予算委員会 第10号
- 発言数
- 394 件
- 登壇者
- 30 名
- 会派数
- 10
- 開催日
- 2015/03/20
会議録
○委員長(岸宏一君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成二十七年度総予算三案審査のため、本日の委員会に日本放送協会会長籾井勝人君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(岸宏一君) 平成二十七年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。 本日は、外交・安全保障等に関する集中審議を行うこととし、質疑は往復方式で行い、質疑割当て時間は四百十四分とし、各会派への割当て時間は、自由民主党八十分、民主党・新緑風会百九分、公明党三十七分、維新の党三十六分、日本共産党三十六分、日本を元気にする会・無所属会三十六分、次世代の党二十分、無所属クラブ二十分、社会民主党・護憲連合二十分、新党改革・無所属の会二十分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。 ─────────────
○委員長(岸宏一君) 平成二十七年度一般会計予算、平成二十七年度特別会計予算、平成二十七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、外交・安全保障等に関する集中審議を行います。 これより質疑を行います。山崎力君。
○山崎力君 おはようございます。自由民主党を代表して質問させていただきたいと存じます。 冒頭、極めて残念なことでありますが、チュニジアにおきまして、我が同胞を含む、イスラム過激派によるテロ事件が発生いたしました。非常に、これからの国際情勢を考えるときに、ますます深刻な事態になるのではないかなと思うんですが、まず、総理、この点について、現時点での御発言といいますか、考え方を御披露願いたいと存じます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) チュニジアのテロ事件では、邦人三名の方が亡くなられ、三名の方が負傷されました。犠牲となられた方々に改めて衷心より哀悼の意を表したい、お悔やみを申し上げたいと思います。 いかなる理由があったとしても、テロは決して許されない、断じて非難をする次第であります。強く非難をいたします。 事件の発生を受けて、チュニス市について発出されている危険情報を、「十分注意してください。」から「渡航の是非を検討してください。」に引き上げたところであります。在外邦人の安全確保に万全を期すとともに、国際社会と連携しながらテロとの闘いに全力を尽くしていく考えであります。
○山崎力君 外務大臣にお尋ねいたします。 今の被害状況といいますか、チュニスにおける状況について、分かる範囲で結構ですから御披露願いたいと存じます。
○国務大臣(岸田文雄君) 十八日、チュニジアのチュニスにおきまして銃撃テロ事件が発生をいたしました。今のところ確認されているところで、二十三名の方の死亡が確認されています。そして、邦人の方、三名の死亡、そして三名の方の負傷が確認されているところであります。 そして、この犯行主体ですが、チュニジアの大統領はこの犯行主体について身元を特定し、イスラム過激派であるとの見方を示しており、アンサール・シャリアに言及していると承知をしております。また、ISILは今般、犯行声明を発出したということも承知をしております。 こうした様々な情報を踏まえて、引き続き我が国としましては情報収集を進めているところですが、こうした観点から、警察はTRT―2という専門チームを現地に派遣いたしました。そして、外務省としましても、この家族、関係者の支援の観点から支援チームを派遣した次第であります。 先日のシリアの事件を踏まえて、邦人の安全対策、今万全を期し、更なる対策を検討しているところですが、今回のこの事件を受けましても、チュニジアの大使館を通じまして、改めて邦人に対しまして安否確認を行うとともに注意喚起を行いました。加えて、先ほど総理からも報告させていただきましたように、渡航情報あるいは危険情報、こういった情報提供を通じて注意喚起を行ったところでありますし、このチュニジアのみならず、広域情報という形で広い地域に対しましても注意喚起を行った次第であります。
○山崎力君 それでは、本来私がお聞きしたかった部分について、まず、いわゆる積極的平和主義ということに関して質問させていただきます。 この問題についてはこれまでもいろいろ議論されてきたところでありますが、平和主義と言っているんですが、そこのところが何か薄れて、積極的というところが非常に野党の方々から危惧の念を持っての質問があろうかと思うんですが、この際、改めてこの積極的平和主義というところの、何をもって積極的という言葉で打ち出したのか、総理の一番の真意といいますか思いを、この際、改めてお聞きしたいと存じます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回のテロ事案もそうでありますが、世界に広がるテロの脅威、そして大量破壊兵器や弾道ミサイルの拡散、サイバー攻撃もそうでありますが、今や脅威は容易に国境を越えてやってくるわけであります。そして、多くの日本人は海外に渡航し、あるいは海外でビジネスの最前線で活躍をしています。もはやどの国も一国のみで自国の平和と安全を守ることはできません。自国の平和と安全を守るためには、アジア太平洋地域、さらには世界の平和と安定を確保することが必要になります。このため、我が国は、地域や世界の平和と安定の確保により一層積極的に貢献をしていくことによって、我が国の国民の命あるいは幸せな暮らしを守っていくことができると、こう考えています。 平和は唱えているだけでは実現しない、能動的に平和外交を展開をしていくことが必要である、このような思いを込めて積極的平和主義という表現を使っているところでございます。
○山崎力君 今総理から基本方針お述べいただきましたが、外務大臣、具体的にそれでは日本外交として積極的、もちろん平和主義というベースの下ですが、これから何を打ち出そうと今お考えなのか、お述べいただきたいと存じます。
○国務大臣(岸田文雄君) 積極的平和主義に対する取組、この具体的な取組の内容ですが、ODAをより積極的、戦略的に活用するということや自衛隊によるPKO等への積極的な貢献、こうしたものに加えまして、本当にあらゆる外交努力がこの中に含まれると考えています。開発課題への取組、人間の安全保障の促進、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ、あるいは開発援助協力、軍縮・不拡散、さらには海洋安全保障、法の支配の強化、そして女性の権利を含む人権の擁護、こうした様々な外交努力がこの積極的平和主義の中に含まれると認識をしています。 日本の安全保障を確実なものにすると同時に、国際社会の一員としてしっかり責任を果たす外交をこれまで以上に進めていきたいと考えております。
○山崎力君 今、外務大臣からの答弁の中にもございましたけれども、二点、ちょっと絞ってお伺いしたいと思います。 これはODAと自衛隊のことなんですが、ODAに関しましては、これまで、他国からこういうことをやってほしいということを受けてのいわゆる要請主義と言われている方針から変えまして、転換して、言わばODAを卒業した、ある程度発展した国への支援等も新たにやっていいことにしようではないかということがございます。 もちろん、ODA、いろいろな面がございますが、最終的には我が国の国益を資するものでなければならないというのは、これは自明のことでございますが、その辺の考え方、どの辺までそれでは、ODAを卒業国、卒業国といってもどんどん良くなっているところに改めてというのもなんでしょうから、その辺のところを、どういうところをそういう新たに念頭に置いてODA戦略を展開していくか、御見解を伺いたいと存じます。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、今般、十二年ぶりにこのODA大綱を改定いたしました。この新たな大綱を決定したわけですが、この新たな大綱では、この開発協力の目的を国際社会の平和と安定及び繁栄へより一層積極的に貢献することとしつつ、それは国際社会への一方的な貢献ではなく、我が国の国益の確保に貢献するものであるという考え方、これを大綱の中に改めて明記をいたしました。 こういった考え方に基づいてこれからのODAを考えていくわけですが、御指摘のODA卒業国に対する支援ですが、ODAの対象国、所得だけで考えますと、もう既にODAの対象から卒業する国があるわけですが、島嶼国等、極めて脆弱な状況に置かれている国においては、所得の物差しにおいては卒業国とされた国であっても、やはりしっかり支援をしていかなければならない、こういった国々も存在いたします。こういった国々に対しても実質的な、現実的な対応が求められるのではないか、こういった考え方を新しい大綱の中においても盛り込んでいるところであります。 ODAは、昨年、六十周年を迎えました。我が国のODA、非軍事協力により国際社会に貢献をしてきたわけですが、我が国の平和国家としての歩みを体現するものであり、是非、引き続きこの平和主義を実践する意味からも、最も重要な外交の手段であるODAを戦略的、効果的に活用していきたいと考えております。
○山崎力君 ODA自体、我が党内においても、十分に点検の上やっているのかとか、あるいは効果的でないところがある、その辺のところを外務省としてちゃんとチェックしているのかという議論があるのは御案内のとおりでございますので、特にこういう改定の後の新方針のところですから、あくまで一つの平和主義のツールとして重要な外交手段であるという認識の下、国民にもそのODAの効果というものを踏まえて説明できるように、新たな戦略的な対応をしていただきたいと要望いたしておきます。 次に、自衛隊に関してですが、これはPKO等の国連協力、国際協力、こういったものをより一層積極的にやっていこうではないかと、こういうことではないかというふうに理解しておりますが、その辺のところを、これからどういうふうに今までと違った形でより積極的な形の貢献をしていくのかという点について御説明願いたいと存じます。
○国務大臣(岸田文雄君) 自衛隊によるPKO等への一層積極的な貢献を始め、この国連の取組につきましては、我が国としましてより一層積極的に貢献していかなければならないと考えています。本年は国連創設七十周年という節目の年に当たります。そして、来年は日本が国連に加盟してから六十年という節目の年を迎えます。国連との連携、一層強化していきたいと考えています。 これまで我が国としましては、国連に対しまして、財政的な貢献に加えまして、先ほど来答弁させていただいております国際協調主義に基づく積極的平和主義の考え方、あるいは人間の安全保障の考え方から、平和構築、保健、女性、開発、軍縮・不拡散、こうした様々な分野で貢献を行ってきております。 そして、国連PKOの協力については、昨年九月、国連PKOハイレベル会合におきまして安倍総理から、国連PKOへの積極的な参加、文民部門や女性を含む幅広い分野での能力構築支援、そしてアフリカにおける早期展開支援、こうしたことを柱とする貢献策を表明していただきました。 こうした我が国の取組を通じて是非国連の取組に一層積極的に協力して、国際社会から期待される役割、果たしていきたいと考えております。
○山崎力君 いろいろ声はありますけれども、こういった一連の作業というのが、平和主義という基盤の、形容詞としてそれを、平和主義を前提としての積極的だということでございますので、その辺のところをしっかり踏まえた上でのこれからの施策、外交をよろしくお願いしたいと申し上げます。 次に、ちょっと話が変わって、ある意味、このイスラム過激派のテロ事件よりも深刻な可能性がある点について質問させていただきます。 これはロシア、クリミア半島をめぐる問題でございます。 一つ、まず、こう言ってはなんですけれども、元日本国総理大臣がその地を訪れまして、皆様方、改めてここで説明するまでもないと思いますが、ある種の言動がございました。これは本当に論評に値しないという、地球人なのかと言いたくなるような発言でございましたけれども、それはそれとして、やはり外交全体の流れからすれば、一時なりとはいえ、そして、現在日本の大多数の国民があの方はねというふうなことで共通認識を持っているとはいえですよ、日本国総理大臣ということで一国の最高政治責任者として行動し、そして、その後もその所属政党の外交の最高顧問をやられた方がああいう発言をしておいていいのだろうかと。 ほかの国の方々がそういう国内事情を知らないままあの発言だけ受け止めると、これはちょっと我が国の国益にも反する誤解を生じかねないというふうに危惧しているところですけれども、政府として何らかのちょっと対応をもう少し考えたらいいんじゃないかなと思うんですが、その辺について、外務大臣、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 鳩山元総理がクリミアを訪問し、政府の立場に著しく反する言動を行ったことにつきましては、余りに軽率であり、遺憾であります。こうした考え方につきましては、これまでも記者会見等で、官房長官、そして私、外務大臣の方からも何度も度々繰り返し申し上げているところであります。 こうした我が国の立場、考え方につきましては、必要であれば機会を捉えて、引き続きしっかりと説明をしていかなければならないとは考えております。ただ、現時点でそれ以上の対応は考えてはおりません。
○山崎力君 国内向けの発信はまあ十分だと思うんです。私の心配するのは対外的な発信でございますので、外国の方々がそういうふうな誤解のないような、間違っても鳩山元総理の考え方が日本のある程度の部分を代表したものだという形で受け止められないようなフォローを是非していただきたいと存じます。 そして、その鳩山発言、民主的にクリミアが投票によって独立したんだという発言の直後に、これ、悪く勘ぐればというか、タイミング的にどうかと思うところもあるんですけれども、プーチン大統領が実はクリミアはある覚悟を持って実行したんだと、こういう発言を公になさいました。その覚悟というのが、我々がどきっとする、核という言葉が含まれているような発言でございました。それだけ、逆に考えれば、ロシアはクリミアに関して、自分たちの国益の根幹的な部分があるんだというところを改めて世界に向けて発信したとも受け取れるわけでございます。 そういった点を含めて、このプーチン発言、政府、どのように受け止められているのか、お聞かせ願いたいと存じます。
○国務大臣(岸田文雄君) プーチン大統領は、最近、テレビ番組に出演し質問者に答える形で、昨年三月のクリミア併合に際して、あらゆる事態に備えてロシア軍に指令を出し、核戦力も即応態勢に入らせる用意があった、こういった趣旨を述べたと承知をしております。 ロシアによるクリミアの一方的な併合など、力による現状変更、これを我が国として断じて認めることはできません。我が国として、G7の連帯を重視しつつ、ウクライナの平和的そして外交的な解決に向けて引き続きロシアに対して建設的な役割を果たすよう働きかけてまいります。 いずれにせよ、核兵器の使用はあってはならないと考えており、引き続き核兵器のない世界に向けた取組はしっかりと進めていかなければならないと考えます。
○山崎力君 私も、ロシアが核兵器を使うんだということを前提に作戦を組み立てたとは到底思えないわけでございますが、少なくても、本当に自分たちは、単にクリミアというものを欲しいという意味ではなくて、ロシアの将来、国益にとって是が非でも必要なものであるということを改めて発信したものであるというふうに思っております。 その中で、ちょっと引っかかるといいますか、核に関してなんですが、国民の多くの方々が御存じかどうか、かつてウクライナは核保有国でありました。運搬手段も持っておりました。それを、いわゆるロシアを始めアメリカ、イギリス等が、ハンガリーだと思います、のブダペストというところで覚書を交わしまして、下世話に言えば、核を外してもその他悪いようにはしないから核を放棄しなさい、ちゃんと我々があとは保障しますという覚書だというふうに思っております。 そういった意味におきまして、今回のロシアの侵攻というものが、言葉を換えれば、ウクライナがその後も核を持ち続けていればああいう侵攻になったんだろうかという考え方も当然できるわけで、そういうことを考えると、本当に北朝鮮の核の放棄というのがますます困難になったのではないかなと危惧しているわけでございますけれども、外務大臣、見解はいかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のブダペスト覚書ですが、一九九四年十二月にウクライナが米国、ロシア連邦、そして英国との間に交わした覚書であり、このウクライナが核拡散防止条約に加盟するに当たり、核兵器を放棄する代わりにウクライナの領土を保全する旨を定めた規定であります。 核兵器を放棄したウクライナの一部であるクリミアをロシアが一方的に併合したこと、これはブダペスト覚書に違反していると考えます。核軍縮・不拡散の分野においても影響を与えるものと認識をいたします。この観点から、核軍縮・不拡散の動きを逆行させるような結果につながらないよう、我が国としても引き続きしっかり取り組んでいかなければならない課題であると考えております。 北朝鮮の核問題につきましては、米国、韓国を始め様々な関係国と緊密に連携しながら、関係する安保理決議を履行させる、さらには六者会合共同声明を完全に実施させる、こうした具体的な行動を取るよう、引き続きしっかり求めていかなければならないと考えます。
○山崎力君 もう一つ、このクリミア関係で非常に難しい事態になったなというふうに思っておりますのは、いわゆる国際法上、正規軍ではない武装集団が各地で行動して、その実力は正規軍であるウクライナ軍を、まあ対等に以上といいますか、対等に戦えるだけの実力を持っていたということでございます。もちろん、この種の話でいえば、アメリカもあるいはイギリス等も戦争請負会社という民間になった人たちがそれぞれいろんなことをやっていて、それが軍人の、軍隊のサポート役として十分な実力を持っていると。正規軍とそういった人たちの役割分担が本当に今までの国際法で把握できるだろうかという議論もあるわけでございますが。 ポイントは、固有名詞は挙げませんが、そういった人たちが我が国の離島等に侵入した場合、正規軍であるかどうか分からない、しかし実力はもう軍隊並みだという人たちが、集団が入ってきた場合、政府としてどのような対応を取るのかと、これは極めて難しい問題だと思いますが、現時点での政府の見解をお伺いしたいと存じます。
○政府参考人(藤山雄治君) お尋ねのような状況におけます政府の対応でございますけれども、これは当然個別の事案によって異なってくるという前提で申し上げますけれども、一般論で申し上げますと、我が国の領土あるいは領海の治安の維持については警察あるいは海上保安庁が第一義的には対応するということになります。 ただ、これら警察機関では対応が不可能であるあるいは著しく困難であるといったような状況に至った場合には、自衛隊が海上警備行動あるいは治安出動といったようなものの発令を受けまして警察機関と共同して対処するということになるわけでございます。
○山崎力君 そういう状況であることは想像付くわけですが、現実の問題として、時間的な問題とか、かなり事前に用意しておかなければならないことがございますので、その辺は是非、政府の方としても真剣な、やっているとは思いますけれども、更なる事前の点検をお願いしたいと存じます。 今度は防衛省関係になりまして、文民統制関係で、この問題に入る前に中谷大臣にちょっと申し上げたいんですが、今回のチュニジアについて私の知人の奥様が、いや、ああいう修羅場にいて、その後インタビューを受けて的確な判断をするって、日本女性も大したものだというふうな感想を述べておられたそうですが、後で報道等によりますと、その方は中谷大臣の部下であったということで、さもありなんという気持ちを持っているわけでございますが。 そのことも踏まえた上で、今回の文民統制問題、文民統制と文官統制という言葉自体が混乱して使われているようなところもあるんですけれども、端的に申し上げますと、今回、そこに関連する組織改編が行われるということでございますので、その点も踏まえて、今回の組織改編をどのような立場で防衛省としてはやっているか、御説明願いたいと存じます。
○国務大臣(中谷元君) まず、文民統制とは民主主義国家における軍事に対する政治の優先を意味するものでありまして、我が国の文民統制は、国会における統制、そして国家安全保障会議を含む内閣における統制とともに、防衛省における統制がございます。 そのうち防衛省における統制は、文民である防衛大臣が自衛隊を管理運営し統制することですが、防衛副大臣、防衛大臣政務官等の政治任用者の補佐のほか、内部部局の文官による補佐もこの防衛大臣による文民統制を助けるものとして重要な役割を果たしております。この文民統制における内部部局の文官の役割は防衛大臣を補佐することでありまして、内部部局の文官が部隊に対し指揮命令をする関係にはございません。 そこで、防衛省の改革の話もお尋ねでしょうか。
○山崎力君 はい。お願いします。
○国務大臣(中谷元君) 今般、防衛省設置法の第十二条を改正をするわけでございますが、この十二条は、従来から、官房長及び局長による政策的見地からの大臣補佐と幕僚長による軍事専門的見地からの大臣補佐を調整、吻合する規定であると説明しておりまして、文官と自衛官の上下関係を定めたものではございません。 今回の改正は、統合幕僚監部の改編、防衛装備庁の新設によりまして防衛省の組織、構成が相当程度変更されることから、従来の十二条の趣旨自体を変更しないままで新たな組織に適切に対応した規定とするものでございます。 したがって、御指摘の自衛隊の人事、また防衛力の整備といった分野も含めて、防衛省の所掌全般について文官による政策的見地からの大臣補佐が行われる点に変更が生じることはございません。また、今般の組織改編において、内部部局は、防衛戦略や防衛力整備に関する機能を強化をするとともに、自衛隊の運用に関する基本的な方針、また法令の企画立案を担うなど、その専門性を充実させることとしております。 他方で、文官と自衛官の一体感の醸成や一層緊密な協力を図ることは重要でありまして、新設する防衛装備庁は文官と自衛官の混合組織とするとともに、内部部局には自衛官を、統合幕僚監部には文官をそれぞれ充実して配置するというふうに計画をいたしております。
○山崎力君 それに関連しまして、いわゆる国家安全保障会議の新設等、安全保障体制、そういったものを体制強化するというふうになっておりますが、その点につきまして、自衛官という、あるいは自衛隊というものについて新たな役割が付されてそういった活躍の場が増えるのではないかと、これはいいと言う人とこれは問題だと言う人と分かれるところですが、今回の十二条の改正においてどういう影響があるのかないのか、その辺のところの説明を願いたいと存じます。
○政府参考人(山崎和之君) お答え申し上げます。 国家安全保障会議におきましては、防衛省より政策決定に有用な様々な情報が継続的に提供されておりまして、そのような情報の中には、多くの自衛官が職務に従事している情報本部、また陸海空各幕僚監部からの情報も含まれております。また、国家安全保障会議自体につきましても、防衛大臣に加えて統合幕僚長が毎回出席をしておりまして、軍事専門的な知見を生かした説明等が行われております。このように、情報面においても防衛省の貢献は国家安全保障会議において高く評価されているものと認識しております。 また、国家安全保障会議を補佐いたします国家安全保障局におきましても、内閣審議官一名を始めとして十三名の自衛官が勤務をしております。これらの自衛官は、局長級を含む様々なレベルの関係省庁会議に参加し、局における政策立案、総合調整において軍事専門知識を生かし、極めて重要な貢献をしているものと考えております。 防衛省設置法第十二条の改正の関係でございますけれども、従来から、国家安全保障会議に対する防衛省からの情報提供、それから自衛官の貢献はただいま申し上げたとおり円滑に行われているというふうに考えておりますが、今回の法改正に係る防衛省の組織改編によって防衛大臣に対する補佐が更に充実向上し、防衛省と国家安全保障会議及び国家安全保障局との連携が一層強まるものと期待をしております。
○山崎力君 ありがとうございます。 そういった中で、外部の方々というか一般の国民の方々から見て、どういう改革なのかというのは今の答弁等を見てもなかなか御理解いただけないんじゃないかなと思うわけです。 私なりに、ちょっと伝法な言い方をさせていただくと、今までの制服組には、直接もう少し大臣始めの政治の場に意見具申して、あるいはその質問に対して答えさせてもらいたいという意見があって、それはそれで一つの制服組の悲願でもあったというふうに私は理解しております。それは、もっともなところはあるということで、それはある程度認める方向に行きましょうと。 その一方で、今度の、何というんでしょう、改革においては、それを担保する意味で、逆の意味で、文官の方の役割も、制服の方の中の方に入って、統合幕僚監部内にも入ってしっかりとその政策的な知見を生かすと、言わば文官と制服とがそこの場においてもいろいろな議論をした上で我が国の国防に資するようなものにしていきたいと、こういうふうな改革だというふうに私は受け止めているんですが、大臣、そんなものでよろしいかどうか、御答弁願いたいと存じます。
○国務大臣(中谷元君) 御指摘のように、判断するのは大臣でございまして、事態が発生して、よりスピーディーに、より的確に大臣にまで情報や運用の判断、意見が上がるようにするための改編でございまして、その際、政策的な見地での補佐も必要でございますので、その点、今回の改編におきましては、統合幕僚監部内に副長級の文官ポストである運用政策総括官を始めとする四十名の文官を配置をし、実際の部隊運用に関して政策的見地からの統合幕僚長の補佐を行うことといたしております。 この組織改編の後、例えば、従来は内部部局も行っていた部隊運用に関する対外説明、連絡調整や防衛大臣への状況報告といった業務については統合幕僚監部が取りまとめて行うこととなりますが、その際、内部部局に対しても必要な連絡調整、これは当然にされます。また、部隊運用に関して防衛大臣が判断を行う場合には、内部部局は統合幕僚監部と必要な協議を行い、政策的見地から補佐をするようにしておりまして、特に部隊運用に関しての閣議決定や法令の改正を必要とするものなど高度な政策判断を伴うものにつきましては、内部部局、これが中心となって対応をするようにしておりまして、要するに、実際の部隊運用に関する業務を統合幕僚監部に一元化する今般の組織改編は、この内部部局と統合幕僚監部の間の実態としての業務の重複、これを解消するものであり、文民統制の主体である防衛大臣に対して、引き続き、政策的見地からの大臣補佐と軍事専門的見地からの大臣補佐が行われる体制を確保した上で、的確、より迅速な意思決定を行うことを可能にするものでございまして、御懸念の、部隊運用に関する自衛隊の影響力が強まって軍事合理性が優先されるといった御懸念はないものとしたものでございます。
○山崎力君 最後に、総理に伺いたいと存じます。 これは私の思いだけではないと思うんですが、とかく総理をタカ派に祭り上げて、今まで一連の外交防衛の問題についてそういうことをやろうとしているのだというふうな、何というんでしょう、押し付けと言うと何ですが、そういう思いで質問されたり、あるいは報道されたりしているところが私はあるというふうに思っております。 タカ派で悪いかというと、まあそこはそれで議論のあるところでございますけれども、今るるたださせていただいた外交あるいは防衛の考え方について、最後に締めくくりとして、総理、こういう形でやるんだということをお示し願えればと存じます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 外交、安全保障を議論するに当たっては、冷静な議論が必要なんだろうと思います。私たちが進めている、例えば安全保障における議論でございますが、これはあくまでも国民の命と幸せな暮らしを守るために何が必要かという議論であります。 それは、時代の変化を見据えながら、そしてまた安全保障環境の変化をしっかりと見据えながら、その中で私たちはしっかりと行政府として、政府として国民の命を守るという責任を果たすことができるかどうかということでありまして、とかく情緒的な議論に偏ることもあるわけでございますが、我々はしっかりと、あくまでも国民の命、幸せな暮らし、領土、領海、領空を断固として守っていくという静かな信念の下にやるべきことはやっていく、その責任を果たしていきたいと、こう考えております。
○山崎力君 終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で山崎力君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、中原八一君の質疑を行います。中原八一君。
○中原八一君 おはようございます。自由民主党の中原八一でございます。 本日は、拉致問題、TPP交渉、そして海上保安庁の体制についてお伺いをしたいと思います。 冒頭に、一昨日、チュニジアで発生いたしました博物館襲撃事件について一言申し上げたいと思います。 日本人も三人が死亡、三人が負傷とのことであり、大変ショッキングな事件でありました。亡くなられた方と御遺族並びに関係者の皆様方に謹んで哀悼の意を申し上げますとともに、けがをされた方々にお見舞いを申し上げます。 それでは、北朝鮮による日本人拉致問題について伺います。 私の地元新潟でありますが、拉致被害者の多い県であります。二〇〇二年十月には蓮池さん御夫妻、曽我ひとみさんが帰国を果たしましたが、いまだ多くの被害者の帰国が実現いたしておりません。 そうした中、毎年、横田めぐみさんが拉致をされました十一月十五日に多くの県民が参加をして、一日も早い解決のために、忘れるな拉致県民集会を開催いたしております。昨年は山谷えり子拉致問題担当大臣にも御出席をいただき、力強いお言葉をいただきました。 ちょうど一年前の昨年三月には、横田めぐみさんの御両親、横田滋さんと早紀江さんがモンゴルのウランバートルで孫のキム・ウンギョンさん、そしてひ孫さんと面会を果たすことができました。この面会も一つの契機となり、これまで北朝鮮は拉致問題を既に解決済みとしてきたところから、重い扉を開け、再調査を約束したわけであります。拉致問題の最終解決を掲げる安倍内閣にとって貴重な第一歩と言えます。 しかしながら、北朝鮮は現在に至るまで調査報告を出さず、不誠実な対応に終始しております。家族会を始め国民は、北朝鮮がきちっとした調査結果を出してこなければ納得いたしません。また、拉致被害者の御家族は高齢化が進んでおり、最終的な解決までに残された時間も少なくなっています。このまま調査報告が出ない状態が続けば、制裁を元に戻せという強硬論も強まってまいります。 日本政府としては、北朝鮮に対し約束を履行するよう厳しく要求を続けていただかなければなりません。厳しい局面だとは思いますが、北朝鮮に対し約束を履行するよう、安倍総理としてはどのように北朝鮮と対峙していこうとしているのか、その基本方針を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 拉致問題につきましては、北朝鮮自身がこの拉致問題を解決をしなければ北朝鮮の未来を描いていくことは困難である、こういう認識をしっかりと北朝鮮側に持たせることが必要であります。そのために、我々は対話と圧力の姿勢でこの問題の解決に取り組んできたところでございます。 私も、一議員の時代から、北朝鮮に対して拉致問題の解決に向けてしっかりと取り組まさせるためには、日本は制裁を含めそうした圧力を掛けるべきであると、こう申し上げてきたところでございまして、そのための法整備、自民党の多くの議員とともにその法整備を行ってきたところでありまして、現在その法制によって制裁を科しているところであります。 拉致問題については、安倍内閣の最重要課題であり、引き続き北朝鮮に対し、迅速に調査を行い、速やかにかつ正直に結果を日本に通報するよう強く求めていく考えであります。先ほど申し上げましたように、対話と圧力、そして行動対行動の原則を貫き、全ての拉致被害者に向けて全力を尽くしていく決意でございます。
○中原八一君 北朝鮮の手法を熟知している安倍内閣の下でも、今後厳しい駆け引きの場面が出てくるかもしれません。それでも総理におきましては、基本方針を貫いて妥協なく北朝鮮に対峙していただきたいと思っております。 次に、北朝鮮における再調査の現状と進展に向けた政府の具体的な取組について、山谷大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(山谷えり子君) 拉致問題は、国家の主権侵害、そしてひどい人権侵害であります。安倍内閣の下で何としても解決しなければ、一日も早くと考えております。 北朝鮮は拉致問題は解決済みと言っていたわけでありますけれども、日朝協議、長きにわたって閉ざされていた扉が開きました。そして、北朝鮮は、過去の調査にこだわることなく新しい角度から調査を深めていくんだと言っているわけであります。そして、日本としましては、拉致問題が最重要、最優先課題だと伝えているわけでございます。しかしながら、いまだに報告が出ないということは誠に遺憾であるというふうに考えております。引き続き、様々な情報を収集しながら全力で取り組んでいるところであります。 これはオールジャパンで取り組まなければならないことだというふうに思っております。安倍内閣発足から、全閣僚によって構成されている政府の拉致問題対策本部が立ち上がり、また、政府・与野党拉致問題対策関係の連絡協議会ができております。そして、皆様と連携しながらオールジャパンで取り組んでいるわけでございます。 また、国際社会に向けても連携を強めるべく、これも安倍内閣のリーダーシップによって、一昨年、国連にこの北朝鮮の人権侵害問題と拉致問題に関する調査委員会を立ち上げてもらい、そして昨年三月に四百ページ近い調査報告書が出ました。いかにひどい人権侵害が行われているか、また、いかに拉致問題、残酷であるかということが書かれているわけです。そして、私も昨年九月、ジュネーブの場で訴えました。 そして、昨年の暮れには、国連総会で、これを何としても解決しなければならないではないかという決議が採択されました。賛成国百十六、反対国二十。非常に厳しい内容の決議でありまして、これは人道に対する罪だと、そして国際刑事裁判所に安保理は付託すべきではないか、検討すべきではないかというような、かつてない厳しい文言の決議がなされて、そして安保理でこれ議論されてきているという状況にございます。 今年の春には、私、アメリカにも行きまして更に働きを強めていきたいと思っております。国際社会の中で、国連の場で、これまでにない北朝鮮の人権問題とこの拉致問題を解決していかなければならないという機運が高まっているわけでありまして、日朝協議、そして国際社会、国連の場で様々働きかけを行いながら、北朝鮮は国際社会の一員として発展していくならば、拉致問題の解決しなければならないんだということを認識してもらいたいというふうに思っております。
○中原八一君 今ほど大臣から御答弁をいただきましたけれども、昨年から北朝鮮の人権侵害問題に対する国際社会の目というものが大変厳しいものへと変わってきております。安倍政権においては、それまでの外務省の方針を変更し、国連人権理事会の場で北朝鮮における人権に関する国連調査委員会を立ち上げました。一年にわたる調査の結果、昨年二月に報告書が公表されております。これを受けて、昨年三月には人権理事会で決議が採択され、昨年十二月には北朝鮮の人権問題を国際刑事裁判所に付託することを勧告する国連総会決議も実現いたしたところであります。 政府として、こうした国連における一連の成果と現在の北朝鮮の人権侵害問題をめぐる各国の動向について、どのような現状分析を行い、それをどう評価しているのか、岸田外務大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(岸田文雄君) ただいま委員の方から御指摘がありましたように、昨年三月、国連人権理事会におきまして、我が国とEUが提出しました決議が採択されました。十二月に国連総会の本会議におきまして決議が採択されました。そして、安保理に対してICCへの付託の検討を含め適切な行動を促しているという内容が盛り込まれたわけですが、その国連総会での決議採択の翌週、早速、国連安保理におきまして北朝鮮の状況が初めて議題として採択をされました。 国連安保理にはルールがありまして、これ安保理で一旦議題にのりますと三年間は議題にのり続けるというルールがあるそうであります。そして、議論が行われますとそれがどんどんと更新されるということでありますので、この安保理におきまして議題にのるというのは、これからずっと議論が続くことになるわけですから、北朝鮮に対して一定の圧力、メッセージを送る、こういったことにつながるのではないか、これはそのように考えられると思っています。 そして、現在ジュネーブにおきまして開催中の第二十八回国連人権理事会におきましては、これは昨日ですが、我が国とEUと共同で決議案を提出したところであります。 引き続きまして、北朝鮮に対しまして様々な取組を通じまして強いメッセージを発していきたいと考えております。
○中原八一君 今後も日本政府は、あらゆる場面で北朝鮮の人権侵害問題を提起し、国際世論を喚起しながら、こうした国連の活動をリードしていってほしいと思っております。 私は、去る二月の十五日から十九日までの間、参議院の派遣によりスイスのジュネーブを訪問いたしました。その折、国連人権高等弁務官事務所の担当官と面談を行う機会を得ました。その際議論となったのは、人権問題について今後どのようにして北朝鮮に圧力を掛け続けていくのか、そしていかにして北朝鮮に前向きな反応を引き出せるか、こうしたことが重要だということでありました。 昨年は、先ほど述べた国連人権理事会の報告や国連総会決議などによって、北朝鮮の人権問題に対する各国の関心が高まりました。この勢いを更に後押しするとともに、人権問題の中心的課題として拉致問題に対する国際的な認知を高めていく必要があります。 そこで、岸田外務大臣に伺います。 国連を通じた国際社会へのより積極的な働きかけのためにどのように行動していくお考えでしょうか、具体策をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 先ほども答弁させていただきましたように、我が国としましては、この国連の人権理事会あるいは総会の場におきまして北朝鮮の人権状況決議の採択を主導してまいりました。北朝鮮に対して強い懸念を示し、明確なメッセージを発するべく努力をしてきたわけですが、加えて、これも先ほど、最後に少し触れさせていただきましたが、昨日、第二十八回国連人権理事会においても決議案を提出したところです。 この決議案の中身ですが、昨年十二月の国連総会本会議における決議の採択等、今日までの動きを反映した上で、その後の動きとしまして、マルズキ・ダルスマン北朝鮮人権状況特別報告者の報告書にも触れさせていただいております。そして、この報告書の中には失踪者問題、拉致問題等を含む失踪者問題等に関する国際会議を検討するよう奨励する、こういった内容が含まれています。こういった内容を受けて、今年五月にも具体的な国際会議を開催しようということで、我が国としまして準備を進めているところであります。 引き続きまして、様々な取組を通じまして、国際社会において、国連の場においてしっかりと働きかけを続けていきたいと考えております。
○中原八一君 さて、昨年、国連安保理が北朝鮮の人権問題を議題として取り上げたのは異例のことであります。それだけに、この問題に対する国際的な関心が高まっている証拠でもあり、北朝鮮に対する国際圧力となっているのは明らかであります。 我が国は、本年十月の国連安保理の非常任理事国選挙に立候補をいたしております。前回、我が国が非常任理事国を務めた二〇〇九年には、北朝鮮の核実験に対し、より強い決議を実現できました。今回も我が国が国連安保理の非常任理事国となった場合、拉致問題を含む北朝鮮の人権問題の議論に積極的に取り組んでいただけることを強く期待いたしております。 北朝鮮の人権侵害に関して、我が国が国連安保理の場でどのような役割を果たしてきたのか、また今後果たしていくお考えか、岸田外務大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、昨年十二月の国連総会において採択された決議において、安保理が適切な行動を取ることが促されており、そしてそれを受けて、先ほど申し上げましたように、安保理で北朝鮮の状況が取り上げられる、議論が行われ、そしてこれからも続くことになる、こういった結果につながったわけですが、現状、今現在我が国は安保理の理事国ではありませんが、現状においても引き続き安保理関係国とはしっかり協議していかなければなりません。 それに加えて、本年、安保理非常任理事国選挙があります。まずは、この非常任理事国選挙、これ当選に向けて全力を挙げなければならないと思っています。そして、当選した暁には、他の国際の平和と安全に関する諸課題も併せて、この人権問題、北朝鮮の人権問題についても全力を尽くしてまいりたいと考えます。 今日までも我が国は非常任理事国として様々な努力を続けてきました。未来に向けてより一層国際社会の諸課題に貢献できるように、新たに非常任理事国に当選したならば、より一層努力をしていきたいと考えています。
