厚生労働委員会 第3号
- 発言数
- 343 件
- 登壇者
- 32 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2015/03/26
会議録
○委員長(丸川珠代君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、西村まさみ君が委員を辞任され、その補欠として森本真治君が選任されました。 ─────────────
○委員長(丸川珠代君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省社会・援護局長鈴木俊彦君外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(丸川珠代君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(丸川珠代君) 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、厚生労働行政の基本施策に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○木村義雄君 皆さん、おはようございます。特に大臣始め皆さんは、今朝は八時ということだったんですが、何か昨日、おとといか知りませんけれども、五時からレクを受けているということで、毎朝連続、大変御苦労さまでございます。 じゃ、早速、今回、介護報酬の切下げが介護現場に相当な影響というか、深刻な影響を与えております。そのことについて、ほとんどの時間を割いて質問させていただきたいと思います。 まず、たどっていきますと、去年からなんですけれども、最初、この介護報酬改定の議論が、社会福祉法人の中に巨額な内部留保があるから、その内部留保をどうするんだということに関しての議論が行われていた。それが何かいつの間にか、途中から内部留保の話が全くかき消されてしまって、収支差率の方に、これに基づいて介護報酬を改定するというふうに置き換えられてしまっているわけですね。 その点に関して、あれほど内部留保のことが議論されていたのに、急に最後は収支差率でばたばたばたと決まってしまったと、このことに関して、まずしょっぱな、大変恐縮ではございますが、塩崎大臣の御意見を聞かせていただきたいと、このように思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、木村先生から御指摘がございましたように、財務省の財政審の方でこの内部留保の問題が、社会福祉法人の内部留保の問題というのが取り上げられたわけでありますけれども、介護報酬決定の議論に際して、そういうような形で内部留保が積み上がっているということを踏まえて適正化を行うべきという議論があったということは、そのとおりだと思います。それは一部にあったわけであります。 一方で、いわゆる内部留保を直接考慮するのではなくて、その蓄積の要因の一つである収支差、これに着目をすべきではないのか。それから、介護報酬は介護保険法上の、介護サービスに要する平均的な費用の額を勘案して厚生労働大臣が定めることとなっているわけでございまして、これまでの改定においても、介護事業経営実態調査、これを行った上で、介護サービス事業者の経営実態等を考慮して改定が行われてきているという経緯が同時にあるわけでございます。 このため、今回の改定については、例えば特別養護老人ホームの基本サービス費について、審議会の報告では、引き続き収支差が高い水準を維持していることを踏まえ、事業の継続性に配慮しつつ評価を適正化するとされておりまして、これを踏まえて改定を行ったものでございます。
○木村義雄君 今言ったように、内部留保から今度収支差に移ったと。その収支差は、要するにお得意の実調ですね、実態調査等で見ていくわけでありますけれども、この実調が今までこの委員会でもしょっちゅう問題点として取り上げられていて、これが本当に実態を正確に表しているのかどうか、これはいつも必ず議論になるところでありますし、サンプルの取り方とか様々な問題点があると。 今、大臣の御答弁の中に平均的という話がありましたけれども、これも後からでもこれを議論の中に入れますけれども、この辺も非常に公平な話なんですよね、よくよく考えれば。 平均ということは、いいところもあるし悪いところもあると。この辺は丸川委員長の一番お得意なところなんですが、偏差という概念がやっぱり欠けているんですよ、あなた方に。ですから、平均的でやると、いいところはどんどんどんどんそのまま恩恵にあずかっちゃうけど、悪いところはますます首を絞められてしまうという、こういう不公平感を生じる可能性が非常に多くなるわけですね。 特に今回、表ではマイナス二・二七で、これは過去最大がマイナス二・三だったからそれより少なくしたと、こう言うんですけれども、実際はマイナス六%なんですね。基本単価下げているんです。 確かに、大臣も今、基本サービス費についてこれを適正化すると、こう言っていますが、厚生省の言う適正化というのは下げるという意味なんですよね。(発言する者あり)減らすという意味です、あなたの言うとおり、減らすという意味なんです。この言葉の使い方も余り気に入らないんですけれども、結果として、これは後で、これから先また議論をしていきますけれども、やっぱりここは考え方を直していただかないと、大きく考え方を直していただかないと、私は、これから、実際には今年の六月から振り込みが行われます、そのときから現場は相当混乱を来してくるんじゃないかと、このように思えてならない次第でございまして、本当にこういうことを考えてやっているのか、大きく疑問に思えてならないわけであります。 大臣は是非GPIFとかああいうのにしっかり頑張っていただきたいと思うんですが、ちょっとこれからは老健局長にお伺いしますが、これ、今も話したように、老健局長、内部留保ではなくて収支差を基準にした介護報酬改定すると、内部留保をたくさん保有している大規模社会福祉法人等は、これは影響を自分たちの持っている内部留保で埋めていくことはできるんだと思うんですが、そうじゃない、いわゆる平成十二年以降の新しい介護保険スタートしてからやっている法人なんかには相当その影響があるんじゃないか、そっちの方にむしろ影響があるんじゃないかと。この辺のことはどういうふうに思っているのか、その辺をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(三浦公嗣君) 内部留保の御議論でございますけれども、いわゆる内部留保というものにつきまして、その定義というものをどのように定めるかということについて省内での議論というのが行われていることは御案内のとおりだというふうに思います。 そういう中で、内部留保の多寡ということを、その定義がなかなかない中で一律に議論するということは、なかなかこれもまた難しいことだというふうに考えておりますけれども、一般的に考えまして、例えば建て替えを終えた直後の法人ですとか、あるいはかなり施設設備が古くなった、経年した施設ですとか、そういうことの事情によりましていろいろなパターンが出てくるのではないかというふうに思います。そういう意味で、新設の法人、これは基本的には新しく建物を建てたというようなことがあるわけであれば、それに伴って一定の、何というんでしょうか、負担というものがまだ残っている場合があるのではないかということは考えられると思っております。
○木村義雄君 今局長の話の中で問題は、内部留保の定義がないという話をされたんですが、たしか、今日私がこの問題を提起するまでに多くの与野党の議員がこの問題、内部留保に関しては質問をされているんですが、そのたびごとに内部留保の定義がないと言って、もう去年のうちから言っているんですよ。なぜ内部留保の定義をしないの。あなた方の職務怠慢じゃないんですか。何で内部留保の定義をしなかったの、もうこれだけ時間がたっているのに。
○政府参考人(三浦公嗣君) 今、先ほど御説明申し上げましたとおり、社会福祉法人の内部留保については議論が行われているということでございまして、その議論を踏まえた結果といいましょうか、そういうものが出てくるんだろうというふうに思っております。これは、省内、担当部局とも連携しながら、今私ども検討を行っているところでございます。
○木村義雄君 ほかのところはすぐに結論を出しておいて、これだけなぜ延ばしているのかが分からない。じゃ、どこでやっているの。どこでやっているの。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 今老健局長から御答弁申し上げましたように、今般の社会福祉法人改革の法案の中で内部留保につきましてしっかりとした定義付けをするということで今準備を進めているところでございます。
○木村義雄君 それ、もうできたわけ。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 厚生労働省といたしまして法案を準備いたしまして、今与党の御審査をいただいているところでございますけれども、その準備している法案の中には内部留保の定義というものを位置付けてございます。
○木村義雄君 内部留保の定義付けが明確にできているんですか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 今般の社会福祉法人に対しますいろいろな御批判の中で、内部留保についていろいろ、ため込んでいるんではないかというような御指摘がございました。これに応えまして、その内部留保の中身というものは実は法制的に定義付けというものがございませんでしたので、ただいま申し上げました法案の中で、収支差の蓄積で、その中で特に現在の事業を継続するために必要な一定の財産、こういうものは一定控除いたしまして余裕財産を明らかにする、そういったような仕組みを法律上位置付けて、準備をしているところでございます。
○木村義雄君 もしそれだったら、何で今度の改定のときに内部留保のところの、この介護報酬の改定のときに、収支差もさることながら、内部留保のことを議論しているの。さっきは定義がないからできないと言っていた。しかし、今の鈴木局長は、もう定義はある程度していると言う。これ矛盾しているんじゃないですか。
○政府参考人(三浦公嗣君) 御案内のとおり、介護報酬の議論というのはこの三年間継続的に行われてきたところでございまして、その議論の中で、ほぼ昨年末ぐらいで介護報酬の改定の方針というものが審議会で結論のめどが出てきたという状況でございまして、その段階では、私ども、内部留保の新たなといいましょうか、定義というものについて固まっているという状況ではございませんでしたので、内部留保についての議論とは別途、先ほど大臣から御説明申し上げたとおり、サービスを提供するために必要な平均的な費用の額というものを勘案すると。要するに、費用が掛かっているんだから、その分を報酬で補うと、こういうような発想の下で検討が審議会の中で行われてきたということでございます。
○木村義雄君 今、私の同僚議員の間から本末転倒の議論だと、順番がおかしいんじゃないかというような議論もありますよ。いずれにしたって、その話聞いていたら、局あって省なしじゃないですか、矛盾しているんじゃないですか。ちょっと統一見解を出してくださいよ。
○政府参考人(三浦公嗣君) 先ほど来申し上げていますように、介護報酬というのは、サービスの提供に必要な費用の額、これを勘案するということになりますので、内部留保というのは、その結果利益が出てきて、収支差が出て、その収支差が集積した結果の議論として内部留保という問題はあるんだろうというふうに思います。 ただ、先ほど来申し上げているように、報酬そのものは、言わば、個別のサービスの種類ごとにどれぐらいの費用を掛けて提供しているのか、それに基づいて設定するということが基本でございますので、そういう点では、介護報酬の設定としては、やはり費用の平均的な額というものを勘案せざるを得ないということでございます。
○木村義雄君 だから、二人が全く別な方向を向いているとしか思えない答弁であって、本来は止めてもいいんだけれども、止めるなといって国対から言われているからやめますが、また後でどうなるか分かりませんよ。 じゃ、質問の別な角度から見ますと、余り納得していない、平成二十六年の介護事業経営実態調査によると、定員規模によって施設の収支差というのは違うんですよ、あなたは平均的、平均的と言うけれど。それで、三十一人から五十人の施設の収支差率というのは六・五%、あなたが言うその実態調査においての話をしているんだよ。定員五十人から八十人のところでは八・三、この辺が平均だと言われていると。それから定員八十人以上の施設では一〇%以上となっていると。こんなに収支差あるじゃないですか。それを平均的なところでやられたら、例えば三十一人から五十人のところは六%程度でしょう。 今度の介護報酬は、さっき言ったように、表向き二・二七と言っているけれども、これは全く、実態では五%、六%、大体マイナス、基本単価を下げちゃったから、あなたの言う基本単価を下げちゃったから、六%マイナスだったら、要するに五十人以下の平均的な特別養護老人ホームなんてやっていけないじゃないですか。そんなの分かっているのに、何で平均、平均と言うのか、これが分からないよ。
○政府参考人(三浦公嗣君) おっしゃるように、サービスの提供の仕方、この場合で申し上げますと、定員ということと収支差、こういうものとの関係というのがあるのではないかという御意見だろうというふうに思います。 その点で申し上げますと、どこをもって平均として考えるかということももちろんあるわけでございますけれども、一般的に特別養護老人ホームということになりますと、一定の収支差があるということを前提に基本サービス費の引下げというのが行われたことは事実でございますが、それが基本サービス費の言わば基本料金部分ということで御理解いただきますと、加えて様々な加算というのが今回上積みされております。 したがって、上積みされている部分の加算を十分に活用していただきながら、事業内容の充実というものを目指していただくということもあるのではないかと考えております。
○木村義雄君 基本単価と加算というのは全然違うんですよ。それを分かっているんだよね、分かっているんだけれども、何でも加算をしたからいいだろうといってね。大体加算というのは絵に描いた餅と言われているんですよ、絵に描いた餅と言われていると。では、取れなかったところはどうするのと、当然こういうことになって、この加算に関しては後でまた時間を取っていきたいと、このように思いますが。 いずれにしても、要するに、五十名以下の、言ってみればこの収支差率が、介護実態調査でも六・五%で、そういう小さいところはこれから大変なことになるわけですよ。これが三分の一ぐらいあるわけですな。そして、もちろん、新しい法人というのは、恐らく内部留保もなければ、そんなに余裕がない、ぎりぎりでもってやっているところもたくさんあると。特にこういう、要するにある意味で一番現場に即した施設というのはこれから大変になること、当然なんですよ。 だから、これらの法人が経営困難になって、介護サービスや職場の環境悪化、事業撤退等が予想されるわけですけれども、これがまた介護難民にどうしてもつながってくると。私は、ある意味で、言ってみれば中間から下の施設というのはこれから危機的な状況が生まれてくるのではないかと、このように思えてならないわけであります。 賢明な塩崎厚生労働大臣においては、このような危機的状況が今回の介護報酬の平均的な報酬改定によって全く起こらないと断言できるんでしょうか。加算だけで本当に救うことができるんでしょうか。大臣の見解をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど来、三浦局長の方から答弁を申し上げているわけでありますけれども、特別養護老人ホームにつきましては、様々な規模もございますし、いろいろなケースがあり得るということも先生御指摘のとおりだと思っておりますし、しかし、そうはいいながら、私どもの調査も目安として勘案をしてきたわけであって、他のサービスと比べますと収支差が高くなっているということなどを勘案して、基本サービス費について一定の減額を行いましたけれども、同時に、言ってみれば、経営にとって必要な収支差というのはやっぱり残るようにしているというのもまた配慮事項の一つであったわけでございます。 また、中重度あるいは認知症高齢者を積極的に受け入れるというのはこれからの大きな流れでもございまして、言ってみれば、社会のニーズに応える意味でも、こういった加算の充実というのは、あるいは施設でのみとりも重視をしていくというのもこれからの流れだろうというふうに思いまして、充実を図ってきているわけでございます。 個別具体的な施設の経営状況を正確に予測するというのはなかなかこれは難しいわけでございますけれども、これからの言ってみればニーズに応える加算というのは、今後の特別養護老人ホームに求められる役割を評価するものであって、各施設において加算を取得し、事業内容を見直すことによって、ニーズに合ったサービスをできる限り質が高い状態で提供していくということが重要だというふうに考えているわけであります。 しかし、そうはいいながら、改定後にどのような経営状況になっていくかということは、これはもうきめ細かくしっかりとフォローアップをしていかなければならないというふうに考えているところでございます。
○木村義雄君 大臣、役人の書いた答弁どおり読んでいたら後でひどい目に遭うから、それは今から警告をしておきます。まあ、後で怒らないようにね。 さっきから何回も言うんですけど、今回の最大の失敗点は、財政審の言うとおり基本単価下げちゃったんですよ。昨年の十月から財政審では基本的な部分を六%下げろと言っているんですよ。そのとおりになっちゃっている。大臣はいろんな答弁の中で、いや、財政審の言うことなんて聞かないと言いながら、その基本単価を六%下げるということに関しては、特にこれは介護のところの基本単価ですけれども、余りにも財政審とぴったりの数字が出たので私もびっくりしているぐらいなんですよ。 これは、加算でもって幾ら頑張ったって取れないことというのはもうあるのはみんな知っている。基本単価と加算の大きな違い、それは、加算には、取るに当たってはいろんな条件が付くんですよ。だから取れないのが結構ある。あるいは、こっちを取ったらこっちが取れないとかそういうようなものがあるので、これは本当に大変だと。 しかし、今大臣はちらっとおっしゃったけど、いや、大変なところはこれからよくウオッチしていくというんだったら、ひょっとして、じゃ、これは途中で改定をやるとか、それから通知の仕方を見直すとか、私、また議論していきますけど、この辺もやっぱり本当に真剣に考えないと、後でみんな塩崎大臣の個人の責任にならないようによく御注意をいただきたいと。私、長年やっていますから、ひどい目に遭った大臣は幾らでも見ていますから。 そこで、次は各論の方に入っていきますけれども、国は以前から地域密着型の小規模デイサービスとかそういうのを促進してきたと。要するに、施設から在宅へと、表向きはこう言っているわけですよ。だから、今度は、要するに、特別養護老人ホームみたいな施設だけをいじめているかと思ったらそうじゃなくて、実際に在宅の方に行っている様々なサービスもえらい単価下げちゃっているのね。例えば小規模デイサービスでは百二十四点、要介護ですけれども、これ下げていると。大規模でも五十二点下げていると。 それから、それ以外に、集合住宅への訪問介護の介護報酬の減算とか、通所介護事業の送迎減算とか居宅介護支援事業者の集中減算とか、もう施設だけじゃなくて在宅の方もだんだんだんだんめった切りにしているので、これで本当に大丈夫なのと。至る所でマッチに火を付けて、いや、後で何か加算で水掛けますよといって、この燃え上がった火、消すことできるんですかね。どうなんですか。
○政府参考人(三浦公嗣君) 平成二十七年度の介護報酬改定の前、つまり現在の報酬でございますが、この報酬におきましては、小規模型の事業所の基本報酬につきましては、規模が小さいということによる管理経費がより掛かるということを踏まえまして、通常規模型の事業所に対して約一七%高い設定としてきたところでございます。 今回の介護事業経営実態調査に基づきますと、通常規模型の事業所と小規模型事業所におけるサービス提供に係る管理的経費の実態というものが分かってまいりまして、小規模型の事業所は通常規模型の事業所に比べて約八%高いということが明らかになったところでございます。 このような状況を踏まえまして評価の適正化を行うということになったわけでございまして、全体としては、事業者の安定的な経営に必要な収支差が残るように配慮していると考えておるところでございます。 それから、言及ございました、通所介護の同一建物減算と呼んでおりますけれども、同一建物内に通所介護事業所があると。そこに要介護者の方々、要支援者の方々が住んでおられるところの同じ建物の中に通所介護、デイサービスの事業所があるというような場合、送迎に掛かるコストというものが通常のコストとは違いまして掛からないということになるわけでございます。そういうことを考えて今回の減額ということが行われたということでございます。 また、そのほか、報酬の上で様々な減算があるではないかという御指摘でございますが、いずれも、評価の適正化というような観点から、労力が掛からないというようなこと、あるいは公平性、中立性というものに着目した報酬の設定ということで検討をしてきたところでございまして、審議会における結論を得たというところでございます。
○木村義雄君 ちょっと審議会の中の一部の議論も見させていただいたんですけれども、何か一部のどこかの大会社の社長さんが、社長さんか会長さんか知らなかったけれども、自分のところでやったらこんなにもうかったと、だから減らせというような議論をしているわけですな。ところが、そこは自分のところの敷地で、自分のところはお金を持っているんだから、言ってみれば土地代はただ、建物もただと。それから当初に掛かる資金は幾らでも豊富なそれこそ内部留保がある、会社だから内部留保があると。 こういうところの御意見を受けてばっさり切ったんですけど、ちょっと待ってくださいよと。あなた方がこういうのをやりなさいと言っていて、提案しておいて、じゃ、借金をして土地や建物を建てて、それでスタートしたと。しかし、最初、それはある程度の収支差がないと、最初から赤字だったら何年ももちませんよ。 だから、さっきから言っているように、裕福なところが、大量の内部留保を持っているところが余裕を持ってやって収支差がたくさん出ましたと。それを基準にしてばっさり切って、あと、これから新しくやろうと思っている人や今スタートした人たちの、言ってみれば二階へ上げてはしごを外すようなものじゃないですか。その辺の反省点は全然考えていないんですか。
○政府参考人(三浦公嗣君) おっしゃるように、新設の施設ないしは、事業者ということになりますと、一定の負担というのが通常の、つまり長く経営をしてきたところとは実態として異なる場合があるというのは推測されるところでございます。一方で、そのような新設の事業者に対する特別な報酬というのはなかなか実は設定しにくいということもございまして、ある意味、一律の報酬にせざるを得ないという状況が生じております。 そういう意味で、介護報酬の構成といたしまして、比較的新しいところも含めた実態調査というものを行って、その上で平均的な費用の額というのを算定するというような仕組みになっていると。総合的に見れば、したがって、そういう新設でまだなかなか定常状態になっていないというところも含めて調査の対象となっていると。その調査の結果を踏まえた報酬の設定を行うということでございます。
○木村義雄君 いや、いみじくも今局長が答弁したように、要するに、新しいところとか、これから二〇二五年に向かって、あるいはそれ以降に向かって、やっぱり介護のサービスを提供してくれる人たち必要なんでしょう。しかし、今の話だったら、ぶった切ってもやむを得ないという答えじゃないですか。それでいいの。 要するに、今まで長年やってきたところは、大きな規模の法人は、だんだんだんだんガバナンス厳しくして、県庁や市役所の職員が天下りの先にしようとしたりしていると。それで、新しい、民間でこれからやっぱり介護現場でこれからのところをやっていこうという、これからライバルになりそうなところは今から芽を摘んでおくというような答弁じゃないですか、それは。 だから、介護報酬のやっぱり算定の仕方、やり方に対して、これは根本的に、偏差を考えずに一律にやるというような基本的なところはもうおかしいんですよ、時代遅れなんですよ。それに対して、何かそのまま、今までのを変える意思はありませんという、何か役人みたいな答弁しているから駄目なんだよ。だけど、介護というのはこれからどんどん進んでいくんだから、やっぱりいい意味での役人になってもらわないと、私は悪い意味での役人になってもらいたくないからこういうことを言っているんであって、その辺はどうなんですか。
○政府参考人(三浦公嗣君) おっしゃるように、様々なサービス、これから高齢化が進む中で必要になってくるということに対する認識は当然強く持っているところでございます。今般の地域医療介護基金などにおきまして、新しく事業を行うというところに対する支援というような仕組みも検討しているところでございまして、そういう意味では、新設の事業所が出てくる、あるいは出てきてほしいというところは私どもも全く同感でございます。
○木村義雄君 だけど、同感と言いながら、やっていること違うじゃない。同感と言いながら、あなた、さっきはそういう新設のところに配慮できるような介護報酬の設定はできないと言ったばかりじゃないですか。言っていることとやっていること違うよ。それはどうなの。
○政府参考人(三浦公嗣君) おっしゃるように、介護報酬の設定だけで新しい事業者の開発といいましょうか、というものを進めていくというのはなかなか難しいところがあるということを踏まえまして、私ども、先ほどの医療介護基金の活用なども含めて総合的な対応というのをやっていく必要があるのではないかというふうに認識しているところでございます。
○木村義雄君 基金なんかの話はやるとまた時間が掛かっちゃうんで。 いずれにしても、やっぱり介護報酬の今までの決め方、これは相当変えていかないと、特に今回のようなことをきっかけにして、恐らく介護現場、火の車みたいになっちゃいますよ。だから、それは十分、社会・援護局みたいな何か頭かちかちのようなことを言わずに、やっぱり現場を担っている老健局なんだから、老健局長なんだから、やっぱり現場にもう少し根差した、現場に即した方針を出していかないと、大問題になっていきますよ。 それで、ちょっとまた大問題ですが、さっきから加算の話をしているんですが、処遇改善加算、今度の目玉ですよ、今度の目玉の処遇改善加算。この処遇改善加算、介護職員だけを対象とすると、こういうことを言っています。ところが、介護職というのは御承知のように全体の六割ぐらいで、残りの四割に該当する事務員、しかしそれ以上に、なかんずく看護師、こういう介護職以外の職員に対して加算が行われない。これはもうどの事業所もみんな非難ごうごうで、(発言する者あり)そうだそうだという声がありますけれども、御声援ありがとうございます、こんな不公平な取扱いでもって、何かあくまで突っぱねているけれども、これはやっぱり全体に行き渡るようにした方がいいんじゃないんですか。
○政府参考人(三浦公嗣君) 処遇改善加算についてお尋ねいただきました。 ヘルパーなどの介護職員につきましては、離職率が高く、また、求人してもなかなか人材が確保できないというふうな状況もございます。また、賃金も看護師やケアマネジャーといった他の職種の方々に比べて低いという状況があると認識しております。 今回の改定におきましても、平成二十四年度改定で創設いたしました介護職員処遇改善加算の仕組みを維持しつつ拡充したところでございまして、まずは介護職員を加算の対象とするという取扱いは変更しておりません。そういう意味で、優先度の最も高い部分、介護職員に対する処遇改善をまず行うというふうなことでございます。 やはり他の職種の方々についても私どもとしてはできるだけ処遇の改善を図っていただきたいという考え方でございますので、それぞれの事業者の努力の中でできる限りの維持改善を図っていただきたいという考え方でございます。
○木村義雄君 横の方から、どこからほかの人たちの処遇改善の原資を出すんだという声がありましたけれども、じゃ、看護職は必要ないんですか。看護職必要ないの。要らないわけね。だって、一方では、全体の基本単価でマイナス六%もどんと下げているんだよ。それで、大臣いわく、いや、加算でもって何とかしてくださいと。じゃ、その加算の対象になる一番の大きなポイント、処遇改善加算。これは介護職だけでほかは駄目ですよと、看護は駄目ですよと。これ、恐らく多くの人たちが全く納得いかないんだと思いますよ。なぜ看護職は介護に入れないと、全部これからは介護の方は看護職なしでやっていくわけ。どうなんですか、そこは。
○政府参考人(三浦公嗣君) もとより介護はそこで業務に従事していただく人が、人材が極めて重要なことでございますので、そういう意味で、介護職員さえいれば介護サービスが提供できるという認識を持っているわけでは決してございません。 一方で、先ほど申し上げましたように、介護職員の処遇が他の職種に比べて低いということなどを勘案して、今回の報酬におきましては、まず優先順位を付けた上で介護職員の方々に対する処遇改善を行うということでございまして、その他の職種の方々についてもできるだけの対応をしていただきたいと考えているところでございます。
○木村義雄君 まず、看護職の方が何か待遇がいいから後回しだよと、こういうことですか。看護職の方が給料が高いから後回しですと、こういうことですか。
○政府参考人(三浦公嗣君) 先ほども御質問いただいたところでございますけれども、これはやはり介護の職員の確保というのが難しいと。もちろん、看護職の方々の確保も難しいところではあるんですけれども、一方で、先ほど委員からも御指摘があったとおり、介護サービスの提供の主力はやはり介護の職員だということもございまして、まず介護の職員の確保というのを図っていかざるを得ないというところで、ここを重点的にまずはやっていくということでございます。
○木村義雄君 例えば特別養護老人ホームを例に取ったって、介護が主力だといったって、介護職員は六割だから、あとの四割がなかったらやっていけないんですよ。もちろん看護の人たちもいますよ。それから食事作ってくれる人たちもいると。それから栄養士とか何かも必要かもしれないし、それから事務の人たちだって支えているわけですよ。介護が主力だからといったって、じゃ、あとのはどうでもいい脇役ということ。
○政府参考人(三浦公嗣君) もちろん、他の職種の方々がおられなければ介護サービスが提供できないわけでございますので、そういう意味で、できるだけの処遇の改善というのを図っていくということは非常に重要なテーマだというふうに考えているところでございます。
○木村義雄君 基本単価下げて、介護職だけは加算で取ってくれと、それで何とか経営持ち直してくれと言って、あとはみんなどんと下げているんだよ。 だから、頑張ってくれと言ったって、足引っ張っておいて頑張ってくれと言って、ジャンプするなと言っているわけじゃない。矛盾しているよ。だから、言っていることとやっていることさっきから違うと言っているけど、そのとおりじゃないですか。
○政府参考人(三浦公嗣君) 介護報酬の改定、全体として引下げになったことは事実でございますけれども、その中でも、全体として事業者の経営に必要な収支差が残るように、個別のサービスの特性などに配慮しつつ基本サービス費の適正化を図っているというところでございまして、そういう意味で、その経営努力というものを私どもそれぞれの事業者の方々に期待をしながら、それぞれの事業の運営の見直しを図っていただくということも含めて、できるだけの処遇の改善を図っていただきたいということでございます。
○木村義雄君 手足を縛って今度の徒競走に頑張りなさいと言ったって、それは余りにもむごいよ。だって、どんと基本単価は下げて、何回も言うけれども、それで加算でもって頑張りなさいと、これで経営立て直しなさいと。そうはいったって、それは介護の人しか取れませんよと、あとの四割の人たちは野となれ山となれで。それでいわゆるチーム医療、チーム介護である特養とかその他の施設、これやっていけるわけないじゃないですか。 ちょっと質問通告外ですが、大臣、これはやっぱり、今度のこの処遇改善加算は、私は、介護だけにするんじゃなくてもっと幅を広げるべきだと、これは特養とか老健、その他の施設全体に私は広げるべきだと思うんですが、大臣の所見を聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 介護というのは、当然のことながらチームで提供していかなきゃいけないわけでありますから、本来、みんながやはりその気になって、同じような気迫と気力で頑張ってもらうというのが一番大事なんだろうというふうに思います。 そんな中で、このところ、ここ数年ずっと指摘をされ続けてきたのは、余りにもやはりこの介護職員、ヘルパーの皆様方の、あるいは介護福祉士の皆様方の報酬が低いがゆえに人材がなかなか集まらないということで、どこに行っても苦労をして、特別養護老人ホームの皆さん方も経営に苦心算段されてこられたわけでありまして、そういうことで、これは前民主党政権のときも、やはりまずはこの介護職員から処遇を改善することによって人材を確保しようと、こういうことであったと思うんです。 もちろん、その他の方々についても、なかなか厳しい中で採用しているわけでありますから、当然、報酬を上げることによって優秀な人に来てもらうということができれば、それはそれにこしたことはないわけでありますが、今相対的に、緊急度からいくとやはり介護職員がまず大事だなということで、問題は、介護も含めて、社会保障と税の一体改革ということで消費税を上げてきた、三%取りあえず上げて恒久財源を増やしたわけでありますけれども、この財源のことと、それからあとは、保険料とそして自己負担の問題をどうバランスを取ってやっていくかという中で、人材をしっかり確保しながら長もちする介護保険制度を維持していかなければならないというようなことで、今回このような形で、当初は一万円ということでしたが一万二千円に上げて、何しろこの介護職員の人材不足を解消していこうじゃないかというふうになったというふうに私どもも理解をしているところでございます。
○木村義雄君 取りあえずというのはやっぱり私は間違っていると思うんですよ。やっぱり施設全体、大臣もおっしゃった、チーム介護でやっているんだからと。それはこの際はちゃんとやらないと、結局、いや、介護の方を上げました、看護の方は下げちゃったり、そのままにしたと。これはやっぱり法人内では、施設内ではとてもたまらぬということで、やっぱり看護の方も上げざるを得ないと。 なぜならば、看護においても、病院に勤務している看護の人たちとこういう介護施設に勤務している看護の人たちの給料の差というのは相当あるんですよ、相当ね。片一方が、病院の方が三十万円だとしたら介護の方が二十万円台だとか、例えば、これは厚生省の出した資料なんですけれども、看護師の多くが非常勤職員の場合もあると。この非常勤の場合に、看護師の、厚生省が出した方でも二十一万円ぐらいの給料しかもらっていない、これで常勤職員の介護職員なんというのは二十七万円もらっていると、こういう数字もありまして、やっぱり看護においても、看護師においても、病院と介護施設の格差というのは非常にあると。だから、ある程度その格差を縮めてあげないと介護の方に全然看護師が来ないと。 それで、看護師も必要なんですよ。それが必要ないと言うんだったら、局長答弁で必要ないと言うんだったらいいんだけど、必要あるんだったら、やっぱりこれは一緒にやるべきだと思う。私は、今度のこの処遇改善加算は看護師だけに限るべきじゃないと。(発言する者あり)あっ、介護士だけに限るべきじゃない、全部一緒に上げるべきだと。それは当然ですよ。それを何で見直せないんですか。大臣にもう一回聞きます。
