農林水産委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 230 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2015/12/09
会議録
○委員長(山田俊男君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告申し上げます。 昨日、古賀友一郎君が委員を辞任され、その補欠として島田三郎君が選任されました。 ─────────────
○委員長(山田俊男君) この際、森山農林水産大臣、伊東農林水産副大臣、齋藤農林水産副大臣、加藤農林水産大臣政務官及び佐藤農林水産大臣政務官から発言を求められておりますので、順次これを許します。森山農林水産大臣。
○国務大臣(森山裕君) 皆様、おはようございます。 去る十月七日に農林水産大臣を拝命をいたしました森山裕でございます。この度、就任後初めて御挨拶の機会をいただきましたので、一言申し上げたいと思います。 申し上げるまでもありませんが、農林水産業は、国の基であり、国民生活にとって最も基礎的な物資である食料品等を安定供給するという重大な使命を担っているほか、自然環境の維持など、多面的機能の発揮といった重要な役割を担っております。 また、我が国の農林水産物は、営々と続いてきた農林漁業者の方々の御努力により、世界から安全、安心で高品質なものとの評価をいただくまでになりました。 他方、農業従事者の高齢化や耕作放棄地の増大など、我が国の農林水産業の課題は山積をしており、農政を改革し、農林水産業の活性化を図っていくことは待ったなしの課題であると認識をしております。 また、十月に大筋合意に至りました環太平洋パートナーシップ協定といった新たな国際環境にも対応していかなければなりません。日本の農政は、農政新時代というべき新たなステージを迎えていると思っております。 先般、政府として、総合的なTPP関連政策大綱を取りまとめました。成長産業化に取り組む生産者を応援をするため、競争力強化、体質強化対策を集中的に講じるとともに、協定発効に合わせて経営安定対策の充実等の措置を講じ、関税削減等に対する農林漁業者の懸念と不安を払拭をし、TPP協定発効後の経営安定に万全を期すこととしております。 あわせて、これまで進めてまいりました農林水産業・地域の活力創造プラン等に基づく農政改革を着実に実施することにより、新たな国際環境の下でも強くて豊かな農林水産業と美しく活力ある農山漁村を実現をしてまいります。 政策の実施に当たっては、現場の声に応えていくことが何よりも重要であると考えております。就任以来、私自身も機会あるごとに現場に足を運ばせていただきましたが、引き続き、私が先頭に立って、現場の声に寄り添って、両副大臣、両政務官、そして職員全員と一つのチームとなって諸課題に取り組んでまいります。 山田委員長を始め委員各位におかれましては、今後とも一層の御指導、御鞭撻を賜りますようにお願いを申し上げ、御挨拶といたします。
○委員長(山田俊男君) 続きまして、伊東農林水産副大臣。
○副大臣(伊東良孝君) おはようございます。 この度、農林水産副大臣を拝命いたしました伊東良孝でございます。 私は北海道出身でございますので、特にこの農林水産業、重要課題が山積しておるところであります。この解決に全力を挙げて取り組みたいと、このように思う次第であります。 森山大臣を支え、齋藤副大臣、そして加藤、佐藤両政務官共々、諸課題の解決に当たらせていただきたいと思う次第でございます。 山田委員長を始め委員の皆様方の今後とも御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
○委員長(山田俊男君) 続いて、齋藤農林水産副大臣。
○副大臣(齋藤健君) おはようございます。 この度、農林水産副大臣を拝命いたしました齋藤健でございます。 森山大臣の下、伊東副大臣、加藤政務官、佐藤政務官とともに、チーム森山として一丸となって農林水産業発展のため、微力ではありますが全力を尽くしてまいる所存でございます。 山田委員長を始め委員の皆様方の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
○委員長(山田俊男君) 続きまして、加藤農林水産大臣政務官。
○大臣政務官(加藤寛治君) おはようございます。 この度、農林水産大臣政務官を拝命いたしました加藤寛治でございます。 森山大臣の下で、副大臣、政務官、事務方と力を合わせて農林水産行政推進のために一生懸命頑張ってまいる決意でございます。 山田委員長を始め委員の先生方の御指導、御鞭撻を心からお願いを申し上げて、就任の御挨拶に代えさせていただきたいと思います。
○委員長(山田俊男君) 続きまして、佐藤農林水産大臣政務官。
○大臣政務官(佐藤英道君) おはようございます。 引き続き農林水産大臣政務官を務めさせていただくことになりました佐藤英道でございます。 森山大臣の下、伊東副大臣、齋藤副大臣、そして加藤政務官と一体となって我が国の農林水産業の発展のために身を粉にして働いてまいる決意でございます。 山田委員長を始め委員の皆様方の御指導、御鞭撻、よろしくお願い申し上げます。
○委員長(山田俊男君) ありがとうございました。 齋藤農林水産副大臣及び加藤農林水産大臣政務官は御退席いただいて結構でございます。 ─────────────
○委員長(山田俊男君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官澁谷和久君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山田俊男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(山田俊男君) 農林水産に関する調査のうち、環太平洋パートナーシップ(TPP)協定に関する件及び畜産物等の価格安定等に関する件を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○堀井巌君 おはようございます。自由民主党の堀井巌でございます。 まず、改めまして、森山大臣そして伊東副大臣、御就任誠におめでとうございます。また、佐藤政務官におかれましては、引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。 大臣、副大臣、御就任後初めての参議院での質疑、トップバッターを務めさせていただくことを大変光栄に存じます。 TPP協定に関する質問に入る前に一言お礼と質問を申し上げたいと思います。 森山大臣におかれましては、去る十二月の六日と七日、御多忙のところ、二日間にわたりまして私の地元奈良県にお入りいただきまして、農林業の現場を御視察されました。農林業従事者、それからまた地元自治体等の関係者にとっては本当に大きな励みになりました。本当に心から感謝を申し上げます。 私は、日程の一部ではございましたが、奈良県の十津川村というところで、四年前の紀伊半島大水害からの復旧復興を目指す直轄治山事業現場、また、四輪駆動車に乗り換えまして、急峻な林道を進んだ場所での木材搬出現場の視察に同道をさせていただきました。 今般、この視察に行かれまして、現況を御視察いただいた、特に林業の現場についての所感、お伺いできればと存じます。
○国務大臣(森山裕君) 今週の日曜日から月曜日にかけまして、奈良県を縦断する形で農林関係の現場を見させていただきました。また、月曜日には堀井委員にも御同行をいただきまして、大変ありがとうございました。 今回の視察では、まず見させていただきましたのは、高品質なかぶせ茶をフランスにも輸出をしておられるお茶農家の方のお話を聞かせていただきました。フランスでデザインをされた容器に詰めて輸出をやっておられるということで、まさに文化としての輸出なんだなということを改めて思うことでございました。 また、日本一の柿の産地であります五條市におきましては、高品質な柿の長期出荷体制を確立をしておられまして、若い人たちがかなり柿農家として就農しておられるという話を伺い、また、今年は既に香港等にも輸出の実績を積み重ねておられまして、また、柿を栽培しておられる現場は、農作物を作るには大変条件の厳しいところだなというところに柿の園地がありますので、それぞれの地域に適した御努力をなさっているんだなということを改めて思うことでございました。 また、食の担い手、いわゆるシェフを養成するとともに、六次産業化の研修拠点として、奈良県の農業大学校をなら食と農の魅力創造国際大学に改組しておられる事例も見させていただきまして、自分たちの地域にある大和野菜を中心に、どうフランス料理と日本食を融合させていくのかということにシェフの皆さんが取り組んでおられるという現場も見させていただきまして、今後の新しい方向の一つではないのかなというふうに思うことでございました。 また、中山間地では、行政と地域が一体となりまして、薬用作物の生産振興を通じて六次化に取り組んでおられる現場も見させていただきましたが、もう今から千五百年ちょっと前になるんでしょうか、その頃から薬草があったと言われる地域でございますので、そこの土地が持っている歴史というのは本当に大事なことなんだなというふうに思いましたし、まさに農業というのは土壌との関係が非常に深いんだろうなというふうに思うことでございましたが、ここが県と市と農家の皆さんと一体的にやっておられる取組というのは評価ができるというふうに思うことでございました。 また、奈良県は特に女性の皆さんの活躍が非常に著しいところでありますし、農業従事者が増加傾向にあるということも、私にとりましては視察をさせていただいて大変力強く思うことでございました。 あと、伝統的な林業地であります吉野・十津川を訪れさせていただきまして、川上から川下まで、高性能林業機械を用いた伐採の現場や、地域材を利用した中学校の校舎や、災害から地域を守る治山の現場などを視察させていただいて、関係の皆さんの御努力に頭の下がる思いでございました。 また、この十津川村は、十津川の森林組合が中心になって、自分たちの材というのは非常にいいものだということを立証するために、それぞれの材の強度とかあるいは水分の含有率とかというものをきちっと測って、それを明示しながら、工務店と連携をして十津川産材を販売しておられるという努力は本当にすばらしい取組だなというふうに思うことでございました。 今後とも、いろんな現場を見させていただきまして、いい事例を横展開をさせていただくということが大事なことだなというふうに思いますし、改めて、農業、林業というのは、それぞれの地域の特性を生かした政策をしっかりやるということが大事なことだなということを今回の視察で改めて認識をしたところであります。
○堀井巌君 ありがとうございました。 お茶の話、そして大和野菜、柿、そして薬草、それぞれ、地域においては攻めの農政ということで、高付加価値化、そして輸出の拡大に向けて一生懸命農業従事者の方は取り組んでおりますので、特に今後とも御支援のほどよろしくお願いしたいと思います。 林業に関してもう一つだけお伺いをさせていただきたいと思います。 林業の成長産業化というふうに今言われておりますけれども、地方創生の観点からも、特に中山間地域においては極めて重要であると常々感じているところでございます。 特に、やはり木材需要の拡大が大事でありますけれども、いわゆるCLT、そして木質バイオマス、こういったことも大変重要であります。これらはもとより、私は、住宅の柱などに利用される価格の高いA材、木材利用の推進をしっかりと図っていくことも大変これはやはり重要ではないか、そしてその木材を高付加価値化していく、このことが重要ではないかというふうに思っておりまして、林業の成長産業化の実現へ向けた大臣の御決意を伺いたいと存じます。
○国務大臣(森山裕君) 堀井委員が言われますとおり、A材の活用をどう拡大していくかということが極めて大事なことだというふうに思っております。 このA材の需要拡大に向けましては、まず、住宅やあるいは公共建築物への利用拡大に更に努力をしなければなりませんし、オリンピックの施設、パラリンピックの施設等についても積極的に木材を利用していただけるように今後もしっかり頑張りたいと思っております。 それと、CLTの課題でございますが、今、国交省の方でも建築基準のことについては積極的な対応をしていただいておりまして、来年度の早い時期には一定の整理が付くのではないかというふうに思っておりますので、CLTで木造高層住宅を造っていける、高層の建物を造っていけるということが大事なことだと思いますので、そのことにもしっかり努力をさせていただきまして、また、バイオマスの利用促進とも併せて取り組んでまいりたいというふうに考えております。 以上であります。
○堀井巌君 御決意をお聞かせいただきまして、ありがとうございました。 林前大臣はいつも、林業の御決意を伺ったときに、私の名字を見てください、林ですとおっしゃっておりました。今度の大臣は木が一つ増えて森になって、そして山まで付いているということで、本当に心から御期待を申し上げております。 それでは、TPP協定に関する質問に入らせていただきたいと思います。 これまで大臣におかれては、自民党のTPP対策委員長として、農林水産業の生産現場の声を受け止めながらこの交渉を見守ってこられました。そして、十月五日に米国アトランタにおけるTPP閣僚会合において協定の大筋合意がなされました。 改めて、今、大臣のこのTPPの大筋合意についての御所感をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(森山裕君) TPPは、日本が交渉に参加をする前はホノルル宣言が前提でありました。まさに聖域なき関税撤廃が求められるような交渉には参加をしてはならないという思いで皆さんと一緒に努力をしてきたところであります。 その後、一昨年の二月に行われました日米の首脳会談において、我が国の農産品にはセンシティビティーがあることが確認をされた上で、我が国は交渉に参加を決断をいたしました。その後、バランスの取れたという表現が入り、交渉が進んでまいりまして、大筋合意ができたことはよかったなと思っておりますし、バランスの取れた交渉であって初めて十二か国が大筋合意ができたのではないか、聖域なき関税撤廃という前提が転向されたことが何よりだったなというふうに思っております。 交渉に当たりまして、私は、自民党のTPP対策委員長として、国益をしっかり守り抜くこと、日本の農林水産業を成長産業化させていけるかどうかということを常に考えてまいりました。TPP大筋合意に至りましたけれども、厳しい交渉の中で、政府・与党が一体となって、国会決議が最も強い後ろ盾として全力を尽くした結果だというふうに思っております。 一方で、保秘義務が掛かった交渉であったことから、現場にはなお不安の声があることも承知をしており、現場の声に寄り添って、政府全体で責任を持って万全の国内対策を講じていくことが今から我々に課せられた大事な課題であるというふうに思っているところであります。 以上でございます。
○堀井巌君 ありがとうございます。 次に、衆参の農林水産委員会決議でも明記されるとともに、特に厳しい交渉となりました米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物、いわゆる重要五品目の合意内容につきまして、具体的内容を簡潔にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(大澤誠君) 事実内容でございますので、説明させていただきます。いわゆる重要五品目につきまして簡潔に御説明いたします。 まず、米でございますが、制度の根幹であります国家貿易制度を維持しまして、その制度の下で、最終的に合計七万八千四百トンの国別枠を設置することといたしました。なお、枠外税率については維持することといたしました。 麦につきましても、国家貿易制度を維持し、その制度の下で新たな関税割当て枠を設置いたしました。また、国が徴収するマークアップの段階的引上げも決定されました。なお、枠外税率については維持することとされました。 甘味資源作物でございますが、制度の基本であります糖価調整制度は維持することとなりまして、その上で、一部の調製品について関税割当て枠を設置することといたしました。 牛肉・豚肉でございます。牛肉につきましては、十六年目に九%まで関税を削減するということ、それから輸入急増に対するセーフガードを措置することといたしました。豚肉につきましては、十年目に従価税部分を撤廃、従量税部分につきましては五十円まで引き下げることといたしましたが、差額関税制度を維持し、分岐点価格は現状のままといたしました。また、輸入急増に関するセーフガードを措置したところでございます。 最後に乳製品でございますが、バター、脱脂粉乳の国家貿易制度を維持するとともに、ソフト系チーズなど、今後伸びが期待できる分野について関税を維持したところでございます。 以上でございます。
○堀井巌君 政府がこのTPP交渉に参加して以来現在に至るまで、日本の農林水産業に与える影響については大きな不安や懸念が示されてきました。そういった思いを体現したものとして、この国会においても衆参の農林水産委員会において決議が行われたわけであります。 今回のこの大筋合意の内容は、衆議院、なかんずく我々参議院、この国会の農林水産委員会決議をしっかり踏まえたものとなっているのかどうか、この点についてお伺いをしたいと存じます。
○副大臣(伊東良孝君) 重要五品目の合意内容、そしてまた国会決議との整合性についてのお尋ねでありますが、先ほども森山大臣から御答弁をさせていただきましたが、今回のこのTPP交渉につきましては、甘利大臣、また政府交渉団がこの国会決議を後ろ盾にいたしまして交渉をされたものであります。また、農林水産品の総タリフライン二千三百二十八ラインのうち四百四十三ライン、一九%を関税撤廃の例外とし、また、重要五品目を中心に国家貿易制度や枠外税率を維持するなど、交渉として最大限の努力がなされた結果だと、このように受け止めております。 一方では、保秘義務が掛かった交渉でありましたことから、現場には情報不足ということもあり、不安の声があったことも承知をいたしているところであります。 このため、意欲ある農林漁業者が確実に再生産ができるよう、さらに、将来に向けて希望を持って経営に取り組めるよう、交渉で獲得をした措置と併せまして、政策大綱に基づきまして政府全体で責任を持って万全の国内対策を講じていく考えでおります。 最終的には国会で御審議いただくことになるわけでありますが、政府といたしましては、この国会決議の趣旨に沿っているものと評価していただけると考えているところであります。
○堀井巌君 ありがとうございます。 農業者の方々の懸念、不安を払拭していくためには、今御答弁ありましたように、やはり万全の対策、経営安定対策を講じていくことが私は必要だというふうに思います。自民党においては、対策の検討に当たり、党内で本当に数多くの議論を重ねるとともに、全国に出向いて農業者の声を聞き、政府に提言をしたところでございます。 農林水産省においては、このような声をどのように受け止めてどのような対策を行うのかについて、現時点でお答えできるものがあれば是非よろしくお願いしたいと思います。
○副大臣(伊東良孝君) 国内対策の取りまとめに当たりましては、与党におきましても、関係団体等からのヒアリングあるいは地方キャラバンなど、現場の声を踏まえた活発な御議論をいただき、政府への申入れが行われたと、このように承知をいたしているところであります。 政策大綱におきましては、こうした与党からの御提言を踏まえまして、攻めの農林水産業への転換として、農林漁業者の経営発展に向けた投資意欲を後押しする競争力強化、体質強化対策を集中的に講じていくとともに、経営安定、安定供給のための備えとして、協定発効に合わせまして経営安定対策の充実等、現場の懸念と不安を払拭するための措置を講ずることとしたところであります。 引き続き、これまで産業政策と地域政策を車の両輪といたしまして進めてきた攻めの農林水産業に向けた施策を着実に推進していくとともに、TPPに係るこれらの国内対策を講ずることにより、新たな国際環境の下でも強くて豊かな農林水産業、美しく活力ある山村、漁村をつくり上げてまいりたいと、このように考えております。
○堀井巌君 ありがとうございます。 是非とも万全の対策を講じていただきたいと思います。何よりも不安を払拭していくためには、政府においては十一月二十五日に総合的なTPP関連政策大綱、決定されたと思いますけれども、こういったものを是非とも十分に農業者の方々に周知をしていただきたいと、このように思っております。これは要望というふうにさせていただきたいと思います。 続きまして、今回のこのTPP協定、これ、世界経済の四割を占める巨大な経済圏が生まれるということでございます。農業においても、今、従事者の高齢化等いろいろ将来不安を抱える中で、むしろ攻めの農政ということで、このTPP協定を機に新しい農業の可能性も見出していけないのかと、このように期待もするところでございます。 今回のこのTPP協定の大筋合意、農業者へのメリットという観点から、どのようにお考えかをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(大澤誠君) 農業者のメリットについて、TPPの合意内容をお答えいたします。 TPP交渉におきましては、牛肉、水産物、米、日本酒、茶など、我が国の農林水産物・食品の輸出拡大の重点品目の全てで関税撤廃を獲得したところでございます。 中でも、まず米国向けの牛肉につきましては、十五年目に関税が撤廃されるまでの間、現行の米国向け輸出実績の二十倍から四十倍に相当する数量の無税枠を獲得したところでございます。また、近年輸出の伸びが著しいベトナム向けの水産物につきましては、ブリ、サンマ、サバなど全ての生鮮魚、冷凍魚につきまして即時の関税撤廃を獲得したところでございます。このような措置も活用いたしまして輸出拡大を促進してまいりたいと思います。現在、我が国からTPP十一か国への農林水産物・食品の輸出は対世界への輸出額の約三割を占めている重要な市場だというふうに認識しております。 なお、先ほどの私の答弁で、麦の合意内容について若干読み違えがございましたので修正させていただきます。申し訳ございません。 麦につきましては、マークアップの部分については国が徴収するマークアップを段階的に引き下げるという結論でございます。申し訳ございませんでした。
○堀井巌君 ありがとうございます。 輸出拡大について更にちょっとお伺いをしたいと思います。 今、我が国は二〇二〇年、まさにオリンピック・パラリンピック・イヤー、平成三十二年に農産物輸出一兆円ということで目標に掲げて取り組んでいるというふうに承知をしております。 今、今回のTPP合意を契機に輸出拡大にもつながる、特に相手国の関税が撤廃されるというお話がございました。しかし、そういった相手国の関税が撤廃されるということだけではなくて、具体的にどのような形で実際に輸出拡大が本当に起こり得るのかということ、もう少し農林漁業者の方々が前向きに具体的に考えられるように、何か例があればそれを示しながら少し御説明を、御答弁をいただきたいというふうに思います。
○大臣政務官(佐藤英道君) TPPの大筋合意におきましては、米や牛肉、水産物、日本酒、茶、青果物など、我が国農林水産物・食品の輸出拡大の重点品目の全てにおきまして相手国の関税が撤廃されることになったところであります。是非、これらの国々への輸出拡大が期待されると考えているわけでございます。 特に全国各地での輸出の取組も着実に広がっておりまして、例えば堀井委員の御地元であり、先日、森山大臣が訪問いたしました奈良県におきましては、JAが十年来、特産の柿の輸出に取り組んでおります。また、北海道におきましても、ホタテが世界各国への輸出を伸ばしているほか、アイスクリームもベトナムに輸出をされているところでございます。 こうした取組を全国的に広めつつ、先日取りまとめられた政策大綱に基づきまして、重点品目ごとの輸出促進対策、戦略的な動植物検疫協議等の取組を実施をしながら、平成三十二年の農林水産物・食品の輸出額一兆円目標の前倒し、是非この達成を目指し、農林漁業者が将来に向かって希望を持って経営に取り組んでいけるよう取り組んでまいりたいと考えております。
○堀井巌君 ありがとうございます。 それぞれの地域において、今、奈良県の例もお示しいただきましたが、様々な今取組を試行錯誤しながら、あるいは以前から一生懸命皆さんやって、この総体が平成三十二年の一兆円の目標前倒しにつながっていくんだというふうに思います。そのためにも、やはりそれぞれの個別具体の努力に対してきめ細かく目配りをしていただいて、できる限りのサポート、支援をお願いしたいというふうに心から要望を申し上げます。 さて、最後に大臣にお伺いをしたいと思います。 今回、このTPPの合意内容、そして政府の対策の大綱を踏まえて、今後の農政の展開についてどのように今お考えであられるのか、大臣の御決意をお伺いしたいと存じます。
○国務大臣(森山裕君) TPPの大筋合意を受けまして、我が国の農政はまさに農政新時代というべき新しいステージを迎えていると考えております。この農政新時代を切り開いていくためには、現場が直面している課題に目を背けることなく、新たな技術やほかの分野の知恵なども総動員をして対応していく必要があるというふうに考えます。 そのような時代の転換期に立っているという意識を持って、TPPを契機に日本の農林水産業、農山漁村は元気になったねと言われるように、農林水産省一丸となって問題の解決に取り組んでまいりたいと考えております。 以上であります。
○堀井巌君 農林水産業の現場が元気になったね、その言葉を私は今重く受け止めました。心からその実現を期待しておりますし、また農林水産省の大臣以下皆さんの御尽力を期待いたしまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○舞立昇治君 自民党の舞立昇治でございます。堀井先生に続きまして質問させていただきます。 まずは、森山大臣、そして伊東副大臣、御就任おめでとうございます。よろしくお願いいたします。佐藤政務官におかれましても、引き続きよろしくお願いいたします。 それでは、私の方からは畜産関係中心にやらせていただきたいと思いますが、まずは、やはりこの度のTPPの大筋合意によりまして牛肉の関税三八・五%が協定発効後十六年目に九%になるなど、生産者の中で最も不安を与えているのが畜産、酪農分野であることは誰もが認めるところだと思っております。 先月、政府の方で決定した政策大綱によりますと、牛・豚マル緊の法制化や補填率のアップ、豚マル緊については国の負担率の引上げ、畜産クラスター事業の拡充等が盛り込まれるとともに、対策はこれで終わりということではなくて、農林水産業の成長産業化を一層進めるために必要な政策については来年秋を目途に具体的内容を詰めていくというふうにされておりまして、一定の評価ができると思いますが、その反面、来年秋を目途に検討をまだまだ要するものがあるということで、対策の全容の詳細まではいまだ明らかになっているとは言い難い状況とも言える状況でございますので、やはりその辺が見えてこないことには、私を含め農業関係者の皆さんにとって、真に国会決議が守れたかどうかの判断は難しいなと考えております。 現場の生産者の皆様に国会決議を守ったと思っていただけるように、日本の畜産、酪農の将来を持続可能なものとし、確実に再生産可能な環境を整備していくためにも、まさにこれからが政治の実行力、真価が問われる正念場だと思っておりますので、農水省におかれましてもしっかりと重く受け止めていただきたいと思います。 それでは本題に入っていきたいと思いますが、国内の畜産・酪農経営の現状におきましては、私の地元の鳥取県でもそうでございますが、TPPとは関係なく、飼養戸数、飼養頭数の減少、担い手や後継者不足、飼料価格の高止まりや子牛価格の異常な高騰など、持続可能性を失いかけている状況であるというところだと思います。こうした状況の中で更にTPPが厳しさに追い打ちを掛ける格好となり、生産者の皆様の不安はいかばかりかと拝察しております。 TPPによる関税の大幅な引下げはまだまだ先といって手をこまねいている場合ではなくて、新規参入促進等の担い手・後継者対策、生産基盤、繁殖基盤の強化、経営体質の強化、そして経営所得安定対策の強化など、早急に図っていくことが喫緊の課題と考えております。 まず、担い手・後継者対策について行きたいと思いますけれども、その前に飼養動向について若干触れたいと思います。 私の地元鳥取県におきます飼養戸数でございますけれども、平成二十五年の三百六十九戸から、肉用牛の関係でございますが、二十六年は七・九%の減少、そして二十六から二十七にかけて五%の減少で、今では三百二十三戸になっております。この減少傾向は大体全国と同様の傾向にございますが、飼養頭数の方はといいますと、二十五年の一万九千八百六十九頭から二十六年には四・九%減少したんですが、二十七年にかけてはマイナス〇・五%の減少とほぼ横ばいで、全国では三%減少しているのに対してよく頑張っているところかなというふうに思っております。特に、鳥取県、特に子取り用の雌牛の頭数が二十六年の三千七百二十頭から二十七年は三千八百頭に増加に転じておりまして、明るい兆しも見られるところでございます。 そして、酪農でございますけれども、鳥取県の場合は県内一酪農協体制でございまして、大山乳業さんが非常に県民に親しまれながら頑張っておられますけれども、現在、百四十三戸の酪農家が約六千頭の母牛を飼養し、年間五万六千トンの生乳を生産しております。飼養戸数は、平成二十年から二十六年、統計上の関係でございますが、六年間で三二%減少しております。 この三二%の減少ですが、同時期の全国平均二四%の減少、そして北海道を除いた都府県ベースでもマイナス二八%の減少と、これに対しての三二%の減少ですから結構深刻な状況と言えますが、飼養頭数、経産牛で見た場合には、同じ期間の比較で鳥取県はマイナス一二%の減少で、都府県ベースで見た場合には同期間でマイナス一八%の減少なので、緩やかな状況かと言えます。何とか規模拡大を図りながら必死で頑張っていただいているという状況かと思います。 いずれにいたしましても、やはり飼養戸数、飼養頭数の全国的な減少を一刻も早く食い止めることが非常に重要な課題でございます。まずは、この飼養戸数の減少の状況を踏まえまして、離農の要因、それに対する新規参入促進等の担い手・後継者対策における国の取組状況についてお聞かせいただければと思います。
