政府開発援助等に関する特別委員会 第4号
- 発言数
- 72 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 10
- 開催日
- 2015/05/27
会議録
○委員長(山本順三君) ただいまから政府開発援助等に関する特別委員会を開会いたします。 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 政府開発援助等に関する調査のため、本日の委員会に「動く→動かす」事務局長稲場雅紀君、株式会社タイワ精機会長高井芳樹君及び国連人口基金東京事務所長佐崎淳子君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本順三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(山本順三君) 政府開発援助等に関する調査のうち、開発協力大綱の下での我が国ODA等の在り方に関する件を議題とし、参考人の方々から御意見を伺います。 この際、参考人の方々に一言御挨拶申し上げます。 本日は、御多忙のところ本委員会に御出席いただき、誠にありがとうございました。 皆様から忌憚のない御意見をお述べいただき、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。 議事の進め方でございますが、まず、稲場参考人、高井参考人及び佐崎参考人からお一人十分程度御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。 御発言の際は、その都度委員長の指名を受けてからお願いいたします。 なお、御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、まず稲場参考人にお願いいたします。稲場参考人。
○参考人(稲場雅紀君) 「動く→動かす」の稲場と申します。よろしくお願いいたします。 では、着席させていただきます。 私、「動く→動かす」というちょっと耳慣れないNGOのネットワークの事務局長をやっておりますが、この「動く→動かす」について簡単に御紹介いたしますと、「動く→動かす」、つまり自ら動いて世界を動かすというような趣旨でございまして、そのような形で「動く→動かす」という名前を付けさせていただいております。 これは、国際協力NGO七十五団体が参加をいたしまして、そして政策提言とキャンペーンということで、ミレニアム開発目標、二〇〇〇年から二〇一五年までの途上国の開発についてのグローバルな目標でありますミレニアム開発目標に関する政策提言とキャンペーンを中心にやらせていただいている、基本的には世界の貧困をなくすということをメーンに考えてやっておる団体でございます。 私ども、ミレニアム開発目標というのが二〇一五年までということでございますので、二〇一六年以降の新しい目標であるところの持続可能な開発目標、サステーナブル・ディベロップメント・ゴールズというものがございますが、こちらのサステーナブル・ディベロップメント・ゴールズに関しまして、現在、特に政策提言、そしてキャンペーンの方を集中的にやっている最中でございます。ですので、本日に関しましては、議題もこちらの持続可能な開発目標に関するお話というものがかなり中心的な議題になるかと思いますので、そちらについての解説を中心にさせていただければというふうに思っております。 私のこちらの発表資料の方を御覧いただければというふうに思いますけれども、この持続可能な開発目標というものがどういうものかということを申し上げますと、二〇一六年から二〇三〇年までの世界の開発問題、そして環境問題に関するグローバルな目標ということになっております。ですので、非常に重要な目標になっておりまして、現在、世界各国が国連で目の色を変えて議論をしている最中であるということでございます。 こちらの持続可能な開発目標の中心的な肝というものを二つ申し上げますと、一つ目は、二〇三〇年までに極端な貧困のない世界というものを実現する、二つ目が、二〇三〇年までに持続可能な世界を実現する道筋を付けるということが目標になっております。これが肝ということでございます。 これまでのミレニアム開発目標は、二〇〇〇年から二〇一五年までの十五年間で世界の極端な貧困を半分にする。そのために、基礎保健や基礎教育など社会開発を中心課題にして、人々の命を救い、途上国の国家の基盤をつくるということになっておりました。このミレニアム開発目標の下で、世界の援助の在り方が量そして質の面で大きく変わったということがございます。こういったミレニアム開発目標のインパクトというものがございますので、次の持続可能な開発目標に関しましても、世界が目の色を変えて議論をしている、非常に重要であるということは承知されるところだろうというふうに思っております。 では、このミレニアム開発目標と持続可能な開発目標、何が同じで何が違うかという話ですけれども、共通点としましては、数値目標と期限というものを設けて達成度が測れるようにする、この点に関しましては、ミレニアム開発目標と持続可能な開発目標、これは同じでございます。しかし、中身が大きく違うということなんですね。 ミレニアム開発目標に関しましては、途上国の貧困をなくし開発を進めるということで、途上国がメーンの目標でございました。先進国はどう支援するかということが中心でございまして、関わりは間接的なものでございました。そして、目標は八つということでかなりシンプルな目標だったということですね。 これに対しまして、持続可能な開発目標の方はどうかといいますと、開発だけではなくて、環境問題、特に生物多様性や気候変動等、また産業の在り方、持続可能な世界をつくるということでございますので、産業の在り方というのが非常に重要になってまいります。人口の問題、エネルギーの問題、そして雇用の問題、こういったものも含めて開発目標をセットするということになっておることでございます。ですので、日本を含む先進国も直接の対象になる。この点で、今までどう支援するかという話をしていればよかったものが、我々としても、環境や産業にどう取り組むかという直接の課題として非常に大きな目標になってくるということなんでございます。目標の数としては十七個、そしてターゲットが百六十九個もあるというかなり大きな目標になるということでございます。 次の紙の方に参りますが、なぜこのような形でMDGsとSDGs、デザインが大きく変わったのかということなんですが、MDGs、ミレニアム開発目標の方は始まったのが二〇〇〇年でございます。二〇〇〇年というのは、非常に厳しい、途上国は特に非常に厳しい状況にあった時代でございまして、特に冷戦の終了後、世銀、IMFの構造調整政策が失敗したことで貧困国が経済的に破綻をして大変悲惨な状況にあった。サハラ以南アフリカにおいては、多くの国々が国家崩壊、内戦、そしてエイズというような非常に悲惨な状況にあったわけですね。ですので、今すぐやらないと駄目だということで、とにかく貧困をなくす、社会開発にお金を集中する、そういうことで国家の基盤を再建するということが非常に重要な課題になったわけでございます。 ところが、それから十五年たちますと、サハラ以南アフリカなど多くの国々で国家基盤が再建をされ、そして経済成長もできるというような状況になってまいりました。一方で、この十五年間で深化したことというのは、先進国、新興国、途上国それぞれで貧富格差が拡大したということです。例えばアラブの春などを御覧になってもお分かりのとおり、大学教育を受けても失業して、あしたの世界に希望が持てないという若者が中東、アフリカには膨大にいる、その結果として各国が非常に治安が悪くなる、そういうような状況がございます。こういうような形で貧富格差と不安定化というものが一体化している。二つ目ですけれども、気候変動が深刻化している。これ、非常に重要な問題で、我が国でも多くの水害が起こっているように、気候変動の問題が非常に深刻化している。三つ目に、いわゆるこういう慢性的な危機というものが深化しておりますので、これに対してどのように持続可能な世界を目指すのかというもう一つの新たな視点というものが必要になったわけでございます。そういうようなところで、こちらの持続可能な開発目標をつくっていこうということになったわけです。 基本的に、その持続可能な開発目標の問題設定というのは、全て日本で私たちが直面している問題でございます。そういうようなところもございますので、この持続可能な開発目標ということで、地球一個分の生活というものを目指していかなきゃいけない、持続可能な世界への移行と極度の貧困の解消というこの二つを目標として、世界が二〇一六年から三〇年までの十五年間でしっかり進んでいくということが何よりも大事だということで、こちらの持続可能な開発目標というものが今議論をされている、その大体八合目まで来ているということになっております。 どのようにこの持続可能な開発目標が決まっていくのかということで、資料の最後から二番目の紙の方を見ていただければと思うんですけれども、今どのような状況になっているのかということなんですが、現在、政府間交渉ということで、こちらのスライドの「イマココ」と書いてあるところに来ています。つまり、大体九合目までぐらいのところに進んできているんですけれども、これまでのプロセスは市民社会の参加の下に非常に民主的に行われてきました。途上国も先進国も対等な形で議論に参加をして、そして昨年の七月に報告書が出て、それを基に今この十七のゴール、百六十九のターゲットということで進んでいるという状況でございます。 しかし、その中でも、なかなかまだ詰め切れていないところがかなりありまして、特に重要なポイントというのは、この持続可能な開発目標というところに関して、お金をどのようにあてがうかというようなところで、これで、七月にエチオピアのアジスアベバで国連開発資金会議というものが行われるということになっております。その中で、例えば民間資金をどのように投入するのか、またODAをどのぐらいのレベルまで上げるのか、さらには新しい形での国際的な資金メカニズムというものをつくるのか、こういったようなところに関しまして、今、七月に向けて話が進んでいるところでございます。その上で、九月に国連総会ポスト二〇一五サミットでこの目標を決めていくということになっております。 最後に、このSDGsに関しまして、我が国としてどのような可能性があるのか、そして我が国としてどんな責任があるのかということに関しましてお話をして終わりにしたいと思います。 一つは、我が国の可能性としてありますのは、技術革新による持続可能な世界実現への貢献ということでございます。実際に、いわゆる地球一個分の世界を目指すということですので、省エネルギー、リサイクル技術の開発、さらに、例えば全ての人が健康にアクセスできる、保健にアクセスできるということでいえば、医薬品やエイズワクチンなどの新しい医療保健技術の開発ということも非常に重要な課題になってまいります。これはまさに先進国である我々ができることでございますので、こういった技術革新による持続可能な世界実現への貢献というものは非常に大きな可能性ということが言えるかと思います。 あともう一つは、課題先進国としての日本ということで、高齢化や公害というものに直面してきた私たちがその政策的な新しいアプローチというものをグローバルにどのようにつくって伝えていけるのか、この辺が可能性ということになるかと思います。 もう一つ、我が国の責任ということなんですけれども、一つは、ODAのGNI比〇・七%という昔からの目標というものになるべく近づくということが非常に重要なポイントでございます。二つ目に、テロ、紛争などの根源をなくすための格差拡大などに切り込むような支援というものをどのようにできるのか、これが二つ目。最後に、人間の安全保障に基づく国際協力の強化、特に、いわゆる貧富格差を是正できるような強力な行政システムの構築を途上国で行うに向けてどういう形で我が国の知見というものを伝えることができるか、こういったところが我が国の責任ということになるかなというふうに思っております。 まさにこのSDGsというもの、なかなか日本では注目がされていないわけですけれども、今まさに国連でこの議論をされているところですので、是非、国会議員の先生方におかれましても、このSDGsについて注目をお願いしたいと思います。 どうもありがとうございました。
○委員長(山本順三君) ありがとうございました。 次に、高井参考人にお願いいたします。高井参考人。
○参考人(高井芳樹君) 北陸の富山で小さな精米機メーカーを経営しております会長の高井と申します。本来ならば、ODAを担当いたしました社長が出てきて皆様に御挨拶、御説明を申し上げるべきなんですが、あいにくカンボジアに出張しておりまして、どうしても帰ってこれない用事でありまして、私が代行させていただきますことをお許しいただきたいと思います。
○委員長(山本順三君) どうぞお座りください。