○国務大臣(塩崎恭久君) 私どもの手元に平成二十五年の処遇改善加算の届出をした事業所における常勤職員の平均給与額で、看護師は三十六万六千円、それに対して介護の職員は二十七万七千円ということで、約九万円の差がございまして、もちろんそれは資格でありますから差があるのは当然としても、少しやっぱりこの差は大き過ぎないかということで、この底上げをしていくということで、介護の職員はやはりもう少し人材を確保するためにも必要だということで、先ほど申し上げたように、まずは介護職員の処遇改善をすることで、現場のチーム介護もなかなかままならないという状態を解消するためには、まずは介護の職員の手当の問題じゃないかと、こういうことでこれまではやってきたということだと私どもは理解をしておるわけでございます。
○木村義雄君 いや、今厚生省の出した数字を挙げましたけれども、これ取り方によっていろいろあるんですよ、取り方によっていろいろある。 これは栃木県の看護連盟が出してきた資料ですが、民間介護施設の三十五歳、三十二歳の基本給、十八万六千円と書いてありますよ。病院に比べて夜勤が少ないからこういう数字が出ているんでしょうけれども、ボーナスを入れたり何かして、この数字の取り方いろいろあると。しかし、それにしたって余りにも看護師においても病院と施設の差があるので、だんだんだんだんに、いい方にどんどんどんどん取られてしまうといったら、介護の方は看護師がいなくなっちゃったらやっていけないじゃないですか。 だから、ここは、ある意味で一緒にやっているので、何で差別を付けるのかよく分かりませんね。もう一回答弁よろしいですか。
○委員長(丸川珠代君) どなたに答弁していただきますか。
○木村義雄君 大臣にもう一回答弁を。
○国務大臣(塩崎恭久君) 繰り返し申し上げますけれども、確かにチームでやるということが大事であって、私もたまたま私の母と家内の両親、三人とも施設でお世話になって、時々私も参りますけれども、そこに出てこられる方々はいろんな職種がおられるわけでありますので、そういう意味で特定の職種だけ特別扱いするということは確かに問題だというふうに思っております。 一番は、やはり全体として人がしっかり集まってくるような、そういう職場にしていくということが大事であることは間違いないわけでありますけれども、そこは、しかし、そうはいいながら、保険料と税と自己負担だけで基本的に成り立っているわけでございますので、そこのところを考えて優先順位を付けると、ここまでのところは介護の職員にやはり手当てをするということが大事なのかなということで、今回の一万二千円も、特に総理の決断で一万円から一万二千円に上げようということになったと私は聞いておりますので、そのようなことで、これで終わりというわけではもちろんないわけでありますから、どういう職務環境をつくっていくかというのは、これからまたさらに様子を見ながらフォローアップをしっかりやっていかなきゃいけないというふうに思います。
○木村義雄君 その一万二千円の話なんですけれども、僕もつい最近まで分かっていなかったんだけれども、一万二千円相当と言っているのね。聞きました、大臣。皆さん、一万二千円上がるんじゃないんですよ、一万二千円相当なんです。 それで、僕は最初、例えばここのところに、このホームには介護職員が例えば百人いると、百人掛ける一万二千円で、それで一千二百万円付くのかなと、こう思ったら、違うんですよ。これは、特別養護老人ホームの場合はたしか五・九だっけ、その施設類型ごとにパーセントを決めてぽんぽんぽんぽんと付けるだけなんですよ。すると、一生懸命介護をしようという場合に、増員しているところは、施設は結構あるんですよ。ところが、一律それは五・九%しかくれないので、そういう自分のところで自主的な努力で多くの職員を雇っていたところにはその一万二千円分が来ないと、こういう仕組みなんですよ。 それで、私ずっと答弁録見ていましたけど、安倍総理も塩崎大臣も、本会議の答弁では一万二千円相当となっているんですよ。これは原稿をそのまま読むから。ところが、委員会の答弁では全部一万二千円になっているんですよ。ところが、実際の厚生省の配り方というのはそういう配り方していないと。一万二千円というのもいわゆる絵に描いた餅なんですよ。 だから、こういう、一万二千円相当と一万二千円と大きな違いあるんですよ、相当違いがあると。こんなようなことで現場を混乱させたら、これを宣伝していて、真面目にやってたくさん人を入れているところには一万二千円も来ないわけですから、何だということになりますよ。 だから、今度のこの改定というのは、そういう入所者のためを思って一生懸命やっているところに対しては、非常にまた冷酷な加算なんですよ。そういう問題点のある加算で基本単価の減算を補ってくれなんというのはいかに甘い話かというのを、どうしてその辺、分かろうとしないんですか。 私は、これ、今の役人のやり方、役人でもいい役人と悪い役人いるけど、古い方の役人の考え方では、これはもうこれから先、介護現場では大変な問題点が私は噴き出してくると、こう思えてならないんですよ。 ちょっと、じゃ、その辺を答えてください。
○政府参考人(三浦公嗣君) 今委員から御説明ございましたとおり、介護職員の処遇改善加算という加算額は、その施設に支給される介護報酬の全体額、それにサービスごとに設けられた加算率、今御指摘ございましたように、例えば介護老人福祉施設ということでございましたら五・九%、これが乗じられて算出する仕組みということになっております。 したがって、サービスごとの加算率の設定というのは、全国の介護職員の配置の状況に基づきまして各サービス一律の設定としております。このために、平均より手厚い介護職員を配置している事業所は、介護職員に支払われる一人当たりの上乗せ額は一人当たりにすると少なくなりまして、また、平均以下の場合の配置の場合には上乗せ額が一人当たり多くなるということは事実でございます。 一方で、元々介護職員の手厚い配置が行われているというようなところでは、先ほど来御説明を申し上げました各種の加算の算定要件の中で、手厚い配置になっている場合に算定できるという加算が多々ございます。そういう意味で、この介護職員の処遇改善加算のみならず、ほかの介護報酬に係る加算が算定できるというようなこともございまして、全体としてはやはり手厚い配置を行うというようなところがより多くの報酬が得られるような仕掛けになっているというふうに私どもとしては考えているところでございます。
○木村義雄君 まあ言ってみれば私の言うとおりだったということでしょう、一万二千円相当に関しては。 もう残念ながら、時間を私の横の連中がえらい厳しく監督していますから、最後に大臣にお尋ねをしたいと思います。 これから介護報酬がどんどんどんどんこれだけ厳しくなっていくと、新規参入もなかなかできない。介護産業自体が、本当は地方で一番雇用を抱えているのは医療と介護なんですな、その介護がこれからやっていけないという構造不況業種ということになれば、なかなか介護も、新しく新規参入できるところをいじめようというんだから、これはとてもできないということになってくると。 そんなときに一番今問題になっているのは、例えば特別養護老人ホームなんていうのは五十万人入っているけれども、この待機者が五十万人いると。入っている人は万々歳だけど、入っていない人は保険料だけあってサービスなしと。よく言われている持続的な保険制度と、保険制度は持続しても誰もサービスが受けられなかったなんてばかなことになりかねないわけですから。これは、やっぱり余りにも今の中で、私は、特別養護老人ホームをちょっと特別視し過ぎているんじゃないかと。だから、この特別養護老人ホームに思い切って全員が入れるような、待機児童ゼロ作戦というのがあったけど、待機老人ゼロ作戦ぐらい、大臣、打ち上げて、大きく取り組んでいただいたらどうなんでしょうかね。 それで、もう一つここで言いたいのは、私は、やっぱりもう今の介護保険の仕組みは本当に限界に来ていると。一方で、相当多くの方々が介護離職を迫られて、自宅で介護をしていると。しかし、そういう人たちは報われないので、ドイツと同じように、何割かはやっぱりそういう家庭介護における現金給付もしっかりと視野に入れるべきだということを前にも申し上げたんですけれども、この辺についての大臣の御所見をお伺いして、時間でございます、ありがとうございました。
○国務大臣(塩崎恭久君) 希望される方には特別養護老人ホームに全員入れたらどうだろうかと、こういう御提案でございましたが、この特別養護老人ホームの入所希望者の中には、当然、待機をされながら軽度の方もおられるんではないかなというふうに思いますし、様々なニーズの方がおられるということから、個人がそれぞれ希望されるということだけで自動的に全員が入るということではなかなか整理が付かないというか、これから特別養護老人ホームを中重度中心ということでございます。 それから、限られた資源を有効に活用するという観点からも、居宅での生活が困難な方が重点的に入所されるということが順番というか、優先順位だというふうに思いますので、そういうことへ配慮することも大事かなと。 それから、さっき申し上げたように、原則要介護三以上に、今般の介護保険法の改正において平成二十七年四月から入所者はそのように限定をされるということで、まずはこの見直しの施行をしっかりやっていきたいというふうに思っております。 それから、現金給付の問題につきましては、当初、介護保険制度自体をつくるときに、ちょうどドイツがスタートしたときに同じことを議論して、私もたまたま、まだ当選二回ぐらいでありましたが、かなり議論いたしましたけれども、あのときの整理も取りあえず現金給付は入れないということでスタートしたわけでありまして、家族介護への現金給付について、御指摘のように、家族介護へのインセンティブになるといった考えがある一方で、今後更に介護保険料の増加が見込まれる中での全体の費用の負担増、費用に基づく負担増が起きてしまうと。 それから、家族介護の固定化というのが、当時は介護地獄という言葉が非常に使われておりました、そういう固定化が避けられないことにならないかという懸念、それから、介護ニーズへの対応以外の行為に現金だと消費をしてしまうのではないのかという懸念もあるわけでありまして、介護保険制度全体の制度設計などを踏まえながら慎重に検討すべきかなというふうに考えておるところでございます。
○木村義雄君 いろいろ意見はありますが、時間ですので。ありがとうございました。
○羽生田俊君 自由民主党の羽生田でございます。よろしくお願いいたします。 大臣所信のお言葉の中に、国民皆保険を堅持する、そのための医療保険制度改革であると、そういったお言葉がありましたけれども、今いろいろと改革が提案されておりますけれども、その中には公的医療保険制度に悪影響を及ぼすと非常に危惧されるものもあるというふうに我々は思っているところでございます。 例えば、在院日数の短縮の問題、これを取りましても、ただ短ければよいというような指摘で今やられているわけでございますけれども、対象にしているのがアメリカであると。アメリカはなぜ入院日数が短いのでしょうかということを考えたときに、入院費が高いということで入院日数が短いわけでありますね。要するに、これはもう患者さんも入院しているの大変だし、保険者からもう退院しなさいと言われるということで、その結果、何が起きるかというと、病院の前にホテルがあって、そのホテルに泊まって通院で治療するということが起きるわけですね。そのために入院日数自体は短いという結果なんですね。本当にそれに日本が合わせていいのかどうかということです。 それから、後発品の医薬品をどんどん使いなさいと。これはもちろん医療費の抑制という意味ではある意味必要だということもあるでしょうけれども、後発品というものには、昔はゾロという言い方をしたわけでございますけれども、いわゆる効くもの、効かないものというのがあるということで、実は成分が同じというだけが後発品の許可になっているわけで、実際に使ってみると、溶け方が違うということは血中濃度の上がり方が違うということで、実際に効く、効かないという差が出ているというものもあるということでございます。 また、セルフメディケーションという言葉も出てきておりますけれども、非常に耳触りの良い言葉でございますけれども、これも今、薬局を健康情報の拠点にするということで、薬局でいろいろ検査ができるようにしていくと。薬局で血液検査したときに、その結果が出るとどういうことが起きるかということを是非考えていただきたい。 薬局で検査の結果、血糖が高めである、あるいは血圧が少し高めである、あるいはコレステロールや中性脂肪が高いですねといったときに何が起きるかというと、その薬局で売られている健康食品あるいはOTC薬、こういったものを、これを飲みなさい、これを食べなさいということで指示を出すということが非常に危惧されるわけでございまして、この拠点にするという意味は、いかにかかりつけ医につなげるかということを中心に考えなければいけない話ですけれども、現実にはそういったことが起こるであろうというふうに考えるわけでありまして、そうすると、結果的には病気が重症化してから医師に行くということで、かえって医療費が余分に掛かるということが起きるわけです。セルフメディケーションを進めるのでなくて、セルフケアをまず進めるべきであろうというふうに思うわけであります。 また、官邸では、岩盤規制に穴を開けたという、この実績を残したいというのを感じるわけでございますけれども、特に、岩盤規制に穴を開けるという提案は、民間議員を中心に大変無責任な提案がされているというふうに感じているところです。 まさに、混合診療の解禁という言葉が岩盤に穴を開けるという旗印のように使われているわけでありますけれども、一つ出ました、選択療養ということが、提案が一つありました。これは、最初提案されたときには安全性や効果なんかどうでもいいんだと、患者と医師が納得すればどんな療法でもいい、これが選択療養ということでスタートしました。私は随分反対をいたしまして、内閣府にもお聞きをしたわけでございますけれども、結果的には安全と効果というものが基本になるというお答えをいただいて、やっと国民の安全が少し保たれたのかなというふうに思ったところであります。 規制改革というのは、当然必要なこともありますけれども、すべきでないものもたくさんあるということを是非考えていただきたい。規制ができたときには何のためにそういう規制ができたのかといいますと、やはり国民の命、健康を守るために規制をつくったということでございますので、そういったことを是非考えていただきたい。 今回、特区における外国人の医師の実地修練という言葉が出てきておりますけれども、これは指導医がいれば診療所でも外国人医師が診療行為ができるというものですけれども、この指導医自体の資格も大変中途半端でありまして、いわゆる今の実地修練病院、指定病院での指導医の資格とは全く違うものになりそうな気配があるということでありまして、ただ、それを提案しているところでは、医師不足を解消するためだけに何か手だてはないかということで提案をしてきているようにしか思えないというふうに感じるわけでございます。 それから、安倍総理は、特区は実験場であるというふうにはっきりと申しております。経済や金融あるいは製造業などでは、特区でいわゆる実験という形でいろいろやっても、失敗した場合にはやり直すことも可能でありますけれども、医療というもの自体は実験場で特区として実験をするというものではない。命や健康が対象であるというのが医療でありますから、そういったことを是非考えていただいて、国民の命を対象に特区で実験するなどという発想は絶対にやめていただきたいというふうに思うところであります。 ここで質問に入らせていただきますけれども、今申し上げました岩盤規制という言葉がいろいろと出てきているわけでございますけれども、総理は、ダボス会議で演説の中で、既得権益の岩盤を打ち破るドリルの刃になると、自らが刃になって穴を開けるということを言ったわけでございますけれども、実は、医療における岩盤規制の岩盤とは何かというのが私はいまだに分からない。 いろいろ規制を考えたときには、医療、いわゆる医療機関や医師に対しての規制というのはどれだけあるか。がんじがらめなんですよ、規制が。これを規制改革するというんだったら意味は非常によく分かります。昔の赤ひげの時代のように、医の倫理だけで医療が行われた時代、あの当時のように日本の医療を全く規制なしでやってみるのも一つの手かなということも考えるわけでございますけれども、それよりは、今御質問させていただきたいのは、岩盤規制、医療における岩盤というのは何であるかということで、内閣府副大臣にお答えいただければというふうに思います。よろしくお願いいたします。
○副大臣(赤澤亮正君) 羽生田委員から大変重要な御議論をいただいておりますので、ちょっと御通告いただいた質問の前提として、規制改革担当からまず御説明するに当たって、規制改革会議のちょっと性格について申し上げておきたいと思います。 規制改革会議は、内閣総理大臣からの諮問に従って調査審議をすることと、それから意見を申し上げることが仕事となっております。その上で、最終的に医療関係の規制について判断をし、制度改革等を実施をするのは厚生労働省という役割分担があるということは取りあえず御理解をいただいた上で、規制改革会議での議論について御紹介をしたいと思います。 医療分野については、規制改革会議ではこれまで、患者本位での治療の選択肢を拡大する患者申出療養制度の創設、あるいは、再生医療を産業化するための承認手続の見直しなどに関し規制改革の必要性が指摘され、調査審議がされ、意見が述べられて、昨年六月、あるいは、さらに一昨年の六月等に規制改革実施計画という閣議決定になっているということであります。閣議決定になるに当たっては、厚生労働省とやっぱり議論をいろいろしていただいて、最終的に厚生労働省が制度改革を出すという形で動いてまいりました。 国民生活の安定向上、経済活性化を通じた国の成長のためには、医療分野についても規制改革に取り組むことが重要であって、規制改革会議においても活発な議論が行われています。委員御指摘のとおり、国民本位、患者本位の安全で安心な医療ということはもう当然念頭に置いて議論されなければならないことは承知をしているつもりでございます。 今後も、これらの議論を踏まえながら、幅広い分野における規制改革を積極的に進めていきたいというふうに考えております。
○羽生田俊君 是非、国民の立場に立って、国民の安全を守るということは基本に据えていただきたいというふうに思います。ありがとうございます。 一つ別な話になりますけれども、東北医科薬科大学ができるという話で、医学部を数十年ぶりに新しくつくるという話になっておりますけれども、これはどういう形でつくるかというときに、七項目の条件というものが示されて、それを了解した上でつくるという話になっているわけでございますけれども、その条件に、教員や医師、看護師等の確保には地域医療に支障を来さないように配慮するということがしっかりと書かれているわけですが、先日、別な会議のときに、東北三県の看護協会の方をヒアリングに呼んでお話を聞いた。 このときに、医学部ができて、そして病院が拡大されていくといったときに、その昔起きた七対一のときの看護師移動のようなものが、東北地方において看護師大移動というものが再び起きるのではないかという危惧をするわけだけれども、看護協会はどう考えるかという質問をしたときに、全く情報は来ていません、看護協会はその審議会には入っていませんという回答だったんですね。 やはりこれは、その地域の医療をどうするかといったときに、看護協会も入っていないでこんな議論はしていいのかということで、これは是非入れていただきたいということをまずもってお願いをするところでございます。 この条件が七つあるわけですけれども、その中には、特に地域医療に支障を来さないということがしっかりと書かれている。これが守られないときに、この医学部の新設というのはどういうことになるのか、白紙撤回ということもあり得るのかどうか、その辺をちょっとお伺いしたいんですけれども。 どうぞ、お願いします。
○政府参考人(佐野太君) 平成二十五年十二月に、復興庁、文部科学省、厚生労働省で決定いたしました基本方針におきまして、医学部新設に当たっては、教員、医師、看護師等の確保に際し、地域医療に支障を来さないことを求めております。 このため、文科省の下に設置されました構想審査会におきまして構想審査を行った結果、選定されたのが東北薬科大学でありまして、この東北薬科大学におきましては、医師の確保に当たりまして地域医療に支障を来さないことを確保するため、公募や選考に関する基準を設け、実際の採用予定者の決定に当たりましては、全員につきまして地域医療への影響がないことを個別に関係自治体、医師、医師会等へ確認を行っていると聞いております。また、採用された医師の後任補充等によって地域医療に実際に支障を来していないかどうかを確認するため、開学後の早い時期から教員採用に伴う地域医療への影響についての検証を行い、必要に応じて関係機関と調整を行うことと承知しております。 一方、先ほど先生から御指摘のありました看護師でございますが、看護師の確保に当たりましては、東北薬科大学が開設する附属病院と譲受予定の病院の看護師により、おおむね必要な看護師数が確保できる見通しであるというふうに伺っております。今後、更なる看護師の採用に当たりましては、後任の補充看護師の採用や、子育て、介護等の理由で離職中の潜在看護師等の掘り起こしなどによりまして対応を行う予定と聞いてございます。 文科省としても、地域医療に支障を来すと懸念される事例が生じた場合には、東北薬科大学に対し、速やかに関係機関と連携を図り、対応を求めることとしており、引き続き、文科省の下に設置されております構想審査会において、地域医療に支障を来さないことや、東北六県全体の医師の偏在解消などに向けた東北薬科大学の取組が適切に行われるよう指導、助言を行ってまいりたいと思っております。
○羽生田俊君 その点をしっかりと守っていただくということが必要なので、是非よろしくお願いいたします。大学病院も、今現在の病院よりは、数年後には百五十床増やす予定でありますから、そのときにはそれだけの看護師も必要になるわけですね。そういったことも十分配慮して、引き続き話を進めていっていただきたいというふうに思っております。 次の質問に移りますけれども、前国会で医療法改正が行われましたけれども、その中に医療事故調、いわゆる医療事故調査制度というものがこの医療法の中に書き込まれたわけでございまして、これは非常に必要な制度であると私も思っているわけでございますけれども、この法律自体、法律をよく読んでも、やはり必要性としては、いわゆる患者や遺族の目線でどう見るかということが一番重要な基本的な見方であるというふうに思っているところであります。 これは、結果的に医療提供側と患者さん、遺族側との信頼関係というものがいかにきちっとできるかということが重要になるわけで、そういったことを心から願っているところでございますけれども、今回の事故調について、まずスタートが、これは医療機関、医療の管理者が医療事故ということを決めるわけなんですね。決めない限りは患者サイドは何もこの事故調に対して物が言えないというのが、この法律の中心といいますか、基本なんです。スタートラインなんですね。 医療管理者がいかに患者さん、遺族の方との対応をしっかりとしていただくかということが基礎になるわけですけれども、これだけ医療機関側にいわゆる裁量権というものが与えられた調査制度ということは、法律で仕切る以上に社会的な倫理的な責任というものが医療機関に非常に強くのしかかっているというふうに思うわけでございまして、その辺を踏まえて、大臣として、医療提供者側に、そして患者さんあるいは遺族の方側に何かメッセージをいただけたら有り難いと思います。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(塩崎恭久君) 昨年の法律改正によってこの医療事故調査制度というのがスタートすることになっておるわけでございます。今先生御指摘のように、医療提供者と患者の間の信頼関係というのがやっぱりこれもう基本中の基本だというふうに思っておりまして、その上に医療は成り立っていると。医療提供者は患者やその家族と、場合によっては遺族とも真摯に向き合って医療を行っていただくということが重要だというふうに思っています。 このような観点から、今回の医療法に付けられました医療事故調査制度においても、医療事故が発生した医療機関において、今先生お話があったように、調査をまず的確に行っていただく、そして、できるだけ遺族の希望する方法でその調査結果を説明もしていただくというように努めていただくことが重要であると考えておりまして、その旨をガイドラインに明記することといたしたところでございます。こうした取組を契機といたしまして、医療機関と患者の信頼関係が更に深まっていくことを期待をしておるところでございます。とりわけ、最近、群馬大学であるとかあるいは東京女子医大等々、死亡事故も多発をしているわけでございますので、この制度がしっかりと機能するように、私どもとしても万全を期してまいりたいというふうに思っております。
○羽生田俊君 ありがとうございます。 これだけやはり透明性、公平性ということをしっかりと基本に置いて調査をしていかなければいけないということで、医療機関側も大変責任を負わなければならないというふうに思っているところでございまして、また、今お話で出ました群馬大学は私の地元でございますので、これは医療事故じゃなくて医療犯罪だと私は思っております。 次の質問に入らせていただきます。 資料を一つ出してあるんですけど、実は、今回の医療保険制度改正の中で、負担の公平性という言葉がしっかりと書き込まれているんですけれども、実は、この資料にありますように、保険者によって保険料率にこれだけ差があるということ、これは決して公平性があるとはとても言えないだけの差ではないかというふうに思っております。これはそれぞれの保険者の平均保険料率ですから、これより高いところもありますし低いところもある。低いところは五〇パーミルを切っているようなところもあるということでございまして、この差は非常に大きいわけでございます。 これは例えばの話、今の協会けんぽの一〇〇パーミルに合わせたときには全体とすると一・八兆円の医療費財源が出るんです、保険料が。別に私が一〇〇パーミルに合わせろと言っているわけではありませんよ。例えばそういう計算をすると一・八兆円の財源が出てくるということでございまして、まあそこまで上げる必要があるかどうかはまた別問題といたしまして、これだけ差があるということは、保険の負担の公平性という意味では非常に大きいのではないか。 特に共済組合等々は、会社が払う分の保険料負担、これは国の税金で払っているわけですから、国費が使われているわけですね。それだけ負担に公平性がないと言っても過言ではないというので、この公平性に何とか取り組んでいただきたいということで、その辺のこれからの取組のことについてお答えをいただきたいというふうに思います。
○政府参考人(唐澤剛君) 今御指摘いただきましたように、国民皆保険を堅持をしていくという観点から、公平な負担をしていくということは大変大事な課題でございます。 この公平な負担については様々な観点からいろいろな御意見がございます。被用者保険におきましては、これは健康保険組合などという形で小集団の自治によりまして保険者機能を発揮していくという観点から、それぞれの給付に見合った保険料率を設定をしておりまして、これを押しなべて一律にすることは難しいわけでございます。 他方で、ただいま御指摘いただきましたように、公平な負担を実現をしていくということは大変重要なことでございますので、今回の医療保険制度改革におきましては、より負担能力に応じた御負担をお願いするという観点から、後期高齢者支援金の負担方法につきまして全面総報酬割の導入をお願いをしたいと考えております。この全面総報酬割の導入によりまして、各被用者保険の保険者が負担する支援金、これを賄うために必要な保険料の水準は同じになるというような仕組みにさせていただきたいと考えているところでございます。 こうしたことによりまして、報酬水準の高いところは負担増になるわけでございますけれども、報酬水準の低いところは負担が減ということになってまいりますので、こうした改革を通じて、公平な負担についても引き続き御議論をいただきながら、持続可能な医療保険制度を構築していきたいと考えております。
○羽生田俊君 ありがとうございます。 是非その点をしっかりと議論していただきたいというふうに思います。 時間がなくなってしまったので、次は質問というよりは、私の意見として聞いていただきたいんですけれども。 いろいろな施策がある中で、今回、切れ目のない相談支援を提供するワンストップ拠点づくりという、いわゆる妊娠、出産、子育て、こういったことを切れ目のない形でしっかりとつくっていくという制度、これは非常にすばらしい方向性を出していただいたなというふうに思っておりまして、これをしっかりと進めていただきたいというふうに思います。 少子化対策の一番の基本は……
○委員長(丸川珠代君) 羽生田委員、時間になりましたので、簡潔にお願いします。
○羽生田俊君 はい、分かりました。 いかに子供を産んでいただくかという、どれだけ産んでいただくかということが少子化対策の基本でございますので、そのための制度としてしっかりと育てていただきたいということをお願いいたしまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○津田弥太郎君 民主党の津田弥太郎です。 今国会は例年以上に本委員会での与野党のぶつかり合いが予想されるところですが、先ほどの与党の木村委員、羽生田委員のすばらしい質問、本当に同感であります。ただ、これから予測されて出てきます派遣法、あるいは残業代ゼロ法案、さらには技能実習の拡大法案などについても、是非、与党と共闘していきたいなと、御理解を賜りたいと思うわけであります。 さて、まず、今回三回目の提出となる呪われた労働者派遣法、お尋ねをしたいと思います。 国権の最高機関において二度連続で廃案になった、こういう法案は、まあ本当だったらもう諦めなきゃいけないと思うわけでありますが、既に三月十三日に閣議決定をして提出をされました。この国会提出を目前に控えた三月六日の閣議後の記者会見で塩崎大臣は、今回の派遣法は言ってみれば抜本的な規制強化であるという発言をされました。私はこれは本当に唖然として聞きました。この今回の法案の実態というのは、生涯派遣を可能にする前例のない規制緩和というふうに私は見ているわけであります。 昨年の臨時国会で日経新聞の記事を私は引用しました。記事にはこう書いてあります。 今国会での労働者派遣法改正案の成立が事実上なくなったことで、人材派遣会社や派遣社員を受け入れる企業の間では非常に残念との声が広がった。改正法案が成立すれば、派遣社員の受入れ期間の制限が事実上撤廃され、企業の導入が増え市場が拡大するとみられていたからだと。 だから残念だというふうに言っているわけです。マスコミはよく理解していますよ。 もう一つ紹介します。派遣会社の業界誌、月刊人材ビジネス、ここの本年一月号で、主筆の三浦さんという方がこういう記事を書いているんです。 二回廃案となった労働者派遣法改正案が通常国会で無事に成立し、この秋までに施行されることを期待する。不遜な表現を許していただければ、規制でがんじがらめの事業には必ず脱法行為が付きまといます。私見ですが、規制によって産業としての成熟的発展は期待できるのかなとの疑問がよぎります。 すごいことを言っているんです。これ、派遣法の規制が厳しいから現在派遣会社は悪いことをしているのだ、悪いことをなくすためには早く改正案を成立させて規制緩和をして、悪いことを堂々とできるようにしてほしい、こういうことを言っているんですね。とんでもない話だ。 これ、まあ何歩か譲って、特定派遣を廃止して全ての派遣会社を許可制にするという改正案には、一部規制強化的な内容が含まれていることは事実です。それは私も承知をいたしております。しかし、全体で見るならば、今回の改正はまさに規制緩和。仮に抜本的な規制強化だとするなら、与党の一角である公明党が主導となって法案の提出前に修正を行うはずがないからなんです。公明党さんは、これじゃ余りにもこれはひど過ぎる、だからもうちょっと歯止めを掛けたいという気持ちでやられたに違いない、私はそう思っているわけでありまして、これ、大臣、本当に、派遣法改正案を抜本的な規制強化と考えていらっしゃるんですか。まずそこをお伺いします。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の労働者派遣法改正法案は、派遣で働く方の一層の雇用の安定と保護などを図るものだというふうに考えておりまして、具体的には、労働者派遣事業については現在、約四分の三が届出制となっておりますけれども、これを今後は業界の健全化と、それから新たに導入をいたします義務の履行の確保を図る、あるいはもちろん今までの義務も当然でありますけれども、そういう観点から、全てを許可制とするということとしているわけでございまして、その上で、派遣で働く方の正社員化の推進等に向けて、派遣会社に対して、同じ職場で三年派遣で働いた方が引き続き就業することを希望する場合の派遣先への直接雇用の依頼を含む雇用安定措置、それから、計画的な教育訓練やキャリアコンサルティングなどを新たに法的に義務付けるということをしているわけでございまして、このように、今回の改正法案は全体として派遣で働く方の保護の観点から必要な規制の強化を図るものでありまして、御指摘の私の閣議後の記者会見の発言は、以上のような趣旨で述べたものでございます。
○津田弥太郎君 全ての派遣会社を許可制にする、まあそこは、先ほども言いました、今大臣もおっしゃいました、一定の規制強化であることは否定いたしません。ただ、一般派遣についても、従来から許可制となっているわけです。この許可制の派遣会社の不適切な行為というのも相当程度、実は野放しになっている、これも事実なんですね。 その背景には、厚労省と人材派遣業界との密接な関係というのがあるわけです。一般社団法人日本人材派遣協会の新年賀詞交換会で、需給調整事業課長の発言、モノ発言ですね、このモノ発言の前にこういうくだりを言っているんですね、あの課長が。 日経新聞を読んでおりましたら、夕刊に「こころの玉手箱」というコラムがあって、そこに派遣協会の水田会長がコラムを書かれているのを発見した。私は水田会長を非常に尊敬しているので毎回読ませていただきました。 よく言うよ。よいしょにも程がある。まあ政治家は業界の関係者に票がもらいたいからよいしょするのは分かるよ。しようがない、政治家は。だけど役人がこんなこと言ってどうするの。これ本当に違和感持つわけで、大臣が口頭で厳重注意したということになっているわけでありますが、私は、やはりこの問題は非常に根っこが深いものがあるなというふうに思っているわけであります。 そもそも論になるわけでありますけれども、今回の派遣法改正案で、生涯派遣で低賃金が広がってしまう可能性が極めて高いというふうに言わざるを得ません。これまで専門二十六業務のみが期間制限なく派遣労働を受け入れることができたわけでありますが、これからは三年ごとに過半数組合の意見聴取を繰り返せば、どんなに組合が反対しても自由化業務の全てにおいて永遠に派遣労働の受入れが可能になるわけです。制度がそのようになってしまった場合は、個々の派遣会社の違法行為を厚労省がいかに許可権限を使って是正しようとしても、労働者の保護を図れないことは、これは自明の理ですよ。ですから、この派遣法というのは規制緩和法案なんです。これ、大臣、しっかり認識した上で今後の法案審議に臨んでいかれることを私は強く望んでおきたい。 そこでお尋ねします。 先ほど指摘をしました生涯派遣で低賃金という状況を生じさせないためには、派遣先における労働者のチェックというのが極めて重要な意味を持つわけであります。これ、派遣先が過半数組合などに派遣可能期間の延長に関する意見聴取を行ったところ、反対という答えが返ってきた。これに対して派遣先は、過半数組合に、皆さんは反対したけど、経営の必要性から派遣期間は延長させてもらう、そういう説明を行ったならば、改正案の下では、回数制限なく未来永劫労働者派遣は継続することが可能になる。大臣、これ、法的にそうなのかどうか、簡潔にお答えください。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今先生御指摘の点でありますけれども、今回の改正案では、正社員から派遣社員への置き換えが生じることのないように、事業所単位で三年という期間制限を設けた上で、三年を超えて派遣で働く方を受け入れようとする場合には過半数組合などからの意見聴取を義務付けることとしております。過半数組合、労働組合等への意見聴取が行われている場合については、派遣可能期間を延長することは可能でございます。
