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189回国会参議院2015/06/09

外交防衛委員会 第20号

発言数
170
登壇者
19
会派数
7
開催日
2015/06/09

会議録

片山さつき自由民主党

○委員長(片山さつき君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、前田武志君及び松山政司君が委員を辞任され、その補欠として藤田幸久君及び太田房江君が選任されました。     ─────────────

片山さつき自由民主党

○委員長(片山さつき君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  防衛省設置法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官前田哲君外十三名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

片山さつき自由民主党

○委員長(片山さつき君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。     ─────────────

片山さつき自由民主党

○委員長(片山さつき君) 防衛省設置法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 自民党の佐藤正久です。  これまで、防衛省設置法につきましては、当委員会での議論を重ねてまいりました。その中で一つ焦点となったのが、文民統制の在り方です。  ここで大臣に答弁を求めたいと思いますが、自衛隊内の文官が自衛官を統制するいわゆる文官統制なるものは、これまでも、これからも存在しないし、あり得ないというのが政府の見解でしょうか。簡潔な答弁をお願いいたします。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 文民統制における内部部局の文官の役割は、防衛大臣が文民統制を担う際の補佐であり、防衛省設置法第十二条は、官房長及び局長が防衛大臣を補佐する旨を明確に定めております。  一般に、補佐の意味は、部下が上司を助けることであり、他人の行為の消極的な制限又は禁止あるいは積極的な下命という意味である統制を補佐者として行うことはできません。  こうしたことを踏まえれば、従来から、政府として、文官が部隊を統制するなどの文官統制の考え方は取っていないことは明らかでありまして、今般の組織改編後もこの点には変更がございません。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 いわゆる文官統制は、これまでもなかったし、これからもないという答弁をいただきました。  一方で、やはりそれぞれが特性を持って大臣を補佐するにおいては、相手を理解するということも非常に大事だと思います。実際の部隊の運用においても、やはり自衛官も文官の方々の政策的な見地をアドバイスもらうというのも非常に大事で、私自身も、イラク派遣当時、内局の文官の方が部隊に入っていただき、いろんな面で政策的な助言をいただきました。非常に有効だったと思っております。  そういう意味におきまして、内局への自衛官の定員の配置、あるいは逆に、統幕や部隊への内局経験者の配置等は非常に有益だと思っております。ただ、この施策はまだ緒に就いたばかりであり、この施策というのは今後とも更に進めるべきだというふうに考えますが、大臣の御見解をお聞かせください。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 非常に今、安全保障環境が一層厳しさを増していることを踏まえますと、防衛大臣の意思決定については的確性を確保しつつ迅速化を図ることが必要でございます。そのため、防衛省改革におきましては、文官と自衛官の一体感を醸成しつつ、文官及び自衛官のそれぞれの専門性を最大限生かすべく、文官と自衛官の相互配置を進めることといたしております。  平成二十七年度におきましては、内部部局の自衛官の定員は計四十八名となることに加えて、千四百名の文官と四百名の自衛官から成る防衛装備庁を発足させるとともに、統合幕僚監部に新たに約四十名の文官を定員化することといたしております。これにより、自衛官が文官と協働する機会は飛躍的に増大しまして、一体感、これは更に醸成されると考えております。  文官と自衛官の相互配置につきましては、政策的見地からの大臣補佐と軍事専門的見地からの大臣補佐がいわゆる車の両輪として行われる体制を前提としつつ、文官と自衛官の一体感を醸成する観点から、引き続き継続して検討することといたしております。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 是非お願いしたいと思います。  これは最終的に、内局の各幕レベルが大臣を補佐するだけではなく、各部隊レベルでも、お互いに、そういう意思決定の際に両方の見地、非常に大事ですから、中央と地方においての相互交流というものも併せて検討をお願いしたいと思います。  次に、防衛装備庁でございますが、これも、これまでこの委員会でいろいろ議論を尽くしてまいりました。装備品のライフサイクルを意識したプロジェクト管理や、海外への装備移転、技術協力の政策、あるいは統合を意識した研究開発等の狙いという様々なものを達成する上では、防衛装備庁の新設は非常に重要だと考えます。  ただ、今回の政策というのは百点満点ではないかもしれませんが、トライ・アンド・エラーというものをちゃんと意識をしながら、更にいいものを引き続き目指して前に進めていただきたいというふうに思います。  次に、平和安全法制について、何点か大臣の認識を確認したいと思います。  まず、資料一を御覧ください。重要影響事態と存立危機事態との関係についてお伺いします。  重要影響事態と存立危機事態の関係です。共にいまだ日本への直接の武力攻撃は発生していない事態でありますが、日本の平和と安全に重要な影響を与える事態を重要影響事態とし、その日本への波及を防止する観点から、法案では、武力行使を伴わない米軍等への後方支援を可能としております。  一方、存立危機事態は、我が国と密接な関係にある国が攻撃され、そのまま放置をすれば日本が直接攻撃された場合と同様の、日本の存立とか国民の命が守れない等、死活的、深刻な事態であり、法案では、ほかに手段がない場合、必要最小限の武力行使、いわゆる限定的な集団的自衛権が可能としております。  では、その関係ですが、この資料の一の左側にありますように、大臣は、重要影響事態は存立危機事態を包含するというふうに答弁をされております。すなわち、理論上は、重要影響事態には存立危機事態に該当しない事態もあれば、また該当する場合もあると。存立危機事態は、重要影響事態が更に緊迫度が増して存立危機事態というふうに事態認定を変更する、重要影響事態から存立危機の方に移行する場合もあれば、存立危機事態が単独でいきなり発生する場合もあると。あるいは、評価軸が違いますので、重要影響事態と存立危機事態が併存する場合もあるというふうに考えられますが、大臣の認識をお伺いいたします。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 佐藤委員が図説を提示をされましてお話をいただいたように、重要影響事態というのは我が国の平和と安全に重要な影響を及ぼす事態であり、一方、存立危機事態は、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生をして、これによって我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態でございます。このため、存立危機事態は、概念上は重要影響事態に包含をされるものでございます。  他方、重要影響事態と存立危機事態については、それぞれ別個の法律の判断に基づくものでございます。したがって、重要影響事態となってから存立危機事態に移行する場合もあれば、当初から存立危機事態となっている場合もあれば、両事態が併存する場合もございます。  いずれにせよ、より重大かつ深刻な事態である存立危機事態を認定した場合には、当該事態への対処が優先して行われることになります。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 明確な御答弁、ありがとうございます。  資料二、これを御覧いただきたいと思います。  次に、存立危機事態と武力攻撃事態との関係です。  武力攻撃事態等には、事態の緊迫度から、予測事態、切迫事態、武力発生というふうに一般に区分されますが、自衛隊の武力行使が認められるのは日本への武力攻撃が発生した以降であります。武力攻撃事態等は、日本への直接攻撃の緊迫度で予測、切迫、攻撃発生と区分するために、密接な他国への攻撃の場合の存立危機事態とは評価軸が違います。よって、存立危機事態は、理論上、例えばこの資料二のように、予測事態の前に発生する場合もあれば、予測事態と切迫事態の間で発生する場合や、あるいは切迫と攻撃発生の間で認定する場合もあると。つまり、評価軸が違うというふうな認識を持っております。  大臣も同じような認識でしょうか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 存立事態というのは、先ほど定義をしたとおりでございますが、これは、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生した場合におきまして、そのままでは、すなわちその状況の下、武力を用いた対処をしなければ国民に、我が国が武力攻撃を受けた場合と同様な深刻、重大な被害が国民に及ぶかという観点から評価するものでございます。これに対して、武力攻撃事態等、すなわち武力攻撃事態及び武力攻撃予測事態は、我が国に対する武力攻撃がどの程度差し迫っているかという観点から評価するものでございます。  このため、他国に武力攻撃が発生した状況についてそれぞれの観点から評価した結果、存立危機事態と武力攻撃事態等のいずれの事態にも同時に該当することがございます。  このように、武力攻撃事態等と存立危機事態は、それぞれ異なる観点から評価される概念である一方、国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという根幹において共通する考え方に立脚するものでございます。  現実の安全保障環境を踏まえれば、存立危機事態に該当するような状況は同時に武力攻撃事態等にも該当することが多いと考えられます。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 関係について御説明いただきました。  今大臣の方から、武力攻撃事態等と存立危機事態、これは重なる場合が多いという答弁がありました。私も同じ認識を持っております。  例えば、日本周辺で発生した事案を存立危機事態と認定した場合、日本への直接攻撃の波及のおそれもある、こういう場合は、予測事態あるいは切迫事態を併せて認定する場合も理論上も実際上も十分あり得ると思います。いろいろありますが、重なる場合が多い。  資料一の方を見てください。今の大臣の答弁からすると、まさに武力攻撃事態等の中に存立危機事態が重なる場合が多いと。まさに今大臣の答弁のとおりだというふうに思います。  ただ、非常になかなか分かりにくいのは、存立危機事態も目的が自衛なんですよ。武力攻撃事態等も目的が自衛なんです。一般に集団的自衛権というのは、フルスペックの集団的自衛権は他衛というふうに言われます。他国防衛と。  ただ、今回、法案で許容されている集団的自衛権は、フルスペックの集団的自衛権ではなく、つまり他衛ではなく、そのまま放置をしていたら日本が危ない場合等、日本の防衛に関わる自衛目的を持った他衛、自衛目的を持った他衛である限定的な集団的自衛権を許容しており、これは、最高裁の砂川判決の論理、まさに主権国家として必要最小限の武力の行使は認められると。そういう砂川判決の論理の枠内のものであり、合憲だというふうに確信しています。例えば、邦人輸送中の米艦を守るのは手段であり、目的はあくまでも自衛。  大臣も、今回、法案で許容している限定的な集団的自衛権は、まさに砂川判決で認められているような、まさに憲法の枠内の議論の中という認識でよろしいでしょうか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 国民の命と平和な暮らしを守ることは、政府の最も重要な責務であります。  憲法制定以来、我が国を取り巻く安全保障環境は激変をし、一層厳しさを増しております。脅威は容易に国境を越えてきます。今や、どの国も一国のみでは自国の安全を守れません。このような中、国民の命と平和な暮らしを守り抜くためには、あらゆる事態を想定をし、切れ目のない備えを行う平和安全法制の整備が不可欠であります。  そして、今回の法制整備に当たりましては、これまでの政府見解の基本的論理、これは全く変わっていません。この基本的論理は、政府が述べているだけではなくて、砂川事件に関する最高裁判決の考え方と軌を一にするものでございます。この砂川事件の最高裁判決は、我が国が自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛の措置をとり得ることは、国家固有の権能の行使として当然のことと言わなければならないと述べております。  平和安全法制の整備に当たりましては、集団的自衛権の行使を一部限定容認をしましたが、それはあくまでも自衛のための必要最小限度の措置に限られます。集団的自衛権の行使一般を認めるものではなく、他国の防衛、それ自体を目的とする行使は認められません。あくまでも国民の命と平和な暮らしを守ることが目的であり、極めて限定的なものであります。この点は新三要件が明確に示しており、憲法の明確な歯止めとなっております。その上で、今回の法制では、この新三要件は全て法律の中に盛り込んでおり、法律上の要件となっております。  このように、平和安全法制は、従来の政府見解の基本的論理と最高裁判決の考え方の範囲の中のものであり、最高裁の判決の中のものであり、憲法違反との指摘は当たらないと考えております。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 まさに明確な答弁、私も全く同じ考えです。  砂川判決では、まさに主権国家として自衛権を明確に認めております。その自衛権、すなわち、自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛のための措置をとり得ることは国家固有の権能の行使だと明確に答弁をされ、それに基づき、政府見解として必要最小限の武力の行使は認められる。じゃ、その必要最小限ってどういうことなんだということの当てはめの帰結として、今回、明確な、しかも厳格な三要件、新三要件というものをしっかり打ち出して、その範囲内で、あくまでも憲法九条の認める自衛の措置の範囲で自衛目的のための集団的自衛権を限定的に認めるというものなので、まさにこれは今までの憲法の解釈の枠内、そういうふうに私も考えます。しっかりと国民の方に向かって見解を述べて、また説明をしていただきたいと思います。  次に、資料三、これを御覧ください。  これは機雷掃海のイメージです。よくこれまでも国会の方で機雷掃海についていろいろ議論されました。この資料の左側の方の日本の方を見ていただきたいと思いますけれども、例えば、北海道の一部でまだ散発的な戦闘が起きている、ただ機雷を敷設された関門海峡、その方には当然そういう戦闘行為が及んでいないと。機雷を敷設された地域が実質的に戦闘停止状態、弾が飛んでこないという状況であれば、完全な停戦状態の前でも、能力上当然、自衛隊の機雷掃海は可能だと思います。  同じように、イランとホルムズ海峡の関係でも、イランの北部等でまだ散発的に戦闘が起きている、当然完全な停戦状態ではない、ただホルムズ海峡の方に砲弾等が飛んでこないという状況であれば、これは自衛隊の能力上もそれは可能だし、これが今言われた新三要件に合致する場合は、これを、機雷掃海をするということも理論上は可能だと思います。防衛大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 停戦合意前の実質的に戦闘が停止した場合における機雷の掃海は、国際法上は武力の行使に該当し得るものでありますが、今般の法整備により、新三要件を満たす場合には武力行使に当たる機雷の掃海も行うことができるようになります。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 まさに、完全な停戦状態の前でもその場所に戦闘行為が及ばないという状況はあり得るわけで、そういうときに、まさにあの新三要件に合致する場合においては政府の政策判断としてやはり機雷掃海を自衛隊に命ずるということはあり得る、国際法上、これは集団的自衛権の行使と言わざるを得ないと、まさにそういう概念整理だと思います。そういう面で、また国会の方で分かりやすく答弁をお願いしたいというふうに思います。  次に、南シナ海での中国による岩礁埋立て、これについて質問をさせていただきます。  今回のG7サミットの方でも、総理の方から、この中国の南シナ海の岩礁埋立てを意識をし、力による一方的な現状変更はそれは認められないという立場を表明されました。大臣もシャングリラ会合の方でも同様の趣旨を言われたと思います。  そういう上におきまして、どうしても周辺のASEAN諸国、フィリピンやあるいはベトナム、マレーシアを含めて、中国との関係でやはり軍事的な格差がある。これまでよく言われているものの一つとして、南シナ海における自衛隊による警戒監視、これ、他国からの期待というものはこれまでどういう形でなされたのでしょうか。他国からの期待の状況というものについて説明を求めたいと思います。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 南シナ海での警戒監視についてのお尋ねでございますが、せんだってのシンガポールのシャングリラ会合におきましては、各国の関係者と会談を行いましたけれども、その中で南シナ海における自衛隊による警戒監視について期待感が示されたわけではございません。  この南シナ海における警戒監視につきましては、現在自衛隊としては常続的な警戒監視活動を行っておらず、またその具体的な計画を有しているわけでもありませんが、南シナ海における情勢が我が国の安全保障に与える影響を注視しつつ、今後とも十分に検討を行っていくべき課題であると考えております。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 この南シナ海での安定的な海上交通路の確保というものは、やっぱり日本にとっても非常に重要な分野だと思っております。  ただ一方、岩礁は埋立てが進み、そこに港あるいは空港というものができ、それが結果として、今回、中国の副統参部長ですかね、統参議長ですかね、統参本部の長が言われたように、これは軍事的な目的も排除をしないということは、やはり看過できないものだと思います。  特に私が懸念するのは、中国が対アメリカ戦略で持っているA2AD、これにも、南シナ海でのこの岩礁の埋立て、あるいは港湾あるいは空港の整備というものはA2ADにも間違いなく大きな影響を及ぼすというふうに思いますが、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) これは一般論として申し上げれば、仮に中国が南シナ海の南沙諸島にある岩礁に軍事基地機能を形成した場合、中国海空軍や海警の南シナ海におけるプレゼンスが増大をする可能性はあります。また、このことは南シナ海全域における中国のA2AD能力の向上につながる可能性があり、中国にとって、マラッカ海峡などのチョークポイントを経由した米軍等の南シナ海への接近や、南シナ海を経由した東シナ海や西太平洋への米軍等の来援を阻止する効果や、南シナ海における米軍等の行動の自由を制限することにより、中国海空軍による南シナ海から第一列島線を越えた西太平洋への進出を容易にする効果などが生ずる可能性があると考えております。  防衛省としましては、南シナ海における情勢が我が国の安全保障に与える影響を注視しつつ、防衛省としていかなる対応を取っていくべきか、引き続き検討してまいる所存でございます。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 今大臣から明確な答弁あったように、この南シナ海における岩礁の埋立ては、マラッカ海峡を含むA2ADに対する影響のみならず、そこから東シナ海あるいは西太平洋の影響にもこれは言及をされました。非常にこれは大事な問題で、我が国の平和と安全にも重大な影響を及ぼしかねない可能性を含んでいると思います。しっかりと今後の体制を検討していただきたいというふうに思います。  以上、質問を終わります。

小西洋之民主党・新緑風会

○小西洋之君 民主党・新緑風会の小西洋之でございます。  本日は、防衛省設置法等の改正についての審議でございますが、まず法案について質問をさせていただいた後に、先日の六月四日の衆議院の憲法審査会で、政府が今提出されています安保法制、特にその集団的自衛権は違憲無効であると、自民党が推薦をなさった長谷部先生までが断言されましたというところでございますので、私、ずっとこの違憲問題を取り上げているところでございますけれども、その憲法違反の問題、全ての法案審議、また防衛省の組織の在り方、またその運営の在り方そのものの前提になる論点でございますので、それをまた後で質疑をさせていただきたいと思います。  まず、防衛省設置法の第十二条、また第八条のところについて伺わせていただきたいというふうに思います。  この十二条の改正につきましては、元々この十二条というのがいわゆる文官統制というものを法的な趣旨として持っているものではないかという見解の下に質疑が重ねられているところでございまして、私も、この十二条を読むと、一見それを白地で見るとそのように強く受け止められるところであり、かつ、シビリアンコントロール、自衛隊という最強の実力組織でございますけれども、この日本における、また日本社会における最強の実力組織でございますけれども、それのいわゆるシビリアンコントロール、それは文官によって、政治によって軍事をしっかりと統治をしていく、それが果たして防衛大臣だけで防衛省の中のそのシビリアンコントロールが担えるのかといったときに、戦前の我が国の歴史などを鑑みると、とてもそれの実行というのは不可能であるというふうに思うところでございます。  なぜならば、今一例を申し上げますと、中谷大臣にも何度か質問させていただいておりますけれども、違憲無効の解釈改憲を大臣が政治的な見識によって、違憲無効の集団的自衛権の行使の出動命令を自衛隊は将来出されてそれによって戦死していくことになるわけでございますけれども、その違憲無効のものをやはり防げないという今の大臣の在り方を考えると、およそそのシビリアンコントロールというものを大臣だけの力に委ねるということは元々、それこそが現実的でないというふうに考えるところでございます。  それで、少し法案の質疑を重ねていく前に、ちょっとまず前提を伺わせていただきたいんですけれども、防衛省の官房長に伺います。  そもそも、現行法の十二条を見ていると、官房長と局長が大臣を補佐をする。答弁によりますと、政策的見地にのっとって補佐をする、軍事専門的見地は幕僚長などが行って、官房長や局長というのは政策的な見地で補佐をする。補佐をするについては、各般の方針、基本的な実施計画の作成、あるいは作成した方針及び基本的な実施計画などについて、それぞれ指示、承認、一般的監督というふうに書かれておりますけれども。  ただ、よくよく考えると、私もかつて霞が関で旧郵政省で働いていたんですけれども、私は法律職の事務官でしたけれども、旧郵政省には電気通信を専門的に修学された方々がいわゆる技官として働かれております。共に情報通信政策を立案して省の政策として所掌事務を実行していくに当たって、事務官と技官が相まって、かつ調整、吻合しながら大臣を支えていくのは当たり前のことですので、なぜ防衛省のこの第十二条というものがそもそも存在するのか。普通に考えると、実はこれは当たり前の条文なんですね。皆様の立論によれば、これは文官統制の条文ではないという皆様の立論に従えば、文官統制という法的な趣旨はない、単なる調整、吻合の規定だと言うのであれば、元々これは当たり前の条文なんですね、ほかの役所で並べてみると。  なぜこの十二条が存在するんでしょうか。自衛隊法の九条二項との関係なんかも踏まえつつ、官房長に御説明いただきたいと思います。

