農林水産委員会 第17号
- 発言数
- 159 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2015/08/25
会議録
○委員長(山田俊男君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、平木大作君、小川勝也君、豊田俊郎君及び山下雄平君が委員を辞任され、その補欠として横山信一君、郡司彰君、堀内恒夫君及び柘植芳文君が選任されました。 ─────────────
○委員長(山田俊男君) 農業協同組合法等の一部を改正する等の法律案を議題といたします。 本日は、参考人として株式会社はなやか代表取締役・全国女性農業委員ネットワーク会長伊藤惠子君、青山学院大学名誉教授関英昭君及び大妻女子大学社会情報学部教授田代洋一君に御出席いただいております。 この際、参考人の皆さんに一言御礼を申し上げます。 大変それぞれお忙しい中、本委員会に御出席いただきまして、大変ありがとうございます。 ただいま議題となっております法律案について、それぞれのお立場から忌憚のない御意見を賜りたいと存じますので、どうぞよろしくお願いします。 本日の議事の進め方について御説明いたします。 まず、伊藤参考人、関参考人、田代参考人の順でお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答え願いたいと存じます。 なお、御発言の際は、その都度、委員長の許可を得ることになっております。 また、参考人の皆様の御発言は着席のままで結構でございますが、質疑者は、慣例によりまして、起立の上発言することとしておりますので、どうぞ気にしないでよろしくお願いいたします。 それでは、伊藤参考人からお願いいたします。伊藤参考人。
○参考人(伊藤惠子君) 御紹介いただきました宮城県の美里町農業委員の伊藤惠子でございます。 本日は、こうした機会を与えていただきまして、ありがとうございます。 私は、平成十一年、男女共同参画社会基本法が制定されました年に農業委員に就任し、現在五期目であります。また、宮城県農業会議の常任会議員を務めております。平成二十六年からは全国女性農業委員ネットワークの会長も務めさせていただいております。平成十八年に夫婦共同申請による認定農業者となり、平成二十二年には株式会社はなやかを設立し、農業法人として認定農業者になっております。 現在は、役員が五名、社員など十四名で水稲約二十二ヘクタール、野菜二十アールに加え、総菜、菓子、漬物などの加工と販売、農家レストランの経営などを行って、女性の就労の場の確保と六次産業化による収入の拡大を目指して頑張っております。宮城県では、農家レストランなどのアグリビジネス経営体の年間販売目標額を一億円に設定しておりますが、平成二十五年度に到達しております。 私の所属する全国女性農業委員ネットワークは、現在、四十組織で構成されておりまして、平成二十三年、全国の女性農業委員の自主的組織として設立し、女性農業委員の資質向上、とりわけ女性が一人も登用されていない農業委員会の解消、一農業委員会当たり複数の女性の選出に取り組んでまいりました。その結果、現在、全国で約二千六百人、全体の七・二%の女性農業委員が誕生し、女性ならではの視点を生かした農業委員会活動を推進しています。 安倍内閣において全ての女性が輝く社会づくりが掲げられていることは大変心強く、女性農業委員一人一人がそれぞれの地域で女性ならではの感性と生活者の視点を生かし、更なる活動を展開をしてまいりたいと思っております。 本日は、現場で働く女性農業委員の立場から、改正農業委員会法案について五点、意見を述べさせていただきたいと思っております。 まず一点目は、農業委員会法の改正に伴う女性登用の促進についてです。 改正法案では、第八条第七項で、市町村長は、委員の任命に当たっては、年齢、性別に著しい偏りがないよう配慮しなければならないとしてあります。現在、全国に女性農業委員は約二千六百名おりますが、平成の大合併に伴う農業委員数の大幅な減少を受け、女性農業委員も、十七年の約二千名から、十八年には千七百名に減少してしまいました。宮城県でも二十四名に減少しました。その後、関係者の懸命の努力により、現在は、過去最高の二千六百名、宮城県でも八十三名に増加しております。農業会議所と一緒になり、市町村や議会などに出向き、直接要請文を手渡し話をし、その結果であります。それと、女性農業者の懇談会を開きながら、社会参画の意識付けもしてまいりました。 しかしながら、この女性農業委員約二千六百名のうち約八割が、今回の改正で廃止される議会などから推薦された選任委員です。また、この度の改正で農業委員を半分程度にすると言われており、女性農業委員の数は大幅に減少するのではないかと非常に危惧しております。第八条第五項及び第六項関係で、認定農業者が過半数を占めなければならないとありますが、女性は自らが経営者であるか、家族経営協定を結び共同申請をしなければ認定農業者にはなれません。 地域の今後の在り方や振興を考えるとき、女性の声や役割は極めて大きいものがあります。男女共同参画を推進する上でも、今回の改正の性別、年齢に偏りがないようにだけでは、女性農業委員の確保は難しいのではないでしょうか。女性農業委員が減少することのないようにしなければなりません。そのためにも、農業委員定数のうち女性の推薦、募集枠を設定するなど、積極的な登用のための具体的な仕組みを検討すべきであると考えます。 二点目は、農業者の代表性の確保です。 農業委員は、優良農地の確保に加え、農地の利用集積を進めながら、担い手を確保し育てることが大きな任務です。農地は、財産であるだけでなく、先祖伝来、営々と継承してきた地域における貴重な資源であり、かけがえのない財産でもあります。そうした農地を適正に管理し、より良い地域農業を確立するためには、農業委員は農業者から顔が見える、信頼と信用が不可欠であります。 農業委員の公選制は廃止されますが、公選制と同様、農業者からの信任を得た代表性を確保することが農業委員の業務を推進する上で大変重要であると考えております。市町村長による恣意的な選任となっては現場活動に支障が出るおそれがあります。そうならないためには、正当性を持つ、私の地域で言うところの農家組合員や集落営農組織など、地域や関係団体からの推薦を基本とした運用が必要でないかと考えます。 三点目は、農業委員と農地利用最適化推進委員の業務についてです。 推進委員は、受持ちの区域において、農地利用の最適化の業務を行うこととなりますが、農業委員会全体の機能を十分に発揮するためにも、農業委員も、許認可業務に限らず、推進委員と一体となって農地利用の最適化について総力を挙げて取り組むべきであると考えます。重要なことは、農業委員と推進委員ががっちりと連携し、一体となって現場に足を運び、力を最大限に発揮することです。互いの役割を明確にし補完し合う協調、協力体制をつくることが大切であると考えます。 また、改正法案の中では、推進委員は農地中間管理機構との連携に努めなければならないと規定されていますが、農業委員会と関係なく個別に連携すると農地利用調整の現場が混乱するおそれがあります。農業委員会と農地中間管理機構との連携の下での推進委員の取組を明確にする必要があると考えております。 さらに、推進委員の設置に伴い、農業委員を半分程度に減らすと言われておりますが、両者合わせた総数が現状より減員すれば農業委員会の業務自体に支障が出ますし、総数が現状維持のままでは活動の強化は困難になります。両者を合わせた十分な定数確保と財源の措置が必要と考えます。美里町でも、現在の一人当たりの農業委員が担当する面積が二百七十ヘクタールから三百ヘクタールぐらいになっており、農業委員が半数程度に減らされた場合、いかに推進委員がいようとも大変であると考えております。 四点目は、新制度への円滑な移行についてです。 今回の改正法案は、農業委員会が農地利用の最適化の業務により一層の取組を強化するためのものとのことです。新制度への円滑な移行のためには、法案成立後、政省令や通知、施行までの準備や手続などを早急に明らかにするとともに、現場に対し早急にかつ丁寧に説明し、法改正の目的をしっかりと浸透させる必要があると考えます。また、本法案の施行日は平成二十八年四月一日となっており、法律案附則の農業委員会に関する経過措置により平成二十八年三月三十一日まで任期を延長する必要がある農業委員会は、現時点で全国に百九十あります。これらの市町村では、新たな政令基準に基づく農業委員定数について検討を行い、条例を改正する必要があります。条例改正は市町村議会で御協議いただきますが、既に八月末を迎えており、日程的に非常に厳しく、該当する市町村では不安感を募らせております。 先ほどお願いいたしました女性の積極的な登用のための仕組みの検討も含め、新制度への移行に伴う現場の課題は山積みしています。新制度への円滑な移行のためにも、政府として万全の支援とフォローアップを行う必要があると思います。 最後に、法改正後も確実に女性の登用が進むよう、国として御支援をお願いいたします。国が目標としている二〇二〇年度までの女性の社会参画三割になるよう、お願いいたします。 農村現場における男女共同参画の推進に当たっては、農業者自らの意識改革はもちろん、家族や地域への理解を促す取組が重要です。私たち女性農業委員も積極的に働きかけを行ってまいります。このような活動を充実させるためにも、女性農業委員組織の事務局を担う農業委員会ネットワーク機構が行う女性の登用対策への支援の充実をお願いいたします。 法改正により、都道府県農業会議、全国農業会議所は、農業委員会ネットワーク機構として都道府県知事や農水大臣が指定する法人となりますが、経済活動を行わない組織であり、女性の農業委員への登用促進、農地利用最適化、担い手の育成のためには十分な予算の確保が必要であります。 最後に、農業委員は農業、農村の現場を支える重要な役割を担っています。その農業委員がこれまで以上に自信と誇り、やる気、情熱を持って業務を行うことが今後の地域農業の振興につながっていくと考えております。 私たちは地域社会、地域農業を発展させ、農地や農業を次世代にしっかりとバトンタッチしていきたいと考えております。今回の改正案が農業、農村現場が将来に希望の持てるものとなるよう、しっかりと御議論をいただきますことを願っております。 本日はありがとうございました。
○委員長(山田俊男君) 大変ありがとうございました。 次に、関参考人にお願いいたします。関参考人。
○参考人(関英昭君) おはようございます。青山学院を定年退職しました関でございます。座って意見を述べさせていただきます。 お配りした資料を御覧ください。私の意見については三段落からできております。ローマ数字のⅠ、Ⅱ、Ⅲになります。 ローマ数字のⅠは、団体法における協同組合の位置付け、総論になります。ローマ数字のⅡは、今回の農協法改正の問題点と意見ということで、気になった点だけをそこに記しました。ローマ数字のⅢは、それを受けて簡単ですがまとめです。 ローマ数字のⅠから御説明いたします。 団体法における協同組合の位置付けですが、憲法二十一条は結社の自由を認めております。この結社の自由はいろいろ意見ございますが、私は研究をしている者として、特にドイツ法を研究している者として、次の三冊を中心に勉強しています。一冊は、皆さん御存じのギールケのドイツ団体法論です。それから二番目は、イェーリングの権利のための闘争です。三番目が、今日ここで中心としてお話ししたいと思っていますテンニースのゲマインシャフトとゲゼルシャフトです。 ギールケは極めて重要なことを話しています。団体法論の出だしは、人の人たるゆえんは、人と人の結び付きにあると言っています。つまり、人間は一人では生きられない。結社を、あるいは結び付きを持たなければ生きられない。結び付きを持つということの中に、特にその後だんだん法人論と関わってくると思います。結び付くことで個人の能力は格段に拡大します。 イェーリングは、権利のための闘争の書き出しで、法の目的は平和であると言っています。それに至る手段は闘争である。いろんな含みがありますので、それだけにしておきます。 三番目のテンニースですが、もうこの本については御存じの方が多いと思いますけれども、このテンニースのゲマインシャフトとゲゼルシャフトにつきましては、今日お配りしてある概念一覧表と比較しながら御覧いただきたいと思います。要約してお話しします。 これは極めて重要な概念分析表です。 ①、テンニースは、社会の動き、これを団体と言ってもいいんですが、をゲマインシャフトとゲゼルシャフトに二分し、それを人間の意思と関連させて分析します。この人間の意思と関連させるという点が極めて重要です。 ②、ゲマインシャフトは、生まれながらにして持っている意思、これを先天的あるいは遺伝的意思と言ってもいいと思いますが、と結び付いた団体です。この意思のことを本質意思と呼んでいます。場合によっては、この本質意思は次の選択意思と比較して、選択できない意思と言い換えた方が分かりやすいと思います。例えば家族がそうです。あるいは村落共同体、地域共同体がそれに当たります。 ③、ゲゼルシャフトは、他方、一定の目的を持った行動に向けられた意思と結び付いた団体のことです。この意思を選択意思と呼びます。例えば、典型的には株式会社がこれに当たります。地方自治体やあるいは国家等がそうだと言われています。この選択意思については、言葉は選択意思と単純ですが、極めて重要な内容を持っていますので、時間があればそれを御説明いたします。 ④、特に重要となるのは、今申し上げたように、団体形成における選択意思です。そこでは人間の思惟が重要な意味を持っています。つまり、自分で考え、自分で意思決定し、自分の意思で行動する、自分の意思で団体をつくるという、あるいは参加するという意味を持ちます。 テンニースは、社会の変化を当初ゲマインシャフトからゲゼルシャフトへ発展すると考えていました。しかし、一九一二年のその改訂版で、ゲマインシャフト的経済原理がゲゼルシャフト的生活原理に適合するような形で、ゲノッセンシャフト、協同組合が登場してきたと補遺で書いております。一九二二年版の改訂版ではさらに、ゲマインシャフトの精神がゲゼルシャフトの身体、肉体と合体したとまで書いています。このことから、協同組合はゲマインシャフト的性格とゲゼルシャフト的性格の両方を有する人的結合体であると理解することができます。 これは三つの意味を持っています。第一に、協同組合は株式会社のように利己心や打算といった合理性、効率性をも持っています。しかし、第二に、協同組合は家族や共同体のように親切、良心、誠実、正直といった人間的価値を持っています。第三に、協同組合は、それゆえに株式会社や他の団体と同様、選択意思に基づいて形成された人的結合体である。すなわち一定の目的を持った人の結合体であると言うことができます。 こういう前提で概念一覧表を少し御覧ください。ゲマインシャフトは左側、ゲゼルシャフトは右側にあります。その下に本質意思と選択意思とあります。その選択意思の下をずうっと見ていきますと、利己心、虚栄心、打算、所有欲、貨幣欲、貨殖欲、支配欲、名誉欲とあります。パンドラの箱ではありませんが、現代の世の中に渦巻いている欲がこれです、ゲゼルシャフトです。しかし、ゲゼルシャフト全てがいい悪いということではありません。経済の発展には極めて重要な団体組織です。 ゲマインシャフトを御覧ください。これに関して、皆さんの家庭を意識しながら、イメージしながら、その本質意思の下をずうっと見ていきますと、気分、正直、実直、気立て、親切、良心、誠実です。 このゲマインシャフトの左側に、これらは三つのゲマインシャフトに分類しています。血のゲマインシャフト、血族です。大事なのは、我が国で大事なのは次です。場所のゲマインシャフトです。地域です。三番目に、精神のゲマインシャフトはあります。これがゲマインシャフトです。 そこで、レジュメにお戻りください。ローマ数字のⅡ、今回の農協法改正、これが何を意味するかということをローマ数字のⅠの総論で申し上げたことを前提にお聞きください。第一にこの農協法改正の諸点は、私は法律の分類の仕方に従い総論と各論に分けました。 (1)の総論は、①、目的規定についてです。 改正案の七条は営利目的規定を削除しましたが、この理由は一体何でしょうか。私が考えることをそこに書きました。結局、生協法や森林組合法等で、組合員に最大の奉仕をすることを目的とし、営利を目的としてその事業を行ってはならないという従来の農協法の条文とどう整合性を持つのでしょうか。従来の農協法はそのような規定を持っていましたが、それを削除するということは生協法等とどういう整合性を持つかということです。 二番目、これが今回の改正でかなり重要な点を持っていると思います。協同組合というのは営利目的団体かということです。 この点については、農業協同組合員だけでなく協同組合陣営でかなり混乱している部分があります。協同組合は営利団体や非営利団体や、どちらかということで議論が錯綜しています。そこで、法律上の営利目的概念を少し説明させていただきます。それが総論になります。 法律上の営利目的の定義は、会社が上げた利益を株主に分配することを主たる目的とすること、このように理解されています。この定義は、会社は収益を上げることという部分と、獲得した収益を構成員たる株主に分配することという、この二つから成り立っています。株式会社の場合はそれが主たる目的です。会社がもうけるだけでは営利とは言いません。株主に分配することが主たる目的なんです。 最近の大企業、グローバル企業の傾向は特にこの傾向が著しくなっていますが、以前の我が国の株式会社の営利概念は、どちらかというと、この株主に分配することが主たる目的というのが少し薄かったと思います。むしろ、会社の収益の分配は労働者にも分配することを意識していました。最近は、労働者に分配するよりも株主。株主というよりも今は投資家と言っていいです。株主は投資家になってしまいました。本来の社団的な意味の株主ではなくて、どちらかといえば、先ほどのテンニースの言葉に従うと、利己心、所有欲、貨幣欲、貨殖欲に基づいた投資家あるいは投機家が主たる株主となっています。社団法理からいうと、ちょっと残念な状態です。 それが②で一番言いたいことですが、そうすると、二番目のアスタリスク、改正法が営利目的規定を削除したのは一体どこに真意があるんでしょうか。協同組合はゲマインシャフトとゲゼルシャフトの両方の精神を持っている。これが協同組合の最大の特色です。つまり、正直、あるいは親切、思いやりというようなゲマインシャフトの精神と利益追求という精神を持っている団体は、協同組合だけです。それゆえに、協同組合の本質論の分析は難しいんです。 各論に入ります。 各論は、さらに、組織法の一つの分類である定款、組合員、資本、機関というふうに通常分けますが、ここでは組合員、それから機関、それと組織変更の三点についてだけ簡単に申し上げます。 組合員の利用につき、改正案の十条の二は、「組合は、前条の事業を行うに当たつては、組合員に対しその利用を強制してはならない。」と規定しますが、この規定の意味、特に利用を強制してはならないとは何を意味するのか、私には分かりません。 なぜなら、協同組合は世界の基本ルールであるICA原則に基づいて行動しています。国際協同組合の約束事がこの原則ですが、協同組合は組合員による自発的な組織であり、組合員が管理する民主的な組織であると規定します。とすれば、組合が組合員に強制するということはあってはならないことで、連合会が会員農協に事業利用を強制するケースを仮に想定しているとすれば、それは協同組合自身が改善すべき事柄です。 機関のところでは、理事の資格についてやはり私なりに疑問を持っています。先ほど伊藤参考人も若干述べておられましたが、女性の委員あるいは年齢構成というようなこの改正案では提案をされていますが、私はこのような機関構成に対する法の強制というのはいかがなものかと思っています。例えば、会社法で取締役の資格を制約していますか。ありません。むしろ、取締役は株主であってはならないと言っています。能力ある人は会社を経営しなさいという前提です。 ちょっと飛びます。 四番目の、四ページになります、各論の三です。組織変更について簡単にお話しします。 今回、改正案は、株式会社への組織変更、②、一般社団法人への組織変更、③、生協への組織変更、五ページに入って、医療法人への組織変更を規定しています。これがなぜ法による組織変更の規定なのか、私にはちょっと分かりません。それとは異なり、⑤の農協の新設分割の規定が新しく入りました。これは評価できると思います。ただし、会社法と比較しますと、新設分割だけでなく、場合によっては合併を含んだ吸収分割もあってもいいと私は思っています。 急ぎ足ですが、まとめます。 ローマ数字のⅢです。(1)、農協法改正案の目的が、農協陣営から批判されるように、JA全中や農協組織の解体、ちょっと極端かもしれませんが、解体にあるとすれば、それはこれまで維持されてきた農協法の精神と相入れないと思います。日本の総合農協は、世界の協同組合制度の中でも極めて有効な形態として評価されてきました。とりわけ、アジア諸国では、日本の農協制度を手本にしようという動きがあります。通常の農協の組合事業のほか、信用、共済、医療、福祉、介護等の事業活動が地域社会に果たしている役割と責任は極めて重要です。最近では、再生可能エネルギーへの分野が期待されています。 (2)、戦前の産業組合法の時代を経て、戦後、協同組合陣営全体は重要な社会的資本としてそれなりに定着してきました。日本の協同組合が果たしてきた特筆すべき社会的役割として、私は次のように思っています。 協同組合は、社会におけるセーフティーネット機能を果たしてきました。特に、ヨーロッパ、アメリカではNPOやあるいはそれなりの団体が、チャリティー等がセーフティーネットの機能を果たしていますが、我が国では、残念ながら、法人法定主義の関係で、一般法人を設立することは不可能でした。そこで、協同組合陣営が極めて重要な福祉、慈善事業に及ぶようなセーフティーネット機能を果たしてきたと思っております。 私は、ドイツにいた関係で、ドイツの教会は極めてそのような役割を果たしていることを付記しておきます。 (3)、国は、協同組合組織が重要な社会的資本であることを認識し、協同組合の自由な活動を促進、推進できるように協同組合憲章を策定し、イタリアや韓国に見られるような社会的協同組合や協同組合基本法を制定することを希望してやみません。 最後に、ラインホールド・ニーバーの祈りの言葉というのがあります。私が帰属していた大学はプロテスタント系の大学ですが、そこに、変えることのできないものを受け入れる冷静さ、変えることができるものを変える勇気、変えることのできないものと変えることのできるものを見分ける知恵、これが一番重要です。変えてはいけないものは変えてはいけないということです。これを見分ける、区別する知恵が必要です。 どうもありがとうございました。
○委員長(山田俊男君) 大変ありがとうございました。 次に、田代参考人にお願いいたします。田代参考人。
