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189回国会参議院2015/04/13

決算委員会 第5号

発言数
213
登壇者
37
会派数
8
開催日
2015/04/13

会議録

小坂憲次自由民主党

○委員長(小坂憲次君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る十日までに、吉田忠智君、山田太郎君、足立信也君及び斎藤嘉隆君が委員を辞任され、その補欠として又市征治君、小林正夫君、風間直樹君及び行田邦子君が選任されました。  また、本日、渡辺美知太郎君が委員を辞任され、その補欠として薬師寺みちよ君が選任されました。     ─────────────

小坂憲次自由民主党

○委員長(小坂憲次君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い現在理事が三名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小坂憲次自由民主党

○委員長(小坂憲次君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に井原巧君、石橋通宏君及び杉久武君を指名いたします。     ─────────────

小坂憲次自由民主党

○委員長(小坂憲次君) 国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査のうち、国会法第百五条の規定に基づく本委員会からの会計検査の要請に対する結果報告に関する件を議題といたします。  会計検査院から説明を聴取いたします。河戸会計検査院長。

河戸光彦会計検査院長

○会計検査院長(河戸光彦君) 会計検査院は、国会法第百五条の規定に基づき平成二十四年八月二十七日付けで参議院議長から会計検査及びその結果の報告の要請がありました「東日本大震災からの復興等に対する事業の実施状況等に関する会計検査の結果について」及び「東京電力株式会社に係る原子力損害の賠償に関する国の支援等の実施状況に関する会計検査の結果について」の計二事項につきまして、関係府省等を対象に検査を行い、会計検査院法第三十条の三の規定に基づき二十七年三月二日及び二十三日にその結果の報告書を提出いたしました。その報告書の概要を御説明いたします。  まず、「東日本大震災からの復興等に対する事業の実施状況等に関する会計検査の結果について」を御説明いたします。  この報告書は、二十四年十月二十五日及び二十五年十月三十一日に提出いたしました報告書におきまして、引き続き検査を実施して、取りまとめができ次第報告することとしておりました事項に関するものであります。  検査しましたところ、二十三年度から二十五年度までの東日本大震災関係経費の執行状況は、予算現額計二十五兆千九億余円に対して、支出済額計二十兆千二百十一億余円、繰越額計一兆九千六百四億余円、不用額計三兆百九十二億余円であり、執行率は八〇・一%となっていました。  検査の結果を踏まえた会計検査院の所見といたしましては、復興庁及び関係府省等は連携して、各種復旧・復興事業の実施状況等を把握することなどにより、被災者の生活の再建が迅速に行われるよう努めること、復旧・復興事業は、今後とも多額の経費が見込まれることから、各種事業が有効かつ効率的に実施されるよう努めることなどに留意して、復興施策の推進及び支援に適切に取り組む必要があると考えております。  会計検査院としては、被災地域の復旧・復興のための施策等が継続して実施されていることから、引き続き検査を実施して、取りまとめができ次第報告することとしております。  次に、「東京電力株式会社に係る原子力損害の賠償に関する国の支援等の実施状況に関する会計検査の結果について」を御説明いたします。  この報告書は、二十五年十月十六日に提出いたしました報告書におきまして、引き続き検査を実施して、取りまとめができ次第報告することとするとしておりました事項に関するものであります。  検査しましたところ、原子力損害の賠償に関する支援等のための国の財政上の負担等は計四兆九千二億余円となっておりました。東京電力株式会社においては、財務状況について一定の改善がなされ、二十五年度分の特別負担金五百億円を納付しておりましたが、その額の算定に係る具体的な考え方は必ずしも明らかにはなっておりませんでした。このほか、福島第一原子力発電所の廃炉・汚染水対策に計千八百九十二億余円の財政措置が講じられていました。  検査の結果を踏まえた会計検査院の所見といたしましては、東京電力株式の高い価格での売却は、国民負担の極小化等に大きく貢献するものですが、関係府省、原子力損害賠償・廃炉等支援機構等は、高い価格での売却が確実なものではないことなどを踏まえた上で、今後の支援、資金援助業務等を実施していく必要があると考えております。  会計検査院としては、二十六年度以降に実施された支援等について引き続き検査を実施して、検査の結果については取りまとめができ次第報告することとしております。  これをもって報告書の概要の説明を終わります。

小坂憲次自由民主党

○委員長(小坂憲次君) 以上で説明の聴取は終わりました。     ─────────────

小坂憲次自由民主党

○委員長(小坂憲次君) 平成二十五年度決算外二件を議題といたします。  まず、平成二十三年度決算及び平成二十四年度決算に関する本院の議決について政府の講じた措置並びに平成二十三年度決算及び平成二十四年度決算審査措置要求決議について政府の講じた措置につきまして、財務大臣から説明を聴取いたします。麻生財務大臣。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 本年二月に提出をいたしました平成二十三年度決算及び平成二十四年度決算に関する参議院の議決について講じた措置につきまして御説明をさせていただきます。  決算検査報告の指摘事項や国会での決算審査の内容につきましては、個別の事務事業ごとに必要性や効率性を洗い直し、その結果を予算に的確に反映するよう取り組んでいるところであります。  また、平成二十三年度及び平成二十四年度の決算検査報告を踏まえ、内閣総理大臣及び財務大臣から各大臣に対し、事務事業の在り方を見直し、また、適正な会計処理を徹底するなど、指摘事項について確実に改善するよう要請するとともに、各種の会議や研修等を通じ、指摘事項の周知徹底、再発防止の指導を行うなど、予算の適正かつ効率的な執行に努めているところであります。  今後とも、予算執行の適正化及び予算編成における決算審査等の適切な反映に努めてまいる所存であります。  次に、政府開発援助事業につきましては、今般の不正を重く受け止め、不正に関与した当該企業を入札から三十六か月間排除したほか、事実関係の調査、再発防止等について相手国政府と協議を行っているところであります。  また、平成二十六年十月に公表した政府開発援助事業における不正腐敗防止に基づき、入札・契約・調達段階における監視の強化、不正腐敗情報に係る窓口の強化、JICA不正腐敗防止ガイダンスの作成、不正に関与した企業に対する罰則強化など、再発防止策の更なる徹底を図っているところであります。  今後とも、これらの取組を着実に行い、政府開発援助事業の適正な実施に努めてまいる所存であります。  次に、大学等研究機関における公的研究費につきましては、使い切り等の無駄を排除するため、平成二十六年二月に改正した研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドラインにより、研究機関に対し、研究費の執行状況の検証、確認を徹底させるとともに、管理・監査体制の整備状況に不備がある場合、研究費の間接経費の削減や配分停止を行うなどの対策を講じることとしたところであります。  また、公的研究費制度の一層の改善を図るため、研究費の執行上のルールの統一化に取り組むとともに、同ガイドラインの着実な実施に向けて、解説教材の配付による周知徹底に努めるなど、不適正な会計経理の再発防止に万全を期しているところであります。  次に、短期集中特別訓練事業の業務委託に係る企画競争の不適切な手続につきましては、厚生労働省監察本部において外部有識者から成る専門員主導の下で検証を行い、平成二十六年五月に「短期集中特別訓練事業の入札に関する検証結果について」を取りまとめ、公表したところであります。  厚生労働省におきましては、本検証結果を踏まえ、関係者について厳正な処分を行うとともに、調達情報の適正な取扱いなどの再発防止策を各機関に周知徹底し、あわせて、調達関係職員等に対して会計法令等の研修を実施するなど、適正な調達事務の徹底に努めているところであります。  今後とも、契約の透明性及び公平性がより一層確保されるよう取り組むとともに、国民の疑念を生じさせないよう、再発防止に万全を期してまいる所存であります。  次に、高速道路における跨道橋等の点検につきましては、道路法上の跨道橋の点検を平成二十六年度中に終える予定であり、その他の跨道橋も点検状況等を把握し、管理者及びその監督官庁に対し速やかに点検を実施するよう求め、点検実施状況について併せて公表することとしたところであります。  また、近接目視による全数監視を五年に一度行うことなど、道路橋等に関する統一的な点検基準等を定め、全ての道路管理者で構成される道路メンテナンス会議を都道府県ごとに設置し、点検業務の地域一括発注等の技術的支援や情報共有体制の構築を行うとともに、定期点検の結果を踏まえ緊急度の高いものから優先的に修繕を進めていくことといたしております。  なお、社会資本の老朽化対策につきましては、インフラ長寿命化基本計画に基づき、個別施設ごとの計画を定め、優先順位の設定等を行っているところであります。  次に、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構の入札情報漏えい問題につきましては、平成二十六年三月、国土交通大臣から同機構の理事長に対し徹底した調査の実施等について指示し、厳重に注意したところであります。同機構におきましては、同年九月に外部有識者による第三者委員会からの調査結果報告及び提言に基づき再発防止対策等を取りまとめ、コンプライアンス体制やガバナンスの強化、入札・契約監視機能の強化等を行い、入札談合等関与行為の再発防止に徹底的に取り組むことといたしております。  今後とも、同機構に対し、再発防止対策を確実に実施するよう指導し、国民の信頼回復に努めてまいります。  次に、北海道旅客鉄道株式会社の安全管理体制につきましては、同社に対する三回の保安監査を実施し、平成二十六年一月にJR北海道の安全確保のために講ずべき措置として取りまとめるとともに、同社に対し、改ざんの根絶、安全管理体制の再構築、技術部門の業務実施体制の改善等の実施状況について定期的な報告を求めるなど、速やかに対策を講じるよう命じたところであります。  今後とも、常設の監査体制等を通じてこれらが確実に実行されるよう指導監督を行ってまいります。  以上が、平成二十三年度決算及び平成二十四年度決算に関する参議院の議決について講じた措置であります。  政府は、従来から、決算に関する国会の審議議決、会計検査院の指摘等に鑑み、国費の効率的使用、事務事業の運営の適正化、不当経理の発生の防止等について特に留意してまいりましたが、今後とも一層の努力を続けてまいる所存であります。  なお、平成二十三年度決算及び平成二十四年度決算審査措置要求決議について講じた措置につきましては、「国庫補助金等により造成された基金の見直しについて」等十一項目に係る措置につきましては、お手元に配付してありますとおり御報告を申し上げます。  以上です。

小坂憲次自由民主党

○委員長(小坂憲次君) 以上で説明の聴取は終わりました。  なお、平成二十三年度決算及び平成二十四年度決算審査措置要求決議について講じた措置につきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小坂憲次自由民主党

○委員長(小坂憲次君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  次に、国会、会計検査院、財務省、金融庁、厚生労働省、株式会社日本政策金融公庫及び株式会社国際協力銀行の決算について審査を行います。     ─────────────

小坂憲次自由民主党

○委員長(小坂憲次君) この際、お諮り申し上げます。  議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれも省略して、本日の会議録の末尾に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小坂憲次自由民主党

○委員長(小坂憲次君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  速記を止めてください。    〔速記中止〕

小坂憲次自由民主党

○委員長(小坂憲次君) 速記を起こしてください。     ─────────────

小坂憲次自由民主党

○委員長(小坂憲次君) これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

磯崎仁彦自由民主党

○磯崎仁彦君 自由民主党の磯崎仁彦でございます。  この決算委員会では初めて質問に立たせていただきます。よろしくお願いしたいと思います。  まず、今回の平成二十五年度の決算のベースとなりました平成二十五年度の予算でございますけれども、これはその前年、平成二十四年の十二月に衆議院議員の選挙がございまして、自公の政権が復活をし、日本経済の再生に向けて、緊急経済対策に基づく平成二十四年度の補正予算と一体的なものとして十五か月予算として編成されたものであります。また、平成二十六年四月から消費税が五%から八%に引き上げられると、その決定を踏まえて、好循環実現のための経済対策実行に伴う平成二十五年度の補正予算も編成をされた、そういう平成二十五年の年だったということでございます。  本日は省庁別の審査ということで、私の方からは厚生労働省関係の決算について質問をさせていただきたいと思います。  まず、厚生労働省といえば社会保障関係の予算、これが最大の予算を抱えている省庁でございますけれども、平成二十五年度の社会保障関係の予算のポイント、これによりますと、平成二十五年度予算編成の基本的な考え方として次の二点が掲げられております。  ちょっと読み上げさせていただきますと、まず一点目が、国民負担の増大を極力抑制する観点から、生活扶助基準、医療扶助の適正化などの生活保護の見直しを始めとする社会保障の重点化施策を実施、これが一点目でございます。二点目が、暮らしの安心を確保するため、生活保護の適正化と同時に、生活困窮者の自立・就労支援及び生活保護世帯の子供に対する学習支援等を推進。加えて、待機児童解消のための保育所の定員増加等子育て支援の充実や難病・がん対策の充実強化に取り組む。また、成長による富の創出の実現のため、医療関係分野におけるイノベーションの一体的推進に取り組む。こういったことが予算編成についての基本的な考え方ということで述べられております。  本日の決算の質疑におきましては、やはり予算を作るときに、こういう政策を実行するために予算を作ったということでございますので、この政策課題が予算を執行するに当たってどのように実現をされたのかということを中心に私の方からは質問をさせていただきたいというふうに思っております。  まず最初に、平成二十五年度の決算検査報告について質問をさせていただきたいと思います。  厚生労働省関係では、掲記件数二百十三件、指摘金額が八百八十億円と、非常に大きな金額になっております。不当事項が二百一件、意見を表示し又は処置を要求した事項が十件、会計検査院の指摘に基づき当局において改善処置を講じた事項が二件ということでございます。この中には、保険料の徴収あるいは保険給付といった国民の関心の高い、こういった項目が少なからず含まれているわけでございます。  この会計検査院の報告内容につき、どう受け止め、どう対応していくのかということにつきまして、まず塩崎大臣にお伺いをしたいと思います。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) 今先生から御指摘いただきましたように、会計検査院の平成二十五年度の決算検査報告におきます厚生労働省に対する指摘件数というのは、それから金額は、二百十三件、八百八十八億円と、全省庁中最も多いということで、誠に遺憾な思いでございます。  今回の会計検査院からの指摘を踏まえて、昨年十一月に再発防止と適正かつ効率的な予算の執行について各部局長に対しまして文書にて周知をし、また省内の会議においても繰り返し、地方公共団体への要請等を含め、再発防止に向けた積極的な取組を講じるように徹底をしてまいっているところでございます。  厚生労働省としては、今回の指摘を重く受け止めて、改善すべき事案について速やかに対応をするとともに、今後とも適正な予算執行に努めてまいりたいというふうに思います。

磯崎仁彦自由民主党

○磯崎仁彦君 ありがとうございました。  是非とも、なぜこういうことが起こったのかという原因、それから再発防止につきましては、くれぐれもよろしく対応していただきたいというふうに思っております。  それでは、次の質問でございます。年金について質問をさせていただきたいと思います。  年金につきましては、先日、二月の五日の日にも私、予算委員会におきまして塩崎大臣の方に質問をさせていただきました。まさに今年度、平成二十七年度、初めてマクロ経済スライドが実施をされるという、そういう年でもございますので、なかなか年金制度につきましては国民の皆様の中で十分に私は理解が行き届いているということではないということから、是非とも、国民理解をもっともっと進める、そういうことを行っていただきたいという観点で質問をさせていただきました。  今日は、まず一つ目の質問としましては、この平成二十五年度の前年度、平成二十四年度と当該の平成二十五年度、これ、年金につきまして特別の財源を確保したと、そういう特殊な年であったというふうに認識をしております。つまり、年金特例公債の発行によりまして確保される財源を活用して、基礎年金国庫負担分の二分の一と三六・五%との差額を調達をし、基礎年金国庫負担割合の二分の一を維持したと、そういう年であったわけでございます。  平成二十四年度と平成二十五年度、いずれも約二・六兆円、二年間で約五・二兆円の年金特例公債を発行しているわけでございますけれども、これにつきましては、消費税が八%に引上げとなった平成二十六年度以降、償還がどのようになっているのかということについてまずお伺いをしたいと思います。それとともに、消費税が一〇%に引上げ、これが平成二十九年四月からに延期になったわけでございますけれども、延期になったことによってこの償還ということに影響があるのかどうなのか。この二点についてお伺いをしたいというふうに思います。

宮下一郎自由民主党財務副大臣

○副大臣(宮下一郎君) お答えをいたします。  先生御指摘の年金特例公債でございますけれども、御指摘のように、消費税率引上げを待たずに基礎年金国庫負担割合を二分の一に引き上げるために発行されたものでございまして、将来世代に負担を先送りしない観点から、特例公債法におきまして、消費税増収分をその償還及び利子の支払の費用に充てて平成四十五年度までに償還することとされております。  平成二十六年度以降は、消費税率の八%への引上げによる増収分を償還に充てております。消費税率の一〇%への引上げ時期にかかわりませず、今後とも年金特例公債を確実に償還してまいりたいと考えております。  以上です。

磯崎仁彦自由民主党

○磯崎仁彦君 今副大臣の方から、平成四十五年度までにきちんと償還をしていく、一〇%に上げることが延期をされたということは影響ないということがございましたので、これ法律に定められていることでもございますので、きちんと償還をお願いをしたいというふうに思います。  続きまして、年金のいわゆる特例水準の件について御質問をさせていただきたいと思います。  いわゆる年金のもらい過ぎというふうに言われていることでございますけれども、これが二・五%の水準になっていたわけでございます。これを、当該年度である平成二十五年度の十月から一%、翌平成二十六年度の四月から一%、そして今年度、この四月一日から〇・五%、それぞれ引き下げることによってこの二・五%の特例水準が解消されたということでございます。  まず質問としましては、この解消に至るまで累計のいわゆる過払い額、これがどれぐらいの水準になっているのかについてお答えをいただきたいと思います。

山本香苗公明党厚生労働副大臣

○副大臣(山本香苗君) 御指摘の物価スライド特例措置は、過去の平成十一年から十三年にかけての物価下落時に、国民生活への影響に配慮して特例法を制定し年金額を据え置いたこと等によるものでございます。  この特例水準の存在によりまして基礎年金と厚生年金の給付額が特例水準がなかった場合と比べて多く払われた金額は幾らかということでございますが、機械的に計算いたしますと、平成十二年度以降の累計で約九兆円程度となります。

磯崎仁彦自由民主党

○磯崎仁彦君 ありがとうございました。  平成十二年度から平成二十六年度までということになりましょうか、約九兆円という数字でございます。かなり大きな金額だなというふうに思います。  この特例水準は、今副大臣の方からお話ありましたとおり、平成十二年から十四年、これにおいて物価が下落していたにもかかわらず、やはり年金生活者等々への生活に配慮をして引き下げなかった、据え置いたということによって発生をしたということでございます。そういった意味では、年金生活者の生活というものを配慮しての措置であったということでございます。  ただ、今副大臣の方からお話ございましたように、九兆円というかなり多額の額に上っているということでございますので、やはり年金の継続性ということを考えた場合には、果たしてこういう措置がどうだったかということについても当然検証といいますか、それが必要だというふうに思っております。  今年度、先ほど申し上げましたように、初めてマクロ経済スライドが実施をされたわけでございますけれども、デフレ下においてこのマクロ経済スライドを実施をしていくかどうかということにつきましても今議論がなされているというふうに認識をしておりますけれども、こういった点を含めまして、年金生活者、これに対してどう配慮をしていくのか、これがやはり一つの要素としてはあろうかと思いますけれども、もう一つは、やはり将来世代、年金のいわゆる持続可能性、これをどう図っていくのかという非常に難しいバランスが求められる、そういう事案ではないかなというふうに思っております。  そういった意味では非常に難しい判断かと思っておりますけれども、この年金者への配慮、そして将来世代を見据えた中での年金の持続可能性、こういったものについて、いわゆる過払い、もらい過ぎの話、そしてマクロ経済スライドのデフレ下における実施ということについて、塩崎大臣の御見解等々ございましたらお伺いをしたいというふうに思います。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) 年金制度は、もう言うまでもなく、今の働いている世代が保険料を払って、今、年金をもらわれる高齢者の方々に助け合いをするという、そういう基本的な仕組みになっているわけでございます。  今九兆円の問題もお話をいただきましたけれども、少子高齢化が進めば当然将来若い人たちの負担が増えていくと、こういうことでございますので、それを避けるために平成十六年にこの法改正を行いまして、厚生年金、国民年金の将来の保険料水準を固定をして、そして積立金を活用することとした上で、その範囲内で給付水準を調整するという、いわゆるマクロ経済スライドという仕組みを導入をしたわけでございます。長期的な給付と負担の均衡を図るという観点でございます。  その際、老後の所得保障ということを、年金制度の役割の中心でありますから、これを考えたときに、マクロ経済スライドの調整というのは、モデル年金の受給開始時点で所得代替率を五〇%、ここまでを限度に行うということを一つ前提としておりまして、財政検証の結果、所得代替率が五〇%になっても給付と負担が仮に均衡しないということになった場合には、給付と負担の在り方について必要な見直しをその時点でまた行わなければならないということで高齢期の生活の安定という要請も一定の配慮を加えていると、こういう仕組みであるわけでございます。  マクロ経済スライドは平成二十七年度の改定で初めて発動をされるわけでございますけれども、今後は受給者の方々にも物価上昇より低い年金額の改定で、言ってみれば今の年金をもらわれる方々にも少し御辛抱いただいて、そして将来世代の方々の給付水準を確保をする、一定程度、ということも大事なところでございまして、この調整を将来世代に極力先送りをしないように、現役世代と高齢世代のバランスを確保していけるように努力をしなければならないと、こう考えているところでございます。

磯崎仁彦自由民主党

○磯崎仁彦君 今大臣の方からバランスが必要だというお話もございました。是非バランスを図りながら御検討いただきたいというふうに思っております。  今の大臣の御答弁の中でもいわゆる積立金の活用という話がございました。年金につきましては年金特別会計で運営をされているわけでございますけれども、当該年度の平成二十五年、この決算の結了後の積立金残高は時価ベースで、国民年金が八兆四千四百九十二億円、厚生年金が百二十三兆六千百三十九億円ということで、両年金合わせますと百三十二兆円という膨大な積立金になっているわけでございます。いずれも、前年、平成二十四年度の末に比べて若干増加をしているという状況でございます。  質問させていただきたいのは、この水準で、必要に応じて積立金の活用ということが先ほどございましたけれども、この水準で将来にわたって年金の安定的な給付が果たして可能なのかどうなのか、そのことについて質問をさせていただきたいと思います。

山本香苗公明党厚生労働副大臣

○副大臣(山本香苗君) ただいま大臣の方から公的年金の仕組みについてお話がありましたけれども、この仕組みにおきましては、積立金とその運用収入は主に将来の受給者の年金給付に充てるための貴重な財源となっております。  この積立金で将来にわたって安定的に給付ができるのかというお問合せでございますが、昨年公表いたしました平成二十六年財政検証におきましては、幅広い経済前提を設定して行った結果、女性や高齢者の労働市場への参加が進み、日本経済が再生するケースでは、積立金を活用することによりまして所得代替率五〇%を確保できることが確認をされております。

磯崎仁彦自由民主党

○磯崎仁彦君 財政検証でいろいろ、今後も五年ごとの見直しというのは行われるんだと思いますけれども、安定給付はできるということでございましたので、ひとまず安心ということかと思います。  先ほどお話しさせていただきましたとおり、さきの予算委員会でも指摘させていただいたことを繰り返しということになるわけでございますが、年金についての国民の皆さんの理解、これはやはりまだまだ十分ではないんだろうと思います。  先ほど所得代替率五〇%という話がありましたが、やはり地元で話を聞いておりますと、この年金では生活ができませんという話があるわけでございます。もちろん、国民年金というのは、この年金だけで生活をするということはそもそもそれを想定しているということではなくて、恐らくいろいろこれまで積み立てている、蓄積しているものも吐き出しながら生活をしていく、そういうことが前提になっているかと思いますので、恐らく年金の仕組みということについてはまだまだやはり国民の皆様の中で不足化しているところはあるんだろうというふうに思っております。  そういった意味では、今、安倍首相の下で、アベノミクスで賃金をどんどん上げていきましょうという、そういう中で、マクロ経済スライドというのは物価上昇率あるいは賃金の上昇率よりも現在では〇・九%のスライド率を下げてということになりますので、なぜ年金だけ物価上昇率とか賃金上昇率に見合ったものにならないのかという、そういう率直な疑問は恐らくあるんだろうというふうに思っております。  ただ、先ほど大臣からお話ありましたように、やはり将来世代の持続可能性等々を考えれば、今恐らく六〇%程度あるこの所得代替率を五〇%にしていくことによって給付と負担のバランスを取っていく、そういう仕組みだということをやはり繰り返し説明をすることによって、なぜこういうことをやっているのかということについての理解を深めていただかなければいけないんだろうというふうに思っております。  それと、よく聞く話で、国民年金保険料には免除制度というのがあります。この免除につきましても、やはり免除が認められた期間分につきましては年金を受け取る資格を得るための期間に当然カウントをされるということがございますし、また、免除が認められた期間分につきましては、保険料を払っていなくても、将来、保険料を払った場合に受け取る年金額の二分の一、これは国庫負担分でございますが、その受取があるということ、あるいは事故や病気などで障害者となった場合には障害基礎年金を受け取れる、こういったいわゆる免除措置ということを活用することのメリットというのは当然あるわけでございまして、これも広く周知をすることによって将来無年金者というものの数を減らしていく、このことがやはり非常に重要なのではないかなというふうに思っております。  そういった意味では、これら年金とかあるいは社会保障全般について国民の理解促進がやはり必要なんだろうというふうに思っておりますので、広報あるいは社会保障教育等々の取組がどのように行われているのかということについて御質問をさせていただきたいと思います。

山本香苗公明党厚生労働副大臣

○副大臣(山本香苗君) 御質問ありがとうございます。  磯崎委員おっしゃったとおり、本当にこの年金だとか社会保障について正しい知識というものをしっかりと持っていただく、理解していただくということは極めて重要なことだと考えておりまして、年金につきましては、例えば、公的年金が果たす役割や仕組み等につきましてはまずホームページで周知しておりますし、地域に根差した啓発活動の一環といたしまして、日本年金機構におきまして、例えば大学だとか高校だとか、そういったところで関係機関の教育機関と協力した年金セミナー、出前授業というものを行わせていただいております。また、全国の約五万店舗のコンビニエンスストアのところにコンビニで払えますよという啓発のポスターも掲示をさせていただいておりますし、また、昨年初めて十一月三十日を年金の日という形に定めさせていただきまして、シンポジウムも開催させていただきました。国民の皆様への分かりやすい情報発信と意見の聴取といったことを実施しております。  また、年金を含む社会保障全体につきましては、昨年七月に取りまとめられました有識者検討会報告書の提言を踏まえまして、高校生向けのワークシートや映像教材を全国全ての高等学校に配付をいたしました。また、各地の教育委員会や教師の研究会の場におきまして教材の活用方法につきましての研修を実施しております。今御指摘いただきましたマクロ経済スライドの仕組みといったものも、今ワークシートの中に平易な言葉で書かせていただいております。  今後とも、こうした取組を通じまして、しっかりと国民の皆様方に年金や社会保障全体、特に若い方々についての理解促進に努めてまいりたいと思いますので、委員も是非とも御協力よろしくお願い申し上げます。

磯崎仁彦自由民主党

○磯崎仁彦君 厚労省としても非常に大きな取組をされているということで、是非とも継続をしていただきたいなというふうに思います。教育の現場では、例えば防災教育とか何々教育とか、いろんなその教育のメニューがあってなかなか難しい面もあろうかと思いますけれども、是非とも継続をして強化をしていただければというふうに思っております。  続いての質問でございますけれども、生活保護について質問をさせていただきたいと思います。  これも先ほど冒頭、平成二十五年度の予算の基本的な考え方の中でこの生活保護の見直しということが取り上げられておりました。生活保護につきましては、まず生活扶助基準の適正化、これはこの決算の対象年度になっております平成二十五年の八月から平成二十七年、今年度になりますけれども、三年間で段階的に実施をしていくということになっております。  今年度がその最終年度にも当たるわけでございますけれども、その生活扶助基準の適正化の進捗の状況につきまして質問をさせていただきたいと思います。

鈴木俊彦厚生労働省社会・援護局長

○政府参考人(鈴木俊彦君) お答え申し上げます。  今回の生活扶助基準の見直しでございますけれども、これは一般の低所得世帯の消費実態とそれから生活扶助基準、これを年齢別、世帯人数別、地域別に比較をいたしました。その結果、両者に乖離が生じておりましたので、この乖離を是正する、これが一点でございます。それから二点目といたしまして、この間、デフレ傾向が続いてきた中、この基準額が据え置かれてきたということがございますので、物価の下落分を勘案する、こういった考え方に基づきまして、平成二十五年八月から三年間掛けて段階的に見直しを行ってまいったところでございます。  この結果、国費への影響額につきまして三年間で約六百七十億円の減を見込んでいる、こういう状況でございます。

