予算委員会 第4号
- 発言数
- 401 件
- 登壇者
- 39 名
- 会派数
- 10
- 開催日
- 2015/02/05
会議録
○委員長(岸宏一君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 予算の執行状況に関する調査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ─────────────
○委員長(岸宏一君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 予算の執行状況に関する調査のため、必要に応じ日本銀行総裁黒田東彦君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 また、本日の委員会に東京電力株式会社代表執行役社長廣瀬直己君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(岸宏一君) 予算の執行状況に関する調査についての理事会決定事項について御報告いたします。 本日は、内政・外交の諸問題に関する集中審議を行うこととし、質疑は往復方式で行い、質疑割当て時間は四百十四分とし、各会派への割当て時間は、自由民主党八十四分、民主党・新緑風会百九分、公明党三十六分、維新の党三十五分、日本共産党三十五分、日本を元気にする会・無所属会三十五分、次世代の党二十分、無所属クラブ二十分、社会民主党・護憲連合二十分、新党改革・無所属の会二十分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。 ─────────────
○委員長(岸宏一君) 予算の執行状況に関する調査を議題とし、内政・外交の諸問題に関する集中審議を行います。 これより質疑を行います。金子原二郎君。
○金子原二郎君 質問に入ります前に、この度のイスラム国人質事件におきまして犠牲になられた後藤健二さん、湯川遥菜さん並びに御遺族の皆様に心から哀悼の意を表します。 また、安倍総理におかれましては、事件発生以来、国会も開かれる中、昼夜を分かたず対応をされ、大変な御苦労をされたと思います。本当にお疲れさまでした。 今後、二度とこのような痛ましい事件が起きないことを切に願っております。 久方ぶりのテレビの質問でございますので大変緊張しておりますが、どうぞよろしくお願いいたします。 まず、総理にお尋ねしますが、アベノミクスによって円安が進み、企業収益も増えて大変な株高になっております。有効求人倍率も上昇しまして、経済指標は軒並み良くなっております。最近二月一日の日経新聞を見てみますと、二〇一四年四月から十二月期の決算は、発表を終えた三社に二社が増益になっているというふうに報じております。このままでいくと、恐らく二十七年度は相当な税収が見込まれるんじゃないかなというふうに期待をいたしております。 長崎県でも有効求人倍率が八か月連続で〇・八五台を記録しておりまして、これは数十年ぶりの高水準であります。ただ、今年の新年会で地元の経済界の人たちにお会いし、話を伺いますと、景気が良くなったという実感がないというふうによく言われるんですよ。そういったお話もありましたので、それじゃ、私の地元の長崎県の税収がどうなっているかを調べてみました。 パネル一を上げてください。(資料提示)そうしますと、二十一年よりも減っておるし、若しくは横ばいであるという、そういった数字になっております。 これは、地域によって産業基盤が違いますので一概に長崎県と各県が同じとは言えませんが、しかし、いいところと悪いところで相当開きが出てくるんじゃないかなというふうに思っておりますので、そういった景気の実感がないという現状に対して総理はどのように認識しているか、お伺いをしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本全体においては、私たちが進めているいわゆるアベノミクス政策によって経済は好循環に入ってきていると、このように思います。大切な雇用において有効求人倍率は二十二年ぶりの高水準にあるわけでありますし、高卒の内定率、大卒の内定率、それぞれ改善をしてきております。また、企業の倒産件数でありますが、中小・小規模事業者も含めまして、我々が政権を取る前よりも二割減って、二十四年ぶりに一万件を倒産件数割ったわけでございます。また、賃金につきましても、昨年、平均で二%以上上がった。これは十五年ぶりのことでございます。雇用においても、また賃金においても、間違いなく経済は良くなっている。 しかし、地方においては人口減少あるいは高齢化といった様々な課題があり、景気のばらつきがあるのが事実であります。その中において、我々はしっかりとこの景気回復の好循環を全国津々浦々に広げていかなければならない。そのための地方創生もそれに資するものでなければならないと、こう思っております。 地方に仕事をつくり、地方への人の流れをつくっていかなければいけませんし、また観光において、我々が政権取って、八百万人であったものが五百万人増えて千三百万人になりました。かつては、こうした旅行収支、出ていく人と入ってくる人の差がマイナス三兆円だったのでございますが、この度五百万人増えて、それに関わる経済効果は一兆円と、こう言われているわけでありますが、こうしたものがしっかりと地方に均てんしていくように我々も進めていきたいと、努力していきたいと思っております。
○金子原二郎君 この地方の人口減少とアベノミクスの全国への浸透のために今回地方創生を掲げまして、平成二十七年度の予算は地方の活力のためにということで多くのメニューが示されておりまして、地方も大変期待しております。しかし、この補正予算を見てみますと、公共事業に対していろいろと意見があるのは承知しておりますが、ハード事業、特に基幹道路基盤整備に関する部分が少ないように思います。 総合戦略において、施策の一つとして観光、ただいま総理からも観光のお話がありましたが、この観光が位置付けられておりまして、交流についても触れられております。観光や交流のためには道路が大変重要な意味を持つことを考えれば、特に道路基盤整備を進めることが必要であるというふうに私は考えております。 道路基盤整備の予算が少ない理由について、まず国交大臣に、次に石破大臣に簡潔にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 二十六年度補正予算につきましては、緊急経済対策に基づきまして、生活者・事業者への支援、それから地方の活性化、そして災害・危機等への対応ということになっておりまして、この三分野で予算をつくったということでございます。 コンパクト・プラス・ネットワークという点で非常に道路は大事なものだという認識をしておりますが、補正予算の趣旨にのっとってのことでありますが、力を更に入れていかなくてはならないと、このように思っています。
○国務大臣(石破茂君) 国交大臣から御答弁があったとおりであります。今回の補正の趣旨というのはそういうことであると。 それから、長崎の事情もよく承知をしておるつもりでございますが、ナショナルミニマムとしてのミッシングリンクの解消、それは極めて重要であるということは私どもよく認識をいたしております。
○金子原二郎君 パネルを出していただきたいと思います。 お手元にお配りした資料を見ていただいても結構ですが、長崎県の人口の減少の現状を見ますと、三十年前の一九八五年と今年の人口を比較しますと、離島で約八万人、率で三八%の減、半島で八万五千人、約二一%の減、それ以外で三万五千人、三・五%の減というふうになっております。五十五年前の一九六〇年と今年の人口を比較してみますと、離島で十九万五千人、六〇%の減、半島で二十五万人、四五%の減、ところが、それ以外の地域では五万人の増となっております。 五十五年前と比較すれば、半島と離島以外では人口が増加しており、人口減少の主な原因は、長崎県で見れば半島、離島における人口減であるということがお分かりになると思います。このような状況というのは、特に半島を抱えている各県も同じではないかというふうに私は思っております。 パネル三を上げてください。 そこで、長崎県では、今から七年前に、平成二十年にキヤノンの工場誘致に成功いたしました。候補地が多数ある中でこの誘致競争に勝つことができたのは、優秀な人材を確保できるということもあったでしょうけれども、一番の大きな要因は、キヤノンが大分にマザー工場を持っておって、その工場との間に高速道路の連結がうまくなされているということが大きなプラス要因であったというふうに私は考えております。今では千人以上の雇用を抱えております。 そういった事例を県内で見てみますと、佐世保市に、平成二十五年に整備をした工業団地に去年十月に従業員二百名規模の自動車関連事業が決定しました。将来、増員も期待できます。この誘致の成功の大きな要因の一つは、平成二十三年九月に団地の近くに西九州自動車道のインターチェンジが開通して、交通の便が良くなったことがあります。また、長崎市内に昭和五十年代に造成された神ノ島工業団地というのがあり、なかなかこの土地の完売に苦労してまいりましたが、長崎港の対岸に女神大橋という橋を架けました。そして、長崎自動車道のインターチェンジまで時間が短縮されて、約三百名の雇用のANAのコールセンターを誘致することができました。 今までの県の企業誘致の状況を見てみますと、この真ん中に走っている長崎自動車道、この長崎自動車道の沿線の東彼杵、大村、諫早が多くて、半島である西彼杵半島、それから島原半島、また北松半島はなかなか企業の誘致をすることが難しい状況でありました。これは、やっぱり幹線道路があるかないかということは大きな要因になっているというふうに私は思っております。実際、各企業に誘致にお願いしたときに、幹線道路の状況を聞かれて説明しますと途端に変わるところもたくさんございました。したがって、やっぱりいかに道路が大事であるかということは、私はもうこの点からも非常に痛切に感じてまいりました。 地方創生の即効性というのは企業誘致が非常に大きいと思うんですね。そういう場合、幹線道路が整備されているかどうかということは、半島とか離島の遅れた地域をこれから整備していくためには、どうしても道路が欠くことができない。今の状況を考えてみますと、円安で、そして外国ではだんだん賃金が高くなってきている、海外に向かっていた日本企業が国内に回帰する、そういう動きもあるということを聞いておりますので、この地方創生ということを考えて本当に働く場所を確保するということを考えていったときに、いかに道路の整備が私は大事であるというふうに思っている。 島原半島、西彼杵半島、北松半島というのは元々農村地帯なんです。そういった農産物も非常にいいものが取れておりますが、道路ができますと大都市に非常に近くなってくる。それで、島原半島には雲仙もあります。しかし、観光客は落ち込んでおります。地元で意見を聞くと、やっぱり道路の整備だと言うんですよ。 こういった状況の中で、今回の地方創生では、地方における五か年戦略となる地方版総合戦略を地方で作成することになっておりますが、いつインフラが完成するか分からない状況の中で五か年戦略を作ることは困難というふうに私は思うんですね。安倍総理はこの点についてどのようにお考えになるか、お伺いしたいと思います。 それからもう一つ、国土交通大臣に、先ほどから言っている西九州道路というのは平成元年に着工して、まだできないんですよ。前から大体二十年でできると言っていたのが、三十年になっても開通しておりません。それから、一番大事な島原半島と西彼杵半島の道路の整備も、平成六年からやっておりますが、整備率は大体二五、六%です。是非こういうところには力を入れていただきたい。その辺を、いつ頃完成するか、それをちょっとお尋ねしたいと思います。お願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに、委員の御指摘のように、地域を創生していく、地域に産業を興し、あるいは産業を都市部から移していく、人をそちらに移していくという意味においては、道路、極めて重要であろうと、このように思うわけであります。半島でなかなか厳しい、道路網がつながっていない半島の場合は、これは離島と同じことになるわけでありますから、農作物を含め商品を都市部に輸送する、このインフラがないとこれはやはり非常に不利になるわけでございます。 そういう意味において、地方創生を進めていく上においてしっかりと道路のネットワークを位置付けていく必要があるでしょうし、重点化や効率化を図りながら計画的に整備を進めているところでございますが、しっかりと取り組んでいきたいと。 西九州道路も長い間の御懸案だったと思います。全国各地にそういう懸案がございます。山陰自動車道も、石破大臣の鳥取以西がこれはミッシングになっているわけでありますが、そういう地域の人たちは、地域でしっかりと頑張っていこう、ここで仕事をしていこうという上においてはやっぱり道路が必要ですねという認識をみんな持っているわけでございますので、しっかりと道路の重要性等も見直していく必要があるのだろうと、このように思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 先生おっしゃるように、例えば首都圏の圏央道、どんどんできていますけれども、既にその前に工場が相当建つということがあります。また、日沿道で大館と小坂の間が通ったということで私行きましたけれども、そのかなり前から工場が建っているという状況がありまして、この西彼杵道路、西九州自動車道、これらについて、西九州自動車道は総延長百五十キロのうち百キロが開通しておりまして、残る全ての区間で事業を行っているという状況にあります。この事業中の区間のうち見通しの立った南波多以西十六キロ、これについては今年度から平成三十年度までに順次開通する予定としております。また、島原道路では現在事業中の二十キロのうち九キロが平成三十年度までに順次開通する予定となっています。また、西彼杵道路では今年度より一部事業着手をしたところです。 今後とも、道路事業の早期効果実現のために、開通見通しを早期に発表しながら、少しでも早くという地元の要望に従って努力をしたいと、このように考えております。
○金子原二郎君 それぞれ、総理から御答弁いただいたので大変期待しております。 私が長崎県でこういった話をしているのは、各県大体共通だと思うんですよ、半島とか離島は。したがって、分かりやすい説明をするためにはこういった例を出していった方が国民の皆さん方もお分かりになるんじゃないかということで、特に長崎県を例に挙げて質問させていただいておりますが、次は離島です。 離島は、大変長崎県は離島が多いと。大きな島として対馬、上五島、下五島、壱岐がありまして、かつての基幹産業は農林水産業と公共事業と公務員でありました。公共事業は、県の発注事業を見てみますと、平成十年では四島の合計で六百六十億円でありましたが、現在は二百十億円と大幅に減少しております。平成の市町村合併によりまして、対馬では六町が一市に、上五島は五町が一町に、下五島は一市五町が一市に、壱岐では四町が一市になりまして、行政機関の職員の数はもとより、議員や三役は大幅減になって雇用が減ってしまいました。水産業も燃油高騰で大変厳しい状況なんです。 こういう中でそれぞれの四つの島を見てみますと、いつも総理がおっしゃっているように、大変自然がすばらしいんですよ。大体訪れた人は絶賛して帰ります。四島の島にはそれぞれ特徴がありまして、上と下五島にもいろいろ今回御協力いただきましたが、教会群が世界遺産候補となっております。対馬は昔から韓国との交流が非常に盛んで、釜山に対馬藩の出先の倭館があったといったそういう関係もありまして、また対馬との間は五十キロと近い。毎年十九万人の方が韓国から訪れておると。それで、今度は、壱岐は、原の辻という遺跡がありまして、これは古代文化が感じられて非常に文化的な島であり、壱岐牛は特に今大変な好評でございます。長崎県の各島々でもこういった特徴を生かして、交流人口拡大しかこれから島が生き残る道はないということで大変努力しているんですよ、いろいろと。 ところが、一番ネックになるのは航空運賃なんですよ。航空運賃を見てみますと、長崎と福江間で片道一万一千六百円、長崎—壱岐間で一万百円、長崎—対馬で一万五千八百五十円、福岡—対馬で一万五千九百円、福岡と福江のANAで二万五百円ですから。島民には三割割引きがあるんです。私はかねてから島民並みにしたらどうかと言うけど、なかなか国がやっぱりやってくれない。 しかし、交流人口を増やすためにはこの航空運賃がネックになっていることは、もうこの数字から見ても分かるんですよ。今、東京へ一万円でみんな行くんですから。離島に渡るのにこれだけの金を使っておったら、なかなか来ませんよ。釜山から今お客は十九万人来るというのは、釜山と対馬の間は大体八千円ぐらいで来れるんですよ、往復。だから、そういったことを考えていると、日本人がなかなか行くチャンスがない。 実は、元々この離島にはANAの子会社のANKが飛行機を飛ばしていたんです。ところが、平成十年の規制緩和によって不採算部門はどんどんどんどん撤退していったんですよ。じゃ、もうやむを得ないということで、長崎県が民間企業にお願いしてORCという企業をつくって、できるだけ県とか国の力を借りないでやろうということで立ち上げてやったんですよ。それは大きい人は五千万ぐらい出資していただいた。やってみたけど、結局難しかった。最後は、やっぱり累積赤字が増えていきまして、そして、国と県と市の予算を入れて、県が七割入れていますけど、約三億円ぐらい入れているんですよ。全体的な経費が二十二億円掛かりますから、思い切って十億円ぐらいの金を入れるようになればこれは半額にできるわけなんですから、そういった本当にいろいろな環境というものを考えて政策というのをやっていただかないと、なかなか努力しよう努力しようとしても難しいんですよ。 そこで、今日は麻生副総理にはお礼を言わなきゃいけないんだけど、麻生総理が平成二十年にこの五島に来ていただいた。総理大臣が五島に来たのは百二十年ぶりだったんですよ。そして、この離島の現状をよく見ていただいて、一番何か欲しいものはあるかと言うから、船を、もう古くなってなかなか船の料金も高いから造り替えてもらいたいと、民間のそういった船の建造に金を出してもらえないかと言ったら、なかなかもう事務当局は難しかったけど、最終的にはもう総理の英断で、時の総理の、そして今六隻の船を造っているんですよ、国費で。そして二割引き、安くなって、後期高齢者、七十五歳以上は五割引き、病院にしょっちゅう通っている人も五割引きということで大変島の方は有り難がっている、これはお礼を申し上げたいと思います。 そういう思い切った決断によってこういうことができるわけですから、私は、やっぱりそういったことをやっていかないと地方はなかなか良くならない。これは是非お願いしたいと思います。この点について総理の御意見をお聞かせください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに今離島が見直されているわけでありまして、豊かな自然に囲まれ、温かい人のきずなの中で人生を送りたいという人がだんだん増えているのも事実でありまして、島に生まれた人も島で暮らしたいという人がだんだん比率が増えてきているという地域もあるわけでありまして、隠岐の島あるいは小笠原、若い人たちがだんだん新たに例えば東京から移り始めているという現象も起こっています。 そのためにも、この離島地域の観光資源等を活用していく、あるいは離島に住んでいる人たちが地域と交流できるようにしていくということもしっかりと対応していかなければいけない。政府としても、こうしたニーズに応えるために、今も御紹介いただきましたが、既に行っている離島住民に対する航空運賃補助のほか、離島地域が本土からの観光モニターを招致する際の経費を補助するなどの交流促進の取組を行っております。 もう少し国の補助を厚くしろという御要望でございます。財源との関係もございますが、今後、地方創生、そして離島を振興していくという大きな観点から検討していきたいと、このように思っております。
○金子原二郎君 是非一度、安倍総理に五島か対馬か壱岐に来ていただければすぐまたできると思いますので、よろしくお願いしたいと思いますが。 元々、各県とも、各市ともいろいろな計画をしながらやっていっているんですが、どうしてもやっぱり県の力ではできないものがあるんですね。 そういったものをどうカバーしていくかということが地方創生に私はつながってくると思うので、メニューをいっぱい並べても、結果的にはそれが地方の実態と合っていなければ意味がないわけなんですから、是非これは精査をしていただいて。みんなやっぱり計画を立てているんですよ。十年計画を立てるときはみんなの意見を聞いているんですよ。数値目標も立てながら、みんな、各県の知事さんも市長さんも、大体大きいところはやっているわけなんですよ。やってもなかなか今日までこういう現状が続いておるということを是非認識していただいて、その点についての御配慮を是非よろしくお願いしたいと思っております。 次は、水産業の振興についてお尋ねをいたします。 まず、農林水産大臣、今回の燃油対策、ありがとうございました。この燃油対策に対して、最近値段が下がったのでこれは必要ないんじゃないかという、一昨日も維新の方が本会議で言っていましたけど、現状認識が分かっていないんじゃないかと思うので、農林水産大臣、今後こういった燃油価格についてどのように考えているのか、ちょっとお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(西川公也君) この度の燃料対策については、金子委員には大変御熱心に御要請いただきまして、当初の予定どおり私どもは予算化ができたと、こう思っておりまして、御協力に感謝を申し上げます。 そこで、現在の原油価格でありますけれども、確かに昨年の水準に比べて大幅な下落になっていると、これは事実かと思いますが、一昨日、ドバイの原油価格が少し跳ね上がったと、こういうこともありまして、今後とも十分注視をしていく必要があると。そして、原油対策等、水産業の振興のために大事な事業でありますから今後ともしっかり継続を図っていきたいと、こう思っています。
○金子原二郎君 手元に表を配っていると思いますが、皆さん、これを御覧になっていただければ分かりますように、実際、輸入原油価格より市販されるのには約三十五、六円経費がアップします。したがって、今大体七十一円ぐらいで販売されておるというんです、東京近郊は。 ところが、これが離島に行きますと、半島に行きますと、大体やっぱり八十円から九十円なんですよ、現在でも。漁業の採算ベースというのは六十円なんですよ。元々、平成十六年には四十三円でやっておったわけですから。六十円という数字が本当はペイラインと言われておるんですが、元々高止まりのこういった形になってきているので、本当に漁業者は苦労しながらやっているというのが現状なんですよ。 したがって、燃油が下がったからもう水産対策の燃油は要らないなんというのは、もう本当に実情を知らないというか、漁民がどんなに苦労しているかということを分かっていないというふうに私は思うんですね。是非その辺については、そういうことを考えてこれからも取り組んでいただきたい。 こういった燃油対策の中に漁業経営セーフティーネットというのがあるんですね。このセーフティーネットが、全く役に立たないと言ったらちょっと語弊がありますが、このセーフティーネットというのは、直前七年の価格のうちの高い一年と安い一年を除いて、その五年の平均で数字を出して、それを超過した分について国と漁業者で一対一で負担するようになっているんですよ。 ところが、この仕組みでは、燃油の高止まりが続くことによって補填基準がどんどんどんどん上昇してまいりますので、コスト対策としては十分な効果を果たすことができないわけなんですよ。本当は基準価格を六十円なら六十円、七十円なら七十円としていただくと、漁業者は目標を立てて、幾ら上がっても安定した操業ができる、漁に出られるということになってくるわけなんですから。だから、値段によって漁に出られるか出られないかということの不安を持って今、水産業の人はみんなやっているわけですよ。 だから、本当に今ある雇用を守ることが大事なんですよ。新しい企業をつくって新しい雇用を出すなんて、そんな簡単にできるものじゃないですよ。やっぱり今ある漁業をどのように守っていくかということが私は大変大事だと思っておりますので、この点について大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(西川公也君) 今の七中五の問題ですけれど、これ、ハウス等で野菜を栽培している人たち、あるいは畜産の飼料の高騰、そういうことと一緒になってつくったものでありまして、なかなかこれは、我々も検討しておりますけれども、先生の御要請に応えることが今できないでおります。 しかし、漁業の大切さ、そういうことから、全体を見ながらよく前向きに検討していきたいと、こう思います。
○金子原二郎君 時間が来ましたが、お許しいただいて、総理、これは是非よろしくお願いしたいと思いますので、石破大臣もよろしくお願いいたします。財務大臣、最後は財政的な問題ですから、是非よろしく、今日は答弁をいただけませんので、よろしくお願いしたいと思います。 最後に、一つだけ。 農協改革が言われております。准組合員が制限をされていくと、単協は本当に困るんですよ。単協を残すために農協改革ですから、この准組合員に対する規制をやるということは、私は間違っていると思うんですよ。地域農協と一体となって、地域は町村合併で地域農協のウエート高いんですよ……
○委員長(岸宏一君) 金子委員、時間が参りました。
○金子原二郎君 是非よろしく要望いたしまして、これで終わります。 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で金子原二郎君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、上野通子さんの質疑を行います。上野通子さん。
○上野通子君 自由民主党の上野通子でございます。本日は質問の機会をいただき、誠にありがとうございます。 冒頭に、この度の人質事件の犠牲になりました湯川様、そして後藤様のお二人に対し心からの御冥福をお祈り申し上げますとともに、御家族に対し深く哀悼の誠をささげます。 許してはならぬ悪質なテロに対する対策についてですが、後ほど質問させていただきたいと思いますが、まずは、安倍総理の目指す教育についてお伺いします。 総理は常々、安倍内閣における教育再生は経済再生と並ぶ最重要課題と位置付けてこられました。そして、第一次安倍内閣においては約六十年ぶりに教育基本法改正が実現されましたが、その背景には、一九八八年のサッチャー首相のやりました教育改革法を参考にされたとも聞き及んでおります。 そこで、総理に御質問させていただきますが、サッチャー首相の教育改革のどのようなことを参考にされたのか、また、教育を最重要課題と位置付けておられる安倍総理の目指す教育とはどのようなものなのか、二つ併せてお願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) サッチャー首相が行った大きな改革については毀誉褒貶相半ばするところもあるわけでありますが、低迷するイギリスをまさに興隆するイギリスに大きく変化させたのは、私は事実なんだろうと思います。 その中においても、言わば経済における改革と同時に、教育改革は極めて重要な柱であったと、このように思います。一九八八年のこの改革、私はこの改革に学ぶべきだと考えまして、幹事長時代に議員を派遣をいたしました。イギリスに派遣をしてサッチャー改革の実態を研究させたのでありますが、現文科大臣の下村博文大臣もその一人でございました。 サッチャー政権では、国によるカリキュラムの策定や全国学力調査の導入、学校監査制度による学校評価の充実といった施策を通じて教育水準の向上を目指す教育改革を行ったわけでありまして、大きな成果を上げたのは間違いないんだろうと、このように思います。このような改革が子供たちにしっかりとした学力を身に付けさせ、ひいてはイギリス国民としての誇りと自信の回復につながったと考えております。これらも参考としながら、第一次安倍内閣において教育基本法を改正したところであります。 ちなみに、その後の政権交代以後、ブレア政権になりましてもサッチャー改革の骨格を維持しつつ更に発展させたと、このように承知しております。
○上野通子君 総理、ありがとうございます。 私も一九九八年から三年間、イギリスの現地校で教師をしておりまして、まさにブレア首相がサッチャー首相の教育改革を継続されて、一に教育、二に教育、三に教育と、教育がかなり充実してきたということを学んでまいりました。 そして、何よりも日本人としての教育が必要だと思いますが、日本人の教育の中で私がすばらしいと思うのは、高い規範意識や道徳教育をしっかり学ばせるという場、これがまた新たに道徳教育の導入でなされることになりましたが、どの国におきましても子供たちに対して、母国を愛し、母国に誇りを持つということ、これを実際に大人が態度で示さなければいけないと思います。 また、母国ばかりでなく、地球人の一人としては、他国で生活する全ての方々の命も大切だということを学ばせる必要もあると思います。しかしながら、今回のような非人道的テロリストの人質の命を弄ぶような行為をされてしまったら、子供たちにとってもただ不安を残すばかりと怒りが込み上げてきます。 しかし、強い姿勢でテロを許さないと言うばかりではテロの脅威がなくなるわけではございません。国内における注意喚起はもちろんですが、海外で暮らす日本人、特に子供たちの安全確保をするための警備体制の強化が急務であると考えております。 ここで、配付資料の資料一と、そしてパネルの二を御覧ください。(資料提示)資料は一と二を御覧ください。 資料一は、渡航危険情報の四つのカテゴリーでございます。外務省の方のホームページにございますが、色分けしておりまして、ここに示しているのは中東地域のみでございますが、色は赤からオレンジ、薄オレンジ、黄色となっておりまして、危険度の高い順に色が濃いことになっております。 そして、ISILの近辺のかなりの国が危険度が高くなっておりますが、中東における在外日本人に対してどのような安全対策、注意喚起を行っているのか、ここで外務大臣にお答えいただきます。
○国務大臣(岸田文雄君) 外務省にとりまして、海外の邦人の安全確保、これは最も大切な責任の一つだと認識をしており、平素から危険情報につきましては丁寧に発出をするように心掛けておりますが、特に今回、一月二十日、湯川さんとそして後藤さんの映像がインターネットに配信された後は、一月二十一日、一月二十五日、そして二月一日、三度にわたりまして在外公館に対しまして邦人の安全確保に万全を期すよう指示をいたしました。在外公館と在留邦人代表者との会合であります安全対策連絡協議会を開催する、あるいは日本人学校の安全確保に万全を期すなど、こういった内容の対策を徹底するように指示を出したところであります。 そして、一月二十二日、そして二月一日、中東地域を含む全世界の在留邦人に対しまして、誘拐、テロ等の不測の事態に巻き込まれないように、外務省が発出する渡航情報等により最新の治安情勢等の関連情報の入手に努め、適切に安全対策を講じていただくよう注意喚起を行いました。これは、ホームページにこうした注意喚起を掲げるだけではなくして、海外の在留邦人におきましては、登録していただいている方には全てメールを発出する、あるいは旅行会社等を通じて伝達する、こういった対応を行ったところでございます。 それ以外にも、個別に、ヨルダンあるいはトルコ、こういった地域については特別に情報を発出するなど対応を行った次第であります。
○上野通子君 ありがとうございます。 中東地域以外にも海外に発信していらっしゃるということですが、実は、うちの娘はイギリスに中学校のときからもう、今も住んで仕事をしていますが、住んでおりまして、九・一一のテロのときにも、その後の二〇〇五年のロンドンのテロのときにも大使館からは何の連絡もなかったのに、今回はすぐに日本大使館の方からロンドンの娘の家に連絡がありまして、特に注意するようにという伝達がなされたそうで、しっかりとした外務省からの発信がなされているというのを実感しております。今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございます。 さらに、資料の三とパネルの四を御覧ください。 こちらは日本人学校についての資料でございますが、資料三は、そのうちISILがイラクとシリアで活動する以外に州として認めている国にある日本人学校で、三か国五校。また、いわゆる中東地域にある日本人学校として七地域に七校あります。ISILが州として認めている学校の方は、地図では黒く示してみました。また、そのほかの中東にある日本人学校は黒斜線で示してみましたが、合計で十二校、三百八十九名の子供が通っており、文科省が派遣している教員も合わせると八十名に上るそうです。 そこで、文科大臣に伺いますが、今申し上げました十二校の日本人学校に通う子供、職員、保護者等をテロの危険から守るためにどのような対応をなさっているのでしょうか。 また、併せてなんですが、今年度から、「トビタテ!留学JAPAN」ですね、二十六年度から海外へ留学生を送る事業を始めていますが、現在も海外に留学中の学生がいると思いますが、この「トビタテ!留学JAPAN」で留学している学生への喚起、また今後、修学旅行等も併せて様々な学生及び学校が海外へ飛び立つわけですが、その方たちに対する注意喚起などの対応についても併せてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 今、岸田外務大臣からお話があったように、外務省から在外邦人等に対する注意喚起を受け、文科省からも、在籍する児童生徒や派遣教員の安否確認を始め、具体的に全ての日本人学校等に対する警備体制の再点検や強化、安全確保等について注意喚起の通知の発出をしたり、また、全ての日本人学校等の警備の状況や今後必要な強化等についての調査の実施、さらに、特に中東地域の御指摘の日本人学校等との直接の連絡、情報収集、また、二十四時間体制のホットラインを設置をいたしまして、緊急連絡体制を強化する等の対応を備えて準備しているところであります。 文科省におきましては、引き続き、日本人学校などのニーズを踏まえ、外務省と連携しつつ、児童生徒を始め日本人学校等関係者の安全確保に努めてまいります。 また、「トビタテ!留学JAPAN」のお話がありました。海外プログラム、今年から高校生へも枠を広げる予定でございます。学生等が今後新たに渡航を検討している場合には、テロ等の不測の事態に巻き込まれないよう、外務省が発出する渡航情報等によりまして最新の治安及びテロ情報等の渡航先に関する情報を入手して、学生等に周知を徹底するよう注意喚起をいたします。さらに、注意喚起と併せまして、文科省におきましては、シリアを始めとする危険地域に現在滞在している学生の安否について大学等に調査を行い、安否確認、安全確保等の徹底を図ります。 今後とも、ISILの動向等の最新の海外情勢等を踏まえまして、大学等とも連携を密にして、海外留学する学生を含め、引き続き日本人留学生の安全確保に努めてまいります。
○上野通子君 文科大臣、ありがとうございます。 様々な取組をなされて、海外の留学生、また海外にこれから行く、学校の修学旅行等を始め、守っていただいていること、感謝申し上げます。これからもよろしくお願いいたします。 次に、自衛官の人材確保についてお伺いします。 今の質問の中でも述べたように、テロの脅威や国際社会における平和維持活動、あるいは自然災害に対する対処など、自衛隊に掛かる期待と責任は今後ますます大きくなってくると思います。そんな中で、我が国の安全保障を大変、最重要課題という中でありますが、少子化の現象があって、募集対象の人口がかなり減ってくるんじゃないかと想定されるところでございます。 各地方協力本部では、様々な工夫をして、それぞれの地域に合わせた人材確保に努めておられると聞き及んでおります。私の地元でも、なかなか一回の募集では集まらないということで四次募集まで行って定員を確保しているそうですが、安倍総理におきましては、輝く女性が地域で活動する社会をつくるというのも目標の一つです。是非とも、女性自衛官の確保ということについても力を入れていただきたいと思います。例えば、女子校へ行ってなかなか自衛官を募集するというのは今まで聞いたことが余りないんですが、是非とも、そこを、女子校の中にも踏み込んでアプローチをしてみてはいかがでしょうか。 今後、十分な人員を安定的に確保していくためにはどのようなことを行われるのでしょうか。また、先ほどお話ししましたように、女性の自衛官の登用についてはどのような取組が行われていますか。防衛大臣、お願いします。
○国務大臣(中谷元君) 全国に自衛隊地方協力本部がございますが、そこの募集担当が自衛隊の任務、また職務の内容、勤務条件などを丁寧に説明をいたしております。そして、最近はスマートフォン、これを活用しまして、アプリなどで情報発信の活用等で若い人の募集に努めております。また、若手の自衛官、また女性自衛官などが出身高校を訪ねまして自らの体験に基づいて自衛隊の仕事に対する質問や相談に答えるなど、きめ細かな募集活動をいたしております。 一方、女性につきましては、防衛省における女性職員の活躍とワーク・ライフ・バランスの推進のための取組計画を作っておりまして、女性自衛官の採用、登用に努めているところでございます。 そして、女性の登用につきましては、佐官ですね、一佐、二佐、三佐、このクラスの幹部自衛官に占める女性の割合について、平成二十七年度末までにその目標を二・八%より増やすことといたしまして、二十八年度以降についても職務の特性を踏まえまして更なる女性の活用、登用等に努めてまいりたいと考えております。
○上野通子君 ありがとうございます。これからも是非とも女性へのアプローチ、よろしくお願いいたします。 次に、資料の五と六を御覧ください。これは自民党の青少年健全育成推進調査会が調査しておりました案件のこどもの城の閉館についてでございますが、一月三十日に国に対して提出した要望書が資料の五でございます。 青少年健全育成推進調査会におきましては、調査会長中曽根弘文先生を筆頭に、私たち調査団として何度かこどもの城にも視察させていただいて、何とかこどもの城が存続しないかと頑張ってきたところですが、この全国で唯一の国立児童館としてのこどもの城が二月一日をもって二十九年の歴史に幕を閉じました。乳幼児から高校生までを対象に多くの方々に愛された施設でございます。 昭和六十年の開館以来、併設する、皆さんも行ったことがあると思うんですが、劇場、青山劇場、また円形劇場などもありますが、含めて約二千八百万人が訪れました。平成二十五年度の利用者だけでも約八十万人に上ります。また、有名な話では、皇太子夫妻の長女、愛子様も三歳から幼稚園に入るまでの一年間、週二回ほど通われたそうです。 こどもの城には、プールや体育館などスポーツ施設のほか、子供たちの健やかな成長のための遊びを基底としたたくさんのプログラムが開発されており、また全国の児童館における児童健全育成事業普及の支援、研修を通した人材育成など、重要な機能を担ってまいりました。さらに、小児保健部として子供の心や体の健康について取り組み、発達障害児やダウン症児の心のケアなども専門的なケアを行って利用者を支えてまいりました。 閉館が発表されたのは平成二十四年の九月のことで、当時の厚生労働省は、社会情勢が変わり、民間のテーマパークなど子供の遊び場が増えたことや施設の老朽化を理由に役割は終えたと判断したと言います。しかしながら、こどもの城の役割は、今も、そしてこれからも必要であると多くの方々は考えています。 閉館後、施設は売却されるのでしょうか。私たち青少年健全育成推進調査会は関係者との意見を重ねてまいりました。そして、閉館した今でも保護者や利用者を中心に署名活動が行われ、署名は増え続け、一万人以上を超える署名が集まっております。 国としては、今まさに子供の居場所を地域で増やす取組がなされており、放課後子ども教室や放課後児童クラブの更なる充実を目指しているところであり、今このときにこどもの城が閉館されるというのは大変残念で、痛恨の極みでございます。 塩崎大臣におかれましてもお子様もここを利用されたとお伺いしておりますし、総理の奥様も障害を持つ子供たちのプログラムにボランティアで参加されたことがあるともお伺いしております。 そこで、これまでのこどもの城が果たしてきた役割と質の高い子供の居場所づくりの必要性について総理にお伺いします。あわせて、こどもの城の閉館後、こどもの城が果たしてきた機能や行き場のなくなった今までの利用者、子供の居場所はどこでどのように確保していくのか、また、その支援は国もするのかどうかを厚労大臣にもお伺いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 御指摘のように、こどもの城は昭和六十年に国が設置した児童館であり、これまで先駆的な遊びのプログラムを開発をし、来館した子供たちに提供するほか、地方公共団体等に情報提供するといった役割を、重要な役割を果たしてきたと認識をしています。今般、老朽化等のため閉館することとなりましたが、様々なニーズを持つ子供たちに健全な遊びを提供できる居場所を確保することが大変重要だと考えております。 国としては、これまでこどもの城が開発してきた遊びのプログラムを全国の児童館で普及させるなど、質の高い子供の居場所づくりに取り組んでいきたいと考えております。また、共働き家庭などの小学生を対象とする放課後児童クラブについて、放課後子どもプラン、放課後子ども総合プランに基づき、平成三十一年度末までに約三十万人分の受皿を整備することとしております。 今後とも、社会のかけがえのない宝である子供たちが安心して過ごせる居場所を更に充実させていく考えであります。