○津田弥太郎君 これ、今簡単に答弁された、余り蒸し返されたくない、去年の十一月五日の衆議院の厚生労働委員会で、大臣はこの件についてこう答弁されたんです。 意見聴取をした際に反対一色だった、それを全く無視して継続させたというときには、やはりそれは幾ら何でも、労働局としては意見を言う、指導する、当然のことだろうと思うんですとおっしゃいましたよね、衆議院の厚生労働委員会で。その二日後の十一月七日の委員会で、大臣は答弁ミスを認めて謝罪することになったんですよ。これ全部議事録に書いてある。 結局のところ、本件に関して労働局が指導を行えるのは、過半数組合の反対意見があった場合に対応方針を説明しなかったときだけなんですね。組合の皆さんは反対したけど我々は派遣の受入れを延長します、こういう説明をすれば全く歯止めにならないんです。ずっと続けることができる。これ、今回の派遣法改正案の大きな肝なんです、ここが。これ、法案の審議の際には本当にしっかり議論していきたいと思いますので、覚悟しておいてください。 次に、残業代ゼロ法案。 過労死等防止対策推進法、昨年の通常国会、全会派の賛成で成立をしました。過労死がなく仕事と生活を充実して働き続けることのできる社会の実現、そのための国の責務を規定をしました。昨年六月十九日の本委員会で附帯決議も提案させていただいて、昨年の十一月一日にもう施行されているわけであります。 過労死に至る過程においては様々な形で労働者の心身に強い負荷が掛かってくるわけですが、長時間労働がまさに過労死に直結する可能性が一番高い、最大の課題は長時間労働、こういうことになっているわけであります。労働時間規制というのは物すごく大事な取組なんです。そういう議論の出発点として、ここは共通認識として絶対に必要な観点でございます。 そこで、そもそも我が国の労働者の実労働時間について正確な把握を厚生労働省はしているでしょうか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 働く方に関する政策を立案して実行していくに当たっては、当然のことながら、実際に働いている時間を行政として客観的に把握していくということは重要な課題であることは言うまでもないというふうに思います。 こうした観点から、厚生労働省においては、実労働時間や給与などの実態を把握をしております毎月の勤労統計調査、毎勤統計とか、あるいは各種労働時間制度の適用労働者等の割合や年次有給休暇の取得率の実態を把握をしてございます就労条件総合調査とともに、個別の事業場を労働基準監督官が訪問をして実労働時間等を調査する労働時間等総合実態調査などを実施をいたしまして、あわせて、各種の統計調査を分析することを通じて、それらの結果を労働政策審議会や過労死等防止対策推進協議会での議論に活用をしているところでございます。 今後とも、適切な政策を実施できるように、働く方の労働時間等の労働条件の実態の正確な把握につきましては、先生御指摘のようにしっかりと取り組んでまいりたいというふうに思います。
○津田弥太郎君 ありがとうございます。 これ、ホワイトカラーエグゼンプションとか裁量労働の拡大とか、こういうことをこれからやろうとされているとするならば、労働時間の正確な把握、現行における労働者の労働時間の、本当にどういう時間を働いているのか、実際の働いている時間はどうなっているのか、どういう時間帯に働いているのかということを把握をしっかりするというのは、これはもうマストの課題なんですね。 今大臣がおっしゃった毎勤統計、これ平成二十六年同じ時期に、毎勤統計では千七百八十八時間、総務省の労働力調査、これ千九百五十三時間、全然違うんです。厚生労働省からすると、総務省は労働者本人に聞いているので通勤時間をカウントしているのではないか、大体ほかの省のことは悪口言うんですね。それで俺のところが正しいというふうに言っているんですが、厚生労働省は事業主に聞いている。事業主が本当に、じゃ正しく答えているのか、これも同じように疑問になるわけであります。 今回の法改正で、企画業務型裁量労働制、これ四割で労働時間が不明という実態調査もありました。大臣が先ほどおっしゃった、厚生労働省が労働時間等総合実態調査、一万一千五百七十五事業所、ここで調査を行っているということでございますが、この調査によると、企画業務型裁量労働制で働く労働者については、総労働時間のうち深夜の時間帯の労働時間、休日の労働時間はそれぞれ何%を占めているのか、また、その数値は一般の労働者の数値と比較してどのような違いがあるか、これは山本副大臣、お答えください。
○副大臣(山本香苗君) 先ほど先生の方から御指摘をいただきました労働時間等総合実態調査におきましては、平均労働時間や労働時間の分布等は調べておりますけれども、深夜の時間帯の労働時間、休日の労働時間の状況というものはこの調査においては把握はしておりません。 しかしながら、労働政策研究・研修機構に委託しまして裁量労働制等の労働時間制度に関する調査を二十四年度に実施をしております。その調査におきましては、最も休日労働が多かった月の休日労働回数、最も深夜労働が多かった月の深夜労働回数に加えまして、最も深夜労働が多かった月の深夜労働時間についても裁量労働制で働く方々に質問をしております。 これによりますと、通常の労働時間制で働く方では、最も休日労働が多かった月の休日労働回数、最も深夜労働が多かった月の深夜労働回数、それぞれの平均回数を見てみますと、一・七回と一・六回になります。企画業務型裁量労働制で働く方につきましては、これが一・八回と二回というふうになっております。 また、最も深夜労働が多かった月の深夜労働時間について見ますと、通常の労働時間制で働く方、企画業務型裁量労働制で働く方のいずれでも十時間未満とする方が最も多くなっております。具体的に申し上げますと、通常の労働時間制で働く方では六三・九%、企画業務型裁量労働制で働く方につきましては六九・二%と、裁量型の方が一〇時間未満というところにより集中している状況になっております。
○津田弥太郎君 私の質問に答えていないんですよ。 企画業務型裁量労働制の拡大の議論を行う場合には、基礎データとして現行制度において対象労働者がどのような働き方をしているかということ、これが分からなければこれ議論になりませんよ。ですから、ここは法案審議までに必ず調査結果を明らかにしていただかなければいけないと私は思っております。これ、委員長の方、お願いします。
○委員長(丸川珠代君) 後刻理事会で協議をさせていただきます。
○津田弥太郎君 次に、高階政務官にお尋ねをします。 現行制度の下で裁量労働制が適用されている労働者に係る脳・心臓疾患及び精神障害の労災認定件数、過去三年間でどのような推移をしているか。また、労災申請が行われながらも、裁量労働制のため労働時間の把握が困難で不支給となった事例、過去三年間にありましたか。お答えください。
○大臣政務官(高階恵美子君) 裁量労働制の適用対象者に係ります脳・心臓疾患又は精神障害の労災認定に関する統計はございませんで、その数は把握してございません。したがいまして、その推移について現状でお答えすることは困難でございます。 そこで、平成二十五年度、直近でございますが、認定事案を個別に確認させていただきまして、裁量労働制の適用対象者について調査を行いました。そこに把握された数を今御紹介申し上げますと、専門業務型で脳・心臓疾患事案が四件、そして精神事案が九件確認をされたところでございます。 労災認定のことについては、使用者が把握した労働状況のみならず、会社建物への入館記録とか会社内のパソコンのログイン、ログオフの履歴等、その他の労働時間を把握できる情報などを用いまして実労働時間を把握しているところでございまして、これまでのところ、裁量労働制が適用されている労働者の労災認定において、その労働時間の把握が困難であることを理由に不支給となった事例については承知しておらないところでございます。
○津田弥太郎君 これ最も大きな問題なんですよ。裁量労働制だから労働時間の実態が分からない、だから労働者がどんなに働いても、何時間働いたか把握していないから、死んでもそんなものは労災と関係ないという話になるわけで、これって恐ろしい話なんですね。だから、きちっと把握しなければ、これ本当に踏んだり蹴ったりですよ、裁量労働で働く人たちは。必死になって一生懸命いい仕事をしても、そしてその結果として過労死しても、何も労災認定を受けられない、これはもう大変大きな問題で、この把握をされていないということについても、これ法案審議までにしっかり調査をして提出をしていただきたいと思います。 委員長、お願いします。
○委員長(丸川珠代君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をいたします。
○津田弥太郎君 続けて、高階政務官にお伺いをいたします。 今回のこの裁量労働制以上に労働時間規制が緩やかな、いわゆるホワイトカラーエグゼンプションを政府は提案しようとしているわけでありますが、この制度は、管理監督者にさえ支払われているんですよ、深夜とか休日の割増し賃金は。これ払わないんです、今回の提案する内容は。だから、労働者の健康確保の観点から本当に問題が大きいということは間違いないわけです。 一昨日の所信表明で大臣は、その対象となる労働者は、一定の年収要件を満たし、職務の範囲が明確で高度な職業能力を有する方と。まあ言葉としては分かりますけれども、一体これ誰なんだよと。分からないんです。分かるのは、年収一千七十五万円以上か否か、ここだけははっきりよく分かる。 そこで政務官にお尋ねするわけですが、年収一千七十五万円以上の労働者について、脳・心臓疾患及び精神障害の労災補償状況、これ把握されておられるでしょうか。
○大臣政務官(高階恵美子君) 初めに、先ほどの裁量労働制の労働者の実労働時間に関するお話でございますけれども、使用者は、労使協定によって、あらかじめ決めた方法によりまして労働の実態というのを把握するということになっておりますが、その前提の下に、労災申請のときには、それと併せてログイン、ログアウトとか、出退時間を併せて調査をしていくということになっているということを追加させていただきたいと思います。 また、ただいまのお尋ねでございますが、労災保険におきまして、脳・心臓疾患や精神障害によって労災認定された労働者に係る保険の給付額については、疾病の発生が確認した日の直前の三か月の賃金総額を基礎に算定することとなっておりますことから、労働者の年収というのは把握できないという状況になっております。
○津田弥太郎君 これも法案審議までに必ず提出していただくよう委員長にお願いします。
○委員長(丸川珠代君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をさせていただきます。
○津田弥太郎君 そこで大臣にお聞きしたいんですが、政府として、既存の制度の対象拡大あるいは全く新しい制度の創設を今回提案しようとされているわけです。そうであるならば、過去三年間程度で構いませんので、先ほどの裁量労働制の適用労働者、そして今出た年収一千七十五万円以上の労働者について労災補償状況の詳細な実態把握、これ、これからしっかりやっていただきたいと思うんです。 厚生労働省の仕事というのは、労働基準法、これの制度変更を行う場合にはその影響がどうなるかというのを調べるのは、これはイロハのイですよ。そういう意味で、大臣、いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 平成二十三年度、それから二十四年度の裁量労働制の適用対象者に係る脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況については鋭意調査をしているところでございまして、四月中には一定の取りまとめ結果を出せるものというふうに考えております。 それから、脳・心臓疾患と精神障害の労災認定者で年収が一千七十五万円以上の者の実態把握についても、高階政務官が申し上げたとおり、年収そのものは把握できないわけでございますけれども、事務方に対して、何らかの方策によって年収を推計するよう指示をしていきたいというふうに考えております。
○津田弥太郎君 これは私も事務方に、仮定を置いて試算ができるんだから、それをやれというふうに言っておりますので、これも委員長、お願いします。
○委員長(丸川珠代君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をさせていただきます。
○津田弥太郎君 そこで、今回、国会に提出される予定であります労働基準法改正案、中小企業の月六十時間の時間外労働に対する五〇%の割賃の適用、あるいは年休の年間五日間の使用者に対する取得義務付け、これは評価します。これは率直に、こういうふうに取り組んでいただいた、官邸は余り喜ばないかもしれないけれども、厚生労働省はしっかり労働者の労働時間あるいは割増し賃金についてダブルスタンダードをなくする、そういう取組をしていただいたことは私は評価をしたいというふうに思っております。 今後なんですが、昨日規制改革会議からも出ているんですが、解雇の金銭解決の問題です。厚生労働省はこんな問題は絶対やりたくないはずなんです。官邸と規制改革会議がまたぎゃあぎゃあぎゃあぎゃあ言う。これ、六月の新成長戦略でこの解雇の金銭解決が出る可能性が私はなしとは言えないと思うんだけど、是非、塩崎大臣、ここは安倍総理と闘っていただきたい。その決意を聞かせてください。
○国務大臣(塩崎恭久君) 労働法制の制定改廃に当たりましては、働く現場を熟知した労使の代表が参画する労政審、審議会での議論を経て、現実に妥当するルールづくりを積み重ねてまいっているわけでありまして、厚生労働大臣として、今後ともこうした姿勢に立って取り組んでまいりたいというふうに考えております。 今のお話、お触れになられました紛争解決システム等の在り方については、厚生労働省としては、昨年六月に閣議決定されました日本再興戦略改訂二〇一四、これに従って、まずは我が国におけるあっせんや労働審判、それから裁判における和解の状況や諸外国の関係制度、運用の状況の研究を鋭意進めているところでございまして、いずれにしても、働く方の雇用の安定がいたずらに損なわれるようなことがないように留意をしながら、しっかりと対応してまいりたいというふうに思います。
○津田弥太郎君 なかなか安倍総理とは対決できなさそうな感じなんですが。 JILPTの菅野和夫理事長が朝日新聞のインタビューでこういうふうに言っているんです。解雇紛争については、行政のあっせん制度と労働審判があって、裁判になる前にうまく解決されている、裁判になっても判決まで行くとは限らないので、その場合に備えて新たな金銭解決の制度をつくる必要性は乏しい、こういうふうに言っているんです。 今、塩崎大臣も様々な実態調査をしているというふうにおっしゃいましたけど、労使問題について大変詳しい菅野先生もこういうふうにおっしゃっていることを考えると、全く必要ないことであります。特に、解雇の金銭解決を労働者の申出だけなんというのが昨日出ているようでありますけれども、これ間違いなく、一つ崩せば二つ崩れていきます。ですから、大臣、親しい安倍総理かもしれないけれども、ここは闘ってもらわなきゃ困る。そのことを強く申し上げておきたいと思います。 次に、技能実習の介護への拡大についてお尋ねをしたいというふうに思います。 皆さんの手元に読売新聞の社説をお配りを申し上げております。読売新聞にも正しい認識を持っている人がいるなということを私は強く感じるわけであります。 厚生労働省は、今回、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案、これ、閣議決定をされたわけでありますけれども、これに伴って、今回の法案の施行と同時に介護への拡大を行うという表明をされているわけでありますが、私は、この方針を厚労省が撤回しない限り、法案阻止のための全面戦争に入らざるを得ないというふうに考えております。 これ、そういう意味でも、どちらかというと安倍政権を支持している読売新聞でさえこういうことを言っているということを考えれば、元々、政務官になる前からこの読売新聞と同じようにお考えでいらっしゃった高階政務官は、まさに心情的にもあるいは政治家としてもこのとおりの認識だというふうに思うんですが、高階政務官の所見をお伺いします。
○大臣政務官(高階恵美子君) 従前まで同じ委員会で御指導いただいております同志としても、介護についての私の考え方を少し述べさせていただきたいと思います。 介護というのは、それを要する方々がその人らしく最後まで尊厳を持って暮らせるように、日常の身辺の支援をしていくという大切な仕事でございまして、それを担う一人一人はとても大切な社会の財産だと考えております。そのような観点からすれば、介護サービスの質の維持あるいは向上、これのために国を挙げて介護職の資質向上を図って安心して働き続けていただける、その環境をつくり上げていく努力が大事だと考えております。 その一方で、今お尋ねの技能実習のことでございますが、この制度によって技能移転をし、そして社会貢献をしていくという趣旨のものでございまして、日本の介護技術をそういう観点から見ますと、きめ細かく日本文化に根差してつくり上げられたというオリジナリティーを持っているのではないかというふうにも考えられます。ですから、そういったところを普及していくという観点では、もしかすると効果があるのかもしれません。 ただ、今まさしくその制度そのものを審議していこうと、改善を図ろうとしている途上でございますので、介護サービスの特性に基づいた要請に対応できるかどうか、こうした点の確認も含めて懸念についてしっかり対応できるよう、一緒になって議論してまいりたいと思います。
○津田弥太郎君 駄目ですよ、もっと素直に表現しなきゃ。あなたは反対してきたんだよ、これまでずっと、政治家として。 だから、やっぱり無理があるんですよ。技能移転なんておっしゃるけど、現実は、言ってみれば出稼ぎと人手不足なんですよ。この問題なんです。だから、それをこの介護に持ってくれば当然介護の質が下がってしまうことは、もう私より高階政務官の方がはるかによく御存じじゃないですか。もうちょっと真面目に仕事をしてください。 数字だけ高階政務官にお聞きします。 一昨年、厚労省は若者の使い捨てが疑われる企業五千百十一事業所に監督指導を行っているわけですが、その結果、何%の事業所に労働基準関係法令違反が認められたか。もう一点、技能実習の実施機関二千三百十八事業所に同じように監督指導を行いました。その結果、何%労働基準関係法令違反が認められたでしょうか。
○大臣政務官(高階恵美子君) まず、若者の使い捨てが疑われる企業等の調査、五千百十一件行いました。このうち八二%に当たる四千百八十九事業所で労働基準監督法令違反が認められておりますため、是正に向けた指導を行っております。 二つ目に、技能実習に関することでございますが、外国人技能実習生を雇用する実習実施機関二千三百十八事業所に対して監督指導を実施しておりまして、その結果、七九・六%、数にして千八百四十四事業所におきましてこの関係法令違反が認められたため、是正に向けた指導を行っております。
○津田弥太郎君 ありがとうございました。 これ、何を言いたいかというと、ブラック企業のみを対象にして行った監督指導と技能実習の実施機関を対象として行った監督指導とで、いずれもほぼ同じ八割の法違反が認められているということなんですよ。これどういうことか。技能実習は、制度全体としてブラック企業並みの体質であるということなんです。 私は、技能実習制度の見直しそのものを否定はしない、しませんよ。しかし、見直しの効果を見極めることなく法改正と同時に介護を制度の対象に加えることについては、これは容認できません。これは今後、連合審査等々も予定をしておりますので、ここはもう一歩も引きませんので、そちらの方で引いてください。(発言する者あり)ほかもね。 最後になりますけれども、実は今月九日に我が党で北区の介護関係の視察に行きました。そこで北区内の高齢者向けのシニアマンションの問題、これ、シニアマンションなんて格好いい言い方をしているけれども、実際には高齢者の虐待が行われていたという事実でございます。 舛添東京都知事が、これ問題だということで、入居サービスと介護サービスの一体的な提供という有料老人ホームの要件の解釈に関し厚労省と東京都の間で協議が行われ、サービスの提供主体の法人が異なる複数の法人であっても、いずれも設置者に該当するものとして取り扱うことが適当だという判断で立入調査を行ったというふうに聞いております。 舛添さんは、これ、場合によっては悪いやつがどんどん出る可能性があるので、法改正も含めてしっかり排除できるようにしなきゃいけないんじゃないかということを言っているんですが、いわゆるこの制度外ホーム、この問題について、大臣、法改正等を含めてどんな対応を考えていらっしゃるでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 有料老人ホームにつきましては、既存の建物を活用した小規模な施設が増加をするといった、提供するサービスの内容もかなり多様化をしつつあることを踏まえて、平成十七年に老人福祉法を改正して、入居者十人未満の施設や、食事の提供それから介護、家事、健康管理のいずれかのサービスを行っている入居施設も行政が関与する対象に含めるということにしたわけでございます。 現在の定義は既に幅広く対象とする規定となっておりまして、現時点でこれを更に改正するということは考えておりませんけれども、一方で、実際の個別の事例については、昨今の話題になっているケースも含めて様々な形態が存在するところでございますので、都道府県等と情報共有に努めるとともに、運用の考え方を随時示すなどによって制度の円滑な運用を図ってまいりたいというふうに考えております。
○津田弥太郎君 しっかりとした対応をお願いします。 終わります。
○委員長(丸川珠代君) 午後一時五分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時七分休憩 ─────・───── 午後一時五分開会
○委員長(丸川珠代君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、森本真治君が委員を辞任され、その補欠として西村まさみ君が選任されました。 ─────────────
○委員長(丸川珠代君) 休憩前に引き続き、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、厚生労働行政の基本施策に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○牧山ひろえ君 民主党の牧山ひろえです。よろしくお願いいたします。 平成二十五年の十二月に成立した生活困窮者自立支援法が四月から施行されます。生活困窮の影響が特に大きいのは、この国の将来を担う子供たちだと思います。大臣所信ではこう述べられております。「子供の将来が生まれ育った環境に左右されず、貧困が世代を超えて連鎖することのないよう、子供の貧困対策や一人親家庭への支援に取り組みます。」と、大臣所信でこう述べられているわけです。 ですが、現実を見ますとどうでしょうか。非常に厳しいと言わざるを得ないと思います。一人親家庭の厳しい経済状況を生々しく表しているのが相対的貧困率です。二〇一三年の国民生活基礎調査によりますと、全体でのお子さんがいる家庭での貧困率、これを調べましたら一五・一%でした。これに対し、一方で、親が一人の世帯は五四・六%になっています。一人親世帯は半数以上が貧困だと言えます。これは、OECDの加盟国中、最低の状況です。 ここで質問なんですが、一人親家庭への支援の推進について、より詳細な具体策と大臣の決意をお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 言うまでもなく、一人親家庭というのは子育てと生計を維持をするという、なかなかこれ一人で担っていくのは大変な困難を抱えているわけでございまして、きめ細かな支援が必要だというふうに認識をしているところでございます。 一人親家庭に対しては四つの柱で総合的な自立支援を行ってきておりまして、一番目がまず、保育所の優先入所とかヘルパー派遣等の子育て・生活面の支援、これが一つだと思います。それから、就業支援、特に資格、技能の取得支援をするなどをして就業をしやすくするということが二つ目でございまして、三つ目は、これは離婚の場合に養育費というのがあるわけでありますけれども、その取決めに関する相談を通じた養育費の確保を図ることで支援をするということが三番目でありまして、四番目は、児童扶養手当の支給や母子父子寡婦福祉資金貸付など経済面での支援ということで、四本柱でこれまでやってきたわけでございます。 具体的にということでありましたが、平成二十七年度の予算におきましては、まず、一人親家庭の親がより良い条件で就職ができるようにするために、中卒の方が割合多いわけでありますが、一人親の場合ですね、高等学校の卒業程度認定試験というのがありますけれども、これに合格するための講座の受講費用を、まず取り始めたときに二割、修了時に二割ですね、それから試験の合格時に四割ということで、合計六割、この受講費用を支援する、支給するという格好で、一人親の就職に有利になるようにということでこの予算を用意をしているところでございます。 それから、一人親家庭の子供への学習支援ボランティア事業、子供さんがどうしても勉強が遅れてしまうということで、ボランティアを送って学習支援をすると。その訪問回数を、月二回だったものを週一回に拡充するということでありまして、それから三番目に、四月から、生活保護に至る前の段階にある生活困窮者に対して、相談や就労など包括的な支援をワンストップで行うという、先ほど先生からお話がありました、自立支援法が施行になるということで、それに見合ったサポートをしていくという、こんなようなことをやっていこうということでございまして、こうした施策を、それぞれいろいろな、事情が異なる困難に直面している方が多いわけでありますが、厳しい環境に置かれた一人親家庭に対する支援をしっかりやっていきたいというふうに思っております。
○牧山ひろえ君 先ほど私が申し上げたとおり、親が一人の世帯というのは半分以上の方々が貧困で苦しんでいるということですから、是非とも公的な経済支援の拡充、よろしくお願いいたします。 私の地元でもあります神奈川県の川崎市の多摩川河川敷で中学一年生の上村遼太君の刺殺体が見付かった事件についてですけれども、この事件についても、一人親家庭の置かれた厳しい状況がその背景にあります。 上村君のお母さんは、上村君を含む五人の子供を女手一つで懸命に育ててきました。彼女はインタビューにこう答えております。学校に行くより前に出勤しなければならず、遅い時間に帰宅するので日中何をしているのか十分に把握することができませんでしたとコメントしています。さらには、学校に行かない理由を十分な時間を取って話し合うことができませんでしたと言っておられます。子供のために働けば働くほど子供との時間が奪われるわけです。仕事に追われ、子供との時間を持つ余裕のないこういった一人親の御家庭は実に多いと思うんです。 この事件では、上村君のSOSを拾い上げられなかったことがよく語られておりますけれども、それも非常に重要ですが、同時に、お母さんの、これはまた別の意味ですけれども、別の意味のSOSにも対応できなかった点も省みるべきだと思います。大臣、よろしくお願いいたします。 この事件に関して言いますと、先ほどもお話ししましたけれども、不登校や友人とのコンタクトの中で上村君のSOSは発せられていました。ですが、結果としてはこのSOSは、残念ながら周囲の大人ですとか教育機関ですとか行政には届かなかったということです。 この事件以降、私は何度も行政の担当者の方に来ていただき、ヒアリングを重ねているんですけれども、子供に関わる問題を取り扱う機関、そして相談を受ける窓口は非常にたくさんあるということを知りました。配付された資料を御覧いただければと思います。御覧のとおり、スクールソーシャルワーカー、学校関係を含まず、実にたくさんあるんです。重立った機関だけでもこれだけあるわけです。 しかし、苦しんでいる親御さんあるいはお子さんたち、これらを実際に知っているかどうか、周知されているかどうかという問題があるかと思います。例えば、児童虐待に関しましては児童相談所、子供に関する人権問題は法務省、これは子どもの人権一一〇番というサービスがあります。よく混同されるのですが、子ども一一〇番の家というものもあるんですけれども、何と、子どもの人権一一〇番というのは電話サービスで、子ども一一〇番の家というのは、電話サービスではなくて子供が助けを求めているときに子供を保護する駆け込み寺のようなボランティア活動の名前なんですね。 私もちょうど上村君と同じ年代の子供たちの子育て中なんですけれども、この二枚にわたる表、これを周りの親御さんに見せました。そうしましたら、こんなにもたくさんいろんな相談所があるということを初めて知ったと言っております。そして、いざ何か起きたときにどの相談所に電話すればいいのかさっぱり分からないという答えでした。これだけ多くの相談所、受付窓口が乱立していて、今現在苦しんでいるお子さんたち、親御さん、特に緊急性が高い場合などに適切に相談すべき機関を選択できるか、非常に心配であります。 大臣、現在の状況で、子供たちや、また子育て中の親御さん、これらの各種相談の役割分担がうまくいっている、また、親御さんたちや子供たちへの周知も適切に伝わっているという御認識でしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 資料を先生からお配りをいただきました。家庭や子育てに関する相談への対応というのは地域においていろんな形で実施をされているのは今先生の資料のとおりでございますけれども、子育てに悩みを抱えることは当然いろんなことがありまして、より気軽に相談ができる体制を整備、整理をするということが大事かなというふうに思います。 このため、保健師さんなどによります専門性の高い相談支援を継続的に実施をいたします子育て世代包括支援センターや、身近な場所で気軽に相談できる子ども・子育て支援新制度における利用者支援事業などの相談拠点を拡充することとしておりまして、これは二十七年度予算に計上しているわけでありますけれども。 一方で、先ほど先生、児童相談所について、虐待に関してはというお言葉でありましたが、実際、先生の御指摘のとおり、虐待の相談が非常に多いことは事実でありますけれども、今日お配りをいただいているものを見てみても、一般家庭から児童に関する各般の問題について相談を受け、必要に応じて専門的な調査、判定を行った上云々と書いてあるように、極めて幅が広いのが今の児童相談所でございます。 それがゆえに問題を抱えているというところも実はかなり深刻な問題としてあると私は思っておりますが、今回、児童相談所につきましては、今十桁の全国共通ダイヤルを、いち早くということで一八九という三桁番号として、これを七月から運用開始をしようということを決めているわけでございまして、子供や親の目に留まりやすいようにという考えから、子供たちに人気のある、例えば少年ジャンプとか少年サンデーとか、それから、あるいは母親世代がお読みになっていらっしゃると思われる女性誌、女性セブンとか女性自身とかですね、こういうようなものに広告を掲載することなど、工夫を行っているところでございます。 ですから、児童の相談ということでは、児童相談所にこの一八九というのを七月からは直接お掛けをいただいて、そこで交通整理をしてもらって、しかるべきところにもし仮に紹介されるならば紹介されるということになるのかなというふうに思っておりますが、いずれにしても、相談をする側の悩みに応じて分かりやすい相談ができるような窓口の周知あるいは広報をしてまいりたいというふうに思います。
○牧山ひろえ君 いずれにしても、これだけたくさんの相談の機関があるということ。役割分担がうまくいっているかといったら、そんなに役割分担がうまくいっていないとも思いますし、また、私のお友達の間だけでも全然周知がなされていないというのが現状ですので、是非これを何とかしていただきたいと思います。 今回の上村君の事件を見ますと、加害者とされている少年たちは上村君と同じ学校の生徒ではなかったわけですね。別の学校の生徒さんだったんですね。ですから、上村君としては、恐らく自分の学校の生徒さんじゃないから、自分の学校に相談するべきなのかどうか、いろいろ迷ったと思います、悩んだと思います。実際のところ、どこに相談すればいいのか分からなかったということだったと思います。 例えば、児童相談所には、主にですけれども、主に虐待防止を対象とした、今大臣がおっしゃったように共通ダイヤルがあります。大臣がおっしゃっていたように、一八九という三桁になることによって使い勝手が向上します。幅広くいろんなことを扱うようになっているというふうにおっしゃっていましたけれども、でも、あくまでも、いろんな機関がある中で児童相談所というところは、専門家の方に聞きましたら、あくまでもこれは虐待専用だというふうに聞いておりますので、もし何でも受け付けてしまったら逆に問題を抱え過ぎてしまわないかという懸念もあります。 私がリクエストしたいのは、要請したいのは、まずここに電話すれば、いろんな機関がある中で適切な機関につないでくれるという、本当の意味での子供・子育て一一〇番を一次相談窓口として設置し、それこそ全国共通の番号として、そして三桁化もして交通整理に当たるべきではないでしょうか。 例えば一二三ですとか、本当に二歳でも三歳でも分かりやすい、覚えやすい番号。今、時間を調べる場合とか天気予報を調べる場合でも、こんな、こんなというのはあれですけど、緊急性を要さないものにでも三桁番号があるわけですから、特に子供の命が懸かっている場合は、二歳、三歳の子でも暗記して、一二三とか、そういう番号を是非一次相談窓口として設置していただきたい、このことについてはいかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、児童相談所について虐待が主だと先生おっしゃるんですけれども、これ実態が実はそうなりがちなんであるだけの話であって、元々児童福祉法で定められているこの児童相談所は、先ほど、今日お配りをいただいたものにあるように、各般にわたって児童の問題について相談に乗るというのが児童相談所でございます。 ですから、この一八九というのを三桁化をしてやるわけでありますので、取りあえずここにお電話をいただくということで、ここで処理が万が一できないような問題のときにはまた別なところに行くということがあり得るということでございますし、さっき申し上げたように、子育て世代包括支援センターというのもこの二十七年度からつくりますけれども、これはどちらかというと結婚、妊娠の初期からの対応とか、そういうようなことでやるということで、ですからそういうところの交通整理は、まずは一八九でやっていただいて、子供さんも、もし万が一のことがあれば、この一八九というのを覚えやすくしてこれお作りをしているわけでございますので、まずはここでやっていただくというのが第一歩かなというふうに思っているところでございます。 むしろ、虐待の問題も、余りにも最近多いものですから児童相談所が手いっぱいになっていると、そっちの問題で。むしろ、先生おっしゃるような広いいろんな問題について手が回り切れないということがあるのかも分からないとは私も懸念をするところでございます。
○牧山ひろえ君 ちょっとレクで聞いたお話とは違いましたので。児童相談所というのはあくまでも主に虐待防止と聞いておりますので、大人が子供を虐待する、親が子供を虐待する、そういったふうに聞いておりましたので、上村君のような事件の場合は児童相談所に直接電話するのが適切かどうかというのは今初めて聞きましたので、全てのものを第一次相談窓口ということでよろしいんでしょうか。