磯崎仁彦自由民主党

○磯崎仁彦君 ありがとうございました。  デフレの水準ということと、乖離というものを是正をする、これが三年間にわたって段階的に行われたと、その影響額が六百七十億円という、そういうお話でございました。  もう一つ、この生活保護につきましては医療扶助の適正化ということが言われております。これにつきましては後発医薬品の新たな使用促進を実施をするということが言われておりまして、生活保護法改正をして、対生活保護受給者、それから対医療機関、対薬局、それぞれに対して対策が取られたというふうに認識をしておりますけれども、この医療扶助の適正化ということについての実施状況についてお伺いをしたいと思います。

鈴木俊彦厚生労働省社会・援護局長

○政府参考人(鈴木俊彦君) お答え申し上げます。  生活保護の医療扶助でございますけれども、平成二十五年度からまず原則として後発医薬品を使用する、こういう取組を行っております。それから、生活保護法が改正をされましたけれども、その中で、医療機関も含めました関係者が生活保護の受給者に対しまして後発医薬品の使用を促進するよう努める、こういった旨を規定したところでございます。  こうした取組などによりまして、後発医薬品の使用割合でございますが、平成二十五年の六月の審査分におきましては四七・八%でございましたけれども、平成二十六年六月審査分ではこれが六一・〇%までに到達しております。こういう状況でございます。

磯崎仁彦自由民主党

○磯崎仁彦君 この部分におきましても、後発医薬品の使用促進が図られているということで実が上がっているということであったかと思います。  続きまして、私は、この生活保護の問題につきましては、働きたくても働けない人と働けるけれども働かない人、これはやはりきちんと区別して考えるべきだというふうに思っております。そういった意味では、生活保護の受給者あるいは生活困窮者の就労支援の推進というのは非常に重要なテーマだというふうに認識をしております。  生活保護受給者が就労支援によって就労ということになりますと、当然のことながら生活保護の給付はしなくて済むというわけでございます。他方、収入を得るということになれば納税者の立場にもなるということでございますので、言ってみれば二重の効果が生ずるということかと思います。  この就労支援の効果につきまして、どの程度実績が上がっているのかということについて御質問をさせていただきたいと思います。

鈴木俊彦厚生労働省社会・援護局長

○政府参考人(鈴木俊彦君) お答え申し上げます。  今先生御指摘のとおり、働く能力のある生活保護の受給者が就労して自立できるように支援をしていくということは誠に重要なことだというふうに思っております。  この就労支援といたしましては、第一に、福祉事務所において就労支援員、これを置きまして、これを活用いたしました就労支援を行っております。それから第二に、ハローワークと福祉事務所とがチームをつくりまして支援をする、こういった取組も行っているところでございます。  こうした支援の結果でございますけれども、平成二十五年度におきまして、約七・七万人が就労あるいは増収につながっておりまして、その結果、約百七十三億円の保護費の削減効果があったと、こういうふうに推計をしているところでございます。  また、二十七年度からは、生活保護法を改正いたしまして、この施行で、先ほど申し上げました就労支援員を活用しております就労支援、これにつきまして法定化をいたしまして就労の場の確保を行うということにいたしておりまして、今後とも、就労支援、更なる充実を図ってまいりたいというふうに考えております。

磯崎仁彦自由民主党

○磯崎仁彦君 この就労支援につきましては今年度からも法定化で体制強化ということになろうかと思いますので、是非とも就労へと導いていっていただきたいなというふうに思っております。  続きまして、難病対策の充実について質問をさせていただきたいと思います。  この予算のポイントにも難病・がん対策の充実強化ということが挙げられておりました。難病に対する医療費の助成事業は、この決算の対象年度になっております平成二十五年度当時は、事業費として千三百四十二億円、国庫補助が四百四十億円という、そういう状況でございました。当時の状況では、都道府県が実施主体となる医療費の助成に関しまして国が二分の一の補助を行うというもので、対象の疾患は五十六疾患であったというふうになっております。  この難病対策につきましては、平成二十五年度の社会保障に関するプログラム法に従いまして、翌平成二十六年に難病の患者に対する医療等に関する法律、これが成立をいたしまして、今年、平成二十七年の一月からその法律が施行されているというふうに認識をしております。これによって大きく難病対策は前進をしたというふうに認識をしておりますけれども、現状についてお伺いをしたいというふうに思います。

永岡桂子自由民主党厚生労働副大臣

○副大臣(永岡桂子君) 難病対策につきましては、昭和四十七年から予算事業として医療費の助成などを実施してまいりました。同じような難病があったといたしましても医療費の助成の対象とならない疾病があったこと、また、都道府県の予算上の超過負担が続いたことなどがございまして、そういう問題が指摘されていたところでございます。  こういった問題を解消するために、昨年の五月に成立いたしました、先生先ほどおっしゃってくださいました難病の患者に対する医療等に関する法律に基づきまして今年の一月から、消費税税収を財源といたしました公平で安定的な医療費助成制度が始まったわけでございます。この医療費助成の対象疾病は、一月の施行時のときに従来の五十六から百十に拡大しておりますし、また、今年七月を目指しまして約三百疾病に拡大することとしております。  今後とも、一人でも多くの難病患者の方に地域におきまして安心して生活をしていただけますように、医療費の助成を始めといたしまして、難病対策、総合的に進めてまいる所存でございます。

磯崎仁彦自由民主党

○磯崎仁彦君 ありがとうございました。  対象の難病につきましても、五十六から百、さらには三百ということで拡大の方向にあるということでございます。やはりかなり負担も大きいというふうに思いますので、是非ともその推進ということに今後とも御努力をしていただければというふうに思います。  もう一つ、決算の対象となっています平成二十五年、障害者総合支援法の施行の年ということでもございました。この法律の中では、制度の谷間を埋めるということで障害者の範囲に難病等が加えられまして、自立支援給付の対象に難病が追加をされたということでございますけれども、難病患者の障害福祉サービスの利用状況、これがどうなっているのかということについて御質問をさせていただきたいと思います。

藤井康弘厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長

○政府参考人(藤井康弘君) お答えを申し上げます。  平成二十五年度に障害福祉サービスを利用されました難病患者等の実人数で申しますと、平成二十五年の四月が百五十六人でございましたが、平成二十六年の三月、年度末になってまいりますと七百七十六人となってございまして、また、これに対します自立支援給付費につきましては、平成二十五年四月サービス提供分が六百万円でございましたところ、平成二十六年三月のサービス提供分は六千八百万円となってございます。  なお、障害福祉サービス等の対象となる難病等につきましても、難病の患者に対する医療等に関する法律の施行を踏まえまして対象疾病の検討を行っておりまして、平成二十七年の一月より百三十疾病から百五十一疾病に拡大をしたところでございますが、今後、この夏を目途に更に拡大をする方向で検討を進めておるところでございます。

磯崎仁彦自由民主党

○磯崎仁彦君 この障害者総合支援法、これ、地域社会における共生の実現に向けて、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するということでございますので、是非とも今お話があった方向で推進していっていただきたいなというふうに思っております。  時間もあれですので、最後の質問に移らせていただきたいと思います。  これ、非常に個別の事案でございますけれども、実は私の地元は香川県でございます。香川県の瀬戸内海、船で行ったところでございますけれども、この島の一つ大島に、いわゆる青松園というハンセン病の療養所がございます。離島にあるということで非常に特殊な環境に置かれている、そういう療養所でございますけれども。  現在、国立のハンセン病の療養所は全国で十三あって、入所者につきましては、平成二十年には約二千七百名の方が入所をされていたというふうにありますけれども、現在は二千名を切るような、そういう状況になっているということでございます。また、平均年齢ももう八十五歳にならんという、そういう状況というふうに伺っております。非常にやはりなかなか厳しい生活状況ということで、要食事介助が必要、あるいは認知症を患っている方がいる、あるいは寝たきり等々、やはり職員の皆様の支えがなければ生きていくこともなかなか難しいという方が少なからずいらっしゃるという状況でございます。  ハンセン病関係の予算としましては、この十三の国立ハンセン病療養所のもちろん運営の費用ですね、これとか、謝罪・名誉回復措置の費用、あるいは社会復帰、社会生活支援の費用等々で年間三百五十億円程度の予算措置がなされているというふうに認識をしております。  そもそもハンセン病の問題、これは国の隔離政策によって生じたものでございますので、国の責任としてきちんと対応していかなければいけない、そういう問題であるというふうに思っております。国会議員の中でも超党派議連をつくりまして、きちんとした対応がなされるように取り組んできたということでございます。  毎年上がっているのが療養所の定員問題でございますけれども、これは昨年、一応の合意がなされたというふうに伺っております。また、最近では、ハンセン病の療養所を退所された方、この方が死亡されたときに残された配偶者等への経済的な支援をどうしていくのか、これも非常に大きな課題ということで、これについてもある一定の方向性が出されたというふうに認識をしております。  これらの課題に正面から取り組まれておられます副大臣に、現状と、今後のハンセン病の問題についてきちんと取り組んでいくという、そういう決意を是非ともお伺いをして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

永岡桂子自由民主党厚生労働副大臣

○副大臣(永岡桂子君) 磯崎委員おっしゃいますように、ハンセン病の問題というのは国の過去の隔離政策によって生じたものでございまして、被害を受けました元患者の方々が良好で平穏な生活が営めますように、国としてもこれからも適切な対策を講じていく必要があると考えております。  先生お話ございましたように、国立ハンセン病の療養所の職員の定員問題につきましては、昨年八月に統一交渉団との間で合意書が締結されました。これは、厚生労働省といたしましては、この合意書に基づきまして、平成二十七年度から三十年度までの間の定員、これを毎年度、対前年度プラス一人ずつということで、これを目指しております。つまり、今年度は定員を一人増やすことができたところでございます。引き続きまして、適切な療養体制の確保に責任を持って取り組んでまいりたいと考えております。  また、もう一つ、ハンセン病の療養所の退所者の配偶者への支援につきましては、さきの、去年の臨時国会でハンセン病問題の解決の促進に関する法律の一部を改正する法律案が超党派の議員立法として提出されまして、昨年十一月に成立をいたしました。この法律は、退所者の配偶者などが退所者と生計を同じくして、また苦労を共にしてきたということに鑑みまして、退所者の方が亡くなられた後に配偶者などの生活を守るため一定の経済的な支援を行うものでございます。今年の十月の施行に向けまして、省令の立案などの準備を進めているところでございます。  ハンセン病の元患者の方々の福祉の増進を図るために、その御意見も伺いながら、今後ともハンセン病の問題の解決に努めてまいります。

磯崎仁彦自由民主党

○磯崎仁彦君 ありがとうございました。これで終わります。

吉川ゆうみ自由民主党

○吉川ゆうみ君 自由民主党、三重県選出の吉川ゆうみでございます。  本日は、参議院決算委員会にて塩崎厚生労働大臣に御質問させていただけるということで、心から有り難く思っております。また、関係各位の皆様にも厚く御礼を申し上げます。  私事で大変恐縮ではございますけれども、昨年の十月末、第一子を出産いたしました。妊娠、出産を経て、少子化対策、また子育て支援、保育、教育の問題など、より身近なものとなりましたし、高齢出産の大変さを身をもって経験したことによって、そのリスクということも非常に学ぶことができ、いろいろな課題認識につながりました。  また、妊娠を望んでいらっしゃる方あるいは子育てをされていらっしゃる方々との対話の場も増えたということもございます。少子化対策、そして子育て支援、また女性の活躍が重視されている昨今、現代社会の中で女性の抱える諸問題に取り組み、そして少しでも改善ができるように、今回の経験を機に取り組んでまいりたいと思っているところでございます。  本日は、そのような諸問題について、塩崎厚生労働大臣にも直接お答えをいただければ幸いに存じます。  まず初めに、待機児童問題についてお伺いをいたします。  近年の人口減少、そして政府の待機児童解消加速化プランなどにより、待機児童ゼロとなった自治体も多いとお聞きをしております。厚生労働省では、平成二十七年度からの三か年において約二十一万人分の保育の受皿を確保するということで、平成二十九年度末までに待機児童の解消を目指しておられます。  しかしながら、私の周りの働くお母さん、妊娠と同時に保育の問題を心配するというのが現実でございます。正確には、特に都心においては保育の問題を心配して妊娠自体をちゅうちょするというのが現実です。  私は三月より職場の復帰をいたしましたけれども、年度初めの四月からでも保育の受皿というのが難しいという現状にありまして、実は私も保育所に入れることができず、議員会館の議員室にベビーベッドを置いて、ベビーカーを押して通っているというのが現実でございます。また、身内の話で恐縮でございますけれども、妹も五か所申し込んで全て落とされまして、そして無認可、認可外に入れているというのが現実でございます。  また、都心に限らず地方においても、お母さんたちの声の中には、待機児童ゼロと言われながらも、実際には兄弟が別々の保育園に入るというケースも多くございます。せっかく保育所に入れても出勤時間を遅らせざるを得ないというような形で、お母さんの送り迎えの時間的、また物理的、また精神的負担というものは非常に大きなものがあるというふうに思っております。  他方、自治体によってはまだ財源の不足ということがございまして、新規に保育所を設置しようということをちゅうちょする自治体もございます。保護者の切なるニーズを受けて、子ども・子育て新制度にのっとった小規模保育あるいは事業所保育の新規の設置の申請をしたにもかかわらず断られるというケースも度々聞かれます。  子供を預けたいという保護者の希望に応えられるよう一刻も早く保育の受皿整備を進めるとともに、特に兄弟が同じ保育所に通うことができるような配慮や、あるいは待機児童ゼロが単なる数字のつじつま合わせということではなく、実態に即しているのか、本当に子育てを支援する形になっているのかということを厚労省といたしましてもしっかりと確かめて、自治体の現実に合った支援をしていただくことが必要ではないかと思っております。そのことについて大臣のお考えをお聞かせ願えればと思います。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) とりわけ東京を始めとする都市部での待機をされている子供さんたちがたくさんいるということは大変大事な、重要な問題であります。  女性の就業率が上昇するに従って待機児童の解消というのが喫緊の課題に今なってきているわけでありますけれども、今お話しいただきましたように、二十五年の四月に策定した待機児童解消加速化プラン、これでは、女性の就労が更に進むことによって潜在的な保育需要が見込まれるわけで、五年間で約四十万人分の受皿を用意すると、こういうことで努力を重ねてきて、ちょうど今折り返し点でありますけれども、大体半分のところまではまずまず順調に来ていると、こういうことでございます。  なかなか保育所ができないということで今お話がありました。自治体がこの加速化プランに参加した場合には、施設整備費の国の補助率、これをかさ上げをいたしまして、その分自治体の負担割合を減らす措置、つまり、国庫負担を二分の一だったのを三分の二にする、それから市町村の負担を四分の一を十二分の一にするという、こういう措置を講じて、できる限り保育所ができるようにということでやってきております。  また、いろんなケースがあるわけでありまして、例えば兄弟でとかいろんなニーズがありますので、そういうニーズにも応えていかなければいけないというふうに考えているところでございますので、各自治体の取組姿勢をしっかりと支えながら、まず第一に取組姿勢をちゃんと持ってもらわなきゃいけないので、持っていただくとともに、その持っていらっしゃるところにはしっかりと応援をしていくということで、国としては一日も早く待機児童の解消を図りたいというふうに思います。

吉川ゆうみ自由民主党

○吉川ゆうみ君 大臣、ありがとうございます。  加速化プランに入っている自治体にはかさ上げも検討していただいているということで、是非とも意欲のある自治体への重点的な取組をお願いしたいというふうに思っております。  自治体の独自の取組ということで、子ども・子育て会議を各自治体あるいは都道府県に設けて、適正な運用がなされるようなチェック体制を取っておられるということは重々承知をしておりますけれども、蓋を開けると、なかなか設置をしたくてもできない、断られるというような現実もあるということを是非とも厚労省さんの方でも御認識をいただき、実態把握と次の段階での実態に即した御支援をお願いできればというふうに思います。  次に、保育士の確保について御質問をさせていただきます。  先ほど御答弁でいただきましたとおり、待機児童解消加速化プランにより、平成二十五年度から保育の受皿の拡大に緊急かつ集中して取り組んでいただき、平成二十九年度末までに約四十万人の確保をしていただくということでございます。これに対し、政府は、今年一月、保育士確保プランを策定し、新たに必要となる六・九万人の保育士の確保に取り組んでいただくと聞いております。各地方自治体でも様々な施策を取っているところでございますけれども、保育士の確保というものはかなりの数でございますので、本当に可能なのでしょうか。  実際に保育所を運営されている方にお話をお伺いしますと、保育士不足はかなり深刻な状態で、本当に確保ができるのか、可能というふうには思えないといった声や、社会経験や実際の子育て経験のある方を雇う何かしらのリスク、安全面という面はしっかりと確保した上で、そういった方を何かしらの補助として入れる、そういったことは可能ではないのかといったような声、あるいは、新卒の保育士さんばかりが増えてもなかなか保育の現場って支えられないのではないのかというような声も寄せられております。  そういった声に対して、保育士不足に対して様々な対策を講じていただきたいというふうに思うのですが、いかがでしょうか。また、この六・九万人の保育士の確保、本当に可能なのかというところの大臣の御見解をお聞かせいただきたいと思います。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) 吉川先生も、働く、そして子育てをする国会議員として頑張り続けるためには保育所がないといけない、そして保育士がいないと保育所は成り立っていかないと、こういうことでありまして、今お話しいただきましたように、二十九年度までに六・九万人の保育士を確保するということで保育士確保プランを作っているわけでございます。  そこで、そのために、じゃ何をしているのかと、こういうことでありますが、まず、消費税の財源、これを活用いたしまして、三%相当の処遇改善を行って保育士さんの働く環境を整えるということがまず第一。それから、新たに地域限定保育士試験など、これは特区でありますけれども、などの保育士試験の年二回実施というものもこれから導入をするということになっておりまして、今まで一回しかないじゃないかと、こういうことでありましたが、二回やるというところが可能になるということになっています。それから、離職の防止、それから保育士・保育所支援センターの充実などによって、いわゆる資格は持っているけれども働いていらっしゃらない潜在保育士、この方々の復帰の支援、あるいは保育士養成といった取組についても、引き続き確実に実施をしていくことによってこの六・九万人をしっかり確保していきたいと思っておりますし、また、子育て経験者も含め、保育や子育て支援に関心を持つ方に保育分野で働いていただくという子育て支援員研修制度を創設もしているわけでございまして、このことによってまた保育士さんも環境が良くなるということだと思います。  厚労省としては、この子育て支援員を始め、保育分野等で活躍される方が保育士へと今度はキャリアアップしていくということがまた望ましいとも考えておりまして、修学資金の貸付けとかあるいは保育士試験受験のための学習費用を支援するといった保育士資格を取得しやすくするための対策も講じているところでございます。

吉川ゆうみ自由民主党

○吉川ゆうみ君 大臣、誠にありがとうございます。  厚労省さんの方で様々な施策を取っていただいているということ、また子育て支援員というような新たな制度も設けて御検討いただいているということ、大変心強くお伺いいたしました。また、処遇面のことも御検討いただいているということで、本当に有り難く思います。是非とも中長期的な形で、保育士の確保は喫緊の課題ではあるものの、この少子化対策を真剣に取り組んでいく中で是非とも中長期的な視点も入れて、今後も取組を引き続き加速していただけると有り難いというふうに思います。  次に、介護報酬改定の問題についてお伺いをさせていただきたいと思います。  平成二十七年度介護報酬改定では二・二七%のマイナス改定となりました。これにより事業者の収入が下がり、今後の事業運営について不安を持つ事業者からの声が多く寄せられています。団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年問題、二〇二五年以降に向けて、中重度の要介護者また認知症高齢者への対応も必要になり、更なる介護サービスの基盤整備を質、量共に進める必要があるというふうに考えております。  また、こうした基盤整備においては、介護分野で働く人材の確保も重要でございます。しかしながら、大臣御存じのとおり、介護職員の賃金はまだまだ相対的には低いという状況でございまして、将来展望を持って働き続けられるという職場とは言えない状況にございます。男性の寿退社ということもよく現場からは聞かれますし、将来の労働市場における介護分野のマーケットは拡大しているという中において、若者や中高齢者など多様な人材の介護分野への参入をしてもらうために、賃金改定を始めとする処遇改善また多様な人材確保策を講じていただくことが求められているかと思います。  財源の問題があることは重々承知をいたしておりますし、厚労省さんといたしましても様々な施策を取っていただいていることも承知をしておりますけれども、その上で、今回の介護報酬改定の考え方と、この改定により事業所の経営はどうなるのか、また介護人材の処遇改善とそして確保ということが図られていくのかということについて、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほどの磯崎先生の年金の話もそうでありますけれども、保険方式で賄っている社会保障制度は、保険料とそれから税とそれから個人負担、この三つしか財源がない中にあって、どう持続可能なものにしていくか、長期的にちゃんと賄っていけるようにするためにどうしたらいいのか、これが一番悩ましいところでありますけれども、これを達成しない限りは社会保障が成り立たないと、こういうことだろうと思います。  したがって、今回、介護保険制度につきまして報酬改定にマイナスになったことについてのいろんな御懸念をいただいておるわけでありますけれども、やはりまず第一に持続可能なものとすることが必要な中で、保険料やあるいは利用者負担ができる限り重くなり過ぎないようにするということを配慮しながら、しかし一方で、ニーズは多様化する、そして高齢化で増えていく、これをどう賄いながらそのニーズに合った、時代時代に合ったサービスを良質なものとして提供していくかと、この考え方が基本だろうというふうに思います。  このため、今回の改定では、認知症であるとかあるいは中重度の方々が増えているということ、こういうようなことについての、こういうところに努力をしている人たち、つまり事業者についてはしっかりそれは配慮をしていこう、そして全体としても、改定後も事業者の安定的な経営に必要な収支差は残るようにしようと、こういう考え方で今回の改定を決めさせていただいたところでございます。もちろん、人材が足りないということで、月額一万二千円相当の処遇改善加算というものを拡充をして、運用も強化をして、しっかりこの処遇改善につながるようにしなければいけないということを今進めております。  そして、各都道府県に設置をいたします地域医療介護総合確保基金というのがありますが、昨年度は医療だけでしたけれども今度は介護もございますので、参入促進あるいは労働環境の改善、資質の向上といった人材確保の取組を総合的、計画的に進めていくということで、国民が安心して介護サービスを利用できる体制を更に強化していかなければならないというふうに思います。

吉川ゆうみ自由民主党

○吉川ゆうみ君 大臣、誠にありがとうございます。  財源が限られている中あるいは負担を増やせないという中において、どのような形で皆がいい形にしていくかというのは社会保障の難しさだということは重々承知しておりますし、その中で最大限の御配慮をいただいているということも認識いたしております。また、より努力をしている事業者の安定的な経営ができるようにということで配慮していただいているということも誠に有り難いと思いますし、一万二千円の給与の上乗せということも進めていただいているということでございます。  これからどんどん二〇二五年に向けてニーズが必要になっていく中で、是非とも更にもう一歩、財源の問題があるということは承知しておりますけれども、更に介護の現場で働きやすいように、あるいは私どもの三重県は介護施設が全く足りておらず、待機老人といいますかの数が日本でも一番ぐらい多い県でございますけれども、やはり経営が苦しいというところが施設が増えない一番の理由でございますので、その辺りも含めて更なる推進をお願いできればというふうに思います。  次に、在宅医療の推進についてお伺いをさせていただきたいと思います。  地元三重県桑名市というところの伊藤市長、年が近いということもあり、様々な分野の課題について常々情報交換をさせていただいておりますけれども、この桑名市では、地域包括ケアシステムの構築に向けての取組を推進する中で、平成二十七年度から三か年を期間とする第六期介護保険事業計画、また第七期老人福祉計画を桑名市地域包括ケア計画として計画を進めているところでございます。国の方針を認識、そして共有した上で、今期の計画の中では、地域支援事業の拡充部分として新しく介護予防・日常生活支援総合事業、また認知症施策推進事業などに取り組み、在宅医療・介護の連携拠点づくりに向けて医師会とも連携をしながら協議を開始しているところでございまして、今年度中には連携支援センターの設立がされる見込みでございます。  また、高齢者が住み慣れた地域でできる限り生き生きとした暮らしを続けていくことができる社会の実現のためには、みとりも含めた慢性疾患を抱えて生活する高齢者を支える在宅医療の存在は欠かせないというふうに考えております。在宅医療を志す若い医師、あるいは在宅医療における診療報酬の見直しなど、これからの支える医療への転換について国の施策として推進をすべきというふうに考えているところでございますけれども、こちらは市町村では踏み込めない分野でもございますので、是非ともその辺りの御検討をいただければというふうに思います。  末端の在宅医療の受皿の整備がまだまだ進まない現状にあって、地域包括ケアシステムの構築と推進のためには、医療計画上の位置付け、また在宅医療と介護の連携の推進、そして診療報酬上の評価ということなど、厚生労働省を挙げてのお取組をいただくことが必要だと考えておりますけれども、大臣のお考えと意気込みをお聞かせ願えればというふうに思います。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) 今先生から地域包括ケアシステムを桑名流でやっていらっしゃるという、こういう話をいただきました。恐らく今全国それぞれ知恵を絞りながら地域包括ケアシステムの在り方を模索していただいているんだろうというふうに思いますし、我々はそれを全面バックアップをしていかなきゃいけないというふうに思っています。  今先生がおっしゃったように、多くの国民がやっぱり自宅であるいは地域で療養生活を、あるいは生活そのものを希望しておるわけでありますから、その希望をどうやって尊重し、可能な限り住み慣れた生活の場としてのそれぞれの地域で必要な医療を受けられるようにするかということはとても大事であって、在宅医療を充実をするというのはこれから大きな方向だし、いわゆるプライマリーケアといったものをもっと強化しなきゃいけないというふうに思っているところでございます。  具体的には、都道府県が作成をいたします医療計画に在宅医療に係る医療連携体制等に関する事項の記載をこれから求めていきます。そして、昨年の介護保険法の改正におきまして、在宅医療それから介護連携推進事業、これは会議や研修など医療、介護の関係者の連携を支援する事業でありますけれども、これを平成三十年の四月までに全ての市町村が実施する事業として位置付ける、そして、在宅医療における中心的な役割を担う診療所としての在宅療養を支援、診療所の機能を強化して診療報酬上も評価を行うというような取組を行っているところでありまして、このほか、昨年の六月に成立をした、先ほども申し上げた医療・介護総合確保推進法に基づいて、都道府県においてこの基金を活用して在宅医療の推進を昨年度から全国で図っているわけでございまして、厚労省としては、このような取組を通じて在宅医療の充実に取り組んで、まさに地域包括ケアシステムの構築をしっかりと推進してまいりたいというふうに思います。