○参考人(高井芳樹君) それでは、座らせていただきます。 まず最初に、大切な国のお金をたくさん、今回、FS調査だとか案件化調査、あるいは実証事業、この三つの支援をいただきまして、誠にありがとうございました。厚くお礼を申し上げます。 カンボジアへの進出の経緯なんですけれども、皆様のお手元に行っているこれにも書いてあると思うんですが、簡単に申しますと、一九九四年、私が初めてカンボジアへ訪問いたしました。なぜカンボジアへ行ったかといいますと、何となく行ったわけでして、特に理由はありませんでした。 行きましたら、日本のODAで日本橋という橋が建ったばかりで、まだ落成式も終わっていないようなほやほやのところでございました。それは大変明るい、いいニュースでしたが、ポル・ポトの後始末で、たくさんの人が亡くなっている関係で大変な国だなということをそのときには肌で感じたわけでございます。 友達がカンボジアで仕事をしておりましたので、友達がフン・セン首相に会わないかいと言うものですから、いや是非会えるものなら会いたいということで、公的な面会じゃなしに私的な面会ですから、日曜日を選んでフン・センさんのおうちへ行きました。 私の先入観が悪かったんでしょうけれども、僕は、日本の明治維新に活躍した西郷隆盛だとか大久保利通だとかあるいは坂本龍馬だとか、ああいうごつい人といいますかすごい人を先入観で持っておったんです、フン・セン首相というのはそういう人かなと思って。御自宅へ訪問してみましたら、今ちょっと太られましたけれども、ちょっと痩せ型で、おとなしい大学の先生というような感じで、あれっというのを記憶しております。だけれども、お話を聞けば聞くほど、国に自分の全生命をささげてもいい、国のために頑張ろうと、これだけ傷んだカンボジアを立て直そうという非常に純粋な高い意識を持っておられる方だなということに感銘を受けました。 そして、フン・セン首相にカンボジアにとって今何が一番大事だと思いますかという質問をしましたら、安定した食料が得られる、安定した外貨が得られる、そのためのことが一番大事ですとおっしゃったんです。私のタイワ精機は小さな会社ですし、精米機メーカーという限られたものを造っているものですから、これという応援ができなかったんですけれども、フン・センさんの非常に純粋な気持ちに打たれまして何とかお役に立ちたいということで、モデル農村がありました、今でもあるんですが、フンセン村というモデル農村がありました。モデル農村といっても何にもないんです、トラクターもなかったですし、何もないところなんですが、そこへちっちゃなミニ精米プラントを一セット寄附をさせていただいたわけでございます。 そして、オープニングセレモニーのときに、私は、恥ずかしい話ですが、初めて失敗したという気持ちになりました。なぜそういう気持ちになったかというと、私は精米機のプロでありながら、ロングライスのこと、インディカ米ですね、学術用語で言いますとインディカ米、日本はジャポニカ米なんですが、インディカ米のところだということをうっかりしておりまして、日本にはインディカ米がないものですから、私どもが造っております精米機はジャポニカ用の精米機なんです、丸いお米を精米する精米機なんですね。これは、皆さん御存じのように米と米との摩擦で白くしていくわけです。 ところが、オープニングセレモニーのときに向こうの米を精米しましたところ、長い米が折れるんです。日本でいう砕米、砕け米になって、日本だったらもうとてもお金にならないくらいのひどいお米が出てきたわけです。いや、恥ずかしいやら情けないやら、本当に自分はプロだと思っていたのに何てうかつなことをしたかなと思って、もう二度とカンボジアへ来れないなと思って、平身して、情けない思いして帰ってきたことを覚えています。 それから十年ほど、私はカンボジアのことを忘れようと、恥ずかしくて行けないということで行かなかったんですが、ライオンズクラブという国際的な組織があるんですが、ライオンズクラブの役員をしておった関係でカンボジアへ、日本のライオンズが本部からお金をもらっていろんな学校を建てたり図書館を建てたりしているわけですけれども、そのお金の使い方を調査してきなさいという指示がありまして、そしてプノンペンに十年目に訪問したわけです。 夜遅く着きまして、迎えに来てくれた運転手を見てびっくりしました。私が一九九四年にフン・セン首相の自宅へお邪魔したときの通訳さんだったわけですね。その方が運転して迎えに来てくれたわけです。僕は、今でもそうですが、仏教徒です。仏教徒は、皆さんも御承知のように、御縁という人間の力では及ばない縁ですね、この御縁を大事にします。私も、不思議な御縁だったな、御縁があったんだなとそのときに思いました。 それまでカンボジアは恥ずかしくて避けておりましたけど、その方に会ってから、よし、ロングライス用の精米機を開発してやろう、ロングライス専門のいい精米機を開発してやろうという気になりまして、現地法人をつくったわけでございます。日本にはそういう米がないものですから、開発しようとしても試験ができません。それで、現地に研究所を建てまして、そして日本からも技術屋を送りまして、三年足らず掛かりましたけれども、ロングライス用の精米機を造ったわけです。ちょうどその頃にODAのお話がありまして、お世話になったわけでございます。 初めて九四年にカンボジアを訪問したときに、まず大使館に行きました。大使館に行きましたら、今とちょっと場所が違いますけれども、当時の大使が電話で誰かにすごく怒っておられました。言葉が分からないものですから、ああ、御機嫌が悪いところへ来たなと思っただけで、しばらく待っておりましたら大使がにこやかな顔をして迎えてくださいましたが、そのときに大使が私にこぼされたことは、これはカンボジア人も良くないけれども、先進国も良くないねと。カンボジアを甘やかしたものだから、援助が当たり前という国民性ができたんだと。今も、これだけ努力したからこれだけはできるんだと、残りが足りないのでお願いしますというんじゃなしに、丸々頭から応援してくれと、こう言ってきたものだから私は怒っているんだということをおっしゃっておられましたが、それは、カンボジアを回ってみますと、あちこちで感じることができました。 御存じのように、カンボジアはベトナムと一緒で、約百三十年から百四十年間フランスの支配下にありました。しかし、カンボジアの町、カンボジアの国をあちこち歩いてみましても、ほとんど教会が見当たらないんですね、クリスチャンもいらっしゃらない。今でも九〇%以上が仏教徒なんですね。不思議で不思議でしようがない。何が原因だったんだろう、フランスだって一生懸命に布教したはずなのになと、そう思ったけど、原因が分かりませんでしたけれども、やっと昨年、その原因をつかむことができました。それは、村に一か所ずつあるお寺のお坊さんに対して大変お世話になったという気持ちが先祖代々から強いんです。お坊さんに字を習った、おじいちゃんもおばあちゃんもお父さんも、みんなお坊さんに算数を教えてもらった。そのお坊さんに対する御恩があるためにクリスチャンにならなかったということが分かったんですね。そういう国民性なんです。ですから、非常にある意味では日本人とよく似ているなと思ったわけでございます。 ODAをやらせていただいて良かった点、それから反省点もありますし、これからうちのように小さな中小企業がODAを活用する場合にはどういうことに注意したらいいかという、生意気ですけれども、先輩としての考えもあります。それは後ほど、もう時間がありませんので、またお話しさせていただきます。 どうもありがとうございました。
○委員長(山本順三君) ありがとうございました。 次に、佐崎参考人にお願いいたします。佐崎参考人。
○参考人(佐崎淳子君) 今日はお呼びいただきまして、どうもありがとうございます。 私、佐崎淳子と申しまして、広島生まれの広島育ちで、大学に行きまして、その後就職活動をしていたんですけれども、日本ではなかなか女性は総合職にはなれないという時代でしたので、アメリカの大学院に行きまして、その後、国連機関、あと世界銀行で、人口、ジェンダー、女性の地位向上、リプロダクティブヘルス関係について仕事をしてまいりまして、その後、三年半前に東京の事務所の所長として帰国いたしました。 今日のプレゼンテーションなんですけれども、開発における女性の参画の促進ということで、まずは国連における国際社会の取組と課題、次は我が国の取組に対する評価、最後に今後日本に期待したい点ということでお話をさせていただきます。 まず、国連におきましては三つ理念があります。一つはミレニアム開発目標、先ほど稲場さんがおっしゃっていたもので、三番目のゴールがジェンダーの平等の推進と女性の地位向上。二番目、国際人口・開発会議の行動計画、これは一九九四年に国際会議で採択された行動計画でありまして、ここには女性のエンパワーメントを確保するための幅広い措置が必要であると記してあります。三番目、国連安全保障理事会の決議一三二五、これは画期的なものでありまして、女性、平和、安全保障という意味で、安全保障理事会で採択されたものであり、女性の保護、平和構築と和解への女性の参画を保障する行動の枠組みを設定するというものです。 四つ、女性のエンパワーメント参加という意味で分けて発表させていただきます。まずは経済的エンパワーメント、二番目、教育・保健分野におけるエンパワーメント、三番目、政治的、社会的、法律的エンパワーメント、最後には平和構築時における女性の参加。 まず、経済的エンパワーメントの活動事例なんですけれども、国連人口基金という基金は人口の課題を扱っておりますけれども、人口の課題は一九九四年の国際人口・開発会議で、これは、女性の地位向上、女性のエンパワーメント、ジェンダーの平等、女性の保健、リプロダクティブヘルスに投資するというふうに方針が変わってまいりました。ということで、女性のエンパワーメント関係のプログラムとしては、新しくできました国連ウイメンよりもまだファンドがあるという状況です。 女性へのマイクロクレジットのプロジェクトの支援、あと出産時の疾病、例えばフィスチュラなどに伴い社会的に疎外され差別されている女性を対象とした職業訓練をしたり、あと経済的また社会的な政策、貧困削減戦略においてジェンダー視点が組み込まれるための支援をしております。 次は、教育・保健分野におけるエンパワーメントなんですけれども、世界で読み書きができない人の三分の二は女性です。女性の教育レベルというものは、乳児死亡率とか出生率、あと子供たちの経済的機会に深く関連しており、また母親の教育というものは子供の教育レベルに深く関連してきます。 国連の機関としての活動事例といたしましては、リプロダクティブヘルスを中心とした識字プロジェクトやカリキュラムの開発プロジェクト、また出産後の少女の学校への復帰プロジェクトなどをしたり、あと男性の参画に向けた支援、これニジェールで、アフリカなんですけれども、夫の学校というプロジェクトをやっております。今、女性の地位向上、ジェンダーの平等のためには、男性の参画がなくては成功しない。また、男性のリーダーシップを必要としております。 出産後の少女の学校復帰というのですけれども、やはり児童婚が多い。児童婚で早くから結婚した人たちは学校に帰らないということで、世代間の貧困がはびこるということになっております。 三番目の政治的、社会的、法律的エンパワーメントですけれども、多数の国で女性は土地を所有すること、また貸付けを受けること、相続することの権利を持っておりません。また、政治参加の割合も非常に低い。 国連人口基金の活動といたしましては、ジェンダー平等に関する法律確立の支援をしたり、あと性別による差別撤廃に向けたアドボカシー、またジェンダー・ベース・バイオレンス、これジェンダーに基づく暴力の予防、保護、回復の支援をしたり、女性のエンパワーメントに関する法律、政策の支援のために開発途上国の国会議員とのパートナーシップを確立しております。 平和構築プロセスにおける参加ですけれども、これはあらゆるレベルの意思決定で女性の参加と代表を増大させることが必要であると。紛争終結後のプロセス、平和支援の活動にジェンダーの観点を取り入れることが大切である。国連のプログラムの策定、あと報告、安全保障理事会のミッションにジェンダーの観点を入れることが必要である。また、国別行動計画の策定を各国に要請しております。 国連人口基金の活動といたしましては、例えばコロンビアで平和プロセスに参加している女性団体を支援をしたり、あとは、ニカラグア、私ここで代表をしておりましたけれども、ジェンダー・ベース・バイオレンス、これジェンダーの暴力に基づく対策ですね、最高裁判官も女性で、参加しておられました。 次、日本における女性参加の状況です。日本は国会議員の割合が世界百四十二か国中百十七位、九・五%です。非常に低くなっております。ここにリストしてありますけれども、一番はルワンダ、六三・八%、スウェーデン五位、ドイツ二十位、中国五十五位、アメリカ七十三位というランキングです。 また、日本のジェンダーギャップ指数というもので、これは世界経済フォーラムで出しているものですけれども、二〇一四年、日本は何と百四十二か国中百四位でした。これは、やはり先進国、開発の援助をするドナーカントリーとしては非常に低い。経済活動参加のランキングが百二位、教育九十三位、健康・生存率三十七位、政治権限は何と百二十九位となっております。 日本が取り組む女性が輝く社会ですけれども、皆さんも御存じのように、安倍総理が二〇一三年九月の六十八回国連総会で、グローバルな課題として、女性の能力強化、また権利の保護、促進の分野で国際社会に対して協力をするという発言をなさいました。 重要な政策といたしましては、女性の活躍、社会進出の推進、あと能力強化。二番目、女性の保健医療分野における取組の強化。三番目、平和と安全保障分野における女性の参画と保護という面でございます。 安倍総理は、二〇一三年から二〇一五年の三年間に三十億ドルのODAを女性のエンパワーメントのために実施するとコミットされました。それで、二〇一三年の一年間で十八・四億ドルの支援を実施済みでございます。 その他の日本の取組といたしましては、安全保障理事会の決議一三二五、女性・平和・安全保障という名前でございますけれども、国別行動計画を市民社会とともに策定する。これは日本で今行われております。内閣府、外務省、あと市民社会が中心となって行っております。 次は、自然災害におけるジェンダー平等と女性のエンパワーメント、これに対しましては日本がイニシアティブを取りまして、二〇一四年三月の五十八回国連婦人地位委員会に提出され、採択されております。 次は、国連防災世界会議、これ、二〇一五年の三月、今年、仙台で行われたものでございますけれども、そこの成果文書の中に、日本が指導原則の一つとして女性と若者のリーダーシップを推進するということを主張し、採択されました。 今後日本に期待したいことですけれども、安倍総理が女性が輝く社会にコミットされました三十億ドル、これは二〇一五年までです。これに対して、やはり二〇一六年からも継続していただきたい。 二番目、全ての協力プロジェクトにおきまして、これは女性関係に限らず、インフラ、先ほど高井さんがおっしゃいましたお米のプロジェクトにしても、全てにおいてジェンダーの観点から、その援助がどういうふうに女性に影響していて、ベネフィットしているかどうかということを見ていただきたい。 三番目は、全ての女性のプロジェクト、エンパワーメントのためには男性の参画が大変必要であるので、リーダーシップが必要であると。そういう意味では、安倍総理のリーダーシップは、非常に日本といたしましては、国際社会においてほほ笑ましいことでございます。 あと、日本がやはりお手本となるように、日本国内の女性のエンパワーメントをすることが大切だと思っております。 それと、安倍総理が挙げていらっしゃいます二〇二〇年までに女性の管理職を全体の三〇%にすることの実現、そのためには個々の男性の理解と協力が必要であると思っております。 男性も育児休暇を取りやすくする環境づくり、育児休暇を取ることによって尊敬されるような社会をつくり上げるべきである。 あと、女性の考えや意見が重要政策案に反映され、決定権が施行できるような体制をつくり上げること。会議の時間がやはり五時を過ぎないこと。男性の理解と協力がそのためには必要であると思っております。 それでは、御清聴どうもありがとうございました。
