝統的な国際法規については、現在、そのまま適用される余地はなくなっています。したがって、我が国が武力の行使を行う前にこのような意味の宣戦布告を行うことは想定されておりません。 なお、国連憲章においては、加盟国が自衛権の行使に当たってとった措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならないとされております。したがって、我が国が武力の行使を行った場合には、直ちに国連安全保障理事会に報告することとなります。
○水野賢一君 日本が明治四十四年に批准した開戦に関する条約では、戦争に入るときには宣戦布告することになっているんですけど、この条約は現時点ではもう無効だという理解でよろしいですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の開戦条約ですが、一九〇七年に署名され、日本は一九一二年に加入をしています。 この条約、伝統的な国際法の下では、国際紛争を解決するための最後の手段として、戦争は一般に違法とされていなかった時代の条約です。こういった時代の中にあって、この開戦条約においては、理由を付した開戦宣言又は条件付開戦宣言を含む最後通牒の形式を有する明瞭かつ事前の通告なくして戦争を始めてはならない、こういった旨規定されております。 他方、現在は国連憲章の下で、自衛権の行使や国連安保理の決定に基づく行動を別にすれば武力の行使は一般的に禁止されており、戦争が違法でないことを前提とした適法な戦争開始の手続としての宣戦布告に関する伝統的な国際法規は適用される余地がないと考えられています。
○水野賢一君 いわゆる駆け付け警護について伺いますけれども、これは現行法ではできないわけですけれども、これは根拠条文は何になるでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 駆け付け警護に伴う武器使用については、これを国家又は国家に準ずる組織に対して行った場合に憲法九条が禁じる武力行使に該当するおそれがあることから、現行法上、海外で活動する自衛官の武器使用権限については、自衛隊法九十五条に基づく武器等防護のほか、いわゆる自己保存型の武器使用に限定をしたところでございます。 例えば、PKO法二十四条に基づく武器使用、また、邦人輸送の職務に従事する自衛官に認められている自衛隊法九十四条の五に基づく武器使用がありますが、これらの武器使用は、自己又は自己とともに現場に所在する隊員若しくはその職務を行うに伴い自己の管理の下に入った者の生命、身体の防護のためというようにそれぞれ規定をいたしておりまして、その自己の管理のない者の防衛をするための武器を使用することは認められていないと。 したがいまして、いわゆる駆け付け警護に伴う武器使用ができるようなことは現在はできません。
○水野賢一君 つまり、今の法律では武器使用でやっていいことというときの条件に入っていないから駄目なわけですけれども、それでも駆け付け警護しちゃったというような場合があったときは、これは自衛隊法では処罰できますか。
○国務大臣(中谷元君) 仮定の議論として申し上げれば、武器使用権限に基づかない武器使用が行われた場合には、個別具体的なケースに即して法的責任が検討されることとなります。 しかし、自衛隊法における罰則には国外犯を処罰する規定がないために、我が国船舶又は我が国航空機において行われたものでない限り、国外で行われた行為について自衛隊法の罰則が適用されることはありませんが、隊員が職務上の義務に違反した場合等には、自衛隊法第四十六条の規定に基づき懲戒処分を行うことがあります。
○水野賢一君 この前も聞いたことなんですけれども、要するに国外でやった場合、懲戒処分は別ですよ、しかし、法律に基づいた禁錮とか懲役というような刑は、法律を無視しても今は処罰できないわけですよね。これは、シビリアンコントロールの観点からも大きい問題だとは思いませんか。
○国務大臣(中谷元君) 前回の議論におきましても、この点については整備はされていないという点でございまして、御指摘のとおり検討すべき課題であると認識しております。
○水野賢一君 そこのところをしっかり検討してもらわなきゃいけないんですけれども、何でこんな重要なことを今まで放置していたんでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 駆け付け警護等においては認めていないわけでありまして、あくまでも武力行使をしないということで極めて抑制的に武器使用においては権限を与えていたために、そういったことに対する視点が欠けていた点があるのではないかと私は思っております。
○水野賢一君 自衛隊を活用するという視点も必要でしょうけれども、勝手なことは絶対に許さないという厳しくめり張りを付ける必要もあるというふうに思いますが、さて、今、邦人救出を可能にすべくいろんな検討をしているようですが、居留民保護というのは現行法ではできるんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府としては、多くの日本人が海外で活躍をし、そしてテロなどの緊急事態に巻き込まれる可能性があることから、領域国の受入れ同意があることを前提に、自衛隊による邦人救出を行い得るよう法整備を行う考えであります。ただし、想定しているのは、あくまでも緊急事態に際して生命、身体の保護を要する個々の邦人を危機から救い出すことが目的でありまして、したがって、本邦又は安全な隣国あるいは当該国内の安全な地域に邦人を移すことができれば、その目的は達せられるものと考えております。 