予算委員会 第2号
- 発言数
- 400 件
- 登壇者
- 35 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 2015/02/02
会議録
○委員長(岸宏一君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成二十六年度補正予算三案審査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ─────────────
○委員長(岸宏一君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成二十六年度補正予算三案審査のため、必要に応じ日本銀行総裁黒田東彦君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(岸宏一君) 平成二十六年度補正予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。 質疑は、本日及び明日の二日間行うこととし、総括質疑方式とすること、質疑割当て時間の総計は二百九十五分とし、各会派への割当て時間は、自由民主党五十九分、民主党・新緑風会九十四分、公明党二十五分、維新の党二十三分、日本共産党二十三分、日本を元気にする会・無所属会二十三分、次世代の党十二分、無所属クラブ十二分、社会民主党・護憲連合十二分、新党改革・無所属の会十二分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。 ─────────────
○委員長(岸宏一君) 平成二十六年度一般会計補正予算(第1号)、平成二十六年度特別会計補正予算(特第1号)、平成二十六年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題といたします。 これより質疑に入ります。那谷屋正義君。
○那谷屋正義君 おはようございます。民主党の那谷屋正義でございます。 この間、総理そして官房長官、そして外務大臣を始め閣僚の皆様方、本当に連日お疲れさまでございます。大変お疲れだと思いますけれども、今日あしたの議論について、冷静に、そして真摯に議論をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 昨日早朝、インターネットに投稿された映像、拘束されていた後藤健二さんが殺害されたと見られるものについて、政府は、総合的に判断して本人の可能性が高い、後藤さん本人と考えているとされました。この報に接し、痛切な悲しみと強烈な怒りを禁じ得ないところでございます。湯川遥菜さん、そして後藤さんについても最悪の結末を迎えたことは痛恨の極みでありまして、御親族に心より哀悼の誠をささげたいと存じます。 過激派テロ組織ISILによる蛮行は絶対に許されず、いかなるテロ行為も許すことはできない。政府に対しましては、国内外での国民の保護、安全確保に万全を期すことを求めたいと思います。 また、今まで御協力いただいてきたヨルダン政府を始めとする諸外国政府に感謝を申し上げておきたいというふうに思います。 さて、私たちは、お二人が無事に解放されることを第一に考え、政府による一元的な取組を後押しする立場で事態の推移を見守りつつ、政府の対応の詳細をただすことを控えてまいりました。今我々がしなければならないのは、今後このような事態が二度と起こらないよう今回の事件への対応を冷静に検証していくことで、政府としても、国会としても、そのことが不可欠ではないかというふうに思います。 そこで、まずは、これまでの政府の対応について安倍総理に説明を求めたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 湯川遥菜さんと後藤健二さんのお二人がテロの犠牲になられたことに対し、衷心より哀悼の誠をささげます。御家族に心からお悔やみを申し上げたいと思います。 今回の邦人テロ事件について、政府としては、人命第一の立場に立ち、これまで培ってきたあらゆるチャンネルを最大限活用し、早期解放に向けて全力を尽くしてきたところであります。中東訪問中にヨルダン、トルコ、エジプトの三か国の首脳と、また帰国してからも関係各国の首脳と電話会談で協力要請を行ったところでございます。詳細につきましては相手国との関係がございますのでつまびらかにすることはできませんが、先方からも最大限の協力を行う旨確約をいただいたところでございます。特に今回は、アブドラ国王を始めヨルダン政府には後藤さんの解放に向けて最大限の御配慮をいただいた、感謝申し上げたいと、このように思うところでございます。 すべからく国民の命、安全を守ることは政府の責任であり、その最高責任者は私であります。結果としては、二人の日本人の命が奪われたことは誠に無念であり、痛恨の極みであります。政府としては、日本人の安全確保に更に全力を挙げていくとともに、今後のテロ対策、海外の邦人保護に万全を期していく考えでございます。 そして、私たちはテロに決して屈してはなりませんし、テロに屈することはありません。テロの脅かしに屈すれば更なるテロを招きかねないわけでありまして、日本は中東への食糧、医療などの人道支援を更に拡充し、テロと闘う国際社会において、日本としての責任を毅然として果たしていく考えであります。
○那谷屋正義君 今、この間の政府の御対応について答弁をいただきましたけれども、いろいろと細かいことについてお聞きしたいんですが、今日は余り細かいことはお尋ねをしません。ただ、今回の事件の検証は、再発防止の意味でもしっかりとやっぱり行わなければならないというふうに思っております。 今後の議論に向けて、政府には、この間の経緯について可能な限り最大限情報を国民に公開していただくことを要請しておきたいというふうに思います。 もう一つお尋ねをしておきたいと思います。 一月十七日に総理は、日エジプト経済合同委員会においてISIL対策、周辺国支援として二億ドルの支援を表明され、そのための経費は今回の補正予算にも組み込まれているところでございます。 この支援の内容について、国際社会に必ずしも残念ながら正確に伝わっていないという声も多く聞かれるところでございます。日本の支援内容について、具体的な説明を外務大臣にお伺いします。
○国務大臣(岸田文雄君) この度、我が国が表明しました人道支援ですが、この地域で住むところもなく、また日々寒さに震えながら飢えや病気に苦しむ一千万人以上の避難民や子供たちに食糧あるいは医療物資などを届けるための、命をつなぐための支援であります。ISILの脅威に直面し、こうした難民、避難民を受け入れているイラク、トルコ、ヨルダン、レバノンあるいはシリア、こういった諸国に主に国際機関を経由して提供されるものであります。 この支援に対する、中東へのこの人道支援に対する理解ですが、今般の事件発生後も様々なルートを通じてこのような支援につきまして説明努力を続けております。この二億ドルの支援を含め、我が国の中東地域の平和と安定に向けた取組、これは中東諸国からも高く評価されていると認識をしております。 昨日も、在京のアラブ外交団、中東地域の十五か国の大使の方々の表敬を私自身受けさせていただきましたが、各大使から、我が国の取組あるいは支援に対する感謝あるいは高い評価を聞かせていただいた次第でございます。 我が国としましては、今後ともテロに屈することなく、国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から、こうした人道支援、引き続き充実させていかなければならない、このように考えております。あわせて、引き続き国際社会への説明もしっかりと努力していきたいと考えております。
○那谷屋正義君 具体的な内容そして提供の仕方については、今後も検証を続けさせていただきたいというふうにも思います。 委員長にここでお願いなんですが、政府に対して、今回の二億ドルの支援の具体的な提出先そして時期、拠出品目及び目的について詳細な資料の提供を求めておきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○委員長(岸宏一君) 後刻理事会にて協議いたします。
○那谷屋正義君 今回、日本を始めとして世界中のイスラム教徒から、二人の無事を祈る、そういう祈りがささげられました。今回の事件とイスラム教とは全く無縁なものだというふうにも認識しているところであります。我が国として、平和を愛するイスラム諸国との連携をより一層強め、また日本国内でイスラム教徒や中東の方々に心ない嫌がらせ等が起こらないように願い、そして政府にそうしたことを防ぐ対応をしっかりと行っていただきたいというふうに思います。 この件に関しての質疑は、私の方からは以上とさせていただきます。 次の質問に移らせていただきます。 昨年の暮れの総選挙、いろんなことが言われている総選挙でありますけれども、総理、あの解散・総選挙の意味というか意義というものについて、もう一度ここで国民の皆様に御説明をいただけたらと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 昨年の十二月十四日に投開票日となった総選挙でございます。ほぼ第二次安倍政権が成立をして二年が経過しようとしていた段階でございますが、我々は、既に税と社会保障の一体改革の中において、本年の十月に消費税を更に二%上げていくことを決定をしていたところでございます。 それに先立ちまして、昨年の四月に三%消費税を引き上げたところでございますが、この反動減が予想以上に大きく、そして、七月、八月、九月、残念ながら景気は回復することができなかったという中において、今年の十月の消費税引上げを一年半延期すべきであると、このように判断をしたところであります。同時に、一年半後には、景気条項を取って、もちろんリーマン・ショックのような事情の変更は別でありますが、いわゆる景気判断はせずに消費税は引き上げていくということを内外に示す、そういう判断をしたところでございます。 税において重大な政策変更をする以上、まさに税は民主主義の基本であり、代表なくして課税なしという言葉、これはアメリカ独立戦争の大義でもあったわけでありますが、我々はそこで国民に信を問うべきだと、こう判断したところでございます。 同時に、この消費税の引上げ延期については、それこそ私たちが進めてきたアベノミクスと言われる経済政策の失敗ではないかという御批判も野党からいただきました。果たしてそうかということも含めて総選挙を行ったところでございます。
○那谷屋正義君 解散というのは総理の伝家の宝刀というか、そういうものでございますけれども、あの年末の大変忙しい時期に、本当に多くの国民からなぜ今この時期に解散・総選挙なんだということがずっと言われてきて、この間も、何回かこの国会でも議論をされてきたところではございます。 消費税増税の引き延ばしというか、それについては恐らく国会の中では与野党共に反対をする者もいなかったということの中で、それだけが争点というのは本当にそうなんだろうかという声がずっとございました。 私は、例えば、これは総理が決めることですからいつまでも言う話ではないかもしれませんが、昨年の七月一日の、あの日本のこれからの方向性を変えるいわゆる閣議決定、あの閣議決定のときに、その前がいいのか後がいいのかというのはありますけれども、国民にそのことについてどうかという意味では解散・総選挙というのはあったというふうに思いますけれども、それはいかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) あの際も、閣議決定をしたときにおいても解散・総選挙をすべきだと、こういう御議論もいただいたわけでございます。 その意味におきましては、それから、七月から約四か月後になったわけでございますが、解散・総選挙を行ったところでございまして、当然、解散・総選挙というのは、すべからく衆議院の解散・総選挙は政権の選択でございまして、各政党が政権を取ったらこういう政策を進めていくという政権公約を世の中に、国民に対して発表し、お約束をするものでございます。 その中には、当然、私たちはこの閣議決定、そしてこの閣議決定にのっとって切れ目のない安全保障法制を進めていくということも書いているわけでございますから、この選挙において議論になったというふうに私は認識をしております。私が出席をしたテレビの討論等におきましてもこの問題については議論になったと、このように認識をしております。
○那谷屋正義君 今総理はそのように言われたんですが、残念ながら、あの選挙のときのマスコミ、特に新聞報道等には今のことについてはほとんど触れずに、やはりアベノミクスの効果というものについてずっとあったということで、そういう意味では、今のこの閣議決定の問題について国民が十分に考えるには至っていなかったのではないかなというふうに思いますし、あの解散・総選挙が、実はその前の安倍内閣、様々、大臣の周りが大変にぎやかでもございました。それをある意味封鎖するというような意図もあったのではないかといううがった見方もございます。こうして見ますと、まだ閣僚席にお座りの方たちもいらっしゃいますし、今後とも民主党としてはその辺りは厳しく追及をさせていただくことを申し上げておきたいというふうに思います。 次に、早速でありますけれども、その七月一日の閣議決定についても、これも大変詳しい議論ではまだなっていないと思いますけれども、何度かありました。私の方からも是非お尋ねをしたいことがございます。 まず初めに、資料を御覧いただきたいと思います。(資料提示) 今日、石破地方創生担当大臣、今回は所管が違うわけでございますけれども、ここにありますように、今回閣議決定を行うに当たって、安倍総理は、憲法改正は不要、国家安全保障基本法も不要というか閣議決定で行うということです。そして、集団的自衛権の行使の限定については限定をするというふうになっています。 ところが、石破大臣、当時は幹事長でいらしたんですけれども、憲法改正は不要、国家安全保障基本法については必要だと、盛んにこの国家安全保障基本法について主張をされておられました。また、集団的自衛権の行使の限定については限定すべきでないというような主張もされていたというふうに思うわけでありますけれども、これについて、安倍総理のこの閣議決定というものについて全面的に認められるのかどうか、お尋ねをしたいというふうに思います。
○国務大臣(石破茂君) お答えをいたします。 それは、内閣の一員として内閣として決めたことに従う。それは、内閣は連帯して国会に責任を負っておりますので、それぞれがそれぞれ勝手なことを言い出しましたら、それこそ憲法の趣旨に反することに相なります。内閣として決定したことに従うのは内閣の一員として当然のことでございます。
○那谷屋正義君 それは、私もおっしゃるとおりだというふうに思います。 しかし、石破大臣のいわゆるライフワークとも言える、まさに政治家としての矜持というものを考えたときに、本当にそれでいいのかという、そんな、おせっかいかもしれませんけれども、思うわけでございまして、その辺についてもう一度お答えをいただければと思いますけれども。
○国務大臣(石破茂君) 重ねてのお答えで恐縮でございます。 それは、憲法に従いまして内閣の一員として国会に連帯をして責任を負う、そういうことでございます。それは政治家としていろんな考えはございましょう。それはライフワークということを私は何度も申し上げてまいりました。基本的な考え方として、それはもう内閣の考えと私は全く一致をしておるのでありまして、連帯して責任を負う、当然のことだと思っております。
○那谷屋正義君 石破大臣の主張と私との思いはちょっと違うわけですけれども、しかし、やはり国会がこうした大事なことについて関わることの必要性も、実は石破大臣、当時強調されていたというふうに思います。 要するに、この大事なことを国会で議論をせずに閣議決定で決めるということについて何か問題は感じていらっしゃらないのかどうか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 所管外のことにお答えをすべきだと思っておりません。 それは、内閣として法律を提出いたします以上、必要なプロセスを踏まなければ法律の提出はできないという当然のことでございます。
○那谷屋正義君 私は、本当に国会の果たすべき役割というのは、この問題については非常に大事だというふうに考えておりまして、そうすると、例えば今後、今成案中というふうに言われております様々な関連法案についてこれから閣議決定が行われるわけですけれども、そのときには石破大臣は御自分の主張をどのように発揮されるのか、あるいはもうそのまんまオーケーですというふうに承諾されるのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) それは今後どういう議論が行われるか、今申し上げるべきことでもございません。それはいろんな議論が当然、私ども自由民主党、公明党の連立内閣でございますが、多くの議論が内閣において行われる、しかし議論をする、決まったことには従う、当然のことであります。
○那谷屋正義君 私は、石破大臣の主張されていた国会の果たすべき役割、あるいは議論がやっぱり行われるべきだというこの部分について、この閣議決定の内容を含めて今後もしっかりと閣議の中で主張されることを望みたいというふうに思います。 また、石破大臣と安倍総理の、大変申し訳ございませんが、比較をする部分についてはまた後ほど提示をさせていただきたいと思います。 総理、実はこの間、集団的自衛権の行使の重要な、それが重要だという理由についてはいろいろと国民に御説明をいただいたんですけれども、私は、逆に言うと、これについて本当に国民に理解を得るには、この集団的自衛権のもたらすいわゆる、何というんですかね、マイナスの部分というか、そういったものについてもしっかりと総理からお話をいただいて、その両方を含めて国民にこの問題どうなんだというふうにお考えいただくことが正当なんだろうというふうに思います。この間、国会の議論の中においてもほとんどその集団的自衛権の問題点については議論がされていませんので、そこのところは、私は、やはり今日少し明らかにさせていただきたいというふうに思います。 一つ、日本国際ボランティアセンターというところがありまして、これは平成二十六年六月十日付けで集団的自衛権をめぐる議論に対する国際協力のNGOが提言しているわけでありますけれども、これまで保たれていた中立性の原則、これが軍との関係を疑われると攻撃を受ける危険性が高まるというふうに懸念をされているわけでありますけれども、これに対して総理、どんなふうにお答えになりますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 言わばこの集団的自衛権の行使に関わる法改正を進めていくわけでございますが、集団的自衛権の行使をする、これは我々の閣議決定においては、解釈の一部変更につきましては、集団的自衛権の行使、一般の、国際法における一般の集団的自衛権の行使を全て容認されているわけではないわけであります。そこに三要件が日本の場合は掛かっているわけでございまして、言わばこの三要件のうち、例えば国の存立が危うくなる、そして国民の生命や自由等々のこうした諸権利が根底から覆される明白な危険があるという状況でなければ武力の行使ができないということになっているわけでございます。 ですから、言わばメリット、デメリットということで今おっしゃられたわけでありますが、つまり、こういう事態になれば国民の生命が危うくなっている、言わば日本人の持っている諸権利が根底からこれはもう覆される明白な危険があるときにやらないということについては、それはまさに日本人の命や幸せな暮らしが危うくなるということでしかない、そういうときにしかこの集団的自衛権の行使は行わないということであります。こうしたものとは関わりなく集団的自衛権の行使をするのであれば、それに伴う様々な問題との比較考量するという必要があるんだろうと思いますが、そうではないということは申し上げておきたいと思います。 また、NGOの皆さんとの関係においてでございますが、現在、日本のNGOは世界の様々な地域で人道支援活動に従事をしています。そうした方々につきましては、例えば、先般の閣議決定で認められた、これは集団的自衛権の行使ではございませんが、駆け付け警護等でNGOの方々に及んでいる危険を除去する、あるいは救出をするために武器の使用を可能にするということも検討していくところでございます。これは集団的自衛権の行使とは別に、言わば警察権の行使として行っていくものであろうと、このように思います。
○那谷屋正義君 いろいろございますけれども、ただ、幾つか御紹介したいと思いますが、アフガニスタンやパキスタンでいわゆる地元国民の診療などを行っていらっしゃるNGOペシャワール会の中村哲さんの話というのが割と有名なんですけれども、この方が、人道支援、人道復興支援をずっとしていたけれども、これが近隣国の敵意が増すのではないか、そして緊張状態をつくり出す、そうなっていくと、戦争ができた昔に戻す動きに見えて大変危険だという、そういうワーニングを発していらっしゃるわけですけれども。 この戦争ができた時代に戻るというのも、これも総理は、いや、そんなことないとよくおっしゃるんですけれども、もう一度それについて国民に、皆さんにお話しいただければと思いますけれども。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 戦争ができた時代という言葉をどういう意味で使っておられるか、これは推測するしかないわけでございますが、例えば戦前という言葉でそれを表現されているのであれば、例えば日本が海外で権益を確保するために軍隊を出してその地域を占領する、まさに国際問題を解決をするための手段として日本が海外に派兵をして武力行使をするということも含めた戦争ということではないかと、こう思うところでございます。 ここで、切り分けて考えなければいけないわけでありますが、例えばPKO活動において、もう一度我々は見直しをしていくことにしております。そしてまた、PKO活動以外の国際社会が連携して平和を回復、維持していくための活動に対する後方支援等々でございます。これらはいずれも武力行使ではないわけでございます。 そういう中において日本が支援をしていくということは、それは武力行使を伴わないPKO活動、あるいはPKO活動ではありませんが国際社会が協力して行っていく地域の安定、平和構築のための活動に対する自衛隊の貢献、あるいは後方的な支援等々でございますが、これにつきましては、言わば武力行使ではない中において、地域の平和と安定あるいは民生の向上等々のための日本の責任を果たしていくためではないかと、このように思うわけでございます。 そしてまた付け加えますと、先ほど申し上げましたように、現在の段階においては、もし邦人が、あるいはNGOの方々も含めて危険な状況に陥ったときに、そういう方々を、これは受入れ国の了承が必要でありますが、受入れ国の了承の中において、救出することができない、輸送はできますが救出はできないという中において救出も可能にするという、そうした議論をこれから行っていきたいと、こう考えているところでございます。
○那谷屋正義君 なかなか難しい話なんだろうと思うんですけれども、ここでちょっと視点を変えて、このNGOの方々といつも隣り合わせで頑張っていらっしゃる外務省の国際協力局の方はこうしたNGOの方々の懸念をどのように受け止めているのか、ちょっとお尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(石兼公博君) 今お話ございましたように、私ども、日本の国際協力NGOの方々、これは開発協力を進める上で不可欠なパートナーと認識しております。したがいまして、私自身、そうしたNGOの方々から御意見を伺う機会、少なからずございます。 他方、イラク、ガザといった紛争地域で現在人道支援に従事しておられるNGOの関係者の方々から、今御指摘の集団的自衛権に関わる閣議決定について何か直接私がお話を伺ったということはございません。
○那谷屋正義君 直接伺ったことがないということですけれども、当然、懸念されていることがいろんなところで発表されているわけですから、やっぱりその辺までしっかりと、気遣いはされているとは思いますけれども、もう少し認識、重大な認識を持っていただきたいなというふうには思うところであります。 この間、いろいろ言われていますけれども、日米ガイドラインが今見直しを行われているということでありまして、まだ、本当は昨年末にその答えが出てくるところだったんですけれども、これが先延ばしにというか、多分六月以降になるだろうというふうに言われています。 この日米ガイドライン、要するに例の、先ほど総理は三要件というふうに言われましたけれども、この閣議決定に基づいて日米ガイドラインが見直しをされるということになったときに、仮にアメリカがよく言われる地球の裏側まで日本に一緒に付いてきてくれというふうに言われたときに、これどうするおつもりでしょうか、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この集団的自衛権の解釈の変更につきましては、私たちが集団的自衛権を行使するのは、まさにこの三要件に当てはまるときだけでございます。まさに外交的な手段がないとき、他に手段がないときであり、先ほど申し上げましたように、国の存立が危うくなり、かつ生命や自由、幸福追求の権利、そうした権利が根底から覆される明白な危険という中において国の存立を全うするために必要最小限の武力の行使をするということになっています。 これに当てはまるかどうかにおいて決まるということでございまして、その上において、今後、法案を出して御審議をいただくわけでございますが、さらには実際に自衛隊が出動して武力を行使する場合には国会の御承認が必要となると、そういう仕組みにしていくことを我々も考えているわけでございます。 ですから、地理的にどこだからそれが当てはまらない、近くなら当てはまるということではないと、このように思っております。
○那谷屋正義君 まだ机上の空論というか、今後のことだから分からないということなんだろうと思うんですけれども、過去にもアメリカが日本に対して一緒に兵をというふうなことが何度かありました。そのときには、時の政府は、これまでの集団的自衛権行使容認に対する見解の中で、うちには憲法九条があり、それはできないということで断ることができたわけでありますけれども、これを今度断ることが仮にそうなったときにできないのではないかという懸念も多く示されているところでございますけれども、その場合、どうでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員がおっしゃったことは重要なポイントだと私も思います。 つまり、憲法上許されるかどうか、そして憲法上許され、そしてその行動を起こすための法的な裏付けがあるかどうか、さらにはその上に政策的な判断があるわけでございます。まさに政策的な判断において基本的に日本の国益に資すものではないというときには、米国が一緒に行ってくれと言われても、これはやりませんということになるわけであります。 しかし、基本的に日本の集団的自衛権の行使を認められるのは先ほど申し上げました三要件にかなうということでありますから、まさに日本の存立に直接関わってくること以外において、言わば米国にお付き合いしましょうという事態において武力の行使をするということは、それはそもそも、これは憲法上許されないと、言わば三要件にこれは該当しないと考えるべきだろうと、このように思います。
○那谷屋正義君 今後のことをやはりしっかり注視していかなきゃいけない部分だろうというふうには思いますけれども、もう一つ懸念されることが実はありまして、ちょっと今回のことがあってなかなかこれは慎重にお聞きをしなきゃいけないと思いますが、要するにテロの危険性が高まるのではないかという、そういう問題であります。 今、日本にとって必要である、もう最小限のことだというふうにいろいろと三要件のことを言われましたけれども、攻撃を受ける、例えばアメリカと一緒に日本の攻撃を受ける相手国にとっては、日本にどんな大義があろうと、その相手国にとってはもう完璧に敵になるということでありまして、そのときに、そうなったときに、今アメリカあるいはフランス、そういったところで様々起こっているテロというのがもう本当に起こりやすくなってしまっている状況にある、これは決していいことではないし、許されることではないんですけれども、しかし、その危険性が高まるという、国民の中には、多くの国民がその危険を感じる方もいらっしゃいますので、これについてはどのようにメッセージを発せられますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、現在起こっている問題、過激主義が台頭している、その中でISILが残虐な方法で支配地域を拡大している、この動きを止めなければならない。今年の一月にはフランスにおける言論に対するテロがございました。こうしたテロの流れをこれは断ち切らなければならない。これは何もイスラム対世界という構図では全くないわけでありまして、つまりイスラムこそこのISILと闘っている最前線と言ってもいいんだろうと、こう思うわけであります。 私も先般中東を訪問をいたしまして、エジプト、ヨルダン、またあるいはパレスチナを訪問して、このISILこそ彼らにとって最も憎むべき対象であるという話を伺ったわけであります。イスラムのまさに地位を低下させる、イスラムにとって、全く彼らにとってマイナスの存在でしかないという話も伺ったところでございます。 こういう中において、日本としても、人道支援を行い、また周辺国の支援を行い、一千万人の難民の命をつなぐための支援を行っているところでございますが、日本が空爆等にこれは参加することは、もちろんこれはあり得ませんし、またその後方支援をするということも考えていないわけでございます。そのことはまずはっきりと申し上げておきたいと、こう思うところでございます。 そして、今後様々な出来事が起こってくる中において、集団的自衛権の行使ということに限って言えば、これは後方支援については、これは武力の行使ではありませんから集団的自衛権の行使ではありませんが、後方支援ではなくて、言わば集団的自衛権そのものにつきましては、先ほど申し上げましたように三要件が掛かっておりまして、日本の存立が危うい、そしてまた日本人の生命や自由や幸福追求の権利、こうしたものが根底から覆される明白な危険という中においてのみ発動されるものであると、このように御理解をいただきたい。その中において、むしろ発動しなければ国民の生命が危うくなり、諸権利を我々は享受することができないという状況が起こると、こういうことになるわけであります。
○那谷屋正義君 ちょっとお答えがいただけていないかなというふうに思います。 総理があの閣議決定後に記者会見で掲げられた十五の事例がありましたけれども、あのことが起こる可能性よりも、一部でありとも部分的でありとも、この集団的自衛権の行使を容認したということが全世界に発せられたときに、特にテロ集団がその情報を当然キャッチしていますけれども、そのキャッチしたときの日本に対するリスクの方がはるかに多いのでは、可能性としては高いのではないかという指摘がございます。 特に、日本には原発がもうたくさんあるわけでありまして、そこを仮に狙われるとすると本当に大変なことになる、なりかねないとも思うわけでありまして、そういう意味では、その総理が言われた、掲げられた事例よりも、むしろそういうふうに踏み切った時点で日本がテロに襲われる危機が高まるというふうに言われていますけれども、それはどうでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、総理に就任して五十四か国を訪問し、首脳会談も二百回近く首脳会談を行ってまいりました。その結果、ASEANの首脳たちも、あるいは北米大陸、南米の首脳も、そしてまたヨーロッパも中東も、ほぼ全ての首脳に集団的自衛権の行使も含む積極的平和主義について理解と強い支持をいただいているところでございます。つまり、日本の意図については多くの国々に理解していただき、支持をされているところでございます。 しかし、例えばISILのようなそうしたテロ集団につきましては、まさにこういうテロ集団を封じ込めていく、その動きを抑え、基本的にはこうしたテロのない世界をつくっていくためにこそ我々はこの積極的平和主義を進めていくわけでありますから、そういう考え方に対して彼らが反対をするというのはある意味当然のことなんだろうと、このように思うわけであります。 事の本質は何かといえば、彼らが何を気にするかということではなくて、ISILこそ中東地域を不安定にし、イスラムの人々にとっても大変な脅威になっている。日本は中東地域に多くの資源を頼っているわけでございますが、この地域の平和と安定を確保し、こうした過激主義を抑える、国際社会と協力をして過激主義を抑えることこそ日本に求められている責任ではないかと、このように思うところでございます。
○那谷屋正義君 ISILの話をずっとされていますけれども、そうではなくて、日本に、日本の国内にそうした危機が、テロに襲われるという危機が高まるのではないかというその御指摘に対して総理はどのようにお考えになられるのかということなんですけれども。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本に対するテロ行為に対して我々は万全を期しているところでございますし、こうした事案を受けて更に一層しっかりと体制を整えていきたいと、こう思っている次第でございます。 そして、ISILを始めこの過激主義のテロからは、フランスの事例を見ても分かりますように、あるいはベルギーにおいても大規模なテロの準備がなされていたわけでございまして、世界どの国もこのテロの脅威から逃れることができないわけでありまして、まさに、だからこそ国際社会が連携しながら情報を共有し、しっかりとそうしたテロに対応していくことが求められているのではないかと思います。
○那谷屋正義君 総理の言われる積極的平和主義の中身が少しずつ分かってきたような気もするんですけれども、私が申し上げたいのは、これまで日本はテロに襲われたことはないんです。ないんです。これが今後、集団的自衛権を制限的といえども認めたということになったその瞬間に、まさに今言われた諸国と同じような危機が高まるというふうに懸念をするわけですけれども、それについてちょっと是非お答えいただきたいんですけれども。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本がテロに襲われたことがないということではないんだろうと思います。 国内において、かつて「悪魔の詩」について翻訳した教授が首を切断されるという事案がございました。残念ながら犯人は逮捕できていないわけでございますが、言わばテロとの関わり、テロの可能性というのもあるのではないかと、このように思われています。そして、テロ、これは海外からのテロではなくて国内におけるテロとしてはオウム真理教の大規模なテロがございましたし、かつては三菱重工の爆破事件等々のテロ行為が行われていたわけでございます。そうしたことをこれからはしっかりと未然に防いでいく必要があるだろうと思います。 日本人が関わっていることについていえば、ダッカにおいて日本の航空機がハイジャックされ人質になった。クアラルンプールにおいても同様の事件があったわけでございます。 日本人が標的にされたテロも今までも同じようにあったわけでございますから、しっかりとこれからも対応していくことが大切、万全を期していくことが求められているんだろうと、このように思います。
○那谷屋正義君 大変申し訳ないんですが、総理の答弁を聞いても、なぜ、なぜというか、高まるテロに対する危機の問題についてのお答えがよく私には理解できていないなというふうに思っています。 もう一つの観点で、先ほど石破大臣にもまたお出ましいただいたところなんですが、安倍総理と石破大臣がいわゆる日米同盟に関して発言されている部分がございました。これは、安倍総理は幹事長時代、二〇〇四年の幹事長時代でありますけれども、軍事同盟というのは血の同盟です、日本がもし外敵から攻撃を受ければ、アメリカの若者が血を流します、しかし、今の憲法解釈の下では、日本の自衛隊は、少なくともアメリカが攻撃されたときに血を流すことはないわけです、完全なイコールパートナーと言えるのでしょうか、双務性を高めるということは、具体的には集団的自衛権の行使だと思いますねというような発言があったと。 石破大臣は、集団的自衛権が行使できないと言っているのは世界で日本だけだと、日本が攻撃を受けた場合、米国の若者が血を流す覚悟をしている、他国が攻撃を受けたときに日本は命を懸けませんでよいのかというのは、これは二〇一四年五月十八日のNHKの日曜討論で御発言があったということでございます。 要するに、アメリカとのイコールパートナー、双務性を高めるイコールパートナーというものをやっぱり目指しているのかということを石破大臣にちょっとお尋ねしたいと思うんですけれども。
○国務大臣(石破茂君) それは、イコールパートナーということが何を示すか、それはいろんな要素がございます。 非対称的双務関係というのが今の日米同盟でございますが、それをどのように対称的にしていくのか。双務関係であることは間違いございません。その内容をどのようにしていくかはこれからいろんな御議論の上で決まっていくことでありまして、内閣として決定した以上はそれに従うということであります。
○那谷屋正義君 済みません。完全なイコールパートナーと言われたのは石破大臣ではなくて、安倍総理が当時幹事長のときでございますけれども、安倍総理、いかがですか、この完全なイコールパートナーというものもある種目指されているというふうに理解していいんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日米同盟でございますが、安保条約によって日米同盟関係を日本は構築をしているわけでございますが、御承知のように、最初の日米同盟は、日本がサンフランシスコ条約を批准したときに日米同盟が最初結ばれたわけでございますが、最初の日米同盟というのはもう一条から五条しかない条約でございまして、言わば日本に軍隊を駐留することができると、その軍隊を使って日本を守ることもできると、こう書いてある、非常にそっけないものであったわけでございます。 その後、六〇年の安保改定において、安保条約の五条に言わば米軍の日本を防衛する義務と考えられる条文が記されたわけであります。言わば防衛義務を米国に課し、そして六条において、米国は極東の平和と安全のために日本の施設、基地を使うことができる。これ、非対称的な双務関係と言ったのは、ここで言わば双務関係が確立をされているところでございます。 パートナーというのは、より、当然、対等に近くなっていくことによってこのパートナー関係のきずなは強くなっていくというのは一般的な考え方でございます。もちろん、米国はこの条約を遵守し、しっかりと日本を守っていくのは当然のことであろうと、こう思うわけでありますが、その中におきまして、このアジア太平洋地域の安全保障環境がより厳しさを増している中において、日米がお互いに協力することによって日本の安全はより高まっていく、地域の平和はより安定したものになっていくという考え方の下で申し上げたところでございます。