吉川ゆうみ自由民主党

○吉川ゆうみ君 ありがとうございます。  まさに、各都道府県あるいは市、町が今悩みながら地域包括ケアシステムをどうするのかというところを検討しているところだと思います。その中において、在宅医療に関しまして、診療報酬改定の検討あるいは各都道府県の実情に合った基金の活用というところで様々な御検討をいただいているということで承知をいたしました。  今後も、各市、町、地方自治体がしっかりとした取組を進めていくことができるよう、厚労省さんといたしましても、より重点的な後押しと、あるいは支援というところをお願いしたいというふうに思います。  次に、医療的ケアが必要な重度障害児に対する支援についてお伺いをさせていただきたいと思います。  冒頭申し上げましたように、妊娠、出産を経て様々な方々の実体験をお伺いする機会というのがこれまで以上に幸い増えました。その中で、医療的ケアを必要とするような重度・重複障害児の生活を支援する地元のネットワーク、e—ケアネットよっかいちというところの事務局長をされている三重県立特別支援学校のきらら学園というところの米本氏という方から次のような御要望をいただきました。ちょっと読ませていただきます。  医療的ケアを必要とするような重症心身障害児の地域生活について、現状では、家族、特に母親が二十四時間三百六十五日の生活の中で寝る間もなく必要なケアを行い、支えているという現状があります。暮らしを支える障害福祉サービスについても十分対応できているとは言えません。障害の軽い方は福祉サービスが利用ができるのに、障害が重い人はサービスが利用ができないというのが現状です。これは、医療的ケアのような、重度・重複障害児を産んだ母親の責任ではもちろんなく、また障害のある本人の責任でもありません。しかしながら、現状ではその責任を母親が背負っているというところです。  児童期、とりわけNICUから在宅へ移行して間もない時期の家族にとって、二十四時間三百六十五日のケア、介護の負担は相当なものがあります。病院での出産時に何らかの障害で、生まれてすぐの面会が許されず、しばらくたってから様々な医療機器やチューブでつながれた我が子と対面する。そんな姿を受容するのに十分な時間も与えられずに、退院に向けて病院側からケアの方法を教えられると。混乱した母親の精神状態の中では、そういった方法も頭には入りません。そして、退院してすぐに家庭生活となり、どのような形で我が子と向き合えばいいのか、途方に暮れることとなります。  もちろん訪問介護制度での看護師の支援は得られますが、三十分ほどの短い時間のみとなってしまいます。比較的長時間の見守りの中で必要な支援を行う重度訪問介護、これは独り暮らしの大人の方をサポートする制度でございますので、障害児の対応はできておりません。地域において、医療的ケアが必要な障害児に対しての支援を行ってくれる事業所あるいは家族の休息のために一時的に障害児を預かってくれる場所があれば、このような母親も助かるというふうに思います。そのためには、障害福祉制度の充実が欠かせないのではないでしょうかというお声です。  そして、ここで大臣にお伺いをさせていただきます。  障害福祉施策の充実のため、障害福祉サービスの予算の拡充あるいは今般の報酬改定についてどのように取り組まれてきたのでしょうか。また、医療的ケアが必要な障害児の支援あるいは家族のレスパイトに対する支援策についての大臣の御見解をお伺いできればというふうに思います。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) 今、重症心身障害児のお母様からのお手紙を拝聴いたしまして、そのとおりだと思いますし、私の地元でも、やはりそういったお母さん方から、いわゆる彼女たちに言わすと、医療デイとよく言いますけれども、デイサービスが全く足りないということで、本当に疲弊し切っているんだというお話を私も聞いているわけでありまして、近々また地元で勉強会をやろうという話になっています。  この障害福祉サービス関係予算につきましては、平成十八年度から十年間で二倍以上になって、今二十七年度予算では一兆円を超えるところまで来ております。しかし、まだOECDの中ではたしか十九番目とかそういうところでありますから、まだまだということなので、二十七年度の障害報酬改定の際にはマイナスには絶対しないということで、結果としてプラス・マイナス・ゼロになりましたけれども、やはりこの障害福祉サービスというのは小規模なところがとても多い、弱い体質のところが頑張ってくれていますから、これをOECDのそういう順番でもあれば、やっぱりマイナスは駄目だということで随分議論をさせて何とかプラマイゼロ%になったところでございまして、その中で重度の障害児、障害者の地域生活支援を推進するための見直しを行っているところでございます。  医療的ケアが必要な障害児やその家族に対する支援については、御指摘のとおり重要な課題であって、ちょっと前の話になりますが、平成二十四年には、それまで補助事業で実施していた重症心身障害児の通園事業、これについては児童福祉法における児童発達支援等として法定化をいたしました。それから、報酬改定においても、医療機関における短期入所について、超重症児などを受け入れる場合の特別重度支援加算というのを新設をいたしました。また、今年度、二十七年度の報酬改定においては、障害児通所支援における重症心身障害児についての送迎加算の新設、それから延長支援加算の拡充というものも行って、医療ケアが必要な障害児の支援の充実を図っているところでございます。  いろいろまだまだ課題ありというふうに多分指摘をされるでしょうから、医療的ケアが必要な障害児やその家族に対する支援の充実に努めてまいりたいというふうに思います。

吉川ゆうみ自由民主党

○吉川ゆうみ君 大臣、誠にありがとうございます。  大臣がこの分野について非常に御理解をいただいているということで、本当に心強く思いました。また、二十四年度改定、補助事業を改定していただく、あるいは二十七年度の報酬改定ということで、次々と現実に見合った形での改定、あるいは制度をつくっていただいているということで、これも有り難く存じます。  厚労省の御担当の方々とお話をお伺いさせていただきましたら、本当にこの分野について長年にわたり障害者の御家族の声を聞いて、向き合って、そして制度をつくっていただいているということが分かりまして、本当に心強く思っております。  この分野についても、財源があるものでございますので苦しいところであるということは重々承知はしておるところでございますけれども、まだまだ地域にはこういった小さいけれども非常に重要な声があるということを、大臣も十分御認識をいただいておるところでございますけれども、更なる御支援を是非ともいただければというふうに思います。そして、安心して子供を産める、もし障害を持っていても安心して育てていくことができるんだというような日本にしていただければなというふうに強く願います。  次に、短期入所についてお伺いをさせていただきます。時間がもう少しですので、最後の質問とさせていただきたいと思います。  重症児の方を短期入所で受け入れるためには、医療的ケアや介護体制など非常に手厚い支援体制というものが求められています。病院や診療所で実施される医療型短期入所、これは報酬も高く手厚い医療体制を取ることができると思われますけれども、なかなか数も少なく、家から遠く離れた病院よりも家の近くにある事業所で親御さんが安心して預けるということができればより良いというふうに思います。  福祉型で重症患者の方を受け入れた場合、基本報酬の設定あるいは加算の在り方などについても検討が必要なのではないかというふうに思っております。福祉型短期入所において重症児の方を受け入れられるような対応が必要であるというふうに考えますけれども、厚生労働省の御見解をお伺いいたします。

藤井康弘厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長

○政府参考人(藤井康弘君) お答え申し上げます。  地域で生活をされる障害児者やその家族の支援のためには、先生御指摘の短期入所は大変重要なサービスだと考えております。短期入所には、先生御指摘のように、これは福祉型と医療型がございまして、福祉型の短期入所は、障害者支援施設等の福祉施設におきまして入浴、排せつ、食事の介護等の支援を提供するサービスでございます。一方、医療型の短期入所は、医療機関におきまして医療的ケアが必要な方々に対しまして介護や医療的ケア等の支援を提供するサービスでございまして、手厚い医療体制を評価した基本報酬となってございます。  私ども、このうち福祉型の短期入所におきましても、医療的ケアが必要な障害者に対する受入れ体制の強化のために、これまでも、一つは、重度の障害者に対する支援を評価をいたします重度障害者支援加算、また、医療機関等との連携によりまして、看護職員が事業所を訪問して利用者に対して看護を行う場合等を評価をいたします医療連携体制加算を設けているところでございます。  さらに、今回の平成二十七年度の報酬改定におきまして、医療的ケアが必要な利用者への支援を強化するために医療連携体制加算の引上げを行ったところでございまして、今後とも、引き続き短期入所の充実に努めてまいりたいと考えております。

吉川ゆうみ自由民主党

○吉川ゆうみ君 ありがとうございます。  様々な加算ということを行っていただいていることでございますけれども、福祉型と医療型では、通常の報酬ですと加算をいろいろとしても三倍近くの開きがあるというところもございますので、是非とも、そのような声が多いということで、更なる御支援あるいは制度の改定ということをお願いできればというふうに思います。  本日は、塩崎厚生労働大臣に女性の目線から様々な御質問をさせていただきました。少子高齢化が進む我が国において女性の活力を生かすということは大変重要なことであります。働く女性が妊娠、出産、子育て、そしてその後もスムーズな社会復帰が可能となり、女性の活力によって元気な日本を取り戻すことが重要であると考えますけれども、自分が妊娠、出産を経験して非常に感じるところは、残念ながら、この日本、妊娠、出産そして子育てをする女性に対してまだまだ厳しい部分が非常に多いというところを実感しておりますし、障害者や障害児を持つ家族に対しても、まだまだ優しくない部分があるのではないかというふうに感じているところでございます。  これから少子対策を進め、本当の意味で日本が発展していくためにも、是非とも塩崎大臣におかれましては、この分野においても、引き続き厚生労働行政のトップとして、安心して子供を産み、そして育てることができる社会の実現のためにリーダーシップを更に発揮していただけますよう心からお願いを申し上げまして、本当に基本的な御質問が多く恐縮でございましたけれども、私の質問を終わらせていただきたいと思います。  本日は誠にありがとうございました。

小林正夫民主党・新緑風会

○小林正夫君 民主党・新緑風会の小林正夫です。  今日は、職場の労働環境改善、二つ目に、女性が働きやすく、継続して働ける環境の整備、三つ目に、労働災害の撲滅、最後に、長時間労働の防止、こういう視点から質問をさせていただきます。  まず、職場におけるメンタルヘルス対策についてお聞きをいたします。  平成二十六年度事業評価において、職場におけるメンタルヘルス対策事業全体の予算の推移が書かれておりました。平成二十三年度及び二十四年度は各々約十五億円の予算が組まれておりまして、決算は十三億円から十四億円程度となっておりました。二十五年度は八・六億円の予算で、決算は七億円程度、二十六年度の予算は二・六億円、そして今年度は一・三億円と、年々予算と決算の額が小さくなっている、こういう傾向にありました。  これは、事業仕分で効率的にメンタルヘルス対策に取り組むと、こういう指摘がされてこのような数字になってきたと私は理解をしておりますけれども、平成二十六年度以降は産業保健三事業を一元化した産業保健総合支援事業でメンタルヘルス対策が行われていると、このように私も承知をしております。  そして、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所は、平成二十四年で四七・二%、二十五年が六〇・七%と、一三・五ポイント上昇しておりました。平成二十二年の新成長戦略において、二〇二〇年までにメンタルヘルスに関する措置を受けられる職場の割合を一〇〇%にするということが盛り込まれております。また、労働者が安心して働ける職場づくり、心のケアというのは大変私大事だと思います。  複雑な今社会になっておりますので、今後も手厚いメンタルヘルス対策が必要だと、このように私は思っておりますけれども、この問題に取り組む大臣の決意をまずお聞きをいたします。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) 小林委員御指摘のように、職場におけるメンタルヘルスの対策というのは極めて重要であり、またその重要さがますます重くなっているというふうに私も感じておりまして、私も、友人の同級生の精神科医が産業医をやりながら、メンタルなことについての配慮がますます必要になってきているという話をよく聞いているところでございます。  厚労省では、これまでも、労働基準監督署などによります指導とともに、訪問支援などを行って事業者の取組を支援をしてきておりまして、それから、目標達成に向けての事業者の取組をバックアップをしてまいっているところでございます。  先ほど予算について先生から言及がございましたが、今御指摘のとおり、事業評価書上では額が減少しておるところでございますけれども、これは平成二十六年度から産業保健活動総合支援事業において関連事業を行うこととしたところでございまして、その際には、個別事業場へのメンタルヘルスに関する訪問指導について拡充を図るなど、対応の強化も併せて行っているところで、いわゆる職場における先生先ほど御指摘になられましたメンタルヘルス対策の促進事業と産業保健活動総合支援事業とを合算したもの、合計で見ますと大体二十七年度も横ばい圏内ということでございまして、二十七年度は特に同事業の予算を増額をするなど、中小規模の事業場に対するメンタルヘルス対策の支援の強化も更に力を入れているところでございます。  御存じのように、労働安全衛生法、改正されましたが、これによって本年の十二月からいわゆるストレスチェック制度というのがスタートをいたしまして、この施行を行うに当たって、働く方々のメンタルヘルス対策に、更にこの取組を強化していかなければならないと思っております。

小林正夫民主党・新緑風会

○小林正夫君 職場の環境改善でもう一点質問をいたします。これは、単身赴任者が受け取る帰宅旅費の課税問題についてお伺いいたします。  業務の都合で家族と離れて仕事をしている方、非常に多いと思います。特に近年では、東日本大震災、こういう復興に携わるということで、建設業界で働く人たちもかなり単身赴任になっているというケースが多いと承知をしております。単身赴任者が、赴任先ともちろん家族が住んでいるところが遠ければ遠いほど帰宅旅費が掛かると、こういうことでございます。交通費が高くなるということで、帰宅旅費の支給額も当然先ほど言ったように増えてまいります。  この帰宅旅費は交通費の実費を補填するためのものであって、単身赴任者は実質的に金銭的な利益は受けていないにもかかわらず、税法上、課税所得として取り扱われております。その結果、赴任先が遠距離になるほど課税所得が増えることになり、実質的には手取り額は変わらないのに所得税や社会保険料などの負担が重くなってしまうと、こういうことが指摘をされて、私の方にもこういう意見が相当上がってまいっております。特定支出控除を使えば帰宅旅費を控除できることは承知しておりますけれども、帰宅旅費と同じく実費弁償的な性格を持つ旅費だとか通勤交通費が非課税になっているということを考えれば、その並びで私は帰宅旅費も非課税とすべきじゃないかと思います。  単身赴任は、業務の都合で単身赴任という状況が発生する、私は多くの場合はそうだと思います。自分が希望して単身赴任ということは余りないと私は思いますけれども、そうやって単身赴任で頑張っている人たちの労働条件、労働環境の改善という意味で、是非この単身赴任者の帰宅旅費の非課税化、これを麻生大臣には図ってもらいたい、このように思いますけど、いかがですか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) サラリーマンやっていましたか。(発言する者あり)ああ、そうでしょうね。この話について理解する人って余りいないんですよ。私もちょっとやっていましたので、この意味は分かるんですけれども、ちょっと区別して説明しないといけませんので長くなりますけれども。  いわゆる委員のお尋ねというのは、帰宅旅費も出張旅費や通勤手当と同様に、企業の従業員にとりましては必要不可欠な交通費の実費弁済だということで、出張旅費や通勤手当と同様に非課税にすべき、言うとそういうことを言っておられるんだと思います。  まず出張旅費ですけど、これは本来企業が支払うべき経費でありますから、従業員にとっては立替払した分の支払を受けるのにすぎないということから、給与としての性格は有さず、当然非課税と、もうこれは当然のことだと思います。  これに対して通勤手当の場合は、従業員が出勤するための費用を企業が負担するものということで、帰宅旅費は単身赴任者、単身赴任者の場合は家族あって行っている人と丸々本人が単身の場合とかいろいろありますけれども、単身赴任者と家族が離れて生活することに伴います負担、今言われたように、家族に月に、月にということはないな、何か月かに一遍というような話で費用を企業が負担するもので、いずれもこれは給与の性格を有するものだということで、したがって原則としては課税すべきものなんですが、しかしながら、通勤手当はこれは従業員が出勤するための費用の実費弁済として広く支給されておりますので、十万円を限度だとは思いましたけれども、特別に非課税といたしております。  これは、実際問題として、調査をしてみますと、これは人事院の調査ですけど、通勤手当をしているのは、いわゆるサラリーマンというか働いている人の約九七%が通勤手当というのを非課税でもらっているということなんですが、他方、帰宅旅費はあくまでも単身赴任者のみに支払われるわけでして、そうじゃない方は違いますので、通勤手当のように幅広く支給されているものでは当然のことながらありません、単身赴任に限りますから。  さらに、実費弁済ではなくて、単身赴任への特別な配慮ということとして給与に一定額を上乗せする方式を取る企業も、企業によって違うんですけど、決して少なくはないことから、公平性の観点からこれは帰宅旅費のみを非課税とすることは問題ではないかということで、実際問題としてこれを調べてみますと、帰宅費用を支給している者のうち、これを計算してみますと、調査対象全体に対する比率は約五二%ぐらいですから、さっきの九七とは大分実態が違っておりますというのが一つ。  このように、帰宅旅費と出張旅費というのはいずれも通勤手当ともいわゆる性格が異なるということなのであって、同列に扱うことはちょっと適当ではないのではないかと思っております。  また、今委員御指摘のように、特定支出控除が認められております。これ百七十何万円だったと記憶していますけど、認められておりますので、そういった意味ではこれは配慮を加えて取り扱っているところであって、帰宅旅費であろうと単身赴任手当という形で出しているところもあるんですけれども、公平な取扱いを受けるということにおいてこれはなかなか意見の分かれるところですが、この五二%が仮に通勤手当みたいに九〇%だ何%だとなってくれば、これはちょっとまた考えにゃいかぬところなのかもしれませんけど、まだ現状としてはそういった段階には至っていないところだと思っております。

小林正夫民主党・新緑風会

○小林正夫君 麻生大臣もお話ありましたけど、やはり単身赴任者というのは単身で現地に行って頑張っているんですね。それで、企業の方でも手当を出しているところもある、こういう感じですよね。  ですから、そういう意味で私は、単身赴任そのものはいろいろ課題があると、このように思っています。ただ、それを乗り越えて赴任をしていく、こういうこともしっかり考えてやる必要が私はあるんだと思います。今後の検討の中で、単身赴任者の帰宅旅費の非課税化、是非大臣の下で検討してもらいたいということを改めてお願いをしておきます。  それでは、次の質問に入ります。女性が働きやすく、継続して働ける環境の整備、このことについてお聞きをいたします。  女性の職業生活における活躍を推進する、こういうことの法律案が検討されていると、このように聞いておりまして、この内容についても厚生労働省の方から少しお聞きをしております。  安倍政権の女性活躍、このように総理もおっしゃるんですけれども、私は、何となく経済的観点から女性を活用して経済成長を果たすことに主眼が置かれていて、特に家庭を持ち出産や子育てをしながら働く女性の体とかあるいは心の疲れを心配する、こういう視点が私には見えてこない、ここを少し心配をしているんです。とりわけ、育児や介護、家事、こういう仕事以外の責任を持つ女性が就業継続していくためには、勤務時間だとか休暇制度、働き方などを生活パターンに合わせた、そういうことが選択できるような、こういう社会をつくっていくことが必要じゃないか、このように思いますので、全ての女性が輝く社会、これが全ての女性が疲れた社会、こうならないように、今日は二つの点について取り上げて大臣に質問をいたします。  一つは、短時間勤務でも正社員、この制度についてお聞きをいたします。  政府の仕事と生活の調和推進のための行動指針では、短時間正社員制度を選択できる事業所の割合を二〇二〇年までに二九%にすることを目標に掲げております。二九%は上限でなく、推進をしていく一つの道程と、こういうような数字だと私は受け止めております。今日、資料一を用意をいたしました。この中にそのようなことが書かれているわけでございます。短時間でも正社員の導入は、育児だとか介護を始め様々な事由によって就業時間に制約がある人たちに就業の継続と機会を与えることなどができて、今の社会において私は大変必要な施策、このように思います。  それで、先ほどの資料ですけれども、短時間正社員制度がある事業所の割合は、これは二〇一三年十月一日現在で二〇・一%になっておりますけれども、その多くが最大二時間の短縮で、かつワンパターンのみであることが多いと、このように私聞いております。勤務時間が四時間、五時間、六時間あるいは七時間など選択できるようにしていけば、子育てだとか介護の推移を見ながら勤務時間を変更することができて、生活環境に応じた働き方ができるのではないか、このように私思います。  これは、企業、労使の間でいろんな働き方を決めるということは承知をしておりますけれども、是非、先ほど言ったように、多様な働き方を用意をしていかないと女性にとってもなかなか働きづらい、そういう面もあると思いますので、特にこの短時間正社員制度については、先ほど言ったように、四時間、五時間、六時間、七時間、そういうことが選択できるような、こういうような社会にしていくということで大臣として取組をお願いをしたいと思いますけど、いかがですか。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) 安倍内閣として女性活用は経済的側面がちょっと強いんじゃないかと、こういう御指摘がございましたが、決してそんなことはございませんで、やはり女性の活躍によって質的にも変わっていく日本の経済社会全体であり、また個人の生活、ワーク・ライフ・バランスとよく言いますが、そういうところにも着目をし、今回御審議をいただくことになっております労働基準法の改正の中でも、休暇を企業が、言ってみれば今までとは百八十度変えて、個人が選ぶんじゃなくて企業が選んでいくということで休んでもらうということ、あるいはフレックスタイムにして子育てに合ったような時間もできるようにということでございますので、決して経済的なところだけを強調しているわけではないということを御理解いただければというふうにまず思ったところでございます。  それから、今の短時間正社員制度につきましては、テレビなどでも、流通業等々で今広がりつつあるということが、女性の活躍のパターンとしてもあることがよく分かっていて、短時間働ける方とフルタイムの正社員との処遇の均衡を図りながら一人一人の生活に応じた働き方を可能にするという意義を有するのがこの短時間の正社員制度だと思っております。その普及を、今、お配りをいただきましたが、普及を進めていくことが極めて大事だと思っているわけで、目標も定めながらやっております。  御指摘の、勤務時間の設定をもっとフレキシブルにやるべきじゃないかと、こういうことで、おっしゃるとおりだと思いますし、また一方、これも先生御指摘になられましたけれども、企業の実態に合わせて企業ごとに労使が自治でもって話し合うんだということでございますので、働く方の希望も踏まえて柔軟に設定をされるということが大事で、厚生労働省としても作成したマニュアルの中でもそのように記述をしてございます。  こうした点も含めて、マニュアルの普及とかセミナーの開催とか、働く方にとってより使いやすい短時間正社員制度の普及、定着を厚労省としても更に図っていかなければならないと思います。

小林正夫民主党・新緑風会

○小林正夫君 もう一点だけ質問をいたします。  育児休職制度あるいは介護休職制度、これは大分進んで、これを活用している方も非常に多いと、このように思いますけれども、退職をして、もう少し時間を掛けて家庭にいらっしゃった、こういう人が再度また社会に出て働きたい、こういう課題なんですけれども、その人たちの悩みは、育児休職制度とか介護休職制度、一定の期間以上にもう少し時間が必要で家庭にいた場合に、元の会社に正社員として復帰をしたいと、こういう要望が当然強くあるんです。  そういう意味で、再び正社員として元の会社に復帰できる制度、これは登録制度など今あることも承知をしておりますけれども、こういうことを広くやはり私は進めていくことがいろんな働き方を選択できるという社会になっていくと思いますので、是非このことも取り組んでいただきたいということをお願いしたいんですが、大臣、いかがですか。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) 今お話しの退職後に再度元の会社に戻りたい、正社員でと、こういうことでございますが、厚生労働省が実施をいたしました平成二十三年度の雇用均等基本調査というのによりますと、育児などで退職をした方が再び雇い入れられるという再雇用制度がある事業所の割合は五三・一%というふうになっております。  このような制度の導入を更に拡大をするべきだということで、厚労省としては、育児・介護休業法において、育児等を理由とする退職の際に再び雇用されることを希望していた方については、事業主が労働者の募集又は採用に当たって特別の配慮をするように努めなければならないことを規定を法律にいたしました。  それから、次世代育成支援対策推進法、これに基づく指針がございますけれども、ここにおいても同様の措置を規定をして企業の自主的な取組を推進をしているところでございますし、また、育児等を理由として退職をした方に対して正社員として復帰させる制度を設けている企業の好事例の収集や全国への周知というものを図っているところでございまして、今お話があったように、女性が仕事と育児とを両立をしながら、その能力をしっかり発揮してもらって社会にも大いにプラスになるように処遇環境を整備するということをやっていきたいというふうに思います。

小林正夫民主党・新緑風会

○小林正夫君 是非、大臣、このことに取り組んでいただく、このことを期待しております。  そして、短時間勤務制度がなかなか導入できない、こういうことが私の方に幾つか意見として上がってまいります。  短時間勤務を会社の方にこういう制度をつくりましょうと提案をすると、未就業時間、その本人が要は働かない、この時間帯に派遣労働者の方とかあるいはパートの人を採用しないといけないので人件費が掛かるということが一つ。あともう一つ、勤務の管理が多様化になるので、勤務管理のプログラムだとかあるいはシステムを直していかなきゃいけない、そのために改修費用が掛かると。こういうこともあってこの短時間正社員制度というのがなかなか進んでいない実態がある、こういう報告が上がっております。  是非、厚生労働省だとかあるいは経済産業省の補助金制度の中で、今言ったように未就業時間の働く人を確保する、こういうところ、それと勤務プログラムを作成する、こういうことに対して今言ったような支援事業の中でできないのかどうか、この辺についてお聞きをいたします。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) 厚生労働省が委託事業で短時間正社員制度に関する実態調査というのを行ったときに指摘された問題点が、今先生が御指摘になった二つの論点だというふうに思います。  このような課題を踏まえて、短時間正社員制度について、働く方にとってより使いやすくなるためには、代替要員の確保それから職場の環境整備、システムを含めてですね、を進めていくことなどが極めて重要だという御指摘はそのとおりだと思います。  このような観点から、どのような対応が可能か更に検討しなければいけないと思っておりますけど、今、短時間正社員に転換又は短時間正社員として新たに雇入れを行った事業主に対しての助成金支給というのは行っていますが、議員が御指摘になられました代替要員確保のための助成金支給というのは、現在のところはまだ行っていないということでございます。  なお、勤務管理システム化など勤務時間の管理の適正化に取り組む中小企業事業主に対しては、労務管理ソフトウエアやそれから労務管理用機器の導入・更新費用等の一部を助成する職場意識改善助成金の活用を促進することなどによって、適正な労働条件の下で所定外の労働時間の削減などに取り組んでいるところでございます。

小林正夫民主党・新緑風会

○小林正夫君 今大臣がおっしゃったようなこと、私もいろいろな意見を聞いているものですから、こういう制度を使えば今言ったことはできるんじゃないだろうか、こういうことで、今言った、例えば要員確保をしていく、システム改革するためのお金が掛かる、これはこういう制度を活用すればいいんだという一覧表みたいのを作っていただいて、私の方に提出をしていただければ有り難いと思うんですが、いかがでしょうか。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) 先生の御指摘に沿うものがどうできるか考えて、お届けをしてみたいというふうに思います。

小林正夫民主党・新緑風会

○小林正夫君 次の質問に入ります。労働災害の撲滅についてお聞きをいたします。  私は、国力の源は労働にあり、こういう政治姿勢で今日まで政治活動を行ってまいりました。そして、私も働いた経験があるのですが、やはり仲間を労働災害で失うということは、もう非常に悲しいことで絶対あってはいけないことだ、このように私は経験をしてまいりました。  そういう点で、平成二十六年における死亡災害発生の速報値、これは三月七日現在で見ると、千十五人が亡くなっております。昨年と比較して五人増えている。平成十年に千人台になってはきましたけれども、依然としてまだ千人を超える方が労働災害の死亡事故で亡くなっているという実態にあります。  第十二次労働災害防止計画では、平成二十五年から平成二十九年の五年間で死亡災害を一五%減少させて、平成二十九年には九百人にすることを目標に掲げられております。平成二十六年における死亡災害の発生状況を見ると、前年と比較して製造業は二十五名減っている。これはいいことだと思いました。ただ、建設業は二十八名増えている、また陸上貨物運送も二十三人増えてしまっている、この二業種で死亡災害が増えた要因をどう捉えているのか、厚生労働省にお聞きをいたします。

土屋喜久厚生労働省労働基準局安全衛生部長

○政府参考人(土屋喜久君) お答え申し上げます。  まず、建設業でございますが、建設投資の増大に伴いまして全国的に人材不足が起きております。それによって新規参入者が増えておりまして、全般に人材の質の維持であるとか現場管理に支障を来しているというようなことがあるのではないかというふうに考えております。  このような状況を踏まえまして、建設業においては、労働局、監督署に建設工事関係者連絡会議を設置をいたしまして、安全衛生に配慮した発注の促進であるとか新規参入者教育を徹底するなどの対策を推進しております。  それからもう一つ、陸運業においての災害でございますが、特に昨年の一月から三月の間の増加が著しく、その要因としては、消費税増税前の需要増に伴います物流の増加が大きな要因となっていたものと考えております。また、事故の型で見ますと、交通事故による死亡者数が最も多いわけですけれども、前年に比べて増加をしておりますのは、トラックの荷台などからの墜落、転落が最も多く、次いで積荷の下敷きやフォークリフトに追突をされたなどという、いわゆる荷役作業における安全対策が十分でないということが考えられます。  このため、荷役作業における安全対策のためのガイドラインに基づきまして、事業者への指導の徹底はもとより、荷主に対しても安全対策の実施を周知徹底するなどの対策を推進しているところでございます。