○委員長(山本順三君) ありがとうございました。 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。 これより参考人に対する質疑を行います。 参考人に対する質疑を行う際は、委員の皆さんは、御起立の上、御発言ください。 参考人の方々の御答弁につきましては着席のままで結構でございます。 また、各委員の発言時間が限られておりますので、御答弁は簡潔にお願いいたします。 それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
○大沼みずほ君 自由民主党の大沼みずほでございます。本日は、大変お忙しい中、当委員会にお越しいただき、誠にありがとうございます。 まず最初に、稲場参考人にお伺いいたします。 持続可能な開発目標に関しまして、日本が今後できる貢献といたしまして、技術革新、省エネ、リサイクルといったお話、また、課題先進国として取り組めることがあるのではないかというお話を伺いました。そこで一つ、その課題先進国として、それは少子高齢化ということであると思いますが、そこの分野に関して取り組むべき内容についてお伺いできればと思います。 また、私も今回、中東に昨年、この委員会で行かせていただいて、様々な難民キャンプを訪れましたけれども、やはりテロの根源をなくすというのが格差解消、またテロ根絶のために非常に教育の問題が重要だと感じました。若者に対する教育、そういった側面で日本が何をこの持続可能な開発目標の中で具体的にできるのかということをお尋ね、済みません、ちょっと時間が限られているのでもう一つ。稲場参考人、大変アフリカとの関係が深いと伺っております、また、市民ネットワーク・フォー・TICADの世話人と伺っておりますけれども、次のTICADに向けた展望についても一言いただければと思います。
○参考人(稲場雅紀君) 御質問どうもありがとうございます。 まず、SDGsに対して我が国がどういうことができるのかと、特に課題先進国としてということなんですけれども。私のレジュメの最後のところにも若干書きましたけれども、現在、我が国においてもいわゆるユニバーサル・ヘルス・カバレッジということで、保健分野における全ての人たちに保健を安価に、あるいは無料で基礎保健のサービスを提供すると、そういうようなところをどのようにやっていくのか、これを、特に日本の国民皆保険システム、こういったものを参考にしながらどういう形で途上国でやっていけるのかと。そういうようなところに関する貢献というようなものが、特に来年のG7に向けてもいろいろ検討をされているところと思います。私どもとしましては、こちらのいわゆる保健分野でのユニバーサル・ヘルス・カバレッジの支援と、これ非常に重要なことだなというふうに思っています。 特に、こういった格差をなくすための社会保障というのは、特に国民の皆さんから税金を払ってもらわなきゃいけない、あるいは保険料を払っていかなきゃいけないと。そういったところで何が必要かというと、その国の政府に対する国民の信頼というのが非常に重要。また、いわゆる行政システムがいかに効率的、なおかつ透明に運営されているのか、こういったところが非常に重要だというふうに思います。 その点で、我が国は大きな貢献が途上国にできるんじゃないかなと思うんですね。つまり、こういった形で、国民がちゃんとシステムを理解して、私たちの保健サービスになるんだ、あるいは格差をなくすための様々な政策になるんだということで、きちんと行政を信頼してお金を払っていけるような、そういうような強い、なおかつ公正な行政システムをどのように途上国においてつくっていくことを支援できるのか。この辺りの一つの切り口としてユニバーサル・ヘルス・カバレッジというものを位置付けるということは非常に重要なことじゃないかなというふうに思います。 この点で日本は、自分の国でしっかりやってきたことは事実なんですが、こういったいわゆる財政とかそういうところに関して、途上国に対してどういうふうに自分たちの経験を伝えていくのかということについては、必ずしも専門性がある人が多くないということがございますので、その辺りの人材育成というのも非常に重要になってくるのかなというふうに思っております。この点が特に一つ、SDGsの重要なポイントかなと思います。 テロの根源をなくす、これ非常に重要なポイントだと思うんですね。 その中で、一つ申し上げなければならないことというのは、特にいわゆるミレニアム開発目標の中で基礎教育というものを徹底的に行うということになりました。その結果、多くの人たち、若者がいわゆる学校に行って教育を受けるということになったんですね。 問題は、教育を受けた結果として、自分が結局どんな社会的な位置付けに置かれているかということはみんな分かってしまった。この点、非常に重要なポイント。つまり、実際に、大学に行けたらある程度ちゃんとした職に就けると思っていたら、就けないということが皆さんは現実なわけです。ところが、世の中には、ある種自分たちを食い物にして繁栄している人たちがそれなりにいるんだと。これは、やっぱり自分たちが不当にひどい状況にあるんだということを逆に教育によって皆さんは理解してしまったわけですね。 そうすると、やっぱり今の体制が悪いんだとか今の世界の仕組みが悪いんだとか、そういうことで、結局のところ、力でそれを変えなきゃいけないというような話になってしまうんですね。その結果としてテロが多発をしているというような、逆に言うと、みんなが、教育によって自分たちがどの水準にいるのかが分かってしまい、その結果として逆に大きな不満が出てきてしまっていると。 もうこの状況を変えることはできませんので、逆に言うと、いかに、いわゆる若者たちがちゃんと本来就くべき例えば職に就けるのか、あともう一つは、本来自分たちが政治的に得られるような人権だとかあるいは政治的な権利みたいなものを行使できるのか。そういう意味で、そういう国のシステムというものをしっかり公正かつ透明なものにしていくということが、特に中東においてはすごく重要だと思います。 この点で、国際社会がそのような方向で中東に向けた関与というものをしているかどうか、この点は非常に重要な問題だと思うんですね。そういうようなところで、もちろん教育の問題は重要なんですけれども、さらに中東に対する我が国の外交というものが、そういう形で中東の国々における安定というものを実現する方向に向かっているかどうか、そこを向かわせるかどうかということが非常に重要だなというふうに思っているところです。 もちろん教育は重要なので、逆に言うと、そういうようなところで教育をどういうふうに位置付けていくのか、そして、何というんでしょうね、それぞれの若者がどう自分の国にポジティブに貢献できるのか、そういうようなところのメッセージというものを出していくことが重要かなと思います。 最後はアフリカですけれども、TICAD、今度はアフリカでやるんですね。アフリカでTICADをやるということですので、私たちとしても、アフリカの人たちがどれだけTICADにコミットするのかということがすごく重要だなと思っています。 市民社会としても、アフリカの市民社会がどれだけTICADにコミットできるようになるかということで、私どもとしても、アフリカの市民社会と連携してやっていこうと思っていて、今その努力を一生懸命やっているところです。ですので、TICADに関しましては、特に幅広く市民社会や民間セクターにも開けたTICAD、それを目指してほしいなというふうに思います。 ちょっと長くなりまして、申し訳ありません。
○大沼みずほ君 ありがとうございます。 ちょっと時間がなくなってきてしまいましたので、済みません、高井参考人にはほかの人にお譲りして、佐崎参考人に一つだけお伺いしたいんですが、私も女性国会議員として、子育てや介護の問題、女性の働きやすい環境づくり等力を注いでいるんですが、男性の理解と協力という意味でどうやったらもっと協力を得られるのか、教えていただければと思います。
○参考人(佐崎淳子君) 非常に難しい質問ですけれども、やはり意識改革です。私たちがやっておりますのは、男性の中でもジェンダーについて非常に理解をなされた方たちをリーダーとして、コミュニケーションのアドボカシーとして社会を変えていく人たちとして、ニジェールにおけるハズバンドスクールというのは全くそうです。女性に優しいハズバンドをスクールに入れて、このスクールというのはコミュニケーションとリーダーシップのスキルを付けていただいて、近所にいらっしゃる女性に優しくない御主人たちに、どうして奥様が仕事をした方がいいのか、どうして女性が出産前に一回でも検診を受けるべきなのか、どうして子供たちが女の子も教育を受けるべきなのかということを洗脳していくという意味で、そういうやり方も、日本にはハズバンドスクールは非常に効果的なものだと思います。
○大沼みずほ君 ありがとうございました。 質問を終わります。
○藤末健三君 民主党・新緑風会の藤末でございますが、本日、参考人の皆様には、貴重なレクチャーと申しますか、講義をありがとうございました。 私、高井参考人には誠に申し訳ないんですが、稲場参考人と佐崎参考人にちょっと御質問がございます。 一つは、稲場参考人は今日いろいろSDGsの話もいただきましたが、私、稲場参考人がいろんな書かれたのを、書類を読まさせていただきますと、市民外交についてお書きになられておられます。私自身、市民外交的なものにはいろいろ関与させていただいておりまして、例えば、子供たちが自分たちが持っている文具とか、あとはスポーツ用品とかおもちゃなんかを自分たちで袋に詰めてガザ地区なんかに送っているというような活動とか、あとは、アフリカに対して自分たちが使わなくなった毛布を集めて送られている、また自分自身の国会の活動では、ビル・ゲイツ財団、これはもうプライベートの財団ですけど、そこと日本政府が連携してもらい、ポリオという小児麻痺のワクチンをナイジェリア、パキスタンにやっていくということをやっておりますが、私は、そのSDGsで、市民外交と申しますか、市民が中心となった開発支援みたいなものが一つの位置付けを成すんではないかと思っておりまして、それをひとつお聞かせいただきたいと思います。 また、佐崎参考人におかれましては、先ほど稲場参考人からもグローバルヘルスの話がございましたけれど、日本政府として、今、二〇一六年から二〇二〇年のグローバルヘルスプランを作っております。その中で情報通信技術の活用というのがございまして、実は私、二〇一三年の八月にインドネシアに伺ってきたんですよ。何を見たかというと、子供の予防接種、日本の支援でやっている予防接種を見てきたんですけど、お母さん方がもういっぱい集まって、子供たちに予防接種を受けていただくと。 ただ、何が起きているかというと、母子手帳がないので、そのお母さんの体調も管理できていない、子供たちがどういう予防接種を受けたかも分からないという状況になっているということで、日本の母子手帳が重要じゃないかなという話をさせていただきました。 そうしたら、現地の方が何をおっしゃるかというと、今インドネシアでも、スマホ、携帯の画面が大きいやつですね、あれが普及しているらしいんですね。日本だと五万とか六万するやつが、向こうは三千円ぐらいで買えると。ですから、普通の農村でも使いつつあるというので、そういうスマホを使った母子手帳みたいな、実は先ほど申し上げた日本政府のグローバルヘルスプランの中には、一番最後に情報通信技術の活用による途上国支援というのを入れていますので、そういうところにつきましてちょっとお知恵を拝借できればと思います。 以上でございます。
○参考人(稲場雅紀君) ありがとうございます。 市民外交ということなんですが、まさにこの市民外交、二〇〇〇年以降、非常に大きなトレンドということになっております。 特に、例えば、私の方で申し上げますと、一つは、なぜミレニアム開発目標がこれだけ大きな影響を与えるものになったのかと。最初ミレニアム開発目標を作ったときは、国連が勝手に作ったということで余り人気がなかったんですね。ところが、二〇〇五年にG8のイギリスのサミットがございまして、イギリスはこのミレニアム開発目標を開発において主流化しようということで大きな作戦を立てたわけでございます。 というのは、市民社会も一緒になって世界的なレベルのキャンペーンをやろうということで、その結果としてスタンド・アップ、そしてあとホワイトバンドというようなキャンペーンを世界的に展開したんですね。その結果、市民社会として貧困を過去のものにしようという大きなグローバルなキャンペーンができて、それが後押しになってミレニアム開発目標がこれだけ大きなトレンドになったということがございます。 ですので、政策というものを一つ通すということに関しても、市民社会の力というものは非常に重要なので、これをどのように活用するのか、まさにこれは欧米が非常にたけている点でございます。我が国も、是非その市民社会パワーというものを使ってほしいなと思っております。 そのようなキャンペーンということに関しまして言うと、もう国際機関の中でも市民社会が実際に決議権を持つ代表として出ているような、そういった国際機関も、例えば世界エイズ・結核・マラリア対策基金を始めとしてあるんですね。そういう形で市民社会の認知というものも進んでおります。ですので、そういう市民外交というのがまさに今やシステムの一部として位置付けられているのだということを是非御念頭に置いていただけると有り難いなと思っております。 どうもありがとうございます。