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(塩崎恭久君) 少し混乱をいたしまして申し訳ございません。 児童福祉法には、第十条に、市町村が、「児童及び妊産婦の福祉に関し、家庭その他からの相談に応じ、必要な調査及び指導を行うこと並びにこれらに付随する業務を行うこと。」と、必要に応じて児童相談所の技術的援助及び助言を求めなければならないと、こうなっておりまして、児童相談所のところは、「都道府県は、児童相談所を設置しなければならない。」というのが第十二条にあって、そこに、「児童相談所は、児童の福祉に関し、主として前条第一項第一号に掲げる」というのが、これは、児童及びその家庭につき、必要な調査及び医学的、心理学的、教育学的、社会学的、精神保健上の判定を行うこと。 つまり、先生おっしゃるように、児童虐待のように割合ヘビーな問題の場合にはこういう専門的な知識も要るので児童相談所がやりますけれども、しかし、児童相談所は児童の福祉に関し全般的にやりますので、そこでまずお聞きをいただいて振り分けるということが可能でありますし、市町村でも子育てや子供の問題の窓口で聞いていただくということもあり得るわけでありますけれども、どちらでもそれはいいんだろうと思うんですが。 一方で、この一八九は、今回、これを、先ほど申し上げたように広報する際にどういう広報にしているかというと、一八九で子供たちや子育てに悩む保護者のSOSの声をいち早くキャッチ、もちろん、虐待かもと思ったらいち早くと書いてございますけれども、子供たちや子育てに悩む保護者のSOSの声をいち早くキャッチをするというのが一般的な言ってみれば訴えでございますので、児童虐待が中心であるということは、今、言ってみれば仕分として、さっき申し上げたように、一義的に児童の福祉に、地方の自治体が担っている窓口はさっき申し上げた市町村が担っているわけですけれども、そこは児童相談所と連携をしてやっているということでございますので、いずれにしても、児童相談所でこの一八九をやっていただけば全国どこでもこれにつながるという格好になるわけであります。
○牧山ひろえ君 私が聞いた以上では、大人が子供を虐待した場合、それが重立った児童相談所の受ける問題だというふうに聞いておりますし、また児童相談所で受ける問題が一番ヘビーなものというふうにおっしゃっていましたけれども、ほかにもヘビーなものはたくさんあるので、それを一括して受け付ける一次相談窓口というものが別に必要だというふうに申し上げているので、今のような答弁ですと、ますますお母さんたち混乱しますし、また子供たちも訳が分からなくなってしまいますので、しっかりと整理して、分かりやすいように一次窓口というものを設けていただきたいと思います。それは十分把握された上でお願いします。 続きまして、患者申出療養についてお話を移したいと思います。同じく所信演説で導入が述べられました患者申出療養についてお伺いしたいと思います。 今回の制度において何よりも重要なのは、私の質問ですとか質問主意書に対して御答弁いただきましたように、二点、安全性と有効性が確保されていること、それから将来の保険収載の前提としていること、この二点が重要だと思います。 まず、安全性と有効性に関してですが、安全性の審査が、患者申出療養として初めて行う医療の場合六週間という、今までの何分の一という極めて短期間で、かつ、みんなで話し合うんじゃなくて持ち回りで行うということが可能とされています。しかもまた、二度目以降、すなわち患者申出療養として前例がある場合には何と二週間で、しかも国の関与もないことになっています。本当にこれで適切な審査が行われるのか、安全性が確保されるのでしょうか。私も何度か部会などでお聞きしましたけれども、すごく心配です。 もしそんな短期間で安全性の審査が可能ならば、では逆に、今までの保険外併用療養の審査に何倍もの期間が掛かっていたというのはどうしてなんでしょうか。ということは、今までの期間や審査は無駄だったということでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 患者申出療養につきましては、患者の申出を起点として、患者が申し出ることでスタートをするわけでありますけれども、質の高い臨床研究を行う能力のある臨床研究中核病院の申請に基づいて初めてやる場合ということで、医療の安全性、有効性を国で言わば迅速に確認する仕組みでございまして、患者申出療養として初めて行う医療については、今申し上げたように、専門家による会議において原則として六週間で審査を行うこととしているということになっております。 しかし、医学的な判断が分かれるような場合には、当然、この期間にとらわれずに議論を続けるということはあり得るわけでございまして、また、患者申出療養の実施状況や実施に伴う重篤な有害事象等、国に報告するよう求めることとしているわけでございまして、元々は、抗がん剤などで急ぐという方が多いということもあってこういうようなことにもなっているのかなというふうに聞いておりますけれども、迅速な安全性の確認をする、有効性の確認をするという仕組みが求められているというのが今回の制度ではないかと思っております。 今後、制度の詳細を検討する中で、今先生が御懸念のような患者申出療養における安全性の確保がしっかりと取れるように更に検討していかなければならないというふうに思っております。
○牧山ひろえ君 済みません、全く私の質問に答えてくださっていなかったのでもう一回申し上げますけれども、なぜ今まで十倍ぐらいの期間が掛かったのか、それがなぜ必要だったのか、その根拠とか、今までの期間とか審査は無駄だったのかどうかというのを聞いているんです。 大臣に聞いています。大臣に聞いています。大臣にしか聞いていないです。
○政府参考人(唐澤剛君) 今までの先進医療会議では、これは初めてのケースのようなものを扱ってまいりましたので、これは期間が掛かりますけれども、こちらの、先ほど大臣のお話にございましたように抗がん剤のようなものがございまして、一日も早く使いたいというような御希望の方もいらっしゃいますので、この要請に応えるような制度の設計をしていくべく、これから制度の詳細を検討していきたい、そういうことでございます。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今申し上げたとおりで、一番今回の患者申出療養で使いたいとおっしゃっている患者さんは、抗がん剤、それも要するに未承認のものを早くということでありまして、しかし、先生御指摘のように、安全性や有効性が分からないままにただ急いで使ってもらっては困るわけでありまして、そこを責任あるものとしてやるために、今申し上げたように、日本で初めてのケースの場合には臨床研究中核病院ということで、本当に限られた病院で、十五病院しかないわけです、全国で。ここは能力に期待をして、ここに安全性と有効性を確認をするということになっておりますので、今までのどこかが悪かったかとかそういう問題ではなくて、どうやって患者さんのニーズに応えて安全で有効なものを素早く使っていただけるように、この患者申出制度という形で患者さんから声を出してもらって、お願いをしてもらってやろうというのが今回の制度でございます。
○牧山ひろえ君 急いでいる理由というのは分かりました。そういう事例があるというのは分かりました。でも、何でこんなにたくさん時間が要されていたのか、その時間は何に使われていたのか、それが無駄だったのかということは全く答えになっていなかったので、次の質問に行きます。 では、患者申出療養が適用され、新しい治療法や医薬品が試された結果、医療事故ですとか副作用が発生した場合、その責任はどのように分担されるのでしょうか。患者の申出がきっかけであることを理由に、自己責任論から現状の医療事故における、より責任の多くが患者に負わせられる可能性があるのではないかというふうに心配しておりますが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(橋本岳君) 患者申出療養につきましては、医療機関から実施状況等や実施に伴う重篤な有害事象について報告を求めることとしております。 事故や副作用が起きた場合ということでの責任あるいはその補償の在り方につきましてでございますけれども、現行の治験の場合、あるいは先進医療における対応等、既にそういう例がございますので、そうした例も踏まえまして、引き続き具体的な制度の詳細設計というのもまだ続けております。その中で、御指摘も踏まえて、重く受け止めながら検討してまいりたいと、このように考えております。
○牧山ひろえ君 時間となりましたので、終わります。
○石橋通宏君 民主党・新緑風会の石橋通宏です。大臣、今国会もよろしくお願いをいたします。 今日は大臣所信に対する質疑ということで、まず冒頭、大臣所信に対して若干のコメントを申し上げておきたいと思いますが、大臣、正直に申し上げて、失礼ながら、私自身は大変残念な所信だったなと。各論の羅列、個別事項の羅列で、大臣としての、今後一体どう厚生労働行政、ビジョンを持ってやっていくのかと、そういう思いが感じられなかったなというのが正直なところであります。非常に重要な問題についてお触れになっていないなということも正直言って感じました。 ですので、今日はまず最初にそのことから幾つかお聞きをしてまいりたいと思います。 まず、この間、予算委員会等々でもずっと私たちは、今、安倍政権になって以降のいわゆるアベノミクスの中で労働者の生活が残念ながら毎月のように悪化をしているのではないかという指摘をさせていただいております。実質賃金が十九か月連続して低下をしていると、こういう状況について、大臣、所信の中で全く言及をされておりません。一体、労働者の今の置かれている状況、実質賃金の低下、こういうことに対して、大臣、所見をお持ちでないのでしょうか。これが問題だと、今後の、そういうお考えはないのでしょうか。まずそのことについてお伺いします。
○国務大臣(塩崎恭久君) 賃金について申し上げれば、実質賃金が低下していることは先生御指摘のとおりだと思います。 それはそれとして私たちは問題意識を持っていなければいけないというふうに考えているわけでありますが、その一方で、これはもう何度も、総理からも、総雇用者所得という雇用者の所得の合計で見る見方も同時に示しているわけで、名目のみならず実質でも、また消費税率の引上げ分を除いて見ると、昨年の六月以降、八か月連続でプラスが続いているというようなこともあるわけでございまして、今大事なことは、やはり最終的に賃金が実質的にも名目的にもちゃんと上がって、生活水準が上がっていくということをどう達成するかということがとても私は大事だというふうに思っておりまして、それは、賃金というのは賃金を上げるために上げるということはあり得ないのであって、経済全体の中で賃金が上がっていくようにするためには様々なことをやっていかなければいけないと思いますし、労働生産性の問題、そしてまた経済としての競争力の問題、そういうことが結果として収益の力にも関わってくるわけで、そういうものと同時に賃金も決まってくる。 それが今、消費税の引上げと、もう一つは円安ということもこれあり、実質的にも今マイナスになっているということは、これはこれとしてしっかりと受け止めながらこれを解消するようにしていかなければいけませんし、何度か総理も、この三月まではそうですけれども、四月から、一年前の消費税の引上げ分によって上がっていた物価については、この分の要素は剥落をするので、プラスになる可能性も十分あるのではないかというふうに言っているわけでありますから、我々としてはよく慎重に、先生の御指摘の点も含めて、見ていかなければいけないというふうに思っております。
○石橋通宏君 実質も名目も上げていくことが重要であるというふうに大臣今おっしゃった。じゃ、ちゃんと所信の中でそれを述べてくださいよ。本当にそういう御認識でおられるのであれば、まさに今、そういう労働者、勤労者が置かれている状況を大臣として認識をした上でどのような政策を取っていくのかというのが厚生労働大臣の役割でしょう。まずそのことを指摘をしておきたいと思います。 大臣、今、総理も大臣もお好きの総雇用者所得について言及をされました。今日、二月の六日の決算委員会で質疑をさせていただいたときに要求をさせていただいた、せっかく出していただいたので、資料としてお付けをしておきましたので、委員の皆様方も御参考にしていただければと思いますが、大臣、総雇用者所得、これ、総雇用者所得が上がると労働者の生活は良くなったという御判断をされているんでしょうか。もしそうであれば、その根拠をお示しください。
○委員長(丸川珠代君) どなたがお答えになりますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) ちょっと今、質問が私のところ、手元に来ていなかったものですから。 総雇用者所得が良くなればいいのかという質問ですか。
○石橋通宏君 通告してありますから、ちゃんと準備しておいてくださいね。 総雇用者所得という脈絡で言われるので、じゃ、総雇用者所得が拡大をすれば、それは労働者の生活、暮らしが良くなっているという判断なのですかと、であれば、その根拠をお示しくださいということです。
○国務大臣(塩崎恭久君) ちょっと私のところに届いていなかったものですから、急なことで恐縮でございますが、総雇用者所得だけを見て働く人たちの暮らしが良くなるかどうかということを、それだけで言えるということは、私はないと思います。しかし、それが良くなっていることが、悪くなっているという、暮らしが悪くなっているという証拠でも多分ないんだろうと思いますし、いろんな数字を私たちは雇用政策や経済政策のときには見なければいけないというふうに思っております。 したがって、当然のことながら、有効求人倍率も二十二年ぶりの高水準だということもこれ事実でもありますし、完全失業率が十七年ぶりに低い水準だということも雇用としては非常に大事な指標でもあるわけでありますから、総雇用者所得だけで暮らしがいい、悪いということを申し上げているわけではないということだと思います。幾つか見るうちの一つとして申し上げているということだと思います。
○石橋通宏君 それでは、今後は是非そういうふうに安倍総理にもお伝えをいただきたいと思いますが。実質賃金、名目賃金、賃金の話をされるときにいつも安倍総理は、総雇用者所得を見なきゃ駄目なんですとおっしゃるでしょう。だから我々は、それでいいんですかと聞いているわけです。 大臣、一つだけ聞いておきます。総雇用者所得、これ企業の役員もこの統計の中に含まれるでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 含まれると思います。
○石橋通宏君 よく理解をしておいてください。総雇用者所得の計算には企業の役員も含まれるんです。ということは、役員の報酬が拡大すれば、これ総雇用者所得も増えます。これを見て、じゃ、全体が増えたからみんながハッピーだということには絶対ならないわけですね。 逆に、一般の非正規雇用が増えた、非正規の賃金が減った、でもお金持ちの所得が例えば一千万から二千万に増えて喜んだ、そうしたら総雇用者所得は一気に増えちゃうんです。こういう指標をもって人々の暮らしが、雇用者の暮らしが、労働者の暮らしがと是非言わないでほしいということをここで一つくぎを刺しておきたいと思います。 その上で、もう一つ、非正規雇用についても、大臣、我々は、実質賃金がこの間ずっと低下をしていると。二月六日の決算委員会で私も改めて指摘をさせていただきました。それはこの二年間の話じゃないんです。一九九七年以降、賃金の低下はずっと長期的な傾向として進んできていると。それはまさに非正規雇用の拡大と歩調を合わせているんだと。今四割、二千万人が非正規雇用。安倍政権になって以降も残念ながら非正規雇用が増えているという事実があるわけです。そのことも、今の非正規雇用が拡大をしているという現状について所信の中では一切述べられておりません。 大臣、その認識が問題だと。この問題に対してやらなければいけないという、そういう強い決意だということでよろしいですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生にお示しをいただいた九七年がピークとして名目賃金、実質賃金が下がってきている、あるいは消費者物価も、三つ並べてやっていただいたのは私も鮮明に覚えておりますが、この間ちょっと申し上げたところでございますけれども、じゃ、非正規の賃金そのものと一般の労働者の賃金そのものと動きをこの九七年から見てみるとどうなんだろうかということを見てみました。 そうしますと、非正規の賃金そのものは実際のところは少し増えているんですね。それから一方で、これも問題だと思いますが、一般労働者の賃金が下がっている、一人当たりのですね。これも、ですから、非正規以外の方々の働く人たちの賃金もこの間、失われた二十年と言われていた間に下がってきてしまっている。 しかし一方で、非正規と歩を一にしてという先生の御指摘は実はそのとおりのところがあって、それは、非正規の割合が大変に大きくなってきて、九七年ぐらいは二三・二%だったのが、直近では二〇一四年で三七・四%に上がってきているわけで、ウエーテッドアベレージでいけば、当然今先生がおっしゃったように、少しやっぱり賃金は下がってしまっているということを指摘しなきゃいけないと思っております。 ただ、じゃ、非正規のウエートがどこでこんなに増えちゃったんだろうかというところも分析をしてみますと、これは特に、この例えば十年間の増え方、傾向は大体九七年から見ても同じですから、見てみたところ、約四百万人、三百九十八万人非正規雇用が増えてしまいました。ところが、この中で、六十歳以上の男女、これで約六〇パー、六一%が六十歳以上の男性、女性であります。女性の十五歳から五十九歳、これが二八%増えている。そうすると、この六十歳以上の男女と女性の十五から五十九の合計をいたしますと、これだけで実は約九割、八九%、説明が付いてしまうということになっているわけです。 したがって、高齢者の場合には手を挙げれば六十五歳まで雇っていただけるようになったということで、これはこれで、非正規であったって、それはまずまず働く場をつなげて持っているということはいいことだと思います。 一方で、女性の十五歳から五十九歳の中で非正規で働いていらっしゃる方については、これは問題でもありますし、また正規の賃金と比べれば低いというところについても問題が私はあると思っていますから、希望して、この年代層は女性の場合には、希望して非正規の場合もかなりあると思います。 しかし一方で、正社員になりたいけれどもなれないという問題と、なりにくいという問題と、もう一つは、賃金そのものが非正規と正規の間の格差が大きいがゆえに、これは先ほど御指摘があったように、一人親、特に母子家庭の非正規で働いていらっしゃる方々が非常に厳しい環境の中で働いていらっしゃるということもこれは我々は解決しなければいけない、一人親対策、子供の貧困、これについてもしっかりとやっていかなきゃいけないというふうに考えているところでございまして、今お話をいただいたところについての問題意識はそのような形で私も持っているということでございます。
○石橋通宏君 今大臣説明していただいた細かい点について突っ込みたい気分ですが、時間がないので。 是非、そういうお気持ちをお持ちなのであれば、そしてそれが優先課題だと思われるのであれば、やっぱりそれをちゃんと所信の中で思いを伝えていただかないと、全国国民にメッセージとして伝わりませんから、是非それをよろしくお願いをしておきたいと思います。 ポイントは、大臣、そうやってちゃんと中を細かく分析をしていただいて、一つ一つの問題を、なぜそういう状況になっているのか、それをどう解決していくのかということを真摯にやっていただきたいということを重ねてお願いをしておきたいと思います。 その上で、同様のことで、先ほど有効求人倍率についてお話をされたので、現下の雇用情勢について、これも大臣、総理もそうですが、繰り返し有効求人倍率、有効求人倍率と言われたので、これも資料三でわざわざお付けをしております。 有効求人倍率が今いい状況にあるというのは、決算委員会でも私もこれは評価をさせていただきますということは申し上げました。しかし、同時にやっぱりその中身を是非見てくださいということも申し上げたいわけです。 ここにお示しをしておりますのは、じゃ、有効求人倍率は高くなっているけれども、実際に充足率はどうなのか、就職率はどうなのかということを見ております。対新規、対有効、それぞれで見ています。 御注目をいただきたいのは、充足率、対有効と、就職率、対有効、これそれぞれ一桁台なんです。充足率でも直近でも七%、就職率も八%、こういう状況にあるわけです。つまり、求人を出しても人が集まらない、充足されない、求職活動を行ってもなかなか就職できないと、こういう実態がここから見て取れるわけですけれども、大臣、この数字を御覧になって、今の雇用情勢、本当にいいのか、何が課題だと思われますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 充足率そのものについてでございますけれども、まず景気回復の局面で、充足率というのは、分母に新規の求人数、分子に充足数というのが、あるいは就職数というのが来る指標だと思いますけれども、これは当然のことながら、現在のような景気回復局面においては求人数や求職者数の動向によりまして充足率について低下傾向にあるというのが、ここに先生お配りのものにも表れていると思っております。 そんな中で、厚労省としても、ハローワークにおいて求人及び求職の申込みを全て受理するという原則の下で、求人、求職者相互の多様なニーズに対応してマッチングを図るということでありますけれども、この求人者に対する求職者が応募しやすい求人条件の設定についての我々としてやるべきことは、アドバイスや求人条件の緩和、指導とか、求職者に対する労働市場等の状況を踏まえた希望条件の見直しについての相談や、詳細な事業所情報の積極的な提供などをやっていかなければならないと思っておりますけれども、いずれにしても、先生が今お示しになったものは、景気の局面などで必ずしも低下することが悪いということではないということも十分あり得ることでもあるので、冒頭申し上げたように、有効求人倍率だけ見ていても駄目だという先生の御指摘もそのとおりかと思います。 そして、ですから充足率というものを見るということも大事なので、しかし一方で、失業率が下がっているということは求職は減るということでありますから、そうなると、充足数の動きによってどうなるかということも、どっちに向いていくかは分かりませんけれども、どちらかというと求職が減っていくということで、この数が低下をしているということで充足率が低下するということは十分あり得ることだというふうに思っております。
○石橋通宏君 残念な答弁ですが、これ、大臣、この二年間のトレンドで良くなった悪くなったと別に責めようとしているとかそういうことじゃなく、この今の状況をどう大臣として捉えられているのかと。いや、景気回復局面だから、ちょっと良くなっているから悪くなってもこれは当然だからいいじゃない、そうじゃなくて、やっぱり今こういう充足率、就職率見ても、これ実はこれだけの状況にあると。それは、やっぱりミスマッチがいろんな分野で起こっているということをまず我々全体で認識をしないといけないと思うんです。なかなか、求人はあるけれども求職者とマッチングができていないわけです。 これ、今日は全体の数字で出していますけど、大臣、当然、職業別の分類は御覧になっていますよね。なっていますね。職業別の分類を見たらもっと違う状況が見えてくるわけです。介護の分野、建設の分野、そういう分野でどうなっているのか。一方で、人気の高い事務職の分野でどうなっているのか。そこから見えてくる問題というのがあるわけで、じゃ、それに対してどういう雇用対策を打つのかということを、大臣、きちんと把握をして指示していただかなければいけないわけです。 そのことも所信では全然述べられていないので、私は、改めて大臣に、その問題認識をやっぱり持ってもらわないと困りますよということを言わせていただいているわけです。 今、厚労省に、主な職業別の分類で、これ全部数字を出していただくようにお願いをしております。是非これ当委員会にも出していただきたいと思いますので、委員長、お取り計らいをよろしくお願いします。
○委員長(丸川珠代君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をさせていただきます。
○石橋通宏君 よろしくお願いいたします。 その上で、今日午前中に津田委員からも議論がありました労働時間規制の問題について、今国会で、労働基準法のあえて改悪案と呼ばせていただきますが、予定をされているようですけれども、私も津田委員と同じく、これ、とんでもない話でありますので、是非見直してもらわないと駄目だなと思っているわけですが、所信の中で、働き方改革というところで長時間労働削減推進本部なるものについての御指摘がありました。「省を挙げて長時間労働の削減に取り組んでいきます。」という未来形で書かれておりますが、これは、本部自体は昨年の九月三十日にもう、大臣、立ち上げをされているわけですね。既に半年が経過をしております。 一体、これまでの半年間の取組でどのような実績を上げられているのか。実績も大事ですが、逆にそのいろんな取組をしていただく中で、今、日本の現状、置かれた、労働時間の問題、長時間労働、過重労働の問題、何がやっぱり原因で、どうしていかなければいけないのかという問題も見えてきたはずなんですね。 そのことについて、長々とした答弁は要りませんから、何がやっぱり問題だという認識を持たれて、これからどうしていこうかというお気持ちなのか、端的にお答えください。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘いただいた長時間労働削減推進本部で、去年まず最初のアクションとしてやったことは、十一月に重点監督をやって、特に問題とみなされているようなところで、対象事業所に出向いて重点監督をやったわけでありますけれども、その結果は、約半数で、これは四千五百六十一事業所に監督指導を実施して、三千八百十一事業所で労働基準関係法令違反を確認をし、是正をしているわけでありますが、違法な残業が約半数の二千三百四事業所において認められるということが分かったわけであります。 そのうちの七百十五の事業場で月百時間を超える残業を行っていると。まさに先生御指摘の長時間労働が引き続き続いているということでございまして、このために本年一月から、月百時間超の残業が行われていることを把握した全ての事業場等に対する監督指導の徹底をするとともに、四月からは、東京労働局と大阪労働局に過重労働に係る困難事案等に対応するための特別チーム、これは過重労働撲滅特別対策班と称しまして、これを新設してしっかり取り組んでいこうということでございます。 それから、監督指導においては、時間外労働協定によって合法的に月四十五時間超の時間外労働を行える場合でも、実際の時間外労働の時間が月四十五時間を超える場合はその削減に向けた指導を行うということをやってきているわけでありまして、なぜこういうのが続くんだという今先生の御指摘でありますが、これは一言で言えるほど簡単な問題ではないのかも分かりませんが、言ってみれば、企業のそういう今までの長い間の風土とか、役所も同じようなところがありますが、この文化を変えていく。 つまり、これは働く側と企業経営をしている側のやっぱり意識をしっかりと変えていくということが大変大事なことではなかろうかというふうに考えておりますので、私どもとしては、法律に基づいた監督指導をする中において、そういったところに影響を与えていい方向に持っていければなというふうに思っていますし、ワーク・ライフ・バランスというからには、長時間労働ではない、自らの人生と働くことがきっちり両立をするようにしていかなければならないというふうに考えておるところでございます。
○石橋通宏君 大臣、いい方向に持っていければなじゃなくて、いい方向に持っていくんですという決意を述べていただかないといけないと思いますが。 午前中、津田委員が、ブラック企業対策の特別監督で八二%の法令違反があって、とんでもない数字だと言ったけれども、大臣、今言っていただいたとおり、この過重労働撲滅チームでやっておられたら、全体の八三・六%で労働基準関連法令違反が認められたと。残念ながら、これ実態なんだと思うんですね、大臣。 こういう実態の中で、やっぱり我々は、むしろ労働時間関係の法令をきちんと強化をしていただいて、よりきちんとした対策が取れるように、長時間労働の撲滅、過重労働の撲滅ができるようにということをお願いをしてきたわけでありますけれども、今回用意をされている労働基準法改悪案は、全くその点については我々が要求していたことについてはほぼ無回答で、規制緩和だけをやろうとしているということがやはり問題だというふうに言わざるを得ないと思います。 ちょっと確認をさせていただきます。 大臣、この間の推進本部の取組、裁量労働制に関わる問題については、これ重点監督の対象にして取組をされたんでしょうか。先ほど言われた八三・六%、これ、裁量労働制に関わる違反というのはどれぐらいあったか、本部長としての大臣、御存じなんでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 特に裁量労働制ということで特化してやっているわけではもちろんございませんで、ただ、そういう中に長時間労働があり得べしということで情報も入っていることもこれあり、そういうところを含めて調査をしているということでございます。
○石橋通宏君 それでは、先ほど説明された監督指導・捜査体制の強化、過重労働専従チームの新設、これに裁量労働制に関わるものを重点課題として指示をされていますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 四月からスタートするものについては、当然それを含めてやるように言っているところでございます。
○石橋通宏君 やるように言っているということなので、本当に言われたんだと思いますが、これ是非、先ほど津田委員が指摘をされた裁量労働制の問題は、時間把握が適切にされていないとか実態がなかなか分からないとか、高階政務官が答弁されましたけれども、そういう現場の、それに起因する過労死の状況ですとか、労働時間の把握ができていないからなかなか因果関係がつかめない、そういう実態があるわけで、必ず裁量労働制のことは重点課題として入れて、裁量労働制に関わる今の現状把握、労働時間の状況も含めてしっかりやっていただく、もう一回ちゃんと約束してください。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど高階政務官と津田先生とのやり取りの中にもございましたように、この問題についてはこれからの調査をしっかりやっていかなきゃいかぬなと、そのためにしっかり我々も見ていきたいと思っていますし、その上で法案を御審議をいただくということになろうかと思います。
○石橋通宏君 なので、津田委員も御指摘をされましたけれども、それをまずしっかりやっていただいて、本当の裁量労働制の今の現状、状況、問題、そういったことをきちんとやっていただいた上で、じゃ、どのような対策が必要なのか、順番はこういう順番でなければおかしいはずですので、それがない限りは是非法案は出さないようにということを重ねてお願いをしておきたいと思います。 最後に、ちょっと今日は本当は派遣法の問題もやりたかったんですが、時間がありませんので、今準備をされている労働基準法等の改悪案、これ、資料の五に法律要綱案をお付けをしております。 これ、衆議院でも議論されて、大臣、答弁されていると思いますが、我々が高度プロフェッショナル労働制で非常に深刻な問題だろうというふうに思っておりますのは、これによって労働時間が際限なくなると。健康管理策が取られているというんだけれども、健康管理策というのはもう全く実効性のない、ここに書いてある(イ)(ロ)(ハ)のいずれかに該当する措置をやればいいという、これでは全く穴だらけだというふうに思うわけで、働かせ放題、定額制で労働時間無制限というような法案で、まさに過労死促進だと思うわけですが、大臣、こんないいかげんな健康管理策で本当にやられるつもりなのかどうか……
○委員長(丸川珠代君) 石橋委員、恐縮ですが……
○石橋通宏君 そのことについて最後に答弁をいただいて、質問を終わりたいと思います。
○委員長(丸川珠代君) 塩崎厚生労働大臣、簡潔に願います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回、法律でもって健康確保措置を導入するということを定め、なおかつ労働安全衛生法にもこれは基づいて、そこに罰則を付けた上での義務付けということもやるということでございますので、健康管理時間に基づく健康確保措置というのは有効ではないかというふうに我々は思っておるところでございます。
○石橋通宏君 終わります。
○長沢広明君 今日は、認知症施策について質問したいというふうに思います。 今年の一月二十七日に、認知症施策に関する初の国家戦略である認知症施策推進総合戦略、いわゆる新オレンジプランが策定をされました。 私たち公明党は、従来から認知症施策の国家戦略化を主張してまいりまして、私自身も、昨年六月、この委員会で安倍総理御出席の質疑を行ったときに、省庁横断的に政府全体で認知症施策をまとめて、認知症施策における世界最先進国になるような取組を行うべきであるということを総理に求めました。これに対し、その委員会の席で総理からは、認知症対策において世界でも最も進んだ国となるよう全力を挙げたいとの御答弁をいただいたところでございます。その後、半年余りで認知症施策に関する初の国家戦略の策定、新オレンジプランまで至ったことは、これは評価をしたいというふうに思います。 現在、認知症施策は世界共通の課題というふうになっておりまして、例えばイギリスでは、キャメロン政権が国家認知症戦略というのを立てております。アメリカでもオバマ政権の下で国家アルツハイマー計画、これは国家アルツハイマー計画法という法律に基づいて計画を組んでおります。フランスでもサルコジ政権で国家アルツハイマー計画、オランダでも国家認知症プログラム、オーストラリアでは認知症に関する国家構想と、こういう各国様々に対策を立てています。 アメリカ、イギリス、フランスでも高齢化率が一七%台、それに比して我が国は二〇%を超えるわけですから、ある意味ではこの認知症戦略を先手を本当は取らなければいけなかったというふうに思いますが、ここへ来て新オレンジプランをきちんと立てて、各国は今、二十世紀型の社会保障モデルから、この認知症対策を通して二十一世紀型の社会保障モデルをつくろうと。この認知症対策というのが、そういうある意味では二十一世紀型の社会モデルの新しい道を開くドアになるというふうに思って各国は取り組んでいるわけでございますので、ある意味では、私たちのこの新オレンジプランも更に更に充実をさせて世界の認知症施策のモデルになっていくように、そういうふうに期待をしていきたいというふうに思いますので、ちょっと確認をさせていただこうと思います。 まず、大臣に伺います。 今回、認知症施策を国家戦略化した意図、また平成二十四年に策定された旧オレンジプランと異なる点、そういう面も踏まえてこの新オレンジプランの基本的な施策の柱についてお述べいただきたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 公明党の皆さんからも御提案があって、今回このような形で新オレンジプランというのを作らせていただいたわけでございますが、今先生御指摘のように、世界各国ともこの問題意識を持ちながらやっているということで、実は先週、WHOが初めて閣僚レベルの認知症の会合というのを開きました。私はちょっと国会で参れませんでしたけれども、厚生労働審議官の原さんに行ってもらいましたが、そのぐらい今世界の話題になっているわけでありますから、日本はどうするのか、ラオスの会議に私が今年一月行ったときにも、やっぱり日本はどうするんだということを非常に注目をしていると。今の二十一世紀型の社会保障のモデルとして考えなきゃいかぬということをつくづく私も感じたところでございます。 これは厚生労働省だけではなくて、今回の認知症施策推進総合戦略は、政府一丸となって認知症の方の生活全体を支える観点、この取組を総合的に進めていこうというものでございます。具体的には、医療、介護等の基盤整備についてその数値目標を引き上げるなど取組を加速化し、認知症の方に優しい地域づくりに向けて、消費者保護やバリアフリー化の推進など関係省庁の施策を推進するほか、認知症の方御本人や御家族の視点というものを重視した取組を進めていくということが大事だというふうに思っているところでございます。