小林正夫民主党・新緑風会

○小林正夫君 安全は全てに優先する、これは塩崎大臣と共有できると思います。  私も現場で働いている頃、やはり仕事に夢中になって安全対策が少し頭から離れてしまうということも経験してまいりました。それぞれ仕事を与えられると、その仕事を完成するために、どっちかというとそういう頭の中の意識が強くなって、ちょっと安全対策が少し頭から抜ける場合もある、このように私も経験をしてまいりました。ですから、安全は、もう繰り返し繰り返し安全が必要だということを言っていかなきゃいけない、私はこのように自分の経験から思いました。  そこで、平成二十六年度、見える化の安全活動コンクール、労働災害防止のための安全活動の創意工夫事例を募集する、こういうことが厚生労働省で行われておりまして、私は、このことは必ずやいい成果が生まれてくるんじゃないかと期待しております。労働災害撲滅は一朝一夕ではできないと思います。継続してやはりこういう政策をきちっとやっていくことが大事だと思うんですけれども、是非、大臣の労働災害撲滅に対する決意、このことをお聞きをいたします。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) とかく営業目標とかそういうものを追いかける余り、一番大事な働く人たち、社員の皆さんの安全が二の次になってしまうというふうなことが間々起きがちであることをまだまだ我々は見ているわけでありますので、これについては、やはり安全第一ということで、工事現場等々へ行っても安全第一と書いてありながら、実はそれがちゃんと履行される体制になっていないみたいなところもたくさんございますので、私どもとしてはしっかりとこれを取り組んで、絶えず事業主や事業場のトップにはそれをリマインドしていくということが極めて大事だというふうに思っています。  ただ、これは企業の自主的な取組を促進するということが基本でございますので、労働災害防止に取り組んでいる企業を評価をするとか、あるいは職場に潜む危険を今申し上げたように見える化をするというようなこと、企業における労働災害の防止を促進して、自分で考えてそれに取り組むというように引っ張っていくのが大事であろうかと思いますので、それを継続的にやってもらうということが私どもにとっても大事だと思います。  それから、我々も、労働局それから労働基準監督署を通じた事業場の指導も現場でありますから必要であって、その指導等に当たっては、製造業あるいは建設業などの業種別に対策を進めてきたところでございますけれども、今後は業種横断的な対策というものも進めていくこととしておりまして、例えば本年一月から、最も多い転倒災害の減少を図るための対策としてSTOP!転倒災害プロジェクト二〇一五というのを開始をしておりますし、二十七年度においては、交通労働災害の防止のための全国安全週間、これ七月からでありますけれども、などにおいて、交通労働災害防止のためのガイドラインの周知啓発、それから警察署と連携をした指導を行うなど、あらゆる対策を進めていきたいというふうに思っております。

小林正夫民主党・新緑風会

○小林正夫君 私は労働災害で仲間を失った経験があります。突然に旦那さんが亡くなって、その通夜あるいは告別式にお伺いしたんですけれども、もう本当に掛ける言葉がありませんでした。そういう経験をして、何しろ労働災害はなくして、人の命は大事なんだ、安全は全てに優先すると、このように自分自身が思いまして、これを自分のライフワークとして、国会議員になってもこの問題に取り組んでおります。是非、国を挙げて労働災害撲滅のために一緒に取組をさせてもらいたい、このようにお願いをいたします。  最後になりますけれども、長時間労働について質問をいたします。今日は資料の二を用意をいたしました。  昨年十一月に過労死等防止推進法ができまして、過労死の最も大きな要因は長時間労働にある、このように言われておりますし、現にその事例が多いと、このように思います。この長時間労働をなくしていかないとワーク・ライフ・バランスの実現なんてできません。そして、政府はその実現を目指して、大臣を本部長とする長時間労働削減推進本部を設置して平成二十七年一月から取組をされているということは承知しています。  ただ、この内容を見ると、月百時間超の残業が行われている事業場に対して監督指導を徹底していく、もう一つは、インターネットによる情報を監視していく、そしてメンタルヘルス対策の強化、こういうことが示されておりますけれども、私から見ると、政府の取組は、指導だとか監視あるいは強化、こういったところで、具体的な対策がないように私は受け止めています。  そこで、今日は解決策の一つであるものを提示をしたいと思います。  先ほどの資料の二を見ていただければ有り難いんですけれども、時間外労働の限度基準は大臣告示で一か月四十五時間、そして一年間三百六十時間とされておりますけれども、特別条項があって、臨時的に限度時間を超えて時間外労働を行わなければならない特別の事情が予想されるときは、限度時間を超えて労働時間を延長できる旨を協定することができると、このようにされております。  この今日の資料の下の方に時間外労働のイメージと書きましたけれども、ここの黒い部分、薄いところは月四十五時間の時間外労働、その上の真っ黒に塗ってあるこの部分ですね、要はここの高さに制限がないんです。したがって、ここが問題だと私思っております。  これは、二〇一三年十月の第百四回労働政策審議会労働条件分科会の資料で示された特別条項付き三六協定の締結状況を見ると、特別条項があるという事業所が全体で四〇・五%、その中で三百一人以上の事業所を見ると実に九六・一%に上っており、延長時間は、八十時間超えが三四・七%、そして百時間超えが一〇・六%、このような状況になっている資料が示されました。  私、日本の労働組合の大半は企業別労働組合、このような形です。会社が受けてきた仕事は社員としてその仕事を完成させて、仕事をしっかりやった上で会社の生々発展に努力をして、そしてしっかりした成果配分をいただいていくと、これが私は企業別労働組合の基本的な姿勢だというふうに思います。  ですから、会社から、例えば百時間あるいは百二十時間以上の時間外協定を結んでほしいと、それはこの仕事をやるために必要なんだと言われると企業別労働組合としてはなかなかそれをしっかり断りにくいと、こういうことが私は現実にある、このように思いますし、私もそのような経験をしてまいりました。  ですから、ここの資料の黒い部分、実質無制限というふうに書きましたけれども、月四十五時間を超えて更に特別条項で時間外労働をやらす場合に国が一定の時間を示していかないと、先ほど言ったような状況から、この時間外労働というのは、まあ無制限とは言いませんが、百二十時間とか百五十時間とか、そういう時間外協定を結んでほしいということになってしまって、それが現実に労使の確認事項として労働基準監督署に出される、こういう実態になってしまうんじゃないか。ここにも書きましたけれども、過労死認定というのは、月八十時間以上超えた場合が数か月続くと過労死認定ということになっておりますから、それを超えるやはり協定を結ばざるを得ないという今の実態が一つあるということであります。  あともう一つ深刻な問題は、ここで水色の字で書いてきましたけれども、基準告示の適用外、こういうことがあります。その業種は、工作物の建設等の事業、いわゆる建設業だとか、自動車の運転手などの業務であります。電力産業の電工部会もこの建設業に含まれておりますので、こういう実態にあります。  これは、適用除外の業種では、特別な事情がなくても、毎月時間外の限度枠を超えて労働時間を延長できるために、時間外労働というのはもう常態化しているというのが実態なんです。そういう意味で、是非この問題について解決をしてもらいたいと思います。  したがって、私の提案は、上限時間を設けること、そして適用除外を撤廃すること、さらには、労働基準法第三十六条第一項の協定で定める労働時間の延長の限度に関する基準、これは告示でありますので強制力に欠けております。したがって、これを法律に格上げする、是非このことを人を大事にする厚労大臣の下で実現をしてもらいたいと、私は強く要望いたします。いかがでしょうか。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) 先生から自らの御経験を踏まえた御提案をいただいているわけでございますが、思いは多分最終的には同じだと思っておりまして、ワーク・ライフ・バランスを実現しながら、やはり健康で、そして充実した仕事をしていくということが大事なんだろうと思います。  問題は、どうそれを実現するかというところでいろいろな議論がなされているわけで、特に、今先生が提案をされた三六協定を締結する場合の上限時間の設定とか、あるいは限度基準告示の適用除外業務の撤廃とか、あるいは限度基準告示の法律への格上げ、これらについては実に真剣な議論が労政審でも行われてきているわけでありまして、重要なテーマであることは私もよく分かっているわけでございます。  こうした時間外労働の上限規制等の導入については、この労政審でも、働く側の方々からは、働く方の健康確保策として直ちに導入すべきだという今の先生の御提案と同じお考えがある一方で、使用者側からは、企業の事業運営の柔軟性に大きな影響を与えて、それがために、会社の言ってみれば実現すべきところまで実現できないがゆえに働く人たちにもいろいろなマイナスの影響が来てしまうんじゃないかというようなことで、結論に至るまでには達していないというのが現状だろうと思います。  先ほど言っていただいたように、私を本部長とする本部を設けて、月百時間超の残業が行われているところに入っていくと、監督指導をやっていますが、それに加えて、この四月に、複数の労働局にまたがるような過重労働をやる事案については、特別チームをつくって、過重労働撲滅特別対策班、我々過特と言っていますが、東京と大阪の労働局に新設をして、働き過ぎの防止に向けた監督指導の強化を図っているところでございます。  また、審議会の建議を踏まえて、先般国会に提出をいたしました労働基準法の改正案において、著しい長時間労働に対する助言指導を強化するための規定というものも中に入れ込んでいるわけでございまして、これによって時間外労働の上限の基準を超えて働いた方に対して健康確保のための措置が講じられるような仕組みを省令や大臣告示に定める方針でございます。  いずれにしても、到達点はきっと同じではないかということで、働く方の長時間労働の是正やワーク・ライフ・バランスの実現を図ることによって働く人たちも元気よく働けるようにしていきたいと思います。

小林正夫民主党・新緑風会

○小林正夫君 これで終わります。ありがとうございました。

風間直樹民主党・新緑風会

○風間直樹君 今年も会計検査院に対する質疑させていただきます。河戸院長、御無沙汰しておりますが、よろしくお願いします。  今日、検査院の検査官会議のメンバーであるお三方にお越しをいただきました。河戸院長、そしてお二人の検査官でいらっしゃいます。後ほどお二人の検査官には質問いたしますので、よろしくお願いします。  私、昨年から、会計検査院の天下り問題をこの委員会で質疑始めました。今年二回目でありますが、さきに政府から公表されました昨年度の会計検査院OBによる再就職、いわゆる天下りについて、配付資料に基づいて質疑をしてまいります。  まず、配付資料の一枚目のこの再就職状況の報告という紙ですが、この六番の方について取り上げます。  六番の方は、退職時の年齢が五十九歳、離職時に検査院第五局長、キャリアでいらっしゃいます。再就職日が昨年の六月一日、財団法人建設物価調査会に再就職され、業務内容は建設工事に関する工事費、資材の価格及び労務費の実態調査等となっています。ポストは監事でいらっしゃいます。  この方はキャリアでいらっしゃいますので、これは国交省の所管団体への典型的な天下りかなというふうに思うんですけれども、この辺の経緯は、検査院、どのように把握されていますでしょうか。

河戸光彦会計検査院長

○会計検査院長(河戸光彦君) 当該元職員は、国家公務員法第百六条の二十四の規定等に基づく本人からの届出によれば、平成二十六年六月に再就職しておりますが、同規定等に基づく届出事項は、氏名、離職時の官職、再就職先の名称等とされておりまして、再就職の経緯は届出事項とされておりませんことから、再就職の経緯については本院は承知しておりません。

風間直樹民主党・新緑風会

○風間直樹君 次に、番号十番の方、退職時の年齢が六十歳、離職時の官職は第三局上席調査官、道路担当と。再就職日が昨年五月一日で、再就職先が株式会社シー・アイ・シー、その業務内容は建築物における有害生物の防除、ポストは担当部長ということでいらっしゃいますが、この方についてはどうでしょうか、把握していらっしゃいますか。

河戸光彦会計検査院長

○会計検査院長(河戸光彦君) 当該元職員は、国家公務員法第百六条の二十三の規定等に基づく本人からの届出によれば、平成二十六年五月に再就職しておりますが、同規定等に基づく届出事項は、氏名、離職時の官職、再就職先の名称等とされておりまして、再就職の経緯は届出事項とされておりませんことから、再就職の経緯については本院は承知しておりません。

風間直樹民主党・新緑風会

○風間直樹君 昨年も資料掲載のOBの再就職先について、今お尋ねしているように淡々と尋ねていったのですが、答弁は今の院長の答弁と一言一句違わない、全く同じ答弁でありました。この会計検査院OBの天下りに検査院が一切関知をしていないと、検査院が労を取ってOBの再就職先を探すということはしていないんだというのが昨年から一貫した会計検査院の答弁であります。  ところが、去年私が質疑を終えましてから様々な手紙が私のところに参りました。この手紙の中に様々なことが書いてありました。そこで、昨年の答弁が本当かなという思いを私は抱きまして、今年新たに発表されたOBの再就職先について昨年と同じ質問をしているところです。  実は、今お尋ねしたこの十番の方、再就職先が株式会社シー・アイ・シーという会社なんですが、平成二十三年発表の同じ資料を私見ていましたところ、この同じ株式会社シー・アイ・シーに再就職をしている別のOBがいらっしゃることを発見いたしました。離職時の年齢が六十歳、最終官職が第二局監理官、再就職の日が平成二十二年六月一日、再就職先における業務内容が建築物における有害生物の防除等で顧問というポストです。  このシー・アイ・シーという会社を私調べてみたんですが、家電量販店のヤマダ電機の関連会社です。いわゆる産業廃棄物の処理を担当する会社でありまして、ヤマダ電機、量販店ですから、そこから出る様々な廃棄物の処理を扱っていらっしゃる会社だろうと思います。  同じ会社に、平成二十二年の六月と、そして今日配付しております資料、平成二十六年の五月、二人、別の方が検査院OBとして再就職されている。これは常識的に考えると、河戸院長、会計検査院の天下りの指定ポストがこの株式会社シー・アイ・シーにあるんじゃないかなという気が普通の人はするんですが、その点、事実はいかがでしょうか。

河戸光彦会計検査院長

○会計検査院長(河戸光彦君) 国家公務員法の規定による届出等により把握しているところでは、当該再就職先にはこれまでに当該元職員を含め延べ二人の者が再就職していると承知しております。

風間直樹民主党・新緑風会

○風間直樹君 平成二十五年のやはり政府発表の会計検査院の再就職先を示す資料に大変な方がいらっしゃいまして、一人、去年の質疑でも取り上げましたが、キャリアの方なんですが、五つの再就職先に退職後入っていらっしゃる。お名前は控えますが、キャリアの方でいらっしゃいました。再就職先というのが、一つは株式会社ヤマダ電機、一つは株式会社ベスト電器、そしていま一つが株式会社ヤマダ・エスバイエルホーム、いずれも家電関係の会社なんですね。うち二つは、ヤマダという名前が示すように、ヤマダ電機の本社と関連会社であります。先ほど指摘した株式会社シー・アイ・シーもヤマダ電機の関連会社であります。  ヤマダ電機は家電量販店ですから経産省の所管ということになると思いますが、いま一度お尋ねしますが、会計検査院のOBには経産省所管の会社や法人に指定のポストがあるのでしょうか。

河戸光彦会計検査院長

○会計検査院長(河戸光彦君) 会計検査院におきましては、改正国家公務員法が施行されました平成二十年十二月三十一日以降、職員の営利企業等への再就職あっせんは一切行っていないところでありまして、本人と再就職先との合意により再就職したものと承知しております。  国家公務員法第百六条の二十四等の規定に基づく届出等における届出事項は、氏名、離職時の官職、再就職先の名称等とされておりまして、再就職の経緯等は届出事項とされていないことから、本院では承知しておりません。

風間直樹民主党・新緑風会

○風間直樹君 淡々とやらせていただきます。  別の今度は学校法人なんですが、今年の配付資料には載っていません、昨年度までの公表資料を調べていましたら出てきた例です。学校法人の愛国学園という学校が、これ江戸川区にある学校なんですけれども、ここに三年度にわたって三人の別のOBがやはり再就職をされています。お一人目は、退職時の年齢が六十二歳、最終官職が第五局監理官付調査官、再就職日が平成二十一年の十一月一日、再就職先でのポストが庶務課長。それからお二人目が、退職時年齢六十歳、最終官職が第三局監理官付調査官、再就職日が平成二十二年六月二十一日、再就職先でのポストが庶務課長。そして三人目でありますが、退職時の年齢が六十歳、最終官職第五局上席調査官、再就職日が平成二十三年四月一日、再就職先でのポストが保育専門学校事務長と。  これ、学校法人でありますので文科省の所管になるわけですけれども、検査院は文科省所管の学校法人やその他の法人にOBの退職後の指定ポストがあるのでしょうか。

河戸光彦会計検査院長

○会計検査院長(河戸光彦君) ただいまお尋ねのようなものはございません。

風間直樹民主党・新緑風会

○風間直樹君 それでは、配付資料の番号の一番の方ですが、退職時の年齢六十歳、離職時官職が能力開発官付研修調査官、再就職日が平成二十六年一月一日、再就職先が株式会社産研九州、恐らく国交省の所管になるのかと思います、用地補償等の調査などを業務としている会社で、そこでのポストが顧問ということですが、この方についてはいかがでしょう、把握していらっしゃいますか。

河戸光彦会計検査院長

○会計検査院長(河戸光彦君) 当該元職員は、国家公務員法第百六条の二十四の規定等に基づく本人からの届出によれば、平成二十六年一月に再就職しておりますが、同規定等に基づく届出事項は、氏名、離職時の官職、再就職先の名称等とされておりまして、再就職の経緯は届出事項とされておりませんことから、再就職の経緯については本院は承知しておりません。

風間直樹民主党・新緑風会

○風間直樹君 番号三番の方ですが、退職時の年齢が六十歳、離職時官職が第三局監理官、再就職日が平成二十六年四月一日、日本大学に再就職をされまして、そのポストが本部総務部監査課常勤嘱託と。拝見するとノンキャリアのOBでいらっしゃると思うんですが、この方についてはいかがでしょうか、把握されていますか。

河戸光彦会計検査院長

○会計検査院長(河戸光彦君) ただいまの資料につきまして若干修正をお願いしたいと思いますが、配付されました資料には常勤と書いてございますけれども、資料によりますと非常勤となっておりますので、よろしくお願いします。  当該元職員は、国家公務員法第百六条の二十四の規定等に基づく本人からの届出によれば、平成二十六年四月に再就職しておりますが、同規定等に基づく届出事項は、氏名、離職時の官職、再就職先の名称等とされておりまして、再就職の経緯は届出事項とされておりませんことから、再就職の経緯については本院は承知しておりません。

風間直樹民主党・新緑風会

○風間直樹君 昨年も今年も、委員の皆さんどんなふうに御覧になっていらっしゃるかあれですが、全く同じ質問をし、全く同じ答弁なんです。私は、特にそれに対して、同じ答弁に対して声を荒げるでもなく淡々と今年もお尋ねをしておるところでありますけれども、後ほどちょっと御紹介をしますが、昨年の私が質疑をしたときの天下りの政府の公表資料と今年の公表資料に相違、大きな違いが生じております。この点、後ほど取り上げたいと思います。一通り質疑を続けます。  番号八番の方、退職時年齢が六十歳、最終官職が第五局上席調査官、再就職日が平成二十六年十月一日、再就職先が財団法人建設荷役車両安全技術協会、国交省の所管なんでしょう、業務内容が建設荷役車両の性能の保持向上、定期自主検査の推進となっています。ここでのポストが第二経理部長ということです。六十歳で最終官職が調査官でいらっしゃる方なのでノンキャリアの方だと思いますが、この方については把握されていますか。

河戸光彦会計検査院長

○会計検査院長(河戸光彦君) 当該元職員は、国家公務員法第百六条の二十四の規定等に基づく本人からの届出によれば、平成二十六年十月に再就職しておりますが、同規定等に基づく届出事項は、氏名、離職時の官職、再就職先の名称等とされておりまして、再就職の経緯は届出事項とされておりませんことから、再就職の経緯について本院は承知しておりません。

風間直樹民主党・新緑風会

○風間直樹君 この決算委員会で会計検査院に対する質疑を行う委員は余り多くないと承知をしております。私もこれまで四回か五回この委員会に所属をして質疑をしてまいりましたけれども、検査院に対する質疑というのは余り見聞しませんでした。  ただ、なぜ私がこの質疑を毎年飽きもせずにさせていただくかというと、理由がありまして、この会計検査院というのは非常に格式が高い組織ですね、院長、御存じのように。いわゆる憲法上の機関であります。憲法九十条に基づく政府機関でありまして、この憲法上の機関というものはやはり法制度上の格式が非常に高いと我々考えているわけであります。  同時に、会計検査院法の第一条、これ何と書いてあるかというと、御案内のとおり、会計検査院は、内閣に対して独立の地位を有するというふうに記されております。なぜそんなことが書いてあるかというと、当然、検査院は、今まさにこの決算委員会で省庁別審査をやっているとおり、この政府の各省庁の決算に対して検査をし、そこに問題があれば内閣に対して報告する、国会に対して報告する責務を持っていると。だからこそ、内閣に対して従属していたのでは当然公平公正な検査ができないわけでありまして、検査院法の第一条で独立の地位を有すると記されているわけであります。  ですから、当然でありますが、会計検査院の検査官の今日御出席の皆さんもまた職員の皆さんも職務上極めて高いモラルと倫理観を求められるわけであります。それが私がこの場で毎年繰り返し同じ質疑をしている理由であります。つまり、果たしてこの会計検査院法にあるように今現在の検査院は内閣に対して独立した地位を有しているんですかというのが、淡々と同じ問いを繰り返していますけれども、私の問いの意味であります。  それに対して、河戸院長、そして去年は事務総局の次長さんだったと記憶をしておりますが、全て同じ答弁をこれも繰り返していただいています。淡々とお互いにやっていますが、これは非常に、水面下といいますか、お互いの内心では激しい闘いをやっているんじゃないかと私は考えております。  さてそこで、もう一人お尋ねしますが、番号九番の方、退職時の年齢が六十歳、最終官職が第二局厚生労働検査第三課長と、ノンキャリアの方だったと思います。再就職日は平成二十六年の四月一日、再就職先が独立行政法人科学技術振興機構、文科省の所管ですね、そこでのポストが主任調査員ということです。この方については経緯は承知していらっしゃいますか。

河戸光彦会計検査院長

○会計検査院長(河戸光彦君) 当該元職員は、国家公務員法第百六条の二十三の規定等に基づく本人からの届出によれば、平成二十六年四月に再就職しておりますが、同規定等に基づく届出事項は、氏名、離職時の官職、再就職先の名称等とされておりまして、再就職の経緯は届出事項とされておりませんことから、再就職の経緯については本院は承知しておりません。

風間直樹民主党・新緑風会

○風間直樹君 それでは、ここでこれまでのやり取りを御覧いただいたお二人の検査官にお尋ねをしたいと思います。  これ、検査官の地位は当然ながら国会の同意人事でありまして、我々参議院議員は河戸院長を始めとする三人の検査官の皆さんに対する同意を国会で賛否のいずれか表明しているところであります。同時に、検査官の皆様はいわゆる認証官でありまして、天皇陛下の認証によって任免されるわけであります。その職務は、検査院の意思決定を行うという検査官会議の構成員でいらっしゃるわけですが、極めて高い立場にある、これが検査官のお三方だというふうに理解をしております。  そこで、今、河戸院長にはるる答弁いただきましたので、ほかのお二方にお尋ねをいたしますが、この会計検査院法の第一条に照らして、今日配付資料でお配りした政府公表のOBの再就職状況、これは本当に検査院が内閣に対して独立の地位を有するということを示しているのかどうか、その点どんなふうにお感じになられたでしょうか、お一方ずつお答えいただければと思います。

柳麻理会計検査院検査官

○検査官(柳麻理君) 本日はお呼びいただきましてありがとうございます。  私は、平成二十五年の八月一日に着任いたしまして、会計検査院がどのような任務を負っているかということを十分に認識しながらこれまで職務を遂行させていただいております。極めて多くの大きな期待が、国民目線に立って、本当に逼迫している資源が使われているのかということについて、会計検査院の職務は非常に重たいところであるというふうに思っており、また、検査官会議を通じましては、いろいろな観点から、多面的な角度からいろいろな質疑を行いまして、いろいろな状況等を把握して、そして検査報告を提出しているところです。  その中では、ただいま御指摘があったような、天下りのようなことの中での問題というものは私は存在していないというふうに確信しておりますし、非常に、私も研究者からこの検査官という職に立ちましたので、研究者のときとは全く違う立場で、また、様々な本当にあらゆる問題について目を光らせる、国民の目線で目を光らせるということをしておりますけれども、その中で、私立大学におりましたので、民間の視点や国民の視点からいろいろな様々な質問をさせていただいたりしておりますけれども、それによって会計検査院が内閣から独立してその職責を果たしていることは常に確信しておりますので、御指摘の点は、それぞれの院長が御答弁なさったとおりの国家公務員法等の厳しい規則の中で行われていることというふうに認識しております。  以上です。

森田祐司会計検査院検査官

○検査官(森田祐司君) 検査官の森田祐司でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  御指摘の検査院の職員の再就職につきましては、そのことが本院の検査に対する信頼でありますとか検査報告に対する信頼に影響するのかどうかというお話なのかなと、それが今も御指摘になった内閣に対して独立した地位と、独立性という言い方ができるのかもしれません。  私は、民間の監査法人のパートナーから検査官に、ちょうど四年前、実はここで就任の御挨拶をさせていただいたのがあの三・一一当日の朝でございました。そんなことも重なり、この職責については非常に重いものというふうに思ってこれまで職務遂行してまいりました。  この問題、私自身も考えてみますると、まずは、形式的なルールといいますか、ルール上の問題ということになりますと、これは今院長からも御説明したように、国家公務員法の公務員全体としての制度というものの中でどう考えるのか、検査院の職員も国家公務員でございますので、その中でどういうふうに考えるのかということだと思うんですね。検査院としてはそのルールにのっとっているということは、今もるる御説明させていただいたというふうに理解しております。  そして、仮にこのルールの是非ということになりますと、これは検査院が非常に、憲法上の機関云々というお話もあろうかとは思いますけれども、公務員全体の制度の中での議論といいますか、検討というのが一つ必要になってくるのかなというふうに思うんですね。  同時に、今申し上げましたように、私は民間の監査というものも経験しておりまして、検査院の国の検査というものも経験しますと、検査院の中の職員には非常に検査、監査の有能な能力を持った者がおりますので、そういう人材活用、人材がそういうことで退職後もいろいろ活躍していただくということが非常にいいことなのかなと。  そうしますと、公務員制度全体のこととかあるいは人材活用、そういうようなこと、いろんなことが絡んでくるのかなとは思うんですけれども、私自身考えますに、今、小林検査官からもありましたように、冒頭申し上げたように、検査院、検査報告がそういう信頼に足るものをきちっと御報告させていただく、そのために日々努力をしていく、これが一番大切なのではないかなというふうに感じているところでございます。  長くなりまして恐縮でございます。

風間直樹民主党・新緑風会

○風間直樹君 今、お二人の検査官から非常に重い御答弁がありました。検査官会議の中で見ていらっしゃる限り、一切会計検査院法第一条に違反する事例はないと断言をされました。この一言、私、胸に刻みたいと思います。  同時に、皆様には検査官会議の場でしっかりとした内部チェックを引き続き担っていただきたいと。私ども国会議員は国会の立場で会計検査院に対するチェックを担ってまいります。それが我々が有権者から負託をされた責務であります。  今年、去年に続いて二回目の質疑をさせていただきました。来年もできればチェックの意味でまたさせていただければ有り難いと思っています。  最後、一分ありますので、委員長に要請をいたします。後刻理事会で御協議いただければと思います。  昨年、この委員会で私同じ質疑をしましたときに、実は当委員会による会計検査院の視察を提案させていただきました。その意味は、国会の場でこうした質疑をしておりますが、やはり現場に我々が出向いて、若手の様々な職員の方、実際に検査を担当している方々とやり取りをし、会話を交わすことで、国会では見えてこない第一線の具体的な部分が見えてくるのではないかと思います。  現場の視察は我々国会にとって非常に貴重な宝だと思いますので、是非今年はこの決算委員会で会計検査院の視察をしていただきたい、そのことを要請いたします。

