厚生労働委員会 第25号
- 発言数
- 330 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2015/08/18
会議録
○委員長(丸川珠代君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、森本真治君、尾立源幸君、長峯誠君、川田龍平君、滝沢求君及び吉良よし子君が委員を辞任され、その補欠として羽田雄一郎君、白眞勲君、赤石清美君、寺田典城君、阿達雅志君及び小池晃君が選任されました。 また、本日、薬師寺みちよ君が委員を辞任され、その補欠として渡辺美知太郎君が選任されました。 ─────────────
○委員長(丸川珠代君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 労働者の職務に応じた待遇の確保等のための施策の推進に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省職業安定局派遣・有期労働対策部長坂口卓君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(丸川珠代君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(丸川珠代君) 労働者の職務に応じた待遇の確保等のための施策の推進に関する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取をしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○赤石清美君 皆さん、おはようございます。私は自民党の赤石清美であります。 本日は、労働者の職務に応じた待遇の確保等のための施策の推進に関する法律案、いわゆる同一労働同一賃金法案についてお伺いをいたします。 この法案は、正規労働者と非正規労働者との格差を是正し、雇用形態にかかわらず職務に応じた待遇を確保し、全ての労働者が充実した職業生活を営むことができる社会の実現を目指したもので、大変意義のあるものと考えております。また、より実効性のある内容とするための修正が加えられた点を評価したいと思います。 そこで、この修正された法案につきまして、主に政府の受け止めと対応について伺いたいと思います。 まず最初に、原案の「正規労働者」を修正案で「通常の労働者」に置き換えていますが、政府の受け止めを伺いたいと思います。また、現行法における通常の労働者とはどのような者をいうのか、説明をお願いいたします。
○政府参考人(坂口卓君) 政府よりお答えさせていただきます。 今、修正案で「通常の労働者」という用語に置き換えられているという点等についてのお尋ねと承知しましたが、現在、原案でありました「正規労働者」という用語を、そういった具体的な内容を法律上に規定したものというものはこれまでにないということでございます。そういったことから、修正案の方では、いろいろ現行法の他の法令の規定を踏まえまして、「通常の労働者」ということに置き換えられて修正案を提出されたものと私どもとしては受け止めさせていただいております。 今お話ししました、現行法でどういった形ということでございますけれども、短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律というパートタイム労働法などの現行法で使われておりまして、例えばパートタイム労働法の十三条というようなところでは、事業主の方にパートタイマーの通常の労働者への転換の推進という規定が置かれております。そういった中での通常の労働者ということにつきましては、一般的に、いわゆる正規雇用労働者を指すものとして用いられているということで承知しております。
○赤石清美君 ありがとうございました。 パートタイム労働法で使われているということでございます。 次に、均等な待遇及び均衡待遇について伺いたいと思います。 本法案は、正社員と非正規雇用労働者の待遇格差を是正する理念法としての性格が強いものと受け止めていますが、第六条第二項については具体的な規定が盛り込まれています。原案では、派遣労働者の待遇について、派遣先に雇用される労働者との間で職務に応じた待遇を均等にするよう規定しているところ、修正案で均衡待遇が追記されていますが、「均等な待遇及び均衡のとれた待遇」とはどういった意味を持っているのか、また、政府はどのようにこの言葉を受け止めているのか、伺いたいと思います。
○政府参考人(坂口卓君) 政府に対してのお尋ねということでありますので、政府としての受け止めを御説明させていただきたいと思います。 今お尋ねの、修正で提示された六条の二項のところで、「均等な待遇及び均衡のとれた待遇」という表現を修正案の方では盛り込まれたということでございます。 これにつきましても、現在、先ほど通常の労働者のところで挙げさせていただきましたパートタイム労働法の中で、均衡待遇と均等待遇の双方を規定をしております。その中で、パートタイム労働法ではどういった形で扱われているかということでございますが、均衡待遇としましては、職務、それから人材活用の仕組み、それからその他の事情というようなものを考慮して、パートタイム労働者と正社員の間で不合理な相違が待遇についてあってはならないということが規定をされております。 それから、一方で、均等待遇につきましては、職務、それから人材活用の仕組み、これは配置変更等の範囲というようなことになりますけれども、そういったものが同じパートタイム労働者については、全ての待遇について正社員との差別的取扱いを禁止しているという形で、均衡待遇と均等待遇の双方をパートタイム労働法では規定しているということがございます。 今回の修正案において、均等な待遇、それから均衡の取れた待遇という表現にされたということでございますけれども、これにつきましては、私どもとしましては、今申し上げたような、このようなパートタイム労働法などの現行の労働関係法令の趣旨というようなものと、規定の趣旨と整合的なものということで置き換えられたということで受け止めております。
○赤石清美君 ちょっと分かりにくい点もあったんですけれども、均衡の取れた待遇というのは、ある種の合理性を持っていなきゃいけないということなんだろうと思いますので、法律でどういうふうに書くかは別として、もうちょっと分かりやすい何か表現がないのかなという感じをしておりますので、また検討してもらえればというふうに思います。 次に、就業形態の設定の多様化について伺いたいと思います。 修正案では、正社員と非正規雇用労働者の格差を是正するための施策をより充実させるための規定が複数追加されています。特に、実際に働く現場である雇用環境を改善することは、非正規雇用で働く方々にとっては改善をより身近に実感いただける部分であり、非常に重要だと考えております。 雇用環境の整備を規定している原案の第七条が修正され、雇用管理の方法に就業形態の設定の多様化が追加されていますが、政府としてどのように受け止め、対応していく考えか、伺いたいと思います。
○政府参考人(坂口卓君) お尋ねの点でございます、今回、今委員の方から御指摘ありました七条の一項の規定に、労働者の就業形態の設定ということが修正案では追加をされているということでございますが、この規定、全体としまして、雇用環境の整備のために国がどういった施策を講じていくかというようなものの対象を定めておるという規定かと思います。 その中で、労働者の就業形態の設定ということが追加されたということでございますけれども、私どもとしましては、これはいわゆる多様な正社員というものを推進していくというようなことを意図されているということで承知をしておるところでございます。 この点につきましては、いわゆる正社員というのが長時間労働でありますとか転勤とかが一般的だというようなことであるというような問題であるとか、あるいは非正規雇用労働者については雇い止めの不安でありますとか処遇面でも課題があるというようなことで、いわゆる働き方の二極化が見られるということがございますので、そういった二極化を解消しまして、就業形態にかかわらず安心して生活、就労できるというような環境を整備するためにどういったことが必要かということで、いわゆる多様な働き方の普及ということで、勤務地を限定したりあるいは職務を限定した正社員などの多様な働き方の普及ということも図っていくということが、私ども政府としても重要な方策ということで考えておるところでございます。 そういう受け止めをしておる中でこういった七条について修正を入れられるということでございますので、私どもとしては、そういった重要な方策の一つということで、現在も多様な正社員制度を導入する企業に対してキャリアアップ助成金の活用の促進を図っていたり、あるいはその制度の導入を希望する企業に対してはコンサルティングを行ったりというようなことを行っているところでございますけれども、引き続きそういった取組をしっかり行ってまいりたいということで考えております。
○赤石清美君 しっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。 次に、通常の労働者以外の労働者の雇用管理の改善について伺いたいと思います。 原案の第七条のもう一つの修正で、通常の労働者以外の労働者の雇用管理の改善が追記されております。非正規雇用労働者の育休取得推進など、非正規雇用労働者として働きやすい職場環境の整備を図っていくための施策を講じていくことが重要だと考えていますが、この修正を政府としてどのように受け止め、対応していく考えか、伺いたいと思います。
○政府参考人(坂口卓君) 全体としましては、非正規の雇用をされている、働かれるという方についても、自ら非正規で働くことを選択している方もおられるということで承知しております。 その理由とすると、育児、子育てであったり、介護であったり、あるいは高齢期の定年後の働き方というようなこと、様々な事情がおありの中で、御自分のライフスタイルに合わせて、そういった働き方を柔軟にどうやったら働けるかということで選択をされているという方もおられるということで承知をしております。 ただ、そういった非正規で働かれる方についても、やはり非正規雇用労働者として働きやすい職場環境ということをしっかり整えていくということが重要だということで考えておりまして、今回この七条について修正が盛り込まれたということについても、やはり通常の労働者以外の労働者の雇用管理の改善ということでありますので、こういった非正規雇用労働者として働きやすい職場環境の整備を図っていくための雇用管理の改善をしっかり取り組むべきだという内容かということで、私どもとしても受け止めております。 私どもとしましては、具体的にどういった取組を今後対応していくかということになってまいりますけれども、例えば、有期契約の労働者の方の育児休業ということを、取得を促進していくということが非常にやはりこういった職場環境の整備ということでは重要な問題だろうということがありますので、例えば、有期契約の労働者の方に育児休業の取得要件というようなことの内容の理解をしていただくためのリーフレットの配布をするということをやったり、あるいは、事業主の方についても、そういった育児休業制度の規定の整備を指導したり、いろいろ育児休業の関係のハンドブックを作っておりますので、有期契約労働者の方についてもそういったことをどう進めていくかというようなことを御理解していただく、あるいは、助成金もございますので、そういった助成金の支給というようなことで、有期契約労働者の育児休業の取得促進ということを図っていくというようなことが一つは考えられるかと思います。 それから、派遣労働者については、この議員立法と併せて御審議いただいておる今回の派遣法の改正法案の中でも、賃金等の面で派遣先の責任を強化するというようなことで均衡処遇の面の強化ということを内容としておりますので、そういった内容等々、あるいは、キャリアアップを派遣会社、派遣元の方に義務付けるというようなこともしておりますので、そういった面もしっかり取り組んでまいりたいということで、今回この七条の修正ということでこういった規定が追記されたということもございますので、今申し上げたような取組を進めるということで、非正規雇用労働者の働きやすい職場環境ということにしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
○赤石清美君 ありがとうございます。 しっかりと取り組んでいただきたいと思います。 最後に、山本副大臣に、施行後三年以内の措置に向けた取組について伺いたいと思います。 これまで伺ったように、本法案を受け、職務に応じた待遇を確保するための取組が一層進んでいくと思われます。このことは大変喜ばしいことでありますが、一方で、労働者の待遇に関わる取組であるからには、労使双方が納得できる形で丁寧な検討を重ねて進めていく必要があると思います。 特に、職能給的な賃金体系を取る企業が多い我が国において職務に応じた待遇の確保を図っていくためには、職務給的な賃金体系を取る諸外国での実態を始め、参考となる事例を調査研究するなど、幅広い視野からの検討が重要だと考えます。 本法案には調査研究の規定も盛り込まれておりますので、実態をよく把握した上で検討を重ね、派遣労働者の待遇について、第六条第二項に基づき、法律の施行後三年以内に法律上の措置を含む必要な措置を講ずることとしてありますが、政府として、現時点においてどういった取組をどのようなプロセスで行っていくつもりなのか、山本副大臣にお伺いいたします。
○副大臣(山本香苗君) 法第六条第二項の規定につきましては、御指摘のとおり、実態を把握した上で丁寧に検討を重ねることが重要であると考えております。 今御紹介いただきましたとおり、今回の派遣法の改正法案におきまして、派遣元及び派遣先に対して、均衡待遇を推進するための具体的な措置や諸外国における職務給の実態、均等・均衡待遇に関する制度運営の状況等についてしっかりとした調査を行わせていただくこととしております。 そして、政府として現時点においてどういった取組をしていくつもりかということなんですが、現時点で具体的なということは申し上げられないんですが、本法案成立後に更にこれらの取組を進めまして、調査研究の結果や改正法の施行状況等を踏まえつつ、労働政策審議会等におきまして、均等な待遇及び均衡の取れた待遇の実現を図るための法制上の措置を含む必要な措置につきまして検討してまいりたいと考えております。 そうした中で、先ほど坂口部長からも答弁ありましたけれども、派遣労働者を含めた有期契約労働者の雇用管理の改善につきましては、例えば育休の取得促進につきまして、先般、仕事と家庭の両立支援に関する研究会報告書が取りまとめられたところでありまして、この中でも有期契約労働者の育休の取得促進ということが一つの項目として挙がっているわけでございまして、今後、これらを労政審に報告いたしまして、秋頃から育児・介護休業法の具体的な見直しにつきまして更に議論を深めていただきたいと考えておりますので、しっかりとこの六条二項、受け止めてまいりたいと考えております。
○赤石清美君 非常に大事な議員立法だと思いますので、是非、この法案が通りましたら、今日の答弁のようにしっかりと取り組んでいただくことをお願いしまして、私の質問を終わります。 以上です。
○阿達雅志君 自由民主党の阿達雅志です。本日は質問の機会をいただき、ありがとうございます。 私は民間企業出身でございまして、また、その後、MアンドAとか企業統合をずっとやってまいりましたので、特に企業にとってこういう人事政策、それから給与制度、これが非常に重要であると、また、競争力という意味においても企業を本当に支えるものであろうということをつぶさに見てまいりました。 特に日本の場合は、海外と比べた場合に、いわゆるジョブディスクリプション、職務の内容がはっきりしていない、こういうところに雇用の特徴が海外と比べて非常にあるわけですけれども、そういう中で、日本の企業というのがいろんな取組を過去三十年以上行ってきて今の各企業の雇用制度というものが成り立っているのではないかと思います。 そういう中で、今回のこの議員立法に関しましては、やはりまず六条二項でこういうプログラム規定が入っているということもありますので、特に立法者の意図、これをまずはっきりさせることが重要ではないかということで、今日は特に発議者、それから修正案の提案者に質問させていただきたいと思います。よろしくお願いをいたします。 まず第一に、先ほど申しましたとおり、民間企業では、やはり今、いわゆる通常の労働者あるいは正規労働者の給与形態というのは、業種、会社規模、各社方針によって、職能給、職務給、年齢給、成果主義、いろんなものを組み合わせている。さらに、最近はそういう在宅勤務など違う形での勤務形態まで含めている。こういう近年の働き方の多様化、こういうことがどんどんどんどん進んでいるわけでございます。 そういう中で、今回、改正法第六条二項において、派遣労働者と正規労働者を比較するということが、こういう非常に多様な正規労働者の雇用形態、これを前提にすると、そもそも比較すること自体が難しい場合もあるのではないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(井坂信彦君) ありがとうございます。 御質問いただきました第六条二項では、派遣労働者とそれから派遣先で雇用される労働者との間において、その業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度その他の事情に応じた均等な待遇及び均衡の取れた待遇の実現を図るものとしているところであります。 派遣労働者と派遣先に雇用される労働者とでは、雇用主も違いますし、それから人材活用の仕組みも御指摘のように各社異なる。また、派遣先企業の労働者とそれから派遣元から派遣される労働者とでも人材活用の仕組みが異なることが多く、業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度その他の事情というものが異なる場合が多いというふうに考えられます。しかし、その場合においても、待遇の差は、この法律に書かれた業務の内容の差や責任の差その他事情の差といったその差に応じた、比例した待遇の差になるべきという法律の趣旨でありますので、比較自体は可能だというふうに考えております。 仮に似たような派遣先労働者がいないようなケースでありましても、例えばその企業の賃金水準あるいは賃金体系、成果主義なども含めて、そういう派遣先の企業の賃金体系にのっとって、派遣労働者がもしそこのいわゆる通常の労働者だった場合は大体幾らぐらいの給料がこの人だったらもらえるであろうかと、この辺りを鑑みて、その派遣労働者の職務を当該企業の労働者に行わせた場合の待遇を想定するなどの考え方もあるというふうに思います。 実際、EU指令でも、派遣労働者の基本的雇用労働条件は、同一職務に派遣先によって雇用されていれば適用されたものを下回らないと、こういう大原則にもなっておりますので、派遣先に全く同じ労働者あるいは似たような労働者がいない場合でも、こういった考え方で比較は可能だというふうに考えております。 以上です。
○阿達雅志君 ありがとうございます。 雇用主、雇用元を問わず業務に着目をしていくという、そういうふうに今お伺いをしたわけです。 ちょっと事前通告を一つ飛ばしまして、今のお話は非常によく分かるんですが、そういう中で、今こういう法案について、パートタイム労働者、有期雇用労働者、派遣労働者、この三つの雇用形態に関して言った場合に、パートタイム労働者、有期雇用労働者に関しては、こういうその差、比較をする場合において、不合理と認められるもの、これを排除するという、こういう規定になっているわけです。ですが、派遣労働者に関しましては、こういう賃金を決定するに当たっていろいろなことを配慮しなければいけない、いわゆる配慮義務という形になっております。 改正法第六条二項、これを今回通した場合に、現在ある労働者派遣法第三十条の二に残る配慮義務との関係をどういうふうに今後理解していったらいいのか、そこを御説明いただけますでしょうか。
○衆議院議員(井坂信彦君) 労働者派遣法の第三十条の二は、これは派遣元の事業主に対して、派遣労働者の賃金決定や教育訓練、福利厚生の実施について、その雇用する派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する派遣先に雇用される労働者との均衡を考慮、おっしゃった均衡の配慮義務ということになっております。 〔委員長退席、理事福岡資麿君着席〕 今回の本法案、我々の法案で第六条二に書いてあることは、派遣労働者について、こういういわゆる均等及び均衡の義務というものを義務付けるような措置を、政府に対して、三年以内に法制上の措置を含む必要な措置を講ずることということで、今回、本法案の六条の二では、政府に対して、三年以内に均等、均衡の義務付け、事業主に対する義務付けを制度上措置をしなさいよと、こういうことになっておりますので、この二つ、派遣法については現時点で均衡の配慮義務、すぐに求めるということになっております。本法案の六条二は、政府に対して三年以内に更にそれを、現行の均衡の配慮義務から均等・均衡義務の義務付けというところまで格上げをしなさいよと、こういうことになっておりますので、両者は相矛盾するものでは全くないというふうに考えております。
○阿達雅志君 どうもありがとうございます。 つまり、やはり六条二項というのはプログラム規定というところに非常に重点があるという趣旨と理解させていただきました。 続きまして、改正法第六条の二項、いわゆる同一労働同一賃金に係る規定ということになると思うんですが、これについてちょっと質問をさせていただきたいと思うんですが。 ここでは、原案に比べまして、修正案、非常にいろんな要素が付け加えられております。業務の内容及び業務に伴う責任の程度その他の事情に応じてですとか、その後の部分についてのいろんな規定、これを見ていくと、やはり同一労働同一賃金の原則をある程度これ修正した、合理性によって修正をしようとしているものというふうにも解されるわけですが、そういう中で、短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律第八条ですとか労働契約法第二十条の、不合理と認められるものであってはならない、先ほど申しましたパートタイム労働者、有期雇用労働者に関する規定であるような、こういう合理性による修正と具体的にどういう差が出てくるのか、そこについてちょっと御説明をいただければと思います。
○衆議院議員(井坂信彦君) 今回の修正後の第六条第二項は、理念的な規定が多い本法案の中で、均等待遇の実現などに向けて具体の措置を求める条項でありますので、パートタイム労働法などの均等待遇を規定する労働関係法令の文言と整合を図ることとしております。 具体的には、職務という言葉と同趣旨で用いられている業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度に置き換えているとともに、職務以外の要素も広く評価して待遇を決定する我が国の雇用慣行にも照らして、その他の事情を追記をしてあります。 〔理事福岡資麿君退席、委員長着席〕 このパートタイム労働法八条や労働契約法第二十条は、これは待遇や労働条件の相違が不合理と認められるものであってはならないということで、事業者に直接効力を持つ規定になっておりますが、先ほど申し上げましたように、本法の六条二項は、現時点では政府に対して均等及び均衡の取れた待遇の実現を図るための法制上の措置その他の必要な措置を講ずることを求める規定となっております。 現行のパートタイム労働法六条や労働契約法第二十条、これはもう既にあるわけですけれども、実際、まだなお実態上の格差が残っているというふうに認識をしておりますので、そこの調査も踏まえて、更に実効性のある、必要があれば法制上の措置を求める法律となっているところであります。
○阿達雅志君 どうもありがとうございます。 確かに、こういう職務を考えたときに、先ほど申しましたとおり、そういういろんな雇用形態あるいは給与体系の中でなされている職務、これと派遣労働者の職務、なかなか比べにくいものがある、これをいろんな形でうまく調整をしようということだと思うんですが、その一方で、合理的不合理ということで、ある意味ネガティブリスト的に排除をするケースと、それから、今回のように、むしろいろんなことを考えましょうという形でポジティブにリストを書くと、やはりどうしてもそこにいろんな切替えの難しさというのは出てくるのではないかと思うんですね。そういう意味で、ここの文言の「均等な待遇」に加えて「均衡のとれた待遇」、これを書き加えられたというのは、非常に重要な意味を持ってくると思っております。 例えば、職務内容と関連性が高い給付というのを考えた場合に、やはりその職務内容とか経験、資格などの違いというもの、これは多分ある程度均衡の取れた待遇をするために考慮すべき要素になるのではないかと。あるいは、勤続手当だとか昇給昇格、退職金、企業年金、年休日数などの給付、これを考えたときには、勤続期間の違い、これはやはり一つの均衡を取るための理由になるのではないかと。ただ、これは勤続期間ですから、派遣労働者であってもその勤続の期間によっては適用される場合もあるし、それから、通常労働者あるいは正規労働者であっても期間が短ければ給付はされない、こういうこともあっていいのではないかというふうに思うわけです。 それ以外にも、賞与ですとか通勤手当、家族手当、いろんなものについてやはりそれぞれのいろんなバランスを取りながら考えていく、こういうことになるのではないかと思うんですが、こういう考え方でよろしいのでしょうか。
○衆議院議員(高鳥修一君) 阿達委員にお答えをいたします。 本法律案における職務に応じた待遇の確保と申しますのは、職務の差がなければ待遇も同じであるべきと、一方で、職務の差があれば待遇の差はその差の程度に応じたものであるべきというものでございまして、いわゆる均等待遇と均衡待遇の両方を含むものであると考えております。 また、六条二項につきましては、派遣労働者と派遣先に雇用される労働者では雇用主や人材活用の仕組みが異なっております。均等待遇だけでは委員御指摘のとおり不十分な面もありまして、だからこそ今回、人材活用の仕組みが異なる場合であっても均衡の取れた待遇を実現をするという、そういう観点から、今回の修正において「均衡のとれた待遇」を明記させていただいたところでございます。 なお、本法律案は、「雇用形態にかかわらずその従事する職務に応じた待遇を受けることができるようにすること。」、これは二条の一号でございますが、これを基本理念としておりまして、職務に直結しないものも含めた各種の手当、それから成果を待遇に反映させることなどを否定するものではございません。第六条一項においては、通常の労働者とそれ以外の労働者について、こうした手当等の仕組みを含め、待遇に係る制度の共通化の推進などを規定しているところでございます。
○阿達雅志君 どうもありがとうございます。 やはり最近の企業は、この給付という点についても、従来のような単純に給与明細に書かれているような項目、それ以外でいろんな形の給付をいろんな判断基準で出している、これが実態だと思いますので、こういう均衡の取れた待遇というのは非常に重要なポイントではないかと思いますし、この点、法律案が採決された場合には、国の方でもしっかりこれは考えていただきたいポイントだなというふうに思っております。 次に、改正法第六条二項をぱっと見たときに、私、何かある一時点を切り出して、業務の内容、こういう責任を比較してそれで同一かどうかを判断している、ちょっとそういう印象も実は受けたんですが、よく読んでみると、いろんなところに、その他の待遇ですとかその他の事情、あるいは今おっしゃられた均衡の取れた待遇という形でいろんなことを考慮するんだということも含まれているように思うんですけれども、これはあくまである一時点を切り出して、業務の内容、責任、これを比較するだけではなくて、もっと大きな意味でそれぞれの労働者のキャリアパスあるいは会社側から見た労働者の育成プラン、こういったものによる違いも含めて考えていく、こういう理解でよろしいんでしょうか。
○衆議院議員(古屋範子君) お尋ねのありました通常の労働者のキャリアパス、あるいは会社側から見た労働者の育成プランにつきましても、いわゆる人材活用の仕組みとして、一時点だけではなくそうした時間的に長いものも含めまして、修正後第六条第二項に言うところの、その他の事情に含まれているものと考えます。
○阿達雅志君 どうもありがとうございます。 次に、この六条第二項というのがプログラム規定ということなんですが、原案では一年であった部分、これが修正案では三年というふうになっておりますが、これを三年とした理由はどういうことなのでしょうか。
○衆議院議員(高鳥修一君) お答えいたします。 職務の実態、均等・均衡待遇に関する制度運営の状況等についての調査を踏まえまして労政審で議論をしていただく上で、我が国の実情等を考慮しつつ検討していただくということが考えられますことから、やはり、要するに十分な検討していただくための期間を確保するため、法制上の措置を含む必要な措置を三年以内に講ずるとしたところでございます。