○政府参考人(今城健晴君) お答えします。 舞立先生おっしゃるとおり、全国ベースで酪農戸数、七年で二八%減、肉用牛農家戸数は七年間で三二%減という状況でございます。 畜産、酪農から離脱した農家というのがその要因は何なのかということにつきまして、本年十月から十一月にかけまして農水省で調査をいたしましたところ、やはりパーセンテージとしては、高齢化、後継者問題が最も多く、次いで経営者の事故等ということになっておる次第でございます。 そういうことも踏まえまして、まずTPPの現状を踏まえてその対策大綱、これを踏まえて、マル緊の法制化等、将来をしっかり明確にしていくというようなことに加えまして、今委員御指摘のとおり、担い手、経営者を確保するということが重要だと考えておりますので、やはり地域ぐるみでの収益性の向上により地域の畜産経営の継続を図る、そういうことに併せて、後継者や新規就農者への円滑な経営の継承、継続にも資するという観点から、畜産クラスター事業、これを活用して、クラスター計画に基づく施設、機械の整備を支援するといったことを中心に、しっかりその問題に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○舞立昇治君 ありがとうございます。しっかりよろしくお願いいたします。 今ほど御指摘いただきました畜産クラスター事業につきましては非常に期待が大きいところでございますけれども、この事業につきましては、やはり現場でよく聞きますのが、予算枠が足りない、単価が低い、支援対象を拡充してほしい、家族経営でも取り組めるような法人化要件の緩和など弾力的な運用をしてほしい、使い勝手をよくしてほしい、取組期間を延長してほしいなど、様々な御要望を聞いているところでございます。 この点、クラスター事業は、平成二十六年度、昨年度の補正で創設された事業でありまして、現場ではまだまだ制度の詳細が十分周知されていないのかなというふうに思っている部分もございまして、まずは制度創設の前後で、それまでの事業、政策に比べてどのような改善、拡充が図られているのか、分かりやすく説明をお願いしますとともに、今後、事業の一層の拡充に向けた検討状況についてもお聞かせいただければと思います。
○政府参考人(今城健晴君) 御指摘いただきました畜産クラスター事業でございます。この趣旨は、地域で関係者が連携して地域全体で収益性の向上を図るという趣旨でございます。 委員御指摘のとおり、このクラスター事業、平成二十六年度補正事業でスタートしたわけでございますけれども、それまでのいわゆる施設整備事業と異なりまして、一つは、いわゆる共同利用原則五戸以上というような対象要件を外しまして、個別経営体の施設整備も支援の対象とするということのほか、中心的な経営体に支援を集中するということもございましたので、補助率を三分の一から二分の一へかさ上げするというようなことでスタートをしたということでございます。 ただ、現在、クラスター事業につきましては、現場の方から、一つは、建設コストの上昇等により上限単価が実態より低くなっているのではないか、そういうことで実質補助率が二分の一に満たないようなことになっている場合もあるので見直してほしい、あるいは、地域で連携を図りながら収益性に向けた取組を行う家族経営にも漏れなく支援がなされるよう要件を緩和してほしいなどといった要望をいただいておるという現状にございます。 したがいまして、それらの要望に対しましては、地域における連携の取組を通じてこの畜産クラスター事業の効果が十分に発揮されるようにするといった観点からどのような見直しが可能か、検討を行ってまいりたいということでございます。
○舞立昇治君 ありがとうございます。 いろいろ改善に努めていただいていることには非常に感謝を申し上げたいと思いますが、やはりまだまだ十分でないという声もございますので、不断の見直しをお願いしたいと思います。まさに、やはり地域ぐるみでの収益性の向上なんだという趣旨をしっかりと確保した上で弾力的な運用に努めていただきたいと思います。 この事業につきましては、昨年度補正と今年度当初で二百七十九億円と、厳しい財政状況の中でも極力確保していただいていることには感謝いたしますけれども、地方からの要望額は優に六百億を超えている状況で、全然足りない状況でございます。 クラスター事業への期待が大きいだけに、本年度の補正、そして来年度当初予算に向け、全国からの要望が適切に反映できるのか不安なところでございます。是非、質、量共に、つまり内容、使い勝手、規模共に事業を拡充し、必要な予算額確保に向けた決意について、最後、大臣からお願いいたします。
○国務大臣(森山裕君) 畜産クラスター事業は、先般決定をされました政策大綱においても、その拡充が体質強化のための畜産・酪農収益力強化総合プロジェクトの柱として位置付けられております。 農林水産省としては、必要な予算額の確保に補正予算を含めて万全を尽くした上で、畜産クラスター事業の効果が十分に発揮されるようにするとの観点から、どのような見直しが可能かも検討してまいりたいと考えております。 以上であります。
○舞立昇治君 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。 同時に、大綱には、基金など弾力的な執行が可能となる仕組みを構築するという記載もございます。現場が安心感を持って中長期的に取り組んでいけるよう、基金化の検討も是非よろしくお願いいたします。 続きまして、生産基盤、繁殖基盤の関係でございますが、現在、特にやはり大きな問題となっているのが子牛価格の異常な高騰でございます。特に黒毛和種の現在の値段、五年前の平均価格と比べて倍の一頭七十万を超える状況でございます。飼料価格の高止まりも問題なのに加えて、和子牛価格の異常な高騰は、肥育経営の素畜費の圧迫、繁殖経営でも繁殖用の子牛の購入費の圧迫等によりまして、肥育、繁殖経営どちらにとっても好ましい状況とは言えないと考えております。担い手・後継者対策の強化と同様に、飼養頭数の減少にもしっかりと歯止めを掛けていく必要がございます。 冒頭触れましたが、鳥取県の場合、子取り用雌牛の頭数が増加に転じ、明るい兆しが見えてきておりますが、鳥取県だけではなく全国的に波及させていくためにも、増頭対策への更なるてこ入れ、繁殖基盤の一層の強化が必要と考えておりますが、現在の国の取組状況や、更なる対策の強化に向けた今後の方針について伺いたいと思います。
○副大臣(伊東良孝君) 肉用牛の繁殖経営におきましては、経営者の高齢化の進展等によりまして飼養戸数の減少が続いていることを踏まえ、繁殖雌牛の増頭また導入対策につきまして、平成二十六年度から奨励金単価の引上げ等大幅な拡充を行ってきたところであります。また、平成二十六年度補正予算及び平成二十七年度当初予算におきましても、乳用牛に和牛の受精卵を移植し和子牛の生産を拡大する取組、また発情発見装置と情報通信技術、ICTを組み合わせて、受精適期を検知し繁殖性の向上を図る取組、さらに、畜産クラスターによる収益性の向上に必要な機械リースや施設の整備、新規参入における繁殖雌牛の導入等を支援をいたしているところであります。 このような対策を総合的に実施することなどで、今後とも肉用牛の繁殖基盤の強化に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。
○舞立昇治君 ありがとうございます。 いろいろと充実に努めてきていただいているということで、是非今後も様々な角度から充実につきまして御配慮いただきたいと思います。 次に、畜産物価格等について移りたいと思いますけれども、今後、諮問、決定されていく加工原料乳生産者補給金の単価、交付対象数量、そして肉用子牛生産者補給金の保証基準価格等につきましては、今回はTPPの大筋合意後初ということだけに、現場からは大変注目されております。TPPで一層厳しい環境が予想されるだけに、現場からの不安や期待に十二分に応えられるように、今まで以上にきめ細かく、確実に再生産可能な所得を確保できる水準にしていく必要があるかと思います。 ちょっと時間の関係上、まとめたいと思いますけれども、加工原料乳生産者補給金の単価や交付対象数量、そして肉用牛の子牛生産者補給金の保証基準価格等の現在の来年度に向けた検討状況をまず御説明していただきたいということとともに、同時に、例えば加工原料乳でいきますと、TPPの政策大綱では、生クリーム等の液状乳製品を加工原料乳生産者補給金制度の対象に追加し、補給金単価を一本化した上で、当該単価を将来的な経済状況の変化を踏まえ適切に見直すと明記され、更に注記で、準備が整い次第、協定発効に先立って実施とございます。これについての見直しのスケジュール感や方向感、そして肉用牛の子牛生産者補給金につきましての政策大綱によりますと、現在の経営の実情に即したものに見直すというふうにございます。 これにつきましても、見直しの検討状況、これにつきまして、後段につきましては、政策大綱のところは是非ちょっと前向きな方向で答弁いただければと思いますが、現在の来年度に向けた検討状況と併せて御答弁願います。
○副大臣(伊東良孝君) 今、加工原料乳の生産者補給金の見直しについて御質問でありました。 これにつきましては、算定ルールにのっとりまして、単価につきましては生産資材や副産物等の直近の動向を反映させ、交付対象数量につきましては生乳の生産事情や乳製品の需要等を考慮いたしまして、食料・農業・農村政策審議会の御意見をいただきつつ、適切に決定をしてまいりたいと考えております。 また、今お話ございました、先般決定されました政策大綱におきまして、加工原料乳生産者補給金制度の対象に生クリーム等の液状乳製品を追加するとともに、補給金単価を一本化することとしておりまして、この制度設計を含めて、できるだけ準備を急ぎ、平成二十九年度からは実施できるように対応してまいりたいと考えております。 また、肉用子牛生産者補給金制度の保証基準価格等についてでありますが、これにつきましては、現在のルールにのっとって生産コストの変化率等を反映し、これも食料・農業・農村政策審議会の御意見を踏まえた上で適切に決定したいと考えております。 政策大綱におきましては、肉用子牛保証基準価格を現在の経営の実情に即したものに見直し、TPP発効後において子牛の再生産確保が可能な水準となるよう算定することといたしております。この見直しは、TPP協定による関税削減等の影響に対応するものでありますことから、TPP協定の発効に併せて措置することが適当だと、このように考えております。 以上であります。
○舞立昇治君 ありがとうございます。 この畜産物価格等につきましてはTPP後初ということでございますが、来年度は基本的に現状の基準どおりということで淡々とやるということだと思いますけれども、TPPの発効が二年後とも言われておる状況でございますけれども、生産者の期待に応えられるよう、そして十分な所得が、再生産可能な所得が確保できるような感じで、経営の実情をしっかりと、そして今の基準では捕捉できない部分があるんじゃないかとか、様々な角度から御検討いただいて、しっかりと生産者にとって十分安心できる制度にしていただければというふうにお願いしたいと思います。 そして、最後でございますけれども、やはり今の畜産の厳しい現状、そしてTPPによる更なる過酷な将来、これを考慮しますと、今後の政策の見直しが単に現行制度の延長線上にとどまれば、マル緊にせよ、補給金制度にせよ、そして経営費プラス家族労働費の八割を下回った際に差額の四分の三を補填する肉用牛の繁殖経営支援事業にせよ、赤字経営が続いていけば、やはり家族労働費も十分に賄えず、幾ら担い手対策や生産・繁殖基盤の強化等をしても、一部の先頭集団、トップ集団は今までの措置で、制度の拡充で大丈夫かもしれませんですけれども、やはり全体としては将来への不安がまだまだ拭えないところでございまして、十分効果を発揮できないおそれがございます。 やはり国として自信を持って再生産できる環境を用意していますよと言えるようにするためには、当然、輸出拡大やクラスター事業の充実、大規模化の推進等、一部のトップ集団の育成強化、つまり、産業政策に偏らず、やはり第二、第三、第四集団といった中間層にも安心してやりがいを持って取り組んでいただけるようなセーフティーネット対策、つまり地域政策の充実、これが非常に重要だというふうに考えております。 この点、将来に向けまして、魅力ある持続可能な経営が実現できるように、例えば経営体の規模等の類型に着目しましてそれぞれの経営類型ごとの指標を示して、十分な所得を確保できる実効ある経営所得安定対策の確立など、中長期的な政策の骨太方針なり示していく必要が来年秋に向けてあると思いますですけれども、最後、大臣の御見解なり御決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(森山裕君) TPPの大筋合意によりまして長期的な関税削減の影響が懸念をされる中で、畜産・酪農経営におきましては、再生産を確保していくためには、大規模な経営体に限らず、意欲のある経営の継続、発展を図っていくということが重要なことであろうというふうに考えております。 このために、経営安定対策において中小規模の経営体もひとしく対象とすることはもとよりでありますが、省力化等による生産コストの削減、品質向上等の体質強化対策についても中小企業の経営も含めた積極的な取組を期待をしているところであります。さらに、畜産クラスター事業によりまして、地域の関係者が連携して多様な経営体を含めた地域全体の収益性向上を図る取組を強力に支援をしていきたいと考えております。 私は、現場を回りながら、どうしても理解ができなかったことが一つあります。繁殖農家の比較的ベテランの方々が、もう子牛の価格がいいから今がやめどきだと、こういう声を多く聞くわけであります。子牛の価格がいいのになぜやめようというお気持ちになられるのかなということをよくよく考えてみますと、やはり肉用子牛の生産者補給金制度の保証基準価格について御信頼をいただいていないのではないかということをずっと思い続けてまいりました。 今回、大綱の中でも一つの方向性を示していただきましたので、これが保証基準価格だったら更に頑張ろうと思っていただけるような制度にさせていただくということが大事なことではないかなというふうに考えておりますので、今後ともいろんな御意見をお寄せくださいますようにお願いを申し上げます。 以上であります。
○舞立昇治君 ありがとうございます。 本当にベテラン中のベテランの森山大臣の発言を聞いて私も安心したいと思いますし、冒頭の挨拶で、やはり農業は国の基だというふうに、非常に重要なんだということを力強く言っていただきました。是非、現場の生産者の皆さん、明るい将来展望が抱けるよう、更なる対策の拡充とともに、国民や消費者の皆様への農業や食料安全保障の重要性に関する丁寧な説明をこれからもお願いいたしまして、私からの質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○徳永エリ君 皆さん、お久しぶりでございます。民主党・新緑風会の徳永エリでございます。 私からも一言お祝いを申し上げさせていただきたいと思います。 森山大臣、そして伊東副大臣、御就任おめでとうございます。また、佐藤政務官におかれましては、引き続きよろしくお願い申し上げたいと思います。 実は、冒頭、質問通告をしておりませんが、今朝入ってまいりましたニュースでございますので、どうしても確認を大臣にさせていただきたいと思います。 今朝の共同通信のニュース配信であります。オバマ米国大統領が安倍晋三首相との十一月十九日の首脳会談の際、環太平洋連携協定交渉の大筋合意を受けた日本の国内対策をめぐり、豚肉を扱う畜産農家保護策の見直しを働きかけていたということが分かったと。首相は明確な返答を避けた。翌二十日には米農務長官も森山農相に同じ要求を突き付け、森山氏が拒否したとなっています。 関係筋によりますと、フィリピン・マニラでの会談で、オバマ氏は日本の養豚農家向けの経営安定対策を問題視したと。交付金制度を拡充し、赤字補填の割合を八割から九割に引き上げる内容。米側は、こうした保護策を適正な競争を妨げる非関税障壁とみなし、豚肉輸出が進まないと判断したようだということであります。 十一月に森山大臣はビルサック米農務長官から同じ要求を受けたということでありますが、この際に国内畜産業者の保護策を見直す考えはないとお答えになったということでありますけれども、こういった事実があったのか、そして、米農務長官から具体的に森山大臣にどんなお話があったのか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(森山裕君) 豚肉のマル緊制度の変更について米国政府から正式に見直しが、要求が出ているという事実はありません。また、政策大綱に盛り込まれております豚マル緊制度の改正といった国内農業政策は何らTPPの合意に反するものではなく、変更はあり得ないと考えております。万一、米国政府が国内対策の変更を求めるというのであれば、それは交渉そのものをやり直すことを意味いたしますので、我が国のみならず、他の参加国も到底受け入れることにはならないのではないかというふうに考えております。 ビルサック農務長官と会談をいたしましたことは事実でございますが、どのような内容であったかということは、先方との関係もありますので、個別具体的な取扱いについてお答えをすることは差し控えさせていただきたいと思います。 以上であります。
○徳永エリ君 正式な要請ではないということで、見直しはしないということでありますので、しっかりとそのようにしていただきたいと思います。ただ、大筋合意ということに大変に疑念を抱いておりまして、大筋合意と合意の違いは一体何なのかと。あくまでも大筋で合意しているだけで本格的な合意ではないと受け止めるとしたら、更なる要求もあるのではないかというふうに思いますし、豚肉の問題だけではなくて、ほかの部分でも強く要求をされるのではないかというふうに大変心配をいたしております。 そもそも、全米の豚肉生産者協議会というのは、とにかく日本への豚肉の輸出を増やしたいという強い思いがありますから、いろんな形で今後も圧力を掛けてくるということが心配されますので、しっかりと御対応願いたいというふうに繰り返し申し上げておきたいというふうに思います。 さて、TPPの関連政策大綱なるものをお作りになりましたけれども、そもそもTPPの本格的な審議というのはこれから始まるわけでありまして、それによって国会で承認されるかどうかも分からないと。そして具体的にどんな影響があるのか。年内に政府は試算を出すということでありますが、そこもはっきりしていないのに、そもそも結論ありきでTPPの関連政策大綱なるものを作るという理由がとても理解できないんですね。 今後、試算が政府から出てきて影響が明らかになったときに、果たして今の関連政策大綱でもって十分なのかという部分もありますが、私たちとしては、まだ国会承認もできていないという部分においては国会軽視というふうに感じておりますが、この点に関して、大臣、どのようにお考えになりますでしょうか。
○国務大臣(森山裕君) 決して国会を軽視しているということではありません。当面考えられます政策大綱については取りまとめをさせていただきましたが、今からまた議論をしていかなければならないことも予測をされますので、来年の秋をめどに一つのまた方向性を出していくという二段構えでやらせていただいているということを御理解をいただきたいと思います。
○徳永エリ君 今回のTPP交渉によって、麦のマークアップや、それから牛肉の関税収入も減るという中で、この関連政策大綱に関しては予算規模も財源も明らかにされていないと。関税収入がどのくらい減るんですかということを財務省にも問い合わせたんですが、まだそれは出せませんということでありまして、この辺に関しても絵に描いた餅になるのではないかということで、農業の現場の皆さんは大変不信感を持っておられます。 この受け止めに関しても大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(森山裕君) 徳永委員が御指摘をされますことが私も農林水産大臣として一番気に掛かったところでありますが、今回の大綱で、財源につきましては政府全体で責任を持つということが明確になっておりますので、そこはしっかりやれるというふうに理解をしております。
○徳永エリ君 恐らく伊東副大臣はお感じになっておられると思いますけれども、北海道は、TPP交渉に参加したところから、もう現場の皆さんは先の見えない不安感を抱えておられて、特に酪農家の方々は年間二百戸も離農するという状況が続いておりました。 そういう中で、TPPが発効してからの対策ということなんでしょうけれども、今から、先ほどのお話にもありましたけれども、ぬれ子の価格が高いうちにもうやめてしまおうみたいな話が出ていて、それは、これから先どうなるか分からないという不安感からですよね。価格が下がるかもしれない、借金も抱えるかもしれない。 今一番やるべきことは、今まで農業を続けてきた人たち、頑張っている人たちがこれからも営農を続けていけるような対策を早く立てることだと思うんですね。ですから、TPPの関連政策大綱の中身も極力前倒ししていただいて、営農を継続していくという意欲につながるように対応をしていただきたいというように思いますが、いかがでしょうか。
○副大臣(伊東良孝君) 御指摘のとおり、私の地元の北海道では、米も麦も乳製品も、牛肉、豚肉、そしてまた甘味資源作物、全部がたくさん収穫のあるところでありまして、TPPで関税がこれは全て、当初から言われておりますような完全撤廃をされれば、これはもう莫大な影響が出てくると、このように言われてきたところであります。 〔委員長退席、理事野村哲郎君着席〕 しかし、今般、政府交渉団、甘利大臣始め皆さんが衆参の国会決議をしっかり背負って、そしてこの交渉に臨んでいただいて、私は、農産品についてのいわゆる撤廃率につきましては何とかぎりぎりのところで最大限の努力をして得た結果であると、再生産は十分可能なラインにこれが落ち着かせることができたのではないかと、こう思っております。 ですから、今委員おっしゃられるように、その対策をしっかり行うことによって、私たちは、農家の皆さん方に将来への希望も、若い人たちへのまた夢も与えることができるのではないかと思っているところでありまして、そうした政策を立てていくということが何よりも重要だと、このように思っております。 ただ、先ほどからちょっとお話が出ておりますように、加工乳の補給金単価の問題で、例えば生クリーム等々の液状乳製品につきましては、これは制度設計に少し時間が掛かるものでありますから、でき上がり次第、できるだけ早くこれを対応させていく、肉用子牛につきましては、これがスタートするときまでにその整備をしていくということでありまして、短期的なもの、中期的なもの、長期にわたるものという、それぞれ政策にはスケジュールが違う、伴うものがあるのではないかということでありますので、最大限頑張らせていただきたいと思う次第であります。
○徳永エリ君 誤解しないでいただきたいんですけれども、TPP対策としてというよりも、このTPPの関連政策大綱に書かれていることは業界団体からも長年にわたって要求されていた部分もありますから、現場の今の状況を踏まえて、現場の方々の意欲が失われることがないように、なるべく早く現場の課題解決のために対応をしていただきたいという意味で、TPPがなくてもやらなきゃいけないことだという意味で申し上げましたので、御理解をいただきたいと思います。 〔理事野村哲郎君退席、委員長着席〕 それから、森山大臣は、自民党の中でも、特に農業者、生産者の立場に立って長きにわたって農業政策に携わってこられたと私は承知いたしております。企業や投資家の参入を促す農政転換、それからTPPに関しても農業の関税の撤廃、削減、現場への影響を考えてずっと慎重な立場でおられたんだと思うんですね。たしかJA全中の新会長の祝賀会のときでしたか、就任のお祝いの会のとき、森山大臣とお会いしたときに、いや、TPPどうなっちゃうんだろうねと大変心配しておられたのを覚えております。 アトランタで日程を延長してまで日本が主導して大筋合意をしたと。TPPの農林水産物の関税等の交渉の結果、そして国会決議、これを守られたのかということも含めて、ここで改めて森山大臣の御所見をお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(森山裕君) 先ほども申し上げましたけれども、TPP交渉に我が国が参加をする前の時点までは、先ほど申し上げましたとおり、ホノルル宣言に基づいて聖域なき関税撤廃というのが一つの考え方でありました。その下で参加をするということは、私はあってはならないと思ってまいりました。 その後、日米首脳会談でそうではないということが確認をされましたので、交渉の中でそれは決めていくことだということになりましたから、バランスの取れたという表現に変わってきたのだろうと思います。これは先ほど申し上げたとおり、我が国だけではなくて、やはり十二か国の中にはそれぞれ国力の違いもありますし、それぞれの国に歴史や文化がありますから、そういうことをどう理解をして合意に持っていくかという意味では、バランスの取れたという表現というのは非常に大事なことだったんだろうなというふうに思っております。 また、閣僚会議にも何回か出席をさせていただいて、徳永委員もお越しになっておられ、そして頑張っておられる姿を目の当たりにしてまいりました。また、特に北海道の皆さんは、農業団体を含め、北海道庁を含め、ほとんど毎回の交渉に参加をしてこられましたので、北海道の農業、林業、水産業の実情を考えると、TPP交渉というのは大変な関心をお持ちなんだなということは、私も自民党の対策委員長としてよく理解をしていたつもりでおります。 アトランタでは、正直申し上げて、この交渉、本当にまとまるんだろうかというふうに思いましたけれども、結果的には大筋合意ができたということはよかったなというふうに思っております。 また、これが国会決議との関係はどうなのかということでありますが、これは国会で御審議をいただくということであろうと思いますけれども、私は、政府としては国会決議の趣旨に沿っているというふうに評価ができるのではないかというふうに考えているところであります。 以上でございます。
○徳永エリ君 国会決議は守られたと評価されるんではないかというお話でしたけれども、私たちは、どこからどう見ても国会決議違反なのではないかというふうに感じております。 それで、国会で評価というふうにずっと政府はおっしゃっておりますけれども、日豪のEPAもそうですけれども、結果的には決議を守ったのか守られていないのか、はっきりしていないわけですよ。これ、やっぱりはっきりしなきゃいけないと思うんですね。 少なくとも、この国会決議は衆参の農林水産委員から出させていただきましたので、ですから、まずはこの農林水産委員会の中で、この国会決議は守られたのかどうか、違反なのか違反ではないのかというところを判断しなければいけないと思っております。 そこで、委員長にお願いをしたいんですけれども、是非とも農林水産委員会で、この国会決議、果たして守られたのかどうか、その評価、判断をさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○委員長(山田俊男君) この件につきましては、大変大事なことであります、理事会できちっと協議した上で進めさせていただきたい、こんなふうに思います。
○徳永エリ君 よろしくお願いいたします。 それから、TPPが大筋合意して以降、農林水産省は各地でこのTPPに関して説明会を行っておられます。その説明会の席で、余り影響はないというようなお話をされていて、関税の撤廃、削減による影響は限定的だというふうにおっしゃっているということを現場の方からよく聞きます。 限定的ということは、影響がないということではなく、影響はあるということでありますから、このTPP交渉の結果を受けて、どこにどういう影響が出て、どう懸念しておられるのかということを改めてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(佐藤速水君) お答え申し上げます。 TPP交渉の結果につきましては各品目ごとに異なりますことから、今回、大筋合意の内容をしっかり説明するといった観点から、品目ごとの影響分析を行ったところでございます。 この影響分析につきましては、できるだけ客観的な分析を行うということが重要と考えておりまして、品目ごとに、最近の国内価格や国際価格あるいは輸入量などのデータですとか最新の状況を基にいたしまして、現在の輸入相手国の状況やその置き換わりの可能性、また国家貿易制度等の下での輸入の可能性、さらには過去の輸入量の推移などを踏まえながら影響の精査、分析を行いまして、分かりやすい表現を用いて説明会等でその結果をお示ししたものでございます。 その分析結果によりますと、品目によって、例えばTPP参加国からの輸入がほとんどない、あるいは外国産と差別化されて価格差も大きいといったようなことを理由といたしまして、TPP合意による影響は限定的と見込まれるとしております。 ただ同時に、他方で、長期的には価格の下落も懸念されることから、生産性向上等の体質強化対策の検討が必要というふうな記載もしておりまして、その点、できるだけ丁寧な記載に努めたところでございます。
○徳永エリ君 今回の結果を受けて驚いたのは、重要五品目だけではなくて、野菜や果樹の交渉の結果、段階的関税撤廃、即時撤廃という品目が多数あるわけです。トマト、イチゴ、キュウリ、ネギ、キャベツ、ジャガイモ、大根、ホウレンソウ、レタス、ブロッコリー、アスパラガス、カボチャ、これは即時撤廃です。タマネギは六年後、スイートコーンは四年後ということでありますが。 農林水産省は、国内の消費量の八割は国産で、輸入はTPPに入っていない中国産が多くて、そこが置き換わるという説明をしています。しかし、中国産の農産物に関しては、安心、安全という点で消費者の抵抗感があって、これがニュージーランドとかオーストラリアとかカナダ、米国産が多く出回るようになったときに、消費者の受け止め方はどうなるんだろうということをすごく心配しています。 例えば、私の意識でいうならば、私は、スーパーに買物に行ったときに、申し訳ありませんが、中国産と見たら買いません。でも、それがニュージーランド、オーストラリア産になっていたらどうだろうかと思うと、買う可能性が高いと思っています。ですから、単純にそこが置き換わると考えるだけで本当にいいんだろうかということが大変に心配されますけれども、いかがでしょうか。
○副大臣(伊東良孝君) 今お話しのとおり、野菜、果樹につきましては、品目によりまして即時撤廃となったもの、あるいは一定期間を掛けて段階的に撤廃することとなったものがあるわけであります。 今、輸入野菜についてのお尋ねでありますが、国内消費量の約二割、輸入野菜であります。主に加工・業務用に用いられておりまして、用途の観点からも国産品とは一定の差別化が図られている状況であります。また、ほとんどの野菜は、現行関税率が三%というふうに既にかなり低い水準であることを考えれば、TPP合意によりまして直ちに大きな影響が生ずるわけではないと、このように見込まれているところであります。 細かく言うとちょっと時間もあれですけれども、ミカンとかブドウとか、これは季節によってまた違う、あるいは出回る時期が違ったり、輸入される時期が日本の一番の旬の時期とちょっと外れるというようなことがありまして、一定程度の需要がこうした面で定着しているものと、このように考えております。
○徳永エリ君 とはいえ、一般消費者だけではなくて、やはり中食、外食産業とか食品加工業のことを考えると、少しでも安い材料を使おうとすることになるわけですから、やはりその影響は決して軽微ではないというふうに思っております。 それから、これから政府から影響試算を出すということでありますけれども、農産物への影響だけではなくて、農産物に関連する産業とかあるいは地域、例えば雇用が失われるとか、そういういろんな問題も玉突き式に起きてくると思いますので、その点も、しっかりどういう影響があるのかということをお示しいただきたいというふうに思います。 それで、TPPの参加国からこれから安い農産物が入ってくるということになれば、やはり影響は否めないということでありますけれども、どうやって国内生産者を守っていくかということを考えたときに、やっぱりなるべく国産のものを食べるとか、あるいは地産地消を進めるとか、こういうことがすごく大事だと思うんですね。 例えばヨーロッパの方々などは、自分のところの農産物は高いけれども、農家の方々が一生懸命作ってくれるんだから、私たちは高くてもその農産物をしっかりと食べて、そして農家の皆さんを応援していくんだというような意識が子供たちも持っているということをよく聞きます。 日本もそういう意識改革をしていかなきゃいけないと思うんですが、ちょっと心配なのは、米韓FTAで、自治体条例で地産地消の学校給食を進めていけば米国の食品会社は学校給食市場に参入できないとして、米国からの圧力が掛かって条例を撤回したという話を韓国の弁護士さんに聞いたことがあります。 ISD条項との絡みも大変気になりますけれども、今回のTPPの交渉の中で地産地消の取組、これが問題になるということはないのでしょうか。