○長沢広明君 二〇一二年の段階では、認知症の方の人数が四百六十二万人と言われています。六十五歳以上の高齢者の七人に一人という割合になります。二〇二五年には団塊の世代が七十五歳以上になる。二〇二五年ということを見ますと、認知症の方の人数は約七百万人、六十五歳以上の高齢者の五人に一人になるというふうに推定をされています。当面の新オレンジプランの対象期間は、このことで二〇二五年までということを視野に入れた計画になっております。ということであれば、少なくとも今後十年間継続して取組を行っていくためには、長期的な予算をある意味確保するということが必要になってまいります。 大臣、新オレンジプラン推進のための今年度の予算はどのぐらいで、また、長期的な予算の確保についての決意をお述べいただきたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) まず、新オレンジプランに関する二十七年度予算は、平成二十六年度予算の九十五億円から関係省庁の分も含めて百六十一億円となっておりまして、このうち厚生労働省分でありますが、消費税増収分も活用いたしまして、医療、介護の専門職による認知症初期集中支援チーム、あるいは医療・介護連携のコーディネーターであります認知症地域支援推進員の配置などの経費として、これ二十六年度の予算は四十億円でありましたが、大体、それを約百億円にまで引き上げまして計上をさせていただいて、引き続きこの総合戦略の推進のために必要な予算を確保してまいりたいと思っております。 長期的には数値はまだ設定をしておりませんが、今申し上げたように、できる限りこの総合戦略を実のあるものとして実現できるような予算を確保してまいりたいというふうに思っております。
○長沢広明君 是非全力で取り組んでいただきたいというふうに思います。 先ほど国際的な世界の国の認知症戦略ということを御紹介しましたけれども、それぞれの国でやはり共通するのは、認知症も含めて、介護に掛かる社会的コストをどれだけ効率化して、効率化というか、スリムにしていくかということで、認知症もさらに介護が必要になると、その分介護に関わる人は働けなくなるわけで、働けなくなると、その分社会のコストが、社会で本来実るべきものが実らなくなっていくということをできるだけ避けるための戦略ということを大体志向しているということです。 ということになると、認知症においても、認知症を持っていても住み慣れた地域で生活を続けられていく体制をつくるということが必要ですし、それには、御本人それから御家族、この両方について在宅で地域で支えられるようなモデル、そして入院や入所を前提としないサービスと、こういうことをまず目標にしなければいけないというふうに思います。 そのためには、やはり地域においての認知症に対する理解を深めるということと、まず早期に受診するということが第一に大切になってきます。できるだけ早く対応をスタートすると。認知症を重症化させると、これは大変にやっぱり介護のコストが掛かってしまう。それを重症化させないように早めに受診をすると。認知症についての理解をその分周りの人はちゃんと持って、あっ、ちょっとおかしいなというふうに家族あるいは地域の人が早く気付く、小さな異状に、変化に気付いていくということが大切になります。 今回の新オレンジプランにおいてもその点は組み込まれておりまして、早期対応、早期診断のための施策というのが盛り込まれています。今大臣から予算で指摘がありました、地域で中心になるのは認知症初期集中支援チームあるいは認知症地域支援推進員の設置と、こういうことを進めていくことは非常に大きな最初の柱になってまいります。 認知症初期集中支援チームは、二十六年度の時点では四十一の市町村に設置される見込みと。これを平成三十年度には全ての市町村に設置するということが目標になっています。現在の市町村数が約千七百ですから、今四十一、これを千七百に増やすということで、二十七年度以降の四年間で千六百以上増やさなければいけないと。大変大きな目標です。認知症地域支援推進員の方も、平成二十六年度時点では二百十七の市町村に設置の見込みでありますけれども、平成三十年度には同様に全ての市町村、つまり千七百を目標にするということですが、これ、認知症の発症初期の初動体制を支える大変大事な取組です。 今後の認知症初期集中支援チーム及び認知症地域支援推進員の配置の見込みについて、専門職の数の確保の見通しも含めて示してもらいたいと思います。
○政府参考人(三浦公嗣君) 認知症の方ができる限り住み慣れた地域で暮らすためには、認知症の症状が悪化する前に適切な対応を行う、いわゆる早期診断、早期対応が重要であるというのは御指摘のとおりでございます。 このため、認知症施策推進総合戦略、いわゆる新オレンジプランでは、平成三十年度までに、消費税増税分を活用いたしまして、医療・介護専門職による認知症初期集中支援チームや、医療・介護連携のコーディネーターである認知症地域支援推進員を全市町村に配置するということでございます。 このための対応といたしまして、平成二十九年度末までに、認知症初期集中支援チームのチーム員としてその役割が期待されます認知症サポート医などの養成の数値目標を引き上げております。また、認知症に関する専門医などにつきまして数値目標を定めて、具体的に養成を拡充するように関係学会等と協力して取り組むこととしているところでございます。さらに、平成二十七年度から、消費税増収分を活用し、都道府県に設置されている基金を使いまして、研修などの取組を推進するなど人材育成を支援するということにしているところでございます。
○長沢広明君 認知症疾患医療センターが今現在三百か所弱設置されているというふうに思いますが、これは都道府県をカバーする基幹型、それから二次医療圏をカバーする地域型、それから診療所による診療所型と三類型があるというふうに聞いております。これを平成二十九年度末に五百か所まで増やす、これから約二百か所増やすということになりますが、同時に、この認知症疾患医療センターについて、現在の三類型の機能や連携の在り方を見直すということも聞いています。 じゃ、その見直す理由は何か、また、どのような機能をどれぐらいずつ増やすというふうに考えているのか、お願いします。
○政府参考人(三浦公嗣君) 認知症疾患医療センターは、その鑑別診断、その後の初期対応、幻覚、興奮、うつなどの行動・心理症状、BPSDなどと呼びますが、これらや身体合併症への対応のほか、地域の医療・介護関係者への研修など、地域における認知症医療の拠点機能を担う医療機関と位置付けております。 新オレンジプランでは、平成二十九年度末までに、全国で約五百か所の整備目標を維持しつつ、現在の基幹型、地域型、診療所型という三類型の機能やその連携の在り方につきまして、地域の実情に応じて柔軟に対応できるよう見直すこととしております。 このため、都道府県、政令市は、都道府県域全体の拠点機能を担うものや一部地域の拠点機能を担うものなど地域の中で担うべき機能を明らかにした上で、PDCAサイクルによる個々のセンターの機能評価を踏まえながら、どのような機能のセンターをどれぐらい整備するかということを計画していただき、地域の実情に応じて整備することとしているところでございます。
○長沢広明君 そういう体制をつくっても、まず認知症の家族の方とか地域の人が最初にどこにアプローチするかということは非常に大事です。利用者の側の立場に立ってみると、最初にどこに相談に行っていいのか分からないという問題があります。どこで、何を、どういうことをしているか。例えば、認知症初期集中支援チーム、認知症地域支援推進員といっても、地域によって窓口が全然違ったりしているんですね。 例えば、結構進んでいる東京都の町田市を見ますと、物忘れ相談事業というのがあるんですね。物忘れ相談事業をどこでやるかというと、高齢者支援センター、市内の十二か所、ここに行かないと、物忘れ相談事業のサービスにそこから先、行けないわけですね。しかし、認知症の人がすぐそこに行けるかというと、なかなかちょっとそういう名前が出てこないので、表面に、難しいわけです。 例えば、千葉市ですが、千葉市あんしんケアセンターなんです、窓口が。これはもうほかにもいろんなことをやっているので、しかも初期集中支援チームがどこから出るかというと、かしわど訪問看護ステーションから出るわけです。だから、初期集中支援チームがどこにいるのか、そこまでどういうふうにアプローチしたらいいのかというのは知らないとできないという問題ですね。 呼び名って結構大事だと思うんですよ、名前とか呼び方ということが、相談先の呼び方一つで本当に利用すべき人が利用できずに初動に失敗すると。やっぱり認知症かもしれないということを相談するのに非常に勇気が要るし、リスクを抱えるわけですね。そういう人たちがちゃんと行けるような認知症の地域支援策で、呼び名を含めた制度の周知ということをどうしていくか、これ非常に大事なことだと思うんですが、どんな考えをお持ちでしょうか。
○政府参考人(三浦公嗣君) 先ほど来お話ございましたように、早期診断、早期対応が重要だということで、必要に応じて早い段階から適切な支援を受けていただくということを私どもとしては重視したいと考えております。 このため、新オレンジプランでは、認知症初期集中支援チームや認知症地域支援推進員、認知症カフェなど様々な資源を計画的に整備していくということにしているわけでございますけれども、これらを必要とする方に適切に利用していただけるよう、その役割、機能につきまして、地域住民の方々への周知、広報活動、関係機関への協力依頼などを行っていくことも重要だと考えております。 私どもといたしましても、呼び名を含めて、地域の実情に応じて、周知、広報活動等が行われ、事業の対象者、内容、必要な連絡先が地域の皆様方にしっかりと伝わるように自治体を支援していきたいと考えているところでございます。
○長沢広明君 認知症の患者は決して高齢者だけとは限りません。若年性の認知症の方が現在約三・八万人というふうに言われています。 若年性認知症の場合は、本人や周囲の人がその異状に気付いていながらなかなか受診に行けない。それは、逆に若年性で本当に認知症になると、本人が、例えば一家の生計の柱であった場合、働けなくなってしまう、あるいはまだ子供が学校に通っている、子供が育てられなくなってしまうという様々な経済的な問題。あるいは自分自身が既に親を介護していると。親を介護しておきながら自分が若年性認知症になってしまうという大変なケースもないわけではないと。こういうことがありますので、非常に相談、診断とか就業支援、働く就業支援、それから家族、介護者へのケア、いろいろ複雑な問題に対して多方面からの施策が必要になります。 若年性認知症の方に対するサポートを推進する、その施策について分かりやすく周知、広報を行う必要があると思いますが、これについては大臣に御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、長沢先生の方から御指摘がございました数々の問題をこの若年性の認知症の方々は抱えておられるわけで、これまで十分気配りが行き届いていなかった部分がたくさんあると。だからこそ支援が必要になるというふうに思っているわけでございます。 そこで、厚生労働省としては、若年性認知症の方との意見交換の開催のほか、医療機関や市町村の窓口などを通じて様々な支援策を分かりやすく説明したハンドブックを配布する、これも、もちろん窓口がどこだか分からないようではいけないので、そこのところにもよく配慮をしながらでありますが。そして、都道府県に相談の窓口を設置をいたしまして、若年性認知症の方の自立支援に関わる関係者のネットワークの調整役を配置するということなど、支援の強化を図ることとしているところでございます。
○長沢広明君 今ここに、ちょっとこれはコピーなんですけれども、「若年性認知症ハンドブック」とあります。これは愛知の方の施設が出しているもので、厚生労働省の老人保健健康増進等事業で増刷をしたと書いてあります。 これもちょっと見て、本当に、例えば、若年性認知症と診断されましたが、働ける職場はありますかと。これは、やっぱり若年性の認知症になった人はもう必ずこういうことが疑問というか不安になると思います。一旦退職しちゃうと再就職は難しい場合が多いので、できれば今いる職場で続けて働けるといいでしょうと。上司や人事担当者、産業医等と話し合って職場の理解を得られるようにしますと。これをやっぱりサポートしないといけないですね、こういうことを。仕事の内容によりますが、配置転換をしてもらったり、障害者雇用の枠に入るという方法もありますと。いわゆる認知症と診断されると精神障害者保健福祉手帳が取得できるということで、企業の障害者雇用枠として働き続けることも可能になる場合があるとか、いろんな手がありますよということを、やっぱりこれを読むだけで多少不安が払拭されるという面もありますし、こうした若年性認知症に対する周知、広報ということもしっかり進めていただきたいというふうに思います。 学校教育が重要だということで、これも以前から教育現場での認知症に対する理解の促進を進めることが必要だということをずっと申し上げてまいりました。 最近は、おじいちゃん、おばあちゃんと触れたことのないお子さんというのが増えています、核家族化が進んで。そういう意味では、高齢者の方と一緒に住んでいない子供が多いという中で、高齢者に対する知識、認知症に対する知識、これはやっぱり学校現場でもきちんと位置付けなければいけないと。地域での見守り体制を厚みを増していく上でも大事だというふうに思います。 厚労省と文科省が連携を取って学校教育において認知症に対する理解を深めるための普及啓発を行っているというふうに承知をしておりますが、これを更に拡充する必要があるというふうに思います。 文部科学省、今日はちょっと来ていただけていますので、施策と現状を伺いたいと思います。
○政府参考人(伯井美徳君) 先生今御指摘のように、都市化や核家族化の進行によりまして、日常生活で子供たちが高齢者と接する機会が減少しているわけでございまして、学校教育の場におきまして、子供たちが高齢者と触れ合う機会を意図的に設けることは非常に大切であるというふうに考えております。 このため、小中高等学校それぞれの学習指導要領におきましては、高齢者との交流の機会を設けることを明記し、そのような取組が各学校現場で進んでいるというふうに承知しております。 埼玉県の事例でございますが、高校生が県の福祉部局の研修を受けて県の健康長寿サポーターとして高齢者の介護予防を含めた健康づくりに参画したり、高齢者世帯の見守りを行うなど、教育委員会と学校、あるいは福祉関係部局と関係機関が連携して取り組んでいる例も見られるところであり、そのような取組を進めたいと思っておりますし、また、認知症の理解につきましては、文部科学省といたしましても、厚生労働省が作成した認知症を正しく理解するための小中学生向けパンフレットの周知に今協力をさせていただいているところでございます。 今後とも、子供たちが高齢者との交流、あるいは認知症の方々に対する理解を一層深めていくことができるよう、厚生労働省としっかり連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。
○長沢広明君 是非、文科省、積極的に自ら能動的に取り組んでもらいたいと思うんですね。厚生労働省がやることを自分たちが手伝わされているみたいな、そんな受け身ではなくて、積極的にやるということをあえて申し上げておきたいというふうに思います。 文科省はここまでで結構でございますので、もし必要であれば、委員長の御差配ですが、退席していただいても結構でございますが。
○委員長(丸川珠代君) それでは、伯井審議官、御退席ください。
○長沢広明君 ほかに委員会もあるでしょうから。 新オレンジプランでは、今回、認知症の方やその家族の視点を重視するという項目が入っています。これが前のオレンジプランとこの新オレンジプランの大きく違うところです。本人そして家族の視点を重視する、これ非常に大事で、初期段階の認知症の方のニーズを把握する実態調査から認知症施策の企画立案、評価に当たって本人、家族の参画を行おうと、こういうふうにしているところだと思います。 安倍総理も、新オレンジプランの策定を受けて意見交換会を開催したと、医療、介護の専門家、若年性認知症の二人の当事者の方と意見交換を総理自身も行ったと、こういうふうに聞いております。本人や家族の方がどういうことに苦労され、どういうことを求めているのか、そういう声を伺うことによって、より本人や家族に寄り添った施策になっていく、大変大事な視点だと思います。 先般の意見交換会も踏まえて、今後、認知症施策に本人やその御家族の意向を反映させていくということについての厚生労働大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 一月の二十七日に官邸で、認知症の方お二人、四十歳代、五十歳代のお二人でございましたが、意見交換会を開催をいたしまして、総理がお呼びをしたという格好で、私も同席をさせていただきました。 実は、去年の十一月に、おととしの十二月にキャメロン首相が認知症サミットというのをやりましたが、それの後継イベントが十一月にあって、そのときに初めて当事者の若年認知症の方に御参加をいただいて会議を一緒にやってもらったということもあって、そういうことを踏まえて、総理と懇談の場を介護、医療の専門家の方も交えてやらせていただいたということでございます。 そこでは、初期段階の方への支援や若年性の認知症の方の働くことの支援、そして認知症の方を支える御家族への支援の必要性、加えて治療薬の開発への切実な思いなど、御本人の生の声を聞いて、改めて社会を挙げて取り組んでいかなければならないという思いを強くしたところでございます。 今後とも、認知症の方やその御家族の生の意見を聞きながら、環境整備をしっかりとやっていきたいというふうに思います。
○長沢広明君 是非よろしくお願いしたいと思います。 認知症の高齢者が、二〇二五年、十年後には現在の一・五倍、四百六十万人から七百万人ということであれば一・五倍になるんですけれども、そうすると、認知症高齢者向けサービスを、単純に言うとサービスも一・五倍に膨れ上がるということになります。基本、入院、入所を前提としないサービス体系というものをきちんと充実させていかなければいけないというふうに申し上げましたが、とはいえ、この増加分の全てをデイサービス、認知症デイサービスとか小規模多機能型居宅介護、こういったもので全てカバーするのは難しいんじゃないかというふうに思います。 例えば、今後認知症グループホームといったものを充実させていくとか、認知症患者が増えていくということに対してどのような介護サービスで、一・五倍に増えるものをどのような介護サービスでカバーしようとしているのか、できれば数字を当てはめながらの見通しをいただきたいと思います。
○政府参考人(三浦公嗣君) 御指摘のように、今後認知症の方が増加していくという状況でございますので、地域の見守り等の支援を受けながら、今委員の方で幾つか出していただいたような様々な介護サービスと関わりながら生活をしていくということが重要となります。 このため、保険者である市町村また都道府県が、必要な介護サービス量を見込んで地域の特性に応じた介護サービスを提供していくということが肝要でございます。このため、厚生労働省では、認知症の方がその様態に応じて適切なサービスを利用することができるようにするための認知症ケアパスというものを地域ごとに作成していただいて、介護保険事業計画の中で必要な介護サービス量を見込む際にはこれを踏まえるように各自治体に依頼しているところでございます。 また、平成二十七年度からは、消費税増収分により都道府県に設置した基金に七百二十四億円を充てまして、可能な限り住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、地域密着型サービス施設などの整備に要する費用への支援や介護人材の確保に関する支援などを進めるということにしております。 今後とも、増加が見込まれる認知症高齢者が必要な介護サービス、多様な介護サービスを受けられるように、こうした取組の進捗状況をしっかりとフォローアップしていきたいと考えているところでございます。
○長沢広明君 今回の新オレンジプランの、いわゆる前のオレンジプランと今回のオレンジプランは、国家戦略化したということで、いわゆる十二の府省庁が横断的に取り組むようになったということが最も大きな変化でございます。厚生労働省と国交省が連携して高齢者が生活しやすい住まいの確保とか、文科省、厚労省、農水省が入っての社会参加支援とか、省庁横断的な施策を行うことがこれは可能になったと、これで国が一丸となって幅広い認知症施策を行っていくことが期待をされております。 しかし、この先頭に立つのはやはり厚生労働省であり、昨年も伺ったことですけれども、縦割りに陥ることなく、厚生労働省のリーダーシップで各府省間の連携をしっかり図っていく必要があります。 認知症施策推進総合戦略に基づく認知症施策について、十二の各府省庁をまとめ、牽引していくに当たっての厚生労働大臣の意気込みを伺いたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生今御指摘のように、今回の新オレンジプランは、十一の省庁と厚労省が一緒になって、厚労省中心でまとめたというつもりでございます。 認知症の方をやっぱり社会全体で支えるということであればオール政府でやっていかなければいけないということでございまして、この総合戦略で定期的に進捗状況を把握していくとともに、認知症の方やその御家族の御意見をまさに生の声として聞きながら、随時点検を行って、それらの結果を踏まえて不断に見直していくという作業もやっていかなければいけないと思います。 そういう意味では、厚生労働省がやはりイニシアティブを取って、リーダーシップを発揮して省庁をまとめ上げながら、政府一丸となって認知症対策を推進してまいりたいというふうに思います。
○長沢広明君 別のテーマに移りたいと思います。 精神保健福祉士の制度に関して伺います。 発達障害者支援に関する課題について、発達障害者支援法が施行されてからこの四月でちょうど十年になります。発達障害の周知というのは以前に比べて進んできておりますし、平成二十五年度中には全国の発達障害者支援センターに寄せられた相談がおよそ六万八千件に及んでおります。 ただし、幾つかやっぱり課題もあります。 精神保健福祉士という国家資格があります。この国家資格を取得するには、保健福祉系大学で指定科目を履修したり、一定の実務経験を積んで養成施設で学んだりした上で国家試験に合格することが必要であります。ただ、その実務経験の中に、発達障害児支援に関わる実務で、実務経験としてカウントされない、含まれないというものがあります。 具体的に言いますと、発達障害者支援センターでの実務経験は含まれるものの、学童保育、放課後児童クラブにおける障害児加配の職員、それから小中学校で特別教育支援員として実務経験をした人、この実務経験が含まれないというふうになっている。小中学校での特別教育支援員というのは、学習障害、注意欠陥多動性障害といった、LD児、ADHDというような児童生徒に対する支援を行うことが業務の一つとされています。もう一つ、精神保健福祉士の養成校における実務経験の中に、やはり発達障害児支援に関わるものが含まれていないと。 こういう経験も精神保健福祉士の資格取得に必要な実務経験として認めることを検討する必要があるというふうに思いますけれども、厚生労働省の見解を伺いたいと思います。
○副大臣(山本香苗君) 今御指摘のとおり、精神保健福祉士は、精神障害者の保健及び福祉に関する専門的知識及び技術をもって精神障害者の社会復帰に関する相談援助を行う者でありまして、その受験資格といたしまして、実務経験を経た後に受験するという方法がございます。 この実務経験につきましては、受験に当たって適切な実務経験として認められる精神保健福祉に関する相談援助業務の範囲を、施設や職種等を示す形で省令等に定めております。これに規定されていない施設や職種等につきましては、認定基準を定めて、精神保健福祉に関する相談援助業務に当たるか否かというのを個別に判断をしているところでございます。 もう一つ御指摘なさいました養成校における実習におきましても、実習施設として認められる施設を告示で定めておりまして、これに規定されない施設についても個別に判断していくというのが今の現状になっております。 そこで、今、この実務経験、実習といったものに放課後児童クラブにおける放課後児童指導員及び小中学校における特別教育支援員の業務に従事する場合も含めるべきではないかということでございますが、今申し上げたように、現行でも適切な実務経験として個別には判断できる形になっておりますので、この点はしっかり周知をしてまいりたいと思います。 ただ、おっしゃったように、あらかじめこれを省令等に定めるかどうかにつきましては、ちょっと業務の実態を踏まえつつ検討をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
○長沢広明君 是非、今個別に判断できるようになっているということですので、そうすると、御本人の方から言わなきゃならないというのもなかなか難しい面もあると思いますので、その辺の仕組みについて今後よく御検討をいただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。 もう一点、前にも質問をいたしました離島の失業保険の手続について、その後どうなのかということをちょっと伺いたいと思います。 昨年十月の委員会で質問をさせていただきました。ある離島に移住された方が、雇用保険の求職期間中の失業給付を申請しようとしたと。島の役場に行ったと。そうしたら、本土のハローワークまで行って申請するように言われたと。飛行機でもフェリーでも、時間もお金も掛かるので、結局申請を諦めたと。こういうケースがあったということで、そのことについて何とか改善できないかということです。 今回のケース以外にも、離島や遠隔地に在住する方で、最初の失業給付受給資格決定申請が必要であるにもかかわらず、こういう理由から申請を諦めてしまうことがないように、窓口となる市町村に制度の周知をする、あるいは柔軟な対応をお願いすると、こういうふうにしたところ、山本厚生労働副大臣より、テレビ会議システム機器等の活用ができるかも含めて検討をしていきたいと、こういう答弁をいただきました。 そこで、離島などの出先の役場の窓口から本土のハローワークへ、最初の求職申込み、本人の確認、基本手当の受給資格決定と、そういう申請や書類送付ができるようなテレビ会議システム機器の導入を検討するということだったので、検討状況、その後どうなっているか、御報告いただきたいと思います。
○副大臣(山本香苗君) 当委員会で御指摘いただきましたことを踏まえまして検討してまいりました。 具体的には、離島等の遠隔地の市町村で、今現在、二回目以降の失業の認定の取次ぎを行っている市町村の方に意向を確認をさせていただきました。その結果、導入の意向が明確になったのが十町村でございまして、そこで、今この十町村に導入する機器や通信環境の整備等に係る調達の準備を行わせていただいているところであります。 じゃ、いつからできるのかということでございますけれども、具体的な時期につきましては、テレビ会議システムの機器の調達状況にもよりますけれども、平成二十七年度秋頃に運用開始できるよう全力を挙げて準備を行っているところでございます。 以上です。
○長沢広明君 早ければ今年の秋、運用が開始できるようにということでございました。是非よろしくお願いしたいと思います。 時間はあるんですけれども、今日はちょっと予定を変えて、あとこれ最後の質問で終わりたいと思います。 難病患者への支援でございます。 昨年の難病新法の成立で、医療費助成の法定化あるいは消費税増収分からの充当が行われるようになりました。現在、医療費助成の対象となる指定難病の検討が段階的に進められてきております。消費税の引上げが後ろ倒しになりまして一時は財源の確保が心配をされましたけれども、子ども・子育て新支援制度などに加えてこの難病対策にも当初予定どおりの財源が充てられることになり、平成二十七年度の事業規模で二千億円超となるということで、これは評価に値すると思います。 医療費助成の第二次実施がこの夏ということで、この夏を控え、難病患者の方々への支援を円滑に進めていただきたいというふうにお願いをしますとともに、難病対策について今一生懸命進めていく中での厚生労働大臣の思いをお示しいただいて、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 難病対策につきましては、第一次実施分、一月一日から助成も開始をした百十疾病について始まったわけでありますし、本年七月を目指して助成開始をするという第二陣があるわけでございます。 難病対策につきましては、難病の克服を目指すとともに、患者の社会参加、この社会参加が大事であって、それをどう支援するか。地域で尊厳を持って生きていけるという共生社会をやはりつくっていくということがとても大事だというふうに思っております。このため、本年七月を目指して医療費助成の対象を今約三百疾病に拡大をするということでございますが、調査研究や医療体制の確保など、総合的な施策の推進のための基本方針をこの夏に策定をする予定でございます。 極めて大事な基本方針だというふうに思っておりますが、一人でも多くの難病患者の方々に地域において安心して生活していただけるような着実な施策の進展を図ってまいりたいというふうに考えております。
○長沢広明君 終わります。ありがとうございました。
○川田龍平君 維新の党の川田龍平です。久しぶりにこの厚生労働委員会に戻ってまいりました。ありがとうございます。 薬害エイズの被害者として実名を公表してから二十年が経過をいたしました。薬害エイズの裁判の和解からも十九年という経過をいたしまして、私自身は薬害エイズの問題を経験した被害者の一人として、薬害を二度と繰り返さない社会をつくるために国会議員の仕事をさせていただいております。 そういった意味で、是非大臣には、薬害を繰り返さないために、薬害エイズについてどのように感じているのかということをまず所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 厚生労働省の使命というのは、当然のことながら、国民の命と健康を守っていくということがもう第一義的な責任だというふうに思っております。中でも、薬害の発生の防止というのはその中でも最も重要な任務の一つとして私たちは肝に銘じていかなければならないというふうに思っておりまして、これまで幾つかこういう薬害の問題が繰り返されてきたわけでありまして、命の尊さを心に刻みながらやはり高い倫理観を持って医薬品の安全性や有効性の確保というものに最善の努力をしていくというのが厚生労働行政の一番大事なことだろうというふうに思っております。 なかなか専門的な問題とはいえども、専門家に活躍をしてもらいながら、人の命を守る、健康を守るという、この役所の最も大事な使命を果たしていかなければならないというふうに思っております。
○川田龍平君 ありがとうございます。 是非しっかり国民の命を守るために仕事をしていただきたいと思います。 そして、私は薬害の被害者である一方で、国民皆保険制度によって、生まれつきの病気である難病の治療ですとかHIVの治療薬も含めて、国民皆保険制度というものがあったからこそここまで長生きをすることもできました。 そういった意味におきましては、国民皆保険制度、この制度がやはり国の宝であると私は思っておりますが、憲法二十五条によって国の責任によって国民の命を守る、そういう社会に私自身は生きていることを大変誇りと感謝を感じております。 そして、塩崎大臣は所信で、国民皆保険を堅持するために、今国会に提出した法案の中身の一つとして、患者申出療養の創設に触れました。大臣はこの患者申出療養が国民皆保険を維持していくためにどのような役割を果たすとお考えなのでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 一九六一年からスタートした皆保険制度でございますが、今般の患者申出療養は、今申し上げたように、やはり営々と半世紀以上にわたって続いてきた皆保険、これを守るということであり、また、世界から見ても、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジという言葉がありますが、その言ってみればモデルを一つ示しているのが日本だというふうに思っておりますので、ここの一点は崩さないようにして、そして、むしろそれを発展させる形でやっていかなきゃいけないと思っております。 今般の患者申出療養は、先ほども少し議論がありましたけれども、患者の申出をスタートポイントとして、安全性、有効性等を確認をしながら、先進的な医療を身近な医療機関で迅速に受けられるようにするものであり、大前提は、保険収載に向けていくということが大事であって、実施計画の作成等を医療機関に求めることとしているところでございます。 このように、保険収載に必要なデータやエビデンスを集積をして、安全性、有効性等の確認を経た上で将来的には保険適用をするということで、広く国民が医療保険制度の中で先進的な医療を受けられるようにしていくことができるというふうに考えておりまして、その中で私どもは患者申出療養というのを位置付けたいというふうに思っております。
○川田龍平君 医療保険財政にどう貢献できるかという私の問いには答弁にはなっていないように聞こえます。いずれ保険収載をされるのであれば、厳しい保険財政を救う手だてにはなっていないと思います。 この患者申出療養は混合診療なのではないかと危惧する声がありますが、大臣の見解はいかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 患者申出療養というのは、国においてその治療法の安全性、有効性を確認をまずするということが大前提でいくわけでありますし、それから、保険収載に向けて医療機関に実施計画の作成を求め、国において確認をする、そして実施状況等の報告も求めていくということとしておりまして、無制限にいわゆる混合診療というのを解禁するということではなく、先ほど申し上げたように、皆保険制度というのはその基本を外すことはないということであると私は思っております。
○川田龍平君 この患者申出療養というのは混合診療ではないということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 保険診療と保険外の診療という組合せという意味ではそのとおりでありますけれども、今回は法律に新しいジャンルとして患者申出療養というものをつくるものでございます。
○川田龍平君 患者申出療養は混合診療ではないとはっきり言っていただきたいんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(唐澤剛君) いわゆる混合診療で言われておりますのは、混合診療を全面解禁しろと、こういう御主張がありますけれども、そういうものではないということでございます。