○阿達雅志君 ありがとうございます。 確かに、先ほどから私が言っていますように、企業の雇用形態、こういう給与体系というのは本当に千差万別でございますし、そこをしっかりと調査をいただく、これに時間が掛かるというのもよく分かりますので、是非これはしっかり調査をしてやっていただきたいなということだと思います。 最後になりますけれども、今回こういう、ある意味、企業の雇用形態について一定の枠をはめることを求めていくということになると思うんですけれども、それをすることによって、逆に、そもそも企業自体が雇用、これを萎縮させることがあってはいけない、こういうふうに思うわけです。 企業によっては、こういう派遣労働者という柔軟な雇用形態を取ることによって逆に雇用が出せるという、そういうぎりぎりのところで操業している企業もあるわけで、そういうところに余りにも四角四面な制度ということを要求すると、逆に、もうそれだったら雇用しない、こういうことにもなりかねないのではないかなという、そういう危惧も若干あるわけですが、その点についてどういうふうにお考えになって今回の法案提出になったのかを御説明いただけますでしょうか。
○衆議院議員(浦野靖人君) 本法案修正後は、第二条第二号において、基本理念として、通常の労働者以外の労働者が通常の労働者となることを含め、労働者がその意欲及び能力に応じて自らの希望する雇用形態により就労する機会が与えられるようにすることを定めるとともに、第七条において、国に対し雇用環境の整備のための施策を講ずることを求めています。 これらの規定は、国に対し施策を推進することを求めるものであり、事業者に対する規制に当たるものではありませんが、本法案成立後、本法案に基づく施策を推進するに当たっては、御指摘のような点についても十分配慮されるべきものと考えています。
○阿達雅志君 どうもありがとうございます。 是非、これ、企業、労働者双方にとってウイン・ウインの関係になるような法案になってほしい、あるいは三年後の法律につながっていってほしいというふうに思います。 以上で質問を終わります。
○白眞勲君 民主党の白眞勲でございます。 いわゆる同一労働同一賃金法案につきまして、まず修正案提出者にお聞きしたいと思います。 そもそも、この法案の条文には、今まで規定されていなかった正規労働者、いわゆる正社員を初めて規定をされていたわけですけれども、修正案ではこれが「通常の労働者」とされてしまいました。この理由は一体何なんでしょうか。
○衆議院議員(高鳥修一君) 白委員にお答えをいたします。 正規労働者を法律上規定したものはこれまでにないことから、修正案では、この正規労働者につきまして、いわゆる正規雇用労働者を指すものとして、パートタイム労働法等の現行の労働関係法令で一般的に用いられている通常の労働者に置き換えることといたしたものでございます。
○白眞勲君 ちょっとよく分からないんですけれども、そうすると、通常の労働者というのは正社員とどのように違うんでしょうか。
○衆議院議員(高鳥修一君) 今ほどもお答えしたとおりでありますが、いわゆる正規労働者や正社員を法律上に規定したものはこれまでないことから、修正案で、この「正規労働者」につきまして、いわゆる正規雇用労働者を指すものとして、パートタイム労働法等の現行の労働関係法令等、一般的に用いられている「通常の労働者」に置き換えたものでありますが、この法案の「通常の労働者」とは、いわゆる正規労働者、正社員を指すものと考えておりまして、一言で言えば、内容的に違いはないということでございます。
○白眞勲君 いや、そうしましたら、何の変える必要もないんじゃないですか。同じ意味だということですよね。 もう一回確認なんですけど、いわゆる正社員と通常の労働者が今の御答弁ですと同じ意味だということになるわけですよね。だったら何のために変えるのかと、またさっきの質問に戻っちゃうんですけれども、どうなっているんでしょうか。
○衆議院議員(高鳥修一君) 内容、指すものは違いはないと考えております。ただし、先ほど来御答弁申し上げているように、今まで用いられてきた現行の労働関係法令と文言をそろえたということでございます。
○白眞勲君 いわゆるパートタイム労働法で使われている、正規の労働者というんでしたっけね、たしかそういったものを使って、正規雇用労働者か、これを使ってそろえたものだというんですけれども、そもそも正社員と正規雇用労働者の違いについて、それでは政府に、坂口さん、これ、何が違うんですか。
○政府参考人(坂口卓君) 前回も議員の御質問にも御答弁しましたが、私どもとしまして、一般的に正社員と呼んでいるものについては、雇用契約の期間の定めがない、それから所定労働時間がフルタイムである、それから直接雇用であるということを満たすものを正社員と呼んでいますので、それを満たさないものが正社員でないものということでございます。
○白眞勲君 いや、ですから、私が聞いているのは、正規雇用労働者と正社員との違いは何なんですか。
○政府参考人(坂口卓君) 今申し上げたように、正社員というのは、一般的にそういう形で呼んでいるものはどういうことかということを申し上げたということでございます。 正規雇用者というのは、原案の中でそういった用語が盛り込まれていたということかと思いますけれども、先ほど修正案提案者の方から御答弁があったように、労働関係法令上、今、通常の労働者ということの用語が、先ほど申し上げたいわゆる正社員ということで指すものとしてきておりまして、正規雇用労働者というような形での定義ということがないということでありますので、今回、修正案を盛り込まれたということかと思います。 ですから、正規雇用労働者ということがどういう意味かというのは、使われておりませんので分からないわけでありますけれども、正社員と同じような意義だということで使われているとすれば、正社員ということで先ほど申し上げたような内容ということかと思います。
○白眞勲君 全然話をしていてよく分からないんですよ、話を聞いていて。もう一回私、聞きますよ。 正規雇用労働者、正社員とそれから通常の労働者の違いは一体何なんでしょうかと私は聞いているんです。これについてきちっとお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(坂口卓君) ですから、どこで、どういうところで使われているかということなんだろうと思います。先ほど申し上げたとおり、正社員という形で法律上具体的な内容について定義したものがないということがあります。内容的には、先ほど申し上げたように、期間の定めがない、フルタイム、直接雇用ということを意味するということでございます。 正規雇用労働者というのは、ちょっと今私どもとして、そういう用語をどこで使っているかということはありますけれども、一般的に正規雇用労働者というのをどこで使われているかということがありますので、正社員と同じような意味で使われているとすると中身は同じだということを先ほど申し上げたということであります。 それから、通常の労働者ということにつきましては、先ほど修正案提案者の方からもお話があったとおり、例えば現行のパートタイム労働法等で使われており、それについてはいわゆる正社員を指すということで使われているということでございます。
○白眞勲君 要は、みんな一緒じゃないですか。正社員も通常の労働者も全く一緒であるということを今政府の方でも認めたわけですよね。 私は、この正社員については、今、坂口さんからもおっしゃいましたように、先日のこの厚生労働委員会で私の質問の際に議論になったところでして、そこで、この正社員については、坂口部長、今も御答弁されましたように、労働関係法令上は正社員という確立した定義はない、そして一般的には労働契約の期間の定めがない、所定労働時間がフルタイムである、さらには直接雇用であるといった状況にある方を正社員だと呼んでいるということだと思いますよね。 そういう中で、先日の御答弁の中でいろいろな正社員もあるとおっしゃっているわけで、議事録を見ますと、例えば多様な正社員、これ議事録に書いてあったんですよ、いわゆる短時間の正社員、職務限定の正社員、地域限定の正社員、それから一般的な典型的な正社員に、一歩手前と申しますか、その正社員というふうに書いてありました。 坂口部長にお聞きしますけれども、労働者派遣法の趣旨説明においての正社員は、あるいはこの委員会での答弁も含めまして、正社員は、このような多様な正社員なんというものではなくて、いわゆる三要件のそろった正社員の話をしているわけですから、いきなりいろいろな正社員が実はいるのですというと、今までの答弁について、三要件のそろった正社員か、あるいは多様な、様々な今言った正社員なのか、その時々で変化をしたら、何の議論をしているのかさっぱり分からなくなるのではないんでしょうか。その辺り、どうでしょうか。
○政府参考人(坂口卓君) その点につきましては、前回も答弁の中でおわびかたがた触れさせていただきました。 前回は、私が答弁の中で触れさせていただいたのは、正社員と非正規労働者の二極化ということをどう解消していくかという流れの中で、そういうことがございますということで多様な正社員ということを申し上げたわけでございますけれども、その点については紛らわしかったということでございますれば、本当に申し訳ないと思っております。 今、白先生の方からも御紹介ありましたように、私ども、今回の派遣法改正に係る国会審議の中で、派遣労働者の正社員化への道を開くということで、総理、大臣等も答弁させていただいておりますけれども、ここでいう正社員につきましては、まさしく先ほど三つの要件で申し上げた、期間の定めのない、フルタイム、直接雇用という正社員を指すということで、それをしっかり私どもとしては目指して施策を展開してまいりたいということでございます。
○白眞勲君 いや、それは何度も御答弁いただいているので私としても分かっているつもりなんですけれども、ただ、何というんでしょうね、それを前提とした正社員ですという言い方をするならばまだしも、いつもここでも、委員会でも、質問があり答弁があるときに、正社員、正社員とみんなで言っているわけですよ、正社員、正社員と。でも、その正社員が一体何だか定義がはっきりしなければ、さっぱりこれは意味を成さなくなるのではないのかと。やはり、きちっと正社員の定義をしっかり法律上定めておいてそこからスタートするというのが私は筋だというふうに思うんですね。それを私はこの前も申し上げたら、いや、一歩手前の正社員も正社員ですからと、こういう話になっちゃうわけですよ。だからさっぱり分からなくなっちゃうわけですね。 もう一回聞きます。 法律上も定義もない用語を用いて、今まで総理を始めとして厚生労働大臣、政府、官僚、当委員会における先週の質疑、当たり前のように正社員、正社員とみんな発言しているんですけれど、実は様々な正社員があって、一歩手前の正社員なんておかしくはないのかということをもう一回お聞きしたいと思います。
○政府参考人(坂口卓君) その点につきましては、まずもって、先ほどの答弁の繰り返しになりますけれども、私どもとしましては、いわゆるさっき申し上げた三つの要素の正社員ということをしっかり派遣労働者についても正社員の道を開くという意味で目指していきたいと。そもそも、派遣という形態がいわゆる間接雇用の形態であるということも含めていろんな問題点があるということでございますので、いろいろ労働者派遣法でも手だてをしておるわけでございますけれども、しっかり今回正社員化に向けての手だてをしていきたいということでございます。 それから二点目は、先ほど委員の方から前回の私の答弁を引用していただきました一歩手前の正社員というのは、前回も答弁の流れで私としても語弊を招く言い方だったということで訂正させていただきましたけれども、前提として、先ほども御答弁しましたように、期間の定めのない、フルタイム、直接雇用の正社員ということをしっかり目指すということがまず第一と。 その中でございますけれども、今、正社員と非正規労働者の二極化ということを解消していく手だての中で、多様な正社員という意味での勤務地あるいは職務限定の正社員等について進めていくということも二極化の解消にはつながるということで、それについても進めてまいりたいということで私どもとしては考えているということでございます。
○白眞勲君 いや、最初の辺りの答弁は分かるんですけれども、途中からやっぱり一歩手前の正社員の話をし出すんですよ。だから分からなくなっちゃうんです。 法案提出者の皆さん、何か目が白黒させているような感じがして、どういう議論が前回あったか、ちょっと分からなかったかと思いますけれども、そういうことなんですね。 つまり、そういう中で、ちょっと法案提出者にお聞きしたいんですけれども、正社員の定義さえはっきりしていないんですよ。今、お話を聞いてお分かりいただいたと思うんですね、定義は決まっていないわけですよね。それでいて、いろいろなことをこの前御答弁されたわけなんですね。そういう中で、どうやって同一労働同一賃金なんか議論ができるのだろうか。つまり、正社員の定義さえはっきりしていないのに、同一労働同一賃金の議論ができるのかどうか、この辺り、法案提出者としてはどういうふうにお考えでしょうか。
○衆議院議員(古屋範子君) 近年、雇用形態が多様化をする中で、いわゆる正規型の労働者とそれ以外の労働者につきまして、その賃金水準に大きな差があるほか、雇用の安定性など実態として格差が存在をしている、このような雇用実態による格差が社会における格差の固定化につながることが懸念をされているところでございます。 本法案は、そうした格差の解消を目指すために、雇用形態にかかわらずその職務に応じた待遇を受けることができるようにする等の基本理念の下に、労働者の職務に応じた待遇の確保等のための施策を重点的に推進することを内容といたしております。 本法案の「通常の労働者」はいわゆる正規雇用労働者を指すものであり、また、本法案の雇用形態にかかわらず職務に応じた待遇が受けることができるようにするという趣旨からいたしましても、正規労働者について必ずしも定義を置かなくても問題はないものと考えております。
○白眞勲君 いや、私は問題はあると思いますよ。だって、趣旨の中に「通常の労働者」というのが書いてあるわけですから、そういう中で、それはいいんだ、大丈夫なんだというふうには私は取りにくいのではないのかなというふうに思いますね。 つまり、それは労働者派遣法と一緒なんですよ。正社員を目指すといった、その正社員がはっきりと定義が定まっていない。それは、いわゆる同一労働同一賃金のこの法案の中にも同じように趣旨に入っているというところに、定義が定まっていないものをどうやって目指すのかという話になってしまうんではないのかということは御理解いただきたいというふうに思うんですね。 そういう中で、お手元の資料をちょっと見ていただきたいと思うんですけれども、これ、自分で作ってみました。これは先日の厚生労働省の答弁を基に表を作ってみたものでございます。 皆さんのお手元に配付した資料、今日インターネットとか傍聴している方には大変恐縮なんですが、これ私の方で少し説明しますと、縦軸には先日坂口部長のおっしゃった正社員の種類でして、上から多様な正社員、それからいわゆる短時間の正社員、職務限定の正社員、地域限定の正社員、それと一般的な典型的な正社員に一歩手前と申しますか、その正社員ということになるわけです。 横軸については、これも坂口部長の答弁で、一般的にはという定義は、労働契約の期間の定めがない、そして所定労働時間がフルタイムである、そして直接雇用であるということを取ったわけで、これを表に当てはめてみますと、例えば職務限定の正社員や地域限定の正社員の場合、そのままこの三つの条件を当てはめることができるのではないんだろうかというふうに私は見えるんですけれども、坂口部長、どうでしょうか。
○政府参考人(坂口卓君) 議員のこの資料にございますとおり、今議員の方から御指摘ありましたとおり、職務限定の正社員あるいは地域限定の正社員というのは、このそれぞれの、期間の定めがない、あるいはフルタイム、直接雇用であるということは満たしておるものだということで理解しております。
○白眞勲君 そのとおりなんですね。つまり、いろいろな正社員がありますといった正社員の中には、坂口部長さんのおっしゃる三要件が含まれている正社員がちゃんといるんだということを私は申し上げたいんですね。 と同時に、いわゆる短時間の正社員の場合、所定労働時間がフルタイムであるというのに当てはめにくいというのがあるんですね。つまり、何時間という、これは一般的な定義とはいえ、やはり正社員になるとは私はなかなか言いにくい部分があるんではないんだろうかというふうに思うんですね。 それから、多様な正社員とか、これは十分正社員ということを法律上定義付けられると思うんですけれども、三要件がそろえば多様な正社員でも、私は、これクエスチョンマークになっていますけど、これも正社員と定義付けられるんではないんでしょうか、坂口部長。
○政府参考人(坂口卓君) この資料でございますが、いわゆる短時間の正社員は、今この資料にもありますとおり、短時間ということでございますのでフルタイムではないんですけれども、いろいろ、ワーク・ライフ・バランスあるいは育児等からの処遇の改善という中でこういった働き方ということが出てきているということで、従前より、フルタイムではないけれどもそういった雇用の形態ということについて、短時間の正社員というような呼称をしておるということでございます。 それで、あともう一点、多様な正社員ということにつきましては、今申し上げたような、この表でいう三つの働き方のような雇用形態を総称して多様な働き方、多様な正社員ということで呼んでおるということでございますので、その点でいくと、職務限定の正社員、地域限定の正社員ということであれば、委員御指摘のように、三つの、期間の定めがない、フルタイム、直接雇用ということが当てはまるということかと承知します。
○白眞勲君 そうなんだと思うんですね。部長のおっしゃっているとおりです。 つまり、職務限定正社員、地域限定正社員は、これはもう正社員ですよと。今まで我々が言っている正社員そのものだと。しかし、多様な正社員というのは何が何だか分からないし、それから、一歩手前のと申しますか、その正社員なんというのは、やっぱりこれは正社員じゃないですよ、はっきり申し上げて、ということだと私は思うんですね。ですから、今までの坂口部長の答弁では、もう正社員か正社員じゃないかはっきり言えるんですよ、これは三要件で。私はそういうふうに思うんですね。 塩崎大臣、どうでしょうか。やはり三要件がそろったものが正社員なんですということを何らかの時点で法律にきちっと明確化させた方が今後の議論がしやすくなるのではないか、私はそういうふうに思うんですけれども、大臣の御所見はいかがでございますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) おっしゃる気持ちも、それから今御指摘になった点についても、ごもっともなところがあると私も思いますが、一方で、先ほど、通常の労働者という言葉が法律の中で使われていて、これ実は法律といっても、先ほど来出ているのはパートの法律だけ挙がっていますけれども、実は、労働基準法でも、それから派遣法でも、それから障害者雇用法でも、他の法律でも、幾つかやっぱり通常の労働者という言葉が使われております。 通常のという言葉は法律用語としてはやや抽象的な表現でございまして、こういう言葉で今日まで来ましたけれども、それをですから厳密に定義しろという先生の御指摘は、ある意味正鵠を得たものだと私も思うわけでありますが、ただ一方で、経済実態は、かなりいろいろ多様化をしている雇用形態が存在をしていて、例えば先生がお配りいただいたいわゆる短時間の正社員と呼ばれているものを、我々がそれを正社員と呼んでいるわけではなくて、そういう制度を持っている会社の方々が、うちは短時間の正社員がいると言うのは、例えばボーナスもちゃんとお支払いします、定期昇給もありますとか、そういう意味でいわゆる正社員の方々と同等に近い扱いをしているけれども、一点、ここの場合にはフルタイムではないというけれども、我々としてはこの方々にも責任を持ってもらって正社員として頑張ってもらいたいと、こんなことが進んでいるんだろうというふうに思うんです。 そういうことになると、問題は、限定を法律上もしいたしますと、それ以外は全部非正規ということになってしまいますので、それがいいかどうかということも同時に考えなければいけないのかなというふうに感じているわけでございまして、したがって、結論的には、先生の御指摘はごもっともでありますが、なおそれが本当にいろんな、多様な働き方をされている方にとってメリットがどれだけあって、デメリットが逆にどれだけあるのかということも併せ考えて検討していくことが必要かなということを、今御議論を拝聴して感じたところでございます。
○白眞勲君 今大臣から、通常の労働者というのはやや抽象的な物の言い方だとおっしゃいました。私もそのとおりだと思うんですね。通常の労働者だということになると、じゃ、通常の労働者じゃない人ってどういう人なのという話になっちゃうわけなんですよ。 通常の反対言葉って一体何だろうなとちょっと調べてみると、異常だとか非常だとか臨時とか、そういう言葉になっちゃうんですね。これは非常にうまくないと私は思うんですね。通常以外は、じゃ、異常な労働者ですかとか、非常な、あるいは臨時な労働者だと、これ余り私もぴんとこない。ですから、そういった面では、通常の労働者というのは使うべきではないというのが私の感じです。 それともう一点、今、仕事が多様化しているんだと、だから正社員ということもとおっしゃいましたけれども、多様化しているからこそ、今こそきちっと正社員というのを定めないと、いろいろな正社員が雨後のタケノコみたいに出てくるのではないか、そういう私は懸念があるんではないかというふうに逆に思えるんですね。あれも正社員、これも正社員、あるときは正社員で、外から見ると何か変だよねというの、これ出てくると思うんです。 今おっしゃいました、いわゆる短時間の正社員のフルタイムの時間帯がどれぐらいかをきちっと定めていけば、それ以下はやはり正社員ではないよで私はいいと思います。そういうふうにしっかりと定義付けることが私は必要だというふうに思いますが、もう一度大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生御指摘の点はよく理解できるところでありますが、先ほど申し上げたように、現実の雇用の形態というのが本当に多様化して、挙げ句の果てに、例えば無期雇用の派遣労働者も、うちの正社員と呼んでいる人たちが派遣元にもたくさんおられるので、私も正直、この法律の準備のためにいろいろあった中でびっくりしたことがございました。我々は、少なくとも派遣である人を正社員と呼ぶことはないわけでありますので、しかし、そういうことが現実には進んでいるんだなということを知ったわけであります。したがって、我々としては、先ほど申し上げたように、労働契約に期間の定めがないということと、それから所定労働時間がフルタイムであって直接雇用であるという三条件。 実は、前にも申し上げましたけれども、ハローワークでは、この三つの要件に加えて、社内の他の雇用形態の労働者に比べて高い責任を負いながら業務に従事することを満たす者をいわゆる正社員として扱っているということを所管ではやっているわけでありまして、ですから、法律でかちっともし決めると、それ以外の人たちはみんな非正規ということになって、そういうふうにジャンル分けをされた方々がどういうふうに思われるのかということも同時に考えて議論を深めていくことが大事なのかなというふうに感じたところでございます。
○白眞勲君 私は、きちっとジャンル分けをした方がかえって分かりやすいのではないのかなという、この辺は認識の違いだというふうに思います。 というのは、今おっしゃいましたように、派遣会社も何でもかんでも正社員、正社員と言い出しているところ、非常に危険なんですね、これは。つまり、ある意味、間違った情報を、これは今回の労働者派遣法もそうだし、今回の同一賃金同一労働でもそうですけれども、やはり何だかよく分からない、定義がふわふわふわふわしているというのは余り私はよろしくないんではないんだろうかというふうに思っております。 次に、マージン率についてお聞きしたいと思います。これも政府にお聞きします。 マージン率と言われても私はぴんとこなくて、要するにピンはね率だなと思っているんですけれども、この現在の状況について御説明願いたいと思います。
○政府参考人(坂口卓君) いわゆるマージン率、今御指摘でございますけれども、これにつきましては、平成二十四年に一定の派遣元事業主に情報の提供を義務付けたということがございます。そういったことを契機に、このマージン率につきましては、マージン率そのものではないんですけれども、派遣料金、あるいは派遣労働者の賃金を労働者派遣の事業報告において毎年度報告をしていただいておるということがございます。 その報告を基に算出しました状況ということで私どもの把握しておりますところでございますと、一般労働者派遣事業におきますと、一番多いのがマージン率が二〇%以上三九%以下が七六・一%ということで、全体の約八割を占めております。それから、特定派遣事業の形態でございますと、同じく二〇%以上三九%以下が五二・四%ということで、全体の約五割という状況になっているということで私どもとしては把握をしております。
○白眞勲君 先日、このいわゆるパーセンテージについて我が党でもヒアリングをしたわけですけど、私は二つの問題点があるなというふうに感じました。 一つは、本人が一体どれぐらいのピンはね率で働かされているのか分からなかったという点。それともう一つは、このピンはね率が五〇%だったという方もいたということです。私は驚きました。五割取られているんですね。場合によっては何か八割という話も聞いたこともあるんですけれども、本来、例えば広告代理店の手数料というのは一五%が普通ですよ。 ここで質問しますけど、派遣労働者は自分のピンはね率がどれぐらいか知りたければ教えてくれるのかどうか、坂口部長、お聞かせください。
○政府参考人(坂口卓君) 今、派遣労働者につきましては、労働者派遣法の三十四条の二で、派遣労働者として派遣業者は労働者を雇い入れようとする場合と労働者派遣をしようとする場合につきまして、派遣労働者に対して派遣料金の額についていずれかという形で、御本人に係る派遣料金でありますか、派遣会社の派遣料金の平均額ということを派遣労働者に対して明示をするということになっております。 それで、派遣労働御本人は御自分の賃金は分かるわけでございますので、この二つを比較して、どういった状況でなっているかということについては派遣労働者の方は把握ができるということになろうかと思います。
○白眞勲君 今のはいわゆる平均ですよね、企業としての、パーセンテージ。 本人の契約は幾らなのか、つまり派遣元と派遣先との契約金額、それと自分の給料、これが分かるんでしょうか。つまり、自分のパーセンテージが分かるのかということです。自分のパーセンテージです。平均でいうとどれぐらいの予測は付くでしょうじゃなくて、自分のパーセンテージが分かるのかどうかを聞いているんですけれども、どうなんでしょうか。
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。 今申し上げたように、必ずしも御自分の派遣料金額ということの明示では義務付けられておりませんので、今議員の御質問のような、必ず自分のということは分かるということが制度的になっているということではないということでございます。 ただ、先ほど、冒頭申し上げましたように、これは平成二十四年の法改正で設けられたわけでございますけれども、派遣労働者としましては、いろいろ、他の派遣事業者等についても、一般的な意味での情報の提供ということが、派遣労働者あるいは派遣労働者となろうとする方については情報提供ということが義務付けられておりますので、同じような業種あるいは業態ということで比較していく中で、派遣労働者の方などが、派遣元事業主がどういった取組をされているかということについては選択ができるのかなと思います。 先ほどもお話が出ましたけど、なかなか派遣料金の額ということの中身については、実際、教育訓練等々いろんな中身の経費ということも事業主は負担をされているので、派遣料金から賃金を引いた額そのものについての捉まえ方というのもそういう比較の中で御判断をいただくということが適切ということで、平成二十四年改正のときにもこういった趣旨も含めて盛り込まれたということで承知をしております。
○白眞勲君 いろいろ長くお話しされているんですけど、要は、私が聞いているのは、本人のパーセンテージが分かるのか分からないのかだけ聞いているんですよ。それに対しては、本人のパーセンテージについては教えるようなものは義務付けられていないということが今のお答えだったわけですね。 ですから、何で義務付けないんですか。それをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(坂口卓君) 全体としましても、先ほども情報提供の趣旨も含めて申し上げたとおり、マージン率ということそのものが、派遣料金額にはいろんな経費が含まれておりますので、それをどういう形で御本人が判断されるかということについては、いろいろな他の派遣事業者との関係も含めて比較対照をされるという中で判断されるんだろうと思います。 そういったことも含めて、派遣労働者がよりどういった事業所かということの選択にも広がるという意味で、あるいは一方で、派遣事業者に対しての、他の業種等でもこういった取組が見られていないという中で、平成二十四年の議論の中ではこういった内容についての情報の提供という仕組みになっているということでございますので、個々の派遣労働者本人に対しての派遣の料金ということの開示ということをされている、料金の明示ということをされている事業者もあろうかと思いますけれども、全体としての義務付けということでは、先ほど申し上げたような趣旨から、そこまでは求められていないという制度になっているということでございます。