○大臣政務官(佐藤英道君) 今の御質問、TPPの合意の結果、ISDSで我が国が訴えられるなど、地産地消の取組が阻害されるのではないかという御懸念であろうかなと思います。 確かに、ISDSが規定されているTPPの投資の章におきましては、国内の地域で生産された農産品の調達を外国企業等に義務付けたりすることは禁止されているわけであります。ただ、このような規定は、これまで我が国が締結してきた投資協定及び投資を含むEPAにおいても存在しておりまして、学校給食も含めて、我が国の地産地消の取組についてこの規定違反が問われた事例はこれまでもなかったと承知をしているところであります。
○徳永エリ君 じゃ、制約はされないということでよろしいんですね。 だとしたら、やっぱり国産農産物の販売拡大のために地産地消、それから原料原産地の表示の取組の強化、あるいは大型スーパーで、消費者の方々もやっぱり徐々に意識変わってきていますから、高くても安心、安全なものを食べたいという層と、やっぱり生活の問題も、家計の問題もあって、どうしても安いものを買わざるを得ないという方といるわけで、消費者の選択肢というものをしっかり残していかなければいけないと思っていますので、例えば大型スーパーに買物に行ったときに、国産のものを買いたいと思っても国産のものがないというような状況にはならないように、しっかりそこは政府としても何らかのお取組をいただきたいというふうに思います。 また、中食、外食産業においても、例えば米価がちょっと高かったときに、おにぎりのグラム数を減らしたとかお弁当の御飯のグラム数を減らしたとか、そういうことがあって年間何十万トンも米の需要が減ったというようなこともありましたので、こういうところも何とか仕組みをつくって、中食、外食産業にも極力国産農産物を使用するようなことをしっかりと政府としても促していただきたいというふうに思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(森山裕君) 今、徳永委員おっしゃいますとおり、日本の農林水産業の将来を考えますと、消費者の皆さんから御支持をいただける政策を確実に進めていくということは非常に大事な課題だと認識をしております。 ゆえに、農林水産省としては、生産者と消費者がつながりを強化する地産地消の推進というのは重要な政策課題であると認識をしておりますので、今後とも、直売所や学校給食等における地産地消の取組というのは引き続き支援をしてまいりたいというふうに思います。 また、政策大綱に基づきまして、大規模集客施設での販売促進活動などへの支援というのも消費者との連携を強化するという意味からも大事なことでございますので、新たな取組を検討させていただきまして、地産地消を始めとした国産農林水産物の消費拡大を引き続き推進をしてまいりたいと考えております。 以上であります。
○徳永エリ君 国内生産者をしっかりと守っていく、応援していくという意味でもお取組をよろしくお願い申し上げたいと思います。 次に行きます。 TPP関連政策大綱では、米について、国別枠の輸入の増加が国産の主食用米の需給及び価格に与える影響を遮断するため、消費者により鮮度の高い備蓄米を供給する観点も踏まえ、毎年の政府備蓄米の運営を見直し、国別枠の輸入量に相当する国産米を政府が備蓄米として買い入れるとしています。 原則五年の保管期間を三年程度に短縮するということですけれども、この見直しについて具体的に改めて御説明をいただきたいということと、それと、これまでは非主食用米として、五年たったら援助米や加工用米そして飼料米として販売するということでしたけれども、この鮮度がという部分が気になるんですが、主食用に回るということも考えられるということなんでしょうか。
○大臣政務官(佐藤英道君) 御指摘のとおり、現行の政府備蓄制度は、米穀の生産量の減少によりましてその供給が不足する事態に備えまして必要な数量の米穀を在庫として保有することを目的とし、大凶作などにより民間在庫が著しく低下するなどの米が不足する場合には政府備蓄米を主食用米として国民に供給することとしておるわけでございます。一方で、凶作など主食用米としての放出を必要とするような事態が発生しなければ、一定期間備蓄後に加工用や援助用、飼料用といった非主食用として販売をしております。 今回の政府備蓄米の運営の見直しは、このような棚上げ備蓄の基本的な枠組みを維持した上で、現行百万トン程度の適正備蓄水準の下で国別枠輸入相当量の国産米を政府が追加的に備蓄米として買入れすることとしておりまして、保管年数はそれに応じて短縮するものでございます。 今、徳永委員から御指摘があった鮮度につきましてでありますけれども、これは政策大綱に記載の、消費者により鮮度の高い備蓄米を供給する観点も踏まえとの記述は、あくまで大凶作などによって米が不足する場合に、より保管年数が短く鮮度の高い米を消費者に供給できるようにするという趣旨でございます。
○徳永エリ君 特別な事情があったときにということですね。 そして、今年の四月一日にUSTRが公表した外国貿易障壁報告書、いわゆる年次改革書を見てみますと、米輸入制度について、日本の極めて規制的で不透明な輸入米の輸入・流通制度が日本の消費者の輸入米への意味あるアクセスを制限している、一般ミニマムアクセス入札を通じた米国産輸入米のほとんど全てが政府在庫に向けられ、その政府在庫からほとんどが加工用、飼料用又は食料援助用に仕向けられる、業界の調査によれば日本の消費者は米国産の高品質米を買うと見込まれているのにもかかわらず、米国産の米が日本の消費者に届く量はごく僅かであると問題を指摘しているわけであります。 結果、TPPの交渉内容を見てみると、TPP枠ができて、主食用米として当初五・六万トン、そして十三年目には七・八四万トンということでありますが、まあ恐らく米国からの要求をのんだんだろうなというふうに感じております。 どちらにしても、主食用米が入ってくるということになると、例えば米価が下がれば国産米の需要は増えるけれども、稲作農家の手取りは減るということになりますし、それから、米価が上がれば今度は輸入米の需要が増えるということにもなって、どちらにしても国内の米生産者にとってはいいことがないなというふうに感じるんですが、この点に関してはいかがでしょうか。
○国務大臣(森山裕君) WTOの中では七十七万トンの輸入義務が課せられております。TPPのところの国別枠では輸入義務は負うておりませんので、そこが大きく違うということをまず御理解をいただきたいと思います。 それと、WTOの中でもSBSで十万トンという一つの基準があるんですけれども、これはもう先生御承知のとおり、ここ何年かは一万トンとか六万トンとかということでしか成立をしておりませんので、枠はもちろんつくらせていただきますけれども、どれぐらい輸入ができるかというのは、それは結果でございますので、よく予測はできないところでありますが、いずれにいたしましても、輸入義務が課せられておりませんので、WTOのところはSBSの分が少なければほかの米を入れるというルールになっていますけれども、そうではないというところが大きな違いであると思っておりまして、米のところは交渉でも甘利大臣も相当御苦労があったと思いますし、かなりびっくりするような数量の要求がずっと続いておりましたけれども、日本における米というものの大事さ、あるいは水田を守っていくということの大事さ等も御理解をいただいて御承知のような結果に落ち着いているということでございますので、そこはよろしく御理解をいただきたいと思います。
○徳永エリ君 米価の問題とか為替の問題とか、あるいは中食、外食産業の動向とか、いろいろなことが影響してくると思いますので、その都度しっかり状況を見ながら御対応をお願い申し上げたいというふうに思っております。 それから、衛生植物検疫についても、BSE陽性の牛が確認されて以降、日本は米国の牛由来のゼラチンやコラーゲンの食用としての輸入を禁止しましたが、米国からの強い要望によって見直しを行ってきました。ゼラチン又はコラーゲンについても、年次改革要望書を見てみると、米国は、科学及びOIEガイドラインと整合する米国の牛由来のゼラチンやコラーゲン、それから粉砕骨の市場開放については引き続き日本と協働するというふうに書かれています。 TPPにおける米国との交換文書を見てみると、食品安全委員会による牛由来の食用ゼラチン及びコラーゲンに関する報告書は、厚生労働省が提案した管理措置がとられることを条件として、輸入規制の改正による人の健康に対する危険性は無視できると結論付けています。同報告書に基づいて、ゼラチン及びコラーゲンの輸入規制を緩和したと書かれています。収穫前後で使用される殺菌剤についても、食品添加物についても、交換文書の中で、年次改革要望書で米国が長年にわたって求め続けていたものを、そして日本が慎重に対応していたものを並行協議で全てのんだという印象は否めません。 これで本当に交渉によって日本の食の安全、安心は守れたと言えるのでしょうか。お伺いしたいと思います。
○政府参考人(福田祐典君) 輸入食品を含めまして、我が国の食品の安全が守られることは大変重要であると考えております。 TPP交渉と並行して行われました日米並行交渉では、防カビ剤について、農薬の承認のための審議等と食品添加物の承認のための審議等を併せて行うこと、未指定の国際汎用添加物を我が国の食品添加物として認めることとした閣議決定を誠実に実施することについて確認するとともに、既に実施した牛由来の食用のゼラチン及びコラーゲンの輸入規制の見直しについて確認したところでございます。 これらの内容はいずれも、国際基準や科学的知見を踏まえた審査等の手続を経て食品の安全を確保するという我が国の制度を変更するものではございません。このため、日米並行交渉の結果により我が国の食品の安全が脅かされることはないと考えており、厚生労働省としては、引き続き我が国の食品の安全の確保に努めてまいりたいと考えております。
○徳永エリ君 安全性の確認とおっしゃっていますけれども、そこが私たちにとっては非常に不透明でありますし、だったらなぜ今まで慎重だったのかという部分もありますが、またこれは別の機会でしっかりお伺いをしていきたいと思っています。 それで、時間がなくなりましたので、この点についてもお伺いしたいんですが、森山大臣、今回のTPP交渉の結果によって食料自給率への影響をどのようにお考えになるかということなんですけれども、食料・農業・農村基本計画を見直して食料自給率を四五%にするという話がありましたけれども、TPPによって食料自給率は下がるというふうに言われております。 これは、例えば今ですと世界の人口は七十二億人ですか、これが二〇五〇年には九十六億人まで増えると言われておりまして、食料不足の問題が深刻になるかもしれませんし、それから、温暖化やエルニーニョ現象などの問題で干ばつや洪水が各地で起きていて農産物に被害が出ています。それから、紛争、戦争ということも考えられます。そういったときに、お金があってもなかなか食料が手に入らないということも起きるのではないかということを大変心配されております。 TPPのほかの参加国の食料自給率を見てみますと、やはり皆一〇〇%を超えているんですね。三九%などという低い食料自給率は日本だけでありまして、食料安全保障に関しては、このTPP交渉との関係、森山大臣がどのようにお考えになっておられるのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(森山裕君) 食料自給率がいかに大事なものであるかは強く認識をしているつもりでおります。 ただ、日本は人口が減っていく傾向でございますので消費が減少していくという考え方がありますけれども、この思考回路を少し我々は変えないと、世界的に見ますと、人口が増えて、特にアジアにおける食料事情というのは厳しくなっていくという長期見通しを常に考えておかなければいけないのだろうと、そう考えております。 今回のTPPによって食料自給率がどうなるかということでございますけれども、今回取りまとめられました政策大綱によって国内対策の効果を見極める必要がありますので、現時点で影響を見通すということは困難ではないかというふうに思っておりますが、今回、TPP合意を受けて、将来にわたって意欲のある農林水産業者が確実に再生産可能となるよう、交渉で獲得した措置と併せて国内対策をしっかり講じていくということが大事なことだと思っておりますし、新たな国際環境の下でも引き続き食料自給率の向上に向けた取組をしっかりと進めさせていただきまして、食料の安定供給の確保というものをしっかり図っていくということが、農は国の基と言われるゆえんであろうと思いますので、そのことをしっかり心して頑張ってまいりたいと思います。
○徳永エリ君 飽食の時代がずっと続いてまいりましたので、そんなことが起きるとは想像はできないと思いますけれども、実際に、今大臣もおっしゃっておりましたように、危機的な状況になるかもしれないということをしっかり考えながら対応していただきたいというふうに思います。 輸出戦略、それから畜産、酪農についても二点ほどお伺いしたかったんですが、時間がなくなりましたので、最後に一つお願いだけしておきたいんですが、実は今、全国的な事情だと思いますけれども、酪農ヘルパーさんの数が減っていて大変に困っているんですね。酪農家の方々は年中無休という時代はとうに終わりまして、やっぱり皆さん、休みが欲しい、家族と過ごしたい、あるいは冠婚葬祭などもありますし、それから高齢化によってどうしてもその労働力を補いたいという部分もありますので、このヘルパーさん、必死で募集をしてもなかなか応募がないということなんですね。 この間、ちょっと北海道の上富良野の方にお話を聞いたんですけれども、十九戸の酪農家の方がおられて、二人で十分賄えるということなんです。その二人すら確保できないということなんですね。やっと応募があってよかったと思って話を聞いてみたら、ヘルパー経験がある、ヘルパー経験があると言っていたのでよく聞いてみたら、介護ヘルパーの経験で、酪農ヘルパーの経験ではなかったということで、全く未経験者だということなんですよ。やっぱり未経験者、しっかり覚えてもらうまでには何か月も掛かるわけですし、一人では任せられないということもありまして、いろいろ聞いてみると、酪農ヘルパーという仕事がどういう仕事かということが余り知られていないということなんですね。 ですから、しっかり政府を挙げて、酪農ヘルパーという仕事がどういう仕事なのかということをもっと広報していただいて、恐らくどこかにやりたいという人いるはずなんだと、そこに情報が届かないということでありますので、本当に酪農家の皆さんは今困っておられますので、是非ともこの酪農ヘルパーを増やしていくと、研修も含めてしっかりと御対応をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか、最後に。
○国務大臣(森山裕君) 酪農の現場におけるヘルパー制度の重要性というのは、私も重々認識をしております。 本当に三百六十五日搾乳をしなければならないという宿命を背負って頑張っていただいております。何とかヘルパー制度というものを更に拡充させていただいて、酪農家の皆さんが更に頑張っていただける体制をつくるということは大事なことだと思いますし、今委員が御指摘をされましたように、ヘルパーの役割というのがいかに大事なものであるかということをしっかりPRさせていただいて、ヘルパーさんがおられるからいい牛乳が飲める、いいヨーグルトを食べられる、いいチーズを食することができる、そういうことにつながるんだということをしっかりPRさせていただいて、じゃ、酪農ヘルパーで頑張ってみようという若い人たちが一人でも二人でも増えていくような政策を進めさせていただきたいと思います。
○徳永エリ君 ありがとうございました。
○小川勝也君 民主党・新緑風会の小川勝也でございます。 徳永理事とは同じ会派で同じ選挙区ということでございますので、問題意識がかなり似通っておりますので、関連した質問もさせていただくことになろうかと思います。 まずは、森山大臣、御就任おめでとうございます。そして、伊東副大臣もおめでとうございます。 森山大臣におかれましては、就任後初めてこの委員会にということでありますけれども、もう御案内の方もおられるかもしれませんが、かつてこの席に座っておられましたので、お帰りなさいということだと思います。特に鹿児島と北海道では、酪農、畜産、それから甘味資源、いろいろ共通の課題も多かったわけでございまして、非常にシンパシーを感じながら、同じ側ではありませんでしたけれども、仕事をさせていただいてまいりました。 そんなよしみもあって、TPPのことで大変心配をしておられます生産者の方が大臣に直接お会いをしたい、そして自分たちの思いを直接伝えたいというお申し越しが私のところにありまして、引き継ぎましたところ、快くお会いをいただいて、心から感謝を申し上げます。大臣には真摯に対応していただきましたけれども、生産者の代表の皆さんの本当に深刻な思いは大臣に伝わったんだと思います。 まずは、ありきたりな質問でありますけれども、生産者の方々は、北海道の生産者に限らず、今回のTPPのいわゆる大筋合意は国会決議に反しているのではないかというふうに思っておられる生産者が非常に多いと思います。今回の大筋合意は国会決議に沿っているんでしょうか、反しているんでしょうか。大臣、お願いいたします。
○国務大臣(森山裕君) 先ほどもお答えをいたしましたが、沿っているか沿っていないかということは、これは国会で御審議をいただくことでございますので、私の方からコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。
○小川勝也君 その答えもほとんど予想の範囲内であります。 今、徳永委員からもその思いが、もやもやとした思いがぶつけられました。大筋合意というのは本当に何なのかというふうに、キツネにつままれたような思いであります。ある同僚はこういう言い方をしています。大筋合意をすることに各国が合意をしたのではないかと、こういう言い方もあります。 そして中身が分からない。そして、後でお願いをいたしますけれども、報道がなされるとそれを否定する。四年後になるのか、批准のときなのかは分かりませんけれども、どの報道が合っていて、どの報道が間違っていたのか、後で農林水産省で検証していただきたいと思います。これ、お願いをさせていただきたいと思います。 今、政府の方も与党の方も対策を考えていただいております。ありていに言うと、中身が分からないのに対策をするというのはいかがなものかという思いは共通認識でありますけれども、もっと言うと、TPPにまだ批准をしていないわけでありますので、批准をしてもしなくても、農業に対する危機感は共通認識であるとすれば、必要な対策を打つ、こういう言い逃れをしていただいたときには、私どもは否定できないわけであります。ですから、もやもやとした議論の中に、我々も参加をすることにちゅうちょをしながらも参加をするわけでありますけれども、その辺の思いも受け止めていただければと思います。 まずは、TPPの全容が明らかになっていないと私は思っておりますけれども、大臣の御認識はいかがでしょうか。
○国務大臣(森山裕君) 今公表させていただいた内容でほぼといいますか、農林水産関係につきましては全てであるというふうに理解をいたしております。
○小川勝也君 これは先ほどの内閣官房の審議官にもお伺いすればよかったわけでありますけれども、農林水産省としてどの程度受け止められるかは別にして、お伺いをしたいと思います。 様々な報道に我々も接します。アメリカ合衆国も政治的な事情がおありになって、議会がしっかり批准をしていただけるかどうか不透明であると。カナダの政権交代の問題、あるいは交渉途中のマレーシアの態度、これは不透明だと私たちは思っております。 そんなことも踏まえて、我が国だけがいわゆる批准を前提に走り出すということにある種の疑問を感じているのは私だけではないと思うわけでありますけれども、諸外国の事情と国内への対策ということでいうと、どんな思いで今対策を練っておられるのか、大臣の胸中をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(森山裕君) 小川委員の御指摘のような報道があることは私も承知をしております。 ただ、前回の十二か国の首脳会談におきましては、国内手続をそれぞれ責任を持って進めるということが確認をされておりますので、我々はその方針に従ってやらせていただいているということでございます。
○小川勝也君 また、先ほど徳永委員から食料安全保障という言葉がございました。当然、国会決議もそのことを踏まえた決議になっておられるんだと思います。米の議論、麦の議論、そして、今日中心となります畜産、酪農、これは大事な課題でありますけれども、先ほど冒頭御紹介をさせていただきましたとおり、いわゆる甘味資源と、いわゆるでん粉の原材料につきまして、野村理事も含めてでありますけれども、共通の地域課題を抱えておったわけであります。これも食料事情が世界的にどうなるか分からない中、戦中のいわゆる食糧統制などというのも、私どもは物語で聞かされております。 甘味資源の重要性やでん粉の重要性を鑑みて、その重要性と、今後とも政策をしっかり遂行していただくという大臣の決意をお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(森山裕君) 甘味資源作物は地域にとってかけがえのない作物であるということが一番大事な視点であろうというふうに考えております。 ゆえに、北海道における甘味資源作物、鹿児島県あるいは沖縄県における甘味資源作物というのは、その地域になくてはならない作物でありますので、ほかに代えるものがない作物であるということが最も大事なことだと思っておりますので、そのことは強く認識をしてまいりたいというふうに思っております。 また、カンショ等につきましては、国民に対する熱量供給の観点からも非常に重要な作物であるというふうに認識をいたしております。
○小川勝也君 前提、お伺いをいたしました。 原点に返りますと、TPPに批准をするかしないかによらず、我々の国の農業も大きく変わってまいります。先ほど舞立委員からもいわゆる県内の事情などもお話をいただきましたけれども、私どもの北海道につきましても、農業人口の減少と農家戸数の減少が大変大きな課題となっております。 TPPにもし批准をし、我が国が加入をしても、いわゆる農業が壊滅することはないというのが政府の立場でありますので、TPPに加入をしたから、批准をしたから農業従事者の数が激減するというデータは持ち合わせておらないと思いますけれども、もしTPPに加入しなくても農家戸数は減少するというふうに私どもが認識をするとするならば、農林水産省として、将来の農業従事者の数字、戸数の減少についてどのような数値予測を持っておられるのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(奥原正明君) 農業者の将来の数の問題でございます。 我が国の農業就業者、これ高齢化が進んでいるわけでございまして、全体の数についても減少傾向にございます。その中で、本年三月に閣議決定をいたしました食料・農業・農村基本計画、この中で農業構造の展望というものをお示しをしておりますけれども、その中で、これまでの趨勢に基づいて十年後の農業就業者の数を試算しておりますが、これでいきますと、六十代以下の方で約八十七万人という見通しでございます。 一方で、その構造展望を出すときに現在と同程度の生産を維持するのに必要な農業就業者の数がどのくらいかということもお出しをしておりまして、土地利用型作物において更に構造改革が進むと仮定いたしましても、少なくとも九十万人程度が必要ではないかという試算をそのときにお示しをしております。先ほどの趨勢だけでいきますと六十代以下でこの九十万人を割るということになってしまいますので、十年後に六十代以下で九十万人以上を確保するためには、今後、若い農業者の方の新規就農、これが定着ベースで毎年一万人から二万人程度に増えるということが必要になるというふうに考えております。 このために、青年層の新規就農促進の施策といたしまして青年就農給付金ですとか、それから農の雇用事業、こういったことを総合的に実施をしておりますので、これによりまして世代間のバランスの取れた農業就業構造にしていくことにしているわけでございます。 それから、農業就業者が減少する中で農業を持続的に維持発展をさせていくためには、担い手のところに農地利用の集積それから集約化、これを進めていくことが大事でございますので、力強い農業構造を実現する観点から、農地中間管理機構、これの活用を加速化していく考えでございます。
○小川勝也君 今、最後に農地の中間管理機構の話が出ました。ばらばらになっている農地を集積をして効率を上げていくというのは、少ない農業人口で農地を耕作するという意味では大変意味のある考え方だろうというふうに思います。 そんな中で、酪農というのは非常に特殊な形態でありまして、何を申し上げたいかといいますと、まず、ハウス一棟、二棟から農家を始めるという場合、ハードルが非常に低いわけでありますけれども、北海道を例に取ると、北海道の標準の酪農経営に、例えば四十頭でスタートするというと、初期の投資金額が莫大でありますので、事実上もう非常に狭い門になっておりまして、相当新規参入が不可能に近い産業であります。 それから、後にやり取りをさせていただきたいと思いますけれども、数字を見ましても、北海道の酪農戸数も減少の一途をたどるわけであります。減少してもたまたま、後に触れますけれども、ヘルパーさんが独り立ちするときに、離農するところにうまくマッチングして何とか戸数が減少しないで済むという希有な例はありますけれども、なかなか新規参入がないということになりますと、どんどん減少するだけであります。それから、農家集落という問題がありますと、一軒だけでは集落になりませんので、いわゆる三軒の集落で二軒がやめれば、一軒もう成り立たなくなるということでありますので、大変今酪農は岐路に立たされているところであります。 そんな中で、余計なことを申し上げれば、今回のTPPを含む含まないは別にして、畜産の中でも黒毛和種を応援する議員の力が非常に強いわけでありまして、野村筆頭、大臣、そんな中でこの辺は少し酪農、頑張っていたんですけれども、そんな中で伊東副大臣が酪農のエキスパートの立場で農林水産省に入っていただいたというのは大変心強く思っております。 そんな中で、伊東副大臣は、いわゆる釧根地区という酪農専業地帯、先日も、北海道ローカルでありますけれども、パイロットファームに入植された方の筆舌に尽くし難い歴史、北海道農業の七十年の中で取り上げられました。いわゆる挫折と借金、あるいは、もう言葉は、申し訳ありませんけれども、私はこの委員会で何回も口に出しました。私は実家が鍛冶屋でありますので、水田、畑作、酪農含めて離農と夜逃げと首つりの歴史の上に今の北海道は成り立っていますので、本当に筆舌に尽くし難い苦労の上に今の釧根の酪農があるということも、副大臣と私も共通認識だろうというふうに思います。 そんな中で、今、農業従事者の数字を伺いました。酪農の軒数がもう増えないとするならば何戸にまで減少するのか、農林水産省の数字をお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(今城健晴君) 酪農についてのお尋ねでございます。 先ほど来御質疑ございましたとおり、酪農戸数が減少しているということは、もう委員重々御承知のことと思います。 本年三月に策定しましたいわゆる酪肉近、酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本指針というところにおきまして、平成三十七年度の生産乳量、これは七百五十万トン、それから乳牛の飼養頭数目標、これは百三十三万頭と設定したところでございます。 委員お尋ねの戸数については、残念ながらこの中ではお示しできておりません。そこをどう思うかということでございますけれども、そこは非常にいろいろな事情がございまして難しゅうございますけれども、いずれにしましても、今のTPP合意、大筋合意という状況を踏まえて、先般、総合的なTPP関連政策大綱というのを策定したところでございます。 その中で、やはり特に畜産・酪農体質強化というところも当然特出しで記述がございますけれども、そういうところはできるだけ早くその対策に着手するという構えでおりまして、それは発効と合わせてということではなくて、できるだけ早く対策に着手するという構えでおるわけでございます。 一方、酪農問題に特化させていただきますと、省力化機械の整備等によるコストの削減、品質の向上などの体質強化対策ということで、それもできるだけ早くやるという構えでおりますし、それから、例の液状乳製品の加工原料乳補給金への追加ということにつきましても、できる限り準備を急ぎ、二十九年度からは実施できるようにということで考えております。 また、担い手、後継者、おっしゃるとおり、非常に厳しい状況にはございますけれども、これも地域ぐるみでの実施と収益性向上というクラスター事業などにより、その支援をしっかり拡充していくという方針を打ち出しておりますので、そういう形で酪農の対策というものをしっかりやっていければというふうに考えております。
○小川勝也君 乳量と戸数、なかなかこれ答弁できなかったですね。乳量だけ増やせばいいというものじゃないんですよ。 結局、効率的な酪農経営にしようとすれば、頑張ったところが借金をして申し込みます。クラスターもやっていただいた方がいいし、ほかの施策も非常に要望が強いわけであります。 それで、例えば、子取りの繁殖であれば一頭を導入して一頭ずつ産ませる、こういう投資も大きいわけでありますけれども、酪農の場合は、やはり頭数を増やすということになると、もう様々な、飼料の問題あるいは搾乳の問題あるいはふん尿の処理の問題ということで、投資がもう倍々に大きくなっていくわけでありますので、意欲のあるところは投資していただいて、効率的な酪農経営をやっていただいて結構です。 しかし、今、酪農家の戸数が減少してきた歴史というのは、酪農近代化の歴史の積み重ねでもあるんです。ある農家が効率的な酪農経営をして乳量が増えれば、今度は乳価の算定基準が変わってまいります。同じ酪農経営をしていたところがアップ・ツー・デートできなくて時代遅れの酪農経営になる、この人たちは再投資を諦めて離農するという歴史で、酪農家戸数がどんどん減ってきている。 今、乳量もこんなに増えたんですよ。私は、これは関係者の御努力ですばらしいことだと思いますけれども、いつまでも乳量を増やすべきではないと思う。なぜならば、牛のお母さんは機械じゃないからです。 そういう意味からすると、もう経営効率によらなくて酪農家の戸数が減らない、そういう政策を打ち出していただきたいと私は再三再四この委員会で申し上げているわけであります。すなわち、これが収入保険なのか所得補償なのか、いわゆる直接支払なのか、環境支払なのか、いわゆる多面的機能支払か、何でもいいんです。生産を拡大しなくても、ある標準の、農林水産省が求める経営をしたところは持続可能な経営をできるという、その酪農をメニューに加えていただきたいというのが私の思いであります。そのほかに、投資をしたい、頭数を増やしたいというところはどんどんどんどんやっていただいていい。そういうメニューがないと、どんどんどんどん酪農家が減っていくばかりであります。 このことは再三この委員会でも申し上げていることでありますけれども、森山大臣は初めて大臣に御就任されましたので、あえて再度このことを申し上げました。 例えば、欧州などでは、特に中山間だとか景観だとか国土保全だとか環境支払だとか、様々なことを勘案していわゆる地域酪農を支えているわけであります。道東を含め、道北を含め、北海道は特にその様々な地域を支えているのが酪農であるとすれば、そういう政策をこのTPPの議論と同時に私は考えていただく時期が来ているのではないかと思いますので、大臣の御所見をお伺いできれば、よろしくお願い申し上げます。