○中原八一君 国際社会において北朝鮮の人権侵害問題に注目が集まれば、ひいては拉致問題への関心も高まることになります。北朝鮮が拉致問題を解決しない限りこうした国際圧力は続くということを理解させるべきだと考えております。 最後に、安倍総理から、北朝鮮に対しては調査報告書を早く提出するように主張してほしいと思いますが、調査報告に対する要求も含め、北朝鮮に対して断固たるメッセージを示していただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 残念ながら、いまだに多くの拉致被害者の方々が北朝鮮にとらわれている状況が続いているわけであります。我々は、全ての拉致被害者、御家族の方々が御親族をその手で抱き締める日がやってくるまで我々の使命は終わらないと、こう考えているところでございます。 外務大臣もお話をさせていただきましたように、国際的にもこの拉致問題に対する理解が深まる中において、この問題を解決をしなければ北朝鮮の未来を描くことはできない、この認識に北朝鮮側が立つように我々も強く求めていくわけでございますし、発足した調査委員会において、正直かつ迅速に調査結果を日本側に報告するよう強く求めていきたいと、こう考えております。
○中原八一君 安倍総理、ありがとうございました。こうした北朝鮮を相手に対処していくには、慎重にそして厳しく進めていくことが肝要ですが、そこは安倍総理が最も理解されていることであると思います。北朝鮮は、相手が安倍政権であることをよく理解して真摯な対応をすべきであると思います。 次に、TPP交渉の質問に移らせていただきます。 最近、TPP交渉で日米両政府が歩み寄り、今春の大筋合意に向け詰めの協議が行われているとの報道があります。 具体的には、米国の要求に対し、日本が牛肉の関税を三八・五%から九%に、また、安い価格帯の豚肉の関税を四百八十二円から五十円前後に下げる案を提示をされております。また、米について、アメリカ産主食用米に特別な輸入枠を設け、低関税か無税で五万トンを輸入することを検討しているとされます。 御承知のように、昨年米価が著しく下落し、農家の経営環境は厳しさを増しております。私の地元新潟でも、もう農業を続けられないという声が充満しております。その上に、この米輸入枠の報道により、米どころである私の地元新潟県を始め、全国の米生産農家がTPP交渉の行方に大きな不安を抱えております。もし仮に安いアメリカ産米の輸入が更に増えれば、国産米へのダメージは計り知れません。 平成二十五年四月の衆参両院の農林水産委員会の決議におきましては、米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物などの農林水産物の重要品目について、除外又は再協議の対象とすることとされております。 TPP交渉において、この両院農林水産委員会の決議に掲げられました重要五品目をしっかり守っていくという安倍総理大臣の力強い御決意をお聞かせ願いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) TPPは、成長著しいアジア太平洋地域に一つの大きな経済圏を構築をしていく、人、物、お金が自由に行き交う、そういう大きな経済圏を構築をしていこうという野心的な試みであります。交渉は最終局面にあり、早期妥結に向けて交渉に今全力を挙げているところであります。 御指摘の重要品目を含む日米間に係る協議についてはいまだ多くの課題が残っておりまして、現在まさに着地点を探っているところでございます。米どころである新潟の皆様あるいは米農家の皆様の御心配は当然なんだろうと、このように思いますが、我が国としては、衆参両院の農水委員会の決議をしっかりと受け止め、守るべきは守り、攻めるべきものは攻めることにより、国益にかなう最善の道を追求してまいる決意でございます。
○中原八一君 ただいま総理から国益をしっかり守るという決意をいただき、大変頼もしく感じております。 しかしながら、重要五品目をしっかり守るということと、五品目の筆頭ともいうべき米の輸入枠を設けるということは矛盾しないのでしょうか。ごく一般的な国民の認識としては、これら五品目を除外するというのは、関税の引下げや輸入枠の設定はしないということだと思います。更に言えば、交渉の俎上にのせないということであります。 仮に米について新たな輸入枠を設けるならば、これはもはや例外の対象とは言えないのではないでしょうか。また、アメリカに特別な輸入枠を設ければ、ほかにベトナムやオーストラリアなどにも波及する可能性も考えられ、そうなれば日本の米農業は大きな打撃を受けるのではと懸念しております。 重要五品目をしっかり守るという方針と米の特別な輸入枠の設定は矛盾するのではないか、林農林水産大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(林芳正君) ただいま総理からの御答弁がありましたように、そういう報道があることは私も承知しておりますが、TPP交渉、進展していることは事実でありますけれども、全体をパッケージとして交渉しておりまして、いまだ何ら確定しているものはないということでございます。 我が国において、米は、国民の主食であるとともに最も重要な基幹的な農作物であり、地域経済において、中原先生のお地元の新潟もそうであろうと思いますが、大変重要な位置付けを有しておるわけでございます。このようなことから、TPP交渉に当たっては、引き続き、衆参両院の農林水産委員会の決議が守られたと評価をいただけるよう、政府一体となって全力を尽くす考えでございます。
○中原八一君 林大臣、ありがとうございました。 米生産農家は本当に厳しい状況です。引き続き、農家をしっかりと守れるよう実行していただきたくお願いを申し上げます。 さて、私は、先月、本院派遣により、スイスのジュネーブで開かれたWTOに関する議員会議・年次会議に出席をさせていただきました。同会議は、WTOの外部に対する透明性を高め、WTO交渉に国民の代表機関である議会の意見を反映させること等を目的といたしております。 現在交渉中のTPPも含め、ここ十数年間の間に二国間及び地域間の経済連携協定が進展してきた背景には、WTOドーハ・ラウンドの膠着状態があったことは周知のとおりであります。しかし、昨年来、WTOでは貿易円滑化に関する協定が合意されまして、農業交渉を始めとする他の七分野についても妥結させるべく、本年七月を期限に作業計画を策定するなど、ドーハ・ラウンドが再起動する方向にあります。 私は同会議で、農業交渉はこれまで難航してきた分野でありますが、実行可能な解決策を見出すためには、各国が持つ農業に関する懸念に配慮しつつ、近年の各国の農業改革や農産物貿易の実態を踏まえ、食料安全保障を確保し、多様な農業の共存を実現するためのルール作りを目指すべきであると主張をいたしました。今後のドーハ・ラウンド、特に農業分野において、我が国の農業の持続的発展や食料安全保障といった国益を確保しつつ、貿易自由化の恩恵を最大限に享受することが求められるわけであります。 そこで、政府としてどのような方針で交渉に臨むお考えか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) WTO農業交渉は平成十二年から開始をされておりますが、平成二十年に決裂をしておりまして、その後、膠着状況でございました。これは、米国と新興国、中国やインド等でございますが、この間で関税それから国内支持の削減率の柔軟性、こういうものをめぐって対立をしていたということが原因でございます。 その後、平成二十三年には部分合意を積み上げていくということにされまして、現在、今年の七月中に今後の作業計画を策定をしようということで議論が行われているところでございます。 我が国は、従来より、食料の輸入国という立場から、各国の多様な農業の共存、これを基本理念として、輸出国と輸入国のバランスの取れた貿易ルールの確立を目指して取り組んできたところでございます。 今委員からお話もあったように、WTOというのは多角的貿易体制の基礎でございまして、これが世界の貿易の共通ルールになると、それから、我が国が推進しております複数国間の経済連携交渉、これの土台ともなるために、我が国の主張がこのWTOの中で適切に反映されることが極めて重要であると、こういうふうに考えております。 今後とも、我が国が進めております農政改革、我が国の農産物貿易を取り巻く情勢変化、こういったものをしっかりと踏まえながら、我が国の主張が最大限反映されるように交渉に全力を挙げてまいりたいと思っております。
○中原八一君 次に、海上保安庁関係の質問に移ります。 海上保安庁は、海の安全、安心を守るため、厳しい環境下で任務に取り組まれております。昨年八月、政務官在任中、石垣島へ視察に伺い、大変緊張感の中、高い使命感を持って日本の領海を守っていただいている海上保安官の姿に心を打たれました。 さて、平成二十四年九月に政府が尖閣諸島を取得、保有して以降、中国公船による領海侵入や徘回が頻発をしております。平成二十四年は九月以降四か月間で六十八件を数え、二十五年には百八十八件、二十六年は八十八件と、中国公船による領海侵入が現在でも繰り返されております。さらに昨年、小笠原諸島近海に一獲千金を狙う多数の中国漁船が大挙して押し寄せるなど、我が国の領海をめぐる環境は厳しさを増しております。 まず、尖閣諸島の領海周辺での中国公船の領海侵入や中国漁船による密漁などが相次いでいるという最近の動向について政府はどのように認識しているのか、西村国土交通副大臣に伺います。
○副大臣(西村明宏君) 中国公船の尖閣諸島周辺海域における領海侵入件数は、昨年は三十二件と、一昨年の五十二件と比べ減少してきております。しかしながら、中国公船が接続水域を航行している状況に大きな変化はないというふうに考えております。それが客観的な情勢でございます。このような状況にありまして、海上保安庁では、ともかく事態をエスカレートさせないよう、冷静かつ毅然とした対応を続けてきているところでございます。 今後とも、我が国の領土、領海をしっかりと守り抜くという方針の下、体制整備を図りつつ、警戒警備に万全を期してまいりたいと考えております。
○中原八一君 尖閣諸島周辺の警備体制を強化するため、海上保安庁は尖閣領海警備の専従体制を構築すると伺っております。平成二十七年度内に巡視船十四隻相当の体制にすると言われております。昨年八月、私が石垣島の海上保安本部を訪問した際、専従体制の整備のため、石垣港の桟橋や職員宿舎の整備等が急ピッチで進められていました。 この専従体制の整備によって、これまでの体制とは何が変わり、どのような効果が期待できるのか伺います。
○副大臣(西村明宏君) 尖閣諸島周辺の海域の警備につきましては、全国からの巡視船の派遣で対応していた従来の体制を改めまして、平成二十七年度、来年度には、大型巡視船が尖閣周辺の領海警備に専従する体制を整えることといたしております。今後、専従体制が構築されることによりまして、尖閣諸島周辺海域における警戒警備に更に万全を期すことができるというふうに考えております。 また、全国からの応援派遣による負担が軽減されまして、海難やそして事件への対応など、より地元に密着した海上保安業務が的確に行われることが期待されているところでございます。
○中原八一君 国民の期待に応えるためにも、一日も早く体制を構築し、我が国の領海をしっかりと守っていただきますことをお願いしたいと思います。 時間がなくなってまいりましたので、国際関係について伺います。 三月十六日に外務省がホームページにある地図を掲載したことがニュースになりました。その地図は一九六九年に中国政府が発行したものであり、尖閣諸島が日本語名で書かれております。中国政府が尖閣諸島の領有権を主張し始めたのは一九七一年ですから、それ以前は中国政府も尖閣諸島が我が国のものであると認めていたことを示す証拠であります。我が党の原田衆議院議員が予算委員会で指摘したことも公表のきっかけになったと思います。 中国政府はこの地図の公表に反発をしているとのことですが、中国にとって都合が悪いからこそ反発するのだと思います。むしろ、我が国の主張の正当性を示す無視できない資料だということを自ら示しているようなものだと思うわけであります。 こうした資料は探せばまだ出てくるのではないでしょうか。このような歴史的資料を更に発掘して、国際社会に対して尖閣諸島の領有権を積極的にPRをしていくべきだと考えますが、岸田外務大臣のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、尖閣諸島は歴史的にも、また国際法上も我が国固有の領土であり、現に我が国がこれを有効に支配しています。したがって、尖閣諸島をめぐる解決すべき領有権の問題、これはそもそも存在しないというのが我が国の立場であります。その上で、尖閣諸島について国際社会の正しい理解を得るべく、効果的な発信を強化していくということは大変重要な課題であります。 かかる観点から、中国側が一九六九年に発行した尖閣諸島を日本領土として表記した地図についても、尖閣諸島が日本の領土であることを前提として作成されたものであると考えられ、外務省としましては、中国側による独自の主張には全く根拠がないことを示す観点から、今般、尖閣諸島に関するホームページの上において資料を改訂し、改めてこの地図を掲載したところであります。 外務省としましては、引き続き、国際社会の正しい理解を得るために、我が国の国益の実現に資するため効果的な発信に努めていかなければならないと考えます。
○中原八一君 ありがとうございました。よろしくお願いします。 さて、時間がなくなりましたので、最後の質問とさせていただきます。 尖閣諸島周辺の領海を警備する巡視船に安らぐときはないと言われるほど、それほど海上保安官の皆さんは大変緊張感の中で高い意識を持って領海警備に当たっておられます。また、領海警備のみならず、海難救助や災害対策、国際協力など、それぞれの持ち場で幅広い任務をこなされているわけであります。 最後に、安倍総理に、限られた人員で日夜こうした過酷な任務に当たっておられます海上保安官の皆様に対して激励のお言葉をお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 四面を広大な海に囲まれた、海の安全を守ることは大変重要であります。とりわけ、近年は中国公船等による尖閣諸島周辺海域への接近や徘回が依然として繰り返されています。また、小笠原周辺海域などにおいて中国サンゴ漁船と見られる外国漁船が違法行為を繰り返すなど、我が国周辺海域をめぐる状況は一層厳しさを増しています。 こうした中、私も一昨年、尖閣諸島周辺警備の最前線基地である石垣島を訪れまして、厳しい環境で警備に当たる海上保安官の諸君を直接激励をしてまいりました。厳しい勤務環境と絶え間ない緊張感の下、二十四時間三百六十五日、全国の海上保安庁職員が一体となって我が国の海を守る活動に当たっていることに対し深く敬意を表する次第であります。彼らは私たちの誇りであり、御家族にも感謝の気持ちでいっぱいでございます。 日夜を掛けて任務に当たってくれている海上保安官が安心して業務に専念できるようにするためにも、体制の強化等に努めていく考えであります。今後とも、日本の美しい海を守る、安全を守るため、海上保安官の皆さんには大いに活躍をしていただきたい、その任務を果たしていただきたいと期待をしております。
○中原八一君 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で中原八一君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、小西洋之君の質疑を行います。小西洋之君。
○小西洋之君 民主党・新緑風会の小西洋之でございます。 冒頭、この度のチュニジアの卑劣なテロによりお亡くなりになった三名の邦人の方々の御冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、また御遺族の方々に心よりのお見舞いの言葉を申し上げさせていただきたいと思います。また、負傷なさった方の一日も早い回復をお祈りを申し上げます。政府にありましては、引き続き海外における邦人の安全確保に全力を尽くしていただくとともに、我々野党もしっかりとその支えをさせていただきたいと思います。 では、質疑に移らせていただきます。 冒頭、下村大臣に質問をさせていただきます。 一般論として、教育を所管する大臣として、社会のルールを守るという遵法精神について、御自身としてどのようにあるべきと認識されているでしょうか、ごく簡潔に答弁をお願いいたします。
○国務大臣(下村博文君) 小さい頃から祖母から、おてんとうさまがいつも見ているよと言われておりました。社会のルール、遵法精神、しっかり守って対処してまいりたいと思います。
○小西洋之君 ありがとうございました。 実は私は、かつて第一次安倍内閣の倒閣の原因となりました政治とお金の問題について、その倒閣の当時、経緯でございますけれども、政府の中で政治資金制度の担当の官僚をいたしておりました。こうした制度の専門家として、下村大臣の博文というお名前の漢字を冠した博友会の問題については、これまで国会で問われていない根本的な問題があると認識をいたしております。 それは、博友会という名称自体に表れているように、その団体がある特定の政治家を支持することを本来の目的としていれば、それは法律要件上は、もうその瞬間に規正法上の政治団体そのものであり、その場合は、仮に年に一回だけの大臣の講演の開催経費だろうが、会を維持するための事務経費だろうが、あらゆるお金の出入りについては、事前の政治団体の届出がなければ法律第八条の届出前の支出等の禁止に該当することになるわけでございます。要するに、仮に大臣のお名前を冠した各地域の博友会が法に抵触する行為を行ってしまっていたのであれば、それに対する大臣の先ほどの、おてんとうさまが見ているというその遵法精神の観点から、少なくとも教育を所管する大臣の重い政治責任が発生するのではないかということでございます。 この重要論点につきましては、本日は提示にとどめさせていただきまして、後日の同僚議員の厳しい追及に委ねたいと思います。 では、外交防衛の問題に移らせていただきます。尖閣問題は後回しにして、安全保障問題から行わせていただきます。 冒頭、昨年八月九日の長崎の原爆の式典で、被爆者代表の方が安倍総理の目の前でおっしゃられた……(発言する者あり)時間を止めていただけますか。
○委員長(岸宏一君) 速記を止めて。 〔速記中止〕
○委員長(岸宏一君) 速記を起こして。
○小西洋之君 では、安倍総理に、外交防衛の問題について追及をさせていただきます。尖閣の問題は後回しにして、安全保障問題から行わせていただきます。 冒頭、昨年八月九日の長崎の原爆の式典で被爆者代表の方が安倍総理の目の前でおっしゃられた言葉の一部を御紹介します。 今進められている集団的自衛権の行使容認は、日本国憲法を踏みにじる暴挙です。被爆者の苦しみを忘れ、なかったことにしないでください。日本国憲法を踏みにじる暴挙、被爆者の苦しみを忘れ、なかったことにしないでください、まさに平和憲法に向けた被爆者の方の魂の叫びだと思います。 私は、憲法遵守擁護義務を負う国会議員として、この被爆者の方の思いを胸に刻み、安倍総理に対して、昨年七月一日に、事前に解釈変更の案そのものについて一度も何ら国会で審議することなく、閣議決定だけで強行した解釈改憲、憲法の条文を変えなければできないことを解釈の変更で強行することをこの度の質疑で解釈改憲と言わさせていただきますけれども、その解釈改憲の問題について追及を、質疑をさせていただきます。 安倍総理にあっては、こうした被爆者の不安や怒りの叫びの声を胸に、決して他の大臣に答弁を委ねるようなことがないように、御自身の言葉で誠実かつ簡潔な答弁、委員長におかれては、そうした議事整理をお願いいたしたく存じます。 安倍総理の解釈改憲により集団的自衛権の行使が容認され、そして本日、自公与党協議による安保法制の立法方針が取りまとめられます。地球の裏側でのアメリカ軍への弾薬提供などの後方支援も可能にするなど、まさに切れ目なく、止めどもない自衛隊による軍事力の行使が実現されようといたしております。まさに我が国の平和主義が存亡の危機にある状況であると認識します。 しかし、そもそも我が国の平和主義とは一体何でしょうか。日本国民の全ての子供たちが義務教育の中で日本国憲法は平和主義の憲法だというふうに習っておりますけれども、実は、憲法九条には戦争の放棄は書いてございますけれども、なぜ戦争を放棄しなければいけないのか、その平和主義の考え方は憲法の前文のみに書いているところでございます。 内閣法制局長官に伺います。憲法の平和主義の規定と、その具体化が憲法九条であることについて御説明をお願いいたします。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 憲法における平和主義についてお尋ねがございました。 憲法の基本原則の一つであります平和主義につきましては、憲法前文第一段におきまして、「日本国民は、」、中略ですが、「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、」と規定し、前文第二段において、「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」、及び、「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」と規定しております。 これらは我が国が平和主義の立場に立つことを宣明したものであり、憲法第九条がその理念を具体化した規定であると解しております。
○小西洋之君 ありがとうございました。 法制局長官の答弁にありましたように、憲法の平和主義は、実は憲法の全条文の中で憲法の前文だけに三つの考え方が書かれております。そして、これらは単なるうたい文句ではございませんで、物すごく重要な法的な効力を持っています。 今フリップを出していただいていると思います。(資料提示) 憲法の前文は、憲法の前文の後にある全ての条文について、その解釈上の指針としての効力を持っているということでございます。つまり、憲法九条の解釈は、今法制局長官が答弁されました憲法前文に書かれた平和主義の考え方に適合しなければならない。憲法前文の平和主義の考え方に矛盾する憲法九条の解釈は許されないわけでございます。 しかも、先ほどの横畠長官、大変大事な答弁を最後の言葉でおっしゃっておりました。憲法九条は憲法前文の平和主義の具体化した規定であるというふうにおっしゃっていました。つまり、憲法前文に書かれた三つの平和主義の考え方がダイヤモンドのように結晶したその姿そのものが、結晶そのものが憲法九条だということをおっしゃっているわけでございます。 すなわち、安倍総理による新しい憲法九条の解釈の下でも、今申し上げました憲法前文の三つの平和主義の考え方と矛盾することはできない。もし一つでも矛盾があれば、具体的に申し上げれば、集団的自衛権の行使というものが、この憲法前文の平和主義、この三つのうちの一つにでも、一か所でも矛盾することがあれば、安倍総理が行った解釈改憲は違憲無効の解釈改憲なわけでございます。それを早速追及をさせていただきます。 最初に結論を申し上げますと、実はこの三つの平和主義の考え方は集団的自衛権の行使と全て真っ向から相矛盾いたします。にもかかわらず、横畠長官、内閣法制局は、これについて、憲法の適合性について一つもこの実質的な解釈の審査を行っていないところでございます。 既に国会答弁で明らかになっておりますけれども、横畠法制局長官、内閣法制局が解釈改憲に当たって審査した資料は、この七月一日の閣議決定のペーパーだけ、紙でたった四枚のペーパーだけ。しかも、この中には、積極的平和主義という言葉はちりばめられておりますけれども、憲法の前文の平和主義という言葉は一言も入っておりません。内閣法制局は、この紙を六月三十日に解釈改憲を起案した国家安全保障局から受け取り、次の日の七月一日の午前中に電話で、意見はございませんという返事をしたということでございます。全く内容的にも手続的にも審査を行っていないというわけでございます。 今、同僚委員の皆様のお手元の配付資料の一番下には、そのことを証明する文書を付けさせていただいております。これしか審査をしていないということでございますけれども、この文書、情報公開請求で国民の皆様も入手していただけますし、今日は私のホームページで質疑を終わりましたら公表をさせていただきます。 では、三つの平和主義の矛盾を具体的に検証してまいります。一番分かりやすいものからまず検証をさせていただきます。 フリップの③でございます。いわゆる有名な、全世界の国民に確認した平和的生存権の規定でございます。「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」と書いてございます。 この「恐怖と欠乏」は、下にございますように、戦争によってもたらされる様々な惨禍、つまり戦争による恐怖と欠乏からでございます。つまり、分かりやすく申し上げますと、私たち日本国民は、私たちと同じかけがえのない個人としての尊厳を持った全世界の国民の皆さんが、誰一人として戦争によって殺されることなく、平和のうちに生き抜く平和的生存権を有するというふうに確認しているわけでございます。 ここで、集団的自衛権を安倍総理が言っているホルムズ海峡のケースで考えてみたいと思います。 日本の同盟国であるアメリカと、ホルムズ海峡の湾岸国であるイランあるいはオマーンしかないわけでございますけれども、分かりやすいためにイランにしましょう、イランを私は卑下するつもりは全くございません、イランといたしましょう。 アメリカとイランが戦争しています。しかし、イランは日本に攻撃をしているわけではないんです。イランの国民やイランの国家は何ら日本に敵意を持っていないんだけれども、世界最強の軍隊であるアメリカからイランの国民やイランの国土を守るために、必死になってホルムズ海峡に機雷を敷き詰めている。その結果によって日本のタンカーがそこを通れなくなって、結果として日本に石油不足が生じている事態というわけでございます。 つまり、一言で言えば、石油のために、日本に攻撃をしてきてもない国の人たちの軍隊やあるいは軍人や、あるいは巻き添えによってイランの市民を殺してしまうことが、全世界の国民に確認した平和的生存権の関係でできるのかということでございます。到底できるわけはございません。 しかし、安倍総理は、これに対してこのようなよく分からない説明をされております。自衛隊の機雷の掃海艇は木造の船なので事実上の戦闘行為は行われない、受動的な限定的な武力行使であるというふうに言っております。しかし、そうでしょうか。 自衛隊の機雷掃海艇がイランの機雷を掃海しようとするときに、仮に事前に、仮にじゃなくて、事前に確実にそうなるんですけれども、アメリカの空軍力や海軍力によってイランの空軍力や海軍力は壊滅されているわけでございます。そこで機雷、自衛隊の掃海艇が進んでいくので、安倍総理は事実上の戦闘は起きないというふうなことをおっしゃっているんですけれども、しかし、そうでしょうか。 イランの軍隊が必死になって、戦前の日本が行ったように、海上の特攻攻撃あるいはゲリラ攻撃のような形で自衛隊の機雷掃海を妨害しようとすれば、自衛隊はそのイランの軍隊を殺りくするわけでございます、攻撃をして。まさに戦闘を行うわけでございます。 しかも、機雷を自衛隊が掃海した後は何が起こるんでしょうか。自衛隊の掃海艇の沖合には何が待っているんでしょうか。それは、アメリカの陸上部隊でございます。機雷を掃海した後に、アメリカ軍がホルムズ海峡の海域の中に入ってきて、アメリカの海兵隊やアメリカの陸軍によるイラン侵攻戦が始まるわけでございます。 つまり、全体の戦闘作戦の枠組みを見れば、自衛隊の機雷掃海というのは、それ自身が戦闘行為であり、しかも、全体の中で紛れもない戦闘行為なわけでございます。 ここで、先ほどの、安倍総理に対して、平和的生存権の関係との適合性について質問したいと思いますけれども、安倍総理は残念ながらなかなか誠実な答弁をしていただけませんので、今日は、安倍総理が国民の皆さんに対して、テレビを御覧の国民の皆さんに対して誠実かつ分かりやすい説明がいただけるように特別の資料を御用意をいたしました。フリップを掲げていただけますでしょうか。 この今掲げていただきましたフリップは、日本の義務教育の中で小学校の六年生の子供たちが使っている社会科の教科書でございます、私の手元に持っている。ちなみに、全国で最も採択率の高い、つまり全国で最も使われている教科書の一節でございます。憲法前文の平和主義について、子供にも分かりやすい言葉で書かれてございます。 赤い括弧の中を御覧いただけますでしょうか。私たちは、全世界の人々が、皆平等に、イランの人も日本人の人もみんな一緒、同じですと。戦争の恐怖や欠乏もなく、平和な状態で生きていく、つまり戦争で殺されることのない権利を有することを確認するというふうに書いております。 安倍総理に伺わせていただきます。 義務教育の中で、日本は平和主義の国だ、憲法は平和主義を掲げている。そして、その平和主義の具体的な内容の一つとして、イランの国民の皆さん、イランの軍人であれイランの市民であれ、我々と同じ平和的生存権を有するというふうに習っています。 子供たちに分かりやすいように教えてください。なぜ、日本に攻撃もしていないイランの軍人を、石油が足りないからといって自衛隊が海外で武力行使をして、殺りくをして、また巻き添えで市民を殺すことができるんでしょうか。明確に御説明ください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、小西委員は勝手にいろんな状況を想定をして、我々が言ってもいないことに対して批判をしております。そのことを明らかにしておきたいと、このように思います。 平和に暮らしているイランの軍人を自衛隊が殺りくをする、こんなことは誰も考えていないわけでございます。大変今の御発言を聞いて私も驚いたのでございますが、こうした議論を進めていく上においては冷静な議論をしていくことが求められているんだろうと、このように思っているわけであります。 我々が今回、法改正を進めていく、安保法制の整備を進めていく目的はただ一つでありまして、国民の命と幸せな暮らしを守っていくという一点でございます。 その中において、今委員が、ホルムズ海峡が封鎖された場合と、そういう議論をされておりました。あくまでも可能性としては、まず三条件に適合するということでございます。三条件があって、その中において可能性として、例えば停戦合意がなされていないということが起こり得る、事実上の停戦は行われているわけでありますが、しかし、これは停戦合意が完全になされていないということはあり得るわけでございます。例えば、湾岸紛争のときにも、事実上の停戦が行われている中においてなかなか、停戦合意まで時間が掛かったということもございます。そういうことがある中において機雷の掃海を行うことは、国際法上、これは集団的自衛権の行使に当たるということでございます。 その際、我々は、これはまさに受動的であり、そしてまさにこの制限された中における、外見、これは国際法上の武力行使ではありますが、まさに受動的な形、制限された中における機雷の掃海ということは、これ三条件に当たれば行い得るということでありまして、今、小西さんがおっしゃったような、何かイランの軍人を殺しに行くなんということは、これはまさに、何回もこれは委員会において私が申し上げておりますように、武力行使を目的として自衛隊が海外へ出ていく、一般に禁止されている海外派兵を行うことはないと、そういうことでございます。 これは安全保障の議論でございますから、レッテル貼りをされた場合はレッテルを剥がしていく必要がございますから、丁寧に説明をさせていただいた次第でございます。
○小西洋之君 安倍総理は、私の質問に対してレッテルというふうにおっしゃいましたけど、今私が展開させていただいている憲法論は、元内閣法制局長官の方々あるいは日本を代表する法律の専門家の方々、皆さんが賛同している考え方です。ここにいらっしゃる同僚委員の皆さんも当然納得いただけると思います。当たり前じゃないですか。 全世界の国民が、日本人だけではなくてイランの国民の皆さんも、軍人も含みますよ、当然、戦争によって殺されることのない平和的生存権を確認している国においては、正当防衛の武力行使しかできないわけです。七月一日以前の憲法解釈が正しいわけでございます。 そして、今、安倍総理はとんでもないことをおっしゃいました。ホルムズ海峡の機雷掃海をしに行くのは自衛隊の武力行使である集団的自衛権の行使、つまり戦争行為そのものなんですけれども、イランの軍人を殺りくすることはないということをおっしゃいました。まあ一々これをもう質問しませんけれども、人を殺すことがない、相手の軍隊の人を殺すことがない戦争なるものがこの世にあると言うこと自体が恐ろしいことだというふうに指摘をさせていただきます。 では、安倍総理が、少なくとも、今義務教育で憲法の平和主義を習っている子供たち、なぜ全世界の国民に平和的生存権を確認しているのに、石油が足りなくなったからといって向こうの人たちを殺して石油を確保することが私たち日本人に許されるのでしょうかという疑問については全く説明になってなかったと思います。教室の中で、下村大臣もいらっしゃると思いますけれども、疑問に思う子供たちが学校の先生に尋ねたときに、学校の先生も説明ができないと思います。 では、ちょっと次のフリップをお願いいたします。今申し上げた、安倍総理が憲法の平和主義を切り捨てて解釈改憲を強行した、まごうことのない客観的な証拠をお示しさせていただきます。テレビの画面を御覧になっている国民の皆さんから見ていただきまして、左にありますものが七月一日の閣議決定の下敷きにしました一九七二年、昭和四十七年の憲法九条の解釈でございます。そして、右側が七月一日の閣議決定の文書でございます。 一九七二年、昭和四十七年の憲法解釈を下敷きにしましたので、七月一日の閣議決定と隣の一九七二年の見解は一言一句ほとんど同じでございます。 しかし、七月一日の閣議決定において切り捨てられている部分がございます。それが灰色の部分でございます。灰色の下の方を御覧いただけますでしょうか。このように書いてございます。「しかしながら、だからといって、平和主義をその基本原則とする憲法が、右にいう自衛のための措置を無制限に認めているとは解されないのであって、」ということが書いてあります。右に行くと、まるっきり切り捨てられております。 これはどういう意味かと申し上げますと、この灰色の部分の上の部分ですね。憲法九条というのは戦争の放棄や戦力の不保持を定めていますので、一見すると日本は非武装のように見えると。しかし、日本国民の命が危機にあるときに、それを救うための自衛の措置、分かりやすく言うと戦いだけはできるはずだと。しかし、この平和主義の、灰色の部分です、戦いが許されるからといっても、我が国は平和主義、憲法前文の三つの平和主義の解釈の拘束を受ける、指針としての拘束を受ける憲法九条なんだから、その平和主義の制限に服さなければいけない。その結果として、日本に許されるのは、先ほど申し上げました正当防衛の武力行使、日本に攻めてくる軍隊が現れたときに自衛隊が日本の国民が犠牲になる前にそれを排撃する、やっつける、これだけだというわけでございます。 お分かりいただきましたように、七月一日の閣議決定は、日本国民の皆さんの宝であり、そして私たち日本国民が平和主義の国であると言えるその根拠、憲法前文の平和主義しかございません。それを切り捨てて閣議決定を強行し、結果として、平和主義のとりでの中に絶対入ってくることができなかった集団的自衛権を入れ込ませて、かつ、それが無限定かつ歯止めのないものにしているわけでございます。 では、さらに、平和主義は三つございますので、ほかの平和主義の観点を検討させていただきたいと思います。 憲法前文の冒頭の平和主義の言葉でございます。日本国民は、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることがないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定するとあります。 この平和主義の考え方については政府の確立した解釈がございますけれども、私がかみ砕いて御説明をさせていただきますと、かつての満州事変に始まり太平洋戦争の敗戦に至るまで、原子爆弾の悲劇、沖縄の地上戦の悲劇、特攻隊の悲劇、あるいは南の島の玉砕の悲劇、あるいは東京大空襲の悲劇、そうした本当に国民の皆様にとって大きな大きな悲惨が降りかかりました。戦前ですから、国民の皆さんは民主主義の力を持っていなかった、天皇主権の下で国民の皆さんに問うことなく国家権力が戦争を起こして、結果、国民の皆さんに惨禍を起こした。もうこうしたことを二度と許さない、安倍総理のような内閣総理大臣という国家権力者が二度と戦争を起こして国民の皆さんに戦争の惨禍をもたらさない、そのための国民主権だというふうに言っているわけでございます。 つまり、日本国民の皆さんの国民主権はただの国民主権でないわけでございます。政府というのは我々国会も含みます。内閣や国会といった国家権力が戦争を起こして、いつの戦争も犠牲になるのは国民、市民の皆さんです。そうしたことを二度と許さない国民主権なわけでございます。 では、これと集団的自衛権の関係をどのように考えられるわけでございましょうか。 集団的自衛権の行使は、これまで日本国憲法の上に存在しなかった戦争です。集団的自衛権の行使を発動すれば、安倍総理は安全な機雷掃海などと言っておりますけれども、集団的自衛権の行使を発動すれば、自衛隊員は必ず戦死します。これをごまかしてはいけない。自衛隊員の体が砕け散って、真っ黒に焼けただれて死んでいくことになります。 そして、集団的自衛権の行使は、アメリカと戦っているイランや北朝鮮の国に日本が先制攻撃を仕掛ける、これが集団的自衛権でございます。イランや北朝鮮は日本に攻撃をしてこない、攻撃の着手の前に日本が先制的に攻撃する、これが集団的自衛権の行使でございます。相手を攻撃すれば、必ず反撃を受けます。ミサイルが飛んでくるかもしれない。あるいは、イランの人々から見れば、必死になって国民を守ろうとした機雷を自衛隊が取ってしまえば、それはもう孫子の代まで、その後アメリカ軍が侵入してくれば、イランの人々は日本国民を恨むでしょう。 今テレビで御覧になっている皆さんの近くで、これはイランがテロをするというわけではございませんよ。けれども、テロが起きるかもしれない。私は、ブッシュ大統領のイラク戦争の当時、ニューヨークに住んでおりましたけれども、そうしたテロにおびえる社会に一瞬の間になってしまいました。 つまり、自衛隊員の戦死や、反撃を受けて日本国民の戦死、これはまさに戦争の惨禍そのものなんです。こういうことを許さないための国民主権なんです。こういうことを許すためには、国民主権の承認を取らないといけないんです。 じゃ、国民主権の承認とは何でしょうか。国民の皆さんが主権者である、安倍総理が最高の権力者ではない、国民の皆さんが主権者である究極の理由はたった一つです。それは、国民の皆さんだけが国の形を決める憲法改正の国民投票権を持っていることです。 つまり、国民主権の承認、憲法改正の国民投票をやらずに、そして我々の国会の憲法改正の発議もやらずに、日本国憲法の上に集団的自衛権という新しい戦争を起こして、自衛隊員や国民の皆さんを戦死させることは絶対に許されないんです。もうこの瞬間に、先ほどの平和的生存権と同じく、安倍総理の解釈改憲は違憲無効でございます。 そして、一言だけ申し上げると、それを具体的に更に証明させていただきます。下の文字を御覧いただけますか。日本国憲法は、過去の悲惨な戦争の経験から、何があっても国家権力の起こす戦争から国民を守り抜く、そうした平和主義の憲法なんです。下の括弧の文章を御覧ください。これは、今申し上げた平和を守るための国民主権は人類普遍の原理であり、これに反する一切の憲法、昨年七月一日の安倍総理の解釈変更によって生み出したあの憲法の九条の解釈は排除される、無効なんですよ。誰もこれを否定できないと思います。これを否定するんでしたら、もう我々は法治国家をやめなければいけません。 では、安倍総理にこの問題について追及させていただきます。先ほどと同じように、全国の子供たちにも分かるように教科書で御質問をさせていただきます。 こちらは全国で二番目に採択されている教科書です。同じ言葉が書いております。政府の手によって再び戦争の災いが起こることがないように決意し、この憲法を、国民主権を宣言し、定めると言っております。 安倍総理には、特に、特別の子供たちのことも胸に抱きながら答弁をいただきたいと思います。 この教科書で全国の自衛隊員の子供たちが学校で平和主義を習っています。自分たちのお父さんやお母さんである自衛隊員がなぜ安倍総理の閣議決定だけで、なぜ国会のこのゴールデンウイーク明けに予定しているという安保法制だけで新しい戦争、禁じられているはずの戦争に出動させられ、その下で戦死をしなければならないのか、また、反撃を受けてなぜ日本国民が死ぬことが許されるのか、明確に答弁をください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、小西委員がどんどんどんどん論理を展開されて、独自の世界を私たちに示しておられるんだろうと思いますが、こういう議論ではなくて、やはり冷静な議論をしていく必要がありますし、私たちがどういう説明をしているかということを、これを基盤に批判をしていく、あるいは追及されるなら追及していただければいいんですが、私たちが想定していない話、言ってもいない話について、何かそれが我々が想定しているかのごとくの批判はやめていただきたい、このことをまず申し上げておきたいと、このように思います。 そして、自衛隊の諸君の任務というのは、まさに国民の命と幸せな暮らしを守ることであります。これまでも、我が国有事における任務は文字どおり命懸けのものであります。そして、自衛隊諸君が命を懸ける理由もただ一つであり、それは任務達成のため、他に手段がないからであります。そして、新三要件の下で新たな法整備により与えられる任務も、これまで同様、それは当然命懸けになるものであります。しかし、それはあくまでも国民の命と幸せな暮らしを守り抜くためであり、自衛隊員の任務に何ら変更はないということは申し上げておきたいと、こう申し上げる次第でございます。 そして、先ほど、例えばイランとの関係において、特定の国を挙げてお話をされました。例えば、イランの新しく大統領になった、その大統領とも私も何回か会談を行っています。ダボス会議においては私のまさにスピーチをわざわざ聞きに来られているわけでございますし、外務大臣はイランに赴いているわけでございます。こうした関係を、友好な関係を築いていくのは当然のことでありますし、ホルムズ海峡が機雷封鎖されることがないように全力を挙げていくわけでございます。 しかし、機雷で封鎖された場合、ここを通って多くのタンカーが日本に石油を運んでくるわけであります。そして、それは、例えば石油だけではなくて、ガスでもあり、私たちにそれはエネルギーとなって生活のライフラインとなっていくわけでございます。ここに機雷を敷設されたときに、まさにここからやってくるエネルギーの恩恵を享受している日本も、当然、日本人の幸せな暮らしを守るためにどうすればいいか。その中において、当然、三要件が前提になるわけであります。 この三要件の上において……(発言する者あり)済みません、私、答弁しているんですから、ちょっと黙っていていただけるでしょうか。三要件の上において当然何をなすべきかということを決定、三要件に当てはまらなければ当然機雷の掃海もしないのでございますが、機雷の掃海につきましては、これ当然受動的な対応となっていくわけでございますし、機雷の掃海そのものは平穏な状況でなければなかなかこれは実行が難しいのは言うまでもないわけであります。 繰り返しになりますが、武力の行使を目的として自衛隊を海外に派遣することはないということは何回も何回ももう委員会で御説明をしている、何回も御説明をしている、小西委員はもしかしたら聞こえていなかったのかもしれませんが、何回も何回も説明をしているとおりであるということは今まで申し上げてきたとおりでございます。
