予算委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 378 件
- 登壇者
- 34 名
- 会派数
- 10
- 開催日
- 2015/11/11
会議録
○委員長(岸宏一君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 まず、理事の辞任についてお諮りいたします。 東徹君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 この際、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 理事の辞任及び委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に山本香苗さんを指名いたします。 なお、あと一名の理事につきましては、後日これを指名いたします。 ─────────────
○委員長(岸宏一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 予算の執行状況に関する調査のため、閉会中必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ─────────────
○委員長(岸宏一君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 予算の執行状況に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行総裁黒田東彦君及び年金積立金管理運用独立行政法人理事長三谷隆博君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(岸宏一君) 予算の執行状況に関する調査についての理事会決定事項について御報告いたします。 本日は、TPPを始め現下の政治課題に関する集中審議を行うこととし、質疑は往復方式で行い、質疑割当て時間は四百十四分とし、各会派への割当て時間は、自由民主党八十分、民主党・新緑風会百九分、公明党三十七分、日本共産党三十六分、日本を元気にする会・無所属会三十六分、維新の党三十六分、次世代の党二十分、無所属クラブ二十分、社会民主党・護憲連合二十分、新党改革・無所属の会二十分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(岸宏一君) 速記を起こしてください。 ─────────────
○委員長(岸宏一君) 予算の執行状況に関する調査を議題とし、TPPを始め現下の政治課題に関する集中審議を行います。 これより質疑を行います。山谷えり子さん。
○山谷えり子君 おはようございます。自由民主党、山谷えり子でございます。 第三次安倍改造内閣、日本らしさを発揮して、強く優しい信頼される国づくり、そしてまた世界の平和に貢献する国づくりのために強いリーダーシップをお取りいただきたいと思います。政治は国民とともにございます。説明を果たし、そして国民の共感を得ながら、実りある国家をつくってまいりたいというふうに思っております。 TPPについてお伺いをいたします。 世界のGDPの四割という巨大な貿易圏が誕生するわけでございます。それぞれの国が立場、国益を懸けて長い交渉をしたわけでございますけれども、総理は常々、ピンチはチャンスであるというようなことで、強いリーダーシップでこの合意に向けて進んでこられたわけでございますが、国民の中にはいろいろな心配もございます。どのようにTPPを将来の戦略として、成長戦略の切り札として捉えていこうとするか、お考えをお聞かせください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) TPP協定は、アジア太平洋地域に、自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった普遍的価値を共有する国々とともに、二十一世紀にふさわしい新たな経済ルールをつくり、そして人口八億人、またGDPでいえば世界のGDPの四割近くを占める広大な経済圏をつくっていくものであります。そして、新たなルールは恣意的で不透明な政府の介入を排除し、透明性の高い秩序の下で自由で公正な競争を促進していくことになります。 サービスから知的財産に至るまで幅広い分野でオリジナリティーが守られ、品質の高さが正しく評価されることを確保していくことになります。そして、イノベーションを活発にし、高い経済価値を生み出す力を発揮させるものとなります。日本のみならず、アジア太平洋地域にとって成長戦略そのものであろうと思っております。 TPPは、ルールに従うコミットメントがあれば後からでも参加することができます。TPPが大筋合意されて以来、各国が参加に関心を示しています。TPPは各国の経済改革の目標となり、法の支配が及ぶ領域を拡大をしていくことにつながっていくと思います。基本的価値を共有する国々と経済的相互依存関係を深め、更にその輪を広げていくことは、我が国の安全保障にもアジア太平洋地域の安定にも資する戦略的意義を有すると思っています。 このように、TPPは、政治、経済両面における戦略的意義を有するとともに、個々の事業者に新たな成長の機会を提供するものになると、このように考えております。 一方、このTPPについて、当然、様々な不安を持っておられる方々もおられるんだろうと思います。これは、当然これは環境が変化をしていくわけでありますから、そういうものに対しての漠然とした不安を持たれている方がおられるのは十分に理解できることであります。 特に農業関係者の不安は大きいと承知をしておりますので、今後、TPP協定によって何が変わり、それが品目ごとにどのような影響をもたらしていくのか、それを踏まえてどのような支援策を活用できるかなどについて、農家や中小企業の方々が十分理解し、今後の取組を考えていけるように、十分に説明をしていきたいと考えております。
○山谷えり子君 戦略性を持って、また、それぞれの立場、現場の声を聞きながら、必要な対策というのは中長期、また速やかに取っていただかなければならないというふうに考えております。 甘利大臣にお伺いをいたします。 二年七か月の交渉、御苦労さまでございました。途中、本当にどなり合いがあったり席を立たれたりというようなこともあったやに聞いておりますけれども、その感想、そしてまた、国民の間には国民皆保険が崩れるのではないかとか、あるいは、日本の食というのは非常に安全基準が厳しいわけでありますが、遺伝子組換えとかあるいは農薬チェック体制をどのようにつくっていかなければならないか等、これは自民党の部会等々でも現在議論を、声を聞いているところでありますけれども、この交渉をまとめたその大きな視野からの感想をお聞かせください。
○国務大臣(甘利明君) 昨日発売の月刊誌にアメリカ代表を私が何度もどなりつけたとかいうタイトルが書いてありますが、あれは正確ではございませんで、日米協議の中で双方が声を荒らげたり、そして双方がどなり合う場面が時にあったというのが正確なことでありまして、それくらいかなり厳しい交渉でしたけれども、その根底は、日米間の信頼関係があって、私とフロマン代表との関係も、信頼関係がある上にそういう激しいやり取りができて、言わば本音のぎりぎりの交渉ができたんだというふうに思っております。 TPPに関してのいろいろな不安の中の多くは、誤解に基づくものが多いと思います。例えば、食品の安全に関しても正確な理解の下でないことが多うございます。我が国の遺伝子組換え食品の表示制度、それから残留農薬や食品添加物の基準を含めまして、いわゆる食の表示、食の安全に関する我が国の制度、これが変更となる規定というのはTPPには設けられておりません。ゆえに、日本の食の安全が脅かされるという心配はありません。 関連するTPP協定の規律というのは、我が国が既に締結しているWTOのSPS協定というのがありますけれども、これを踏まえた内容でありまして、我が国が科学的根拠に基づいて衛生植物検疫措置をとるということが引き続き認められているものであります。むしろ、食品の安全に関して、加盟国間で情報共有であるとか、あるいは専門家の協議のメカニズムというのを新たに設置をしましたけれども、これまでより安全性が高められることになると思います。 それから、ここまででいいですか。──はい。
○山谷えり子君 また、いろいろな状況の変化の中でいろいろな声を聞きながら、それぞれの国が立場を明らかにしながら、国益を懸けて、日本も主張することは主張して盛り込まれたということでありますので、折々対策を考えていかなければならないんだろうというふうに考えております。 森山大臣にお伺いをいたします。 今、農業従事者、日本の場合、平均六十六歳というふうになっております。世界の食市場は三百四十兆円で、第二次安倍内閣になってから輸出が四割増、日本の和牛ビーフとかジューシーな果物とかおいしいお米というのは非常にブランド価値があるわけであります。輸出をどう支援していくか、あるいは商品開発、付加価値を付けてどう支援をしていくか、あるいは品目横断基金の創設、それをどう使っていくかというようなことも含めて、攻めの農業、攻めるべきは攻める、そして守るべきは守るというこの農業政策について、お考えお聞かせください。
○国務大臣(森山裕君) 山谷委員にお答えを申し上げます。 随分現場も変わってきたなということを実感をいたしました。 私は、八日の日に新潟に出かけました。ここで、中山間地を主にやっておられる農事組合法人とか、あるいは集落営農をやっておられるところをお訪ねしたんですけれども、集落営農をやっておられるところは、既にもうシンガポールとか香港に米の輸出をしておられる方々です。いろいろ話を聞きますと、やはりどういう品種を作ればいいのかということが非常に大事なことだとおっしゃっておりまして、シンガポール向けには、粘り気が少ないけれども、こしいぶきというのが非常に評判がいいという話を伺いました。 また、もう一か所は、中山間地で百ヘクタールぐらい頑張っておられる若い方々と懇談をしたんですが、この方々は、やはり二年後にはTPPが発効して米の輸出ができる時代が来るのだと、我々はどの国にどの品種の米を輸出をするのかということを戦略的に考えたいと、こういう話をしてくださいました。 やはり現場に不安があることは私もよく承知をしておりますけれども、だんだんだんだん前向きに、どう今先生の御指摘の日本のいい農産物を輸出していくかということについても積極的な取組をしていただいているなというふうに思うことでございました。 輸出戦略というのは、日本の農産物がいかに安全なものであるかということがまず大事だと思いますし、そのことのPRもしっかりしなきゃなりませんし、また、防疫体制の問題あるいは残留農薬等の問題、国がしっかりやらせていただかなければならないこともあります。そういうことの政策を一つ一つを積み上げていって輸出も更に拡大をさせていくということが大事なことだなと思っておりまして、平成三十二年一兆円を目標にしているところでありますが、この前倒しに向けて今更に努力をさせていただきたいと考えておりますので、今後ともいろんな御意見をお寄せいただくようにお願いを申し上げて、答弁といたします。
○山谷えり子君 若い方が農業に参入して、そしてまた家族とともに希望を持って農業に参画していくというような国づくりのために対策を、自民党は農林部会、農林水産戦略調査会、連日のように開いておりますけれども、共につくっていく責務があるだろうというふうに考えております。 続いて、一億総活躍社会についてお伺いをいたします。 日本の強みというのは、つながり、そして温かな思いやり、真摯な勤勉性というようなことにあるんだろうというふうに思っております。若い方たちが結婚、出産に希望が持てるような政策、例えば住宅の支援とかあるいは雇用政策、あるいは選択肢の一つとしては三世代の同居、近居等々、また働き方改革というのもスピードを持って取り組んでいかなければなりません。 総理は、この一億総活躍社会、大きく前進をさせていくことによって活力ある日本づくりをとお考えと思いますけれども、どのようなお考えか、お示しをください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我々、この約三年間、三本の矢の政策によってデフレ脱却までもう一息というところまでやってまいりました。就業者数は百万人以上増えたわけでありますし、賃金も増加を続け、今年は十七年ぶりの高い伸び率となるわけでありまして、雇用・所得環境とも確実に改善をしております。この流れを更に加速化し、日本経済を上昇気流に乗せるため、これまでの三本の矢を束ねて一層強化をし、希望を生み出す強い経済という第一の矢を放っていく考えであります。 具体的には、賃上げの流れを続け、雇用や所得の拡大を通じた経済の好循環を回していくとともに、企業は、企業収益は過去最高となっているわけであります。言わば我々の経済政策によって企業の収益が過去最高となったわけでありますが、この収益を設備や技術や人材に投資をしていく、積極果敢な投資に向かうように規制や制度の改革を断行し、制度的な壁を取り除いていきます。さらに、法人税改革やTPP、働き方改革、地方創生など、あらゆる政策を総動員していくことで潜在成長率を引き上げて、名目GDP六百兆円を実現していきたいと考えています。 これと併せて、我が国が成長、発展していくためには、一人一人の能力、可能性を最大限伸ばしていくことが大切であります。誰でも本人の努力次第で大きな夢を紡いでいくことができるような社会を実現していくことが大切であろうと思います。 このため、多様な価値に対応できるような複線的な教育制度とし、子供たちが自信を持って学べる環境を整えるとともに、家庭の経済事情に左右されることなく誰もが希望する教育を受けられるようにすることが重要であり、政府としては、フリースクールなどでの学びの支援、高校と大学の接続、新たな高等職業教育機関、そしてまた質の高い教師の育成や、幼児教育、高校、大学での教育費負担の軽減など、教育再生実行会議の議論を踏まえて、引き続き一億総活躍の観点から教育再生にも全力で取り組んでまいりたいと、このように考えているところでございます。
○山谷えり子君 一億総活躍社会で二〇二〇年頃までにGDP六百兆円を目指す、そして、その根っこ、あるいは持続するためにも教育が大切であるというのは、私はもうそのとおりだろうというふうに思っております。 第一次安倍内閣のとき、私は教育再生担当の総理補佐官をさせていただきましたが、あのとき、教育基本法を改正して、またカリキュラム等を見直しました。あれから八年、直近のOECD先進諸国の十五歳の学力調査では、日本の子供たち、国語力一番、そして理科一番、数学二番と、必ず結果が出ているということを心強く思っておりまして、この教育への情熱、そして政策というのは引き続き大きく進めていかなければならないというふうに思っております。 幼児教育あるいは職業教育、そして道徳心や情操心を培う教育、そしてまた体験学習の充実、そういったことで、本当にすばらしい子供たち、職業に就いて、そして結婚して、納税者にというような、そうした夢が描ける教育というものをしっかりと進めていただきたいというふうに思っております。 続いて、拉致問題についてお伺いをいたします。 今日は十一月十一日であります。十一月十五日、三十八年前、横田めぐみさん、中学一年生、バドミントンの練習の後におうちにお帰りになられる途中で拉致されました。横田早紀江さん、お母様は、「はろばろと睦み移りし雪の街に娘を失いて海鳴り哀し」と歌を詠まれておられます。多くの被害者が今、北朝鮮で救出、帰国の日を待っております。いまだに結果が出ない、出せないということは本当に無念でなりませんし、遺憾に思っております。 しかし、この一年、動きがなかったわけではありません。国際社会、国連の場に、安倍内閣の強いリーダーシップで北朝鮮の人権問題と拉致問題に関する調査委員会が設置されて、約四百ページにわたる報告書が出ました。それを見て、こんなことはほっておけないということで、昨年末の国連総会では、責任者を国際刑事裁判所に付託、検討せよというような非常に強い文言の決議が賛成百十六、反対二十か国で通ったわけです。また、安保理の正式の議題にもなりました。国際社会、国連は、この問題、拉致問題を解決しなければという理解が深まり、機運が高まっております。 そこで、岸田大臣にお伺いをいたします。 今年も年末に向けてこうした決議を通していく、強い思いを持って解決に向けて進んでいくということが必要だと思いますが、今現在どのような状況にありますでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 委員御指摘のように、我が国は、これまでも累次にわたりまして、国連の人権理事会ですとか総会等におきまして北朝鮮の人権状況決議採択を主導してまいりました。そして、今年も第七十回国連総会第三委員会に、先月末ですが、EUと共同で北朝鮮の人権状況決議、提出をいたしました。 内容としましては、北朝鮮の組織的かつ広範な、そして深刻な人権状況を非難し、そして、北朝鮮に対し拉致被害者の即時帰国等により国際的な懸念事項を解決するよう強く要求するとともに、昨年の総会決議同様、安保理に対し、北朝鮮の事態の国際刑事裁判所への付託、また制裁の範囲に関する検討等を通じて適切な行動を取る、こうしたことを促す内容になっています。 そして、新たな内容としましては、昨年末、安保理が北朝鮮の人権状況等に関する議論を行いました。このことを歓迎し、安保理の継続的かつ積極的な関与を期待する、こうした内容を新たに盛り込んでおるものであります。この決議に関しましては、十一月下旬、今月下旬に第三委員会、そしてその後、国連総会で採択を目指しております。 是非、多くの国に、理解と支持を得て、あらゆる機会を捉えて働きかけを行い、この採択に向けて全力で取り組んでいきたいと考えます。
○委員長(岸宏一君) ちょっと速記を止めて。 〔速記中止〕
○委員長(岸宏一君) 速記を起こして。
○山谷えり子君 私も、世界中を走り回って、例えばジュネーブやニューヨーク、国連を舞台に、あるいは国連を背景に基調講演や拉致問題のシンポジウムを開いてまいりました。また、北朝鮮に、平壌に公館を持つ国々の関係者や国連の大使たちと多く語り合いまして、やはりこの問題の解決に向けての機運というのは非常に高まっているというふうに思いますので、また、日本の強いリーダーシップで年末の総会に向けて力強い歩みを進めてほしいというふうに思っております。 加藤新大臣におかれましては、早速に家族会や救う会の皆様とお会いくださったり、また北朝鮮向けの短波放送「しおかぜ」に出演していただいたり、また、こうした国連の動きの中で、六月にソウルに現地事務所、この問題を解決するために記録するための現地事務所ができたわけですが、その事務所長ともお会いしていただいたり、私も昨日お会いしましたけれども、これは国家的な問題であるし国連の問題であるし、全力を尽くすという、シーナ・ポールセン事務所長もおっしゃっていらっしゃいましたけれども、この拉致問題の解決に向けての考えをお聞かせください。
○国務大臣(加藤勝信君) 十月七日に山谷大臣から拉致問題の担当大臣を引き受けて以来、今御指摘ありましたように、家族会の皆さん方などからいろいろお話を伺いました。本当にこの拉致に対する強い憤り、そして一日も早い帰国を願うお気持ちを伺いました。まさに、特に御家族の方々、高齢化が進む中で、本当に一日も早い帰国を本当に強く願っておられる、もうこの問題、一刻も猶予できないという思いを新たにさせていただきました。 また、そういう中で現在の状況、残念ながら、昨年の七月に拉致被害者を含む全ての日本人の調査ということがあったわけですけれども、現在に至っても具体的に拉致被害者の方々の帰国の実現を見ていないと、全く残念な、遺憾な状況だというふうに思っております。 そういう中で、山谷大臣始め、あるいは総理のリーダーシップの中で、国際場裏においては様々な活動をしていただきまして、これまでにない高まりをしておりますし、昨日、ポールセン所長とも、六月に設置がされた、そして拉致を含む人権状況についてそうした国連の機関が活動を始めていると。そうした機関ともしっかりと連携を取りながら、いずれにしても、拉致の認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者の一日も早い帰国に向けて政府一体となって全力で取り組んでいきたいと、こういうふうに思っております。
○山谷えり子君 一日も早い全ての被害者の帰国に向けて、そして、解決できるのは、私は安倍内閣をおいてないというふうに思っております。総理、御決意をお聞かせください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 拉致問題の解決は安倍政権の最重要課題であります。残念ながら、まだ今の段階でいまだに解決できていない、大変じくじたる思いであります。固く閉ざされた交渉の扉を何とかこじ開け、現在、困難な交渉を進めているところであります。しかし、北朝鮮による調査開始から一年以上たった今も拉致被害者の帰国が実現していないことは非常に遺憾であります。 八月には、岸田外務大臣から李洙ヨン外相に対し、拉致問題の解決を強く要求をいたしました。日朝合意に基づく迅速な調査を通じ、一日も早い全ての拉致被害者の帰国を実現すべく引き続き最大限努力をしていく考えであります。 国際会議あるいは国連の場における我々の成果については、山谷大臣にお話を御紹介もいただきました。我々、国際社会としっかりと手を携えつつ、北朝鮮がこの問題を解決をしない限り北朝鮮が自らの未来を描き出すことはできないんだということをしっかり認識させていくことによってこの問題を解決をしていかなければならないと、こう考えるところであります。 対話と圧力、行動対行動の原則に沿って、拉致問題の解決に全力を傾けてまいる決意でございます。
○山谷えり子君 ありがとうございます。是非、解決に向けて全ての国民一丸となってオールジャパンで取り組んで結果を出していきたいというふうに思っております。 私は十月七日まで第七十四代国家公安委員長の任に当たっておりましたけれども、日本の警察の皆様、本当に徹底的に人々の幸せに奉仕するということで昼夜を分かたず献身的に努めていらっしゃっておられて、胸が熱くなること度々でございました。 今年の小学一年生、あるメーカーが将来なりたい職業は何かとアンケートをしましたところ、男の子ではスポーツ選手に次いで二位が警察官、そして女の子では初のベストテン入りしたということで、本当にみんなの幸せのために献身するというのはすばらしい、美しいことなんだ、格好いいことなんだというふうに子供たちも思ってくれているというのは非常に心強いことだというふうに思いました。 しかしながら、難しい課題というのも今感じております。例えば、昔も今も泥棒は捕まえなきゃいけない。しかし、今は例えばサイバーテロ、年間、政府に対するアタックが四百万件あるとか、それから国境を越えた犯罪、あるいはIS、イスラム国、ISILのような国際テロリズム、国境を越えた犯罪、複雑性を増す犯罪、そしてまた見えにくい敵に対する未然防止のための体制整備、非常に難しい課題も感じております。 第七十五代国家公安委員長としてはいかがお考えでございますか。
○国務大臣(河野太郎君) 山谷先生から国家公安委員会を引き継ぎまして、第七十五代の国家公安委員長を拝命をいたしました。 先生おっしゃるように、だんだん警察のいろいろな業務も難しくなってまいりました。本当に、サイバーの世界はなかなか目に見えない中で、その分野のセキュリティーの確保というのが大変大事になってきておりますし、国際化、大変大勢の外国人観光客が日本に来てくださっている中で国際テロリズムにも対処していかなければならないという、この二つの大きな課題を抱えております。また、高齢化に伴って、高齢者の方々の交通事故をいかに防いでいくかということも喫緊の課題というふうに考えております。 先生から引き継いだことをしっかりと頑張ってまいりたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○山谷えり子君 国境を越えた犯罪や暴力的過激主義等々、いろいろな事態に関わりながら感じたことは、日本は非常に頑張ってはいますけれども、やはりもっともっと人材の育成、インテリジェンス機能の強化というものが必要ではないかというふうに考えておりますが、その辺はいかがでございますか、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) このインテリジェンス機能の強化、なぜ大切かといえば、今、山谷委員がお話をされたように、国際テロリズム、そしてサイバー攻撃、そうした動きを未然に察知をしながら、どういう意図を持っているのか、どういう攻撃を考えているのか、我が国の国民や国家に対してどういう脅威となる可能性があるかということをしっかりと情報収集をすることによって、国民の命や幸せな暮らし、そして国の安全保障を守り抜いていくことができるわけでございます。そういう様々なたくらみ、試みに対して、関係する国や組織の内部情報を収集することが死活的に重要であろうと、こう思います。 しかしながら、そうした国や組織は閉鎖的であるため、内部情報の収集には相当の困難が伴うものであります。そのため、政府の情報機能を更に強化をし、より正確かつ機微な情報を収集して国の戦略的な意思決定に反映していくことが極めて重要であると考えています。 現在、内閣直属の情報機関として内閣情報調査室が設置をされ、また、情報コミュニティー各省庁が内閣の下に相互に連携を保ちつつ、情報収集、集約、分析活動に当たっており、こうした体制は機能しているものと認識しています。 一方、現下の情勢を踏まえれば、政府の情報機能の強化は極めて重要であると認識をしており、引き続き、政府における情報の収集、集約、分析の一層の充実強化を図っていきたいと考えております。
○山谷えり子君 それから、更に痛感しておりますことが、とにかく国際社会の安全の環境が変わってきている。テロリズム、そしてMERSやエボラ、これも国家公安委員長対応の所管でございましたけれども、そうした伝染性の感染症、また大規模な災害への対応、被害の最小化、復興のスピードアップ化、そうした国民の生命、財産を守るためにやはり憲法に緊急事態の規定が必要ではないか、今のままでは空白があって守り切れないということを痛感をしております。 昨日、武道館で憲法改正の実現を求める集会、一万人集会、一万一千三百人参加されて集会がございました。憲法改正を求める国会議員の超党派の署名は今四百二十二名でございます。そして、四十七都道府県のうち三十一の都府県の地方議会がこの憲法改正を求める意見書を採択しております。六六%であります。機は熟しつつあると思います。 また、今も日中中間線付近で中国は軍事基地化もできるプラットホームを動かしておりますし、また、南シナ海の航行の安全、これは多くの国々、アジアの国々が懸念を示しているところであります。アメリカも示しているところであります。昨年、ロシアはクリミア半島をウクライナから奪いました。こうした安全環境が急変をしていること、また、日本の美しい国柄を伝えていくためにも憲法改正が必要ではという大きな声が上がっているわけでございます。 緊急事態に関しましては、昨年の十一月、衆議院の憲法審査会で、実に共産党を除く与野党七党がこの緊急事態が必要だというふうに言っているわけでありまして、必要な議論を深めていかなければならないと思っておりますが、総理としてはどのようにお考えですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大規模な災害が発生したような緊急時において、国民の安全を守るため、国家そして国民自らがどのような役割を果たしていくべきかを憲法にどのように位置付けるかについては、極めて重く大切な課題であると考えています。憲法改正には国民の理解が必要不可欠であり、具体的な内容についても国民的な議論と理解の深まりの中でおのずと定まってくるものと考えているわけであります。 昨日の大会には一万人以上が集まり、大変な熱気であったというふうに承知をしておりますが、引き続き、新しい時代にふさわしい憲法の在り方について国民的な議論と理解が深まるよう努めてまいりたいと、こう考えております。
○山谷えり子君 ありがとうございます。国民的議論、そして国会での議論を深めていかなければならないというふうに考えております。 ちょっと地図を出してください。(資料提示) 私、領土、主権、そして海洋政策担当大臣としてこの地図を小中学校に配りました。きちんと島々明記し、そして、実は、日本は小さな島国ですと習っておりましたが、海洋面積では世界第六位なんですね。アメリカ、ロシア、オーストラリア、インドネシア、カナダ、日本という順で、海の面積では世界第六位であります。 七月二十日の二十回目の海の日には総理も御出席いただいてイベントを開きましたけれども、海洋立国日本という政府インターネットテレビは、宣伝もしていないのに非常にアクセス数が多くて、八月の半ばのアクセス数、安倍総理七十年談話が一位でしたが、海洋立国日本というのが二位に付けておりまして、やっぱり我は海の子、我ら海の子の日本民族のDNAというのは何か大きいものがあるのかなというふうに思っております。 海に守られた国から海を守る国に、そして海洋開発の技術人材育成、二〇三〇年までに総理は五倍に伸ばすというふうにおっしゃっていらっしゃっておられますけれども、この総合海洋政策について島尻大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(島尻安伊子君) 我が国の管轄海域の根拠となる離島に関しては、今年六月、山谷前大臣の御尽力で改正をされましたけれども、離島の基本方針において、国庫に帰属することが新たに判明した土地について速やかに国有財産として登録等を行うことによりまして、その安定的な保全、管理を図ることとしております。 これを受けまして、領海等の我が国の外縁部を根拠付ける離島のうち所有者のないいわゆる無主の離島、約二百八十島もあるんですけれども、これについて、低潮線保全区域周辺に存する土地、あるいは国立公園の特別地域内に存する土地、あるいは国有林野周辺に存する土地など一定の行政目的が存在する土地につきましては、行政財産として登録を行うなど、国有財産台帳への登録を進めていくこととしております。 本当に、領海の基点となる離島、この所有ということに関しては、これまで山谷前大臣がこれが大事なんだとおっしゃっていたところをきちっと私としても踏まえて、この登録等についてしっかり進めていきたいというふうに思っております。
○山谷えり子君 ありがとうございました。 そのほかに、領土、主権では、竹島と尖閣のそれぞれの地元の資料を、もうぼろぼろになっているのもあったんですが、きちんと修復して、千五百点きちんと記録を整理をいたしました。そして、二百点ウエブサイトにアップいたしまして、英語だけではなくて中国語や韓国語としても発信、そしてまた、世界を走り回って日本の立場を理解してもらう人たちを増やしてまいりました。こうした事実に基づいたことをきちんと積み重ねて、そして世界に理解者を増やしていくという、こういう活動も大事なんだろうと思います。 南京事件がユネスコで中国申請によって記憶遺産に登録されたと。間違いもたくさんあるのではないかと言われております。そうしたプロパガンダが横行する社会の中では、日本らしい、事実に基づいた発信というのも進めていただきながら、そしてまた、大きな成長戦略の下に、日本の活力を次に次にとつなげていただきたいと思います。 本日はどうもありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で山谷えり子さんの質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、渡辺猛之君の質疑を行います。渡辺猛之君。
○渡辺猛之君 自由民主党の渡辺猛之でございます。 二百四十五日という長い通常国会が終わりまして、私も、最近、地元を中心に回らせていただいておりますが、地元を回っておりますとこんな意見を伺うことがあります。安倍内閣のやろうとしていることは、多分方向性は間違っていないと思うんだけれども、もうちょっと丁寧に説明をしてほしいという声を聞くことがございます。 平和安全法制、TPP、マイナンバー、そして一億総活躍。国民の皆さん方の中には、安倍総理は強いリーダーシップでどんどん物事を前に進めていってもらっているけれども、このままどんどん突き進んでいって大丈夫かなと、多分大丈夫だとは思うんだけれども、ちょっとそこが心配だなと、そんな声があるのも事実だと思います。 政府は、それぞれの政策において丁寧な説明を心掛けていただいているとは思うんですけれども、残念ながら、マスコミは政府が一番伝えたいことをダイレクトには伝えていただけません。今日は、予算委員会において生中継という貴重な機会を与えていただきましたので、質問を通じて国民の皆さん方の不安が解消できるような、総理始め各大臣にはそんな丁寧な御答弁をよろしくお願いをいたします。 さて、まずは平和安全法制に関連をして一点質問をさせていただきます。 外交交渉というのは、テーブルの上では笑顔で握手をしながら、テーブルの下ではもう一方の手でしっかりと握り拳をつくって、万々が一あなたが我が国の国益を一方的に侵すようなことがあれば我々はいつでも対抗する準備ができていますよと、この握り拳をつくった上でぎりぎりの交渉をしていく、これが私は外交交渉だというふうに認識をいたしております。 去る八月、朝鮮半島で北朝鮮のものと思われる地雷が爆発をして、朝鮮軍の兵士の方が負傷されるという事件がありました。(発言する者あり)韓国軍の兵士が負傷されるという事件がありました。このとき韓国側が取った行動は、十一年間休止をしていた宣伝放送を再開をするということでありました。 もし、あのときに韓国側が文書あるいは口頭のみで抗議を伝えていただけだったら、北朝鮮は交渉のテーブルに出てきたでしょうか。私は、十一年ぶりの宣伝放送の再開というのがあったからこそ、北朝鮮は交渉のテーブルに出てきて、そして最終的には遺憾という表現を引き出せたんだと思います。 私は、今回の平和安全法制の整備というのは、日本がこの握り拳をつくる作業だったと思います。万が一にも我が国に対して武力攻撃を仕掛けてくるような国があれば、我々は価値観を共有できる同盟国、友好国と一緒になって我が国を守る準備ができていますよと、この握り拳をつくる作業が私は平和安全法制の整備だというふうに認識をしているところでございます。 我々は憲法の範囲内において握り拳をつくったわけでありますから、これから大事なのは、まさにテーブルの上での交渉なわけであります。今月一日、二日、安倍総理は、日中・日韓首脳会談を開かれました。国内においては日本が二度と戦争に巻き込まれないように法体系をしっかり整備をする、その一方で関係各国と対話に臨む、外交の王道だというふうに思います。 そこで、安倍総理にお尋ねをいたします。 今回の日中・日韓首脳会談の成果について、総理のお考えをお聞かせください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回、まず三年半ぶりに日中韓サミットを再開することができました。私は、かねてより、互いに隣国でありますが、隣国であるからこそ様々な課題や難しい問題がある、問題があるからこそ首脳間で胸襟を開いて話し合うべきだということを申し上げてまいりました。三年半ぶりに三か国の首脳が顔を合わせ、この日中韓のサミットが再開でき、通常のプロセスに戻って、来年は日本で開かれる、日本が議長国を務める、こうしたことが決まったことは大きな成果であったと思います。 そして、日中首脳会談においても日韓首脳会談においてもそうでありますが、前提条件を付けずに、前提条件を付けずに、まずはそうした課題があるからこそ、お互いにどう考えているのか、どうしたいのかということを話し合わなければこれは分からないわけでありますから、そうした首脳会談を前提条件を付けずに行うべきだ、これは日中韓サミットでもそうですが、私たちはそうずっと一貫して主張してきましたが、今回、それがまさに実現されたわけでありますし、日中韓三か国の首脳ともお互いに地域の平和と安定に対して責任を共有しているという共通の認識を示すことができたと思うわけでございます。 日韓首脳会談、これは初めての首脳会談でありますが、朴槿恵大統領と本当に率直な議論を行うことができました。まだ困難な課題もありますが、しかし、経済やあるいは文化や人的交流、環境、防災、様々な分野において協力することができるわけでありますし、また安全保障分野においても、先ほど朝鮮半島の問題についてお話をされました。そうした問題についても日韓が協力をしていくことは両国の国益にかなうわけでございます。基本的にはそういう認識を共有できたのではないかと思います。 また、中国においても、もう既に今、習近平主席と二回首脳会談を開催をしておりますが、李克強首相とは初めての会談となったところでございます。今後、日中関係において、特に経済においてはお互いが協力していくことによって様々な可能性を引き出していくことができるわけでございまして、そうした認識等々においても一致できたことは大きな成果ではなかったかと、このように考えております。
○渡辺猛之君 ありがとうございました。 今回の平和安全法制ですけれども、一部で戦争法案などという言われ方をして、それを聞いた国民の皆さん方が不安になられた、その側面もあったと思います。ただ、もし平和安全法制が仮にも、仮にも戦争法案だったとしたら、今回の日中・日韓首脳会談は開かれたでしょうか。少なくとも、中国、韓国は日本がもう一度戦争するための法律を作ったなどという認識は一切していないと、私はこの客観的事実を示しているのだと思います。 安倍総理、今御答弁もいただきましたけれども、中国、韓国共に日本にとっても非常に重要な近隣諸国でございますので、これからもしっかりと外交関係築いていっていただきたいと思います。 さて、続きまして、本日の予算委員会のテーマでもありますTPPについてお尋ねをいたします。 まずは、今回のTPP交渉に当たりまして、甘利大臣始め関係者の御努力に深く敬意を申し上げたいと思います。国内でニュースを見守っていた我々にも、今回の交渉が肉体的にも、特に精神的にも相当過酷な交渉であったことは容易に想像ができるわけであります。 私は、今回のTPPの大筋合意、もうトータルで見れば間違いなく日本の国益にとってプラスになると確信をしています。一方で、一部の分野ではしっかりとした対策を取って、来るべき自由競争市場で日本が勝ち残れるように万全の体制を整えておかなければなりません。その代表格が農業分野であります。 森山大臣におかれましては、今回の交渉に当たり、自民党のTPP対策委員長として現地に同行され、その交渉の過程を逐次見守られ、結果を受け止められました。そしてまた、帰国後は農水大臣として、最も不安の声が上がっている日本農業を守るという重要な責務を担われるわけであります。 そこで、まずは森山大臣に、一連のTPPの交渉、その経過と結果を踏まえて今の率直なお気持ちをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(森山裕君) 渡辺委員にお答えをいたします。 私は、自由民主党のTPP対策委員長として、ほかのTPP交渉、自民党の派遣団の皆さんと一緒にアトランタに赴きました。現地におきまして、甘利大臣や政府交渉団と密接に連絡を取り合いながら、国益にかなった交渉となるように後押しをさせていただきました。 こうした意味で申し上げますと、TPP大筋合意というのは、やはり国会決議が大きな後ろ盾となって、厳しい交渉の中でも政府・与党が一体となって全力を尽くした結果だと評価をしているところであります。 一方で、農林漁業者の間には経営に影響が及ぶのではないかとの懸念もあることも承知をいたしております。先生御承知のとおり、保秘義務の掛かった通商交渉でございましたから、国民の皆さんへの説明が不足をしていることは否めないと思います。合意内容を正確かつ詳細なまず説明をさせていただくということが大事なことでございますし、農林水産省としても努力をいたしておりますし、また与党でも御努力をいただいているところであります。 何としても意欲のある農林水産業者が確実に再生産できるように、さらに、将来に向けて希望を持って経営に取り組めるように、交渉で得た措置と併せて政府全体で対応していくということが大事であろうと思いますし、総理からの御指示も、現場の皆さんの不安に寄り添って間違いのない対策をするようにという御指示でございますから、そのことを踏まえてしっかりとした対応をさせていただきたいと考えております。
○渡辺猛之君 これまで、平成二十五年、我が党の農林部会で取りまとめました農業・農村所得倍増目標十カ年戦略を皮切りに、農林水産業・地域の活力創造プランや日本再興戦略改訂二〇一四など、農業、農村の所得倍増を言い続けました。そしてまた、本年三月に決定をされました新たな食料・農業・農村基本計画にも農業、農村の所得倍増が盛り込まれました。 そこで、大臣にお尋ねをしたいと思うんですけれども、この食料・農業・農村基本計画はTPP妥結を考慮に入れて作られたものでしょうか。本基本計画はおおむね五年ごとに改定をされるとなっておりますけれども、TPP大筋合意を受けまして見直す可能性があるのかを含めてお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(森山裕君) 渡辺委員御承知のとおりでありますが、現在の食料・農業・農村基本計画は、本年三月に、食料・農業・農村基本法に基づきまして十年ほど先を見通して策定をされたものであります。この内容につきましては、農業従事者の減少、高齢化、耕作放棄地の増大等が進展する中で国内農業の強化と農村の活性化を図っていくことはTPP交渉いかんにかかわらず待ったなしの課題であるという認識の下で、TPP交渉結果等に予断を持つことなく検討が行われたと考えております。 このため、本基本計画につきましては、今回のTPP大筋合意の内容やその国内農業への影響、今後検討が進められる国内対策の内容等をよく精査、分析をさせていただきまして、その取扱いについてはよく検討をしてまいりたいと考えております。 以上であります。