○国務大臣(森山裕君) 今、小川委員の話を聞きながら、二つの酪農家を訪ねたときのことを思い出しておりました。 新潟に参りまして、百六十頭ぐらいの酪農家にお邪魔をいたしました。奥様がジェラートを作っておられて、非常に頑張っておられる農家でした。搾乳量の一割がジェラートの生産に充てておられるそうです。九割が乳業メーカーに出荷をしておられるそうであります。ところが、一割のジェラートを作る利益と九割が全く同じ利益だという話を伺いました。ここに酪農の難しさがあるんだろうなということを実感をしました。 北海道に参りまして、十勝の加藤牧場さんをお訪ねいたしました。私が加藤さんをお訪ねした一つの理由は、加藤さんのところの生乳は脂肪率が五%を超えているという話でございましたので、どういうことをおやりになっておるのかなといって話を伺いましたら、こう言われました。大臣、草地というのはトラクターや耕運機で耕すものではないと私は思っています、土壌菌が耕すものだと思っていますと、そういうことをしっかりやっていい牧草を作っていい生乳を生産をしていくということが大事なことだと思うと言われました。搾乳量について余り気にしておられる御様子はありませんでした。ところが、多くの方々から望まれて出荷をしておられるようであります。 今先生が言われたとおり、搾乳量だけを求める酪農がいいのかどうか、もう少し多様な酪農の在り方というのも考えていっていいのではないか、そのことを支える政策というのはどうあるべきなのかということについても、我々は今後しっかりと考えさせていただきたいと思っております。 以上であります。
○小川勝也君 先ほども話題に出ましたけれども、今、酪農においてはこういう言い方をします。副産物価格、子牛が非常に高いです。子牛も高いから、副産物価格が高いから、いわゆる乳価が上がりませんよということも言われる向きもあるんですけれども、必ずしもいいことばかりではありません。今申し上げたように、じゃ、打って出ようか、規模拡大や経営拡大をしようかというときには、今のホルの子牛もお値段が非常に高くて二の足を踏む、それから牛舎の建築コストも非常に高くなっていますので、今非常に拡大しやすい場面ではありません。逆に、先ほど大臣もほろっとお話しになられましたけれども、今、いわゆるお母さん、経産牛も高いし、いわゆる子牛も高く売れるから、思い切って今やめてしまおうかという悪魔のささやきも結構強い声になっているというふうにも伺っています。 この子牛高の今の現状が、私も事情は少しずつ分かりますけれども、今後どういうふうに落ち着いていく見通しなのかお伺いをしたいわけでありますけれども、多分私が想像するに、例えば大臣や野村先生の選挙区などで、かつて農業で収入が思ったほど上がらないときに、子牛を出荷する仕事があるよというふうにいろいろと農協系統から推奨されて、何とかお母さんが現金収入を得たいということで、家の横に母牛を一頭飼って、丹精込めて丹精込めて世話をして、子供を取って、それを売って現金収入にするというところからいわゆる和牛の繁殖農家がスタートしたんだろうというふうに思います。その方々も、真面目で、本当にもう子供のように母牛をなでてなでて経営しておられたけれども、そういう経営をしておられたお母さんがどんどん高齢化して、繁殖牛をお世話する方が少し減ってきているので子牛が足りなくなってきているのではないか。 今、農林水産省へ行きますと、金取れるんだからホルにどんどん付けれと。そうするとホルの子牛が少なくなってくる。そうすると性判別やれと。本当にこの流れでいいのかなというふうにちょっと疑問を持ちながらも、まあ北海道の酪農家といえどもお金が嫌いな人はいませんので、それこそ六十何万円で子牛が売れればこれはもう有り難い話でありますけれども、酪農家自体も首を絞めているということにもなります。いわゆるホルのお母さんは誰のものなのかという議論も後でさせていただきたいと思いますけれども。 今、子牛のお値段の異常な高騰、どういう原因で、今後どういうふうに鎮静化する見通しなのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(今城健晴君) 委員御指摘のとおり、最近の子牛価格、本年七―九月の平均売買価格で、一頭当たり、黒毛和種六十六万円、乳用種で、要するにホル、二十四万円、交雑種、F1で三十八万円という、いずれも前年度を上回る水準で推移しております。 このような状況の要因と申しますか、大きく二つあると思いますが、一つは、当然、最近の景気動向等を背景に枝肉価格が非常にいいということがある中で、他方、肉専用種については、繁殖雌牛の頭数の減少、これは当然あると思います。また、乳用種についても、飼養頭数全体の減少ということによる子牛の生産頭数が減少しているということが要因としては考えられるということではないかと思います。 そこで、お尋ねの今後の子牛価格の動向ということでございますが、これは、やはり枝価格がどうなるかという、景気動向等にも左右されることですので、ちょっとなかなか予断を持って申し上げることはできないのではございますが、いずれにしましても、後半の二つ目の理由、繁殖基盤の強化、これはやはり政策としてしっかりやっていかなければならないというふうに考えております。その中で、肉用子牛の経営安定対策の適切な運営、それから、再度申し上げますが、繁殖基盤の強化、キャトルステーションの整備とか、いろんなやり方があると思いますけど、そういう形でその支援をしっかり行っていきたいというふうに考えております。
○小川勝也君 私は北海道ですので、いわゆる酪農家というのは身近で見ておりました。実は、和牛の繁殖農家というのを見せていただいたのは農林水産委員になってからでありまして、同僚のお導きで、郡司さんと一緒に松阪牛の繁殖のところへ行って、母牛三頭だけ飼っているんですね。それで、もう家族同様で大事に大事に育てているという話でありました。 特に、先ほど私、申し上げましたけれども、お母様がその母牛を大事にしておられる向きもあるというふうに愛読書であります「現代農業」で読ませていただいておりますが、そのお母さんも、お父さんや家族が理解があって、私が旅行へ行っているときに世話してねというふうにうまくできればいいけれども、日帰りの温泉ランドは行けても、まさに海外旅行とか行けない人もいるんじゃないかなと、そのぐらい生き物を飼っているということはこれ大変なことであります。 徳永委員からも指摘がありました酪農ヘルパー制度、これは政府からもしっかりと政策を立てていただいて、制度として固定化しました。しかし、様々な制度の変化や地域間の特殊事情がばらつきがあって、いいところとそうじゃないところがくっきりしてきたようであります。まさにヘルパーさんの待遇が良かったり、ヘルパーさんがしっかり休みが取れたり、ヘルパーさんがもし酪農家になりたいというふうに希望しておられたら、その中でリタイアする方がおられればうまくマッチングしてくれるような組合の方がおられたり、農協のあっせんをしてくれる方がいたりといういいヘルパー組合があると思えば、逆に、ヘルパーさんがまさにブラック企業だというぐらいに組合に対して不満を持って、労働相談等に電話をせざるを得ないようなところもあります。 ここは何とか、ヘルパーなしには酪農はもう成り立たないので、しっかりと制度をもう一段上に上げていくべく、いいところからいろんな情報を聞き取って、ヘルパー組合や運営の制度にある程度のガイドラインを作っていただいて、しっかりとこのヘルパー制度を確立させていただきたい。 徳永委員、時間切れでしたので、引き継いで私も質問させていただきますけれども、農林水産省もいろんなことをやっていただいております。このことについて御答弁をお願いします。
○国務大臣(森山裕君) 先ほども徳永委員にもお答えをいたしましたが、ヘルパー制度というのは非常に大事な制度だと思っております。 先ほども小川委員のお話がありましたとおり、酪農を新たに始めるということは大変な投資でございますので、酪農からおやめになるところを誰かが確実につないでいけるという仕組みをどうしてもつくっておくということが大事なことなのだろうと思います。そういう意味からも、ヘルパー制度というのは、酪農の担い手となる、どうヘルパーを育てていくかという視点も取り入れて政策を進めさせていただくということが大事なことではないかなというふうに思っております。 また、傷病時の利用の円滑化とか、あるいはヘルパーの利用組合の強化策とかいろんな政策を進めさせていただいておりますので、この政策を更に充実をさせていただいて、私が申し上げたいことは、酪農家を必ず引き継いでいけるヘルパーを育てていくという視点を大事にしたいと考えております。 以上であります。
○小川勝也君 先ほど申し上げたパイロットファームに入植された方は多分休みなし、これが当たり前だったと思います。今やっぱり、他産業並みという言葉もありますけれども、休みのない仕事というのは、これはもうあり得ないわけでありますので、酪農家がしっかり休める酪農、そしてそれを手伝うヘルパーもしっかり休めるヘルパー制度じゃなきゃ意味がないと思いますので、省を挙げての取組をお願いをしたいと思います。 私は旭川の北四十キロの和寒町というところの出身なんですけれども、生産物の名物はカボチャと越冬キャベツなんですけれども、これが少しお値段が取れるときには笑顔が広がるんですけれども、今年は両方厳しいという話でありまして、笑顔がなかなか見られないわけでありますけれども、カボチャのお値段が値崩れ、ニュージーランドから入ってきている。 さっき徳永さんがしっかりと前触れしていただきましたけれども、TPPが批准されて野菜の関税がゼロになると、今まで予想もされなかったようなものも、先ほど徳永さんがしっかり言ってくれましたけれども、いわゆるスーパーでラベルを見て、産地表示を見て買ってくる分には、これは国産のインセンティブはまだありますよ。しかし、家でまないたと包丁を使ってカボチャを切る世帯がどれだけ減少していくのかということを考えると、外食、弁当、総菜含めていわゆる外国産のインセンティブがどんどん高まっていく中で、今TPPの大筋合意であります。 野菜といえども、一部の軟弱野菜と足が極めて早い野菜以外は私は安閑としておられないというふうに思っておりますし、この質問を考えているときにふと思い付いたのは漬物であります。漬物は、いわゆる日本以外のところで漬けて、持ってくる間に味がしみ込むからちょうどいいんですよね。こういうことを考えたら、商社の方にヒントを与えているとすれば私も罪な男ですけれども、そういうことも踏まえて、野菜だから安心だということはないと思うんですよね。 だから、今、TPPに加入、批准する前からカボチャが入ってくる事情はどういうことなのかということと、野菜についてはどういう事柄が心配されるのか、お尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(今城健晴君) 野菜につきましては、先ほどもございましたとおり、現在そう関税が高くないという状況にある中で、一定のやはり加工・業務用需要というものが輸入されているというのは事実でございます。 その中で、やはり今回のTPP合意という中では、関税を一定期間掛けて段階的に撤廃するというもの、あるいは即時撤廃のもの、いろいろございます。その中で、やはり全体としては、鮮度や安心感、用途や出回り時期のすみ分け等、輸入品の差別化が図られている品目が多いのではないかというふうに考えております。したがって、TPP合意により直ちに大きな影響が生ずるわけではないと見込まれますけれども、他方、長期的にはいろんな価格の低下等の影響が懸念されるということであると思います。 そこで、やはり今般決定しました総合的なTPP関連対策大綱というのを踏まえまして、その中でも産地パワーアップ事業というものの創設等ございます。その中で、農業者等が行う高性能な機械、施設の導入ですとか、高収益作物・栽培体系への転換という対応が図られるということになろうかと思います。 それで、お尋ねのありました、どうしてTPPの前から既にカボチャなんかがたくさん入っているのかというお尋ねでございますが、これは国産のカボチャの時期が、現在、北海道それから鹿児島等が中心だと思いますが、六月から十一月という出回り時期、日本の気候に合わせて、そういうのに対し、それが終わりましたら、例えばメキシコ産が入っておりますが、これは十二月から一月に入っている。あとニュージーランド、これはちょうど逆さまでございますので一月から五月に入っているという形で、店頭には終年で一応カボチャが並んでいるというのが現状だと思います。 そういう中で、一般的に野菜についてどういうような対応をするかということでございますけれども、やはり全体的には加工・業務用野菜ということについてしっかり国産が対応していくということが対策の主眼になろうと思いますので、今後、作柄安定技術の問題ですとか、それからいわゆる機械化一貫体系の導入ですとか、そういう加工・業務用需要に向けた対策というものに力を入れていきたいというふうに考えております。
○小川勝也君 ありがとうございました。 最後に、今日の日本農業新聞、大臣、御覧になられましたでしょうか。江藤拓さんの「アンテナ」というところです。 御配慮をいただいて、山田委員長と山田修路さんと私と、TPPの派遣で勉強してまいります。オーストラリアで和牛農場に行くんです。ちょっと違和感があるんです。いわゆるアルファベットのWAGYU、これが日本も使っているというのを、江藤さんが漢字を使えと、WAGYUは本当に和牛なのかというふうに書いてあるんですね。これちょっと読んでおられるかどうか分かりませんけれども、私もこの江藤さんの意見に賛成であります。 大臣、本当にローマ字のWAGYUでいいのか、漢字の和牛の方がインパクトあるんじゃないかという意見に対して御感想をお願いします。
○国務大臣(森山裕君) 申し訳ありませんが、ちょっと日農新聞を読んでおりませんのでよく分かりませんけれども、ただ、ちょっと申し上げたいことは、閣僚会議でシンガポールに何回も参りました。そうしますと、あそこに伊勢丹のお店がありまして、地下が食品売場なんですけど、和牛コーナーがいっぱいあるものですから、私はどこの県の和牛が来ているのかなと思ってずっと見てみましたら、あそこで和牛というのは全部オーストラリア産でございまして、和牛という表示の在り方というのは本当に考えないとまずいなというふうに思いました。何か日本の和牛の名前がオーストラリアから取られているような気がいたしました。 ちょっとまたそこで一つだけ、自慢話になるかもしれませんけれども、じゃ、日本の本当の和牛は何と表示してあるかというと、曽於牛というふうに表示がしてありまして、私の選挙区の曽於市というところの食肉センターから輸入しておられるものですから、曽於市、曽於牛というふうに書いてございました。これが本当の和牛なんだなというふうに改めて思いましたし、ただ、そこで販売しておられる方は、我々が売っている曽於牛はWAGYUとは全然違うんだという非常に誇りを持って売っていただいておりましたけれども、ただ和牛、和牛というのはいかがなものかなと思いますし、今度はアメリカに参りますと、日本の和牛は全部コーベビーフであります。 だから、これ、どういう形で輸出戦略を立てた方がいいのかなというのは非常に難しい課題だなと思いますけれども、消費者の皆さんが迷われることのない、正しい表示の在り方というのはしっかり考えていかなきゃいけないというふうに思っております。 答弁になっていないかもしれませんが、お許しをいただきたいと思います。
○小川勝也君 終わります。
○委員長(山田俊男君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時二十一分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(山田俊男君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、島田三郎君が委員を辞任され、その補欠として渡邉美樹君が選任されました。 ─────────────
○委員長(山田俊男君) 休憩前に引き続き、農林水産に関する調査のうち、環太平洋パートナーシップ(TPP)協定に関する件及び畜産物等の価格安定等に関する件を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。 私の方からも、まずは森山大臣、そして伊東副大臣、御就任おめでとうございます。また、佐藤政務官も引き続きよろしくお願いいたします。お祝いを申し上げるまでもなく、御就任早々、まず最初の仕事がTPPということでありますので、休む間もないというところかと思っております。 私たちも、十月初旬にこのTPPが大筋合意を見まして、我々もまずは現場の声を聞こうということで、とにかく手分けをいたしまして、各地の生産者の皆様の声、伺ってまいりました。お一人お一人お伺いして、またその意見を集めまして、党としての提言も政府の方に申入れをさせていただいたところでございます。先日発表されました政府の総合的なTPP関連政策大綱、ここにも我が党の提言も多数、随所に盛り込んでいただいたということ、御礼を申し上げたいというふうに思っております。 ただ、この大綱というのは当然大綱でありますので、大枠、方向性を示したというところでございます。本当に大事なことは、まさに今後の農林水産分野における攻めと守り、その両策についてこれからしっかりと議論を深めながら、この具体策にやっぱり昇華させていくということが我々に何よりも求められているのかなというふうに思っております。本日の議論もその第一歩として、まずは今日、午後のトップバッター切らせていただきたいというふうに思っております。 実効性あるTPP対策ということを考えていく上において、やはり私は避けて通れないのは、かつて六兆円を超える予算をつぎ込みながらなかなか効果が見られなかったというふうに評価を得ておりますガットのウルグアイ・ラウンドに対する国内対策でございます。メディアでも昨今やはりこの問題がよく取り上げられておりまして、農業の基盤強化、競争力強化のために使われているはずなのに、何か温泉施設がたくさん造られたですとか、そういった報道がどうしてもよく目に付くということでございます。 やはり、これはしっかりと、このときに、じゃどういうことが議論されて、一体どういうところでもう少し改善点があったのかということをしっかり踏まえて今回対策を取っていかなければいけないということであるわけで、自民党の皆様は、先輩議員の皆様をお迎えして、かつてのことをいろいろ議論したというふうにお伺いしております。大変すばらしい取組だなと思います。 私も、何とか、じゃ、ガットのとき、ウルグアイ・ラウンドのときに一体どういうことが議論されたのか、自分なりに勉強しようと思いましても、いかんせんもう二十年以上前の話でありまして、これ、そのときの具体的な状況というのはやっぱりなかなか得にくいなというのも実感しております。 当時の、例えば予算の費目を見ることはできるんですね。ただ、見ていきますと、結構実は今予算の項目に並んでいるようなものと基本的になじみのあるものが多くありまして、例えば農業農村整備事業、これが三兆一千七百五十億円とか、あるいは農地流動化対策、二千二百二十七億円、これ農地の貸し手とか借り手の掘り起こし活動ということで、まさに今やっているようなことを当時も一生懸命やっていたんだということしか、なかなかこの費目と金額見ているだけだと、その先が見えてこないというふうに思っております。 そこで、まずお伺いしたいんですが、このガット・ウルグアイ・ラウンドの対策の反省点、これが一体何だったのか。やはり、同じ轍を踏まないように、じゃ、今対策をつくろう、あるいは予算編成をしようというときに、一体どういうところに留意されて今作業されているのか、これを是非お伺いしたいと思います。
○国務大臣(森山裕君) 平木委員にお答えをいたします。 ガット・ウルグアイ・ラウンド、いわゆるUR関連対策につきましては、いろんな御意見があることは重々承知をしております。担い手の規模拡大やコスト削減など、農業の体質強化に一定の成果を上げたのではないかなというふうに思っておりまして、数字で申し上げますと、例えば担い手の経営規模でございますけれども、これは大体圃場整備事業を実施した地区におきましては、事業実施前が二・九ヘクタールであったものが実施後は七・二ヘクタールに、二・五倍に拡大をしているということも一つございます。 また、担い手の稲作労働時間が同地区におきましては、事業実施前は五十六時間であったものが実施後は二十時間、十アール当たりの時間になっておりますので、担い手の稲作労働時間というのは六四%短縮をされたというふうに思っておりまして、日本の稲作農業というのはこのときに大きく変わったのではないかなというふうに思います。 また、担い手への農地の集積というのも三十五万ヘクタール実は増えておりますし、新規就農青年、いわゆる三十九歳以下の数も、平成六年は六千三百人であったものが平成十年は一万一千百人となりましたので、四千八百人増えているとかという、そういう効果の出ている面もあることも御承知おきをいただきたいと思っておりますが、温泉施設などの整備とか広域農道も批判をされるところでありますけれども、農業の生産向上や成長産業化に直接関係のない事業も実施されたのではないかという批判があることは重々承知をしております。 今回のTPP対策におきましては、こうした経験を踏まえまして検討させていただいたものでございますし、また、御党からの政策提言もそういう考え方に沿って政策提言をいただいていると理解をしております。 農林漁業者の不安や懸念を払拭をするために、協定発効に合わせて実施をさせていただきます経営安定対策の充実等の措置を講ずるということが一つ今回はございます。 もう一つは、攻めの農林水産業への転換として農林漁業者の経営発展に向けた投資意欲を後押しするため、輸出力の強化やマーケティング力の強化、付加価値の向上などの体質強化対策を集中的に講ずることとしておりまして、UR対策の反省に立ちまして真に必要な対策を取りまとめることができたのではないかと、そういうふうに考えております。
○平木大作君 大臣の方から、成果も多々あったんだという御紹介もいただきました。私も、与党の中で様々今議論に加わらせていただく中で、まず何か金額ありきみたいなことではなくて、しっかりと何が本当に役に立つのかという議論ができているんじゃないかなということを実感しております。 もう一点お伺いしたいんですが、今度はちょっと税制面についてお伺いしたいと思っております。 強い農業をつくっていく上で、やはり生産基盤である農地がしっかりと生産性を高めていく、農地の生産性を高めていくということはやはりこれ必要不可欠であるというふうに思っております。特に、今回のこのTPPの大筋合意を受けて、どんどんどんどんこれはスピードアップしてしっかりやっていかなきゃいけないということが目の前にやはり課題としてあるわけであります。 現在、政府の中でも、てこ入れ策として、これは税制面もしっかり使ってこれを更にスピードアップしていこうという取組、検討されているというふうに思っておりますけれども、報道で大分具体的な内容も何か出てきているかなというふうに思うんですが、この点について、特にやはり、これ現場の皆さんはなかなか、じゃ何で今まで集積が思ったほどは進まなかったのかというところ、当然、出し手の方のお気持ち、あるいは地域の方のお気持ち、こういったところにもしっかり酌み取った形でやっぱり制度をつくっていかないとなかなか動かないのかなというふうに思っております。 今ちょうどタイミング的には、税制ですので、話しにくいところが多いかとは思うんですけれども、現状お話しできる範囲で、どういった対策になりそうなのか、方向性だけでもお聞かせいただけたらと思います。
○副大臣(伊東良孝君) 今、土地税制の検討状況についてのお尋ねでありますが、本年六月三十日に閣議決定がなされました日本再興戦略改訂二〇一五等におきまして、農地中間管理機構の機能強化の観点から、農地の保有に係る課税の強化あるいは軽減等によるインセンティブ、ディスインセンティブの仕組みについて、本年度に政府全体で検討し可能な限り早期に結論を得ると、こういうこととされております。 これを踏まえまして、農林水産省といたしましては、遊休農地を放置している場合の固定資産税の強化と農地中間管理機構に貸し付けた場合の固定資産税の軽減、これをセットで要望しているところでありまして、現在、与党の税制調査会で議論が盛んに行われているところでございます。 以上でございます。
○平木大作君 ともすると、この課税強化という言葉だけが先に来るとなかなか現場の皆さんも身構えてしまうわけでありますけれども、これは軽減とセットで今政府の中でも検討していただいているというふうにお伺いをいたしました。 これ、私本当に必要な方向性だなというふうに思うんですが、やはり例えば、先ほども少し言及しましたけれども、これもう二十年以上前のときにも集積をもっと進めようということでやってきた。大臣からは成果もあったんだよという御答弁もいただきましたけれども、なかなか、ただやっぱり思ったスピードには付いてこないというのが現実としてあるわけでございます。 これやはり、何でなんだろうと。集積がここまで、昨年も農地中間管理機構を含めていろんな手が打たれたんだけれども、なかなかその目標に届かないのはなぜなんだろうと。いろんな要因が当然あると思うんですが、私は、やはり何で集積が必要なのかとか、集積することで一体どんな未来が描けるのか、また、そういったことがきちんと現場の皆さんに伝わっていない、腹落ちしていないということがやっぱりまだまだあるんだろうというふうに思っております。 ちょっとそれを示唆するものを一つ御紹介したいんですが、これ午前中の議論の中でも少し関連したところがあったと思っているんですが、今月二日の日経新聞一面の記事が、私、大変違和感というか、ちょっと残念な思いで読ませていただきました。これ、どういう記事かというと、今のまさに御説明いただきました農地の税制についての解説記事が載っていたんですね、一面に。私もそれで興味深く読ませていただいた。まさに農地の税制について、耕作放棄地がなかなか止まらない、こういうのを一体どうやって集積していくのかという解説記事の隣にあった記事が、タイトルが「食料危機が好機」と、こういうタイトルの記事でありまして、出だしがこうなんです。「二〇五〇年に世界人口は百億人に迫る。その胃袋を満たすには、今より六割の食料増産が必要だ。」と、こういう出だしで始まっていまして、記事の中身何かというと、その決め手はコオロギだと書いてあるんですね。 要するに、コオロギが実は最もカロリーとたんぱく質、これを効率的に取れる食料じゃないかと。食料危機が来たときに、牛一頭育てるのよりもぐっとちっちゃなコストでコオロギがこれからの食料危機の解決策なんだと書いてあると。実際に、じゃといって、コオロギを一生懸命五十万匹とかつくっているベンチャーが出てきていたり、あるいはホットドッグのトッピングにコオロギの素揚げみたいなのを今トッピングしていますよという記事が載っている。 日本でも昆虫食というものが一時、我々の生活を支えた時期が当然あります。今でも私もイナゴですとか蜂の子食べたりしますので、文化としてしっかり保っていかなきゃいけないというのはあるわけですが、同時に、もう牛肉は食べれませんと、もうそういった余裕がないと、いよいよコオロギでとにかく飢えをしのぐしかないとなってしまったら、本当に最悪であります。 「コオロギこそが食料危機の救世主だ」みたいなことが書いてあって、結びが何て書いてあるかというと、この記事の結びは「世界で農地確保の争奪戦が始まる。」ということで終わっているんですね。この二つの記事が本当に隣り合っているというのは、何だろうこのちぐはぐ感はという思いがやっぱりいたします。 世界に目を転じていけば、二〇五〇年とか長いスパンで見てきたときに、やっぱり農地をしっかりとこれ基盤を保ち続ける、また集積をしていくということが本当に力になるんだということがやっぱり現場の皆さんにまだまだ腹落ちしていない。だから、じゃ、地域挙げて集積していこうとか、しっかりこの農地は荒れさせないんだという思いにやっぱりつながっていかないのかなというふうに思うわけであります。 行く行くは、この地域おこしも含めて、やっぱり農地をしっかり大事に集積して競争力強めていくことで地域おこしにつながるんだと、さらには、政府も今掲げております輸出大国というものも含めて視野に入ってくるんだというところを、これはもう懇切丁寧に政府の方からも引き続きこれ現場の生産者の皆さんにとにかく訴え続けていただきたいし、話し合っていただきたいと思うんです。 この点について、これ実際に、我々が今まさに生産者の皆さんのところにお伺いしてお話をお伺いしていると、よく耳にするのは、例えばTPPに関しても内容の合意がやっぱりいまいち分からないんだよなと、自分のビジネス、自分の作っているものにどういう影響があるのか分からないし、将来どうなるのか分からない、先行きが不安だという声をやっぱり多くいただくわけであります。 まさに現場の生産者の皆さんと政府との対話ということを、これはこれまでの衆参の予算委員会ですとか衆議院の連合審査の中でも、今一生懸命現場歩いています、各地で現場の皆さんに説明に歩いていますよということを実際に御紹介いただいたわけですが、私、それ是非もう一歩進めて、当然、現場現場で説明会開いていただく、大事なんですけれども、もう一歩更にちょっと細かい対応というんでしょうか、お一人お一人がこれどうなの、ああなのと聞いてきたらすぐ答えられるとか、とにかくTPPに関して、攻めの農業に関して相談があったら何でもこの窓口に寄せてくださいみたいな、よりちょっと個に対応する形で政府本腰でこれ取り組んでいただきたいと思います。 この点について、この現場の不安払拭の取組、政府としてどういうお考えなのかをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(佐藤速水君) お答え申し上げます。 生産者の方々の不安を解消いたしますために、十月の中旬以降、全国の各地域ブロックごとに分野別説明会をこれまで四十六回開催しました。このほか、本省だけではなくて地方農政局ですとか地方参事官を活用いたしまして、様々な機会を通じて各地で説明を実施しているところでございます。 また、十月一日に各都道府県に新設されました地方参事官、この方が管内各地を回りまして、TPPを始めとして各種施策を周知するということとともに、地方参事官が配置されました各都道府県の拠点におきましては、地域の生産者などからの各種の質問、相談に応じる総合窓口を設置しております。TPPに関連した様々な質問、相談についてもワンストップで受け付けております。 今後、補正予算決定後は、このTPP対策の詳細につきまして全国レベル、地域ブロックレベル、都道府県別、分野別などの説明会を開催することを検討しております。その際、地方農政局ですとか地方参事官なども総動員いたしまして、全国各地域において丁寧できめ細やかな説明を行ってまいりたいというふうに考えております。