○小西洋之君 全く質問に答えていらっしゃいません。安倍総理の集団的自衛権を解禁した新三要件が成り立つためには、憲法九条の解釈指針の効力を持つ憲法の前文の平和主義と整合しないといけない、適合しないといけないということを私は聞かせていただいているわけでございます。自衛隊員の子供たち、学校で義務教育で習っている自衛隊員の子供たちに何ら声は届かない。また、このテレビの向こうで、この日本の平和主義が変わろうとしているそのことに不安を持っている国民の皆さんに、何ら今の安倍総理の答弁は届かなかったと思います。 ちょっとフリップを御用意いただけますでしょうか。安倍総理が自衛隊員は命を懸けて戦う存在だというふうにおっしゃいました。安倍総理が大好きな自衛隊員の服務の宣誓という、自衛隊法五十三条によって全自衛隊員が入隊に当たって行っている宣誓がございます。下の下線の部分を御覧いただきましょうか。「事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえる」ということを書いております。皆さん、これを御覧いただきまして、この文章、危険を顧みず、つまり、いざ有事の際には、命の危険を顧みず、命を張ってでも国民を守る、責務の完遂に務めるというふうに書いているわけでございます。 皆さん、この服務の宣誓、一番大切な言葉は何だと思いますでしょうか。安倍総理は、自衛隊は命を懸ける存在だから、新しい戦争でも命を懸けて当たり前だというような答弁をされておりました。一番大切な言葉は、「国民の負託」です。一番最後にある国民の負託です。自衛隊員は我々と同じ市民、我々と同じ国民なんです。我々と同じ仲間、市民である、国民である自衛隊員が我々のために命懸けで戦っていただくためには、日本の民主主義のプロセスの国民の負託がなければいけないんです。それが先ほど申し上げました憲法の平和主義の一番初め、政府の行為によって戦争の惨禍が起こすことを許さないという国民主権。それを、国民主権の承認である憲法改正の国民投票、それがこの国民の負託そのものなわけでございます。 このように、安倍総理の行っている解釈改憲は、憲法の平和主義そのものを否定する行為でございます。日本国民の皆さんが、そして私たちが、日本国は平和主義の国だというその根拠はたった一つしかございません。憲法の前文の平和主義しかその根拠はないわけでございます。それと矛盾する集団的自衛権の行使を犯してしまって解釈改憲を強行すれば、もう私たちは平和主義の国だというふうに言えなくなってしまうわけでございます。 しかし、先ほど申し上げましたように、一切の憲法を排除する、そして解釈上も全世界の国民の平和的生存権と矛盾しますから、七月一日の解釈改憲は違憲無効です。 国民の代表の国会議員として、国民の皆さんの平和主義の憲法第九条は、昨年の七月一日以前と何ら変わらない法規範として存在し続けることを、この国権の最高機関の参議院の第一委員会の予算審議の場で、安倍総理と安倍内閣の皆さんに対して宣言をさせていただきます。 では、次の質問に移らせていただきます。 実は、この平和主義を切り捨てた瞬間に、さっき申し上げました正当防衛の戦いでない戦争ができることになっておりますので、専守防衛でも実はなくなっています。専守防衛も教科書にございますけれども、それもなくなっているということでございます。 ちょっとこれ、時間がございませんので割愛をさせていただきまして、こちらの資料を御覧いただけますでしょうか。 今申し上げました平和主義との関係で、安倍総理はとんでもない暴挙を犯しています。それと同じく、国民の皆さんをだます暴挙を安倍総理がやっていることを御指摘をさせていただきます。 七月一日の解釈改憲のときに安倍総理が何度も使ったフリップでございます。親子が避難をしている図でございます。朝鮮半島で戦争が起きて、日本の同盟国のアメリカとしましょう。それから、先ほどイランのことをおっしゃいましたけれども、私も、イランは大統領が替わって、まさに国際協調主義に立ってくれるような、そういう国になったと思っております。申し上げましたように、イランを卑下するつもりは全くございませんので、そこだけはきちんと念押しをさせていただきます。 アメリカと、ここも北朝鮮としましょう、北朝鮮を卑下するつもりはございません、戦争を起こして、乗るわけはないんですけれども、アメリカの軍艦になぜか日本の国民の皆さん、親子が乗って避難をしているという図でございます。安倍総理は、まさにこの親子を助けるために閣議決定を強行したんだというふうにおっしゃっています。 フリップを外していただけますでしょうか。 一番上の段は、七月一日の安倍総理の解釈改憲の後の、安倍総理の夜の記者会見です。書いてございます。この日本人ですね、アメリカが救助のために輸送しているこの日本人の命を守るために、それをできるようにするのが今回の閣議決定だと言っております、まさにこの母と子供を守るために。 しかし、そこから三か月後の、下の、先ほど答弁いただきました横畠内閣法制局長官、私の外交防衛委員会における追及におきまして、この安倍総理の言葉を真っ向から否定してしまっております。集団的自衛権を発動する三要件のうちの一つは、個々の国民のことを考えているのではございません、国の存立、分かりやすく申し上げれば日本の国そのものが危険に陥る、そして日本国民全体が危険に陥る、そういうことを言っているというわけでございます。 つまり、安倍総理は、分かりますように、この親子を助けなければいけないというふうに国民の皆さんをあおり立てておいて、実際の政府の解釈は、この親子を守るための集団的自衛権の行使ではないわけでございます。 じゃ、次のフリップをお願いいたします。 ここで、簡単に今申し上げたことをまとめさせていただきます。なぜ憲法の条文を変えない限りできないと言われていた集団的自衛権の行使ができるようになって、それが歯止めなきものになっているかということでございます。 一つは、今申し上げました、事実をでっち上げているんです。命を守るべき日本国民が誰だか分からないんです。かつ、その国民を助けるために集団的自衛権しか手段がないのかも分からないんです。この事実のでっち上げというものは、法令解釈の世界では立法事実のでっち上げと言いまして、絶対やってはいけない禁じ手と言われています。昭和五十年の最高裁の薬事法違憲判決は、この立法事実がないことをもって違憲無効と切って捨てているところでございます。 そして、プラス平和主義の論理を切り捨てているんです。何を守るものかも分からないから、実際の運用に当たってはもう何が基準か分からないわけです。何でも集団的自衛権が発動できるんです。かつ、平和主義も切り捨てられていますから、歯止めなきものになります。 ここで、お待たせいたしました、安倍総理にこの質問の中で一番大切な質問をさせていただきます。今のまとめでございます。テレビの向こうの国民の皆さんも、安倍総理が行った解釈の変更が本当に法令解釈の名に値するものかどうか、一緒に確認をさせていただきたいと思います。質問の最後に、一番大切な、強烈な質問を安倍総理にお願いさせていただきたいと思います。 実は、安倍総理のような内閣総理大臣がそのたびに憲法の解釈を変えることができてしまうと日本は法治国家ではなくなってしまいますので、内閣総理大臣といった国家権力者がみんなで守らなければいけない憲法解釈のルールが国会で確立しております。憲法解釈の原則といいます。一つ一つ確認してまいりましょう。 当該法令の規定、つまり憲法九条と集団的自衛権を考えるときには、憲法九条とその解釈指針である平和主義を一緒に考えないといけないんですね、前文を。当該法令、九条と前文の規定の文言、趣旨等に即しつつ、憲法の前文を切り捨てていましたね。法制局は審査すらしていませんでした。閣議決定の中にも、文言にも入っておりません。 次、立案者の意図や立案の背景となる社会情勢等を考慮し、我が国の平和主義の立法意思は何でしょう。国家権力によって二度と戦争を勝手に起こさせない、そのことを無視していますね。そして、議論の積み重ね、全体の整合性、これは国会の議論というわけでございます。国会で、憲法の平和主義の解釈指針を国会答弁で確立しているのに、それを切り捨てている。そして、一番大切なこと、論理的に確定される。先ほどの義務教育の子供たちが学んでいるその教科書の平和主義、それについてきちんと集団的自衛権が矛盾がないかどうか説明してくださいとお願いしましたけれども、安倍総理は何ら論理的な説明ができませんでした。 つまり、法令解釈は成立していないんです。閣議決定は違憲無効なんです。そして、仮に政府において、このように平和主義を切り捨てたりして、事実をでっち上げたり、憲法解釈を便宜的、意図的に変更することがあれば、その下に書いていますね、政府の憲法解釈そのものを、あるいは憲法そのものについて国民の信頼が損なわれかねないと書いております。 ここで、安倍総理に伺います。 あなたが行った七月一日の憲法九条の解釈の変更、それはあなたが安倍政権においてもこの憲法解釈の原則に従って行うということを国会で答弁をされています。この原則に適合するんでしょうか。私が今指摘した矛盾について的確に分かりやすく明確に答弁をなさって、この憲法解釈の原則に七月一日の解釈変更が適合するか、御説明をいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 閣議決定の中において、いわゆる昭和四十七年の憲法解釈の、日本政府の憲法解釈について述べたこの四十七年の解釈でございますが、この中におきましても、基本的な、従来から政府が一貫して表明してきた見解の根幹、言わば基本的な論理であり、昭和四十七年十月十四日に参議院決算委員会に対して政府から提出された資料、集団的自衛権と憲法との関係に明確に示されているところであると。この基本的な論理は、憲法第九条の下では今後とも維持されなければならない、これが閣議決定の中にも書かれているとおりでございます。
○小西洋之君 今、安倍総理がおっしゃいましたのは、七月一日の解釈の変更も憲法九条の基本的な論理を維持しているというふうにおっしゃったわけでございます。 しかし、それがまるっきり基本的な論理として維持されていないことは、先ほどの国民の皆さんにも御覧いただきましたこのフリップが文字どおり証明しているわけでございます。下の灰色の部分の平和主義のその法理というものを、解釈の指針というものを切り捨てているんです。つまり、基本的な論理を維持したと言いながら、基本的な論理でも何でもないわけでございます。 つまり、申し上げたいことは、安倍総理がやったことは、これはもう法令解釈なんかではないわけでございます。何なんでしょうか。日本の法秩序を根底から覆すクーデターです。機関銃は撃たれていない、戦車は走り回っていない。しかし、日本の最高法規である憲法がその中身から、根底から変わってしまって、絶対許されることのなかった、そして憲法の平和主義とどう考えても矛盾する、義務教育の子供たちにも説明ができない、その集団的自衛権が解禁されているんです。こんなことを許したら、もう我が国は法治国家として成り立たなくなります。憲法九条すらこんなに解釈変更ができるんであれば、憲法のほかの条文、いつでも時の内閣と多数を持つ国会で解釈の変更ができることになります。こんなことを絶対に許してはいけない。 それを防ぐために、我々は、国会議員は死に物狂いで闘いました。それを安倍総理がじゅうりんしたという、日本の議院内閣制、民主主義を否定したことについて追及をさせていただきます。 このフリップを御覧いただけますでしょうか。質問いたします。七月一日の解釈変更の前の、御覧いただけますか、昨年の六月の十一日です。六月十一日の、この良識の府の参議院の憲法審査会、憲法問題を扱う憲法審査会において、私は役員、責任者ですけれども、自らこの条文を書きました。安倍総理の解釈改憲を国会の力で阻止するための委員会の決議文を成立をさせているわけでございます。恐れ入りますが、自民党や公明党の皆さん、これは容易に賛成していただけないものでございます。しかし、様々な政治闘争を駆使させていただきまして、自民党や公明党の皆さんにも賛成いただいて成立した、まごうことなき国権の最高機関の決議文です。 赤い文字を御覧ください。政府にあっては、憲法の解釈を変更しようとするときは、当該解釈の変更の案、青い部分ですね、について、下の赤、事前に国会での審議を十分に受けることというふうに書いてあります。憲法解釈の変更の案とは何でしょう。 安倍総理は、閣議決定だけで憲法解釈を変えるのは立憲主義の否定ではないかという質問に対して、いやいや、七月一日以前に七十名の国会議員から質問通告を受けましたというようなことを言っています。そんなものは議院内閣制の内閣に対する国会の監督にはならないんです。我々国会は、例えば法案を審議するときは、法律のイメージなんかでは審議しないんです。法律の条文、一言一句、すなわち、七月一日に安倍総理が強行したこの閣議決定の案文を事前に国会で審議して初めて国会の監督が成り立つんです。だから、私は、これを書いたのは私です、解釈変更の案、この七月一日の閣議決定の案そのものを国会に出して審議しろというふうに決議文で成立をさせたわけでございます。そして、緑色の、憲法解釈の原則は、先ほど安倍総理が答えられなかった、国民の皆さんと一緒に検討させていただいた、まさに憲法解釈のルールの適合性でございます。 安倍総理に伺います。 七月一日、安倍総理が強行した、まさに強行ですよね、附帯決議を真っ正面から違反したのは、日本の議会政治、戦後の議会政治で初めてのことでございます。私は元霞が関の官僚ですけど、初めてのことです。安倍総理が七月一日に強行した解釈改憲は、議院内閣制を否定し、ひいては、我々国民代表の背後にいらっしゃる、後ろに、我々を選んでくださっている主権者国民を否定するそうした暴挙、蛮行ではないですか。明確に答弁ください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当然、附帯決議は尊重させていただいていると思います。
○小西洋之君 どこが尊重しているんですか。事前に憲法解釈の変更の案、この閣議決定そのものについて国会で十分な審議を受けろ、その際には変更の適合性について、解釈の原則への適合性についてちゃんと審査を受けろと書いているのに、全く反対しているじゃないですか。矛盾しているじゃないですか。 もう一回聞きます。議院内閣制をじゅうりんし、国民を無視した、主権者国民を無視し、そして主権者国民のものである日本国憲法をじゅうりんしたと正面から認めたらどうですか。どうぞ。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) じゅうりんもいたしておりません。何回も申し上げておりますように、基本的な閣議決定の方向性については何回も国会で御審議をいただいているわけでございます。 そして、そもそも、例えば、長い間確定してきた政府の解釈の四十七年の見解につきましては、閣議決定そのものをしていないわけでございます。今回は変更の重要性に鑑み、しっかりと閣議決定をしたところでございます。
○小西洋之君 安倍総理は、昭和四十七年見解と違って七月一日の解釈変更は閣議決定をしたからいいというふうに言っています。これは、安倍総理が議院内閣制の意味、全く分かっていないことの証明以外の何物でもございません。 主権者国民との関係でいえば、閣議決定なんかどうでもいいんですよ。閣議決定は行政の中の手続にしかすぎないんですよ。主権者国民の関係で一番大切なのは、唯一の国民代表機関である我々国会が内閣をちゃんと監督できたかどうかなんですよ。内閣を監督するためには、今おっしゃった七月一日までの訳の分からないような答弁だけでは監督はできないんです。具体的な、どういう文言、論理に基づいて解釈の変更を加えるのか、この閣議決定の案そのものを国会で審議を受けろというふうに言っているんです。 なぜこんなことが起きているんでしょうか。憲法を何も分からない安倍総理と、それを支える外務官僚を中心とした狂信的な官僚集団がこういうことをやっているんです。 安倍総理にもう一度伺います。 議院内閣制をじゅうりんして、国民を否定して、憲法を解釈を変更したというふうに認めませんか。
○委員長(岸宏一君) 岡田広君から、ただいまの小西洋之君の発言中に不適切な言辞があるとの御指摘がありました。 後刻理事会において速記録を調査の上、適当な処置をとることといたしますが、小西君、十分その辺をお気を付けて御発言願います。 小西洋之君、もう一回どうぞ。
○小西洋之君 国民の皆さんを思うことと日本の法の支配を思うことの余り、今不適切な発言がありましたのでしたら、それはおわびを申し上げさせていただきたいと思います。 しかし、今問われなければいけないのは、安倍総理が犯した暴挙でございます。このことを国会で我々は追及しなければいけない。ゴールデンウイーク明けに安保法制といったって、そんな問題ではないです。 委員長に申し上げます。国権の最高機関の委員会として、この附帯決議の違反について、しっかりと委員会で審議を行うこと、そしてその内容について国民にしっかりと説明をすることをお約束、検討いただきたいと思います。
○委員長(岸宏一君) 後刻理事会において協議いたします。 それでは、安倍内閣総理大臣。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 小西委員、もう少し冷静になって議論をした方が私はいいと思いますよ。相手にレッテルを貼ったりとか、誹謗中傷をする場所ではございませんから、お互いにちょっと落ち着いて、相手をどんどん指さしたりとか、そういうことをするのはお互いにやめた方がいいと、このように思う次第でございます。 その上においてお答えをさせていただきたいと、こう思うわけでございますが、言わば閣議決定は何の意味もないということをおっしゃった。それはそんなことはございません。まさに我々は議院内閣制であります。国民によって選ばれた議員によって構成されている内閣の閣議決定が重たいのは当然のことであろうと、このように思うわけでございます。 その上において、しっかりと御審議をいただき、そして我々は政府の責任として閣議決定を行いました。この閣議決定にのっとって、我々は今、法の整備に向けて議論を重ねているところ、与党において議論を重ねているところでございますが、この安保法制の整備について与党の協議が成り立った段階においてしっかりと法案を提出をさせていただきたい、そして当然、衆議院、参議院において御議論をいただきたいと、こう思っているところでございます。
○小西洋之君 先ほど申し上げましたように、閣議決定が一番大切なのではなくて、確かに一番大切な行政内部の手続ですけど、主権者国民との関係で一番大切なのは、唯一の国民代表機関である我々国会が、主権者の国民の持ち物である憲法の解釈の変更、内閣による解釈の変更をちゃんと監督できていたかどうかなんです。監督するための国権の最高機関の決議をあなたは完全に無視したんです。それが問題なんです。 国民の皆さんに申し上げたいと思います。もう恐るべきことが今、日本社会の中で進行をしています。それを止めていただけるのは国民の皆さんしかございません。我々民主党も、今、安保法制、私もそのメンバーに入っておりますけれども、国民の皆さんと日本の国益を守る安保法制、そして何より日本の憲法をしっかりと守る、そうした安保政策を進めさせていただくことをここに宣言をさせていただきます。 最後に一言だけ申し上げさせていただきます。 最後に、重要なことです、大事なことなので御説明だけさせていただきますけれども、安倍総理は、これやはり国民をだましていることなんですけれども、集団的自衛権をしないと日米安保が壊れるというふうにあおり立てています。しかし、日米安保条約第三条において、これは外務省のホームページの解説にも書いていたことでございますけれども、日本はアメリカのために集団的自衛権を行使しなくていいと実は書いてあるんです。もちろん、条約改正されていませんから、この条約は今も生きてございます。 こうした問題についてもしっかりと御指摘させていただき、安倍政権を打倒することを国民の皆さんにお約束をいたしまして、私の質疑とさせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で小西洋之君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、大塚耕平君の質疑を行います。大塚耕平君。
○大塚耕平君 民主党・新緑風会の大塚耕平でございます。 まず冒頭、チュニジアのテロで犠牲になられた日本人の皆様方、御冥福をお祈り申し上げますとともに、けがをされた方、御家族の皆さんにもお見舞いを申し上げます。断じて許されないテロ行為であり、我が国はしっかりとテロと対峙をしていくというこの思いを共有をさせていただきたいと思います。 そういう思いの中でこの安全保障に関する法律等の審議も行わさせていただきますが、国民の皆さんの安全のためと考え行う対応が、結果としてかえって国民の皆さんの安全を害したり、あるいはその潜在的リスクを高めるということにならないよう、論理的、理性的な対応を図っていかなければならないと、そういう思いで、総理には是非真摯に議論に応じていただければ幸いでございます。 まず、一枚目の資料を御覧いただきたいと思います。(資料提示) これはもう昨年、委員会でも使わせていただきましたが、私どもは国民を守るというその目的には当然賛成でございます。この場内にいらっしゃる全ての党の議員の皆さんはその目的は共有していますから、私も賛成です。 しかし、どのように守るかということに関しては、先ほども申し上げましたが、その守り方によって結果としてかえって潜在的リスクを高めることのないように細心の注意を払わなくてはならないという意味で、若干考え方にはそれぞれの立場で違いがあると思います。ただし、今、小西議員の熱い思いも聞いていただいたと思いますが、決め方に関しては疑義がある、私どもはそういう立場でございますが、今日は、その内容、どうやって守るかということに関して更に議論を詰めさせていただきたいと思います。 今日、与党の皆さんが正式決定されると言われている取りまとめ案、当然、出回っておりますので、私も拝読をさせていただきました。その上で幾つか議論をさせていただきたいんですが、しかし、私どもの手掛かりは、昨年七月一日の閣議決定と今日正式に決定されるこの文書の二つしか手掛かりは公式にはございません。この間、どういう展開であったかということをまず簡単に認識を共有させていただきたいと思います。 歴代の内閣は、個別的自衛権の適用可能範囲を拡大することで現実の課題に対応してきた。それは皆さんのお手元の資料の二枚目、これもこれまでの委員会で使わせていただいております。しかし、今回は初めから集団的自衛権を使えるようにするという結論があり、その理屈を付けるためにいろいろと工夫をしていらっしゃったわけでありますが、法理上無理なことを可能にしようとしているので、要所要所で論理的に矛盾する表現や考え方が示されていると、私どもはそう思っております。 例えば、昨年の閣議決定後の総理記者会見で総理は、現行の憲法解釈の基本的考え方は、今回の閣議決定においても何も変わることはありません、憲法が許すのは、あくまでも我が国を守るための自衛の措置だけですと述べておられます。何も変わらないなら何もしなくていいはずでありますが、この表現も非常に矛盾を部分的には抱えておられます。 この論理矛盾に対応するためにこのようにもおっしゃっておられます。今回使えるようにする集団的自衛権はあくまで我が国の存立を守るためのものであるという説明を繰り返されました。その結果、自国のための集団的自衛権という不思議な概念、考え方が導き出されたわけであります。国際法上は、集団的自衛権はあくまで他国が直面している紛争や戦争に参画し得る権利であり、自国のための集団的自衛権という考えは、これはやはりなかなか難しい考え方だなと思います。しかし、それを新三要件の中に盛り込んで解決しようとされたわけであります。 三枚目の資料を御覧いただきますと、これも二月二日の委員会でお示しをさせていただきました。前回の議論では、密接な他国に対する武力攻撃の定義に関連し、米国の先制攻撃によって始まった戦争であっても、要件を満たせば集団的自衛権を行使して参画する可能性があることを否定はされなかった。これについては、この場で質問させていただいていた私としても大変驚きでありました。 これは、武力行使の定義についても、皆さんのお手元の四枚目の資料を御覧いただければお分かりいただけると思います。 その後の与党協議に関する報道や国会質疑、あるいは今日正式決定されるこの与党の皆さんのペーパーの内容によって更に分かってきた部分や矛盾がありますので、その点について質問させていただきます。 資料の五番目を御覧いただきたいと思います。 そこでお伺いいたしますが、この資料の五枚目は、参議院や衆議院の答弁、とりわけ、直近の衆議院の総理と内閣法制局長官の国会答弁に基づいて整理をさせていただきました。国際法上の違法性阻却事由を満たせば、さらに新三要件を満たす場合には、政府の判断によって武力行使が可能ということで、従来はバッテンだったところが、全面的ではありませんからマルではないんですが、三角になった。武力行使が認められるケースという資料であります。皆さんのお手元は五枚目になります。 まず、横畠法制局長官に伺いますが、長官は、国際法上の違法性阻却事由を満たさなければならないということ等もおっしゃって、累次にわたり説明をされております。この整理で大体間違いないですね。まず、そのことを確認させてください。議論の土俵を整えたいと思いますので。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 憲法第九条の下で我が国としていかなる場合に武力の行使ができるのかという、その国内法上の問題と、国際法上、ある国の、我が国を含めてでございますけれども、武力の行使が適法である、つまり違法性阻却事由を備えるかということは法的には別の問題であるという整理をしております。
○大塚耕平君 つまり、この違法性阻却事由にはこの三つがあるということは長官御自身が答弁されておられますので、この三つのうちどれかに当てはまればまず国際法上の違法性阻却事由は満たす、その上で、ピンクの三角のところを行うためには新三要件を満たさなければならないと、こういう論理構成で組み立てておられるなということは大体理解できました。 その上で、今日決定される与党の皆さんのペーパーを見ると、国連決議がない場合のいわゆる有志連合の武力行使にも参画することがあり得るとされておりますが、そのような方向で検討しておられるのか、総理にお伺いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まだ正式に決定を、与党で正式に決定をしておりませんので、まだ検討中ということで、それを前提に答弁をさせていただきたいと思います。 憲法上武力の行使が許されるのはあくまでも新三要件を満たす場合に限られるわけでありまして、これは国連決議の有無に関わりがないわけでございます。その上で申し上げれば、政府は従来から、武力行使の目的をもって武装した部隊を他国の領土、領海、領空へ派遣するいわゆる海外派兵は、一般に自衛のための必要最小限度を超えるものであって憲法上許されないと、こう解しているわけであります。 この考え方は新三要件の下でも全く変わらないわけでございまして、自衛隊が武力行使を目的として、かつての湾岸戦争やイラク戦争での戦闘、すなわち敵を撃破するために大規模な空爆や砲撃を加えたり、敵地に攻め入るような行為に参加することは明らかに自衛のための必要最小限度を超えるものであると、すなわち新三要件を満たすものではなく憲法上認められないと、このように考えております。
○大塚耕平君 今回の与党の皆さんの、これから決定される、まだ正式決定じゃないということは重々理解しておりますが、このペーパー拝見すると、この違法性阻却事由の特に三番目、安保理決議、つまり国連決議に対応する部分について、国連決議に基づくものであること又は関連する国連決議等があることという表現が出てくるんですが、つまり何か紛争が起きたときに、まさしくそのことに焦点を当てた安保理決議であればこれまでの九〇年代からの流れで私も理解できるんですが、関連する国連決議等で違法性阻却事由を満たすというこの論理構成はちょっと理解ができないんですが、この関連する国連決議とは何を想定しておられますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今私どもが検討しておりますのは、今、違法性阻却という中に、先ほど法制局長官から答弁をさせていただきましたが、国際法上違法であるということ、そしてまた憲法上これは合憲であるかどうか、これは別でございますが、国際法上これは違法である、阻却事項であるということについては、これは当然のことであります。 その上において、我が国の憲法上合憲であるかどうかという中において三要件に当てはまるかどうかということがこれは議論になるわけでございますが、その国際法上、言わば我々が違法なことをやるということはそもそもあり得ないということでございます。
○大塚耕平君 いや、総理は、これから与党の皆さんが決定されるこのペーパーに、国連決議に基づくものであること又は関連する国連決議、実は更にその後に等と付いているんですね、関連する国連決議等、こういう表現が入っていたことはまず御存じでしたか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今指摘をしておられるのは、これは武力の行使とは関わりなくPKO活動についてですから、これはそもそも武力の行使をいたしませんから、そもそもこの武力行使が違法性がないという、とは関わりがなく、言わばPKOの中において国連の決議があるもの、関連決議があるものということで整理をさせていただいているところでございます。
○大塚耕平君 それは理解をしております。(発言する者あり)後ろで自衛隊出身の佐藤議員もPKO、PKOと言っておられるんで。佐藤さん、理解しています。 つまり、冒頭私が申し上げました良かれと思って今回対応することが、結果として国民の皆さんの潜在的リスクを高めないかということですから、この部分はPKOだということも理解しておりますが、しかし、例えば自衛隊法九十五条等の武器使用等の見直しもしますし、それから任務遂行のための武器使用も認めることになるし、様々今までと違うことが起こり得ますので、そうすると、PKOで自衛隊員の皆さんを派遣したとしても様々なリスクにつながっていく可能性があるから、じゃ、PKOに派遣する前のこの関連する国連決議等というのは一体何を想定してこの一文を入れられたのかということを伺っているわけです。
○国務大臣(中谷元君) 現在、PKO活動、世界で実施されておりますが、日本はこのPKO活動に参加して二十年近くになるわけでございます。日本なりの原則を持ってPKO法を作り参加をいたしておりますが、このPKOの活動実施状況を見ますといろいろな形態がございます。また、PKO以外にも国連の関与するような活動もございますし、ここで指摘をするような決議等がある活動もございますので、こういった国際的な活動において参加する場合に、そういった国際的な正当性を念頭に今与党で議論をしていただいているということでございます。
○大塚耕平君 多分皆さん御理解いただいているとは思いますが、例えば今のISILの問題に対しても、国会でも明らかになりましたが、日本は有志連合に参画しているということが外務省のホームページに明示されているということが明らかになりました。つまり、ISILの問題に関しては、あの有志連合、日本はもちろん武力行使として参画するとか現地に行くとかということは言っておりませんけれども、つまり、国連決議、従来、九〇年代から今日にかけて我々が考えていた安保理決議よりもっと柔らかい根拠によってそういう事態に足を踏み入れる可能性がある表現になっているから伺っているわけでありまして、これから与党の皆さんも御議論されて法制化されるわけですから、総理は是非こういう着眼点もあるということを踏まえて御対応いただければ幸いですが、もし御答弁があれば。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) PKO活動そのものとPKOの類似行為として行うものがございます。ほとんどPKO活動と同じでございますが、国連の正式なPKO活動ではない場合もあるわけでございまして、そうしたことを想定しながら今議論をしているところでございます。 いずれにせよ、PKO五原則あるいはPKO五原則に類似するという原則を当てはめていくことになるんだろうと、このように思っております。
○大塚耕平君 今申し上げた点も含めて、今回皆さんが御検討されているその内容について、だんだん何が問題かということが私なりには三つに絞られてきたなというふうに思っております。もちろん、手続がそもそも憲法に則していないんじゃないかと、この大問題はありますよ。しかし、これはちょっとおいておいて、六枚目のパネルを御覧いただきたいんですが、集約するとこの三点だと思っております。 先般の武力攻撃、武力攻撃事態等の定義をめぐって、どれにも当てはまらないんじゃないかというところから、どうも新事態に対応するという、その新事態、存立危機事態という新しい概念をつくられておりますけれども、これは一体どういう基準で認定されるのかということなんです。どういう基準で認定されるのか。 そこで、昨年七月一日の閣議決定の記述にもあり、今日正式決定されるであろう与党の皆さんのペーパーにも入っている表現をもう一つお伺いしたいんですけれども、我が国の防衛に資する活動とありますけれども、我が国の防衛に資する活動、我が国が直接武力攻撃をされて防衛するわけではなくて、我が国の防衛に資する活動とは、定義は何でしょうか。総理にお伺いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 現行自衛隊法においては、自衛隊の部隊に対して武力攻撃に至らない侵害が発生した場合、我が国防衛のための重要な手段である武器や装備品を防護するため、極めて受動的かつ限定的な必要最小限度の武器の使用権限が認められています。これは先ほど委員が例として挙げられた自衛隊法の九十五条に基づく武器等防護と呼ばれる権限でございます。 現在、防護対象は自衛隊の武器等のみでありますが、米軍が自衛隊と連携して我が国の防衛に資する活動に現に従事している際に米軍に対して武力攻撃に至らない侵害が発生した場合には、日米が緊密に連携して切れ目のない対応をすることが我が国の安全の確保にとっても重要である、したがって、このような場合には自衛隊が米軍の武器等を防護できるよう、現行の自衛隊法の考え方を参考にして法整備を行う方針でございます。 我が国の防衛に資する活動に当たり得る活動としては、現時点において、例えば、我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態に際して、当該事態の拡大を抑制し、又はその収拾を図るために行われると認められる活動、そして、平素から我が国の防衛の実効性を確保するために行われる情報収集、警戒監視活動や、我が国の防衛に必要な能力の向上を目的とする共同訓練などがこれに該当するのではないかと考えられます。 政府としては、引き続き、野党と御相談しながら検討を深めていきたいと考えています。
○大塚耕平君 是非検討を深めてほしいんですけれども、どのような活動が我が国の防衛に資するかというのは、これは政府の判断になっちゃいますので、新事態に対応するというのが、政府の判断で何にでも対応できるという潜在的リスクを抱えているんではないかという観点から申し上げています。 ついでに、皆さんがこれからおまとめになる文書の中には、この武力攻撃に至らない侵害への対処として、我が国の防衛に資する活動に現に従事する米軍の武器等、ここに米軍以外もやがて入ってくるどうも様子でありますけれども、これに自衛隊の部隊による防護を可能とすると。その前段に自衛隊法九十五条の趣旨を踏まえつつと書いてありますが、防衛大臣、九十五条の趣旨というのは何でしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 我が国を防衛するための重要な手段である武器又は装備品を防護するための、この必要最小限度の武器を守るための武器使用権限でございます。
○大塚耕平君 いや、防衛大臣、ちょっと違うんですよ。 九十五条の趣旨というのは、九十五条は刑法三十六条と三十七条の場合以外は人を傷つけてはならないと書いてあるんですが、刑法三十六条と三十七条は何ですか。
○国務大臣(中谷元君) 正当防衛と緊急避難ではないかと思います。
○大塚耕平君 そのとおりなんです。 だから、皆様方は、九十五条の趣旨を踏まえつつ、我が国の防衛に資する活動に対しては対処すると書いていただいているので、そこは私、評価している部分なんですよ。正当防衛と緊急避難の場合以外は、我が国の防衛に資する活動に現に従事すると政府が認めたとしても、それらの米軍の武器等については刑法三十六条と三十七条の場合以外は我が国は武器を使用しないと、こういう理解でいいですね。
○国務大臣(中谷元君) これは現行法の自衛隊法九十五条に書かれているわけでありまして、これは我が国を守るために、自衛隊の装備、武器、これは必要なものでございますので、これを守るということは必要でありますが、その際に御指摘の件があるのではないかと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、中谷大臣から答弁させていただいたんですが、基本的に、先ほどおっしゃった条令についてはこれ危害要件でありまして、危害を加えてもいいということでございますが、さらに、武器等防護の場合は威嚇射撃等々も行いますので、この九十五条において行う行為として、武器の使用としては、威嚇射撃等言わば危害を加えないものについてもできるということでございます、ということも行うことがあると。危害要件について先ほど御指摘があったわけでありますが、この危害要件についてはそうでありますが、それ以外についても行うことができるということではないかと思います。
○大塚耕平君 総理、大変大切なことを皆さんは変更しようとしておられるので、だからこそ、繰り返しですが、変更した結果、国民の皆さんの潜在的リスクがかえって高まるならば本末転倒ですから、だから、今のところなんか非常に重要なところですから、秘書官のサポートを受けられるのはそれは結構なことかと思いますけど、一番大事なところですから、逆にもうここは、総理が九十五条も改正すると言っているわけですから、九十五条のこの今の部分は絶対に変えないというふうにここでちょっと宣言していただけませんか。最高権限者ですから。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) こうした言わば安全保障の議論をする上においては、言わば政策上の必要性というものも当然考えながら議論をしなければならないわけでございますが、そこで、先ほど様々大塚委員が指摘をされておられましたが、では、起こり得ることが全部想定できるかといえば安全保障上は想定できないわけでありまして、想定できないことに対しましても対応していく、想定外だったということは許されないわけでございまして、そこで我々も国民の命と幸せな暮らしは守り抜かなければならないという考え方の下に法を整備していくわけでございますが、常に様々な出来事が起こり得る、そういう状況に対応しなければならないという観点から行っている。 あと、抑止力という意味もあるわけでございまして、日米は同盟国であり、米国は日本を安保条約の五条によって守っていくという義務を負っているわけでございまして、その中において共同訓練等々も行っていく。 先ほど申し上げましたような活動も行う中において、そうした事案が発生した場合にどう対応していくかということについて、今までは自衛官のみを守る武器等防護であったわけでありますが、この武器等防護のまさに目的の上において自衛隊だけではなくて米軍も守る必要があると、こう考えたわけでございまして、そして、危害を加える、例えば危害射撃等についておっしゃったんだろうと、こう思うわけでございますが、その危害要件を阻却する、危害要件を満たす上において、今までの基本的な考え方については、今度は米軍あるいは先ほど申し上げました様々な活動に対して必要な場合、そういう場合にどう対応していくかということについて今まさに議論が行われているところでございまして、今私がこの政府・与党においてどういう決定をしていくかということを今ここで決定的なことを申し上げる、今まさに与党において議論をしている最中でございますから、そこで私は最終的なことを申し上げるわけにはいきませんが、基本的には九十五条の趣旨にのっとって必要な改正を行っていきたいと、こう考えているところでございます。