○渡辺猛之君 今回のTPPの大筋合意を受けまして農業関係者の方が不安に思っておられるその原因は、TPPの大筋合意の内容と、それから我々がずっと言い続けてきました農業、農村の所得倍増、これがつながる過程がまだ見えてきていない、ここに原因があるのではないかというふうに思っております。 あくまで仮定の話です。仮定の話ですけれども、もし日本産の農産物と海外の農産物が見た目とか味とか、あるいは安全性とか全く同等の品質のものだったと仮定をするならば、これはもう規模の農業あるいは効率の農業の争いになってしまって、日本の農産物に勝ち目はないと思います。 そこで、農水大臣にお尋ねをしたいと思いますけれども、TPP発効の状況の下で農業、農村所得の倍増を達成するためには日本の農業に何が必要と大臣はお考えになられるのでしょうか。
○国務大臣(森山裕君) お答え申し上げます。 現在、政府のTPP対策本部で決定をされました基本方針に沿って、基本方針は、担い手の育成確保をどう図っていくかという視点が一つあると思います。また、農地の集積、集約化をどう図っていくか、六次産業化など農林水産物の高付加価値化をどう図っていくか、TPPを生かした国産農林水産物、食品の輸出促進といった農林水産業の体質強化策をどう加えていくか。また、重要五品目等について、品目ごとの合意内容に応じた適切な措置というものを検討を進めさせていただいているところであります。 総理からは、先ほども申し上げましたように、やはり現場の皆さんの不安に寄り添って、しっかりした対応をするようにということでございますので、交渉で獲得した措置と併せて、政府一体となりまして万全の国内対策を講じていくということが農家の所得につながっていくというふうに思いますし、これにより、TPPによる新たな国際環境の下でも、強くて豊かな農林水産業、美しく活力ある農山漁村をつくり上げて、これらを通じても所得の倍増に努めてまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。
○渡辺猛之君 まさに今大臣御答弁いただきました、現場に寄り添って、農業者の関係者の皆様方の中には、今回のTPP、チャンスと捉えよう、前向きに頑張ろうという意欲が出てきている側面もあります。ただ、大半の農業者の方がまだ漠然とこのTPPに対する不安の方が圧倒的に多いと思いますので、今お答えをいただきましたように、現場に寄り添って、ここを重く考えていただいて取り組んでいただきたいと御期待を申し上げます。 さて、我が国の農業ですけれども、急峻な地形の多い我が国においては、中山間地の限られた耕作面積でも農業を営々と営んでまいりました。しかしながら、中山間地域では、農地の集積とか、あるいは経費の効率化という面でおのずと限界が出てくると思います。 我が党が政権を取り戻しました最初の通常国会の施政方針演説で、安倍総理は息をのむほど美しい棚田の風景という表現を使われました。規模の農業という観点からは、棚田はとても非効率的な農地であります。しかしながら、我々日本の先人は、限られた山合いの農地を切り開き、効率の悪さを家族や地域の助け合いで支えながらこの中山間地農業を守ってきたわけであります。TPPが発効したとしても、日本人の精神の原点と言ってもいい中山間地農業を私は必ず守らなければならないと考えています。 そこで、この質問は安倍総理にお尋ねをいたします。今後、中山間地の農業をどう支えていくのか、総理の御決意、お考えをお尋ねをいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私の地元は、今、町村合併をいたしまして長門市となっているんですが、元々は油谷町と呼ばれまして、日本海側の小さな町であります。そこにはずっと棚田が広がっておりまして、選挙運動で回っておりましても、一瞬選挙運動を忘れるほど、息をのむほど美しい景色が広がります。夜になれば月が水を張った田に一つ一つに映る、あるいはいさり火も映っていく。そうした美しい田園風景、そしてその中で培われた人々の助け合い、こうした国柄を私たちは断固として守っていかなければならない、それは政治の責任であると、こう考えております。 このような棚田を含めて、こうした中山間地域、なかなか耕作を続ける上においては難しい地域、中山間地域は、農業生産額の三五%、耕作面積の四〇%を占めるなど、我が国農業、農村の中で重要な役割を果たしています。農は国の基でありまして、中山間地域などの美しい田園風景を守っていくことは、これはまさに先ほど申し上げましたように政治の責任であります。 しかしながら、農業従事者の平均年齢は六十六歳を超え始めたわけでありまして、このままでも厳しいわけであります。特に、第一次産業就業者の割合が高い中山間地域の農業の振興は、地域の活力を維持する上においても大変重要であると、こう考えております。 このため、安倍内閣では、中山間地域の困難な状況の中でも創意工夫を発揮をして、付加価値の高い農産物の生産や、例えば先ほどの棚田、棚田で作ったお米というのはこれはおいしいと言われております。そこに一工夫、二工夫を加えながらブランド化することに成功している地域もあります。私の地元でも成功している地域があります。そしてまた、六次産業化、きれいな田園風景がありますから、この六次産業化を進めていく中において農家の収入を上げていくということも大切だろう。そうしたことに取り組んでいく意欲ある農業者を積極的に支援をしてまいりました。 また、農業、農村の多面的機能の発揮のための地域活動や営農の継続等を支援するため、平成二十六年度から日本型直接支払制度を実施しているわけであります。 中山間地域の農業の重要性は、TPP発効後においても変わるところはありません。政府としては、農業者の不安に寄り添いながら、政府全体で万全の対策を取りまとめ、実行してまいります。これによって、農業を成長産業化させ、中山間地域においても若者が自らの情熱で新たな地平を切り開いていける分野にしていきたいと。 昨日、オランダのルッテ首相が訪日をされまして首脳会談を行ったのでありますが、御承知のように、オランダの国の面積は非常に小さいわけであります。小さいながらも、輸出額は、農産物の輸出額は世界第二位であります。その第二位を獲得するためには大変な努力をしてきて、私も視察をしたことがあります。今後、この様々なノウハウを持っているオランダとも様々な連携をしていくことで一致をして、この農業分野でも一致をしたところでございます。お互いに協力をして、お互いの輸出量を増やしていこうということでも我々議論があったわけでございますが、今後、様々な努力をしながら中山間地域も含めて農業者の所得を増やしていく努力を重ねていきたいと考えております。
○渡辺猛之君 ありがとうございました。 この中山間地農業についても、やっぱり現場に寄り添って、特に競争力という点では、放っておいたら、やっぱり中山間地農業、非常に厳しいものがあると思いますので、今、安倍総理、本当に御丁寧な御答弁をいただきましたので、しっかりと現場の意見を聞いて、現場に寄り添って中山間地農業を一緒に守っていきたいということを思っております。 さて、中山間地農業、これ平地の農業でもそうでありますけれども、今、特に中山間地農業、最も頭を抱えていると言ってもいい課題が鳥獣被害であります。 多くが高齢者という中山間地農業でありますけれども、鳥獣による農作物被害は、これ経済的ダメージを与えるだけではありません。私も何人かの方からお話を聞いたんですけれども、もうそろそろ、あしたかあさって収穫かなと思っていると、その日の夜に猿がやってきて食べちゃうと、本当にやっぱり動物も食べ頃をよく分かっているので。そうなると、経済的な被害だけではなくて、ようやく収穫できると思ったのが、それが鳥獣にやられてしまう、動物にやられてしまうという精神的被害もあって、それによって農業への意欲が少なくなって農業をやめてしまうという方がいらっしゃるという話も伺いました。 私は、鳥獣害対策というのは、まず奥山に実のなる木を植えること、ただ動物たちはもう人里近くまで下りてきてしまって、そして人間のおいしい作物の味を覚えてしまっていますから、奥山に実のなる木を植えてしっかりと里山から動物をもう一度山に追い返すこと、そして適切な個体数管理、これを総合的あるいは持続的にやっていくしかないというふうに考えるわけでございますけれども、農水大臣のお考え、いかがでございましょうか。
○国務大臣(森山裕君) 今、渡辺委員が話をされましたように、私も先日、地元を歩いておりましたら、ちょうどいいときに来た、今イノシシを捕ってきて解体するところだと、こういうお話でした。えらい大きなイノシシでして、そこで本当に大変だなという光景に出くわしました。 解体をしておられるところに、もう八十超えておられるんでしょうか、おばあちゃんが棒を持ってこられて、そのイノシシを一生懸命たたかれるんです。おまえのおかげでせっかくできたものが収穫できなかったと言って、えらい感情を持っておられました。猟友会の皆さんには焼酎を二本提げてきて、本当に感謝をしておられました。それが私は、中山間地、特に中山間地における鳥獣被害の現実なんだろうなというふうに思っております。先生御指摘のとおり、年間二百億円にも被害が及んでおりますので、何としてもこれは農業者の営農意欲が減退をしてしまうということがないようにしっかり対応しなければならないと考えております。 今、鳥獣被害防止総合対策交付金により総合的に支援をさせていただいておりますし、二十八年度においても引き続き捕獲活動に対して重点化を図っていきたいというふうに思い、概算要求をしているところであります。また、環境省の方でも対応していただいておりますので、関係省庁とも連携をしながら、生産現場の声に耳を傾けながら、農業者が安心して農業に取り組めるようにこれはしっかり対応させていただきたいと考えております。 以上であります。
○渡辺猛之君 ありがとうございました。 それでは、TPPにつきまして林経産大臣に質問をさせていただきたいと思います。 TPPの大筋合意を受けた会見で、安倍総理はこう話されております。TPPは私たちにチャンスをもたらします。その主役は、きらりと光る技を持つ中小・小規模事業者の皆さん、そして個性あふれる、ふるさと名物を持つ地方の皆さんです。 冒頭、私は、今回のTPP大筋合意、間違いなく国益にとってプラスだと発言をさせていただきました。その国益のプラスの幅を大きくする、このプラスを最大化する鍵は、私は中小・小規模企業だというふうに考えております。人口八億人、世界経済規模の四割を占めるマーケットに日本の中小・小規模企業がどれだけ食い込んでいけるのか。将来、我が国が、あのとき日本はTPPに参加して良かったなと、そう心から言えるためには中小・小規模事業者が非常に重要な役割を担ってくると私は考えております。 しかしながら、もう既に海外展開を繰り広げている大企業に比べまして、まだ今まで一度も海外市場にチャレンジをしていない中小・小規模事業者にとって言葉の壁、例えばこの言葉の壁一つ取ってみても、中小・小規模事業者にとって海外市場というのは相当越えなければいけないハードルが幾つもあります。 そこで、林経済産業大臣に、中小・小規模事業者がTPPをチャンスにできるためにどんな後押しが必要か、お考えをお聞かせください。
○国務大臣(林幹雄君) TPPでは、最終的には九九・九%の関税が撤廃されるということになっておりまして、例えば自動車部品でありますけれども、これはアメリカ向けを捉えても八〇%以上が即時撤廃されるということになっておりまして、自動車部品メーカーやら、あるいは自動車メーカーそのものに大きなメリットがあるわけでございます。 先日、私、大田区の精密金属加工メーカーを訪問いたしました。ここは定年制がありません中小企業でありますけれども、今度TPPによって取引先の自動車部品メーカーが海外輸出を相当増やせるだろうと、なれば、自分たちも相当受注があるかなというような期待を持っておりました。 やっぱりTPPはこのメリットを最大限活用して、中小企業、中堅・中小企業、そういったものの発展できるように活用策をまず幅広く丁寧に説明していくと。地方の経産局、ジェトロあるいは中小機構、この拠点が六十五の拠点で相談窓口を開設いたしましたので、質、量共に強化していきたいと思っておりますし、中小企業応援サイトのミラサポにおいてもタイムリーな情報提供を行っていっているところでございます。 また、製造業に限らず、サービス業、あるいは農商工連携取組も含めまして、きめ細かな総合的な支援をしていくのが大事だろうと。例えば、ジェトロや中小機構、地域の金融機関や海外の法律事務所など、支援機関が連携して専門家が中心となって技術開発あるいは国際標準化、海外企業とのマッチングなどを総合的に支援する方策を今検討しているところでございます。そして、積極的に海外展開している中小企業三百選を選定いたしまして、先進事例を全国に展開していきたいと思っております。 いずれにいたしましても、詳細な具体策につきましては、今月末に取りまとめられる予定の政府全体の対策に合わせまして、経産省に設置したTPP対策推進本部においてしっかりと取りまとめていきたいと思っております。
○渡辺猛之君 ありがとうございました。 今、ジェトロや中小機構、あるいは地方の経産局を活用しながらというお話をいただきましたけれども、中小・小規模事業者の皆さん方には、例えばジェトロとか中小機構ですら結構敷居の高い側面があります。我々は、やっぱり一番身近な商工会であるとか商工会議所、ここもしっかり海外展開戦略を理解をして、一番身近な相談窓口である商工会や商工会議所にまず聞きに行っても十分ノウハウは分かっているよと、こんな仕組みをつくっていっていただきたいなと期待をさせていただきます。 続きまして、マイナンバー制度についてお尋ねをさせていただきます。 先日、私、地元で五十名ほどの女性部の皆さん方の意見交換会に臨みました。そこで、各席回らせていただきましたけれども、半分以上の方から聞かれたのがこのマイナンバー制度でありました。渡辺さん、マイナンバー、一体どうなっとんの、私、マイナンバーなんて欲しくないわ、マイナンバーが悪用されたら、私の貯金、誰かに取られてしまうんでしょうと、実はこんな心配の声が結構上がっていたんですね。残念ながら、マイナンバー制度、まだ国民の理解が進んでいるとはとても言えないと思います。 特にやっぱり国民の皆さんを不安にするのは、報道などで耳にするマイナンバー関連の情報が、もう既に詐欺被害に遭われた方があるとか、あるいはマイナンバーに関わっていた厚労省の職員が逮捕されるとか、どちらかというと負のイメージがちょっと先行し始めているのではないかと心配をするところであります。 そこで、高市大臣にお尋ねをしたいと思います。 そもそもマイナンバー制度を導入するメリットはどこにあるのか。マイナンバー制度のメリット、国民の利便性の向上、行政事務の効率化、公平公正な社会の実現などと言われておりますけれども、これではいまいちやっぱりぴんとこないと思うんですね。もっと具体的に分かりやすく、高市大臣、ちょっと御説明をいただけますでしょうか。
○国務大臣(高市早苗君) マイナンバー制度のメリットにつきましては、今、渡辺委員がおっしゃっていただいたとおり、より公平な社会保障制度や税制の基盤であるということ、それから情報社会のインフラとして国民の利便性の向上、それから行政の効率化に資するものであるというのが大きな柱です。 具体的には、例えば所得や給付の受給状況、これをより正確に把握することによって、負担を不当に免れる人、それからまた給付を不正に受け取る人、こういったケースを防止するということとともに、本当に困っておられるのに社会の手が差し伸べられていない、こういった方々にきめ細かな支援を行うことができるということがあります。 それからまた、年金や福祉の関係の申請の際に、これまで必要でした住民票や課税証明書などの添付書類が不要になるということで国民の利便性は増します。さらに、マイナンバーによって、様々な情報の照合作業など、これまで行政事務で非常に煩雑にやっていたことが効率化しますので、限られた財源や人材をより、真に国民のサービスを充実させるために投入できる。つまり、多くの納税者にとって納得感と公平感がある国をつくるということが第一だと思います。 今委員の御指摘で、私つくづく思ったんですけれども、このマイナンバー法案ですね、平成二十四年、まさに二十四年の二月ですから、民主党政権のときに閣議決定していただいて提出してくださった、そしてまた、それが、十二月解散がありましたので廃案になって、またその後、自民党が政権に復帰させていただいた後、自公民でまた議論をして、更なる法改正も進めて、この参議院でも六会派が賛成して、時間を掛けてつくり上げてきた制度です。大変長い時間を経て今年の十月五日に施行となりました。その間に十分な広報ができていなかったんだろうと思いますので、これからメリットもしっかりと皆様方に広報してまいりたいと思っております。どうもありがとうございます。
○渡辺猛之君 ありがとうございました。 国民の皆さん方の不安を解消するためには、今のメリットを丁寧に説明していただくと同時に、やっぱりデメリットというかリスクも、これもしっかりと説明をして対応を取っていただくことが重要かなと思います。 時間も限られておりますけれども、このマイナンバー制度のデメリットあるいはリスクというものはどこにあって、そのためにどういう対応を考えておられるのか、最も大事だと思われるところをお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(高市早苗君) 海外において様々な経緯や目的によって番号制度が導入されていて、その中には成り済まし犯罪などの問題が発生している国もあります。しかしながら、日本のマイナンバー制度については、こういった海外の状況も踏まえまして、例えばマイナンバーの提供を受ける際に顔写真付きの証明書による本人確認をしっかりする、成り済まし防止を図るということもしますし、あとマイナンバーの利用範囲ですとか行政機関等の間の情報提供の、情報連携の範囲、これが法律に規定されています。また、個人情報保護委員会によってマイナンバーの取扱いに関する監視、監督、これがなされる。官民の不当行為を防止するための罰則の強化。マイナンバー付きの個人情報は、一元的なデータベースで管理するのではなくて、これまでどおり管理主体がそれぞれ分散管理します。それから、マイナンバー付きの個人情報を通信する際、これは暗号化されています。 様々の制度面とシステム面の両面から万全を期すことにしますが、いずれにしましても、何か新たな課題が発生した場合には、確実にリスクの最小化に向けての努力をしてまいります。
○渡辺猛之君 ありがとうございました。 この不安の解消という点で、しっかりと国民の皆さん方に分かりやすく説明をいただきたいと思います。 最後に、加藤一億総活躍担当大臣に質問をさせていただきます。 私、今日の質問は、国民の皆さん方の不安、少しでも解消できればという思いで質問をさせていただきました。不安というのは、よく分からないとか先が見えないというところから生まれてくるわけであります。今回、内閣改造の目玉の大臣のお一人でございますけれども、ちょっと意地悪なマスコミ報道では、何をするのかよく分からないといった報道があるのも事実であります。一億総活躍大臣が、よく分からないから国民の不安につながるんではなくて、日本の将来のために今こそ必要な大臣だと、どうか正しく国民の皆さん方に理解をしていただき、安心につながるために、加藤大臣が考えられる使命、役割についてお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) 一億総活躍社会の実現、まさに安倍総理のリーダーシップの下、安倍内閣挙げて取り組むべき課題ということであります。 一億総活躍大臣という前に、まず一億総活躍社会ということのイメージでありますけれども、総理も国会で答弁させていただいておりますように、国民のお一人お一人が、若い方も高齢者の方も、また女性も男性も、また障害や難病などの課題を抱える方、あるいは一度失敗した方々も、地域社会、職場あるいは家庭において、またそれぞれの方々の希望や夢の実現に向けて今より一歩前に進んでいける社会、こういう社会を考えております。また、その実現に向けて、GDP六百兆、希望出生率一・八、あるいは介護離職をゼロにする、こういう具体的な目標を掲げまして進んでいこうと。 そういう中で、私、担当大臣としては、政府全体としての司令塔としての役割、これが求められているというふうに理解をしております。 実際、この新たな一億総社会の実現に向けて国民会議を立ち上げました。関連分野の施策の要となっている審議会機関の方々、あるいは専門的知見や現場での活動経験のある方々にも御参加いただきました。先月、まず第一回の会合を開かせていただきました。 また、そうした国民会議の皆さんとともに、各分野の有識者の方々の意見交換、あるいは総理と二十代の若者の方々の懇談会を行って、まさに具体的な現状の課題あるいは提案について御意見を賜りました。また、総理も私も、実際現場に行こうということで、子育てや介護の現場に足を運んで、またその場で現場を見させていただき、また意見もいただきました。 まさに、国民の皆さん方の意見をしっかり……
○委員長(岸宏一君) 大臣、時間ですので、答弁を少しまとめてください。
○国務大臣(加藤勝信君) はい、分かりました。 取り組んでいきたいと思っております。まさに、そうした国民の視点に立って、省庁の縦割りを排して、そして大胆かつ効果的な施策をしっかりと進めていきたいと、こういうふうに思っております。
○渡辺猛之君 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で渡辺猛之君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、徳永エリさんの質疑を行います。徳永エリさん。
○徳永エリ君 おはようございます。民主党・新緑風会の徳永エリでございます。 今日はTPP協定についてお話を伺いたいと思いますが、私の地元北海道は、一次産業が基幹産業であります。農業、漁業、林業。TPPによる関税の撤廃、削減は、一次産業だけではなくて、関連産業、そして地域にも大きな影響が出るということで、地元の皆さんは大変に不安に思っておられます。 総理、御存じでしょうか。北海道は、国土の二二%の面積です。首都圏からはるかに遠い。一年の半分を雪に閉ざされている。そして、地域によっては、農業も、作れるものと作れないものがあって、農業の形もいろいろであります。そして、今までそういったハンディキャップを背負いながらも、北海道の農業者の方々は、国の政策に従って規模拡大を進め、生産コストを削減し、必死の努力を続けてまいりました。 そして、やっと、やっとみんなが安心して農業を続けていける、まあ後継者不足などの問題はありましたけれども、皆さんは安心して農業を続けていける、そんな雰囲気だったときに、このTPPの話が出てまいりました。そして、大筋合意という形になって交渉の内容が少しずつ明らかになってきて、これは大変だと。 農林水産省は、北海道でこのTPPに関して説明会を開いておられますが、その説明では、影響は軽微だと、ほとんど影響がないとおっしゃっているそうでありますけれども、今までの自由化で現場にどんな影響があったかということはもう皆さん経験済みでおられますので、本当に今重苦しい気持ちだと思います。 ただ、あたかもTPPはもう決まったかのような空気が流れておりますけれども、TPPは決まっておりません。大筋合意をしただけです。 そして、十一月五日、ニュージーランドからTPP協定のテキストが公表されましたけれども、これも、最終的な協定文書なのか、これが正式な協定文書なのかもよく分かりません。このニュージーランドでの協定文書の公表を受けて、日本の政府からも、TPPのテキスト二十一分野三十章の概要九十七ページ、そして改善点や留保項目のリストや附属書八十四ページ、さらには利害の強い国同士で交換された交換文書、それから法改正が必要な事項などが配付されました。 これからその中身をしっかりと精査をして、そして具体的な影響をしっかりと表に出しながら、あるいは地域での影響試算も出していかなければいけない。そういう状況の中で、政府・与党では農業対策について今議論をしておられて、そして間もなくまとめようとしておられる。何となく違和感があります。TPPはまだ決まっておりません。 アトランタ交渉会合、十月五日に大筋合意をいたしました。その大筋合意を受けて、総理は記者会見を開かれました。そして、TPPは国家百年の計、TPPは私たちの暮らしを豊かにしてくれますとおっしゃっております。私は、決してそうとは思えません。農業や自動車の関税だけではありません。医療はどうなのか、労働はどうなのか、あるいは食の安全、安心はどうなのか、私たちの生活にどんな影響があるのか、不安な要素がたくさんあります。 そこで、なぜ総理は記者会見で、TPPは国家百年の計、そして私たちの暮らしを豊かにしてくれますとおっしゃったのか。TPPはどういう協定なのか。TPPによって日本がどう変わるのか。先ほど山谷委員に御説明しておられましたけれども、抽象的なスローガンばかりでは何を言っているのか全く分かりません。もっと国民が分かりやすいように、具体的に、TPP協定で日本はどう変わっていくのか、まずは総理から御説明をいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) きっちりとしたルールの下に自由貿易を行っていく、これは日本にとって大きな利益があったのは事実であります。例えば、日本の高度経済成長に向かって成長していく中においては、日本がガットに加盟をしたことは大変大きかったわけであります。また、中国がこれだけ経済で大きな成長を遂げたのはWTOに加盟したからであります。間違いなく自由貿易はその国や地域に大きな利益をもたらします。 そして、今回のTPPでありますが、TPPは、このアジア太平洋地域において、自由や民主主義や基本的な価値、特に法の支配、そうした基本的な価値を共有する国々とともに二十一世紀にふさわしい新たな経済ルールを作っていく、そして人口八億人、世界経済の四割近くを占める広大な経済圏を生み出すものであります。そして、そこで大切なのは、そこに新たなルールが作られるということであります。恣意的で不透明な政府の介入を排除していくということであります。まさに、そうしたルールが作られていく、また透明性の高い秩序の下で自由で公正な競争を促進をしていくことになります。 このように、ルールがあって、きちっとしたそのルールの中で様々な知財も含めてそうしたものが守られていく、ちゃんと付加価値を付ければ、頑張って新たなものをこしらえていけばその価値が守られるということになって、初めてイノベーションは起こっていくわけでございます。そのことによって、例えばそれは日本国内だけであれば日本の国内の法律があるわけでありますが、新たに海外においてもそれが、同じようなルールが適用されるわけでありますから、当然、対象の言わば消費者は一気に八億人に広がっていくという中においては新たな当然これはイノベーションが促されていくわけであります。高い経済価値を生み出す、価値を発揮することができるんだろうと、こう思うわけでありまして、これは日本のみならずアジア太平洋地域全体において成長戦略そのものであろうと、こう思います。 そしてまた、では、果たしてメリットがあるのかというお話でありますが、今まさに申し上げましたような新たな経済圏があって、ルールがあって、そこで新たな価値が生み出されるというダイナミックな変化が起こってくる、このTPPについてですね。そこでメリットがないのであれば、ではそこに参加していこうという国は存在しないわけでありますが、そうではなくて、このTPP大筋合意された後、多くの国がこのTPPに対して興味を示しているわけであります。その中において、TPPはルールに従うコミットメントがあれば後からでも参加することができますが、当然、後から参加する上においては、もう既に我々がこのTPP大筋合意をしましたから、私たちの同意がなければ参加することができないということでございます。 各国が参加を示している中において、TPPは各国の経済改革の目標となって、法の支配が及ぶ領域を拡大させていくという力を持っていると、このように思うわけでございまして、言わば、まさに我々はイノベーションを起こしていく、そして私たちのこのマーケット、消費地を拡大させていく大きなチャンスを得ることができた。そして、繰り返しになりましたが、まさにそこには同じルールが適用される、これが一番大切なことであって……(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 静粛に願います、静粛に。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 付加価値を付ければしっかりとその付加価値が真っ当にこれが評価される、そういう大きなマーケットをつくり出すことができると、こういうことでございます。
○徳永エリ君 やっぱりテレビを御覧になっている方は何を言っているか分からないと思いますよ。 イメージだけはいいことずくめのような感じですけれども、本当にいいことずくめなんでしょうか。デメリットやそれから懸念事項というのはないんでしょうか。総理、いかがですか。
○国務大臣(甘利明君) 経済連携というのは、それに加わった人がそこのルール、特典を得られて、その外側の人はそれが得られないわけですね。日本が鎖国をしているとしたら、日本の中だけで商売をしなきゃならない。人口は減っていく、購買力は減っていくと、経済は小さくなります。隣近所に人口がどんどん伸びていって購買力が伸びる地域がある。そこに日本が行こうとすると、そこのグループに入っている人たちだけは関税はない、いい特典を得られる、こちらだけ得られない。だとしたら、これが得られるようにするというのが経済連携協定です。 デメリットとメリット。それはそれぞれ得意な分野と不得意な分野はあります。不得意な分野に得意な分野から攻め込まれた場合には、何もしなければやっぱり競争力に劣るということは確かにあります。ただ、そこでどうやって構造改革をしていくか、どうやって攻めに転じていくか、どうやって自分の良さを差別化するか。農産物でも、価格では勝てないけれども、しかし、日本の農産物は外から見て非常に魅力があるというのは、安全で味覚がすばらしくて見栄えもすごい、価格は高いけど。だとしたら、じゃ、それが訴えられる消費層はどこなんだという、マーケティングという技術を取り込んでいく。そうすれば、値段だけで勝負するところでは勝てないけれども、そういう層を狙っていけば勝てると。どうやってそこへつなげていくかという、そういう工夫になっていくんだと思います。 ですから、TPP自身は……(発言する者あり)ちょっと今説明をしていますから、分かるように。(発言する者あり)これで分からないですか。多分ほとんどの人は分かると思いますけど。 ですから、お互いが、自分の得意の分野にお互いが入り込んでいって拡大できるようにしていく、これが経済連携のメリットだと思います。
○徳永エリ君 相変わらずまた農業の話しか出てこないんですけれども。 もしメリットだらけなんだとしたら、なぜTPP交渉は秘密交渉で保秘義務が掛かっているんでしょうか。二〇一三年の七月、マレーシアのコタキナバルから日本は交渉会合に参加したわけですけれども、今まで私も農林水産委員会や予算委員会で何度もこのTPPの交渉内容について御質問してまいりましたけれども、交渉に支障があるからその中身は御説明できませんということで、ずっと大筋合意するまで交渉の中身は明かされませんでした。 いいことずくめだったら、交渉の中身、話したっていいんじゃないですか。なぜ、バラ色の交渉だったら保秘義務が掛かるんでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) そのでき上がったものを見れば、それぞれの国がウイン・ウイン関係にあると思います。この経済連携交渉というのはゼロサムゲームじゃないですから、どこかが勝った分だけどこかがそっくり損をするということであれば、それは力の弱い国なんか入ってきません。途上国と言われている国でも意を決して入ってきたというのは、メリットがあるから入ってきたわけなんですね。 ただ、交渉の過程というのはいろいろなやり取りがあります。そのやり取りが全部開示をされたとすると、それに関わる人は、いや、それは困るからということで当然動きが始まります。そうすると、そこでその国の動きが止まる可能性もありますし、相手が何を言ってきたというのは、向こうの国の守秘義務に関わることかもしれません。でありますから、情報開示はできることはかなりやってきたつもりです。日本は相当頑張ってやってきた方じゃないかと思っています。ほかと比べてみてください。 結局、でき上がってみれば、日本としては農業分野については、センシティビティーを抱えていますから、開放率が、自由化率が八一%。じゃ、よその十一か国を比べてみると、自由化率は九八・五%です。これ見ると、何だ、日本だけこんなに甘やかしているのかということになると思いますけれども、実はその過程では日本は、それは農産物間だけを比べたら日本の自由化率の方がうんと低いですよと。しかし、工業製品見てください、工業製品、日本はほぼ一〇〇%です、あなた方はやっていないでしょうと。もっと言えば、ルールの分野について言えば、日本はルールは優等生です。しかし、いろんなルールにアクセスすらできないところだってあるじゃないですかと。そういうバランスですという交渉、言わば実でバランスの取れたということで、こういう結果に持っていったわけです。
○徳永エリ君 なぜ保秘義務が掛かっているかということについてはお答えいただけないようですね。 メリット、メリットというお話をしておりますけれども、じゃ、誰にメリットがあるのか、どんなメリットがあるのかということでありますが、日本の今この国内の状況を見てみますと、少子高齢化、人口減少が大変に深刻な問題です。 企業、特に製造業に関しては、マーケットがどんどんどんどん、人口が減っていけば縮小していく。だから、企業は海外に出ていくわけですね。海外に出ていって、新興国はこれから経済がどんどんどんどん成長していく可能性もある。そして、平均年齢も二十代、三十代と若い、人口も非常に多い。現地で安いコスト、安い賃金で物を作って、そしてそれを現地で販売していく、どんどんどんどんビジネスを拡大していく。どんどんどんどん利益を得ていきたい、これが恐らく企業の目的だと思うんですけれども、そのときに、進出していった国の法律やルールが邪魔になって、なかなか企業が拡大できない、障壁になっている場合があります。 そのときに、その法律を改正させる。そして、規制を緩和あるいは撤廃させる。それをTPPの十二か国、参加している国の間でやって、そして企業がこの十二か国のどこに行っても利益を拡大し、お金をもうけることができる、その企業のための新しい共通のルールを作ろうとするのがTPPということだと思うんです。だから、企業にとってはメリットがあると思いますし、経済的な効果、成果は出るかもしれません。 しかし、国民生活を見てみなければなりません。農業にダメージが出るということははっきりしています。それから、今回、最後の最後までバイオ医薬品のデータの保護期間の延長ということでTPP交渉ではもめておりましたけれども、これが米国では延長されることになったと。 国民の皆さんは、このTPPで国民皆保険制度が壊されるんではないかということを心配していたんですね。総理も国民皆保険制度は壊さないとおっしゃっておりましたし、それから、今回のTPPでも国民皆保険制度は守れました。ところが、米国の製薬会社が、高額の薬を保険対象薬として、そして政府の補助金を得て暴利を貪っていくと、そういう仕組みになるんじゃないですか。それから、データの保護期間が延長したことによってどうなるかというと、安価なジェネリック薬品が作れなくなりますよね。そうすると、日本国内の医療費が恐らく膨らむと思うんですよ。財政が圧迫されるということになります。 あと、ちょっと気になるのは、直接TPPではありませんけれども、来年の四月から患者申出療養制度というのが始まります。これは、混合診療全面解禁に道を付けるものだと思うんですね。混合診療が全面解禁されれば保険外のメニューがどんどん増えていく。そうなると、保険会社あるいは製薬会社あるいは医療に参入したい企業、こういったところが大きな利益を得ることはできるけれども、国民の皆さんは、医療格差ができる、あるいは医療費が高くなる、そういうことにつながっていかないでしょうか。いや、TPPのこの交渉文からはなかなかストレートには分かりませんよ。でも、いろんなことを分析していかなければいけないと思うんですね。 例えば協定の概要の十九章の労働の章なんですけれども、これを読んでみますと、各締約国は自国の法律等においてILO宣言に述べられている権利を採用し及び維持することを規定する。これは、強制労働の撤廃とか、それから児童労働の実効的な廃止並びに雇用及び職業に関する差別の撤廃というふうに書いてありまして、働く人たちにとってこれは非常にいい話のように見えるわけですよ。 ところが、労働法令の執行というところでは、いずれの締約国も貿易又は投資に影響を及ぼす態様により自国の労働法令を効果的に執行することを怠ってはならないこと等を規定、あるいは強制労働のところでは、各締約国は強制労働によって生産された物品を輸入しないよう奨励する旨を規定というふうに書いてありまして、これは結局、先進国が新興国に対して、児童労働、強制労働あるいは婦女子労働、こういったもうただ同然で働かせているような労働条件を改善させる。そうじゃないと、その労働賃金が安い部分が製品にメリットになって、新興国では安い製品を作って輸出することができる。先進国は、コストも掛かる、そして労働賃金も高い、それが製品の上に乗っかる。要するに、競争条件が公平にならないということで、競争条件を公平にするために新興国に対して労働規制を強化しろと言っているんではないかと私は思うんです。 一方、じゃ、日本に対してどうかというと、外国の企業が日本に投資をします、日本でビジネスをやろうとする。でも、ゆっくりとビジネスをやるつもりはないんですよ。短期間で一気にもうけて撤退する、あるいはうまくいかなかったら即撤退する。そのときに問題になるのが従業員、労働者なわけです。日本は厳しい労働規制で縛られていますから簡単に解雇するわけにはいきません。だから、企業の都合で人を雇ったり首を切ったりできるようにしたい、それが企業の思惑なんではないでしょうか。だから、もう恐らく国内法の改正しなければいけないもの、かなり少なくなっていますけれども、今まで安倍政権になってから、このTPPを見据えていろいろな法改正が行われているんじゃないかと思うんですね。 今回の通常国会で成立した改正労働者派遣法、これも労働者にとっては低賃金の不安定雇用がますます広がるということで、とんでもない法案であります。恐らく、来年の通常国会では労基法の改正が行われる。ホワイトカラーエグゼンプション、これ評判が悪いので高度プロフェッショナル制度と呼び方を変えましたけれども、残業代ゼロ法案ですね。それから、裁量労働制の拡大あるいは限定正社員、こういったことを企業のメリットのために進めようとしているんではないでしょうか。 ですから、TPPは、私は、まさに企業のための新しいルール作りであり、国民にとっては何のメリットもない、むしろ心配な要素がたくさんあるのではないかと思うんですが、この分析は間違っているでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) 全く間違っていると思います。本当に御党の中にもそういう認識で統一されているとは私は思えません。 いっぱいいろんなことをおっしゃいましたけれども、まず、日本のいろいろ、健康や医療や食品安全に関わるルールを変更されることは一つもありません、ありません。 そして、労働法制についてもおっしゃいました。これは、途上国はそこまでなかなかという議論があったのは事実です。しかし、これは、一番強く出したのはアメリカの人権とか環境に関するNGO、それを守れという団体からの意見を、民主党に強く出ていて、それでやったというところなんですね。 おっしゃるように、児童労働とか過酷な労働で、安い賃金で作ったものを競争力にすると、これは競争力は付くかもしれないけれども、しかしその裏に過酷な実態があると。それはILOでも認められていないからということで、それを是正を図ったわけでありまして、これは企業の収益云々というよりも人権の問題から出てきた話なんです。消費者にとってもいろんな選択肢ができるし、輸入品は安くなるわけです。 そして、日本の農産品は、私は北海道には実はすごく期待しているんです。特区も、北海道を何としても農産品の特区にしたかったんです、個人的には。規制改革案を出してくれということで何度も何度も仕切り直ししたんですが、よその方が意欲的だからああいう結果になっちゃったんですね。北海道の農産品だってブランドがありますから、それをどうやって、高いから負けるという発想じゃなくて、高いから売れるという発想にどう切り替えていくかと、これはチャンスだと思うんですね。 だから、TPPを奇貨として、日本の良さを見直して、良さをどうやって消費者に、国内外の消費者に伝えるかという戦略を政府としても後押しをしていきたいというふうに思っております。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 質問の中でおっしゃったジェネリック品の点なんですが、この結果、日本でジェネリックが出にくくなるのではないかという、このデータ保護の関係でですね。これは全く違いまして、言わば米国と日本は新薬を製造できますから、新薬を作れる企業にとってはなるべくデータ保護は長い方がいいわけでありますが、日本と米国以外は新薬を作るという企業がないわけでありまして、なるべくそのデータ保護期間が短い方がいいという中において、これは主に議論は米国対豪州等々との関係でありました。 そこで決まったのは、十二年が八年になる。アメリカは十二年でありますが、日本は八年になったんですが、日本は元々八年でありますから、日本は全く変化がないということは申し上げておきたい。ですから、日本においては、日本でジェネリックを作っておられる方々がこれで何か変化があるということでは全くないということは申し上げておきたいと思います。 それと、一般の国民と企業が、これは対立概念ではなくて、企業で、中小企業も含めて、そこで人々が働いて日々の糧を得ているわけであります。こうした企業活動が盛んに行われて将来に希望が持てるということは、そこで働いている人たちにとっても将来に希望が持てるということになるわけでありまして、まさに消費人口が減っていく中において八億人というマーケットができて、ここで同じルールになったと。国営企業があるところと日本の企業が闘うのは大変だったんですが、それは認めませんよと、同じルールでやりましょうということになってきたわけであります。そしてまた、消費者にとってはいろんなものが、付加価値の高いものがそれはまた安く手に入るということになります。 しかし一方、確かにそれは御心配としては、でも、日本で頑張ってやってきたのに、海外から何かいろんなものが入ってくるのではないかということだろうと思います。我々もそういうことについては特に、今まで工業製品は元々日本はほとんど関税ないですから余り変わらないんですが、農業製品においてはそうでありますが、農業製品においては、そういう心配をされている農家に寄り添う形でしっかりと今後も、農業は国の基でありますから、我々もこの美しい田園風景と農業は、これは食は国の基という基本に立って守っていきたいと、こう考えております。