○参考人(田代洋一君) 田代です。よろしくお願いします。 お手元にレジュメがございますので、ほとんどそのとおりに読み上げていきますので、よろしくお願いします。 まず、今度の農協法等改正の本質ということでございますけれども、これはもう既に皆さん十分御案内のとおりですけれども、私は、何か日本が独自に、いわんやこの参議院が独自に作ったものじゃなくて、あくまでもやっぱりアメリカ発アベノミクス経由の農協法等改正であって、メード・イン・ジャパンではないなということでございます。 御承知のように、在日米国商工会議所、ACCJが、まず第一番目に、JAグループの金融事業を金融庁監督下にある金融機関と同等の規制に置くべしと、要するに農水省から金融庁に移すべしということを言っているわけですね。これはもう、言葉を換えれば、要するに農協監査ではなくて公認会計士監査に移せということだと思うんですね。 二、もし平等な競争環境が確立されなければ、要するに、金融庁監督、公認会計士監査に移されるまでの期間については次の規制を見直すべしとして挙げていることが、員外利用が認められている、これをやめろと、准組合員制度、これをやめろと、三つ目に独禁法の適用除外、これもやめろと、こういうことをアメリカが日本に指示しているわけですね。 既に、今回のこの農協法改正が通れば、金融庁監督には移らないけれども公認会計士監査に移すという形で実現をしちゃうと。更にプラスして、プレゼントでもって准組合員制度も五年後には規制をするよという、こういうことを約束しております。 ということから考えますと、この法律の本質は、何か農業所得の増大だとかそういうことを文言上は書いておりますけれども、中身はアメリカ金融資本への従属だなというふうに私は考えております。 二番目に、農業所得の増大に最大限に配慮しろということが七条二項に書かれています。私は、結論的に、この条項は不適切であると思っています。 といいますのは、第一項で組合員及び会員のために最大の奉仕をするのが農協だというふうに書いてあるんですけれども、まさに組合員及び会員のために最大の奉仕をするということと農業所得の増大に最大限に配慮することとは矛盾します。農業所得の増大というのは農業者のためだけのものでありますけれども、組合員の中にはこれは准組合員も含まれるわけですから、こういう規定を置くことは正組合員だけを優遇するものである、そういう意味では適当ではないというふうに考えております。 それから、農業所得の増大という言葉が独り歩きしております。しかし、共益組織、あくまでも組合員の組織としての農協は、何も農業所得の増大一般に責任を持つ必要は全くない、持つべきは組合員の農業所得に配慮すべきである、こういうことだと思うんですね。したがって、農業所得の増大にというような言葉はやめて、組合員の農業所得の増大、あるいは組合員の所得、あるいは組合員の福利、こういう点に私は改めるべきだというふうに思っております。 特に強調したいのは、じゃ、日本の農業所得全体に誰が責任を持つのかと。もちろん農協も責任を持ちますけれども、日本の農業所得全体に責任を持つのは、政府、あんたじゃないですかということを申し上げたいですね。ところが、その政府は、TPPをやるだとか、あるいは生産調整政策を廃止するだとか、米の戸別所得補償をやめるだとか、ことごとく農業所得を減少させる方向に行きながら、やっぱり農業所得を減少させておいて農業所得増大の責任を農協に転嫁する、こういう法律じゃないかなというふうに思うんですね。 皆様方十分御案内のように、既に先進国農政は、もう農業所得はなかなか農業者の努力だけでは確保できないということでもって国が直接所得支払政策で確保するという、こういう方向に動いております。先進国でも農産物価格で確保できるのはもう物財費の部分しかありません。所得の部分は政府が保障する。こういう中でやっぱり日本の農政だけが逆行しているということでございます。 三点目、ここは私は法律としては全く駄目だと思うんですけれども、七条三項では収益という言葉を使って、今、関先生がおっしゃった収益という言葉を使っているんですね。ところが、五十二条一項の剰余金という言葉はそのまま残すということをやっております。特に国会、この間の八月二十日のこのやっぱり参議院のところでもって、奥原参考人は、答弁で、非営利規定、今先生がおっしゃった非営利規定は、イコール、五十二条一項の出資配当の上限規定と同じなんだという、こういう発言をしているんですね。しかも、彼は、出資配当を目的として仕事をしてはいけないという、これだけの意味でございますということを非常に強調しています。それは決して、だけど、そうではございません。非営利とは何かといいますと、それは、組合員への最大限の奉仕ということが非営利だということだということだと思うんですね。出資配当制限はそういう組合員への最大の奉仕の一環でしかありません。言ってみれば、非営利規定が農協の本質規定である。これを削除しちゃうのは、関先生と同様に、私は決定的な間違いだというふうに思っております。 さらに、七条三項は、高い収益性を実現し、収益を投資又は事業分量配当に充てるということを書いております。しかし、事業分量配当だけに充てると書きながら、五十二条一項の剰余金の配当規定は残すんですね。要するに、出資配当は行って、その出資配当の制限は残すということでございます。 議員の皆様方に一番強調したいのは、この同じ法律の中に、収益という言葉が一方で使われながら、片一方で剰余という言葉も使われております。しかし、収益と剰余という概念は、これは同じ法律の中に書けるものではない、全く違う概念でございます。どういうことかというと、高い収益性を実現するということは、組合員への奉仕も削ってなるべくコストとして削減して期末にどれだけ利益が上がるかという、言ってみれば、やっぱり収益というのは目的になってきます。ところが、剰余というものは、そういうものじゃありません。期中に最大限に組合員に奉仕をして、その結果として剰余が、余ったね、これを配分しようよというのが剰余であるわけですね。協同組合には剰余という概念はあったとしても収益という概念はこれはございません。そういう意味で、収益という言葉と剰余という言葉を同じ法律の中に併存させるなんということをよく内閣法制局は通したなというのが私の感じでございまして、第七条三項は、これはやっぱり削除するしかないということでございます。 それから、もうちょっと具体的に言いますと、出資配当制限をしていると言いますけれども、現実にやっぱり全中の資料なんかでも、出資金の八割は正組合員なんですよ。准組合員はたった二割なんですね。したがって、出資配当制限をすると、かえって法律が考えている正組合員の利益を損なっちゃうということになってくるという、この点もやっぱりお考えいただく必要があると思うんですね。 四点目に、理事等の構成への過剰介入である三十条十二項。これはもう関先生もおっしゃいました。協同組合は、ICAの第四原則で、自主と自立の民間組織でございます。そういう民間組織の役員構成に農業所得増大という特定の国の政策目的、この政策目的でそういうやっぱり自治と自立であるべき組織に法的に介入するというのは、これは今まさに安倍内閣がやりたい規制緩和というものに対して全く反する過剰規制であるというふうに考えるんですね。しかも、農協というのは地域密着業態であります。組合員と農協の企業体を結ぶのは、地域代表としての理事であります。その理事の大半が企業の出身者になりかねない、こういうことになってくると、農協の地域代表性、理事の地域代表性が阻害されてしまいます。これは私は、法律による営業妨害だというふうに考えております。 次のページに移りまして、監査費用の負担、信用事業の支店化の、これ支店化と書いてあるのは、これ代理店にちょっと訂正をしてください。代理店化の手数料が不明であるということであります。 今、残念ながら、この農協法改正等を通じて農協にも動揺が広がっております。非常にやっぱり状況が厳しくなってくる中で、更なる広域合併あるいは一県一農協化ということも各地で検討されております。しかし、いたずらに合併するよりは、そしていたずらに合併して地域離れするよりは、それだったならば、信用事業を中金の代理店化、こちらを選択する道もこれから出てくるだろうというふうに思うんですね。どっちを選択するか、広域合併を取るか、それとも中金の代理店になるかというときにポイントになってくるのは、会計監査の費用でございます。あるいは、代理店になったときの手数料が問題になってきます。 ところが、国会でこの点が全然はっきりしていないんですね。会計監査費用については、附則の五十条三項で「実質的な負担が増加することがないこと。」というのは書いています。皆さん方、何で国会でもっと追及しないのかと思うんです。私も昔、役人をやっておりましたけれども、実質的ななんという言葉を入れたときは、もう役所は手を握って、それでしかるべきことはもう考えているはずなんです。しかし、その実質的なの中身は全然分かっておりません。 事務局からこの厚い、今日これ茅ケ崎からずっと持ってきたんですけれども、この厚い法案を逐一読ませていただきますと、この法案の中で実質的な負担軽減に相当するのは、農水産業協同組合貯金保険法の一部改正であります。この中で、「納付された保険料の一部を返還することができる。」、五十条三項の規定があるんですね。恐らく政府は、この農水産業協同組合貯金保険法の一部改正をこの農協法等改正の中に滑り込ませておいて、この銭を使って会計監査の費用の実質的な負担を減らすということを考えているのかなとも思うんですね。是非、国会議員の先生方には、一体実質的な負担を軽減するとは何なんですかということはもっと厳しく追及してほしいと思うんですね。 ところが、この協同組合貯金保険法は、これはもうペイオフ対策なんですね。これのやっぱり保険料を軽減した場合に、じゃ今度はペイオフ対策がきちっとできるのか、こういう点ももっと追及をしていただきたいというふうに思っております。要するに、もう少し具体的な点に踏み込んでいただきたいということでございます。 それから、この代理店の手数料、これは法案マターではございませんけれども、やっぱり単協にとっては切実な問題であります。この点も、中金が一体何を考えているのか明確にしていただけると有り難いなというふうに思っております。 それから、六、准組合員の利用調査、五年間やるということを書いてございます。法案は、准組合員事業の、ちょっとゴチで書いていますが、規制の在り方について五年間調査、検討すると書いてあるんですね。規制の在り方ですよ。これはもう規制をするということが前提となっております。これはやっぱり私は錯覚があるんじゃないかと思うんですけれども、農協は共益組織でございますから、員外利用規制を受ける、これはある意味じゃそういうことはあり得るということであります。ところが、准組合員は、これは員外ではありません。あくまでも組合員の一人です。ですから、そういう組合員について幾ら調査してみても組合員の利用規制をする論理はどこからも出てこないと、立案者は員外利用と准組利用とを混同しているんじゃないのかなというのが私の考えであります。 一番けしからぬのは、国会答弁で奥原参考人はいつも、調査の中身はこれから検討すると言っているんですね。冗談じゃないよと。我々が学生に対して、おまえら、自己改革をしろということを言いながら、そういう課題を与えながら、じゃ、どういう形を取ったら自己改革したということになるんですかという、まあ言ってみれば、課題の具体的な、これこれをせいということの課題を与えずに解答だけをやらせる、これは学生たちは後出しじゃんけんというふうに言っていますけれども、農協が何をやっても、後から、おまえけしからぬということでもって切っちゃうという、これはやっぱり全くけしからぬと。 奥原参考人は、正組合員と准組合員の利用割合を調査するだとか、同業他社の存在がある場合には規制をするだとかということが書かれていますけれども、正組合員と准組合員の利用割合を、実態を調査したからといって、そこから具体的にじゃ何%にするなんという規制が出てくるんですか。論理的に考えたら、それは無理だと思うんですね。 同業他社ということについては、これは関先生も私も生協なんかについても勉強しておりますけれども、言ってみれば、やっぱり同業他社というのは、協同組合と株式会社と両方が同じ地域にある、どっちの方がより多く組合員にサービスできるんですかという、まさに協同組合と株式会社とが同じ分野でもってお互いに競争しようじゃないですか、その競争の結果としてどちらが優れているんですかというのを判断してもらおうじゃないですかというのが我々が生きている市場社会の在り方であるんですね。 ところが、他の同業者がいるから准組の利用を制限するなんというのは、これは言ってみれば日本が社会主義社会に戻るような話でもって、極めて反市場メカニズム的なこういう論理である。こんなことを許してよろしいのか、よく市場経済国としてお考えいただきたいと思うんですね。 要するに、同条は、法が准組合員利用規制というブラフを、脅かしをちらつかせているだけであって、削除すべきだというふうに考えております。 七番目に、先ほどの伊藤参考人と同じ言葉になりますけれども、農業委員会を私は机上委員会にしちゃうものだなというふうに思っております。 従来の農業委員の定数と任務、これを二つに分けて、農業委員さんは法定業務と農地利用最適化の推進に関する事務を行う、推進委員の方は区域内の農地等の利用の最適化の推進のための活動を行うというふうに書いてあるんですよね。 要するに、もう農業委員さんは机の上に座って、上がってくる書類の審査だけをすればいい、実際の地域の活動は推進委員に任せればいいという、こういうことになってきております。これでは、農業委員をまず選挙制から選任制に変える、それから、先ほど伊藤参考人がおっしゃったように、農業委員の定数を減らす、三つ目には農業委員会を机上委員会化しちゃうと、こういう形でもって本当に地域、地権者の信頼を得て最適の農地管理、集積が一体できるのかということを私としては非常に懸念しております。 八番目に、農地所有適格法人化ということは、限りなき農業生産法人の一般法人化かなというふうに思っております。最終的には、企業の所有権取得へのコースになるんじゃないかなというふうに思っております。 議員の先生方には是非御認識いただきたいんですけれども、この国会で二〇〇八年、九年当時、国がどう答弁していたかというと、農業生産法人は地域に根差した農業者の共同体だという、こういう規定を何回も繰り返しているんですよ。だから、単なる、農業生産法人は所有権取得可能な法人ではございません。 ところが、そういう農業生産法人を農地所有適格法人にして、農外者の議決権を二分の一以下に緩和する、農業従事の役員を一人以上でいい、こういうことになってくると、事実上、農業生産法人は一般法人に近づいていく、結果的には一般法人でも農業生産法人でも農地所有ができるねということになりかねない。 時間ですので御意見をおまとめくださいというふうにメモが来ておりますので、まとめます。 結論として、最後の一ページであります。改正案は出自が悪い、アメリカ発ということで出自が悪い。やっぱり日本としての独立性を維持しよう。論理が不整合である。特に、やっぱり剰余と収益を一緒にさせているなんというのはまずい。それから、いろいろ不適切な面がある。具体的に、実質的な負担の軽減なんという言葉について明確でない。こういう点を併せると、私は、結論的にこれは廃案が相当であるというふうに考えております。 特に申し上げたいのは、こんなひどい法案を通しちゃって、あのときの農水委員は誰だったのか、農水委員長は誰だったのか、山田委員であった、農協出身の方がそんなことをやったらこれは後世の恥になる。そういうことを考えたら、是非御賢察のほどをよろしくお願いしたいと思います。 どうも時間をオーバーして済みません。
○委員長(山田俊男君) 大変ありがとうございました。 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。 これより参考人に対する質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○中泉松司君 参考人のお三方におかれましては、貴重なお話をいただきまして、本当にありがとうございました。 自由民主党の中泉松司でございます。 私は秋田県選挙区の選出でありまして、委員の皆さんには毎度毎度のことでありますが、我が家も農家でありまして、私も農家の長男でありますので、農家のいわゆる担い手なんですが、こういう仕事を今させていただいております。 本当にお三方からは、それぞれすばらしいお話をいただくことができたと思います。 前回も参考人質疑がありまして、その際には、直接的に農業委員会関係の方というのは前回の方にはいらっしゃらなかったものですから、一般論としてのやり取りが多かったと記憶しておりますので、そういった意味では、今日は伊藤参考人におかれましては、農業委員であるのに加えて、女性の農業委員、全国で二千数名しかいない女性の農業委員の一人でありますので、そういったところをまず初めに伺っていきたいと思いますし、本当に限られた時間でありまして、皆さんにお話を伺っていきたいと思いますけれども、そこら辺のところは御理解をいただきながら質問をさせていただきたいと思います。 初めに伊藤参考人に御質問をいたしたいんですが、被災地の御出身でもありますし、御出身というか、被災地で今も生活をされておられますし、東北の震災等ありまして大変な思いをされたと思います。そういう中にありながらも、女性の社会参画といいますか、農業分野におけるそういった取組を一生懸命頑張っていただいて先頭を切っていただいたおかげで、合併後に一度下がった農業委員の女性の割合というのがまた上がってきているんだというふうに思いますし、最大限敬意を表したいと思います。 ただ、伺ったところによりますと、取っかかりとして、伊藤参考人が農業委員になられたときというのは無投票でなられたような話を伺ってもおります。やはり、最初に出る、最初に関わりを持つというきっかけがなければなかなかそういったところは難しいのかなという印象を持つんですが、御自身の経験を踏まえて、御自身は最初に無投票で、その後は選挙も戦われたことがあるというふうに伺っておりますけれども、御自身の経験を踏まえて、そこら辺の女性が参加をする上での難しさといったものを感じたところがあったら、簡潔にお話をいただければと思います。
○参考人(伊藤惠子君) 私がなりました平成十一年、それは、地域から推薦されて長年やってこられた農業委員さん、会長さんが辞められまして、そのときに会長が常任会議に出ておりまして、これからは男女共同参画社会だということで、これからは女性もやらないと駄目だということで、私の方に来られました。やっぱりそれは地域での推薦がないと駄目ですので、一応地域から推薦されて選出されましてなりましたけれども、そのときに、無投票、選挙にはならなかったんですけれども、そのときに、後で、あの女ばす、何出しゃばって何やる気だとか、あとは家族を殺す気かとかいろんなことを、様々なことを言われました。あと、女性が女性の足を引っ張るというのも感じました。 そういう中で長年やってきた中で、平成の大合併と言われますけれども、旧南郷町と小牛田が合併したときに初めて選挙になりました。でも、そのときに、女性が女性の足を引っ張るというのが大分緩和してきたなというのを感じています。それも、やっぱり女性たち、女性農業者が農協の女性部とかいろんな場面で女性の社会参画についていろんな研修会をしたり、そういうことがあって大分緩和されてきたのかなというのを感じていました。 本当に、田舎に行けば行くほど女性の社会参画に対する理解が、大分、実際申せばまだまだなんですね。女性がそういう社会参画、例えばこの農業委員であるにしても、やっぱりこれまでは議会選任から持っていきまして、次は、二度と選任はないよ、次は選挙でということをやっぱり申し合わせながら増やしてきたというのが実情であります。
○中泉松司君 やはり大変苦労をされたんだなというふうに思いますし、一度経験をすると、逆にその選挙というのに挑戦しやすくなるのかなという面もあるのかな、難しいことは変わりませんけれども、あるのかなというふうにも感じさせていただいております。 先ほどお話もありましたけれども、今、女性や若者、認定農家といったような要件を取り入れていくということでありまして、観点として、女性の視点であったり、そういった感覚といったものや若者の視点、感覚といったものを取り入れるというのは、これは基本的に間違っていない方向だと思います、やり方はどういうふうにするかは別にいたしまして。 そのやり方を今どうしていくかという話なんですが、先ほどお話があったとおり、認定農家かつ女性というのは難しいと。認定農家かつ若者というのは、基本的には、簡単とは言えないですけれども、私なんかもやろうと思えばできるような話でありまして、だけれども、認定農家プラス、かつ女性という条件というのは非常に難しいところもあるんだと思います。 ただ、一方で、先ほどお話しされたように、議会推薦というのが大多数だったと思いますけれども、農業委員会全体の七%を占める二千六百人ぐらいの方が今いらっしゃって、そのうちの大多数が議会推薦というか、選任の方法を取ってまず一度やってこられてということが取っかかりになったんだと思うんですが、そういった状況を踏まえて、これから選任制度に移行しようとしているこの農業委員会の制度の上で女性を参画させていく、若者に置き換えてもいいんですけれども、そういった積極的に参加をしていただくためには、農水省なんかは公募にどんどん手を挙げていただくんだというような話もしていますけれども、そういったところで、公募にどんどん手を挙げていただくんだというやり方も含めて、何かいいこれから取り組んでいく上でのアイデア等ありましたら是非お聞かせをいただきたいと思います。
○参考人(伊藤惠子君) まず、宮城県の場合ですと、全国でもやっていることだと思いますけれども、女性農業者の社会参画に対する懇談会というのを年二回設けていまして、いろんな方、実際活躍している女性などを呼んで、その中でいろんな論議をしながら女性農業者自身の意識を高めていくということをやっております。そういう中で、実際、次に農業委員に立候補したりとか女性理事に立候補したりするというのはあります。 それで、でもそれだけではちょっとなかなか大変なので、やはり政府の方に、その枠というか推薦枠とか、それは確実にやっぱり設けていただかないと、せっかく約二千六百人の女性農業委員が増えた中で、でも先生が言われたように、本当に女性の視点でいろんな活動をしているんですね。男性農業委員にはできない活動、例えば食育とか、幅広い活動をしております。なので、是非、このせっかく増えてきた女性農業委員を減らすということはかなり私たちにとっては残念なことですし、やっぱり地域社会においても非常に不利益だと思います。なので、是非、その枠というか推薦枠とか、そういう選任制に代わる推薦枠とか、そういうのを設けていただければなと思います。
○中泉松司君 ありがとうございます。 先ほど来やり取りしているように、多分、一度きっかけとしてやられるとそこを取っかかりにしてまたやっていくんだと、それで更にネットワークを広げていくということを今までやられてこられたんでしょうし、それが望ましい形なのかと個人的には思いますけれども、そういった中にあって、これからもしっかり、まず今やっていただいている方々にきっちりこれからもやり続けていただくという、別にやってもらわなきゃいけないという話ではないんですけれども、そういったところが基本になってくるのかなというふうにも感じます。 済みません、時間がなくて申し訳ないんですが、次に関参考人の方にお聞かせをいただきたいと思うんですが、協同組合という考え方の下でいろいろお話をいただきました。 先ほどの話で、それこそ今の話にもちょっと関わってくるんですけれども、先ほどの話でちらっと思って、是非お聞かせをいただきたいなと思ったのが理事の要件、こっちは農協の方ですけれども、農業委員会の構成に関しても同じこと言えると思うんですけれども、恐らく女性理事を登用せよということであろうが、趣旨は理解できるが、このような規定を法律上置くことが適切かどうかは疑問である、年齢についても同様だ、組合の自治に任せるべき事柄であろうというふうな話をされました。 それはよく私も感情的には分かるんですけれども、世界の流れとして、日本だけでなく、むしろ日本は遅れているのかもしれませんが、女性といったものを登用して積極的にいきましょうという流れがあって、現実的に、じゃ、具体化させていくためにはなかなか難しいというところがある中で、これを組合の自治に任せるべきだと言って放っておいて、実際やっぱりなかなかうまく、うまくというか、望むべき方向に行かないというようなことも往々にしてあると、それがまた批判の対象になって、また、やれ農協改革だみたいな話になりかねないというような話もあると思いますので、そこら辺、是非、やっていく上で現実的に、どういうふうに形として進んでいくべきなのかといったところに関してお考えを伺えればと思います。
○参考人(関英昭君) 女性の枠を増やす、年齢の若い人の枠を増やす、考え方としては僕はいいと思いますが、法律で規定するのではなくて、内部組織でそういう枠を決めていく。つまり、日本の場合には、男性の枠を少なくするというような見方でその組織自体が考えたらいいと思います。そうすれば、自然と女性が増える。女性を増やそうとするからなかなか難しい。男性を減らしたらどうでしょう。
○中泉松司君 裏から見れば、そういうことなんだというふうに思います。 ただ、やはり心配をするのは、今回の農協改革の話なんかも、規制改革会議みたいなところで、農業なんかとは全く関係ないところから出てきた話を基にして進んでしまったというのは、これは我々としても本当に本意ではないところでありますし、いろんなところから批判を受けていますけれども、そういうふうなことで、結局、中でやっていただきたいという話をするんだけれども、なかなか外から見たときにうまくいかないとなると、またそれが批判の種になって、それでまた改革しなきゃいけないんだという、改革の言葉に踊らされるみたいなことを何度か見てきていますので、そういったことにならないようにやっぱり御指導いただきながらやっていかなければいけないんだろうなというふうに感じます。 済みません、大変時間がなくて駆け足になりましたが、田代参考人の方に。 今日、自分の中では勝手に農業委員会の話を中心にというふうに思っていまして、田代先生が先ほどお話しされた七番の農業委員会の机上委員会化を憂えると。ここは我々も本当に非常に心配をしているところでありまして、実際、農業委員会というのは、御存じのとおり、合併をして、人数が大量に減って、対応する面積が広くなってなかなか仕事がしづらいというところで、地域的には協力員制度みたいなものを生み出してやってきているということがあると。 今、推進委員というのを一方では増やして、選挙で選ばれる方々を中心とした農業委員の数はおおむね半分にするということで、トータルすると増やしていくみたいな、体制強化につながるのかどうかみたいなところが焦点になってくるんだと思いますが、先生おっしゃるとおり、いわゆる農業委員は机上で事務的なことばっかりやって、農業委員が選んだ人間が地域を回れみたいな話にやっぱり受け取られるところがあるというところは、委員会の中でも、そしてまた党内の議論でもあったんですけれども、その際に、そういうふうにきっちり分けるのではない、農業委員の方だってやろうと思えばできるんだというふうな話をされた、だから大丈夫なんだというふうな答弁をいただくんですけれども、それに対してどう思われるかというのと、本来、いろいろな知恵の絞りようなんでしょうけれども、推進委員と農業委員というのがしっかりパートナーとしてお互い一体とした取組をしていくことによって今までよりも更にプラスになることができれば最高なんですが、しっかりこの機能というものを維持していくということが大切なんだと思いますが、このままでいくと、そういったことが先生が懸念されるように完全にできないのか、それともやりようがあるのか、そこら辺に関してお考えをいただければと最後に思います。
○参考人(田代洋一君) 結論的に申し上げて、法律を作られた皆様方はいろんな思いを込めて作ると思うんですけれども、実際に地域に下りてみると、やっぱり限られた予算、人数の中でもってやるとなると、やっぱり農業委員は机上でもってこちらでやるのが精いっぱいだねと、二分の一にもなっちゃって、実際に歩くのは推進委員にお任せしようという、こういう形のやっぱり運用がどんどん進んでいっちゃう可能性を、既に現地でそういう話も伺っておりますし、私としては、これはやっぱり懸念は確実に起こってくるなというふうに思っているんですね。 ですから、本当に今農地の集積がもう不可欠の課題だということであるならば、何もやっぱり農業委員の定数を減らす必要はない、それから今までの仕事を減らす必要がないと。これだけ集積のために必要だということになるならば、それにプラスして、やっぱりこの農業委員の下で働く最適化推進委員をプラスするということだったら納得はできるなと。だけど、半分に割りましょうということだと、結局プラスにはならないなというふうに私は思っております。 特に法律を作られる方々は、その法律が現地でどういうふうに動くのかということを十分やっぱり御配慮いただきたいと思っております。
○中泉松司君 済みません、限られた時間で大変駆け足の、早口の質問になってしまいましたけれども、お答えいただきましてありがとうございました。 終わります。