○国務大臣(塩崎恭久君) 中曽根先生と一緒に上野先生も私のところにおいでをいただいて、閉館反対ということで御陳情いただいたことを覚えておるところでございます。 今お話ありましたように、私の子供たちも近くだったものですからよく行っていましたし、今回のこの閉館に関しても私の家内が最も反対をしておりまして、家庭内野党に大変苦労しているというところでございましたが、御案内のように、老朽化した、そして財源的になかなかこれを続けることが難しいということが一番大きな原因であったわけで、平成二十四年にもう既にそのことが決まっておったわけでありますが、今般これを閉館することにいたしましたけれども、やはり先ほどお話があったように、障害児の遊びの開発であるとか、それから、今実際にダウン症のお子さんたちの合唱団があって、さあどこに行ったらいいんだという居場所の問題もあって、私どもとしては、これまで利用していた子供さんたちについては、こどもの城の運営を委託しておりました公益財団法人の児童育成協会、こことも連携をしまして、地域の児童館を案内するなど可能な限り支援をしていきたいなというふうに思っておりますし、特に障害をお持ちの子供さんたちの、あるいは特別な配慮が必要である子供さんたちについての居場所探しというのは極めて大事で、厚生労働省としても関係する自治体と連携をしていきたいというふうに思っております。 なお、今まで担ってきた、このこどもの城が子供の遊びのプログラムを開発をしていた、そしていろいろな遊びの評価をし、そしてそのプログラムを改定をし、そして全国に、児童館に普及をするということをやってまいりましたが、これについてはやはり国が直接実施をしていきたいと、続けていきたいというふうに思っておりまして、特に発達障害など子供の特性を踏まえた取組を推進するためのモデル施設を全国で指定をしていくとか、そういうことも、それから研修を通じた障害児や配慮を必要とする子供たちを含めた交流活動事例の共有というか、そういうようなことで、引き続き、機能としては全国的な児童館の言ってみれば先陣を切っていろいろなものを示していくということをやっていきたいなというふうに思っているわけであります。 放課後児童クラブのことについても今総理からもお答えを申し上げましたけれども、そういったところへもいろいろな形で遊びを提供できるように開発もし、そして普及をしてまいりたいというふうに思っております。
○上野通子君 大臣、ありがとうございます。 二〇二〇年にはオリンピック・パラリンピックが東京で開催されます。大人だけが楽しむのでなく、一緒に海外からも多くの子供たちが日本には楽しい居場所があるということで集っていただくことが私たちの希望でもありますので、是非とも多くの居場所をこれからもつくる取組を支援していただきたいなと思いますので、よろしくお願いいたします。 次に、児童虐待についての御質問をさせていただきます。 近年、児童相談所に寄せられる児童虐待の相談件数が増加するなど、児童虐待は依然として深刻な状況となっております。このため、児童虐待の速やかな通報や本人を含む関係者の方からの相談をしやすくするための工夫が必要であると、これは全国各地の地方公共団体からも、また児童相談所からもそういういろいろなお悩みの相談がございます。 そこで、国としては、平成二十六年度補正予算において、全国共通の児童相談ダイヤルを、現状は十桁の電話番号ですが、これを三桁にするために必要な予算を盛り込んだと承知しておりますが、総理にお伺いします。 この児童相談ダイヤルの三桁化について、どのような狙いがあるのでしょうか。また、三桁の番号については、通報する方から覚えてもらいやすくするための工夫が必要だと思いますが、どのような工夫がなされているのでしょうか、お聞かせください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 児童虐待は、子供を肉体的に傷を負わせるだけではなくて、心にも大きな傷を負わせるわけでございますから、大切なことは、未然に防止をする、そしていち早く虐待をやめさせることが重要であります。 未然に防止するためには、児童相談所が中心となって、警察、医療機関、学校、保育所など、子供に関わる様々な機関が連携して早期の発見、対応に取り組んでいくことが大切でございまして、そのため、早い段階で児童相談所への情報提供が行われることが大切であります。 今までは、御指摘になったように十桁であり、あるいは十分に周知が徹底していなかったことがあって、これは児童虐待かなと思っても、その電話番号何だったかな、あるいはそういう場所があること自体を御存じない人が多かった。 そこで、現在十桁となっている児童相談所全国共通ダイヤルを覚えやすい三桁の番号にすることにいたしました。今年の七月には三桁化の運用を開始させます。そして、三桁の番号を覚えやすくする必要がございますので、また、迷うことなく相談していただきたいという思いから一八九と、いち早くという形で覚えていただきたいと思っております。広報も徹底していただき、これは児童虐待なのかなと思ったら一八九を回していただき報告あるいは相談していただきたいと、このように思います。
○上野通子君 一八九、覚えやすくていいと思います。ありがとうございます。これでまた一歩、児童虐待に対する取組が進んだと思います。 さらに、虐待を続けてしてしまう親へのカウンセリングシステムとか、特にゼロ歳から二歳の乳幼児への虐待が増えていますので、乳児院の在り方の検討もしないと、乳児院が今虐待をされた子供で満杯だったりするので、そういう取組を一つずつクリアしていただいて、日本から虐待がなくなるような、予防もしっかりできるような国にしていただきたいと思います。 時間がなくなってしまいました。最後に要望だけさせていただきます。 介護保険制度について、この度、介護報酬の改定率が二・二七%マイナスになるということが、事業者の方々からこれに対しての不安がたくさん届いているところでございますが、最後に、どんなふうに持続可能な制度にこれから持っていって、めり張りを付ける改定にするということでございますが、大事なのは、中小の施設で、地方で頑張っている、真面目にこつこつと高齢者のお世話をしているところを守っていくということだと思いますので、経営の体力が余りない中規模、小規模事業者の方々にもしっかりと対応していただく、そのような改定にしていただきたい。 また、事業継続が難しくなるというような事業者が一人も出ないような改定にしていただきたいと思いますが、時間になってしまいました。あした関係審議会が開かれ、そこで厚労大臣から改定案が出されるということですが、期待しておりますので、是非ともよろしくお願いいたします。要望にさせていただきます。 本日はありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で上野通子さんの質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、磯崎仁彦君の質疑を行います。磯崎仁彦君。
○磯崎仁彦君 自由民主党の磯崎仁彦でございます。 野党時代、四年前に一度この予算委員会で質問をさせていただきましたが、与党になりましてからは初めてでございます。 まず先日の、今回のISILによります日本人人質、湯川さん、後藤さん、この殺害は極めて非人道的な行為でございます。強い憤りを感じるということをまず表明をさせていただき、また御遺族の方々には心からお悔やみを申し上げたいと思います。 それでは、早速質問に移らせていただきたいと思います。 まず最初は、人口に関する問題について質問をさせていただきたいと思います。 人口減少問題につきましては、我が国の今大きな課題でございます。地方創生はまさにこの人口減少、そして地域経済の縮小、これをどうやって克服をしていくかという問題だというふうに認識をしております。 私は、ここでは人口減少そのものの問題ではなくて、日本のいろんな仕組み、制度というものが人口というものを基準にしてつくられているということにつきまして質問をさせていただきたいというふうに思っております。 まず第一が地方交付税の制度でございます。 この地方交付税の制度は、所得税、法人税、酒税、消費税、たばこ税、この国税五税の一定割合とされております。地方公共団体の間の財源の不均衡を調整をし、どの地域に住む国民にも一定の行政サービスを提供できる、こういう財源を確保するためのもので地方の固有財源ということにされております。 この地方交付税の額の決定に当たりましては、その地方公共団体の自然的、地理的、社会的な諸条件に対応する合理的でかつ妥当な水準の行政需要である基準財政需要額がベースになっているわけでございます。給与あるいは社会保障関係、公共事業、こういったものを基礎として算出をされまして、様々な補正もなされるわけでございますけれども、その中心的な要素は人口であるというふうに認識をしております。 まず最初に、合併市から強い要望が出ておりました合併算定替え終了に伴う交付税の算定の見直し、これにつきましては、昨年、今年と非常に精力的に取り組んでいただいて一定量が確保できたということにつきましては、まずこの場を借りて感謝を申し上げたいというふうに思います。 平成の合併によりまして市町村の数はほぼ半減をいたしました。平成十一年三月には三千二百三十二あった市町村が、平成二十六年四月には千七百十八に減っております。地方交付税の額は、十年間は合併前の旧自治体単位で算定した交付税を積算をする、いわゆる合併算定替えによりまして維持されてきたわけでございますけれども、十年経過をしたその後、五年間を掛けて算定替えが縮小されて、これが完全に実施されると全自治体で九千五百億円程度の交付税の減額になる、そういうことが見込まれていたわけでございます。 これに対しまして、合併市は協議会を設立をし、また国会におきましても議員連盟を設立をして、何とか実態に即した交付税の算定額をということで要望をした結果、昨年、今年と改定がなされまして、約七〇%に当たる六千七百億円が回復されるということになったわけでございます。まず、この概要について御説明をいただきたいというふうに思っております。
○政府参考人(佐藤文俊君) 平成の合併がピークを迎えましてから十年が経過しようとしております。平成二十六年度以降、合併算定替えの特例期間が終了して、段階的に通常の算定に移行する団体が大幅に増加してまいります。 このため総務省としては、平成の合併によって、例えば典型的には面積の拡大ですが、市町村の姿が大きく変化したことを踏まえて、合併後の市町村の財政需要を的確に把握して普通交付税の算定を見直したいと考えております。 具体的には、支所に要する経費や人口密度が低いことによって割高となる経費、こうしたものについて、平成二十六年度以降五年程度の期間を掛けて反映するという方針を昨年示しているところです。このうち、支所に要する経費については平成二十六年度の算定から先行的に実施いたしました。 それから、二十七年度から見直しを行う項目としては、消防費や清掃費などについて、先般具体的な見直しの内容を取りまとめたところです。さらに、二十八年度以降も市町村の面積の拡大に対応した見直しを行い、保健衛生費ですとか小中学校費、こうしたものについて順次交付税算定に反映することとしております。
○磯崎仁彦君 ありがとうございました。 今回の見直しは、合併市にとどまらず一般の自治体にも反映される、そういう内容も含んでいるというふうに理解をしておりますけれども、まさに人口を中心とした算定基準、これに面積であるとかあるいは支所の機能、それから人口密度等々、合併市町村等の事情をより反映した結果になっているというふうに認識をしております。 今後、人口を基準に算定をするということになれば、人口がどんどん減少すればその分だけ当然に交付税の額は減少していくというわけでございますけれども、そもそものこの地方交付税の趣旨が、どの地域に住む国民にも一定の行政サービスを提供できると、そういう趣旨からすれば、人口というその大きな基準ということだけではなくて、今回の見直しにとどまらずに、実情を検証して適切な基準財政需要額、これが算出するように検討すべきであるというふうに考えますけれども、高市大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(高市早苗君) 今局長から答弁がありました例えば清掃費でございますけれども、現在でしたら人口密度が低い地域ほどごみの収集、運搬に経費が掛かると、こういった実情がございますので、これを踏まえて、やはりこの人口密度を考えた加算を行うといったきめ細かな対応もしてまいりたいと思っております。 先ほど来、磯崎委員から御指摘がありましたとおり、全国どの地域に住んでいても一定水準の行政サービスが受けられる、そのための地方団体の必要財源を保障する、その保障機能を的確にやっぱり反映していくために、これからやはり地方の実情ですとかそれから地方での財政需要を的確に把握をして、なおかつ地方団体の御意見も踏まえながらしっかりと交付税の算定に反映をさせていきたいと考えております。
○磯崎仁彦君 ありがとうございました。是非よろしくお願いをしたいと思います。 もう一つ、人口が基準になっている制度、これが選挙制度でございます。 参議院の選挙制度につきましては、何度となく最高裁判所の判例が出されております。あるものは違憲、あるものは違憲状態という、そういう判決が出されているわけでございます。 直近の最高裁の判例、これは昨年、平成二十六年の十一月の二十六日に出されておりますが、これによりますと、平成二十五年七月二十一日に施行されました参議院議員の選挙、これを違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態に至っていたというほかない、つまり違憲状態ということが示されているわけでございます。ここでは、まさに人口をベースとしました投票価値の平等というものが求められているわけでございます。 現行憲法の下では、やはり立法府としては、この判決も踏まえ、そして平成二十四年のいわゆる四増四減の改正の附則にあった、それに従ってこの参議院におきましても選挙制度の協議会で今鋭意議論をしているところでございます。 しかしながら、これから地方において人口が減少する中では、地方の意見をどう国政に反映をしていくのか。そういう視点に立てば、過疎地域あるいは中山間地あるいは離島、こういったところで様々な意見を反映できる、そういう代表制が今後ますます望まれてくる、そのように思っております。まさに人口に大きく依拠した選挙制度では地方の代表というのがどんどん少なくなっていく、こういうことは火を見るより明らかということでございます。 しかしながら、最高裁の判例が示しておりますように、現行憲法の下では違憲あるいは違憲状態という判示がなされる以上、例えば地域代表制を取る、あるいは人口以外の要因も、例えば面積であるとか人口密度であるとか、そういったものを少なからず加味した選挙制度を取る、そういうことになると憲法を変えなければ実現をすることはできないということでございます。 昨日、憲法改正のスケジュール感についていろいろ話がなされたということも伺っておりますけれども、安倍首相、この地方の実情、地方の意見というものを反映するための代表制ということについて、憲法との関係で御意見がありましたらお伺いをしたいというふうに思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 選挙制度につきましては、まさに民主主義の基本、根幹、土俵でございますから、各党各会派において真摯な議論が行われていくべきものであると思います。 そこで、人口と言わば選挙制度の関係でございますが、現行憲法下においては、まさに人口ということにおいて代表を決めていくという基本的な考え方が示されているわけであります。その中で、例えばこれは衆議院においてのことでございますが、東北地域において津波がございました。よって、沿岸部でたくさんの方々がお亡くなりになられた結果、そこで一票の格差が拡大をしたわけでございますが、地域の皆さんは、こうした被害に遭い、これからそれに打ちかっていくために頑張っていかなければいけないときに、代表の数がこれは減ってしまうのかという基本的な疑問を抱いている方々もおられるわけであります。 ちなみに、自由民主党憲法改正草案においては、選挙区は、単に人口のみによって決められるものではなく、行政区画や地勢等を総合的に勘案して定めるべきとしているところでございますが、憲法改正については国民的な議論と理解の深まりが必要であろうと、このように思います。 憲法調査会におきまして更に議論が深まっていくことを期待したいと思います。
○磯崎仁彦君 ありがとうございました。 それでは、次の質問に移りたいと思います。年金の問題でございます。 地元の年配の方と話をしておりますと、必ず議論になるのが年金の問題でございます。そのときに話が出ますのが、社会保障の充実と言うけれども、保険料は上がり年金の給付額は下がってくる、これは逆行しているんじゃないかという話があります。また、この年金の額ではとても生活ができないんだと、そういう意見も聞きます。また、生活保護より年金の方が低いのかという、こういう議論もよくされるところでございます。恐らくこういった議論というのは、年金がどういう目的のためにあるのか、あるいはどういうことを年金が目指しているのかということについて、なかなかやはり国民の皆様が十分に理解が行き届いていない私は結果ではないかなというふうに思っております。 ちょうど来年度からマクロ経済スライド、これが初めて適用されるということでございます。このマクロ経済スライドは、平成十六年に制度としてはできたものですけれども、結局、ずっとデフレが続いていた関係で今回初めて適用になるということでございます。そういった意味では、まさにアベノミクスによっていわゆる物価上昇といいますか景気が回復をしてきたということによって、初めてマクロ経済スライドが実現をするということになったということも言えるのではないかと思います。 そして、厚生年金を例に取ってみますと、厚生年金を受け取る夫婦二人のモデル世帯では、物価、賃金上昇を反映をすれば二・三%年金が増えるところを、このマクロ経済スライドで〇・九%いわゆる減額。そして、これまでの過去のもらい過ぎ解消二・五%のうちの〇・五%、これが減額をされることによって、結局増額は〇・九%、二千四百四十一円、そして総額は二十二万一千五百七円となるという、そういうことになっているかと思います。 恐らく、国民の皆様から見れば、物価が上昇するのに年金はその上昇に見合わないのかといったような、そういう意見が恐らく出てくるのではないかと思います。これについて塩崎大臣、是非とも国民の皆様に、こういうことを目指しているんだということを是非とも御理解いただけるように御説明を賜ればというふうに思っております。
○国務大臣(塩崎恭久君) 大変大事な問題について御質問をいただいて、ありがとうございます。 まず第一に押さえなければいけないのは、年金、そしてまた医療、あるいは介護、こういった保険制度で成り立っている社会保障制度、これについては、いわゆる助け合いの仕組みとしてでき上がっているということであって、年金制度の場合には現在の現役の方に保険料を御負担をいただくわけでありますけれども、それを現在の高齢者に年金としてお支払いするという世代間の助け合い。ですから、我々も今度は年金をもらうときになれば、そのときの若い人たちから払っていただいた保険料を基本的にいただくということで年金をいただくという基本的な仕組みが、これは支え合いで成り立っているということがまず第一であります。 この現在の現役の方々もいずれは支えられる高齢者になるわけでありまして、その意味でも年金制度というのはやっぱり長期的に持続をさせていかなければいけないということから、この平成十六年の改正というのは行われたということであります。 少子高齢化が進む中で、この支え手である現役の方の将来の負担というものが過重にならないように、厚生年金、国民年金の保険料の上限を固定をすると。厚生年金だったら一八・三%、それから国民年金だと一万六千九百円、これを上限と固定をするわけであります。このことによって長期的な保険料の収入というのが固定をされます。それに応じて給付を決定しないと長期的に収支が合わないということになるものですから、長期的な収支を見たときに、将来世代が受け取る年金水準を一定程度確保するためには、やはり現在の高齢者の年金水準を調整をしていくということが必要となってくるということでございます。 年金額の毎年の改定については、従来、物価や賃金が上がればその分増えていくという仕組みでございましたけれども、この十六年の改正によりまして、支え手である現役世代の人数の減少に応じてこの上がる分を一定程度抑制をするということによって、時間を掛けて緩やかに水準を調整をしていく仕組みを導入したというのがこのマクロ経済スライドであり、このことによって将来世代の年金の受取を確保していくというためのものだというふうに御理解を賜りたいと思うわけであります。 御指摘いただいたとおり、マクロ経済スライドによって調整は行っている間は賃金、物価の上昇ほどは年金が上がらないということになりますので、現在の高齢世代の生活の安定にも配慮をしながら、また現在の高齢世代と将来世代のバランスというものを取って、将来世代の給付水準を確保するために不可欠な措置としてこれは考えられたということでございまして、このことを国民の皆様方にも御理解を賜るように、我々は更に努力をしていかなければならないというふうに思っておるところでございます。
○磯崎仁彦君 今まさに塩崎大臣の方からお話ありましたように、世代間の助け合いということ、そしてやはり年金というものは将来にわたって持続可能でなければいけないと、そういうことでのこの制度ということかと思います。 更に言えば、やはり国民年金だけということになると六万五千円ぐらいの水準かと思いますので、なかなかこれだけで生活ということは恐らくそもそも想定をしていないということかと思います。やはり、これまでの蓄積であるとか、そういったものも含めて生活をしていくという前提の下にこの年金の水準があるということにつきましてもまだまだやはり十分理解が行き届いていないところもあろうかと思いますので、是非とも年金の仕組みということについて、いろんな機会を通じて、こういうことでこの年金制度があるということを理解を賜るようにいろんな機会で説明をしていただければというふうに思っております。 それでは、時間もありますので、次の質問に移らせていただきたいと思います。 次、航空についての政策でございます。 昨年、訪日旅客一千三百四十万人を数え、日本再興戦略の改訂二〇一四におきましては、二〇三〇年に訪日外国人旅客数を三千万人超えるということを目指しているということの目標が設定をされております。まさに、観光も大きな成長の柱でありますので、そういった中で航空が果たす役割というのは、非常に国際、国内共に重要な面があるだろうというふうに思っております。 そういった中で、今の航空業界というのは、LCCの参入もありまして非常にやはり競争が激化してきているという、そういう状況かと思います。そういった中で、先日、一月の二十八日、スカイマークが民事再生法の適用を申請をしたという、そういう事実がございました。航空会社の経営破綻としましては、平成二十二年の日本航空の会社更生法適用以来ということでございます。 当時、日本航空が破綻をしたときには、当時は前民主党政権だったわけですけれども、閣議了解を踏まえて政府声明というものが出されております。「日本航空は、わが国の発展基盤である航空ネットワークの重要な部分を担っております。このため、日本政府は、同社が再生を果たすまでの間、十分な資金を確保するほか、外国政府に対して理解と協力を得るなど、運航の継続と確実な再生を図るため、必要な支援を行ってまいります。」と、こういう政府声明が出されたわけでございます。まさに日本航空は我が国の発展基盤である航空ネットワークの重要な部分を担っていると、そういう前提の下でこういう政府声明が出されたというふうに認識をしております。 そして、今回の場合、このスカイマークは、規制緩和によりまして平成十年に航空業界に新規参入した航空会社第一号ということで、非常に象徴的な航空会社ということではあります。ただ、五年前の日本航空とはやはり位置付けが違うということも事実だろうというふうに思っております。 そういった意味では、太田国交大臣、今回のこのスカイマークの民事再生法の適用申請について、どのようなお受け止め方をされ、また国交省としてどのような姿勢で臨むのか、お答えをいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(太田昭宏君) スカイマークにおきましては、エアバスA380の導入など、企業体力を超える大規模な投資等によりまして財務状況が大きく圧迫をされて経営破綻に至ったものと認識をしています。今後、同社については、裁判所の監督の下で、民事再生に基づいて手続を通じまして事業の再生が図られることになると思います。 国交省としましては、まずは輸送の安全が確保されるよう指導監督をする、そして再生手続の推移を注視してまいりたい、このように考えております。 なお、航空行政においては、我が国の航空市場全体における競争環境が重要でありまして、今後も引き続き航空会社間の適切な競争環境の整備に努めてまいりたいと、このように考えております。
○磯崎仁彦君 もう時間でございますので終わりたいと思いますが、最後に太田国交大臣言われましたように、競争というのは非常に重要かと思いますけれども、やはり競争環境をどう整えていくというのはこれはまさに競争の前提として重要でございますので、最後にお言葉いただきましたように、ゆがんだ競争環境ということではなくて、公平な、そういった競争環境の実現にこれからも努力を賜りたいというふうに思っております。 終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で磯崎仁彦君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、福山哲郎君の質疑を行います。福山哲郎君。
○福山哲郎君 おはようございます。民主党・新緑風会の福山哲郎でございます。 総理、各閣僚の皆様、本当に連日お疲れさまでございます。 また、ISILによる許すべからず蛮行のために、お二人の日本人が殺害されました。痛恨の極みでございます。また、ヨルダンのパイロットも殺害をされたという報道が出ております。同様の思いでございます。御家族の方々にも心から哀悼の誠をささげます。 大変残念ながら、このことから質問を始めなければいけないことが非常に残念でございますが、総理、外務大臣、よろしくお願いしたいと思います。 まず、私は、一月の二十日に映像が出てから後藤さんが殺害をされるまで、官邸、総理、それから外務省、防衛省、警察、現地のアンマンの対策本部、もう総じて大変だったと思います。精神的にも肉体的にもぎりぎりのところで勤務をされていたと思いますし、私はおおむね一月の二十日からの対応については本当に懸命にやられたというふうに思っておりまして、心から御慰労をさせていただきたいと思っております。 ただ、政府も検証委員会を立ち上げると言われておりますので、国会の場でも質問をさせていただきたいと思っておりますが、後藤さんが拘束された、特に岸田外務大臣がそのことを把握された十二月の三日から一月の二十日まで、この五十日間どういう対応を政府がしていただいたかというのは大変大きな課題だと思っております。表にできることとできないことがあることも私は承知をしているところですが、ここのところの検証をしていただかないと次への糧にならないということをまず冒頭申し上げさせていただきたいと思います。 その中で、まず官房長官が正直に実は言われていて、イスラム国との接触はなかったとおっしゃっておられます。つまり、交渉の接触はされていないとおっしゃっています。これは実は二つ意味があると思います。 一つは、交渉を政府の意思としてしなかったのか。それは、いろんな部族を通じて間接的に交渉する方が政府として、ああいう蛮行をする集団ですから、そことやるのが良くないと判断をして交渉を直接しなかったのか。直接交渉するルートを探ったけれども、結果としてそのルートがなかったので周辺の部族やいろんな形を使ってやったのかというのは、同じ交渉をしなかったといっても実はこれ大分質が変わってまいります。 このことについて、もし総理がお話しいただけるなら、お答えをいただけますでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、交渉を考えるに当たりまして、ISILというのは卑劣なテロ集団であり、まともに交渉できるような相手ではないということがありますが、その中にありまして、政府としましては、お二人を解放する際に何が最も効果的な方法であるのか、こういった観点から、ISILと直接交渉するのではなく、関係各国、そして各国の情報機関、あるいは部族長、宗教関係者、こういった様々なルート、チャンネルを活用して全力を尽くしてきたということであります。 直接この交渉をしなかったということにつきましても、何が最も効果的なのかという観点に立って取組を考えた次第であります。
○福山哲郎君 外務大臣は非常に微妙な答弁をされまして、まさに総合的に判断して何が一番効果的かというのは政府が考えられたことだと思いますが、交渉のルートがあったにもかかわらず今の判断だったのか、交渉のルートは直接なかったというのはこれ違うので、お答えいただけないんならそれは仕方がないですが、もう一度だけ確認をさせてください。
○国務大臣(岸田文雄君) 具体的なやり取りについては控えなければならないと思いますが、様々な状況の中で最も効果的な方法を追求し、そして方法を採用したということであります。
○福山哲郎君 後藤さんの御夫人にメールが届きました。このメールについては交渉のルートとして使われたのでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 後藤さんの奥様とは、十二月三日に、政府としましては、後藤さんの奥様のところにメールが届いたという連絡を受け、それ以後も緊密に連絡を取りながら、この事案の性質上、保秘に留意をしつつ、後藤さんの解放のために御家族が本件に対応されるお気持ちにできるだけ寄り添って支援をさせていただいてまいりました。 その際に、政府として、この後藤夫人のメールを通じてISILと直接やり取りを行ったということはございません。
○福山哲郎君 政府はメールを夫人から提供を受けたという情報も私は持っていますが、それが事実かどうか分かりません。この場で大臣、総理が事実かどうかを明らかにするのが相手との関係も含めて適切かどうか分からないんですが、そのことについては指摘だけはしておきたいと思います。 それから、問題になっているスピーチでございます。 中東関係のスピーチで、テロに対して強い表現、許し難いという表現をすることはあるのは私も承知をしております。私もアフガニスタンのカブールまで行ってアフガニスタン会合へ行ったときに、タリバーンやアルカイダに言及をする場面はありましたが、正直申し上げて、あの総理の言われたほど強いトーンではありませんでした。それが相手にとって隙を与えることだという議論があるのかもしれませんが、私は、当時の、今の民主党の代表、岡田外務大臣、また菅総理のときも、いろんな形で総理のスピーチや外務大臣のスピーチを確認し自分もやってきた経験でいうと、至らない経験ですが、あそこまでというのは外務省は余りないと考えています。 外務大臣、これまでの中東関係のスピーチで、テロに対してあそこまでのスピーチを外務省が書いたという経験はおありでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 総理のスピーチにつきまして、強いトーンであったという御指摘について、必ずしもこの趣旨、明確ではありませんが、中東地域のみならず、国際社会全体にとってこのISILは、昨年、特に六月以降、脅威となってきました。そして、九月には国連の安保理決議が採択されまして、国際社会全体として一致団結、ISILに対抗していく、こうした決意が表明されております。そういった中でありますので、総理としてスピーチの中においてこのISILに言及するということは、これは当然のことではなかったかと思っています。 特に、多くのこの難民、避難民を受け入れている国々を孤立化させるということは、これはISILの思うつぼでありますし、中東諸国と歴史的に友好関係を築いてきた日本こそ、この機に中東諸国への連帯あるいは人道支援を強く示すべきであると、このように考えた次第であります。 今回のこの総理スピーチにおきましては、スピーチを考える際にはこうした背景を考えた次第であります。こうした考えに基づいてスピーチを考え、そして中東訪問を考えた次第であります。
○福山哲郎君 お答えいただいていないんですが、昨日、外務省に問合せをさせていただいたら二件あると言ってきたんです。 二件あるので私全部読んだんですが、イラクの安定化、クルド情勢のところ、PKKというテロ組織に対して当時の小野寺外務副大臣は、PKKのテロ行為を停止させるため適切に対応するようという表現でした。これが一件の例でした。もう一個はまさに日本人が二人犠牲になっている事案で、インドネシアで当時の逢沢外務大臣がスピーチをされているんですけど、テロを断固として非難し、テロとの闘いにおける団結を再確認すると。これはテロの会議ですからそのぐらいは言いますが、具体的なテロ組織についての名前はありませんでした。これが外務省が言われた二件です。 私は、正直に申し上げます、総理。総理のスピーチが何かトリガーになったとかなんとかいろいろありますが、言われていますが、私は、それは結局人質が取られている段階でいえば、あの野蛮な集団は、テロ集団は何でもかんでも利用したと思いますので、そのことが直接とかいうことを言うつもりはありません。 しかし、しかしですね、外務省が今まで中東との関係を非常に丁寧に慎重にやってきた、それは外務省だけじゃありません、歴代の自民党政権もやってこられたことだと思います。そのことについて、今回こういう形のスピーチをしたというやっぱり意思決定は多少スタンスが僕は変わっていると思っていまして、だから私は、その理由を聞きたくてお伺いをしたということでございます。 私が聞くところによると、これも情報ですから真偽のほどは分かりませんが、基本的にはNSCがほとんど演説のスピーチを書いて、そして、なおかつオバマ大統領の一般教書演説のテロの表記にほぼ平仄を合わせる形で書いたというような情報も入っています。真実かどうかは分かりません。しかし、そういったことも含めて、演説の起案を誰がして、どういうふうな理由で今までのポジションを変えたのかということは、これは非常に外交政策上重要なことです。 このことについて、検証委員会を立ち上げられると言われているので、先ほど申し上げたこと、そして今の話というのは、検証委員会の中で是非きっちりと御議論いただいて、国民に示していただけるものは示していただきたいと思うんですが、総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私の中東政策スピーチでありますから、これは私の責任においてスピーチを決定したわけでございます。起案においても、そうでありますから、責任の帰するところは私自身にあると言ってもいいんだろうと思います。 そこで、このスピーチについてでございますが、まさに日本は戦後七十年を迎える中において、平和国家として日本は歩んできた、そして、その中において、この中東地域、イスラエルとパレスチナのこの中東和平の問題もあります。そして、シリアにおいて、アサド政権の問題の中において言わば内戦が起こり、そこでISILがシリアの地域の中において支配地域を拡大をし、またイラクにおいても拡大をしているという中にあって、このISILの言わば残虐な支配、この勢いを止めなければならないということと同時に、フランスでもあのテロが起こった、これは過激主義であると、この過激主義の流れを止めなければいけないという中において世界が連携をしている、まさにこれは新しい事態と言ってもいいんだろうと、こう思うわけであります。 前例を踏襲していればいいというだけではないわけでありまして、この新しい事態において一千万人近いこれ難民が出ているんですから、この一千万人近い難民を受け入れているヨルダン等々の国々に対して、孤立化させない、私たちも連携している、しっかりと支援をしていくという強いメッセージを……(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) ちょっと静粛に願います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) よろしいでしょうか。 まさに、まさに国際社会が連携している中において日本がしっかりとその意思を表明をしていく、その対象であるのはISILでありますから、ISILに対してしっかりと我々は、そのISILの暴力の中において難民が出ている、その難民に対して我々は人道支援を行っていくというメッセージを出していくのは当然だろうと。 そして、私のスピーチの中心は、まさにイスラムこそ、イスラムこそこの過激主義と闘っているという中において中庸が最善であるというメッセージであります。(発言する者あり) 私のスピーチについて聞いているんですから、スピーチについて説明させてくださいよ。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 静粛に願います。 それから、質疑時間が限られていますから、答弁も簡潔にお願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もう場外からのやじがうるさ過ぎるんですよ、少し。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 静粛にしてください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 答弁をしているんですから、その間は少しは静かにしていただきたいと思います。 その中において、ISIL側も、一月の二十日に彼らが出したあの映像の中において、しっかりとこのようにISIL側がアラビア語と英語で述べているんですね、中東における人道プロジェクト及びインフラに対する借款供与を表明した、あるいは、安倍、イスラム国との闘いに非軍事的支援で貢献と。このように明確に認識をしているわけでありますから、私は私のスピーチが正確に伝わっている……(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 総理、答弁は簡潔にお願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) このように申し上げたわけであります。 ここが大切なところであって、スピーチの内容が言わば問題があったという指摘でありますから、私はスピーチの内容自体にはこのような意味を込めたということを説明をさせていただいた次第でございます。
○福山哲郎君 私は、交渉ルートの扱い方とか……(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) ちょっと静粛に、静粛に。
○福山哲郎君 それから今申し上げた演説の中身がやはり今までとは違うと、総理が前例を踏襲する必要はないとおっしゃったということは、変えたということを認められたと僕は思っているんですけれども。 人道支援については我々も賛同しています。先ほど申し上げた、たった二件といって出てきて余りはっきり言っていなかったものも全部、国際社会に対して我々の協力を発表しています。私がカブールに行ってアフガン会合へ出たときも各国の外務大臣がいらっしゃいました。同じことです。別に今回が特別なのではありません。唯一特別なのは、その名指しをしたISILに日本人が拘束されている時点だったということです。それが唯一違うことなんです。 昨日、総理は総合的に勘案したとおっしゃいました。それは総合的に勘案されたと思います。それでは、最悪の事態は想定されていましたか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど、今も、福山委員が今までのメッセージとどう違うんだと、違うじゃないか、変えたのかということを言われたから私が説明を……(発言する者あり)今私が答えているんですから是非ちゃんと聞いていただきたい、また、小川さんも少し静かにしていただきたいと思います。 そこで……(発言する者あり)いいですか、今答弁中ですから、今質問に答えさせていただきたいと思います。 言わば、我々は様々な事態に対して様々なことを想定をしながら総合的に勘案をしてと、先ほど外務大臣から答弁をさせていただいているとおりでございますが、まさに中東の状況もこれは大きく変わっているわけであります。今まで言わば国境を越えて支配地域をつくり始めているというテロ組織はなかったわけでありますから、アルカイダも違う、そういう状況の中においては、まさに国際社会が連携をしてそれと闘っている国々を支援をしていく、この連帯の意を表明をしていくことは当然のことであろうと、こう考えるわけであります。 過剰にテロリスト側の意を酌む、あるいは意をそんたくする、気配りをするという姿勢は私たちは取らないわけでありまして、今まさにテロと闘うという姿勢をしっかりと我々は示していく必要があると、このように判断をしたところでございます。