これを超えて、今委員が言われた趣旨はそういうことなんだろうと思いますが、邦人が多く住む外国の町を外部の攻撃から守るといったことや、あるいは邦人の住む町の治安の維持を図るといったことを行うことは全く考えておりません。また、言うまでもなく、自衛隊による邦人救出は武力の行使を伴うものではなく、あくまでも警察的な行動として行うものであります。救出を行うに当たっての要件や手続など、法整備の具体的内容については現在検討中でございます。 先ほど委員が御指摘になられた、今まで海外で自衛隊が、言わば隊員が違法な行動を取ったときの法整備についての御指摘がございました。今までは武器の使用について言わばaタイプのみで行ってきたわけでございますが、今後いわゆるbタイプについて行っていくということについては、御指摘の問題意識を持って検討していきたいと考えているところでございます。
○水野賢一君 法制局の方に伺いますけれども、今総理も、そういういわゆる町を守るみたいな居留民保護のことは考えていないという話でしたけど、これは憲法上はやっぱりやっては駄目ということですね。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) お尋ねの居留民保護のような活動というのがどのようなものかによりますけれども、邦人が多く住む町が他国に攻撃されたりした場合にそれを守るといったような状況であるならば、自衛隊がそのような邦人を保護するために国家又は国家に準ずる組織に対して武器を使用することは、まさに武力の行使に当たるものと思われます。 憲法九条の下で許容される武力の行使は、昨年の閣議決定でお示しした新三要件を満たす場合の自衛の措置としての武力の行使に限られると解しておりまして、受入れ国の同意があるとしても、これに該当しない場合の武力の行使は憲法上許されないと考えております。
○水野賢一君 私は別に自衛隊の海外活動に頭から反対ではありませんけど、やっぱり歯止めというのは必要なんであって、それは過去に義和団事件でも上海事変でも常に居留民保護の名目で軍隊が派遣されたりしたことも事実でありますから、こうしたことは今後の自衛隊の海外での活動ということを考えるときに徹底して議論をしていくべきだということを申し上げて、私の質問を、時間ですので、終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で水野賢一君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、福島みずほさんの質疑を行います。福島みずほさん。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。 まず初めに、みなし仮設住宅家賃の東電への求償はどうなっていますか。
○大臣政務官(松本洋平君) 現状についてのお尋ねがございました。 現状、東日本大震災による応急仮設住宅の提供につきましてでありますけれども、そもそも緊急に提供をする必要があったということ、また一方で、地震、津波、原子力災害という複合災害の中でどこに原因があるのか判断をするのに時間が掛かるということもございまして、東電が原因者である場合も含めまして、発災当初から災害救助法に基づく応急救助として実施するとしたところでございます。 議員御指摘の東電への求償につきましては、したがいまして現時点においては行っておりません。
○福島みずほ君 求償すべきではないですか。
○大臣政務官(松本洋平君) 今後につきましてでありますけれども、東京電力への求償については、今なお災害救助法に基づき応急仮設住宅を提供中であります。請求額全体の額も確定していないこと、また求償の範囲等についての考え方の整理も必要であることから、現在、東京電力や福島県などの関係者との間で調整を行っているところでございます。引き続き調整を進めた上で求償を行ってまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 過去の分からでも求償すべきではないですか。
○大臣政務官(松本洋平君) 先ほどお答えをさせていただきましたとおり、現在、全体としての額が確定をしていないということ、またその範囲等につきましても東京電力や福島県等の関係者との間で調整を行っているところでありますので、引き続き調整を進めた上で求償を進めてまいりたいと思います。
○福島みずほ君 東電と経済産業省が自主避難者分の家賃負担に難色を示していて、それでいまだに東電側に求償されていないという意見もありますが、そうですか。
○国務大臣(宮沢洋一君) みなし仮設住宅の家賃に関する東京電力への求償については、今お話のありました、現在、内閣府と東京電力が協議中であり、経産省としてはコメントを差し控えさせていただきたいと思います。
○福島みずほ君 内閣府、自主避難者分も請求するということでよろしいですか。
○委員長(岸宏一君) じゃ、ちょっと速記止めて。 〔速記中止〕
○委員長(岸宏一君) 速記を起こして。
○国務大臣(山谷えり子君) 現在、調整中、検討中でございます。
○福島みずほ君 自主避難者の人たちの分も請求しなければ、この人たちは将来受けられなくなるんじゃないかという不安を持っております。 大臣、前向きに検討していただきたい。いかがでしょうか。
○国務大臣(山谷えり子君) 繰り返しになりますけれども、現在調整中でございます。