○白眞勲君 全然趣旨が分からないんですよ。何で義務付けないのかということです。その理由は何なのでしょうか。もう一回お聞きします。何で義務付けていないのかということです。 自分の働いている会社がどういう幾らの契約でして、自分は幾らで働かされているか、当然これは教えられてもいいと思うんですよ。教育訓練費、いろいろなことを今おっしゃいましたけど、これは後で私、触れたいと思いますが、一度も受けたこともないという人もいますよ、そういう人。それだって相当な金額取られていましたよ、マージン率をね。 だから、そういった面で、もう一回ちょっとお聞きしたいんです。何で義務付けられていないのか、その理由をきちっと明確にお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(坂口卓君) その点につきましては、二十四年の改正におきまして、いろいろ、マージン率等の情報の提供の義務付け、あるいは派遣料金額の明示ということについての義務付けがなされたわけでありますけれども、その中で、他業種には見られないこういう制度を設けるということに対しての派遣元事業主に対しての負担も含めて、これは労働政策審議会の中で法律あるいは省令の御議論をしていただく中でこういった制度になっているということでございます。
○白眞勲君 義務付けないと、何か負担でもあるんですか。全然負担なんかないですよ、それ。 じゃ、それでもう一つ聞きます。 会社で公開しているいわゆるピンはね、マージン率ですね、これ、うそを言ったら罰則はあるんですか。
○政府参考人(坂口卓君) マージン率につきましては、先ほど申し上げたとおり、平成二十四年の改正法で設けられた規定でございます。 それで、この規定そのものについての罰則ということはございませんけれども、私どもとしては、そういった、今委員が御指摘されたように、本来の数字じゃない数字というようなことを公表している、情報提供しているというようなことであれば、私どもとしては指導をしっかり厳しくしていくということでございますし、そういったことを指導をしたにもかかわらず繰り返しそういった対応を続けるということになれば、これは悪質な派遣事業者ということでございますので、そういった業者については、行政処分も含めた厳しい対応ということを私どもとしては取ってまいりたいということで考えます。
○白眞勲君 実際調べたのでしょうか。簡単ですよね、それは。いわゆる経理書類を調べれば、平均何%取っているかというのは分かるはずです。実際調べたのでしょうか。調べているならば、その中できちっと適正に全部されていたのかどうか、違反しているところはなかったのかどうか、それをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(坂口卓君) 先ほど申し上げましたように、事業報告を基に、この事業報告を提出していただいておる中で、派遣料金と派遣労働者の賃金ということを報告していただいておりますので、その結果の状況については、先ほど一部、一番全体で多いところを御紹介したとおりでございます。 それで、そういった数字と実際に事業者が提供されている数字が異なっているという形の件数ということがどれだけあったかということについては承知はしておりません。
○白眞勲君 ですから、結局調べていないじゃないですか。経理書類を調べれば分かるわけですよ、そういったものというのは、決算書とか。そういったものを調べた方がいいんじゃないですか。それを調べればしっかりと出てきますよ、その数字が。ですから、そういったこともしないまま向こうからの報告をうのみにしているというのは、私はおかしいというふうに思います。 そこでもう一つ、社会保険料や教育訓練費、福利厚生費などの派遣会社の人件費、こういったものというのは当然企業が半額負担することになりますよね。特に社会保険料ですね、社会保険料は当然企業が半額負担することになります。今の制度ですと、結局それを本人に全額負担していることにはなりはしないかと思うんですね。つまり、ピンはね分だけ上乗せするわけですよ。そうすれば幾らでもできるようになるのではないんでしょうか。その辺りどうですか。
○政府参考人(坂口卓君) その点につきましては、前回も御答弁申し上げましたけれども、派遣料金、それから派遣労働者の賃金を派遣業者がどのように設定するかということでございます。 本来的には、派遣業者が派遣労働者の賃金を設定するに当たっては、派遣労働者の労働の対価ということでございますので、職務の内容であったりあるいは同等の仕事をしている方の賃金水準等々を勘案して決定されるということかと思いますので、実際、社会保険料等々の本来事業者が負担すべき額についてそれを転嫁しているということには私どもとしては考えられないのかなと思っております。ただ、そこの部分は、実際、派遣業者の方が適切に賃金の設定をされるということかと承知しております。
○白眞勲君 ですから、当然それというのはマージン率に跳ね返ってくるものなんですよ。自分たちのところでほかに食いぶちがなければ、その中から、マージン率からその分を取るしかないんですから、その分を上乗せする。 つまり、どういうことかというと、私が申し上げたいのは、きちっとマージン率、いわゆるピンはね率をしっかりと固定させるべきなのではないのかなと私は思うんです。そうすれば、しっかりとしたその辺りについての企業努力というものもはっきりするし、あるいは派遣労働者の方も、自分はこれでこうやって働いているんだということが分かるわけなんですね。 ですから、私はそういうふうな部分を思うんですけれども、例えば、制限を設けて一五%にする、こういったことっていかがでしょうか。三〇%なんてよくあるんですけれども、本当に真面目な派遣労働者が三人いたら、これ全然ケアしなくても、派遣会社の社員一人が寝ていてもいいわけなんですよ、簡単に言えば。これってもうけ過ぎですよ。実際、知り合いの会社では、いい派遣さんでした、派遣の方がいらっしゃって、いい派遣の方でした、全然トラブルもなくて、派遣会社も何か月に一回ぐらいどうですかという電話一本だったそうですよ。つまり、真面目な派遣労働者がいれば面倒見なくても働いてくれるから、ある意味お気楽商売になっちゃうんですよ、これ。この辺りどうですか、坂口部長。
○政府参考人(坂口卓君) 先ほどもマージン率の現行の分布について申し上げたところでございまして、一番分布の高いところが二〇%以上三九%以下ということで申し上げたとおりでございますが、ただ、冒頭申し上げたように、いわゆるマージンの中、先ほど申し上げたように、これは派遣料金から働く方の賃金を差し引いた額ということになりますので、先ほど申し上げたように、いろんな経費が含まれているわけでございます。教育訓練の経費であったり、あるいは派遣労働者のためをも含めた福利厚生の経費であったりというようなことが含まれているわけでありますので、そういった中で、例えば教育訓練についても、相当教育訓練の経費が掛かるような派遣会社もおられるということでありますので、そういった中で、単に数値をどのレベルをということを一律に設定するということはなかなか難しいのかなということで私どもとしては考えております。 先ほど申し上げたように、どういった水準が適切なのかというのは、やはりその派遣労働者の方がどういった仕事に就きたいか、そういった仕事を就きたい派遣会社が幾つかあるわけでありますので、そういった比較をしながらやはり設定をしていただくということが私どもとしては重要かと思いますし、平成二十四年のときの考え方も、そういった形でこの法案が盛り込まれたということで私どもとしては考えております。
○白眞勲君 坂口部長さん、いろいろと御答弁を聞いていると、すごくいい人なんだなと思うんですよ。特に派遣会社にとってみたらいい人なんですよ。つまり、派遣会社の側のこと、気持ちを考えてくれているんです、すごく。教育訓練費があります、ほかの経費も様々あります、ですからこれはしようがないんですとおっしゃるんだけれども、私の知っている派遣会社の社員の方は、教育訓練も一回も受けたことないとか、そういう方はいっぱいいらっしゃいますよ。もっと派遣労働者側の立場に立ってやはりこういったものというのはきちっと考えていくべきなんではないかと私は思うんですね。 そこで、塩崎大臣にお聞きしたいと思います。 今、私たち、いろいろ議論しました。一五%の、私はもうこの辺りでいいんじゃないのかと思います。でも、やっぱりマージン率については固定するのはなかなか難しいかもしれない。しかし、せめて、大臣、本人が働いているときに、一体自分はマージン率幾らで働かされているかぐらいは知ったっていいと思うんですね、個人同士で。自分の個人がどれぐらいそれでやっているかぐらいはやっぱり判断の基準として知らせるべきなんではないんだろうかというふうに思いますが、その辺りの御認識は大臣としてはどうでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今先生から、前回からも議論を聞かさせていただいて、御指摘の点は大変重要な点だと思います。 前回、赤澤副大臣が来て、これは津田先生の御質問だったと思いますが、会計処理の問題を議論いただいたわけでありますけれども、このマージン率というのは、言ってみれば派遣先から、あのときは物扱いするなという論点で、物件費という扱いはおかしいじゃないかという問題提起がありました。 これはこれとして非常に重要な御指摘だと思いますし、一方で、派遣元の方の会計処理はどうなっているのかというと、これは事業所ごとにいわゆるマージン率と、それから平均料金額それから平均賃金額などは公開をするようになっているわけです。これについては、今必ずしもホームページで全部が見られるわけではないので、今後インターネットによって公表を原則とすることを派遣元の指針に盛り込むということを検討していきたいと考えておりますが。 一番大事なことは、今先生、個人個人のマージン率のお話をおっしゃいました。気持ちはよく分かりますが、複数の派遣の方が同じところに仮に行っているとすれば、一人一人あなたはこれだけですというようなことはなかなか難しいのかも分からないと思うんです。 やはり大事なことは、その会社のアカウンタビリティーというか、ちゃんと派遣労働者、その本人に対してもそうですけれども、世の中に対してもそして行政に対しても明らかにしていくということが大事であって、今お話が出ているように、社会保険料あるいは労働保険料、それから教育訓練費、福利厚生費等々の限定したもので済んでいればいいわけですけれども、そこに、先生御指摘のように、潜り込ませている利益があるのではないかということが疑われるということを今御指摘をいただいていると思います。 それはやはりきちっと派遣元は開示をしていくということ、つまりそれが説明責任であって、これをどういうふうにやるのかということに関しては私はいろいろ工夫があり得るかも分からないなというふうに、この間、赤澤副大臣の答弁を聞いていても、会計上、それをできる限り実態に合った形にすることも検討に値するというようなことを言っていたと思います。 したがって、私は、ですから、個人個人にマージン率があなたの場合はこのぐらいですということはなかなか難しいとは思いますが、何らかの形で今よりも説明責任を果たすようにしていくことが、このマージン率というものの中にはいっぱいありますから、それを明らかにしていくことがあり得る道ではないか、検討すべきことの一つとして考えていかなきゃいけないのかなということを今感じているところでございます。
○白眞勲君 是非、一つでも多くのやはりこういったものの透明性を高めていくというのは非常に重要であるというふうに思います。そういった面からもお願いしたいと思うんですが。 もう一点、先ほどの我が党のヒアリングで、驚いた点は事前面接です。事前に面接をされてしまうということですね。これは、法律ではやってはいけないことになっていますが、実態としてはやられているとも聞いています。 これについて、坂口部長、簡単に、どうですか、これ、やってはいけないけれども、やられている実態ありますね。どうですか、その辺は。
○政府参考人(坂口卓君) 今委員の方から御指摘ありました事前面接というのは、派遣先の方が派遣労働者の方を派遣に先立って面接をしたり、あるいは履歴書の送付をさせたりとかというような形でするということで、特定目的行為ということでございます。 これは、労働者派遣法の二十六条の第七項において、こういった「派遣労働者を特定することを目的とする行為をしないように努めなければならない。」ということで、行わないようにということで規定がされているというものでございます。 こういったものにつきましては、私どもとしましても、派遣元、先、派遣元もそういった派遣先の行為に対して協力をしてはいけないということがございますので、そういった派遣元、先に対しての指導ということの注意喚起ということもしておるわけでございますけれども、やはり残念ながら、今委員御指摘のように、私どもの地方の現場の、都道府県労働局の指導監督等の中でもそういった行為が確認されたというようなことは私どもとしても承知をしております。
○白眞勲君 もう時間もないので、最後に大臣に、この件について厳正に対処してもらいたいと思いますが、これは法律違反ですから、それだけ、イエスかノーかだけお答えいただきたいと思います。それで私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今部長からお答え申し上げたように、これは特定目的行為ということで禁止をされているものでございますので、私どもとしては、ちゃんとしっかりと指導をしていかなければならないというふうに思います。
○白眞勲君 終わります。
○牧山ひろえ君 民主党・新緑風会の牧山ひろえです。 白委員に引き続きまして、労働者の職務に応じた待遇の確保等のための施策の推進に関する法律案、いわゆる同一労働同一賃金法案について質問させていただければと思います。 冒頭で、まず、非正規雇用労働者の待遇の現状について厚生労働省にお伺いしたいと思います。 雇用形態別の賃金格差について資料を配付させていただきました。一枚目を御覧ください。 この一枚目の資料を御覧いただければお分かりのように、時間給のベースで賃金を比較しますと、正社員そして正職員が二千三百七十円、これに対し一般派遣労働者が千四百六十一円、そして短時間労働者は千六十一円にすぎないということが分かります。 さらに、着目すべきは、二枚目の資料を御覧ください。 これに記載されておりますとおり、雇用形態別の賃金カーブがありますが、正社員、正職員が五十歳前後をピークとした山形を描いているのに対し、派遣労働者や短時間労働者はほぼ一直線なのが分かります。家族そして子供を持った場合、多くのお金が必要な人生の局面で、賃金カーブがそれに対応していないことがこのカーブがないところで分かると思います。正社員と、そしてパートタイム労働者また契約社員などの有期雇用労働者そして派遣労働者の間でこれだけの大きな賃金の格差があるということが分かります。 労働者保護の先進地域でありますEUにおいてはどうなっているか。これに関しましては、配付いたしました資料の三ページ目を御覧いただければと思います。 フルタイム労働者の賃金水準を一〇〇としますと、パートタイム労働者の賃金水準は、一番上を御覧ください、日本のところには五六・八というふうに書いてありますが、それに対して、例えばイギリスでは七〇・八、ドイツでは七九・三、フランスは何と八九・一、それからオランダは七八・八、スウェーデンは八三・一となっております。もちろん例外もありますけれども、ヨーロッパ主要国と比べますと、日本の正規とそして非正規、この場合にはフルタイム労働者とパートタイム労働者の賃金格差は明らかに大きいと言えると思います。 では、その一方で、我が国において正規と非正規間に賃金格差が生じている理由について、厚生労働省はどのように分析しておられますでしょうか。大臣、お答えいただければと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今るる先生からお話をいただきましたが、我が国では、いわゆる正規雇用については、終身雇用とかあるいは年功序列賃金といったこれまでの雇用慣行によって処遇をされてきておりまして、職務内容のほかに、勤続年数とか能力とか責任の大きさ、あるいは転勤の有無とか、様々な要素を考慮して賃金が決定をされているというふうに理解をしております。今日お配りをいただいたこの二枚目でしょうか、年齢のブラケットごとの賃金の動きを見ると、いわゆる職能給と呼ばれている日本の賃金体系ではこのような形になる傾向があるということなんだろうというふうに思います。 これに対して非正規雇用につきましては、有期雇用の場合が多いということもあって、一般的に長期的な視点からの配置等が行われることは余りなく、その時点での職務に応じて賃金が決定されるという、そういう傾向が見られておりまして、相対的に正規雇用の賃金よりも低くなっているということが今日先生がお配りをいただいた資料の中でも読み取れるところであるわけであります。 一方、ヨーロッパ、今数字、アメリカを含めて欧米をお示しをいただきましたが、特にヨーロッパにおいては、いわゆる職務に応じた賃金体系、いわゆる職務給というものが普及をしていて、均等待遇の原則が適用されているというふうに聞いているわけでございまして、諸外国における均等待遇の制度とかあるいは運用状況についてはやや分かりづらいところも多いわけでございまして、それがどういう運用になっているのかなどについてはよく私たち勉強しないといけないというふうに思っていまして、いわゆる均等・均衡待遇の確保、この在り方について、方向としてはそういう方向に行くべきだというふうに思っておりますけれども、まずはこれをしっかり、ヨーロッパなどではどういうふうにこれを運用して結果としてこのような形になっているのかということを調査研究、取り組んでいかなければならないというふうに考えているところでございます。
○牧山ひろえ君 大臣はヨーロッパの事例をいろいろ研究、勉強していかなくてはいけないというふうにおっしゃいましたけれども、これは、やはり先ほど例示したようなヨーロッパ主要国には同一労働同一賃金原則が確立していることが大きいと思うんですね。EUでは、パートタイム労働指令ですとか有期労働指令で雇用形態による不利益取扱いが禁止されているんです。これを受けて、EU主要国の国内法でも不利益取扱いの禁止を実効性を伴った形で定めた事例が多く見られるんです。 では、雇用労働政策を主管される厚労省として、均等待遇ですとか同一労働同一賃金に関しどのような方針をお持ちでしょうか。あるべき方向性として推進の御意向なのか、そもそもそういう方向性を取っていないのか、大臣、明確にお答えいただければと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) これは何度も総理を含め申し上げてきたことでございまして、同一労働に対して同一賃金が支払われるという、ヨーロッパではかなりそれが履行されているというお話を今頂戴いたしましたけれども、この仕組みについては、やはり大変重要な考え方であり、働く方にとっては大事なことだというふうに思っております。 一方で、さっき申し上げたように、職務に対応したいわゆる職務給が普及を日本ではしていない、そして、能力とか経験など様々な要素を考慮して働く方の処遇が決定されるいわゆる職能給に今なっているという現実を踏まえたときに、すぐに、どういうふうな形だったらばこの仕組みを導入することができるのか、あるいは乗り越えなければいけない問題というのは何なのか。 先ほどお示しをいただきましたが、年功によって上がっていく今の賃金カーブと、なかなか、派遣や短期の労働者の場合の賃金は横ばいをしていますけれども、ある意味では、職務給という意味ではこのような形になりがちかも分からないということもあり得るわけでありますので、乗り越えるべき課題というものをしっかりと踏まえた上で、それをどうするかを労使において十分議論をしていくことが大事なのかなというふうに思っているところでございます。
○牧山ひろえ君 議論するだけではなくて、方向性としてどういう形を取っていくという方針でしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) それは、方向性として、できる限り同一労働同一賃金というか、均等待遇、均衡処遇ということはずっと言ってきたことで、特に、まずは、いきなり均等ということでは今申し上げたような課題を乗り越えられないかも分からないので、まずは均衡を徹底的に追求していこうじゃないかということでございまして、もちろん今申し上げたとおり同一労働同一賃金という考え方は大変重要であるので、そういうことを思い描きながら、やっぱりこれは乗り越えるべき問題をしっかりと議論していくことが大事だということを申し上げているところでございます。
○牧山ひろえ君 大臣、今均衡というお言葉を使われましたけれども、後ほどそれについてはお伺いしたいと思います。 ヨーロッパでは、均等待遇ですとか同一労働同一賃金に向けて、不利益取扱い禁止の立法措置ですとか協約賃金、職務評価などが行われております。同一労働同一賃金の前提となるこれらが日本にはない、ないし不十分とよく論評されているんですが、このうち協約賃金についてお伺いしたいと思います。 ヨーロッパでは、産業別に労使が労働協約を結び、協約賃金を設定しております。この協約賃金は、正規労働者そして非正規労働者いずれについても適用され、そして雇用形態間で基本給格差が生じにくくすると評価されております。 同じような、労使が産業別に賃金水準を決める仕組みとしては、日本にも最低賃金法に定められている特定最低賃金の制度があります。ですが、特定最低賃金の適用者数の全雇用者数に占める割合、調べてみましたら、僅か五・八%にすぎないんですね。広く普及しているとはこの数字では到底言えないかと思います。特定最低賃金の設定には、公労使で構成される最低賃金審議会が設定の必要ありとの意見を示さなければいけないんですね。ですが、負担増を避けたい使用者側からの反対が強くて、必要性ありとの意見が示されないケースが増えているという報告があります。 また、この特定最低賃金制度については、制度改正によって、まず対象者を基幹労働者に限定し、適用範囲が狭められました。また、産業区分にしても、以前は産業大分類レベルであったものを小分類レベルに小くくり化されております。これによって労働組合の交渉力は弱まっております。そして申請が難しくなったという評価があります。 これらを鑑みますと、現在、特定最低賃金制度が十分に機能しているとは到底言い難い状況にあるかと思います。特定最低賃金制度を機能させ、そして同一労働同一賃金や均等待遇を目指す観点から、申出要件の緩和を検討すべきと思うんですが、いかがでしょうか。厚労省の御見解を賜りたいと思います。山本副大臣。
○副大臣(山本香苗君) 今御指摘の特定最低賃金というものは、企業内におきます賃金水準を設定する際の労使の取組の補完や、また公正な賃金決定といった役割を果たすため、関係労使のイニシアティブにより、地域別最低賃金より金額水準の高い最低賃金を必要とするものに設定するものでございます。 今、特定最低賃金の申出要件について緩和すべきではないかという御意見を賜りましたけれども、平成十九年の最低賃金法の改正に際して、この点について議論を重ねました。その結果といたしまして、特定最低賃金の運用については、これまでの中央最低賃金審議会の答申及び全員協議会報告を踏襲するものとするという取りまとめが労政審で取りまとめられたところでございます。 関係労使からこの特定最低賃金の設定の必要性についてもし申出がございましたら、地方最低賃金審議会で円滑な審議が進められるように、厚生労働省としてしっかり努めてまいりたいと考えております。
○牧山ひろえ君 特定最低賃金制度は、地域別最低賃金の補完的役割を果たすものだと思います。業界全体の賃金底上げをする機能もあると思うんですね。日本より格差の縮小に成功しているヨーロッパの例を見ますと、協約賃金が果たしている機能からして均等待遇へのプラス効果は十分に期待できるかと思うんです。ですから、できない理由を探すのではなくて、いかにプラスに活用していくかを考えるべきだと私は思います。 一九九四年に採択されたパートタイム労働に関する条約、ILO第百七十五号条約についてですが、これは、パートタイム労働者の労働条件が比較可能なフルタイム労働者と少なくとも同等になるよう保護することを求めています。ですが、現在までのところ、日本は未批准のままとなっているんですね。去年の四月のパートタイム労働法改正の際に、本委員会は附帯決議におきまして、政府に対して同条約の批准に向けた努力を求めた経緯がございました。 同条約を批准していない理由、そしてまた、批准に向けた具体的な現在の取組状況について厚労省にお伺いしたいと思います。大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、牧山委員からILO百七十五号条約についてのお尋ねをいただきましたが、パートタイム労働に関するILO百七十五号条約というのは、パートタイム労働者が比較可能なフルタイム労働者に与える保護と同一の保護を受けることを確保するための措置などについてこれは定めたものでございます。 この条約では、同一の企業に仮に比較可能なフルタイム労働者がいない場合には、企業の枠を超えて、つまり、自分の企業じゃない他の企業における同一の活動部門に雇用されているフルタイム労働者との均衡待遇を図るということが求められておるわけでございまして、日本の今の雇用管理の実態に果たして沿ったものになるのかどうか、むしろそぐわないんではないのかという御指摘もございまして、現時点では本条約を批准することはなかなか難しいというふうに考えているところでございます。
○牧山ひろえ君 大臣、日本の実態にそぐわないというふうにおっしゃってしまうと、批准に向けて精力的に努力することと規定している参議院の厚労委員会の附帯決議を軽く見ておられる印象があるんですね。批准に向けた具体的なアクションを是非お願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 院からの御要請についてはよく理解をしているところで、今後、社会状況の変化などを踏まえながら、そして労働法制に関する様々な国会での議論などを踏まえて、必要に応じて検討を実施することは言うまでもないわけでありますが、ただ、今申し上げたように、自分の企業じゃない企業の正規職員の方の待遇と同じようにするということに、働いていらっしゃる会社の方がどう思われるかということは、やはりしっかりと議論した方がいいということを申し上げているわけでございます。
○牧山ひろえ君 是非、批准に向けて具体的なアクションをお願いしたいと思います。 現行の雇用形態に関する均等・均衡待遇規定の整備状況についてお伺いしたいと思います。 現在、パートタイム労働法、労働契約法、労働者派遣法、これらにそれぞれパート、有期、派遣労働者の均等・均衡待遇に関する規定が定められています。 四枚目の資料を御覧いただきたいと思います。 これには一覧表があるんですが、正規、非正規の待遇の格差に対する考え方について、これら現行の均等・均衡待遇規定と、衆議院から送付されたいわゆる同一労働同一賃金法案を比較検討させていただきたいと思います。 まず、派遣労働に関してですが、特に派遣労働者に関しては、民主党政権時代の平成二十四年度改正において、派遣先労働者との均衡を考慮した待遇の確保、この規定が創設されたんですね。これは特に賃金と教育訓練にフォーカスが当てられていますが、均衡待遇が新たに定められたということです。一方で、今回の同一労働同一賃金法案においても、六条二項で、派遣労働者に関する職務に応じた待遇の確保、これが定められております。 発議者にお伺いしたいと思いますが、今回の新法によって、派遣労働者の均等・均衡待遇が実際にどのように、またどの程度促進されるんでしょうか。それぞれ、原案のままで成立したと仮定したケースと、それから修正案の内容で成立するケースとの比較も含めて御回答いただければと思います。
○衆議院議員(井坂信彦君) ありがとうございます。 パートタイム労働法では均等及び均衡待遇の規定、それから労働契約法では均衡待遇の規定が定められているのに対しまして、今の労働者派遣法ではいわゆる均衡の配慮義務という形になっております。そこで、我々はこの原案で、第六条二項においては、政府は、派遣労働者とそれから派遣先の労働者との間において、その職務に応じた待遇の均等の実現を図るものとしておりました。 ここで「均等」というふうに書きましたのは、派遣労働者について均等な待遇の実現を目指すことを強調する観点から、原案では均等のみを明記をしておりましたが、本法案に言う職務に応じた待遇というのは、先ほどの議論でもありましたが、職務の違いに応じた待遇の均衡というものも当然に含み得るものというふうに考えております。 この第六条二項においても、派遣労働者について、業務内容や責任も含めたいわゆる職務が違うことも当然想定されることから、そのような場合の均衡を原案で排除していたというわけではありません。本修正案においても、「均等な待遇及び均衡のとれた待遇」との文言により、派遣労働者について均等な待遇の実現を図るものとする旨は明記をされております。 労働者派遣法において均衡の配慮義務までしか規定されていなかった派遣労働者について、今回の法案で「均等」を明記をしたということについては、これは原案と同じく均等・均衡待遇を促進する意義のあるものだというふうに考えております。