○福山哲郎君 私は一言もテロ集団にそんたくしろなんて言っていません。失礼な決め付けはやめてください。答えていないことに、イエスかノーで言ってください。 検証するときには、先ほど私が申し上げた、スピーチを誰が起案してどう作ったかについてもちゃんと検証していただけますねということと、いわゆる交渉ルートの対応についても検証していただけますねと、それから最悪の事態は想定されたのかどうかについて、実際今全く答えておられないんですね。 これは、総理、やっぱり一国の宰相なんだから、そんな長々と聞かれていない答弁するのは少し格好悪いから、今の三つについてイエスかノーかで答えてください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、イエスかノーかで答えられるほど単純な問題では……(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) ちょっと静粛に、静粛に。答弁も簡潔にお願いします。(発言する者あり)ちょっと待って。 静粛に。答弁も簡潔に。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 答弁をしている最中でございますから。 ですから、検証ということについては、様々な観点から検証していくのは当然のことではないかと思います。
○福山哲郎君 最悪の事態は想定されたのかどうかを、それは総合的に勘案したともう一回答えられますか。どうですか。最悪の事態について想定されましたか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに今、世界各国は、テロの脅威から安全な国はどこもないわけでございます。その中において、このテロの脅威、リスクを減少させていくために世界各国は協力をしているわけであります。その中において我々は判断をした、私は間違っていなかったと、このように考えているところでございます。
○福山哲郎君 私は、間違っているとか間違っていないって一言も言っていません。 私たちが、あの福島第一原発事故に、最悪の事態を想定しました。想定したら想定をなぜ言わないんだと、何で最悪の事態を言わないんだということを自民党、当時の先生方にさんざん御批判をいただきました。 最悪の事態を想定するのは、最悪の事態にならないために何をするかのために想定するんです。我々は政治家ですから、国民の命、生活を守らなければいけない。だから、最悪の事態にならないために何をするか、もし最悪の事態のときに何を準備しなければいけないかということを考えるから想定するんです。それで準備をしなければいけないんです。 だから、事故の発災してどのぐらい広がるか分からないときには、最悪の事態を発表したら、ひょっとしたら首都圏からも国民が避難をしてしまうかもしれないから、最悪の事態は、パニックを起こすから、それは後でしたけれども、後で発表させていただきました。 現実に二人拘束されているんです。その状況で最悪の事態を想定したかと聞いているんです。別に責めているわけでもないし、判断が間違っていると聞いているわけでもありません。その最悪の事態をどう想定したかを検証委員会で、何ができたかできなかったかが私は重要だと思っているから、最悪の事態を想定したんだったらそのことも検証委員会でちゃんと開示してくださいと。それは、国民に知らされるのがいつかは別にして、ちゃんと議論してくださいと申し上げているんです。 想定したかどうかお答えください。もう、していないんだったらしていない、しているんだったらしているで結構です。もうこれ以上時間がもったいないので。これまだ始まったばかりです、質問が。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) つまり、先ほども御説明をさせていただきましたが、まさに様々な政策判断をするというときについては様々な状況を想定するのは、これは当然のことであろうと。その中において、こうしたスピーチを行うことについての影響というのも当然頭に入れる、推敲していくわけでございます。 しかし、その中において、我々は、今まさに世界各国が協力をして、世界各国が受けているこのテロからの恐怖あるいは脅威を減少させていく上において何をすべきかという判断をしたわけでございます。 そういう判断について先ほど御説明をさせていただいたとおりであり、そうした判断について、正しかったかどうかということも含めて、それは当然検証するということであれば検証していくことになるわけであります。
○福山哲郎君 もう時間ないので、余りここだけで引っ張りたくないんですけれども。 いわゆる後藤さんが拘束をされた後でございます、一月の二十日までNSCは開かれましたか。
○政府参考人(山崎和之君) お答え申し上げます。 先ほど先生から御指摘がございました昨年十二月二日から本年一月二十日までの間、国家安全保障会議の四大臣会合は五回開催されております。そのうち、一月九日に開催した四大臣会合において中東情勢等についての議論を行ったところでございます。
○福山哲郎君 違います。 当時は、誰が拘束したのか分かりませんけれども、このシリア北部における邦人殺害予告事案というか、邦人が当時は多分拘束されている事案ですが、邦人拘束事案については四大臣会合をしたかと聞いている、NSCを開いたかと聞いているんです。
○政府参考人(山崎和之君) ただいま御答弁申し上げましたとおり、一月九日に開催した四大臣会合において中東情勢等についての議論を行っていただいたところでございます。 国家安全保障会議の地域情勢等の議論につきましては、内容が機微にわたる部分が多いため一般的には詳細は差し控えさせていただいておりますが、ISILは中東地域のみならず国際社会全体にとっての脅威となっており、中東情勢について議論するときには重要な要素であることは論をまたないと思っております。 このような認識に基づいて、一月九日のNSCにおいては、外交、安全保障の観点から中東情勢について多角的、総合的な議論が行われております。
○福山哲郎君 いいですか、日本人が二人拘束されているんです。ISILに対する一般論の話をしたかなんて聞いていません、僕は。 現実に映像が出た後の二十三日と一日は、シリアにおける邦人殺害事案についてと、このときにはまだ後藤さんが殺害されていないけれども、やっているじゃないですか。だから、ほかの、例の先ほど申し上げた十二月の二日から一月の二十日まではやったのかどうかと聞いているんです。やっていないんですね。一般的なものはやったけど、この事案についてはやっていないんですね。
○政府参考人(山崎和之君) お答え申し上げます。 先ほど御答弁申し上げましたとおり、ISILは中東地域のみならず日本を含む国際社会にとっての脅威となっておりますので、そのような認識に基づいて国家安全保障会議での議論が行われたということでございます。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(岸宏一君) 速記を起こしてください。 じゃ、山崎内閣審議官、もう一度答弁をお願いします。
○政府参考人(山崎和之君) 繰り返しになって恐縮でございますが、一月九日の国家安全保障会議におきましては、我が国を含む国際社会全体にとってISILが脅威になっているという認識の下、情勢についての議論が行われたということでございます。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 速記を止めて。 〔速記中止〕
○委員長(岸宏一君) 速記を起こして。 内閣審議官山崎君。
○政府参考人(山崎和之君) 最初の答弁で申し上げましたとおり、国家安全保障会議の地域情勢等の議論につきましては、一般的に詳細は差し控えさせていただいております。この原則に鑑みましてただいまの答弁を行ったものでございます。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 速記を止めて。 〔速記中止〕
○委員長(岸宏一君) 速記を起こして。 内閣審議官山崎君。
○政府参考人(山崎和之君) 補足させていただきます。 先ほど御質問がございました期間につきましては、一月九日の国家安全保障会議でこの件につきましての、中東情勢につきましての議論が行われたということでございますが、一月二十日以降、一月二十三日、二月一日、二回にわたりまして国家安全保障会議が開かれております。この際には、特にシリアにおける邦人殺害予告事案について情勢に鑑みてその議論を行っていただいたところでございますが、一月九日の会議につきましては中東情勢についての議論ということでございます。 先ほど申し上げましたように、国家安全保障会議では、情勢の議論につきましては一般論として詳細は差し控えさせていただいておりますので、その原則に基づきまして答弁をさせていただきました。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 速記を止めて。 〔速記中止〕
○委員長(岸宏一君) 速記を起こしてください。
○福山哲郎君 この人質事案について、一月二十日以前にNSCは開かれて、議論になりましたか。イエスかノーかでお答えください。
○政府参考人(山崎和之君) 先ほど来の答弁を補足させていただきます。 国家安全保障会議は一月九日に開催されておりまして、そこで中東情勢につきまして議論をいただいております。これは、総理がその後中東を訪問されるということも踏まえて議題として取り上げられたものであるというふうに考えております。 その中で、ISILにつきましては、現在の中東地域の状況、我が国を含めた国際社会全体にとっての脅威でございます、そういう認識から、一月九日の国家安全保障会議におきましても議論が総理以下でなされたということでございます。 国家安全保障局といたしましては、国家安全保障会議の運用の原則といたしまして、地域情勢等を議論いたしますときには、どこの地域を議論していただいたということにつきましては開示をしておりますが、一般論としてはそれ以上のことは開示をしておりません。しかし、このISILの邦人殺害事案の深刻性に鑑みまして、それから、ISIL、それが日本にとっての脅威になっているという認識の下に一月九日の国家安全保障会議が開かれたということについて御説明をさせていただいたということでございます。 なお、一月二十三日、二月一日の国家安全保障会議につきましては、内閣官房より、議題といたしまして、特にシリアにおける邦人殺害予告事案について議論を行っていただいたということにつきましては公表しております。 これは、既に一月二十日以降この事案が公になっていること、また、その会議自体、この二つの会議はこの事案そのものについての議論だけを行っておりますので、そういう発表の仕方をさせていただいたということでございます。
○委員長(岸宏一君) その辺で御理解したらどうですか。
○福山哲郎君 ここは、私はこの質問を引っ張りたいと思ったわけではないので……(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) ちょっと静粛に。
○福山哲郎君 こんな質問で引っ張りたいと思ったわけではないので、私が何かわがままを言っていると思ったら大間違いですから。 それで、要は何が言いたいかというと、総理が中東に行くときにこの人質事案についてちゃんと議論するべきで、だから、先ほど僕は最悪の事態も想定したのかどうかと聞いたのは、そこはNSCでちゃんと二十日以降はやられているので、どうだったのかと聞いているだけです。でも、今の御答弁だと余りやられていないような雰囲気でしたので、もう次へ行きます。 私、実は批判的なことを言いたくて言っているわけではありません。事実を確認したい、これを検証委員会に委ねたいと思っているわけです。ただ、今日はちょっともう、総理に答弁をお願いすると長いので、ちょっと外務大臣、お願いします。 私、先ほどの交渉ルートの話もそうなんですけど、国際情報統括官組織、外務省にありますね。これ、外務大臣、済みません、もう一言でいいです。定員何人ですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 国際情報統括官組織、現在八十五名です。
○福山哲郎君 これ、八十五人が四つに分かれています。四つに分かれていて、それぞれが何人かは、能力が見えてしまいますので、僕、詳細言いません。中東専門家でずっとこの外務省の国際情報統括官にいる方というのもいらっしゃるんですけど、やっぱり数が少ない。警察はもちろん中東情勢の方いらっしゃるんですけど、やっぱり警察は国内が多い。 私は、外務大臣、もう総理に言うと長いので、この国際情報統括官組織において、やっぱりアラビスト、中東専門家をやっぱり長期にわたって育てていただきたい。これはほかもそうです。ほかも、中南米もそうです。どこでもそうなんですが、要は、この統括官の最高職務は局長級ですから、ひょっとしたらそれより偉くなれないかもしれないけれども、でもこの統括官組織の中で二十年、三十年、本当のプロとして中東やそこらでアラビア語がしゃべれて話ができる人間をやっぱり育てるような仕組みを是非つくっていただきたいと僕は思っているんです。 それは、ひょっとしたら、この今の公務員のキャリア制度とはちょっと、枠は外れてもいいから、そういう専門家を育てるようなことを、この残念な殺害事案を機に日本としてもやっていただきたいと思いますし、昨日、防衛駐在官を増やすことは私大賛成です。しかし、防衛駐在官も結局、在外の大使館を通じて公電が来ます。それは結局、国際統括官組織でチェックしなきゃいけません。 だからこそ、私は、ここにアラビストの専門家も含めてちゃんとキャリア踏まれて、そこに長年やれるような専門家を育てていただきたいと。これは与野党関係ありません。足りない。その方々が警察や公安やいろんなところに異動して、その知見を共有するのは僕はいいと思います。そういう人材交流も重要だと思いますが、基はこの外務省の国際統括官組織にそういう専門家を長年にわたって育てるような、ある種の組織改編を検討をお願いしたいと思いますが、外務大臣、どうですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 今回の案件を通じましても、改めて中東地域の専門家の育成の重要性、痛感したところであります。安全保障ですとか国民の安全を守るために、情報の収集、分析、これは極めて重要であります。 御指摘のように、この国際情報統括官組織、中東専門家につきましても、中長期的観点から育成ですとかあるいは配属ですとか、こういった点についても考えていかなければならないと思いますし、そして何よりも、この国際情報統括官組織そのものの強化も含めて是非外務省としましても一層の充実強化に努めていきたいと考えます。
○福山哲郎君 思い切った答弁ありがとうございます。 じゃ、総理、一言だけ、この外務大臣の答弁に是非総理としてもやると言っていただけませんか。一言で結構です。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大変いい御指摘をいただいたと、このように思っております。外務大臣が答弁したとおりでございます。
○福山哲郎君 ありがとうございます。 もう一つ、ISILには、本当に非常に遺憾なことですけれども、各国から若者が戦闘員として行くような状況が起こっています。日本も北海道大学の学生が行きかけて何とか止まりましたけれども、これ非常に憂慮すべきことで、国連決議の中でもそういった戦闘員になるような人が海外に出ないような仕組みをというようなことが議論されています。 これ日本は、例えばインドネシアとかマレーシアとか相対的にイスラム教の多いところでも日本といい関係、そしてそのイスラム教徒の人たちは決してこのISILとは違うまともな人たち、こういう人たちとの連携って非常に重要だと思います。 日本だって一人行きかけているわけです。こういったアジアのイスラム関係の国々と日本が協力をして、例えば協議会とかをつくって、欧米がそのことに対してブロックをしようとしているいろんな知見なり情報交換なり、それが格差の問題が起因しているんだったらそのことも含めていろんなケアの問題とかについて、そういったISILとかに戦闘員で行くような若者を阻止するような、そういうアジアの中での協議会みたいなのを日本が旗を振って招集してやるというのがこういう悲惨な出来事の後に重要だと思うんですが、そういったことを日本政府として検討していただけませんか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、過激主義とイスラム教は全く別のものであるということ、これをもうしっかり確認しておかなければなりません。 そして、海外からこのISILへの参加の広がりに対しましては、昨年九月の国連安保理決議等においても各国ともしっかりと対応しなければならないということで、我が国としましても、暴力的過激主義対策ですとかテロ資金対策ですとか、あるいは適切な出入国管理など、様々な取組を進めていかなければなりませんが、あわせて、今御指摘のような形での我が国の貢献ということを考えますときに、まずは我が国としましては、こうしたテロの背景に貧困あるいは抑圧というものがあるということを考えますときには、経済あるいは社会開発の支援ということについてもしっかり取り組まなければなりませんし、現状においても、プサントレンというイスラム寄宿舎学校から日本に人を招聘して交流を図り意思疎通を図り理解を深めていく、こういった取組を行っているわけですが、こうした様々な取組を進めていかなければならないと考えます。 アジアのイスラム諸国に対しても、若者が過激主義に走らないように我が国としていかなる貢献ができるのか、御指摘の点も踏まえまして是非考えていきたいと考えます。
○福山哲郎君 外務大臣とはコミュニケーションができて有り難いと思います。 でも、総理がいらっしゃるので、ちょっと総理にお伺いします。短く答えてください。お願いします。これすごく重要なので、ちょっと話題変えます。 総理は、今回の有志国連合に対して後方支援なら憲法上可能だと言われました。後方支援なら憲法上可能だとNHKで言われて、今回は政治判断を行わないと言われました。じゃ、まず憲法上可能な法律上の根拠は何で、行わないと言われた、判断をした判断の根拠は何か、本当に済みません、これここから重要なので、本当は本題はここからだったんですけど、短くお答えください。お願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 端的にお答えをさせていただきたいと思いますが、まず、後方支援というのは武力行使と一体化をしていないわけでございますので、武力行使ではないということであります。その中で、例えば特措法、テロ対策特措法が成立をし、そしてその際も憲法違反という批判がございましたが、我々は武力行使と一体化をしていないという判断の中において言わば給油活動を行っていた。そういう意味において私はお答えをしたわけでございます。 しかし、今の有志連合に対して自衛隊が実際に後方支援を行うという法的枠組みはできていない。憲法との関係においてこれは可能であるということについては、言わば武力行使と一体化をしていない、つまり武力行使ではないという観点からそれは可能である。一方、我々は政策的な判断として後方支援は考えていない、やるつもりはないということをお答えをしたところでございます。
○福山哲郎君 全く明快だと思います。 今回、七月一日の閣議決定で後方支援の議論が出て、非戦闘地域の議論ではなくて、現に戦闘行為を行っている現場ではない場所なら後方支援ができるという閣議決定がありました。これは私、批判をしているわけでも何でもありません。 ここに行く、行って後方支援をするというのは、どういった要件なら可能だと横畠長官は思われますか。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) いわゆる一体化の問題でございますけれども、従前、これまでは、自衛隊が活動する範囲をおよそこの一体化の問題が生じない区域に言わば一律、事前に区切るという考えを採用いたしまして、いわゆる非戦闘地域という考え方で自衛隊の活動範囲を法律によって画していたところでございます。 今回の閣議決定はこの点を見直しまして、我が国の支援活動の対象となる他国軍隊が現に戦闘行為を行っている現場においては支援活動は実施しない、かつ、もしその支援活動の実施中に戦闘が始まったようなときには、休止、中断を行うという、その要件を確保すれば一体化の問題は回避できるという考え方に基づいております。
○福山哲郎君 違います。その要件を確保すればの要件は何だと聞いているわけです。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) ただいまお答えしたとおりでございまして、戦闘現場では行わない、それから、戦闘が開始、始まったときには休止、中断を行うというのが要件と考えております。
○福山哲郎君 違います。その戦闘が行われていない現場に派遣するための要件は何だと聞いているんです。
○委員長(岸宏一君) ちょっともう一回質問してください。
○福山哲郎君 そこの、戦闘が行われていない現場に派遣するための要件は何だと、例えば何だと聞いているんです。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 今申し上げた活動の要件でございます。 どういう判断で派遣をするかにつきましては、当然、その活動の必要性もありましょうし、まさにこの要件、今申し上げた要件を満たすような活動が十分にできるのかという問題もありましょうし、また、その安全がしっかり確保できるのかという問題もあって、それらの判断ということになろうかと思います。
○福山哲郎君 これ、総理、さっきの総理の答弁、明快だったんです、憲法上は今できると。 しかし、後方支援へ行くのにどういう状況になったら行けるのか。それは、今言っている戦闘していない現場だからということではありません。どういう条件だったら日本はそこに自衛隊を出すのかということが、実は今見えていません。 今、安全保障法制の中では恒久法でという議論があるやに聞いていますが、これも検討中だというふうに思っていますが、総理が思われる要件はどういったものだと考えておられますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今法制局長官が答弁したのは、当然、法制局長官でございますから、憲法上の制約として武力行使と一体化しないという観点の中から、戦闘現場ではないという意味付け、非戦闘地域との違いを御説明したわけでございまして、今委員が質問されているのは、その要件という、つまりそれは政策的な判断ということだろうと、このように思うわけでございますが、政策的な判断ということについては、今までそれぞれ特措法を作って、その事態、事態に鑑み、その特定された事態においてそれは出すべきだという観点の中から法律を作っていると。 今後、恒久法をこれからまさに作っていく中においてどういう、今おっしゃったようなことも含めてまさに今検討している最中でございます。
○福山哲郎君 そうすると、地理的な概念とか、国連の決議が要るとか、日本との関係がどうかということも含めて非常に要件が多様になって、どこに送るかということに対して本当に、僕は今のところまだイメージができないんですね。 テロ特もイラク特措法も、そこに事象があって立法事実があるから特措法を作って自衛隊の皆さんに行っていただいた。この恒久法という概念のときに、例えばPKOはPKO五原則があったから、これはPKOで行っていただく、行っていただかないという判断ができたんですけど、そういったものが必要だと思うんですが、総理の中で今どういうふうに考えておられますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この、まさに武力行使と一体化しないということが絶対条件でございます。 事案、事案について特措法を作っていくということは、国会が開かれている場合、開かれていない場合があって、直ちに対応できるかどうかという、そういう大きな課題がある中において恒久法を今我々検討しているわけでございます。 そこで、委員の御指摘は、恒久法の中においては、特措法と違って、出来事が起こっているわけではない中において作っていく限り、ある程度の想定をしておくべきではないかという御指摘だろうと、このように思うわけでございますが、そこにおいて、まさにこれからそういうことも含めて作っていくわけでございますが、当然、一つの要件としては、自衛隊を動かす際には国会の御決議をいただくということについても当然検討していくのは、これは今までの通例であろうと、こう思うわけでございます。今後、この法制化を進めていく中においてしっかりと検討していきたいと思う次第でございます。
○福山哲郎君 それではどういう状況で後方支援に行くのか、まださっぱり分からないですね。 もう一個、実は日本が後方支援行ける問題としては周辺事態法があります。これは、そのまま放置すれば我が国に対する直接的な武力攻撃に至るという事態ですから、先ほど総理が言われた後方支援とはちょっと質が異なります。 この周辺事態は、小渕総理の答弁にありますように、基本的には中東とかイラクは含まなくて、やはり極東、日本の周辺だから周辺事態法だと思うんですけれども、総理が言われた先ほどの後方支援の恒久法とこの周辺事態法というのは法律の立て付けが全く違います。基本的には米軍の支援に特化しています、周辺事態法は。ということは、この後方支援、要は、国際平和のために、社会のためにやる後方支援とこの周辺事態法の後方支援は、私は法律の立て付け方としてなかなか一緒にするのは厳しいと思っています、それは地理的概念も含めて。そういうことについて総理はどう考えられますか。
○国務大臣(中谷元君) 後方支援という概念では共通なんですが、今行っているのは、せんだっての閣議決定で示されたように、閣議決定において、国際社会の平和と安定への貢献のために活動する他国軍隊に対して必要な支援活動を実施できるようにするための法整備の検討を進めているというところでございますので、周辺事態も、事実、こういった場合における他国への後方支援ということでございますが、今回もそれも含めまして検討しているところでございます。
○福山哲郎君 今、中谷大臣、ちょっと変なことを間に入れられましたね。周辺事態は、そのまま放置すれば我が国に対する直接的な武力攻撃に至るおそれのある事態がある場合ですよ。基本的には、それは日米ガイドラインに基づいて朝鮮半島有事を想定して、まさに中谷防衛大臣が本当にそのことに御尽力いただいたと思いますが、そういう枠組みです。 その枠組みとさっきおっしゃられた国際社会の平和のためにやる後方支援は、僕は、法律の立て付けとして違うので、これは違いますねと確認しています。
○国務大臣(中谷元君) 周辺事態というのは、武力攻撃に至らない段階での我が国への影響を考えた場合の対応でございますが、今検討しているところはあらゆる事態に切れ目のない対応を可能とする観点でありますので、そういった観点で今検討しているということで、細部はまだ決まっておりません。
○福山哲郎君 今のすごく微妙で、周辺事態もあらゆる事態を想定しているんだとしたら、今議論をしている日米ガイドラインもあらゆる事態を想定するんですね。 つまり、日米ガイドラインの射程は、そうしたらどこまでを射程として議論をされるのか、お答えいただけますか。
○国務大臣(中谷元君) 現在、ガイドラインの協議をいたしておりますが、基本的にこれは特定の地域とか事態を対象にしたものではございません。 そのガイドラインの一環に確かに周辺事態という概念で今まで法整備もやっていたわけでございますが、そのガイドラインは、平時、周辺事態、有事とあらゆる事態に対応すべく、今、日米間で検討しているわけでございますので、今後、最初に申しましたとおり、日米間におきましては、あらゆる事態に切れ目のない対応を可能とする観点から協議をしているところでございます。
○福山哲郎君 今の話でいうと、日米のガイドラインは際限なくどこまで議論するか、あらゆる事態について日米ガイドラインが議論するというのは、今までのガイドラインの枠組みとは大分違うと思います。今までのガイドラインは、平素から並びに日本に対する武力攻撃及び周辺事態に対してというのが冒頭にあります。 じゃ、逆に言うと、例えばです、今回、有志国連合への参加というのはガイドライン見直しの対象範囲内に入ってくるかどうか、お答えいただけますか。
○国務大臣(中谷元君) 現在におきましてもガイドラインといいますと、平時、周辺事態、有事という様々な分野においての協議をしているわけでございまして、現在のガイドラインの協議におきましても、我が国の平和及び安全の確保や国際社会の平和と安定への貢献とおよそ関係のない内容はございません。あらゆる事態に対応した内容で協議をいたしております。 この点につきましては中間報告を発表いたしておりまして、「地域の及びグローバルな平和と安全のための協力」という項目におきまして、国際的な人道支援、救援、能力構築、また後方支援、こういった項目を列挙した上で協議をしているということです。
○福山哲郎君 これは私の勉強不足かもしれませんが、そのときには日米安保条約の極東条項との関係はどう整理するんですか。
○国務大臣(中谷元君) もちろん、この日米安保条約極東条項、これを前提に議論をしているところでございます。
○福山哲郎君 今、あらゆるものと言って、今度は極東条項を前提としていると。極東条項はやっぱり極東条項なんじゃないんですか。そこの整理はどう整理すればいいんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 少し補足をいたしますと、それはもう御承知のように、極東条項は六条に関わることでございまして、言わば極東の平和と安定のために我が国の施設を使えるということのこの極東は変わらないわけでありますが、それとは別に、まさにグローバルに今日米の同盟を生かしていき、世界の平和と安定のために貢献をしていくという中において、グローバルな言わば様々な出来事について平素から連携協力をしていくということについて大臣が答弁したわけでございます。
○福山哲郎君 これ、今、日米ガイドラインの話も非常に何を議論しているのか、すごい抽象論です。安保法制も今検討中です。これ、国会で議論しているんですけれども、実は何も見えません。どこまで行くのか、地理的概念はあるのか。先ほど私は後方支援と申し上げましたが、後方支援もどういう形の要件でいくのかもまだ何も見えません。これまた、法律を今検討していますからといって、国会で全然実は議論が煮詰まらない状況になるのを私は非常に懸念をしています。 一個だけ確認させてください。本当はこれを今日やりたかったんです。(資料提示) 法制局長官、もう飛ばして言います。閣議決定による新三要件を満たす場合は、いわゆるもちろんですけど後方支援、先ほどの後方支援は、国民の皆さん、戦闘の現場が行われていない地域ですけど、これは実はあした戦闘が行われるかもしれない地域です。それは非戦闘地域とは全然違います。だから、これは自衛隊員の皆さんの危険度は正直言って僕は上がると思っているから、先ほど要件は重要だと申し上げたんです。 新三要件を満たす場合、アフガン戦争は、アメリカは当初自衛権の行使で行って、各国が実は自衛権を発動しました。これ、見てください。総理は掃海ばかり言います。集団的自衛権は掃海をやるんだ、ホルムズ海峡だと言いますが、アフガン戦争の新三要件に合致する場合、例えばイギリスは空中給油、偵察、豪州は特殊部隊、それからドイツは物資の輸送、カナダは臨検、こういうことをやられています。 法制局長官にお伺いします。新三要件を満たす場合、これらの活動は自衛隊は海外においてやることになりますね、やれますね。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) いわゆる一体化の問題は、我が国が武力の行使ができない場合において、我が国が行う他国の軍隊に対する補給、輸送等、それ自体は武力の行使を行う活動ではないとしても、我が国が武力の行使をしたとの法的評価を受ける場合があり得るという考え方でございます。すなわち、我が国が武力の行使までできる場合には、基本的にこのような一体化の問題は生じないわけでございます。 新三要件を満たす自衛の措置としての武力の行使に付随して行われる偵察等の、あるいは他国の軍隊に対する後方支援活動等につきましては、現に戦闘行為を行っている現場で行ったとしても憲法上の問題とはならないと考えております。
○福山哲郎君 つまり、戦闘現場でこれができるんです、集団的自衛権の行使ができれば。総理は掃海と言われるんですが、掃海だけじゃなくて、こういったことができるときに全部できる、それも戦闘現場でできるんです。先ほどとは違うんです。戦闘現場でできるときに、掃海はできてほかができないという一体理由は何かということが、実はこれ大問題になります。その理由付けとその根拠が非常に重要なことになります。 先ほどから私、実はいろいろ申し上げているんですけど、具体的な要件、後方支援へ出すための要件は何か、これもよく分かりませんでした。それから、このことは実は国民には余り知らされていません。戦闘現場で三要件が合致すれば、まさにこういったことを自衛隊ができることになります。これはいつも申し上げているように、戦争に参加をすることになります。 このことも含めて、この国会は安全保障法制、非常に重要なので、本当はもっといろんなこと聞きたかったんですけど、総理の答弁が長かったので聞けなかったこと、それから、日銀総裁におかれましては、大変お忙しい中来ていただいたのに質問できなかったことを心からおわび申し上げます。 終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で福山哲郎君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、金子洋一君の質疑を行います。金子洋一君。
○金子洋一君 お疲れさまでございます。民主党の金子洋一でございます。 まず冒頭に、ISILによります大変過激なテロ行為によって犠牲になられた方々に心からお悔やみを申し上げたいと思います。 また、このようなことが繰り返されないように、そして、こうしたことが万が一にも国内外のイスラム教徒の皆さんに対する偏見、差別といったようなことにつながらないように心から願っております。 さて、本題に入らせていただきます。 まず、冒頭お尋ねをいたしますのが日本歯科医師連盟の献金の問題でございます。 この日本歯科医師連盟の献金、これ実は、政治資金規正法二十二条一項には、年間、同一の政治団体に対しては五千万円を超えることができないと規定をされております。この上限は、実は約十年前、日本歯科医師連盟からある党のある派閥への一億円闇献金事件を機に設けられた規定でございます。 それにもかかわらず、日本歯科医師連盟は、本年一月二十七日付けの日歯連盟発第百九十二号という団体内文書でこういうふうに言っております。 この団体の中には与党内の組織内議員の中央後援会と野党内の組織内議員の中央後援会が、二つあると。引用しますけど、両団体は議員個人あるいは政党と全く関係ない独立した組織ですと言っております。ちょっと飛ばしまして、具体的な資金移動について説明をしますと、平成二十五年の与党内議員の中央後援会の活動に必要とする予算額は九千五百万円でしたが、政治資金規正法の上では政治団体間の寄附は五千万円が限度となっているため、四千五百万円を与党内議員の中央後援会に寄附し、残りの五千万円を野党内組織内議員の中央後援会に寄附した後に改めて与党内組織内議員の中央後援会に寄附をするという形での資金移動を行っていますと説明をしております。この五千万円の寄附については、二〇一三年一月二十三日に野党内組織内議員の中央後援会に入金をされて、即日、与党内の組織内議員の中央後援会に移動されております。 こういった寄附は、政治資金規正法の規定を回避するための違法な迂回献金と言われても仕方ないのではないでしょうか。 さらに、これに加えまして、昨日付けの日歯連盟発第百九十九号という文書において、こういうふうに書いてあります。監督官庁にも確認し、違法性がないことを確信しておりますというふうに書いてあるんです。 当該団体から総務省に対して、これは総務大臣にお尋ねしますけれども、総務省に対してそのような確認があったのか、そしてそれに対して違法性がないと答えたのか、御答弁をお願いします。
○国務大臣(高市早苗君) そのような問合せが総務省に対してあったかどうか、申し訳ございませんが、私は承知をいたしておりません。御通告をいただいておりましたらちょっと確認をしてきたんですけれども。 ただ、一般論として申し上げますと、政治資金規正法においては、政党、政党支部及び政治資金団体以外の政治団体間の寄附は同一のものに対して年間五千万円までとされております。
○金子洋一君 それでは、その今申し上げました資料を理事会に提出をさせていただきたいと思いますし、またその上でお答えをいただければと存じます。 この問題について、私……(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) ちょっと、ちょっともう一回言って。
○金子洋一君 失礼しました。 日歯連盟発百九十二号及び日歯連盟発第百九十九号でこういう記述が、先ほど申し上げました記述がございますので、それに基づいて是非ともチェックをいただきたい。事実関係のチェックをお願いしたいと思いますので、理事会への提出をお願いをしたいと思います。
○委員長(岸宏一君) 後刻理事会にて協議いたします。
○金子洋一君 失礼いたしました。 私にも歯科医師の友人が大勢おりますけれども、こうした話を聞くと正直申し上げてたまらないなというようなことをおっしゃっています。 一体、会費を払って、その会費の使途が十年間たって改善をされてないのではないかと、真面目に働いている者の気にもなってくれということでございます。こういった、まあ我々は、これは脱法行為だと思いますけれども、こういったものを許すことはできないと思っておりますので。 そして、これからお願いをしたいことは、本予算委員会において本件の事実関係を明らかにするために、このこれらの団体の代表者であります高木幹正さん、そして日本歯科医師連盟と与党の議員の中央後援会の会計責任者である村田憙信さん、そして野党の参議院の中央後援会の会計責任者であります砂川稔さんのそれぞれ三人の参考人としての招致を委員長にお願いをしたいと存じます。
○委員長(岸宏一君) 後刻理事会において協議いたします。
○金子洋一君 よろしくお願いします。 そして、こうしたケースですと、告発をされるということもあり得べしだと思っております。特に、この週刊誌の記事の中には、この中の砂川さんは与党内から組織内の候補として立候補するやに報道をされております。これは自民党総裁としての総理にお尋ねを申し上げますけれども、もし告発されるような事態になりましても、このような方を自民党さんでは公認をなさるんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そのような事案について私全く承知をしておりませんので、今の段階でお答えすることはできません。
○金子洋一君 十分慎重な御検討をいただきたいと思います。 と申し上げまして、本日の本題に入らせていただきます。 経済問題でございます。まず、昨日、補正予算が成立をいたしましたけれども、個人消費の落ち込みが天候が原因であるという議論がございます。(資料提示)ただ、これは総務省の家計調査を見てまいりますと、これ別に総務大臣にお尋ねしませんけれども、家計調査を見てまいりますと、二十代、三十代の若年層や低所得者層が収入も減って支出も控えているという事実がこれは現実にございます。 このような事象は本当に天候不順が原因で起こり得るんでしょうか、甘利大臣にお尋ねします。
○国務大臣(甘利明君) 消費税を引き上げまして、引上げに際して、まずは駆け込み需要があり、需要の高さに比例して反動減があるというのはこれは経済原則なんですけれども、問題はその後の消費の回復が悪い点、その点についての分析、御指摘だと思います。 これ、四つほど原因が挙げられておりまして、一つはその反動減が続いているということがありますけれども、もう一つは天候不順、それから輸入物価を中心として物価の上昇が原因ではないかと、それから家計の所得の増が物価の上昇に追い付いていない。 御指摘の二十代、三十代につきまして、特に四—六以降の調査をしてみますと、収入が減っている以上に消費を減らしているんですね。そこのマインド調査をしてみますと、将来にわたって賃金が上がってこないんではないかということ、その中でさらに一年半後には二回目の消費税引上げがあると、これは生活防衛をしなければというような消費行動に移っているようであります。 でありますから、総理の判断としては、消費税を引き延ばして、その間に実質賃金を上げていくという方向にかじを切っていこうという判断につながっていくわけです。