○参考人(佐崎淳子君) どうもありがとうございます。 藤末さんがおっしゃったように、全くITは開発にはかなり使われております。コフィー・アナンが事務総長だったときから、ITは必ずこれから開発に対してすばらしい貢献をしていく、それとギャップですね、と言われていたんですけれども、BOPビジネスでかなり低価格でITとかそういう電気製品が回るようになりまして、有効的に使われております。 母子手帳ですけれども、これNGOのHANDSさんと福田元総理の奥様の貴代子様がかなり貢献されておりまして、このプロジェクトによると、インドネシアはどちらかというとモデルカントリーとなっております。だから、これからもどんどん日本のODAとしても普及させていただければいいと思います。 母子手帳だけではなくて、例えばHIV、エイズに関して、自分がHIV、エイズに感染したとは言えませんので、ITを通してのカウンセリングサービスとかもボランティアベースで国連のプロジェクトでかなり行われております。
○藤末健三君 ありがとうございました。
○杉久武君 公明党の杉久武でございます。 私の方からは、まず高井参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。 先ほど御説明の中でありました、最後時間がなくなったところでお話がありました。やはり今回JICAのスキームを使われて、技術力のある中小企業としてカンボジアでの精米の設備の導入をされた、その経験から是非とも教えていただきたいのは、この実証事業において、こういった点が非常に良かったと評価できる点と、逆に、苦労される中でこういった点、やはり改善をしていくべきではないかという点について是非お話をいただければと思います。
○参考人(高井芳樹君) じゃ、座ったままお話しさせていただきます。 まず、ODAのお世話になって大変良かったなと思った点から申し上げます。 一番目は、私たちは田舎におるものですから本当に世間を知らなかったんですが、非常に良いコンサルタント会社に出会ったと。このコンサルタント会社一つで随分違うんじゃないかなというふうにあちこち見て思いました。私たちは運が良くて、本当にいいコンサルタント会社に出会えたということが一つですね。 それから、FSなどの調査のおかげで、部品の調達先が知ることができたわけですね。カンボジアは、御存じのように、鉄板一枚も買えない、鋳物屋もない、工作機械を持った外注工場もない、そういうようなところなんですが、現在は。ですから、我々は部品を調達するのに随分苦労したんですが、隣のタイとかあるいはベトナムに進出している日系企業だとか部品会社を知ることができたということですね。 それから三つ目は、知名度が上がったということですね。 最後と申しますか、これが一番大事な、うちにとっては良かったんじゃないかなと思うのは、御存じのように、ASEAN十か国が今年の十二月の末をめどに経済統合をしようとしていますね。私たちはこのODAに関係する前からこれが一つのチャンスだなと思っていたのですが、ASEANのほかの国もみんなロングライスが主流なんですよね、米は。そこ向けの精米機の開発がこの機会にできたと。人間というのは学校の試験があるから勉強するわけですよ。そういうようなもので、何かがないとやらないものなんですが、幸いにしてこのODAに当たったものですから、これはこのときにひとつやろうということで開発して、苦労して成功しました。これが一番大きかったと思います。 それから、反省点としては、まず、カンボジアのフン・セン首相もおっしゃるんですが、うちは精米機屋なんだけれども、農協をつくる手伝いしてくれと言われるんですよ。そういうことは、私は、機械屋はできませんと、その代わり、大使館に行って、こういう要請がありましたよ、日本のJICAを活用してでもいいから農協をつくる専門の方を派遣してあげてくださいということは言いますと。うち自身は農協づくりはできないということをはっきり言いました。 そういうことで、機械屋なものですから、カンボジアの農水省の人たちとの打合せがちょっと不足したんですね。その結果どういうことが起きたかというと、どの範囲まで農協の人の、例えばオペレーターだとか白米になったお米を販売する営業マンだとかをどの程度まで教育するかという話合いが不十分だったわけですね。ですから、一番困ったのは、オペレーターを一つの農協で四人選んでもらって四人にびっしり教育したんですが、三月ほどで辞めていくんですよ、何が不満だったのか知りませんけれども。そうすると、替わった人にまた新しくゼロから教えなきゃならない。そういうのをいつまでやったらいいのかということが分からなくて、今非常に苦労しております。そういう前もって向こうの農水省と十分打合せしなかったというところが反省点ですね。 あと、今後、中小企業として我々のような零細企業が海外へ出ていくに当たって、そういう企業の方々にお話ししたいことは、まず、非常に、僕らの想像以上に多くの人が、例えばカンボジアとかベトナムとかタイとかマレーシアだとかいろんな、ああいう東南アジアの人たちの中から、想像以上に多くの人が日本に留学しております。文部省留学というのは統計で分かるんですよ。私費留学というのは、なかなかどれだけいるか分からないんですが、結構いらっしゃいます。こういう、日本に留学をして日本語も話せる、それから日本人の価値観も理解できる、そういう人が必ずおりますから、そういう人の活用、これが非常に大事だなということを思いました。 それから、先ほど言いましたように、いいコンサルタント会社に恵まれたと言いましたが、コンサルタントを探すといいますか、見付けるのに時間が掛かってもいいから慎重にやった方がいいよと、僕らは恵まれて良かったけれどもと、そうでないところもありますので。そういうことが皆さんへの、私たちの、何といいますか、参考であります。 以上でよろしゅうございますか。
○杉久武君 貴重な御経験からのお話、ありがとうございます。 ちょっと時間が限られてまいりましたので、済みません、あと、佐崎参考人に御質問させていただきたいと思います。 女性の地位向上についていろいろこれまで御尽力されてまいられたということで、先ほど様々御説明をいただきました。私自身も昨年、IPUの会議に参加をさせていただきまして、先ほどの資料の中でも日本の女性議員の割合が非常に低いということで、海外の議員と交流を深める中で、やはり海外では女性、また若者に対しての議会への参加を高めるためにいろんな施策を講じているということを実感をいたしました。 また、私、国会議員になる前、前職が会計士であったんですが、アメリカのオハイオの方に駐在をしていた時期があります。その中で、会計士というと日本だとまだまだ男性職業だったんですけれども、アメリカの事務所に勤めてまず驚いたことは、管理職も含めて半数以上が女性だったという、そういう現実がありまして、職業の質ではなくて、やはり環境づくり、実は女性の地位向上の環境づくりが大事なんだなということを、まあ私の場合は先進国のアメリカではありますけれども、感じたところであります。 そういった意味におきまして、やはりこれまで日本が取り組んできた女性の地位向上に対する取組に対する評価と今後の改善について、先ほどの御説明と重複する部分があるかもしれませんが、簡潔にお話しいただければと思います。
○参考人(佐崎淳子君) 日本は今、過渡期にあると思います。日本はやはり戦後、女性と男性の役割が分割されて、女性はうちで子供を産んで育て、男性は外で働くという経済システムをつくり上げ、成功してきたんですけれども、世界はどんどんグローバル化しており、また女性が進出しております。ということで、やはり女性が日本でもっと活躍していかないと、女性のニードとか理解を組み入れ、管理職の方とか国会議員の中にも女性が入って意見を述べるという状況でないと、私は日本人として日本を懸念しております、これはついていけないのではないかと。 やっぱりギャップがあり過ぎるという意味で、例えば国会議員ですけれども、これミッシェル・バチェレ、国連ウイメンの前の事務局長、現在、チリの大統領ですけれども、彼女が言ったのは、日本はクオータ制がないと五〇%、今、三〇%が二〇二〇年までですけれども、に達するには百年掛かると言ったんですね。だから、そういうところとかもどんどん、クオータ制というのは悪くないと思います、私、個人的な意見ですけれども。 あと、国連人口基金というオーガナイゼーションは、女性がエンパワーされ過ぎて、今はどちらかというと男性を雇っております、管理職に。そのようなところで私はずっと仕事をしてきていましたので、日本に帰ってよく聞くことは、僕の上司は女性になったけれども、どうやって働いていいか分からないとか、まあそういうのは過渡期でいろいろと難しいこともあると思います。 でも、女性が参画することにより、男性も育児という非常に重要な人生における喜び、家族と一緒に食事をするという喜び、これ、仕事を分割し、両方が参画することになれば、仕事もできるし、あと、何かがあったときに女性も家庭を支えていけるし、いろんな会計士なり弁護士なり、全てのデシジョンメーキングのときに女性の必要性を、やはりこの世界は半分は女性ですので、組み込んでいかないとうまくいかないと思います。 例えば私企業が開発途上国に進出するときも、開発途上国では、先ほどルワンダが、女性議員が一番トップでしたよね、女性が物すごくエンパワーされているところがたくさんあります。その理解をやはりしていかないと、なかなか企業が進出するときも非常にギャップがあるのではないかと思っております。
○杉久武君 ありがとうございます。 以上で終わります。ありがとうございました。
○小野次郎君 維新の党の小野次郎です。 私は、ODAというのは物すごく使われ方が幅が広いなと思います。ほかのいろんな予算、大体ほかの予算は各省各局別ぐらいになっていますけれども、このODAという一つの言葉で取り上げられるものの中に、極めてハードというんですかね、端的に言えば公共事業みたいなものが多いわけですけれども、一方で、今日お話をいろいろ伺ったように、市民の協力というんでしょうか、NGOであったりNPOであったり、の方たちのお金に換えられないような努力について、ODAという一つの予算の仕組みの中でそれをサポートし発展してもらっているという部分があって、金額なんかでいうと、丸が二つも三つも違うような話が同じ枠の中に入っているというのが非常に私は珍しい分野だなと思っております。 公共事業の方が悪いと言っているわけじゃないんですけれども、どうしても公共事業については向こうの、その援助を受ける方の政治家なんかも、これは俺が造った道路だとか橋だとかって自慢したいですから、工場だとか、だから、どうしてもそちらに中心になりがちになるし、我が方の偉い方がそっちに行った場合も是非お願いしますというのは、多分そういうことの方が多いんじゃないかと思うんですね、どうしても。 ただ、さっき申し上げたとおり、金額の規模でいえば丸が幾つも違うのかもしれませんが、このODAの中でこういった市民協力というのはしっかりと確保されていかなきゃいけないと、むしろ日本の得意の分野としてそういうものをこれからも発展させていかなければいけないと私は思っています。 ところが、今申し上げた、ハードかソフトか、公共事業かそうでない分野かというと、公共事業の方に目が行っている。重ねて、最近の今の日本の政権は、これを安全保障のために、日本の安全保障に有利なように使えないかというようなことも言っている。さらには、日本の企業がそのODAによって仕事がもらえるようにならないかという、そういうリターンを期待するような援助の仕方についても発言が出てきています。これは、私は望ましいことではないと。やはり基本的には、相手国が生活の水準が上がる、経済が発展する、そのこと自体を目的として我々はやるべきなんだろうと、その意味ではニュートラルであるべきだと思っていますが。 お伺いしたいのは、そういうハード的な部分は相手の政治家もすごく発言するだろうし、日本の政治家も発言する。関係する企業も、その仕事を取れないかと思ってすごく働きかけしますけれども、皆さん方がお話しになったような部分というのは金額からいっても大分小さい話だと思うんですけれども、そういうものについて十分に、この毎年毎年のODAの予算を組むときに、皆様方の問題意識なり、それは継続のものもあるだろうし、新規のものもあると思うし、今まで協力をしていなかった国からのいろんなニーズを聞き取ることもあると思うんですが、それらがちゃんと反映されるような代弁を、日本の政府の中でこのODAの予算を組むときに代弁されている仕組みは、メカニズムはちゃんとある、確保されているという認識でしょうか。佐崎さんでも、稲場さんでも、あるいは高井さんでも、意見がおありの方、お聞きしたいと思います。
○参考人(高井芳樹君) 私は反映されていると思っています。
○参考人(稲場雅紀君) いわゆるODAの仕組みということに関しまして申し上げますと、一つは、やはりNGOに向けたODAのいわゆる割合というのは、諸外国、特に欧米の諸外国に比べると必ずしも多くはないと。ここでも多くのNGOの参考人が言っていたかと思いますが、必ずしもNGOに向けた資金投入というのは、割合という意味では少ないということがございます。 また、日本の場合、NGOに向けた支援スキームのいわゆる制限が結構多いということが制度的にあって、これに関しましては、私どもとして外務省とレギュラーにずっといろんな形で交渉をしてまいりまして、その結果、かなり改善をされたということはございます。 ただ、必ずしも、じゃ、ほかの国に比べてどうかという点で、有利かというとそういうわけでもないというところもございますので、そういった意味合いで考えますと、やはり、一つはNGOに向けたODAの割合というものを増やしてほしいと。さらに、もう一つは、いわゆるNGOが受けることのできるスキームの縛りというものをもう少し緩和していただきたいというふうに思っております。 ただ、一番重要なポイントとしましては、我が国のODAというのがやはり年々下がっている、これに関しまして、やはりそれを逆転させないといけないと。やっぱりODAが増えていかないと、その中で新しい試みをするというのも難しいと思うんですね。ですから、増えたお金で新しいことができるわけですから、そういう意味では、ODAを増やすということに関しまして、多くの各政党の御支持というものがこれは必須だというふうに思っておりますので、是非ともよろしくお願いしたいというふうに思っております。 どうもありがとうございます。