○川田龍平君 混合診療の全面解禁によって患者負担や国民負担が軽減され、必要な医療を受ける人の割合が大幅に増えるとの見解がありますが、大臣はこれに賛同しますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど、混合診療ということだけだったんですが、今、全面解禁という言葉もセットでお話ございましたけれども、いわゆる混合診療の全面解禁というのは、安全性、有効性が確認されない医療が行われるおそれがあるだけはなくて、先進的な医療が保険収載につながらないで保険外にとどまり続けるということがあり得て、誰もが一定の負担で必要な医療を受けられなくなり、患者負担や国民負担の増大にもつながるおそれがあるものと考えております。 今後も適切な形で保険診療と保険外診療を、先ほど申し上げたように、組み合わせる仕組みを講じることで、世界に誇る我が国の国民皆保険を堅持をして、そして安全性、有効性の確認を経た上で、必要かつ適切な医療について保険適用をしてまいりたいというふうに考えております。
○川田龍平君 質問は、混合診療の解禁によって患者負担や国民負担が軽減されて、必要な医療を受けられる人の割合が大幅に増えるという見解がありますが、これに大臣は賛同されますかということなんです。
○政府参考人(唐澤剛君) 先生の御指摘のように、混合診療を解禁をすれば患者さんの負担が減るということとは一義的につながらないというふうに考えております。要するに、混合診療を解禁すれば患者さんの負担がすぐに減るというようなことではないと、そういう問題ではないというふうに考えております。
○川田龍平君 私も、何か抗がん剤など大変高額な薬がこれから出ていて、この混合診療を解禁したとしても、これを享受できるのは高所得者に限られてしまうということが考えられます。 必要な医療というのは、大臣も何度もおっしゃっているように、保険にやっぱり収載されるべきだというふうに思っておりますが、では、この既存の先進医療という制度では不十分だ、不満だと言っている患者や患者団体というのはどこにいるんでしょうか。そのような声があるなら、是非ここで紹介してください。
○政府参考人(唐澤剛君) 先進医療あるいは患者申出療養につきまして、直接患者団体の皆さんの御意見をお伺いしたわけではございません。 ただ、私どもの方は、例えば適応外や未承認の医薬品の解消の会議などを持っておりまして、そういう中では、外国で承認はされているけれども国内で未承認の医薬品を安全性や有効性を確認しつつ早く使いたいとか、あるいは、ある部位の病気には認められているけれども、ほかのところはまだ認められていないというようなものについては早く使用できるようにしてほしいというような要望をいただいております。 他方で、安全性や有効性がしっかりしていないものを医療として行われることは困る。また、一番皆保険の根幹的な問題といたしまして、新しい技術が保険収載をされずに保険外併用療養にとどまり続けて、低所得者が先進的な医療を受けられなくなるというようなことではやっぱり非常に困るというような懸念の声もいただいているところでございます。 そうした観点から、先ほど大臣からもお話し申しましたように、有効性と安全性を確認をして、そして先進的な医療を保険外併用療養として受けられるようにいたしますけれども、あわせて、保険収載に向けた実施計画の作成を医療機関に義務付けて求めると、こういうような考え方を持っているわけでございます。
○川田龍平君 今回の患者申出療養というのは、混合診療の解禁につながるとして心配する声が患者側から上がっています。 制度創設に当たって、なぜ患者団体の声を聞かないのでしょうか。患者のための制度だというなら、説明の機会をつくり、理解を求めるべきではないでしょうか。いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の患者申出療養については、今、局長から申し上げたように、国内未承認の医薬品などを迅速に使用したいという患者側の強い思いがあって、それに応えるという格好でスタートするわけでございますけれども、患者団体の方々の安全性、有効性への懸念とか、先進的な医療が保険外にとどまり続けることへの懸念にもしっかりと配慮する必要があるということを考えた上での今回の決断でございました。 検討に際して、先ほど来御指摘のように、患者団体の声を聞いていないんじゃないかということでございまして、確かに、社会保障審議会の医療保険部会、それから中央社会保険医療協議会に患者団体を呼んで意見を聞いていないという事実がございます。これは率直に認めなければいけないと思っておりますが、中医協には患者代表の委員が一名おられますけれども、これは今後、患者申出療養の制度の詳細を検討していく中で、困難な病気と闘う患者の思いにもしっかりと応えるべく、様々な関係者の意見を伺いながら進めていかなければならないというふうに考えております。
○川田龍平君 今回の制度について、安倍総理が言ったからとか、安倍総理肝煎りの制度創設とのことですが、確かに総理は難病患者のお一人かもしれませんが、たった一人の裕福な、比較的裕福な難病患者の鶴の一声でこの制度を創設したとすれば、これはあってはならないことだと思います。就学や就労に苦労されて、所得の低い人が多い難病患者の声を是非聞いていただきたいと強く要望いたします。 次に、患者申出療養制度について、先ほども質問ありましたけれども、従来の先進医療と違い、患者自身が申し出るという仕組みで、このことは、万一健康被害が発生した場合の責任が患者に押し付けられるのではないかという懸念がありますが、補償の仕組みというのはどうなるんでしょうか。
○政府参考人(唐澤剛君) 大変大事な御指摘であろうと思います。私ども、今回の患者申出療養では、医療機関から実施状況等の報告を求めることとしており、その中で重篤な有害事象の発生についてもきちんと報告を求めることにしております。 こういう事故や副作用が起きた場合の責任や補償の在り方ということでございますけれども、現在の治験の場合あるいは先進医療における場合というのは、例えば治験の場合ですと、治験の依頼者と実施の医療機関はその方との間で健康被害の補償に関する事項を定めた契約を締結することということを定めておりますし、それから先進医療におきましても、この補償に必要な保険への加入でありますとか、これは実施側の方でございますけれども、あるいは健康被害に対する医療の提供等について実施届出書に記載することを求めているところでございます。 こういう先例がございますので、こうしたものも踏まえまして、また中医協やいろんな関係の皆様の御意見もあると思いますので、そうした御意見をいただきながら検討してまいりたいと考えております。
○川田龍平君 先進医療よりも短期間で安全性や有効性の審査を行うとなれば、薬害、それから医療事故、こういった危険性が高まることを大変懸念をしています。 患者申出療養制度が自由診療を増やし、公的保険医療の範囲を狭めることになれば、アメリカ同様に医療費がどんどんと高くなるおそれがあります。C型肝炎の新薬で一錠十三万円もする薬がアメリカでは既にありますけれども、標準的な服用期間でこの薬は一千百万円も掛かるそうです。私は、皆保険制度というのを維持のためには、混合診療や免責制ではなく、予防を更に重視することが必要と考えていますが、この問題については引き続き取り上げていきたいと思っています。 時間の関係で、次に、臨床研究の法制化について伺います。 群大病院で腹腔鏡手術を受けた患者八人が死亡した問題を受けて、日本肝胆膵外科学会が緊急に行った全国の実態調査結果によると、胆管切除を伴う保険適用外の肝臓手術はその半数以上が倫理審査を全くしておらず、死亡率が一割に達していることが明らかになりました。群馬大学の事故調査報告では、臨床研究として行うべきだったとの記述があります。 今回の事故を教訓として、保険適用外の侵襲的医療行為については、一部の美容整形外科などを除き、臨床研究として倫理審査委員会に届ける仕組みが必要ではないでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 臨床研究は、あらかじめ対象患者の範囲とか、それから治療方法、データの評価方法などを研究計画に定めて、臨床研究に関する倫理指針、これに従って倫理審査委員会の審査を受けていただく必要があるわけでございます。 保険適用外の侵襲的医療行為を一律に臨床研究として取り扱うことを医療機関に義務付けることは、研究計画上、年齢や患者の状態など研究対象とならない範囲の患者が含まれることになること、それから、研究に参加するかどうかについて患者の意向を尊重する必要があることなどから、適切ではないというふうに考えております。
○川田龍平君 では、先進医療等開発経費などという校費、学校の校という字を書きますが、行われた手術はどうでしょうか。今回の死亡例のうち一例がそうですが、これは患者負担ゼロで行う人体実験に近いものであって、臨床研究として行われるべきものではないでしょうか。 調べてみると、全国の四十一の国立大学病院に先進医療等開発経費や学用患者費という校費がありました。学用患者って何とまあ時代遅れな名前だと思うんですけれども、先進医療の前段階として患者負担ゼロで技術を磨くということは適切であって、その場合は当然、倫理審査委員会にかけるべきというのが文科省の回答でしたが、塩崎大臣の見解を求めます。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、文科省の見解も御指摘をいただきましたけれども、大学が研究目的で費用を負担をし実施する手術については、当然、臨床研究に関する倫理指針、これに従って倫理審査委員会での審査を受けていただく必要があるというふうに考えております。
○川田龍平君 臨床研究であれば倫理審査が求められます。本当に日本ではこの法的な義務付けがありませんので、今のように医師が研究ではないと考える場合に、倫理審査も不要と言い逃れることができないように、臨床研究の客観的な定義、それから範囲を明確化する法制化が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたように、保険適用外の医療について一律に臨床研究として実施を求めることは困難であると考えておりますけれども、臨床研究については、昨年十二月に公表されました検討会の報告書を踏まえて、現在、臨床研究の定義や基準を含めて法制化に向けた検討をしているところでございます。
○川田龍平君 この委員会において、薬事法改正の附帯決議により臨床研究の法制化を厚労省が約束したのは一昨年の秋です。その後の対応は極めて鈍く、私もこの委員会にいなかったんですけれども、法案提出には至っておりません。一部の法制化に反対する勢力へ配慮しているからなのかと考えますが、厚労省の取組を促すために、今月の四日にこの参議院に臨床研究の適正化法案というのを提出いたしました。これは、臨床研究における患者の、被験者の命、健康及び人権の十分な尊重と研究の公正性及び透明性の十分な確保のため必要な法制上、財政上の措置を政府に求めるプログラム法案です。委員の皆さん、各会派におかれましても、是非趣旨を御理解いただき、御賛同賜れれば幸いです。 群大病院では、これまで九十三例の同様の手術が行われたようですが、患者に対するインフォームド・コンセントは適切に行われていたと厚生省では考えていますでしょうか。全国の特定機能病院でのインフォームド・コンセントの実態調査を行うべきではないでしょうか。
○政府参考人(二川一男君) 群馬大学病院の事例でございますけれども、三月三日に群馬大学病院が公表いたしました事故調査委員会の報告書、これによりますと、腹腔鏡による肝切除術を行った患者さん九十三名のうち、死亡された八名の方に関してのインフォームド・コンセントにつきましては、主治医は口頭で他の治療法の提示や高難度手術である旨説明していたとのことではありましたが、説明同意書や診療録からはその記載について確認することはできなかったと、こういうふうにされているところでございます。また、群馬大学病院によりますと、この死亡された八名の方以外の八十五名の患者の方につきましてのインフォームド・コンセントの状況につきましては、調査を行うとのことであるということで、現時点では把握をしていないということでございます。 それから、全国の特定機能病院におきまして個々のケースについてインフォームド・コンセントが行われているかどうかということでございますけれども、この点につきましては、全てを確認することは困難でございますけれども、特定機能病院につきましては、原則として年一回、医療法に基づく立入検査を現に行っているところでございます。その際に、無作為に診療録を抽出するとかそういった方法を取りまして、患者の方への説明の内容をどういうふうにしているかということについての確認をするといったような形での指導の対応をしてまいりたいと考えているところでございます。
○川田龍平君 今回のケースは保険請求の不正も疑われており、保険局の調査も続いています。医政局の医療分科会での指定取消しの議論も踏まえ、群大病院への指導、そして全国の特定機能病院の実態調査や注意喚起などの指導を厚労省全体としてよく検討して実施していただきたいと思います。 また、群大病院は、臨床研究中核病院にもなっているかと思います。本当にこういった問題というのは、やっぱり、患者申出療養制度の創設など、保険適用外の医療行為がこの国で増えていくことは私の望むところでは決してありませんが、もしそうなるのであれば、なおさら安全性が担保されていない高難度医療に対する法規制を早急に検討すべきと考えますが、すなわち、医師は患者を救うため未確立の治療を行う権限が社会から託されているわけですけれども、何度も失敗を繰り返すということは許されず、結果が悪ければ、先ほど犯罪だという話もありましたけれども、制裁を受けなければいけないと思います。その仕組みを社会が持っていないとするのであれば、日本ではこの大原則を誰も議論しようとしなかったということだと思うのですが、再生医療の世界では自由診療も含めて届出が必要な法規制が既にあります。 厚労省の見解を求めます。
○政府参考人(二川一男君) ただいま委員御指摘のとおり、再生医療につきましては、新しい医療技術ということで、また生命倫理への配慮とかそういったこともございますし、全く新しい分野ということで、迅速かつ安全な再生医療の提供と普及の促進を図ると、こういった観点から、厚生労働大臣に対する実施計画の届出をしていただくと、こういった手続を定めた法規制の対象としてもう既に施行がされているわけでございます。 一方、再生医療以外の医療ということで、それが保険適用以外の医療だったといたしましても、臨床研究に該当しないような医療を一律に法律上の規制の対象に置くかどうかということにつきましては、言わば、再生医療と違いまして、生命倫理上の一律な問題があるというわけでもございませんし、それから従来からの技術の延長として行われているといった点もあろうかと思います。また、欧米におきましても、医薬品等を用いた臨床研究につきましては法規制の対象としている例が多いわけでございますけれども、いわゆる手術手技に関する研究につきましては法規制の対象とはしていないと、こういったような実情もあろうかと思います。 そういったことを踏まえまして、保険適用外の医療を一律に法規制の下に置くかどうかということにつきましては、医療現場の萎縮を招くおそれといったことも考慮しながら慎重に検討すべきことではないかというふうに考えているところでございます。
○川田龍平君 是非、臨床研究の法制化については早急にやっぱり取り組んでいただきたいと思います。 最後に、この二月に閣議決定をされた障害者差別解消法の基本方針について伺います。 昨年十一月に障害者政策委員会に案を示した後、年末にパブコメがかけられて、それを踏まえて修正された最終案について、閣議決定の前に障害者政策委員会に意見を聞くこととなっていましたが、伺いましたが、なぜそれを行わなかったのでしょうか。
○委員長(丸川珠代君) 中島審議官、簡潔に願います。
○政府参考人(中島誠君) はい。 まず、昨年十一月十日に開催されました障害者政策委員会で、パブリックコメントなどを踏まえて修正した閣議提出版の基本方針案について障害者政策委員会に報告をするという見込みをお示しし、その後開催に至らなかったことは、委員御指摘のとおり、事実でございます。 一連の経過を簡潔に申し上げますと、基本方針案につきましては、同じその政策委員会で委員長一任となって最終的な調整を行い、十一月二十六日から一か月間パブリックコメントを行ったということでございます。パブリックコメントでは、延べ千九十七件に上る御意見を頂戴し、その内容について整理、検討し、関係省庁とも協議をして必要な修文等も行わせていただいたというところでございますが、パブリックコメント終了後の取りまとめの作業をこなしていく一方、この法律は来年四月施行でございます。 この基本方針を受けまして、今後、各府省においては対応要領、対応指針を策定していただかなければならない。その上で、それらの要領、指針についても周知をし、体制整備を図らなければいけないということでございまして、基本方針を閣議決定するのが急がれたという状況がございます。 そうした中、二月二十四日に閣議決定を行い、同日に政策委員会の皆様には閣議決定及びパブコメ等の……
○委員長(丸川珠代君) 中島審議官、時間が過ぎておりますので簡潔におまとめください。
○政府参考人(中島誠君) はい、分かりました。 メールで御報告したところでございます。 なお、明日、障害者政策委員会を開かせていただいて、改めてきちっと御報告をさせていただきたいと考えておるところでございます。 申し訳ございません。
○委員長(丸川珠代君) 川田委員、おまとめください。
○川田龍平君 はい、まとめます。 本当にこの修正箇所が少なかったからということでしたけれども、この障害者政策委員会というのは全会一致の障害者基本法改正で実現したものです。超党派の議連もあり、私も副会長を務めさせていただいておりますが、私たち抜きで私たちのことを決めないでという障害者権利条約の考え方をしっかりと踏まえた取組を内閣府、政府に求めたいと思います。よろしくお願いします。 ありがとうございました。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。 不当なリストラ解雇の問題を取り上げます。 私、昨年十月二十一日の当委員会で、ルネサスエレクトロニクスの女性労働者二人が東京から高崎市へ遠距離の配置転換をさせられて、育児・介護休業法二十六条で定められている、転勤の際の育児、介護が困難になる労働者への配慮義務の趣旨に反すると指導を求めている問題を取り上げました。お子さん抱えて往復五時間を超える出向先への通勤はし切れずに、元の職場に戻してほしいという訴えでした。 私は、この委員会で、訴えていた労働者に対して東京労働局が会社側には助言、指導をしないと通告していることを指摘をして、是正を求めました。大臣も事実関係を調べると答弁されました。 その後、東京労働局は、ルネサスに対して助言、指導を四回繰り返したと聞いております。しかし、会社は全く応じていません。二人は、高速道路使用の車通勤、新幹線での二時間半もの通勤を強いられています。二人のうち一人は過酷な通勤で体調を崩して病気療養中と聞きます。 厚労省に聞きますが、助言、指導をしても解決されない場合はどうするのでしょうか。どのような措置がとられるのでしょうか。
○政府参考人(安藤よし子君) 一般的に、労働局の雇用均等室による育児・介護休業法に基づく紛争解決援助によりまして解決が図られなかった場合でありましても、育児・介護休業法上の紛争と見られるもの以外の個別労働紛争がある場合には、個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律に基づく都道府県労働局長による助言、指導や紛争調整委員会のあっせんを紹介するなどの対応を行っているところでございます。
○小池晃君 今年の二月にルネサスは、この是正を求めている二人を含めて、高崎に出向させている労働者を会社分割する子会社への移籍の対象として四月一日から移籍させるという通知を送っています。ルネサスエレクトロニクスから現在出向中の一〇〇%子会社のルネサスエンジニアリングサービスへの移籍です。仕事は出向中の業務と変わらないと聞きます。東京局が助言している遠距離通勤の問題は何ら解決していないんですね。逆に出向から移籍に固定化すると。 大臣、育児休業法に基づく労働局の助言、指導が完全に無視されているわけです。これでは何のための法律か、何のための行政かということになるじゃないですか。私は、大臣が決断して強力な措置をとるべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 個別の事案でございますのでお答えを差し控えたいと思いますけれども、一般的に、育児・介護休業法の第二十六条というのは、育児や介護を行っている労働者の配置に係る事業主の裁量権に対して一定程度の制約を加えて、労働者を転勤させようとする場合には事業主に対し配慮を求めたものだと思います。 今後とも、企業においてこの配慮義務が確実に履行されるように、行政に与えられた権限を最大限に行使して、事業主からの報告徴収による助言、指導や紛争解決援助を実施するなど、真摯に対応してまいりたいというふうに思います。
○小池晃君 私、行政がなめられているんですよ、これ、はっきり言って、こういう対応は。もっと怒らないと駄目ですよ、これ。何のための労働行政かということに私はなると思う。ワーク・ライフ・バランスなんていうのは絵に描いた餅になりますよ、こんなのを許していたら。 その上、今回の会社分割には、労働者側から手続上に瑕疵がある、会社分割そのものが無効だという訴えがされています。それに対して会社は、法律にのっとり分割手続をして問題はないと回答しています。 二月二日の労働者への通知書。これ、通知書は厚労省にも届けましたので御覧になっていると思うんですが、これは労働承継法で記載が定められている異議申立ての項目もありませんでした。 厚労省に聞きますが、会社分割に当たって、労働者が異議申出できることを一人一人に告知することが決まっているということを確認したい。これ、どのようにすべきなのか。もし記載がなければどういう違反になるんでしょうか。
○政府参考人(石井淳子君) まず、分割会社が労働者に対して適法にこの通知を行わなかったために、法律上異議申立てを行うことができる労働者が異議申出を行えなかった場合には、これは労働契約が承継されることそして又はされないこと、これを会社に求めることができるものであります。 また、その上で、会社と労働者との間で労働契約の承継に関する問題が解決しなかった場合、これは裁判所に同様の訴えを行うことができるというものでございます。
○小池晃君 いや、私は、申出、記載がなければどうなったのかと、それは法律違反なんですねと聞いているんです。
○政府参考人(石井淳子君) 通知の中におきましてどのようなことを記載すべきか、これは私ども作成いたしました指針の中にございまして、指針の中で、異議申出の有無等々については記載をするようにというふうに定めているところでございます。
○小池晃君 これは、やはりこの法律に照らせば違反なんですよ、こういうやり方は。 ルネサスは、今年一月二十八日の臨時取締役会で会社分割、子会社間の合併を決議して、二月二日に通知した。しかし、労働者の間で行うべき個別の協議しておりません。 もう一度確認しますが、改正された商法の附則第五条では、労働者への通知だけでなくて個別協議も義務付けていると思いますが、間違いありませんね。
○政府参考人(石井淳子君) 会社分割に当たりましては、分割会社に対して、もちろん委員が御指摘のように、承継法の第二条第一項によって個々の労働者に対する通知が、そして商法等改正法附則第五条第一項によりまして個々の労働者との協議が、それぞれ義務付けられているものでございます。
○小池晃君 労働組合と協議したことをもって個々の労働者との協議を行ったとみなすことはできないんですね。これも確認したい。
○政府参考人(石井淳子君) 労働者が個別に労働組合を協議の代理人として選定をした場合、これは除きますけれども、その場合以外におきましては、分割会社が労働組合に協議したことのみをもって、商法等改正法附則第五条に定める個々の労働者との協議を行ったということにはならないというふうに解しているところでございます。
○小池晃君 ルネサスは、これは労働者側が瑕疵があると指摘をして是正を求めても、個別に労働者とは協議した、手続は終わっているんだと拒否しているんですが、その協議なるものの中身はどうかというと、お配りしているメールがあるんですが、これ、昨年十月十七日に対象労働者にメールを送っているんですね。移籍、退職、その他の三択で希望を聞いて、その結果を見て対象者を集めて内々示を与えた。これをもって協議、手続は済んでいると言うんですが、もしこのような協議、手続というのが認められたら、これは指針の内容は完全に私、骨抜きになってしまうというふうに思うんです。 もう一度確認しますが、商法を改定された二〇〇〇年の法案審議で、労働者個人個人と協議するんですかという問いに、当時の修正案提案者はどういうふうに答弁していますか。ちょっと答弁を読み上げてください。
○政府参考人(石井淳子君) これは平成十二年五月九日の衆議院法務委員会におけるやり取りでございますが、商法等一部を改正する法律案に対する修正案の提案者であります北村哲男議員が、商法等改正法附則第五条、協議について、以下読み上げますけれども、「一人一人の労働者が協議をしてほしいと言えば、全員としなければならないという義務は当然生ずると思います。」と答弁をされているところでございます。
○小池晃君 これは、やっぱり労働者の生活とか人生設計にとって移籍というのは大変重要な影響を与えることから、やっぱり一人一人きちっと意見を尊重するということ、そのために修正案を提出して義務化したという経過だったわけですね。 労働者が五条協議について手続上の瑕疵が明らかだということで是正を求めた場合は、厚労省としてはどう対応するんですか。
○政府参考人(石井淳子君) まず、労働者の方から都道府県労働局に相談があった場合でございますけれども、まずこの相談内容、これを丁寧に確認をさせていただきます。その上で、都道府県労働局長による助言、指導の申出があった場合には、まず会社から事情聴取を行うなど双方から事実確認を行いまして、その上で法令、指針等に照らして適切な対応がなされているか検討し、そして会社に対して助言、指導を行うことになります。
○小池晃君 この手続について、ルネサスのように手続は終わったというふうに言って拒否すると、そういう手続に明白な瑕疵が認められた場合の判例はどんなふうになっていますか。
○政府参考人(石井淳子君) 判例としますと、日本IBMの会社分割についての事件、これが平成二十二年七月十二日に最高裁判決出されているところでございますが、それにつきまして、この件につきましては、商法等改正附則第五条の協議が全く行われなかった場合又は行われてはいるものの著しく不十分であった場合には、労働契約の承継の効力を争うことができると判断をされているところでございます。
○小池晃君 労働者に通知する事項は九項目例示されていて、債務の履行の見込みに関する事項があって、これは労働者にとっても重大な関心事であるためだと説明しています。要は、移籍する会社が泥舟だったら、これ大変なことになるからです。 今回、労働者が情報開示を求めて出てきた資料を見ると、五百人が移籍するのに分割先の退職引当金は一億余り、せいぜい一人二十万円足らずしかないんですね。もし丁寧にこうした事情まで説明されていたら、判断を変える労働者がいた可能性もあるわけです。労働者にとって移籍というのは、その後の人生に関わる大きな分かれ道です。その判断材料を開示しなかった、この責任は重いと私は思うんですね。 瑕疵が認められても移籍してしまったらば、もうこれは後の祭りということになってしまうわけです。明らかにこういう瑕疵が認められたような場合は、強力な指導ができるようにすべきじゃありませんか。特にやっぱり悪質な場合は企業名の公表を私はすべきだと考えるんですが、厚労省としてはいかがですか。
○政府参考人(石井淳子君) 労働者に対する通知や、あるいは商法等改正法附則第五条の協議など、会社分割時の手続に関して労働者から相談があった場合には、先ほども申し上げましたが、適切に対応して、局長による助言、指導の申出があった場合には、適切な対応をなされるよう助言、指導を行っているところでございます。 現在、商法等改正法附則やあるいは労働契約承継法、この法律におきましては、御指摘のような指導あるいは企業名の公表についての規定は設けられておりません。したがいまして、まずは現行法の下で適切に助言、指導を行うことで企業の理解を促してまいりたいというふうに考えております。
○小池晃君 以上、いろんな手続について確認してまいりましたが、大臣に私、問いたいのは、これ育児・介護休業法、さらに今回、商法、労働承継法から見ても大変問題のある大リストラを進めているルネサス、普通の企業ではないわけです。これは官民ファンドが千三百九十三億円も支援している。国からお金が入っている、人も送っている、国策会社ですよ。それがこういうことをやっている。塩崎大臣は、支援している内閣の一員でもあり、同時に労働行政に責任を持っている大臣でもあるわけですね。私は、こういう事態を放置してはいけないのではないかと思う。 今のこのルネサスの労働者対応全般、遵法的なものであるのか、やっぱり全面的に調査すべきではないか、監督すべきではないか、それからルネサスに対する政府の支援もこれは抜本的に見直すべきではないかというふうに考えるんですが、大臣の答弁を求めます。
○国務大臣(塩崎恭久君) 個別の事案であるがためにお答えはストレートには差し控えたいと思うわけでありますが、一般論として申し上げれば、労働法令が守られるようにすることは、これは先生御指摘のとおり、厚生労働省としての当然の責務であるわけであります。 そして、労働法令の違反があれば、これは行政に与えられた権限を最大限行使しなければいけないわけで、それを是正するということも必要であるというふうに考えているわけでありまして、これから引き続いて法令、指針等に照らして問題があれば、必要な是正がなされるように公平中立な立場で助言、指導を行っていくなど、これはやはり真摯に対応していかなければいけないというふうに思います。
○小池晃君 この間、東京労働局も助言、指導をやっているということは私も承知しているし、やっぱりこれはもっとしっかりやるべきだと、引き続き。これは重大問題なので、引き続き取り上げていきたいというふうに思います。 次に、日本IBM社で起こっている事態について取り上げます。 世界的企業であって、ロックアウト解雇と言われる不当な解雇を続ける日本IBM社に対して、二十四日、都労委が勧告を出したわけです。都労委は、昨年四月、六月にも、日本IBM社に対して、紛争の拡大を招くような行為を控えるなど格段の配慮を払うよう要請したんですが、今回は、労使関係は不安定化の一途をたどっていると、極めて遺憾であるとしています。その上で、組合員らへの解雇等に当たって、労働組合である申立人らへの協議、説明を十分行うなど格段の配慮を払うよう勧告しています。 厚労省に聞きますが、中労委、地労委の勧告、これは紛争の当事者にはどのような対応が求められるのでしょうか。
○政府参考人(石井淳子君) 一般論として申し上げますが、労働委員会から当事者に対して、不当労働行為の審査の途中であっても、この審査の実効を確保するため必要な措置を勧告した場合には、当事者は勧告の趣旨を尊重することが期待されていると考えているところでございます。
○小池晃君 この日本IBM社のロックアウト解雇というのは一体どういうものか、もう本当に常識では考えられないようなやり方であります。 ある日突然労働者に解雇を通告をして、その日以降は会社から締め出すと。いわゆるロックアウト解雇を既に三月十一日に一人、十二日に二人、十七日に二人、計五人。二〇一一年から一二年にもこの方法で日本IBM社は労働組合員だけで三十人をロックアウト解雇で締め出して、裁判やあるいは労働委員会などで争われています。今回を含めて合計で三十五人。IBM社というのは世界全体で今十一万人の人員削減を進めていて、そういう中でこの事態が起こっているわけです。 今回、ロックアウト前に行われた会社の上司とのやり取りが録音されまして、初めて公開されました。今日お配りした資料の二ページ目、三ページ目にそのやり取りが出ております。 二月に労働者Aさんが上司から呼び出されたときのやり取りですが、Aさんを呼び出した上司は、会社として別の道に行ってもらった方がいい、追加のお金は出しますという話でというふうに切り出して、本人が話そうとすると遮って大声で、受けない場合は解雇状態になってしまいますと。Aさんが解雇というとと聞くと、上司は、解雇になる、追加のプレミアムがない状態、通常解雇状態になると。つまり自己都合退職なら追加金を付けるけれども、拒否すると解雇すると。若干のやり取りの後でAさんがロックアウト解雇ですかと聞くと、上司が、そうならないように会社は次の会社を紹介してあげるのでどうですかと、ロックアウト解雇を否定もしていないと。 このIBMの一連の解雇は、個別の業績不良による普通解雇で、整理解雇ではないというふうに言っているわけなんですが、しかしこの録音を見る限り、明らかに早期退職に応じるように求めて、従わなければ解雇だと。明らかな退職強要ですよ、これ。脅迫と言ってもいい。崖から突き落とされるか、それとも自分で飛び降りるのか選べ、こう迫っているようなものでしょう、これは。日本IBM社は私は究極のブラック企業ではないかというふうに思うんです、こういうのを見ると。 厚労省に聞きますが、退職強要についての定義、労働行政の対応、どうなるんでしょうか。
○政府参考人(岡崎淳一君) 退職につきましては、退職勧奨をするということがございます。これは、使用者の方から労働者に対して、労働者の意思で労働契約を解約するようにということを勧奨するということであります。 その際に、基本的には勧奨でございますが、これが殊更多数回、長期にわたるなど、労働者の自由な意思を妨げるような状態での退職勧奨、こういうのが行われた場合には、最高裁の判例でも違法な権利侵害になることがあると言われておりますが、こういうようなものにつきましては、違法な退職の強要というふうに判断される場合もあるだろうというふうに考えております。 厚労省としましては、こういう最高裁の判例もあるところでございますので、こういった判例を基にしながら必要な啓発指導等を行っているということでございます。
○小池晃君 大臣、この日本IBM社のロックアウト解雇は、私がここで初めて取り上げたのではなくて、二〇一二年に我が党の志位委員長も予算委員会で取り上げています。その際に、当時の野田総理は、もしそのようなことがあるとすれば、あってはならないことだと答弁をされました。しかし、三年たってもロックアウト解雇が公然と行われているわけです。労働組合が是正を求めても一顧だにしないと。まあ狙い撃ちですよ、労働組合の活動家を。 これ、明らかに不当労働行為だと、極めて悪質な不当労働行為だと言わなければならないと。そもそもは、曖昧な業績不良を理由にした普通解雇というのがまかり通ったら、事業主はいつでもこれは都合の悪い労働者を解雇できるということになる。 大臣、今述べてきましたようなやり方、日本IBM社のこのロックアウト解雇、こんなやり方が許されるというふうにお考えですか。どう思われるか。まあ余り文書を読むんじゃなくて、率直な大臣の政治家としての思いを、これでいいのかという、そういう言葉をちょっと言ってくださいよ。
○国務大臣(塩崎恭久君) 労働行政はやはり法律に基づいて行われているものでございますので、やっぱりきちっとした論理的な説明をしないといけないなというふうに思うので、余り個人的な思いだけを言うのはふさわしくないんじゃないかというふうに思います。 一般論で申し上げる話だと思いますが、先ほど局長の方からも説明した裁判例がありました。一般論として本当に申し上げれば、殊更に多数回、長期にわたるなど、労働者の自由な意思決定が妨げられるような状況での退職勧奨は行ってはならない、こう認識しております。 厚生労働省では、大規模な雇用調整事案などに際しては、退職の強要が行われることがないように、都道府県の労働局や労働基準監督署で事実を確認をし、先ほどの最高裁の判例の考え方に沿った必要な啓発指導、これを行うこととしているわけでありまして、今後とも企業に対してはしっかりとした啓発指導を行っていかなければならないというふうに思います。