豊田硬防衛大臣官房長

○政府参考人(豊田硬君) お尋ねの点でございますけれども、現行の防衛省設置法十二条につきましては、防衛大臣が実力組織である自衛隊を管理・運営する上で行う典型的な職務を指示、承認、一般的監督という形で具体的に列挙いたしまして、それらについて官房長及び局長が大臣を補佐するという形で規定しているものでございます。これは、先生からもお触れになりましたように、政策的見地からの大臣補佐と軍事専門的見地からの大臣補佐の調整、吻合を図る規定であるというふうに従来から説明をさせていただいているところでございます。  この防衛省設置法第十二条につきましては、官房長及び局長による政策的見地からの大臣補佐と自衛隊法第九条第二項に定める各幕僚長による軍事専門的見地からの大臣補佐とが、私ども繰り返し申し上げておりますが、言わば車の両輪としてバランスよく行われることを確保するための規定というふうに理解しているところでございます。

小西洋之民主党・新緑風会

○小西洋之君 ちょっと時間がないので簡潔に聞いたことに、なぜ十二条が法的に必要なんですかと。自衛隊法の九条二項に幕僚長が隊務に関して最高の専門的助言者であるというふうに書いてある規定があると、これとの関係で法的には十二条が必要なんで、ほかの省庁の設置法とは違って入っているという、そういう理解でよろしいですか。

豊田硬防衛大臣官房長

○政府参考人(豊田硬君) お答え申し上げます。  先生お触れになりましたように、自衛隊法第九条二項に規定された幕僚長による大臣補佐と言わば対になって、バランスよく行われることを確保するための規定というふうに理解しておるところでございます。

小西洋之民主党・新緑風会

○小西洋之君 その確保だと、それは運用のような観点に見えるんですが、これは法的に見て、自衛隊法の九条二項に幕僚長が隊務に関してのつまり最高の専門的助言者だというその規定があると。すると、あたかもこの幕僚長は一身専属的に隊務については大臣を補佐するように見えるかもしれないので、それは違うでしょうと。政策的見地からの調整というものを官房長や局長がこの九条二項に書かれてある事項についても行うと、そのことを明記した条文と理解していいですか、現行十二条は。

豊田硬防衛大臣官房長

○政府参考人(豊田硬君) お答え申し上げます。  先生お触れになりましたように、防衛省設置法十二条につきましては、政策的見地からの大臣補佐ということで、自衛隊法九条二項に定める各幕僚長による軍事専門的見地からの大臣補佐とバランスよく機能することを、行われることを確保するための規定というふうに理解しております。

小西洋之民主党・新緑風会

○小西洋之君 ちょっと済みません、法的な観点を聞いているんですが、まあ確保すると言うんですから、確保するためにわざわざ法律で書いているんですから、法的に確保するという、その目的を法的に担保するための趣旨が現行の十二条にあるというふうに、まあ当然のことですけどね、うなずかれていますけれども、理解をさせていただきます。  じゃ、内閣法制局に伺いますけれども、現行の十二条と改正十二条、この法的な違いを伺いたいんですけれども、現行の十二条の、先ほど私が申し上げましたそれぞれの事項について、官房長や局長が大臣を補佐するに当たって、統合幕僚長などの方々を指示、承認、一般的に監督すると。ここの内容というのは、現行十二条に書かれている内容というのは新十二条に漏れなく、法的に漏れなく含まれているというふうに理解してよろしいですか。

横畠裕介内閣法制局長官

○政府特別補佐人(横畠裕介君) 従前は事項を列挙していたわけでございますけれども、今般の改正におきまして、一般的に、内局の補佐としては防衛省の所掌事務、当然自衛隊の活動等を含むわけでございますけれども、防衛省の所掌事務が法令に従い、かつ適切に遂行されるよう、その所掌事務に関し防衛大臣を補佐すると一般的に規定しようとするものと理解しております。

小西洋之民主党・新緑風会

○小西洋之君 一般的に、もう所掌事務ですから、防衛省が行うその行政全てを含むというふうに答弁いただいたんで、法的に当然含まれているということですよね、うなずかれていますから。そういうふうにストレートに答えてください、答弁としては間違ってはいないんだけれども。はい、じゃ、分かりました。  では、防衛大臣に伺いたいと思います。  今回のこの法改正の争点というのは、今、安倍内閣が進めている安保法制ですね、自衛隊の今まで行えなかった集団的自衛権を始めとする強大な軍事力を止めどもなく解禁するものだというふうに私ども民主党は理解をしているところでありますけれども、そのように、もう自衛隊の行う業務そのものが変わる中で、いわゆる防衛省の中のシビリアンコントロールの実質が失われてしまうのではないかという懸念がされているところでございます。  ところが、皆さん、防衛省、大臣を始め答弁でおっしゃるのは、確かに憲法には閣僚は文民でなければならないというそういう規定はあるんだけれども、その文官統制というような趣旨については今まで憲法を始めどこの法令にもなかったんだというふうにおっしゃっているわけでございますけれども。そうすると、憲法の六十六条のたしか二項だったと思いますけれども、閣僚は文民でなければいけない、これは有名な条文でございまして、なぜかというと、横畠長官の答弁によれば、まあ歴代内閣も全部そうですけど、かつて一回だけあった憲法解釈の変更が当たり得るとすればこれであるという、まさに有名な条文なわけでございますけれども。  当時、その憲法の、まあこれ通告もさせていただいていますけれども、その憲法解釈を変更したのではないかというふうに、まさに議論になったときですね、つまり、かつて自衛官は文民だったんですね。自衛官は文民だった、しかし自衛官は武人であるというふうに考え方を改めたと。そのときの法制局長官の説明で、いわゆる文民条項ですね、文民条項の根底の趣旨というのは、我が国の国政において武断政治を排除する、武断政治というものを排除する、それが根本の趣旨であるというふうにおっしゃっておりますけれども。  中谷大臣に伺いたいと思います。武断政治、いろいろ定義はあろうかと思いますけれども、そのときの答弁というのはこういう意味なんだろうと思います。およそ軍事力を行使し得る軍事的な組織に所属する方々が政治に実質的な影響力を及ぼすようなことはあってはいけないと。それは、かつての戦前の我が国のように、軍事が政治に優先をして、軍事がまさに政治をコントロールして、国を誤らす、国民に惨禍を及ぼす、そういうことがあるというわけでございますので。  では、中谷大臣に伺います。今般の法改正、またこれからの防衛省の在り方において、防衛省の組織と、あと防衛省の組織運営あるいは業務遂行の在り方として、間違っても武断政治というものを芽生えさせる、あるいは間違っても武断政治に陥るということは絶対あってはならない、それが当然の憲法の趣旨にも連なる、踏まえる考え方というふうに理解してよろしいでしょうか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 御指摘のように、その文民条項につきましては憲法六十六条二項に定められておりまして、その文民とは、旧陸海軍の職業軍人の経歴を有する者であって軍国主義思想に深く染まっていると考えられるもの、また自衛官の職にある者以外の者をいうとされております。  この同条の同項によりまして、内閣を構成する内閣総理大臣その他の国務大臣はこのような文民でなければならないということでありますが、その趣旨は、おっしゃるように、国政がいわゆる武断政治、これに陥ることを防ぐことにあります。  我が国においては終戦までの経緯に対する反省もありまして、自衛隊が国民の意思によって整備、運用されることを確保するために厳格な文民統制の制度を採用しており、文民統制に当たっては、このような内閣による統制に加えて、国民を代表する国会が、自衛官の定数、主要組織などを法律、予算の形で議決し、防衛出動などの承認を行うこととしております。  さらに、防衛省においては文民である防衛大臣が部隊を統率することとしており、このような大臣による文民統制に際しては、軍事専門的見地だけではなくて、政策的見地も踏まえた的確な判断を行うことができるように、文官及び自衛官による両見地からの大臣補佐がバランスよく行われるような体制を整備をいたしております。  御指摘のように、防衛大臣の判断といたしましては、やはり政治経済情勢を的確に認識するとか、外交政策、財政政策、法令等との関連を考慮するといった政策的検討に当たっては、様々な情報の収集、分析を行い選択肢を考慮する必要があることから、相応の人員構成による組織的な防衛大臣の補佐体制が必要と考えており、防衛省の内部におきましては防衛大臣の補佐体制として文官主体の組織である官房各局があり、文官である官房長、局長がその長として政策的見地から組織的に防衛大臣を補佐をいたしております。  こうした文官の補佐というのは防衛大臣による文民統制を助けるものとして重要な役割を果たしており、今般の組織改編においても、これは何ら変わることはないということでございます。

小西洋之民主党・新緑風会

○小西洋之君 ちょっと全体として長い答弁をいただいたんですけれども、中で一ついいことをおっしゃっていただいたと思います。いわゆる内部部局ですね、文官を中心とする内部部局というものが政策的見地でしっかり大臣を補佐をすると。内部部局における文官の皆様の位置付けということを明確に答弁いただいたというのは非常に重要であろうかと思います。  ちょっと一言だけ、大事な答弁なんでおっしゃっていただけますか。  防衛省の組織、またその組織運営、また業務運営の在り方として、武断政治を芽生えさせる、あるいは武断政治に陥るようなそういうもの、可能性があるもの、おそれがあるような、そのような組織の在り方あるいは運営の在り方というのは当然許されないものであるという認識でよろしいですか。イエスかノーかだけでいただけますか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) これまでも防衛大臣は文官でありましたし、防衛大臣として、この防衛省の統率におきましては政策的見地による文官の補佐を受けながら、そして武断政治に陥らないようにしっかりと統率をしてまいってきたと、これからもそうあるべきだと思っております。

小西洋之民主党・新緑風会

○小西洋之君 防衛大臣と武断政治の関係はお答えいただけましたけど、防衛大臣に限らず、防衛省の組織全体です。大臣の下にいらっしゃる局長や、お座りになっている官房長、あるいは統合幕僚長や幕僚長の方々、あるいは全ての皆様ですから、全自衛隊員が、皆さんのその組織の在り方、あるいはその組織運営、業務運営の在り方として武断政治に陥ることがない、また武断政治を、その兆し、あるいは芽生えを見せるような、そのような過ちということは絶対行ってはいけないという理解でよろしいですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) そのとおりでございまして、大臣は文民でなければならないということで、これは国会からも内閣からも監視を受けています。中においては、まず自衛官におきましては、任官するときに政治的活動に関与せずという宣誓をした上で自衛隊の任務に就いておりまして、そういう政治的な活動に関与しないという前提で勤務をいたしております。  一方、そういった政策的見地につきましては、内局を補佐する部署と置きまして、防衛大臣は絶えずそういうところから政策的補佐を受けているということでございます。

小西洋之民主党・新緑風会

○小西洋之君 なぜこのようなことが一言で、武断政治を何かやってしまってもいいとお考えになっているように聞こえますよ。武断政治を排除する、完全に排除するような組織の在り方、運営の在り方、業務の運営も含めてですね、でなければいけないというのを一言、防衛省全体が、全自衛隊員が、皆さんも自衛隊員なんですから、それだというふうに一言おっしゃっていただきたいだけなんですけれども、そういう理解でよろしいでしょうか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 国政が再び武断政治に陥ることがないように努めてまいっております。

小西洋之民主党・新緑風会

○小西洋之君 いや、努めてまいるではなくて、防衛省の在り方としてそういう在り方でなければいけないという理解でよろしいですか。武断政治を許容しているように答弁されているように聞こえますよ。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) おっしゃるとおりでございます。武断政治に陥らないような仕組みで運営をされているわけでございます。

小西洋之民主党・新緑風会

○小西洋之君 運営をされているだけではなくて、運営をしていかなければいけないとまでおっしゃっていただけますでしょうか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) そのとおり、武断政治に陥らないように運営をしてまいります。

小西洋之民主党・新緑風会

○小西洋之君 では、ちょっと大事な憲法違反の問題もしなきゃいけませんので、ちょっと皆さん簡潔に答弁いただきたいんですけれども。  そうすると、今回の改正法の第八条の規定で、済みません、委員の先生方、資料がなくて申し訳ないんですけれども、第八条で新しい条項を追加しているんですね。これは口頭で申し上げさせていただきます。もう一言で言うと、防衛省の所掌事務に関する各部局及び機関、機関ですから当然幕を含むわけですけれども、の施策の統一を図るために必要となる総合調整に関することを内部部局がつかさどる。  先ほど大臣がおっしゃった文官を中心とする方々によって構成される内部部局なんですけれども、ここの防衛省の中におけるその総合調整、ずっと答弁で、文官が政策的見地から補佐をすると、自衛官の方々は軍事専門的な見地から補佐を行うというふうに答弁をされています。  確認ですけれども、自衛官の方々は文官の方々が補佐を行うその政策的見地について、いわゆるその文官の方々を乗り越えて大臣を補佐する、そのような越権的なそういう補佐の仕方はできないという理解でよろしいでしょうか。  ちょっと御参考までに申し上げますと、私もかつて郵政省でさっき申し上げた事務官と技官の方で議論をしておりました。いわゆるディスカッションの段階では、それぞれの専門的な見地を出し合って大臣に最適な補佐ができるように議論はいたします。  ただ、大臣を補佐するその実行の段階ですね、補佐をする実行の段階で、自衛官の方々が政策的事項に関わる見地について文官の方々を乗り越えて、あるいは文官の方々がいるのにそれを、文官の方々によらずに自衛官の方が大臣の補佐を行うというのは許されない。それは今回の防衛省設置法の趣旨に反するし、先ほどおっしゃった武断政治を徹底的に排除する、絶対に排除する、そういう防衛省の組織の在り方、運営の在り方からして許されないと、そういう理解でよろしいでしょうか。簡潔に答弁ください。

豊田硬防衛大臣官房長

○政府参考人(豊田硬君) 御指摘のとおり、防衛省設置法の内部部局の所掌事務に係る規定第八条に、省の所掌事務に関し、省内の施策の統一を図るために必要となる総合調整を行うということを設置法第八条七号に特に書き出しまして、内部部局の有する役割についてより積極的に確認させていただいたところでございます。  先生御指摘の点につきましては、それぞれ防衛大臣の意思決定の的確性を確保するため、政策的見地からの補佐については官房長、局長が、軍事専門的見地からの補佐については幕僚長等がそれぞれ専門性を生かして大臣を補佐するということでございまして、当然ながら、政策的見地からの補佐ということにつきましては、私ども官房長、局長が担当させていただくということになります。

小西洋之民主党・新緑風会

○小西洋之君 ありがとうございました。明確な答弁をいただきました。  私自身は、自衛官の方々が文官の統制にいわゆる服さなければいけないという、何かこう狭い意味で考えているわけではないんですけれども、ただ私なりに様々な先輩の方々の質疑を聞いていて思いましたことは、このように思っております。  やはり自衛官というのは、この世で特別の存在なわけでございます。戦車の操作の仕方あるいは戦闘機の運転の仕方、かつ、それらについて武力を発する、ミサイルを撃ったりすることも彼らは訓練を受けて、そして組織をもってできるわけでございます。そういう特別の能力、この世の中で一番強大な、いわゆる軍事的な力という強大なものを授けられている方が、授けられているというか、それを担うようになっている方々というのは、やはりそれはそれとして、当然の一定の制約に服していただかなければいけない。  その方々が、自分はもう軍事的な力も使えるし、でも同時に政治的なこと、さっき政治活動はできないということをおっしゃいましたが、まあそれは当然のことではあるんですけれども。やはり、かつて防衛大学校の校長の方の言葉というか、お部屋にある額縁で、服従の誇りという文言があるというふうに伺いましたけれども、これは文官と自衛官の方を比較して、文官の方が何かもう次元を超えて偉いとかそういう話ではなくて、やはり我が国の歴史の反省を踏まえたときに、その強大な軍事的な力を、その実務の力を持っていらっしゃる自衛官の方々というのは、やはり自ら誇りを持った、何といいますか、あえて申し上げますけれども、そういう制約というものをそれは受けていただかなければいけないんだというふうに考えております。  これは、小野先生が少し資料を配付されて質疑も行われておりましたけれども、例えば警察においては、警察を統治するのは国家公安委員会でございます。それは、警察という強大な力を持った組織、かつ政治的中立が求められる組織を統治する在り方としてああいう第三者の委員会制を設けているわけでございます。自衛隊についてはそういう組織を設けてはおりませんけれども、それはいろんな軍事的な観点などから設けていないのかもしれませんけれども、かといって、考え方は私は同じだと思います。  ですので、この法案の在り方について、我が党は反対を衆議院でさせていただいておりますけれども、仮に今これが成立になったとしても、先ほど武断政治を排除すると、それに当たっては、それぞれの役割、政策的見地について、補佐について、間違っても制服の方々が越権的な行為をするということが絶対にないように、かつ、そうしたことが起こらないような防衛省組織内の運用の規定というものをしっかりと作っていただきたいというふうに思います。そうしたことについてもまたしっかりチェックをさせていただきます。  済みません。ちょっと時間が押してしまいましたので、じゃ、次に防衛装備庁の話に移らせていただきますけれども、内閣法制局長官に伺います。  今回の防衛装備庁が担う業務の一つとして、いわゆる武器輸出ですね、防衛装備の移転と言わずにもう武器輸出とはっきり言わなければいけないと思うんですけれども、武器輸出を次元を変えた形で大きく推進していくということがあるわけでございますけれども、過去の法制局長官の答弁にこういう答弁があります。かつての武器輸出三原則についてですね。  昭和五十六年の二月二十日の角田法制局長官、偉大な長官だった方ですね、「わが国の憲法が平和主義を理念としているということにかんがみますと、当然のことながら、武器輸出三原則は憲法の平和主義の精神にのっとったものであるというふうに考えております。」と、武器輸出三原則は憲法の平和主義の精神にのっとったものであるというふうにおっしゃっているところでございます。  法制局長官に伺います。憲法の平和主義、政府の答弁で、憲法前文に三つあると言いますけれども、その三つの平和主義それぞれがどういう意味で武器輸出三原則に適合している、のっとっているというふうになるんでしょうか。個別具体に御説明ください。  こういう御質問をさせていただくのは、この防衛装備の原則、もちろん通告もしていますよ、変えるに当たって法制局は審査をしたということなんですけれども、平成二十六年の四月、この防衛装備の移転の原則をがらぽんに変えてしまったときに、ちゃんとそういう見地で審査をしたかどうかの確認でございます。