○福島みずほ君 調整中ということで、不安になるんですね。自主避難者の皆さんの分もしっかり求償してください。 みなし仮設住宅の給与期間の延長について、なるべく早く延長の結論を出すべきではないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 災害救助法に基づく応急仮設住宅の提供期間は原則二年とされておりますが、東日本大震災で設置したものについては、特定非常災害特別措置法に基づき、各県において一年を超えない期間ごとに延長を行うことが可能であり、現在、被災三県において五年目までの延長を行っています。 更なる期間延長については、各県において復興状況を総合的に勘案した上で延長の可否を判断し、国の同意を得た上で延長することになりますが、政府としては、お住まいになられている皆様の安心にしっかりと沿えるよう、被災自治体と緊密に連携しながら適切に対応していく考えであります。
○福島みずほ君 前向きにありがとうございます。 去年は五月末だったんですね。直前まで分からなくて、皆さんたちは自分たちが一年間延期されるかどうか大変不安でした。総理、これについては皆さんの不安を解消する必要があると思います。是非よろしくお願いします。いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、そうした皆様の不安にしっかりと沿えるように、被災自治体とよく相談をしていきたいと思っております。
○福島みずほ君 県外への避難者は柔軟な住み替えを要望しておりますが、行政側は原則として認めておりません。住み替えをもっと認めていただきたい。いかがでしょうか。
○委員長(岸宏一君) どなたですか、答えるのは。 安倍内閣総理大臣。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ちょっと私のところには質問の通告がなかったものでございますから、内閣府において、それについてはまた後日お答えをさせていただきたいと思います。
○福島みずほ君 高レベル廃棄物の処分についてお聞きをいたします。 幌延と岐阜県の瑞浪を視察しました。オーバーパックで保管するということですが、何年もつのでしょうか。
○政府参考人(上田隆之君) 高レベル放射性廃棄物のオーバーパックが何年もつかという御質問でございます。 まず、高レベル放射性廃棄物は、ガラス固化体というものにしまして、それを金属製のオーバーパックと呼ばれる容器に詰めるものでございますけれども、これにつきましては千年では破損しないように設計されることになっているところでございます。
○福島みずほ君 それでは、高レベルの放射性廃棄物が無害化するのは何年後ですか。
○政府参考人(上田隆之君) これは、高レベル放射性廃棄物、ガラス固化体にいたしますけれども、現在、通常の場合であれば、自然界に存在するウランと同じ程度になるまでに十万年程度でございます。これをサイクル等々、プルサーマルを行いますと八千年程度でございまして、高速炉で処理をいたしますと三百年程度になると、こういうふうに考えております。
○福島みずほ君 十万年後であって、千年しかもたなければ途中で漏れ出すということでよろしいですか。
○政府参考人(上田隆之君) この高レベル放射性廃棄物を最終処分をいたしますわけでございますけど、これにつきましては、まずそのガラス固化体というものにした上で、今申し上げましたオーバーパックというもの、金属製の容器に詰めます。さらに、それを粘土を固めたようなベントナイトと言われる緩衝材に包みまして、最終的には地下三百メートルよりも深い岩盤の中に置いておくということで、多重バリアという考え方を取っております。 千年の後にこの放射性のオーバーパック等金属製の容器が仮に破損をしたとした場合におきましても、今申し上げましたような多重バリア等々によりまして放射性物質の移動が十分に抑制され、数十万年にわたり人間環境に悪影響を与えないと、こういうことは科学的に示されているところでございます。
○福島みずほ君 ベントナイトと地中に埋めることで、なぜ十万年可能なんですか。
○政府参考人(上田隆之君) これは、地層の状況等を把握しまして科学的にそういう構造にした場合に、地下水の流動等によりまして、仮にオーバーパックが破損をいたしまして、それが地下水の流れに沿って地表まで届くというような時間を計算をすることにより、今申し上げたようなことが示されているところでございます。
○福島みずほ君 地表に来るまで時間が掛かるということですが、千年たったら漏れ出すんですよ。十万年後の安全でもなく、千年しかもたない。こんな状況で高レベル廃棄物を地中に埋めることなどできません。特定廃棄物の処分の塩谷や、そして高萩もそうですが、地中に埋めればもう大丈夫ではないんですよ。 千年しかもたないと今日おっしゃいました。十万年後の安全まで程遠い、こんな形での地層処分は絶対に認められないと申し上げ、質問を終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で福島みずほさんの質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、荒井広幸君の質疑を行います。荒井広幸君。
○荒井広幸君 自衛隊の出動に関して国会に事前承認を求める時間的余裕がない場合というのは、解散のとき、国会閉会中のとき、これは昨日言いましたように三日間で審議入りができますので、これは十分に事前、できます。 では、私がお手元に配付したA、B、C、Dのうち、どのようなケースが事前ではできないというのか、具体的に、中谷大臣、示してください。