○那谷屋正義君 いろいろと難しく聞いちゃったのかなと思うんですけれども、要するに、アメリカ、ここにありますように、血の同盟だということの中で、アメリカの若者が仮に日本の安全のために血を流すなんということがあったときに、これが日本の、例えば今でいえば自衛隊が血を流すということがイコールパートナーになるのかという、そういうふうな疑問だということなんですけれども、それについてもう一度お答えいただけたらと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 言わば人間の基本というのは助け合いでございまして、言わばお互いに助け合ってこそ真の信頼関係は生まれていくわけでございます。 しかし、日米同盟関係についていえば、もう風雪に耐えた同盟関係でありまして、まさにこのアジア太平洋地域の安全保障の柱石になっていると言ってもいいだろうと、このように思いますし、アジアの地域、東南アジアの地域からもこの日米同盟の重要性について評価されているところだろうと思うわけでありますし、また、多くの国々が日米同盟が強化されていることを今のこのアジア太平洋地域の情勢の変化において望んでいるところでございます。そういう中において、いかに日米が共同で様々な出来事に対処していくことができるかどうかということも大変重要なポイントではないかと、こう考えているところでございます。 その中におきまして、では具体的に何をするかというのは、まさにこれから法律として、我々は法整備を進めていく中において法案として国会に提出をするわけでございまして、その場において具体的な御議論をしていただきたいと、このように思うところでございます。
○那谷屋正義君 端的に御質問したつもりなんですけれども、なかなか端的にお答えいただけないので、今後の議論の中でということが答弁なんだろうというふうに思いますけれども、要するに、限定的とはいえ、集団的自衛権の行使が行われるようなことになれば、言ってみれば、今でいえば、自衛隊の方々が当然命を落とすこともあり得る可能性が、そういう可能性があるということなんだろうと思うんですけれども、そのことについて、どうも総理はそういう可能性があるというふうな形ではっきりとお答えいただかないんですけれども、ちょっとそこのところを是非お聞かせいただきたいと思うんですけれども。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは個別的自衛権についてもそうなんですが、個別的自衛権を発動する際、自衛隊の諸君は日本人の命を守るためにまさに命を懸けるわけでございます。そのための宣誓を入隊において行う。 そして、集団的自衛権におきましても、まさに先ほど申し上げましたように、三要件においては、日本の存立が危うくなるという事態であって、かつまた日本人の命や自由やあるいは幸福追求といった、そうした権利が根底から覆される状況においては、当然、自衛隊の諸君はそれを、その中において日本人の命を守るためにこそ彼らは命を懸けて日本のために戦うと、こういうことではないかと思います。
○那谷屋正義君 いずれにしても、自衛隊の皆さんのリスクは相当高まるということなんだろうというふうに思いますが、ここでちょっとお尋ねしたいんですけれども、自衛隊の総指揮者になられるいわゆる防衛大臣、中谷防衛大臣、新たに就任されたというふうに思いますけれども、防衛大臣としてどのような御認識をお持ちなのか、お尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) これまでも、自衛隊は我が国を防衛するために自衛権に基づいた任務を与えられまして、誠実に職務を果たしているわけでございます。 当然、危険度というものがありますが、今回議論されている内容においても、総理が言及されていますけれども、自衛隊員が海外で我が国の安全と無関係な戦争に参加するということは断じてないということでありまして、あくまでも国民の命と平和な暮らしを守り抜いていくためという自衛隊の任務においては何ら変更がないと思われます。 また、後方支援も議論をいただいておりますが、これも、海外で活動される場合に、いかなる場所で活動する場合にあってもこれまでと同様に自衛隊の部隊の安全を確保しつつ行っていくということは言うまでもございません。
○那谷屋正義君 大臣、たしか小野寺大臣のときだったと思うんですけれども、先ほど総理が答弁で言われた、いわゆる海外での自衛隊が輸送ができるようになったというお話がございました。このときに、日本から自衛隊の皆さんを送るときに小野寺大臣が何を言われたかというと、私が今願っているのは、派遣する自衛隊の無事を祈るだけですと、こう言っていたわけなんです。これは大変重い言葉だったというふうに思います。 しかし、今のお話だとそれが余り感じられないというか、何というんですかね、じゃ、これまでと何も変わらないんじゃないかなという気がするんですけれども、もう一度、済みません、その辺。
○国務大臣(中谷元君) 現在でも、PKO活動や海賊対処活動において、海外において自衛隊員が活動していただいておりますが、私も大臣として、隊員の安全、無事、これは常に心に思っておりますし、変わるものではございません。 そういう前提で、今後について、現在、どのような対応をしていくのかまさに検討しておりますけれども、そういった気持ちはいささかも変わることがないという前提で、海外における対応等もしてまいりたいと思っております。
○那谷屋正義君 これは全然外れちゃうんですけれども、私は教員だったんですが、先日、三十一年ぶりに教え子に会いまして、そのときにいろいろ話をしました。政治家になった私に対してもいろいろと質問をされましたけれども、授業のときよりも相当厳しい質問が飛んできましたけれども。 そのときに、是非、安倍総理に、やっぱりこの集団的自衛権の行使容認の危険性というものについて、もっともっと国民にはっきりと言ってもらわないと困りますと。特に、やっぱり実際に子供を産み育てた女性にとって、この問題は非常に深刻な問題であります。 勇ましく、勇ましくと言っちゃいけませんけれども、要するにアメリカと対等にやはり血を流す可能性もあるんだというふうなこと、これは仕方ないんだという言い方というのは一方ではあるかもしれません。しかし、実際にそういうふうになったときに、その身内の方たちというのはやはり非常に心配なんであって、もう少しこの部分についてはっきりとお示しをいただきたいというふうに思います。 このことについては、また今後、閣法等でいろいろ出てくるということでございますので、そのときにも是非しっかりと議論をさせていただくことをお願いをしたいと思います。 次に、今年は戦後七十年ということでございまして、この戦後七十年に向けて総理は談話をされるということをこの間ずっと言われております。 この間、これまでの村山談話、それから六十年の小泉談話、こういったものを全体的に踏襲すると言われながらも、今お示しした表のように違う部分がございます。特にどこが違うかというと、植民地支配と侵略、とりわけアジア諸国の人々に対して多大な損害と苦痛を与えたというこの部分については、全く言及をされていません。それから、対処ですけれども、痛切な反省と心からのおわびという文言、これについても言及をされないような雰囲気でございます。 しかし、安倍総理が今回言われている中にあって、未来志向というのがよく言われます。これは過去にとらわれない形での未来に対する意思表明ということなのかもしれません。具体的な行動としては、安倍流の積極的平和主義なのかなというふうに思うんですけれども、この辺について、総理、どんなふうに今お考えなんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍政権としては、戦後五十年の村山談話、戦後六十年の小泉談話を含め、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでおり、今後も引き継いでいく考えであります。七十年の談話はそれを前提として作成するものであります。 談話の内容につきましては、さきの大戦への反省、戦後の平和国家としての歩み、今後、日本としてアジア太平洋地域や世界のために更にどのような貢献を果たしていくのか、次の八十年、九十年、百年に向けて日本はどのような国になっていくのかについて、世界に発信できるようなものを英知を結集して考え、新たな談話に書き込んでいく考えでございます。 今、未来志向についての話がございましたが、未来志向の土台は過去と断絶したものではもちろんないわけでありまして、さきの大戦への反省、そしてこの七十年の歩みの上にこれからの八十年、九十年、百年があるわけでございまして、そういう中から、今後、有識者の皆様の御意見を伺いながら、政府として検討していきたいと考えております。
○那谷屋正義君 特に私から申し上げたいのは、この談話の中に、よく総理が、今日も答弁の中で言われましたけれども、積極的平和主義という言葉がございますけれども、これが入るか入らないかというのは相当違ってくるんではないかなと思うんですけれども、積極的平和主義というのについて、端的にもう一度国民の皆さんにどういうものなのかということを御説明いただけたらと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この積極的平和主義の理念について申し上げますと、脅威は容易に国境を越えてやってくる時代になったわけでありまして、我が国の平和と安全を守るために、アジア太平洋地域の平和と安定を確保し、さらには国際社会の平和と安定を確保しなければならないわけでありまして、そのために我が国は地域と国際社会の平和と安定にこれまで以上に積極的に貢献をしていく、これが私の言う国際協調主義に基づく積極的平和主義であり、我が国の国家安全保障の基本理念であります。 積極的平和主義につきましては、先ほど申し上げましたように、様々な機会を通じて世界各国に詳しく説明を行ってきておりまして、米国はもとより、ASEAN諸国、欧州、中東、アフリカ、中南米の圧倒的多数の諸国から、我が国が世界や平和と安定に一層積極的に貢献を行うものとして大きな支持をいただいていると、このように思います。理解を求める際には、それぞれの国の言葉で書いたものを、要旨をお配りをしているところでございます。
○那谷屋正義君 今の答弁で国民の皆様が御理解されたかどうかというのはちょっと分からないんですが。 もう一度お聞きします。いわゆるこの積極的平和主義と昨年の閣議決定にある集団的自衛権の行使容認というのは、関係があるというふうに考えていいんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 昨年の閣議決定におきましては、いわゆる集団的自衛権の行使一部容認だけではなくて、PKO活動あるいはPKO以外に分類される様々な国際協力活動において日本がより積極的に活動できることについても様々な記述があるわけでございます。そうしたものも含めまして我々は説明を行っているところでございます。
○那谷屋正義君 もう一度お尋ねします。 要するに、この積極的平和主義というのは、本当はこの積極的平和というのは、いわゆる国際的には今総理が言われたような趣旨で理解をされているものではございません。要するに、単なる戦争を行わないといういわゆる消極的な平和主義だけでなくて、やはり争いのもとになる貧困だとか、あるいは民族だとか、あるいは差別、こういったものをなくしていくための努力をしていくということがこの積極的平和というふうに言われています。これとは総理の言われているのは若干違う、若干というか、大分違うように私は思うんですね。 その総理の言われる積極的平和主義というのは、やはりこれまで外交に力をずっと入れてくる中にあって、日本は武力行使は行わないということの中でこれが言われてきたんですけれども、今後、あの閣議決定以降、どうもそうではなくなる可能性があるのではないかという懸念が大いにあるわけでありまして、そういう意味では、積極的平和主義というのは昨年の七月の閣議決定の集団的自衛権の行使の容認というものも含まれるというふうに考えていいのかどうか、もう一度お願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、那谷屋議員が御指摘になった点、差別をなくしていく、貧困をなくしていく、その中で紛争をなくしていく、あるいは女性の権利を守っていく、そういうことについても、いわゆる人間の安全保障と言われる分野についても我々は積極的にしっかりとやっていく。これは、例えば紛争地域における女性の人権を守っていくための貢献、UNウイメンへの貢献等々は国連で演説をしているとおりでございます。そうしたものもしっかりと当然行っていくわけでございます。 と同時に、また、地域で紛争を抑止をしていく必要があるんだろうと、こう思うわけでございます。言わば、そのためには世界でちゃんとルールを作っていくということも大切であり、そのためのルール作りについて、海のルールとしてシャングリラで三つの基本原則を主張したところでございます。 こうした貢献も行いつつ、同時に、今申し上げました実際の抑止力をより高めていく上において、例えば日米の協力がより強化されることによって、これはアジア太平洋地域における抑止力は高まっていくということについてはASEANの国々の理解は十分に得ていると、このように思っております。
○那谷屋正義君 もう少し端的にお尋ねをします。まあ十分総理としてはお答えいただいていると思うんですけれども。 要するに、積極的平和主義というのは、国際的な平和、国際社会の平和を勝ち取るためには多少の武力行使もやむを得ないと、そういうふうなことで捉えていいのかどうかということを私はお尋ねしているところでございます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 平和を維持するために武力行使を行うという文脈で我々は全く考えていないわけでございまして、私たちが申し上げているのは国際協調主義に基づく積極的平和主義でありまして、一義的には、まさに那谷屋委員がおっしゃったような種々の努力を、むしろそこに中心を置いて努力を行っていくということであります。 その上において、日本に求められている例えばPKO活動もそうでしょうし、平和構築の中における努力もそうでしょうし、あるいは、民生を更に、紛争地域であったところが民生の向上を行っていくための努力に対して様々なこれは貢献を行っていく。その際、NGOだけではなくて例えば自衛隊の力が必要とされる場合もあるんだろうと、このように思うわけでございます。 同時に、地域の平和を維持するためにおいては、様々なルール作りとともに、そのルールを担保する抑止力をしっかりとしたものにしていく。その中におきまして、例えば日米同盟関係をしっかりときずなの強いものにしていくことは貢献していくことに資する。でも、そこはまさに主体ではなくて、我々の積極的平和主義の主体は先ほど那谷屋さんがおっしゃったようなことをしっかりとやっていくということであります。 例えば、この積極的平和主義の中においては、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジも入っているわけでございまして、世界の貧困に苦しむ国々においても健康保険を享受できる、そういう仕組みをつくっていく上において日本も貢献をしていく、そういうことも包含しているものでございます。
○那谷屋正義君 先ほど、総理が様々なところでこの積極的平和主義について説かれているというお話がございましたが、そしてアジアの国々から理解が得られているというふうに言われましたけれども、中国、韓国も本当にそういうふうな理解をされているのでしょうか。まあ正確なあれがないかもしれませんけれども、感覚的に、もしお答えいただければと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 残念ながら、中国、韓国、中国と韓国はちょっとニュアンスは違いますが、他の国々のように強い支持、称賛をいただいているという状況にはなっておりません。これからまさに我々は、私たちが進めようとしている国際協調主義に基づく積極的平和主義についての説明を続けていく努力をしたいと、このように思っております。
○那谷屋正義君 これは総理の談話なので、私がまたこれおせっかい出すということにはならないかもしれませんが、ただ、ここで今ちょっと総理が答えられたように、中国、韓国からそういう理解を十分には得られていないということであれば、この談話の中にやっぱり積極的平和主義という言葉は私は入れない方がいいのではないかということをあえて申し上げておきたいというふうに思います。 談話の意味というものについて考えれば、やはり世界的に理解をされるものでなければならないというふうに思います。先ほどアジアと言われながら、中国、韓国は残念ながらそうなっていないと。中国、韓国ってアジアだよなというふうに思うんですけれども、そういう意味では是非慎重に御検討いただきたいということを申し上げておきたいというふうに思います。 大分残り時間がなくなってまいりました。 実は今日は、総選挙の意味として、恐らく、衆議院の任期が残り二年だったやつが選挙をすることによって新たに四年になると。この四年になった段階で、総理がまた本当に自分のいろんな国づくりをやりたいということの中で、どんな国づくりをやりたいと思われているのかということについて国民の皆さんに御理解を賜りたいというふうに思っての質問だったのでありますけれども。 そこで、一つ、労働法制についてお尋ねをしたいと思います。 昨年の通常国会、そして臨時国会、そして今回も提案をされると言われる部分でありますけれども、労働者派遣法というのがございます。これについては、非常に労働界、働く者からは評判が悪い法案でありますけれども、これについて総理の御認識をお尋ねしたいと、この狙いは何なのかということについてお尋ねしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府が進めております労働時間制度の見直しは、ワーク・ライフ・バランスの観点から働き過ぎを是正するとともに、多様で柔軟な働き方を進めるためのものであります。 働き過ぎの是正につきましては、企業に対して、働く人の意見を聞いて、十分に今も年次休暇が取れていないという状況でありますから、休暇を指定することの義務付けなどの検討を進めるとともに、長時間残業に関する監督指導の徹底などの対策の強化を図ってまいります。また、多様で柔軟な働き方を進めるため、フレックスタイム制について……(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 静粛に願います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 例えば、子育て中の親が……(発言する者あり)よろしいですか。フレックスタイム制について、例えば子育て中の親が子供の夏休みに合わせ働く時間を調整するといったより柔軟な働き方を可能とする見直しなどを検討しているわけでありまして、お尋ねのあった新たな労働時間制度は、グローバルに活躍する高度専門職として働く方が例えばアイデアが湧いたときに集中して働くなど、時間でなく成果で評価する働き方の導入を進め、創造性を発揮できる環境をつくるものでございます。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 御静粛に願います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) つまり、新たな労働制度におきましてはこういう全体的な中で進めていくわけでございまして、派遣につきましては、言わば派遣を望む方についてはこの派遣の中においてしっかりと待遇を改善をしていくようにすることでございます。また、派遣を望まない方につきましては彼らがキャリアアップしていくことができるような仕組みになっているということであります。 詳細については厚生労働大臣から答えさせていただきたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今総理から答弁申し上げましたように、多様な働き方を制度化をしていくということが新しい時代にふさわしい働き方ではないか。それは、やはり働く側にニーズがあるとともに、言ってみれば会社側にもニーズがある。大事なことは、やはり働く側のニーズということを我々は大事にしていかなければならないと思っております。 今、派遣の問題でございますけれども、一番大事なことは今総理が申し上げたとおりでありますけれども、今回の改正の中でやはり一番大きいのは全部を許可制にする。今までは届出と許可制があって、やはり働く人たちの権利、これは今二種類あって、派遣のままでいいと思っていらっしゃる方についての権利、つまり処遇を良くする、それともう一つは正社員になりたいという人たちのための配慮、こういったことをきっちりと派遣元、そして派遣先、両方に義務化をしていくということを担保するために全てを許可制にするということを我々は今回しっかりやっていきたいというふうに思っております。 ですから、いずれにしても、今回の派遣法の改正を、今出すことを検討しておりますけれども、その中で働く人たちのニーズに合った形で、そして権利をしっかりと守るということで、細かなことはまた今後、具体的な法律が出てきたところで御説明を申し上げたいと思いますけれども、そういった権利を守りながらニーズに合った働き方を守っていくということをやることが今回の趣旨でございます。
○那谷屋正義君 働き方の多様化、そういったニーズということなんですけど、果たして、例えば一家、一世帯の主たる収入を得る立場の人が派遣労働者であるということをどれだけ望んでいるのかということについては大いに疑問であります。それでなくても今、年収が二百万以下、二百万前後の人が物すごい膨れ上がっているという状況でありまして、やはり国がやるべきことは正社員になりたい人たちをいかに援助するかというところにあるんだということだと思うんですけれども、もう一度、その辺、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生おっしゃるように、先ほど総理から申し上げたように、我々のアンケート、政府のアンケートで見てみますと、大体半々ぐらいがこの派遣で結構ですという方と、いやいや、やっぱり正社員になりたいんですという人たち、相半ばしているんですね。 したがって、先ほど申し上げたように、やはり正社員になりたいという方のためには、この雇用の安定とキャリアアップでできる限り正社員になれるようにしようということを、今回新たに義務付けるものもたくさん入れて、今回、派遣が言ってみれば正社員に行く道の一時的なものとしても位置付けを明確にしていこうということであります。 もう一つは、やはり働き方として派遣のような形の方が都合がいいという方もおられて、そういう人たちにとっては、やっぱりキャリアアップができ、そして処遇が改善をしていくための措置というものを派遣元と派遣先にそれぞれやっていくということでございまして、先生のおっしゃっているお気持ちは、そのとおり我々も同じように考えながら、それを制度化して守っていこうということをやろうとしているのが今回の法律でございますので、初めから駄目駄目というふうに思われずに、一緒にひとつ議論をしていただいて、働く人のニーズに合った法改正をしているということを御理解を賜ると大変有り難いなというふうに思っております。
○那谷屋正義君 働く人のニーズは今言われたようにそういったことがあると思いますが、先ほど私が申し上げたように、一世帯の主たる収入を得る人たちというのは、今その人たちが派遣労働でいるということ、あるいはパートタイマーでいるということが相当数あるわけで、特に若者にはそういったことが多い。その中で、今少子化というのは私は日本で最大の問題だというふうに思っていますけれども、やはりそこの、結婚をし、そして子供を産み育てるという、そういう状況になかなかならない。そのためには、やはり安定した雇用というのが一番求められる。だとすると、それは派遣ということではなくて、パートでもなくて、正社員という部分をやはり多く望んでいるということが私の周りではもう相当というか、ほとんどそういう状況になっておりますので。 一方で、先ほどお話しされた、労働者のニーズと言われましたけれども、じゃ、逆に経営側にとってその選択が与えられるとしたときに、経営者の方は派遣を選ぶのか、それとも正社員を選ぶのかといったときには、これはもう自分たちの利益を考えたらおのずと派遣のままでいきたいというふうに考えるのが自然じゃないかなというふうに思うんですけれども、その辺、いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) おっしゃいましたように、企業がどういう都合でやるのかということと働く側のニーズというものとをどううまく合わせながら働く人の権利を守っていくかということがとても大事だというふうに思っておりますし、先生もそういうことをおっしゃっているんだろうというふうに思います。 したがいまして、企業の都合だけで派遣でいってしまうということがないようにするための措置というものも当然あって、ですからそれは、まず第一に許可制にしますから、正社員化を図る努力をしない場合には、許可ですからやっぱりきちっとしていなければ駄目だし、そういうキャリアアップの制度を元々持っていなければ許可もしないということになっています。それと、全て、今まではずっと派遣でもいい業種も幾つかありました。しかし、今回それを含めて三年で一回切って、そこで会社側の組合の意見を聞く。その意見を聞かないと、やっぱり更に派遣を続けるということは企業の都合だけではできなくなるということもございます。 ですから、そういうようなことを数々入れながら、企業の都合だけでいくようなことがないように、やっぱり働く人のニーズに合った制度にしていくということでありますけれども、これは実際に法律が出てきたときにまた具体的な措置については申し上げたいと思いますけれども、そのような気持ちで今回また改めて法律を出して御説明を申し上げ、御理解を賜ろうということでございます。
○那谷屋正義君 今のお話については、なかなか考え方も違う部分があって、やっぱり今後委員会の中で法案が提出されたときにしっかりと議論をしていかなきゃいけないというふうに思いますし、どうしても美しい言葉がさっと先に行くんですけれども、よくよく考えると現実的にはそうじゃないんじゃないかということがたくさんありますので、是非その辺について真摯な議論をやっぱりさせていただきたいというふうに思います。 時間の方がもうかなり来てしまいましたが、先ほど総理に本当にちょっと順番私の方で入れ替えて質問しちゃったんで申し訳ないなと思うんですが、いわゆるその新たな労働時間制度と自己管理型労働制ということで、総理は二〇〇七年当時、いわゆる日本版ホワイトカラーエグゼンプションというのを打ち出されました。このときと今回の新たな労働時間制度とは随分違っているところがありますけれども、その辺について御説明いただけたらと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 第一次安倍内閣のときに官房長官でもありましたので、そのときの制度と今回のとどう違うかというのをまず私から御説明申し上げますと、最大の違いはやっぱり対象者だと思います。 具体的には、いわゆる自己管理型労働制と当時は我々言っておりました。第一次安倍内閣のときにお出しをしたものでありますけれども、その管理監督者の一歩手前に位置する者ということで先生のあれにも書いていただいておるわけでありますけれども、そして広く対象にしていたということがまず第一点であります。 もう一つ、今回は、じゃ、どうなのかということであれば、我々今回、高度プロフェッショナル制度と呼ぼうと思っていますが、これについては職務の範囲が明確な高度な専門職、これに絞り込む形で対象者を少なくするということを考えているわけであります。 もう一つは、対象者の年収要件でありまして、かつての自己管理型の労働制では管理監督者の一歩手前とさっき申し上げたようなことでございますので、ふさわしいものを審議会で議論して命令で定めるということで、法律の上では明確にしていなかったということでありますけれども、今回は今のようにまず対象を絞るということもある上に、考え方を報酬についても法案に明記をした上で、法案が成立した後、労働基準法第十四条に基づく告示にあります千七十五万円を参考にするという方針をもう既に審議会の方で明確にしていただいているわけでございますので、かつてのものとはやっぱりちょっと違うというふうにお思いをいただくと有り難いというふうに思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほどは失礼いたしました。 この制度については、希望しない人には適用しないということと、職務が明確で高い職業能力を持つ人材に絞る、そして賃金が下がることのないようにするという三つの原則を指示をしておりまして、この下で検討を進めているということでございます。 こうした観点も、さきのいわゆるホワイトカラーエグゼンプションと言われたものとは違うということでございまして、先ほど塩崎大臣から答弁をさせていただいたように、自己管理型労働制は管理監督者の一歩手前の人を広く対象とするものであって、これとは全く異なるものであると我々は考えているところでございます。
○那谷屋正義君 この新たな労働時間制度という部分についてはいわゆる労働時間の長さと賃金のリンクを切り離した制度ということの中で、働く者にとって大変危惧というか懸念する部分がございますので、これについてもしっかりと議論をさせていただきたいというふうに思います。 そういう意味で、先ほど申し上げました学校の教員、私、教員でしたけれども、教員というのは今まさにここに該当するんではないかと。要するに、残業手当がありません、幾ら残業してもその手当がございません。お手元の資料にはありますね、済みません、これにはないんですけれども、教員の勤務時間がOECD参加国中で断トツに長いという、こういう状況にございます。この状況について、恐縮ですが、財務大臣、どのように認識をされますか。財務大臣、財務。
○国務大臣(麻生太郎君) 公立小中学校の教職員の方々の重い負担感ということについては理解しておりますが、OECDの調査によれば、日本の教員の年間勤務時間は小中学校両方ともOECDの平均を上回っております一方、年間の授業時間は、教職員が担当している授業時間は小中学校共にOECDの平均を下回っているというのが実態であります。日本では授業以外の事務作業に多くの時間が充てられているということに多分問題があるんだろうと思っております。 このように年間授業時間が国際的にも低水準である中で、本来授業を担当すべき教員を増員しても効果的な解決策にはこういう状態ではなりませんので、したがって、事務作業等自体の削減をする、若しくは専門の人材などを活用した授業以外の事務作業等の軽減の方がこれは現実としては効果的ではないかと、そう思っております。 そのため、平成二十七年度の予算案では、地域のシルバー人材などを学校現場へ派遣いたします補習等のための指導員等派遣事業などの予算を拡充させていただき、地域の力や外部専門人材を活用しながら、いわゆる教育予算全体のめり張りの中で教育環境の改善を図ることといたしたいと考えております。
○那谷屋正義君 時間が来ましたので終わりますけれども、安倍政権の重要政策の一つとしてやっぱり教育再生という言葉がございます。本気になってやるんであれば、三十五人以下学級を四十人に戻すなんていうおかしな発言だけはマスコミに躍らないようにしていただくことを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。 今日はありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で那谷屋正義君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、石上俊雄君の質疑を行います。石上俊雄君。
○石上俊雄君 おはようございます。民主党・新緑風会の石上俊雄でございます。 質問に入る前に、昨日未明にシリアで拘束されておりました後藤健二さんの殺害の報に、本当に痛切の極みでございまして、強烈な怒りを禁じ得ないところでございます。御親族の皆様方のお気持ちを考えると言葉にならないわけでありますが、心より哀悼の誠をささげさせていただきたいと思います。 いかなるテロに対しても認めるわけには絶対いかないわけであります。今回のことに対しましてしっかりとした検証、そして二度とこういうことが起こらないような対応を是非政府にはお願い申し上げたいと思います。 それでは、早速質問に入らさせていただきたいと思います。 この二十六年度の補正予算、緊急経済対策が基になっているわけでありますので、その観点から、大きく四つの視点から質問させていただきたいなと、そういうふうに考えているところでございます。 まずは甘利大臣、平成二十六年十二月の二十七日閣議決定されましたこの緊急経済対策でございますが、その立案理由と、そのことによって実質GDPの押し上げ効果、その項目の中には〇・七%と書いてありますが、そのうち今年度中に寄与されるものはどれくらいなのか、そこについて御説明いただけますでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) 安倍内閣が発足以降の今日までの経済運営、基調としてはいいトレンドだと思います。例えば、有効求人倍率は二十二年ぶりの高水準でありますし、昨年の賃金の引上げは過去十五年で最高でありますし、企業収益は統計以来最高水準になっている、倒産件数は二十四年来の低水準と、基調はいいわけです。 ただ、消費税を引き上げまして、その後の駆け込みと反動減というのは山が高いと谷が深いんですけれども、問題はその反動減以降の回復基調が悪いと。そこを分析しますと二つの視点があると思います、課題はですね。一つは消費力が回復していないということ、それから地方に均てんしていないという声があると。でありますから、補正予算は二つのキーワード、地方と消費ということにフォーカスを絞って対策を打っているということであります。 そして、お尋ねの経済効果でありますけれども、GDP比でいいますと〇・七で、そのうち年度内に効果が発出するというのは全体の七分の一であります。〇・七のうちの〇・一が今年度中に発出される効果というふうに算定をいたしております。
○石上俊雄君 理由については分かります。〇・七%押し上げ効果、衆議院の議論でも結構ありましたが、じゃ、何で補正予算をこのところで組むんだというそういう議論になると、二十六年度の今年度中に〇・一%の押し上げ効果ですよ。事務方に聞きますと、来年度は〇・四%、その次が〇・二%なんです。この数か月で三兆一千百八十億円補正予算を組みました。それを来年度の本予算で入れて、その今年度の〇・一%、来年度の〇・四%、これが相当ずれ込むのであれば今年でいいと思うんですけれども、その辺についてもう一度お答えをください。
○国務大臣(甘利明君) 課題の分析ができました。それから、対処すべき手法も整いました。それをいつから始めるかということだと思います。来年度予算ですと、来年度予算が成立をして、いろんな準備があってスタートするというのは、当然ずれ込むわけであります。やるべきことは早くからやった方がいいというのは基本と。 それから、いわゆる、まあ野党からも指摘がありますが、十五か月予算という、連続的に問題点に向けてショットを打っていくということになります。できるだけ早く立ち上げて、それが連続的に効いていくようにするというのが基本的な考え方かというふうに思っております。
○石上俊雄君 何か分かったような分からないようですけれども、やっぱり中身を見ると、新しく出てきた項目だったら何となく分かるんですが、いろいろこのヒアリングをさせていただいて中身を見させていただきました。 今日、例えば環境省でありますけれども、望月大臣には御質問しませんが、補正予算の事項の一覧を見ますと十四項目あるんです。十四項目の中の純粋に補正予算の部分というのは一項目なんです。一項目しかないんですね。新しい項目は一項目。ということは、全部次年度のものの前倒しになるわけですよ。 本当、それでこの補正予算というのが必要なのか。先ほど言いましたけれども、一か月半しかないわけですよね。その中で本当、できるのか。補正予算で組んだ方が何か使い勝手が悪いんじゃないかと思うんですけれども、その辺について、麻生財務大臣、お答えください。
○国務大臣(麻生太郎君) これは基本的に、今回の補正予算の基本的な対象になりますものは、これは緊急経済対策でありますので、二十七年度に予定をされておりますものが早めの二十六年度にそれが実行されるような形になっていくということは、景気対策上、前倒しをやるというのはいいことなのであって、これは会社でも同じことだと思いますが、翌年、下期に発注するか、上期に発注するか、いろいろあろうかと思いますけれども、早めにやった方がいい、効果が上がるのは当然かと存じますが。
○石上俊雄君 もうちょっとお聞きしたいんですけれども、ちょっと時間の関係があるので、本当に分かったような分からないような。要は、理由が明確になれば、この補正予算、ああ、理由は分かるけれども、ううん、やっぱり認められないというんですよ。今、何となく分からない、で、認められないという感じなので、ちょっと気持ち悪いんですけれども、時間があるので次に進みますが。 パネルをお願いします。(資料提示) 上段のグラフをちょっと見ていただきたいと思うんですけれども、このグラフは実質賃金の推移のグラフです。総選挙のときも民主党、よく言わせていただきましたけれども、今は十七か月連続で実質賃金低下しているんですよ。だから、この個人消費、先ほど個人消費を伸ばさないといけないという話が出ましたが、伸びないじゃないかと思っているわけです。 それで、甘利大臣にちょっとお聞きしたいと思うんですけれども、大臣は、一月の十二日午後の来年度の政府経済見通し決定後に、記者の皆さんに、来年度中に実質賃金はプラスになるとおっしゃられているんです。さらに、一月二十三日の都内の講演会でも同様のことを言われているわけですね。 いつ実質賃金の連続して低下していることが終わって景気の好循環の推進力になるのか、またその判断をする、そういうふうに考えられるその理由についてちょっとお教えいただきたいと思うんですが。