○大塚耕平君 最後に一番大事なことをおっしゃったんですね。まあ、趣旨を踏まえてやってください。 それで、そうすると、報道で出ていること、それからこのペーパーに書かれていることはもう大分分かってきていますので、通告した質問も効率的に消化させていただきたいと思うんですが、そうすると、この我が国の防衛に資する活動についても地理的制約はないというふうに考えていいのかという点。 そして、周辺事態確保法もこれは改正すると承っております。それから、自衛隊の海外派遣に関する恒久法も作ると承っております。それから、邦人の輸送だけじゃなくて救出も対応可能にするというふうに承っておりますので、これらは全部、大体皆さんの方向性は理解はしておりますので、その上でお伺いしますが、法制局長官、我が国の防衛に資する活動、これには地理的制約がないという理解ですね。もうこれまで新三要件の第一要件については地理的制約はないという答弁を衆議院でしておられますので、当然これについても今後検討される過程では地理的制約がないという理解でいいですね。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) まずは、その自衛隊法第九十五条に基づきます……
○大塚耕平君 地理的制約。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 防衛に資する活動、九十五条の議論におきまして自衛隊以外の米軍等の武器等の防護の在り方について議論がされていると承知しておりまして、その中で我が国の防衛に資する活動という考え方が示されております。 九十五条そのものは、先ほどお尋ねのありましたその新事態とは直接関係はございませんで、言わば平時における武器等を防護すると、そういう権限でございます。自衛隊の場合におきましては、自衛隊が存在して武器等を持っている限り地理的制限は全くございません。平時の権限でございまして、戦う権限ではございません。 これを米軍等の武器等を防護するということになりますと、それはやはり我が国の防衛に資する、そういう活動に現に従事している米軍等の武器等という制約が必要であろうというふうに解しております。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、大塚委員が聞かれたのは九十五条ということではなくて、地理的概念ということだろうと思います。地理的概念について言えば、例えば集団的自衛権の一部を容認する中において行使するということについての地理的概念もございますし、周辺事態安全確保法に関わることもございます。あるいは、その他の後方支援等に関わること等々がございます。 その地理的概念の整理につきましては、まさに今与党において議論をしているところでございまして、法案を提出をさせていただく際にそれぞれお答えをさせていただきたいと、このように思います。
○大塚耕平君 いや、まさしく今日方針を決めてこれから法案を作るので、例えば今申し上げたような点が大いに懸念されるということを理解していただいて、この後、適切に対処していただければ、それはそれで結構だと思いますよ。だから、新事態というものの認定が政府の裁量に委ねられるという点、それから地理的制約はないということがだんだんはっきりしてきた点、そして他国軍支援、武器使用等が基準が拡大される、これはPKOでもそうです、武器使用に関しては。だからさっきの質問を申し上げたんです。 そこで、他国軍支援ですね。我が国の防衛に資する活動に現に従事する米軍の武器等についても自衛隊の部隊による防護を可能とするという、この新たな任務は、防衛大臣、自衛隊法三条の主たる任務になるんですか、従たる任務になるんですか。
○国務大臣(中谷元君) それも踏まえて、今与党で検討をいたしております。
○大塚耕平君 いや、防衛大臣、ここも──ちょっと秘書官、今質問するんで邪魔しないで、後ろで。 大事な点ですよ。多分、このまま私たちが指摘をしないと、我が国の防衛に資する活動とか、皆さんの文書には、それらの米軍の武器等は我が国の防衛力を構成する重要な物的手段に当たり得る場合という、こういうことも書いてあるんで、これ、ここで指摘しないと、自衛隊法三条の本来任務のうちの主たる任務に皆さんは当て込む可能性があると思うから今ここで質問をしているんです。 やはり、いかに我が国の防衛に資するといっても、他国軍の武器等を防護する任務を主たる任務に規定してしまっては、これは、総理のずっと言っておられる必要最小限の集団的自衛権の行使から踏み出す可能性があるので、ここについては十分に理解をして御対応をいただきたいと思いますが、もし、総理、コメントがあったらしてください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、九十五条についての改正については、これはそもそも武力の行使ではございませんから、この新三要件とは関わりがないということでございまして、武器の使用に際して先ほど議論をさせていただいたところでございます。 と同時に、言わば今までの武力行使と一体化しない形における後方支援についての新たな整理、今度は戦闘現場では行わないという整理を行うわけでありますが、これはまさに、これも武力行使ではなくて、言わば一体化しない形における後方支援ということでございます。そしてさらには、PKO活動等々あるいは邦人救出のための自衛隊の武器の使用についての議論がなされているわけでございまして、その中において、他国軍隊の武器等を守るということでございますが、それは、まずは武力の行使ではない形での九十五条の形においての言わば武器等防護について議論をしているわけでございます。 そして、集団的自衛権の一部行使容認につきましては、これはまさに三要件に当てはまるか当てはまらないかという観点から議論を行っているということでございます。
○大塚耕平君 総理もおっしゃるように、冷静に論理的にこれ議論をしていかなくちゃいけませんので、もちろん皆さんが今日まとめられる武力の攻撃に至らない侵害への対処という項と、五番目に掲げておられる憲法九条の下で許容される自衛の措置、これは分けてもちろん私も考えていますよ。考えていますが、そこは混然一体となる可能性があるから指摘を申し上げているんです。 ちなみに、先ほど、この委員会質疑に入る前に、私、内閣府の副大臣のときにお仕えした亀井元大臣から電話が入って、大塚君、これから国会審議するのかと、安倍さんに伝えてくれとおっしゃっておられました。つまり、この問題は相手国がどういうふうに見るかということを理解しながら組み立てていかないとかえって国民のリスクを高めるぞと、よく安倍さんにお伝えしておいてくれとおっしゃっていました、多分、今テレビを見ておられると思いますけれども。つまり、後方支援といって、今までより、より戦場に近い地域に入ったり、あるいは兵たん補給、武器も含めて協力するということは、相手側から見るとこれは完全に武力行使と一体化しているというふうに見られるので、自分たちがどう考えてどう整理するかではなくて、相手側がどう考えるかということに力点を置いて考えてくれと、よくお伝えしておいてくれとおっしゃいましたので、今お伝えしました。 その上で、法制局長官、停戦前の機雷除去は武力行使に当たりますね。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 当たります。
○大塚耕平君 法理的に無理なことを初めに結論ありきで組み立てようとしているので、いろいろ論理矛盾がある表現や考え方を駆使されているというふうに冒頭申し上げました。 次のパネルを御覧いただきたいんですが、この二つの表現は、どちらも衆議院での国会答弁で、総理も法制局長官もなされているものであります。停戦合意はなされていないけれども、ホルムズ海峡等において機雷を除去することはあり得る、もちろん新三要件に該当する場合ですよ。一方、武力の行使の目的を持って武装した部隊を海外に派遣することはない、それは憲法上許されないと、こうおっしゃっておられるんです。 停戦前の機雷除去が武力行使だというふうに今明確に認められましたので、このどっちかの発言を撤回してください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これはまさに、先ほど法制局長官が答弁をさせていただいたように、武力の行使と見られる、これは国際法上に武力の行使と見られるということにおいては、これは停戦合意がなされていなければ武力の行使となるわけでございます。 そして、この下の段でありますが、これは我々、そこで、私はその際にも答弁をしておりますが、まさにここに書いてあるわけでありますが、武力行使の目的を持って、武装した部隊を他国の領土、領域、領空へ派遣することは、一般に自衛のための必要最小限度を超えるということでありました。これは、言わば一般における海外派兵は禁止されていると、こう申し上げたわけでございます。 他方、機雷の掃海というのはまさに限定的、そして受動的な行為でございます。そこにまかれた機雷、まさに危険を除去するという行為でございますが、しかし、これは国際法上は武力の行使と、こう判断される中において、我々は三要件に当たる可能性があるのではないかと、こう考えたわけでございます。 一方、言わば空爆を行う、多数の部隊を陸上に派遣して攻撃を行うということはまさに三要件の中の必要最小限度を超えると、こう判断しているものでありますから、それには当たらないということでございます。 あくまでも三要件がこの憲法との関係においては当てはまるということが大切であろうと、こう考えているわけでございますから、それはこの一番も二番も、両方ともこれは相矛盾しない。これを二つとも併せて考えていただきたいと、こういうことでございまして、二番目に言っているのは、まさに、言わば一般的に考えられる武力行使を目的として、つまりそれは、部隊を陸上に派遣して他国の部隊を撃滅をする、あるいはまた空爆を行うと、こういう最初からこうした武力の行使というか戦闘作戦行動自体を目的として行うものではないということは、もう今まで何回か申し上げてきたところでございますが、機雷の掃海についてはまさに限定的であり、受動的であるので、この最小限度を超えないと、こう考えているところでございます。
○大塚耕平君 国際法上はこうであるけれども、私たちはこう考えるという説明を一生懸命されておられるんですが、それは国際法上は通用しないんですよ。 だから、集団的自衛権全体についても、集団的自衛権というのは他国が巻き込まれている紛争や戦争に対して参画をする権利ですから、自国のための集団的自衛権、我が国の防衛に資するときには限定的に集団的自衛権を行使するという概念も国際法的にはおかしいし、それから国際法上は、停戦前の機雷除去は相手の武器を破壊しているのと一緒ですから、相手側から見たら武力行使になるので、したがって、武力行使の目的を持って部隊を海外に派遣しないと言うなら、これはできませんねと聞いているわけで、論理矛盾していますので、どちらかを撤回してください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、大塚委員、まさに国際法上の概念においてと憲法上の概念がございます。そして、言わば国際法上はまさに集団的自衛権の権利は我が国は持っている、これは従来からそう申し上げてきたところであります。しかし、行使においては憲法上認められていないというのが我が国の考え方でございました。 つまり、国際法上、集団的自衛権の行使は、これは世界各国から認められておりますし、日本はその権利は持っているんです。これはもう日本の今までの憲法解釈でもそういう立場を取っている。しかし、行使においてはそれが認められていないんだという解釈を、全て行使は駄目ですよ、それは憲法上です、憲法上駄目だという解釈を取ってきたわけでございます。 そこで、今日、我々の新たな憲法解釈としては、そもそも持っている国際法上の概念の中において、憲法上禁止されていると言われていた言わばこの機雷掃海等々も含めて、これは言わば、新しい三要件の中において、今までの……(発言する者あり)済みません、後ろから大きな声を出すのはやめていただけますか。いや、後ろから、後ろからバックベンチの方、委員でもないのに。よろしいでしょうか。答弁している間にああいう声を出されると答弁がやりにくいものですから。よろしいでしょうか。 そこで、言わば……(発言する者あり)これ大切なことなんですから、これは国際法と憲法との関わり合いについて説明をしていますから、これちゃんと整理をして冷静に答弁をさせていただきたいと思います。 そこで、言わば国際法上許されている行使について、我が国は憲法上許されていない中において行使できるものがあるのではないかと。そして、それは、国民の命と幸せな暮らしを守るための中において、それは行使を行うことができるものがあるのではないかという考え方の中において、我々は解釈の変更を行ったわけでございます。 そこで、国際法的に見れば、ここにおいても、これは一も二も、権利も持っているし、それは日本以外の国々は行使ができると考えていたわけでございます。しかし、そこで我々は、まさに新たな憲法解釈の変更においては、この上の部分についてはできるという解釈をしたわけでありますが、下の部分についてはできないと、こういうことになったわけでありまして、極めてそれは論理としてはクリアなものではないかと、このように思うところでございます。
○委員長(岸宏一君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十五分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(岸宏一君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 平成二十七年度総予算三案を一括して議題とし、外交・安全保障等に関する集中審議を行います。 休憩前に引き続き質疑を行います。大塚耕平君。
○大塚耕平君 安全保障の問題にまた戻る前に、NHKの会長にお伺いします。 今週の十六日の参議院予算委員会に出席した時点で、会長は私用ゴルフのハイヤー代が業務伝票で処理されていたことを知っていましたか。
○参考人(籾井勝人君) 今月十六日の段階では事務手続の詳細については知りませんでした。 ただ、私は……
○大塚耕平君 それで結構です。 会長は、小川委員の質問に対してそのことを問われて、私は存じ上げません、監査委員が何をしているかということは存じ上げないんですとおっしゃいました。 昨日出た監査委員会の報告書を見ると、監査委員が三月六日に会長に事実確認の聴取を行った、三月九日と十六日にも聴取したと書いてあります。あなたはうそをついていますね。
○参考人(籾井勝人君) うそはついておりません。 私は、今月六日に監査委員から、プライベートなのに協会に請求が来ていると指摘されました。このことで、私的利用分が業務使用分に含まれているのではないかと推察をしました。そこで、十六日の参議院予算委員会では、民主党の小川敏夫委員の質問に対し、ハイヤー代金の事務手続の詳細は承知していないとお答えをしました。また、会社で使っている一部として私の分も入っていたわけでございますとお答えしたものでございます。
○大塚耕平君 ここに議事録があります。私は存じ上げません、本当に監査委員が何をしているかということは存じ上げないんですと、十六日。監査委員会の報告書、監査委員が三月六日に会長に事実確認の聴取を行ったところ、あといっぱい書いてありますけれども、それから三月九日と十六日にも聴取したと書いてあります。監査委員はこの時点で業務伝票で処理されていることを分かった上で聴取しているわけですから、聞いているんじゃないんですか。 委員長、NHK会長の度々にわたる発言の姿勢、そして今の内容、小川委員に対しても失礼でありますし、岸委員長が統括していただいている参議院予算委員会を冒涜するものであります。私は、まず会長に陳謝を求めたいと思います。
○委員長(岸宏一君) これは、ちょっと待ってください。 ただいまの件については、後刻理事会において協議をさせていただきます。
○大塚耕平君 それでは、それは委員長にお預けいたします。 同時に、委員長にお願い申し上げます。 もう、これまでのNHK会長の答弁の内容及び答弁姿勢を見ていると、とても国民として、NHK会長として認めることは私はとてもできない。参議院予算委員会として辞任勧告を御検討いただきたいと思います。
○委員長(岸宏一君) これも、後刻理事会において協議いたします。
○大塚耕平君 是非よろしくお願いします。 その上で、昨日の監査委員会の報告書を見ますと、本来使用者である会長が自署すべき使用者欄に秘書室職員が会長の氏名を記名して提出したと、会長名で休日にハイヤー乗車票が使われた事例はほかにない、あるいは、それは平成二十六年一月から平成二十七年二月までと、こう書かれていますが、NHKに資料要求をしますので、お取り計らいを委員長にお願いしたいと思います。 公務扱いでゴルフをした日はあるかないか、公用車の休日の運行履歴、秘書室職員署名の休日利用のハイヤー乗車票、これらを資料要求したいと思いますので、よろしくお取り計らいください。
○委員長(岸宏一君) 後刻理事会にて協議いたします。
○大塚耕平君 会長に最後に一問だけ質問します。 NHK会長としての交際費、御自分が使っていいタクシー券は認められていますか。
○参考人(籾井勝人君) NHK会長としての交際費については、幾らかはちょっと分かりません。それから、タクシー券は一度も使ったことがございません。
○大塚耕平君 幾らか分からないのではなくて、交際費は認められているというふうに認識していますか。
○参考人(籾井勝人君) 認められておると了解しております。
○大塚耕平君 今日の午前中の衆議院の総務委員会で高市総務大臣は、NHKは放送法七十三条で業務以外に経費を支出してはならないと認識しているというふうに御答弁されました。 NHK会長の交際費も問題であると思いますので、委員会としてこの点しっかり理事会で御協議をいただきたいと思います。
○委員長(岸宏一君) 了解しました。
○大塚耕平君 私は、日本放送協会の略がNHKだと思っていたら、何と恥ずかしい会長、これ略すとNHKですよ。本当にNHK会長には少し反省をしていただきたい、そのことを申し上げておきます。 それから、文科大臣にお伺いします。 文科大臣、大学関係者は言わば大臣の職務権限が時に及ぶわけでございますが、大学関係者等からの寄附金のうち、各方面からの指摘を受けて収支報告書を修正、名義変更した件数は何件で、大学数は幾つでございましょうか。
○国務大臣(下村博文君) 平成二十五年分収支報告書の寄附の名義変更を平成二十六年十一月十八日に行ったと報告を受けております。大学関係者は一件と聞いております。
○大塚耕平君 昨年八月二十八日、三十七年ぶりの医学部新設が行われた東北薬科大学の関係者も参加する形で、九月二十七日に東北博友会が行われております。同大学の理事長も御出席されましたか。
○国務大臣(下村博文君) 出席されました。
○大塚耕平君 医学部等の新学部を認可するというのは大変なこれ権限でございますので、出席されたことが問題があったかどうかは今ここでは私は断定はいたしませんが、そういうことにはより抑制的、慎重であるべきだと思います。どう思われますか。
○国務大臣(下村博文君) その日に初めて来られまして、御紹介受けました。そういうような懸念があるのであれば、十分注意する必要があると思います。
○大塚耕平君 それでは防衛問題に戻らせていただきますが、パネルの八枚目、皆さんのお手元の資料も八枚目でございます。 法制局長官、閣議に許されている権能というのは内閣法に定められていますが、ちょっと御紹介いただけますか。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 内閣法についてのお尋ねでございます。 内閣法第四条には、第一項に、「内閣がその職権を行うのは、閣議によるものとする。」と規定されております。
○大塚耕平君 閣議の権能は、憲法七十三条及びその他の憲法の事項で定められていることというふうに理解をしておりますが、それでよろしいですか。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 内閣の基本的な権能は憲法に定められております。
○大塚耕平君 私が聞き間違いをしたとは思っておりませんが、閣議です。閣議の権能は、憲法七十三条及びその他の憲法の条項で定められていることとありますが、憲法解釈の変更をしていいというのは憲法のどこに書いてあるんでしょうか。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 憲法は、国権のもちろん最高規範でございます。また、九十九条におきましては、「国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」と、尊重擁護義務がございます。 もとより、憲法によって設立されております内閣は憲法を遵守する義務がございまして、その憲法を遵守するためには、正しくその憲法を解釈、運用することが必要でございます。 その意味で、内閣は、内閣としてその責任を持って憲法を解釈するということが必要でございます。そして、内閣としての憲法の解釈を公定するためには、最高の決定手続でございます閣議という方法がございます。
○大塚耕平君 長官、もう一問だけ答えてください。簡単な質問ですよ。 閣議で憲法解釈の変更をしていいという明文規定が憲法の中にありますか。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 明文の規定はございません。
○大塚耕平君 総理もそういう法理構造は御理解の上でやっておられると思いますが、このパネルにありますように、法律の下で、憲法に規定され、そして内閣法の下で閣議があるわけであります。そして、安保条約は、これは現に批准をしている条約ですから、それに対応するように法律は作らなければならない、これは理解できます。しかし、そのガイドラインは、過去の政府答弁によると、これは政府間の政治文書だと言われておりますが。 この日米安保条約は、第三条に、外務大臣、日米安保条約第三条の一番最後のところに何と書いてあるかは御記憶にありますか。条文少ないですからね。前回も二条のところの経済条項は御理解いただいていなかったようですが、三条の一番最後、何と書いてありますか。
○国務大臣(岸田文雄君) 安保条約第三条の一番最後ですが──済みません、失礼しました。こちらでした。最後。憲法上の規定に従うことを条件として維持発展させる。済みません。主語は、締約国は、個別的及び相互に協力して、継続的かつ効果的な自助及び相互援助により、武力攻撃に抵抗するそれぞれの能力を、憲法上の規定に従うことを条件として維持発展させる、そのようになっております。
○大塚耕平君 憲法上求められていることはいろいろありますので、その中のある部分を守るためには、今回の憲法解釈の変更やら安保法制に取り組まなくてはならないという総理の気持ちは理解、理解というか、どういうふうにお考えになっているかというのは想像が付きます。しかし、今申し上げましたように、内閣法や憲法には、閣議が憲法解釈を変更していいということは明文上どこにも書かれていないということや、日米安保条約も、憲法の規定に従うことを条件にこれが結ばれているということは是非御理解をいただきたいと思います。 最後に、もう一つの資料、九枚目の資料、パネルもよろしくお願いいたします。 先ほど自民党の山崎委員も御質問になっておられましたが、文民統制と文官統制について、このところ議論になっております。これはもう既に閣議決定されて提出された法案でありますが、防衛省設置法第十二条の改正に伴って話題になっているんですが、防衛大臣、この文官と幕僚幹部の皆さんの関係は、今御覧いただいている青い方の図かピンクの方の図か、今まではどちらで今後はどちらかということをお答えください。
○国務大臣(中谷元君) その図のいずれも違います。 防衛省のホームページを御覧ください。 この中で統制できるのは防衛大臣でございまして、防衛副大臣、防衛大臣政務官、又は内局の文官、そして事務次官も書かれておりますけれども、彼らの役割は防衛大臣を補佐することでありまして、内部部局の文官が部隊に対して指揮命令をする関係にはないわけでありますので、その図でいえば、それぞれの内局と幕はいずれも横の補佐の関係にありまして、防衛大臣が自衛隊部隊を指揮命令して統率するという関係でございます。
○大塚耕平君 私は、決して青い方がいいというふうに申し上げているわけじゃないですよ。ただ、今回の法改正によって、現行法にあった文言で改正案にない文言があるんですね、重要な文言が。それは、文官の皆さんが幕僚幹部の皆さんの様々な仕事について一般的監督をするという、この文言が消えているんですけれども、その一般的監督をするということは今後は想定しないという理解でよろしいですか。
○国務大臣(中谷元君) 十二条には、それぞれ内局の役割としてそれぞれの業務内容が記されておりますけれども、文官と自衛官の上下関係を定めたものではございませんし、従来から、官房長、局長による政策的見地からの大臣補佐と幕僚長による軍事的見地からの大臣補佐を調整、吻合をするというのが十二条の内局、いわゆる官房長、局長の規定でございまして、それは今までと変わったものではございません。
○大塚耕平君 この点についてはまた詰めさせていただきたいと思いますが、総理におかれては、是非、良かれと思って御検討をしておられる安保法制の見直しが、結果として国民の潜在的リスクを高めることのないように、我が国はどう論理的に整理したかという観点だけではなくて、その整理及びそれに基づく行動が相手国から見てどのように受け止められるかということを重々お考えいただいて、慎重なそして理性的な対応をしていただくことをお願い申し上げて、私の質問を終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で大塚耕平君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、矢倉克夫君の質疑を行います。矢倉克夫君。
○矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。 予算委員会、テレビ入りでの質問は、昨年三月以来、一年ぶりとなります。よろしくお願いいたします。 まず、チュニジアで起きたテロ、日本人を含む尊いお命、犠牲となられました。全く許し難い蛮行であります。犠牲者の方の御冥福と、また被害に遭われた方の一日も早い回復、及び御遺族の方に対してまた心から哀悼の意を表したいと思っております。 総理より、この件、一言いただければと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) チュニジアのテロ事件で三名の日本人が命を落とし、そして三名の日本人が負傷されました。犠牲となられた方々に心からお悔やみを申し上げ、御冥福をお祈りしたいと思います。 また、いかなる理由があったとしてもテロは断じて許されません。そして、強く非難をいたします。 事件の発生を受けまして、チュニス市について発出されている危険情報を、「十分注意してください。」から「渡航の是非を検討してください。」に引き上げたところでございます。在外邦人の安全確保に万全を期すとともに国際社会と連携を深めながら、テロとの闘いに万全を尽くしてまいります。
○矢倉克夫君 テロ組織も、かつてのような排他的な組織というものから、むしろ過激思想を媒体とした緩やかな連合体、このようなものになっていくに当たりまして、個人活動家も増える。そのような結果、安全と言われているような場所でもテロの危険というのが更に増大している部分もあるかと思います。より一層渡航者の皆様の安全喚起、よろしくお願いしたいと思います。 さて、今、テロの話もありました。まさに安全に関する環境というものも変わりつつあるという部分でもあるかと思います。今まさにこの安全保障について慎重な、またあるべき法制の協議がなされている状態であると認識をしております。 我々公明党、この部分について三つ原則お訴えをしております。一つは、まさに自衛隊派遣の正当性。そして二つ目は、国民の同意、民主的コントロール。三点目は、自衛官、この安全確保、もうこれが大事であるという点。この部分は総理も、また閣僚の皆様も始め十二分に御理解をしていただいているところであるかと思います。 私、ただ、地元に帰りまして様々お声をお聞きするんですが、多くの方にとってはやはり情報のソースというのは報道の部分もあり、何が起きているのかやっぱり不安に思われている方も多いかと思います。 やはり、今回協議をされていると言われているところは非常に広範でありまして、平時もあれば有事もあり、グレーゾーンもある。また、自衛権の行使の部分もあれば、それ以外の部分もある。また、我が国の平和に資する活動の部分もあれば、国際平和の安定に寄与する活動もある。また、後方支援とも言われている部分も類型は様々であるかと思います。そのような今議論されているのは、いろんな類型ごとに、それぞれにいかに類型に応じた歯止めを掛けていくのか、これに今慎重な御議論を私はされているというふうに理解をしております。 他方、やはり内容も複雑でありますので、国民の皆様にとっては漠然とした、戦争をする国になるんじゃないかなという不安が残っているというところ、そこはやはり克服しなければいけないところでもありますし、政治の責任としてしっかり責任を果たしていかなければいけないと思います。 その上で、総理にお尋ねをしたいんですが、この国民の皆様への理解の深化、そしてまた歯止めはしっかりと掛けるべきは掛けていくんだという力強い御決意、これが必要かと思います。総理から一言いただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま委員からお話がございましたように、安全保障法制を進めていく上においては国民の理解が不可欠であり、かつ、自衛隊が行動していく上においては更に国民的な支持が必要であると、このように考えております。今後とも、国民の皆様に丁寧に真摯に御説明をしていきたいと思います。 特に今回の安保法制につきましては、今委員が御指摘になられたように、いわゆるグレーゾーンから集団的自衛権の一部行使容認を含む大変広範なものであります。我が国の存立を守るために、集団的自衛権の行使一部を容認するものから、例えばPKO活動、そしてまた後方支援に関わるもの等々多岐にわたるわけでありますが、その多岐にわたる中におきましても、自衛隊の活動に関わることでございますから、当然、明確な歯止めと同時に、国会のそれぞれの関与について今まさに与党で議論をしているところでございますが、与党の議論の中におきまして、国民の皆様に分かりやすい明確な歯止め等についてお示しをすることになると、このように思っております。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。 この国民の同意、理解というのは、まさに活動される自衛官の方々にとっても非常に重要な意味があるかと思います。日々活動されるときに、その活動が国民の理解を得ているんだという安心感、これは非常に大事でもありますし、また皆様方、自衛官の方々の安全確保という部分でも非常に大きな意味合いを持っているかと思います。その意味も込めて、是非引き続きしっかりとよろしくお願いしたいと、このように思います。 さて、今日は安全保障と外交の集中審議ということであります。私からは外交について幾つかお尋ねをしたいと、このように思います。 質問の軸は、日本が世界に発する価値というもの、外交において何であるのか、この点、三点ほどテーマに分けて御質問をさせていただきたいというふうに思っております。 一点目は、まず防災であります。 東日本大震災発災から四年経過いたしました。いまだ、我々公明党といたしましても、この震災からの闘いというのは二つの風の闘いであるというふうに認識をしております。一つは風評被害、もう一つは風化、風化に対しての闘いというものが大事であるというふうに理解しております。私は、この風化というものは、単に記憶にとどめるという意味合いではなく、やはり震災から得た教訓をいかに深めていってそれを伝えていくのか、そして防災に、具体的に取組につなげていくのかという、この観点が非常に大事であると思っております。 その上で、先日、仙台で第三回の世界防災会議、大成功裏に開催を、そして終了をすることができました。関係者の皆様の御尽力に改めて敬意を表するものであります。我々公明党も、例えば地方議員三千名いるわけですが、皆様、防災士の資格も持っている、皆様というか、多くの方が持っていらっしゃる。そして、世界防災会議にも政党として唯一フォーラムも開催させていただくこともできました。 今回、被災地で行われた世界防災会議、非常に大きな意義があると思いますが、議長を務められた山谷防災大臣よりお言葉をいただきたいと思います。
○国務大臣(山谷えり子君) 三月十四日から十八日まで仙台市で開かれました第三回国連防災世界会議でございますけれども、国連加盟国百九十三か国のうち百八十七か国が参加されまして、また世界二十五か国からの大統領、首相、首脳級、また百名を超える閣僚の参加、国際機関代表、認証NGO等六千五百人以上、関連事業も含めますと延べ約十五万人の方々に御参加いただきました。当初は四万人くらいかなと考えていたんですが、約十五万人ということでありまして、我が国で開催されました国連関係の国際会議としては最大級となりました。都市化、気候変動、またグローバリゼーションなどの中で世界の災害リスクが高まっている、こういう中で防災の主流化、被害の最小化、また復旧復興のスピードアップ化、これを図っていかなければならないんだという世界の本当に大きな問題意識が高まっているからだというふうに思っております。 本会議においては、国際社会において各国の開発政策や国際協力に防災の視点が反映され、防災の取組が開発施策に組み込まれ実施される防災の主流化を目指し、新たな国際的な防災の枠組みである仙台防災枠組二〇一五―二〇三〇、つまり、あと十五年間この仙台防災枠組をみんなでしっかりと取り組んでいこうじゃないかと、そして、高いレベルでのコミットメントを示した仙台宣言を採択するなど大きな成果がございました。 今、私、十八日までと申しましたのが、正確には、本当に実りある議論が熱く交わされまして、実際には十九日の午前零時半まで会議が行われ、そして私が議長として記者会見が終わったのは午前一時半でございました。防災の主流化、これはコストではなくて投資なんだと、そして事前防災、被害の最小化、そしてビルド・バック・ベター、より良い復興という概念、災害に遭う前よりもより良い復興ですばらしい状態にしていこう、そしてまた、多様な主体の参画、様々な国や地方の自治体だけではなくて、市民、NGO、メディア、企業、様々な参画によってそれを成し遂げていくんだという確認と具体的行動につながる方針が、枠組みが示されたわけでございます。 我が国にとりましては、東日本大震災を始めとする幾多の災害から得られた知見や技術等を世界と共有するとともに、東日本大震災の被災地の復興の現状や取組を発信する重要な機会となりました。本国連防災世界会議は様々な成果を上げまして、国際社会における防災の主流化を進めていく上で重要なターニングポイントになったと思います。一里塚になったと思います。これから、秋の国連総会、またCOP21等でも、こうした防災の主流化という考え方は主流の中に位置付けられていくのではないか、大きな議論になっていくのではないかというふうに思います。 我が国は、様々な自然災害に遭いやすい環境にございます。そして、我が国は、それから得られた知見、ハード、ソフトの組合せ、あるいは技術、ノウハウ、これを世界に強く発信しまして、委員がおっしゃられるように、この防災の分野で日本は国際貢献をしていくんだ、できるんだということを発信し、世界のみんなを幸せにしていきたいと思います。
○矢倉克夫君 今大臣おっしゃってくださいました、今まで三回とも日本でされていたわけですが、今回は首脳級の方も多く来られた非常に盛大な、そして非常に実りのある会合であったと思います。 大臣から様々にいろいろ御説明をいただいた、特に私も示唆をいただいたのが、この防災の主流化という観点、大変に重要な視点であると思います。あらゆる開発政策やまた計画などにはこの防災の観点というのを導入するということ、とりわけ、例えば途上国などはやはり目の前の貧困というものをどういうふうに対処をしていくのかというところにやはり目が、どうしてもそれは必要性として仕方ないところではありますが、この防災という部分、災害の部分というのは、偶発的であったりしてなかなか対策としては後回しになる部分があると。 ただ、一回起きてしまうと、まさに、目的とする貧困の部分もそうですが、開発の部分も全てなぎ倒してしまうような災害、こういう部分こそ、やはり先進国も含めて途上国にしっかりと対策をしていく防災対策というのは大事なんだと、そこを主流に持っていくという観点というのは、やはり日本から発信するべき価値でもあり、大事な部分であるというふうに私も思っております。 それで、この観点からも含めてなんですが、今回日本が提案された仙台防災イニシアティブ、これについて岸田外務大臣から御説明いただければと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 今回、第三回国連防災世界会議の機会に、我が国の防災分野での貢献策として、安倍総理から仙台防災協力イニシアティブを発表いたしました。二〇一五年から四年間で、防災関連分野で二十億ドルの資金協力と四万人の防災・復興人材育成を表明した次第です。 このイニシアティブにおきまして、日本の知見と技術を世界に共有しながら、国際社会とともに災害に負けない強靱な社会を構築していく姿勢を打ち出した次第ですが、その中にありまして今までの防災の議論との比較において特筆すべき点としましては、一つは、今委員の質問の中にもありました、災害が発生するたびに一つ一つ対応するんではなくして、長期的な視点で防災に投資することが重要だという考え方、そして先ほど山谷大臣の答弁の中にもありました、より良い復興、ビルド・バック・ベターと称しておりますが、災害後が災害に強い国あるいは地域づくりのための抜本的な措置を実施する良い契機となるという考え方、さらには女性のリーダーシップ、これを強調した点、この点が特筆すべき内容だと考えています。
○矢倉克夫君 防災の主流化という観点も含め、様々な日本の知見を生かしたすばらしいプログラムであると思います。 今日はお手元に資料を配らせていただいております。最近、バヌアツの方で御案内のとおりサイクロンが起きて、九割建物が倒壊するというような被害もありました。こちらなんかも、特に島嶼部など、やはり脆弱性というものがあるかと思います。一回、こちらが、このような写真も、今パネル等にはしていないんですが、あのようなサイクロンが起きて九割も建物が倒壊する、そのような中での支援等の在り方というものを、やはり今回の知見も生かしてやっていくべきではないかと思っております。 また、五月にはいわきで島サミットが行われるというふうに聞いております。まさに今回の仙台の防災会議もそうですが、日本の知見を、防災という知見をこの島嶼部の皆様、また今度は被災地のいわきでやる、これも非常に象徴的な意味合いもあると思いますし、これは是非成功をしていただきたいと、このように思っております。 さて、今回の会議を通じまして、やはり防ぐ体制を取る、そして教訓を伝えていくという日本の、風化、この闘いの精神が国際社会にしっかりと伝わっているということが私も確認をさせていただきました。 さて、総理、世界防災会議、大変に大成功をいたしまして、私はこれは日本であるからこそできたものだと思います。私もお会いしたある政府の方が、もう日本はあの震災から立ち上がってたくましく一歩一歩でも進もうとしていると、その日本が言うから説得力があるんだというふうにおっしゃっておりました。 あともう一つは、やはり日本が持っている強さというのは、これ日本も、総理も会議で冒頭でおっしゃっていた人間の安全保障という観点、非常に強くあります。 これまでも日本は、防災を含めた人間の安全保障というところではトップランナーを歩んでおりました。人間一人一人を恐怖や欠乏などの幅広い脅威から守り、一人一人の豊かな可能性を実現する社会、これをつくっていくと。国連決議でも、武力の行使とはまた別にこういう理念がしっかり大事なんだということを安全保障ではうたわれていたところではあります。国連事務総長も、日本は人間の安全保障のチャンピオンであるというふうにおっしゃっています。 私も、この防災会議を契機に、防災の主流化を含めた人間の安全保障、これを日本から積極的に発信していく価値であるということを更に具体的に訴えていくべきだと思いますし、その行動をまたしていくべきだと思っております。例えばODA、政府開発援助、二〇%程度を人間の安全保障にしっかり充てていく、このような姿勢もあるかと思います。このような点も含めて、総理の御所見を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 人間の安全保障、安全保障の前に国家ではなくヒューマン、まさに人間というこの概念を打ち出したわけでありまして、これは国連におきましても主流的な考え方、概念となりつつあると、こう思います。人間一人一人に焦点を当て、その保護と能力の強化を通じ、人々が持つ豊かな潜在能力を存分に開花させることを目指す理念であり、矢倉委員も、また御党もこの分野について力を入れてこられたわけでございます。 政府としては、人間の安全保障を外交の重要な柱として積極的に推進していく考えであります。今般閣議決定した開発協力大綱においても、人間の安全保障の推進を基本方針の一つとしています。その観点から、来年度の一般会計政府予算案においても、ODA予算の二〇%以上を人間の安全保障の推進に充てることにしております。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。 この人間の安全保障を引き続き柱として、しっかり訴えていきたいと思っております。 次に、二つ目は環境でございます。 今、とりわけ温暖化対策、本年十二月には国連の気候変動に関する会議、いわゆるCOP21、開催をされます。COPというのは英語で言えば締約国会議、条約の締約国の会議という意味合いの頭文字を取ったCOP、これの二十一回目の会合ということでCOP21であります。こちらがフランスのパリで開かれるというふうにお伺いをしております。 今、この会議をめぐる各国の現状と、また日本の状態、それをそれぞれ外務大臣と環境大臣よりいただきたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず最初に、先ほど仙台防災協力イニシアティブの答弁の中で、私の方から四年間で二十億ドルの資金協力と申し上げたようでありますが、正確には四十億ドルの資金協力でありました。おわびを申し上げ、訂正をいたします。 そして、今の御質問についての答弁でありますが、本年末に、御指摘のようにパリでCOP21、開催されます。二〇二〇年以降の新たな国際枠組みに合意すべく交渉が行われているところです。そして、これ既にCOP19の段階で確認されているわけですが、各国は自国の温室効果ガス削減目標について、COP21に先立ち準備ができる国は三月末までにこうした目標を提出するということになっております。 そして、各国の動きですが、EU及びスイスは既に削減目標を提出しています。米国は三月末までに提出することを表明しています。また、豪州は今年、二〇一五年半ばまでに公表するとしております。そして、中国は二〇一五年第一・四半期に公表するよう努力をする、こうした表明を行っていると承知をしております。