○参考人(佐崎淳子君) どうもありがとうございます。 非常に重要な点です。ハードでお金を出すというのはかなりの額が動きますけれども、やはり一番大切なポイントの開発というのはソフトの面だと思います。 私はいろんな国で勤務をいたしましたけれども、例えば病院が造られている、学校がいっぱいある、先生がいない、子供たちも来ない、何も起こっていないというようなことはたくさん見てきました。ソフトに対する援助というのは時間が掛かります。それと、現地の人たちを組み込むことが必要です。NGOの方たち、向こうの政府の方たちということで、本当の意味の開発は私はソフトにあると思います。 やはりこれからのODAというのは、いかに開発途上国の政府、NGOの人に耳を貸すか、それと、ODAが半減したということに対しても、やはり日本がリーダーシップを取っていくためには国連機関なりでODAが増えないと、日本のリーダーシップというのがかなり発言権も低くなります。国連機関なんですけれども、国連機関は必ず相手の政府に対して援助をします。それと、現地のNGOに対してほとんど二〇%から一五%、国によって違うんですけれども、援助をしております。国連機関の国別の事務所は八五%はその国のエキスパート、専門家がいます。 ということで、ソフトの部分はやはりもっと国連に対して援助していただければ有り難いと思います。 よろしくお願いします。
○小野次郎君 先ほど佐崎さんは女性の問題についてクオータ制のお話されましたけれども、僕は、このハードとソフトというか、NPO、NGOの関与するODAについて一つの割合みたいなものを確保できないのかなという感じすらしているんです。 その意味で、外務省の組織図見ても、なかなかそういった大きな声になりにくい分野のODAについての、昔のローマの護民官じゃありませんけど、それを専ら聞いてくれるような担当官がいてもいいんじゃないかなと思うんですが、そういう、皆さん方の努力されていることについて、十分に日本の国の政府の中で反映されるか、それを聞き取ってくれるメカニズムがあるのか、何かアイデアがあれば、なければ結構ですが、あれば、ちょっと、どなたからでも御意見を伺いたい。それで私の最後の質問にしたいと思います。
○委員長(山本順三君) 時間が来ておりますので、御指名をしてください。どなたからでもというのではなくて。
○小野次郎君 それでは、佐崎さん、よろしくお願いします。
○参考人(佐崎淳子君) 政府の方がどういうシステムがあるかというのは恐らく稲場さんの方がお答えになると思いますけれども、国連機関ではプログラムを制作するときには必ずNGOを入れます。 というのは、もちろん私たちの一番の重要なカウンターパートはガバメント、政府なんですけれども、政府の機関だけでは草の根レベルの援助ができないところが多いです。それと、新しいテーマ、例えば女性の地位向上などはまだなかなか政府のプログラムがなかったりいたしますので、そういう意味では、市民社会、NGOに対して政府がもし承認しないときは、最初から承認の段階でここの国は二〇%NGOに対して援助するといって、国連側から求めます。それで政府と交渉いたします。 という意味で、NGOと市民社会のこれからの援助というのは、日本、それと開発途上国において非常に重要な役割を果たすと思いますので、もし日本政府の方が十分でなかった場合は、その辺は議員の皆さんの方で影響力を発していただければ有り難いと思います。
○小野次郎君 いただいた紙は十四分までとなっています。ぴったり十四分で質問を終わらせていただきます。
○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。 三人の参考人の皆さん、本当にお忙しい中、貴重な御意見、それぞれ十分では足りないぐらい、もっとお話を聞きたいぐらいなんですが、本当にありがとうございました。 まず、稲場参考人にお伺いをしたいと思います。 いただいた資料の中で、稲場参考人はアフリカの問題についても様々論文なども書かれているわけでありますけれども、これからのアフリカの貧困をどう解決していく、解消していくのかということの中で、その歴史的な背景で奴隷貿易や植民地支配に日本が手を染めていないということで、日本独自の役割、アクトができるんじゃないかということなども書かれておられます。 これからSDGsを実行していくと決めて実行していく中で、日本がどうその役割を果たしていくのかということはますます大事になってくるというふうにも思うんですね。同時に、その歴史的な背景、また日本国内の様々な法整備との絡みで日本ができるような援助というのは何なのかということが問われているというふうに思います。 そこで、今回、開発協力大綱ということで、従来のODA大綱の変更ということがなされました。当委員会でも軍事協力に道を開くのではないかという懸念なども様々出されたわけでありますけれども、「動く→動かす」の中でも様々な意見もこの開発協力大綱に対しては出していただきましたけれども、この点で、今回新たな大綱ができたということで、これから日本が世界に関わる中で日本として果たすべき役割、これがまたちょっと違った方向に行ってしまうのではないかとか、また、日本はやはり従来のとおり非軍事で貢献していくべきだということであるとか、稲場参考人の御意見といいますか、もし懸念等もありましたら教えていただけたらと思います。
○参考人(稲場雅紀君) ありがとうございます。 ODA大綱に関しましては二つございまして、一つは、これも前のこの会議等でもいろいろNGOの代表が申し上げたことかと思いますけれども、二つございます。 一点目は、軍とODAの連携というものをより強くするというようなところが一つ出ておるんですけれども、我が国としましては、やはり人間の安全保障ということで基本的に援助の柱ということでやっているかと思います。この人間の安全保障というのは、基本的に人間の尊厳というものを一番大事にするという考え方かと思います。そういう意味で、いわゆる軍とODAの連携ということによって逆にこの人間の安全保障の面の援助が減ってしまうということになると、我々としてはこれは本末転倒なのかなというふうに思っております。 特に、中東等におきましては、やはり人間の尊厳というものが脅かされていると、そういう中でのテロや紛争ということがございますので、こういった点で、我が国としては、やはりこれまでどおり人間の安全保障を中心とした支援というものを力強くやるということが非常に重要なのかなと思っております。 あともう一つ、貧困、あと格差ということで、基本的に、例えばSDGsというのは格差をなくしていくというのが非常に重要なポイントなんですが、今の現状の議論では、やはり民間資金をどう導入していくのかということなんですね。民間資金の導入というのは、確かに開発を進める上では非常に重要なんですが、一方で、この民間資金というのは本当に援助が必要な貧しい人たちのところには必ずしも行かないと。というのは、民間資金というのは基本的にはもうかるということが前提でやるものですから、そういう意味では、本質的に一番援助が必要だという人たちのところにはなかなか行かないのが民間資金なんですね。ですので、民間資金の導入というのは非常に重要なポイントですけれども、一方で、どのように公共のお金というものをつくり出すか、そこが非常に重要なポイントだと思います。ですから、その点でODAを増やすということ。 あともう一つは、これは各議員の先生方もいろいろ努力されていることだと思いますが、国際連帯税を始めとするいわゆるイノベーティブな公共資金創出のメカニズムというものを、やはりこれは日本が主導してやっていくということが現状非常に重要なことではないかなというふうに思っております。その点で、やはり日本の指導力で国際連帯税を是非導入をするというようなところも含めて、公共のお金を重視するということは是非考えてほしいなと思っております。 以上です。
○辰巳孝太郎君 ありがとうございました。 稲場参考人、その国際連帯税というものなんですけれども、もう少し具体的にどういうものが、もし検討されているようなことがあるのでしたら、教えていただけたらと思います。
○参考人(稲場雅紀君) 現状で既に実施されているいわゆるイノベーティブな、国際的なお金のつくり方ということで言いますと、これはフランスが中心になってやっている航空券連帯税というのがございます。この航空券連帯税というのは、飛行機のチケットに薄い割合で税を取りまして、それを現状では、いわゆる特にエイズ、結核、マラリアのある種難しい医薬品、こういったものを大量に、なおかつ定期的に発注するということで価格を下げていく、そして途上国の本当にお金のない人たちに対してこれを供給していくという、そういうメカニズムが既にフランスの主導でつくられているというのがあります。これが今動いているものです。 ただ、航空券連帯税だけではこれはなかなか難しいということがございまして、より大きくは、いわゆる金融取引に薄い課税をする。ただ、これ、金融取引というのは膨大にありますので、この膨大の中で薄い課税をしてもかなりのお金が入るわけですね。ですから、金融システムを安定させるという意味合いにおいても、またなおかつ国際的に開発及び気候変動対策のお金をジェネレートするという意味合いにおいても、いわゆる金融取引税というのが非常に重要だというふうにされております。 その二つが今言われているんですが、様々な方法もございますので、いろいろ国際的にも議論されているところだと思います。 以上です。
○辰巳孝太郎君 ありがとうございます。非常に参考になりました。 それでは、佐崎参考人にお聞きしたいと思います。 先ほどから、資料においても、日本国内の女性のエンパワーメントの促進というのが不可欠だというお話がありました。 先ほどお話の中でも、日本では総合職というのがないのでなかなか就職がという話もたしかされたと思うんですけれども、その日本におけるやはりこのジェンダーの問題ですね。なぜそもそも、先ほど過渡期だという話もされましたけれども、なぜこれだけの先進国であるにもかかわらず、特にヨーロッパと比べてなかなかこの問題が解決しないのかと考えるのかということと、もう一つ踏み込んで、この日本国内の法整備の中で、やはりまだ国際的にも遅れているのではないか、もっと改善するべきではないかということ、先ほどクオータ制の話もありましたけれども、その辺について厳しい御意見、この政治に対して、制度に対してありましたら是非お願いします。
○参考人(佐崎淳子君) どうもありがとうございます。 日本は過渡期と言いましたのは、日本がジェンダーでどうして遅れているということになっているかといいますと、私の目から見ると、やはりこれは戦後の経済成長のためにつくられてきたシステムがまだ今残っていると。でも、私が総合職がなくて日本を諦めてアメリカの大学院に行きましたのはもう三十年ぐらい前の話でありまして、今は帰ってきまして、三年半ぐらい前ですか、随分変わっているとは思いますけれども、まだまだ変わっていないなと思うところがあります。それはやはり国会議員の数が非常に少ない、これは致命的なことであると思っております。 法整備がどうしてされていないかというのは、やはり国会議員の中で女性の意見を発表する方たちがまだマイノリティーとして八%ぐらいしかいらっしゃらないとなると、選挙に勝つためにはやはり非常に力のある男性の政治家の方たちの傘の下にいなきゃいけないので、そんな女性のことなんというのを、国会でそんなことはマイノリティーの話なのに何を言っているんですかみたいな感じで、女性の国会議員とお話をすると非常に分かっていらっしゃる方がたくさんいらっしゃるんですけれども、その方たちが大きな会議で、男性の国会議員で非常に有名な方たちと一緒にいらっしゃると余り発表されないと。そういう現実を見てきましたので、やはりこれはゆがんでいると思います。 やはり女性の法整備をするためには女性の国会議員の数が必要ということを非常に私は思っておりますので、という意味では、クオータ制は私は賛成です。国連機関もクオータ制によって女性がどんどんどんどん上がってきまして、今、国連人口基金のエグゼクティブの方は女性の方が多くなって、今、男性を雇わなきゃいけないという状況も三十年ぐらい掛けてつくり上げたものでございます。
○辰巳孝太郎君 ありがとうございました。 私たち日本共産党は、女性の比率でいえば今政党間では一番高い政党にもなっておりまして、やはり根本的に解決するためにはもちろんクオータ制の検討も必要かもしれませんが、やはり今の選挙制度、小選挙区制度というものも見直して、スウェーデンなんかは今比例代表で名簿順が女性、男性、女性、男性になっていますから、そういう制度の変更も必要ではないかというふうに私も思っておりますので、この点でもジェンダーの問題、引き続き取り組んで頑張りたいと思います。 ありがとうございました。