横畠裕介内閣法制局長官

○政府特別補佐人(横畠裕介君) 防衛装備移転三原則について、法制局として審査をしたという事実はございません。

小西洋之民主党・新緑風会

○小西洋之君 では、横畠長官に伺います。  かつての長官が「武器輸出三原則は憲法の平和主義の精神にのっとったものである」というふうに言っているわけですから、あなたは、防衛省設置法の意見事務ですね、法律上の強権規定です、意見事務に従って、そういう憲法に関わるものを内閣が閣議決定するときは当然意見事務を発動しなければいけないんですけれども、内閣法制局、あなたの前任の小松長官ですけれども、しなかったという理解でよろしいですか、内閣法制局設置法違反をしたという理解でよろしいですか。

横畠裕介内閣法制局長官

○政府特別補佐人(横畠裕介君) 防衛装備移転三原則は、従前の武器輸出三原則の下で幾つかの例外が設けられていたわけでございますけれども、そのような経緯を踏まえまして、包括的に整理をして明確な原則を定めたものと承知しておりますが、いずれの場合も、武器の輸出によって国際紛争などを助長することを回避して、外国貿易及び国民経済の健全な発達を図るという目的をもって外為法令等の運用基準を定めたものでありまして、それ自体が憲法上の問題ではないというふうに理解しております。そのような国際紛争を助長することを回避するようなことなどは、憲法の定める平和主義にそぐうものであるということは理解しております。

小西洋之民主党・新緑風会

○小西洋之君 本当、審査をされていないのに何でそんな見解を内閣法制局として責任を持って言えるのかさっぱり分からぬですね。  集団的自衛権の解釈変更が憲法違反だというふうにようやく議論が、関心が高まっておりますけれども、これはもうずっと私国会で明らかにしていることですけれども、集団的自衛権行使の七月一日の閣議決定、このときも内閣法制局は審査していないんですね。内閣法制局が行った審査資料というのは閣議決定の最終案文しか存在しないんですね。もうこれ、国会答弁も質問主意書もいただいております。  私、元霞が関で働いておりましたけれども、私の経験だと、憲法九条の解釈を変更するんだったら、もう床から積み上がるぐらいの審査資料、過去の国会答弁との整合性、憲法前文の平和主義との関係、文書に書いて、あと立法事実の存在、全部立証しなきゃいけないんですけど、何にもしていない。七ページのぺらぺらの閣議決定の最終案文を六月三十日に法制局は受け取って、翌七月一日の午前中に電話で憲法上の意見、憲法上の問題を含めて意見はないという電話でのお答えをしているんですね。新聞各社はこういう問題をしっかりと報道をしていただきたいわけでございますね。  中身は後から徹底的に追及しますけれども、プロセスもめちゃくちゃでございます。もちろん、その前には、解釈変更する際には閣議決定の最終案文を国会で十分な審議を受けろという参議院の憲法審査会の附帯決議、それをじゅうりんして破って、戦後の議会初めてのことですけれども、明白な附帯決議を正面から破ったのは。つまり、国民、国会を全て無視してやっている閣議決定ですね。  ちょっと憲法違反の問題に移りたいと思いますので、この武器輸出の問題は非常に深刻な問題であります。なぜ我が国がこういう止めどもない武器輸出が許されないのか。今回の政府が行われたものですけれども、もう事前同意がないわけですから、我が国のですね、なくできるわけですが。これはなぜかというと、憲法の平和主義、先ほど過去の長官の答弁を御説明しましたけれども、武器輸出三原則というのは、憲法前文の平和主義ですね、全世界の国民の平和的生存権、あるいは平和を愛する諸国民の公正と信義を信頼して我が国を守っていくというその考え方、そうした様々な憲法の平和主義というのを全く初めから切り捨てているわけなんですね。  それは、例えば二十六年の四月の閣議決定をされた防衛装備移転三原則、四月一日の閣議決定ですが、この中には、憲法の前文の平和主義、平和主義という文言が一言もないんです。積極的平和主義という言葉はあるんですけれどもね。これは、実は七月一日の閣議決定もそうなんですね。七月一日の閣議決定には憲法の平和主義という文言が一つもない。また、それに至る与党協議の資料にも一つも載っていない。また、今回の安保法制を作るに当たっての与党協議に政府が提出した資料にも一言も平和主義という言葉がないんですね。  つまり、安倍内閣がやっているこの安保法制あるいは武器輸出のこういう問題というのは、全て憲法の平和主義を切り捨てた、つまり憲法違反を犯しながらやっていることなんですね。しっかりこれ我が参議院でも引き続き追及しますし、衆議院の安保特でしっかりこの問題、まだ平和主義との関係どなたも質問をされていませんので、是非マスコミの方も取り上げていただいて、国民的な議論をしていきたいというふうに思います。  なので、防衛装備移転三原則というのは憲法の平和主義に違反すると、法制局は審査もしていないと、そのことを申し上げて、将来、民主党が政権を奪還したときには、安保法制、その前に当然安倍内閣を倒しますけれども、これを変えさせていただかなければいけないというふうに考えております。  では、憲法問題ですね、集団的自衛権行使の憲法問題について質問をさせていただきます。  お配りのこの資料がございます。今朝の朝日新聞でございますけれども、中谷大臣の先日の国会の、六月五日の衆議院の安保法制の特別委員会の答弁がございます。右の方に、ちょっと細い線ですけれども、現在の憲法をいかにこの法案に適用させていけばいいのかという議論を踏まえまして閣議決定を行ったというふうにおっしゃっているところでございます。  大臣、七月一日の閣議決定というのは、法案、安保法制ですから集団的自衛権を解禁する法案ですけれども、その集団的自衛権を解禁する法律を作るというその目的を、それを実現するために憲法を適用する、つまり憲法を安倍内閣なりに変えていったと、そういう理解でよろしいでしょうか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 御指摘の御答弁は、現在の安全保障環境を踏まえまして、憲法解釈がどうあるべきか、これ政府・与党でも議論をいたして、昨年七月一日に閣議決定を行い、その上で、閣議決定で示された憲法解釈の下、法案を作成して、閣議決定して、国会に提出をさせていただいたという趣旨を述べたものでございます。

小西洋之民主党・新緑風会

○小西洋之君 いや、法律の目的のために憲法を変えてもいいんだというふうにこれは読めてしまうわけでございますけれども、立憲主義に反するんではないでしょうか、この答弁は。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) この発言の中に法案という言葉もございますが、これは、七月一日に閣議決定を行いまして、その上で、閣議決定で示された憲法解釈の下、法案を作成して、閣議決定して、国会に提出させていただいたという趣旨を述べたものでございます。

小西洋之民主党・新緑風会

○小西洋之君 そういう趣旨なんですけれども、緊迫した委員会なのであれではあるんですけれども、日本語としてはそういう意味になっていないですよね。憲法をいかにこの法案に適用させていくのかという議論を踏まえましてというふうになっていますが、じゃ、この答弁は修正なさるということでよろしいですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 私の発言の趣旨というのは、現在の安全保障環境を踏まえて、憲法解釈がどうあるべきか政府・与党でも議論して、昨年七月一日に閣議決定を行い、その上で、閣議決定で示された憲法解釈の下、法案を作成して、閣議決定をして、国会に提出をさせていただいたという趣旨を述べたものでございます。

小西洋之民主党・新緑風会

○小西洋之君 ここに、おっしゃった日本語の内容と、日本語から推察される、朝日新聞に書いているとおり、政府の方針を最上位に置き、それに合わせて法律を作ることで実質的に憲法を変えてしまおう、そういうまさかの事態が進行しているというふうにおっしゃっていますけれども、日本を代表する新聞社がこのように受け止めて、私も含め、私もそのように受け止めました、こういう意味だと。違うんであれば答弁を修正なさる、政府として、これ非常に重要な問題ですから、我が国の立憲主義に関わる問題ですから、こういう答弁というのはきちんと修正をしていただきたいと、そのことをお願いをさせていただきます。  それで、六月四日の衆議院の憲法審査会で、先ほど申し上げました自民党が推薦した長谷部かつての東大教授、今早稲田大学の教授でございますけれども、集団的自衛権の行使容認は憲法違反であるというふうにおっしゃいました。  ただ、このことと憲法問題、集団的自衛権を解禁した新三要件などにこれ歯止めがないのはある意味当たり前でございまして、全く禁止されていたものを、そこを解禁したんですから、どうしたって野方図になるのは当たり前でございまして、歯止め論を議論することは一定必要ではあるんですけれども、やはり国権の最高機関、国民主権の下の我々の議会の役割としては、内閣が行った解釈変更というものが憲法上問題はないのかどうか、つまり、新三要件の歯止め論ではなくて、新三要件そのものが憲法上成り立つのか、新三要件の成立論というものを本来イの一番に議論しなければいけないと。ただ、それが今ようやく動き始めてきたというところは非常に大切なことであるというふうに思います。  ただ、残念ながら、今、社会的に欠けているものがあります、決定的に欠けている。それは、こういうことでございます。なぜ政府の解釈変更は憲法違反なのか、なぜ憲法違反なのか、その具体的な理由、そこがうまく社会の中でまだ共有に至っていないところでございます。それは、裏返して言えば、政府が主張している合憲であるというその主張、その主張がなぜ不正であるのか、あえて、ちょっと言葉は適切でないかもしれません、不正であるのか、間違ったものであるのか、そこの説明がないわけでございます。  その問題を昨年来、私、委員会で追及をさせていただいて、皆様に御説明させていただきましたけれども、分かりやすく言うとこういうことになるんですね。(資料提示)安倍内閣の七月一日の解釈改憲、九条の解釈変更がどのようにインチキであるかということ、不正であるかということは、こういうことになるんですね。  安倍内閣は、昭和四十七年政府見解という、過去に政府見解は幾つも実は憲法九条についてはあるんですけれども、その中で、昭和四十七年見解という解釈改憲を強行できる、この見解だけが、これ、隙間でも何でもないんですけれども、それがあったんですね。なので、昭和四十七年政府見解というものを使って行ったと。  じゃ、昭和四十七年政府見解というのは元々どういうものだったかというと、憲法九条解釈の正しい基本論理を書いたものであると同時に、その内容として、集団的自衛権が憲法違反であるということについての論理的な理由、その結論を書いたものであったと。  ところが、安倍内閣は、この憲法九条解釈の基本的な論理、あと集団的自衛権が違憲であるという論理的理由、ここの部分を論理を捏造して、自分たちが解釈改憲で集団的自衛権を解禁できる基本的な論理というものをつくり出したんですね。それが右の図ですけれども、七月一日の閣議決定ですね。論理を捏造して基本的な論理というものをつくった。この基本的な論理の中にも、言葉としてそのまま含まれている新三要件というものを要件立てとして抽出をしたと。その抽出立てのどさくさ紛れに、明白な危険という緩和要件を火事場泥棒的に追加した。これが実は解釈改憲の構図なんですね。  じゃ、どういうふうに論理を捏造したか、この三つのからくりが大きくあるわけでございます。  一つは、この委員会でもずっと取り上げて、ついに衆議院の安保の特別委員会でも、民主党の長妻先生、また大串先生もこの論点を追及を今いただいておりますけれども、先々週ぐらいに私が申し上げたように、七月中には火の海になると。安倍内閣は火の海になって、安倍内閣は退陣する。あらゆる政治、法的な、国民の憲法をじゅうりんした政治的責任、法的責任、またアメリカの議会等で演説などをした外交責任を取って、安倍内閣は火の海になって倒れるというふうに申し上げましたけど、そういうふうに今後なっていくと思います。  三つのからくり。一つは、外国の武力攻撃という文言を、我が国に対する外国の武力攻撃に決まっているのに、申し上げました、この四十七年見解を作るきっかけになった、その国会質疑で作った本人ですね、吉國法制局長官、あるいは真田次長、あるいは角田第一部長、みんな限定的な集団的自衛権なんか絶対あり得ないと、論理としてと言っているのに、ここを同盟国に対する外国の武力攻撃と読み替えて、恣意的に、集団的自衛権を解禁する。  それと同時に、お示ししましたけれども、昭和四十七年見解の中には書いてある平和主義の制限の法理。全世界の国民に平和的生存権を確認しているわけですから、日本に攻めてきてもいないイランの人たちを殺して石油を確保するようなことはできないわけですよ、憲法を変えない限り。そういうことを解禁している。  三つ目は、立法事実のでっち上げです。結局、我が国に武力攻撃が発生しない集団的自衛権の局面で、国民の生命が根底から覆る、つまり死んでしまう日本国民って一体誰なんだと。それは、どういう事態のどういう因果関係で死んでしまうのか。かつ、それは個別的自衛権でも外交努力でも防げないのかと。つまり、集団的自衛権を解禁する政策目的の必要性と、その手段としての合理性、立法事実、これが存在しないわけです。  憲法九条の文理というのは、一見して全ての実力行使を禁止されているように見えると、これは七月一日の閣議決定にも書いています。つまり、真っ暗闇なんです、一見すると。真っ暗闇の中に新しい集団的自衛権という武力行使を解禁するためには、その目的の必要性、手段の合理性が必要なんです。その立証がない。先ほど指摘しましたように、内閣法制局は審査もしていない。  この三つのインチキをやれば、これ、ナチスの手口以上ですよ。ワイマール憲法を骨抜きにした授権法以上ですよ、法律すらないんだから。この三つの手口を合わせれば、どんな法規範だって抜くことができますよ。どんな憲法の条文だって抜くことができますよ。徴兵制なんかもっと簡単ですよ。そういうことを犯しているというわけでございます。  こうした問題、特に四十七年見解の読替えについては私もずっと追及をさせていただいておりましたけれども、実は、衆議院の安保の特別委員会に行ったら、政府の答弁が変わっているんですね。どういうふうに変わったかというと、先ほど佐藤理事がおっしゃっていただいて、砂川判決の基本的な論理と軌を一にするという訳の分からぬ説明を、これはごまかしの説明だと思います。参議院でさんざん私の方で追及したので、衆議院になってこれをやられたらかなわぬというので、国家安全保障局の官僚の皆さんを中心とする方々がごまかしができるようにそういう余計なことを付け加えたんだろうと思うんですけれども。  じゃ、中谷大臣に伺います。よろしいですか、中谷大臣、こちらを御覧いただけますか、このフリップ。  先ほどの答弁で中谷大臣は、佐藤理事の質問に対してこういうふうにおっしゃいました。砂川判決に書かれている基本的な論理と軌を一にする、それが昭和四十七年政府見解に書かれている基本的な論理であるというふうにおっしゃいました。おっしゃいました。よろしいですか。  じゃ、この皆様の分け方ですね。本当はこれ一つの文章なのでこれを三つに構造分割してはいけないんですけれども、後で追及しますけれども。基本的な論理①、基本的な論理②、それで帰結、当てはめと言っていますね。  中谷大臣に伺います。砂川判決に書かれている基本的な論理は、この論理①と②、あるいは帰結、どこに当たりますか。論理①だけなのか、論理①と②両方なのか、あるいは帰結まで含むのか。  秘書官、後ろからやるんじゃないよ。(発言する者あり)

片山さつき自由民主党

○委員長(片山さつき君) 御静粛に、御静粛に。

小西洋之民主党・新緑風会

○小西洋之君 国会議員が国民の憲法をじゅうりんした政権に対して真剣勝負で議論しているんだよ。何で官僚が後ろから補佐するんだ。  私もかつて霞が関の官僚でしたけれども、大臣の後ろから補佐はしましたけれども、官僚の矜持を皆さん持ちましょう、官僚の矜持を。堂々と勝負すればいいんですよ。どうぞ。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 砂川事件の最高裁の判決は、我が国が自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛の措置をとり得ることは、国家固有の権能の行使として当然のことと言わなければならないというふうに述べているわけでございます。  この平和安全保障法制の整備に当たりましては、集団的自衛権の行使を一部限定容認をしましたが、それはあくまでも自衛のための必要最小限度の措置に限られるわけでございます。  そこで、この基本的な論理というのは、自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛の措置をとることを禁じているとは到底解されず、外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫不正の事態に対処するためのやむを得ない措置として必要最小限の武力行使は容認されるという部分でございます。

小西洋之民主党・新緑風会

○小西洋之君 ちょっと質問に答えていただけていないので。  ただ、ちょっと先ほどの私の発言について少し補足をさせていただきますけれども、今、私もかつて官僚でしたので、こういう個々の方のことを申し上げるのはあれなんですけれども、今大臣に耳打ちをされたその秘書官の方は、さきに私が平和主義、憲法の平和主義についての質問のときに、政府の行為によって戦争の惨禍を再び起こることがないように決意して国民主権を採択すると、そこの部分の戦争の意味について、いわゆる国際法の戦争の意味であると、つまり満州事変のようなそういう武力行使は含まないんだよという間違った耳打ちをしたんですね。それを法制局長官はその後答弁で修正されましたけれども。私もかつて官僚でいましたけれども、憲法違反の答弁を大臣にさせる、そんな補佐は憲法遵守擁護義務を持つ公務員は絶対やってはいけないわけです。いけない。  かつ、私はこのことについて、防衛省の官房長を後に呼んで、あの秘書官にそういうふうにちゃんと指導をしろと、本来だったら理事会で取り上げるように私は言うところだけれども、本当は国民のことを考えるとしなければいけないんだけれども、あなたからちゃんと指導をしろというふうに今お隣に座っている官房長に申し上げました。ところが、そういう指導が全く徹底していない。  理事会でしっかり協議いただけますか。秘書官が憲法違反の答弁を大臣に補佐している問題について、しっかりと協議をしていただけますでしょうか、委員長。