○平木大作君 本当に、現場の皆さんの不安の声といっても私やっぱりいろいろあるなということをこれまでいろいろお伺いする中で感じました。当然、海外からいろんな産品が入ってくることで自分たちのものはどうなっちゃうんだろう、大変になるなという、ある意味守りの観点からの不安の声というものも当然ありますし、一方で、今回のが、これ、じゃ自分はもし外に攻めていこうとしたらどういうことができるんだろうとか、そういういわゆる攻めの観点で、でもやっぱり、じゃどこに持っていったらいいのかとか、どうやって販路を開拓しろと海外で言うんだ、国内でも難しいのにという、やっぱりどちらかというと攻めの観点で結局将来が見えないから不安という声、不安と言ってもやっぱりいろんな角度があるんだなというふうに思っております。 結局、多様な生産者の不安、これをしっかり払拭する、そのために本気で向き合おうと思ったときには、当然最初はまずいろんな地点にキャラバンでお伺いしていただいて説明していただく、とっても大事なことであると思うんですが、やはりそこに集まってくる方というのは極めて限られた方たちでありますので、この個々の対応というのは是非これからも更に強く力を入れていただきたいと思うんですね。 この点、私もとにかく一番大事な点がこれではないかなと。現場の皆さんの声をどれだけ吸い上げて、どれだけ個々に相談にしっかり応えていくのか、相談に乗っていくのか、これができるかどうかがやっぱり今後、この新しい農政が成功する一つの鍵だなというふうに思っておりまして、先日、この質問にも関連して、農水省、いろいろ一緒に議論させていただいた。そのときに、今御答弁いただいたような地方参事官というのがやっぱりこれから鍵ですよということをおっしゃっていただいて、改めて、あっ、そういえばこれ、さきの通常国会でやったんだったなということを思い出しました。 この十月の一日から地方参事官は各県にいるわけですね、全国で五十人。確かにそうだという思いで、私もそのちょっとヒントをいただいて、実際に千葉県の森山地方参事官、連携取らせていただいて、今どういう状況ですかというのをお伺いしました。お伺いしましたら、大体千葉県の場合でいくと、地方参事官のチームが大体二十人ぐらい、この二十人でまさに市町村担当分けをして、今各地歩いていますと。いろんなお声ないですかというのも含めて聞いたりして歩いていますよということで、大変頼もしいお答えをいただいたんですが、じゃTPPについて何かいろいろお問合せってやっぱり来るんですかと聞いたら、正直あんまりないですと。こちらから言うと、ああ、どうなるんだろう、具体策が来たら教えてねと言われるんだけれども、なかなか実はTPPに関してはあんまり聞かないねということでありまして、今実際に寄せられている声だとかこの参事官の活動がどうなっているかというと、やっぱり政府の今、施策、補助金の在り方だとか政策を説明する、向こうからも、それ何とかうちで付かないかという要望を受けるという、どちらかというとやっぱりこういうやり取りにとどまってしまっているのかな。 この地方参事官という制度を我々が議論したときに何を話していたかというと、まさに現場にしっかり伝える、それから、現場の声をしっかりくみ上げるということと同時に、現場と相談して課題を一緒になって解決するんだということがあったはずなんですね。やっぱりここを、機能をしっかりこの参事官、制度として作りましたから、発揮していただけるかどうかというのがやっぱり最大の鍵であるというふうに思っております。 その意味では、まだ発足して二か月しか活動していませんので、当然今一生懸命動いていてもなかなかまだ現場に浸透しておりません。単協の例えば組合長さんとかは、ああ、何かよく来てくれるみたいな話でだんだんだんだん顔が通じていっているわけですけれども、じゃ現場の皆さんが、これどうしようと、農政のお困り事を相談しようというときにすぐ、じゃ参事官に聞いてみようといって電話をするかというと、やっぱりまだまだそこまで浸透していない。 是非これは政府を挙げて、この地方参事官にもっともっと皆さんの現場の声上げていただく、また相談に乗って、今のある意味政府の施策じゃ解決できないかもしれないけれども、一緒になって腕組みして考えましょうと、是非そういう体制を取っていただきたいし、もっともっとアナウンスしていただきたいというふうに思っております。 そして、大事なことは、この二十人の体制で今は回っているということで、私がお伺いした限りでは今のところスタッフが足りないとか何がないということはないよということでありましたけれども、やはりこれを実際に、じゃ、地方参事官に声上げてくださいと言ったら、これパンクしてしまったりということも当然考えられるわけでありまして、そういうときにしっかり、これ今キャパが足りているのかとか、あるいはどんな声が実際に来ているのか、解決できないけれどもどんな声が寄せられたのか、こういうところも是非これ本省としてしっかりバックアップしていただきたいと思います。人数足りないとか予算が足りないとかいうことであれば、我々やっぱりこれ全力で応援しなきゃいけないなということを改めて今思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 ちょっと長くなりましたが、次に、ちょっともう少し細かい品目のレベルで今度はお話をお伺いしたいと思っています。 今日午前中もお米についてはいろいろ議論があったわけでありますが、ともするとこの守りの部分だけが強調されるわけでありますけれども、今回お米に関しては攻めの部分もやっぱりあったなというふうに思っております。 結論として、日本から輸出しようと思うときに、これ最終的にはほとんどの国で今回のTPPの対象国に関しては関税が撤廃されるということでございます。メキシコは二〇%の関税が十年で撤廃、マレーシアは四〇%が十一年、そしてベトナムは二二・五%が即時撤廃ということで、関税だけ見ていると大分ハッピーな感じもするんですが、当然これは、指摘しておかなきゃいけないのは、日本からのお米の輸出がなかなかまだそんなに量がないというのは、主な原因が別に関税障壁が高いからということではないということでありまして、これからやはり戦略的にこのお米の輸出をもっとしっかり増やしていこうということであれば、当然これ基本に立ち返って、じゃ、これ今まさに国内で行われているのと同じようにどこにこういう需要があるんだろうか、あるいはどうやってその地域地域に合った需要というのを開拓していくんだろうかと、やっぱりこういう活動がどうしても避けて通れないのかなというふうに思っております。 今でもこのお米というのは大変厳しい経営を強いられているわけでありますけれども、頑張っているお米農家へ行って今どんなお米作っているんですかと聞いたときに、この辺りは大体コシヒカリだよ、みんなという答えではやっぱりなかなか今厳しくなっているわけですね。 実際に、じゃ、工夫されている方の一つの例でありますけれども、カレーライスとか牛丼用にお米をとにかく特化して作っていますという方は、つゆだくにしてもべちゃべちゃしない、みつひかりだとかそらゆきだとかそういう品種作っていると。おにぎりとかお弁当用には冷めても硬くならない、そういうみずほの輝き。回転ずしは、ちょっと硬くてほぐれやすい、あっさりしている、こういう笑みの絆。リゾット用というのもあるようでして、大粒で粘りが少ない、煮崩れしないという和みリゾットというお米があると。これ、一つだけじゃなくて、いろんなものをある意味こうやって需要に合わせて作りながら複数並行して作るので、収穫期が重ならなかったりしてより効率も高まると。こういう取組を意欲的な農家の皆さんやっていらっしゃる、本当に頭が下がる思いなんですが。 これ海外に目を転じたときに同じことが多かれ少なかれやっぱり必要なわけでございます。特に海外の場合は、食文化の、食習慣も違う中で、じゃ日本にある今お米のどれが本当に一番フィットするんだろうかとか、食べ方ってやっぱりちょっと日本とは違うんだろうかとか、そういうことも含めてお米作っていかなきゃいけないというわけであります。 そこでお伺いしたいわけですが、この米の輸出促進、今後は海外市場における例えば食味評価の違いとか粘り気とか食感の好みだとか、いわゆる海外で売れるお米ってどんなものなのか、こういう情報提供こそ本当必要だと思っていますし、輸出にそもそも適した品種って、この地域だとこれですよ、こういう形のアドバイスだったりというものがやっぱり必要かと思うんですが、この点について、お米の攻めの政策、政府としてどんな取組をされるのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(柄澤彰君) お米の輸出についてのお尋ねでございます。 今も御紹介ございましたように、TPP参加国の我が国の米に対する現行の輸入関税率はいろいろございますけれども、今般のTPP交渉の結果、ほぼ全ての国の関税が最終的には撤廃されることになったわけでございます。 一方、現実の我が国からの米の輸出量を見てみますと、近年着実に増加しておりまして、例えば、本年一月から十月までの輸出量は五千七百八十五トンでございますが、これは前年同期比で七一%の増という伸びがございます。 この輸出促進につきましては、今まさに御指摘ございましたように、戦略的に取り組むということが重要だと思っておりまして、まず検疫条件など輸出国の輸入障壁の改善に向けた働きかけを行うということ、また、いろんな関係者がいらっしゃいますので、幅広い関係者が参画する輸出促進のための全国団体を昨年十一月に立ち上げたわけでございます。さらに、積極的な海外マーケットの調査、日本産米の統一ロゴマークの開発、オールジャパンでの日本産米のプロモーションなどの取組を積極的に現在取り組んでいるところでございます。 これに加えまして、先般、十一月二十五日のTPP政策大綱におきましても、高品質な我が国農林水産物の一層の輸出拡大ということが定められたところでございますので、まさに海外マーケットのニーズを捉えて、そういった情報を関係者に提供しながら、今掲げております二〇二〇年までに米、米加工品の輸出目標六百億円という目標をできるだけ早期に達成できるよう全力で取り組んでまいりたいと思います。
○平木大作君 牛肉についてもちょっとお伺いしておきたいと思います。 農林水産物・食品の輸出額一兆円目標の前倒しと、ちょうど昨日ぐらいの報道でしたでしょうか、もう今年の一月―十月だけで六千億超えたというような発表もございました。まさにその牽引役を期待されているのが和牛なのかなというふうに思っているわけでありますけれども、これについても、現場の皆さんにお伺いすると、やっぱりいろんな要望をいただきます。その中でも結構あるのがやはり輸出食肉取扱施設の偏在ということでありまして、実際にブランド牛の産地である例えば兵庫だとか宮城に県内にそもそもない。関東の中でじゃどこが一番近いかなと探すと群馬の前橋に行くしかないというようなことがありまして、また、その前段階として、輸出というところまで行かなかったとしても、そもそも国内各地の食肉市場施設の老朽化というのは本当深刻で、これもういよいよ更新の時期に来ているんだという声を本当にいただくわけでございます。 こういう中において、そもそも今回、TPPの中で一つ、じゃ、和牛輸出促進だということであるわけでありますけれども、これTPPの十二か国に限る必要は全くないわけでありまして、例えばEUに対する和牛の輸出も始まったという中において、じゃ、相手国が求めるHACCPの衛生管理基準ですとかそういったもの、やっぱりこれをある意味前取りして、先取りして、ある意味どんどん達成していくような、そういう姿勢がやっぱり求められるんだろうというふうに思っております。 輸出拡大のチャンスを生かすようなインフラ整備の推進について、施策をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(今城健晴君) 牛肉輸出の施設についてのお尋ねでございます。 委員御指摘のとおり、国産牛肉の輸出先として有望な市場でございます米国、EU等への輸出についてこの施設をしっかり整備していくと、これは動物検疫所、相手国から認められた施設でないと駄目という前提でございますので、そういう対応型の施設づくりということにつきましては、強い農業づくり交付金、これに優先枠を設けまして、通常の補助率三分の一を二分の一にかさ上げして採択されるなど、食肉処理施設の整備を支援しているということでございます。 今、委員御指摘のとおり、ある程度、現在アメリカ向けで十か所、EU向けで四か所ということで、偏在しているという御指摘のとおりでございますので、今後、牛肉の輸出促進ということに向けまして施設整備の支援強化を図っていかなければならないということでございますので、この強い農業づくり交付金の優先枠等を活用していただけるようしっかり対応していきたいというふうに考えております。
○平木大作君 もう一問、別の角度からちょっとお伺いしたいんですけれども、やはり現場の皆さんからよくいただく声というのは、加工食品の原料原産地表示についてでございます。 この原料原産地表示、現在の基準というのが、基本的に、委員の皆さんよく御存じだと思うんですが、二つの基準に照らして、それをクリアした二十二の食品群に対してだけ義務付けられているという状況でございまして、じゃ、どういう二つの基準かというと、①原産地に由来する原料の品質の差異が、加工食品として品質に大きく反映されると一般的に認識されている品目、そのうち、②製品の原材料のうち、単一の農畜水産物の重量の割合が五〇%以上である商品と、こういう二つの基準をクリアした二十二の食品群ということなわけであります。 何かこの基準自体はそんなに違和感は感じないわけですけれども、じゃ、二十二って具体的に何かと見ていくと、ちょっとぴんとこないんですね。一番目が乾燥したキノコ、野菜、果実、二つ目が塩蔵したキノコ、野菜、果実、三つ目がゆでたり蒸したキノコ、野菜、四つ目がカットしたみたいな、何かそういうのが続いて、突然、五番目が緑茶及び緑茶飲料、六番目が餅とかとなっていると。これが二十二項あっても、本当にこれがこの二つの基準をクリアしてくるとこれしか残らないのかというのも含めて、ちょっとやっぱり疑問なわけであります。 例えば、よく議論されるハムとかソーセージが実際にこの中に入ってこない。このハム、ソーセージをやっぱり①、②に照らしたらどうなんだろうと思うんですけれども、入ってこない。また、先ほどちょっと御紹介しました野菜ですね。カット野菜のままだと表示義務があるんだけれども、ドレッシングを掛けると義務が外れるみたいなこともちょっと言われていたりする。何かやっぱりしっくりこないというわけであります。 この政府から発表していただいた大綱においても、この対象品目の拡大を検討するということがされたわけですが、今後のこの検討の方向性とスケジュール感、これをお示しいただきたいなと思います。そして、このそもそも一つ目、二つ目の基準というのが具体的にもうちょっとどういう基準で運用されているのか、これを併せて御説明いただけたらと思います。
○政府参考人(吉井巧君) お答えいたします。 現行の加工食品の原料原産地表示につきましては、食品表示法に基づく食品表示基準で規定をされております。委員御指摘のとおり、現在二十二食品群及び四品目が義務対象となっているところでございます。 まず、義務対象品目の選定につきましては、平成十五年当時、農林水産省と厚生労働省の食品の表示に関する共同会議におきまして、原料原産地表示を義務付けるべき加工食品の要件等につきまして検討がなされました。御指摘の二つの選定要件を基に平成十六年九月に義務対象品目として当時二十食品群及び四品目が決定されたものと承知をしております。 具体的には、生鮮食品に近い加工食品ということで、原産地によって原料の品質に違いが見られるなどの食品が選定をされております。また、この品質の違いに着目をしたということから、これらの加工食品の原材料のうち、重量の割合が五〇%以上を占める原材料がある場合、こうした場合にはその原材料に係る原産地を表示することが義務付けられているということでございます。これまでこの二つの要件を満たすものを対象といたしまして、表示実行上の問題点や消費者の関心等を加味しながら、順次義務対象品目の拡充を行ってきているところでございます。 なお、今後のスケジュールにつきましては、現時点では具体的なスケジュールは決まっていないものの、今回総合的なTPP関連政策大綱に盛り込まれたということを踏まえまして早急に準備を進めていきたいというふうに考えているところでございます。 また、本件につきましては、加工食品の生産、流通、消費、この実態を踏まえた検討が必要になってきます。これらの施策を所管する農林水産省とも緊密な連携を図ってまいりたいと考えているところでございます。
○平木大作君 農水省としてもどう取り組まれるのか、お伺いしてよろしいでしょうか。
○政府参考人(小風茂君) お答えいたします。 加工食品の原料原産地の表示につきましては、今般のTPPの大筋合意を踏まえまして拡大の要望が各方面から出されているところでございます。これを受けまして、十一月二十五日に決定された総合的なTPPの関連政策大綱におきまして、「原料原産地表示について、実行可能性を確保しつつ、拡大に向けた検討を行う。」というふうに位置付けられております。 農林水産省といたしましても、本件は重要な課題と認識しております。関係者などと意見交換をしながら、今後、食品表示制度を所管します消費者庁とも連携しつつ、しっかりと取り組んでまいりたいと、こういうふうに考えております。
○平木大作君 今御答弁にもいただきましたこの実行可能性を確保しつつというのは大綱にも書いてあるとおりでありまして、これ実際に加工業者の皆さんがそもそも追っかけるだけでも表示するだけでも大変だよとなってしまっては元も子もないわけでありますので、ここをしっかり見極めていただかなきゃいけないんですが、先ほども申しましたけれども、一方で基準が分かりにくいと我々としても議論のしようがないわけでありまして、例えば今回、検討の結果、二十二品群が三十五品群になりましたと言われても、本当にそれが納得の結論なのかというのはやっぱり検証のしようがない。そういう意味では、やっぱり基準、もう少しちょっと分かりやすく、今の、何か何品目ずつ積み上げるということを今までやってきているわけですが、ちょっとそういった意味では、もう少し議論を分かりやすくするような検討を是非併せてお願いしたいというふうに思っております。 次の質問に移りたいと思うんですが、今回のこのTPPの議論に際しまして、私の方からは一貫して、とにかくこの影響の試算というのをしっかり公開して進めてくださいということを何度もお願いしてまいりました。 二〇一三年の三月に、政府として、農林水産業の生産額というのは三兆円ぐらい落ち込むんだということを試算としてちゃんと出されたわけですが、それ以後のアップデートがちょっとなかったわけですね。これについては、先日の衆議院の予算委員会において、安倍総理からも、TPPの経済効果分析について、年内には国民の皆様に分かりやすく提示したいということで御答弁があったわけであります。なので、もうそろそろかなという思いでいるわけでありますけれども、ただ、これ政府がもうそろそろですよと言っている間に、割と実は世間の中ではもう、我々が試算するとこうですみたいなものが、数字が結構出回っております。 例えば、直近の十二月八日付けの週刊エコノミストですと、これ内閣府と同じ経済モデルを使って試算したら、農林水産分野の生産額は控えめに見ても一兆円のマイナスだと、食品加工生産額も一兆五千億円減るんだと、同じモデル使っているから多分大丈夫ですよみたいな感じで記事が実際に出ているわけでありまして、やはりこれ適切な説明ですとか内訳ですとかそういったものなしに、これ数字だけ独り歩きするとやっぱり不安にしかつながりません。そういう意味では、総理がまさに御答弁いただいたように、分かりやすく提示していただくということがこれから本当に大事だと思っております。 現時点でのちょっとこの検討状況発表に対する準備と、今後の多分対策に資するためには全体としてどうかということと併せて、より大事なのは、この品目ごとにどういう影響がありそうなのかということをやっぱり数字とともに示すということであると思っております。この点についてお考えをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(澁谷和久君) まず、内閣官房の検討状況をお答え申し上げます。 TPPの経済効果につきましては、二年前に行いました関税の削減効果といったものにとどまらず、投資、サービスの自由化による効果、さらにはグローバルバリューチェーンの創出がもたらす生産性向上効果などを含めた総合的な分析を行っているところでございます。 公表する際には、結果の数字だけではなく、TPPがどのような因果連鎖で経済成長に寄与するのかという分析を丁寧にお示しをしたいと考えております。各国のデータなども投入して作業を行っておりますので若干時間が掛かっておりますが、年内には公表できるようにしたいと思っております。
○政府参考人(佐藤速水君) 農林水産物の分析につきまして申し上げます。 委員御指摘の平成二十五年三月の政府統一試算におきましては、内閣官房におきまして、GTAPモデルを用いましてTPPの経済全体に与える影響を分析いたしました。その際、農林水産物への影響につきましては、複雑な国境措置があるということで、農林水産省におきまして主要品目ごとの生産減少額を公表いたしました。それとともに、その結果をGTAPモデルに組み入れたところでございます。 やり方でございますが、その際には、内外価格差ですとか品質格差、輸出国の輸出余力等の観点から、品目ごとに輸入品と競合する部分と競合しない部分とに分けた上で、競合する部分につきましては原則として安価な輸入品に置き換わる、競合しない部分は安価な輸入品の流通に伴って価格が低下すると、こういうシナリオを用いて影響を試算したところでございます。 今回の経済効果分析の公表に際しましても、今申し上げました前回の農林水産物について主要な個別品目ごとに分析、公表したことを踏まえまして、よく検討してまいりたいというふうに考えております。
○平木大作君 今日まだまだ質問を用意していたんですが、ちょっと時間がなくなってまいりました。 ここの公表の仕方、説明の仕方というところが本当に大事になると思っております。この後には、実際に、じゃ落花生についてどうなんだろうかということも含めてちょっと関連でお伺いしようと思っていたんですが、既に、例えば品目別で定性的な分析というのは一旦出されているんですね。私も読ませていただいて、今おっしゃっていただいたような、割とロジックしっかりしているように見えて、最後、結局結論が何なのかよく分からないんです、読ませていただくと。この影響は限定的と見込まれるというのと、特段の影響は見込み難いというのは、どっちがどっち、いいんだとか、そもそも、差別化がなされていて、影響は見込み難いとしながら、なぜか更なる競争力の強化が必要と書いていたり、何でという部分がやっぱりないので、これ一体何のために分析するんだろうと。 やっぱりもう一段、今おっしゃっていただいたような、じゃ関税を下げることによって国内の価格が何%ぐらい動きそうなのか、影響が、例えば最大でこのくらいは見込んでおいた方がいいとか、そういったものも含めてないと、価格が五%下がりますというのと一〇%下がりますというのと一五%下がりますというのではやっぱりこれ全く対応が変わってくるはずでありますので、この辺の目安も含めて是非併せてお示しいただきたいということを強くお願いしたいと思います。 時間がなくなりましたので、畜産物価格等についても質問用意しておりましたけれども、また次の機会に譲らせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。 森山大臣は、いわゆるTPP大筋合意直後に就任をされました。非常に重い責任を負う大臣となると思います。環太平洋経済連携協定、TPP協定が言われ始めた頃は自民党党内でTPP参加の即時撤回を求める会の会長をされておりまして、私も度々テーブルを同じくして話し合ったということもありました。今やTPPを推進する要職に就かれているわけです。今後は、ですから大臣には厳しいことを言うことになると思います。農政や国政問題などについて国会でしっかりと議論をしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 それで、早速ですけれども、大臣の資質に関わる問題なので、政治とお金について幾つかお聞きしたいと思います。 十月七日に第三次安倍改造内閣が発足しまして、何人かの閣僚の方の政治とお金の問題がクローズアップされました。政治とお金に関わることで疑念を持たれれば、政治家は説明責任を果たす必要があるわけです。 そこで伺いますけれども、公正取引委員会は、二〇一〇年十一月、鹿児島県が発注した港湾しゅんせつ工事などの入札で談合などにより受注業者や落札予定価格を決めたとして、鹿児島県、熊本県両県の計三十一社に独占禁止法違反で排除措置命令を出しました。鹿児島県の三十一社を指名停止にしました。 大臣は自民党鹿児島県の第五選挙区支部の支部長を務めておられますけれども、第五支部は、この談合業者から、指名停止直後の二〇一一年以降、三年間にわたって約七百万円の献金を受け取ったと報道されています。また、昨年、二〇一四年の政治資金収支報告書によると、二百十五万円の献金を受け取っていたことも明らかになりました。これは事実でしょうか。
○国務大臣(森山裕君) 紙委員がおっしゃるとおりでございます。そのとおりでございます。
○紙智子君 事実はそうだということを認められましたけれども、大臣は十月十四日の記者会見で、政治資金規正法は問題ないと思っているが、政治家として倫理上しっかり受け止めなければならないというふうに述べたと報道されています。 当時、指名停止措置を受けた業者であることを知っていてこれ献金を受けたんでしょうか。また、もしこれ返金されたということであれば、いつ返金されたのか。
○国務大臣(森山裕君) 私が支部長を務めております第五支部が指名停止処分を受けた会社から寄附を受けていたことはそのとおりであります。 この寄附につきましては、政治資金規正上の問題はありませんけれども、農林水産大臣という職にあることを踏まえまして、地域経済への影響を考慮して鹿児島県が同企業への違約金を減額したということの事情に鑑みまして、平成二十二年十一月十日の指名停止以降今年の十月までにいただいた寄附金につきましては、十社からが合計千百十二万でございますけれども、私の支部の役員の皆さんの御理解もいただき、御寄附をいただいた企業の皆さんの御理解もいただきまして、十月十九日までに全額返還を完了したところでございます。
○紙智子君 なぜ今になって返金されたんでしょうか。
○国務大臣(森山裕君) 一つは、鹿児島県が同企業への違約金を減額したことが、地域経済への影響があるというふうに判断をしたということが分かりましたので、私は大臣として、地域経済に影響を与えるような企業から献金をいただくというのはおかしいと思いましたので、返却をいたしました。
○紙智子君 過去の新聞報道を調べてみたんですけれども、二〇一三年の三月に読売新聞の取材に対して、当時、献金は国政での活動に影響することはなく、返金する考えはないと答えています。大臣ではなくて国会議員だったら指名停止業者から献金を受けてもいいということなんでしょうか。
○国務大臣(森山裕君) その献金を受けていた、今御指摘になりましたときはそうコメントをしたと思いますけれども、私は農林水産大臣としての立場になりましたので、その立場として、地域経済への影響を考慮して減額された企業からいただくということは好ましくないと考えましたので、返金をさせていただいたということであります。
○紙智子君 ちょっと理解し難いですよね。大臣になったからというのは、ちょっとどうかなと。独占禁止法に違反している企業でも問題はないと思っていたけれども、もらうものは拒まないと思った、これは税金の使い方がそもそもゆがめられたということになるわけで、これは国民の理解を得ることはできないと思うんです。 この談合事件で、鹿児島県は二〇一三年、談合による契約違反の違約金として業者側に計約三十六億円を請求したと。業者側は負担が大きいといって減額を求めて鹿児島県の簡易裁判所に調停を申し立てて、二〇一四年に違約金が半額になっているわけです。ですから、業者側が減額の調停を申し立てているさなかに言わばこの献金を受け取っておられるわけで、こういう報道があるのに、献金を受けていいのかどうかということをなぜ調べなかったんでしょうか。
○国務大臣(森山裕君) なぜ調べなかったかということは今はよく思い出しませんが、改めて今回の御指摘をいただきましたので調停の結果を詳しく認識ができましたので、返金をさせていただいたということでございます。
○紙智子君 地元では話題になっていたし新聞報道もあったわけで、知らなかったということではこれはなかなか済まされないことではないのかなと思います。業者側は違約金をまけてほしいと言っているのに大臣側は献金を返還もしていないと、これは本当によくないというふうに思います。 加えてお聞きしたいんですが、大臣が代表を務める資金管理団体に森山会というのがありますけれども、二〇一二年の政治資金収支報告書によりますと、二〇一二年の十一月二十二日付けで、高知県の四万十町の建設業者の当時の社長から百万円の献金を受けています。それで、この会社は国土交通省の四国地方整備局発注の土木工事で談合していたということで、二〇一二年の十月十七日に公正取引委員会が排除措置命令や課徴金の納付命令を出しているわけですね。高知県は二〇一二年の十月二十六日から二〇一三年の七月十七日までこの会社を指名停止処分にしたわけです。 つまり、この件も処分のさなかに献金を受けていたことになるわけで、これは事実でしょうか。そして、献金は返金されたんでしょうか。
○国務大臣(森山裕君) 個人から献金をいただいたことはそのとおりでありますが、会社から献金をいただいているわけではありません。
○紙智子君 個人というふうにおっしゃったわけですけれども、企業から、企業の社長さんなり個人ということになるわけで、これは本当にそういうところかどうかということを調べないで受け取るということ自体、本当に無頓着なんじゃないのかというふうに思います。 独占禁止法に違反している企業でも、大臣でなければ献金を受けてもいいけれども、大臣になったら返金すればいいと、こういう理屈は国民の皆さんは納得しないというふうに思います。大臣はその点では道義的な責任を感じておられるんでしょうか。
○国務大臣(森山裕君) 紙委員、個人と株式会社とは、私は人格体が違うと思います。私は個人から献金を受けているわけでありますから、そこは御理解をいただきたいと思います。