○山田太郎君 日本を元気にする会の山田太郎でございます。 御三人の参考人の皆さん、大変貴重な意見ありがとうございました。特に高井参考人、私も実は議員になる直前の仕事がまさに例のコンサルタントをやっておりまして、日本の技術系の会社をカンボジア、タイ、ミャンマー、インドネシアにお連れして展開するということをやっていましたので、大変同感というか、思い起こすところもありました。そういう意味で、ちょっと高井さん以外の方ということで、まず稲場参考人からお伺いしたいというふうに思っております。 稲場参考人の方からいただいた資料の中で、協力大綱に対する緊急声明の中で、非軍事の原則を徹底させてくださいということがありました。実は、このODAの委員会の中でもしばしばその問題は取り上げられておりまして、要は非軍事とはいえ軍関係者に対してODAを展開するということはどうなのかといった辺りで、現場の実際のところを知りたいなと実は思っているんですね。 まず、そういう意味で何点かちょっとあるんですが、一つは今回のようなこのODAの大綱の見直し、もしかしたら集団的自衛権等も含めて、実はそのNGOのまさに支援している現場は敏感に反応しているのかどうか。つまり、日本は最近変質しているんではないかという声があるのかないのか。日本の方では、結局、後方支援をやるといっても軍に加担するんではないかというような懸念がやっぱり語られているんですが、現場の声がやっぱり大事だと思いますので、その辺りの実情を、是非NGOというお立場から教えていただきたいと、こう思っております。 それから二点目なんですが、日本の、逆に言うと非軍事におけるブランドというのは本当にあったのかどうか。私も実はNGOみたいなところで過去仕事というか、していたことがございまして、世界五十か国ぐらい、かなり厳しい場所にも行っていたときに、日本人の安全感というのはやっぱりすごくあって、日本のあの赤いパスポートというのは非常に強いと、こういう実感を私自身は持っていたことがあるんですが、さて、やっぱり専門でNGOをやられている皆さんにとっては、日本人だからできる、あるいは、逆に言うとやっぱり軍の勢いが強い欧米ではなかなかこういうことはできない、そうなると日本のブランドってあったと思うんですね。これが今回の変更によって失われるかどうかということも、非常に、まさに本当のグローバルな安全保障という観点からすると大事な論点だと思っておりますので、その辺り、大きく二点質問させていただきたいと思います。 時間がなくなっちゃうといけませんので佐崎参考人にもお伺いしておきたいんですが、女性の参画というか、私は女性の解放という形で、実はこのODAの派遣事業としてキルギスのイシククリ湖にも行かせていただきまして、そのときに無印さんと一緒になって羊の人形を作るというプロジェクトがあって、これが結構売れるということで、女性の方々、あそこは実はイスラム教の関係なのでなかなか女性が家から出れないんですが、その仕事を通じて、それをきっかけになって出ることができて、非常に女性間のコミュニティー、今まで家にこもっていると女性同士も話ができなかったことに対してできるようになったということで、非常に目に見える、女性のこれは解放につながったということで大変感動した覚えがあります。 一方で、それ以外、参考人の方からの資料も、安倍総理の方は、例えば女性をエンパワーメントするためということで十八・四億ドルについては支援済みってあるんですが、例えばお金を出したことによって、ああ、なるほど、こういうものは女性の解放とか女性のエンパワーメントにつながったというような典型的なケースで我が国も誇れるような事例ですね、余り伝わってこないので、何かそういうことを教えていただけると非常に今後のODAに対しても参考になるかと思っています。その辺り、是非教えていただければと思っております。
○参考人(稲場雅紀君) どうもありがとうございます。 ODA大綱の変更等に関連しましてということで、いわゆる日本の、現場での反応はどうかということなんですが、この点、まあ現場といってもいろいろ、途上国の人たちもいろいろおりますので、そういう意味でこうとかああということを端的にというのはなかなか難しい話かと思います。またもう一つは、日本の事情を逐一調べている人がいるわけではないということで、何となくの印象ということにはやっぱりなってしまうので、そういうような意味合いで実際にどうなのか、いろいろあるかと思います。 私どもとしましては、一つは、こういうような形でのODA大綱の変更が予定されているけれども、実際にアジア、アフリカのNGOとしてはどう考えるのかということについていろいろ聞いてみたりしたことはございます。それに関して、例えばアンケートの回答としましては、やはり日本の援助というものが、いわゆるヒューマンセキュリティー、人間の安全保障ということでずっとやってきた、これは割と多くの海外のNGOも知っているんですね。そういう意味合いで、そういうような人間の安全保障を尊重するような援助というものがこれから減ってしまうと良くない、そういうような声というのはかなり聞くことができたかと思います。 そういう意味合いで、現在のODA大綱の下でも、人間の安全保障についての援助というものをしっかりやる。あともう一つは、実際にそういう人間の安全保障のための援助というのをやっているんだということをしっかり広報するということが非常に重要なポイントかなというふうに思います。 あと、非軍事ブランドというのも、これはもちろんあったというふうに私自身としては思っています。特にアフリカ、私はアフリカでの経験があるわけですけれども、そういう意味合いで、日本というのは色の付かない、しっかり人々のことを考えた形での援助をやっていると。例えば、協力隊なんかでもかなりインパクトはそれなりにあるんですよね。つまり、中学のときに例えば日本人の先生から算数を教わった、そういうようなことを言う、それを懐かしく思い出すみたいな、そういうようなNGOの活動家の方なんかも実際アフリカにもいらっしゃるわけです。そういう印象というのがあるんですね。 こういう印象がなくならないように、また、こういうようなことよりも、もっと激しく、例えばここでこんな問題、日本こんなことをやっちゃっているんだというような感じで、その色を消さないような、そういうようなところって非常に重要なのかなというふうに思っています。 特に、前のODA大綱の下でも、例えば警察に対する支援という文脈で、いわゆる国際紛争助長につながるような形での警察支援がなかったわけではないんですね。そういうことを考えますと、やはりこれからアフリカ等でよりいろんな紛争とかが起こったときに、いわゆる紛争後復興の文脈で何をするのか。これが実際にその後、紛争後復興国というのは大体その後の七割がまた紛争が起こっちゃっているんです。 こういうようなプロセス、こういうようなことがある状況の中で、日本としてはどういう形で、いろんなメニューの中から何を選んで、そして実際に紛争後復興国が紛争を繰り返すことがないような形でどうするのか、ここに関しては相当綿密な研究等をしないと、どの勢力を支援するかとかということで、うっかりすると紛争助長勢力を警察だといって支援してしまうみたいな、そういうことが起こってしまうんですね。そういうことになってしまうと、その国での評判ががた落ちになってしまいます。 ですから、そういう意味合いでも、かなり慎重にインテリジェンスをきちんとやって、そして再びの紛争につながらないような支援というものをしていかないといけない、そこは是非、心に留めていただけると有り難いなと思っております。 以上です。
○参考人(佐崎淳子君) どうもありがとうございます。 少し引き続いてなんですけれども、人道援助というのは、人道援助を日本がしているから理解していただけると思うのは、現地に行けば非常に甘いことだと思います。 というのは、人道援助は、必ずどちらからも誰に対して援助をしているかという目で見ておりますので、そういう意味では、国連機関では、コミュニケーションのトレーニングとか、もうとにかく、私は紛争時のネパールで仕事をしていたんですけど、二〇〇五年から二〇〇八年、必ずこの援助というものはネパールの人たちへの援助で、マオイストでもないし、キングの、王様の政府でもない、これはネパールの人たちのためだとか、まあいろんなやり方があるんですね。そういったトレーニングをしっかりしていかないとなかなか理解してもらえるものではないということです。 それと、やはり女性の社会活動に参加するというのは、これは非常にエンパワーメントになります。女性の地位がまだ低い国というのは、家に閉じ込められ、自分の意見を言えない、外の社会活動にも参加できないということで、これは推進するべきだと思います。 日本の援助なんですけれども、十八・四億円、どういうふうに使われたということで、なかなか伝わってこないというのは残念なんですけれども、例えばこの緑の本の五十三ページにはJICAのプロジェクトとかが書いてあります。これ二〇一一年、実施中と書いてあるので、この辺にもODAは使われているはずです。 国連人口基金といたしましては、ネパールの今回の地震ですが、日本政府から百万ドルいただきましたけれども、それでジェンダー・ベースド・バイオレンスの予防とか、あと女性に必要な支援、例えば地震なんかがありますと、人道支援ではまず水、シェルター、あと食料、そういうところに観点が行くんですけれども、女性は一番子供たちとか老人の方たちをサポートして、自分が最後になるんですね。女性に必要な支援、例えば生理用ナプキンとかというのは誰も言いません。でも、そういうものをパッケージにして送ったりしております。 それとか、ボコ・ハラムの、ナイジェリアの誘拐された女性たちですね、彼女たちに対しても、日本政府から国連人口基金を通しまして資金をいただきました。これもジェンダーのODAの方から出ております。これは今、誘拐されておりまして解放されました。彼女たちの中には妊娠している少女たちがたくさんいます。その子たちに援助をしたり、あと、サイコ・ソーシャル・サポートというんですけれども、心理的なサポート、これから社会復帰ということで援助をいただいております。 先ほど言いましたニジェールにおけるハズバンドスクールですね、夫の学校、これも日本の資金から出ております。 どうもありがとうございます。もっと広報活動を広げていきたいと思っております。
○山田太郎君 ありがとうございました。
○中野正志君 次世代の党の中野正志と申します。 高井参考人にまずお伺いをいたします。 今回のカンボジア王国でのミニ精米機械工場、大変に満足をいただいておるようでございまして、カンボジア王国の国民の皆さんのためにも、農家の皆さんのためにも、もちろん逆に言えば私たち日本の後に続く中小企業のためにも大変にすばらしい成果だと私は考えております。 そこで、あえてお伺いをいたしますけれども、これから途上国と呼ばれる国が経済的に自立していくのでなければならない、同時に、それはまた、当然ながら国際的な競争ということにもなろうかと思いますが、その中で、やっぱり国際共通語としての英語を学ぶ、これは大変大事なことだろうと思うんですね。ところが、残念ながら、今私たち日本のODAでは、日本語を教育する、教える、学ぶ、そこにはお金は出すんですけれども、英語を学ぶということになるとノーなんですね。 私はやっぱり、今回、新大綱に国益の確保がODAの目的だということで盛り込みをされましたけれども、日本語教育を行うということだけがただ単に日本の国益確保ということではないだろうと。もっと広く、やっぱり国際語としての英語を身に付けていただく、そして、結果的にはそういったことも日本の国益に資することにつながるのではないか、こう考えておるのでありますけれども、技術移転を始めといたしまして、高井参考人、冒頭申し上げましたようにすばらしい成果を勝ち取られたわけでありますけれども、お考え方をお示しいただければなと思います。
○参考人(高井芳樹君) 今の御質問の答えにあるいはならないかもしれませんが、ODAというのはあくまでも国が中心でお金を出してくださるわけですね。それだけでは私はODAが成功しないといつも思っているわけです。我々民間が民間の立場でできることがあるはずなんです。 その私たちが今やっていることを二、三紹介いたします。 まず、日本の小学校の子供たちは、おじいちゃん、おばあちゃんに立派なランドセルを買ってもらいますね、小学校入学するときに。ところが、ランドセルが非常に質が良くなっているものですから、六年間使っても新品と変わらぬくらいなんですよ。それがお蔵入りされていくのを私見ておりまして、もったいないなと。 富山市の教育委員会に頼んで、卒業式の日に、小学校六年生の卒業式の日にランドセルを持って学校に来てくださいと。私たち仲間が小学校を手分けして行ってそのランドセルをもらってくるんです。そして、ランドセルの工場の人に頼んできれいに検品と消毒してもらって、そして荷造りしてランドセルをカンボジアへ送っております。今年で一万一千個送りました。 ところが、私たちの想像以上に喜んでくれるんです。私は涙が出ましたよ、うれしくて。カンボジアの子供たちが喜んでくれるんです。日本の小学校の子供も喜んでいるんです、その写真を見せると。こういう表に出ない民間の支援をやっております。 それから、そのほかに、今年から男の子のサッカーシューズ、男の子は小学校のときにサッカーするようになったんだけれども、一年ですぐ足が大きくなるでしょう。そうすると、去年履いておったシューズがもう履けなくなるんですよ。だけど、まだ新しいのよね。それを集めてきて、きれいに洗って、送ってやりました。これも喜ばれましたね。 それからさらに、やっていることは、富山県カンボジア親善協会という会を私つくりまして、そして何をやっているか。いろいろなことをやっていますが、カンボジアの、今おっしゃったように、女性ですね。別に男性と女性とを区別しているわけじゃないんですが……
○中野正志君 高井さん、ごめんなさい。四十五分までしか持ち時間ないものですから、そんなところで取りあえず結構でございます。
○参考人(高井芳樹君) はい。 そうやって、民間のあれもやっております。
○中野正志君 ありがとうございます。 佐崎参考人、同じ質問なんですけれども、いかように考えられますか。同時にまた、やっぱり、ネパールの問題触れられましたけれども、大変な被害であります。こういう大災害が起きますと、その割合協力は、結果的に女性とか子供とかお年寄り、しかしまた、その人たちを面倒見ていただくのは女性なんですよね。そういう意味で、この新ODA大綱の枠組みの中で、やっぱり私は女性に対する教育、時間は掛かりますけれども、むしろそれも大変大事なことなのではないのかなという頭でおりますけれども、そういった問題を含めて、女性の地位向上のために私たち日本、これとこれとこれ、こういうことでしっかりできるよということがありましたら、お示しをいただけませんか。