○委員長(岸宏一君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十五分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(岸宏一君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 予算の執行状況に関する調査を議題とし、内政・外交の諸問題に関する集中審議を行います。 休憩前に引き続き質疑を行います。金子洋一君。
○金子洋一君 それでは、午前中少し始めさせていただきましたけれども、消費増税の悪影響についてお尋ねをさせていただきたいと思います。 まず、消費増税の悪影響、どういう分野に主に出るのであろうかということを見てまいりますと、やはり、これは民間の消費とさらには民間の住宅投資、平たく申しますと、家庭の支出を中心に悪影響が出てまいります。そして、実際には、二〇一三年、経済が成長いたしました、消費増税前ですけれども成長いたしました。そのときにどういう要因が大きな貢献をしたかと申しますと、これはやはり民間の消費と民間の住宅が大きく伸びた、しかしながら消費増税によってそこがかなり傷んでしまったということであります。そこを何とかしなければならないというのが恐らく政府の問題意識でいらっしゃったと思いますし、補正予算はそのために組まれたんだと思います。 午前中にお尋ねをいたしましたが、二十代、三十代が世帯主の御家庭や、あるいは低所得者層の御家庭に特に大きな悪影響が出てしまったということであります。甘利大臣の御答弁の中に、収入が減っている以上に消費を減らしたというところがありまして、これがまさにデフレ不況の恐ろしいところだろうなと思います。 今回の補正予算、景気対策は、今申し上げましたような若年層あるいは低所得者層に対してどういうような効果があるんでしょうか。総理にお尋ねをいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 金子委員が御指摘のように、昨年の消費税の引上げによって消費に影響が出たのは事実でございまして、それが結果として成長率の引下げになったところでございます。もちろん、そのための対策、低所得者対策、子育て世代への対策のための補正予算を組んでいたところでございましたが、そうした結果になったことを踏まえて、消費税の引上げを十八か月延期することといたしました。 今回の補正予算につきましては、消費税率引上げ等の影響で個人消費等に弱さが見られ、景気回復の実感が地方に暮らす方々などに届いていない。今般、個人消費のてこ入れと地方経済の底上げを図る力強い経済対策を策定したところでございまして、若年層や低所得の方向けの施策も盛り込んでおりまして、具体的には、プレミアム付き商品券の発行や低所得者に対する灯油購入費の助成等、地域の実情に応じた消費喚起・生活支援策を可能とする交付金措置、低所得者向け貸付事業の補助、保育所の整備等による子育て世代への支援や少子化対策、若者による農業、林業、漁業への就業・研修支援などを実施することとしております。 こうした取組によって雇用の拡大、賃金の上昇を図り、消費の喚起を目指していきたいと、このように思う次第でございます。
○金子洋一君 ありがとうございます。 ただ、御答弁の中にありましたけれども、交付金で地方の自治体がそういった政策を可能にするとおっしゃるわけですけれども、果たして地方の自治体がそういった低所得者層、若者向けの政策に使ってくれるかどうか分からないと。 さらにもう一点、具体的に申しますと、去年の四、五、六、七、八とずっと個人の消費が低かった、それを今になって補正予算を組んでもそれは意味がないわけです。エネルギー価格も上昇していたのは、あの当時、七月辺りまでが非常な上昇が大きかったわけです。ですから、これは出し遅れだと私は思います。 さらに、今回の補正予算の中には十四種類の基金があって、これが合計〇・五兆円、五千億円、あるいは復興債の償還財源が〇・七兆円、七千億円あるということですけれども、これは、今総理がおっしゃったような低所得あるいは若年層の世帯主のところに届くというような景気の下支え効果は出ないんではないかと思いますけれども、財務大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今回の補正予算に計上されましたいわゆる基金の造成費とか復興償還の財源とか、そういった景気の下支え効果が短期間の間にはいわゆる発現しないのではないかという多分御質問なんだと思いますが、基金からの支出は、御存じのように、性質上そのタイミング等々がなかなか見込み難いので翌年に支出されることもあるということはもう御存じのとおりですが、復興債の償還によって新たに復興債を発行できるというような、いわゆる復興事業は実施していきますので、その実施は二十七年度に入ってからになることなどを踏まえますと、公共事業などというものと比べて支出の直接的な効果が発揮するまでにより長い時間を要する面があるという御指摘なんだと思いますけど、それはもう間違いなくそうだと思っております。 しかし、基金事業の財源を早期に確保するということは、これは円滑な基金からの支出が可能になりますので、これによって事業を実施するために必要な、役所というか、その発注する側の体制を早く整える、これも間違いないと存じますし、復興債の償還財源というものを一刻も早く確保することは、これはもう復興財源確保に関わるいわゆる被災地の要望でもありますので、できる限りこれは早期にきちんと対応して、自治体が今後見通しを立てやすいようにしてくれというようなお話はこれよく来ておりましたので、そういったことを踏まえますと、補正予算に計上するということは、是非とも必要な経費であると考えておりますので、緊急経済対策を実施するための経費の一環として二十六年度の補正に計上させていただいたという経緯であります。
○金子洋一君 ありがとうございます。 ただ、もちろんそういった基金あるいは償還の必要性がないと申し上げているつもりはなくて、特に傷んでいる低所得あるいは若年層の世帯に回っていかないんじゃないかと、しかも一年遅いんじゃないかということを私は思っております。 やはり、格差対策には、今政府が行っておられる問題意識のような方向性を持つ経済成長ももちろん必要だと思いますけれども、一方で、その成長した果実をいかに分配をするかと、一番弱い部分に、一番恵まれていないところに回すことによって、経済成長などで起こるようなひずみをいかにして小さくしていくのかということがやはり必要なんじゃないかと私は思っております。そういった政策を取るべきじゃないかなというのが私ども民主党が考えている政策でございます。 ちょっと話は変わります。これは総理にお尋ねをしたいんですが、財政健全化目標や消費増税は国際公約だというような声を政府の数多くの部署の方々から過去聞きました。本当にそのように諸外国は受け止めていたんでしょうか。また、昨年十二月、増税の延期をなさるということで総理が発言をなさいましたけれども、これに対して各国はどのように受け止めているんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この一五年度、一〇年度に比べてGDP比半減する、プライマリー、PB赤字をですね、そして二〇年度黒字化に向けて進んでいくと。これは国際公約かどうかということでございますが、私はいわゆる国際公約というふうに申し上げたことは一度もないわけでございます。言わば日本はしっかりと財政健全化に向けてこのように進んでいくことを、目標を置いてしっかりと努力をしていくということについて国際社会に向かって発言をした、言わばコミットしたのは事実でございます。 経済は生き物でございますから、そもそも計画経済のように約束をしてがちがちに固めていくことによって、結果かえって悪くなることもあるわけでございます。大切なことは、この方向に向かってしっかりと進んでいくということと同時に、国民生活を豊かにしていくということでもあろうと、このように思っているところでございます。
○金子洋一君 増税延期について各国はどう受け止めているか、総理、御存じでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 増税延期については、様々な評価があるのは事実でございます。 米国はおおむね評価をしているんだろうと、このように思うわけでございますが、他の国々においても、言わばこれは、いずれにせよ我々が判断することでございますが、基本的には日本がしっかりと経済を成長させていく、世界経済のブレーキ役にはならないでもらいたいという思いはあるんだろうと、こう思う次第でございます。
○金子洋一君 ありがとうございます。 日本が経済をしっかり成長させてブレーキ役になるなということですが、これは総理ならずとも私も全く同感であります。 それを前提にして、こういうことを私よく考えるんですけれども、イソップ童話に金の卵を産むガチョウの話がございます。農夫が一日一個金の卵を産むガチョウを持っていると。どんどんどんどん毎日毎日産んでいくので大金持ちになったと。でも、その農夫は、農夫と言ったらいけないんですかね、方は、じゃ、もっとこの鳥のおなかの中にはいっぱいあるに違いないということで殺して割いてしまった。そしたら、中には何にもなかった。そして、その翌日から当然金の卵は取れなくなってしまったという、余りに急激に結果を求めてはいけませんという意味合いだと思いますが、それと同じような状況に今、我が国の予算がなっているのではないかということであります。 毎年の予算の規模につきまして、その年度の、例えば本年度でしたら、二〇一五年度の本予算と今年の、ですから二月の補正予算を足すというような形で、言わば十五か月予算として見てまいりますと、二〇一三年度の当初予算と一月の補正予算を足しますと合計で百二・八兆円になります。二〇一四年度、これは年度ですから消費増税が行われた年ですけれども、二〇一四年度の当初予算と一月の補正予算を足しますと百一・四兆円でした。この時点で一・四兆円前年度より数字は少なくなっております。これプラス消費増税の負担というのが出てくるわけです。さらに、今年度、二〇一五年度の当初予算、これが九十六・三兆円、そして先日の補正予算が三・一兆円ですから、足しますと九十九・四兆円です。百二・八兆円から消費税導入をした年に百一・四兆円になっていると。これ一・四兆円減った、それプラス消費税の額が乗る。さらに、二〇一四年度と二〇一五年度を比較すると二兆円減っているということになります。これは余りにも急激に減らし過ぎてはいませんか。 つまり、消費増税を行ったことによって、今年度は恐らくゼロ成長あるいはマイナス成長になるであろうと言われている。ゼロ成長かマイナス成長なのにそこでわざわざ予算の総額を減らすということでは、もっともっと下の方に落ちていこうということにしか受け取られないんじゃないでしょうか。 国際社会の中で、まさに安定した成長をしてくださいと言われていることに対して応えることにならないんじゃないかと思いますが、いかがでございましょう。
○国務大臣(麻生太郎君) 今御指摘のありました点は、当初予算につきましては、これは御存じのように、消費税の引上げに伴う社会保障の充実とか安定化などいろいろありますけれども、二十五年度以降、その規模がいわゆる増加をしておりますので、金子委員の御指摘のいわゆる補正予算と次年度の当初予算の規模の合計が減少しているということは、補正予算の規模を簡単には年々縮小させてきたということだと存じます。 御存じのように、政権が変わりましたときに十兆円、その次は五兆円、今回は三兆円ということになっておりますので、この予算につきましても、そのときの、あのときは政権交代でどうなるか分からぬというような時代でもありましたので、景気の底割れが非常に懸念されておったときだったんで、どんということになって、結果としては株価が二倍になるなどいろいろ効果はあったと思っております。 二十五年度の補正予算は、これは五・五兆円にさせていただいておりますけれども、これはもう先ほど言われましたように、消費税の引上げに伴います反動減というものをいろいろ考えてやらせていただいて、その結果、結果が余りいい結果ではありませんでしたので、五兆出していなければもっとどんと低くなっていた可能性もあるほどだと思っておりますので、そういった意味では、私どもとしては延期を、消費税の増税を二%させていただくというのを延期させていただいて、一年半、そして更に三・一兆円規模の補正予算を追加させていただいたというのが今回なんですけれども。 いずれにしても、補正予算というのは、その時々の経済情勢とかいろいろな社会情勢等々で、簡単に規模のみで比較するわけにはいかぬとは思いますけれども、今おっしゃられましたような点を踏まえて、私どもは傍ら財政再建をやらねばならぬ等々いろいろございますので、今回は考えてこのような形にさせていただいたということであります。
○金子洋一君 ありがとうございます。 ただ、総需要としての予算というのはやはり金額で測るしかありません。そして今、先ほども申し上げましたように、個人消費というのが随分と落ち込んでいると。じゃ、そういうときにこれだけ総予算額を減らしていっていいのかということなんですが、なかなか私の申し上げていることに賛成はしていただけないようでありますけれども、ちょっとこの件につきましてもう少しお尋ねをしたいと思います。 いわゆる消費増税の法の附則十八条で、景気条項についてこれはお尋ねをしたいと思います。 まず、総理にお尋ねをしますが、総理が解散を決めた記者会見のときにも、この景気条項について随分と言及をなさっていました。経済が今後悪くなるというようなことが予想されるんでしたら消費増税はしないという、停止を含む措置をとるということができるという条項ですけれども、まず、この十八条で停止をするなどについて、三党合意によれば、これは引上げの決断は時の政権が行うということになっていたと承知をしておりますが、それでよろしいでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これはまさに、今回一年半の延期を決断をしたことについて発表する際、同時に財政の健全化を図っていく、この決意も示していかなければいけないわけでありますし、国に対する信認も維持をしなければいけないという中において、そしてまた、今後、我々、景気の好循環を更に浸透させていくということが恐らくできるだろうという予測の下に、今回は附則十八条は言わば削除をいたしまして、リーマン・ショックのような事情の変更があればもちろん別でありますが、今回のような景気判断はしないということを定めたものでありますが、これは時の、その時のもちろん政権の判断ということ、責任になるわけでございます。
○金子洋一君 ありがとうございます。 前回の消費税を引き上げる決断をされたときのことについてお尋ねしますけれども、果たして五%から八%への引上げの判断というのは、その附則十八条の景気条項の精神から見て正しかったのかどうか、総理はいかがお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 金子委員には、私が総理になる前、いろいろとマクロ政策について御教示をいただいたこともございますし、正直申し上げて、いろいろと御意見を参考にさせていただいたのも事実でございます。 今回の消費税の引上げでございますが、もちろん、最終的には私の判断で引上げを行ったところでございますが、このときの状況を見てみますと、基本的には景気は回復局面になっていたわけでございます。その中におきまして、我々は上げるべきだと。様々な専門家からエコノミストに集まっていただきまして御議論をいただいたところでございますが、大体まあ六、七割の方、七、八割ですかね、の方々は引き上げるべきだという判断をされたところでございまして、その段階で、我々、引き上げると。同時に、三党合意にあるように、税と社会保障の一体改革を進めていく中において、伸びていく社会保障費、あるいは子育ての充実のための予算を確保すると、そういう観点から引上げを行ったところでございます。
○金子洋一君 ありがとうございます。 確かに、増税をして税収が伸びればいいんですけれども、税収が伸びなければ財政再建もできませんし、社会保障の充実強化というのもできないわけであります。私は、やはりあの時点でやるべきではなかったと当時から発言をしておりました。やるなというのではなくて、もうちょっと待ったらどうだというのがそのときの私の発言、発言というか考えていたことです。 その当時、いろんな指標の中で物価上昇率を見てまいりますと、物価というのは経済の体温計のようなもので、国の中の需要と供給を比較をして、物が売れるということになればどんどん物が売れていって物価が上がると、あるいは人件費も上がっていくということから、物価が順調に上がっている状態というのは景気が良くなっている状態、増税をして物価が上がっちゃしようがないんですけれども、そういう状態だと見ております。 それで見てまいりますと、例えば、まさにこれは総理がおっしゃったことをどっち側から判断するのか、解釈するのかということになってしまうんだと思いますけれども、大体、消費者物価指数総合で見ますと、一年間で約一・六%ポイントあの当時上がっていました。 ですから、もうちょっと長く先延ばしをして、まさに今回なさったような決断をして、一年半延ばしますということをなさっていれば、あるいは個人消費が大きく落ち込むというようなこともなかったんじゃないかと私は思いますけれども、そういった発想についていかがお考えでしょう。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当時の、昨年の判断でございますが、昨年四月、上げる上においては一昨年に判断をしているわけでございますが、実質GDPが二四半期連続で三%以上のプラス成長であったと、有効求人倍率も〇・九五まで回復をしていたと。そして、今御紹介をいただきましたが、取りあえずはデフレという状況ではないという状況をつくることができたという中で判断をしたわけでございます。 もちろん、当時も、金子委員のように、もう少し待って、この長い間続いてきたデフレから脱却をするのは容易なことではないからもう少し待てという意見ももちろんあったのは事実でございますが、最終的には、財政健全化、あるいは社会保障費の確保という観点も含めまして、また経済の諸般の状況、指数を総合的に勘案して、このような判断をしたところでございます。あわせて、しっかりと補正予算を打ってこの消費の落ち込みを下支えしようと、こういう判断をしたところでございます。
○金子洋一君 ありがとうございます。 ただ、まあそれはどういう見解を持つのかという違いになってしまうのかもしれませんが、一点、最後に総理がおっしゃった昨年の春の補正予算、これは国費五・五兆円ですけれども、これは金額としてはなかなか大きかったと思いますけれども、効果は極めて薄かったのではないかと思っております。 特に、二十六年度、消費増税をして、その消費税増税による税収というのは約五兆円と予算の中で見積もっているわけです。五兆円の増税をその年にやるために五・五兆円の補正予算を組むのでは、これは本末転倒じゃないでしょうか。もし順調に経済が良くなっているんだったら、そういうことをせずにもう一年待って、補正予算など必要のない状態になるまで待って、それで増税の決断をすればよかったんじゃないでしょうか。その補正予算の効果というのは本当にあったのか、打つべきものだったのかどうか、お尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 最初に、あの時期に上げるべきではなかった、五から八に上げるべきではなかったとかというお尋ねが最初にあって、答弁があっておりましたけれども、やっぱり世界的にはプライマリーバランスの、PBの、対GDP比を半分にしますというのを一応目標にしておりましたし、そういったことも考えて、やっぱり社会保障制度の充実というのは、これは次の世代にとってはもう絶対のものだと思っておりますので、そういった意味では、我々としてはきちんとやらせていただいて、三党合意であれやらせていただいておりますので、少なくとも世界の中において、与野党合意で増税をというのをやった議会制民主主義をやっている国はほかにないと、私どもそう思って世界に向かって堂々とそう言って、誰一人反論する人はありませんでしたので、どこの国でもやったことがないことが民主党、自民、公明三党でやれたんだと、そう思っております。 それで、今、そのときに当たって、反動減というものに対して五・五兆円というお話でしたけれども、いわゆる四—六、七—九というものは、もう御存じのように、二四半期連続でプラス成長と、それまでのマイナスから変わっておりますので、そういった意味はきちんとあったんだと思いますし、雇用につきましても、有効求人倍率も、それから賃金も、いわゆる経常利益もみんな、いずれもみんないいことになっておりますし、企業の倒産件数も、毎月千件超えておりましたのが七百五十件ぐらいまでに下がってきておりましたので、トータルで一万件を下るということになっていたと思うんですが、おっしゃるように、駆け込み需要の反動減というものは確かに私たちの想像以上のものがあったので、いわゆる街角におけます景況感、そういったようなものは全体的に見ますと余り良くなかったということで我々としては五・五というものをやらせていただいたんですが、あれやっていなければ、金子先生、もっとひどいことになっていただろうとは思いますよ。 だから、これちょっと、どれが幾らかというのは、なかなかこれ、もう少し時間がたたないと申し上げられませんけれども、そういった意味では、早くこういったものの効果が広く行き渡るようにさせねばならぬと思っております。
○金子洋一君 消費増税の目的というのは、社会保障の財源を確保して安定化をさせることだということであります。そのために消費増税をしたので、言わば私がさんざん先ほどから申し上げている低所得者、低所得の方々、あるいは二十代、三十代の方々にも回っていくというふうに総理も麻生大臣もおっしゃりたいんだと思いますけれども、特にこの五・五兆円ですけれども、先ほども申しましたけれども、税収増が、五兆円の増税をするために五・五兆円のお金を使ったわけです。 じゃ、この五・五兆円というのはどこから来たのかというと、これは国債を発行したわけではないんですね。ないということは、これ、前年度から繰り越してきた剰余金と、そして二〇一三年度の思ったよりも税収増があった分、さらに国債の金利が低くて済んだということによって国債費なんかも余りましたと、それを全部いろんなところからかき集めてきて五・五兆円にしたわけです。だったら、最初からそのお金を社会保障の増強に回していれば、個人消費もどかんと落ちるようなことにならなくて済んだんじゃないでしょうか。いかがお考えでしょう。
○国務大臣(甘利明君) 消費税を引き上げるということは、今の五兆円の増収、税収増、これは永続的に続いていくわけですね。永続的に続いていくんだけれども、それによって経済が失速してしまったら、収入よりも、経済規模が小さくなって税収が小さくなるおそれがあると。だから、大事なことは、一方で永続的に進めていくと。それは、しかも全額社会保障の充実の方に向かっていくわけです。しかも、高齢三経費から社会保障四経費に、現役世代を支援するという大転換、もうこれ与野党共通の認識だったと思いますけれども、そういうふうに変えていくと。そうすると、経済自身が失速しないようにてこ入れをしていくという、そういう発想でやらせていただきました。結局、ワンショットでそのお金を使えばそこはいいのかもしれませんけれども、連続でそのお金が入ってこないと。 ですから、将来にわたって社会保障の安定財源を確保するということと併せて、導入したときのショックで失速しないように手を打っていくと、そういう合わせ技でやらせていただいたというふうに理解をいたしております。
○金子洋一君 いや、今の甘利大臣の御答弁では、一年間延ばせばいいじゃないかと申し上げたことに対する御返事にはなっていないように私は思います。しかも、自然増収分に頼るべきじゃないと、費目をちゃんと決めて税収を増やさなきゃ駄目だとおっしゃっていると思うんですが、毎年毎年思ったよりも、つまり財務省が積算したよりも少なくともここのところは増収があるわけですから、そういった面にきちんと心を配っておくべきではなかったかなと私は思いますけれども、ちょっと時間的な制約がございますので、また別の機会に譲らせていただきますが。 先ほど総理から言及がありましたけれども、点検有識者会合というのが、あれは総理官邸であったんでしょうか、そこでは、GDPの成長率が大幅に落ちるということが予測できなかった方、総理のお話ですと六割、七割おいでだったということであります。 ところが、一昨年のその外した方々が去年の会合にも大勢出ておられるんですよね。これは、外れた方をまた使っているわけですけれども、それはおかしいんじゃないでしょうか。やっぱり外れた方は今回は御遠慮いただくというようなことをすべきだったんじゃないかと思いますが、いかがお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 経済の予測はそれほど難しいわけでございまして、それぞれ確立された権威を持つ方々にお集まりをいただいたわけでありますが、残念ながらそのとおりにならなかったのは事実でございますが、しかし、責任はこれは最終判断をした私にあるわけでございまして、先ほどの議論を拝聴していたわけでございますが、純粋経済理論的には、言わばこの税収と補正予算の関係で見れば、理論としてはもちろん、それは一つの考え方としては成り立つんだろうと、このように思いますが、同時に政治論もあるわけでございまして、財政健全化を進めていくという上において法定をしているわけでございまして、法定したものを変えていくというのは、これは国際社会に対しても、最初からその法定で決めたものを、ある程度経済が良くなっているという状況の中においてそれを変えてしまうのかということによる影響等も勘案する必要があるんだろうと私は判断したわけでございます。 そして、今回も確かに同じメンバーが入っていて、そのまま引き上げるべきだという判断が、やはりその方たちは同じように判断、主張しておられたわけでありますが、私はその判断を今回は取らなかったわけでございます。 このように、様々な方の御意見を伺うことが重要だなと、こんなように思うところでございます。
○金子洋一君 ありがとうございました。 また景気条項の話に戻りますけれども、総理が、解散の記者会見のときには、景気条項は撤廃をする、なくするというようにおっしゃったと思っております。これは、法律の中の附則十八条ということですので、これは今国会中に撤廃を、改正をして外されるんでしょうか。いかがでしょう。
○国務大臣(麻生太郎君) 景気判断条項、いわゆる税制抜本改革法附則第十八条の三項でしたか、において、今国会に提出する税制改正法案において削除するということを予定をしております。 短い方がいいならここまでで。
○金子洋一君 では、その削除する場合、立法事実というのはどういうふうに、立法事実ですね、レクをさせていただいておるんですが。
○国務大臣(麻生太郎君) この改正に伴って、平成二十九年の四月に、消費税率一〇%の引上げは景気判断条項を付すことなく確実に実施することとなると。このような改正を行いますのは、社会保障というもの、御存じのように次世代に移すことを果たすためにやらせていただこうと思うわけですけれども、同時に、私どもは国際社会からの信認というのをきちんとしたものにしておきませんと、私どもは、何といっても公債発行比率が非常に高いものになっておりますので、やっぱり財政健全化をきちんと進めるという意向ははっきり我々はしているんだということを明確にするということでありますので、これがいわゆる立法事実であろうと考えております。
○金子洋一君 立法事実というのは、これ有斐閣の法律用語辞典第四版によりますと、法律の必要性を根拠付ける社会的、経済的な事実、そして、立法目的の合理性及びそれと密接に関連する立法の必要性を裏付ける事実のみではなく、立法目的を達成するための手段が合理的であることを基礎付ける事実も含まれるということであります。 となりますと、今、国際社会からの我が国が発行する公債の信認を維持することが立法事実だとおっしゃったと私は解釈をしたんですが、その手段が、果たして景気条項を削除するということが合理的なんでしょうか。つまり、景気条項を削除すれば国際社会からの信認が生まれるのか。 それとも、ほかに、まさに私が先ほどから申し上げていますように、過度に急激な経済緊縮をせずに税収の自然増を達成をして、結果的に長期的に見れば財政再建が可能な状況に持っていく。つまり、平たく言えば景気がいい状況に持っていくということです、貧乏な方がいなくなるような方向に持っていくということです。そういうことをした方がいいのじゃないかと思いますけれども、立法事実としては今おっしゃったことは弱いと思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(麻生太郎君) おっしゃることはよく分かりますので、御存じのように、プライマリーバランスの方は完全にうまくいきました、だけど景気は悪くなりましたじゃ、これは本末転倒も甚だしいと言われているんだと思いますが、私もそれは全く同じ意見であります。 したがいまして、これは、我々はきちんとやるという意欲はあるということを示すと同時に、これの方がいわゆる景気をきちんとしたものにするのではないか。これは、IMFの一部とか世界銀行とか、いろいろそういう意見を言っている方もいらっしゃいましたし、ドイツのように、このとおり即やれと言ってきたドイツの偉い方もいらっしゃいました。 これは、いろいろな方々がいろいろ言われてきたのが去年一年間でしたので、えらい目に遭いましたけど、取りあえず、最終的には、私どもは総理の判断として、きちんとした景気条項を考えてやらせていただくということが最終的な決断でしたので、私どもとしては、今、金子先生の言っておられる部分の後半の部分も十分にそんたくしてやらせていただいたということだと思っております。
○金子洋一君 ありがとうございました。 時間がありませんので、日銀総裁に一つだけお尋ねをしたいと思います。 現在、消費者物価指数総合の上昇が止まっております。言わば、八か月間で僅か〇・二ポイントぐらいしか上がっておりません。これに対して岩田副総裁が昨日の記者会見で、原油価格の下落が原因なんだとおっしゃっていました。 ところが、消費者物価指数総合も四月から十二月までで〇・二ポイントしか上がっていませんけど、エネルギーを除いた、食料及びエネルギーを除く総合でも同じく〇・二ポイントしか上がっていません。ということは原油価格の下落が原因じゃないということだと思いますけど、そこはいかがお考えでしょう。
○参考人(黒田東彦君) 確かに、足下でかなり急速に消費者物価総合、あるいは除く生鮮食品、さらには食料、エネルギー関係を除く指標等々、全体として下がってきていることは事実であります。 ただ、いろいろな分析をしてみますと、やはり足下で急速に下がってきているのは、エネルギー価格の下落というのが一番効いております。これは、食料あるいはエネルギー価格を除いたいわゆるコアコアを見ても下がっているとおっしゃったわけですけれども、実はコアコアの中にも運送費とかその他、石油価格が下がると下がってくるものも入っているわけです。 実は、日本だけでなくて米国や欧州でも、エネルギーを除いたものも若干下がっていると。それから、もちろんエネルギーを入れた総合指数ではもっと下がっているというようなことになっておりますので、足下で非常に下がっている主たる理由が原油価格の低下であることは事実なんですが、そのほかにも、昨年、消費税増税後の消費の弱さとか各種の事由があって消費者物価の上昇率は下がってきていると。 委員の資料その他にもありますように、消費者物価の前年比は、量的・質的金融緩和を導入する直前はかなりのマイナスだったわけですけれども、その後プラスになって、昨年の秋頃にかけて一%ぐらいだったんですが、その後急速に落ちて、今ゼロ%台の半ばということになっているということでございます。
○金子洋一君 どうも、時間がなくなりましたので、これで終了させていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で金子洋一君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、若松謙維君の質疑を行います。若松謙維君。
○若松謙維君 公明党の若松謙維です。 初めに、シリアにおいてISILにより二名の邦人に対して非道、卑劣極まりないテロ行為が行われました。この許し難い暴挙を断固非難いたします。また、御家族の御心情を思えば言葉もなく、誠に残念、痛恨の極みであります。衷心より哀悼の意を表します。 総理、今週の月曜日からあしたの参議院決算委員会、五日間大変お疲れさまです。また、この人質事件と並行しての激務でありますが、是非頑張ってください。エールを送ります。 その上でアベノミクスについて、いわゆる格差社会という言葉が出ておりますが、この点について、実際のデータを見ながら議論を進めていきたいと思います。(資料提示) ちょうど今資料をお配りさせていただきました。この資料は、平成二十四年度から二十六年度の三年間の倒産件数、保育所待機児童数、自殺者数、失業率、これ全て確実に減少しております。財政措置から見ても、社会保障関係費、中小企業対策費、地方財政計画、これは増加しておりまして、安倍政権は社会保障、中小企業、地方に対して優先的に配慮していると私は見ております。 一部のデータを引用して格差社会が増加しているという批判、私はこれは妥当な見方ではないと思いますが、本来、麻生財務大臣にお聞きしたいところでありますが、公認会計士、税理士でもあります竹谷政務官の目から見てどのように評価されているのか、お尋ねをいたします。
○大臣政務官(竹谷とし子君) 格差是正のための財政措置につきまして、幾つか具体例でお答えしたいと思います。 平成二十六年度補正予算及び二十七年度予算におきましては、所得の低い方々などにもしっかりと目配りをした予算措置を行っております。 二十六年度補正予算においては、交付金を創設し、例えば所得の低い方に向けた寒い地域での灯油等の助成やお子さんが多い世帯への支援など、地方自治体の実情に合わせ創意工夫で行う生活支援策を後押ししております。 また、二十七年度予算におきましては、簡素な給付措置を継続し、低所得者の方には一人六千円を給付するほか、児童手当の受給対象者に対し一人三千円を支給することになっております。また、生活保護に陥るおそれのある生活困窮者の方々に対し就労支援等の自立支援策を強化することとしております。教育面におきましては、低所得世帯を中心に幼児教育における保護者の方の負担の軽減を推進するとともに、意欲と能力のある全ての若者に大学で学ぶ機会をつくるために無利子奨学金を拡充するといった施策を盛り込んでおります。
○若松謙維君 そのほかにもいろいろあろうかとは思うんですけれども。 それで、いわゆるアベノミクスという言葉のちょっと意味について総理も含めて議論をしたいと思いますが、経世済民という言葉がございます。これはウィキペディアでこう書いてあるんですが、中国の古典に登場する言葉で、文字どおりには、「世を経め」、いわゆる経済の経ですね、そして「民を済う」、経済の済ですね、と書かれております。 内閣府、厚労省のデータによりますと、少子高齢化、長引いたデフレ経済があるわけでありますが、特に低所得層、いわゆる六十五歳以上の高齢者の二割が貧困状態に置かれていると、さらには六人に一人の子供が食事も十分に取れないと。こういう貧困に苦しんでいることも事実でありまして、特にいわゆる大人一人の子供という、いわゆるシングルマザーが多いと思うんですけれども、その方々は平成二十四年度五四・六%の困窮率という状況になっております。 アベノミクスは、経済の好循環でまさに家計にも地方にも所得増を図り、経済のパイを大きくして税収増につなげて、そして最も弱い立場にある人々のため安心と安全の環境を維持、提供する財源をしっかり確保すると、そういうこともその目的の一つであると理解しておりますが、甘利大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) アベノミクスは、まずデフレから脱却をすると。デフレはなぜ起きるかというと、悪循環で起きると。だったら、デフレから脱却するように好循環をつくっていくと。それぞれ関係する三者が集いお互いがなすべきことを自覚をする、そして、政府はそれに対する環境づくり、税制や予算で対応していくということでございます。 低所得者対策については、先ほど政務官からるるお話があったとおりであります。加えて、再分配機能の強化のための税制、相続税や所得税の最高税率を引き上げました。これも所得再分配効果には資すると思います。パイを大きくすると同時に、そのパイが公正にきちんと努力に従って配分をされるようにしていくと。全体の底上げとパイを拡大する、両々相まってアベノミクスは目的を達成すると思っております。
○若松謙維君 今日、厚労大臣がいらっしゃいますが、質問ではございません、特にちょっと感じたところが、先ほどの厚労省、内閣府のデータが実は三年に一回なんですね。御存じのように、アベノミクス、まさに子育て支援策、今年が本格的にスタートいたします。ですから、ちょっとお金は掛かるんですが、毎年、いわゆる現場の生活のセンサーを更に高めるためにもちょっと検討していただければと要請をして、総理に質問をいたします。 特に、いわゆる、先ほども金子委員から、経済成長、再分配、私は共に必要だと思っております。いずれにしても、経済成長には必ず所得格差という、これは実際出てくる、これはもう経済のいろんな理論、学者もそう理解しております。 ですから、その副作用をどう対処していくかということがまた政治の課題でありまして、いわゆるこのアベノミクス、三年目、いよいよスタートするわけでありますが、総理のお考えはいかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 経済を成長させるとともに、成長によって生み出された果実をしっかりと均てんをしていく、その中において、特に弱い立場にある人たちに対してしっかりと支援をしていくことがこれは求められていると、このように思います。 我々の政策によって、今回も二年連続で最低賃金の大幅引上げを実施をしたところでございます。また、パートタイム労働者についても正社員との均衡待遇を推進してきたところでございますし、また、御承知のように、政労使の会議を行って、賃上げ、あるいはまた下請企業の材料費等の値上がりに対して価格転嫁できるように対応していくということについて合意をしているわけでございます。そうしたことをきっちりとこれからも行っていきたいと思っておりますし、また政労使の合意においても、非正規雇用労働者のキャリアアップや処遇改善に向けた取組も今後進めていくことにしているわけでございます。税制面においても、平成二十五年度税制改正において所得税の最高税率を引き上げ、また相続税の基礎控除の引下げ等の改正を行い、今年一月から適用されているところでございます。 こうした取組によって、格差が、いわゆる格差が固定化しないように、そして多くの方たちにおいてチャンスがある、何回でもチャンスのある社会をつくっていきたいと、このように思います。