○国務大臣(望月義夫君) 気候変動問題は人類が直面する重大かつ緊急の課題でございまして、今年のCOP21で全ての国が参加する公平かつ実効的な枠組みの構築が極めて重要でございます。 昨年私が出席いたしましたCOP20、ちょうど衆議院の解散の選挙のときでございましたけれども、その間に私出席させていただきました。国連の潘事務総長を始め、各国の大臣とバイ会談、九か国ぐらい、様々な国の皆さんから日本はどうだというような形でお話合いをさせていただきました。新しい枠組みの合意に向けて世界各国の熱意と意欲が非常に強いと、これ何とかまとめなきゃいけないと、そういったものを感じたところでございます。 先ほど外務大臣の方から御説明されたとおり、これまでスイス及びEUが、これは非常に野心的な約束草案を提出いたしました。米国も三月末までに提出する意向を表明をしております。こうした国の、各国の動きは新たな枠組みの議論の促進につながるものと私たちは評価をしております。 世界の主要排出国であるとともに、優れた、潘事務総長も日本の国はすばらしいテクノロジーがあると、そういうような話をしていただきましたが、低炭素技術を有する我が国としてもCOP21の成功に向けて積極的に貢献をしていきたい、このように思っております。
○矢倉克夫君 今、EU等のお話もありました。今回のCOP21も開催国はフランス、その前の六月だったと思いますが、G7がドイツで行われると思いますが、そこでの議題も気候変動になっている。いろいろな部分でEU、更に議論を主導していこうという動きもあるかと思います。 また、アメリカなんかも、京都議定書はやはり批准はできなかった。内部のいろいろ問題があったと思うんですが、今回は今までとは違って目標、努力目標という言葉が正しいかどうか分からないですけど、各国が決めて、そこを努力をしていくという姿勢に改めたことでアメリカも入るようになりました。 また、中国が、昨年の十一月だったと思いますが、アメリカと中国で温暖化削減について合意をするということも世界に非常に驚異、驚きを与えたわけですけど、日本だけは今のところやはり時期をいつ頃にするかというのはなかなか見えないというところはあるかと思います。今おっしゃったとおり、日本はこの部分で先進的にやる必要はあると思います。 その辺り、環境大臣、どのような対策が必要か、また改めていただきたいと。端的にお願いいたします。
○国務大臣(望月義夫君) この新たな目標につきましては、その検討を今先生おっしゃったように加速するというような形で、昨年十月から中央環境審議会、それからまた産業構造審議会の合同専門家会合で議論を行っているところでございます。これまでにもう既に五回の会合を開催して、省エネルギー対策、再生可能エネルギーの導入、地球温暖化防止のための国民運動などについて様々議論をいただきました。 今後も、COPの決定、各国の動向や将来枠組みに係る議論の状況、そしてまた、エネルギー政策やエネルギーミックスに係る国内の検討状況を踏まえて、新たな削減目標をできるだけ早く、もう我々も相当早急にやるようにということでやっておりますが、取りまとめることを目指して検討を深めていきたい、このように思っております。
○矢倉克夫君 取りまとめに御尽力をいただければと思います。 やはりこの日本、いかに目標を設定するのかというところ、とりわけ大事な部分は、今大臣からもお話のありました再生可能エネルギー、この部分は非常に大きいかと思います。これをどの程度しっかりと導入をしていくのかというところも大事な要素であるかと思います。震災とともに原発事故を経験いたしました日本といたしましても、この再生可能エネルギーを積極導入することで温暖化対策もしていくという部分、これも世界に発する私は価値であるというふうに改めて思っております。 昨年の与党のワーキングチーム、こちらでも再生可能エネルギーの比率を二〇三〇年に三〇%にすべきと議論もいたしました。政府にその辺りの野心的な検討というものも要望をした部分であります。 総理も、今国会の施政方針演説において、あらゆる施策を総動員して、再生可能エネルギーの最大限の導入を進めてまいりますとおっしゃってくださっております。この再生可能エネルギー三〇%程度、この辺り、しっかりと目標にすべき部分もあるかと思いますが、総理の御所見をいただければと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 再生可能エネルギーは、エネルギー安全保障の強化、そして今委員が御指摘になったように、低炭素社会の創出の観点から重要な電源であります。 このため、政府としては、再生可能エネルギーの最大限の導入を進め、二〇三〇年の発電電力量の約二割を更に上回る水準の導入を目指すこととしています。そのため、固定価格買取り制度を軸に、技術開発や規制改革等を組み合わせて、今後とも再生可能エネルギーの最大限導入を目指して全力を挙げていく考えであります。 なお、再生可能エネルギーの具体的な導入比率を含むエネルギーミックスについては、現在、審議会において専門家による具体的な議論を進めているところでございまして、各エネルギーの特性やバランスを十分考慮をしつつ、現実的かつバランスの取れたエネルギーミックスを取りまとめていく方針でございます。
○矢倉克夫君 先日、ドイツのメルケル首相、訪日をされました。ドイツなどは北部の方に風力発電が非常に多い。その北部の風力をいかに南部に持っていくのか、その技術革新というものが再生可能エネルギー発展に非常に大きな要素だと思います。 この再生可能エネルギーというのは、やはり地域偏在が大きいというものを、それをどのように克服していくのか、電力系統問題もありますし、地域連合という辺り、その辺りの環境整備というものが非常に大事であると思います。そこの辺りにまた政治の部分でしっかりとリーダーシップを発揮していただいて、再生可能エネルギー推進にまた引き続き御努力をいただきたいと、このように思っております。 では、最後に三点目。私が最後三点目にやはり世界に発すべきと思う部分は、やはりこれは不戦、戦争をしないというところ、ここは大きな要素であるかと思います。 先日、ある東南アジアの国の外務大臣とお食事する機会に恵まれました。非常に国民レベルでも友好的な関係を取ってくださっている国であります。やはり、戦後七十年たっているこのときが非常に大事であるというふうにおっしゃいました。その国の方々も、日本と近隣諸国、この関係がどうなるのかということを注視しているというふうにおっしゃっておりました。私も、そのお話を聞いて、アジアの方々、やはり世界の方々、とりわけこの日中、日韓、この関係がどうあるのかということを注視をしていただいているんだなということを改めて実感もいたした次第であります。 世界も注視する日本と中国、日本と韓国の関係、これをいかに胸襟を開いて語り合う仲にするかというのは、言うまでもなく両国間の国民にとって非常に重要な部分もありますが、やはり世界にとって、不戦という誓いをしっかり発揮していく、その意味合いでも大きな大きな強い意味があるんじゃないかなというふうに思った次第であります。 それで、先ほども話も出ましたが、世界防災会議で、山谷大臣、今回、中国の閣僚の方が三年ぶりぐらいだと思います、防災担当大臣、李大臣だったと思いますが、いらっしゃって、会談されたと思います。そのときのお話をいただければと思います、御感想等も含めて。
○国務大臣(山谷えり子君) 第三回国連防災世界会議の期間中、十余りの国や国際機関の要人と会談を持つ機会がありまして、中国の李立国民政部長、閣僚に当たる方でございますけれども、会談を行いました。 本会談においては、国際社会における防災の主流化、開発や日々の暮らしに防災という視点を入れていくことが重要だという防災の主流化の推進、防災への事前投資や、より良い復興、ビルド・バック・ベターの重要性などについて意見交換をいたしました。また、本年日本で開催予定の日中韓防災閣僚級会合へ李立国民政部長の参加を招請するとともに、実務レベルでの防災協力の推進についても話をしたところであります。防災分野で緊密な連携が取れるというふうに考えております。 今後とも、このような機会を捉え、引き続き防災分野の協力を進めていきたいと考えております。
○矢倉克夫君 私も、昨年三月に質問をさせていただいたとき、この世界防災会議、このような国益とまた人類益、こういう共通の課題でやはり語り合う必要性というものをお訴えをさせていただきました。やはり今、中国の閣僚も来てお話もされたということで、深い意義があるかと思っております。総理も、昨年、APEC、習近平国家主席と会談をされており、様々な分野で日中関係、動きが生じていると思います。 例えばこの一月には海上連絡メカニズム第四回の実務者協議が二年七か月ぶりに開催、海上連絡メカニズム、空路の部分も含まれると思いますが、この辺り開催もされた。また、昨日は四年二か月ぶりに日中安全保障対話、開催をいたしました。また、明日は日中韓の外相会談等もされるというふうな、そう受けております。このような形で動き出した形がある。少なくとも一年前よりも更に動きは生じているというふうに思っております。公明党もまた、与党の幹事長が四年ぶりにまた中国の方で会談もされるということも聞いております。この流れをしっかりとつくっていかなければいけない、確実なものにしていかなければいけないと思っております。 もとより、外交ですので、ただ仲よくしようといって仲よくなれるわけではなくて、やはり当然、中国に日本と付き合うことがメリットがあるというふうに思わせる必要はあるかと思います。防災の話もそうですし、経済の部分の話も何といってもそうかと思います。中国の日本の対中投資がかなり落ちてき出しているところ、これは投資をてこにしたやはり影響力の低下という部分もあります。それはしっかり日本の企業が中国に投資をしやすいような環境を政府間でやっていく、そのようなことを通じて、投資を更に促進していくことで対中に対する影響力というのも大きくなってくると思います。また、中国、環境問題も、PM二・五、非常に問題になっています。この辺りは日本がしっかり主導をしていく。これはやはり中国にとっても、また韓国にとっても、日本に頼らなければというふうに思わせるやはり要素である。そういうところをしっかりと使っていくことがやはり大事であるかと思っております。 その上で、時間もなくなりました、最後に総理にお訴えをしたいこと、やはり大事なことは、指導者の相互信頼関係構築、これに向けた信念、これであるというふうに思います。やはりリーダー同士がどのような信念を持って何を目的にして語り合うかという、この覚悟というのが非常に大事になってくると思います。 昨年、総理、私の質問に対しまして、習近平主席、また朴槿恵大統領とも私は大体同じ世代でもあると、このような三人のトップリーダーの間で密接な関係を何とか築いていきたいと、このように思うと、そうした関係を築くことが地域の発展に間違いなくこれは資すると、引き続き尽力をしていく決意である、こう力強くおっしゃってくださいました。 外交というのは、国内世論とのまた違う部分も、ひょっとしたら動きや要素も出てくるかもしれませんし、しかも相手がいることでなかなか難しいところではありますが、是非、総理に当たりましては、この不戦という思い、これをしっかりと日本から発していって共有をし、そしてまた共有させるという深い気迫を持って、是非とも日中関係、日韓関係改善にまた御尽力いただきたいと思います。 最後、一言いただければと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本は戦後ひたすら平和国家としての歩みを進めてきたわけでございます。そして、自由で民主的な国をつくり、人権を守り、法を尊ぶ国としてきたところでございますが、その中におきまして、多くの国々に日本のこれからの更なる役割が期待されているところでございますが、当然、その中で、例えば日中関係について多くの国々が関心を寄せているわけであります。それは、地域の平和と安定において、日本と中国が健全な関係を持っているかどうかということになってくるわけであります。そういう意味におきましては、まさに日中も地域と平和と安定にお互いに責任を持っているということではないかと思います。 こうした観点も含めまして、昨年、APECの際に習近平主席と会談を行いまして、戦略的互恵関係の原点に立ち戻って両国関係を発展させていくということになりました。そして今御紹介をいただきました海上連絡メカニズム、上空も含めまして、これは第一次安倍政権のときに呼びかけたものがやっと今度初めて実施されることになったところでございます。 また、朴槿恵大統領とも、幸いマルチの会議の中の晩さん会でゆっくりと胸襟を開いてお話をする機会も得たところでございます。 日本側は常に対話のドアはオープンにしているわけでございますが、その中で、今委員が御指摘になったように、首脳同士が信頼関係を構築をしていくことがまず大切ではないかと、このように思っております。むしろ、課題や問題があるからこそ、首脳同士が話をするべきだと思います。 明日、約三年ぶりに日中韓外相会議がソウルで開催されます。三か国間の実務的な協力案件や地域・国際情勢について外相間で議論が行われることは大変喜ばしいと思っております。この外相会談の中で、日本としては、環境、防災、さらにはテロ対策あるいはFTAなど、実務的な協力案件や地域・国際情勢について意見交換を行い、日本とつながっていくことのメリットを感じてもらいたいと、このように思っております。
○矢倉克夫君 終わります。ありがとうございます。
○委員長(岸宏一君) 以上で矢倉克夫君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、真山勇一君の質疑を行います。真山勇一君。
○真山勇一君 維新の党、真山勇一です。よろしくお願いします。 まず、チュニジアの無法テロで犠牲になられた方々の御冥福を心からお祈りしたいと思いますし、それと同時に、負傷された方の一刻も早い回復、そして帰国を心からお祈りしたいと思います。 それでは、質問に入らせていただきます。 先ほども少し出た話なんですが、先日、プーチン大統領のウクライナ問題での核使用発言というものが伝えられました。 今年は戦後七十年ということになりますけれども、世界を振り返ってみますと、東西対立の冷戦時代というのは、軍拡ですとか核兵器を増強する競争が繰り広げられました。核戦争の危機ということも何度かあったというふうに思います。しかし、その後は、核軍縮、核不拡散の動きも強まってきて、核のリスクというのは小さくなってきているんではないかなという、そんな思いをしております。 ところが、今回のこのプーチン大統領の突然の核発言、これ正確にちょっと申し上げますと、核兵器を臨戦態勢に置く用意があったという、こういう言い方で明言をされたということなので、どこでこれを述べたかというと、ロシア国営テレビのドキュメンタリー番組、「クリミア、祖国への道」というふうに題された番組の中のインタビューで語ったものというふうに伝えられているんです。 これ、本当にそのような状態になったら、これはもう本当にぞっとするようなことなんですけれども、この発言は、一年前のクリミアを併合する中で、核の力をかざして威圧しようとしたものではないかというのが冷静な受け止め方というふうに思います。 日本政府としては、プーチン大統領のこの発言、当然把握していると思うんですけれども、少し詳しく、いつどのような形でこの情報を確認したかというようなことを聞かせていただければ有り難いと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のプーチン大統領の発言ですが、三月十五日、ロシアのテレビで放映されたドキュメンタリー番組の中で質問に答える形で、昨年三月のクリミア併合に際して、あらゆる事態に備えてロシア軍に指令を出し、核戦力も即応態勢に入らせる用意があった、こういった趣旨を述べられたものと承知をしております。
○真山勇一君 国営放送が放送したんですから、その時点で情報はある程度把握できるというふうには予想できると思うんです。 この、核という本当にこれ、特に微妙な問題ですね。これを、国営放送の番組のインタビューに答える形ということではあるんですけれども、プーチン大統領があえてこの時期、ちょうど一年ということなんですけど、この時期に言及したその意図というのはどういったものというふうに考えておられるんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) プーチン大統領の発言につきましては、先ほど申し上げましたような形で承知しております。ただ、プーチン大統領の意図まで私の立場から何か申し上げることは控えなければならないのではないかと思っています。 ただ、我が国としましては、ロシアによるこうした一方的な併合など力による現状変更、これは決して許すことはできない、こうした立場は引き続きしっかり示していかなければならないと考えています。
○真山勇一君 総理にお伺いしたいんですけれども、総理も日本の政治のリーダーということなんで、最高責任者ですからお分かりと思うんですけれども、やはり国の最高指導者、責任者という方が、このクリミアの問題ですけれども、これで国境をめぐるということで発言もあったという、こうしたことでは、私は、やはり外交上、それから情報を集めるということでは決して見逃してはならないし、こうした情報が、本当に今世界が流動的な中で一刻を争うような重要なこともあるわけです。 先ほど外務大臣からお答えがあったんですが、総理御自身はこのロシアのトップリーダーの発言、この核をめぐる発言というのをどんなふうに捉えていらっしゃるのか見解を伺いたいのと、何か対応ということはそれで考えておられたかどうかということも併せて伺えればと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) プーチン大統領は、最近、昨年三月のクリミア併合に際して、あらゆる事態に備えてロシア軍に指令を出し、核戦力も即応態勢に入らせる用意があったとの趣旨を述べたものと、こう承知をしております。 ロシアによるクリミアの一方的併合などの力による現状変更の試みは我が国として断じて認められないというのが我が国の立場でございますし、G7と足並みをそろえて我々制裁も行っているところでございます。 そこで、このプーチンの発言に関してどう我々分析をしているかという、先ほどの御質問もございましたが、これは様々な議論が、恐らく分析があるんだろうと、このように思います。例えば、これは言わば現在の状況に対しての政治的な発言であろうという議論もあるわけでありますが、いずれにせよ、日本は唯一の戦争被爆国であります。その立場から核兵器の使用はあってはならないと、こう考えておりまして、引き続き核兵器のない世界に向けた取組を進めていく考えでございます。 これは、例えば国連においてそうした取組もしっかりと進めていきたい、特に今年は被爆から七十年目の節目の年となるわけでございます。そしてまた、同時に、ウクライナ問題の平和的、外交的解決に向けて、G7の連携を重視しつつ、同時にロシアに対して建設的な役割を果たしていくように働きかけも行っていきたいと、このように思っております。
○真山勇一君 私も、度々やはり核を使ってのこういう戦略というのはあると思うんですね。ただ、やはり日本という立場から考えると、唯一の被爆国ということなんで、総理がおっしゃったように使用がされてはならないということと、それから核兵器をなくさなくちゃいけないという、その思いというのは私も非常にそれは感じておりまして、まさにこういうときに、やはり、ああ、またか、こういう核で脅しかということではなくて、やはり常にそういう意識を持っていくということが私はとってもやっぱり被爆国の責任として大事なことではないかなというふうなことを感じているんです。 今、お答えの中で総理大臣は言及されましたけれども、日本は、今回のこのクリミアの問題、これは本当にゆゆしきやっぱり問題だというふうに思うんですね。そのために欧米と歩調を合わせてロシアに制裁を日本は行っているということなんですが、これによって北方領土問題、やはりロシアとは日本は北方領土問題というのを抱えています。これへの影響というのはどうなのだろうかということと、今後予想されているプーチン大統領日本訪問というのが日程でそろそろ見え始めてきていますけれども、こうしたものへの影響というのはどういうふうに考えていらっしゃるのか、この点についてもお答えいただければと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、ウクライナの問題とそして北方領土問題の議論との関係ですが、まず、ウクライナの問題につきましては、我が国としまして、ロシアを始めあらゆる関係国に、この問題を平和的に外交的に解決するため前向きな行動を取るよう求めていかなければなりません。ですから、そのためにはロシアに対しても、政治対話を通じて建設的な役割を果たすよう、しっかり促していかなければならないと思っています。 そういった意味で、ロシアとの政治対話は重視しなければいけないと思っていますし、その同じ政治対話の中で、日ロ関係において最大の懸案事項であります北方領土問題についても、我が国の国益に沿う形でしっかり議論をしていかなければならない、このように思っています。 そして、そうした政治対話を進める中にあって、昨年十一月、APECの際に行われました日ロ首脳会談におきまして、今年のしかるべき時期にプーチン大統領の訪日を実現するべく準備を進めるということで合意をしているわけですが、これにつきましては様々な点を総合的に判断した上で決定しなければなりません。現状においては、まだ具体的なものは決まっていない状況にあります。
○真山勇一君 よく分かりました。 今回のロシアのこの核発言、プーチン大統領の核発言というのは、やはり政治的な威嚇目的、本気で核兵器、当然使うつもりはなかったというふうに思うんですけれども、ただ、この核ということについては特別な考え方がやはり国際政治の世界でも言われています。この威嚇は心理的な兵器としての一つの核使用の形であるという、こういうことが、国際的にもこういう考え方があるというふうに言われているわけですね。 今、本当に国際情勢というのは、テロも起きていますし、大変流動的になっている中で、日本の安全保障、影響がいろいろ予想されるということですので、やはり情報の把握、分析、それから特に危機管理の観点からは、是非、十分過ぎるぐらい、慎重過ぎるぐらい慎重に、こういうことをいつも、いつものことというのでなくて、そのときそのときのやはり意味があると思うので、それをしっかりと考えて、そして対応をしていっていただきたいということを政府にはお願いしたいというふうに思います。 次に、その安全保障をめぐる問題について、少しまたお伺いしていきたいというふうに思っております。 現在、政府・与党、与党の間で安全保障法制についての論議が行われておりまして、間もなくこの国会でもその論議始まるというふうに見られますが、日本と多国間の安全保障協力について書かれた、実は安全保障のダイヤモンド構想というのがあります。これは安倍総理にお伺いしたいんですが、これはもちろん当然御存じのことと思うんですが、いかがでしょう。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そのダイヤモンド構想というのは、私が総理に就任する前、国際NPO団体に寄稿したものでございます。
○真山勇一君 私もそういうふうに伺っております。 それで、発表されたのは第二次安倍内閣が発足した直後というふうになっているんですが、英文の論文で、私、手元にこの英文の論文あるんです。これ、実は翻訳がないんで、この英文のまんま私の手元にあります。当時、ウォール・ストリート・ジャーナル、あるいは産経ニュースなどでも伝えられて、インターネットに載ったんですけれども、現在はその特定の会員しか何か見れないようになっているというふうに伺っております。 この論文の内容を、大変ここの皆様には申し訳ない、翻訳がないんで、ちょっと私、総理に頼まれもしないのに図で描いてみたのが今お示しの図でございます。(資料提示) アジアの民主主義安全保障ダイヤモンド構想ということで、この中でどんなことが書かれて、この英文でA4三枚ほどの総理大臣の論文なんですけれども、その中身というのが、御紹介しますと、日本を中心にしてアメリカ、アメリカでも基地としてはハワイですね、それからオーストラリア、そしてインドということなんですが、これらの国々と共同して、太平洋、とりわけ西太平洋ということになりますが、そしてインド洋を守る安全保障というのを提唱した論文です。 それを図にしますと、御覧のように、日本、アメリカ、オーストラリア、インド、この四か国の場所をつなぎますとちょうどひし形になるということで、これでダイヤモンド構想というふうに呼ばれているんではないかというふうに思っております。 この論文、総理、発表されたわけですけれども、今、集団的自衛権問題、いろいろ論議されています。こうしたことに先駆けて、二年半ぐらい前になるわけですね、先駆けて提唱したんではないかなというふうな私は印象を持っているんですが、この論文を書かれた総理の意図、そのときの書かれた目的というのはどういうことだったんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに現在、一国のみで自国の平和と安全を守ることができないという考え、そしてまた、海は公共財であって、その公共財である海の航行の自由あるいはその上空の飛行の自由というものをしっかりと守っていく。その守っていく上において、法の遵守、国際法の遵守が大切であろうと、こういう考えでございます。その考え方の下に、今お示しになっていただいているような国々、まさに民主主義国家がお互いに協力していくことによってそういう法の支配を確かなものとしていくことができるのではないかと、そういう観点から論文を書き、寄稿させていただいたところでございます。 その中には、例えば海洋安全保障の確保という項目も設けました。力ではなく、航行、飛行の自由や安全の確保、国際法にのっとった紛争の平和的解決を含む法の支配といった基本ルールに基づく秩序に支えられた、開かれた安定した海洋の維持発展に向け主導的な役割を発揮をするということも書かれているわけでございますが、こうした考え方は安倍政権においても一貫しているところでございまして、こうした考え方について、例えば昨年のシャングリラ・ダイアログにおきましては、主張をするときは国際法にのっとって主張すべき、そして武力の威嚇や力による現状変更は行ってはならない、三番目に、問題を解決する際には平和的に国際法にのっとって解決をするとの海における法の支配の三原則を提唱いたしまして、圧倒的多数の国の支持をいただいたところでございます。
○真山勇一君 今、圧倒的な国の支持をいただいたということをおっしゃいましたけれども、この安全保障ダイヤモンド構想、ここに出てくる、アメリカはもちろんだというふうに思うんですけれども、インド、オーストラリアという国が含まれています、含まれて提唱されているということになるんですけれども、この辺りの、要するに一緒にやろうという国に対しては呼びかけは行ったのか、そして、何かこの反応というのは総理の方にあったんでしょうか。その辺り、聞かせてください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 基本的に、今申し上げましたような考え方にのっとって、例えば日米はもう既に日米同盟関係でございます。 日豪におきましては、アボット首相が来日をし、私もオーストラリアを訪問をいたしました。そして、日豪において、まさに安全保障においてもしっかりと協力をしていくということになりました。アボット首相には日本のNSCにも参加をしていただき、私も豪州に参りまして閣議に参加をいたしまして、その場において安全保障問題において共通の認識を形成することができたと思っております。防衛大臣間あるいは外務大臣間のいわゆる2プラス2等も含めまして連携が強化されている、そして合同の訓練等も進めているところでございます。 それはインドにおきましてもそうでございまして、日本の海上自衛隊とインド海軍との合同演習等についても、これは進んでいるところでございます。
○真山勇一君 今インドというのが出たので、ちょっと横道へそれますけれども、国際外交の専門家によると、インドはやはり御存じのように中立という意向がかなり強い国というふうに伺っています。そういう中に、この共同の安全保障の構想の中に提唱するということで、どこまで実際に賛同できるのかどうかというような意見も当時見られたんですが、その辺については総理はどんなふうに考えておられますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) インドは基本的に非同盟という道を歩んできたのでございますが、安全保障環境の大きな変化の中においては、例えば日本とインドの協力、あるいは日本とインドそして米国、あるいは日本とインドと豪州といった、そうした組合せの中においての情報の共有、協力ということについて、言わばインドも今後そういう可能性についても様々な検討をしていると、こう思うわけでございます。 変化していく国際社会の中において、いかに自国の権益や利益を守っていくかという中において、今お示しをしていた国々、まさに自由と民主主義を基調にする国家であり、法の支配を尊ぶ、そして基本的な人権を守っていくということで一致をしている中において、普遍的な価値を共有する国々がしっかりと法の秩序を守っていくという責任をそれぞれが果たしていく上において協力をしていくということも大変重要であろうと。そういう認識においてはほとんど共有できているのではないかと思います。
○真山勇一君 今安全保障法制へ向けての論議が行われている中で、今総理の方から、この論文、こうした共同で安全保障をしていくということの考え方、基本的に変わっていないというお答えだったんですけれども、実はこのダイヤモンド構想といろいろ符合するようにいろいろ動きが見られるんではないかなと思って、私は実は興味を持って見付けた資料が一つございました。それが皆さんのお手元に行っております数枚組のコピーなんですが、米国以外の国との共同訓練というタイトルが付いたコピーです。 これは、自衛隊が海外でいろいろな国と共同で訓練を行う、その行った記録、平成二十一年から二十六年度まで出ている、これは予算委員会の資料ということで提出されたものの中からちょっと見たものなんですが、実はこのダイヤモンド構想と非常にこう、何か動きを合わせるように、自衛隊のこうした海外の各国との訓練というのが歩調を合わせているような、そんなちょっと雰囲気を感じたので、これについてもちょっと伺ってみたいというふうに思っております。 二十一年度は一件しかないんですが、その後、二十二、二十三、二十四、二十五、二十六と追っていくに従って、二十五年度、二十六年度は大変多くなっているんですが、防衛大臣、改めてこの共同訓練ですが、これについてどんな頻度で行われているのか、目的は何かというと訓練なんですが、目的は何かという辺りをちょっと説明していただけると有り難いんですけれども。
○国務大臣(中谷元君) 自衛隊は、平成十二年度以降、本来の目的である戦闘を想定した訓練に加えて、PKO活動、人道支援、災害救援活動、非戦闘員退避活動など非伝統的安全保障分野への対応を中心とする様々な多国間の共同訓練に参加しております。 この多国間の共同訓練に参加することは、自衛隊の各種技量、これの向上はもとより、関係国の各種調整、意見交換を通じて、各国との協力基盤をつくる上で重要でございまして、平成二十四年度から二十六年度においては、それぞれ約二十件の多国間訓練に参加したところでございます。
○真山勇一君 この訓練の中には伝統的で古い、リムパックなんというのも入っているんですね。 私、やっぱりちょっと気になるのは、この表の中の中ほどの場所、参加国、それから一番右側の訓練内容及び目的という辺りなんですが、場所もかなり広範にわたっている。場合によっては、かなり遠くの海域まで自衛隊の方が当然行かれて訓練やっているということと、参加国が大変多岐にわたるというか、だんだんやっぱり多い参加の中で行われていると。 アメリカは当然なんですけれども、それ以外の、やはり今回の集団的自衛権でよく話が出ると引っ張り出されるオーストラリアなんかはもうかなり頻繁にこの中で参加してきているということもよく分かりますし、それから訓練内容という一番右側を見ると、国連平和維持活動、それから民生支援活動、医療ですとか救出訓練ということ、それから捜索・救難訓練というような、こうしたいわゆる平和的な自衛隊の活動と同時に、ここを見てみますと、かなりやはり、何というんですかね、実戦的な訓練も最近は行っているなという、そんな感じを受けています。 例えば、二十六年度辺りを見ますと、小部隊による小火器での市街地戦闘射撃訓練などとか、それからあと多いのは、やはり海洋国、海の守りということなんでしょうか、対潜戦、対潜水艦に対する戦い、戦闘訓練ということでしょうね、対潜戦、対水上戦などというものも大分出てきております。 こうした軍事訓練なんですけれども、日本がアメリカとの二国間でない、多国間の国とも共同して自衛のための行動を取るということをこれは当然念頭に置いた共同訓練ということになるんでしょうか、なるとしたらその法的根拠というのは何になりますでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 近年、多国間の共同訓練、これは深化しておりまして、例えばASEANの災害救助実動訓練のような人道救援、災害に対する訓練、それからカーン・クエストとかGPOIキャップストーンという演習のように国連のPKOに関する訓練、PSI、これは海上阻止訓練のような大量破壊兵器等の拡散に関する訓練など非伝統的安全保障分野の訓練のほか、御指摘の日米豪射撃訓練、リムパック、マラバール等において戦技技量の向上を目的とした訓練も実施をしておりますが、自衛隊はこれらの訓練を現行の法令内の範囲で実施をしておりまして、様々な訓練を実施することによって自衛隊の各種技量の向上、そして関係国との連携強化に取り組んでいる所存でございます。
○真山勇一君 こうした自衛隊の多国間にわたる共同訓練、もう本当に多岐にわたってきているし、言ってみればいつでもどこでも何か今共同訓練をやっているという、そんな状況が透いて見えてくるんですけれども、総理、先ほどの総理の論文、ダイヤモンド構想、こうしたもの等をこれ見ていますと、今論議され始めた集団的自衛権の問題と何かダブって重なってくるんですけれども、こうした訓練実績重ねているということは、ちょっと先の話だと思うんですが、将来的にアジア版NATOといったような地域同盟をつくりまして、そしてそれが日本に参加するということがあり得るのかどうか、もしそういうものをつくるとしたらその法的根拠というのはどういうものなのかということについてお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 共同訓練については、先ほど大臣から答弁をさせていただいたとおりでございます。 付言するとすると、お互いのそれは一緒に訓練する国々との関係がより親密になっていくわけでありますし、きずなが強化されていくと言ってもいいんだろうと思いますし、また我が軍の透明性をまさに、一緒に訓練するわけでありますから、上げていくということにおいては大きな成果を上げているんだろうと、こう思います。自衛隊は規律がしっかりとしていると、しっかりとした責任感と規律の下に平和に貢献をしていこうとしているということが多くの国々によく理解されているんではないかと思います。 そこで、アジア版NATOについての御質問でございますが、アジア太平洋地域は、欧州と比較をして、域内各国の発展段階、そして政治経済体制、安全保障政策が、これ、大きく異なっていると言ってもいいと思います。こうした状況の下で、アジア太平洋地域においてNATOのような集団防衛のための枠組みが設立されると考えることは、少なくとも現時点では現実的でないと思っています。 我が国としては、日米同盟を基軸としつつ、このようなアジア太平洋地域の多様性を踏まえ、東アジア・サミット、EAS、あるいはASEAN地域フォーラム、ARF、そして拡大ASEAN国防相会議、ADMMプラスなど、様々な対話の枠組みを重層的に活用していく考えでございます。
○真山勇一君 今回、ちょっと日本の安全保障ということを取り上げさせていただいたんですが、総理のこのダイヤモンド構想、それから自衛隊の多国間の共同訓練というのを実施状況を見ますと、本当にそうした日本の将来の安全保障に向けての着々と実績づくりをしているというふうに思えますし、この自衛隊の共同訓練と総理の構想がぴったり符合するような、ここまで進んでいるのかというような印象も受けるんですけれども、今後のやはりこれは論議で更に深めていかなければならないということなので、また伺うこともあるのではないかというふうに思っております。 さて、今度は政治と金の問題を取り上げさせていただきたいと思います。パネルを上げていただきたいんです。 閣僚の皆さんと、それからここにいらっしゃる委員の皆さんにはもう資料でお配りしてあるんで、この数字、何だかお分かりになると思うんですけれども、実は、傍聴の方ですとかそれからテレビを御覧の方は、あれ、この数字は何だろうというふうに思われると思います。ちょっと隠してあるところをめくっていただきたいんですが、これは、実はこれまで政党に支給された政党交付金の合計額、総額です。 政党交付金というのは二十年前からできておりまして、その二十年間、平成七年から二十六年まで合わせた数字がこの六千三百十一億二千三百五十八万七千九百六十三円。これ、何でこんなに細かく分かったかといいますと、予算書の中で政党交付金として支出されている部分をこれは足し上げた数がこの金額になります。毎年三百億とは言われていますが、積もり積もるとこんな額になる。 これは政党交付金ということで私たち政党はもらっているわけですけれども、これをつくったときに私たちは約束したのが、その代わりに企業、団体からの献金はやめようじゃないかということだったんですが、それが一向に変わることなくこの二十年間も続けてきてしまっているわけで、こんなに大きな額になっているわけですね。これ、もちろん政党交付金ですから、国民の税金でいただいたお金ですね。その一方で、企業・団体献金を受けている。これは、本当に企業・団体献金禁止ということのきっかけになったのは、例のリクルート事件、ぬれ手にアワと言われたあのリクルート事件なんですけれども、私たちはいまだに、政党交付金をこっちの手で、こっちの手で企業・団体献金をもらっている。両手に花ならぬ両手に金という状態が続いているんですよ。 私たちは企業・団体献金を禁止する法案、今回提出しておりますけれども、やはりもうこの機会に何とかやめる方向で検討をすべきではないかと、これはもうさんざんこの場でも皆さんお伺いはしているんですが、もう一回だけ、総理にちょっと。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 御指摘のように、政治改革の議論の中で政党助成制度ができたわけでございますが、政策本位そして政党本位の政治を目指すという理念の下に、企業・団体献金を同時に政党等に限定することに併せて提案されたものであると、このように承知をしております。言わば民主主義のコストを税金で国民の皆様に御負担いただく、あるいはまた企業、団体からの献金、そしてまた個人の献金と、そういう形で御負担をいただこうということになったのだと理解をしております。 個々の政治家の資金管理団体に対する企業・団体献金については五年後に廃止するものとされ、そのとおり五年後に廃止をされたわけでございますが、他方、政党等に対する企業・団体献金の在り方については五年後に見直すとの規定が置かれたものの、各党間で合意には至らなかったものであります。 いずれにいたしましても、企業・団体献金に対する規制については、昭和五十年、これは三木内閣のときでございますが、に量的制限を新設して以来、寄附を受けることができる政治団体についても徐々に制限を加え、現在では政党等のみ可能となるなど、だんだん厳しくなる方向で改正が行われてきたと、このように承知をしております。