○牧山ひろえ君 今また均衡という言葉が出ましたので、後ほどまたそれについてお伺いしたいと思います。 有期雇用者に関しては、労働契約法第二十条に、労働条件の相違は不合理と認められるものであってはならないというふうに規定されています。この有期、無期契約労働者間の不合理な労働条件の相違禁止ルールにつきまして、厚労省所管の独立行政法人、労働政策研究・研修機構にて一昨年実施した調査があります。それによりますと、既に見直しを行ったという割合は二・七%でした。今後の見直しを検討しているのは七・九%でした。これ、両方合わせて一割強にとどまっているんですね。この状況は立法趣旨とは異なっているんではないかと思うんです。現状どおりで問題ないと回答した企業の多くは、有期、無期間の処遇差を職務や働き方などの違いで裏付けられると解釈しているんです。 今回の新法は、既存の労働契約法を上回るような改善へのアクションを促す効果を持ち得るんでしょうか。
○衆議院議員(浦野靖人君) 御指摘のように、我が国でも、近年の労働契約法やパートタイム労働法の改正により均等待遇などの規定は整備されてきているところではありますが、実態上の格差は解消に至っていないと認識をしております。本法案は、こうしたなお残る実態上の格差を調査し、なくしていくことを目的の一つとしているところであり、本法案の下、職務に応じた待遇が確保されるよう施策が推進されることを期待するところであります。
○牧山ひろえ君 是非そうであっていただきたいと思います。 短時間雇用に関しましては、パートタイム労働法第九条で差別的取扱いをしてはならないというふうに規定されています。職務の内容及び配置の変更の範囲などの就労の実態が基準となります。それらが通常の労働者と同じ短時間労働者については、全ての待遇について通常の労働者と同じ取扱いがなされるべきだとされているんです。つまり、既に均等待遇が法律上明文化されているわけなんですね。 これらの短時間労働者にとって、今回の新法の意味というのはどの辺りにあるんでしょうか。
○衆議院議員(浦野靖人君) 御指摘のように、短時間労働者については、パートタイム労働法の改正により均等待遇及び均衡待遇の規定が整備されております。しかしながら、実態上の格差は解消に至っていないという認識をしております。本法案は、こうしたなお残る実態上の格差をなくしていくことを目的の一つとしているところであります。本法案の下、職務に応じた待遇が確保されるよう施策が推進されることを期待しております。
○牧山ひろえ君 是非、実際にそうなるようにお願いいたします。 具体的に、パートタイム労働に関し格差を生じさせる理由についてお伺いしたいと思います。 お配りしております資料の五枚目を御覧ください。 厚生労働省の平成二十三年パートタイム労働者総合実態調査によりますと、正社員と職務が同じパートを比較した場合において、一時間当たりの基本賃金がパートの方が低いケースは事業所割合で六一・六%となっております。一時間当たりの基本賃金の差がパートの方が低い場合の賃金額の格差は、正社員の八割以上が二七・三%、それから正社員の六割以上八割未満が二六・九%、それから正社員の四割以上六割未満が六・五%になっております。 そして、パートの方が賃金が低い理由としては、この下の方に書いてありますが、多い順に申し上げますと、パートは勤務時間の自由が利くからというのが四八・六%、それから正社員は企業への将来的な貢献度が高いからとおっしゃっている方々が三六・五%、そういった契約内容でパートが納得しているからというのが三五・二%、定年後の再雇用制度でパートを雇用しているからという回答が二一・三%、パートは人事異動の幅や頻度が少ないからと答えている方々が二一・一%となっております。 パートタイムにおける均等待遇の要件が法に記載されておりますとおり職務の内容と人材活用の仕組みで判断ということですと、選択肢のうちパートの納得ですとか将来的な貢献度などはパートタイムの低賃金を許す理由にはならないと思うんですね。法の趣旨が徹底されていない側面が私はあるかと思うんです。現状ですと、均等待遇を実現している事業所はまだまだ少数派です。かつ、格差も非常に大きいと思います。 ここで発議者にお伺いしたいと思いますが、このような理由によって正社員と職務が同じパートタイム労働者の賃金が低くなってしまうという状況を減少させる効能は今回の新法には実際にあるんでしょうか。
○衆議院議員(井坂信彦君) 御指摘のように、パートタイム労働法の八条、九条、いわゆる均等及び均衡待遇規定がはっきりあるにもかかわらず、このいただいたグラフにあるように、パート労働者の賃金水準といわゆる正規労働者との賃金水準には大きな差がある、また、加えて、雇用の安定性なども含めて実態として大きな格差が存在をしているというふうに認識をしております。 そこで、本法律案では、こうした格差の解消を目指すために、雇用形態にかかわらずその職務に応じた待遇を受けることができるようにする等の基本理念を第二条に定めまして、その下で、雇用形態による職務や待遇の相違についての調査研究の実施、また、通常の労働者とそれ以外の労働者の待遇に係る制度の共通化の推進等の施策を実施することによって、パートタイム労働者の職務に応じた待遇の確保を現実的に推進をしていくこととしております。
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。 具体的な事例に即してお伺いいたしたいと思います。 まず、正規と非正規の待遇格差の分かりやすい例として、通勤手当の支給について確認させていただきたいと思います。 比較対象となるいわゆる正社員が通勤手当の支給を受けている場合において、同じ企業で働くパートタイム労働者、また有期雇用労働者、派遣労働者、こういった方々に対する通勤手当の支給について、現行の均等・均衡待遇規定上どのように判断されるのでしょうか。 事前に私が確認しましたところ、短時間労働者や有期雇用であることを理由として通勤手当が支給されていない場合は法律違反になるということが分かりました。派遣労働者についても均衡の考慮が要請されるとのことで、法律的には、正社員、正規雇用と格差を設けることはこの流れからして好ましくないというベクトルに動くと思うんですね、方向性だと思うんです。 それでは、実態として、正社員、パートタイム労働者、有期雇用労働者、派遣労働者に対して通勤手当はどの程度の割合で支給されているか、お伺いしたいと思います。大臣、お願いします。
○副大臣(山本香苗君) 事実関係ですので私の方から答弁させていただきますが、正社員とパートタイム労働者、有期雇用労働者につきまして事業者の割合と、派遣労働者については労働者の割合となっておりますので、単純な比較ができないことだけ先に御留意いただきたいと思いますけれども。 〔委員長退席、理事福岡資麿君着席〕 正社員につきましては、事業所ベースで見ますと、全体の八六%でございます。パートタイム労働者につきましては、正社員とパートの両方を雇用している事業所のうちの六五・一%。そして有期雇用労働者につきましても、事業所ベースで見ますと七八・四%。派遣労働者につきましては、派遣労働者全体の四五・五%となっております。
○牧山ひろえ君 今副大臣がおっしゃった数字を見ても、やはり正社員と非正規労働者の方々には、通勤手当一つ取ってみても待遇の格差が非常にあるということが分かります。 発議者にお伺いしますけれども、同じ企業の正社員には通勤手当が支給されている場合において、パート、有期、派遣などの非正規雇用労働者については通勤手当が支給されていないケースが今回の新法によって改善されるというふうに見込んでよろしいんでしょうか。
○衆議院議員(井坂信彦君) 本法案の第六条第一項で、国は、雇用形態の異なる労働者についてもその待遇の相違が不合理なものとならないようにするために、事業主が行う通常の労働者及びそれ以外の労働者の間の待遇に係る制度の共通化の推進その他の必要な施策を講ずるものとするというふうに定めております。 この制度の共通化の推進という中には、当然通勤手当などの仕組みも入りますし、それによって、本法案によって、いわゆる非正規労働者の通勤手当についても実態が改善をされるということを期待をしているものであります。
○牧山ひろえ君 派遣も期待してもよろしいでしょうか。
○衆議院議員(井坂信彦君) 本法案は、特にこの六条一に関しては派遣を除外をしているものではありませんので、制度の共通化ということになります。
○牧山ひろえ君 では、期待していいということでよろしいですね。 修正案の内容について発議者にお伺いします。 提出時の原案では、第二条第二号などに、正規労働者、いわゆる正社員の定義が入っていました。それによりますと、正規労働者とは、期間の定めのない労働契約を締結している労働者、派遣労働者を除きますが、であって一週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される他の労働者に比べて短くないものというふうに規定されていました。つまりは、無期、フルタイム、そして直接雇用の者を正社員と法律上定義することで、非正規雇用労働者の待遇の均等を図る相手と、そして非正規雇用労働者からの転換を目指す先を明確にしていたんです。しかしながら、修正によって、何ら定義がない「通常の労働者」という文言に置き換えられてしまいました。 〔理事福岡資麿君退席、委員長着席〕 先般の委員会、また今日の委員会の中でも、我が党の白委員から政府に対して、全く疑問であると指摘をしたところでありますが、当局は正社員を法律上定義することをかたくなに拒む傾向があります。当局は、正社員そして正規労働者が法律上明確に定義されていないからと言いますが、それは通常の労働者だって同じことです。むしろ、原案がそうしていたように、目指すべきモデル的な就業形態として、これを機会に法律で定義付けさえすればいい話だと思うんですね。 今回の与党が加わった修正の経緯を見ましても、あえて明確化したくないんではないかと思わざるを得ないんです。これが修正案の問題点の一つ目です。 次に、派遣労働者の待遇について定めた第六条第二項についてお伺いしたいと思います。 原案では、派遣労働者につきまして、派遣先に雇用される労働者との間において待遇の均等の実現を図るというふうになっていました。しかしながら、修正によって「均等な待遇及び均衡のとれた待遇の実現を図る」と変更されています。均等待遇だけではなく、均衡待遇を加えた理由を御説明いただきたいと思います。
○衆議院議員(高鳥修一君) 牧山委員にお答えをいたします。 まず、「正規労働者」を「通常の労働者」と書き換えたということから申し上げますけれども、先ほど来御議論いただいているとおり、正規労働者を法律上に規定したものはこれまでなかったということでありまして、修正案ではこの正規労働者について、いわゆる正規雇用労働者を指すものとして、パートタイム労働法等の現行の労働関係法令で一般的に用いられている通常の労働者に置き換えるとしたところでございます。一言で言えば、現行法と文言を合わせたということでございます。 それから、均等につきましてでございますけれども、第六条二項ですね、均等待遇だけではなく均衡待遇を加えた理由でございますが、派遣労働者と派遣先に雇用される労働者では雇用主や人材活用の仕組みが異なっているところでございまして、均等待遇に加えて、人材活用の仕組みが異なる場合であっても均衡の取れた待遇の実現を図るという観点から、均衡待遇についても明記をするということとしたものでございます。これは、均衡を加えることによりまして、より保護の対象を広げるということを明文化することを意図しております。
○牧山ひろえ君 正社員に関しましては是非定義を決めていただかないと、非常に混乱を招きますし、これまでの議論も成り立たなくなっちゃうと思いますね。後で質疑録をいろんな部分で読み返したんですけれども、それによって意味が本当に不明になってしまいますし、また、目指すべき方向が見えないと思います。 それから、今、より保護をするような方向でというふうに均衡の言葉を定義されておりましたけれども、実際にそのように本当になるのかどうか、非常に疑問に思います。 第六条第二項の読み方についてお伺いします。 「均等な待遇及び均衡のとれた待遇の実現を図る」というのは、又はですとか、あるいはというふうに書いていなくて、及びという言葉で接続されています。これは均衡待遇を図るだけでは足りず、均等待遇についてまでも実現を図るものとしていると理解してよろしいでしょうか。
○衆議院議員(井坂信彦君) 職務に応じた待遇の確保というのは、これは、職務の差がなければ待遇も同じであるべき、また職務の差があれば待遇の差はその差の程度に応じたものであるべきというものであり、いわゆる均等と均衡の両方を含むものであります。
○牧山ひろえ君 ということは、より今まで以上に高いレベルの保護を約束されるという意味で捉えてもよろしいでしょうか。
○衆議院議員(井坂信彦君) 均等ということを明記をさせていただいておりますので、均等と均衡の両方を含むということであります。
○牧山ひろえ君 今まで以上の高いレベルの保護が期待されるということでよろしいでしょうか。
○衆議院議員(井坂信彦君) 職務の差がなければ待遇が同じと、それで、職務の差があればその差に応じた同程度の差という意味で均衡という場合もあり得るということであります。
○牧山ひろえ君 給料が高くなるかどうかということを聞いておりますので、明確にお答えいただければと思います。
○衆議院議員(井坂信彦君) この均等、均衡という部分以外にも、まさに、例えばパートであれば、均等及び均衡ということで、八条、九条で明記をされているにもかかわらず、先ほど御指摘があったような実態があるわけであります。こうした実態上の格差を調査、そしてそれに続く措置ということで実態上の格差も縮めていくということも本法案の大きな目的でありますので、それらと併せ持ってきちんと待遇が上がっていくことを期待しているものであります。
○牧山ひろえ君 是非、期待ではなくて、実際に上がるというふうに明言していただければと思います。
○衆議院議員(井坂信彦君) 我々の法案では、政府にこうした措置を求めるものでありますので、実際、各企業が最終的に政府が行った措置に基づいて給与を決めていくと認識しておりますので、私の段階ではやはり政府に対してはそういう措置を求める、各企業の各現場でそういう実態上の格差の縮小が進んでいくことは、やはり期待としかなかなかお答えができないというふうに考えております。
○牧山ひろえ君 是非そのように期待したいと思います。 同じく六条二項について、「均等」の前段が「職務に応じた」から「業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度その他の事情に応じた」というふうに置き換わっています。職務には客観性がありますが、責任ですとか事情は主観的な要素が入り込むと思うんですね。 対象が大幅に拡大している上に基準として曖昧過ぎるために、均等ないし均衡待遇推進という視点からはその実効性について問題があると考えますが、その辺りの懸念に関してはどのようにお答えになりますでしょうか。
○衆議院議員(井坂信彦君) 本法案に言う職務というのは、その人が担当している仕事といったものであります。理念的に幅広い概念として用いており、この職務の判断に当たって、具体的な業務の内容だけではなく、責任の程度や業務内容や配置の変更の範囲などの要素が入るということは否定はしておりません。
○牧山ひろえ君 もうちょっと具体的に説明していただければと思います。
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
○衆議院議員(井坂信彦君) 済みませんでした。 現行のパートタイム労働法の八条でも、同じように待遇の相違という中で、業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度ということで、これを以下職務の内容というふうに定義をしているところであります。
○牧山ひろえ君 ちょっと不明な部分というか、余りはっきりとした回答ではないと思います、正直。 是非、責任ですとか事情に関しては基準を決めていただきたいんですが、いかがでしょうか。
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
○衆議院議員(井坂信彦君) 本法案の中で基準を決めるべきだという御意見であると思いますが、先ほど申し上げたように、パートタイム労働法でも責任というものも入って書かれておりますので、そこと合わせて本法案でも書かせていただいているということであります。
○牧山ひろえ君 ちょっと説明が足りないと思います。 今回の修正によって、均等待遇法案が均衡待遇法案に変わったと評されています。均等待遇はイコールを求めるのに対し、均衡待遇は比較対象となる労働者の待遇とのバランスを考慮するにとどまると一般的には言われています。 では、何をもって均衡している、あるいはバランスが取れていると判断するんでしょうか。具体的に基準や目安を御教示いただければと思います。
○衆議院議員(高鳥修一君) 均衡の判断基準でございますけれども、職務に応じた待遇の確保というのは、職務の差がなければ待遇も同じであるべきであるということでありまして、職務の差があれば待遇の差はその差の程度に応じたものであるべきということでございまして、いわゆる均等と均衡の両方を含むものでございますが、ある待遇の差が均衡かどうかを判断するに当たっては、その待遇の差が職務の差の程度に応じたものであるかどうかが考慮されるものと考えております。
○牧山ひろえ君 ちょっと意味が不明というか、非常に曖昧という印象しか持てないんですね。さっきの責任とか事情のような言葉と同じで、それではちょっと困ります。そもそも均衡概念自体、日本独特の概念で、国際標準じゃないんですね。目指すべき基準としては不明確ではないでしょうか。 原案では、必要となる法制上の措置を施行後一年以内に講ずるとしていましたが、修正によって、施行後三年以内に法制上の措置を含む必要な措置を講ずるとされています。なぜ期限を原案の一年から三年に延長したんでしょうか。
○衆議院議員(高鳥修一君) お答えをいたします。 一年以内を三年以内とした点につきましては、職務の実態、均等・均衡待遇に関する制度運営の状況等についての調査をまずしっかりしていただかなければならないわけでありますが、それを踏まえまして、労政審で議論をした上で、我が国の実情等を考慮しつつ検討していくことが考えられることから、そのための十分な期間を確保するため、法制上の措置を含む必要な措置を三年以内に講ずることといたしたところでございます。
○牧山ひろえ君 何をもって三年にしたのか、具体的な理由が全然伝わってこないです。単に先延ばししたというふうにしか思えません。三年というのは、今の現状を見ても時間を掛け過ぎだと思います。 法制上の措置を含む必要な措置というのは何を想定しているんでしょうか。御説明ください。
○衆議院議員(高鳥修一君) お答えいたします。 法制上の措置を含む必要な措置と申しますのは、法制上の措置に限定せず、予算上の措置あるいは運用の改善等を含む様々な施策を含む必要な措置を行っていくことを想定いたしております。
○牧山ひろえ君 わざわざ法案に書き込まなくても、それでは原案のままでもやれるということですし、上位法規であります立法措置が明記されている以上、行政規制の一種として当然やるべきだと思うんですね。それをわざわざ法制上の措置を含む必要な措置と変更したのは、法制上の措置をやらなくても済むようにという趣旨としか解釈できないんですが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(高鳥修一君) 法制上の措置はあくまでも明文化されて残っておりますので、それを決して否定したものではないと考えております。
○牧山ひろえ君 結果として必ずしも実効性が期待できる法律の制定によらなくてもいい、法的に規制する必要がなくなったということになってしまうと思うんですね。 あえて言ってしまえば、厚生労働省内部のやったふりのアリバイの仕事で済ませることができてしまうということではないでしょうか。
○衆議院議員(井坂信彦君) 原案の方でも、必要となる法制上の措置を一年以内ということで書かせていただいておりました。ですから、法制上の措置、もちろん必要な法制上の措置はやるということで、これは修正案においても法制上の措置が必要であればそれはやるということだということであります。
○牧山ひろえ君 私は、やっぱりこれはやったふりで済ませることができてしまうだけになってしまうと思います。 原案発議者にお伺いしますが、元々の原案と修正案、どちらが本来今回の新法を制定されようとした趣旨にかなっているとお考えですか。端的にお答えください。
○衆議院議員(井坂信彦君) 私は原案の作成者ですので、原案をもちろん当初善かれと思って起案したものでありますが、しかし実際、国会で通していく中で今回の修正協議が行われ、そして衆議院を通過して、今参議院で御議論いただいているということは、これはこれで意義のあることだというふうに考えております。
○牧山ひろえ君 今の議論の中で私が思ったのは、残念ながら正規と非正規間の格差改善につながらない骨抜き法案となってしまっていることがこの議論で明らかになったと思います。 修正内容については心からの遺憾の意を表明し、質問を終わらせていただきたいと思います。
○委員長(丸川珠代君) 午後一時二十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時十八分休憩 ─────・───── 午後一時二十分開会
○委員長(丸川珠代君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、労働者の職務に応じた待遇の確保等のための施策の推進に関する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○長沢広明君 公明党の長沢広明です。 今日は、いわゆる同一労働同一賃金法案について、確認も含めまして質問させていただき、時間があれば少し派遣法に関連して質問させていただきたいというふうに思っております。 我が党は、国民が安心して働ける雇用環境を整えるということのために、非正規雇用労働者の待遇改善にも一生懸命取り組んでまいりました。正規、非正規雇用労働者間の待遇格差を是正するということのために、雇用形態にかかわらず同一労働同一賃金が保障される均等待遇が目指すべき理想型であると考えております。 現在、この委員会で審議中の労働者派遣法改正案においては、公明党の主張が反映されて、均等・均衡待遇の在り方を検討するため、調査研究その他必要な措置を講ずるとの規定が盛り込まれております。今日審議されるこの法案につきましても、衆議院で修正の上、我が党も賛成しておりまして、正規、非正規雇用労働者の待遇格差の是正のためにはこの法案の成立が必要だというふうに考えております。 そこで、確認の質問に入りたいと思います。 まず、EU指令に関連して確認したいと思いますが、EUでは、正規、非正規雇用労働者間の待遇格差の是正のために、EU指令により雇用形態に係る均等待遇について定められております。均等待遇、同一価値労働同一賃金と、これに関する法規制についてはEUの状況が参考になるという意見もありますので、これについて確認をさせていただきますが、まず、EUにおいて、パートタイム労働指令、それから有期労働指令、派遣労働指令、これにより、パート、有期、派遣、それぞれの均等待遇について言及していると、このように承知をしておりますけれども、その内容の概略と指令の成立した時期について説明を願いたいと思います。
○政府参考人(勝田智明君) EU指令についてのお尋ねについてお答え申し上げたいと思います。 パートタイム労働者につきましては、一九九七年に成立いたしましたパートタイム労働指令において、パートタイム労働者に対する非差別原則、フルタイム労働者への転職希望への配慮義務等について規定しております。 また、有期契約労働者につきましては、一九九九年に成立いたしました有期労働指令におきまして、有期契約労働者に対する非差別原則、有期契約の反復更新による制度の濫用防止等について規定しております。 さらに、派遣労働者につきましては、二〇〇八年に成立いたしました派遣労働指令において、派遣労働者と派遣先の労働者との均等待遇原則等について規定しているところでございます。
○長沢広明君 いわゆる差別の禁止という一貫した流れがあるわけですけれども、今ありましたとおり、パートタイム労働指令が一九九七年、有期労働指令が一九九九年、派遣については二〇〇八年と差が付いております。 EUで派遣労働指令がパートや有期に関する指令よりもこのように成立が遅れたということについて、この理由についてはどのように把握をされていますか。お答え願いたいと思います。
○政府参考人(坂口卓君) お答えいたします。 今議員の方から御紹介ございましたように、EUにおいて、派遣労働指令というものにつきましては、二〇〇八年の欧州議会で可決されて成立に至ったということでございますが、その原案については二〇〇二年に欧州委員会から原案が提出されて、六年間の協議を経て成立したということで承知をしております。 この点につきましては、派遣労働につきましては、パートや有期というような他の非正規の方とは異なって、派遣元で常用的に雇用されている労働者について、派遣先の労働者との均衡を図ることが適切であるかというような固有の問題もありますので、職務給が一般的という欧州諸国でも、やはりいろいろな各国間での合意の調整ということに時間が掛かったと考えられるところでございます。 私どもとしては、具体的な部分で詳細の部分は分からないところがございますけれども、EUの諸国による調整の中では、この指令の中でも均等待遇原則が適用される労働者の範囲等もやはり大きく問題になって、議論の結果、例えば常用派遣労働者、短期の派遣労働者については一定の場合に均等待遇原則を適用としないというような、例えば派遣期間が短い場合は適用しなくてもいいとか、そういうようなことも各国が整備することができるというような指令の内容になったということを承知しております。 ただ、いずれにしても、詳しいこと、あるいは実態等々についてはまだ不明な点もございますので、私どもとしましては、諸外国、こういったEU諸国も含めての実情の把握ということに更に努めたいと考えております。
○長沢広明君 詳細についてはまだ不明な点は多いということですけれども、パートや有期に関する指令より派遣労働の指令がやっぱり時間が掛かったというのが現実でございます。 その中には、合意を調整するのに時間が掛かった理由として、やっぱり派遣労働者と派遣先の労働者の間の同一価値労働同一賃金について幾つか恐らく障害があったんだろうということでございますが、これは、我が国においても均等・均衡待遇の法制化というものにはなかなか難しい問題があるということは承知をしております。特に我が国では、正社員の待遇がそれぞれの企業内で決定される、その一方で、派遣労働者の賃金等の待遇は外部労働市場において決定されるということが多いということで、派遣労働者と派遣先の労働者の間の均等・均衡待遇を法制化することは困難というふうに今までも言われてまいりました。 そこで、これを乗り越えていくようなことをきちんと分析しながら進めていくことは必要だと思いますので、派遣労働者の均等・均衡待遇について法制化するに当たり、例えば、労働契約法第二十条、それから、それと同様の規定を置いているパートタイム労働法の第八条、こういうような規定を置くとした場合、我が国の場合、どういう障害、障壁があると考えているか、その認識について示してもらいたいと思います。
○政府参考人(坂口卓君) 今議員の方からありましたような、労働者間の労働条件の相違ということについて不合理なものとならないようにするということは非常に重要な課題だということで認識をしております。 今、具体的に議員の方から、派遣労働者の場合のどのような障壁ということがございましたけれども、派遣労働者と派遣先の労働者との間の待遇の相違ということになりますと、今議員の方からも御紹介ありましたけれども、派遣の場合は、賃金などの待遇を決定するという主体が、雇用主が派遣会社、派遣元ということでございますので、そういった主体が派遣先の労働者と比べるということになりますと違うということがやはり一番大きな点でございます。 それから、派遣会社にとっては、比較対象を派遣先の労働者ということになりますと、その比較対象となる派遣先の労働者のいろんな待遇、賃金情報等の入手ということがやはり困難、相当派遣先の協力が必要ということがございますので、そういった特殊な事情ということから考えると、やはりすぐさま不合理な労働条件の禁止を規定するということについては非常に実務的な課題が多いということで私どもとしては考えております。 そういったことから、今回は均衡待遇ということを一層推進するために、私どもとしては今回の改正案を提案させていただいているということでございます。
○長沢広明君 今確認しましたとおり、派遣労働者についての均等待遇を法規制するということは、EUにおいても非常に時間を要した課題であったと。パートタイム労働者とは異なって、派遣労働者は間接雇用であるということで更に法規制が難しいという側面もあるということでございます。 この点を踏まえて衆議院においては修正がされ、第六条二項において、派遣先の労働者との間において均等な待遇だけでなく均衡の取れた待遇の実現を図ると規定されたということは、より実現可能性を高めた内容であるというふうに私どもは考えたいというふうに思っております。 第六条第二項において、派遣労働者について均等の実現を図るため、一年以内に必要な法律上の措置を講ずると元々されていたところ、これを、均等・均衡待遇を図るため、三年以内に法制上の措置を含む必要な措置を講ずる等と修正した理由について御説明いただきたいと思います。
