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189回国会参議院2015/09/14

我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会 第20号

発言数
714
登壇者
27
会派数
11
開催日
2015/09/14

会議録

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) ただいまから我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、中西健治君、主濱了君、吉田忠智君、平木大作君、蓮舫君、藤巻健史君、阿達雅志君及び仁比聡平君が委員を辞任され、その補欠として水野賢一君、山本太郎君、福島みずほ君、山口那津男君、江崎孝君、片山虎之助君、大沼みずほ君及び山下芳生君が選任されました。     ─────────────

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案、国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律案、武力攻撃危機事態に対処するための自衛隊法等の一部を改正する法律案、在外邦人の警護等を実施するための自衛隊法の一部を改正する法律案、合衆国軍隊に対する物品又は役務の提供の拡充等のための自衛隊法の一部を改正する法律案、国外犯の処罰規定を整備するための自衛隊法の一部を改正する法律案、国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する人道復興支援活動等に関する法律案、国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律の一部を改正する法律案及び周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律及び周辺事態に際して実施する船舶検査活動に関する法律の一部を改正する法律案、以上九案を一括して議題とし、本日は、在るべき安全保障法制等についての集中審議を行い、質疑は片道方式で行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 自民党の佐藤正久です。  まず最初に、今回の豪雨災害におきましてお亡くなりになられた方々、被災された方々に心からのお悔やみとお見舞いを申し上げたいと思います。  資料一をお願いいたします。(資料提示)  今回の豪雨災害でも、自衛隊は、国民の命を守る最後のとりでとして人命救助や行方不明者の捜索、民生支援に当たっています。防衛大臣、この資料一の写真、何の写真か御存じでしょうか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) このタイトルが「行方不明者の捜索」ということで、水害や震災等で行方不明になった方々の捜索として自衛官がこういうところまで懸命に捜索をしている写真ではないかと思います。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 これは、東日本大震災での福島の原発地域での捜索の模様です。自衛隊はここまで捜索に力を尽くします。  ただ、自衛隊は、災害派遣でも法律がなければ一ミリも動くことができません。阪神・淡路大震災の際に、知事からの要請が遅れて出動が遅れ、結果として人命救助に大きな障害が出ました。それらの教訓を経てどのような法律を改正されましたか、大臣に答弁を求めます。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 阪神・淡路大震災におきまして、被災をいたしました兵庫県から自衛隊への災害派遣要請、これが遅くなったとの御指摘があることは承知をしておりますが、この震災を踏まえまして、自衛隊におきまして、災害対策基本法第六十八条二の条文が新たに新設をされまして、被災地域の市町村長から都道府県に対して自衛隊の災害派遣を要請するように求めることができるとし、要求ができない場合には、防衛庁長官及びその指定する者に対して要求ができない旨及び当該地域の被災状況について通知することができる旨、当時規定をされたということでございます。  また、防衛省・自衛隊におきましては、防衛庁防災業務計画を改定をいたしまして、自主派遣の際の基準を規定をいたしました。  これらによりまして、大規模な災害が発生し都道府県の機能が麻痺した場合も、市町村は災害の状況を防衛大臣に通知することが可能になり、加えて、防衛省・自衛隊において自主派遣に係る一定の基準が明確化をされたということでございます。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 その法改正のおかげで東日本大震災の際は自主的な派遣が自衛隊の方ができて、人命救助で大きな成果が出ました。  ただ、自衛隊もスーパーマンではありません。法律に基づき事前の訓練を行うからこそ結果が出ます。一方、法律がなければ自衛隊は事前の訓練もできません。実は、東日本大震災の一年半前にほぼ同じ想定で訓練を自衛隊がしていました。だからこそ、初動で多くの命を救うことができた側面もあると思います。  防衛大臣の所見をお伺いします。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) ちょうど七年近く前の平成二十年十月三十一日から十一月一日の間、東北方面隊が主催する震災対処訓練みちのくALERT二〇〇八、これが実施をされました。これによりまして、東北方面隊はもとより、東北の関係の地方自治体、二十四自治体、防災関係機関、三十五機関、並びに一般市民も含めた約一万八千人が参加する大規模な訓練を実施をいたしまして、これは、東日本大震災においては関係機関が協力して災害対応に当たるとともに自衛隊が多岐にわたる活動を行うことができましたけれども、こういった意味で関係機関が訓練をしておくということが大事でありまして、みちのくALERT二〇〇八における経験も生かされたものではないかと考えております。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 事前の訓練は極めて重要です。法律を整備し、事前の訓練をやるからこそ実力集団の自衛隊は国民の命を救える、そう思います。隊員の命を守る上でも訓練は重要です。  私が派遣されたイラク、任務は人道復興支援でした。イギリスの参謀長から言われました。自衛隊の任務、人道復興支援、ウサギの任務かもしれない、でも、ウサギの任務をウサギでやったら間違いなく死人が出るぞと言われました。ウサギの任務をライオンでやるからこそ任務が達成でき、命を守ることができる、全くそのとおりでした。事前に準備した以上のことは絶対にできません。  ただ、イラク派遣は特別措置法でした。この特措法における準備、訓練上の課題、教訓はどんなものがあったか、大臣から答弁を求めます。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 自衛隊の部隊を海外に派遣する前には、政府としてやはり、事前調査チーム、そして連絡官、これを現地に派遣をいたしまして、関係国とか関係機関との情報交換、これ等を通じて現地活動の情勢について情報収集、これを行います。こうした得られた情報を基に、現地のリスクの分析、また活動地域、活動内容、これを固めた上で部隊編成やまた携行する装備等を計画して、派遣までの安全対策を含む必要な訓練、これを行うということになりますが、イラク派遣におきましては、当時はイラク派遣を可能とする一般法、これが存在をしていなかったために、特措法の成立前には活動内容、派遣規模といったニーズを確定するための現地の調査、各国との調整、これを平素から実施することができずに、その結果として、本派遣の最終判断のための材料は先遣隊による情報収集や調整を待つ必要がある状況でした。  今日質問をされた佐藤委員は、まさにこのイラクの派遣の先遣隊部隊として大変御苦労をされたと思いますが、これもやはり一般法がなかったということでそういうことができなかったわけでございまして、仮にこういった一般法がありましたら、より早い段階から各種の作業に着手できる、こういった安全対策を含む訓練をより早い段階から充実して行うことができたのではないかというふうに思っております。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 国民の皆さん、実はイラクだけじゃないんです。ペルシャ湾における機雷掃海活動の司令を務めた落合たおささんは、本年の毎日新聞のインタビューで、ペルシャ湾で海自は遅れて機雷掃海活動に加わったため最も厳しい海域を任された、無事に任務を完了できたものの、国際貢献は早い者勝ち、もっと早く、危険はあるけれども行ってくれと送り出せるようになればいいとまで述べておられます。  防衛大臣、一般法の必要性につきまして、改めて国民に分かりやすく説明をお願いいたします。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 私、この当時、ペルシャ湾に参りまして、掃海作業を実施している落合たおさ部隊長の下、激励をいたしました。落合司令官から、やはり各国がやった後、残された、非常に流れの速い、しかも浅い海域で処理困難な機雷の処理が担当されたということでありますが、日本の掃海技術の高さに各国が非常に日本に対して評価をされたという話を聞きましたけれども、そういった話を聞くにつけ、やはり平素から各国とも連携をした情報収集、訓練などが必要でありまして、自衛隊が得意とする分野におきましては、より良い場所で、また早い段階でこういった対処ができればよかったなということが私の教訓でございますし、また、作業を行う自衛隊員のリスク、これの極小化にもつながることがあるわけでございます。  そういう意味におきましては、南スーダンのPKO、UNMISS、これにつきましては、ミッションが早く立ち上がって、現地調査チームにも出張を行って国連との具体的な調整等も行うことができた。佐藤委員も真っ先にあの現地に行かれましたけれども、その結果、比較的治安の安定している首都ジュバへの配置が確保でき、また自衛隊の活動等も我が国に非常に活動できる場所の選定ができたというようなことでございまして、そういう意味におきまして、やはり事前からの準備とまた法的根拠、こういうものが必要であるというふうに思っております。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 総理、危機管理はやっぱり備えあれば憂いなしです。リーダーが憂いなければ備えなしでは駄目です。さらに、憂いあれども備えなしじゃもっと駄目です。まさに今回の法案は、備えのための法案だと思います。国民の命を守るために自衛隊の方々に行動してもらうのであれば、事が起きてからではなく、リードタイムを持って、しっかりとした事前の訓練というものを含めて、しっかり備えが大事です。  国民のリスクを下げるために、自衛官のリスクを更に最小化する上でも、この周辺環境が厳しさを増す今だからこそリードタイムを持って法整備をする必要が私はあると思いますが、総理のお考えをお聞かせ願いたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国を取り巻く安全保障環境は、グローバルなパワーバランスの変化や、あるいはまた弾道ミサイル技術の急速な進展、そして大量破壊兵器などの脅威等によって、従来の政府見解が示された一九七二年当時からは想像もできないほど変化をし、大変厳しさを増しています。何か起きてから法律を作るのでは遅過ぎるわけでありまして、国民の命と平和な暮らしを守るためには、あらゆる事態を想定し、切れ目のない備えを前もってしっかりと行っていく必要が委員御指摘のとおりあるわけであります。  自衛隊の活動の法的根拠をあらかじめ明確に定め、平素より計画を作り、訓練を行っていくことが極めて重要であります。それによって自衛隊員のリスクを減らしていくことが、今経験をされた佐藤委員からの御説明のとおり、可能となっていくわけであります。このように、平素からいざというときの備えをしっかりとつくり、隙のない体制を整えることが紛争を未然に防止する力、抑止力を高めることになります。これによって日本が攻撃を受けるリスク、国民全体のリスクを減少させていくことにつながることは間違いないわけであります。  このような観点から、一日も早い平和安全法制の整備が不可欠であると確信をいたしております。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 ありがとうございます。  まさにそのとおりで、政府の案に批判とか反対しているだけで国民の命が守れるんだったら、私も思いっ切り批判も反対もします。それでは守れないんですよ。(発言する者あり)いや、国民を救えない。やはり現場の自衛官も、それでは事前の準備も訓練もできない。反対と言う方々には、やはりどうやって国民の命を守るかという視点ももう少し考えていただきたいと思いますが、総理のお考えをお聞かせ願いたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我々はみんな平和を願っています。しかし、平和と唱えるだけで平和を実現することができるわけではありません。だからこそ、世界の各国がそれぞれ努力をしながら、また協力をして平和で安定した世界をつくっていこうと、このように協力をし合っているわけであります。  先ほど申し上げましたように、我が国の安全保障環境、我が国をめぐる環境は大きく変わり、厳しさを増している中において、国民の命と幸せな平和な暮らしを守り抜くために、砂川判決の言う必要な自衛の措置とは何かをとことん考え抜き、隙のない備えをつくっていくことは、私たち政治家そして政府に課せられた一番重大な使命であろうと、こう思います。  安全保障に関わる法律については、批判をするだけではなくて、対案や独自案を提出をしていただき、できるだけ一致点を見出す努力をしていくことが、与野党を問わず、国民の負託を受けた私たち政治家の責務であろうと思います。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 ありがとうございます。  まさにそのとおりなんです。今、総理も周辺環境が厳しくなったと言われました。では、今日は、どれだけ厳しくなったのか、中国というものを例に取り、議論を進めていきたいと思います。  資料二をお願いします。  これは、九月三日に開催された中国の軍事パレードの写真です。公式には閲兵式ですが、その規模、概要とともに防衛大臣の所見をお伺いします。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 先般の抗日戦争勝利七十周年記念式典における軍事パレードでは、約四十種の陸上装備と約二十種類の航空機、これが登場いたしまして、中国側は、それら全てが国産装備で、八割以上が初公開であると説明をしております。  中国は、過去二十五年以上にわたりまして継続的に高い水準で国防費を増加をさせ、いわゆるA2ADという能力を始めとする、これは接近を拒否をし、そして近接を阻止をするという、こういった能力を始めとする軍事力を広範かつ急速に強化をしつつあります。  今回の軍事パレードは、中国にとって軍事力近代化の成果、これを内外に示すものでありまして、防衛省にとりましては、中国の軍事力に対するこれまでの評価、これをパレードによって改めて確認ができたというふうに認識をいたしております。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 一般に脅威は意図と能力から成ると言われています。意図はともかく、能力は確実に向上しているということが言えます。  資料三をお願いします。  これは、沖縄を含む南西諸島を余裕で射程に入れる、日本にとって極めて要注意の巡航ミサイルDF10Aと短距離弾道ミサイルDF16です。  次に資料四、これをお願いします。  これは、中国の水陸両用歩兵戦闘車で百五ミリの大砲を装備しています。中国の兵器面におけます島嶼部への侵攻能力の強化傾向について、防衛省の見解をお伺いします。

石川博崇公明党防衛大臣政務官・内閣府大臣政務官

○大臣政務官(石川博崇君) お答え申し上げます。  中国は、国防の目標として主権の防衛、海洋権益の擁護、祖国統一などを挙げ、そのための戦略方針として海上における軍事闘争への準備を優先していくと説明しております。  その一環として、台湾を含む島嶼部への着上陸作戦能力の向上を進めていると認識しているところでございます。具体的には、水陸両用戦闘車や空挺戦闘車を始めとする着上陸部隊の強化、水上戦闘艦艇や戦闘機を始めとする海上優勢、航空優勢獲得のための海空戦力の強化、揚陸艦や輸送機を始めとする着上陸部隊投入のための機動展開能力の強化、弾道ミサイルや爆撃機を始めとする着上陸作戦支援のための対地攻撃能力の強化などに努めていると認識しております。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 資料五をお願いします。  これは、中国の無人機や早期警戒機KJ500ですが、かなりバージョンアップされています。中国の無人機や早期警戒機の開発傾向と、これらが東シナ海や南シナ海で本格運用された場合の日本の防衛警備に及ぼす影響について、説明を求めます。

石川博崇公明党防衛大臣政務官・内閣府大臣政務官

○大臣政務官(石川博崇君) お答え申し上げます。  中国開発の無人機につきましては、飛行高度、滞空時間、航続距離などの面で能力向上の傾向が見られ、その任務も、偵察に加え、通信中継など、多用途化が進んでいると見られております。また、最近では、攻撃用と見られる機体も登場していると認識しております。また、二〇二三年までに四万機以上の無人機の製造を計画しているとの指摘も存在しております。  一方、早期警戒機につきましては、戦闘機などの近代的な航空戦力の運用に必要な能力でございますが、中国も開発を進めていると見られておりまして、最近では、国産の機体をベースに、捜索範囲を全周に広げるなどの能力向上を図ったKJ500の配備が進みつつあります。  中国によるこうした能力の強化は、東シナ海、南シナ海における空中からの情報収集能力、警戒監視能力などの向上につながり、戦闘機、爆撃機などのその他航空戦力が相まって、中国のより遠方での制空戦闘及び対地・対艦攻撃能力の向上に資するものと考えられます。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 資料六をお願いします。  これは戦略爆撃機のH6Kです。沖縄の南西諸島を抜けて日本の小笠原村の沖ノ鳥島の近辺で水上艦艇との連携訓練も行っており、その頻度は年々増加しています。その訓練と中国のA2AD戦略との関係あるいはその狙い、これについての分析をお答え願います。

石川博崇公明党防衛大臣政務官・内閣府大臣政務官

○大臣政務官(石川博崇君) お答え申し上げます。  御指摘のH6爆撃機につきましては、二〇一三年九月に沖縄本島と宮古島の間を通過して西太平洋に進出したことが初めて確認されました。以降、同様の飛行が複数回確認されるなど、昨今活動が活発化していると見られております。  このH6K爆撃機につきましては、行動半径約千八百キロメートルで、射程約二千キロメートルの空中発射型巡航ミサイル六基を搭載可能とされ、このほかにも、射程約四百キロメートルの超音速対艦ミサイルなどを搭載可能とされる異なるタイプのH6爆撃機も存在すると承知しております。  中国は、近年、御指摘のいわゆるA2AD能力の強化に取り組んでいると見られ、H6爆撃機の西太平洋への進出は、その取組の一環として、より遠方での対地・対艦攻撃能力の構築を目指した活動である可能性が考えられます。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 資料七をお願いします。  まさにこの爆撃機が沖ノ鳥島近辺まで来ているんです。  国民の皆さん、中国の海洋進出能力は年々向上し、中国の艦隊や航空機は、沖縄を抜けてアメリカの艦隊が台湾海峡に出てくるのを阻止すべく、第一列島線と第二列島線の間の沖ノ鳥島付近で訓練を強化している現実がここにあります。さらに、近年、小笠原の父島、母島がある第二列島線への圧力も見え始めています。  昨年発生した中国漁船サンゴ密漁問題を例に議論をしてみたいと思います。資料八をお願いします。  総理、先週九月九日、小笠原村議会で「今国会で平和安全法制の成立を求める意見書」が可決されました。総理の御見解をお伺いします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 御指摘のとおり、今般、小笠原村議会で「今国会で平和安全法制の成立を求める意見書」が可決されました。小笠原諸島周辺海域では、これまでに中国サンゴ船と見られる船舶が多数確認されるなど、村民の方々は我が国の安全保障環境の変化を日々言わば肌で感じておられるのではないかと思います。  七月に可決された石垣市議会の意見書では、「石垣市の行政区域の尖閣諸島においても中国公船の領海侵犯が日常茶飯事の状態にあり、漁業者のみならず一般市民も大きな不安を感じている。」と言及されています。このように、最前線におられる地元の方々の肌感覚の危機感は真摯に受け止める必要があります。  政府としては、安全保障環境が大きく変わっている中において、国民の安全を守るために必要な自衛の措置とは何かを考え抜き、あらゆる事態を想定し、切れ目のない備えを行う責任があります。平和安全法制はそのために必要不可欠であると、このように考えておりますし、その観点からも、先ほど申し上げましたように、小笠原の村議会の要請にもあったのだろうと、このように思うわけでございます。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 まさに、国境離島の最前線の村民の方の思いだと思います。  続いて、防空識別圏について伺います。  防衛大臣、この小笠原の父島、母島、これは日本の防空識別圏に入っているでしょうか。航空自衛隊のレーダーが届くでしょうか。お答え願います。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 沖ノ鳥島とか小笠原諸島など太平洋側の島嶼部は、これまで固定式警戒管制レーダー等を含めて警戒監視任務に当たる部隊を設置しておらず、また、我が国の防空識別圏、ADIZの範囲外となってきております。  こうした状況下においても、彼我の不明機の接近に際しまして、例えばAWACS等を活用することによりましてADIZの外側でこれを探知するといったことが可能でございますが、この防空識別圏の範囲の外になっているところでございます。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 まさに、防空識別圏のこれは空白地帯なんです。  昨年の秋、この小笠原で、まさに中国の泥棒とも思えるサンゴ密漁漁船、これ、水産庁長官、約何隻ほどで、それは中国の主にどの辺の省から来ているか、お答え願いたいと思います。

佐藤一雄水産庁長官

○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。  小笠原諸島周辺海域におけます中国サンゴ船につきましては、最も多かった昨年十月末には一日で二百十二隻が確認されたところでございます。また、これらの中国サンゴ船につきましては、中国側からは、東シナ海沿岸の浙江省と福建省において不法サンゴ船の集中取締りを行ったと、このような説明を受けているところでございます。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 まさに、福建省や浙江省から小笠原まで約千三百から千五百キロあります。往復三千キロ。当時の値段で油代、一隻当たり約四百万円です。二百隻だと、二百掛ける四百万、油代だけで八億円です。当時のアカサンゴ、すごく形が良いものでもキロ当たり六百万円、そんなに捕れるわけはありませんから、八億円なんか絶対無理です。人件費も要る。  誰かスポンサーがいると言われていましたが、外務大臣、その資金の出どころ等、組織解明ができましたか。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の小笠原諸島周辺海域に現れた中国サンゴ船の資金源等につきましては、これは様々な見方があります。  よって、政府として、これ断定的に申し上げることは困難であると考えますが、ただ、この背景としましては、中国の経済的な発展に伴う購買力の向上、あるいは投機的な理由によって、近年、宝石サンゴ及びその関連商品の価格の高騰が続いています。その一方で、中国国内ではサンゴ漁が禁止されています。そして、その結果、日本近海での密漁が行われたということが一般には指摘をされております。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 まさに不明のままなんですよ。誰が関与をしているか分からない。そういう状況でやっぱり来ている。  中国漁船には、また一隻当たり十人ほどが乗り込んでいたと言われています。十人掛ける二百隻で二千人、これは父島の島民数よりも多い。小さな子供を持つお母さんは、夜になり多くの中国漁船に島が取り囲まれて非常に不安だというふうに言われていました。  他方、当時の父島配備の警察官は十四人、片や中国漁民は約二千人、水上民兵もいるかもしれません。厳しい数字です。警察官の増派も行いましたが、どのような手段で警視庁は増派を行ったか、お答え願いたいと思います。

沖田芳樹警察庁警備局長

○政府参考人(沖田芳樹君) お尋ねの事案につきましては、警視庁では、小笠原までの定期航路の船舶を利用して現地に警察部隊を派遣したところでございます。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 つまり、飛行機が使えなかったんです。空港が父島、母島にはありません。だから、警察は船で約二日掛けて行きました。でも、天候が悪ければ増派もできなかったと。村長は、空港整備はもちろん、緊急患者空輸も踏まえて、東京都にオスプレイの配備、これも要求しているぐらいです。  父島、母島近辺の領海警備、これは横浜の第三管区海上保安本部の管轄です。他方、海上保安庁の巡視船には洋上での給油能力がありません。一々港に戻り給油しないといけません。  海上保安庁長官、横浜と父島の間に巡視船の給油施設がありますか。