片山さつき自由民主党

○委員長(片山さつき君) 御事情も含めて、後刻理事会でお話をさせていただきます。

小西洋之民主党・新緑風会

○小西洋之君 既に私、防衛省や外務省の官房長のほか、皆さんに言っていますけれども、政治家に言われて解釈改憲を嫌々必死に抵抗しながらやるというんだったらまだ、それでも理解はなかなか難しいですけど、同情の余地はありますけど、解釈改憲、安保法制を、この憲法違反のものをお先棒を担ぐような官僚の皆さんは絶対に許さない。政権を奪い返してから、必ず皆さんを処分する。(発言する者あり)当たり前です、憲法違反ですから。当たり前のことですよ。憲法遵守擁護義務に反した国家公務員を法に基づいて処分するのは当たり前です。政治の役割です。議院内閣制の国会監督として当然の役割ですよ。そこを、私もかつて官僚だったので、おかしい政治の下で苦しむ局面があるというのは分かる。分かるけれども、積極的にそれを補佐するのは違うということを断言申し上げさせていただきます。  じゃ、大臣、先ほどの質問にもう明確に一言だけで答えてください。  砂川判決で示されている法理というのは、この四十七年見解の基本的な論理①、基本的な論理②、このフリップを御覧いただけますか、基本的な論理。昭和四十七年政府見解のその全文につきましては、資料の、このフリップは皆さんはもうさんざん御覧のはずですけれども、四ページに書いておりますので、四ページの第三段落目でございます。基本的な論理①、②、帰結、当てはめというふうに分けているわけですけれども、このフリップで御覧いただけますか。七月十四日の北側先生が使った有名なフリップ、もう何度もこの委員会で取り上げています。  この基本的な論理①の部分だけのはずなんですけれども、だけのはずという理解で、砂川判決で示されている法理は基本的な論理①だけでよろしいですね。基本的な論理②も法理として示しているんでしたら、どういうふうに示しているかお答えください。どうぞ。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 資料がなくてちょっとフリップだけでございますが、私は①だと思っております。

小西洋之民主党・新緑風会

○小西洋之君 済みません。ちょっと有名なあれでしたので、もし見えなかったとしたらそれは大変失礼をいたしました。  じゃ、今、この四ページに書いてある昭和四十七年政府見解の第三段落を、安倍内閣は、これ御覧いただいて分かるように、もう一筆で、一つの段落で書かれているものを三つに構造分割しているんですね。これが解釈改憲の手口の一つなんですけれども、このマジックの四ページです。基本的な論理①だというのを言っているのは、これもう衆議院の安保特でも、あと私はもうこの外交防衛委員会でも何度も取り上げさせていただいていますので、基本的な論理①というのは、「憲法は、第九条において、」というところから「解されない。」というところなんですね。  つまり、一言で言うと、この第三段落は、よろしいですか、第三段落は三つの句点が打たれた三つの文章から成り立っているわけです。それを順番に、基本的な論理①、基本的な論理②、帰結、当てはめというふうに分けているんです。そのことについては、私は、かぎで政権がやっている構造分割のところについて印を付けさせていただいていますけれども。今、中谷大臣が答弁をいただきました、砂川判決に示されている基本的な論理は基本的な論理①の部分であると。それは、読み上げると、「憲法は、第九条において、」というふうに始まる段落の冒頭ですね、そこからマジックの四ページの下の方に行っていただいて、私がかぎを付けている「とうてい解されない。」と、ここまでの部分ですね。大臣、よろしいでしょうか。  このことを安倍政権は基本的な論理①と言っているんですけれども、砂川判決に示されている法理、もう一度だけ、済みません、さっき答弁いただいているんですけれども、委員のほかの先生方のために、申し訳ございません、基本的な砂川判決で示されている法理というものは、この基本的な論理①のことのみであるという理解でよろしいですね。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 砂川事件の判決は、先ほど読みましたように、我が国が自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛の措置をとり得ることは、国家固有の権限の行使として当然のことと言わなければならないといたしまして、①におきまして、「自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛の措置をとることを禁じているとはとうてい解されない。」ということにつきましては、この最高裁の判決の考え方と①、軌を一にするものでございます。

小西洋之民主党・新緑風会

○小西洋之君 ありがとうございました。明確な答弁をいただきました。  つまり、安倍内閣は、安倍政権は、衆議院の安保の特別委員会に行って説明を変えたというか、昨日、安倍総理のインタビューが報道でも流れていましたけれども、砂川判決に示されている最高裁の法理にのっとっているからいいんだみたいなことを言い始めたんですけれども、砂川判決が示している法理というのはこの三つに分割したうちの基本的な論理①なんですね。  で、問題なのは、基本的論理②の方なんですね。基本的な論理の②、皆さんの四ページのお手元の資料の「外国の武力攻撃」という線を引いていますけれども、ここの「外国の武力攻撃」という言葉を同盟国などに対するというふうに読み替えて、ここに限定的な集団的自衛権が書かれているというふうに言っているんですね。だから、砂川判決で示している基本的な論理、法理と、皆さんが主張の限定的な集団的自衛権が実は昭和四十七年見解に書かれていたんだというのは、主張はかみ合っていないんですね。なぜならば、限定的な集団的自衛権の行使が法理として書かれているのは、書かれていると皆さんが言っているのは、基本的な論理②の部分ですから、砂川判決はこういう基本的な論理②の内容に至るようなことまで一言も言っていないんですね。  じゃ、そのことをちょっと皆様と確認をさせていただきたいと思いますが、このお配りした資料のマジックの三ページを御覧いただけますか。失礼しました、五ページ、六ページですね。  これは、砂川判決の条文です。私もこの問題をずっと国会で取り上げたかったんですけれども、解釈改憲が違憲であるというもう本丸の証明に皆さん、政府が答弁拒否をするので、なかなかできなかったんですが、実は、あえて言います、自民党の高村先生を始めとする方々は、砂川判決に集団的自衛権は読めるというふうに言っていますけれども、暴論です。法令解釈というものを逸脱した暴論です。そのことを今から御説明をさせていただきます。  この砂川判決、判決文そのものです。左のページを御覧いただけますか。  「そもそも憲法九条は、」というふうに線を引っ張っていますね。「そもそも憲法九条は、」、飛ばしていただいて、「わが憲法の特色である平和主義を具体化した規定である。」と。憲法九条というのは憲法前文の平和主義がダイヤモンドのように結晶した、具体化した条文であると。単なる平和主義という、憲法前文の平和主義は九条の解釈の指針ではないと。もう平和主義が形を変え、具体化したものが九条なんだというのは、この最高裁の判決を引いて政府が憲法解釈として言っているんですね。  その下の方ですね、ここからです。「同条は、」というのは、これ九条のことです。その上は、九条の第一項と第二項の条文をそのままひたすら説明をしています。「同条は、」、つまり九条ですね、「いわゆる戦争を放棄し、」、「戦力の保持を禁止しているのであるが、しかしもちろんこれによりわが国が主権国として持つ固有の自衛権は何ら否定されたものではなく、わが憲法の平和主義は決して無防備、無抵抗を定めたものではない」というふうにしていますね。  ここで言われていることは、固有の自衛権は持つと。持つ。ただし、ここからです、我が憲法の平和主義は無防備、無抵抗を定めたものでないと言っているんです。  今度、右上に行っていただけますか。線を引いてあるところですね。これ、全世界の平和的生存権ですね。  戦争を放棄し、戦力の保持を禁止してと書いているんだけれども、全世界の国民とともにひとしく日本国民も恐怖と欠乏から免れて平和のうちに生存する権利を有することを確認するので、よって、我が国は、自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛のための措置をとり得ることは、国家固有の権能の行使として当然のことと言わなければならないというふうにしているんですね。  高村先生あるいは安倍内閣もそれをにおわせるような答弁を安保の特別委員会でやられていますけれども、ここの部分ですね、「自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛のための措置」。確かに、これ昭和四十七年見解と本当によく似た言葉です。  で、この「必要な自衛のための措置」ですね、「必要な自衛のための措置」。ここは、「自衛のための措置」としか書いていないんだから、個別的自衛権も集団的自衛権とも言っていないんだから、集団的自衛権もここで概念に含まれるというふうなことを高村先生おっしゃっているんですけれども、ただし、さっきの左下のページ戻っていただけますか。  ここの議論のスタートは、「わが憲法の平和主義は、」、次ですよ、「無防備、無抵抗を定めたものではない」と、ここから始まっているんですよ。無防備、無抵抗。つまり、日本に対する侵略に対して、無防備、無抵抗を定めたものではないと、ここから出発しているんですよ。ここから出発して導かれている「必要な自衛のための措置」という文言が、法理として他国防衛の集団的自衛権なんて含むわけがないじゃないですか。もう、これだけで終わりですよ、これだけで。もう国語の問題ですよ、これ。中学校の国語の試験に出してもいいと思いますよ。この砂川判決に集団的自衛権って含まれて、他国防衛というのを読んでいいのかって。もうそんなことやったら、日本の国語が崩壊しますけどね。  更に駄目押しをさせていただきます。次のページをおめくりいただけますか。  この砂川判決の補足意見ですね。判決の主文でない補足意見に、当時の最高裁長官の田中耕太郎さんという方の補足意見、有名な言葉ですけれども、自衛はすなわち他衛、他衛はすなわち自衛という関係があるのみだというふうに言っているんですね。これを引いて、集団的自衛権、自衛というのは他衛で、他衛というのは自衛なんだから、この自衛のための措置というのはそういう意味でも含まれるんじゃないかと言っているんですけれども、全く違うと言っているもっと明確な、同じ補足意見があるんですね。  田中耕太郎さんは最高裁長官で、この今、六ページですね、この石坂さんは普通の最高裁判事ですけれども、補足意見としての法的重みは全く同じです、全く同じ。その方が言っているのは、よろしいですか、これ自衛隊は持てると。いや、何らかの実力組織は持てる。我が国に急迫不正の侵害があったときに、それに対処することは憲法上認められる。よって、そういう自衛隊は持てるというふうに言っているんですね。  ちょっと時間があれですので、右のページの、三十二と小さく書いたページの一番下の下線を御覧いただけますか。  「自衛権行使のため有効適切なる手段を、国家が予め組織整備することも亦、法的に可能であるとせざるを得ない。」。  砂川判決は、個別的自衛権が日本にあるとも集団的自衛権があるとも、また自衛隊が合憲であるとも言っていないというのが政府の砂川判決に対する評価であり、学界もそうした評価をなされているところでございます。そこに田中最高裁長官のあの訳の分からないくだりがあったので、そういうことを政治的に、集団的自衛権が認められているんだということを高村さんなどは言っているんですけれども。  ここの石坂さんのこの言葉というのは、この左に書いていますけど、「自衛権は、急迫不正の侵害に対し已むを得ざる場合、」ということが書いてあるし、さらに、その上に、いわゆる竹やりみたいなのではなくてちゃんとしたものを、さっきも御覧いただいた三十二ページの、さっき私が読み上げた下線のすぐ上の線を引いていない部分ですね、その防衛手段について、「原始的或は粗笨なる武器に類するものゝ名を挙げ、かゝる器具のみは、機に臨み変に応じ国民それぞれの工夫において、その使用を許さるゝが如く論ずる者もないではないけれども、」、つまり、竹やりみたいな戦いだったら許されるんじゃないかみたいな議論もあるけど、そうじゃないと。ちゃんとした組織を整備する、実力組織を整備する、つまり自衛隊は合憲であるというふうに言っているわけですね。ただ、自衛隊が合憲であるその前提として、あくまで我が国の個別的自衛権、法的な個別的自衛権のことしか言っていないんですね。  さらに、こういう資料はもう付けませんでしたけれども、よろしいですか、田中最高裁長官のさっきの話ですね。自国を守ることは同時に他国を守ることになりという言葉なんですけれども、こういうふうに書いているんですね、そのスタートとして。さらに一国の自衛は国際社会における道義的義務でもあると言っているんですね。一国の自衛は国際社会における道義的義務でもある、なので、自衛はすなわち他衛、他衛はすなわち自衛というのは、私は理解できませんけど、論理を言っているんですけど、ポイントは道義的義務なんですよ。法的な義務なんて言っていないわけですよ。法的なことは何も言っていないわけですよ。国際法上認められている個別的自衛権や集団的自衛権、あるいは我が国の憲法との関係で、法的な論理じゃないんですよ、これ。単なる道義的な政治論を奔放に述べていらっしゃる。  この田中最高裁長官は、この砂川判決の前に、その判決の出す時期とその内容についてアメリカ政府に説明をしていたという、戦後司法権の最大の汚点を残した方であり、また、最高裁の年始の訓示に当たって、共産主義を防ぐための司法権を頑張るぞというようなことを何度か訓示されて、憲法において私有財産制を持っていますから共産主義は我が国の憲法では許されないんですけれども、ただ、そういうことを最高裁長官が言うんですかということですよね。そういう人物であるという評価を受けている方なんですけれども。  なので、済みません、ちょっと時間が参ってきたので、中谷大臣に、あと岸田大臣に申し上げたいことは、もう二度と衆議院の安保の特別委員会で、砂川判決と軌を一にしたものであると、よって昭和四十七年見解は砂川判決の法理を認めているものなので限定的な集団的自衛権、これは認められるんだと、そのような答弁はなさらない、そういう答弁は国民を惑わす、非常に、あえて申し上げます、ひきょうなやり方の答弁だと思います。  両大臣は立派な方々ですので、大臣が考えられたことではないんだと思います。官僚の方々が何とかしてこれを実現しようというので、誤った官僚の方々ですね、狂信的な官僚集団というふうに私は申し上げていますけれども、大臣は見識に基づいた答弁をいただくということでよろしいですか。もう簡潔で結構ですので、よろしいでしょうか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 先ほど、傍論とか参考意見ということで、判決の内容の評価の御質問でございます。  法律に関することでございますので、長官にお願いできたらお答えいただければ有り難いと思いますが、よろしいでしょうか。(発言する者あり)

片山さつき自由民主党

○委員長(片山さつき君) 小西委員におかれましては、質問を特定をしていただけますか。

小西洋之民主党・新緑風会

○小西洋之君 ちょっと、問いを説明させていただいたつもりでいたんですけれども、失礼しました。  じゃ、もう一度ゆっくりと申し上げます。  安倍内閣は、砂川判決に書かれている基本的な論理がまさに昭和四十七年政府見解に書かれているものであるので、砂川判決というのはあたかも集団的自衛権を容認しているかのような判決であるというふうに受け止めているかのようなニュアンスを漂わせながら、そうしたものだというふうに明確に明言している高村先生という自民党のまさにこの問題を中心になってやられている方がいらっしゃいますけれども、そのような答弁の仕方というのは国民を惑わすことになりますので。  今、国会で、衆議院も含め参議院も含め問題になっているのは、先ほどのこの基本的な論理②の部分ですね。皆さんが分割された基本的な論理②の部分に集団的自衛権が本当に昭和四十七年の段階で法理としてあるのかどうかということが問題でございますので、砂川判決は基本的な論理①のことしか言っていない、しかも、私が示したように、どう見たって、せいぜい頑張って個別的自衛権を導く前提のことしか言えていないわけですから、この四十七年政府見解の説明あるいは解釈変更の説明に対して、砂川判決を引かれる答弁はもうおやめいただくということでよろしいでしょうか。中谷大臣。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 砂川事件の最高裁判決は、我が国が自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛の措置をとり得ることは、国家固有の権能の行使として当然のことと言わなければならないということでございます。  そこで、今回、その基本的論理という中で、結論といたしまして、集団的自衛権の行使の一部を認めるものではなくて、他国の防衛それ自体を目的とする行使は認められない、あくまでも国民の命と平和な暮らしを守ることが目的であって、極めて限定的なものであるということ、そして、その新三要件が明確に示しているとおり、憲法上の明確な歯止めとなっているということからいたしまして、従来の政府見解の基本的論理と最高裁の考え方の範囲内のものであって、憲法違反とならないと私は考えております。

小西洋之民主党・新緑風会

○小西洋之君 もうそういう答弁は、とにかく砂川判決を引用する答弁は、国民をだますものですので慎んでいただきたいと思います。  四ページを、済みません、御覧いただけますか、四ページ。先ほどの、構造分割というのが日本語の読み方としてもおかしいというのは、かつてこの国会、私、この委員会でも取り上げさせていただきましたけれども、改めてもう一度御説明をさせていただきたいと思います。四ページですね。  実は、集団的自衛権、「いわゆる集団的自衛権」という言葉がこの文章には三つ出てくるんですね。一番冒頭に線を引いている「いわゆる集団的自衛権」。そして、左に行っていただいて、第二段落の下にある「いわゆる集団的自衛権」。そして、一番最後の、第三段落の一番文末にある「いわゆる集団的自衛権」というふうに言っているんですね。  この「いわゆる集団的自衛権」というのは、横畠長官、一言で、もう本当に一言でお願いします、あらゆる集団的自衛権、集団的自衛権の全集合をこの三つの「いわゆる集団的自衛権」は三つとも指していると、そういう理解でよろしいですか。

横畠裕介内閣法制局長官

○政府特別補佐人(横畠裕介君) ここに言う「いわゆる集団的自衛権」といいますのは、国際法上、武力の行使が正当化される集団的自衛権の言わばフルセットのものを指しているものと理解しております。