○衆議院議員(古屋範子君) 我が国の雇用環境の現状等を踏まえまして、現実的かつ実効的な規定を設けるという観点から修正を行いました。 まず、均衡待遇を加えた点につきましては、派遣労働者と派遣先に雇用される労働者では雇用主や人材活用の仕組みが異なるところ、均等待遇に加えて、人材活用の仕組み等が異なる場合であっても均衡の取れた待遇の実現を図るという観点から、均衡待遇についても明記することとしたものでございます。 また、法制上の措置を含む必要な措置とした点につきましては、法制上の措置に限定せず、予算上の措置等様々な施策を含む必要な措置を行っていくことといたしました。 また、御指摘ありましたように、一年以内を三年以内とした点につきましては、職務の実態、均等・均衡待遇に関する制度の運営の状況等についてまず調査をし、それを踏まえて労働政策審議会で議論した上で、我が国の実情等を考慮しつつ検討していくことが考えられることから、その十分な期間を確保する、法制上の措置を含む必要な措置を三年以内に講ずるとしたところでございます。
○長沢広明君 現実的、そして実現可能性を求めた結果の修正であり、法制上の措置を含む必要な措置ということは、法制上の措置もしっかり視野に入れて取り組んでいく、こういうことであるということを確認をしておきたいというふうに思います。 職務に応じた待遇を決定するに当たってどういうことを考慮するかということですが、パートタイム労働法では、職務の内容、人材活用の仕組み、運用等が通常の労働者と同一であるパートタイム労働者の待遇について、正社員との差別的な取扱いは禁止というふうにされております。人材活用の仕組み、運用等が通常の労働者と同一かどうかを判断するに当たっては、職務内容や配置の変更の範囲ないしそのありなしということが比較をされるというふうになっております。 本法案において、職務に応じた待遇を決定するに当たって、人材活用の仕組み、運用等が異なることについて考慮することは全く許容されないんでしょうか。発議者に確認したいと思います。
○衆議院議員(井坂信彦君) 現行法上のパートタイム労働法の八条及び九条で均等及び均衡待遇、また有期雇用労働者の労働契約法第二十条での均衡待遇と同様に、現行これらの規定と同様に、具体的な業務の内容のほか、責任の程度、また業務内容や配置の変更の範囲なども現行のこれらパートや有期の規定でも含まれておりますので、本法案においても、同一の職務といったときのその評価としてこのような要素が入ることを否定するものではありません。
○長沢広明君 続いて、第七条第一項の修正について伺いたいと思います。 第七条では、労働者が自らの希望する雇用形態で就労することが不当に妨げられることのないよう、国が雇用環境の整備のために必要な施策を講ずること、これが定められております。 原案では、「採用及び管理的地位への登用等の雇用管理の方法の多様化の推進」、こう書かれていたところ、衆議院において、「就業形態の設定、採用及び管理的地位への登用等の雇用管理の方法の多様化の推進」と、このように修正をされておりまして、いわゆる第七条第一項に就業形態の設定という言葉が追加をされております。この追加をした理由について説明をお願いしたいと思います。
○衆議院議員(古屋範子君) 今回の修正案によりまして、雇用環境の整備のために国が講ずる施策の対象に労働者の就業形態の設定を追加をいたしました。これは、いわゆる多様な正社員を推進するものでございます。 この点につきましては、正規、非正規の二極化を解消し、就業形態にかかわらず安心して生活できる環境を整備するために、勤務地や職務を限定した正社員など、多元的な働き方の普及を図っていくことが重要な方策の一つであると考えているところでございます。
○長沢広明君 主に正規、非正規の二極化、分化ということを何とか和らげるためにこの就業形態の設定ということを追加をしたということで、この修正も、ある意味で非常に幅広い働き方を許容しながらも、非正規、正規の壁をできるだけ取り払って均衡待遇を実現し、そして均等待遇を目指していく、こういう趣旨をその中に織り込んでいるということを確認をさせていただきました。 この均等待遇を法規制することについて、なかなか困難ではありながら、一歩一歩こうやって前進をしてきているということをここまでちょっと少しずつ議論させてもらいましたけれども、同一労働同一賃金が保障される均等待遇というのは、これは目指すべき理想型であるというふうに思っております。ただし、それを拙速に事を運ぶことで逆に現実の労働実態から乖離した法規制になってしまったのでは、それは逆にその法規制の実効性が担保されなくなってしまうということがあると思います。 我々も均等待遇を目指して知恵を絞っていきたいと、こういうふうに思ってこれからも取り組んでいくつもりでございますが、厚生労働省にも引き続き鋭意検討していただきたいというふうに思っておりますので、この均等待遇の法規制に関する検討について大臣はどのようなお考えを持っているか、御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほどEUに関する御質問をいただいたときに、パートタイム労働者についての均等待遇から遅れること十一年たって、派遣労働者についてEU指令ができたというお話がございました。 今お話にありましたとおり、私どもとしても、均等待遇を目指すということ、あるいはこの均等待遇の考え方自体大変重要な考え方だということは繰り返し申し上げてきていますが、一方で、日本は職務給というのがなかなか普及をしていない中で職能給が長い間取られてきた。 そういう中で、様々な問題を乗り越えなければ、EUでもなかなかうまくいかなかったということでございますから、ということは、労使において十分なやっぱり審議が、御議論をいただくということが大事なんだろうというふうに思うわけでございまして、関係労使等による十分な議論がされないままに現実から乖離した法規制を行うということになると、それはそれでやはりいろいろな問題があったり、実効性が担保されないというようなことが懸念をされるわけでございますので、諸外国の状況の把握等をしっかりと行って、他の国でどのようなところで苦労をし、工夫をしやってきたかということをよく研究した上で必要な検討を進めてまいりたいというふうに思うところでございます。
○長沢広明君 あくまでも均等待遇ということをしっかり目指していく、そのための必要な立法措置をしっかり検討していくということが大原則だというふうに思いますが、それへ向けて、今できることからしっかり進めていくということも必要だというふうに思っております。 独立行政法人労働政策研究・研修機構が平成二十三年に発表した研究会の報告書の中に、これにちょっと触れております。 EUでは、差別禁止法一般について、つまり均等、いわゆる同一価値労働同一賃金ということを含めた差別禁止法一般について、法違反による事後的救済のみでは十分に効果が上がらないことから、当事者自らによる改善に向けた取組を促すアプローチも導入されていることを参考に、日本においても、個別企業による正規、非正規労働者間の処遇の差の実態把握や、当該処遇格差が不合理な場合の是正に向けた労使の取組を進めることは、非正規労働者の処遇の改善及び納得性の向上に資すると考えられるという提言がされております。 つまり、EUでも法違反による、つまり法規制による事後的救済だけでは十分に効果が上がらない、したがって、当事者による取組ということをきちんとアプローチとしてちゃんと用意をして、それを導入しているということを参考に日本としてもすべきであると。日本の場合は、個別企業による正規、非正規労働者間の処遇の差の実態をまず把握する必要がある、その実態を把握した上で、その処遇格差が不合理な場合、それを是正するための労使の取組、これをしっかり進めるということもやっていくことが非正規労働者の処遇の改善及びそれに対する納得性の向上、これに十分役に立つのではないかと、こういう提言でございます。 実体規制の法制化、もちろんこの立法措置、先ほど繰り返して申し上げたとおり、均等待遇へ向けたしっかりとした立法措置をしっかり検討して進めていくということは大事。実体規制の法制化のみでなく、それ以外にも、処遇格差を、実態を把握した上で、格差の是正に向けた当事者間の取組を側面から支援する方策ということも同時にきちんと組み立てていくということも重要だというふうに考えますが、この点についての大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) おっしゃるとおり、実体規制の法制化だけではなくて、当事者間の努力を側面的にバックアップするということについての重要性を今御指摘をいただいて、そのとおりだと思いますので、私どもとしては、この法案が成立した暁には、まずは本法の第五条に規定をされた調査研究、これによって労働者の雇用形態の実態とか、あるいは労働者の雇用形態による賃金あるいは教育訓練、福利厚生その他の待遇の相違の実態などを把握した上で、これらに基づき、関係の労使等により必要な議論を進めていただくことが重要だというふうに考えているところでございます。 また、正社員を希望する方の正社員化、あるいは非正規の方の処遇改善に向けては、これも何度も申し上げてきたとおり、キャリアアップ助成金も拡充をしてきているところでございますし、働く方々がまさに働きがいを持つことができる環境をバックアップしながら整備をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○長沢広明君 是非、法制化を進めると同時に、現実的な格差、不合理な格差の是正をする様々なアプローチ、これを幾つも用意していくということが今現実に働いている皆さんに対する支援策になっていくというふうに思いますので、積極的に検討を進めていただきたいというふうに思います。 若者の就労支援についてちょっと伺いたいというように思っております。 新卒一括採用ということが日本の慣行になってきておりますが、新卒時に正社員として就職できなかった場合、その後正社員となることが困難であるという指摘があることを踏まえますと、不本意な非正規労働者の増加を防ぐためには、そもそも就職活動のときに若者が希望する就職を実現するための就職時の支援ということも重要だというふうに思います。今年四月、この委員会で先議して可決、衆議院に送付をしました青少年雇用促進法案、いわゆる若者雇用法ですね、これもそろそろ衆議院でも審議されるタイミングであります。 若者の雇用についてもちょっと確認の意味で伺いたいというふうに思いますが、若者の就労支援を行う場として、国が設置するわかものハローワーク、それから都道府県が設置するジョブカフェがあります。多様な就労支援のメニューが準備されていることは望ましいことでありますけれども、若者の立場にすると、どの施設を訪問してどう利用すればいいか分からないケースも多い。利用者の側に立つ必要があるというふうに思っています。 わかものハローワーク等とジョブカフェの役割分担それから連携、若者を最適な就労支援施設に誘導していくための広報活動、これは非常に大きな支援策になるというふうに思っておりますが、この点についての政府の見解を示してもらいたいと思います。
○政府参考人(坂口卓君) 今委員の方からお尋ねがございましたわかものハローワークは、おおむね四十五歳未満で正規雇用での就職を希望する方に対しての専門的な就職支援をする施設でございます。また、新卒応援ハローワークもございますけれども、こちらの方は就職活動中の学生あるいは既卒者の方に対する就職を支援する施設ということで、これらについては国が設置しているものでございます。それから、御質問の中でもありましたジョブカフェにつきましては、卒業年次前の学生や若手の社員の方々に対して、そういった様々な若者を対象に、地域の実情に即した幅広い就職関連サービスのワンストップ窓口として、これは都道府県が主体となって設置をしているものでございます。 これらにつきまして、私どもとしましても、両施設、例えば就職面接会を合同で開催したり、あるいはジョブカフェ、三十八か所に及びますけれども、これらの国の施設と併設されるというようなこともございまして、双方が連携して支援を進めているところでございまして、引き続きこの連携をしっかり深めてまいりたいと思います。 それから、二つ目の周知等広報活動についてのお尋ねでございますけれども、まさに委員御指摘のとおり、これらの施設の役割であったり、あるいはこういった施設が行っている各種の支援策というものが若者の方々に広く理解されるということが重要かと思いますので、わかものハローワークあるいはジョブカフェを含むこういった就職支援策につきまして、ハローワークの職員が高校や大学の方に訪問して周知をするということもございますし、当然ホームページ等でのPRということも含めて、どういったところにどういった場合に行けばいいかというようなこともよく分かるように、引き続き積極的に周知広報活動をしっかり行ってまいりたいと思います。
○長沢広明君 若者の就労支援ということに関連して、新規学卒者に対する就職活動の支援ですけれども、今年度の新卒者から経団連の指針で採用選考活動のスケジュールが繰り下げられまして、八月一日からとなっております。就職活動に臨む学生たちにとっては、先輩たちよりも短期間の間に就職先を決めなければならないと。その一方で、インターンシップを活用する企業も増えていますし、例年どおり春から選考活動を行っている経団連非加盟企業も少なくないということで、就職活動における学生の負担は実質的には長期化しているという指摘も一方ではあります。 こういう中で、就職相談やセミナーを通じた支援を求める学生は多いと思われますし、政府としても、平成二十五年四月に関係省庁の連名で公表した対応方針で、就職活動時期の後ろ倒しに対して、今後就職活動時期を迎える若者に不安と混乱が生じないよう丁寧な対応を行うというふうにしております。我が党も青年委員会から、採用活動の後ろ倒しに伴う支援体制の確保を図るべきだという提言をかつてさせていただきました。 現在、八月一日からの選考活動が開始されたところであるので、政府には、新卒応援ハローワークを中心にして全力で就職活動に臨む学生への支援をしっかりと強化してもらいたいと思いますので、今年度からこうした日程が後ろ倒しになったことの影響、それに対する厚生労働省の、現時点でどういう認識を持っているか、その上で、新卒応援ハローワークにおける新規学卒者向けの就職支援についての取組状況、これについて示してもらいたいと思います。
○政府参考人(坂口卓君) 今お尋ねがありました学生の就職採用活動の開始時期の変更の点でございます。 この点につきましては、学生の学習時間とか、あるいは留学生の方の就職機会の確保という観点から政府からお願いをさせていただいたということなどもありましたけれども、経済界あるいは大学関係者のそれぞれの自主的な取組で、一昨年の九月に、先ほど御紹介のあったような指針というものが示されたというところでございます。 まずもって、今委員の方からも御指摘ございましたけれども、今般のこの変更というものが学生あるいは企業にどういった影響を及ぼしたかということについてまずは実態把握をしていくということがしっかり必要だと考えておりますので、これは私どもだけではなくて、関係府省とも協力、連携しまして十月以降にしっかり調査を行って、その結果を踏まえた形での連携あるいは適切な対応ということをしっかり工夫をしていきたいと思います。 それから、新卒ハローワーク等での就職活動の支援ということでございますけれども、これまでも当然、ジョブサポーター等において個別の就職支援等も行ってきたわけでございますけれども、先ほどもございましたように、今般の就職活動の時期について、こういったものが学生さんの不安と混乱を招くというようなことがないようにということも十分念頭に置きながら就職支援に引き続き取り組むということと、十月一日内定開始になりますけれども、それ以降、未内定者の方が卒業までに就職できるようにということも含めて就職支援に万全を期してまいりたいと思います。
○長沢広明君 最後に一つ、これに関連して、オワハラというのが最近注目されています。就活を終われハラスメントということで、例えば、面接を受けているその場で、内々定を出すから、ほかの企業にはこの場で断りの電話を入れろと、こう言われて、もう就活を終わらせようとすると。あるいは、長期間にわたって拘束されて他社の選考を受けられなくなったとか、あるいは、内定が出た後、その後ほかも回っていたりしたら、何やっているんだ、内定取り消すぞと、こういうふうに警告されたと。こういうことで、ある意味、売手市場になっているということもあるのかもしれませんが、こういうことによって、企業からの圧力にどう対処すればいいかと、就職活動中の学生さんには分からないわけです。 こういうオワハラに対しての厚生労働省としての、今後、これはハラスメントに当たりますよとか、こういう事例を周知徹底を図るとか、こういうことをされていくということですけれども、学生に対する支援をどう取り組んでいくか、これをお伺いして、終わりたいと思います。
○政府参考人(坂口卓君) 今委員の方から御指摘ありましたように、学生さん、当然、就職活動を行うに当たって、職業選択の自由ということが保障されている中で適正に就職活動を行っていただくということが非常に重要な課題でございます。 まさに今委員が幾つか事例で挙げられたような事象、いわゆるオワハラと言われているような事例が見られるということも事実でございますので、そういった事例も掲載した上で、私どもとしまして、七月三十一日付けで周知のリーフレットというものを作成をして、これを用いて都道府県労働局に企業等への周知徹底ということを図る、企業にしっかり理解を促進してもらうということを取組をしております。 また、新卒応援ハローワークなどでも学生さんから相談があった場合については、そういった事例が相談として寄せられれば、まずもって丁寧に学生さんの状況ということをお聞きさせていただいて、企業に対して事実確認を行った上で確認がされるということであれば、そういった行為は行わないということをしっかり適切に指導してまいりたいと考えております。
○長沢広明君 終わります。
○寺田典城君 維新の寺田典城でございます。よろしくお願いいたします。 国会議員もそうなんですが、地方議員だって、それから市町村長、公務員、これみんな報酬は税金から出ているわけなんですね。ですから、誰かの立場に偏ることなく、制度をつくる場合は公平性が義務付けられているんじゃないかなと思うんです。 それで、起案者の井坂議員ですが、雇用形態など問わずに、今回は、同じ内容の仕事をしているのであれば同じ賃金が支払われるという理想に近づけるような法律でありましたね、これ私、見ていますと。ところが、原案が修正になって、民主党の方も自民党の方も公明党の方も指摘もしておりましたけれども、「職務に応じた待遇の均等」の実現が、「その他の事情に応じた均等な待遇及び均衡のとれた待遇」に修正されているんです。どのような意図でこのような修正が行われたのか、その見解をお聞きしたいと思います。
○衆議院議員(高鳥修一君) 寺田委員にお答えをいたします。 第六条二項につきましては、我が国の雇用環境の現状を踏まえまして、現実的かつ実効ある規定とするという観点や、理念的な規定が多い本法案にあって均等待遇の実現などに向けて具体の措置を求める条項であることに鑑み、パートタイム労働法など均等待遇等を規定する労働関係法令の文言と整合性を図る観点から修正を行ったものでございます。 まず、均衡待遇を加えた点につきましては、派遣労働者と派遣先に雇用される労働者では雇用主や人材活用の仕組みが異なるところでございまして、そこに均等待遇に加えまして、人材活用の仕組みが異なる場合であっても均衡の取れた待遇の実現を図るという観点から、均衡待遇についても明記をすることとしたものでございます。均等だけでは対象にならない場合でも、均衡を加えることによって保護される対象者を広げたいという趣旨でございます。 また、職務の部分につきましては、職務と同趣旨で用いられる「業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度」に置き換えるとともに、職務以外の要素を広く評価して待遇を決定する我が国の雇用慣行に照らしまして、その他の事情を追記したものでございます。
○寺田典城君 先ほどもお聞きしました。要するに、「均衡のとれた」ということを入れることによって、社会にとって、働く人にとっても幅広く活用できるということなんですが、私は逆だと思うんですよ。均衡の取れた待遇ということを具体的な内容を明らかにしなければ、企業経営者がそれを悪用する可能性があるんですよ。安い方に近づけていくと。 要するに、派遣先にとって有利な法律ですし、派遣労働者は要するに文句言えなくなっちゃう可能性だってあるんですよ。だから、その辺、どう思うんですか。
○衆議院議員(高鳥修一君) 先生のおっしゃることも十分理解はできるんでございますが、先ほど私、答弁いたしましたのは、通常の労働者と職務が同じであれば待遇も同じである、これは均等に当てはまるわけでありますけれども、そういう通常の労働者以外の労働者は非常に少ないのではないかと思われます。 そこで、ここはポイントだと思うんですが、均等を決して否定しているわけではございません。均等の文言を残しながら、職務に差がある場合でもその程度に応じて保護される対象者を追加する、そういう意味で均衡を付け加えた次第でございます。
○寺田典城君 あえて均衡という言葉を入れる必要はなかったと思うんですよ。派遣先企業に対して、要するに、均等を努力義務規定にすれば、派遣労働者だって、これありますから少しそれを考えてもらえませんかと言えるんです。ところが、均衡となってしまったら、あっちの方に、安い方に均衡にしますよということになっちゃうんですよ。私はそれ経験してきているんです、地方労働委員会だとか何か、いろんな面で。 だから、公平性のない法律というのは社会にとってはマイナスなんですよ。その辺を一つ言わせていただきたいと思います。せっかく理念法だという、理想に近づけた法律がこのような形で修正になってくるというのは誠に残念であるなということを申し述べさせていただきたいと思います。 それと、二つ目になりますが、「このために必要となる法制上の措置については、この法律の施行後一年以内に講ずる」と書いているんです。ところが、「この法律の施行後、三年以内に法制上の措置を含む必要な措置を講ずる」と。またこれ、役所用語の最たるものですね。措置を含む必要な、それ、どういうことでこういうふうになったのか、その辺を教えてください。
○衆議院議員(高鳥修一君) お答えをいたします。 我が国の雇用環境の現状等を踏まえまして、現実的かつ実効ある規定とするという観点から修正を行ったものでございます。法制上の措置を含む必要な措置とした点につきましては、法制上の措置に限定せず、予算上の措置あるいは運用の改善等、様々な施策を含む必要な措置を行っていくこととしたものでありまして、法制上の措置を否定したものではございません。 また、一年以内を三年以内とした点につきましては、職務の実態、均等・均衡待遇に関する制度運営の状況等について、調査を踏まえまして労政審で議論した上で、我が国の実情等を考慮しつつ検討していくことが考えられますことから、十分な時間を確保するため、逆に申し上げれば、一年以内では非常に厳しいということを考えまして、法制上の措置を含む必要な措置を三年以内に講ずるとしたところでございます。
○寺田典城君 衆議院の法制局が書いた答弁読んでもらっても、それ、そのとおりしか出てこないんですよ。 要するに、法制上の措置を含む必要な措置ということになると、これ、裁量行政でどうでも、法律を作らないで裁量行政の中でもやっていけますよということなんですよ。高鳥先生は議員でございます、その辺おかしいじゃないかということをどうして、それから井坂さんも、その辺どう思います、突っ込んでみる必要あるんじゃないですか。
○衆議院議員(井坂信彦君) 法制上の措置が入るか入らないかということなんですけれども、原案でも、必要となる法制上の措置を一年以内に講じるというふうに書かせていただいておりました。 今回の修正案では、法制上の措置その他の措置、必要なものはやりますということで、じゃ、法制上の措置をやらなくても済んでしまうんではないかという御懸念だというふうに思いますが、原案と同じく、必要となる法制上の措置をやらなくてもよいというふうには理解をしておりません。原案も、必要じゃない法制上の措置はそもそもしないということでありますから、必要な法制上の措置は相変わらずするということだと思います。
○寺田典城君 いや、通達でも何でもいいんですよ。そういう形で役所が裁量行政でうまくやってしまうということ、そして三年も法律を先延ばしするということ、その三年先、何が起きているか分からないですよ、これは。派遣労働者だってどうなっているか。もっと景気が悪くなったりしている可能性だってあり得るんですよ。 だから、そういう点では、格差の社会で、やはりある面では働く人方をしっかり担保してやることが必要だと思うし、一九九〇年のバブル崩壊までは格差もなかったです。そして、経営者もどうだったというと、いい給料を与えて、いい賞与、ボーナスを与えることが経営者のステータスだったんですよ。ところが、今は賃金というのはコストの中へ入っちゃって、できるだけ安くという、だから四割近い非正規雇用もいるわけなんですよ。それを修正するのが、ある面では政治でしょう。 ですから、そういう点では、いかなる考えでこのような形になったのか、もう少し内心の意思を教えてください。
○衆議院議員(井坂信彦君) 一年か三年かということで、私も、もちろん原案を書いた人間ですから、早ければ早いほどいいというふうには思っております。 ただ一方で、労働関係の法律は特殊なルールで、必ず労政審で労使がしっかり話し合ってその上でという一つ余分に手続があることも鑑みまして、もちろん一年でできればいいと思って原案はそのように書かせていただきましたが、衆議院の修正の議論の中で、一年はさすがに無理だと、こういうやり取りの中で、じゃ、二年なのか三年なのか、これはもう本当に早ければ早いほどいい中で、三年ということで衆議院の段階では修正がされたということであります。
○寺田典城君 三年というのは、衆議院だって解散ある可能性だってあり得るし、参議院だってあるでしょうし、三年というのはひどいですよ、これは。大体長くたって二年だと思いますよ。だから、なぜ均衡も含めたこういう法律にしちゃうのかということなんです。 その辺が今の労働行政の、国会議員として報酬を得ているのは税金からだということを考えたら、もう少しそれは、偏ったのじゃなくて、もう少し派遣労働者に対して考える。これは、だから、何の視点なのか、派遣先企業のための視点なのか、派遣業者のための視点なのか、その辺がよく分からぬですよ、私。何か偏っていると思うんです。そう思いませんか。
○衆議院議員(井坂信彦君) 原案また修正案を作った議員も、企業あるいは派遣業者のためにというふうにこの法案を作っているわけではありません。やっぱり派遣労働者のために作っている法律でありますし、それが一年か三年かということでありましたら、私も三年後どうなっているか、これは誰も分からないわけでありますが、私もというのは、この私の議席が三年後あるのかないのかがこれはもちろん分からないということでありますが、しかし、早ければ早いほどいいという中で、実効性のある、また実務上本当に実現可能な期限ということで議論があって、三年になったということであります。
○寺田典城君 それで、公平性のない法律というのは社会にとって有害であると先ほども言わせてもらいました。そうなんです。知事やっておっても、そういうものに縛られて大変なんですよ、条例にも縛られたり。 格差を認めることになるんですよ、この法律は。要するに、均衡だと言って、経営者が、一番低い賃金で、あなたのを均衡にすればこうですよという形になっちゃうんですよ、悪用すれば。あり得るんですよ、今現在そうなんですよ。ですから、要するに、格差を認める法律というのは、自民党であっても公明党であっても維新の党であっても、出してはいけないと思うんですよ。その辺の見解をお聞きしたいと思うんですが。
○衆議院議員(井坂信彦君) 格差を認める法律かという御質問でありますが、我々は、格差を認める法律ではなくて、やはり格差を縮める法律という思いで本法律を提案をさせていただいております。 問題意識が、そもそもいわゆる正規と非正規の格差が法律上まずあるではないか、さらに、パートなどは法律上では均等、均衡と書かれているにもかかわらず、なお実態上の格差があるではないか、ここを縮めたいと、そういう思いで本法案を提出をさせていただきました。ですから、格差を認めるという意図は本法案に関しては全くありません。 均衡を付け加えることでこれは格差を許容しているではないかと、こういう御質問でありますが、何か均等だったら高いお給料で、均衡だったら安いお給料が認められるという、そういうことではないというふうに考えております。 同じ職務であれば同じ賃金、これが均等という考え方で、その周辺、卵の黄身が均等でしたら、その周辺に広がる白身のような場所に職務が少し違う、あるいは責任の程度が少し違う方々がおられて、そういう方々は、職務がちょっと違うとか責任がちょっと違うからといって急にがくんと待遇を下げてはいけませんよ、ちょっとの差なら待遇もちょっとの差でとどめなければいけませんよと、これが均衡という考え方だと思いますから、そもそも、均等にすべき人を均衡でいいという法律にはなっておりません。均等にすべき方、要は、全く同じ職務の方については同じ待遇にしなければいけないということで、ここは必ず均等にしなければいけないと、こういう理念であります。