○若松謙維君 いわゆるアベノミクス三本の矢というとどうしても強いイメージがありまして、このアベノミクス、先ほど経世済民という言葉を使わせていただきましたけれども、是非一人一人の顔を浮かべながら、政治として何ができるか、そういった常に問い続ける経世済民アベノミクスというんですか、是非そういったことを閣僚全体でアピールしていただきたい、そう要望して次の質問に移ります。 一昨日、同僚議員であります横山議員から、被災地三県に関する質問がございました。いまだにこの三県で二十三万人の方々が避難生活をされております。特に、私が住む福島は現在十二万人の方々の避難生活を余儀なくされているということでありまして、御存じのように、いよいよ今年、来年が本格ということであります。これからなんですね。 そういう状況でありまして、また一年ぶりのテレビ付きの質問でもありますので、ちょっと福島に集中して質問をさせていただきます。 まず、中間貯蔵施設について環境大臣にお伺いいたします。 平成二十六年度補正予算におきまして、中間貯蔵施設等に係る交付金と周辺自治体への関連支援費として二千五百億円計上しております。福島県、大熊、双葉町から受入れをしていただければ福島県内の除染土壌の運搬がいよいよ開始される運びとなるわけでありますが、いずれにしても施設内の土地所有者及び周辺住民へ大変な御負担をお掛けするわけであります。 環境省といたしましても、是非その関係者の方々に丁寧な説明、また対応をお願いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(望月義夫君) 若松先生御指摘のとおりでございまして、中間貯蔵施設予定地の地権者及び周辺住民の皆様への丁寧な説明はこれは大変重要であると、我々もそのように認識をしております。中間貯蔵施設の整備に向けて不可欠である用地の確保に向けて、福島県知事、大熊、双葉の両町長からいただいた申入れ、これをしっかりと踏まえて、丁寧に地権者の皆様に今後とも説明を進めてまいる所存であります。 具体的に言いますと、地権者の皆さんの方でございますけれども、連絡先を把握している地権者の皆様にはもちろん順次連絡を取って、そして、様々、働きになって来れないとかいろんな皆さんいらっしゃいますので、これにつきましては、職員が戸別訪問を含めた丁寧な説明と地権者の皆さんの御理解の下での物件調査をこれ進めるとともに、連絡先がまだまだ分からない方がいらっしゃいます、そういう地権者の皆様を、これはもう戸籍簿をしっかりと調べさせていただき、確認を通じて様々な面でその先を調べていって特定に、定めていきたいなと、こんなふうに思っております。 また、これは地権者以外の方でございますけれども、これは大熊、双葉両町の町民の皆さん全員を対象にして、五月から六月にかけて住民説明会を開催いたしました。中間貯蔵施設の必要性や安全対策、こういった説明を行うとともに、施設に関するお問合せ窓口を設置いたしまして、地権者の皆様のみならず多くの方の質問に対応できるようにしております。さらに、今後、生活再建相談窓口を設置して、福島県や大熊町、双葉町の御協力の下、ワンストップで町民の皆様の様々な相談に応じていくこととしております。 こうした取組を通しまして、地元の皆様の御理解を得つつ一日も早く搬入ができるように、引き続き、先日開始しました保管場でございますストックヤード、やっとこれは始まったわけでございますが、工事の着実な実施と、県から申入れのあった五項目、この確認が大切でございますので、このことについて最大限努力をしてまいりたいと、このように思っております。
○若松謙維君 今ワンストップという言葉がありましたので、是非、本当に被災者の方々、関係者の方に使い勝手のいい制度をよろしくお願いいたします。 次に、JR常磐線について国土交通大臣にお伺いをいたします。 このJR常磐線全線復旧ですね、これはもう本当に福島県民の願いでございまして、最近、竜田駅から原ノ町駅間のいわゆる未開通区間に代行バスが運行した、大変明るい話題がありました。今後、JRへの協力もしながら、是非全線の早期復旧に尽力すべきであると思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 道路の方では、三月一日に常磐道が前倒しをしまして全通するというところまで来ました。そこで、JR常磐線の早期復旧及び運転再開、これの意義は極めて大きいというふうに思っておりますが、津波の被害により不通となっている北側ですね、浜吉田から相馬駅の間につきましては、用地買収が完了した区間から順次、一部路線移設を含めた復旧工事を行っているところです。平成二十九年春頃には運転がそこは再開できるという状況です。 また、原発事故の影響で不通となっている原ノ町—竜田駅間につきましては、早期復旧のための協議会を昨年の十一月に設置をいたしました。関係者の間での調整や諸課題の検討を精力的に今進めているところです。今年の一月、帰還困難区域にあるためこれまでほとんど手付かずであった浪江—富岡駅間においてJR東日本が詳細な被害状況調査に着手するなど、全線復旧に向けた取組を着実に進めております。 引き続き、関係省庁とも連携しまして、一日も早くJR常磐線全線の復旧ができるよう努力をしたいと思っております。
○若松謙維君 今、太田大臣が、浪江、富岡、大変線量が高いところでもありますので、本当に関係者の皆さんの御努力に改めて感謝と敬意を表する次第でございます。 続いて、営業損害補償の対応についてお尋ねをいたします。 最初に経産大臣に、避難指示区域内の営業損害補償が来年二月打切りという報道がありましたが、新提案が今後出されると聞いております。どのようになるのかちょっとお尋ねすることと併せて、この避難指示区域外の商工業者におきましてもまだ風評被害が続いているところもございます。そういった場合には営業損失を被っているという事実が認められますので、是非損害賠償は継続すべきであると考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮沢洋一君) まず、避難指示区域内の営業損害につきましては、東京電力が今年二月末を一旦の区切りとして、事故後四年間分の賠償に加え、逸失利益一年分を一括で賠償することなどを内容とする素案を昨年十二月に商工団体などに示したと承知しております。 また、避難指示区域外の風評被害に係る賠償につきましては、これまでの賠償に加え、事故との相当因果関係が確認できた分について一年分の逸失利益を賠償するなどを内容とする素案を、これまた商工団体などに示したと承知しておりますが、いずれにしても素案でございまして、今後関係者の方と相談をするということになろうかと思っております。 やはり、適切な賠償を行うという視点と、もう一つ、事業者の自立を支援するという両方の視点が必要であろうと思っております。
○若松謙維君 是非、自立支援、いわゆる出口ですね、それと、営業損失がやっぱり事実としてあると、それに是非丁寧な、真摯な対応をお願いいたします。 それで、厚労大臣にお伺いいたしますが、この原発事故により避難して失業された方々への未就労支援、これが二月、今月完了いたします。そのために、この方々の、いわゆる就職先の不安を抱える方が大変大勢いらっしゃいます。 そこで、新たな就職先として雇用確保が準備されているということも聞いておりますが、一方、福島県は、業種によっては人手不足倒産、これもいろいろ聞いているところ大変深刻な状況もありまして、この未就労の避難者の再就職の先をしっかり確保して、さらにハローワーク等による就職先あっせん、これを丁寧にしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 被災地の雇用につきましては、厚労省として雇用創出基金事業とか、これによって雇用創出するとともに、ハローワークで今まで当然、求人求職のマッチングをやってきたわけで、就労支援に努めてきたわけでありますけれども、今御指摘の東京電力によります就労不能損害賠償の終了がこの二月末に予定をされているということで、二月二日から既に福島県内の四か所のハローワークで専用職業相談窓口を設置をいたしました。 それによりまして、まず担当者制によりますきめ細かな職業相談、そして個人のニーズに応じた求人の確保、そして職業訓練への誘導というか、そういうことをやっているわけでありまして、原子力災害の影響を受けているこういった被災地の方々、私もハローワークに二週間ほど前に福島へ行ってまいりましたけれども、深刻なこういう状況、むしろタイトになって今人手不足という話もありましたが、きめ細かな就労支援をやっていきたいというふうに思います。
○若松謙維君 是非よろしくお願いします。 あわせて、これは経産大臣でしょうか。いわゆる区域外の農業損害支援を受けている農家も大勢いらっしゃいます。そういった方々、御存じのように、農産品、非常にこの風評被害、今長期化しております。そういうことで、もう離農を考えている方々が実際多いということで残念ながらあります。 そのような場合に、先ほど出口という話がありましたが、転職ですか、これをしやすくするような、いわゆる数年間の、その将来の所得補償と一括支給して転職というものをしっかりとしやすいような環境、これを求めている声もありますので、是非その制度の創設をお願いしたいわけでありますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮沢洋一君) 区域外の農業の風評被害につきましては、現在は、価格の下落などで発生した損害について賠償請求をいただき、その都度賠償金をお支払いしていると、こういうことでございます。 この賠償金につきましては、その賠償の論理上の、いろいろ理論上の問題等々あって、現時点では支払方法の変更は検討しておりませんけれども、委員からの御提案でございます。適切な賠償とともに、農業者の自立といった視点も踏まえてどのようなことができるか、東京電力ともよく相談してみたいと思っております。
○若松謙維君 是非よろしくお願いいたします。 質問でありますが、ちょっと時間の関係上、少しはしょらせていただいて、復興大臣にイノベーション・コースト構想についてお尋ねをいたします。 この福島再生の大変重要なポイントの一つが、赤羽元経産副大臣が提案いたしましたイノベーション・コースト構想。これは、最近、福島浜通りにロボット実証区域を設けることが政府のロボット新戦略で明記をされました。この構想は大変裾野の広い話でもありまして、かつ中長期的な国の支援が不可欠であります。今後も政府一丸となってこの構想を推進するために、避難区域における政府の中長期的な取組指針となる福島十二市町村の将来像にこのイノベーション・コースト構想をしっかり明確に位置付けていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(竹下亘君) このイノベーション・コーストあるいは十二市町村の将来像、将来を希望を見出すいい方向の話でありますので、力を入れてやっていかなければならない課題だと認識いたしております。 将来像の検討につきましては、昨年十二月から有識者会議を開催をいたしまして、この夏頃をめどに提言を取りまとめる予定にしておりますし、この将来像には、各自治体から参加をいただいて計画をいただいておりますが、イノベーション・コースト構想なども、当然でありますけれども、包含する形で検討していこうと、こう思っております。 イノベーション・コースト構想は、まさに具体的な検討が今経済産業省の方において進められておるというふうに伺っておりますし、復興庁としても、地元の思いを受け止めながら、先ほどお話しになりましたように、ロボットの構想を含めて積極的に参画していこうと思っております。
○若松謙維君 併せてよろしくお願いいたします。 それと、済みません、質問飛ばしておりました。 今日、東電社長、来ていただいておりますが、やっぱり福島の風評被害、収束しない大きな原因の一つが汚染水問題なんですね。これがテレビに出るたびにまたかということでありますが、今年度中にタンク内の汚染水の全量処理が完了するという話でありましたが至らなかったということでありまして、社長、今後の汚染水問題、いつ頃解決するのか、お答えいただきたいと思います。
○参考人(廣瀬直己君) 福島第一の汚染水処理につきましては、一昨年九月、安倍総理からしっかり期限を区切って浄化をするようにという話を承りまして、私どもの方から二〇一四年度末までに全量処理をいたしますというお約束をしたものでございます。 以来、目標を明確にして現場の士気も高まりまして一生懸命やってまいったわけでございますけれども、やはり多核種除去装置という本当に前代未聞の初めてやる設備でございまして、いろいろ、稼働率等々向上策を図ってまいったわけですけれども、なかなかうまくいかないというところがございます。 そうした中で、先般、大変申し訳なく思っておりますが、死亡事故も発生をするということもあって、まだまだ二か月以上残してはおったんですけれども、ここで、その目標はしっかりやりなさい、一方で安全は確保しなさいということではなかなか現場も混乱するのではないかということで、年度末の処理というのを延長せざるを得ないという判断を申し上げたところでございます。 お約束を申し上げた安倍総理には大変申し訳なく思っているとともに、一日も早く汚染水という非常に心配の種であるものを解決してほしいと思っていらっしゃる地元の方々に対しても、本当に申し訳なく思っているところでございます。 現実、汚染水処理すべきものの半分以上は今終了しております。しかし、このペースを、今の稼働率等々のペースをこのまま持っていきますと五月中になってしまうということでございますが、もちろん、やはりこれ元々がリスクでございますので、やはり一日でも早く処理をしたいということで追加的な対策も今後幾つか取っていこうと思っておりますので、それらを踏まえるとともに、この死亡事故で二週間ほど工事をやめてしまっておりますので、そうした影響も踏まえながら、三月の半ば頃にもう少し正確な完了の見通し時期を発表させていただこうということで今鋭意努めているところでございまして、今後ともしっかり進めていくとともに、また今後、トリチウムの問題等々ございますので、しっかりやってまいりたいというふうに思っております。
○若松謙維君 私も昨年十一月、第一原発に入ってまいりまして、東電の皆様一千人、そして協力者六千人、本当に大変な環境で働いておりますが、是非頑張っていただきたい、もう切にお願いもして、また次の質問に移りますが。 これは国交大臣にお伺いしたいんですが、去年もたしかこの委員会で質問いたしました、いわゆる原発避難者の高速道路無料化延長でございます。これがいよいよ三月で切れることになりまして、御存じのように、この一年間でどれほどいわゆる帰還されたかというと、余り変わっておりません。ですから、環境変わっておりませんので、かつ三月ですからすぐですので、是非ともこの高速道路の無料化延長を要請いたしますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 警戒区域等からの避難者及び母子避難者等に対する高速道路の無料措置につきまして、生活再建に向けた移動支援に対して地元の皆様から大変強い要望がございます。それを踏まえまして、来年三月三十一日まで一年間延長する案で調整に入るよう事務方に指示したところでございます。 無料措置の延長によりまして、被災地の皆様に高速道路をより一層利用していただき、復興が加速することを実感していただきたいと、こう思っているところでございます。
○若松謙維君 福島関係、ちょっともう一つなんです。これは要望だけして次の質問に移りますが、今年三月で被災者の皆様、五年目を迎えます。すぐ戻れるかというと、そうではないということで、しかし、いろんな諸事情があるんでしょうけど、いわゆる復興住宅の遅れが県からも発表があり、おわびもありました。 是非とも、国交省におきましては、復興住宅のもう本当に早急な完成並びに心のケア、これは復興大臣に是非お願いしたいということを申し伝えまして、次の質問をさせていただきます。 東電改革についてでありますけれども、ちょっとパネルをお願いいたします。 今回の東電のいわゆる福島原発事故の補償の問題でございます。 制度が非常に難しいのでありますが、端的に言いますと、今現在、東電としてはいわゆる原賠の損害賠償の支給、五・四兆円の実は枠が国から原賠・廃炉機構を通じて提供されておりまして、今までは四・六兆円の交付済みとなっております。あわせて、除染費用も発生しておりまして、環境省としては二十六年度までに一・四兆円の予算を確保しているんですが、そのために二・五兆円のいわゆる資金を準備しているということであります。 その中身はということなんですが、先ほどの五・四兆円、上限ですけれども、この損害賠償の支給に対するじゃその原資は何かというと、実は原子力事業者、いわゆる電力会社ですね、二千億、そのうちの一千億が東電が補償しているということでありまして、果たしてこれ何十年も、そして来年、御存じのように電力の自由化が行われます。そういうことで、本当に東電、この一千億というのをずっと支給を、安易にというんですかね、本当できるのかどうかというのが実は福島関係者にとっては心配するところであります。 あわせて、二・五兆円という除染費用のこの回収費用、回収資金ですか、これは将来のいわゆる東電を健康にして、そして株式の売却益で二・五兆円得るというプランなんですが、本当にできるのかどうか。御存じのように、電力事業者というのはいわゆる総原価費用ですので元々そんなにもうけられないと、そういう構造で二・五兆円の恐らく売却益は不可能だと思います。 ですから、もっと国が前面に出て、それで東電もしかし支えながら、かつ、この福島原発問題も解決していただきたいと思うんですけど、経産大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮沢洋一君) このスキーム、復興の加速化と、それと費用回収の在り方につきましては、これは与党で実は集中的に議論をしていただきました。 自民党におきましては復興加速化本部、私も実は副本部長として参加をしておりまして、右下にあります中間貯蔵の一・一兆円というのをどうやって財務省と折り合いを付けるかということで結構苦労した記憶がございます。また、公明党におかれましては復興加速化本部で議論していただきまして、二十五年、一昨年の十一月に与党提言をまとめていただき、それを基に同年十二月に閣議決定をしたという流れでございます。 おっしゃいますように、閣議決定では、九兆円の賠償の支援枠のうち、いわゆる被害者賠償分は全原子力事業者の一般負担金、また事故を起こした原子力事業者、東電でありますけれども、特別負担金で回収するということ、さらに、除染費用相当分二・五兆円につきましては、東電株の将来的な売却益により回収を図るということを決めております。このため、東電につきましては、その継続的な負担金の支払をしつつ、企業価値を向上させていっていただかなければならないという状況でございます。 東電におきましては、これまで例を見ない抜本的な経営改革をしておりますし、また、電力システム改革を先取りした分社化ですとか、いわゆるアライアンスをして燃料調達を下げる等々、更に徹底的なコスト削減を進めております。 正直、二〇二〇年代半ばから東電株の売却を始めるという今のスケジュールになっておりまして、十年以上先の東電の株価というのはなかなか、今確実なものは言えないわけでありますけれども、こういう努力を重ねておりますので、何とか二・五兆円の回収が売却によって図られて、国民負担の抑制ということができるんだろうと思っております。
○若松謙維君 この話、長い話になると思います。また引き続き指摘をさせていただきます。 総理にお伺いしたいんですが、今年の三月、仙台で国連防災会議が行われます。十年前の神戸で行われたときは世界から三十閣僚が参加されておりまして、今回はその倍以上の閣僚が参加されるということで、是非総理に出席をしていただきたいんですが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本は、阪神・淡路大震災、そして東日本大震災を始め幾多の災害を経験をしてまいりました。我が国にとって、国連防災世界会議は、防災先進国日本としてこれまで培ってきた知見、技術を世界と共有をし、そして国際社会における防災の主流化に積極的に貢献していく重要な機会であると考えております。 私も、首脳会談などの機会にこの会議への首脳級あるいは閣僚級の出席を要請してきておりまして、ホスト国の首脳として、国会日程との調整が整えば私も仙台での会議に出席をいたしまして、我が国の防災の取組や東日本大震災からの復興の状況を発信するとともに、被災地の復興にもつなげていきたいと考えております。
○若松謙維君 是非、仙台でお会いしたいと思います。 最後になりますが、もう時間がありませんので指摘だけさせていただきますが、首都圏大震災が起きた場合に、そのいわゆる防災拠点をどうするのかという話があります。 ちょうど私のふるさと、実は福島空港、生まれたところでございまして、そこはあの震災、四年前の震災のときに、三月一日から十一日で三百件の離発着が実は発災三日間で六百回の離発着という、非常に必要であります。そこを防災拠点としていただきたい。さらには、緊急事態管理庁、この首都圏から離れたところも必要でありますので、そういったところも含めて、是非、福島空港の活用をお願いして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で若松謙維君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、東徹君の質疑を行います。東徹君。
○東徹君 維新の党の東徹でございます。 まず最初に、今回のISIL、イスラム国による邦人人質殺害、そしてまたヨルダンのパイロット殺害について、非道極まりない、断じて許すことのできない行為であり、強く非難をいたします。 そこで、一点ですが、この事件につきまして、特定秘密保護法に基づく特定秘密の指定についてお伺いしたいと思います。 政府は、今後もテロに屈することなく国民の安全を守る最善の努力を尽くしていかなければなりませんが、特定秘密保護法も、その第一条にもありますように、国民の安全の確保を目的とするからこそ存在意義があるというふうに思うのですが、今回の湯川さん、後藤さんの二人の解放を求めるに当たってヨルダンとの間で行われた様々な交渉に関する情報については、パネルにもありますように、(資料提示)別表第二号、「外交に関する事項」のイ、「外国の政府又は国際機関との交渉又は協力の方針又は内容のうち、国民の生命及び身体の保護、領域の保全その他の安全保障に関する重要なもの」ということに当たるというふうに思われますが、この別表の要件に該当するのかどうか、そして特定秘密に既に指定されているのかどうか、このことについてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、特定秘密保護法におきましては、この別表に該当をするか、また公にまだ知られているものではないということ、そして特段の秘匿の必要性があるということ、この三要件を満たす情報が特定秘密に指定されるということになっております。 そして、今御指摘いただきましたように、この別表第二号のイ、外国の政府又は国際機関との交渉又は協力の方針又は内容のうち、国民の生命及び身体の保護、領域の保全その他安全保障に関する重大なものとされており、御指摘のヨルダンとの交渉に関する情報もこれに該当し得るものであると考えております。 ただ、具体的な個々の事案に関する外交交渉について、これが一つ一つ、さきに述べたこの三要件を全て満たしているかどうか、あるいは特定秘密に該当するかどうか、これ一々明らかにすることは、関係国との信頼関係あるいは今後の外交交渉等のやり取りに予断を与えるおそれがあるというので控えさせていただいております。
○東徹君 ありがとうございます。 特定秘密保護法は国民の安全を守る上で重要な法律であるというふうに思いますが、運用につきましては適切に運用していただきたいということを申し上げて、次の質問に移らせていただきます。 東京一極集中の是正についてでありますけれども、もうこれも、安倍総理も東京一極集中、何とか解消しないといけないということは大変理解をいただいているというふうに思いますが、明治維新以来、この国は中央集権体制を取ってきたということで、東京一極集中と地方の衰退というのは必然的な結果であるというふうに思っております。東京に人を供給してきた地方が消滅していくということは、やがて東京の消滅、ひいては国家の消滅につながりかねないというふうに危機感を感じております。 パネルを御覧いただきたいと思います。 これは、世界の大都市における自然災害のリスク指数を示したものであります。恐らく何度かこの表というかパネルも見たことがあるかというふうに思いますが、東京・横浜というのはリスク指数が七一〇と、世界の中で断トツに高い数字になっております。ロサンゼルスは一〇〇、ニューヨークは四二、ロンドンは三〇、パリは二五ということで、東京・横浜は七一〇ということで世界の中で断トツに高いという状況になっておるわけですけれども、大規模災害に備えて、東京以外の国の中枢機能のバックアップ機能を果たすことのできる都市をつくっていかなきゃならないというふうに思っております。 このような災害対策という意味で、リスク分散の観点からも東京一極集中を是正していく必要があるというふうに思いますが、この点について安倍総理にお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そもそも東京一極集中は、地方から出生率が極端に低い東京に人口が流れてきていることによって我が国の人口減少の大きな要因をつくり出していることにもつながっていると、このように思います。このため、地方創生によって東京一極集中是正に取り組み、人口減少を克服していく必要があると思います。 また、ただいま委員から御指摘をいただきました、東京に政府機能が集中している中で首都直下地震などの大規模な災害が発生した際、政府がその業務を継続することは極めて重要であります。このため、業務継続計画を策定し、災害時の職員参集体制や電力の確保等の対応を定めているところでございます。 他方、政府機能のバックアップを地方に置くことは、防災そして減災の観点からも有益であります。既存施設の活用も念頭に置きながら研究もしていきたいと、このように思います。 こうした言わば政府機能のバックアップだけでなく、経済においてもやはり東京に集中していることによってダメージが非常に大きくなっていくわけでありまして、かつての関東大震災が発災をしたときは大阪が商都として相当大きなこれは力を当時は持っていて、東京は相当大きな打撃を受けたわけでありますが、それをまさに大阪の商都としての力が補ったという経験もあるところでございますから、そういう意味において、今後も東京一極集中を止め、そしてしっかりとこれをバランスよく分散していきたいと、このように考えているところでございます。
○東徹君 ありがとうございます。 そういう行政機関のバックアップ機能だけではなくて、経済のバックアップ機能も東京だけではなくてほかにもつくっていくということの必要性、本当にまさしくそのとおりだというふうに思っております。 そこで、どうやって東京一極集中の是正をしていくのかということでありますが、まず、地方における雇用というものが大変重要であるというふうに思っております。日本創成会議の座長でもある増田寛也氏も、仕事をつくり、人を集め、町を整えるというのが順序であるというふうに述べております。 まず雇用が重要というふうに思うんですが、この点について安倍総理の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) おっしゃるとおり、仕事がなければ地方に人は戻ることはございません。二〇二〇年までといいますからあと五年ですが、累計で約三十万人、若い世代の安定した雇用というものをつくっていかねばならないということであります。そのためには何をするかということですが、地方において起業、これを促進をしていかねばならないと思います。また、地域を支える中核企業を支援する。 地方でも仕事はあるのですが、うまくマッチングしないというところがありまして、どのようにして望まれるような給与、あるいは安定した雇用をつくり出すかという場合に、やはり生産性を向上する、付加価値を向上するということ、なかんずくサービス産業においてそれは重要だと思っております。農林水産業を成長産業化する、地域観光を振興する等々、とにかく仕事がなければ戻ってこないということでありますし、東京でも若い世代、十代、二十代の半数近くはできれば地方で暮らしたいと思っているわけですから、金輪際東京でずっと暮らしたいとかそういうわけではない。どちらにもニーズはあるわけで、そのマッチングをいかにして図るかということで実現を期したいと思っております。
○東徹君 ちょっとこのパネルを御覧いただきたいと思います。 我が国の人口ですけれども、今年一月一日現在の概算値で一億二千七百二万人ということで、昨年一月に比べて二十二万人減少をしています。日本は既に本格的な人口減少に直面しているということになります。一方で、左上のグラフが東京都の人口でありますが、今年一月の東京都の人口は一千三百三十九万人と、昨年一月と比べまして九万五千人も増加しているということで、国全体の人口は二十二万人減っているにもかかわらず、東京の人口は九万五千人も増えているというような状況になっております。 企業につきましても、東証一部上場企業千八百六十一社のうち約五三%、半分以上の九百七十九社が東京本社であるということでありまして、これはやはり、地方から若者が東京へ出ていくという大きな要因は何なのかということなんですが、この理由の一つとしては、地方も高学歴化している一方で、共働き夫婦が子供二人を大学に出せる程度の給与水準、これに対応できる質の高い雇用というものが地方にはなかなかないからだというふうに思っております。 そういった意味で、先ほど石破大臣もいろいろと説明していただきましたが、やはり大企業の本社機能を地方に移転していく、こういうことも促していくのが非常に大事じゃないかというふうに思うんですが、石破大臣、いかがですか。
○国務大臣(石破茂君) おっしゃるとおりであります。 なぜ地方に移転が進まないのかということはいろんな理由があろうかと思いますが、今回政府で税制改正というものの要綱を決定いたしておりますけれども、本社に限らず研究所でも研修所でもいいのですが、地方に移していただけた場合に思い切った税制措置というものを講じたいと考えております。 ただ、それだけでは駄目で、つまり地方に本社を移転するという話になりますと、必ず出るのが石川県のコマツですとか富山県のYKKですとか、こういうのが出てくるわけですが、そのほかに、なぜこれに続かないのだろうかということをよく考えなければいけません。 委員御指摘のように、そういう地方に行った場合に、じゃ進学はどうなるのだとか、あるいは医療、介護等々どうなるのだとか、そういう生活に直結したいろんな問題点があろうかと思います。そういうものを子細に分析をして、御心配がないような体制というものをつくっていかなければなりません。それが委員御指摘の質の高い雇用ということにもつながるのだと思っております。それは給与もそうでございましょう、ただ物価が安いですから、その点は勘案をしなければなりませんが。 地方に行った方が有利であるということをきちんと御納得をいただくということが、経済界に対しましても私どもニーズを聞きながら、その対策というものを確立をしなければならないと思っております。
○東徹君 石破大臣からも、大企業の本社機能を地方へ移転を促していくと、これはやっぱりそのとおりだということでお話をしていただきましたが、企業の本社機能を地方に移転を促す一つの案として、地域ごとに法人税の減税に差を付けていくということがあります。要するに、法人税の減税は、東京の法人税は高いままで地方の法人税は低くしていく。 昨年の予算委員会で我が党の片山虎之助議員が同様の質問をしていただきました。これに対して麻生大臣からは現実的には難しいというような答弁をいただきましたが、やはり地方へ人を還流させていくためには、東京一極集中の是正には何よりこれは必要不可欠であるというふうに思っておりまして、国が本気になって取り組んでいかなければ東京一極集中の是正というのは実現しないというふうに思っております。 地方拠点強化税制も地方への企業の移転を促すものではありますけれども、この程度の内容ではインパクトはないというふうに思っており、どれぐらいの企業が実際に地方へ移転するか、効果に疑問を感じております。国税でいえば、やはり法人税を軽減するぐらいのことがなければ東京一極集中に歯止めを利かすことはできないというふうに思っておりまして、法人減税に差を付けるという、是非ともその案に取り組むべきというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 企業の本社機能というものを地方に移転するというのは、これは重要な課題なんだと思っておりますし、それに対して税制によってそれをどんな形でという話というのは、これも昔からよくある話ではあるんですが、税制だけで問題が解決するわけではありません。各地域におきます、これはその地域の首長さん、まあおたくは大阪だから、大阪なら大阪、だって、大阪といったって広いからね、大阪の周りもいろいろありますから、どの辺までにというようなこともよくよく考えていただかないかぬところだと思うんですが。 その上で、地方で実際に拠点を準備して、ここの場所、雇用もちゃんと確保しますと。雇用がないと、行ったって人がいなきゃどうにもなりませんから、雇用もします。そういったものをまず的確に、そういった企業に絞っていくというので、とにかく一律に下げますなんと言われたって、それはいろいろ手口が出てきて、例えば、考えてみてくださいよ、東京の地理に詳しいと、まあ詳しいかどうかは知らぬが、とにかくいきなり千葉に渡ってすぐのところの川沿いにずらっと本社機能を移されたり、神奈川でいえば多摩川のこっち側のところにずらっと移されたりしたら、それだって地方に出ていったよと言われたら、それは事実ですから、それはなかなかやり口はいろいろみんな考えられるだろうと思いますので、これはなかなか難しいですよ。 だから、一律にやるというのがなかなか難しいので、市街地の立地場所の違いのみで税負担に差を付けるというのは、これは公平性とか合理性とかいう面から見てちょっと問題があるのではないかというのは、今申し上げたようなことで、慎重に考えないかぬと思っておりますが。 二十七年度の税制改正では、とにかく本社機能を東京から地方に移転したり地方で拡充しようという企業を対象にして、そうした企業が策定した計画というのは必ずあるはずですから、いつ誰とどれだけ移すんです、そういった都道府県が認定する枠組みをちゃんと出していただいた社を前提として、本社機能の建物に係る投資減税とか雇用の増加に対する税額控除の特例を設けるということにはしております。もうこれは既に御存じのとおりだと思いますが、それでインセンティブとしてどれぐらいなのかということだろうと思いますけど、一社だけどおんと安くするって、ちょっとそれはなかなか難しいというような感じがいたします。
○東徹君 麻生大臣の言うことは、私は余り当たっていないなというふうに思っておりまして、企業がどこかへ移転するときは、立地をやっぱり一番選ぶと思うんですね。非常に条件のいいところにやっぱり移っていくと思うんです。だから、そういう懸念は私は当たらないというふうに思っておりますので、法人税の減税、是非御検討いただきたいというふうに思います。 非常にこの東京一極集中の是正というのは、これはもう絶対に待ったなしでやっていかなければならないというふうに思っております。これは、先ほど安倍総理からも、そういう災害対策のことも含めて私はやらなければならないというふうに思っておりまして、大阪では是非ともこの大阪都構想の実現、ここを是非挑戦していって、東京一極ではなくて、まずは二極目を目指すことに挑戦をさせていただきたいというふうに思っております。 ちょっと時間がなくなってまいりましたので、リニア中央新幹線の大阪延伸についてでありますが、これは、平成二十七年度予算案に大阪までリニア中央新幹線を延伸した場合の経済効果などを調べる費用を計上する方針と報道がありましたけれども、早期の大阪延伸に向けた第一歩というふうに思いますが、予想される我が国全体への経済波及効果を踏まえると早期の大阪への延伸を実現すべきというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) スーパーメガリージョンという形に将来はなっていくということだと思いますし、その場合の経済効果はかなりあるんだというふうに思っています。 このリニア中央新幹線は、最速で東京—名古屋間四十分、そして東京—大阪を一時間と、劇的に経済活動にもインパクトがあるというふうに思っておりますが、JR東海が、民間企業として、経営の自由や投資の自主性の確保が大原則との前提の下で全額自己負担で整備するという意向を示したということを受けて建設の指示を行ったところです。JR東海は、このような前提に基づいて、同社の財務や現場の工事の見通しを踏まえまして、東京—名古屋間の開業目標を平成三十九年、大阪までを平成五十七年と設定しております。 早期にという要望があることは十分承知をしておりまして、国交省としてもその事業が着実に進められるよう支援をしてまいりたいというふうに考えておりますが、建設主体であるJR東海の考え方もよく踏まえていく必要があるものと考えています。平成二十七年度予算案では国土形成計画改定に関する検討のための調査費を計上しておりまして、その中で必要な調査を行うという予定になっております。
○東徹君 ありがとうございます。 これも、リニアの延伸もこの国の成長戦略であるというふうに思っております。国土交通省としても支援をしていくということですから、是非お願いしたいというふうに思っております。東の東京都と西の大阪都、将来ですね、リニアで結んで二つのエンジンで日本を再生していくことに是非とも挑戦をさせていただきたいというふうに思っております。 続きまして、カジノを含む統合型リゾート、いわゆるIRについてお伺いをいたします。 IRにつきましては、超党派の議員連盟におきましてその実現に向けた法案が検討されているところでありますけれども、昨年の臨時国会では残念ながら結論を得るということに至りませんでした。IRの実現によって、我が国の観光振興、それから雇用の拡大、こういったところに大きく期待されるところがあるというふうに思っておりますが、一方、確かにギャンブル依存症などの措置を講じていくということももちろん必要ではありますが、そういったことも前提にこのIRも実現していくべきというふうに考えますが、安倍総理の見解をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) IRにつきましては、私もシンガポールに出張した際、現地を、二つのタイプのIRを視察をしてまいりました。観光振興や地域振興あるいは産業振興等に資することが期待をされると思いました。 一方、今委員が御指摘になったように、カジノには治安や青少年への悪影響等の観点からも、制度上の措置の検討も必要であると思います。シンガポールにおいてはもう様々な措置がなされているわけでありますが、日本においてどういう措置が必要か、それぞれ国によって行うことのできる仕組みは差が出てくるわけでございますが、政府としては、IRに関する国会での議論を見守りつつ、国民的な議論も踏まえて関係省庁で検討を進めていきたいと、このように考えております。
○東徹君 私も昨年、総理が今言われましたように、シンガポールに行きまして実際に体験もしてまいりました。本当に観光振興、そして雇用の拡大、産業振興、こういったことに非常に資するものというふうに実感もいたしておりますし、治安についても、これも非常に徹底した対策、そしてまた、ギャンブル依存症に対しても徹底した対策が行われていたというふうに思っております。 是非とも日本でもこのIRの実現をして、成長戦略、日本の成長戦略につなげていかなきゃならないというふうに思っておりますので、引き続きよろしくお願いをいたします。 続きまして、国家公務員の職員数のことについてお伺いをいたします。 国家公務員の職員数ですが、内閣人事局の方では、独立行政法人等の役員における国から役員出向者の状況をまとめているというふうに思いますが、まず、平成二十六年度の結果についてお示しをいただきたいと思います。
○国務大臣(有村治子君) お答えいたします。 独立行政法人等の役員に就いている国からの役員出向者の数は、平成二十六年十月一日現在で二百七十名です。全役員に占めるその割合は一三・二%になっております。
○東徹君 二百七十名ということでお答えをいただきました。 今示していただいたとおりでありますが、役員としての出向者については二百七十名ということなんですけれども、それでは、役員以外の一般の職員としての出向者はどの程度いるのか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(有村治子君) お答えいたします。 独立行政法人等の役員については、委員の問題意識、共有いたします。 国家公務員の再就職の公平性や透明性を確保する観点から、役員に就いている退職公務員の数を公表しています。併せて国からの役員出向者数も公表しているところでございます。 その一方で、御指摘ありました役員以外の一般の職員としての出向については、ワンウエーの再就職とは違いまして広く恒常的に人事交流として行われているものでありますので、出向者の把握は現在行っておりません。現在、必要性も感じていないということでございます。
○東徹君 役員以外の一般の職員の出向者の数というものは把握していない、把握する必要性も感じていないということなんですが、ちょっとこのパネルを御覧いただきたいと思います。 これは特定独立行政法人の常勤職員数でありますけれども、この特定独立行政法人の常勤職員数は、これは年々増えていっているというのが現状であります。これは非常に私は問題だというふうに思っておりまして、できる限りやっぱり効率的な運営を行っていかなくてはならないというふうに思っておりまして、国家公務員の数は減っていっていると思うんですけれども、一方で、特定独立行政法人の職員数というのは年々年々増えていっているというのが現状なんですね。 これ、我々維新の党としては、身を切る改革ということで非常に取り組んでおるわけですね。これは、もうこの国の財政状況もそうでありますし、昨年四月に消費税を八%に上げていったという国民に負担をお願いしているということもありますので、国は徹底して効率化して歳出削減というものをしていかなければならないというふうに思っております。 もちろん、国会議員の議員定数もそうでありますが、中央省庁においてもやっぱり人事管理を適切に行っていく、効率化をしていくということが非常に大事だというふうに思っております。そんなことで、内閣人事局として職員の出向の状況をきちんと把握しないと適切な人事管理というものは行えないというふうに思います。 役員以外の職員に関する出向状況についてもこれは当然把握すべきというふうに考えますが、いかがですか。
