決算委員会 第8号
- 発言数
- 190 件
- 登壇者
- 32 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2015/05/18
会議録
○委員長(小坂憲次君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十五日までに、西田昌司君、井上義行君、加藤敏幸君、新妻秀規君、吉川ゆうみ君、又市征治君及び井上哲士君が委員を辞任され、その補欠として磯崎仁彦君、山口和之君、足立信也君、二之湯武史君、福島みずほ君、大門実紀史君及び佐々木さやか君が選任されました。 ─────────────
○委員長(小坂憲次君) 平成二十五年度決算外二件を議題といたします。 本日は、法務省、文部科学省、経済産業省及び裁判所の決算について審査を行います。 ─────────────
○委員長(小坂憲次君) この際、お諮りいたします。 議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれも省略して、本日の会議録の末尾に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小坂憲次君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(小坂憲次君) 速記を起こしてください。 ─────────────
○委員長(小坂憲次君) これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○二之湯武史君 自由民主党の二之湯でございます。 二大臣におかれましては、今日はよろしくお願いいたします。 早速質問に入らせていただきます。 本日、私は、高等教育、特に専門職大学院についてお伺いをいたします。 当選以来、日本の高等教育、ここを一つのテーマとして活動し続けてきました。下村大臣とは何度も議論をさせていただいておりますが、改めてその問題意識をここで申し上げたいというふうに思います。 まず、マクロの観点から申し上げますと、これからの人口減少社会において、一人一人の労働生産性を向上させなければ、この日本の経済の成長を実現することはおろか、現在の経済規模さえ維持がおぼつかない、そうであれば現在の国民所得を向上させることもできないというのが一番大きな問題意識です。 御存じのとおり、日本企業の労働生産性というのは、製造業においてはアメリカ企業と比較してもそれを上回るような高い生産性を維持しているわけですけれども、サービス業、特に小売業や飲食業、また宿泊業と、こういったような分野では、アメリカ企業の水準でいうともう四〇%、三〇%という生産性しかございません。当然、所得水準も大変低い水準にとどまっているというのが事実でございます。この理由を、私は、高等教育、特に経営人材を育てる実務系の専門職大学院が我が国には大変不足しているということを感じております。地方の中小企業の経営者、また今申し上げたように観光や飲食、小売といったサービス業においてはその傾向は顕著だと思います。 また、これも大きな問題意識になりますけれども、例えばインターネット技術に代表されるように、技術で勝って戦略で負ける、若しくは技術で勝ってビジネスで負ける、技術で勝って世界の標準づくりに負けると、こういったような姿も我々は何度も目にしてきたところでございます。 科学技術力、こういうものは、企業の特許申請数ベースで見ても我が国のパナソニックが世界で一位であります、国ベースで見てもアメリカとほぼ並んで僅差で二位であるというように、非常にまだまだ競争力があるわけでございますけれども、一方で、文科系教育、いわゆる経済学部、経営学部、法学部、こういった部分の付加価値をつくる力、戦略を立てる力、課題を見付けて解決していくような力、またコミュニケーション力といったような力が高等教育段階において十分これまで認識されてこなかったのではないか、鍛錬されてこなかったのではないか、若しくはそういったことを指導できる教員も不足してきたのではないかと、こういう考え方を持っております。 また、企業と大学において大学教育に対するミスマッチというものが存在するのもこれは事実でございまして、大学は主に専門分野の知識を学生に身に付けさせたいと考えている一方で、企業の側は、その専門的な分野の知識よりも、理論に加えて実社会とのつながりを意識した教育でありますとか、チームを組んで特定の課題に取り組む、そういった課題解決力でありますとか、そういったところに大きな問題意識を持っておると。 そういう意味で、二十一世紀の時代のスピードというのは速い、既存の成功体験では対応できないような環境となっているのも事実です。グーグルのラリー・ペイジCEOやデューク大学のキャシー・デビッドソン教授によりますと、今ある仕事の七〇%がもうここ二十年でなくなるでありますとか、今年生まれた子供の六五%は今存在しない職業に就くと、こう言われている時代に、これまでの高等教育の在り方のままでいいのかと。 こういった問題意識、こういったものを持っている中で、この一年十か月、高等教育においてもテーマの一つとして頑張ってまいった次第でございますが、今申し上げた問題意識について大臣の御見解をお伺いできればと思うんですが。
○国務大臣(下村博文君) 全く認識は同じであります。 これから日本は少子高齢化の中で、できるだけ少子化対策を政府が先頭に立ってやっていくことは当然ですが、それでも人口増というのはなかなか大幅な移民政策をしない限り無理でありまして、それはまだまだ国民の理解は得られません。そうすると、一人一人の人材のある意味では潜在能力を教育によって発揮することによっていかに一人一人の生産性を高めていくかということが、これから日本経済を発展させていくためにも必要なことだと思います。 それは個々の努力ももちろん必要ですけれども、しかし、なかなか日本は家計負担率が高い中で、ましてや御指摘のような大学院に行こうとしても個人負担として行くというのはなかなか難しい話ですから、かなり国家戦略として高度な人材育成を進めていくためのバックボーンづくり、また専門職大学院においても、象牙の塔のような自己満足的なのではなくて、本当に社会に学生を輩出したときに即戦力、実践力として使えると。 それは企業側なり社会側のニーズももちろんそうですけれども、個人が大学院まで出て、専門職大学院まで出たけれどもなかなか就職が見付からないとか、あるいは適切な仕事が就けないということでは意味がありませんから、やはり大学院側も、本人の努力も必要ですけれども、いかに実社会に合った専門職大学院、高度な教育力をしっかりと戦略性を持って時代の変化に対応してやっていくかということを考えたときに、二之湯委員がおっしゃったように、我が国はまだまだその辺、産学官の連携、あるいは大学や大学院側が今学生にとって必要な教育能力とは何なのかと、それを大学や大学院側がどうきちっと養成することができるのかという適切な経営戦略なり教育研究戦略を持っていない大学、大学院もかなりあるのではないかと。 それをしっかりと時代の変化に対応したサポートをしながら、またそれぞれの大学や大学院の役割を、より社会の中で評価され、またその自覚を持ってやっていくような、そういうことについて文部科学省としてバックアップをしてまいりたいと思います。
○二之湯武史君 ありがとうございます。議論を重ねるたびに大臣との問題意識が重なっていくようで大変快感を覚えておりますけれども、これから徐々にもっと一致していくように頑張ってまいりたいなと思っております。 実は先週、我が党の方で、教育再生実行本部の私は高等教育部会というところの取りまとめをさせていただきまして、今大臣がおっしゃった一つの論点である格差の是正という部分と私が申し上げている成長戦略、二つの柱で日本の高等教育をしっかり立て直していかなきゃいけないと、そういう提言を実はさせていただいております、御覧になったかと存じますが。 今日、一つ一枚紙の資料をお配りしているんですけれども、これも文教や予算委員会では何度もお配りした資料なんですが、もう一回改めて申し上げたいんですが、私は、日本の高等教育行政の中に、大学体系ですね、大学、大学院、これは学校教育法にもしっかり明記されていますが、大学というのは学術、教育、研究の拠点であるわけでございます。一方で、これが大学がアカデミズムだとすれば、もう一つプラグマティズム、実学という体系が、恐らく欧米諸国どこを見ても二つの体系が位置付けられている、アカデミズムとプラグマティズム、教養型研究教育と実学、こういう二つの柱があります。しかし、我が国においては実学といった部分が非常に今まで弱かったと思っております。 今、大学というのは五一・五%の子が進学をし、そしてそのうちの七割以上が実際就職をしているわけですから、大学というのは今や職業人の育成機関にも求められているという実態があるわけでございます。ですので、私は、その高等教育の中にプラグマティズム、つまり職業人の育成という柱を、しっかりとその柱を立てる。特にグラデュエートレベルの専門職大学院、こういったものをきっちり立てることが日本の教育の充実並びに成長戦略に大きく寄与していくんだろうと思っております。そして、それを立てることによって高度経営人材の質と量をしっかり拡充をしていく。 そして一方で、先ほど大臣がおっしゃられたように、その出口である企業の意識変革若しくは雇用の慣行、こういったものの改革を行って、こういう専門職大学院で育成された、養成された高度な経営人材がその企業の中核となって、中途採用でも積極的にそういう方が採用されて、企業の経営力、収益力又は付加価値創造力、こういったものを高めていくことによって、日本の経済の成長、そして一人一人の国民の生産性、所得を上げていくと、こういう戦略が私は大変大事であるというふうに考えております。 宮沢大臣、この高等教育についての、経済政策との関係でいうとどんな御見解をお持ちでしょうか。
○国務大臣(宮沢洋一君) 今伺いながらちょっと考えておりましたのは、日本の企業の強みと言われておりますのは、やはりオン・ザ・ジョブ・トレーニング、OJTが大変優れていて、そして日本のまさに物づくりの基礎になっていると、こういうことがずっと言われてきたわけですけれども、ちょっと今考えておりましたのは、やはり新しい産業をまた新しく切り開いていくためには、オン・ザ・ジョブ・トレーニングですと、まさに今までやってきたことを学ぶ、それに少し改良を加えるといった程度なんだろうなと。 したがって、やはり全く新しい分野に進出する、更に大きく飛躍するというためには、やはりその企業になかったような知識を持った人材というものが入ってくることが恐らく大変大事なことなんだろうということを実は今考えておりまして、そうした意味で、委員のおっしゃる専門職大学院ということは大変今後の日本のために必要なことだろうというふうに思います。
○二之湯武史君 大臣、どうもありがとうございました。 専門職大学院という中でいいますと、例えば世界におけるビジネススクールのランキングにおきましても、上位百位のうちにエコノミストの資料では一つ、国際大学という、新潟の、あそこはもう全部英語で授業をやっておりますので、そこだけが九十六位でランキングしていると。フィナンシャル・タイムズの資料では上位百位には入っておらないと。そういう中で、そうはいいながらも、現在でも日本から数百人、数千人という単位でこういった世界中のビジネススクールに人々が学んで、そして欧米流のビジネスを学んで日本に帰ってくるわけですけれども、そういった人の流れをやっぱり我が国の中でしっかりつくり上げていくということは非常に大事なことだろうというふうに考えておる次第でございます。 先ほどお配りした資料の裏側を見ていきたいんですけれども、いわゆる専門職大学院の一覧の中で、平成十五年に専門職大学院というのが設立をされ、今現在百七十八あるわけですけれども、その中で法科大学院が七十三を占めます。いろんな問題があるようでございますが、教職大学院が二十五と。 私が今日、一覧にさせていただいたのは、いわゆる経営系の専門職大学院の一覧でございまして、こういった中でばあっと見ていきますと、今さっきの表で見せましたように、専門職大学院というのはあくまでこれプラグマティズムの体系に位置する高等教育機関なんですが、それぞれの大学、特に国立系の大学を見ていきますと、設置されているところが大体経済学研究科とか経営学研究科とか、かなりこれは既存の大学院の延長じゃないのかなと。つまり、専門職大学院という実学の体系でしっかりカリキュラムが組まれているのかな、教育が行われているのかなということを大変不安に思うわけですけれども、この平成十五年に設置された専門職大学院について、現在の評価といいますか、ちょっと漠然とした言い方なんですけれども、そういったことをお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(下村博文君) 専門職大学院については、御指摘のように、制度創設以来十年が経過をし、制度の普及、定着が図られてきたというふうに認識しております。 現在、設置形態別に見ますと、資料でもお示しいただいておりますが、国立が六十七専攻、公立が九専攻、私立が九十五専攻、株式会社立が四専攻であります。入学者数の規模の推移を見ますと、ビジネス・MOT分野におきましては増加傾向にありますが、法科大学院、会計、公共政策、知的財産分野につきましては減少傾向が見られます。また、廃止された専門職大学院は、私立が七専攻、株式会社立が一専攻であり、株式会社立から私立へ移行したものが二専攻であります。 専門職大学院は、その設置目的に照らし、教員組織その他教育研究活動の状況について五年のたびに分野別認証評価を受けることが義務付けられ、教育の質保証の仕組みが設けられております。 この認証評価の結果から見ますと、評価基準に適合しないこととして不適合の判定を受けたことがある専門職大学院はこれまで三十三校あり、設置形態別に見ますと、国立七校、これは法科が七校、それから私立が二十三校、内訳は会計が一、経営管理が一、法科が二十一、また、株式会社立は三校、内訳は会計が一、経営管理が二となっております。不適合の理由につきましては、教育課程の編成、教員編成などの点についての課題が指摘されており、不適合の判定を受けた各専門職大学院は自主的に改善を行っているところであります。 なお、実務家教員と研究者教員の連携が取れていないとの指摘を受けた場合がありまして、そのような専門職大学院におきましては、従来の理論中心の大学院ではなく、理論と実務の橋渡しを目指すというような専門職大学院の趣旨に沿った改善が必要であるというふうに認識しております。
○二之湯武史君 ありがとうございます。 今お話をお伺いしていますと、やっぱり改善の余地は十分あるんだろうなと。そして、私の問題意識を申し上げたように、大変それは潜在的には物すごい重要性を秘めているというところで、私は党の立場ですが、それを今まで以上にしっかり研究をし、これからもどんどん提言をしてまいりたいというふうに思っております。 その中で、今現場をいろいろ回らせていただいておりまして、特に、国立大学系ではなくて、私立とか株式会社立とか、そういうようなところを回っておりますといろんな面白い話が聞けます。 私は、例えばこれから成長が見込まれる分野、今回の提言にも盛り込ませていただいたんですけれども、例えば食という市場は日本だけでも今二十四兆円あると言われております。世界で言いますと、これから十年後に七百二十兆円という莫大な市場を抱えていると。観光もインバウンド二兆円含めて大体二十四兆円前後、ファッション産業も十八兆円前後、また、クールジャパンと言われるようなアニメや映画といったコンテンツビジネスであったりデザイン、こういった分野が実はこの専門職大学院は非常に層が薄いんですよね。 これだけの産業規模がありながら、今まで高等教育が余りカバーできていなかった分野、かつ、大変これから産業として成長の可能性がある分野、こういった分野に私はこういった専門職大学院というものをもっと整備をしていく、そういうインセンティブを付けていくということが大変大事だろうと思いますし、現場を回っていますと、今そういう分野のMBAは持っていないんだけれども、いずれそういうところに進出したいという意思を持っておられるところ、何校か私は確認することができました。 そういった際に問題になってくるのが、やっぱりケーススタディーのケースでありますとか、そういった教材の作成でありますとか、教員の採用基準、これはいわゆる伝統的な学問分野を設定して、そういった基準で教員を採用するでありますとか、若しくは設置基準そのものといった、例えば本当に運動場が必要なのか、そういったような部分から始まって様々な、現場と今の基準の実態の乖離みたいなのもあるのかなということを現場を回って今実感をしている次第でございまして、そういった成長がこれから見込まれる、かつ、今まで余り高等教育がカバーしてこられなかったような分野に、今申し上げたような初期の、設立段階において障害となるような分野に私は積極的に政府としての支援というものがあれば、これからまさに成長戦略として引っ張ってもらえる、そういった分野に高度経営人材を継続的に供給できる、こういう望ましい姿がつくれるのではないかと、そんなことも考えておるんですけれども、これは下村大臣お願いします。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のような分野に関する専門職大学院としては、現在、ファッションビジネス、デジタルコンテンツなどに関するものが設置されておりますが、残念ながら、食とか観光とかデザイン分野においてはまだ大学院はございません。これらの分野も含めまして、今後成長が見込まれる産業分野におきまして活躍できる高度人材を育成していく上で、専門職大学院が果たす役割は大変大きいというふうに思いますし、そうした分野における専門職大学院の充実強化は大きな課題であると考えております。 御指摘のように、例えば学校法人になるためには、学生一人当たりの校地面積とか校舎面積とか、それから体育館があるかとか運動場があるかとかいうことが基準になっていますが、柔軟な対応をするようなこともこれから考えていかないと国際社会の中で我が国だけが新規参入ができない、ハードルが高過ぎてですね、ということも今後検討をしなければならないのではないかと思います。 そういうことで、現在、中教審大学分科会大学院部会で専門職大学院制度の改善、充実方策について検討を進めております。その状況を踏まえまして取り組んでまいりたいと思います。
○二之湯武史君 是非よろしくお願いいたします。 ちなみに、例えばファッション産業、先ほど十八兆円と市場規模を申し上げたんですけれども、例えば日本の企業で、主要なアパレル企業で、今グローバルなこの御時世に、海外の売上比率が二〇%を超えているのはこれはファーストリテイリングだけなんですね、ユニクロだけなんですよ。 一方で、例えばクールジャパンでカワイイファッションとかいって、東京コレクション、神戸コレクション、ああいった形で、特に東南アジアを中心に若年層には非常にこの日本のファッションというのはブランドイメージがあるわけですね。それを今この数字ベースで見ると、必ずしも生かせていないのではないかと。 この前、あるファッション業界の関係者とお話ししていても、まさに今私が指摘したようなことをみんなおっしゃっておりました。つまり、そういった経営人材がいないんだと、世界に展開していくようなノウハウがないんだと。だから、ブランドがあるんだけれども、それをビジネスに転化できていないと。 これは先日、この前も党の方でクールジャパンの委員会があったときにも、これ音楽関係者とかアニメ関係者とかもおっしゃっておられました。アニメも、例えばフランスでジャパンエキスポってやると二十万人集まるんですね。それが今、じゃ例えば輸出額はどうかというと、もう本当に、宮沢大臣御存じのとおり、微々たるものなんですね。それはなぜかといいますと、やっぱりコンテンツの配信のビジネスモデルがないとか、知財の部分がしっかりまだまだ確保できていないとか、結局、それは経営、マネジメントのノウハウの問題につながっていくわけですね。 こういったところを私は次の成長分野として、まさに成長戦略、そういったものをここで手を打つ一つの大きな要素にこの専門職大学院というのはなり得るということを、私は現場の業界の皆さん、また意欲のある大学関係者の皆さんとお話をする中でそれは確信をしておりますので、先ほど申し上げましたように、党の立場からもしっかりそれをまとめて提言をしたいと思いますし、是非政府の方でもこれは前向きに検討していただきたいと。もう本当に、あと三分ぐらいございますので、一言ずつ、下村大臣と宮沢大臣からお伺いできればと思います。
○国務大臣(下村博文君) おっしゃるとおり、これから日本が経済成長をしていく中で大変重要な分野であると思います。そのためには、人材育成が必要ですから、専門職大学院等、これはトータルパッケージでやはり戦略的に考えていく必要があるというふうに思います。 是非、来年度の概算要求等、しっかり入れるように努力いたしますので、党の方からも応援をよろしくお願いいたします。
○国務大臣(宮沢洋一君) 経産省は成長戦略の大きな部分担っているわけでありますけれども、私は成長戦略というのは経済とか企業の質を変えるようなことだと思っておりまして、簡単に言いますと、薄利多売型から少量生産、高付加価値型の企業であり経済に変えていくと、こういうことだと思っております。 そうした意味でいいますと、コンテンツとかファッション、また日本食というものはそれぞれに付加価値の高いものでありますし、またほかの産業の付加価値を高めるものでありますので、大変大事なところだと思っておりまして、この専門職大学院につきましても、文科省とよく連携しながら実現に努めていきたいと思っております。
○二之湯武史君 どうもありがとうございました。終わります。
○堀内恒夫君 自民党の堀内恒夫でございます。どうぞよろしくお願いします。 本日は、決算委員会ということで、平成二十五年度決算検査報告で取り上げられた事業を含め、文部科学政策を中心に、今後の取組方の方向性について質問させていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 それでは、まずマルチサポート事業について伺いたいと思います。 様々なスポーツの諸外国における競技レベルは確実に上がってきていると思います。 我が国の選手がオリンピック競技大会やパラリンピック競技大会でメダルを獲得するためには何が必要であるか。競技団体が強化戦略プランに基づき戦略的、計画的強化運動を行っていくこと、これはもちろん必要なことです。そして、あわせて、国が競技団体が行う強化活動に対してスポーツ医科学や情報などを活用して多方面から質の高いサポートを行っていくことが非常に重要であると考えております。 文部科学省が行っているマルチサポート事業は二〇一二年ロンドン・オリンピックにおいて非常に効果があったと承知していますが、まず、このマルチサポート事業のこれまでの取組と効果、そして来年、二〇一六年のリオデジャネイロ・オリンピックに向けての今後の取組についてお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(久保公人君) マルチサポート事業は、オリンピック・パラリンピック競技大会においてメダル獲得が期待される競技を対象として、スポーツ医科学、情報を活用した強化合宿等でのアスリートの支援や、最先端の科学技術を生かした競技用具やトレーニング機器等の研究開発、さらに競技直前の選手やコーチ等の最善の準備を行う選手村の外の拠点であるマルチサポートハウスの設置を行うものでございます。 二〇一二年のロンドン・オリンピックにおきましては、マルチサポート事業を本格的に実施して初めて臨んだ大会でございましたけれども、過去最高の三十八個のメダルを獲得することができました。そのうち、本事業のターゲット競技において獲得したメダル数は三十五個でございました。大会終了後に文部科学省に外部有識者で構成された分析評価を行う検証チームがまとめました報告書では、国立スポーツ科学センター、JISSによる支援や、ナショナルトレーニングセンター及びこのマルチサポート事業がそれぞれの役割と連動した機能を発揮したことにより、今大会のメダル獲得、入賞につながったと評価されているところでございます。 来年のリオデジャネイロ大会は、オリンピックのみならず、初めてパラリンピックに対する支援も実施することとしております。これまでに蓄積してきた知見やノウハウ等を最大限に生かしますとともに、アスリート支援におけるフルタイムサポートスタッフの配置によるサポートの質の向上、指導者や選手と研究者の連携強化による研究開発、マルチサポートハウスにおけるコンディショニングや疲労回復などの機能の一層の向上に取り組んでいるところでございます。 今後とも、JOCやJSC等の関係機関と密接に連携協力し、効率的、効果的なサポートが実施できるよう準備してまいりたいと思っております。
○堀内恒夫君 ありがとうございました。 マルチサポート事業により様々なサポートが展開されていることが分かりました。我が国の選手がオリンピックなどでメダルを獲得するために、このマルチサポート事業は非常に重要な事業であると思います。しっかりと取り組んでいただきたいと存じます。 二〇一六年リオデジャネイロ・オリンピックの次は、いよいよ二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会が我が国において開催されます。二〇二〇年東京大会は、日本全体、オールジャパンの祭典として、我が国が活力を取り戻す弾みとなるように、また、東日本大震災からの復興の後押しとなり、復興五輪となるように是非とも成功させたいと思いますが、大会成功の鍵の一つとして日本代表選手の活躍が欠かせません。 東京大会に向けて選手強化を行うのはまずは各競技団体ですが、競技団体によっては財政が厳しく、メダル獲得に向けた十分な対応が難しい状況もあるかと思います。これまで国が相当力を入れて各競技団体を支援してきたと承知しています。今後も、支援の充実を図りながら、国としてもしっかりと戦略を持って選手強化を行うことが重要であり、選手強化の評価を行うことも必要です。 そのような中、文部科学省においては東京大会に向けて競技力を強化するために公的資金の配分の見直しを図ったと聞いておりますが、どのような対応を図ったのか、大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 今後の選手強化につきまして、資金配分も含め、メダル獲得のためのしっかりとした戦略を立てていくことが必要であると考えます。このため、今年度から競技力向上事業としてJSCに資金を一元化するとともに、戦略性を持った選手強化となるよう、PDCAサイクルを強化させることといたしました。 具体的には、文科省において、JSCやJOC、またJPC等の関係者も入ってもらった競技力向上タスクフォースを設置し、戦略性を持った基本的な強化、配分方針の作成及び事業後の全体評価を行うことといたしました。JSCとJOCなどが連携を図りながら、国の方針に基づき、競技団体への選手強化費の配分及び事業評価等を行うこととする新しい制度を構築したところでありまして、この手法によりましてPDCAサイクルを強化するということになり、従来よりも効果的な選手強化が図られるものというふうに考えております。