○国務大臣(甘利明君) 賃金は、つまり、一人当たり掛ける日本全体の雇用者の総数の賃金がどう変化していくかということが大事だと思います。 実は、ここ数か月、いや、もっと長期間ですかね、全体の名目賃金自身は上がってきています、上がってきている、名目賃金は。ただ、問題は、課題は何かというと、物価を上げるのが目標です、デフレからの脱却ですから。それの上にワンショットで消費税の引上げ分の物価が乗っかりますから、かなり上がるわけです。それを克服できていないというのが課題で、皆さんからの御指摘もいただいているのもそこの点なんですね。ですから、名目は上がってきている、しかもその名目は、消費税分を差っ引いた一般物価高は克服できる程度にはなってきているんです。 次の課題は、消費税分まで含めたものを克服していくということが大事であります。その順序としては、名目が上がり、実質が改善されるという順序でありまして、さきの春闘の結果、賃金が上がって改善をしてきました。しかし、まだもう一息必要であると。でありますから、次の春闘でも賃上げが実行できれば、来年度中には総額としての実質はプラスになっていくというふうに見込んでいるし、それを強く期待をしております。 実は、選挙が終わったのが十二月の十四日であります。普通は内閣は次の組閣まではまあ準備期間に入っちゃうんですけれども、総理から、安倍内閣はいっときたりとも止まってはならぬということで、直ちに政労使を開けと。旧内閣、旧内閣と言うのもおかしいんですけど、その時点の内閣のメンバーでいいからということで、二日後に開きました。政労使の中でそれぞれやるべきことを確認をしまして、使用者側は賃上げということに踏み込んでくれと。 実は、経労委報告という春闘方針を決める経団連の方針で賃上げにかなり踏み込みました。経労委報告というのは、普通は春闘水準を下げるために、余り期待しないでねということの地合いをつくるためのものです。ところが、それを春闘水準を上げるために使われているぐらいの踏み込み方を経団連、経団連会長はしてもらいました。そして年明けから、できるところはベアも含めてという発言が続いていますから、それは我々としては春闘に強く期待をしたいと思いますし、それが一定の成果を上げられれば、来年度中には総体としての実質賃金はプラスになってきていると思いますし、強く期待をしていきます。
○石上俊雄君 いよいよ春闘もスタートをしました。春の交渉というのは労使自治でありますので、労使の皆さんの頑張りに期待したいと思いますが、その春の交渉で賃金が上がれば全ていいのかというところがあるわけですね。そのグラフの下の方を見ていただくと、正社員とそれ以外の方々の賃金格差ってこれだけあるわけですよ。ここのところを何とかせぬと、やっぱり日本の個人消費というのは活性化されないんじゃないかというふうに思うわけですね。 私、産業系の出身で、電機連合の出身ですけど、先日、中央委員会が開かれたようで、しっかりと非正規の皆さんの賃金も上げるように経営側に要請していくということを強く確認したというふうなことを有野委員長から聞いたわけですが。 そういうふうに考えますと、塩崎厚生労働大臣に質問させていただきますが、非正規で働く皆さんの処遇改善、同一労働同一賃金の原則化とか、さらには三千二百万人も雇用を支えておられる中小企業の皆さんが今一番何で苦しんでいられるかというと、十二兆円もある社会保険料、これが重荷になっているんですよ。その辺を何か負担を軽減させるとか、同一労働同一賃金をしっかりと原則化するとか、その辺の取組をしないのかどうかについて、塩崎大臣、お答えください。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほども出ておりましたように、非正規雇用を望まない人にはやはり正規雇用に移っていただくように政府としても最大限の努力をしていくということが大変大事だというふうに思っているわけでありまして、やはり、先生今お話がありましたように、非正規雇用の所得、賃金、これが低いという問題、あるいは雇用自体が不安定だということもありますので、キャリアアップ助成金というのをもう前々から御用意をしておりますし、それから正社員転換への推進というものは、今回の派遣法でも今申し上げたように手を打とうということで、今までにない手をかなり加えてやっているわけでありまして、こういったことで非正規雇用を選択している方々については処遇の改善をしっかりとやっていくと。 そして、今、同一労働同一賃金のお話がございました。これはもう何度も総理からも私どもからもお答えしているように、大変重要な考え方であることは間違いないわけでありますけれども、ただ、いわゆる職能給と職務給というのがありますが、様々な仕事を経験をしている人とそうではない人、あるいは同じ仕事をしているけど責任を負っている人、負っていない人、いろんなことがあったり、経験の浅い人と深い人との賃金を同じ仕事をたまたましているからといって同一にすることが理解を皆さんから得られるかどうかとか、いろんなことがあって、我々としては、直ちにこの同一労働同一賃金ということでいくのはそう簡単ではないなというふうに思っているわけであります。 そこで、非正規雇用労働者の多様な雇用形態に応じたいわゆる均等・均衡待遇というものを推進していくということでこれまでやってきておりまして、パートタイムの労働者についても、差別的な取扱いが禁止される労働者の範囲を広げる法改正がこの四月から施行にまずなります。それから、派遣労働者についても、今提出を検討しております派遣法の改正法案において、賃金等の面で派遣先の責任を強化するなど、いわゆる均衡待遇を一層推進する内容を盛り込むというようなことをやって、その処遇の差の改善というものを、今お示しのようなことが、できる限りこのギャップが小さくなるようにしていこうとしています。 それから、今、社会保険の問題を御指摘をいただきました。例えば、医療保険において、協会けんぽが中小企業の従業員が入っていらっしゃる医療保険であるわけでありますけれども、これについても給付費に国庫補助を行ってきておりますけれども、これを、今一六・四という現在の水準を、保険料負担の軽減という意味で、平成二十七年度、来年度以降も、当分の間、一六・四でいこうということで今御提案を申し上げて、国庫補助の安定化を図るというようなことで、中小企業に対する言ってみれば負担の軽減を図っていこうということでございます。
○石上俊雄君 先ほどの派遣法の改正がこの格差の是正というか、そこにつながるかどうかというのはまた別の議論なので、これは改めてやらせていただきたいと思いますが、いずれにしろ、格差が縮まっていかないと消費につながらないというふうに考えますので、是非ここの対応はお願いしたいと思います。 そこで、中小企業の皆さんを元気にするということについては、昨年もありましたが、資源の高騰、さらには消費税が上がるということで、価格転嫁ですね、この辺の対応が今どうなっているか、宮沢大臣、御説明をお願いします。
○国務大臣(宮沢洋一君) まず消費税の価格転嫁の方から申し上げますと、実は、三%から五%に上がったのは九七年ですけれども、ちょうどアジアの金融危機が、直後に上がったりして、大変、特に大手の流通関係を中心に、下請、納入者たたきというのは大変ひどいことがありました。 当時はなかなか分からなかったんですが、時間がたつと、大体、納入者の方もいろいろ教えてくださるものですから、大変ひどいことがあったということが分かっていたものですから、今回の五%から八%の引上げにつきましては、我々政権に戻ったのが二十五年ですけれども、すぐに転嫁対策の法律を作ろうということで、かなり幅広い行為を禁止行為とする、例えば消費税還元セールなんというものは禁止だというような転嫁対策の法律を作りまして、そして、転嫁Gメンのようなものも公取と経産省、中小企業庁にもたくさん臨時で雇いまして、かなり厳しい目を向けました。 その結果、今回はかなり順調に転嫁ができたんだろうと思っておりまして、一月時点で八三・四%の事業者が全て転嫁できていると、こういうお答えをしていただけるような、そんな状況でございます。ただ、引き続きしっかりと注視していかなければいけないと思っております。 一方で、円安、資源高等々によりまして原材料価格が上がっておりますけれども、こちらの方は、中小企業・小規模事業者の認識では、十月から十二月期の仕入れ単価は高い水準にある一方、採算は悪化していると、こういう状況でございまして、まだ十分に転嫁できていないおそれがあると思っております。 したがって、経産省といたしましては、先月、一月の二十三日に、中小企業・小規模事業者が適正に取引価格に転嫁できるように転嫁対策のパッケージを取りまとめております。具体的には、下請取引ガイドラインというものを作りまして、取引の模範例、要するにちゃんと転嫁させてあげるような取引の事例等々をお示ししまして、業種ごとにこれから要請をしていきたいと思っております。さらに、下請代金法に基づきまして、本年度末、この三月末までに大企業五百社について立入検査を行うなどして、しっかりと転嫁ができるような目を光らせていきたいと思っております。 さらに、政労使会合等々でも適正な取引価格で納入させるように大企業に気を付けてくれというようなことを言っておりますけれども、私自身も、各種会合、特に正月はいろいろございましたので、各種会合では適正な取引価格の設定について大手の企業にお願いをしてまいりました。 先週ですか、トヨタが基本的に改善で生じた価格が下がった分については価格を下げないで下請の方に回すというようなことを検討していると、こんな話もありまして、少しいい方向に動き始めたのではないかと思っておりますけれども、しっかり監視をしていきたいと思っております。
○石上俊雄君 中小企業の皆さんに話を聞くと、まだまだ厳しいよという話を多く聞きます。やはり力関係があるので、是非、政府からしっかりとした指導をしていただきたいというふうに思います。 それでは、次の質問に入りますが、先日来日しましたフランスの経済学者のトマ・ピケティさんですが、そのピケティさんが、経済成長するにはやっぱり格差を小さくするべきだと言っておられるんですね。 先日、民主党の岡田代表、面々が面会されてお話をされたようですが、総理はピケティ氏に批判的なようなんじゃないかなというふうに思うんですけど、経済格差と経済成長は余り関係ない、若しくは全く関係ないとお考えをお持ちなのか、個人消費を回復させるためには、今まで御質問させていただいたように、効果がちょっと疑わしいなと思われる補正予算よりは、格差問題を解決するための本質的な部分にしっかりと取り組むべきではないかというふうに思うんです。 その辺について総理のお考えをお聞きしたいと思うんですが、よろしくお願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ピケティ氏が言っていること、例えば、労働所得と資産所得との関係、資産所得の方が労働所得を上回るということになっていけば、当然それは一生懸命額に汗して働いている人々のやる気をそいでいくということになり、かつ、社会をゆがめていくということになるのであれば、それはそのとおりなんだろうと、こう思うわけであります。 同時に、そこで、労働所得が上がっていくように成長をしっかりと高めていく、生産性、労働生産性を上げていく、これは工業、物づくりだけではなくて、サービス業においても生産性を上げていくことによって、所得がしっかりと、頑張った人が報われるという状況をつくっていくことが大切ではないかと、こういうことであります。 彼の理論に寄せて、言わば再分配を繰り返すだけでは当然これは成長をしていくことはできないわけでありますし、富を、果実を生み出していくことはできないわけでございます。そこで、それをいかにしっかりと成長しながら、格差のない、言わば、格差がないということはどういうことかといえば、これは格差が固定をしていない、あるいは大体世の中でこれはちょっとひどいだろうと、許容し得ない格差ですね、ということが生じないようにしていくということではないかと、こう思うわけであります。 我々は、しっかりと経済を成長させていきながら、この成長によって生み出した果実を、この果実をなるべく均てんをしていくということを目指していきたいと、このように思います。それこそ、日本は瑞穂の国でございますから、瑞穂の国の市場主義ではないかと、こう思っております。 安倍政権が目指しておりますのは、いわゆるトリクルダウンではなくて、経済の好循環の実現であります。そして、同時に、地方経済の底上げでもあるわけでありまして、だからこそ、政労使の懇談会、会合を開いて、しっかりと収益を上げた企業においては賃上げを行ってもらいたい、あるいは設備投資を行ってもらう、そして下請企業に対して価格転嫁ができるように対応してもらいたいということを政府として要請し、先般、経団連側も合意していただいたわけでございます。 そうした形で、しっかりと賃金が今年の四月、また来年の四月も上がっていくという中において消費も喚起され、経済が、しっかりと個人消費に引っ張られる中において経済が成長していく、そういう経済状況をつくっていきたいと考えているところでございます。
○石上俊雄君 トリクルダウンではなくてというお話がありましたが、やはりこの今の政策を見ていると、やっぱり強い人がまた強くなって富んでいくような政策が結構目立つんですね。やっぱり問題解決は格差是正だというふうに思いますので、しっかりと格差を縮める対応をお願いしていきたいと思います。 それでは次に、社会保障と財政の健全化と将来の消費税はどうなるのかなといったところについて御質問させていただきたいと思います。パネルをお願いします。 このグラフは、社会保障分野への公費投入を表したグラフでございます。よく出回るので見られた方もおられますが、一番右側にある、年金、医療、介護・福祉で平成二十六年度は給付に百十五兆円掛かっているわけですね。そのうち保険料で賄っているのは、真ん中のピンクの部分になりますが、六十四兆円、約五五%を占めます。ということは、残りの四五%というのは公費を投入しているということになるんですね。そのうちの、国庫から三十一兆円というのがあるわけですね。これを考えますと、やはり強い経済を回復させるということについては、やっぱり社会保障を含めた将来の不安の払拭、これが大前提というか原則というか、この根底にあるというふうに私は思うわけであります。 そういうふうに考えると、これ見ていただくと、年々社会保険料と社会保障給付費の差額ってどんどん拡大していっているんですよ。単純に考えれば、それを消費税に置き直すと一〇%から二〇%ぐらいになっちゃうんです。まさか消費税をそこまで上げるわけにいきませんから、こういう中で、麻生大臣、プライマリーバランスの黒字化とか長期債務残高返済に向けてということで、その辺をどうやってやっていくのかなというのがちょっと分からないんです。是非、消費税増税といったところも含めてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 政府として、二〇二〇年度のプライマリーバランスの黒字化というものと、その後の債務残高の対GDP比の比率を安定的に引き下げる、まあ財政健全化目標と申し上げておりますけれども、このためには、まず何といっても二〇二〇年度の目標、今から五年後ですけれども、目標の達成に向けた具体的な財政健全化計画というのを今年の夏までには策定をさせていただきたいと考えております。 その策定に当たりましては、これまでの内閣の取組の基本としては、デフレ脱却、経済の再生、これが一点です。それから、歳出の改革、歳入の改革、この三つを基本として検討させていかなければならぬ、これが一番の基本的なところだと思っております。
○石上俊雄君 ちょっとよく分かったような分からなかったような、もうちょっと詳しく説明をいただきたいなと思いますけれども、本当にこの差額って、差ってこれからまだまだ膨らんでいくんですよね。ですから、この辺がクリアになって、この社会保障というのがしっかりと安定しないと、やっぱりみんな消費、回らないですよ。ですから、そのためにもしっかり政府が頑張っていただきたいなというふうに思うわけです。 ちょっと時間もないので次に入りますけど、パネルを交換していただいて、もう一つ、年金についての問題点をちょっと指摘したいと思うんですけど。 ちょっと小さなグラフで大変恐縮なんですけど、これは高齢者の皆さんの年金収入が今どうなっているかというのを表したグラフです。階層別に、あとは年齢別に人数をプロットしたやつなんですが、これによりますと、七十五歳以上の方々というのは今千五百万人程度おられるんですが、そのうちの六割、約六割の方が月十万円以下の年金しかもらっていないというんです。中には、無年金の方が約四・六%、約五%の方が無年金だというんですね。 じゃ、何でこうなるかというと、年金というのは、要は生涯の総収入が表れたものになってくるのでこういう現象になるんですよ。そういうふうに考えると、やはり強い経済を回復させていくためにこの社会保障制度をしっかりとやっていかないと、将来不安というのは払拭できないんだというところに来るわけであるわけであります。 そういった中で、民主党としては最低保障年金といったものも掲げているわけでありますが、塩崎大臣、この年金の世代内、世代間の格差を今後どうやって抜本的に改革していくのか、この辺についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) まず、今お話が、月十万以下の年金受取をされている方が半分以上ということでございますが、国民年金の場合には標準的に六万五千円ということでありますから十万以内に入ってくるわけでありまして、そういう方々が個人事業主を始め多いということはそのとおりだと思います。 今先生、世代内の格差の問題、そして世代間の格差の問題についてお話がございましたけれども、まず年金の格差というか、低年金、無年金、今パネルでお示しをいただいているところでございますが、これについては、社会保障・税の一体改革においても被用者年金への適用拡大、つまりパートへの適用拡大や、それから今回、消費税が二%上げるときまで少し延期になりましたけれども、年金受給資格期間の短縮とか、そういう年金制度として取り得る改革はそれなりに、これは自公民でやってきたことでありますけれども、進んでいるわけであります。 しかしながら、年金制度が保険料納付に対応した形で給付が算定される仕組みである以上、年金制度だけで対応するというのはなかなか限度もあることでありまして、このため、社会保障・税一体改革の中で、低所得、低年金の方々へいわゆる福祉的給付の創設とか、あるいは医療、介護の保険料の軽減など、既に二十六年度の改正で行われつつあるものがございますけれども、言わば社会保障全体でやっぱりこういった低所得者対策というのをやって、その格差というものの縮小を図るということが大事だと思います。 それから、世代間の問題については、年金については、御案内のように、長期的な持続可能性を確保するために将来の世代の年金水準を確保するということで、いわゆるマクロ経済スライドというものが十六年の制度改正で行われて、この四月から初めて適用になるということになるわけでありまして、この調整を極力先送りをしないで進めていくということが極めて重要だというふうに思っております。 今、最低保障年金のお話が、お触れになられたわけでありますけれども、これは三党協議の中で言わば議論を深めて、その中では民主党も含めて、年金制度は社会保険制度を基本とすると、そして、低所得高齢者への対応は年金制度以外の福祉的給付で行うということが合意されたというふうに理解をしているところでございまして、最低保障年金についての御指摘については、三党協議の結果も踏まえた上で御議論いただければ有り難いなというふうに思います。
○石上俊雄君 今御説明いただきました。確かに七十五歳以上の方で無年金の方もおられるので、ほかに何かあって生活されているのか分かりませんが、結構深刻なところだなというふうに感じます。やっぱり社会保障制度をしっかりせぬと、この先大変だなというふうに思うわけであります。 そんな中で、私どもの民主党、あした、共生社会創造本部というのを立ち上げまして、党綱領にある、全ての人に居場所と出番のある共生社会をキーワードに、先進国が求めています、今本当に悩んでいる格差、これについて日本が率先的に対策をしていくということを一生懸命検討していこうという、そういうふうなことをしているわけであります。 こういうことについて、総理が、日本がこの先描く社会保障の本来あるべき姿、国家像というのがどういうふうなところにあるのか、この辺についてお考えをお聞かせください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国民が安心して暮らしていくために欠かせない社会保障制度については、自助自立を第一に、共助、公助を組み合わせ、弱い立場の人にはしっかりと援助の手を差し伸べることが重要であると考えています。このような基本的な考え方に立ちつつ、世界に冠たる国民皆保険、皆年金を始めとする社会保障制度をしっかりと次世代に引き渡していく必要があると思います。 具体的には、年金財政を安定させ、将来にわたって安心できる年金制度の確立、医療や介護が必要になっても住み慣れた地域で暮らしを継続できる仕組みの構築、また子ども・子育て支援の充実といった課題に取り組んでいかなければならないと思います。 同時に、受益と負担の均衡の取れた持続可能な制度でなければならない。社会保障は、まさに給付をするためにはどこかで誰かが負担をしなければいけないと、そして、その負担というのは大体みんなが納得できる形でなければこれは持続していかないということではないかと、こう思います。そのためには不断の改革の努力が必要でありまして、その際には、いわゆる団塊の世代が七十五歳以上になる二〇二五年を展望しつつ、全ての世代が相互に支え合う仕組みとしていくことが重要であると思います。 社会保障制度改革推進会議で議論いただきながら、改革を着実に進めていく考えであります。
○石上俊雄君 自助自立というところが強調されるわけでありますけど、やはり自助というのはそうですけど、自助も共助も公助もやっぱり一緒、これ全部必要だと思うんですね。やっぱり頑張れるときは自分で頑張りますけど、頑張れなくなったときに助けてもらうと、助け合えるというのが必要でありますから、そういう観点でしっかり整えていかないとやはり不安が払拭できない、そういうふうな環境だというふうに思うんです。是非そういう観点で取り組んでいただきたいなと思います。 次のテーマにちょっと入りたいと思いますが、次から産業的な経済政策の中身に入りますけど。 我が国のGDPの長期低迷ということで、ちょっとパネルをお願いしたいと思うんですけど、このグラフを見ていただきますと、我が国と各国のGDPの推移、せんだってもどなたかから説明がありましたが、日本だけがもう低迷しているんですね、ほかの国はどんどんどんどん成長しているのにというところであります。 その下のグラフが、もう一つ、東大の政策ビジョン研究センターのシニアリサーチャーの小川紘一さんが分析したものなんですが、各種エレクトロニクス製品が、日本企業の市場シェアというのが、があっと落ちるんですね。失われた二十年といいますけど、その根源というのはやっぱりこういったところにあるわけですよ。こういうふうに落ちるからやっぱり日本のGDPというのは成長できないというところに行き着くわけで、そのことを物語っているグラフになるわけであります。やはりこれで言われるのは、すり合わせで強い日本なんですけれども、ビジネスで負けてしまっているという状況に行き着くわけなんです。やはりこのことがあっては成長できないんですね。 かつ、元早稲田大学の客員教授の西村さんの話では、通信機器とコンピューター関連の貿易赤字って今どれくらいだと皆さん思いますか。三兆七千億の赤字なんですよ。で、原発が止まりましたから天然ガス輸入しますけど、その赤字というのが三兆六千億なんです。産業部門の赤字の方が多くなっちゃっているんですね。これ、深刻な問題だと思っているんです。 そこで、宮沢大臣、かつて世界最強を誇ったこの日本の電子産業、この二十年でもう大変なことになっちゃったんです。やはりこれをしっかりさせていかないと経済の活性化というのはできないんだというふうに思うんですね。そういうことで、電子産業再興、更には同じような敗戦を繰り返さないために何か国家戦略をお持ちになられているのか、その辺について御説明をお願いします。
○国務大臣(宮沢洋一君) 石上委員もかつてこの業界にいらしたわけですけれども、エレクトロニクス産業というのは、今百万人雇用、まだ日本の基幹産業であります。おっしゃりますように、二十年近く前は世界に冠たる産業であったわけですけれども、残念ながらこの二十年間でこの図のような状況になってきている。いろんな原因があったと思います。私自身としては、やはりこれから過去に学んで、しっかりこれからこの産業を更に成長産業に変えていかなければいけないと思っております。 まず一点目としては、我が国がこれだけ落ち込んだ背景はいろいろありますけれども、一つには、世界が国際的な水平分業ということに移っていったときに、我が国の場合は一社で抱える垂直一貫体制にこだわったといったところがやはり非常に大きかっただろうと思います。足下では、事業の選択と集中を進めてかなり良くなってきた企業も幾つかある一方で、残念ながらまだ低迷している企業といったものもあるわけでございまして、各企業におきましても、やはりしっかりとした国際的な水平分業といったところにいろいろ力を入れていっていただきたいというのが一点目であります。 そして、二点目としましては、多様な事業者との連携を強化するということが大事でありまして、違う分野、例えばヘルスケア、自動車、交通などの分野は日本は強い分野でありますので、こういうユーザーとエレクトロニクス産業の企業が提携して新しい分野を開いていくということもこれまたこれから大事なことだろうと思っておりまして、このユーザー、企業との連携といった意味では、クリーンデバイス多用途実装戦略事業というものにつきまして、来年度予算案についても今年度よりはかなり倍増する等々の予算措置を講じているところでございます。 こうした措置を通じまして、ともかく日本にとって大事な産業でありますので、しっかりと成長するように我々としても後押しをしてまいりたいと思っております。
○石上俊雄君 ありがとうございました。 皆さん、IoTという言葉を多分どこかで聞かれたというふうに思うんですけど、インターネット・オブ・シングスと言うんですけど、物のインターネット化であります。インターネットとつないで物を全部コントロールするとか物の情報を得るとかというやつです。 先月、ラスベガスの方でCESという国際見本市があったんですが、家電の、そこの中では既にIoEという、インターネット・オブ・エブリシングと、全部つないじゃおうと、情報も人も、そういうところに来ているわけですね。それを、シスコシステムズの会長のジョン・チェンバースさんという人が造語でつくったんですけれども、今そっちの方に流れてきているということなんですね。 したがって、私が言いたいのは、この思想を使って何か産業の起爆剤にできないかということなんです。経済活性化というのはこういうことも必要だということなんですね。どちらかというと日本は、何というんですかね、大きなものを取るわけですね。取るというか、要は、町、スマートコミュニティーシティーをつくるとかというんですけれども、アメリカの方とかはとにかくつないじゃえと、そのうちに何かいいことがあるだろうという感覚なんですよ。ですから、こういうことを考えながらしっかりやる必要があるんじゃないかと思うんです。 そういう中で、太田大臣、補正予算の項目の中にもあるんですけど、住宅購入の優遇制度ですね、このIoTを活用した住宅、これってその対応になるんでしょうか。ちょっと教えていただきたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) これ、対象になります。 とにかく、IoTを活用する、家電や電気設備等をインターネットにつなげてエネルギー等をコントロールする、その技術を住宅に取り入れていく。そして、省エネに優れたスマート住宅、これを普及していく、スマートシティーを形成していく、これは非常に大事で、また住宅ということが大変景気においても波及効果が大きいということからも、私は大事なことだと思っています。 御指摘の住宅金融支援機構のフラット35S、これを活用していくということは極めて有効でありまして、今回の補正予算でもフラット35Sの金利引下げ幅を拡大をしましたし、省エネ住宅に関するポイント制度も創設をしているところでありまして、大いにこれは普及をしていくということがいろんな意味で大事なことだと思っております。
○石上俊雄君 ありがとうございました。 IoTって何か金の卵みたいなものなので、是非しっかりと育てていきたいなというふうに思います。 その中で、補正予算の中に、省エネ、再エネの推進の中で、地域工場、中小企業等の省エネ設備導入における補助金というのがあったんです。 それで、宮沢大臣、このIoT、一緒にウエアラブルという言葉も聞いたことがあると思うんですけど、設備でメンテナンスする作業のときに眼鏡を掛けていると、眼鏡にその取説が出てきたりするんです。通信すると、そこにコントロールセンターから、そこのバルブを開けろとか閉めろとか、そういう指示もできる、そういう眼鏡があるんですよ。これをやると作業効率も上がるし、安全も格段に進む。さらには、人材育成もできるんです。 こういうものに対しての補助的なものというのは、どうなんでしょうか、考えられているんでしょうか、ちょっとお聞かせください。
○国務大臣(宮沢洋一君) 我が国は、いわゆるカイゼンというのが英語になったような、大変そういう活動を通じて物づくりは世界最高レベルになってきておりますけれども、おっしゃったようにそれだけでは済まないと思っておりまして、そのウエアラブルというのは、手が楽になったり、職人さんの能力に応じていろいろ作業ができるとか、大変すばらしい技術でありまして、こういうものも是非いろいろ導入をしていかなければいけないんだろうというふうに思っております。 じゃ、どういう応援があるのかといいますと、これは中小企業だけではなくて大企業もですけれども、二十六年から設備投資減税をやっておりまして、このウエアラブルを導入するといったようなものについて言えば、例えば即時償却ですとか税額控除といったものが適用される。 一方で、中小企業につきましては、物づくりのサービス補助金がございますけれども、これは、恐らくウエアラブル自体を導入するということではなかなか対象になりませんけれども、ウエアラブルを導入して、そして革新的なサービスとか新製品の開発を行うということになればこの補助金が使うことができるというのが今の現状でございまして、今後、状況を見ながら再来年度以降どう対応するかということはしっかり考えていきたいと思っております。
○石上俊雄君 ありがとうございました。 日本のウエアラブル事業とかというのって、結構まだまだだと思うんですね。 せんだって、国内初のウエアラブル展、これがあって、そこで総務省の方が講演をされたんです。何が必要かというと、通信が必要になるので、様々な法的な規制とか何かあるのかというのが業者の思いなんです。ただ、総務省は、いや、今のところはないと、何か出てきたら総務省がしっかり面倒見るというふうに言っていただいたわけなんですね、それが本当にメーカーとしては心強いというふうに聞きましたが。 そこで、高市大臣、IoTやモバイル活性化のための通信行政の立場でどのような推進策を今御検討なされているか、その辺についてお考えをお聞かせください。
○国務大臣(高市早苗君) 委員が先ほどから御指摘のIoT、インターネット・オブ・シングス、それからモバイル分野というのは、これから飛躍的な発展が期待できます。 そこで、昨年の十月にモバイル創生プランを策定して発表いたしました。具体的に、NTTドコモですとかKDDIなどの携帯電話事業者のネットワークを借りてサービスを提供する事業者がネットワークを借りやすくすることで新しいサービスの創出を促すこと、それから、支配的な事業者でありますNTTドコモに対します規制を緩和して様々な事業者との連携を可能にすることで多様なサービスを促進すること、それから、4Gと呼ばれます次世代の携帯電話用周波数を昨年の十二月に割り当てました。モバイル通信において、来年にも光ファイバー並みの高速通信を実現することができると思います。 こういったことがモバイル創生プランには盛り込まれたんですけれども、総務省としては、このICT分野の発展を通じて新事業の創出と、それからモバイル等の利用が拡大してアベノミクスをしっかりと強化していく、こういう姿を目指してまいりたいと思っております。
○石上俊雄君 ありがとうございました。 IoTとかモバイルとか、ちょっとこだわり過ぎじゃないかというふうに思うんでしょうけど、トップスポーツ、世界のサッカーでもこのウエアラブルをしっかり靴に埋め込みまして、要は運動量とか見ているわけですよ。これってすごいことなんです。メッシってすごい選手だと皆さん思われているかと思いますが、実は運動量はドイツのキーパーと同じぐらいしか動いていないんです。しかし、最後決めるんです。こういうことが分析できるんですよ。 したがって、この潜在能力というのか、それを高めるためにもこのIoTって必要なんです。日本の持っている潜在能力を高める、この一つがこのIoTじゃないかと思うんです。今、パラダイムチェンジ、それを目指してこのIoTをもっと研究していくべきじゃないかというふうに私は思うんですが、総理、ちょっとお考えをお願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍政権としてはこのビッグデータも大変重要視をしているわけでありますが、このビッグデータを集める上においてもIoTは不可欠であります。IoTによって、大量のデータを集積をし、そして収集し解析をして高度な判断や自動制御の実現が可能となるわけでありまして、IoTやビッグデータ、人工知能により、例えば快適、安全な自動走行の普及、発展など、従来のビジネスモデルや産業構造が大きく変化することが見込まれるわけであります。 こうした環境変化に柔軟に対応し、我が国経済の成長につなげていくことが極めて重要でありまして、今委員が御指摘になったように、こうした大きな大きな変化のときに乗り遅れてしまっては追い付くまでに大変な努力を要するわけでございまして、今こそこの分野で日本が最先端に行くという気構えが大切ではないかと思います。 そのため、先週の産業競争力会議で取りまとめた成長戦略進化のための今後の検討方針において、IoTなどによる未来社会を見据えた変革を重要な柱として位置付けました。世界が未来社会を迎えつつある中、最もイノベーティブな国を目指して、ロボットやIoTなどによる経済社会の劇的な変化を見据え、中長期的に産業の構造変革を促していくための方策を検討していく考えであります。
○石上俊雄君 是非積極的にお願いしたいと思うんです。やはり日本の省エネとかだと何か楽しくないというか、いいんでしょうけれども、それだけだとこういうのって進まないと思うんです。楽しみがないとやっぱり進まないので、その一つがこのIoTだと思うんですね。是非推進をお願いします。 もう一つの経済成長、経済活性化のために重要な視点が二〇二〇年のオリンピックになるわけであります。これからはそのことについてちょっと御質問させていただきたいと思うんです。 やはりこのオリンピック重要で、ずっとほかの委員会でも言ってきましたが、やっぱり世界を驚かすこのことが絶好なチャンスで、そのことによって経済を活性化する、このことにつなげてくるんだと。やっぱり、司馬遼太郎の「坂の上の雲」という小説がありましたが、明治の初頭ですね、坂の上の雲をつかむように一生懸命頑張っていく、それをつかむんだ。ですから、オリンピックを成功させるんだ、それをつかむために一生懸命頑張っていくということですから、二〇二〇年のオリンピックというのは、オリパラは、坂の上の雲と例えてもいいんじゃないかというふうに思うんです。 そこで、太田大臣、最近一年間の外国人観光客の数、そして観光収入はどれくらい増加したのか、さらには今後の見込みもありましたら教えていただきたいと思うんです。
○国務大臣(太田昭宏君) おかげで訪日外国人旅行者数が劇的に増えておりまして、二〇一二年の八百三十六万人から大幅に増加しまして、一昨年、二〇一三年、一千万人を突破しまして、昨年の十二月三十一日、一年間で千三百四十一万人ということになりました。 また、訪日外国人による旅行消費額も二〇一二年の一・一兆円から昨年は二兆三百億円となりまして、初めて二兆円を突破をいたしました。 国際観光収支、持ち出す分と入る分という差額でありますけれども、過去三兆円を超えていたと、赤字が、ということが多かったんですが、昨年二〇一四年の四月に、大阪万博以来四十四年ぶりに単月ベースですが黒字になりまして、昨年黒字になった月は四月、七月、十月、十一月、これが単月でも黒字を数えております。 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの年に二千万人ということを目標にしておりまして、それは極めて経済的にも効果があると、このように思っております。
○石上俊雄君 ありがとうございました。 今御説明いただきましたように、二〇二〇年のオリパラのときには二千万人観光客が来ると。しかし、そのときに、私もほかの委員会でも言わせていただいていますが、困ることが結構あるんですね。やっぱりそのときにしっかりその困ることに対して改善しておく、これがおもてなしの真髄だと思うんです。 是非、そのオリンピックまでに、オリパラまでにその部分をしっかり改善していただきたいと思って、下村大臣、今の状況、何か分かりましたら教えていただきたいと思うんですけど、よろしくお願いします。
○国務大臣(下村博文君) おっしゃるとおり、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックでは、通信技術を始めとした我が国の科学技術を駆使して世界一流アスリートがベストを尽くせる環境をつくるとともに、海外から来られた方に最高のおもてなしを提供し、大会の歴史に残るような大成功を収めたいと考えております。 一つは、例えば無料の無線LAN環境の整備を含む通信インフラの整備について、大会成功において非常な役割を果たすのではないかと考えております。このため、国、自治体、関係事業者等による協議会を設置して検討を進めるとともに、昨年十二月から東京の地下鉄におきまして既に訪日外国人向けのサービスを開始するなど、訪日外国人が快適に利用できる無料公衆無線LAN環境整備が進められているところであります。 また、多言語対応の強化推進のため、国、自治体、民間団体等をメンバーとする二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会に向けた多言語対応協議会を設置をしております。この協議会におきまして、昨年十一月に、交通機関、道路や飲食、宿泊等の観光サービス施設における案内表示、標識等に関しまして、多言語対応の取組方針を策定したところでございます。 一月の二十七日に開催した閣僚会議におきまして、これら関係施策の進捗状況を確認し、安倍総理からも、あるいは私からも関係閣僚に対し一層の取組をお願いしたところでありまして、二〇二〇年に向けて、今後も引き続き訪日外国人に対するおもてなしに関する取組、積極的に推進してまいります。