○国務大臣(中谷元君) いかなる場合が時間的余裕がない場合に該当するかは、現実に発生した事態の個別的な具体的な状況によるために一概には申し上げられませんが、例えば、新三要件の下での武力の行使、パネルDですね、これのケースについて見れば、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が事前に十分察知されずに突発的に発生して、また、これによって、間を置かずして我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある状況に至るということは否定できません。極めて短時間のうちにそのような事態に立ち至った場合には、国会承認前であっても並行して自衛隊に行動を命じ、まず何よりも国民の命と幸せな暮らしを守ることが必要ではないかと考えております。 同様に、我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態、パネルC、このケースに際しても、例えば我が国の近隣で武力攻撃が突発的に発生し、我が国として緊急に対応する必要が生じる可能性が排除できません。 これらのような緊急の場合があり得ることは排除できませんが、原則事前承認とされている場合に、政府として可能な限り国会の事前承認を得るための努力を行うことは当然でありますし、また、現在検討している国際社会の平和と安全のために活動する他国軍隊に対する支援活動、パネルB、このケースについては、民主的な統制の重要性を十分踏まえつつ、例えば国際機関からの呼びかけに迅速に応じる必要がどの程度あるかといった点も考慮しつつ、法整備、作成の中で、与党と相談しながら引き続き検討を進めてまいりたいというふうに思います。 なお、パネルAのケースである国際的な平和協力活動については、現行のPKOの下で、いわゆるPKF本体業務に関する国会承認は、国会が閉会中の場合又は衆議院が解散されている場合以外は事前承認となっており、そして現在検討している国連が統括しない活動については、与党の取りまとめで示されましたが、事前承認を基本とするということを踏まえて、引き続き検討を行ってまいりたいと思っております。
○荒井広幸君 冒頭の二つは、極めて個別的自衛権に近い判断も行えるんですよ。こういうことですから、どうぞ十分、法案作成の中で検討してください。 そして、基本計画を国会承認の対象としなければなりません。だからこそ、国会が政府と一緒に出動の判断を分かち合うことが極めて重要なんですよ。こういう観点から、派遣された場合、二年ごと又は必要に応じて改めて国会承認の手続を行うことで国会での派遣の必要性を検証する、これは極めて重要なシビリアンコントロールだと思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(中谷元君) 自衛隊の活動に対する民主的統制の観点から、国会の関与、これが重要であるということは論をまちませんが、自衛隊の部隊の海外派遣の継続に対する国会の関与については、例えば現行の国際平和協力法では、いわゆるPKF本体業務については、国会の承認を得て派遣されている自衛隊の部隊の派遣を国会承認の日から二年を超えて引き続き行おうとするときは、派遣を引き続き行うことについて国会の承認を求めなければならないことを定めております。 いずれにせよ、国会の適切な関与は重要な課題でございますので、御指摘の点を含めまして、引き続き与党と相談しながら検討を深めてまいりたいと考えております。
○荒井広幸君 では、派遣中止の条文も盛り込むべきではないでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 自衛隊の活動につきましては、民主的統制の観点から国会の関与は重要でございますが、現行のPKO法で、二年を超えて引き続き行おうとするときは国会の承認を求めなければなりませんが、この場合、不承認の議決があったときは遅滞なく業務を終了させなければならないことを定めておるわけでございます。 このような点におきまして、国会の適切な関与は重要な課題でありますので、御指摘の点を踏まえまして今後検討してまいりたいと思っております。
○荒井広幸君 重要だといっても、やってくれなけりゃ意味がないんです。 そこで、両院に聞きます。衆議院事務総長、秘密会について勉強したいと思います。 今まで両院のそれぞれの本会議、これ三分の二で秘密会ができるんですが、衆議院では過去どんな案件で何回ありましたか。
○衆議院事務総長(向大野新治君) 戦後の新国会、現行憲法下では、本会議を秘密会にした事例はございません。
○荒井広幸君 特定秘密の扱いが問題なので、この点について勉強しています。 参議院事務総長、秘密会とはどんなものですか。簡潔に願います。
○事務総長(中村剛君) お答えいたします。 本会議の秘密会につきましては、憲法のほか、国会法及び議院規則に規定がございます。それに沿って御説明をいたします。 まず、秘密会にするとの議決があったときは、報道関係者を含む全ての傍聴人を傍聴席から退場させることになります。また、秘密会の記録中、特に秘密を要するものと議決した部分は公表しないこととなります。すなわち、一般配付する会議録にはその部分が掲載されないということになります。 なお、秘密を要すると議決された部分を他に漏らした議員がある場合は、議長は懲罰事犯として懲罰委員会に付託するという定めとなっております。 以上です。