○堀内恒夫君 ありがとうございました。 ただいまの御答弁の中で、文部科学省にJOCやJPC等の関係者を含んだ競技力向上タスクフォースが設置されたとのことでありますが、メダル獲得に向けて関係者を交えて戦略的に協議を行っていくことは大切なことだと思います。競技団体のニーズを踏まえ、文部科学省とJOC、JPCなどがしっかり連携しながら効果的な選手強化、競技力向上を図っていただきたいと思います。 そして、選手強化、競技力強化を行っていく上でやはり必要なのは優秀な指導者です。トップスポーツの指導者は、選手個人を見極め、それぞれに合わせた指導を行い、なおかつ高度な戦術、戦略を立てる能力も求められています。スポーツ医科学に関する知識も必要となる場合もあるかもしれません。メダル獲得を期待される選手と同じように大変な重圧の中、指導力、資質能力の向上を目指して懸命に努力されていることと思います。 是非国としての十分な支援をお願いしたいと思いますが、取組についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(久保公人君) 競技力向上を図りますためには、アスリートが個々の特性に応じた専門的指導を受けられるようにすることが必要であり、優秀な指導者の確保は大変重要であると認識しております。 文部科学省では、競技団体に強化費を配分する競技力向上事業におきまして、指導者の資質向上を図るため、コーチの海外研修や各競技の専任コーチの配置などを支援いたしますとともに、コーチング・イノベーション推進事業におきまして、コーチが育成過程において必要な知識、技能を確実に習得できるよう、モデル・コア・カリキュラムの作成を進めているところでございます。 また、日本スポーツ振興センター、JSCにおきましては、日本オリンピック委員会や競技団体から推薦のありました指導者の海外研修等を支援いたしますとともに、国際的な競技水準を踏まえたコーチング、戦略、戦術の構築、スポーツ医科学を活用した強化方法の立案、指導を行うトップレベルの指導者を育成するJOCナショナルコーチアカデミーなどを支援しているところでございます。 文部科学省といたしましては、二〇二〇年東京大会も見据えつつ、我が国の競技力強化に向け、今後とも競技団体と十分に連携を図りながら、優秀な指導者の養成、確保に努めてまいりたいと考えております。
○堀内恒夫君 ありがとうございます。 選手強化と併せて、指導者の指導の資質能力の向上に向けてしっかりと支援をしていただきたいと思います。それにより、二〇二〇年東京大会の日本代表選手のすばらしい活躍につなげていただけるよう、心からお願い申し上げます。 次に、国内におけるテロ防止の観点からお伺いします。 近年、日本各地を訪れる外国人観光客は増加しており、三月の訪日外国人は百五十二万人と、一か月当たり過去最高となりました。円安の継続、ビザの発給要件緩和、消費税の免税制度の拡充などの要因があると考えますが、地域経済の活性化にも大きな影響を与えることと思います。 多くの外国人が日本に来てくれるのは喜ばしいことです。日本にはすばらしい文化や歴史が数多くあります。外国人観光客にとって治安が良く、安心して滞在できるというのも大きな魅力の一つではないでしょうか。 今、まさに過激派組織による国内におけるテロの脅威に対して万全の対策が必要になってきていると思います。二〇二〇年東京大会に向けて、ますます増えるであろう外国人観光客を円滑に受け入れながら、テロリストや国際的な犯罪組織の関係者などの入国を確実に防止するため、入国審査体制の強化が必要になると思われますが、法務大臣に取組についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(上川陽子君) 委員御指摘のとおり、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会、大変大事な節目の年ということでございまして、政府挙げて取組をしている中で、二〇二〇年には訪日外国人旅行者数を二千万人を達成しようと、こういう目標で取り組んでいるところでございます。観光客のみならず、外国人入国者数、昨年約一千四百十五万人ということでございまして、こちらにつきましても過去最高になっているということでございます。 法務省といたしましても、この入国審査におきましては、問題のない外国人の方々に対しては可能な限り円滑な入国審査を行い、外国との間で風通しよく人が往来できるようにするということ、しかし一方、テロリストを始めとする問題のある外国人の方々に対しましては厳格な入国審査を実施するということによりまして、水際で様々な問題を阻止しようということで、とりわけ治安の維持、また国民の安全、安心の確保に努めることが極めて大事だというふうに考えているところでございます。 円滑かつ厳格な対応が入国審査の使命ということでございまして、そのための人的体制の整備におきましては入国審査官の増員を継続してお認めいただいているところでございますが、さらに今年度からは、オリンピックの開催される二〇二〇年までの五年間の入国審査官を約八百人から一千百人の増員が必要であると、こうした試算に基づきまして計画的、段階的に整備を進めることといたしており、今年度におきましては入国審査官二百二名の増員がお認めいただいたところでもございます。 今後も適切に、出入国管理の体制につきましては二〇二〇年までに万全を期してまいりたいというふうに考えております。
○堀内恒夫君 ありがとうございます。水際対策、本当に必要だと思います。厳格に行っていただきたいと思います。 次に、奨学金貸与事業についてお伺いいたします。 私は、夢は大きく、目標は高く、常にそれに向かい続けること、そしてその気持ちを忘れないことという信念があります。全ての子供たちが夢を持ち、高い目標を掲げ、それに向かって頑張ってほしい、そして我々大人がそのための環境を整備し、全ての子供たちに提供する、このことが重要だと考えております。 下村大臣も所信の中で、子供たちの未来がいわゆる貧困の連鎖によって閉ざされることがあってはならない、そして、そのためにあらゆる教育段階で教育費の負担削減を目指すとおっしゃっていました。中でも奨学金については、下村大臣は御自身がお受けになられた御経験があり、奨学金の重要性をよく御承知されているかと思いますが、具体的にどのような取組を進め、子供たちが安心して学ぶことのできる環境をつくっていくのか、大臣の考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘いただきましたように、私は、高校、大学と二つの奨学金を貸与することができ、進学できたと思っております。 家庭の経済状況にかかわらず、意欲と能力のある全ての若者が質の高い教育を受け、一人一人の能力、可能性を最大限伸ばし、それぞれの夢にチャレンジできる社会を実現する、そのことは経済的負担の軽減が極めて重要なことであるというふうに思います。 このため、平成二十七年度予算におきましても、大学等奨学金事業におけるまず有利子から無利子への流れを加速し、無利子奨学金の貸与人員の増員を行うなど、安心して大学等に進学できる環境の整備に努めているところであります。加えて、将来の奨学金の返還に伴う負担を懸念する余り奨学金を借りることをちゅうちょしないよう、返還月額が卒業後の所得に連動するよう、より柔軟な所得連動返還型奨学金制度の導入に向けた詳細な制度設計を進めているところであります。これは、オーストラリアが大学進学率が九六%というのは、この所得連動返還型奨学金制度に負うところも大変大きいというふうに考えております。 また、給付型奨学金でありますが、将来的な導入を目指し検討を進めているところでありますが、まずは、先ほどのような有利子から無利子、それから所得連動返還型奨学金制度、こういう施策の充実を図りまして、家庭の経済状況のために進学を断念することのないよう、今後とも学生等への経済的支援の充実に努めてまいりたいと考えております。
○堀内恒夫君 ありがとうございます。 将来を担う子供たちが安心して学ぶ環境の整備が必要だということは与野党を問わず皆さんが同じ考えだと思います。是非、スピード感を持って取り組んでいただきたいと思います。 それでは次に、科学技術関係の質問をさせていただきます。 我が国は世界的に見ても非常に速いスピードで高齢化が進んでいます。そういった中、スポーツの推進、生涯スポーツ社会の実現を目指すことは病気を予防することにもつながり、国民の健康や社会保険制度全体に貢献するものだと思います。 一方で、残念ながら、現在の医療でもまだまだ治療の難しい疾患、難病が数多く存在することも事実であります。難病に苦しんでいる多くの方々が一刻も早く治療を受けられるよう、健康・医療分野の研究、特にノーベル医学・生理学賞を受賞された山中伸弥教授の開発したiPS細胞などを活用した再生医療分野の研究を重点的に進めることが重要ではないかと思います。 健康・医療分野の研究開発の強化についてお伺いしたいと存じます。
○政府参考人(常盤豊君) お答え申し上げます。 健康・医療分野の研究開発につきましては、健康長寿社会の実現に向けて国民の健康で豊かな生活に貢献するということとともに、産業分野から見ましても成長戦略等に寄与する大変重要な取組であると認識をしております。文部科学省といたしましても積極的に取り組んでいるところでございます。 特にiPS細胞等を用いた再生医療分野の研究につきましては、十年間で千百億円規模の集中的な支援を実施することといたしております。御指摘ございました京都大学の山中伸弥教授がセンター長を務めますiPS細胞研究所を中核拠点といたしまして全国的な研究ネットワークを構築するなど、いち早い実用化に向けた支援を行っているところでございます。 その成果といたしまして、昨年九月でございますが、目の難病でございます加齢黄斑変性という病気がございますが、この加齢黄斑変性の患者さんに対しまして世界で初めてiPS細胞から作成をした網膜の移植手術が行われるなどの取組が進められているところでございます。 文部科学省といたしましても、引き続き、関係省庁と連携しながら、再生医療を始めとする健康・医療分野の研究開発を積極的に推進してまいりたいと考えております。
○堀内恒夫君 ありがとうございました。 我が国は世界のトップレベルの平均寿命を誇りますが、厚生労働省によれば、健康寿命との差は約十年になっているそうです。この差を少しでも小さくしていくためには健康・医療分野の研究開発の強化が必要不可欠だと思いますので、引き続きしっかりと取り組んでいただきたいと思います。 次に、東日本大震災から四年の歳月が流れ、集中復興期間五年目となります。安倍内閣は、福島の再生なくして日本の再生はあり得ないという大前提に立って、福島を始めとする被災地域の復興に力を注いでおられると理解しています。特に福島の再生について申し上げれば、やはり福島第一原子力発電所の廃炉問題は避けて通れない問題です。大事故を起こした原子炉を廃止するという、これまで我が国はもちろん世界が経験したことのない作業は東京電力のみに任せていては完遂できないのではないかと思います。とにかく、国が前面に立って被災地に寄り添って進めていくことが重要だと思いますが、やはり技術的にも非常に難しい問題であることから、科学技術を担当している文部科学省としてしっかりと協力、貢献していただくことが必要不可欠だと考えます。 文部科学省では、大臣自らが先頭に立って廃炉研究の加速プランを打ち出され、四月には日本原子力研究開発機構に廃炉国際共同研究センターが設置されたと伺いました。この廃炉国際共同研究センターを中心に、福島第一原子力発電所の廃炉に向けて現地福島での活動も含め今後どのような取組を行っていくのか、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘いただきましたように、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉を円滑に進めることは福島の復興再生に向けて極めて重要でありまして、これは国が前面に立って取り組んでいるところであります。 昨年五月に福島を視察し、科学技術を所管する文科省として、国内外の英知を結集し安全かつ確実に廃炉を実施するための研究開発と人材育成を行い、廃炉の実施主体であります東京電力に技術、そして人材を提供することが必要不可欠であるとの思いを強くいたしました。 このため、昨年六月に、私のイニシアチブで、東京電力株式会社福島第一原子力発電所の廃止措置等研究開発の加速プラン、これを取りまとめて公表したところでございます。廃炉国際共同研究センターは、その加速プランに基づきまして、先月、日本原子力研究開発機構に設置されたものでございます。四月二十日の開所式には私も出席をいたし、困難な研究開発に取り組む研究者の皆様方に私の思い、直接話もさせていただきました。 このセンターにおきましては、原子炉内の状況把握手法の開発、それから燃料デブリの性状評価等の廃炉研究、それから産学連携講座の設置など、大学等と協力した中長期的な人材育成に取り組んでいるところでもございます。さらに、国内外の英知を結集するため、アメリカ、イギリス、フランス等の諸外国から海外研究者の招聘や国際的な共同研究の実施も進めているところであり、開所式にもそれぞれ出ていただきました。また、福島県内にこのセンターの国際共同研究棟を再来年の四月には設置をし、一層の強化も図る予定にしております。 文科省としては、本センターを中心に、世界をリードするような成果を上げまして、福島第一原子力発電所の廃炉そのものに貢献するとともに、その成果を国際的な公共の財産として世界に向けて発信してまいりたいと考えております。
○堀内恒夫君 下村大臣、本当にありがとうございます。 廃炉は大変困難な作業ですが、そのための技術の確立は原発事故を起こした我が国の責務だと思います。その観点からは、御答弁にもありました国際的な研究協力の拠点の開発などは非常に重要な一歩ではないかと思います。 引き続き、大臣のリーダーシップの下、廃炉の実現に向けた取組を強く進めていただくようお願い申し上げまして、私の質問は以上で終わらせていただきます。 ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(小坂憲次君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、二之湯武史君が委員を辞任され、その補欠として吉川ゆうみ君が選任されました。 ─────────────
○斎藤嘉隆君 民主党の斎藤嘉隆でございます。今日はどうぞよろしくお願いをいたします。 まず、今日、文化庁の関係で少しお伺いをしたいというふうに思います。 私が個人的に大変好きな番組がありまして、大臣、副大臣は見られるかどうか分かりませんけれども、俗にお宝と言われるような骨とう品なんかを視聴者の方が持ち込んで、その値段を専門家の方が鑑定をして、それを喜んだり悲しがったりするという例の番組でありますけれども、よく録画して見るんです。時々、この番組なんかを見ていても、親とかもっと遠い先祖が残した様々なこういう物品が、本人が思いもよらないような歴史的な価値のあるもので、大変な高値が付いて、本人自身がもう誰よりも驚くというようなケースが多々あるわけであります。 こういうように、古い美術品なんかは多くの方がその価値を知らずに持っている。ひょっとしたら、我が家にはないと思いますけれども、ここにいらっしゃる方の御自宅にも実は眠っていて、大変な価値のある、それも国として非常に大きな価値を有する、そのようなものもあるやもしれません。 そこで、ちょっと資料の方をお配りをさせていただきました。新聞記事で大変恐縮なんでありますけれども、このような今年一月に朝日新聞で記事の方が出ています。実はほかの商業紙でも同様の記事が当時出たんでありますけれども、国宝とか国の重要文化財、これ大体現在一万件あるということでありますけれども、実はこのうち、分かっているだけで百八十件が現在所在不明だということであります。国宝についても、そこにありますように、刀剣でありますが、三点がもう既にどこに行ってしまっているかよく分からないということであります。 国宝がどこに行っているか分からない、こういうことでありますけれども、これ商業紙ベースのことでありますので詳細がちょっと分かりかねます。今回のこの調査に至った背景ですとか、あるいは最新の調査の状況をお知らせをいただければ有り難いと思います。
○副大臣(藤井基之君) 斎藤先生から御指摘をいただきました文化財の問題でございます。 本年一月の二十一日に公表しました調査結果、これは文化庁の方で調査した結果を発表させていただいたものでございますが、これの経緯というか、一つには、かつて国内のこういった文化財が盗難に遭うというような事件があったことがございまして、そのとき、同じように、実態がどうなっているのか、ちゃんと管理すべきではないかという御指摘ございまして、それを受けて文化庁の方で調査をさせていただいた結果を今年の一月に発表させていただいたものでございます。 以上です。
○斎藤嘉隆君 藤井先生にもう少し詳しくお聞きをしたいというふうに思いますけれど、個人が所有をするこのような美術品、一定の価値のある重要文化財などの美術品については、その保存というのは法令上どのようになっているんでしょうか。
○副大臣(藤井基之君) 先生御存じのとおりでございますけれど、いわゆるこういった重要な文化財というものにつきましては国が法律において指定をしておりますが、その所有者は、個人のケースもございますけれど、実は個人の方は少のうございまして、多くの場合はそのほかの、寺社でありますとか法人の方がお持ちの方が多うございます。これらにつきましては、私どもとしましても、今までもずっとこの法律に基づきましてその管理をお願いをしているわけでございますが、それらにつきましては一応原則として個人がその管理をしていただくという形で動いてきたものでございます。 その後、これ長い歴史がございまして、途中でなくなったり、あるいはいろんな事情で所在が分からなくなったものがあって、先ほど申し上げた盗難等もありまして、そういったことをさせていただいたと。 今回、先生言われたように、この一月の私どもの調査結果によると、現在このような美術工芸品の国の指定した文化財というのはもう一万件を超えているわけでございますが、そのうちのこの調査結果では百八十件が実は所在不明であることが判明したところでございます。 これにつきまして、私どもとしましては、二十六年、昨年の七月に第一次の調査をさせていただきました。そうしたところ、そのときは追加確認をしなきゃいけないものというのが実は二百三十八件出てまいりまして、それについて今回、再度の追跡調査をした結果、所在が確認できたものは一万件を超えたんですが、実は所在不明と判明したものが百八十件出たということでございます。 これらにつきましては、私どもとしましては、所有者に直接の連絡をさせていただいて、その所在情報の確認とか、あるいは今後の管理に対する注意を喚起させていただくとか、あるいは都道府県の教育委員会を通じて定期的な所在調査の実施を行うなどの、そういったいろんな再発の防止といいましょうか、それに対する対応を取らせていただきたいと思っておりますが、加えまして、例えば防災とか防火の設備の設置の促進をさせていただくとか、あるいは地域における、あるいは所有者に対しましても、文化財を守っていただくという、そして継承していただくという、そういった機運の醸成をしなければならないと考えております。 文科省としてそのような取組を進めていきたいと思いますが、是非先生にもまた御指導いただきたいと思います。
○斎藤嘉隆君 ありがとうございました。 所有者は、今副大臣のお話にもありましたように大変多岐にわたっておりまして、もちろん個人の方もいますし、多いのはやっぱり自治体ですとか神社仏閣ですね、あと、それと学校法人などの法人、財団法人等々も含めて、こういう法人格持っているところが非常に所有をしているわけでありますけれども、私、個人所有のものがとにかく心配でございまして、所有者が亡くなると、通常は法令上、所有者の移転というのは届出をしていただく、こういったことが必要になってくるのでありますけれども、受け継いだ方がその価値が分からないと、それが国宝であるのか重要文化財であるのか分からないわけですから、当然そこで届出が必要なことも分からない。そのうち、どこにしまったかも分からないし、知らない間に紛失をしていたり、あるいは売却をしている。売却をした先でそれが、その価値が理解できればいいんですが、必ずしもそうでないと。こういうことですので。 私、今回の調査で百八十件の不明のものが出ている、このことは理解をしましたけれども、これ以上個人所有のものがなくならない、紛失をしないと、こういう措置を是非文化庁としてしていただきたいということであります。簡単に言えば、定期的にチェックをする、こういったことが必要ではないかなというふうに思いますけれども、何かこの先の対応でお考えのことはあるんでしょうか。
○副大臣(藤井基之君) 斎藤先生が御指摘のように、非常にこの対応策というのは多岐にわたるというふうに私ども考えておりまして、文科省におきましても、どういう対応を取るかという幅広い今検討をさせていただいております。 例えば、先生が最初にお宝の評価する番組のお話がございましたけど、確かに、実際の価値がどうかというようなことについて申し上げますと、例えばインターネットなどを通じますオークションのような、そういった対応を取られるということになりますと、これはひょっとするとこのような貴重な文化財があるいは海外に転出してしまう、出てしまうようなことも恐れなければいけないんだろうと思っておりまして、先ほど申し上げましたような、実際の所有者に対する連絡等の確認に加えまして、私どもとしては、例えばインターネットにおけるそういったことまで状況を把握できるような施策を広げて対応していきたいというふうに考えております。
○斎藤嘉隆君 是非、これは所有者を守るための措置でもあると思います。文化財ですから、修理が必要な状況になったら一定の税の負担も含めて修理ができるということでありますので、そういったことを個人の所有者に関しては、今もお話がありましたけれども、定期的にチェックをするようなシステムを是非つくっていただきたいというふうに思います。 それからもう一個。最近では、もう一枚、これも新聞で恐縮でありますけれども、文化財に、いたずらだと思うんですけれども、いろんな液体を掛けたり、あるいは文化財そのものを、盗難に遭ってそれが実は海外で見付かるとか、そういったこともあります。諸外国では今、日本の美術品というのが大変な人気で、人気というのは要するに高値で取引をされるということだろうと思いますが、神社仏閣などから盗難されるというケースもよくあります。 〔委員長退席、理事赤石清美君着席〕 私、この油染みみたいなこういういたずら被害も含めて、これ役所として防犯の通知を先般出されたようでありますけれども、これだけで本当にこういった被害、十分防げるのかなというふうに思います。やはり何らかの文化庁としてもきちんとした予算の措置をして、こういう重要な国の宝である文化財をきちんと守るということにもう少し力を政府全体として入れていくべきではないでしょうか。 この点についてのコメントをお願いします。
○副大臣(藤井基之君) 先生が御指摘のように、本年、ちょうど二月頃からでしょうか、相次いでそういった国宝とか重要文化財に指定されている建造物でありますとか美術工芸品等に液体、油のようなものがまかれる事態が発生いたしました。大変遺憾なことだと思っております。 現在、本件につきましては警察が文化財保護法違反等の疑いで捜査を行っているさなかでございます。現時点におきましては、残念ながらまだ犯人が捕まっておりません。捜査の進展を期待しているところでございます。 今先生から御指摘ありましたように、じゃ、文化庁どうしているんだという話でございますが、今御指摘ありましたように、まず、文化庁としましては、この情報に対しまして、四月の八日に取りあえず全国に対して通知を発出いたしまして、文化財の防犯体制の徹底でありますとか連絡体制の強化を図るように周知いたしました。それに続きまして、同月の四月の三十日には具体的な、例えば見回りといいましょうか、その徹底でありますとか、拝観者等への顔を見ての御挨拶をしてもらうとか、監視体制を確保する等、具体的な留意点を盛り込んだ資料を文化財所有者に配布するように各教育委員会に依頼をさせていただきました。 文化財の防犯設備の不十分と考えられている場合、あるいは大きな損傷につきましては、これについては当然のことながら必要に応じて補助事業による対応を検討することといたしております。 引き続きまして、警察庁とも連絡し、文化財の防犯対策を徹底してまいりたいと考えます。
○斎藤嘉隆君 是非、早く対応しないとどんどん紛失が進んでいくということであろうかと思いますので、早期の対応をお願いをしたいというふうに思います。 続いて、資料三の方をちょっと御覧をいただきたいと思います。 学校の教職員などの定数の問題について少し議論をさせていただきたいと思います。 先日、先週だったと思いますけれども、商業紙に、これは財政審だと思います、財務省の財政審の審議の内容ということで、教職員定数を十年で四万人減らすという方向性がかなり大きく各紙報道をされました。 結構、現場では割と大きく動揺が広がっておりまして、単純に四万人十年で減らす、年間四千人減らすということですので、非常に大きな受け止め方をされているんでありますけれども、これ、ちょっと分かりづらいんですね。何をベースに四万人減らすというふうに報道、またこの財政審の議論の中でされているのか。そもそも教職員定数というのは、子供の数が減っていきますから、何もしなくても、定数増も定数減もしなくても学級が減った分だけ減っていくということになろうかと思いますが、この辺りの関係を少し大臣から御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘の財政審におけるこの財務省の試算は、今後の児童生徒数の減少に沿って機械的に教職員定数を削減すれば四万二千人削減できるというものでありまして、これは、学校現場を取り巻く課題が更に複雑化、困難化し、また世界で一番日本の教員が多忙化していると、そういう実態に沿っていないものであるというふうに考えております。 文科省としては、かつてよりも更に、いじめ対応やまた特別支援教育、あるいは貧困による教育格差の解消、学校が対応しなければならない教育課題はむしろ大幅に増加していると。特に、現場の課題に対応するためには加配教員を増やさなければいけないのに、これを削減するということになりますと、学校の教育力の低下に直結するものであるというふうに考えております。 また、グローバル社会に対応する主体的、協働的な学びのためのアクティブラーニングを実施するための指導体制の充実が必要であり、そのためには、一クラス四十人の中でアクティブラーニングができるわけではなくて、大体その半分ぐらい、二十人ぐらいに分けなければできない、そうすると、単純に言えば教員の数も倍必要だということにもなってくるわけであります。 そういう意味で、財政審の計算というのはまさに机上における計算であって、今の現場が、かつての学校と今とで、それからこれから二十年、三十年のときどうなるのかということを実態をよく把握しない、まさに仮の計算ということであるというふうに考えておりますので、これはもう到底認めることはできません。むしろ、定数の改善が子供たちのために必要なことであるというふうに考えております。