○徳永エリ君 日本のジェネリック薬品はというお話でしたけれども、今、日本で使われている薬品、アメリカの製薬会社の薬品も使われているわけですから、データの保護期間が延びるということは、アメリカの新薬のデータ保護期間が延びればジェネリック薬品が作れないということになりますから。(発言する者あり)十二年という要求だったのが八年になったということですよね。(発言する者あり)いずれにしても、最後までもめたのはジェネリック薬品が作れなくなるということで、このデータの保護期間でもめたわけであります。 そして、ちょっとこちらを御覧いただきたいんですけれども、TPP、このTPPに参加するときに、いろいろとおかしなルールがありました。(資料提示) まずは自動車の関税でありますけれども、自動車の関税は、米国の自動車関税がTPP交渉における最も長い段階的な引下げ期間によって撤廃され、かつ、最大限に後ろ倒しされること、及び、この扱いは米韓FTAにおける米国の自動車関税の取扱いを実質的に上回るものとなることを確認となっております。 これは、TPPに日本が一番最後に、十二か国で一番最後に参加したわけですけれども、そのときに、前に参加している十一か国の承認をもらわなければなりませんでした。米国からこの参加のための承認をもらうときに、前払をアメリカにしたのではないかと言われているものであります。TPPでは、二十五年掛けて関税を撤廃するということで、十五年でやっと削減に入るということですから、まさにこの前払したのではないかと言われていることに合致するのではないかというふうに思います。 それから、軽自動車制度ですけれども、これも米国から軽自動車の規格、制度が不公平な非関税障壁で米国車の日本参入を阻害していると問題視されたことが二〇一五年四月の軽自動車税の五〇%の引上げにつながったというふうに指摘されています。これ、七千二百円の自動車税が一万八百円に四月からなりました。 それから、BSEの規制です。政府は、二〇一三年の二月に、BSE、牛海綿状脳症対策で実施している米国産牛肉への輸入規制を、輸入条件である月齢を二十か月齢以下から三十か月齢以下に拡大するという形で大幅に緩和いたしました。これで、米国からの牛肉の輸入がぐっと増えたわけであります。 それから、保険です。二〇一三年四月十二日に、麻生財務・金融相が、日本郵政傘下のかんぽ生命のがん保険など、新商品の申請を当面認可しないことを表明いたしました。このとき、日本生命とそれから日本郵政は新商品の開発をしていたんですが、それがばっさりと切られてしまいまして、二〇一三年の七月二十六日に日本郵政は、アフラックのがん保険をそれまで千の窓口で販売していたものを二十倍の約二万局で販売するという業務提携強化を発表したということであります。 これ、政府は今まで認めてこなかったわけでありますけれども、こういったTPPに日本が参加するときにアメリカからの要求をのまされたということは事実かどうかということだけ、一言だけお伺いしたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) TPPに参加するためには参加十二か国の同意を取らなきゃいけないと。ですから、日本が参加するときには十一か国の同意を取るということが義務付けられていました。 その中で、アメリカとの交渉の中でお互い何がセンシティビティーかという話合いが行われて、アメリカは自動車と、本当に自動車なのかなという思いはありましたけれども、日本は農産品の一部の中には非常に懸念を示すものがあると、それは交渉の中で勝ち取っていきましょうと。ただ、確かにアメリカは日本の参加に注文を付けられますから、そのときに自動車に関しては他の最長の期間と同等にすると。それから、マキシマムバックローディングといって、削減開始は極限まで引っ張っていくということに了解しなきゃ入れなかったわけです。 ただ、交渉の中で、マキシマムバックローディング、本当はアメリカは、最長が三十年のものがありますから、三十年まで関税引下げしないで三十年でどんとやりたかったんでしょうけど、これは徹底的にやれということで、交渉で、十五年から開始をし、二十年で半分になり、二十二年でほとんどなくなるということにしました。それから、部品については即時撤廃ということを徹底的にやって、これは韓米FTAよりもいい成果を取ることができました。 そういった入会をするときの各国の付けられた条件をクリアしなきゃならないというのは確かにありましたけれども、それ以降、相当タフな交渉をやってきたというふうに思います。 それから、軽自動車に関しましては、これは、国内の事業者からも実は、私のところなんか、あるメーカーからはもうこういう枠組みについてはどうなんでしょうかというようなことを言ってきたこともあります。そういう普通車と軽との関係も含めてバランスを取らざるを得ないということを税調が決めたということだと思います。 BSEについてはそれ以前から日米で協議をしていた課題でもありますし、保険については民間企業としての経営判断ということもあったんではないかというふうに思っております。
○徳永エリ君 国会議員の皆さんはほとんど御存じだと思いますけれども、米国の政府、米国の企業あるいはウォール街、こういったところから年次改革要望書というのを長年にわたって日本に対して出されております。 これは、米国の企業が日本に参入するときに障壁になる法律や制度、これを変えてくれと履行をアメリカから求められているというものなんですが、二〇一五年の年次改革書が今私の手元にあるんですけれども、それを見てみますと、牛肉のセーフガードのところで、二〇一四年、日本は米国産牛肉及び牛肉製品の最大の輸出市場のままであった、二〇一三年初めの更なる市場開放以降、米国からの輸出が顕著に増加したというふうに書かれているんです。これ、ちょうどこのTPPに参加する時期、いわゆる前払と言われた頃でありますよね。 それから、保険に関してもですけれども、かんぽ生命のところに、二〇一三年七月、日本郵政とアフラック社はアフラック社のがん保険商品を取り扱う郵便局数を増やすための包括的な業務提携に合意した、その結果、二〇一四年末までにアフラック社のがん保険商品を取り扱う郵便局は千局から一万百局以上に増えた、こういうふうに書かれているんですね。 アメリカから毎年出されている、法改正や規制改革を履行しろと要望されている、この中に書かれてありますから、このことをまさにTPPに日本が参加しようとしたときに前払としてのんだ、前払を払ったと、入場料を払ったということだと思います。 そして、さらにTPPには後発参加国の不利な条件があって、交渉の内容が日本にとって不利なものであっても、後から参加したので合意済みの部分を蒸し返さないとか、それから、TPPは交渉の最終内容は公開するけれども、交渉過程の内容については発効後四年間秘密にする、公開はしないというような約束事もあるのではないかというふうに言われております。 さて、甘利大臣にお伺いいたしますけれども、私もアトランタの交渉会合に行ってまいりました。今まで、ブルネイ、シンガポール、そしてハワイ、アトランタと行ってまいりまして、これまでずっと二〇一一年から国際NGOの方々とかそれから交渉関係者の方々と情報交換をしてまいりました。 今回アトランタに行ったときに、アトランタでカナダの交渉関係者の方とお話をさせていただいたんです。そうしましたところ、最初の閣僚会合のときに甘利大臣から、今回何が何でも大筋合意をするんだと、今回まとまらなかったらもうTPPは漂流するんだと、そういうふうに言われたと。その十二か国みんな、一日も早く交渉を合意させなければいけないということは共通の認識ではあるけれども、どうして日本はこんなに大筋合意を急ぐんだというふうに言われたんですね。交渉はやはり中身が問題だと、まだ細かいことが詰まっていないのに大筋合意を急ぐと、大筋合意という結果が今回出たらこれは最悪のシナリオだというふうにおっしゃったんです。 これを受けて、甘利大臣、どうお考えになりますか。
○国務大臣(甘利明君) それ、カナダのよっぽど下っ端の人とお話しされたんだと思います。 交渉を最大急ぎたかったのはカナダなんです。なぜならば、もう選挙戦に入っちゃうと。ハワイの会合のときに、最後に立ち上がったのがカナダの大臣なんです。何て言ったかというと、このままやめちゃうのかと、まだ日はあるじゃないか、なぜ続けないとアメリカに食い下がったんです。フロマン代表は、もう案件がこれは一日や二日では無理だというんで、ここでさっと引いちゃったんです、珍しく。それに対して一番抗議をしたのはカナダなんです。 私は、カナダが途中から交渉遅いんで、わざと急がせる意味で、カナダが原因、カナダは付いてこれなくなるかもしれぬと。私の発言って必ずばあっと外へ出ますから。そうしたら、カナダは猛烈に加速をしてきたんです。だから、私は途中で、カナダが原因で壊れることはないと言ったんです。そうしたら、カナダ側は非常に喜びました、そう言ってくれてと。我々の真意が伝わった、我々はこの席で決着を付けるつもりだと言ってきました。カードもばんばん切ってきました。だから、カナダが交渉を遅らせるということは政権が替わっちゃうということですから、アトランタの場合も、とにかく投票日が迫っている、そこで決着をしなければということで、非常に強い思いを持っていました。 ですから、カナダの担当者がそんなことを言ったというのは、そのトップの意思が通じていないんだというふうに思います。
○徳永エリ君 いや、私はそう思いませんね。(発言する者あり)そうですか。 それともう一つ、こんなふうにも言っていました。TPPに日本が参加するメリットは自動車だろう、ただ、日本はもう既に自動車のカードを切ってしまった、唯一の日本のメリットである自動車のカードを切って、日本がTPPに参加する意味がどこにあるんだろうというふうにもおっしゃっていました。このことだけお伝えしておきたいと思います。 それから、大筋合意ということですけれども、これ、まとまれば合意ということになりますよね。この大筋合意というのは、TPPには、この交渉の内容ですけれども、二十一分野三十章ということでありますけれども、このそれぞれの章が大体大筋でまとまりましたよ、細かいことは残っていますけれども、まあまとまりましたよということなのか、それとも、主要な国は大体合意していますけれども、まだ幾つかの国が合意に至っていないんだということなのか、この大筋合意の意味をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) 合意をしたということです。今何をやっているかといいますと、法的、実務的作業を行っているんです。それは英語で言うとリーガルスクラブと言うんですね。それは日本的に言い直すと内閣法制局の作業みたいなことをやっています。 ですから、それが済めばきちっとした案文として決着をするわけでありますから、全く、決めなきゃならないことが残っていて、それを決めないと国会にかけられないということではなくて、国会にかける姿にするために法制局的処理をしているということです。
○徳永エリ君 それから、十一月五日にTPP協定のテキスト、暫定案文が公表されたというお話はいたしましたけれども、TPPのこの暫定案文という言い方についてもどういうことなのかということなんですが、これが最終的な協定文になるのか、正式な協定文になるのかということがよく分かりません。もしこれが暫定案文で最終的なものでないとしたら、今後、問題点の修正とかそれから再協議が行われることも考えられると思うんですが、ただ、USTRは再協議をしないとおっしゃっていますし、甘利大臣も再協議はしないというふうにおっしゃっていると思います。 となると、これ暫定案文というふうになっていますけれども、このテキストが正式なテキストだというふうに理解してよろしいんでしょうか、それとも、これからまた新たなものが出てくるということなんでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) 申し上げましたように、法的、技術的精査、リーガルスクラブ、つまり法制局的処理をしているわけですから、これが法制局処理を終わって確認が取れ次第、正式なものになるということでありまして、これから最終的にできたものが違ったものになるということはありません。
○徳永エリ君 それでは、これが最終的な協定文だというふうに理解してよろしいということですか。
○国務大臣(甘利明君) でき上がっている文書は法的、技術的な精査がなされていませんから、その法的、技術的精査をすると。きちっとした条文にするために内閣法制局的な処理をしているということであります。
○徳永エリ君 それでは、その法制チェックをする中で問題が出てきた場合には修正ということも考えられるということですか。
○国務大臣(甘利明君) 内容の修正というよりも、法的、技術的処理から、こういう表現はこうではないかみたいなことになるんだと思います。 もし詳しいことがあれば事務方から答弁させますが。
○委員長(岸宏一君) どうしますか。
○徳永エリ君 またそれは後日お伺いしたいと思います。 それで、TPPの今後のスケジュールなんですけれども、米国のオバマ大統領も五日に米国議会に協定文に署名する意向を通知したということであります。 これがTPPの今後の流れなんですけれども、今、法制チェック、リーガルスクラブをしているというふうにおっしゃいましたが、十二か国で正式な協定文が作成されます。そして、これから各国で承認手続が始まって、十二か国がそろってこの協定文に署名をしてから、それから各国で審議をして承認手続に入るという形になります。そして、それぞれの国が順次批准をしていって、承認されて批准がされれば発効という形になるんだと思いますけれども、日本の今後のスケジュールについて今決まっているところを御説明いただけませんでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) まだ日本は、リーガルスクラブが済んで、そして、署名しないとこれは発効しませんからね、署名要件がそろった時点で、まあどこかでセレモニーがあるのかもしれませんけれども、それ以降、国会に提出して国会の承認を得る手続に入るということです。それは私が決めることじゃないんですけれども、政府が決めることですが、合意が調い次第、署名ができ次第、できるだけ迅速な国会提出になるのではないかと思います。
○徳永エリ君 来年の通常国会では承認手続を行うということでよろしいんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まだこれは日程的に明らかになっているわけではございません。合意はいたしましたが、まだ法的、技術的な処理が残っておりますし、そしてまた、これは各国首脳において言わば例えばTPPの首脳会合のようなものを最終的に開く必要等もあるかもしれませんし、そうしたことも含めて日程等についてはまだ検討している最中であります。
○徳永エリ君 それから、ニュージーランドから公表された協定案の最後に、この協定は、英語、フランス語、スペイン語を正文とするとあるんですけれども、米国と一緒にTPP協定を主導した日本の言語が正文にならないというのはどういうことなんでしょうか。TPPが日本の多くの法律や制度に影響を与える以上、日本語でなければ日本の社会制度と国民生活を守れないのではないかというふうに思います。 これ、お願いなんですけれども、日本語も協定の正文にするということを要求するということはできないんでしょうか。
○政府参考人(澁谷和久君) 私からお答え申し上げますが、通常こういう多国間の協定の場合に、英語だけではなくて、フランス語、スペイン語が正文であるというのは割と一般的なことでございます。 我が国は、他国と結んだこういう通商協定だけではなくて条約全て、国会にお出しする際は日本語の条文という形で国会に提出させていただきます。 先ほど大臣がお話ししたとおり、署名までの間に条約の協定文を確定いたしますので、その確定したものの日本語を付けて国会で御審議いただくということになると思います。
○徳永エリ君 それから、利害関係の強い二国間で交わされた交換文書、サイドレターについてお伺いしたいと思います。 自動車の非関税措置に関する書簡の概要を読むと、自動車貿易に関する並行交渉の妥結を確認するとともに、日米両国についてTPP協定が発効するときまでに日本がとる自動車関連の非関税措置等を記す文書となっています。 つまり、日米の並行協議で決まったことは、TPPが発効しようがしまいが関係なく、すぐにできることからやるということでよろしいんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の書簡ですが、今委員の方から紹介がありましたように、自動車貿易に関する日米並行交渉の妥結を確認するとともに、TPP協定が日米両国について効力を生ずる日までに日本政府が実施することを決定した自動車関連の非関税措置を記した法的拘束力を有さない文書、このように位置付けられています。 そして、御質問のこの発効とそして内容の実施との関係ですが、これ、あくまでTPP協定が効力を生ずる日までに日本政府がとる措置を記したものでありまして、TPP協定が効力を生じない場合においては、日本政府がそれらの措置を全て実施することまでを記したものではないと解されております。
○徳永エリ君 それからさらに、今回配付された交換文書の保険等の非関税措置に関する並行交渉で、保険、透明性、投資、知的財産権、規格・基準、政府調達、競争政策、それから急送便及び衛生植物検疫の分野に取り組むこととされたことに関して日米両政府の認識等について記す文書とされています。 気になるのは、投資のところで、規制改革について、日本国政府が外国投資家等から意見及び提言を求め、関係省庁等からの回答とともに規制改革会議に付託し、同会議の提言に従って必要な措置をとるということになっています。 規制改革会議は総理大臣の私的諮問機関ですよね。そして、委員は企業のトップの方々で構成されているわけであります。 なぜ規制改革会議が政府に対して提言できる権限を持つのか、その点についてお伺いをしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 規制改革会議では、学識経験者のほか、弁護士や企業経営者、マスコミ、シンクタンクなど、幅広い分野から優れた識見を有する方々を委員として任命をしています。また、関係する分野の現場に近い方に専門委員として議論に参加をいただいているほか、関係省庁等からも十分なヒアリングを行っています。 このように、規制改革会議においては、委員のみならず、課題に応じて参加する専門家や関係省庁などを含め、規制改革について適切な提言が得られるようバランスの取れた選定が行われていると承知をしておりますので、この場で議論することがふさわしいと考えております。
○徳永エリ君 規制改革会議は企業のトップの方々が委員だというふうに申し上げましたけれども、これまでも、農林水産委員会でもそうなんですけれども、規制改革を考えるときには、企業の方たちだけではなくて、やはり農業者とか、それから労働者だとか、例えば教育関係者だとか医療関係者だとか、やはりその専門家、現場の方の声をそこに入れていかなければならないと思うんですね。是非とも規制改革会議の中にそういった方々の声を反映させる仕組みというのを今後考えていただきたいなというふうに思います。 それから、先ほど年次改革要望書のお話をいたしましたけれども、二国間の交換文書の中の今の保険のところですけれども、衛生植物検疫、SPSというところがあります。このSPSのところを見ますと、両国政府は、収穫前及び収穫後に使用される防カビ剤、食品添加物並びにゼラチン及びコラーゲンに関する取組につき認識の一致を見たとか、それから、収穫前及び収穫後に使用される防カビ剤について、農薬及び食品添加物の承認のための統一された要請それから審議の過程を活用することにより合理化された承認過程を実施するとか、そういうことが書かれているんですよね。 これ、食の安全、安心という部分において、年次改革書を見てみますと、年次改革書でも、やはりこの衛生植物検疫について日本に対して履行を要望されていて、例えば、この食品添加物のところでは、二〇〇二年に日本が承認プロセスを加速するとした四十六品目の食品添加物について、四品目を除き全てが承認された、米国は残り四品目に係る審査を完了するとともに、将来の全ての食品添加物の審査プロセスを迅速化するように求めているというふうに書かれているんです。 この交換文書の中では、この食品添加物に関しても、我が国において未指定の国際汎用添加物について、原則としておおむね一年以内に我が国の食品添加物として認めることを完了することとした二〇一二年の閣議決定を誠実に実施するというふうに書いてありまして、やはり米国の企業からの要求を今回のTPPの中でも相当のんでいるということが伝わってくると思います。 それで、このTPPの協定文書を見ていると、具体的に分かることもあるんですけれども、抽象的で、よくその調査分析をしなければ分からないこともたくさんあるんですが、私は、この年次改革要望書で米国が日本に対して要求していることをしっかりと見ていくと、今後このTPPの中でもどういうことが起きるのかということが分かるのではないかというふうに思っています。 そして、ともすると、この年次改革要望書がTPPに変わるのではないかと。今までは、米国から要望されて履行を求められてきたという形ですが、これからは、そのTPP参加国の中で合意をしたから法改正や規制の緩和、撤廃というのを企業のために行っていく、そういう形になるのではないかということを大変に懸念しておりますが、その点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) まず、SPS協定については、日本は今の制度を変えることは全くありません。日本の科学的見地に基づいた審査過程によって対応すると、これは全く変わりません。 それから、TPPの中では、再協議事項というのは、関税に関するステージング、関税に関すること、あるいはセーフガードとか、あるいは関割りとか、その種のことに限られておりまして、それ以外を再協議協定の中でやるということはありません。
○委員長(岸宏一君) 徳永エリさん、時間でございます。
○徳永エリ君 時間になりましたので終わりたいと思いますけれども、今この環太平洋パートナーシップ、TPP協定交渉参加に関する衆参の農林水産委員会の決議文をここに出させていただきました。この赤字のところなんですけれども、関税もそうですし、それから今申し上げましたSPSの残留農薬や食品添加物の問題、それからISD条項も入りました。それから、重要五品目の聖域を確保するということですが、これ、ちょっと時間がなくて聞けませんでしたけれども、確保できているのかということも疑義があります。 こういった衆参の農林水産委員会の国会決議に違反していないかどうかということに関してもこれからしっかりと委員会の中で議論をしていきたいと思いますので、最後になりますけれども、やはり時間がありませんので、TPPに関連する委員会もこれから審議をしていかなければなりませんので、是非とも臨時国会を開いていただきたいということを強くお願いをさせていただきまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で徳永エリさんの質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、小川敏夫君の質疑を行います。小川敏夫君。
○小川敏夫君 民主党・新緑風会の小川敏夫でございます。 まず、総理にお尋ねいたします。 憲法の規定にのっとって、私ども、臨時国会の開会要求をしておりますが、総理は応じておりません。憲法無視、議会制民主主義無視、大変にひどい対応だと思っておりますが、実は、総理、平成二十五年六月二十四日、この参議院の予算委員会、ここで、予算委員会は総理に対して出席要求をした委員会を開催したにもかかわらず、総理は出席しませんでした。国務大臣も出席しなかったことがあります。憲法の規定では、国会から出席の要求があったら出席しなければならないと憲法に明記してあるにもかかわらず、国会から求められても欠席したことがございました。 この二年前の予算委員会、なぜ国会から出席を求められたのに欠席したんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 憲法第六十三条は、内閣総理大臣その他の国務大臣は、議院から答弁又は説明のため出席を求められたときは出席しなければならないと規定しておりますが、病気その他出席しない正当な理由がある場合は出席しないことも認められていると解されています。 御質問の平成二十五年六月二十四日の参議院予算委員会に関しましては、委員長から国務大臣等の出席要求が行われた件については、与野党の協議で合意されたものでなく、これに加えまして、参議院議長に対する不信任決議案も提出をされ、その処理もなされていない状況にあったことから、政府としては出席を見合わせたものでありまして、これは正当な理由に当たるものと解しているところでございます。
○小川敏夫君 全く正当な理由に当たりません。 委員長が出席要求をした後に、自民党の方で、与党の方で議長の不信任を提出した事実はありました。しかし、議長の不信任が出たから予算委員会の審議が止まるわけではありません。まして、国会で議長の不信任が出た後、審議をするかしないかを決めるのは国会であります。政府が決めることではありません。その国会が、議長の不信任案が出てもなお予算委員会を開会する、総理に出席要求を求めたんですから、総理のその説明は全く理由になりません。 もう一つ、与野党の協議ができていないから。与党は何回も何回も強行で、委員長職権で開いてやっているじゃないですか。なぜこのときだけ総理、あなたは出てこなかったんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今二つ理由を申し上げたわけでありまして、一つは、与野党の協議で合意されたものではなく、これに加えまして、先ほど申し上げましたように、参議院議長に対する不信任決議案も提出をされていて、その処理もなされていない状況にあったと、こういうことでございますから、こうしたことから政府としては出席を見合わせたものでございます。
○小川敏夫君 同じことを二回言われてもね。 いずれにしても、安倍総理の憲法無視、議会制民主主義無視ということがはっきり分かりますが。まあ二年前の予算委員会を今開けと言っても無理ですから。 でも、臨時国会の開会要求は今のことですから、総理、臨時国会を開催してください。もう一度お願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 一般的な考え方を申し上げれば、臨時国会の召集要求について定める憲法第五十三条後段は、「内閣は、その召集を決定しなければならない。」と規定するにとどまり、召集時期については何らこれは触れられていないわけでありまして、当該時期の決定をこれは内閣に委ねているわけであります。 現在、この憲法の趣旨を念頭に、国会で審議すべき事項等を勘案しつつ、その召集について様々な検討を行っているところでございます。
○小川敏夫君 総理、そんな勝手な理屈を言わないでくださいよ。いついつまでに開けということは憲法に書いていないけれども、当然それは速やかにということですよ。当然応じるということを前提に憲法は規定しているんです。 安倍総理の、憲法を無視して臨時国会を開かない、まさに、丁寧に説明すると常々言っている安倍総理のその姿勢、言葉が、実は言葉だけだったという姿勢がよく分かりました。 次に、質問を変えます。 中谷防衛大臣にお尋ねしますが、先月ですか、韓国に訪問して韓国の防衛大臣と会談をいたしました。その際に、日本の平和安全法制について説明して、そして他国の領域で自衛隊が活動する場合には、他国の、その当該国家の同意を得ると、こういうような方針を確認したということでございますが、そういうことでよろしいでしょうか。(資料提示)
○国務大臣(中谷元君) 十月の二十日に、韓民求韓国の国防部長官と、間で日韓の防衛相会談を実施をいたしまして、平和安全法制の内容を含めて率直な意見交換を行ったわけでございます。 共同のプレスリリースも発表いたしまして、委員が御指摘のように、日本の平和安全法制について、他国の領域で自衛隊が活動する場合においては、国際法に基づいて当該国家の同意を得るということが日本政府の方針であるという立場を再度確認をいたしましたところでございます。
○小川敏夫君 ここで他国の領域でとなっていますが、当然これは韓国を想定してのこの言葉だと思いますが、そういうことでよろしいですか。
○国務大臣(中谷元君) 私が申し上げましたのは、他国の領域で自衛隊が活動する場合には、国際法に基づき当該国家の同意を得るというのが日本政府の方針であるということ、そして、いずれにせよ、北朝鮮の対応につきましては、日韓そして日米韓で緊密に連携して十分に協議をしていくことが重要でありまして、この点につきましては日韓で認識の相違はないということでございます。
○小川敏夫君 今の答弁からも北朝鮮というようなお話が出ました。ここで言う他国の領域が、やはり韓国を想定ということを認めていただいた答弁と思いますがね。 そこで、日本のこの平和安全法制について説明した、これは、存立危機事態、これも当然中に含まれているわけでございますね。
○国務大臣(中谷元君) 今般、一連の平和安全法制等について説明をいたしまして、その間、国会でも御議論がありましたけれども、その内容、また、その趣旨、目的などを説明をいたしたということでございます。
○小川敏夫君 ですから、存立危機事態も含まれているわけですね。当然だと思いますが、そうですね。
○国務大臣(中谷元君) それも含めてでございます。
○小川敏夫君 ですから、存立危機事態も含まれていると、そして他国の領域で自衛隊が活動する場合と。そうしますと、存立危機事態において想定された韓国の領域で自衛隊が活動する場合には韓国の同意を得ると、こういう趣旨になるわけでございますが、そういうことではないですか。
○国務大臣(中谷元君) 一般的に、海外における海外派兵、これは禁止をされておりまして、そういう場合におきまして、自衛隊の活動等については国会で御議論をされたとおりでございます。 こういった点において、朝鮮半島の情勢等につきましては、これは韓国、そして日米韓、これで緊密に協議をし、連携をして行動していくということでございまして、こういった重要影響事態等を念頭に置いたことでございます。
○小川敏夫君 重要影響事態を念頭に置いたと。でも、存立危機事態、これは含まれているというんだから、当然、存立危機事態も入っておりますね。
○国務大臣(中谷元君) それは後方支援の話でございます。従来、武力攻撃事態、また、今般議論をいたしました、こういった存立危機事態等におきましても、これは憲法上認められた行動でございますし、その点の認識は一緒であるというふうに考えております。
○小川敏夫君 存立危機事態は後方支援じゃないでしょう。武力攻撃ですよ。武力行使ですよ。 今日は、臨時国会開いてくれない、予算、質問時間が非常に短いので、たくさん聞かなくちゃいけないので、端的に私が抱えている問題点、今の問題点を総理にお尋ねします。 この法案の審議の際に総理はこのように言っておりました。他国の領域で武力の行使をするということは、いわゆる海外派兵は一般に憲法で禁止されていると。ただ、ホルムズ海峡の機雷掃海は極めて例外的で、消極的な活動であるから許されるんだと。そして、ここからが大事なことなんです。他国の領域における武力行使で念頭にあるのはこのホルムズ海峡の機雷掃海だけであって、それ以外のことは全く想定していませんと、このように明確に繰り返し答弁しました。 しかし、どうですか。もう先月に防衛大臣が韓国に行って、存立危機事態のこの武力行使を含む、このことについて、韓国を含む他国の領域に入る場合にはその国の同意を得る必要がありますということで、もう想定しているじゃないですか。答弁が違いますね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、中谷大臣が答弁をされた日韓の防衛相会談について、私も記録を読んでおりますからちょっと補足をさせていただきますと、小川委員の説明に対して、平和安全法制について中谷大臣は説明をしたと、こういうことでございますね。平和安全法制について説明をいたしますから、それは全般にわたって説明をされています。その中には当然、存立危機事態も入るということであります。 他方、受入れ国の同意が必要であるという説明については、これは重要影響事態の説明でありますから、言わば、それと今意図的に混同されておられますが、中谷大臣が説明をした、まさに説明をしたというのは、平和安全法制全体について最初説明をしたというふうにおっしゃったわけでありまして、私も記録を読んでおりますが、その全体について説明をしておりますから、PKOに関わる部分も存立危機事態に関わる部分も全部を説明をしておりますが、そして、中谷大臣は端的に答えられましたからちょっと混同されたかもしれませんが、言わば重要影響事態についての対応については当然受入れ国の同意が必要であると、こういう説明をしたということでございます。
○小川敏夫君 私が意図的に混同させたなんというのは大変失礼な話で、別にこの声明文で後方支援する場合にはなんて書いていないじゃないですか。自衛隊が活動する場合にはと。自衛隊の活動の中には存立危機事態の武力行使が当然入る話ですから、この文章を読めば、当然、存立危機事態の武力行使を韓国の領域でするということに読めるじゃないですか。私が混同しているんじゃないですよ。 まあ、答弁聞きましたから、今日は時間がないのでまた別の質問に行きます。 アベノミクスについて、今日は日銀総裁にお越しいただきました。大変お忙しいようなので、ちょっと順番を先に質問させていただきますが、二%の物価目標、これは達成できていないんですが、そうすると、これ、アベノミクスは失敗したというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 御案内のとおり、日本銀行は二%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現するということにコミットをしております。こうしたコミットメントは人々のデフレマインドを転換し、予想物価上昇率を引き上げるということでありまして、言わばデフレ脱却という目的そのものであると同時に、それを実現する上での言わば起点であるというふうに言えると思います。そうした下で、企業や家計の物価観は大きく変化をしてきております。 今回の展望レポートで、確かに二%の達成時期が二〇一六年度前半頃から二〇一六年度後半頃に後ずれをしたわけであります。これは主としてエネルギー価格の下振れによるものでありまして、企業収益が過去最高水準まで増加する下で、労働需給も非常にタイトになっておりますので、賃金も緩やかに上昇しているということでありまして、物価の基調は着実に改善しておると思います。 先行きにつきましても、物価の基調が着実に高まり、原油価格下落の影響が剥落するに伴って二%を実現していくというふうに見ておりまして、日本銀行としては、二%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現するために量的・質的金融緩和を着実に推進していく所存でございます。
○小川敏夫君 何か苦しいお話を聞いたように思いますが、一つ一つのことを議論するとまた時間が足らないので、安倍総理が臨時国会開いてくれないので細かい議論はできないんですけれども。 何か、日銀総裁の二年前の異次元の金融緩和といってぱあっと株が上がっているときの自信に満ちた自信満々の表情に比べると、今は何か余り元気がなくて、失敗したというような顔に見えるので、何か日銀総裁の表情にうまくいっていないことが出ているような感じがするんですがね。 何か物価目標が達成できないのが原油のせいだみたいなことを言っていますけれども、例えば直近の九月ですと物価上昇は〇・一%、原油が下落したことによる物価の下落は、数字にするとということですと、日銀に聞きましたら〇・九%だと。じゃ、原油の下落がなくたって一%、つまり目標の半分しか行っていないわけですから、原油のことだけで目標が達成できていないわけでありまして、まして、アベノミクスって原油の価格が下がったらそれで壊れるような、そんなもろいものだったのかと、そんな感想さえ持ってしまうわけでありますがね。 日銀総裁、異次元の金融緩和という世界に私ども国民を引っ張っていってくれたわけですけれども、いつ元の世界に戻してくれるんでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 量的・質的金融緩和を導入いたしましたのは二〇一三年の四月でありまして、そのときから一貫して申し上げておりますけれども、二%の物価安定の目標を実現し、それを安定的に維持、持続できるようになるまで量的・質的金融緩和を持続すると、こういうふうに申し上げております。 今の時点で、いわゆる生鮮食品を除く消費者物価の上昇率はゼロ%近傍で推移しておりますが、エネルギー項目を除きますとプラス一・二%というのが一番直近の数字でありまして、そういう意味ではまだ道半ばというところでありますので、当分の間、この量的・質的金融緩和を続けていくと。 いつ出口でどうするということは、今申し上げたようにまだ道半ばでありますので、二%の物価目標の実現に向けて着実にしっかりとこの量的・質的金融緩和を進めていくということに尽きると思います。
○小川敏夫君 アベノミクスの中心の金融緩和、二%目標、道半ばだと。道半ばのままにして、一億総活躍社会なんという新しい目標も出てきちゃって、じゃ、結局何だ、もううやむやになっちゃうんじゃないかと思うんですが、また、その金融緩和について、私は根本的な疑問を述べさせていただきます。 金融緩和、具体的には、日銀が金融機関が持っている国債をどんどん買い込むと。で、金融機関が持っている国債をどんどん買い込むから、その買い込んだ代金を日銀が金融機関に払うと。そのことによって資金が日銀から民間に回ったと言うんだけど、その銀行に行ったお金が実は設備投資とかそういったところに回らないで、またそっくりそのまま日銀に当座預金でお金戻っちゃっているんですよ。それがこの表です。 見てください、安倍政権が発足してからどんどんどんどん日銀が国債を買い込んで、どんどん日銀からお金が出ている。お金が出ているんだけど、その金融機関に行ったお金がまた同じだけ日銀の当座預金に戻っちゃっているわけで、単なる見せかけのゲームであって、まさに実体経済に何にも反映していないじゃないですか。結局、実体経済に何にも生きていないから、物価目標なんて目標も達成できないわけですよ。 すなわち、私が常々言っているように、アベノミクスなんていうのは言葉だけのアベノマジックだと言っているわけで、日銀総裁の言葉尻を捉えるようで悪いですけれども、デフレマインド、マインドが変わったという、気持ちが変わっただけで、実体が変わっていないのにマインドが変わっただけであると。まさにこれ、手品、マジックの類いじゃないですか。気持ちだけじゃないんですよ、実体を良くしてもらわなくちゃ困るわけです。 実体経済の中で特に雇用の問題が私は一番中心だと思います。これから雇用の話をお話ししますが、金融の話はこれで終わりますので、日銀総裁、これ以上質問はありませんので、お忙しい中お越しいただきまして、退席していただいて結構でございます。