○国務大臣(有村治子君) 東委員の問題意識は全くもって共有をいたします。 御指摘いただきました特定独立行政法人の職員数、過去八年のデータを示していただいておりますが、実はこの大多数は、現在、計八つの独立行政法人、特定法人、そのほとんどの職員数は、実は国立病院機構の医師、看護師の増加でございます。 そして、この医師、看護師の増加ということを除くと医療職以外の職員については減少していますし、この国立病院機構、全国に百五十近い病院をお持ちでございますが、その医師、看護師の増加分を外しますと、いわゆる一般行政職員の数というのは一貫して減少しております。お示しいただきました八年の中の経過の中で一年の例外もなく、この病院機構を外しますと、九千四百九十二人から実際に二十六年度は七千三百二十六人というふうに減少しております。 御指摘のとおり、国家公務員の総人件費またヘッドカウントということを少なくしていくことは、引き続き安倍内閣の重要な観点として努力していきたいと考えております。
○東徹君 問題意識は共有していただいているということで、恐らく有村大臣も、やはりきちっと効率化していくべきところは効率化していかなきゃならないというふうに思っていただいているんだろうというふうには思います。 そんな中で、私は、これは特定独立行政法人、公務員型の独立行政法人でありますけれども、ただただ一つだけを取って説明をさせていただいただけでありまして、御存じのとおり、独立行政法人、それから特殊法人、認可法人、それから特別の法律により設立されている民間法人、国立大学法人、大学共同利用機関法人、こういうたくさんの法人があるわけなんですね。その中に国家公務員が一般職としてどれだけいてるんですかということをやっぱり先ほどからお聞きしているわけです。でも、それが数が分からないということですから、これはやっぱり有村大臣、もう是非とも、数を把握することぐらい簡単なことですから、是非把握してください。もう一度お願いします。
○国務大臣(有村治子君) 再びのお答えになりますが、問題意識は共有をいたします。 そして、一般職員の数の把握ということですが、これは恒常的に人事交流として、ワンウエーのいわゆる天下りというのではなくて、しっかりと出向として帰ってくるということを前提にしておりますので、退職金ももらうわけではございませんので、その出向者数の把握は現在は行っておりません。 そういうお声があるのであれば、その妥当性ということも含めて考えてみたいと思います。
○東徹君 問題意識は共有しているのに把握はいたしておりません、これはやっぱりおかしいと思いますよ。問題意識があるんだったら、やっぱり数をちゃんと把握しないと対応なんてできないですから、これは是非考えていただきたいと思いますが、これ、総理、やっぱり是非、こういった国の機関ですね、こういったところに国家公務員がどれだけ行っているかということは是非把握していただくようにお願いしたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 有村大臣が問題を共有すると言ったのは、言わば天下りがそういう組織にどんどん言わば出ていって、そしてまた更にそこで給与をもらって、役員報酬をもらって、退職金を取っていく、こういうことはないようにしていかなければいけないし、その実態が果たしてどうなのかということについては把握をする必要があると。 他方、言わば人事交流を行っている中において、出ていって、向こう側の職員も言わば公務員としての経験を積むし、こちら側も出ていって、その先において公務員として培った能力を生かして貢献をしていく、そういう交流を行っていることは、これは問題がないという認識でありまして、その認識の中においてそれは調べていないということだったんだろうと、このように思います。 そこで、今、有村大臣が答えたように、しかし、それをそれでもなお調べる必要があるかどうかという御指摘でありますから、その調べる必要があるかどうかということも含めて検討していこうということでございましたので、それはそのとおりだなと、このように思ったような次第でございます。
○東徹君 是非、有村大臣、問題意識を共有していただいているんですから、有村大臣にもそういったやっぱり改革していかなきゃならないという意識はお持ちだということは私は信じておりますので、大臣がおられる間に是非ともその数字を把握していただくようにお願いをいたします。 最後に、患者申出療養制度についてお伺いをしたいと思います。 いわゆる患者申出療養制度ですが、維新の党は、昨年十二月の衆議院選マニフェストにあるとおり、患者の治療の選択肢を増やして、患者が望む先進医療を適切に受けられるよう混合診療の解禁に賛成の立場を取っております。 昨年より具体的な議論がなされておりますが、患者申出療養制度は医療制度改革の重要な柱というふうに考えておりまして、この実現に向けた見解を安倍総理にお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) がんや難病など困難な病気と闘っている患者の方々には、国内で未承認の医薬品等を安全性、有効性を確認しつつ迅速に使用したいという強い願望があるわけでございまして、何人かの方々から直接そういうお話を伺ったことも私はございます。これをしっかりと受け止めなければならないと考えております。 今般、患者申出療養につきましては、先進的な医療について、患者の申出を起点として、そして安全性、有効性を確認しつつ身近な医療機関で、ここが大切なところだと思っているんですが、身近な医療機関で迅速に受けられるようにするものであります。 この仕組みを実現するため必要な法案を本通常国会に提出をし、困難な病気と闘う患者の皆さんの思いにしっかりと応えていきたいと、このように考えております。
○東徹君 ありがとうございます。 時間となりましたので、これで終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で東徹君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、仁比聡平君の質疑を行います。仁比聡平君。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。 私は、オスプレイの佐賀空港配備問題について今日はお尋ねをしたいと思います。 昨年七月の二十日、当時の小野寺防衛大臣が佐賀県知事に佐賀空港を使わせてくれないかと電話で伝えたという、まさに青天のへきれきの報道がありました。これに続き、七月の二十二日、武田防衛副大臣が佐賀県を訪ね、佐賀空港へのオスプレイ配備を要請をいたしました。(資料提示)パネルにいたしましたのは、その翌朝の地元佐賀新聞の一面です。御覧のとおり、「オスプレイ佐賀空港配備 米海兵隊暫定移転も」と大見出しが躍り、まさに寝耳に水の強い戸惑いと不安が表れています。 そこで、中谷防衛大臣に、まず何を要請したのか、端的にお尋ねをいたします。
○国務大臣(中谷元君) 昨年七月二十二日に武田防衛副大臣が訪問をいたしまして、当時の佐賀県知事に陸上自衛隊のティルトローター機の配備について要請を行いました。 具体的には、このティルトローター機の部隊の佐賀空港への配備、第二に市街化が進む目達原駐屯地に配備されている陸上自衛隊のヘリコプター部隊の佐賀空港への配備、第三に沖縄の負担軽減のために米海兵隊に佐賀空港を利用させることも政府として視野に入れているということについて御説明をいたしました。
○仁比聡平君 オスプレイは、重大事故を繰り返してその安全性に重大な問題を持ち、しかも最前線へのいわゆる殴り込みのための軍用機です。私は、その自衛隊配備はもとより反対であり、沖縄普天間基地を拠点とする米海兵隊オスプレイの撤退こそ政府は求めるべきだと考えます。 その上で、今日問いたいのは、地元あるいは当事者に対して安倍政権がどう臨んでいるのかという、その政治姿勢です。 今お話があったように、佐賀への要請は、陸自に導入するオスプレイ十七機を佐賀空港に配備するとともに、目達原駐屯地の戦闘ヘリなど五十機の部隊を移駐する、さらに米海兵隊に佐賀空港を利用させることも視野に入れているというものですが、国交大臣にお尋ねをいたします。 佐賀空港は県営の民間空港です。この間、なかなか苦労をしながらLCCの路線拡大などアジアの窓口としての発展を目指してまいりました。これを国交省としてはどのように支援をしていかれるんでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 佐賀空港につきましては、佐賀県が国内線の充実を図るとともに、国際線のLCC、この拠点化を目指しておられると聞いております。 国交省としましては、LCCを含め空港利用が促進されるよう、空港施設の機能強化やCIQ体制の充実など関係省庁と連携して受入れ体制を整備してまいります。 また、航空ネットワークの充実を図るために、地方航空路線の着陸料やLCCが使用する小型機材の着陸料を割り引くなど支援をしているところでございますし、最近、発着回数は増大しているというところまで来たということを聞いております。
○仁比聡平君 今国交大臣から御答弁のあったCIQというのは、つまり税関や入管や検疫、そうした体制も含めて支援をしていきたいということかと思うんですよね。政府全体として訪日外国人二千万人の観光立国を目指しているという中での取組かと思います。 ところが、防衛省の要請をした配備方針がそのとおりやられるなら、その民間空港が佐世保を始め各地の基地と連携して南西諸島とアジアをにらむ軍事拠点に一変をいたします。 佐賀市の質問書に対する防衛局の回答によりますと、民間空港でありながら軍用機の離発着の方がおよそ二倍になります。しかも、その回答は、米軍オスプレイは全く考慮をせず、自衛隊オスプレイも実任務の予測は困難という前提で、どこまでこれから膨れ上がるか分からない。私は本当に異様な姿だと思うんですね。 佐賀市は二十四万人が暮らす平和な町です。一年を通じて、御存じでしょうか、熱気球、バルーンが佐賀平野をふわふわと舞いまして、世界大会の開催地でもあります。それが基地の町に変えられてしまうのかと。これは佐賀空港の存立に関わる問題だと思います。 そこで、国交大臣、佐賀空港の建設に当たっては地元との間に極めて厳格な公害防止協定書が交わされておりますけれども、これは国交省としては把握をしておられるでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) そのような協定があることについては承知をしております。
○仁比聡平君 この佐賀空港建設に関する公害防止協定書の一部を抜粋してパネルにいたしました。これは、一九九〇年、平成二年の三月三十日に当時の県知事自らが押印をして、佐賀県と当時の関係漁協、有明海漁協連合会、関係農協、そして後に佐賀市に合併することになった川副町との間にそれぞれ締結をされたものです。 とりわけ、関係八漁協との間で合併前の地元四町長を立会人として結ばれた協定書には、このパネルにありますように、覚書、そして覚書附属資料が一体のものとして編綴をされて、その十一項には、「覚書に「自衛隊との共用はしない」旨を明記されたい。「県の考え」県は佐賀空港を自衛隊と共用する考えを持っていない。また、このことは協定第三条の「空港の運営変更」にもなることであり、当然に「事前協議」の対象となるものであると考える。」と明記されているんですね。 当時、担当者としてこの協定を取りまとめた方は、「また」以降はなおという注意書きみたいなもの、大前提は、しない、させない、あり得ないということであるとインタビューで答えていらっしゃいます。 初めて佐賀空港計画が持ち上がったのは一九六九年です。以来、九八年に開港するまで三十年の長きにわたりますが、漁場を汚す空港建設は絶対反対と、生活権が懸かった漁業者、住民の闘いによって二度の計画撤回を経ながらとうとう建設に至ったとき、苦渋の思いで交わされた極めて重い約束がこの協定書なんですね。 郷土史家であり、川副町議また県議も務められた園田十四三氏の「幻の佐賀空港」という本があります。これを読みますと、公害のうわさが出るだけでノリや魚は暴落し、生活は破局に陥るのに全く補償さえされない。漁業者はそうした公害を度々経験をしてきた。空港建設は、工事中も完成後もノリ養殖に大きな影響を及ぼす。例えば、ノリへの油の付着が飛行機のものだといううわさが立てば、漁民はお手上げになる。それは生活の場を失うということだとお書きになっています。まして軍事基地は絶対駄目だということなんですね。 そこで、先に農水大臣に伺っておきたいと思うんですが、佐賀空港は、元々、有明海有数の豊かな干潟を干拓した土地に造られました。ここに、地元漁民は苦労と研究を重ねて、日本一の生産額を誇るノリの産地を築き上げました。今のこの季節も、空港の周り一面、見渡せないほどのノリのくい、ノリひびが立ち、ノリ網が張られ、ノリ舟が行き交っているわけです。 その漁場の環境、宝の海を守らなければと頑張ってきた漁民によって日本一のノリ養殖が支えられている。その漁民の気持ちを、大臣、どう思われますか。
○国務大臣(西川公也君) 当地域でありますけれども、筑後川から有明海に大変豊かな栄養塩を持っている、その水が流れ込んでいると、こういうことで、佐賀県沿岸は優良なノリの漁場だと。今御指摘がありましたように、確かに日本一の生産量になっております。この海域における佐賀県のノリ養殖業者、有明海の再生と同時に、しっかりした経営を営んでいきたいと、この気持ちはよく私どもも承知をしております。 そこで、農林水産省としましては、ノリ養殖業の収入安定のための対策あるいはノリ乾燥機の導入支援等を行ってまいりましたが、今後も適切な支援を行ってまいりたいと考えております。
○仁比聡平君 そうした漁民の思い、地元住民の思い、そして歴史的な経過に照らして、この公害防止協定書というのは極めて重いんですね。 防衛大臣、この協定書自体を防衛省が知ったのはいつでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) この協定書につきましては、締結されたということでございますが、長らく公表されていなかったことから、昨年の七月の申入れ以前に防衛省はその内容を把握したわけではございません。昨年七月二十二日に武田防衛副大臣が申入れを行った際からでございます。
○仁比聡平君 七月二十二日に佐賀県を訪ねて武田副大臣が知事に要請をするその会談の中で初めて知ったということでしょう。 そのときの会談の記録には、武田副大臣の言葉として、この覚書については、私、詳細な中身ということまでは掌握していないわけでありますと述べておられるとおり、この空港建設の歴史においても、そして地元住民、漁民の思いに立っても、本当に重い約束を知らないまま、平穏な生活、安全、安心に重大な影響をもたらす配備方針を決めたのかと、肝腎の佐賀空港をめぐるこうした経緯をまともに検討さえしなかったのかと。私はとんでもないと思うんですね。 次のパネルは、これは五年前、二〇一〇年に、普天間基地の移設先として佐賀空港の名が挙がったときに、全会一致で上げられた県議会の反対決議であります。ここで、この抜粋したもので二段落目ですが、「元々、「県は佐賀空港を自衛隊と共用するような考えを持っていない」と明記した覚書があり、軍事利用が不可能なことは明らかである。」と。この全会一致の反対決議の根拠となっているのがこの協定書なんですね。 秀島敏行佐賀市長は、この間、十二月議会の答弁において、先ほどの本、「幻の佐賀空港」から、「約束は勿論、署名押印した誓約さえ、次々と破られては町民は何を頼りに生きるのか、政治不信は募るばかりである。」という一文を引用し、行政にとって約束を守ること、住民との信頼関係がいかに大事であるか、漁業者が最も心配していた自衛隊の基地化に対して、自衛隊との共用はしない、させない、あり得ないと井本元知事や事業担当者が言明し続けてきたことなどを深く再確認した上でこう述べています。 当時の約束事は後世にも大事にされるべきだと考えています、熟慮を重ねてまいりましたが、受入れに慎重な立場を取らざるを得ません、沖縄の置かれている立場は十分皆様と同じように理解できますが、だからといって、それ以前に佐賀空港の建設に当たって当時の関係者が交わした約束をここでほごにするというわけにはまいりません。 総理、この声を、あるいは市長の意思を無視して事を進めるんでしょうか。総理。
○国務大臣(中谷元君) 防衛省がお願いいたしておりますのは、近年、日本をめぐる安全保障情勢が大変変化をしておりまして、やはり国の領土、領海、領空、これをしっかり守っていくためには、この中期防の中で、島嶼部への侵攻に対応するために三千人規模の水陸機動団を新編をする必要がありまして、これを迅速に投入するのに、自衛隊の保有している輸送ヘリコプター、今CH47を使用しておりますけれども、更に速度、航続距離等の観点から補完、強化し得るティルトローター機として、有事の際における迅速な展開、対処能力を向上させる必要があるということでお願いをしているわけでございます。この点につきましては、御当地の皆様方にそれを説明をいたしまして御理解を得る努力を続けているところでございます。
○仁比聡平君 熟慮を重ねてまいりましたがという秀島市長の言葉はその半年間の経緯に立ってのことなんですよ。 安保の上で必要があると、私は中谷大臣が今おっしゃったことには異論がありますが、そのことが重い約束をほごにしてよいとか政府が決めれば従えということには全くならないですね。 井本元知事は、この政府の要請について、あり得ないことだ、佐賀が軽く見られているのではないか、そう発言をいたしました。 そうした下で、総理、この秀島市長の意思を無視して事を進めるのか。総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国をめぐる安全保障状況が厳しさを増している中において、国民の命と幸せな暮らしを守っていく、この大きな責任があるわけでございまして、その中におきまして、このオスプレイについては、島嶼防衛能力の強化を図るため自衛隊への導入を図るものであります。 そこで、この佐賀空港の利用についてでございますが、昨年の七月以降、地元自治体や漁協などに対して、自衛隊が導入するオスプレイの配備、また普天間の米海兵隊のオスプレイの訓練移転等のため佐賀空港を利用することについてお願いをしているところでございます。現時点で地元の了解は得られていないものと認識をしておりますが、政府としては、本件の安全保障上の重要性を踏まえて、佐賀県知事を始め地元の皆様の御理解と御協力を得られるよう引き続き丁寧な御説明を続けていきたい、努力を続けていきたいと考えております。
○仁比聡平君 いや、丁寧にどころか、実際には公害防止協定さえわきまえずに政府方針を決めて要請をする。概算要求の八月末までに理解を願いたいなどという乱暴なことを言う。米海兵隊オスプレイの関係についても同じじゃありませんかね。 次のパネルを御覧いただきたいと思うんですが、米軍オスプレイの佐賀空港の利用に関する政府の方針、中心的なところをまとめました。七月二十二日に佐賀県を訪ねた武田防衛副大臣が知事に対して要請をしたのは、一番上にある「暫定的に辺野古が完成するまでの間、佐賀空港を利用させていただくことも考えております。」という、いわゆる暫定移駐だと思います。 ところが、その直後から米側に否定をされました。七月二十三日、つまりもう即日ですよね、アメリカの国防総省の当局者が、日本政府から何ら公式な要請を受けていないと述べ、佐賀移転に不快感を示したと報じられたとおりです。 その後、一月後、八月二十五日に自ら佐賀を訪れた小野寺当時防衛大臣は、今度は、米軍オスプレイの本土での訓練移転をする場合の拠点としての活用についても、その検討についてお願いを今後ともしていきたいと思っておりますと。何を言っているのかよく分からないところもあるんですが、これは訓練移転のということのようでもあります。毎回言っていることが違う。 挙げ句に、この半年翻弄された地元の困惑は深まる一方なのに、計上した来年度予算案の概要の説明資料には、一番最後ですね、単に、「米海兵隊による佐賀空港の利用については、現在、米側と相談中」と書いてあるだけなんですよね。 総理、これ一体何なんですか。米側と何を相談中なんですか。総理。
○国務大臣(中谷元君) その表で最後に書いておられますけれども、現時点においては、佐賀空港については米海兵隊による訓練移転のための使用を想定をしておりまして、これは沖縄の負担軽減を図る観点から佐賀空港の有効活用についてでございます。 このことについても、アメリカ政府、米側とも相談を実施をしておりますが、あくまでもまず自衛隊の部隊の移転と、そしてこの米海兵隊の沖縄からの訓練移転というのは、佐賀空港のみならず全国の全ての地域でその可能性を模索をいたしておりまして、この観点におきましては、佐賀空港のみならず、ほかの地域においても何とか沖縄の訓練の負担軽減ということでお願いをしているところでございます。
○仁比聡平君 全国への米オスプレイの移転など、とんでもないと思いますが。 今、訓練移転を想定しているというお話がありました。そうしますと、前江渡大臣がそうした発言をされたこともあるようですけれども、辺野古の完成するしないにかかわらず、佐賀空港はこれから継続的にずっと米軍オスプレイの訓練拠点として常態化する、そういうことなんですか。
○国務大臣(中谷元君) そうではございません。 この佐賀の件については、あくまでも辺野古への移設が普天間飛行場の継続的な使用を回避するための唯一の手段であると。いろいろと今まで経緯がありましたが、結論としてはもう唯一の解決手段として辺野古への移設が前提であると。これは日米の合意も前提をいたしておりまして、この実現に向けて取り組んでいるところでございます。
○仁比聡平君 いや、さっぱり分からないですよ。 結局、普天間は五年以内に運用停止と二〇一三年末に元知事、前ですか、仲井眞沖縄知事に言ってしまった手前、沖縄知事選に向けて何かやっている格好だけ付けようとしたんじゃないのかと。アメリカ側に即座に否定された。つまり、米側と中身も詰めずに政府方針として要請する。こんな、いいかげんにも程があると私は言わざるを得ないと思うんですよ。このように、政府の佐賀への要請は極めて唐突で、しかも政府が何をしようとしているのかも分かりません。 十一月十五日に九州防衛局が行った川副町での住民説明会で、ある住民の方が、確認したいのは米軍との関係だ、いつ頃きちんと分かるのですかと質問されたら、防衛局は、様々な協議をしているが今現在は言えないなどとしか答えません。判断どころか、判断のしようがない、判断の前提を欠くという強い疑問と政権への不信が地元で募るのは当然です。住民からは、同じ説明を繰り返すだけで知りたいことは全然分からない、なし崩しに米軍オスプレイを来させようとしているんじゃないのか、一旦軍用空港になれば米軍オスプレイもどんどん飛んでくることになるのではないかという声が噴き上がり、今や怒りに変わりつつあります。 総理、お尋ねしますけれど、つまり米軍オスプレイは来るということなんですか。総理。
○国務大臣(中谷元君) 私たちが努力しているのは、まず沖縄の基地の負担軽減ということで、本土への訓練移転、それを少しでも進めていこうということでありますが、昨年、沖縄県側から四つの要望事項がありまして、こういった軽減策の内容でありますが、その一つに、この普天間飛行場の辺野古への移設という、早期の移設ということが書かれておりまして、それも一つでありますが、私たちはそれが前提の話であるというふうに考えております。米側とはこの件については協議を続けているところでございます。
○仁比聡平君 つまり、あり得るということなんでしょうか。ただ単に沖縄の負担軽減ということではなくて、あるいはそれは口実にすぎずに、佐賀はアジアをにらむ巨大な軍事拠点となる、九州全体をそうしたアメリカと自衛隊の訓練や、そして出撃の拠点にするのかという声が上がるのは、私当然だと思うんです。 そうした下で、防衛大臣が十二月の二十四日、第三次安倍内閣の防衛大臣に就任をした夜の記者会見で、基本的には佐賀県の知事も御了承いただいたと述べておられます。この認識は今も同じですか。
○国務大臣(中谷元君) この発言は、昨年十一月十七日の古川佐賀県知事の会見の中で、その大前提については現在の運航状況を考えれば支障がないということは認める、確認できた、近い将来という点においても大丈夫でしょうという確認はできている、私は地方自治体は基本的には国の安全保障に関する事柄については協力すべきであると、そして予算措置に向けて作業をされるということについては、私としては、それはそうだろうなと思うところでございますという御発言がありまして、私の感想を述べたわけでございます。
○仁比聡平君 いや、私は今も同じかと、その認識はと問うているんですが。 古川前知事のその今の発言、現在及び近い将来、民間空港としての使用、発展に支障がないことを確認したというこの発言は、その直前に防衛局から民間空港としての使用、支障はないと提出された資料をうのみにして、県としてのきちんとした検証、検討も行わずに無責任に発言しただけのものですよ。大体防衛省は、自衛隊オスプレイをどう運用するのか、これも説明しない。そして、米軍が使うかどうか、どれだけ使うか、そういうことも分からない。なのに、どうして支障がないなどという説明資料を作成できるわけですか。余りにも場当たり、その場しのぎじゃありませんか。 そうした発言をした古川前知事は、その直後、言わば確認したと言い放って、開かれた県議会でも説明することなく知事を辞職し、総選挙に出馬をいたしました。余りにも無責任だと声が上がったのは当然です。 そして、一月十一日投開票で行われた県知事選で当選した山口祥義新知事は、選挙中、佐賀のことは佐賀で決めると強く訴えて、皆さん方、安倍政権が全面的に後押しした候補者に対して、直前までの予想を大きく覆して当選をいたしました。山口新知事は、国からの要請受入れについて、全くの白紙、前知事が言っていたことをうのみにするわけではないと、一から再検証する方針を示しています。つまり、防衛大臣が、基本的には御了承いただいたと述べた前提は知事選を経てなくなったと言うべきですね。 にもかかわらず、政府は来年度予算案で、オスプレイ五機購入に五百十六億円、これ一機百億円ですからね、教材費などの関連経費九十五億円、用地取得費、地盤改良費、駐機場、格納庫など施設整備に百六億円を計上しています。問答無用で押し付けることは許されません。 総理、この佐賀配備計画は白紙撤回をすべきではありませんか。総理、総理。
○国務大臣(中谷元君) これは安全保障上の見地で今佐賀県にお願いをしているところでございますので、新しい知事が就任されましたので、会見では白紙と言われましたけれども、それ以降も、県サイド、また地元の市町村、漁協始め説明を続けさせていただいております。 この佐賀空港は海岸の方にございますので、現在、目達原の基地にありますヘリコプター団、市街地の真ん中にありますので、それを移転をする場合にそういった安全や騒音に対しても効果がございますし、また海面から離発着をいたしますので、騒音とか、またガスの問題とか、そういう点においては平たん地の真ん中の飛行場よりは効果があるということでございます。
○仁比聡平君 何を勝手なことを言っているんですか。目達原に今配備をされている戦闘ヘリを始めとした部隊は、佐賀市の北部にある背振山地という山がありますが、ここで度々、頻繁に低空飛行訓練を行っています。 佐賀空港は目達原駐屯地よりも南側、有明海に面してあるわけですから、その背振の山に行くには二十四万人が暮らす佐賀市の住宅密集地、学校や病院の上も飛んでいかなきゃいけないでしょう。有明海というのは内湾ですから、佐賀空港からもし海上だけを通っていこうと思ったら、ぐるっと回って東シナ海に出て、だけど背振山地にはもう行きようがないという、そんなことになるでしょう。そうしたルートもどうするのかという疑問に全く防衛省は答えていないんですよ。何が丁寧な説明か。丁寧だと言い張るだけで、地元、国民の声を聞こうとしない。 こんな計画は、総理、改めて伺います、白紙撤回すべきじゃありませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど来、防衛大臣が答弁をさせていただいておりますように、我が国の安全保障上重要であると考えております。オスプレイの自衛隊への導入は重要であると考えております。 その際、佐賀空港の利用、また米軍の普天間基地におけるこのオスプレイの訓練等において、負担軽減の観点からの佐賀空港の活用等について、現在の段階でまだ地元の了解が得られていないと考えておりますが、また県知事選挙の結果、新しい知事が誕生したわけでございますが、我々も丁寧にしっかりと御説明をしながら理解を得る努力を続けていきたいと、このように考えております。
○仁比聡平君 佐賀市長は、国が決めたら地方は従いなさいでは通らない、計画はまだ話合いの途中で、強制的に圧力を掛けるようなものだと猛反発をしています。 沖縄県民はオール沖縄の審判を下しました。声を踏みにじって問答無用に押し付ける、そんな安倍政権の強権的姿勢は絶対に許されない。計画の白紙撤回を強く求めて、私の質問を終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で仁比聡平君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、松田公太君の質疑を行います。松田公太君。
○松田公太君 日本を元気にする会・無所属会の松田公太です。 まず冒頭に、ISILによって殺害された湯川さん、後藤さん、そして昨日発覚しましたがカサースベさんの御冥福をお祈りしたいと思います。心底怒りを感じております。 補正予算が一昨日成立したわけですが、今年結成されたばかりの日本を元気にする会にとっても初めての補正予算の審議となった次第でございます。その記念すべき採決ですが、我々は党議拘束を付けずに、七名の会派のうち五名が賛成、二名が反対という結果になりました。 パネルを出してください。(資料提示) 日本を元気にする会の方針は、国論を二分するような重要政策や重要法案に関しては、国民にしっかりと解説をして国民と議論をして、そして最後は国民に投票をしていただいて決めるというものです。 国民の投票の結果、例えば原発に関して反対が六〇%、賛成が四〇%と出たとします。もしそのとき日本を元気にする会に十名の国会議員がおりましたら、六名が反対票、四名が賛成票を投じるという形を取らせていただきたいと思っております。つまり、国の行く末、これを大きく左右するような重要なことに関しては、国民とともに意思をちゃんと確認しながら、その意思を反映させながら進めましょうという考え方なんですね。 重要法案と位置付けるもの以外は、基本的に我々は党議拘束を付けません。補正予算も重要じゃないかと思われるかと思いますけれども、今回はちょっとシステムの構築と、一般的には国民にとっても非常に複雑である、議論に参加しづらいと思われる予算という関係上、通常の法案審議と同じように、今回は党議拘束を掛けないという形を取らせていただいたわけです。 テレビを御覧の皆さんにも、ちょっと分かりづらいと思いますので、党議拘束とは何かということなんですけれども、党議拘束というのは、政党であらかじめ賛成か反対かということを決めて、本会議での投票の際はそれを党所属の国会議員に従わせるというルールなんですね。つまり、上が賛成となれば、基本的に全員がそれを賛成ということになってしまうわけです。 日本を元気にする会では、今回の補正予算採決ではこのルールを外させていただきました。これは、非常に政党として珍しい、日本の政党として珍しいと思っております。 私は、日本が二院制、これを持続していくのであれば、参議院の存在意義を高める必要があるんだろうなと、このように思っているわけです。参議院は以前は良識の府と、こう言われておりまして、それは任期が六年と非常に長い、また、選挙や政局に余り左右されずに済む、じっくり議論ができるということにあったと思うんですけれども、今となっては衆議院のカーボンコピーになってしまったと、こういうことも言われる次第でございます。 良識の府であり続けるためには、本来、参議院議員は一人一人が自分の頭で考え、自分の信念にのっとって、そして最終的には国民のために活動して投票を私は行うべきだと、このように思っております。 そのような我が党の方針に関しまして、安倍総理はどのように思われるでしょうか。何かコメントでもいただければ幸いです。何か質問があったら質問でも結構でございます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいまのお話を承りまして、例えば我が党においても党議拘束を外した例はございます。臓器移植法案については、これは個々の議員がそれぞれの認識、見識と良識において投票するという決定をしたこともございますが、基本的には党内で議論を行い、そこでは賛成も反対もあるわけでございますが、そこで最終的に決定したものについては投票行動においては一致して行動していこうと、これが我が党の基本的な行動原則でございます。 一方、御党は今、それぞれがそれぞれの信念で投票する場合もある、また、場合によっては国民の、世論の動向を反映する形で投票しようと。それはそれぞれの党の特色であろうと思いますし、そういう特色を持ってまた国民の信を受ける、信を問うことにもなるんだろうと、こう思います。 今回は五名の方が補正予算に賛成をしていただいたと、大変有り難いと思います。二名の方が反対されたと。そうすると、我が党のような状況であれば、五人の方が賛成でありますから、党内論議は賛成が有力になって賛成ということになるわけでございますが、しかしそこは御党の特徴であろうと。今後とも活発な御議論をいただき、なるべく我が党の出す法案に賛成をしていただく方が出てくれば大変有り難いと、このように思っておるところでございます。
○松田公太君 ありがとうございます。 おっしゃるとおり、例えば死生観に関係するようなそういった法案には、過去、党議拘束を外されたということも私は承知しております。 衆議院については、正直、ある意味党利党略で動かざるを得ない部分もあろうかと思いますし、その党議拘束はある意味仕方ないのかなというふうに思いますが、私は、繰り返しですけれども、参議院はそうであってはいけないなというふうに思っている次第です。 今回の補正予算の審議も、正直ちょっと不思議だったのが、もう審議が始まったときは既に各会派が賛成か反対か決まっているんですよね。じゃ、だったら何のための審議なんだというふうに思ってしまうわけです。その審議する意味合いが私は半分失われてしまっているのかなというふうにさえ思っているわけでございます。 また、我々は、委員会審議、党議拘束がないものに関してもこれからやっていきますけれども、今回の補正予算、参考として見ていただきたいんですが、このパネルがそうなんですけれども、一人一人の賛成か反対かの理由も明確にこれを書くと、これを記録として残していくという方式も取ろうと思っております。これ全て党のウエブサイトやフェイスブックで公表しております。 これは正直怖いですよ、議員にとっては。なぜかというと、将来ふらふらと信念なく自分の言っていることを変えたり、若しくは再選のためだけに風見鶏のように意見を変えたりする、そういうことになってしまえば有権者が追及するわけですね、これを見て。それができなくなるわけです、我々に関しては。例えば、自民党でも、以前はTPP断固反対だと言いながら当選した後は突然賛成に変わった方々もいらっしゃると思いますけれども、そういうことが私は安易にはできなくなる、これが我々の党だと思っております。我々、日本を元気にする会として、まず率先してこの参議院改革のためにこのようなことにチャレンジをしていきたいと、このように思っております。 それでは、菅官房長官が記者会見でもうすぐ出なくちゃいけないということもありますので、ちょっと質問の順番を変えさせていただければというふうに思っております。 まず、岸田大臣にお聞きしたいと思います。 ヨルダン人パイロット、カサースベ中尉が非常に残虐な方法で殺害されていたこと、これが昨日分かったわけです。あのような形で人を殺害することができるのは本当に正気の沙汰とは思えませんし、そのような組織若しくは人間がこの世に存在するということは私も本当に信じられない、こういう思いでいっぱいです。本当に昨日から私は怒りで震えが止まらないという状況が続いております。非常に残念ではありますが、カサースベ中尉は既に一月上旬には亡くなっていたと、その可能性が高いとされております。そして、昨日はヨルダンではリシャウィ死刑囚の刑が執行されたわけです。 これは以前から分析されていたことだと思うんですけれども、ISILが後藤さんとの引換えに出したリシャウィ死刑囚の交換に対して、ある意味そのカウンター、以前からヨルダンも言っていたと思うんですけれども、ある意味今回はカウンターとして提示したカサースベ中尉の解放、そのときは残念ながら既に生存していなかった可能性が高かったんじゃないかと言われているわけですね。だとしたら、日本政府にとって最も重要なストラテジー、重要だったことは、そのカサースベ中尉の生存確認に全力を挙げるということだったんじゃないかなと、このように思っております。 そこでお聞きしたいんですが、そのような情報収集はどのように行われていたのか。また、カサースベ中尉の生存はどのくらいの確度があるとして御覧になっていたんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 政府としましては、本件について、関係各国と緊密に連携し、情報機関を始め様々な機関、関係者から情報提供を受け、そして協力を得てきました。その上で、最も効果的な方法は何なのか、こういった観点から今日まで我が国の外交の中で培ってきた様々なチャンネル、ルート、これを最大限活用して取り組んだ次第です。当然のことながら、その取組の中でヨルダンとの間においても緊密に連携をし、連絡を取り合ってきたわけであります。 そして、御質問の点についてですが、具体的な事柄について、やり取りについて申し上げることは、外交上、ヨルダンとの関係もあります、これはこの場で申し上げるのは控えなければならないと考えます。
○松田公太君 安倍総理にお聞きします。 日本政府として、カサースベ中尉が残念ながら既に亡くなっているかもしれないという可能性を出して、後藤さんとリシャウィ死刑囚の交換に応じていただけないかという交渉、これはヨルダンとされたのでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本人人質二名の解放のために、我々は様々な情報収集を行っております。しかし、御承知のように、我が国独自の対外情報機関というのはないわけでございますから、海外の情報機関と連携を密にしながら情報の収集を行うわけでございます。 その際、我々、ヨルダンを始め関係各国と連携を取り情報収集をしているわけでございますが、そこでお互いにどういうことを話したかということについては、相手国との関係もございますので、これはここで申し上げることはできません。
○松田公太君 菅官房長官にお聞きします。 今回、後藤健二さんが拘束されたと見られる直後の十一月から殺害されるまでの間に、後藤さんの奥様に何通ものメールがこのISILからあったわけですね。そこからメールのコンタクト、これを試みなかったということは先日の参議院の予算委員会でも御発言されていましたが、それはなぜなんでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) 委員御承知のとおり、ISILはまさに卑劣極まりないこれはテロ集団です。そして、その実態もよく分からないと、さらにまともに交渉をできるような相手ではないと。 そういう中で、政府としては、国家安全保障局、内閣危機管理監、さらには内閣情報室、警察、外務、そういう中で協議した結果、やはりお二人を解放するについて最も効果的なこれは観点から交渉を行うべきだろうという、そういう中でヨルダンを始めとする関係国、さらには、これイラクのときに人質解放というそうした経験もありましたので、部族の長だとかあるいは宗教の指導者とか、ありとあらゆる可能性に懸けて政府としては対応させていただいたということであります。
○松田公太君 そこのところがどうしても私分からないんですけれども、なぜ効果的でないと、やりもせずに判断してしまったのか。 そもそも、先ほど幾つかの組織の名前が出されていましたけれども、その最終的な判断、これは、メールはもう出さないんだと、後藤様の奥様に宛てられたメールには返信しないんだと、その最終的な判断を出されたのはどなたになるんですか。
○国務大臣(菅義偉君) 私の下でそうした情報集約の会合を開きまして、そこで判断をいたしました。