○野田国義君 民主党の野田国義でございます。 まず、伊藤参考人の方にお聞きしたいと思います。 本当にこれまでいろいろ苦しかったというか、いろいろな状況があったんじゃなかろうかなと。私も、改めて男女共同参画推進法ですか、国が制定をして、その後に農業委員あるいは農協の理事さんですか、それとか、管理職、本当に女性を増やさなくちゃいけないというようなことで機運が盛り上がりました。 それで、私も当時市長だったんですけれども、そのときに市長枠で是非とも女性をお願いをしたいということで、農業委員の会長さんが市長室に見えまして、それで女性を推薦をさせていただいて、今その方が農業委員会長をやられておるということでございまして、非常にうれしく活躍を思っているところでございますけれども。 やっぱり、自己犠牲と申しますか、そういうものがあって、そして女性には子育てがありまた介護がありということで非常に厳しい、そしてまた家族の協力もなくてはならないということで、今何が一番大変だったかというようなことでいろいろなことをお答えになったところでございますけれども、私も、伊藤参考人がおっしゃるように、今議会の方もクオータ制とかいろいろなことが言われておりますけれども、仕組みを変えないことには、私、この日本社会の中ではなかなか女性が活躍できる社会というのは難しいのではないかなというのがいろいろ私自身も経験した結論でありまして、女性枠をということで伊藤参考人はおっしゃっているようでございますけれども、その辺りのところを、何か女性枠のほかにも、こういう仕組みが変わったらなとか思われることがあったらお答えいただきたいなと思いますけれども。
○参考人(伊藤惠子君) 女性枠と、あと、そうですね、さっき認定農業者の方なんですけれども、やはり女性が認定農業者になるには、経営者か、若しくは家族経営協定を結んで共同申請をして認定農業者になる。それではあれなので、家族経営協定を結ばなくとも、やっぱり共同で、旦那さんが認定農業者になったらば奥さんも必然と認定農業者だよというような、簡単にできるような仕組みというか、なかなか家族経営協定を結ぶ段階で、よくお誘いしてもなかなかできない理由というのが、うちではちゃんときちんとそういう文書にしなくとも母ちゃんが財布を握っているとか、いろんなそういうことを言われてなかなか進まないのが実情なんですね。 なので、やっぱり旦那さんが認定を取ったらば必然と奥さんの方も認定農業者になるとか、そういう簡単に移行できるような何かそれがあれば、例えば今回のあれで認定農業者が過半数ということになったときに、ああ、あそこの奥さんも認定農業者だからという、何かやっぱり推薦というか、そういうのもやりやすいんではないのかなという、ちょっと思っていました。
○野田国義君 ありがとうございます。 それから、もう一点ちょっとお聞きしたいんですが、農業委員、それから今度推進委員というのが農業委員会にできるということでございますけれども、ここといわゆる農地バンク、中間管理機構ですか、こちらの問題も目標の二割しか初年度は達成できなかったというような状況になっているわけでありますけれども、この辺りとの関係を農業委員として農地バンクと関連のことをちょっとお聞きしたいんですけれども。
○参考人(伊藤惠子君) 中間管理機構との関係は現在白紙の状態の委任というあれがあったんですけれども、耕作を依頼する方は、やっぱり顔の見えた人に頼みたいんですね。白紙ということはちょっと無理なのかなと思いますし、今回、推進委員ということでなりますけれども、先ほど先生がそちらの方を農業委員がある程度、関係というか、机上だけのあれになるんではないかとおっしゃいましたけれども、そうではなくて、やはり推進委員と農業委員が一体になってそういうのを、集積を進めていかないとやはり地域のあれにはちょっと結び付かないのかなと思っていました。
○野田国義君 ありがとうございました。また今後ともしっかり頑張っていただきたいと思います。エールを送ります。 それから、関参考人の方にお聞きしたいと思いますけれども、この協同組合というのは日本の誇れる仕組みだというようなお話があったところでございますけれども、私も何かこの今回の法案見ておりますと、どうも経済界を中心にこの農協が、JAがスケープゴート的にやられたというような気がしてならない、本質的には結局何もないけれども、これだけやったというようなことを国民にアピールしているのかなと、そういう気がしているところでございますけれども、どういうところを今後農協は改革をすべきなのか、それから所得を増やすには、いわゆる農家のですね、どのような施策が必要とお考えになっているのか、お聞きしたいと思います。
○参考人(関英昭君) 私は農業経営等についてはよく分かりません。ただ、法制度の仕組みとして言えることは幾つかあります。 一つは、定款の自由を認めたらよろしい。自由な活動がなければ、自由な所得、発想、その他もろもろは出てこない。したがって、先ほどのこのテンニースの一覧表でちょっと見ましたが、日本には場所のゲマインシャフト的な制約が物すごく強いと思います。したがって、農家の皆さん、その縛りがあるとすればやはり自由な活動についてはちょっと無理が来るかもしれません。例えばどういうことかといいますと、農家の皆さんの経済的な合理性という点ではちょっと遅れているような気がします、各農家そのものですね。経営的な感覚が弱い、合理的な性格が弱い、これは単に弱いと言って責めるんじゃなくて、やはり場所のゲマインシャフト的な昔からの習慣で、どうしてもそこから抜け切れないというのはあると思います。 したがって、その辺の意識改革から変えていく必要がある。農業協同組合が中心となって、農家の組合員の皆さんそれぞれの意識改革をすることが重要かなと。そういう意味では、ICA原則の第五原則にあるように、組合員の教育、組合自身の教育、組合の役員、幹部の皆さん、職員の皆さんの教育、それが重要だと思います。
○野田国義君 ありがとうございました。 それから、田代先生の方にお聞きしたいと思いますけれども、この二点目に書いてあります農業所得の増大、これが一番の目的ということにならなくてはいけない、この農協改革もですね。しかしながら、現実はならないということが今いろいろなところで論議をされているところでございます。 そこで、私は民主党の立場から言わせてもらうならば、米の戸別所得補償が廃止をされ農業所得が減らしながらというようなことで書いておられますけれども、私もここの戸別所得補償、この間も地元、大規模農家の若い人たちと話してきましたけれども、非常に米価の下落で大変だったというような、この戸別所得補償があればよかったのにというような話も改めて聞いたところでございますけれども、だから、政権が替わってそういう政策の転換がある。早く法律にしておけばよかったんでしょうけれども、なかなか法律にすることができなかったということでありますけれども。 田代先生が、今後本当に農業を生命産業、未来産業という形で伸ばしていかなくちゃいけないということでありますけれども、この農業所得を増大する、先ほどから論議されている農地バンクとかの、また推進委員とかそういう新しい仕組みをつくって大規模化という方向、これを恐らくみんな認めると思うんですね。しかしながら、これだけでは日本の農家所得を増大するには至らないと、ちょっと特殊な事情も日本独自のものもあるんではなかろうかと思いますけれども、その辺りのところをどうお考えになっているのか、お聞きしたいと思います。
○参考人(田代洋一君) まず一般論として、今までの御議論を伺っても、いろいろ法律で決めるべきことと、それから政策努力なり、その地域の努力でやるべきことと、これはやっぱり分けて考えるべきだろうと。私は、女性の農業委員さんについても、これは先ほど関先生がおっしゃったように、女性の法律でもって枠を設けるだとか青年の枠を設けるだとかというのは果たして妥当なのか。やっぱり地域の努力、それから政府の努力、やっぱりお金も出すというようなことは必要なのかなというふうに思っているんですね。 と同様に、この農業者の所得、農協組合員の所得増大ということを考えたときに、ちょっと専門的になりますけれども、やっぱり今一番問題なのは、直接販売だとか契約販売だとかということがいろいろ言われておりますけれども、同時に、従来高度成長期から担ってきた共同販売組織ですね、これやっぱりもうちょっと古くなっちゃっていて、おじいちゃんの代につくったもので、どうも今の若者には十分適していない、こういうところを組織革新していくというようなことが一つやっぱり農業所得の増大にはつながってくるだろうと。 先日、福岡県の糸島農協さんなんか伺ったんですけれども、直売所でやっぱり三十億円から四十億円を上げているんですね。こういうところもやっぱりもう出てきているんですよね。だから、政府がとやかく言わなくてもそんなことはできるということだと思うんですね。 最後に、この農業所得の増大という点なんですけれども、私は各党の先生方いらっしゃる中で、米戸別所得補償をちょっと持ち上げたようなんですけれども、一面では持ち上げますけれども、やっぱり半分は余り評価していないというところがあります。それはどういうことかというと、やっぱり米戸別所得補償だけをやると、業者はそれを見透かして、じゃ、米価下げたって所得補償でカバーしてもらえるんだろうと、こういう話になっちゃうんですね。 ですから、民主党のあのときの欠陥は、やっぱり最低価格保証、これどこの先進国もみんなやっているんですよね。政府による買上げで最低価格保証はしながら、要するに、そこをきちっとしながら戸別所得補償をやるということであればそういう問題が起きないんだけれども、そこがやっぱり半分しかできていなかったなという感じを私としては受けているんですね。 ですから、やっぱりきちっとバケツの穴を埋めながら、同時に戸別所得補償をやるということが必要だったんじゃないのかなというふうに思うんですね。一歩前進ではあるけれども、十分ではなかったというふうに評価をしております。
○野田国義君 終わります。
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。 今日、三人の参考人から大変貴重なお話を伺いまして、大変に勉強になっているところでございます。 まず最初に、伊藤参考人にお伺いをしたいと思いますが、先ほど来、質疑の中で出てきておりますけれども、女性の農業委員として活躍をされてきたその貴重なお話を聞けるというのは大変に光栄なことなんです。 私は、地方創生を議論しているときに、この農協法とは違う地方創生を議論しているときに、やはり家族経営協定というのは非常に大事だということで、農村の若い人たち、特に女性にお嫁さんに来てもらうためにもこの家族経営協定は非常に大事だということで一度議論をさせていただいたことがあるんですが、伊藤さんの御自身の体験で教えていただきたいんですけれども、家族経営協定に取り組もうと思ったきっかけというのは何かあれば、また、どういうふうに御家族の皆さん方がじゃ、一緒にやっていこうというふうになったのかを教えていただきたいと思います。
○参考人(伊藤惠子君) 私の場合は、長男の就農を機会に、普及所とかの勧めもあって始めました。 そのときに決めたことは、私たち、若いときは給料というか、それがなかったんですね。本当に、月に一万円とかの小遣いでしか、その決まりがなくて、盆、正月にちょっと余計もらえるというようなあれだったんですけれども、それでは駄目だということで、まずは長男の、勤めていて就農したんですけれども、ある程度の給料をまず示しました。 それと、あとは家族の役割ですね。それも常に、ふだんはやっていることなんですけれども、そのときに、私も農家レストランとかやっていましたので、私はそちらの方とか、農業の方は長男とお父さんが中心になってやるようなこととか、じゃ、おじいさん、おばあさんはどうするのかといったときに、おじいさん、おばあさんはとにかく家庭のことをやるということを決めて、両親にも給料を示したんです。そのときに両親が、私たちももらっていいのかとか、そういう感じであったんですね。すごく喜んでいました。 長男がやっぱり、給料もだったんですけれども、それに、農家にはない、土日は休みだよということを入れました。最初の頃はお父さんも、農家の忙しいときに土日休みだって文書にはしてみたものの、やはり何だこの天気のいいのに出ていくのかというようなことを言っていたんですね。でもだんだんに、やはりああこれ協定で決めたんだから仕方ないというふうになってきまして、それと、あとは長男の方は、その決めた土日なんですけれども、やはりどんどん農業して年数、年数というかたってくると、やはり農家は天気が悪い日が休みであれなんであって、いい日はとにかくあれだっていうのを、やっぱり作業のやりくりでおのずと何かなってきたんですね。 だから、ある程度、家族経営協定は非常に若い後継者にとってはいいことだと思っております。ただ、先ほども申しましたけれども、一部では、やっぱりそんな文書にしなくたって、ちゃんと母ちゃん財布持っているし、私たちもちゃんとやっているというようなことを言われます。でも、やっぱり、そうですね、絶対これは必要だと、これからの後継者を育成する上で、やっぱり農業にというか、農家にとっては非常に大事なことだと思っています。
○横山信一君 ありがとうございます。 今後、女性の農業委員を増やしていく意味でも、やはり家族の中での女性の役割というのを明確にしておくということは大事だというふうに私も感じているところなのです。 伊藤参考人の書かれた資料を読ませていただいたんですが、その中で、先ほど来も出てきておりましたけれども、農業委員会の会長さんのお勧めがあって初めて農業委員に出たというお話がございましたが、その会長さんが農業会議にも出られていたので、それで男女共同参画という概念を知っておられたと、そういうことが伊藤参考人が農業委員に出るきっかけになったというふうなことが書かれておりましたけれども。 そういう意味で、やはり農業委員会の中心になられていく方たち、あるいはほかの農業委員の人たち、男性の農業委員の人たちも、やはりこの男女共同参画だとか、そういった中心になっていく人たちがそういう概念をしっかりと把握しておくことが大事だということも述べられておりますけれども、そういうやはり調整役としてなっておられる会長さんたちのその考え方というのが、伊藤参考人にとって実体験としてその男女共同参画が、知っていたから入れたという部分について、もう少しちょっとお話を聞かせていただければと思います。
○参考人(伊藤惠子君) 私自身も、実は農協の女性部の役員をしていて、その男女共同参画社会について学ぶ機会がありました。それで、その会長さんが来られたときに、素直にというか受けられたんですね。もしそれがなければ、ただ来られたというだけで多分終わったと思います。ある程度、その知識というかそういうのがあったので受けられたと思っています。ちょうどその頃ですと、女性の地位というか、そういうのがまだまだ低い時代でしたので、女性がそういう委員になるということはまず無理な話だったと思います。 それで、今、委員会の方の会長さんたちは、恐らく、うちの方はあれなんですけれども、皆さんの農業委員会の会長さんはその女性登用については積極的であります、これまでは。ただ、議会の方で選任、なかなかまだできないと。やっぱり見ますと、封建制度の強いところというのは結構議会の方でもなかなか選出が難しいというのがあるようです。 なので、やはりその啓蒙というか、女性の社会参画についてのその啓蒙というのを、やはりそれもこれから、まあ大分なってきましたけれども、それは個人的には必要でないのかなと思っています。
○横山信一君 ありがとうございます。 次に、じゃ、関参考人にお聞きをいたしますが、今回のこの農協法の改正が規制改革会議の中でも話し合われているときに、私も当時政務官をしておりまして、その規制改革会議で話し合われていることが、非常に注視を、注目をしておりました。 一方で、農協改革をするのは岩盤改革だみたいなことで、何かそれによって日本の農業が成長産業化していくんだと、総理もそういうふうにおっしゃったわけですが、それを、賛同して世論としても盛り上がってくる雰囲気があったりとかするのを非常に危機感を持ちながら実は見守っていたわけでありますけれども。 まず、今回のこの農協改革の概念が、今回は農協ですけれども、こうした改革が今後、漁協ですとか森林組合ですとか、そうした協同組合に与えていく影響というのはどう見られているか、お聞きしたいと思います。
○参考人(関英昭君) 難しいと思いますね。行政や政治の皆さんがむしろどんなことを考えておられるか、それをお聞きしたい。 つまり、さっき田代先生もおっしゃいましたが、協同組合の存在というのは非常に重要であるわけで、株式会社とカウンターベーリング・パワーの関係にあるのが恐らく望ましい世界かと思います。それを、一方は企業社会、株式会社を中心とする営利企業だけを何か活動しやすいようにして、協同組合活動や他の非営利活動の活動が制約されているとすれば、これは同じ土俵には上れない。時々、協同組合イコールフッティングしようという議論出てきますが、協同組合については株式会社とは違う様々な制約があります。私が一番思っているのは、定款の自治がないということです。許認可制度が必ず付いてくるということです。事業法でそれをある程度やるのはイコールフッティングになりますが、その組織法の中にそれを入れておりますので、どうしても制約があります。そういう意味では、同じ市場での競争にはなりません。 したがって、今後、例えば中央会制度が中小企業等協同組合における中央会に影響を及ぼすことを少し懸念しています。あるいは、今回、協同組合を、一部を生協にしなさい、あるいは一般社団法人にしなさい、あるいは医療制度を、厚生連がやっているのを医療法人にしなさいというのは、生協でも医療制度をやっていますから、例えば厚生連病院は、古い資料ですけれども、百十もある。生協のやっている医療生協は八十五もあります。二百近い協同組合の医療制度、病院が医療法人になりなさいということは、果たして何を意味するかですね。そちらに影響があるというふうなことも少し懸念しています。 先ほど私は、テンニースの場所のゲマインシャフトということを話しました。日本はこの場所のゲマインシャフト的な精神構造がまだいっぱい残っています。だから、法制度の枠組みをどうするかということは、この習慣やあるいは慣習やあるいは文化を抜きにして、一挙に机の上だけで法の仕組みをこうしようということはなかなか難しい。 ちょっと関連しますけれども、女性の参画も同じです。僕はちょっとヨーロッパに生活していたことがあるものですから、女性の社会進出はとてもじゃないけれども、日本、及びも付きません。私は法律が専門ですから、例えば裁判制度、裁判員の女性の数、物すごく多いです。日本の司法試験合格者の中で裁判官になる人はどのくらいおられるか、女性の占める割合はどのくらいか、国会議員の中に女性の占める割合はどのくらいか、企業の経営トップの中で女性の占める割合はどのくらいか、ヨーロッパと比較すると比較にはなりません。それは、恐らくやはり日本の文化が影響している。でも、この文化を否定した法はやはりなかなか機能しにくいと思っています。徐々に徐々に変わっていくしかない、せいてはいかぬと僕は思っています。 したがって、その協同組合制度が今回の農協法改正に影響を受けて、他の協同組合制度に場合によっては影響あるとすれば、それはもうちょっとお考えくださいと言いたい。協同組合が置かれている日本の法の仕組みの中での立ち位置、存在というのは、他の国と比べると全然違います。その中で日本の協同組合は非常によくやっていると思っています。
○横山信一君 時間配分がちょっと足りなくなってきまして、田代先生、短くちょっとお願いしたいんですが。 ばっさりと田代先生の先ほどのお話の中で廃案と言っていただいたんですが、多少シンパシーを感じながらも、私も与党なものですから、この法案を成立させていかなくてはいけないという立場にあるものですから。 この准組合員の利用について五年間調査しましょうということになりました。この背景にあるのは、やはり准組合員の利用規制の問題を、これを、社会インフラですから、地方に行きますと、ですから、そういったものをいきなりやめてしまうのはどうなのかということが背景にあるわけなんですが、先生の書かれているように、准組合員に規制を入れるんだという、そういう調査というよりは、問題があるんだというところの認識から始まっているわけなんですけれども。 そういう意味では、この五年間の調査を有効にするためにはどういった点に注目をすればいいのか。手短にお願いしたいと思います。
○参考人(田代洋一君) 手短ということですから、今日私が申し上げたかったのは、准組合員のところにどんな問題があって何を調査するのと、むしろ法律なり政府が明らかにすべきじゃないかと。准組合員が多いと何か正組合員の利用を阻害しているんじゃないかなんていう推測に基づいてやっているわけですよね。 そうじゃなくて、どこに問題があるんですか、こんな点を調査したいんです、だからこういう点について農協さんの方も努力をしてくださいということであれば、まだ生徒も答案が書ける。だけど、課題はないよ、とにかく答案を見てからばっさりやるよというのは、これはちょっとアンフェアじゃないかなというのは私は何回も申し上げていることで、私が答えるよりも、むしろやっぱり具体的にもうちょっとその中身を明らかにしてくれと、何を調査してどういう結論になったらどうするつもりなのかということを示してくれないとやりようがないんじゃないのというのが申し上げたいことです。
○横山信一君 ありがとうございました。
○儀間光男君 儀間と申します。 参考人の先生方お三名、御多忙の折においでを賜り、お越しをいただき、ありがとうございました。感謝を申し上げます。 まず、伊藤先生にちょっとお尋ねしたいんですが、私、この場へ来て二年ちょっとになるんですが、女性の農業委員にお会いするのは初めてなんですね。そういう意味では光栄に思うし、また裏を返せば、それぐらい女性農業委員というのが少なかったのかなというような思いをしておるところでありますが、大変御苦労の中で今日まであっておりますけれども、ただ微に入り細にわたり聞く時間ありませんから、今我々が審議する中で象徴的なものがありますから、これをひとつお聞きしたいと思うんですが。 農業委員と推進委員、分業化しましたね。田代先生でしたか、農業委員は事務方、机で、推進委員は活動するというこの二つが出たんですが、私、実は去った委員会でもこのことを議論して、そういう二分化するんじゃなしにまとめて機能を持たせて、人が不足なら人を強化をして、機能を持たせて一部局でやるのが合理的で、しかも効率的でスピードがあるんじゃないかというようなことを申し上げてきたんですが、委員としてどうお感じかをお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(伊藤惠子君) そうですね、先ほど冒頭に言いましたように、美里、うちの方の町から見ると、今現在、一人当たりの農業委員が受け持つ面積が一集落ぐらいになるんですね。二百七十ヘクタールから三百ヘクタールぐらい、一人の農業委員さんが持つ感じでいます。 ただ、今回の改正で農業委員が半数になったときに、それを全部、先ほど机の上でのというふうに言われましたけれども、それだったら大丈夫なんですけれども、本当にそれでは地域農業は成り立たないと思います。やっぱり、地域から推薦された農業委員さんと推進委員さんが一体になって現場を見て、それでやっていかないと、地域農業は本当に成り立たないと思います。ただ机の上だけでの審議では駄目なので、やっぱり今半数に減らすという、農業委員を半数に減らして推進委員を倍置くというあれなんですけれども、それだけでは成り立たないと思います。やはり今までの農業委員を確保しながら、数を確保しながら推進委員さんも新たに置くということで、地域農業が保たれていくのではないかなと私は思います。
○儀間光男君 おっしゃるとおりだと思います。 実は私、政治の場へ来る四十年ぐらい前になるんですが、ある食品会社の総務課長をやっていて、そこのトップから、課長、組織をちょっと整理をせいと言われてやったのが、いわゆる総務部、人事部、財政部があったんですね。私、総務課長が総務部長になって、あと人事部、財務部を課に置いたんですよ。そして、非常にスリム化していったんですね。そうすると、非常に意思疎通もよくなって、総合財務というのは経営者の横付けにしておいて、別個にしておいて、内部をそういう形で一元化してワンストップをやってみたんです。非常に効率は良かったんですね。 と思うんですが、今回のは何か、農業委員会、本来あったのが分業化させて推進委員ができる、これ逆じゃないのかなと思うんですね。農業委員会にそのまま事務局置いておいて、推進委員の機能をここに持たせて、そしてやった方がいいような気がしたからちょっと聞いたんですけれども、改正法はそうなっていないで、どうも採決で負けそうで、まあ通るかも分かりませんが、ひとつ頑張っていただきたいと思います。 それから、両先生に同じ質問をしたいと思うんです。理由は、両先生の論調、個性があって全然違うんですが、一か所というか結論がかぶさった部分があって、これも細目にわたってじゃないんですが、象徴的に言うんですが、田代先生が、これは、この改革は米国出自で駄目だと、こういうことをおっしゃっておりました。それから、関先生はICAのお話がありました。ここで共通するような感じがするんですけど、私も、今回の改革、小泉郵政とよく似ていて、どうもアメリカの何らかの意思が反映されているんじゃないかというような疑いを持つんですね。 ということは、歴史を振り返ってみても、一九九〇年代に日米構造協議というのがあったんですが、それ今組織が変わってきたんですけど、これがちょくちょく日本の改革や日本の政に首を突っ込んできたんですね。今でも在日米国商工会議所というのがあります。小泉郵政も僕はどうもあのにおいがしてならないんですね。 今回もそのにおいがしてならないんですが、はっきりと、出自はアメリカでこれは駄目だと断言してくださったのは先生だけなんですね。そういうことで留飲がどっと下りたような感じがして、もっともっと、じゃ、追及してみようかなというような気持ちにもなりました。 そして、質問ですが、(発言する者あり)賛成はしますよ、衆議院の例がありますからしようがないんですが、この議論やってくればやってくるほど、どうも衆議院で我が党が賛成したのは、あれ間違いじゃなかったのかというような思いがしてならないんですが。 そういう意味で、アメリカ発であるというお話と、実は日本のこの改革を受けて、国連とICAが、大体理解は同じですが、対応が違ってきたんですよ。ICAは、原則の第二、第四、第七辺りを取って激しく抗議しているんですよ、協同組合無視も甚だしいと。大変な抗議が、厳しい抗議があるんですが、国連は、一方では、日本の家族農業がそのまま非常に発達してきた、これは世界に類を見ない日本だけの家族農業なんだと、これをむしろこれからのアジア、アフリカへの、徹底して向こうは家族農業をやっているみたいで、世界の資本も入れる中で、アジア、アフリカへ移転することを日本は考えるべきだというようなこと等も含まれてあったんですが、それで、両先生に、この二つについて両先生方の教えを請えたら有り難いなと、こういうふうに思います。