○石上俊雄君 ありがとうございました。 是非しっかりと対応をお願いしたいと思うんですが、困っている内容をこのパネルに書かせていただきました。無線LANとか言語の問題、さらにはもう一つ大きな問題があるんですね。地方部で見ていただきますと、クレジットカードが使えないというんですね。 ちょっとその前段で高市大臣に御質問しようと思ったんですけれども、時間の関係があって、下村大臣とかぶった関係があってちょっと飛ばさせていただきますが。 石破大臣、地方でクレジットカードが使えないという問題があるんですよ。この辺をしっかり対応するべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 外国人の方がおいでになりますと、日帰りということはないわけで大体泊まっていただけるわけですね。お一方、大体日本人の方の三倍ぐらいお金を使っていただけるわけなのですが、お困りになることは、委員が今御指摘のとおり、クレジットカードが使えないというのと、両替がなかなかあちこちでできないねと、これが困ったことだということだと承知をいたしております。 したがいまして、今回の東京オリンピックでも、東京あるいはゴールデンルートだけお客様が来てお金が落ちてもしゃあないわけで、北海道から沖縄までいわゆる地方と言われるところへ外国のお客様がおいでになる、そこでクレジットカードでお支払をいただく、あるいはATMで両替ができる、そういうものを整備をしていかなければ、来ていただいてもお金が地方に落ちないということに相なります。この推進というものをやっていかねばなりませんし、クレジットカードが使えるようになっても、ここはそういうものを使えますよという表示をしませんと、おいでいただくことができません。どうすれば外国のお客様が御不便なくお金を使っていただけるかということは、関係省庁とも御相談をしながら、早急に整備をしていく必要があると承知をいたしております。
○石上俊雄君 是非、早急というかしっかりとした対応をお願いしたいと思うんです。 その中で、もう一つあれっと思ったのは、皆さんもよくPASMOとかSuica持たれていると思うんですけれども、交通系のあれですね、あれ、じゃどうやって使うのかなということです。せっかく来ていただいて、日本の地下鉄とか電車に乗るのに使えないというか、現金で買わないといけないじゃないですか。帰るときに精算どうなるのとか、そういった問題もあるので、今後併せて検討いただきたいなと、そういうふうに考えているところでございます。 それでは、次のパネルをお願いします。 このパネルは経団連がまとめた資料でございまして、オリパラの開催国の経済成長率を、八回の大会の開催国の実質経済成長をプロットしたやつです。見ていただきますと、開催するまでは上るんです。開催が終わった後、落ちちゃうんですよ。これ何とかせぬとやっぱりいかぬと皆さん思っていられると思うんです。 その中で、山口大臣、東京オリパラ後の引き続き訪日客を呼び込むクールジャパン戦略を考えるべきだというふうに思うんですが、その辺についてお考えをお聞かせください。
○国務大臣(山口俊一君) 石上委員おっしゃるとおりであろうと思います。オリパラに向けて、やはりこのクールジャパン戦略というのは、今後の成長を考えても非常に大事な役割を果たし得るものであると思います。 そういったものから、このクールジャパン戦略にしても一過性のものにすることなく持続的な経済成長につなげていくということを考えておりまして、実はそのために、オリンピック・パラリンピックの東京大会までの期間とその後をしっかりと見据えながら、実は今回、地方を含めた我が国の経済成長に資するための戦略を構築しようということで、私が座長となりまして、関係府省の副大臣及びポップカルチャー等々のみならず、実は大手旅行会社の社長さん等も含めた、そうした有識者の皆さん方にお集まりをいただいて、クールジャパンの戦略推進会議をこの一月二十七日に実は立ち上げさせていただきました。 この会議、非常に評判がよろしくて、非常に活発な御議論をいただいたわけでありますが、この会議で様々な議論を進めながら、訪日外国人旅行者を拡大をさせる、ビジット・ジャパンの取組とも連携をして、このクールジャパンという戦略を深化をさせるとともに裾野を広げながら、地方の様々な隠れた魅力も引き出しながらしっかりやっていきたいと思っております。
○石上俊雄君 ありがとうございました。 やはり訪日旅行客のリピーター化というのをしっかり進めないといけないと思うので、是非お願いします。 それと並行して重要なのは、社会インフラ系の輸出に関してだというふうに思うんです。やはりせっかく来ていただくんですから、やっぱり日本のすばらしいリニアモーターカーとか新幹線を見ていただいて、しっかり体験していただいて、そして売り込んで買っていただくと、そういう戦略も必要じゃないかと思うんです。 国土交通大臣、官民挙げてそういう企画を立案して対応するべきだと思うんですが、お考えいかがでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 観光ということからいきますと、見るもの、食べ物、買物というのが主力になるんですが、日本のおもてなしということからいきまして、新幹線でも東京駅でぱっと車両を清掃するというこの見事さをわざわざ見に来る、視察に来るということもあります。また、先ほどお話のありましたIoTということからいきまして、千葉県の柏の葉スマートシティー、あるいは藤沢、こういうところのスマートシティーを見るということもありますし、リニアに、まあこれは見たい、乗りたいというのはかなりのものがあろうというふうに思いますし、日本の技術、この技術水準、そうしたことは非常に大事な、世界に誇るべき技術を見ていただく。あるいは、免震技術というようなこともあったりいたします。 多くの観光客がこうした日本の技術あるいは人のもてなし方ということについての、これも一つの技術的なものにも数えることができるかと思いますが、直接体験をしていただくと、こういう機会を大きく持って、インフラ技術のすばらしさを体験していただければと思うところでございます。
○石上俊雄君 是非積極的な対応をお願いしたいというふうに思います。 次のパネルでございます。ちょっとぼけていて見にくいかもしれませんけど、社会インフラというか、やっぱり輸出というか、その中で一つのキーワードでございます重粒子線治療施設の今これ分布図なんです。がんの治療なんですね。これ今、日本の独壇場なんですよ。したがって、この技術をしっかりと来た方々に見ていただいて、そして買っていただく。要は、病院丸ごとと言っている国もあるみたいなので、そういうところに対して、しっかり要人の皆さんに来ていただいて見ていただくということも重要じゃないかというふうに思うんですけれども、甘利大臣、この辺についてどういうふうにお考えになっておられるかをお聞かせください。
○国務大臣(甘利明君) 医療のいわゆる国際展開につきましては、日本再興戦略の柱の一つといたしまして健康・医療戦略推進本部の下に医療国際展開タスクフォースというものを設けておりまして、医療技術であるとか、あるいは医療サービスを海外へ展開をする、いわゆるアウトバウンドの取組と、それから外国人患者を受け入れる等の今度はインバウンドの取組、これをアウト、インで車の両輪として推進をしているところであります。 そして、御指摘のトップセールス、海外展開、これは重要なアプローチの一つでありまして、これまでも安倍総理の外国首脳との会談を契機に、例えばカンボジアにおける日本式の救急病院の設立というのが具体化をいたしました。ここには重粒子線治療の話はまだ入っていないのでありますけれども、あるいは御指摘の日本での重粒子線治療等の視察については、ブラジルの医療者の招聘等も行っているところであります。 四月一日に、こうした戦略の中核組織になります日本医療研究開発機構がスタートをいたします。基礎研究から実用化へしっかりつないでいくつなぎ役も果たしていくわけでありまして、シームレスな医薬品や医療機器の研究開発、そして市場への展開をしていくというその中核施設がスタートをいたします。 御指摘の重粒子線治療については、非常にその重要な中核を成す一つであるというふうに承知をして推進をしてまいります。
○石上俊雄君 この装置、世の中のためになるものなので、是非PRをしていただきたいなと思います。 時間がもう来ますので、私の持ち時間ですね、最後の質問にさせていただきますが、総理、やはりこの東京オリパラというのはすごく重要なキーワードだと思うんです。先ほど申し上げましたように、明治の初頭で坂の上の雲を追いかけるように着実に追い求める、みんなで進んでいくんだという、そういう姿勢が重要だと思います。やっぱり国内の文化、芸術、科学技術、さらには自然、環境など全分野で体験ツアー等を企画していただいて、将来のインフラの輸出、インバウンド需要を掘り起こして経済成長につなげていく、こういう国家戦略をしっかりとつくり上げるべきだというふうに思っておるわけでありますが、総理の決意を最後にお聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックという大きな目標ができました。日本人というのは目標に向かって進んでいく、これはオリンピック・パラリンピックではなくて様々な課題もそこに集中させていく、それに向かってそうした課題を解決をしていく、そのためのオリンピックにしていきたいと、こう思っています。 そこで、委員から御紹介がございました日本にはすばらしい技術があるわけでありまして、リニアもそうでありますし、重粒子線治療装置もそうであります。そうした日本のすばらしいインフラ、最先端の技術を日本に来る方々に体験していただく、その中において、やっぱり日本のものはすばらしい、まあリニアもそうなんですが、新幹線も今世界各国と競合しているわけでありますが、日本の新幹線というのは、そのハードだけではなくて、時間どおりに運行する、かつ事故がない、サービスもいい、そうしたものをトータルで体験をしていただくということも大切ではないかと、このように思います。 そして、日本という国は、環境を大切にし、環境と共生をしながら誇るべき文化と伝統をしっかりと守っている、そうしたものをしっかりと発信できるようなオリンピック、そしてそれが、国民生活が豊かになっていく上において大きなプラスになっていくようなオリンピックにしていきたいと、このように考えているところでございます。
○石上俊雄君 ありがとうございました。 やはり官民挙げてしっかりとした国家戦略を持って対応すること、そしてさらには、もう一方で、格差がない、そういう世の中をしっかりとつくり上げる、このことも重要だということを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 関連質疑を許します。大塚耕平君。
○大塚耕平君 民主党・新緑風会の大塚耕平でございます。 冒頭、テロ組織による人質事件について私からも一言申し上げます。 断じて許されない蛮行であり、私も強い憤りを禁じ得ません。御家族の皆さんの御心痛をお察し申し上げますとともに、人質解放に向けて尽力された関係者各位に敬意を表したいと思います。 その上で、昨日の官房長官の記者会見、私も拝聴いたしました。長官もお答えになっておられました点もありますが、改めて総理に二、三お伺いをし、御発言をいただきたいと思います。 まず、声明の内容について、国会中継を通じて国民の皆さんに改めて御説明をいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 昨日、湯川遥菜さんに続きまして後藤健二さんを殺害したと思われる画像が公開されたところでございます。御家族の御心痛を思うと言葉もないわけでございますが、改めて国民の皆様とともに哀悼の誠をささげ、お悔やみを申し上げたいと思います。 テロリストのこの卑劣極まりない言語道断の暴挙は決して許すことができないわけでありまして、断固抗議をいたします。 そして同時に、我々は決して、決してテロに屈することはないわけでありまして、今後も中東における食糧支援あるいは医療支援といった人道支援を更に拡充してまいります。テロと闘う国際社会と連携をし、そして日本のその責務を毅然として果たしていく決意でございます。同時に、内外の日本人の安全を確保するために万全を期していきたいと考えております。
○大塚耕平君 私も総理と認識を一にしておりますことを申し上げた上で、声明についてもう少し詳しくその意味を御説明いただきたい点がございます。 まず第一点、声明には、その罪を償わさせるために国際社会と連帯してまいりますと述べておられますけれども、もう少し詳しく国民の皆さんにその意味を御説明ください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これはイギリスのキャメロン首相もこの事案について声明として述べておられることでございますが、湯川さん、後藤さんの二人を殺害したテロリストは極悪非道の犯罪人であり、どれだけ時間が掛かろうとも、国際社会と連携して犯人を追い詰めて法の裁きにかけるとの強い決意を表明したものでございます。 警察においては、昨日、今回の邦人殺害事案に関し、警視庁及び千葉県警による合同捜査本部を設置をいたしまして、事件の全容解明に向けて所要の捜査を開始したところでございます。 この問題につきまして多くの国々が協力を表明してきていただいておりますし、また、情報の提供等もいただいているわけでございます。まさに国際社会と協力をして、今申し上げましたように、犯人を追い詰めて法の裁きにかける、この決意で臨んでいきたいと思っているところでございます。
○大塚耕平君 よく理解できました。 今御答弁の中で、法の裁きという表現を何度かお使いになりましたが、法の裁きとその罪を償わさせるということは同じと考えてよろしいでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに罪を償わさせるということは、彼らが行ったこの残虐非道な行為に対して、法によって裁かれるべきであろうと、こう考えているところでございます。
○大塚耕平君 是非、こういう部分の英訳とかアラビア語訳が正確に相手国や世界に伝わるように御留意をいただきたいというふうに思います。 また、人道支援を更に拡充してまいりますと声明で述べておられますが、具体的に支援金等の増額を念頭に置いておられるのでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 我が国の中東政策は、今日まで国際社会あるいは中東諸国からも高く評価されています。また、今回、中東地域に対する人道支援の重要性も指摘をしたところであります。 こうした我が国の取組全体は、国際社会あるいは中東諸国から感謝され、評価されているところでありますので、これを引き続きしっかりと充実していく、これは大切な取組であると認識をしております。 今具体的にこの支援等において数字の上乗せ等まで確定しているものではありませんが、是非こうした取組、姿勢はこれからも大事にしていきたいと考えております。
○大塚耕平君 午前中としては最後の質問になると思いますが、同じく声明に、日本としての責任を毅然として果たしてまいりますと、こういう表現をしておられます。 私も同じ気持ちでございますが、これも少し詳しく、国民の皆さんに総理のお言葉で是非御説明をいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、世界において何が大きな問題かと言われれば、これは過激主義の台頭であります。これは決してイスラムに基づくものではないわけでありまして、このアルカイダあるいはISILの暴虐非道極まりない行為、これを止めなければならないわけであります。 そして同時に、それは、パリにおいても言論に対するテロがございました。また、ベルギーにおいても大規模なテロの準備がなされていた。どの国もテロの脅威から今逃れることができない状況の中において、国際社会が連携してこの過激主義の流れを止めなければならない。 そして、また同時に、多くの難民がシリア、トルコから周辺国に逃れておりまして、一千万人に上っていると言われています。そうした受け入れている国々が難民を受け入れていることによって不安定化していけば、まさにISILの思うつぼになるわけでございます。 そこで、日本にまさに求められている支援というのは、国際社会としっかりとこの過激主義を止めていく、ISILの伸長を止めていくための連携をしていく、その連携の表明も含めてしっかりと連携をしていくと同時に、こうした周辺国に対して、日本が今までも行ってきた日本ならではの人道支援をしっかりと行っていくということではないかと、このように思います。 先ほど外務大臣からも述べたように、日本が行ってきた人道支援、あるいは先般表明した人道支援についてもアラブの国々から大きな評価をいただいております。大切なことは、今このISIL等過激主義と最前線で闘っているのはイスラムの国々、アラブの国々であると、その国々をしっかりと支援していくことが最も大切であろうと、こう思っているところでございます。
○委員長(岸宏一君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十四分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(岸宏一君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 平成二十六年度補正予算三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。 石上俊雄君の関連質疑を許します。大塚耕平君。
○大塚耕平君 午前中に引き続き、今回の事件について強い憤りと毅然とした思いを皆さんと共有しながら、何点か確認をさせていただきたいと思います。 湯川さん、後藤さんが拘束をされた事実は、改めてでございますが、政府としてはいつ把握をしていたでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、湯川さんに関しましては、昨年の八月十六日、何者かに拘束された疑いがあるという情報がもたらされました。そして、その直後、併せて映像が公開されたということもありました。この時点で何者かに拘束されたという情報を得ております。そして、その直後に外務省として対策室及び現地対策本部を立ち上げました。 そして、後藤さんですが、十一月一日に後藤さんが行方不明になったという情報を得ております。ただ、この段階では、何者によって拘束されたか、これについては十分な情報は得ておりませんでした。 そして、その後、今年に入りまして、一月二十日、湯川さん及び後藤さんの映像が公開されるということになりまして、この時点でISIL関係者による犯行の可能性が高いということを把握した、こういった次第でありました。
○大塚耕平君 一連の経緯については、やはり国民の最大関心事項でもございますので、委員会に資料を提出していただくことを委員長にお願い申し上げます。
○委員長(岸宏一君) 後刻理事会において協議いたします。
○大塚耕平君 その上で、一か月前に、私どもも知ることとなるまでの間に政府としてはどのような救出等の御対応をされたかをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 政府の対応としましては、先ほども一部申し上げましたが、八月に湯川さんが拘束された疑いがあるという情報を得まして、直ちに外務省対策室及び現地対策本部を立ち上げました。そして、十一月、後藤さんが行方不明になったという情報を得ましたので、この後藤さんの件につきましても、この対策室及び現地対策本部において対応したということであります。 こうした対策室、現地対策本部等を通じまして情報収集を行い、そして関係国との連絡、連携を取りながら、まずはこの事実をしっかり確認するべく努力をしてきた、こうした対応を続けてまいりました。
○大塚耕平君 外務大臣にもう一問だけお願いします。 現地対策本部はいつおつくりになられましたか。
○国務大臣(岸田文雄君) 現地対策本部につきましては、湯川さんの情報がもたらされた直後、昨年の八月十七日に立ち上げております。
○大塚耕平君 ということは、後藤さんの対応はその対策本部が引き継いだという理解でよろしいでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 後藤さんの件につきましては、その時点で既に立ち上がっておりました外務省対策室及び現地対策本部、こちらで担当をいたしました。
○大塚耕平君 重ねて強い憤りを私もテロ組織に対して感じております。 そうした中で、今御説明いただいたような時間軸の中で総理は、積極的平和主義実践のために、そして日本が世界に貢献するために各国を歴訪されたわけであります。その趣旨はよく理解できます。 しかし、今外務大臣がお話しいただいたような状況の中でございますので、いろんな影響についてケーススタディーをされたことと思いますが、そのような影響についての御検討をされたかどうかについてお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、今回の事案でございますが、まず明確に申し上げたいことは、今や全ての国がテロの脅威にさらされているわけでありまして、テロのリスクは全ての国にあると言ってもいいんだろうと思います。これは、今回のシリアにおける邦人テロ事件やパリの新聞社襲撃事件などで浮き彫りにされたところでございます。 したがって、事の本質はテロのリスクをいかに低くするかということに尽きるわけでございまして、テロの脅威を恐れてそのリスクを強調すること自体が既にテロリストの思惑にはまっていることにもなるわけでありまして、テロを恐れる余りその脅かしに屈するような態度を取れば、テロには効果があるとテロリストが考え、日本人が更に巻き込まれる可能性を高めていくことになるわけでございます。 今年は、日本は戦後七十年を迎える節目の年となるわけでありますが、日本はこの七十年間、ひたすら平和国家としての道を歩んできたわけでございまして、平和への歩みを世界へと広げていくために、戦後七十年の初めにその意思を国際社会に発信するために、まさに今、国際社会が地域そして世界全体の平和のためにもこの中東地域の平和と安定を取り戻していこうという努力を重ねている中において、中東地域こそ訪問先として最適地であろうと、そしてこの中東から世界に発信すべきであろうと、このように考えたわけでございます。 そして、それは西洋対イスラムの決して闘いではなくて、まさにイスラムの中にある、あるいは国際社会の中に存在する過激主義を止めるということを主張するべきであろうと。ということにおいて、私のテーマは中庸こそ最善、これはそもそもイスラムの考え方であり、これを共有しながらこの過激主義を止めていこうと。その中において、日本がその責任を果たしていく、支援をしっかりしていくということを表明することは、国際社会がテロに対して闘っていく、あるいはその拡大を防いでいくことに資すると、こう考えたところでございます。
○大塚耕平君 ということは、その訪問の影響についてのケーススタディーはしたという理解でよろしいでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ケーススタディーということはどのような観点でおっしゃっているのか私は定かではございませんが、つまり、邦人が捕らわれているというケースの中において、どういうそれが影響になるかということ等についての意味だろうと、このように思うわけでございますが、そういう観点からも、当然様々な観点を総合的に判断して中東訪問を決め、そしてそこから世界に対して発信をしていこうということを決断したわけであります。 そもそも、繰り返しになりますが、事の本質は、テロの過激主義をいかに世界で協力してそれをとどめていくかということにあるわけでございまして、テロリストの思いを一々そんたくしてそれに気を配る、あるいはそれに屈するようなことが決してあってはならないということは重ねて申し上げておきたいと思います。
○大塚耕平君 官房長官にお伺いします。 いろいろ御検討された結果だということは十分理解しましたので、その御検討された選択肢の中に、ヨルダンへの支援や、どういう趣旨で支援をしたかということについてステートメントを出すというのを非公式に、水面下でそういうことをやろうということも選択肢の一つにあったんでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) 我が国の中東支援というのは、まさにこの人道支援の中で今日まで積み重ねてきたものであって、高く評価をされておりました。そういう意味で、水面下ということは考えておりませんでした。
○大塚耕平君 今の御答弁でよく理解できました。 昨日、官房長官の記者会見の中でおっしゃったことをあと二点お伺いしたいと思います。 記者から有志連合に対する自衛隊の後方支援ということは考えていないかということを聞かれまして、官房長官はそれはないとお答えになりました。総理にも同じことをお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 午前中の質疑でもお答えをしたと思いますが、今回のこのISILに対する空爆等の有志連合の軍事的な対応について、日本が後方支援するということは考えておりません。
○大塚耕平君 もう一つお伺いします。 官房長官は、今後、今国会で議論することが予想されている安保法制の問題と今回の事案は別問題だとおっしゃられましたが、同じことを総理にもお伺いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今度の法制全般におきましては、言わば邦人の救出等も入っているわけでございますが、今般の事案においては、そもそも受入れ国の了承がなければ成立しない話でもあるわけであります。実際にそのオペレーションが、法的要件を整えてもオペレーションができるかどうかという基本的な大問題も別途あるわけでございますが、言わばシリアにおいて起こったこの事案において、受入れ国側がこちら側の自衛隊の救出のオペレーションを、もし可能であったとしてもそれを受け入れるということについて、これは今の段階では考えられないわけでございますので、その面においても今回の法制とは直接関わるものではないということでございます。 いずれにいたしましても、邦人の救出についてどのような法整備にするかということについてはまだこれから御議論をいただくことになるわけでございますので、これ以上の言及は控えさせていただきたいと思います。
○大塚耕平君 事柄の性質上、本当に大変に大事なことであります。強い憤りを共有しながら、さらに、国民の皆さんが危機に瀕するような事態を決して招いてはならないと、そういう観点から、恐縮ですが、補正予算の話はたっぷり後でお伺いしますので、先に、通告してあります安全保障の問題について少しお伺いをさせていただきたいと思います。 今、総理は邦人救出について御説明くださったんですが、昨年七月の閣議決定は、邦人救出の条件の一つに国家に準ずる組織が敵対するものとして存在しないことを挙げておられます。国家に準ずる組織とは、定義は何でしょうか。お答えいただける方で結構です。
○国務大臣(中谷元君) まず、国家とは、国際法上、一般に、一定の領域においてその領域にある住民を統治するための実効的政治権力を確立している主体とされておりますが、国家に準ずる組織については、国際法上その具体的な意味について確立された定義があるとは承知をしておりません。 他方、従来から、政府として、国家に準ずる組織について、国家そのものでないが、これに準ずるものとして国際紛争の主体たり得るものとして用いております。
○大塚耕平君 大変憤りを感じているあのテロ組織は、現時点では日本国政府は国家に準ずる組織と考えているのでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) これまでもそうですが、いかなる主体がこれに該当するかということで、これに基づいて個別具体的に判断することとなりますが、現時点におけるISILについては政府としてはまだ判断しておりません。
○大塚耕平君 判断していないということはよく分かりました。しかし、この問題、どういう整理が必要かということを、私の考えを申し上げます。 もし昨年の閣議決定に従えば、国家に準ずる組織が存在しないことが邦人救出に向かえる一つの条件になっていますから、ISILが国家に準ずる組織でないというふうに認定すれば、理屈上は救出に行けることになってしまいますが、これは、現地のあの混乱状態を考えると大変大きな危険を伴うものであります。国家に準ずる組織と逆に認定した場合には、該当国の現政府が了解をしても救出に行けないことになります。 こういう理解でよろしいでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 先ほど申しましたけれども、国家の定義は、その領域にある住民を統治するための実効的政治権力を確立している主体とされているかどうかでございますので、ISILの場合にそういった事態になり得るかどうか、まだ判断しておりません。
○大塚耕平君 ちょっと質問と答えがかみ合っていませんので、私がさっき申し上げた考え方で論理的に間違いはないかということをお伺いしております。
○国務大臣(中谷元君) 国家という存在は、まさに政治的権力を実効的に確立しているかということで定義されておりますので、ISILがどういう状態であるかということについてはまだ判断しているわけではございません。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) つまり、二つ要件、先ほど申し上げましたように、受入れ国の同意ということにおいてはシリアの同意、しかし、このシリアが同意するということについてはこれは難しいだろうということで、先ほどは恐らくそれはあり得ないということで申し上げたわけでありますが、プラス、ISIL、事実上あの地域はシリアの実効支配は及んでいないわけでありますが、ISILをどう考えるかということであります。 そこで、シリアの同意をもし仮に、これは事実上取れないとは思いますが、仮に取れたとして、ではISILをどう考えるかという御質問だと思いますが、ISILが国準であれば、それは自衛隊を派遣することができないということになります。
○大塚耕平君 よく今の御説明で理解できました。 事ほどさように、今回の安全保障法制の問題は本当に今後の我が国のありよう、国民の安全に大きな影響を与えますので、総理にお伺いします。 昨年の閣議決定、撤回をして、再度、丁寧かつ論理的な防衛政策の議論を国権の最高機関であるこの国会で行い、国会の決定に従って、あるいはそれに準じて法制整備を行っていくお考えはございませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) さきの閣議決定に先立ちまして、安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会において、第一次安倍政権のときを含めまして足掛け七年、約二年半にわたる検討を行い、昨年五月に提言を行い、そして閣議決定に至ったわけでございますが、五月の提言以降も、衆議院、参議院、大塚議員とも議論をいたしましたが、二回ずつ、合計四回の集中審議が行われたわけでございまして、この間、延べ百五十名の議員の方々から御質問をいただき、私や担当大臣から御説明をさせていただいたところでございます。 また、集団的自衛権につきましても、平成二十四年末の総選挙においても、また一昨年の参議院選挙においても、また昨年の総選挙においても、この昨年の総選挙においては閣議決定を受けた上の総選挙であったわけでございますが、安保法制の必要性、速やかに整備をしていくということを明確に申し上げてきたところでございます。 もとより、閣議決定だけで実際に集団的自衛権が行使できるわけでもございませんし、切れ目のない安全保障法制を整備した中において、実際にそれが実効を確保することはできないわけでございまして、そのために、国権の最高機関であり唯一の立法機関である国会のみにおいてこの立法化ができるわけでございますので、我々が法案を提出をし、このまさに国会で、国権の最高機関である国会で議論を行っていただきたいと、このように思うところでございます。
○大塚耕平君 現時点でどのぐらいの法律がこの検討に該当し、改正等が必要になるということになっていますでしょうか。現時点でおっしゃれる範囲でおっしゃってください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 現時点で、武力攻撃事態対処法等々がございます。周辺事態安全確保法も含めるかどうか、様々なこれは法律が関わってくるわけでございまして、今幾つということについてまだ申し上げられるほど詰まってきているわけでございませんが、いずれにいたしましても、これは切れ目のないものについて全体像をお示しをしていくことができるものを国会になるべく早くお示しをしたいと、このように思っているところでございます。
○大塚耕平君 今総理から武力攻撃事態対処法のお話が出ましたので、それに関連して、さきの閣議決定の三要件、改めて確認をさせていただきます。皆さんのお手元にも九枚目にございます。(資料提示)新たな三要件、アンダーラインのところが過去の三要件になかった部分であります。 我が国と密接な関係にある他国というのは定義は何でしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 我が国と密接な関係にある他国とは、一般に、外部からの武力攻撃に対し共通の危険として対処しようという共通の関心を持ち、我が国と共同して対処するという意思を表明する国を指すものと考えております。
○大塚耕平君 昨年の国会で二転三転、政府側の答弁がした点を改めて確認させていただきます。 ということは、我が国と密接な関係にある他国は、日米安保条約のような条約関係は必要ないということですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 必ずしも条約関係は必要ないというのが国際法上の通説になっていると承知しております。
○大塚耕平君 昨年も再三申し上げましたが、私は、条約関係がない中で、今、中谷大臣がおっしゃったように、一緒に対応したいという意思を表示した国が全て密接な関係にある他国ということになると、我が国としてはかなり重い課題を背負うことになると思います。条約関係ないしはそれに準じた取決めが必要だと思いますが、そういう方向でこれから法制整備をされるおつもりはありませんか。これは総理にお伺いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) このどの国が我が国と密接な関係にある他国に当たるかということについては、これは従来から一定して申し上げておりますように、具体的にどのような国がこれに当たるかについては、あらかじめ特定されているものではなく、武力攻撃が発生した段階において個別具体的な状況に即して判断されるものであります。 もちろん、我が国の平和と安全を維持する上で、日米同盟に基づく米軍の存在及び活動は死活的に重要であり、同盟国である米国は基本的にこれに当たるであろうということは、大塚議員との議論の中でも私は申し上げたとおりでございますが、実際、これまで政府が示してきたいずれの事例でも米国をその具体例として示しているわけでありますが、他方、米国以外の外国がこれに該当する可能性は現実に相当限定されると考えられますが、いずれにせよ、個別具体的な状況に即して判断されることになるわけでございまして、状況というのは、こちらがあらかじめ設定した状況において事案が発生するわけではないわけでありまして、そのときに起こった事案において、私たちは日本国民の命や平和な暮らしを守るために全力を尽くさなければいけないということではないか。 いずれにせよ、憲法上武力の行使が許容されるか否かは、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生したことによってのみ判断されるものではなくて、新三要件を満たすか否かによることとなるわけであります。つまり、密接な関係にある他国と、その事案自体が三要件にはまるかどうかということになるわけでございます。
○大塚耕平君 密接な関係にある他国に対する武力攻撃のみではないという今の御答弁は、ちょっと私個人としては驚きだったんですが、武力攻撃の定義をそれではお伺いします。
○国務大臣(中谷元君) 武力攻撃とは、組織的、計画的な武力の行使をいうものでございます。
○大塚耕平君 中谷大臣にお伺いします。 先ほど総理がおっしゃった武力攻撃事態対処法は、これは日本の自衛隊に対する法律と考えてよろしいですね。
○国務大臣(中谷元君) そのとおりでございます。我が国が武力攻撃を受けた場合の対処でございます。
○大塚耕平君 しかし、先ほど総理が、武力攻撃事態対処法等も変更のあるいは改正の検討の対象として俎上に上っているというお話をされました。それは、例えばどういう観点からこの武力攻撃事態法の改正が必要になるんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに今議論を進めているわけでございますから、ここでつまびらかに申し上げることはできない。まだ政府内で協議を進め、さらには与党で協議をいただくという前段階でございますから、ここで余りつまびらかに申し上げることはできないのでございますが、武力攻撃事態対処法につきましては、言わば我が国に対する武力攻撃のおそれがある段階、いや、予測される段階、そしていよいよ切迫している段階、発生した段階と、こうなっていくわけでございますが、これはあくまでも我が国ということになっているわけでございまして、これを例えば改正して、限定的な集団的自衛権の行使の中において、我が国と密接な関係にある他国に対する攻撃をどのように入れていくかということについての議論も行われるであろうと、これ想像されるわけでございますが、まだ今の段階では議論の最中であるということであります。 そして、言わば我が国と密接な関係にある他国に対する攻撃というのが、これがまず必要条件でありますが、必要十分条件になるためには、まさに三要件をその事態が満たしていなければならないということになるわけであります。そして、米国以外どこに当たるかというのは、その事案によって検討しなければならないと、このように考えているところ、先ほど申し上げたとおりでございます。
○大塚耕平君 今の御答弁聞いて、先ほどびっくりした部分は少し安心しました。武力攻撃のみではなくて、ほかにも条件が必要だというのは理解できました。 ところが、昨年の議論で不安を抱えたままの点が一点あります。この武力攻撃事態法には三つの定義がなされております。武力攻撃事態と武力攻撃予測事態も含めて三つ定義されております。武力攻撃は明らかなんですが、今後、密接な関係にある他国に対して、この武力攻撃事態法が定義するところの武力攻撃事態や武力攻撃予測事態がその他国に対して生じた場合に、同じような物の考え方をするんでしょうか。去年これをお伺いしたんですけれども、明確な答えがいただけませんでした。議論はこれからだとおっしゃったので安心しました、まだ間に合いますので。 密接な関係にある他国に対して武力攻撃事態や武力攻撃予測事態に該当するような状況が生じたときにこの三要件に該当する武力攻撃だというふうに含まれると、これは我が国は大変大きなリスクをしょうことになります。いかがでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) それは概念が違うわけでありまして、この三要件の中に、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福の追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合というのは、他国に対する武力攻撃が発生した場合でございまして、そのままでは、すなわち、その状況の下に武力を用いた対処をしなければ国民に対して我が国が武力攻撃を受けた場合と同様な深刻、重大な被害が及ぶことが明らかな場合であるというものを考えておりまして、これに該当するかどうかにつきましては、政府が全ての情報を総合的に判断して、客観的、合理的に考えるということでございます。