○松田公太君 本当に、なぜ効果的でないと判断したのかということは御答弁の中からもちょっと理解ができないわけですけれども、本当にあらゆるチャンネルを通じて働きかけると何度もおっしゃっていたじゃないですか。では、なぜ、そこのチャンネル、そこが最もダイレクトな、直接的なチャンネルだったわけですよね、何であえてそこをチャレンジしなかったのか、私はここが不思議で本当にならないんですね。 次に行きます。 一月二十二日に外国人記者クラブで会見を行ったイスラム法学者であり同志社大学客員教授の中田考さん、この中田考さんが、もし交渉できるようなら私自身がイスラム国に行く用意があると、そのような表明をされていたわけですけれども、中田さんには協力要請をされたのでしょうか。岸田外務大臣。
○国務大臣(岸田文雄君) 先ほども官房長官からありましたように、政府としましては、お二人の解放のために何が最も効果的な方法なのか、こういった観点からあらゆるチャンネルを活用して取り組みました。 そういった方針で取り組みましたが、その中で具体的にどなたにどういった働きかけをしたのか、このことについてはこの場でお答えするのは控えなければならないと考えております。
○松田公太君 外務省は、湯川さんと後藤さんが拘束されているあの動画、あれがユーチューブにアップされた日に、ホームページ上に「邦人殺害予告事案に対する日本からのメッセージ」という文書をISIL向けに掲載しているわけですね。 実は、それと同じメッセージを中田考さんにも送られたという話があるんですが、なぜ中田考さんにそのメールを送られたんでしょうか。その意図は何だったのか、教えてください。
○国務大臣(岸田文雄君) 政府としましては、このお二人の解放のためにあらゆるチャンネル、ルートを活用しながら最大の努力を行いました。 様々な働きかけ、情報収集を行ったわけですが、先ほども申し上げましたように、具体的にどなたに対して何を要請したのか、どういった働きかけを行ったのか、こういったことについては控えなければならないと思っています。
○松田公太君 それでは、外務省サイド若しくは政府からどのような働きかけをしたかということではなくて、中田考さん、逆に、質問を変えますが、中田考さん若しくはその周辺から協力しますよという申出、これはあったんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 具体的なやり取りというのは、もちろん我々からどのような働きかけを行ったかということもありますが、その際にどんな反応があったのか等、こうしたやり取り全体について詳細を明らかにするのは控えなければならないと考えております。
○松田公太君 私は、とにかく例えば政局で責めたいからとか、そういうことで聞いているのではなくて、本当に二度とこのようなことを起こしてはいけないと。例えば、日本政府としてミスがあった、若しくはもっとこうすればよかったということがあるのであればそれは改善するべきだというふうに思っておりまして、それを探る上でもこの検証というのが非常に必要になってくる、重要になってくるというふうに思っているわけですね。ですから、是非もうちょっと真摯にお答えいただけないかなと。 中田考さんからメールがあった、若しくは連絡があったかどうかというのは、特に外務省からの働きかけじゃないわけですから、それぐらいは答えられるんじゃないかなというふうに思うんですけれども。
○国務大臣(岸田文雄君) こうしたやり取りについては、この事案の性格上から考えましても、どういったルートで何をしたのか、こういったことを明らかにするのは控えるべきではないかと我々は考えております。 こうした内容を明らかにすることによってまた後日様々な影響を生じることがないように、こうした対応でありますことを是非御理解いただきたいと存じます。
○松田公太君 ちょっと話が進まないので私の方から申し上げますが、私は少なくとも中田考さん若しくはその周辺から政府にコンタクトを取ったという情報をつかんでおります。なぜせっかくそういう情報、申出があったにもかかわらず、何かしら、例えば協力してください、若しくはどこかにコネクションがあるんじゃないでしょうかという話ができなかったのかというのは、私はこれも非常に不思議なんですね。ありとあらゆる手と何度も何度もおっしゃっているにもかかわらず、そんなことさえやっていなかったのかと不思議になってしまうわけです。 〔委員長退席、理事岡田広君着席〕 総理、官房長官、そして外務大臣、官房長官はもういられませんけれども、今回のISILの人質事件におきましては、本当にありとあらゆる手で全力を尽くすというふうにおっしゃったわけですから、本気で国家の責務である国民の命を守る、そのために手を尽くしていただきたかった。私の今の目からは、尽くされていなかったんじゃないかなとさえ思ってしまうんです。 確かに、この中田さんは、例えば北大生がISILに渡航しようとした事件にもしかしたら関与があるのかもしれないという疑いが掛けられている方だということも私は存じ上げております。しかし、ISILの幹部などとのコネクションにおきましては、ほかのどの日本人よりも圧倒的に多く持っているんだというふうに思っております。ですから、私はやはり中田教授に協力を要請するべきであったと。 例えばサイバーテロ、これを防ぐに当たって何をするかというと、最大のブレーンになる、味方になるというのは、いわゆるハッカーだと言われているんですね。そういう方々を逆に仲間に取り込んで味方にしてどんどん解決の糸口を探る、そういうことが私は今回も必要だったんじゃないかなというふうに思う次第です。 ちょっと時間が押していますけれども、総理にこれについてはお聞きしたいと思います。総理、どのように思われますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) こういう出来事が起こりますと、中田さんだけではなくて、自分はこういうルートがあるから協力したいという人が結構出てくるんですよ。しかし、それは取捨選択を当然しなければなりません。 それと、情報を収集するのと相手側との言わば解放に向けての働きかけをするのは別ですから。働きかけをする、あるいはある国、これは一般論として、この件とは別ですよ、一般論としてある国に働きかけをする、その国が分かったと、働きかけをしましょうというときに、当然これは私に任せてくださいということもあり得るわけですよ。ほかでいろいろやっていたら、瞬間にそれは信頼関係は崩れるわけでございますから。ただ、やたらめったらいろんな申出に応えて、お願いします、お願いしますと言った瞬間にそれはうまくいかないのは、これは一般論として言えば、私はそれは常識なのではないかと、このように思うわけであります。 我々は、この問題についてありとあらゆる手段を使って情報収集をし、そしてどのようにやれば一番効果的かということをじっくり考えながらやったわけでありまして、言わばそのような中において、じゃ、こういう申出があるからといって簡単に乗るわけにはいかないわけでありまして、そういう申出に乗ることは、今までやっていたルートをこれは捨てるということにもなるというのは、これは一般論としてはあるわけでございますが、そういう中で我々はぎりぎりの交渉をしていた、ぎりぎりの対応をしていたわけでございます。
○松田公太君 取捨選択という話がありましたが、私は、やはりありとあらゆる手ということであれば、中田さんというオプションは最初から切り捨てなくてもよかったんではないかなと、このように思っている次第でございます。 また、これは、中田さんがということではありませんよ、ありませんが、例えば、今後テロ対策上極めて重要な情報を持っている例えば何かの容疑者がいたとします。昨年九月に、御存じのとおり司法取引の導入が法制審議会で示されたわけですね。私は、今後、司法取引もこのようなテロのケース、こういったものに活用されるべきだと思うんですが、山谷委員長はどのように思われるでしょうか。
○国務大臣(山谷えり子君) 昨年九月、法務省に置かれた法制審議会において、いわゆる司法取引制度である協議・合意制度の導入が答申されたところでございます。 答申では、協議・合意制度の対象として、財政経済関係犯罪及び薬物・銃器犯罪が挙げられています。現在法務省において制度化に向けた検討が進められておりますが、警察としても、この協議・合意制度は組織的犯罪の捜査に有効な武器となり得ると考えております。その運用の在り方も念頭に置きつつ、その検討に積極的に参画しているところであります。 刑事司法制度の在り方というのは、国民の安全、安心の確保に重要な課題でありますので、しっかりと世界一安全な国日本をつくっていきたいと思っています。
○松田公太君 是非よろしくお願いいたします。 さて、今後についてお聞きしたいと思います。 テロとの交渉ですが、私も、どんな状況であろうともテロに屈してはいけないと、このように思っております。 しかし、他国の例を見ますと、表向きは支払っていないよと言いながらも、水面下ではやはり身の代金を払って自国民の救出を実現しているという国がある、これも事実なんですね。 二〇一四年の十月二十五日のニューヨーク・タイムズによりますと、昨年はフランスやドイツやスペインが人質十数人、平均すると一人当たり日本円にして二億円ちょっとで解放されていると、そのような報道もされているわけです。 しかし、日本政府の場合は、それが例えば今回最初に要求されたこの二百四十億円、二百四十億円でなくて二億円であったとしても絶対に支払わない、二千万円であったとしても絶対に支払わないということでよろしいですね。これ確認です、総理大臣。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、御承知のように国連決議がありますから、テロリストに対してお金を国として支払うことはこの決議に反することになります。
○松田公太君 ありがとうございました。 それでは、少し今の質問を違う角度から聞いてみたいというふうに思うんですけれども、今回も、先ほども申し上げましたが、後藤さんの奥様に身の代金の要求がISILからあったわけですね。その額は二十億円だったというふうにも聞いております。もしその金額が二十億円じゃなくて二億円だったとします。支援者によって例えば募金活動が行われて用意することができたと、それを支払いたいと御家族からの申出が出てきたら、それは総理、許されるんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 今回、後藤さんの奥様からは、十二月三日に、犯行グループからメールによる初めての接触があったという連絡を受けました。後藤さんの奥様とは、十一月一日、後藤さんが行方不明になったという連絡をいただいてから後、緊密に連絡を取らせていただいてまいりましたが、十二月三日以降も連絡、緊密に取らせていただきました。事案の性格上、保秘に留意しつつ、後藤氏の解放のために御家族が本件に対応される気持ちにできるだけ寄り添って支援を行わさせていただきました。 しかし、奥様とのやり取り等具体的な中身については、個人の情報等の関係もございますし、この場でやり取りを明らかにするのは控えなければならないと考えます。
○松田公太君 全く答えになっていないんですが。 具体的な話をしているんではなくて、もしその金額をそろえることができたと、身の代金、それを御家族が払いたいというそういう申出があったら国としてはそれを止めるんですかという質問なんです。安倍総理、答えていただけませんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、松田委員が質問しておられることはまさに仮定の質問でございますから、仮定の質問についてはお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。 〔理事岡田広君退席、委員長着席〕
○松田公太君 ちょっと話を進めますけれども、では、仮に家族が思い余って政府に確認もせずに送金をしてしまったということにしましょう。それによって、場合によってはその人質が解放されることがあるかもしれませんし、解放されないこともあるかもしれない。結果は別にして、例えばその後、警察がその情報をつかんだとしたら、日本の警察はその御家族を逮捕、起訴するようなことが考えられるんでしょうか、これは。これは公安委員長にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(山谷えり子君) 仮定の質問にお答えすることは控えさせていただきたいと思います。
○松田公太君 これは、私は非常に重要なことだと思っているんです。 それはなぜかというと、今後このような事件が、私は、起こる可能性はもちろんゼロではありませんよね、可能性はあると思っているわけですよ。例えば、御家族のこととか生死の境にいる人質のことなんかを考えますと、これはやっぱり非常に難しい問題だと思うんですよね。非常に難しい問題だと思う、どっちにするんだと。それをやはり日本政府としてこれ明確に、今後も含めて方針をしっかりと出していくこれは必要があるんだろうと、こういうふうに思っているわけです。 今のような話も含めて、もう日本政府としては絶対駄目なんですよという例えば方針を貫くんであれば、それをしっかりやはりこの国会でも議論をして、国民にもそれを説明していく責任が私はあるんじゃないかなと、このように思っているんですね。総理、だからこそ私はお聞きしているんです。いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今おっしゃっていることは、まさに今後、例えばテロ組織に邦人が誘拐されたという仮定の中において、身の代金を家族に要求して家族が払うかどうかという、そういう仮定でございます。このやり取りは、国内だけではなくて、そういうテロ組織もこれ注目をしている中におけるやり取りでございます。そういう中で、言わば仮定の質問に対して政府として方針をお答えすることは不適切と、このように考えております。
○松田公太君 いや、私は、だったら、総理、期待していたのは、日本は絶対テロには屈しないんだと、この一言で私はよかったんだと思うんですよ。(発言する者あり)いやいや、この件に関してもと、これは違う個別のケースですから、そういうことも含めてということを私は力強く本当は言っていただきたかったと。そういうことであればある意味、自己責任なのかどうかという話も最近議論されておりますけれども、やはりそこら辺を気を付けるということを私は日本国民お一人お一人が考えるようになるんではないかなと、このように思った次第でございます。 さて、それでは、ちょっと時間も余り残っていませんので、国内のテロ対策に関してお聞きしたいと思います。 ISILやアルカイダの思想などに共鳴して賛同している可能性があるテロリスト予備軍については、どの程度把握されているのでしょうか。山谷委員長、お答えいただけますでしょうか。
○国務大臣(山谷えり子君) 日本国内においてテロを実行するおそれのある者に関する把握状況については、今後の情報活動に支障が生じるおそれがあるために具体的な答弁は差し控えたいと思いますが、現時点において我が国を対象としたテロに関する具体的な情報には接しておりません。
○松田公太君 その情報収集ができているという前提でお聞きしたいんですけれども、もし仮に情報をキャッチしたと、そのテロの危険性が高まった段階でどのような措置、アクションが取られるんでしょうか。
○国務大臣(山谷えり子君) 警察では、海外の治安情報機関とも協力しつつ、国際テロ関連情報の収集、分析を行っているところであります。 水際対策によるテロリストの入国阻止や警戒警備等の取組を強力に推進しているところでありまして、引き続きこうした取組を徹底するとともに、具体的な刑罰法令に違反する行為があれば、これに対して厳正に対処することにより、テロの未然防止に万全を期すように努めてまいります。
○松田公太君 ありがとうございます。 おっしゃるとおり、具体的な犯罪行為、これがない限りは強制的な捜査とか身柄の拘束はもちろんできないわけですよね。ただ、例えば爆弾を作っているような行為が見付かれば、それは爆発物の取締罰則で逮捕できるかもしれないと。ただし、単にナイフやおのを持っているような状況ではそれが難しいということだろうというふうに思います。 例えば、先月、シャルリー・エブド紙に対するテロ事件があったフランスなどでは、表現の自由を重視するお国柄であるフランスが、昨年からテロ対策法、これが強化されまして、それに伴ってテロリストに対する賛美や扇動に対しても厳しく取締りが行われるようになってきたわけですね。一月には、インターネットなどでテロを賛美したとして、百四十四名が賛美、扇動の容疑で起訴されているわけです。 日本政府はこのようなテロ対策法についての検討はされているんでしょうか。
○国務大臣(山谷えり子君) テロの未然防止のために様々な考え方、これから議論が深まっていくものと考えております。
○松田公太君 総理にもこれをお聞きしたいと思います。 テロ対策に資するような、このような法律の制定は考えていらっしゃるんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今日までもテロ対策の充実について努力をしてきているところでございますが、今後、日本人の命を内外で守るために、あるいはまた、こうしたインターネットを活用したテロ組織の活動に対してどのような対応をしていくかということについてもしっかりと研究、検討していきたいと、このように考えております。
○松田公太君 現在のテロは、御存じのように、複雑化大変しておりますので、日本国内でいつ起こっても私は不思議ではないというふうに思っております。今後の日本の安全、安心のためにしっかりと進めていただければと思います。 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で松田公太君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、松沢成文君の質疑を行います。松沢成文君。
○松沢成文君 次世代の党の松沢成文でございます。 まずもって、今回のISIL、いわゆるイスラム国の極悪非道なこのテロを断固非難するとともに、またこのテロによって亡くなられた邦人のお二人を含む皆様に心からお悔やみを申し上げたいというふうに思います。 さて、総理、今回のいわゆるイスラム国によるテロ、邦人の殺害事件に対応する中で、国のトップリーダーとして対応する中で、総理は、日本国の体制として何が不備だったか、何が不足していたかとお考えでしょうか。 私は、やっぱり、委員会での議論も様々ありましたが、日本国の情報収集能力、これが不足していたなと、不備が多いなと痛切に感じたわけでありますけれども、その点について総理に伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) このようなISILのテロを含めて、国際社会、我が国をめぐる安全保障環境は厳しさを増しているわけでございますし、新しい事態への対応も求められているんだろうと、このように思います。 その意味におきまして、国民の命、幸せな生活を守るためにも、安全保障や国民の安全に直接関わる情報の収集が極めて重要であろうと、こう思います。とりわけ、国際テロなどに対峙するためには関係する国や組織の内部情報を収集することが死活的に重要でございますが、同時に、そうした国や組織は閉鎖的であるために、内部情報の収集には相当な困難が伴うわけでございます。そのため、政府の情報機能を更に強化し、より正確かつ機微な情報を収集して国の戦略的な意思決定に反映していくことが極めて重要であると、こう考えております。 その中で、私も総理に就任して以来、各国との関係において、情報機関同士の連携を強化をしていくということにおいて多くの国々と合意をしているわけでございます。そこで、当然、情報機関同士の日頃の連携ということも大切でありますが、その中で、情報の提供も求めていくのでありますが、情報を提供してもらうためには、情報の世界では、情報を提供してくれるんだったらそちらも情報何かありますかというのが大体の常識になる中において、我々自身も情報収集能力を高めていかなければいけない。そういう中において、情報収集衛星を再び増強するということになっておりますが、この高い分析能力も我々は更に磨いていかなければならないと、こう思っております。
○松沢成文君 そんな中で、先月の二十四日のテレビ東京の番組で石破大臣が大変興味深い発言をされております。 情報収集の組織をきちんとつくることに取り組むかどうか早急に詰めていかなければならないと述べて、対外情報を収集する専門の情報機関の創設を検討すべきだとの考えを示したと、こういうふうに翌日の新聞に載っておりました。 この発言の意図を伺いたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 所管外でございますが、お尋ねでございますので申し上げれば、情報というのは、例えば画像情報というのがございますですね、衛星から撮るもの、あるいは電波情報というのがありますが、あと人的情報、いわゆるヒューミントというのをどうするんだというのは、別に私そこで初めて申し上げたわけではなくて、自民党、公明党で、昨年の四月だったと記憶をしておりますが、プロジェクトチームにおいてそのような機関について検討するということを決めているということを御紹介かたがた申し上げたものであって、価値観を交えたり判断を交えたりしているものではございませんが。 そういうものをつくるときに、では、組織をどうしますかという議論をきちんとしなければいかぬ。いろんな省庁がございます、組織をどうするのか。また、そこにおいていろいろな活動があるわけですが、それと国会との関係をどのようにしますかとか、そういう難しい問題がたくさんあるということも委員御承知のとおりでございます。 ですから、それは与党の中でいろんな議論がなされ、また政府においても所管においてそういうことを粛々と進めておられると思いますが、国会においても文民統制との関係においてどう考えるんだという御議論がなされるべきではないかということを当時したことを御紹介をしたものでございます。
○松沢成文君 日本にも情報収集機関と言われている政府の組織が幾つもあります。もちろん、警察庁にもありますし、外務省、防衛省あるいは法務省、公安調査庁ですね、こういうものがいわゆる情報収集機関と言われています。ただ、その中心になってそれを全て統括するのが内閣情報調査室、これは総理、官房の直属の情報機関ですよね。 さて、今回のイスラムのこのテロ事件に際して、総理の下に、あるいは新しくできたNSC、国家安全保障会議の下に、内閣情報調査室、その長官ですね、内閣情報調査官から何か有益な情報が上がってきて、それでいろんな政策判断ができたと、そういうことはありますか。 それと、総理、内閣情報調査室、今は室という小さな組織ですが、この組織で十分に日本の情報機関を統括する中心的な役割が果たせるというふうにお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 内閣情報官ですね、情報官からは私は定期的にブリーフを受けているところでございますが、私は有益だと、このように考えております。 先ほど申し上げましたように、情報官自身も各国の情報機関と今連携をかなり密に、人的連携を密にしているわけでございます。情報コミュニティーというのは、お互いの信頼関係を高めていかないとなかなか情報は渡さないわけでありまして、渡した情報は絶対漏れないということも極めて重要でありますが、そういう信頼関係を今の、現在の情報官はかなり高めているというふうに私は評価をしているところでございまして、それはかなり広いネットワークになっている。こういう事態になると培ってきたネットワークの中から様々な情報が上がってくるわけでございまして、それは私は有益であったと、このように思います。 大切なことは、この内閣情報調査室もございますが、公安調査庁もあれば、またあるいは外務省からの情報もあると、そしてまた防衛省から上がってくる情報もありますが、それを総合的に判断をするという意味においては、今、NSC、NSSが設立をされましたので、そこに総合的に情報を集め、それを分析し、さらにはその中で政策判断をしていくということが今は行われているということでございます。 ただ、もちろん、最初に申し上げましたように、我が国は海外においてはオペレーションというものは、いわゆるオペレーションはやっていないということでございますから、そこのところを海外からの情報によって補っていく努力をしていく必要があるんだろうと、このように考えておるところでございます。
○松沢成文君 大きなテロ事件が起きると、その当該国は二度とテロを起こさないために、再発防止のために情報機関の大改革を行っているんですね。例えばアメリカは、九・一一の後、国家情報長官というのを設置しまして、何と連邦政府の六省十五機関の情報機関を全部統括する権限を与えて、予算、人事を統括させて指揮権限も与えました。大改革であります。イギリスも同じように、情報機関の連携強化を図るために国家安全保障・情報問題担当内閣常任調査官というのを置いて、その連携を強めたわけです。 一月のフランスでのシャルリー・エブド襲撃事件とか、あるいはスーパーの人質事件もありました。このテロ事件を受けて、フランスはもう自由を守るための闘いだということで、何と即座に関係部署で二千七百人の増員、そしてこのうち情報機関の要員を千百人増員しているわけですね。 今回、日本でこのいわゆるイスラム国によるテロ事件があって日本人が殺害されました。そして、二年前にはアルジェリアの日本企業のプラントの襲撃事件があって、人質だった計十七名の方が殺害されている。もうこのイスラムの過激派によるテロというのは日本にとって対岸の火事ではなくて、いつ日本人が巻き込まれて犠牲が出るかという、そういう状況に来ているわけです。 さあ、安倍総理、日本のリーダーとして、この情報収集機能を抜本的に強化するために、私はしっかりとした政府機構の改革を日本も行うべきだと。そうしなければ、テロとの闘いなんといったって情報力がなければ闘えないわけですから、私はアメリカやあるいはフランスに見習って、そういう抜本的な機構改革を行っていくべきだと思いますが、いかがお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほどの御説明に付け加えますと、内閣直接の、直属の情報機関として内閣情報調査室が設置をされまして、情報コミュニティー各省庁が内閣の下に相互に連携を保ちつつ、情報収集、集約、分析に当たっているわけでありまして、いわゆる情報コミュニティー、先ほど申し上げました公安調査庁、外務省、防衛省、そしてさらに警察庁と、さらにはもう少し、拡大情報コミュニティーとしては金融庁や財務省や経産省や海上保安庁も入ってくるわけでございます。 それを集約をしていく、そしてまさにそうしたものを分析をしていくことが求められているわけでありますが、こうしたときに、ではこれを、日本においてどうこの組織を言わば見直しをしていくかということについての御意見だと思いますが、基本的には、これはまさにNSCをつくり、NSSをつくっておりまして、そこでこうした情報を、今までこうした情報の一元化あるいは分析、そしてそのための政策的判断をする際の共有ということができていなかったのでありますが、そこまでは行っているということであります。 そこで、先ほど申し上げましたように、これをまた再統合あるいは組織をいじったところで、海外における、言わばそれぞれの国はそれぞれの国の機関の中において海外のオペレーションをやっているということも含めての、それはもう一度組織の見直しなんだろうと思うわけでありますが、我が国においては、いわゆる海外における対外情報収集オペレーションは一切これはやっていないという中において、先ほど石破大臣から問題意識が提示をされたわけでございまして、こうした問題意識の下に今与党において議論を行っているわけでございますが、こうした事案も踏まえて我々、研究、検討して政府としてもいきたいと、このように考えております。
○松沢成文君 全体の方向性は分かりましたが、もう少し具体的な議論をしたいと思うんですが、やはり対外情報をしっかりとつかむということは、これは国家存立の大きな条件だと思うんですね。 そこで、もう世界の主要国はみんな対外情報収集の専門機関を持っているわけです。アメリカだったらCIAは有名ですし、あるいはイギリスだったらMI6は有名です。あるいは、隣国の韓国でも国家情報院、KCIAというのがありますし、ドイツもフランスもみんな持っているわけですね。これ、もう世界の主要国の常識になっています。 今、日本はそれがないわけなんですね。私は、何もCIAやMI6のように、もうある意味で非合法的な諜報活動も含めて、スパイ活動も含めて、そういうこともやれるような組織をつくれと言っているんではないんです。ただ、余りにも対外情報収集のヒューミントが日本は弱過ぎるんですね。 ですから、この機に対外情報収集をする、小さくてもいいからしっかりとした人材をそろえた専門の機関をつくっていく、私はこれぐらいやらないと今後のテロとの闘いは遂行できないと思いますし、また大きな人質事件が起きたときなんかに、情報が足りなくて、集めても対応ができなくて悲惨な結果を招くということになってしまうと思うんです。対外情報収集の専門機関をつくること、総理はいかがお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 対外情報の収集におきましては、現在ももちろん海外の情報機関等との連携の中において集約した情報の分析を行っておりまして、その分析の専門家もいるわけでございますが、その中において、独自に海外において情報収集、そのためのオペレーションということでございます。 これは一朝一夕にできることではなくて、各国はその言わばオペレーションをしていく上での海外での仕事のノウハウの蓄積の上にネットワークをつくり、そうした情報収集を行っているわけでございますが、しかし極めて重要な、私は国の安全にとって国民の命を守るためには重要な視点ではあると、このように私も認識をしております。 先ほど申し上げましたように、今、与党において議論をしているところでございますが、国会においてもこのような議論を通じて理解が深まっていくことを期待したいと、このように思います。
○松沢成文君 具体的にちょっと提案をしたいと思うんですが、総理、内閣情報調査室、小さな室ですよ。これ五百数十名しかいなくて、半分以上は衛星関係の仕事をしていますから、ヒューミントとして人的に情報収集をしているのは僅か二百二十名。そのうち、警察とか外務とか防衛省からみんな出向職員が来ていますから、僅か百十名しかプロパーの職員いないんですね。これじゃ日本の情報機関の統括、中心的な役割というのはできない。 さあ、そこで、内閣情報調査室の室長、これを局に格上げしましょうよ、今回。そして、NSCの下に、国家安全保障局の局長さんと内閣情報調査局の局長とあと危機管理監、これきちっと並列に並べて、そして内閣情報調査局の人員強化を図る。そこで、以前から議論もされているテロ分析官、テロ専門官というのをきちっと育てていく。もちろん、防衛駐在官を今度増やすというのもありました。あるいは外務省でも、先ほどの議論でテロ専門の職員を増やすというのもありました。私は、やはり内閣情報調査局にきちっとプロパーの職員を育てて、そして対外情報の収集の様々なノウハウを勉強させて、危険地域にも送り、国内とのネットワークを取ってテロ対策に取り組む、これくらいのことをやらないと私はテロとの闘いにならないと思いますが、こうした機構改革、是非とも進めていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府の機構の改革は、不断の改革努力は大切だろうと思いますし、不断の見直しは必要だろうと。特に、この国際情勢が大きく変化をする中、安全保障環境が厳しくなっていく中において、情報収集に関わる機関、部門の見直しの検討というのは不断の見直しが大切だろうと、こう思っておりますが、また、内調のプロパーの人材が大切ではないか、分析官、プロパーの分析官、私も全くそのとおりだと思っているんです。 言わば内閣の組織は、各省庁から集まってきますと、自分の出身の役所とずっとつながっていて、そこに帰ることを前提に仕事をするという問題点があります。 ですから、そうではなくて、これは極めて重要な部門でありますから、そこでしっかりと、ここで最高の分析官を、世界最高の分析官を目指すという意気込みでやっていただきたいと私も思っておりますし、その中においてだんだん人材も育ちつつあるわけでございます。民間からも専門的な分析能力を有する人材を獲得もしておりますし、各省庁からもえりすぐりの人材を集めているわけでございまして、まずは量というよりも質を高めていくことに努めていきたいと、このように思っております。
○松沢成文君 最後にお聞きします。 我が国の持っている情報を海外に取られないようにする、これ防諜活動といいますね。カウンターインテリジェンスと英語で言うらしいんですけれども、これをやるために特定秘密保護法案を作って、公務員が知った安全保障上の特定秘密は絶対に漏らさないということをやったわけですね。ただ、私は、もう一つ重要な視点があって、例えば海外の国、外国の国が日本の情報を取りに来る、あるいは民間人が政府の情報を取りに来る、こういうことを防ぐために、スパイ行為を、スパイ活動を防止するという法律も持っていないと、これカウンターインテリジェンスにならないと思うんです。 総理、このスパイ活動、工作活動を防止するための法律を日本に作っていく、このことについてはいかがお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに委員の御指摘に対応するために特定秘密保護法が成立をしたわけでございまして、施行されたばかりでございますので、まずはこの運用状況を見ながら今後考えていきたいと、このように思います。
○松沢成文君 時間ですので終わります。以上です。
○委員長(岸宏一君) 以上で松沢成文君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、水野賢一君の質疑を行います。水野賢一君。
○水野賢一君 無所属の水野賢一でございます。 まず冒頭に、ISILによる一連の人質事件や残虐な殺害事件に対しては厳しく非難するとともに、このような事件の場合は、盗人にも三分の理というのは当てはまらないような非道なテロ犯罪だということを申し上げておきたいというふうに思います。 さて、後藤さんや湯川さんの事件に関して、警視庁と千葉県警で合同捜査本部を設置したとのことですけれども、確かに、重大な犯罪の場合は、日本国外で行われた犯罪であっても国外犯というふうにして、日本人が被害者の場合はですけれども、国外犯として処罰できる規定が刑法その他にありますよね。 公安委員長にお伺いしますけど、具体的にはこれ、どのような容疑でこの捜査本部をつくって捜査を進めていく、この容疑はどういうようなものを今念頭に置いていらっしゃるのでしょうか。
○国務大臣(山谷えり子君) 刑法第百九十九条に規定される殺人罪や、人質による強要行為等の処罰に関する法律第二条に規定される加重人質強要罪等に該当すると考えられますけれども、警察において今後の捜査を通じて具体的な適用罪名が検討されていくものと考えております。
○水野賢一君 今、公安委員長がおっしゃられるように、刑法の場合も人質強要処罰法も国外犯規定がありますから、これは法と証拠に基づいて、それに基づいて捜査をしていただければというふうに思いますけれども、国外犯というのは、以前は日本人が海外で犯罪を犯した場合には帰国したときにもその人の罪を問えるということだけに限られていたわけですね、以前は。 典型的なのは、日本赤軍の犯罪とか、若しくはいわゆるロス疑惑と言われているようなものなんかに関しても、それによって捜査が行われたり起訴されたりした例があるわけですけれども、十年ぐらい前の法改正で、外国で外国人が犯罪者の場合であっても日本人が被害者の場合には罪に問えるように法改正がなされたんですが、とはいっても、海外での犯罪となると証拠を集めたりするのもいろんな大変さもあるでしょうし、ましてや、今回のように簡単に現地入りできないような場合は大変さもあるというふうに思いますけれども。 法務大臣に伺いますが、外国で外国人による日本人に対する犯罪を国外犯としてその罪に問えるような法改正はさっき申し上げたように十年ぐらい前になされましたけど、それ以降、実際に起訴にまで持ち込めた事例というのは幾つかあるんでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) ただいま委員御指摘の、十数年前に改正されたということで、刑法の三条の二に当たるところでございますけれども、日本国外において日本国民以外の者が日本国民に対し殺人等一定の犯罪を犯した場合に我が国の刑法を適用することを定めているという条文でございます。これについては、当省の把握する限りにおきまして事例が確認できておりません。
○水野賢一君 事例が確認できていないというのは、要は捜査したものはあるんですよ。例えば、ミャンマーとかで日本人カメラマンが当時の軍政か何かに撃たれたりしたときに捜査したりしたのはあるんですけど、要するに逮捕したり起訴したりするところまで持ち込んだものはないと、そういうことですよね。
○国務大臣(上川陽子君) 委員御指摘のとおりでございます。
○水野賢一君 確かに、それは海外での犯罪ですから捜査するのもそれだけ簡単なことじゃないとは思いますけれども、これだけの重大犯罪ですから、頑張ってしっかりと捜査に当たってもらいたいというふうに思います。 さて、今回のような事件が起きた場合に、安倍総理は自衛隊が救出の任に当たることができるような法改正に意欲を示しておられますけれども、ちょっと議論を整理しておきたいんですけど、これは海外の話が今話題にはなっていますけど、まずちょっと国内の場合ですね。 これは防衛大臣にお伺いすべき話かもしれませんけど、国内で例えばテロリストとか犯罪者が人質監禁をしたりした場合というのは、身の代金を要求したりしたような場合は、これは第一義的には警察が対応するというのは当然ですけれども、しかし警察だけでは対応できないという場合には、国内でのこういう事件に対しても必要があれば自衛隊が出動するというのは現行法では可能なんでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 委員がおっしゃるように第一義的には警察が対応しますが、自衛隊は、人質事案が一般の警察力をもってすれば治安を維持することができないような緊急事態に該当する場合等には、治安出動の命令を受けて警察機関と緊密に連携して対処することでございまして、治安出動等の命令を受ける必要があります。
○水野賢一君 今大臣もおっしゃられたように、本来警察がやるべきものを、それじゃ不十分だということで自衛隊が出ていくわけですから、当然治安出動の発令があって初めて自衛隊は出ていけるわけですね。逆の言い方すると、治安出動というのは少なくとも今まで一度も発令されたことがないから、そういう事例は、つまり、自衛隊がこういう犯罪行為に国内で救出に当たったとかということは過去にはないという理解をしてよろしいでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) そのとおりでございます。 ただし、最近では、警察と緊密に連携をしまして、そういった事態の訓練等は行っております。
○水野賢一君 中谷大臣にお伺いしますけれども、警察にも警察で特殊部隊というか、いわゆるSATなんというふうに略称されるものがありますけれども、自衛隊にもいわゆる特殊部隊が例えば習志野駐屯地とかにおりますよね。これ、自衛隊の特殊部隊というのは、例えば装備とか能力とかにおいて警察のSATなんかとはかなり違うものなのか、どうなんでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 委員が述べられたように、平成十五年から習志野駐屯地に新編された、高い機動力、高度な近接戦闘能力、これを有する専門部隊であります特殊作戦群がありますが、これは各部隊から選抜された約三百名の精強な隊員から構成をされておりまして、火器としましては、小銃、拳銃のほか、軽装甲機動車、高機動車等を装備をいたしたものでございます。
○水野賢一君 治安出動というのは国会の事後承認が必要なわけですよね。細かいことを言い出すと、都道府県知事の要請がある場合なんかはそれは必要じゃないとかありますけど、内閣総理大臣の命令による治安出動の場合は国会の事後承認が必要になってくるわけですけれども、そうすると、もし国内でこういう事案が起きて、治安出動によって自衛隊が救出作戦に当たるとかというときは、国会承認を求める以上、何で警察じゃ無理なんだとか、何で自衛隊の特殊部隊が出ていく必要があるんだということなんかはきちっと国会側には説明を、説明されないと我々も承認するもしないも判断しようがないですから、そこら辺のことはいろんな、どうしてもこういう事案はそれがいろいろ秘密ですとかということがあったりとかするのはあるのかもしれませんけど、そういうときにはきちっとした説明はされると理解してよろしいでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 治安出動の可否については内閣官房と調整をいたしますが、一昨年、昨年から、NSC、国家安全保障会議ができましたので、そこに諮問をして答申を経た後に総理大臣の下によりまして閣議が行われまして、総理大臣による治安出動命令が掛けられ、それに対して防衛大臣から各部隊に命令がされますが、その後二十日以内に国会の方に付議をさせなければならないということで、その際にこの理由を報告することになろうかと思います。