○参考人(関英昭君) 私の専門は会社法です。商法、会社法と独禁法や、今、金商法と言っていますが、証券取引法、その辺を中心に勉強してきました。 その意味で、日本の会社法や独禁法制度は戦後、やはりアメリカの影響を物すごく受けています。現在、グローバルスタンダードということで、世界規模、地球規模で物事は動いていますが、これは、ある人はグローバルスタンダードじゃなくてアメリカのスタンダードだと言っています。僕もそう思います。したがって、その影響を受けている国、日本は特にそうだと思いますが、その意味では、国連もある程度はアメリカの意向を受けた考え方というのに向いているようなところはあります。 しかし、先生が今おっしゃったように、国際家族農業年、昨年でしたか、その前は国際協同組合年でした。国連が、一方でそう言いながらそういう決議はしている。日本政府がどのくらいそれに対応したかが疑問になるくらいです。 したがって、国連は時の力関係や政治の動きがあるでしょうから様々な動きが見られると思いますが、ICA原則は世界の協同組合陣営の皆さんの世界ルール、世界基準を作っていますので、これは、どちらかといえば協同組合陣営にとっては一本化したルールです。アメリカのスタンダードではありません。世界の協同組合の人知が集まったルールですので、日本の協同組合はどちらかというとこの基準を大切にしています。ばか正直なぐらいにこのICA基準を遵守しようとしていますね。それがゆえに悩んでいるところもあります。しかし、僕は、こういう悩み方は正当だと思います、いいと思っています。という意味で、お答えになったかどうか分かりませんが、国連もいい決議はしているところを、これだけは評価していただきたいと思います。
○儀間光男君 ありがとうございました。
○参考人(田代洋一君) 国会議員の先生方、いろんな党の方針とそれぞれの議員個人のお考えと大分食い違いがあるということで、頑張っていただきたいなというふうに思います。 私、先ほどアメリカ発と言ったのは、アメリカだから嫌だということじゃなくて、やっぱり日本の農業の現実から出発して、やっぱりここを変えなきゃならないという形になっていないなと。先ほども言いましたACCJは、提言の最後のところで、日本の政府とそれから規制改革会議と緊密に連絡を取り合っているとまで書いていますので、やっぱりこれはちょっと問題だなということで申し上げた次第です。 先ほどのICAの原則とそれから国連との関係ということでございますけれども、国連がどういうことを言っているのかというのは別としまして、御案内のように、やっぱり日本の総合農協、今その総合農協を潰しちゃえというのが、みんなばらばらにしちゃえというのが、この法案の趣旨でもありますけれども、やはり日本の総合農協はすばらしいものだということで、アジアの国々にどんどんそれが普及していっているという、こういう現実を踏まえて、やっぱり日本の総合農協の在り方をアジアに普及するという観点から国連にもちょっと考えていただきたいと私としては思っております。
○儀間光男君 ありがとうございました。 そのことを、国連もよく取ってみると、ICAと日本の改革について同じ、ある意味怒りを持ってやっているんですね。ところが、使い方があると。例えば、日本の総合農政、家族農業をこれからの世界の食料基地にしていこうという国連の考えの下で成功した、家族農業で成功した日本の農業、これをアジア、アフリカ大陸に移したらどうか、こういうような提言に変わってきておるんですが。 幸い日本には、農林水産省側は関与していませんが、ODAがありますから、このODAなどを使って、具体的に国連の農業の移転、家族農業の移転などに応えられるようなことを農林水産省のリクエストとしてやってみたらどうか、関係要路にやってみたらどうかということを林大臣に提案してありますが、どの程度強化してくれるか分かりませんが、そういう形でやはり、この法律の改革案というのは、六次産業を中心にする大規模集約農業をテーマにした、それで中間管理機構を利用して、目的化して、農地の集約を図り、推進委員がおって、農業委員がおってというようなことで、主にそこの方に光を当てた改革であることから、国連の提案は非常に大事だと思うんですね。 そういう意味で提案もしてあるんですが、そういうことも含めて、僕の支援者になってほしいとは申し上げませんが、農林水産省に向けて、あるいはODAに向けて、そういうお話を一言ずつやっていただけませんか。
○参考人(関英昭君) 何を私が申し上げたらいいのか分かりませんが、TPPに関連して私が思っているのは、やはりWTOが少し苦しんでいるからTPPでやろうということ、これは、僕個人の意見としては、やっぱりWTOをもうちょっと生かす方向で世界の国々が協力してほしいと思っています。 と同様に、やはり国連は重要な国際機関ですから、そこを中心にルールを共有するという方向で物事を進めていただきたい。グローバルスタンダードで、一国の、あるいはグリードと言われるような強欲主義の市場原理主義者の懐を増やすようなことだけのスタンダード、これはやはり私としては共感できないという意味で、国連はその辺をしっかりと議論していただきたいと思います。
○参考人(田代洋一君) 安倍首相は、世界中駆け回ることはお好きみたいで、いろんなところでお金をばらまいているみたいですけれども、私はやっぱりODAですね。一時は盛んだったんですが、やっぱりちょっと下火になってきているところもあると思うんですね。 そういう中で、やっぱり一番大切なことは、現地の間尺に合った、身の丈に合った援助をしていくということが一番大切でもって、お金の問題じゃないんじゃないのかなと。そういう点ではまず人材といいますか、まさに日本の農協人を始めとしていろんな人材を育てているわけですから、そういう人材を、やっぱり日本の経験がアジアでも通用するようなこと、そういうものをやっぱり現地をよく見ながらやっていくということが非常に大切かなというふうに思っています。 おやりになりたいことは支持申し上げます。
○儀間光男君 ありがとうございました。終わります。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。 今日は、三人の参考人の皆さん、本当に深い示唆に富んだお話、ありがとうございます。それで、聞けば聞くほど、私、やっぱりこれは通しちゃいけないんじゃないかなというふうに、その思いが強くなっているわけであります。 最初に田代参考人からお聞きしたいと思いますけれども、いろんな角度からこの問題点について指摘をしていただきました。私、その中でも、農業委員会法の改正の問題でお聞きしたいと思っております。 大きな変更ということでいうと、公選制から選任制に変えることや、それから農地利用最適化推進委員を設けて農業委員会の定数は原則半減ということを言っていることですとか、意見の公表や建議についても削除ということになっております。 それで、現場からも分かりづらいというふうに言われている話としては、やっぱり最適化推進委員をわざわざ何でつくるのかと。先ほど、伊藤参考人の話の中でも、推進委員と農業委員が一体になってやらせてもらえればという話あるんだけど、分けてやっていくというところも含めて、それだったら元々、この農業委員の皆さんに、もっと強力に役割をというか、大きくして数を増やすとかいうことも含めてやる方がいいんじゃないのかなというように思うわけですけれども、あえてそうではなくてこの最適化に関する指針を定める。 田代参考人の話の中では、机上の仕事に農業委員がなっていくという話もされたんですけれども、あえてそうではなくて、わざわざこうやって切り離してやっていくということの狙いが何なのかなというのは本当に思うわけですけど、その辺り、田代さんの御意見をお聞きしたいということが一つ。 もう一つは、准組合員の位置付けの問題で、准組合員の利用規制問題についてなんですけれども、事業の運営原則、組合は営利を目的として事業を行ってはならないという項を削除をすると、農業所得の増大への最大の配慮、高い収益性の実現ということを追加をしたわけですけれども、田代先生は、農業所得の増大、最大限に配慮ということになると准組合員の奉仕は二の次になるんじゃないかというように述べられています。それがどういうことかということをもう少しお話しいただければと。二点、お願いします。
○参考人(田代洋一君) まず、これは私が答えるよりも、やっぱり政府がどういうふうに考えているかということだと思うんですけれども、農業委員の数を減らして推進委員をつくるということですよね。 その背景には、農業委員は働いていないんじゃないかだとか、こういう誤解があって、伊藤参考人のお話のように、もうそれじゃなくたって一人で何百ヘクタールを対象にしてやらざるを得ない。そういう点で、やっぱり非常に農業委員の数が少ないことが問題なのに、むしろそれはやっぱり農業委員がたるんでいるという形に持っていって、ともかく機動的に決めちゃえと、あんまり熟議をしないで機動的に決めちゃえ、そのためには数が少ない方がいいという、こういうことと、ともかくもう農業委員さんは、先ほど伊藤参考人がおっしゃったように、やっぱり今まで人と農地を守るということだったんだけど、これからやっぱり職を守る、地域を守るといういろんな大切な仕事が出てくると思うんですね。もうそんなことはどうでもいいから、農地利用の最適化だけをやればいい、そのためのいろんな指針だけを作ればいい、こういう観点から農業委員をなるべく減らしていくと。 だから、本音から言うと、もう農地利用最適化推進委員だけでいいんじゃないかというところまで考えているんじゃないのかなというふうに思うんですけれども、それは、伊藤参考人がおっしゃるように、まさに地域の方々の農地をめぐるいろんないきさつだとか、そういうことを十分熟知している方々がやっぱり現地で働かなければどうにもならないと。 何で農地中間管理機構に農地が集まってこないのかというと、一口で言っちゃえば、農地中間管理機構に貸すと誰に貸されちゃうか分からない、下手な人に貸されたらもう本当に自分も迷惑だし、人様にも迷惑を掛ける、そこでやっぱり人気がないわけですよね。そういうところは、やっぱり農業委員さんがきちっと配慮をすると。これ、一度地権者の思ってもみない人のところに借りられちゃったということになったら、もう日本の農地流動化政策はそれで終わりですよ。もう貸したら終わりだ、今まさにそういうふうになりつつあると思うんですけれども、そういう点であるかなというふうに思うんですね。 もう一点の方の農業所得の増大ということは、これは、農業所得というのは正組合員だけですよね、農業所得に関わるのは。そうなってくると、農業所得の増大に最大限努力するということは、正組合員のためだけに最大限努力するということで、准組合員の方はなくなっちゃうという、そういう点で問題だということは一点と、それから、農業所得というのは、これはやっぱり組合員の農業所得じゃなくて、日本農業全体の農業所得ということになりかねないわけですね。その責任を農協に負わせるのかと。この二点から、やっぱり農業所得という言葉だけを使うのは非常に問題であると。組合員の所得なり組合員の福利ということでよろしいんじゃないか、こういうことで申し上げた次第です。
○紙智子君 ありがとうございます。 では、次、伊藤参考人にお聞きいたします。 伊藤さんは、農業従事者であり、そして直接施設、それから農業レストランも立ち上げて実績をつくってこられたと。全国女性農業ネットワークの会長もされて非常にエネルギッシュな活躍をされているなと。とりわけ、参考でいただいた中に書いてあったんですけれども、東日本大震災のそれ以降の復興に向けた活動についても非常に頑張って活躍しておられて、その中で、やっぱり女性農業委員が本当に必要だということを言われていて、非常に感動しながら読ませていただきましたし、やっぱり、私も同じ女性として、そういう意識を持ってやらないと、国会議員の中でも女性の割合って非常に日本は低いですから、そういう意味では、意識を持って努力しないと広がっていかないということを改めて思うんですね。 そういう点で、農業委員としてももっと活躍しやすくするためにはいろんなことがあると思うんですよ。子育てがあったり、介護があったり、家族のことも含めて、そういうことをやろうと思うと、男性もそれはやっぱりフォローするということで意識が変わっていかなきゃいけないし、そういったことを含めてやっぱりもっとどういう支援が必要かということをお聞きしたいのと、もう一つ、やっぱり今回の改正をめぐっては、公選制で出られたわけなんですけど、この後、やっぱり公選制から選任制に変えるという問題や、それから推進委員を設けて農業委員の定数を減らす、これは減らさないでほしいというのはあると思うんですけれども、それから、意見の公表や建議を削除とあるんですけど、これらについてどのようにお考えかということをお聞きしたいと思います。
○参考人(伊藤惠子君) まず一点目ですけれども、やっぱり家族の協力が一番必要ですし、それと、あと周りの理解、そういう女性の社会参画についての周りの理解が、家族とやっぱり周りの理解がないと、なかなか地方では難しいのかなと思っています。 二点目が、そういう公選制から選任制という今回のあれになったときに、やっぱりある程度の人数が、まあ私たちが危惧しているのは、今、農業委員が半数になるということで、その中でどれだけ女性が今度入れるのかなというのが一番心配なわけなんですね。本当に女性農業委員は、いろんな面で男性にないやっぱり女性ならではの視点と感性でいろんな活動をしています。例えば食育とか婚活とか、いろんなそういう活動をしていて、それが女性がいなくなったらどうなるのかなと。ただ、本当に農地法だけのあれで終わってしまうのでないかなと非常に心配しております。 なので、やはり枠というかある程度の、市町村長に対して、農業委員を決めるときに女性は必ず入れてほしいとか、何かそういうのを、ちょっと文言を入れてもらえればいいのかなと。枠というか、何というんですかね、言葉ちょっとあれなんですけれども、そういう文言をちょっと入れてほしいなと思います。 あと、三点目が何でしたか。
○紙智子君 建議がない。
○参考人(伊藤惠子君) 建議ですね、済みません。 やっぱり建議とかそれは必要であると思います。今回も、私たち農政の方に入っているんですけれども、農政の方で今回の改正案に対しての建議をしたりとか、三十年には転作がなくなるとか、そういう農業面ですか、そういう農業政策についても町に対していろいろと建議をしていますので、やはりそれはちょっとなくしてはならないのかなと私個人としては思います。
○紙智子君 どうもありがとうございます。 できるだけ反映できるようにしなきゃいけないというのは、本当に私も思うわけです。 それから、ちょっと時間がありますから、関参考人にもお聞きしたいと思います。 それで、協同組合のやっぱり根源的なところというか、ずっとお話をいただいて、過去、農協法の問題についてもいろいろと改正、改善が必要だと、そういう内部からのいろんな意見や、これまでそういうことは繰り返しあったということが言われてきました。先日も地方公聴会もやられた際にも、実は農協改革については過去何回も、今までも変えなきゃいけないという話はあったけれども、今回は全く異質だという意見が出されたんですね。 それで、今回のこの農協法の改正について、やっぱり関参考人から見ると、現場からはそういう声も出ているんですけれども、どんなふうにお考えなのかということと、それから、国際的にも日本の農業協同組合の活動というのは評価されているんだというお話がありました。ICAの原則を大切にした協同組合の発展ということから見て、お話はいただいているんですけれども、今回の中身、出されている法案というのがどうなのかということについて感想をお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(関英昭君) 一口で言いますと、この改正案は会社法に近づけたいというふうに意図されている、そう思います。幸いといいますか、私は会社法を長い間勉強してきましたので、その意図がすぐ読み取れます。協同組合法やあるいは非営利法人法、NPO法を含めたそういう制度と株式会社制度の違いがあるにもかかわらず、それをどうも何か一緒くたにしちゃえというような印象を受けます。 以上です。
○紙智子君 もう一点。
○参考人(関英昭君) もう一点、何でしたか。
○紙智子君 もう一点は、要するに、ICAの原則を大事にした協同組合、日本は忠実にやっているんだと話されたんですけれども、そのことから見ると、今回出されているものというのは全く逆方向を向いているんじゃないかというふうに思うんですけど、その辺のお考えをお願いします。
○参考人(関英昭君) そうですね、逆行しますね。つまり、ICA原則は協同組合原則ですから、株式会社の原則ではありませんので、相反すると思います。 ついでですからちょっと意見を言わさせていただきますが、先ほどの准組合員にしても、結局これは会社法にはない制度ですね。だから、なくしちゃえという方向に恐らく行くんだろうと思います。とんでもない。 私、先ほどから場所のゲマインシャフトということを強調していますが、東京や大都市で議論する場合と、地方で議論する、あるいは現場を見る場合では、この准組合員やゲマインシャフトの発想というのは全然違うと思います。 地方で、正組合員と准組合員の区別は人を見て分かりません。准組合員がどこがいけないかというのはどこから出てきたんでしょう。つまり、議決権もない、あるいは選挙権もないというようなことであれば、それは協同組合陣営に任せたらいいことです。准組合員からそういう要望があれば、それは内部で議論したらよろしいということで、どうも今回の農協法の改正案はICA原則を全く考えていないし、どちらかといえば、明治維新のときの殖産興業に近い、株式会社をとにかく進めようと、そんな気がします。
○紙智子君 ありがとうございました。 この後また政府質疑ありますので、御意見を生かすことでやっていきたいと思います。本当にありがとうございました。
○山田太郎君 日本を元気にする会の山田太郎でございます。 今、この参議院の農林水産委員会ですね、まあ、事あるごとに言うんですけれども、非常に質疑の方向がゆがんだ形になっておりまして、どちらかというと慎重論、反対論が強い中で、賛否はいかがにと。私はもう、農協法の問題は、実を言うと政党の党議拘束になるんではないかなというぐらい、ちょっと最後の採決がどうなっていくのかということに対しては、多分注目される部分があると思っています。 私も、実は元々企業経営をやっていましたので、改革の方に軸足を持ってこの議論をスタートさせていたんですが、やっぱり現場の話を聞けば聞くほど、仕組みもそうですし、法の不備というところも感じるところがありまして、正直、私も我が党も採決についてはちょうど悩んでいるところでありまして、一両日中どうすればいいのかということの結論を出さなければいけないんですが、そういう意味では、非常に我が党、私も重要な局面に立っています。 そんな中で、何が間違っていたのかな、あるいは何が足りないのかなということで、今日もお話出ていたと思うんですが、農協の在り方の問題点がここだというアプローチをし過ぎた気がしておりまして、むしろ長期的な、重要な法案でありますから、農協の役割とか位置付けということがまず議論された上でどうなのかと。個々の組織にはそれぞれ問題はあるので、それを取り上げて、ここが悪いあそこが悪いからやめちゃおうとか足しちゃおうとかということではなかったんではないかなというのが、多分ここまで来て、やっと出口に来るところなんですが、分かってきたところでもあるわけであります。 そんな中で、多分、何が実はいまだにまだ足りていないのかといいますと、今日もお話出ていたんですが、農協の在り方が職能組合なのか地域協同組合なのか。実は、前回もこれ議論が出たんですけれども、参考人の方からは、今回の法案は職能協同組合の純化方式だということで、まさに今日も株式会社、会社法におけるところの株式会社に近づけることだと、非常に似たような答えが出ていましたので、なるほどなと。 それから、農業というのは非常に、この委員会の中でも過去、大臣も含めてずっと議論している中で、産業政策と地域政策の両面があるという中で、あるときには産業政策として強化しなければいけない、利益を出さなければいけない。もちろん、産業ですから成り立たなければ産業じゃないんですが、一方で地域政策であるということで、利害とは別に、地域を支えるために、もしかすると税金も含めて支えなければならない側面もあるんだという辺りが、やっぱりいつも錯綜しながら混乱して議論されてきたのかな。その中での農協の在り方が非常に不安定なまま議論されてきて、最終的にその機能論みたいなところに落ちたときに、何となく、もうけていないと成り立たないんじゃないの、金融に依存しているのでは本来の形じゃないんじゃないのというような何か議論に陥っていたのかなというところがあるかと思っております。 そんな中で、今日も随分いろんな委員から出ていたので繰り返しになるかもしれませんが、是非、この辺りは関参考人、田代参考人にお伺いしたいと思いますが、とはいうものの、職能組合なのか地域協同組合なのか、いいとこ取りという議論だけではなかなか最終的には、法律で書いていかなきゃいけませんし、確定していかなきゃいけないことですから決まらないところがあって、どちらかというとどうなのかという議論が一点。 もう一つは、とはいうものの、私は、農協は民間の協同組合であれば一々法律だの、政府がとやかく言わずに勝手に任せりゃいいじゃないかというような議論もあると思っているんですが、一方、独禁法との関係がある。特別な要は許可を与えながらいわゆる共同購買、それから共同販売ができるというところは、これはまさに先ほどちょっとイコールフッティングの話も出たんですけれども、特殊性がある。であれば、その辺りを解決してしまえば、もう民間の協同組合として一々政府が関与するべきではないんじゃないか、こんな考え方もあると思うんですね。 そういった意味で、二点それぞれ、関参考人、田代参考人に、職能、地域のよりどちらかなのかという論点と、それから政府の今後の協同組合に対する関与の在り方というんですかね、もちろん独禁法との絡みがあると思うんですが、その辺り、是非聞かせていただきたいと思います。
○参考人(関英昭君) 今の山田先生のお考えにかなり共感します。基本的なことをおっしゃっていただいた。それがとても私の考えていることと近いと思います。 御質問は二点ありましたね。 職能組合か地域組合か。またテンニースの一覧表に戻ります。場所のゲマインシャフトの性格があるとすれば、これは地域組合なんです。准組合員のことでもちょっとお話ししましたが、その地域に住んでいる人たちみんなの組合なんです。なぜ同じ地域に住んでいる人が組合の施設を利用してはいけないのか、そんな議論をする余地がないほど、みんなの組合なんですね。病気になればやはり厚生連の病院にみんながお世話になる、僕はそれ地域の在り方だと思っています。 ただ、残念ながら、協同組合はゲゼルシャフトの影響も受けていますから、どうしても功利性や利益を出さなきゃいけないというその精神も入ってくる。したがって、協同組合が一番難しいのは、ゲマインシャフトのその価値観とゲゼルシャフトの要求、このバランスをどう取るかが一番難しい。したがって、職能組合に陥りやすいところもあります。だけど、地域組合で頑張らなきゃいけないところもある。僕は両方の性格があると思っています。 それから、政府の関与の在り方、あるいは政府にお願いしたいことは、もう少し協同組合が日本の社会資本としてとても重要であるということを認識していただきたい。協同組合はまだまだ完璧じゃありません。まだまだこれからも成長していかなきゃいけない。したがって、農協や生協が大きくなったからちょっと規制しなきゃいけないのかということであれば、もう少し温かい目で見る必要があると思っています。 独禁法や税法の適用除外あるいは優遇措置というのは、やはりまだ意味があります。いずれは恐らくイコールフッティングしていかざるを得ないと思います。ドイツの場合はそうなっています。だけど、日本の協同組合の歴史はまだ百年そこそこですから、もう少し温かい目で育成するということを考えていただきたい。 お隣の韓国が協同組合基本法ができました。これでいろんな協同組合の設立が可能になりました。日本は限られた協同組合しか設立できません。法人法定主義の限界です。 そこで、先ほども申しましたけど、協同組合基本法ないしそういった統一協同組合法に近いような法制度を整備していただくことで、小規模の協同組合設立がもっと活発になるようなことも考えていただきたいと、そう思っています。
○参考人(田代洋一君) なかなか本質をえぐった御質問でございますけれども、職能組合か、それとも地域協同組合か、いずれかという点について、これはもうはっきり言って結論的には割り切れるものではない。日本の農家自体が生活と生産が一緒になっているわけですし、それからやっぱり農協というものが地域にあって生活インフラと農業のための組織の両方の役割を果たしている、これはもう紛れもない事実なんであって、これをどっちかに割り切れということはやっぱり難しい。 これは、やっぱり農協法ができたときから農業者の協同組織というのは、農協法がそもそもできたときにもう農業者の協同組織になっているんですね。と同時に、准組合員をこれはやっぱり日米共に認めているんですね。そういうものとして出発してきたということは、私は、もう始めからそういう矛盾体としてやっぱり出発してきたということなんで、それをどっちかに割り切れという今のやり方がやっぱりその問題を生じているのかなというふうに思うんですね。もう少し歴史的な経過も踏まえた上でやっぱり検討すべきじゃないか。 私は、農的地域協同組合という主張をしております。完全に生協と同じように地域協同組合になっていいのかといったら、それはそうじゃないと。農というアイデンティティーですね、やっぱり食料自給率を守るだとか多面的機能を守るだとか、こういうものに賛同する方は准組合員としてどうぞ一緒にやっていきましょう、利用してください、私はやっぱりこういうことでいいんじゃないのかなというふうに思っているんですね。 それから、二点目の、法的な関与の在り方ということなんですけれども、やはり法認団体の一つでありますから、どこの国でもやっぱり協同組合法によって協同組合の在り方を規制している、これはもう紛れもない事実だと思うんですよね。その点で日本について言うならば、やっぱり協同組合である以上は非営利じゃなきゃいけないですよ、それから出資配当は制限しなければいけませんよ、こういうことを法律でもって規定することは私は正しいと思うんですね。 だけど、今回のやつは、先ほど申しましたように、やっぱり民間の団体に対してそれを超えて、役員の構成をこうしろだとか、収益を目的にしろだとか、こういうことをいろいろとやっぱり注文を付けている。これはもう過剰な、法律として過剰な関与、国家としての過剰な関与でもってやっぱり問題じゃないのかなというふうに思っております。両方も、私は、やっぱりバランスの問題でもって、どっちかに割り切れる問題じゃないなというふうに思っております。