○参考人(佐崎淳子君) どうもありがとうございます。 小学校への就学する割合は非常に高くなりました。今、国連機関では、やはり女性を中学校の教育レベルまでの、その割合を上げなきゃいけないというところでこれからのSDGは必要となってきますので、その教育に対して援助をしていただきたいと思います。 それと、あと女性に対する日本のODAなんですけれども、日本のODAをやはりどういうふうに使われたかという、国連機関では、ジェンダーバジェッティングといいまして、全ての国に対してこのバジェットがどれだけ女性のために使われたという、そういうアナリシスのスタディーをやっております。ということで、日本のODAに対しても、これだけ使われたけれども、これのどれぐらいが女性の地位向上に実際に貢献したかどうかという、そういう評価をもっとなされたらいいと思います。 それと、あと日本のやはりジェンダーに対する、ウイメノミクスと言うんですけれども、国際社会での、安倍総理の、総理レベルでのこのアドボカシーというのはすばらしいと思います。ただ、日本国がそれをするためには、やはり中から変わってくるべきだと思います。ということで、ODAを出すためにも、やはり日本はどんどんどんどん変わっていくべきだというふうに思っております。 あと、NGOですね。NGOの大切さというのは非常に、例えば児童婚がある地域、非常に貧困です。八歳ぐらいで結婚させられ、十一歳で子供が二人いて、二十歳ぐらいまでにはもう子供が何人もいて、御主人というのは自分よりも三十歳ぐらい年上です。そういう子たちに対する援助として、余りにも貧困地域なので、その児童婚やめさせなさいというわけにはいきません、すぐには。というのは、児童婚というのは、やはり食べるものがないから親が結婚させざるを得ないという地域で、そういうところでどういう仕事をするかということで、やはりここにはローカルにもNGOがたくさんいらっしゃいます。そのNGOを使って、やはり女性の地位向上とか児童婚をどう対策していくか、子供を産んで家事にしか従事できない女の子たちをどういうふうに学校に帰らせるか。もちろん国連機関は政府ともやっておりますけれども、政府とNGOのそのコンビネーションですか、そのサポートが非常に必要になってくると思います。
○中野正志君 ちょうど時間となりました。終わります。ありがとうございます。
○又市征治君 社民党の又市です。今日は御三方、どうもありがとうございます。 まずは、私の同郷の、隣の町にお住みの高井さんからお尋ねをしたいと思いますが、カンボジアにおける、言ってみれば、もう生産から精米含めて一貫して、とりわけ長粒米などというものの精米というのは、その機械を開発から始めるという大変な御努力をいただき、そういう意味ではカンボジアの皆さん方にも大変喜んでいただいておる、その間に大変な御努力が、御苦労があったと思います。 その過程でJICAの協力を仰いで、この開発やらあるいはライスセンターまで設置をするということで御努力いただいたわけですが、率直に申し上げて、単独でもし御社で開始をするという場合に大変な資金が要ったと思うんですが、どの程度、言ってみればこのODAの資金というものを援助をいただけたのかという問題、これが一つと、もう一つは、やっぱりこのカンボジアにおけるこの後の御社の事業の将来性、展望みたいなことをどのようにお考えになっているか、ちょっと簡潔にお答えいただければと思います。
○参考人(高井芳樹君) ODAでどの程度の援助を受けたのかという御質問に対しましては、一か所約五千万です、日本円で。二か所造りましたから一億円のお金を使わせていただきました。もちろん、それで足りませんので持ち出しました。 それから、二つ目は、アメリカのバイヤーがカンボジアへお米を買いに来ておりました。偶然に会ったんです。彼といろいろ話をしてみますと、やっぱりカンボジアのお米を非常に高く評価しております。ただ、まとまった量が買えないんだということを言っていました。当然です、そういう設備がないですからね。どうしてカンボジアのお米を評価しているのと聞いたら、やっぱりおいしいと言うんですね、まず。それから二つ目は、有機栽培をやっているお米が手に入るんだと。アメリカではオーガニックの米が欲しいんです、あるいはオーガニックの野菜が欲しいんです、オーガニックの果物が欲しいんですと、それが絶対量が足らないものだから買いに来ているんでということで、私は、カンボジアの農民の人たちがもう少し自覚して一生懸命にいい米を作れば、そして加工すれば、かなりまだまだマーケットが広がっていくんじゃないかと思います。 かつてカンボジアを支配したフランスにもカンボジアのお米がかなり輸出されております。そういうことで、いいマーケットを持っているわけですから、努力すれば非常に、彼らが努力し、我々ももちろん援助していきますけれども、かなりカンボジアの農業の未来は明るいんじゃないかというふうに確信しております。 以上です。
○又市征治君 どうもありがとうございました。更に御活躍のほどをお祈りしたいと思います。 そこで、時間が余りありませんから、まず稲場さんにお伺いしたいと思いますが、JANICの二月十日付けの開発協力大綱の閣議決定に対する国際協力NGOの緊急声明、これ読ませていただきました。その中で、「非軍事の原則を徹底させて下さい」と、こういうふうに要請をされております。私たちも、ODAが支援国の軍関係であるとか組織に行われることについては、先ほど来も出ておりますように、強い危惧の念を持っておるところであります。 そこで、お聞きしたいのは、今回から公然とODAが軍関係へ行われることによって皆さん方の活動に一体何か支障が出ると考えるかどうか、そこのところを、何かありましたら、予想、危惧、そういうことがありましたらお聞きをしたいというのが一つ目であります。 また、声明では、「各国に固有の政治的・社会的・文化的な事情のために、貧困層や、社会的に弱い立場に置かれている人々は、ODAの交渉先である相手国政府の主流を成す有力者層や富裕層から、意識的あるいは無意識的に排除され、彼らのニーズは開発計画に反映されないか、後回しにされるということが頻繁に生じています。」と、こういうふうに述べられているわけですが、これは可能な範囲で結構ですけれども、そういうことを、具体的な事例があれば教えていただきたい、この二点をお伺いしたいと思います。
○参考人(稲場雅紀君) ありがとうございます。 まず、この非軍事の原則ということが、NGOの活動に関して例えば直ちに何らかの形で支障が出ているかということなんですが、そもそも基本的に……
○又市征治君 懸念です。
○参考人(稲場雅紀君) 懸念ですね。そういう意味で、直ちに今何かあるかというと、そういうわけではございません。 ただ、やはり一つありますのは、基本的に軍への支援というものが、結局のところ、例えばイラクなんかの事例では幾つか具体的な事例があるわけですけれども、その国の特定の勢力にある程度加担してしまうということにやっぱりこれはなってしまうということで、そうすると、当然のことながら支援はやりにくくなりますよね。なおかつ、そもそもやはりそういった治安の悪いところだと日本のNGOが入れないという問題があります。 そういうようなところで、この安全管理の面で、やはりそういう意味では、いわゆる、例えば特定の国における何らかの形での、軍事的な形での協力みたいなものが現地の目に見える形で出てきてしまうと、非常にNGOとしての中立性ということに関して現地の人たちから疑われるということになりますので、その面でやりにくくなることは、これは明確な話でございます。ですので、そういう点で、我々のそもそもの強み、日本の援助のそもそもの強みであるところの中立性というところ、また非軍事というところに関して、この旗を下ろしてほしくないというふうに思っているところです。 あともう一つ、より具体的な影響という意味合いでいうと、こちらの二番の方の、いわゆる日本の経済成長に資する支援みたいなもの、こういったものを強調するというところの中で、例えばNGOに対して、特に民間企業との連携を徹底してくれというような形のリクエストみたいなものがどんどんたくさん来ている。 あともう一つは、そういうようなものが必ずしも含まれない民生レベルのグラスルーツの支援というものに関して、これが、そんな支援していてもしようがないじゃないかみたいな、そういうようなところが結構来たりとかしているという意味では、より具体的に影響が及んでいるのはこちら側なんですね。どちらかというと、つまり、NGO支援も含めて何らかの経済的なリターンが我が国にあるように、それも即あるようにすべきだというような考え方がかなり強まっていることは事実で、こちらの方が逆に、NGOが例えばその国の保健問題について取り組むというようなときに、そういうようなバイアスの掛かった援助の方が選ばれて、よりグラスルーツで現地のNGOを支援するようなものというのが選ばれない、そういうような形でいうと、そちらの方がむしろ影響が強く及んでいるということがあります。 ですので、そういう意味合いでは、NGOの援助というのは、もちろん民間セクターとの連携でより良いことができる場合には、それはそれでいいんです。ただ、そうじゃない方向の援助というのもこれは当然ありますから、そういったところもやはり重視していただくということで、そこに関して変なバイアスが掛からないようにしてほしい、これはかなり我々としての切実なお願いとしてございます。その点が申し上げたいところですね。 あと、二番目の御質問ということなんですけれども、例えば私、保健分野、特にHIV、エイズの問題に関してずっと取り組んでまいりましたが、特にそのエイズの問題で一番影響を受けているコミュニティーというのは、その社会の中で最も差別されている人たちなんですね。例えば、セックスワーカーあるいは性的な少数者、こういうような人たちが、その国の政府あるいは社会的な状況の中で、エイズ対策の主流になるべきなのに排除されているということはよく起こっています。こういうような問題というのは典型的な問題だと思いますけれども。 あともう一つは、やはり少数民族とかそういった人たちが排除されているケースってすごく多いので、当然のことながら、その国の開発の文脈の中で、主流の人たちがお金が欲しいからそっちがメジャーになっちゃうんですね。逆に、声の小さい人たちはマイナーになってしまうと。そういうようなところがありますので、その点、これは本当にいろんな実例がありますけれども、我が国としては、人間の安全保障で、全ての個人に焦点を当てるということになっていますので、そこを是非強調を続けてほしいなと思っております。
○又市征治君 もう本当は佐崎さんにも質問しようと思ったら、時間が来てしまいました。おわびを申し上げて、終わりたいと思います。ありがとうございました。
○谷亮子君 谷亮子です。よろしくお願いいたします。 本日は、本年二月十日に閣議決定されました開発協力大綱の下での我が国のODA等の在り方につきまして参考人の方々への質疑ということでございまして、参考人の皆様には、大変お忙しい中、貴重な時間をつくっていただきまして、本当にありがとうございます。 初めに、佐崎参考人にお伺いしたいと思います。 佐崎参考人におかれましては、広く国際的な立場で御活躍されていることに対しまして、心より敬意を表したいと思います。 まず、国際機関に対する我が国の拠出について伺いたいと思います。 我が国のODA予算は、一般会計当初予算ベースで見てみますと、一九九七年度の一兆一千六百八十七億円をピークといたしまして、二〇一五年度では五千四百二十二億円と、これはほぼ半減、五三%、半減している状態となっておりまして、その影響は開発、人道支援関係の国際機関に対する拠出金にも表れておりまして、国連人口基金への我が国の拠出は、一九八六年から一九九九年までの間、第一位だったんですけれども、二〇一三年には八位になりまして二千四百九十万ドル、これ、一ドルを百二十円で換算しますと二十九億八千八百万円にまで後退してきております。 こうした現状を踏まえまして、国連人口基金への我が国の拠出が減少していることに伴う影響についてお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(佐崎淳子君) どうもありがとうございます。 非常に残念なことに、ODAが半減することによって国連人口基金への拠出金も半減いたしました。やはり、国連機関におきましては、拠出金が半減することによって発言権は残念ながら少なくなってきます。 日本という国は非常に人口の面ではいろいろと経験がありますので、例えば高齢化のこと、先ほどの国民皆保険、そういう意味においては、日本政府の方から拠出金が出されれば、もっとそれが人口基金のプログラムにも入れたのではないかと思います。 それと、やはり、拠出金が減ってきますと、なかなか日本人のスタッフを入れるとかというのに対しても、政府としては、努力していらっしゃいますけれども、それは非常に難しくなります。 例えば、日本が拠出金第一位だったときには、アシスタント・エグゼクティブ・ダイレクターといいまして、事務局次長は必ず日本人でした。その頃は男性でしたけれども、男性が四代続いて、それから、もうそのポストはカットされまして、ほかの国に回されました。その前までは、D2レベルといってダイレクターレベルのもいたんですけれども、現在はまだ日本人が採用されていません。 ということで、やはり発言権が減ってくるということと、日本のODAでサポートしたいというところがなかなか反映させられなくなるということで、非常に負の影響は大きいと思います。