小坂憲次自由民主党

○委員長(小坂憲次君) 風間直樹君の御提案につきましては、後刻理事会で協議をさせていただきます。

風間直樹民主党・新緑風会

○風間直樹君 終わります。ありがとうございました。

平木大作公明党

○平木大作君 公明党の平木大作でございます。  本日、私の方からは、中小・地域金融機関向けの監督業務を中心といたしまして、平成二十五年度の金融庁の取組及びその後の監督また指導の在り方についてお伺いをしていきたいというふうに思っております。  まず初めになんですが、この平成二十五年度、これは実は地域金融機関にとっても大きなターニングポイントにあったんじゃないか、また地域金融機関に対する金融行政にとっても大きなターニングポイントにあったというふうに認識をしております。  これ平成二十五年九月六日に出されました中小・地域金融機関向け監督方針、この中で従来とちょっと違った表現が出てきた、これが大変話題になったわけですが、こう書いてあります。金融機関に対して、急激な社会経済の変化や国際規則の変更等にも対応するため、経営陣が責任ある経営判断を迅速に行う重要性が増している、こうした上で、五年から十年後を見据えた中長期の経営戦略を検討することが重要である、このように書かれました。  これ、本指針の、まずお伺いしたいんですが、意図するところ、一体何だったのか、また検査や監督において具体的にどのような変更が行われたのか、御説明いただけますでしょうか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 御記憶かと思いますけれども、私が金融担当になりましたときに、大体金融庁の評判というのは金融処分庁というイメージだったと思いますので、おかしいと、これは金融育成庁というイメージ持たれるようにせにゃいかぬと、それが一つ。  二つ目、とにかく人口構成というのが変わって高齢化していることも加わっているものだから、地方というものは、これは間違いなく、人口減少というところと逆にうまくやって伸びてくるところと両極化してくるということを覚悟しておかにゃいかぬと。それに合わせて、地域の金融機関たるものは、そういった情勢に合わせて、これまでのたらたら、第一地銀は一県に一つとかであとは、こう割っているけれども、こういったようなものだけではなかなかできなくなってくるから、そういったものはいろんな形で自由にやっていくことを考えて、金融機関というものは広く事業というものを仲介できる能力を持っているんだから、そういった人たちがいろいろ自由に活躍、活動できるようにする。もって銀行としての、金融としての仕事も増える、成功するけれども、同時に地域も助かると。そういう相乗効果を持つようなことを考えて経営というのをやっていかにゃいかぬのであって、県を越えていろいろとかいうこともやっていったらいいんじゃないのかというようなことを最初に就任してすぐかなんかに言ったのが元々の始まりだったと記憶します。

平木大作公明党

○平木大作君 私も、今全くお答えいただいたとおりであるというふうに思っております。  地域金融機関、これは言うまでもなく、いろいろ制約等あるわけですけれども、一番のポイントは、やはり、収益性があるいはその地域の将来性がなかなか難しいなと思ってもその地域から逃げるわけにはいかない、その地域の皆様と一緒に打開をしていかなければいけないという大きな大きな使命を担っている。その中において、今大臣御答弁いただいたように、生産年齢人口もどんどんどんどん減っていく、将来性にちょっと黄色信号、赤信号がともり始めている。そういう中において、収益の出ている今だったらまだ手を打つ余地があると、そういう中での、ある意味この監督の在り方の大きな転換であったんじゃないかなというふうに捉えさせていただいております。  これに恐らく、この流れの中で、昨今ございますいわゆる地銀による地域を越えた提携、経営統合、こういったものが昨今大変ちまたをにぎわしているわけでございます。例えば、先月末でいきますと、県のトップ地銀同士でありました鹿児島銀行と肥後銀行、ここが経営統合で合意をいたしました。また、先週の十日ですかには、香川銀行、徳島銀行を傘下に置くトモニホールディングスと大阪に本店がある大正銀行、ここがやはり明年の四月の経営統合で合意したと。がっと一気に実は地銀業界が動き始めているなというのを感じるわけでございます。  こうした再編の動き、今後も続いていくというふうに思っているわけですけれども、これ、監督官庁として、地域経済に与える影響、どのように見ていらっしゃるのか、御答弁をお願いいたします。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) このほか、例えば横浜銀行と何とか、横浜銀行と東日本銀行でしたっけね、さっきの香川県のトモニなんていうのは何か何がトモニだというんだかよく分からなかったんですが、まあトマト銀行よりいいんじゃないかという話で、大体、当時許認可するのでネーミングの話になったときそんな話をした記憶がありますけれども、あれは地域が大阪でしたので、四国から大阪までまたいでいたところがちょっと非常に印象的だったと思いますけれども。  いずれにしても、金融の仲介機能というものは、私どもから見ますと、都銀だと転勤が多くていろいろなんですけれども、地銀とか信金とかいうものはその地域にずっといますので、いろんな企業の方々の、いわゆる土着でずっといるものですから、その分だけその地域のことに関する情報の絶対量が圧倒的に高いと、私はそう思っております。  したがいまして、そういった銀行というか金融機関から見ると、この企業のこの部品はすごくいいんだけどこの部品を使う企業というものが分からぬというんで、作れることは作れるけどどうやって売っていいか分からぬ、どこに売っていいか分からぬというようなところを、企業は分からなくても金融機関はそういったものの情報を、同じ県内でそういったものを探している企業というのを幾つも知っていたりする例は幾つもありますので、それを仲介してやる。結果として、両方ともマッチングして、その企業の内容は良くなる、銀行も取りっぱぐれなくちゃんと貸した金は生きる等々のことが起きるんだと思っておりますので、私どもは自主的な経営判断というのをやっていくのが大事なんで。  ただ、ここ、気を付けておかなきゃいかぬのは、やっぱり、平木先生、こういったことをいいぞと進めると、大体みんな役人で一生懸命やり始めると駄目なんです、これは。大体そういうセンスない人が役人になっておるわけですから。そういった人はやらせないで、地元にいる人たちが自主的にやっていいですよという方向性を示すのが大事なんだと、私は基本的にそう思っております。

平木大作公明党

○平木大作君 大変踏み込んだ御答弁をいただきましてありがとうございます。  でも、私も、まさにその自主的な判断、ここが本当に大事になる、特に地域の実情が見えている金融機関でありますし、間違ってもいけないのは、多少最近報道が過熱してきていまして、何か地域的にとにかく大きくなっていく、何かちっちゃなメガバンクみたいなのがたくさんできてくればいいんだと、そういう話ではやはりないというふうに思っております。  それぞれの今銀行が持っているその地域性ですとか強み、それこそ、地域性もそうでありますし、例えば管理部門のコスト運用が大変低く抑えられている銀行と例えば農業融資に大変強い銀行、そういう強いところを組み合わせる、そういった形でのやっぱり将来的な事業展開をしっかり見据えた統合であるべきだというふうに思っておりますので、今、国が一律にくっつけくっつけと、あるいは役人がやるというようなことではなくてというような御答弁をいただきましたので、大変心強く思った次第でございます。  こういう地域金融機関のそもそも経営基盤をしっかり強化しようと。やはり本丸は、いろいろ手はあると思うんですけれども、本丸は金融機関の本来業務である与信の審査とリスク管理能力、ここをしっかり磨いていく、力を付けていくと、こういうことであるというふうに思っております。  この点については、先ほども触れましたけれども、平成二十五年度の監督方針の中でも言及をされておりますし、その翌年の二十六年の監督・検査基本方針、この中でもより明確に重点政策の一つとして、事業性評価、これに基づく与信の推進という形で明確にまたこれを打ち出していただいたというふうに思っております。  やはり、今のこの地銀の状況、地域金融機関の状況を考えると、預貸率がなかなか向上しない、また、あるいは貸出しのスプレッドがどんどんどんどん縮小するという、そこだけ見ているとじり貧にしか見えない、こういう構造をしっかり改善していく。あるいは、担保ですとか保証に余り偏重したような形の融資ですとか財務スコアリング、数字ばっかり回して審査をする、そういったところからの脱却が必要だというふうに思うわけです。  ここについて、そもそも重点政策として取り組んできた事業性評価に基づく融資の取組、これ、これまで監督をされてきまして、進捗がどうなっているのか、地域金融機関にできるようになってきているのか、また、金融庁としてこの分野については監督だけじゃなくて支援ですとか助言といったことも当然必要になると思うんですが、この点、御答弁いただけますでしょうか。

越智隆雄自由民主党内閣府大臣政務官

○大臣政務官(越智隆雄君) 平木委員から事業性評価に基づく融資について御質問いただきました。  金融庁としましては、金融機関が、担保、保証に必要以上に依存することなく、様々な企業のライフステージにある事業の内容やあるいは成長可能性などを適切に評価しまして、このことを事業性評価というわけですけれども、それを踏まえた解決策の提案、実行支援に取り組むことが重要であるというふうにまず考えております。  このためには、各金融機関において目利き能力を発揮することが重要でありまして、組織としてのノウハウの蓄積などを含めた金融機関の取組状況について検査監督を通じまして双方向で議論を深めることによって、各金融機関による積極的な取組を促しているところでございます。  加えまして、この目利き能力を発揮した無担保無保証の運転資金融資の円滑化を図るための金融検査マニュアルの明確化、あるいは経営者保証に関するガイドライン、また地域経済活性化機構、REVICの事業性評価等をサポートする特定専門家派遣機能等の活用促進なども行ってきているところでございます。  金融庁としましては、引き続き、金融機関に対しまして、組織を挙げたこの目利き力、この向上、発揮のための自主的な創意工夫を凝らした取組を促してまいりたいというふうに考えて取り組んでいるところでございます。  以上です。

平木大作公明党

○平木大作君 まさにお伺いしたいところをお答えいただいたかなと思っております。  事業性評価に基づく融資と言うとちょっと小難しいわけですけれども、要するに、今おっしゃっていただいたような、担保ですとか保証によるんじゃなくて、事業そのものをしっかり見抜く目利きの能力、ここがどれだけあるのか、金融機関の将来性を図る上でやはりここを磨いていくしかないというふうに思うわけであります。  ここは、いろんな目利き能力はあると思うんですけれども、地域金融機関に課された使命というのは、まさにその地場の、その地域における産業の在り方ですとか流通の在り方、商流の在り方、そういうものを熟知した上でじゃないとできない、メガバンクがまねできないという意味でいきますと、やはり地域金融機関の今後の差別化の戦略にとって欠かすことができない部分であるというふうに思っております。  是非、今、いわゆる管理監督もしっかりやっていただくのと同時に、助言ですとか指導もしていくんだとお答えいただきました。これ、審査のやり方について、私もかつての経験あるんですけれども、やはり金融庁というと健全性に余りにも重きを置き過ぎた検査というのがかつてあったというふうに思っております。そこにやっぱり行かないように、当然、方針、マニュアル、こういったものをしっかりクリアに出していただくのと同時に、現場の検査についても是非そういったところを目配りいただきたい、重ねてお願いを申し上げたいと思います。  そして、ここで、今健全性について少し触れさせていただいたわけですけれども、この点について若干最近気になる議論がございます。ちょっと触れておきたいんですけれども、それは、現在、全国の金融機関というのは、バーゼルの銀行監督委員会におけるいわゆるバーゼル3というものに対応するために今必死になって対応を進めているさなかでございます。ところが、まだその対応が終わり切らないうちに今もう次の議論が始まっておりまして、何かちまたでは、バーゼル3・5とか4・0とか、そんな言われ方もしてきている次第であります。簡単に言いますと、いわゆるリスクアセットの算出の在り方について、やはりちょっと私の目から見ると健全性に重きを置き過ぎているのかなというのを、今議論始まったばかりとは思うんですけれども、ちょっとそういった懸念を持っております。  特に、いわゆる銀行にとっての、金融機関にとっての資産、貸出資産ですね、例えば住宅ローンでいきますと、これまでのリスクウエートというのは大体三五%だった、これが、一番多いときでいくと一〇〇%ぐらいまで引き上げようか、物件によって要は三倍ぐらい資本を積まないと貸出しができないような、そんな形の強化をしようかという話も出てきているようであります。また、中小企業向けの融資、こういったものについては、リスクウエート自体は現状の形でいきそうかなというふうに聞いているんですが、ただ、その適用基準、見方はまた厳しくした方がいいんじゃないか、こんなことも今議論に上っているというふうにお伺いしています。  これ、先ほどの、まさに今国としても金融庁としても取り組んでいただいている事業、いわゆる担保に過剰に偏るのではなくて、事業性をしっかり見極めて融資を必要なところにやっぱりリスクマネーを供給していこうという流れの中でいくと、これ下手をすると逆行するような形での規制になってしまうのかなという懸念を持っているわけですが、この議論について、政府として今後どのような方針で協議等に臨んでいかれるのか、御答弁をお願いいたします。

三井秀範金融庁総務企画局総括審議官

○政府参考人(三井秀範君) お答え申し上げます。  バーゼル銀行監督委員会におきましては、先生御指摘のものにつきまして、昨年十二月、銀行が保有する資産のリスクをより適切に捕捉するという観点からの市中協議文書を公表しております。  この中におきましては、今御指摘のありましたリスクウエートの水準というのはあくまで予備的なものである、この提案の内容は予備的なものであるということとされておりまして、市中からのコメントや定量的影響度調査を踏まえて改めてまた検討すると、こういうことが書かれてございます。また、同じくその文書の中で、全体としての資本賦課水準を引き上げることは今回の見直しの目的ではないというふうに明記されておるところでございます。  いずれにしましても、金融庁といたしましては、中長期的に強固な金融システムの構築を目指すということと同時に、邦銀のリスク管理の実務、あるいは見直しによる実体経済、市場への影響にも十分に留意しまして、引き続きバランスの取れたものになるような、そういう国際的な議論に積極的に参加してまいりたいというふうに考えております。

平木大作公明党

○平木大作君 是非よろしくお願いいたします。  短い時間でちょっとたくさん聞きたいなと思っておりますので、このまま続けさせていただきます。  次にお伺いしたいのは、地方創生における地域金融機関の役割というテーマでちょっとお伺いしたいと思っております。  ちょうど昨日、統一地方選の前半戦も終わりました。ここで選ばれたまさに地域のリーダーの皆様が様々これから地方創生に取り組まれていくわけであります、その陣頭指揮を執るわけでありますけれども、その中での一つの大きな役割が、これから地方版の総合戦略、これを作っていくことであるというふうに思っております。  この地方版の総合戦略、実りあるものにするために、行政ですとかあるいは地方議会だけで一生懸命紙の上で作るということではなくて、当然、いわゆる地域の経済界ですとか有識者の皆様あるいは市民の皆様、こういったところの知恵をしっかりと巻き込んで、活用して、地域全体でやっぱりこのプランを作っていくことが必要であるというふうに思います。  その中でも、やはりこの地域金融機関、要するに、地域経済をしっかりと知悉していて、かつ人的な交流の要ともなっている地域金融機関が果たすべき役割、大きいんじゃないかなと思っております。ここについて、この総合戦略を検討していく上で、この地域金融機関のありようですね、役割、どのように考えていらっしゃるのかということ。また、最近は、この地域金融機関の中に、総合戦略策定に向けて自分たちも是非関わっていきたい、あるいは支援していきたい、こういう声を上げていただいているところもあるんですが、これをどう評価されるのか。御答弁をお願いいたします。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) これは、平木先生御指摘のあったとおり、地方創生とか地域経済の活性化というものに当たっては地域の金融機関が果たすべき役割は大きいというように考えておりまして、一月でしたが、今言われました地方版総合戦略の策定に対して、こういうのを地方でやっていくときに当たっては、そこの企画というものは、県でやるなり市でやるなり、いろいろな場所によって違いますけれども、そういったものに対してまず協力すること、参画して協力することということを要請を行っております。  こうした中で、地域金融機関の中においては、今言われましたように、この取組に関して自分の方からも、うちはこういうアイデアがあるとかこれとかいうのをいろいろ積極的にやっておられる、これこそ本当に地域性があります。長野県のことそんなに詳しいわけじゃありませんけれども、ほかのところでやっている例、全然動いていない例、幾つもありますので、こういったところは一つ二つ成功したのが出てこないと、なかなか積極的に行くという、大体銀行というのはそういうところですから、なかなか積極的に行くということは少ないとは思いますけれども、いずれにしても、金融庁としては引き続き、地域の金融機関というものが、地方の公共団体はもちろんのことですが、地方でいろいろ企画を民間でしていらっしゃるところとかいろいろあるんですが、そういったものと連携を図りながら、いわゆる地方創生に向けて、金融機関として、例えばこれをやりたいけど金がないとかこういったものに対して、実は何かほかの情報がとかいうのも意外と銀行というのは各課で割らずに各支店ごとに見ますと幾つかありますので、そういったものを、いわゆる役割というものをやっていくと私どもとしては意外と思わぬものが生み出される、そういった芽が十分にあるんだと思っておりますので、地銀に対してはそういったものに積極的に参画するようにということを進めております。

平木大作公明党

○平木大作君 なかなか銀行も堅いところ、成功する事例がないと先頭に立ってなかなか出てくるところがないというような御指摘もあったかと思います。  一方で、やはり地域金融機関、五年先、十年先を見据えたときに本当に生き残れるのかというところで今悪戦苦闘されている、また、今手を打たなかったらもう手遅れになるんじゃないかという思いのところもたくさんあるというふうにお伺いしています。その意味で、やはり、この地域の中で求められている、今金融機関として求められている役割って一体何なのかとか、あるいはこの地域の中に提供できる価値って一体何なのか、ここを今まさに再定義しようとしているところなのかなと。是非そこは、先ほど御答弁の中にもいただきましたけれども、監督するんじゃなくて育成する、そういう視点でも是非見ていただきたいなと思うんです。  この点に関して、いわゆる金融機関の役割というもの自体の見直しというか、そこが今もう一つ議論になっているかなと思っております。ちょうど先日、政府の金融審議会におきまして、これまでの銀行ですとか証券、信託、こういったいわゆる金融関連業務に基本的には限ってきた業務の規制、これについてもう少しちょっと幅広い事業展開もあるんじゃないかというような形での規制緩和の議論が始まったと認識しております。この検討の方向性と今後のスケジュールについてお示しいただけますでしょうか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘がありましたように、去る三月の三日、金融審議会において、金融グループをめぐる制度の在り方というものについて検討するように諮問を行ったところであります。  金融って、言われたように、証券とか保険とか限られた形になるんではなくて、幅広くということで、業務の多様化とかそれから国際化の進展とか、いろいろ環境変化を踏まえて金融グループの中における経営のリスクの取り方とか業務範囲の在り方等々を、いろんなことで、金融グループをめぐる制度の在り方についても、こういったところが法律でできないから変えてくれというのであれば、そういったものを審議検討するというのは全然やぶさかじゃありませんから、そういったものでいろいろやれるようにということを考えてみるのもいいだろうと、私ども今の時期としてはそういう時期なんだと思っております。  検討のスケジュールでは、ちょっと今の段階で、この段階で何月の何日ということは申し上げられませんけれども、幅広い観点からこういった審議が行われることを我々としては期待をいたしております。

平木大作公明党

○平木大作君 この金融の世界も、ひところは装置産業と言われた時代があったように思っているんですけれども、気付けば、例えばICTですとかテクノロジーの進展で、銀行の本来業務である決済がいつの間にかライバルがグーグルですとかアップルですとかあるいはNTTドコモと、こういった会社に置き換わってきている、大変今動きが激しいところであるというふうに思っております。  その中において、やはり銀行の業務あるいは金融機関の業務、銀行法ですとかいわゆる収入依存規制あるいは出資規制、こういったもので様々いろいろできそうでなかなかしにくいというところがあるのかなと思っておりますので、是非ともこれ、変化の激しい業界の中でタイムリーな形での検討をお願いしたいと思います。  続きまして、先ほど少し申し上げました、地域金融機関、地域と一蓮託生なんだということを申し上げたわけですけれども、一方で、その地域として、別に地理的にどこでやらなきゃいけませんよという話があるわけではありません。実際に、昨今の、新たな収益機会を求めて、地域の中小企業、中堅企業、こういったところも、東京や大阪ばっかり見ているのではなくて、じゃ東南アジアで挑戦してみようですとか、そういった形で直接海外に出ていくような動きもある。それに伴って、地域金融機関も、一緒に出ていくですとかそれをサポートするという役割が求められていると思っております。  ただやはり、これ単独でやろうとすると大変重い、これは限界があるのかなと思っておりまして、こういうときにこそ、進出先での資金需要ですとかあるいは金融サービスのニーズに応えるために、国際協力銀行、JBICの果たすべき役割というのは大変大きいのかなと思っております。  この点について、今、JBIC、どのような取組を行っているのか、御答弁をお願いいたします。

渡辺博史株式会社国際協力銀行代表取締役総裁

○参考人(渡辺博史君) お答えを申し上げます。  今委員御指摘のように、中小企業、中堅企業の海外展開というのは非常に今活発になっているところでございまして、それに対しまして私どもとしても御協力をしていきたいというふうに考えております。  最初に少し数字を申し上げますけれども、株式会社国際協力銀行という形での発足の前になります平成二十三年度におきまして中小企業、中堅企業向けの融資が十六件でございましたが、その後、平成二十四年度が三十四件、平成二十五年度が五十四件、三月に終わりました平成二十六年度は暫定の数値でございますが百九件ということで、融資を伸ばしているところでございます。  また、この融資の中におきましても、地銀、第二地銀あるいは信用金庫といった御指摘のような地域金融機関と一緒に融資をするという形の方策を進めております。  また、融資以外にも、例えば様々な相談の場を設けたり、あるいは一緒にどういう問題があるかということについて議論をしましょうという場を設ける、あるいは、直接私どもが中小企業、中堅企業にお貸しするのではなくて、その地域の金融機関に私どもがお貸しをして、それをまた小口で使っていただくという形のツーステップローン、そういうタイプの融資も今始めているところでございます。  いずれにしましても、様々な形で、これから地域の中小企業、中堅企業の海外展開を支援するためにどういうことができるか、今の御指摘の地域金融機関とともにいろいろ作業していきたいと、そんなふうに思っております。  以上です。

平木大作公明党

○平木大作君 ありがとうございます。  私もこのJBICの取組には大変注目しておりまして、昨年度のこの取組の途中でいろいろお話をお伺いしたときには、年間でやっぱり百件支援するのはなかなか厳しいというお話も聞いていて、何とか頑張ってくださいというお話を差し上げたんですけれども、昨年度百件を超えて取り組んでいただいている、順調に取り組んでいただいていると思っております。  私もかつてインドネシアで、地域のいわゆる金融インフラの作成の支援に三か月ちょっと出張で行って手伝わさせていただいたことがあるんですけれども、金融というのは、本当にその地域のビジネスの商慣行ですとかやり方ですとか様々知っていないとそもそもやりようがない、本当にこのノウハウの蓄積といったものが重要になる。  その意味で、このJBICが今持っている価値というのは、知見というものは、むしろ大企業とかそういったところではなくて、中小企業、中堅企業、こういったところにこそ今求められていると思いますし、また、地域の金融機関が今持っていない部分たくさん持っていらっしゃるというふうに思いますので、是非とも、今後ともこの連携進めていただいて、地域金融機関との連携、また地域の中小・中堅企業との連携、よろしくお願いいたしたいと思います。  最後になりますが、少しこれ別のテーマになるんですけれども、どうしてもこれは聞いておきたいというふうに思います。  振り込め詐欺、最近は母さん助けて詐欺と、こういう言い方をするらしいんですけれども、この振り込め詐欺の被害拡大が止まっておりません。これ、平成二十五年度も結局、一万一千九百九十八件、額にして四百八十六億円、前の年は八千六百九十三件でしたから、止まらない形、幾ら対策を打ってもなかなか打開策が見えてこないという状況にあるというふうに認識をしております。  この点について、改めて、これ、今後の取組で結構です、撲滅に向けた本腰を入れた対策必要だと思うんですけれども、是非大臣から御決意をいただきたいと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 金融庁としては、これまで関係省庁等々と連絡を密に取りながら、金融機関の窓口での声掛けと。大体、余りふだん来ない人が、三百万円下ろしに来たばあさん見たら、何となくちょっと、あんたそれ何に使うのと思う方が普通だけど、なかなか言わないんですよ、それは。それは声掛けてもらった方がいいですよと。現金で下ろして自分で持っていくなんてしたら、これはちょっとおかしいんじゃないかなというような話を、未然に防止するということを意識しておけばできる話なんですけれども、なかなか忙しけりゃ、現金三百万下ろしても別に何ということないにしときゃそういうことなだけになりますので、そういったことで、ちょっと金融庁自身においても、いろんな人に振り込め詐欺被害への注意というのを、いろいろリーフレットを作成しろとか、政府の広報などにもいろいろそういった話を実施したりしております。  だんだんだんだん手口が巧妙になってきているのは事実ですので、こういった振り込め詐欺被害の未然防止というのには今後とも努めていくように、被害の話というのはだんだんだんだん、何というのか、ばあさんとかじいさんとかいう人の話で、みんな振り込め詐欺をやった人たちの話の情報というのはずっと横につながっていますから、引っかかる人は何回も引っかかるんですよね、あれ。一回引っかかったら二回目引っかかるやつはおかしいんじゃないのというんだけど、それは更に手口がうまくなっているんですよ。あれは聞いていてうまいなと思いましたもの、私ども。  ちょっと正直感心した話を現場で聞いたことがあるんですけれども、是非そういった話というのは私どもとしては、これはきちんと未然に、ちょっとおかしいんじゃないのと思わないところがみそなんでして、もう子供が、孫がとかなんとかという話になると即という話になりますものですから、大体そういう人、やったところを現場逮捕しても、その人は単なる取次者であって、その裏にまた別の人がいたりしますので、なかなか元のところまでたどり着かないというのが実態でもありますので、是非そういった意味で注意を喚起するように我々としても努力しております。

平木大作公明党

○平木大作君 済みません、今日、警察庁にも来ていただいていますので、最後、取組についてお伺いして、終わりたいと思います。

露木康浩警察庁長官官房審議官

○政府参考人(露木康浩君) お答えいたします。  委員お尋ねの特殊詐欺につきましては、平成二十六年、昨年の被害額でございますけれども、約五百六十億円、これは過去最悪でございますけれども、大変厳しい状況にございます。  こうした状況を受けまして、私ども警察におきましては、昨年中は約二千人の被疑者を検挙したり、捜査を強力に進めておりますけれども、その一方で、一般市民の方が犯行グループにだまされないための取組といたしまして、犯行グループから押収した名簿に載っていた方に対して直接電話をする、警察の方から電話をするといったような個別的、直接的な注意喚起をいたしましたり、あるいは犯行利用電話番号、これを連絡をいたしまして、その着信を自動的に識別する装置でありますとか、その着信した電話に警告メッセージを流して通話を録音する、こういう機能を有しているもの、そういう機器の普及促進などにも取り組んでおります。  また、被害者が犯行グループにだまされてしまった後におきましても、金融機関はもちろん、郵便、宅配事業者の方々とも連携をいたしまして被害の発生を水際で防ぐための取組も推進しておりまして、こういう水際阻止によりまして、昨年中は約一万件、三百億円の被害を未然に防止をしたところでございます。  引き続き、官民一体となった予防活動に取り組んでいく所存でございます。

平木大作公明党

○平木大作君 終わります。ありがとうございました。

藤巻健史維新の党

○藤巻健史君 維新の党の藤巻です。  質問の前に、今、平木委員から質問聞いていてちょっと思ったんですが、金融庁に関してですけれども、金融庁いろいろ検査やっていますけれども、いずれ日銀の検査をしなくていいのかなと。確かに、金融政策に関しては日銀というのは独立性を担保されていますから金融政策について政府がどうこう言う必要はないんですけれども、言っちゃいけないんでしょうと私は思いますけれども、日銀の経営に関して誰もチェックをしなくていいのかなというのを今ちょっと感じたんですよね。  というのは何かというと、私も財政金融委員会でしょっちゅう申し上げていますけれども、金利を上げるときになると日銀は損の垂れ流しになるんじゃないかと、これは大体多くの識者が今おっしゃっていることなんで可能性は非常に高いと思うんですけれども、そのときにどうやってその損失を補填するか。それは財政出動が必要になるんじゃないか。となると、それは許されていいのか。  ちょっと忘れましたけど、二週間ぐらい前だったかな、日経新聞の経済教室に翁京大教授が書いていらっしゃって、最後の方、私もちょっと理解できないところもあったんですけれども、翁教授がおっしゃるには、どうも、いずれ財政出動で予算の処置が必要になると、予算を決めるのはやっぱり国会の仕事であって、結果的に予算で歳出が必要になることがはっきりしているものを日銀が勝手に決めていいのかというような論文だったと私は理解したんですけれども、そういうことを考えると、どこかで事前に日銀の経営に関してチェックをする機関か何かが必要なのかなと私は思ったので、そうはいっても今日は質問通告しておりませんで、私の感想なんで、いずれそれは財政金融委員会のときにお聞きしようかなというふうに思っています。これは一応、一種の質問通告ということで御理解いただければと思います。  本日の質問に入りますけれども、まず国税庁にお聞きしたいんですが、日本人の勤労者の平均年収というのをまずお聞きしたいと思います。

佐川宣寿国税庁次長

○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。  国税庁で実施しております民間給与実態統計調査によりますと、一年を通じて勤務した給与所得者につきまして、平成二十五年分平均給与収入約四百十四万円でございます。

藤巻健史維新の党

○藤巻健史君 そうしますと、更に国税庁にお聞きしたいんですが、配偶者と高校生二人の四人家族、それで、その平均年収に大体近いところの年収四百万円の方の手取りは幾らか。要するに、名目の収入から当然のことながら所得税と社会保険料が徴収されると思うんですが、それの残り、手取り収入は幾らになるか、お知らせください。