○山田太郎君 最後に、伊藤参考人にお伺いしたいと思っておりますが、女性という立場で是非お伺いしたいことがありまして、一つは農地の目指すべき規模というんですかね。 実は、政府の方では土地利用型、施設園芸型ということで分けておりまして、土地利用、特に米麦ですね、これに関してはどちらかというと政策的に規模を目指すような議論があります。中間管理機構も、もちろんばらばらになった圃場を集めるという意味では合理性、生産性ということもあるんですが、一方で規模を求めておりまして、何でこう規模を求めているかというと、担い手不足ということも今後考えられると。三百万ヘクタールぐらいを維持して三十万人ぐらいの担い手でやろうとすると、実は一人十ヘクタール耕さなければいけないと。ただ、一人十ヘクタールはちょっと私は無理だというふうに正直思っておるんですが、政府はやれると、これは平均でやれると言っているので、ちょっと私は驚きだということで、毎回事あるごとにそれはおかしいんじゃないかと言っているんですが。 ただ、何でこんな質問をしたかといいますと、規模を求める政策をやるとかなり現場に負荷が掛かって、新規の担い手をこれから毎年二万人ずつ増やす、でも政府は一万人強しか増やせない中で、いろんなことがゆがんでいくんじゃないかなと。特に女性、もちろん男性と女性を差別してはいけないんですが、力の違いもやっぱりあるということをきちっと認識すると、女性にとっても、土地利用型、参画するに当たっては、ある程度規模に関しても何となく感覚を持っておく必要は本来あるのではないかな。そうでないと、中間管理機構等を含めて、規模さえあればそれで合理化されてうまくいくんだということにはならないような気もすると。 そんな観点から、是非、伊藤参考人の方に、女性の特に土地利用型の農業のイメージとしての大体規模感というか、その辺り、やっぱりそれでも拡大した方が機械を使って収益も上がっていくし、いいというふうにするのか、その他現場のことはちょっと余りよく女性にとっての視点で分からないものですから、教えていただければなと思います。
○参考人(伊藤惠子君) 土地利用型なんですけれども、まず今、農家というか、私たち今よく言われているのがというか、自分も確信しているんですけれども、まず稲作で、法人とかなら別なんですけれども、家族経営ですと、やはりもう二十ヘクタールから三十ヘクタールぐらいが一番利益が、利益というか、収益がまず程々に上がって生活できるあれなんですね。それ以上になるとかえって負担が掛かって、もう経費がかさんであれだというのが、賃金とかいろんなものがあって、それが多分合わないだろうというのが現場の話であります。会社とかそういうふうにしてしまえばなんですけれども、それが今言われているあれですね。 それと、土地利用型、女性が参画する上で、やっぱり土地利用型というそういう畑作物ですよね、そういう感じだと、やっぱり、そうですね、個人というか、そういう十ヘクタール、私も今現在畑仕事をちょっといろいろやっていますけれども、女性一人とかで考えると、十ヘクタールはちょっと大変だと思います。私、今やっていてちょうど、そうですね、三十アールぐらい今ちょっとやっているんですけれども、本当に身を粉にして朝早くから夕方、本当にあれまでやらないとちょっと無理、幾ら機械を使ってもちょっとあれなので、一人で十ヘクタールというのはちょっと無理なのかなと私も思います。
○山田太郎君 時間になりました。終わりにしたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(山田俊男君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。 本日は、長時間にわたり御出席をいただきまして、貴重な御意見を賜ることができました。委員会を代表しまして厚く御礼を申し上げます。誠にありがとうございました。 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(山田俊男君) それでは、速記を起こしてください。 時間ちょっと、参考人の皆さんにも時間をオーバーしまして大変恐縮だったわけでありますが、午後の再開は午後一時十分に再開することといたします。十分遅らせました。どうぞよろしくお願いします。 休憩いたします。 午後零時二十六分休憩 ─────・───── 午後一時十分開会
○委員長(山田俊男君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、堀内恒夫君及び柘植芳文君が委員を辞任され、その補欠として阿達雅志君及び高野光二郎君が選任されました。 ─────────────
○委員長(山田俊男君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 農業協同組合法等の一部を改正する等の法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、農林水産省消費・安全局長小風茂君外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山田俊男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(山田俊男君) 農業協同組合法等の一部を改正する等の法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○郡司彰君 民主党の郡司でございます。 今日は農協法の審議ということでございますけれども、残る審議の回数というものも限られてきているような日程感をお聞きをしております。したがいまして、これまでのところで、質問をして時間があれば改めてというようなことで申し述べておいたようなことを中心に質問をさせていただきたいというふうに思いますし、概括的なことについてもお聞きをしていきたいなというふうに思っております。 まず最初に、お配りをしております日本農業新聞のモニター調査というのは、お配りになっておりますでしょうか、このことについてお尋ねをしたいというふうに思いますが、この七月十四日というような日にちからすると既に四十日が経過をしているわけであります。この四十日前のモニター調査の結果を読むと、アンダーラインを記しておりますけれども、安倍内閣の農政を評価しない、どちらかといえば評価しないは合わせて七五%に達し、政権の農業政策に対する不満が強まっている。また、次のアンダーラインのところでございますけれども、政府は農協法改正を法案化し、今国会に提出、衆院を通過して現在、参院で審議が始まっている、同法案には反対が五二%と厳しい評価で、賛成は一八%にとどまった。こういうものが四十日前でございました。 それから審議を重ねてまいりました。当然、農水省、大臣、政務官等も含めていろいろなところで農協法の必要性を訴えてきたのではないかなというふうに思っておりまして、この間の四十日間の審議を通じて農政への信頼は高まったというような御判断をされているとすれば、その見方について、どのような見方かをお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(奥原正明君) 衆議院、参議院、それぞれかなり長時間の御審議をいただいております。 この中で、政府の方としても、この基本的な考え方を説明する機会をいただいているわけでございまして、今回の農協改革につきましては、特に、農協は農業者の協同組織であるというこの原点に立ち返って、本当に農業者にメリットがあるようにシステムの見直しを行うと、こういう趣旨を繰り返し御説明させていただいております。 特に、地域農協につきましては、それぞれの地域の特性を生かして創意工夫をしながら自由に経済活動を行っていただいて、農産物の有利販売とか農業者の所得向上に全力投球できるようにしていくこと、それから連合会、中央会につきましては、地域農協の自由な経済活動を制約しないでこれを適切にサポートしていく、こういったことを繰り返し御説明をさせていただいております。 法改正をしたからといって、そのこと自体で直ちに農業所得が向上するということではございませんけれども、この法改正を契機といたしまして、農業者、それから農協の役職員が徹底した話合いを行っていただいて、役員体制の充実あるいは販売方式の変更、こういったことを検討して実践していただく、このことによりまして農協がその力を十分に発揮をして農業所得の向上につなげていくことができるものというふうに思っておりますし、このことを繰り返し御説明をさせていただきました。 これまで、衆議院でも参議院でも参考人質疑、それから地方公聴会が行われておりますが、担い手の農業者の方からは基本的に法案の方向で改革を進めてほしいという意見がございましたし、農協組織の関係者の方からは、農協改革の必要性、これは必要性はあるというふうにされつつも、今回の改革につきましては、この議論の進め方に不満があると、こういった御指摘がいろいろあったところでございます。 改革の実を上げていくためには、今回の改革の趣旨それから中身につきまして関係者の方々にも正確に御理解いただくということが必要不可欠でございます。この審議の過程を通じてそれについても努力してまいりましたが、法律が成立をした暁には更に丁寧な説明に努めていきたいというふうに考えております。
○郡司彰君 内容の説明も含めていただきました。 要するに、この四十日間でどの程度理解が深まったかということでございますから、今の答えの中にも散見をされましたけれども、例えば農水省あるいは各農政局あるいは地域センター等に寄せられた御意見というものはどのぐらいあったんでしょうか。それから、そのうちで、系統の方々あるいは生産者の方々、企業法人の方も消費者の方もあったやもしれませんけれども、そういうような御意見の分類等というのはなされているんでしょうか。
○政府参考人(奥原正明君) これにつきましてはいろんなところで意見を伺っているわけですけれども、一つの例といたしまして、農林水産省がホームページ出しておりますけれども、このホームページの総合窓口に寄せられた意見というものがございます。これは、平成二十六年六月以降、全体としては三千九百二十二件、こういった意見、寄せられておりますが、この中で農協改革の関係は十件ほどでございます。これも、農業者の方それから農協の職員の方、いろんな方がいらっしゃるわけですけれども、これ見せていただきますと、この中には、農業の関係者それから職員の方を含めまして、農協改革は抜本的な改革が必要であるとかこれを必ず進めてほしいとか、こういった意見含めてかなりの意見をいただいているところでございます。 いずれにいたしましても、この改革を進めていくためには関係者の理解はもう必要不可欠でございますので、これにつきましては更に徹底をしてまいりたいというふうに考えております。
○郡司彰君 要するに、御意見を、一般的に集まったものはあるけれども、このことに関して特に集計をしているわけでもないし、改めて意見を求めたわけでもない、パブリックコメントをしているわけではありませんから、このことについては今のような答弁になるんだろうというふうに思いますけれども、私は、ほかの場合と違って、これほど不信感があって反対意見が多いというときに、四十日間、本当にそれでよかったのかな、理解が深まったのかなというような感じがしております。今日の参考人もそうでありましたし富山に出向いたときの公述人もそうでありましたし、それぞれの委員の方の御意見をお聞きをしていても、反対、慎重意見というのがほとんどだというふうに思っております。 こういう中で、実際の現地、現場の方々についても、特段、四十日間で格段の変化がなかったというような形が続く中での採決ということになれば、その後の実効性というものを私は疑わざるを得ないわけでありますけれども、このような形の流れの中で今後成立というものを見通せるということになるんでありましょうか。
○国務大臣(林芳正君) 富山県で地方公聴会を八月六日にやっていただきました。また八月十八日には参考人質疑ということで、また今朝もやっていただいたということでございます。 今先生からお話がありましたように、幅広い御意見があったと、こういうことでございます。農業者の皆さんから、事業展開のスピード感がもう少し農協はあった方がいい、流通、販売経費が高過ぎる、こういうようなこと。農協を改革していこうと思っていると、こういうこともあった一方で、この非営利規定を削ることに対する否定的な御意見。それから、理事の選任に関して、現場が混乱しないよう、地域の事情に応じて選べるようにすべきではないかと。准組合員の利用がなければ、営農指導コストが賄えず地域住民の生活に影響が出るので、准組合員の利用規制が認められないと。こういうことで、少し説明をしなければならないなというような御意見もあったわけでございます。 例えば准組合員の利用規制は認められないというのは、あたかも規制が掛かるということを前提にされておられるような意見でございますので、やはりこういった審議を通じて、またいろんな機会を通じて、まずは法案の中身をしっかりと御説明をするということが大事だと思っておりますし、成立させていただいた暁には、更に細かい政省令等も含めてしっかりと現場に説明をして、正確に御理解をいただいた上で改革を進めていくと、こういうことが大変大事なことだと思っております。
○郡司彰君 別な特別委員会というものが設置をされております。そこも同じように反対を唱える方が多い。それから、説明が十分ではないというものも多い。しかし、ある意味で、安倍総理は、それでも、評価は歴史がするかもしれないし、今そのような状況でも、何十年か前にあったことも含めて評価は変わってくるんだと、こういうような信念も持っているようなところも見受けられます。 そのところを変えて、今回の場合に、先ほど来からのお話を聞くと、これから一生懸命努めるということでございますけれども、本当に大臣を含めて、省庁を挙げて、この法案を通すことによって将来間違いなく正しい評価が返ってくるんだという、言わば、こちら側に伝わってくるような自信のようなものが感じられないのでありますけれども、その辺について、大臣、もしも一言あればお願いします。
○国務大臣(林芳正君) まさに、我々は自信を持ってこの改革というものを提案をさせていただいております。 それは、私は個人ということはもちろんそうでございますが、いろんな議論を積み重ねてきて、政府・与党で本当にいろんな議論を最終的にやりまして、そして、最終段階では、当時の萬歳会長を含めて、系統の皆さんともかなり突っ込んだ議論をした上で、この取りまとめした後にも萬歳会長の談話というのも出されておりますけれども、とても重い決断をした、一歩踏み出したと、こういうふうに言っていただいております。 そういうことの上に、我々はしっかりと、先ほど申し上げたように、中身を説明をするとともに、細かいところまでしっかりとこの法律が成立しましたら、やっていくことによってやっていく。 先ほど局長からも答弁いたしましたように、これは、私たちは必要条件だとある意味で思っておりまして、こういうことで環境を整備するということでございますけれども、これをやったからもうほかのことは何もしなくても全て解決する、そういうことではなくて、足掛け三年になりますけれども、やってまいりました農政全体のこの改革というものを一つ一つ丁寧にやっていく中で、しっかりとこの改革も実を結んでいくものと、こういうふうに考えておるところでございます。
○郡司彰君 そのようなことの流れの中で、今、予算の概算要求というものができつつあるというふうに思っておりますけれども、この中に、今回の農協法だけではなくて、大臣になってからいろいろと改革を重ねてきた農政の新しい方向性というもの、これはどのような形の新設の予算というものになっているんでありましょうか、改正の趣旨と併せて御説明をいただければと思います。
○国務大臣(林芳正君) 平成二十四年に政権交代をいたしまして以降、強い農林水産業と美しく活力ある農山漁村、この実現に向けまして、平成二十五年の末に農林水産業・地域の活力創造プランを決めさせていただきました。そして、今年の三月には、食料・農業・農村基本計画を新たに作成をいたしまして、農政改革に取り組んでおるところでございます。 二十八年度概算要求についても、こうした改革を着実に進めていくための必要な予算、これを要求していきたいと思っております。具体的には、餌米などの戦略作物の本作化による水田フル活用、それから、土地改良事業の一層の推進を始めとする強い農林水産業のためのまずは基盤づくりをやっていこうと。それから、農地中間管理機構によります農地の集積、集約化、畜産クラスター等による畜産、酪農の競争力強化、六次産業化等による高付加価値化、食と農を活用したインバウンドの推進や輸出促進、日本型直接支払などの農山漁村の活性化、そしてまた、森林・林業分野では林業の成長産業化と森林吸収源の推進、水産分野では浜の活力再生プラン等による地域活性化担い手対策、資源管理、資源調査の強化、こういう主な事項を要求事項として検討しているところでございます。 こうした項目を大きな柱にいたしまして、今月末の概算要求の提出に向けて更に検討を進めていきたいと、こういうふうに思っておるところでございます。
○郡司彰君 細かく御説明をいただきました。その中で、先ほど申し上げていただいたようなことでありますと、水田フル活用、強い農業づくり交付金、中間管理機構に関するもの、酪農のクラスター、六次産業化、インバウンドの促進というような、このようなことからすると、全体の、何というんでしょうね、項目として新しいというよりは充足をしていく、充実をしていくと、こういうようなところが多いのかなという感じが受けますけれども、基本的に今回の農協法改正までのところを含めて、新しい予算としてこういうものを目玉でつくったんですよと、そういうことについては特にはないということでよろしいんでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 先ほど申し上げましたように、平成二十五年の活力創造プランで、需要そして供給、それを結ぶバリューチェーン、これを産業政策といたしまして、そして地域政策と車の両輪にしてやっていくという大きな枠を決めさせていただいたところでございます。 先ほど申し上げました具体的な項目も、それぞれの分野に加えて森林・林業分野と水産分野の柱を申し上げたわけでございまして、まさに今、郡司先生からお話がありましたように、その大きな柱立てというのはそのときにつくって、今これを着実に実行するという段階に入ってきていると、こういうふうに思いますので、そういう意味では先生が御指摘されたとおりだというふうに思っております。
○郡司彰君 良しあしの問題は後ほどまた議論をさせていただきますが、成長戦略というものが大事なんだというのが安倍総理のこれまでの言いようでありまして、その流れの中に今回の農協法改正というものも多分に関連をしてくるんだろうというふうに思っています。 成長戦略から見て、今回のこの法改正まで思うところの成長戦略に対して何点ぐらいのところまで来ているんだというような判断でございましょうか。成長戦略は、私どもからすると、例えば岩盤規制を突破をする、それから稼ぐ力を付ける、雇用環境を整えると、この三つの点からしてこれまでのところ何点だという御評価をなさっていますでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) なかなか自分で点を付けるというのは難しいところがございますが、今キーワードを先生からも御指摘をいただきました。日本再興戦略改訂二〇一五で農業等の基幹産業化はローカルアベノミクスの推進に位置付けておりまして、地域における雇用を支える産業である農業の稼ぐ力、これを強化しまして、一人でも多くの人に働く場を提供する地域の基幹産業へ脱却させていかなければならないと、そのために攻めの経営を確立することを目標としております。先ほど申し上げました需要フロンティア、バリューチェーン、生産現場の強化、こういうことをやるためには、やはり経営感覚を持って自らの判断で消費者や需要者のニーズの変化に対応できる農業経営者、こういう皆さんに活躍をしていただく環境整備をやってまいらなければならないわけでございます。 農協は、先ほど議論していただいたとおりでございますが、農産物の有利販売等に全力投球できるようなことにしていく、農業委員会についても農地の集積、集約化を加速して担い手の生産コストの引下げ、農業所得等の増大につなげていく、また農業生産法人要件についても六次産業化などの法人の経営発展を推進していけると、こういう中身になっておりまして、今キーワードの中でおっしゃっていただいた稼ぐ力、また攻めの経営の確立を後押ししていくものであって、結果として地域における雇用の確保につながるものであると、こういうふうに考えております。したがって、再興戦略に掲げられている基幹産業化、稼ぐ力の強化、雇用の提供と、こういうものの推進に大いに資すると、こういうふうに考えております。
○郡司彰君 前回のやり取りの中でも、例えば雇用環境ももう少し他産業と比較をして一般的に分かりやすいようなものにしなければいけないというようなことを申し上げてまいりましたけれども、いろいろ、何というんでしょうね、その途上の中の問題として整理をしてこれからまた進めていくのだろうというふうに思いますが、大臣から見て、先ほどの答弁の中にも、全て解決をしているわけではないと、こういうような御答弁がございました。 次に残されている課題というものは、三つあるいは五つ、十、二十、三十と、数えようによっては相当な数になると思いますけれども、三つとか五つとか、絞った中で残されているものはこういうものが具体的にありますよということがあれば教えていただきたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 先ほど予算の中で御説明をさせていただきましたが、全般的に見ますと、農業従事者の高齢化、耕作放棄地の増大ということがまだ課題として残っておるというのは厳然とした事実でございます。我々がこれに対応して創造プランを作りまして、この四本柱、需要フロンティア、バリューチェーン、生産現場の産業政策と多面的機能と、こういうふうに柱を立てたと申し上げましたけれども、柱を立ててその中に幾つに分けるかという分け方も今先生からお話がありましたけれども、その中にいろんな要素が入ってくるわけでございます。 うまくいっている事例というのももちろんあるわけでございますが、それぞれの中でまだまだうまくいっていないところ、これはどの柱が全体的にうまくいっていないと、こういうことよりも、場所場所、地域地域、産地産地によって進んでいるところと進んでいないところがあるだろうと。したがって、なるべく満遍なくうまくいっている事例を横展開をしまして、なるべくうまくいっている事例を広げていく、これが一番大事なことではないかなと、こういうふうに思っております。 一度大きな方針を決めた後で、また柱が一つ二つ三つと前の柱が立つ前に増えていくと、こういうことではなくて、柱を立てればその間に壁を建てて内装をやってしっかりとした家を造っていくと、こういう形で着実に進めていかなければならないと、こういうふうに考えております。
○郡司彰君 前回の質疑のときに、奥原局長の答弁の中で、例えば信用、共済など金融に関わる関係のものは将来的には財務省やあるいは金融庁というようなところの管轄に入るのではないかということに対して、いや、そうではありませんというような意味の答弁をいただいたというふうに思っております。 今回の法案の立て付けからいえば、全農あるいはJAバンクあるいは全共連もそうでございますけれども、株式会社への道というものが開かれることになるわけでありますが、再度のお尋ねでありますけれども、これは各省と共管になり得るということはあり得るのでありましょうか。
○政府参考人(奥原正明君) 組織の所管の問題でございますが、まず全農の話でございますけれども、現在は、全農は農協連合会でございますので農林水産省が監督をしているわけでございます。今回の改正法の中では、これはあくまで選択肢ですけれども、株式会社に組織変更することもできるということになっておりますので、仮にこの方式を選択をしたということになりますと、これは株式会社になりますので、農協法の外に出て、基本的には会社法に基づく組織ですから、組織としての監督官庁というものは特になくなるということだと思います。 一方で、農林中金、それから全共連の方につきましては、昨年六月の政府・与党の取りまとめの中では、経済界、他業態の金融機関との連携を容易にするという観点から、金融行政との調整を経た上で、農協出資の株式会社に転換することを可能とする方向で検討するというふうに書かれておりました。これを踏まえまして、その後政府として検討を進めた結果、この農林中金、全共連の株式会社化につきましては、金融行政との調整を要することを踏まえまして、金融庁と中長期的に検討するということにしておりまして、今回の改正案では特段の措置は盛り込んでおりません。今後検討していくということになりますが。 現在の農林中金は、これは農林水産省と金融庁の共管でございます。それから、一方で、全共連の方は、これは農林水産省の単独の所管ということになっております。これにつきまして、今後、金融庁と調整をしていくことになりますけれども、仮に株式会社化するということになった場合の法制度の在り方、これについては今後の検討次第ということになりますので、監督官庁をどのようにするかについても現時点では決まっていないということになります。 例えば、一つの方式としては、現在、農林中央金庫は農林中央金庫法という単独の法律に基づいてできているわけでございまして、特別の法人ということになっておりますが、このスタイルを維持したままで株式会社の形態にするということも論理的にはあり得るわけでございまして、この株式会社化を検討したからといって直ちに銀行法上の銀行になってしまうということでは必ずしもないかもしれません、そこは今後の検討でございます。