○委員長(岸宏一君) 黒田日本銀行総裁は御退席いただいて結構です。
○小川敏夫君 今、この資料ですが、実質賃金指数の推移、アベノミクスのこと、直近のことはまた別の機会に、後でまたお尋ねしますけれども、大きな流れでこの勤労者の実質賃金が平成十年から下降をたどっていると。これは厚生労働省の勤労者統計に基づく数字です。 私はお尋ねしたい、なぜ勤労者の実質賃金が二十年近くの間下がり続けているのか。なぜ勤労者の実質賃金が下がり続けているのか。この根本原因について総理はどのように把握されていますか、お考えですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 実質賃金指数が安倍政権になって下がっているではないかと、こういう御指摘がございました。確かにそれはそのとおりでございます。では、なぜ下がるのかということであります。 安倍政権になって百万人雇用者は増えました。しかし、百万人増える中でいきなり、いきなりこれはみんなが、残念ながら全員が正社員になって高い給料をもらうというわけではないわけであります。しかし、ゼロから例えば年収百万円、百五十万円でスタートされますから、その平均値を取っていけば当然それは下がっていくということになるわけでありまして、これは景気回復期においては常にそうであります。言わば、そこで大切なことは、では、みんなの稼ぎがどうなったのか、この三年間、みんなの稼ぎはじゃ足したらどうなのかということであります。 新たに働き始めた人が収入を得る、今ゼロだった人が百万、百五十万と、こうなっていくわけでありますから、そういう人たちの収入も足していくもの、それは、みんなの稼ぎとして見ればそれは実質総雇用者の指数になるわけでありまして、これこそがまさに正しい実際の実体経済を見ていく中において、ゼロだった人が働き始めるわけでありますから、当然、これはやっぱり、これも勘案することがとても大切ではないか。これはまさに……(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 静粛にお願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、私が反論したら、反論を遮るためにやじを飛ばすのはやめてもらいたいと思いますが。 そこが大切なところなんですが、景気を良くしていかなければ働く人の数は増えない。ですから、その働く人の数が増えた実数を見るためには、総雇用者所得、その中でも実質を見ていく必要がありますが、それを見ていきますと、指数、二〇〇〇年を一〇〇としますと、この数字を見ると、二〇一三年には一〇三・四、ここ二十年でこれ最高、最高でございます。消費税率を引き上げた二〇一四年でもこれ一〇一・九になっているということでございまして、実質総雇用者所得の指数について、安倍政権下の二〇一三年と二〇一四年の平均は一〇二・六五ということになっていると、こういうことでございます。 これは、民主党政権ともこれは同じでございますが、しかし我々のときは三%消費税率を引き上げてありますから、言わば、これを乗り越えて同じ水準になっているということは申し上げておきたいと思います。
○小川敏夫君 私は、安倍政権の間のことを聞いたんじゃなくて、平成十年以降実質賃金が下がっている、この状況についてどのように問題意識を持っているのか、どのように考えているのかということをお尋ねしたんです。 安倍総理が答えましたんで、一言でおっしゃりますけれども、その部分についてだけまず反論させていただきますと、働く人が増えた増えたと言うけれども、確かに増えていますけれども、増えているのは、百万人増えているけど、非正規雇用が増えているんですね。それから、特にこれからの日本あるいは今の日本を支える二十五歳から四十四歳までの層を取ると、正規雇用が減っているんです。 ですから、ただ単にこの働く人が増えた、雇用者人口が増えた増えたということだけを成果にされては困るんで、実は雇用の中身が劣化している、私はそのことを指摘したいと思います。これが安倍政権の三年間の実態です。 では、質問に戻ります。 安倍政権、安倍さん、総理、私が聞いているのは、この二十年近く、我が国では勤労者の実質賃金が低下している、この現象についてどのように把握し、その原因はどのようなことだと思いますかと聞いているわけです。なぜ聞くかというと、原因が分からなきゃ対策打てないわけですよ。だから聞いているわけです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、正規が減っているではないかということでありますが、昨日発表された数字を見ますと、とうとうこの正規についても増えているわけでございます。二万人増えているわけでございまして、これは、例えば、民主党政権下においても、民主党政権下、九年と一二年、政権が誕生してからは六十五万人正規は減っています。安倍政権のときには五十六万人減っていたのでございますが、今度とうとう二万人増えたということでありまして、我々の政策の成果が出てきたということであります。 今、グラフの十年以後の全体的な賃金の、実質賃金の減少でありますが、これはまあ名目、その時代、十年の当初には言えることでありますが、言わばGDP自体がこれは縮小、言わば名目においては縮小してきている中においては、賃金を増やしていくことは、当然それはなかなか難しいということではないだろうかと。ここで我々は、しっかりと経済を成長させていく、特に名目でもしっかりと成長させていくという軌道に乗せていく中において、我々は今、例えば昨年の冬のボーナスについては五・二六%でありました。これ、二十四年ぶりの高い水準になっているわけでございますし、そうした政策をしっかりと進めていくことによって、名目はもちろんでございますが、実質賃金も上昇していくような経済の好循環を回していきたいと、こう考えているところでございます。
○小川敏夫君 まず、総理の答弁について指摘させていただきますけれども、昨日公表された統計では正規雇用が二万人増えていると。確かに二万人増えておりますが、二十五歳から四十四歳までの間は五十二万人正規雇用が減っています。一番重要な働き手の世代で正規雇用が五十二万人減っているという事実があることを指摘しておきます。 本当に時間がないので私の方から答えを言ってしまいますけれども、なぜ二十年間、この勤労者の実質賃金が下がり続けているのか、このことについてその原因がどうかと聞いているんだけれども、総理から全くお答えがありませんでした。原因が分からなければ、それに対する解決方法もできないわけですよ。 私は、そこで述べさせていただきます。実は、派遣労働が解禁される、そのことが大きな原因ではないかと、すなわち、雇用の質がまさに非正規あるいは非正社員という形で置き換えられて低賃金化していったから実質賃金指数が下がってきたんですねと、私はそういうふうに考えております。それで、その一方で、では労働者を雇用している企業の方はどうか。働いている人の実質賃金はずっと下がり続ける一方、それと同じ時期に企業の内部留保、もうけの蓄積ですね、これはどんどん増える一方。私はこの異常な現象を是非とも解消していただきたい。 働く人の賃金を下げなければ企業が倒産しちゃうというんじゃないんです。働く人の給料を削った分、企業がたらふくため込んでいると、これが数字に出た状況ですよ。そして、なぜ、どうしてそういうことが起きたか。これは、派遣労働を中心としたこの雇用の質がどんどん働く人に不利益になっている。 ですから、今政治がやることは、しっかりと働く人の雇用を守り、賃金をしっかりと支えるということが私は今の一番大事な政治課題だと思いますが、総理、そういうふうに思いませんか。 私は総理の決意を聞いているんです、細かい話は結構です。総理の決意を聞いているんです。総理の決意を聞いているんです。もう時間がないんですから。国会開かないんだから。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 甘利大臣、ちょっと待ってください。 総理、どうぞ。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほども御説明をしたとおり、言わばずっとデフレが続く中において、これは縮小志向にあったのは事実であります。経営者もそうであります。この中において、そして、ずっと、企業はなるべく人員は削減をしていく、あるいは同時に低賃金で安いものを作っていくということに集中してきた結果でもあるわけでございます。 しかし、その中において、この安倍政権のときの段階における実質の賃金の平均については、これはまさに、先ほど申し上げましたように、百万人新たに雇用者が増えたという中において下がってはおりますが、しかしみんなの稼ぎはこれは増えてきているわけでございます。 大切なことは、好循環に入っていく上においては、企業が空前の利益を上げているのは事実でございまして、企業が利益を上げなければ、これは給与を払うことはできないわけでございます。なかなかこれデフレ下において言わば企業が収益を上げることができなかったのでございますが、やっとこれは収益を上げる、高収益を上げる状況になったという中において、しかしまだ経営者の中にはデフレマインドを持っている人たちがいて、それが人材や設備投資に向かっていかないという中において、我々は政労使の会議をやって、これは異例ではありますが、我々から、デフレから脱却をして経済の好循環を回していく上においてはやはりどうしても給料を上げていく必要がありますねと、それは消費の拡大にもつながっていく中においてそういうお願いをし、昨年、今年と上がったわけでございます。そして、更に来年も上げていきたいと。 我々が政権を取ったときは、例えばボーナスにおいても、二〇一二年は冬も夏もボーナスはマイナスだったんですから、しかしこの二年間はプラスに転じているわけでございまして、夏は三年連続でございまして、しっかりと、大切なことは、今給料を上げなければいけないというのは、これは小川委員と私は全く同感でございますので、しっかりとした、内部留保をため込んでいくのではなくて、企業がまさに人材や設備にしっかりと投資をしていくということが求められているんだろうなと、このように思います。
○小川敏夫君 景気を良くする良くする、それは良くしなくちゃいけないですよ。だけど、そのためには、例えばGDPにしても消費というものが占めるウエートが非常に大きいわけです。総務省が行った家計調査報告、今年の九月分です、速報です。消費は前年同月比実質〇・四%減少しております。勤労者世帯の実収入は実質一・六%減少しております。厚生労働省の毎勤統計ですと、実質〇・五%、九月は上がったという統計が出ていますけれども、厚労省の統計は五人以上の従業員を抱えている事業主の統計です。勤労者、この家計調査報告はもっと小規模の、まさに四人以下の事業所で働いている人も含めた収入です。やはり厳しい人にもっと厳しい状況がある、それがこうした数字に出ているんじゃないでしょうか。 私は、総理が臨時国会開かないんで、質問時間がほとんどないからもうこの点についての質問は終わります、総理の答弁は要りませんけれども。やはり日本の景気を良くするためには、消費を拡大するためには雇用を充実して賃金をしっかり上げなければならないということを指摘して、取りあえず午前中の質問はこれで終わらせていただきます。
○委員長(岸宏一君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十四分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(岸宏一君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 予算の執行状況に関する調査を議題とし、TPPを始め現下の政治課題に関する集中審議を行います。 休憩前に引き続き質疑を行います。小川敏夫君。
○小川敏夫君 引き続いて質問させていただきます。 高木復興大臣にお尋ねしますが、大臣が代表を務める政党支部から平成二十四年、二十五年、香典が支出されていますが、これはどういうことなんでしょうか。
○国務大臣(高木毅君) お答え申し上げます。 平成二十四年と二十五年に自民党福井県第三選挙区支部で選挙区内の者に香典を支出した旨収支報告書に記載があると、この御指摘かというふうに思いますが、これにつきましては、計八件記載がございます。いずれも、私がそれぞれ亡くなられた方へ葬儀の日までに弔問に行き、私個人の私費で出したものでございます。 私が弔問し、香典を出したものを収支報告書では担当者が政治団体の香典として誤って記載したことが確認できましたので、十一月六日にその旨、収支報告書の訂正をしたところでございます。
○小川敏夫君 ちょっとその説明を聞いても腑に落ちないんですけれども。大臣が自分のお金を私費でお支払いしたと。自分のお金を払ったんだったらそこでもう精算もなしに全部終わっているんだから、大臣、自分で払ったお金が精算も何にもない、全て完結しているのに、何で無関係な政党支部から支出の処理がされちゃうんですか。どうしてそういう誤りが、過ちが起きたのか、ちょっと説明してください。
○国務大臣(高木毅君) 事務所に私の私費とそれから政治団体のお金があるということでございまして、その辺りを取り違えたのだろうというふうに思います。
○小川敏夫君 そうすると、あなた自身が持っているお金じゃなくて、事務所の中にあなたの個人のお金と政党支部のお金があって、それであなたの個人のお金を持っていったものを間違えたと、こういう御説明ですか。
○国務大臣(高木毅君) そのように思います。
○小川敏夫君 じゃ、あなたは、葬式に行く都度事務所に寄って香典のお金を持ってきて、それから行くんですか。大体、普通、自分の財布の中から持っているお金を香典袋に包んで行くので、事務所になんか毎回立ち寄ることはないと思うんだけど、どうですか。
○国務大臣(高木毅君) 運転手なり秘書なりが事務所からそういったものを持ってきて、それを私が持っていくということでございます。
○小川敏夫君 ちょっと視点を変えますが、選挙区外も入れて、この政党支部からは二年間に九回お葬式の香典があるんですけれども、大臣は二年間に九回しかお葬式に出ないんですか。ほかにもお葬式出たことがあるんじゃないですか。
○国務大臣(高木毅君) 御指摘のお葬式は八回でございますが、ほかにももちろん出ることはございます。
○小川敏夫君 大臣もお付き合いが広いし、また政治家もされているからいろいろあるでしょう。この二年間で大体何回ぐらいお葬式出席しましたか。
○国務大臣(高木毅君) 記憶定かでありませんけれども、その八回以外にも出たということはあると思います。
○小川敏夫君 ほかにも葬式出ている。当然そのときも香典持っていっていると思うんですけど、そのときの香典はこちらの政党支部に含まれないで、何でこの件だけがこの政党支部の記載に、載ってしまったんでしょうか。
○国務大臣(高木毅君) 先ほど委員も御指摘いただきましたけれども、自分で財布から入れることもありますし、それからそういった事務所から持ってきたものを持っていくという、そういうパターンもあるということでございます。
○小川敏夫君 大臣が御自分で行くときは御自分で出す。事務所から持っていって事務所から、大臣が行かないで、お金出したから間違えたというような気もするんですが。まあ多分否定するんでしょうからいいですよ、私の考えだから。 それで、具体的にお尋ねしますが、平成二十四年十二月二十六日、これは選挙直後の特別国会の首班指名の日であります。大臣は議院運営委員会の委員であります。この日に行かれたんですか、この二十六日の香典の分の支出は。
○国務大臣(高木毅君) 二十四年十二月二十六日でございますが、これは安倍総理の首班指名の日でございます。もちろん私は東京におります。ただ、この御指摘の日付というのは、多分収支報告書の年月日の欄に記載されているものと承知しておりますが、事務所の関係者によりますと、香典については葬儀の日を年月日の欄に記載したものと聞いているところでございます。 いずれにいたしましても、私が葬儀の日までに弔問し、そして香典を出したということに間違いはないと思います。
○小川敏夫君 ちょっと先ほどと答弁の趣旨が違いますね。先ほどは、全て葬儀に出席して私費から香典を支出したと。今のお話ですと、葬儀の日には大臣は行っていない、ただ葬儀の日に合わせて支出をしたと、こういうふうに言っておるんで、最初の説明とちょっと違うように思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(高木毅君) 失礼いたしました。 先ほど、間違えたと思いませんけれども、葬儀の日までに、最初事実関係をお話ししたときに、亡くなられた方へ葬儀の日までに弔問に行き、私の個人で、私費で出したものですというふうに答えたはずでございます。
○小川敏夫君 この十二月二十六日は、葬儀にはあなたの御子息が出席して、それで御子息が香典を出したんじゃないですか。
○国務大臣(高木毅君) 繰り返しになりますけれども、この件につきましても、私が葬儀の日までに弔問をし、香典を出したと思います。
○小川敏夫君 もう少し具体的に言いますと、葬儀の日までにというふうなお話でした。 では、それは、お通夜、告別式ではなくて、それよりも前の日にあなたが弔問に行って、そのときに香典を置いてきたと、こういうふうに言っておるわけですか。
○国務大臣(高木毅君) お通夜の前もありますし、お通夜からお葬式の間もあります。いずれにしても、葬儀の前までに、葬儀までに私が行ったということでございます。
○小川敏夫君 平成二十四年十二月二十六日、安倍総理の首班指名の日のこの支出について聞いているんです。いかがですか。
○国務大臣(高木毅君) 二十四年十二月二十六日でございます。その件でございますね。 十二月二十三日にこの方はお亡くなりになられました。そして、二十六日が御葬儀でございますが、二十三日が日曜日、二十四日は祝日でございます。いつだったかはちょっと記憶は定かでございませんけれども、いわゆる、言うまでもなく、繰り返しになりますけれども、葬儀までに私が弔問をして香典を出したということでございます。
○小川敏夫君 一つの事実確認ですが、あなたが事前に弔問に行ったときに香典を渡した、で、私が質問しました、葬儀にはあなたの御子息が行って香典をお渡ししたんじゃないですかと、あなたのお名前の香典をお渡ししたんじゃないですかという事実を指摘しましたが、この指摘事実はないと、こういうことですね。
○国務大臣(高木毅君) 繰り返しになりますが、私が葬儀までに弔問に行き、そして香典をお渡ししたということでございます。
○小川敏夫君 息子のことはどうですか。
○国務大臣(高木毅君) 代理で行ったかは、それはちょっと記憶というんでしょうか、記録もございませんが、いずれにいたしましても、葬儀までに私が弔問に行ったということでございます。
○小川敏夫君 ですから、ここの欄に記載してある二万円は、あなたが弔問に行ったときに、あなたが渡したと、こういうことですね、あなたのお話は。
○国務大臣(高木毅君) はい、そういうことでございます。
○小川敏夫君 平成二十五年十一月二十七日の件ですけれども、これは、あなたが弔問に行ったのは葬儀の後ではないですか。
○国務大臣(高木毅君) 二十五年十一月二十七日の葬儀でございますけれども、二十二日金曜日から二十四日日曜日までは地元に滞在をしておりましたので、日付は明確では、記憶しておりませんけれども、これも葬儀の日までに弔問をしたということでございます。
○小川敏夫君 その香典もあなた自身が持っていったということですか。
○国務大臣(高木毅君) はい、そういうことでございます。
○小川敏夫君 話は変わりますが、やはりこういう葬儀の香典、これは私的でなくてはいけない。ですから、当然私費でなくてはいけないと思うんですが、例えば葬儀に関して弔電なんかを打ちますね、これなんかも当然私費で支出すべきだと思うんですが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(高木毅君) 弔電については、ちょっと今、私は存じ上げておりません。
○小川敏夫君 いやいや、大臣のこの政党支部の収支報告書で、平成二十三年に百十五万円余り、平成二十四年に百二十三万円余り、平成二十五年に百二十四万円余り、弔電の支出があるんですよ。やはりこれは、国民の税金が入っているこの政党支部の支出としては好ましくない。当然、私費で支出すべきものじゃないですか。
○国務大臣(高木毅君) そういうような考え方もあろうかと思います。しっかりと勉強させていただきたいというふうに思います。
○小川敏夫君 これは、弔電を福井新聞の新聞社にお支払いになっている。新聞社の方は、新聞に訃報を載せると、その載った訃報の方にもう頼まれなくても自動的に全部弔電を打つと、こういうサービスをやっている。こういうサービスを利用して、この福井新聞の記事に訃報が載った選挙区内の人には全員に自動的にあなたと面識がない方にも弔電を打っていた、こういうことじゃないですか。
○国務大臣(高木毅君) 弔電は心を込めて打たせていただいております。 今回、こういった御指摘を、マスコミから指摘を受けましたので、今御指摘のその弔電につきましても、そのほかの支出も含めて今事務所の担当者に再点検を指示しているところでございまして、仮に問題があるということであれば、法令にのっとり適切に処理をしたいというふうに考えております。
○小川敏夫君 単価はランクがあるので分かりませんが、弔電一通千円とすると、千二百四十通、一日三通も四通も弔電を打っているわけですよ。そうすると、この税金も入っている資金から、大臣が恐らく見知らぬ人もあるだろう、新聞に訃報が載った人には全部弔電を打つという支出は別に何ら反省することもないと、こういうお考えですか。
○国務大臣(高木毅君) 心を込めてお亡くなりになられた方に弔意を表しているというふうに私は思っております。 繰り返しになりますけれども、今そうした、要するに、こういったことについて指摘を受けましたので、ほかの支出についても事務所の担当者に再点検を指示しているというところでございます。
○小川敏夫君 悪いと思っているという話がないから、悪いと思っていないんですね。 話は変わります。 大臣が若い女性の家に勝手に入って下着を盗んだという週刊誌記事がありました。大臣は全く事実無根だというふうに言っています。 では、どの部分が事実無根なのか。すなわち、家には入ったけど、下着を盗んだという事実だけが無根なのか、家には入ったのか、どうですか、大臣。
○国務大臣(高木毅君) 週刊誌で報道されていること、そのようなことは事実はございません。
○小川敏夫君 家に入ったこともないということですね。
○国務大臣(高木毅君) 週刊誌で報道されていることについて、そのような事実はございません。
○小川敏夫君 週刊誌に書かれている女性、仮に下着を盗まれたのなら被害者でしょう、その被害者の女性を大臣は知っていますか。
○国務大臣(高木毅君) 先ほど来繰り返し申し上げておりますが、週刊誌で報道されていることは、そのような事実はありません。よって、当然知る由もございません。
○小川敏夫君 週刊誌で書かれている事実関係について、では、相手の女性も分からない、それから家に行ったかどうかも全く事実がない、もうすべからく完全に作り話のうわさの類いであると、こういうことですか。
○国務大臣(高木毅君) 先ほど来申し上げているとおり、週刊誌で報道されていることにつきましては、そのような事実はないということでございます。
○小川敏夫君 同じ文言を繰り返されても困るんです。じゃ、全くないと、まあ、被害者も存じ上げないと言うんだから全くの作り話だというふうに聞き取れますが。 では、なぜそのような名誉を毀損する犯罪者だと言われて、あなたは名誉毀損の手続を取らないんですか。出版社を名誉毀損で訴えたらどうですか。
○国務大臣(高木毅君) 出版社に訂正を求めたり、あるいは名誉毀損で提訴することについては、現在弁護士とよく相談して今後の対応を考えておるところでございますが、私といたしましては、今は与えられた復興大臣という仕事に全力を尽くして、復興を加速していくというのが私の職責だと思っておりますので、それを全うしていきたいというふうに考えているところでございます。
○小川敏夫君 大臣、告訴するかは弁護士と相談して決めることじゃないんですよ。あなたが決めたことを弁護士に頼めば弁護士はやるんですよ、仕事だから。あなたが決めることですよ。あなた自身は告訴する気はないんですか。
○国務大臣(高木毅君) そうしたことも含めて、今弁護士と相談をさせていただいております。
○小川敏夫君 これは、あなた一人の恥になるような話じゃないですよ。国会議員全員が恥ずかしい話ですよ、同じ国会議員の仲間が若い女性の家に入って下着を盗んだなんて書かれて。そう思いませんか。
○国務大臣(高木毅君) お騒がせしていることは申し訳なく思っております。
○小川敏夫君 私も、法務大臣になったときに週刊誌から事実無根のことを書かれました。すぐに名誉毀損の訴訟を起こして、既に事実無根だということで、私の方は二つ書かれたけど二つとも勝訴しています。 職務の専念について、名誉毀損の裁判を起こすことは支障にならないですよ。やはり、あなたがやっていないと言うんだったらやるべきでしょう。弁護士と相談する、ひょっとして、起こして事実が認められて負けたらまずいからどうしようかと相談している、そのようにしか思えませんけれども。 とにかく、あなたは、言ったことが一つでも間違えていたら、あるいはそうしたことが身の潔白を自分からしないのなら、潔く大臣を今すぐ辞職しなさい。そのことを述べて、私の質問を終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で小川敏夫君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、浜田昌良君の質疑を行います。浜田昌良君。
○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。 本日はTPP等についての集中審議でございますが、私からは、TPPそして復興、防災について御質問させていただきたいと思います。 まず、TPPにつきましては、これは今から二年半ぐらい前でございますけれども、二〇一三年三月十五日に我が国は参加表明をしたわけでありますが、翌日の新聞各紙にはこのような懸念が報道されておりました。例えば、国民皆保険制度が崩壊するとか、食品基準や表示制度、自動車安全基準も緩和されてしまうとか、また外国人労働者も大量に流入してくると、こういう懸念が報道されておりましたが、こういう農産物の輸入自由化以外の分野でも多くの表明された懸念、実際交渉を担当されました甘利大臣にお聞きしたいんですが、交渉の今回の大筋合意において現実のものとはならなかったということについて答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) いろいろな危惧が誤解によって生じていることは事実であります。一つ一つ説明をさせていただきます。 まず、我が国の国民皆保険制度、これが崩壊するというような心配をされる方があります。全くありません。社会保障及び社会保険等事業サービスを全体にわたって将来にわたり留保を日本はいたしております。我が国が保険、医療等の分野でいかなる制度改正を行ったとしても、TPP加盟国からその変更を求められることはありません。 それから、我が国の食品の安全、安心についてでありますが、遺伝子組換え食品制度、残留農薬や食品添加物の基準を含め、食品の表示、食の安全に関する我が国の制度が変更となる規定は設けられておりません。日本の食の安全が脅かされるということはありません。 そして、自動車の安全基準についてであります。日米並行交渉の結果、一部の日本基準に関して、対応する米国基準の方が同等以上に厳格であると日本側が認める場合に限りまして、その米国基準に適合している自動車を日本基準に適合しているとみなすことといたしました。これは我が国の基準を一切引き下げるものではありません。日本の安全を損なうものではありません。 我が国が約束をしていますビジネス関係者の一時的入国については、いわゆる単純労働者の受入れを義務付けるような規定は設けられておりません。 このように、幾つも心配が指摘されていますけれども、それらの点について、交渉の結果、TPP協定に対する懸念は解消されていると考えております。
○浜田昌良君 我が国がTPP参加表明をした背景には、当時、韓国と米国や、韓国とカナダ、こういう自由貿易協定、またヨーロッパとカナダの自由貿易協定、こういうのが先行していたという状況がございました。 そういう中にありまして、いわゆる現地生産に踏み切れない我が国の中小企業が輸出条件に相対的に不利な状況があったわけでございますけれども、今回、TPPの大枠合意の中で、大筋合意の中で、参加十一か国への工業品輸出額約十九兆円の九九・九%について関税が撤廃されると、こういう内容でございますけれども、これは先ほどの例を挙げました米韓FTA、また、カナダ、韓国、EU間のFTAに比べて遜色ない水準であるかどうなのか。 これについて経産大臣にお聞きしたいと思いますが、あわせて、経産大臣からは、関税が引き下げられても中小企業の輸出が自動的にできるわけではございません、やはり輸出開拓が必要でございますけれども、自動車部品やプラスチック部品、また陶磁器や繊維製品、こういう分野については協定上は関税は引下げになりますけれども、そのいろんな支援も必要と思います。 これらについて、経産大臣に取組についても併せてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(林幹雄君) TPPでは最終的には九九・九%の関税が撤廃されるということでありますけれども、御指摘の米韓FTAあるいはカナダ・韓国FTA、カナダ・EU・FTAとTPPの比較でございますけれども、各国の関心度に応じて品目ごとに自由度の程度は若干違いますけれども、自動車部品やプラスチック製品など、これらについてはほとんどの品目について同等若しくはこれを上回るという評価、自由化を達成したというふうに評価をしているところでございます。 なお、中小企業・小規模事業者における海外進出の件でありますけれども、輸出を行った経験がない企業がもちろん多いわけでございまして、どのように制度を活用していくか、具体的な情報提供を行っていく必要がございます。地域や業種など、種々の事情に応じてきめ細かい支援が求められていることはよく理解しておりまして、まさに議員と同じ問題意識を持つものでございます。 そのため、TPPのメリットを最大限活用して中小企業が発展させることができますよう、まずその活用策を含めて幅広く丁寧に説明を行う。地方経産局、ジェトロ、中小機構、こういったものの拠点に設置しました六十五の拠点に相談窓口を開きまして、質、量共に強化していくと。同時に、中小企業応援サイト、ミラサポにおいてタイムリーな情報提供を行っていっているところでございます。 また、自動車部品、プラスチック、陶磁器などの製造業、さらにはサービス業、あるいは農商工連携なども含めた、きめ細かく総合的に支援を行うことが大事だろうというふうに思っておりまして、例えば、ジェトロや中小機構、地域の金融機関や海外の法律事務所等が連携しまして、専門家が中心となって技術開発、国際標準化、海外企業とのマッチングなど、総合的に支援する方策を今検討しているところでございます。 また、身近な窓口であります千六百六十七か所の商工会や五百十四か所ある商工会議所と、様々な市場に関する情報や専門的な知識を持つジェトロ、あるいはまた中小機構が連携する体制をつくるということを検討しているところでございますが、いずれにしても、詳細につきましては今月下旬の政策大綱の取りまとめに向けまして経産省に設置しましたTPP対策推進本部においてしっかりと検討してまいりたいと思います。
○浜田昌良君 今月末にまとめられます政策大綱でしっかり位置付けていただきたいと思いますが、農産物の分野でも、単に輸入が増えるわけではございませんで、相手国の関税撤廃や数量枠の拡大による輸出拡大が期待できる分野も数多くあると思っております。 例えば、黒毛和牛は海外の旅行者からも人気でございまして、霜降り牛肉の握りずし店には海外旅行者の行列もできていると聞いておりました。今回、TPPでアメリカ向け無税輸出枠が輸出実績の二十倍から四十倍になりまして、十五年で枠外税率も撤廃されます。また、カナダ向け輸出関税も二六・五%が六年でゼロになります。むしろ輸出が急増すると海外旅行者向け国内消費に回らないのではないかと、そういう懸念も逆に現地でお聞きしました。中長期的な増産体制や米国向け輸出検査体制の整備などが必要とのお声もあります。また、和食ブームの風をうまく受けまして、黒毛和牛に合った日本的な食べ方、例えばすき焼きであったり、焼き肉であったり、先ほどの握りずしであったり、そういうパターンで輸出すべきではないかという御提案も現地でいただきました。 次に、オレンジでございます。 オレンジも国産の温州ミカンと国内マーケットのすみ分けは進んできた現状がありますが、実は温州ミカンは手でむけるフルーツとして一部の国、特にカナダなどの気候の関係で国内生産が、かんきつ類の生産が国内で困難な国では、日本からの温州ミカンの輸出も安定的になされているという現状もございます。また、温州ミカンはオレンジに比べて骨にいいというデータもあります。骨の代謝を促すベータクリプトキサンチンというのがオレンジの十倍含まれているということがございます。 静岡のあるミカン産地や愛媛のミカンジュースメーカーは、科学的根拠を示して消費者庁の機能性表示食品制度で表示されるということにもなりました。このような取組が健康志向の中で重要だと思っております。 そこで、農水大臣に、今回のTPPを受け、このような牛肉やミカンの分野などでの攻めの農業輸出、国内需要振興を今後更にどう進めていくか、御見解をいただきたいと思います。
○国務大臣(森山裕君) 浜田委員にお答えをいたします。 まず、牛肉の輸出の件でございますが、おかげさまで、前年比で一—九月を見てみますと三三・八%ほど伸びておりますので、順調に牛肉の輸出というのは伸びてきているなというふうに思っております。 牛肉の輸出振興のために日本食文化の普及と一体的に進めるということが大事なことだと思っておりますし、できましたら、すき焼きやしゃぶしゃぶという日本のすばらしい野菜と一緒に食していただくということが大事なことではないかなというふうに思っておりまして、そういう調理の方法等を含めて頑張っていかなければならないと思っております。 具体的には、本年五月にはロンドンで和牛セミナーを開催をさせていただきまして、当時の林農林大臣も御出席をされまして、自ら和牛を紹介をするとともに、和牛の調理方法の解説や実演、すき焼き等の試食もお願いをしたところでございまして、各地で和牛のプロモーション活動を実施しているところであります。 また、HACCP等の輸出先国が求める衛生基準等を満たす食肉処理施設の整備が今行われておりますが、更にこのことに努力をさせていただきまして、補助率を少し上げたり、あるいは優先的に支援をしたりするということが大事なことではないかなというふうに思っておりまして、現在、北海道でも大分県でもその処理施設が整備をされていることに支援を行っているところであります。 さらに、先生の御指摘のありました品不足になるのではないかということでございますが、繁殖雌牛の導入支援などの対策を更に強化しなければいけないと思っておりますし、また、和牛の受精卵を活用した酪農家による和牛子牛の生産拡大ということが大事ではないかなというふうに思っておりまして、乳用牛も初産は和牛を受精卵でもって産ませることが非常に乳用牛の二産目、三産目もいいということにもなりますので、そういうことの技術を更に深めていかなきゃならないなと思っておりますし、畜産クラスター事業というものを活用した規模拡大にも努力をしなければならないというふうに思っておりまして、牛肉の生産量の確保に更に努めてまいりたいと思っております。 このような取組を通じて引き続き輸出の促進に積極的に取り組んでまいりたいと思っておりますし、先生が先ほどお話をいただきましたように、アメリカへの無税枠が随分広がりますので、これをチャンスと捉えてしっかりした対応をさせていただくということだと思います。 それから、温州ミカンについてお話をいただきました。 農林水産省としては、果物は嗜好品ではなくて科学的見地から適量を毎日の食生活に取り入れるべき必需品であるという理解を深めることが大事なことだと考えておりまして、生産団体が自ら取り組んでいただいている毎日くだもの二百グラム運動にも農水省としても協力をしてきたところであります。 また、先生のお話のありました愛媛県のミカンジュース等については、骨の健康に非常にいいということで非常に販売が伸びているというふうに伺っておりますし、生産者のこういう努力も評価をしながら、我々がお手伝いできることはしっかりやらせていただきたいなと思っております。 また、温州ミカンの輸出につきましては、カナダではクリスマスにミカンを食べていただくクリスマスオレンジとか、あるいはテレビオレンジとかテーブルオレンジとかという形で温州ミカンの評価をいただいているようでございますので、更に輸出の拡大にも努力をさせていただきたいと考えております。 以上でございます。
○浜田昌良君 次に、木材資源対策についてでございます。 今回のTPPで、合板また製材の関税が現行四・八%から一〇%でありますけれども、十六年で撤廃されるということでございます。 日本の合板業界は、一時期は輸入丸太を原料とする外材利用が中心でございましたが、現在では国産材利用が中心となっています。そういう意味では、合板、製材輸入の急増となれば、我が国の山林対策、また治山治水対策としても問題となります。 現在、我が国では年間一億立米、森林蓄積がされておりますけれども、伐採されているのが約四千万立米、利用されているのがその半分しか利用されておりません。 木材資源は再生資源でございますので、CO2を吸収してくれる地球に優しい資源でございます。TPP対策としては、短期的な視点だけではなく、地球温暖化、治山治水対策といった長期的視点が重要と考えます。よって、山元の木々を切り出すための路網整備といった川上、合板、製材業界の設備近代化といった川中、そして国内木材振興策といった川下、一貫した視点が重要と考えます。 一方、木材利用方法でも新たな方法が開発されておりまして、北陸新幹線の開通で金沢駅はにぎわっておりますが、お出迎えしてくれておりますのが鼓門という約十四メーター高さの木製の門でありますけれども、これは石川県のある集成材メーカーが造ったものでありますが、その工場にお伺いしますと、工場のトラス自身がもう集成材になっております。私自身は大学で鉄骨構造が担当だったんですけれども、もうそこまでできるのかなというレベルに来ております。 また、我が国林産資源で利用されている人工林の四割が杉でありますけれども、この杉については、柔らかいということで一定の部位が使われてこないという状況がありましたが、この杉を三五%から五〇%圧縮して狂いのない強固な材料として使うという技術も取り組んでおられます。こういうもので高級自動車の内装部材から強固なフローリングまで飛騨高山でやっておられるという社長さんにお話を聞いてまいりました。 この杉の学術名って総理、御存じでしょうか。クリプトメリア・ジャポニカというのが杉の学術名なんですね。どういう意味かと聞きましたら、隠された日本の財産という意味らしいんですよ。まさに日本の気候に合ったすばらしい林産資源でございまして、今こそこの隠された日本の財産を日本全体で活用していく時期だと思っております。 さらに、CLT、いわゆるクロス・ラミネーテッド・ティンバーという直交集成材でございますけれども、これにつきましても、欧米では十階建てぐらいまで造れるということになっておりますので、日本でも普及が望まれておるわけでございますけれども、また、その出てきた廃材はバイオマス利用をすれば、発電利用をすれば地球環境に優しいということでございます。 今のこのCLTにつきましては、国交省におきまして、建築基準法の中で現在では第二十条の大臣特認になっておりますけれども、これをいわゆる設計事務所で構造計算できるという検討を進めていただいておりますが、早急な普及もお願いしたいと思いますが、国交大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 今委員御指摘いただきましたとおり、直交集成板、CLTは、一般的な強度及び地震時の挙動がまだ確認されておりませんので、現在は、CLTを用いた建築物については、一件ずつ精緻な構造計算をして国土交通大臣の個別認定を経て建築をされております。 国土交通省では、平成二十八年度の早期を目途に、個別認定を行わなくても建築ができるように一般的な設計基準の策定を行うこととしております。目下のところ、強度データの収集や実大振動台の実験等を進めておりまして、まずは基準の策定に全力で取り組んでまいりたいと存じます。 また、この設計基準が策定された後には、御指摘のとおり、その早期の普及が重要でございまして、策定後は速やかに、農林水産省や関係団体とも連携しながら、設計者への講習等に積極的に取り組んでまいりたいと存じます。