○荒井広幸君 時間が短いので飛び飛びなんですが、総理にお尋ねします。 集団的自衛権を行使したり他国軍隊を後方支援する場合などにおいては、自衛隊員の安全、命を守ることは最優先されなければなりません。しかし、残念ながら、自衛隊員に死傷者が出たり、相手国の国民を殺傷してしまう可能性があることは否定できません。 今、法案作成段階になりました。国民も注目しています。この私の認識について共有されますかどうか、総理はどうお考えになりますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 自衛隊員の諸君の任務はただ一つでありまして、国民の命と幸せな暮らしを守ることであります。これまでも、我が国有事における任務は文字どおり命懸けのものであります。そして、自衛隊員諸君が命を懸け武器を取る理由もただ一つでありまして、それは任務達成のため、他に手段がないからであります。 新たな法整備により与えられる任務も、これまで同様、命懸けのものであります。ただし、それはあくまでも国民の命と幸せな暮らしを守り抜くためのものであり、自衛隊員の任務には何ら変更はありません。もとより、自衛隊が幅広い分野で十分に役割を果たしていくためには、国民の理解と支持が不可欠であると考えています。 このような認識の下、今後とも、自衛隊が担うことになる新たな役割や活動について国民のより一層の御理解を得られるよう、法案を提出した際に丁寧に御説明していきたいと、このように思います。
○荒井広幸君 最後になりますが、どうぞ時間を掛けて、十分国民の理解を得るまで議論を尽くして尽くして尽くし抜くことを強く要請して、終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で荒井広幸君の質疑は終了いたしました。(拍手) これにて質疑通告者の発言は全て終了いたしました。 以上をもちまして、平成二十七年度総予算三案に対する質疑は終局したものと認めます。 ─────────────
○委員長(岸宏一君) それでは、これより討論に入ります。 討論の通告がありますので、これを許します。なお、発言者は賛否を明らかにしてお述べ願います。那谷屋正義君。
○那谷屋正義君 民主党・新緑風会の那谷屋正義です。 私は、民主党・新緑風会を代表し、ただいま議題となりました政府提出の平成二十七年度予算三案について、反対の立場から討論いたします。 今回の審議では、またもや政治と金の問題が続々と沸き上がりました。政官業の癒着の問題が言われて久しい中、再び国民の政治不信を増幅させるような状況は打破しなければなりません。しかし、当事者に対し徹底的に説明を促す姿勢が安倍総理に見られなかったことは大変残念です。民主党は、こうした政治と金の問題を断ち切るための提案をしっかりと行ってまいります。 さて、安倍政権は、本予算案を経済再生と財政再建の両立を実現する予算とうたっています。しかし、二十六年度補正予算に様々な歳出を押し込むなど粉飾を施しながらも、公共事業費を始め歳出は膨らみ、一般会計総額は過去最大規模を記録しています。誰の目から見ても財政再建が遠ざかったのは明らかです。 経済再生については、総理は、企業収益の拡大から賃金の上昇、消費の拡大という好循環が起きると主張し続けています。でも、現実は真逆で、実質賃金は二十か月連続でマイナスとなり、国民生活は厳しくなる一方です。しかも、本予算案には、介護報酬引下げや子育て給付金の減額など、生活に直結する予算の削減が含まれています。雇用の足を引っ張る外形標準課税の拡大などの税制改正と相まって、消費はますます低迷し、格差拡大に歯止めを掛けようとしない予算であると言わざるを得ません。 さらに、目玉のはずの地方創生関連予算は、従来どおり霞が関主導で、地域の自主性、独自性発揮を阻むものになっています。上から目線ではなく、地方の目線に立ち、例えば平成二十五年度に廃止した一括交付金を復活させるなど、真にそれぞれの地方の自主性が生かせる制度を実施すべきです。また、戸別所得補償制度の固定支払部分が昨年度から半減されたことが昨秋の米価下落とともに農家に打撃を与えており、地方は再生どころか、ますます疲弊しかねません。このような予算案に到底賛成できません。 生活、雇用、子育て、老後、それぞれの分野で国民に安心をもたらす施策こそが最も重要で、今求められているものです。政府予算に盛り込まれた施策はどの分野においても不十分であり、国民の生活を支えるに足り得るものではありません。 最後に、民主党は、分配と成長を両立させる経済政策により国民生活を向上させていくことを国民の皆様方にお誓い申し上げ、私の討論を終わります。(拍手)
○委員長(岸宏一君) 若松謙維君。
○若松謙維君 公明党の若松謙維です。 私は、自由民主党及び公明党を代表して、ただいま議題となりました平成二十七年度予算三案に賛成の立場から討論を行います。 安倍内閣発足から二年三か月が経過し、平成二十六年の賃上げ率は過去十五年で最高、有効求人倍率は二十二年ぶりの高水準となるなど、アベノミクスは経済の好循環を生み、その成果を着実に上げています。こうした景気回復の希望と実感を日本全体に届けていくためにも、平成二十六年度補正予算と併せ、経済再生と財政再建の両立を実現する本予算案の早期成立、執行は急務であり、切れ目のない経済政策を引き続き行っていかなければなりません。 以下、本予算案に賛成する主な理由を述べます。 第一に、魅力あふれる町づくり、人づくり、仕事づくりを推進するなど、地域経済の活性化と地方創生を前進させる予算である点であります。 地方創生に向けた経費として自治体の財政計画に一兆円を計上し、地域の実情に応じたきめ細やかな政策が講じられるよう後押しする予算となっています。また、新規就農・就業者への支援や、若い世代の結婚、出産、子育てを支援する個別施策として約一千億円が計上されています。