佐川宣寿国税庁次長

○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。  御指摘の給与収入四百万円、配偶者と高校生二人の四人家族の場合ですが、一定の前提の下、平成二十六年分の所得税は二万七千百円、また、所管外でございますが、地方税と社会保険料を一定の前提の下に試算しまして、これらの三つの合計額を差し引きますと、手取り収入は約三百三十万円と推計されます。

藤巻健史維新の党

○藤巻健史君 手取りが三百三十万円ということですね。  じゃ、次に厚労省にお聞きしたいんですが、生活保護を受けている方、やっぱり同じように五十代の夫婦、五十代の夫婦ですから、配偶者と高校生の子供二人、先ほどの例と同じ条件ですけれども、その四人家族の生活扶助と住宅補助と高等学校就学費といろいろ付いてくると思うんですけれども、その合計、幾らもらっているのか。生活保護を受けている方ですね、今の同じような条件の方。大都市の例として、東京都三鷹市の例で幾らもらっているかお聞きしたいんですが、いかがでしょうか。

鈴木俊彦厚生労働省社会・援護局長

○政府参考人(鈴木俊彦君) お答え申し上げます。  今御指摘のケースの場合でございますけれども、生活保護費の月額、これ平成二十七年四月時点でございますが、まず生活扶助が十九万二千三百二十円、住宅扶助が六万九千八百円、高等学校等就学費が二万一千二百円、合計で二十八万三千三百二十円でございます。なお、このうち住宅扶助につきましては六万九千八百円の範囲内で家賃額の実額が支給されるということになりますのと、世帯に収入がある場合は今申し上げた生活保護基準額と収入との差額が支給されると、こういう仕組みになってございます。

藤巻健史維新の党

○藤巻健史君 生活収入がないということだと月額二十八万三千三百二十円ですね、掛ける十二というと、ちょっと計算機ないのであれですけど、まあ三百四十万とかそこらぐらいになると思うんですが、先ほど国税庁からお聞きした平均年収の方の手取り三百三十万円、生活保護を受けている方が約三百四十万円、これは正常な姿か。  まあ、いろんな考え方があるんですけれども、これ正規分布しているわけじゃないですから、平均以下の方が半分いる、半分とは申し上げませんけれども、日本人の約半分が生活保護者レベルの生活をしているのかと。文化的それから健康的な生活が日本人の半分はできていないのか。そうすると、自民党の政策というのはとんでもない政策だということになりますけれども、そういうふうに理解していいのか。  若しくは、もう一つ言っちゃうと、今ちょっと数字、私も今日うろ覚えなんですけれども、生活保護の受給者というのは約二百万人ちょっと超えていたんじゃないかと思います。戦後もたしか二百万人、そのくらいだったと思うんですね、戦後、終戦直後。ということは、考え方は二つあって、今の生活レベルが文化的、健康的なレベルを考えると戦後と同じレベルと考えるのか、若しくは生活保護の支給レベルが甘過ぎるのか、どちらかと思われるんですけれども、どういうふうにお考えでしょうか。これは厚生労働大臣にお聞きできればと思います。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) 今、生活保護と他の通常に暮らしている方々とのバランスの話がございましたが、生活保護というのは、病気などによって十分な就労収入が得られない場合などに、世帯の収入や資産だけでは生活の維持ができない者を対象に生活保護基準から収入を差し引いた差額分を支給するというものであって、したがって、資産がなくて税や社会保険料などを控除した手取り収入が生活保護基準を下回る場合ということであれば、生活保護の対象となって生活保護基準の収入との差額が支給をされるという格好になっているわけでございます。  その上で、生活保護基準の水準については、一般低所得世帯の消費実態との均衡が取れるものとなっているかなどの観点から、生活保護の審議会の中で、部会で専門的、客観的に検証を行って見直しをずっと行ってきたわけで、今回もそういった点で見直しをしているということで、戦後の中でも、基本的な考え方は今も生活保護という意味では今のような考え方で来ているというふうに考えておるところでございます。    〔委員長退席、理事赤石清美君着席〕

藤巻健史維新の党

○藤巻健史君 磯崎委員が生活保護の質問のときに、生活保護の見直しをしているとおっしゃっていましたけれども、生活保護の見直しをして生活保護の受給を受けている方と勤労者、民間の平均の手取りが同じというのは、これは一般のレベルを考えてそういうふうに決まっているとはどう考えても思えないんですけれども、いかがでしょう。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) 今言ったような事情で、なかなか世帯の収入としてやっていけないという場合に生活保護になっているわけでありますので、それは、一般の給与所得者との比較はそれは単純にはできないんではないのかなというふうに思うところでございまして、先ほど申し上げたような定義の下で生活保護というのが適用されるということだというふうに思っております。

藤巻健史維新の党

○藤巻健史君 しかし、手取り三百四十万の生活保護者の方がやっていけないんだったらば、働いている人、名目四百万円をもらっている方、手取り三百三十万、それより低いわけですから、平均の方はそれこそやっていられないということになっちゃうんですけれども、いかがでしょう。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたように、一般の低所得世帯の生活とのバランスというものを絶えず考えなければいけないと申し上げたところでありまして、その中で、今申し上げたようなところになっていますが、これ地域によっても随分違ってくるわけで、今の例を一つ数字で、先ほど三百三十万の手取りと三百四十五万の生活保護の金額を比較をされているわけでありますけれども、それはなかなか地域によってもばらばらでもありましょうし、ですからやはり、先ほどの住宅の扶助の在り方とか冬季加算についてもそうでありますけれども、それぞれのケースでこの生活保護と一般の低所得者との均衡が取れるように絶えず見直すということでやってきているということだというふうに我々は理解をしているところでございます。

藤巻健史維新の党

○藤巻健史君 そうはいっても余りにも、平均給与所得者と生活保護を受けている方がほとんど収入の差がない、確かにいろいろ地域を考えれば別なのかもしれないですけれども、余りにも差がなさ過ぎると思うんですよね。これじゃ別に働いても働かなくても同じじゃないかと。逆に言うと、働いた方が割を食ってしまうと。これじゃ日本人働く気なくなってしまうと思います、私自身は。だから、余りにも平等、これ、セーフティーネットというのは重要ですよ、本当に生きていくために守ってあげるというのは絶対に必要なんですけれども、過剰なのはやっぱり悪平等じゃないかと私は思っています。  もう一つ、じゃ、お聞きしたいんですけれども、平均年収をもらっている、四百十四万をもらっている方、手取りが三百三十万円になって、そのほかにそういう方というのは光熱費を払わなくちゃいけないし医療費を払わなくちゃいけないし、介護サービス払わなくちゃいけないですよね、それから都営地下鉄とかバスなんかも、みんないろんなものを払わなくちゃいけないんですけれども、じゃ、生活保護を受けている方、これ所得税は当然無税だと思うんですけれども、ほかにどんなメリットがあるか、ちょっとお聞きしたいんですが。

鈴木俊彦厚生労働省社会・援護局長

○政府参考人(鈴木俊彦君) 今御指摘ございました生活保護受給世帯の場合に、普通の世帯であれば掛かる利用料について減免されているというのが各種ございます。  一例を申し上げますと、例えばお子さんが児童養護施設に入所をしたという場合に、一般世帯ですと利用者の負担額が掛かるわけでございますけれども、生活保護の受給世帯については無料とされております。同じように、例えば障害児の入所施設に入った場合の利用料、こういったものも無料になっているというふうに承知をいたしております。    〔理事赤石清美君退席、委員長着席〕

藤巻健史維新の党

○藤巻健史君 そうすると、先ほど平均給料の方、大体手取り三百三十万、東京都三鷹市の同じような状況の方は生活保護だと三百四十万もらった上に、より多くの手取りをもらった上に、それ以上にいろいろなメリットがあるわけですね。これは、ますます働かなくて生活保護をもらった方がいいわけで、働くのがばかばかしくなりませんか。厚労大臣、お願いします。

鈴木俊彦厚生労働省社会・援護局長

○政府参考人(鈴木俊彦君) 今御指摘ございました手取りの比較でございますけれども、御案内のように、生活保護につきましては、資産その他あらゆるものを全部調査をいたしまして、ほかに全く生計の道がないという場合にその差額を出すということでございますので、一般的に例えば四百万円の収入がある方との単純な比較というのはやはり難しいだろうと思っております。  生活保護を受けるためには、いろいろな資産その他がもう全くないという場合に初めて最低生活の保障として給付をされますので、さらに、例えば障害施設に入ったことによる掛かり増し経費があった場合、これはそれを無料にしませんと最低生活の保障ということができなくなってしまいますので、そういった観点から、ただいま申し上げた事例については無料化の措置がとられているということであるというふうに理解をいたしております。

藤巻健史維新の党

○藤巻健史君 平均給与、平均収入四百十四万円の方も資産がゼロの方もいらっしゃると思うんですけれども、そういう方はどうなんですか。

鈴木俊彦厚生労働省社会・援護局長

○政府参考人(鈴木俊彦君) 今御指摘のようなケースで、個別論は具体的に基準をしっかり当てはめてみませんと分かりませんけれども、一般論で申し上げれば、手取りが今先生がおっしゃったようなものしかないということであって、その方が例えば生活保護を申請した場合に、最低生活の基準と照らし合わせて本当にその最低生活よりも欠ける額しか収入がないという場合には、繰り返しになって恐縮ですけれども、差額について生活保護費が支給されるということであるというふうに承知をしております。

藤巻健史維新の党

○藤巻健史君 ちょっとお答えに関係するんですけれども、先ほど磯崎委員の質問の中に、働く能力があるのに働かないという方がいらっしゃるという話も随分出てきたと思うんですけど、生活保護者に対して就労支援をしているという話をしたんですけれども、やっていると。  もし必要であれば、働けるのに働かないで生活保護を受けているという方、今、アベノミクスの貢献で人手不足だというふうに言われてきていますし、それから自衛隊なんかもきっと人少ないだろうし、介護従事者の方も人手不足だと思うんですけど、そういう状況の下と、働けるのに働かないで生活保護をもらっている人が併存するというのは極めておかしい現象じゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。大臣、お答えありますか。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) 憲法に定められている最低限の生活を保障するという、こういう基本的な考え方に基づいてこの制度はできているわけでありますけれども、先生御指摘のように、働けるのに働かない、その分を税金で皆で助けるということについてどう考えるのかということについて、あるいは、先ほど来のように、普通に働いている一般の低所得者の皆さん方とのバランスとか、そういうことはやはり絶えず見直していかなきゃいけないことでもあろうと思いますが、ですからこそ、この生活扶助基準も直しつつありますし、それから住宅扶助も冬季加算も全部今直しつつあるわけで、初めての見直しも含めてやっているわけであります。  そういう意味で、今先生御指摘のように、基本的にはやはり働ける人には働いていただくというのがまず基本だろうというふうに思いますし、今回、生活困窮者自立支援法でも、やはり就業支援というか働けるようにしてさしあげるという、サポートをするということが基本であって、自立をどう図りながら、それでも与えられた条件の中で憲法に定められるような条件を満たさないのであるならばサポートしないといけないという中で、絶えずこのバランスを考えながら見直しをしていかなきゃいけないということではないのかなというふうに思います。  基本的には、ですから、先生おっしゃるように働ける人は働いていただくというのが当然のことだろうというふうに思います。

藤巻健史維新の党

○藤巻健史君 働ける人が働いていないで生活扶助を与えてというのはどうも腑に落ちませんで、やっぱりそういう方には、仕事を見付けて働く気になったら援助金を与える、働かなきゃ余り渡さないというのが本来あるべき姿じゃないかなと思うので、逆行しているんじゃないかと思います。  まあ、それはそれとして、いろいろ聞いておりますと、やっぱりいろんな、何というのかな、日本というと弱者救済ということで、くれぐれも言っておきますけどセーフティーネットは絶対に必要なんですけど、だけど、何はともあれ弱者救済弱者救済ということで、全ての法律というか全ての省庁がみんな低所得者層に手厚い配慮をすると合成の誤謬というか、全部合わせると普通の、先ほど申しましたように標準的な平均的な給料をもらっている人よりも手厚い生活というかいい生活ができちゃうというのは、誰かが集中的に全体的にコントロールしない限り、今みたいに本当に合成の誤謬ができちゃって、働かない方がいい、じゃ何か本当にもう、何というかな、典型的な社会主義社会みたいになってしまうと思うんですが、やはり財務大臣というか副総理として、そういう全体的に逆転現象が起こらないようなことをチェックされているのか、若しくはするべきだと思うんですが、そういうことについてちょっとコメントいただければと思いますが。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 合成の誤謬、久しぶりに聞いた言葉ですな。  今、藤巻先生が言われましたとおりに、個別に一つ一つ見ていくと各府省においてしかるべく考えを行った施策とか政策というものであっても、全体として見ると、この部分とこの部分では重複している等々によって、藤巻先生の言葉を借りれば過剰な救済になっておるということは、これはある面は事実だと思いますよ。  そのようなことが起きないようにするために、この生活保護については、まずは厚生労働省において関係するいわゆる施策の重複がないかなどを全体としてよく見ていただくということがこれは重要であること、これははっきりしていますよ。それは、そうじゃないとどう考えても先ほど言われたような例になりかねませんから。  したがって、財務省としても、これは関係省庁、主に厚生労働省ということになろうとは思いますけれども、過剰な救済となって国民の間に不公平だという不満というものが出てくることがないように、これは毎年度の予算編成過程においてしっかりと見ていくということが我々の立場なんですが、その前、一つ一つの個別のところをということになりますと、これは厚生労働省、その前の地方自治体とかいろんなところまでこういったところを考えないと、この自治体ではオーケーだけどこの自治体ではまずかったということになると何だということにこれはなりますので、そこらのところも十分に注意して対応していく必要がある、はっきりしておると思いますが。

藤巻健史維新の党

○藤巻健史君 まさにおっしゃるとおりだと思うんですけど、これに関して一つだけ最後に厚労大臣にお聞きしたいんですけれども。  今みたいなことを考えると、先ほど磯崎委員の方からジェネリックの質問がありましたけど、回答として二十六年度で六一%だということなんですが、これは生活保護を受けている方というのはやっぱりジェネリックは必須、必ずジェネリック使え、あるものはですね、とすべきじゃないかと思うんですが、いかがでしょう。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) これについては、既に医療扶助の適正化の中で後発医薬品の使用の原則化というのを進めているわけで、先生のおっしゃるとおりだと思います。そのほか、何度も何度も病院に通う方を適正な医療にふさわしい回数にしてもらうということとか、あるいは、例えば向精神薬をたくさん重複して処方されて、それを生活の糧にするみたいな話も聞こえてはくるので、そういうこともしっかりやっていかなきゃいけませんし、今おっしゃっているようなことは我々としても既にやっています。  問題は、社会全体として、憲法二十五条の生活保障をすべき方としてどういう社会的な皆さんの負担でもってやるかということが最大の問題であって、そこに納得いくことを我々としてはこの国会で決めないといけないということだろうというふうに思いますので、今のジェネリックについては全く賛成だし、実際にやっているということであります。

藤巻健史維新の党

○藤巻健史君 時間がなくなりますのでこの問題はこれぐらいにしまして、次に医療の方についてお聞きしたいんですけれども、これ、厚労省の担当者にお聞きしたいんですが、高知県、山口県、埼玉県、千葉県の人口当たりの病床数と医師数を教えていただきたいと思います。

二川一男厚生労働省医政局長

○政府参考人(二川一男君) お尋ねの四県につきましての人口当たりの病床数及び医師数についてお答え申し上げます。  一般病床、療養病床、精神病床等全ての病床数を合わせた数字でございますが、平成二十五年十月一日現在で、人口十万人当たりで、高知県二千六百八十二・九床、山口県二千八十五・一床、埼玉県九百二・四床、千葉県九百六十九・一床でございます。また、医師数でございますが、医師数につきましては、平成二十四年十二月三十一日現在でございますが、同じく人口十万人当たりで、高知県が二百九十五・七人、山口県で二百五十五・九人、埼玉県で百五十四・五人、千葉県で百七十八・八人となってございます。

藤巻健史維新の党

○藤巻健史君 これはなぜお聞きしたかというと、資料をお配りしたとおり、二〇一四年八月十九日付けの読売新聞に出ていて、これ見ていると、どう考えても西日本の一人当たり医療費平均額、高いわけですよ。それで、この新聞によりますと高知が一番で千葉が一番低かったということなんですけど、これ、どういうことなんですか。要するに、東日本の人が健康で西日本の人が不健康だということですか。お答えください、大臣。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) 御指摘のように、都道府県別の一人当たりの医療費はいわゆる西高東低とよく言われていますし、北海道はちょっと別格にまたこれが高いということになっております。  医療費の地域差の要因については、これからの医療改革の一つの大きなポイントになってくると思いますけれども、医療提供体制の違いというのが多い、それから人口の年齢構成、それから住民の生活習慣とか健康づくりの取組状況とか、よく長野はPPKとかいろんなことが言われますが、いろんな要因が挙げられますけれども、やっぱり一番大きいのは、病床数との相関というのが一番大きい、供給体制の問題でありまして、ですから、地域差に関してはやはり見える化というのを図りながら、病床の機能分化とか連携の推進をこれから医療ビジョンを作ってもらって都道府県ごとにやってもらうということでもございますし、それから在宅医療の充実などの医療供給体制の改善。  それから、予防とか健康づくりというのがこれからはやっぱり大事になってきて、健康投資と言ってもいいのかも分かりませんけれども、特定健診とか保健指導、あるいは糖尿病や心筋梗塞とかそういう非感染症の、生活習慣病の予防をやることによって医療費が掛からないようにしていくと。それは健康づくりをするということでもありますから、それは大変本人にとってもいいことだということであろうと思うので、お金が掛かっていれば健康かというと、それは必ずしもそうでもないということだろうと思います。

藤巻健史維新の党

○藤巻健史君 西高東低ということですけれども、考え方によると、逆に言うと、西日本の方で今大臣が病床が多いというふうにおっしゃっていましたけど、別に無駄な病床があればそれを埋めようとして無駄にお金を使ってしまう、患者を入れてしまうということもあると思いますので、きちんと、無駄遣いをしていないか、特に医療費は、やっぱり大変健康保険は問題だと思いますので、これは是非注意していただければと思います。  時間的に最後の質問になってしまうかと思うんですが、やはり同じこの読売新聞を見ていまして、大体私もそういう認識はありましたけれども、人工透析、一人当たり五百万年間掛かると言われているわけですけれども、患者数の最近の推移とか医療費のこの十年間の推移というのが、統計、厚労省お持ちだったら教えていただきたいんですが。

唐澤剛厚生労働省保険局長

○政府参考人(唐澤剛君) まず、慢性透析の患者数でございますけれども、日本透析医学会の調査でございますが、平成十五年、これが二十四万人でございます。平成二十五年、これ、それぞれ年末でございますが、約三十一万人ということで、七万人増加しております。  それから、人工透析、医療費そのものずばりというのはないんでございますけれども、国民医療費の中に慢性腎不全の患者に該当する糸球体の疾患などがございまして、この慢性腎不全の医療費は、平成十五年度は一兆三千億円、それから平成二十四年度は一兆五千億円というような推移になっているところでございます。

藤巻健史維新の党

○藤巻健史君 一人当たり人工透析で五百万円も掛かるような患者さんがどんどん増えていくと、これは大変なことになっちゃうと思うんですよね。一応、イギリスでは、ドイツだったかな、ある年齢以上の方は健康保険ではもう人工透析をさせないというような仕組みに変わっていると聞いておりますけれども、そんなことになっちゃうと、金の切れ目が命の切れ目ということになって、極めて大変な問題が起きてきてしまうと思うので、早め早めの医療費削減、ほかのところで医療費削減をしなくてはいけないのかなというふうに思っています。  質問時間もう終わりましたので、一応それは要望として、早め早めにその対策をしていただきたいというふうに思います。  以上です。ありがとうございました。

田村智子日本共産党

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。  この四月から特養ホームなど施設系サービスを中心に介護報酬の引下げが行われました。その影響が大変懸念されます。  まずお聞きしたいのは、特養の待機者の数、現在何人で、介護保険制度スタート時との比較と併せて、厚労省、示してください。

三浦公嗣厚生労働省老健局長

○政府参考人(三浦公嗣君) 特養のいわゆる待機者の現状と推移状況でございますけれども、特別養護老人ホームの入所申込者の現状につきましては、平成二十五年度に実施した調査によれば約五十二万四千人ということでございまして、前回調査、平成二十一年度調査の四十二万一千人から約十万三千人増加しているところでございます。  なお、このうち在宅で要介護三から五というような方々につきましては、平成二十五年度では約十五万三千人でございまして、平成二十一年度の十二万二千人から約三万一千人増加しているところでございます。

田村智子日本共産党

○田村智子君 二〇〇一年に私たち日本共産党は全都道府県への聞き取り調査を行いましたが、その当時の待機者というのは合計で十万四千五百九十九人と私たちカウントいたしました。現在はその五倍にも膨れ上がっているということになります。二〇〇〇年に介護の社会化ということを目指して介護保険は導入されましたが、実態はその社会化ということからは程遠いということが言えると思います。  大臣にお聞きしたいんですが、この要介護状態の高齢者の受皿不足、大変深刻な状態にあると思いますが、そのような認識はお持ちでしょうか。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) 特別養護老人ホームなどの整備につきましては、御案内のように、市町村が作成する介護保険の事業計画というのがありますが、そして、都道府県が作成する介護保険事業支援計画に基づいて、このサービス必要量の見込みを踏まえて計画的な整備が進められてきているわけでございます。  この四月から第六期の介護保険事業計画において、三年の計画期間だけではなくて、二〇二五年に向けて、この事業計画に基づいて地域医療介護総合確保基金が今回、医療に加えて介護についても今年度から使えるようになるわけでありますけれども、これによって介護施設等の整備が着実に進むように支援をしていくこととなっているわけでございます。  御案内のように、二〇二五年というのは団塊の世代が七十五歳以上になる、超高齢化の社会ということで、それを見据えて、高齢者が重度の要介護状態になっても可能な限り住み慣れた地域で安心して日常生活を継続できるように、地域包括ケアシステムの構築を着実に推進していかなければなりませんし、施設とそれは在宅との組合せを考えながらこの新しいシステムをつくっていかなきゃいけないというふうに思っているところでございます。

田村智子日本共産党

○田村智子君 その計画的な整備というのは大変遅れているという認識を持っていないのかなとちょっと疑問に思ったんですけれども、今も在宅、住み慣れたところでということも含めて、言わば多様な受皿ということをこの間、厚生労働省は言ってきたと思うんです。  では、その多様な受皿の実態というのはどういうものなのか。今日は、東京都北区で問題になりました高齢者への虐待、要介護状態の高齢者がベッドに縛り付けられたままにされるなど日常的な虐待が行われていたと、この問題について取り上げます。  これはシニアマンションと銘を打たれて、昨年十一月の時点で百五十九名が入居をしていました。事業者側の説明では、そのうち百三十名を拘束状態としていたと。北区も、入居者の三分の二に当たる高齢者九十五名、障害者四名について虐待があったと認定をしています。ここは賃貸マンションというのは全く名ばかりで、部屋は外の廊下から鍵を掛けられる状態でした。個室は、四畳半ほどの部屋にベッドが置かれていて、そのベッドで寝かされて、おなかのところに太いベルトを巻かれたりあるいは手首にベルトを巻かれるなどしてベッドへの拘束がある。あるいは、ベッドを四辺を柵で囲って動けないようにする。これで、ある九十代の女性は、入居した後寝たきりになってしまって、何も考えずに天井を見詰めるだけの日々だった、気がおかしくなりそうだったと、こういうふうにも報道されているわけです。  私、問題なのは、東京都が二〇〇九年にこの施設のことを知っているんですよ、このシニアマンションのことを。しかし、これは老人福祉法に言う有料老人ホームではないと判断をして十分な指導監督を行わなかった。翌年、北区から有料老人ホームに該当するのではないかと指摘をされても、今回の虐待報道があるまでこの判断を変えなかったと。これ、非常に問題だと思います。  実は、こういう制度外のホームについては、我が党の山下芳生議員が既に、二〇一一年三月、予算委員会で取り上げていました。このときは、寝たきり専用賃貸住宅と銘打たれていたんですね。こういう問題を取り上げて、サービスを提供する事業者と賃貸契約者が違う場合には十分な指導が行えない実態がある、その問題を指摘しました。当時の細川厚労大臣は、この問題について調査を約束しました。  厚労省にお聞きします。それでは、このサービス提供事業者と賃貸契約者が違う場合も有料老人ホームになり得るんだという見解を厚労省が示したのはいつのことですか。

三浦公嗣厚生労働省老健局長

○政府参考人(三浦公嗣君) 御指摘ございました、サービス事業者とマンションの所有者が別の方だということにつきまして有料老人ホームに該当するかどうか、このことにつきましては、今御説明ございましたように、従来より、都道府県などでその実態を把握した上で個別に判断が行われていると承知しております。一方で、現実には様々な形態が存在するということもございまして、都道府県などが指導を行う際の参考にするため、随時運用の考え方をお示ししているところでございます。  入居者の方に対しまして、介護などのサービスを紹介、あっせんするなどによりまして、入居に係るサービスと介護等に係るサービスが事実上一体的に提供されている事業を有料老人ホーム事業者として取り扱うことにつきまして、平成二十五年の五月に通知し、その取扱いを明示したところでございます。

田村智子日本共産党

○田村智子君 これは、山下議員が取り上げたのは平成でいえば二十三年なんですよ。二年もたってからやっとそういう見解が示された。これ、政治の責任は極めて重いというふうに思います。  更にお聞きします。それでは、有料老人ホームについて、届出施設と未届け施設の数、今、直近の数でどうつかまれていますか。五年前と比較しての数字で示してください。

三浦公嗣厚生労働省老健局長

○政府参考人(三浦公嗣君) 平成二十六年十月三十一日の時点で届出済みの有料老人ホームの数は九千九百四十一件でございます。一方、未届けの有料老人ホームの数は九百六十一件でございまして、未届けの率は八・八%となっております。また、その五年前、平成二十一年十月三十一日時点では、届出済みの有料老人ホームの数は四千八百六十四件でございまして、未届けの有料老人ホームの数は三百八十九件、未届け率で申し上げますと七・四%でございました。

田村智子日本共産党

○田村智子君 これは、この五年間でどちらも二倍以上に、本当に急増しているわけですね。しかも、拘束などが行われている、行動の制限があるということについて改善指導をした自治体というのは四十三に上っています。  この北区のシニアマンション、ホームページを見ますと、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅といった、国の制度の類型に該当しない、一般の民間賃貸マンションですと、制度外のホームなんだよということを強調しているわけです。これは、制度外のホームということになりますと、行政は法律上の立入り権限さえ持てないわけです。このような制度の裏をかくようなやり方というのは本当に許されません。  高齢者虐待防止法に基づいて今回はシニアマンションについても摘発が行われているんですけれども、それは当然です。しかし、実態としては老人ホームと同じようなことをやっている、ところが行政の側は介護施設としての調査や指導ができない、これはおかしいと思います。  大臣、これは包括的な法整備が必要だと思いますが、いかがですか。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) おっしゃるように、未届けが先ほど局長から申し上げたようにまだ八・八%あるということでありまして、これを届出をすることについて、しなければこれは本当は本来は罰則が付いているわけでありますから、これをしっかり都道府県にもやっていただくように私どもとしても今働きかけを強くしているわけでございまして、この制度的な問題については、今回の対応は東京都の北区が先ほどお話が出たように高齢者虐待防止法に基づく虐待の認定とそれから改善指導をやって、それで東京都も介護保険法に基づく訪問介護事業者及び居宅介護支援事業者に対する是正勧告を行うということであり、また、老人福祉法に基づく有料老人ホームに該当する認定をした上で立入検査、指導監督をやってきているわけでありまして、こういった形で法令にのっとって対応は今回しているわけでありますけれども、問題は、未届けのところについて、これを撲滅するにはどうしたらいいのかということを更に考えなければいけないというふうに思うところでございます。