○斎藤嘉隆君 全く大臣のおっしゃるとおりだと、僕も認識は共有をしたいと思います。 ただ、僕は今回の報道を見て、事実ではないと思いますけれども、このことによって、年間ですよ、年間七百八十億円のいわゆる財政効果がある、抑制効果があるということなんですね。単純に、じゃ、八千億円という、そのとおり、額面どおり受け止めれば八千億円、十年間で、自然減にちょっと上乗せして教員を減じていって八千億円も財政効果があるならば、これは僕らも今の立場で、国のいろんな財政状況を鑑みて、これはやっぱり検討もそれはしなきゃいけないというふうに思うんです。 ただ、それは本当にそうなのかということを今日はちょっと是非確認をさせていただきたいと思うんですね。今回の、いわゆる自然に減っていく分はもう抜きにしてです、自然に減っていく分は抜きにして、更に加配を深掘りして減らしていく、恐らく四千人ほどだと思いますけれども、このことによって、一体この定数削減によって国庫にはどれぐらいの支出の抑制効果があるのか、資料をお持ちかどうか分かりませんけれども、ちょっとこの辺りをお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 今御指摘の点はちょっと手元には資料はございません。そもそも、詳しく調べてまた御報告させていただきたいと思いますが、我々としてはやっぱり非現実的なそれは机上の空論だと思うんですね。 確かに、今、行財政改革をしなければならないという中で、文部科学省の主要な分野として、義務教育国庫負担の部分の教員部分というのは、額としては相当な文部科学省の中では額を占めますから、それを子供の数に合わせて単純に減らしていくということは、一番削減対象としては大幅に削減できるターゲットになりますが、しかしそれが本当にトータル的に日本にとってプラスなのかどうかということを考えると、今は教育というのもある意味では広い意味で社会保障制度だと思うんですね。 これは、アメリカにおけるペリー就学前計画というのがあり、幼児教育のときにきちっとした教育をしたグループとしないグループで、その結果、大人になったときにどれぐらい違うかということを四十年にわたって調査した学術研究がありますが、たかだかでありますが、就学前で三年間ちゃんと教育をしたかしないかによって、その後の犯罪率とか持家率とか、もちろん所得とか、かなりの違いが出ているんです、生活保護率も含めてですね。 ですから、大人になって受ける社会保障の総額と、それから子供のときに教育として受けるときの総額を考えたら、より少ないコストで、将来派生を受けないことによって社会保障を受けるかもしれないそれの随分小さな額で受けなくて済むというようなことが、これはもう学問的にも研究されているわけであります。ですから、単純比例でそのまま認めるというような数字ではなくて、逆に、しっかりとした教育の中で今まで以上に公財政支出なり教員の確保をすることによって大人になったときの社会保障の削減にもつながると。 そういう視点に、財務省は単年度予算ですから二十年、三十年先のそのときのあるべき国の形での財政がどうなっているかということを考えないで試算しているのではないかと思いますが、そういう視点を是非財務省は持ってもらいたいと思いますし、我々はそういう資料を作って、今後、財務省にも丁寧に説明してまいりたいと思います。
○斎藤嘉隆君 これはまた委員会で、財務省に来ていただいてちょっと確認をしたいと思います。 私の知る限り、本当にそんな財務省さんがおっしゃるような大きな財政的な効果があるのであれば、これはちょっといろいろ考えなきゃいけないなとも思ったんですけれども、私がこの間出た資料を見て、中身をずっと見る限り、十年間で今のお話で四万人ほど人を減らしていくということでありますし、それから自然減を上回る四千人の定数削減、これ実は国庫の負担は十年間で九十一億円なんですね。九十一億円です。年間九億円なんですよ。 この年間九億円のお金を生み出すために、こういうような資料が出されて財政審の場で議論されているということなので、是非これは、ちょっと私、本当になぜこのことにこんなにこだわって、こんな僅か、僅かばかりのと言うと大変恐縮でありますけれども、今大臣がおっしゃったような様々な教育的な効果を全て無視をした上で、現場の状況も無視をした上で、こういう机上の空論で人を減らしていくということをするのか。 重ね重ねになりますけれども、本当に大きな何兆円もの抑制効果があるのであれば、それはもう僕も考えていかなきゃいけないと思います、正直に申し上げて。ただ、実はそれに見合うような財政抑制効果は、私はほぼないと思います。自然減の部分も含めても、恐らく年間で八十億とか、そういった金額になるのではないかなというふうに思いますので。文科省が今計画を立てて去年の概算要求で出した定数増計画そのまま実現していったって、十年目のところで国費として余分に必要なのは多分今の七百八十億円ぐらいだということでありますので、このことはもう是非今度委員会で、今日財務省の方いらっしゃると思うんで、また数字も出して、僕が言っていることが間違っているのであれば是非お出しをいただきたいというふうに思います。 それから、今日はもう一点、ちょっと別の論点でお話をしたいと思いますが、少子化がどんどん進んでいて、そんな中で文科省さんが、先般、六十年ぶりに統廃合の目安となる手引を通知をされました。内容は、これまで以上に簡単に言えば統廃合に関して柔軟な姿勢を示したということであります、小中学校のです。通学区域も、小中学生で交通機関などを利用して一時間以内ということで、かなり広くなって、自治体もストレートにこの通知、手引を受ければ統廃合をちょっと促すというようなことにもなるのかなというふうにも思います。 財政の論理だけでいえば、学校も少ない方がいいんです。教員もある程度抑制ができるというふうに思いますし、運営予算も減ります。メンテナンスの費用も減ります。こういったものは自治体の負担ですから、自治体にとっては非常にメリットが大きいということであります。それが恐らく自治体の本音だろうというふうに思いますけれども、ただ、それだけでは測れない、地域の学校というか、おらが村の学校という、僕は学校というのはそういう役割、価値があるんじゃないかなというのが一個。それから、防災の拠点とか地域コミュニティーの拠点もそうですけれども、そういう価値も僕は学校にはあると思っていて、地方創生をうたっている割にですよ、こうやって学校の統廃合を、促しているわけではないと思いますが、財政の論理でこういうふうにその基準を緩和をするということは若干矛盾するような点があるんではないかなというふうに思います。 もう一点、これはもう大臣の御専門でありますが、学校教育法が今審議をされ、参議院ではまだされていませんけれども、この後審議をされていって、小中一貫校がいわゆる一条学校として位置付けられてきます。これは、ある意味で小学校と中学校、縦の学校を統廃合するという、こういう考え方にも基づくものではないかというふうに思いますが、この学校の統廃合と決算委員会ですので財政、その軽重というか、この辺りの御認識を、大臣のお考えをちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 今後、少子化の更なる進展による学校の小規模化に伴いまして、児童生徒が集団の中で切磋琢磨しながら学んだり、また社会性を高めたりするのが難しくなるなどの課題の顕在化が懸念されておりまして、教育的な視点からこうした課題の解決を図っていくことは必要であると考えます。 〔理事赤石清美君退席、委員長着席〕 このような学校の小規模化に伴う課題への対応に際しましては、各自治体におきまして、学校が防災機能も含めて地域コミュニティーの核としての性格を有することを踏まえ、保護者や地域住民と教育上の課題や町づくりも含めた将来ビジョンを共有し、十分な理解と協力を得ながら進めていくべきものであるというふうに考えます。ですから、自動的に人数が少ないから統廃合するということではなくて、やっぱりその学校の置かれている地域性、これを十分に考えていく必要があるのではないかと思います。 文科省としては、昨年末に閣議決定されましたまち・ひと・しごと創生総合戦略に基づきまして、このような視点から、地域コミュニティーの核としての学校の役割を重視しつつ、活力ある学校づくりを実現できるよう、市町村が、例えば学校統合を検討する場合とか、また小規模校の存続を選択する場合とか、あるいは休校した学校を再開する場合、これのいずれかを選択しても、その主体的な検討や具体的な取組、これをそれぞれきめ細やかに支援することによって、最終的にはそれぞれの地方自治体が判断するという視点からサポートしてまいりたいと思います。
○斎藤嘉隆君 是非、これはまた法案の審議の折にちょっと詳しくいろいろやり取りをさせていただきたいというふうに思います。 学校施設の話でいいますと、もう一点、耐震化の問題があろうかと思います。耐震化はほぼ完了に近づきつつある、公立小中学校については、ということであります。私立学校についても段階的に進んでいるということでありますが、この完了目標というか、公立のですね、それから、私立については現在どのような耐震化工事完成に向けての支援をされているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、公立学校施設につきましては、今年中の耐震完了、これを目指して取り組んでおります。今年度の予算による事業の実施の後、全国の公立小中学校の耐震化は、学校の統廃合や震災の影響など各地方公共団体の個別事情により耐震化が遅れるものは除きますと、おおむね完了するという見込みでございます。また、幼稚園と高等学校につきましては、小中学校よりも耐震化率が低い状況でありますが、約九〇%ぐらいです。毎年度着実に取組が進められてきておりますので、これも着実に進めてまいりたいと思います。 また、私立学校の施設については、これも公立学校と同様に耐震化の早期完了はやはり喫緊の課題である、子供にとっては私学であろうが公立であろうが生徒としては同じという視点を持つ必要があると思います。そのため、平成二十六年度から耐震改築事業の制度を創設したほか、補助要件の緩和や長期低利融資制度の創設など集中的に支援強化を図っているところでありまして、平成二十七年度予算による事業の実施後には私立学校の耐震化率は約八七%となる見込みであります。 文科省としては、学校施設の耐震化の完了を目指して、学校設置者からの要望を踏まえつつ、引き続き必要な支援を行ってまいります。
○斎藤嘉隆君 是非進めていただきたいとお願いをしつつ、ちょっと矛盾をしたことを今から申し上げますが、実は各自治体で深刻な問題となっているので、是非大臣にはそういう問題があることを御認識をいただきたいと思います。 地元の自治体に伺って学校施設の話をいろいろしますと、今年は実は大変なことが起きていまして、耐震化を今のお話で完了に向けて優先を今していく中で、それを優先するが余り、実はもう既に計画をしている例えば空調設備の導入とか老朽化の対策とかトイレの改築とか、こういったもの、自治体は予算組んで用意しているわけですよ。あとは国の補助を得てやるばかりと、もう議会も通って。そういう状況の中であるにもかかわらず、今年はそうした予算が全く付かないと。全く付かない、ゼロ回答であるということで、もう本当に自治体は困っている。 ただ、子供たちとか地域の住民に約束をしたこともあるものですから、自治体も仕方ないので全額自分のところの予算でそういった対応をしたりしているということであったり、あるいは事業そのものを先送りしている。ある学校は去年空調設備が付いた、隣の学校は今年やる予定だったけれども、予算も自治体としては付いているんだけど、国の予算が下りないので、この隣の学校の子供たちは今年は駄目です、工事できませんと、こういったことが現実に起きているわけです。 これ、来年度の予算、それから今年度の補正予算とか、そういったものでの対応もいろいろ考えていらっしゃると思いますが、こういうちょっと教育環境の格差が生まれてしまっている状況があるような自治体については、是非しっかりした対応をしていただきたいと思います。 最後の質問でありますので、これが、もし何かつかんでいる状況があればお願いをいたします。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘の御要望は私のところにもたくさん来ております。 それは、御指摘のように、平成二十七年度の公立学校施設整備事業につきましては地方公共団体の要望が予算を大きく上回る状況でありますけれども、まずは子供たちの安全、安心を確保するための耐震化事業を中心に緊急性の高い事業を優先する必要があるということから、この結果、地方公共団体から要望がありました事業でも、耐震化以外の御指摘の空調の設置やトイレの改修等の事業については、採択は極めて困難な見込みがございます。 文科省としては、子供たちの教育環境の改善を推進する観点から、空調設置等も含めまして、地方公共団体からの要望にできる限り応えていきたいと考えておりまして、具体的な要望を踏まえつつ、必要な支援に努めてまいりたいと思います。 必要な支援について具体的に申し上げれば、実際、二十七年度の予算の執行に際して、入札減とか事業取りやめ等による執行減を活用し、そして採択できなかった事業を採択する等の財政支援が、これができる部分もございます。それから、これは二十八年度概算要求になってしまいますが、ここで地方の要望を踏まえた要求を行うべくしっかり検討してまいりたいと思います。
○斎藤嘉隆君 終わります。ありがとうございました。
○安井美沙子君 民主党・新緑風会の安井美沙子でございます。 今日は、エネルギー問題について経産省にお伺いをいたします。 先月の末にエネルギーミックスに関する政府の素案がようやく明らかになりました。福島で原発事故が起きて日本のエネルギー政策を根本から見直さなくてはならなくなってから、はや四年がたちました。日本の目指す方向が分からなくては事業者は投資判断ができないので、エネルギーミックスを早く示すように私も政府に再三催促をしてまいりましたが、なかなか出てこず、参院選、総選挙、統一地方選と一連の選挙が終わった途端に出てきたのは、まるでエネルギー問題を選挙の争点からあえて外すためだったのではないかという印象すら否めないわけです。 ただ、ようやく出てきましたので、これを足掛かりにエネルギー政策を検証していかなくてはいけないというふうに思っています。 今日は、関連事項について幾つか質問させていただきます。 まず、太陽光発電の接続回答保留問題についてお伺いをいたします。これ、昨年の九月末から始まった問題ですけれども、今やなかなかこれ、その後の状況について報道されることもありませんし、一般の皆様の脳裏からは消え去ってしまっているかもしれません。だから問題だと思うわけですけれども。 当時、九州電力など全国五つの電力会社が太陽光発電の接続回答を一時保留しました。これは、発電事業者からの接続申請が受入れ容量を上回ってしまったからです。これによって、太陽光発電事業への参入を計画し、国の設備認定を受け、電力会社に接続を申請した事業者とか、あるいは自宅で太陽光発電を行うことを前提に家を建てようとした人やそのハウスメーカー、こういった人たち、先行きが見えなくなりまして大混乱が生じました。 私は、政府の対応がこれに対して極めてお粗末だったことの最大の原因は、最初に申し上げましたエネルギーミックスや再生エネルギーに対する方針が明確でなかったことだと考えております。 民主党は、この事件が再生可能エネルギーの導入拡大のつまずきになってはいけないと考えまして、政府に迅速な対応を求めました。経産省は、新エネルギー小委員会の下に系統ワーキンググループを立ち上げて対処に当たり、十二月中旬に運用見直し案を提示し、パブリックコメントを経て省令改正などを行ったというふうに理解をしています。 事態が発生してから八か月になるわけですけれども、新ルールの下で現状はどのような状況になっているんでしょうか、また接続回答を保留された事業者たちはどういう状況に置かれているんでしょうか。
○国務大臣(宮沢洋一君) 固定価格買取り制度というのは、これは民主党政権時代に導入された制度でありますけれども、再生可能エネルギーの促進に当たっては大変大きな意義のある制度だったと思います。 ただ、一方で、当初想定されているよりは、やはり太陽光に偏って導入が進むとか、また大変なスピードで導入されて送配電の力が追い付いていかないというような点がございました。そして、その結果、まず北海道電力の方で、要は需要よりはるかに超える量ということで、いわゆる指定電気事業者制度という制度が導入され、そして昨年、九州電力でいろいろ問題が生じました。特に九州電力の場合は、通常の家庭用というよりは、低圧分割といいまして、要するに五十キロワット未満の発電量の太陽光につきましては保守管理がかなり緩い規制になっているというところに目を付けて、本来は大きいものを全て五十キロワット未満にして、足し合わせると千キロとか二千キロというような、低圧分割というある意味では脱法的な手法が大変大きな割合を占めておりました。 そういう中で、まさに送配電の能力に供給が追い越してしまうというようなことから、いろいろ検討を行いまして、まさに指定電気事業者制度というものを活用して、三十日を超える無補償での出力制御を可能にするとともに、またきめやかな出力抑制を行う仕組みを導入をいたしました。 この制度は、要するにある意味では早い者勝ちといったところがございまして、当初入れた方は二十年にわたって四十円というかなり高い価格で買ってもらえるし、そして五百キロワット未満の方であれば実は何ら制限がないという中で、これは本来は後から来た方が割合かわいそうだなという気持ちは私自身もあるんですけれども、残念ながら、やはり憲法上の財産権等々ということで前に入れた方を条件を悪くすることができないという中で何とか新たに入る方を増やすために実は入れた制度でありまして、いわゆる供給を抑制しなければいけない時間には供給を抑制していただきますけれども、それ以外の時間にはまた新たに入った方にもまさに供給をしていただけるということで、供給する人を増やすという制度でありました。 今の状況という御質問でありますけれども、昨年度末というのが大変な駆け込みがあったわけです。先ほど言いました低圧分割というのが四月から禁止されるというような状況もあって、そういう方たちが大量に申込みがあったというのに比べますと、二十六年度末の二月、三月の認定申請量は昨年度の約半分、一昨年度とほぼ同じぐらいのペースに落ち着いてきております。そして、一方で、指定電気事業者の管内、これ、中三社という東京、中部、あと関西を除いた地域ですけれども、でも一月から三月にかけまして百十七万キロワットの導入が行われておりまして、着実に導入が進んでいるという状況でございます。 そして、おっしゃいますように、まさにその事業者からいいますと、予見可能性が出力抑制をされると可能性が低くなるという問題を抱えておりますので、今般政令を改正いたしまして、出力制御の見込みについて適切に情報提供を行うことを規定し、三月に中立的な専門家から成る委員会、これは新エネルギー小委員会系統ワーキンググループでありますけれども、におきまして電力各社より出力制御見込みに関する報告がなされ、その報告については、各電力会社が公表して、そして事業者また事業を予定する者に分かるような形にさせていただいております。
○安井美沙子君 今の大臣の御説明は、主にまたこれから新規に参入してこようとする人に対する予見可能性を高めるという御説明が主だったと思いますけれども、それと同時に、既に申請をして回答を保留されていた多くの事業者が今どういう状況にあるのかというのを非常に懸念しております。 後々の御答弁のときにその辺も教えていただければと思いますけれども、その問題を私が経済産業委員会で指摘させていただいたときに質問したことなんですけれども、当初電力会社は、蓄電池などの出力抑制のための機器を事業者自らが設置すれば回答保留を解除して接続をするという対応を取りました。ただ、平均的なケースを申し上げれば、太陽光発電設備が六億円程度の投資規模の場合でも、併設する蓄電池のコストが一・六億円ということですから、予定外のコストとしては負担が大き過ぎると。これに対して、私は経産委員会で蓄電池設置の補助をすべきだと訴えたわけですけれども、当時の御答弁は、FIT制度で既に恩恵を受けている事業者に更に補助金を出すことは難しいので、政策金融対応がせいぜいだと思われるということだったんですけれども、その後、なぜか一転して、平成二十六年度補正予算によって、この補正で対応がなされたわけです。 ですから、補助をすることに方針転換した理由と、現在の補正予算の執行状況とその効果についてお示しください。
○政府参考人(木村陽一君) 蓄電池でございます。 まさに先生が御指摘のとおり、様々な対策を講じることによりましてこの接続保留の問題というのをとにかく前に進めていかなければならないということで、私どもとしても、やはり予算措置が適切であろうということで、今回思い切って予算要求をさせていただいたということでございます。 それで、当該予算の執行状況でございますけれども、二十六年度の補正予算で二百六十五億円の蓄電池の導入補助というのを措置してございまして、三月より公募を開始してございます。五月十五日現在の申請状況は二件ということでございます。ただ、このほかにも相談を受けている事案というのが数十件程度はあるということでございまして、今後更にその申請数が増加していくということを期待をいたしております。 いずれにいたしましても、再エネ導入のためには蓄電池、非常に有力な手段なんではないかなということでございますので、活用促進、引き続き図ってまいりたいと考えてございます。
○安井美沙子君 私としては、急に補正で対応することになった、そのときに、FITの制度とのダブルの恩恵というのはフェアでないという御答弁いただいたので、急に方針転換になったことが不思議だったわけですけれども、今の答弁聞いていますと、結局申請が二件しかないということはやはり自己負担分があるからではないかと思います。 先ほど大臣にも申し上げましたけれども、結局、回答保留された多くの事業者が、この蓄電池補助の制度ができても申請することもできず、やっぱりまだ滞留しているんではないかと思いますが、ほぼ回答保留されて今申請がプロセスしている事業者たちの状況について、大臣か政府参考人か、お知らせいただければと思います。
○国務大臣(宮沢洋一君) 正確な数字につきましては後で事務方から話をさせますけれども、もちろん申込みされた方それぞれの事情というのはかなり異なっていると思いますけれども、たしか接続申請を申込みをされた事業者の約六割弱ぐらいが事業を実現しよう、継続しようという意思を持たれているというふうに聞いております。
○政府参考人(木村陽一君) 事業を具体的に進めるに当たりましての事業者の悉皆のデータというのはちょっとなかなか私どもとしても把握がしづらいんですけれども、先ほど大臣が御答弁されました接続申込量、指定電気事業者の管内で一月から三月にかけて百十七万キロぐらい出ているということでございますが、昨年十二月までの数字で申し上げますと、二千九百八十四万キロワットに対するものだということでございます。 例えば、九州電力を一つ例に申し上げますと、大体月の接続の申込量が、今まで、回答保留の問題が生じる前でございますと、月平均大体六十七万キロワット分ぐらい毎月申し込まれていたということでございますけれども、それが回答保留の問題以降は大体半減いたしまして、三十万キロワット弱ぐらいの接続の申込みペースにはなっているということでございます。 それで、この理由でございますが、なかなか一つにまとめるのが難しゅうございます。確かにこの接続保留の問題もございますし、それから、それ以外でいいますと、例えばローカルの系統が非常に混んでいるということで、あるこのポイントにつなげたいんだけれども、ここではなかなか熱容量の関係でつなげませんというような問題もございます。 それから、やはり買取り価格自身が、当初の四十円から三十六円、それから三十二円というふうに下がってきておりますので、それによって、見かけのある種の制度の魅力といいますか、そういったものが減っているといったこともあろうかと思います。あるいは低圧分割の禁止とか、運用を厳しくしているような面もございます。 一概にこれが接続の問題だけに起因するかどうかちょっと分からないところはございますけれども、引き続きちょっと私どもとしては実態把握に努めまして、できるだけ安定的な事業環境を御提供できるように努めてまいりたいというふうに考えてございます。