佐藤雄二海上保安庁長官

○政府参考人(佐藤雄二君) お答えします。  横浜と父島の間では、大型の巡視船が燃料を補給できる施設はございません。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 まさに距離にして一千キロ、その間、給油施設がないんです。一々警備をやめて横浜まで戻らないといけない。給油タンクが大きい巡視船だと、小回りが利く漁船にはなかなか対応できない。小型巡視船だと、給油のために一々横浜に戻らないといけない。給油施設は、やはり領海警備上、伊豆諸島にも小笠原にも必要だと思います。  資料七、もう一度お願いします。  総理、尖閣・南西諸島は第一列島線、小笠原は第二列島線、その二正面同時対処の難しさが中国漁船対応で中国の知るところとなりました。中国は、東シナ海に加えて、第一列島線と第二列島線の間の太平洋上の海上優勢、あるいは第二列島線にも逐次影響力を伸ばそうとしています。  第二列島線、これにも我々と同じ日本人が住んでいます。中国の高官が言うように、伊豆諸島、小笠原の第二列島線が中国の進出目標であることを忘れずに、警察力の強化、これを含め備えないといけないと思いますが、総理のこの御認識をお伺いします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国は島国であり、そして海洋国家であり、周りを海に囲まれております。その観点からも、領土、領海を守るため、我が国周辺海域の警戒警備に万全を期していく必要があります。  政府においては、五月十四日、武力攻撃に至らない侵害に際し、切れ目のない十分な対応を確保するため、海上警備行動、治安出動等の発令に係る手続の迅速化のための閣議決定を行ったところであります。  今後とも、様々な不法行為に対処するため、警察や海上保安庁などの関係機関が各々の対応能力を向上させ、情報共有を含む連携を強化するほか、各種訓練の充実、十分な体制の整備など各般の分野における必要な取組を一層強化し、政府一丸となって総合的、戦略的に対応していく考えでございます。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 資料九をお願いします。  外務大臣、この写真、どこの国が何の目的で作ったものか、またこのテロップに何と書いてあるか、御説明願います。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の写真ですが、これは中国海軍が兵員募集のために作成した広告動画の一場面であり、この動画には我が国固有の領土である尖閣諸島と思われる画像が使用されていると承知をしております。そして、そこに記されている文言ですが、僅かな辺境領土であっても彼らの占領を許してはおけない、こうした字幕が中国語で記載されております。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 まさに、国民の皆さん、これは日本の領土の尖閣諸島の北小島、南小島の写真なんです。どういう形でこれを撮影したのかどうか分かりませんけれども、外務大臣、これは日本の主権に関わる事項です。中国に強く強く抗議をされましたか。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 言うまでもなく、尖閣諸島は歴史上もまた国際法上も我が国固有の領土であり、現に我が国はこれを有効に支配しております。  中国側がこうした広告動画を作成していること、これは極めて遺憾だと考えております。本件動画に関しましても、中国側に対しまして既に外交ルートを通じて抗議を行っております。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 総理、これは極めて大きな問題だと私は思います。  日本の尖閣諸島、これをバックに、辺境の地といえども彼らに占領を許してはならないとのテロップ、彼らとは我々日本人のことです。すなわち、中国軍の軍事目標の一つが我が国領土の尖閣諸島ということを公言しているわけです。国民の皆さん、これが中国の現場の実態です。  総理、中国軍が尖閣諸島を軍事目標としている、すなわち日本の領土、尖閣諸島は軍事的脅威にさらされていると言っても過言ではありません。この現実を、この法案に反対反対と言っている方々に、是非目を背けずに見ていただきたいと思います。  抑止力を強化せずしてどうやってこの日本の領土を守るのか、総理の所見をお伺いします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 中国については、御指摘のとおり、東シナ海において、尖閣諸島周辺の海域において、中国公船による侵入が繰り返され、境界未画定海域における一方的な資源開発が行われています。このように、既存の国際秩序とは相入れない独自の主張に基づき、力による現状変更の試みを行っています。  まずもって外交を通じて平和を守ることが重要でありますことは、言をまたないわけであります。中国に対しましては、戦略的互恵関係の考え方に立って、大局的な観点から関係を改善していくとともに、力による現状変更の試みに対しては、我が国としては、事態をエスカレートさせることなく、引き続き冷静かつ毅然として対応していく考えであります。  この法案は、特定の国や地域を対象としたものではなく、我が国を取り巻く安全保障環境がますます厳しさを増す中で、紛争を未然に防ぐためのものであります。平和安全法制の整備により、日本が危険にさらされたときに日米同盟は完全に機能するようになる、それを世界に向けて発信することによって、紛争を未然に防止する力、すなわち抑止力は更に高まり、日本を攻撃をしよう、そして、あるいは隙あらば領土を盗み取ろうという、そういう考え方はできないと相手に思わせる、それがまさに抑止力でありますが、日本が攻撃を受けるリスクは一層下がっていくものと考えるところでございます。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 まさに今回の法案は、戦争抑止法案なんです。ただ、中国が尖閣諸島を軍事目標としているということを忘れずに、この我々は法案を整備する、その責任があると思います。  次に、尖閣諸島の防衛警備について議論を移します。  尖閣諸島の防衛には、今回の平和安全法制は役に立たないとの一部批判がありますが、それは全くの的外れです。  資料十を見てください。  まず、今回の日米ガイドラインの改定により、日米同盟調整メカニズムは、周辺事態からではなく、平素から機能することで合意いたしました。これは、まさに尖閣諸島における平時の警戒監視やグレーゾーン事態にも有益だと考えますが、防衛大臣の所見をお伺いします。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 一九九七年のガイドラインで構築をされました日米間の調整メカニズム、これは武力攻撃事態や、また周辺事態に際しての日米の各種共同の活動の調整を図るということを目的としておりました。また、同メカニズムは、我が国に武力攻撃が差し迫っている場合や周辺事態が予想される場合に、早期に運用を開始するものとされておりました。  これに対して、同盟調整メカニズム、これは現下の安全保障環境を踏まえまして、上記のような事態のみならず、国内の大規模災害時を含め、平時から緊急事態までのあらゆる段階において日米間の調整を図ることを目的とするとともに、平素から構築しておくだけではなくて、平素から利用可能なものとして調整所要に適切に即応できる態勢を維持するものといたしております。この同盟調整メカニズムの詳細につきましては現在検討中でございますが、グレーゾーン事態においても当該メカニズムの活用が想定されているところでありまして、その場合、当該のメカニズムを通じて自衛隊及び米軍の活動に係る調整が行われることになります。  このような同盟調整メカニズムの活用によりまして、切れ目のない、実効的な同盟の対応を確保いたしまして、その抑止力、対処力、これの強化に努めてまいる所存でございます。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 意外とこれは目立っていないんですけれども、実は極めて大きな一歩なんです。日米同盟調整メカニズムが平時から機能する、これはやっぱり周辺国にとって極めて大きなメッセージ性があります。  二番目が、アセット防護です。  日本の防衛に資する活動に従事している米軍等の装備を防護できる規定、アセット防護規定が自衛隊法に今回明記されています。これは日米共同の警戒監視だけではなく、共同訓練、これにおいても適用可能でしょうか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 日米共同訓練を行っている米軍部隊等の武器等は新設する自衛隊法九十五条の二による警護の対象となり得ると考えておりますが、警護の実施につきましては、どのような場所で行われるかも含めまして、米軍等から要請を受けた防衛大臣がその部隊の能力、また周囲の情勢等を踏まえて個別具体的に判断をしていくことになることでございます。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 まさに、今回、共同訓練でもこのアセット防護ができる、つまり、この法律が成立したら、日米で相互に武器等をお互いに守り合いながら、平時の警戒監視、共同訓練からお互いに対応できる。これは極めて今回の尖閣防衛警備でも大きな一歩だと思っています。まさに活動量を平時から東シナ海で増やしていく、訓練や警戒監視、活動量を増やしていく、これはまさに動的抑止の典型例であり、尖閣諸島の防衛警備、東シナ海の防衛警備でも極めて有効だと思いますが、防衛大臣の見解をお伺いします。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) この九十五条の二による警護の実施につきましては、防衛大臣が個別具体的に判断をするものでありまして、特定の地域を念頭に置いているわけではありませんが、本条の新設は、我が国周辺海域における自衛隊と米軍、これによる連携した警戒態勢等の強化につながるものでありまして、日米同盟の抑止力、対処力、これは一層強化されるものになるのではないかと考えております。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 ありがとうございます。  日本は日本、アメリカはアメリカ、別個に警戒するよりは、お互いを守り合う形を取りながら警戒をする、相手にとってどっちが嫌か、当然守り合う方が嫌です。これがやっぱり抑止力なんです。  三番目のポイントは、今回の改正で、平時ACSA、米軍等への物品、役務の提供が平時でも可能になります。すなわち、東シナ海で共同訓練や警戒に当たっている米軍艦船への洋上補給、あるいは警戒中の米軍哨戒ヘリへの海自護衛艦の上での整備や給油も可能となります。これは尖閣諸島を含む東シナ海の防衛警備上、この平時ACSAも有効だと考えますが、大臣の所見を伺います。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 近年、日米の防衛協力、これが進展をいたしております。また、自衛隊の任務、これも多様化等を踏まえまして、あらゆる事態に我が国として切れ目のない対応をしていくために、平素から自衛隊と米軍がより一層緊密に連携をして活動することができるように、ACSA、これに基づく物品又は役務の提供が可能な場面を拡大をすることなどが必要だと考えております。  このため、自衛隊法におきまして、海賊対処行動、弾道ミサイル等に対する破壊措置をとるために必要な行動、情報収集・警戒監視活動を行う自衛隊による米軍への物品又は役務の提供を可能とするといった改正を行うことといたしております。  新ガイドラインにおきましても適切な場合に後方支援を相互に行うことといたしておりまして、この法改正と相まって、平時からグレーゾーンにおける日米間の協力、連携の実効性が高まり、日米同盟の抑止力、対処力も強化をされるものと考えております。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 現場にとっては、平時のACSAが今回の法改正でなされる、これ、極めて大きな一歩だと思っています。  四番目は、南西諸島への自衛隊の配備です。  現在、沖縄本島から西に五百三十キロ離れた与那国島まで陸上自衛隊はゼロ、空白地帯です。これでは迅速な尖閣諸島への展開にも制約があります。これらを改善するため、南西諸島への自衛隊配備計画の進捗状況について、防衛大臣から説明を願います。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 防衛省では、南西地域における自衛隊配備の空白地帯、この状況を早期に解消する観点から、警備部隊等の新編に向けた取組を着実に進めております。  例えば、奄美大島につきまして、今、中期防期間中の部隊新編を目指して用地取得などの準備に着手をいたしております。与那国島につきましては、今年度末の沿岸監視部隊の新編に向けて隊庁舎などの施設整備を実施中でございます。宮古島につきましては、宮古島市長に対して警備部隊等の配置について申入れを実施をいたしております。石垣島につきましては、警備部隊等の配置も視野に入れまして現地調査を実施したところでございます。  防衛省といたしましては、尖閣諸島を含む南西諸島の防衛態勢の充実は極めて重要な課題だと考えておりまして、警備部隊等の配置等の取組を今後とも着実に進めてまいりたいと考えております。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 五番目は、在日米軍の展開です。  米国のオバマ大統領は、尖閣の日本による施政権を認めて、尖閣諸島へのいかなる侵害にも反対する、日米安保条約五条の適用、これも明言しております。まさに、集団的自衛権を行使をして、何かあったときは尖閣を守るために五条の範囲内で対応するということを明言しております。  その意味で、海兵隊が沖縄本島と岩国に、海軍が佐世保に、そして空軍が沖縄本島に、まさに尖閣に比較的近い場所に存在する、これは尖閣を含む南西諸島防衛上も極めて有効だと考えますが、防衛大臣の所見を伺います。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 尖閣諸島を含む南西の諸島はたくさんの島々がありまして、その全長は約千二百キロにも及ぶ広大な地域でございます。この広い地域、この地域の平和と安全を確保するためには、南西地域における防衛態勢を充実させることは極めて重要な課題でありまして、我が国自身による適切な防衛力の整備と併せて、在日米軍のプレゼンス、これを始めとする米国の抑止力により隙間のない体制を構築するということが不可欠であると考えております。  そのため、地理的な優位性を有する沖縄における機動性、即応性に優れた米海兵隊の駐留、また佐世保基地、嘉手納基地を始めとする南西地域における米海空軍等のプレゼンス、これは不測の事態の発生に対する抑止力として機能するなど、我が国の南西地域の防衛上極めて重要な役割を果たし得るものと考えております。  なお、米国との間では、累次の機会に、日米安保条約第五条が尖閣諸島にも適用されることや、日米安保条約の下で米国の条約上のコミットメントを確認をしてきておりまして、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、このような揺るぎのない立場を日米間で確認をしていることは大変意義があることであると考えております。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 総理、今まで尖閣諸島の防衛警備について議論をしてまいりました。  南西諸島に自衛隊が駐屯し、南西域の要衝に米軍が存在しても、日米連携が実際に機能しなければ意味がありません。今回の平和安全法制の整備によって平素から日米間の同盟調整メカニズムが機能し、それが活用が可能になることによって日米の共同訓練、警戒監視の臨機応変な運用協力が実現いたします。また、そのような活動に当たって、日米は、相互のアセット、装備品をお互いに守り合い、そしてまた、自衛隊から米軍、米軍から自衛隊に対する物品、役務の提供も可能となります。  平時の警戒監視や共同訓練から、グレーゾーン、我が国有事に至るまで、法的隙間を埋めて、あらゆる事態に切れ目なく日米が相互連携できるようにして、抑止力を高めて国民の命を守り、尖閣を含め我が国の領土を守るのは今回の法整備の一番の狙いと考えますが、総理のお考えをお聞かせください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日米同盟は、我が国の安全保障の基軸であります。また、我が国に駐留する米軍のプレゼンスは、地域における不測の事態の発生に対する抑止力としても機能しています。日本が攻撃を受ければ、米軍は日本を防衛するために力を尽くしてくれます。そして、今でも、日米安保条約の義務を全うするため、日本近海で適時適切に警戒監視の任務に当たり、日々共同で訓練を行っています。しかし、現在の法制の下では、私たちのためその任務に当たる米軍が攻撃を受けても、私たちは日本自身への攻撃がなければ彼らを守ることはできません。  我が国を取り巻く安全保障環境は、一層厳しさを増しています。こうした中で我が国の平和と安全を確保していくためには、平時からグレーゾーン、集団的自衛権に関するものも含めあらゆる事態に対して切れ目なく日米が一層協力して対応できるようにしておくことが必要であります。  御指摘のあった同盟調整メカニズムの設置、アセットの相互防衛、平時からの物品、役務の提供の拡大は、そのような取組の具体例であります。日米同盟の強化を世界に発信することによって、紛争を未然に防止する力、すなわち抑止力は更に高まり、日本が攻撃を受ける可能性は一層なくなっていくと考えます。  平和は唱えているだけでは実現しないわけでありまして、まずもって外交を通じて平和を確保していく、その上で、法案は、万が一のために隙のない備えをつくり、国民の命、平和な暮らしを守り抜いていくために必要不可欠なものであります。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 極めて明快な答弁、そして総理の思いが伝わったと思います。  今の法案、どうしても集団的自衛権の方に目が行きやすいんですけれども、平時からあるいはグレーゾーン事態、これに対する対応も極めて重要です。  次に、グレーゾーン事態対応について議論を進めていきたいと思います。  一般に、防衛警備というのは、法律と運用、これを相まって行う、これは当然です。特に、今回の法案の検討に併せて、運用検討、これの一つの目玉がグレーゾーン事態でした。現在、民主党と維新の党から領域警備法案が提出されていますが、残念ながら様々な誤解に基づいている。他国の武装漁民が我が国の離島に上陸、占拠する場面を念頭に指摘をしていきたいと思います。  まず、もう警察機関だけでは、武装漁民が機関銃などの重装備、それで来たときに対応できないという誤解であります。安倍政権になりまして、前の政権以上に警察と海保の警察機関の能力向上に努めてまいりましたが、警察と海保の対処能力強化の現状を説明願います。

沖田芳樹警察庁警備局長

○政府参考人(沖田芳樹君) 警察におきましては、御指摘のような事案に対処するために特殊部隊SATや銃器対策部隊などの専門部隊を設置しております。これらの部隊は、装備といたしましては自動小銃、サブマシンガン、ライフル銃、防弾仕様の特殊車両等を備え、関係機関とも連携の上、各種事案を想定した訓練を実施するなどして不断に対処能力の向上に努めているところでございます。

佐藤雄二海上保安庁長官

○政府参考人(佐藤雄二君) お答えします。  離島に接近してくる武装漁民に対しましては、海上の安全及び治安の確保を図ることを任務とする警察機関である海上保安庁が第一義的に対応いたします。海上保安庁におきましては、速力を向上させ、正確な射撃が可能な武器などを装備した巡視船艇を順次整備してきております。また、常日頃から射撃技術の向上などを目的とした訓練を実施し、対応能力の維持向上にも努めているところであります。  海上保安庁といたしましては、今後とも必要な体制整備を推進し、領海警備に万全を期してまいります。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 今答弁ありましたように、機関銃等のレベルであれば十分対応できる能力を逐次向上しています。  また、そもそも現実の問題として、多数の武装漁民がいきなり尖閣諸島などに上陸することは想定しにくいと思います。多数の漁船団の近接は早期から情報を入手でき、それに応じて海上保安庁も体制を取れますし、警察や自衛隊の尖閣諸島などへの事前配置も可能と考えます。  政府の情報収集体制、離島への事前配置の可能性について、防衛大臣に伺います。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 防衛省・自衛隊は、平素からP3C等の哨戒機によりまして警戒監視活動を実施しておりまして、その際得られた情報につきましては、関係機関と適時適切な情報の共有、これを行っております。この五月十四日に閣議決定を行いまして、離島に武装集団が不法上陸する事案に対しましては、関係省庁等が当該事案発生前から関連する情報を収集、交換するなど、緊密に連携をするということといたしております。  そのため、一般論として申し上げれば、お尋ねのような事案が発生する前の段階で、離島等に対する武装集団による不法上陸等の事案に発展する可能性がある事案に関する情報を収集、支援し、警察機関が増援部隊の派遣等により体制を構築することは可能であると考えております。  加えて、自衛隊についても、平素から自衛隊に認められている権限の範囲内であれば、自衛隊に行動が命ぜられていない段階であっても艦艇等により警戒監視活動等を行うとともに、陸上自衛隊の部隊等は特定の駐屯地への移動等の所要の体制を整えるために必要な措置を講じることができるわけでございまして、これらによりまして、防衛省・自衛隊と関係機関が一層連携して、事態の推移に応じて切れ目なく対応できると考えております。  また、実際の対処における関係機関との連携の在り方に関する更なる検討等を通じまして、関係機関との連携強化にも努めてまいる所存でございます。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 今説明がありましたように、早期察知、早期展開はやっぱり可能なんです。いきなり武装漁民が尖閣のところに上陸するということはほとんど考えにくい、事前展開は可能という答弁がありました。  次に、資料十二をお願いします。  安全保障は、机上の空論ではなく現実的に対応しないといけないと思います。ただ、武装漁民の離島上陸等の場合、警察は非力、自衛隊が出動すれば何でも対応できるというような誤解があります。自衛隊の行使し得る権限は自衛権ではなく、あくまでも警察権、基本的には警察や海保と自衛隊は同じです。  防衛大臣、海上警備行動や治安出動で自衛隊が行使可能な制約事項あるいはその権限等について御説明願います。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) まず、領土と治安の維持につきましては、警察また海上保安庁が第一義的な対応の責任を有しておりますが、自衛隊は、警察機関では対応できないような場合等には、公共の秩序の維持として海上警備行動や治安出動の発令を受けて警察機関と緊密に連携して対処することになります。  その際の権限でありますが、警察官職務執行法第七条等の準用によりまして、自己若しくは他人に対する防護又は公務執行に対する抵抗の抑止のため必要と認められる相当な理由がある場合等には武器の使用が許されますが、これらの権限は、佐藤議員の御指摘のとおり、警察官や海上保安官の権限と同じであります。  さらに、治安出動時におきましては、小銃、機関銃等の殺傷力の高い武器を所持した者が暴行、脅迫をし、武器を使用するほか、ほかにこれを鎮圧する適当な手段がない場合等にも武器の使用が許されるということでございますが、いずれの場合におきましても、武器の使用は事態に応じて合理的に必要と判断される限度に限られて使用されるということでございます。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 資料、次は十三をお願いします。  今御説明ありましたように、自衛隊の権限というのは自衛権ではなく警察権、何でもできるわけではありません。特に、この資料十三にありますように、自衛隊が出動した場合の懸念事項もございます。  元々自衛隊というのは、自衛権に基づき敵国の軍艦を相手にすることを基準に設計されており、小回りの利く漁船対応には実際難があります。さらに、漁船への乗り込み検査は、自衛権に基づく武力行使の訓練をしている海上自衛隊よりは海保隊員の方が慣れており、効果的であります。  仮に警察機関で対応可能な状況で武装漁民に自衛隊が出動をした場合、懸念事項、このパネルにありますけれども、まさに向こうが民間に対して最初に自衛隊が出る、まさにミリタリー対民間という形になります。このような状況になれば、当該地域はまさに係争地域であるといった誤情報を自ら発信し、我が国が先に軍事力を使用したと宣伝材料に使われ、かつ相手国が軍事力を行使する口実を与えてしまう。場合によっては、この三番にありますように、ミリタリー対ミリタリーへ事態がエスカレーションするおそれもあります。  やはり、警察権で対応する以上は警察力を高めて対処体制を構築する、これが基本です。実際に竹島に韓国の武装勢力がいますけれども、それは軍ではなくやっぱり警察なんです。いかにそういうエスカレーションを抑えるか、これは基本中の基本です。その上で、警察と海保の能力上の限界、また自衛隊の行使可能な権限や実際の運用面での向き不向きを考えて、警察と自衛隊の連携強化、これを図ることが必要です。  私も共同訓練に参加したことがございます。警察との共同訓練です。実は、自衛隊は場所というのは座標、八桁のグリッドであります。警察は住所です。不審者を捕まえて山の中でこれを引き渡そうとしても、山の中には住所がないところがあります。なかなか受渡しが難しいということもありました。また、通信基盤、自衛隊は秘匿性があって、ただ一方で警察はそういうものがない、互換性にも問題がある。結局、携帯電話ということもありました。  当初は課題も多くありましたが、最近の連携強化、共同訓練状況について、防衛大臣から御説明を願います。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 佐藤委員御指摘のとおり、それぞれの省庁によって装備や運用の仕方、異なるところがございますが、五月十四日に閣議決定を行いまして、海上警備行動等の発令の手続の迅速化に加えて、それぞれの場合において、内閣官房を含む関係省庁が事案発生前においても連携を緊密にして、訓練等を通じた対処能力の向上を図ることについても定めているところでありまして、これまで各般の共同訓練などを積み重ねてきておりまして、警察機関また自衛隊等の関係機関の連携、これまでと比較して格段に向上しているところでございます。  訓練の詳細につきましては事柄の性質上お答えを差し控えますが、今後とも、訓練等の取組を着実に実施するとともに、我が国を取り巻く安全保障環境の変化にも的確に対応し得るよう不断の検討を行いまして、武力攻撃に至らない侵害への対処に全力を期してまいりたいと考えております。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 まさに、以前、いがみ合っていたというような批判がありましたけれども、現在は全くそれの批判は当たらない、極めて連携が進んでいるという答弁でございました。  資料十五、これをお願いします。  先ほど答弁がいろいろありましたけれども、警察機関の対処能力を向上させるとともに、日頃から自衛隊と警察、海保の共同訓練に加えて、事態の兆候を察知した場合はいかに現場に海保や警察機関を集中するか、これが大事です。  この表は、まさにこれまでの運用検討結果、これをまとめたものでございます。まさに警察や海保の能力を超えることが予想された場合、そういう場合は速やかに自衛隊に治安出動や海上警備行動を命じて、速やかに現場に進出する、事前配置をする、これが基本です。こういう形で、まさに法案とあるいはその運用、これを相まってこの体制をつくっていく。いきなり自衛隊が運用すれば何でも解決、そういうものではありません。  総理、現時点で民主、維新提出の領海警備法案は私は必要はないと考えますが、総理の御見解をお伺いします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 防衛大臣から答弁させていただきましたように、海上警備行動、治安出動等の発令に係る手続の迅速化のための閣議決定や、警察や海上保安庁などの関係機関の対応能力の向上、機関相互の連携強化など、必要な取組を一層強化していくこととしております。  また、仮に自衛隊が平時から警察機関とともに警察権を行使した場合、日本の側が事態をミリタリーのレベルにエスカレートさせたとの口実を与えるおそれもあると考えます。むしろ大切なことは、他国の警察組織や民間の船舶などに対しては警察機関がまずは対応し、そしてそれが無理であれば自衛隊が対応する、この速やかな移行が可能になることであると考えています。  こうしたことから、政府においては、現下の安全保障環境において武力攻撃に至らない侵害に際し、いかなる不法行為に対しても切れ目のない十分な対応を確保するための体制を整備しており、現時点では新たな法整備が必要であるとは考えておりません。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 まさに現時点においては警察機関が対応し、いざとなれば自衛隊がそこに迅速に展開をする、こういうまさに法律と運用が相まって対応するということだと思います。  次に、集団的自衛権の議論の方に移りたいと思います。  今回の安全保障法制、一部には、安倍総理が岸元総理の遺志を受け継ぎ個人的な思いでやっているという一部の批判があります。これは全くの誤りであります。  今回の安全保障法制は、実は十年以上の長きにわたって議論されています。実際に、小泉政権下においてはまさに有識者でこの限定的な集団的自衛権等についても含めて議論されており、また、民主党政権下の菅内閣においても有識者の方から提案がなされています。安倍政権は、これまでの議論を踏まえながら、あるいはそれら提言を真摯に踏まえながら、今回の集団的自衛権、こういうものを提言をしてきたというふうに認識しています。  総理、改めて、今回なぜ憲法解釈を見直して限定的な集団的自衛権の行使を容認する必要があるのか、改めて伺います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今日、我が国を取り巻く安全保障環境は、昭和四十七年、一九七二年に政府見解がまとめられたときから四十年以上を経て、想像も付かないほど変化をしています。今や脅威は容易に国境を越えてきます。もはやどの国も一国のみで自国の安全を守ることができない時代となりました。  昭和四十七年に政府見解がまとめられた当時と比べ、例えば米軍の規模は、兵員数、艦艇の隻数、航空機の機数のいずれも半分になっています。北朝鮮は、当時全く保有をしていなかった弾道ミサイルを大量に保有し、数百発が我が国の大半を射程に収め、ミサイルに載せるための核開発も推進をしています。同時に、我が国は当時存在しなかった弾道ミサイル防衛システムを保有するに至り、その運用には従来にはない日米の極めて緊密な協力が不可欠となっています。そしてまた中国は、東シナ海において、尖閣諸島周辺の領海において公船による侵入を繰り返し、また境界未画定海域における一方的な資源開発を行っています。まずもって、外交を通じて平和を守ることが重要なのは言うまでもありません。今後も積極的な平和外交を展開していきます。  その上で、万が一の場合の備えも必要であります。安全保障に想定外は許されないわけであります。国民の命と平和な暮らしを守り、今の子供たちや未来の子供たちへ戦争のない平和な社会を引き継いでいくことは政府の最も重要な責務であります。まだ危機が発生をしていない今のうちに、あらゆる事態に対して切れ目のない対応を行う体制を整えておくことが必要であります。  平和安全法制は、我が国を取り巻く安全保障環境がますます厳しさを増す中で、憲法第九条の範囲内で国民の命と平和な暮らしを守り抜くために不可欠な法制であり、一日も早い整備が必要であると考えております。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 ありがとうございます。  ただ、限定的とはいえ、集団的自衛権の行使には法整備が必要です。でも、ルール違反の法律では嫌だねと多くの国民は思うし、私もそれがルール違反であれば嫌だし、現場の自衛官も嫌だと思います。だが、今回の法案は、憲法の枠内であることは明白だし、国際法にも適合する、つまりルール違反ではありません。それをこれから再度議論いたします。  今の憲法には戦争の放棄という言葉はありますが、逆に国防とか自衛とか自衛権、自衛隊という言葉は今の憲法にはありません。これまで全て解釈、解釈で、自衛とか自衛隊、自衛権を憲法の認めるところとしてきました。  そこで、憲法に適合するかどうか、これを判断するのは最高裁判所です。自衛権に関する唯一の最高裁の判例が昭和三十四年の砂川判決で、平和的生存権を担保するための自衛の措置は合憲とされました。ただ、必要最小限の自衛の措置としては、無限定なフルサイズの集団的自衛権は認めないとするのが四十七年の政府見解です。  科学技術の変化や安全保障環境の変化を受けて、例えば米イージス艦等への攻撃を放置をしていたら日本が攻撃された場合と同等の急迫不正の侵害発生の危険がある場合など、例外的に集団的自衛権の行使を認める、言い換えれば、自国防衛目的以外の集団的自衛権は認めないというのが今回の新三要件であり、これが必要最小限の自衛の措置に入るのは当然です。憲法の枠内であることは明白だと思います。  総理、この資料を見て御所見をお伺いします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 御指摘のとおり、日本国憲法には自衛、自衛権、自衛隊という言葉は、用語は書かれていないわけであります。政府としては、従来から憲法前文で確認している国民の平和的生存権や憲法第十三条で示している生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利を国政上尊重すべきこととしている趣旨を踏まえると、憲法第九条が、我が国が自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛の措置をとることを禁じているとは到底解されず、そのための実力組織である自衛隊を保持することも憲法上認められると、こう解してきました。  また、憲法解釈を最終的に確定する権能を有する唯一の機関である最高裁判所も、砂川事件判決において、憲法の解釈として、我が国が自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛の措置をとり得ることは、国家固有の権能の行使として当然のことと言わなければならないと述べております。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 まさに、今回許されるのは、自衛隊が米国を守るために米国まで行って武力を行使するのではなく、そのまま放置をしたら日本国民の命が守れない場合に限っての自衛のために限定した集団的自衛権です。自国防衛目的以外の集団的自衛権は認められないということです。  ただ、憲法上は合憲でも、国際法に合致しないとルール違反になってしまいます。我が国は、主権国家として、国連憲章五十一条に基づき個別的、集団的自衛権を保有しています。  外務大臣、維新の党の対案が言うように、国際法上、個別的自衛権と集団的自衛権、これが重なることはあるのでしょうか。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 国際法上、個別的自衛権は、自国に対する武力攻撃を実力をもって阻止することが正当化される権利とされています。一方、集団的自衛権は、自国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず実力をもって阻止することが正当化される権利とされています。  このように、両者は、自国に対して発生した武力攻撃に対処するものであるかどうか、この点におきまして明確に区別をされています。よって、この両者が概念として重なることはないと考えています。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 まさに個別的自衛権の拡大解釈は一番危険で、歯止めがなくなり、自分の行為を全て個別的自衛権で整理してしまうおそれがあります。  資料十八をお願いします。  これは限定的な集団的自衛権の一例で、まさに今まで何回もこの委員会で提示されました、アメリカのイージス艦、これを守るという場合の一例でございます。  ただ、この公海上の米艦防護の必要性については、実は民主党の岡田代表も平成十五年に与野党幹事長の憲法座談会の場でもその必要性を認めて、集団的自衛権の行使についても言及されています。  石川政務官、資料十九、恐縮ですが、読んでいただけますか。

石川博崇公明党防衛大臣政務官・内閣府大臣政務官

○大臣政務官(石川博崇君) 委員お示しのパネルをそのまま読み上げさせていただきます。  読売新聞、二〇〇三年五月三日、与野党四幹事長憲法座談会。北朝鮮危機と自衛権解釈、集団的自衛権行使認め政策判断。  岡田氏、日本を防衛するために活動している米軍が攻撃された場合、日本に対する行為とみなし、日本が反撃する余地を残すのは十分合理性がある。今の憲法は、全ての集団的自衛権の行使を認めていないとは言い切っておらず、集団的自衛権の中身を具体的に考えることで十分整合性を持って説明できる。  以上でございます。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 まさに、認めて、必要性は言及しているわけです。  しかし、なぜか今年六月の党首討論では、集団的自衛権の行使は必要ないと断言をされ、さらにこの米艦防護を個別的自衛権や警察権で説明してしまえばいいということまで言及されました。驚きました。  個別的自衛権の拡大解釈は、それこそやはり危険です。目的が自国防衛だからといって、外形上、他国防衛を集団的自衛権ではなく個別的自衛権でいうのは国際法違反だと思いますが、外務大臣の答弁を求めます。(発言する者あり)

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 速記止めて。    〔速記中止〕

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 速記起こしてください。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 今外務大臣に答弁求めたのは、これは、他国防衛というものを目的とした集団的自衛権で、個別的自衛権とこれをいうのは国際法違反ではないかという質問でございます。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 先ほど申し上げましたように、個別的自衛権と集団的自衛権、国際法上は自国に対する攻撃に対処するかどうかで明確に区別をされています。個別的自衛権においては自国に対する武力攻撃の発生が必要とされていますし、集団的自衛権においては武力攻撃を受けた国からの要請、同意が必要である、このようにされております。  自衛権の行使、適法だというためには、こうした要件を満たす必要があります。目的が自国防衛だとしても、自国に対する武力攻撃が発生していなければ個別的自衛権の行使として正当化することは難しいと思いますし、一方、集団的自衛権により正当化すべき事例を個別的自衛権だと説明するということは、集団的自衛権行使の要件である武力攻撃を受けた国からの要請又は同意を得ずに武力行使を行う、こういったことから、国際法上正当化することは難しいと考えます。  集団的自衛権により正当化すべき事例を個別的自衛権という形で拡張するということは、国際法違反のおそれがあると考えます。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 さらに、法制局長官に伺います。  岡田代表が言われるように、既に米国が武力紛争の当事者となっている状況での米艦防護を海上警備行動により自衛隊が対応することは、法制上、憲法上の問題もあると考えますが、いかがですか。