○浜田昌良君 総理にお聞きしたいと思いますけど、このように山林対策、川上から川下まで一貫した視点が必要でございますし、関係省庁の連携も必要でございます。一応、森林・林業基本計画というのが作られておりまして、二十三年七月にできておりますが、来年度、これ改定、五年ごとの見直しでございます。こういうTPPを契機といたしまして、関係省庁、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省、文部科学省などが連携いたしまして、人づくりを含めてしっかりと内閣として取り組んでいただきたいと思いますが、総理の御決意をお願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国林業を活性化させていくためには、地域の豊富な森林資源を活用して、林業の成長産業化を実現していくことが重要であると思います。今回のTPP合意に関しては、合板など林産物への影響は限定的と見込んでおりますが、国産品と輸入品は厳しい競争関係にあることから、長期的には国産の合板等の価格の下落も懸念されるところであります。一方、森林、林業の現状については、木材自給率が昨年二十六年ぶりに三〇%を回復するなど、明るい兆しが見え始めています。 林業の成長産業化を実現するためには、国産材の活用に取り組む関係者の努力を力強く後押ししていくことが重要だと考えております。このため、見直しの時期を迎えている森林・林業基本計画について、CLTなどの新たな木材需要の創出、路網整備による原木供給の低コスト化、高性能設備の整備による合板、製材加工の高効率化など、今委員が指摘されましたように、川上から川下に至るまで新たな施策の方向付けが検討されています。 また、あわせて、林業に意欲を持って取り組む人材の育成、極めて重要だと思いますが、その人材の育成確保を図っていくことが重要であります。今年五月に訪問いたしました和歌山県田辺市の林業の現場では、大阪からIターンしてきた若手の作業員の皆さんが大変明るい表情で林業に取り組んでいたのが印象的でございました。大自然の中で仕事をする、大変生きがいがあるというふうに生き生きと語っておられました。 こうした施策を政府を挙げて取り組むことによって、山村地域において若者たちが将来の夢や希望を持って暮らしていけるようにしていきたいと考えております。
○浜田昌良君 次に、復興関係の質問に移りたいと思います。 本日で三・一一より四年八か月となりました。私も復興副大臣として二年九か月福島に常駐させていただきました。安倍総理も現地で八度お迎えさせていただきました。福島の復興はまだまだ時間が掛かります。風評と風化、二つの風に立ち向かっていかなきゃなりません。これからいわゆるなりわいの再生、解除区域のなりわいの再生、またイノベーション・コースト構想といった新しい産業の育成、これに取り組む上で、是非、まず安倍総理の御決意を再度お願いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 浜田委員には副大臣として何回も現地で御一緒させていただきまして、大変な御尽力をいただいたことを御礼申し上げたいと思いますが、東日本大震災からの復興は安倍内閣の最重要課題でありまして、避難者はピーク時の四十七万人から十九万人まで半減をいたしましたが、また同時に、地震・津波被災地域では、これまでの復興加速化の取組の成果もありまして、高台移転、災害公営住宅、共に九割以上が事業が開始をしました。水産加工施設の八割で業務を再開し、震災前の約七割の農地が復旧するなど、復興は新たなステージを迎えていると思います。 集中復興期間は残り半年となりました。来年四月からはいよいよ後期五か年の復興・創生期間を迎えます。前期五か年の集大成として、これから半年の間は重要な期間であります。復興・創生期間への橋渡しとして、この間、更に復興を加速化させなければなりません。 このため、まずは住宅再建をしっかりと進めるとともに、被災地の産業・なりわいの再生やコミュニティーの形成支援など、心の復興を成し遂げていく考えでありまして、特に、福島の原子力事故被災地域については、田村市、川内村、楢葉町の避難指示が解除されるなど、復興に向けた動きは着実に進展をしています。 ふるさとに戻って生活するためにはそこに仕事がなければならないわけでありまして、官民合同チームは避難指示等の対象である十二市町村の約八千の事業者の方々を個別に訪問いたしまして、相談を受けて、それぞれの事情に応じた支援を行っています。 浜通りに、これはもう先生にも副大臣として御尽力をいただきましたが、廃炉やロボットなどの先端技術を中核にした新たな産業集積をつくるイノベーション・コースト構想があります。先月、中心施設である楢葉遠隔技術開発センターの開所式に立ち会ったところでありますが、新たな産業の創出を始めとして、本格復興、再生の段階に向けて国が前面に立って取り組んでいく考えであります。 昨日も楢葉の漁協そして農協の方が官邸に来られまして、お米とシャケの提供をいただいたところでありまして、早速舌鼓を打たさせていただいたわけでありますが、風評被害を何とかこれを払拭をして、頑張って、彼らが一生懸命精魂込めて作っているお米がちゃんと評価されるように我々も努力をしていきたいと、こう思っている次第でございますが、東北の復興なくして日本の再生はなし、この考え方でもってしっかりと復興を更に加速化させていきたいと、こう考えております。
○浜田昌良君 引き続き、復興加速化を安倍内閣の最重要課題としてお願いしたいと思います。 今総理からもございました、被災地の避難指示からの八千事業者について今訪問していただいています。現在のところ、お聞きすると、避難元に戻りたい、そこで事業を再開したいという方が五割以上と聞いております。しかし、いろんな課題もあります。幾つかいろんなメニューがあるわけですね。グループ補助金であったりとか、また税制では事業再開投資準備金、また東日本大震災の事業者支援機構では既往債務の減免も受けられると。これ、順番どういうふうに受けていけばいいのかと迷われる方も多いと思っております。 また、現地ではいろんな新しい問題も起きておりまして、今ございましたように、今年九月に楢葉町が解除になりました。生活に密着したサービスをスタートしなきゃいけないと介護施設をスタートしたんですが、介護施設で働いていただく方の人が集まらないんです。人件費の高騰という問題もあります。 そういう意味では、本当に、いわゆる事故後六年までに避難指示解除準備区域と居住制限区域を解除していくためにはきめ細かな総合対策が必要と思いますが、経産大臣にお願いします。
○国務大臣(林幹雄君) 福島の復興は経済産業省にとって最重要課題でありまして、総理からもしっかり取り組むよう指示をいただいているところであります。 先日、私も被災地を訪問いたしまして、内堀知事を始め関係者の方々にお会いいたしました。福島の復興はまだまだだという実感でありまして、これはしっかり取り組んでいかなければならないということを新たにしているところでございます。 事業者への自立へ向けた支援につきましては、総理からの御答弁もありましたけれども、八月二十四日に官民合同チームを立ち上げまして、約八千の事業者を対象に訪問活動を展開しているところでございます。これまで約二か月半でありますけれども、約千二百件の事業者にお目にかかりまして、そして、丁寧に事情など、あるいは御意向などをお伺いしているところでございます。 先生御指摘のとおり、支援策としては、専門家によるコンサルティングなど、個別訪問支援の強化だとか人材確保や事業所立地に関する支援などが必要だというふうに考えておりまして、今後、官民合同チームでの訪問活動を更に加速させまして、より多くの方々の御意見をお聞きして、そして年末に向けて自立支援施策の充実について更なる具体策を図ってまいりたいと思います。
○浜田昌良君 復興副大臣を二年九か月させていただきましてつくづく思うことは、災害が起きてからの復旧復興には多大な予算と多大な期間と多大な労力が必要でございます。何よりも、尊い人命は取り戻すことはできない。よって、災害が起きる前の防災、災害が起きた場合でもその影響を減らす減災が重要ということでございます。 総理、タイムラインという言葉を御存じでしょうか。これは、二〇〇五年、アメリカで千八百名の犠牲者を出しましたハリケーン・カトリーナを契機として考案された災害対応でございまして、事前防災行動計画と訳されております。台風などの四から五日前から予想できる風水害に対して特に有効でございまして、関係機関がいつ誰が何をするかというのをあらかじめ時刻表のように決めておくものでございます。これによりまして、うっかり何かをし忘れるとか関係機関の連携に手間取るということがなく、計画的に対応できますので、何よりも台風直下の時点、ゼロアワーというんですが、そのときにはいわゆる防災担当者自身も避難できると、こういうこともできます。 二〇一一年、紀伊半島大水害を経験しました三重県最南端の紀宝町、紀州に宝と書きますけれども、ここではこれを初めて台風対策として導入いたしました。先般、今年の九月に台風十八号がありましたが、計画的に対応ができたということも聞いております。逆に、行政がこういう計画的に対応しているので住民の方の信頼感も上がりまして、住民と行政の一体した避難計画もできるという成果も上がっております。こういう取組を全国的に広げることが重要だと思っています。 また、防潮堤の建設につきましても、どの位置にどの高さまで造るかというのは非常に難しいというのも東日本大震災の経験でございます。これにつきましても、新しい非常に先駆的なモデルがございます。静岡県の浜松市では、設計段階から地元自治会が参画しまして、住民の合意形成から住民参加まで進めるとともに、商工会議所などと連携いたしまして、会員一社一日百円寄附運動などもさせていただいて、今までに大口、小口を含め三千五百件、三百十五億円の基金も造成されたと聞いております。前提とされているのが、みんなでつくろう防潮堤市民の会というのができておりまして、オール浜松で防潮堤の整備も推進されています。 このような津波防潮堤対策の一つのモデル、また先ほどのタイムライン、こういう形で住民一体型で進めていく、こういうモデルを是非全国に広げていただきたいと思いますが、総理の御決意をお願いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 災害から国民の生命や財産を守っていくためには、国と地方公共団体、そして地域住民等の関係者が一体となって災害に備え、対応していくことが大切だろうと思います。 御指摘の津波対策や事前に防災行動を定めるタイムラインは、住民と一体となって整備することで災害時に有効に機能させることができるものであります。我が国は、場所を問わず様々な災害が発生しやすい環境にあります。ハードとソフトの対策を適切に組み合わせて、地域住民と一体となった総合的な防災・減災対策に今後とも政府一丸となって取り組んでまいります。
○浜田昌良君 是非、こういう先進的な事例、各地に御紹介いただきまして、災害が実際起きてからの復旧復興ではなくて、それを事前に防ぎ、また影響を減らしていくと、こういうハード、ソフトで広めていただきたいと思います。 このような防災・減災対策も、その前提となっている建物、インフラが設計どおりにできているというのは大前提でございます。しかし、この前提が最近揺らいでいる事案が発生しているわけでございます。 今年三月の東洋ゴム工業による免震材料の不正事案、また今般の旭化成建材の基礎くいデータの不正事案、徹底的に原因究明、また早期に住民の方々への安心確保、そして再発防止、これを図っていただきたいと思いますが、国土交通大臣にその決意を国民にお話しいただきたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 御指摘のございました東洋ゴム工業、また旭化成建材の事案、誠に遺憾であるというふうに思っております。 東洋ゴム工業における免震材料の不正事案につきましては、七月二十九日に取りまとめられました第三者委員会からの提言を真摯に受け止めまして、建築基準法に基づく大臣認定制度の見直しを行うこととしております。 まず、大臣認定を行う段階における審査の強化として、従来、書面のみであった審査に加え、工場等の生産現場での実地審査を行うこととし、そのための規定の整備を年内に行う予定であります。また、製品を出荷する段階におけるチェックの強化としまして、国が出荷予定製品のサンプル調査や建築基準法に基づく立入検査を行うこととしております。 また、防振ゴムに係る不正も出てまいりました。現在、原因究明と再発防止策等の報告を強く求めているところでございます。 また、横浜市のマンションにおける施工不良、旭化成建材によるくい基礎工事のデータ流用等につきましては、国民の懸念を払拭するために徹底的な原因究明を行うとともに、再発防止策を早急に検討し、実行に移していくことが何よりも重要と考えております。 まず、事案の発生以降、旭化成建材に対して立入検査を行うなど、くい工事の施工体制や社内のチェック体制など会社の施工管理について徹底的に調査を行っております。また、今月の十三日までに、同社が施工した三千四十件の物件につきましてデータ流用の有無を報告するよう求めておりまして、早期にこの問題の全容を明らかにしていく所存でございます。 あわせて、今般設置いたしました基礎ぐい工事問題等に関する対策委員会におきまして、くい工事の施工と実態の把握、データ流用の要因や不良工事との因果関係の分析、さらにはこれらを踏まえた再発防止策等について幅広く検討してまいりたいと存じます。 以上でございます。
○浜田昌良君 今、国交大臣より、免震材料については基準等について年内に見直しをするというお話もございましたし、この基礎ぐい問題につきましては、多くの建築事業者の皆様から、自社はその事業者を使っていないけれども問合せが来ているんだという、そういう現場の混乱も聞いております。 是非早急に、各住民の方々また事業者の方々が安心できるような体制を早急にお願いしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○委員長(岸宏一君) 以上で浜田昌良君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、紙智子さんの質疑を行います。紙智子さん。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。 アメリカ・アトランタで開かれたTPP閣僚会合は、十月五日、大筋合意に達したと発表しました。日本の進路、国の在り方を変える重要な課題であって、本来、TPP問題を含めて課題が山積している中で、やはり臨時国会を開いて審議すべきだということを初めに申し上げておきたいと思います。 安倍総理にお聞きします。 TPPの大筋合意を受けて、もう最終合意になったかのような報道がされています。まだ最終合意はしていないのに、詳しい内容は分からないけれども、何かこの関税撤廃で物が安くなるかのような宣伝がされています。総理も会見で、より品質の良いものをより安く手に入れることができると言われています。果たしてそうなんでしょうか。 食の安全、安心が保障されるのかという心配の声が上がっています。TPPは元々、関税と非関税の障壁の撤廃を原則にしています。また、TPP交渉の日米協議が行われていますが、日米合意では、ポストハーベスト農薬や日本で認められていない食品添加物の承認に日本が取り組むことが明記されました。また、遺伝子組換え食品の表示、日本が義務付けていることに対して米国の巨大農産物の企業は規制緩和を要求していますが、TPP協議において、各国の作業部会を設けて情報交換を行うとしています。 日本で指定していない食品添加物を認めたり、情報交換のこの場を通じて米国から自国の大企業の意向に沿った圧力を掛けられることはありませんか、安倍総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) TPP協定の締結によって、我が国から締約国へ対する食品の輸出促進が期待されますが、一方、我が国の食品の安全、安心が守られることは重要なことであると思います。 TPP協定では、締約国が自国の食品の安全を確保するために必要な措置をとる権利を認めています。我が国は、従来から科学的根拠に基づいて衛生植物検疫措置をとっており、我が国の制度の変更は求められていません。また、日米並行交渉でも、国際基準や科学的知見を踏まえて行ったものでありまして、今後とも我が国の食品の安全確保を第一に考え、食品の検査等を着実に実施してまいります。
○紙智子君 安心、安全なんだということを言われたんですけれども、本当にそうなんだろうかと。 日米の協議の交換書がありますよね。その中には、両国政府は、収穫前及び収穫後に使用される防カビ剤、食品添加物並びにゼラチン及びコラーゲンに関する取組につき認識の一致を見たと書いてあります。また、未指定の添加物もおおむね一年以内に食品添加物として認めると書いてあるわけですね。 まだ、出されている文書というのは概要なんですよね。二百ページ程度ですよ。だけど、実際に附属書なんかも含めますと全体で三千ページというふうに言われている中で、是非、これ全部出していただきたいと。幾ら安全だと言われても、やっぱり全部出していただいた上で検討しないと安心できないということがありますので、そのことは申し述べておきます。 それで次に、先日、私、横浜の輸入食品の検疫所に行って驚いたんですね。それで、パネルをちょっと見ていただきたいんですね。(資料提示)このパネルを見て分かるように、今、この輸入食品届出件数と食品の検査割合と書いてありますけれども、二〇一四年で八・八%までこれ検査率が下がっているわけです。つまり、九一・二%の食品が検査なしで入ってきているということです。これは、輸入食品が急増しているのに対して食品衛生監視員の増員がされていないと、まあ七人ぐらいは増えていると思うんですけどね。検査室も検査機器も限界なわけですね、九割も未検査で入ってきているわけですから。 かつて中国の毒入りギョーザが実際に流通してしまって消費者の口に入るということもあったわけですけれども、実際にそういうTPPによるこの後輸入食品が急増することになれば、これ一層検査率が下がって食の安全が脅かされると、こういうことになるんじゃありませんか、甘利大臣。
○国務大臣(甘利明君) 検査というのは、それは全量検査が一番いいんですけれども、入ってくるのを一つ残らずということは物理的に難しいです。ですから、サンプル検査といいますか、十個入っていたらその中から一つ取るということをやるわけですね。その中でおかしいのがあったら全部やれという、全量検査という方式を取るわけなんです。 サンプル検査の数は減っているわけじゃないです。その結果、黒とかグレーになっている比率が減っているわけです。だから、全量検査を事業者に指示する件数が減っているからトータルとして減っているということであって、別に手抜きをやっているわけではないわけですね。対象が黒になる比率が減ってきているということだと理解していただければと思います。(発言する者あり)
○紙智子君 そうですよ。監視員増やさなきゃいけないと言いましたけれども、やっぱり下がっているという中で、今TPPで入ってくると更に増えるということが明らかな中で、下がったままでいいとはならないんじゃないですか。そこはどうですか。
○国務大臣(甘利明君) 日本の検疫体制がきっちり厳しくやっているということで、要するに、輸出入業者はより注意を払っておかしなものが混ざらないようにしている証左だと思います。 ただ、輸入量が増えていくことに比例して、もちろん体制も整備をしていくということはそのとおりだと思います。
○紙智子君 それは当然のことなわけですよね、未検査の輸入食品が増えれば安全だなんて言い切れないですから。そのことはちょっと言っておきたいと思います。 次に、総理にお聞きしたいと思います。 総理は十月六日の会見で、TPPは攻めるべきは攻め、守るべきは守る立場で臨んできたと言われました。我が党は、攻めるとか守るとかではなくて、貿易の在り方としては、各国の経済主権を尊重して、対等、平等、互恵ということで、互いの国と国民にとってプラスになるようにやらなければいけないという立場ですけれども、この間のあなたの交渉はアメリカ言いなりになったんじゃありませんか。 米国が日本車に掛けている関税というのは二・五%ですけれども、これ関税の引下げが始まるのは十五年目、二十五年目にようやっと撤廃されると。トラックの関税二五%は三十年目に撤廃されます。TPPの日本協議で、アメリカは関税撤廃の先送りだけでなく、対抗措置も準備していると。その一つが特別セーフガードですけれども、セーフガードは、輸入が急増したときに関税を引き上げて輸入量を制限するという制度なわけですね。 一般的には関税を撤廃するまでの制度ですけれども、アメリカに対しては関税撤廃の十年後まで発動できると。しかも、通常、発動回数というのは一回なんですけれども、複数回もう発動を認めているわけです。また、この協定に違反した場合は二十五年目に関税を撤廃しなくてもいいということになっているわけですよ。これ、アメリカ言いなりじゃないですか、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 全くアメリカ言いなりではありません。 日本には一定の農産品、そして米国には一定の工業製品といったセンシティビティーがありますねというのが日米の共同認識であります。そこから交渉をスタートさせているわけでありますが、米国の自動車関税はTPP交渉における最長の関税撤廃期間を経て撤廃すること、関税を下げ始める時期を最大限後ろ倒しにすることを確認した上でTPP交渉に参加をしました。 これは、言わば十一か国から認められなければ我々は参加できないという立場から、我が党が政権を取った段階ではもうそういう立場になっていましたから、その中で米国と交渉し、この中で我々交渉をスタートしたわけであります。 しかし、そういう立場から交渉をスタートしたわけでありますが、しかし、粘り強い交渉の結果、乗用車の関税は撤廃まで現行水準で据え置かれることなく、十五年目から引下げが開始をされ、二十年目で半減、そして二十二年目で〇・五%まで削減をされ、TPP交渉における最長の関税撤廃期間である三十年目より短い二十五年目で完全に撤廃されることで決着をしたわけであります。 また、自動車産業の実態を見ますと、我が国自動車メーカーの北米での現地生産は実は大きく進展をしておりまして、米国で販売する完成乗用車の七割強が現地生産となっているわけでありまして、こうした産業実態を踏まえて交渉した結果、自動車部品については総輸出額の八割以上の関税の即時撤廃、つまり、我々にとっては自動車部品が極めて重要であったわけでありまして、日本企業にとって大きな成果を得たところであって、しっかりと攻めるところは攻めたというところであります。 実際は、TPPに入らなければ自動車部品は今のまま続いていくわけでありまして、日本は不利な立場がこのまま続いていくということになるわけでありますが、TPPをやった結果、自動車部品においては即時撤廃、八割以上の関税の即時撤廃という結果をしっかりと得ることができたと、このように考えております。
○紙智子君 今長々とお答えになっていただきましたけれども、いろいろ言われるんですけど、日本自動車工業会のホンダの池会長は、二・五%の関税をなくすのに二十五年掛けて撤廃してもほとんど影響ないというふうにおっしゃっているわけですよ。それから、部品のことも何かバラ色のように描くんですけど、メーカーから値下げ圧力に苦しめられてきたベアリングメーカーは、新たな値下げの要求の理由にされかねないという不安の声も上がっているわけですよね。こういうこともちゃんと踏まえなきゃいけないでしょうと。 なぜ、私言いたいのは、日本がアメリカに譲歩するのかと。それは、既に日本がTPP交渉に参加する前に、もう既に前の二〇一三年ですよね、四月に、自動車に係る米国の関税がTPPにおける最も長い段階的な引下げ期間によって撤廃され、かつ最大限に後ろ倒しされるんだと、こういう約束を果たしてきているじゃありませんか。これ、佐々江駐米大使ですかね、の書簡の中にもあるわけですけれども、結局、これアメリカ言いなりとしか言いようがないわけですよね、いろいろ言われますけど。いいです、聞いていないです。 それで、安倍総理に引き続き伺いますけれども、安倍総理は、農業分野というのは守るべきだということで、守るべき分野としてきたわけですけれども、結局、実際には譲る一方だったんじゃないかというふうに思うわけですね。 農業関係者の中では不安や怒りが噴出しているわけです。安倍総理は、国益にかなう最善の結果を得ることができたと、このように評価をしているんですけれども、現場の受け止めとは非常に大きな乖離があるんですね。日本農業新聞が行った十月末の意識調査の結果というのは、国会決議違反だというのが六九%ですよ。遵守しているというふうに言ったのは僅か七%ですよ。七%ですよ。いかに農業関係者に衝撃を与えているかということの表れだと思うんです。 与党の皆さんは今ずっと説明会に全国回っていますけれども、その場でもいろいろ出されていますよね。政府は精いっぱい守ったと言うけれども、農業者から見ればそうは思えない、これは高知の声ですよ。TPPによる先行き不透明感で投資を足踏みする農家が多いと、これは北海道ですね。このほかにも、酪農の二十代の女性、牛の命を預かり牛乳で人の命を育む酪農に誇りを持っている、だが、そうした思いさえTPPで奪われると、栃木の女性ですよ。機械の更新の時期を機にもうやめると言っている農家もいるんですね。 挙げれば切りがないぐらい多くの方の訴えが上がっているんです。これらの声を総理はどのように受け止めておられますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我々、交渉参加の原則として、例外なき関税撤廃である以上、聖域なき関税撤廃である以上、我々は交渉には参加をしないということであったわけでありますが、しかし、交渉の結果、お米や牛肉などの重要品目について関税撤廃の例外をしっかりとこれは確保することができたわけであります。 米については現行の国家貿易制度を維持することができました。新たな輸入枠を設定することとなりますが、これにより市場に流通する米の総量を増やさないよう、備蓄運営の見直しによって必要な措置を講ずることとしております。また、牛肉については、関税撤廃を回避した上で、長期の関税削減期間及びセーフガードを、セーフガード措置をこれは認めさせたわけであります。これも厳しい交渉の成果、セーフガード措置を勝ち得たわけでございます。日本が交渉を積極的にリードしていくことによって、厳しい交渉の中において国益にかなう最善の結果を得ることができたと、こう考えております。 そして、国会決議との関係についてでございますが、国会決議があったからこそ私たちは厳しい交渉ができたと、こう思っておりますが、私たちはこの国会決議にかなうものであると、こう認識をしておりますが、もちろん国会決議でございますから、国会において御判断、それぞれの皆様が御判断いただくことだと思います。
○紙智子君 今の答弁を聞いていたら、テレビで御覧の皆さんは本当にがっかりすると思いますよ。 私がお聞きしたのは、様々な衝撃を受けた農家の皆さんの声を紹介したわけです。どう受け止めておられるのかということを聞いたのに、お答えになっていないですよね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 農家の方々のそうした環境が変わることに対する御不安ということについては十分理解できるわけでございますので、我々、実態についてよくこれからも御説明をしていきたい。 今、実際はどうだったのかということについて、例えばセーフガードもちゃんと我々は確保したんだということも今説明をさせていただいたわけでございますが、実際にこのように様々な我々勝ち取ったものもございますし、また今後、そうした不安を持っておられる農家の方々の気持ちに寄り添いながら、しっかりとこれから頑張っていく意欲ある生産者の皆さんにとって再生産が可能なように我々も対応措置をとっていきたいと、こう考えております。
○紙智子君 理解できるとおっしゃったけど、本当に理解できるんだったらこんなことできないはずなんですよ。いろいろな対応策取っていくと言うんだけれども、まず、どういう影響出るのかということだって、ずっと今まで秘密協議ですから、出さないで来たんですよ。今、初めて形で一部出てきてみんな衝撃受けているという中で、どんな影響出るのかということをまず明らかにするのが本当じゃないですか。 それで、安倍総理は記者会見で、守るべき聖域は守れたと考えるかというふうに聞かれたら、重要五品目を中心に関税撤廃の例外を数多く確保できたというふうにおっしゃったわけです。 国会決議は重要五品目は除外すると。除外するですよ。ちょっとパネルを見てください。ここに五品目、いろいろ含めて書いてありますけれども、農林水産の全品目に対して八一%が関税撤廃ですよ。うち重要五品目、これ五百八十六あります。そのうち百七十四を撤廃するわけですよ。約三割ですよ。三〇%のものを撤廃すると言っているわけですから、これはもう明らかに国会決議に違反するんじゃありませんか。いかがですか。
○国務大臣(甘利明君) 先刻御承知のとおり、日本がTPPに参加するに当たっては十二か国と交渉しました。十二か国の了解が取れないと入れません。アメリカとの交渉の中で、それぞれがセンシティビティーは持っていると、しかし、それは一旦交渉のテーブルに上げて、そして交渉力で勝ち取るものであるということを確認されたわけです。それは公表されています。最初からこれは交渉の対象外ですと言うことはできませんよと、だけれども、関税をゼロにしない、するしないは交渉力で勝ち取るものだということは、これは公表されているわけです。だからやったわけです。それに基づいて当然決議がなされているはずです、先にそっちが公表されていますから。ですから、我々は、重要五品目の中核部分については、大変な交渉の結果、ああいう成果を得たわけであります。 数字が示していると思うんですね。農産品に限って言っても、日本以外の国の自由化率って九八・五%です。ほぼ全部です。日本の場合は八一%です。突出しています。これは決議を踏まえて懸命に交渉した結果、その数字が残ったということだと御理解いただきたいと思います。
○紙智子君 私たちは、安倍総理は、交渉力があるんだと、聖域は確保できるんだと、そう言って入ったわけですよ。だけれども、実際には難しいだろうと、だから参加すべきでないというのを私たちはずっと訴えてきたわけですよ。ところが、今この時点になって、守る守ると言ってきたけれども、実際上は交渉上譲ってしまっていると。 それで、やっぱりすり替えの議論されたら困るんですよね。除外するということは手を付けないということですよ。聖域を守るというのは手を付けないから聖域なんですよ。それで、影響の少ないものを関税撤廃しているという話は、こんなこと最初から言っていなかったですよ。後付けじゃないですか。全くこれはもう話にならないというふうに思います。 それで、引き続き安倍総理にお米の問題で聞きたいんですけれども、米は毎年八万トン余る状況なんですね、今。その中で需給調整ができずに米価暴落を招いてきたわけです。別枠を設けて今、米を入れるということがいかに重大な影響を与えるかということを分かった上でこれやっておられるのかと。 もう一度パネルを見てほしいんですけれども、これ米のところを見てください。今、既存の輸入米、ミニマムアクセス米七十七万トン入っていますけれども、そのうちアメリカからは三十六万トン入っているんですよ。それで、アメリカの別枠を設けると。一番上を見ると、七万トン、十三年目以降になっていますけれども、入れると。それから、その下のミニマムアクセスのところに新たに加工用に六万トン輸入なんですよ。これだけ足しただけでもアメリカから五十万トン米入れるということなんですよね。五十万トンものお米というのは、一体生産できるのは日本の中ではどこかって御存じでしょうか。北海道と新潟と秋田ですよ、五十万トン以上というのは。それだけの米を入れると。 安倍総理は、これまで米は主食であり重要なんだと言ってきました。そう言いながら、どうして今アメリカから五十万トンもの米を輸入する必要があるんでしょうか。輸入米は市場から隔離するから大丈夫だと言うかもしれませんけれども、在庫に掛かる費用というのは国民の税金で賄うわけですよね。米が過剰なのに何でアメリカから必要のない米を入れる必要があるんですか、総理。
○国務大臣(甘利明君) ちょっと誤解がありますけれども、WTO枠は、それまで長粒種という枠組みの中で取り組んでいたものを中粒種限定をすると。ですから、それが入れ替わるということであって、その分がそっくりアメリカに何十万トン別枠で与えたということではありませんから。別枠は、TPP枠として、初年度五万トンプラス五万トンの一二%がオーストラリア、これでスタートして三年間据置きです。十三年後に七万トンプラスこの一二%ですから、全部合わせると七万八千四百トンですか、ここでストップであります。 ですから、純粋に増える枠は七万八千四百トンです。そして、これは流通に回った場合には流通量が増えるわけでありますから価格に影響いたします。ですから、備蓄米の枠組みサイクルに入れ込んで市場に出ないようにする。そうすれば、そのことによって、TPPによって流通量が増えるわけではないということで対処しているわけでありまして。
○紙智子君 総枠として五十万トンアメリカから入れるということを約束しているじゃないですか。何で必要のない米を入れなきゃならない。総枠変わらないと言うけれども、結局アメリカから入れるというのはちゃんと確保しているわけですよね。 今の生産コストって六十キロ当たり一万六千円ですよ。今年の概算金は、いわゆる農家の手元に約一万円なわけですよね。赤字なわけですよ。生産費で一万六千円ですよ。手に来るのは一万だから、赤字なわけですよ。 輸入拡大による影響分析でも、これ政府の分析ですけれども、国産米全体の価格水準が下がる懸念があると言っているじゃないですか。農家は、米価が暴落しているから政府が買い取るなどして米を市場から隔離してほしい。これ、農家の皆さん再三要求してきたんですよ、隔離してほしいと。それを絶対に聞かないで、全く対応しないできたのに、今アメリカから言われて輸入するとなったら、買い取ると。余りにもこれ、アメリカ言いなりじゃないですか。
○国務大臣(甘利明君) アメリカ言いなりって、アメリカの要求ははるかに高い数字だったわけですよ。その中で、日本は相当厳しい交渉をしたわけであります。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) ちょっと静粛にお願いします。
○国務大臣(甘利明君) その厳しい交渉の末に、アメリカ側の要求とは相当少ない総枠に抑えた。しかも、それが市場に出回っていくということに対して農家は不安を持っていたわけであります。市場に出回っているものに対して、プラスアルファでそれが出ることはそれが影響をするかと。ということで、それが市場に出ないような工夫をしているわけであります。最大限の対応はしているというふうに思います。
○紙智子君 いろいろ言われますけど、やっぱりアメリカ言いなりとしか言いようがないんですね。 さらに、牛肉についても聞くんですけれども、もう一度ちょっとパネル見てください。 牛肉は、現行税率が三八・五%を十六年目以降九%に削減と。結局、これも酪農家にとっては、北海道は基幹産業なわけですよね。それで、ホルスタインの乳牛から生まれる雄牛は肉牛に回ると。輸入牛と肉質が競合するわけです。北海道の肉牛の肥育頭数が二十五万六千頭ですけれども、このうちホルスタインの雄は九万二千頭と三六%を占めるんです。 TPPの大筋合意について、全国の畜産、酪農団体でつくる日本の畜産ネットワーク、非常に深刻な影響を受けると言っています。全国肉牛の事業組合は現場に報告する言葉が出ないと言ったんですよ。十勝地方でホルスタインを育成している農家は、牛を育てるには病気とか天候のことを気にしなきゃいけない、だけどTPPという人的な原因で仕事ができなくなるというのは情けないと嘆いているわけです。 輸入が急増したらセーフガードがあると言うかもしれませんけれども、十六年目以降は四年間発動しなきゃ廃止ですよね。これも国会決議で除外する、十年を超える期間を掛けた段階的な関税撤廃は認めないとなっていたんじゃないですか。これに対しても違反じゃありませんか。
○国務大臣(甘利明君) ですから、関税撤廃はしないわけであります。そして、セーフガードについてもきちんとダブルで効くようにしています。 それから、新しい視点を、日本の誇る農産物は攻勢を掛けて外に打って出るんだという発想を持たなきゃいけないと思うんです。守るだけでは現状維持以下です。ガット・ウルグアイ・ラウンドでかなりお金を掛けて守った、まあ余計な金も使ったという話もありましたけれども、そういうばらまきはしませんけれども、しかし、農業対策として守った結果、十兆円が生産額八兆円に落ちていったわけです。我々は増やしたいんですよね、八兆円を十兆とか十五兆に増やしていきたい。だから農産物の輸出作戦もやっています。これは功を奏して、五割、六割もう既に増えているわけであります。 日本の和牛だってもっと自信を持っていいと思うんですね。アメリカへの輸出、たしか二百トンの枠がありますけれども、今、百六十何トン使って、もういっぱいいっぱいになります。それ以上増やせません。ですから、アメリカはいきなり無税、アメリカ側の輸入枠というのを二千トンから四千トン、三千トンから六千トンだったでしたか、いきなり二十倍から四十倍にすると、そして最終的には和牛の関税を撤廃すると。これは攻める姿勢であります。 あるいは、国内で不安をお持ちの方、ホルスタインの雄牛が輸入牛肉と脂質でバッティングすると。そこは技術開発で和牛の受精卵をホルスタインに着床させると、そしてホルスタインから和牛を産ませると。そういう技術開発も日本の力を使ってやっているわけです。 守る方とそれから攻める方と、あらゆる努力を通じて取り組んでいきたいと思いますし、我々は日本の農業をブランドにしたいと思っております。
○紙智子君 輸出について否定するつもりはありません。ただ、現状を見てほしいんですよ。実際上は、もう続けられないかって瀬戸際に立たされているわけですよ。 それで、北海道の酪農の話ししましたけれども、飼養頭数は減少を続けているんですから、もう生産基盤が減ってきていて、ぎりぎりのところで頑張っているんですよ。それなのに更に打撃を受けることになると。 北海道が最近行った影響調査を見ても、輸入牛肉の価格が低下することによって、肉質面で競合する乳用種や交雑種の価格低下が懸念されると書いているわけですよ。酪農家にとっては、乳製品で打撃を受け、更にこの副収入で支えてきた肥育の雄牛まで駄目になったら、これはもう崩壊ですよ。そういうことを分かっていらっしゃらないんじゃないかと言いたいんですね。 総理にまた聞きますけれども、畑作も大きな影響が出るわけです。 小麦は五百七十四万トンのWTO枠に加えて二十五・三万トンのTPP枠が新設されると。砂糖の原料になるてん菜は、調整制度は維持されるけれども、新たにまた枠が新設されると。でん粉用のバレイショもそうです。 北海道の十勝やオホーツクでは、てん菜やジャガイモや小麦などは連作障害を避けるために輪作体系というのを組んでいるんですよ、小麦とか豆とかね。順々にやって障害出ないようにして、長年それでやってきたんですよ。これ、一つでも作れなくなったらその体系が崩れるんですね。 十勝地方のある町長さんは、我々の先人はこの厳寒な地域で百二十年から百三十年掛けて今の十勝をつくってきたんだ、冬になれば零下三十度以下になる、それでも冬が終わると必ず春が来る、春が来るから頑張れると、しかし、TPPでその希望がそがれる、この地域は崩壊する、子供の未来がなくなるというふうに言われているんですよ。こういう地域経済と子供の未来を奪うことになるんじゃないかというふうにも思います。 それから、重要五品目以外の品目も追加で公表されましたよね。これ、小豆とかコンニャクの畑作物、リンゴ、サクランボ、ブドウなどの果実、それから鳥肉などの畜産品、それから建築用木工品などの林産物、それから水産物、もう多岐にわたりますよ。八割ですよね。ほとんどの品目がこれ関税撤廃だと、削減じゃありませんか。ですから、全国の農家でこれ衝撃が走って、ある方は青天のへきれきだというふうに言っていましたよ。これで約束を守ったなんてどうして言えるのかというふうに思うんですね。 安倍総理は、自民党には強い外交力があるんだと、聖域を守れるからTPPに参加するんだというふうに言われましたけれども、そもそも、与党自民党の選挙公約というのは六つあったんですよね。これ、全て今破綻してしまっているんじゃないかと思うんですよ。自動車の目標数値は受け入れると。それから、全国の郵便局の窓口で、アフラックですか、保険の販売をやると。BSEの検査、食品の安全基準も緩和していくと。ISDSは賛成すると。国民に守ると言って約束したことは全面的にこれ破綻しているじゃありませんか。それなのに、それなのにこのTPPの署名後の国会で批准なんという、簡単に言ってもらったら困るなというふうに思うんです。 アメリカは、国内手続で署名の九十日前までは議会に通知することになっています。オバマ大統領は十一月五日に議会に通知したので、大統領の署名は二月上旬になるわけですよね。既に来年の大統領選挙に突入をすると。選挙戦の争点にもなってくるわけです。議会での審議は簡単ではありません。オバマ政権下で国内手続を完了するのは困難になるというふうに言われています。 総理はこの大筋合意が大きな成果と言われていますけれども、これ最終合意ではないし、日本でもほかの国でも国内の批判というのは出ているわけですよ。今まで秘密だったわけですから、明らかにされて出てくるわけです。 米国では、米国最大の労働組合が声明を出したと。多国籍企業が政府を相手に賠償請求の訴訟を起こせるルールなどを挙げて、雇用、民主主義、手頃な値段の薬、消費者の安全、環境といった利益よりも脅威の方が大きい、TPP打倒のためほかの組織と連携するとしています。それから、市民団体のパブリック・シチズンも、国民を犠牲にして企業の利益を代表する者の要求を盛り込んでいると批判しています。それから、全国看護師組合ってあるんですね、アメリカの。そこは、大手製薬会社が求めてきた医薬品の特許の保護期間の長期化に、世界中で安価な薬を必要としている無数の患者への死刑宣告だと、物すごく厳しい批判をしていますよ。 こうした米国国内の反対の世論と運動もあるということですけれども、これに対してどういう御認識でしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 一番最後の言わば医薬品についてですが、これは保護期間だと思いますが、この保護期間については、米国が十二年という長い期間を主張していたわけでございます、日本は八年なんですが。そこで、日本と米国は新しい薬を作る、新薬を、画期的な新薬も含めて作る能力を持っておりますが、ほかの国々は違いますから、これはなるべく短い方がいいという主張をしておりました。そしてそれが、十二年が八年になったわけでありまして、日本は、これは変わりがないわけでありますが、しかし、このTPPやらなければアメリカはもう十二年のままなんですから、ですから、それがせめて十二年は八年になったということで、私は改善されたんではないかなと、そういう観点からいえばですよ、と思います。 そしてまた、これは様々なこの変化に対して不安を持っている方々については、我々、しっかりとこのTPPが今後どのような影響を及ぼすかということについて精査をしていきたいと。特に農林水産業の方々にとっても大変な御心配があるんだろうと、このように思いますので、十一月下旬を目途に政府全体で国内対策を取りまとめて、交渉で獲得した措置と併せて万全な措置を講じてまいりますし、そして、TPP協定によって何が変わり、それが品目ごとにどのような影響をもたらすかを踏まえて、どのような支援策を活用できるかなどについて農家の方々が十分に理解し、活用していただけるように丁寧に説明をしていきたいと考えております。