○安井美沙子君 私は、この太陽光発電を始めとします再生エネルギー事業というのは、エネルギーの地産地消という危機対応の意味からも、それから地方における雇用創出という、つまり地方創生の意味からも非常に大事だと思っております。 問題が発生したときから思っておりましたけれども、経産省と電力会社の間の実態把握のそごがありますので、この辺はもう少し、八か月もたっておりますので、しっかり把握していただきたいと思います。電力会社の方は、ホームページなんかを見ましても、情報の見える化には非常に努めているというふうに印象を持っておりますので、連絡をよくしていただきたいと思います。 FITについて見直しが必要だということ、最初に大臣もおっしゃっていましたけれども、足下の買取り価格の見直しとともに、中長期的にこのFITの根本的な見直しが必要というふうになっていると思います。より根本的に言えば、この再生エネルギーを本格的に普及させるためには、ポストFITの本当に市場競争ベースでの普及というのを考えていかなければいけないわけですけれども、今後の政府の方針について大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(宮沢洋一君) 先ほど御答弁いたしましたように、このFITの制度というのは大変効果があった、導入前に比べて八割増加、再生可能エネルギー増加しておりますので、大変効果がありましたけれども、一方で国民負担の増大とか系統制約の顕在化というような問題点が生じております。 それに対しまして、太陽光発電の買取り価格が毎年引き下げられるとか、また価格の決定時を少し遅らせまして契約時にするというような変更、さらに太陽光発電の低コスト化、高効率化のための技術開発などの取組を進めてきたところであります。また、系統制約といった問題につきましても、きめ細かな出力抑制システムの導入とか、さらに、今年の四月に広域的運営推進機関が発足いたしまして、地域間連系線の利用を、ルールにおきまして運用容量を、これまで日にちごとだったものを三十分ごとにきめ細かく算定する、あっ、日にちごとではないです、もとい、年間というような形で決まっていたものを三十分置きに利用ができるような、そういう細かなルールにして、広域的運営をしやすくするという形で、空きをつくって再生可能エネルギーを更に導入するというようなことを既にやっております。 ただ、一方で、おっしゃるように、太陽光に非常に偏ってしまったとか、また、例えば地熱とか小水力といったものは期待していますけれどもなかなか出てきていない。さらに、大型風力といったものにつきましても、これはコスト面ではかなり競争力あるということなわけですけれども、なかなかそこは時間が掛かっているというようなこともあって、そういうような問題も含めて、再生可能エネルギーの最大限の導入、国民負担の抑制、さらに電力の安定供給という三つの目的を同時に実現するように、総合資源エネルギー調査会の新エネルギー小委員会において具体的な検討をこれから行っていきたいと考えておりますが、中身につきましては正直これから検討していただくということで、ポストFITというところまではまだ実は行っていないという状況であります。
○安井美沙子君 それについては今後も議論をさせていただきたいと思います。 それでは、エネルギーミックスの話に移りますが、政府が提示したエネルギーミックス、つまり電力需要と電源構成というのは提出いたしました資料一のようになっております。 まず、消費電力量については、二〇一三年度比で二〇三〇年の、経済成長を年率一・七%としたのは内閣府が試算した数字を政府としてベースにしているものと理解していますけれども、一・七%年率経済成長をしても、一七%対策前と比べてエネルギー消費量を減らすというふうになっていますけれども、これについての対策、具体的にお示しください。
○国務大臣(宮沢洋一君) まさに政府の経済見通しを基に年率一・七%というものを使わせていただきました。そして、まさにこの一七%の省電力というものは積み上げでやっておりまして、例えば産業部門ではIoTを活用したエネルギー管理の実施率を現在の四%から二三%に増やすとか、また、トップランナー制度を活用しまして、例えば業務部門でいえば複写機の効率を現在より三七%改善する、また冷凍冷蔵庫も一一%改善する、さらに、家庭部門でもテレビの効率を、相当今、省エネが最近でも進んできておりますけれども、現在よりも更に二〇%改善するとか、それから、家庭でもまた産業でも全ての照明がLEDにするというようなものを積み上げて計算しております。 決して実現が易しいものではないと思っておりますけれども、不可能でもないと思っておりまして、しっかりとこれから対応していきたいと思っております。
○安井美沙子君 先日、衆議院の本会議で安倍総理の答弁の中では、日本は省エネの上で世界のトップレベルにあるというふうに御認識をされているようでしたけれども、今大臣がおっしゃられた電気機器のような面では確かに日本はトップランナーなんですけれども、実はそこにはもう乾いた雑巾を絞るようなもので余り余地がありませんで、日本で一番省エネの余地があるのは廃熱利用です。電力をつくるときにできた熱をそのまま捨ててしまっているのに比べ、ヨーロッパはそれを再利用している、ここが大きな違いですので、民主党としてはそれを今後もっと有効に使うべきだということを御提言申し上げておりまして、そこが一番省エネの余地があると思いますので、御検討いただければと思います。 時間も押していますので一つ飛ばさせていただきますけれども、この電源構成、右側にあるものの中で一番気になるのがやはり原子力であります。政府の方針としまして、繰り返し、安倍総理も宮沢経産大臣も、原発依存度を限りなく低減し、再エネを最大限導入するとおっしゃっています。これは本当にそういう結果のベストミックス、エネルギーミックスになっているのかというのが私の今日の問題提起でございます。 原子力の割合は、この資料一を御覧いただきますと二二から二〇%というふうになっています。原子力は、ほかの全ての電源への依存度を算出して足りない分を補うという考え方ではじき出された数字というふうにお聞きをしています。 既存の原子力発電所が全て再稼働するというかなり楽観的なシナリオであっても、全てに原子炉等規制法の一二年改正に盛り込まれました四十年廃炉ルールを厳格に適用しますと、二〇三〇年時点では現存する四十八基のうち三十基が廃炉になりますので、建設中の島根と大間を加えても依存度は一五%にしかならないという試算があります。 以前、大臣は、現時点では全く新増設は考えていないというふうにおっしゃっています。その方針は変わりないんでしょうか。そうであれば、この二二%という数字には運転延長が含まれているというふうにしか考えられません。この数字の根拠と、それから限りなく低減するという方針の整合性について御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(宮沢洋一君) 今回のエネルギーミックスにつきましては、安全性というものは当然大前提でありますけれども、それを確保した上で三つの具体的な目標を達成しなければいけないと思って作成をいたしました。 三つの目標というのは、一点は自給率、今六%まで下がってしまっているエネルギー自給率を二五%程度まで改善するということ。それから二つ目は電力コスト、これは今、家庭用で二割、産業用で三割上がっておりまして、大変大きな悲鳴が特に産業界から聞こえてきておりますけれども、電力コストにつきましては現状よりも引き下げるということ。そして、三点目につきましては、今年の十二月にCOP21が予定されておりますけれども、欧米に遜色ない温暖化ガス削減目標を掲げるということ。この三つを目標にいたしました。 そして、原子力を最大限に導入しますと、自給率も、これはIEAにおいても準国産エネルギーと認められておりまして、自給率は高くなります。またコストも低くなります。そして、温暖化削減目標もかなり高い目標が掲げられますが、しかし、それはやはりこれから可能な限り低減するという方針の下で、例えば再生可能エネルギーも、価格、まさにコストにこれは跳ね返ってくる面がありますけれども、その部分をしっかり見ながら最大限導入するというようなことをやって、原子力を最大限低減した結果、この数字、二二から二〇という数字になり、そして、結果的に自給率がおおむね二五%程度、そして電力コストは現状よりも低い、そして欧米に遜色のない温暖化ガスの削減目標を提示できるという目標をクリアしたところであります。 そして、今原子力の話がありましたけれども、原子力発電の新増設、リプレースについては現時点では想定していないという政府の立場は全く変わっておりません。 一方で、四十年を超えたものについて更に二十年以内で延長できるという制度を使うかどうかということにつきましては、これは基本的には事業者の判断がまず一点目でありますし、事業者が判断をしても、その後、規制委員会で安全性の確認等々をしていただく必要がありますけれども、そういうものについて当然出てくるということを前提として作成をしておりまして、先ほど申し上げましたように、どこがどの程度動くというようなことは、これは事業者であり規制委員会の御判断でありますけれども、結果的に二二から二〇%という原子力の依存度というのはまさに可能な数字だろうと考えております。
○安井美沙子君 直接にはお答えいただけませんでしたが、試算に従いますと、これは運転延長を考慮しなければ達成できない数字ですので、ある程度、個々の事情は分からないけれども、運転延長を見込んでの試算というふうに私は理解をいたしました。 二〇三〇年に二〇から二二%ということですけれども、それこそ再稼働や運転延長の状況や再生可能エネルギーの導入状況、それから火力エネルギーの調達状況とか日本の経済状況とか、こういったいろいろな要素に応じてエネルギー基本計画がこれからも約三年ごとに更新されていくと思います。それに従ってエネルギーミックスの考え方も当然変わっていくと思いますけれども、その場合でも、今後、今回の原子力の構成割合の二二%を上回ることはなく、その後はずっと低減の一方だと考えてよろしいでしょうか。
○国務大臣(宮沢洋一君) おっしゃるように、エネルギー政策基本法におきまして、エネルギー基本計画につきましては少なくとも三年ごとに検討を行う、こういうこと、そして必要があれば見直すということが書かれておりますので、そういう法律にのっとって今後エネルギー基本計画の見直し作業というものを我々政府としてはやっていかなければいけないと思っております。 そして、エネルギー基本計画が大幅に変わってエネルギーミックスといったものを見直す必要があるときには、エネルギーミックスの見直しというものをやっていかなければいけないと考えておりますが、そのときにやはり、先ほど申し上げましたような、自給率はおおむね二五%程度まで改善する、電力コストは現状よりも引き下げる、そして温暖化ガス削減目標も欧米に遜色ないものにするという、この大きな目標というものは恐らく変わらないと考えておりまして、そういう中でエネルギーミックスの変更ということはあり得ると考えております。 そのときに、じゃ、果たして原子力発電の割合がどういうふうになるかということは、まさに三つの大きな目標との関係で検討していくと、こういうことになろうかと思います。
○安井美沙子君 政府が原子力を限りなく低減し再生エネルギーを可能な限り導入を最大限図るという方針を掲げている以上は、やはりその二〇三〇年時点のエネルギーミックスを今後エネルギー基本計画を変えるに従って変更していく際には、必ずその方針と整合性を持たなければおかしいと思います。それでなければ、福島の事故は何だったのかということになってしまいます。 そして、先ほどの接続保留の問題に戻りますが、太陽光発電については確かに課題がクローズアップされました。資料二を御覧いただきたいんですけれども、再生可能エネルギーが二種類に分類されています。一つは、地熱、水力、バイオマスのように自然条件によらず安定的な運用が可能な再エネ、これが原子力と代替できるんだと。そして、下の方の太陽光や風力は変動する再エネだから原子力との代替はできず、火力を代替するものなんだと。こういうふうになっています。 ただ、太陽光については、今はこういう分類をされておりますけれども、今先ほど大臣も少し言及されたんですけれども、電力システム改革が進んでおりまして、広域的運営推進機関も今年から始動しております。これによって地域独占の電力供給システムというのは変わっていきまして、広域地域間連系線も増強されるはずであります。そうなりますと、この太陽光の変動分を地域間連系によって少し吸収できることができてくるはずであります。 そうしますと、蓄電池の研究はまだまだ大変だ、価格が高いという事情はありますけれども、太陽光をもう少し可能性のあるものとして積極的に導入していくこともできるのではないかと思いますし、そういうことに対して積極的に投資をすること、そして、必ずこの再生エネルギーを増やしていくんだ、原子力を代替していくんだというふうに持っていかなければやっぱりうそだと思うんですね。 それが、今まさにこれから参議院でも議論が始まる電力システム改革の一つの目標でもありまして、これまでの電力の小売を自由化して、いろいろな電源による、エネルギー源による電力を全国に流通していくんだということをやるからには、何のための改革かということがなおざりにされがちなんですけれども、より安く、そして柔軟な電力流通ができるということを目指しているわけですから、今変動が大きいとされている再エネに関しても、この広域の運営機関によってある程度これをバックアップすることができるというふうに考えていただきまして、何としても、政府の最初に掲げていらっしゃいます再生エネルギーの最大限の導入、そして原子力の限りない低減ということの旗を下ろさないでいただきたいと、このように申し上げます。 それでは、最後残った時間で水素エネルギーについてお伺いします。 二〇三〇年以降の話になります。今回のエネルギーミックスには全く反映されておりませんけれども、私は常々、今回の二〇三〇年のエネルギーミックスというのも、三十年後、五十年後の日本の社会を描いてエネルギービジョンを作って、それをバックキャストする形でこの二〇三〇年時点のベストミックスを示すべきだというふうに申し上げております。 その意味では、三十年後、五十年後というのは必ず水素エネルギーというのが有望になってくると思います。利便性やエネルギー効率が高くて、温室効果ガスの排出がなく、非常時対応にも効果を発揮し、エネルギーの中心的役割を担うことが期待されていると思います。政府のこの水素の活用、そして水素発電所の可能性も含めて、お考えをお伺いいたします。
○大臣政務官(岩井茂樹君) お答えをいたします。 委員御指摘のとおり、水素エネルギーの利活用、このエネルギー政策上の意義というのは大変大きなものがあると考えております。 お地元の愛知県においては、その水素を燃料とする燃料型の電池自動車、ミライですか、それも昨年の末に発売になって、大変売行きがいいという話も聞いております。 そういう意味でも、水素というのは様々なエネルギー源から製造することが可能であり、利用段階ではCO2を排出しないためにエネルギーセキュリティーの向上や環境負荷の低減につながる将来の有力なエネルギーの一つだと認識をしております。 昨年閣議決定をいたしましたエネルギー基本計画においても、将来の二次エネルギーでは、電気、熱に加えて、この水素が中心的な役割を担うことが期待されるということに方針を示させていただいているところであります。 こうした水素の利活用に向けて、昨年の六月に経産省において、産学官の役割分担や具体的な取組を明確にした水素・燃料電池戦略ロードマップというのを取りまとめたところであります。 現在の取組ということで、まずはこのロードマップに従いまして、燃料電池自動車や家庭用燃料電池を始めとして、足下で実現しつつある燃料電池技術の活用を拡大をするために、燃料電池自動車の導入支援や、水素ステーション、これの整備に対する支援を今進めているところであります。 一方で、将来に対して取組ということでお話を申し上げますと、再生可能エネルギーや海外の未利用エネルギーを用いて製造した水素を安価で安定的に供給するシステムなど、将来の技術の確立に向けた研究開発についても現在支援をしておりまして、今から必要な取組を行うことで、戦略的かつ着実にこのような取組を進めてまいりたいと考えているところです。
○安井美沙子君 子供や孫の世代に持続可能なエネルギー社会を残すために、私はこの水素の活用というのは今から先行投資をしていく重要な分野だと思っています。 おっしゃってくださったように、愛知では知事がもう公用車として乗っております。これがもっともっと普及するためには水素ステーションとそれから車への補助が必要になってくるわけですが、最後に政府参考人にお伺いしますけれども、この水素ステーション及び水素燃料電池のマーケットの規模を具体的にどのように考えていらっしゃいまして、今後の普及策をどう考えているか、具体策をお伺いして、終わります。
○委員長(小坂憲次君) 時間が経過しておりますので、手短にお願いします。
○政府参考人(木村陽一君) まず、水素ステーションでございますけれども、二十七年度中に百か所程度整備するということで目指してございまして、現在七十六か所分の整備が進んでいるということでございます。あわせまして、自動車が今やはりその全体の普及の中心に今後なってくるだろうというふうに考えてございますけれども、これにつきましては、昨年十二月には御承知のとおりミライが発売をされて、その普及、なかなか当初、その導入……
○委員長(小坂憲次君) 手短に。
○政府参考人(木村陽一君) はい。 導入が進んでいくということも、なかなか数量的には難しい面ございますけれども、着実に増えていくと。車とそれからそのステーションを車の両輪として、これから支援を続けていきたいというふうに考えてございます。
○安井美沙子君 ありがとうございました。
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。よろしくお願いいたします。 決算委員会ですので、平成二十五年度決算報告で指摘をされました点についてまずお伺いしたいと思います。 刑務所、少年刑務所、拘置所等の矯正施設の常勤医師が、正規の勤務時間中に勤務していなかったのに、この時間に係る給与を減額せずに支給をしていたという指摘がございます。不当に支給された給与は千八百六十五万円だそうです。 常勤医師には国家公務員法が適用されまして、勤務時間中は職務専念義務がございます。勤務する矯正施設の長の許可を受けた上で大学病院など外部の医療機関での研修を受けることができるんですけれども、何人かいたようですが、この問題の医師というのは、研修計画書を出したんだけれども、許可も受けたんだけれども、実際にはこの研修に行っていなかったと。その間勤務をしていなかったということになりますので、給与が減額されなければならないんですが、されずに支給されていたということでございます。 こうした事案は、平成二十二年度から二十四年度の検査報告にも同様の指摘がございます。今回発覚した事案のうちの一人の医師は平成二十六年の四月までの間こういう行為を行っていたということでございますので、過去、平成二十四年度にも検査報告の指摘があったわけですけれども、ちょっと再発防止ができなかったということではないかなと思います。 こうした事案が繰り返されないように、法務省としてしっかり対策を行っていただいているんでしょうか。
○政府参考人(小川新二君) ただいま委員から御指摘がございましたように、矯正医官が外部研修をするとされていた時間に実際には外部研修の全部又は一部に行っておらず、しかも勤務しなかった時間に係る給与を減額することなく支給していたことにつきまして、平成二十二年度から平成二十五年度の決算検査報告におきまして全部で十二人の矯正医官が指摘を受けているところでございます。 こうした事案が発生した要因としましては、基本的には当該矯正医官の国家公務員としての服務に関する意識が低かったということが挙げられますことから、事案発覚以来、法務省におきましては、矯正医官に対する国家公務員の服務規律遵守に関する指導に努めてきたところでございます。また、矯正施設におきましても、矯正医官に対する勤務時間の管理が十分でなかったということも認められますことから、平成二十六年八月からは、矯正医官が外部研修をする場合、研修先に出勤簿を整備するなどしまして出勤状況を確実に把握できるようにするなどの対策を講じたところでございます。 なお、さきに本院で可決していただきました矯正医官の兼業及び勤務時間の特例等に関する法律案がございますが、この法律案におきましては、矯正医官につきまして、正規の勤務時間中に診療を行う兼業を柔軟に認めていただくということや、勤務時間についてもフレックス制を適用し、柔軟な割り振りを可能にしたりするという特例を設けているところでございますけれども、こうした特例を実施するためには施設外におけるものも含めて矯正医官の勤務状況等を確実に把握することが必要でありますので、特例法の整備を図ることにより、結果として同種事案の再発を防止することになると思料しております。 以上でございます。
○佐々木さやか君 刑務所などに勤めている矯正医官、慢性的な人員不足になっております。矯正医療の在り方に関する有識者検討会の検討結果を取りまとめました平成二十六年一月の矯正施設の医療の在り方に関する報告書ではいろいろな指摘がなされていますけれども、深刻な医師不足によって、まさに矯正施設における医療は崩壊、存亡の危機にあるとまで指摘がされております。 先ほど今後の対策についても説明がありましたけれども、不当に給与を受け取るような事態がどうして生じるのかということをしっかりと改めて検証していただくとともに、適格性を欠くことのない医師を採用するためにも、矯正医官として勤務をすることを希望する医師の方がもっと増えるようにしていかなければならないなとも思っております。 先ほど改正のことについても少しお話がありましたけれども、この矯正医官の不足の解消についてどのように取り組まれるのか、大臣に伺います。
○国務大臣(上川陽子君) 矯正医官が大幅に不足をしているということで、主な原因といたしまして、矯正施設内の医療のみでは症例が限定されるなどの理由によりまして、医療に関する医官の能力維持向上というところに問題があるというところが大きな指摘がございました。 先ほど局長からの答弁の中でも触れさせていただきましたけれども、三月二十四日に矯正医官の兼業及び勤務時間の特例等に関する法律案を国会に提出させていただきまして、そうした問題の解消に役立つべく御審議をいただいたところでございます。参議院におきましては、審議、可決をいただいたところでもございます。 立法の内容につきましては、局長からのお話のとおりでありますが、兼業の許可の特例を設けるということ、そして外部医療機関で診療を行う兼業を迅速かつ柔軟に認めていこうという内容でございます。また同時に、いわゆるフレックスタイム制の採用ということでございます。そうした制度の充実を踏まえて、自分の能力の維持向上を十分に図りながら志を持って取り組んでいただく矯正医官の皆さんのより一層の環境整備に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。 ただ、この法案が通過すればそれで解決が抜本的に図れるか、全てが解決するかということになりますと、それ以外にも様々な、啓蒙啓発でありますとか、あるいは国民の皆さんにそうした矯正医療の大事さということにつきまして御理解をいただくということ、さらに矯正医官を支える医療スタッフの皆さんの充実強化とさらに執務環境の整備、そうした諸施策を合わせ技で対応していくということが矯正医官の魅力を更に高めていくことにもつながっていき、そして、ひいては優秀で意欲のある人材の確保につながっていくものと考えておりますので、そうしたことも含めまして全力で取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○佐々木さやか君 今回の法改正案は矯正医官の不足の解消に資するものだと思いますけれども、大臣もおっしゃるとおり、兼業ですとか、また勤務時間の特例を設けるだけではなかなか解決というものも困難なのかなと思っております。引き続き、待遇だとか執務環境の改善ですとか、また地域医療との連携というところからも、抜本的な改革に向けて取り組んでいただきたいと思います。 刑務所ですとか拘置所、また少年院などの矯正施設は、老朽化も大変進んでおります。施設の性質上、なかなかきれいで立派な建物にどんどんするということも難しいと思いますけれども、矯正医官また刑務官の執務環境が過酷なものになっております。また、実際に施設の運営にも支障が生じているところがあります。 昨年、我が党の法務部会で神奈川医療少年院に視察に行ったんですけれども、そのときも、その建物の中の体育館の老朽化が非常に激しくて、雨が降りますと雨漏りがして使えないということでございました。保健体育の教育活動があるわけですけれども、それも雨のひどいときには実施できないということで、これは早急に修繕が必要でしょうということで法務委員会でも質問したんですけれども、この点については昨年の十二月に補修の工事を完了していただいたそうでございます。やっぱりこういう事例が調査をすればほかにもあるんじゃないかなということは心配でございますので、しっかりと優先的に直していっていただきたいなと思います。 耐震化についてでございますけれども、やっぱりこれもまだまだ不十分であるというふうに聞いております。耐震化につきましては、地震などでもし建物が壊れてしまっては逃走などの重大な事態にもなりかねませんので、しっかりと進めなければならないと思いますけれども、矯正施設の耐震化の進捗状況について伺います。
○政府参考人(小川新二君) 矯正施設の耐震化についてお尋ねいただきました。 平成二十六年三月末現在におきましては、建物の面積ベースで申し上げますと約七二%でございます。施設の耐震化の手順でございますけれども、まず耐震診断を実施いたしまして、耐震強度がどのくらいあるかということを判断いたします。その上で、その診断の結果を踏まえまして、施設を建て替えするのか、あるいは耐震改修等を行うのかという方針を決定しまして整備を実施しているところでございます。 したがいまして、まず耐震診断が出発点ということになるわけでございますけれども、今後数年内に対象となる全ての矯正施設について耐震診断を完了することを目指しておりますので、今後、施設の耐震化を進めるために所要の予算の確保に努めるとともに、順次整備を進めてまいりたいと考えております。
○佐々木さやか君 今説明がございましたとおり、三〇%近くが現行の耐震基準を満たしていないということでございます。まずは調査を、耐震化の診断を数年以内に完了するということですので、少しでも早く進みますように取組をお願いをいたします。 先ほどちょっと申し上げましたが、神奈川医療少年院というところは、知的障害ですとか発達障害ですとか、精神的に困難を抱えた少年の処遇を行っておりまして、社会復帰がなかなか難しい、こういう少年が多く収容されております。少年に限らず、成人でありましても、精神障害ですとか、また高齢で社会に復帰をしても住むところがない、また仕事に就くことが難しい、こういう社会復帰が特に困難な受刑者という者がいるわけですね。出てからも仕事もなかなか難しいということであれば再犯を行う可能性も高くなりますし、またこうした受刑者というのは今後も恐らく増えていくんではないかと思っております。 こうした、刑期を終えて出所をしても社会復帰が困難な者に対してどういうふうに対応していくのかというのが大きな問題であると思っております。刑務所にいる間、服役をしている間と、それからそこから出た後のことを立て分けて考えるのではなくて、刑期中からきちんと社会復帰に向けた指導を強化をしていただくとともに、必要な福祉との連携、これを行っていくべきだと思っております。 こうした観点から、今、特別調整ということが行われているそうでございますけれども、まずその実績について伺いたいと思います。