○水野賢一君 総理にお伺いしますけれども、今総理は海外での邦人救出ということに自衛隊を活用できるような法整備に意欲を示しておられますし、昨年七月の閣議決定でも、当該領域国の受入れ同意がある場合には、武器使用を伴う在外邦人の救出についても対応できるようにする必要があるというふうに閣議決定されていますよね。 で、伺うんですけど、受入れ国の同意が必要なのは分かりますけれども、実際のその運用イメージをちょっと聞きたいんですけれども、つまり、受入れ側、今回の場合でいえばシリア政府になるのかもしれませんけれども、シリア政府の方が、テロリストとかは自分たちの手に負えないから、だから自衛隊で対処してくれというふうに、向こうが頼んできたようなときに対応するという感じなのか、若しくは、それとも、もう日本人が捕らえられている以上、自衛隊で救出したいんだというふうに、だから受入れに同意してくれというふうに、こっちからシリアなんかに積極的に働きかけていくのか、それとも、その他いろんなケースがどういう場合でもあり得るのか、この辺のイメージはどういう感じなんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 具体的にどのようなケースにまで対応をし得るかなどについて、法整備の具体的な内容はまさに今検討中でございます。 先般の閣議決定の考え方に基づけば、例えば今シリアについて挙げられたわけでありますが、当然これは受入れ国の同意が必要であります。同意といっても、シリア自体が支配をしていない地域においてその同意の意味があるのかどうかということもこれは判断をしなければならないわけでありますが、シリア政府の権力が維持されている範囲であれば国に準じる組織が存在していないということになります。ただ、現実問題として、このケースにおいてシリアが同意をするということについては、これはなかなか想像し得ないわけでございまして、難しいと考えられるわけでございます。 そしてまた、国に準ずる組織が存在して、先ほど申し上げましたように、シリア政府の権力が維持されている範囲であれば国に準ずる組織が存在していないということになりますが、そのような範囲か否かを判断することはそもそも困難であろうと、こう思うわけでございます。 そこで、今、果たして先方が依頼をしてきたかどうかということでございますが、それは、これからまさにどういう要件にするかということについての法整備について検討を進めていくことになるわけでありますが、これは既に邦人を輸送するための法律はできているわけでございますが、邦人を救出するために輸送する部隊を送ったときに、もしその邦人がテロリストに言わば襲われているという状況になったとしても、今の法律では自衛隊は武器を使ってその邦人を救出することはできないということになるわけでありまして、となると、自衛隊がたとえ重武装をしていたとしても、目の前で邦人が襲われたとなると、自衛隊にできることは当該国に助けを依頼するということになるわけであります。重武装をしている自衛隊がそこまで行っていて、自国民を救出せずに、その国に例えば警察を呼んでくれということになるわけでございまして、そういう事態にはならないようにもしなければならないという問題意識も含めて法整備をしていく必要があるだろうと、こういうことでございます。
○水野賢一君 自衛隊が武器を使って作戦行動に当たるということになると、一方で、きちっと考えておかなきゃいけない問題もあると思うんですよね。 要するに、現場は現場で命懸けになるわけですから、自分たちが思うこれが最善だというような考えがあったときに、それに基づいて勝手な行動を取るというような、現場のその自衛隊の部隊が、というような危険性というのもやっぱり考えていかなきゃいけないと思いますし、ありていに言えば、勝手に部隊を動かすというようなことがあったりした場合、これ現行の自衛隊法では、防衛大臣にお伺いしたいですけど、勝手に部隊を動かしたりしたような場合というのは、自衛隊法の百十九条とか百二十条とか百二十三条に規定されていますけれども、これは罪としては、治安出動とか防衛出動の場合は別として、平時の場合は三年以下の懲役、禁錮だという、こういう理解でよろしいですか。
○国務大臣(中谷元君) これは自衛隊法百十九条の罰則におきまして、そのような命令に従わない場合等においては三年以下の懲役又は禁錮に処するということになっております。 しかしながら、いろんな状況が考えられますので、個別具体的なケースに即して事実関係を調査の上で法的責任の有無を判断する必要があるということで、この年数が適当かどうかということにつきましては一概にお答えすることは困難な状況でございます。
○水野賢一君 私は、問題意識としては、要はこれ、たかだか三年程度の刑の話でいいのかということですよね。 これは戦前の場合、別に戦前がいいというわけじゃないけれども、戦前でいえば、陸軍刑法では、司令官が勝手に軍隊を進退したときは死刑又は無期若しくは七年以上の禁錮ですよ。もちろん、戦前も戦前で問題があって、そんなふうに、法律上はこういうふうに厳しく書いているけれども、実際は勝手に動かしたとかという例はたくさんあるわけであって、それは、例えば満州事変の直後なんかだって、林銑十郎なんかは勝手に軍を越境して関東軍の支援に回って、それでその翌年、中将から大将になって、さらには後に首相になるわけですから、そんなようなことが戦前は行われていたんであれですけど、法令上は少なくとも死刑もあったような、軍を勝手に動かした場合。 これ、海外で勝手に自衛隊が軍を、軍というか自衛隊を動かして、それが戦争の火種になるようなこともあるかもしれない中で、これでたった三年の刑でいいんでしょうか。上限が三年でいいのか、総理に伺います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは今防衛大臣が既にお答えをさせていただいているところでございますが、言わば海外において活動する自衛隊はその目的等を厳しく定められているわけでございますし、現在のところ、現在の段階においては、まさに正当防衛等のためにしか武器は使えないということでございます。 今後、言わば邦人の救出のためにということで武器の使用を可能にするかどうかということも含めて今後検討していく、先ほどの問題意識に基づいて検討していくという中において、勝手に部隊を暴走させるということについての罪ということで御指摘だと思いますが、今後、言わばそういう意味において、そういう意味というのは、先ほど私から申し上げた自衛隊の任務に伴う武器の使用を可能にするということについて検討を進めていく中において、妥当かどうかということも検討をするかどうかということについても、これはまず防衛省において、これは全体の中のバランスもあるわけでございますから検討していくということになるんだろうと思います。
○水野賢一君 いや、確かに、自衛隊はその目的が定められているとか、正当防衛しか武器は使っちゃいけないというのはそうなっていますよ。なってても、それは法律ではそうなってても、それに従わないで勝手に動く人がいるかもしれないからそこに罰則があるわけですから。 じゃ、ちょっとお伺いしたいですけど、よく歴史認識問題とかというときに、侵略だったのか否かとか、植民地支配は是か非かとか、そういうようなその反省とかは議論になりますけど、まあ海外との関係ではそこが焦点でしょうけれども、やっぱり戦前の問題というのは、国内においては軍部の暴走とか、しかもそれが陸軍大臣とか参謀本部とかが了解していないことを現地軍が勝手にやって戦火を広げたような例はたくさんあるわけですよね。 こういうようなことについては、私は、大いに反省すべき問題だし、こういうことは絶対起きないような歯止めをしっかりと法律上もいろんな意味で作っていかなきゃいけないというふうに思いますけど、総理の歴史認識問題、対外関係の話はちょっとよく議論されるんですけど、そうじゃなくて、これは軍部の暴走とかこういう点についてはどういうふうに、反省点をどうお考えですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当時の憲法下あるいは内閣の仕組みと今とはもうこれは全く違うわけでございまして、当時は統帥権というものがあったわけでございますが、内閣において私がまさに行政の上において最高責任者であり、自衛隊の最高司令官でもあるわけでございまして、状況は全く違う。シビリアンコントロールがまさにこれはしっかりと確立をしているわけでございますから、単純に戦前と比較するのはこれは間違っているんだろうと思います。 戦後、成熟した民主主義国家、そして法をしっかりと尊ぶ国としても、これは、日本はもうまさにそういう意味においては確立をしているわけでございます。それはまさに戦前の反省の上に今日の日本があるわけでございますから、そういう意味において、言わばかつてのように、例えば自衛隊がいきなり暴走するということについては、これは全く起こり得ないということははっきり申し上げておいていいんだろうと、こう思うわけでございます。 そういう意味においては、戦前と全く仕組み自体が根本的に違うということではないかと思います。
○水野賢一君 いや、戦前とそれは制度と仕組みは当然違うわけですけれども、しかしそういう中で、少なくともこの量刑などにおいても三年の刑で済むと、これは海外に行ってそういうことをしたら大問題になることもあるということを、そういう点で大いに検討をしていかなきゃいけない問題だということを指摘をして、時間ですので、私の質問を終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で水野賢一君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、吉田忠智君の質疑を行います。吉田忠智君。
○吉田忠智君 社会民主党の吉田忠智でございます。 ISILの蛮行の犠牲となられた湯川さん、後藤さんに心から哀悼の意を表するとともに、卑劣なテロ行為を強く糾弾します。テロの温床を生む構図を変えない限り、テロを根絶することはできません。事件への対応については、歴史的な検証に堪え得る情報の開示を強く求めます。 戦後七十年談話について質問をいたします。(資料提示) 外交、安全保障の要諦は敵をつくらないことであります。日本は、戦後積み重ねてきた平和外交と専守防衛に徹するべきであります。その姿勢を内外に示したのが村山談話です。私は、七十年談話においても、村山談話、河野談話、小泉談話、菅談話など、政府が示してきた歴史認識を修正すべきではないと考えます。歴史認識の修正は、旧戦勝国対旧敗戦国日本という構図をつくり、アジアの人々に日本に対する警戒心を呼び起こし、結果的に日本の孤立や日米関係の不安定化につながるからであります。 朝日新聞の一部に誤報があったとしても、強制的に従軍慰安婦とされた方がおられましたし、捕虜虐待など多くの戦争犯罪が存在したことは紛れもない事実であります。日本の戦後民主主義が侵略戦争と植民地支配への真摯な反省に立って平和国家として歩んできたことを否定すべきではありません。このフリップは村山談話の根幹を成す部分でございます。 そこで、安倍総理に質問いたします。 七十年談話で、赤で書いておりますけれども、国策を誤り、植民地支配と侵略、多大の損害と苦痛、痛切な反省と心からのおわびの文言は踏襲するのでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍政権としては、戦後五十年の村山談話、戦後六十年の小泉談話を含め、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでおり、今後も引き継いでいく考えであります。 戦後七十年の談話はそれを前提として作成するものでございまして、談話の内容につきましては、さきの大戦への反省、戦後の平和国家としての歩み、そして、今後、日本としてアジア太平洋地域や世界のために更にどのような貢献を果たしていくのか、次の八十年、九十年、百年に向けて日本はどのような国になっていくのかについて、世界に発信できるようなものを英知を結集して考え、新たな談話に書き込んでいく考えでございます。 いずれにせよ、具体的な内容は、今後、有識者の御意見を伺いながら政府として検討していく考えでございます。
○吉田忠智君 正面からお答えいただいていませんが、全体として引き継ぐ中に私が申し上げたこの赤書きの部分は含まれているというふうに理解してよろしいですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍内閣としては、戦後五十年の村山談話、戦後六十年の小泉談話を含め、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでいるということは申し上げたとおりでございまして、今後も引き継いでいく考えでございます。その上において、戦後七十年の談話はそれを前提として作成していく。 いずれにせよ、具体的な内容は、今後、有識者の御意見を伺いながら政府として検討していく考えでございます。
○吉田忠智君 なかなか正面からお答えいただけませんが、では、質問を変えますけれども、サンフランシスコ講和条約を受け入れていること、極東国際軍事裁判の判決を受け入れていることは書き込みますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど申し上げたとおり、戦後五十年の村山談話、戦後六十年の小泉談話を全体として受け継いでいるわけでございます。 いずれにせよ、談話の中身につきましては、まさに今後、八十年、九十年、百年を見据えながら中身をこれ考えていくわけでございますが、その際、有識者の御意見もいただきながら検討していくということでございます。
○吉田忠智君 お答えいただけておりません。衆議院の予算委員会の議論も聞かせていただきましたが、総理がなかなか正面からお答えいただいていない。極めて残念でございます。 総理大臣談話発出のプロセスが議論になっていますけれども、与党内からも談話作成に当たっては各党と調整すべきという意見も出ているわけでありますけれども、改めて、総理としてはどのようなプロセスで作成、発出されるのか、説明をいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま申し上げたような趣旨で検討を行いまして、まずは有識者の皆様から御意見を伺っていきたいと、こう考えております。
○吉田忠智君 総理は先月のNHKのインタビュー番組で、細々した議論になる、今までの文言は使わない旨の発言をしておられますけれども、その真意をお聞かせください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど申し上げましたように、言わば戦後七十年を迎え、さきの大戦の反省の上に立ってのこの七十年間、日本は自由で民主的な国をつくってきたわけでございます。そして、何よりも法を尊ぶ、そして人権を守る国として世界のまた地域の平和への貢献も行っている。 この戦後の歩み、そしてさらには、今後、日本は地域や世界の繁栄のためにどのように貢献をしていくのか、次の八十年、九十年に向けた、そして百年に向けた日本の発信を行っていく、こうした大きな観点から考えていきたい。その際には、また有識者の方々の御意見も承り、文言について検討していきたいと、こういうことでございます。
○吉田忠智君 有識者の意見に委ねると言われながら、そういう細々した議論になるとか今までの文言は使わないとかいうことになりますと、その議論の方向性にたがをはめることになるのではないかと大変危惧をしているところであります。その点について、まさに総理自身がたがをはめない形でのやっぱり有識者の議論、そしてバランスの取れたメンバーにしなきゃいけないと思いますが、その点はいかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) たがをはめるかどうかということは別でありますが、今私が申し上げたことが基本的な方針でございまして、この方針の中において有識者の方々に御議論をいただきたいと、このように思っているところでございます。その上において我々が作成を進めていきたいと、こう考えているところでございます。
○吉田忠智君 是非、今後のアジア、アメリカも含めて、諸外国との友好関係に資する談話にしていただきたい、そのことを強く申し上げたいと思います。 次に、格差是正について質問をいたします。 ピケティ氏の「二十一世紀の資本」だけではなくて、昨年十二月のOECDレポートが格差対策と経済成長はトレードオフではないということを強く打ち出して、格差是正が経済成長につながることは世界的なコンセンサスになっています。一月十三日の野村総研の報告でも、国民の六六・八%が景気回復を実感していないと答えております。 安倍総理は、さきの衆議院の答弁でも、成長せずに分配だけではじり貧になると、格差是正と経済成長を対立的に捉えて経済成長を優先させる旨を強調されておられるわけでありますが、内閣府の数値に基づいて歴代政権の経済成長率を私の部屋で試算したものがお示しをした資料でございます。結果、総理がマイナス成長だったとおっしゃる前政権は現政権の二倍を超える経済成長率を実現をしております。総理は、現政権の低い経済成長率をどうお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この成長率というものを正しく理解しないといけないと思うんですが、御指摘のとおり、民主党政権と現政権の実質GDP成長率の平均を比較した場合は、民主党政権の方が上回っていることは事実であります。 しかしながら、これ、思い出していただきたいんですが、民主党政権発足直前にリーマン・ショックが起こり、どおんと下がったんですね。我が国の実質GDPは六%以上マイナス、これはマイナス三十四兆円だったんです、の落ち込みでありまして、民主党政権はこの一挙に落ち込んだその水準から四半期で、民主党政権の成長率のほとんどは実は鳩山政権で成長しているんですね。鳩山政権の経済政策がどういうものであったか私はよく存じ上げませんが、ここでどういうわけかほとんど稼いでいる。それはつまり、どんと落ち込んだこのリーマン・ショックでのところから、まさにここで当時の麻生政権が次々とこれ補正予算を組んで対策を打った。その効果が出現したのがまさに鳩山政権だったわけですね。 その後、我々が政権を受け継いだわけでございますが、安倍政権においては、民主党政権ではその後はほぼ横ばい。リーマン・ショックで落ちて、鳩山政権で上がって、これは麻生政権で打った経済政策の効果が出現して上がって、その後、これ横ばいなんですね。我々が政権を取った段階においては、寸前においては経済はマイナス成長であったところを、まさにこれはV字回復をしているところでございます。 このところ、二四半期連続でマイナス成長となったわけでありますが、政権発足時、つまり民主党政権のときと比べれば、これは七兆円増加しているんですよ。これは明らかでありまして、足下の七月—九月、これは反動減が昨年ありました。反動減も続いている中においても五百二十四兆円なんですね。これは民主党政権のときの一番高いとき五百二十二兆円でありますから、そのときよりも落ちている七月—九月の方が高かったということでございまして、どちらの政策が成果を上げているかということにおいては明らかではないかと、このように思うところでございます。 何といっても、倒産件数は民主党政権時代よりも二割も減って、二十四年ぶりに一万件を、低下をしているところでございます。有効求人倍率も二十二年ぶりの高水準を維持をしているわけでございます。何といっても、まさにGDPそのものがプラスになっていることを見れば明らかではないかと、このように思うところでございます。
○吉田忠智君 総理は、選挙のときの党首討論でもそうでしたが、いい数字しか言わないわけでありますが。 昨日、厚生労働省が発表しました毎月勤労統計調査、御案内のとおりでありますが、給与総額、実質賃金はマイナス二・五%、昨年の。だから、コストプッシュで物価は上がるけれども、賃金引上げが追い付いていない。だから、好循環が生まれていないんですよ。 そこで、米国オバマ大統領も一月二十日の一般教書演説で、中間層減税、富裕層、大企業増税を打ち出されています。貧困対策は共和党も重視していると報道されています。逆に、我が国では、中間層以下に負担の重い消費税を二〇一七年四月に無条件に増税することが決定される一方で、大企業を中心とする法人税を引き下げていくという方針が決定をされているわけです。 格差を是正をして経済の成長を実現するためには、むしろ大企業、富裕層課税の強化、中間層以下への減税が必要ではないかと考えますけれども、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 実質賃金については何回もここで議論をさせていただいておりますが、まさに景気回復期においては、それまで仕事をしていなかった、つまり収入ゼロだった人たちが働き始めます。それは大抵、スタートにおいてはパートだったり短期の仕事になるわけでございます。ゼロだった人が例えば百万円の収入を得たら、これは言わば労働者の賃金ということになるわけでありまして、これ平均の中に加えられるわけであります。 つまり、安倍家において、私が三十万円の給料をもらっている、しかし当時はまだうちの女房が仕事をすぐ得られるという状況ではない、でも、景気が良くなって、うちの女房も仕事をしようということでパートで十万円の仕事をした。そうなりますと十万円です。で、私三十万円、安倍家は四十万円になるんですが、平均して、二人になりますから二十万円になると。これは、どこでも景気回復期においては実質賃金が下がる。大切なことは、働いている人が増えてくるか。まさに働く人が増えたんですよ。安倍政権になって間違いなく働く人が増えた。 そして、その上において見ていくのは、大切な指標というのがあります。それは、実質総雇用者所得でありまして、これは働く人みんなの稼ぎ全体であります。稼ぎ全体におきましては、実質で見ましても、消費税の引上げ分を除けばプラスになっているわけでございます。 言わば、そういう意味におきましては、我々が進めている二%の物価安定目標に向けて消費者物価が上がっていくそのスピードには十分に賃上げは追い付いているということの証左であろうと、こういうふうに思うわけでございますが、昨年の十二月においてはこれを超えて、消費税を入れてもプラスになっているわけでございます。そこをしっかりと見ていく必要がありますし、何といっても仕事があるのが一番でありまして、そういう意味においては、失業率においても、有効求人倍率においてもこれははるかに、はるかにこれは成果が出てきているというふうに思うわけでございます。 その中におきましても、例えば最低賃金は連続で大幅の引上げを行っております。税制におきましても、先ほどの御質問にもお答えさせていただきましたが、累進課税についてもこれを引き上げたわけでございますし、相続税におきましても、これはまさに再配分の機能を発揮させる上において、我々は税制改正も行っているところでございます。
○吉田忠智君 質問時間が短いんですから、もっと一番本論のところだけ答えてください。もう三分しかないんです。 社民党もイデオロギーだけで格差是正を言っているわけじゃなくて、格差是正が一番分厚い中間層の需要を喚起すると、そういう効果があるというのは国際的に最近認められているわけですよね。だから言っているんですよ。 ところが、その一方で安倍政権は、中間層以下を保護するルール、これを改悪をする、市場原理に委ねる。総理がまさに言われた世界一企業が活動しやすい国を目指す。一生涯派遣の派遣法改悪をまた三月上中旬にも出そうとしている。その後、ホワイトカラーエグゼンプション、残業代ゼロの労働基準法改悪案。そして今検討されているのは介護規制の改悪、こういうことが検討されております。JA全中の社団法人化による農協潰し、農村破壊も検討されている。 特に、残業代ゼロ法案と申し上げなければならない。一旦導入されれば、高給正社員限定のポジティブリストから拡大されていくのは目に見えていますよ。派遣労働も最初はごく限定的な専門業種にすると言いながら、どんどん野放しに拡大したじゃありませんか。長時間労働助長、せっかく超党派で全会一致で過労死防止法を作りました。ワーク・ライフ・バランスの理念、女性の社会参画と矛盾する極めて問題の多い法案であります。 この残業代ゼロ法案は、まだ提出されておりませんけれども、改めて撤回すべきだと、検討することも問題だと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) まず第一に、我々、ホワイトカラーエグゼンプションと呼ばれていたようなものは、前回の、管理監督者の一歩手前ぐらいの方々を想定していたものであって、今回はそういうようなことを考えていない、高度なプロフェッショナルな方を相手にするということで、労働時間制度の見直しはワーク・ライフ・バランスの観点から働き過ぎ是正をすると、それから多様で柔軟な働き方を進めるという観点からやるものであって、働き過ぎの是正についてはいろいろな面で、今長時間残業に関する監督指導の徹底などいろいろやっておりますし、このフレックスタイム制についても改善をしようとしています。 この高度プロフェッショナル制度については、グローバルに活躍する高度専門職として働く方が例えばアイデアが湧いたときに集中して働くなど、時間でなくて成果で評価する働き方の導入を進め創造性を発揮できる環境をつくるものであって、我々、高度プロフェッショナル制度は、かつて議論した、ホワイトカラーエグゼンプションと呼ばれていた、さっき申し上げたように管理監督者の一歩手前の方を広く想定したものでは、全く異なるものであるということを申し上げなければならないというふうに思っております。
○吉田忠智君 極めて問題だと、法案だと思っております。 安倍政権、格差是正を是非重点政策としてこれから進めていただきますように強く要求しまして、質問を終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で吉田忠智君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、荒井広幸君の質疑を行います。荒井広幸君。
○荒井広幸君 新党改革の荒井広幸です。 国会で多数決で決めると、こういう民主的なルールではありますが、難しい問題が立て続けに起きておりますし、先送りされた問題、これを解決するというのが安倍内閣の役割だと思います。どうぞ、国会の多数に頼むことなく、国民の合意形成を図っていく、こういう姿勢でお願いしたいと思っております。 いわゆる農協改革です。大臣にお尋ねいたします。 JA共済というのがあります。これは保険業をやっているんですが、保険業法という法律に適用されるようになるんでしょうか。そして、JAバンクがあります。これは銀行法という法律に適用になるようになるんでしょうか。それとも今までどおり農協法関連の法律の中でできるようになるんでしょうか。簡単に、説明なしで実態だけお願いします。
○国務大臣(西川公也君) JAバンク法に基づいて今やっています。それで、農協の皆さんは信用事業も共済事業もこれからも続けたいと、こういう希望をしています。農協の一農協当たりの利益というのは大体三億三千万ぐらいなんですね。その大宗を成すのが信用事業と共済です。 しかし、これからどうするということにつきましては、農協そのものに、理事に無限責任ということで責任論はありますけれど、どちらがいいかというと、自分でやりたいという人がたくさん農協におりますので、これからは、JAバンクに頼もうか、それとも農協がやるか、これについては選択制にしたいと考えています。
○荒井広幸君 私どもは、言ってみれば保守リベラルを自任しておりますけれども、郵政民営化でこれは強烈に反対をいたしまして、落選もし、除名され、今新党を立てているわけですね。今の問題というのはまさに格差にもつながるところでして、行き過ぎた市場原理というものを導入したところに格差も生まれたわけです。 ですから、私は、互助の精神の農協組合法に基づく、今のところ重要なんです。重要なんです。銀行法も、いわゆる生保業法、こうしたものの適用ではなくて、相互扶助の精神のこの農協法関連のところで運用する、これを私はいいことだというふうに思っていますから評価をしているんです。 続いて、これは事務方にお尋ねをいたします。 この十年、今信用事業というのがありましたけれども、農家の皆さんの大切な預金ですから、この十年で不祥事件、どれぐらいありましたですか、JAバンク等々で。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。 農林水産省が農協を所管いたします各都道府県を通じまして調査した結果によりますれば、平成十六年度以降の十年間におきまして、都道府県が信用事業を行う農協の内部管理体制の不備を理由といたしまして業務改善命令等の行政処分を行った件数につきまして、公表されているもので三十四件でございます。これら処分の原因別の件数でございますが、職員による横領が三十件、不正融資、不正契約、不祥事の未報告、あるいは粉飾決算がそれぞれ一件と相なっているところでございます。 以上でございます。
○荒井広幸君 私はちょっと調査能力ないと思っていますよ。農林中金が去年の六月に公表しているんです、ちょっと日付、私、今の忘れましたですが、九百件ですよ、業務横領等を含めて。えらい違いですよ。 ですから、そういう不祥事が出ているということも我々は考えないといけない。会計で見過ごしたんではないか、チェックが働いていないんじゃないか。つまり、抑止力がないのではないかという問題点がここで浮き彫りになるんです。 といたしますと、この農協、あるいは職員の個人にまつわるものかもしれませんが、仕組みの中に何か緩みがあるかもしれない。それはそうです、全中という農協の親玉が農協を見るんですから。そして、その単協の方々が県の農協の中心者になり、国の役員になっていくんですよね。 ですから、当然ながら、不正が起きないように監査をしていくということは当然なんですから、全中から第三者に会計監査をさせるというのは私は改革じゃなくて当然だと思っているんですが、大臣、どう思われますか。
○国務大臣(西川公也君) 私どもは、二十二年に農協できました、それが一万を超える農協でした。昭和二十年代、経済の低迷もあって、大変な農協の経営困難が起きたと。それで、二十九年に農協法を改正して、全中、全国に、それから各都道府県に県中を持ってもらいました、一か所ずつ。そこで、特別な措置として監査権限を与えました。 その監査権限で会計監査と業務監査をやっていると、こういうことでありまして、私どもは、農協そのものの収支の状況を見ると、自己資本率も非常に高い状況にありまして、八%という国際基準をこれは大幅に超えた財務内容になっています。そういう意味では非常に効果があったと、こう受け止めておりますが、今言われましたように、内部が内部を監査して果たして本当に見切れているのかと、こういう意見があることも承知しています。そういう中で、私どもは、今与党の議論を待っておりますが、外部監査、これについての議論を今やっていると、こういう状況です。
○荒井広幸君 我々、郵政民営化で、大勢の方も落選されましたし、刺客も送られました。我々は、やっぱり農家の皆さんの、みんなで頑張る、その気持ちのきずなによって地域が潤い、安全な食料を提供してもらえる、地域も維持できる。同じような考えをこのJAにも持つんですよ。みんなで助け合っていくこの精神を忘れたら日本は駄目になります。 しかし、そういうところに課題があるなら、改革と言うから大なたのように聞こえて身構えるんですが、改善なんですよ、これは。農家や地域活性化のために、そして末端の農家に、本当に地域の方と一緒になってもらって頑張ってもらうために、そういう課題があれば取り除いていくということは私はおかしいことでは全くないと思っています。 私は自民党のときに農村高齢者福祉対策プロジェクトチーム主査ということで、今、山田議員が国会に出ておられますが、あのときに地域では、介護保険導入とともに介護ができなくなる、選択肢がないんじゃないかと。そこで、厚生省等々と協議をいたしまして、自民党の皆さんの力そして国会の力をいただいて、これは法改正ではありませんでした、JAが福祉に出ていけるようにして、今も貢献しているんですね。本当にそういう形になってもらいたい、そういうふうに願うんです。 総理に改めてお尋ねします。 今度の、いわゆるJA改革と言っていますが、必要な改善をしていくというこの目的について御説明ください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさにこの全中ができた昭和二十九年のときとは情勢が大きく変わっているわけでありまして、言わば個々の農家が主役でなければならない。この農家の方々が安心して、あるいは意欲を持って、情熱を持って農業に専念する。そして、農業に言わば未来を託すという意味において若い人たちも農業の分野に入ってくる、そういう農業に変えていかなければならない。そのためには、まだまだ様々な創意工夫を凝らしていく必要があるんだろうと。もう平均年齢が六十代の後半になっていますが、だからこそ若い人たちが入ってくる必要もあります。 まだまだ可能性があって、販売の努力、営業をもっと進めていく、付加価値を上げていく努力、あるいは海外に販路を拡大をしていく努力、そういう意味において、地域の農協がその創意工夫を生かせるようなそういう、まあ荒井委員は改革という言葉が余りお好みではないかもしれませんから改善と言ってもいいんですが、そういう改善でありあるいは改革を行っていきたいと、このように思うわけであります。
○荒井広幸君 党名が改革でございますので、大変好きなわけですね。 どうぞ、総理、いわゆる行き過ぎた市場主義によって経済を活性化させるとばかり思うと、副作用や格差が出ます。やっぱりこの日本ならでは、これは世界に通じます、この相互扶助、だから介護も医療も年金も保険制度できっちりしているのは日本だけですよ。どうぞ、郵便局もそうでありますが、このJAもそういう意味で市場競争原理一辺倒に対する防波堤の役、そして少子化社会の中ではここを活用していく、こういったところを是非考えていただきたいと思います。 続いて、昨今議論が続いている中で抜けている問題があろうと思いますので、その話に移りたいと思います。 冒頭、今回の本当に人質事件でお二人の方の尊い犠牲がございました。お見舞いを申し上げます。御家族の皆さんにも哀悼の意を表する次第でございます。 報道取材の問題を取り上げさせていただきます。ほとんど出ていない議論ですが、非常に重要な問題です。 紛争地域あるいは危険を伴う場所、これは、私は福島ですからこの福島でも経験をしたんですが、今回の紛争地域における報道取材の在り方が議論を十分にされていない。報道の自由と自己責任との絡みの問題もあるでしょう。そして、お聞きをいたしますと、我が国では紛争地域を始めとする危険を伴う場所における報道取材については、各大メディアを中心に報道機関の正社員の方、記者ですね、そういった方々が取材を行うのではなく、フリーランスのジャーナリストの方々に負うケースが多いと言われているんです。果たしてこれは倫理的に見てどうなのかという議論が一方であるでしょう。 そしてもう一つには、フリージャーナリストと呼ばれる方々は、高い使命感を持って、リスクを恐れず、知らせる権利、知る権利、そういったものに応えようと活躍をされています。しかし、ここには自己責任をどう考えたらいいかという問題がまたあるのではないでしょうか。取材内容を採用するか否かはメディアの側にこの権利があるわけなんですね。こうした自ら取材に行くケースもあれば、報道機関との契約で行くケースもあるそうです。もし、この二人の方の尊い犠牲、そして二〇〇四年にはイラクで、七年にはミャンマーで、一〇年にはタイで、一二年にはシリアで、やはりそうしたジャーナリストの皆さんが巻き添えに遭っているわけですね、邦人が。 どうでしょう。総務大臣に聞きます。 放送法、テレビを、ラジオを所管する総務大臣、どういう取材の実情なのか御存じでしょうか。ここを知らなければ総理が検証していくということの材料として乏しいのではないでしょうか。 また、新聞等は、これは所管がございません。ですから官房長官にお尋ねします。 今後、邦人の命を守るために、総理がおっしゃる全力を尽くしてその目的を達成するためには実情というものを知らなければならないと思いますが、どこまで把握されているのか。総務大臣、官房長官の順でお願いしたいと思います。
○国務大臣(高市早苗君) 現行の放送法におきましては、放送番組の制作については、その取材のプロセスにつきましても放送事業者の自主自律を基本といたしております。よって、紛争地域などにおきますこの取材活動についても、基本的には放送事業者が自主的な規律を持って適切に判断をし対応される、これが基本になります。 なお、昨日付けでNHKに対しましては、総務大臣名で、外務省が発出しております危険情報等、これを国内外の国民の皆様に迅速に知っていただくための取組の依頼をしたところであります。 現行の放送法、これをどう考えるかということでございますけれども、憲法二十二条、これによります移住、海外に出る自由もございます。他方で、憲法十二条、公共の福祉や権利の濫用、こういったものによる制限が掛かるのかと、こういう議論もありますけれども、さらに、憲法第十四条、法の下の平等ということもあります。現地に救出に行かれるやはり公務員の方々との平等をどう考えるか。非常に難しい問題がありますけれども、テロ対策というのは不断の見直しが必要だと思いますから、今後とも政府の中で、政府全体として検証をしていくべきものだと考えます。
○国務大臣(菅義偉君) 今回の事件を振り返っても、極めて難しい問題であるというふうに思っています。 政府としては、当然報道の自由は、これは十分尊重されるべきであるというふうに思いますし、報道機関やフリージャーナリストと言われる方の報道を規制はすべきじゃないというふうに思います。一方、退避勧告行われる地域に報道取材というのは、これは極めて危険が伴うことであります。しかし、様々な事情から、ジャーナリストと言われる方たちがこうした地域に取材に現実的には赴く場合があるということも承知をしております。 ですから、外務省において、渡航情報は国民の皆さんの安全を守るためのものでありますから、勧告を、注意をさせていただいているところでありますが、今回の事案の最中にも、ある報道機関の記者が退避勧告の出ているシリアに入国したために、政府として、これ出てほしいという勧告した事例も実はあります。また、シリア国境沿いのトルコの側の町に多くの日本人のプレスが取材のため滞在する事態となって、トルコ政府から誘拐等のおそれがあるということで警告も実はあって、当該地域に退避勧告も、今度の事案の途中でありますけれども出させてもいただきました。 いずれにしろ、安全確保、そして取材、極めて難しい中でありますけれども、やはり今回の事件に対する対応についても政府部内にこれ検討をしっかりしていきたいというふうに思います。
○荒井広幸君 検討をしっかりするというお話をいただきました。 そもそも、ジャーナリズム、ジャーナリストが標的になることの方がおかしいんです。言論の自由の前におかしいんですよ。しかし、現在は身の代金の代わりの、人が物になってしまい、場合によっては、国籍等々によってはその国の政策変更を求めるという、命が材料になってきているという局面が多々見られるわけです。 そのときに、非常に難しい問題が今我々の前に横たわっていますので、総理にはどうぞ、報道の自由ではあると思います。しかし、今回総理も、野党も求めている検証の中で、表現の自由と報道の自由と自己責任と、そして国民、国家の利益と、こうした取材の在り方はどのように関係していくのか、是非マスコミの自発的な検証をいただいて、更に政府として検証していく。自発的にマスコミから、その自主性を尊重し表現の自由を守るためにお出しいただいて、差し支えない範囲でお出しいただいて、検討するということを是非していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の事案を検証する上において、あらゆる角度から検証していく必要もあるんだろうと、こう思う次第でございます。 ただいま荒井委員が御指摘になった視点、これは当然、報道の自由、権利との関わり合いもあるわけでございますが、いずれにせよ、こうしたことの再発を防止する上においてどうすればいいかとの観点から検証していきたいと、このように思います。
○荒井広幸君 終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で荒井広幸君の質疑は終了いたしました。(拍手) これにて内政・外交の諸問題に関する集中審議は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時三十一分散会