○郡司彰君 全農、信用業務、共済業務、それぞれ異なった先行きが見通せるというようなことでございます。 全農についてはちょっと複雑ですので、単純化してお聞きをいたしますが、先ほどの関係でいうと、全共連に関しては、これは今一つのところで、農水省が所管をしていると。これ、株式会社になった場合にはどうなるかということになれば、株式会社になって、普通であれば出資を募る。最初は農協が一〇〇%で始まる可能性は高い、その後、当たり前の話でありますけれども、出資の制限を解除しろというのは、これは普通の世の流れとしてあるんだろうというふうに思いますね。 その先については金融庁と今後調整をするということでございますけれども、この調整を含めて、例えば全共連でいえば、そういう形になるというのはどのぐらいのスピード感、そして現実性としてはそれは当然あり得るんだということでよろしゅうございますね。
○政府参考人(奥原正明君) 昨年六月の与党の取りまとめの中でも、金融行政との調整を経た上で株式会社に転換することを可能とする方向で検討するというふうになっていて、これが法案の段階では金融庁と中長期的に検討するということになっておりますので、現時点では何も決まっていないという状況でございます。これから中長期的に金融庁と検討を進めていくと、こういうことでございますので、会社化するかどうかも結論は出ておりませんし、やる場合にどういうスタイルにするかということも現時点では決まっていない、そのスピード感についても特に明確に決まっているわけではございません。
○郡司彰君 先ほど午前中の参考人のお話の中で、准組合員の扱いも五年後のことは分からないというような答弁をしているけれども、それでは困るんじゃないですかというような意見がありました。 今の話聞いていると、金融庁と調整するんですよと。理屈の上からいえば、私が言ったように、最初の出資は一〇〇%農協であっても、その後、出資の制限を解除するというのは、これはもう世の当たり前の流れだというふうに思うんですよね。そういうような形になるということを今のところは想定をしていない、スピード感も分からないということになると、これは、先ほどの一番最初の信頼を得るということにつながるよりは、またまた逆に不安が増すような形になるのではないかなというふうに思っております。 時間がないので、取りあえずまたさらっと行きますけれども、今のところだけでも一つ一つを詰めていくと、やっぱり相当、今のような、スピード感は分かりません、どうなるかはまだ調整をしておりませんということだけでは私は済まないんじゃないかなという感じだけ申し上げておきます。 それから、農家の数の問題その他のことで、構造の展望ということが何度か出てまいりました。結果としては九十万プラス自家飯米を生産をする方等々を含めての数になるというようなことでございますけれども、逆に言うと、それらから逆算ができるのかどうか分かりませんけれども、今後の農協数というものはどうあるかというのはちょっと分かりません。どの程度の動きでどの程度の数になるんだろうか、それに合わせて農協の職員数というのはおおよそどのぐらいの数になるんだろうかという、そのような目算というものは出ているのでありましょうか。
○政府参考人(奥原正明君) 十年後の農協の数ですとかあるいは職員の数ということでございますけれども、農林省としてこれについて特段の試算を行っているわけではございません。農協数、職員数につきましては、その経営環境等を踏まえてJAグループが合併をどこまで進めるかとかいうこともありますし、それからそれぞれの経営の合理化をどこまで進めるかと、こういったこともございますので、行政の方から確たることを申し上げるということではないのかなと思っております。 ただ、いずれにいたしましても、現在の農協の組合員の年齢構成、これを見てみますと、七十歳以上の方が正組合員で四割、それから准組合員の方でも三割を占めるという状況になっております。この世代の方々の出資金ですとかあるいは事業利用、これが次の世代に承継されるかどうか、これは極めて重要な問題であるというふうに思っております。円滑に承継をされない場合には、今後の農協の運営ですとか農協の在り方にいろいろな影響が出てくるのではないかなというふうに考えておりまして、農協を安定的に今後も運営していくということを考えましても、次の世代の農業の担い手のニーズにきちんと対応して、次の世代も農協ときちんと連携をしてやっていくという体制をつくることが必須ではないかなというふうに考えているところでございます。 こういった観点で、今回の改正法案の中では、責任ある経営体制を確立するという観点で、農協の理事の過半数を認定農業者などにするということも入っておりますし、農業所得の増大に配慮をするといったことも入っております。それから、選ばれる農協にしていくという観点で、農業者に事業利用を強制してはいけないといった規定も置いているところでございまして、こういった対応をすることによって、今後とも安定的に農協が仕事をしていただけるようにしていきたいというふうに考えております。
○郡司彰君 既に各地の農協で法人化をして自ら生産を行うというところも出てきておりますから、一概に予測は付きませんし、それこそ農協の自主的な改革の中で変わってくるだろうということは予測をされます。 加えて、別な面からお尋ねをいたしますが、専門農協というものが大分増えてきているのではないかなというふうに思っております。私が昨日ちょっと見た感じでは、そんなに新しい数字が出ておりませんでした。二〇一一年現在で七百十九、二十五万六千人というような数字でございましたけれども、今現在の専門農協はどのぐらいの数、そしてどのぐらいの人数、そしてその内訳、正組合員、准組合員、それぞれどのぐらいになっておりますでしょうか。
○政府参考人(奥原正明君) 専門農協の数でございますけれども、うちの統計データによりますと、平成二十年度末で専門農協の数、二千二百三十一でございました。これが平成二十六年度末には千七百四十組合ということになっておりまして、四百九十一ほど減少しているということでございます。 毎年の動向を見てみますと、新設の専門農協が一つ、二つ、三つぐらい出ている年もございますけれども、総じて専門農協の数も減っているという状況でございまして、将来にわたって専門農協の数がどんどん増えていくということはちょっと考えにくいんではないかなというふうに思っております。
○郡司彰君 組合員数は。
○政府参考人(奥原正明君) 組合員数につきましては、御要請がございませんでしたので、ちょっと手元に持っておりません。
○郡司彰君 手元に持っていないということでございますけれども、それなりの数がいらっしゃるんですね。私が調べたときは、二〇一一年現在で二十五万六千人ぐらいということの数で記載がございました。それから、農業法人については十年後に五万法人を目標とするというようなことでございましたし、今現在の一法人が平均四・何人、もっと大きな部分で売上げの額でいうと十六人ぐらいの雇用をしていると、こういうようなことがございましたけれども、全体として減っていくか増えていくかというのはちょっと微妙だと思うんですね、これからのありようで。ですから、今のところから急激に減りもしないかもしれないけれども増えもしないかもしれない、農協数は減るけれども、そこの組合員数が減るということと連動するかどうかは分からない、法人の方は増えていくというようなことでございます。 これを、総合農協の方は、先ほど言ったように、結論からいうと、ばらばらになっても仕方がないような仕組みに変えた。一方で、専門農協、農業法人というものは、これからちょっと予測が付かないけれども、増える可能性として、全体の雇用者数とか組合員数は増える可能性も多分にある。 この専門農協、農業法人などについては、これまでは農水省は総合農協については掌握をするような手だてが幾つもありました。これからこの専門農協、農業法人については農水省としては掌握をするというようなお考えはあるんでしょうか。それとも、会社法その他の法でお好きにということなんでありましょうか。
○政府参考人(奥原正明君) まず、専門農協の方でございますけれども、平成十六年の農協法の改正によりまして、この専門農協につきましても事業年度ごとに業務及び財産の状況を記載した業務報告書を作っていただきまして行政庁に提出するということを義務付けております。農協法の第五十四条の二ということでございます。これによりまして、行政庁の方として専門農協の状況は把握することができるという体制になっております。 それから、一方で、農業法人の方でございますけれども、農業法人の場合は、その多くはやっぱり融資、税制上のメリットということもありまして、認定農業者になられている方が非常に多いわけでございます。認定農業者になる場合には、市町村に事業の経営改善計画を提出をしていただいて市町村の認定を受けるということでございますので、この場合には市町村がこの認定農業者として農業法人を把握することができるということになっております。 それからもう一つは、各地域でこの農業法人の協会、こういったものも組織化をされてきているところでございますので、今後とも、この市町村あるいは法人協会とも連携を密にして、この農業法人の状況については把握をしていきたいというふうに考えております。
○郡司彰君 言っていることは、こんなことを言うと失礼ですけれども、分かるようで分からないんですよ。掌握をしていくというのは、株や何かをつかんでいるということなのか、政策的にこのような形で一緒にやっていこうというようなことを模索をするのか、あるいは、逆に言うと、政策が数字になるのは予算でありますから、予算的にこういうところに対しては今後どういうふうな方向性を持っているかということが分からないんであります。分からないんで、これ以上聞いても、時間の関係で次に進みますけれども。総合農協は変えますよ、それ以外のところはどうするんですか、農水省というのはこれからどこを向いて何をするんですかということが分からないということだけ今申し上げておきます。 それから、今後の農政の方向性について、これは大臣にお尋ねをしたいと思いますけれども、現行の食料・農業・農村基本法は、基本計画を作ることになっていますよ。その基本計画というのは、食料・農業・農村政策審議会というところに諮問をして、そこから大臣が答申を受けて、受けた答申が良ければ閣議で決定をするような形の流れになっているわけであります。 今回いろんなところで議論がされている中で、参考人等々からもいろんな御意見の中に、規制改革会議が物を申したものをというような形の言い方があります。本来であれば、先ほどの岩盤規制の関係も、私は、行政の流れからいえば、有村大臣のところの例えば、要するに戦略特区室とか、そういうところが担当するべきなんだろう、そこからとの一緒の考え方が出てくるというのは分かるけれども、これ、規制改革会議ということになると、法律で定められている今のような、初めは基本法のところから始まってというような政策決定の流れではないものにどうもなっているのではないか。これが良しあしの問題ではなくて、だとすれば、私は逆に基本法を変えた方がいいのではないかなと、こんなふうにも思うんでありますけれども、どうなのでありましょうか。
○国務大臣(林芳正君) 農政の基本的な方向ということでございますが、これまでもその時々の政策課題に応じて様々な施策を議論して決定して講じてきたところでございます。予算や法律案についても、与党との御議論を踏まえて政府として決定をして、国会での御審議をいただいた上で実施をすると、こういうことになってきております。 この施策の方向の決定に当たって、やはり現場の意見をお伺いするということ、そして農林水産省に設置された食料・農業・農村政策審議会、ここの御意見を踏まえる、さらには内閣府に設置された規制改革会議など意見を踏まえて進めていくと、こういうことでございます。いろいろなところがございまして、経済再生本部ですとか産業競争力会議、規制改革会議等々、それぞれこの根拠になる法律等々がございまして設置をされております。 最終的な政府の意思決定というところで、今申し上げたような意見を踏まえながら決めていくということでございます。その上で、政府・与党の議論をまとめて、最終的に法律や予算は国会で御審議をいただくと、こういう形になっております。 食料・農業・農村基本計画でございますが、基本法において、その策定においては食料・農業・農村政策審議会の意見を聴くと、こういうふうになっておりますので、今般、基本計画を策定するに当たっても、昨年一月に諮問をさせていただきましたが、精力的にこの審議会で御審議を賜って、答申を受けた上で本年の三月に閣議決定をしたところでございます。 やはり現場の関係者の意見を伺いながら、政府として責任を持って政策決定を今後もやってまいりたいと思っております。
○郡司彰君 大臣の方からるる説明をいただきましたけれども、ここにいる、先ほど冒頭申し上げたように、いろんな委員の方が慎重、懐疑的というような言葉を使わせていただいたのは、つまるところ、出だしが規制改革会議というところから出たのが私は大きいんじゃないかなという感覚を持っております。例えば竹中さんという方は、農村の労働力も外国を使えばいいじゃないかというような発言もされておったり、結果として見ると、そういう方向が今後出てくるのやもしれないなというようなことも含めて、私は、いろんなところから意見を聞きながら政策をというような形が、一方のところから聞いたような形から始まっているところが、残念ながら与党の皆さん方もしっくりこないというような形につながってきているのではないかということを危惧しておりまして、本当に実態がそうならば、私は法律を直す方が分かりやすいというふうに思っております。 それから、もう時間の関係で最後になりますけれども、簡単に言うと、たまたま総理の方は、岩盤規制を突破をするという意味の岩盤をお使いになりました。それから、戸別所得補償を制定をするときには、系統の方々も含めて岩盤政策を作ってほしいというような言い方をしておりました。今のところ、この岩盤規制突破と岩盤対策というのは、どちらが食料・農業・農村にとって賢明だったのかということがもう一回問われてくるんだろうというふうに思っております。 私の考えは、農業、特に土地利用型というのは、そうはいっても、まだ、農業を始めて一生を農業で過ごして終わった場合でも六十数回ぐらいしかできないわけですよ。毎年試行錯誤を繰り返す中で六十数回しか作ることができないようなことをやっている。これは、もちろんそれがいいわけではなくて、プラットホームなどを作って、最初の年から二年目、三年目できちんと何十年選手と同じように作れるようなことをやらなくてはいけない。いけないんだけれども、一方で、それをやっている農村という地域基盤は、ドラスチックな改革というものを余りやり過ぎると禍根を残すような文化の温床でもあるというふうに思っているんです。 この文化か文明かというのは、文明の方がいいというのがここのところの主流なんでありましょうけれども、そこから離れられない人たちからすると、やはり、例えば文化というのはいいかもしれないけれども、もっと泥臭くて、例えば田んぼののり面一つの争いを何代もやっているようなところがあるわけです。そういうのを計算上は全部を集めて大きな田んぼにして貸し出しましょうというような形がなかなかうまくいかないと同じように、私は、急がば回れということもあり得るかもしれないし、穏やかな改革というものがかえってその地域には受け入れやすいというような感覚も持っております。 したがって、ヨーロッパの方においでになったときに、岩盤は私がドリルで穴を空けますというようなことをおっしゃるよりは、もう少し地道に地域の声を生かした農政を行うべきではないかなと。 そういう意味からすると、私はこの法案には反対という意見を申し上げまして、大臣から何かございましたらばいただいて、終わりにしたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) お話を聞いておりまして、私が引継ぎを受けた前大臣でもございますので、傾聴に値するなと思って御意見を聞かせていただいたわけでございます。 やはりバランスがとても大事だと、こういうふうに思っております。それぞれの方が今立っていらっしゃる位置や物の見え方によって何を岩盤と感じるかということの違いが多分あるのかなと、こういうふうにも思えますし、私は常々車の両輪と申し上げておりますのは、まさに産業政策と地域政策の車の両輪のバランスをしっかり取らないと車が前に進んでいかない、こういうことであろうかと、こういうふうに思っておるところでございます。 必要条件と言ったり環境整備と言ったりするのは、全部このとおりに、こういうふうにやれということではなくて、こういうふうにする場合にはこういうサポートがありますという環境を整備して、最終的には今先生がおっしゃったようにみんな納得して理解をしていただいてやっていくと、これが一番望ましい姿であるということだというふうに私も理解をしておるところでございます。
○郡司彰君 終わります。
○山田太郎君 日本を元気にする会、山田太郎でございます。今日は質疑の時間を調整していただきまして、本当にありがとうございます。 多分、この農協法に関しては、一度あと総理のいわゆる質疑が残っているということでありますが、対政府質疑としては本格的な時間は今日が最後と思いますので、大きなところをもう一度確認していきたいなというふうに思っております。 ちょっと質疑通告はないんですが、これは政策、政治的なところということで、大臣にいろいろお伺いしていきたいと思います。 先ほどの大臣の方の発言にもありましたが、今回の農協改革、そもそも農協の各組織、納得、理解しているのかどうか。先ほど萬歳会長の方ともけんけんがくがくの議論をしてというようなくだりもありましたけれども、私自身は、やっぱり大きな組織、私もコンサルをずっとやっていたものですから、最後は納得して根差さない限り、トップダウンで仕組みを変えたからといって必ずしも定着するとは思えないので、もうこれが最後の質疑になるでしょうから、まず農協組織に関してはしっかり各関係が理解、納得した上で今回の法案が出されているというふうに自信を持って大臣自身言えるのかどうか、この辺り最初にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 先ほど申し上げましたように、最終的な取りまとめに至る経緯というものは長い経緯がございまして、農業プランをまとめたときに組織についても別途議論をして取りまとめるということがございまして、それを受けて半年後の六月に政府・与党の取りまとめがなされたところでございます。その流れの中で、その秋に今度はJAさんの方で自己改革のプランというのを取りまとめられたということでございまして、そして、最終的に六月の取りまとめの中で残っておりました部分、例えば監査をどうするかと、こういうようなところについて、この通常国会に法案を提出するということまでは六月に決めておりましたので、最終的に一月、二月に議論をして、全体の政府・与党取りまとめということに至ったということでございます。 先ほど申し上げた全中の萬歳会長、当時ですね、それから各団体の代表の皆様方と議論したのも、その最後の取りまとめのところが中心的なカレンダーのスケジュール感でございましたけれども、そこでいろいろ議論した上で、最終的には、これは全中さんの中の話でございますのでそれほど詳細に承知しているわけではございませんが、機関として機関決定をされた上でこの受入れをしていただいて、そして、その御報告に自民党本部まで来ていただいて、その御報告をしていただいた上で、これ一緒に手を携えてしっかりとやっていこうと、こういう経緯があったわけでございます。
○山田太郎君 ただ、残念ながら、当委員会で私もさんざんいろんな地域に行って、今回これだけ多くの農協の関係者の方々と一気にお会いして話を聞いたんですが、どうも改革の内容は最初から分かっていないとか、納得できないとか、事実上、ほぼ今回の改革案に関してポジティブに答えられている方がいらっしゃらないという現実がある中で、これは一体どういうことなのかなと。 もちろん、改革は痛みを伴うものもありますから、もしかしたら農協さんのわがままなのか、いやいや、進め方に実は問題があるのか、全くもって理解ができないところもありまして、本当に現場までこの問題きちっと浸透して議論されて、長い歴史を持って議論されてきたということなんですが、もう一度その辺り、もし現場がそうであれば、それはもう農協自身の問題であるということを大臣はおっしゃられるのかどうか、その辺り、もう一度御発言いただけないでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 私が申し上げましたのは、先ほど申し上げた経緯でございます。したがって、いろんな御意見を農協のそれぞれの立場の方がおっしゃるというのは、自由におっしゃっていただいているんだろうと、こういうふうに思っております。それは、我々がそういうことについてとやかく言う立場にはなくて、全体の組織を取りまとめされておられる代表の皆様と議論をして、そして機関決定をしていただいたと、こういうことが経緯でございます。
○山田太郎君 もう一つ、参考人の中からもいろいろ、今回は協同組合についてのかなり深い議論も当委員会ではさせていただいた中で、本来、協同組合は任意の民間の団体であって、政府等が余り手を突っ込んだり介入するということよりも温かく見守るべきなんではないかと、こういうことが随分議論として何人もの方々から意見が出ました。 まさに、地域政策、産業政策というところの、特に地域政策におけるいわゆる地域協同体としての役割が大きいんだ、こういうことだと思いますが、それでもあえて今回、その協同組合に対して手を突っ込んだということの意義とか意味とか、なぜそうせざるを得なかったのかどうか、その辺りも大臣に是非お伺いいただければと思います。
○国務大臣(林芳正君) 今お話のありました手を突っ込んだというのが、どの部分がどういうふうに手を突っ込んだのかということは必ずしもはっきりと理解しておるわけではございませんけれども。 よく六十年ぶりの改革というふうに言われております。昭和二十九年に今の中央会の制度ができたということでありますが、何回か答弁をさせていただいておりますように、行政代行的な仕組みとして、当時、一万を超えていた各単協で経営が悪化、危ないところも幾つかあって、金融もしておられましたので今で言うシステミックリスクみたいなことも当然あると、こういうこともあって、本来行政がやってもいいようなことを、全中ということをつくって指導をやって、合併をやっていただいて、ここまで、今、現行七百を超えるぐらいだったと思いますが、体質の強化をしていただいた、こういうことがあったんだと、こういうふうに思っております。 まさに、そういうことを通じてやっていただいたおかげで一県一農協のようなところも出てきましたし、体質の強化、それぞれの単協がそういうふうな形になってきたということ、さらには、その過程の中でJAバンク法もできたと、こういう状況が変わってきたということでございますので、むしろ昭和二十九年以前の状態に戻ってもいいんだろうと、こういうことで全中の仕組みを見直していこうと、こういうことが一つあったんではないかというふうに考えております。
○山田太郎君 ただ、その全中自身が本当に自主的な今回トリガーというか、試みでもって改革されたのかどうかというのは、あるいはそれがよかったのかどうかは、この後の法律、もちろん採決まで二日ありますので、人間が採決しますし、国会議員の意思でもって、最後この国会でどうするかというのは決まるんですけれども、判断することにもなるのかなというふうに思っています。 さて、もう一つ大事なのが、やっぱり担い手がとにかくこの改革含めて私は増えるかどうか、これがすごい重要でありまして、非常に私も感銘を受けましたのは、何回かちょっとこの委員会でも取り上げさせていただきましたが、全国農協青年組織協議会、天笠会長のところで、こういったパンフレットというかブックレットを作って、相当いろんな、農協の改革の在り方、日本の農政の在り方、細かく問題点、それからどうしなければいけないのか、JAさんがやらなきゃいけないこと、行政に提案すること、これを出しているわけであります。 これを見る限りにおいては、私は初めて接したところでもありますが、非常に農協というのは、青年組織が今後の担い手として自分たちどうしていくのかということを真剣に議論をしていたなということを非常に触れたわけでありますが、さて、それに対して、行政側の農水省は、この中の個々の項目についてどれぐらい認識されて対処されたのかということもちょっと検証したいんですね。そうでないと、この委員会でもありましたが、何か農協にその責任を負わせて行政はどうだったのかなということにもなりかねないと思っております。 特に、これは事前に通告をしてありますが、後継者又は新規就農者対策というところが私は一つ具体化しているというふうに思っておりまして、その中でも、例えば、行政に提案、要望することとしては、青年就農給付金の問題、それから農業大学等の研修機関のネットワーク化、それから経営移譲奨励金制度の創設と、こういうところを具体的に挙げてあります。 これに対して農水省はどうされたのかということですよね。現場からの声に対して、改革、自主的にやるべきだということを訴えたわけでありますが、それぞれについて、簡単で結構でございますので、結果を教えていただけないでしょうか。
○副大臣(小泉昭男君) 先般の参考人の御意見の中で、ポリシーブック、これは本当によく検討されてできた内容だと、こういうふうに思っております。 今先生のお話にありましたけれども、青年就農給付金、それからあと農業大学校の研修の機関、カリキュラム、この関係から奨励金制度、言っていただきましたけれども、このうち青年就農給付金、これは準備型でございますが、これは二十四年から始まっているわけでございますが、就農準備段階において、この段階は一番不安定な時期でございますので、就農に向けた研修を受けている者に対して給付金を交付すると。これは最大百五十万、最長二年、こういうことになっているわけでありまして、当初は対象としていなかった親元就農、これを就農する農家の子弟につきましても、二十五年度補正からは、終了五年以内に経営を継承することを要件といたしまして対象に追加したところでございます。 また、カリキュラムの作成ですが、農業大学校の校長会等に本省担当者が出向きまして、施策の説明や意見交換を通じて、大学校間の連携を促す、これも進めてまいる。そしてまた、日本農業経営大学校、農業大学校等においては、これは先進農家等における研修を組み込んだカリキュラムを設けて農業教育を実施する等の取組を実施しているところでございます。 経営移譲を目的とした奨励金制度、これは親元に就農する場合であっても、親の経営に従事してから五年以内に経営継承する場合には青年就農給付金、これは先ほどの続きでございます、最大百五十万を最長五年間、これを交付することによりまして、親世代から青年世代への経営継承を促していくところでございます。 以上でございます。