横畠裕介内閣法制局長官

○政府特別補佐人(横畠裕介君) 米国が国際的な武力紛争の当事者となっている場合に、我が国が当該武力紛争の相手国による武力攻撃から米国艦船を防護するため実力を行使することはまさに武力の行使に当たるものであり、海上警備行動など、我が国の統治権の一環である警察権の行使によって対応できるというものではございません。  そのような武力の行使に当たる実力の行使を行うためには、新三要件を満たし、手続としては、事態対処法及び自衛隊法の規定に従って防衛出動を下令することが必要であります。そのような場合、海上警備行動など、警察権の行使としてこれを行うとした場合には、国会の承認を含むシビリアンコントロールを潜脱して違法な武力の行使を行うということになってしまうという問題があると考えております。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 やはり、自国防衛目的とはいえ、集団的自衛権の範疇に入るものを個別的自衛権とか警察権で対応するというのは、これは絶対やってはいけないことだと思います。  次に、この集団的自衛権につきまして、歯止めについていろんな議論がありました。実は民主党の元代表の方々も、集団的自衛権を憲法の枠内で歯止めを掛けながらも認めるべきだと述べています。  石川政務官、恐縮ですが、資料二十、読んでいただきたいと思います。

石川博崇公明党防衛大臣政務官・内閣府大臣政務官

○大臣政務官(石川博崇君) 委員お示しのパネルをそのまま読み上げさせていただきます。  二〇〇五年七月、岡田克也民主党代表、外交ビジョンを語る。制限された自衛権行使を。理屈ではなく、実態論でいくということか。  岡田氏、仮に集団的自衛権を憲法なり法律なりで認めるとしても、きちんと制限を明示した方がいいだろう。いずれにせよ、より具体的な形で議論すべきだ。そして、最後にはその時々のリーダーが政治生命を懸けて決断しなければならない。  下段の部分でございます。  野田佳彦、民主の敵、政権交代に大義あり、新潮新書、二〇〇九年。第四章、自衛官のせがれの外交・安全保障論。集団的自衛権を認める時期。  野田氏、いざというときは、集団的自衛権の行使に相当することもやらざるを得ないことは現実に起き得るわけです。ですから、原則としては、やはり認めるべきだと思います。認めた上で、濫用されないように、歯止めを掛ける手段をどのように用意しておくべきかという議論が大切になってくるわけです。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 国民の皆さん、このように民主党の元代表も、しっかり歯止めを掛けた限定的な集団的自衛権、これに言及されているわけです。(発言する者あり)

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 御静粛に。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 実は、前原元代表も長島議員も同じように言及をされています。ただ、当時の六月の党首討論で、新三要件を時の内閣に丸投げ、白紙委任、そんな国はどこにもないと批判をしています。私は、新三要件は厳格な歯止めだし、他国が自衛権発動でそれほど厳格な歯止めがあるとも思えません。  外務大臣、例えば米国、英国、豪州において、自衛権をこういう場合に発動しますと法律に明記しているでしょうか。(発言する者あり)

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 御静粛に。聞こえなかった。誰に質問ですか。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 外務大臣です。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) お尋ねいただきました米国、英国、豪州でありますが、我が国の新三要件のような自衛権を行使するような要件を規定した国内法は、こうした国々には存在しないと承知をしております。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 まさに、アメリカもイギリスも豪州も、このような歯止めを法律に明記していないんですよ。つまり、今回の三要件は極めてほかに類を見ない歯止めがあるというふうに私は思います。  総理、御見解をお伺いします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま外務大臣から他国の歯止めの例について御紹介をさせていただいたところでございますが、今回の平和安全法制は、憲法との関係では昭和四十七年の政府見解で示した憲法解釈の基本的論理は全く変わっていないわけであります。これは、砂川事件に関する最高裁判決の考え方と軌を一にするものであります。  砂川判決は、我が国が自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛の措置をとり得ることは、国家固有の権能の行使として当然のことと言わなければならないと述べています。  我が国を取り巻く安全保障環境は大きく変わってきているわけでありまして、昭和四十七年の政府見解が出された四十年以上前から想像も付かないほど変化をしています、一層厳しさを増しています。脅威は容易に国境を越えてやってきますし、もはやどの国も一国のみで自国を守ることができない時代になっています。このような中において、私たちは厳しい現実から目を背けることはできないわけでありまして、砂川判決の言う必要な自衛の措置とは何かをとことん考え抜いていく責任があります。  その中で、今、我々は平和安全法制を提出をさせていただいているわけでありますが、我が国が武力の行使を用い得るのは、行い得るのは新三要件を満たす場合に限られますが、これは憲法上の明確かつ厳格な歯止めになっており、今般の法整備において過不足なく明確に書き込まれております。  新三要件は、国際的に見ても他に例のない極めて厳しい基準であって、その時々の内閣が恣意的に解釈できるようなものでは決してないわけであります。さらに、実際の武力の行使を行うために自衛隊に防衛出動を命ずるに際しては、これまで同様、原則として事前の国会承認を求めることが法律上明記されており、政府が判断するのみならず国会の御判断もいただき、民主主義国家として慎重の上にも慎重を期して判断されることになるわけであります。  したがって、我が国の新三要件について、極めて明確かつ厳格なしっかりとした歯止めがあると考えております。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 まさに、このようにしっかり歯止めを掛けた限定的な集団的自衛権、ほかの国にも見られないような歯止めだと私も思いますし、総理からも明快な答弁がございました。まさに、自国を守るためだけの限定的な集団的自衛権、自国防衛の目的以外の集団的自衛権は行わないという、政治の責任を果たした、これが今回の法案の中に盛り込まれているというふうに思います。  集団的自衛権も、あるいは重要影響事態も、また国際協力も、実は民主党政権時代も含めて、この過去十年間、まさに時の政権が営々と、まさに国民の命を守り、主権を守り、積極的な平和外交をやるために営々と力を尽くしてきたそのたまものです。実際に、周辺事態法を見直そうと、こういうふうにアメリカに提案したのも、民主党政権時代、野田政権時代の森本防衛大臣です。総理が岸元総理の遺志を受け継いで自分の思いでやっているという批判は全く当たらないということが今の議論で明確になったと思います。  安全保障は、本来、与党も野党もないはずです。どうやって国民を守るか、そういう議論をしっかりこの国会の場でやる、これが我々の責務だと思います。国民の命を守るのは政府の仕事だけではなく、国民から選ばれた我々立法府の一員、それぞれの政党の責任でもあると思います。しっかりと政党の案を出して議論すべきです。民主党のリーダーがこのように過去に主張しているにもかかわらず、今回対案を出さなかったのは極めて残念だと思います。  私は出身が福島です。あの東日本大震災のいろんな現場を経験しました。宮城県のあの南三陸町では、遠藤さんという女性の方、役場の防災無線係でした。多くの方が逃げ遅れている、何としても助けないといけない。津波が来ます、高台に逃げてください、高台に逃げてくださいと言われて、最後まで無線を握っていました。彼女は実は籍を入れていて、秋には結婚披露宴をやる予定でした。彼女にも幸せになる権利や自由があります。それ以上に守るべき義務と責任があった。まさに総理、現場の自衛隊、警察、消防、海上保安庁、公務員の方々もしっかりそういう国民のリスクを下げるために自分の思いを伝える、そういう現場があります。  総理、最後に、この国会でこの法案を成立させる必要性と総理の思いをお聞かせください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに佐藤委員が御指摘をされたように、私たち政治家には、そして内閣には、国民を守るため、国民の命を守るために必要な自衛の措置とは何かを考え抜く大きな責任があります。  国際情勢は日々変わっていくわけであります。四十数年前の解釈のままで果たしていいのか、ここから逃げてはならないわけであります。必要な自衛の措置とは何か、これをまさに私たちは考え抜いた結果、今回、その責任を果たすために、国民の命を守るというその責任を果たすために、我々は憲法解釈を変更し、そして平和安全法制の整備のための法案を提出をさせていただいたところであります。  しっかりとした議論を行い、そして決めるべきときにはしっかりと結論を出していただきたいと、このように思う次第でございます。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 まさに国民の命は政治が守るんだ、我々自由民主党は、政府・与党一体となって、この法案、徹底的に議論をし、決めるときには決める、そういう覚悟で議論を進めてまいります。  どうもありがとうございました。     ─────────────

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) この際、委員の異動について御報告をいたします。  本日、江崎孝君が委員を辞任され、その補欠として蓮舫君が選任されました。     ─────────────

北澤俊美民主党・新緑風会

○北澤俊美君 民主党の北澤俊美でございます。  冒頭に、台風及びそれに伴う豪雨で大きな災害を受けた皆様方に、そしてまた尊い命を亡くされた皆様、御遺族に心からお悔やみを申し上げ、一日も早い復旧を政府にお願いを申し上げます。  さて、総理、私は初めて総理と質疑をいたします。今日は総理の政治姿勢について専ら総理に質問をいたします。そうはいっても、防衛大臣も外務大臣も、現に戦闘行為が行われていない場所にいると思わないで、戦線は拡大する可能性ありますから、御用心をひとつお願いをいたしたいと思います。  この法案が国会に提出されてから様々な世論調査が行われておりますが、依然として反対は六〇%、そして賛成は三〇%、今国会成立反対は八〇%であります。国の政治を行っていく上で民意は極めて重要であり、第一義的な要件だというふうに思います。総理の御見解をお伺いいたします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに、必要な法案かどうか、国民の皆様に必要な法案であるという御理解をいただき御支持をいただくことがベストであると、こう考えております。我々もそのために丁寧な説明を繰り返してきたところでございますが、また国会においても長い時間を掛けて審議を行ってきたところでございますが、世論の状況、世論調査の状況におきましては、今、北澤委員が御指摘になったとおりでございます。  しかし、その中においてもなお、やはり我々、国民によって、選挙によって選ばれた議員の中において審議を深め、決めるときには決めていただきたいと、このように考えているところでございます。

北澤俊美民主党・新緑風会

○北澤俊美君 こういう数字が出る一番のもとは、衆議院での質疑、そして参議院の質疑は今七十九時間、この中で百九回審議が止まっておる、それはやはり、総理の発言、あるいは防衛大臣、外務大臣の発言に法律との間の整合性がないとか、説明が必ずしも明快でない、そういうことの繰り返しが国民に影響をしているというふうに思います。  そこで、私は、今日、この戦後七十年の平和な時代の価値観について総理にお伺いをいたしたいと思います。それは、私事で恐縮ですが、この戦後の七十年間は私の人生全てであります。体験者として、この尊さについて総理にお伺いをいたします。  七十年の歴史というものの重みは、その前の七十年の我が国、二〇一五年は戦後の七十年でありますが、その年から遡って七十年を逆算すると、それは一八七五年、明治八年であります。西郷隆盛による西南戦争が始まるまだ二年前であります。近代国家として世界の仲間入りをして間もなくの年であります。それから、幾多の内乱、さらには日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦、日中戦争、そして太平洋戦争に至るまで、この七十年の間に日本は幾多の戦争を経験をしてきました。この間、いっときだけ大正デモクラシーという時代もありましたが、しかし、基本的には軍国主義、そして国家主義の増長、ばっこを許したと言ってもいい。これは、まさに政治の敗北でありました。そういう経験をした上で、その後の七十年の平和が築かれたというふうに私は思っております。  七十年の平和の歩みがいかに尊いものであるかということを私は身をもって体験をいたしてきたわけでありますが、平和主義を基調とする今の日本憲法があった、そのことは極めて大きいというふうに思っております。この世界に誇る日本の戦後七十年間が存在するのだと私は思っておりますが、このことについて、戦後レジームからの脱却を唱える総理はどのような歴史観をお持ちか、お聞かせいただきたい。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 戦後七十年を迎えるに当たりまして、八月十四日に安倍内閣として閣議決定をいたしまして、談話を発出をしたところでございます。  この談話を発出するに当たりまして、七十年前、日本を取り巻く状況、そしてまた、さらには百年以上前に遡りまして、日本を取り巻く状況はどうであったのか、その中において、日本はどこでどのように道を誤り、そして敗戦に至ったのかということについて率直に内閣としての考え方を述べたところでございます。そうした教訓を酌み取る中において、未来の日本をつくっていく、平和な日本を守り、しっかりと人々の幸せを守っていかなければならないという考え方を述べたものであります。  様々な教訓について既に七十年談話でお示ししたとおりでございますが、憲法につきましても、その平和主義、今委員が御指摘になった平和主義、国民主権、そして基本的人権の尊重、この三大原則、これはまさに日本国民にとっては血肉となっているものでありますから、今後も、我が党、自由民主党は憲法改正草案を出しておりますが、この三つの原則についてはいささかも変えてはいないところでございます。

北澤俊美民主党・新緑風会

○北澤俊美君 今、七十周年の談話をお話しになりました。私も強い関心を持っておりました。ちょうちょうここで申し上げるつもりはありませんが、私は、総理が主語を使わないで前の談話をなぞったということにいささか失望をいたしました。  しかし、それよりも、今お話をしております、この七十年の日本の平和の歩みを守っていくんだという、そして、自分はその先頭に立つと、平和の先頭に立つというキーワードが私には感じられなかった、その点については誠に残念であるということを申し上げておきたいというふうに思います。  そこで、総理は、我が国の歴史の中でも極めて希有なお立場で政治の道を歩まれました。私は、まあ私事を言っても意味がないとは思いますが、私は長野の一農村の次男坊として生まれて、資質も凡庸であります。自分が凡庸であることは十分自覚をしておりますが、しかし、それにもかかわらずここ半世紀に近い政治活動を続けてこられたのは、政治の道に入るときにある意味での原点を整理して政治の道へ入ったからで、簡単に言えば、私が小学校の低学年のときに、同級生の細井ゆう子ちゃんのお父さんが戦死した、あるいは北沢冨男ちゃんのお兄ちゃんが戦死した、そういうものをまざまざと見てきたことと、それから、大学へ入って沖縄の同級生から「きけわだつみのこえ」を紹介されて、この本に触れられたこと、そしてさらには、大学生のとき約一か月、アメリカの施政権下に置かれた沖縄に一か月ほど滞在をして、同胞の沖縄県民がどんな気持ちで生活をしているかということを目の当たりに見て、それが私の政治家としての原点で今日まで来ております。  そこで、総理は、お父さんは安倍晋太郎元外相、私は大変尊敬しております。いろんなものを読まさせていただいて、幼少の頃から秋霜を踏みながら春風を思わせるような人格を磨き抜いてきた方だと思っております。さらに、おじいさんは今松陰と呼ばれた安倍寛さんであります。また一方で、岸内閣総理大臣、あるいは佐藤栄作元内閣総理大臣、そしてまた、さらには、三国同盟への参加を一生の不覚だと悔やんだ松岡洋右元外務大臣も親戚におられます。まさに昭和史を代表するような名立たる政治家に連なるという、誠に立派だといいましょうか、羨ましいと言おうか、あるいは大変だなと言おうか、そういう環境の中に育ってこられて、まさに政治家とすれば、気軽に言えば銀のさじをくわえて生まれてきたような方であります。  しかし、そこで、こういう名立たる政治家の中に生をうけて、何を原点として、誰を目標として政治の道に入られたのでしょうか。今、日本を統治する総理大臣、安倍晋三さんの原点を触れてみたいという欲望に駆られて御質問を申し上げるわけでありますが、いかがでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 何が原点であったかという御質問でございます。  政治家になろう、職業として政治家を選ぼうということについては、言わば私においては、父親も祖父も現職の総理大臣、幼少の頃からそうであったということでありまして、子供は親の背を見て育つということもあるわけでございますが、父のようになりたいと考えるものでございます。  しかし、実際は、私は父親の秘書にそれまで勤めていた会社を辞めましてなったわけでございますが、しかしその先まで、果たして政治家になり得るかどうか、秘書を務めてみて、これは、多くの人たちから信任を得続ける、これがいかに困難であるかということは身をもって経験をしたわけでございます。私の父も三回目の選挙においては落選をしているわけでございます。  そこで、しかし、父ががんの手術をした後、余命もう二年であったのでございますが、命を削る思いをしてロシアに赴き、当時のゴルバチョフ大統領と会談を行い、英知をもって平和条約の締結に向けて四島の問題を解決をしていくという言質を引き出したのでございまして、まさに命を削りながらもしっかりと国民のために奉仕をする仕事であると、こう認識を持ちながら、私も国民のためにそうした仕事を全うしたいと、こう思いを致したところでございます。

北澤俊美民主党・新緑風会

○北澤俊美君 こんな雑誌も私は見させていただきました。私は、大変苦労なことだというふうに思います。  そこで、現実の問題に入っていきたいと思いますが、これらの名立たる政治家をルーツに持ち、その後を継いだ方としては、この間の安保法制における国会審議やそれに至る過程を見ますと、いささか思慮を欠き、宰相の器としてはいかがなものかと思われる点が数々あります。  例えば、安倍総理は、この安保法制の国会提出に先立ってアメリカを訪問し、連邦議会において夏までに安保法制を成立させますと約束をされました。日本の国会に法案を提出する前に、事もあろうに外国の議会においてその成立を約束するなど、日本の総理大臣として前代未聞という批判も受けております。  内閣総理大臣は、国民全体の意見に対し謙虚に耳を傾けながら国の方向性を形作っていかなければならない、先ほど申し上げたとおりでありますし、総理もそれに同意をしております。訪米前に私は与野党の党首会談を行うべきだったというふうに思っております。そうすれば、自国で法案を提出する前に他国で成立を約束するような軽はずみなまねは防げていたと思います。総理の見解をお尋ねいたします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 平和安全法制につきましては、そもそも二〇一二年、我が党が政権を奪還する際の政権の公約にもしているところでございますし、総裁選挙を三年前に五人の候補で争ったのでございますが、五人の候補者全員が、例えば集団的自衛権の解釈変更についてこれは行うべきだと、こう主張していたわけでございます。  そして、その後、参議院選挙、またさらに昨年の衆議院選挙、それぞれ我々は平和安全法制を整備をしていくということを公約として掲げているところでございますが、その後の本会議におきまして、その後の、今年の本会議における質問におきましても、この国会で成立を図るということを二回お答えをさせていただいている上でございます。  こうしたことを踏まえまして、米国における議会において、今まで述べてきたことについて改めてその決意を表明したところでございます。

北澤俊美民主党・新緑風会

○北澤俊美君 今みたいなことは俗に言うと後講釈なんですね。選挙やあるいは自民党の総裁選で国民に訴えたというようなことでは、私は、この議会制民主主義を十分に理解していないというふうに思っております。  今回の間違いは、そもそも集団的自衛権容認の根拠を砂川判決や、先ほども盛んに言っていましたが、四十七年の政府見解に求めたことであります。何度聞いても私には理解はできません。今更ですよ、今更、砂川事件ですよ。そもそも自国を守るための集団的自衛権という政府の理屈に無理があるんです。国連憲章で認められた集団的自衛権の本質は、攻撃を受けた他国を守ることにあるのであって、それにもかかわらず、総理は専守防衛と矛盾しないと。矛盾しないという矛盾を聞きながら、私には全く理解ができません。  総理の見解を伺います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国際法上は個別的自衛権も集団的自衛権も我が国はそれを有しているわけでございますし、政府はずっとそのように答弁をしてきたところでございます。しかしながら、憲法の要請において必要最小限度を集団的自衛権のフルの行使は超えると、このように考えてきたところでございます。  かつて、四十年前には、これは我が国を守るための、言わば存立を全うするため、国民の命を守るための、だけの集団的自衛権が概念として果たして存在をするかといえば、そのようには考えなかったのでございますが、しかし、四十年の時を経て、米軍の軍備力についても半減したわけでございます。人員においても隻数においても航空機の数においても半減する中において、北朝鮮は数百発の弾道ミサイルを保有するに至った、これは四十年前にはなかった状況であります。それに登載する言わば核兵器も開発をしつつあるという中において、そして、そのミサイルを防ぐことのできる弾道ミサイル防衛システムは当時もなかった。しかし、それを導入し、まさに日米で特別な連携を取る中で、そのミサイル防衛を導入し、そして日本人の命を守ることになっているわけでございます。  そこで、その一角が崩される、この一角が崩されることを防ぐという、まさに我が国の存立を全うするための集団的自衛権という概念はあり得るという中において今回解釈を変更したわけでございまして、今までの解釈と基本的な論理においては矛盾するものではないと、このように考えております。

北澤俊美民主党・新緑風会

○北澤俊美君 盛んに総理は、あの当時北朝鮮にはミサイルもなかったと、こう言いますが、一方で我々の方も、イージス艦ができ、さらにはペトリオットもあり、そしてアメリカはTHAADもそれからGBIも装備してきている。それは、片方だけのことを言っちゃ駄目ですよ。  さて、そこで、沖縄への対応について私は極めて不可解だと思っておるんですが、自分たちの気に入らない知事が誕生したからといって政府の高官が誰も会わない、面会もしようともしない、こんなばかな話はないんですよ。そしてまた、高圧的な態度でこれを屈服させようとしている。そしてさらに、沖縄が強硬な意見を言うようになったらようやく官房長官が出向いて、そして、この間は一か月間停戦を両者でした。しかし、結果的に何にもならなくて、知事は取消しをすると、こういう今態度に出る。最悪のところへ来ているというふうに思います。  私は二年間防衛大臣をやって、沖縄の仲井眞知事、仲井眞知事はどちらかというと我々民主党政権に対しては批判的な方でありました。しかし、じっくり話をして、知事は、北澤さん、一番は沖縄県民の心の誇りを傷つけないでください、私たちはお金が欲しいとかなんとか言っているんじゃないですよ、沖縄県民の心を大切にしてくださいと言われた。それと真逆のことをされておる。  私は、この沖縄に対する安倍内閣の対応は、極めて高圧的で、しかも自分たちに反対の者は黙っていろという、そういう態度だと思いますが、反省されておられますか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 翁長知事がよく言われておられますが、我々は、沖縄がさきの大戦において悲惨な地上戦を経験し、またサンフランシスコ平和条約の発効以降も一定期間我が国の施政権の外に置かれたという苦難の歴史を忘れてはならないと、こう考えております。  戦後七十年を経て、なお沖縄に大きな基地負担を背負っていただいており、その負担の軽減を図ることが政治の使命であると、こう考えています。その中で最も大切なことは、住宅や学校に囲まれ、市街地の真ん中にある普天間の固定化は絶対に避けなければならないということであります。  政府としては、普天間の辺野古移設に関して、一か月の間、工事を一時中断し、問題の解決に向けて沖縄県と集中的な協議を行ってきたところでございます。菅官房長官を始め関係閣僚が精力的に翁長知事と協議をし、私からも、安倍内閣としての負担軽減や沖縄振興に懸ける思いについて申し上げたところであります。  協議の結果、沖縄県とは普天間飛行場の危険性除去の必要性について認識を共有をしましたが、その方法論については隔たりは大きく、残念ながら政府の立場について沖縄県の御理解を得るには至らなかったところであります。  しかしながら、政府としては、沖縄県との間で忌憚のない意見交換を行う関係を築いていきたいと考えておりまして、また、今回もこうした意見交換を行うことによって意見交換を行う関係を築くことはできたと思っております。この成果を今後の負担軽減や沖縄振興の取組に生かしていく考えであります。  また、今後も対話の窓を閉ざすべきではないと考えておりますし、それは政府と沖縄県の共通の認識であります。このため、新たに政府と沖縄県との協議会を設置をして協議を行っていくこととしたところであります。  同時に、一日も早い普天間飛行場の移設・返還を実現をし、地元の皆様方の心配や懸念をなくしていきたいと考えております。このため、防衛省は一昨日、海上作業を再開をしました。普天間移設作業は、政府一体となって、関係法令に従いつつ、住民の生活や環境への影響に配慮しながら進めていく考えでございます。

北澤俊美民主党・新緑風会

○北澤俊美君 結局、押し付けるという姿勢が変わっていないということなんですよ。そのことを沖縄県民は見抜いているんですよ。私たちも相当苦労しました、私も何度も何度も行って。  しかし、時間が限られておりますので次へ進みたいと思いますが。  先ほども随分と戦前の参謀本部の中での議論みたいなものを聞かせていただきましたが、そもそも、我が国の安全保障環境の変化であるとか脅威であるとか、それが全ての前提になっているわけでありますけれども、そのことが十分に語られていない。  そしてまた、中国と我が国は選ぶことのできない歴史的な隣国であるわけでありまして、未来にわたっても隣国であります。戦略的なそして慎重な外交努力によって様々な問題を解決していくことが第一義であります。安保法制を日米による封じ込めだと中国が思い込む、それに対して更に先ほどのような議論があれば、必ずこれは安全保障のジレンマの扉を開くことになる。  私はこのことを、我々も心配していますが、最大の友好国であるアメリカのオバマ大統領がどう言っているかと。尖閣諸島への米軍の軍事介入の可能性について私が安倍首相に直接述べたのは、この問題を日中間の対話と信頼醸成によるのではなくエスカレートが続くことは根本的な間違いであるということです、私たちは外交的な解決を支援するために全力を尽くしますと。  総理、中国を今はもう完全に名指しで脅威を主張しておりますけれども、国民に分かりやすく、そしてまたそれをどう解決するかということを御見解をお示しください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 中国は日本にとって最大の貿易相手国であります。日本は中国に輸出をし利益を得ておりますし、また投資をし大きな利益を得ています。同時に、中国も日本の投資によってたくさんの雇用をつくり出し、そして日本にしかできない半製品を輸入して、それを輸出して大きな利益を得ている。まさに切っても切れない関係であり、その中で、それをお互いに理解しながらお互いの関係を発展させていく、これが戦略的互恵関係であり、第一次安倍政権のときに、私は中国を最初の訪問国として訪問し、そして戦略的互恵関係を発展させていくということで一致をしたところでございます。  一方、中国は、この二十七年間に軍事費を四十一倍に増やしていることも事実でありますし、その中身についても、残念ながら透明性が確保されていないのも事実であります。そして、南シナ海においても東シナ海においても、力による現状変更の試みを行っているのも事実であります。  こういうことを行わないようにする、地域においてしっかりと国際法を遵守をして、そして、地域の平和大国として、責任ある大国として発展をしていくように国際社会で促していくことが大切であります。  そのためには、問題点を我が国も指摘をしていくことも求められているんです。誰も指摘をしなければ、国際社会がどういうふうに受け取っているかということを自国自体がこれは認識しないところでございます。そういう意味においては、しっかりと国際社会において、またその中で日本がメッセージを発信していくことも大切であろうと思っております。  いずれにいたしましても、対話において解決をしていくべきである、北澤委員が御指摘の、言った議論と御指摘のとおりでありまして、今まで習近平主席と二回にわたり首脳会談を行っております。また、日中韓の首脳会談を行うことにもなるわけであります。それは、私と朴槿恵大統領、李克強首相でございます。また、習近平主席ともマルチの機会等を生かして首脳会談を行っていきたいと、このように考えているところでございます。

北澤俊美民主党・新緑風会

○北澤俊美君 国民は、自分の国の総理大臣は立派であってほしいと、素朴にそう思っているんですよ。私もそう思っております。その基本的な思いから、少し辛口なことを申し上げます。  国会審議における総理の態度は誠に残念であります。総理は、自分の意に反する意見について謙虚に耳を傾けるという態度に欠け、顔をしかめ、時には乱暴な言葉を吐く、やじについても泰然と受け流すような器量が見えない。今日は極めて紳士的ではありますが、極めて残念であります。  あなたには、自民党総裁としての椅子と、それから内閣総理大臣としての椅子と、二つの椅子があります。だが、しかし、あなたは自民党総裁のまま総理大臣の椅子に座り、一億二千万の日本国の総理大臣としての自覚が足りない。  国民は、総理の答弁だけでなく、立ち居振る舞い、すなわち、あなたが気付いていないかもしれませんが、反対する者は黙っていろと、そういう態度をしっかり見抜いているんです。私は、総理が先ほども言いました、決めるときは決めると、決めてくださいと、こう言った。決めることの独善ということもあります。私は、国民の理解が高まらない中でこの法案を決めることには絶対反対であります。  再度、総理の御見解をお聞かせください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私の立ち居振る舞いについて御指摘がございました。北澤先輩のお言葉でございますので真摯に受け止めていきたいと思いますし、至らないところも多々ございますので、改めるべきことは改めていきたいと考えております。  この法案についてでございますが、残念ながら確かにまだ支持が広がっていないのは事実でございますが、我々は、この法案がもし成立をした暁には、そして時が経ていく中において間違いなく御理解は広がっていくと、このように考えております。