また、地域しごと支援、農村都市交流などを始め、若年層の人材を都市部から地域へ定着を促進するなど、公明党が強く主張してきた政策が数多く盛り込まれています。 第二に、税と社会保障の一体改革を着実に実行する予算である点です。 子ども・子育て支援新制度、待機児童解消加速化プランや放課後児童クラブの充実など、公明党の主張が大きく盛り込まれており、多様な受皿となる施設の拡充と処遇改善等による人材の確保などにより、少子化対策と女性の活躍推進に資するものと評価することができます。 また、介護職員の報酬を月額一万二千円、平成二十一年から合わせて四万二千円引き上げるなどの処遇改善や認知症対策など、医療・介護分野のきめ細やかな措置が盛り込まれています。 さらに、低所得者が多い国民健康保険の財政基盤の強化、介護保険における低所得者の保険料軽減の拡充、簡素な給付措置の実施、生活保護に至る前の段階にある生活困窮者への相談、就労支援など、包括的な支援により低所得者に対する目配りをしっかりしています。 第三に、東日本大震災、原発事故からの復興を加速化させる予算である点です。 中でも、被災者の見守りや被災した子供に対する支援事業を一括化した被災者健康・生活支援総合交付金が創設されたほか、中間貯蔵施設の建設による除染事業の加速化を踏まえ、前年度を上回る原子力災害復興関係経費を計上するなど、被災地の復興と福島の再生に資するものと考えます。また、事前防災・減災対策の充実や老朽化対策のための措置も盛り込まれています。 最後に、基礎的財政収支を示すプライマリーバランスは、中期財政計画を上回る四・六兆円改善しています。また、行政評価と政策事業レビューの連携強化により約四千億円の支出削減が図られています。このように、本予算案は財政健全化の観点からも評価することができます。 引き続き、アベノミクスの着実な成果と一人一人の弱い立場にある方々に寄り添う政策を進めるためにも、本予算案の早期成立が必要です。 以上、本予算案に賛成する主な理由を述べました。本予算成立後の速やかな執行を政府に求め、私の賛成討論といたします。(拍手)
○委員長(岸宏一君) 小野次郎君。
○小野次郎君 私は、維新の党を代表して、平成二十七年度一般会計予算、平成二十七年度特別会計予算及び平成二十七年度政府関係機関予算につき、反対の立場から討論いたします。 本年の予算委員会では、最初から最後まで大臣の政治と金の問題でたくさんの時間が割かれました。補助金を受け取った企業が、その補助金を出した役所の大臣や総理大臣に違法献金を行っていた事実が明らかになりました。ところが、受け取った側が、補助金の件を知らなかったから献金受領は違法でないと繰り返し強弁する姿は見苦しいものでした。 また、国会議員の文書交通通信滞在費についても、維新の党は領収書のインターネット公開を既に始めています。領収書なしで毎月百万円使われている議員活動経費について公開から逃げ続けていたら、国民から見た国会議員は皆、あの号泣した兵庫県議以下の手合いだと映ってしまいます。 さらに、維新の党は、繰り返された政治と金にまつわる疑惑を根本から断ち切るために、企業・団体献金の受取禁止を党独自で既に決定いたしました。また、同趣旨の法改正案を国会にも提出しております。 前代未聞の七人もの大臣が政治と金の問題で辞任をし、さらに一名が留任を遠慮せざるを得なかった、そんな安倍政権だからこそ、この現状を真摯に反省して、政治と金に関わる抜本的な政治改革に取り組むべきであると申し上げておきます。 さて、政府提出予算案の中身について、以下五点の反対理由を述べます。 まず第一に、歳出削減の努力が不十分であります。 安易な増税に頼り、歳出削減を後回しにした国は、その多くが財政再建に失敗しています。政府提出予算案では、歳出が昨年度当初予算からまた四千五百億円増えており、三年連続の増加となっています。増え続ける予算に歯止めが掛かっておらず、中期的な財政再建の見通しは立っておりません。 反対理由の二つ目は、政治家と官僚の側の身を切る改革が含まれていません。 震災後減額していた国会議員歳費と公務員給与を昨年度予算で元に戻し、さらに、新年度予算で国家公務員給与はまた五百億円増えています。これでは、増税や歳出削減の痛みを求められる国民の理解は到底得られません。 維新の党は、国会議員の定数三割削減、国会議員の給与三割カットの法案を既に国会に提出済みであります。 反対理由の三つ目は、無駄の削減が足りません。 安倍政権では、国土強靱化の名目の下に公共事業費が平成二十五年度以来増え続けており、一方で、年度内に消化されずに繰越しや不用とされる額も多額に上っています。これらは厳格に費用対効果で投資効果の高い事業に絞るべきであります。 新年度予算の目玉である地方創生七千二百二十五億円もめり張りがなく、既存事業の継続にすぎないものや事業の重複も見受けられます。何より、国が総合戦略や政策パッケージをあらかじめ決めて、それに沿う地方版戦略をつくらせるやり方そのものが地域主権、地方分権の理念に逆行する政策手段であります。 反対理由の四つ目は、身を切る改革なしに国民に痛みを強いていることです。 年金額の少ない高齢者向けの給付金、低所得者の介護保険料軽減、年金受給資格期間の短縮、いずれも消費税一〇%増税のときに実施するという理由で新年度予算には計上されませんでした。国民に次回の増税を受け入れさせるお駄賃に取っておくような施策は甚だこそくであり、この程度の規模の財政措置であれば、更なる消費増税によらずとも、身を切る改革を徹底することによって捻出すべきであります。 反対理由の五つ目は、消費拡大の経済効果が不十分であります。 