○山田太郎君 この書いてある趣旨は多分、弾力運用を要請するというのは、五年を超えた場合のケースだというふうに聞いているんですが、それについてはどうなのかということが問われていると思うんですが、もちろんこれを、五年以内のものについては制度としてやっているということは理解しているんですけれども、その辺りに対する回答はどうなのかというのはどうでしょうか。
○政府参考人(奥原正明君) 年数の問題については、これは長い方がいいという御要請はいろんなところからございますけれども、これまでのところ、やはり一つのけじめといたしまして、五年間ということでやっております。 これまでの青年新規就農者、農業に就農されてもなかなか生計が安定しないために定着できない、離農してしまうというケースがございますけれども、そのときのいろんな調査によりますと、やっぱり五年程度のところが一番不安定であるということもございましたので、現在のところ五年間ということで設計をしてやっているところでございます。
○山田太郎君 五年間が不安ということであれば、もうちょっと飛び立つためにも、親の元でいわゆる就業される者は打ち切られ、それ以外はサポートされるというのもないかと思いますし、是非この辺り、まさに青年部からは柔軟にということが出ていますし、これで本当に担い手が増えるのであれば非常に大きな効果があると思いますから、一つ一つ細かくそういった意見を、まさに農協改革と一緒にこのリーフレット、パンフレットをしっかり政策に取り上げていただければ私は幸いなんじゃないかなというふうに思っています。 さて、ちょっと時間の関係もありますので先に進みますが、先ほど郡司先生の方もやられていましたが、農業の成長戦略に関する農協とのちょっと絡みということで少し質疑していきたいと思いますが、二つ方向性があると思っていまして、一つは、輸出に関する話があるかと思っております。もう一つは、単価を上げるという意味においては有機農業との関係。 これ、何で農協が関係してくるかという話なんですけれども、多分、輸出するとしても、共同販売という形で農協がサポートをしなければ、この輸出のいわゆる担い手というのは別の流通業者であったりとか商社という形になってしまう。そうすると、私、六次産業化でも一番農政関係で恐れているのは、流通支配になってしまえば、当然いわゆる農業の一次農家は材料会社みたいになってしまって、安くたたかれかねない。そうであれば、主体的に農業協同組合がいわゆる輸出までできるようになれば非常に大きな意味があるのではないかなということで、今回の成長戦略に絡めて、本来、農協の共同販売の在り方としては、一つ、この輸出というものがあるのではないかなと、こんな問題意識を持っております。 もう一つは、有機農業に関しては、手元にいろいろちょっと農水省さんも調べていただいた資料があるんですが、大根、ホウレンソウ、トマトのケースでいろいろ調べていただきましたが、単価が一・五倍に売れるということでありまして、量掛ける単価ということが最終的に所得向上にもつながるということを考えれば、単価を上げる。特に、日本の場合には、私もこの委員会で前質疑をしたことがあるんですけれども、非常に有機農法、農業の比率が世界的にしても日本のシェアは低いということを取り上げさせていただきました。 じゃ、何で農協がこれに関して絡む必要があるかというと、皆様御案内だと思いますが、有機農法、農業は一農家だけではできないと。地域で取り組まなければ、ある農家が横で有機じゃないものをやっていれば、農薬が飛んでくるじゃないかと言われ、逆に農薬を使っているところからすると、横で有機だから虫が湧いて飛んできたじゃないかと、こう言われて、地域が取り組まなければこの有機農業というのはできないと。そうなってくると、協同組合としての、地域をきちっと見ている、一戸一戸の農家がどんなに努力しても、この有機農業、農法というのは地域単位でしかできないわけでありますから、そういった意味で農協の役割は大きいのではないかなと。 そうすると、いわゆる輸出で量を増やし、有機農業をある程度促進していくことで単価を上げるという組合せもあって、もしかしたら農協の役割というのはあるのではないかなと、こんなところから少し中を細かく見ていきたいと思いますが。 まず、輸出なんですけれども、結局、これも調べていただきますと、一番輸出している相手国で多いのが香港ということでありまして、農産物一千三百四十三億円ということであります。ただ、残念なのは、一番多そうな中国は六百二十二億ということでありまして、香港と比べてもまだまだ伸びる余地がある。もしかしたら一部香港経由で中国大陸に入っているものもあるかもしれませんが、基本的にはなかなか、中国は輸入制限をされているということでもありまして、入らない。 にもかかわらず、中国からの農産物の日本に対する輸入量はどれぐらいかといいますと、平成二十四年のデータをいただいたんですが、百二十四億ドルということでありまして、一兆五千億円と。つまり、中国から要は農作物が一兆五千億円入っているのに、その中国には六百二十二億円しか行っていないということでありまして、いかにもこれはバランスが悪いのかなと。中国でも日本食というのは非常に尊ばれているというか、ブームだということも聞いています。実は私も、中国、仕事をしていましたので、現地で日本のものが何らかのルートで入っているということもやっぱり見てきたわけであります。 そんな中で、もし農協さん含めて輸出に貢献していこうと思うと、香港とかシンガポールというのも大事な場所ではありますが、やっぱり人口が多くてアジアの毎年十兆円という食料の向上に乗っかっていこうというふうに思えば、中国大陸の中に食品を入れるという努力をしなければいけないし、これはもう政府マターの問題。なぜならば、中国政府が輸入の禁止措置を放射能等も含めてやっているということなんですけれども、この辺り、これまでどんなことを政府として対応されてきて、今後どうされようとしているのか。 是非、私は中国に関してはきちっと交渉していただいてしっかり、六百二十二億なんというものではなくて、一兆五千億入っているんだったら一兆五千億円ぐらい、そうすれば、総理が言っている輸出、要は目標なんというのははるかに超していって目標達成するわけでありますから、中国政策というのは非常に輸出にとっては重要だと思います。それを農協と一緒にやるということは大変意味があるし、逆に言うと、これもし政府がサボっているということになれば、農協さんに幾ら販売を頑張れといっても、国内はシュリンクしているという状況で、なかなか出口がないということにもなります。 ちょっと質問が長くなりましたけれども、その辺り、これまでの中国の規制に関する緩和措置と政府の努力、今後どうされようとされているのか、大臣含めてお答えいただけますでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 我が国の中国向けの農林水産物・食品の輸出の状況、これを見ますと、東日本大震災前の平成二十二年でございますが、五百五十五億でございました。大震災が起きて、平成二十三年は三百五十八億円まで落ち込んだわけでございますが、昨年は六百二十二億円ということで過去最高になりました。今年も一月から六月まで、上半期ということで四百二十四億円。したがって、対前年の同期比では四四%増とかなりの増を示しております。 おっしゃられますように、大きな市場であることは間違いないわけでございますし、日本産食品に対する強いニーズもあると、こういうことでございますので、しっかりとこのニーズを捉えるために、我々としても見本市、試食会、こういうものを開催をしましてバイヤーや消費者の皆さんに対する様々なPR活動も展開をしているところでございます。 規制の問題でございますが、東日本大震災に伴って福島の事故後に放射性物質に係る輸入規制措置を中国が導入しております。これは、現在も福島県等の十都県産の全ての食品、飼料について輸入停止、それから、十都県以外の野菜、乳製品、茶葉、果実等については放射性物質検査証明書の添付により輸入が認められておりますが、この証明書の様式が合意をされていないということで、まだ実質輸入停止の状態が続いていると、こういうことでございます。 これまで中国側に対して、農林水産省それから在中国の日本国大使館から、向こうの規制当局は質検総局というんですが、そこ等に対して累次働きかけを行ってまいりました。また、WTO・SPS委員会等のマルチの場も利用しながら中国側に働きかけをしてきたところでございます。まだ残念ながら、証明書の様式の協議の場、これを設けることすら困難な状況にあると、こういうことでございます。 したがって、各般のPR活動をしっかりやるということと、今申し上げた輸入規制の緩和に向けた働きかけ、これはもう粘り強くやるしかないと思っておりまして、こういうことを併せて行っていくことによって輸出の増加を更に後押しをしていきたいと思っております。
○山田太郎君 今の部分は是非、林農林水産大臣に是非頑張っていただきたいと思うんですが、これもどういうことをやられてきたか私は資料を入手させていただいたんですが、確かに現場レベルでは中国の質検総局に対する協議要請とかいろいろやっているようですけれども、やはり大臣自らが直接行ったり呼んだりしながら、中国のいわゆる農業部長をですよね、大臣に協議要請をすると。 実は、西川農林水産大臣は平成二十六年九月に一度やっているんですが、その前後、平成二十三年から資料をいただいているんですが、やっぱり閣僚クラスでは、この問題なかなかまだ取り上げられていない。 それから、WTOのSPS委員会に対しても、要は特定貿易上の懸念の表明ということでありまして、やっぱりもうちょっと強い形でもって、私は明らかにこれはWTO違反の可能性が高いと、こういうふうにも思っておりますので、もっと強い態度で、やっぱりどう考えてもこれだけ日本の食品、評価が多分中国でもあるにもかかわらず、向こうからは一兆五千億円、物が入っていて、日本からは六百二十二億というのはいかにもバランスが悪いというか、何か問題があるということは事実だと思いますし、もちろん、これは十都県の問題もあるんですが、証明書の様式合意ということでありますから、是非、大臣、もうこれは来るいいタイミングを見て、日本の農作物の輸出、販売促進、これを新たな農協の体制と一緒にやっていくんだということを是非ここでお約束いただければ、農業者としても、なるほど、違う部分があるんじゃないかなというふうに思いますが、是非、ちょっとその辺りの御発言いただきたいんですが、どうでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) まず、輸出入のバランスでございますが、全体として入超になっているという状況はありまして、輸出と輸入を必ずしも同じようにしなければならないということではないと思いますが、先ほど申し上げましたように、中国は大変大きな市場で、潜在的な可能性というのは大変大きいというふうに思っておりまして、そういう意味でしっかりと力を尽くしていきたいと思っております。 WTOの提訴は、まだ現時点においてそういう方針を決定しているということはございませんが、先ほど触れていただいたように、緩和するようにマルチの場、WTO・SPS委員会で累次働きかけてまいりましたが、今後も科学的な根拠、これに基づいて、証明書の様式の協議はもちろんでございますが、それ以外の部分についてもいろんなレベルで中国側に粘り強く働きかけを行ってまいりたいと思っております。
○山田太郎君 時間が来ました。 林農林水産大臣は実は日中友好議連の事務局長もやられているわけですから、この林大臣のうちにと言うと怒られちゃいますけど、長くはやっていただきたいと思っていますけど、この問題を片付けていただくというのは大変意味があるというふうに思っておりますから、ちょっと有機農法の方はできませんでしたけれども、時間が来ました。これぐらいにしたいと思います。 どうもありがとうございました。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。 まず、ちょっと急がれている問題で、ジャガイモのシロシストセンチュウについてお聞きします。 農林水産省は、十九日に北海道網走市内の圃場でジャガイモの害虫であるジャガイモシロシストセンチュウが発見されたと発表しました。国内での確認は初めてということです。硬い殻で覆われているシストセンチュウが〇・六ミリほどの大きさで、これ農業新聞では、乾燥や低温に強く、最大二十年は土中に残り、土壌消毒でも根絶は難しいというふうに報道しています。 被害の状況並びにこのシロシストセンチュウの発生原因、侵入経路を説明いただきたい。あわせて、シロシストセンチュウは主にどこの国で発生しているのかということも説明してください。
○政府参考人(小風茂君) 委員御指摘ございましたけれども、八月十九日に農林水産省は、北海道の網走市内の一部の圃場におきまして、我が国で未発生でございますジャガイモシロシストセンチュウを確認いたしました。発生地域からのバレイショの移動経路などを踏まえまして、本日から、本線虫の発生の可能性が高いと考えられます網走市内、そして近隣の市町村で発生範囲を特定するための調査を実施しております。したがいまして、現時点では本線虫の発生の面積などの被害状況は把握はできておりません。 また、現時点では本線虫の発生原因についても不明でございますけれども、今後、発生状況の調査などを進めながら原因の解明を進めていきたいと考えております。 それから、海外における発生国の状況でございます。インドなどのアジア地域、あるいはドイツなどのヨーロッパ地域、そしてアメリカ合衆国などの北米地域、そしてペルーなどの南米地域、こういうジャガイモの生産国を中心に五十一の国と地域で発生が確認されていると、こういう状況でございます。
○紙智子君 日本にはない線虫ですから外国から侵入したということになるわけで、植物防疫体制にも問題がなかったのかということでは検証を求めておきたいと思います。 それから、芋を食べても人体に影響はないということなんですよね。ただ、ジャガイモは枯れてしまうということなので、蔓延防止策が急がれるわけです。線虫が発生した場合は農家は一体どう対応したらいいのかと。サンプル検査をするというふうに聞いているんですけれども、この検査体制というのは、どんどんとサンプルを送れば結果が出てくるという仕組みになっているのか、その体制も含めてどうでしょうか。
○政府参考人(小風茂君) 先ほど申し上げました発生状況の調査でございますけれども、これ圃場に参りまして、ジャガイモを抜取り調査いたします。その中に、その根の部分に線虫あるいはそれに疑わしきものがあるかどうかと、こういうものを確認いたしまして、これを植物検疫所の方に送りまして同定作業を行う、それによりまして被害の状況の広がりの範囲を確定すると、こういう作業を急いで進めてまいりたいというふうに考えてございます。
○紙智子君 現地の農家の方は、いや、一か月も待たされないと、結果が出ないと分からないんじゃ困ると、今収穫にいろいろ向かう時期なので、やっぱりそこを早くやってほしいということでは、ちゃんと検査体制も含めて強化してほしいという話が出ておりますので、是非受け取っていただきたいと思います。 それから、蔓延を防止するには土を動かさないということが第一だと。薬剤、それから薫蒸、それから焼却などの方法もあると。蔓延防止に係る費用への支援、それから農家が安心して営農できる支援を行うべきだと思うんですけれども、この点、いかがでしょうか。これ、大臣にお願いします。
○国務大臣(林芳正君) ジャガイモシロシストセンチュウは、バレイショ生産に重大な損害を与えるおそれがあるわけでございまして、我が国未発生の病害虫であるということでございます。今委員から御指摘いただいたように、このものが確認された地域からの蔓延防止措置を直ちに講じることが重要だと考えております。 先ほどから答弁ありますように、まず発生範囲を特定するための調査を開始をする。そして、今委員から御指摘いただいたように、土壌の移動防止等の蔓延防止対策の徹底、これを北海道庁に文書で要請をしております。また、バレイショ及び土壌の移動について、植物防疫官による検査を実施すると、こういうふうにしております。 この発生範囲の特定調査、それから本線虫の薬剤防除など蔓延防止措置に必要な経費について、消費・安全対策交付金というのがございます。こういうものを活用して支援をしていきたいと、こういうふうに思っております。北海道庁、生産者団体と連携して蔓延防止に万全を期してまいりたいと思っております。
○紙智子君 以前、やっぱり線虫が発生したときに、土を移動できないということですごく大きな問題になりました。網走の農業というのは、麦、てん菜、ジャガイモという輪作で成り立っていて、早期の対策が求められているというふうに思います。それで、是非、シロシストセンチュウに抵抗性のある品種も作るということも含めて、早期に開発するように求めておきたいと思います。 それでは、法案の審議に行きたいと思います。 この間の林農水大臣の答弁、ずっとやり取りしてきましたけれども、農政改革について、いろいろな意見はあるけれども、政府・与党で取りまとめて法律を出したんだと。言ってみれば、専ら経緯について、経過について説明するという答弁が多くて、大臣御自身が一体どういうふうに農協の問題、農業委員会を考えているのかということがよく分からないというふうに思ってきたわけです。今日は、是非大臣の考えを、大臣御自身の考えを聞かせていただきたいというふうに思います。 まず、農業委員会の選任基準の問題です。 これ、現行法では、農業委員の基準が七条、八条で規定されています。例えば、区域内に住所を有する者で年齢は二十歳以上、農地について耕作の業務を行う者というふうにあります。 私、七月三十日の質問で、この改正案は公選制を任命制に変えるということになるわけですけれども、選任基準が示されていないんじゃないかと。仮に公募者が定数に達しなかった場合、あるいは定数よりも多かった場合の調整方法や、政府の農地流動化に異論を唱えるような人がもし公募した場合、調整方法も明らかにするように求めたわけです。林大臣の答弁は、「透明、公正に適切な選任が行われるように、地域の関係者の意見を聞く機会を設ける」というふうに答弁されたんですけど、これだけではよく分からないわけですね。それで、地方公聴会でも透明性が果たされていないという意見が出されているわけです。 透明というのはどういう状況をいうのか、公正さの基準というのは一体何なのか。透明性、公正性についてみんなが納得する選任の基準についてお示しいただきたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) この法案の中で、農業委員の選出方法につきましては、公選制から市町村議会の同意を要件とする市町村長の選任制に改めると、その際に、推薦、募集を行いまして、推薦を受けた者及び募集に応募した者に関する情報を整理、公表するとともに、推薦及び募集の結果を尊重しなければならないと、こういうふうにしております。 どういう人を選ぶべきかという選任基準については、国として法律に規定されている以上の内容を定めるということは適当ではないと考えておりますが、一方で、農業委員の選任の手続でございますが、これは市町村長による恣意的な選任が行われないようにする必要がありますので、農業委員の選任が公正かつ透明に行われるように、推薦及び募集の候補者が委員の定数を上回った場合等に市町村長が関係者の意見を聞くなどの手続を取るよう努めると、こういった基本的な考え方を省令や通知などでお示しする方向で検討いたしたいと、そういうふうに考えております。
○紙智子君 今日も参考人の方からの発言がありましたけれども、農業委員というのは、やっぱり農家の財産は農家の財産というだけじゃなくて、ずっとそこにある社会資産としてのというか財産、農地の権利を扱うわけですから、何よりも農家から信頼されることが大事だという話がありました。 現場の農業委員は混乱しているわけですね、今、議論で。例えば、野村先生のところの鹿児島の農業会議の改正をめぐっての議論でも、地域からの推薦を優先するのか、アンケートによる地域住民の意向を確認するのか、公職選挙法に基づかない選挙か、いずれにしても選任に当たって透明性が求められますよねと議論しているんですけれども、どういうふうにするのかというのがなかなか混乱していると。北海道などでも、選任が市町村長の恣意的な判断にならないようにするためには、やっぱり農業者や学識経験者などを入れた選考委員会などをつくるなど、より民主的な選任方法を求める必要があるということでの意見もあるわけですけど、この点にめぐってはどうでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) この公正かつ透明な選任を行うための方法というのはいろいろあると思いますが、今先生がおっしゃったような、学識経験者などから成る選考委員会を設けると、これも一つの方法であると考えております。
○紙智子君 私は、地域が混乱しないようにするために一番やっぱり合理的だと思うのは、変えないことだと思うんですよ。今までどおり、従来どおりに公選制の方がよっぽど分かりやすい、合理的だというふうに思います。 それで、本日、参考人質疑においても、女性農業委員会ネットワークの会長さんの伊藤さんという方が来られたんですけれども、女性の農業委員を増やす努力をこれまでずっとされてきたと、定数が半減されるということになったら、女性のせっかく増やした農業委員が大幅に減少することになる懸念があるという御意見も述べられておりました。 やっぱり、農地の利用の集積とか耕作放棄地の解消などの活動を保障するためにもそうですし、やっぱり女性のそういう活躍、農業委員を増やすということから見ても、定数については少なくとも現状の体制を維持するということが必要だというふうに思うんですけど、一言、これ、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 現在の農業委員の機能でございますが、農業委員会として決定をしていただく行為、それから農業委員の各地域での活動と二つの活動がございますが、それぞれが的確に機能するようにする必要がございます。そういったことのために、今回は農地利用最適化推進委員を新設をするということになっております。 それぞれの役割を改正後は果たしていただくということになりますが、昨年の六月の政府・与党の取りまとめ及び本年二月の法制度の骨格について、数でございます、今御指摘のあった、委員会を機動的に開催できるよう委員の数を現行の半分程度とし、委員定数の上限を定めている政令基準を変更すると、こういうふうにしております。一方、推進委員の数でございますが、人・農地プランの作成単位となる地域の数などを踏まえて政令で定める基準に従い条例で定めると、こういうふうになっております。 そういったことでございますので、農業委員と推進委員の定数についてはこうしたことを十分考慮しまして、農業委員会がこれまで以上に農地利用の最適化の推進という使命を果たせるように、両者の合計人数が現在の農業委員数をある程度上回る水準となることを念頭に置きながら、政令の制定に向けて適切に検討していきたいと思っております。
○紙智子君 全然今の答弁では駄目ですね。せっかく女性の方の、今日、参考人の話もあって、そういう懸念もされている中で、やっぱり今の現状を維持するということで、是非受け止めていただきたいということを改めて申し上げておきたいと思います。 次にですけれども、所掌事務を定めた六条二項についてです。農水省が監修している「農業委員会法の解説」の中では、とりわけ意見の公表、建議などについて、農業委員会の行政機関としての性格よりも農民の代表機関としての性格が強く前面に出されていると説明しています。今回の改正で、所掌事務から農業及び農民に関する意見の公表、行政庁への建議ができるというのが削除をされる、目的から農民の地位向上を寄与するの規定が削除をされると。これは、公選制を廃止するということと併せて、農民の代表機関としての性格を奪うものだというふうに思うわけです。 今回、区域内の農地等の利用の最適化の推進という規定が入っているわけですけれども、農業委員会は農地利用の最適化の促進に集中する行政機関になってもらうと。要は、それ以外の余計な仕事はするなということなんじゃないんでしょうか。いかがですか。
○国務大臣(林芳正君) 現行の農業委員会の所掌事務は、必須事務といたしまして農地法その他の法令に基づく許認可等の事務を処理するということと、任意事務として農地等の効率的な利用の促進、それから農業及び農民に関する事項に関する意見の公表、行政庁への建議、答申と、こういうこと等を行うことができるとされております。 現時点で農業委員会の最も重要な任務は、担い手への農地利用の集積、集約化、耕作放棄地の発生防止、解消といった農地利用の最適化でございまして、今般の法案では、農業委員会が農地利用の最適化の推進業務に集中して取り組んでいただくことができるようにするために、この農地等の利用の最適化の推進に関する事務を必須事務といたしました。それから、意見公表や建議、これは法的根拠がなくても行えるわけでございますので、法令業務からは削除をすることにいたしたわけでございます。 そのときに、農業生産、農業経営及び農民生活に関する調査及び研究、それから農業及び農民に関する情報提供と、これは一本化をしまして、農業一般に関する調査及び情報の提供として整理をいたしました。また、法人化その他農業経営の合理化に関する事項はそのまま存置をしております。 したがって、今後も農業委員会は農地利用の最適化のみを行うということではございませんで、必要な事務は引き続き行うことができるということになっているところでございます。
○紙智子君 法律事項から削除したのに今までと同じようにできるということにはならないですよ。誰が見たって、ちゃんと法律に書いてあるものと、削除したのに、それで同じ位置付けになるなんて思えないですよね。本当に大事な意見を述べる、現場の意見を述べる建議の場や、意見を表明する場というのをなくすというのは大問題だというふうに思います。 それから、一番の最重要は、その最適化に関わってのことを進めていくことなんだということなんだけれども、それ以外のことも大事なことはいっぱいあるわけで、結局そこに集中させていこうということになりかねないというふうに思うんですよ。 今日の参考人質疑の中でも、やっぱり農業委員会が机上委員会になるんじゃないかという指摘がありました。結局そういうことになるんじゃないんですか。農業委員については、最適化で推進委員の方と分けて、いろんなことを聞いていろいろ議論するデスクワークに専らされてしまうということになるんじゃありませんか。