○真山勇一君 私は特にやっぱり問題だなと思うのは、今回盛んに取り上げられた、補助金を受け取っている企業が献金をしているということなんですね。これについてはもう本当に政治資金規正法で禁止されているわけなんですよね。それなのに、補助金をもらっている企業ってたくさんあるから分からないと、分からないから、分かった時点で返せばそれでいいんだと、いいじゃないかというようなことを言っているんですけれども、やっぱりこれは逆に言えば、そういうことならやればできるんじゃないか、すぐにもできるんじゃないかということなんですよ。 つまり、今年もまた予算の中からたくさん補助金を受けている企業というのは出ていると思うんですが、その補助金を受け取ることになった例えば企業に対して、おたくの会社は補助金を受け取っているので献金をしてはいけませんよということを通知するとか通達するとか、そういうことで防げるんではないかというふうに思うんですよ。 その辺り、工夫すれば、やることすぐ、いっぱいあるから分からないというのは、今どきちょっとそういう言い訳というのは通じないような気がするんですけど、これ最後によろしくお願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この補助金について、収益性のあるものが駄目ということになっているわけでございまして、収益性のない開発あるいは研究等々、これは法律的にも合法のものがあり、かつ収益性があるものについてもこれは一年以内は駄目だと、こういう縛りになっているわけでございます。例えば私の地元においては、そういうものを書いた紙を、後援会に入っていただく、言わば献金をしていただくところには必ずお渡しをしているという仕組みになっておりますし、東京においては口頭でお話をしておりますが、しかし、その中におきましてもこの理解が十分でないということもあり得るわけでございます。そこで、現在、我が党においても検討を進めているところであります。 現行法制の下でこうした問題が生じないように、何ができるのか、そして今おっしゃったようなこともそうだと思いますが、その上で、規制そのものの在り方がどうあるべきかについて更に各党各会派において御議論いただくべき問題であると、このように考えております。
○真山勇一君 やっぱり駄目なものは駄目という、どこかで聞いたせりふですけれども、やっぱりそういうことが大事だと思います。それで、お金の問題というのはやっぱり政治不信につながる、逆に言えば政治の信頼を回復するための一番大事なことだというふうに思いますので、私は是非、やっぱりやれることからやる、改革が難しいんならやれることからやるということをお願いして、私の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で真山勇一君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、井上哲士君の質疑を行います。井上哲士君。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。 まず、チュニジアで邦人を含む人々が殺害をされたテロ事件について、心からお悔やみを申し上げるとともに、許し難い蛮行として糾弾をするものであります。 その上で、この間、集団的自衛権の行使容認等の閣議決定の具体化の与党協議が行われ、今日取りまとめが合意をされます。総理はこの間、専守防衛、そして平和国家としての日本の歩みは変わるものではないと、こう繰り返してこられました。しかし、この協議と合意を見ますと、閣議決定にもなかったようなことも盛り込まれ、これまでの我が国の在り方を大きく変えるものになっております。 様々な国民から危惧の声が上がっておりますが、例えば地方新聞を見ますと、愛媛新聞、自衛隊の任務拡大、平和国家の形が崩れていくという社説を掲げました。京都新聞は、自衛隊の任務、拡大の一途を危惧するとの社説を掲げ、首相は国会で専守防衛に何ら変更はないと答えた、だが与党協議の中身はどう見ても専守防衛から程遠いと述べております。総理、こういう指摘をどう受け止められますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに私ども、専守防衛については今後も維持していくことには変わりはありません。これは我が国の防衛の基本的な方針と言ってもいいと思います。 専守防衛とは、ちなみに、相手から武力攻撃を受けたとき初めて防衛力を行使し、その態様も自衛のための必要最小限にとどめ、また、保持する防衛力も自衛のための必要最小限のものに限るなど、憲法の精神にのっとった受動的な防衛戦略の姿勢をいうものであります。 今後とも、憲法第九条の下で許容される武力の行使はあくまでも新三要件に該当する場合に限られており、我が国又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃の発生が前提であり、また他国を防衛すること自体を目的とするものではございません。
○井上哲士君 総理、そういう答弁を繰り返してこられましたが、これに国民が納得しておりません。ですから、例えば最近の世論調査でも、先日の朝日では、自衛隊の海外活動強化に反対、これは過半数であります。毎日新聞、安保法制を今国会で成立させるのには反対、これも過半数であります。 そこで、今回はこの閣議決定具体化の一つの柱である海外における他国軍の戦争支援の拡大の問題についてお聞きをいたします。まず、周辺事態法の改正です。 この法律は朝鮮半島有事などを想定をして作られました。法律の第一条は、我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態に対応して実施する措置などを定めるものとしております。 当時、小渕首相が中東やインド洋は想定されないと答弁をして、事実上の地域限定だとされてきました。ところが、与党協議には、政府提案としてこの我が国周辺の地域という言葉をなくすということになっておりますが、なぜなくすんでしょうか。地域的限定はなくなるんでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) この周辺事態とは、法律制定時から、事態の性質に着目した概念であると、そして、ある事態が周辺事態に該当するか否かは、軍事的な視点を始めとする様々な観点から見て、我が国の平和及び安全に重要な影響を及ぼすか否かをその時点の状況を総合的に見た上で判断することとなると説明をしてきております。 こうしたこれまでの政府の考え方を基にいたしまして、我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態について、事態の性質に着目した概念であることを明確にするための規定の在り方について検討していきたいと思っておりまして、詳細につきましては、今後与党においても御議論いただきながら、引き続き検討してまいります。
○井上哲士君 事態の性質に着目した概念である、地理的限定はないということなわけですね。 じゃ、この日本の平和と安全に重要な影響を与える事態というのはどういう事態なんでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 先ほど御説明をいたしましたけれども、事態の性質に着目した概念でございまして、こういった状況で我が国の平和及び安全に重要な影響を及ぼすか否か、その時点の状況を総合的に見た上で判断をしてまいることになります。
○井上哲士君 極めて曖昧なんですね。聞いている人は訳分からないですよ。 ですから、時の多数派である政権が日本の平和と安全に重要な影響を与える事態だと判断をすれば、地域的限定がないということになりますと、地球の裏側だって外国軍の支援に自衛隊を送ることが可能になると、こういうものでありまして、改正というよりも抜本的に私は変えるものだと思います。 さらに、政府は、日本の平和に直接の関係がなくても、国際社会の平和と安定のためとして、他国軍を支援をする恒久法も作ることとしております。これらの法律で派遣された自衛隊がどんな活動をどこで行うのかという問題です。 総理に確認をいたしますが、従来、政府は、自衛隊の活動が他国の武力行使と一体化することによって我が国自身が武力の行使を行ったという法的評価を受けるような形態の行為は憲法九条の下では禁止されるとしてきましたけれども、この武力行使一体化論というのは閣議決定でも立場は変わりはないということでよろしいですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いわゆる武力の行使との一体化論それ自体は前提とした上で、その議論の積み重ねを踏まえ、これまでの自衛隊の活動の実経験、国際連合の集団安全保障措置の実態等を勘案して検討した結果、他国が現に戦闘行為を行っている現場ではない場所で実施する補給、輸送などの支援活動については、支援内容のいかんを問わず、他国の武力の行使と一体化するものではないと判断するに至ったものであります。 いずれにいたしましても、この武力の行使との一体化論それ自体は前提としているということを申し上げておきたいと、このように思うところでございます。 今般の安全保障、安保法制の検討においても、他国が現に戦闘行為を行っている現場ではない場所で我が国が必要な支援を実施できるようにするための法整備を進めているところでございます。
○井上哲士君 武力行使一体化論は前提だと、引き続き、こういう答弁でありました。 果たしてそうなっているのかということでありますが、後方支援というのは前方での戦闘活動に対して武器弾薬や燃料の補給、輸送などを行う軍事活動の一部であります。ですから、基本的に武力行使に含まれるということは国際法上は一般的な解釈です。しかし、政府は、この武力行使を直接行使に狭く限定をして他国軍への後方支援は可能だとしてまいりました。それでも、一方で、イラクやアフガン戦争の際の特別措置法でも、そして周辺事態法でも、他国軍への武器弾薬の提供、それから戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機への給油、これはできないこととされておりました。ところが、今回、政府提案にはこれらの活動が盛り込まれました。 なぜこれまではできないことができるように、武力行使と一体化論は前提であるにもかかわらず、そうなるんですか。
○国務大臣(中谷元君) 我が国が、安全の確保、また国際社会の平和と安定のために活動する他国の軍隊への支援については、安全保障環境の変化等を踏まえて、必要な支援活動を十分に行い得るように検討いたしております。 そこで、支援活動と憲法との関係については、先般、閣議決定で、いわゆる武力行使の一体化論それ自体は前提とした上で、その議論の積み重ねを踏まえて、これまでの自衛隊の活動の実経験、そして国際連合の集団安全保障措置の実態等を勘案して検討をいたしました結果、他国が現に戦闘行為を行っている現場でない場所で実施する補給、輸送などの支援活動については、支援内容のいかんを問わずに、他国の武力行使と一体化するものではないと判断するに至ったものでございます。
○井上哲士君 いや、全然答えてないんですよ。当時は、非戦闘地域であっても、いいですか、非戦闘地域であっても武器弾薬の補給、そして戦闘発進準備中の航空機への給油はできないとしていたんですよ。それを、今度は地域にかかわらずできるようにしたのはなぜかということを聞いているんです。
○国務大臣(中谷元君) 航空機に対する給油支援、これは安全を確保して行うことが一般的でありまして、仮に戦闘作戦行動に発進中の航空機に対する給油支援であっても、現に戦闘行為を行っている現場においてこの当該活動を行うことは想定をされないために、武力の行使と一体化をするというおそれはないということでございます。
○井上哲士君 ちゃんと答えていただきたい。 当時はできないと言っていたのが今度できるようになったのは、当時なぜ盛り込まなかったかということを国会でも答弁しているじゃないですか。ちゃんと答えてくださいよ。
○政府参考人(黒江哲郎君) 現行法の制定時におきます事実関係の問題でございますのでお答えいたしますけれども、先生今御指摘の戦闘発進準備中の航空機に対する給油ということにつきましては、当時の整理といたしましては、そのような補給に対するニーズがないという整理がなされたというふうに理解をいたしております。
○井上哲士君 最初からそう答えていただきたいんですが。確かに、当時の国会でニーズがないから盛り込まなかったというふうに説明はされております。しかし、だからといって憲法上の問題がないということではなかったわけですね。(資料提示) パネル、準備をいたしましたけれども、この周辺事態法制定当時の大森法制局長官は、こういうふうに一体化問題で答弁をしております。 今の発進準備中の米軍機への支援でいいますと、武力行使との一体化の問題について延々と議論を重ねたと、要請がないならばもう最後まで議論をし尽くす必要もないじゃないかということになって、憲法上慎重な検討を要する問題であるということまでの共同認識を得て、それ以上の、絶対黒だというところまでの断定はしていないとしながらも、憲法上の適否についての慎重な検討を要する問題であるということを言っているんです。これは上の武器弾薬の提供も一緒であります。 法制局に聞きますけれども、この大森長官の答弁以降、この問題で政府からどのような検討の要請があって、法制局はどんな検討をしてきたんでしょうか。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) この問題につきましては、御指摘のとおり、あるいは大森内閣法制局長官が当時お答えしたとおり、慎重な検討を要する問題であったことは間違いございません。その上で、今般、昨年七月一日の閣議決定に至る過程においてこの問題については検討をいたしました。 そもそも、他国の武力の行使との一体化の考え方は、我が国が行う他国の軍隊に対する補給、輸送など、それ自体は直接武力の行使を行う活動ではないが、他の者が行う武力の行使への関与の密接性などから、我が国も武力の行使をしたとの法的評価を受ける場合があり得るというものであり、そのような武力の行使と評価される活動を我が国が行うことは憲法九条により許されないという考え方でございますが、それは先ほど総理からも答弁ございましたが、この考え方そのものは変更したものではございません。 どのような場合がそれに当たるのかという……(発言する者あり)
○井上哲士君 私聞いたのは、どういう検討を行ってきたのか。つまり、今回の閣議決定の変更の議論、その前に十五年間あるわけです、大森さんの答弁から。その間に何か具体的な検討をしたんですかということを聞いているんです。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 今回の閣議決定に至る過程で検討はいたしましたが、それ以前には、ニーズがないという前提でございましたので、具体的な検討には至っておりません。
○井上哲士君 大森答弁以来、昨年の閣議決定の前までの約十五年間、ニーズがないということで政府からの検討の要請も法制局の検討もなかったということなんですよね。にもかかわらず、昨年の閣議決定で憲法上問題なしと結論付けたわけですが、防衛大臣、これで慎重な検討がなされたと言えるんでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 武器弾薬でございますが、以前、テロ対策特措法案を作りましたときに、私、防衛庁長官をしておりまして、そのときの答弁によりますと、「米側からのニーズがなかったからでございまして、憲法上それができないというからではございません。」と、憲法上ではないという答弁をいたしております。
○井上哲士君 それは分かっているんです。 できないとも言っていませんけれども、できるとも言っていない。慎重な検討を要する問題だと。しかし、これを十五年間やっていなかったんですよ。だから、いかに昨年の閣議決定が結論ありきで、これまでの国会の憲法に関する政府答弁の積み重ねを乱暴に覆したものかということ、私は改めて明らかになったと思うんですね。 その上で聞きますが、今回、弾薬の提供や発進準備中の給油を盛り込んだということは、そういうニーズがあったということなんですか。それはどういうニーズでしょうか。
○委員長(岸宏一君) 黒江防衛政策局長。(発言する者あり) じゃ、中谷防衛大臣。
○国務大臣(中谷元君) 御指摘の質問でございますが、何か根拠があるのではないかと思いますが、現在、与党間でこの問題について議論をしていただいておりますけれども、与党においての御議論の内容等については、私、政府の立場でお答えをすることは控えさせていただきます。
○井上哲士君 いや、だって、ニーズがないから今までやってこなかったと。今回提案しているんです、政府が与党協議にね。 報道では、十六日の自民党内の会合で、日米ガイドラインの改定交渉を担当する防衛省の幹部が、米国とのやり取りで実際にニーズがあったと明かした、国内の自衛隊基地や海上自衛隊の艦船上で米軍を含む他国軍の戦闘機やヘリコプターへの給油、整備が想定とされております。 米軍からこういうニーズがあったということですね。
○政府参考人(黒江哲郎君) 先生御指摘の後段の、米軍からそういったニーズがあったかどうかという点についてのお答えでございますけれども、我々、米側に後方支援、どのようなニーズがあるかどうかということにつきましては、現在行っております日米防衛協力のための指針、いわゆるガイドラインの見直し作業といったもの、あるいは見直し作業に至るまでの様々なこの十五年間以上の日米協力の中で、様々な形でニーズの確認と、あるいはそれに対する日本側の評価といったものを繰り返してきておるところでございます。 他方、最終的に、今回の安全保障法制の整備の中で、そういったものにつきまして法制化するための、それに十分なニーズがあるかどうかといった判断につきましては、当然のことながら、これは法制を整備して、法案を閣議で決定いただきまして国会に提出するという、そういう段階で確定するものでございますので、現段階でそれについて云々するということは控えたいと思います。
○井上哲士君 事実上、今、ガイドラインの交渉の中でそういうニーズはあったと。それをどうするかということは検討かもしれませんが、ニーズがあったこと自身は事実上認められました。 この写真は、二〇一三年の六月にアメリカの西海岸で行われた米軍の大規模な統合訓練であるドーン・ブリッツ、二〇一三年に自衛隊として初めて参加をしてきたときのものなんですね。この甲板の81という数字は海上自衛隊のヘリ空母「ひゅうが」であります。上に乗っているのは、しかし、アメリカの海兵隊のオスプレイなんですね。なぜかと。このとき初めて日本の艦船でオスプレイの着艦訓練が行われたと。 これ、大臣、間違いないですね。
○政府参考人(深山延暁君) 事実関係でございますので、私からまず御答弁申し上げます。 自衛隊の統合運用能力及び米軍との共同対処能力の向上を図るために、御指摘のように、平成二十五年六月十日から二十六日までの間、米カリフォルニア州に三自衛隊の部隊や要員を派遣いたしまして、米軍と共同で実動訓練、ドーン・ブリッツを実施いたしました。その中で、現地時間の六月十四日、日本時間十五日でございますけれども、日米間の相互運用性の向上を目的といたしまして、米軍のMV22オスプレイを海上自衛隊の護衛艦「ひゅうが」、そして輸送艦「しもきた」に発着艦させる訓練、また、「ひゅうが」の艦内にオスプレイを収容する訓練を行ったところでございます。
○井上哲士君 初めてのことでありますが、自衛隊の艦船への米軍機の発着艦の訓練がこの時点でもう行われているということが認められました。参加した自衛隊幹部が防衛白書に登場しておりますけれども、米軍との相互運用性の向上を目指すとはっきり述べているわけですね。 ですから、こうやってもう米軍と一体となった共同訓練にどんどん踏み込んで、それをてこにして給油などの米軍のニーズにより応えられるようにするというのが今回の法制度じゃありませんか。日本の艦船から給油を受けた米軍機が戦闘を行うというのは明らかに武力行使と一体となったものと思いますが、防衛大臣、いかがですか。
○国務大臣(中谷元君) 通常のこれ訓練でございます。この訓練は、MVの22オスプレイと海上自衛隊の艦艇間の連絡手順等を確認して今後の幅広い活動における日米間の相互運用性の向上に資するものでございまして、それぞれの能力向上とか、また指揮、連絡、通信とか、そういうものを向上させるものが目的でございます。
○井上哲士君 問いに答えていないんですよ。 いいですか、こうやって既に日本の艦船にアメリカのオスプレイが発着艦するという訓練が行われている。そして、先ほどありましたように、ガイドラインの議論の中で給油のニーズがアメリカ側からあるということなんですね。そうなるとどうなるのかと。例えば、テロ特措法のときに、インド洋で米艦船に給油をして、その給油した艦船から飛び立った米軍機がアフガニスタンの空爆で多くの市民の命を奪って大問題になりました。 今度は船を通じてじゃないんですよ。直接戦闘の準備中の航空機に給油をすることを可能にするということになるわけですね。この発進した戦闘機が武力行使をしても、それでも自衛隊の活動は武力行使と一体化しないと、こんなことが相手から通用するのかということですが、もう一回、防衛大臣、いかがですか。
○国務大臣(中谷元君) もう一度説明させていただきますが、我が国が行う支援活動と憲法の関係において、いわゆる武力行使との一体化論、それを前提とした上で、その積み重ねによりまして、これまで自衛隊の活動の実績、そして国際連合の集団的安全保障等を勘案をいたしまして、他国が現に戦闘行為を行っている現場ではない場所で実施する補給、輸送などの支援活動については、支援内容いかん問わずに他国の武力行使と一体化するものではないと判断をいたしておりまして、お尋ねの航空機に対する給油支援は安全を確保して行うことは一般的でございます。 ですから、戦闘作戦行動に発進準備中の航空機に対する給油支援であっても、現に戦闘行為を行っている現場において当該活動を行うことは想定されませんので、武力の行使と一体化するおそれはないということでございます。
○井上哲士君 あのね、海上の空母から発進するところが戦闘現場でないことは当たり前なんですよ。問題は、そこから直接給油を受けた飛行機が戦闘現場で空爆をして、これで武力行使と一体化していないなんということが相手の国に通用するのかということを言っているんですよ。 アフガンのときにあれだけ問題になったわけですね。あのときは日本が給油をした船から飛び立った飛行機でも問題になったんですよ。今度は直接給油したものが行けるんですよ。それでも武力行使と一体化でないと。勝手に日本政府が整理したって通用しませんよ、そんなことは。 総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今写真で示していただいている例えばオスプレイが、「ひゅうが」ですか、「ひゅうが」の上に着艦する、そういう訓練等につきましては、まさに我が国に対する武力攻撃があったときにおいても共同対処するわけでありますから、ふだんからしっかりと共同対処できるような体制を整えていく、これは抑止力の向上につながっていくんだろうと思います。 同時に、一体化論というのは、これはあくまでも憲法との関係において一体化するかしないかという判断でございまして、先ほど来法制局長官等が答弁しているとおりでございます。
○井上哲士君 これは海外での他国軍隊支援の法制の枠組みの話なんですね。ですから、アフガニスタンとか、そしてイラクのときのように、日本に直接の影響はなくても平和と安定という理由で海外に行って支援をするときの話なんですよ。 そして、さっき言ったような、日本が直接給油した飛行機が空爆をするということが起こり得ると、それでも一体化にならないということはおよそ通用しないじゃないかということを私は申し上げているんですが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今申し上げましたように、どう見えるかということではなくて、あくまでも憲法上一体化、つまり一体化論というのは、これ世界中で取っているのは、ある意味憲法との関係においてでございますから、日本だけでございます。そもそも一体化するかどうかという議論は世界中どこでも行われていないわけでありまして、これは憲法との関係において、日本が、言わば一体化しないということにおいては武力行使ではないという見解を言わば法制局が取ってきた中において一体化論が議論されているわけでございまして、ですから、海外からどう見えるかということにおける議論ではないということは申し上げておきたいと思いますし、また、国際法上との関係ではない。そもそも、繰り返しになりますが、一体化論というのは、一体化論そのものを取っているのは憲法との関係があるので、世界中で日本だけであるということについてはまず申し上げておきたい。 その上において、一体化するかどうかということについては、先ほど来、そもそも大森長官が答弁した段階においてはニーズがなかったということでございます。まさに現在与党において協議がなされているところでございますし、今後法制化する上においてしっかりと協議をしていくことになるんだろうと、このように思います。
○井上哲士君 憲法上の問題も慎重に検討が必要だと言いながら、十五年間やられてこなくて、この間の閣議決定で言わばそれまでの議論を全部ひっくり返して決めたんです。政府が整理をしたからそれができるんだと、こんな乱暴なことはないんですね。 しかも、そもそも、こういう安保の問題というのはアメリカが何を言っているのかを見ると大体よく分かるんです。今回の法整備は、日米防衛協力指針、ガイドラインの改定と一体のものだと繰り返し答弁をされてきましたが、これに対して、アメリカのカーター国防長官が十八日のアメリカ下院軍事委員会の公聴会でこう発言をしております。ガイドラインの改定は、地域の安定の維持に当たり、日本が米軍を支援をする契機となる、地域と世界を舞台に米国を助ける新たな方法を日本に与えるものになる、大変有益なことだと、アメリカ側からあけすけに述べているわけですね。 総理、結局、この閣議決定に基づく法整備というのは、カーター国防長官が述べているように、世界を舞台にアメリカの要求にこれまで以上に応えられるように米軍支援の新たな方法を手にすると、これが目的ということじゃないんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、この安全保障法制については様々な分野があるのは御承知のとおりでございます。グレーゾーンであったり、あるいはPKO活動であったり、そしてまた、今議論をさせていただいた後方支援についてであったり、あるいはまた集団的自衛権の一部行使についてであったりするわけでございます。 集団的自衛権につきましては、まさに三要件がこれは要件でございまして、この要件の中でのみ認められるということでございます。 そしてまた、後方支援等につきましては、これはまさに、今までもそうでございましたが、世界の平和と安定に寄与する上において、世界の平和と安定に寄与するということは、すなわち我が国のまさに平和と安定にもつながってくるわけでございまして、その中において判断をしていくということになるわけでございます。
○井上哲士君 全く答えていただいておりませんが、アメリカ側は、要するに、自分たちの要望に日本がより応えられるようになると、こういう期待を言っているわけですね。その下で、まさにこれまでの憲法上できないということをやるのが今回の法改正なわけでありますが。 先ほど、いわゆる戦闘地域と非戦闘地域というものを分けていた従来の法制度から、戦闘現場以外なら支援活動が可能だというふうに閣議決定をしたと、こういうお話がありました。その際に、この間の自衛隊の実経験、それから国連の集団安全保障措置の実態等々を勘案をして判断をすると、先ほど何回か答弁があったわけですが、なぜそんな判断が下せるのかと。自衛隊はこれまで戦闘地域で後方支援活動をしたことがあるんですか、他国軍の。
○国務大臣(中谷元君) これまで自衛隊は、PKO、国連平和維持活動、またイラク人道復興支援活動、そしてインド洋における補給支援活動等、数多く参加してまいりました。 こうした活動を通じて、政府としては、国連や諸外国の活動の実態等に対する理解、これが深まってきたわけでございまして、このようなことから、先般の閣議決定において、この自衛隊の活動の実体験、国際連合の集団的安全保障措置の実態等を勘案をいたしまして、今回、他国が現に戦闘行為を行っている現場でない場所で実施する補給、輸送など我が国の支援活動について、当該他国の武力の行使と一体化をするものではないという認識を基本として法整備をすることにしたわけでございます。
○井上哲士君 停戦合意が前提であるPKOと、戦闘をしている他国軍への支援を同様に論じること自身がおかしいと思うんですね。 自衛隊は、実は戦闘地域で戦闘中の他国軍の支援をしたことがあります。航空自衛隊によるイラクでの輸送活動は戦闘地域での活動だったと、二〇〇八年の名古屋高裁が判じたわけですね。バグダッド空港は非戦闘地域だとして、この空港を使って武装米兵などの輸送を行ったわけでありますが、その際に攻撃の危険にもさらされました。名古屋高裁は、バグダッドは非戦闘地域ではなくて戦闘地域だったとして、他国軍の武装兵員を空輸するものについては他国による武力行使と一体化した行動であり憲法違反だと、こう断じたわけですね。つまり、政府が非戦闘地域だと言って派遣をした場所であっても、戦闘地域となって武力行使と一体化した行動になったと、なるんだということをあの高裁判決は判示したわけですよ。 ですから、この判決からいうならば、これまでの自衛隊の活動の実体験から明らかになるのは、非戦闘地域であれば大丈夫ということも通用しないと。ですから、他国軍の支援のための派遣そのものをやめるということになると思うんですね。 ところが、政府は、戦闘現場以外は可能だとして、他国軍支援の枠組みを大きく広げてしまったと。この判決からいっても、自衛隊の活動の実体験から明らかなのと、今政府がやっていることは全く逆じゃありませんか。
○国務大臣(中谷元君) まず、名古屋のあの訴訟につきまして、このイラク派遣等の違憲確認及び差止めを求める訴えについては不適法なものであると却下しまして、また、損害賠償請求は法的根拠がないとして却下をしておりまして、国側の全面勝訴の判決でございます。 航空自衛隊の空輸活動が違憲であると判示した部分は、判決の結論を導くのに全く必要のない傍論であると承知をしておりまして、本件は、自衛隊のイラク派遣等が憲法に違反するかどうかを判断するまでもなく却下あるいは破棄され、棄却ですね、棄却されるべきものであったということで、政府は、裁判において自衛隊のイラク派遣等が憲法に反するかどうかについて主張、立証さえする必要がなく、実際にそのような主張等はしておりません。 そこで、イラクの復興支援のお話でございますが、これは、国際的にはイラクの戦闘は終了して、国連においても、イラクの復興支援、これの活動に対する決議も行われて、目的はイラクの復興支援でありますし、現に自衛隊の活動、サマーワで行いましたけれども、非常に現地の皆さんから喜ばれ、理解され、そして平和をつくってくれたと。また、米軍のバグダッド等におきましても、一応戦闘が終了した段階での国の支援であったというふうに理解しております。
○井上哲士君 高裁判決は事実認定を重ねてああいう判示を下したわけですね。 現実に非戦闘地域だと言いながらも、そこはまさに戦闘地域であり、戦闘現場と紙一重であったというのは事実なんですよ。ですから、それを逆にうんと広げるというのは全くあってはなりませんし、今度はもう戦場の紙一重の場所で弾薬の補給までするということになるわけでありますから、こうなれば、相手から攻撃を受け、総理はその場合は身を守るために武器の使用はあるという答弁もされていますから、これは応戦すれば戦闘に突入をするということになるわけですね。 ですから、憲法上、自衛隊の活動が武力行使と一体とならないということは変わらないと言いながら、今やられている法改正は全く逆のものになっておりまして、戦闘行為そのものにも加わるものにもなっております。 結局、切れ目のない法整備というのは、アメリカの要求に切れ目なく応えて、どこでもどんな戦争でも支援を可能にすると、こういう中身になっているわけでありますから、私は、憲法九条に反する法整備は直ちに中止をして、閣議決定も撤回をするべきだと申し上げまして、質問を終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で井上哲士君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、田中茂君の質疑を行います。田中茂君。
○田中茂君 日本を元気にする会・無所属会、無所属の田中茂です。 実は、今日は私、予算委員会での質問、総理への質問、テレビ入りの質問は初めてでありますので、よろしくお願いいたします。(発言する者あり)ありがとうございます。 まず冒頭に、一昨日、チュニジアでテロ乱射事件があり、多くの方が犠牲になり日本人の方も三名お亡くなりになりましたが、お亡くなりになった方々に心から御冥福をお祈りいたします。 それでは、早速質問をさせていただきますが、対外情報機関設立についてであります。 今日はまた、二十年前の今日、三月二十日はサリン・テロ事件がありました。いまだに後遺症に悩んでいらっしゃる方もいます。このように、チュニジア、さらにこのサリンも含めてですが、我が国でこのようなテロ事件が起きて悲惨な結末を迎えるたびに情報収集力の強化が叫ばれてきました。 その第一歩として、二〇一三年十二月、国家安全保障局、国家安全保障会議が発足したわけでありますが、国家安全保障局は基本的には分析機関であって、情報収集機関ではありません。 安倍総理は、二月四日の衆議院予算委員会で、政府の情報収集を更に強化し、より正確かつ機微な情報を収集して国の戦略的な意思決定に反映していくことが極めて重要だと述べられております。対外情報機関の設立に向けて動き出したとその際報道されております。 また、翌日の参議院予算委員会では、各国の情報機関から情報の提供を受けるには、我々自身の情報収集能力を高めていかなければならない、さらに、対外情報機関の設立については多々議論があると承知している、自民党内でも必要性を検討しているとも述べられておられます。 これも報道になるんですが、早ければ今秋の臨時国会で法案を提出ということも報道では出ております。 私は、戦後、平和国家を標榜してきた日本ではこのような問題には依然としてアレルギーが強いことを想定されますが、私自身は、諜報、インテリジェンス機関の設立をタブー視する時期は過ぎたのではないかと考えております。なぜなら、情報収集・分析力の強化といったインテリジェンス機関による活動を通じて、国家間のあつれきや戦争を未然に防ぐのが本来の外交、安全保障であり、軍事力の使用は最後の手段であると考えるからであります。 昨年十月、外交防衛委員会で、防衛省の情報活動についての私の質問に対し、政府参考人より答弁がありました。日本付近での情報収集能力を除いて、遠く離れた地域においては相対的に我が国独自の情報収集能力には制約があると述べられております。 このように、今の日本の情報収集能力は周辺地域を除いては決して高いとは言えません。ほとんど同盟国や準同盟国の情報に依存しなければならない状況であります。自らの情報なしに果たして遠隔地への自衛隊の派遣が可能なのかちょっと不安になりますが、まずは日本独自の情報を得ることに力を入れるべきではないかと、そのように考えております。 また、軍事的戦闘能力を高めたとしても、最終的には情報収集と分析に優れた者が交渉でも優位に立ち勝敗が決定することは、過去の事例を見ても明らかであります。一九九五年に米国防総省が発表した論文で、情報を制した者が戦場を制するという、RMA、軍事における革命の概念がうたわれ、最新最強の軍事戦力とも考えられております。 諜報力は、政治や軍事のみならず、産業界においても重要であることは明白であります。日本の先端技術が他国で本来は考えられない軍事目的に利用されていることも幾つも例があります。国際化の中で国としての戦略がなければ国益は守れない、その最重要手段として諜報活動を強化すべきであると考えております。 そこで質問でありますが、情報機関の設立を実現させるためには、まず、先ほども言いましたように、国民のアレルギーを払拭し、国民からの理解を得なければなりません。さらには、情報機関で従事する方たちにいかなる任務を付与するのか。とりわけ、海外における活動はどうするのか。その従事者の身分保障をいかにするのか。越えるべきハードルは決して低くはないと思っております。 また、新たな通信傍受等の法整備、情報機関による国民への人権侵害を監視する制度、憲法五十七条の秘密会の開催など、いろいろと課題として考えられますが、総理の対外情報機関設立に関する展望をお聞かせいただければと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国をめぐる安全保障環境は悪化をしているわけでありますが、国家国民の安全を守るためには、安全保障や国民の安全に直接関わる情報の収集が極めて重要であります。まさに今委員が御指摘になったとおりでございます。 とりわけ、国際テロに対峙するためには、関係する国や組織の内部情報を収集することが死活的に重要であります。しかし同時に、そうした国や組織は閉鎖的であるため、内部情報の収集には相当の困難が伴います。そのため、政府の情報機能を更に強化し、より正確かつ機微な情報を収集して国の戦略的な意思決定に反映していくことが極めて重要であると考えております。 御指摘の対外情報機関の設置については様々な議論がございます。今委員の御指摘になったそういう事項も含めて様々な課題もございます。自民党においても現在議論が行われているものと承知をしておりますが、政府としても情報の収集、集約、分析の一層の充実強化に取り組む中で研究をしていきたいと考えております。
○田中茂君 情報を制した者が戦場を制すると先ほど私言いましたが、確かに情報は極めて大事だと思っておりますので、あらゆる面を含めて促進していただきたいと私は思っております。 その対外情報機関設立に関わる課題としては、先ほど言いましたように、国民のアレルギーがあると思います。それをどうにかして払拭して理解を高めていかなくてはいけないと思っております。もう一つは、長期的視野での人材育成というのは、これは今すぐでもやるべきだと思っておりますが、もう一つは、現在ある情報機関との主導権争いだと思っております。それは、かつて吉田茂総理が対外情報機関の設立に力を注がれましたが、結局野党の強い反対と外務省と旧内務省の主導権争いにより頓挫したということは、これはCIAの解禁文書からも明らかであります。 現在、日本の情報収集の機能を有するのは、外務省、防衛省、法務省、警察庁、内閣情報調査室等、九機関がありますが、NSCの発足により各省間での共有はやや進んだのではないかと思っております。が、しかし、情報収集としての対外情報機関を設立する場合は、現にある情報収集機関を主体にして組み立てるのが妥当だとは思っておりますが、このことがむしろ最難関であるとも考えられます。理由は、先ほど、吉田茂総理が頓挫した理由だと思っております。 それで、既存の情報機関と新設する対外情報機関との関係をどのようにするのか、お考えを、今の段階でこのお考えをお聞きするのはちょっときついかもしれませんが、できれば教えていただければ有り難いです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 現在の情報収集体制は、警察庁、そして公安調査庁、外務省、そして防衛省でございまして、これが言わば情報コミュニティーと、こう言われています。拡大情報コミュニティーとしては更に金融庁や財務省や経産省や海上保安庁があると、こういうことではないかと思います。この情報コミュニティーからの情報をNSCにおいて集約をしていくわけでございますが、まず内閣情報調査室、内閣情報官の下のこの情報調査室にこれが集約をされまして、オール・ソース・アナリシスのための内閣情報分析官を設置をし、情報評価書の原案をここで作成しているわけでございます。 こうした分析に基づいて現在我々は政策の決定に生かしているということでございますが、そこで、対外情報機関をつくった場合、既存の情報機関との関係はどうなるかということでございますが、御指摘の対外情報機関と既存の情報機関との関係については、今後対外情報機関の設置について研究していく中での研究項目の一つであると認識をしております。 いずれにいたしましても、今後この研究を進めていく中において議論をしていきたいと、このように思っております。
○田中茂君 ありがとうございます。 この件についても、外務、防衛各大臣の御答弁をもしできればお願いしたいんですが。
○国務大臣(岸田文雄君) 今般のチュニジアの事件等テロの脅威が増し、また安全保障環境も厳しさを増す中にあって、この情報の収集、分析、ますます重要になってきていると認識をしております。その中にあって、外務省もこの対外情報の収集、分析において大きな責任を担っていると思っております。 外務省におきましても、国際情勢に関する情報の収集及び分析の事務を所掌する国際情報統括官組織、こういった組織を持っているわけですが、この組織の人材においても、また活動においても、より充実を図っていかなければならないということで今日まで取り組んできました。その中にありまして、今御指摘のこの対外情報機関と既存の情報機関との関係につきましては、ただいま総理から答弁がありましたとおり、政府全体として研究していくことになると承知をしております。