○政府参考人(片岡弘君) お答えを申し上げます。 ただいま御指摘ありました特別調整についてであります。 受刑者等の中には、適当な帰住先を持たない、そして高齢又は障害により自立が困難な者もおります。そのような者に対しましては、出所後速やかに社会福祉施設への入所や生活保護の受給等の福祉サービスを受けることができるようにすることが重要であります。そこで、地域生活定着支援センターと連携して刑務所等に収容されている段階から必要な調整を行う、これが特別調整でございます。 平成二十五年度における特別調整の実施状況を見ますと、六百三十七人について調整を終了しており、そのうち、社会福祉施設に入所した者が二百四十六人、医療機関に入院した者が五十六人などとなっております。 なお、特別調整につきましてはあくまでも本人が特別調整を希望していることが前提となりますことから、調整を希望しない受刑者等につきましては、特別調整の対象とはならず、満期出所後の帰住先等を提供することが困難な実情にあります。 以上であります。
○佐々木さやか君 最後にちょっと言っていただいたように、この特別調整は本人の希望する意思がないといけないんですね。特別調整の取組自体、比較的最近始まったものですし、私は再犯防止のためにも非常にいい取組だと思っているんですけれども、こんな相談を受けまして、精神障害を抱えていて今刑務所に入っている、これまでも再犯を繰り返していて、刑務所に入ったのももう何回数えるかというような状態だと。今度出所をするんだけれども、家族としては、また同じことになるんじゃないか、施設に入所をするとかそういったことが適切だと思うんだけれども、本人はそれを希望しない、どうしたらいいのかという御相談を受けたことがございました。 この特別調整、先ほども申し上げましたけれども、本人の希望がないといけないと。今の制度上はそうならざるを得ないんだとは思うんですけれども、やっぱり、刑務所に入っている間の処遇、これは社会復帰をさせて再犯を防止をするために行われるはずでございますし、そのために大変重要なこうした福祉との連携というのが本人が希望しないとできないというのは、本当に難しい問題ですけれども、何とかここをまたもう一歩進めていっていただきたいなと思うんです。 例えば、矯正施設での更生プログラムを改善をしていただくとか、それから福祉との連携についてまた更に何らかの工夫を行っていただきたいと思っているんですけれども、この点についての大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(上川陽子君) 委員から現場を踏まえての大変きめ細かな御質問をいただくことができまして、まさに、特別調整でございますけれども、対象者本人が御希望をしないと受けることが、実施することができないということでございます。 そこで、刑事施設におきましては、社会福祉士でありますとかあるいは精神保健福祉士を配置をいたしまして、きめ細かな相談、助言を実施しているところでございます。さらに、社会福祉に関する知識を身に付けさせることを目的とした社会復帰支援プログラムというプログラムを福祉関係機関の皆さんとの御協力の下で試行中でございまして、平成二十六年度から札幌、帯広、秋田、金沢の四庁で試行をしているところでございます。また、平成二十七年度におきましては、こうした試行結果を踏まえまして、プログラム案の内容の改善を図るということを目指しているところでございます。 こうした取組によりまして、この特別調整を受けることについての動機付けということにつきましては更に強化をしてまいりたいというふうに思っております。 出所後、再犯防止ということのためにも、また安定して地域の中で生活をしていき続けていただくためにも、必要な福祉的支援をしっかりと受けられるようにしていくということは大変大事なことだというふうに考えておりまして、引き続き、特に福祉関係の機関とより連携を密にしながら取り組んでまいる所存でございます。
○佐々木さやか君 社会復帰のための更生プログラム、これを試行中であるという御説明でございました。刑務所にいる間に受ける更生のための指導の中にそうしたことが盛り込まれるというのは大変重要なことですし、試行段階ということですので、今後より拡大をしていっていただければなと思いますので、そのようにお願いを申し上げたいと思います。 次に、マイナンバーの通知について伺いたいと思います。 マイナンバーが今年の十月には国民一人一人に通知をされることになります。十月五日時点の住民票の住所地に郵送されるということになっておりますけれども、例えば、住民票はそのままで避難をしているDV被害者の方、また自宅に戻ることに危険を感じて避難しているストーカーの被害者の方、こうした方はどうしたらいいんでしょうか。特にDVの場合は、住民票住所地には加害者が住んでいる可能性が高いですので、悪用の危険などもあるかと思います。それから、東日本大震災の被災者の方も、例えば福島から県外に避難している、そうした方の中に住民票はそのままにしているという場合もあるかと思います。 こうした場合に、説明を聞きましたら、今住んでいるところ、居所を届け出ることで、そこに送付ができるという制度にしているというふうに聞きましたけれども、その具体的な内容と、それから、この制度について十分な周知が必要だと思うんですけれども、どうやって周知をするのかというところについてお聞きをしたいと思います。 ちなみに、内閣官房のマイナンバーのホームページを見たんですけれども、この居所の届出の制度については、トップページからちょっと一見しては分かるようにはなっておりませんでした。よくある質問のコーナーというのも設けられているんですけれども、そこを見ても分かりませんでした。 それから、DV、ストーカー被害者につきましては相談対応窓口がございますので、そうしたところですとか、保護機関また民間の支援団体などとも連携をしてしっかりと周知を行っていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(時澤忠君) お答えいたします。 個人番号の通知カードにつきましては、委員今御指摘のとおり、十月五日の個人番号施行日におきまして、市区町村長が現に当該市区町村の備える住民基本台帳に記録されている方々に対して送付することとなっております。 東日本大震災による被災者やDV等被害者の中には、住所地に住民票を残して他に居所を移していることも想定されるところでございます。このうち当該居所に生活の本拠がある方につきましては、番号法施行日までに当該居所のある市区町村に転入していただくことが基本でございますが、やむを得ない事情によりまして居所市町村に転入できない被災者やDV等被害者につきましては、一定の配慮をし、事前に登録された居所に通知カードを送付できるようにしたいと考えているところでございます。 具体的な登録方法につきましては、該当者が申請書に居所情報及びやむを得ない事情等を記載をしていただきまして、本人確認書類の写し等を添付して住所地市区町村に郵送していただく方法を想定をしております。 議員御指摘のとおり、この手続につきましてはその内容や居所の登録方法を広く周知することが必要であると認識しておりまして、このため、被災者に対する周知方法といたしましては、総務省における周知はもちろんでございますが、避難先、避難元の市区町村、都道府県における被災者支援担当部局や住民基本台帳担当部局に協力を求めまして、チラシや申請書の提供、ホームページでの情報発信、窓口、電話での相談対応等をお願いしたいと考えております。 また、DV等被害者に対する周知といたしましては、総務省における周知のほかに、都道府県や市区町村の住民基本台帳担当部局を始め、DV等被害者の相談先あるいは支援機関にも協力を求めまして、チラシや申請書の提供、ホームページでの情報発信、窓口、電話での相談対応等をお願いしたいと考えているところでございます。 この周知につきましては、現在準備を進めておりまして、七月頃には行いたいと考えておりますけれども、今申し上げましたように、被災者やDV等の被害者の相談、支援先にも広く協力を求めまして、きめ細かな周知に努めてまいりたいと考えております。
○佐々木さやか君 七月頃から行うということになりますと、十月まで余り期間が長くありませんので、よく工夫をして行っていただきたいと思います。 DV、ストーカーの相談窓口といいますと、法テラスもその機能を強化をする方向でのいろいろと改正の議論もございますし、しっかりと対応をしていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(萩本修君) 法テラスは、利用者からの電話での問合せに対応するサポートダイヤルというものを設置しておりますけれども、その一つとして犯罪被害者支援ダイヤルという犯罪被害専用のものを設置しておりまして、この犯罪被害者支援ダイヤルを通じた問合せ、あるいは窓口での問合せに対しまして、犯罪被害者支援に関する情報提供や犯罪被害者支援に詳しい弁護士の紹介などを行っているところでございます。 先ほど総務省から、ただいまの取扱いの周知につきましてDV等被害者の相談先や支援機関に協力を求めるという答弁がありましたけれども、法テラスにおきましても、今後、総務省からの要請を踏まえ、犯罪被害者支援ダイヤルや窓口での対応を通じまして、DV、ストーカー等の被害者に対し、御指摘のような取扱いができることの情報提供をしていくことになるわけですけれども、その前提としまして、そのような取扱いにつきまして職員への周知を徹底するほか、利用者への情報提供の際に用いているFAQのデータベースにもそのような取扱いに関する項目を付け加えるなどの準備を進める必要があるものと考えております。 法務省としましても、法テラスにおいてDV、ストーカー等の被害者に対する案内、情報提供が今後的確に行われるように、法テラスの準備状況を注視するとともに必要な協力を行ってまいりたいと考えております。
○佐々木さやか君 よろしくお願いいたします。 残り時間で、最後に性犯罪被害者支援についてお聞きしたいと思います。 性犯罪は魂の殺人とも言われます。生きていながらの死のような苦しみを抱える被害者に寄り添うような、ワンストップ支援センターの整備などの施策をしっかりと進めていただきたいと思っております。 被害関係者の方から、犯罪被害者給付金の支給が遅いという声をいただきました。起訴されてからようやく出たということでございました。性犯罪被害に遭って、例えば自宅であったら、自宅にとても住んではいられない、犯人が捕まらない、そういったことで引っ越しもしなきゃいけない。でも、そういったお金も自分で出さなきゃいけないとか、仕事もできない、生活にも困る、そういったこともございますので、この犯罪被害者給付金、できるだけ早く本給付を行っていただきたいと思います。それから、聞きましたら、仮給付につきましては余り行われたことがないということでございましたので、これもしっかり活用していただきたいと思います。 それから、被害関係者の方から、親族間の性犯罪被害には不支給になるんじゃないんですかというふうに聞かれたんですね。ですので、この点の運用を確認をしたいと思うんですけれども、正しい説明を現場で、一番最初の段階でしていただかないと、支給されないんじゃないかなというふうに思って手続をためらうということもあると思いますので、しっかり行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(沖田芳樹君) 犯罪被害者等給付金につきましては、犯罪被害の早期軽減の観点から迅速な支給が求められるところでございまして、具体的には、個々の事案におきまして、犯罪被害者や御遺族の方々に対して、犯罪被害給付制度を説明したパンフレット等も活用いたしまして、制度の内容や手続につきまして担当職員が直接御説明するなどしているところでございます。 ただ、今委員から御指摘もありましたとおり、不支給事由ですとか減額事由ですとか親族間犯罪とか、なかなか一般の方々には分かりにくい内容もございますので、誤解の生じることのないように、パンフレットの内容や具体的な御説明の方法等につきまして適宜必要な見直しを行いまして、現場において丁寧かつ分かりやすい対応が行われるように指導を行ってまいりたいと考えております。
○佐々木さやか君 最後に、大臣に性犯罪被害者支援の取組について伺いたいんですけれども、法務省にこの話をしますと、内閣府の施策ですとか言われるんですね。でも、やっぱり法務省は刑事手続を所管しているわけですし、また人権擁護というところにも取り組んでいるわけですので、性犯罪被害者支援、性犯罪を含めた犯罪被害者支援について取り組んでいただきたいと思うんですけれども、御所見を最後に伺います。
○国務大臣(上川陽子君) ただいま法務省におきまして、昨年十月でございますが、刑事法研究者、法曹三者、被害者支援団体関係者等の有識者から成ります性犯罪の罰則に関する検討会を発足をさせ、九回の会議を既に実施しているところでございます。性犯罪の構成要件の在り方でありますとか非親告罪化の是非などの論点についての検討を進めているというところでございまして、有識者の皆様におきましては、現に発生している性犯罪の実情、その被害の実態、被害者を始めとする関係者の意見等を幅広く踏まえながら、現行法の規定を変更した場合にどのような効果や影響が生ずるのかということについても視野に入れながら、御検討、御協議をいただいているというふうに承知をしております。 先ほど委員の方から、性犯罪被害者に対する総合的な支援について法務省の方でもどのように取り組んでいるかというような御指摘でございまして、性犯罪につきましては、精神的な面も含めまして大変長期にわたりまして傷痕を残すというような重大な犯罪であるということでもございます。 様々な手続の中でも、そうしたことが更に二次被害、三次被害にならないようにするための様々なきめ細かな対応策ということにつきましても、例えば、ビデオリンクによりましての証人尋問を行うでありますとか、あるいは遮蔽、付添い等の制度を適切に活用するなどによりまして、性犯罪被害者の保護、支援に取り組んでいるものでございます。 さらに、人権という観点からも、大変大事な人権侵害にならないようにということでございまして、社会全体としての人権尊重の部分につきましての意識向上に向けての取組ということにつきましても総合的に取り組ませていただき、そして、関係省庁とも連携をしながら積極的な支援に努めてまいりたいというふうに考えております。
○佐々木さやか君 終わります。
○寺田典城君 維新の党の寺田典城でございます。 大阪都構想はあのとおりの状況になりまして、私自身、残念だと思っています。分権時代に、何というんですか、ああいう二百万も三百万もある都市が全部市民を見るというのはやはり困難な状況にあるんではないかと。ですから、町村合併が始まって、地方分権法が、二〇〇五年ですね、合併特例法のときですね、そして二〇一二年には道州制になると思っておったんですけれども、まだまだ日本は、何というんですか、変われないなというのが率直な昨日の結果の感想でございます。 それで、大阪のシャープさんなんかは債務超過ということで、要するに我が国の物づくりというのは非常に国際競争の中でさらされております。また、このとおり、少子高齢化、人口減少時代の中で国内需要も先細りという形ですね。 それで、これからの十年後の日本の支える産業というのはどのようなものと考えていらっしゃるか、またどのような産業を育成するかとか、その辺、経産省はどのようにお考えになっていらっしゃるか、短くお答え願いたいと思います。
○国務大臣(宮沢洋一君) 今、成長戦略というものを何とか成功させなければいけないということでやっておりますけれども、私は、成長戦略の中で最も大事なことは、日本の企業であり経済のある意味じゃその中身をがらっと変えるということだと思っておりまして、これまでも、簡単に言えば大量生産で付加価値が低いいわゆる薄利多売といったものだったわけですけれども、やはりこれを少量生産、高付加価値型の企業であり産業に変えていかなければいけないということになりますと、まさに少量生産ですから、大企業にも頑張っていただきますけれども、特に中堅企業、中小企業といったものにしっかりと対応していただくということが一番大事だと思っております。 そういう観点から、今、私大臣になりまして、この成長戦略の見える化をする、中堅企業、中小企業に主役は自分たちだということをしっかり意識していただいて新しいものに取り組んでいただくために、見える化をする作業を実は今やっております。 そして、それは当然、成功例とか失敗例といったもの、またこうやれば失敗しなかったといったものも網羅的に示す必要がありますし、また例えば、高付加価値でありますから、アジアの、また東南アジア、中国のいわゆるお金持ちであり中産階級以上の方たちが、例えばそれぞれの場所によって嗜好が違います。上海ではどうだ、北京ではどうだ、大連ではどうだ、ハノイではどうだ、バンコクではどういうものが望まれているといったような情報をしっかり中小企業にもお示しをする。 また一方で、試験研究開発といったものも自社ではできない企業が多いわけでありますから、こういう企業と公設の試験場等々とをしっかり結び付けていくと。また、もちろんコンサルタント的なものも必要ですし、資金の面も必要であると思いますが、そういうものを、大きなプラットホームをお示しして、しっかり中小企業、中堅企業に新しいものに挑戦していっていただく。 したがって、どういう産業ということはなかなか申し上げにくいんですけれども、恐らくこの作業は第二のトヨタをつくることではなくて、大きな富士山を一つつくろうということではなくて、小さな山を日本全国にたくさんつくって、それを合わせると富士山よりも大きくなると、こういうように日本の産業であり企業の体質を変えていくということがまさに今後の十年間を展望した我が省としての政策になると思っております。
○寺田典城君 私も、大臣お答えになっているのと大体同じ考えです。多種多様というか、そういう時代で、海外にビジネスを広げなければ成長戦略はないだろうということだと思っていますし、ですからそういう点ではやっぱり人材育成が、それに対応できる人材育成が大事だと思っています。 それと、やはり個性持たせなきゃならないので、日本の国というはどっちかというと組織的な物の考えするんですけれども、もっと個を大事にして、個を成長させるというんですか、個性を伸ばすというんですか、個を教育するレベルを上げるというのが、私はそれが基礎的なことじゃないのかなと、その中で私は日本は生きていけるんじゃないかと、そのように思っています。 それで、いろいろ歩いてみますと、問い二の方に行きますけど、グローバル化に対応できなければ企業は今生き残れませんね。それで、地方でもグローバルな対応できた企業は生き残っていっているんです。例えば農業だって、ジュースを香港に売るとか、そうするとその集落がみんなブドウ作りに残ったとかですね、いろいろなのがあるんですよ。 ただ、大企業は率直に言ってグローバル対応できている企業がもうそういう中で生きているんですが、中小企業の人材というのは、これニーズが物すごくあるんですが、もっともっと中小企業のグローバル人材の育成を国として支援していく必要もあると思うんですよ。それを経産大臣としてどうお考えになるか、厚生労働省の副大臣としてどのようなことをお考えになっているのか。それと併せて、グローバル人材の育成全般について文科大臣の見解もお聞きしたいと思います。
○国務大臣(宮沢洋一君) この連休に私、インドに行ってまいりましてスズキの工場を見せていただいたんですけれども、現地に進出している中小企業の責任者の方たちとも昼食を共にしていろんな御苦労の話を聞いてまいりました。 それで、おっしゃるとおり、まさにそのグローバル人材といったものが中小企業にはなかなかない中で本当に苦労をされているということで、中小企業白書のアンケートにおきましても、直接投資や輸出といった海外展開の重要な課題の一つとして海外展開を主導する人材の確保が挙げられております。 このため、経済産業省としましては、中小企業の若手従業員など日本の若手人材を開発途上国の現地企業や政府系機関に派遣するインターンシップ事業を実施しております。このインターンシップ事業でありますけれども、昨年度、二十六年度におきましては全体で百九十一名、うち中小企業四十二名のインターンを派遣をいたしました。また、各地の中小企業の人材育成のため、中小企業大学校におきまして、海外販路開拓のための英文契約と貿易実務に関する研修や、アジアを想定した海外展開事業管理者研修なども行っております。 しっかりと中小企業の海外展開を応援していきたいと思っております。
○副大臣(山本香苗君) 厚生労働省といたしましても、先生が御指摘いただきましたように、中小企業また地方の企業でグローバル人材を育成するということは非常に大事だと思っておりまして、実は海外関連の業務に従事する労働者を育成するために訓練を実施する企業を対象にして、キャリア形成促進助成金にグローバル人材育成コースというものを平成二十五年度から設けさせていただきまして、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成させていただいて支援をしてきているところであります。これ、二十五年度は訓練場所が国内に限定されていたんですが、平成二十六年三月からは海外での訓練も助成対象に位置付けさせていただいております。 まだまだしっかりとした実績はございませんけれども、中小企業の皆様方にしっかりと浸透できるように、関係省庁、業界団体と連携をして一層支援してまいりたいと考えております。
○国務大臣(下村博文君) グローバル化する社会におきまして、言語や文化が異なる人々と主体的に協働する力を育み、国内外で活躍する人材を育成すること、もう喫緊の本当に課題であると思います。 文科省としましては、教育再生実行会議の第三次提言を受けまして、小中高等学校を通じた英語教育の強化を図る、また、初等中等教育段階からグローバルリーダーを育成するスーパーグローバルハイスクールの推進を行っていく、さらに、国際化を牽引するスーパーグローバル大学等への重点支援を昨年から行うことにいたしました。 また、民間資金を活用して日本人の若者の留学を支援する「トビタテ!留学JAPAN」の推進も取り組んでいるところでありまして、日本人としてのアイデンティティーをしっかりと高めながら、国際社会で活躍できる資質、能力を育むような教育をしてまいりたいと思います。
○寺田典城君 先ほど宮沢大臣からインドの話、出ました。 例えば、グローバルなというのは、確かにインターンで入れるべきだと思うんです。ところが、大企業はみんなそういうシステム持っているんですが、中小企業はまだ至っていないわけですね。だから、グッドモーニングぐらい分かれば、インドならインドウエーはどういう方法であるかということを、何というんですか、金魚鉢みたいな中に入って一年間も行って勉強してくれば、あちらのニーズとあちらの異文化は分かってくるわけなんですよ。だから、そういう点ではもっと、例えば百九十一名どうしたとか四十名どうしたとかというような、これグローバル対応で何千人とか何万人というスタイルのことなので、そういうことを中小企業に対してはやはり進めるべきだと思うんです。 ですから、今先ほど山本副大臣から、厚労省でもキャリアのあれを平成二十五年からしていると、私、前に指摘したことなんですが、それもごく僅かなんですね。恐らく、これはやはりシステムのできていないところには、例えば、職業能力大学校だとか専門学校だとかあるわけですから、文科省は専門学校、職業能力大学校は厚生労働省、もっと規模拡大して、それから海外に仕事に出た人でも、六十五歳定年になった人を何か講師にも呼ぶとか専任講師にするとか何かにするとか、もっと対応しなきゃ、もう十年後に日本の国、それこそ駄目になってしまう可能性あるんじゃないのかなと率直に心配しています。 それで、これちょっと資料を見ていただきたいんですが、卒業生の主な就職先と進学先と書いています。これ国際教養大学なんです。二〇〇四年にできたんですよ。それで、ちょっとこの部分見てください、二〇一三年の就職先業種と書いています。業種、製造業が五二・九%なんですよ。そうでしょう、製造業と書いてあります。私、この大学つくるとき、製造業にこれだけ、二〇一二年なんか六割以上行っておったんですけれども、これだけやっぱり、何というか、物づくり企業というか製造業は海外対応に追われているという見方もできるんじゃないかなと思うんです。 ですから、就職先みんなほとんど一流企業なんでしょうが、やっぱり中小企業、高校を出てでもいいから、とにかくそういう国際化対応できるようなことを急いで考えていただいて実行してもらいたいなと。それが中小企業の生きる道じゃないのかなと思います。 それで、多様な教育制度ということで、問いの三になります。 人材育成、私は市長六年、知事十二年やったんですけれども、二〇〇九年頃で辞めたんですが、市長六年、知事十二、三年やったら、あと何が日本でやるべきかというと、簡単に言うと人材育成、教育でした。ですから、国際教養大学なんかも、三十人学級なんかもそうしたんですが、一番やりたかったのは、簡単な言い方をすると、日本の国、五十万人ぐらい高校生までのうちに海外に留学させたらどうなんだろうという話をあっちこっちにして歩いたことがあるんです。五十万人というのは、二百万円掛ければ一兆円あればできるんですよ。そのぐらいの今急務な時代じゃないのかなと思っているんです。 ですから、要するに、そういうことで、中学校とか高校を四年制にして、一年間留学、意欲と能力と書いているんですけど、私はその意欲と能力は取り消します。一年間留学させることを新たな教育制度として導入、選択導入ということになるんでしょうけど、中学校はやっぱりなかなかまだ自立できていない、高等学校になれば一人で生活できる可能性もあると思いますので、その辺を大臣いかにお考えになりますか。五・四・四制でも四・四・四制でもいいし、いろんな教育の在り方はあると思うんですが。
○国務大臣(下村博文君) 寺田委員が、今御指摘ありましたが、知事のときつくられたこの国際教養大学は、一年間海外に留学をさせるというのを必修義務にされているということは大変すばらしいことでありまして、今同様の大学がほかにも四つほど出てきておりますし、また、これは大学の必修ではありませんが、かなり大学では、海外と単位互換制度を取りながら、一年遅れるということではなく、海外に留学したことが自分の大学の単位となるというような大学もたくさん増えている中で、今御指摘は、高校生で留学させたらどうかという御指摘であります。 高校生については、先ほどちょっと申し上げましたが、官民協働による海外留学支援の「トビタテ!留学JAPAN」日本代表プログラムで高校生を新設いたしました。それで、今年から数か月程度、これは取りあえずは数百人規模でありますが、できるということになりました。それを、数百人レベルではなくて、五十万人とか、希望する子供たちに全部行かせたらどうかという御意見でありますし、また高校三年間プラス一年間、四年間ぐらいで行かせたらどうかと、そういう御質問、御意見だというふうに思います。 なかなかこの教育課程で一年間留学期間を加えるということについては、例えば、これから今国会でお願いいたしますが、小中の義務教育学校とか、それから既に進めている中高一貫教育とか、選抜試験のないゆとりある六年間を活用して留学を推奨するなど、運用上のいろんな創意工夫というのは可能であるというふうに思いますが、なかなか中学や高校の修業年限を四年間、留学を前提にするということについては、進学や就職の年齢の変更とか経済的な負担の増ということ、大きな社会的な影響を及ぼすものでありますので、今後、中長期的、より良い学制を検討する中で、その是非について判断すべき事柄ではないかと思いますが、いずれにしても、日本の若い人たちが海外に留学できるようなチャンス、可能性は、大学含めて是非進めてまいりたいと思います。