○小池晃君 私が紹介したような、こういう事態があってはならないことだと思いませんか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今申し上げたとおりで、個別事案、いろいろあろうかと思いますし、今日お配りをいただきましたが、いろいろなことをやっぱり事実として踏まえた上で、先ほど申し上げたように、最高裁の判例の考え方に沿って対応をすべきだというふうに労働行政としては思います。
○小池晃君 ちょっとそういうことでは、やっぱりこういう理不尽な解雇に歯止め掛けられないと思いますよ、私。 野田総理だって、それは事実とすれば許されないとそこは言ったんですから、そのくらいのことは言ってくださいよ、厚生労働大臣として。
○国務大臣(塩崎恭久君) 私は、行政の対応として、法律にのっとってお答えすれば、先ほど言ったようなことだということでございます。
○小池晃君 これでは異常な解雇を止めることはできません、そんな対応では。 やっぱりここで大臣が、こういったことは事実であれば許されないと言うことが大事なんですよ。言ってください。
○国務大臣(塩崎恭久君) いや、個人レベルの感情と立法に基づく行政の執行とは少し違うというふうに考えなきゃいけないと思います。
○小池晃君 これでいいのかなと私、思いますよ。こういったことについては、やっぱりそれは事実、まあ事実かどうかということは別にして、それは事実であるとすれば許されないぐらいのことを言わなければ、それはやっぱり政治家として厚生労働大臣やる意味ないですよ。役人だけで済みますよ。 何で政治家がいるんですか。やっぱり政治家がしっかり物を言うから、政治家が頂点に立ってやるんでしょう。そのぐらいのことを言ってくださいよ。
○国務大臣(塩崎恭久君) 繰り返しで恐縮でございますけれども、私も今、先生からのお話は聞きましたけれども、実際、この中身を全部聞いているわけでもありませんし、判断としては、法律にのっとって判断をすれば、先ほど申し上げたとおりの考え方だろうというふうに思います。
○小池晃君 駄目ですね、これじゃ。こんなことではやっぱり労働者守れませんよ。労働行政の役割果たせませんよ。 そういう中で、規制改革会議は金銭解決の導入まで打ち出した。そんなことをしたら、ますますこういう不当解雇がまかり通るということになるんじゃないですか。やっぱりそんなことは絶対許されないし、それから、今回の三十五名のロックアウト解雇者のうち七人は裁量労働制で働いていた労働組合員なんです。残業なら月百時間を超える働き方を続けて、残業代ゼロで、抑うつ状態になって業績落ちたと、それで解雇される。今度、残業代ゼロ法案で裁量労働制広げる、こういう現実がある中でやっていいのかということが問われているわけですよ。 大臣、やっぱり出発点は労働者の現状です。それに対してやっぱり怒りを持って厚生労働大臣が臨まなければ、私は労働者の命守れないと思う。今の答弁は全く不十分だというふうに思います。 あわせて、この金銭解決導入などということは断じてやるべきでないと思いますが、大臣、いかがですか。原稿読むのやめて、もう。
○国務大臣(塩崎恭久君) 恐らく昨日の規制改革会議のことをおっしゃっているんだろうと思いますけれども、これは規制改革会議の意見書であって、政府のものそのものというわけではございませんで、労働局が実施をする個別の労働関係紛争解決制度におけるあっせんの取組強化や労働委員会の活用も含めて、労使双方が納得する雇用、就労の在り方についての幅広い提言があったというふうに私ども聞いておりまして、今回あくまでも規制改革会議としての議論を取りまとめたということであって、政府としてこれからどうするかというのはまた別問題でありますし、特に日本再興戦略では、改訂二〇一四で、まずは我が国におけるあっせんや労働審判、裁判における和解の状況や諸外国の関係制度、雇用の状況の研究を鋭意進めているところでありまして、この結果を踏まえて紛争解決システム等の在り方について幅広く検討をするということになっているわけでありまして、いずれにしても、働く方の雇用の安定がいたずらに損なわれるようなことがないように留意をしながら、今後、今申し上げたような検討をしていくというのが閣議決定をされたことでございます。
○小池晃君 終わりますが、もう全然駄目です。とにかくやっぱり、労働行政の原点として今の労働の実態にどう向かうのかということをちゃんと政治家としてしっかり物を言わなければ、もうこれ、ろくな法案出てきませんよ、こんな下でやったって。 私は、基本姿勢が問われているということを申し上げて、質問を終わります。
○行田邦子君 行田邦子です。よろしくお願いいたします。 私は、育児と仕事の両立支援について伺いたいと思います。 今から二年前になりますが、二〇一三年四月十九日に、安倍総理は日本記者クラブにおいて、成長戦略に関するスピーチを行いました。その中で総理は、まず、女性の活躍は成長戦略の中核を成すものという発言をされました。そして、その具体策の一つとして、三年間だっこし放題での職場復帰を総合的に支援すると表明をいたしました。 具体的にはまず、三年育休を認める企業に対する新たな助成金を創設しますということ。それから二つ目は、仕事に本格復帰する前の大学や専門学校等での学び直しプログラムを創設しますということ。そして三つ目は、記者クラブでのスピーチに先駆けて、経済三団体に対して自主的に三年育休を推進するように要請したといった、このような内容でした。 そこで、総理が二年前に打ち上げ花火を上げた三年育休推進、今どういう状況になっているのか、伺っていきたいというふうに思っております。 まず最初に、政府参考人に伺いたいと思います。 総理がスピーチでおっしゃっていた、三年育児休業を認める企業に対する新たな助成金、これを創設するということだったんですが、どういう内容でしょうか。そしてまた、実績件数をお答えいただけますでしょうか。
○政府参考人(宮川晃君) お答えいたします。 三年の育児休業を認める企業に対する支援といたしまして、平成二十六年三月に、計画的な職業訓練を実施する事業主に対する支援のキャリア形成促進助成金という助成金の中に、育休中・復職後等能力アップコースというコースを他の政策課題対応型訓練の六コースに加えまして創設いたしました。その内容は、育児休業中や復職後に職場復帰に向けた職業訓練を実施する事業主に対して訓練経費等の助成を行うものでございます。 当該コースの創設時からの実績でございますが、平成二十六年十二月末時点でございますが、まだ十か月間ということではございますが、訓練を計画したその受理件数は三十四件、支給決定件数は八件でございます。
○行田邦子君 最初の質問からこのお答えで非常にがっくり、がっくりきてしまうんですけれども、この育休中・復職後等能力アップコースなんですが、平成二十六年度の予算は幾らなんでしょうか。
○政府参考人(宮川晃君) 全体といたしましてはこのキャリア形成促進助成金の一部という形でございますので、それだけ切り分けるわけにはいきませんが、当初想定していたのは七千人程度ということで想定しておりましたが、現在のところ、今申し上げた数字という形になってございます。
○行田邦子君 七千人を想定して予算を組んで、私は十七億というふうに聞いてはいますけれども、それで実施、決定が八人、まあ八件ってイコール八人ということですけれども、七千人の予定で八人ということで、余りにもこれは低過ぎるのではないかと。 やっぱり何かに問題がある、まあ全てに問題があるのかもしれませんが、何かに問題があると。ニーズがないのか、あるいはニーズを捉えていない制度なのか、若しくは運用が悪いのか、告知ができていないのか、これは大きな問題があると思いますが、その辺どう捉えていますでしょうか。
○政府参考人(宮川晃君) 一つは、もちろん制度が浸透していないということに対しましての、育休中や復職後等の訓練を行う企業ニーズという形で、それに応えた形での周知が徹底されていないということは一つあるかと思います。 また、このキャリア形成促進助成金というのは、二十時間以上の職業訓練を行う事業主に対するものでございまして、その場合、育休中や復職後の能力アップコースとしての訓練として、この二十時間以上の訓練というものが適切なのかどうかという観点もございますが、いずれにいたしましても、一つは、周知に対しての問題点ということがあろうかと思いますし、それから助成内容についての魅力という点でも、原則これは中小企業は二分の一、大企業は三分の一の助成という形になってございますが、そういう点につきましても、よりアップした形のものにする必要があるんではなかろうかと。そういう観点で、二十七年度の予算におきましては、この支給率のアップも併せて行おうとしているところでございます。
○行田邦子君 それでは二つ伺いたいんですけれども、まず、今年度の七千件の予定の根拠、それから来年度の予算、またその件数の予定、教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(宮川晃君) 件数といたしましては、当時の育児休業、それの実績等を踏まえまして、いろいろな、それによって助成金に行くような形のものをある程度見越した形での積算をしたものでございます。また、来年度につきましても同様の形で支給の積算をしているところでございます。
○行田邦子君 済みません、来年度の予算をお聞かせいただけますか。
○政府参考人(宮川晃君) 失礼いたしました。二十三億円でございます。
○行田邦子君 今年度が十七億円ですから、来年度は更に増やすという、予定件数も増やすということだと思うんですけれども、私、今年度の予算の件数、予定件数も根拠が非常に薄弱だと思いますし、読みが甘いというふうに思いますし、また、八件しか実績がないにもかかわらず、また制度を大幅に変えずにそのまま更に予算を増やすというのは、私、これ大きな問題があるというふうに思っております。これは反省をして、また見直しをして、まず恥ずかしいなというふうに思うべきではないかなというふうに思っております。 それで次に、やはり総理がスピーチでおっしゃられた、仕事に本格復帰する前の大学や専門学校等での学び直しプログラム、これを創設しますと総理はスピーチで発言をされましたけれども、この学び直しプログラムの内容と実績件数を教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(藤野公之君) お答え申し上げます。 文部科学省におきましては、成長分野等における中核的専門人材養成等の戦略的推進事業を実施しております。この中で、今後成長が見込まれる分野におきまして、専修学校、大学等が企業や業界団体等と連携して、中核的な役割を担う専門人材を養成するための標準的な教育プログラムの開発、実証を行っております。 平成二十六年度からは、本事業におきまして、各地域の専修学校や大学等が地元企業と連携し、地域のニーズに即した人材養成を行うため、新たに社会人や女性の学び直しにも対応した地域版学び直し教育プログラムの開発に取り組んでいるところであります。 具体的には、看護や保育など女性が多く携わる分野の人材育成、女性の就職、キャリアアップ等に必要な教育プログラムの開発、二つ目に、短期間の講座、講座受講時の子供の預かりなど、女性も学びやすい仕組みの検討、このような女性の学び直しの支援につながるような教育プログラムの開発、実証を進めております。平成二十六年におきましては、特に女性の学び直しに資する取組といたしまして申請があったもののうち、三十四件が採択されたところであります。 文部科学省といたしましては、引き続き教育プログラムをまず開発すると、そして、この開発した教育プログラムを今後全国の大学や専修学校等に普及、展開していくことを通じて女性の学び直しの推進を図ってまいりたいと存じます。
○行田邦子君 幾つかお聞きしたいんですが、今三十四件とおっしゃいましたけれども、そのうちの女性の学び直しは何件なんでしょうか。
○政府参考人(藤野公之君) 三十四件と申しますのは委託件数でございまして、これは、女性の学び直しに資する取組といたしまして先方の方から申請があったものが三十四件でございます。 事業全体の委託件数は百三十二件でございます。
○行田邦子君 済みません、私が今朝いただいた資料ですと、女性の学び直し、職域プロジェクトとして申請があったものは三件というリストになっていますが、もう一度お答えいただけますでしょうか。
○政府参考人(藤野公之君) 学び直しに資する取組といたしまして申請のあったもののうち、本年度採択いたしましたのは三十四件でございます。
○行田邦子君 そうすると、いただいた資料が間違っているのかもしれないんですけれども、私がいただいた資料ですと、分野名と女性の学び直しとありまして、コンソーシアム、職域プロジェクトの別、職域プロジェクトとなっていて、三件というリストになっています。
○政府参考人(藤野公之君) 大変見にくい資料で恐縮でございます。 分野名のところで女性の学び直しというのもございますが、その資料の上の方を見ていただきますと、そのタイトルの方で、これ全てが女性の学び直しに資する取組として申請があったものということでございます。 大変恐縮でございます。
○行田邦子君 これ配付資料でお配りすればよかったと思うんですけれども、今おっしゃられた学び直しプログラム、何かといいますと、御答弁にもありましたが、成長分野等における中核的専門人材養成等の戦略的推進という事業で、これは前からあった事業です。 どういうものかといいますと、この説明によりますと、学校、それから産業界、そして行政、いわゆる産学官がコンソーシアムを組織して、そして標準的なモデルカリキュラムを開発、実証する、それを通じて成長分野等における中核的専門人材や高度人材の養成を図るというのがこの事業の趣旨であります。 そして、その対象が当初は就労、キャリアアップ、キャリア転換を目指す社会人、生徒、学生となっていて、途中から申し訳程度に育児休業中、子育てのために離職している女性というのを付け加えたということで、この事業は、そもそも子育て、育児休業して職場復帰をしたいと思っている女性のための学び直しのプログラムという趣旨ではないと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(藤野公之君) 今先生の方からおっしゃいましたように、最初は社会人を中心としたプログラムでございました。これに女性、特に育児休業中、子育てのために離職しておられる女性にふさわしいプログラムについても拡充の上、対応しようということでこの事業を拡充し、平成二十六年度から新たにそのようなプログラムを開発することとしたものでございます。
○行田邦子君 私は、これは総理がスピーチでおっしゃっていた、仕事に本格復帰する前に大学や専門学校などで学び直しできるよう、新たなプログラムも用意することで、三年間だっこし放題での職場復帰を総合的に支援してまいりますといったその趣旨と異なるというふうに思っています。 総理が成長戦略のスピーチでおっしゃられたことを受けて、なぜしっかりとこの学び直しのプログラムというものを作らないのか、私は非常に問題があるというふうに思っておりますし、また、総理の発言が非常に軽くなってしまうのではないかという憤りを覚えております。 そして、育児休業中に職場に本格復帰をしたい、そういったお母さんたちを支援するのであれば、学び直しということも一つあろうかと思いますけれども、そういったものではなくて、むしろ復帰するその職場、会社の例えば受発注システムであるとか、それからイントラネット的なものとか、三年もあったらば変わるはずです。そしてまた、組織改編というのも、私がいた会社も毎年毎年組織改編がありました。大きく変わるはずです。変化の早い社会の中で三年間というのは非常に長い期間ですので、自分がいた会社のその内部的な変化にキャッチアップができるような会社独自のやはりフォローアップというか、学び直しというか、キャッチアップのシステムをつくっていく方が私はより現実的だというふうに思っております。 続けて伺いたいと思います。 こうして二年前に、総理が、三年間だっこし放題の職場復帰ということを大々的に言って、三年育児休業を経済三団体に対しても自主的に進めてくださいという要請を行ったわけであります。そして、その結果がどうであったかなんですが、三年育児休業制度の企業、事業所における導入状況、安倍総理の要請を受けて導入者が減ったのか増えたのか、また、取得者が減ったのか増えたのか、お答えいただけますでしょうか。
○政府参考人(安藤よし子君) お答え申し上げます。 育児休業の取得率や育児休業制度の導入状況につきましては、厚生労働省の雇用均等基本調査で調査を行っているところでございます。 総理が経済界に要請を行われたのが平成二十五年の四月でございますが、雇用均等基本調査結果から、平成二十四年十月一日時点と平成二十五年十月一日時点での、子が三歳以上の育児休業の取得を認めている企業割合を比べてみますと、平成二十四年度は一一・三%、平成二十五年度は一五・四%ということで、四・一ポイントの上昇となっております。 育児休業の取得期間につきましては、これはちょっと毎年調査をしている項目ではございませんので、平成二十四年度の調査結果が最新になりますが、育児休業を取得した女性のうち、三年間取得した方が〇・七%ということになっております。
○行田邦子君 私もその調査結果、手元にあるんですけれども、この育児休業に準ずる措置、これが一年を超えた育児休業の制度ということだと思いますけれども、確かに平成二十五年度は一五・四%で、二十四年度と比べると少し増えてはいますけれども、その三年前はやはり一五・一%、そして平成二十三年度は一八・五%と。ですから、五年スパンで見ると決して増えているということではないというふうに思っています。 そして、今御答弁いただいたのは、これは最新の調査結果ということだと思うんですけれども、総理がスピーチをされたのは今から二年前です。そして、二年間たとうとして、今現在どういう状況なのかということをもっと調査をすべきではないかなというふうに思っております。今局長が御答弁されたのは平成二十五年十月一日現在の調査で、これが最新というのは古過ぎるのではないかなと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(安藤よし子君) 雇用均等基本調査でございますが、通常十月一日現在の状況を調べておりまして、二十六年十月一日時点で調べたものにつきましては、もうしばらく集計には時間が掛かるということでございます。
○行田邦子君 確かに、この雇用均等基本調査は大規模な調査で年に一回ということですので、それは理解できるんですけれども、ただ、総理がああして二年前に大々的に打ち上げ花火で三年育休と言ったわけですから、そして経済三団体に要請をあえてしたわけですので、その結果、じゃ、経済三団体がどう動いたのかということを、これ大臣に伺いたいんですけれども、経済三団体に対して、じゃ、総理の要請に対してあなた方は何をしてくれたんですか、何をしたんですかというせめてアンケート調査でもやるべきではないでしょうか。いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 総理が三年育休のことを触れたのは、最近、北欧などでも育休は三年ぐらい取るという話が割合多く私も聞いているわけでございまして、私は自分の子供は、妻も働いていたものですから、ゼロ歳児から保育園に預けておりましたけれども、できれば、やはり二年、三年ぐらいは母親と子供も一緒、できたらお父さんもなるべく帰るということで一緒に子育てをするというのが理想的なんだろうと私は思います。 そういう意味で、いろんな働き方もあれば夫婦の関係もいろいろあって、総理は、そんな中で、三年そうやってまとまって休んで子育てをしっかりと、最初の一番愛着形成が必要な時期に母親と一緒にいることの大事さというのを言ったんだろうと思うんです。 そういう意味で、今、経済団体に言ったからには、どうなっているんですかということを尋ねるべきではないのかという話でございまして、今お話を受けて、私も余り進んでいないという感じがいたしますので、できたら、これは経済界の方にもちゃんと伝えなきゃいけないなというふうに思っておりますし、どういうことになっているのか聞いてみたいというふうに思います。
○行田邦子君 今のままだと言いっ放しになってしまいますので、非常に良くないというふうに思っております。 この三年育休については意見が分かれると思います。私自身は選択肢として否定はしませんけれども、いろいろな今の労働環境で三年育休をむやみやたらと推し進めるというのには疑問を感じています。 そこで、大臣に伺いたいんですけれども、今の女性の継続就労を推し進めようとしている企業のトレンドとしては、むしろ三年育休ではなくて、それを更に二年とか一年半とかに短くするような傾向があります。また、ある企業ですと、できるだけ早く、ブランクは短い方が働き続けることができる、女性のキャリアにとっても良いということで、できるだけ早く職場に復帰をしてもらって、そして一年満たずに復帰をした場合にはまたそこで育児の補助を出すというような企業もあるようです。こうして女性を積極的に活用していこうという企業は、むしろ三年育休という長いものではなくて短くしようというような傾向にあります。そこからすると、総理の三年育休というのはトレンドと逆行しているのかなというふうにも思っています。 そしてまた、ある調査結果ですと、二年以内の育児休業だとこれは女性の労働参加率にプラスに働く、ところが二年を超える育児休業だと女性の労働参加率にマイナスに働くという結果も出ています。そうしますとなおさらのこと、三年育休というのは、成長戦略の文脈の中での女性の活躍推進策としては、三年育休というのは矛盾しているのではないかなと思いますが、大臣はいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほども少し申し上げましたけれども、総理から経済界への要請というのは、働いている方の子育て、育児休業に対する事情とか希望とか家庭の事情とかいろんなものがあって、ニーズもいろいろあるというふうに考えているわけでありますから、結論的には、先生が今おっしゃったように、短くするという考え方もあれば、企業と働く方の希望として長くするということもそれは十分あり得るんだろうと思いますけれども、いろいろなニーズに応えられるようにするということが私は大事ではないかというふうに思っております。 子供が三歳になるまで育児休業や短時間勤務を取得したい男女が取得しやすくなるようにというのが先ほどの総理の発言の趣旨であって、必ず育児休業を三年間取れというようなことを言っているわけではなくて、選択肢を増やそうということですから、今先生がおっしゃったような短時間勤務とか、それから、希望に応じて育児休業も取りやすくなるというのは男女共に当然必要なことでもありますし、継続就業の促進が図られることがそれの前提になりますから、そういったことに私どもも力を入れていかなければいけないというふうに思います。
○行田邦子君 最後の質問になりますけれども、私は三年育児休業を決して否定はしませんけれども、やはり育児休業と短時間勤務の合わせ技というのが一番良いのではないかなというふうに思っていまして、そこで総理も、子供が三歳になるまでは短時間勤務をもっと取りやすくするという要請をしたわけですが、子供が三歳になるまでではなくて、そもそもの雇用形態の一つとして短時間勤務正社員というものを、これを導入するべきではないかなと。そうすると女性も短時間勤務がしやすくなるというふうに思っております。 そこで、オランダ・モデルが参考になると思いますけれども、その点、大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほども申し上げたとおり、これ育児・介護休業法では、柔軟な働き方の一つとして、三歳までの子を養育する労働者が利用できる短時間勤務制度というものの導入が既に事業主に義務付けられているということがまずございまして、ただ、なかなか実際には導入をされていないというのはなぜだろうかということを考えなければいけないのであって、どうも職場に迷惑が掛かるとかいう、そういう文化、風土みたいなものが根強く残っているのではないかというふうに思いますので、どうやったら子育てフレンドリーな社会、会社に変えていくかということが大事なんだろうと思うんです。 今、オランダのお話がございましたが、短時間正社員制度は、短時間働かれる方とそれからフルタイムの正社員の処遇の均衡を図りながら、一人一人の生活に応じた働き方を可能にするという意義を有するものだと思いますけれども、この普及を進めていくことが私どもも必要だと思っておりますし、また厚労省としても、助成金の活用とかマニュアルの作成とかセミナーとか、いろいろなことをやってやりやすくした方がいいと思います。 議員が御指摘になったオランダに倣った制度は、制度として大変参考になる考え方であろうと私も思いますけれども、その制度を一律に、さっきの三年育休みたいな話と同じように、一律に導入するということは必ずしも、雇用慣行がオランダと日本、違いますから、なかなかそう簡単ではないかも分かりませんけれども、考え方としては、先生のおっしゃるようなことは十分頭の中にそれぞれが持っていれば実現できるようにしていくということが大事だろうというふうに思います。
○委員長(丸川珠代君) 行田邦子さん、時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。
○行田邦子君 はい。 厚生労働大臣から初めてオランダ・モデルが大変参考になるという御答弁をいただきました。引き続きこの問題、取り組んでいきたいと思っております。 終わります。
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。よろしくお願いいたします。 申し合わせたわけではございませんけれども、私も育児・介護休業法を今日はしっかり議論させていただきたいと思っております。しかし、その前に大臣にお尋ねしたいことがございます。 私もここに座りまして二年弱でございます。様々な閣法を議論をさせていただきましたけれども、法案成立後、省庁で設けられた審議会で、いわゆる詳細、一番大事な部分が決定されることが多く見受けられます。答弁の中でも、そこはもう審議会に委ねますという回答でしたり、そこはガイドラインで示しますのでという回答が余りにも多過ぎるように思うんですね。 例えば、有期雇用特措法の特例の対象となる有期雇用労働者の指針についてもそうでございました。医療・介護総合法案の中でも様々な大切な部分がガイドライン作成に委ねられて省令に落とし込まれていくという過程でございました。こういうことがございましたら、私どもここで真摯に議論をさせていただくその内容がなかなか反映できないのではないかなとウオッチングをさせていただいておりましたら、やはりこの審議会の在り方というものにかなり問題があると私は確信をしたわけでございます。 と申しますのも、その審議の、ここで行われた内容が全くその審議会に伝えられていない。こちらの主張してようやく、我々野党側というのはここでいかにいい答弁を引き出していくかというのが法案審議の中でも肝だと思っておりますけど、大臣からようやくいい回答が得られたにもかかわらず、なかなかその言葉が審議会の皆様方に提示をされていなかった、若しくは附帯決議の内容さえも知らされていないというようなところから、ゼロベースでガイドラインを作成するための審議会がスタートするようなことも見受けられました。 ですから、これからますます、今回の通常国会におきましては、労働の関係、ホワイトカラーエグゼンプションだったり派遣法、様々な中で省令やガイドラインに落とし込まれていく部分もあるかと思います。ですから、ここで議論をなされたこと、そのことで大臣がもっともだと思われたことに関して、若しくは附帯決議に関しては、次に行われます審議会にしっかりと伝えていただくようなシステムも必要かと思いますけれども、御意見いただけますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、私はたまたまこっち側に座っていますけれども、かつてはずっとそっち側でやってきまして、つくづく思うことは、今お話があったように、往々にして国会での議論が一〇〇%は生かされない。あるいは、場合によっては、特に附帯決議は必ずしも実行されないということが多いということにいら立ちを覚えたことが随分ありましたし、その一方で、やっぱり我々反省しないといけないのは、国会議員としてですよ、法案を通したらあとはお任せみたいな形が結構多かった。そういうことも反省をした時期がずっと私もありました。 それは、今お話があったように、法案が通った後、審議会をやって決めるものが残っている場合と、事前に審議会をやって、法案通ったら、あとはもう省令とかそこに落とされるということになって、それをチェックしないままに、気が付いたらちょっと思いが違うものができているねということがよく私もあったように記憶をいたします。 したがって、そういう反省、つまり国会議員としてもウオッチをちゃんとしていかないといけないということを反省しながら、思いながら、一方で、政府としては、やはり国会での審議や、あるいは国会での答弁がやっぱり一番、確認答弁というのをよくやったりしますけれども、それと附帯決議というのは重たいものだということを受け止めて執行をやっていかなければならないんじゃないかというふうに思って、私も反省を込めてこれから頑張っていきたいと思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 これからも私、しっかりと審議会の内容、実際にどういうガイドラインに落とし込まれたのかということもチェックをさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。 では、育児・介護休業法におけるハラスメントの実態というところをお尋ねしていきたいと思います。 予算委員会では、大臣の方にも何度も何度も少子化についてお尋ねをさせていただいているところでございますけれども、男性の育児休業取得率は二・〇三%ですよね。女性が八三%に対して余りにも少な過ぎます。育休を取った男性でも、その期間は二週間未満が六割。もう大変短い休みでございます。 無職で介護をしている人というのが二百六十六万人いる一方で、働きながら介護をしている人は二百九十一万人いるけれども、介護休業を利用した人は三・二%にすぎません。 育児や介護のこの現状を見ましても、先ほども大臣答弁いただいたように、社内にすごく取りにくいという雰囲気があるということも言われております。その中で多くのハラスメントの事例も報告がなされているところです。 最近では、こういうようにいわゆる仕事と家庭の両立を認めないハラスメントのことをファミリーハラスメントというように、そう称するらしいですけれども、この実態というものをどのくらい把握していらっしゃいますでしょうか。政務官の方にお答えいただけますでしょうか。
○大臣政務官(高階恵美子君) お答え申し上げます。 妊娠、出産や育児休業の取得などを理由とする不利益取扱いについて、都道府県労働局雇用均等室が受け付けた事案でございますが、平成二十五年度の数で申し上げます。婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いに関するものが二千九十件、そして育児休業に係る不利益取扱いは千三百五十四件となってございます。 個別の事例ごとに様子は様々でございますが、例えば、事業主に妊娠の報告をした。そうしたところ、次回の契約更新は行わないと言われたといったような事案について一例を少し御紹介申し上げますと、相談を受けて状況をいろいろ伺ってまいったところ、雇い止めは経営不振を理由としていた。その一方で新規の採用を行っているという実態が確認されたということがありましたため、妊娠とか産休、育休の取得を申し出たことを理由とする雇い止めではないかということで、そのことを指摘しまして、契約更新を行うとともに、産休、育休を取得させるよう事業主に助言を行って紛争が解決していたという例などもございます。一例一例丁寧に対応をさせていただいているという状況にございます。 なお、妊娠、出産、育休等を理由とする不利益取扱いにつきましては、本年の一月に、積極的に是正指導などを行うよう労働局に対しまして通達を発出しておりまして、対応を強化しております。 今後とも、労働者が妊娠、出産、育休等を理由にして不利益な取扱いを受けることのないように、適切な周知、指導を行ってまいります。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 やはりだんだん新しい概念で、パタハラだとかケアハラというものも生まれてきておりますので、実態調査の方をお願いしたいと思います。 では、次の問いに進んでまいります。 資料一、二を御覧いただきながら聞いていただきたいんですけれども、育児休業を取得したことによるマイナスの効果を得たという方々、いわゆる不利益な取扱いを受けた方々が、調査をしてみましたら一一%いらっしゃることも分かってまいりました。では、どのように対応していったらいいのかということで、この資料一、法文をまとめさせていただきましたけれども、御覧いただければ分かりますとおりに、育児・介護休業法十条で不利益取扱いを禁止し、二十二条に努力規定はございますけれども、それを対比して挙げています男女雇用均等法と、事業主に育児休業を取りやすい環境を整備するような項目というものがございません。 ですから、義務付けのような規定を設けるべきではないかと考えますけれども、大臣、いかがでいらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、先生、資料でお配りをいただきましたけれども、育児・介護休業法で定めがあったり、あるいは男女雇用機会均等法などでもありますし、それから、事業主による不利益な取扱いがあった場合には都道府県の労働局の雇用均等室においても指導を行っているところでございまして、先ほどは男性が育児休業を取得しなかった理由、できないケースの話がありましたけれども、その理由としては、やはり、先ほど申し上げた、職場が制度を取得しにくい雰囲気だったという回答が多い。社会的な機運の醸成というのがやっぱり大事で、文化、風土を変えていかないといけないということで、イクメン企業アワードとかイクメンプロジェクトの推進とか、好事例の普及とか表彰などによる企業の取組の推進、促進を今厚労省としてもやっているわけでございまして、さらに、先ほど、育児・介護休業法については、昨年十一月から今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会を開催もしているところでありまして、男性の育児休業の取得促進に関してもしっかりと検討を進めていかなければならないと思っております。 〔委員長退席、理事福岡資麿君着席〕
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 やはりこう法文に書き込まれますと抑止力となりますので、是非御検討を研究会の方でもいただきたいと思います。 では次に、その育児休業ということがすごく注目をされているんですけれども、その一方で、先ほど行田先生がおっしゃったように、短時間勤務というものもございます。もしかしたら、この育児休業というものよりも短時間勤務の方が男性は取得しやすいんではないかとも思いますけれども、政務官、何か御意見ございますでしょうか。