北澤俊美民主党・新緑風会

○北澤俊美君 これまでの衆議院と参議院における審議を振り返ってみますと、政府案には大変多くの問題が明らかになってきました。私なりにまとめると、それは大きく言って三つあります。第一は憲法違反の集団的自衛権、第二は立法事実の欠如、そして第三は法理と政策の乖離であります。  これまで再三再四にわたってこの問題は指摘されてきましたが、これから同僚議員が更に追及をしていくと思いますが、法理と政策の乖離については、防衛大臣を経験した立場からどうしても言っておかなければならないことがあります。  政府は、政策的には今やるつもりはないという説明によって、この安保法制によって法律上可能になることについての委員会審議を分かりにくくしております。すなわち、法制上の無理を覆い隠すために、安倍政権は、法律的には可能になるにもかかわらず、それを政策上の判断として運用で禁止しようとしている事柄が余りにも多い。  しかし、それはあくまでも現政権における判断であり、やらないというだけであって、法律で禁止されていないのでありますから、政権が替われば何の歯止めにもなりません。ここで、総理と防衛大臣との間の答弁が食い違うといって、先ほど申し上げたような百九回も審議が止まるという現象が起きておるわけであります。  総理の見解をお聞かせください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この平和安全法制につきましては、この法制を実際に成立をした際、運用の様々な規定が決まっていくわけでございますが、それはまさにこの国会を通じて答弁をさせていただいたこと、それを体してしっかりと運用規定等に決まっていくわけでございます。  私と中谷大臣の答弁は基本的に一致をしていると、このように考えております。

北澤俊美民主党・新緑風会

○北澤俊美君 私の持ち時間も少なくなってまいりました。どうしても言っておきたいことがあります。  東日本大震災において、約十万人の自衛隊員が、警察や消防隊員などと、小雪の舞う中、あるいは冷たい海水の中、あるいは沼地で泥にはまりながら必死になって生存者を捜索し、また御遺体の収容に尽力した。必死になって国難に立ち向かった一人一人の隊員の苦労に対して、防衛大臣として本当にあの当時頭が下がる思いでありました。  隊員の諸君が命懸けで災害であろうと防衛であろうと国の守りに立ち向かうことができるのは、自衛隊が法律と国民の理解の上に存在していることを隊員が誇りとしているからであります。  しかるに、総理は、自衛隊に対し、今回の安保法制のような、国民の理解が得られていない、そして法的安定性がない法律に従って命を懸けよと命令しようとしているように見えてなりません。隊員たち一人一人の顔を思い浮かべるにつけ、私には忍び難いものがあります。  総理もお分かりだと思いますが、戦後の自衛隊という組織は、法律の裏付けがなければ一ミリたりとも部隊を動かすことはできません。極めて遵法精神の高い組織であります。政策上の判断で今はやらないと述べることによって、法律的に可能かどうか、政策的にも将来はできるのかを曖昧にした今回の安保法制の下で自衛隊の運用は大混乱をしかねない。最高指揮官として誠実であらねばならないと思いますが、総理の見解を伺います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 自衛隊の諸君は、まず任官の際に、事に臨んで危険を顧みず、身をもって任務の完遂に務め、もって国民の負託に応えていくという宣誓をするわけであります。  今、北澤委員が例として挙げられましたように、大臣当時、自衛隊員に指示を出し、命令を出して、下令し、あの厳しい状況の中で救命救急に当たらせたわけでございますが、まさにその中で、様々な危険あるいは困難な仕事を尽くしてくれる、私もあの自衛隊員の姿を見て誇りに思ったところでございます。  その中で、国民の支持を得ないまま、そういう任務に就かせることは問題ではないかとの御指摘でございます。  国民の支持が、確かにこれは自衛隊にとって大きな力になることは言うまでもないわけでありますが、かつてPKO法を成立をさせてカンボジアに送り出したときにも、残念ながら憲法学者からは憲法違反と言われ、世論的にも厳しい状況にあったわけでございますが、しかしながら、まさに実績をもってこの法律は間違っていないということを示していただいたわけでございます。  確かに、我々もそういう観点からはもっともっとしっかりと説明に努力を重ねていきたいと思っております。

北澤俊美民主党・新緑風会

○北澤俊美君 最後に、少し提案を申し上げます。  総理も還暦を過ぎたようであります。論語に、六十にして耳したがうという言葉があります。そしてまた、総理はあの戦略家の小泉総理の下にもおりました。そしてまた、極めて思慮深い福田康夫総理の下にもおられました。様々なものを見てきたと思います。  私は、この法案は廃案として、そして改めて出し直して、十把一からげではなくて、我々も民主党としての考えをまとめてあります。憲法違反のものはこれは絶対駄目でありますが、PKOとか周辺事態法、こういうものについては十分に議論ができる素地があります。一旦廃案にして、そして与野党でしっかりした協議をするということ、あるいは、それが与野党の党首会談の中で話がまとまらなかったら、衆議院を解散して国民に信を問う。二つの道を、どちらかを選ぶべきだと思います。  総理の御見解を伺います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我々は、日本国民の命を守るため、平和な暮らしを守り抜くためにこの法制は必要不可欠であると、こう判断をして提出をさせていただいているところでございます。  衆議院でも百時間以上にわたって審議が行われ、参議院でも長い時間の審議が行われてきたところでございます。その中にあって対案も提出をされているところでございますが、我々は是非この国会で成立をさせていきたいと、このような決意をしているわけでありますし、この決意に変わるところはございません。

北澤俊美民主党・新緑風会

○北澤俊美君 これを提示することをお許しをいただいておりました。(資料提示)  私は、これを読むと、今でも胸に込み上げるものがあります。風土は人を育てる、人は風土をつくり上げる。この選挙区、この小さな選挙区で長年選出をされてきたのは井出一太郎先生、井出正一さん、そして羽田武嗣郎先生、羽田孜先生であります。  一言付け加えて、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 民主党の大塚でございます。  まず、豪雨、洪水災害の被害に遭われた皆様方にお見舞いを申し上げますとともに、阿蘇山も噴火したという報道でございます。政府には災害対策に万全を期していただきたいと思います。  まず最初に、通告はしておりませんが、維新の小野議員にお伺いします。先ほど佐藤議員の質疑の中で恐らくおっしゃりたいことがいっぱいあったと思いますので、まず小野議員に御意見をお伺いしたいと思います。

小野次郎維新の党

○委員以外の議員(小野次郎君) お答え申し上げます。  大塚議員の議論を妨げないようにコンパクトに二点申し上げますが、佐藤正久議員が先ほど触れられました、今回の法制が必要だということで、小笠原の村議会からも意見出ている、たしか石垣島からも出ているというお触れがありましたけれども、地理的状況をお考えになっていただければ誰にも明らかなんですけれども、地元の方が求めているのは日本の領域警備力の強化、現行法で十分だと政府・与党おっしゃっていますけれども、何らかの領域警備の強化を求めているのではないでしょうか。そうだとすれば、まさに民主党御党と我が党維新の党が共同提出しています領域警備法案、あの条文全てそのままがベストかどうか、それは政府・与党の意見も聞かなければいけませんが、領域警備力の画期的な強化を図る法制の整備を求めていると理解する方が自然だろうと私は申し上げたかった。これが一点目です。  二点目は、集団的自衛権の行使の必要性について、佐藤議員は御高説をるる述べておられました。しかし、実際に私たちが議論する際には、国際実践例、どんなものがこれまで集団的自衛権の行使として国連に報告されてきたか、これが一番議論の土台にならなきゃいけないと思うんですね。十数例あります。全部挙げると切りがないので、分かりやすい例を四点挙げます。  一つは、一九五六年のハンガリー動乱の際に鎮圧に出動したソ連軍、これが集団的自衛権の行使なんですよ。プラハの春と言われていますチェコスロバキアに対するソ連軍の侵入、これも集団的自衛権の行使と言われています。そして、ソ連のことだけ言っちゃ不公平なので言えば、ベトナムに対するアメリカの介入も集団的自衛権の行使と言われています。アフガンに対するソ連邦の侵入も、これも集団的自衛権の行使と言われている。  十四例挙がっていますけれども、普通に考えて常識で見たら、どれを取り上げても自国防衛のためと思えるものは一例もございません。つまり、いかに理論的に御高説を述べたとしても、過去のこの七十年の歴史の中で、自国防衛のための集団的自衛権、自国防衛のための他国防衛なんというものは存在しなかったということをはっきりと踏まえた上で議論を進めていただきたい、このことを申し上げたかったところでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 岸田大臣にお伺いします。  限定的な集団的自衛権の行使という、日本と同様の考え方をしている国はありますか。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 限定的な集団的自衛権、これは我が国が新三要件に基づいて許される武力行使の中で集団的自衛権として国際法上説明する部分がある、その部分を限定的な集団的自衛権と説明をしています。  これは我が国の憲法との要請においてこうした考え方を説明しているわけですので、他の国において、我が国の憲法の要請において説明している、こうした限定的な集団的自衛権という形で説明している国はないと考えます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 世界的に異例だということですね。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) いえ、国連憲章第五十一条によりまして集団的自衛権は定められています。これは、各国において、各国に集団的自衛権は認められているわけですが、これはあくまでも義務ではなくして権利であります。ですから、義務ではありませんので、これ全て、国際水準でフルバージョンの集団的自衛権を行使しなければならないというものではありません。各国に認められた権利の中で、自国の憲法あるいは法律との関係においてどの部分を行使するのか、これは各国にそれぞれ委ねられていると考えます。  我が国においては、国際社会において認められている集団的自衛権の中にあって、憲法との関係において、憲法の要請において、その一部分、限定的な集団的自衛権を行使するという考え方を示しているということであり、これは国際的な考え方と矛盾するものではないと考えます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 国際法の概念の一部を切り出して使うということを担保している国際法は何ですか。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 先ほど申し上げましたように、集団的自衛権は義務ではなくして権利であります。権利をどのように行使をするのか、これは各国の事情に委ねられます。我が国以外にも、例えばスイス、オーストリア、この永世中立国においては集団的自衛権の行使、これは考えられません。また、現実を見ましても、コスタリカという国は軍隊を持っておりません。集団的自衛権の行使は考えられません。  各国に集団的自衛権はひとしく認められていますが、その中でどういった形で行使をするのか、これは各国の法律ですとか様々な事情によって限定される、これは当然のことであると思います。義務ではなくして権利であるからして、これは当然のことであると考えます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 いや、五十一条の概念の一部を切り出して使っていいということを国際法上の常識的な考え方だということを保障している国際法は何ですか。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) これは国際法を考えた場合に、義務ではなくして権利であります。権利をどのように行使するのか、これは国際社会においてそれぞれの国が様々な形で工夫をし、現実に行使をしています。これは、現実において集団的自衛権をどのように行使するのか、様々な形がある、これがこの現実の姿であります。我が国においては、憲法との要請において、それを限定的に、国際社会よりもより限定的に行使をするという対応を示しております。これは国際法上、全く矛盾はないと考えています。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 じゃ、国連に国連憲章や国際法の定義や解釈を行う部署はありますか。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 国連におきましては、まず国連自身の活動に係る国際法上の解釈を行う部署として、主要機関たる事務局の中に法務局が設けられています。  ただ、国連法務局は国連加盟国による行為の国際法上の評価について有権的に解釈する、し得る権限は有しておりませんので、国連事務局の部署ではありませんが、国際司法裁判所は国連憲章第九十二条によりまして国連の主要な司法機関とされており、その判例は権威ある国際法の解釈を提示するものとして大きな影響力を有していると考えています。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 それでは、今回の判断をICJに諮りましたか。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) まず、集団的自衛権を行使した場合は、国連憲章におきまして、これは国連の安保理に報告することとなっております。  そして、国際司法裁判所、ICJに諮ったのかということがありますが、これは具体的な事例が発生した場合において司法裁判所の判断を求める必要があると判断した場合に国際司法裁判所に持ち込むということでありますので、我が国のこの限定的な集団的自衛権の行使についての考え方を示した段階で国際司法裁判所に持ち込むということは考えられないと考えます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 一方、国連法務局に関しては、今大臣は行為の有権解釈権はないとおっしゃった。行為じゃないですよね、今回、国連憲章五十一条の概念を勝手に一部切り出して自国のための集団的自衛権という概念をつくったわけですから。  法務局には聞きましたか。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 国連法務局を始め国連の部局とは、我が国としまして様々な意思疎通を図っております。しかし、我が国の考え方、これは国連憲章との関係において、これは整合的であると考えております。これは国際社会においても理解されていると思いますし、こうした限定的な集団的自衛権を行使を含むこの平和安全法制につきましても、これまでも国際社会、各国に対して、総理も、そして防衛大臣も私も様々な機会を捉えて説明をしています。そして、その中にあって歓迎を、支持を受けているわけであります。国際社会のこういった考え方とも整合していると考えています。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 法務局に聞きましたか。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 今申し上げたように、法務局にあえて聞く必要はない課題であると考えます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 聞かなかったんですね。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 聞く必要がありませんので、改めて聞くこと、確認することはしてはおりません。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 まず、私たちと根本的にそこも考え方が違います。国連憲章五十一条の概念を日本の考えで切り出して使うというんですから、やっぱり法務局なり国連と協議をするべきだったと思います。  次の質問伺いますが、佐藤栄作総理大臣の個別的自衛権に関する昭和四十三年の考え方を中谷大臣にお伺いします。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 御質問は、昭和四十三年八月十日の佐藤総理の答弁でございまして、在日米軍基地に対する攻撃は我が国の領土、領海、領空に対する侵害なしに行うことはできないため、そのような攻撃が発生した場合、我が国に対する武力攻撃が発生したことになる旨述べたものと承知しております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 それでは、昭和五十八年の中曽根総理の個別的自衛権に関する考え方をお伺いします。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 昭和五十八年二月五日、中曽根総理の答弁は、日本が武力攻撃を受けた場合において、日本を救援する米艦艇の活動が阻害される場合に、日本側がこれを救い出すことは個別自衛権の範囲内である旨述べたものと承知しております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 そうすると、(資料提示)お手元の資料のこの丸印が付いているところが、今、日本が個別的自衛権を行使できる範囲という理解でよろしいですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) これは前提が付いておりまして、佐藤総理の答弁は、我が国に対する攻撃が発生したということで、これは、この攻撃が我が国の領土、領海、領空に対する侵害なしに行うことはできないということでございます。中曽根総理の答弁も、日本が武力攻撃を受けた場合において米艦艇が助け出すということでございますので、いずれにしても、日本が武力攻撃を受けたという前提が付いております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 じゃ、佐藤総理のこの丸印のところは間違いということですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) これは日本国が攻撃を受けている場合ということでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 日本国内で武器が使用されているということを前提に佐藤総理は答弁されているので、今の御答弁違うと思いますので、確認を求めます。確認してから御答弁してください。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) これは在日米軍への攻撃でありますので、当然、日本国内にある在日米軍の基地等に対する、我が国の領土に対する攻撃のことを言われていると思います。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 だから、この三つの丸印はこれで間違いないですねと聞いているんです。もうこれ、過去にこのパネル使っていますから、大臣。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 日本が攻撃を受けている場合に在日米軍がなるということですから、この下の段ですね、受けていないとなっておりますが、受けている場合というふうに思います。

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 大塚君、もう一度、質問の意味が理解されていないようですから、もう一度質問してください。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 佐藤総理は、日本国内の米軍が攻撃されたときには日本国内で武器が使われているわけだから、こういうケースは丸だとおっしゃったと理解していますが、それでよろしいですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) もう一度、佐藤答弁を申し上げますが、佐藤答弁は、在日米軍基地に対する攻撃は我が国の領土、領海、領空に対する侵害なしに行うことはできないため、そのような攻撃が発生した場合に我が国に対する攻撃が発生したことになると述べたものでありまして、この表でいきますと、この下段が丸になっていますけど、これは私はバツだと思います。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 佐藤さんの答弁を解釈すると、それは日本が攻撃を受けているのと同様な状態だと総理はおっしゃったということだと思います。いずれにしても、このパネルは過去に法制局長官もこれで間違いありませんと何度も使っていますので、話進めます。  そうすると、歴代総理は、憲法上の制約から個別的自衛権の解釈で我が国の安全保障に対応してきたという理解でよろしいですね、これは。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) おっしゃるとおりだと思います。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 それでは、他国内について伺います。  海外派兵に関する基本方針をお答えください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 武力行使の目的を持って武装した部隊を他国の領土、領海、領空へ派遣するいわゆる海外派兵は、一般に、自衛のための必要最小限度を超えるものであって憲法上許されないと解してきております。このような従来の考え、従来からの考え方は、新三要件の下、集団的自衛権を行使する場合にあっても全く変わらず、新三要件から論理的、必然的に導かれるものであります。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 海外に攻撃あるいは派兵するということについては、原則としてしないということでよろしいですね。もう一回、総理にお伺いします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは今申し上げたとおりでございまして、武力行使の目的を持って武装した部隊を他国の領土、領海、領空へ派遣するいわゆる海外派兵は、一般に、自衛のための必要最小限度を超えるものであって憲法上許されないと解してきております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 そもそも他国内で活動できるかどうかという能力に関して、八月二十六日の私の統一見解要求に対して御回答をいただきました。その内容について防衛大臣に解説をしていただきたいと思います。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 御指摘の政府統一見解を読み上げさせていただきます。  事態対処法をこのまま施行した場合に、同法第三条四項の存立危機武力攻撃排除義務を果たせない事態が生じるかもしれないことから、これは括弧で、策源地攻撃をしなければ存立危機事態を終結させることができない一方、我が国は策源地攻撃能力を有していないため、から、どのように対処するかにつきまして、まず、事態対処法改正案第三条四項において存立危機事態の速やかな終結を図らなければならないとされているのは、新三要件の下で行われる自衛の措置としての武力の行使により存立危機武力攻撃を排除しつつ、外交上の措置などの武力の行使以外のあらゆる努力を行うことによることを意味をしている。  そもそも、従来から、武力の行使の目的を持って武装した部隊を他国の領土、領海、領空へ派遣するいわゆる海外派兵は、一般に、自衛のための必要最小限度を超えるものであって憲法上許されないが、誘導弾等の基地をたたくなどの他国の領域における武力行動で自衛権発動の三要件に該当するものがあれば、憲法上の理論としては、そのような行動を取ることが許されないわけではないとしてきている。その上で、我が国は、敵基地攻撃を目的とした装備体系を保有しておらず、個別的自衛権の行使として敵基地攻撃を行うことは想定していない。  これまで、自衛権発動の三要件の下においては、第三要件の自衛のための必要最小限度を超えてはならないことに関しては、防衛出動時の武力行使の権限を規定した自衛隊法第八十八条第二項において、武力行使に際しては事態に応じ合理的に必要と判断される限度を超えてはならないと規定するとともに、事態対処法第三条三項において、武力攻撃が発生した場合においてこれを排除するに当たっては、武力の行使は事態に応じ合理的に必要と判断される限度においてなされなければならないと規定し、法文上も明確に担保をされたと。  そして、二で示した考え方は、新三要件の下で行われる自衛の措置として武力の行使にもそのまま当てはまるものと考えられる。その上で、個別的自衛権の行使としても敵基地攻撃することは想定していない中で、ましてや、我が国に対する武力攻撃が発生していない中で限定的な集団的自衛権の行使として敵基地攻撃を行うことはそもそも想定をしておらず、新三要件の下において、第三要件の自衛のための必要最小限度を超えてはならないことに関しては、存立危機事態については、自衛隊法八十八条二項をそのまま維持するとともに、事態対処法改正案第三条第四項において、存立危機武力攻撃を排除するに当たっては、武力の行使は事態に応じ合理的に必要と判断される限度においてなされなければならないとの規定を設けており、引き続き、法文上、明確に担保していると。  以上でございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 今回、たくさん政府統一見解を要求しましたが、これはきちっとお答えいただいたと思います。  他国における日本の武力行使は、法律的には可能だができないのか、法律的には可能だがやらないのか、どっちでしょうか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 新三要件に基づきまして、必要最小限度を超えるものは実施しないということでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 先ほど我が党の北澤理事も、法理上の問題と政策上の問題のそごが非常に問題だと御指摘されました。  もう一回聞きます。他国における日本の武力行使は、法律上はできるんだけれどもやらないのか、法律上は可能だができないのか、どっちでしょうか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 法律上はできない。すなわち、この新三要件の自衛のための必要最小限度を超えてはならないことに関しましては、自衛隊法八十八条二項におきまして、存立危機武力攻撃を排除するに当たっては、武力の行使は事態に応じ合理的に必要と判断される限度においてなされなければならないという規定を設けているということでございます。(発言する者あり)

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) もう一度質問されますか。もう一度質問されますか。──いいですか。  中谷大臣。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) もう一度説明させていただきますが、いわゆる海外派兵は、一般に自衛のための必要最小限度を超えるものでありまして、憲法上許されないと解してきております。  その点につきましては、新三要件はそれぞれ法律に落としておりまして、この必要最小限度につきましては、自衛隊法八十八条二項に、存立危機武力攻撃に排除するに当たっては、武力行使は事態に応じて合理的に必要と判断される限度においてなされなければならないということで、法律上もできないということでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 もう一回聞きます。法律上できないということですね。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 新三要件は法律に規定をしておりまして、必要最小限度につきましては、法律上もそれを超えるものはできないと規定をされております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 同じ質問を、総理として確認答弁を求めたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは先ほど答弁をさせていただきました。  武力行使の目的を持って武装した部隊を他国の領土、領海、領空へ派遣するいわゆる海外派兵は、一般に自衛のための必要最小限度を超えるものであって憲法上許されないと解してきているわけでありまして、まさに憲法上の要請でございまして、当然、この憲法の範囲内でこの法律は作られているわけでありまして、この範囲内の中において我々は武力行使をできるというこの条件として新三要件を定めているわけでありまして、この新三要件は、先ほど中谷大臣から答弁をさせていただいたように、法律に記されているところから、これは法律上の要請にもなっていると、このように思うわけであります。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 一般的には理解できましたが、例外的には、しかし、条件が整えば他国内で武力行使もできるということですね。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは個別的自衛権においても同じことでございまして、法理上、法理上ですね、まさに一般に海外派兵は禁じられていると、これはこの法律上の要請でもあるわけでございますが、しかし、同時にですね、同時に、座して死を待つべきではないという考え方において、策源地攻撃はできるという例外、法理上の例外ということは置いているわけでございますが、今回もホルムズを例として挙げさせていただいたわけでありますが、受動的、限定的であるために我々は例外に当たると、このように考えているわけであります。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 せんだって、事態対処法三条四項の策源地攻撃能力について中谷大臣はどのように答弁されましたか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 法理上、法理論上は可能であるが、個別的自衛権もそれを実施しておりませんし、集団的自衛権におきましても同様でございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 法律上は例外的には可能だけれども、能力的、物理的にはできないということですね。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは、法理上においては、まさに座して死を待つべきではないと、策源地の攻撃はできますが、しかし政策上、政策上は今打撃力は持っていないということでございます。そして、集団的自衛権においてもそれは同じことでございまして、まさに法理上においてはこの武力行使の目的を持って海外に武装した部隊を送ることは、これはできないわけでございますが、例外として、ホルムズの例として、それは受動的、制限的であるからということでございます。(発言する者あり)

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 大塚君、質問を続けてください。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 それでは、今後そういう能力は持つんですか、総理。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 現在、我々は日米の共同対処によって我が国の防衛を図っているわけでございます。個別的自衛権においても、我々は今、打撃力においては基本的に米国側に依存をしているわけでございます。  日米共同対処をしていく中において、日米で共同して抑止力を維持し、そして日本への攻撃を防いでいくという考え方でございまして、現在我々は今打撃力を持つということは想定をしていないわけでありまして、当然これ、集団的自衛権においてもこれは同じことでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 先々持つ可能性はありますかとお伺いしました。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 我が国は、敵基地攻撃を目的とした装備体系を保有しておらず、個別的自衛権の行使としても敵基地攻撃することは想定をいたしておりません。これは集団的自衛権におきましても同様でございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 いずれにしても、例外は相当例外ですから、他国内では原則として武力行使はしないということでよろしいですね。もう一回確認させてください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、従来から答弁をしているように、武力行使の目的を持って自衛隊の部隊を派遣をする、他国の領土、領海、領空に派遣をする、言わば一般に海外派兵は行わないという考え方はこれからも変わっていかないわけでございます。  そして、加えまして、策源地攻撃については、これ、座して死を待つべきではないということにおいて、これは憲法解釈上もできるという考え方を取ってきておりますが、しかし、政策上、我々は日米で共同対処する中において、打撃力については米軍がという考え方の下に共同で対処をしていくということになっておりますから、現在も今後もこれは変わらないということでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 以上を踏まえて、もう一回防衛大臣にお伺いします。  他国内での武力行使は、法理上はできるけどやらないのか、法理上はできるけどやれないのか、どっちですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 敵基地攻撃について、従来の考え方は、法理上、つまり法理的な理屈の上では新三要件の下でも変わりがなく、誘導弾等による攻撃を防ぐのに他に手段がないと認められる限り敵基地をたたくことは自衛の範囲に含まれて可能であります。ただし、その体系を保有しておらず、敵基地を攻撃することは想定していないということでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 いや、今、最後、想定していないとおっしゃったので、やらないんですか、やれないんですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 敵基地攻撃につきましては、今はその体系を保有しておらず、敵基地を攻撃することは想定しておりませんし、これは集団的自衛権においても同様でございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 装備については今はとおっしゃったので、もう一回、総理に聞きます。  先々はそういう能力を日本は持つ可能性はあるんですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この打撃力については、言わば、まさに現在、我々はこの打撃力については米側に依存しながら共同で対処していくということになっているわけでございまして、将来というのは、例えば安倍政権ということについては、我々は想定はしていないということは申し上げます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 今の御答弁でも、先ほどの北澤理事の御懸念が的確であることが証明されたと思います。  例外的な場合に第三国に行くことがあり得るというのは、それは存立危機事態のケースですね、防衛大臣にお伺いします。他国内に例外的に行くことがあり得るわけですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは存立危機事態において集団的自衛権を行使する際においても、これは先ほど申し上げましたように、一般に海外派兵は禁じられているわけでございますから、武力行使を目的としてですね、武力行使を目的として自衛隊を海外に派遣することはないということは今までも申し上げているとおりでございます。  先ほど、この安倍政権の中においてということについては、これは例外における打撃力、策源地攻撃については、これは現在、能力を、これは政策的判断として能力を持っていないわけでありますが、これについては、まさに現在、また見通せる将来においては、我々は今持つことは考えていないという中において、この安倍政権が続く限りはそれは行わないということは申し上げてきたわけでありますが、三要件を超える、必要最小限を超える一般に海外派兵は禁じられている、これはまさに憲法上の要請でありますから、これはもうずっとこれは将来も変わらないということでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 見通せる範囲内における、今の御答弁は分かりました。だから、見通せない先々においては、他国を武力攻撃する能力を持つ可能性についてはないとは言い切れないということですね。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、従来から、個別的自衛権において、個別的自衛権においてもそれは基本的に、これは個別的自衛権と集団的自衛権とこれは同じことでございますから、これは従来と変わらないということでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 そうしますと、原則としては他国内ではやらない、見通せる範囲内においてはとおっしゃっているので、その他国内のところはバッテンなんですよ、言ってみれば。  残るは、公海上で、日本が攻撃を受けていないけれども、他国、密接な国が何らかの攻撃を受けた場合のケースですね。これはどういうケースでしょうか、防衛大臣にお伺いします。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 米艦防護について累次例を挙げているわけでありますが、ミサイル防衛等に対しまして警戒監視に当たっている米艦艇が、その存立の場合におきまして、他国に対して、密接な国に対する武力攻撃が発生をしてそういう状況になって、我が国に対してもそういう可能性がある場合に、いまだ我が国は武力攻撃を受けておりませんが、その米艦艇が攻撃を受ける明白な危険があるような場合におきましては適用される場合もあるということでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 防衛大臣、それはホルムズの話ですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 公海上の話でございます。  もう一度事例を紹介させていただきますけれども、我が国の近隣の公海上で弾道ミサイル警戒に当たっている米国艦艇の防護について、例えば近隣において我が国と密接な関係にある他国、例えば米国に対する武力攻撃が発生をしたその時点で、まだ我が国に対する武力攻撃が発生したとは認定されないものの、攻撃国は我が国も射程に捉える相当数の弾道ミサイルを保有しており、その言動から我が国に対する武力攻撃の発生が差し迫っている状況がある、他国の弾道ミサイル攻撃から我が国を守り、これに反撃する能力を持つ同盟国である米国の艦艇への武力攻撃を未然に止めずに我が国に対する武力攻撃の発生を待って対処するのでは、弾道ミサイルによる第一撃によって取り返しの付かない甚大な被害を被ることが明らかな危険があると、このような状況は存立危機事態に該当し得るものであるということでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 公海上の邦人救護の方針はどうなっていますか。ちょうどここに該当すると思うんですけれども。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 累次ケースは御説明をしておりますけれども、三要件に該当するということで、多数の邦人を輸送しなければならないような状況において、様々な場合に、その状況を総合的に判断して存立危機事態に当たり得る場合があると、これは累次、例をもって説明していることでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 公海上で邦人が乗っている船が、例えば米艦に乗っていたときの邦人救護の方針はどうですかとお伺いしたんです。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) これまで存立危機事態になり得る具体的なケースを分かりやすく説明するという観点から、在留邦人を乗せた米国の船舶が攻撃を受ける事例を説明をいたしましたが、我が国近隣で武力攻撃が発生をし、米国も武力攻撃を受けている、攻撃国の言動から我が国にも武力攻撃が行われかねない、このような状況において、取り残されている多数の邦人を我が国に輸送することが急務になりますが、そのような中、邦人を乗せた米国の船舶が武力攻撃を受けるようなことは十分に想定をされます。しかしながら、個別的自衛権の行使しか許されないという従来の憲法解釈によっては、我が国に対する武力攻撃の発生がなければこうした米国艦船を防護することはできないということで、そういう事例を国民に分かりやすく説明をいたしたわけでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 でも、日本人が乗船していても救護しない場合があるというのはこの間の大野議員への答弁で認めていますから、助けない場合があるということですね。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 三要件に該当する場合ということで、このように多数の邦人を輸送しなければならない状況においては、多数の様々な船舶が輸送に従事していることが想定されるところでありまして、仮にそれらの船舶のうちに邦人が乗っていない船舶があったとしても、退避全般の状況を総合的に判断して存立危機事態に当たり得る場合があると考えておりまして、いずれにしても、存立危機を判断するに当たっては、様々な要素を考慮して総合的に判断をすることを申し上げているわけでありまして、一連の事態の一部分だけを取り出して議論するのは現実的ではないと考えております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 これ、国民の皆さんにとっては、この法案の肝の一つですよ。  邦人が救護されるかどうかについて、八月二十六日の統一見解要求で回答をくれました。この回答について、御説明ください。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 御質問の我が国の領海及び領海に近接する公海等において邦人が乗船している艦船等が警察能力では対応できない危機に瀕したときが具体的にどのような状況をいうのか明らかでないが、防衛出動の下令要件として、改正後の自衛隊法七十六条第一項第一号に挙げる事態、すなわち我が国に対する外部からの武力攻撃が発生した事態又は我が国に対する外部からの武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められる場合に至った事態にいう我が国に対する武力攻撃とは、我が国に対する組織的計画的な武力の行使をいい、単に警察能力では対応できない危機というだけ、これだけでこれに当たるものではないということで……(発言する者あり)はい。  したがって、御質問について確定的なことを申し上げるのは困難であるということでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 日本人を救護するかどうか確定的なことを申し上げることは困難だというこの問題は、午後、また引き続き質問させていただきます。