小西洋之民主党・新緑風会

○小西洋之君 横畠さんは、フルセットというのは、全てのあらゆる集団的自衛権だというふうに言っている。つまり、安倍政権が作った限定的な集団的自衛権、それではない、非限定的な集団的自衛権を足した全集合だと言っているんですね。  そうすると、この文章、こういうことになるんですね、日本語として。頭から行くと、全ての集団的自衛権というのはかれこれのものである、これが第一段落。第二段落は、ところで、政府は、その全ての集団的自衛権を国際法上有しているんだけれども、憲法上は行使できない、それは憲法の容認する自衛の措置を超える、それは次のような、波線ですね、「考え方に基づく」。考え方を言ったのがこの三段落なんですね。第三段落の結論として、いわゆる集団的自衛権の行使は憲法違反であるというふうに言っているんですね。  ところが、あらゆる集団的自衛権を定義して、あらゆる集団的自衛権が認められないというふうに従前言ってきた憲法上の考え方は以下のものだと言っている段落の中で、安倍内閣は、限定的な集団的自衛権を法理としてここに残している、作っているというふうに言っているんですね。  もうこれ、中学校や高校の入試試験の問題だと思うんですけれども、あらゆる集団的自衛権を定義して、それを否定する目的で文章を作って、かつ、そのとおり第一段落、第二段落で流してきて、第三段落でいきなり限定的な集団的自衛権を残して、しかも、その結論で全ての集団的自衛権は認められないなんと言うわけがないわけですよ、文章のやり方として。これを構造分割して、一番最後の「そうだとすれば、」という段落のところは、これ、帰結、当てはめだというふうに読むんだと言っているんですけれども、それがおかしいということを一言だけ申し上げさせていただきます。  実は、この文章は、さっき申し上げました砂川判決の論理から出発している数ある政府見解の中で、実は戦後の政府見解の中でただ一つの唯一の例外なんですよ。普通は、憲法九条が一見すると全ての実力行使を禁止しているように見えるから、我が国に武力攻撃が発生したときしかできないので集団的自衛権は駄目だと、もう簡潔な論理で言っているんですけれども、この政府見解だけ砂川判決の自衛の措置から始まって、かつ、これもこの見解だけなんですけれども、平和主義の制限に掛かるということを言って流しているんですね。  つまり、全体で言うと──もう終わります、あと三十秒で終わらせていただきます、これは、第一段落で自衛の措置について始めて、第二段落で砂川判決の自衛の措置で始めて、第三段落の始めの基本論理の①はまだ自衛の措置について論じているんですね。「しかしながら、」のところでも自衛の措置。そして、第三段落にして武力行使を言っているんですね。というふうに、自衛の措置から論じて武力行使が駄目だというふうに一気通貫で論じているんですね。  そのことは、第二段落で書いてあるように、いわゆる集団的自衛権を自衛の措置として容認することはできない、集団的自衛権を武力行使として行うことは自衛の措置として容認できないというこの第二段落の設定しているこの命題を、第三段落の一番最後のその文章で、いわゆる集団的自衛権の行使、武力行使というものは認められないと言っているだけにすぎないんですね。極めて論理的に流れているんですね。  横畠さん、よく勉強なさって、今日の朝日新聞の社説にも書かれていましたけど、法の番人の良心を取り戻して、立派な意見事務を遂行されて、解釈改憲を倒す……

片山さつき自由民主党

○委員長(片山さつき君) そろそろお時間です。

小西洋之民主党・新緑風会

○小西洋之君 安倍内閣を倒閣していただきたいと思います。  我が党民主党も……

片山さつき自由民主党

○委員長(片山さつき君) お時間です。

小西洋之民主党・新緑風会

○小西洋之君 参議院の段階で安倍内閣を倒すことを国民の皆さんにお約束して、質疑を終わらせていただきます。  失礼しました。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 私は、まず改正防衛省設置法第十二条についてお尋ねいたします。  この改正につきましては、文官統制が撤廃されるんではないかという懸念、また、そもそも文官統制という概念自体があったのかなかったのか、こうしたことについてこれまでも議論をしてまいりました。実は、この点につきましては、政府からの私ども公明党に対する説明が当初十分ではなくて、この承認する時期が遅れたという、マスコミにも報道されましたが、そうしたこともあったわけでありますので、最後に私、もう一度確認をしておきます。  そこで、まず大臣は、三月二十日の本院予算委員会で、この十二条は従来から官房長及び局長による政策的見地からの大臣補佐と幕僚長による軍事的、専門的見地からの大臣補佐を調整、吻合する規定であると説明してきました、このように言われております。  従来からということでありますから、過去に国会答弁でこの十二条のそうした趣旨についてどう説明してきたのか、内容的なものをこの際確認をしておきます。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 御指摘の規定につきまして、昭和二十九年の防衛庁設置前後の審議において、木村保安庁長官から、内幕双方からの長官の補佐について、両々相まってそのよろしきを得たいと述べているほか、加藤政府委員から、現行十二条に当たる当時の防衛庁設置法第二十条について、昭和三十六年四月二十六日、官房長及び局長が、その所掌事務に関し長官と幕僚長との関係において長官を補佐する規定であり、あっ、これ失礼しました、これは昭和二十九年五月十四日でございます。そして、昭和三十六年四月二十六日に、軍事専門的な見地からの補佐と政策的見地からの補佐との調整を取るものであるとの旨の説明をいたしております。  このように、現行の防衛省設置法第十二条の趣旨については、従来から国会において、官房長、局長による政策的な見地からの大臣補佐と幕僚長による軍事専門的見地からの大臣補佐を調整、吻合する規定であるとの趣旨を説明してまいっております。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 私もそうした答弁を提出していただきまして、従来からそういう、いわゆる文官統制という考え方はこの法律に含まれていない、このように確認したところでございます。  しかし、いろいろマスコミ等でも批判がありまして、一例を言いますと、本年二月二十二日付けの東京新聞での批判では、現行の十二条は内部部局の背広組が制服自衛官より優位に立つ仕組みである、そういう文官統制という仕組みであるという理解で今回の改正に批判をしているわけでありますけれども、この点はそうではないということで確認しておきます。

石川博崇公明党防衛大臣政務官・内閣府大臣政務官

○大臣政務官(石川博崇君) 私から御答弁させていただきます。  先生御指摘のような新聞報道があることは承知しておりますけれども、先ほど大臣から答弁がありましたとおり、防衛省設置法第十二条の趣旨につきましては、従来から官房長、局長による政策的な見地からの大臣補佐と幕僚長による軍事的、専門的見地からの大臣補佐を調整、吻合する規定であると説明されてきておりまして、御指摘のような現行第十二条が背広組が制服の自衛官より優位に立つ文官統制であるという仕組みではないというふうに説明させていただいております。  その上で、この第十二条は官房長及び局長が大臣を補佐する旨を明確に定めているところでございますが、このような補佐の意味は一般的に部下が上司を助けることでございまして、他人の行為の消極的な制限又は禁止あるいは積極的な下命という意味である統制を補佐者ができるものではございません。  こうしたことを踏まえれば、同条が内部部局の文官が自衛官より優位に立つといったような文官統制を定めたものであるとの理解は全く当たらないものと考えております。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 一方で、一九五四年の防衛庁・自衛隊発足当時、戦前の旧軍が暴走したという反省から設けられたのが文官統制であって、制服組の政治への介入を阻むことが目的であったという見解がありまして、これは、やはり戦前のそうした軍部の暴走という歴史を踏まえますと一概に否定できないといいますか、もしかしたら当時はそういう考え方も法律の運用といいますかの中であったのかなという、そういう疑問も持つわけでありますけれども、この点はいかがなんでしょうか。

石川博崇公明党防衛大臣政務官・内閣府大臣政務官

○大臣政務官(石川博崇君) まさに先生御指摘のとおり、終戦までの経緯に対する反省を踏まえて様々な議論が行われてきたものと承知しております。そうした反省に基づいて設けられたのがまさにシビリアンコントロール、文民統制の制度でございまして、文官統制ではないものと考えております。  具体的には、この文民統制、シビリアンコントロールをどのように確保したかと申しますと、国民を代表する国会、あるいは一般行政事務として内閣の行政権を行うその内閣の在り方、内閣総理大臣その他の国務大臣が憲法上文民でなければならないこと、さらには、自衛隊を管理・運営し、統制する防衛大臣、そして防衛副大臣、防衛大臣政務官等の政治任用者が防衛大臣を補佐しているという防衛省における運営の在り方、そういった各レベルでの厳格な文民統制の制度を採用してきたところでございます。  こうした文民統制の制度の中で、内部部局の文官の役割というものは防衛大臣が文民統制を担う際の補佐であり、防衛省設置法第十二条は官房長及び局長が防衛大臣を補佐する旨を明確に定めているところでございます。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 これは委員会の参考人質疑で表明された見解でございます。  文官統制という概念が誤解であるとしても、今回の十二条の改正によって防衛大臣の政策決定において自衛隊制服組の影響が相対的に高まることへの懸念はあるかもしれないという、こういう表明もあったわけでございますけれども、この点はどうなんでしょうか。  そういう改正によってそういう相対的に背広組の発言権が高まるということになっていくんでしょうか、またそうではないのか、説明してください。

石川博崇公明党防衛大臣政務官・内閣府大臣政務官

○大臣政務官(石川博崇君) この委員会における参考人の方からの御意見で、今御指摘のような御意見が開陳されたということは承知しております。  しかしながら、今回提出させていただいております防衛省設置法第十二条の改正というものは、今般、統合幕僚監部の改編が行われること、あるいは防衛装備庁の新設が行われることといった防衛省の組織構成が大幅に変更されることから、この十二条につきましても新たな組織構成に適切に対応する規定にする必要があるという考え方から改正をさせていただくものでございます。  しかしながら、政策的見地からの大臣補佐と軍事専門的見地からの大臣補佐を調整、吻合するという従来からのこの十二条の趣旨自体は変更いたしません。そういう意味で、従来から防衛大臣が的確な判断を行うためには政策的見地からの大臣補佐と軍事専門的見地からの大臣補佐が言わば車の両輪としてバランス良く行われることを確保する必要があるという点も、趣旨自体は全く変更のないところでございます。  このような内部部局の文官の役割というものは今般の法改正によって変更されるものではございませんので、引き続き防衛省の所掌事務全般にわたって政策的見地から内部部局の文官による大臣補佐が行われることでございまして、自衛官の影響力が相対的に高まるといったことはないものと考えているところでございます。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 シビリアンコントロールということは、戦後、新憲法の下で導入された、そういう原理でございます。元々は、シビリアンコントロール自体は長い歴史を持つそういう運用でありますけれども、諸外国においてシビリアンコントロールがどうなっているのか、特に、議論されてきました文官統制という考え方を取っている例はあるのか、この点、説明をしてください。

石川博崇公明党防衛大臣政務官・内閣府大臣政務官

○大臣政務官(石川博崇君) 必ずしも網羅的に全世界の例を把握しているわけではございませんが、少なくとも、主要な民主主義国家におきまして、それぞれの国の事情により必ずしもその態様というものは同一ではありませんけれども、いずれも文民統制が採用されていて、いわゆる文官統制という考え方を採用しているとは承知していないところでございます。  例えば、アメリカにおきましては政治制度などの事情が我が国とは異なりますが、アメリカにおきましても、議会において軍に関する法律や予算が審議、議決されること、あるいは、選挙によって選出された大統領が憲法上、軍の最高指揮官とされており、安全保障問題に関する大統領の最高諮問機関として国家安全保障会議が設置されていること、また、アメリカの国防省におきましては、大統領によって指名され議会の承認を得て任命された文民たる国防長官が国防省を監督し、大統領の下で軍に対して監督命令等を実施していることといったように、各レベルで文民統制が確保されているものと承知しております。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 次に、第二十二条の改正、部隊運用に関する防衛大臣補佐体制を変えることについての懸念といいますか、確認をしておきます。  今回の改正では、実際の部隊運用に関する業務を統合幕僚監部に一元化をするという、こういう改正でありまして、従来、重複していたのか、していなかったのかということも含めて議論されました。  そこで、本委の参考人、武蔵参考人ですけれども、こういう見解を開陳されたわけでございます。  運用機能を統幕に一元化することは、有事におけるオペレーションなどで指揮命令系統を一本化するという効果も期待できる、しかし、自衛隊の海外派遣などをめぐっては、慎重を期す意味でも、運用機能を統幕に一元化することは性急な決定を招くことにならないか、こういう指摘がありまして、今、時あたかも平和安全法制が衆議院で審議されているさなかでありますので、この点も検証する必要があると思っております。  そういう弊害というのは予想されませんですか。

石川博崇公明党防衛大臣政務官・内閣府大臣政務官

○大臣政務官(石川博崇君) 先ほど少し、済みません、この件、私の方から先に言ってしまったところがございましたが、先日の参考人質疑においてそのような参考人の意見が開陳されたことは承知しております。  我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中で、自衛隊の部隊運用について、的確性を確保した上で迅速性、効率性を向上させる必要があると認識をしているところでございます。  そのために、自衛隊の部隊運用に関する対外的な連絡調整、あるいは大臣への状況報告といった実際の部隊運用に関する業務につきましては、内部部局と統幕、統合幕僚監部との間に重複が存在する面もありますことから、これを統合幕僚監部に一元化させていただくこととしておりますが、他方で、御指摘のような件に関しましては、自衛隊の部隊の海外への派遣を含めて、実際の部隊運用に関し防衛大臣が判断を行う場合には、内部部局は統合幕僚監部と必要な協議を行って政策的な見地から補佐することとなります。特に、部隊運用に関して閣議決定や政令、法令の改正を必要とするものなど高度な政策判断を伴うものにつきましては、内部部局が中心となって対応することとなります。  このように、実際の部隊運用に関する業務の統幕監部への一元化は、文民統制の主体である防衛大臣に対して、引き続き、政策的見地からの大臣補佐と軍事専門的見地からの大臣補佐が行われる体制を確保した上で、的確かつ、より迅速な意思決定を行うことを可能にするものでございまして、今般の組織改編により自衛隊の海外派遣などをめぐって御指摘のような弊害が生じることはないと考えております。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 大臣、今の答弁を踏まえて具体的に一つお聞きしますけれども、今度、今、平和安全法制の中で、新法で平和支援法案を提案をされているわけでございます。これは言うまでもなく、他国部隊の後方支援をする場合の一般法でございますけれども、これによりますと、基本計画を政府が決めて、例外なき国会の事前承認が要ると、その上で防衛大臣がこの実施区域を指定するということになっております。  そうなりますと、これは大臣が自分で考えて指定をするというよりも、当然、技術的あるいは政策的アドバイスを受けて決定するんだと思いますけれども、そういう大臣に助言といいますか補佐をするのは、従来ですとこれは内局であると思いますけれども、今度法案が改正になりますと、それは統合幕僚監部が助言といいますか補佐をするようになる、そのように変わるのか、それは従来と変わらないのか、ここもちょっと確認させていただきます。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 今般の組織改編後におきましても、実際の部隊運用に関して防衛大臣が判断を行う場合には、内部部局は統合幕僚監部と必要な協議を行い、政策的見地からの補佐をします。特に、部隊運用に際して閣議決定や法令の改正を必要とするなど高度な政策判断を伴うものにつきましては、内部部局が中心となって対応いたしております。  このように、今と変わらなく、こういった大きな事柄につきましては、内部部局を中心に判断を行っていくということでございます。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 終わります。

片山さつき自由民主党

○委員長(片山さつき君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時四十七分休憩      ─────・─────    午後一時開会

片山さつき自由民主党

○委員長(片山さつき君) ただいまから外交防衛委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、太田房江君、末松信介君及び福山哲郎君が委員を辞任され、その補欠として松山政司君、大野泰正君及び西村まさみ君が選任されました。     ─────────────

片山さつき自由民主党

○委員長(片山さつき君) 休憩前に引き続き、防衛省設置法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

小野次郎維新の党

○小野次郎君 維新の党の小野次郎です。  防衛大臣にお伺いしますが、施設庁の入札談合事件を受けて、平成十九年九月には施設庁を廃止して、また省移行に合わせて施設庁の所掌事務を本省に統合したわけですが、今回の法改正では装備庁を本省の外局に置くということになっていますけれども、こういうことで本省からのガバナンスが利きにくくなるというような好ましくない影響は考えられないのか。また、好ましくない影響が出ないための防止策についてお尋ねしたいと思います。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 小野先生の御質問にお答えする前に、先週の二日の火曜日及び四日の木曜日の委員会におきまして私が行った答弁につきまして、その趣旨を確認をさせていただきます。  私からは、我が国は今後もISILへの空爆等への後方支援を行うことは全く考えておらず、今後とも、難民、避難民に対する食糧・人道支援など、我が国ならではの人道支援を拡充し、非軍事分野において国際社会における我が国の責任を毅然として果たしていく旨、答弁を申し上げました。  ここで申し上げた人道支援とは、ISILによって被害を受けた難民や国内避難民の方々に対して、我が国が国連難民高等弁務官事務所等の国際機関やNGO等を通じてこれまでにも行ってきた救援物資等の提供等といった形の支援を指すものでございます。したがいまして、私の申し上げた人道支援は、現在国会で御審議をいただいております国際平和支援法の下で行う対応措置とは関係のないものでございます。  ISILによって被害を受けた方々への人道支援を引き続き継続していくとの我が国の方針に関する私の本委員会での発言は、これまで安倍総理及び岸田外務大臣からも累次にわたり説明をしている内容を確認させていただいたものでございます。  以上でございます。  その上で、今の、先ほどの小野次郎委員の御質問に答えさせていただきます。  今回、防衛装備庁の設置に当たりまして、防衛施設庁の入札談合事案などのこれまでの教訓、反省も踏まえまして、防衛大臣の指揮監督を受けつつ適正に業務遂行を行い、不正が生じないような組織設計を行ってまいります。  具体的には、防衛装備庁内における監察・監査部門の設置によりまして内部監視機能の強化を図りつつ、防衛大臣直轄の防衛監察本部の増員によりまして外部からの監察機能を強化をするとともに、外部有識者から成る防衛調達審議会の審議を受けるといった措置により、重層的に監察、監査を行ってまいります。これに加えて、教育部門の充実による職員への法令遵守教育の徹底を図りまして、業務の一層の透明性、公正性を確保することといたしております。  以上です。

小野次郎維新の党

○小野次郎君 そうすると、前回、大臣とやり取りさせていただいた内容というのは、国際機関を通じて、あるいはNGOを通じての人道支援ということだと思います。ですから、停戦合意前の自衛隊の活動についての議論をしているというところでは、そうやってしっかりと断っていただかないと、今回の法改正案とちょっと違う枠組みの話をされたので、私の方でちょっとチェックをさせていただいたということでございます。  元に戻りますが、その御答弁を承った上での質問なんですが、人道復興支援というのは日本にとってはやっぱりお家芸ですから、安全確保の措置は当然必要です。停戦前ですからそういう危険もあるわけですけど、その上で、それを承知した上で、やはりこれまで同様に国際平和支援法の枠内にも人道復興支援という活動メニューを残すべきではないかと私は思うんですが、いかがでしょうか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 小野委員の御指摘のとおり、人道復興支援活動は我が国の強みを生かした活動でございます。例えば、イラク人道復興支援におきましてサマーワで活動をしてまいりましたが、佐藤委員も実際現場におられましたけれども、これは地元のニーズをしっかりと把握をした上で、給水、公共施設の復興など自衛隊の持ち味を遺憾なく発揮したオペレーションであったと思います。  このような活動の重要性を踏まえまして、平和安全法制のPKO法の改正におきまして、国連決議や国際機関、地域機関等の要請等があり、従来の参加五原則と同様の厳格な参加原則に該当する場合には、国連が統括しない国際連携平和安全活動に参加できることとしておりまして、実施業務につきましても、人道復興支援活動を実施可能といたしております。  この国際平和支援法に人道復興支援活動を規定しなかった理由は、この法律が、我が国が諸外国の軍隊等の活動に関連した対応措置を定めた法律であり、その対応措置は、旧イラク特措法に定められていたような人道復興支援のように、現地の住民を対象とする民生支援とはその協力対象や性質を異にすること、そして、イラクの特殊事情に対応するために制定された旧イラク特措法とは異なり、諸外国の軍隊等への後方支援等を通じて国際社会の平和及び安全の確保に資する旨を規定した一般法である国際平和支援法において対象や性質の異なる人道復興支援活動を規定することは、かえって法律の目的や外縁を曖昧にしてしまうおそれがあるということに鑑みまして、これに入れるのは適切でないと判断したためでございます。