○大塚耕平君 大変尊敬する中谷大臣ですが、もう一回だけ御質問申し上げます。 具体的な武力攻撃、この三つのうちの青いところ、現実の武力攻撃が発生しているということが、さっき総理がおっしゃった必要条件だと考えてよろしいですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、中谷大臣が申し上げたことは、今委員がおっしゃったように、武力攻撃が発生したということは、別の言い方をすれば、相手方が武力攻撃に着手をした、着手以上ということでありますが、着手をしたということでありまして、すなわち、武力攻撃が予測されるだけでは不十分であります。予測されるだけでは不十分であり、また、武力攻撃が切迫している、言わばおそれがある、おそれがあるというだけでも不十分であるということでありまして、なお、武力攻撃事態対処法の定める武力攻撃事態とは、武力攻撃が発生した事態に加え、武力攻撃が切迫している事態も含むより幅広い概念ではあります。
○大塚耕平君 ということは、このパネルの青いところと黄色いところの間にもう一つ概念を設けるということですね。
○国務大臣(中谷元君) そのパネルの武力攻撃に対する三要件というのは、あくまで我が国に対する武力攻撃が行われるというケースでございます。他方、今度の新三要件につきましては、他国に対する武力攻撃が発生した場合における要件でございまして、概念が違う部分にあるのではないかということです。
○大塚耕平君 おっしゃりたいことは理解できましたが、一番大事な部分だと思いますので、今後も議論を詰めさせていただきますが、もう一つだけこれに関連してお伺いします。 その密接な関係にある他国に対する武力攻撃、現実に生じたその武力攻撃が、その他国の先制攻撃の結果、相手側から受けた武力攻撃も同等にみなすんでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 具体的な法律はこれから検討していくわけでございますが、現在ある三要件というのはあくまで我が国が武力攻撃を受けた事態でございます。 今後、我が国の防衛に際して行動している他国に武力攻撃があった場合において、その中で閣議決定に従った三要件、これに該当する場合におきましてはそれを念頭に法整備をしていくということでございます。
○大塚耕平君 もう一回だけ聞きます。 密接な関係にある他国が先制攻撃をした結果、第三国から日本の盟友たるその他国に攻撃があったケースでもこの武力攻撃、具体的な武力攻撃に該当するとして必要条件を満たしたと考えるかどうかということなんです。
○国務大臣(中谷元君) せんだっての閣議決定では、我が国が集団的自衛権を行使できるというのは、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生するのみでは足りずに、これに加えて、これによって我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があることを始め、新三要件を満たす場合でございます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) その事案というのは様々な複雑な国際関係の中において生起するわけでございますが、いずれにせよ、今、中谷大臣が答弁したように、我々がこの集団的自衛権の限られた範囲で行使をする、つまり、武力行使をするのはこの新三要件を満たすか否かの中において判断をする。新三要件を満たすことが言わば閣議決定で求められているものであり、かつ、その上においてさらには政策判断をしていくわけでありますが、純粋に閣議決定との関係において言えば、この新三要件を満たすか満たさないかによっているということであります。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 速記を止めて。 〔速記中止〕
○委員長(岸宏一君) 速記を起こして。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安全保障上の事態というのは様々なこれは国際状況の中において生起するわけでございまして、今我々がどのような事態、どのような事態ときれいに切り分けてそれを整理するということは実はおのずと机上の論理でしかないわけでありまして、大切なことは、あの閣議決定で求められて、我々が決定した、言わばどのような段階において我々が集団的自衛権の行使を行うかということについてはこのまさに新三要件に書いていることでございまして、その新三要件で判断をする。 かつ、この新三要件というのは極めて、世界の中で集団的自衛権を行使する国々においても厳しい新三要件でございまして、我が国のまさに存立が危うくなる、そして国民の生命、自由、幸福追求するというこの諸権利が根底から覆される明白な危険という判断のときにおいて、そのときに、むしろ何もしなければそうなってしまうわけでありますから、それを阻止するというのは国の責任であろうという判断の中でこの閣議決定がなされているわけでありまして、全てはこの閣議決定の三要件に当たるかどうかで判断すべきものと考えております。
○大塚耕平君 聞いていただいている議員の皆さん、閣僚の皆さん、テレビの皆さんも、ある程度は論点は御理解いただけていると思いますので今後の検討に委ねますけれども。 総理、積極的平和主義と言っておられるわけですから、私は、今度の新しい安保法制を総理がお作りになるときに、密接な関係にある他国が先制攻撃をした場合は、いかなる理由があっても先制攻撃をした場合は日本は手助けしないというぐらいの明確な意思表示をすることが世界から紛争をなくすための日本の貢献であると思いますけれども、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今私が申し上げましたように、この三要件というのは、これを、我々がこの段階で集団的自衛権の行使をしなければ、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があることということが書き込まれているわけでありまして、すなわち、このときに我々が自衛隊によって武力行使をしなければこういう事態になってしまうということであります。それは看過すべきでないというのが我々の基本的な考え方であるということでございます。
○大塚耕平君 外務大臣には安保条約をお手元に持ってきていただいていると思いますが、日米安保条約第五条の前段をちょっと皆さんに是非御紹介いただいて、集団的自衛権を認めないとこの第五条の前段が我が国は履行できない状況にあるという理解でいいかどうかということをお答えください。
○国務大臣(中谷元君) 申し上げますが、我が国による武力行使が国際法を遵守して行われるというのは当然のことでありますが、国際法上の根拠と憲法解釈というのは区別して理解をする必要がありまして、憲法上容認されるこの上記の武力行使は、国際法上は集団的自衛権が根拠となる場合でございます。 いずれにしましても、この新三要件というのは、我が国の存立を全うして国民を守るためでございまして、この文字のとおり、国の存立を全うして国民を守るため、すなわち我が国を防衛するためということを考えております。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、日米安全保障条約第五条の前段を……(発言する者あり)はい。「各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宣言する。」、こうなっております。 そして、御質問は、これを履行するために集団的自衛権がないとということでしょうか。 国際法上、集団的自衛権、これ、あくまでもこの集団的自衛権の行使は権利であって義務ではありません。よって、この集団的自衛権の行使というもの、これ、日米安全保障条約の権利義務関係、これに影響するものではないと我々は認識しております。
○大塚耕平君 担当外なので恐縮なんですが、石破大臣、うなずいておられたので。 第五条は、今私が申し上げたロジックで片務性があるから、だから集団的自衛権について今一生懸命総理がお考えになっているという、こういう理解でよろしいですか。
○国務大臣(石破茂君) 担当大臣がお答えしたとおりでございます。
○大塚耕平君 それでは、安保問題から少し、徐々に違う方向に行きたいと思うんですが、総理、突然違う分野に行きますが、通告はしてありますので、農協改革の目的は何でしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、農業の従事者の平均年齢は六十歳後半となり、農業生産額は減少しております。また、耕作放棄地は増大するなど、構造的な問題が顕在化をしているのは委員の御承知のとおりだろうと思います。 我が国の農業の活性化は待ったなしの課題であります。農業というのは私は国の基であると思っておりますし、農業の安全保障、食料自給率、自給力をしっかりと確保していく必要があるだろうと思います。 このため、安倍内閣においては、農地集積バンクによる農地の集積、あるいは輸出促進や六次産業化の推進を行い、生産性や付加価値を向上させ、マーケットを広げる農政改革を進めているところでございますが、その観点から、農家に一番近い地域の農協が創意工夫を発揮をして農業の成長産業化に全力でできるように、そして消費者の視点に立った農協の抜本改革を断行していきたいと考えているところでございます。 その際、この全中の存在というのは、まさに主役は農家であり、地域の農家に近い農協であり、そういう地域が活力を持って彼らの良さを、それぞれの地域に即した良さを生かしていくことができるようにサポートしていく役回り、言わば名脇役的な立場として今後農業の成長産業化に全体で資するような形にしていきたいと、全体で協力していけるようなものにしていきたいと、このように考えております。
○大塚耕平君 農協改革やTPPの問題も、外務大臣、日米安保条約と関係あるんじゃないんですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御質問は、農協改革、TPPが日米安全保障条約に関係するかという御質問でありますが、関係するというこの意味合いをどう取るかということもあるかもしれませんが、少なくとも具体的な直接的な影響はないのではないかと私は認識いたします。
○大塚耕平君 外務大臣、安保条約、お手元にあると思いますので、国民の皆さんも議場の皆さんも、中には御存じない方もいるかもしれません、第二条の最後の一文を読んでください。最後の一文だけで結構です。
○国務大臣(岸田文雄君) 第二条の最後の一文ですが、「締約国は、その国際経済政策におけるくい違いを除くことに努め、また、両国の間の経済的協力を促進する。」とされています。
○大塚耕平君 日米安保条約というのは、正確には安全保障だけじゃないんですよ。両国間の相互協力及び安全保障条約となっておりまして、第二条の最後に明確に経済問題の整合性を高めることと書いてあるんですね。 もう一回、外務大臣にお伺いします。農協問題やTPP、様々なこれまでの諸改革、安全保障と関係があるんじゃないんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この言わば安保条約、改定した際に、旧安保条約が五条であったものが十条になりました。今御紹介された二条については経済条項と言われたわけでございまして、当時はこの経済条項によって日米の貿易がより盛んになると、このように言われていたわけでございますが、結果としてまさにそのとおりになったと。日米の紐帯は、軍事上だけではなくて経済においても紐帯ができたというのは間違いないんだろうと、このように思います。 しかし、だからといって、今進めている農協改革は、我々、二条があるからやっているというわけでは全くないわけでありまして、まさに農家の方々がこれから将来に夢や希望が持てるように、若い皆さんが農業という分野に、自分たちの情熱や努力で新しい地平線を開くことができる分野だと、このような思いで農業の分野に入ってきていただけるようなものに変えていこうという中において進めているものであります。 結果として、まあTPPもそうなんですが、結果としてこの安保条約の第二条に適合するということはあるかもしれませんが、安保条約の第二条があるから我々はやっているということでは全くないわけでありますし、米国側からも、この安保条約第二条を盾に取って、おまえたち、これやれと言われたことは今まで一回もないということも申し添えておきたいと思います。
○大塚耕平君 よく分かりました。ただし、安保条約にはそういう文章が入っているということは是非認識を共有しながら今後議論をさせていただきたいと思います。 私は、総理の農業の様々な改革、成長産業にしようとする取組、反対ではありません、私たちも同じように考えていますので。現場の単位農協の皆さんは大変頑張っておられると思いますけれども、やはり中央組織はいろいろ課題も抱えていると思います。 そこで、政府参考人でも結構ですが、独占禁止法上の農協の適用除外についてどのような規定になっているのか、お答えください。
○国務大臣(西川公也君) 農協も他の協同組合と同様に独占禁止法の適用除外とされております。 そこで、農業者は単独では大手食品流通業者あるいは肥料、機械メーカーといった大企業と対等に取引を行うことができる状態にはないため、農業者が協同組合を組織して市場において対等に取引を行うことを期待していることによるものであります。一部除外されることもありますが、適用除外されていると、こういうことで私どもは解釈をしております。
○大塚耕平君 確かに半世紀前は農協はそういう弱い立場だったと思いますが、もう今や堂々と対等に取引できるんじゃないですか。
○国務大臣(西川公也君) 農業の状況で農業の生産額を少し申し上げますと、昭和五十九年に十一兆七千億あったんですよ。今は八兆五千億なんです。なぜこんなに下がったかと。そして、高齢者の問題やたくさんの問題、耕作放棄地等の問題もありますが、なぜそういう問題になったかと。こういうことを言いますと、やっぱり生産を重視してきましたけれども販売に力を入れてこなかったと、こういうこともありまして、今販売戦略をしっかりやろうと、こういうことを考えておりまして、競争力がもう少し高まっていけば今の問題等も検討できると、こう考えています。
○大塚耕平君 経済を活性化したいという思いは総理と我々も一緒ですから、総理、是非、独占禁止法の適用除外というのが一体幾つの法律で、どのくらいの分野が該当になっているのか、政府参考人からの説明を一緒に聞いてください。
○政府特別補佐人(杉本和行君) 独占禁止法の適用除外制度について説明させていただきます。 独占禁止法の適用除外制度は、一定の政策目的を達成する観点から、特定の分野における一定の行為に対する独占禁止法の禁止規定の適用を原則として除外するというものでございます。 適用除外制度は、独占禁止法に定めのあるものと個別の法律に定めのあるものに大別されまして、現在、十七の法律に基づきまして二十四の適用除外制度が存在してございます。 独占禁止法に定めがあるものといたしましては、知的財産権の行使行為、農業協同組合などの法律の規定に基づいて設立された組合の行為及び著作物の再販売価格維持行為がございます。 個別法の定めのあるものとしましては、保険分野、生活衛生分野、農業分野、運輸分野、酒類分野及び著作権分野、さらには消費税、会社更生、貿易、中小企業といった分野につきまして、十六法律、二十一の適用除外がございます。 なお、最近に適用除外制度が設けられたものといたしましては、一昨年に改正されましたタクシー特措法に基づきますタクシー減車カルテルと消費税転嫁対策特別措置法に基づく転嫁・表示カルテルがございます。
○大塚耕平君 総理、自由でそして先々成長する経済構造をつくろうと思ったら、独占禁止法の適用除外というのはカルテルを認めるということですからね。社会的必要性からそういう特例が置かれるのは結構なことだと思うんですが、もう五十年前から適用除外になっているものがいっぱいあるんですが、こここそ総理、力を入れて改革されるべきだと思いますが、総理のお考えをお伺いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま取引委員会の杉本委員長から御説明があったように、例えば価格転嫁をしなければならないという事態において行っていく。あるいは、農協においても、農業者が、大手流通メーカーあるいは大手商社等とそれぞれの農家が対等に対応できませんから、そこで独占禁止法の適用除外になって組合をつくっている、そういう事情等々があるとは思いますが、言わばその時期を、もう既に必要としている時期を過ぎたにもかかわらず続いていくということは日本では間々あるわけでございますので、こうした分野においても、安倍政権の基本的な姿勢は聖域のない改革でございますから、しっかりと見ていきたいと、このように思います。
○大塚耕平君 そこは是非しっかりやっていただきたいと思います。 農業に関しては、農業や現場で頑張っている単位農協の皆さんを勇気付けるためにも、もう一つ改革しなきゃいけない点があります。金融です。農協及び農中の預貸率についてお答えください。
○国務大臣(西川公也君) 平成二十六年の三月末現在を申し上げます。農協の貯貸率は二五・一%、農林中央金庫の預貸率は三〇・五%となっております。
○大塚耕平君 麻生大臣、笑っておられますが、是非、地方銀行とか都市銀行は何%ぐらいか、もしお手元に数字があったらお答えください。
○国務大臣(麻生太郎君) 数字がちょっとかなりな格差がありましたので正直驚きましたけれども、第二地方銀行で七二・七%、地方銀行七一・〇、都市銀行が六四、五だと思いますが。
○大塚耕平君 いや、そうなんですよ。 石破大臣が農水大臣のときにこの問題、一度、私、予算委員会でやらせていただきましたが、例えば農中は、農中法第一条に第一次産業の発展のために活動しろと書いてあるんですが、何と集めたお金の三割しか貸していない。しかも、そのうち第一次産業に貸しているのは幾らですか、農水大臣。
○国務大臣(西川公也君) 御指摘受けましたように非常に低い数字でありまして、農協の数字で申し上げますと、貸出金二十一・三兆円のうち農業融資は一・三兆円、〇・一%と、こういうことになっております。
○大塚耕平君 総理、これ認識、是非共有していただきたいんですが、農業予算をいろいろ工夫されていろんな農業関係団体に回しても、最後は系統金融機関から、最初は単位農協ですが、単位農協も、集めたお金の二五%しか貸していない上に、そのうちの僅か〇・一%しか第一次産業に回していない。そして、農中は、あれだけ巨額の資金を持っていながら、第一次産業には約一・五%ぐらいしか融資していないんですよ。 金融がこういう状況では、幾ら農業を活性化しようと思っても、農業をやる人がその事業資金がないわけですから。この実態、総理、どう思われますか。
○委員長(岸宏一君) じゃ、西川農林水産大臣。
○国務大臣(西川公也君) 今、数字ちょっと見間違いまして、六・一%でした。失礼しました。 それで、農林中金の方も併せて申し上げますと、貸出金十七兆二千九百五十億ですが、うち農業融資三百二十六億円で、貸出金に対する割合は農林中金が〇・二%でございます。
○委員長(岸宏一君) じゃ、内閣総理大臣から補足いたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今のやり取りを聞いておりまして大変参考にさせていただいたわけでございますが、中央会も昭和二十九年に生まれ今日に至っているわけでございますが、その間大きく変化をしている中において改革をどう進めていくかということについて、今まさに党内において議論をしているところでございます。その中において、中央会における信用部門がどのような対応をしているかということについても今後議論をしていきたいと、このように思います。
○大塚耕平君 私たちも、農業は是非頑張ってもらいたいし、農家の方、農協の皆さんには頑張ってもらいたいと思います。現場から遊離した中央組織やあるいはその他様々な枠組み、農林中金も含めて、これらの見直しが必要なところはしっかり見直しをしていただきたいと思います。 それでは、本題の補正予算に入らせていただきます。 総理、今回の補正予算の狙いについて御説明ください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政権交代以来、三本の矢の政策を進めてきた結果、有効求人倍率は二十二年ぶりの高水準であり、賃上げについても二%以上のアップ、過去十五年で最高となりました。企業収益についても過去最高水準であり、倒産件数は二十四年ぶりに一万件を下回るなど、確実に経済の好循環は生まれ始めていると認識をしています。 しかしながら、昨年の四月以降の消費税率八%への引上げ等の影響を含めた物価の上昇に家計の所得が追い付いていないことなどにより、個人消費等に弱さが見られているのも事実でございまして、このため、景気回復の実感が地方に暮らす方々や中小・小規模事業者、あるいはその会社で働いている従業員の皆さんに届いていないのも事実でございます。 足下では、街角の景況感において上昇し始めておりまして、いい数字も出始めておりますが、こうした兆しを景気回復の確かな実感につなげていくためには、今般、個人消費のてこ入れと地域経済の底上げを図る力強い経済対策を策定し、これを実行するために本補正予算を取りまとめたところでございまして、経済の好循環を確かなものとし、地方にアベノミクスの成果を広く行き渡らせてまいりたいと考えております。
○大塚耕平君 お手元の資料の一枚目に、これは私が作成した図で恐縮ですが、景気を良くするためには様々な需要を喚起しなきゃいけないという、こういうちょっと絵を作らせていただきました。総理、お手元にございますか。 この絵を御覧になって、ちょっと今の総理のお考えを少し重ね合わせて国民の皆さんに、どの辺に力点を置いて補正予算や今後の経済運営を考えておられるのか、少しひもといていただければと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 景気を良くしていく上において、一つは、企業が為替の動向等もプラスをしながら収益力を上げているのは事実でございます。その中において、当初は資産効果等で消費が景気を引っ張ってきたのでございますが、残念ながら、消費税率三%上がったと、給与は二%平均で上がったんですが、この三%には付いていっていないという中において個人消費が落ち込んでしまったという状況であります。 そして、長い間デフレが続いておりましたから、基本的にはデフレマインドというのは完全に払拭されているとはまだ言い難い状況であって、だから、経営者も設備投資やあるいは賃上げに思い切った判断をしていない。中小企業等においても、ある程度余剰金はあるんですが、また、かつて貸し剥がしに遭ったという経験はまだ生々しいものがありますから、それが投資に向いていないという状況がございます。 そこで、今回の景気対策を行ったところでございますが、大切なことは、我々は、所得が上がっていく、言わば個人消費が引っ張っていく、主役としての役割を果たしていくことは極めて重要だろうと、このように思います。そして、やはり購買力が増えた消費者が何を買うんだということも重要でありますから、同時に新たな新技術、新たなイノベーションの下で新しい商品が登場してくることが重要ではないかと、このように思います。 そして、政府需要というのは、これはまた機動的な財政政策というのはそうしたものを言わばマクロ経済的な観点から見ながら補っていくものとして活用していきたい。もちろん、この財政支出については、日本が成長力を持つためのインフラ投資等も含むわけでございますから、言わば経済対策だけのものでもないわけでありますが、こうしたものを相まって効果を発揮をしていくことが大切ではないかと。 まずは、企業が言わば収益力を上げてきているのは事実でありますから、そこから一歩、今踏み出すかどうかということになっているんではないかと思っております。
○大塚耕平君 総理も今、購買力、家計の消費のこともお触れいただきましたが、何しろ経済構造上、六割が個人消費ですから、この個人消費が大事なんですが、家計が、個人消費の余力がどうなっているかということを御理解いただくために、家計の貯蓄率についてどうなっているか、御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(丸山雅章君) 平成二十五年度の国民経済計算確報によりますと、直近、平成二十五年度の日本の家計の貯蓄率はマイナス一・三%となっております。
○大塚耕平君 家計が貯蓄がマイナス一・三%ということは、消費性向は何%ということですか。どなたかお答えになれる方は是非お答えください。 せっかく日銀総裁来ていただいているんで、日銀総裁、貯蓄率がマイナスになったということは消費性向はどうなっているというふうに考えたらいいんですか。
○参考人(黒田東彦君) ただいま御指摘のありました点について国民所得計算でどういうふうになっているかという数字は、私、手元にありませんので存じませんけれども、貯蓄性向がマイナスだということは消費性向が一〇〇を上回っている可能性があるというふうに思います。
○大塚耕平君 一番の図を皆さんもう一回御覧いただきたいんですが、甘利大臣や麻生大臣は御存じと思いますが、一番の景気の下に書いてある式がありますよね。簡単な経済学の基本の基本です、投資乗数。消費性向が一を超えたということは、どういう事態が起きているというふうに甘利大臣や麻生大臣は理解しておられますか。
○国務大臣(甘利明君) それだけが全てとは思いませんけれども、この年の最後の四半期は駆け込み需要が強烈に起きているときです。つまり、四月から消費税が上がるから、必要なものは早く買っておこうと。ということは、貯蓄を取り崩して消費に回したという可能性もかなりの要素ではあるのではないかと思います。もちろん、それが全てとは言いません。
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的に、消費税の上げる前と後との話と少しまた違うとは思いますが、上げる前が今、甘利大臣の言われたとおりだと存じます。 基本的には、その後の個人金融資産というのは増えておりますので、その意味では、今消費は止まっておる、若しくは控えめになって、じっとこらえ、抑えているということは間違いなくて、消費性向としては極めてフラットか、下手をすればマイナスになっているという可能性が高いかなと思います。
○大塚耕平君 いや、私が申し上げたいのは、私も答え、ないんですよ。つまり、大臣の皆さん方や黒田総裁の世代、私もそうですけどね、消費性向は一を下回っていて、乗数を掛けたら、企業が投資をすると、その分、乗数効果が出るという説明を受けて、今まで経済政策はそうやってやってきたんですよ。ところが、今、乗数はマイナスですからね。こういう事態になって、どういう経済政策をやったらいいのかというのは、実はセオリーがないんです、今。 そこで、今度は、一人当たりの名目GDPについてもどうなっているか、御説明ください。
○政府参考人(丸山雅章君) お答えします。 平成二十五暦年の一人当たりの名目GDPで申し上げますと、ドルベースに換算しますと約三万九千ドルになっておりまして、OECD加盟国中第十九位でございます。
○大塚耕平君 今御覧いただいているグラフですね。これは、GDPはOECD国内の順位であり、右側はこれは貯蓄率ですから、相関関係はこれはちゃんと分析してみないと分かりませんけれども、何かたまたまですけれども、極めて似通ったグラフなんですね。 だから、家計のこれ消費が盛り上がっているんじゃなくて、所得が少ないから貯蓄を取り崩して消費をせざるを得ないという状況になっている。家計がこういうふうに疲弊をしてくると、結果として我が国は先進国の中で経済的地位がどんどん低下しているという、これは情況証拠です、情況証拠。 さらに、我が国の家計がどういう状況かということを御理解いただくために、相対的貧困率について御説明をください。
○政府参考人(姉崎猛君) 相対的貧困率につきましては、私どもの国民生活基礎調査という調査の結果を基に算出をしておりまして、最新のデータは平成二十四年の所得に基づく結果というふうになっておりまして、平成二十四年の全体の相対的貧困率は一六・一%、子供の貧困率は一六・三%、また子供がいる現役世帯のうち大人が一人の世帯にいる人の貧困率は五四・六%というふうになっております。
○大塚耕平君 総理、これは、子供と一人親世帯は日本は二十五位、三十三位。一人親世帯が三十三位となっていますが、これは三十四か国中最下位じゃなかったというのじゃないんですね。これ、韓国はデータを公開していないので、ここの部分は。最下位なんですよ、日本は。 こういうもろもろのデータを見て、総理、アベノミクスは所期の効果を上げていると言えるんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この貧困率については、世帯ごとの可処分所得に基づいて算出されているため、これは御承知のとおりだと思いますが、資産の保有状況が反映されていないのも事実であります。また、一般に、貧困世帯の所得が改善をしていなくても、社会全体の所得が減少すると貧困率が改善してしまうといった問題があることも認識をしているところでございます。 いずれにいたしましても、今はこの数字についての認識について申し上げたところでございますが、いずれにいたしましても、子どもの貧困対策の推進に関する法律にのっとって、その指標とその改善に向けた施策を大綱において定めることにしているわけでございますが、今後とも、こうした子供のいわゆる貧困の解消のために、教育費負担の軽減を図るため、高校生奨学給付金の拡充や大学の無利子奨学金、授業料免除の拡充、あるいは中学校等で貧困の子供を支えるスクールソーシャルワーカーの配置拡充、中学生に対する学習支援や保護者の学び直しの支援等の施策を推進し、子供の貧困に関する指標の改善に向けて総合的に取組を進めていく考えでございます。
○大塚耕平君 いや、私が申し上げたいのは、こういう状況ですから、総理、もうトリクルダウン的発想はおやめになって、やはり本当に手を差し伸べるべきところに集中的に手を差し伸べる、五十年前の規制にしがみついて独占禁止法上の適用除外にあぐらをかいているようなところはもう解き放つ、そういう経済政策が必要だと思うんですが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほども申し上げたんですが、我々はいわゆるトリクルダウンを期待している政策を行っているわけではありませんし、トリクルダウンを前提として政策を進めているわけではないわけであります。 トリクルダウンというのは、言わば新自由主義的にレッセフェールに近い形で政策を進めていけばだんだんこれは全体に富、果実が均てんされるというものでありますが、そうではなくて、我々の経済政策の反省の一つは、第一次安倍政権のときも企業は最高の収益を上げたわけでありますが、それはほとんど内部留保になってしまったわけでありまして、賃金の上昇につながらなかったのは事実であります。 そこで、我々は、まずデフレから脱却をする、企業が積極的に人材に投資をする、設備投資をする、そして下請企業に対しても材料費等についても転嫁をしていくという状況をつくっていくとともに、さらに政労使の会議を行って、政府が働きかけを行って、給与を上げていくように、あるいは下請企業にちゃんと配慮をするように、そのことによってそれぞれの場で仕事をしている人たちの給与が、所得が上がっていくという状況をつくっていくのが私たちの政策であり、かつ、地方における経済力の底上げも行っていくというのが私たちの政策でありまして、上からたらたら垂らしていくということではなくて、全体をしっかりと底上げも行っていこうというのが私たちの政策であるということもちょっと申し上げておきたいと思います。 その中において、さらに、今おっしゃったように、五十年、六十年前の規制等についてはしっかりと見直しをしていきたい、この独占禁止法の除外についても、先ほどのお答えもこれは農業ではなくて一般についてお答えをさせていただいたわけでありますが、不断の見直しは行っていきたいと、このように思います。
○大塚耕平君 総理、これは我々が誤解していたのかもしれませんが、重要な論点なので確認ですが、企業が収益を上げてそれが広く従業員や家計に行き渡るというのを、これをトリクルダウンというふうに我々は理解していて、総理はそういう経済政策をやっておられると思っていたんですが、そうではないということですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) つまり、いわゆるトリクルダウンというのは、一部のグローバル企業に政策的なインセンティブを置いて、そこが強くなることによって、相当の時間を掛けながら下にその果実が均てんされていくという仕組みなんだろうと、そしてそれに対しては言わば自由競争の中において自然に起こってくるということなんだろうと、このような意味で私はトリクルダウンということを申し上げたわけでありまして、我々は、そうではなくて、まさに全体を底上げする政策を行っていくということであって、グローバル企業においてはグローバルな競争にさらされているわけでありますから、そこで勝ち抜いていくことも当然であります。 同時に、そこで上げた利益においては、一日も早く下請企業も含め均てんをしていただきたい。あるいは、従業員に還元をしていただく上において、政府も、これは一部から我々も批判を受けているわけでありますが、政府も介入して政労使の会議を行っているということでありまして、そういう意味においては、いわゆるトリクルダウンとは我々が行っている政策は違うわけでありますし、そしてまた同時に、最低賃金においては大幅に連続で我々は引上げを行っているわけでございます。 同時に、そうしたことができる経済状況をつくるということも大切であるわけでありまして、紙に書いた賃金がそのまま実行できるのであれば苦労は要らないわけでありますが、しかし、そこはしっかりとした成長戦略を持って成長戦略を進めていくことによって、企業が収益を上げなければ果実は生まれてこないというのもそれは事実でありまして、我々はしっかりと成長を実現し、そして企業も収益を上げ、そしてその企業の収益がいち早く均てんされるようにしていく、これが私たちの政策であります。 また、地方においては、言わばグローバルな経済だけではこれは切り取れないわけでございますから、地方においては、地方の経済の中においてしっかりと地方の経済が成り立つ形で地方における言わば産業の成長力を応援をしていく、こういう政策も行っていきたいと、このように考えております。
○大塚耕平君 今後、本予算でまたいろいろ論争があると思いますけど、トリクルダウンだと、効果はこれから及ぶんだとはっきりそういうふうに定義していただいた方が多分かみ合うと思うんですね。何か方向を変えて底上げだというふうにおっしゃられると、先ほどの子供の貧困率とかそれから貯蓄率のあの動向を見ると、それを狙っていたアベノミクスはうまくいっていないという評価になりますが、それでよろしいですか。
○国務大臣(甘利明君) 我々は、好循環をしっかり起こすということを考えております。それから、循環していく中でのひずみについては、社会保障とそれから税、税ももちろん、提言されたのは民主党の時代とおっしゃいますけれども、それを実行しているわけですね。最高税率を引き上げて再配分機能を持たせると。それから、社会保障の改革においても現役世代というのを重要視しています。今までは現役がリタイアを支えると、それを全世代型にしているというのが再配分の一つであります。授業料の部分的な軽減、無償化であるとか、いろんな取組を通じて再配分機能も併せてやっております。 あわせて、好循環が進むような環境整備を政府もやっているわけです、督促もしています。本来、政労使の会議というのは、賃金の交渉のルールに従って言えばフライングではないかという指摘もあります。しかし、あえてそれをやっているということは、好循環を回しながらひずみをちゃんと是正していこうということであります。それを広義のトリクルダウンとおっしゃるのなら、それは広義には入るかもしれませんけれども、従来、トリクルダウンというのは、強いところだけ伸ばしていって、いずれオートマティカリーにそれが均てんしていくだろうという理解だというふうに思っております。
○大塚耕平君 今後しっかり議論をさせていただきますが、それにしても家計や子供がこういう状況の中で法人の内部留保が高過ぎるような気がしますが、その水準とその水準についての御所感を、できれば財務大臣からお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは幾らが、大塚先生、適切かというのはいろいろ意見の分かれるところだとは存じます。 しかし、私どもから見て、おととしの九月、少なくとも三百四兆円だったものが昨年の九月で三百二十八兆円、二十四兆円、月割り二兆円ということになろうと存じますが、これは正直申し上げて、そのものだけの、たまるのであれば、それが賃金とかそれが配当とかいうのに回っていくというのが普通なのであって、少々、企業が長いこと、デフレのせいですかね、じっとため込んで、貸し剥がし、貸し渋りに、えらい目に遭ったという記憶のまだ強い方が今ちょうど一番上におられますので、しんどいところだろうなとは思いますけど、そこを変えてもらわぬといかぬなとは思います。
○大塚耕平君 ここは財務大臣や甘利大臣、御理解いただきたいんですが、さっきの乗数効果の式、思い出してください。家計の消費性向だけじゃなくて、企業も消費するわけですよ。だから、企業がため込んだ内部留保を企業としての消費活動に使うか、あるいは投資をしてもらわないと、さっきのあの方程式成り立たないんですよね。だから、やっぱり内部留保は僕は高過ぎると思うので、じゃ、今回、税制改正についてどういう対応をしたかということについてちょっとお伺いをしたいと思います。 七枚目の黒字法人の法人税負担率の話を先に進めさせていただきたいと思います。来年度の税制改正において法人実効税率引下げを行うためにどのような対応をしたかについてまず御説明ください。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。 二十七年度の税制改正の法人課税の件でございますけれども、基本的に課税ベースを拡大をしながら税率を引き下げるということによりまして、法人課税を成長志向型の構造に変えるということで、大法人を中心に改革を行うということにしたのが基本でございます。 具体の内容でございますけれども、よろしゅうございますか。まず、国の法人税でございますけれども、基本の税率、現行が二五・五%でございますが、これを二三・九%に引き下げると。減収額で平年度ベース六千七百億円ということになるわけでございます。 一方、これのための財源といたしまして、欠損金の繰越控除制度の見直しを行いまして、控除限度額を現在の所得の八〇%から段階的に五〇%に引き下げる。それから、受取配当の益金不算入制度についての見直しも行う。それから、租税特別措置につきまして、適用期限が到来するものにつきまして、これを中心に見直しを行いまして、生産等設備投資促進税制の廃止などの見直しを行いまして、こうした課税ベースの拡大によりまして、減税見合いの財源六千七百億円というものをしっかりと確保するという形にしてございます。 総務省の所管でございますが、もう一つ、地方の法人事業税について御紹介いたします。大法人向けの所得割の税率を現行の七・二%から四・八%へと段階的に引き下げるということでございまして、これに伴いますのが七千九百億円の減収ということでございますが、他方、大法人向けの外形標準課税の見直し、段階的拡大によりまして、その見合い財源をしっかり確保するということでございます。 結論的に、以上のような国、地方を通じました課税ベースの拡大とそれから税率の引下げによりまして、結果といたしまして、国、地方を通じた法人実効税率は、現行の三四・六二%から段階的に三一・三三%まで引き下げるといったような内容となってございます。