○寺田典城君 私は、それ何回か説明聞きましたけど、企業者側にとってというか経営者側にとって有利な法案というのはマイナスの法案ですよ、働く人方にとって。だから、一歩前進だと井坂議員はおっしゃるけれど、それだったら何も、均等の努力規定でもすればよかったんじゃないですか。均衡なんて入れる必要は何もなかったんですよ。そうですよ。三年という先も必要ないんですよ。二年なら二年、もっと早く、できるだけ速やかにでもいいじゃないですか。 私は、これ委員会の皆さんに、この法律については採決を見送る、これが参議院の良識じゃないかなと思います。一応提案させていただきたいと思います。 そういうことで、ひとつ衆議院の提案者も、何というんですか、厳しいことをお話ししましたけれども、地労委の裁定の結果、公益委員だとかいろんな方々が、法律とかいろんな規則とかそういうものの中で働いている人方が、非常に苦労している人がいるということはよく理解して、セーフティーネットをつくってやることが一番大事なことじゃないのかなと、私はそう言わせていただきたいと思います。 ちなみに、私は五十歳まで経営者やっておりましたから、よくそういう点でも分かるつもりでございますし、ひとつ御理解賜りたいと思います。 それでは、次に移りたいと思います。 何とか法案の先送りをひとつ皆さんに、採決しないように、委員長、頭に入れてください。よろしくお願いします。 それと、今度は人材育成についてなんです。 大臣の方に、日経新聞のこれちょっと古い資料ですが、二〇一二年で、明日を担う力の陰りということの中で、所得の低迷ということで正社員と非正規の低迷がこんなにありますね。それから、企業の教育訓練投資が減少しているということで、二〇〇八、リーマン・ショックのときは三千三百億ぐらいまで減ったんですが、ピークのとき、一九九一年、バブル崩壊する寸前までだったんでしょうけれども、の八分の一ぐらい、三兆円ぐらいあるんですよ。 だから、人材育成の投資が大きく減少しているということ。やはり日本の国というのは資源がないから、私は、グローバルに対応できるような人材育成に最大限努力すべきだと思うんです。その辺を、大臣の御意見をお伺いしたいと思うんです。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今お配りいただいたのは二〇一二年七月の日経新聞でございまして、今の御指摘の点、つまり明日への投資というか、将来世代への投資が陰ってきているじゃないかと、こういう御懸念は、それは恐らく今も共通する点がまだまだ残っているというふうに思います。 近年の企業の支出する教育訓練費、これ、ちょうど真ん中に製造業、非製造業別にございますけれども、減少、横ばい傾向に他の資料を見てもなっておりまして、我が国の経済を持続的に成長させていくためにも、政府として企業への支援等を通じて人材育成にはしっかりと取り組まなければならないと思っていますし、この隣に秋田の国際教養大学が圧倒的な首位で人材育成で頑張っているという、注目を浴びている大学としてここに出ておりますけれども、大変示唆深い記事ではないかというふうに思います。 厚労省としても、企業が従業員に対して職業訓練をしっかりと行うということをバックアップするために助成措置を設けておりますし、また、求職中の方などを対象とした地域や産業界のニーズを踏まえた公共職業訓練、この実施をもちろんやっているわけでありますし、また日本再興戦略の改訂二〇一五の中でも、いわゆる能力開発の、言ってみれば企業が一人一人の働く人の節目節目でキャリアコンサルティングを行う気付きの機会としてのセルフ・キャリアドックというのを提案をしておりまして、個人の主体的なキャリア形成の支援を企業に対しても行うということで、また、かねてからございますジョブ・カード、この活用による職業能力開発の推進など、政府としても未来を支える人材力の強化に向けて実効性ある取組を進めなければならないと思いますし、今申し上げたことだけが全てではございませんし、教育投資も同じだろうというふうに思います。
○寺田典城君 私は、国民を豊かにするというのは、やはり日本国民がスキルというか能力を付けることだと思うんです。 ところが、今、地方創生とかとよく言われるんですが、例えば、地方の労働局の局長さんとかにも会って、もう少し職業能力的な学校をつくったらいかがですかと、そういう話をすると、ある面では働く場所がないからと、こう出てくるんです。私は、この国際教養大学、これちょっと先ほど大臣からお褒めをいただいたんですが、そういうつもりで挙げたんじゃないんです。要するに、職業能力を付けるということは、それを付ければ仕事のあるところに働きに行くことができるんですよ。まずそれが一番じゃないかと。 要するに、簡単に言って、地方創生で税で無理してそこに投資してみても、夕張市みたいになっちゃうんですよ。だから、税金で物をやって一時的に景気が良くしてみても、それより、だったら取りあえず人材育成して仕事のあるところで働いていただく、こういう考え方を徹底して厚生労働省はすべきだと思うんです。いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 文科大臣ではございませんので、教育関係について余り多くを申し上げるわけにいきませんし、厚生労働大臣としては、やはり職業能力の開発という意味において、今先生がおっしゃったように、将来を見据えて若い人の力を付けて、仕事のあるところで頑張ってもらうということが大事だということは間違いないわけで、先ほど申し上げたのは、そういう面で、私どもとしても、セルフ・キャリアドックとか、新しいことも含めて、職業能力をしっかりと付けていこうということに関しては後れを取ってはならないというふうに考えているところでございます。
○寺田典城君 時間でございますので。 国際教養大学というのは、大学であっても職業訓練的な、仕事訓練的な要素が三割も四割も入っているんですよ。ですから、その辺がこういう形になってくると思いますし、雇用保険ありますね、あれの雇用保険の事業、六兆円とかも入っていますし、雇用保険二事業もあるんですが、やはりそういうものも使ってスキルを身に付けさせるということが今厚生労働省が一番与えられた大きな使命じゃないのかなと、そう思っていますが、大臣の意気込みを聞きます。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたとおり、やっぱり人間力というか若い世代の人たちの生きていく力というものを、それを一つの形として職業の能力ということで付けていくというのが厚生労働省としての役割ではないかというふうに思いますので、それについて私どもとしてもこれまで以上に、人がやはり国をつくっていく、地方もつくっていく、そういう基本的な認識の下で更に頑張ってまいりたいというふうに思っているところでございます。
○寺田典城君 じゃ、時間になりましたので、どうもありがとうございました。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。 最初に、労働者の職務に応じた待遇の確保の法律案提案者にお聞きをします。 本法案は、修正前の当初案では、労働者の職務に応じた待遇の均等の実現を図るとされていました。提案者は、六月十日の衆議院の厚生労働委員会で、均等待遇は現実的ではないのではないかという自民党議員の指摘に対して、まずは法律に派遣でも明記する、ここがむしろ現実的な最低限のスタートラインではないかと答弁されています。 これ、私、非常に適切な、もうおっしゃるとおりだというふうに思うんですよ、この答弁は。井坂さんですね、これ。ところが、衆議院では、均等に加えて均衡が入るなどの修正が行われております。 そこでお聞きするんですが、当初案ではなぜ均衡を入れなかったのか。それから、修正案は当初案との比較で実効性にはどのような差が生じるのか。お答えください。
○衆議院議員(井坂信彦君) 原案、いわゆる当初案では、第六条第二項において、派遣労働者について均等な待遇の実現を目指すことを強調する観点から、均等のみをおっしゃるとおり明記をしていたところであります。 しかしながら、本法案での職務に応じた待遇というものは、職務の違いに応じた待遇の均衡、つまり、職務が少し違えば待遇もその幅だけは違ってもいいですよという均衡の概念も当然含み得るものと考えておりまして、第六条二項においても、派遣労働者について職務が違うことも当然想定されることから、そのような場合の均衡を元々別に排除をしていたわけではありません。 本修正案では、「均等な待遇及び均衡のとれた待遇」という文言により、派遣労働者について均等な待遇の実現を図るものとする旨は、これは均等ということは相変わらず明記をされております。 労働者派遣法において、現状は均衡の配慮義務までしか規定をされていない中で、今回の法案で均等を明記したということについては、これは原案と同じく均等・均衡待遇を推進する意義のあるものだというふうに考えております。
○小池晃君 私はやはり、当初案のときには均衡というのはあえて入れていないんだと思うんですよ、これは。やはり均衡では駄目だという判断があったから入れていないと思うので、今の説明はちょっとやっぱり後付けにしか私には聞こえないわけです。 当初案では、法施行後一年以内に法制上の措置を講じるとされていたんですが、これも今議論ありましたが、三年以内に法制上の措置を含む必要な措置となりました。 提案者は、必要な措置の中において法制上の措置はどのように位置付けているのか、必要な措置の中で最も急がれることは何なのか、法制上の措置が最も急がれると考えているのかどうかも含めてお答えください。
○衆議院議員(井坂信彦君) 法制上の措置を含む必要な措置と修正をされたことに関しては、これは法制上の措置だけに限定をせずに、予算上の措置その他様々な施策を含む必要な措置を行っていくこととしたものであります。 今回の修正を経た後でも、法制上の措置ということについては引き続き明記をしておりますし、原案の段階では、必要となる法制上の措置を一年以内に講ずると書いてあったのに対して、修正案では、三年以内に法制上の措置を含む必要な措置を講ずるということでありますから、一年、三年というこの期間の違いは、先ほど寺田委員との議論の中でも御指摘をいただいたところでありますが、必要な法制上の措置をやるかやらないかということに関しては、これは原案と修正案でも変わるところはないというふうに考えております。 その優先順位に関してなんですけれども、この法案の成立後、本法案が成立をしましたら、まさに職務の実態ですとか、あるいは均等・均衡待遇に関する制度運営の状況等についての調査をすることになっておりますので、こういった調査を踏まえて、労働政策審議会等においてまた検討をされていくものであるというふうに考えております。 ですから、現段階で法制上の措置が最優先で最も急がれるんだというふうに、本法案で何か具体的に優先順位を定めているわけではありませんが、しかし、いずれにしても必要なもの、これを可能なものから順次行っていくべきものというふうに考えております。
○小池晃君 これではやっぱり法制上の措置というのは本当に先送り、後回しということになってしまう、大幅な後退になっていると思います。 この修正によって、やっぱり大事な骨は抜かれただけではなく、第七条第一項にあるように、多様な正社員、限定正社員などの言わば毒も盛り込まれてしまったんではないかというふうに私どもとしては考えざるを得ないということを申し上げておきたいと思います。 以下、政府に聞きます。 同一価値労働同一賃金原則については、日本政府はILO第百号条約を一九六七年に批准して、定期的にILOに報告して、その都度見解が出ています。この見解では、直近でも、労基法四条の規定はILO百号条約の原則を十分に反映していないということが指摘をされておりますが、厚労省に聞きますけれども、二〇〇〇年以降、ILO百号条約についての報告は何回出されて、何回見解を受け、そのうち何回労基法第四条については不十分と指摘をされていますか。
○政府参考人(勝田智明君) ILO第百号条約に関しましては、二〇〇〇年以降におきまして、日本政府年次報告を計八回提出しております。一方、ILO条約勧告専門家委員会からの見解は九回公表されておりまして、そのうち労働基準法第四条についての指摘につきましては約五回受けているものと認識しております。
○小池晃君 約五回というのは五回ですよね。 これはILOから繰り返し繰り返し不十分であるというふうに指摘を受けているわけであります。 さらに、パート労働法、さっきちょっと議論もありましたが、第百七十五号条約は批准すらしていない。その理由をちょっと、先ほども答弁あったので、簡潔にお答えいただきたい。
○政府参考人(安藤よし子君) パートタイム労働に関する条約、パートタイム労働者が比較可能なフルタイム労働者に与えられる保護と同一の保護を受けることを確保するための措置などについて規定したものでございますけれども、この条約では、同一の企業に比較可能なフルタイム労働者がいない場合には、企業の枠を超えて同一の活動部門に雇用されているフルタイム労働者との均衡待遇を図るということが求められているといったようなことがございまして、日本の雇用管理の実態にそぐわない点がございますことから、現時点では本条約を批准することは難しいと考えております。 今後、社会状況の変化などを踏まえながら、引き続き必要な検討を行ってまいりたいと考えているところでございます。
○小池晃君 先ほどから、日本の雇用慣行、日本社会にそぐわないと言うんですが、そんなことを言い出したら、これ、全会一致の附帯決議で、百七十五号条約の批准に向けて精力的に努力するということを確認しているわけですよ。 田村前大臣の答弁、これは昨年四月ですかね、そぐわないとは言っていないんです。我々としてはこれに対応できない、現時点ではという答弁ですから、私、かなり後退しているというふうに思うんですね。 大臣、こんなことでいいんですか。これはやはり前向きに対応する方向で努力するということが、これは会派を超えた全体の一致点じゃないですか。ちょっと確認したいんですが。
○国務大臣(塩崎恭久君) これは先ほど私も答弁を申し上げましたけれども、企業の枠を超えて同一の活動部門に雇用されているフルタイム労働者との均衡待遇を図るということで、これはなかなか、自分の企業外の正規の方と均等待遇にするということについて、どこまで働いていらっしゃる方々が受け入れられるかということが課題だなということを申し上げたので、今お話がございましたように、引き続き様々な検討を続けていくということは、今附帯決議のことも御指摘がございましたけれども、引き続きこれはしっかりやっていかなきゃならないというふうに思っているわけでございます。何しろ労使間での話合いというのがなされることが大事で、お互い納得がいくような形で解決が図られることが大事だと思います。
○小池晃君 いや、労使間の話合いだというんだったらいいんです、そぐわないと言われちゃうと、何だかこれはもうやりませんというふうに聞こえるんですよ。これはやっぱりまずいんじゃないかなと、これは全体としてやると決めたことですから。 この問題でいうと格差の実態はどうなっているかというと、男女間格差は、男性に対して女性の賃金は二〇一四年の賃金構造基本調査で七二%、正規と非正規で六五%、パートも、縮小してきたが五六・八%。 聞きますが、職務内容、人材活用の仕組みや運用が正社員と同じパート労働者で、その賃金が正社員と同じかそれ以上の割合はどれだけか、それから、正社員とパート労働者の勤務評価と賃金の実態については今まで調査したことがございますか。
○政府参考人(安藤よし子君) 平成二十三年に厚生労働省が実施をいたしましたパートタイム労働者総合実態調査によりますと、正社員と職務の内容と人事異動の有無や範囲などが同じというパートタイム労働者がいるとする事業所、これは全体の事業所の四・〇%になりますが、ここにおきまして、パートタイム労働者の一時間当たりの基本賃金が正社員より高いとする割合が一四・一%、正社員と同じとする割合が二五・四%となっております。 また、御指摘の正社員とパートタイム労働者の評価と賃金の関係についての調査ということでございますが、そうした統計調査は現時点では実施していないところでございます。
○小池晃君 職務内容、人材活用の運用が同じパート労働者でも六割が同一賃金ではなかったという、これが直近の実態なわけですね。 多くのパート労働者を生活協同組合が抱えています。その生活協同組合の労働組合が実態調査をしています。二〇一三年に労働組合と研究者が協力をして各地のコープの店舗や配送といったパートの多い職場で職務分析をかなり綿密にやって、十一のファクターで最高千点で点数化して、雇用形態別に詳細な実態を研究したものであります。 例えば、コープあいちの配送部門で正規職員とパート職員の比較を見ると、職務評価の点数は、正規職員の一般担当者は平均六百三十四点、これに対してパート職員は五百七十点、九八%、ほとんど同じ仕事をしているという実態です。にもかかわらず、実際の総支給額時給は正規職員二千五十一円に対してパート職員千百四十八円、六十二%しか受け取っておりません。職務評価に見合った時給に換算すると千八百二十三円になるということで、六百七十五円も低いという結果になっているんですね。これ、賞与を時給に入れて換算するともっと格差が広がります。 大臣、こういうリアルな、かなり綿密な、かなり克明な調査も民間ではやられております。労働組合や研究者などがこういう調査をやっていること、これをやっぱり参考にして、これは同一労働同一賃金の実現のために欠かせないものだと思いますので、全面的な職務評価、職務分析、これは国としての責任を持ってやるべきじゃないでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、パートの労働者につきましての職務分析とか職務評価というものについての、是非やるべきだというお話をいただきました。この職務分析とか職務評価については、均衡の取れた賃金決定を促進する上で、おっしゃるとおり有益なものだというふうに思っております。 一方で、我が国においては、職務に応じて賃金を決定するという考え方が、これは今朝方から何度か申し上げてまいりましたけど、必ずしもこの職務給というのが普及をしていないということで、その導入には、事業主にとっても、場合によっては働く側にとってもハードルがあるというふうに考えるべきかなというふうに思うわけであって、このため、厚生労働省においては、職務分析、職務評価の導入に関するガイドラインを既に作成をしておりまして、これを活用した個別企業の訪問などによります導入支援を実施を既にしているところでございまして、引き続きこうした支援を実施し、職務分析、職務評価の普及を図ってまいりたいというふうに思っているところでございまして、今お話ございました職務分析と評価、これを進めるべきだということについてはそのとおりかというふうに思います。
○小池晃君 そのとおりだというんだったら、やってください、やっぱり。できない、できない、職務給だからというんじゃなくて、やっぱり実態調査をしっかりやってほしいと思うんです。 派遣労働に関する同一賃金に話を進めたいんですが、大臣は、衆議院の審議で、派遣労働者の賃金は職務給に近いものだと答弁しています。そもそも派遣労働者の賃金額は何を基本に決められているというのが大臣の御認識でしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 確かに、衆議院の段階で御答弁申し上げた際に、今御指摘のようなことを私は申し上げたと思います。 派遣で働く方の賃金の決定というのは様々なもちろん要素が考慮されているわけでありますけれども、一般に、派遣で働く方が従事する仕事の内容が派遣契約の中で明確にされていて、賃金もそれに対応するものということでございますので、いわゆる外部労働市場における類似した職務内容の派遣労働者の賃金相場を参考にして賃金が決定される側面があるという、そういう意味で職務給に近い部分があるというふうにお答えを申し上げたところでございまして、現行法において、派遣会社は、均衡待遇確保のために、派遣先の労働者や同種の業務に従事する一般の労働者の賃金水準、それから派遣労働者の職務の内容、職務の成果などを勘案をして賃金を決定するというように配慮することを求められているところでございまして、今回の改正法案では、賃金等の面で派遣先の責任を強化することなどによって均衡待遇を一層推進するということとしているところでございます。
○小池晃君 派遣先の責任といっても、派遣先の賃金を知らせるという配慮義務、努力義務と、そういう話ですから、これは強化したことにならないと思うんですが、実態はどうかというと、今日お配りした派遣労働者の時給の推移です。 これは、NPO法人派遣ネットワークが行った派遣スタッフアンケート。時給平均額は、二〇〇一年以来、年々低下をしています。首都圏四都県平均で、二〇〇一年の千五百八十五円から二〇一三年は千三百三十九円へ二百八十五円、一六%ダウンしている。全国平均でも、千四百六十五円から千百七十九円へ二百八十六円、二〇%ダウンです。 個別のケースを見ても、例えば電機大手の沖電気の本庄工場で調べてみると、ここでは一九九六年は時給千三百五十円で交通費ありだったのが、二〇一三年は時給千百二十円で交通費なしです。 これ全体として、首都圏でも、全国平均でも、個別企業の例でも、月収にすると四万五千円、年間では五十万円を超えるダウンという実態があります。元々賃金が低い上にこういう異常な賃金低下では、とても生活が成り立たないのではないか。 部長、お聞きしますが、派遣労働者、これ実際に、同じ職場の派遣労働者と派遣先直接雇用労働者との賃金について、具体的な比較の調査、やったことはありますか。
○政府参考人(坂口卓君) お答えいたします。 今委員御指摘のような形での、派遣先の労働者と同じ職場で働く派遣労働者の賃金についての実態の調査ということについては、行ったことはございません。
○小池晃君 やられていないんですね。 結局、派遣労働者の賃金、現状のルールの下では派遣料金で決まってしまうから、景気変動、一番影響を受ける。歯止めなく、限りなく下がっていくという危険があるわけです。 しかし、大臣は、衆議院の審議で、派遣料金は基本的に派遣会社と派遣先の間で決定されるんだ、派遣料金の値下げを制限する直接的な規制はなかなか難しいと答弁されているんですが、それでいいんだろうかと。 例えば、ヨーロッパを見ると、ドイツでは期間の定めのない雇用契約が達成すべき目的とされていて、派遣労働は規制されるべき例外だとしつつ、世界的自動車メーカーのフォルクスワーゲン、これ、二〇一二年にフォルクスワーゲン・グループは、欧州労働評議会、世界労働評議会とフォルクスワーゲン派遣労働憲章というのを結んでいます。これは全世界の事業所が対象です。この憲章は、派遣労働者の均等待遇を明記して、同社への派遣期間が九か月を超えるまでに派遣先労働者と同一賃金にする、そして、二年目に入った派遣労働者には一時金も支払うということが決められています。このために、フォルクスワーゲン社は派遣元に対して、同一賃金と一時金の支払に見合う料金を支払うことを約束しているんですね。こういう実態がある。 大臣、やっぱりこういったことに学ぶ必要があるんじゃないだろうか。先ほど、責任強化したと言うけれども、派遣先労働者の賃金を知らせる配慮義務にとどまっているけれども、派遣先の責任で同一賃金を保障するだけの派遣料金を支払わせるような仕組み、これやっぱり前向きに検討すべきじゃないですか。いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の法案では、もう御案内のように、先ほど余り効果が期待できないんじゃないかというお話でございましたけれども、派遣元に派遣先から労働者の賃金情報について提供するということをやって、これを配慮義務ということにしたわけでございまして、派遣で働く方と派遣先に雇用されている方々との間でこれを全く同じ賃金にするというようなことを、言ってみれば国が法律などによって一方的に決めるというのは、なかなかこれは難しいのではないかというふうに思いますが、結果として、言ってみれば賃金を支払う側の企業がそういうふうに考えざるを得なくなるような形での規制は掛けていく。 ですけど、最終的には、やはりさっき御指摘をいただいたように、これまで答弁してきたように、賃金を支払う側がやはりその賃金を決めるということは、それは変わりはないわけであって、あとは労働組合とそれから会社側がどういう形で話合いをして賃金について、派遣について決めていくかということについては、やはりそれは民民の話合いの中で決まっていくことではないかというふうに思っておりますが。 私どもとしては、今回、やはり法改正が行われた後には、指針の中に、派遣先が派遣料金を決定する際に、派遣労働者と派遣先の労働者の賃金水準の均衡が図られるように努めること、あるいは派遣契約の更新の際には派遣労働者の業務内容等を勘案して派遣料金を決定するということ、派遣元にも派遣料金が引き上げられた際にできる限り派遣労働者の賃金の引上げに反映するように努力するということ、派遣先との派遣料金の交渉が派遣労働者の待遇改善にとって重要であることを踏まえて派遣先との交渉に当たるように努めるものとするといったことを、指針の中でもこれ実は初めて定めるわけであって、こういうような形での規制をしながら、まさに企業が考えるように仕向けていくということはやっていきたいというふうに思っているところでございます。
○小池晃君 いろいろ長々言ったけど、結局民間に任せるという話じゃないですか。やっぱりそれじゃ駄目なんですよ。ヨーロッパだってやっているんですよ。アジアだってやっている国はあるわけですよ。本当に真剣に検討すべきだと。 実際、私は、国がやっている態度が問われていると思います。 国の出先機関である法務局の雇用の実態はどうか。法務局は法務省の地方部局で、いろんな登記などをやっていますが、これまで四十年余り、財団法人民事法務協会が登記関連業務をやってきた。しかし、市場化テスト導入で、競争入札で、五年間でほぼ全ての法務局で、資料をお配りしておりますが、派遣会社に置き換えられました。その結果、どうなったか。 同協会は、この五年間で、多くの法務局で落札できずに、正規雇用五百六十人、非正規八百二十五人、合計約千四百人が解雇、雇い止めされて、現在の職員は百二十人、正規雇用は五人のみだと。落札した派遣会社にはノウハウがないから、結局、習熟した協会の元職員が派遣会社に雇用されて同じ仕事に就いていると。その結果、賃金はどうなっているかというと、数年前は正規職員よりそれでも低い二十三万か二十四万程度だったのが、今年の春闘アンケートでは、手取り賃金十五万円以下が八七%、実に十万円のダウン。テンプスタッフなどは退職金も交通費も出ない、これが実態ですよ。窓口サービスも低下している。 大臣、やっぱり、今もうおっしゃったけれども、これが実態だと。国がやっている仕事でもこうなっている、これでいいんですかということを私、聞きたいんですが、どうですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今の具体的な案件がございましたが、一般的には、こういった委託の中身については当然のことながら関係する省庁、担当する省庁がきちっとした決定をしなければならないことであって、その上で、厚生労働省としては、今お話がありましたけれども、こういったことが労働関係法令を担当している私どもとして、受託先の労働者の保護に欠けることがないように、労働関係法令が適切に守られるようにすることが必要だというふうに思うわけでありますけれども、今挙げられました個別の件につきましては、これ、他の省庁のことでもございますので、また個別の案件でもございますので、今のことについてはお答えを差し控えたいというふうに思うところでございます。
○小池晃君 法務省であると逃げないで、厚生労働省なんだから、こういった実態にやっぱりちゃんと物を言うべきだと。自分たちの国の仕事でこういうことをやっている、それで企業にちゃんとやりなさいと言ったって、そんなの聞くわけないじゃないですか。こういうところからやっぱり正していかなきゃいけないのではないかということを申し上げて、質問を終わります。
○行田邦子君 行田邦子です。よろしくお願いいたします。 労働者の職務に応じた待遇確保法案なんですが、私は、これはあえて同一労働同一賃金法案とは言いたくはないのでありますけれども、この立法に至った問題意識、様々な思いがあろうかと思いますけれども、まず発議者に伺いたいと思います。立法に至った問題意識をお聞かせいただけますでしょうか。
○衆議院議員(井坂信彦君) 近年、雇用形態が多様化をする中で、いわゆる正規型の労働者、通常の労働者とそれ以外の労働者については、その賃金水準に大きな格差がある、また雇用の安定性などにも差がある、こういった実態としての大きな格差が存在をし、しかも、このような雇用形態による格差が社会における格差の固定化につながることが懸念をされております。また、いわゆる正規から非正規にはすぐ行けるけれども、非正規から正規には実態上なかなか行きにくい、こういう実態も問題であるというふうに認識をしております。 そこで、提案者としては、こうした格差の解消、また固定化の解消を目指すために、雇用形態にかかわらずその職務に応じた待遇を受けることができるようにする、また、労働者がその意欲及び能力に応じて自らの希望する雇用形態により就労する機会が与えられるようにする等の基本理念を掲げまして、その下で、労働者の職務に応じた待遇の確保等のための施策を重点的に推進をするために本法案を提出をいたしました。
○行田邦子君 そこで、労働者の職務に応じた待遇の確保について、この言葉の指す意味について確認の意味を込めて伺いたいと思うんですけれども、先ほどからの質疑の中で、同じ職務であれば同じ待遇、均等である、そして職務が違うのであればその違いの度合いによって待遇も異なる、均衡という説明がなされているわけでありますが、まず職務の指す範囲について伺いたいと思います。