○紙智子君 最後、もう一つだけ聞きたいんですけれども、発効の要件についてです。 TPPは、二年間に批准が間に合わない国があったとしても、六か国で、GDP八五%を超える国で批准すればできるとしていますけれども、GDP八五%ですから、日本とアメリカ、どちらかが批准しなければ発効しないと。日本が批准しなければ発効できないということですよね。 これ、一言でお願いします。
○国務大臣(甘利明君) 日米で七十何パーで、日本は一七パーぐらいですから……(発言する者あり)ええ、日本が入っていないとできません、一五パーを超えますから。
○紙智子君 じゃ、時間ですのでまとめますけれども、日本が批准しない場合発効しないと。 私は、今アメリカの例も出しましたけれども、日本の国内もたくさんの意見があるわけです。知れば知るほど、これは日本で批准するというのは難しくなると思いますし、その点での日本の国会の議員の役割というのは本当に大事だというふうに思います。 断固としてこの撤廃を求めて頑張るということを決意を申し上げまして、質問を終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で紙智子さんの質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、井上義行君の質疑を行います。井上義行君。
○井上義行君 井上義行でございます。 私は、TPP参加を訴えて当選をした数少ない政治家として今日は質問をしたいというふうに思っております。したがって、TPP合意は、私にとっては訴えてきたことが正しいということで、大変評価をしております。そこで、TPPのこの成功は、その影響を受ける対策をしっかり取ることが成功に結び付くというふうに思っております。 そこで、農家でも、農家専任の方とそして兼業農家がおります。私の住んでいる小田原、足柄上郡とか下郡は兼業農家がすごく多いんですね。兼業農家の人が地域を支えているんです。この兼業農家をどのように救っていくのか。これは、TPPに限らず、地方創生でもそうですし、あるいは総理が訴えている一億総活躍、これをパッケージとして私は考えた方がいいんではないかというふうに思っています。例えば、私も内閣委員会のときに甘利大臣に、三世代同居税、同居減税みたいなことを訴えてきましたし、こうしたTPPの対策というのは、やはり地方創生とか一億総活躍、こうしたパッケージとして兼業農家の在り方をやはりしっかり考えていく、こういうことが必要だろうというふうに思っています。 そこで、この兼業農家に対する対策、あるいは小規模農家、あるいは漁業、このような分野をどのような対策でしっかりと守っていくのか、総理、お答えを願いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いわゆる兼業農家でありますが、私の地元にも二種兼の方々がたくさんおられます。主な仕事はどこかに、役所に勤めていたり会社に勤めていて、しかし代々の農地もありますねと、これも大切にしていきたいということであります。 例えば、私の事務所に勤めている秘書はほとんどみんな農家もやっていますから実は兼業農家なんですが、しかし同時に、専業で頑張っている人たちもいます。こういう人たちみんなで、コミュニティーで農業というのは成り立っていくわけでありまして、地域を形成をしていくわけであります。ですから、専業農家は、生産性を上げて頑張っていくぞという人も頑張ってもらわなければいけませんが、一方、兼業農家の人たちも成り立つようにしていく必要もあるんだろうと、こう思います。 一方、やはり時代の要請の中において、兼業農家の方々の中でも、もうこれは誰かに任せたいという人たちもいるのも事実であります。その中で、農地を集約をしていくという方向もしっかりと進めていきたい。どうしても小規模でやっておりますと、小規模の中ではなかなかこれはコストは高くなるのは当然のことなんだろうと、こう思うわけでありまして、基本的には、大規模化を進めていく中において協力をしていただくという方向ではないだろうか。 また、漁業においても、沿岸漁業と遠洋漁業等々が、いろいろこれは観点は違うわけでございますが、しかし、なるべく低コスト化していく上においては我々も支援をしていきたい。漁業においては、漁船のこれは一時燃費が上がったときがありましたが、あのときに支援をしてきました、なるべく消費効率を上げるように。 そうしたことも支援をしながら、小規模農家の方々、兼業の方々もこれはしっかりと成り立っていく中において、しかし、全体としてはやはり大規模化を進めていく、あるいは高品質化、ブランド化を進めていく中において農家の収入を上げていく方向をこれは進めていきたいと、このように思っております。
○井上義行君 大規模農家に進んでいくというのは理解できるんですが、やはり私は、地方というのは産業をつくるのがなかなか難しいというふうに思っていまして、お金というよりも、やはり産業を残しながらそこに住み着いていただける方をつくっていく必要があるんだろうと。 そこで、兼業農家の生き方として、先ほど総理もブランド化というのがありました。やはり品質のいい、例えば最近では一個イチゴ四百円とか五百円、もうこれが飛ぶように売れている、そういうことも聞いております。やはり、こうしたブランド力を高めていく。じゃ、そのブランド力ってどうやってつくったらいいんだろうかということになるかと思います。このブランド力をやはり推進していくためにしっかりと指導していく、そういうようなことをしてもらいたいということも思っております。 そこで、私は、前からの持論なんですが、ファンドみたいのをつくって一定の基準に達したもの、これは海外に非常に売れるイチゴだ、リンゴだ、あるいはお米だという品質のいいものを作り出して、そしてそのファンドを活用して買い取り、そして輸出をしていくと。そして、最初の方は税金掛かるかもしれません。しかし、値段が二倍にも三倍にも売れていけば、その分入ってくるわけですね。たしか私の記憶では、第一次のときに中国にお米を輸出したら三倍で、三倍の価格で売れたということを記憶しております。ですから、こうしたブランド力を生かしたお米あるいは野菜、こうした果物を輸出することによってやはり日本に富を得る、その富をまた兼業の農家の人とかあるいは市場価格に循環をしていく、こういう方が私はいいのではないかと。 そのために、やはり市場のIT化というのも必要だというふうに思っておりまして、例えば中古自動車、あるいはほかの、家でも瞬間的にどこに何が足りないというのがすぐ分かる。しかし、農産物というのはなかなかそれがまだ確立していない。だったら、IT化を進めてどこに何が足らないということが瞬時に分かることによってブランド化を進め、更に輸出を進めることができるというふうに思っておりますが、総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ブランド化を進めていく、これは付加価値を高めていく上においては極めて重要であります。 しかし、ここで大切なことは、ブランド化を進めていくというのはやはりプロの農家でなければならないわけであります。プロの農家でなければ、ブランド化を進めたものを、かつ単収を上げていくということがこれなかなかできないんですね。素人であれば、掛ける時間も少ないということになれば、ブランドのものを作るといってもなかなかこれはできなかったり、あるいは単収が半減していくということになるわけでありますから。そこで、兼業農家の方は主たる収入は別にあるわけでありますから、そうすると、果たしてブランドの主力になるのは、やはりこれは専業農家なんだろうと私は思います。専業農家の方々がやはりブランド化の中心になっていく。 しかし同時に、この兼業農家の方たちも一緒にそれに参加をしていくという形式はあるんだろうと思いますが、やっぱり農業というのはそう簡単ではありませんから、ブランド化をして高品質のものを作って、かつこれはコストを下げていくという努力は、相当の努力は必要なんだろうと思いますが、しかし、日本人はそれが得意でずっとやってきたことでありますし、我々は今その意味において常に今これを海外に紹介をしているわけでありますが、高く評価をされていて、実際に、なかなか輸出は難しいと言われていたわけでありますが、先ほど農林水産大臣から、牛においても直近、足下で三割増えているという数字も出ております。こうした努力をきっちりとやっていきたい。 いずれにいたしましても、残念ながら日本の人口は減少していくわけであります。現在でもある程度厳しい状況に直面しているわけでありますが、これはこのままであればじり貧になっていくわけでありますが、言わば新しいTPPによるマーケットが、八億人というマーケットができますし、アジア太平洋地域にはより質の高い食品を求める、食べ物を求めるというマーケットがどんどん成長をしている。ここでしっかりと日本は販路を拡大していくことこそ農家の収入を増やしていくことにつながっていくのではないかと、このように思います。
○井上義行君 そこで、TPPが、日本がどのような国になっていくんだろうかということだろうというふうに思っております。 私は、TPPを機に日本をハブの国にして生きていけばいいんではないかというふうに思っております。こうしたそのハブをしていくためには、二十四時間の港であるとか、あるいは空港の整備であるとか、そういうことも必要です。 しかし、ハブにすることによって、例えば麻生大臣が好きなアニメだとか、総理が好きな映画とか、あるいはファッションが、日本に来れば一番最初に見ることができる、あるいは手にすることができる、こういうことを生かし、あるいは発信をする。あるいは金融として、様々ないろんな世界各国から日本の金融にお金が集まるとか、あるいは日本には優れた文化であるとか自然を満喫する観光があります。こうした、人々が、いろんなもの、人、様々なことが、日本にとっては、島国であるエネルギーがない中で生きていくためには必要だろうというふうに思っております。 こうしたハブの国にしていくという考えは、総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 第一次安倍政権のときに、我々はゲートウェイ構想というものを掲げたわけであります。日本に来て、日本からアジアに行くと。日本に来ればもういろんなアジアのものが全部そろっていると。あるいはまた、アジアの人々は日本に来れば世界の様々な情報が集まっているということにしていきたいと、こう思うわけであります。 その中におきましても、ハブ化していく、航空路もそうでございますし、あるいは様々な人の流れもそうでありますし、そして映画とか、先ほどアニメとか言われました、そういう様々なコンテンツにおいても日本がハブとなっていく、そうした言わば日本のグローバル化が進んでいく中において日本の存在を高めていきたいと、こう思っております。
○井上義行君 そこで、オープンな国、総理の言葉で言うとオープン・アンド・イノベーションということだと思いますが、こうした国を目指していくためには、やはり教育の充実というのが不可欠だというふうに思っております。 私は、我々の会派というのは非常に数が少ないので、高等教育に係る家計の負担を軽減するための税制上の措置その他の必要な施策の推進に関する法律案を何回も出しているんですが、なかなか審議してもらえない状況でございますけれども、やはり今、家庭の収入が、現実として高等教育に進学できない子供もいる。全ての子供がしっかり高等教育を受ける環境をつくっていくことこそやはり日本の進むべき道だというふうに思っております。必ずしも、大学に行く、これだけが人生ではありません。専門学校で技術を磨く、技術やそして高い能力を身に付けるために、国を挙げて今こそやはり高等教育にしっかりと取り組むべきだというふうに思っております。 これは再三総理には質問をしておりますけれども、以前、そしてその前にも、私が提出をしたこの法案についての評価をいただきました。いま一層、そろそろ受験のシーズンになります、これから大学を目指そう、あるいは専門学校を目指そう、そして来年の参議院選挙は十八歳から投票が始まります。やはりこうした多くの学生に対してしっかりと、安倍内閣、高等教育に力を入れていくということを是非この場で言っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 家庭の経済状況によって大学への進学が妨げられるようなことがあってはならないと考えています。学生の経済負担の軽減に取り組むことが重要と思います。 御指摘の法案の趣旨は、高等教育に係る家計負担の軽減を図るため、給付付き税額控除、大学等への寄附の促進、奨学金の返還免除の拡充等を政府に求めるものであったと承知をしております。 政府としても、これまで無利子の奨学金や授業料の減免を充実するとともに、成績の優秀な大学院生については奨学金の返還を免除しております。また、税制や奨学金制度の改善にも取り組んでいます。さらに、民間団体等においても、個人や企業から寄附金等を原資として、給付型も含め奨学金事業が実施されています。 また、本年七月に取りまとめた教育再生実行会議の第八次提言でも、財源の確保等の課題について検討しつつ、高等教育段階における教育費の負担軽減に優先的に取り組む必要があるとの提言をいただいているところでありまして、今後とも、財源を確保しつつ、高等教育に係る学生の経済負担の軽減に取り組んでいく考えであります。
○井上義行君 是非財源を確保して、こうした多くの若者が家庭の事情で高等教育に学ぶことができない、そんな日本では、本当にこのGDPが何位だとかいうような自慢にはならないというふうに思っております。やはり、こうしたことをしっかりやることが将来、国家百年の計になるというふうに思っております。 そして、最後に拉致問題についてお伺いをしたいと思います。 いまだ多くの方々がまだ帰国を果たされておりません。ストックホルムの合意から一年たちました。その間、様々ないろんな取組がされました。私は、その中で一番評価しているのは、やっぱり安保理にこの拉致問題が議題となった、そのことによって北朝鮮は動きを出し始めた、私はそう見ています。 そこで、昨年十二月に国連総会が、我が国及びEUの共同提出により、これまでより強い内容の北朝鮮人権状況決議を採択されたわけです。この決議は、安保理理事会に対して、北朝鮮の人権状況の国際刑事裁判所への付託の検討を含む適切な行動を取るよう勧告をしているわけです。私は、北朝鮮がいまだ拉致被害者を解放しなければ、こうした国際刑事裁判所へしっかり我々は訴えるぞと、そしてそこに北朝鮮は出てこいというような強い意思をする必要が私はあるというふうに思っています。 こうした国際刑事裁判所への付託というのはやはり大きな拉致問題の進展を促すというふうに思っておりますけれども、総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国連では、先月、拉致問題の早期解決を求める北朝鮮人権状況決議案をEUと御指摘のように共同で国連総会に提出をし、各国に支持を精力的に働きかけているわけでございますし、私も首脳会談をやるたびにこの案に対しての支持を訴えて、多くの国々から支持をいただいているところでございます。大切なことは、やはり国際社会、国連の場においてしっかりと北朝鮮に圧力を掛けていく、対話と圧力、そしてまた行動対行動の原則にのっとって拉致問題の最終的な解決を図る決意であります。
○井上義行君 終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で井上義行君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、アントニオ猪木君の質疑を行います。アントニオ猪木君。
○アントニオ猪木君 引き続き質問をさせていただきますが、危なく元気ですかと言いそうになって、今止めました。毎日何十回とこの挨拶をしているものですからね。まあ、ここのルールですから。 ところで、ミャンマーの選挙が連日報道されていますが、ちょうど、私の友人であります前議員の阪口直人さんも、選挙監視員ですかね、行っております。選挙も無事に今のところは終わったようですが。 先日、総理がモンゴルと中央アジア五か国を歴訪されまして、私もこの五月、ナザロフという選手が世界チャンピオンになった、ボクシングで、ちょうど九〇年の最初に旧ソ連からスカウトしてきまして金平ジムに預けて、その後、本国に帰って世界チャンピオンになって、そして国民的英雄になりまして、国会議員にもなりましたが、彼の招待もありまして、キルギスの国際マラソンということでスターターを頼まれて行ってきました。大変、イシク・クル湖とか、今回総理もそこまで行っている暇がなかったんじゃないかなと思いますが、すばらしい湖でしたが。 それともう一つは、九三年でしょうかね、トルクメニスタンが旧ソ連からやはり独立した直後、私も訪問したんですが、当時、外務省の佐藤優さんがいろいろ私の世話を焼いてくれて、それで、飛行場に向かう途中にはっと気が付いたら、ホテルのセーフティーボックスにパスポートを忘れてしまいまして、引き返しても間に合わないしどうしようかということで飛行場に着いてしまって、で、佐藤さんが、猪木先生、何かカードはありませんかと言うんで財布を出したら、カードを勝手に一枚抜き取って向こうのカウンターと話をしたら、パスポートもなしでトルクメニスタンに入ったという前代未聞の話だったんですが、非常に向こうも厚く歓迎してくれまして、イスラム圏ですから、本当にこういうじゅうたんの上で、結構お酒も飲んだんですけれども、そんな中でキャビアが朝から昼から晩、丼いっぱいキャビアが出てきて、トーストの同じ厚さぐらいキャビアが出るので、さすがにキャビアはあれだったんですが、本当に当時のトルクメニスタンも相当変わったと思います。 中国、インドも非常に積極的に外交関係を結んで、特に中国は九一年の独立後すぐに中央アジアへ飛んで外交関係を結んでいるということで、今回、総理が行かれたことは大変意義深いことかなと思います。 今回質問させていただく分には、本当に当時そんな資源が眠っているというのも報道されていなかったものですから、今回は、トルクメニスタンの場合は中国に四〇%も天然ガスを輸出しているということもちょっとネットで調べました。そんな中で、今回総理が行かれた意義とまた成果というんでしょうか、その辺をお聞かせいただければと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 中央アジアは、まさにこのアジアの真ん中にあって、東西の結節点であります。そしてまた同時に、今委員が紹介をしていただきましたように、豊富な天然資源に恵まれておりまして、大変日本にとっても戦略的にも重要な地域であろうと思います。 私もこの五か国を訪問いたしまして、五か国全てを訪問したのは日本の総理大臣として初めてとなるわけでありますが、大変これは親日的であり、かつ日本への信頼が高いんですね。なぜそうなっているかということの一つの大きな理由は、実はかつて、戦後、当時のソ連にたくさんの日本人の兵士が抑留をされまして、この五か国、特にウズベキスタンを中心にこの場で強制労働をさせられていたんですが、強制労働をさせられていた日本人たちが一生懸命いろんなものを造ったんですね。 強制下にあるにもかかわらず、例えばウズベキスタンにおいては、ナボイ劇場というすばらしいオペラハウスができました。私も見てきたんですが、このナボイ劇場は、実はその後、ウズベキスタンを襲った大きな地震でほとんどの建物が倒壊した中これだけが残ったということでありまして、大統領から、大統領が子供の頃、両親に連れられて、日本人の抑留者が仕事をさせられている姿を見せられて、強制的であるにもかかわらず、こんなに一生懸命物づくりに励んでいると、この勤勉さをおまえも学べと言われたということでございます。 であるからこそ日本に対して圧倒的な信頼を持っていまして、そしてこの中央アジアの多くの国は天然資源の輸出に頼っていたのでございますが、これからは付加価値のあるものを出したいと、そのためにインフラ整備をしたい。インフラ整備をするんだったら、やっぱりそのときのことをみんな頭にありますので、やっぱり日本だということになったわけであります。この貴重な資産を私たちは生かしていかなければならないと、このように感じたわけでございます。 今回の訪問におきましては経済界の皆さんにも同行をしていただきまして、今後三兆円を超えるビジネスチャンスを生み出すことができました。そして、各国との友好協力関係を発展させていくことができたのではないかと思います。 今回の訪問の成果を踏まえまして、しっかりとフォローアップを行うために、関係省庁の次官、局長レベルで具体案の検討に着手をしたところでございます。
○アントニオ猪木君 まだ本当に、日本の抑留された人たちが造った校舎でしょうか、ビルがあの当時も残っておりましたが。 次に、オリンピック関係でまた、前回も質問させてもらいましたが、今回、馳文科大臣が就任されたということで、おめでとうございます。何かこの前食事をしたときに、おい、おまえ、いつ大臣になるんだよと言ったら、そのうちになりますという。そのときに、なったら猪木さんに最初に質問を受けますということで、こんなに早く実現すると思わなかったですが。いっぱいスキャンダルも集めてきたんですけど、今日はやめにしますけど。 最初の私の八九年の選挙のときも一緒に走ってもらって、本当に楽しいあの当時の選挙をさせてもらいましたが。北朝鮮も、九五年ですか、行って、十九万人、二日間で三十八万人というイベントで、初日は私が出られないので、代わりに元気ですかとリングの上から挨拶をしてもらいました。でも、本当にこれからの役割は大変だと思いますが。 今日は一つ、体罰でちょっといろいろ言われているようですが、体罰に関してですね。 時代の背景が違いますので、もう前にも委員会でも話したとおり、私どもの修業時代は体罰も何もそれが当たり前だと思っていたんですが、時代の背景が変わってきたというか。それで一つ、前から質問しようと思っていたんですが、ゆとり教育ということで、ゴールするときにみんなが手をつないでゴールするという、大分前の話だったと思いますが。そのときに私もいろんなところからインタビューを受けて、どう思いますかと。ばかやろうと、それこそどなったことを思い出しますが。逆に今度は、今は百メートルをどうやって走るかという、速く走れるかみたいな塾までできたという。 本当に教師も大変だと思います、何かあればすぐマスコミが取り上げて。一つ私が申し上げたいことは、やっぱり指導者がちゃんとした立場等を守ってあげないと、何かがあるたびに教師が袋だたきになってしまって、その実は知りませんけど、どういう体罰をしたのかは。でも、そのような危機感もあって、調査をしてあげなければ、情熱のある先生たちも、またそういう熱さを感じる生徒たちもだんだん育っていかないんじゃないかなと思います。そういうことで、是非その辺を、国民あるいはマスコミに受けることだけじゃなくて本音を語ってもらいたいと思います。 話は変わりますが、以前も委員会でオリンピック・パラリンピックのことで質問させてもらいましたが、ここにあります、大会コンセプトというものがありましたけど、この時期の天候は晴れる日が多く、かつ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスが発揮できる理想的な気候だと。ちょうど今年の夏、同じ時期に質問をさせてもらいましたが、本当に大臣の皆さん、一周走ってみたらどうですかと。本当に四十度近い、また、地熱まで計算すると四十五度ぐらいになるんです。誰が作ったか知らないんですけど、ここにもちゃんとありますが、このようなことで、誰も体験者というか、そういう人たちがこういうコンセプトに関わっていないのでこんな文章ができたんじゃないかなと思います。 そこで、文科大臣、この文章を読んでどう思われるか、感想を聞かせてください。
○国務大臣(馳浩君) 猪木さん、いろいろと御指導ありがとうございました。おかげでこうして答弁をする立場に立たせていただきましたので、改めてこれまでの御指導に感謝申し上げますし、これからもまたよろしくお願いしたいと思います。 この文章については、そもそも、オリンピックの会期については二〇一二年の五月のIOCの理事会で期間が設定されていて、その中において我が国の招致委員会が開催期間を設定した、そして二〇二〇年の東京大会の立候補ファイルにおいてこういうふうな開催日程を設定した理由として用いられたものだと、こういうふうに認識をしております。したがって、与えられた環境、日程の中において最高のパフォーマンスを発揮するような取組を推進していくことが必要であると、こういうふうに考えております。 今年の五月に、内閣官房のオリパラ推進本部を中心として、暑さ対策に係る関係府省庁等連絡会議を設置をいたしまして、道路の暑さ対策を始め、関係府省庁、組織委員会及び東京都等が取り組むべき対策について幅広く検討を行ってまいりまして、九月には中間取りまとめを発表したところであります。 したがって、アスリートだけではなく観客への配慮も重要でありますから、組織委員会と協力し、また、オリパラ担当には遠藤利明大臣もいらっしゃるので、協力して、より最高のオリンピック競技大会を開催できるように努力してまいりたいと思いますので、また協力よろしくお願いします。(発言する者あり)
○アントニオ猪木君 まんじ固めはうまいよ。 いまだ本当にはっきりしない会場の問題やエンブレムのマークの問題であるとか、様々な問題がまだそのままになっているようですが、ひとつ私の提案として聞いてもらってもいいんですが、今言われたように、もう決まってしまったものを変えることができないんじゃなくて、総理が言われている、ゼロベースからのスタートということも言われていますので、もう一回、許す限りの部分でゼロベースでいろんなものを検討していく。 一つには、このオリンピックの元々の起源というのは平和ということですから、東京オリンピックという名前が付いていますが、東京オリンピックじゃなく、今回、埼玉あるいは千葉、神奈川、いろんなところの会場を使うという話も一部聞いております。東京オリンピックの名前はいいと思いますが、日本全土で、これは地方創生にもなりますし、例えばマラソンなんというのは、本当に四十度近いところで選手たちの本当に生命の問題にも関わってくるし、そういう意味では、広島という、平和を標榜し、日本が毎年あれがありますが、広島で男子を走ってもらう、例えば女子の場合は長崎で走ってもらう、そういうような提案で、それで世界にアピールをするということで考えてもらったらどうかなと思います。 それで一つ問題は、選手たちが閉会式に戻れないんじゃないかと、そういう心配をされるようですが、多分、マラソンは早朝からスタートだと思いますし、午前中にはもう終わって、十分東京に戻ってくる時間もあると思います。 そういう意味で、思い切った見直しというか日程の変更を申し出る勇気、あるいは東京集中から地方分散型にするという、その辺の検討をする考えがあるかどうか、聞かせてください。
○国務大臣(馳浩君) 既に昨年の十二月のIOC総会におきまして、トーマス・バッハ会長の下でオリンピックのアジェンダ二〇二〇が、既存施設の活用を促すとともに、地理的要因や持続可能性の理由から開催都市以外での競技の実施が認められるということで、これは全会一致でアジェンダが採択をされております。 この方針に従って、森喜朗組織委員会の会長の下で、既に六月のIOCの理事会においては、札幌ドーム、宮城スタジアム、江の島ヨットハーバー及び幕張メッセ等の地方会場を含むほぼ全ての競技会場について了承を得たと、こういうふうに認識をしております。 したがって、このルールの中においての取組を我々は応援していくことが必要であり、やっぱりスポーツの祭典ですから、ルールに基づいて決められた条件の中で最大のパフォーマンスを発揮していただく、このことを我々は政府としても一体となって応援していく必要があると思っています。
○アントニオ猪木君 是非自分の意見を、今聞いているとどうも役所が作ったような感じがしますけど、自分の意見を聞かせてもらうように。 あとちょっとありますので。 十八歳に、今度は選挙制度の問題がありますが、本当に、進学している子供たちは学校からそういう指導もあると思いますが、就職している子供たちからの一つあれがあったので。自分は今年十八歳になったけど、中学を出て就職したので選挙権が十八になったことを知りませんでした、何をどうすればよいのかという、こういうような、これからの、何でしょう、指導というか、一人でも多くの子供たちが理解できるような。これは誰に、もう時間ないんですけど。
○国務大臣(高市早苗君) 失礼します。 本年六月に、明るい選挙推進協会が十五歳から二十四歳までの方にインターネット調査をしましたら、十八歳以上に選挙権年齢が引き下げられたことを知っていたという方が約九割おられたんですけれども、猪木委員が残り一割ほどの方の声をしっかり受け止めていただいたということを受けまして、更に啓発活動をしてまいります。 特に経済団体などを通じて事業所にもしっかりとお伝えいただき、事業所の中でお伝えいただくということ、それから、全国九都市で人気のラジオ番組とタイアップをしてシンポジウムをするなど、様々な啓発活動をしっかり行ってまいります。 ありがとうございます。
○アントニオ猪木君 時間が来ました。ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上でアントニオ猪木君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、片山虎之助君の質疑を行います。片山虎之助君。
○片山虎之助君 維新の片山虎之助でございます。 私は、党はおおさか維新の会なんですが、参議院の会派は維新の党になっておりまして、両方に共通する維新と言わせていただきましたが、私どもの党のことで国民の皆さんにいろいろな御迷惑、御心配を掛けておりますけれども、できるだけ早い時期にすっきりした形にいたしたいと思っておりますので、どうか引き続き御指導、御鞭撻を賜りますようによろしくお願いいたしたいと思います。 それでは、順次質問いたします。毎回同じことを言いますけれども、どうか答弁は簡潔明快、分かりやすく是非お願いいたしたいと、こういうふうに思います。 まず、南シナ海の南沙諸島でアメリカが航行の自由作戦を始めました。日本は直ちにこれを支持したわけでございますけれども、当面はこれに加わらない、まあ将来は場合によってはと、こういうことでございますが、いろんな情報によりますと、それじゃ中国は工事をやめるか、恐らくやめないと思います。アメリカは数週間、数か月作戦を続行するということを言っておりますから、事は長期戦になる、持久戦になるおそれがあると思いますけれども、総理、我が国は、支持は支持ですよ、どういう立場で今後振る舞われるか、御所見を賜りたい。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 南シナ海については、我が国が輸入する原油の約九割、天然ガスの約六割がそのシーレーンに依存しており、資源やエネルギーの多くを海上輸送に依存する我が国にとって、南シナ海における航行の自由及びシーレーン安全確保、重要な関心事項であります。 我が国としては、開かれた自由で平和な海を守るため、国際社会が連携していくことが重要であると考えています。今般の米国の取組については、国際法にのっとったものであり、かかる国際社会の先頭に立つものとして、我が国として支持をしております。我が国としても、これまでにフィリピンやベトナムなど南シナ海周辺の国々に対する能力構築支援や南シナ海における海上自衛隊と米海軍の共同訓練を行うなど、地域の安定に資する活動に積極的に取り組んできておりまして、今後とも、二国間、多国間による共同訓練・演習等を推進することとしております。 他方、現時点では、自衛隊は南シナ海において常続的な警戒監視活動は行ってはおらず、またそのような具体的な計画も有していないわけでありまして、いずれにせよ、南シナ海における自衛隊の活動については、南シナ海情勢が我が国の安全保障に与える影響を注視しつつ、今後とも十分に検討を行っていくべき課題であると考えております。
○片山虎之助君 私は、次の質問で自衛隊についてお聞きしようと思ったんですが、私も総理の言われるとおりだと思うんです。国際的な連携で対中抑止ネットワークをつくって、圧力を掛けるというんでしょうかね、抑止していくと。それからもう一つは、やっぱり関係国、周辺国のいろんな意味での支援だと思いますね。人材の育成だとか、技術、装備、作戦その他。 何か、ベトナムの何とか湾ですね、何とか港か、カムラン、そこで海上自衛隊が寄港して一種の基地にする、そこでいろんな共同で訓練その他をやると。こういうことを積み重ねることが私は正しいと思いますが、しかし、事によっては国民の理解と納得を得て自衛隊も共同活動をする。もちろん、平和安全法制が施行になってこれに適合するということは、そうでなきゃいけませんけれども、そうでないこともできるわけですよね。訓練をするとかパトロールを一緒にやるとか、あるいは一緒に船が進むだけとかいろんなことがあると思いますが、その辺は、総理、どうなんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 既に、現在も我々、米海軍とともに共同訓練等は実行しているわけでございます。そして、先ほども少し申し上げましたが、まさに片山委員が御指摘をされたように、ベトナムやフィリピンからも能力向上の協力を依頼されておりまして、我々も能力向上の協力を行っているところでございます。そして、今後も二国間や多国間による共同訓練や演習等は行っていくわけでございます。 今後、いずれにいたしましても、この南シナ海は重要な海域でありますから、この海域の自由な航行、そして法の支配が貫徹をするように、我々も様々な選択肢を念頭に置きながら検討を、十分な検討を行ってまいりたいと、このように考えております。
○片山虎之助君 私は、持久戦になろうとも、こういう国際法を無視した無法は許しちゃ駄目だと思いますね。幾ら時間が掛かろうが、いろんな難しいことがあろうとも、是非アメリカとともに頑張っていただきたいと思います。 〔委員長退席、理事岡田広君着席〕 それからまた、そういうホットな問題なんですが、普天間基地の辺野古移設は、私も長年の検討による唯一の現実的な選択肢だと、こう思っておりますし、それに、前の知事が十分に検証、検討してオーケーを出した、法的にですよ、それが知事が替われば瑕疵が出てくるというのも、私は、法律の解釈、運用としていかがかなという感じは確かにするわけでございます。 事は法的な有効性の議論になりましたから、これはいろいろな手続に従って、私だって場合によっては法廷でということもやむを得ないと思いますが、基本的にはそういうお考えですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 基本的な考え方としては、まずは、沖縄において大きな基地負担を負っていただいている、このような現状は是認できるものではなくて、その負担を軽減することは政府の大きな責任であると思っております。 そして、その中でも最も大切なことは、住宅や学校に囲まれて市街地の真ん中にある普天間の固定化は絶対に避けなければいけないと、これが原点でございます。その中において普天間基地の辺野古移設ということが決定されたわけでございます。 その後、見直しも、例えば民主党政権で見直しを行うということになったわけでありますが、いろんな場所を探して結局辺野古しかないという結論に至ったわけでございまして、普天間のこの危険の除去は辺野古しかないというのが我々の認識でございます。 そして、そのために住民の生活や環境への影響に配慮しながら辺野古への移設をしっかりと進めていきたい。普天間の返還については、日米合意をして以来今日まで、これはもう片山先生よく御承知のように、十九年間全く動かなかったわけでありまして、多くの負担の軽減ですら、他の軽減も全然これは動いてこなかったのであります。大切なことは、一つ一つ着実に負担軽減をしていくということではないかと思います。 これは、十八年越しの課題であった空中給油機十五機も岩国への移駐がこの三年間で完了しましたし、嘉手納以南の返還計画も、これは日米で七年越しの課題でありましたが、一昨年、大統領と直接これは話合いをしまして合意に至り、本年三月に東京ドーム十一個分の西普天間住宅地区が返され、そしてグアムへの移転についても、これは予算が凍結されていたものをこれ動かすことができたわけでございます。 そこで、五年たって、これ、建設を進めて五年たてばこれは完成するわけでありますが、完成しなければ移設ができないわけであります。そうしたことを念頭に、我々はしっかりと法に、法令に従って作業を進めていきたいと、こう考えております。
○片山虎之助君 総理、それはそうなんですが、ここでもう一つ大きい問題があるんです。民意ということなんですよ。これは、民主主義あるいは政治にとって、この民意尊重ということは錦の御旗ですよね。この一連の何年間の民意はノーですよね。いい悪いの私は議論じゃなくて、そういうことがある。それからもう一つは、国の利害と地方の利害のぶつかり合いなんですよ。 こういう場合に、それじゃ法律はこうだ、権限はこうだということで、安全保障は国の責任、国の責任分野だと、だから、もうどういう意見があろうが民意がどうであろうが切って捨てるということが果たして正しいのかどうかというもう一つの問題がありますが、何か御所見ありますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに、地元の皆様の理解が大切であります。まだ沖縄において厳しい御批判をいただいておりますし、移転先の名護においても、選挙において、言わばこれは慎重な方が選挙で勝利を収めたという現実も我々はよく理解をしております。 他方、沖縄の負担の軽減を進めていく上において、今申し上げたこと、グアムへの移設の予算が凍結を例えばされていた、岩国への移駐が進まなかった、そして西普天間住宅地区の返還が全くこれ進まなかったのは事実でありますが、それはやはり、普天間から辺野古が全く動かなくなれば、米側はこうしたことについて実際に出てこないわけでありますから、こうした負担軽減を進めていくためには、我々は、しっかりとこの米国との関係において、辺野古への移設を進めていくということを示す中において、今申し上げたことは全てこれは実現してきたわけでございます。 岩国への移駐についても、山口県においても、これは辺野古に移っていくという中、大きな米軍再編の中において沖縄の負担の軽減が進んでいく、そして県内の中で普天間から辺野古に変わるという中において、じゃ、岩国も十五機受け入れようということになったわけでございますので、そうしたことを進めているということについてもまだ十二分に御理解をいただいていないところもあるかもしれませんので、我々もしっかりと丁寧に説明を続けていきたいと、こう思っているところでございます。