○国務大臣(中谷元君) 防衛省としましては、我が国の防衛に必要な情報を収集するために、省の中央情報機関である情報本部、これを設置をしまして、陸海空自衛隊の情報専門部隊等を有しております。今後、情報収集能力の一層の強化が必要だと認識しておりますし、また、防衛省には地上の通信所、レーダーサイト等、情報収集のための様々な技術、手段を有しておりますが、閉鎖的な国家や組織の内部情報の収集はそのような手段のみでは困難でありまして、情報収集上の課題となっております。 対外情報機関の創設につきましては政府全体として研究されることになりますが、防衛省としても積極的に参画をして、その際、あるべき対外情報機関と防衛省の情報機関との関係についても研究項目の一つになると考えております。
○田中茂君 ありがとうございます。 次の質問にさせていただきますが、安倍総理は、独自に海外において情報収集するオペレーションは一朝一夕にできることではないと、当然だと思います。先ほども申し上げましたように、日本では諜報やインテリジェンス機関というと、何となくCIA、MI6、KGB、暗躍しているスパイ活動というマイナスイメージで捉えられがちですが、れっきとした自由主義、民主主義国であっても、国際平和、国民の生命、財産、国の独立と繁栄、憲法秩序、民主主義、自由主義を守るためにも必要な組織であると思っております。 ただし、人間関係を築き信頼を得ることから始まり、人材の育成まで含めると、それなりの情報機関に育てるには、総理も言われたように一朝一夕ではできないと思っております。何年も、ひょっとしたら数十年掛かるかもしれません。世論の受入れから、国民の受入れから始まり、人材を育成し、本格的な情報機関の稼働に向けて、総理は、先ほどおっしゃったように今から始まるとおっしゃったんですが、何らかのロードマップというのはお考えなのでしょうか、お聞かせください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに、そうした在外情報機関を設置をしていく上においては様々な課題が多いわけでございます。その一つとして、そうした人材をどのように育成していくかということになるわけでございまして、そう簡単に直ちに育成するということにはならないんだろうと、このように思います。 まさに現在、更に質の高い対外人的情報収集を実現するため、どのような手段、方法及び体制の在り方が求められるかなどについて研究を深めているところでありまして、対外情報機関の設置時期等について現段階でまだお答えをするという段階ではないわけでございますが、いずれにいたしましても拙速は避けながらしっかりと研究を進めていきたいと、このように思っております。
○田中茂君 ありがとうございます。 私も、日本は、対外情報機関を運営することで友好国との情報交換を通じて日本の防衛、安全保障に加え、世界の平和により一層私は貢献できると思っております。まさに平和国家日本にこそ対外情報機関が必要ではないかと、そのように考えております。 では次に、防衛駐在官による情報収集強化についてお尋ねしたいと思っております。 先ほども総理おっしゃっていらっしゃいましたが、海外のオペレーション、情報収集を強化していくと。一朝一夕にできなければ、今あるものとすれば駐在武官、駐在武官は軍関連については情報が入ると思っておりますが、その強化について質問させていただきます。 一昨日にはチュニジアでテロ乱射事件がありましたが、去る一月のISによる人質事件、二〇一三年の一月十六日に発生したアルジェリアの天然ガス関連施設における人質事件でも、駐在武官という軍人ならではの情報収集ができていなかったことが論議の的になりました。 現に、二月三日の参院予算委員会で安倍総理は、防衛駐在官は軍同士の関係でしか入手し得ない種々の情報を入手できる、邦人の保護、救出に必要な情報収集体制を強化するために有効だと答弁されておられます。 昨年度は、これまでの防衛駐在官数が十四増五減となり、実質九名増となりました。しかし、減と判断された国にウクライナとポーランドが入っておりました。これは、私にとっては全く意外で腑に落ちないと思った次第であります。当然、今ウクライナとポーランドはロシアと対立し、ヨーロッパ情勢のみならず世界に大きな、与える両国であります。 現在、クリミア、ロシアに侵入、侵略されているわけですが、内戦状態であります、ウクライナは。一方、ポーランドは、ウクライナに義勇兵を送り込んでいるとも言われております。日本はロシアに制裁を加える側にいます。更に戦争が拡大する可能性があり、鍵を握る二国の防衛駐在官を削減するというのは考えられません。さすがに誤った選択だったのか、二十七年度予算ではウクライナとポーランドの防衛駐在官を復活させる予算を組んでおられます。 そこで、現在、世界に我が国の防衛駐在官がどこに何人赴任しているのか、お聞かせください。
○政府参考人(武藤義哉君) お答えいたします。 防衛駐在官は、駐在国におきまして我が国の安全保障に係る軍事情報を収集すると同時に、駐在国との防衛協力等に係る諸調整の任を担ってございます。このような役割を担う防衛駐在官について、防衛省は、本日現在、四十大使館、二代表部に五十八名を派遣してございます。 我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増している中で、我が国の安全保障に係る軍事情報を適時に収集する重要性は高まってございます。さらに、各国との防衛協力は、装備協力を含めて質、量ともに拡大を続けております。このような中、防衛省としては、防衛駐在官に期待される役割はますます高まっていると認識してございます。
○田中茂君 私が聞いたところによると、アフリカ八か国に今駐在武官がいるということは聞いております。アルジェリア人質事件の教訓からだと思いますが、アフリカ情報に精通しているヨーロッパという観点から、英、仏、独にも各々一名ずつ増員もされたとも聞いております。 しかし、バルセロナのあるカタルーニャ地方の独立や経済問題等、幾つかの重大な問題を抱えているスペインには派遣されておりません。スペインにはスペイン語圏の情報が集まってくるとも考えております。とりわけ、独立運動がヨーロッパ全体に揺るがしかねない。一昨日乱射事件があったチュニジアにも、アルジェリアの駐在武官が兼務ということで武官はいないと聞いております。 そこで、二月三日の閣議後の記者会見で、中谷防衛大臣が、必要なところの駐在武官の増員に努めていきたいと思っていると語っておられます。 そこで、質問ですが、中谷大臣がおっしゃる必要なところとはどこなんでしょうか、また必要なところかどうかを判断する基準はどうなっているのか、さらに、増員というのはどの程度の規模、どのような人材を想定していらっしゃるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(武藤義哉君) 防衛省といたしましては、その時々の国際的な安全保障環境の変化を踏まえまして、先ほど申し上げました、防衛駐在官の役割の高まりに応じまして、外務省と緊密に連携をしつつ、駐在国関連の情勢が我が国の安全や自衛隊の運用に及ぼす影響、駐在国と我が国の防衛協力の進展、新規派遣のための定員及び適切な人材の計画的確保などを総合的に考慮し、派遣国及び人数等を決定しているところです。 防衛駐在官については、職務の重要性、複雑性を考慮し、幅広い見識と豊富な経験を有する者を選考しておりますが、適切な人材の確保や育成に時間を要する等の問題がございます。他方、防衛駐在官に期待される役割の高まりを踏まえ、また、先般のシリアにおける邦人殺害テロ事件も受けて、防衛省においては、中東地域も含め、派遣体制の強化について真剣に検討しているところでございます。
○田中茂君 実は私、この質問は去年、外交防衛委員会でも同じような質問をしまして、そのときも大体同じような答弁があったと思います。 ただ、今のお話を聞いていても、そしてまた、先ほどのウクライナ、ポーランドの話をしても、駐在武官が必要なところの判断基準には一貫性がちょっと見られないんじゃないかと、そのように思っております。静的な、静かな対応であると思います。 ですが、今や自衛隊、後方支援について地理的制約が解除され、それこそ地球の裏側にまで派遣される可能性も想定されております。静的だけでなく、戦略的な動的な対応も必要だと思っておりますので、全く違ったアプローチでまたお考えになっていただきたいと、そのように思っております。 二十七年度予算要求における駐在武官に係る体制強化として、駐在官候補者に対する研修強化、あと、駐在武官の増員、先ほどウクライナ、ポーランド、豪州、豪州が入っておりますが、それが決まっておりますが、しかし、研修期間の中身を見ますと、これまでの研修期間五週間が八週間になるという、赴任前の現地視察制度を導入したにすぎないのではないかと思っております。強化には違いありませんが、根本的な強化とは言えないのではないかと、そういう疑念を抱かざるを得ません。これ以外に体制強化として具体化されていることを教えていただければと思います。 単に数を増やせばいいというものではなく、実際にどうすれば機能するのか、駐在官だけでなく、その活動を支えるスタッフの増員はどうなっているのか、そのサポート体制を含めた今後の具体策についてどのように考えているのか、お聞かせいただければと思います。
○政府参考人(武藤義哉君) お答えいたします。 防衛省といたしましては、在アルジェリア邦人に対するテロ事件等を受けまして、防衛駐在官を通じた情報収集を円滑に実施するために、防衛駐在官の、ただいま御指摘にありました支援体制、その強化に資する施策に取り組んでいるところでございます。 具体的に申し上げますと、平成二十六年度でございますが、防衛本省に防衛駐在官との緊密な連絡を担当する調査研究室を新設をいたしました。また、情報収集・分析能力強化のため、アラビア語やヒンディー語といった特殊言語も含めた語学研修の拡充を行う。あるいは、情報本部における情報実務研修の拡充、ここに、駐在官に行く方がこれを受けると。あるいは、装備協力の深化や対外発信の重要性等を踏まえまして部外有識者からの講義を実施をする、そういったようなことも行っております。 また、平成二十七年度予算でございますけれども、赴任国の防衛駐在官業務や地域情勢等を的確に把握させるため、赴任前の任国への出張を実施をするということとしております。 そのような措置を講じることとしてございますが、防衛省としては、引き続き、防衛駐在官による情報収集の円滑化のため、人材育成の強化やサポート体制の充実も含めた諸施策を実施していく考えでございます。
○田中茂君 ありがとうございます。 海外での情報収集で最も大事なのは語学であります。当然、今、自衛隊は、英語に加え、伝統的にはロシア語、中国語、朝鮮語に力を入れていらっしゃると聞いておりますが、先ほどもおっしゃったように、ほかの言語、アラビア語、スペイン語、それぞれ話ができる駐在官、その教育をしていただきたいと思います。 次に質問させていただきますが、その駐在武官なんですが、外務省内における駐在武官の位置付けを教えていただけませんでしょうか。
○政府参考人(岡田隆君) お答え申し上げます。 防衛駐在官は、防衛省から外務省に出向した自衛官でございまして、外務事務官として採用された上で、大使館員兼防衛駐在官として発令されております。防衛駐在官は、ほかの在外公務員、在外公館勤務者と同様、外務大臣及び在外公館長の指揮監督に服しているという、こういう位置付けでございます。
○田中茂君 つまり、外務大臣、さらに大使の指揮監督下にあるということでありますが、あと、防衛駐在官の諸手当及び活動費は外務省予算なんでしょうか、それとも防衛省予算なんでしょうか。
○政府参考人(岡田隆君) お答え申し上げます。 防衛駐在官の俸給及び諸手当は外務省予算から支給されてございます。
○田中茂君 防衛省に関する情報は、防衛省と外務省と同時にオンラインでITシステムで送ることになっていると聞いております。これは結構なことだと思うんですが、防衛省から防衛駐在官への指示は外務省経由でしょうか、それとも直接やれるんでしょうか。
○政府参考人(岡田隆君) お答え申し上げます。 防衛駐在官は、先ほども申し上げましたとおり、ほかの在外公館勤務者と同様、外務大臣及び在外公館長の指揮監督に服しているということでございますので、そういったことで指揮を受けるということになってございます。
○田中茂君 いや、私が聞いたのは、防衛省からの防衛駐在官への指示は外務省経由なのでしょうか、それとも防衛省は直接できるんでしょうか。
○政府参考人(武藤義哉君) 防衛省といたしましても、当然、防衛駐在官との間で緊密に連絡を取っているところでございますが、ただ、今外務省からもお答えありましたように、あくまでその指揮監督ということでございますと、他の在外公館勤務者と同様、外務大臣及び在外公館長の指揮監督に服しているということでございますので、そうした指揮監督の下でということでございます。
○田中茂君 私は、別に文句を付けるわけではないんですが、要は、駐在武官が機動的かつ円滑的に活動ができ、本来の任務を果たすために支障がないような体制をつくっていただきたいと思っているだけであります。 次に、質問を変えさせていただきますが、防衛省の中での情報収集組織についてであります。 政府は、防衛省の外局として二千人規模での、今夏に発足すべく、二〇一五年度予算の概算要求で防衛装備庁設置のための予算を請求しておられます。その趣旨は、効率化と機能化とを目的とした設置でありますので、理解はしております。しかし、これと同様に、外国の政情や軍事情報収集、これは対外情報機関とはまた別なんですが、を強化する、又はそれを担うための人材を確保する機関の設置も検討すべきではと考えております。 防衛駐在官の役割強化も重要ですが、元々軍事情報の専門家としての教育を受けたわけではありません。その意味でも、予算を確保し、戦略的スペシャリストの育成を図る必要もあるのではないかと思っております。防衛装備と同じぐらいに軍独自の情報収集機関も重要であります。 防衛省には、情報本部、先ほどおっしゃっていた衛星通信からの情報収集を中心にした情報本部があるのは聞いておりますが、スペシャリスト育成を含む情報収集機関がないのであればそれは不備ではないかと、そのように思っておりますが、お考えをお聞かせください。
○国務大臣(中谷元君) 御指摘のとおり、防衛省としては、軍事分野の情報というのは、部隊の運用そして装備品の性能に精通した者が複雑な国際情勢も踏まえつつ扱うことが不可欠でありまして、やはり専門家の育成、これは非常に重要な課題であると認識をいたしております。 情報本部におきまして、公開情報、電波情報、画像情報等の収集を行い、それを分析する省の中央情報機関としての役割を果たしておりますが、この本部で情報業務に従事する能力の高い情報専門家を育成するために、現在、中東・北アフリカ情勢が緊迫化し注目を集める中で、アラビア語、ペルシャ語といった特殊言語要員の確保、また地域情勢を分析する情報本部の分析官については段階を踏まえた各種の研修の機会を設けてスキルアップを図る、そして陸上自衛官については平成二十二年度に情報科職種を新設したなど、情報分野における要員を計画的に育成をいたしております。 今後とも、優れた情報専門家の育成に向けた施策を進めてまいりたいと思っております。
○田中茂君 時間がないので次の質問をさせていただきますが、情報収集に関する民間との協力体制であります。 外部との連携、商社等との協力体制の可能性についてお伺いします。 現段階では、先ほど来おっしゃっていますように、大掛かりな諜報機関が日本にはありません。情報収集では圧倒的なハンディがあります。そうであるならば、なおさら防衛駐在官のような現在既に存在している情報網に力を入れることも妥当であると考えます。大使館もありますし、ほかのいろんな国際的な機関もありますが、その防衛駐在官を増員したとしても、すぐに情報や人脈も形成されるわけではありません。そうであれば、海外展開を積極的に行っている民間との連携も一層強化することも必要であります。この点について意見をお伺いします。 既に実行されているかもしれませんが、へき地にも人を送り込んでいる大手商社やメーカーとの連携はあるのか。なければ積極的に進めるべきではないでしょうか。お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 安全保障等の環境が厳しくなる中にあって、情報の収集、分析、ますます重要になってきています。その情報の収集、分析に当たっては、先ほどの防衛駐在官ももちろんでありますし、本来の外交官のルートももちろんでありますが、様々なルートを駆使し充実することによって全体の情報収集、分析を充実していかなければならないと考えます。 その中にあって、御指摘の現地に進出している日本企業の関係者との意見交換、情報交換については、現地の情報ですとか、あるいは現地の政治や経済情勢、さらには邦人の安全情報等において、これは大変貴重な意見交換であり情報交換であると認識をいたします。こうしたルートも引き続きしっかり充実させていただくことによって、是非我が国としての情報収集・分析能力全体の充実につなげていきたいと考えます。
○田中茂君 是非ともやっていただきたいと思います。 時間が来ましたので、私の質問はこれで終わりにします。ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で田中茂君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、浜田和幸君の質疑を行います。浜田和幸君。
○浜田和幸君 次世代の党の浜田和幸です。 総理におかれましては、一昨日は早稲田大学でケネディ元大統領のシンポジウム、御参加いただいて、大変すばらしいスピーチをしていただきました。中国、韓国、アジアの人たちと一緒になって、夢の見れるような国を日本がつくるんだと、そういうお話をされました。 じゃ、具体的にどのような構想をお持ちなのか、まずはお聞かせいただきたい。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先般、早稲田におきまして講演を行ったところでございますが、その際、日本という国を、中国や韓国、そしてアジアの若者たちが夢を見る場所、そして夢を形にできる場所にしていきたい、そういう国に日本をしていきたいと、こう述べたところでございます。 それはつまり、今も進めているわけでありますが、多くの若者が日本を訪れる、そして日本で教育の機会を得る、様々な技能を身に付ける機会を得る、そうしたことを通じて日本の良さを知り、人々との交流が進んでいくことによってそれぞれの国々との関係はより強固なものとなり、そして未来に向かって共通の認識を構築し得るのではないかと、このように思うところでございます。 青少年の交流にこれからも力を入れていきたいと、このように思っております。
○浜田和幸君 そういう観点で、外国人技能実習生、おっしゃるように、中国、ベトナム、フィリピン、御三家ですよね。今、我が国にも二十万人近くのそういうアジアの国々の若い人たちが、日本で技能を身に付けて、各々の国に帰って、自分たちの国の国づくり、それに貢献しようと。これ、すばらしい制度だと思うんですね。 この外国人技能実習生制度について、総理、どのように受け止めておられますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 技能実習制度については、技能移転による国際貢献という制度の趣旨や目的と実態の間に乖離があるとして、国内外から様々な指摘や懸念が表明されているのは事実でございまして、そうした御批判を踏まえまして、現在政府が一丸となって技能実習制度の見直しに取り組んでいます。 外務省に対しましても、技能実習制度が、開発途上国への技能移転による人材育成という国際協力のみならず、中長期的に二国間関係の増進にも資するものであることを踏まえまして、二国間の枠組みにおける交渉やあるいは国際的なPRに適切に取り組むよう指示をしているところでございます。
○浜田和幸君 この外国人技能実習生、今までは日本はどちらかというとODAを通じて、あるいは青年海外協力隊を通じて日本人が途上国に出かけていって技術移転をするというので高く評価を受けてましたよね。この技能実習生制度というのは、途上国から日本に来てもらって、三年から五年ぐらいじっくり日本社会に腰を据えて、日本のいいところ、悪いところを存分に体験してもらうという制度。私は、すごいこれは意味がある。 ところが、アメリカの国務省が、人身取引報告書、毎年公表していますよね。その中で、何と我が国のこの外国人技能実習生制度について大変問題があるという指摘を毎年のようにしているんですよね。強制労働、虐待の可能性があるような指摘なんです。この外国人の取扱いが、本当にそんな虐待とか奴隷労働に近いようなものなのか。私は、大変これは誤解を与えている報告書だと思っています。 こういう報告が出ること、この報告書で百八十八の国が調査対象になっていて、何と、中国よりかは日本は状況は一つ上だけれども、韓国や台湾より下に位置付けられているんですね。これは一体どういうことで、同盟国のアメリカの国務省が日本の労働環境についてこんな厳しい奴隷労働のようなことを指摘しているのか。もしおかしいというのであれば、これは大切な同盟国ですから、改善していくために外務省を中心になってアメリカにも国際社会にも働きかける必要があると思うんですが、総理、お考えをお聞かせください。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、我が国の外国人技能実習制度、この技能実習制度につきましては、アメリカ国務省の人身売買報告書の中で、国務省の報告書の中でこれは指摘をされているところであります。 この指摘に対しましては外務省としましても毎年丁寧に説明をしているところでありますが、あわせて、我が国の技能実習制度そのものにつきましても適正な実施を図っていくべく関係省庁と緊密に連携協力をしているところであります。関係国との間で適正な送り出しの確保をするために、また、実習生の失踪あるいは人権侵害が生じた場合の対応、こういった点につきまして緊密な協議を進めているところですが、引き続きこういった努力も続けていきたいと存じます。 この技能実習制度、これは人材育成という国際協力にとどまらず、中長期的な二国間関係にとってもこれは大変重要な制度であると認識をしております。是非、今申し上げました努力を続けたいと存じます。
○浜田和幸君 今、外務大臣がおっしゃったように、この制度はすばらしいんですけれども、現場では様々な問題が起こっている。ですから、少しでも、まあ言ってみれば給料のいいところに移りたい、偽装難民というようなことを謀るような人たちもいるんですね。 なぜそういうことが起こるかというと、日本国とその技能実習生を派遣する国との間の政府間の取決めがないんですよ。ですから、そこに民間の悪徳ブローカーのような存在があって、日本で技能を学びたいという人から多額の借金を背負わせて日本に派遣し、日本で受け入れる場合には技能実習生のパスポートを取り上げて、朝から晩まで過酷な労働条件で働かせている。そういう実態があって、この技能実習生が日本での滞在が終わって帰った後の報告書なんかを見ると、本当にひどい仕打ちを受けたというようなことをいろんな人たちが書いている。これは、日本がせっかくいろんな途上国の国づくりのため、人づくりのために応援しているのにかかわらず、マイナスの効果になっている部分もあるんですね、全てとは言いませんけれども。 この状況を打破するためには、今新しい法案の整備が進んでいますけれども、やはり政府間でしっかり取決めを結ぶということが大前提だと思うんですけれども、このことについて、今の取組、どうなっているか御教示ください。
○国務大臣(岸田文雄君) お尋ねの点につきましては、技能実習制度の見直しに関する法務省と厚生労働省の合同有識者懇談会報告書において、送り出し国との間での取決めの作成について指摘をされています。 外務省としましても、制度の適正な運用を確保すべく、関係省庁とも緊密に連携しつつ、速やかな取決め、この作成を目指していきたいと考えています。
○浜田和幸君 是非、日本国と各国とで政府間の取決めをしっかり結んでいただきたいと思うんですね。そういう取決めを進めるに当たっても、イニシアチブを取るのは、やはり総理の指示の下で外務省がやらないと、今、五つの省庁で責任分担、ある意味船頭が多くてなかなかうまく改善すべき点が改善されないという問題があるんです。 総理、中国、韓国、アジアの人たちとの夢を見るということであれば、未来をつくるこういう若い技能実習生たちが、本当に日本で学んで、経験がその国との間の橋渡し、あるいは親善大使になるような可能性を持っている人たちが毎年二十万も三十万も来ているわけですから、そういう国際交流とか国際理解という観点で考えれば、この制度の推進役としては内閣、総理府に置くか、あるいは外務省が中心になって進めるべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに、せっかく日本にやってきて技能を実習しようという意欲に燃えている方々が、しっかりと技能を身に付けて、そして国に帰って、それを自分の国の発展のために活用していく、この本来の目的に資するような、そういう制度として運用していくことが求められているんだろうと、このように思います。 多くの人たちが日本に来て日本のことを好きになる、これも大切な点でございますから、そういう観点も含めまして、監督の在り方等もよく検討をしていきたい、どこが主体的にやっていくかということについてもよく考えていきたいと思います。
○浜田和幸君 日本で技能を身に付けたいという人の数はどんどん増えているんですよね。観光客だけじゃなくて、留学生だけじゃなくて、技能を日本で学びたいという人が増えている。しかし、様々な条件を審査する現場の入管の審査員、法務省の審査員の数が圧倒的に少ない。ですから、日本に行こうと思っても、オーケーが出るまで少なくとも三、四か月、場合によっては半年も待たされるという状況が現場で起こっています。そうすると、せっかく日本に行こうと思っている人たちも、そんなに面倒くさいんだったら、もっと近場のシンガポールに行きたいというような人も増えているんですね。 ですから、やっぱり現場でしっかり審査をスピーディーに行う人的な増強ということが欠かせないと思うんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) この制度の重要性につきましては、先ほど委員の方から御指摘いただきましたとおりであり、我が国としましても制度自体の適正な運用また改善には努めていきたいと存じます。 そして、そのためにも、御指摘のあった実務能力、様々な事務能力を、運営するための実務能力がしっかりと現実に即していなければならないと存じます。現実をしっかり把握した上で、そうした実務能力向上として何ができるのか是非検討し、できることから対応していきたいと考えます。
○浜田和幸君 すぐできることの一つは、やっぱり技能実習生たちが送り込まれている農家であったり工場であったり作業場で、なかなか自由な時間がなくて、いろいろと鬱積、不満がたまっているという問題もあるんですよね。そういう人たちがいろいろと犯罪起こすというケースも多々報道されています。 そういう問題を克服するためには、昨日もアメリカからミシェル・オバマ・ファーストレディーが来られて、安倍総理の奥様と一緒に、ケネディ大統領が創設した平和部隊、ピースコー、それと日本の青年海外協力隊、JOCVが協力して様々な平和活動に取り組もうということで、すばらしいコメントを発表されました。 途上国から技能実習生で来ている人たちが全国に散らばっている、その地域にはJOCVのOBやOGがたくさんいるんですよ。そういう人たちとうまく連携して、地域との共生、こういうことを考えるということも必要だと思うんですけれども。また逆に、海外から来ている若い人たちが、日本の技能を学ぶだけじゃなくて、自分たちの国の文化だとかそういった伝統といったものを地域の人たちと共有をする、その中継役としてJOCVのOBやOGを使う。そういうことはすぐでもできると思うんですけれども、そういうことについての検討はしていただけないでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 技能実習生の受入れに当たって、地域へ溶け込む、そして地域と共生する、これは誠に重要な課題だと認識をいたします。技能実習生、そして地域社会双方に相互理解への取組が求められると考えます。 この観点から、青年海外協力隊員が、帰国後、海外で自らの知識や経験を生かして技能実習生に協力して、地域社会に溶け込み、相互理解を深めて共生していく上でいかなる協力ができるのか。御指摘の青年海外協力隊員の協力協会、このOB会、OG会ですか、こういった方々にも御協力をいただき、何ができるのか、是非検討してまいりたいと存じます。
○浜田和幸君 是非検討をお願いしたいと思います。 次に、このところとても話題になっています中国が主導をするアジアインフラ投資銀行、AIIB、一昨日は、麻生財務大臣は、透明性とか運用にいろいろと問題がありそうだから、かなり慎重な御意見でした。ところが、昨日になると、これはもう少し参加の可能性について協議する、透明性が確保されればという条件付ですけど、かなり姿勢が変わってきました。 今週末にはソウルで日中韓の外相会議、開かれる予定です。その場でもこのAIIBについてはいろいろと議論されるんではないかと想定されているんですけれども、これ、中国が世界を取り込んで世界銀行とかIMFに代わる中国主導の世界最大の金融機関をつくろうとしているわけですよね。ドイツもイタリアも、イギリスまでここには参加する。韓国や台湾もそういう方向で検討が進んでいる。日本は、オバマ大統領からの要請もあって極めてこれには慎重な姿勢なんですけれども、どうなんでしょうか、世界がこの新しい世界最大の金融機関になびいているときに、日本だけが、この中国の動き、中国には透明性がないという理由で一歩距離を置いたままでいいんでしょうか。 その辺りについて、今週末の日中韓の外相会議、この問題にどう取り組まれるのか、是非総理の基本的なお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そもそもAIIBはIMFあるいは世銀やアジ銀と性格を異にするものと言ってもいいと思います。AIIBについては、日本政府としては、これまでも明らかにしてきているとおり、公正なガバナンスを確立できるか、そして債務の持続可能性を無視した貸付けを行うことにより他の債権者にも損害を与えることにならないかといった点を含め、慎重な検討が必要であると考えています。 中国に今後どう向き合うかということにつきましては、日中両国は地域の平和と繁栄に大きな責任を有しているわけでありまして、世界第二位の経済大国となった中国が国際社会のルールや法の支配を尊重する形で平和的発展を遂げることは日本にとっても大きなチャンスであると、こう考えているところであります。 いずれにいたしましても、AIIBにつきましても先ほど申し上げましたような課題があると、このように承知をしております。その中で慎重に検討していく必要があると思います。
○浜田和幸君 AIIBに課題があるということは各国とも認識していることだと思います。しかし、課題があるからこそ、逆にアメリカや日本が一緒にこのAIIBをスタートさせることによって、今入らないと議決権とか拒否権は与えられない。だからヨーロッパ各国は、オーストラリア、ニュージーランド、アジアの国々も含めて、AIIBに草木もなびくというような動きがあるんですよね。 ですから、その辺りをどういう形で向き合うのか。これは日本にとっても、これはドルに代わる人民元の通貨圏をつくるという動きにも関連しているし、TPPにも水面下で絡んでいる話だと私は理解しています。是非とも、日本が、気が付いたときには日本だけが孤立しているというようなことにならないように、是非、総理にも、麻生財務大臣にも、岸田外務大臣にも取り組んでいただきたいと思います。 なぜ各国が草木もなびくようになっているかというと、やっぱり中国マネーの力ですよね。シベリア鉄道の四〇%も長い、中国からロシア、ヨーロッパにまたがるユーラシア鉄道、インフラを造って物流を変えようとしている、そういう動きに対して各国が中国に。 ですから、安倍総理がインフラ輸出、盛んにトップセールスやっておられますけれども、中国とライバル関係、あるいは中国と協力する可能性もあるのかどうか、その辺りについて最後に総理のお考えをお聞かせください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) インフラ輸出については、日本のインフラ輸出というのは極めて質の高いものでありますし、その後のメンテナンス等を含めれば、あるいはそれには人材の育成も伴ってきますし、質の良いファイナンスも伴っているわけでありますから、その中で競争力を我々は得ているわけでございまして、我々、政権獲得前から比べれば、インフラ輸出は三倍に増えているところでございます。 同時に、中国は、先ほど申し上げましたように、今後も大きく発展していくということが期待されるわけでございます。そういう中におきまして、中国の発展はチャンスであるとも考えているところでございます。
○浜田和幸君 是非そういう、中国に限らず、アジアの発展のチャンスを積極的平和主義の中で生かし、安全と繁栄のために日本がイニシアチブを取る、そういう意味での安倍総理の決断、行動を期待し、質問を終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で浜田和幸君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、水野賢一君の質疑を行います。水野賢一君。
○水野賢一君 無所属の水野賢一です。 まず、先日の鳩山元総理のロシア、クリミア訪問に関してですが、私も、国際社会に間違ったメッセージを与える行為であり、軽率という批判は免れないと思いますが。 お伺いしたいのは、これに関連して、菅官房長官が十七日の記者会見で、ロシアのクリミア併合に関して侵略という表現を使っておられるんですが、政府の見解としては、クリミア併合はロシアによる侵略なのか。要するにこれ、私もこれは国際秩序への挑戦であって批判されるべきことだと思いますけれども、少なくとも政府が侵略というふうに他国の行為を公式に表現しているのは、近年だとサダム・フセインによるクウェート侵攻、このときは明らかに使っているんですけれども、それ以外には珍しいと思うんですが、政府の、公式にクリミア併合に対しては侵略だというふうに捉えていらっしゃるのか、総理の見解を伺います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 御指摘の官房長官の発言は、ロシアによるクリミアの一方的併合はウクライナの主権及び領土一体性に対する侵害であり、このような力を背景とする現状変更の試みは我が国として断じて認められないという趣旨で発言したものと承知をしております。
○水野賢一君 さて、本題に入りますけれども、自衛隊の海外派遣についてお伺いをします。 自衛隊が海外に派遣されるというのは、これまでにもPKOとかその他の形であるわけですけれども、もし海外にいる自衛官の方が、自衛隊の部隊の人が犯罪を犯すようなことがあったときは、基本的には現地の裁判所で裁かれるわけじゃなくて日本で裁かれるようになっているわけですよね。言わば治外法権といえばそういうような要素があるような、若しくは外交特権に準じているといえばそういうような形であるんですが、PKOの場合もそうなんですけれども、これ、PKOじゃない海賊対処のためにジブチに派遣されているときなんかは、日本とジブチの間でそういう裁判の、刑事裁判の管轄権は日本側よというような、ジブチにないのよというような協定を結んでいるというふうに思いますけれども、そういう理解でよろしいですよね。
○国務大臣(岸田文雄君) ジブチ共和国における日本国の自衛隊等の地位に関する日本国政府とジブチ共和国政府との間の交換公文、こうした文書を平成二十一年四月三日に締結をしております。
○水野賢一君 これは沖縄の米軍海兵隊の犯罪の裁判管轄権の問題なんかにも重なるところはあるんですけれども、幸いにして今まで海外に派遣された自衛隊員が大きい問題を起こすようなことがなかったのは、これはすばらしいことだと思いますし、幸いなことでもあるんですけれども、ちょっと伺いたいのは、この、じゃ今、岸田大臣のおっしゃったようなジブチのようなケースでいったら、仮にこれ、自衛隊員が現地でひき逃げとかを起こした場合、ジブチ側はもちろん裁けないんですね、そういう交換公文というような形で交わしているわけですから。じゃ、代わって日本で裁けるのかというふうにいったら、これ法務大臣に確認したいんですが、日本の法制上、日本でも裁かれることはないですよね、これは。
○国務大臣(上川陽子君) 日本において裁かれることになるかについてということでございますけれども、いわゆるひき逃げの行為につきましては、一般的に、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律の過失運転致死傷罪と道路交通法の救護義務違反の罪に当たり得るというふうに承知をしております。 いずれの罪につきましても、日本国外において一定の犯罪を犯した者にも我が国の刑罰法令が適用されるとするいわゆる国外犯処罰規定は設けられておりませんので、国外において、いわゆるひき逃げ行為にこれらの罪は適用されないということでございます。
○水野賢一君 これはなかなかデリケートな問題で、つまり、せっかくこちらが国際貢献とか平和構築だという形で海外に行っても、もしこういう問題が起きたときに、例えばひき逃げ事件を起こした自衛官がこれ裁判さえかからない、ジブチでもかからなければ日本でも国外犯としての裁判にもかからないとなると、これは当然現地では治外法権で不平等じゃないかというような、そういうかえって感情的な反発さえ招くことにもなりかねないおそれはありますよね、当然。 で、岸田大臣にお伺いするんですが、これ、自衛隊が今後海外にいろいろ派遣していくという方向ではあるんでしょうけれども、その場合は、今後も相手国とこういう協定、つまり、刑事裁判権というのは相手側には渡さないんだというこういう協定はやっぱり必ず派遣する以上結んでいきたいという、そういうことでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のこのジブチの例で申し上げますと、ジブチ政府との間で定めた交換公文では、自衛隊員等は、問題となる行為が公の任務の範囲内のものであるか否かを問わず、ジブチ政府の刑事裁判権から免除されることとされています。 したがって、仮にジブチ国内において自衛隊員がひき逃げ事件を起こした場合、原則的には、当該隊員がジブチの刑事管轄権により裁かれることはありません。そして、国内法で裁かれるかどうかについては、今法務大臣からお答えさせていただいたとおりであります。 しかし、一つ考慮すべき点としましては、自衛隊員は、このジブチ政府との間で定めた交換公文の規定により、外交関係に関するウィーン条約の関連規定に基づく特権及び免除が与えられています。そして、ウィーン条約第三十二条を見ますと、派遣国は裁判権からの免除を放棄することができる、こういった規定がございます。したがって、理論的には裁判権免除を放棄することも排除されないというのが現状であります。 そして、こういったことを今後進めていくのかという御質問につきましては、自衛隊の他国の領域への派遣に当たっては、その任務をいかに円滑に遂行するかという観点から環境を整えていくこと、これが重要だと考えています。 政府としましては、派遣される自衛隊員の法的地位を適切な形で確保するために努力は続けていきたいと考えています。
○水野賢一君 いや、それは自衛隊の側からしたら、そういうような事件を起こしても、向こうでも裁かれなきゃ日本でも裁かれないという方が円滑にいろいろ進めていくには都合はいいでしょうし、法的地位を確保するということにもなるのかもしれないけれども、これはやっぱり非常にデリケートな話なわけだから、そういうようなことを、じゃ、今の御答弁は、基本的には今後もこういうような協定とか交換公文を受入れ国の方とは結んでいきたいという、そういう理解でよろしいですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 自衛隊員の法的地位の確保の在り方につきましては、刑事裁判権の扱いも含め、その具体的な内容や形式、これは受入れ国側の意向、また自衛隊の派遣期間の長さ、こうした様々な点を勘案しなければならないと考えています。 こういった観点から、法的地位を確保するためにどういった形を取るのがいいのか。地位協定といった形式にこだわるものではありませんが、法的地位の適切な確保についてしっかりと検討した上で我が国としての方針を決めていきたいと考えます。