○国務大臣(林芳正君) この度、農地の最適利用に向けた仕事をやっていただくために推進委員というのも新たに置くことになりました。また一方で、農業委員会、効率的に開いていただけるためということもあって、農業委員と推進委員というこの二本立てにしたところでございまして、それぞれしっかりと連携をしていただくことによって、そういう机上委員会ですか、机上の空論の机上ということだと思いますが、そういうふうに言われないようにしっかりと運営をしていかなければならないと思っております。
○紙智子君 やっぱり、現場に出ていかない、そういう農業委員会になってしまったら、農民の代表機関としての機能を奪われるということになって、結局は行政の下請機関にならざるを得なくなるというふうに思います。 農協法についてもお聞きしたいと思います。 農協の事務運営について、組合は営利を目的として事業を行ってはならないという、この非営利規定を削除すると。農業所得増大への最大の配慮、あるいは高い収益性の実現というふうに変えました。組合員には准組合員も含まれますけれども、組合員への奉仕、農業所得の増大、収益性というこの三者が両立するのかどうか。担い手農業者のニーズに応えて農業所得の増大に最大限に配慮する方向が評価されれば、結局、准組合員への奉仕ということが軽視されることにならないでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 農協は一条で定めてございますように農業者の協同組織でございますので、やはり正組合員である農業者のメリットを拡大をすると、これが最優先でございます。したがって、何度か申し上げておりますように、准組合員へのサービスに主眼を置いて正組合員である農業者へのサービスがおろそかになってはならないと、こういうふうに考えております。一方で、過疎化、高齢化等が進行する農村社会においては、農協が実際上地域のインフラとしての側面を持っていると、これも事実でございます。 したがって、この准組合員の利用規制については、いろんな議論を経て、まずは利用実態を五年間の調査をしていこうと、こういうことで、その調査をした上で規制の在り方について検討をしていくと、こういうことにしたところでございます。
○紙智子君 大臣は、今の答弁でも、農協というのは正組合員の組織だから准組合員へのサービスに主眼が置かれてはならない、だから調査をして結論を得ると、附則の五十一条の二項ということですけれども、言われるわけですけれども、この間、与党が推薦された参考人からも、准組合員というのは農業や地域経済の発展を支えるパートナーなんだ、総合農協の役割が理解されていないじゃないか、今回の農政改革の進め方には不信が募っているんだ、残っているんだというふうにも言われているわけですよ。 農協は農業者の自主的な組織なわけで、准組合員の事業利用をどうするかということを、今日も参考人の皆さんから出ていましたけれども、法律で縛るのではなくて、農業協同組合自身が自主的に決めるものなんじゃないかと、私もそう思うんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(林芳正君) これは制度の骨幹が農協法という法律で規定をされておりますので、しっかりと法律については議論をして枠組みを決めていくというのは政府・与党としてやらなくてはならない仕事であると、こういうふうに考えております。
○紙智子君 何か全然答弁になっていないなと。林大臣がどう思われるんですか。
○国務大臣(林芳正君) 私は大臣として今答弁をしたつもりでございまして、個人的に何か感情を持って答弁を差し上げるのではなくて、これは法律の審議をしていただいておりますので、法律についてしっかりと御説明をして審議をいただくということが大事だと、こういうふうに思っております。
○紙智子君 全然現場の思いにかみ合っていないですよね。 規制改革会議の議論の中で、准組合員利用量の規制は数値基準も明確にした上で極力早く導入すべきであるというふうに提言しているわけですよ。これ、自主改革と言いながら、やっぱりそう言われることに縛られているんじゃないかと。全くそういう意味では自主改革を損なうものだというふうに思います。 それから、農協法の質疑を通じて、自主自立を基本にした改革になるかどうかということが今日も参考人の皆さんからも出されて議論になったわけですけれども、政府は、担い手の農業者のニーズに応えた農協、職能組合化を求めていると。一方、参考人からは、食と農を基軸として地域に根差した農業協同組合、協同組合の価値と原則に基づいて発展すると、農を基軸とした職能的地域組合を求める意見が出されたわけです。 私は、国際協同組合同盟、ICAの原則と、それから二〇〇二年にILOの勧告に沿った対応をすべきだと思うわけです。ILO、国際労働機関は、労働条件の改善を通じて社会正義の実現に資することを目的とする国際機関だと、同時に、協同組合の育成に携わってきたわけですね。国際基準を策定している唯一の機関なわけです。ILOは、二〇〇二年に協同組合の促進に関する勧告を採択しています。その中では、グローバル化が協同組合の圧力になっていると、各国政府に、協同組合の自治を尊重することと、自治的、自主管理の企業体として協同組合を奨励するということなどを、政策的な支援と法的な枠組みを求めているわけです。 本来、このICAの原則や今述べたILOの勧告に基づいた協同組合にすることが求められているんじゃないかと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) このICAの協同組合原則は、非政府組織でありますICAにおいて採択されたものでございますので、条約ではないわけでございます。したがって、政府としてこの解釈権を持っておりませんし、またその内容に拘束をされるような性格のものでもないということでございます。しかしながら、世界の数多くの協同組合が参加するICAの協同組合原則は、やはり我々としてもできる限り尊重したいと、こういうふうに考えております。 今回の農協改革は、農協の自己改革を促進するという観点で、地域農協が責任ある経営体制を確立するための理事構成、経営の目的などを規定しまして、自己改革の枠組みを明確にしております。また、行政に代わって経営の再建指導を行う特別認可法人でありました中央会については、地域農協の自己改革を適切にサポートできるような自律的な組織体制に移行すると、こういうことを規定をしておりまして、改正後の農協法についてもICAの協同組合原則を尊重した内容になっていると考えておるところでございます。 ILOが二〇〇二年に協同組合の独自性の促進、強化がICA原則に基づき勧奨されるべき旨などを盛り込んだ協同組合の促進に関する勧告を採択をされたということは承知をしております。これも勧告でございますので法的拘束力を有するものではないわけでございますが、今回の法改正については、これまで述べたように、ICAの協同組合原則を尊重した内容になっておりますので、このILOの勧告とも整合した内容になっていると、そういうふうに考えております。
○紙智子君 尊重してやりたいという話なんですけれども、実際上、ICAは、地域社会への関与、共同所有、それから民主的管理による組合員ニーズと願いを満たすための自発性と自治の組織にすることを求めていて、そこに沿ってやっていたら意見なんか出なかったと思いますよ。やっぱり沿っていないから意見が出ているわけですよ。この間の議論を通じて、やっぱり農業関係者から要望が出て始まった改正じゃないところは、企業が世界で一番活躍しやすい日本にするという官邸主導のこれ改悪案だということが明らかになったと思います。 今回の改正案は、農協組合に企業論理を持ち込んで、結局、総合農協を解体する道につながる、そういう意味では自主的な組織に対して政府の介入ということが非常に問題になっている、容認できないということを強く述べまして、質問を終わります。
○儀間光男君 維新の党の儀間です。 質問に入りますが、いよいよ今回がこの法案に関する質問だと思いまして、前回もそう申し上げましたが、読み違いで今日までありまして、今日これからそうさせていただきますが。 〔委員長退席、理事野村哲郎君着席〕 質問に入る前に、今、紙委員とのやり取りの中で、農業委員と推進委員、この関係について、通告していませんからお答えは要りませんが、最後の詰めとして意見を申し上げておきます。 全く理解できない組織の分業であるというふうに思えてなりませんね。今日の参考人からもありましたけれど、農業委員会が事務方になって、推進委員は活動するということに分業されるであろうと。これはこの前も申し上げましたけれども、この二つ、分業して狙いは何だったのか。しかも、法定委員会にしてありますけれども、法定委員会にするほどの二つの業務が違った業務を見ていたのかなと思うぐらい、それにはちょっと懐疑が晴れないですね。 だから、農業委員なら農業委員に今いう推進委員と新たに作ったから推進ができるんであって、推進委員に持たそうという機能を農業委員会の中に置いて、人を増やして強化して、そこで一元化してやれば済む話なのに、何で理解のできないような、多くの人が理解できないような分業の仕方をやってここまで来たのかなと思うと、いよいよこの法案審議すれば、知れば知るほど私おかしくなってきておってどうも具合悪いなと、このような思いをしているところであります。あさってですから、ちゃんと対応したいと、こう思いますが。 質問に入りたいと思いますが、法案について少し質問させてください。 今回の一連の農協法の改正の中を見ますというと、農地法改正に当たっては、政府は農業の六次産業化を進めるために農業生産法人要件を見直すとうたっておりますが、別の角度からこれを見てみますと、ある意味では農業生産法人への企業の参加を容易にすることが重要だと見て取れるんですね、理解します。 農業を成長産業にするためには、地域農協と企業との合弁会社の設立を促進することによって六次産業を加速させるんだと、こう思っております。しかし、そのためには地域農協の努力を促さなければなりませんし、また、自治体や国が、合弁会社設立を実現しやすいような、そういうような環境づくりもしていく必要があると認識をしますね。 ただ、国による成長産業ファンド化は、それが出資規制があると理解しておりますけれども、現状では、企業の出資比率が農業生産法人あるいは地域農業、農業者などの農業関係者の出資比率よりも高い合弁会社は、成長産業化ファンドからの出資を受けられないとされるわけです。国が六次産業化を積極的に進め、企業が活発に農業関係者との合弁会社の設立に前向きに取り組めるようにしなければならないと思います。 〔理事野村哲郎君退席、委員長着席〕 そこで、質問に入りますけれども、企業の出資が農林漁業者の出資比率を上回っている合弁会社について、農林漁業成長産業ファンドの投資対象に加える方向で制度を見直すべきであるという意見が聞こえますけれども、それはどのようにお考えなのかをお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(櫻庭英悦君) お答え申し上げます。 農林漁業成長産業化ファンドは、農林漁業者が自ら生産した農林水産物を活用して新商品の開発等の新たな事業分野を開拓する加工、流通などの取組を支援し、農林漁業の成長産業化の実現を目指すものでございます。 その際、農林漁業者による加工、流通分野のノウハウや販路の獲得が重要であることから、パートナー企業の資本参画を通じてこのようなノウハウが獲得できるような仕組みとしているところでございますけれども、これはあくまでも農林漁業者自身の新たな事業展開を促進するための企業の参画を求めることをできるようにしたものでございます。このため、出資先となる六次産業化事業体における農林漁業者の主体性が確保されるよう、サブファンドからの出資分を除いた議決権のある株式のうち、農林漁業者の出資割合が過半を占めることを要件としているところでございます。 したがいまして、この要件を見直して、パートナー企業の出資割合が農林漁業者よりも上回ることを可能とした場合、パートナー企業がその議決権の行使を通じて事業運営の意思決定ができるようになりまして、制度本来の政策目的を損なうこととなるということがございますために、慎重に検討すべきものと考えております。 なお、いろいろな御指摘がございましたので、事業の資金ニーズに対応するため、昨年、平成二十六年十月に三点の改正をいたしまして、一定の場合におけるサブファンドの出資割合の引上げ、二点目は無議決権株式の取得による出資総額の引上げ、三点目は農林漁業成長産業化支援機構による資本性劣後ローンによる融資といった措置を講じているところでございまして、これらの内容の周知を通じましてファンドの更なる活用推進を図ってまいりたいという具合に考えておるところでございます。
○儀間光男君 今説明のあったとおりの制度があって、そのとおりうまく活用できたらいいわけでございますけれども、中にはそのファンドに対する利用度がなかなかうまくいかないということで、ある農家は、農協系ファンドは使えなかったけれども、市中へ行ったら金貸してくれたというのが、六次産業化するためにですよ、というのがあったりして、一体政府の制度、今いろいろ説明があったけれども、それどこまでどう浸透しているのかな、どうなっているんだろうと。結局は、弱い農家には合弁会社に出資させないと、こんなようなこともあるのかなと思ったり聞いたりしたんですが、その辺はいかがでしょうか。
○政府参考人(櫻庭英悦君) 先ほど申し上げましたように、やはり農業者の皆さんが自己資本率あるいは借入金割合が高いということからなかなかそちらの事業に手を伸ばせないということで、先ほど三点申し上げた点を基本指針として変えたところでございます。 また、JAの関係で申し上げますと、現在、最新では六十五の六次産業化の企業が生まれておりますけれども、JA関連はこのうち十社と一番多くなってございまして、全国農業協同組合連合会始め県の方々、あるいはJA単協の皆様、そして単協の皆様幾つかが一緒になって行っているというパターンも見られておりましたので、これらの事例を横展開しながら更に進めてまいりたいという具合に考えておるところでございます。
○儀間光男君 農家と企業者側を比べてみると、どうしてもやはり資金的にも体質的にも農家が弱いわけですから、これは農家を良くしよう、農業を良くしようというような法律が趣旨でありますから、どうぞそういうことの御配慮をいただきたいと思います。 次に、十一条の六関係とその同条の二関係について質問をさせていただきたいと思います。 農業協同組合法第十一条の六において、信用事業を行う農業協同組合は、信用事業に係る会計をその他の事業に係る会計と区分して経理しなければならないというふうに条項で示されております。また、同十一条の二においては、主務大臣は、信用事業を行う農業協同組合の経営の健全性を判断するため、信用事業子会社以外の子会社も含めて、ここは大事だと思いますが、自己資本充実の状況が適当であるかどうかの基準を定めることができるとされております。 これらの規定があると、経済事情などで赤字部門の補填や農業振興を担う第三セクター等への出資ができなくなる可能性など、農協の活動が制限されてしまうのではないかと危惧されておりますが、改めて農業協同組合法第十一条の六あるいは十一条の二の趣旨についてお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(奥原正明君) 農協の区分経理とそれから自己資本比率規制の関係でございます。 まず、十一条の六、これが区分経理の関係でございますが、ここは今回の法改正で改正をしているところではございません、従前どおりでございますが、この十一条の六では、信用事業を行う農協は信用事業と他の事業を区分して経理すべきことが定められております。これは、農協が総合事業体であることに鑑みまして、各事業ごとの資産や負債、それから収益の実態を明確に把握できるようにすることによって経営実態を明らかにして農協経営の健全性を確保しようと、こういう規定の趣旨でございます。 しかしながら、この規定があるからといいまして信用事業の収益で赤字事業を補填するということを禁止をしているわけではございませんので、あくまでも経理状況がどうなっているかということを明らかにして組合員がきちんと判断できるようにすると、こういった規定でございます。 それからもう一つが、農協法の十一条の二でございます。こちらも今回改正をしておりませんけれども、この十一条の二におきましては、主務大臣は、信用事業を行う農協につきまして、その保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかの基準を定めることができるというふうになっておりまして、具体的には、これは自己資本比率の規制でございますので、国内業務を行っておりますほかの金融機関と同様に四%以上の自己資本比率を求めていると、こういうものでございます。 これは、預金者保護の観点、それから金融システム全体の安定性の維持という観点で、銀行、信用金庫その他の、ほかの金融機関と全く同様に、保有するリスク資産等に見合った一定水準以上の自己資本比率の確保を義務付けているというものでございまして、これによりまして経営の健全性を確保する、逆に言いますと、貯金者の方から見て安心して農協に貯金できるという状態をきちんと確保するということをやっているわけでございます。 自己資本比率規制はございますけれども、この自己資本比率の範囲内であれば農業振興を担う第三セクター等に農協が出資をするということも当然可能でございますので、そういった出資を禁止をしている規定では全くございません。
○儀間光男君 逆に見ますというと、自己資本率が低い、そうすると切られる可能性があるように思うんですね。赤字をつくっていくから危ないんで切り離してしまおうというような流れを逆に感じないでもないんですが、その辺は一体どうなっていますか。
○政府参考人(奥原正明君) 一般的に、これは農協だけではございませんけれども、農協がどこかに一定の金額を出資をすることになりますと、その出資をしたものはこの自己資本比率を算定するときの分母の方、リスクアセット資産の方に入ることになりますので、要するに分母がその分大きくなりますから、それによって自己資本比率は下がる形になります。 したがって、下がることによって自己資本比率の規制、行政的に四%ですけれども、これを下がることになれば、これはいろんな行政的な改善命令も出ることになりますので、そういったケースにおいては出資については当然慎重に考えなければいけないということになりますけれども、自己資本比率が非常に高い水準、農協の場合には単位農協でも大体一八%ぐらいの自己資本比率はございますので、そういった状況の下ではその範囲内で出資をすることは当然可能であるというふうに考えております。 ただ、出資をするときには、出資先の経営状況がどうかとか、いろんなことをきちんと農協として判断した上で出資をする、これが前提だというふうに考えております。
○儀間光男君 いわゆる自己資本率が低いというと、第三セクターへの出資、やりたくてもそれなかなかできないんで、充足率の低いのは第三セクターへの参加ができないというふうにも理解していいんですか。
○政府参考人(奥原正明君) それは、その農協の自己資本比率の状況が今どうであるかということにまさに懸かっているかと思います。 今申し上げましたように、平均的には、地域の農協につきまして、一八%ぐらいの自己資本比率は持っておりますので、普通のところは健全な第三セクターに出資をするのは可能だと思いますけれども、この自己資本比率が低くなっているところについては、出資については慎重な判断が求められることは当然あり得ると思います。
○儀間光男君 なぜかといいますと、私は沖縄ですけれども、沖縄は県全体が丸ごと離島で、しかも本島のほかに多くの離島があって、その各離島に農協さんがあるわけですね。ここはどうしても、こっちでの、他の地域でのスケールメリットではなかなか測定できない部分があるんです。そういうところに、沖縄でそういう隘路がかいま見られることから少し心配があって、これを終わってからいろいろ議論、討論してみようと、こういうふうに思ったから聞いたわけです。 さて、次進めていきたいと思いますが、農協と第三セクターとの連携でございますが、農林業の担い手不足が深刻化しているのは古くて新しい問題でもあるわけです。中山間地域の自治体などでは地域の農地や森林を保全していくことが喫緊の課題であるが、中山間地域であるがゆえにその不利性は避けられない。そのことから、第一次産業の収益性は低く、また新たに農林業の担い手確保や民間企業の参入も極めて厳しい現況にあるのは承知のとおりです。市町村が出資をし、農協や森林組合などの協力を得て設立されていきます第三セクターなどの公益性の高い取組は極めて重要であり、特に中山間地域においては必要性が高まっていると思うんですね。その必要性は必須な条件として高まっていると、こう思っております。 このような現状認識の中で、今回の農協法改正を契機に、農協は第三セクターと連携をし、さらに農業や地域の活性化につなげていくべきと考えておりますが、農林水産省の見解を賜りたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 今回の改革は、農協が農業者の協同組織であるという原点に立ち返って、地域農協が農業者、中でも担い手の皆さんと力を合わせて、農産物の有利販売、地域農業の振興に全力を投球していただけるような環境を整備するという観点で、農協システム全体の見直しをしております。 したがって、地域農協において、農業者と十分協議をした上で、第三セクターにあるいは出資をしたり、あるいはこれと連携をするということも十分あり得ることだと、こういうふうに考えております。
○儀間光男君 ちょっとこれを離れますけど、この第三セクターの体質をちょっと見ますと、行政でもそうなんですが、非常に赤字体質なんですね。これ、いろいろ人的問題等、組織的問題等もあると思うんですが、大体、行政でいうならば第二役所的な感じになっていくんですね。そして、それぞれの役所から職員が天下っていくような感じ。あるいは、国でいうと行政独立法人、こういうのがあって、この第三セクター、今は農林関係、農水関係ですけれど、行政からも含めて考えてみますというと、さっき言ったような赤字体質がある理由は、長年私、市長もやっていて、いろいろ探ってみて改革をしてきましたけれど、公金が流れていくわけですから、公金が運営資金として流れていくわけですから、行政の第三セクターの経営という感覚には行かないんですね。財政を運営する、つまり、役所やその他から流れてくる公金がありますから、制度などから取ってくる公金があるから、その公金を取ることにたけていて、公金を取ると、これを経営的な感覚で増やして付加価値を高めて、あるいはひょっとすると借金を更にやって付加価値を高めて、それで収益を得るという経営感覚にややもすると欠けてしまう。そういう傾向がこの第三セクターや独立行政法人や、市町村のいう第二役所的な状況に立ち入っているというようなことがあるんですね。 例えば、私が行った改革だと、公共施設管理公社などというのがあったりしたんですが、これをどうしたかというと、どうも、役所から管理施設に流れていく分の財政を運営をして、その施設を預かって、貸したり、いろんな企画展をやったり、企画的なものを組んで収益を上げてペイをしようという努力に欠けるんですね。 そういう意味でこのような改革をしなければならないと、こう思うんですが、この第三セクター制度もこの辺少し心配になるんですが、その辺のことをどう捉えていらっしゃるか、御見解をいただければいいなと思います。
○国務大臣(林芳正君) 一般論で第三セクターのお話をするだけの知見もございませんが、今先生がおっしゃっていただきましたように、そもそもスタート時点で最初から収益が出るということが分かっていれば、何も第三セクターでやらずとも普通に株式会社でやっていただければいいと、こういうこともあって、それではなかなか進まないものを官民で一緒になってやっていこうと、こういう性格がそもそもあるということもあるんではないかと思いますし、それに加えて、今先生おっしゃったように、責任を持って運営をされる方が民間であるような経営感覚を持っていらっしゃるかどうか、これが一つ大きなポイントになるのかなと、こういうふうに思っております。 いわゆるPPPとかいろんな、やり方によって工夫はいろいろ様々あるようでございますけれども、やはり利用者等々から料金を取れるかどうか、こういうこともなかなか性格によって違うものがあるのではないかと、こういうふうに思いますので、なかなか一様に、第三セクター押しなべてこうだというのはなかなか難しいところもございますが、やはり先生おっしゃったように、いろんな要因の中でしっかりとうまくいっているところもあるわけでございます。 したがって、先ほどの話に戻りまして、農協がこういうところと連携をする、あるいは出資をしていくということになってまいりますと、そういうところもよく見極めた上で、農協にとってしっかりとプラスになるというものを農協の中でしっかりと議論していただいた上で判断をしていただくと、こういうことになるのではないかというふうに考えます。
○儀間光男君 もちろん第三セクター全部が全部そうだとは言っておりません。ただ、そういう体質になりやすいというところに一つ配慮が要るだろうというふうに思いますね。立派な経営をやっているセクターもあります。あるんですが、総じて、経営感覚がちょっと麻痺しているセクターだってあるということをここで指摘したかったわけですが。 もちろんこれは、さっき言ったように、中山間地からすると、こういう第三セクターみたいなものがないというと、独自ではなかなかできない。また、政府の政策の手伝いのみではなかなかできることじゃない。しかも、自立性を求めている、自主性を求められているわけですから、そういうことからすると必須な制度ではあると思うんですが、同時にこういうことも内包しますよということをお互い認識する中でその発展につなげていけたらいいなと、こう思います。 ちょうど時間でありますから終わりますけれども、ありがとうございました。
○委員長(山田俊男君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時十三分散会