○大塚耕平君 皆さんも是非図を御覧いただきたいんですが、今の政府参考人の説明は、上に書いてある実効税率を計算するときに法人税率は二五・五を当てはめて計算しているわけですよ。 ところが、麻生大臣、御記憶にあると思いますが、去年の十月十六日の財政金融委員会で、ここの黄色やピンクの色の付いている諸控除、これは実は実効税率をはじくときにこういう優遇が行われているということは勘案していないということをお認めくださいました。 だから、本当は一七・八%で計算しなきゃいけないんじゃないですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 法人税の改革ですけど、課税ベースを拡大しつつ法人税率を引き下げるということで、今なぜ引き下げるかといえば国際競争力ということになろうかと存じますが、稼ぐ力のある企業の税負担というものを軽減するということですが、基本的には下げて先ほどみたいに内部留保だけためられちゃたまらないということになりますので、コーポレートガバナンスしっかりやってもらいますというのもさせてもらったり。 まあ、政労使という、ちょっと連合の代わりに我々が団体交渉をやるのはいかがなものかなと思わないでもありませんでしたよ、正直なところですけどね。だから私、正直に申し上げましたから、御本人にも。その上で我々は上げるという話を、来年も継続してくれと言われましたんで、じゃもう一回ですかというお話もちゃんと議事録のあるところでちゃんと話をしておりますから。そういったところでさせていただいて、継続的な賃上げというものが可能なものになるためには、生産性が上がらなきゃ賃上げなんかできませんから、生産性を上げていただきますよと。もうけた金でちゃんと設備投資やら何やらしていただく。やらないとできませんから。 そういったものをやりながら、基本的に今まで払っておられなかった分、例えば外形標準課税とかそういったようなものは、少し小企業は、中小企業は別にして、大企業については払っていただく等々のことをさせていただいて、成長戦略にふさわしい中身に変えさせてもらわないとならぬと思って、今そういった動きで事を進めつつあるところであります。
○大塚耕平君 大臣、大臣とはもう長いお付き合いをさせていただいております。去年十月十六日にお認めくださいましたよね、実効税率をはじくときに、基本税率を使って計算しているけど、この色の付いた、合計で七・七%分事実上の減税をされているというところはカウントしていないんだとおっしゃいましたよね。そういうことでいいですね。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。 この二五……(発言する者あり)よろしいですか。
○大塚耕平君 長くなりそうだから大臣に。
○委員長(岸宏一君) じゃ、答えてから財務大臣に答えていただきますから。
○政府参考人(佐藤慎一君) 失礼をいたしました。よろしゅうございますか。 二五・五%というのは法人税の表面税率でございまして、実際に、ここに先生の資料にございますように、租税特別措置、あるいは欠損金の繰越控除といったものによりまして課税ベースが低くなった結果、法人全体としては平均的に一七・八という数字でございますけれども、今回の税制改正のポイントは、このそれぞれの租特なり欠損金の繰越控除というものが各業態にむらがある形で掛かってくるものですから、業種、個社によって非常に偏りのある負担構造になるということでございまして、この点についてきちっとした見直しを行うことが適当ではないかと。そのことが成長に資していくというような視点から考えているということでございます。
○国務大臣(麻生太郎君) 大臣っぽく簡単にばかっと言えば、実効税率は高いと、日本の実効税率は高いと言われる方は多いんですが、実際の税負担というものをよく見ると、例えば法人税収のGDP比率なんというのを見れば国際的に見てもそんなに高いことはないということは、もう去年もお話を申し上げたとおりなんですが、これは日本の課税ベースが狭いことの表れなんだから、そういった意味では、今回の法人税の改革をやるに当たっては課税ベースを広げるという方向に点を将来のことを考えて置いておかないと、今そこの部分のところをきちんと整理しておく必要があるだろうと、私どもはそう思っております。
○大塚耕平君 認識を共有していただくために、先ほど政府参考人も外形標準課税のこともお答えくださいましたので、外形標準課税の資本圧縮措置とか持ち株会社特例というのは何かというのをちょっと御説明ください。総務大臣でも結構ですが。
○委員長(岸宏一君) どちらですか。どなた。
○大塚耕平君 じゃ、総務大臣。
○国務大臣(高市早苗君) まず、資本圧縮措置について申し上げますけれども、これは資本金等が法人の事業活動の規模を一定程度表す指標と考えられることに着目して資本金などの額を課税標準としているんですけれども、資本金などの額が大きな法人につきましては、これに比例して税負担を求めるということになるともう非常に過大な税負担となって事業活動の規模との関係で必ずしも適当でないと考えられることから、一千億円超の資本金等の額について圧縮する措置が講じられているものでございます。 あわせて、持ち株会社のことを申し上げますが、持ち株会社の特例というものは、これは株式の保有を通じて子会社の事業活動を支配すること、これを主目的とする持ち株会社については自ら行う事業活動に比べましてやはりこの資本金等の額が過大になっていると考えられることから、この総資産に占める子会社株式の価格の割合に応じて資本金等の額を圧縮するというものでございます。
○大塚耕平君 総務大臣、御説明ありがとうございます。 だから、この黄色いところ、総務大臣、これはどういう数字ですか。この黄色いところの九百四十一億と千二百六十六億というのは結局何を表しているんですか。
○国務大臣(高市早苗君) これは、平成二十四年度の課税実績を基にした推計ですけれども、この資本圧縮措置で約九百四十億円、その先生の数字も総務省の数字だと思うんですけれども、この分が圧縮されているという金額でございます。
○大塚耕平君 いや、ちょっと違うんですよ。圧縮は四十七兆の方で、九百四十一億は、これ減税されているということです。それから、持ち株会社特例も千二百六十六億減税されているということです、大企業は、資本金の大きい。つまり、二千二百七億円の減税が行われているんです。 先ほどの法人実効税率のところの控除等の合計七・七%分、そしてこの外形標準課税の合計二千二百七億、これ多分比率でいうと一%分ぐらいあるんですが、事実上、法人実効税率が高くて三四・六二だといって議論しているこの数字は、七・七プラス一の八・七ぐらい引き下げると二八とか二七ぐらいじゃないのかということも念頭に、法人を優遇するのか、それとも、安倍総理が底上げがアベノミクスだとおっしゃるんだったら、家計や貧困層に焦点を当てた税制などをやるのか、そこをお考えいただくのが補正予算や来年度の予算であるべきだと思うんです。 先ほど来、春闘のこともいろいろお話がありましたが、春闘は民間労使にお任せしている。もちろん、政府がサポートしてくれるなら、それはそれで有り難いですよ。だけど、政府の本来の仕事は、税制とか様々な政策で、法人がこういう状況で、実効税率が高い高いといって、だから労働者派遣法で安いコストの労働者をつくってくれとか、実効税率は二五・五の標準税率をベースにして議論をして、だから高いから引き下げてくれとか、そういうことに拘泥しているような経営者や財界では日本を良くすることは僕はできないと思っています。 だから、総理には、実はこういう隠れた減税も行われているということを御理解いただいて、一言コメントをいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大切なことは、この十五年間、ずっとデフレ経済の中にありましたから、言わば企業にとっても現金を持っていればそれが価値を増していく。つまり、デフレ経済下においては、投資もしなければ、あるいは従業員の給料も上げない、人材にも投資をしないという結果になってしまった。デフレ経済下においては、物の値段も下がっていきますが、それ以上に収入も下がっていくという状況になるわけでございまして、ここから脱却をするためにはまずそのマインドを払拭する。だからこそ、三本の矢の政策でマインドを払拭。ただ、完全に払拭とはいっていないわけでございまして、企業も内部留保をする傾向がずっとあった。 ただ、内部留保の中においても、これは一年以上ずっと、海外等々においてMアンドA等において投資をしているといえばこれは投資なんですが、これもこの内部留保の中に計算上は入っているわけでございますから、中をしっかりと見ていく必要はありますが、いずれにしても増えている。しかし、最近増えているのは、むしろ企業の収益力が上がったという点も評価する必要はあるんだろうと、このように思います。 そこで、大切なことは、しっかりと企業に稼がせて、その稼いだお金を賃金やあるいは下請企業にもしっかりと均てんをしていくということをさせていくことが大切であろうと。そもそも、そうではなくて、最初から給付に力を入れるという考え方では我々はないわけでございますが、同時にしかし、その中で我々はやるべきことはちゃんとやっていきたいという考え方の下に、先ほど申し上げましたように、最低賃金も大幅に連続して引上げも行っておりますし、子供の貧困対策等々にも力を入れているところでございますし、低所得者対策も行っているわけでございます。 そうしたことも総合的に進めながらしっかりと、国民の皆様が豊かになったと、豊かさを実感できる経済をつくっていきたい、今日御指摘いただいた点も十分に参考にさせていただきたいと、このように思っております。
○大塚耕平君 ありがとうございます。是非参考にしていただいて、財界や企業にも時々厳しいことを言っていただいた方がいいと思いますよ。麻生さんは時々言っておられますけれども。子供の貧困率がこんなに高いなんて、先進国の中でこんな恥ずかしいことないですからね。是非、総理、よろしくお願いします。 じゃ、最後に税制の質問をもう一問だけさせていただきます。その後、最後のテーマに移らせていただきます。 やはり国民の皆さんにとって、特に地方において、車というのは必需品であります。車体課税の見直しについては、平成二十八年度以降の税制改正において具体的な結論を得るというふうになっておりますけれども、これは昨年度の税制改正の方針からちょっと後退したというふうに考えていいんですか。後退はしていないんですか。
○国務大臣(高市早苗君) 車体課税の見直しにつきましては、これは消費税率一〇%の段階で車体課税を見直すということで、平成二十七年度の与党税制改正大綱では、平成二十八年度以降の税制改正において具体的な結論を得ると、こういうことになったわけでございます。 その際に、税制の抜本改革法の第七条におきまして、国及び地方を通じた関連税制の在り方を見直して、安定的な財源を確保した上で、地方財政にも配慮をしつつ、簡素化、それから負担の軽減及びグリーン化の観点から見直しを行うとされていることを基本として、もちろん平成二十五年度から二十七年度の与党税制改正大綱を踏まえて検討していくということになります。 後退したというのではなくて、本格的に議論をする時期が平成二十八年度以降の税制改正においてということでございます。様々な議論が今後行われると思います。
○大塚耕平君 総務大臣、確認ですが、平成二十六年度の税制改正大綱では、取得税は消費税率一〇%への引上げ時に廃止するとなっているんですね。この去年の決め事は、今年の表現、平成二十八年度以降の税制改正において具体的な結論を得るということと矛盾しないんですね。生きているということでいいですね、去年の方針は。
○政府参考人(平嶋彰英君) 与党の税制改正大綱におきまして、消費税一〇%時に自動車取得税を廃止するという方針が確認されております。
○大塚耕平君 つまり、消費税は一年半引上げが先延ばしになったけど、そのときには廃止されるということでいいですね、大臣。一応確認です。
○国務大臣(高市早苗君) 先ほども前年度までの議論を踏まえてということを申し上げております。それで結構でございます。
○大塚耕平君 自動車は、これから地方創生の話、最後にお伺いしますけれども、地方の皆さんにとって軽自動車を中心に生活必需品でありますので、軽自動車を含む自動車への大衆課税、重課税、こういうものを見直す方向が景気対策や雇用対策等の観点から重要だと思います。 低価格帯の車種に対する自動車税を特に軽減することなども含めて、自動車税制についての現時点での考え方をもう一度テレビを通じてユーザーの皆さんにしっかりお答えください。
○国務大臣(高市早苗君) 価格の低い車種に対する車体課税、特に軽減すべきかどうかということをお尋ねになりたいのかと思うんですけれども、平成二十七年度の与党税制改正大綱におきましては、この検討の際に、自動車をめぐるグローバルな環境や課税のバランス、それから自動車に係る行政サービス等を踏まえた議論を行うとされておりまして、今後様々な議論が行われると考えております。
○大塚耕平君 それでは、最後のテーマに移らせていただきます。 今回の補正予算では地方創生の観点からどのような配慮がなされているかについて御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) お答えを申し上げます。 補正予算だけで地方創生ができると、そういうようなものではございませんが、それぞれの地方において独自の取組を行っていただかなければなりません。 したがいまして、地方がいろいろな計画を立てる、五年後を期限といたします総合戦略を立てるに当たって、そこにおいて、それぞれの市町村にビッグデータ、すなわち人、金、物、それがどこから入り、どこへ出ていくか、それがどんな金であり、どんな物であり、どんな人であるかというようなことをきちんと分析をし、そこから計画を立てていかねばならぬわけでありまして、そのビッグデータにつきましての予算。あるいは、人材が大切でございますので、マッチング等々行います、そのような人材の予算。さらには、千七百億という地方創生先行型の予算を計上させていただいております、御審議をいただいておるところでございますが、地方創生を先行して取り組んでいただく、そのための予算を千七百億、御審議をいただいておるところでございます。
○大塚耕平君 地方創生のためには東京一極集中の是正というのがこれは非常に大きな課題だと思うんですが、これは総理にお伺いしたいんですが、東京一極集中の是正にどのようなお考えを持ってどうお取り組みになられるのか、お答えください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この東京一極集中の是正は我々非常に重視をしているわけでありますが、まず、地方に暮らしている方たちにとって、言わば地方には自然があり、地域のきずなもあるわけでありますから、地域で例えば学校を出た人たちにとっても、このままいたいという希望を持っている人たちもたくさんいるわけでありますが、残念ながら仕事がないということで地方を離れる、結果として東京にやってくる人も多いんだろうと思います。 ですから、東京において世論調査をしてみると、四割の方々は地方で暮らしたいと思っている人たちがいるわけでありますから、そういう人たちの希望をかなえる過程において一極集中はかなり是正することができるのではないかと、このように思うわけでありまして、魅力ある地方をつくっていく、そして地方には仕事があると。 まず、今回の補正予算においては、地域経済のてこ入れを図るために、地方自治体が実施する消費喚起や生活支援策を後押しするため新たな交付金を盛り込んだところでございまして、また、地域資源を生かしたふるさと名物の開発や販路拡大、開拓支援や地方での創業促進、これは大変大切だと思うんですが、地方での創業促進を図ることとしたわけでございます。 今は、インターネットの発達によって、地方にいても大体もう世界中の情報を入手することができるわけでございます。しかし、販路拡大というのは、なかなかこれはやはり支援をしていかないとそう簡単にはできないものでもあるんだろうと、こう思うわけでありますが、そういう支援をしていかなければならないと思います。 また、自治体による地方創生への先行的な取組を支援するための自由な交付金を創設することといたしました。また、地域産業の担い手として、専門能力を有する人材の移住を促進する仕組みをつくったところでありまして、地方において必要なのは人材でもあるわけでありまして、そうした人材を地方に送り込んでいく。 こうした取組を進めることによって、地域の活性化を促し、更に地域が魅力を増し、地域において生まれ育った人たちが将来を託す地としてその地を選び、また東京からも行ってみようという気持ちになっていく、そうした地方創生を進めていきたいと思っております。
○大塚耕平君 東京一極集中を考える上で、この問題を考える上で、東海圏、東京圏、大阪圏の製造品出荷額等と地域内総生産の全国シェアについて担当部局から御説明をいただきたいと思います。皆さんのお手元は四枚目の資料です。
○政府参考人(井上宏司君) お答えを申し上げます。 東海圏、これは愛知、岐阜、三重の三県、それから東京圏を東京、埼玉、千葉、神奈川の一都三県、それから大阪圏を大阪、京都、奈良、兵庫の二府二県としました場合、まず製造品出荷額等でございますけれども、直近のデータでございます二〇一三年の数字で見ますと、東海圏の全国に占める割合が一九・六%、東京圏の割合が一七・〇%、大阪圏の割合が一二・五%となっております。 また、地域内総生産でございますけれども、こちらは直近のデータ、二〇一一年度の数字でございますが、シェアの大きい方から申し上げますと、東京圏が三二・六%、大阪圏が一三・七%、東海圏が九・三%となってございます。
○大塚耕平君 総理、東海地方は製造品出荷額等は三十六年連続日本一、特に愛知県がそうなんですね、三十六年連続日本一。二位の神奈川の倍以上なんですよ。去年から三菱リージョナルジェットとか、トヨタ自動車は水素自動車も発売し、リニアの建設も着工認可はあったんですが、日本経済を牽引している愛知県民の皆さんにちょっとテレビを通じてエールを送っていただけませんか。もうこれだけの貢献をしているんですよ、愛知を中心に東海地方は。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに今、日本の経済再生のエンジンになっていただいていると思います。日本が最も得意な物づくりの拠点として、また愛知は名古屋大学、日本においては最もノーベル賞受賞学者が多いわけであります。 そういう意味において、これから更に愛知において、物づくりにおいて世界にどんどん出ていっていただきたいと、このように期待しているところでございます。
○大塚耕平君 ところが、地域内総生産になるといきなりシェアが下がるんですよ。 この違いを担当部局にお伺いをします。
○国務大臣(宮沢洋一君) 今のその表を見ていただくと非常に分かりやすいんですけれども、まず製造品出荷額等というのは製造業のいわゆる付加価値プラス原材料費、そして地域内総生産というのは、全産業と言っていいと思いますけれども、経済活動全ての付加価値額ということですから、製造業だけに限っている製造品出荷額等、一方、全産業だけれども付加価値額だけの地域内総生産という違いですから、恐らくこの原材料費のウエートが愛知だけ、東海だけめちゃくちゃに大きいということはないわけですから、大変、要するに製造業といったものがほかの地域に比べてとてつもなく強いと、こういうことだろうと思います。
○大塚耕平君 いや、とてつもなく大きいわけではないんですが、これ御覧いただいてお分かりのとおり、製造品出荷額等、愛知県三十六年連続日本一というのは一見喜ばしいんですけれども、原材料費が入っちゃうものですから、円安だと見かけ上膨らむんですよ。ところが、付加価値の利潤の部分はさっきのグラフでお分かりのとおり、東京に全部持っていかれるんですね。今の円安について、愛知県や東海地方、日本経済を支えているこの地域は大変困っている部分もあるんです。 この円安の水準について、総理と日銀総裁に適正かどうかということについてお伺いをしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 為替の水準等については、もう委員よく御承知のとおり、市場に不測の影響を与えるおそれがあることから言及を差し控えたいと思います。 全体について言えば、一般論として言えば、円安方向の動きは輸出企業や海外展開をしている事業者等の収益改善に寄与する。こうした企業収益の改善を賃上げ、雇用環境の更なる改善につなげる経済の好循環を一層進展させ、賃上げの動きを確実なものとしていきたいと考えています。 また、円安のメリットとしては、海外の人々が安く日本に旅行できることもあるわけでありまして、政権交代前に八百万人だった海外からの旅行客は昨年五百万人増えて千三百万人を超えたところでございますが、旅行客の国内での消費額は昨年初めて二兆円を超えたわけでございまして、政権交代前よりも一兆円増えたところであります。 他方、円安方向への動きは、輸入価格の上昇を通じて国民生活にも影響を及ぼし得るわけでありまして、このため、平成二十六年度補正予算において交付金を創設し、所得の低い方々に向けた灯油等の助成等々の支援を行うことにしたわけでございます。 また、東海地域においては、トヨタ等の輸出企業が大きな利益を上げている一方、下請関連会社は円安による原材料費の高騰によりむしろ厳しい状況にもなっていたわけでありますが、今回、そうした下請企業に対してはしっかりと原材料費を転嫁できるような対応を取っていただくことを強く期待しているところでございます。
○参考人(黒田東彦君) 私からも一般論で恐縮ですけれども、円安というのは、確かに輸出の増加、あるいはグローバルに展開している企業の収益の改善をもたらす、さらにはそういうことを反映して株価も上昇するといったプラスの効果がある一方で、確かに輸入コストの上昇あるいはその価格転嫁を通じて、中小企業あるいは非製造業の収益、家計の実質所得に対する押し下げ圧力として作用するという面があることも事実でございます。このように、円安の影響は経済主体によって異なり得るものだというふうに考えております。 いずれにいたしましても、為替相場は、経済あるいは金融のファンダメンタルズを反映して安定的に推移するということが好ましいというふうに思います。そういうことであれば全体としてもマイナスにはならないと思いますけれども、いずれにいたしましても、為替相場の水準あるいは動きについて私から具体的にコメントするのは差し控えさせていただきたいというふうに思います。
○大塚耕平君 総裁、一般論で恐縮ですがと言っている場合じゃないですよ。異次元の緩和という大変チャレンジングな政策なので、そこは御英断を御評価申し上げたいと思うんですが、円安はちょっと行き過ぎちゃった面があって、マイナスの方が強く出ていませんかということを改めてお伺いします。
○参考人(黒田東彦君) 為替レートの水準自体について、行き過ぎた円安であるとかあるいは更に円安になった方が望ましいといったようなことを申し上げる立場にありませんけれども、現時点で為替レートがこういった水準にあるということによって日本経済全体にとって何か大きなマイナスになっているということはないと思います。 ただ、先ほど申し上げたように、プラスの面とマイナスの面と、産業、地域、あるいは企業規模等によって異なる面がありますので、その辺りは十分注視してまいりたいというふうに思っております。
○大塚耕平君 総裁に出口戦略について一点だけお伺いしておきますが、これ、いずれは出口を探さなきゃいけない。今持っていらっしゃる保有有価証券の満期が来たときに再投資をやらないという方針を打ち出されるお考えはないですか。
○参考人(黒田東彦君) 今御指摘の具体的なお話は米国におけるテーパリングといった手法のことを指しておられると思いますが、いずれにいたしましても、金利あるいは日本銀行のバランスシートの取扱いについてどういった形を考えるかということは、やはりそのときの経済あるいは金融市場の状況に応じて最も適切な対応を取るということでありまして、今から具体的に御指摘のようなことをするかどうかということについて申し上げるのはかえって市場に混乱をもたらすおそれがありますので、今の時点ではやはり出口について具体的なお話をするのは時期尚早であるというふうに思っております。
○大塚耕平君 今日は長時間にわたって議論にお付き合いいただいて、ありがとうございました。 先ほどの法人税、法人税もさっきの東海地方の現状を見ていただいてお分かりのとおり、国税ですが、これも庫出税のように事業所があるところに配分をするというようなことをすると地方創生にもプラスになります。こういう改革をしていただいたり、それから、法人の内部留保が高過ぎて家計の貯蓄率がマイナスになるような事態が反射効果として起きているわけですから、そういうことを是正するためにも、個人に対する税制に格段の配慮をしていくことこそがアベノミクスをこれから少しいい方向に展開させる鍵だと思っております。 安全保障の問題も含めて懸案は山積しておりますけれども、総理にはしっかり、謙虚に国会の議論に耳を傾けていただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
○委員長(岸宏一君) 以上で石上俊雄君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、愛知治郎君の質疑を行います。愛知治郎君。
○愛知治郎君 自民党の愛知治郎でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 大分時間が押しているようでありますけれども、冒頭、まず一言申し上げさせていただきます。マスコミ等の報道でイスラム国と呼ばれております、イラク、シリア地域で活動する野蛮で愚かで卑劣なテロ集団ISILについてであります。 私も、昨日の後藤さんの殺害の一報を聞いて、大変ショックを受けました。後藤さんの出生地は宮城県仙台市だということで聞いておりますが、殊更に深い悲しみを覚える次第であります。後藤さんと湯川さんの御冥福を心からお祈りを申し上げる次第であります。 一方で、このISILの行為を決して許してはならないと、そう考えております。 我が国は、戦後一貫して平和国家としての活動を続けてまいりました。今回の中東における貢献についても、その姿勢については何ら変わっておりません。また、後藤健二さんも紛争地での暴力や貧困に苦しめられている市民の生活を伝えることで平和を実現しようとしていたと伺っております。 今回、ISILが行ったことは、こうした我々の活動を愚弄する行為であり、その行為がいかに愚かで間違っているかを彼らに思い知らせなければなりません。それは、もちろん決して我が国が直接武力を用いて行うものではなくて、平和への貢献を、活動をし続けることで、まずは彼らに今回のような行為の愚かさを自覚をさせてやめさせ、心の底から後悔させることだと、こう考えております。ひるまず平和への貢献を粘り強く続けていかなければなりません。 そこで、先ほど質疑の中でもあったんですが、あえて改めて質問させていただきます。 テロのリスクを恐れ、強調することは、まさにそのこと自体がテロリストの思惑にはまっていると言わざるを得ません。我が国がテロの標的となるリスクがあるので難民を受け入れている国に対する支援は行わない方がよいとか、そもそもテロのリスクが高まるので中東諸国を訪問すべきではない、それらの国に対する連帯を示すことが今回二人の邦人殺害につながったといった議論こそがISILが狙うところであります。 我々はそうした考え方を決して受け入れるべきではなくて、また我が国国内でそうした議論が広がることを許容するわけにはまいらないと、そう考えております。総理のお考えをお聞かせください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の邦人二人の殺害においては、まさに冷酷、卑劣な言語道断な暴挙であり、決して許すことができない、断固非難するところでございます。 そこで、このISILは、まさに暴力と残虐さをもって支配地域を広げてきたところであります。そして、中東地域の国々の状況を不安定にさせる、そしてそれに乗じて更に支配地域を広げようとしてきたところでございます。その中において、日本が進めている、言わば難民を受け入れている周辺国、このISILの暴力主義、非道な暴力あるいは残虐な行為を止めようとする国々に対する支援をやめさせたいと、こう思っている可能性は十分にあるわけでありますし、また、こういう難民を受け入れている国々を孤立化させることによって次なるISILの餌食にしようと考えている可能性もあるわけであります。 決してそうさせてはならないわけであります。だからこそ、私も今年の年頭に中東を訪問し、そうした中において、この暴力を振るう残虐な組織との闘いにおいて貢献している国々に対しての日本の支援を約束し、世界に対してこういう国々との連帯、連携を表明したところでございます。 大切なことは、まさに彼らの思うつぼにはまって、彼らの脅かしに屈して政策を変更する、あるいはやるべきことをやらない、この中で頑張っている国々の支援をやめてしまう、こういう国々を孤立化させてしまう、それこそ我々は決して取ってはならない、そういう政策は取ってはならない、そういう政策の変更を行ってはならないと、このように考えるところでございます。
○愛知治郎君 総理、ありがとうございます。 どうぞ、ひるまずにこういった平和への活動を続けていってほしいと思います。 この問題については後ほど同僚の佐藤正久議員よりしっかりと議論をしていただきますので、私は、今日一番質問したかったお話に移らさせていただきます。復興でございます。 震災から三年と十一か月、もうすぐ四年がたちます。大分進んだところはありますけれども、本当にまだまだ道半ばであります。その実態を是非テレビを御覧の皆様方にも知っていただきたいのでお伺いしたいと思います。 今現在で仮設住宅にお住まいの皆さん、どれぐらいいるのか、聞かせてください。
○国務大臣(竹下亘君) 今日現在で避難生活を送っていらっしゃる皆さん方が二十三万人余り、そのうち仮設住宅に依然としてお入りいただいておる方々が約八万人ということでございます。
○愛知治郎君 ありがとうございました。 大変な数字であります。まだまだ多くの方々がこういった日常すら取り戻せていないという状況であります。 総理、総理は総理に就任する以前から何度も何度も被災地に足を運んでいただいております。本当にありがとうございます。覚えておいででしょうか。先日、石巻で災害公営住宅を訪れていただきましたが、その中で被災者の御家族がすばらしい笑顔で迎えてくださいました。安倍さん、ありがとうという言葉を私は今でも忘れられません。これは、誰がとか、どこの党かではなくて、一致団結をして被災者の皆さんのために一日でも早く安息の日々を取り戻していかなければいけないと考えております。 特に、住宅なんですが、これはやはり安心と希望につながります。どうか、多くの課題がある中で、またこの住宅については自治体が主体となって取り組むべきことではあると思うんですけれども、国として最大限の後押しをしていただきたいと思いますが、復興大臣にこの点、住宅政策最優先で取り組んでいただきたいということを含めてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(竹下亘君) 愛知先生には、被災地の御出身であるということ、さらには既に復興副大臣も経験していただきまして、復興にずっと強い思いを寄せていただいていることにまずもって心から敬意を表すると同時に、まさに戦友だ、一緒になって復興しようという、そういう思いでおるところでございます。 そして、住宅でございますが、我々もまずは住宅を確保することが第一だということで汗をかいてまいっております。災害公営住宅については八割がもう工事に入っており、土地の提供、用地の確保できておりますし、高台移転についても九割はもう実際に工事に入っております。 これからどんどん住宅を提供してまいりますが、我々、家だけではなくて学校もなきゃいかぬし、病院もなければ、商店街もなければ、あるいは働き場もなければ、帰ろうとしてもなかなか帰れないと。立ち上がるときには、あるときはほとんどみんな一緒に立ち上がっていかなきゃならない、しかし、中でも住宅というのはもう一番の要素だと、こう考えて、これまで五回にわたって加速化措置というものを打ち出して、今日までやってまいっております。 まだまだ道半ばでございますが、これからも懸命に汗をかく決意でございます。
○愛知治郎君 どうぞよろしくお願いをいたします。 特に、応急仮設住宅、これ元々二年を前提に造られているものですが、もう四年、倍ですから、全力で取り組んでいただきたいと思います。 この復興については、当然与党も野党もないと考えております。我々、野党時代からそういった取組をしてまいりましたけれども、事予算に関しては、これはもう政府・与党の仕事でありますから、この予算についてお伺いしたいと思います。 集中復興期間のこの予算、民主党時代、十九兆円という枠組みで組まれましたが、我々、安倍総理になってから二十五兆円に拡充をいたしました。今現在、この補正予算の予算措置も含めて、また来年度に予定されている二十七年度分も含めてどのような枠組みを予定しているのか、また財源についてもお伺いしたいと存じます。
○国務大臣(麻生太郎君) 予算の関係からいきますと、今御指摘のありましたように、平成二十七年の予算案までの集中復興期間の復興事業費は、二十五兆六千億と復興予備費の〇・七五兆円、七千五百億円を合わせて二十六兆三千億円となる見込みであります。これまで確保されております財源は今言われましたように二十五兆円ということでありますので、差引き一・三兆円の追加財源が必要ということになります。 このため、復興財源確保法の規定も踏まえまして、平成二十六年度の補正におきまして一般会計から復興特会に繰り入れました二十五年度決算の剰余金が約八千億円、また二十七年度当初予算において財政投融資特別会計、いわゆる財投の資金勘定の積立金が約〇・六兆円ございますので、それを活用させていただいて一・三兆円の追加財源を確保いたしております。 この東日本大震災からの復興というものは、これは宮城県に限らず、これは日本にとりましても安倍政権の最重要課題の一つでありまして、この追加財源を利用していただいて、復興の加速化というのを大いに期待をしておるところであります。
○愛知治郎君 ありがとうございます。 主に一・三兆円一般会計から繰り入れていただいているということであります。ありがとうございます。 私、財務の副大臣を務めさせていただいて、これは単なる私の感想なんですけれども、財務省って随分嫌われているんだなというのが私の実直な感想でありまして、いろんなところから最終的には財務省が悪者みたいな感じで言われていますけれども、事この復興に関しては本当に理解をしてくれて、協力をしてくださっております。今回も財務省の、一般会計から一・三兆円上積みしていただいたということで、本当にありがとうございます。 ただ、今後なんですね。地元でも、被災地でも不安視されているのは今後の集中復興期間後の復興について、今回は一般会計から繰入れということだったんですけれども、やはりしっかりとした財源を確保して枠組みをつくっていただきたい、安心して復興に取り組めるようにしていかなければいけないと考えておりますが、この点の考え方についてお伺いをいたします。
○国務大臣(麻生太郎君) これはもう御指摘のありましたとおり、二十八年度以降の復興財源というもののフレームにつきましては、これまでの復興の進捗状況などなど考えて、まずは必要となる事業についてよく精査をさせていただいた上で、その上で財源の在り方も検討させていただくことになろうかと存じますが、いずれにしても、真に必要な事業というものを着実に実行できるように財源確保に努めてまいりたいと考えております。
○愛知治郎君 やはり財源、しっかりと確保しなくてはいけないと思います。 それで、総理にあえて一点だけ。財源を確保して進めていくという方針あると思うんですが、逆に言うと、財源さえ確保すればこの復興について予算はしっかり付けるという理解でよろしいんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 東北の復興の加速化は安倍政権の最重要課題の一つであります。我々は、なりわい、そして住まいの再生に全力を挙げているところではありますが、最初に愛知議員から御質問があったように、まだ多くの方々が困難な生活を強いられているわけでありまして、一日でも早くそういう皆様に安心して暮らせるような状況をつくっていかなければならないと考えております。 そこで、平成二十六年度補正予算及び今後提出する平成二十七年度予算においても復興の加速化を大きな柱の一つとして位置付け、重点化をしております。まず、これらの成立に全力を尽くしたいと思います。 また、集中復興期間が終わっても我々は決して止まらないということは申し上げておきたいと思います。必要がある限り、そして財源を得ることができる限りしっかりと対応していきたいと、このように思います。
○愛知治郎君 ありがとうございます。 しっかりとこの財源を確保するべく、私も取り組んでまいりたいと考えております。 次の質問に移らさせていただきたいと思います。 今、被災地を代表してお話をさせていただきましたが、今日は参議院自民党を代表して質問に立たせていただいているということもございますので、この参議院における国会の審議についてお伺いをしたいと存じます。 昨年末の臨時国会でありますけれども、これは私が少なくとも思うに、異例中の異例の対応だと思います。総理が前提条件を付けずに解散を表明してから国会で審議が行われて採決されるということは、今まで多分なかったと思うんです。ところが、昨年はそういう対応をさせていただきました。 ある意味でいうと、参議院というのは、どういう状況にあろうと国のために必要な審議はしっかりとして、必要な法案があれば政策は通していくと、そういう院だということを示したことでもあるんですが、ちなみに、その昨年末の国会の参議院の状況でありますけれども、事務局から、その法案の成立含めてどういった結果だったのか、お伺いしたいと存じます。
○事務総長(中村剛君) お答えいたします。 昨年十一月十八日の安倍総理の解散表明の記者会見後、同月二十一日の衆議院解散までの間に成立した議案の総件数ですが、二十二件です。