○紙智子君 これまでも何度もこの委員会の中でも、歴代の農水大臣との関わりでもやりましたけれども、そこのところがやっぱり大きな問題になるところでありまして、道義的責任をお感じにならないということ、おっしゃらなかったわけですけれども、私は、問題が発覚しなければそのままにして、発覚すると返金するというような、こういうことがやっぱりまかり通ってはいけないというふうに思うんですよ。 企業・団体献金を、これを認めているからこそこれまでこういうことが繰り返し行われてきているわけで、企業・団体献金というのはやっぱり政治腐敗の温床になるということが何度となく議論されてきたわけですから、やっぱりそういう疑念が持たれないようにするためにはこの企業・団体献金そのものをきっぱり廃止するべきだということを求めておきたいと思います。 この問題というのは、またこの後も取り上げなきゃいけないときも出てくるかもしれませんけれども、ここで一旦終わっておきます。 次に、TPPと畜産、酪農価格についてお聞きをします。 今年の畜産、酪農価格の決定については、いわゆるTPPが大筋合意という従来にない情勢の下で行われているわけです。既に酪農、畜産業は生産基盤の崩壊が危惧されています。ここにTPPが入ったらどうなるのかと、これは生産者の中では不安が渦巻いています。 そこで、まず生産基盤の崩壊が叫ばれている中で緊急の課題として酪農、畜産物の価格についてお聞きをしたいと思います。 実は昨日、私たち日本共産党の議員団として畜産、酪農問題で申入れを行って、伊東副大臣に受けていただきました。ありがとうございました。七項目、畜産、酪農をめぐって申し入れたんですが、そのうちの加工原料乳の生産者補給金の問題で質問したいと思います。 アベノミクスによって、円安の誘導政策の中で輸入飼料の価格が高止まりをしている、そして資材価格が上がっているわけです。乳価が上がったとはいえ、このコストが上昇していて経営は引き続き改善していないという状況です。再生産可能な所得が確保できない状況で、これ、例えば機械の更新のときだとか、それから年金生活に入るというのを機にして離農する農家が後を絶ちません。経営を引き継ぐ担い手がいても、このTPPを始めとして、将来不安があって投資を諦めるという状況にもあります。 現在の算定ルールというのは、飼料などの値段が急激に上がっても結局三年間で平準化されてしまうために、実態に合っていないということなんですね。今必要なことは、やはり再生産可能な所得を確保する仕組みをつくることだと。十年以上も続いている今の加工原料乳の生産補給金制度のこの算定ルール、ずっと変わらず来ているんですけれども、これを今こそ見直すべきではないかと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○副大臣(伊東良孝君) 昨日、共産党議員団の皆さんからお申入れをいただいたところであります。 現行の加工原料乳生産者補給金単価でありますが、今、紙議員がお話しのとおり、これは一定のルールに基づいて算定をされているものであります。恐らくそれぞれの皆さんが試算をされているところでありますけれども、これは前年度の補給金単価に生産コストの変動率を乗じて当年度の補給金単価を決めるということになっておりまして、この算定方式につきましても、平成十一年度から生産者、乳業者、学識経験者による検討を経て、当時の畜産振興審議会の了承を得てスタートしているものであります。生産コストの上昇を的確に単価に反映する方式であると、こう思っておりまして、毎年度、審議会の意見を聴きまして補給金単価を適切に決定してきており、直ちにこれが不都合だと、見直すということにはなかなかならないと思っております。 〔委員長退席、理事野村哲郎君着席〕 ただ、昨日もお話ししましたように、政策大綱の中で生クリーム等の液状乳製品を補給金の交付対象に今後追加していく、また用途ごとの補給金単価を一本化する、このような方針が今考えられているところでありまして、この生乳の再生産を確保することを旨としてこの制度を検討し、できるだけ早くこの仕組みを整えたいと、このように考えているところであります。
○紙智子君 この問題というのは、もうずっと何年も前から度々議論になっていて、二〇〇九年のときでしたか、私、石破農水大臣のときにも、やっぱり十年間変わらないという状況の中で、もう見直さなきゃいけないじゃないかと言ったときに、検証しなきゃいけないということは言われていたんですけれども、またそこから時間がたっているわけで、いよいよ本当に見直しをしなきゃいけないと。 生産者の方は、生産コストと販売価格の差を補填する仕組み、これがやっぱり必要だということを繰り返し言われているわけですよね。生産費を補償する仕組みというのが、やっぱり今そうなっていないということですから、そこのところをちゃんとつくっていただけるように、そのことを強く求めておきたいと思います。 それからまた、北海道以外の都府県の問題も非常に大きい問題があるんですけれども、農家戸数、飼養頭数、それから生乳の生産量の減少率というのは、実は北海道以上に深刻だというふうに思うんですね。都府県の農家数でいうと、十年前から見ますともう五八・五%まで減っているわけです。半分近く減っているわけですね。それから飼養頭数でいうと、十年前の七二・三%まで縮小してきていると。生産量も減っているということです。 都府県は飲用が中心なわけですよね。だから、加工原料乳とまた違ってその価格は違うわけですけれども、酪農をなりわいにするためにはやっぱり乳価が低過ぎると。飼料代などコスト高で施設の改修とか整備をする余力がないからやっぱり離農するというふうに言われているわけで、飲用乳も含めて、酪農家の所得を確保する仕組みというのが必要なんじゃないかと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(森山裕君) 酪農家の皆さんが再生産に意欲を持っていただく乳価の決定の在り方というのは、先生おっしゃるとおり、極めて大事なことだと思っております。 ただ、そこでモラルハザードが起きては意味がありませんので、乳価というのが、原価をしっかり考えて決められるような仕組みというのをどう政策としてやっていくのかということについては引き続き研究をさせていただきたいと思っておりますし、平成十一年度、今の制度ができたことももう一遍よく検証をしながら、どういうことが再生産に意欲を持っていただけるのかという視点で考えてみたいと思います。 以上であります。
○紙智子君 生産者のやっぱり生産費を補償する仕組みというところで是非必要になっていますので、よろしくお願いしたいと思います。 それから、TPPの問題に移りたいと思います。 私たち日本共産党は、TPPの大筋合意を受けて全国調査を行っております。私も各地で一次産業、従事する方々や、あるいは消費者、農協を始めとする団体、自治体などをずっとこの間訪問しております。実情をお聞きしているわけですが。 安倍総理は、自民党には強い外交力がある、聖域は守れるんだ、国会決議は守るというふうに言ってTPP交渉に参加したわけですけれども、このTPPの大筋合意と言われる内容は、分かっているだけでも日本の畜産や酪農の現在と将来に壊滅的な打撃を与える可能性があるということで、大変強い怒りや不安が渦巻いています。 どこに行っても、どなたと懇談しても、国会決議を守ったというふうに言われる方は一人もいないんですね。私からも改めてまた、何度も今質問出てきていますけれども、お聞きしたいと思うんですけれども、国会決議を守ったというふうに言えるのでしょうか。
○国務大臣(森山裕君) 国会決議が守れたか守れなかったかということでございますけれども、TPPにつきましては、国会決議を後ろ盾にして交渉が進められてきたことはそのとおりでありますし、また、農林水産物の総タリフライン数におきましても、二千三百二十八ラインのうち四百四十三ライン、一九%を関税撤廃の例外といたしましたし、重要五品目を中心に、関税割当てやセーフガードの創設、長期の関税削減期間を確保するなど、交渉結果として最善のものとなったと考えております。 一方で、保秘義務が掛かった交渉であったことから、現場にはなお不安の声があることもよく承知をしております。現場の声に寄り添って、政府全体で責任を持って万全の国内対策を講じていくということが大事なことであると思います。 最終的に国会で御審議をいただくことになりますけれども、政府としては、国会決議の趣旨に沿っているものと評価をしていただけると考えております。
○紙智子君 農林水産全体でも八割を超えて関税撤廃ということになった、それから重要五品目含めて三〇%も撤廃になっているということだけ見たって、到底これは守ったなんて言えるものじゃないというふうに思います。 それで、昨年、日豪EPAが合意された際に、大臣は自民党の農林水産貿易対策委員長をされていたと思います。そのときに大臣は、当時、日豪EPAに関する決議は守れなかったというふうにマスコミに率直に述べておられるわけですね。 TPPについても、これ、国会決議を守れなかったというふうに率直に言われるべきじゃないでしょうか。
○国務大臣(森山裕君) 国会決議を守れたか守れなかったかは政府の立場で申し上げる立場にありませんので、国会で御審議をいただくことであると思いますので、御理解をいただきたいと思います。
○紙智子君 今政府の立場かもしれませんけれども、同じ人物でありますから。 当時、決議が守れなかった理由として、日豪EPA国会決議に掲げている関税削減の対象から除外又は再協議、これができなかったんだというふうにおっしゃられているんですよ。 TPPの国会決議も、これ、重要品目についても除外又は再協議というふうに表現されているわけで、これ、繰り返しますけれども、しつこいようですけれども、国会決議守れなかったということなんじゃありませんか。 〔理事野村哲郎君退席、委員長着席〕
○国務大臣(森山裕君) ちょっと私が記憶にありませんが、紙委員、大変恐縮ですが、それ、いつのどの新聞のコメントでございましょうか。私のコメントでしょうか。
○紙智子君 農業協同組合新聞で、二〇一四年、去年ですね、四月十一日付けにそういうふうに述べておられるということが報道されております。
○国務大臣(森山裕君) 私は、日豪のEPAにつきましては、シンガポールであったと思いますが、先方のロブ大臣ともお目にかかって協議をさせていただきましたので、決議が守れていないという発言を申し上げた記憶はありません。
○紙智子君 新聞報道では、森山大臣が、まだ当時大臣じゃありませんけれども、そう言われたという報道があったということであります。 ちょっと角度を変えますけれども、牛肉についてお聞きします。 日豪EPA合意では、冷蔵肉の関税率は三八・五%、これが十五年後に二三・五%に削減と。それから、冷凍肉は三八・五%を十八年後に一九・五%に削減すると。これ、日豪EPAですよね。 一方、TPPの大筋合意というのは、現行の関税率三八・五%を十六年目に最終税率を九%に削減すると。TPPの大筋合意というのは、これ、日豪のEPAよりも関税率を削減するというものになるわけですよね。それはそういうことですよね。
○国務大臣(森山裕君) おっしゃるとおりだと思います。
○紙智子君 それで、日豪EPA合意を受けてTPP交渉にどう臨むのか、これを議論したときに、自民党のTPP交渉における国益を守り抜く会の決議では、TPP交渉に臨むに当たっては、さきの日豪EPA交渉の大筋合意がぎりぎりの越えられない一線、レッドラインだというふうにおっしゃっているわけですよ。レッドラインだと、これ以上はもう下げないんだと、そういうことを約束をされていたと思うんですね。 日豪EPAの関税率がレッドラインだというふうに言ったのに、いとも簡単にTPPの大筋合意ではレッドラインを破ったんじゃありませんか。これ、いかがですか。
○国務大臣(森山裕君) 日豪EPAでは、豪州が対日輸出面において交渉相手国に先んじて貿易の利益を得るために早期に交渉をまとめようというスタンスで臨んでこられたことから、セーフガードの創設など比較的有利な内容で妥結をすることができたということだったのではないかと思います。 一方、TPPでは、アメリカなどの他の交渉参加国が我が国に対して強みのある自国産品の関税撤廃を強硬に主張する中、重要五品目を中心に関税撤廃は回避をできたというふうに思っておりますし、このように、日豪EPA、TPP共に、それぞれの交渉の置かれた状況の中で、それぞれの国会決議との関係は交渉結果として最善のものとなっているのではないかというふうに考えております。 レッドラインを超えたか超えなかったかという御判断は、それぞれがなさっていただけることであろうと思います。
○紙智子君 国民の皆さん、生産者の皆さんにとってみたら、これ何だということですよ。今の説明では全然納得できないと思いますよ。これ実際には、もうこれがぎりぎりのラインでこれ以上下げませんと言っていたものが九%まで下げるというのは、これはもう国民に対する裏切りだと思われませんか。
○国務大臣(森山裕君) 国民に対しての裏切りではないと思っております。政策大綱に示されております方向でしっかりとした対策をさせていただくことによって農家の皆さんの不安は解消できると思っています。
○紙智子君 TPPでの九%というのは、レッドラインでも何でもないですよ。もうこんなに下がってしまったら、本当に見通しが持てないという、そういう瓦解していくという不安をもう本当に与えている中身であって、しかも、セーフガードがあるんだと。入るときにはセーフガードがあるから大丈夫大丈夫というふうにずっと説明されてきたわけですけれども、セーフガードも、蓋を開けてみたら十六年目以降は四年間発効がなかったら廃止だと。初めて廃止というのがそこで出てくるわけですよね。 TPP交渉における国益を守り抜く会、自民党の中での会ですけれども、日豪EPAがレッドラインという認識の上に立って、国会におけるTPP決議を毅然として貫くべきなんだということを求めていたではありませんか。自民党の皆さんそうだったと思うんですけれども、求めていたんだと思うんですよ。それがこういう事態になったというのは、これはもうどう言ったって国会決議に違反しているのは明らかだというふうに言わざるを得ないんですね。 それで、先日私、北海道で酪農、畜産関係者や自治体から話を聞いたわけですけれども、十勝地方に行ったときに、あそこは食料自給率一一〇〇%なんですね。非常にそういう意味では、自分たちが食べるだけじゃなく国民に提供するということでたくさん生産しているわけですけれども、国民に安心、安全な食料を供給する上で重要な役割を果たしているわけです。 いろいろ懇談する中で、約八百頭を肥育している肉牛の肥育農家の方にお会いしました。ホルスタインの雌から生まれる雄、これを引き受けているわけです。肉質でいえば輸入肉には負けない自信と誇りを持って生産しているんだというふうに言っています。しかしながら、関税が下がってホルの雄の肉と競合する輸入牛肉が増えれば、価格は下がると。経営が成り立たなくなると。酪農との共同がこれ困難になるというふうに言われたんですね。酪農家の方は、乳雄を肥育農家に販売をするわけですね。そして、畑作農家に堆肥を提供しつつ麦わらを受け取っていると。つまり、肉牛の生産者と酪農家と畑作農家が連携、共同しながら生産を続けているわけです。 TPPで関税が下がって肉牛農家の生産が成り立たなくなるということになれば、肉牛、酪農、畑作との共同、この循環型の地域経済が壊れていくんじゃないかというふうに思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(森山裕君) 今、紙委員がおっしゃいますとおり、循環型の農業というのが十勝では行われているということを私も現場を見させていただいてしっかりと認識をいたしました。 ですから、この循環型の農業、畜産というものがしっかりとやっていただけるように対策もさせていただきますし、特に、十勝におきましては、畑作農業が随分進んだ地域でございますから、更にパワーアップしてもらうために補正予算等でパワーアップ事業というものもつくらせていただいて、間違いなき対応をさせていただきたいと考えております。
○紙智子君 長い間掛けて循環型ということを目指して、今こうやって、今お話ししたような形でやりくりをしてきたわけですけれども、今回出されているもので対応できるとおっしゃいますけど、現場は決してそういうふうな安閑とはできない思いに駆られているわけですよね。 やっぱり、本当に肉牛をやっている方、この方たちは、今高くなっているから買うときに大変な思いをしているわけです。そして、育てるための飼料だって高いですから、非常に大変な思いをしているわけですね。一方、酪農家の皆さんにとっても、やっぱり受け取ってもらえなくなったら、これはもうそれでやっていけないということになってきますし、畑作の方も、本当お互いにやり取りしながら回ってきたものが一角崩れると、これは本当に回らないんじゃないかと。それをどれだけ、じゃ、安心できるというようなことを示しているのかどうか、これ、もう一度お願いします。
○国務大臣(森山裕君) 私が、もう随分前になりますが、自民党の畜策小委員長を務めておりますときに乳用種の牛肉の資質向上というところに着目いたしまして、予算を組んで、たしか若牛という命名をいただいて、乳用種の肉質の向上に皆さんが取り組んでいただいたことを今思い出しておりますけれども。 私は、一番大事なことは、乳用種の牛肉であっても輸入の肉よりも消費者から評価をされるということが大事なことだと思っておりますので、乳用種の肉質の向上については更に努力をさせていただきたいと思っておりますし、今、乳用牛の熟成肉を輸出をするという試みも今始めているところでございまして、輸入肉と乳用種の牛肉は差別化されるという時代をつくっていかなければならないというふうに思いますし、その乳用種の肉のところ、牛肉のところが解決をしないと、紙委員がおっしゃるとおり、循環型になっていかないわけでございますから、そこが一番大事なことであるということは重々承知をしておりますので、更に乳用種の牛肉についての資質向上というものについても努力をしてまいりたいと考えております。
○紙智子君 もう一つお聞きしたいんですけれども、十勝地方には乳業の工場だけで見ても、大手で六工場、それから中小で四十六工場もあるんですね。それから、大学や高校、学校にも四工場あるんです。それで、関連工場、運送、雇用を始め、農業は地域を支えるまさに基幹産業になっていると。農業を軸にして地域が成り立っているわけです。 そこで、小麦なんですけれども、小麦は酪農と連携しているというふうに言いましたけれども、十勝の畑作というのは、これ、麦類、豆類、バレイショ、てん菜の畑作四品目を軸にして、輪作体系が確立されています。十勝の畑作の収穫量というのは、小麦、バレイショ、小豆、てん菜、インゲン、これ北海道で第一位です。 四作物を四年ローテーションして作付けをしていく輪作体系、これ連作障害や病害虫を防いで品質を向上して収量を確保する技術で、農家自身が長年悪戦苦闘しながら生み出してきたものです。畑作農家は、収益性が低い小麦を作付けするのはなぜかというと、輪作体系に欠かせないからなんだと。大して収入にならないけど、しかし、これを作付けしないと回っていかないんだと。TPPで外国産の麦の輸入枠を作って、輸入差益、マークアップを半減することになれば、これ、麦の生産が困難になる、輪作体系が崩れたらほかの作物も駄目になるんだというふうに語っているんですね。 今年の輸入小麦の政府の売渡価格というのは一トン平均五万六千四百六十円、マークアップは一トン約一万七千円。TPPで四五%削減されれば四万八千円程度になります。一方、十勝の主力品目のきたほなみという麦でありますけれども、この価格というのは、新聞報道によると、一トン五万円程度です。北海道新聞では、マークアップが減れば価格は逆転するというふうに書いています。 また、マークアップの収入というのは生産者への交付金にも充てられるので、交付金の原資が減れば、再生産が保証されずに離農が加速する可能性もあるというふうに言っているんですね。 それから、麦を入れることでバレイショの品質を上げて、皆さんよく御存じのポテトチップス、これ、油で揚げて、普通の食用の芋だったら黒く焦げちゃうんですよ、糖が強かったりすると焦げちゃうんですけれども、でん粉をそのままずっと保持する加工用の芋があるわけで、この加工用のバレイショの品質もずっと維持してやることができるようになっているのはこの輪作体系のおかげなんですね。そういうことをやっぱり可能にしたということもあるわけです。 十勝に国内最大規模のジャガイモコンビナートやでん粉工場があって、大臣も行かれたというふうに思うんですけれども、地域経済を支えていると。ある町長さんは、こうした畑作の努力があってこそ人口は減少せず、過疎地域も脱却してきたんだというふうに言われました。 長年掛けて築いたこの畑作の輪作体系が今度のTPPで崩れてしまうんじゃないかと。これ、いかがでしょうか。
○国務大臣(森山裕君) 十勝地方の小麦、豆類、てん菜、バレイショを始めとする畑作の先進地帯であることは強く認識をしておりますし、これらの作物が国民の皆さん、消費者の皆さんから高い評価を得ていることも認識をしております。 これ、今、紙委員が御指摘になりましたとおり、四年のローテーションで輪作体系をしっかり守って、地力を守って作物を作ってこられたという成果であろうというふうに思っておりますので、この輪作体系が壊れるようなことのない対策というのはしっかりやらせていただきたいと思っております。 また、小麦のマークアップのことと財源でございますが、ここは政策大綱の中にも政府全体で責任を持って対応するということになっておりますので、分かりやすく申し上げますと、マークアップでへこんだ分はしっかりと予算措置をしていって、小麦を作っておられる農家の皆さんに御迷惑を掛けない政策を引き続きやっていくということを申し上げていることに等しいと思いますので、御理解をいただきたいと思います。
○紙智子君 今大臣言われて、元々TPPがあってもなくても強い農業をつくらなきゃいけないんだという話をされてきたんだと思うんです。 今回、政策大綱を出しているんですけれども、その大綱でTPPに反対する世論を少しでもやっぱり抑えたいということも働いているのかなというふうに率直に思いますけれども、現場ではどういう声が出ているかというと、やっぱりスローガンの羅列じゃないかと、具体的な中身が伝わってこないし見えてこないという声がずっと出ているんですね。 それで、大綱を出さざるを得ないというのは、要するに予想される被害が大きいからじゃないかというふうに思うわけですよ、被害が大きいからこういうふうにやるんだと。日本の農業を強くするというのであれば、私は、生産者の意欲を高める対策が必要であって、その一番の対策は何かといったら、やっぱりTPPから撤退することだというふうに思いますよ。そのことを強く申し上げたいんですね。 それから、現場では、TPP、この大筋合意については、国会決議を守ったものだというのは誰も言いません。むしろ、初めに出てくるのは、一番今言いたいことは何ですか、政府に言いたいこと何ですかというと、TPPはやめてほしいと、これがまず出てくるわけですよ。 TPPというのは、やっぱり日本が批准しなければ発効しないものだ、この前、予算委員会でやり取りしましたけれども、日本が批准しなければ発効しないんだと。だから、やっぱりこれ、農業を守って地域経済を支える、消費者に安全、安心できる国産品を提供するということになれば、これはやっぱりTPPからの撤退が何よりも今一番必要なことではないかということを強く申し上げて、私の質問を、あっ、最後にもし一言あれば、終わりたいと思います。
○国務大臣(森山裕君) 政策の羅列にならないように、補正予算も編成をしておりますし、来年度予算も編成の作業中でありますから、なるほど、こういう対策を、財源をしっかり持ってやってくれるんだなと御安心をいただける予算を作ってまいりたいと考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。
○紙智子君 終わります。
○山田太郎君 日本を元気にする会、山田太郎でございます。 今回は、農林水産大臣、森山大臣、それから伊東副大臣、御就任おめでとうございます。佐藤政務官におかれましても、また引き続きよろしくお願いします。 おめでたいという以上に実は大変な時期に大臣、副大臣を受けられたなということなんだと本当は思っておりまして、我々、農林水産委員会もまさに農政が今後どうなるのか、ウルグアイ・ラウンド以上の、いわゆる政策づくりというか、対応を国会としてもどう審議していくのか、こういう局面にあるんだという緊張感を持ってやらしていただければというふうに思っています。 大綱の方、そういった意味では非常に重要なものだと思いまして、私もいろいろつぶさに見させていただいたんですが、ちょっと気になるのは、二ページ目というか最初に、TPPの影響に関する国民の不安を払拭する政策の目標を明らかにすると、こう書いてはあるんですが、十ページになると、結局年内に、いわゆるその効果、影響は分析として発表する、さらに、政策は二十八年秋を目途に政策の具体性を詰めると、こうなっちゃっているわけなんですよね。 私、これは明らかに選挙対策じゃないかなと、こういうふうにもうがった見方ができるわけでありまして、でないのであれば、来年通常国会があるわけですから、その過程においてしっかりTPPに対する対策を、二十八年秋を待たずに、ある意味でこれは国民の審判を我々、賛成する側も反対する側も受けるべき内容だというふうに思っておりますので、その前にしっかり政府としては私は出していただけないものかなと。 TPPにおいては、私、別に知財の方もやっておりますが、そちらの方はかなり早いピッチでもって法律の内容について文化庁さんがどう対応するかということは既に発表し、総理も、例えば二次創作については影響がないようになんということで随分進んでいる割には、この農業分野においては、当然慎重さは必要だということは分かるのですが、でも、やっぱりこれは明らかに来年の参議院選挙があるのであれば審判を受けるべき内容であると、こういうふうに思っておりますし、それによって、その後の国民の声を聞いて農政についてもどうあるべきなのか、そういった大事なスケジュールでありますので、まず大臣、大綱はこういうスケジュールで書かれましたが、これを前倒ししてしっかり選挙前に、つまり夏前、この春に、通常国会の間にきちっとした具体的な政策を出していく、こういうふうにしてもらえないでしょうか。
○国務大臣(森山裕君) 今回の対策に加えまして、引き続き検討が必要なものについては二十八年の秋までにという、お尻が決まっているわけでございますので、それはできるだけ対策を急ぐということはそのとおりだと思いますし、また、与党からの御意見もお聞かせをいただくということも大事なことだと思っております。 また、今、山田委員が言われるとおり、参議院選挙前に一定の方向性を示すことが大事なことではないかとおっしゃることも理解ができますので、我々としては、できるだけスピーディーに国民の皆さんに対策をお示しできるように対応させていただきたいと思っておりますし、与党ともよく協議をさせていただいて方向を定めさせていただきたいと思います。
○山田太郎君 もう一つ、今回のTPPの政策大綱なんですが、これ今までの農政とどの部分が異なるのかなと。非常に大事な一発目の文書だというふうに思うのですが、なかなかその辺の差異が分かりにくいんですけれども、特に今回、これまでの農政と異なる部分、どういったところにあるのか、その辺りも大臣の方から答弁いただけないでしょうか。
○国務大臣(森山裕君) 農業というのは、なかなか、自然の摂理の中で営まれておりますから、今までのこととそう大きく変わるということはないということが私は当然のことなんじゃないかなというふうに思います。 ただ、いかにスピーディーにやっていくかということ等については今後も努力をさせていただかなければなりませんが、やはり生産者の不安をどう払拭をしていくか、成長産業に取り組む生産者がその力を最大限発揮するためにどう取り組むか、あるいは夢と希望の持てる新農政時代を創造していくためにどうやっていくかということをしっかり取り組むということが大事なことではないかと考えております。
○山田太郎君 確かに掛け声は勇ましいんですが、やっぱり緻密にこれ私は議論する必要があるんじゃないかなと実は思っているんですね。 大綱をいろいろ見させていただきますと、攻めという言葉は随所に出てくるんですが、逆に、何を守るのか、そういった辺りに関してはなかなか記述が事実上ないというか薄いというか、そういうふうに思っております。 つまり、そういった意味で、私は、この大綱が出たということは、本来はTPPによる影響というのがあるから、それはどの部分は特に守らなければいけないんじゃないか、それが今回の国会のこの委員会の中でも議論されている国会決議を守るということにもつながってくるのかな、こんな文脈で理解しようと思っていたんですが、ちょっと政府がその辺り、TPPにおいて、どこに影響があって、あるいはどこを守っていくのかというのが非常に分かりにくいと思っております。 改めて、新大臣になりましたので、この辺り、非常にちょっとアバウトというかマクロなところから入って議論をしたいと思っているんですが、そもそも大臣は農政において何を守るべき順番と考えていらっしゃるのか。こう聞くと、全部ですと言われちゃうとあれなんですが、それに誠実にいろいろお答えいただきたいと思っているんですね。 何でかといいますと、私は今回、もう安倍総理は、TPP、農業にすごく影響がある、森山大臣も影響があるということはもうはっきり言っていただいて、攻めの農業でごまかすのではなくて、農業には多大な犠牲を払うと、他の産業を伸ばして日本全体ではプラスになると判断した、しかし守らなきゃいけない農業はこの部分については守るんだということを言っていただいた方が誠実だというふうに思っておりますし、もうそういうステージには来たんではないかなと、こういうふうに思っておるわけであります。 そういった意味で、守るべきカテゴリーとしては、例えば土地を守っていくのか、農地ですよね、担い手を守っていくのか、農産物を守っていくのか、農業という産業を守るのか、自給率を守るのか。私は、正直言うと、全てを一律に同じように守るというのは正直難しいというふうに思っています。そういった意味で、何を優先順位として守るのか、そういう強弱がなければ、多分しっかりした今後の議論というのはしにくいんじゃないかなと、こう思っておりますので、是非誠実にお答えいただけないかなと思っております。大臣、よろしくお願いします。
○国務大臣(森山裕君) 何を守るのかということでありますけれども、これを特に守るということではなくて全体的に対応していかないと、農業、林業、水産業というのはやはり成り立っていかないんではないかなというふうに思っておりまして、今回、八つの項目について、攻めの農林水産業への転換として掲げたところでありますけれども、このうちの規制改革と税制改正はともかくといたしまして、あとは次世代を担う担い手をどう育成していくかとか、国際競争力のある産地イノベーションをどう促進するかとか、あるいは畜産、酪農の収益力の強化総合プロジェクトをどう進めていくかとか、高品質な我が国の農林水産物の輸出等需要フロンティアをどう進めていくかとか、消費者との連携強化をどう図っていくかとか、持続可能な収益性の高い操業体制へどう転換をしていくかとか、林業につきましては合板、製材の国際競争力の強化をどう高めていくかとか、こういうことにつきましては、これが一番だ、これが二番だということではなくて、やはり総体的にしっかりとした対応をさせていただくということが大事なことではないかというふうに考えております。
○山田太郎君 余り、具体的な話に今後した方がいいと思いますので、私は強弱が必要だと思っていますので、ちょっとそれはそのステージに入ったら質疑させていただければと思っています。 それからもう一つ、大綱の中では対内投資活性化の促進というのが六ページにありまして、これ、日本の農地への海外からの投資も増やすという意図なのか、そうであれば環境整備も必要だというふうに思いますが、その辺り、いかがでしょうか。