○衆議院議員(浦野靖人君) 本法案に言う職務は、その人が担当している仕事といったものであります。理念的な幅広い概念として用いており、この職務の判断に当たって、具体的な業務の内容だけでなく、責任の程度や業務内容や配置の変更の範囲などの要素が入ることを否定するものではありません。
○行田邦子君 そうしますと、例えば、労働契約法とかパートタイム労働法で規定されている職務の内容というのは、これは、業務の内容及び業務に伴う責任の範囲と、責任の範囲まで一般的には含まれているわけでありますけれども、この法案で指す職務というのはあくまでも担当している仕事であって、責任の範囲は含まれないということでいいんでしょうか。
○衆議院議員(井坂信彦君) この法案でも、職務と言ったときに責任の範囲といったものが含まれる、こういった要素が入ることを否定するものではありません。
○行田邦子君 ちょっと私の聞き取り違いだったかも、済みません。 ただ、責任の範囲は含まれるわけであるけれども、例えば資格とか勤続期間とか配置転換といったものは含まれないということで理解をさせていただきました。違うんだったらおっしゃってください。
○衆議院議員(井坂信彦君) 資格などはともかくとして、配置の変更の範囲については、これは現行法と同じく含まれ得るというふうに考えております。
○行田邦子君 済みません、もう一度確認ですけれども、そうすると、職務の指す範囲というのは、その人が担当している仕事、それからその責任の範囲は含まれると。配置転換についてもこれも含まれるということでいいわけですね。よろしいでしょうか。
○衆議院議員(井坂信彦君) そういったものも現行法と同じく含まれ得るというふうに考えております。
○行田邦子君 それでは、待遇の指す範囲についてお聞かせいただけますでしょうか。
○衆議院議員(浦野靖人君) 本法案に言う待遇は、雇用主の労働者に対する取扱いといったものであります。理念的な幅広い概念として用いており、賃金、教育訓練、福利厚生を含め、様々なものが含まれ得ると考えています。
○行田邦子君 賃金、教育訓練、福利厚生まではいいんですけれども、様々なものと言われてしまうとちょっと曖昧になってしまいますので、もう少しきっちり規定していただけますでしょうか。
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
○衆議院議員(井坂信彦君) 現行の法体系の中でも、待遇ということで、どこまでが待遇に法律上含まれるかということが明確に線引きをされているわけではないようでありますが、この法案の趣旨から申しまして、雇用主の労働者に対する取扱いという中には各種の手当なども含まれ得るというふうに考えております。
○行田邦子君 この法案は、趣旨としては労働者の職務に応じた待遇の確保ということですので、待遇が何を指すのかということはしっかりとやはり立法段階におきまして決めていただきたいなというふうに思っておりますが、質問を続けさせていただきます。 そうしますと、また確認なんですけれども、職務が同じであれば、その人の学歴とか資格とか勤続期間とか、いわゆる属人的なものが違っていても待遇は同じですよということでよろしいでしょうか。
○衆議院議員(井坂信彦君) 資格などの属人的なものが違うことで待遇を変えるというようなことではありませんで、やはり業務の内容、それから責任の範囲、また転勤などの範囲、こういったところで待遇が決まっていくということと考えております。
○行田邦子君 そうすると、立法者の考えとしましては、職務が同じであれば、学歴や資格や勤続期間が違っていても、待遇、つまり賃金は同じでなければいけないということでしょうか。
○衆議院議員(井坂信彦君) 学歴などは、学歴が違っても本当に行っている業務が同じであれば、これは同じ待遇であるべきだというふうに考えますが、例えばその業務を経験している年数が違えば、普通に考えれば、実際に現場でできること、あるいは場合によっては事実上責任の範囲が違ったり、重かったりということが普通であろうかというふうに思いますので、そういった場合には、その分差が付くことは排除されないというふうに考えます。
○行田邦子君 職務が何を指すのか、また待遇が何を指すのかといったところ、この法案が仮に成立したとしたらば非常に重要な部分でありますので、しっかりとここは規定をしていただきたいと思っております。 そして次に、第六条第二項の派遣労働者の均等・均衡待遇について伺いたいと思います。 修正を加えた意図と理由は、先ほどから何回か御答弁されているので省きたいと思いますけれども、まず伺いたいのは、これ第六条第二項を見ていますと、非常に遠い遠い回り道をして、そして回り道をした挙げ句に目的地に着かなかったというような印象を私は抱いているんですけれども、それは実は原案についても同じような印象を抱いています。 といいますのは、派遣労働者の均等・均衡待遇を目指すということなのであれば、労働者派遣法の三十条、ここをそのままストレートに改正をした案を出せばよかったのではないかなと思っているんですけれども、なぜそうせずに、このような回り道という手段を選んだのでしょうか。
○衆議院議員(井坂信彦君) 直ちに派遣法の条文そのものを改正した方が分かりやすくて近道だったのではないかという御質問だと思いますが、派遣労働に関しては、これはパートや有期雇用とは異なりまして、派遣元が雇用主になるという特徴がございます。このため、派遣労働者とそれから派遣先に雇用される労働者との均等・均衡待遇ということについては、これは派遣元と派遣先がそれぞれどちらがどのような責任を負うべきなのか、必要となる情報の共有をどのように行うのかなど加えて検討するべき事項があるというふうに考えております。 そのため、直ちに派遣法の条文を改正するのではなくて、第六条第二項に書いてあるようなやり方で政府において検討が行われて、また労政審も議論が行われて、そして三年以内に法制上の措置を含む必要な措置が講ぜられることとすると、このように書かせていただいたところであります。
○行田邦子君 それにしても、三年というのはちょっと長いかなという印象を私も抱いております。 それで、私のこれ考えなんですけれども、今回はこの法案の中に派遣労働者の均等・均衡待遇を目指す条文を、条文というか第六条第二項を盛り込んだわけでありますけれども、そして、またさらに、有期直接雇用については労働契約法、それからパートタイム労働者についてはパートタイム労働法と、それぞれで均等・均衡待遇についての条文はあるわけでありますけれども、そうではなくて、雇用形態にかかわらずの均等・均衡待遇に関する横串の法律というのが私は必要ではないかなというふうに思っております。 そして、そのときに大切なことは、今現行の労働契約法それからパートタイム労働法では、これは不合理な待遇、それからまた不合理な労働条件の禁止ということがうたわれていますけれども、これは、もしこの法律違反があった場合は裁判で争うしかないわけであります。行政罰がないんですね。そうするとなかなか実効性がないので、行政罰が科せられるような、そのような横串の均等・均衡待遇法というものが必要ではないかと思いますが、発議者はこの点どのようにお考えでしょうか。
○衆議院議員(井坂信彦君) 横串の法律が必要だというのは私も質問者と同じ考えでありまして、むしろそのような趣旨で今回、個別の派遣法とか、あるいは労働契約法とかパートタイム法の修正ではなくて、こういった議員立法で新しい法律を出させていただいたところであります。 本法案では、雇用形態にかかわらず職務に応じた待遇を受けることができるようにする、まずこの基本理念。それから、さらには、パートなどは実際に均等・均衡待遇が法律上は書かれているわけでありますが、しかしながら、実態はどうもそうはなっていないということで、実態上の格差の調査、また何がネックになっているのかの調査、そして、そういうことを経て、特に派遣労働に関しては法律上も均衡の配慮義務と、非常に言わば低い書き方にとどまっておりましたので、ここは特出しをして均等・均衡待遇の実現と、こういうことで書かせていただいているところであります。 また、行政罰に関しては、これはまさに今、パートを始めとして均等・均衡待遇が法律で書かれているのに実態上はそうなっていない。その実態と原因を調査をする中で、これは、罰則がないからそうなっているのだということにもしなればそういったことも考える必要があるというふうに思いますし、行政罰が唯一絶対の手段であると現時点で決めているわけではありませんので、こうした実態の調査から必要があれば行政罰と、こういう流れになってくるだろうというふうに考えております。
○行田邦子君 目指すところは同じなのかもしれませんけれども、であるならば、今回せっかくこの法案を出されたわけでありますので、もう少し、もう一歩二歩進むような、そのような法案にしていただきたかったなというふうに思っております。 そこで、さらに発議者の御意見を伺いたいと思うんですけれども、派遣労働者の均等・均衡待遇についてなんですけれども、私は、派遣労働者の均等・均衡待遇を改善するのであれば、条文としては、労働契約法の有期直接雇用者の不合理な労働条件の禁止の第二十条、それからパートタイム労働法の短時間労働者の待遇の原則の第八条、この条文と平仄を合わせたもの、つまり、派遣労働者だからということを理由に不合理な待遇を受けてはいけないという、こういった禁止規定、同じような平仄のものにするべきではなかったかと思うんですが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(井坂信彦君) 有期雇用労働者あるいはパートタイム労働者と同じような書きぶりにすべきではないかという御質問ですけれども、私も基本的には最後はそういうふうになればいいというふうに思っているんですが、ただ、派遣の場合は、雇用主が違う、派遣先と派遣元で二人の雇用主がいるという特殊なことがありまして、ここが一つ大きく違うというふうに考えています。 実際、パートタイム労働法の八条ですとか労働契約法の二十条は、雇用主である事業者に対して、待遇、労働条件の相違が不合理と認められるものであってはならないと、こういう、雇用主である事業者に直接効力を持たせる書き方をしてあります。これが直ちに派遣法に適用できるかといいますと、じゃ、この雇用主が派遣元でいいのか、あるいは派遣先にやるべきなのか、ここが現時点でどういった形が一番実効性があるのかがまだ調査、検討の前であるということで、今回、直接パートや契約社員の書きぶりではなくて、こういった本法案のような書き方にさせていただいているということであります。
○行田邦子君 私は、同じような書きぶりでできなくはないかなとは思っているんですけれども、確かに発議者がおっしゃるとおり、均等・均衡待遇又は同一労働同一賃金ということを考えたときに、非正規雇用の中でやはり派遣労働者の取扱いというのが一番難しいなということは感じております。現に、先ほどの長沢委員の質問もありましたけれども、EUでも派遣労働者についての均等・均衡待遇が一番指令が出るのが遅れたということもあるわけであります。 そこで、続いて発議者のお考えをお聞かせいただきたいんですけれども、待遇の中の賃金の決定について伺いたいと思うんですけれども、派遣契約というのは、元々、本来、質問の九番ですけれども、派遣元と派遣先による契約であります。ですので、外部の労働市場の賃金水準の影響を受けて、そして賃金が決められるということになるかと思います。 けれども、ここで派遣労働者に対して派遣先の労働者の賃金水準との均等、均衡といったことを求めると、そうすると、元々の契約である労働市場の賃金水準によって賃金が決められるといったことを否定することになるのではないかというふうに思うんですが、その点、いかがお考えでしょうか。
○衆議院議員(浦野靖人君) 第六条第二項では、派遣労働者と派遣先に雇用される労働者との間において、その業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度その他の事情に応じた均等な待遇及び均衡の取れた待遇の実現を図るものとしているところであります。 御指摘のような労働市場の賃金水準についても重要な点と考えておりますが、まずは派遣労働者と派遣先の労働者の格差を解消すべきという観点から、このように規定をさせていただいております。
○行田邦子君 そうすると、外部の労働市場での賃金水準というのは、これは否定されるんでしょうか。
○衆議院議員(井坂信彦君) 労働市場の賃金水準を別に否定するものではありません。 例えば、同じ派遣元からAという自動車会社とBという自動車会社に派遣されたときに、A社とB社は労働市場の中でそれぞれ賃金水準が決まって、しかも差があるわけであります。それで、その派遣先と合わせて派遣労働者の賃金が決まっていくということでありますので、労働市場による賃金決定を否定するものではないというふうに考えています。
○行田邦子君 取りあえず分かりました。 それでは、次の質問に移りたいと思います。 第六条第一項についてなんですけれども、ここではどのようなことが書かれているかといいますと、「国は、雇用形態の異なる労働者についてもその待遇の相違が不合理なものとならないようにするため、事業主が行う通常の労働者及び通常の労働者以外の労働者の待遇に係る制度の共通化の推進その他の必要な施策を講ずるものとする。」と、このようになっているんですけれども、そこで発議者に伺いたいと思うんですけれども、制度の共通化と書かれていますが、制度の共通化というのは具体的にどのような施策を意図しているんでしょうか。
○衆議院議員(浦野靖人君) 労働者の待遇に係る制度の共通化というのは、例えば、事業主が雇用形態の異なる労働者間において職務の区分やそれに応じた賃金決定の制度を共通のものとすることや、教育訓練、福利厚生施設の利用その他の待遇についての制度を共通のものとすることなどと想定をしています。 具体的な施策については今後国において検討されることとなりますが、例えば、事業主が通常の労働者と通常の労働者以外の労働者との共通の処遇制度を導入した場合などに支援することなどが想定をされています。
○行田邦子君 そうすると、教育訓練とか福利厚生とかの共通の制度という意味が制度の共通化ということだという御答弁でしたけれども、それだけなんでしょうか。 これは、勝手に私がなるほどと想像していたのは、そしてまたこの第六条第一項に期待をしていたのは、制度の共通化って、つまり職務の評価とか、あるいは職務給を設定することとか、こうした正規、非正規にかかわらない賃金を決定する制度の共通化ということをここで読み込ませているのかなと思ったんですが、そういうことではないんでしょうか。
○衆議院議員(浦野靖人君) 先ほどの答弁の中にもありましたように、賃金決定の制度を共通のものとするということも想定をしております。
○行田邦子君 分かりました。ありがとうございます。 是非ここは進めていただきたいなというふうに期待をしているところであります。 そして、大臣に伺いたいと思うんですけれども、この法案が成立をしたらば、第六条の第一項、制度の共通化の推進というこの条文を受けて、具体的にどのような取組を行われますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今お話がございました制度の共通化の推進でございますけれども、現状では、依然として正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の賃金の水準に大きな格差があったり、雇用の安定化などについても格差が存在をしているわけでありまして、こうした状況の解消を目指す、特に派遣においてそれを目指すということが重要だというふうに思います。 この六条第一項の、労働者の待遇に係る制度の共通化では、今お話がございましたように、雇用形態にかかわらず、職務の区分、それに応じた賃金の決定の制度、これを共通のものとしていくなどが想定をされ、もちろん教育訓練あるいは福利厚生制度なども当然でありますけれども、しかし一番大事なのは、先生御指摘のとおり、職務の評価区分、それから賃金決定、それに応じたものということではないかと思います。 このために、正規雇用労働者と非正規雇用労働者との共通の処遇制度を導入した場合などにおける新たな支援策を検討するといったことを考えなければならないと思いますし、また、法案の第五条にございます労働者の雇用形態による待遇の相違の実態等について、やはり、先ほど来三年は長いということでありますが、調査研究は当然必要だろうと思いますし、先ほどの職務の区分といったときに、その際に経験とか能力とかをどうするのかというようなことも当然働く側の方々からも御意見が出てくることだろうというふうに思いますので、これについてしっかりと議論を重ね、また調査研究をしていかなければならないというふうに思います。
○行田邦子君 最後の質問ですが、発議者に伺いたいと思います。 この法案は、通称いわゆる同一労働同一賃金と言われているんですが、私はそのことにちょっと違和感を感じていまして、この法案の内容を見ますと、非正規、正規雇用者の間の均等・均衡待遇の確保と、それから非正規雇用者の待遇改善を目指すものというふうに理解をしています。 同一労働同一賃金を実現するための法案とはなかなかちょっとこれは読みにくいと思っていまして、もちろん一部含まれてはいますけれども、これを同一労働同一賃金法案と言うのはかなり無理があるなというふうに思っていまして、そして、それがゆえに国民に対してミスリードを起こしてしまうのではないかと思っております。 ですので、是非この法案について、同一労働同一賃金推進法案と言わないようにしていただきたいと思うんですけれども、御意見を伺いたいと思います。
○衆議院議員(井坂信彦君) 御指摘のように、まず一番問題が目立つ正規と非正規の格差、とりわけ派遣労働者の法律上の格差、また実態上の格差に真っ先に実態的な効果が及ぶようにした法案であるというところは御指摘のとおりであります。 同一労働同一賃金と言ったときに、今回の法案でいろいろ含んでおりますのは、正規と非正規の同一労働同一賃金ということを中心に書かせていただいておりますが、同じ例えば企業内での正規労働者、正社員同士の同一労働同一賃金とか、あるいは企業をまたいだ業界内でのヨーロッパ型の同一労働同一賃金、こういったところまでは今回の法律には含まれておりません。 ですから、そこまで全部業界内で、自動車会社なら全部同じ賃金というような、そこまでが同一労働同一賃金だということであれば、確かに御指摘の部分はあるのかなというふうに思いますが、同一労働同一賃金という中で、まず目の前にある看過できない正規と非正規の格差を縮小していく、こういう趣旨で法案を提出をさせていただいているところであります。
○委員長(丸川珠代君) 時間が過ぎておりますので。
○行田邦子君 終わります。ありがとうございます。
○渡辺美知太郎君 無所属の渡辺美知太郎です。 本法律案は、昨年の秋に提出された労働者派遣法の改正案、これの中身が、パートや有期労働者について、同一労働同一賃金は法律上にはあるものの実効性が薄いのではないかと、さらに派遣労働者に関しては、均衡、均等すら文言にないということが発端になったかと記憶をしております。 さて、この本法律案、同一労働同一賃金法案ですが、紆余曲折を経て衆議院の通過をいたしました。ただ、残念ながら、やはり私も、原案と比べると大きく変わってしまった部分があるのではないのかなと思っております。しかし一方で、非正規、正規の格差を見直すための問題提起として議論をすることは意味があることかなと思っています。 それでは、早速質疑に入りたいと思います。 言うまでもありませんが、本法律案の基本理念は、雇用形態にかかわらず従事する職務に応じた待遇を受けられる、それから、非正規から正規、正規から非正規といった働き方の転換ができるような労働環境をつくる、そして、労働者が自らキャリアプランを作り、自らが選択ができる、この三つであります。 まずは大枠的な御質問からさせていただきたいと思っています。 まず、この法案、原案と変わってしまった部分がありますが、この法案の最終的な目標というのはどこになるのでしょうか。ヨーロッパのような職務給制度の導入なのか、それとも雇用の流動化を目指すものであるのでしょうか。最終的な目標について、発議者の先生に伺いたいと思います。
○衆議院議員(井坂信彦君) まず、本法案自体は労働市場の流動化を目的としたものではありません。ただ、同一賃金ということが本当に社会で広く実現していけばいくほど、その結果として、正規から非正規に自由に行ける、また非正規から正規に自由に行ける、こういった行き来が増えて、結果として流動性が高まるといったことにはなるというふうに考えております。 この法律案においては、雇用形態による格差が今、日本社会で大きく目立ってきている、しかもこれが格差の固定化につながっているのではないか、こういう問題意識から本法案を提出をしております。 ですから、今おっしゃった三点の基本理念、そしてこれを実現するために、具体的に法律の中でも労働者の採用や登用などの雇用管理の方法、多様化の推進、またそのために必要な施策の実施ということで法律に定めさせていただいております。流動性というよりは、やはり労働者がそのときそのときで自らが望む雇用形態にしっかり移れる、事実上の選択ができる、その選択肢がいつも幅広く開かれている、こういうことが一番重要だというふうに考えております。
○渡辺美知太郎君 問取りの際は、同一労働同一賃金までは考えていない、あくまでも正規と非正規の格差を是正するというお答えだったんですが、先生がおっしゃるには、この法案の最終目的はやはり同一労働同一賃金であるということで間違いないんでしょうか。
○衆議院議員(井坂信彦君) 日本の雇用労働体系が最終的に業界横断的なヨーロッパ型の同一労働同一賃金になるべきなのかどうか、またどこまで流動化すべきなのかどうかについては、本法案で明確にそのゴールを定めているところではありません。まず最初の第一歩としての正規と非正規のあからさまな格差をしっかりと縮小していく、こういう趣旨で法案を出させていただいております。
○渡辺美知太郎君 先生の、立法者の意思として、法律の解釈の指針として私も捉えさせていただきました。 では、厚生労働省に伺いたいと思います。 今、同一労働同一賃金の質問をさせていただいて、今現在、厚生労働省としては同一労働同一賃金の取組、これはどこまで行われているのか、伺いたいと思います。
○政府参考人(坂口卓君) 私どもとしましても、同一労働に対して同一賃金が支払われるという仕組みは非常に一つの重要な考え方と認識しております。 そういった中ではありますけれども、結局、こういう仕組みを、考え方をどう行っていくかということになると、個々の労働者についてどういう賃金の決定をするかということになってくるわけでございますけれども、その点につきましては、やはり日本の雇用慣行とすると、長期勤続を前提とした人材育成であったり、あるいは中高年齢期で支出が必要となるというような賃金体系、賃金カーブがそういう形になっておるというようなこと、あるいは柔軟な配置転換というような形で、労使双方のお考えも含めた我が国の雇用慣行の特徴ということもございますので、そういった点も含めて大きな影響をもたらすということもあるので、その点については十分な議論を行っていくということが必要であると思っております。 ただ、そういった重要な考え方に将来的につながっていく、あるいはそういう議論につながっていくということもあろうかと思うんですけれども、私どもとすると、いろいろな形での、派遣の関係では均衡の処遇を進めるとか、そういった関係も含めてしっかり取り組みたいと思いますし、また、こういった今申し上げたような課題については、いろいろ諸外国の状況も含めた調査研究ということを取り組んでまいりたいと考えております。
○渡辺美知太郎君 私も、我が国が職能給がベースであったので、これを急に職務給にするというのは、これは大変な変革を伴うと思っておりますので、同一労働同一賃金については今後とも研究を続けていただきたいと思っております。 それで、今、労使交渉などのお話もありましたが、同一労働同一賃金ということを目指すのであれば、これは、私は特定の政党に肩入れするつもりはないんですけど、やはり労働組合との連携も必要が出てくるのではないのかなと思っていまして、そうすると、やはり労働組合とパイプを持っている政党とも今後協議をすべきではないのかなと思うんですが、それについてお答えできるのであれば伺いたいと思います。
○衆議院議員(浦野靖人君) 本法案においては、国に対し施策を推進することを求めるものであり、事業者に対し直接規制など、そういったことを行うものではありません。 今後、各企業において具体的に賃金体系の見直しなどが行われる際には、当然、労使間で十分に議論を行っていただく必要があると考えています。
○渡辺美知太郎君 それでは条文に入っていきたいと思っています。最初は原案とも共通する箇所で、重複する部分もあるかと思いますが、聞き方を変えるなりして行いたいと思います。 まず、先ほど行田先生も御指摘をされていましたが、二条の基本理念に関する質問を行います。 基本理念に書かれている職務に応じた待遇の確保ということで、先ほど行田先生も職務の範囲について質問されていました。その職務、いろいろ含むということですが、この職務の中には労働者の年齢や経験も考慮するということでよろしいんでしょうか。
○衆議院議員(井坂信彦君) 基本的には、現行法で職務と言った場合には、具体的な業務の内容のほかに、責任の程度、それから業務内容や配置の変更の範囲、どれぐらい変更の範囲があるかということなども考慮することとされておりますので、本法案においても、職務といったらそういったところを想定をしております。 年齢や経験などをどう取り扱うかということでありますが、本法案は、通常の労働者とそれ以外の労働者、いわゆる正規と非正規の格差の解消をまず目指しているものでありますので、例えば派遣労働者であれば、派遣先の企業がいわゆる年功序列型の賃金制度を持っているときに、直ちにそれを本当に職務一本やりの職務給に直せというようなことを求めているものではありません。派遣先の企業が年齢も考慮した賃金システムを持っているのであれば、派遣労働者もその同じシステムの中で均等・均衡待遇をしていきましょうと、こういうことを求めている法律であります。
○渡辺美知太郎君 今、正規、非正規の話がありましたが、年齢、経験を含むということだとちょっと違う指摘なのかもしれないですが、年功序列型もこれは当然この法律の中に含まれてくるということでよろしいんでしょうか。
○衆議院議員(井坂信彦君) 年功序列型の賃金がこの法律で何か禁じられるとか、良くないものとされるというわけではありません。
○渡辺美知太郎君 年功序列型については、ちょっと後でまた質問させていただきたいと思っています。 ちなみに、待遇についても、ちょっと重複するところはあるんですが、これは当然、賃金や通勤手当、退職手当以外にも、教育訓練や福利厚生の利用など入っているという理解でよろしいんでしょうか。
○衆議院議員(浦野靖人君) 先ほども答弁ありましたように、理念的な幅広い概念を用いておりますので、今おっしゃった部分も含まれると考えています。
○渡辺美知太郎君 では、職務に応じた待遇の確保、つまり均等・均衡待遇ですが、この法案では個別企業内での均等待遇だと思っています。 ただ、先ほど行田先生のお尋ねの際に井坂先生が、ヨーロッパ諸国のような企業横断的な均等・均衡待遇についても触れられていましたが、発議者としては、ヨーロッパのような企業横断的な均等・均衡待遇も考えておられるんでしょうか。
○衆議院議員(浦野靖人君) EU諸国のように産業別賃金になっていない現状などを踏まえつつ、本法案においては、まずは、企業横断的ではなく、企業内においての職務に応じた待遇の確保を図っていきたいと考えております。 なお、派遣労働者については、派遣先に雇用される労働者との均等、均衡の実現を図ることを目指すものであります。
○渡辺美知太郎君 では次に、職務に応じた待遇の確保という条文が六条第一項にあります。国は、雇用形態の異なる労働者についてもその待遇の相違が不合理とならないものとするとありまして、その中に制度の共通化というのがあります。 ちょっと一度伺いたいのは、この制度というのが何を指すのかというのを伺いたいと思います。
○衆議院議員(井坂信彦君) 六条第一項の労働者の待遇に係る制度の共通化とは、例えば、事業主が、雇用形態の異なる労働者間において職務の区分、それからそれに応じた賃金決定の制度を共通のものとすること、それから教育訓練や福利厚生施設の利用その他待遇についての制度を共通のものとすることなどを想定をしております。 本法案に言う待遇というものが、雇用主の労働者に対する取扱いとして、賃金、教育訓練、福利厚生を含め、ほかにも様々なものが含まれ得るというふうに考えておりますので、制度の共通化についてもこうした幅広いものが対象になり得ると考えております。
○渡辺美知太郎君 ちなみに、制度の共通化とありますが、これは正社員同士であっても念頭に入っているということでよろしいんでしょうか。基本的には正規、非正規の問題なんでしょうけど、正社員同士も含まれているものなんでしょうか。
○衆議院議員(井坂信彦君) 同じ会社で正社員が何か二種類の制度で同時並行でやっているというような例が、ちょっとどういうものがあるのかは、にわかにはぴんとこないものがありますが、同じ社内で制度はとにかく共通化を推進をしていく、そのための施策を国が講ずるようにと、こういう法律になっております。
○渡辺美知太郎君 採用枠によっては成果主義の社員さんもいて、あるいは従来の年功序列型の社員もいるような会社もあるのかなと思って、ちょっと質問させていただきました。 では、衆議院での修正案に入りたいと思っています。 まず、ちょっとごめんなさい、大分質問が飛びますが、「正規労働者」を「通常の労働者」と修正した理由についてお聞かせ願えますか。