○大臣政務官(高階恵美子君) 先ほど来の議論にもございますけれども、業種や職制あるいは雇用の状況によってそれぞれ使い勝手のいいような工夫が必要だというふうに考えております。そして、男女にかかわらず希望する方が短時間勤務や育休を取得できる環境を整備していくことが重要だと考えます。 まずは、育休のことに関しましては、男性の育児への関わりを促進していくということで、政府目標も掲げ、この取組を進めているところでございますが、一方で、所得の面とか、完全に休業しないで育児に関わることができるという面では、短時間勤務を利用したいという方もございます。こういったことから、両方併せて推進していくことが必要になるんだろうと思います。 また、雇用均等基本調査ですが、これに基づきますと、育休制度を持っている、あるとする事業所は全体の七二・四%であるのに対して、短時間勤務制度ありとする事業所の割合が五七・七%。比較いたしますと、育休に比べて短時間となりますと取組がまだ十分には進んでいないという実態にあると思われます。 厚生労働省といたしましては、育児休業法の徹底、そして労働者への制度の周知、これらを併せて一層の取組を進めてまいりたいと考えております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。 では、資料三、資料四を同時に御覧いただきながら、短時間勤務のことについて考えていきたいんですけれども、短時間勤務のこの制度、実際の利用期間よりも希望する期間が長いということが御理解いただけるかと思います。 特に面白いのがこの資料四。これは、小学校一年生が終わるまで希望なさいますのが男性六〇%強、女性五〇%。ということは、男性の方が実はもうちょっと長く育休があってもいいんじゃないか、小学校一年生まで取れればいいんじゃないかなと。これを見ましても、実は女性はやはりゼロ歳児、一歳児というところはすごく役割が大きいかと思いますけれども、男性はだんだんだんだん大きくなるにつれて役割が増えてくるんですね。ですから、もしかしたら、こういうものを見ましても、男性は少し大きくなってから短時間勤務で育児に関わった方がよいのかもしれません。 〔理事福岡資麿君退席、委員長着席〕 これにもう一つ表れておりますのが、やはり小一の壁という問題でございます。ですから、いわゆる企業の皆様方は業績を上げなきゃいけないということで、こういったチャイルドセンタードという考え方はない。だけれども、我々が制度でそういう考え方を注入していくということが大切かと思いますけれども、いかがでございますでしょうか。長く小学校一年生まで、終了時までというものを義務化するような形でもお考えいただければと思いますけれども、副大臣、御意見ください。
○副大臣(山本香苗君) 資料で示していただきました短時間勤務制度につきましては、平成二十一年度改正においては、制度の普及を図ることがまずは重要だと。そして法律上の最低基準として長期間適用することは事業者の負担が大きいと、また長年にわたって短時間勤務を続けることは女性のキャリア形成に支障を及ぼすといった声があったこともありまして、平成二十一年度改正においては、法律上の義務として、三歳に満たない子を養育することを要件としたものでございます。 今、先生の方から御指摘のありました、この要件をもうちょっと引き上げたらどうかと、私もたくさんお声を伺っているんですが、一応三歳から小学校就学の始まるまでに達するまでのお子さんについても努力義務は掛かっているんですね。実際、こうした形で取り組んでいる企業も徐々に増えてきております。ですので、そうした民間における取組というものを一生懸命推進するとともに、取得というものをしっかりと推進していきたいと思って、まずは、この三歳までの義務のところを更に、不十分なところを十分なものにしていきたいと思っております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 私も将来的な課題だとは思いますけれども、是非こういう考え方というものも組み込んでいただければと思います。 では、次の問いに進みたいんですけれども、資料五、資料六を御覧いただきながら聞いていただきたいと思います。 実際に短時間勤務というものが取れても、どういう不満があるのかということがここに書き込まれていると思います。時間は減っても業務量は実は減らないんだという方々が半分近くいらっしゃいますですよね。やっぱりこういうことでは次に取っていこうじゃないかという気分にもなりませんし、さらに、効率的に時間を使っていかないと業務が終わらない、かつこれ残業ができませんので、更に首を絞めてしまうことにもなりかねません。 ですから、こういうものについて環境整備を整えようじゃないかという、また義務付け規定などのようなものも設けるべきではないかと思いますけれども、副大臣、御意見いただけますでしょうか。
○副大臣(山本香苗君) この資料にございますように、短時間勤務制度において一日の所定労働時間を原則として六時間ということにすることになっておりますので、時間を短縮したのでありましたら、業務内容や量に関して実際に短時間勤務ができること、確保することが前提でありまして、短時間勤務制度を適用して実際労働時間が六時間を超えるような業務量となることは、子育ての時間を確保するという趣旨に照らしましても望ましくないことだと思っております。 そのために、育介法の事業主が講ずべき指針のところにおきまして、短時間勤務制度を講ずる場合は、働く方が就業しつつその子を養育することを実質的に容易にする内容のものとすることに配慮するようにというふうに定めておりまして、この趣旨の徹底をしっかりと図ってまいりたいと思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 先ほど行田先生からも取り上げていただきましたけれども、短時間正社員制度というものがございます。しかし、なかなかこれも進まないんですね。平成二十五年度の調査でも、この短時間正社員制度がある事務所というものは二〇%、ほとんどやっぱりこの利用も進んでいないということで、短時間勤務の在り方というものもやっぱり周知徹底していただきたいと思っております。 では次に、短時間勤務になりましたら、結局収入が減ってしまうという問題を提示していきたいと思います。 資料七を御覧くださいませ。これ、上から三番目、家計への影響、給与が減ってしまったために利用しないんだという方々がいらっしゃいます。 育児休業制度におきましては、育児休業給付金ということで大変助かっているという御意見もいただきます。このように何かしら所得を保障するような制度というものをこの短時間勤務にも取り入れていくべきではないかと思いますけれども、大臣、御意見いただけますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今お配りをいただいている資料の七では、一八・六%の方々が家計への影響がある、こう言っておられるわけでありますが、今の育児休業給付というのは、御案内のように、雇用保険制度で給付を行っています。育児休業の間の所得保障をしなければ休業の取得が困難となるということで、失業に結び付くといったことを回避するために雇用の継続を目指す、そのために給付をもらうわけでありますけれども。 一方で、育児のための短時間勤務をする方は、勤務した時間分について事業主から賃金を得ながら継続して働いているという格好になっています。失業につながるということは、こういう状態だと考えられないわけでございますので、雇用保険で所得保障をするというのは、雇用保険の趣旨、目的からいきますとなかなかそう簡単じゃないなと。見てみますと、この給付の全体の六・八七五%が税で、残りが労使折半の雇用保険から来るお金という格好になっているわけでございます。 短時間勤務を取得しない理由として収入の減少を挙げる労働者ももちろん一定数いることは今のとおりでありますので、一方、給付に必要となる財源をどう確保するかというのがなかなか簡単ではないということから、短時間勤務と所得保障の関係については、これは少し慎重に検討していかなきゃいかぬなというふうに思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 しかし、この少子化という問題は、一番これ日本がこれから考えていかなければならない重点項目の一つだと思うんですね。取りやすい制度をつくり出すことによってやっぱり少子化という問題が少しでも解決するのであれば、そこは知恵を絞っていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 では、次の質問に移らせていただきます。 実は、この短時間勤務制度、資料八を御覧いただいても、男性にはほとんど知られておりません。まず周知徹底から本当に始めなければならない。例えば、母子手帳などにも大々的に宣伝するようなことで周知徹底も図っていただきたいと思いますけれども、副大臣、いかがでございますでしょうか。
○副大臣(山本香苗君) おっしゃるとおり、この資料を見させていただき、平成二十五年度の育児休業制度等に関する実態把握のための調査研究事業報告書によりましても、男性の七七・三%は余り知らない、また全く知らないという方がいらっしゃると。制度の周知が大きな課題であると思っております。 先ほど大臣の御答弁の中にもありましたけれども、イクメンプロジェクトの中でも、育休のみならず短時間休業の取得もできるといったこともしっかりと広報してまいりたいと思いますし、また、都道府県労働局の雇用均等室の方におきまして様々事業をやっているところでございます。 こうした様々な機会を通じて、男性の方々にもしっかり周知ができるようにしてまいりたいと思います。 済みません、今、平成二十五年度と申し上げましたが、平成二十三年度、訂正しておいていただきたいと思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 まだまだこのように、育児一つ取っても制度が十分ではない、少子化に資するようなものではないということも分かってまいりましたけれども、資料九を御覧いただきながら聞いていただきたいと思います。 実は、もうこれ時代遅れなんです。ダブルケアという時代に入っているということを実は大臣にも先日の予算委員会でお話をさせていただいたところでございますけれども、実にこれ調べてみましたら、インターネットの調査ですけれども、近い将来にダブルケア、いわゆる育児と、それから子育てと介護を同時にやっていかなければならない女性が出てくるだろうということが、四割の方々がもうそうではないかと言っている、これが実態なんですね。 ですから、育児だ、介護だと別々で制度を組み立ててもらっても、こういう方々にとっては使い勝手が悪い。使い勝手が悪い上に、例えば保育園に送っていく、今度は高齢者施設に迎えに行く、もう本当にこれで働けと言われたら、何重苦を背負わなければならないんだというぐらいのお声も実際にいただいております。 ですから、予算委員会でも大臣御答弁いただきましたけれども、こういう調査というものはまだ行われておりませんし、日本でもまだまだ政府の中でも知られていない状況なんではないのかなと思います。 このようなダブルケアという方々に対して今後どのような対策を、若しくはその現状把握をしていくおつもりなのか、最後にお聞かせいただけますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) この間も予算委員会で御質問いただきました。 今、改正育児・介護休業法の施行五年経過後の見直しというのをやっておりまして、平成二十七年、今年の夏頃に報告書を取りまとめるということになっています。今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会、仕事と育児、介護の両立支援の実態と支援の在り方についてここで議論をしておるところでございますので、そういう中にも、先生からもまた働きかけをいただいて、議論していただくように、リードしていただくと有り難いなと思いますが、この間申し上げたように、育児、介護、これがちょうどダブってくるという方があって、両方を行う方の調査をせよということでございましたけれども、どういうふうにやるか、どういう方法があるかも含めてこれは検討してまいりたいとこの間申し上げましたけれども、そのとおりだと思っております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 このダブルケアの問題、子供をどうケアするか、高齢者をどうケアするかではなく、子供や介護が必要な方がいらっしゃる家庭をどうやってサポートしていくかと、ちょっと総合的な施策に落とし込んでいただかなければ、かなりこれ困難な問題になってくると思います。 ですから、我々女性といたしましては、子育てしろ、それから介護をしろ、働け、いろんなことを今要求されている状況でございますので、是非、女性が活躍できる、活躍しやすいような施策というものをこれからも重点的に、少子化を考えるのであれば厚労省の方でもお考えいただきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。 時間になりましたので、これで終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックに当たり、政府はIPCアクセシビリティーガイドの日本語訳を早急に作成し、周知すべきではないでしょうか。いかがですか。
○政府参考人(芦立訓君) お答え申し上げます。 私どもとして、このIPCのアクセシビリティーガイドにつきまして、非常に意味のあるものだというふうに認識しております。これについて各団体で情報をしっかり共有できるように工夫してまいりたいと、かように考えております。
○福島みずほ君 いや、これは実は障害者団体の人が、英語はあるんですよ。東京都が日本語訳をしているんですが、仮訳なのでということで出してくれないんです。二〇二〇年までに、障害のある当事者の皆さんたちが、果たして東京がバリアフリーなのかということも含めてこのガイドに照らしてどうかと、ちゃんとやりたいと。私は、それは必要なことで、これをやり切らないと、世界から日本の東京はこのガイドに満たしていないオリンピックをやっていると言われると思うんですね。 ですから、これ、東京都が仮訳を出さないのは私は問題だと思いますが、政府の方でこのガイドをしっかり日本語訳を作成して周知してほしい。いかがでしょうか。
○政府参考人(芦立訓君) 東京版ガイドラインというものを制定することに向けまして、この日本語訳の問題についても前向きに考えてまいりたいと、かように考えております。
○福島みずほ君 前向きということは、東京都に頼っていたら駄目なので、済みません、政府で日本語訳を作って、それを障害者団体や当事者、私たちとも共有して、東京をまさにオリンピック・パラリンピックができる場所にするということでよろしいですね。
○政府参考人(芦立訓君) そのように検討してまいりたいと思います。
○福島みずほ君 そのように検討するということで、早く日本語訳が出て、実際、東京の町がパラリンピックにふさわしいように五年掛けてできるようにと思っていますので、これは障害のある人もない人も望んでいることですので、是非よろしくお願いします。出してください。 では次に、技能実習生の問題についてお聞きをいたします。 この委員会でも何度かお聞きをしていますが、厚労省労働基準局監督課によると、二〇一三年、外国人技能実習生の実習実施機関二千三百十八事業場に対して監督指導を行ったところ、七九・六%に当たる千八百四十四事業場において何らかの労働基準関係法令違反が認められました。このパーセンテージは過去一貫して七〇から八〇%に張り付いており、改善が全く見られません。根本的に問題があるのではないでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 技能実習制度につきましては、事業主との雇用関係の下で労働関係法令が適用されているということから、現在も労働基準監督署において実習実施機関に対する監督指導を行っておるわけでありますが、労働基準関係法令違反が依然として発生していることは先生今御指摘のとおりであります。今の七九・六という数字は、元々違反懸念先のところに対して労基署などが監督指導を行った二千三百十八機関のうちの違反事例であって、やはりかなりあるというふうに私も認識をしております。 そういうことから、今回提出をいたしました技能実習法案において、新たに外国人技能実習機構というのを創設をして管理団体等への実地の検査等を行うこととしておりまして、今後、労働基準監督署と連携をして技能実習生に対する労働基準関係法令の遵守を徹底してまいりたいというふうに考えております。
○福島みずほ君 技能実習生は労働者ですよね、大臣。
○国務大臣(塩崎恭久君) そのとおりでございます。
○福島みずほ君 労働者であるにもかかわらず、違反のパーセントが今大臣おっしゃったとおり高いんですね。二〇一一年は八二%。そもそも技能実習生という制度の中に労基法違反を生むような構造があるんじゃないか。それに目をつぶって拡充しても、うみとか問題点は広がるばかりではないかと思っております。 技能実習制度について、能力開発局長は、二〇〇八年四月一日の参議院厚生労働委員会において、「労働力対策という意味での制度ではない」と明確に答弁をしています。しかし、介護など人手不足が深刻化している業種において、外国人技能実習制度がなし崩し的に拡充されつつあります。矛盾ではないでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) この制度をどうするかということについては、私ども、私がまだ自民党の政務調査会の会長代理というのをやっていたときに随分議論をいたしました。おっしゃるように、この数字が高いのは元々怪しいところを狙ってやっているから高いということもありますが、真面目にやっているところもたくさんもちろん私の地元でもあって、特に私の地元などでも、地銀の調査報告書でも、やはり、言ってみれば、大分、地域経済でもいろんなところで技能を学んでいるということを報告がありました。 そういうことで、なぜ、じゃ、そういうことが、違反事例が絶えないのかということが問題であって、それはやはり、監督をしているはずのところが、いわゆる公益財団法人国際研修協力機構というところに委託をして巡回指導とかやってもらっていたわけでありまして、これは民間委託事業では実効性がやっぱり限界があるということで違反事例が絶えなかったというふうに思っております。 だからこそ、先ほど申し上げた、今回は新しい外国人技能実習機構というのを創設し、なおかつ実地の検査などをできる権限を与えるということをもってしっかり管理監督をさせるということを仕組んだわけでございまして、これがやっぱり機能するということが今回の最大のポイントではないかというふうに思います。
○福島みずほ君 いや、技能実習生の中で人権侵害が絶えないのは、これは労働力の対策ではないと言いながら、実は労働力不足を補う労働者として安く、本当に場合によっては奴隷的に使われているというところが問題です。ですから、このような手法を取る限り問題は解決しない。国際貢献という建前と、外国人技能実習生を労働力として活用するという本音の著しい乖離はいつまでたっても解消されず、そのことによって外国人技能実習生に対する人権侵害や労働諸法令違反も温存されたままです。 本当に外国人を活用する、すなわち日本で労働してもらうのであれば、外国人技能実習制度などという制度ではなく、労働者なわけですから、外国人労働者を受け入れるための制度について議論すべき段階に来ているのではないでしょうか。いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 労働力人口が減少傾向で推移している中で成長を実現するためには、働き手を増やさなきゃいけないということと、それから労働生産性を上げていくというこの二つを同時にやっていかなければいけないということであるわけでありますが、そのためにはまずは我が国の若い人たち、あるいは女性、そしてまた高齢者などが働く能力を高めてその能力を十分に発揮できるという、そういう全員参加の社会というものを実現していくということがまず先決だろうというふうに思います。 一方で、いわゆる単純労働者の受入れなど外国人労働者の受入れ範囲の拡大、これは、社会保障や教育、あるいは治安等の国民生活全体に与える影響に鑑みて、我が国のあるべき将来像と併せて中長期的観点から、いろんな意見がありますから、国民的なやっぱり議論をしてコンセンサスを得ていかなければいけないことでありまして、それにはしっかりとした検討と議論が必要だというふうに思います。
○福島みずほ君 私も、外国から労働者を連れてくるのではなく、まず真っ先に女性や高齢者や若者の活用をやるべきで、そして、もし受け入れるとすればきちっとしなければならないという大臣のそれまでの答弁には賛成です。 しかし、私が問題にしているのはその局面ではありません。これは労働力対策ではない、人手不足対策ではない、国際貢献で日本の技能を勉強してもらうのだという建前と、実は低賃金で、本当にある意味とても過酷な労働をしている技能実習生の現場の乖離が問題で、労働者だというのであればきちっと労働者としてやればよくて、この建前と現実の乖離をやっている限り人権侵害は増えるばかりではないかという指摘についてはいかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) そのことは十分私どもも踏まえた上でどうするかということを、先ほど申し上げたように自民党の中でも議論し、そして政府の中でも日本再興戦略の中で定義付けたわけでございまして、やはり労働政策としてはきっちり法律を働く人には守ってもらうということが十分ではなかったということが反省としてあるわけでありますから、これをしっかりとやる。一方で、国際貢献もやっていくということも同時に進めていこうというのが今回の我々の提案だというふうに考えております。
○福島みずほ君 いや、これは法務省だけに任せることなく、まさに厚労省が一番出番ですよ。今まで法律があっても、八十何%違反例があるというような労働者の現場なんて異常ですよ。 実際、今日はちょっと時間がありませんが、たくさんのいろんな人権侵害事例があります。例えば、法務省に今日来ていただいていますが、強制帰国という、例えば賃金もっとちゃんとくれとか、セクハラやいろんなこと、パワハラやいろんなことに対して抗議をしたりすると、無理やり強制帰国を、本人が同意があるというような形で空港から送り返してしまうみたいなことがあります。 不正行為の類型の中に強制帰国は入っておりませんが、このような例は御存じでしょうか。
○政府参考人(杵渕正巳君) お答え申し上げます。 先生御指摘の強制帰国というものが、技能実習生の意に反して技能実習を継続させずに帰国させるということである場合には、現在、帰国に至る過程の中で仮に暴行、脅迫等の手段が行使されたりするなど人権を侵害するような行為が確認されれば、不正行為の類型の一つである人権を著しく侵害する行為ということで対応しております。 平成二十六年中に、技能実習生の帰国に際して人権を著しく侵害する行為があったとして不正行為を通知した機関は三機関ございます。 法務省入管局におきましては、御指摘の、いわゆる強制帰国を含め、不当な解雇や賃金の不払など労働関係法令違反等の技能実習生に対する人権侵害が疑われるような事案につきましては、労働基準監督機関や警察と連携して適切に対応するよう努めているところでございます。
○福島みずほ君 今度、今出ている法律案がありますが、これが成立を仮にすれば介護労働者にも拡大されるということでよろしいですね。条文の中には介護労働者というのは入っていないんですけれども、介護労働者にも拡充されるということでよろしいですね。
○政府参考人(宮川晃君) 今回の法案の内容につきまして御説明申し上げます。 今回の法案の中で、職種につきましては法定事項ではございません。いわゆる省令以下の運用事項でございまして、介護ですか。
○福島みずほ君 介護です。
○政府参考人(宮川晃君) 介護の内容につきましては、入れるのであればそういう形で、法律で対応する話ではないということでございます。
○福島みずほ君 もしでも技能実習生が介護の労働者として入るということであれば、その人たちは福祉士ではなく、要するに正式に資格を取った人ではなく、実習生、勉強している途中ということですから、全く資格がなくて介護の労働現場で働くということでよろしいですね。
○政府参考人(宮川晃君) 現在想定しております介護の技能実習の件でございますけれども、この件につきましては、専門家にお集まりいただきまして、どのような形で技能実習制度というものができるのかという観点について議論を続けてきたところでございます。 今回の改正内容を踏まえた上で、さらにその上で、対人サービスであるということなどを踏まえた、例えば日本語要件など、要件も含めた形で技能実習について考えるべきであるという結論に達しているところでございます。
○福島みずほ君 だから問題だと思います。条文の中には介護労働者は入っていないけれども、実際、介護労働者を入れるかどうかという議論をどういう場合にできるか、しているわけじゃないですか。 介護の現場が人手不足なことは事実です。でも、そのときに資格を取るのが外国人は難しいから、もちろん頑張って取っている人もいらっしゃるんですが、言葉のハンディなどもあって難しい。だから、労働者として正式の資格を持った人ではなく技能実習生として入れると。でも、そうすると、介護現場の中で、資格がないけれども外国人として入る。介護の仕事は難しいですよ。人手不足だから入れればいいということでは駄目だし、ここは厚生労働委員会ですが、介護労働者を技能実習生として入れるかどうか、それが法律の中に入っていなくて、成立したら後からどんどん入っちゃうよということでは困ります。きちっと議論すべきだし、介護労働者について入れるべきではないと思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今申し上げてきているように、技能実習制度そのものは、技能を移転するということであって、この介護、看護もそうでありますけれども、いろんな形で、特にアジアの国々は日本の現場のノウハウについて学びたいというところがたくさんあって、私どもの、専門学校なんかにも問合せで、いろんな形で協力を求めてくるところもあります。 したがって、そういうことで、今回介護の職種を追加するということはもう既に申し上げているわけでございますけれども、国会で法案として御議論を賜るのは全体の法律のフレームワークをお願いをするわけでありまして、介護については職種として追加をさせていただくということでございます。
○福島みずほ君 つまり法律の中には入っていないんですよ。でも、法律が成立したら後から入るって、それはやっぱりおかしいですよ。 それから、ヘルパーさんたちの話を聞くと、家に入るから、やっぱりセクハラの問題が起きたり、あるいはいろんな疑いを掛けられたり、やっぱり難しい、きめ細かな仕事ですよ。これを技能実習生でやるということはどんなものなのか。結局、労働力不足だから技能実習生を入れるということになって、やっぱり問題なんですよ、これは。こういうやり方で技能実習生を裏口入学させて、ますます労働現場の労働条件が悪くなると思いますが、大臣、いかがですか。 少なくとも、介護労働者を入れると今明言されているわけだから、この厚生労働委員会できっちり議論をすべきだと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(宮川晃君) 先ほども申し上げましたように、厚生労働省の中での検討会におきましては、技能移転、あくまでも日本から開発途上国等への技能移転であるという趣旨の下、制度趣旨に立った上で介護職に対するイメージ低下を招かないようにすること、外国人について、日本人と同様に適切な処遇を確保し、日本人労働者の処遇、労働環境の改善の努力が損なわれないようにすること、それから、介護サービスの質を担保するとともに、利用者の不安を招かないようにすることという三つの要件に対応した具体的な制度設計の考えが示されているところでございます。
○福島みずほ君 いや、制度設計できないですよ。だって、これだけ技能実習生、労基法違反があって、入れて、できるわけがないというか、私は、外国人の人たちが頑張ろうというのはすばらしいと思うんですが、労働者としてこれほどまでに保護されていなくて、介護労働者で入れることを今言って、そしてこれを条文には入れずにやってしまうというのは極めて問題だと思います。 少なくとも介護労働者の労働条件を上げるということをこの厚生労働委員会は一生懸命やってきたわけで、労働条件の低下をやっぱり招きかねないし、それは技能実習生にとっても本当に良くないというふうに思っています。この厚生労働委員会でしっかり議論をしない限り、この法律通せないですよ。 国交省は、三年間の技能実習修了者を再び特定活動ビザで建設労働に就労させる場合、工程上分離できない業務の場合は技能実習と異なる職種や作業に従事することも認めています。しかし、そもそも技能実習制度が、六十七職種百二十四作業に厳格に限定され、それと異なる作業をさせた場合には不正行為になるという制度です。再就労において職種・作業限定が緩和されるのは問題ではないですか。
○政府参考人(吉田光市君) お答え申し上げます。 今回の建設分野におきます緊急措置は、復興事業の更なる加速を図りつつ、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けまして、一時的に増大する建設需要に的確に対応するため、緊急かつ時限的な措置として、即戦力となる外国人材を就労目的で受け入れるものでございます。 御指摘の外国人建設就労者が従事する業務については、原則として修了した技能実習の職種及び作業と同一である必要があると考えてございます。ただし、就労目的で受け入れるという本緊急措置の趣旨を踏まえまして、工事の工程により分離できない等の理由により異なる職種、作業に従事させる可能性がある場合には、その理由や安全衛生管理の方法についてあらかじめ適正監理計画の申請の際に記載させ、審査した上でこれを認めることとしたものでございます。
○福島みずほ君 日本が、あるところは労働力不足であることは認めますし、求められていることの現実は分かります。しかし、技能実習生という形で入れることが本当にいいのかというふうに思っておりまして、やっぱりこれだけの労基法違反がたくさんあるわけですし、というふうに思っております。これについてはまたこの委員会でも議論していきたいというふうに思っています。 ホワイトカラーエグゼンプションについてお聞きをします。 ホワイトカラーエグゼンプションとは何か。労働時間規制が一切ない労働者が初めて日本に誕生するということでよろしいですね。これは、労働省というか、労働法制の死ではないでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) まず第一に、ホワイトカラーエグゼンプションという言葉は使っておりませんので、是非、高度プロフェッショナル制度というお言葉でお願いをできたらと、こう思うわけでありまして、仕事の進め方とか時間配分を自ら決めて、時間ではなくて成果で評価をされる働き方という考え方で、選択ができる一つの働き方というふうにお考えをいただければと思います。 このため、割増し賃金の算定の基礎となります労働時間を把握する必要はありませんけれども、健康確保の観点から、在社時間と事業場外で働いた時間の全部を健康管理時間として客観的に把握することを使用者に求めることとしておりまして、働く方の時間の管理を行わないといった指摘は当たっていないというふうに考えておるところでございまして、さらに、こうした健康管理時間を基にいたしまして、終業時間から始業時間までの間に一定時間以上を確保させるいわゆるインターバル規制、それから在社時間等の上限規制、それから年間百四日の休日数規制のいずれかの措置を必ず講じることを使用者に求めるとともに、健康管理時間が長時間となった場合には医師による面接指導の実施を法律でもって、これは労働安全衛生法でありますが、義務付けるなどの、通常の方々に対するよりもむしろ厳しい健康確保のための措置を講ずることとしているわけでございまして、こうした措置によって、高度プロフェッショナル制度を選んだ方が健康を確保しながら、その意欲や能力を存分に発揮をしてもらうと、そういう制度設計を行ってまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 健康管理時間は労基法上の労働時間ではありません。労基法上の労働時間規制を一切なくして、健康管理時間で管理するなんてまやかしですよ。労基法上のそれは義務ではないから、これ、二十四時間働かせ法案じゃないですか。二十四時間働いても労基法違反ではない、こんな法律を成立させては駄目ですよ。 高度プロフェッショナルと言うんだったら、最も高度プロフェッショナル的な、例えばお医者さん、たくさん過労死しています。給料がやや高くても、専門職であっても、というか、むしろそういう人たちこそ過労死をしている。これは二十四時間働かせ法案で、こんなことをやったら過労死対策基本法を成立させた意味がないですよ。 もう一つ、この中に裁量労働制の規制緩和が入っていることも極めて問題です。課題解決型提案営業。でも、営業って課題解決型でありますよね。ほとんどの仕事の現場においてPDCAを行ったり、営業において課題解決や提案を行ってすることは当たり前になっております。裁量労働制、これ入れれば、対象が際限なく拡大するのではないでしょうか。対象労働者の数はどれぐらいになると考えていますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回、企画業務型裁量労働制の対象業務として追加する課題解決のための提案営業の業務は、法律によって取り扱う商品やサービスが法人全体にとって重要なものに限られていることや、それから、企画立案の業務と一体的に営業を行うものであることを定めるとともに、法律に基づいて指針が作られますけれども、ここで、店頭販売とかあるいはルートセールスとか単純な営業業務である場合などは対象業務とならないことを法律成立後の作られる指針で明示をする方針でございます。 それから、裁量的にPDCAを回す業務は、法律上、企画立案の業務を行い、かつ、これらの成果を活用するという要件を定めるとともに、法律に基づいて先ほど申し上げたような指針を作って、その中で、企画立案の業務と組み合わせるものが、個別の製造やあるいは備品などの購入とか、あるいは庶務とか経理とか、こういうような場合は対象業務とはなり得ない旨を定めることとしておりまして、こうした法律それから指針による限定によって、対象となる方々の数は相当程度絞られるということでありますので、これが際限なく広がるというようなことはないと思っておりますが、今申し上げたように、例えば、営業職というと三百四十二万とかそういうふうに言われますけれども、今申し上げたようなことで、相当この数字は絞られるというふうにお考えをいただければというふうに思います。
○委員長(丸川珠代君) 福島委員、時間が過ぎておりますので、おまとめください。
○福島みずほ君 労働法制の規制緩和を労働省はやらないでください。 以上で終わります。
○委員長(丸川珠代君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(丸川珠代君) 戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支給法の一部を改正する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。塩崎厚生労働大臣。
○国務大臣(塩崎恭久君) ただいま議題となりました戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支給法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を説明いたします。 戦没者等の遺族に対しましては、弔慰の意を表するため、これまで戦後何十周年といった特別な機会を捉え特別弔慰金を支給してきたところでありますが、本年は、戦後七十周年ということで、改めて弔慰の意を表するため、これらの方々に対し特別弔慰金を支給しようとするものであります。 その改正の内容は、戦没者等の遺族であって、同一の戦没者等に関し公務扶助料、遺族年金等の支給を受けている者がいないものに対し、特別弔慰金として額面二十五万円、五年償還の国債を五年ごとに二回支給するものであります。 なお、この法律案の施行期日は、一回目に支給する特別弔慰金については平成二十七年四月一日、二回目に支給する特別弔慰金については平成三十二年四月一日としております。 以上がこの法律案の趣旨です。 御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。
○委員長(丸川珠代君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時一分散会