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 午前の質疑はこの程度といたします。  午後一時まで休憩いたします。    午前十一時五十五分休憩      ─────・─────    午後一時開会

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) ただいまから我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案外八案を一括して議題とし、在るべき安全保障法制等についての集中審議を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 総理にお伺いします。  阿蘇山への対応について、この時点で国民の皆さんに何か御説明できることがあれば、よろしくお願いします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府としては、直ちに情報連絡室を設置をいたしました。そして、警察、消防、自衛隊を出動させまして被害状況等の把握に当たっております。  今後、地方自治体と連携を密にいたしまして、人命を第一に安全の確保に万全を期していきたいと思います。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 午前に続いてお伺いします。  邦人救護に関して、公海上で危機に瀕したとき防衛出動ができるのかということに関して、政府統一見解として確定的なことを申し上げるのは困難であると、この意味について中谷大臣にもう一度お伺いします。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 防衛出動の下令要件としましては、自衛隊法七十六条一項一号、すなわち我が国に対する外部からの武力攻撃が発生した事態又は我が国に対する外部からの武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態にいう我が国に対する武力攻撃ということでありまして、つまり、組織的、計画的な武力の行使ということで、単に警察能力では対応できないという危機というだけではこれに当たるものではないということで、確定的なことを申し上げるのは困難とお答えしたところでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 しかし、相当条件が整わないと防衛出動できないということですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) これは外部からの組織的、計画的な武力攻撃が発生するということでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 警察能力と防衛出動の間に何かできることはございませんか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 自衛隊が防衛出動できる要件というのは、まさにこの武力攻撃事態であるかどうかということでございます。  こういった対応等におきましては、警察能力ということで、海上保安庁そして警察機関が対応をしているということでございまして、この間、政府として、その対応等につきましては、関係会議を開きまして対応を検討するということになろうかと思います。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 もう一回お伺いします。  今、両方とも、警察能力と防衛出動のことについて答えていただいたんですが、その隙間を埋める何か政府の権能はございませんかとお伺いしています。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 海上におけるということでございますので、人命若しくは財産の保護、治安の維持につきましては海上保安庁が一義的な対応の責任を有しておりますが、自衛隊は、海上保安庁では対処できない場合に、海上警備行動また治安出動の発令を受け、民間船舶の防護を含めて海上保安庁と連携しつつ対応をするという枠組みがございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 海上警備行動ってどういうものでしょうか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 海上保安庁が対応しておりますけれども、それで対処できない場合に海上警備行動が掛かりまして、民間船舶の防護を含めて海上保安庁と連携をしつつ対処するということでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 海保で対応できなくなってからの出動では間に合わないんじゃないんですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) これは、これまでも、従来は海上保安庁が一義的に対応の責任を有しておりまして、この点につきましては、海上保安庁と自衛隊の方は情報の連絡とか対応等は準備をいたしておりますが、あくまでも海上保安庁が対応ができないとなった場合に自衛隊が対応するということでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 いや、もう一回お伺いします。  そういう状況になってからの対応では、海上警備行動、間に合わないのではないですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) その辺につきましては閣議決定等もいたしまして、この手続また連絡体制等、運用の改善等をいたしまして、速やかに対応できるような体制を構築をいたしております。  また、内容につきましては、自衛隊法八十二条で、防衛大臣は、海上における人命若しくは財産保護又は治安の維持のために特別の必要がある場合には、内閣総理大臣の承認を得て、自衛隊の部隊に海上において必要な行動を取ることができるということでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 間に合わなくなる前の対応として、私どもは、維新の皆さんとも一緒に領域警備行動とか海上警備準備行動という概念を導入してはどうかと思っているわけでありますが、これについての御評価をお伺いします。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 各機関、今非常に訓練等を通じまして能力を上げてきております。そして、対応等につきましては速やかにその手続が終えるような体制とか、また連絡を密にするとか、そういう運用の努力をもって対応し得ると考えているわけでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 その運用の努力の一環として、今申し上げているような概念を提案申し上げているんですが、これはきちっと通告してありますので、もうちょっとその御評価を聞かせていただきたいと思います。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) まず大事なことは、それぞれの組織がまず最大限対応をしていくということで、それが無理であれば自衛隊が対応すると、そういうそれぞれの役割を明確にしておくということでございます。そして、五月十四日に、武力攻撃に至らない侵害に対して、いかなる不法行為に対しても切れ目のない対応を確保するために、海上警備行動、治安出動等の発令に係る手続の迅速化のための手続決定を行ったわけでございます。  それで、この場合にまず大切なことは、それぞれの警察、海保が能力を向上させる、そして情報を共有をする、連携を強化する、そのための訓練を充実させていく、そのような対処によりましてこういった事態に対応できるように努力をいたしているところでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 運用の改善とおっしゃったので、運用の改善の一つのアイデアでもあるんですけれども、御評価を聞かせてください。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) もう長年を掛けて海上保安庁と海上自衛隊、これは訓練等を通じて対処し得るような体制をいたしておりますし、日頃から情報におきましても連絡をできるようにいたしておりますので、こういった事態に対処し得るようにしております。  そしてもう一点は、NSCという、官邸の中にそれぞれの省庁を束ねるような組織もできまして、そういう場合には関係閣僚の会合が開かれて、そういった事態に速やかに対応できるように、総理がリーダーシップを発揮して対応をするように体制を整えているわけでございます。(発言する者あり)

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) ちょっとお待ちください。総理、ちょっとお待ちください。(発言する者あり)

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 民主党、維新の法案に対する評価ということでございますが……(発言する者あり)まあそうですけど、その前の質問が邦人の救出ということでございますので、邦人の救出についてはお答えさせていただきましたけれども、維新、民主の提案では領域警備ということで、外国勢力の我が国への侵入ということで、グレーゾーンでございます。  その評価ということでございますが、警察機関の配置の状況等により適切な対応に支障が生じるものが発生するおそれのある区域を領域警備区域と指定をして、その区域で自衛隊に治安の維持に当たらせる領域警備行動、また、国交大臣等の要請があった場合に自衛隊が海上保安庁の行う警備を補完する海上における警備準備行動、これが規定をされていると承知をしておりますが、これらの規定が仮に自衛隊が平時から警察機関とともに警察権を行使するものであれば、日本の側が事態をミリタリーのレベルにエスカレートさせたとの口実を与えるおそれもあると考えております。  むしろ、大事なことは、他国の警察組織、民間の船舶などに対して警察機関がまず対応して、それが無理であれば自衛隊が対応する、この速やかな移行が可能になるということが考えられるということで、政府におきましてはこういった手続の迅速化によって対応するというふうにいたしているわけでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 私どもはいいアイデアだと思うんですが、いかがですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 懸念事項といたしましては、やはり相手に口実を与えるということで、日本の自衛隊が対応いたしますとミリタリーレベルにエスカレートさせたというような口実を与えるおそれもございますので、他国の警察組織、民間の船舶に対しましては警察機関がまず対応いたしまして、それが無理な場合におきましては自衛隊が対応する、この基本原則を維持した方がよろしいかと存じております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 通告しておりませんが、小野議員にも一言コメントをいただきたいと思います。

小野次郎維新の党

○委員以外の議員(小野次郎君) お答え申し上げます。  私は、二十二歳で警察へ入りまして、今六十二歳ですから、四十年になります。偶然ですけれども、一番最初にまとめた論文が海上における警察権の行使という論文でございました。以来、三十数年、現場も務めまして、海上保安庁と一緒に歴史的に良い事件を検挙したこともあるし、また、自衛隊の方のお力をお借りして対処したこともございます。  しかし、いつでもどこでもこういった日本の有数の実力機関が円滑にやってきたかというと、首をかしげざるを得ないケースも多かったように思います。  特に、どうしてそういう事態になるかというと、やっぱり実力手段というのはどっちがメーンかということが大事なんですね。特に、法律上も、自衛隊がメーンに出るときには自衛隊が海上保安庁を統括するとなっている。そしてまた、自衛隊が前面に出れば、相手国もまたよりミリタリー、ネイビーが出てくるという事態もあるので、その辺については警察機関の方が極めてデリケートというか、それをなるべく警察力によって対応すべきだという考えが強いんだろうと思います。  その意味で、民主党と維新の党が提案しております領域警備法案の中にある海上における警備準備行動というのは、警察力を前面、メーンにしながら、国土交通大臣から要請があれば、要請された範囲内において防衛大臣が指揮下にある自衛隊に対して海上保安庁への支援を命ずることができるという内容になっていまして、今まで言っていたどっちがメーンかという問題について立法的に解決を図る規定でございまして、これが有効に法律として施行されるようになれば、南西諸島を始めとして島の地域の方、海に面している方々に対しては大変安心、自信を与えることになるんじゃないかと、領域警備力の強化につながると思っております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 あと二つの話題を取り上げさせていただきます。  自衛隊法八十八条を今回は改正しなかったわけでありますが、八十八条の我が国を防衛するために対処すると想定している事態は何でしょうか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) これまでは武力攻撃事態でございますが、改正した後は武力攻撃事態及び存立危機事態ということでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 せんだっても取り上げましたが、三条は改正するわけですから、今おっしゃった存立危機事態は侵略ではないということですね。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 我が国の自衛の措置ということでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 いや、存立危機事態は侵略ではないんですね。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 存立危機事態における自衛隊の行動も、あくまでも我が国の防衛、これを目的とするものでありまして、自衛隊の主たる任務として位置付けておりますが、この存立危機事態は我が国に対する武力攻撃を意味する自衛隊法三条一項の直接侵略及び間接侵略のいずれにも当たらないために、この直接侵略、間接侵略に対して文言を削除いたしまして、自衛隊の主たる任務を端的に「我が国を防衛すること」と規定をいたしておりまして、存立危機事態における行動も主たる任務ということに含まれるということでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 大事なところですから、端的に、存立危機事態は侵略ではないんですね。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 直接侵略及び間接侵略にいずれも当たらないということでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 侵略されていない事態に対して日本から先に武力攻撃をする、外形上の先制攻撃をするということがあり得るということですね。これは岸田大臣にお伺いします。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 外形上の先制攻撃を我が国はするかという御質問でありましたが、先制攻撃というのは言うまでもなく国際法違反であります。我が国がこの国際法違反の先制攻撃を行うということはあり得ないと考えます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 七月二十八日の大臣の答弁で、「これは国際法上は先制攻撃に当たることになります。」と言っておられますが、どちらかを訂正するか、もう少し詳しく解説してください。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 済みません、今の御指摘の答弁、どういった場面での答弁だかちょっと今定かに記憶がありませんが、この先制攻撃、そして今議論しております限定的な集団的自衛権との関係につきましては再三申し上げておるとおりであります。  集団的自衛権は、自国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃に対し、自らはこの武力攻撃を受けていないにもかかわらず実力行使をもって対処する、こうしたことを正当化する権限であると国際法上説明をされています。よって、先制攻撃というのは、どこからも武力攻撃が発生していない段階で自ら先に攻撃するということであります。この集団的自衛権は、既に密接な関係にある他国に対して武力攻撃が発生しています。その上での対応でありますので、これは全く別であります。  集団的自衛権は、言うまでもなく国連憲章五十一条によって認められた合法的な行為であり、先制攻撃は、これは国際法上違法な行為であります。この二つはしっかり区別しなければいけないと考えます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 だから、違法性阻却事由と、国と国との間で先制攻撃であるかどうかということとは、これ別の話ですよね。概念的には別の話ですよね。これ大事なところですから。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) ですから、集団的自衛権あるいは個別的自衛権等によって違法性が阻却される行為と、そして違法な先制攻撃、これは別物である、それは当然であります。全く別の概念であります。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 いや、その二国間の間において、いや、総理、これ笑っている場合じゃないですよ、ここのところは。外形的に先制攻撃になるかどうかですから。そうすると、存立危機事態の認定に関して、総理も中谷さんも、我が国に戦禍が及ぶ蓋然性ということを要件にしているんです。この戦禍が及ぶ蓋然性について、総理の御見解、定義をお伺いします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、我が国が武力攻撃を受けた、これは、蓋然性については、まさに──ちょっと待ってください。(発言する者あり)  これは、攻撃国の我が国を攻撃する意図については、我が国に及ぶ蓋然性ということについては、これはまさにその国の様態とか規模等、また意思等について総合的に判断をしていくことになるわけでございます。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 我が国に戦禍が及ぶ蓋然性とは、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃の発生を前提として、その影響や被害が我が国に及ぶ蓋然性を意味しております。我が国が爆撃の対象となるような場合に限られるものではないということでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 蓋然性はどうやって証明するんですか、中谷大臣。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) ただいま申し上げましたとおり、その影響や被害、これが我が国に及ぶ可能性があるかどうかということでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 いや、だから、どうやって証明するんですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) それに当たりましては、個別具体的な場合がございますが、主に攻撃国の意思、能力、事態の発生場所、事態の規模、態様、推移などの要素を総合的に考慮をいたしまして、それの客観的、合理的に判断をするということでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 仮にその判断を是として日本が先に手を出せば、その国に対して、相手は反撃をする可能性が高いですよね。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) それは、そういう可能性もございますが、先ほど外務大臣が述べられたように、これは国連憲章でも規定をされておる集団的自衛権、これに基づく行動でございます。  これにつきましては、国際的にその正当性は認められているわけでありますし、また、逆に日米安保条約、これにおいても、米国は、我が国が武力攻撃を受けた際に我が国のために武力の行使をするといういわゆる集団的自衛権、これに基づく対応をしているわけでございますので、これは広く国際社会において認められ、容認されることでございまして、先制攻撃であるというふうには私は考えておりません。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 いや、だから、反撃される可能性は高いですよねと聞いているんです。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) ただ、これは、日本と米国の関係においてこういった対処をするということは抑止力になるわけでございますので、それによって反撃をするような事態を抑止をするということもあろうかと思います。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 蓋然性を判断して先に武力行使するかどうかを決め、武力行使すれば相手は反撃してくる可能性が高いですから、実際に武力衝突が起きるんですよ。結果として起きちゃうから、結局、蓋然性があったかないかって後からは分からないんですよ。  そのことを指摘した上で、最後に、先ほど他国の領域で武力行使ができるかどうかということについて、法理上はできないと最後におっしゃったんですが、前はできるとおっしゃっていたので、どちらが正しいか確認して、終わりにします。どちらが正しいですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 法理上はできるんですけれども、三要件に基づいて実施をするということでございます。(発言する者あり)

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 中谷大臣。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 敵基地攻撃については、先ほどお答えしましたけれども、法理上、つまり法的な理屈の上では新三要件の下でも変わりがなく、誘導弾等の攻撃を防ぐのに他に手段がないと認める限りは、敵基地攻撃を、たたくことは自衛の範囲に含まれて可能でございます。法理上はできるということでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 じゃ、午前中の答弁は修正ということでよろしいですね。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 午前中も、三要件を満たせば法理上はできるというふうに答弁いたしております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 いずれにいたしましても、二か月たって今日に至っても、今の御答弁を聞いていると、とても審議が十分とは思えません。我々は廃案を目指しますけれども、廃案にしないというならば、まだまだあと三か月か四か月は最低でも議論が必要だということを申し上げて、終わりにいたします。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 民主党・新緑風会の大野元裕でございます。  まず、冒頭、先般の台風等での水害、そして今は阿蘇山の噴火の中で不安に感じられている方もおられると伺っております。心よりのお見舞いを申し上げます。  さて、総理に対し今日はまずお伺いしたいのは、最高司令官として自衛官を全力で守る御覚悟がおありになるでしょうか。そうだとすれば、その決意をまずお聞かせください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 自衛官の責務は、我が国の国民の命を守り、領土、領海、領空を守ることであります。そして、事に臨んで危険を顧みず、任務を完遂するように務め、もって国民の負託に応えていく、そういう宣誓を行うわけであります。つまり、国民のリスクを減少させるために自衛隊員自らがリスクを取っていくわけであります。その中においても、でき得る限りリスクを最小化していく努力を私は最高指揮官として取っていきたいと、このように考えております。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 防衛大臣に伺います。  PKO法の改正に関する法律が出ていますけれども、このPKO法改正に変わると、PKO五原則、これは新たな法律全体において厳守をされ、明文としてそれが担保されているかどうかを教えてください。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 担保されております。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 防衛大臣、司令官派遣につきましては、PKOの五原則が全て担保されているでしょうか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) この司令官の派遣について説明させていただきますが、近年、積極的に我が国も国際社会の平和と安全に寄与していくという考えにおきまして、国連のPKOにおきましては、これまでのような部隊派遣だけではなくて、国際協力を主導する立場として優秀な自衛官を司令官ポストへ派遣することが必要であるということで今回改正をいたしました。  第二十七条におきまして、国連PKOの司令官の派遣に係る仕組みを新設をいたしました。これは、国連のPKOに対する積極的な協力を進める法制上の基盤が整備をされるということで検討いたしました。  これにつきまして、まず、派遣に当たっては、この当該自衛官が派遣されることになる国連のPKOについての受入れ同意が当該期間、派遣の期間を通じて安定的に維持をされる、かつ、当該派遣を中断する事情が生じる見込みがないことについて政府において判断をすることといたしておりまして、この自衛官の国連への派遣につきましては慎重に検討を行って派遣をいたします。  そこで派遣された自衛官は、国連の事務総長から任命を受けた国連職員として国連のためにのみ職務を遂行する義務を負うために、自衛官が派遣期間中に行う行為はあくまで国連の行為として行われると。したがいまして、国連職員としての行為について我が国の憲法との関係で問題が生じることがないと考えておりまして、派遣期間中に国連職員としての人事につきましては専ら国連が権限を有するということは当然でありまして、こういった状況におきまして自衛官を派遣をいたします。  五原則につきましては、部隊を派遣する場合等について五原則をもって派遣をするわけでございますが、司令官の派遣につきましては、これは国連の職員といたしまして国連に派遣をするということでございまして、できる限りこの五原則に合うような活動に専念をしていくということで、そういう条件の下に派遣をするわけでありますが、派遣された自衛官は国連の事務総長から任命を受けた国連職員として国連のためのみに職務を遂行する義務を負うために、自衛官が派遣中に行う行為はあくまでも国連の行為として行われるということを認識をいたしております。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 先ほどPKO法全体について厳守され明文として担保をされているという御答弁がありましたが、今はできる限りPKO五原則を、どちらなんでしょうか、PKO五原則は司令官についてしっかりと担保されているんでしょうか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 部隊を派遣する際においては、五原則に基づくものでございます。  この司令官におきましては、そういう状況を念頭に派遣をするわけでございますが、あくまでも派遣された自衛官は国連の事務総長から任命を受けた国連職員として国連のためのみに職務を遂行する義務を負うということで、国連の行為として対応するということでございます。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 PKO五原則は担保されているでしょうか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 部隊としてはこれを前提に派遣をいたします。そして、司令官におきましては、そういう前提で派遣をするわけでありますが、派遣をした後、これは国連の事務総長からの任命を受けた国連職員として職務を遂行するということでございますので、自衛官が派遣中に行う行為はあくまでも国連の行為として行われます。国連の職員としての行為につきましては、我が国の憲法との関係で問題が生じると考えておりません。  また、司令官として派遣されている期間中に国連の職員としての人事につきましては、専ら国連が権限を有するということでございまして、こういった場合におきましては、政府として自衛官の派遣に関しては派遣した後も国連との間で協議をすることになると考えておりまして、国連としても日本政府の意向を尊重して考えてくれるというのは、尊重するということは当然でございます。(発言する者あり)

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 中谷大臣。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) お答えさせていただきます。  PKOの参加五原則の中の四に、この基本方針のいずれかが満たされない状況が生じた場合には我が国から参加した部隊は撤収することができるということで、これは参加五原則として維持をいたします。  司令官の派遣につきましては、第二十七条に、防衛大臣は、国連の要請に応じて、国連の業務であって国際平和維持活動に参加する自衛隊の部隊又は国連の部隊によって実施される業務の統括に関するものに従事させるために、内閣総理大臣の同意を得て自衛官を派遣することができるということでございます。以上です。(発言する者あり)  説明しますが、このPKOの参加五原則は、部隊を撤収することができるという五原則でございます。  司令官につきましては、今お話をいたしましたように、二十七条に基づきまして、国連の要請に応じてこの業務の統括に関するものに従事させるために内閣総理大臣の同意を得て自衛官を派遣をすることができるということでございまして、その国連の要請に従って派遣をするということでございます。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 進まないので申し上げますが、第四原則については部隊であると、そして司令官ではないと、そういうことだとすると、先ほどの一番最初の御答弁は修正していただくということでよろしいですね。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 最初の御質問は、PKO参加五原則を維持するかどうかという質問でございまして、維持をするということでございます。(発言する者あり)

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 中谷大臣。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) PKO参加五原則、これ、四につきましては、部隊が撤収できるということでございます。派遣する前は、司令部要員におきましても、こういう下に派遣をいたしますが、派遣した後は国連の指揮下にも入るわけでございます。  そして、二十七条の二におきまして、内閣総理大臣は、前項の規定により派遣される自衛官が従事することになる業務に係るPKO活動が行われることについて三の一のイからハまでに規定する同意が派遣期間を通じて安定的に維持されると認められ、かつ、派遣を中断する事情が生じる見込みがないと認められる場合に限り、派遣について同項の同意をするものとするということでございまして、この司令官を派遣するに当たりましては、この同意などがずっと続くということに限って派遣をするということでございますので、派遣した後におきましては、国連の職員になるという扱いになるということでございます。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 全く納得できません。最初は明言されたわけですから、法律全体に掛かるということをですね。  もう時間がないので進みますけれども、じゃ第三原則、中立的な立場は、これは司令官に掛かっていますか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 中立において、私は掛かると思いますし、国連のPKO……(発言する者あり)掛かります。国連のPKO自体も中立でございます。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 PKO部隊に派遣された自衛官には、通常、これまで現地における訴免権が認められてきました。武器使用若しくは危害を加えたような場合ですね、自衛官が。その場合には、法的責任は日本の国内法に基づいて判断されるということで大臣よろしいでしょうか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 御指摘のような事件が起きた場合には、個別具体的なケースに即しまして、事実関係を調査の上、法的責任の有無を検討する必要があると考えます。  その上で、一般論として申し上げれば、国連PKOに派遣される自衛隊の部隊等の要員の裁判管轄権、これは個別のPKOミッションにおいて国連と接受国政府の間で締結される地位協定の規定によることとなりますので、通常は接受国の刑事裁判権は免除され、本国の専属的裁判権に服することになります。これらの自衛官の国内法上の責任につきましては、個別具体的な状況により判断することとなりますが、我が国の刑法の国外犯処罰規定のある罪に該当する場合は、関係法令に基づいて適切に対処することになります。  なお、これらの自衛官の行為が国外犯の処罰規定のある罪の構成要件に該当する場合であっても、法令又は正当な業務による行為であると判断される場合は当該行為の違法性は阻却をされるわけでございます。  また、二十七条の規定に基づいて国連の司令官として派遣される自衛官は、国連職員として国際連合の業務に従事することになります。このため、当該司令官の刑事裁判権は、通常は、国連の特権免除条約及び国連と接受国政府との間で締結される地位協定に基づき定まることになりますが、一般に外交使節と同じ特権及び免除を享受することとなり、接受国の裁判権は免除されるということになります。その後、当該司令官の取扱いにつきましては個別具体的なケースに即し判断されることになりますが、いずれにしましても、当該司令官の法的地位については、国連と連携をし、適切に対応されるものだと承知をいたしております。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 今、大臣の方から刑法三十五条に基づく違法性の阻却要件が言及がありました。  法務省に伺います。一般的に、刑法三十五条に基づく違法性の阻却のためにはどのような要件が必要でしょうか。

林眞琴法務省刑事局長

○政府参考人(林眞琴君) 刑法三十五条におきましては、法令による行為と正当な業務による行為はそれぞれ、それが構成要件に該当する場合でも違法性を阻却して罪とならない旨を規定しております。  そのうちに、法令による行為には、法令上、公務員が職務として行うことが認められている行為が含まれております。公務員が職務として行った具体的な行為につきまして、刑法三十五条に規定する法令による行為として違法性が阻却されるか否かは、基本的には、その当該行為の根拠となる法令に規定された要件を具備するかどうかによって判断されることとなります。  また、正当な業務による行為とは、法令、慣習、条理に従いまして適切な業務の執行と認められる行為をいうものでございます。この具体的な行為が業務の正当な範囲内にあるか否かは、その行為がこの法秩序全体の見地から見て社会的に相当と認めるかどうかでありまして、その判断は具体的、実質的になされるべきものとされております。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 分かりにくいので、具体的に聞きます。  PKO法が例えば定める法案、きちんと書いてあるものについて、それを公務員、つまり自衛官が実施する場合においては違法性は阻却されるということでまずよろしいですか。