○愛知治郎君 ありがとうございます。 閣法が十四件、衆法七件、議員立法ですね、条約が一件だと思うんですけれども、非常に重要な法案、幾つもございました。 例えば、サンゴの密漁ございましたけれども、この密漁に対する罰則を強化するという法案がありましたが、この法案の成立前後でそのサンゴの密漁船、どういう状況になってきたのか、推移を、これは農水大臣にお伺いしたいと存じます。
○国務大臣(西川公也君) 小笠原諸島周辺海域での中国サンゴ船でありますが、昨年十月三十日には二百十二隻が確認されましたが、違法操業に対する罰則を強化するための議員立法が公布された十一月二十七日にはゼロ隻となりました。その後、時折数隻が確認されておりますが、取締り船が迅速に排除を行っているところであります。 このように中国サンゴ船が減少した理由としては、違法操業に対する罰金の引上げ三千万が中国側にも周知されたこと、それから中国サンゴ船に対する取締り体制を強化したこと、中国政府に対し様々な働きかけを行ってきたことなど、一連の取組の成果であると考えております。特に、罰則強化のための議員立法につきましては、参議院を始め極めて迅速に対応いただき、感謝を申し上げております。
○愛知治郎君 この法案については全会一致で与野党を問わずに皆さん賛成していただいたということで、異例中の異例の措置でありましたけれども、参議院としての役割、果たせたんじゃないかというふうに考えております。 総理、我々はこの参議院の審議、特に与党として、これは強引な国会運営をするつもりはございません。しっかりとした審議をして、必要な法案等々を上げていかなければいけない。今日も丁寧な国会審議をして予定より一時間以上ももう遅れているぐらいなんですが、それはしっかりとやっていかないと、総理もお疲れのところだと思いますけれども、これら我々の取組に対してちゃんと理解をしていただかなければいけません。その点はどうぞよろしくお願いします。 ただ、もっとも、今回のISIL事案含めてなんですけれども、必要な公務には十分配慮をしていかなければいけません。 ちなみになんですけれども、三月に私の地元の仙台で国連の防災世界会議が開催をされますが、この詳細について防災担当大臣にお伺いしたいと存じます。
○国務大臣(山谷えり子君) 三月に仙台で開催されます国連防災世界会議でございますけれども、我が国は様々な自然災害が発生しやすい環境にあります。東日本大震災を始めとする知見、教訓、そしてまた防災技術や防災体制の仕組みなどを世界で共有して、そして国際社会で防災の主流化、事前防災、被害の最小化など防災の主流化に努める大きな機会としていきたいと思っています。 また、世界各国から首脳、閣僚、あるいは国際関係機関、あるいは認証NGO等五千人、また関連事業を含めますと四万人以上の方が参加される見通しでございます。東日本大震災からの復興の現状を見ていただき、また文化や食、日本の魅力にも触れていただきながら震災復興に資するものともしていきたいというふうに思っております。 あと一か月半でございますので、議長としてしっかりと努めていきたいと思っています。
○愛知治郎君 ありがとうございます。 大臣の意気込みを聞かせていただきました。 これはしっかりと世界にも発信をしていかなければいけないということなので、是非総理、これは国会の日程ありますけれども、まずは本人の御意思、確認をしたいと思うんですけれども、是非参加していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国連防災世界会議は、今、山谷担当大臣から答弁をいたしましたように、極めて重要な会議であります。 我が国は、東日本大震災を始め様々な災害を乗り越えてきた国でございます。その知見を生かしながら世界の防災・減災に貢献をしていきたい。そのための会議であり、私も多くの国々を訪問し、首脳会談を行う際に、是非首脳か閣僚に御出席をいただきたいとお願いをしている立場でございまして、お願いをしていながら私が出席できないという事態は何とか避けたいと思っておりますので、また国会の調整が付けば是非出席をしたいと、このように考えているところでございます。
○愛知治郎君 ありがとうございます。 私も与党の国会議員として、何とか御理解をいただきながら総理にこの防災会議に出席していただけるように頑張りたいというふうに思います。 ただ、参議院の状況、これは国会全体かもしれないですけれども、少なくとも参議院の状況は大変な状況になっております。あえて、テレビで今日は中継されておりますので、今参議院がどういう状況になっているのか、会派がどれだけあるのか、事務局からその点について聞かせていただきたいと存じます。
○事務総長(中村剛君) お答えいたします。 参議院における現在の院内会派の数でございますが、十一個ございます。 会派名申し上げた方がよろしいですか。──はい。 では、一つ一つ申し上げます。自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、維新の党、日本共産党、日本を元気にする会・無所属会、次世代の党、無所属クラブ、社会民主党・護憲連合、生活の党と山本太郎となかまたち、新党改革・無所属の会、以上十一会派でございます。
○愛知治郎君 なかなか私も分からないような会派があるということでありましたけれども、これについては、我々は与党として少数会派に最大限配慮をしながら国会の運営をしております。また、その日程等を決める上でも調整をしながらやっている。これは大変な作業ではあるんですけれども、やはり充実した審議をするために汗をかいているところであります。ただ、現状はなかなか、元々二大政党制を目指すということでいろいろな制度改正がされたにもかかわらず、現状がこういう状態であります。そのことは是非国民の皆さんも理解をしていただきたいと思います。 もう一点、パネルをちょっと用意しておりますので示していただきたいと思います。(資料提示)これは日本の財政状況を分かりやすく伝えるためにあるデータでもあるんですけれども、それに私なりのアレンジを加えさせていただきました。 左側下の方に、大正十三年、政党内閣制と書いておりますが、御承知のとおり、民政党と政友会が二大政党、政権交代を繰り返しながら政治を行っていた時代であります。ちょうど同じように、その時期、関東大震災、また昭和の金融恐慌があった。この政党、実態を私はもちろん見ているわけではないんですが、お互いの批判とばらまき合戦を繰り返し、政治が機能しなくなって、そして大政翼賛会になって戦争に突っ込んだと私は聞いております。 これ、右側の図を見ていただけるとちょっと似ているなというふうに思われると思うんですけれども、平成六年、政治改革関連法案が通ってから、バブル崩壊、リーマン・ショック、また大震災等々ありましたけれども、日本の財政は急速に悪化をしております。 今の状況でありますけれども、昨年行われた総選挙において、安倍内閣、自公連立政権が圧倒的な支持をいただきましたが、勝ったからいいというのではなくて、こういった一強多弱と言われているような政治状況が果たしていいのだろうか。本当に国民にとっても、それから総理、あらゆる課題が全て、内外の課題、総理一人に集中している。大変な負担だと思います。 こういった状況で政治は果たしていいのかどうか。抜本的な見直しを、これは選挙制度ももちろんですけれども、政治制度全般について抜本的な見直しをするべきだと考えておりますが、総理の御所見を伺いたいと存じます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大変大きな角度から御質問をいただきました。 政府と議会の役割、あるいは議会の中におきましても衆議院と参議院それぞれの役割があるんだろうと、こう思うわけでございます。 衆議院においては、二大政党制を目指して小選挙区比例代表並立制を導入したところでございますが、言わば民意の集約と民意の反映ということで小選挙区と比例代表ということになったわけでございます。なかなか二大政党ということには残念ながらなっていないわけでありますが、しかし、二大政党が果たしていいのかという議論も他方あるわけでありまして、何がいいということを今私が明確にここで申し上げることはできないのでございますが、衆議院におきましては、定数の削減を含め、選挙制度の在り方を今、有識者の皆さんに議長の下で議論をしていただいております。この結論が得た段階において、我が党としてはその結論を受け入れたいと考えているところでございます。 参議院は、先ほど冒頭委員がお話しになったように、衆議院とは違って、衆議院はいつ解散があるか分からないという中において政権の選択の選挙を行う、言わば党派性が非常に強くなるわけでありますが、参議院は、そうではなくて、六年という固定した任期の中において党派性を超えた様々な議論も可能ではないかということも言われているわけでございますが、先般は、私が解散を表明した後においても地方創生の法案を審議をいただき、採決をいただいた、まさに参議院の良識を示していただいたと、こういうことではないかと思います。 要は、全ては国家国民のためという認識を常に持ち、議論することではないかと、このように思います。
○愛知治郎君 大局からお答えをいただいて、ありがとうございます。 総理のそういった姿勢というのは私は正しいと思いますし、よく選挙のときにも言われましたが、定数是正について約束を守っていないじゃないかというふうに言われておったんですが、やはり選挙制度については、各党派の理解をしっかりと得た上で、天下国家を考えた上で構築していかなければいけないと思いますから、また、総理自身が提案をし、有識者の皆さんにしっかりと御議論いただいている、私は正しいと思います。それらの議論を踏まえた上で、衆参併せて本当にいい制度をつくっていかなければいけないと考えております。 〔委員長退席、理事岡田広君着席〕 ちなみに、衆議院は大分この平成六年に大幅に制度改正がされたんですが、参議院は戦後ほとんど変わっていないんですよね。基本は都道府県、それと全国ということで、昔は全国区、それから拘束式の名簿の制度になって、今のような非拘束式の名簿になったという経緯があります。定数はいろいろ変わってきたりもしておりますが、基本的な制度は変わってはおらぬということで御理解をいただきたいというふうに思います。いずれにせよ、これは衆参併せて国会としての在り方をこれから議論していかなければいけないと考えております。 次に移りたいと思います、財務大臣がお戻りになりましたので。 パネルのような財政の状況ではありますけれども、今回総理は、経済状況を勘案して消費税を先送りする決断をされました。この是非について云々は申し上げませんが、二〇一七年四月には景気、経済をしっかりと回復させて消費税再増税をしなければならない、これは待ったなしの課題でありますが、そのときに議論となると考えられるのが軽減税率でございます。今回の選挙でも国民の皆さんに消費税を語るとき、一〇%時には軽減税率しっかり導入していくということでお約束をさせていただいたんですが、軽減税率、やらなくてはいけないと考えております。 ただ、これを認めれば認めるほど税収は減っていきます。この軽減税率と税収の関係について、例えば食品等々、軽減税率を導入したときにどれぐらい減収になるのか、財務大臣にお伺いしたいと存じます。
○国務大臣(麻生太郎君) 御存じのように、与党税制協議会が公表いたしました資料では、まずこの財源についてですけれども、全ての飲食料品に軽減税率を適用というので、一〇%のときに八%そのまま据え置くというような形で二%低くと、そういうようになりますと、一%当たりの税収は約二・七兆円でありますから、そこから六千六百億円の減ということになると計算をされます。 また、この減収額を標準税率ということで引上げをいよいよ賄うんだと、その分だけ、マイナスになった分を賄おうとするとどうするかというと、二%の場合、上げた場合は二・七%上げていただかぬと六千六百億円の穴が埋められないということであろうと思っております。 もう一点は、これは標準、軽減、いろいろ言い方はありますが、どこまで軽減するのかと。飲物は別にするとか食い物だけだとか、これはどこで線を引くんだというのは、これはもう世界中、皆同じ苦労をしておられます。 それで、例えばドイツでは、同じハンバーガーでも店内で食べたら標準税率、あそこは一九かな、一九ですね、一九%ということになっていますが、テークアウトした場合は軽減税率を引っかけて七%というようなことになりますので、みんな寒くても外で食うとかいうようなことになっておるのは、もういろいろな問題が指摘をされております。 それから、与党で検討されておりますのは、これは線引きの問題のほか、納税義務でありますのは、これは事業者の事務負担というものが付いてまいりますので、与党の検討においてこの問題は、いわゆる売上高の少ない三千万とか二千万とかいうところでもこれは全部出していただかなきゃいかぬということになりますので、こっちは軽減でこっちは軽減じゃないというのを証明するためにはインボイスみたいなものが要りますので、そういったものがありますので、これは今、与党でまだ軽減税率の内容につきましては、どこで線を引くか、幾らにするか等々、その事務手続含めて目下慎重に検討中というのが正直な実態です。
○愛知治郎君 ありがとうございます。 これは大変な議論になると思いますし、明確な説明をするのはなかなか難しい分野でもあると思いますので、慎重な議論を進めていってほしいというふうに思います。 続きまして、この消費税、もちろん増税をお願いしていかなくちゃいけないんですが、それ以上にというか、同時にやはり大事なのは経済成長であります。これがなければ、消費税幾ら上げても税収改善、財政状況は改善しないと思いますので、アベノミクスの三本の矢を中心にこれを成功させるのが何よりも大事なことだと思います。 その三本の矢なんですが、改めて申し上げますと、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略、この三本の矢でありますけれども、大胆な金融政策に関しては日銀が主体となって今取り組んでいるところでありますけれども、その次の二本の矢ですね、機動的な財政政策と民間投資を喚起する成長戦略については、ふと、私もいろいろ勉強しているときに、これは一番実は大事なんじゃないかと思う政策がございます。財政投融資であります。 財政それから投資、両方、二本の矢の二つに関わっている非常に重要な政策だと思うんですけれども、なかなか国民の皆さん、財政投融資と言ってもその中身についてよく分からぬと思うので、是非、財務大臣、分かりやすく、財政投融資ってどういうものか、済みませんが、よろしくお願いします。
○国務大臣(麻生太郎君) 財政投融資というのは、いわゆる、まあ読んで字のごとしなんていいかげんなことを言っちゃいかぬですね、財政を投資、融資というのに回すという意味で財政投融資と言うんですが、国が、税金からいただいたお金ではなくて国が別に財源の手当てをして、国が保証して、そのお金を例えば中小企業、またその他いろいろな企業に対して、民間の銀行が貸してくれない、例えばリーマン・ショックのときが最たるものですけれども、貸してくれないといったときに、別に内容は悪くないんだから、資金繰りの問題だけなんだから貸してやれというようなことはなかなか民間の銀行はやってくれないときに、政府関係金融機関がそれをやるときに必要な融資というように理解をしていただければ分かりやすいかなと思います。これは、経済が成長するときにも、また経済が急激に下りていくときにも、両方とも極めて重要な要素を占めるものだと思っております。
○愛知治郎君 まさに財政そして投資という側面から、この経済を成長させるために最も重要な政策の一つだと私は考えております。 特に出資、出資に関して言うと、なかなか民間の金融機関は、どんなに魅力ある成長分野であっても、リスクが高いということで出せないのが現状であります。こういった出資に関して積極的に投資をしていく、これがまさにこの財政投融資等の役割だと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、今まさに企業に稼ぐ力が必要とか、いろいろ申し上げてきているところですけれども、事業の選択、集中、またMアンドA、MアンドAというのはマージャー・アンド・アクイジションなんですが、買収と合併等々やるようなときに成長資金というものは極めて大きなものなので、特に円高のときはまだ海外のものは買いやすかったですけれども、円安になると逆に買いにくくなっている部分もありますので。 そういった意味で、私どもとしては、成長資金の供給促進に関する検討会というのを昨年つくらせていただいて、今、中間まとめを取りまとめておりますけれども、政府系の金融機関による民間資金へ、うちが出すからおたくの何々銀行さんもこれ一緒に協調融資しませんか、そうしたら、誰も音頭取る人がいないとみんな何となくちょっといま一つ踏み出せないというときに、いや、これ大丈夫ですよといって最初に踏み出してくれるのが政府系金融機関ということになれば、それは仮に百億必要なときに、仮に十億であっても、ほかの民間が九十億乗りますとかいうようなことは、これは例を挙げると出てきますけれども、そういったようなことでありますので、エクイティー資金の供給とかいろんな最近はやりの言葉がありますけれども、ファンドの構築を設計していくときに、この政府系金融機関の持っております財政投融資の力は非常に大きなものだと、これからのことを考えますと非常に大きい要素を占めると思っております。
○愛知治郎君 これは本当に重要な政策だと思いますし、アベノミクスの決め手となり得る私は政策だと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 ちなみに、この資金についてなんですけれども、政府系の金融機関幾つかありますが、この在り方について、これは自民党において成長と安心のための資金供給に関する検討プロジェクトチームというのを立ち上げて議論をしてきたんですが、その提言に基づいて、今後、政策投資銀行そして商工中金、この二つの機関について見直し等々、今後の制度を議論されると思うんですが、政策投資銀行に関しては財務大臣、それから商工中金に関して経産大臣からその詳細を教えていただきたいと存じます。
○国務大臣(麻生太郎君) 今御指摘がありましたように、危機対応ということで、先ほど、最初に御質問のありました東日本大震災にしても、二〇〇八年九月のリーマン・ブラザーズのバンクラプシー、破産のときにしましても、ああいったときに、非常事態になりますと途端にみんな金融とか資金繰りとかいうのはばたっと動かなくなるという事態というのを我々は経験をしておりますので、そういった危機対応業務に民間の金融機関の参加が期待できなかったという経験というのを我々はそこにまだ持っておりますので、十年もたたぬ前の話ですので、政投銀につきましては、これは危機対応業務というものを義務付けるというようなことを講じたらいかがなものかというように我々としては考えております。
○国務大臣(宮沢洋一君) 政策金融機関につきましては、随分昔から民業圧迫とか民業補完という観点からいろんな議論がされ、改革も行われたわけですけれども、あの二〇〇八年のリーマン・ショック、また二〇一一年の大震災、大変大きな経済変動がありましたけれども、政投銀にしても商工中金にしてもあってよかったなと、こういうことだったわけであります。 そこで、政府においても検討を行い、また党においても、愛知委員がたしか事務局長という立場で提言をまとめていただきました。商工中金につきましては、セーフティーネット供給のために危機対応業務を義務付けることをまず、そして、当分の間政府が必要な株式を保有するという措置を盛り込んだ法改正を今国会に提案、提出したいと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
○愛知治郎君 ありがとうございます。 是非、政投銀、商工中金とも積極的な活用をしていただきたいというふうに思います。 次に、この経済対策、もう一点違う視点から議論させていただきたいと思います。観光についてであります。 外国人観光客が一千三百四十万人ですか、大幅に増えておりますけれども、この実績推移と、また要因についてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 大変増えまして、二年間で五百万人増えたわけですが、例えば二〇二〇年、東京オリンピック・パラリンピックが決定したということ、富士山や富岡製糸場の世界遺産の登録、和食や和紙の無形文化遺産登録、あるいは円安による追い風、アベノミクスによって日本が元気になったという印象が世界に広がっているということ、そして財務副大臣時代に愛知先生からも大変御尽力をいただきました免税制度、これ非常に好評でございます、拡充をさせていただきました。ビザの大幅緩和、CIQ体制の充実、継続的なプロモーション、あらゆるものを総動員した、政府一丸となったことが奏功したことだと思っております。 〔理事岡田広君退席、委員長着席〕
○愛知治郎君 ありがとうございます。 今後とも観光についてしっかりと、外国人観光客をどんどん呼び込めるように積極的に政策取っていただきたいというふうに思います。 もう一点、この観光についてなんですが、マイナスの影響についてになってしまうんですけれども、風評被害というのは非常に悪影響を及ぼしてしまいます。 改めてお伺いしたいと思いますけれども、震災によって発生した放射性物質により汚染された廃棄物の処理に関する基本的事項、考え方について、改めて環境大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(望月義夫君) お尋ねの放射性物質に汚染された廃棄物である指定廃棄物でございますけれども、平成二十三年の十一月十一日に閣議決定をされました放射性物質汚染対処特措法でございますけれども、この基本方針に従い、発生した各県で処理を行うこととしております。指定廃棄物の早期の処理に向けて国が責任を持ってしっかりと取り組む決意でございます。 引き続き、指定廃棄物の各県処理に向けて御理解と御協力をいただけるよう関係地方公共団体にお願いしたいと、このように思っております。
○愛知治郎君 方針は変わっていないということなんですけれども、改めて、私の地元でもなかなか地元の理解を得るのは難しくて、受入れを決めていくのは大変な作業なんですが、一方で、これ全て一か所にまとめてしまって処分すべきじゃないかという声があるのも事実であります。 この点について、大きな大きな方針ですから総理にお伺いをしたいんですけれども、この処理の方針、放射性物質により汚染された廃棄物の処理に関する基本的事項についての方針について、総理に改めて確認をしたいと存じます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 指定廃棄物が大量に発生をし、特に保管状況が逼迫をしている宮城県を始めとする五つの県では、処理施設の早期確保が必要な状況であります。それぞれの県内での理解を得るべく努力中でありまして、福島第一原発敷地内やその周辺に持っていってほしいという意見も聞かれているわけであります。 しかし、原発事故により最も大きな被害を受けている福島県に更に負担を強いることは到底理解が得られないと思います。このため、各県で発生した指定廃棄物はそれぞれの県内で処理することが適当と考えておりまして、これを見直す予定はございません。
○愛知治郎君 これは見直さないということでお答えをいただきました。 私もいろんな思いはありますけれども、こういった政策についてはやはりぶれないというのが最も大事なことだと思いますので、総理の方針、今確認をさせていただきました。我々もこの問題解決に向けて全力を挙げていきたいというふうに考えております。 時間が限られているのであと何点かになると思うんですが、もう一点、経済対策について、地方創生についてお伺いをします。 いろんな政策はあると思うんですけれども、地方の魅力をしっかり発信していく、情報発信について私は非常に重要だと思っておるんですが、この点について大臣の考え方を伺いたいと存じます。
○国務大臣(石破茂君) 委員おっしゃるとおり、地方のいろんな魅力というものの発信が必ずしも十分ではなかったと思っております。 宮城もそうです、どこもそうです。私、この仕事になってから、本当にこんな例、あんな例を知らなかったという、それでもう新鮮な驚きがたくさんあります。それをどうやって発信するかは、それぞれのメディアにおいて、例えば仙台なら仙台、宮城県なら宮城県、そこのメディアにおいてどれだけの御努力をいただくかということだと思います。ですから、中央からの電波をそのまま流していればそれでいいということではなく、それは新聞も一緒なのですが、それぞれの地域の情報をどれだけ全国に伝播するかということは、それはいわゆる言論界においても御努力をいただきたいと思いますし、私どももそれが伝わるようにしていかねばなりません。 いろんな好事例というのがたくさんあるのであって、それを情報を共有するということは地方創生にとって極めて重要なことだと認識をしております。
○愛知治郎君 ありがとうございました。 理事からもうあと一問だけということで言われましたので、もう一問だけさせていただきたいと思います。(発言する者あり)終わりですか。もう一問だけお願いします。 ODAについて、ミャンマーに対する支援、これ債務免除を行った、三千億円ほどの債務免除を行ったと聞いておりますが、この決定に至るそのプロセスと方針についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、そもそも債務免除ですが、国際社会が一致して累積債務問題を抱えた国の問題解決に当たって国際金融の安定化あるいは貧困問題の解決を図る、こうした重要な手段です。他方、債務免除は債務国側のモラルハザードを引き起こす可能性もありますので、これは必要不可欠な場合にのみ実施されるべきものであります。 我が国としましては、こうした考え方の下に、この債務国が主体的に経済社会改革に取り組み、そして成果を示す、これを前提として、国際的な合意に基づいて債務免除を実施する、こうした方針で臨んでおります。 そして、御指摘のミャンマーですが、二〇〇三年に、アウン・サン・スー・チー氏の拘束を受けて、国際的な合意に基づく債務免除の手続、見合わせておりました。しかし、地政学的に重要なミャンマーが、民主的で、市場経済に立脚し、社会的に安定すること、これは地域の安定と発展のために重要であるというこの認識の下に、ミャンマー政府の民主化、国民和解、また経済改革努力、これを踏まえて二〇一二年四月の日・ミャンマー首脳会談で債務免除を合意し、そして国連貿易開発会議、UNCTADの第九回特別貿易開発理事会の決議に基づいて、二〇一三年一月及び五月に約三千億円の債務免除を実施したというのが経緯でありました。 こうした債務免除につきましてしっかり説明責任を果たせという声、これ従来から強いものがありました。こういったことから、外務省として、これまで債務免除に係る対外発表を行うとかあるいはODA白書における公表、こういったものを行っていましたが、やはり国会にしっかり説明しろという声を受けて、平成二十五年度からJICAの決算報告書にこの債務免除を記載し、これを国会に提出するという形で説明努力をしております。 是非今後とも、指摘を踏まえまして国民に対する説明、しっかり果たしていきたいと考えております。
○愛知治郎君 是非よろしくお願いします。 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で愛知治郎君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、石井準一君の質疑を行います。石井準一君。
○石井準一君 自由民主党の石井準一です。 質問に先立ち、過激派組織ISILによる日本人拘束事件を受け、安倍総理を筆頭に政府が一丸となり全力で懸命な対応に当たってきたにもかかわらず、二人の日本人が犠牲となりましたことに深い憤りと深い悲しみを感じております。志半ばで命を絶たれたお二人の無念、そして悲しみのふちで解放を祈り続けてこられた家族の心痛を思うと、言葉もありません。湯川さん、後藤さんの御冥福を心よりお祈りを申し上げます。 人命を盾にしたテロ行為は決して許されるものではありませんが、生まれながらにしてテロリストや犯罪者である人間はおりません。この世に生きる全ての人は、誰しも純粋無垢な心で生を受け、その後の成長過程で人格が形成をされていきます。今回の件を受け、社会の平和を築く上で、社会の構成員である一人一人の人を取り巻く環境、出会う人々、出来事、思想がいかに大切であるか痛感し、私自身、国づくりは人づくりという言葉を心に深く刻んでおります。 二〇一五年は、戦後七十年の大きな節目の年でもあります。日本が世界の恒久平和を願う民主国家として、さらに、世界の繁栄に貢献できる国として再び世界の中心で活躍できる国となるべく、未来につながる成長の一年となるよう、安倍総理の指揮の下、私も精いっぱい努力を重ねてまいる所存であります。 それでは、質問に入らせていただきます。 冒頭で触れたとおり、人命を盾にした残虐非道で痛ましい事件に政府は懸命な努力を重ねていたところでありますが、今回の事件を受け、多くの国民が、国際紛争、テロ事案は他国のことではなく、私たち日本人の身にも降りかかる可能性がある深刻な問題であるとの認識を強くしているところであります。 今後、中東地域を始めとする危険度の高い国や地域について、渡航の制限や自粛の強化など、事件を未然に防ぐための対策強化に併せ、起きてはならない有事に備え、関係各国との連携強化を推し進め、情報体制や人脈の細さ等、足らざるところを補う対策の充実を図る必要性を感じております。 また、国際テロ組織に対する姿勢として、アメリカやイギリスなど身の代金の要求に原則従わない方針を明らかにしている国もあり、その断固たる姿勢から、特に危険地域への入国者が圧倒的に多いというアメリカ人が人質に取られるということが少ないと聞きます。今後、我が国においても国際テロ組織に対する法整備を行う必要性を感じております。 同時に、国が一丸となって国際社会にテロに屈しない国の姿を示していくことが大切ではないかと思いますが、総理に所見をお伺いをしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 危険度の高い国や地域については、外務省より退避勧告を発出し、いかなる邦人についても退去するよう、また入域しないよう勧告をしています。退避勧告地域に渡航、滞在しようとする邦人に関する具体的な情報を入手した場合には、可能な限り個別に渡航の中止を働きかけております。 しかし、外務省の発出する渡航情報は法的拘束力を持つものではありません。危険区域への入域を法的に制限することは、憲法で保障されている海外渡航の自由との関係で問題があるとの意見もあり、法的な面も含め様々な観点から慎重に検討を進めていきたいと考えています。 また、議員御指摘のとおり、起きてはならない有事に備え、関係各国との連携強化を進め、情報体制や人脈の拡充など、足らざるところを補う対策の充実を図る必要性があると考えています。 今後とも、在外公館による情報収集や人脈の構築等に加え、中東地域を始めとする各国の関係機関との連携を強化する取組を通じて、様々な事態に向けた対策の拡充を図っていく考えであります。 そしてまた、テロに決して屈してはならない、まさにそのとおりであります。そして、我が国は、テロに屈することは決してありません。テロと闘う国際社会において日本としての責任を毅然として果たしていく考えであります。 テロの未然防止に万全を期すため、国際社会と緊密に連携をし、不穏動向の早期把握に向けた情報収集、分析の強化、海外に渡航、滞在する邦人の安全の確保に向けた迅速な情報提供の徹底、テロリストの入国阻止等に向けた関係機関の連携による水際における取締りの強化、そしてまた、空港、公共交通機関などの重要施設の警戒警備の徹底などの諸対策を推進しております。また、さきの国会において、国際テロリストの国内における資金の流れを断つための法律を制定するなど、法整備についても積極的に取り組んでいるところであります。 今回の事件を受けまして、政府として、本日、内閣危機管理監の下で関係省庁局長級の国際テロ対策幹事会を開催するとともに、明日、官房長官を長とする国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部会合を行い、今後のテロ対策について協議を行うこととしております。 今後とも、情勢の変化に応じて対策の不断の検証と見直しを行い、政府一丸となってテロの未然防止に万全を期し、国民の命を守っていく考えであります。
○石井準一君 政府関係者の皆様方には、また引き続きの御努力を心よりお願いをいたします。 総理の政治姿勢についてお伺いをしていきます。 二〇一二年に、将来にわたる持続可能な社会保障制度を確立するため、与野党を超えた歩み寄りによって三党合意がなされました。それに基づき決定された消費増税について、改定時期を予定より十八か月延長し、平成二十九年四月に景気条項を外して確実に一〇%とするため、昨年末、総理は専任権である衆議院の解散権を行使をされ、総選挙が行われました。増税延期を目的とした選挙は不要との意見もある中、解散を決意をされたわけであります。 昨年末の衆議院総選挙は、二年にわたる第二次安倍政権に対する中間評価の審判でもあったと思います。その結果を受けてどのように感じたのか。また、結果的に国民から圧倒的な多数の信任を得ることができましたが、一方、投票率は過去最低、小選挙区で五二・六六%という結果でありました。政治に無関心でいることはたやすいが、政治と無関係でいることはできないという言葉が示すとおり、国民生活と政治は密接につながっております。それを踏まえ、投票率についてもどのように捉えているのか、総理にお伺いをしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 消費税引上げについての延期は論点ではないと、こういう御批判もいただきました。しかし、当初私が消費税の引上げを延期しようと考えた段階においては、我が党の中においても議論は二分していたと言ってもいいんだろうと、このように思うわけでございます。 言わばどの党も、あるいは党内も、一致をしたのはまさに解散を決めて以降なんだろうと、こう思うわけでありますが、いずれにせよ、税制における重大な変更については、税こそ民主主義であると、自民党はそのように考え、野党時代にもそう主張してきたところであり、自民党としての筋を通すべきだと、このように判断したところでございます。 同時に、消費税を上げることができない、引上げをすることができないのはアベノミクスの失敗であるという批判も野党からあったわけでございまして、まさに、それも当然、我々の進めているこの経済政策を進めていくべきかどうかも選挙の争点であったんだろうと、このように思う次第でございます。我々は、こうした税制、経済政策、外交、安全保障、社会保障政策も含めて、この道しかない、こう訴え、国民の支持を得ることができました。 低投票率となったことは大変残念なことでございます。総選挙とはすべからく政権選択の選挙でありまして、複数の具体的な選択肢が国民の皆様に示されることも大切であろうと。お互いに批判だけをしていたのでは、これなかなか国民的な関心を引き上げていくことは難しいわけでございます。私も、総理として、また政権与党の総裁として、投票率が低かったことは大変残念に思うわけでありますし、これからも国民の関心が上がっていく努力をしたい。しかし、投票率についてはこれ与党も野党もないんだろう、政治への信頼ということになるわけでございますから、与党、野党なく、我々、投票率あるいは国民の関心がしっかりと高まるように努力をしていきたいと、このように思うわけであります。そのためにも、堂々と国会において論戦をしていくこと、建設的な論戦をしていくことが求められているのではないかと思います。
○石井準一君 電撃的な衆議院解散に伴い、臨時国会で審議中だった法案は、当初政府が重要法案と位置付けていた女性活躍推進法案や労働者派遣法改正法案なども含め、先送りではなく廃案となりました。今後、解散により廃案となった重要法案についてどのように取り扱っていくのか、その対応や予定についてお伺いをいたしたいと思います。 また、第三次安倍内閣の発足は、一つの仕切り直しであり再始動に当たると思います。経済最優先で政権運営に当たると決意が示されておりますが、改めて今通常国会に当たる決意をお伺いをしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、残念ながら廃案になりました女性活躍推進法案は、仕事等で活躍したいという希望を持った女性が、その個性と能力を発揮することができる社会を実現するための大変重要な法案であります。そのために、是非この国会において速やかに成立すべく政府としても努力をしていきたいと思いますし、議会において御協力をいただくことをお願いをしたいと、このように思うところでございます。 また、提出を検討中の労働者派遣法改正においては、先ほどの議論におきまして、正社員を希望する派遣労働者については正社員への道が開けるようにするとともに、自らの働き方として派遣を積極的に選択している派遣労働者についてはその待遇の改善を図ることとしているわけでありまして、できる限り今国会に提出をし、早期の成立を目指していきたいと、このように思います。 この通常国会においては、まず何といっても経済最優先で取り組んでいきたい、そして復興の加速化も更に進展させていきたいと、こう願うわけでございます。そのためにも強い経済を取り戻す必要があります。そのための補正予算、本予算の一日も早い成立を目指していかなければなりません。同時に、経済を成長させていく上において、岩盤規制の改革に関する法案も提出を予定しております。 さらには、切れ目のない安全保障法制に必要なための法律も提出を予定しているわけでございまして、いずれも何十年もできなかった課題に挑むわけでございまして、この国会を改革断行国会と位置付け、しっかりと成果を得ていきたいと、このように考えているところでございます。
○石井準一君 また、二〇一五年度の政権運営に当たるスローガンなどがあればお伺いをしたいと思いますが、今総理の方から改革断行国会、なせば成る、年頭所感でもそのような強い決意が述べられたわけであります。第二次安倍内閣発足以来、総理は日本を取り戻すという力強いメッセージで政権運営に当たられております。我々政権与党も、しっかりとその総理の思いを酌みながら総理をサポートしていくことをお約束を申し上げる次第でございます。 次に、アベノミクスによる経済政策により株価上昇、景気の回復基調が続いております。一方で、消費税率引上げを含めた物価上昇に家計の所得増加が付いていかない等、個人消費については結果につながっていない部分もありますが、日本経済に関して現状と見通しについて甘利経済再生担当大臣にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) 全般的に経済指標は、ほぼあらゆるものが十年ぶりとか二十年ぶりのいい数値を示しております。好循環はしっかり回り始めていると思います。 ただ、我々が注視しなければならないのは、消費税引上げ後の消費の力が若干弱いということです。駆け込み、反動減は山と谷の関係ですから山が高ければ谷が深いんですが、それ以降の消費力が弱いということで、その原因は、引き続き賃金がずっと上がっていかないんではないかということ、そしてそれ以降にすぐ二回目の消費税引上げがあるということが消費マインドに陰りを落としているということでありました。 そこで、総理の御判断は、デフレを脱却するということで、消費税二回目の引上げを一年半延期をしたと、そして経済対策を打つ。それは、消費の弱い部分あるいは地方に展開していない部分にピンポイントを合わせて効果的な対策を打つということであります。そして、あわせて、政労使の会議を開きまして、好循環を回すために三者がやるべきことをやろうと。経営側は賃上げ、下請代金の改善、そして投資について前向きに取り組んでいく、労働側は労働生産性を上げるためになすべきことに向かい合うということ、そして政府はその環境を整えるということでありまして、その結果、賃上げについてかなり前向きな報道がなされているわけであります。 これにより好循環二巡目をしっかり回してデフレからしっかり脱却をし、名目三パー、実質二パーの経済成長路線にしっかり乗せていきたいというふうに思っております。