○水野賢一君 まだ、だから完全に確定的にはいろいろ決まっていない部分もあると思うんですけれども、これ、今までのように、派遣するといっても、丁寧に準備するような時間があればいざ知らず、今度邦人救出みたいな話になると、これ極めてせっぱ詰まった状況の中で派遣するようなことになり得るわけですよね。そういうときに、こういう協定もやっぱり受入れを同意してもらうと同時に、あなたの国は刑事裁判権も放棄してよというのはなかなか簡単じゃないと思うんですが。 ちょっと総理にお伺いしますけど、私は、自衛隊を活用するということを別にイデオロギー的に反対するわけじゃないですが、しかし、これまで以上に積極的に活用するとなると、こうやって詰めておかなきゃいけない問題というのがたくさん山のようにあるんじゃないかというふうには思いますけれども、総理、そういう部分の議論がちょっと今まで足りないんじゃないかと思いますが、御感想あれば。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当然、派遣するに当たっては、例えば邦人救出の際には受入れ国の同意が必要でございます。その際に、どのように、そこで活動をする、任務を遂行する自衛隊員の言わば法的な権利を確保するか等々については、当然これは議論していくわけでございます。
○水野賢一君 次の論点に移りますけれども、自衛隊が海外に派遣されて、例えば邦人救出作戦に当たるとしますよね。そうすると、本来、自衛隊法の七条によって自衛隊の最高指揮監督権というのは内閣総理大臣にあるし、だからこそそれがシビリアンコントロールなわけですけれども。 私は、やっぱり懸念するのは、海外でそういう救出作戦とかに当たるとなると、現場の部隊の人たちからすれば、これは何千キロも離れた日本にいる人たちには現地の事情は分からないという、現場には現場の事情があるんだというふうに考えても自然なことであって、これは独断で事態に対処する可能性、少なくともそういうことの危険性を考慮しておく必要はあると思うんです。 もちろん、現場に一定の権限とかがないと臨機応変に対応できないというのも分かりますけど、これは一歩間違えれば、中央の統制に服さないとか現場の暴走ということと紙一重の話ですから。 そこで、私、海外にいるやっぱりそういう実力部隊というのが中央の統制から外れた動きをする危険性というのは、戦前を含めた歴史の教訓だと思いますし、こういうことは考えておかなきゃいけないと思いますけど、伺いたいのは、防衛大臣、二月五日の予算委員会でこういう質疑をしたところ、中谷大臣は、命令に従わないで勝手に動いたならば、自衛隊法百十九条で三年以下の懲役や禁錮に当たるんだというふうに答弁されたんですよね。 私は、それは三年以下というのは軽過ぎるんじゃないかという質疑をしたんですが、ここで改めて伺いたいのは、本当に三年以下の懲役、禁錮で処分、海外の場合はされるんですか。要は、日本国内で命令違反をすれば、それはこの日本国の法律が適用されるんだから、自衛隊法の罰則がこれは適用されますよ。だけど、海外にいる部隊で命令違反があったときというのは、海外にいて日本の領域じゃないところでもこの三年以下の懲役という罰則は適用されるんですか。
○国務大臣(中谷元君) 国外で任務を遂行する自衛隊員に対する自衛隊法百十九条の罰則の適用については、自衛隊法において国外犯を処罰する規定がないために、同条に該当する犯罪が我が国船舶又は我が国航空機において行われたものでない限り、当該自衛隊員には適用されないものと承知をしております。 他方、当該隊員が職務上の義務に違反し、又は職務を怠った場合や、隊員たるにふさわしくない行為があった場合などには懲戒処分などを行うことがあります。
○水野賢一君 いや、大臣、それじゃ前の答弁は何だったんですか。前の答弁は、そういうことをしたら三年以下の懲役、禁錮になったりして、そういうような罰則も掛かってくるんですというふうにおっしゃったわけですよね、勝手に命令違反なことをしたら。 だけど、今の答弁だと、それは日本の艦船にでも乗っていれば適用されるだろうけど、じゃ外国の地上にいた部隊が勝手な行動をしたときはどういう処罰が掛かってくるんですか、自衛隊法上。処罰は何にもないということですね。いや、行政処分はあるでしょう。行政処分はあるでしょうけど、自衛隊法上の刑事罰は何か掛かってくるんですか。
○国務大臣(中谷元君) 自衛隊法におきましては、国外犯を処罰する規定はございません。
○水野賢一君 じゃ、伺いますけれども、自衛隊法は、例えば上官の命令に多数で共同して反抗した場合とかにも罰則が掛かってきていますよね、当たり前ですよね、当然ですね。こうした条項も国内じゃ当然適用されるけれども、国外にいる部隊の中で上官の命令に多数で共同して反抗した場合、これも全く何の罪も、それは行政処分には掛かるかもしれないけど、刑事処分は何にも掛からないという状況なわけですよね。
○国務大臣(中谷元君) 自衛隊法において国外犯を処罰する規定がないために裁くことはできません。
○水野賢一君 いや、これ、とんでもない法律の不備で、じゃ海外にいる部隊が勝手な命令違反をしても何でも、何の自衛隊法上、私は三年の罪でもそんなことは軽いと思っていたけど、三年罪があるからいいというふうに大臣はおっしゃったけれども、そもそもこれ、海外にいると適用されないわけでしょう。これは大臣、それは何ですか、そのときは、国外にいるときにはこういう法律が適用されないというのは気付かなかったんですか。虚偽答弁じゃないですか。
○国務大臣(中谷元君) 防衛省・自衛隊におきましては、自衛隊員が国外に派遣されるような場合におきましては、厳正な規律を維持をして安全の配慮を怠らぬようにしておりまして、現地において事件、事故、これを発生させぬように最大限努力をいたしております。
○水野賢一君 いや、厳正な規律なんというのは当たり前のことなんですよ、そんなものは。海外で武力、実力組織が勝手に動き回ったりとかしたら、それは戦争になっちゃったりする可能性があるんだから、それは戦前の歴史だってそういうことがあるんだから、厳正な規律なんということは当たり前のことで、じゃ、今それは、少なくとも行政処分はできるけれども、繰り返しになるけれども、自衛隊法上何ら罰則が掛かっていないという状況、その中で自衛隊の海外派遣を進めようとしているわけですか。
○国務大臣(中谷元君) 自衛隊法に国外犯を処罰する規定を設けるかどうかにつきましては、従来、イラク派遣、そして海賊対処等、国外において自衛隊が法令に従って厳正に任務を遂行してきたことに鑑みれば、少なくともこれまでのところ、当該規定を設けることは必要ないと考えているところでございます。
○水野賢一君 これは総理に伺いますけど、総理、じゃ、海外で自衛隊が勝手に動いたりして、これは、少なくとも刑事罰は何の、司令官も何にも掛からないという、こんなことのままでいいんですか。ここは直すべきじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今防衛大臣から答弁をしたように、もちろん行政処分がされるということであったわけでありますが、自衛隊法による刑事処分というのはないという中において今まで海外における活動があったわけでございますが、確かに今、水野委員から御指摘のあった点もございます。今後、自衛隊の活動が、海外における活動に対する必要性が高まってくる中においては検討課題であろうと、このように思います。
○水野賢一君 いや、これは当然、そんな刑事罰なんということは、本来あっちゃいけないことをする人がいるから罰則があるんだから。だって、国内だって、少なくとも勝手に部隊を動かしちゃいけないなんということは、少なくとも、僕は軽いと思いますよ、三年以下の懲役なんというのは。軽いと思いますけど、そういうことをやっちゃいけないから国内では犯罪なんだから、それを海外でやったらもっと危険なんであって、私は、ところが、これ防衛大臣に伺いますけど、こういう議論って政府の中でもやっていましたか、こんな重要な議論を。やっていないと思うし、与党協議でもやっていないと思うけど、それは大臣、こういう議論は行われているのかどうかを伺います。
○国務大臣(中谷元君) 現状におきましては、派遣される隊員には厳しく事前の教育、指導等をしておりますが、御指摘のような点で法律の適用を検討したことはございませんでした。総理がおっしゃったように、今後そういった機会が増えていくものでございますので、省内で検討してみたいと思っております。
○水野賢一君 いや、こういう問題は、まさに戦前の歴史においても、これは、戦前はそれは統帥権は独立しているから内閣の下に軍があるわけではないけれども、その運用は当時の大元帥たる天皇陛下の下の指揮命令系統の下にあったにしても、しかし、その指揮命令系統にも、別に天皇の指示じゃなくて勝手に軍部が動いたという部分はあるわけですから、今、最高司令官は総理大臣であっても、総理大臣とかと関係なく勝手に現地で動いたりしたようなときには、厳重な、こういうようなことがある、しかも厳重な措置というのを考えるべきだし、そうじゃなければ、これ、海外に派遣することが増えていく以上、こういう問題はしっかりと考えるべきだというふうに思いますし、私は、自衛隊というのが国防という崇高な使命を担っていることはまさにそのとおりだと思いますけれども、しかし一方で、国防については自分たちが一番知っているんだからやりたいようにやるんだというような独善に走ることは絶対許されないというふうに思っているということを申し上げて、時間ですので、終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で水野賢一君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、福島みずほさんの質疑を行います。福島みずほさん。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。 まず、沖縄の辺野古の問題についてお聞きをいたします。 沖縄の辺野古の問題で、仲井眞前知事の埋立承認の際に、留意事項として環境監視委員会が設置、要望されました。工事中の環境保全対策等について、環境監視等委員会を設置し、助言を受けるということが留意事項として掲げられてあります。それに基づいて、沖縄防衛局は委員会を設置をいたしました。 ところが、この委員会、とても問題があります。 この会議の議事録は九か月間公表をされませんでした。そして、三月十日にようやく議事要旨、配付資料が公表されましたが、配付資料が改ざんをされておりました。十七ページのうち九ページが書き換えられております。(資料提示)例えば、五本、これを五本と言うか三本、まあ三本とも言われているんですが、五本桟橋や岸壁を造るというのが、仮岸壁が二本になっています。また、委員会で配付された資料の工法と全く違う工法であったり、たくさん書いてありますが、この書き換えた、改ざんしたということはお認めになられますね。
○国務大臣(中谷元君) 例示された図面におきましては、第二回環境監視委員会で使用した資料に関するもので、その時点で計画をしていた仮設桟橋の三か所そして仮設の浮き桟橋一基とし、環境負荷等の検討を行った結果を事務局から委員の方々に示したものと思っております。 この資料を公表するに当たっては、現在の計画である仮桟橋一基、仮設の浮き桟橋一基のみとする図面、構造、施工方法等に訂正をいたしました上で環境負荷について再検討をいたしましたが、これは委員会に諮った検討案をそのまま掲載することで、実際に計画している仮設物以上のものが現場に設置されるとの誤解を招き、これにより過大な環境負荷が発生すると間違った理解を導くおそれがあったことから、現在の計画を公表したものと承知をしております。
○福島みずほ君 これについて、委員の中には聞いていないという人も言っています。 この問題点は二点あります。たくさんの改ざんがあること、それからホームページ上は二〇一四年六月にこの委員会で配付した資料というふうにしながら、間違ったものが書かれているということなんです。実際に配付されたものとホームページで配付しましたよというものが違う、これが一点。人々に間違った概念を与えている、一点。それから、委員に対しては、その委員会で議論したものと全く違う、工法も違うものが発表される。委員会、無力じゃないですか。 改ざんの事実は認められますね。これ、極めて大事なことだと思いますが、中谷さん、この自覚はありますか。
○国務大臣(中谷元君) 沖縄の防衛局によれば、委員の方々には図面等を現在の計画に合わせる旨はお伝えをしていたと聞いております。委員の方々への説明に当たってはメール等でお伝えしたということでございますが、丁寧さに欠ける部分があったと考えられることから、今後は適切に対処させることといたしております。
○福島みずほ君 いや、駄目ですよ。だって人々にもうそをついたわけじゃないですか。配付した資料とされていたものと実際に配付したものが違う、しかも委員会にかけたものと全く違う工法や、五本が二本になっているわけですよ。勝手に工法を変えたりやっている。委員会での議論は意味がないということですよ。これはもう全く、この環境監視委員会が形骸化している、名前だけのものだと言わざるを得ません。 そして、これで、この副委員長である東清二さんが辞意を表明をされました。委員会は基地建設を進めるという結論ありきで専門家のお墨付きをもらうための意味がないものだと説明し、辞意を伝えた、このことをどう受け止めていますか。
○国務大臣(中谷元君) まず、当初の発表内容が委員会の信頼性に疑義を与えたとすれば、それは本意ではなくて、現在の計画に合わせることとした当方の考え方やその相違点を明記をし、正確な御理解を得られるように、第二回委員会に諮った資料についても翌日の三月十日に追加的に公表したところでございます。 そして、委員会につきまして、その委員の皆様方の件でございますが、この委員会は、事業者が実施する環境保護措置等について合理的客観性を確保するために科学的、専門的助言を受けることを目的として設置したものでありまして、委員の皆様方には審議の場でのみならず様々な形で御相談をしているところでございます。 今般の委員辞任の報道につきましては承知しておりますけれども、個別委員のお考えや事情につきましては事業者として広くお話しすることは適切ではないと考えておりまして、お答えすることは差し控えたいと思います。
○福島みずほ君 これ副委員長なんですね。琉球大学で昆虫の権威であって、環境保全について議論をすると。その人がこういう形で、意味がないと辞任したんですよ。 この環境監視委員会が極めて重要なのは、これは留意事項、前知事である仲井眞さんが引き受ける際の、これを設置するということが条件だったわけです。ですから、沖縄防衛局は、東副委員長の意思を尊重し、辞意表明をきちっと認め、受け入れ、環境監視委員会が結論ありきで機能していないことを認め、委員会を停止すべきではないか。いかがですか。
○国務大臣(中谷元君) 委員の方には、こちらの方からいろんな形で現在も御相談をしているところでございまして、こちらの方から事業者としてお話しすることは適切でないと考えております。 このアセスにつきましての御指摘でございますが、これは平成十九年から二十四年までの環境アセスの手続を行い、この間、沖縄県知事から合計六度の意見を受け、適切に評価の内容に反映をしておりまして、法的には手続を踏んでおりますが、防衛省といたしましては、県知事による埋立承認の留意事項として求められている同委員会の運営が今後とも適正に行われるよう万全を期してまいりたいと思っております。
○福島みずほ君 配付資料と議事要旨を九か月でようやく、ようやく発表をしたと。そして、すぐ中身が配付資料と違うという指摘を受けて、たくさん改ざんしていたのを慌てて次の日出して、それを認めたわけですよね。余りにひどいですよ。だって、こういう工法でやりますと委員会で話合いをしておいて、それと違う工法で実際造っているわけじゃないですか。それはひどいですよ。委員会は無力ですよ。委員だったら怒るし、それから、これ誰も指摘しなかったら、国民、住民をだますことになるじゃないですか。 これについては白紙撤回をすべきだ、そして、この埋立承認の正当性がなくなっているんじゃないか。埋立承認のこれは留意事項として出されているものです。沖縄防衛局のやり方は余りにひどいですよ。 総理、いかがですか。
○国務大臣(中谷元君) 先ほどもお話をいたしましたが、沖縄防衛局によれば、今般の公表に当たり、委員の方々に対しては図面等を現在の計画に合わせる旨をお伝えしたと聞いております。 また、委員会を無力化するものとの御指摘につきましては、一般論として申し上げれば、環境負荷が大きくなるような工事計画の変更など、同委員会の趣旨に照らして改めて委員会に諮る必要のあるものについては適切に対応することとしておりまして、その無力化をするというような御指摘には当たらないと考えております。
○福島みずほ君 委員の中には知らなかったという人もいますよ。しかもメールでやるってどういうことですか。きちっと委員会もう一回開いて、こっちの方が環境負荷がないからこういうものでやりますと言わない限り駄目じゃないですか。 しかも、これがひどいのは、ホームページ上は配付した資料ですと言って元のを出しているんですよ。元のを出しているんですよ。これは、全部で例えば十七ページのうち九ページが改ざんされている。しかも工法とかが違う、こんなでたらめな委員会見たことないですよ。配付資料と違うものを違う形で出す委員会なんて聞いたことない。この委員会は白紙に戻すべきであり、そしてこの仲井眞さんの工認埋立て、工認承認については正当性を失っているということを強く申し上げます。 次に、戦争法案、安保法制についてお聞きをいたします。 先ほど、与党の中で、与党というか、安全保障法整備の具体的な方向についてという与党の中での合意が成立をいたしました。本当に残念です。何で憲法違反のこういうことが起こり得るのかと思います。 総理にお聞きをいたします。新三要件を満たせば海外で武力行使をするということもできるわけですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 集団的自衛権の一部容認に当たって、その武力行使の要件として新三要件を設けたところでございます。
○福島みずほ君 質問に答えてください。 新三要件を満たせば他国で武力行使をすることができるのですね。どうですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この新三要件というのは、我が国に対する武力攻撃が発生したこと又は……(発言する者あり)一応、テレビで御覧の方々に説明をしておく必要がございますので。又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること、そしてこれを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこと、そして必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと、これが三要件でございますが、この三要件を満たすという中において更に、これが満たすという条件であります、そして、政策的な必要性、まさに国民の命と幸せな暮らしを守るために必要であるという判断をする中において武力行使が可能となる。ただ、実際に武力行使をする際には、国会の関与等がもちろんあるわけでございます。
○福島みずほ君 武力行使があり得る、武力行使があるということをはっきりおっしゃいました。そのとおりです。今までの日本国憲法、戦後七十年間、集団的自衛権の行使は違憲でした。でも、今回初めてこの合意に基づいて海外での武力行使が新三要件を満たせば可能となるわけです。 海外で武力行使をしないというのが憲法から導かれる。何で海外で武力行使ができるのか、全くそれは憲法論からいって分かりません。憲法の上に総理がいるんじゃなくて憲法の下にある。憲法を守れ、安倍総理。いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 憲法を守るのは当然のことでございます。
○福島みずほ君 憲法を守るのであれば集団的自衛権の行使は認められないですよ。 次に、いわゆる後方支援についてお聞きをいたします。 今までは非戦闘地域にしか行かないとされていました。それが戦場以外は行ける。何が変わるか。非戦闘地域は、現在戦場ではなくこれからも戦闘行為を行うことがないところ、しかし戦場は、今戦場かどうか。時間軸がなくなります。 戦場の隣で弾薬を提供する、これは後方支援の中に入りますね、総理。
○国務大臣(中谷元君) 過去十数年、海外の活動も経験を踏みました。また、国際連合に対する活動等の理解、認識も深まってまいりまして、やはり憲法論的には、現に戦闘が行われていない現場というところが武力行使と一体化をするというところに今回改めてしたわけでございます。
○福島みずほ君 つまり、今まで一体化しないために、非戦闘地域、私たちは反対でしたが、一体化とならないために非戦闘地域としていたわけです。しかし、戦場の隣で弾薬の提供ができる。中谷さん、それでいいですね。
○国務大臣(中谷元君) もう少しきちんと説明させていただきますが、我が国の安全の確保、そして国際社会の平和と安定のために活動する他国軍隊への支援については、安全保障環境の変化を踏まえて必要な支援活動を十分に行えるようにしました。 閣議決定において、いわゆる武力行使の一体化論、それ自体は前提とした上で、その議論の積み重ねを踏まえ、そしてこれまでの自衛隊の活動の実績、国際連合の集団安全保障措置の実態等を勘案して検討した結果、他国が現に戦闘行為を行っている現場でない場所で実施する補給、輸送などの支援活動については、支援活動のいかんを問わずに他国の武力の行使と一体化するものではないと判断するに至ったわけでございます。
○福島みずほ君 二〇〇八年の名古屋高裁は、多国籍軍の武装兵員をバグダッドへ空輸するもの、誰を運んだか、自衛隊が、民間ではなく自衛隊ではなく多くは米兵を運んだ。空輸するものについては、平成九年二月十三日の大森内閣法制局長官の答弁に照らし、他国による武力行使と一体化した行動であって、自らも武力の行使を行ったと評価を受けざるを得ない行動であるとし、違憲としました。まさに一体化して違憲としたわけです。今の中谷大臣の発言はまさに一体化じゃないですか。どういう場合に一体化しないんですか。 改めてお聞きします。 大森四原則、この中には、戦闘活動が行われているか、又は行われようとしている地点と当該行動がなされる場所との地理的関係などありますが、大森四原則、これは維持をされるんですか。
○国務大臣(中谷元君) まず、名古屋の判決につきましては、先ほども説明しましたけれども、イラク派遣等の違憲確認及び差止めを求める訴えについては不適法なものであると却下をいたしました。また、損害賠償請求は法的根拠がないとして棄却をしておりまして、国側の全面勝訴の判決であると伺っております。 次の質問、もう一度お願いします。
○福島みずほ君 済みません、時間が短いので、質問聞いてくださいよ。質問じゃないことに何で答えるんですか。 聞きたいことは、大森四原則を政府が維持するかどうかです。
○国務大臣(中谷元君) その四つの判断基準により総合判断するという大森答弁はどうかということですが、これは、ある行為が実際に他国の武力の行使と一体化するか否かは具体の事案ごとに判断する必要があるという前提でその判断の基準となる事項を説明したものでありまして、それ自体に変更はありません。 その上で、今般、現に戦闘行為を行っている現場以外で行われる我が国の支援活動とは、他国の武力行使と一体化することではないと認められると判断したわけでございます。
○福島みずほ君 戦場の隣で弾薬を提供して、どうして一体化じゃないんですか。これが一体化でなかったら、どこが一体化なんですか。 これは戦争を、武力行使はしてないですよ、でも、これは一体となって戦争していることで、今までは駄目だと言われていたことじゃないですか。それを何でやれるとするんですか。つまり、今回のことは、集団的自衛権の行使を認めることと後方支援の一体化をとても、何というか、後方支援ができる範囲をとても広くするという点が問題です。 次にお聞きをいたします。 恒久法を作る。今までは自衛隊出すのにテロ特措法、イラク特措法、新たな立法を必要としました。新法を作って恒久法を作って、新たな立法なくして自衛隊を海外に出すように考えているんですね、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 現在、恒久法ということについて、例えばPKO活動がございます。そしてまた、後方支援の活動もございます。そうしたものについて、どのように機動的に対応していくかという観点から議論がなされてきたところでございます。 その中において、もちろん国会の関与を今後どのような形で確保していくかということも含めて、さらに法案を作成する中において議論を進めていきたいと、このように思っております。
○福島みずほ君 この合意文書の中には、原則として、国会の関与については、その実施について国会の事前承認を基本とするというふうにしています。新法を作るわけですから、恒久法を作り、国会の事前承認が原則である。ということは、例外として事後承認もあり得るということです。なぜ今まで新たな立法を必要としたのに、恒久法で国会の事前承認でもいいんですか。こんなふうに憲法を本当に無視してはならないというふうに思います。 この与党の合意文書の冒頭にはこうあります。我が国が日本国憲法の下で平和国家として歩んできたことを踏まえつつ、いかなる事態においても国民の命と平和を守り抜くためというふうにあります。でも、我が国が日本国憲法の下で平和国家として歩んできたことは、集団的自衛権の行使は違憲であり、一体となる後方支援は違憲でありということじゃないですか。それをなぜ踏みにじる、なぜ違憲のものを作るのか。 違憲のこういう合意は認められないし、違憲の立法を国会に出すことは許されない。そして、国会でそういう法案を成立させることも許されないということを強く申し上げ、今日は本当に、違憲の合意には強く抗議をし、質問を終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で福島みずほさんの質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、荒井広幸君の質疑を行います。荒井広幸君。
○荒井広幸君 荒井です。 時間がありませんから、恐らくテレビ中継、途中で切れます。 安倍総理は、数々のことを我々政治家、政党、国会、そして国民に問題提起をしてきていると思うんです。これは私は高く評価します。その中の一つがいわゆる今回の安全保障法整備の問題であります。今日は、それに関して、特定秘密と、そしてまた国会の事前承認ということについて考えてみたいと思います。 まず、私は、原発事故が起きまして、家族と住んでおりますが、安全だといって万が一の備えを怠ったことが、前回のこの委員会でも申し上げましたが、大変大きな被害をつくってしまった。原発事故で亡くなった方も裁判によって明らかになっている。万が一に備えるという安倍晋三総理の考え方を私は十分理解します。 やはり、米国同時多発テロで、今までは国と国の戦争でありましたものが、テロとの闘いやあるいは武装集団と闘うという新たな脅威というものが生まれてきたということを私も認識しますから、そして昨日も痛ましいああいう事件が起きました。邦人を守るためにも万一の備えというのは是非必要です。しかし、私はおそれも持ちますし、そのための手段というのは、最低限、効果的で、たがをはめられたものでなければならないと、このように考えております。よって、昨日でしたか、自民、公明の合意、これがございましたけれども、大筋で私は評価をいたします。 総理については、総理は戦争を好んでいるがごとき誤った風潮があると思いますが、総理はどうお考えになっているんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の安全保障法制については、日本人の命とそして幸せな暮らしを守る、これがまさに目的でございます。そのために、法律の不備はないのか、今までの憲法改正のままでいいのかという観点から検討を重ね、昨年の閣議決定に至ったところでございます。その上で、法整備に向けて、本日与党が合意に至ったところでございます。 安全保障法制の議論というのは冷静に議論をするべきであり、国際情勢をしっかりと俯瞰しつつ、政策の立案に当たっていかなければなりません。そこでは、レッテル貼りあるいは無責任な批判の投げ合いは避けるべきなんだろうと、こう思うところでございます。言わば、例えば戦争法案、徴兵制が始まる、これはデマゴギーと言っても私はいいんだろうと思います。自由民主党は今年立党六十年を迎えたところでありますが、我々の誇りは、決してデマゴーグにはならず、そしてデマゴギーには負けずに責任を果たしていくということではないかと思います。
○荒井広幸君 国民の生命と、そして人権、また幸福追求権を守っていく、そのための手段であるということだろうと思います。 そこで、防衛大臣にお尋ねをいたします。 集団的自衛権の限定的な行使、それから他国軍隊に対する後方支援、これらは、他国の国ないしは国連から日本側に、言ってみれば協力要請といいますか、この要請があるんだろうと私は思います。それによって政府がNSCを含め判断をしていくというプロセスだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(中谷元君) 御指摘のとおりでございまして、国際法上、集団的自衛権の行使に当たっては、武力行使を受けた国の要請又は同意が必要であるということは当然のことでございます。昨年七月の閣議決定の中にも、我が国による武力行使が国際法を遵守して行われることは当然であると明記をされております。 また、他国軍隊に対する後方支援については、国際法上、支援の対象となる国等の要請又は同意が必要であるということはありませんが、国際社会の平和と安全のために活動する他国軍隊に対する支援活動を定める法律については、活動の国際的な正当性を確保するためにどのようなことが必要か検討してまいります。 また、効果的な後方支援を行うべく、ニーズの把握等も含め、支援の対象国となる国との連絡調整、これを緊密に行っていく考えでございまして、いずれにせよ、我が国としては、国際社会の平和と安定に資する活動に対して様々な方法を通じて協力、支援を行うことにより、国際社会の平和と安定にこれまで以上に積極的に貢献をしていきたいと考えております。
○荒井広幸君 大臣の話が長い説明で、それはそれで必要なんですが、恐らく国民の皆さんは、今ほど言いましたけど、新しい限定的な集団的自衛権の場合も、そして他国軍の後方支援も、そちら側から日本政府に対して話があるということなんですよね。 そういうことで来ましたときに、私は、皆様、心配があるんですよ。国会の事前承認が基本的に必要だとか原則的に必要だということでは大変私は心配なんです。私は、人間としても安倍晋三総理を大変信頼しています。ですから、私は大丈夫だと思うんですが、別な総理になったり、また、前にも指摘をいたしましたが、産官学が、そして軍部と産業界が一緒になって、まあ軍部という言い方は言いませんが、戦前、戦中を思えば、そういう人たちが間違った情報を植え付けたり、政府の中でも、そして政権交代が起きてまた混乱が起きている、こんなことになってへなちょこな総理や内閣ができてしまったら国民が危うくなるということを私は申し上げたいので、しっかり国会が事前チェックをするということは、これは例外なくやるべきだというのが私の考えなんですよ。 そこで、お尋ねをさせていただきたいと思うんです。 これまでの自民、公明の議論等を聞いております、国会の議論も聞いておりますと、自衛隊が海外に出ていくケースで、特に緊急の必要があり事前承認を得るいとまがない、国会に自衛隊を派遣していいですかと言っているもう時間がないんだと、大変なんだと、今やらないといけないんだということがあり得るのかどうかですね。私は、この場合というのは、確実に日本が直接に攻撃される個別的自衛権の範疇に入る事態だと思うんですよ。 ですから、政府はどう言っているかというと、時間がないという場合は、具体的に時間がないという、何と言ったらいいんでしょうかね、いとまがないケースというのはどういうケースを考えているのか、教えていただけますか。
○国務大臣(中谷元君) 現実に発生した事態の個別具体的な状況によるために一概には申し上げられませんけれども、昨年七月の閣議決定では、新三要件の下で、武力行使について原則として事前に国会の承認を求めるとしております。 これは、民主的統制の観点から国会の関与を確保しつつ、我が国の存立を脅かすような事態では、緊急の必要があり事前に国会の承認を得るいとまがない場合があり得るとの認識に基づくものと考えます。また、我が国の平和及び安全に重要な事態を与える事態に際しても、緊急の必要があり事前に国会の承認を得るいとまがない場合があり得ると認識をしております。 いずれにしましても、民主的統制の観点から国会の関与が重要であることは論をまたないものでありますので、今後、法整備において、国会の適切な関与について議論をしていくことは当然であると考えております。
○荒井広幸君 分からないんです。そこが分からないんですよ。いとまがないというのが抽象的過ぎるんです。 そこで政府が言っているのは、国会が、衆議院が解散しているとき、そして国会が休会になっているとき、この国会は六月二十四日で終わりますが、その後ですね、そういうときにいとまがないという事例を出しているんですね。それ以外の事例があるなら、抽象的じゃなくて具体的に出さない限りにおいては、これは議論のしようがありません。 そこで、具体的に出している、これは官房長官にお尋ねしますが、解散中や国会閉会中であっても、憲法と国会法にはそれぞれ、国会を召集する定めが憲法にも国会法にもございます。時間がないなどということは私はあり得ないと思っておるんです。官房長官、この点、どのように考えますか。それから、二つ目は、その時間がないという中で、国会に特定秘密と呼ばれるものもきちんと丁寧に出さないと、判断しようがないです、国会で。この二点について、いかがでございましょうか。あるいは防衛大臣でしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 昨年の七月に閣議決定でお示しをいたしておりますけれども、集団的自衛権などの憲法上許容される武力の行使を行うために自衛隊に出動を命じるに際しては、原則として事前に国会の承認を求めることを法案に明記する考えでございます。自衛隊に防衛出動を命ずる場合に当たっては、国民の皆さんに必要かつ十分な情報提供を行うことが重要であると考えておりまして、この点も含めて具体的な法整備の内容を検討してまいります。 また、我が国は戦後一貫して日本国憲法の下で平和国家として歩んでまいりました。日本国憲法の基本理念である平和主義は今後とも守り抜いてまいります。平和国家としての歩みはより確固たるものにしなければならずに、この点は先般の閣議決定に明記をしているところでございます。
○荒井広幸君 やっぱりこれは、大臣も総理も官房長官も説明が要りますね。今までの説明では抽象論なんですが、具体的な例は国会閉会中と解散中、これがいとまがないということの対象だって具体的に言っているんです。しかし、後ほど、次回までに、総理、私は提案をいたしますから、どのようにしたら三日間で国会で、議論が長引けば別ですよ、賛否は別ですよ、三日間できちんと十分な議論ができるという、憲法をいじらなくても国会法、衆議院、参議院規則で、それにのっとって前例も含めて議論ができるという体制を私はお示ししますので、例外なく事前国会承認にするべきなんです。 これは、この参議院が生まれた歴史的憲法国会の中で明らかなんです。政府と衆議院は、あの大政翼賛会によって軍部内閣に流されていった。もう一つ、これに歯止めを掛けるために国民に選ばれる参議院をつくったという歴史ですよ。この歯止めの衆議院、参議院できちんと、本当に政府の判断は正しいのか、あるいは各国、国連の決議を含めて要請はどんなものなのか、これを議論するということをしないで、一政府の責任だけにしようとしているのではないんです。 私は先ほどのような考え方で、限定的な行使ですし、後方支援ですから、時間があり得るというふうに私は思っているんです。時間がないものは直接的な、我が国に対する直接的な武力攻撃なんですから、この場合はきちんと明記してあります。国会の事後承認もあり得るということは、それはよく分かりますよ。 ですから、後ほど私はその国会法等々を含めて、委員長、お出ししますので、これを、理事会でこんなものを出していいか協議をしていただきたいと思います。三日間でやれるというものをお示しさせていただきたいと思います。 大臣にお尋ねします。これは官房長官でしょうか。 今までも、もう総理は十分御理解でございますけれども、キャメロン首相、一昨年のシリア攻撃、これは英国議会が反対して、これは断念しました。アメリカ、同じく議会承認をかけましたけれども、時間が掛かって、その結果、結果論ですけれども、攻撃に至らなかったんです、アメリカも。アメリカは、御案内のとおり、ベトナム戦争の反省によって、一九七三年です、戦争権限法というのを議会が持っているわけです。これを大統領は認めてはおりませんが、このシリア攻撃のときには初めてかけたんですよ、議会に。つまり、議会の了承なくしては国民の了承が取れないから、本当に国民の命を守れるという、その国民一体となった力が出てこないということなんだろうと私は思うんです。これがいわゆる新しい脅威と同じように、新しい、この軍事あるいは国を守るというそういった活動の基本的な潮流に私はなってきているだろうと、このように思っております。 このような事実関係、防衛大臣、シリアの、キャメロンさん、イギリスの例、アメリカの例、このような事実認識で間違いありませんか。
○国務大臣(中谷元君) そのような事実は認識をいたしております。
○荒井広幸君 外務大臣にお尋ねします。 やはり、例外なく国会の事前承認を得るということによって世界にも、平和国家日本、総理がいつも言われます、この戦後七十年の歩み、この平和国家日本の姿を具体的に示すことになるのは事前承認なのではないでしょうか。外務大臣、いかがですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 我が国の平和国家としての戦後七十年の歩みは誇るべきものであり、この平和国家としての歩みはこれからもしっかりと充実させていかなければならないと考えます。その中で、我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態への対応あるいは国際平和協力活動についても、民主的統制の観点から国会の関与、大変重要だと認識をいたします。 具体的な法整備については、これから引き続き検討していかなければならないと思いますが、国会の関与の重要性については、しっかり認識した上で法整備の努力をしなければならないと考えます。
○荒井広幸君 総理に、最後に御要望とお尋ねをします。 中身がきちんと詰まってきた段階で、事前承認、あるいは原則か基本かというのは百歩譲ってあり得るかもしれません。しかし、今のところ、私のような不案内な者ではありますが、平和を愛する者としては、ちょっと事前承認をしないという事態というのはなかなか想定しづらいと私は思っているわけなんです。どうぞ予断を持たずに例外なく、現在のところ、国会の事前承認を得るという形で、国民の安心と、そして世界にもそうした平和のメッセージが間違いなく伝わるという意味でも重要ですので、例外なしの事前国会承認という方向での御検討をされる、これを望みますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 自衛隊の活動に対する民主的な統制の観点から、国会の関与というのは極めて重要であると私も考えております。 その中におきまして、今回の法制というのは、集団的自衛権の行使など、憲法上許容される武力の行使を行うために自衛隊に出動を命ずるに際して、また我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態への対応や、また国際平和協力活動、PKO活動などについては国会の関与が重要であると考えておりますが、こうしたそれぞれ事態が、対応の対象となる活動が違うわけでございますが、その中におきまして、具体的な関与の在り方については、武力の行使を含むものであるかどうか、また国民の権利義務に直接関係するものであるかどうか、また迅速な対応が必要なものであるかどうか等を、それぞれ活動の内容、趣旨、目的等を踏まえて検討していく必要があると、こう考えておりますので、今後、まさに法案を作っていくわけでありまして、その法案を作っていく中におきまして、国会の関与はどうすべきか、今申し上げましたような観点から議論をしていきたいと。今、まさに荒井委員が指摘されたような点も含めて議論していきたいと、このように考えております。
○荒井広幸君 是非、予断を入れずに、総理のそうした姿勢で議論を進めていっていただきたいと思います。 防衛大臣、日米ガイドライン改定です。総理の重要な訪米でもございます。そういうものを十分分かった上で申し上げますが、日米ガイドライン、これを作る前に2プラス2も前後にやるんでしょう。しかし、国会の審議をそれで縛ってはならないはずなんですね。 ですから、ある程度緩やかな内容にならなければ、この安保法制整備についてが先取りされたようなことをアメリカでやられてしまったのでは、これは戦前に回帰したと同じになってしまいますので、慎重に進めていただきたい。いかがですか。
○国務大臣(中谷元君) 日米のガイドラインの見直し、これは日米間で今協議をしておりますが、日米協力に係る役割、任務等について政策的な方向性、これを見直して更新するものでございまして、このガイドラインの見直しと安保の法制との、整備との整合性を確保することの重要性、これを確認した上で、本年前半における見直し完了に向けて今議論をいたしておりますけれども、こういった御指摘を踏まえまして、しっかりと議論をして、協議をしてまいりたいと思っております。
○荒井広幸君 終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で荒井広幸君の質疑は終了いたしました。(拍手) これにて外交・安全保障等に関する集中審議は終了いたしました。 次回は来る二十三日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時十一分散会