○寺田典城君 中高一貫校だとか、四年になっちゃったら進学だとか就職だとかいろいろ影響すると。国際教養大学は、四年で卒業できる人は約五〇%なんですよ。あと残りはもう一年入っちゃっているという結果なんです。ですから、高校四年入っても、それから後何をするかということになると思いますので、それはやはり今、まず一つは少人数は駄目だという、たくさんの人を出してやらなきゃ国際化対応できないということですよ。そういうチャンスを与えるべきですよ。日本人が海外で暮らせるぐらいの教育をすべきであって、海外に暮らしてくださいという意味じゃないですよ、海外でも暮らせるような能力を付けさせるというのがこれからの日本の生き残る道じゃないのかなと。 日本は、非常にある面では世界的に、要するに規律正しい、温厚だとか勤勉だとか、戦争を放棄して、そういう派遣をするとかしないとかと、そういうあれで、それから人材もあちらの国に行ったらそれはODAでも何でもいいんで育成してくれるということで、それが私は日本の一番の売りだと思いますので、ひとつ大臣考えていただき、財務副大臣、帰ったらすぐ予算付けるようにしてもらいたい。いかがですか。
○副大臣(宮下一郎君) 先生御指摘のように、グローバル人材の育成の重要性は財務省としても十分理解しているところでございまして、麻生大臣にもしっかり伝えたいと思います。 一方で、厳しい財政事情もございますので、やはり国全体の話、国家全体の予算の構造も含めてより効果的にグローバル人材を育成するにはどうしたらいいか、文部科学省、また大臣とも御相談の上、しっかり対応していきたいと思います。
○寺田典城君 一兆円の予算なんか、それね、もう考え方変えて削れば人材育成に使えますよ。要らないダム造ったりなんかもしてますからね。これ以上物づくりなんか、道路といい、インフラ整備なんか必要ないと思うしね。だから、そういうことで考えていただきたいと思いますし、多様な教育、人材育成していただきたいと思います。 それから、二〇〇四年に国際教養大学、出発しました。それは独立行政法人化できたからなんですよ。あれがなければあのような大学はできませんでした。ところが、その大学つくるときに、二〇〇四年に学校教育法で、地方独立行政法人というのは当分の間、大学、高等専門学校以外は学校は設置することができないと書いてあるんですよ、大臣、これ誠にね。当分の間というのはどのくらいの期間ですか、二〇〇四年からなってますけど。それで、総務省の地方独立行政法人法の中では、あれですよ、改正には支障がないってこの間局長しゃべっておったんですけれども、どう思います。
○国務大臣(下村博文君) これは、一部の地方公共団体から、公立大学法人による高等専門学校以外の附属高校の設置を認めるよう提案が今なされております。文科省としては、これまでも公立大学法人が設置する附属高校の所管の在り方や義務教育費の国庫負担との関係などについて提案主体からのヒアリング等を行ってきたところでございます。 今後、公立大学法人を活用した特色ある小中高等学校教育を実現するために、提案主体からの要望等を踏まえつつ、公立大学法人による附属学校の設置の制度化に関する検討を進めてまいりたいと思います。
○寺田典城君 特区制度でやろうとか提案型でいくとかというんじゃなくて、全部法律で一律に認めるべきなんですよ。そして、競争させるべきなんですよ。なぜそういうチャンスを奪っているのかと。 例えば、今、初等中等局長は小松さんだったですね。いや、質問じゃないんですよ。あの人、十年前は課長だったんです。今、局長になっている。大体、当分の間というのは十年ぐらいでやるのが当たり前なんですよ、それは。大臣、いかがですか。
○国務大臣(下村博文君) おっしゃるとおりだと思うんですが、その財源問題で、小中ですと義務教育ということで、国庫負担金ということでいわゆる教育委員会所管の中で、これは国からも三分の一出ますけれども、公立大学法人ということになると、都道府県サイドからするとその財源を独自で持たなければならないと、そういう問題があるので、それぞれの設置主体がどう考えるかということになるわけであります。その辺で、提案型の中で、それでも自分たちでやりたいというところについては支援をするような体制を是非つくっていきたいと考えております。
○寺田典城君 駄目論で話したって日本はもう潰れるだけですよ、そうなったら。財源がどうだとかと。今一千兆円も借金がある、その中でどうやって人材育成して、もっと経済発展戦略するのかというのはしていかなきゃならぬ、もう準備しなきゃならぬですよ。それを、特徴ある高等学校、そういう公立大学は、そうした高等学校から留学させるかなんというのだって出てくると思いますよ。 だから、役人答弁はしないでください。もう一回。十年というのは当分の、十年になっているのか。もう一回言ってください、下村さん。大臣としてのお考え出してください。
○国務大臣(下村博文君) これは役人答弁ではなくて、原稿にないことを今、役人の書いたとおりのことを言っているわけでは全くなくて、申し上げているわけであります。 我々としてはそういう制度設計考えたいと思いますが、要は設置主体である地方自治体が、国の補助金等がなくなる中での独自の財源について、それでもなおかつ公立大学附属の小中学校をつくるということについては、それぞれの設置主体もやっぱり覚悟がありますから、その財源問題について、今のままではなかなか、広げたところで地方自治体が困るのではないかということで、提案型でありますが、より柔軟に地方自治体の対応に応じた、提案に応じた対処についてはしっかり考えていきたいと思いますから、当分の間というのは、地方自治体によっては一年後、二年後になるということはもう十分ある話であります。
○寺田典城君 義務教育負担金の問題だって、今私立高校だってそれは授業料免除だとか、そういうのはみんななってきていますので、それなりの工夫で出ていることは事実なので、それは理屈としては、大臣、通らないと思いますよ。 次に移ります。 ちょっと心配なのは、進学率も上がっています。ところが、労働者の平均年収というのは、一九九七年は四百六十七万円でした。二〇一三年には四百十四万円まで低下していると。日本学生支援機構の中で、奨学金の問題なんですが、奨学金を利用する人は五二・五%、御存じのとおりそうなっているんですね。ところが、有利子の奨学金借りる人、有利子で借りる人が一九九八年度は三二・四%だったんですが、二〇一四年度は四分の三の七三・九%までになるんですね。そうすると、卒業したら、そっちの借金を返すとか、結婚だとか出産、子育てだとか、そういうのは非常に負担が増えちゃって大変だと思うんですよ。ですから、これを、一兆一千億、二千億ぐらいの奨学金出ていますが、ここの資料にも書いてあって、ちょっと見ていただきたいんですが、やはりもう少し教育にお金を掛けるということを国全体として考えるべきだと思うんですよ。 財務副大臣もいらっしゃいます。文科大臣の意気込み聞きたいんですが。
○国務大臣(下村博文君) これはおっしゃるとおりで、今まで我が国は家計負担によるところが多かったわけですけれども、ますますそういう意味でやっぱり格差が進んでいる部分があるし、それから、子供の貧困率も諸外国に比べても極めて高いということの中で、いかに教育における公財政支出をするかと、全ての子供たちにチャンス、可能性を提供できるかどうかはやっぱり教育によってしっかりカバーしていく必要があると思います。 そのために、今教育再生実行会議の中でも教育における財源論、これについて議論し、まとめていただいているところでございまして、是非財務省にも聞いていただければと思いますが、文部科学省としては、寺田委員のような御指摘をしっかり踏まえながら、教育における負担軽減を図って、全ての子供たちに高等教育、あるいは留学も含めてチャンス、可能性が提供できる、そういう国にしていくことが結果的には国の豊かさにつながると、そういうことで是非してまいりたいと思います。
○寺田典城君 あと、もう終わりますけれども、リーマン・ショックの後、オバマさんは何に金を付けたかというと、コミュニティーカレッジの入学率を増やしたということ、事実ですね。三千ドルぐらいですから三十万円ですね。単位互換制度も全国、連邦制ですからなっていますけれども。 そういうことも含めて、やっぱり人材育成にもっとお金を、力を入れていただきたいということを述べて、あと、二十五日、また委員会ありますから、残ったのは次にさせてください。どうも、上川大臣、申し訳ありません。皆さん、どうも済みません。 そういうことで、十年は当分の間ということでひとつ御理解賜りたいと思います。
○大門実紀史君 大門でございます。 この国会で政策投資銀行法案そして商工中金法案というのが審議されてきておりますけれども、今、政策金融の在り方が改めて問われているというときだと思いますが、最初に申し上げますと、我が党としては、単に何でも民営化すればいいものではないと。公共性が高く、民間ではリスクが取れない中小企業とか、あるいは環境、エネルギー、災害、医療、福祉といった分野には政策金融が引き続き役割を果たすべきだという考え方でありますので、完全民営化等々には必ずしも良くないのではないかと思っている立場でありますけれども。 その中で、商工中金なんですけれども、本当の意味でやっぱり中小企業融資に引き続き頑張っていってほしいなと思うんですけれども、ところが、この間、商工中金が中小企業融資の枠を超えて、大企業、しかも何と一部上場の大企業への融資を拡大したり、あるいは、商工中金の仕組みは中小企業協同組合をつくってもらってその組合あるいはその会員企業に融資をするという形ではあるんですけれども、その仕組みが形骸化していろんな問題が起きてきておりまして、商工中金もこの民営化の路線で翻弄されているのか、大変変質してきているのではないかという疑問がありますので、決算委員会ですから、経過も含めて質問していきたいと思います。 まず、中小企業庁にそもそも論をお聞きいたしますけれども、商工中金というのは元々、政府と中小企業組合の共同出資で一九三六年に設立されたわけですけれども、ここにパンフがありますけれども、この最初に書いてあるのが、中小企業による中小企業のための金融機関であるということをうたっているわけであります。 高度成長の時期はなかなか銀行も中小企業に貸してくれないと、中小企業同士で組合をつくって、それに商工中金が貸してあげるというスキームで中小企業も助かってきたわけなんですけれども、そういうことですから、この商工中金法には、融資を受けられるのは、先ほど申し上げましたけれども、組合か、組合に入っている会員の中小企業かと限定されております。ですから、商工中金は言うまでもなく中小企業専門の政策金融機関であります。 中小企業等協同組合法では、中小企業の定義は、資本金が三億円以下で、又は従業員が三百人以下となっています。したがって、これ以上は大企業ということで商工中金を利用できないんですけれども、ただ、例外的に、大企業がこの中小企業協同組合の構成員になれる、そして融資も受けられるという例外的なケースがありますけれども、それはどういうケースか、簡単に説明してください。
○政府参考人(北川慎介君) お答えいたします。 今の御質問は二つ分かれていると思いまして、一つは、中小企業組合に大企業は入れるかという話と、もう一つは、その中の大企業について商工中金が融資をできるかと、こういうふうに分解させてお答えさせていただきたいと思います。 まず、中小企業等協同組合法におきましては、本来、中小企業の相互扶助といった法律の目的に合致する場合におきまして、事業協同組合に大企業が加入すること自体を排除はしておりません。したがいまして、例外的に大企業が入っている場合もございます。そうは申しましても、まず、大企業の加入につきまして、組合において、中小企業の相互扶助に資するかどうか、こういったことを組合でまず判断していただいて、大企業を含めた事業者の加入に際しましては理事会の承諾を得る旨を定款で定めるということにしております。 また、同法におきましては、大企業が一つでも加入する場合には公正取引委員会への届出を義務付けておりまして、これは、事業協同組合が、中小企業が大企業と相対して自由競争を行うために力の結集が必要である、こういった理由で独占禁止法適用除外とされていると、こういう事情からでございます。その上で、公正取引委員会は、独占禁止法に違反する疑いがある場合に、当該組合が独占禁止法の適用除外組合として認められるか否かの判断、あるいは当該事業者を組合から脱退させるか否かといった判断を行うこととされているところでございます。 さらに、認可行政庁、これは都道府県単位であれば都道府県庁ということになるわけでございますけれども、調査あるいは不服申出等によりまして、大企業の参加に関することも含め、組合の運営が法律、定款に沿って適切に行われていないということを把握した場合には、是正に向けた指導あるいは業務改善命令等を行うこととされております。 一方、次の御質問でございますが、そういった商工組合中央金庫の融資先ということでございます。 商工中金法におきましては、中小企業組合及びその構成員が融資対象として規定されております。大企業でありましても、その構成員であれば融資を行うことは可能でございます。 そうした大企業の融資につきましては、当該企業ニーズに応えることが所属する組合の活動に対する下支え、あるいは、中小企業との取引を通じまして、下請など多くの中小企業の経営安定化といいました商工中金の目的に沿った取組であるかどうか、そういったものに限定的に対応しているところでございます。実数を申し上げますと、東証一部上場企業の貸出先数は全体の〇・三%、二百十社程度、残高は総貸出残高の二・五%程度にとどまっているところでございます。 以上でございます。
○大門実紀史君 長々ありがとうございます。 要するに、中小企業組合自身が、大企業がその中小企業組合に入ってもらうことが会員の中小企業がメリットがあるというふうに判断した場合、手続をきちっと取って入ってもらうことがあると。入ってもらった場合で、協同組合は融資ばかりとは限りませんから、融資の場合ですと、入ってもらって、なおかつその大企業に対する融資がほかの中小企業にもメリットがあるという場合に融資がされるという例外ケースだということであると思うんですけれども、したがってこれは例外でありまして、レアケースでありまして、しかも、大企業の利益が一義的じゃなくて、全体の会員の中小企業の利益が一番ということでありますので、組合員企業の何割もが大企業が占めるということは普通あり得ないんですよね。あり得るはずがないんですけれども、実際にそういうことが起きました。 資料をお配りいたしましたけれども、大阪中小企業振興協同組合でございます。これは実は、去年の夏、私の部屋に、この組合が大企業を大量に加入させて商工中金の融資を受けさせていると、また、その大企業も含めて一部の組合員だけが商工中金に出資をして、高い配当を受けて山分けをしているというふうな訴えといいますか情報が寄せられまして、独自に調査を進めてきたんですけれども、先に今年の二月、とうとう直接監督責任が、組合に対して直接監督責任があるのは大阪府、都道府県でございますので、大阪府がこの組合に文書による行政指導を出した、その文書でございます。指導文書です。 何が書いてあるかというと、要するに、一項目めの問題は、簡単に言いますと、さっき申し上げましたけれども、一部の組合員だけから出資を募ってそれを商工中金に出資して配当を山分けした、それを決算書に書かずに隠していた、ほかの中小企業、会員企業に隠していたと、これはまずいよというのが最初の一番目でございます。二番目が、この組合は、先ほど挙げました例外のケースとして大企業も加入できることはできるんだけれども、ちゃんとした手続を踏まないで、大企業を入れる意味も説明しないで大企業を加入させていたことは不適切だというふうに大阪府が指摘しているわけであります。 今現在、聞いてみましたら、大阪府は是正指導を進めている最中だということであります。 ちょっと大臣に基本的なこの問題に対するスタンスをお伺いしたいんですけれども、もちろんこの組合に対する直接指導監督は都道府県ですから大阪府にあるんですけれども、この問題はほかでも行われている可能性というのは否定はできないわけですね。商工中金の融資でありますので、経済産業省としても中小企業庁としてもやっぱり重大な関心を持って注視すべき出来事ではないかと思うんですが、まず大臣にその辺のお考えを聞きたいと思います。
○国務大臣(宮沢洋一君) 委員おっしゃるとおり、大阪中小企業振興協同組合に対しては、認可行政庁であります大阪府が指導を行っているところでございます。自治事務といたしまして大阪府が知事の権限で行っている指導であることから、私どもとして詳細状況について申し上げる立場にはございませんけれども、大企業の組合加入について理事会に加入の諾否の確認を行うことなどを指導していると承知をしております。 今後、大阪府から中小企業等協同組合法に関する法令解釈などについて助言を求められた場合には、適切に対応していきたいと考えております。
○大門実紀史君 この組合の会員名簿を独自で入手をしております。調べてみますと、何と一部どころか三分の一以上が大企業でございます。通常、この中小企業協同組合、大体名前が中小企業協同組合なんですけれども、三分の一以上が大企業というのは、これあり得ない話じゃないんですかね。中小企業庁としていかがお考えですか。
○政府参考人(北川慎介君) お答えいたします。 中小企業等協同組合法におきましては、その加入数について具体的な数字の制限というのはございませんけれども、この法律自体が、中小企業の相互扶助、これを目的としていることに鑑みますと、大企業が相当数、かなりの数入っているということは必ずしも正常とは言えないのではないかと考えます。
○大門実紀史君 これは正常じゃないんですよね。 それで、しかも、さっき言った三億円というようなレベルじゃなくて、入っているのは、東洋紡、これは資本金五百十七億円です。従業員が、三百人どころじゃありません、一万四百八十七人。ユニチカも入っております。資本金二百六十二億円、従業員は四千七百四十五人、東証一部上場の大企業でありまして、あと大阪マツダ販売、ネッツトヨタなど大企業系列の会社が入っております。 上場企業を含む大企業が加入しているわけですけれども、こういう大企業は別に融資を受けられないわけじゃなくて、政策投資銀行から融資を受ければいいわけですけれども、なぜ、本来中小企業向けのこの商工中金の融資枠を使わなければいけないのか、この点、中小企業庁はどういうふうに考えておられますか。
○政府参考人(北川慎介君) 組合の構成員との立場から、中小企業向け取引に当たりましてこれを使った方がいいという判断があったのかもしれませんし、一方で危機対応融資というのをやってございます。これは、規模にかかわらず、大企業自体がうまくいかないとそれの取引先の中小企業もうまくいかないという判断も当然ありますので、そういった観点から融資している可能性もあると考えます。
○大門実紀史君 専門家なのにちょっとお分かりになっていないのかなと思うんですけれども。 実は商工中金融資というのは、一旦その中小企業協同組合の会員になれば大変スムーズに、簡単に融資が受けられるんですね。私、ふだん財政金融委員会ですけれども、政策投資銀行とはちょっと違うんですよね。だから、この組合に入っちゃえば、入れてもらえさえすれば非常にスムーズに融資が受けられるので、ちょっと難しいことを抱えている大企業なんかは、政投銀といろいろやり合うよりはここに入れてもらった方がさっと融資が受けられる、そういうメリットがあるわけですよね。それで入っているんだというふうにしか考えられません。 今お話ありましたとおり、この組合の専務理事が、報道ベースなんですけど、これは直接聞いたわけではありませんが、マスコミの質問に答えて、東洋紡などの超大企業が加入したのは二〇〇八年、九年のリーマン・ショックの、あるいは災害対応のいわゆる危機対応業務のときにこういう大企業も商工中金の融資に入ってきたとおっしゃっております。 それで、資料の三枚目見ていただきたいんですけれども、一部上場企業向けの融資残高ですけれども、今ありましたとおり、二〇〇九年三月末から二〇一〇年三月末まで危機対応業務、つまり金融危機とか災害とかに対応する融資ですけれど、これが百九十三億だったのが一気に二千六十二億円になっています。ここで大企業がわっとこの融資を受けたわけですね。ところが、危機対応ですから、これは収束していきます。その代わりに、上の段ですけれども、通常融資がどういうわけか、通常融資がずうっと代わりに増えてきて、結局、危機対応は収束していっても通常融資が増えて、トータルでいきますと、合計でいきますと、二〇〇九年から二〇一四年まで一部上場の超大企業融資が倍になっているということであります。 したがって、この大阪だけの、ここだけの問題とは思えないことなんですね。なぜ、この大企業融資を商工中金が増やさなければならないのかと。中小企業に一生懸命やったらいいわけですね。なぜ、わざわざこんな倍に増やす必要があるのかと。この辺は中小企業庁はどういうふうにお考えですか。何も知らなかったんでしょうか。
○政府参考人(北川慎介君) 大企業融資につきましては、ちょっと繰り返しになりますけれども、中小企業、様々な立場で相互扶助という関係から組合を構成しておりますので、その中に入っている大企業につきましては、そこの事業がうまくいかないと全体もうまくいかない可能性があります。そういった観点から、通常融資が増えている可能性があると思います。 一方、借りやすいというお話でございますけれども、金利の水準で見てみますと、主要な地銀などと比べますと商工中金の金利は決して低くはないわけでございまして、そういった観点からすると、特に有利だからということでこちらに来ているとは一概には言えないと考えております。
○大門実紀史君 いや、そんなことない。全然スムーズで有利であります。 大阪の組合の話に戻りますけれど、こういう東洋紡、ユニチカといった一部上場の企業は、大阪府が指摘するように、適正な手続なしに加入したと。これが問題で指摘されているわけですけれども、その加入の目的がこの危機対応業務融資をスムーズに簡単に借り入れることだったのは関係者からも間違いないわけであります。 こういうことで中小企業融資枠を使おうという大企業そのものの、何といいますか、コンプライアンスといいますか、道義的なものを感じますけれども、やはりこういう仕組みを許してきた、私は、中小企業庁は何も知らなかったわけじゃないと思うんですけれども、経産省も問題ではないかというふうに思います。 もう一つは、なぜこの大阪中小企業振興協同組合、恐らく私はこれ大阪だけじゃなくてほかにもあると、そうでないとこれだけ伸びない、大企業融資がですね、という前提でお話をしているわけですけれども、この組合だけを何かやり玉に上げようというつもりはないんですけれども、なぜこの大阪の組合にたくさんの大企業が入れたのかですけれども、これは商工中金自身が意図的にこの問題に関与してきたのではないかという疑惑がありますし、関係者の証言があります。 一つは、この大阪の中小企業振興協同組合の事務所は、何と、大阪の中央区に商工中金が入っている船場ビルというのがあります、私も行ったことありますけれども、その船場ビルの中にこの組合の事務所もあるわけですね。もう一つは、この組合の事務を取り仕切っている専務というのは商工中金のOBであります。前任者も商工中金のOBであります。ただ、商工中金のOBが各組合に天下るというのはよくやられることでありますが、ここも例外ではありません。つまり、地理的にも人的にもまさに商工中金のお膝元でこんなことが起きたということなんですね。大阪府が指摘しているように、組合の民主的な運営が麻痺しているんだと。麻痺しているということを大阪府は指摘しているわけですね。 具体的に言いますと、理事クラスの人間も名前を貸しているだけで会議などにも全く出席していなかった、商工中金が全て取り仕切っていたと。融資のやり方もおかしいんですよね。まず、普通の中小企業が商工中金に融資の相談に来ると、その後、組合員でないと貸せないということになるわけですが、どこか加入できる組合がないか探すわけですね。なかったら、この組合に受皿として紹介していたということなんですね。 そういう中で、さっき言った、ちゃんとした総会の手続とかいろんなことを経ないで、組合としての民主的な手続を経ないで大企業をどんどん入れたりしていたということが起きているわけであります。したがって、まさに中小企業庁の直接監督下にある商工中金が、この中小企業協同組合という制度を利用して大企業融資を増やしてきたと。 これは意図はちょっと分かりませんけれども、恐らく想像できるのは、民営化のスピード、民営化とこうやられて、そのスピードを落とすために商工中金としての融資残高を増やしておきたいと。ちょっと民営化に抵抗しておきたいというような流れがあったのかも分かりませんが、その辺は私の推測ではありますけれども、とにかく商工中金自身が大企業融資を進めたというのはこの組合の例で明らかになっている点であります。 〔委員長退席、理事赤石清美君着席〕 本来、中小企業融資、支援の役割なんですけれども、それを損なって商工中金がやっていたとしたら、これは大変な問題であります。この点はやっぱり、さっきみたいにちょっと人ごとにしないで、直接商工中金の監督責任があるわけですから、きちっと中小企業庁として調べなければならない点ではないかと思うんですね、商工中金の関与について。これはいかがですか。
○政府参考人(北川慎介君) 御指摘の個別の組合についてちょっとコメントすることは差し控えますけれども、本来の法の目的、中小企業等協同組合法におきましても、あるいは商工中金法におきましても、中小企業の相互扶助あるいはまた中小企業者の資金繰りを支援すると、こういった立場にありますので、そういった観点から適正な業務が行われているようにきちんと監督してまいりたいと思います。