○石井準一君 日本経済に関連をし、消費増税の先送りは経済再生と財政再建という二つの観点から日本の国債の信頼に影響が及ぶのではないかと懸念がされます。経済への影響についてどのようにお考えなのか、日本国債の信用に対する影響を抑えるための対応策があれば、麻生財務大臣にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘のありましたように、国際的には消費税の増税をこの十月に予定をと思っておられた方が多いと思いますが、私どもは日本の経済の成長ということを勘案して、慎重を期して総理の決断されたものであります。 しかし、この市場とか国際社会からの信認を確保していくということが極めて重要なところでありますので、平成二十九年の四月には、一〇%への引上げについて景気判断条項を付与することなく確実に実施をいたさせていただきたいということが一点、もう一つは、二〇二〇年度のプライマリーバランスの黒字化目標についてこれをしっかりと堅持して、その具体的な策を、この夏までに財政健全化計画を策定ということといたしております。 この作成に当たりましては、これは実効性のある具体的対策を盛り込むということが極めて重要であると考えておりますので、今後、経済財政諮問会議等々において連携しつつ、この具体的な案をしっかりまとめてまいりたいと、そのように考えております。
○石井準一君 今国会での重要テーマの一つに地方創生があります。総選挙に際し、総理も全国各地、たくさんの地域を駆け巡ったことと思います。 その中、私のふるさと千葉県もお越しをいただきましたが、千葉県の立地から都心に通勤する千葉都民と呼ばれる在住者が多く、六百二十万県民を誇る大きな自治体でもあります。しかし、都市部と農村部が混在をし、人口の偏在も進んでおります。農村部では、首都圏から離れた地域同様に、過疎、一部過疎、みなし過疎、高齢化、それに伴う産業の衰退が深刻化をしております。 一口に地方と言っても地域事情が様々な中、地方創生に取り組まれる総理が考える地方の姿とはどんな姿なのか、御認識をいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、石井委員が言われたように、地方として、地方と言って一くくりにはできないということでございまして、例えば千葉県においても、東京のベッドタウンである地域もあれば、また農業あるいは水産業が盛んな地域もあるわけでありまして、これは全くそれぞれの個性があって違うわけであります。であるからこそ、今まで霞が関でつくった様々なメニューを地方に適用するという方式ではなくて、地方に地方の良さを引き出すやり方、ビジョンを考えていただき、それを国が支援をしていく、新たな地方の創生に取り組んでいきたいと、こう考えているところであります。 例えば、毎年、石井議員には地元のピーナツをいただくわけでございますが、これは大変な競争力が本来あるわけであります。ましてや、競争力があってもそれを輸出するという力が果たしてあるかどうか、それは地域の農協等ではなかなか難しいのであれば国もしっかりとそれを支援をしていく、あるいは、その物産を国内外に宣伝をしていく上においてはふるさと名物として国も支援をしながらそのブランド化を推し進めていく。つまり、地方に眠る様々な資源を地域自体が率先してそれを生かしていこうという意欲とともに頑張っていく、それを国が応援をしていくということが大切ではないかと、このように思います。 まさにキーワードは、石井委員が言われたように、地域それぞれの個性を生かしていくということであり、地域の独自性を生かしていく、そこがまさにポイントではないかと、このように思うところでございます。
○石井準一君 総理の方から千葉県の名産でありますピーナツの宣伝までしていただきまして、本当にありがとうございます。 地域活性化にはその地域の事情をよく分かった自治体が主導となって取り組んでいく、それを国が支援するシステムをつくることが求められております。地方創生に当たって、国と地方との間にどのような関係性を築いていくことの重要性がかいま見れるわけであります。 私自身は、地方の家族の姿とは、三世代同居、夕飯どきに孫が小学校や幼稚園、保育園で楽しい出来事を親やおじいちゃん、おばあちゃんに話をしている姿を想像するわけであります。しかしながら、現実は、大きな農家のうちに、家はあっても家庭はない、時間はあっても余裕はない、楽しみがあっても喜びはない、今を生きていても夢がない、そのような地方の姿を思い浮かべるわけであります。この解決のためにも、是非とも地方創生大臣は机上の空論とならないような現実的な対応、予算措置、そうしたものに取り組んでいただきたく、これは要望といたします。 また、総理は、経済政策の柱である成長戦略において、今後二年間で構造改革や規制緩和を進めるとの姿勢を昨年一月のダボス会議で示されております。以来、一年が経過したところで、特に農業、医療、エネルギーといったいわゆる岩盤規制の分野について、現段階での取組や方針について有村大臣にお伺いをしたいというふうに思います。
○国務大臣(有村治子君) お答えいたします。 大胆な規制改革を実施して国の経済成長につなげていくことは安倍内閣の最も重要な課題の一つであり、総理はこの国会を改革断行国会と位置付けられていらっしゃいます。そういう意味で、私ども規制改革の担当としては、それぞれの規制が時代に合ったものなのかどうか、そして、それが国民生活の安定や経済に寄与するものかどうかという観点で精査し、適合していなければその改革を不断に見直していくという姿勢を堅持したいと存じております。 去年、規制改革会議において、農業、医療、エネルギー、いわゆる岩盤規制の分野における見直しに取り組んでおりまして、その実行計画では、六十年ぶりの農協の改革によって中央会制度を新たな制度に移行すること、今日は時間の関係で割愛をいたしますが、患者申出療養ということなどを実行計画に盛り込ませていただき、閣議決定をいたしております。 現在は、これらの改革が具体的な成果に結び付けるための法案を各省庁で進めていただいておりますので、規制改革担当としても、この規制改革会議の趣旨や実行計画が生かされるようにしっかりと注視をしていきたいというふうに考えております。
○石井準一君 社会保障財源について引き続きお伺いをしていきたいと思います。 一〇%への消費増税引上げの時期が先送りされることが決定した中での社会保障財源の確保に関係してお伺いをいたします。 社会保障と税の一体改革において三党合意がなされた消費増税は、社会保障の維持、拡充を目的としたもので、全額社会保障に充てられることとされております。 先ほど、日本経済に及ぼす影響についてお伺いをいたしましたが、今回、増税を十八か月、一年半先送りするのに伴い、年金や介護の拡充など社会保障財源の影響が懸念をされます。不足財源を補完する策はあるのか、また、二〇一五年度の予算編成を行う上での影響についてお伺いをしていきたいと思います。 これは財務大臣の方から答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 引上げが延期されたことに関して。 消費税の引上げを延期する以上、これは給付と負担のバランスというのを考えてみますと、これは一〇%に引き上げた場合に想定をしていた充実策というものが全てできるということは、これは物理的に不可能であります。 したがいまして、これまで社会保障の充実規模は消費税八%の段階で一・三五兆円程度と申し上げてきておりましたので、これに沿って充実すべき施策の優先順位付けを行わさせていただいております。 具体的には、子育て支援や医療、介護の提供体制の改革などを優先させていただきます一方、低所得の高齢者に対する年金の福祉的給付、五千円掛ける十二、六万円などは、これは消費税率一〇%の引上げ時に実施するということで先送りさせていただくということにさせていただきたいと思っております。 特に子育て支援はこれ最優先ということにいたしておりまして、子ども・子育ての支援新制度を予定どおり二十七年四月から施行させていただき、予定をいたしておりました量の拡充及び質の改善の全てのメニューを実施することといたしておりまして、これ国、地方合わせて約五千億円を予定をさせていただいております。 以上です。
○石井準一君 高齢化に伴う医療・介護関連費用の増加に加え、今年四月には子ども・子育て支援新制度のスタートをすることから、社会保障費の増加が見込まれております。医療につきましては、後期高齢者支援金の全面総報酬割の導入により、報酬の高い企業に対し負担増をお願いする医療保険改革案が示されております。 今後、高齢者医療への企業の負担が増える中で、そのような企業の財政基盤のための配慮はあるのか、あるとすればどのようなものを用意されておるのかを塩崎厚労大臣にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今先生御指摘のように、後期高齢者支援金につきましては、三分の一だけ今まで総報酬割というのをやってまいりましたが、今回、これを全面報酬割に二十九年度に向けて移行するということになりました。 全面総報酬割の導入に伴いまして、保険者も支援金に必要な保険料率が同じ水準となって公平化が図られる一方で、報酬水準の低い保険者の負担が軽減される一方で、今御指摘のように、水準の高い保険者は若干負担増になるということでございます。 他方で、この措置に伴う被用者保険者の負担増も踏まえて、後期高齢者支援金などの拠出金負担が特に重い保険者などに対しては公費による支援を併せて実施して負担減を図るということでございます。
○石井準一君 次に、予算案についてお伺いをしていきたいと思います。 二〇一四年度補正予算案並びに二〇一五年度予算案に関連してお伺いをしていきます。 本予算案を編成する上での重要項目についてどの部分を優先に組まれたのか。年末に決定した経済対策、税制改正と併せて経済再生と財政健全化の両立を実現する予算案としての具体的な特徴、また歳入について税収が前年度比で五・四%の増加が見込まれておりますが、法人税や所得税など様々な税収がある中、どの部分で増加が大きく見込まれているのか、御教示をいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(麻生太郎君) この予算では、地方創生にまず全力で応援する、また子育て支援などの社会保障の充実、公共事業の事前防災、また減災対策などの重点化によって暮らしの安心、安全を図ることなど、いわゆる日本が抱えております諸課題への対応を強力に推進することといたしております。 まず、健全化につきましては、国債発行額を前年度から四兆四千億円減額、平成二十一年度当初予算編成以来初めて三十兆円台というところまで落とさせていただくことができております。この予算を前提といたしますと、二〇一五年度の国、地方のプライマリーバランスの赤字半減目標の達成というのは可能であろうと思っております。 このように、二十七年度予算というのは、経済対策、また二十七年度の税制改正と併せて、経済再生と財政再建を両立する予算ができたと思っております。 御指摘のありました税収のことですけれども、平成二十七年度の税収五十四兆五千億というものは、これは二十六年度補正後の税収五十一兆七千億に対しましてはプラスの五・四%、また額では二兆八千億円の増加と見込んでおります。主な増加要因ということでしたが、給与や配当の増によります所得税収の増が約六千億円、企業収益の増によります法人税収の増が約五千億円、また八%への引上げの平年度化によります消費税収の増が一兆八千億円となっております。 以上であります。
○石井準一君 次に、緊急経済対策の目玉として、プレミアム商品券の発行などに代表される個人消費を下支えする消費喚起・生活支援型と、地方自治体による地方版総合戦略を財政面から援助する地方創生型の二種類の交付金が創設をされております。政府が掲げる地方創生の実現には、この二つの交付金に関連をし、地方の積極的な取組が重要になってくると思われます。 また、二種類の交付金が一時的な効果にとどまらず、この交付を契機に地域経済において利益と雇用につながるよう持続的な効果が期待をされますが、そのためにはこうした交付金の運用、活用の方法が重要になってくると考えます。この二つの交付金が効果促進を図れるようしっかりと御指導いただきたく、石破地方創生大臣には強く要望して、要望とさせていただきたいと思います。 また、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に向け、老朽化した道路の修繕や首都圏の交通アクセス改善など、中期的なインフラの整備も必要となってきます。二十七年度予算でしっかりと取り組まれるよう、太田国交大臣に要望をしておきます。 国が介護サービスの事業者に支払う介護報酬について、三年に一度の見直しが行われ、基本報酬の適正化という観点から、二〇一五年度より二・二七%引き下げることが閣議決定をされております。サービス利用者の負担が軽減される一方、事業者の経営やサービスの質、職員の処遇、雇用への影響が懸念をされております。また、少子高齢化が進む中、団塊世代の七十五歳を超える二〇二五年には介護士が三十万人、また二百五十万人近い介護職員が必要との見通しもあります。今後は介護職員の人材確保に向けた取組もしっかりやっていただきたく、塩崎厚労大臣に強く要望をしておきます。 社会保障給付金に対してでありますが、負担の現状を見ると、保険料で約六割、税で約四割が賄われております。持続可能な社会保障制度を確立するためには、保険料の水準を引き上げ、事業主や被保険者の負担を大きくするのではなく、税の負担割合を五割に引き上げる必要があるとの指摘もあります。これについては、塩崎厚労大臣の見解をお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生御指摘のように、現在、トータルでいきますと、保険料で六割、税で四割ということで負担をしている社会保障制度になっておりますが、もちろん生活保護のように全額公費、あるいはその組合せ、そしてまた厚生年金のように全部保険料というのもあるわけでございますけれども、今お話がございましたが、一体改革の中でいろんな議論があって、今回、特にこの介護保険や国民健康保険などについて、二分の一の公費負担のほか、低所得者の保険料軽減に消費税増収分を充てるとともに、それから国民健康保険については、低所得者対策を更に強化するため、保険料が軽減される低所得者層に応じた財政支援を二十七年度から拡充するというようなことで、公費も投入しながら、社会保障の機能強化に向けて支え合いの仕組みの構築に取り組んでいるというところでございます。
○石井準一君 国から地方自治体や独立行政法人、公益法人に交付される補助金で、予算年度を越えて複数年度にわたり執行することができる公的資金、いわゆる基金についてお伺いをいたします。 基金は単年度制度の予算を補い、予算の硬直化を防ぐという意味では重要な役割を担っておりますが、その分管理が難しく、積み残しが散見をされます。また、使わずに返納される額が多いなど、改善の余地が指摘をされております。財政の健全化を図る上では適正な基金の予算化も必要であると思いますが、計画の査定など、丁寧な対応を有村行政大臣に要望をしておきます。 次に、農政改革についてお伺いをしていきます。 規制改革について、政府は農協改革を行う姿勢を示し、総理自身も昨年十月の衆議院予算委員会において、農協法に基づく現行の中央会制度は存続しないことになると発言をされております。これに関連してお伺いをしていきます。 総理は、二年前には、息をのむほど美しい田園風景、世界に誇るべき国柄、伝統、農村文化、私は日本の農業と食を守りますとおっしゃっておられました。強欲を原動力とする市場主義経済の道を取ってはならない、道義を重んじ、真の豊かさを知る瑞穂の国の資本主義を目指しますとおっしゃっておられました。 ところが、最近は、既得権益の岩盤を打ち破るためには強力なドリルと強い刃が必要であり、自分がそのドリルの刃になります、いかなる既得権益といえども、私のドリルから無傷ではいられませんとおっしゃっておられます。その既得権益は農業、農協だともおっしゃっておられます。 そして、中東訪問に際しましては、政府専用機を背景にしながら記者の質問に答えて、JAグループの中央組織であるJA中央会について、中央会は脇役に徹していただきたいともおっしゃっておられます。 総理、JAはこれまで日本の発展を支えてきた組織であります。まさに総理がおっしゃっておられる世界に誇るべき国柄、伝統、農村文化を担ってきた組織ではないのでしょうか。マスコミ報道が断片的であるため、総理の農協改革についての真意がうまく伝わっていないのではないかと危惧をするところであります。 総理の農協改革に関する思いを改めてお聞きをしたいというふうに思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大変重要なポイントを質問していただいたと思います。 私は、従来から述べておりますように、日本は古来より瑞穂の国と呼ばれ、息をのむほど美しい棚田の風景、伝統ある文化、そして草を引き、あぜを守り、水を保つ、こうした営みが日本の景観、国土、そして国柄をつくってきたと、今でもそう信じております。まさに農業は国の基であり、先人たちの努力による美しい田園風景があってこそ麗しい日本ではないかと思う、この思いに全く変わりはございません。 一方、農業従事者が平均年齢六十歳後半となり、生産額が減少し、耕作地が放棄をしている。こうした直面している課題にしっかりと我々は答えを出していかなければ、この麗しい日本の田園風景を守ることもできませんし、農業自体を守ることもできない。こうした危機感の下に、言わばこうした麗しい農業を守るために農業を変えていく必要があるんだろうと思います。 そこで、そのためにはどうしたらいいかということでございますが、農家に一番近い地域の農協が創意工夫を発揮をし、農産物の販売力の強化に取り組むなど、農業の成長産業化に全力投球できるようにしていくことが大切であろう。若い農業者や新規就農者が自分たちの情熱や能力によって新しい地平線を切り開いていくことができるような、そういう農家の視点に立った農協の抜本改革を断行していきたいと、こう思っております。 中央会ができたのは昭和二十九年、これは私が生まれた年でありますが、当時は農協は一万を超えていたんですが、今は七百に集約をされてきたところであります。一万を超えていた時代には、経営的に困難な状況も多々あったわけでございます。経営再建のための強力な指導も必要であったのでありますが、今は七百に集約をされている。したがって、地域の農協、そしてまさに農家が主役となって、中央会はもう脇役にどいておけということではなくて、あくまでも主役は農家であり、そしてまた地域の農協であると、そうした農家や農協とともに中央会はその役割を果たしていくことが求められているのではないかと、こう申し上げたわけでございまして、そうした形の中において農業をまさに成長産業としていきたいと、こう考えている次第でございます。 私は、改革のための改革ということは絶対に避けなければならない、改革という言葉に酔ってはならないと思います。あくまでも目的をしっかりと持つ。改革は手段であります。ただ、この手段をしっかりと勇気を持って行っていかなければ目的は達成することができないのではないかと、こんなように考えているところでございます。
○石井準一君 農業者やJA関係者等から見ると、総理は、有力な企業経営者や学者等で構成をする規制改革会議の主張のみを受けて、農業の成長産業化を全中が邪魔をしていると思っているのではないかというような心配もされております。 全中を始めとする農協関係者の中に、今回の農協改革は米国の要望に応えた農業、農協潰しであると思っている方も多くおられます。現に、在日米国商工会議所は今回の規制改革会議の提案を支持すると明言をしております。今回の農協改革は米国等のこうした要求に対するものではないと考えてよいのか、お伺いをしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 御承知のように、私の地元は農村地域であります。農業を営む方々、毎日ごつごつの手で農作業、土をいじって、額に汗して、朝早くから働いている人たちの力によって私は今日まで議席を守ることができているわけでありまして、そういう支援をしていただいた方々に対する感謝の念を忘れたことはないわけであります。ましてや、米国から言われて日本の農業政策を考えることは決してない、全くないということははっきりと申し上げておきたいと思います。
○石井準一君 総理も述べておりますとおり、日本のJAは歴史とともに歩んできております。 中央会は、昭和二十年代に農協経営が破綻に瀕したときに導入をされ、JAの経営指導と監査を通じてJAの継続、発展を支えてきました。そのJA中央会について、その事業や組織の在り方について議論が行われております。なぜ今、中央会の在り方を議論する必要があるのか、JA中央会が脇役に徹すれば農業は成長産業化するのか、所得は倍増するのか、いろいろな意見があるわけであります。 その中央会の監査について、七年前のこの規制改革会議におけるJAの監査を公認会計士に移管すべきだという議論の中、当時の若林農林水産大臣は、中央会における農協指導と監査というのは車の両輪となって有効に機能していると答弁をされております。この当時の考え方は今でも変える必要はないと思います。 私自身、そうした農協の在り方、そしてまた農業委員の首長による選任制、農業生産法人への企業の参入要件の緩和も、現場ではその意図がよく理解されておりません。農業を発展させるという観点から、農業委員会改革、農業生産法人改革をしっかりと成し遂げていただきたくお願いも申し上げるわけでありますが、国内農業の強化を図る上で、農業に従事されている方々が自らの手で創意工夫を生かした積極的な経営を行い、地域農業の発展につなげていくことが大切であると私も理解をしております。 その上で、誇るべき我が国の農業を育んできた歴史、風土、文化、伝統を守り、継承していくことも大切であるとの観点から、競争力のある農業の育成を図る上で極端な市場原理主義に傾くことのないよう、自民党の農協改革検討PTにおいてもこれまで八回に及ぶ議論が重ねられております。 なお慎重な議論をお願いを申し上げ、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○委員長(岸宏一君) 以上で石井準一君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、佐藤正久君の質疑を行います。佐藤正久君。
○佐藤正久君 自民党の佐藤正久です。 時間がかなり押しておりますので、答弁は簡潔にお願いできればと思います。 総理、今般の邦人人質殺害は決して看過できない卑劣なテロ行為です。私自身もシリアで汗を流した者の一人として、特別な思いを持って今回の事件を受け止めております。 我が国はテロに屈しない断固たる姿勢を取ることは当然ですが、一方、テロ集団から日本はローリスク・ハイリターンの国だと思われない策を講ずることも大事です。そう思われたら、日本人が更にテロに遭う危険性が増大します。軍事的報復手段を持たない日本にとっては、国際連帯を強固にし、そしてまた人道支援等をしっかり行って日本シンパを増やすということも大事だと思います。 総理、テロ集団に日本がローリスク・ハイリターンの国ではないということを伝えるための方策、決意について御意見をお伺いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) つまり、ローリスク、日本に対して危害を加えても軍事的に報復されることはない、しかし一方、脅かせば屈して様々な便益を、利益を彼らに与える、そういう国になっては、更に日本人の命は守られない、守ることができないということにつながっていくわけであります。もうそのためにこそ、中東の国々を含め多くの国々と連携をしていく、情報の共有、あるいは共に分析をしていく、そして共にISIL等過激主義を抑え込んでいくために闘っていくということが大切ではないか。 今回も、この事案によって、私たちは更に中東への人道支援を拡充していく決定をいたしたところでございます。彼らの行った残虐行為によって、我々は決してひるんでいない、むしろ、しっかりとこの地域の平和と繁栄のために貢献していく、こういう決意を表明したところでございます。
○佐藤正久君 よろしくお願いします。 外務大臣、湯川さん、後藤さんの御遺体とか遺品とか、日本への帰還は難しい状況でしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 今、映像等を詳細に分析しておりますが、様々な情報を総合的に勘案して、一月二十四日の画像に映っている人物が湯川さんであり、そして二月一日の動画に映っている人物が後藤さんであると見られると政府としては判断しているわけですが、ただ、御遺体の所在等については現時点では確認することが難しいということでありまして、引き続き情報収集に努めていきたいと考えております。
○佐藤正久君 テロに屈してはいけませんが、御遺族のことを考えたら可能な範囲でお願いしたいと思います。 総理、今般の事件を受けまして、東京五輪のテロ対策への国民の関心が高まったと思います。総理の東京オリンピック・パラリンピックでのテロ対策への決意をお願いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ロンドン・オリンピックのときもそうであったわけでありますが、サイバーテロも含め様々なテロの脅威の下にさらされたわけであります。我々も、東京五輪が決まった段階において、ロンドンのオリンピックでそうしたテロ対策に関わった人々からいろんな話を伺いまして、しっかりとテロリストを水際で防ぐ、サイバーテロも含めしっかりとテロに対応することが求められていると、このように思います。
○佐藤正久君 非常にこれは大事な話ですので、政府一体となって対応をお願いしたいと思います。 もはや日本人だから大丈夫という時代ではありません。依然として多くのイスラム諸国は親日国家ですが、ISILのような過激派は異質であり、常識が通じません。今回の事件は、退避勧告がなされた地域で発生したものであります。危機管理の一つは、危険な地域には近づかないということもあると思います。 それでは、資料一を見ていただきたいと思います。(資料提示)ISILだけではなく、中東・アフリカ地域を中心として、アラビア半島のアルカイダやアルシャバーブなど多くの過激派が活動しています。 次に、資料二、これは外務省が発表している中東地域の渡航注意情報です。シリア、イエメン、イラクのほとんどが真っ赤っか、一番危険な退避勧告地域です。 資料三をお願いします。これら危険地域を含む中東・アフリカの我が国駐在武官の配置一覧です。 現地対策本部があるヨルダン、極めてインテリジェンスにたけた国ですが、駐在武官は配置されておりません。シリア、イラク、イエメン、リビアにもいない。アルジェリアの人質事件や今回の事件でも、ミリタリーチャンネルのパイプが細い、何かマッチングしていないような感じもいたします。 私は、シリアのゴラン高原PKOで隊長、イラクの先遣隊長と、シリアとイラクで二度隊長をさせていただきましたが、シリアではレバノンの日本赤軍から自衛隊殺害声明が出されたり、あるいはイラク派遣当初は私に対する殺害情報も多くありました。その多くが誤情報だったり、単なる脅しでした。現地の情報ネットワークを通じて情報源を分析し、二つ、三つ重なれば、これは本当に要注意です。 自前の現地ネットワーク構築が極めて重要です。現地のミリタリー情報チャンネルを構築することが総理の言われる積極的平和主義にも私は通じると思います。総理の御所見をお伺いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それぞれの国には、特に中東地域はそうでありますが、情報機関とともに軍の情報機関もあるわけであります。 やはり、軍の情報機関の場合は同じ軍人にしか情報をなかなか渡さないという、こういう習性というか、こういう慣習もあるのも事実でございまして、重要な地域に駐在武官を置く、特に私も今回の事案を経験をいたしまして、ヨルダンというのは極めて情報収集能力も高いわけでありますし、軍の情報力も高いということにおいては検討しなければいけない、駐在武官の派遣も検討しなければならないと、このように考えております。
○佐藤正久君 私もイラク派遣当時、アメリカの留学生仲間、これがクウェートやサウジ、あるいはヨルダンにもレバノンにもいました。そしてまた、当然、コアリッションの中のデンマークや米軍あるいはイギリス等の要人たちがみんな主要な部署にいた。どれだけその情報で自衛隊の活動が助かったか。情報はやっぱり人です。そういう情報ネットワーク、この構築というのは、今回の政府の検証の中でもしっかりやっていただきたいということを強く申し上げたいと思います。 総理、テロリストの目的の一つは、対象国の政府と国民との乖離にあります。当然検証は必要ですが、今は政府と国民が一体となって毅然とテロに立ち向かう姿勢、これを見せることが大事だと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 次、ちょっと順番を変えまして、歴史展についてお伺いします。 資料十、これを見ていただきたいと思います。 これはハワイの真珠湾の太平洋航空博物館にある一文です。中国がアメリカ人パイロットを助けた、そういう理由で中国人約二十五万人が日本により殺害されたと書いてあります。本当でしょうか。 資料十一、これは今度天皇陛下が訪問されるパラオの首都マルキョクにある国会議事堂です。 資料十二を続けて見てください。これが何とその国会議事堂のすぐそばにある韓国人犠牲者の追悼碑です。ここには日本軍による慰安婦や強制労働、奴隷の記述があります。この数字や記述、本当でしょうか。私の調べとは違います。これが日本の友好国パラオの国会議事堂のすぐそばに韓国の民間団体によりかなり目立つ形で建てられております。 事実関係を調べ、事実誤認なら、日本の名誉のために行動を起こすべきだと考えます。総理、いかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 国際社会におきましては、事実無根のいわれなき中傷で日本の名誉が傷つけられるのであれば、これは名誉を回復しなければなりません。 お尋ねのこのパラオの韓国人慰霊碑の記載、あるいはハワイの太平洋航空博物館の展示パネルの記載に関しましては、政府として、実際この数字が幾つであったのか、これ確たることを申し上げるのが難しい状況ではありますが、いずれにしましても、客観的事実に基づく歴史認識が形成されるよう、戦略的な発信の取組、強化したいと考えます。
○佐藤正久君 やはり、ここは天皇陛下も行かれる本当に大事な友好国のパラオです。やっぱり間違いは間違いとしっかり情報発信をしていただきたいと強く政府に申入れをしたいと思います。 次に、南西諸島と太平洋正面の防衛警備について質問をします。 資料四、これを見てください。これが中国の国防費の推移です。過去十年で何と四倍です。今年度は自衛隊の約三倍ですが、これには兵器開発費や兵器購入費も入っていないため、実際は自衛隊の四から五倍との見方もあります。第四世代の戦闘機の数を見ても、自衛隊の約二百九十機に対して約六百九十と倍以上です。 さらに、資料五を見てください。南シナ海の南沙諸島では、中国が一方的に岩礁を埋め立てて港や滑走路を造っています。フィリピンは抗議をしていますが、中国との軍事力の格差があるため、力による現状変更がなされても工事を止めることができない、そういう現実があります。 続いて、資料の六を見てください。これは自衛隊機の対中国緊急発進の回数の推移です。年々増加し、今年度も十二月までで既に三百七十回を超えており、過去最高のペースです。 続いて、資料七を見てください。中国の温州市沖の南き諸島、ここでは最近中国軍のヘリポートが完成、今後、滑走路も造られるという見方もあります。ここから尖閣諸島までは約三百キロ、一方、空自那覇基地からは約四百二十キロ。この百二十キロの差は、戦闘機のシミュレーションをやると自衛隊にかなりきつい数字になります。これは、那覇基地に航空機を幾ら増加しても解決できない問題です。与那国島だと那覇から約五百キロ、更に中国に近い。 離島に住む日本人を守るためにも、那覇空港よりも西側に航空自衛隊の戦闘機が使用可能な航空基盤を設定する必要があると思います。防衛大臣に検討を要望させていただきたいと思います。 さらに、現在那覇空港は滑走路が一本。それを民間機、空自、海自、陸自、海保が共用し、大混雑状態です。民航機が滑走路でトラブルや爆発を起こせば滑走路は閉鎖、スクランブル発進ができません。現在、第二滑走路を建設中ですが、第一から第二滑走路に行く誘導路は自衛隊の基地から遠い北側に一本しかありません。その誘導路が破壊されたら第二滑走路は使えません。危機管理の観点からは、やはり手前にもう一本誘導路を造るべきだと思います。 将来の課題として国土交通省と防衛省は協議すべきと考えますが、国交大臣の所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) この滑走路増設計画の策定に当たりましては、那覇空港が防衛省にとっても重要な空港であることから、防衛省とも事前に協議の上、現在の誘導路一本の計画としたものであります。 御指摘を踏まえまして、防衛省と連携を取っていきたいというふうに思っております。
○佐藤正久君 やはり誰が考えても誘導路一本というのは、非常に大事な航空基地という性格も併せ持つのであれば、これはやはり将来的な課題と。これは誰が考えても分かる話ですので、よろしくお願いしたいと思います。 それでは、資料八を見てください。 近年、中国の艦艇等が太平洋に進出し、沖ノ鳥島近傍での訓練を増加させています。これは日本の南端、沖ノ鳥島です。今桟橋の工事をしており、奥の観測施設の整備も今後国交省が行う予定です。 沖ノ鳥島によって日本の領土面積よりも広い四十万平方キロメートルの排他的経済水域が確保できます。希少金属等の資源もあります。 ただ、沖ノ鳥島は満潮時に僅かしか海面に出ないため、中国や韓国は沖ノ鳥島は岩だと主張し、島と認めておりません。ゆえに、仮に中国の漁船や公船が領海に入ってきても、中国は領海侵犯とは認めないでしょう。しかも、誰もいなければ中国漁船を排除することもできず、日本が造った桟橋を使用する可能性すらあります。監視カメラで中国船を視認して横浜から駆け付けようと思っても、船で五日掛かり、主権侵害を長時間許すことになります。 特に、桟橋完成以降、有人警備施設とか、あるいは巡視船配備を含めた領海警備体制が必要かと思いますが、海上保安庁長官の所見を伺います。
○政府参考人(佐藤雄二君) お答えします。 海上保安庁におきましては、尖閣諸島周辺海域における領海警備や中国サンゴ漁船の取締りなど様々な課題がありますが、沖ノ鳥島周辺海域においても巡視船や航空機による哨戒を実施しているところです。 お尋ねの沖ノ鳥島の工事が終了した後の領海警備につきましては、今後とも、限られた勢力を効率的に運用し、沖ノ鳥島周辺海域における哨戒体制の確保に努めてまいります。
○佐藤正久君 やはり人がいなかったら使われる可能性ってあるんですよ。だから、そういう意味で、非常に日本にとって大事なこの領海を守るという観点からもこれは是非検討していただきたいと思います。 次に、資料九を見ていただきたいと思います。 この緑枠が日本の防空識別圏です。御覧のように、我が国の領土である沖ノ鳥島や父島、母島は外れています。父島、母島は有人島ですが、防空識別圏も掛かっていなければ、自衛隊のレーダーも届かない空白地帯です。さらに、横浜の第三管区海上保安部から一千キロ離れており、通常は海保職員四人、警察官も十四人しかおりません。 今回の小笠原での中国船のサンゴ密漁事件を踏まえたら、やっぱりいろんな課題があります。今長官からありましたように、やっぱり数が足らない、しっかりとした巡視船の増強を含めた体制の強化を要望したいと思います。 あの中国サンゴ漁船は福建省などから来ていました。あの漁船クラスで往復含めて油代が一隻約四百万円、二百隻だと油代だけで八億円掛かります。相当の覚悟を持って来ています。さらに、一隻当たり十人の漁師が乗っていましたので、二百隻だと二千人。父島の人口よりも多いという状況です。ある母親は、中国の漁民の上陸が怖くて仕方がなかったという発言もあります。 警察官は父島には十二人、母島には二人。事件を受け警察官を十数人増派しましたが、空港がないため船で二日も掛かりました。しけ時には増派は不可能です。グレーゾーン事態発生時、速やかに島民を守らねばなりませんが、たった十四人では小笠原の島民を守れません。 国家公安委員長、速やかな増派には空港が必要だと思われませんか。
○国務大臣(山谷えり子君) 現在、父島に十五人、母島に二人警察官がおりますけれども、委員おっしゃるように父島等には空港がないことから、船舶による移動に東京から約二十六時間を、昨年の秋から増員して送りましたけれども、掛かりました。 警察では、様々な事象に的確に対応できるよう関係機関と連携するとともに、既存の手段を最大限活用するように努めているところであります。対処能力高めていきたいと思います。
○佐藤正久君 幾ら頑張っても、空港、港がない。やっぱり一千キロ離れたら無理なんですよ、どんなに頑張ったって。だから、そこはしっかり、有人離島ですから、これは無人の尖閣とはまた違う観点があります。しっかりと対応をお願いしたいと思います。 さらに、父島の二見港には喫水が少ないため海上自衛隊の護衛艦は入れません。さらに、海上自衛隊の護衛艦は洋上での油の補給能力がありますが、海上保安庁の巡視船は洋上給油能力がなく、二見港に給油施設がないために父島からわざわざ一千キロ離れた横浜まで給油に戻らないといけません。これでは警備に穴が空きます。大島の災害対処でも空港や港湾の能力が問題となりました。 国交大臣、単に利益率だけではなく、災害対処、島民の安全確保、緊急患者空輸のためにも、小笠原の空港、港湾、給油施設などインフラ整備を東京都と連携して整備することを要望して、私の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございます。
○委員長(岸宏一君) 以上で佐藤正久君の質疑は終了いたしました。(拍手) 残余の質疑は明日に譲ることといたします。 次回は明三日午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時一分散会