田村智子日本共産党

○田村智子君 届出するかしないかはまさに事業者の判断になってしまうわけで、こういう今のシニアマンションのように、自分のところは届出の必要がない民間賃貸マンションだということをアピールしているわけですから、今何らかのことが必要だというふうに答弁ありましたので、是非包括的な法整備、これ本当に踏み込んで検討していただきたいというふうに思います。  このシニアマンションなんですけれども、家賃は月三万円なんですよ、マンションで。居室の面積が狭いからだということもホームページで説明をしています。この事業者だけでなくてほかの事業者でも、例えば一部屋に複数の方を生活させるなど、居住環境の水準を低くして家賃を抑えるということも見られるわけです。  特養にいつ入れるか分からない、有料老人ホームは費用が高くて入れない、そういう高齢者は今多数おられます。そこに付け込んで次々と制度外のホームが造られている。これはもう明らかなんですよ、この五年間で二倍以上に増えているわけですから。こういう現状を大臣はどのように認識をされますか。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) 特別養護老人ホームにつきましては、御指摘のように待機者がいることが問題であって、在宅生活が困難な方が優先的に入所できるようにすることがこれは大変大事であるわけでありまして、この四月から特別養護老人ホームの入所者は原則要介護三以上ということで重点化をしているわけであります。  一方で、この北区の有料老人ホームにつきましては、高齢者虐待に該当する拘束が行われていた件については、関係法令に反する行為が行われていたことそのものが問題であると考えているわけであって、引き続き、高齢者の尊厳を損ねるような虐待あるいは身体拘束が行われることがないように、特に関係自治体としっかり連携をしなきゃいけませんし、先ほどの、入居などのサービスと介護などのサービスが一体的に提供されている事業が有料老人ホームの事業でありますから、これについては先ほど申し上げたとおりきちっと届出をさせて、監督をちゃんと目が漏れないようにするということを徹底していくということが大事なんじゃないかなというふうに思います。

田村智子日本共産党

○田村智子君 今のその見解を示した通達の中には、こういうことがあって気になっているんですね。福祉的観点から低所得・低資産者を対象とした低廉な家賃の住まいを提供しようとする事業者にとって、ガイドラインへの適合を画一的に求めることは、事業者による有料老人ホームの届出意思をそぐばかりでなく、結果として、行政との連携が困難な未届け有料老人ホームを増加させることにもつながりかねずというようなことが書かれていて、本当は有料老人ホームだったらガイドラインあって、いろんな基準があるわけですよね。それを画一的に求めたらむしろ未届けが増えちゃうんじゃないかとか、こんなことが通達の中に書かれているんですよ。  これでは私は、逆に結果として質の低い、問題の多いところを広げることにならないかと大変危惧をしていますし、そもそもそういう低所得者、低資産者の方を有料老人ホームに任せるつもりなんだろうかと、厚労省の姿勢をこれ疑わざるを得ないというふうに言わなければなりません。  北区のこの事業所は、実際に生活保護者も受け入れるということも宣伝しているんです。本来、こういう福祉的対応の必要な方は特養ホーム、養護老人ホームなどでこそ受け止めるべきで、それもできないほどに現状では受皿不足が深刻になっているんだと、この認識を持つべきですよ。特養ホームや養護老人ホームなど、質の確保されたサービスを需要に見合って確保すべきだと。多様なとかいって逃げない。在宅だとかいって逃げたらこんなことが起きる。やっぱり特養ホーム、そして養護老人ホーム、この質がちゃんと担保されたサービスの計画的な整備が必要だと、こういう認識は、大臣、お持ちですか。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) 施設を造ること自体が大事であることも、もちろん我々としては特別養護老人ホームを計画的に自治体と一緒に造ってきているわけでありますし、今回の基金を使って更にそれを進めるということでもございますが、御指摘のような待機者の問題が言ってみれば劣悪なものに行かないようにするにはどうしたらいいのかということでありますけれども、在宅生活が困難な方が優先的に入所できるように特別養護老人ホームについてもしていくということが大事であって、先ほど申し上げたような重点化を図っているわけです。  一方で、これはもう施設だけでこれからやっていこうということではなくて、本来の在宅というのもこれは大事な選択肢であって、だからこそ地域包括ケアシステムをどうそれぞれの地域に合った形で組んでいくかということが大変重要だというふうに思っていまして、在宅サービスの充実、それからサービス付きの高齢者向けの住宅とか、それから今の有料老人ホーム、これをどう多様な住まいの選択肢として用意をしながら、地域全体として高齢者が自らの住んできたところにそのまま自然な形で暮らすことが続けられるかどうかということを築き上げていくということが大事なので、そこのところを総合的に判断しながらやっぱりしっかりやっていかなきゃいけませんし、先ほど言ったような、趣旨を潜脱するような業者については、これは厚労省もそれから都道府県も一緒になってしっかりと見て、そして届出を言ってみればせざるを得ないように持っていくということが大事なんだろうというふうに思います。

田村智子日本共産党

○田村智子君 今、困難な方にまずは絞り込んで特養に入れるようにというふうにおっしゃったように聞こえたんですけど、この北区のシニアマンションも極めて介護度の重い方しか受け入れていないんですよ。そういう方でさえ行き場がなくなっているということなんですよ。  社会保障制度改革の大きな柱は、今大臣言われた介護の重点化、適正化、つまりは、これは給付抑制先にありきの政策なんですね。介護職員の不足から、高齢者への虐待や不適切な対応が実は介護保険のサービスの中でも起きている。これは土曜日の朝日新聞で報道されていて、私も大変衝撃を受けました。  今行われている介護報酬の引下げは、更なる介護職員の不足をもたらすでしょう。特養の重点化や利用料の負担の引上げは、行き場を失う高齢者を更に広げるでしょう。そうすると、そこに付け入る悪質なビジネスというのが広がることになっていく。大臣、そういう認識はないですか。

三浦公嗣厚生労働省老健局長

○政府参考人(三浦公嗣君) 身体拘束あるいは虐待の問題でございますけれども、今御指摘ございましたような介護報酬のこととあるいは人手不足というふうなこと、こういうことをもって身体拘束を廃止できないと、そういうような理由を立てる前に、まずは身体拘束を行わない介護ということを目標にして具体的にそれぞれの事業者で取り組んでいただくということが必要だということでございます。  ただ、その一方で、私ども、介護職員の皆様方の処遇の改善に努めるということは非常に重要なことだと理解しておりまして、介護報酬の中で処遇改善の加算を設ける、また、この二十七年度からは都道府県に設置した基金を活用して介護人材の確保に向けた取組を一層進めると、このようなことを通じまして、引き続き都道府県などと連携しながら、介護職員の皆様方の処遇改善を通じた介護職員の確保に取り組んでいきたいと考えているところでございます。

田村智子日本共産党

○田村智子君 現場からは、人手不足で目が離せなくて、やむを得ず身体拘束せざるを得ないんだという声が本当にどんどん上がっているんですよ。そういうところで介護報酬まで引き下げるのかと。これは引き続き、また国会の中でも取り上げていきたいと思います。  今日は時間がないので、次に障害年金の認定についてお聞きをしたいと思います。  障害年金の申請に対して不支給と認定された割合に地域差が生じている、このことについて厚労省の調査結果が今年一月公表されました。確認できた地域差について、簡潔に概要を説明してください。

樽見英樹厚生労働大臣官房年金管理審議官

○政府参考人(樽見英樹君) 今回の調査でございますけれども、新規に申請があった障害基礎年金について不支給となった割合に地域差があるのではないかということで、日本年金機構の各都道府県における障害基礎年金の認定事務の実態を把握するために行ったものでございます。  結果としましては、障害基礎年金の不支給割合の地域差というものについては、精神障害、知的障害の判定との関連が大きいと。障害基礎年金の不支給割合が低い県と高い県とで、精神障害、知的障害の認定の際に目安となる日常生活能力の程度、その評価について違いが見られるといったようなことが確認をされたところでございます。  この結果を踏まえまして、精神障害、知的障害の認定の傾向に地域的な差が生じないようにということで、二月から専門家による検討会を開催しているところでございます。

田村智子日本共産党

○田村智子君 これは資料の一枚目を御覧いただきますと、精神障害、知的障害で見ますと、不支給決定、多くの都道府県は不支給という認定はゼロ%あるいは一〇%台なんです。ところが、大分県で三三%、兵庫県で五五・六%と。これは疑問を持たざるを得ないんですね。なぜこれだけの差が生じているのか。国民の年金権を保障するという立場で真摯に分析して手だてを取るべきだと思います。  障害年金の認定というのは、基本的に本人との面談は行わず、書面だけの審査となります。そうすると、診断書に記載された様々な情報、本人や家族からの申立書などの内容から総合的に判断することとなっています。一方で、厚労省の今回の調査報告には次のような指摘があるんです。不支給割合が低い十県では、診断書の記載項目、日常生活能力の程度、これが段階でいうと二相当であることが基礎年金を支給する目安となっている一方、不支給割合が高い十県では、日常生活能力の程度がおおむね三相当が目安になっていると、こういう指摘なんです。  この日常生活能力の程度というのは、障害の程度が軽いものから順番に一から五までの五段階で評価をして診断書に記載をするんですね、この方は一とか二とか。この二というのは、家庭内での日常生活は普通にできるが社会生活には援助が必要というもの、三というのは、家庭内での単純な日常生活はできるが、時に応じて援助が必要というような判断になるんです。不支給決定の割合が高い十県、二で判断された方は一〇〇%不支給決定なんですよ。全部はねられているんです、二の段階の方は。  これは現状では総合的な判断とは必ずしも言えず、この日常生活能力の程度の数値、これに偏重した認定が行われているんじゃないかと思いますが、いかがですか。

樽見英樹厚生労働大臣官房年金管理審議官

○政府参考人(樽見英樹君) 精神障害、知的障害については、身体障害と異なりまして検査数値等に基づいて等級を判断するということはなかなか難しいという面がございます。そういう意味で、認定基準において日常生活の状況等を総合的に評価するということになっているわけでございまして、日本年金機構の認定医が医学的な知見を基に、具体的な症状、あるいは日常生活状況、就労状況等を総合的に評価をして個々の認定を行うということでやってきたところでございます。  今回の調査結果、調査の中で、言わばその評価の目安ということに傾向の差があるのではないかということが分かったところでございますけれども、一方で、同じ日常生活能力の程度であっても判断結果には違いがあるということも明らかになってございますので、日常生活能力の程度の欄に偏重した認定となっているというふうには私ども考えておりません。

田村智子日本共産党

○田村智子君 でも、各県にヒアリングを行った中では、日常生活能力の程度が支給の目安として重要だという意見は確認ができるわけですし、実際数字が私は表しているなというふうに思います。  これ、一人一人について総合的な判断というのをやろうとすれば、申請の関係書類を本当に精読して、そして熟慮することが求められる。ところが、今年四月一日現在で、この障害年金の認定をする認定医、これ、最も多い東京都でも十一人、神奈川県では僅か四人なんですよ。大きな県では年間六千から七千件も申請があります。しかも出された申請は、その一件は一人の認定医だけで審査をするという仕組みなんです。こうした仕組みも地域差を生じさせる要因の一つではないかというふうに思いますが、いかがですか。

樽見英樹厚生労働大臣官房年金管理審議官

○政府参考人(樽見英樹君) 認定医の数ということでございますが、実際なかなか、先生おっしゃる人数ということに関して言いますと、それぞれの地域での認定医お一人の方が何時間勤務しているかということについても統一をしたことではございません。お一人お一人で長時間勤務しているという地域もございますし、お一人お一人短時間で大人数でやっているというところもございますので、それが単純な比較ということにはならないということをまず申し上げさせていただきたいと思います。  認定医の確保、各地域で年金機構、そもそもやっていただけるお医者さんの確保ということで大変苦労してございまして、そういう中でいかに公平に的確に認定をやっていただくかということで進めているわけでございます。  具体的には、現在も、例えば、診断書の記載内容に疑問があるというようなことを認定医の先生がお考えになったときには、診断書を作成したお医者さん、申請された方の主治医ということになりますけれども、そういう方に個別に照会を行うというようなこともやっておりますし、また必要に応じて事務方が過去の類似例を提示するといったサポートもやっているということでございますので、こういうことを通じまして、引き続いて適正な判断ができるように努力をしていきたいと考えてございます。

田村智子日本共産党

○田村智子君 いずれにしても、一件を一人が担当するだけですと、やっぱりその方がどういう基準で考えるのかということに左右されるという、これは否定できないというふうに思うんですね。是非検討していただきたいんです。  それから、今、精神障害、知的障害について見てきましたけれども、これは肢体不自由でも不支給決定の割合はゼロ%から四〇%と幅がありますし、内部障害もゼロから五〇と都道府県間の差というのはやはり見られるわけで、厚労省は今、精神障害、知的障害についてのみ検討や手だてを求められるとしていますけれども、これは私、狭い見方じゃないかなというふうに思っています。  特に内部障害、これ資料二でお配りをしていますけれども、やっぱり診断書の中の一般状態区分がどの状態かで支給、不支給の判断がされているんじゃないかという指摘はよく聞くわけですよね。しかも、この一般状態区分の記述というのがなかなか本人の状態を当てはめにくいという指摘も医師から出されていて、国会でもこれまでも問題になってきました。  例えば、五段階の中のウというのを見ると、歩行や身の回りのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の五〇%以上は起居しているものと。内部障害って症状に波ありますから、日中五〇%起きているかどうかというのを一人の方が判断するって、これ非常に難しい。この一般状態区分についてもやはり見直しということが必要じゃないかと思いますが、いかがですか。

樽見英樹厚生労働大臣官房年金管理審議官

○政府参考人(樽見英樹君) 障害認定基準の一般状態区分表ということでございますけれども、様々な内部障害に共通の判断基準ということで、御本人の日常生活の制限の度合いを表す区分ということで用いられているものでございます。御指摘のとおり、アからオまでの五段階となっているわけでございます。  内部障害についてこのような区分を用いる意味ということでございますけれども、内部障害、例えば、血液の検査とか体のいろんな指標、検査の結果ということで障害を認定して、例えば身体の障害で手足の障害になるというと、比較的、客観的にそういうときは分かるのでございますけれども、内部障害の場合に、そういう検査結果のみで障害の程度を把握をして判定するというのはなかなか難しい面がございます。病気が個々の日常生活の障害でどういう形で現れるかというところでございますので、そういう検査数値の結果だけでは難しいというのが一つ。  それから、様々な内部障害の影響を共通の尺度で示すということで、障害の種類ごとの公平性を確保できるということでやっているわけでございます。そういうことを含めて総合的に判断をしているというのがこれまでのルールでございますし、やっているということでございます。  障害認定基準について、認定現場の意見を踏まえながら疾患ごとの見直しというものを順次やっているところでございますので、私ども、認定現場の意見というようなものも聞きながら、具体的な必要が生じれば対応を検討したいと思います。

田村智子日本共産党

○田村智子君 いずれにしても、今の認定医が一人という仕組みを是非検討していただきたい。やっぱり、障害者の方の生活を支援している方々の意見とか家族の方々の意見とか、その支援している方が認定にも加われるような仕組み、これがなければ総合的な判断は非常に難しいということを指摘をいたしまして、質問を終わります。  ありがとうございました。

行田邦子日本を元気にする会・無所属会

○行田邦子君 行田邦子です。よろしくお願いいたします。  私は、今日は労働保険特別会計の雇用保険二事業について質問させていただきます。  まず、大臣に伺いたいと思います。  お手元に資料一、お配りをしておりますけれども、雇用保険二事業の安定資金の残高なんですが、平成二十三年度に三千七百四十七億円でしたが、これが徐々に徐々に積み増されて増えています。平成二十五年度の決算では六千四十五億円、平成二十六年度の予算では六千七百四十四億円、平成二十七年度の同じく予算では七千八百十八億円となっています。  例年、予算に対して決算では支出額が少なくなっているという傾向を見ますと、私は、これは近い将来、この雇用保険料率の雇用保険二事業に係る弾力条項が適用される水準まで行くのではないかなというふうに見ているんですが、大臣に伺いたいと思います。この雇用保険二事業の安定資金残高が高水準で積み上がっている理由についてお聞かせいただけますでしょうか。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) この勘定は、先生御案内のように、事業主からの保険料で積み上がっているものでございます。この雇用保険二事業は、失業の予防等に資するための施策を実施するために雇用安定事業と能力開発事業というのをやっておりまして、雇用保険法に位置付けられているものでありますが、この雇用保険二事業については、やはり雇用失業情勢というのが急速に悪化した場合でも対応できるように予算を編成しているというのが基本的な姿勢であって、最近、このところ雇用失業情勢というのがかなり改善をしてきておりますので、今先生御指摘になったように、予算額と決算額に乖離が生じているということで、二十四年度以降の決算の収支の差引きの剰余がプラスになってきているということであります。  二十七年度末の雇用安定資金の残高は、予算ベースで七千八百十八億円ということで見込んでおりますけれども、例えば平成二十一年度は決算ベースで単年度で五千二百十二億円を取り崩したこともありますので、機動的な雇用対策を実施するためには一定規模はやはり保有しておかないといかぬというふうに思っているわけであります。  今後とも、この保険二事業の運営に当たって、今申し上げたような保険料負担者である事業主の意見も踏まえ、個々の事業の政策効果を絶えず検証して、PDCAサイクルによる目標管理を徹底することによって効果的で質の高い事業運営を徹底しなければならないというふうに思っております。

行田邦子日本を元気にする会・無所属会

○行田邦子君 確かに、経済状況によってこのニーズというのは変わってきますし、平成二十一年度は雇用調整助成金のニーズが非常に高まった時期でもあってニーズもあったというふうに思っております。一定程度の残高は必要だということは私も理解をしておりますけれども、現在かなりの高水準であると思っています。  なぜこの安定資金残高が増えていくのかという理由は、予算を安全なところで高く見積もるという傾向はあるにしても、それにしても、予算に比べてこの雇用保険二事業の事業がきちんと予定どおり執行されていないと、つまり執行率が低いものがかなりあるのではないかなというふうに思っていまして、今日は、多少細かくなりますが、各事業の執行状況について伺っていきたいと思っております。  まず、高年齢者雇用安定助成金について伺いたいと思います。  この事業なんですけれども、高年齢者の雇用の環境整備、それから高年齢者の円滑な労働移動を支援していくという目的の助成金なんですが、お手元に資料二をお配りをしておりますけれども、この資料二の左下を見ていただきたいと思うんですが、事業の執行率、平成二十五年度が二二%と低くなっております。これはどうしてこんなに低いのかなと思うんですが、この資料を作った後に私ちょっとまた別のを細かく見てみたら、二二%というのは廃止助成金の経過措置分も入れてなんですが、それを入れないと、何と支給額ベースで事業の執行率は一%なんです。  廃止助成金の経過措置を入れないと執行率が一%というのは余りにも低いと思うんですけれども、政府参考人に伺いたいと思います。なぜこんなに事業の執行率が低くなってしまったのか、どういうふうに分析をされているのか、そして平成二十六年度以降に向けてどういった改善をされたのか、お聞かせいただけますでしょうか。

広畑義久厚生労働省職業安定局雇用開発部長

○政府参考人(広畑義久君) お答え申し上げます。  平成二十四年の高年齢者雇用安定法の改正によりまして、企業は定年の引上げや再雇用等によりまして六十五歳までの雇用確保が義務付けられております。この助成金は、この改正法が平成二十五年四月から施行されることを踏まえまして、企業における高齢者の雇用の維持等を目的とし、平成二十五年度に創設された助成金でございます。  その内容は資料のとおりでございますが、二つございまして、一つは、高年齢者の活用促進のための雇用環境整備の措置を実施する事業主に対する経費助成を行う高年齢者活用促進コースと、定年を控えました高年齢者を離職を経ずに雇い入れた事業主に対する雇入れ助成を行います高年齢者労働移動支援コースの二つがございます。  平成二十五年度予算の事業執行状況については、今委員の方から御指摘があったとおりでございます。なぜ二十五年度の事業執行額が低調だったかということについてでございますが、まずは、事業主の負担を軽減するため十分の予算を確保したこと、それから、事業開始初年度でございまして周知等が十分でなかった、あるいは、事業申請までに一定の期間を要しますので初年度の実績が上がりにくかったこと、特に労働移動支援コースにつきましては、平成二十五年六月一日現在の企業のこの義務付けの達成率が九二・三%となるなど継続雇用の仕組みが浸透した結果、助成対象となる、定年前にほかの企業での雇用を希望する高齢者が余り生じなかったこと等があると思っております。  平成二十六年度予算におきましては、助成金の一層の活用が図られるよう支給要件の見直しを行ったことによりまして、実績等は前年から伸びてございます。特に活用促進コースにおきましては、支給申請の前提となる計画の認定件数が約一千件に達しておりますので、平成二十七年度以降、実績の更なる増加も見込まれてございます。  平成二十七年度予算におきましては、実績が十分に上がらない労働支援コースを廃止いたしまして、活用促進コースは実績を踏まえまして予算額を大きく削減したところでございます。

行田邦子日本を元気にする会・無所属会

○行田邦子君 是非、年に一回だけではなくて、不断の見直しを行っていただきたいと思っております。  そして次に、キャリア形成促進助成金について伺いたいと思います。  平成二十五年度の事業執行率は支給額ベースだと七七%ということなんですけれども、平成二十六年度を見てみますと、二月までの執行率ですが、二九%と非常に低くなっています。じゃ、三月に駆け込みがあるのかということをお聞きしたんですが、特にそういうことでもないということですと、平成二十六年度、非常に低調であります。  そしてまた、助成金コース、幾つかのコースがあるんですが、助成金コースごとの内訳を見ると非常に執行率にばらつきがありまして、例えば育休中・復職後等能力アップコースというのがありまして、育児休業中の方のブランクを埋めるための訓練に対する助成ですけれども、これが平成二十六年度の実績は、支給決定件数で七千件の予算に対して八件、支給額は十七億円の予算に対して百万円、〇・〇六%の執行率と極めて低い状況となっていますけれども、政府参考人に伺いたいと思います。同助成金コースの平成二十七年度の予算額をお聞かせいただけますでしょうか。

宮川晃厚生労働省職業能力開発局長

○政府参考人(宮川晃君) お答えいたします。  キャリア形成促進助成金の平成二十七年度予算額、全体では二百六十五億円でありまして、今御指摘の育休中・復職後等能力アップコース分、内訳といたしましては二十三億六千万円となっております。

行田邦子日本を元気にする会・無所属会

○行田邦子君 平成二十六年度で執行率がこれだけ低いと、〇・〇六%。なのに、なぜ平成二十七年度で予算を増やしたんでしょうか、大臣にお聞かせいただきたいと思います。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) このコースの助成金は、育児休業中それから復職後、再就職後の能力アップのための訓練という目的であるわけでございますけれども、一つは、育休中の者への訓練提供の困難性などを踏まえると助成率が十分魅力的なものではなかったということ、それから、訓練ニーズが見込まれる業界単位の取組を促す制度設計が十分ではなかったということ、それから、潜在的ニーズのある事業主に対する効果的な周知がきちっとできていなかったというようなことなどの要因によって、御指摘のように、平成二十六年度の活用実績は極めて低調ということを認めざるを得ないというふうに思っています。  このため、本年度から、まず第一に助成率の引上げをして魅力的な助成制度にするということ、それから、事業主の団体などが育休中の労働者、働く人を対象に訓練を実施した場合に助成する制度の創設をする、それから、関係機関と連携をした効果的な周知を実施して、より多くの企業にきちっと知っていただいて使っていただくということで、それを前提に予算額を増額をしたということでございまして、女性の活躍促進を図る上で、能力開発面の支援はやはりこれはこれ自体としては極めて重要だというふうに考えておって、今後とも、支給要件の見直しをしながら有効な支援策、助成策に仕立て上げていかなければならないというふうに思っておりますので、一層のこの中身の充実に努めていきたいというふうに思います。

行田邦子日本を元気にする会・無所属会

○行田邦子君 私も、育休中の、また職場復帰直後の訓練、また教育支援というのは必要だというふうに思っておりますけれども、やはりこれだけ執行率が低いというのは、これは根本的に何か見直しが必要だと思っていまして、今大臣の御答弁ですと、助成率を二分の一から三分の二に上げるということだと思いますが、それも一つあるんですが、また周知を徹底するということもあるんでしょうけれども、それだけで本当にきちんとこの事業が有効に使われるのかどうかということを疑問を感じておりますので、今後も、じゃ平成二十七年度終わった段階で実際はどうだったのかということをきちんとチェックをしていきたいというふうに思っております。  そして、今質問させていただいたコースなんですが、育休中・復職後等能力アップコースなんですが、このコースの内容は両立支援助成金の中小企業両立支援助成金、休業中能力アップコースと重複しているのではないでしょうか。

宮川晃厚生労働省職業能力開発局長

○政府参考人(宮川晃君) お答えいたします。  お尋ねの育休中・復職後等能力アップコース、これは企業の能力開発の取組を支援する助成制度を一元化するということで効果的な運用を図る観点から、御指摘のありました中小企業両立支援助成金、それの休業中能力アップコースを廃止いたしまして、キャリア形成促進助成金のメニューといたしまして平成二十六年三月に創設したものでございまして、現時点でいわゆる併存しているものではございません。

行田邦子日本を元気にする会・無所属会

○行田邦子君 この休業中能力アップコースをなくしてキャリア形成助成金の方に組み入れたということで、つまり焼き直しをしたということだと思うんですけれども、それではお聞きしたいんですけれども、この休業中能力アップコースなんですが、執行率が平成二十五年度で三一・八%でした。この三一・八%というのも低いは低いんですけれども、焼き直しをしたことによって〇・〇六%の執行率に下がってしまったと。これ、どういうことでしょうか。

安藤よし子厚生労働省雇用均等・児童家庭局長

○政府参考人(安藤よし子君) 御指摘のありました休業中能力アップコースにつきましては、育児休業などからの円滑な職場復帰を目的とした能力開発を実施した事業主などに支給するものでございまして、平成二十五年度における事業執行率が低かった理由としては、厳しい財政事情を背景といたしまして、支援対象の重点化を図るために、平成二十三年九月より支給対象を中小事業主に特化するとともに、より高い政策効果を狙って、次世代育成支援対策推進法の一般事業主行動計画の策定、届出を全ての事業主に要件に追加したというようなことが考えられるところでございます。  後続の助成金でございますキャリア形成促進助成金につきましては、大企業も支援対象としたところでありますし、また次世代法の行動計画も要件にはなっておりませんが、新たな枠組みの下で助成金の仕立てについて組み直した結果、事業執行率が下がったものでございますが、先ほど大臣がお答えしたとおり、中身について見直しを図っているということでございます。

行田邦子日本を元気にする会・無所属会

○行田邦子君 御説明いただきましたが、私は、これだけ事業の執行率が低いものはたくさんほかにもあるんですよ、これ恥ずかしいと思います。これ、どういうふうに実際に雇用保険料を払われている事業主に説明ができるのかということをよく考えていただきたいなと思っています。  それで、大臣に伺いたいんですけれども、こういった雇用保険二事業の事業を策定する際に、それは途中途中のレビューだけではなくて、策定する際に、是非事業主だけではなくて労働者の意見をきちんと聞く、あるいは調査をするということをしっかりやっていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) おっしゃるとおりで、パブリックコメントも含めて様々な人の意見をやっぱり聞いた上でやっていかないと、こういった執行率というのは私も今回初めて見ましたけれども、やっぱりちょっと驚くような数字ではありますから、こういうことがないように注意をしていかなきゃいけないなというふうに思っております。

行田邦子日本を元気にする会・無所属会

○行田邦子君 先ほども申し上げましたけれども、今日、今回の決算委員会の質問に当たりまして、厚生労働省の皆さんに御苦労いただいて、資料をいただいたんですけど、見ると本当に、これは一体何でこんなに執行率が低いんだろうというものがほかにもたくさんあります。  例えば、労政審できちんと意見を聞いているというふうに厚生労働省の担当の方はおっしゃいますけれども、労政審のメンバーというのは代表の代表の代表のような方ですから、そうではなくて、もっとニーズに合った事業の策定というのを事前に様々な方の意見を聞いてやっていただきたいというふうに思っております。  そして、もう一度大臣に伺いたいと思うんですけれども、雇用保険二事業というのは特別会計の中にあって、税金を使っていないけれども雇用保険料という事業主が払っている雇用保険料が財源となっているということで、なかなか事業が細かく分かれているせいもあってチェックが私はずさんだというふうに思っております。もちろん、これを政務三役の方、大臣が一々チェックするわけにはいかないと思っています、非常に多岐にわたっていますので。ですので、厚生労働省の中で事業の評価システムというものをきちんと構築すべきだというふうに思っております。そうしないと、雇用保険料を払っている事業主に説明ができないというふうに思っています。  例えば、年度ごとにレビューをするだけではなくて、民間だと大体半期ごとあるいは四半期ごとに事業の執行率というのを見直して、随時予算を減らしたりまた増やしたりしていくわけですので、そういった見直しというのも必要だと思いますが、いかがでしょうか。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) 今お話があったように、この勘定は事業主から拠出をしていただいているわけでございまして、先ほど労政審はかなり偉い人しかいないというお話ですけれども、拠出をしている代表の人たちが来ているならば、そこはやっぱりちゃんと議論していただいているはずでありますから、そこのところはしっかり更に議論を深めていただくしかないんだろうなというふうに思っています。  役所の中でのPDCAサイクルというか、これについて今御指摘があったと思いますけれども、おっしゃるとおり、貴重な拠出をいただいているこの勘定を効果のある雇用政策として、女性の活躍にしても何にしても、育児支援にしても、やはりそれは極めて大事でございますので、今でも、もちろん二十七年度予算案においても評価の低い事業について見直しをして、二十六年度予算から見ると三百七十億削減をしているところではありますが、今先生御指摘になったとおり、まだまだ見直さなければいけないところもありそうでありますので、改めて、効率のいいやはり政策執行がなされるように、我々としても省内での政策立案の、何というか、質を上げるということも含めてやっていきたいというふうに思います。