○大門実紀史君 本当に、中小企業庁は商工中金民営化したくないんじゃないかと思うんですよね。それならそれでやっぱりきちっとした中小企業支援を、ありのままに中小企業支援に頑張るべきだと思うんですね。こういう変なことをやって延命を考えると、かえってもう潰せということになりかねないと思うので、この問題はやっぱりきちっときれいに対応されるべきだというふうに思います。 もう一つは、先ほど大阪府が指摘した一点目なんですけれども、これはどこでもやられているとは申し上げません。この大阪協同組合だけの問題点だと思いますけれども、先ほど言いましたとおり、一部の組合員からだけ出資金を募って、ほかの組合員にはないしょで商工中金に出資して、商工中金の出資の配当というのは高いですよね。配当、今三%ですかね、株価の関係で二%ぐらいになりますけれども、三%というのはずっと変わりません。この低金利のときに三%の配当が出るというのは大変魅力なわけですね。 したがって、数でいきますと、二〇〇七年にやったんですけれども、組合員数が百五十企業あったんですね、大企業を含めて。そのうちの三十八社から九億円以上を集めて商工中金に出資して、高い配当をもらって身内だけで、自分たちだけで山分けしたと。実は、この協同組合が出資できるのは純資産の範囲内となっておりますから、この組合の場合は純資産は三千六百万円なんですよ。だから、九億円というのは、その二十五倍も集めて出資して配当を得たというわけですね。これは会計原則違反でありますけれども。それを、ほかの会員企業に分からないように決算書に載せないで隠したということが指摘されているわけですね。もちろん、その三十八社の中には大企業も入っていたわけであります。 この事務を取り仕切ったのは紛れもなく商工中金のOBなわけですね。これはさっき言った大企業一般の商工中金の在り方とはちょっと違う、これは事件物でありますけれども。これは、各組合の組合民主主義が形骸化して、商工中金のOBが好きなように動かして、商工中金の高い配当を得ようと思えばこんなことまでできてしまうというとんでもない例だというふうに思うわけですけれども、この出資問題については特に中小企業庁としてきちっと調べないとまずいんじゃないですか。
○政府参考人(北川慎介君) ただいまの出資の件でございます。これは、平成二十年以前、商工中金は平成二十年に株式会社化をされておりますが、それ以前の事柄でございます。その時点におきますと、商工中金の出資者、これは中小企業組合に限定されておりまして、組合員そのものには資格がない状況でございました。現在、それは改まりまして、組合の構成員であれば中小企業であっても株式を取得できるということになっております。 その際に、このように当時は組合に限定されておりましたものですから、商工中金に出資しようと思っても、組合が組合員からの財源の拠出を受けてある意味分割して出資していた事例がございました。その際におきまして、配当金の扱いにつきましても出資された方にお渡しするという、そのような事務をやっておるということは事実でございます。 その際におきましても、商工中金では、組合経営の適切な運用という観点から、組合と組合員間の関係をはっきりする、あるいは契約書等の書面を作ると、こういった手続をしっかり踏みながら必要に応じて顧問税理士さんとの相談も行ってくるように勧奨していたというふうに聞いております。 いずれにいたしましても、この問題につきまして引き続きよく見ていきたいと思います。
○大門実紀史君 とにかく、守らないで、これは守らない方がいいと思うんですね、中小企業庁、これはちゃんとうみを出した方がいいと思うんですよ。その方が、この後、この後々、やっぱり商工中金の本当に役割を高める意味にもなると思うので、きっちりやってほしいなというふうに思いますし、私はこの問題、本当に分かれ目だと思っているんですよね。 この問題そのものを解明してもらいたいですけれど、やっぱり商工中金の在り方、中小企業支援の金融の在り方問われておりますので、本当に頑張って、まともに中小企業を真っすぐに支援するという方向に切り替えないとまずいと思いますので、最後に大臣のこの問題含めて方向性をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(宮沢洋一君) 今、話を承りながら、私、実は大蔵省におりますときに商工中金の予算を担当したことがございました。当時は、国からも産投から出資を出していまして、それと民間からの出資というのが実はリンクをしておりまして、逆に言うと、民間からの出資が大変集めにくかったというのがよく実態として聞いておりました。 今、配当が高いからということで、本当に出資を大企業はしたかったのかなと。一方で、先ほど言われましたように利回りが二%程度。同じような利回り、それ以上の利回りの株はいろいろございますし、更に言えば、店頭市場でしか取引されていませんから流動性が非常に乏しい株式ですから、大企業が利回りを受けたいがためにそういう出資をしたのかどうか、その辺はまたいろいろ実態はどうかよく分からないなと思って実は伺っておりました。 ただ、一方で、まさにおっしゃるように、商工中金というのはまさに中小企業者のためにある中央金庫でありますし、組合という日本の中小企業にとって大変大事なものをある意味では金融面から支えていくという、そういう趣旨で設立され、行われている中央金庫、銀行でありますので、やはりいろんなことが指摘されないように、大企業優先云々というふうなことは相当我々としても目配りをしながら商工中金を指導していかなければいけないと思っております。
○大門実紀史君 ありがとうございました。終わります。 〔理事赤石清美君退席、委員長着席〕
○山口和之君 日本を元気にする会・無所属会の山口和之でございます。 いつもこの時間になると質問が重なって苦慮するところが多かったものですから少し多めに用意してきたんですが、重なるところが全くなかったということで、そうすると最後までたどり着く自信がないので、少し順番を変えさせていただきたいと思います。三番、四番の質問を最後に回させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 それでは、まず、ADRセンター、東電原子力損害賠償に関する国の支援等の実施状況に関する会計検査の結果についての報告書について質問させていただきたいと思います。 会計検査院は、文科省においてADRセンターの体制整備に努めるとあるが、その趣旨について伺いたいと思います。
○説明員(平野善昭君) お答えいたします。 会計検査院は、東京電力株式会社に係る原子力損害賠償に関する国の支援等の実施状況について、参議院から会計検査の要請を受けて検査を行い、その結果を本年三月に報告しております。 御質問いただきました原子力損害賠償紛争解決センター、いわゆるADRセンターについてでございますが、ADRセンターにおける和解の仲介の申立てに係る未処理件数は、平成二十四年十二月に三千二百一件という最大値を示した後、仲介委員やこれを補佐する調査官等が増員されたことなどにより減少したものの、二千五百件から三千件程度で推移しておりまして、未処理件数が大幅に減少するにはなお時間を要すると考えられます。 このため、会計検査院の所見といたしまして、文部科学省において、処理の促進のために引き続きADRセンターの体制整備等に努めることに留意する必要があるとしているものでございます。
○山口和之君 検査院の所見について今いただきましたけれども、文科省の見解についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(田中正朗君) お答え申し上げます。 原子力損害賠償紛争解決センター、ADRセンターの体制につきましては、平成二十三年九月の発足当初は和解仲介業務を行う弁護士は四十五名でございましたけれども、被害者の方々がより迅速に和解の仲介を受けられるように、平成二十七年五月には四百七十九名まで増員するなど体制の強化を行うとともに、審理の簡素化の工夫にも努めてきているところでございます。 このような取組によりまして、当初約八か月を要しておりました審理期間はおおむね半年以内まで現在短縮しているとともに、毎月三百件から四百五十件程度の案件の和解仲介手続が終了いたしまして、平成二十七年五月八日時点では、和解仲介手続を終えた一万三千百四十七件の約八三%に当たります約一万九百件で和解が成立しております。 ADRセンターに対しましては、現在でも毎月三百件から五百件程度の新たな申立てがございまして、和解仲介手続には一定の期間が必要でございますので、手続中の案件が一定数存在することはやむを得ないと考えてございますけれども、できる限り迅速な和解仲介手続が行われるよう、引き続き体制の整備などに取り組んでまいりたいと考えてございます。
○山口和之君 処理できるという話なんですけれども、たまっていることは事実ですし、スピードを上げていただきたいということは、もうこれは当たり前のことだと思いますので、未処理件数を大幅に減少させるためにも人員等の強化を是非お願いしたいなと思います。 また、同報告書においてですけれども、検査院の試算として、国が原子力損害賠償・廃炉等支援機構を通じて上限の九兆円を東電に交付した場合、全額回収できるのは最長で三十年後になり、国が負担する利息の一千二百六十四億円は税負担、国民負担となるとの試算が示されているところです。 検査院は、国が機構を通じて交付した資金の確実な回収と東京電力の企業価値の向上の双方に十分配慮する、また、機構が特別負担金の額を主務省令で定める基準に従って定めたことについて国民に十分に説明をしていくように、内閣府とともに機構を監督することを求めている。 経産省の見解についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮沢洋一君) 会計検査院からそのような指摘を受けたわけでありますけれども、実は東京電力につきましては、指摘を受ける前から新・総合特別事業計画というものを作っておりまして、その中で、国が東電に対して支援した資金の負担金の納付を通じた確実な回収と、除染費用相当分の回収に充てる株式売却益を確保するための東電の企業価値の向上の両立に十分配慮していくという方針を政府として持っておりましたけれども、重ねて会計検査院からも指摘されたところでございまして、このようなまさに両立をするということに十分配慮して対応していきたいと思っております。 そういう中で、東電につきましては、まさに電力システム改革を先取りした分社化とか燃料・火力部門の包括的アライアンス、これは中部電力とでございますけれども、そういうものを通じまして、企業価値を高め、除染などの費用相当分の早期回収と国民負担の抑制を図る必要があると考えております。 なお、機構におきましても、会計検査院の指摘を踏まえ、三月末に行いました平成二十六年度の特別負担金額の公表に当たっては、これまでの単なる金額の公表だけではなく、その決定が主務省令に沿った考え方に基づいて行われたことも併せて公表し、透明性の向上を図ったところでございます。
○山口和之君 ありがとうございます。 国が負担する利息が税負担となること、ほかにも特別負担金が発生すること、九兆円では済まないかもしれないと、あるいはその可能性を述べる方もいらっしゃいます。税金だけではなく電気料金にも及ぶことを考えていきますと、費用が幾ら掛かって、誰がどのように負担するのかということを含めて、国民に納得していただくように是非努力をしていただきたいと思います。 続きまして、先ほど堀内委員からオリパラに向けてトップアスリートの支援体制について様々な角度から質問があったところでございますが、その基盤となる子供の運動能力についてお伺いしたいと思います。 昨年十一月に、平成二十六年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果が出されておりますけれども、結果の概要について示してほしい、これが一つです。 また、文科大臣にお伺いしたいんですけれども、東京オリンピック・パラリンピックをも展望しつつ、子供の体力、運動能力をどう伸ばしていこうとしているのか、伺いたいと思います。
○政府参考人(久保公人君) それでは、まず、昨年十一月に出されました平成二十六年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果でございます。 本調査を開始しました平成二十年度以降、体力合計点に大きな変化は見られなかったところでございますけれども、五十メートル走など比較可能な種目について過去の実績と比較しますと、子供の体力水準が最も高かった昭和六十年頃と比較した場合に、依然として低い水準にございます。 また、この体力が低下した原因につきまして様々な要因が考えられるところでございますけれども、本調査においては、例えば、幼少期の多様な運動経験のある小学校女子が運動していなかった児童と比較して体力が高い傾向にある、それから、運動部活動等に所属している中学生男子は運動時間が長く体力合計点が高い、さらに、積極的にスポーツをする子供とそうでない子供の二極化が顕著に認められ、そのうち家族から運動やスポーツの勧めがあるほど運動時間が長いことなどが示されているところでございます。
○国務大臣(下村博文君) 文部科学省では、東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催される二〇二〇年をターゲットイヤーとして、スポーツを通じて全ての人々が幸福で豊かな生活を営むことができるよう、先日、スポーツ庁設置をしていただくことを国会で可決をしていただきましたが、スポーツ立国実現のために様々な取組を行いたいと思います。 子供の体力、運動能力の向上につきましては、スポーツ基本計画に基づき、毎年悉皆調査で実施している全国体力・運動能力、運動習慣等調査などの結果を踏まえまして、幼児期から、運動の促進、学校の体育に関する活動の充実、総合型スポーツクラブ等、地域における子供のスポーツ環境の充実などによりまして、子供が十分に体を動かしたりスポーツの楽しさを実感できる取組を推進してまいりたいと思います。
○山口和之君 昭和六十年をピークに、それ以降は低下し、今はそれほど下がっていないということでしたが、いわゆる子供の運動能力の可能性というのはもっと高いレベルのところにあるんだろうということを考えますと、オリパラに向けた対策というのは重要になってくるんだと思います。 また、配付いたしました資料を見ていただきたいんですが、これは、文科省が毎年小学校五年生と中学校二年生の児童生徒対象に、全国体力・運動能力、運動習慣等の調査結果の、福島県の児童生徒の比較でございます。 この調査を見て、体力を見ますと、男子の場合は、このグラフを見ていただくと、男子の方の青い折れ線グラフの方は全国小学校、赤い方が福島県なんですけれども、体力は低いところにあると。中学生見ても、全く同じように低いところにあると。それから、その右側の肥満傾向について見ていただくと、全国の小学校については低いところにあるんですけれども、本県は肥満傾向にあると。女子については、中学校で体力が低下していて、小学校では肥満傾向があったという結果がありました。 この結果を受けてなんですが、原発事故の影響で外遊びや屋外運動が減った福島県の児童生徒の現状は、平成二十六年体力・運動能力調査結果、また学校保健統計調査結果によっても、体力低下や肥満傾向が指摘されていて深刻な状況です。県においても同様の対策を講じているところでありますけれども、国としてどのような支援をしてきたのか、また今後福島県の子供たちの体力向上や健康増進にどのように取り組むのか、決意を文科大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 平成二十六年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査によりまして、御指摘のとおり、福島県の小中学生とも全国を下回っているという状況なわけでございます。福島の子供たちの体力向上、健康増進を進めるために、今年度から新たに福島県からの要望を踏まえまして、小学校の体育の授業への専門アドバイザーを派遣するということ、それから、健康診断や体力調査の結果などを小学校四年生から高校三年生まで継続して記録する自分手帳の作成に対する支援を行うことなどを始めました。 今後とも、文科省としても、福島県の要望を十分にお聞きしながら、福島の子供たちの体力向上、健康増進に向けた取組に対してしっかり支援をしてまいりたいと思います。
○山口和之君 ありがとうございます。 子供の発達段階において重要なときに対して支援はやはり必要なところですので、その環境においてどういうふうに対応するかというのは是非お願いしたいと思います。 そこで、部活動についてお伺いしたいんですけれども、昨今、学校の部活動における体罰や事故、根性主義的な活動内容が問題になっておりますけれども、この話は自分が中学校、高校の時代も余り変わっていないと。 要するに、何というんでしょうか、休みもなくずっと部活動をやっていたり、あるいは、そのトレーニング方法について、自分、理学療法士をしているものですからいろいろ思うところがあって、部活動の指導の方法、内容等がとても現代の科学的な根拠に基づいた指導とは思えないような内容が平気で行われていると、まだ。ウサギ跳びはしないとしても、水分は取るようになったとかそういうことはあったとしても、十分な子供の発達段階に沿った指導なのかというと、えっというところがたくさん実はあるんです。あと、また教員が長時間の勤務をずっとしていたり、これはちょっとびっくりしました。自分が中学生、高校生の時代ですから、相当前の話と余り変わっていないというところはびっくりしたんですけれども。 部活の教員の長時間の大きな問題とか部活指導の内容とか、そういうことを考えていくと、チーム学校の取組とか、バランスの取れた活動への転換とか、休みを取り入れたり、そんないろんなことを、科学的な手法を取り入れたり、いろんなことをしなきゃいけないんじゃないかなと。 一番発達段階で大事なときだと思いますので、是非その件について文科大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 私も中学生のときサッカー部にいたんですが、ウサギ跳びと、それから絶対水を飲んではいけないということ、なおかつ、三百六十五日、土日も学校に行って練習することが強くなることなんだというような、今から考えるともう非科学的な、根拠のないことをさせられていたんだなという感じがいたしますが、日本もそういう根性論から、スポーツ庁もできたことですし、科学的な裏付けに基づく指導ということをしっかり考えていかなければならないというふうに思います。 また、中学校等の教員を対象としたOECDの国際教員指導環境調査においても、我が国の教員は諸外国の教員に比べて課外活動の指導時間が長いという結果が出ておりまして、負担に感じている教員もいると。なおかつ、教員も必ずしもみんなその部活におけるプロフェッショナルではなくて、担当になったのでちょっと素人でもやらざるを得ないという方も結構おられるということでもあります。 昨年度から開始した運動部活動指導の工夫・改善支援事業におきまして、スポーツ医科学や外部指導者の活用などによる効果的、計画的な指導体制の構築に向けた取組の支援を行うということといたしました。さらに、現在、中教審におきましても、運動部活動での指導体制も含め、学校組織全体の総合力を一層高めるための方策について審議していただいているところでございます。 今後とも、運動部活動においてより適切かつ効果的な指導の充実になるように、スポーツ立国も併せてしっかり目指してまいりたいと思います。
○山口和之君 顧問の先生の教育、大事です。ただ、家族に引っ張られたり、あるいはよく理解しないままやっていらっしゃる先生もたくさんいらっしゃる。校長先生自体がちゃんと認識して学校の方針をしっかり決めないと、これはいつまでたっても変わらないということなので、学校を挙げてチームで子供を育てていくという環境を是非つくっていただきたいなと思います。 時間が終了したので終わらせていただきます。
○渡辺美知太郎君 無所属の渡辺美知太郎です。 まず、経営再建中のシャープについて伺いたいと思います。 私の地元にも工場がありまして、今このシャープの問題、大変大きな波紋を呼んでおります。民間企業の話でありますので、デリケートな部分、難しい部分もあるかとは思いますが、今現在、このシャープの経営再建について政府としてはどのように捉えているか、宮沢大臣の御見解を伺います。
○国務大臣(宮沢洋一君) 私の地元にもシャープの工場がございます。 シャープは、先週十四日に中期経営計画を発表しましたけれども、個社の経営に関することでございまして、その内容について政府としてコメントする立場にはございませんが、ただ、一般論として申し上げますと、エレクトロニクス産業における国際的な競争環境は依然として厳しい状況が続いており、競争力強化のための抜本的な取組がなされることは望ましいことだと考えております。
○渡辺美知太郎君 十二日の記者会見で宮沢大臣は、当時計画されていたシャープの大幅減資、当時は、中小企業向けの優遇措置をシャープが受ける可能性について、大臣は、若干企業再生としては違和感があるのは事実だとおっしゃっていました。 このコメント自体について私もとやかく言うつもりはありませんが、大臣のこのコメントは経産省の見解としてのコメントなのか、先ほどおっしゃいました大臣の一般論という解釈でよろしいのでしょうか。
○国務大臣(宮沢洋一君) 正確に申し上げますと、記者会見におきまして記者から問われまして、一億円以下の資本金にして中小企業施策を利用するというような報道がありますけれども、それは何となくこういうものに使うには若干企業再生としては違和感があることは事実でありますけれども、それらについてもまだ何の決定もされていないのではないかと思いますと、こう申し上げました。 これにつきましては、あくまでも一般論といたしまして、事業再生を行おうとする大企業が税制や補助金などの中小企業支援施策を利用するためだけに一億円以下に減資するということであれば違和感は感じると、こういうことを申し上げたわけですけれども、まさに中小企業政策を担当する大臣として違和感があるということを申し上げたところであります。
○渡辺美知太郎君 分かりました。 これ民間企業の話でありますので、私もこの問題見守っていきたいと思っています。 このシャープのように、世界的な大企業でさえ経営に行き詰まる今日の現状、一昔前までは、私の地元でも、大手企業、それも製造業の工場の誘致合戦、これが各地で行われていたと思います。 しかし、やはりこうやって考えてみますと、少数の企業、そして特定の業種に地域経済を頼るというのはリスクが高いと言えます。福島第一原発も、かつては周辺自治体が東電一辺倒の地域経済となってしまっていたため、除染が終わって帰還が可能となっても地域経済の牽引役がいないのではないかという今懸念があります。 そんな中、今、電源立地交付金など原発に関する交付金の話があります。廃炉を見越した原発立地自治体への新たな交付金の検討、それから原発立地地域対策交付金の配分方法の見直しなど様々あります。もちろん、地域によっては、もう何十年も原発を使って原発を稼働させて地域の経済を成り立たせていきたいと、そういった地域もありますので、すぐにそういった交付金がいかぬ、廃止をすべきだとは申しません。しかし、これ以上地域経済を原発に依存し過ぎるというのは、今後事故が生じた場合に地域経済が一気に凋落するリスクもあります。 原発立地自治体について原発に頼らない町づくりを是非すべきではないかと思うのですが、宮沢大臣のまず御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(宮沢洋一君) まさに、原発の立地自治体の皆様には、長年にわたって国の原子力・エネルギー政策に多大なる御協力をいただいたものと強く認識をしております。一方、原発の稼働停止やその長期化などにより、原発立地地域では経済的な影響が生じていることもこれまた事実であります。 このため、原発立地地域の継続的な安定化へ向けて様々な対策の検討を行うことが重要と考えておりまして、経産省としましても、原発立地地域の経済、雇用の基盤を強化するため所要の予算措置を講じております。 具体的には、地域資源を活用した産品、サービスの開発、販路拡大、PR活動などの地域の取組に対する支援を実施しております。また、企業立地促進法に基づき、地域が策定する産業集積に係る計画の実施に対して金融面などで支援を行っており、企業誘致に当たっては原発立地地域においても積極的にこのような制度を活用していただくことが望ましいと考えております。 なお、福島の浜通りの地域につきましては、今イノベーション・コースト構想ということでロボット産業の集積、また、今経済産業省としても、浜通りだけでなく福島県全体ですが、特に浜通りに力を入れて、大企業、中堅企業がまさに進出してもらって雇用の場をつくるということを今、省を挙げて取り組んでいるところでございます。
○渡辺美知太郎君 大臣からも御答弁ありましたが、やはり地元の中小企業のほとんどが原発の下請企業になってしまったらこれはまずいわけでありまして、そういった観点から、地方創生の観点からも伺いたいと思いますが、地方版総合戦略の作成の際に、原発に頼らない、交付金に過度に依存をしないようにアドバイスなどをされているのか、今日はまち・ひと・しごと創生本部から事務局次長がお越しだと思いますが、地方創生の観点からこの原発の問題どのように捉えているか、伺いたいと思います。
○政府参考人(若井英二君) お答えを申し上げます。 地方創生のためには、経済の好循環を全国津々浦々にまで届けるとともに、その好循環を支えます町に活力を取り戻し、人々が安心して生活を営み、子供を産み育てられる社会環境をつくり出すことが重要であると考えてございます。 こうした認識の下、政府といたしましては、昨年策定をいたしましたまち・ひと・しごと創生総合戦略に盛り込まれました施策を着実に実施をするとともに、原発立地自治体を含む全ての自治体に地域の特性を踏まえた地方版総合戦略を策定していただくことをお願いをしておるところでございます。 地方創生の実現のためには、国が地方を変える、こういうような姿勢ではなく、地方自らが地方の実情に応じた地域づくりの処方箋を示し実行することで、地方が自ら変わっていくことが重要であるというふうに考えてございます。国といたしましては、意欲と熱意のある地方公共団体に対しまして情報の支援、人的支援、財政支援などを実施をしてまいっているところでございます。
○渡辺美知太郎君 今答弁の中にもありましたが、国としてはこうすべきというのではなく、地方の実情に合わせてとあります。 しかし、この原発、自治体によってはかなり期待をしているわけでありますが、やはり自主的に原発依存を脱却する、例えば敦賀市などは、報道にもありますが、原発の減収分を見越して事業規模やサービスを見直すといった、いわゆる標準スケールを導入していると伺いましたが、やはり地方創生の観点からも、原発に頼らないような地方版総合戦略、これのアドバイスなどをしていただきたいのですが、今そういった原発立地自治体について、具体的にその原発の関係はどのように考えられていますでしょうか。