林眞琴法務省刑事局長

○政府参考人(林眞琴君) まさしく三十五条で法令による行為というものが違法性を阻却される事由となっておりますが、その場合の法令というものがもしそのPKO法の規定に基づくものであれば、そこに掲げられている規定の要件、これを具備することが違法性阻却をするための要件となります。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 ということは、PKO法が定めていないこと若しくは矛盾しているようなことは、それに基づくまさに違法性阻却の要因とはならないと一般に考えてよろしいでしょうか。

林眞琴法務省刑事局長

○政府参考人(林眞琴君) PKO法の要件を具備しているかどうかについては、当然、具体的な事案に基づいた証拠に基づいて判断すべきことでございますが、その証拠に基づいて判断するものとしましては、PKO法に基づく様々な要件、その具備を検討されることになると思います。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 もう一問法務省に聞きますが、とすると、これ判断するのは、政府のお得意の総合的な判断ではなくて、いわゆる司法ということで最終的にはよろしいんでしょうか。

林眞琴法務省刑事局長

○政府参考人(林眞琴君) 犯罪の成否というところで刑法の適用を判断するということになりますと、最終的には司法における判断ということになります。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 さて、ブラヒミ報告書というのがあります。あるいは、本年のPKOに関する国連事務総長への特別報告、あるいは国連発行のPKOの「原則と指針」、これらがございますけれども、実はこれらは全て同じことが書いてあります。PKOについては、中立と不偏性とは異なる。マンデートの実施について不偏性を保つべきであって、これ実は、誰がとか、どの間で中立性を保つということでは全くないと否定をしております。また、「原則と指針」という言わばマニュアルのようなものでは、司令官は各国からの指示で行動してはならない、これ部隊の要員も同じです。  国連が司令官や部隊の要員に求める不偏性に基づく、これ実は中立性とは違います、そこに基づいて司令官が武器使用した場合、中立性しか定めていないPKO法には規定がないのではないでしょうか。違法性の阻却する要因としての法文はどこにあるか、教えてください。防衛大臣。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 不偏性と中立性は違うという御指摘、それはそのとおりだと思っています。  そして、我が国のPKO五原則におきましては、中立性と併せて、いずれの紛争当事国にも偏ることなく行動する、これが明記されております。よって、我が国の中立性は国連PKOの不偏性の原則と軌を一にするものであると理解をしております。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 防衛大臣、どこの条文に不偏性に関する条文があるのか教えてください。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 第三条にPKO活動というのがありまして、これは、国連総会、安保理が行う決議に基づいて、武力紛争の当事者間の武力紛争の再発防止に関する合意の遵守の確保、武力紛争の終了後に行われる民主的な手段による統治組織の設立の援助その他紛争に関して国際の平和及び安全に、維持するために国連の統括下に行われる活動でありまして、武力紛争の中止及びこれを維持すると当事者間の合意があり、かつ、当該活動が行われる地域に属する国及び紛争当事者間の活動が行われることについての同意があり、そして、国連事務総長の要請に基づき参加する二国間以上の、いずれの紛争当事者にも偏る、なく実施されるものをいうということで、三条に規定をされているということでございます。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 ただいまおっしゃったのは中立性です。  ここにも書いてありますとおり、中立性と不偏性は違います。「現場においてその不偏性は、それが誰であるかではなく」と書いてあります、国連の方には。ところが、我が方の条文には「いずれの紛争当事者にも」と書いてあります。これは誰にということです。  そうではなくて、ミッション、つまり人道的に治安維持等を行うときに救うべきミッションの公平性を保つことが不偏性だというふうにブラヒミ・レポートに書かれていて、そして国連の安保理で決議にまでなっています、承認されています。これについて担保するところがないんじゃないんですか。どこにあるか教えてください。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) この条文では、いずれの当事者にも偏ることなく実施をされるものということで、これは中立の原則ではないかと思っております。(発言する者あり)

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 続けてください。(発言する者あり)  中谷大臣。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) これは、PKO法を、業務を実施する場合には、まず国連のマンデート、これを確認をいたしまして、これは、派遣国におきましては、それぞれの国の国内法、これに従って派遣をするわけでございますが、この不偏性につきまして、やっぱり業務と国連のミッション、これを考えます。  そして、協力法の業務におきましては、これは不偏性と中立性、そういう原則の下に日本がいかなる活動を行って派遣するかということを勘案いたしますので、結果として、中立性と不偏性、これらの両立したPKOのみに参加するということでございます。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 全く理解できません。  整理するために順々にやりましょう。まず、どこに、条文に書いてあるかを教えてください。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 法の条文には、三条の一、二ですね、中立性が書かれておりますので、我が国といたしましては、国連のマンデート、また要望等に従いまして、我が国の国内法に従いますとこれ中立でなければならないということでございますし、やはり正当性というか、こういった不偏性の、基づく国連のPKO活動に参加をするということでございますので、この根拠といたしましては、三条の中立性をもちまして、そういった対応につきまして、不偏性のある活動に参画をするということでございます。

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) もう一度答えますか、中谷大臣。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 大野先生が御指摘のように、国連のPKOにおきましては不偏性というものがございまして、そういうものがないと要請がございません。一方、国内法ではこの中立性がございますが、それは重なるものしかやらないわけであります。こういった国連の不偏性の要請に基づいて、かつ我が国におきましては中立性が規定されておりますので、このものが重なるものがないと、重なるものしかやらないということにおきましては、これにおいて不偏性が満たされているというふうに思います。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 議論の前に、どこに条文に書かれているか、教えてください。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 過去二十年間、日本、PKOに参加いたしましたが、いずれも、国連の行っているPKO、これ不偏性があるものだと認識をいたしております。  それによって我が国が参加をするわけでありますが、いずれの紛争当事者にも偏ることなく実施されているということで、この中立性が重なるものしかこれは参加いたしませんので、結果として不偏性も中立性も保たれているというふうに認識しております。(発言する者あり)

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) ここで議論しないで、両理事はどうやったら解決できるか考えてください。(発言する者あり)  中谷防衛大臣。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) PKO法の三条に、「国際連合の統括の下に行われる活動であって、」とございます。したがいまして、国連のPKOの三原則、これを守るものしか行わないということです。  また、中立性におきましては、条文で申しますと三条の二、これのイとハに、いずれの紛争の当事者にも偏ることなく実施される活動、そしてハにおきましても、武力紛争の発生を未然に防止することを主要な目的として、特定の立場に偏ることなく実施される活動と、こういうふうに明記をされているわけでございます。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 外務大臣にお伺いします。  今の私、解釈は間違っていると思います。というのは、このまさにブラヒミ報告の中に書いてありますけれども、もはや中立性というものが維持できない、あるいはインパーシャリティー、つまり不偏性と違うのは、悪意の当事者が来たような場合に様々な当事者の中の中立性はもはや維持できないと、これ二〇〇〇年です。先ほど大臣は二十年とおっしゃいましたけれども、その後にこれ出ています、そもそも。そもそも、これ後に出ています。  また、国連の行うミッションは全てそういうわけではありません。特に現代のミッションにおいては、これはこっちだったと思いますけれども、今年のパネルの報告にありますが、現代のミッションにおいては、九八%が人道的な支援だけではなくていわゆる治安維持あるいは人道的な救助、これを含んでいて、そこでインパーシャリティー、不偏性を維持しなければならないと書いているんです。  そしてさらには、ここにも書いてあるとおり、「現場においてその不偏性は、」と書いてあって、ミッションが出るときの不偏性ではなくて、現場の不偏性じゃないですか。今の話とは全く矛盾します。  だとすれば、個々の自衛官が武器使用をするときの原則というものがこの法律の中に、あるいはどこかに法的な根拠としてなければならないと思いますけれども、大臣、不偏性とこの中立性について、我が方は同じであるとか、あるいはこれらの報告書が出されたときに我が方は留保を付したでしょうか、教えてください。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) まず、不偏性と中立性は別物であるという御指摘、これはそのとおりだと思います。  要は、当事者があった場合に、停戦合意に極めて協力的な当事者と全く非協力的な当事者がいた場合に、その真ん中、中立というのであるならば、停戦合意に向けて前向きとは言えない、こういったことでありますから、中立性よりは不偏性をしっかり重視するべきであるという考え方、これは国連においてそういった考え方が重視されているという御指摘、これはそのとおりであります。そして、我が国国内のPKO五原則、これ先ほど紹介がありましたように、これ、いずれの紛争当事者にも偏ることなく、そして中立性ということを述べています。  この不偏性と中立性、両方述べているわけですが、いずれにしましても、我が国の行動は、国連PKOの基本三原則、これを満たす行動であること、これは当然のことでありますし、一方、国内法との関係におきましてPKO五原則を満たさなければならない、これも当然のことであります。よって、先ほどから防衛大臣説明しておりますように、両者が重なった部分しか我々は対応しないということを説明させていただいているわけであります。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 ちょっと確認させてください。  先ほど、国連の統括下においてというところで不偏性を読むということは、不偏性は、まず第一に、防衛大臣、この条文の中にはない、これはまず確認させてください。  その上で、重なると言いましたけれども、これ全く別物である。それから、ここにも書いてあるとおり、「原則と指針」では、マンデートの実施においては中立を保つべきではない。不偏性は保つべきだけど中立性は保つべきではないということはさっき重なると言いましたが、重なっていないんじゃないですか。  その二点について確認させてください。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 三条に、国際連合の統括の下に行われる活動でございますので、今後PKOが行われる場合には、ブラヒミ報告ですか、それの原則に従ってPKOが活動されるわけで、開始されるわけでございますので、国連の統括の下に行われる活動というのは、そのブラヒミ報告も含むものであると考えております。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 その統括下においてというのであって、明文でここに不偏性はないですね。これはすごく簡単な質問だと思います。答えてください。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 改めて、この三条に国連平和維持活動の定義がされているわけでございまして、その中に、国際連合の統括の下において行われる活動であって、国連事務総長の要請に基づき参加する二以上の国及び国際連合によって実施されるもののうち、次に挙げるものと書いております。  したがいまして、このPKO活動、これは国際連合の統括の下に行われる活動で、国連事務総長からの要請があるということにつきましては、この三原則、これに基づいたPKO活動であると認識をいたしております。(発言する者あり)

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 中谷大臣。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 大野委員が御指摘のように、不偏という言葉はございませんが、私どもの日本のPKO活動におきましては、国連の三原則、これに従って国連の統括の下に、国連事務総長の要請の下に行うわけでございますので、そのように解しているということでございます。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 そうしますと、これは含まれているという話ですが、この「原則と指針」というところには、「マンデートの実施において中立を保つべきではない。」と書いてあります。中立性が保障されているとすれば不偏性が、不偏性が中立性がという議論はありますけれども、不偏性が保障されている場合にこれ中立性保つべきじゃないということは、五原則の三原則目はこれ担保されないということでよろしいんでしょうか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) このブラヒミ報告は、中立を口実にした不作為は駄目であるということで、日本は中立を理由に不作為な行動はいたしませんということで、この五原則で、平和維持隊が特定の紛争当事者に偏ることなく、中立性、中立というような立場を厳守する、これはしっかりと守っていきたいと思っております。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 中立を保つべきではないと書いてあります。また、司令官と部隊、要員は各国からの指示で行動してはならないと書いてあります。出した以上、これ中立を守ってはならないというんだったら、不偏性でやるんでしょう。その不偏性をどこで担保するかという議論と同時に、中立も維持されないじゃないですか。それを是非とも大臣として整理して見解を御答弁ください。

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 岸田外務大臣。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 委員長、いいですか。

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 岸田外務大臣、今指名しました。どうぞ。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 済みません。  御指摘の報告書、今年出されたこのハイレベル独立パネルの報告書ですが、これは中立性を口実として不偏性を損ねてはならない、こういったことを言っているんでありまして、これは、その中立性と不偏性、これは違うということはそのとおりでありますが、この不偏性を是非重視するべきである、より柔軟な対応をするべきである、これが今年出された報告書のポイントであると認識をしています。  不偏性はしっかり重視しなければいけない、これ、あわせて、この中立性は我が国の五原則の中に明記をされています。この重なる部分を我が国は実行しようとしているわけですから、不偏性は損ねることはないと考えていますし、この報告書あるいはこの国連PKO三原則にも反しないと考えておりますし、当然のことながら我が国国内の五原則にも反しない、これが我が国の行動であると認識をしております。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 不偏性を重視することは当然です。しかし、この不偏性を重視するマンデートの実施において中立を保つべきではないと明文で書いてあります。しかも、これは国連の指示に従えとも書いてあります。このように明文で書いてあります、二〇〇八年の方には。それは、しかも現場における判断としてと書いてあります。これは、大臣の今のお話では納得できない。  防衛大臣、先ほどの御説明に従ってもう一度見解を示してください。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 外務大臣が御説明をしたとおり、中立を口実にした不作為は駄目で、中立性を損ねてはいけないという意味だと私は解しております。したがいまして、不偏性も中立性も我が国のPKO活動においては必要であるというふうに認識しております。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 中立を保つべきではないということについて、じゃ、説明してください。この場合にはやらないんですか。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 国連の議論、そして今年出されたハイレベルパネルのこの報告書、これ……(発言する者あり)ええ、どちらにせよ、国連の考え方を御説明させていただいております。御指摘のように、不偏性と中立性、これは同一のものではないという考え方、これはまずおっしゃるとおりであります。  ただ、国連が重視しているのは不偏性という部分であります。中立性を口実として不偏性を損ねてはならない……(発言する者あり)そう、不偏性を損ねる形で中立性を維持するべきではない、これがこの議論の中核であると思っています。  ですから、不偏性を維持する、これは当然のことだと思っています。そして、我が国の五原則には中立性、偏ることなくという部分も含めて中立性を定義しています。この両方が重なる部分を当然我が国は取り組む部分であると認識をしてこの問題を整理しております。これは、重なるからこそ国連の考え方にも適合し、そして我が国の国内の五原則にも適合する、こういった行動であると認識をしております。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 ということは、不偏性が大事であるから中立性を損なうようなところはやらないということですね。そういう整理でよろしいですね。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 中立性は維持されなければならないと思っています。民主党政権時代のゴラン高原への取組においても中立性はしっかり維持されていたと認識をしております。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 違うんです。治安維持業務が加わったからなんです。治安維持のような業務が加わるものは今のミッションの九八%に要請されていて、時々刻々と状況は変わるんだというふうにこれは実は今年のパネルが言っています。とすると、九八%のミッションは治安維持を今回付けたことによって出せなくなるということですか。九八%出さないんだったら、こんな法案盛り込む必要ないじゃないですか。大臣、どうなんですか。

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) どなたへの質問ですか。大野君、どなたへの質問ですか。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 防衛大臣です。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) ただいま外務大臣が説明をいたしましたように、中立を口実にした不作為は駄目で、これで不偏性を維持すべきであるということで、この中立性を口実とした不作為行為は駄目ですよというふうに言っていると私は解しております。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 ということは、中立を保てないようなミッションというのは事前に分かるんですね。その整理というのはどこで担保するか教えてください。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) これはあくまでも我が国のPKOの大事な五原則でございますので、その中立性が保たれているどうか、これは情報を収集をし、分析をし、あくまでも中立であるという前提で派遣をするということでございます。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 要員及び部隊は各国からの指示で行動してはならないということは、これは国連の指示に基づかないで中立性を我が国は維持をすると、そういう我々は判断をしたということでよろしいんですね。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) それは、その中立を口実にした不作為は駄目と言っているわけで、これは不偏性を維持すべきであるということでございます。  しかし、あくまでも国連というのは中立であるというのは大原則でございまして、我が国といたしましても、PKOに参加する場合は中立的立場を厳守するという原則を維持しながら参加をしてまいりたいと思っております。(発言する者あり)

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 中谷大臣。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 我が国にとりまして、PKOの参加の五原則、これは大事なものでありまして、この五原則の下に出します。で、国連の指図の下に行動いたします。そして、五原則が壊れた場合には撤収をいたします。  あくまでも、この中立性と不偏性、これについては両立させた内容で国連のPKO活動をやっていくということでございます。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 これは、現場の判断での場合を議論しています。したがって、マンデートの実施において中立を保つべきでないような治安維持業務を含むもの、その要請がある九八%のミッションには出さないということでよろしいんですね。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) あくまでも我が国は五原則の下にPKO部隊を派遣するわけでございますので、いろんな地域情報等を判断しまして、五原則、中立が保たれる状況で出すと。そして、国連の指図の下に行動しますが、この五原則が壊れていると判断した場合は撤収をするということでございます。(発言する者あり)

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 中谷大臣。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) これは、不偏性と中立性が両立をしない限り出しません。重なる場合に対応するということです。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 ということは、これ、新しいミッション、九八%出られないならそんなもの出す必要ない。九八%とここに書いてあるんです。  そして、法制局長官に伺います。  不偏性と武器使用の関係について、法案審査をこれまでしたことはありますか。これまで五原則しかやっていないんじゃないんですか。教えてください。

横畠裕介内閣法制局長官

○政府特別補佐人(横畠裕介君) PKO法に基づいて我が国がPKO部隊を派遣しますのは、あくまでも現行法というか五原則の満たしている限りにおいて派遣するものでございまして、武器使用の権限につきましても、この五原則の下での検討をしたところでございます。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 確認ですが、そうすると、不偏性との関係については法案審議、審査していないということでよろしいですね。

横畠裕介内閣法制局長官

○政府特別補佐人(横畠裕介君) まさに我が国のPKO法に基づいて出せるPKO活動というのは、国連のPKO活動の全体から見ますとある意味一部でございます。我が国が憲法上の下で、憲法の要件の下で部隊を派遣することができると考えていますのは、まさにこの中立性を含むこの五原則を満たしている、そのようなPKOミッションであるというのがPKO法の規定でございます。それに基づいて、武器使用についても、そのようなPKO活動に派遣するという前提で、必要な武器使用、また憲法上の問題があるかどうかについての審査をしたわけでございます。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 答えていません。  不偏性に基づいた武器使用について審査したんですね。していないんじゃないんですか。

横畠裕介内閣法制局長官

○政府特別補佐人(横畠裕介君) 端的に、不偏性を基準としてどのような武器使用が可能であるかについての審査をしたということではございません。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 それでは、長官、不偏性と中立性に関する整理について審査はしましたか。

横畠裕介内閣法制局長官

○政府特別補佐人(横畠裕介君) 先ほどお答えしたとおりでございまして、我が国のPKO法で部隊を派遣しますのは、あくまでもPKO五原則の満たす限りにおいてそのようなPKOミッションに派遣することができるということでございますので、特段、不偏性について中立性と別個に検討するということはいたしておりません。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 違います。不偏性と中立性、別個は分かったけれども、その関係について整理をした、あるいは審査をしたということはあるんですか。それについて答えてください。

横畠裕介内閣法制局長官

○政府特別補佐人(横畠裕介君) 実際の審査は第二部で参事官が行うものでございまして、私自身は、私自身はその点についての報告は受けておりません。(発言する者あり)

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 横畠長官。

横畠裕介内閣法制局長官

○政府特別補佐人(横畠裕介君) この審査の過程におきまして、もとより私も最終的な決裁をしているわけでございますが、その過程におきまして、中立性とは別個の不偏性というものについて議論をしてどうしたということを認識していたわけではないということを申し上げているわけでございます。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 個人の意見とか個人の見解を聞くのであれば、これまでの七十、八十時間の審議は全部、これ全く我々、意味ないじゃないですか。  委員長にお願いします。  たった今、法制局のメンバー全員呼んできてください。そうじゃないと質疑はできません。

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 委員長から申し上げたいと思いますが、私から発言したいと思いますが、今の答弁は、個人の発言、表現ではないというふうに私は受け取りました。  もう一度質問をされたらどうですか。それで、長官、また答弁してください。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 委員長がおっしゃることですから従いますが、長官、不偏性とそれから中立性の関係について整理をし、審査をしたことはありますか。

横畠裕介内閣法制局長官

○政府特別補佐人(横畠裕介君) 先ほどは、決裁をした私、法制局長官としてその認識をしていなかったことを申し上げました。  今、第二部の担当参事官に確認させていただきましたが、中立性とは別個にその不偏性についての審査ということをしたことはないということでございます。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 不偏性と中立性について先ほど大臣が御答弁をされましたが、審査はしていないそうです。きちんとした整理をした上で我々はこれをやるべきじゃないんですか。というのは、PKO法は個人の自衛官が国内法で刑法に問われる可能性があります。そして、その最終的な判断をするのは司法なんです。皆さんのお得意の政府の総合的な判断ではないんです。このまんまやると、もしかすると自衛官が犯罪者になる、そういう法律じゃないですか、これは。こんなことでいいんですか。  総理、これ法案取り下げるべきじゃないですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 現在、これは南スーダンにUNMISSを派遣しておりますが、これは民主党政権のときにPKOの派遣を決めました。当然、これの派遣につきましては、国内法であるPKO法参加五原則、これに基づいて厳正に判断をして派遣したものでもございますし、この不偏性を含めて国連の動きはフォローをした上で日本の参加を決めたわけでございまして、私は、この五原則に基づいて個別に判断をしておりますし、国連の活動におきましては、PKO活動、正当性があるという判断をしてこの活動に参加したものだと認識しております。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 現行のPKO法聞いていません。今度、治安維持が加わったんです。ここにも書いてあります、予防的に武力を行使してそのマンデートを守ること。これが九八%含まれる、そして治安維持が含まれているから言っているんです。  あなたは、元自衛官として、今こそ体を張って自衛官を守るべきじゃないんですか。自衛官をまさに犯罪者にするようなこのような法律は、もう一度聞きますけれども、撤回するべきじゃないですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) PKOの活動につきましては、この法案が成立をしましたら十分内部で検討、検証をして出すわけでございますが、あくまでもこの内容、内容をしっかり把握をいたしまして検討したいと思います。(発言する者あり)

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 中谷大臣。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) ただいまの発言につきましては、これからPKOをどうするかという御質問でありまして、今後派遣をする際は、この法律に基づいて新たなPKOに参加するかどうか、これは検討するということでございますが、原則については既に整理はできております。  今回のPKO法案において、いわゆる安全確保業務及びいわゆる駆け付け警護を実施できるようになりますけれども、法案に示したように、武器使用におきましては、参加五原則が満たされており、派遣先国及び紛争当事者国の受入れの同意、これが業務を行われる期間を通じて安定的に維持されることが認められることを前提に、すなわち国家、国家に準ずる組織が敵対するものを、登場しない限りにおいて、任務遂行のための武器使用、駆け付け警護に伴う武器使用等を可能としているわけでございます。このように、原則は法案に書いて整理をしております。  先ほどの御質問は、これからの新しいPKOをどうするかという御質問でありますので、今回、新たに派遣する場合においてはよく検討して派遣するということでございます。(発言する者あり)

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 中谷大臣。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 先ほどの私の発言につきましては、誤解を招くものでございますので、撤回をさせていただきます。  今後につきましては、法案につきましては精査をしているわけでございますので、こういった国内法に基づいて派遣活動をしていくということでございます。(発言する者あり)

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 静かにしてください。  今……(発言する者あり)今言ったでしょう。撤回と言ったんですよ。後ろの声が大き過ぎて大事な声が聞こえないの。不規則発言をお互いにやめようよ。ちゃんと審議しよう。どうですか。  私の聞いたところ、間違いなく撤回という言葉を使っているから、その辺りはどうぞひとつとどめおいていただきたいと思います。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 委員長のおさばきに感謝します。  法案を、ただ、精査しなければならないようなものを、ここで改めて精査するものであれば、我々は審議をする必要はないので、撤回をしてください。お願いします。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 法案につきましては精査をいたしておりますので、この法案に基づいてPKOの派遣をさせていただきます。撤回はいたしましたけれども、今後新しいPKOどうするんだというお話がありましたので、新たなミッション等につきましては、これは検討をしてまいりますという意味でございますが、誤解を招く表現でございましたので、それは撤回をいたしますが、法案につきましては精査をいたしておりますので、国内法に基づいて派遣をするということでございます。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 しかしながら、先ほどは審査もしていないと言っています。このままやると、司法の判断として自衛官を犯罪者にするかもしれないんですよ。冒頭、総理は最高司令官として自衛官を可能な限り守るとおっしゃったじゃないですか。だからこそ、私はこれを撤回するべきだと言っているんです。  もしも撤回されないのであれば、委員長にお願いをさせていただきます。  この件については、審査もできていない、そして今のように答弁がきちんとしていない。これ、テレビを見ていらっしゃる自衛官、その御家族は不安で仕方がないと思います。  是非とも本件については、国連の職員を含めて、ここで参考人質疑をしていただき、そして本件に関する集中審議を是非とも行っていただくよう求めまして、最後に総理の撤回するかどうかの答弁を求めて、私の質問を終わります。

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 安倍総理大臣。(発言する者あり)いや、後ほど申し上げます。どうぞ。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、当然、国内法の要請によって我々は五原則を貫いていくわけでございます。と同時に、国連の要請する三原則についてでありますが、今後、安全確保業務等を行っていく、また駆け付け警護等も行っていくわけでありますが、その中におきまして、当然、この国連の三原則の中における業務について我々は行っていくと。当然、この三原則の中におけるPKO活動が国連の要請となってくるわけでありますから、その中で、かつ、我々は五原則に合致するものについてPKO活動を行っていくということでございまして、我々はこの法案を撤回する考えはございません。

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 先ほどの大野君の発言につきまして、後の理事会で協議をいたします。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 終わります。ありがとうございました。

山口那津男公明党

○山口那津男君 公明党の山口那津男でございます。  初めに、先般の集中豪雨によりまして、栃木県、茨城県、宮城県など重大な被害が生じました。特に、なお行方不明の方もいらっしゃいます。そうした方々の捜索に当たると同時に、復旧に全力を尽くしていただきたいと思います。犠牲となられた方々に心から御冥福を申し上げたいと思います。また、阿蘇山の噴火も生じております。警戒そしてまた国民への情報提供など、政府として万全の対応を期していただきたいと思います。  さて、本日でいわゆる憲法五十九条の六十日ルールが適用可能な状態となっております。先般、七月一日の代表質問で民主党の委員から、この六十日ルールは適用しない、良識の府にふさわしい参議院として威信を懸けてしっかり議論したいと、こういう与野党に対する呼びかけがありました。これは立派な見識だと思います。  しかし、残念ながら、この六十日で参議院として結論が出すことができず今日に至ったことは、極めて残念であります。これから先は、衆議院がこの参議院が否決したものとみなして再議決すると、こういう六十日ルールを適用しないようにお願いをする立場になってしまいました。それはそれで参議院としてお願いをしながら、衆議院の理解を得て、参議院としてしっかり議論をして結論を出していくべきだと思います。  国会としてどういう結論を出すか、そういう判断が迫られる状況の中でありますが、しっかり参議院の主体性を示してまいりたいと、こう思います。与野党の皆さんも同様の考えだと思いますので、議論を尽くしていこうではありませんか。  その上で、この議論が深まったことを背景に、野党の皆さんから対案が出されたり、あるいは修正案が出されたりしてきております。これらも、真摯に協議に臨んで、これからの国会の議論に生かしてまいりたいと思います。  こうした国会の議論の在り方について、政府としてどのように認識されていらっしゃるでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国民の命と平和な暮らしを守り抜いていく、また子供たちや未来の子供たちにこの平和な日本を引き渡していく、その責任が私たちにあるわけであります。  その中で、我が国を取り巻く安全保障環境は厳しくなっております。まだ危機が発生していない今のうちにあらゆる事態に対して切れ目のない対応を行うことができる体制を整え、紛争を起こさせないようにしておかなければならないわけであります。そのためには、平和安全法制の一日も早い整備が必要不可欠であり、政府としては、国会での御審議においてこの法案の必要性等について分かりやすく丁寧に説明し、国民の御理解をいただけるよう全力を尽くしてきているところであります。  国会における審議の進め方については、良識の府である参議院の御判断に従うべきものと考えております。  いずれにいたしましても、政府としては引き続き分かりやすく丁寧な説明に努めてまいりたいと思います。その上で、熟議の後に決めるべきときは決めなければならない、それが民主主義のルールであると、このように考えております。