行田邦子日本を元気にする会・無所属会

○行田邦子君 終わります。

薬師寺みちよ無所属クラブ

○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。  今日は、会計検査院から指摘をされました不適事項として、厚生労働科研というものの交付が過大であったという件について取り上げてみたいと思います。  皆様方のお手元にも資料一というものを準備させていただいておりますけれども、これは、一研究機関に所属する三名の研究者が実施している三十一の研究事業において不適正な、これは会計処理ですね、処理を行ったために、国庫補助金会計というものが約一千五百万過大に交付されていて、不当だと判断をされた事例でございます。  これを見ていただいても分かりますように、この二十五年度は三件ですけれども、その前の年は十件ということで、毎年毎年やっぱり同じことが繰り返されております。毎年毎年繰り返されているこの状況をどのような対策を打っていらっしゃるのか、まずは厚生労働省の方からその対策について詳しく御説明いただきたいと思います。

鈴木康裕厚生労働大臣官房技術総括審議官

○政府参考人(鈴木康裕君) お答え申し上げます。  厚生労働科学研究費補助金につきましては、研究者において適正に処理されるということが大変重要でございますので、研究機関における公的研究費の管理、検査のガイドラインの発出、それから関連通知の発出によって、その適正な管理、それから経理の実施につきまして研究者及び研究機関の長に周知をしたところでございます。  また、厚生労働省所管の施設等機関に対しましては、定期的に監査を実施しておりますし、必要に応じて、補助金適正化法第二十三条に基づき、研究者からの報告聴取、それから立入検査というものを実施しております。  さらに、研究者が不適正な経理を行った場合には、補助金を返還させるとともに、研究機関に対しても間接経費の削減を行うということにしております。  今後とも、これらの取組を通じまして、厚生労働科学研究費補助金の適正な経理を確保できるようしっかりと対応していきたいというふうに思います。

薬師寺みちよ無所属クラブ

○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。  今お聞きいただきましたように、ガイドラインだとか通知だとか内部監査だとかということで、まだまだかなり甘い状況というものが続いております。  実は昨年度、私は決算委員会におきまして、前厚生労働大臣でございます田村大臣にも臨床研究に関する倫理指針の見直しについて質問をさせていただきました。その際には、法整備するかしないか、する場合にはどういう内容かということも含めて検討会を立ち上げるという御答弁をいただいております。  その御答弁を受けてというわけではないんでしょうけれども、昨年度、十二月十一日に、臨床研究に係る制度の在り方に関する検討会というものが報告書を出しております。この報告書の中では、一定の範囲の臨床研究について法整備が必要との結論に至ったという報告、そしてさらに、十二月二十二日には、倫理指針の改定として、人を対象とする医学系研究に関する倫理指針というものが出されました。それが皆様方にお配りいたしております資料二でございます。  今まで、これは、疫学研究に関するもの、そして臨床研究に関するもの、二本に分かれていたものをようやく一本化いたしました。人を対象とする医学系研究に関する倫理指針というふうにまとめ上げたんですけれども、これ本当に実はいいチャンスだったんですね。これで、指針というものだけではなく法制化をするということ、これ大きなチャンスを失ってしまったんではないのかなと私は考えますけれども、別途検討もしていただいているのかどうなのか、その状況について大臣に、お知らせいただけますでしょうか。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) 今先生から御指摘をいただいた年末のこの倫理指針でありますが、高血圧症治療薬の臨床研究における不正事案があって、それを受けて平成二十六年の四月に取りまとめられた検討委員会の報告書においては、臨床研究の信頼性及び質を確保するためには、やはり臨床研究に関する倫理指針を見直すとともに、臨床研究の信頼回復のための法制度の必要性について検討を進めるというふうにされております。  このため、倫理指針については、倫理審査委員会の委員構成の見直しとか、あるいはモニタリングによるデータ改ざん防止のための規定の新設などを行って、人を対象とする医学系研究に関する倫理指針として今お話があった昨年十二月に公表されたものでありますが、さらに、これは昨年四月以降のこの検討会における検討に基づいて今作業を、臨床研究の法制化については作業を進めているところでございまして、決してまだ法整備がなされずに終わってしまったということではないということでございます。

薬師寺みちよ無所属クラブ

○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  私も実は臨床におきましては研究を御協力をお願いしていたという立場でございますので、これは絶対にしっかりと法制化をすべきだというふうに主張をさせていただきます。  次に、では橋本政務官にお伺いをさせていただきたいと思います。  この報告書の中で、過度の法規制を導入した場合に研究の萎縮をもたらすということが懸念されるという記載がございました。研究の萎縮というものはどのような点が指摘されたのか教えていただけますでしょうか。

橋本岳自由民主党厚生労働大臣政務官

○大臣政務官(橋本岳君) お答えをいたします。  臨床研究に係る制度の在り方に関する検討会というところで検討を行ってきたわけですが、その検討会におきまして過度の法規制を導入した場合の研究の萎縮の例として挙げられたことは、例えば事務手続や人員面、費用面での過大な負担が生じ研究に要する期間も長くなることから研究の実施をためらうこと、あるいは罰則の適用を恐れ研究者が新たな研究課題に取り組むことをためらうことなどの御指摘があったところでございます。

薬師寺みちよ無所属クラブ

○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  でも、この研究の萎縮というものが被験者保護という観点からいけば当然な配慮というもので導かれるものであれば、これは守られなければならないことだと思うんですけれども、御意見いただけますでしょうか。

橋本岳自由民主党厚生労働大臣政務官

○大臣政務官(橋本岳君) 御指摘をいただきましたように、臨床研究の実施に当たりまして被験者の保護というのは当然大事なことで、配慮が必要なことでございます。先ほどお触れをいただきました人を対象とする医学系研究に関する倫理指針においても、インフォームド・コンセントの実施や倫理審査委員会における審査等が規定されているところでございます。  ただ、他方、研究というのは、やっぱり研究者の独自の発想だとかアイデアに基づいて伸び伸びと研究をしていただくということがいい研究あるいは新しい研究というものにつながっていく面というものもあるんだろうというふうに思っております。逆に申し上げますと、医薬品、医療機器等の開発は医学的課題の解明には不可欠なものであるわけですけれども、例えば日本国憲法第二十三条という大上段なことを言えば、「学問の自由は、これを保障する。」ということにもなっておりまして、そうしたものにも配慮を求められることですから、過度に法規制の導入をすることによって先ほど申し上げたような事務手続や人員面、費用面での過大な負担等による研究の萎縮が生じてしまうということも、またこれはこれで問題なんだろうというふうに思っております。  ですから、先ほどの検討会の報告書によりましても、法規制による対応のみならず、研究者等による自助努力や法規制によらない対応方策とのバランスを図ることが重要ということにされているわけでございまして、その被験者保護の観点も含め、また別の様々な観点を含めて今検討作業を行っていると、こういうところでございます。

薬師寺みちよ無所属クラブ

○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  今、検討の実行につきまして詳細にお知らせいただいたところでございますけれども、皆様方、資料三を御覧いただきたいと思います。これは、世界の被験者保護の歴史と言われるようなものでございます。  実は、なぜ私はこう被験者、被験者というふうに申し上げているかというと、これは第二次世界大戦のナチス・ドイツの人体実験というところから事が始まります。これは日本でも例外ではございません。日本でもやはり人体実験を行ってきたという歴史もございます。そこから、ドイツにおきますニュルンベルグ綱領、それから一九六四年にはヘルシンキ宣言、そしてそのヘルシンキ宣言というものが世界医師会が提案したにもかかわらず、アメリカにおいてタスキギーの梅毒研究という、これは事件と呼ばれておりますけれども、タスキギー事件というものが起こってしまった。これを契機に、被験者というものの権利を認めしっかりと保護をしなければならないとしてうたわれたのがこのアメリカの法規制、国家研究規制法でございます。ですから、アメリカにおいても、やっぱり被験者保護というものが主軸になってしっかりとやっぱり国家研究というものの在り方が見直された。  それを受けまして、この法律後設置した委員会が作成したのがベルモント・レポートと呼ばれる、まさにこれがグローバルスタンダードという考え方でございます。ですから、こういうように、グローバルスタンダードでは、被験者保護というものがまず中心にあり、それから何をやらなければならないのかということが付随してくる。  ですから、今回行われたデータの捏造というものは、研究として信頼性、科学性というものをないがしろにした、医学研究の根幹を揺るがしたと言っても過言ではないと思います。人を対象とする、特に人を対象とする医学研究では、データの捏造は被験者の自発的な貢献というものをないがしろにいたしますし、被験者に過度の不適な負担、場合によってはこれは医学的な侵襲さえももたらすものとなってしまいます。データの捏造がなされるということは、研究者に被験者保護の倫理が根付いていないのではないかとも考えられます。  被験者保護の視点というのは絶対に不可欠であって、これ、今後、法制化についても検討中だということでございますけれども、やっぱり主軸と考えるべきだと思いますけれども、大臣の御意見いただけますでしょうか。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) 今先生お配りをいただいたリストの中にも、最後にヘルシンキ宣言というのがございますけれども、この中でも被験者保護は臨床研究を実施する際の大前提だということを高らかにうたっているわけでありまして、先ほど来出ている人を対象とする医学系研究に関する倫理指針においても、やはりこの被験者保護への十分な配慮を求めているわけであります。  したがって、先ほど申し上げた現在行っている法制化に向けた検討においても、当然のことながら、この被験者保護の観点を含めて作業を行っているということでございます。

薬師寺みちよ無所属クラブ

○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  しかし、研究者の学問の自由というもの、先ほど橋本先生も教えていただきましたけれども、それによって萎縮が起こってしまってはいけない。ですから、被験者の生命、そして命に関わることに関してはしっかり守っていかなければならない。  やっぱりこれを、バランスがとても大事だということは私も理解しておりますけれども、そのバランスを取る上で、今先ほどもお示しいただきましたように、まだまだ指針であったり告示であったりというものでございます。もう今の時代、このような倫理指針によって生命に関わるような問題ということを規制をしていく、法律で規制しないで告示で決めるということに関して、ちょっとこれは立ち遅れているんではないかなと思いますので、もう一度大臣の方からしっかりと、その段階において、法制化につきまして、必要であるということをお示しいただければと思いますが、いかがでしょうか。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) 臨床研究について、医薬品、医療機器などの開発や、それから医学的な課題の解決にこれはやはり不可欠なものであって、憲法における学問の自由、先ほど橋本政務官からも申し上げましたけれども、への配慮も求められているからこそ、法規制ではなく、研究者等による自主的な取組の中で被験者保護や適切な研究の実施を図ってきたわけでありますが、一方で、昨年十二月にまとめられた検討会の報告書では、臨床研究に関する信頼回復のためにはやっぱり欧米の制度などを参考に法規制を導入すべきというふうにされたことを踏まえて、現在法制化に向けた作業を行っているわけで、先ほど萎縮の話が出ましたが、この萎縮のことでも、じゃ、アメリカでこれだけ厳しく法的にやっているのになぜアメリカで臨床研究が進んでいるのか。それから、罰則の適用を恐れてということならば、罰則を受けないようにやればいいだけの話であって、そういうことを考えてみれば、やはり法制化に向けた作業を我々としては進めなければいけないんではないかと、こう思っています。

薬師寺みちよ無所属クラブ

○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  これ、私、ここで取り上げただけではなく、厚生労働委員会の中でも同僚議員から様々な意見が出ているかと思います。それだけこれは重要な問題でございます。もちろん医療の産業化といった面も大事ですけれども、それに対しまして、先ほども私申しましたように、これは被験者の皆様方というのは善意で参加をしてくださるんですね。ですから、その善意で参加してくださる皆様方にとってしっかりと安全を担保していく、これはもう当たり前のことです。  ですから、是非是非、そのバランスをじっくりと考え、そして一番いいものとして出口を法律として出していただきますことを私も願っておりますので、今後ともしっかり厚生労働委員会の中でも議論をさせていただきたいと思います。  以上で終わります。ありがとうございました。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 社民党の又市です。  最初に、麻生財務大臣に国の債務問題についてお尋ねをしたいと思います。  二〇一三年度予算の公債依存度は四〇・八%、歳出に占める利払い費は九・九%、公債残高は対GDP比で一五四%となっています。今年度の予算では、公債依存度は三八・三%と低下していますけれども、歳出に占める利払い費は一〇・五%、公債残高は対GDP比一五九・八%に増えて、見るべき改善はありません。  政府は、一昨年八月の閣議了解の文書、「当面の財政健全化に向けた取組等について」という中において、「経済再生が財政健全化を促し、財政健全化の進展が経済再生の一段の進展に寄与するという好循環を目指し、持続的成長と財政健全化の双方の実現に取り組む。」として、国、地方を合わせた基礎的財政収支を、二〇一五年度までに二〇一〇年度に比べ赤字の対GDP比を半減、二〇二〇年度までに黒字化、その後、債務残高対GDP比の安定的な引下げを目指すという目標を掲げておられるわけですね。  その後、消費税の一〇%増税の延期もあったわけですけれども、まあ私たちはこれは断固反対ですけれども、ともあれ、財政健全化の旗を下ろすことなく、二〇二〇年度の黒字化目標の達成に向けた具体的な計画をこの夏までに策定するということで、昨年十二月にこれは閣議決定されておりますね。  今後策定される具体的な計画が単に歳出削減策であればこれは大問題なわけで、税収が伸びた今年度予算でも地方財源総額は地方創生関係費で辛うじて維持されただけでありまして、また、今日もずっと午後から出ておりますけれども、社会保障の自然増分も概算要求から四千百億円圧縮される、逆に補正予算前倒しを含めて防衛費だけは順調に伸びているという、これが実態であります。  そこで伺うんですが、この巨額な国、地方の債務がなぜ生まれたかということの総括というのは大事だろうと思うけれども、そのことをどのように見ておられるのか、これをどう解消していこうというのか。場当たり的な削減しやすいところをカットして歳出削減を図るというのでは国民生活を圧迫するだけでありますから、そんなことであってはならない。小泉構造改革では、市場主義、資源の効率的配分、小さな政府論ということが多く叫ばれたんですが、結果としてこれは格差を拡大をして財政を悪化するだけだったんではないのか。  そこで、麻生大臣の今後の処方箋をひとつ伺いたいと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 特例公債、いわゆる赤字公債の発行から今日までということですけれども、脱却ができたのが平成二年だったと思いますので、今年度末の国債残高と比較いたしますとプラスの約六百三十兆円増加、この間に約二十五年ありますけれども、そういったことになろうと思います。  その増加原因というものを歳出面、歳入面と両方から見てみますと、歳出面の要因約三百五十八兆円の大半というものは、社会保障費の関係費の増加が約二百三十兆、それから地方交付税の増加が約八十一兆、これによって大体説明ができると思っております。歳入面の要因、約百四十六兆円になりますけれども、これは、景気の悪化や減税による税収の落ち込み、これが百九十九兆円、この差額の五十兆超は、これは税外収入と御理解いただければと存じます。  加えて、こういったようなことが起きた背景というものを考えますと、一つは、やっぱり人口の減少、また急激な高齢化も大きかったと思いますし、何といっても、バブル崩壊後極めて長期にわたった資産のデフレーションによる不況といったものの要因がありましたので、ある程度やむを得ない部分もこれはあったと、私どももそう思っております。  しかしながら、社会保障とか行政のサービスを受けております現世代がこのツケをそのまま次の世代に残していくというような状況というのは、これはとても持続可能な状況とは言い難いということだと思っております。したがいまして、まだ先送りができております今のうちに経済再生と財政の健全化というものをしっかりやっておかにゃならぬということだと思います。  したがいまして、今言われましたように、二〇二〇年度、この二〇一五年度半減目標は一応この予算で達成できるということになりつつありますので、次の目標として、二〇二〇年度の国、地方の基礎的財政収支の黒字化目標というものにつきましては、これはしっかりこれを堅持しますと、いろんな御意見がありましたが、いや、二〇二〇年度のゼロ、均衡しますということは、これは維持しますと。  加えて、そういったものをきちっとするためには今言っている内閣府の試算ではとても足らないことになっておりますので、そういったものに関しまして我々は具体的な計画をこの夏までに作成するということであります。ただ、作成に当たりましては、今御指摘のありましたように、歳出削減だけでできるかということを言われましたけれども、それはできないのは当然なんであって、御指摘のように、それだけではなくて、きちんとしたものを取り組んでいかないかぬ。すなわち、資産デフレーションからの脱却であり経済の成長であり、歳入の改革であり、歳出の改革であり、そういったものの三つを柱としてやっていくということでありまして、経済財政諮問会議等々においてはこれが主たる次の議題になっていこうと思っております。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 今お話しになった点、幾つかうなずけるところもあるんですが、どうも社会保障費や地方財政の財源の確保が財政危機の原因であるという点について言えば、ちょっと同意しかねる。元々随分と、あの公共投資四百三十兆円、最後が六百三十兆円なんという、そういうことを言った時代、野方図に公共事業が増えていく、景気動向と関係なしにそんなこともやられたという問題などもありますし、一方ではやはり、とりわけ法人税減税などという問題、最高税率を所得税も含めて下げてきたという問題などもこれはあるんだろうと思う。現実問題としてそういう課題をしっかりとやっぱり見ておかなきゃいかぬと、こう思います。  そこで、政府は、経済再生が財政健全化を促し、財政健全化の進展が経済再生の一段の進展に寄与するという好循環を目指すとされているわけですけれども、仮に経済成長が政府の目指す名目で三%、実質二%を達成すれば、これは金利も当然上がるということになります。  今年二月の経済財政諮問会議に提出された中長期の経済財政に関する試算でも、経済再生の場合の名目長期金利は今年度で一・二%、二〇二〇年度では四%と、こうなっていますね。国債費は同時期に二十三兆五千億円から三十七兆円に増大をし、公債等残高の対GDP比は同時期に一九五・一%から一八六%に若干低下するということで、その後は横ばいで一八〇%を切ることはない、こんな格好で読めます。税収は五十四兆五千億円から六十八兆四千億円、若干の伸びということにとどまっておるわけで、税収の伸びは実際的には国債費の増大で相殺されてしまうのではないのかということがあると。  政府が考える最良のシナリオがこういうことだとすると財政再建は大変に困難なわけであって、経済再生が財政健全化を促し、財政健全化の進展が経済再生の一段の進展に寄与するというのは、逆に言うと、これは絵に描いた餅になってしまわないか、そこをどうされるのかということをお聞きしたいと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 今のは、内閣府の中長期の試算の経済再生ケースというのは、名目成長率は三%以上だったと思いますが、この経済成長に伴いまして税収が増加するという一方、金利も上昇していく、徐々にではありますが、上昇して利払い費が税収増と同じ程度に増加するとの姿が示されておりますのが内閣府の試算でありまして、よく知っているところでもあります。  一方で、この試算では、名目成長率が一%半ば台のいわゆるベースラインケースと言っておりますけれども、このケースにおいては、経済再生ケースと比べますと、これは当然のことで、金利は低く見込まれておりますけれども、国債費の伸びも小さくなるというふうに試算されております。当然、金利が低くなります分だけ公債費も低くなる、伸びも小さくなるということですが、経済成長率が低いために税収の伸びは国債費以上に鈍化する、そう見積もられております。国債費以上に鈍化すると見積もられていることになると、基礎的財政収支を、利払い費を含めました財政収支もより悪化する姿になるということになろうと思います。  この二つの試算を見て言えることは、財政健全化を進めていくためには、これは間違いなく経済成長は重要ですけれども、経済成長だけでは不十分である、もうこれははっきりしていると思っております。  したがいまして、政府としては、デフレ脱却、経済再生だけではなくて、歳出改革とか歳入改革とかこういった三つの柱を軸に取組を進めていくということで、政府の債務残高、対GDP比でいうところのいわゆる分母、経済成長ということだけではなくて、分子の財政収支の改善というものの取組ということもこれも欠かすことができない、両方きちんとやっていかねば達成はできないというように考えております。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 まあ今日も時間も余りありませんから。  いずれにしても、一面で、デフレは何で起こってきたかという問題、これは何回か議論をさせていただきました。そういう点でいうと、やっぱりこの十数年間ずっと、政府も、一方で企業の側も、労働者の賃金どんどん下げようみたいな、こんな格好が、結果として消費が伸びない、経済成長を鈍化させてきた、デフレを招いた。やはりここのところを、労働者を安くこき使う、そんな格好をやっているから、逆の意味で社会保障費もまた出ていく、こういう問題もあるわけで、この面も含めて是非ともしっかりと対応方をお願いしておきたいと思います。  次に、厚労省関係に移りたいと思いますが、会計検査院は、一昨年十月に、地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金等により整備した地域密着型施設の利用状況について厚労省に改善を求められたわけですが、そして、本委員会は、平成二十三年度、二十四年度決算審査を踏まえて、政府に対して措置要求決議をいたしました。  これについて二月に政府が講じた措置について報告が出されましたけれども、簡単に検査院から、どのような指摘と改善を求めたのか、そして厚労省はどのような措置を講じたのか、簡潔にお答えいただきたいと思います。

村上英嗣会計検査院事務総局第二局長

○説明員(村上英嗣君) お答えいたします。  会計検査院は、地域密着型施設の利用状況につきまして、厚生労働大臣に対しまして、平成二十五年十月に、会計検査院法第三十六条の規定によりまして改善の処置を要求いたしております。  その指摘の概要についてでございますが、本件整備交付金等により整備されました地域密着型施設の利用状況等について検査いたしましたところ、二十五都道府県の百五十三市区町村等に所在する二百五十五事業所につきまして、施設が全く利用されていないものが八事業所あり、また、平均利用率が五〇%を下回っていて利用が低調となっているものが二百四十七事業所あるなどの事態が見受けられております。  そこで、本件整備交付金等の事業効果が十分に発現するよう、都道府県等が交付申請の審査等を行うに当たっては需要の有無等の把握を的確に行ったかについて十分に確認すること、また、市町村におきまして、地域密着型施設の整備後の利用状況を的確に把握して事業所を指導すること、施設のサービスの機能や特徴について要介護者等に十分周知することなどにつきまして改善の処置を要求したものでございます。  厚生労働省のとった改善の処置ということでございますが、私ども処置要求した事項につきましては、翌年度の検査報告に改善の状況を掲記いたしているところでございまして、厚生労働省におきましてその後の処置状況について会計実地検査を行いました結果、厚生労働省におきましては、本院の指摘の趣旨に沿いまして、先ほど申し上げました改善の処置に該当する処置を講じておったところでございます。

永岡桂子自由民主党厚生労働副大臣

○副大臣(永岡桂子君) 厚生労働省といたしましては、会計検査院の指摘を真摯に受け止めまして、再発防止を図る観点から、二十六年の二月の全国都道府県の担当課長会議におきまして、整備の審査の段階でサービスの需要見込みの更なる精査を行うこと、また、施設整備が終わりました後の利用状況につきましてフォローアップの実施などを行うように都道府県から市町村に周知徹底をお願いしたところでございます。  さらに、平成二十六年の八月には、この交付金に係ります交付要綱を改正いたしまして、交付金の交付に当たりまして、当該施設の需要見込みですとか利用状況などにつきまして市区町村から国に報告をする仕組みを設けたところでございます。  今後とも、介護施設などの適切な整備に努めてまいります。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 改善努力、重ねて求めておきたいと思いますが、それはそれとして、検査院の報告をよく読みますと、現在の介護についての問題点がよく見て取れます。  それは、認知症対応型通所介護が一般の通所介護に比べて介護報酬が高額であることから、認知症の要介護者等が通所介護事業所を利用してしまうということ、つまり、せっかく施設があるんだけれども負担金が高いために利用されない、こういう状況。また、小規模多機能事業所は通所を想定しているが、利用者等は宿泊を望むことが多いという点でありまして、つまり宿泊ニーズが満たされていないという事実があります。さらに、要介護者等やその家族が認知症であることを隠す、こういう傾向があることも指摘をされておりました。  これらの問題はもちろん一朝一夕に解決はできませんけれども、改善すべき課題として是非ともこれは認識をしていく必要があると思いますが、この点について大臣の問題意識をお伺いしたいと思います。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) 先生今御指摘になられたとおり、同様な施設が既にあって、新たに導入したところが値段が高いということで全く行かないとか、そういうこともあったということでもありますし、認知症を隠そうとするということに関しては、今我々、新オレンジプランで、認知症になっても地域でそれぞれ誇りを持って暮らしていけるようにということでやっておりますけれども、いずれにしてもやはりニーズの把握をきちっと最初にやるということ、そしてやっぱり選択をしてもらうためには、比較をした上で優位であるということが分かるように仕組まないといけないということに尽きるんだろうなというふうに思うわけであって、今回の指摘をきっかけとして、既に始めてはいますけれども、更にニーズに合った、そして使い勝手のいいものにしていかなければならないというふうに思います。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 是非努力をしてほしいと思うんですが、現実の介護保険制度、まだ多くの問題があります。  昨年、地域医療介護推進法が成立をいたしました。今回最も大きな介護保険制度の改定は、要支援者向けの訪問介護と通所介護を国の予防給付から外して市町村に移行する、こういう点だろうと思うんですが、市町村独自の事業となるために、市町村の財源や取り組む姿勢、地域の基盤等によって地域間格差もこれは広がりかねない。認知症高齢者の多くが要支援サービスを利用しておるわけであって、早期発見、早期対応の認知症ケアに支障が出ないかも大変心配をされるということがあります。  そもそも、在宅高齢者の介護について本格的な実態調査は行われていないわけですよね。市町村が実態調査にやっぱりしっかり取り組んで、利用者、家族あるいは事業者等、現場の声を十分拾い上げて、本当に必要なのは何か、問題解決の担い手としてふさわしいのは誰なのか、基盤整備等、点検をすべきだと思うんです。国はデータに基づいて国民が納得できる在宅介護の方向を設計すべきだろうと思うんです。  ちょっと時間がありませんから、ここのところは答弁求めませんけれども、よくよく見てみますと、この間、六十五歳以上が支払う全国平均保険料は、第一期二千九百十一円から第五期は四千九百七十二円に増大をしてまいりました。また、現在、介護保険の利用者負担は一割負担ですけれども、八月からは、収入、単身で二百八十万円以上、夫婦で三百五十九万円以上の人は二割負担に引き上げられると、こういうことになったわけですね。  必要なサービスの利用を手控えて要介護度が上がってしまったのでは、何のための保険なのかということにこれはなりかねない、それは大臣もその懸念はお持ちだろうと思う。今後、国民、自治体、国の費用負担が更に増加することが予想される中、サービスを必要とする人がサービスを受けることができる体制づくりは、介護保険制度の信頼を高めるためにも是非必要であります。  そのために、まず介護保険の財政状況や給付の実態状況全体を調査することが必要だろうと思うので、そこで、委員長にお願いですけれども、本委員会として、介護保険制度の実施状況について、国会法百五条に基づいて会計検査院に検査要請を行っていただくようにお取り計らい願いたいと思います。

小坂憲次自由民主党

○委員長(小坂憲次君) 又市君のお申出につきましては、後刻理事会で検討させていただきます。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 終わります。ありがとうございました。

小坂憲次自由民主党

○委員長(小坂憲次君) 他に御発言もないようですから、国会、会計検査院、財務省、金融庁、厚生労働省、株式会社日本政策金融公庫及び株式会社国際協力銀行の決算についての審査はこの程度といたします。  次回は来る二十日午後一時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後六時六分散会

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