○政府参考人(櫻庭英悦君) 農林水産業は、地域における基幹産業として地域経済あるいは地域社会の維持発展に貢献するなど政策的配慮を要する産業分野であることから、先生今御指摘がありました対内投資については、外国為替及び外国貿易法、いわゆる外為法に基づく事前審査制度で規制しているところでございます。 したがいまして、今回の政策大綱では、外国企業の研究開発部門、そういったものを我が国に誘致するなど対内投資の活性化の促進を目指すこととされておりますけれども、農林水産分野への諸外国からの投資促進につきましては、農林水産業の特性に配慮し、慎重に対応することが必要と考えております。
○山田太郎君 もうちょっと踏み込んで言えば、外国人の日本の農地所有に関しては今後どのように考えていけばいいのか、あるいはどう考えていらっしゃるのか、この辺りはいかがでしょうか。
○政府参考人(末松広行君) 農地の所有の問題については、誰が所有をするのがいいかということについて、権利移転の観点から今法律の体系ができております。 それは、外国人と国内の方ということの区分ではなく今法律の制度はできておりますが、今、櫻庭局長の方から話がありましたように、今後の投資上の観点から更に検討が必要かどうかというのは議論があるかと思いますが、現状においては今の仕組みを変更するということは必要がないというふうに考えております。
○山田太郎君 ちょっとまた、この話は重要だと思っていますから、ほかでやりたいと思います。 もう一つ、自給率の話、これ、大臣、予算委員会の方でも御議論があったかと思うんですが、自給率がどれぐらい下がるか予測が難しいと、この委員会でも先ほど少し触れられたと思うんですが、ただ、私は、やっぱりTPP進めていけば当然自給率には影響はあるというふうに思ってはいます。ただ、もう一つ大事なポイントは、TPPであれ何であれ、なぜ自給率が上がらないのかという認識もやっぱり必要だと思っています。 新大臣になられたので、この辺の御認識というか、はどこにあられるのか。やっぱり、農政非常にお詳しい大臣の就任で私は大変楽しみにというか期待しておりますので、その辺りの大臣自身の、なぜ日本の自給率がこうもなかなか上がらないのか。毎年二兆三千億円ぐらいのお金を使ってきているというふうに思うんですけれども、それはなぜなのか、幾つかのちょっと原因を教えていただければと思います。
○国務大臣(森山裕君) やはり、自給率につきましては、日本人の食生活が変わってきたというところにも一つの原因があるのではないかというふうに思っております。ですから、消費者の皆さんの御理解をいただく努力というものを更に続けていくことによって自給率は改善をさせていくということもできるのではないかというふうに考えておりまして、地産地消の取組等々についても今後も積極的に対応をさせていただきたいというふうに考えております。
○山田太郎君 そうすると、大臣の御認識は、自給率が上がらないのは日本人が食べるものが変わってきたからということになるんでしょうかね。ちょっと私はにわかには理解し難いと思っておりまして。私はどちらかというと、内外価格差だったり、国内の構造転換が海外の大量生産に比べてやっぱり遅れてしまっている、そんな中で、今回いわゆる関税を下げてオープンにするということとの連携ということで、非常に、この自給率なぜ上がらないのかという議論は、実はTPPの今後の対策を考える意味においてもすごく重要な内容だというふうに思っていますので、是非その辺は、また自給率の話は自給力とともにこの委員会でも重要な内容になると思いますので、ちょっとそちらに譲りながら引き続き議論させていただければと思っております。 さて、今回の大綱に基づき、予算というかお金の使い方、政策の在り方というところで少し議論をしていきたいと思っております。 何で先ほど、守るところは何かというふうにお伺いしたのかというと、これを基にばらまきになってはならないと。構造転換につながるのを攻めるということになると思いますし、どうしても産業政策を含めて保護していかなければならぬ、こういうことはいわゆる守るという部分になると思いますが、平木委員の方からもありましたけれども、温泉施設のようなものを造るというのはナンセンスであります。ただ、現実的には、ガット・ウルグアイ・ラウンドでは六兆百億円投入されまして、当時補正も四千五百億円突っ込まれたと、こういうことだと思います。今回の予算も、報道ベースではありますけれども三千億円ぐらいの補正対策という数字が躍っているわけでありますが、そういう意味で、何を対策していくのかということは、私は、攻めもありますが、まずどこを守るのか、そういったところがやっぱりもう議論がそろそろこの国会で始められなければならぬというふうにも思っているんですが、ちょっとそういった意味で少しそういったところにも触れていきたいと思っています。 まず最初に、この予算というところですごく気になっていますのは、大綱の中では、農林水産分野の対策の財源について、TPP協定が発効し関税削減プロセスが実施されている云々で、麦のマークアップ、それから牛肉の関税が減っていると、それで、既存の農林水産予算に支障を来さないよう政府全体で責任を持って毎年予算編成をやると、こういうふうに言っているわけであります。ただ、牛肉の関税は、平成二十四年が八百四十七億、平成二十五年が一千四十七億ということで、平成二十六年一千二百十四億円だということであります。これが減っていくということでありますから、これに代わる財源をどういうふうに充てていくのかというのはかなり大きな問題でもあるのではないかな、こういうふうに思うわけなんですね。 そんな中で、農水予算というのは大枠これまで二・三兆円ぐらいで推移してきたというふうに思いますが、このTPP対策と絡めて、関税による税金が減るということは、この穴埋めをいわゆる税金でやるのかどうか、この辺り今後どういう方向になっていくのか、非常に重要なことだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(森山裕君) 農林水産予算に支障を来さないようにまずやるということが大事なことだと思っておりますので、マークアップの減少、あるいは関税の減少等によって、そのことが既存の農林水産予算に支障が来さないように政府全体で責任を持って予算の編成過程で予算確保をしていくと、こういうことになっております。 また、機動的、効率的に対策が実施されるようにするということも大事なことだと思いますので、ここで無駄が出てくるようなことは厳に慎まなければならないと思っています。
○山田太郎君 それは、結局、トータルの予算を増やさないでどこかを減らして何とか頑張っていくということなのか、ほかの充てる予算の支障を来さないために結局総額として増えていくということなのか。もちろん今年の予算編成はほぼ概算終わったというふうに思いますが、ただ、このTPP発効に向けて、もし実現するとするのであれば、どういう方針で大臣は臨まれるのかなというのは、今後、少し方針を聞きたいなと思ってこういう質問をしたわけでありまして、是非その辺りもうちょっと踏み込んでお答えいただけないでしょうか。
○国務大臣(森山裕君) 今、補正予算あるいは来年度の予算に向けて予算編成の作業中でありますから、踏み込んでお答えをするということは無理がありますけれども、いずれにいたしましても、TPP対応の予算というものはしっかり確保させていただかなければなりませんし、それ以外の農林水産予算にも配慮して予算編成に臨んでいくということは大事なことだと思っておりますが、先ほども申し上げましたとおり、決してばらまきとか無駄が多いとか批判を受けることのない予算の措置をしてまいりたいと考えております。
○山田太郎君 済みません、しつこくて申し訳ないんですけど、じゃ一点だけ、今後、農林水産予算というのは、総額としては、二・三兆円というのは大体毎年の推移はしているんですが、これは増やさない方向でいくのか、あるいはそうではないのか、その辺りの大臣としてのお考えを今の時点で持っていらっしゃったらば方向感を聞きたい。 なぜかというと、これ、すごく我々国会も議論するには大切なポイントになると思うんですね。守りも大事ですし、構造改革もやるんですが、そのバランスをどう考えていくのか。それは、お財布が決まっている中、財政も厳しい中で、農林水産予算というのはどういう位置付けになるのかというのはすごく重要な方向感だというふうに思っていますので、大臣、是非、所感でも結構ですからいただけないでしょうか。
○国務大臣(森山裕君) TPP対応の予算というのはしっかりとしたものでなければなりませんし、そのことが農林水産業の現場の皆さんに安心を与えることにつながりますので、そのことはそのことでしっかりやらせていただかなきゃならぬと思います。 また、既存の農林予算につきましては、国の財政状況を考えてみましても、そんなに増やせる状況でないことは認識をしながら予算編成に臨んでまいりたいと考えております。
○山田太郎君 次は、ちょっとマル緊の話に少し入りたいと思っていますが。 マル緊のところはちょうどタイミングもありまして具体的だなと思っていますが、補填率を八割から九割、それから、生産者と国の割合についても変えていくということで、国の負担を大きくしていくと、こういうことなんだと思います。これは、これまではあくまでも構造改革という方向性で付けられていた、考えられていたものだと思いますが、今後は保護措置という形に変えていくのかどうか。 私は、もうこれを守るというふうに政府が判断するのであれば、そうはっきり言った方がいいのかなというふうに思っていたりもするんですけれども、ちゃんと守っていくのか、やっぱり構造改革でもって厳しいけれども淘汰もあるのか、これはメッセージとしては全然違うと思っておりまして、その辺りも、やるんであれば、まずどちらに腹をくくっているのか、腹をくくれていないのか、その辺りもお聞きしたいんですが、いかがですか。
○大臣政務官(佐藤英道君) 今委員からマル緊の政策について御指摘がございました。 確かに、この度の政策大綱におきましては、牛肉に係る関税削減に対する農業者の懸念と不安を払拭し、TPP協定発効後の経営安定に万全を期すために、今御指摘があったとおり、協定発効と合わせて牛マル緊の補填率を引き上げることとしたところであります。この措置と併せて、大綱では、収益力や生産基盤を強化し、畜産、酪農の国際競争力の強化を図る体質強化策を実施していこうと考えているところでございます。 これらの措置を効果的に実施していくことにより、将来にわたって牛肉の再生産の確保を図ってまいりたいという考えでございます。
○山田太郎君 結局分からない感じなんですけれども、これも、じゃ、具体的にまた別の機会にやりたいと思いますが。 もう一つ、お金の使い方ということでは、西川元農水大臣が土地改良予算を二年から三年で二千百八十四億円増やすということを、実は前回、高知で開かれた意見交換会でおっしゃられたということであります。一回民主党政権になって随分減らされたものを、自民党さんに政権が替わってから、取り戻すんだということでかなりな急ピッチで勢いが増しているということなんですが、こういう考え方、使い方が本当に今後の農政のためになるのかなというふうに思っておりまして、土地改良ありきでは私はないというふうに正直思っているんですね。この辺り、下手に、まあ報道が単純にそれだけを書いたので、裏にはこういうことがあるよということであればきっちり説明していただきたいと思いますし、これだけが躍れば、結局、農林水産予算を、正直、言い方悪いですけど、食い物にされているのかなというふうにもやっぱり国民からは取られかねないと思います。 そういう意味で、今回の絡みも含めて、土地改良の在り方、かなり予算の話を元農水大臣がしているわけですから、新大臣としては、こういった御発言、どのようにお考えか、お聞かせいただけないでしょうか。
○政府参考人(末松広行君) 今、土地改良についてお尋ねがありました。 土地改良事業は、農業の競争力強化や国土強靱化に重要な役割を果たしており、これまでも土地改良長期計画に基づいて、農地の大区画化、汎用化などによる農業の体質強化、地域の主体性、協働力を生かした地域資源の適切な保全管理、整備、こういう産業政策と地域政策の双方の観点からその推進に取り組んでいるところであります。これは今後も同様だというふうに思っております。 TPP対策としての土地改良事業については、総合的なTPP関連政策大綱において、まず、農地中間管理事業の重点実施区域などにおける農地の更なる大区画化、汎用化、そして、水田の畑地化、畑地、樹園地の高機能化、さらに、畜産クラスター事業を後押しする草地の大区画化などの農業の体質強化に資する事業に、これらに重点的に取り組むこととしておりますので、その具体的な内容を今検討しているところでございます。
○山田太郎君 説明をされても分かっているので、是非大臣として、どうあるべきかという政治としての内容を聞きたかったんでありまして、私は金額ありきというのはやっぱりおかしいというふうに思っておりますので、元大臣がこういうふうに発言されちゃうと、最初から金額ありきということで農政というのは進むのか、こういうふうにうがった見方もされますので、私は注意していただきたいなと正直思っているわけであります。 必要なものは必要なものとして国会審議して、国民の大事な血税を充てて農業の振興やるべきだと思いますが、こういう、まあ言い方は悪いですけど、旧態依然の昔ながらの発想で、やれ何千億が、取り戻すという言い方はもう二十一世紀にはふさわしくないと私は思っていますし、新大臣になられましたので、その辺り御見解を、大臣、是非お願いします。
○国務大臣(森山裕君) 山田委員がおっしゃるとおり、金額ありきでないことはそのとおりだと思います。必要な政策を積み上げて初めて金額というものは決まってくるものであると、基本的にそう考えております。 土地改良につきましては、土地改良の長期計画に基づきまして体質の強化につながることをしっかりやらせていただきたいと思っておりますし、地域資源の適切な保全、管理、整備というものをしっかりやらせていただきたいというふうに考えております。 また、先ほど局長が申し上げましたとおり、総合的なTPP関連政策大綱においても、どういうことをやるということは具体的に書いてありますので、その線に沿って予算を編成をさせ、実施をさせていただきたいと考えております。
○山田太郎君 ありがとうございます。やはり誠実な大臣だというふうに思っておりますので、是非そういった形でお願いします。 さて、次が、大綱の中でも輸出強化という話がありますが、安倍総理も、一兆円目標ということで前倒しにするんだ、こういうふうに気勢よく御発言されています。 ただ、私は、輸出政策というのは非常に危険だとも思っておりまして、これはどういうことかといいますと、このいわゆる委員会でも何回かやらせていただきましたが、輸出するためには要は原材料が必要になってくるわけでありまして、そうなってくると、国内でしっかりその輸出に向けての材料がそろっているかどうか、下手に輸出だけを強化すると海外からの原材料の輸入が増えるということにもなりかねない。この構造をしっかり見極めないと、大事なことは、輸出強化ではなくて、国内生産量をアップしてそれがどれだけ輸出につながっていくのか、こういうことなんだというふうに指摘させていただいております。 数字も持ってかつて御案内していますけれども、食料とかの国内の最終的な消費額は七十三兆円だということでありますが、それに対する国内のいわゆる食品生産量は九・四兆円。まさに、二・三兆の我が国は農水予算を使って九・四兆円しか生み出されないというのも問題だとも思います。 一方で、輸入加工品がどれだけ、あるいは輸入品がどれだけ来ているかというと、これ非常に、平成十七年の関連表しかありませんので古いんですが、それでも六・四兆円。輸入と国内の生産が拮抗し始めていると。これは下手をすると、どんどん輸出をすれば、国内では生産量が供給できないためにどんどん輸入になる。そうすると、国内産業が下手をすると影響を受けるんではないか。 私は実は元々の出は製造業のそういった輸出入の組立てみたいなことをコンサルやっていましたので、日本もやっぱり部品会社が海外から部品を入れるということによって国内が廃れていってしまった、こういった構造を見てきたものですから、よもや農業にもそういうことがあってはならぬと、こういうふうに思っているんですが、そういう危惧をどういうふうに考えているかというのが、一点目の御質問として大臣にお伺いしたいと思っています。 二点目は、それに関連するんですが、産業関連表、これは、以前、共産党の紙先生の方からも、いつ出るんだ、いつ出るんだという指摘がありまして、私の方も、いつ出るんだ、十二月には出ると、前回、何か夏には出る、秋には出る、十二月には出ると言って、取りまとめが忙しいんだと、こんなことを言っていらっしゃったんですけど、本当にいつ出るんですかと。 何でこれがすごく大事かというと、先ほど言ったような国内の輸出入のバランス、生産のバランス、こういったものが分からないからなんですよね。しかも、出たとしても、これ自身、正直古い資料でありまして、どれだけ有用性があるのかなということもあるんですが、まず、その産業関連表もいつ出るのか、先ほどの質問と併せて二点。一点目は是非大臣に、二点目はどなたからでも結構でございますから、農水省からの見解等をいただけないでしょうか。
○国務大臣(森山裕君) 輸入の農産物を加工して輸出しているケースや、海外に輸出した産品が加工されて輸入されるケースがどの程度あるかということはなかなか明確につかめておりませんけれども、平成二十六年度の輸出額の六千百十七億円のうち、食品加工に分類されるのは千七百六十三億円でございますので、これを除きますと、四千三百五十四億円はいわゆる一次産品が多くを占めているのではないかと、その相当部分は国産であるというふうに考えております。 また、加工食品につきましては、我が国の食品製造業の国産原料の調達割合は全体で七割というデータがあることを踏まえれば、その原料の多くは国産と推定をされるのではないかと考えております。 このように、輸出促進の取組は国内の関連企業の振興に貢献していると考えられるわけでありますけれども、国産品が輸出品にどれだけ寄与しているかという統計データがないため、今後何らかの形で分析を加えてみたいと考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。
○政府参考人(櫻庭英悦君) 二点目の産業連関表の公表でございますけれども、総務省ほかの省庁が公表することになっておりますけれども、年内にという形で聞いているところでございます。
○山田太郎君 三度目の何とかで必ず年内に出していただければなと思って、最後期待をしております。 さて、四十分あるから十分あるのかなと思ったら、十分しかなくなっちゃったので、新大臣になられましたので、私が一年間ずっと追っかけてきました一人十ヘクタール問題というのをちょっと新大臣にもぶつけていきたいというふうに思っております。 資料の方を提出させていただきました。済みません、委員の方には何度も何度もしつこいなというふうに思われるかもしれませんが、私は担い手というのがすごく大事だというふうに思っていますので、しつこくやらせていただきたいと思っております。 まず、ちょっと資料の方を新大臣の方にも理解していただきたいと思います。専門家なので大丈夫かなというふうには思っておりますが、要は、土地利用型と施設型というふうに分かれたときに、今後新しい集積によって九十万人が必要だと、そのうち土地利用型は三十万人、施設利用型は六十万人だ、こういう分析をされています。 ただ、本当にこの三十万人が確保できるのかどうか、それによって既存の土地がきちっと耕せるのかどうか、これは非常に大変問題が大きいんじゃないかなということで、実は一年ぐらい一生懸命これをやらせていただいているんですが、もう一つ次の紙を見ていただきたいと思います。 先ほど御案内もありました農業就業者がどういうふうに変わっていくのかということを、これも食料・農村基本政策の中で捉えられているものをそのまま出させていただいていますが、これポイントは、十五年後の三十七年趨勢というところを見るのにちょっとスライドをさせていきますと、例えば平成三十七年の二十歳からそれから二十九歳ですね、ここは二十二年でいうところの多分十五歳から十九歳の人がほぼ十年後にスライドしてくる、そうなると〇・三万人から六万人にならないと駄目だよと。それから、三十歳から三十九歳のところは、現状の平成二十二年のデータによりますと二十歳から二十九歳は六万人なので、六万人から十万人に増えないと駄目だよと。こういうふうに見ると、結構、趨勢でも五万人、次の四十歳から四十九歳は三万人というふうに結構な数が増えないと難しいのかな、こういうふうに見るわけであります。これだと、要は九十万人を割ってしまうから農業の維持ができませんね。 そこで、展望というところで、百一万人、いわゆる六十九歳、七十歳以下を百一万にするんだ、九十万人をしっかり確保するんだと、こういうことでかなり大胆な担い手が増えるという政策をここから作られた。これ自身は、私は、非常に農水省さん、近年誠実にデータを出されて、本当に担い手が足りないんだということがびっくりするぐらい明らかになった驚きの表でありまして、こういうものをちゃんと作って出されたということについては本当に敬意を表しているわけでありますが。 ただ、かなり厳しい数字だと私は思っていますのが、展望においても、〇・三万人が実は二十歳から二十九歳でも十二万人に増えなければならない。それから、六万人、三十歳から三十九歳は十五万人にするためには、今六万人から十五万人にしなければならないということでありまして、もう倍以上の、特に若年の人たちの担い手が増えないと実はこの展望の構造は開けない、展望がないと、こういうことになってしまうわけであります。 まず、そういった意味で、二点あるんですけれども、私は正直、この展望はかなりもう絵に描いた餅なのではないか。農水省さんも認めているところでありますが、こうであれば毎年二万人ずつの新規就農者が入らなければならないのに、一万人が精いっぱいなんですと、こういうこと。私は、そうであれば、一万人しか仮に増えなかったとしても、農業を守らなければ現実的な解はない、余りボトムばかりの話をしてもしようがないのかもありませんが、攻めばかりだけではなくて、農水省さんが誠実に議論されるんであれば、守りのボトムの部分の議論ももうそろそろやらないと、本当にいわゆる維持できないんじゃないか、TPP以前に内部崩壊をしてしまうと、こういうふうにずっと危惧しているわけであります。 そういう意味で、大臣、これ農水省さんが出した資料であります。これを見て、本当に担い手、このままで大丈夫なんだろうかと。この基本計画は基本計画でいいんですが、私は、現実的なものに、TPPも大綱として出たので、作り直すべきではないか。それは、五年間のTPPを加味した政策をこれから本来やらなきゃいけないからでありまして、そういった意味で、もし作り直すのであれば、この辺りの展望をしっかり現実的なものに見直すべきなんじゃないかということが質問として一点挙げさせていただきたいと思います。大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(森山裕君) お答えいたします。 平成二十四年、二十六年度の三十九歳以下の青年新規就農者は一万三千人から一万五千人程度であるというふうに理解をしておりますが、これは、平成二十四年度から始まりました青年就農給付金等の補助事業は就農意欲を喚起する効果を持ってはおりますけれども、就農を考え始めてから実際に就農に至るまではある程度の準備期間を要することが主な理由ではないかなというふうに考えています。 こういう中で、新規就農者の課題である農地の確保については中間管理機構で応援をしていこうと思っておりますけれども、経済状況に左右されることのないように、安定的に青年新規就農者が確保されるように、毎年、施策の効果を把握して、必要に応じて施策の改善を図ること等によって青年新規就農者二万人を定着させていくことが今は大事なことではないかと思います。
○山田太郎君 ちょっと余り内容が深まらないので、これはまた順次きちっとやりたいと思っております。 就農者の支援金だけでは私は駄目だと思っておりまして、委員会の中でもさんざん、そもそも農業をやってきちっと食っていけるのかというような議論がやっぱり重要でありますので、であれば、政策的には経営安定の方をしっかりやるということになるんだろうと思っていますが、ちょっと時間がないので、またこれはきちっとやりたいと思っています。 もう一つ、規模の問題、一人十ヘクタールという話なんですが、まず私は、正直言って、一人十ヘクタールを耕すのは無理だということをこの委員会でもずっと提言というか話をしてまいりました。三百万ヘクタールを耕さなきゃいけないということなんですけれども、中山間地が実は農地として四〇%、農家は四〇%なんですね。平地が六割でありますから、どんなに集約したとしても、六割ぐらいの地域しかなかなか集約は正直難しい。中山間地を十ヘクタール一人でやるほど集約ができるのかというのは、それはなかなか、それは中山間地では進まないだろうというのが現実の線だというふうに考えています。 そう考えると、三百万ヘクタールを一人十ヘクタールでやるという考え方から、もう就農者が増えないのであれば、一人が多くても五ヘクタール、担い手のところで七ヘクタールなんという数字も出ていたけれども、それはいい数字なんでありまして、そう考えると、百二十万ヘクタールから百五十万ヘクタールを何とか維持するというのがもう現実なのではないかというふうに思うわけであります。 これを無理すると、担い手もいないにもかかわらず土地にお金が使われると、中山間地が無理に維持されると、こういうことにもなってしまうというふうに思っておりますので、私はもうちょっと現実的な数字を是非やりたいというふうに思っておるんですけれども、その辺り、大臣は本当に一人十ヘクタール、日本の今平均は、平成二十六年で全国は二・五ヘクタールが平均であります。販売農家であっても二・一ヘクタール。これがもう現実なんですよね。これ、しかも一経営体当たりでありますから、何人で耕しているか分かりませんということであります。 農水省も、さんざんこのことをやったんですけれども、具体的な細かいデータはこれ以上持ち合わせていないということでありまして、是非その辺り、私は、もう新大臣になられたので、過去は断ち切って現実的な線に、森山大臣、農政は大変お詳しい、ずばっとここで、まあTPPも含めて見直すというふうに言っていただけると誠実だなというふうに私は思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(森山裕君) 山田委員がおっしゃいますとおり、中山間地において十ヘクタールというのはなかなか難しいなというのは、そこはもう共通認識であると思います。しかし、ここでも、何ヘクタールということはどれぐらいの所得があるかということと裏表の話でございますので、中山間地等においては、六次産業化等々、付加価値のある農業をやっていただくということで何とかうまく回っていくのかなというふうに思いますが。 例えば、米で換算をいたしますと、大体十ヘクタール生産をしても所得というのが四百万円前後でございますから、これぐらいはないと、なかなか農業として若い人たちが魅力を感じて生活を営んでいただくということについては、やっぱり四百万ぐらいの所得が必要なんではないかなというふうに思っています。そうしますと、どうしてもやっぱり十ヘクタールというところが一つの基準になることはそのとおりでありますが、十ヘクタール、ではどうするかということは、今からいろんなことをやっていかないと、今のままでできるかと言われますと、そうではありませんので、コスト削減に向けて作業の効率化を図っていくとか、あるいは十ヘクタールも、できるだけ同じ農地で仕事ができるように中間管理機構を通じてしっかり対応していくとかという努力を重ねていくということが大事なことなのではないかというふうに考えております。
○山田太郎君 時間が来ましたのでこれぐらいにしたいと思いますが、大臣の方から今のままでは確かにできないという誠実なお答えをいただきましたので、ここから口火でまた、この辺は重要だと思いますので、しつこくやらせていただきたいと思いますので、どうか改めてよろしくお願いします。 本日は以上です。ありがとうございました。
○儀間光男君 おおさか維新の会、新党会派所属の儀間でございます。済みません、維新の党会派所属の儀間でございます。ややこしいんですが、しばらくの間我慢をしていただきたいと、こう思います。 質問に入る前に、まず、森山大臣、御就任誠におめでとうございます。私、実は沖縄県出身でございまして、隣県でありまして非常な近しみを感じておりますから、早めに沖縄県も訪れて沖縄の農林水産事情を御視察いただきたいと、こういうふうに思っております。 さらに、二人の副大臣、二人の政務官、皆さん方、御就任おめでとうございます。先ほどもお話が出ましたが、時期が時期だけに御苦労さまを言った方がいいんだろうなと、こういうふうに思いますが、是非、国の農林水産、農の基のために御尽力を賜りますように、あらかじめお願いと期待を申し上げたいと思います。 さて、TPP関連でございますが、特に農林水産分野については、夢と希望の持てる農政新時代を創造するため、生産者の体質強化を図り、攻めの農林水産業への転換を後押しするほか、重要五品目関連として経営安定・安定供給のための備えを万全とするための施策を推進すると、こううたい出しております。 大筋合意の中ではありますが、農林水産業の成長産業化を一層進めるのに必要な戦略、これは平成二十八年度秋を目途に政策の具体案を詰めてまいりたいというお話ですが、これも先ほど指摘がありましたように、私もちょっと遅いのではないかと。TPPの大筋合意が十月に発表されて以降、農林水産関係者は日々不安を持って過ごしておりまして、早めに具体的な施策を示した方がよいと、こういうふうに思っているところであります。 さて、そういう前提に質問させていただきますが、まず真っ先に、攻めの農林水産業ということでございますが、これは、林前大臣からも相当この言葉は使ってまいりました。具体的に一体どういうことをおっしゃっているのかということをまずここで聞きたいと思います。攻めの農林水産業への転換、先ほど体質強化を始め幾つか持っていらっしゃると、八項目持っていらっしゃるとおっしゃいましたが、それについての御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(森山裕君) 儀間委員にお答えをいたします。 攻めの農林水産業とはいかなる政策かということだろうと思いますけれども、攻めの農林水産業とは、農林水産業あるいは農山漁村の潜在力というものを最大限に引き出し、強くて豊かな農林水産業と美しく活力ある農山漁村の実現を目指す政策の方向であるというふうに考えております。 また、新たな国際環境の下でも、経営マインドを持った農林漁業者の経営発展に向けた投資意欲を後押しする競争力強化あるいは体質強化対策を講じることによって強くて豊かな農林水産業と美しく活力ある農山漁村をつくり上げていくということが大事なことなのではないかなというふうに考えているところであります。
○儀間光男君 ありがとうございました。 その中の目標で、平成三十二年、二〇二〇年、これオリンピック・パラリンピックイヤーでございますけれど、それまでに農林水産食品の輸出額の一兆円の目標を前倒しして達成をしていくと記されておるんですが、この前倒しということは、つまり平成三十二年を待たずして一兆円達成していくんだと、そういうふうに理解をしていいんでしょうか。