アベノミクスの副作用として、国民の実質賃金は十九か月連続で下落をしています。また、中央と地方、世代間などの格差が一層拡大しているにもかかわらず、政権はこの問題に真面目に取り組む姿勢がうかがわれません。現状では、低所得者と一般の子育て世帯を支援するために家計を温め、消費を拡大する施策が広く求められます。 維新の党は、家計が確実に消費に回してくれるような、保育、子供向け医療、そして教育、福祉、いずれかで使用可能なクーポン制度の導入を主張しています。バウチャーを直接利用者に交付することによって、そのバウチャーで利用者が施設を選べるようにするというやり方で事業者間の競争でサービスの質を向上することも期待することができます。 以上、国民に負担増やサービスの低下を押し付けるばかりで身を切る改革も無駄削減もおざなりになっており、家計の消費を現実に増やすための有効な施策が見当たらない予算案三案には到底賛成することはできないことを申し上げて、私の反対討論といたします。(拍手)
○委員長(岸宏一君) 松沢成文君。
○松沢成文君 次世代の党の松沢成文です。 次世代の党を代表し、ただいま議題となりました平成二十七年度当初予算案等に対し、賛成の立場から討論を行います。 我が党は、アベノミクスや地方創生の方向性を評価しており、この流れを止めてはならず、実体と効果があるものにしていかなければならないと考えています。経済の再生と財政の再建を両立させる目標を立てた予算案ということで、不十分な点もあるものの、努力を評価いたします。 その不十分な点の一つが行財政改革への切り込み不足です。その代表が政府保有資産の処分であります。 私は、本予算委員会の質疑の中でJTの完全民営化問題を何度も取り上げました。たばこ製造会社のJTをたばこ事業法とJT法の下に保護、監督し、株式の三分の一を政府が保有する特殊会社として維持することは時代の要請に反し、行財政改革の妨げになっています。 JTを完全民営化すべき理由の第一は、政府とたばこ会社の関与を否定するWHOたばこ規制枠組条約の勧告に違反していることです。 第二に、復興財源確保法も、JTの全株式処分によって復興財源に回すよう検討することを求めています。もし実現できれば約二・五兆円の売却益が上がり、不足する復興予算の大きな原資となり、被害者の方々や被災自治体も喜ぶに違いありません。 第三に、財務省が反対理由にする国産葉たばこ問題は、内外価格差が拡大する一方で解決不可能であります。 第四に、JTを国が抱え続けていれば、今後予想されるたばこ訴訟で、JTのみならず国が損害賠償請求を受ける可能性が高まるという訴訟リスクがあります。 そして、第五に、JT自身が国際市場で成長したいので早期に完全民営化してほしいと強く要望していることです。 こうした状況にもかかわらず、監督官庁である財務省が完全民営化を拒み続けることは、既得権益にしがみつき、構造改革をサボタージュしているとしか言いようがありません。政府は、JA、農協の既得権益打破と組織改革には熱心ですが、事たばこ産業の改革には逃げ続ける。これでは改革のダブルスタンダードと言われてしまうのではないでしょうか。 今からでも遅くはありません。日本の行財政改革推進のために、一刻も早くJTの完全民営化を実現し、約二・五兆円の売却益を復興財源や財政再建の原資に回すという構造改革を断行し、今後の予算編成に生かすよう強く要望し、討論を終わります。(拍手)
○委員長(岸宏一君) 辰巳孝太郎君。
○辰巳孝太郎君 私は、日本共産党を代表して、二〇一五年度総予算三案に対する反対討論を行います。 反対する第一の理由は、本予算案が国民負担増と給付額の削減を推し進める社会保障の全面改悪予算であることです。 年金削減、高齢者医療の窓口負担増、介護報酬の大幅削減、生活保護の連続削減と住宅扶助、冬季加算の切下げ強行は、国民の命と暮らしを脅かすものです。社会保障の自然増抑制路線からきっぱりと決別して、大改悪を中止するべきです。 第二の理由は、政府が大企業に対して二年間で一・六兆円もの減税、研究開発減税等の優遇税制といった減税のばらまきに乗り出そうとしていることです。 アベノミクスの異次元金融緩和は、円安、株高をつくり出し、ごく一握りの輸出大企業と富裕層の株主を大もうけさせました。その株高は、日銀や年金積立金など巨額の公的マネーによる株の買い支えで維持されています。 一方、庶民の暮らしはどうか。昨年四月の消費税率引上げは深刻な景気悪化をもたらし、実質賃金は二十二か月連続で減少しています。非正規雇用やワーキングプアが増え、中小企業の円安倒産が続出しています。今必要なのは、雇用の七割を支える中小企業支援と一体で最低賃金を抜本的に引き上げるなど、国民の懐を直接暖める政策であり、応能負担の原則に沿った税制改革によって格差を是正することであります。 第三の理由は、本予算案が補正予算と合わせて五兆円を超える過去最高額の軍事費を計上しており、安倍政権が進める戦争する国づくりを具体化するものだからです。ステルス戦闘機、イージス艦、オスプレイなど、海外で戦争をするための装備がめじろ押しです。 選挙で示された沖縄県民の新基地ノーの声を一顧だにせず、辺野古の埋立工事などの予算を前年度の八十倍の一千七百三十六億円計上することなど、絶対に認められません。今やるべきは、憲法九条に基づいた外交戦略によって、平和な沖縄と日本、平和なアジアと世界をつくることに貢献することです。 第四の理由は、政府が国民世論に反して原発再稼働を進めようとしていることです。 安倍総理は、二月十二日の施政方針演説で、責任あるエネルギー政策として原発の再稼働を進めますと表明しました。本予算案は、原発再稼働に加えて、原発輸出を推進する予算を計上しています。しかし、福島事故の原因も未解明で収束の見通しもない現実と、原発ゼロの日本を求める国民多数の声に背を向ける安倍内閣の再稼働推進は無責任なエネルギー政策にほかなりません。 最後に、政治と金の問題では、我が党は、四月一日、衆議院に企業・団体献金全面禁止法案を提出しました。既に提出した政党助成法廃止法案とともに、政治腐敗の温床を断つために引き続き全力を尽くすことを表明し、反対討論を終わります。(拍手)