山口那津男公明党

○山口那津男君 今度の審議におきましては、この法案が憲法に合致しているかどうか、大きな論争となりました。この点について、七月十一日の朝日新聞の報道によりますと、憲法学者、これはジュリストの判例百選に執筆をしている憲法学者にアンケートを取った、百二十二名が回答し、そのうち七十七名の学者が、自衛隊が憲法違反ないしは憲法違反の可能性があると回答しております。実に六三%に達するわけです。  憲法学者の名立たる方々の六三%が、自衛隊そのものが憲法違反ないしはその可能性ありと答えている状況の中では、この法案が憲法に合致しているかどうかを議論するまでもなく、その前提が政府と大きく違っているわけであります。  この政府の憲法の考え方、特に九条の二項が非武装を規定しているのではないかと、こう考える国民もいるかもしれません。しかし、片や十三条で、人権を守るためには立法その他国政の上で最大の尊重を必要とすると書いてあります。この人権を最大限に損なうものが我が国に対する武力行使であります。この関係をしっかりと捉えなければなりません。この点についてのたった一つの最高裁の判断がいわゆる砂川事件に対する判断であります。  これらを整理した上で、内閣法制局長官から分かりやすい政府の憲法の考え方を聞きたいと思います。

横畠裕介内閣法制局長官

○政府特別補佐人(横畠裕介君) 大変大事なことでございますので、ちょっと長くなるかもしれませんけれども、説明させていただきたいと思います。  政府は、従来の自衛権発動の三要件におきまして、我が国に対する武力攻撃が発生した場合には、我が国として武力の行使が許されるとしてきております。およそ国際関係において、一切の実力、すなわち武力の行使を禁じているかのように見える憲法第九条の下でも、そのような場合に武力の行使が許されると解される法的な理由、根拠は何かということでございますが、政府が長年そう言い続けてきたからその限りで合憲になったなどということではございません。  憲法の基本的原理である平和主義を具体化した憲法第九条も、外国の武力攻撃によって我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫不正の事態、そのような極限的な場合においては、我が国と国民を守るためのやむを得ない必要最小限度の武力の行使をすることまで禁じているとは解されないということでございます。これが昭和四十七年の政府見解の基本的論理あるいは法理と申し上げている考え方でございます。  また、これは昭和三十四年の御指摘の砂川判決の最高裁判決が言うところの、我が国が自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛のための措置をとり得ることは、国家固有の権能の行使として当然のことと言わなければならないという判示とも軌を一にするものでございます。  これに対して、いかなる場合にも我が国は武力の行使を行うべきではないという考え方があることも承知しております。このような外国の武力攻撃に対して、必要な対処をせずに国民に犠牲を強いることもやむを得ないとする考え方は、国民のいわゆる平和的生存権を明らかにした憲法前文、国民の幸福追求の権利を保障した憲法第十三条に照らしても、国民の安全を確保する責務を有する政府としては到底取り得ない解釈でございます。  次に、その上で、武力の行使が許されるのは、我が国に対する武力攻撃が発生した場合のみである、その場合に限られるのかということは、この基本的論理そのものではなく、一定の事実認識を前提としたこの基本的論理の当てはめの問題であると理解されます。  まず、これまでは、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫不正の事態に当てはまるのは我が国に対する武力攻撃が発生した場合のみであると考えていたわけでございます。そうだとすれば、結論として、武力の行使が許されるのは、我が国に対する武力攻撃が発生した場合のみであるということになります。これが従来の自衛権発動の三要件でございます。  これまではそれでよかったわけでございます。よかったと申し上げたのは、それで我が国と国民を守るための必要最小限度必要な対処ができると考えられていたからでございます。しかし、今日我が国を取り巻く安全保障環境の変化の状況等を考慮すると、これまでとは異なり、他国に対する武力攻撃が発生し、その状況の下、武力を用いた対処をしなければ、国民に我が国が武力攻撃を受けた場合と同様な深刻、重大な被害が及ぶことが明らかであるという事態も起こり得る。そのような事実認識を前提とすれば、そのような事態、すなわち存立危機事態でございますけれども、それ自体が、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫不正の事態に当てはまるものでありますことから、先ほど述べた基本的論理の当てはめの帰結として、あえて我が国に対する武力攻撃の発生を待つことなく、これに対処し、我が国と国民を守るための必要最小限度の武力の行使も許されると解されるわけでございます。これが新三要件でございます。  新三要件の下で認められる武力の行使は、これまでどおり、自衛隊法第八十八条に規定された我が国防衛のための必要最小限度の武力の行使にとどまるものであり、他国防衛の権利として観念される国際法上の集団的自衛権一般の行使を認めるものではなく、また、我が国防衛のための必要最小限度を超える、被害国を含めた他国にまで行って戦うなどといういわゆる海外での武力の行使を認めることになるといったものではございません。

山口那津男公明党

○山口那津男君 今御答弁いただいたことは、私は理解できますけれども、テレビを御覧の国民の皆様が聞いてすぐ分かるかどうか。この点、もう少し分かりやすく述べていただきたいんですが、この審議で集団的自衛権、個別的自衛権という言葉がたくさん使われました。これは、国際法上の概念であって、憲法の概念ではありません。  国際法上のこの二つの自衛権を区別することと、また、我が国の憲法で許される自衛の措置が一体この集団的自衛権、個別的自衛権とどういう関係にあるのか、この許されるものと概念の区別というのはちょっと違っているんじゃないかと思うんですね。この点について簡潔にお答えを願います。

横畠裕介内閣法制局長官

○政府特別補佐人(横畠裕介君) 憲法には、そもそも自衛権という言葉はございません。憲法第九条の下で我が国と国民を守るためのやむを得ない必要最小限度の自衛の措置が許されるというのは、先ほど述べたような憲法の解釈によるものでございます。  従来の解釈におきまして、我が国に対する武力攻撃が発生した場合に限って武力の行使が許されるとしていたことから、それを国際法上の概念を用いて個別的自衛権の行使のみが許されると表現していたものでございます。憲法の解釈として、いきなり国際法上の概念を借りてきて個別的自衛権の行使だから許されるという論理であったわけではございません。また、集団的自衛権の行使について、それ自体何か危険なものである、あるいは平和主義等の憲法上の価値に照らして許容し難いものであるという判断からこれを排除していたということでもございません。  新たな解釈におきましては、新三要件の下で、極めて限定された範囲において、他国に対する武力攻撃の発生を契機とする我が国自衛の措置としての武力の行使を認めておりますが、これを国際法上の概念で整理すれば、限定されたものであるとはいえ、集団的自衛権の行使と言わざるを得ないということでございます。  自衛の措置としての武力の行使の憲法上の根拠と国際法上の違法性阻却事由、すなわち個別的自衛権の行使であるのか集団的自衛権の行使であるのか、あるいは安保理決議に基づく集団安全保障措置のいずれに当たるのかということとは法的には別の事柄でございまして、新三要件で申し上げていますのは、あくまでも憲法上の根拠として整理したということでございます。

山口那津男公明党

○山口那津男君 そうしますと、これまで武力攻撃事態等、有事法で規定されてきた武力攻撃事態等には、いわゆる国際法上の個別的自衛権を根拠とすることができると、こういう考え方だったと思います。そして、この度の存立危機事態、これは従来の個別的自衛権プラス限定的な集団的自衛権を根拠とすることができると、こういうことだろうと今伺いました。いずれも我が国の憲法からすれば基本的な論理は一貫していてその枠内の考え方に収まると、こういうふうに今聞いたわけであります。  ところで、我が国の安全保障環境が変化をしてきていますから、この考え方を補足して整理していくということは政府として当然のことだろうと思います。その言わば芽は十年前にもう出ているわけですね。といいますのも、それ以前は、我が国が対応するのは日本の領域、領土、領空、領海の中に攻撃がなされた場合に反撃するという考え方が一般でありました。しかし、政府は、この領域の外の公海であって、そして他国の船に対する攻撃であっても、それが日本の国の攻撃への着手と見ることができれば、これは日本が反撃できると、こういう趣旨の解釈をもう既に出してきているわけです。  ただ、ここの、この考え方は、他国から見れば、日本が着手と見れば対応してくれるかもしれないけれども、自分が、つまり他国の側から見たらどうなのかよく分からない、そういう欠点があります。むしろ、これが国際法の考え方と我が国の憲法の考え方と相まって、そして客観的に他国から見ても、どう行動すればいいのか、日本がどう行動するのか、これが分かりやすくなっていなければなりません。その意味で、今回の存立危機事態、そしてそれを裏付ける憲法の考え方というのはそれを整理したものだと私は思うわけでありますが、法制局長官、その点はどうお考えでしょうか。

横畠裕介内閣法制局長官

○政府特別補佐人(横畠裕介君) まさに御指摘のとおりであると思います。

山口那津男公明党

○山口那津男君 そうだとすると、これまでの武力攻撃事態等と存立危機事態が私はほとんど同じなのではないか、ほとんど重なるのではないかと思うのでありますが、長官、いかがお考えですか。

横畠裕介内閣法制局長官

○政府特別補佐人(横畠裕介君) 憲法第九条の下で我が国として武力の行使ができると考えるその法的な理由、根拠は、先ほど申し上げたとおり、我が国の存立を脅かし、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるような、そのような急迫不正の事態に対処するやむを得ない必要最小限度の措置として許されるということでございまして、武力攻撃事態であれ新たな存立危機事態であれ、その根本にある理由、根拠は同じものでございます。  したがいまして、いわゆるホルムズ海峡の事例のように、他国に対する武力攻撃それ自体によって国民に我が国が武力攻撃を受けた場合と同様な深刻、重大な被害が及ぶことになるという例外的な場合が考えられるということは否定できませんが、実際に起こり得る事態というものを考えますと、存立危機事態に該当するのにかかわらず武力攻撃事態等に該当しないということはまずないのではないかと考えられると思います。

山口那津男公明党

○山口那津男君 野党から対案が出されたり、あるいは修正案が出されたりしております。この修正案では、国会承認などの国会の関与を強めようという意欲が表れております。これは大変大事なことだろうと思います。  本法案でも、国際平和支援法、いわゆる新法で行いましたが、ここでも我々公明党は、この国会の関与が重要だという立場から例外なき事前承認を入れ込みました。自衛隊の活動に対する民主的統制を確保することが重要であるという点からいうと、存立危機事態についても、新三要件に当たるかどうかについて、攻撃国の意思、能力、事態の発生場所、その規模、態様、推移などの要素を総合的に考慮して、我が国に戦禍が及ぶ蓋然性、国民が被ることとなる犠牲の深刻性、重大性など、これまで国会審議で明らかになった判断要素、これが実際に起こる状況に当てはめて政府がまず総合判断するということになります。そして、これらを示した政府の対処基本方針を閣議決定をして、それを国会に説明をして承認を求めることとしております。  したがって、この国会の承認というものは、政府がそう判断したものが果たして妥当かどうかということを改めて政府とともに判断をし直して結論を出すということになるわけでありまして、国会が政府とともに責任を負うと、こういう重要な制度になるわけであります。こうした点も考えると、この国会が責任を負うことによって、自衛隊の皆さんも、国民の代表として国会そして政府共に理解をしてくれたということで、誇りを持って、自信を持って活動できるようになると思います。  これから、協議が進んでおりますけれども、私はこの認識が共有できる部分もあると思いますので、その点は国会での合意に反映できる可能性があると思っております。同時に、政府としても認識を共有する部分があれば、これから野党委員の皆さんがいろいろ質問されると思いますが、しっかり答弁でそれを受け止めて明確にお答え願いたいと思う。それが国民の理解を進めることになると思います。総理、いかがでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 自衛隊の活動において民主的統制を確保するため、国会の関与は極めて重要であると認識をしております。一部の野党の皆様とも認識を共有していると考えております。政府としても、今回の平和安全法制においては、そのような考えの下、民主的統制の確保のために、国会の関与について適切に定めております。その中には例外として事後承認を認めているものもありますが、原則はあくまでも事前承認であり、政府として可能な限り国会の事前承認を追求していく考えであります。  いずれにせよ、現在、新党改革、日本を元気にする会、次世代の党が共同の修正案を提出されたことには敬意を表したいと思っておりますが、現在、与党との、自民党、公明党との間で協議が行われていると承知をしております。政党間の協議には我々も謙虚に耳を傾けてまいりたいと、このように思っておりまして、政府としてはその協議の結果をお待ちしたいと考えているところでございます。

山口那津男公明党

○山口那津男君 ホルムズ海峡の機雷掃海をめぐる議論が行われておりますが、ちょっと整理して何点か伺います。  まず、ホルムズ海峡そのものがペルシャ湾岸国の石油貿易などを担う重要な国際航路でありまして、その航路の安全確保は、利用する世界各国、日本だけではなくて、中国もあれば、韓国もあれば、多様な国がありますけれども、その共通の利益であります。我が国だけで対応するというのではなくて、国際的な取組が必要だと思います。  例えばアデン湾の海賊対策については、欧米諸国や日中韓、インド、オーストラリア、シンガポールなどが参加をして、国際的な取組が既になされております。また、マラッカ海峡についても、シンガポールが航路に関する情報統合センターを設置して、日本も含めた利用国との国際協力を進めているわけであります。  こうした国際協力によって航路の安全性を確保する、この点についての総理の認識を伺いたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本は資源の多くを輸入に頼っておりまして、生産された製品の市場を海外に求める貿易立国であります。日本の生命線である海上交通路の安全確保は、日本のみならず、国際社会全体の繁栄と発展に不可欠であります。  ホルムズ海峡については、岸田外務大臣が二〇一三年十一月にイランを訪問した際、ザリーフ外相との間で、ペルシャ湾と太平洋とをつなぐシーレーンにおける法の支配の尊重、制限のない貿易、航行の自由等の重要性について確認をいたしております。また、我が国は、海上の安全、海洋汚染の防止等の海事問題に関するルール策定に重要な役割を果たしている国際海事機関の活動に参加をしておりまして、重要な海運・造船国としての知見を生かして貢献をいたしております。  また、今委員が御指摘いただきましたホルムズ海峡のほかにも、ソマリア沖・アデン湾の海賊対策に関する国際的な取組においては、海上自衛隊の護衛艦や哨戒機を派遣をしております。また、マラッカ海峡の海賊問題に対しても、我が国は、アジア海賊対策地域協力協定の作成を主導したほか、各国の海上保安機関間の法執行能力の向上や連携協力に努めているところでありまして、これらの国際的取組においては、今後とも、関係各国との連携を密にして、我が国として積極的に貢献していく考えでございます。

山口那津男公明党

○山口那津男君 資料一のパネルを示します。(資料提示)これは、一九九一年の湾岸戦争が終わった直後、三月十七日に私自身がクウェートで上空で撮影をしたものであります。イラク軍が撤退のときに油田に火を放ち、もうもうたる黒煙を上げ、大変な環境破壊を行いました。  そして、パネル三を示します。これは、多数の油田が燃え盛ってクウェート上空が黒い煙で覆われている状況であります。  続いて、パネル二を示します。これは、上空は晴れているんですが、その燃えた黒煙が空を覆い尽くし、そしてその下の地上は昼なお薄暗い状態。気温は、昼で何もなければ四十度に達するそういう時期に、僅か十四度しかありませんでした。そうした状況が生じた中で、イラクはさらに、このクウェートの沖合に機雷を多数、千二百個とも言われましたが、機雷を多数敷設して港を封鎖したわけであります。  パネルの四を示します。このときに、私が三月十七日に入ったときは、欧米諸国が既に掃海作業を進めていて、商業船が出入りする航路は開かれておりました。日本から掃海艇を派遣して掃海はどうかと尋ねたところ、今から時間を掛けてやるには少し遅いので積極的に来てくださいとは言いにくいというのがクウェート首相の考え方でありました。しかし、政府は自衛隊法を適用してこの機雷掃海をやるという決断をして、三十四個の処理の難しい機雷処理をやり遂げた、これは立派な活動だったと思います。  これは、日本政府が当時、停戦合意を確認して行った作業だったわけでありますが、その経緯と法的根拠について述べていただきたいと思います。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 一九九一年四月から同年十月までの間、防衛庁、当時、自衛隊法九十九条、現行は八十四条の二ですが、この規定に基づいて海上自衛隊の掃海艇等をペルシャ湾に派遣をいたしました。  この措置は、湾岸危機において正式停戦が成立をし、湾岸に平和が回復した状況の下で、我が国の船舶の航行の安全を確保するため海上に遺棄されたと認められた機雷を除去したものでありまして、憲法の禁じる武力の行使にもいわゆる海外派兵にも当たるものではございません。国際社会において大きな責任を果たすことが求められている我が国といたしましては、資金、物資の面のみならず人的な支援を行っていくことが必要であるところ、当該機雷の除去は、船舶の航行の安全の確保及び被災国の復興という平和的、人道的な目的を有する人的貢献策の一つとして意義を有したものであると認識しております。

山口那津男公明党

○山口那津男君 この自衛隊法の適用判断の基準というのは、必ずしも議論され尽くしておりません。また、この度の国際平和支援法、新法を適用して掃海を行うことも可能性はあると思います。これまでの総理の答弁を整理しますと、戦闘状態が続いている間は掃海作業はしないと、こう明確に答弁されております。停戦合意があればこれはできると、これがはっきりした答えであります。  ところで、現実にこの湾岸諸国でイランなどがホルムズ海峡に機雷を敷設するような国際情勢が想定できるのでしょうか。これまで総理はロウハニ大統領と会談も行い、外務大臣もイランを訪問し、また、先頃、EU3プラス3でイランとの合意もでき、アメリカ議会はこれを承認しました。それらを考えたときに、現実の想定できるんですか、外務大臣。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 政府としましては、イランを含めた特定の国がホルムズ海峡に機雷を敷設するとは想定しておりません。特定の二国間関係あるいは国際情勢のみを念頭に存立危機事態を設けているものでもありません。ただ、このホルムズ海峡を擁する中東地域におきまして、安全保障環境、ますます厳しさ、不透明性を増していると認識をしています。新たな紛争の火種も発生するなど、厳しさ、不透明性が増している状況ですので、あらゆる事態に万全の備えを整備していくこと、このことは重要であるというふうに考えております。

山口那津男公明党

○山口那津男君 そうした国際協力を進め、イランなどと対話を進め、そしてまた、様々な資源を、エネルギーを供給するルートを開き、こういうところで武力を使う、自衛権を使って掃海作業をするということは避けるべきだと思いますが、現実に、総理、自衛権を使ってこのペルシャ湾で掃海をするということは、今のイラン、中東情勢の分析からすれば、これ想定できるんでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 他国に対する武力攻撃の一環として敷設された機雷を除去する行為は武力の行使に当たり得るわけでありますが、政府が想定しているホルムズ海峡における機雷掃海については、機雷が敷設された後、事実上の停戦状態となり、戦闘行為はもはや行われていないが正式停戦が行われず、遺棄機雷とは認められないようなケースでございます。機雷の掃海はその性質上、あくまでも受動的かつ限定的な行為であり、外国の領域で行うものであっても新三要件を満たすことがあり得ると考えています。  このように、ホルムズ海峡における機雷掃海は新三要件に該当する場合もあり得るものでありますが、今現在の国際情勢に照らせば、現実の問題として発生することを具体的に想定しているものではありません。

山口那津男公明党

○山口那津男君 その具体的に想定しているものではないと、その想定をこれからも維持できるようにしっかり政府として取り組んでいただきたいと思います。  さて、次に、昨年、小笠原近海で中国漁船のサンゴ密漁がありました。これへの対応は、罰則強化など法改正、あるいは海上保安庁の法執行体制を強化して、中国との外交交渉も通じて事態を収拾しました。ここから教訓が得られる部分もあると思います。  総理は、海洋における法の支配を国際会議あるいは先頃の七十年談話でも強調されました。その点で、この海上保安庁の法執行力、巡視船の強化あるいは乗組員の拡充、あるいは国際社会と人材育成によるネットワークを構築すること、こういう政策を国策としてしっかり国として取っていくことが重要だと思いますが、総理の御答弁をお願いします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 昨年秋以降、中国サンゴ船と見られる外国漁船が多数確認され、緊急的な対応として、水産庁、海上保安庁等が連携し、特別な体制をしいて厳正な取締りを行うとともに、外交ルートを通じた累次にわたる中国側への申入れや議員立法による外国漁船の違法操業の罰金の上限の三千万円までの引上げを行うなど、制度面、運用面において徹底した対策を講じ、その後も継続した警戒を行ったこと等によって、中国サンゴ船はこの海域では確認されなくなりました。  委員御指摘のとおり、私としても、海洋における法の支配を確立するためには法執行力を大幅に拡充強化すべきであると考えています。このため、戦略的観点から、巡視船、航空機の整備や要員の確保等、必要な体制強化を計画的に図ってまいりたいと考えております。加えて、アジア諸国の海上保安機関との連携を深めるため共同訓練の実施や人材確保への協力を行うなど、関係各国との協力関係を一層強化していく考えであります。  今後とも、我が国の領土、領海を断固として守り抜くとの決意の下、我が国周辺海域の警戒警備にも万全を期していく考えでございます。

山口那津男公明党

○山口那津男君 パネル五を示します。  この平和安全法制で抑止力を強化することは重要でありますが、これ、何のためにやるかというと、これを実際に使うためではなくて、対話によって外交的な手段で平和的に物事を解決するということであります。  アメリカは、先頃の海洋戦略によって、一つの柱として多国間の安全保障対話機構を生かすべきである、例としてEASやARFなどを挙げております。ARFは、北朝鮮も参加しているというところが重要です。EASは、日中韓あるいはロシアなども参加しているということが重要であります。  これらに対する総理の認識と、そしてまた先頃提案された日中韓の首脳会談に臨む姿勢について、最後にお伺いしたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) まずもって、外交を通じて平和を確保していくことが重要であることは言をまたないと思います。その上で、万が一の備えも必要であります。平和安全法制は紛争を未然に防ぐためのものであります。  先般、米国防省はアジア太平洋地域における海洋安全保障戦略に関する報告書を提出をいたしました。その報告書の中では、国防省が進めている四つの取組の一つとして、地域の安全保障機構の強化及び開放的、効果的な安全保障枠組みの発展の奨励が挙げられていると承知をしておりますが、アジア太平洋地域は域内各国の発展段階、政治経済体制、安全保障政策が大きく異なっているという特色を有しています。  我が国としても、このようなアジア太平洋地域の多様性を踏まえ、日米同盟を基軸としつつ、東アジア首脳会議、EAS、そしてASEAN地域フォーラム、ARF、そして拡大ASEAN国防相会議、ADMMプラスなど様々な対話の枠組みを重層的に活用していく考えであります。さらに、昨年十一月に初の日・ASEAN防衛担当大臣ラウンドテーブルがミャンマーで開催されましたが、これは平成二十五年の日・ASEAN特別首脳会議で私が開催を提案したものでございます。  そしてまた、法の支配を徹底するために、このような地域枠組みを活用していくことも重要であると考えます。例えば、昨年の東アジア首脳会議において、私から法の支配の原則に基づく海洋の秩序を維持強化する必要性を指摘したところであります。また、本年のASEAN地域フォーラムにおいて、岸田外務大臣から海における法の支配の三原則の徹底を呼びかけたところでございますが、こうしたマルチの枠組みを積極的に活用し、地域社会の平和と安定につなげていきたいと、こう考えております。  そしてまた、日中韓のサミットについてでございますが、従来から早期開催を主張してきたわけでございますが、三月に日中韓外相会議を開催し、直後にシンガポールで朴槿恵大統領に早期開催を働きかけたところであります。日中韓三か国はこの地域の平和と安定に大きな責任を共有しており、この三か国の枠組みを活用して、幅広い分野で協力関係を強化していく必要があります。地理的な近接性と文化的な深いつながりを有する日中韓三か国の間の協力を一層促進し、強化していきたいと思います。  日中韓サミットの日程、議題については今後調整していくこととなりますが、地域の平和と安定のために有意義な議論を行う機会としたいと思います。日中韓の首脳会談が実現した際は、朴槿恵大統領、李克強首相とそれぞれ日韓、日中の首脳会談も開催したいと考えています。  それぞれ隣国ゆえ難しい問題があるわけでありますが、だからこそ前提条件を付けずに首脳会談を開催すべきであると、このように考えております。

山口那津男公明党

○山口那津男君 これで終わります。ありがとうございました。

片山虎之助維新の党

○片山虎之助君 維新の党の片山虎之助でございます。  最近、災害が多うございますけれども、まず、災害でお亡くなりになりました皆さんに心からお悔やみを申し上げたいと思いますし、災害で被害をお受けになった皆さんにお見舞いを申し上げたいと、こういうふうに思います。  いよいよこの安保関係法案の審議も大詰めですね。(発言する者あり)大詰めです、大詰め。ただ、そういうことから、おさらいを含めまして、私、少し基本論を最初にやらせていただこうかと、こういうように思います。  今もお話ありましたが、私、この八月の朝鮮半島の南北の対立と砲撃のし合いを見て驚きました。やっぱり一触即発ですね、そういう感じがある。だから、朝鮮半島はいつでも有事になる、こういう可能性が非常にある。それから、九月になりますと、九月三日だったですか、北京で軍事パレードが、抗日戦争七十周年でしょうか、中国が派手におやりになる。力の誇示ですよね。  そういうことの中で、どうやって安全保障を守っていくかというのは私は大切なことだと、こう思いますし、救いは、今もお話ありましたが、日中韓の三首脳のサミットですか、ただ恐らく中国と韓国は共同歩調になるかもしれませんね、日本に対しては。  そういうことで、今も御答弁ありましたが、それに付け加えることがあれば含めまして、安全保障環境を含めての総理のまず所見をお伺いしたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国は、日中韓の首脳会談について早期開催をずっと要請をしてきたところでございます。確かに、日中、日韓、これ隣国であるがゆえに様々な課題があります。しかし、様々な課題があるからこそ常に意思疎通をしていくことが大切であろうと、こう思います。そのために首脳会談等を、課題があるからこそ、問題があるからこそ行うべきではないかと、こう申し上げてきたところでございます。  中韓両国に関する御指摘については、これは第三国同士でございますのでコメントは差し控えさせていただきたいと、このように思いますが、日中韓の三か国はこの地域の平和と安定に大きな責任を共有しており、この三か国の枠組みを活用して幅広い分野で協力関係を強化していく必要があると思います。地理的な近接性と文化的な深いつながりを有する日中韓三か国の間の協力を一層促進、強化していきたいと、こう考えているところでございます。

片山虎之助維新の党

○片山虎之助君 是非三国仲よく緊張緩和と、こういうことなんでしょうが、安全保障環境は大変厳しい、そういうことの中で私どもは切れ目のない安全保障体制を築く、アメリカとのチームワークというんでしょうか、それを強化していく、あるいは抑止力の向上を図るということは基本的には賛成なんですよ。  ただ、ここから先はもう何度も同じことを恐らく総理も聞かれているし、我々を含めて野党は言っていると思いますが、しかし、それは必要なんだけれども、あくまでも現行憲法の範囲内でやる、もう一つは、七十年間日本国民が営々として培った平和国家のイメージを損なわないと、こういうことが必要なんですね。しかも、それは国民が相当程度納得してくれると、こういうことで私はやるべきだと思いますが、総理、いかがですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさにこの大きな安全保障環境の変化に対する認識、そしてまた、あるいはそれに対する現状の法制度に対する危機感については、片山先生を始め御党と大体我々は共有しているのではないかと思います。  ただ同時に、この国際法との関係における整理等も含めて我が党案と御党案は、我々の政府案と御党案は違うわけでありますが、今後、国民的な理解が更に深まるように我々も努力をしていきたいと思います。

片山虎之助維新の党

○片山虎之助君 私は、そういう意味では、総理、欲張るべきでないし、急ぐべきでないと思うんですよ。取りあえずやれることをやる、しっかりと。それはちょっと、もう少しやりたい、不十分だと、こういう意見は当然ありますよ。あるいは、同盟国も物すごく期待があるかもしれぬ。しかし、まずやれることをやる、欲張らない、急がない、タイミングを見てやる、こういうことがまた必要じゃないかと思いますが、いかがですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに、急いではならないということもございまして、私は二〇〇六年に総理に就任をしたわけでございますが、一年間近く安保法制懇において議論を進めてきたわけでございますが、当時はもちろんまだまだ国民的な、また与党の中におきましても、当時は自民党の幹事長を務めておられましたが、与党の中でも議論が深まっていないという中におきましては、これはそれ以上進めていくことは断念したところでございますが。  今回も、政権に復帰いたしましてからも、かなり長い間有識者の皆さんに御議論をいただき、昨年の五月十五日に報告書を提出をしていただき、更にその後議論を重ねた、与党で議論を何回も重ねた上に七月の一日に閣議決定をして解釈を変更し、そして法案の作成に入ったわけでありますが、与党だけにおきましても二十五回これは協議を重ねてきたものでありまして、そういう意味では十分に時間を掛けてきたという、そういう認識があるところでございます。