○国務大臣(森山裕君) 先日発表させていただきましたけれども、今年の一月から十月までの輸出額は六千二十九億円になりました。昨年の同期に比べますと二三・二%の増でありますので、通年では昨年が六千百十七億をこれは確実に超えるというふうに思っておりますので、過去最高を更新することが確実になってきたのではないかというふうに考えております。 今後とも、更に輸出環境の整備に努めまして、世界で評価をされている日本の農林水産物や食品の輸出に努力をさせていただいて、できるだけ早く前倒しで輸出額一兆円を達成をしたいと、こう考えております。
○儀間光男君 よく分かりましたけれど、恐らく今年度の統計を締める頃、七千億を超えますね、じゃ。そういう見通しが立つわけでございますが、最初、この一兆円といったのは二年ぐらい前からもう叫び続けていらっしゃるんですね。ここへ来て前倒しできることまでの好調なら、むしろ上方修正して、一兆円を一兆二千とか三千とか上方修正して取り組んだ方がより積極的な農政が展開できるんではないかというふうに思いますが、まあ、前倒しと決まったからおまえが言ったって聞きやせぬと、こういうふうには思っておるんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(森山裕君) 儀間先生の地元であります沖縄でも航空会社が随分頑張っていただいておりまして、今後ともいろんな輸送の問題を含めて輸出拡大に向けて政府としても努力をさせていただきたいと思っております。 前倒しと言わないでもっと高い目標を示した方がいいのではないかという御意見でございますが、そういう考え方もあるなというふうに思っておりますが、取りあえず平成三十二年一兆円を前倒しをするという努力を続けさせていただきたいと思います。
○儀間光男君 先ほど御説明ありましたが、いわゆる攻めの農業を具体化するには担い手の育成を始め八つの項目を持っていらっしゃるというような御答弁がありましたが、その八つの項目ちょっと見てみたんですけど、言葉として分かるんですが、一つ一つ具体的にどうなのというと、なかなかイメージが湧かないんですよ。 だから、攻めの農業、これをイメージ湧くように御説明になった方がいいと私は思っておりますが、これまた後で少し出ますから、後でやっていきたいと思います。 さらに、攻めの農業に関連して、先ほど山田委員は、それの良しあしの話から商業ベースの話でやっていましたが、私は少し視点を変えまして、このTPP協定の合意による国内への影響、特に農林水産業に及ぼす影響、これをメリットとデメリットの方でちょっと見ていきたいと思うんですが、なかんずくこのデメリット、それを捉えてみたいと思います。 自給率との関連あるいは充足率との関連等々いろいろ関係する、比較するものは出てくるんでありますが、まず政府試算によるというと、このTPPの合意によって予想されるデメリットとして、農産物は四兆一千億程度減少すると言われている。政府試算では、直近の試算では三兆円だと試算が出ていますね。さらには、食料の自給率、これ供給熱量ベースでは、政府は今まで四〇%以上ということだったと記憶しますが、ここは何と一四%に減るであろうという数字をはじき出しているんですね。それから、農業の多面的機能の損失額は何とまあ三兆七千億程度減ると、こういうんですよ。国内総生産、GDPで見るというと七兆九千億程度減になる、就業機会の減少数は三百四十万人程度であろう、農地は現在の四百六十万ヘクタールから二百三十万ヘクタールに減少するであろうというような数字が並んでまいりますけれど、ここでこの数字を見ていますと、一兆達成してこれだけのマイナスが出るというと、一体TPPの農林水産業に及ぼす影響はこの数字からどう読んでいけばよいのか、それをちょっと示していただきたいと思うんですが。
○副大臣(伊東良孝君) お尋ねの件でございますけれども、確かにその影響額、様々な指標で出てきたことを記憶しております。 この農林水産物生産額が、今お話ございましたように三兆円減少するという平成二十五年三月の政府統一見解、そしてその試算につきましては、これ、原則全ての関税が即時撤廃され、追加的な対策何も行わなかったという場合に仮定をしたものでございまして、現在、我が国が今その影響度を調査しているところでありますけれども、その前提条件が当時とは大分変わっているということを是非御理解をいただきたいと思います。 これ、御案内のとおり、国家貿易制度、関税割当て制度等の国境措置の維持をいたしたところでもありますし、長期の関税削減期間の措置も設けました。セーフガードの設定もなされているところでもありまして、意欲ある農林漁業者が安心して経営に取り組むことにより確実に再生産が可能となるよう、万全な国内対策を講じてまいりたいと思う次第でございます。 〔委員長退席、理事野村哲郎君着席〕 また、政策大綱に基づきまして、経営安定・安定供給のための備えといたしまして経営安定対策の充実、あるいは攻めの農林水産業への転換として経営感覚に優れた担い手の育成、産地イノベーションの促進、輸出等需要フロンティアの開拓等々、競争力の強化、体質強化対策を集中的に講ずることでございますので、御理解をいただきたいと、このように思います。
○儀間光男君 今の説明だと、農林水産物が一挙に関税撤廃したときの数字だとおっしゃるなら、そういうことを農家の皆さん、国民の皆さんに丁寧にお伝えしておかぬと、こういう数字を見て農家の人たち、特に心配して、一体これはどうなっていくんだと、沖縄の方言で言うとヌーナトールバーガと、こういうような思いをやっているんですね。 だから、そうであることの説明を早めに皆さんが何らかの形でやる必要があると思うんですが、いかがでしょうか、やってくださいませんか。
○副大臣(伊東良孝君) 全国の農政事務所等々を通じ、さらにはまた、政府といたしましてもそういった数字、背景というものを御説明してまいりたいと、このように思う次第であります。 原則、一番最初にTPPのお話出たときに、全ての関税を撤廃するという大前提であのTPPがスタートしたものでありますから、そうなった場合というのが常に前提として付いておりましたことを記憶しているところでもございまして、国民の皆さんもそれが頭に少し残っておられるかなという心配もいたしているところでありますので、そういった疑念の払拭に努めてまいりたいと思います。
○儀間光男君 ありがとうございます。 なぜなら、TPPがその後、大筋合意ができたときに、私もやはり何か所か時間を作って回ってみましたよ。これは攻める農業じゃなしに攻められる農業じゃないのかと。山田委員が何を攻め何を守るとおっしゃったんですが、守れるものの話じゃなくて攻められっ放しじゃないかというようなお話を拝聴したんですよ。 そういうことで、私どもがどう言おうと、政府が具体的に資料をもってして、文書でもいいし通達でもいい、何らかの地方農政局などを通じて早めに農民の方々、国民にお届けしていただきたいと、そういうふうに要望をしておきたいと思います。 次に、農産物の重要五品目の取扱いについてちょっとお伺いいたしますが、今回のTPP協定の合意で、農産物重要品目についてはそれなりの成果が上げられるのかなという期待はしてはおります。 なぜなら、ずっと私それを、農産物の海外展開を促進すべきであるという主張をしてまいりましたから、そういう意味ではTPPを契機にこういうことが促進されていくのかなという期待はするものの、TPP協定最大の目標に、その完全な撤廃にあることは今お話があったように承知はしておるのでありますが、その協定発効後七年目にこれは再協議の規定が設けられましたね。日本の農林水産物には関税撤廃の農産物が多いですよね。そして、協定した米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、チリ、この五か国の協定の附属文書の中に例外規定が設けられて、七年目には見直そうじゃないかというような文章が付いたはずでありますね。 こういうことを見ていると、七年後、更にただいまの五品目についてももう一回見直そうじゃないかとどこかの国がその要求があれば、それに応じなければならないというような状況にある。 つまり、これは何を言おうとしているかというと、セーフガードを発効するわけですが、七年目に来て、その状況を見ながら、日本のその五品目のセーフガードについても再協議をして外していく、撤廃をしていくというような協議がなされて、関税の引下げが求められて、否定できないような状況に追い込まれるのではないかというような、老婆心であってほしいんですが、危惧をするんですが、これについての御見解を賜りたいと思います。
○政府参考人(大澤誠君) 協定の条文の内容でございますので、私の方から説明させていただきます。 確かに先生のおっしゃるとおり、協定案大筋合意の内容の譲許表の附属書に先生の御指摘のようないわゆる再協議の規定がございます。 この対象につきましては、農産物だけではなくて、鉱工業品も含む全品目を相互に対象にしているということでございます。 それから、協議の性格でございますけれども、協議をするということが決まっているだけでございまして、協議の結果、何かをしなきゃいけないということは決まっておりません。したがいまして、協議が調わなければ約束内容の変更は必要ないということになっております。 それから、先ほど全品目が対象だと申しました。全品目が対象ですので、仮に我々の守りの品目について協議の要請が来たときには、我々は逆に攻めの品目について協議を申し入れるということで、守りと攻めを一体とした交渉が可能だというような性格の規定でございます。 TPP交渉は、全体の分野を通じたバランスを配慮したぎりぎりのところで大筋の合意に至ったということは、大臣その他、御説明していただいているところでございます。そういう状況でございますので、協定発効後に何らかの協議を行う場合であっても、このような経緯、バランスを十分踏まえ、慎重な対応が必要であるということでしっかりやっていきたいというふうに考えてございます。
○儀間光男君 今、協議の中で、いわゆる攻めの部分と守りの部分があるとおっしゃったんですか。守りの部分って、この大綱の文章からはそういうふうな、何を守ろうとしているのか、何を逆に攻めようとしているのか、よく見て取れないんですよ。 私の理解は、こういうものが七年目にやってくるというと、五か国のうちどこかが日本に要求を突き付ける、五品目も含めてセーフガードを廃止する、そういう方向に議論が進むのであろうというふうな理解しかできませんが、いま一度お尋ねします。
○政府参考人(大澤誠君) もう一度御説明いたします。 全品目が対象でございますので、相手にとって弱い品目、こういうことを我々から問題を提起するということでカウンターパンチを食らわせるということも可能になっているということでございます。 〔理事野村哲郎君退席、委員長着席〕 それから、あくまで、協議の方向性が決められているということではなくて、協議が調わなければ約束内容の変更は必要ないという決定でございますので、我々といたしましては、今回の大筋合意に至るまでの非常にぎりぎりの交渉、それから全体のバランスというのが今の交渉結果だと思っておりますので、そういう結果、経緯を踏まえまして十分的確に対処してまいりたいというふうに考えております。
○儀間光男君 だから、全品目の中に、私は、農林水産分の非課税科目がいっぱいあると、それも含めての話ですから全品目でいいんですよ。その中で、特にその農林水産関係の品目の中で五品目は特別にセーフガードも掛かるわけですから、あれを材料にこれをされてはちょっと大変だな、そういう思いがしての質問でございますが、次の時間等もありますから進めさせていただきたいと思います。 それから、ちょっと畜産関係に移らせていただきたいと思いますが、TPP合意に基づく畜産、牛、豚の振興についてでありますけれども、十六年目以降、つまり今回のTPP協定の合意によると、牛肉の関税は協定発効直後に、同時に二七・五%まで引き下げる、さらに協定発効から十年は毎年二%ずつで二〇%に引き下げていく、さらに十六年目以降は九%に段階的に下げていくんだと。こういうことがある一方で、一年目、一定量の輸入量を超えると関税を引き上げるいわゆるセーフガードの制度を導入するというふうにあります。 牛肉のセーフガードは、協定の発効一年目に、最近、直近のでしょうか、輸入実績から一〇%を超えた場合にセーフガードが発効されるということと理解をしております。さらに、その関税を、現在の水準でこれは三八・五%にセーフガードは引き戻されるわけでありますけれど、関税の引上げ幅が段階的に縮小していく、別の方でですね、十五年以降は一八%にするというような資料も出ているわけでございますが、この二つの関連を少し説明していただけませんか。
○政府参考人(今城健晴君) 牛肉のセーフガードについてのお尋ねでございます。 儀間委員おっしゃるとおりのことでございます。まず、関税水準は、おっしゃったとおり、発効時二七・五%、それから十年目には二〇%になり、それから最終十六年目には九%で、以降は九%でとどまるということでございます。 それに対しまして、セーフガードと申しますのは、輸入量が一定水準を超えたときにその関税水準を引き上げてそれ以上の輸入を抑制すると、こういう効果がございますのでセーフガードと申しております。それにつきましても、おっしゃられたとおり、発効時は三八・五%に戻るということが四年間続くわけでございますが、四年目からセーフガード発効時の発動水準は三〇%になり、十一年目には二〇%になり、十六年目以降は、一八%で、その後も発動がなければ一%ずつ発動された水準も下がるということになっております。 それに対しまして、今のセーフガード発動税率水準になるいわゆる輸入数量、これにつきましては委員おっしゃられたとおりでございまして、まず発効時、初年度は年間五十九万トンということで、これは直近二十六年度は五十一万トンぐらいでございますが、それに比べて五十九万トンという水準で発効時はスタートし、その後年間二%ずついわゆる上限数量、それを超えればセーフガードが発動されるという数量が増加していき、十年目に六十九・六万トン、その十年目から十六年目までの間は年一%ずつの増加で、最終十六年目には七十三・八万トンになるというような水準になっておりまして、したがって、セーフガードの発動される輸入限度数量は年々今申し上げました二%なり一%で増加していき、セーフガードが発動された後の税額水準は段階的に下がると、こういう関係になっております。
○儀間光男君 ちょっと確認の意味でお聞きしておきたいんですが、それでは、当初一〇%を超えていたと、セーフガードを発動したと、翌年は二〇%を超えたと、そういう場合はどうなるんですか。一〇%でとどめて翌年もセーフガードを発動したままにすると、そういうことの理解でいいんですか。
○政府参考人(今城健晴君) お答えします。 セーフガードのいわゆる発動される限度数量につきましては、初年度五十九万トン、それから翌年度は、ちょっと細かい数字はあれですが、その数字にプラスして二%、その翌年度は更にその五十九万トンから年々二%ずつ増えていくということでございますので、例えば四年目なら四年目の発動水準は今既に決まっておりますので、三年目の輸入数量が幾らであろうと四年目の発動水準は同じでございます。
○儀間光男君 よく分かりました。一回発動して、それ以上数量が増えてもセーフガードを外さないと、こういうことの確認ができたと思っております。ありがとうございました。 次に、今度、豚を少し見てみたいんですが、これは安い豚肉でキロ四百八十二円の関税、今、豚一キロ五百円程度行っているはずと思いますから、これはどうなんでしょうか、発効時に百二十円が引き下げられ、あるいは発効五年目に七十円、十年目に五十円に削減されていくと。 豚肉のセーフガードは、安い肉で五年目に関税が七十円になる、一定の輸入量を超えた場合は百円まで戻す、その後、関税の引上げ幅は段階的に縮小され、十二年目以降廃止される。これはいいとか悪いとかじゃなしに、理解できましたからそこで質問はいたしませんが、先ほど出た牛マル緊と豚マル緊、これの補填の先ほど質問ありましたが、補填率の八割から九割、あるいは豚マル緊の一対一から国の三、生産者の一へと変えていくということで、大変いいことだと思うんですが、ただ、これは非常に変動相場というか国際競争の中ですから、いろいろなファクターが来ると思うんですね。それを安定させるには、私はそれは法制化した方が農家は安心すると思うんですね。 だから、その法制化には、法律は国会で決めることですが、皆さん役所の方で法律を準備して出すとか、あるいは議員立法で出すとか、法律化した方がよいと私は思うんですが、政府の見解を賜りたいと思います。
○政府参考人(今城健晴君) ただいま委員から法制化のお話がございました。これにつきましても、先般、政府の大綱に、十一月二十五日に取りまとめていただきました大綱におきまして、TPP協定の発効に合わせてということでございますが、法制化をするということについてお決めいただいております。したがいまして、具体的にその豚マル緊、牛マル緊の法制化については準備を進めてまいりたいというふうに考えております。
○儀間光男君 もっと時間を割きたかったんですが、時間がありませんで、ちょっと急ぎたいと思います。 牛肉ですね、これの肉質が等級制がありますね、Aの1から5まで。日本の牛肉の生産技術からすると、A5、A4がよく作られて、あるいはこの二つはかなり高い肉ですから、富裕層、国内も国外においても大体富裕層が買うと。日本の一般家庭の食卓はA3からA2ぐらいだと思うんですね。そうしますというと、TPPの影響によって、恐らく諸外国は日本の食卓を狙ってA3、A2の肉を、安い肉を入れると思うんですね。そうしますというと、日本のA3の肉がなかなかはじかれてしまうということで、自給率にもいろんな形が出てくると思うんですが、その辺はどう見通されているか、伺いたいと思います。
○政府参考人(今城健晴君) 牛肉の国産と輸入牛肉の品質という問題、あるいは価格の問題のお尋ねがございました。 私ども、通常言っておりますのは、確かに先生がおっしゃるとおり、和牛の黒毛のA5、A4等につきましては、非常にサシの入った肉質のいい、お値段もそれなりの値段だということで、なかなか輸入牛肉とは競合しないのではないかと。その代わり、通常言われておりますのは、例えばアメリカ産牛につきましては、いわゆる交雑種のもっと、まあB2というものですとか、それからいわゆる乳用ホルの雄と言われるところ、そういうところとやはり競合があるのではないかということがよく言われております。 そういうこともございますので、私どもといたしましては、やはり、今の御指摘がございましたマル緊の充実、あるいは体質強化ということ、品質向上も含めて畜産クラスターの拡充とか、そういうことで体質強化対策とそれから経営安定対策というものを両面から進めていくということで考えていきたいというふうに思っております。
○儀間光男君 これについてももっともっと議論を深めていきたいと思うんですが、サトウキビ、甘味資源少しやらぬと、地元行くと殴られますから、甘味資源、少しさせていただきたいと思いますが、あとは次の機会にしたいと思います。 甘味資源については、これは生産は北海道、鹿児島、沖縄と極めて限定された地域であることは誰もが知っていることであります。この三地域の甘味資源の栽培環境や栽培面積等、量産的なものを見ると、外国産に対抗できるような生産環境にないですね。将来も大変厳しい環境にさらされている農産物の一つですよ。そういうことでは、今回大筋は守られたということで評価を申し上げたいと、こう思っておるところであります。 特に奄美大島や沖縄など、その地政学上、基幹作物として作れるのはサトウキビ以外にないんですね。それに代わる作目というのはなかなか見付からない。したがって、いや応なしにもすがっていかなければならない作目であるだけに、政府が今度頑張ったことを大変感謝をしておりますけれども。 ただ、そうだからといって、今のままで生産が減少させていっていいということにはならないと思いまして、増産するような対策をきめ細かくやらなければならない。先ほど山田委員は土地改良や基盤整備を余りよろしく言っていなかったのですが、あの沖縄の荒地を見ていると、まだまだそういう事業が必要で、うんと投資をしていただいて、もっと栽培キャパを広げて担い手が多くの耕地を持って生産に励めるような、そういうような整備事業を入れてほしいというふうに思うんですが、内閣もいろいろあると思いますけれど、大臣のお考えをいただきたいと思います。
○国務大臣(森山裕君) TPPにおきます甘味資源作物につきましては、糖価調整制度がしっかりと守れましたし、また加糖調製品にも新たに糖価調整法に基づく調整金の対象とするという方針が示されておりますので、いい形で収まったのではないかと思っております。これは今、儀間委員がおっしゃるとおり、沖縄でそれぞれの離島で何かほかのものを作れと言ってみても、これ現実味がありませんので、やはりサトウキビを一生懸命やっていただくことがいいことだと思います。 ただ、ここで大事なことは、生産量が一定は確保されないと製糖工場が回っていきませんので、製糖工場とキビ農家というのは車の両輪だと思いますから、一定の生産量が確保されるように増産対策等については引き続き配慮していかなければならないなというふうに考えております。 どうか沖縄におきましても増産体制をしっかりやっていただきたいというふうに思いますし、また、工場の再編にも御努力をいただいて効率を上げていただいておりますことも非常に感謝を申し上げております。 また、干ばつのひどいときなんか、地下ダムのある地域のサトウキビというのはもう全然収量が違っているということもございますので、そういう増産につながる事業についてはしっかりとした対応をしていくということが大事なことだと思いますし、サトウキビ農家にとりましても機械化もまた進めていかなきゃならぬこともそのとおりだと思いますが、まず儀間委員にお願いをしたいことは、沖縄におきましてもキビの増産に更に御努力をいただきたいということでございます。
○儀間光男君 ありがとうございました。 御指摘のように、基盤整備をきちっとされていて、スプリンクラーが敷設されて水が回るところは単収も非常にいいんですよ。それから、台風常襲地ですから、御承知のとおりですけれど、雨を伴った台風の場合はそう大した風による被害はないんですが、雨がなくて空っ風の場合は完全に塩害を受けまして根こそぎ枯れて収穫がままならないんですね。どおんと落ち込んでいくんですよ。これは三年に一遍か四年に一遍ぐらい回り回ってくるんです。ですから、こういう整備をされて、スプリンクラーの施設ができて、その後に散水をして塩分を落としてということであれば生産も上がりますから、農家もまたより士気が出るんですよ。おっしゃるように、生産量が増えて、製糖工場が縮小されていくというようなことを避けれると思うんですね。 そういうことも含めまして、いま一度、そういう基盤の整備と機械化、ハーベスターの貸付け等々、いろいろ脆弱な農家ですから、自分たちで備品、設備等を持ってやるのはなかなか難しい。これは沖縄の畜産も皆そうなんですが、是非ともそういうところを、しかも、丸ごと離島で、それぞれ耕地が小さくて、九州、本州、四国、北海道みたいに隣県にいろいろ関連していて連携をしてというのはなかなかできる地域じゃありませんので、そういうことの特異性も含めて、しかも、国境離島として領海、領土、領空を守っている、これは鹿児島も佐賀も皆そうですが、そういうことも相まつところですから、是非とも、ここが農林水産業でやっていけるような、そういうような配慮をいただきたいと思うんですが、大臣、いま一度決意のほどを伺わせてください。
○国務大臣(森山裕君) 沖縄には、豚も銘柄豚としてかなり歴史を持っている豚もあります。また、最近、畜産の方も非常に頑張っていただいているところでありますが、これはキビの輪作体系としても非常に大事なことだと思っておりますので、今後も、効率を上げるための農業農村整備については配慮しなければなりませんし、また、別な面での沖縄の農業の発展というのもあるのではないかというふうに考えておりますので、また、農水省としても、沖縄の農業、漁業の発展のために頑張ってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
○儀間光男君 時間が来ましたので、終わりたいと思います。ありがとうございました。
○委員長(山田俊男君) 両件に対する質疑はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(山田俊男君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、柳澤光美君及び柳田稔君が委員を辞任され、その補欠として野田国義君及び浜野喜史君が選任されました。 ─────────────
○委員長(山田俊男君) 徳永君から発言を求められておりますので、これを許します。徳永エリ君。
○徳永エリ君 私は、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党及び維新の党の各派共同提案による畜産物価格等に関する決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 畜産物価格等に関する決議(案) 我が国の畜産・酪農は、生産者の努力の積み重ねにより、飼養規模拡大と先進的な経営を実現させ、構造改革の先駆者とされてきた。しかし、近年、生産コストの相当部分を占める飼料価格は低下傾向にあるものの、依然として高水準で推移しているなど経営継続が厳しさを増す中、高齢化や飼養戸数の減少などによる生産基盤の弱体化に歯止めがかからず、危機的な状況にある。 特に、環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉の大筋合意において、重要品目に位置付けられている牛肉・豚肉・乳製品の関税削減に加え、乳製品のうち、ホエイ、チーズについては関税撤廃が、ともに長期の経過期間を確保しつつも盛り込まれ、脱脂粉乳のTPP枠が設定されたことなどから、輸出国との間で厳しい競争を余儀なくされる生産者には、将来への懸念と不安が広まっている。 よって政府は、こうした情勢を踏まえ、平成二十八年度の畜産物価格及び関連対策の決定に当たり、生産者の懸念と不安を払拭し、将来への希望が持てるよう、次の事項の実現に万全を期すべきである。 一 我が国畜産・酪農の生産基盤の維持・拡大を図るため、地域農業・地域社会を支える多様な畜産・酪農について、生産物の付加価値の向上や飼料費等の生産費削減、効率化等の取組を通じて、将来に向けて魅力ある持続可能な経営が実現できるよう、十分な所得を確保するための実効ある対策を実施すること。 二 加工原料乳生産者補給金の単価及び交付対象数量については、酪農家の経営努力が報われ、営農意欲が喚起されるよう、再生産の確保を図ることを旨として適切に決定するとともに、液状乳製品の追加や補給金単価の一本化など加工原料乳生産者補給金制度の見直しを準備が整い次第行うこと。 また、需要の拡大が期待できる生クリーム等の生産拡大のため、乳業工場の再編整備を支援するとともに、担い手の労働負担を軽減する搾乳ロボット等の設備・技術の導入及び酪農ヘルパー・育成センター等の外部支援組織に対する支援を充実すること。 三 牛肉・豚肉の安定価格及び肉用子牛の保証基準価格等については、畜産農家の経営安定に資するよう、需給動向、価格の推移、子牛価格の高騰等を十分勘案し、再生産の確保を図ることを旨として適切に決定すること。 四 畜産農家の経営安定に万全を期し、国産牛肉・豚肉の安定供給を図るため、肉用牛肥育経営安定特別対策事業(牛マルキン)及び養豚経営安定対策事業(豚マルキン)を法的制度へ移行し、その際、補填率引上げ、豚マルキンの肉用牛並みの国庫負担水準引上げ及び肉用子牛の保証基準価格について現在の経営の実情に即した見直しを行うこと。 五 畜産・酪農の国際競争力の強化を図るため、関係事業者が連携・結集した地域ぐるみの畜産クラスター事業を推進するとともに、規模のいかんにかかわらず多様な担い手が取り組みやすくするための必要な見直しを行うこと。また、畜産農家の既往負債の軽減について、十全な対応を図るとともに、離農農場等の既存施設の貸付け等による新規就農者の確保と担い手の育成を進めること。 さらに、繁殖基盤が年々ぜい弱化している現状に鑑み、和牛受精卵移植を活用した和子牛生産並びに繁殖雌牛の増頭や新規参入に対する支援、性判別技術と受精卵移植技術の活用による計画的な乳用後継牛の確保への支援を一層強化すること。 六 配合飼料価格安定制度については、配合飼料価格には、予測が困難な穀物の海外相場や為替の影響が避けられないことを踏まえ、畜産・酪農経営の安定に資するよう、安定的な運営を図ること。 七 輸入飼料依存から脱却し、国産飼料の一層の生産と利用を促進するため、飼料用米・稲発酵粗飼料等を活用した耕畜連携、コントラクター・TMRセンターの育成・活用、高栄養粗飼料の増産、草地改良の実施、放牧の推進、エコフィードの生産・利用の促進等への支援を充実・強化すること。特に、飼料用米については、畜産経営における需要の拡大、多収品種の種子の確保・普及、地域条件に応じた栽培技術の確立等を通じた収量の向上、流通・製造体制の整備と併せ、耕種側と畜産側の需給マッチングを進めるため、必要な予算を継続的に確保すること。 八 地産地消や食育、六次産業化の取組を進め、国産畜産物の消費拡大を更に推進すること。 また、原発事故等を要因とする各国の輸入規制の撤廃・緩和に向けた働きかけを強化するとともに、輸出拡大に向けた食肉処理施設の整備の促進、ジャパン・ブランドとして牛肉等畜産物の一元的な輸出に資する取組への支援、戦略的な動物検疫協議の実施など、輸出促進対策を一層進めること。 九 原発事故に伴う放射性物質により汚染された牧草地の除染対策と汚染された稲わら、牧草及び堆肥の処理を強力に推進するとともに、原発事故に係る風評被害対策に徹底して取り組むこと。 十 畜産経営に大きな被害を及ぼす家畜疾病については、適切な飼養管理の徹底や予防対策が重要であり、畜産農家における飼養衛生管理基準の遵守に向けた指導や空港等における入国者に対する水際対策を徹底すること。 十一 TPP協定交渉の大筋合意については、平成二十五年四月の本委員会決議「環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉参加に関する決議」を踏まえその合意内容を検証すること。併せて、我が国の畜産・酪農に及ぼす影響を精査するとともに、その結果を踏まえ、畜産・酪農経営を持続し、発展させるための万全の措置を講ずること。 また、日本EU等の他の経済連携協定交渉については、交渉相手国・地域における畜産・酪農等をめぐる事情を十分勘案し、我が国の地域経済において重要な役割を果たしている畜産・酪農が今後とも安定的に発展できるよう、確固たる決意をもって臨むこと。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。
○委員長(山田俊男君) ただいまの徳永君提出の決議案の採決を行います。 本決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(山田俊男君) 多数と認めます。よって、本決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、森山農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。森山農林水産大臣。
○国務大臣(森山裕君) ただいまの御決議につきましては、その趣旨に従いまして、最近の畜産をめぐる事情を踏まえつつ、十分検討してまいる所存でございます。
○委員長(山田俊男君) 本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十二分散会