○衆議院議員(高鳥修一君) 渡辺委員にお答えを申し上げます。 正規労働者を法律上に規定したものはこれまでないことから、修正案では、この「正規労働者」につきまして、いわゆる正規雇用労働者を指すものとして、パートタイム労働法等の現行の労働関係法令で一般的に用いられている通常の労働者に置き換えることとしたものでございます。 一言で申し上げれば、現行法と文言をそろえたということでございます。
○渡辺美知太郎君 ただ、でも、原案で「正規労働者」と使っていまして、正規と非正規の格差是正を目的とした本法案だからこそ「正規労働者」と入れたのかなと勝手に思っているのですが、やはり「正規労働者」と入れたことは原案としては意義があったのではないのか、ちょっと原案の提出者の先生方に、もしお答えできるのであれば伺いたいと思います。
○衆議院議員(井坂信彦君) 確かに原案では「正規労働者」と書いてありますが、現行の労働法体系の中で正規労働者が詳しく定義された部分がありませんでしたので、原案では「正規労働者」と書いた後で括弧書きでかなり細々とそれは何を指すのかということを書かせていただいております。それが結局のところ、現行法では通常の労働者という定義と同じであったことから、今回、では元々ある法律用語を使おうということで、「通常の労働者」と書いて、ただし書は必要ないので省いたと、こういうふうに理解をしております。
○渡辺美知太郎君 ちなみに、通常の労働者と通常の労働者以外の労働者の違いというのをちょっと御説明いただけますか。
○衆議院議員(高鳥修一君) 通常の労働者につきましては、いわゆる正規雇用労働者を想定しているものでございます。通常の労働者以外の労働者につきましては、正規雇用労働者以外の労働者であり、具体的には、パートタイム労働者、有期雇用労働者、派遣労働者を想定いたしております。
○渡辺美知太郎君 では、これはほかの先生からも御指摘ありましたが、今回、均等だけではなく均衡の取れた待遇を加えた理由をもう一度御説明いただいて、また質問したいと思います。
○衆議院議員(高鳥修一君) お答えをいたします。 均衡待遇を加えた点でございますが、均等待遇だけですと、通常の労働者と比べまして職務に差がある多くのそれ以外の労働者が対象とならない、逆に申し上げると、対象になる方が極めて限定されるという懸念がございます。 先ほど維新の提出者が卵の黄身と白身というお話をされまして、非常に私は分かりやすいなと思ったんですが、黄身の部分をがちがちに固めてまいりますと、白身の部分といいますか、その部分が対象にならないということになりますので、より多くの方を保護したいという観点から、均衡待遇についても明記することといたしたものでございます。
○渡辺美知太郎君 ちょっと井坂先生にこれはお尋ねしたいんですが、私は、個人的には、若手議員のエースとして井坂先生を尊敬していますし、揚げ足を取るつもりは全くないんですけど、六月十日に井坂先生は、まずは法律に派遣で均等としっかり明記をする、均等とはっきり明記をすることによって最低限のスタートラインを確保できるんですとおっしゃっていました。 そこに均衡が入ってしまった。もちろん、条文上は「及び」と入っているので均衡だけやっているというわけではないというのは私も分かっているんですが、均衡を入れてしまったことによって最低限のスタートラインというのは確保できるものなのか、ちょっと先生の御見解を伺いたいと思います。
○衆議院議員(井坂信彦君) 引用いただいた衆議院の質疑は、派遣で本当に均等待遇なんということが実態上あり得るのかという質問に対してお答えをしたものだったというふうに思います。 そういう意味では、派遣元に雇われている派遣労働者と派遣先のいわゆる正規労働者との均等待遇というのが、非常に厳密に言えば対象となる方は少ないことが予想をされますが、しかし、まず、それでも法律に、同じ職務であれば待遇は同じにしますよという均等待遇をはっきり書くということが大事であると。実際、パートは書いてあってもなお実態がそうなっていないという現実から鑑みましても、まず法律にはっきり均等と書くということが大事だ、その思いは今も全く変わっておりません。 修正に関して、これが均等が抜けて均衡待遇になっていたら、これは私は大問題だというふうに思いますが、均等であるべき対象はきちんと修正後も均等にしなければいけないというふうにしておりますので、均等が明記されているということについては、私は変わりがないというふうに考えております。
○渡辺美知太郎君 通告がなかったにもかかわらず御答弁いただきまして、ありがとうございました。 今、両方入っているから大丈夫だということでありますが、そういった意味で、ちょっとまだ言葉尻を捉えるような質問があって申し訳ないんですけど、現行の派遣法でも均衡を考慮した待遇の確保と明記をされていると。ただ、これが実効性がないから問題となったわけでありまして、今回の法案では、実効性がなくならないように担保というのは、確かに均等と均衡両方あるからというのもあるかもしれないんですが、均衡を考慮した待遇の確保と書かれていて、今まで問題になっていたことが今回の法律では実効性が確保できるよといった何か狙いはあるのでしょうか。
○衆議院議員(井坂信彦君) 現行の派遣法は、均衡の配慮義務というところにとどまっております。これは、均等が入っている状態、それから均等の入っていない均衡、それから更にそのもう一つ下の均衡を配慮することでよしとするということでありますから、私は、これは本法案に比べて現行の派遣法は二段階低い書きぶりではないかなというふうに考えております。派遣労働者に関しては、法律上の書きぶりも明らかに二段階踏み込んだ書きぶりになり得るものと、それに合わせて政府に必要な措置を求める法律となっておりますので、実効性も担保されるというふうに考えております。
○渡辺美知太郎君 では次に、これもいろんな先生方が御指摘されていましたが、六条二項の一年以内に講ずるというのが三年以内になってしまったという質問をさせてください。 「必要となる法制上の措置については、この法律の施行後一年以内に講ずる」とされていたのを、「この法律の施行後、三年以内に法制上の措置を含む必要な措置」というのがありまして、まず、これは牧山先生も長沢先生もおっしゃっていましたが、なぜ一年が三年になってしまったのかというのと、三年であればこれ十分に足り得るかというちょっと御質問をさせてください。
○衆議院議員(高鳥修一君) お答えをいたします。 まず、法制上の措置を含む必要な措置とした点につきましては、法制上の措置に限定をせず、予算上の措置等様々な施策を含む必要な措置を行っていくとしたものでございます。 また、一年以内を三年以内とした点につきましては、職務の実態、均等・均衡待遇に関する制度運営の状況等についての調査を踏まえ、労政審で議論した上で、我が国の実情等を考慮しつつ検討していくことが考えられることから、十分な期間を確保するため、法制上の措置を含む必要な措置を三年以内に講ずることとしたものでございます。 今の御質問でございますが、三年で足りるのかということでございますが、三年あればしっかりとした検討ができると考えております。
○渡辺美知太郎君 つまり、三年というのは最短の期間ということなんでしょうか。寺田先生もさっきおっしゃっていましたけど、二年じゃ駄目なのかというちょっと御指摘もさせていただきたいんですが、その辺りいかがでしょうか。三年というのが最短という意識なんでしょうか。
○衆議院議員(高鳥修一君) 法案提出者といたしましては、三年が必要最短と考えております。
○渡辺美知太郎君 時間になりましたので、私の質問は終えたいと思います。 やはり同一労働同一賃金法といいましても、行田先生もおっしゃっていますが、原案と比べると随分変わってしまったような気もいたします。これで同一労働同一賃金法の議論が終わらないように、今後も、ちょっと軌道修正もしていただきつつ、同一労働同一賃金の議論を続けていただきたいと思っております。 ありがとうございました。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。 まず、女性が長時間労働の男性並みに働く平等をどう考えているかについてお聞きをいたします。 一九八五年、男女雇用機会均等法が成立をしましたが、それ以降、女性のディーセントワークはどのように達成されてきたでしょうか。
○政府参考人(安藤よし子君) 均等法の制定に当たりましては、女子差別撤廃条約の考え方にものっとりまして、雇用管理における男女差別的な取扱いを撤廃するとともに、母性保護措置以外の女性のみに対する保護措置については見直しが必要という方針が打ち出されたわけでございます。 しかしながら、一方で、女性の就業実態や労働条件、また、女性がより多く家庭責任を負っているというような状況も十分踏まえたものであるべきという考え方から、累次の改正でほぼ二十年掛けて性差別の禁止と一般女性のみに課された労働時間の規制の解除に至ったものでございます。この間、男女共に育児休業や介護休業の権利を創設するなど、実質的な均等を支える両立支援の取組も行ってきたところでございます。 一方で、この間、法制上の平等が進んだにもかかわらず、実態としての男女均等の確保が思うように進んでこなかったのも事実でございまして、その背景に、男性を中心とした企業の基幹的労働者に見られる長時間労働の問題があるということについては、種々の統計からも明らかとなっております。 女性活躍推進の観点からの取組も併せて、男女共に長時間労働を是正する取組を進めているところでございます。
○福島みずほ君 雇用機会均等法が一定の役割を果たしてきたことは理解をしていますが、しかし、労働現場は惨たんたる有様です。女性の非正規雇用率は五四%、非正規雇用の人たちで年収三百万円以下の人が圧倒的に多い、シングルマザーの年収は百数十万円台という、女性の労働については実に惨たんたる有様だというふうに思っています。その理由の大きな一つが、男性並みに長時間働くことを前提とした働き方が強いられてきた。ですから、同一価値労働同一賃金もいいんですが、正社員の雇用も規制し、そして非正規雇用の同一価値労働同一賃金、労働法制の規制をしなければ、雇用の現場は変わらないというふうに思います。 〔委員長退席、理事福岡資麿君着席〕 ホワイトカラーエグゼンプションなどの労働規制緩和が推進されていること、これは女性の労働にとってより悪化することではないでしょうか。いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 男女雇用機会均等法が導入されてから三十年たったわけでございますけれども、現在もなお実質的な格差というのがやっぱり男女間で残っているというのは、先生今御指摘なさったとおりだというふうに思います。 女性の活躍に向けては、男女雇用機会均等法に基づいて性差別の禁止を徹底していくことが引き続き重要であるとともに、男女が共に家庭責任を果たせる社会としていくことも同時に重要であって、とりわけ長時間労働の是正は今御指摘のあったとおりでありまして、女性の活躍に向け、欠かせない課題として解決をしていかなきゃならないというふうに思っております。 このため、現在御審議をいただいております女性活躍推進法案においては、事業主に対して、労働時間の状況等の状況把握、課題分析を行って、その結果を踏まえた行動計画の策定などを求めることとしているところでございまして、また、事業主が行動計画策定に際して踏まえることとなります行動計画策定指針、ここにおいて長時間労働の是正など働き方改革等について先進企業の効果的取組を盛り込みたいというふうに考えておりまして、こうした取組等を通じて、職場と家庭の両立において男女が共に貢献をする社会を構築してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○福島みずほ君 ホワイトカラーエグゼンプションは労働時間規制をなくすもので、長時間労働の規制には真っ向から逆行しているというふうに考えます。 次に、丸子警報器事件についてお聞きをします。 丸子警報器事件は、長野地裁上田支部平成八年三月十五日判決ですが、この判決は、同じ勤務年数の女性正社員の八割を下回る臨時社員の賃金をその限度で違法とするということについて言いました。 この基準でいけば、同じ仕事をしていて時間給に割って八割以下であれば公序良俗違反で無効であるというこの判決を前提にすれば、日本の多くのパートタイム労働者や有期契約、非正規雇用の人たちの労働実態はまさに公序良俗違反で違法となると思います。 厚生労働省はこの丸子警報器事件を踏まえてどのような対策、どのような切り込み、どのような改善を行ってきたんでしょうか。
○政府参考人(安藤よし子君) 御指摘の事件につきましては、二か月の雇用契約を更新していた臨時社員と正社員の賃金格差が問題となった事件でございます。 その判決においては、同一価値労働同一賃金の原則が労働関係を規律する一般的な法規範として存在していると認めることはできないとした上で、賃金格差について使用者に許された裁量の範囲を逸脱したものとして公序良俗違反の違法を招来する場合があるとして、職務の内容、勤務時間、契約期間などの実態から臨時社員と正社員の同一性を比較し、同じ勤続年数の正社員の八割以下となるときは許容される賃金格差の範囲を明らかに超えるとしております。 〔理事福岡資麿君退席、委員長着席〕 厚生労働省におきましては、この判決も参考としつつ、雇用形態に応じた均等・均衡待遇の確保を進めてきたところでございまして、具体的には、平成十九年パートタイム労働法改正による正社員とパートタイム労働者の差別的取扱い禁止の規定の創設、また、平成二十六年改正による差別的取扱い禁止の対象範囲の拡充、また、平成二十四年の労働契約法の改正によります期間の定めがあることによる不合理な労働条件を禁止する民事ルールの整備といった法規定の整備を行ってきたところでございます。
○福島みずほ君 私が聞きたいのは、この丸子警報器事件を前提とすれば、ほとんどの多くの日本の労働現場が公序良俗違反になるということです。法律を作っていらっしゃることはもちろん分かります。しかし、それが効力が余り発揮できていない、現状で、正社員と非正規雇用の間、とりわけ男女の間に大きな格差が生じている。ということは、厚生労働行政がその点で有効に機能していないということではないんですか。
○政府参考人(安藤よし子君) 処遇の格差につきましては、御指摘のような公序良俗違反に当たるような差別的取扱い以外に、いろいろな要因によって生じてくるものだと考えております。 御指摘の丸子警報器の判決におきましては、正社員と長年にわたって同等の働き方をしておられるパートタイム労働者がいる場合には、八割を下回る処遇は公序良俗違反というような司法判断が示されたということを受けまして、十九年のパート法改正では、一定の要件に当たる場合には差別禁止、すなわち一〇〇%、十割の処遇を求めるというような手当てをしたところでございます。
○福島みずほ君 丸子警報器事件や労働契約法二十条を生かして日本の労働現場がもっと変わるようにしなければならないと思いますし、厚生労働省はその責務があるというふうに思います。 私も男女共同参画担当大臣として手掛けた第三次基本計画の中には、同一価値労働同一賃金に向けた均等・均衡待遇の取組の推進というものを掲げております。そこの中に、同一価値労働同一賃金の実現に向けた取組方法の検討というのが基本計画に盛り込まれておりますが、済みません、これちょっと質問通告していないんですが、厚労省としては、この第三次基本計画を踏まえてどのような取組をされてきたでしょうか。
○政府参考人(安藤よし子君) 均等・均衡待遇の取組、パートタイム労働者について申し上げますと、平成十九年のパート法の改正を行ったということ、また、二十六年の改正によりまして差別的取扱い禁止の対象の範囲を拡大するというようなことをいたしました。また、処遇の改善に向けまして職務評価のガイドラインなどを作りまして、その周知啓発に努めてきたところでございます。
○福島みずほ君 今日、EU指令やいろんな議論が出ておりますが、外国の一種の取組、同一価値労働同一賃金を目指した数値目標の設定や算定の方法など、是非厚生労働省として進めていただきたい。大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) これは何度も総理を含めて御答弁申し上げてきたように、同一価値の労働に対して同一の賃金を払うという考え方は極めて重要であって、私どもも均等待遇ということを視野に努力をして研究を続けていかなければならないというふうに申し上げているところでございまして、先生今御指摘の方向性で私どもとしても議論を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○福島みずほ君 その結果を早くまた教えていただけるようにと思います。 厚労省の平成二十四年派遣労働者実態調査報告によりますと、先ほども副大臣から答弁がありましたが、派遣の通勤手当支給は四五・五%、半分以下になっています。賞与・一時金支給は一七・一%、それから皆勤手当支給が五・五%、住宅手当支給は五・二%にとどまります。支給が全くないというのは三六・四%です。 交通費の問題はここでもずっと質問しておりますが、派遣において交通費を支給しないことは違法ではないかもしれないんですが、派遣の人だけ交通運賃がただということはありませんから、これは必要経費として必ず払われるべきだというふうに思います。 派遣法の改正法案が議論になっておりますが、交通費を支給しないような会社は、これは許可を取り消すぐらいのことをやっていただきたい。いかがでしょうか。
○政府参考人(坂口卓君) 今委員の方から御紹介いただいたような実態に現在この通勤手当の状況についてはあるということでございます。実態がそういう状況の中で今おっしゃったような手だてをするというのは、労使でも議論もまだされておりませんし、なかなか難しいということで私どもとしては考えております。 ただ、この交通費の問題については、審議会の御議論の中では、議員も御承知かと思いますけれども、現在、労働契約法の二十条の規定がございますので、派遣元事業主の通常の労働者と有期雇用の派遣労働者との通勤手当の支給に関する労働条件の相違ということを労働契約法に照らしますれば、諸般の事情を考慮して特段の事情がない限り不合理と認められるものであってはならないということはあろうかと思いますので、そういった点については派遣元指針に盛り込むなどして、しっかり周知ということは取り組んでまいりたいと思います。
○福島みずほ君 現行の労働者派遣法でも、三十条の二は、均衡を考慮した待遇の確保とありますよね。均衡ということであれば、均等か均衡かですが、交通費はせめて支払われるべきだというふうに思っています。これに関して、今日、済みません、発議者に私は質問通告をしていないんですが、交通費は当然支払われるべき、この法律を前提にすればということでよろしいですか。
○衆議院議員(井坂信彦君) 先ほど答弁で申し上げましたように、制度の共通化という中には、この交通費、そしてまた派遣労働者も特に排除はされておりませんので、制度の共通化の中でそうしたところも共通化をしていくべきだというふうに考えます。
○福島みずほ君 共通化ということがちょっとよく分からないんですが、厚生労働省にお聞きしたい。 せっかく国会で審議をしているので、少なくとも働いている人にとって少しでもやっぱり前進があるべきだというふうに思います。せめて交通費だけでもこれは支給してほしい。どうですか。これを守らない派遣会社は許可を取り消すぐらいやってくださいよ。でなければ改善されません。いかがですか。
○政府参考人(坂口卓君) 今回の議員立法に基づく制度の共通化につきましては、いろいろな制度についての共通化はどういったものがあるべしということについては私どもも調査検討した上で、また労使にも御議論いただいた上で検討してまいりたいと考えております。 その上で、現在の派遣法の枠組みの中でということにつきましては、先ほどの答弁の繰り返しとなりますけれども、許可の取消し、あるいは許可をすることができないというような形での状況ということについては、私どもとしては、労使の御議論もまだ踏まえているという状況ではありませんので、そういった点についてはなかなか難しいかと考えております。 ただ、先ほど申し上げたような点については、派遣元指針に盛り込むような形も含めて、しっかりと私どもとしても周知をして改善を図ってまいりたいと思います。
○福島みずほ君 この派遣法の、私たちは改悪法案と言っていますが、均衡だといっても意味がないじゃないですか。労働者の職務に応じた待遇の確保等のための施策の推進に関する法律案なんといったところで、交通費すら支給されないんだったら、どこが均衡なんですか。
○政府参考人(坂口卓君) 私どもとしましては、今回派遣先、元の方にいろいろな賃金情報の提供等も含めて均衡の取組を進めていただくということにつきましては、この法案にしっかり盛り込ませていただいたと考えております。通勤手当の問題につきましては、先ほど御答弁をさせていただいたような手だてをもって改善を図ってまいりたいと思っております。
○福島みずほ君 いや、全く納得できません。 正社員は交通費が出る、でも派遣労働者は交通費が出ない。でも、派遣労働者は交通費が掛からないなんということはないわけじゃないですか。均衡なんと言うぐらいだったら、それはこれ払ってくださいよ。それぐらい厚生労働省が言えなくて、何が厚生労働省なんですか。
○政府参考人(坂口卓君) 何度も繰り返しになって恐縮でございますけれども、審議会の中でも御議論をいただいた通勤手当の問題を踏まえて、先ほどのような形で労働契約法の二十条との関係を照らし合わせた形での趣旨の徹底ということを指針に盛り込もうというような御議論がされたということもございますので、私どもとしましては、そういったことを通じての取組ということをしっかり促してまいりたいと思います。
○福島みずほ君 この交通費についてはずっと議論しておりますが、これすら実現できなかったら均衡法案なんて取り下げてくださいよ。何の意味もないじゃないですか。絵に描いた餅ですよ。派遣労働者は何で半分以下の人しか交通費がもらえないんですか。
○政府参考人(坂口卓君) 現在、先ほど御紹介いただいたような実態にあるということは事実でございますので、そういった点も踏まえて、今回の改正に当たっても労使でも御議論いただいたというのが先ほど申し上げた内容ということでございます。ですから、そういった実情等々を踏まえながらどういった形で改善できるかということはございますが、先ほどのような趣旨を派遣元指針に盛り込んで私どもとしては改善を図ってまいりたいと思います。
○福島みずほ君 じゃ、発議者、これ均衡法案だと言うぐらいだったら、交通費ぐらい保障するという趣旨でよろしいですね。
○衆議院議員(井坂信彦君) 制度の共通化というふうに六条一で書かせていただいて、合理的な理由のない、そこで単に派遣だから交通費出しませんというような、こういうことは本法案の趣旨として認められないというふうに思っています。 ただ、それを実際に企業にやってもらうために政府がどのような措置をとるかに関しては、おっしゃるような、それをやらなければ派遣業許可取消しだという強いやり方も手段としてあるでしょうし、ほかのやり方もあるというふうに思いますので、そこは政府の検討、また実態の調査、労政審の議論、こういったところでいろいろ変わり得るんだというふうに思っています。
○福島みずほ君 だったら駄目じゃないですか。どんな意味があるんですか、この法案に。 じゃ、確認しますが、派遣だからといって交通費を払わないことは不合理な差別ですよね。
○衆議院議員(井坂信彦君) 単に派遣だからというだけで、ほかに何も理由がないのに交通費を払わないというのは不合理ではないかなというふうに思います。
○福島みずほ君 ということで厚生労働省もよろしいですね。
○政府参考人(坂口卓君) その点につきましては、派遣だからと申しますか、先ほど申し上げたとおり、労働契約法の二十条で有期であるということを理由にしてということでそういった規定が設けられておりますので、その趣旨をしっかり尊重して、しっかり派遣業者にも周知をして改善を図っていきたいということでございます。
○福島みずほ君 改善を図っていきたいということで、今半分以下の人しか交通費が支給されていない、この改善が、この法律が施行されようがされまいが均衡の待遇というのは今の現行法でもあるわけですから、実現できるようにと思っております。 それで、食堂、休憩・更衣室などについて、福利厚生のことなんですが、これは配慮義務にレベルが上がりましたが、配慮義務というのは結果責任ではありません。今度、四十条の三項ですが、この厚生労働省令で定めるというのは何が入るんでしょうか。そして、当然、食堂、休憩・更衣室などは使えるということでよろしいでしょうか。診療所は使えるんでしょうか。
○政府参考人(坂口卓君) 今の福利厚生施設の点につきましてでございますけれども、その点につきましては、今委員御指摘のように、具体的な事項の福利厚生施設につきましては厚生労働省令で定めるということにしております。 この点につきましても、労働政策審議会でこの法案を提案していただく際に御議論いただいたところでございますけれども、その中では、一定の福利厚生施設について、給食施設、休憩室、更衣室が掲げられておりまして、この三者についての利用の機会を与えるように配慮するということを今後省令で定めていこうということで考えてございます。
○福島みずほ君 同じ会社で働いていて、あなたは派遣だから食堂は使えませんよ、休憩室は使えませんよ、更衣室は使えませんよなんということはあり得ないと思うんですね。そうだとすれば、これは配慮しなければならないという配慮義務なんですが、これはむしろ義務規定にすべきではないですか。どうですか。
○政府参考人(坂口卓君) この点につきましては、現在の規定は、議員も御承知のとおり、労働者が利用する施設に関する便宜供与についての努力義務ということにとどまっているところでございます。 今回、その規定について、必ず何らかのアクションを派遣先の方に起こしていただくべく配慮義務ということにすることが先ほどの三施設につきましては適当であるということで、労働政策審議会の中でも御議論をいただいたということでございますので、私どもとしましては、その議論を踏まえて、今回配慮義務という形でしっかりその取組を促してまいりたいと思います。
○福島みずほ君 配慮義務というのは、何らかのアクションを取ればいいわけですよね。だから、会社の側が食堂や更衣室や休憩室について考慮したけど、例えば狭いし、派遣の人は御遠慮していただく、これはオーケーなんですか。
○政府参考人(坂口卓君) 御遠慮していただいて云々というところについてはそれぞれの個々の事情になろうかと思いますけれども、いろいろ、更衣室の置かれているその設置状況等々もありますので、どういったところまでというところには限界がある部分は個々の企業においてはあるかもしれませんけれども、いずれにしましても、何らかの形で利用の機会を与えるということについての配慮ということは、何らかの形で派遣先の方に配慮をしっかりしていただくということを求めてまいりたいと思います。
○福島みずほ君 同じ社員、同じ社員というか同じ会社で働いているわけですから、更衣室、休憩室、食堂を使えて当然だと思います。その点で徹底していただきたい。 診療所は使えないんですよね。診療所は入りますか。
○政府参考人(坂口卓君) 診療所につきましては、それぞれのやはり企業に置かれている制度の現状ということもあるので、現在も、この努力義務の一つとしては派遣先指針の中にも例示として掲げさせていただいておりますけれども、そういった取組で、しっかり均衡の取組ということについて派遣先を促すという形で進めたいと考えております。
○福島みずほ君 均衡待遇、均等待遇と言ってもいいと思いますが、やはりパートだと、さっきの丸子警報器事件ではありませんが、時間給に直してどうかという議論ができるわけですが、派遣の場合の賃金の均等・均衡待遇というのは、マージン率があるために、どうしても派遣社員は、もし仮に同じ仕事をしていたとしても、賃金が必ず安くなるというふうに思うんですね。 この点はどうなんでしょうか。これはやっぱり派遣自身が持っている問題だとも思いますが、均等・均衡待遇でいえば、これは丸子警報器事件は適用されるんですか。
○政府参考人(坂口卓君) 判例の適用については特にコメントを差し控えさせていただきますけれども、二十四年改正でも、派遣元の方で派遣先の賃金水準を考慮して賃金を決定するということについての配慮義務が盛り込まれておるところでございます。 今回の改正案では、さらに、派遣先の方から、しっかり派遣元がそういった決定ができるように、派遣先について派遣先の労働者との均衡を考慮して決められるように、その派遣先の賃金の情報ということをしっかり派遣元に伝えていただくということを今度は情報提供の配慮義務ということにしておりますので、それぞれの派遣先の労働者とどういったところで比べるかという難しさがあるということについては、今日も議員立法の御議論の中でもるる御議論になっておるところでございますけれども、いろいろそういった制約のある中で、できる限りの均衡的な取組ということを進めていただくように私どもとしては取り組んでまいりたいと思います。
○福島みずほ君 せめて交通費から、全額支給のところから始めていただきたいと。それもできなくて均衡も均等もないだろうと思います。 終わります。
○委員長(丸川珠代君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時五十九分散会