○谷亮子君 貴重な御意見、ありがとうございました。やはりこの拠出金についてはもう様々な問題が含まれているということで、今後、重要な課題として考えていかなければならないというふうに私も考えております。 次に、高井参考人にお伺いさせていただきます。 高井参考人におかれましては、精米技術の向上が緊急課題の一つとなっているカンボジアにミニライスセンターを設置するなど、いわゆる物づくりを通じた国際貢献を先頭に立って積極的に進めておられることに対しまして、心より敬意を表したいと思います。 また、カンボジアは我が国がこれまで法制度整備支援に力を入れてきた国でございまして、民法や民事訴訟法の制定や法律人材育成などを支援するなど、成果を上げてきているものと認識いたしております。また、タイワ精機がカンボジアへの展開を進めていくに当たっては、今後、海外展開を考えている中小企業の経営者の方々にとっては大変大きな参考になるものと私も認識いたしております。 そこで、我が国のODAを通じまして、JICAや大使館などからの情報提供などが当時からどのように行われてきたのか、それは十分であったのかについて少しお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(高井芳樹君) 我々富山県のゆかりのある方なんですが、ある時期、北京大使をしておられた谷野さんという方がいらっしゃいました。郷土が同じなものですから、富山県の御出身ですからね、北京大使時代に私、何回か訪問しました。そのときにいろんなアドバイスをいただいたんです。 日本の経済人は、海外に来ても大使館に寄らない、領事館にも寄らないと。寄る用がないのかな、それとも来にくいのかなと。大使館、領事館に寄ってもらいたいということを盛んに言っておられましたね。ああ、なるほどと思って、私は、それからは領事館のあるところは領事館に寄るようにしているし、大使館はもちろん寄るようにしているんですが。私が、先ほども言いましたように、まず最初に、カンボジアへ初めて行ったときにはすぐ大使館に飛び込みました。突然行って本当に御迷惑だったと思うんですが、そうすると、何というか、新聞やテレビでは見えない、聞こえない大使館の物の見方、例えばカンボジアの国民性はこうだよとか、あるいは、まだ公式に発表されていないけれども日本政府はこういうことをやろうとしているんだよといういろんな情報がいただけるんです。 そういうのに、何で来ないのかな、何で来ないのかなということを大使館の方がおっしゃるわけですが、まず今の御質問で私が言いたいのは、やっぱり大使館の方も忙しいんでしょうけれども、できるだけ積極的に大使館、領事館に経済人は寄るべきであるというふうに思っております。 以上です。
○谷亮子君 ありがとうございました。やはり、大使館の方々の役割というのも非常に重要であり、また大きな力になるものであるということが今回分かりましたので、ありがとうございます。 次に、稲場参考人に質問させていただきたいと思います。人間の安全保障について伺いたいと思います。 ミレニアム開発目標の目標達成期限となる本年は、まさに二〇一五年以降の新たな持続可能な開発目標策定に向けての動きが佳境を迎えるタイミングでもございます。そこで、人間の安全保障についてでございますが、開発協力大綱では、人間の安全保障の考え方が国の開発協力の根本にある指導理念であるということを明確に打ち出していらっしゃいますが、この考え方に対する国際社会における理解の現状についての御認識や、新大綱の下での我が国が人間の安全保障を指導理念とすることを国際社会でアピールしていく上で、特に重点的に取り組むべき課題であると考えられるところはどのようなところにあるのか、稲場参考人に伺いたいと思います。
○参考人(稲場雅紀君) ありがとうございます。 人間の安全保障ということで、この人間の安全保障というのは、我が国が九〇年代の後半以降、打ち出してきた理念でございます。 これを打ち出した背景としてありますのは、やはり九七年のアジア経済危機、このアジア経済危機のときに、いわゆるIMF等が経済苦境に陥ったアジア諸国に対してかなり強硬な経済緊縮策を強制したと。その結果、人々の生活がぼろぼろになって、インドネシアなんかも大変なことになったわけですけれども、これに対して、我が国としてはこういうやり方では駄目だと。じゃ、どういうやり方が必要なのかといったときに、いわゆる人間の安全保障、一人一人の個人に焦点を当て、その弱いところを補っていくために能力強化をしていくと、そういうようなところで、なおかつ、コミュニティーのボトムアップといわゆる政府のトップダウンという、この二つで人々の生活向上を図る、人間の尊厳を図るというのが日本の人間の安全保障の考え方なわけですね。 これは基本的に、グローバルな観点でいえば、いわゆる人間開発であるとか、あるいは人権、特に社会的な人権を重視するというMDGsの考え方とこれは非常に響き合ったわけなんですね。その結果として、いわゆる人間の安全保障というのもかなりそれなりに国際的に広範な支持を得ることができたということがあるかと思います。これはまさに日本のある種成功した価値観外交であるというふうに言うこともできるかと思うんですね。 そういう意味合いで考えたときに、このODA大綱にはまさにそのように書かれてはいるんですが、一方で軍事協力であるとか、あるいはもう一方で日本の経済成長のためのODA活用であるとか、こういうところがある種実質的にかなり出過ぎてしまっているがために、人間の安全保障というのが若干弱まっているのではないかということをNGOとしては懸念しております。 そういう意味合いで、やはりSDGsというのはまさにこの持続可能な世界というところですので、この持続可能な世界を目指すということでいえば、まさに人間の安全保障が指導理念なんですね、そういう意味合いでは。 そういうようなところで、我々としては、このSDGsに調和化するためにも人間の安全保障の旗というのは是非下ろさずに高く掲げてほしいというふうに思っております。 以上です。
○谷亮子君 貴重な御意見ありがとうございました。終わります。
○荒井広幸君 最後になります。どうも今日はありがとうございました、お三方には。途中中座をしたことをおわびします。 総じての話でいいんですが、これまでの日本の皆様それぞれのお立場での、御支援を含めて、政府もあれば国連との協力もあれば、NGOあるいは民間企業の御努力があって私は日本というのは尊敬されているんじゃないかなと、特に民間の皆さんの御努力があって、そんな感じがするんですけれども、今までの体験の中で、あるいは取組の中で、日本のこれまでの、まあ日本全体といったらいいんでしょうか、政府のみならず民間も含めて、NGOも含めてですが、各国は評価しているものなんでしょうか、どうでしょうか。総じて日本に対する評価はどんなものなのか、稲場さんから順にお聞かせいただければと思います。
○参考人(稲場雅紀君) ありがとうございます。 基本的に、荒井先生がおっしゃるとおり、日本の援助というものはこれまでのところ高く評価はされていると思います。 その上で、私はNGOの立場から申し上げますと、基本的に日本の援助というのは、これまで政府間の援助、なおかついわゆる箱物の援助というものがやはり多かったということですね。その点で考えますと、特にグローバルな意味での市民社会だとかNGOということに関して言えば、日本というのは必ずしも顔が見えないということになってしまっているわけなんですね。やはり、ある種箱物援助で、なおかつ政府間ということですので、市民社会に光を当てる、あるいは市民社会のところに外務省の方々が例えば何らかの会議のときにちゃんと連携を取ると、こういうところに関しては実はかなり弱いわけなんですね。 ですから、そういう意味合いでいうと、これまでのやり方に加えて、どういう形で国際的な市民社会に対して日本の顔が見えるようにするのか、ここのところを是非加えてほしいなというふうに思っております。 あともう一点、いわゆる政策の面で、いろいろ政策というのが出てくるわけですね。先ほど人間の安全保障の話もしましたけれども、いわゆるグローバルなところに通用する政策、例えばSDGsというのを打ち出したのは、実はこれ、提唱を始めたのは中南米のコロンビア共和国の外務省なんですね。今はそういうような形で、新興国、特にある種マイナーなような感じの国が実はどんとSDGsをやろうと打ち出して、そして国際的なパートナーをつくって主流化するみたいなことが意外とできてきているんですね。そういう意味合いでいうと、政策で何を打ち出すのかということに関して、より外務省等が頭を使う必要がある、このように思っております。 以上です。ありがとうございます。
○参考人(高井芳樹君) 私は政治家じゃないですから、政治的な判断ではありません。民間人として判断していることを申し上げます。 まず、東南アジアの国、カンボジアを中心にしてほとんど回りましたし、それも何回も回ってみました。その結果、私は意外なことをたくさん聞きました。日本が太平洋戦争をやったおかげで我々は独立することができましたと、まずベトナム人がそう言いました。カンボジア人もそう言いました。日本のおかげですと。これには本当にびっくりしましたね。 去年もインドネシア行ったんですが、インドネシアのあそこにお墓があるでしょう、あれ日本の兵隊さんのお墓なのよ、終戦になってでも我々と一緒にオランダと戦って戦死したんだよと、その人の墓ですよと言われて、僕は涙が出ましたよ。 そういうふうにして、非常に、最近、新聞、いろいろで言われていることと違った反応をたくさん聞くことができました。中国、韓国が日本の政治家の批判をしているようですが、それとは別に、純粋な、それも偉い人じゃなしに、東南アジアの普通の人たちの声を聞いてきました。それが一つです。 その次、先ほどもちょっと時間がなくて言えなかったんですが、私も中心になりまして、カンボジアの若い女性をホームステイに呼んでいます。僅か一週間か十日ですが、我が家にも泊めて、女性ですから、差別するわけじゃないんだけど、お花の生け方、日本の伝統のお茶だとか、そういうことを教えているわけなんですが、それを非常に喜んで帰りますね。観光地行くよりも、そういう日本の料理の作り方だとかお花だとか、そういうことが非常に喜びますね。 こういう運動を全国にもっともっと広げていったらいいなと思っておりますし、まず富山はその中心になろうということで、今頑張っております。 以上です。
○参考人(佐崎淳子君) ありがとうございます。 日本のODAは、もちろん、平和的、中立的ということで非常に感謝されております。ただ、これから軍事関係の方にもファンドが行くということで、日本でも非常に理解しにくいということで、世界的に見れば、日本は軍事に使っていると。これ、やはり非常に高いリスクがあると思います。これは、人道援助に対しても現地の人たちは、先ほど稲場さんがおっしゃったように、これから日本のODAということに対して疑問視されるケースが非常に高くできてくると思います。いろんなケースがこれから数が増えてくると思うので懸念しております。 それと、日本の顔が見える援助ということで、日本人の方を送るというのも大切なんですけれども、私、国連の立場から見ていると、やはりもっと日本政府、日本の政治家の方たち、日本のNGOの方たちの発言力が必要だと思います。いろんな国際会議でいろんな発言をされること、そんな大きな会議だけでなくてもいいんですけれども、あと、現地の人たちとすごくコミュニケーションをすることによって初めて日本が理解されると思います。 というのは、孤立しているなと思うことがありますし、いろんな開発途上国におきまして、日本の援助、それとか、日本のすばらしいものを開発途上国に持っていきたいというのはもちろんすばらしいことなんですけれども、そのためにはやはり現地の方たちの理解が必要であると。 ということで、自己満足的に陥るという傾向は否めないということで、やはり発言権とコミュニケーション、現地の理解促進というところにもっと力を注いでいただきたいと思います。国会議員の方たちも、いろんな先進国のドナーの国の方たちは国連のプロジェクトにすごくビジットされます。それに対していろいろと評価し、いろいろと批判をし、ビジットすることによって理解をされるという、そういうことが必要となってくると思います。 それで、ODAなんですけれども、今、開発援助というのは、世界ではSDGとかMDGということで、開発途上国のバジェットも開発のために使われるほとんどの部分を占めております。ということで、先進国から来るODAというのはどこに使われるべきかということで、やはり開発途上国の政府の財政がなかなか使われないようなところに投資されるべきだと思います。先ほどおっしゃっていた例えばマイノリティーとか、あと、本当に貧困層の方たちというのは声がありません。 例えば、私がネパールで国連人口基金の代表を三年半していたときは、ジェンダーのことを言ったんですけれども、私はやはり外国人として、ダリットコミュニティー、アンタッチャブルという人たち三六%います、ここに投資をするべきだと言ったんですけれども、なかなか政府は、ネパール自身がジェンダーでは、チェトリ、ブラフマンという上の階級の方ですね、そこもジェンダーのことがなかなか平等ではないということなんですけれども、やはり政府がなかなかできない部分のところに投資するべきだと思います。 それで、UHC、これ国民皆保険とか、あとウイメノミクス、いろんな日本政府には非常にすばらしいプロジェクトがありますし、安全保障もそうですけれども、これが成功するためには、やはり現地のコミュニティーのことを知るべきであるし、NGOが入ってくるべきであるし、国連機関に対してもっと投資をしていただきたいと思います。というのは、国連機関というのは、開発はほとんどカントリーオフィス、各国事務所でやっておりますし、その現地のことをよく分かっておりますし、あと現地のNGOともすごく連携があります。ということで、もっと国連機関に対する拠出金を増やしていただければ有り難いと思います。
○荒井広幸君 大変貴重な御意見、お三方にはありがとうございました。
○委員長(山本順三君) 以上で参考人に対する質疑を終了いたします。 この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。 本日は、大変貴重な御意見を頂戴いたしまして、本当にありがとうございました。今日の意見というものを十分参考にしながら、これからのODAを進めてまいりたいと思います。 本委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時十六分散会