○委員長(岸宏一君) 荒井広幸君。
○荒井広幸君 新党改革・無所属の会の荒井広幸です。 日本経済が弱くなれば税収は減り、財政再建も子供たちや福祉に充てる財源も厳しくなります。経済という親鳥、鶏が弱ってしまっては良い卵は産めません。安倍総理の経済政策、いわゆるアベノミクスにより、我が国経済全体、つまり鶏は確かに元気で大きくなっています。アベノミクスによる経済の好循環が生まれ始めているのは明らかです。卵から新たなひよこが生まれようとしているわけです。ここで好循環を断ち切るような行為は各党とも控えてはどうでしょうか。与野党の間で、日本経済を健全にしつつ、経済再生への具体策を出し合いながら、競い合いながら錬磨していく姿を国民は求めているはずです。 また、国民各位におかれても、十五年、二十年来続いたこのデフレ構造不況から脱却するにはまだ時間が必要であることも御理解をいただければと思います。卵を産み、ひよこから親鳥になるまでには時間が掛かるわけです。政府には、力抜くことなく、そうはいっても時間はありません。家庭、地方、中小零細企業が豊かになるよう、もう一段の工夫を強く求めたいと思います。 今、私たち日本社会は、トリレンマ、三つのジレンマの中にあります。国民全員が制度に依存しているということ。しかし、恒久的財源が不足しているということ。よって、持続的な制度再編が必要でありますが、それがままならないという現実です。国民の理解を得て改革していかなければなりません。国民の支持率も高い、久しぶりでの安定継続政権です。この長所を生かしてもらいつつ、難題に対し具体的解決策で競い合いながら、与野党共に、私ども新党改革・無所属の会も共になって問題解決に努力していきたいと考えております。 新党改革・無所属の会は、本年度三予算案に賛成いたします。(拍手)
○委員長(岸宏一君) 福島みずほさん。
○福島みずほ君 福島みずほです。 社会民主党・護憲連合を代表し、二〇一五年度政府予算三案に対し、反対の立場から討論を行います。 まず、歳入面の前提となる二〇一五年度税制改正によって、消費税率一〇%への増税を二〇一七年四月から実施することが決定されました。さらに、法人実効税率の引下げや贈与税の減税を始めとする大企業・資産家優遇税制が拡大をされました。こうした不公平税制によって、税制の所得再分配機能が低下するとともに、税収に占める消費税の割合が二年連続で最大となる消費税依存税制となっています。 さらに、昨年四月からの消費税増税分は全額社会保障として国民に還元すると言いながら、その実態は社会保障切捨てのオンパレードです。昨年六月のいわゆる骨太の方針で、社会保障費について自然増も含め聖域なく見直し、徹底的に効率化、適正化するとされ、概算要求段階で約八千三百億円見込まれていた社会保障の自然増分が、本年度予算案では約四千二百億円に圧縮されました。介護報酬の大幅な減額や生活保護の見直しなども併せ、小泉構造改革で社会保障費を毎年二千二百億円カットしたことをほうふつさせるとともに、消費税増税分が国民に還元されているとは到底言えません。 社会保障が聖域なく見直しされる一方、防衛費の聖域化はますます進行しています。前年度補正予算と合わせた十五か月予算として見れば防衛費は五兆円を突破、中期防衛力整備計画の枠すら上回るのは必至です。オスプレイやステルス戦闘機F35、イージス艦の建造など過剰な装備が増えることは専守防衛の国是に反するとともに、防衛調達について長期のローン契約を結ぶことは継続的な軍拡と歳出の硬直化を進めるものと批判せざるを得ません。 また、辺野古新基地建設費を増額する一方、沖縄一括交付金を減額したことは沖縄県への圧力ではないでしょうか。 さらに、九州電力川内原発の再稼働が狙われている中、再稼働容認自治体に配る交付金の創設は、地方創生どころか、原発マネーに依存する地方を生み出し、地域資源を生かした地域の再生に反するものです。 以上、軍拡の一方で、消費税増税や社会保障の削減により国民生活が疲弊することは明らかであり、いわゆるアベノミクスが当然の結果としてもたらす大企業と中小企業の格差、都市と地方の格差、正規雇用と非正規雇用の格差、富裕層と低所得者層の格差を是正し、貧困をなくす施策こそが今求められているという立場から、政府予算三案へ反対すると申し上げ、討論を終わります。(拍手)
○委員長(岸宏一君) 以上で討論通告者の発言は全て終了いたしました。討論は終局したものと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 平成二十七年度一般会計予算、平成二十七年度特別会計予算、平成二十七年度政府関係機関予算、以上三案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(岸宏一君) 多数と認めます。よって、平成二十七年度総予算三案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。(拍手) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時三十一分散会