○片山虎之助君 私は、国が相当な沖縄の基地負担の軽減のため努力しているということは認めますよ。しかし、本土の方も、本土と言ったらいかぬのかもしれませんが、こちらの方もなかなか難しいですよね、いろんなその経緯がある。 私が非常に心配なのは、今や相互不信になっていますよね。禁じ手とは言いませんが、禁じ手的なことを、例えば国連の人権理事会で人権問題にしていろいろ訴えられる、私はいかがかと思いますけれども。そうしたら、名護市の町内会で、区ですか、それを官邸に呼んで直接交付金を渡すというのも、これもいかがかな。私は、言い分はあると思いますよ、共に言い分はあると思うけれども、お互いそんなことをやり合ってどういうことになるんだろうかと、同じ日本人、同じ日本の中で。 〔理事岡田広君退席、委員長着席〕 だから、私は、相互不信の解消といいますか、そこは何かが要るんですよね。ここまで長い時間掛けてこうなったものに、いい知恵ありませんけれども、私は、謙虚な誠意を持った話合いの続行、あるいは負担軽減について、今までも努力されておりますけれども、更に全体のビジョンというんでしょうかね、全体像を示しながら、具体的な工程を示して粘り強く話し合うしかないと思いますけれども、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もちろん、我々も話合いで決着をしたいと考えております。 事実、八月から一か月間、工事を停止をいたしまして話合いの場を持ったわけでございまして、官房長官も何回か沖縄側と話合いをされまして、私もお目にかかってお話をしてきたところでございますが、残念ながら、この普天間の辺野古への移設は認めない、認めないと同時に、これは工事を続けるのであれば法的措置をとるということでありました。 そこで、そうしますと、これずっとこの期間を、そういう期間を延ばせば延ばすほど完成は遅れるわけでありまして、そう言って十九年間実はたってしまったわけであります。どこかでやはり決断をしなければいけないわけでありますし、今のこの普天間の状況を、ではそのままじっとほっておくというのは政治の責任の私は放棄ではないかと、こう思いますので、しかし、これからも粘り強くお話をさせていただきたい。 また、翁長知事も元々は自民党の幹事長を務められた方でもございますし、我々は何とか話合いによって解決をしていきたいと。仲井眞知事も、先般、各新聞社のインタビューにおいてそういうことを書いておられたんだろうと、このように思います。
○片山虎之助君 是非ひとつよろしくお願いしたいと思います。 それから、私は最近あちこちに行ってみまして、東京圏一極集中が加速していますね。本当に、普通の田舎、普通の田舎というのはおかしいんですけれども、それは人間いません、年寄りばっかり、地方は。たまにいたらお年寄りで、若い人がいない。車は動いていますよ、車はあります。それから、空き家がどんどん増えて、耕作放棄地が増えていますよね。 そこで、調べてもらいましたら、平成二十六年というと去年ですよね、十月一日時点で、統計によると日本は大体、今二十万人台人が減っているんですよ。多いときが二十八万から九万、一年間に。大体二十万以上、去年が二十一万五、六千人減っている。ところが、東京圏だけが十三万人増えているんですよ。名古屋も減っているんですよ、名古屋圏も。それから、大阪圏はもう四万人減っているんです。 いや、東京一極集中が加速している。今や首都圏、東京圏の四県、東京に神奈川に埼玉に千葉は人口が三千六百万人です。日本の人口の二八%なんです。世界の首都圏でこんな三割近い人口を持っている国はありません。平均は一五%なんです。私は、やっぱりこのままじゃ、本当に若者であふれる東京圏とそれ以外のお年寄りだけの地方圏に分かれると思いますよ。 ところが、首都機能の移転というのは、かなり騒ぎましたけれども、結局国民的合意にならずに、できていませんわね。それから、いろんな国土計画で多極分散、多極分散と耳が痛いほど言いましたけれども、全然できていない。そこで、一方で、東京は直下型地震が来る可能性がこれから三十年の間に七割の確率だというんでしょう。マグニチュード七ですか、八ですか。それから、世界の大都市のいろんな指数を見ると、ずば抜けて危険度が高いんです。 だから、そうなると、本気で一極集中を直すことを私は考えないといかぬ、そのために我々は副首都というものを考えるべきだと。これも一時、議員連盟でかなり盛り上がったんですよ。首都のバックアップ機能をきちっとしたところにつくる、場合によっては幾つかの行政機関もそこに持っていく、それを一つの拠点にしていくと、こういうことは私はあってもいいと思うんですけど、総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 副首都構想でございますね。副首都構想については、確かに、かつて遷都についても議論なされたわけでございますが、当時かなり活発な議論があったというふうに記憶をしております。 今後、この東京にある、集中している首都機能の、また行政機能のバックアップをどのように考えていくかということについては研究していくことも必要であろうと、こんなようにも思うところでございます。
○片山虎之助君 外国には冬の首都、夏の首都ってありますよね。そういうことがあるんですよ。国会も、シーズンによってはよそでやってもいいんですよ。いろんな団体で回り持ちというのがありますよね、一回は東京だけど、一回は地方だと。これはやや冗談ですけれどもね。 是非一極集中を阻止するあれを本当に考えないと。東京がこれだけ強いのは、全部ここに日本の国の意思決定機能が集まってくるからですね。政治も経済も文化もスポーツも、もうあらゆるものがここに集まっている、メディアも。これをどうやって散らすかということを私は本気で考える必要があるので、今総理が検討すると言われましたので、是非ひとつしっかりとした……(発言する者あり)検討、言っていませんか。検討までは言っていない。(発言する者あり)研究。研究と検討は同じですよ、研究の方が深いですから。 それじゃ、TPPについて少しお伺いしますけれども、私は、今回のTPPは、大筋合意、私は評価すべきだと思います。甘利大臣以下、日本チームは健闘したと思いますよ。しかし、これはいろんな議論があるんです、いろんな議論があるんですけど、大筋合意できた。 これからの広域経済連携のこれはモデルになりますよ。幅も広いし、四割の経済のスケールを持つ。細かいことも決まっている、決まっていないこともありますけれども。で、これが一つは今度お手本になる、下敷きになる、ベースになる、これが大変大きいと思いますね、これをまねてくる。 それからもう一つは、やっぱりアメリカをこのアジア太平洋、特にアジアに引き込んだことですね。アメリカのこれは安全保障の方ですね。そういう意味での、私は安全保障上大変な効用もあると。 これをうまく両方使えばいいことになると思うんですが、思うんですが、やっぱり日本では国会決議やっていますよね、特に農業に対して。国会決議にこれ合致して合格かというと、これは何度も今日も議論ありましたけど、国会決議は除外や先送りなんですから、簡単に言うと、関税撤廃は。しかし、それはそうは数字はなっていませんわね。 しかし、それじゃこのTPPを蹴れるかと、署名しないかと、批准せずにいけるかと。私、いけないと思います。そうなると、どうやってこれを生かしていくか。あと、再協議もあるんでしょうから、そういうことの中で生かしていく。細目協議もまだ続くんでしょうか、バイで。それも生かしていく。あるいは国内対策でどれだけ補うか。本当に攻めるものにするのか、ピンチがチャンスに変わるのか。それがこれからの勝負だと思いますけど、総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国会決議との関係におきましては、この農林水産品については、これ言わば私たちは聖域なき関税撤廃を前提条件とする以上、交渉参加しない。しかし、そうではないという確信を得て我々は交渉に参加したわけですね。そして、交渉した結果、基本的には農水産品、他の国々が九八・五%を関税撤廃、だからほとんどこれは関税撤廃されたわけでありますが、日本は八一・〇と、約二割の関税撤廃の例外などを獲得したわけでございまして、そういう意味におきましては、厳しい交渉の中において国会決議を踏まえて最善の結果を得ることができたと、このように思っております。 今後、どのような影響が生じ得るかを十分に精査の上、意欲ある農林漁業者が希望を持って経営に取り組み、確実に再生産可能となるように、十一月下旬を目途に政府全体で国内対策を取りまとめて、交渉で獲得した措置と併せて万全の措置を講じていく考えであります。 また、対策の検討に当たっては、過去のガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策で行ったこと、様々な御批判もありました。こうしたことも踏まえて、真に農業、漁業、農村、漁村の利益となる、あるいは競争力、生産性が上がっていく、そして収入を増やしていくことにつながっていくものにしなければならないと、このように考えております。
○片山虎之助君 総理、基本的には秘密交渉なんですよ。だから、少しは漏れましたけれども、漏れないんですよね。だから、今頃いろんなもの出て、あれあれあれあれと、こうなっている。 そこで、これで、それじゃ、どういう影響が地域別、品目別にあるかと、これからちゃんと試算を出すというんですよ、農水省を中心に。それは十二月中をめどにするという。これも秘密じゃないですか、まだ。だから、関係者も農業団体も大きい声で言っていない。小さいことをぶつぶつ言っているだけですよ。それがきちっと出ない前に国内対策決めるんですか、この十一月の二十五日に。秘密交渉の続きになるじゃないですか、総理。いいんですか。
○国務大臣(甘利明君) 農産品について言いますと、定性的には品目別に影響評価をもう既に農水省はやりました。具体的な数字にまだなっていないんです。 これから政府は、与党と連携を取りながらその対策大綱を決めます。というのは、どういう政策を取るべきか、国内対策、それから攻めの農業に対してどうしていくか、中小企業はどう攻めていくかというようなことを取りまとめます。その後に、今度はそれを具体的によりしていくということになっていくと思います。ですから、手順を踏んで取り組んでいきますけれども、農水省に関して言えば、農産品の定性的な影響から、より品目別の具体化していく作業に入っていくんだと思います。 そういう中で、じゃ、当面、補正ではどの部分が必要なのか、それから中長期的な、攻めの農政といっても、攻めていく場合にどういう政策ごとにどういうプランがどういう予算で組み立てられていくのかということが構成されていくんだというふうに思っております。
○片山虎之助君 今、甘利大臣が言われたのは、十月二十九日に出た農林省の分析ですよね。あれ、評判悪いんですよ、悪いけれども。表層的で総花的で楽観的なんですよ。だから、余り信用されていないんですよ。いやいや、一生懸命やったと思いますよ、私は、農水省も。だけど、それは上辺のまだ分析なので、信用していないんです、まだ、中身が仮に合っていたとしても。それをばたばたばたばた、よく分からぬで、みんなが議論せぬで、生のままでばたっと決めるということになると、大枠を決めるかファンドになるんですよ、また基金に。 ガット・ウルグアイ・ラウンドと同じじゃないですか。つかみでやって、とにかく使っちゃえということになるんですよ、役所というのは。もう直ったかもしれませんが、我々の頃はややそうだった。だから、そうなると、またばらまきになるんですよ。そんな、今ばらまきなんかできるあれじゃないでしょう。いかがですか。
○国務大臣(森山裕君) 片山委員にお答えをいたしますが、考え方は委員のおっしゃるとおりだと思っております。ゆえに、例えば牛肉にどういう影響があるかというのは客観的にデータを示させていただきました。 ただ、これを見ましても、北海道と鹿児島と宮崎ではまたちょっと違うと思うんです。ですから、もう少ししっかり分析をさせていただいてしっかり詰めなければなりませんので、そう短時間にできるものではないとは思いますけれども、ただ、全体的に、強くて豊かな農林水産業、美しく活力ある農山漁村に向けた体質強化対策というのは一定のことができるのではないかと思っております。 ただ、重要五品目の対策というのは、品目別のところはやはりしっかりと精査をさせていただいて、地域ごとに、米どころもあれば畜産どころもありますし、違いますので、そこは引き続き議論をさせていただいて対策を詰めていくという、二段階方式といいますか、そういう考え方で整理ができればなというふうに思っております。
○片山虎之助君 今度のTPPは長いんですよね、ずっと。まあ短くだんだんなるのかもしれませんが。だから、状況によっては変わっていくというその柔軟さというのか、それはもう様子を見て、予算の決め方は大変難しいと思いますね、余り固定的に決めるべきじゃないし、いや、そうなると、いいかげんになるところもあるので。財務大臣、どうですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 御記憶のように、ガット・ウルグアイ・ラウンドのときに、国庫で二兆七千六百二十億です、たしかね、たしか六百七十億だったと思いますが、トータルで事業費予算で約六兆百億だか一千億だったかと記憶いたしますが、ああいったような形で最初に額ありきというやり方でやることはありません。
○片山虎之助君 そこで国内対策なんですが、これはこれから検討していただきゃいいので、そうきちっとしたものじゃありませんが、私はやっぱり、土地と、農地と人の確保だと思うんですよ。今、人は、このTPPを見て、もうやめようかと引退を早めるお父さん方がいたり、あるいはその子供さんやなんか若い人がもうやめておこうかと、農業はなかなか難しいなと、こういうことを言われて、入り手がなくなってくる、農業従事者がなくなってくるというのは非常に困るんですよね。 そういう意味では、青年就農給付金というものは、私はこの予算委員会で質問をして、民主党政権でしたが、民主党政権がつくってくれたんですよ、珍しく。ありがとうございました。それで今日まであるんですが、かなり機能をしているんですけれども、やっぱり中途半端なのかもしれません。半分ぐらい、結局脱落していくようですね。それから、農の雇用事業というのもある。これはいろんな農業を覚えるということをやるんですよ、まず。だから、そういうものを並立するのもいいんだけれども、組み合わせるとかいろんな工夫をして、一遍それをもらったらやめないようなあれに是非してもらいたい。 それから、物を作るだけじゃ駄目なんですよ。作ったものをどうやって売るか、どうやったら使われるかという、そういう経営改善や能力や、そういうことを付けないと駄目ですよ。いかがですか、農水大臣。
○国務大臣(森山裕君) 青年就農給付金につきましては非常にうまくいっているんではないかと思っておりまして、平成二十四年度は千七百七人の方でありますが、途中でやめた方、諦めた人というのは十二名でございますので〇・七%ぐらいのものです。 ただ、ちょっと気になりますのは、農の雇用事業のところが平成二十四年度は三千五百一人だったんですけど、途中でうまくいかなくなってやめられた方が七百七十人で二二%でございますので、農の雇用事業については、今からどうするかというのは考えていかなければならないというふうに思っております。 それと、やはり先生おっしゃるとおり、いかに農業の専門家を育てていくかということが大事なことだなというふうに思っておりまして、農業高校の在り方等も含めて我々も今検討を進めているところでございますので、またいろんな御意見をお聞かせいただければ有り難いと思います。
○片山虎之助君 それともう一つは、農水省の補助制度を見直さなきゃ駄目ですよ。継ぎはぎだらけでいっぱいいろんな似たようなものがあると思いますよ。 私は、この機会に、このTPPの国内対策を機会にばさっと変えるべきだと思う。だから、日本型の、我々が言っているのは、直接払い制度をつくってもらう。農業の生産条件の有利不利によって、全国的に残す農家は全部それで手当てをしてやると。今、不利なところはもうからないからみんなやめていくんですよ。それが全部放棄地で残っているんですよ、あちこちに。まあ一部が太陽光発電になっていますけれどもね。しかし、どうかと思いますよ。美しい農村風景って総理はいつも言われるけれども、だんだんそれもなくなっていますよ、耕作放棄地で、草ぼうぼうで。 だから、是非、直接払いでいいんだけれども、日本型の、土地については、残すべき土地については全国全部、きちっとした分かりやすい基準を作って、不利なところでも農業経営が続けられるように、投下した資本や労働力が回収できるような、とにかくやっていけるというような制度を是非つくってくださいよ。ナラシだとかゲタだとか、中山間だとかあれだとか、多面的何とかだとか、似たようなものが並立していますよ。それは、それぞれの意味があって経緯があるということは認めるけれども、いつまでもこんなことじゃ駄目ですよ。農水省が、そういう意味で生き返るためにも、再生するためにも、是非やっていただきたいと思いますけれども、どうですか。もっと、細かい数字なんかもう要りません。いかがですか。
○国務大臣(森山裕君) 日本型直接支払制度につきましては、三つの仕組みを持っておりますが、それぞれ少しずつ目的が違います。そのことが弊害になっているとすれば検討しなければなりませんが、今非常にうまくいっている面もございますので、総体的に少し検討させていただければと思います。
○片山虎之助君 これから攻める農業といったら輸出ですよね。それは、私は輸出はやらなくちゃいかぬと思いますよ、国内マーケット小さくなるんだから。そういう意味では、輸出をしていくんですが、今、関係者が言うには、非関税障壁というんですか、検疫なんかがややこしいことを言って、事実上は外されているような、日本のいろんなものが。まあ、肉もそうなるし、果物、野菜だとかは伸びるものですよ、これから。 そういうことのあれはTPPではやらないんですか。私、何でやらないんだろうかと思う。
○国務大臣(甘利明君) 日本の農産品が優秀でありながら検疫で排除されるということがあります。その場合には、それぞれ輸出国、輸入国の専門家が協議して、ブレークスルーを図るための作業をするという項目がございます。
○片山虎之助君 もう時間がないから、またの機会にいたします。 それで、総理、今日は加藤大臣も場合によっては呼ぼうかと思ったんですが、一億総活躍社会というのが、分かるんです、気持ちは。感じも分かるんですよ。中身が分からない。 我がおおさか維新の会は、今度の我々の政策理念、政治理念は、自立する個人、自立する地域、自立する国家を実現するということなんですよ。私は、一億総活躍社会にも自立するということが要ると思うんですよ。自立をした上で支え合うんですよ、一億が、世代を超えて。そういう感じが要るんですよ。 公的な手当を受けようとか、サービスを拡大してもらうとか、これも必要ですよ。だが、自助、共助、公助と言うでしょう。しっかりした公助は必要なんだけど、自助や共助も要るんですよ。これからどんどんどんどん共同事務みたいなのが増えるんですよ。それを税金で、官でできるわけがない。みんなが加わってやるんですよ。ウイ・サーブなんですよ、日本中が。そういう精神を是非入れてくださいよ。それがないと、まあ、たかるというわけじゃありませんよ、しかし、そういうことに傾く。予算は幾ら取れる、何をやる。そうじゃない。自分でまず自立する、自立した上で支えることができる人は支え合う、世代を超えて、地域を超えて、そういう精神がこれからの私は日本には是非必要だと思いますね。いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私もまさにそのとおりだと思います。我々が進めようとしている一億総活躍社会は、若い人たちもお年寄りも男性も女性も、難病に苦しんでいる人も、障害がある方も、一度失敗した人も自分のやりたいことができる、そういう機会を持てる社会をつくっていく、一歩前へ出ていくことができる社会をつくっていくことによって日本は力強く発展をしていく。 そこで、我々は、今委員がおっしゃったように、自立、自助を第一にしながら、その上で共助と公助を組み合わせていくと。自立したい、もっと能力を発揮をしたいという人たちがしっかりと能力を発揮できるようにしながら、しかし、なかなかそれは難しいという方々もいるわけでありますから、お互いに助け合い、そして障害をみんなで取っていくということが大切ではないかと、こう思っております。
○片山虎之助君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で片山虎之助君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、中野正志君の質疑を行います。中野正志君。
○中野正志君 次世代の党の中野正志でございます。 ようやく日中韓首脳会議が終わりました。国民的には、マスコミの批判的な論調が少ないと、それゆえもありましてか、この首脳会談はおおむね成功だと、日本は外交的勝利を収めた、こう自分も理解をいたしておりますし、国民の各界各層の皆さんそのように理解されておられるのかなと思います。 そもそも、今回の会談では当然ながら幾つもの前提条件が付けられていたんだと思いますけれども、日本としては、もう前提条件なしの会談でなければ駄目だと、こういうことで原則論で押し通したと、私はそのように理解をいたしております。要は、表づらはどうであれ、私たちの日本外交は、中国、韓国、これに譲歩を、当然ながら言葉で、あるいは雰囲気でか迫りながら、結果的に譲歩を勝ち得たと、こういうことなんであろうと思うのであります。 中国、韓国、本来であれば外交交渉事でありますから、中身の議論について一々公開はしないのが約束であろうと思うのでありますけれども、ひょこひょこひょこと出てくるんでありますね。 しかし、あえて言えば、例えば韓国、慰安婦問題の解決が最優先事項だ、あそこまで何百回となく強く言っていておきながら、結果的には協議を加速化するよう指示と、いわゆる大臣に対してですね、これで譲歩をしたと。あるいは、李克強中国の首相、相変わらず歴史問題で厳しい対応はありましたけれども、結果的には、安倍総理の大人の対応で、これ以上に実利はないと、こう考えられたか、結果的には譲歩をいたしたと。私は、率直に評価をいたしたいと思うのであります。 そこで、この日中韓首脳会談について安倍総理はいかなる覚悟で臨まれたのか、また、結果についてどのように自己評価をされておられるのか、それをお伺いをしておきたいと思いますし、次回の首脳会談、来年日本で開催ということになるようでありますけれども、中国、韓国に関わる外交的な課題、どのようなものがあると認識をされて、その解決のためにどのようにしていくおつもりなのか、国益あるいは日本の名誉に関わる重要課題があると当然ながら思いますけれども、そういった点などについても論及をいただければと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先般、日中韓のサミットが三年半ぶりに開催をされました。日本は、それぞれこれ隣国でありますから、隣国同士であるがゆえに様々な課題がある。難しい問題もありますが、そうした問題を解決をする上においては、これは首脳同士がこれ話し合わなければならないわけであります。 同時に、一つの課題だけではなくて、協力できる分野もたくさんあるわけであります。例えば、環境もありますね、防災もそうでしょう、青少年の交流等々もあるわけでございます。 一つ問題があるからといって、こうしてお互いに協力することによってお互いに利益を得ることができるものについて話をしないというのはそもそもおかしな話でありますから、私は、前提条件を付けるべきではなくて、また、バイの会談もそうでありますが、この課題について譲歩しなければ会わないよというのはこれおかしい話であって、そういう我々は交渉はしないという考え方でありました。 なるべく早くこのサミットを開催すべきだと我々は主張をしてきて、そのとおりになり、前提条件なしに首脳会談が、バイの首脳会談も行われたことは本当に良かったと、こう思う次第でございます。 そして、日中韓の協力の枠組みが完全に回復をしたこと、そして定期開催されるということが合意できたこと、そして来年、日本が議長を務めるこの日中韓の会議を行うということが合意されたことは大きな成果ではなかったのかなと、こう思うわけでございます。 そして、一番大切なことは、李克強首相も朴槿恵大統領も、三首脳は地域の平和と安全に、そして繁栄に責任を共有していると、この認識をお互いに持ち合うことができたということは大変有意義ではなかったかと、このように思います。
○中野正志君 あえて、ジャーナリストの櫻井よしこさん、宮家邦彦さんの弁を紹介をいたしておきます。 日中韓のあつれきの真の原因は、中韓両国とも歴史問題を戦略的又は国内政治的に利用しているからだと。とりわけ中国に日本はどう対処すべきか。日本は中国の長期戦略の脅威を真に認識しているか。現在の外交で日本の名誉、国民の生命、財産、領土、領海、領空、日本の全てを守り、保全することはできるのか。歴史を捏造し、歴史カードを用いて日本をおとしめ、影響力をそぐことも諦めていない。国際規範の無視。かの国に一切の油断は禁物である。十分に肝に銘じて臨まれたい。櫻井よしこさん、宮家邦彦さん。 なるほどなと私も率直に思います。是非、拳々服膺、お願いを申し上げます。 そして、続いて、私たちは、去る十一月四日、首相官邸において、菅官房長官に対して私たちの提言を申し上げました。一つは、日本経済、御存じのとおり、この二〇一五年四月から六月期のGDP成長率は年率換算でマイナス一・六%と落ち込んでおります。民間消費がマイナス一・七%と落ち込んだことが大きく影響しておりまして、昨年四月に行った消費税率の八%への引上げ、これがいまだもって大きく響いていると、こう断ぜざるを得ないのであります。この消費税増税の景気破壊力、やっぱりすごいものがあったなと実感をいたしております。これらの現状に鑑みて、私たちは、二〇一七年四月に予定されている消費税増税の再延期を実は菅官房長官に提案をいたしたところであります。 衆議院の委員会でもそうでありますが、安倍総理の立場は、リーマン・ショックのようなことが起こらない限り、二〇一七年四月に消費税率は間違いなく一〇%にすると言わざるを得ないのは分かっておりますけれども、しかし、一〇%を予定どおりにこの十月一日から上げていたらどんなことになっていたか、もうこの会場の人も国民の皆さんにもよく考えていただきたいと思うのであります。 去年の十一月、安倍総理が一年半、一〇%にすることを延期をすると。この決断がなければ、先月の十月一日から私たちの日本は一〇%の消費税だったのであります。今、個人消費が伸びない、まして中国ショックもある、こんな状況の中で今一〇%の消費税なんということになったら、日本経済、皆さんどうなっていると思いますか。もう想像することすらおっかない状況なのかなと、実はそう思うのでありますけれども。 いずれにしても、経済は生き物であります。海外の経済情勢もあります。できれば固定的に考えず、景気回復、これが安定軌道で数年それをしっかり仕上げながら、言わば二〇一七年四月の一〇%の引上げは再延期することも選択肢として考えておくべきではないのか、こう思うのでありますけれども、安倍総理の御見解を求めたいです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 昨年、我々、今年の十月からの消費税八%から一〇%への引上げを延期をいたしましたのは、何といっても、まずはデフレからの脱却を成し遂げなければならない、そうでなければ税収も増えていきませんし、財政健全化という意味においても、それはむしろそのこと自体が危うくなるということであります。しっかりとデフレ脱却をし、そして経済を成長軌道に乗せる中において安定的に消費税は引き上げていくべきだと考えたわけでございます。 同時に、世界に冠たるこの社会保障制度を次の世代に引き渡していくという責任も果たさなければならない、そしてまた市場や国際社会からの信認を確保しなければならないという観点から、リーマン・ショックや大震災のような重大な事態が発生しない限り確実に実施をするということにしたところでございます。 再来年の四月の引上げに向けて、我々はそういう状況をつくるために、来年の四月、そしてまた再来年の四月もしっかりと賃金が上がっていくようになる。そういう経済の好循環を回していく中で、この消費税の引上げ、大切な社会保障を守り、国の信認を守るための財政健全化に向けての歩みを進めていきたいと、このように思っております。
○中野正志君 安倍総理の考え方、理解は一面できますけれども、是非選択肢の一つとしてお持ちを、考えていただきたいと、こう思っております。 また、緊急提言の二つ目でありますけれども、私たちは十一兆円規模の補正予算の編成を提案をいたしております。先ほど来申し上げましたように、確かに中国ショック、この中国の景気減速、私たち日本企業の業績あるいは日本経済自体に大きなダメージを与えていることも事実でありますし、ある意味リーマン・ショック以来のマイナスだなと、こう思っております。幸いにアベノミクスの効果で、外国為替資金特別会計二十二兆円の積立金、あるいは労働特別会計での差益も五兆円以上余裕があるようであります。財源としては、これらの積立金やあるいは運用益などを活用すればいいと。今、日本には十兆円のGDP需給ギャップがあると、こう言われておりますから、それを埋め合わせるのに十分な金額ではないかなと思っております。 アベノミクスの新しい三本の矢の二番目、子育て時代のサポートを強調し、中長期的に出生率を上げたい、こう言っております。子供を持つインセンティブを強くする、まして、また、GDPの六割を占めると言われる個人消費を上げる、消費者の購買力を下支えすると、こういう視点からすれば、景気対策の補正予算、やっぱり必要であるよなと。 減税かあるいは給付金か、こういうことになるわけですが、私たちは取りあえず、低所得の方々、あるいは年金生活で低い年金生活者の方々、あるいは子育て世代に配慮したこういった臨時福祉給付クーポンという名前、あるいは子育て世帯特別クーポン、こういったことで支給を提案をしておりますけれども、こういったことなどについても御見解をお聞かせをいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍内閣においても、これまでも所得が低い方々や子育て世帯への配慮を行っています。所得の低い方への臨時福祉給付金の支給や介護保険料軽減の拡充、また子育て世帯への臨時特例給付金の支給、また子育て世帯を応援する自治体への支援などを行っております。また、今クーポンについても御提案をいただきましたが、こうした方々への配慮という観点から御提案をいただいたんだと、このように思います。安倍内閣としては、引き続きこうした方々にしっかりと目配りをしていく考えであります。 補正予算についての御提言も承りましたが、いずれにせよ、経済動向をよく注視しながら、機動的な経済財政運営によって万全を期していきたいと思っております。
○中野正志君 ちょっと順序を変えまして、ここでフィリピンの残留日系二世の問題についてあえて質問させていただきます。 来年、フィリピンと日本の国交正常化六十周年を迎えるわけでありますけれども、年初に、天皇陛下、皇后陛下、フィリピンに御即位後初めて御訪問されると伺っております。 ところで、フィリピンでは、日本人を父親として生をうけながら、敗戦前後の混乱の中で父親と離別して日本国籍をいまだ取得できていない日本人二世約一千二百人が残されているという問題があります。この方々は、当然、父親が日本人でありまして、当時の国籍法の考えに照らしても当然に日本人として国籍を持つべき方々であります。 ところが、戦後七十年にわたって、残念ですが放置されてきました、実質上。その意味では、彼ら、彼女らにとっては戦後はまだ終わっていないのであります。彼ら、彼女らに自分の父親が日本人であることを自分で証明しろと、これはやっぱり要求するのは酷というものであります。そうではなくて、日本政府としてはどうしたら助けてあげられるかを考える、それこそが日本の心だと私は思います。 今年の七月二十二日には、伺いますと、フィリピン日系人連合会の代表七名が来日いたしまして、安倍総理と面会をされ、要望書を手渡したと承知をいたしております。天皇皇后両陛下のフィリピン御訪問を前にして、まさに日本の姿勢、日本の姿勢が問われる問題だと考えております。 そこで、総理にお伺いをいたしますけれども、この問題について、今後具体的にどのように取り組まれるのか、どう解決されるのか。中国あるいは南米の残留日系二世、その他もありますけれども、いろいろ前進的な取組、歴代頑張ってこられたわけでありますけれども、殊のほか日本とフィリピン、先ほど来いろいろ話もありましたけれども、南シナ海の問題も含めて、あるいは安倍総理とアキノ大統領の個人的な友情も含め、今後のアジア全体のことも考えますと、この問題についても日本の最前進的な取組が望まれるところでありますけれども、御見解をお伺いをいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 中野議員が長年、フィリピン残留日系人の方々のこの問題について取り組んでこられたことに対しまして、敬意を表したいと思います。 本年七月に訪日をされましたフィリピン残留日系人の方々とお会いをいたしました。代表の方からこの件についてお話を伺ったところでありますが、自分たちは日本人だと思っていると、であるにもかかわらず、日本人としての国籍を取れないことは本当に残念だというお話を伺いました。日系人の皆様がさきの大戦による混乱によって戦後大変な御苦労をされたことについても、そうしたお話を伺いました。そして、長い間、日本人としての誇りを持ち続けて今日に至っておられることに対しまして敬意を表したいと思います。 これまで、政府として、関係者の協力を得ながら、フィリピン残留日系人の身元確認につながる実態調査を実施してきました。今後は、実態調査を拡充するとともに、家庭裁判所において、日本国民として認定される可能性を高めるように、政府職員を調査に立ち会わせることで当該調査の信頼性を一層高めていく考えでございます。
○中野正志君 是非そのようにお取組をお願いをいたします。 防衛大臣、農水大臣、申し訳ございません、時間の関係でお許しをいただきたいと存じます。 終わります。ありがとうございます。
○委員長(岸宏一君) 以上で中野正志君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、渡辺美知太郎君の質疑を行います。渡辺美知太郎君。
○渡辺美知太郎君 無所属の渡辺美知太郎です。 今日は、安全保障とTPPを中心に取り上げていきたいと思いますが、その前にまず、八月の予算委員会でもお聞きしました観光地における共有地の問題についてお聞きします。 これは、温泉があるような観光地、特に歴史のある地域では、その間に土地の権利関係や相続関係がよく分からなくなっている、分割して相続しているので今誰が共有者なのか分からなくなっているというケースがあるようです。私の地元でも、板室地区を始めとして土地のほとんどが共有地なんという地域もあります。 この共有の問題、例えば旅館の建て替えを行うにも共有者全員の承諾が必要となるわけでありますが、そうなると、もう江戸時代から所有者がおりますので、誰が共有しているか分からない、相続しているのか分からない、共有者が一体誰だか分からない、そうなりますと建て替えも難しいと。そこで、前回、地方創生を掲げている安倍総理にこの問題についてお尋ねしたところ、通告の行き違いでうまく答弁がかみ合いませんでした。 そこで、今日改めて伺います。 総理、民法の改正については困難が伴うことが予想されますが、何か特区のような形で解決する方法も御検討いただけないか、再度お伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 共有持分は所有権の一形態でありまして、共有物の変更については共有者全員の同意がない限りできないとされています。 特区の活用に関する御提案については、こうした民法の原則を超えることは基本的に困難とは思われますが、地方創生に資するという観点から何ができるか検討していきたいと思います。
○渡辺美知太郎君 実現可能性、これは確かにハードルが高い問題だと思います。しかし、全国的にこういった地域多いと思いますので、是非自治体のお声にも耳を傾けていただきたいと思います。 では次に、安全保障に関する質問をしたいと思います。 通告では、まず南シナ海についての質問をする予定でありましたが、片山委員からも御質問ありました。南シナ海、南シナ海とは香港やフィリピンがある海域であります。中国が今、南シナ海の領土問題がある場所に基地を造っている南シナ海問題が話題となっております。私もこの問題、今後、海上自衛隊の活動が増えるか否かという質問をしようと思っておりましたが、先ほどの御答弁で、すぐにその活動が増えるわけではないが注視をしているという御答弁だったと理解をしておりますので、次の質問に入りたいと思います。 さて、御存じのように安保法が今年の九月に成立しまして、今後自衛隊の海外派遣についていろいろと活動量が増えることが明らかになっております。活動量が増えるということは、さきの国会答弁でも総理や防衛大臣がおっしゃっています。しかし、私はこれについては大きな問題があるのではないかと思っています。 こちらのパネルを御覧ください。(資料提示)これは、海上自衛隊は今後深刻な人手不足になるのではないかというものです。 まず、パネルの一番上。現在、海上自衛隊の中でも水上艦艇の部隊、つまり船の乗員については今現在そもそも充足率が低いと。つまり、一隻当たりの乗組員の人手が足りていないという指摘があります。さらに、近年、艦艇の大型化、増加により人員の充足率がますます悪化をするのではないかという心配があります。 こちらのパネルに護衛艦の写真があります。「いずも」と「しらね」であります。これは同じヘリコプター搭載護衛艦です。「しらね」の後任が「いずも」になります。同じヘリコプター搭載の護衛艦でありますが、前任の「しらね」の定員が三百五十人であるのに対して、「いずも」は四百七十人必要だと。つまり、百二十人増えて、三四%の人員の増加となります。この二つの護衛艦に限らず、今後、護衛艦の大型化が進み、これ安全保障法案あるいは防衛大綱とは関係なく、自衛隊の装備の都合上、人手不足が深刻になりつつあるということです。 これに対しまして、パネルの四角で囲まれた部分を御覧ください。これは、自衛隊の規模や装備を定めている中期防衛力整備計画という内容です。名前が長いので中期防と略させていただきますが、この中期防の中には、自衛官定数については、平成二十五年度末の水準をめどとすると明記されておりまして、海上自衛官の定員増加は否定をされています。また、総理御自身も、今年の八月の参議院予算委員会における答弁で、中期防を見直す必要はないとおっしゃっています。 そこで、まずお尋ねしたいのは、現在でもまだ中期防を見直して海上自衛官を増員する予定はないという理解でよろしいのでしょうか。防衛大臣に伺います。
○政府参考人(真部朗君) 海上自衛隊の定員につきましては、中期防におきまして、今委員おっしゃったとおりでございますが、平成二十五年度末の水準、すなわち約四万五千五百名を目途とするというふうにされておるところでございます。これについて変更はございません。
○渡辺美知太郎君 増員をしないということです。 ここで、総理に伺います。 現在の防衛大綱では、将来的に護衛艦を増やすことを明示して、また積極的平和主義に基づいてより一層の海外への自衛隊派遣をうたっています。さらに、今回の安保法成立によって活動量が増えることが予想されていますが、海上自衛官の数は増員をしないと。増員をしないどころか、現状でさえ人手が足りていないと。パネルにも、足りない部分はどうするのとありますが、負担が増えるのに担い手はそのままと、この増えた負担は誰が担うんでしょうか。 安保法の政策の際は当然自衛官の人手についても考えられていたと思うんですが、この足りない部分について安倍総理はどのようにお考えなのか、見解を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 平和安全法制が整備されましたが、今後とも、国民の命と平和な暮らしを守る、そして国際社会の平和と安全に貢献するという自衛隊の任務には全く変わりはありません。 法整備の主眼は、このような任務を切れ目なく、より一層効果的に果たすことができるようにすることでありまして、このため、基本的に全く新しい装備が必要になったり自衛官の大幅増強が必要になるということはありません。 自衛隊の装備や予算については、平和安全法制とは別途、安倍政権の成立後、新たな防衛計画の大綱及び中期防を閣議決定をいたしまして、厳しさを増す安全保障環境を踏まえて自衛隊の拡充や強化を図っているところであります。特に、海洋国家である我が国として、艦艇による警戒監視能力の強化を図ることとしておりまして、その際、委員の御指摘のとおり、乗組員の確保は重要な課題であると認識をしています。 現行計画では、海上自衛隊全体の自衛官定数そのものについては現状水準を維持することとしておりますが、しかし、自衛隊全体で効率化、合理化を徹底しまして、スクラップ・アンド・ビルドを行いまして艦艇乗組員の定数を増加させることとしております。自衛隊の定数は変わりませんが、この必要な乗組員の定数を増やすために、これはどこかの部署をなくしてこちらを増やしていくと、こういうことになるわけであります。 そして、これとは別に、艦艇について定数どおりの人員が実際に配置されていないという問題、すなわち人員の充足率が十分ではないという問題がありますが、この点については、採用数を増加させることなどによって乗組員の人員充足を確保していく考えであります。 こうした取組を行うことによって、海上自衛隊がその高い能力を一層発揮をし、平和安全法制によって付与される任務についても適切に果たすことができると、こう考えております。中期防を見直す必要はないと考えておりまして、今後とも、現行計画の下、継続的に人員の充足向上を図っていく考えでございます。