小野次郎維新の党

○小野次郎君 私は、この国際平和支援法の枠内において人道復興支援ができるように、メニューに残すべきだと思います。  大臣の今の説明を聞けば聞くほど、今まで以上により軍事協力のカラーを純粋に特化しましたと言っているようにしか聞こえないんですね。そうしない方が私はいいと思うし、これから日本が国際貢献しなきゃいけない、国際的には、しかし、できるだけそういった軍事的な色合いを出したくない協力でそれを賄いたいというときには、やっぱり人道復興支援を傍らでか、あるいはそれをメーンでやることは大いに考えられると思うので、そういったメニューは残しておくべきじゃないかと思うんですが、一言だけ、ちょっと大臣、どうでしょうか、そういう考えは。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 積極的平和主義という目的から鑑みまして、小野委員が御指摘のようなことは考えられるわけでございますが、これまでの活動等の経験を生かしまして、このような人道復興支援活動をこれまで以上に支障なく実施できるためには、まず活動を行う区域の安全の確保が必要な場合があると考えました。また、そのような場合には、他国軍隊に安全確保を依存する形ではなくて、自らの安全確保の任務を行うことが適当であると判断したところでございまして、安全確保業務、これを実施するためには任務遂行型の武器使用が必要となるために、停戦合意を始め参加五原則と同様な厳格な原則や領域国等の受入れの同意の安定的維持といった要件を満たすことが必要であることから、国際平和支援法ではなくて、PKOと同じ枠組みに置いたところでございます。

小野次郎維新の党

○小野次郎君 次の質問に移りますが、横畠長官にお伺いします。  憲法九条、この憲法解釈の基本的論理の枠内かどうかということが今盛んに話題になっていますけれども、私が理解する基本的論理の枠内というのは、憲法九条は、我が国に対する武力攻撃若しくは我が国に向けた直接の軍事的脅威に対してでなければ我々が武器を持って立ち上がるということは許さないというのが一番の本旨、基本的論理の中核ではないかと思うんですが、そういった我が国に向けた直接の軍事的脅威でない場合に、自衛隊を自衛権行使を目的として海外にまで行かせるということは憲法は到底容認していないんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

横畠裕介内閣法制局長官

○政府特別補佐人(横畠裕介君) 我が国に対する直接の軍事的脅威という御指摘でございますけれども、軍事的脅威というものでどのような内容を想定されているか若干分からないところもございますけれども、今般の新三要件におきましては、我が国に対する武力攻撃が発生したことに加えまして、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があることというのを第一要件といたしております。  その意味で、軍事的脅威という観点から申し上げれば、少なくとも他国に対する武力攻撃は発生していると。かつ、それによる深刻、重大な影響が我が国に及ぶということを踏まえて、この新三要件の第一要件は定められているものと理解しております。

小野次郎維新の党

○小野次郎君 今朝ほどの佐藤議員とのやり取りを聞いていたら、武力攻撃事態から存立危機事態は少し輪がはみ出ているみたいな話をされていたように思うので、はみ出ていちゃ駄目なんじゃないのというのが私の今指摘したところでございます。  次の質問に移りますが、政府案の集団的自衛権行使という考え方は、これ外務大臣にお伺いしますけれども、存立危機事態という我が国独自の極めて厳格な要件を設けたと、このことは私も分かります。ただ、あくまでも我が国を守るために必要な場合に、我が国を守るために必要な限りにおいてのみ集団的自衛権を行使するというふうに絞り込んでしまったと。その結果、公然と公明党の責任者なんかは他国を守るための武力行使ではないと言い切ることまでしているわけですね。  そうなっちゃうと、もはや新三要件の我が国と密接な関係を有する他国というフレーズ、要件は、実は要件として体を成さないんじゃないのかと。つまり、あるA国がB国から攻撃を受けて、このA国がどんな国であろうと、その攻撃の結果、我が国が存立危機に至り、あるいは死活問題になるという、どんな要件より厳しい要件の下で、その要件にはまったときには我々は立ち上がらざるを得ないという論理ですから、そのA国がそこで逆に我が国と密接な関係を有する他国というふうになることがあると、まあ全てではないでしょうけれども、なることがあるというだけであって、元々密接な関係を有する他国というのは決して相手を特定したり限定する要件にはなっていないんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、新三要件には我が国と密接な関係にある他国という文言があります。これは、まずは国際法上、集団的自衛権は何かという解釈において、集団的自衛権とは、一般に、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止する権利、このように解されているわけですが、こうした国際法上の理解、これを踏まえたものであると考えます。  そして、国際法上、武力攻撃を受けた国からの要請又は同意、これが集団的自衛権の行使に当たって要件となっています。我が国と密接な関係にあるからこそ、我が国に対し集団的自衛権の行使の要請あるいは同意を行うものとも考えられます。  こうした意味でも、我が国と密接な関係にある他国との文言、これは重要な意義を有するものであると考えております。

小野次郎維新の党

○小野次郎君 その要請や同意というのが要件だという話は分かりましたけれども、それが密接なということに戻るんだったら、何かこう定義が後ろへ後ろへ、後から係っていくみたいになっているんで、この日本語はおかしくないかと申し上げているんです。  基本的には、国際法上の要件をそのまま法律の条文にしたためにこういうことになってしまっているんじゃないかと思いますが、攻撃があって、攻撃された国が要請、同意をしている、一方でその結果が我が国にとって死活問題になる、そうすると遡ってこの国は我が国と緊密な関係を有する他国というふうになるんじゃおかしいでしょうと。これは元々我が国と密接な関係を有する他国が攻撃を受けたと言っていますけど、前段のこのフレーズ自体は実は絞り込んだり特定する要件にはならないで、結局は我が国が存立危機事態になったかどうかということが要件であって、その結果として、最初の攻撃を受けた国が要請、同意すれば我が国と密接な関係を有する他国と認定するというだけのことじゃないですか。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 我が国と密接な関係にある他国につきましては、我が国自身、従来から様々な場で説明を行っています。一般に、外部からの武力攻撃に対し、共通の危険として対処しようとする共通の関心を持ち、我が国と共同して対処しようとする意思を表明する国、このように説明をしています。  この説明、そして我が国と密接な関係にある他国の理解、これは今申し上げたような意味があり、大変重要な理解であると考えます。こうした要件を、国際法上の理解とも整合性を持つ形でこの三要件の中に盛り込んだ、これは、このこと自体、意義があるものであると考えます。

小野次郎維新の党

○小野次郎君 私は、木に竹をつないだような定義にしているから誤解が生じるんだと思いますが、次の問いへ移ります。  これは法制局長官ですが、武力行使との一体化論、これはもう何十年も議論された憲法上の、我が国固有の憲法上の議論だと思いますが、それは、我が国が決して、決して海外で外国に対して武力行使をすることはないという前提だから武力行使の一体化論というのがあったんだと思うんですが、今回のように、海外で一定の場合には自ら武力を行使するという前提の上に立てば、もはや武力行使との一体化論はそもそも成り立つ余地がないんじゃないでしょうか。

横畠裕介内閣法制局長官

○政府特別補佐人(横畠裕介君) 海外で武力行使をすることがないという前提に立っているのかという、そのお尋ねの前提でございますけれども、そういうことではございませんで、憲法第九条の下で我が国が武力の行使をできる場合が限定されていますと、もちろん国際法上の制限もあるわけですけれども。我が国が武力行使をできる場合については憲法上の問題はないわけでございますけれども、我が国が武力行使をすることができない、そういう状況の下で、現に武力の行使をする外国の軍隊がある、その外国軍隊に対する後方支援等の支援をすると、そういう場合に、その外国軍隊の武力の行使と一体化するような支援を行った場合には、我が国自身が、その場合には前提として憲法上許されない武力の行使をしていると評価される場合があるという、そういう理屈で一体化を避けるべきであると、そういう議論でございます。  ですから、我が国自身が武力の行使をできる、可能であるという場合につきましては、同じ範囲で外国の軍隊が武力の行使をしているものについて一体化するような支援をするとしても、それは憲法上の問題にはならないという、そういう関係でございます。

小野次郎維新の党

○小野次郎君 海外での同一事態について、自衛隊が武力行使と後方支援を並行して同じ事態について行っている場合には、もはや武力行使と一体化そのものではありませんか。仮に、特定の日時と場所で今日は後方支援活動しかしていませんという場合があったとしても、それはもう一体化の外形というんですかね、一体化しちゃっていることは否定しようがないんじゃないかと思うんですが、長官、いかがですか。

横畠裕介内閣法制局長官

○政府特別補佐人(横畠裕介君) ちょっと、一体化の外形という御指摘がちょっと捉えにくいのでございますけれども、お尋ねが大変単純なケースを想定している場合と複雑なケースを想定している場合、ちょっと両様取れるのでございますけれども、単純なケースを想定していると理解しますと、まさに我が国が憲法九条の下で武力の行使をすることができると、その範囲内で他国軍隊も武力の行使をしていると。そういう場合において、我が国は自ら武力の行使をするとともに、当該他国の軍隊に対する支援も行うという、そういう単純な場面でありますれば、それは、他国の軍隊を支援するということについて一体化の問題はないということになろうかと思います。

小野次郎維新の党

○小野次郎君 だから、それは一体化しちゃっているからでしょう。

横畠裕介内閣法制局長官

○政府特別補佐人(横畠裕介君) いわゆる一体化と評価されても、憲法上の問題を生じないということでございます。

小野次郎維新の党

○小野次郎君 全く理解できませんが、今日は時間ですので、やめておきたいと思います。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  まず、法案に入る前に、安保関連法案と憲法の問題について大臣にお聞きいたします。  午前中も議論ありましたように、衆議院の憲法審査会で、参考人である三人の憲法学者が全て、政府が提出した安保関連法案は違憲という意見を述べたことは極めて重いことだと思います。  そして、この三人だけではありません。六月の三日に発表された、安保関連法案に反対し、そのすみやかな廃案を求める憲法研究者の声明、この賛同者は増え続けておりまして、昨夜の段階で二百人ということになっております。  日弁連も、この法案には反対を表明をしております。  それから、世論調査を見ますと、三月以降毎月、今国会で成立は反対だという声が増え続けております。昨日の読売でいいますと、今国会での成立反対は先月の四八%から五九%へとこの憲法審査会の発言も受けて急増をする、賛成が三〇%でありますから、反対が倍になるという事態になっております。  専門家の圧倒的多数からは違憲と批判をされて、政府が説明をすればするほどむしろ国民の中からは不安と反対が拡大をしていると。  私は、やっぱりこの法案が違憲であり、道理がないものを表していると思いますけれども、大臣、ここはもう撤回をされた方がよろしいんじゃないでしょうか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) この法案は、我が国の国民の命、そして平和な暮らしを守るために必要な法案でございまして、我が国を取り巻く安全保障環境が変化をしてきたというようなことで、まず政府で安全保障法制で有識者に検討をいただき、その報告書の提出を受け、その後、与党協議会で綿密な協議を踏まえて行ったものでございます。  これの閣議決定を示された憲法解釈というものにつきまして、従来の憲法解釈との論理的整合性と法的安定性に十分留意をした上で、憲法九条の解釈の基本的な論理の枠内で、こういった国民の命と平和な暮らしを守るための合理的な当てはめの帰結を導いたものでございまして、こういった昨年の閣議決定によりまして法案が検討をしてきたということでございまして、行政府による憲法の解釈としての裁量の範囲内のものと考えております。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 そういう説明、答弁をずっと繰り返してこられましたけど、聞けば聞くほど国民の中からは反対の声が広がって、そしてどの世論調査を見ても、八〇%が説明不十分だと答えているわけですね。ですから、同じ答弁を繰り返されますけど、それに全く国民は納得しないどころか、不安と反対を拡大しているということを改めて申し上げておきたいと思います。  その上で、法案に関連してお聞きしますが、二〇一三年の十二月に閣議決定をされた新防衛大綱に、大学や研究機関との連携の充実により、防衛にも応用可能な民生技術の積極的な活用に努めると書かれました。  新しく設置しようとしている防衛装備庁はこれを推進する役割をも担うことになるわけですが、こういう動きについて、世界的な科学誌であるネイチャーはこう書きました。タカ派的な安倍内閣によって、日本の学術と軍事の関係が変化していると。重大なことだと思います。  そこで、まずお聞きいたしますが、防衛省の技術研究本部は、二〇〇二年以降、二十を超える大学や研究機関との間で国内技術交流の協定を結んでおります。その中には、東京工業大学、千葉大学、九州大学、横浜国立大学などの大学も含まれて、その内容として、ロボット技術分野、爆薬検知技術、無人小型移動体の制御アルゴリズム構築などなど行われておりますが、この国内技術交流の協定を結ぶ目的、そしてその内容はどういうものでしょうか。

外園博一防衛大臣官房技術監

○政府参考人(外園博一君) お答え申し上げます。  近年、科学技術の著しい発展を背景に、防衛技術の民生技術からの発展や、防衛技術と民生技術のボーダーレス化が進展している状況において、防衛にも応用可能な先進的な民生技術、いわゆるデュアルユース技術を積極的に活用し、効果的、効率的な防衛装備品の研究開発を行うことが重要であると考えております。  このため、防衛用途にも応用可能な技術分野を対象として、防衛省技術研究本部は、現在、七つの大学と七つの国立研究開発法人などの研究機関との間で研究協力協定を締結しております。  この研究協力協定は、研究協力を円滑に実施するため、防衛省と協定相手方研究機関との間で連絡会議を設置すること、必要に応じて双方の研究施設、機器等を共同で利用することができること、研究協力による成果は事前に相手方の承諾を得れば外部に発表しても差し支えないことといった事項を両者が合意した上で締結しております。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 いただいた資料を見ますと、協定の数は、二〇〇二年から二〇一二年の十一年間では計十五件でありますが、約一年間で一件余りの平均ですが、二〇一三年は五件、二〇一四年は九件と急増しておりますけれども、この理由はどういうことなんでしょうか。

外園博一防衛大臣官房技術監

○政府参考人(外園博一君) お答え申し上げます。  本年三月の内閣府による自衛隊・防衛問題に関する世論調査によれば、自衛隊に対する印象について、良い印象を持っているとの回答が九二・二%に及んだと承知しておりますが、防衛省・自衛隊に対する理解と信頼感が社会的に醸成されていることを背景として、国内の研究機関において、大規模災害等の各種事態に関し、防衛省との研究協力により国の安全、国民の安心に寄与することができるのではないかとの機運が生じているのではないかと考えております。  また、近年、防衛省が行っている研究の方向と昨今の民生における最先端技術の方向が一致することが多くあります。  このような背景の下、これまで防衛省と国内の研究機関との研究協力の可能性等に関する意見交換を行ってきたところ、平成二十五年度、御指摘の二〇一三年度以降、その成果が表れてきたものと考えております。  いずれにせよ、防衛省としては、防衛装備品の研究開発において優れた先進技術を取り込み効率的に研究を行うことが重要であると考えており、引き続き、国内研究機関との研究協力について積極的に推進してまいりたいと考えております。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 二〇一二年の末に第二次安倍政権が発足をして、新防衛大綱が検討される中で出された二〇一三年七月の中間報告にも大学等の基礎研究との連携強化が盛り込まれておりまして、まさに防衛大綱を先取りする形でこういう増加が増えているのではないかと私は思います。  さらに、昨年、最先端科学技術の速やかな軍事技術への転用を推進してきたアメリカの国防省の高等研究計画局、いわゆるDARPAですね、これを参考にして、内閣府に革新的研究開発推進プログラム、ImPACTが設立をされました。それに先立って、二〇一三年十一月に、技術研究本部が防衛技術シンポジウムを開いております。自衛隊の準機関紙の朝雲が大きく報道しておりますが、軍民共用の技術の推進に技本がその中核を担うことが期待されていると大きく報道したわけであります。  こういうことに加えて、防衛省は、今年度予算で競争的資金制度である安全保障技術研究推進制度を開始をいたしました。この制度の概要とその目的はどういうものでしょうか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 防衛省では、今年度より、大学、独立行政法人の研究機関、また企業等における独創的な研究を発掘し、将来有望である芽出し研究を育成することを目的とする安全保障技術研究推進制度、これを創設をすることとしまして、この制度に必要な経費として総額約三億円を平成二十七年度予算に計上いたしております。  この安全保障技術研究推進制度は、防衛省が研究機関等に対して広く研究課題の提案を募り、提案された研究課題の中から、防衛省が採択した課題を実施する研究機関等に対して研究を委託をし、また研究資金を配分するものでございます。  防衛省といたしましては、この制度を通じて大学、独立行政法人の研究機関や企業等が有する優れた先進技術を効果的、効率的に取り込んで、将来装備品の研究開発に活用したいと考えております。  これがこの制度の概要と目的でございます。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 今年度予算三億円と言われましたけれども、概算要求は二十億円でありました。なぜ三億になったのか、そして防衛省としては今後どういう目標を持っていらっしゃるのでしょうか。

外園博一防衛大臣官房技術監

○政府参考人(外園博一君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、平成二十七年度概算要求においては約二十億円を計上しておりましたが、厳しい財政状況を踏まえつつ、今年度が本制度の初年度であることに鑑み、本制度を円滑に着実に行うための必要最低限の金額として約三億円を平成二十七年度予算に計上させていただいたところでございます。  また、今後の予算規模につきましては、本年度の本制度の応募状況などを踏まえ検討してまいりたいと考えております。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 採択審査はどのように行われるのでしょうか。その際、装備品への適用可能性などはどういうふうに評価をされることになるのでしょうか。

外園博一防衛大臣官房技術監

○政府参考人(外園博一君) お答え申し上げます。  防衛省が実施する安全保障技術研究推進制度は、多府省が実施する競争的資金制度に基づいております。一般に競争的資金制度においては、資金配分主体が広く研究課題等を募り、提案された課題の中から、専門家を含む複数の者による科学的、技術的な観点を中心とした評価に基づいて実施すべき課題を採択することとされております。  防衛省が行う安全保障技術研究推進制度においても、このような競争的資金制度の趣旨に基づき、外部の専門家を交え、公平公正な評価によって採択する研究課題を審査する予定です。  また、装備品等への適用可能性に関する評価については、まず、防衛省が公募において提示する研究テーマは、装備品等にも応用可能な革新的、先進的な民生技術を活用することにより防衛省における研究開発の効果的、効率的な実施を図るという趣旨に基づいて設定されていることから、応募された研究課題が研究テーマの趣旨と整合しているかどうかという観点から科学技術的に評価されることによって、装備品等への適用可能性についても評価されるものと考えております。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 防衛省の装備政策課長さんが東洋経済に出て、将来防衛省が採用しそうな技術に対して後押しをしていくと、こういうふうに述べられている、そういうことだと思います。そして、当初の三億円から更に拡充を目指していると、こういうことなわけですね。  内閣府のホームページを見ますと、このような競争的資金制度を持っている省庁は、防衛省以外の八府省で約四千二百億円ということになっております。その中に新たに三億円のこの基金をつくるわけですが、先ほど述べましたように、防衛省の技術研究本部と国内の大学研究施設との技術交流も増やしてきた、そしてImPACTもできたという中で、なぜ更に防衛省が独自の競争的資金制度を持つことが一体必要なんでしょうか、いかがでしょうか。