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。資源エネルギー庁でございます。 原発の立地自治体との関係、先ほど大臣の方からも御答弁ございましたけれども、私ども、その原発地域の経済、雇用の基盤を強化する、これ非常に大事なことだと思っておりまして、そこに原発だけではなくて、まさに地域にあります地域資源の活用、こうしたものに前向きに取り組んでいただくことを応援すると、こうしたことが大事であると思っております。 例えば、先ほど大臣の方から御紹介いただいたもので、例えばですが、静岡県の御前崎市の例をちょっと一つ御紹介したいと思います。 地元のブランドで遠州夢咲牛という牛の肉でございますが、これを使ったハヤシライス、あるいは地鶏の遠州一黒シャモを使ったオリジナルメニュー、これを開発するといったようなことを応援をさせていただいておりまして、これを、テレビ等で県内へのPRあるいは県内以外へのイベント出店などを通じまして、これらのブランドでございますとかあるいはブランドを通じて御前崎市というその地域の名前を、その認知度を国全体に広げていく、そして観光を始め交流人口の増加を図る、こういったようなことを応援をさせていただいております。 原発に頼る頼らない、こういった、ちょっとそうした認識に立ち入ることは私どもの立場からは控えさせていただきますけれども、私どもといたしましては、このような地域の経済、雇用、基盤の強化につながる幅広い地域の取組、これを支援させていただくことによりまして、結果として地域の自立に貢献することができればと、このように考えているところでございます。
○渡辺美知太郎君 今は原発に関する交付金の話をさせていただきました。今の議論は、原発再稼働する、しない、スタートとゴールの話であって、これについては手厚い振興策がなされております。 一方で、この問題、私度々お尋ねしておりますが、福島原発事故により生じた放射性指定廃棄物の長期管理施設、各県処分が定められている宮城、栃木、茨城、群馬、千葉、この五県で五十億という振興策しか、これ昨年度も質問しておりますが、提示をされておりません。 川内原発が例えば再稼働した場合、一年だけで簡単に見積もって十三億という巨額の恩恵が入ってくる中で、各県処分が定められているこの五県、五県で五十億、単純に五で割れば十億円という金額であります。もちろん私は、各県処分については反対でありますし、お金をもらったから処分場設置すべきだという立場ではありませんが、やはりこの原発の振興策と比べますと、五県で五十億、一回こっきりの五十億というのは余りにもこれ貧弱に思えてならないんですが、もう一度、昨年度に続いて環境省にまず伺いたいと思います。
○政府参考人(鎌形浩史君) お答え申し上げます。 指定廃棄物の長期管理施設に関する地域振興策についてのお尋ねでございます。御指摘の五県につきましては、長期管理施設の設置につきまして、市町村長会議をそれぞれ設けまして、その場で様々な議論をしてございます。それぞれの場におきまして、国に対して指定廃棄物の長期管理施設を設置する場合の地域振興策を示すべきとの御意見をいただいてきているところでございます。 こうした地元の御意見に真摯に対応するために、御指摘ございました平成二十七年度予算におきまして、長期管理施設を設置する場合の周辺地域振興策などのための事業を支援するということで、五県で五十億円の計上をさせていただいているというところでございます。 それで、現時点では、御指摘の中の宮城、栃木、千葉におきましては、詳細調査の候補地を提示して、これから詳細調査に入る、あるいは一部取りかかったところもございますけれども、そういう段階で、施設数が決まっているというところではございません。 こういう状況において、その五県五十億、これが過小であるとは考えてございませんが、この五十億円という数字はあくまで予算の枠という形で計上させていただいております。具体的な執行に当たりましては、長期管理施設を設置することとなる地元自治体、これが決まってまいりましたら、そこと相談させていただいて地元の御要望にきめ細かく対応していきたい、このように考えてございます。
○渡辺美知太郎君 鎌形部長におかれましては、もう何度も答弁に立っていただいて申し訳ないと思うんですが、ただ、この五県で五十億という金額は結構硬直した金額であるような印象を受けておりまして、例えば、昨年度も伺いましたが、五十億が二百億になるようなことはないと。それから、振興策、当時は前任の方でしたが、何を考えていますかと伺ったところ、道路を造るとか公民館を造ります。じゃ、風評被害対策どうするんですかといいますと、パンフレットを作ります、新聞広告を作りますという内容でして、やっぱりこれは余りにも芸がないというか、地域振興にしてはちょっと地元の実情を踏まえていないのではないのかなと思うんですが。 環境省としては、この振興策の具体的な用途については特に昨年度から変更はないというお尋ねをしたいんですけど、いかがでしょうか。
○政府参考人(鎌形浩史君) 今御指摘の内容につきましては、昨年来、市町村長会議などで例えばということで市町村長の皆様方に御説明してきている内容ということでございます。 先ほども申しましたけれども、実際に施設の整備に向けての話が具体的に進んできた段階で、地元の自治体の御要望をよくお聞きしてきめ細かく対応していくというふうにしていきたいと考えてございますので、これまでお示ししているのはあくまで例示ということで、今後きめ細かく御意見を賜ってまいりたいというふうに考えております。
○渡辺美知太郎君 つまり、予算の金額としてはより柔軟に設定していただけるということなんでしょうか、伺いたいと思います。
○政府参考人(鎌形浩史君) 予算は五県五十億として計上させていただいておるわけですから、まずその予算の枠の中でどう対応していくかという検討をしてきたというふうに考えてございます。 いずれにいたしましても、地元の要望をきめ細かく聞いてまいりたいと思います。
○渡辺美知太郎君 ちょっと経産省にも伺いたいんです。 この問題、管轄は環境省ではあるんですが、やはりこの問題は原発事故由来の問題であって、事故後の振興策、特にこの振興策というのはやはり地域経済の産業振興でありますから、餅は餅屋ということで、経産省にも、フォローというか、何かアドバイス等是非柔軟に取り組んでいただきたいなと思っております。経産省のちょっと見解も伺いたいんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。 今先生御指摘のとおり、本件につきましては環境省において検討されていると思いますけれども、地域振興等々、私は資源エネルギー庁の立場でございますが、経済産業省全体といたしましては、中小企業施策あるいは地域振興等々を担当しているところもございますので、環境省さんとよく御相談をさせていただきながら対応させていただくということではないかと思います。
○渡辺美知太郎君 ちょっと時間がないので、最後に、じゃ、一問だけ質問をしたいと思っています。 五月十四日に栃木県で放射性指定廃棄物の長期管理施設のシンポジウムが行われまして、これ、同日、環境省が行ったフォーラムと詳細調査候補地自治体である塩谷町、別々に行ったということがあります。 今日は宮沢大臣いらっしゃるので、塩谷町で行われたシンポジウムの中に、原発の新増設やリプレースを想定していない状態で原発比率二〇%から二二%は非現実的ではないかとおっしゃる方がいらっしゃいまして、多分、塩谷町でもそういった話はされたと思うのですが、今、原発の再稼働、いろいろな議論があります。 経産省としては、今ある四十三基プラス建築中の三基、合わせて四十六基、多分ほとんど再稼働ベースで考えて二〇—二二%を確保するということなのでしょうが、やはり再稼働に向かってはハードルが高いわけですよ。例えば規制委員会の審査があって、場合によっては先日の高浜原発のような司法の判断もあると思いまして、現在の状況で見ますと、稼働率の向上によってこれは達成可能というのはちょっと私は甘い見積りではないのかなと思うのですが、経産省、大臣の御見解を伺って、私の質問を終えたいと思います。
○国務大臣(宮沢洋一君) おっしゃいますとおり、原発の再稼働につきましては、法令上認められております運転期間の延長というものを含めましてまず事業者が判断をし、そして規制委員会で新規制基準に基づいて審査が行われ、適合されていると認められたものについては延長を含めて再稼働を行っていくと、こういう方針でございます。 一方で、新増設、リプレースにつきましては現段階には想定していないということも政府の立場であります。 更に加えまして、原発の稼働率を向上させるということもこれからいろいろ検討していかなければいけないと考えておりまして、先ほど申し上げました運転期間の延長及び稼働率の向上ということで今回お示しした数字は達成し得るものと考えております。
○渡辺美知太郎君 時間になりましたので、私の質問は終えます。ありがとうございました。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。 まず初めに、盗聴法、捜査のための通信傍受法の改正法案についてお聞きをいたします。 今回、詐欺罪、窃盗罪なども対象犯罪に拡大をしております。また、元々の法律にありました立会人も廃止をされます。今日お聞きしたいのはメールや電話についてのことです。 一旦全通信を記録した後、暗号化して、そして事後的にスポット再生を行うことになります。しかし、電話やそれからメールや、いろんなものに関して、全部取った後に事後的にそれを再生をするというのは、それは可能なんでしょうか。どういう形で、例えばAという人の長い会話の中のどこに犯罪が入っているのか、例えば窃盗でもいいですよ、どうやって見極めるんですか。
○国務大臣(上川陽子君) 一時的な保存方式ということでの御質問であるというふうに思っておりますけれども、一時的に保存される通信につきましては、通信事業者等によりまして暗号化をされて、そして保存をされるということでございます。したがいまして、復号をしない限りは内容を知ることは物理的に不可能であるということでございます。 そこで、復号した通信ということでありますが、現行通信傍受法の下での傍受をする場合と同一の内容、範囲でしか再生、すなわち聴取することができないということになっておりまして、現行通信傍受法の規定による傍受の場合とこの通信の秘密に対する制約の程度に実質的な差異は生じないということでございますので、現行通信傍受法の規定による傍受と同様に許容されるということでございます。 また、令状主義におきましても、それに反しないということでございます。
○福島みずほ君 いや、全く変わるんですよ。 今まで、一九九九年のときの法務委員会にずっとおりましたのでよく覚えています。例えば覚醒剤について話しているが、途中で普通の会話になる、それは取らない、覚醒剤になったら取る、またというふうなことの説明を受け、例えば何でも関係ない天気の話になったら、もうそのときは通信傍受、盗聴を遮断するとか言われました。 しかし、今度は、この改正法案によれば、全部記録するわけですよね。全部、メールも電話も、一旦記録された全通信が暗号化されるとはいえ保存されると。記録された全通信が適法、適切に処理する担保はどうやってやるんですか。
○国務大臣(上川陽子君) ただいま立会人の御指摘もございましたけれども、先ほどのお話で、スポット傍受というシステムの中でシステムは動いているということでございます。一旦記録に残したとしても、復号をすることによりまして同様の趣旨の適正化が図られるというシステムの組立てをしているところでございます。 また、傍受の実施におきまして、立会人ということで、今回その立会人のところにつきましては特定の電子計算機を用いての通信傍受の実施の手続をしっかりとしていくということでございまして、この立会人に要求されている内容につきましては、電子的な手法にのっとって適正にその手続が、立会人と同じ手続がなされるという機能が果たされるというふうに考えております。
○福島みずほ君 質問に答えていないですよ。つまり、全記録を全部取るわけですよね、電話であれメールであれ、全部。後からどの部分に犯罪があると事後的にスポットで当てられるんですか。神業でもない限りそんなことできないですよ。 全部聞かないと分からない、あるいは、ある程度聞かないと分からない、ある程度見ないと分からない。どうですか。
○国務大臣(上川陽子君) 先ほどシステムの方式につきまして少し説明をさせていただきましたけれども、まず、通信の暗号化によりまして一時的に保存をするということでございます。したがいまして、事後的にその内容を聴取する方法による通信傍受を行う場合でございますが、通信事業者により暗号化されたものをベースにその復号をした通信ということでございまして、現行の通信傍受法の下の傍受と同一の内容、範囲でしか再生することができないという、そういう仕組みになっているところでございます。 再生されない通信につきましては、捜査機関がその内容を知ることなく全て消去されるということでございまして、そういう意味では通信秘密の制約の程度に実質的な差異はない、そうした技術的な対応をしていこうというものでございます。
○福島みずほ君 いや、これ極めて問題です。つまり、今までと違って、全てのメールも全ての通信も、一旦全部記録し全部保存するんですよ。事後的にスポット的にやると言うけれども、神業でもない限り、どの部分に犯罪があるかなんてそんなの確認できないですよ。結局全部読むことになる、メールを読むことになるというふうに思っています。 では、お聞きしますが、LINEやスカイプ、フェイスブックも捜査の対象になりますね。
○国務大臣(上川陽子君) 今回の部分のみならず、これまでの現状のシステムにおきましては通信ということでございますので、その意味ではLINEあるいはスカイプなどにつきましても通信傍受の対象となるということで、可能であるということでございます。
○福島みずほ君 フェイスブックの場合、五千人友達がいる、あるいはメッセージのところに書く、この部分に犯罪があるかもしれない場合、どうやってその犯罪の部分を特定するんですか。全部読まないと分からないですよね。
○国務大臣(上川陽子君) 個々の通信手段についての通信傍受について技術的な可否がございます。具体的な捜査手法に関わることでございまして、お答えにつきましては差し控えさせていただきたいと存じます。
○福島みずほ君 納得ができません。結局、全ての通信、スカイプもLINEもフェイスブックもメールも電話も、全部一旦記録して全部保存するんです。後からどこかに犯罪があるかと事後的にスポット的にやると言うけれど、そんなことできないですよ。フェイスブックであれLINEであれ、結局全部読まないと分からない。Aという人とBという人の間で起こったことでも、ほかの人のメールの中でも読むかもしれない、あるいは同一人物が違うメールアドレスでやっているかもしれない。結局、相当読むことになるんじゃないですか。
○国務大臣(上川陽子君) LINE等の電話以外の通信手段につきましての先ほどお尋ねがございまして、これについての通信傍受を行うに際しましても、電話に対する場合と同様にこの傍受を適正に確保する手続を取ることが必要であるということでございまして、こうした手続によりまして傍受の適正が確保されるというふうに考えているところでございます。
○福島みずほ君 質問に答えていないですよ。Aという人がBという人にメールを送った。でも、Aという人のアカウントやメールアドレスは様々かもしれない。どうやってこのAとB以外のものを見ないということができるんですか。
○国務大臣(上川陽子君) 通信を一時的に保存する方法によりましての通信傍受を行う場合でありましても、捜査機関がその内容を知り得る通信の範囲でございますけれども、現行の通信傍受法の規定による傍受の場合と異なることはございませんので、通信の秘密に対する制約の程度には実質的な差異は生じないというふうに考えております。 全ての通信を一時的に保存をしていく、事後的にその内容を聴取することにつきまして、現行通信傍受法の規定による傍受と同様に許容され、令状主義に反するものではないというふうに考えているところでございます。
○福島みずほ君 全く駄目ですよ。今と全く違うんですよ。大改悪です。今までは犯罪に関係ないことがあれば通信を切ると答えていたんですよ。一九九九年の答弁を読んでくださいよ。 ところが、今度は全ての通信、電話もメールも、あらゆるものも一旦全部保管するんです。それを見ていない、違うところを見ていないということの担保はできないんですよ。それは俺を信じてくれということだけの話であって、どういうことが起きるかも分からない。第三者委員会もないんですよ。証拠開示もされないんですよ。だとすれば、これは大悪法で、今までの法律も大反対ですが、これは大改悪で、全部取る、全部一旦取って保存することには、これはもう大改悪で駄目だということを申し上げます。 次に、道徳教育についてお聞きをいたします。 学習指導要領がありますが、今度道徳が教科になって、そして、検定教科書を使い、かつ評価をすると。五段階評価ではないけれども、文言によって、言葉によって評価するということなんですが、小学校学習指導要領をお手元にお配りいたしました。 私は、例えば家族愛、家庭生活の充実のところで、「父母、祖父母を敬愛し、家族みんなで協力し合って楽しい家庭をつくること。」と書いてあります。でも、お父さんがお母さんを殴っているかもしれない、おじいちゃんから性暴力を受けているかもしれない、家庭の中に虐待があるかもしれない。問題がある家庭だってあるじゃないですか。なのに、楽しい家庭をつくることとあるけれども、楽しい家庭をつくることは親や社会の責任ですよ。子供はいろんな家庭に育っている。私は家族はいいものだと思いますが、子供たちの周りにある大人たち、人は全員善人であるわけではありません。また、お父さんはこういうところはいいけどこういうところは問題だよね、お母さんはこういうところはすてきだけどこういうところはちょっと大人だけど改めてほしいな、子供はそう思って成長するわけです。このこと、極めて問題だと。 問題を抱えている子供もというか、問題のある、あるいはどんな家族も何らかの問題を抱えているかもしれない。そのときに、敬愛し、敬愛できないかもしれないじゃないですか。DVがある家庭で子供は悩んでいるかもしれない。明るい家庭を、楽しい家庭をつくること、これはありもしない家族をというか、私、子供にとってはとても残酷なことになりませんか。
○国務大臣(下村博文君) 学習指導要領に規定されております父母、祖父母を敬愛することは、これは基本的には普遍的な、道徳的な価値であるというふうに思います。学校において、例えば日頃の父母や祖父母の様子を知ることから敬愛の念を育て、家の手伝いなどを通じまして家族の一員として役に立つ喜びを実感できるように指導することなどは、これは当然のことではないでしょうか。 一方で、子供たち一人一人の状況を踏まえた配慮が、御指摘のようなことはありましたが、それは言うまでもなく学習指導要領解説においても、多様な家族構成や家庭状況があることを踏まえ十分な配慮を欠かさないようにすることや、人権や個人情報に係る問題、人間関係に係る問題等への配慮が必要であるということもこれは明記をしております。また、子供たちをDV等の被害から守るため、家庭に問題を抱える子供については学校や地域の人々が連携して必要な支援をしていくことが重要であると考えます。 このような配慮が行われるように今後とも指導することとしておりますが、多様な家族構成や家庭状況があることから父母、祖父母を敬愛することを道徳科の内容項目とすることが問題の隠蔽につながるとの御指摘は、これは当たらないものと考えます。
○福島みずほ君 「私たちの道徳」、小学校一・二年、三・四年、五・六年、中学生、四冊の本を読みました。 例えば、中学校のときに、家族との出来事や語らいで印象に残ったことを書き留めておこう。それはそれでいいのかもしれませんが、例えば家族に問題があったり家族に悩みがあったり、やっぱり全てとてもいい家族ばかりではないわけですよね。こういうのを記述として書かせるときに、本当に子供が、お父さんがお母さんを殴っている、DVがあるなんて書けるんでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) どういう記述かどうかというのはそれぞれの子供たちのそのときの心情だと思いますから、一概に書ける書けないというのはちょっと申し上げることはできないと思います。
○福島みずほ君 子供は、親を尊敬したり、好きだったら尊敬しますよ。おじいちゃん、おばあちゃんだって本当に大好きで、敬愛するときは敬愛するんです。でも、子供を取り巻く環境は様々なので、学習指導要領で祖父母、父母を敬愛し、明るい、楽しい家庭をつくることと言われても、できない子供がいるということです。例えば、DVやそれから子供への性暴力は大変大きな問題です。子供たちには、嫌なものは嫌、あるいは逃げよう、大人たちがこれは秘密だよと言っても話してもいいんだよということがあるわけじゃないですか。 しかし、この道徳の学習指導要領も、それから私自身も「私たちの道徳」を読みましたが、うそをついてはいけない、明るい素直な心で生きようとか、だから、子供を取り巻く環境が決して全て健全ではない、いい大人ばかりではないときに、人権や、それをどう乗り越えるか、どういう問題があるかということを教えるべきであって、感謝の気持ちで大人を尊敬しようというだけでは問題は解決しない。大人に対して嫌なものは嫌と言える力だって子供には必要だと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(下村博文君) しかし、基本的に祖父母や父母に対して敬愛の念を持つということは、これは否定すべきことではないというふうに思います。また、感謝の思いを持つということも子供たちに教えることは必要なことだと思います。 ただ、「私たちの道徳」を読んでいただいたということで、ありがとうございます。今までの道徳とこれから特に特別の教科化を目指す道徳というのは、今までは、教師がその物語を読んで、一方的にこれはこういうふうに読み取るべきだというふうな価値観を教えるということだけに終始した道徳でしたが、これからの道徳というのは、例えば正義も立場によっていろいろの考え方があります。子供たちに議論を、道徳の場等でアクティブラーニング等をする中で、何が道徳なのかというのは人によって違う部分があると。しかし、反社会的とか非社会的は別ですけれども、一つの価値観の中でも見方が違うねということの中で多様性をお互いに認め合う、そういうことで、一方的な価値観を教師が教えるというような教科書にするということは全く考えておりません。
○福島みずほ君 多様性という言葉がありましたが、この「私たちの道徳」では、お父さんとお母さんがいて、例えば弟がいるとか。でも、御存じ、今離婚の家庭も増えておりますし、一人親家庭もあります。両親が離婚して祖父母に育てられている子供だって私たちの周りにもたくさんおります。子供を取り巻く環境は様々です。 この教科書、この考えは、一つのやっぱり家庭像を押し付けることになるのではないかと思います。例えば、一人親、障害のある人、性的マイノリティー、貧困などの状況にある子供の設定や配慮というものは一切ありません。子供を取り巻く貧困の問題も、そういうものも一切ありません。少数者への視点に欠けているのではないか。 この中に、中学校に、「異性を理解し尊重して」という項目があります。一見いいとは思いますが、私、スウェーデンの社会科の教科書を読んだときに、セクシュアルマイノリティーのこともちゃんと書いてありました。様々な子供に対するそういう配慮は本当に必要だと思います。ほかに、「勤労や奉仕を通して社会に貢献する」。しかし、何のために働くかといえば、まず第一に食べるため、生きるためです。勤労や奉仕を通して社会に貢献すると。 この教科書や、教科書というか、「私たちの道徳」もそうですが、国、社会、職場、学校、家族に問題があるという立場に立っておりません。例えば、学校のところでも、この学校のいいところはどこだろうということだけなんですね。でも、学校のこういう問題はもっと解決、例えば学校のところで、小学校五・六年のところ、自分の学校について考えてみましょう、この学校の自慢、この学校の好きなところ、こんな学校にしたいとあるんですが、やっぱりこの学校のこういうところは問題ではないか、こういうところはこうしたいとか。まず自慢と良いところというところから始まるわけです。 国も、愛国心を持とうというのはありますが、国、社会、職場、学校、家族に問題があるときに、それをどう解決していくのかという視点が極めて弱いと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) たまたま五月にフランスに行ったときに、日本人学校でその五、六年生の道徳の教材を使って、私たちの学校について良いところそれからもっと良くしたいところということを道徳の時間、視察に行きました。私たちの学校に対していいところというのを子供たちに議論させて、それぞれがみんな書く、また今後のもっと改善、もっと良くすべきところも書くということについては、これは子供たちも素直に、いいところもあれば、もちろん自分たちの学校の課題もあるということで、多面的な見方で、なおかつそれは、みんなそれぞれ、子供たちがそれぞれ書いていて、それに対して教師も、その考え方は正しいとか、その考え方は正しくないと言っているわけではなくて、それぞれの主体性の中でその教材を使ってやっているわけでありまして、そういう視点から、改めて自分たちの学校は自分たち自身もつくっていくんだということでは、私はすばらしい授業をしているなというふうに思いました。使い方の問題だと思います。
○福島みずほ君 規則や決まりを守りましょう、それはそれで正しいんですが、規則やそういうものが本当に正しいのか。かつて、丸刈り訴訟というのもあったり、女の子の制服が下から何センチというのが問題になったこともあります。 規則や決まりが本当に正しいのか。つまり、何が教育にとって必要かといえば、自分の頭で考えて、自分の言葉を持ち、自分で行動し、そして現実を変えられる力を持つことではないかと思うのですが、これは、うそをついてはいけません、そして素直な明るい心で生きましょう、感謝の気持ちを持ちましょうといって、だから、変えていくという視点、権利という視点がやっぱり弱いというふうに思っています。 家族について、私は、大人はもし敬愛してほしければ、そうしていれば子供は敬愛してくれるというふうに思います。子供に感謝や敬愛せよと言うよりも、そういう社会を大人こそつくるべきであると。 この学習指導要領は様々な点で問題がありますし、子供が、お父さんのこういうところは嫌だ、お母さんのこういうところは嫌だという自由記述が書けるんでしょうか、本当のことを書けるんでしょうか。子供は良い子を演ずるようになっちゃうんじゃないかということを非常に懸念しております。 以上をもって私の質問を終わります。
○委員長(小坂憲次君) 他に御発言もないようですから、法務省、文部科学省、経済産業省及び裁判所の決算についての審査はこの程度といたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時五十七分散会