○渡辺美知太郎君 総理から御答弁をいただきました。総理は部署を削って必要なところに充てるとおっしゃっていましたが、それは人員の大幅な配置転換も御検討されているのでしょうか。お答えできる方で結構です。
○国務大臣(中谷元君) 特に、委員の御指摘は護衛艦の体制でありまして、四十七隻体制から五十四隻体制に強化をする計画になっていますが、新たに導入する護衛艦につきましては、多様な任務に対応できるこういった能力を備えつつ、船体をコンパクト化をいたしまして、これによってより少ない人数で運用することも可能ということでございますので、こういった取組によって能力を維持をいたしまして、さらに、こういった任務をしっかり果たせるように、こういった継続的に人員についての施策を展開してまいりたいと思っております。
○渡辺美知太郎君 当然、船乗りの人数が足りない、海上自衛隊の充足率そのものは九二%なんですけど、要は船乗りの数が少ないんですね。とすると、陸上に上がっている方を例えば移すと。確かに、考えとしては一つの考え方かもしれませんが、なかなか陸上に当たっている方をすぐに船に乗れって、それは無理な話ですし、中には艦艇に乗ることができない方がいらっしゃるわけであって、そういった方々を船に乗せると、これは不可能なわけであります。 また、コンパクト化とおっしゃっていますが、実際にどんどん船の大型化が進んでいるわけでありまして、そういった充足が足りていないという御認識をどのぐらいお持ちなのかと。また、数字も、数は大丈夫だとおっしゃっていますが、そういった、今、船の乗組員の充足率は足りていないという御認識をどのぐらい深刻にお持ちなんでしょうかと。大臣の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 限られた財政の中でいかに効率的に国の防衛をやっていくかという観点でございますが、先ほど総理からも御説明をいたしましたけれども、自衛官の定数そのものについては現状維持をするということですが、自衛隊全体で効率化、合理化を徹底して、スクラップ・アンド・ビルドということで、艦艇の乗組員、これの定数は増加をさせていくということで、教育訓練にしても人員配置にしても、そのような中で組織の見直しをして、こういった艦艇の乗組員を充実させていくということを考えているわけでございます。
○渡辺美知太郎君 スクラップ・アンド・ビルドとおっしゃいますが、例えば採用枠を増やす、あるいは陸上に上がっている方を船舶に乗せるということですが、これには長い年月が私は掛かると思うんですよ。すぐにあしたから、じゃ、海上勤務だからよろしく頼むと、そういったわけにはいかないわけでありまして、そういった充足の対策に対して、今こうやって、先ほど南シナ海でのお話もありました、今後どんどんどんどん海上自衛隊の活動量は増えていくと。 これ、ちょっと間に合わないんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(中谷元君) 防衛省といたしましては、今後ともこの安全保障環境を踏まえまして自衛官の充足の更なる向上に努めてまいります。 現状におきましては、防衛計画の大綱と中期防、これを達成をするという目標を持って自衛隊の充実強化を図っておりますので、いまだ達成されていない部分もございますので、その水準の達成に努めまして、更なる努力を進めてまいりたいと思っております。
○渡辺美知太郎君 大臣から御答弁いただきましたが、正直ちょっと苦しい答弁だなと思っております。 ちなみに、海上自衛隊は、水上艦艇における充足率というのは、これは把握をされているのでしょうか。私がちょっとお尋ねした際に、ちょっとこれは機密なのでお答えできないというお返事だったんですけれども、把握をされているかどうか、ちょっとどなたかお答えいただけますか。
○政府参考人(真部朗君) 私どもですが、個別の艦艇ごとの充足状況というのはそれなりに把握いたしておりますが、誠に恐縮でございますが、その個別の艦艇の充足状況を具体的に申し上げることはその艦艇の能力等を察知されることになりますので、恐縮ですが、御容赦いただきたいと思います。(発言する者あり)
○渡辺美知太郎君 今、後ろから一〇〇%ではないのかというお声もありましたが、実は一〇〇%ではないんですね。というか、むしろ艦艇に関しては、船の乗組員に関してはかなり深刻な、充足率が低いと。これは一隻当たりですよ、船乗り全員の数が少ないんじゃなくて、一隻当たりの船乗りがそもそも少ないと。一〇〇%ではないんですね、元々。さらに、船も大きくなるから当然充足率も下がる。それでいて任務も増えるわけですから、これは私は安保法制の成立によって自衛隊がキャパシティーオーバーになる可能性があると、このことはちょっとしっかりと私も主張をさせていただきたいと思っております。 では次に、ちょっと時間があるので、TPPについて伺いたいと思います。 このポスターは毎回国会でも取り上げられているポスターでありまして、私も本来はこういう質問は余りしたくないんですが、やはり二〇一二年の衆議院選挙にまでこういったポスターがたくさん出回っていました。特に、黄色の方はまだ「「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り、」と書いてあるんですが、白いポスターの方は「TPP断固反対。」というふうに書かれていまして、政権与党になった自民党がいかにもTPPに反対をするかと誤解をさせるような内容でありました。 そこで、まず今回のTPP合意について甘利大臣に伺いたいと思います。 自民党の公約では、「「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り、TPP交渉参加に反対します」ということですが、今回のTPP合意についてはこの聖域は守られたと評価されているんでしょうか。伺いたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) この白い方のはちょっと別として、黄色い方に関して申し上げます。 まさに聖域なき関税撤廃を前提にする限りということです。そして、この前提にする限りかどうかは、総理が日米首脳会談で確認をして、聖域なき関税撤廃を前提にするものではないと、ただし、全ての案件をテーブルにのせて、このセンシティビティーを主張するものについては交渉の中で結果として勝ち取るものであるということになったわけであります。それを総理が確認された後にTPPに入るという決断をされたわけであります。
○渡辺美知太郎君 ちょっとよく分からないんですけれども、重要五品目について聖域を守れたかどうかといった御評価をいただきたいわけであって、それについてイエスかノーかでお答えいただけないでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) 先ほど申し上げましたように、農産物については、ほかの国は九八・五%、日本は八一%で異例に関税を撤廃をしない部分が残っております。これは五品目のコア品目を中心にそういう構成になっております。 我々は、国会決議を後ろ盾に、国会決議があるからあなた方の要求にはそっくり乗ることはできない、そうしたら、そっくり乗ってしまったらこれは国会を通らないんだから、通らないということは成立しないということになるからということで話をしてきました。そこでぎりぎりそういう数字を粘り強い交渉の中で勝ち取ったと思っております。 我々は、国会決議に応えてそれをクリアしていると思っておりますけれども、しかし最終的に判断されるのはもちろん国会でありますから、通していただけるように精いっぱいしっかり説明をしたいと思っております。
○渡辺美知太郎君 できればイエスかノーかでお答えいただきたかったんですけれども。 時間がないので最後に、本当にこのポスター、いろいろあります。本当に、当時自民党の候補者の方々、ホームページにも、例えばTPPには断固反対します、あるいは選挙特番にも、有権者の方はTPP反対するから安心してくださいと、そう言って選挙活動をされている方、見てきました。自民党ならばTPPに反対してくれると信じていた、今地元の農家の方々から悲痛な叫びが上がってきております。 政権与党の先生方におかれましてはしっかりと説明責任を果たしていただきたいと、そのことを申し上げまして、私からの質問とさせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で渡辺美知太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、福島みずほさんの質疑を行います。福島みずほさん。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。 まず、高速増殖炉「もんじゅ」についてお聞きをいたします。 原子力規制委員会は十一月四日の会議で、日本原子力研究開発機構が「もんじゅ」の保守管理能力がなく、運転を任せられない、不適切であるという方針を確認をいたしました。田中委員長、その理由を簡潔に説明してください。
○政府参考人(田中俊一君) 「もんじゅ」については、平成七年十二月に発生したナトリウム漏えい事故を契機として実施された安全総点検において、品質保証及び保守管理が課題の一つとして指摘され、その後も何回となく改善への取組がなされてきました。 平成二十四年九月の原子力規制委員会発足後も、同年十二月に約九千機器の点検時期の超過が発覚したことから、保安措置命令等を発出し、対応を求めてきました。しかしながら、四半期ごとの保安検査で繰り返し保安規定違反を確認するなど、いまだに原子力機構において十分な対応が図られておりません。 また、文部科学省に対しても、規制庁から原子力機構を指導監督するよう、これまで二度にわたり要請文書を発出し、文部科学省も指導を行ってまいりましたが、おおむね三年が経過しても問題の解消が見通せない状況にあります。 規制委員会としては、こうした状況を踏まえ、原子力機構には「もんじゅ」の保安上の措置を適切に遂行する技術的能力がないと判断するに至ったものであります。
○福島みずほ君 「もんじゅ」をやる資格がないということです。ナトリウム事故を起こして以降も度重なる不祥事があり、そして、今も二百億円使ってナトリウムを冷やしながら、全く動いておりません。「もんじゅ」については、これは無駄遣い、全くの無駄遣い、どぶにお金を捨て続けているものだというふうに思っております。 「もんじゅ」は、一九八〇年からこれまでの三十六年間、一兆二百二十五億円の税金を使っております。一日に今でも、一年間に二百億ですから、一日に大体五千万円使っている。動燃そして原子力機構は全部で四兆七千五百二十九億円、今まで国税が使われております。 これ、これからもお金を使い続けるんでしょうか。動けない、動かせない、不適任だ、これで動かすんでしょうか。文科大臣、規制委員会の方針をどう受け止めるか。「もんじゅ」は廃炉しかないのではないでしょうか。
○国務大臣(馳浩君) 文部科学省としては、規制委員会から勧告が発出される状況に至ったことを重く受け止めております。 運営主体に関してなど、今後については、規制委員会からの勧告を受領した後に、その内容を精査しつつ速やかに対応を決めていきたいと考えています。
○福島みずほ君 廃炉しかありません。 動燃、今の原子力機構が不適切、不適格となって、じゃ、どこが、この全く動かない、全く動かない、動かしようのない、もうさびついた「もんじゅ」を引き受けることができるのか。どこが引き受けても毎年二百億円以上お金を使わなくちゃいけない。一ワットも出しておりません。 廃炉の決断を文科省としてやっていただきたい。文科省だって今までのことに責任があると思います。文科省として「もんじゅ」の廃炉を決定していただきたい。いかがですか。
○国務大臣(馳浩君) 文部科学省としては、これまで、文部科学副大臣を本部長とするもんじゅ改革推進本部を定期的に開催し原子力機構の改善作業の進捗管理や指導を行うとともに、現地に審議官級の職員であるもんじゅ改革監を駐在させて直接現場の取組を指導してまいりました。 今回の勧告が発出される状況に至ったことを重く受け止めて、可能な限り速やかに課題を解決できるように、引き続き前面に立って対応を進めてまいりたいと思います。
○福島みずほ君 河野行革大臣は、ずっと一貫して「もんじゅ」が、廃炉にすべきである、問題であるとずっと主張をされてこられました。そして、行革担当大臣でもいらっしゃいます。本日から始まる秋のレビューの第一項目めに日本原子力研究開発機構運営費交付金を取り上げていらっしゃいます。 行革大臣として、また御自身の信念として、「もんじゅ」を廃炉にすべきだ、いかがでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 閣僚になって何か個人の考え方が変わるということはないというのは福島先生も閣僚経験がおありですから御存じだと思いますが、閣僚は連帯責任を負いますので、対外的には政府の方針をしっかり国民の皆様にお伝えをしなければいかぬということも、福島先生、よく御存じだと思います。
○福島みずほ君 行革担当大臣としてなたを振るうべきだ、こんな税金の無駄遣い、どぶにお金を捨てて、これからも捨てるのか。一日五千万円です。いかがですか。
○国務大臣(河野太郎君) 今日から三日間の予定で秋のレビューをやらせていただきます。その中には、開栄丸とかRETFといった「もんじゅ」と関係のある予算についても、その予算が効果的、効率的に使われているかということは議論をさせていただきたいと思っております。 「もんじゅ」そのものについては、原子力規制委員会の勧告を受けて、文科大臣のところでいろいろと検討されるというふうに思っております。
○福島みずほ君 いや、行革大臣としてなたを振るってくださいよ。河野太郎さんが内閣に入って変わったと言われるようなことをやってくださいよ。また、馳さんも、いろいろな議員連盟で頑張ってこられています。是非、ほかに的確なところなど見付けることができるわけありません。このがらくたを、やっているふりして残し続けるのか、それとももうきっぱりやめて廃炉にするのか、その決断を待っておりますので、よろしくお願いします。廃炉しかありません。 次に、戦争法の強行について御質問をいたします。(資料提示) 安倍内閣というか自民党は、九月十七日、まさにこの委員会で強行をしました。平和安全法制特別委員会です。委員長、発言する者多く、議場騒然、聴取不能。現場はそのとおりでした。議場騒然、聴取不能。以上でも以下でもありません。採決などありませんでした。 そして、その後、委員長は国会の職員に命じて、次に議事録を、私から見れば捏造ですが、新たに追加をいたしました。附帯決議を行った。えっ、附帯決議の中身は一切ありません。 そして、論外なのは参照という部分です。横浜地方公聴会速記録、これが参照という形で議事録に載っています。中央公聴会、地方公聴会をやった後、審議を求められて、一秒も審議しないで採決をした例は国会史上ありません。地方公聴会をやった後、この委員会に報告をしないで、地方公聴会の報告をしないで採決をやった例は国会の中で一件もありません。ここで報告をやらなかったので、参照という形で載っけたのです。 参照、何でしょうか。参議院議長が正式に公述人に頼み、国民の税金で地方公聴会をやり、公述をし、そして討議をし、その地方公聴会の議事録は参照なんですか。こんなひどいことはないですよ。公述人を愚弄していますよ。参照という、これは許せない。 そこで、総理にお聞きします。 総理も、そのときこの委員会、特別委員会にいらっしゃいました。議場騒然、聴取不能。採決などなかった。いかがですか。 二点目。参照と書いてあること、これは恥だと思いますが、いかがお考えですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国会審議に関わることでございますから国会が御判断されるものでありまして、参議院における採決についても、熟議の上で決めるべきときには決めるとの観点から参議院において御判断されたものと、このように承知をしております。
○福島みずほ君 総理は自民党の総裁じゃないですか。しかも、この法律は閣法として閣議決定されて政府の案として出されているんですよ。こんなぶざまな国会、ないですよ。平和主義と立憲主義と民主主義を踏みにじる。参考という形でしか地方公聴会が出されないなんてあり得ないですよ。国会で今までなかったことです。 こんなことをやって、この法案は成立していません。中身が違憲無効ですから無効です。裁判も起きるでしょう。あなたたちは負けるでしょう。そして、手続も無効です。欠陥があります。瑕疵があります。手続も無効です。こんな法律、作動させてはならない、そのことを強く主張し、国民の皆さんと廃止法案提出できるような状況をつくっていきたい。こんな踏みにじる安倍内閣には退陣を求めていくような状況をしっかりつくってまいります。 次に、沖縄辺野古のことについてお聞きをいたします。 辺野古で土器や石器が見付かっております。文科大臣、文化財保護法九十四条に基づき、沖縄県が今後遺跡に指定した場合には、文化財保護のための手続が進むということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(馳浩君) 二点申し上げます。 文化財保護法上、埋蔵文化財が所在する土地において国の機関等が工事を実施する場合には、都道府県教育委員会は、埋蔵文化財の保護上特に必要があると認めるときは、国の機関等に対して協議を求めることができることとされています。 二点目です。 その協議の結果、工事計画の変更も選択肢としてあり得るが、やむを得ない事情で計画変更ができない場合においても文化財の記録を取るための調査を行い、工事を実施することが通例であります。
○福島みずほ君 この文化財保護法にのっとってしっかりやられること、そして、工事が、もちろんやる場合もありますが、工事をやることでこの土器や石器、文化財保護ができないという事態も起き得ます。しっかり土器、石器が見付かった時点で工事をストップすべきだ、いかがですか。
○国務大臣(馳浩君) どこでどういうふうな土器、石器が発見されたかという報告がまだ文部科学省に上がっておりませんので、その報告が上がった段階において、事実に即して、またこれまでの通例も踏まえて丁寧に対応したいと思います。
○福島みずほ君 是非工事をストップしていただきたい。土器や石器も含め、文化財保護法にのっとってしっかり文科省がやってくださるように心からお願いしますし、そのことを防衛省も官邸も尊重してくださるように申し上げます。 沖縄辺野古のことですが、先週も辺野古に行ってきました。沖縄は新基地建設反対です。名護市長選、名護市議選、そして沖縄県知事選、衆議院選挙、全て沖縄新基地建設反対の候補が勝ちました。沖縄はノーです。 総理、沖縄が、嫌だ嫌だ嫌だ、新基地建設反対と言っているのに、なぜ工事を強行するんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、多くの米軍基地が沖縄に集中している、この現状を変えなければならないと思っております。中でも、住宅や学校に囲まれ、市街地の真ん中にある普天間の固定化は断固避けなければならないということでありまして、これは政府と沖縄の共通認識であると考えております。辺野古への移設によって普天間は、これは全面返還されるわけでありまして、一日も早い返還を実現することこそがこの問題の原点であろうと、こう考えています。 この辺野古以外にあるかということについては、これは福島委員も連立政権に参加をしておられましたからよく御存じのとおりであろうと思います。最低でも県外ということで、鳩山当時の総理大臣が四十数か所の場所について移設可能性を探ったと。しかし、結局辺野古しかなかったということであります。その結果、結果、言わば普天間から辺野古に移るための辺野古での工事が遅れることは、一日普天間の移設が遅れていく、危険性の除去が遅れていくということにつながるわけであります。我々政治家の責任は、現実と向き合いながら一つ一つ確実に危険性の除去を進めていく、そして同時に負担の軽減を行っていくということではないでしょうか。 この辺野古への移設についても十九年間動かなかったわけであります。しっかり工事を行っていけば五年間で完成し、言わば移設が始まっていくということにつながっていくわけであります。 例えば、海兵隊がグアムに移転をするこの予算も、結局迷走した間はこれずっと凍結をされていたわけでございますが、やっと安倍政権になってこの予算が執行されることになったわけでありますし、西普天間の住宅地、これもずっと動いていなかったものが実際に返還されたわけであります。岩国への十五機の空中給油機についても全機移駐が完了しました。これもずっと動かなかったわけであります。こうしたことを着実に進めていくことこそが、我々は沖縄の負担の軽減につながっていくということではないかと考えております。
○福島みずほ君 沖縄の人たちはそんなこと一ミリも納得しませんよ。一ミリも納得しませんよ。私も、沖縄辺野古に新基地建設を、造るという閣議決定に署名を拒否して大臣を罷免になりました。沖縄の人たちを裏切ることはできませんし、沖縄の民意はノーです。沖縄の人たちは分かっているんですよ。 たかだか少し返還をされても、というか、沖縄の新基地建設、辺野古のは新基地建設であって移設ではないということ、それから、最近も報道がありますが、アメリカの海兵隊撤退を検討した後、復帰直後、日本の方が沖縄残留を望むとか、様々な報道があります。沖縄の民意をなぜ踏みにじるのか。 佐賀では、オスプレイへの慎重というのが出ればオスプレイの受入れをさせないわけじゃないですか、佐賀には。沖縄はなぜ踏みにじるのか。地上戦を経験した沖縄でなぜ更に踏みにじるのかということに関して沖縄の人々は納得をしておりません。 総理にお聞きをします。沖縄県知事の公有水面埋立承認取消通知書、お読みになりましたか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この通知書は担当の大臣宛てに出されたものでございますが、報告を受けております。
○福島みずほ君 この取消しは違法だと総理はおっしゃっています。どこが違法ですか。
○国務大臣(菅義偉君) この取消書について、私たちは、前仲井眞知事がこの承認の判断をした、そのことに瑕疵はないというふうに考えております。
○福島みずほ君 海面の埋立ての承認の権限を持っているのは県知事です。そして、それを取り消した。そして、総理、沖縄の声を聞くと言いながら、この通知書の中身さえ読んでいないんですか。何が問題といって知事が取消しを求めたか、読んでいないんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは大臣宛てに出されたものでありますから、私は当該大臣から報告を受けるのは当然のことでございます。 それとともに、これはまさに手続においては仲井眞知事の時代に淡々とこれは進めてきたわけであります。十分に精査をしながら進めてきたわけでありまして、それに瑕疵があったというふうには考えていないわけであります。
○福島みずほ君 ひどいですよ。きちっと、なぜ今の知事が取り消したのか、それをきちっと議論し、納得するように、環境問題や様々なこと出ていますよ、それを検討すべきじゃないですか。知事は埋立ての承認の権限を持っています。だとしたら、知事は取消しの権限も持っているはずです。瑕疵があると考えた知事が取り消せば、埋立ては、承認は無効になります。なぜそれを聞かない。国と地方公共団体は対等じゃないですか。どうしてこんな形で踏みにじるのか。 先週、沖縄で全国ドメスティック・バイオレンスシェルター会議がありました。私は、この今政府がやっていることは沖縄いじめだと思います。沖縄に対するある意味DV政権。嫌だ嫌だ嫌だと言っても殴る、言うことを聞かない、読んでもいない、そして現知事が言っても、その取消しは違法であると言い放つ。それはおかしいですよ。 沖縄は、第二次世界大戦中、本土決戦を防ぐために捨て石とされ、四分の一の住民が亡くなりました。沖縄の人々は、今度もまた捨て石にされるのか、また更に恒久的な基地を押し付けられるのか、怒っています。今、警視庁からたくさん機動隊が来て、近くのホテルに泊まり、地上戦を生き残ったおじい、おばあをごぼう抜きしている。沖縄の人たちの神経逆なでして、怒っていますよ。 政治が何のためにあるのか、民主主義を踏みにじったこの戦争法の強行や、沖縄の声を聞かない、こんな民主主義を踏みにじる内閣は大問題であり、退陣すべきだということを申し上げ、沖縄の声を聞けと申し上げ、私の質問を終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で福島みずほさんの質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、荒井広幸君の質疑を行います。荒井広幸君。
○荒井広幸君 新党改革の荒井広幸です。 パネルに、皆さんの資料に、お手元に配付をさせていただきました。(資料提示)一億総活躍社会、そしてTPPが今日は主題であります。 私どもとしては、常々言ってまいりましたが、自分で頑張ろうとする自助、自立意識、しかしそれだけでは成り立ちません。税金を使う公助という部分があります、国であるとか市町村。しかし、これも負担という意味で大変重くなります。共助の領域をどんどん増やしていって、お互いに助け合い、そしてその中で自分も生かされる、そういう国柄を目指すべきだと思います。その意味で、一人は万人のため、万人は一人のため。 この一億総活躍社会という言葉、それぞれイメージを持たれて、いろいろと言葉の意味、内容がない、いろいろ言われますが、私は直感的にこのように思ったんです、一人は万人のため、万人は一人のため。その観点で、かねがね申し上げてきました我が党の提案をもちまして一歩前に進めていただきたいと思います。 その提案の一つが、中学生、高校生が全員ヘルパー三級程度の資格を取る。百二十時間授業で取れば、後は授業時間で地域や施設を訪問してお手伝いをしていく。 そして二つ目は、子供たち含めて、希少難病治療とそして創薬を作っていくと、こういう観点です。本当に極めてまれな病気をお持ちの方の治療を進めなければなりません。そして、その治療をする中で遺伝子などで原因が分かってまいりますと、万人に効く特効薬が生まれています。この五年から十年に分かってきたことなんです。一人の人が万人を助けることになっていきます。 そして最後は、農地集約で所得向上という農業を目指していこうと。農業の国家戦略特区は二つあります。その二つのうち一つが新潟県の新潟市です。新潟市と特別協定を結んでNTTドコモやベジタリアという、ベンチャー企業なんでしょうか、田んぼに水温と水位の測定器を置きまして、携帯電話でそれを見ていく。それによって水田の管理と品質とまた収量を上げていく。労力が取れた分、別な仕事をして、別な作物を作って収入も上げられると、こういう特区を既に政府は取り組んでいるわけです。 今日は、この三つをやらせていただきたいと思うんですが、私の時間が各政党の先生方の時間が白熱しましたのでずれ込みまして、私は相撲中継でカットになりますので、この部分をまず申し上げたということでございます。多分、夜の一時にこれを、どこか途中で切られて出るんだろうと思います。少数政党の悲哀を感じながら、しかし、その少数政党であってもチャンスを、これをもらうと同じような、国会と同じように、小さい弱い人にもチャンスを与えていく一億総活躍社会を是非つくっていただきたい、そういう意味で提案をさせていただきたいと思います。 石破大臣にお越しをいただきました。何度か提案をさせていただいています。全ての中学生、高校生が授業時間の中にヘルパー三級程度を取れる程度にして、そして残りの授業時間を、これを地域で貢献をしていく。御家庭を訪問したり、特別養護老人ホームで介護福祉士さんの下でお手伝いをしていく。本業の方は、それで本当に自分がやるべきところ、専門家はそれをやっていく、子供たちがそれを支えてくれる。こういう在り方というのはまさに私は重要だと思います。 検討していただけるという答弁を今年いただいているんですが、今、検討状況、どのようになっているでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 委員の御指摘には全面的に賛同するものであります。 これは教育でございますので、文科省において学習指導要領の改訂という、これはかなり時間の掛かるお話でございますが、委員の御指摘も踏まえた上で、例えば高等学校に新しい科目、仮称でございますが、公共を設けて、主体的な社会参画に必要な力を実践的に育むために学ぶ、あるいは、これは既存の学科でございますが、高等学校の家庭科においては、高齢者の方々を支えるために必要な知識や技術、コミュニケーション能力を育む、こういう議論がなされております。 うちの中でも議論をしておって、これは何年も何年も掛かるということでどうするのだと、何年かに一回でなければならぬということではないのであって、こういう必要なことは前倒しでやってもいいのではないかというお話をいたしておるところでございますが、また文科省において御検討があろうかと存じます。 あるいは、小中高等学校の生徒さんも含めた地域住民の方々を対象に、認知症の方あるいはその御家族を手助けするサポーターを養成する事業、これも着実に実績を上げておりまして、今年の九月末の実績で六百六十八万でございますが、二〇一七年度末には八百万にしたいというようなことだと厚労省の方から承っておるところでございます。 実際にそういう気持ちがありましても、スキルがなければなかなかお役には立ちません。私自身、実際に車椅子に乗ってみて、こんなに大変なことなのだということがよく分かりました。押してみて、こんなに大変なことなのだということがよく分かりました。小学校、中学校、高等学校の方々にそういうようなスキルを身に付けていただくということは、地方創生の観点からも重要なことでありますし、総合戦略の中におきましても、そういうことを取り入れていただいているところもあるというふうに承知をいたしております。 更に努力をいたしてまいります。
○荒井広幸君 それでは、難病に入りたいんですけれども、一億総活躍大臣、今もお話しいただきましたが、みんながそれぞれの、学生であっても実学があります。自分がやれることもあるわけです。どうぞ、そういう観点で十分検討していただきたいと思いますが、石破大臣と力を合わせて、先ほど言いました国民総ヘルパーさん、これを中高生の皆さんに資格とお手伝いをいただく、これを実現していただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(加藤勝信君) 議員の御提案いただいております国民総ヘルパーの共助社会づくり、まさに学校教育あるいは地域の活動において介護の体験を通じて国民の一人一人が共助や助け合いの意識を醸成していくことができるようにするということで、まさに我々が進めようとしております一億総活躍社会、高齢者も若者も女性も男性も、また障害がある方、難病を抱えている方、また一度失敗した方も一歩前に進めていける社会をつくっていくということに相通ずるわけでありまして、特に、何か物を進めようとすれば、やっぱり助け合ったり、あるいは誰かと補い合ったり支え合ったりして初めてそうしたことが実現できるわけであります。まさにこうした方向をやっぱり国民挙げて進めていくというのは大変重要なことだと、こういうふうに認識をしております。
○荒井広幸君 昨年、いわゆる難病新法、これは旧法二法を改正したものでありますけれども、難病の対象を増やしました。国会の皆さんとともに増やしました。そして、その負担を軽減する措置もとりました。研究体制も取ったのですが、御覧をいただきたいんですが、小児希少難病という皆さんがいらっしゃいます。本当に、お手元に資料があるように、数少ないんです。あのときの基準は大体五万人程度が希少性というんですが、超希少性なんですね。 どうして障害を予防できるかというと、学校での検査等があります。そして、ワクチンがありますね。もう一つ重要なのは、新生児マススクリーニング、血液判定をしていくんです。それをされているお母さん方も多いと思います。これで生まれつきの代謝異常症を早期に発見して、出る前に、発症する前に抑えていくんです。 こういうものにまだまだ力が入っていないんです。そして、この対策をしていくということによって、先ほども申し上げましたけれども、万人が、こうした数少ない苦しんでいる皆さんを協力してあげる、御家族に協力してあげることによって、その方々の治療薬が見付かると同時に、もう一つ分かってまいりましたのは、この五年、十年なんです。 これは、政府の審議会のメンバーにもなっておりますが、お手元の資料にもお配りをさせていただきましたけれども、島根大学の山口先生、それから国立成育医療センターの松原先生等を始め、もう様々な方々が御苦労されてやっているんですが、この場合、本当に希少難病の方で、先天的に白内障の方々がいらっしゃったんですね。この白内障の方々が二つの家系でいらっしゃったんです。これの遺伝子を調べましたところ、ラノステロール合成酵素というのが不足しているということが分かりまして、ラノステロールという物質を作ることができないことが原因だということになった。そこで、じゃ、ラノステロールというのを目薬で点眼したんだそうです、動物にですね。そうしたら、白内障の曇りがなくなったんです。 ということで、大変まれな病気で苦しんでいる皆さんを、本当にみんなで光を当てることによって、その研究をし、治療を見付け、データを集め、そしてさらには創薬に行くのが大変なことです。そして、その創薬に行くようなことをしっかりやることによって、今、もしかすると目薬で白内障が治るのかもしれないというところまで来ているんです。これが、世界中が今こうした観点で進んでいるんですね。ですから、万人は一人のために、一人は万人のためにということになっていくんだと思います。 総理、総理にお尋ねをさせていただきたいと思います。 このように、今まで光がなかなか当たらなかった方々に光を当てて頑張っていただくことで、治療され、そして研究され、そして新しい新薬で万人が助かっていくという道が見えてまいりました。総理も、御自身も大変難病でお苦しみになったわけです。どうぞ、この一億総活躍というのは、そういう人にみんなで力を合わせ、そしてその人たちの力で我々も良くなっていくというものであっていただきたいと思います。どうぞ、小児を含め、希少難病に対して今こそ力を入れていただきたいと思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 希少病に苦しむ方々の視点に立って政策を推し進めていくことは私のライフワークであると、こう考えております。一億総活躍社会においても、難病を持つ方も含めて、誰もが一歩前に進んでいくことができる、活躍できる社会をつくっていきたいと考えております。 この難病におきましては、対象が、言わばそれぞれの難病については、疾病を持つ方の数が少ないものでありますから、当然、薬の開発も希少薬となってしまいますから、いわゆるオーファンドラッグと言われているものでありますが、なかなかこれは製薬会社も開発について慎重になっていくわけであります。 そもそも、先ほど委員がおっしゃったように、この難病対策について医療費助成の対象が少なかったのでございまして、それを安倍政権になりましてから、難病については五十六疾病から三百六疾病に拡大をしました。そして、小児慢性特定疾病については百七疾病を追加をして七百四疾病を助成対象としたところでございます。 例えば、一昨年、私は中学生の少女から手紙をもらったんですが、小腸が動かないという難病に苦しんでいた彼女は、iPS細胞の研究が進む中において、もしかしたらこの中から自分の病気を治すことができる、そういう薬ができてくるのではないかという期待を持って、手紙をいただいたことを思い出すわけでありますが、この病気も新たに追加された疾病に入ってくるということになったわけでございますが、こうしたことに加えまして、医療費助成に加えまして、症例データを集約をして治療に役立てる調査研究、早期の診断、治療のための体制の確保、難病相談・支援センターを通じた相談支援の充実、そしてまた、子供たちの将来の自立が促進されるよう、相互交流などの支援強化などに取り組んでいるわけでございます。 こうした取組を積極的に進めていくことによって、一人でも多くの難病患者や子供たちが治療法の開発等により病気を克服し、将来に夢を抱き、活躍できる社会をつくっていきたいと考えております。
○荒井広幸君 落ち着いた中で、そして早く対応していく必要があろうと思いますので、恐らくこの一億総活躍、いろんな受け止め方があったと思いますが、ああ、自分たちにもチャンスが来たな、待っていた人も多いと思うんです。是非早く実現をしていただきたいと、このように思うんです。 そこで、一億総活躍大臣にお尋ねいたしますが、どうなんでしょうか、地道に活躍していた方々がいらっしゃるんです。今回はどちらかというと国がメニューを出していくという一億総活躍です。来年も再来年も続いていくんでしょう。公募をされたらどうでしょう。地道にやっている方々、活動もあります。なかなか光が当たらない方々、あると思うんですね。公募をされるという提案をしますが、いかがでしょう。簡潔にお願いいたします。
○国務大臣(加藤勝信君) 一億総活躍社会の実現に向けていろいろ施策を検討するに当たって、国民一人一人の目線に立ってやっていくことは非常に重要だと思っております。 今回も実は厚労省においてインターネットで公募をされていたところでありますし、私どももいろんな方からお話を聞いておりますので、いずれにしても、いろんな方からの声、意見、これをしっかり聞きながらそれを具体的に政策にしていく、まさに一人一人の方が活躍できるという意味においては、やっぱり一人一人の方から様々な情報をいただくというのも非常に大事だろうと思っております。
○荒井広幸君 いや、それは全くそのとおりなので、聞いて、是非実現する。つまり、私は、財務大臣もいらっしゃいますが、予算を付ければいいというものでないと思うんですね。国がそうした活動や事業を国民から意見をもらって認めてあげる、認証と言ってもいいと思うんです。それによって信用を付けてあげることによって共助社会、お金がある方は寄附や投資を、あるいは知恵がある方はアイデアを、また時間がある方はボランティアで様々な行動をして一つのものを成し遂げていく。 ですから、これを機会に、予算にこだわらないというものをひとつ見付けてみたらどうか。二つ目は、国が与信付け、認めてあげるということで背中を押すことで周りの方々が付きやすくする、応援しやすくするということで一歩前に進めるというのはどうだろうかというのを提案しておきます。時間がありませんので次に進めますが、提案をしておきます。十分に御検討ください。 総理、簡潔にお願いいたします。 企業の内部留保が積み上がっています。今朝もお話に、小川議員からありましたが、大体アベノミクス効果で百億程度、五十から百億程度は新たに積み上がりました。このアベノミクスの恩恵であるからこそ、私は雇用拡大や技術や設備投資に活用するべきだと思うんですね。百兆です、済みません、百兆、兆ですね。 これに加えて、このような、先ほどの難病対策をやっている皆さん方がいらっしゃいます。そういう方々に寄附や投資をした企業のみ法人税減税の対象にするという私は課税による政策誘導をしていいんじゃないかというふうに思うんですが、総理、この点、簡潔にいただけないと次の最後の残りができないので、お願いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 荒井議員らしい御提案だろうと、このように思っておりますが、いずれにいたしましても、この景気の回復によって企業は最高の収益を上げているわけでありますから、ここはしっかりと人材や設備に投資をしていただきたいと、こう考えております。
○荒井広幸君 では、誘導してください。 農林大臣、国営農地開発事業地域、これは国営開パと言いました。これは、先ほどの水田センサーというのは離れている土地に有効なんですね、スマホにデータが来ますから。国営開パは近いところにあるんです、ある程度圃場はまだ小さいのもありますが、そこを集める。 その農地の集約が今回の鍵ですから、農地を集約した場合に、例えば土地改良区に促進費、これは今までの負担の償還分、それから二つ目は償還利率を下げてやる、あるいは国家戦略特区に指定された場合に無利子化してやる、あるいは農地を集積し集約した場合、計画的に圃場の老朽化の整備をする、こういうことを検討していただくということは重要かなというふうに思います。 どうぞ、一言だけいただいて終わりたいと思いますが、農地集約についてでございます。
○委員長(岸宏一君) 農林大臣、時間が来ておりますので簡潔な答弁を。
○国務大臣(森山裕君) 農地集約の方向性というのは全く先生と同じ考え方であります。どういう対策をしていくかということでありますが、御提案のあったことも参考にさせていただきまして、引き続き知恵を絞りながら取り組んでまいりたいと考えております。
○荒井広幸君 最後ですが、提案書として、総理以下皆さんに提案書をお出しさせていただいております。 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で荒井広幸君の質疑は終了いたしました。(拍手) これにてTPPを始め現下の政治課題に関する集中審議は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時十三分散会