外園博一防衛大臣官房技術監

○政府参考人(外園博一君) お答え申し上げます。  先ほど申し上げましたとおり、近年の科学技術の著しい発展を背景に、民生技術からの優れた技術を防衛技術に取り込むことが効果的、効率的な防衛装備品の研究開発に極めて重要であると認識しております。  現在の技術研究本部と各研究機関、大学等との研究につきましては研究協力協定を結んでおりますが、これは技術情報の交換を主としておりまして、資金等の移転を伴わない、それぞれの資金で実施している形態を取ってございます。  他方、ImPACT等につきましては、デュアルユースも念頭に置くということではございますが、やはり防衛省としての行政目的に合致をした形のテーマをつくることがより一層民生技術を取り込むために、またそこに資金を提供することが必要であるというふうに考えたため、この資金制度を発足させていただいたわけでございます。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 一般的協力ではなくて防衛省の目的に沿った技術支援をしていく、そういう資金をもってやることが必要だと、こういう答弁だったと思うんですね。  今年の三月二十六日付けのウォール・ストリート・ジャーナルの日本語版は、日本の防衛省が長く閉ざされてきた大学研究室のドアをこじ開けようとしていると、こういう記事を書きました。どういうことかと。  憲法九条の精神というのは戦後の学問研究の分野にも発揮されてきました。一九四九年に創設された日本学術会議は、第一回の総会で、軍事研究に積極的に協力してきた、そして国民のための学問ではなかったことへの反省を込めた決議を上げて出発をいたしました。一九五〇年の第六回総会、そして六七年の第四十九回総会でも、戦争目的のための科学研究を行わない声明というのを上げております。  このことは、昨年五月に次期輸送機C2の不具合の原因究明のために防衛省が東大に協力を要請した際に、東大が軍事協力を禁止した評議会決定に反するとして教授の派遣を拒否したということで改めて注目をされました。その後、十二月に東大のある研究室が科学研究ガイドラインを改訂したことを受けて、今年一月に産経新聞が「東大、軍事研究を解禁」と報道をし、東大総長が、学術における軍事研究の禁止は東京大学の研究教育の最も重要な基本原則の一つであると、その方針は変わらないという声明を出したということでも注目を受けたわけであります。そういう中で今回のこの資金なわけですね。  今、国立大学では一般運営費交付金が削減されているため、経常研究費がほとんどなくなって、とりわけ基礎研究の分野ではそうなっております。教員は、競争的資金を稼がなければ研究が続けられませんが、基礎研究はなかなかそれも困難と。そういう中で新たにつくられたのがこの安全保障技術研究推進制度ですから、防衛省の資金であってももう背に腹は代えられないと応募をしてくれば、それを突破口に徐々に軍事研究に大学を取り込んでいく、予算規模も増やしていく、そのために独自の資金が必要だったと、こういうことなんじゃないでしょうか。大臣、いかがでしょうか。

外園博一防衛大臣官房技術監

○政府参考人(外園博一君) お答え申し上げます。  この安全保障技術研究推進制度は、あくまでも防衛装備品の研究開発を効率的に行うために日本の大学等にございます革新的、先進的な技術を活用させていただくという趣旨でございまして、また、制度の趣旨に照らしまして、国内大学の自発的な御判断によって御参加いただくということでございますので、この研究制度を積極的に活用して防衛装備品の研究開発を効率的に実施していきたいというふうに考えております。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 先ほど紹介したウォール・ストリート・ジャーナルは、東大が拒否をした件を書いた上で、元自衛官の自民党の国会議員が軍事研究への抵抗をやめるよう大学を説得させるため文科省に働きかけていると話したと、こういうふうに書いております。  そして一方、先ほど紹介した今年三月の防衛省のシンポジウムで、大臣はこのファンディング制度について、これまで安全保障分野でつながりの薄かった大学や企業が参入になる端緒となるのではないかと期待をしていると、こういうふうに述べられているわけですね。  ですから、片やずっと、先ほど紹介しましたように、軍事研究はやらないということを保ってきた日本の大学に対して、片や文科省を通じて働きかける、片やこの研究費不足をついて基礎研究分野の資金を用意する、そういうことでまさにこじ開けようとしていると。大臣、こういうことじゃないんでしょうか。大臣の発言ですから、大臣に御答弁いただきたいと思います。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 我が国を取り巻く安全保障環境は極めて変化をいたしておりまして、非常にいろんな、ミサイルとか生物化学兵器とか、また宇宙、海洋、非常に幅広くなってきております。  政府といたしましては、やはり国民の命、そして平和な暮らしをいかに守っていくかということで、こういった安全保障に関する技術、能力を絶えず研究をし、そしてしっかりと我が国を守っていく、そういう分野におきまして対応する必要があるわけでございまして、特にこういった技術面におきましては、民間で活動が行われておりますような民生品、こういうデュアルユースなどを活用して行いたいということでございます。  先ほど説明をいたしましたように、各民間に対しまして幅広く呼びかけをする制度等もつくりますが、情報公開などを通じて本来の目的が達成するようにこれから推進を努めてまいる所存でございます。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 先ほど申し上げましたように、軍事研究を、戦争目的のための科学研究を行わないというのが、日本の学者の国会と思われてきた日本学術会議の一貫した取組であったわけでありますが、そこに、今、資金不足をついて資金を用意するという形で、まさに憲法九条の精神が生かされてきた学問研究の分野にも入っていこうとする、私は、今、憲法九条を覆すような戦争法案の質疑とまさに一体のものだと、こう思います。こういうやり方はやめるべきだということを最後申し上げまして、質問を終わります。

浜田和幸次世代の党

○浜田和幸君 次世代の党の浜田和幸です。    〔委員長退席、理事佐藤正久君着席〕  まず、岸田外務大臣に、この週末の、安倍総理、日本の総理として初めてウクライナを訪問され、その後G7にも参加されました。このG7でも、ウクライナの問題が中国の南シナ海での岩礁の軍事基地化とともに大きなテーマになったと報道されているんですけれども、外務大臣として、今回の総理のウクライナ訪問とG7についての評価、成果について、簡単に御報告お願いしたいと思います。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、今般、安倍総理は、日本の総理大臣として初めてウクライナを訪問し、続けてG7サミットに出席をいたしました。  ウクライナにおきましては、いわゆるウクライナ問題を平和的、外交的に解決するために全ての当事者がミンスク合意を遵守することが重要であるということをしっかり指摘をし、あわせて、ウクライナの安定化のためにはウクライナ自らの国内改革が重要である、こういった点を指摘をいたしました。ウクライナ側、ポロシェンコ大統領の方からは現状について説明があり、そして改革に向けた強い決意も示された次第でありました。  そして、そのウクライナ訪問を踏まえてG7サミットに安倍総理は臨みました。  サミットにおきましては、日本の経済問題あるいはエネルギー、環境を始め、グローバルな課題について意見交換が行われ、そしてあわせて、地域情勢ということでウクライナ問題、さらには東アジア情勢について意見交換が行われたと報告を受けております。  ウクライナ問題につきましては、今申し上げました自らのウクライナ訪問を踏まえて議論に貢献をいたしましたし、東アジアの情勢につきましては、特に東アジアから唯一出ている参加国ですので、この議論をリードするという形で貢献を行いました。結果として、東アジアにおいて東シナ海あるいは南シナ海、こうした情勢につきまして強いメッセージを発することができたと考えております。  全体として、今申し上げましたような評価をし、認識に立っているところであります。

浜田和幸次世代の党

○浜田和幸君 まず、そのウクライナの情勢について更にちょっと確認したいんですけれども、ちょうど総理がウクライナに滞在中、六月六日、ウクライナの首都キエフで三千人を超す大規模な反政府デモが展開されたと報道されております。  これは、今のポロシェンコ政権が誕生して大分時間がたつけれども、なかなか経済が安定しない。一方で、言ってみれば言論の制限、インターネットの情報に対する制約といったようなことがいろいろと行われているので、そういう今の現政権に対する不満、批判というものも背景にあったと思うんですけれども。やはりウクライナが安定するためには、日本も積極的にこれまでインフラ整備で支援をしてきました、今回も総理が更に加速的にウクライナのために経済支援、技術支援ということを提案されたと承知しているんですけれども、今のウクライナの経済情勢を見るとなかなかそういった国民の不満に十分応え切っていませんよね。それはどこに背景があるのか。  あるいは、ロシアとの関係においても、やはり、ロシアが一方的に西側の経済制裁の対象になっていますよね。日本も経済制裁、加わっています。しかし、本当にロシアが経済制裁に値するものなのかどうか。今回もドイツのメルケル首相なんかは、やはりロシアも引っ張り込んで一緒に協議しないと、このウクライナの問題、経済も安全保障も安定化しないんじゃないかと。アメリカの余り圧力が強過ぎて、ヨーロッパもみんな不承不承、本意ではないけれども、この経済制裁に、まあ言ってみれば歩調をそろえているんだというような批判の声もあるんですよね。  そういうのを踏まえた上で、日本とすれば、どういう形でこのウクライナの安定、ウクライナが自立できるようにするために、ロシアとの関係も含めて、どのような政策をこれから実行しようとされているのか、ウクライナのために何が日本としてできるのか、その辺りについての大臣のお考えをお聞かせください。

武藤顕外務大臣官房参事官

○政府参考人(武藤顕君) お答え申し上げます。  まさに今先生御指摘のとおり、ウクライナが強靱性と持続安定性を持つ国になるためには大胆な包括的な改革が不可欠であると。このことは、まさに今回、安倍総理からポロシェンコ大統領に指摘をいたしまして、同国が、ウクライナが改革の歩みを進める限りにおきまして、この経済、財政、司法、ガバナンス改革、それからエネルギー等の幅広い分野の支援を継続すると、こういうものを伝えた次第でございます。  また、今、ロシアとの関連でお尋ねがございました。  現在、ウクライナ東部の情勢でございますけれども、これは今、非常に、局地的に戦闘等がまだ続いております。ミンスク合意の違反が双方において見られるということにつきまして、我が国としてはこれを深刻に懸念をしておるところでございます。これはロシアを含めて違反があるということでございます。  したがいまして、今般、安倍総理は、ポロシェンコ大統領に対しまして、そのような懸念を直接伝えるとともに、全ての当事者によるミンスク合意の完全な履行の重要性を指摘した次第でございます。  引き続き行われましたG7のエルマウ・サミットでは、安倍総理がそのウクライナ訪問の成果等を踏まえながら、G7首脳とウクライナ情勢について積極的に議論した点は今大臣が申し上げたとおりでございますけれども、我が国としましては、引き続き、G7の次期議長国といたしまして、関係国と協議、協力しながら、本問題の平和的、外交的解決に向けて一層積極的に関与してまいりたいと、そのように考えてございます。

浜田和幸次世代の党

○浜田和幸君 是非、そういう日本独自のウクライナ問題に対する関与の在り方を検討して実行に移していただきたいんですけれども、やはり日本の経済支援ですとか様々な教育支援が実効性を持つためには、今の東部における言ってみればドンパチが早く収まらないとなかなか安定した協力もできないと思うんですね。  欧州安保協力機構、OSCEの報告を見ても、このウクライナ東部における状況というのは、必ずしも親ロシア派の、まあ言ってみればグループが戦闘を仕掛けているのではなくて、ウクライナ側にもそういう動きがあるんだ、双方にこれは責任があるんだという指摘、報告がなされているわけですよね。  そういう意味では、今日本の国内での報道ぶりですとか見ていますと、何か一方的にロシアが裏で仕掛けているような、そういうのがあるから日本も対ロシア経済制裁に踏み切っているという流れになっていると思うんですけれども、現実には少し違った様相が現地では展開されているような気もするんですが、その辺りの現状の認識ということについては、外務大臣、どういう具合に受け止めておられますか。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) いわゆるこのウクライナ問題について、平和的、外交的に問題を解決するためには、御指摘のように、このミンスク合意の完全履行が大変重要だと認識をしています。そして、このミンスク合意の完全履行については、全ての当事者がこのミンスク合意を履行する、こうした観点が重要だと思います。そして、そうした認識に立っているからこそ安倍総理も、このウクライナを訪問する際に、ポロシェンコ大統領を始め、ウクライナ側にもミンスク合意の完全履行の重要性をしっかり訴えた次第であります。  御指摘のように、ミンスク合意に関わる全ての当事者がこの合意の完全履行に向けて努力する、こうした姿勢が重要だと、我が国も認識をしております。

浜田和幸次世代の党

○浜田和幸君 外務大臣もおっしゃるように、全ての当事国がミンスク合意がしっかりと履行されるように働きかけるということは大事だと思うんですけれども、そのミンスク合意にロシアも加わっているわけで、ロシアが今のところ、今回のG7にも参加できないような状況になっています。  日本とすれば、ロシアとは、またヨーロッパとは別の意味で、極めて重大な関係をこれまで構築してきているわけで、外務大臣もモスクワ訪問、いろんな日程が調整されているようですけれども、もしロシアをこの問題で関与させるためには、外務大臣が一日も早くモスクワ訪問、これを実現されて、その後のプーチン大統領の来日、本来であれば昨年大統領が日本に来られる予定になっていましたから、いろんな意味での準備もされていたと思うんですよね。  しかし、このウクライナの問題で日本がロシア経済制裁に踏み切ったがゆえに、ロシア側に言わせると、そういう環境では日本へは訪問できないということになって、日ロ関係が今のところ宙ぶらりんになっているわけですから、そういう点で、外務大臣のロシア訪問の日程、あるいはどの段階でプーチン大統領の来日が実現できるのか、その辺りについての現状の認識と見通しについてお聞かせください。

宇都隆史自由民主党外務大臣政務官

○大臣政務官(宇都隆史君) お答え申し上げます。  今回、安倍総理、ドイツを訪問いたしまして、G7サミットの終了後にも、ミュンヘンにおきまして、北方領土の問題を前に進めるためにプーチン大統領の訪日を本年の適切な時期に実現したいというような記者会見での発言がございましたが、現在、この訪日につきましては、昨年十一月の北京APECの際の首脳会談を受けて、このように、本年中に適切な時期に実現したいということで、双方それを目指して努力をしている最中であります。  その努力、準備の一環としまして、本年二月には、まず日ロの外務次官級協議を実施いたしました。また、五月十八日には、向こうのモスクワにおきまして、経済分野の次官級協議を行ったところでございます。双方、お互いの訪ロ、訪日が調うような様々な準備をしているところでございますが、外交上の観点から、中身についてはつぶさにこちらで開陳するわけにはいきませんけれども、具体的日程につきましては、この準備状況を勘案しつつ、種々の要素を総合的に考慮して検討している最中でございます。

浜田和幸次世代の党

○浜田和幸君 是非、ロシアとの関係も、日本にとっては、北方領土問題のみならず、シベリア・サハリンエネルギー開発、いろんな意味で可能性が高いと思うんですよね。  今週木曜日はロシアの日ですけれども、大臣が式典に参加されるかどうかは分かりませんが、是非ロシアに対しても前向きなメッセージを送るということが大事だと思いますので、是非、G8からロシアをほっぽり出してG7だけで協議をしていても、それは冷戦構造のそういうときに戻ってしまうということになりかねないので、やはりいろんな協議の場にロシアも引っ張り込む。日本は独自な、アメリカやヨーロッパと違う、そういうロシアとの関係があるわけですから、是非そういう観点で、ロシアに対しても踏み込んだアプローチをお願いしたいと思います。    〔理事佐藤正久君退席、委員長着席〕  次に、中谷防衛大臣に。  いろんな議論がありましたけれども、DARPAの、アメリカの先端技術開発省のロボットの言ってみれば軍事転用というか、これは前回も質問しましたけれども、ちょうど六月の五日にDARPAが主催をするDARPAロボティックスチャレンジ、世界中のロボティックスの専門家を集めて、アメリカの国防総省が優勝したチームにはたっぷり報奨金を出して、ロボット技術を軍事転用できるようなそういう競争の大会が開かれたようなんですね。  日本からも参加していたというような報道がされています。結果的には韓国のチームが優勝して賞金一億円余りをゲットして帰ったということなんですが。やはり日本は、ロボティックスに関しましては、自動車工場ですとか福祉の現場ですとか、いろんなところでロボット応用の技術がありますもので、そういったものがこの防衛技術という面ではとても将来的には活用できる可能性が秘めているわけですよね。  そういう意味で、日本の安全保障、日本人の生命、財産、日本の領土、領空を守るという意味でも、このロボット技術というのは日本が一番これから外に向けて売っていくためにも欠かせないものだと思うんですが、今回の防衛装備庁の新しい方針の中で、このロボット技術の位置付け、これについての大臣の基本的なお考えをまずお聞かせいただきたいと思います。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 科学技術の発展というのはロボットなどに象徴されるわけでありまして、こういった競技会等は、各国がそういう技術を競い合って、そして開かれた場で能力をそれぞれ向上させていくし、またその機会を通じて各国との協力関係も構築をされますので、そういう機会は非常に有意義な機会だと思っております。また一方で、イノベーションという分野で新しい技術がどんどんどんどん時代を変えていく、これら等につきましても、やはり科学技術という点におきましては、防衛省としても、これは関心を有してそれを取り組んでいかなければならないということでございます。  今回、防衛装備庁を発足するわけでありますが、一つのプロジェクト管理ということで、企画、生産、維持管理、使用まで、一貫した考えの中でこういったものに対して考えていくという体制を設けておりますので、こういった新しい分野におきましては、防衛省もその中で積極的にそういう知見を磨き、また情報収集もしてまいりたいと思っております。

浜田和幸次世代の党

○浜田和幸君 今、世界で八十を超える国で殺傷能力を持つロボットの研究開発が進んでいると言われています。特にアメリカでは、近未来の次の主要なる戦争、戦場ではロボット兵士が主役になる時代がもう目の前に迫っている、そういう見通しですよね。  防衛装備庁でも二十年後の防衛のニーズに対して今から準備をするということが目的の中に述べられているわけですから、もし二十年後、三十年後の世界の戦場でロボット兵士が主役を演じるということであるならば、我が日本国もそれに十分対応できるようなロボット兵士あるいは自衛隊員のサイボーグ化、ロボットと人間の融合といったことも今から視野に入れてこの防衛装備庁の研究の中心に据えておく必要があるんではないかと思うんですが、大臣、お考えはいかがでしょうか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) あくまでも我が国を防衛するという目的を有し、そして専守防衛であり、また戦力に該当しないということが防衛省の柱となっておりますので、そういう範囲内において、我が国を守っていくためという目的に対して、そういった新しい技術とかまたいろんな情報などを入手をして対応させていかなければならないと思っております。

浜田和幸次世代の党

○浜田和幸君 是非、戦場だけではなくて、災害ですとか、この間も長江で大きな旅客船が沈没してなかなか救難活動が滞りましたよね、そういうときにも、人間が入っていけないところがロボットの活躍の舞台だと思いますので、戦争に勝つ、日本を戦争から守るというだけではなく、災害ですとかそういう救難の場面においても、自衛隊・防衛省が果たすロボット活用というのは大変重要になってくると思いますので、是非そういう観点で研究開発を進めていただきたいということをお願いして、私の質問を終わりたいと思います。

糸数慶子各派に属しない議員

○糸数慶子君 無所属の糸数慶子です。よろしくお願いいたします。  まず、防衛省設置法第十二条の改正についてでありますが、これまで、当委員会におきまして文官統制が過去にあったのではないかとの議論がありましたが、政府は一貫してその存在を否定し、十二条の改正理由については、衆議院安全保障委員会における議論の中で、今般、統合幕僚監部の改編、また防衛装備庁の新設を行う、防衛省の組織構成が変更されることから、この十二条につきましても、新たな組織構成に適切に反映した規定とするものであるというふうに答弁をしています。  そこで、組織構成が新たになるとなぜ十二条の改編が必要になるのか。つまり、過去にも組織改編があったにもかかわらず、なぜ今回十二条を改正するのかを御説明いただきたい。その上で、統合幕僚監部の改編と防衛装備庁の新設がなぜ十二条の改編につながるのかを個別に説明をお願いいたします。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) まず、過去の組織改編と異なりまして、今回の組織改編におきましては、内部部局以外に防衛装備庁という政策の企画立案機能を有する組織が外局として新たに初めて新設をされると。もう一つは、実際の部隊運用に関する業務につきましては、統合幕僚監部、これが一元的に実施することになりまして、必要な連絡調整を実施することになるといった、内部部局とその他の省庁の機関との業務上の関係が変わるということになります。そこで、今回の設置法十二条の改正は、言わば政策的な見地、軍事専門的見地双方から防衛大臣の補佐の調整、吻合という従来の十二条の趣旨自体を変更しないままで、新たな組織構成に適切に対応した規定とするものでございます。  そこで、今回の新設につきましてなぜ十二条かということにつきましては、まず、統合幕僚監部の改編、防衛装備庁の新設によって組織構成が大幅に変更をされるということで、この十二条につきましても新たな組織構成に適切に対応した規定とするものでございますが、従来からの同条の趣旨は、変更はないということでございます。  具体的には、改編後の統合幕僚監部が実際の部隊運用に関して対外的な連絡調整、国会答弁を含む対外説明を行うことを踏まえた上で、統合幕僚監部の改編後も、政策的見地からの大臣補佐が部隊運用を含む防衛省の所掌事務全般にわたり行われることを明確化をいたしました。また、政策的見地からの大臣補佐と軍事専門的見地からの大臣補佐の調整、吻合が引き続き適切に行われるということを明確化をいたしました。  一方で、防衛装備庁、これが政策の企画立案を担うということを踏まえた上で、防衛装備庁長官も、官房長や局長と同様に政策的見地からの大臣補佐の主体として明記をいたします。また、防衛装備庁の新設後も、政策的見地からの大臣補佐が防衛装備行政を含む防衛省の所掌事務全般にわたって行われることを明確化いたしまして、政策的見地からの大臣補佐と軍事専門的見地からの大臣補佐の調整、吻合が引き続き適切に行われることをより明確化をしたためでございます。

糸数慶子各派に属しない議員

○糸数慶子君 次に、航空自衛隊の航空総隊の改編について。  先週の六月の三日、沖縄県の那覇空港で、自衛隊のヘリコプターが滑走路を横切って全日空機の離陸を妨害し、さらにその直後、日本トランスオーシャン航空機が後方から同じ滑走路に着陸するトラブルが起きました。  このトラブルの概要と要因について、まず、現在政府が認識している状況の説明をお願いいたします。

深山延暁防衛省運用企画局長

○政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。  御指摘の六月三日の重大インシデントでございますけれども、十三時二十四分頃、那覇空港で御指摘のような事案が発生いたしたところでございます。  原因というお尋ねでございましたけれども、現在調査中でありますが、現時点までのところにおきましては、自衛隊のヘリコプターの方が、全日空機に向けられた離陸の許可を自己に対するものと誤認をして着陸をしたことが原因だと理解しております。政府といたしましては、調査を行っております。現在、国土交通省の運輸安全委員会による調査が行われているものと承知しております。  また、一方、航空自衛隊といたしましても、事実確認を目的として、航空救難団及び航空安全管理隊の自衛官ら八名で編成した調査チームを、当日六月三日の二十二時に那覇に到着いたしましたが、隊員に対する聞き取り等、事実確認を目的とした調査を併せて行っているところでございます。  以上でございます。

糸数慶子各派に属しない議員

○糸数慶子君 私、昨日、那覇の基地司令であります鈴木康彦司令に対しまして、この件に関しまして抗議をいたしました。  御存じだと思いますが、那覇空港といえば、お分かりのとおり、今、沖縄県内の観光客のまず空路での到着をするメーンな場所であり、それから、そこへ自衛隊がいわゆる軍民共用という形での使用になっておりますけれども、やはり那覇空港でのこの民間定期便のダイヤで、トラブルの起きた午後一時台の発着というのは計三十四便で、これは二分に一回以上のペースであるというふうになっております。  現状におきましては、那覇空港の滑走路が混雑しているのは、前回私が質疑をいたしましたけれども、そのときにも指摘をいたしましたけど、今回の第九航空団の新編によって那覇基地所在のF15が四十機体制というふうになれば、混雑状況というのはより一層激しさを増すことは想定されるわけです。  ですから、今以上に発着回数が増えればその分事故の起こる確率も高くなることは明らかでありますが、防衛省はこの事故の発生リスク、どのように考えていらっしゃるんでしょうか。

黒江哲郎防衛省防衛政策局長

○政府参考人(黒江哲郎君) 第九航空団の新編に伴いまして、今先生御指摘のように、F15の機数というのは増加するわけでございます。それに従いまして離発着回数自体は一定程度増加するというふうに我々も見積りを行っておりますけれども、これによります事故の発生リスクについて、現時点で確たることを申し上げるということはできないと思っております。  他方、当然のことながら、第九航空団の新編に当たりましては、事故等が起こることのないよう、自衛隊自身の運用上の安全対策に万全を期すということは当然でございます。また、那覇空港の空港管理者である国土交通省とも十分調整を行いまして、周辺の航空交通あるいは地域への影響といったものに配慮した形で新編作業を進めていく必要があるというのが我々の認識でございます。

糸数慶子各派に属しない議員

○糸数慶子君 五月二十六日の、私、この外交防衛委員会におきまして、黒江防衛政策局長にも、やはり今回の第九航空団の新編は那覇空港の第二滑走路の増設を前提としたものではないというふうに答弁されたことがあるわけですが、しかし、今ありましたように、一本の滑走路でダイヤが過密状態にある那覇空港の現状に照らせば、第九航空団の新編によりその事故の蓋然性は高まる、つまり第九航空団の新編と第二滑走路の建設は明確にリンクすると言わざるを得ません。  こうした重大インシデントが起こっても、まだ第九航空団の新編と那覇空港の第二滑走路の建設は関係ないというふうに思っていらっしゃるのでしょうか。第九航空団の新編について、那覇空港の第二滑走路の建設後にどのような状態でこの那覇空港の中身が変わっていくのか、これは防衛大臣の明確な答弁をお求めいたします。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 今般の第九航空団の新編、これは那覇空港の第二滑走路の増設を前提とするものではありません。また、近年の南西地域における緊急発進回数の増加傾向等を踏まえれば、南西地域における防空態勢の強化を図ることは喫緊の課題でございます。  そして、平成二十七年度に那覇基地における戦闘機部隊を二個飛行隊化することとともに第九航空団を新編することが必要不可欠であると考えておりまして、いずれにしましても、第九航空団の新編に当たりましては、事故等が起こることがないように引き続き自衛隊自身の運用上の安全対策に万全を期すとともに、那覇空港の空港管理者である国土交通省とも十分調整をした上で、周辺の航空交通や地域への影響に配慮した形で進めていく必要があると考えております。

糸数慶子各派に属しない議員

○糸数慶子君 今回のこのトラブルの件なんですが、自衛隊のヘリコプターは、滑走路脇の誘導路から離陸したというふうに聞いておりますけれども、この滑走路と誘導路の使用方法について防衛省の見解を伺います。

深山延暁防衛省運用企画局長

○政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。  御指摘のとおり、このインシデントの際、CH47J、このヘリコプターは誘導路から離陸をいたしました。  滑走路と誘導路の使用方法でございますが、ヘリコプターが那覇基地において離発着いたします際には、通常、誘導路を使用して離発着をしておるところでございます。

糸数慶子各派に属しない議員

○糸数慶子君 このようなトラブル、本当に二度と起きることがないように、政府にはしっかりとした事故原因の分析、そして事故が発生いたしますと、再発防止、その対策を取っているというふうにおっしゃいますけれども、過去に起こったことから考えていきますと、本当に実効性のある対策を行っていただきたいというふうに強く要望したいと思います。  また、私は、昨日は那覇市議と同行してこちらへ申入れをしたんですけれども、お隣の那覇市とそれから豊見城の市議会の方でも何度も新しい滑走路に関しては軍民共用ではないということをきっちりと申入れをしておりますけれども、その件に関しても再度防衛大臣の答弁を求めたいと思います。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 今後の運用等につきましては、まず安全面におきましては運用の安全対策に万全を期すということと、那覇空港の空港管理者であります国土交通省とも十分調整の上、こういった周辺の航空交通や地域の影響に配慮した形で進めていく必要があると思いますので、しっかりと国土交通省と調整をしてまいりたいと思っております。

糸数慶子各派に属しない議員

○糸数慶子君 改めてまたお伺いをしたいと思います。この事故の原因の分析、そして再発防止の対策を行っていただくように強く申し入れたいと思います。  次に、防衛装備庁の諸外国への装備品の輸出推進についてでありますが、五月二十八日の参考人質疑におきまして、西川参考人は、防衛装備移転三原則は、要するに日本が武器輸出三原則から足を洗ったというか、撤廃したということを意味するものである、また、この移転三原則ができることによって、防衛装備庁がまさに発足する基盤ができたということだろうと述べておられます。  これについて、防衛大臣の見解を伺います。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 昨年四月一日に閣議決定しました防衛装備移転三原則、これは従来のとおり、平和国家としての基本理念を堅持した上で、これまで積み重ねてきた武器輸出三原則の例外化の実例を踏まえまして、これを包括的に整理をしつつ明確な原則を定めたものでございます。  また、同原則を踏まえた国際的な防衛装備・技術協力の進展への対応は防衛装備庁の新設の背景の一つでございますが、これに加えて、防衛生産・技術基盤の維持強化、また、厳しさを増す安全保障環境を踏まえた技術的優位の確保、防衛装備品のハイテク化、複雑化等を踏まえた調達改革などを拡大する防衛装備行政に適切に対応するために同庁の設置が必要と考えたところでございます。

糸数慶子各派に属しない議員

○糸数慶子君 中谷防衛大臣は、三月三十日、インドのパリカル国防大臣と会談をし、海上自衛隊の救難飛行艇US2のインドへの輸出に関する協議を継続し、早期の進展を目指すことを確認したと報じられています。  US2は、防衛装備移転三原則の決定後、完成品を輸出する最初のケースになるかもしれず、装備品輸出の目玉とも言われていますが、現在インドとの交渉がどこまで来ているのか、現状の説明を伺います。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) US2における日印の協力の在り方については、まず、平成二十五年の十二月以降、両国の次官級の合同作業部会、JWG、これを三回開催をし、US2のインドへの移転を通じた産業間協力など幅広い議論を行ってまいりました。  昨年九月に日印首脳会談において議論を加速することで一致をいたしまして、本年三月三十日、日印防衛相会談において、私とパリカール・インド国防大臣との間で引き続き協議をしていくことで一致をしたところでありまして、今後ともJWGや様々な協議の場を通じて議論を進展させてまいりたいと考えている次第でございます。

糸数慶子各派に属しない議員

○糸数慶子君 国内企業が防衛装備品を他国政府に売却して、防衛省が訓練や維持整備のノウハウを伝える必要が生じた場合、US2のケースならインド軍に対して自衛官やOBを派遣することもあり得るのでしょうか。  また、他国に自衛官を派遣する場合、現行法で派遣する根拠があるのでしょうか。今回の法改正によって防衛省の所掌事務に国際協力に関することが追加されれば、この派遣は可能になるのでしょうか、説明を伺います。

吉田正一防衛大臣官房審議官

○政府参考人(吉田正一君) US2に関する協力につきましては、今大臣が申し上げましたような協議中の状況でございまして、具体的な協力の態様について何か具体的に決まっているということはございません。  このため、教育訓練や維持整備に関する協力についても具体的な方針があるわけではございませんが、US2は、我が国が独自に開発し、海上自衛隊のみが運用する航空機であるため、US2をインド政府に仮に移転するとした場合、自衛官等の知見や経験の活用を含め、何らかの支援を求められる可能性があると思ってございます。  インド政府のUS2の教育訓練や維持整備に関する支援は、自衛隊が調達し運用する航空機には当たらないため、現行法で対応が難しいケースも想定されます。そのような場合には、今度の設置法の新たな四条三十二号、先生御指摘の国際協力に関することを根拠として対応することとなることもあるというふうに考えているところでございます。

糸数慶子各派に属しない議員

○糸数慶子君 次に、四月二十八日、高知県足摺岬から三十五キロ沖で、訓練中の海上自衛隊岩国基地所属のUS2が離水の際にエンジンが脱落するなど機体が破損する事故が発生しました。乗組員は、救命艇で脱出し、近くを航行中のタンカーに救出されたと聞いております。  US2は波の高さ三メートルでも着水できる能力の高い救難飛行艇として政府は説明してまいりましたが、この事故の原因分析、どのようにされたのか、またどのような改善策が施されたのか、政府の説明をお伺いいたします。

深山延暁防衛省運用企画局長

○政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。  御指摘のとおり、四月二十八日に高知県の足摺岬北東約四十キロの洋上におきまして、US2が離着水訓練中に波をかぶりまして機体を損傷するという事故が起きました。乗員等は脱出したことは御指摘のとおりでございます。  この事故の原因分析及び改善策につきましては、事故発生当日に海上幕僚監部に監察官を長とする事故調査委員会を設置し、現在行っております。この機体はその後、事故の後、水没をいたしまして、現在、引揚げの検討も行っているところでございますが、そうしたこともありまして、まだ原因については分析は終了しておらないところでございます。

糸数慶子各派に属しない議員

○糸数慶子君 今後、防衛装備移転三原則によって防衛装備品の輸出が拡大されれば、当然、他国における日本製防衛装備品の事故や、さらには騒音問題などといった問題が生じることも予想されるわけです。補償問題も含めて、こうしたことに政府はきちんと取り組んでいただくことを要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。

片山さつき自由民主党

○委員長(片山さつき君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 私は、会派を代表して、防衛省設置法等の一部を改正する法律案に反対の立場から討論を行います。  以下、反対する理由を具体的に述べます。  第一に、本法案は、防衛省・自衛隊の装備取得関連部門を集約、統合し、防衛省の外局として防衛装備庁を設置するものです。  安倍政権は、武器の輸出を推進する道に公然と踏み出しました。歴代の内閣が維持するとしてきた武器輸出三原則等を撤廃し、武器輸出を原則禁止から推進へと百八十度転換する防衛装備移転三原則を決定し、その上で、防衛省は軍需産業の育成強化を図る防衛生産・技術基盤戦略を策定しました。  本法案による防衛装備庁の新設は、軍需産業の要求に応えて、官民がまさに一体となって武器の輸出、国際共同開発への参画、軍事利用を念頭に置いた大学、独立行政法人の研究へのファンディングを始めとする武器開発の強化のための新たな施策を積極的に推進していく体制をつくろうとするものであります。  第二に、官房長、局長と幕僚長との関係規定の見直しは、防衛省内で文官を自衛官よりも上位に置いてきたいわゆる文官統制を廃止し、両者を同等に位置付けることにより、自衛官による大臣補佐をより迅速に行うことを可能とするものです。  政府は、一九九〇年代以降、自衛隊を海外に派遣し、米軍に対する兵たん支援活動を積み重ねてきました。本法案の自衛官による補佐の迅速化は、自衛隊の運用の統幕への一元化と相まって、米軍との共同軍事作戦を直接担う自衛隊の意向をより迅速かつ直接的に反映させる仕組みをつくることで、アメリカの戦争に直ちに協力できる構図をつくるものであります。  世界のどこでもいつでもアメリカが起こす戦争に自衛隊が支援、参加するための日米新ガイドライン、安保法制と一体の体制づくりであり、断じて容認できません。  そもそも、防衛省の組織改編は二〇一三年の「防衛省改革の方向性」に基づくとされるものであり、その前提には、二〇〇八年の防衛省改革会議報告書にもあったように、防衛調達をめぐる事務次官の供応、収賄など数々の不祥事が発生し、国民の厳しい批判の中でその再発防止が課題とされてきたことがありました。  その後も、空自による官製談合事件、軍需企業による水増し請求事件、陸自多用途ヘリ開発の企業選定に係る事件が続発したことを踏まえれば、防衛省・自衛隊と軍需産業の天下りを通じた癒着構造にメスを入れることこそが防衛調達の問題の本質であることは明らかであります。  ところが、防衛省は、調達をめぐる抜本的改革については別検討などと除外して本法案を提出いたしました。本来なすべきことを骨抜きにした上で、ひたすら憲法九条の平和主義を踏みにじる施策のための組織改編を進めることは、国民を欺くものであり、到底認められるものではありません。  本法案は断固廃案にすることを主張して、反対討論を終わります。

片山さつき自由民主党

○委員長(片山さつき君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  防衛省設置法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

片山さつき自由民主党

○委員長(片山さつき君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

片山さつき自由民主党

○委員長(片山さつき君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時二十四分散会

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