片山虎之助維新の党

○片山虎之助君 ここはいろいろな見解が分かれるところなんですけれどもね、総理。  そこで、今これだけ理解が進まないとか違憲だとかという議論が多いでしょう。私は、やっぱり半分ぐらいは、まあしようがないか、政府やってくれと、こういうことだと思うんですね。足りないところはありますよ。足りないところは今までも努力してきたんだから、ソフトパワーというのか、外交的な努力だとかODAだとか、あるいはスポーツや文化や芸術や、いろんな団体の経済交流を含めて、そういうことの総合力で補っていって、やっぱりこの安保法制だけでこれをわっと拡充してと、こういうのは私はもう少しスピードを落とした方がいいような気がするので、いつも総理には申し訳ないんですけれども、急がば回れと言うんですけれども、それについてはお考え直すあれはありませんか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 尊敬する片山先輩のお言葉でございますから、十分に拳々服膺をしていきたいと、このように思うわけでございますが、この法案につきましては、安全保障環境が変わる中において、これは一日も早く成立をさせたいと思っておりますが、ただ、多くの国民の皆様の中で理解が広がっていないという状況もしっかりと真摯に受け止めながら、理解をしていただけるように努力もしていきたいと思いますし、また御党とも修正協議等について御議論をさせていただいたところでございますが、他党の御意見にもしっかりと耳を傾けていきたいと、こう思っているところでございます。

片山虎之助維新の党

○片山虎之助君 今総理からもお話ありましたが、私どもは対案を作って、野党というのは反対するだけでは駄目だと私は思うんです。政府案に対していろいろ注文があるなら対案を作って、作らせていただきました。政府の方は二本ですけれども、私どもは八本作った。七本は単独で一本は民主党と共同で出させていただいておりますが。  それでまた、今与党の皆さんと大変真摯な修正協議をやらせていただいております。衆議院で二回やり、参議院でも三回やりまして、もう少しやることになると思いますけれども、相当に理解は深まっているんですが、なかなかそれでは、距離が縮まるかというと、なかなかそこまでは行きませんわね。じゃ、そういうことで、今日は与党と我々維新の党とのあれでございますけれども、政府の最高責任者である総理の見解も含めながら、最終的にはあれはどういうふうに考えていくかと、こう思っております。  総理、我々は、今の政府案はあれだけ違憲違憲と言われるんですから、岡山弁でいけんというのは駄目だということなんですよ。違憲はいけんと言ってやっているんだね。だから、違憲性の削除といいますか、違憲性のリスクを少なくするということが我々の案なんですよ。合憲でやる。国民がもう半分ぐらい理解してくれる、自衛官の皆さんもそれを見てまあまあ泣かないと、こういうのが我々の理想でございまして、その案につきまして総理にこれから順次お尋ねいたしますけれども、一番中心は存立危機事態ですよね、集団的自衛権の限定使用の範囲、要件。私どもの方は武力攻撃危機事態、ちょっと名前は長いんですけれども、こうやっている。  どこが違うかというと、構成要件の厳密性なんですよ。政府の方は、武力攻撃を受けた、他国が武力攻撃を受けて、そのことが国の存立を危うくして、国民の生命、自由、幸福追求の権利を根底から覆すと。言葉は大変私は大仰でちゃんとしていると思いますけれども、それじゃ具体的に何かというと、ぱっと思い浮かばない。それで総理は、ホルムズ海峡の機雷掃海の例なんか出されたんですよね。私どもの方は、そこはきちっと外形標準といいますか、要件を決めて、しかも日本への攻撃が必ず付いてくると。日本が攻撃されるというような場合にこれが発動できるということにしているんですよ。  総理、それについてどういうお考えでしょうか。  修正についての大きい項目はここの一覧表のとおりです。(資料提示)

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、我が国に対する直接の武力攻撃が発生していない段階においても自国防衛のための自衛権行使を認めるという点においては、維新案と政府案は方向性を同じくするものであると考えられます。その上で、政府案では我が国が武力の行使を行い得るのは新三要件を満たす場合に限られるが、これは憲法上、明確かつ厳格な歯止めになっていると、これは今委員からの御指摘ではございますが、我々はそう考えて、明確な歯止めになっていると、こう考えております。今般の法整備において過不足なく明確に書き込まれているわけでありまして、新三要件は国際的に見ても他に例のない極めて厳しい基準であって、その時々の内閣が恣意的に解釈できるようなものでは決してないと考えております。  またさらに、実際の武力の行使を行うために自衛隊に防衛出動を命ずるに際しましては、これまで同様、原則として事前の国会承認を求めることが法律上明記をされており、政府が判断するのみならず、国会の御判断もいただき、民主主義国家として慎重の上にも慎重を期して判断されることになると、このように思います。

片山虎之助維新の党

○片山虎之助君 このパネルを見ていただくと分かりますように、維新の方は、日本周辺、条約締結国の軍隊、日本防衛のための活動中の外国の軍隊への武力攻撃がある、それが次に日本に対する武力攻撃を生むんだと、こういう明白な危険があるということを明らかにしているわけでありまして、政府の方は大変厳重だと今総理のお話がありましたが、このつながりが分からない。他国に対する武力攻撃が即根底から覆るような、存立を脅かすような危機になるのかどうかの判断なんですね。  これについて、維新の党の発議者、御意見あったらどうぞ。武力攻撃危機事態。

小野次郎維新の党

○委員以外の議員(小野次郎君) お答え申し上げます。  我が党の提出しております維新の党案、武力攻撃危機事態は要件が明確でございまして、存立危機事態と比べて極めて限定的なものとなっております。  すなわち、政府案の存立危機事態と異なり、一番目に我が国周辺の地域においてという地理的限定があり、しかも条約に基づき我が国の防衛のために活動している外国軍隊という条件設定がございます。つまり、米国軍に、安保条約に基づき我が国の防衛に活動しているアメリカ軍に対する武力攻撃に限定しております。こうした場合であって、かつ我が国に武力攻撃が及ぶこととなる場合に限定しております。  武力攻撃危機事態の構造については、以上のとおりでございます。

片山虎之助維新の党

○片山虎之助君 発議者、他国を攻撃して、それが日本の攻撃につながるところの基準というのはどう考えていますか。他国が武力攻撃受けますよね、他国の軍隊、それが日本の攻撃につながるという基準。

小野次郎維新の党

○委員以外の議員(小野次郎君) お答え申し上げます。  我が党案の武力攻撃危機事態が想定している一つの典型例として我々が掲げておりますのが、公海上で我が国を防衛中の米艦がミサイル攻撃を受けた場合です。この場合、現に我が国を防衛中の米艦船への攻撃があるという外形的かつ具体的な事態を捉えて、これにより我が国に武力攻撃が及ぶ明白な危険がある場合、すなわち、第二撃が我が国に及ぶ蓋然性が高く、外形的かつ具体的に我が国への武力攻撃の発生と同視できる場合に限って我が国が自衛権の行使をするというものでございます。

片山虎之助維新の党

○片山虎之助君 時間の関係で次に行きますが、ホルムズ海峡の機雷掃海の話なんですが、私どもは、ホルムズ海峡の機雷掃海を存立危機事態に入れるから国民の皆さんが分からないと思っているんですよ。これは完全な海外派兵ですよね、憲法違反なんですが、その今の新しい政府の考え方によると、三つの要件にもし該当すれば、これは合憲で可能だと。  ところが、第一の要件のそういう事態になるのかといったら、これはなかなかそうなりませんわね。なるほど原油だけの輸入は今ホルムズ海峡依存が八割ですけれども、それじゃ電源としては一五%なんですよ。だから、電源としての依存は一二、三%なんですよね。それで、これは三〇年にはもっとどっと落ちる。あるいは、一次エネルギーとしても恐らく三割ぐらいで、それが根底から覆るということになかなか、ホルムズ海峡のあれ、あるということには私はならないと思う。  それから、他に代わる手段がないかといったら、これはほかのエネルギーに替えればいいんですから、まあどこまで替えられるかというのもありますが、ルートを変えるというのもあるし、パイプラインの話もこの前ありました。シェールオイルでもいいんですから。  そういう意味で、第一、第二、第三の要件のうち、必要最小限かどうか。これは必要最小限度かもしれません。しかし、私は、第一と第二の要件には該当しないんじゃないかと。総理は、そういうこともあると今答弁されましたよね、山口代表の質問に。だが、恐らく、そういうこともあるという比率というのは私はもう極めて低い、悪いですけど、何万分の一じゃないかと思うんです。それで、そういうものは存立危機事態から外すことが分かりやすい。  その代わりどうするかというのは、これも先ほどお話ありましたが、私は、自衛隊法を改正して、遺棄機雷になるんですから、正式な停戦合意になったんだ、その正式な停戦合意のときまでに日本の自衛隊が間に合うように、準備行動として派遣をするという仕組みをつくったらいいと思うんです。それが、今のパネルも出ておりますし、資料にもありますけれども、自衛隊法の八十四条の二の第二項を作って、そういう準備行為を防衛大臣が命ずることによって行かせて、遺棄機雷になった途端に機雷掃海をやると。  問題は、事実上の停戦から停戦合意の発効までの一、二か月なんですよ。紛争中はやらないんですから、総理も何度も言われているように。だから、問題はその期間だけで、そのために存立危機事態にホルムズ海峡の機雷掃海を入れるというのは、私は国民にとっては大変分かりにくいと思いますが、いかがでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 自衛隊法第八十四条の二に基づいて機雷を除去するためには機雷が遺棄されたと認定されなければならないわけでありまして、しかしながら、事実上の停戦状態になったとしても、それだけでは機雷が遺棄されたと、こう評価されるものではないわけでありまして、他方、存立危機事態が認定され、第三要件を満たすときは、停戦合意がいまだなされず、敷設された機雷の除去が国際法上の武力の行使に当たると解釈される場合であっても、防衛出動を下令された海上自衛隊の部隊は機雷の除去を実施することが可能となります。  このため、事実上の停戦の後、停戦合意がなされる前の段階においては、防衛出動により機雷の除去を実施するべきものであり、自衛隊法第八十四条の二で準備をした方が早いというふうには我々は考えていないところでございます。

片山虎之助維新の党

○片山虎之助君 総理、戦争中、紛争中はやらないんですよね、それは。だから、事実上停戦になったときなんですよ。それから、正式な合意になったら遺棄機雷になるんですよ。だから、その私が言うのは一、二か月の間で、実際は一、二か月掛かって日本から掃海艇は行っているんですから、その間は準備行動の命令を出して行かせるんですよ。遺棄機雷になった途端、自衛隊がさっと掃海するんですよ。その方がずっと合理的で何の支障もないと思いますけれども、いかがですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この遺棄機雷の認定についてでありますけれども、停戦状態になったらすぐにそれは自動的に遺棄機雷と、こうなるわけではなくて、遺棄機雷が、停戦状態になり、かつ遺棄機雷、機雷が遺棄されたと評価されるという必要があると我々は考えるわけでありまして、それまでには少し時間が掛かるだろうと。  いずれにいたしましても、こうしたタイムラグをなるべく減らしていくという一つのお考えを示していただいたとは、このようには評価させていただきたいと思います。

片山虎之助維新の党

○片山虎之助君 それから、今与野党の修正協議で、後方支援なんですね。それで、非戦闘地域、後方地域をやめて、現に戦闘が行われていなければいいということなんですが、実際は実施地域をつくるんですよね、似たようなものを。それじゃ、何でそういう名前を変えるだけのような、考え方の違いはありますよ、それから、何で弾薬だとか、これから発進して戦闘に参加する飛行機の給油や整備を、わざわざ法律で止めていたんでしょう、それを直して何で入れるんですか。こういうことをやるから違憲だと言われるんですよ。いかがですか、防衛大臣。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) これは、現にニーズが発生したということで、日米間でいろんな協議をいたしているわけでございますが、そういう中で、こういった米側からのニーズもございますし、また、我が国も防衛力の整備の中でそういうことを実施するような能力も付いてまいりまして、そういう場合におきまして将来にわたりましていろんな事態に対応できることを念頭に加えたわけでございます。

片山虎之助維新の党

○片山虎之助君 あなたは今ニーズが発生したと言うが、発生したんですか。本当は、私がほかの党なら止めるんですよ。おかしいじゃないですか。ニーズはむしろないという意見がある。いかがですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) ガイドラインの協議をいたしておりますけれども、日米両政府は、我が国の平和と安全に関連する緊急事態に際しまして、自衛隊と米軍がより緊密に連携して適切に対応できるようにいろいろと政府関係機関等のために協議を実施をいたしておりまして、そういう中におきまして、将来のニーズとしてそういうことも必要性があるのではないかというようなことで米側からそのようなニーズも聞かせていただいたということでございます。

片山虎之助維新の党

○片山虎之助君 まあこの答弁もおかしいわね。  それからもう一つ、与野党協議で切れ目のない安保体制というのは、元々はグレーゾーンが大きな眼目だったんですよ。そのグレーゾーン対策で、法律を作らないでそれを運用でやるというのは、私はおかしいと思う。切れ目のない、まさにそれはグレーゾーン対策で、領域警備法案の範疇なんですよ。  総理、どうですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我々もかつてこの領域警備を検討したことがあったわけでございます。しかし、その後、海保、自衛隊、警察の連携が大変強化される中におきまして、様々な場面を想定した合同の訓練も行われるようになってきたわけでございます。その中におきまして閣議を電話で瞬時に行うということを可能にしたわけでございます。  要は、切れ目をなくしていくことがスムーズな、例えば海保が対応していたものが、海保が無理になったら自衛隊にこれは手渡していくということが、今までどちらかというとなるべく自分で、権限で頑張り続けるということ、あるいは情報を独占するという傾向もなきにしもあらずであったわけでありますが、現在は情報をしっかりと共有し合いながら、これはスムーズな海保から自衛隊へと、こうしたことが可能となったと、こう考えているところでございます。

片山虎之助維新の党

○片山虎之助君 あのね、日本の役所ほど、私もおったから分かるんですが、法律が好きな役所はないんですよ。  それが今回は縄張争いやなんかなんで、それはなるほどミリタリー・ミリタリーになると問題ありますよ、いろんなやり方があるんだから、どうやっていろんな機関をうまくつないで総合力を発揮させるかという法案にできるんですよ、法案の作り方によっては。それを、縄張争いのとばっちりみたいなことで、私は作らなきゃ大変問題だと思いますが、発議者どうですか。

柴田巧維新の党

○委員以外の議員(柴田巧君) 私ども維新の党も、この切れ目のない対応のためには、いわゆるグレーゾーン事態の対処として領域等の警備の在り方を考えることが急務だと認識をしております。この点、政府は、今も答弁がございましたが、何とか運用レベルで対応しようということのようですけれども、私どもはやはりこの領域警備に関しては法律レベルの整備が不可欠だと、こう考えるところです。  そこで、第一には、海上保安庁等の警察機関の能力を高めること、第二には、海上警備行動等の発令に至る前の段階であっても警察組織の活動を補完するため自衛隊が出動できるようにすること、そして第三には、自衛隊が前面に出ざるを得ないときにはすぐに治安出動等の発令を行えるようにすることが必要であって、そのいずれをも適切な形で行うためには新たな法律の整備が不可欠であると考えるところです。  その結果、事態の変動に応じた適切な対処措置を確実に政府にとらせることができるものと考えておりまして、まだこの委員会では議題にのってはおりませんけれども、民主党さんと私ども維新の党でこの領域警備法を提出したのは以上申し上げた理由からでございます。

片山虎之助維新の党

○片山虎之助君 存立危機事態という政府のお考えは、これは集団的自衛権ですから、例えば相手がアメリカのときはアメリカの要請や同意が要るんですよ。何でこれを今、総理や皆さんが合憲かと言っているかというと、自国防衛だから、結局は、自国防衛だからこれは合憲だと言われている。  ところが実際は、どこかの国の、アメリカならアメリカの要請や同意がなければ、実際はそういうことが発動できないと。自国防衛じゃないじゃないですか。相手の要請や何かがなければ。これは他国防衛じゃないの。いかがですか、総理。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 集団的自衛権というのは、自国が攻撃していないにもかかわらず、密接な関係にある他国を防衛することをいうわけでございますが、その中でも我々は、憲法との関係において、存立が脅かされ、国民の生命や自由や幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があるときということを限定をしているわけでございます。  つまり、集団的自衛権の中におきましても我が国を守るために武力を行使するということでございまして、当然これは憲法との関係においても今までの政府の基本的な考え方の上に解釈を変更したものでございます。

片山虎之助維新の党

○片山虎之助君 集団的自衛権というのはどうしてももう一方の国の要請や同意が要るので、我々は、こういう事態のときは集団的自衛権と個別的自衛権が重なっていると、こう思っているんですよ。個別的自衛権、実質はそれに近いんだけれども格好は集団的自衛権になる、そういう新しいパターンについては、これから国際法の中で議論して、国際法というのはみんなが認知したらそうなるんですから、そういうことを私は考えていくべきじゃないかと。このままでは、自国攻撃、他国攻撃というのはぴゃっとどういう反撃かで分かれちゃうんですよね。私は合理的じゃないと思いますが、御感想があれば、総理、どうですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我々は、現在の国際法の解釈においては、これは自国の領土、領海、領空に対する攻撃ということであり、言わば重なっているところはないと、こう考えております。

片山虎之助維新の党

○片山虎之助君 どうか欲張らず、急がず、急がば回れで、総理、よろしくお願いします。  終わります。     ─────────────

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) この際、委員の異動について御報告をいたします。  本日、山口那津男君が委員を辞任され、その補欠として平木大作君が選任されました。     ─────────────

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。  まず、相次ぐ自然災害で被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。  今回の安保法案が、四月二十七日に改定合意された日米防衛協力のための指針、ガイドラインを実行するために必要な法案であることは我が党の小池議員が暴露し、防衛省が提出した統合幕僚監部の内部文書にもはっきりと示されております。  統幕監部の文書は、ガイドラインの記載内容については、既存の現行法制で実現可能なものと平和安全法制関連法案の成立を待つ必要があるものがあると述べています。ガイドラインというのは安保法案がなければ実行できません。  そこで、ガイドラインと安保法案の関係等について聞きます。  総理、ガイドラインは、日本防衛はおろか、周辺事態さえも大きく超えて、文字どおり地球規模で米軍と自衛隊が協力すること、平時から有事に至るあらゆる段階で日米が切れ目なく共同対処することをうたっています。これがガイドラインの中心命題ですが、総理の認識を伺います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日米間では、ガイドライン見直しと平和安全法制の整備との整合性を確保することの重要性を確認した上で、平和安全法制の整備の進展を踏まえながらガイドライン見直し作業を進めてきたところであります。したがって、新ガイドラインの内容には、平和安全法制において、改正法や新法に基づき新たに可能になる事項も含まれているわけであります。  以上でございまして、その中でガイドラインをお示しをしているところでございます。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 ガイドラインには、「日本以外の国に対する武力攻撃への対処行動」という項目が初めて盛り込まれました。防衛大臣、そこに何と書いてありますか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 「日本以外の国に対する武力攻撃への対処行動」ということで、日米両国が、各々、米国又は第三国に対する武力攻撃に対処するため、主権の十分な尊重を含む国際法並びに各々の憲法及び国内法に従い、武力の行使を伴う行動を取ることを決定する場合であって、日本が武力攻撃を受けるに至っていないとき、日米両国は、当該武力攻撃への対処及び更なる攻撃の抑止において緊密に協力をする。共同対処は、政府全体にわたる同盟調整メカニズムを通じて調整をされる。  以上です。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 パネルにしました。(資料提示)  日米両国が、米国又は第三国に対する武力攻撃に対処するため、武力の行使を伴う行動を取ると。これは、日本は攻撃されていないのに米国のために武力の行使をするということです。  歴代政権は、憲法九条の下でこんなことはできないとしてきました。ところが、安倍政権は、憲法の解釈を変えて、安保法制を作ってこれをできるようにしております。国民の過半数がこれは憲法違反だと。国民の七割が今国会の成立には反対だと声を上げるのは当然だと言わなければなりません。同時に、私は、今の日米安保条約の下でこんなことができるのかということも問われていると思います。  外務大臣、安保条約第五条は、日米両国はどのような場合に共通の危険に対処するとしていますか。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 日米安全保障条約ですが、第五条におきまして、「各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宣言する。」、このように記載しております。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 今ありましたように、日米安保条約は、日本の領域で日米いずれか一方に対する武力攻撃があった場合、共通の危険に対処する、すなわち武力行使をするというふうにしています。ところが、ガイドラインは、米国又は第三国に対する武力攻撃があれば武力行使するとしたわけですね。日本が武力行使する場面が大きく拡大されました。  外務大臣、現行安保条約の下でどうしてこんなことができるんですか。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) ガイドラインですが、従来のガイドラインにおいてもこれは構造は同じでしたが、元々日米安保条約及びその関連条約を根拠とする内容と、一方、日米安全保障条約あるいは関連法令に根拠を置かないもの、この両方を含むという構造であります。これは、従来のガイドラインも今年新たにされたガイドラインも同じであります。こういった構造があるからこそ、従来から我が国は、ハイチにおける地震対策ですとかあるいはソマリア・アデン湾における海賊対策、こういったことができた、こうした説明がされております。  この安全保障条約において説明される部分と元々根拠を置いていない部分両方を含む、この構造につきましては、ガイドラインの構造、従来と全く変わっておりません。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 全然答弁になっていませんよ。安保条約上何でこんなことができるんですかと聞いているんですよ。地震対策とか海賊対策と違いますよ。武力行使を他国に対してやるんですよ。  安保条約第五条は米国が対日防衛義務を負う、そして六条で日本が米国に基地提供義務を負う、こう説明してきました。米国への武力攻撃で共同対処するなどどこにも書いていないじゃないですか。  総理、安保条約のどこにこんなことができると、根拠があるんですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) これは、憲法上我が国による武力の行使が許されるのは、あくまでも新三要件、これを満たす場合に限られるわけでありまして、すなわち、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があるとは言えない場合、そして他に適当な手段がある場合、そして必要最小限度の範囲を超える場合、これは新三要件を満たさないということで、武力の行使は許されない、米国からの集団的自衛権の要請があったとしても断るわけでございます。  あくまでも我が国の国益に照らして主体的に判断するものでありまして、新ガイドラインの下で協力を含めて日米間で協議をいたしましたが、この新三要件につきましては米国にも十分説明をしておりまして、新ガイドラインの中で、日本が武力行使をするのは日本国民を守るためだとはっきりと書き込んでおります。このことは日本とアメリカの共通の認識でございます。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 安保条約の根拠、どこにあるのかと聞いているんですよ。ここに、日米両国が米国又は第三国に対する武力行使に対処して武力の行使をやると書いてあるんですよ。安保条約のどこにその根拠があるのか。  総理、これでは、日本が基地を提供する、米国が日本を防衛する、この安保条約の権利義務を根幹から変えることになるじゃありませんか。どこに根拠があるんですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 言わば、今回の平和安全法制における存立危機事態については、これは条約上の義務を果たすためのものではないわけでございまして、まさにこれは我が国の平和と安全を守るため、つまり、国の存立が危うくなり、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があるときに武力の行使をするということでございまして、言わばこれは米国のために義務を負って行使をするものではございませんから、これは日米安保条約上の義務を果たすということではなくて、まさにこれは我が国を守るために武力の行使をするということでございます。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 結局、安保条約では説明ができないということですよ。これ、事実上安保条約の改定ですよ。憲法の解釈を勝手に変えて、安保条約の枠も超えて、日本が武力行使する場面を飛躍的に拡大させようとしている。憲法の読み方だって変えて、やろうとしているじゃありませんか。こんなことを国会にも諮らずにアメリカに行って誓約する。これ、日本の独立と主権をないがしろにするやり方だと言わなければなりません。  ガイドラインはそのほかにも様々なことを決めています。例えば、同盟調整メカニズムというのがあります。日米両国は緊密に協力する、共同対処は政府全体にわたる同盟調整メカニズムを通じて調整されるとありますが、防衛大臣、これはどういう意味ですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 同盟調整メカニズムとは、日本の平和と安全に影響を与える状況その他の同盟としての対応を必要とする可能性が、あらゆる状況に対して切れ目なく実効的に対処するために日米両政府において設置されるものでありまして、自衛隊及び米軍の活動に係る政策面及び運用面の調整を強化をするということです。  九七年のガイドラインの下で構築された日米間の調整メカニズム、これは武力攻撃事態や周辺事態に際して日米両国が行う各種の活動の調整を図ることを目的としておりました。また、九七年のガイドラインにおきまして、同メカニズムは、我が国に武力攻撃が差し迫っている場合や周辺事態が予測される場合に運用を開始するものとされておりました。  これに対し同盟調整メカニズムは、現下の安全保障環境において安全保障上の脅威が日米両国の平和と安全に深刻かつ即時の影響を与えることを踏まえて、上記のような事態のみならず、国内の大規模災害時を含め、平時から緊急事態までのあらゆる段階において日米間の調整を図ることを目的とするとともに、平素から構築しておくだけではなくて、平時から利用可能なものとして調整所要に適切に即応できる態勢を維持することを目的といたしたものでございます。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 日米間で平時から有事まで自衛隊と米軍の政策面、運用面、すなわち作戦面の調整を強化するということは、日米統合司令部をつくって日本以外の国への攻撃に対する対処をするということじゃないですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) これはあくまでも調整メカニズムでございまして、あくまでもそれぞれの国の指揮権に応じて対応するということになるわけでありますし、またこれの全体像としては、2プラス2という閣僚会議があれば、その下に日米の安全保障小委員会などの局長級とかまた課長級とかありまして、その下に自衛隊と米軍の関係の調整があると、そのような総合的なメカニズムのことを同盟調整メカニズムというふうに呼んでおります。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 この防衛省提出の統幕文書を見ますと、安保法案成立に先立って、八月には防衛協力小委員会、SDCから指示の発出がなされ、日米間の同盟調整メカニズム、ACMの運用が開始されることになっております。このACMは常設で、その中に軍軍間の調整所が設置されることになっております。  そこで、防衛大臣、このSDCの指示文書は発出されたのか。既にACM、この同盟調整メカニズムは動いているんじゃないですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) これは、ガイドラインが合意されたのは四月の二十八日でございまして、ガイドライン、まずその前のガイドライン、九七年のガイドラインですけれども、もう既に日米間の調整メカニズム、BCM、また包括的なメカニズム、これはいずれも日米双方の参加を得るという性質のものでございます。  このメカニズムにおいて日米双方が参加して適切に作業していくために日米間で必須な事項について確認をしておくことが必要でございますが、この日米間の調整メカニズム、BCM、また包括的なメカニズムの設置におきましては、確認した内容において日米の共同発表等において適切に発表をしたわけでございまして、このガイドラインの発表と五月の閣議決定を受けまして、その後対応しているということでございます。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 この統幕文書のスケジュール表に、八月にSDCが指示の発出をし、ACM、同盟調整メカニズムが運用が開始されると書いてあるんですよ。そうしているんですか、もう。動いているんですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) この新ガイドラインにおきましては、本年四月の2プラス2の共同発表におきまして、防衛協力小委員会、SDCに対して同盟調整メカニズムの設置等について指示がなされていることから、今後の検討を行うということにつきましては、私は、もう既にこれ公表されて指示がされているということで、当然ではないかと考えております。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 同盟調整メカニズム、そうしたら動いているんですね。文書を発出されてACMは動いているんですね。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 私が申し上げましたのは、SDCに対して同盟調整メカニズムの設置等について指示がなされているということでございます。これはまだ動いていなくて、今検討中であると認識しております。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 SDCに対してじゃなくて、SDCから指示が発出されることになっているんですが、その指示は発出されたんですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) それはまだでございます。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 しっかりと受け止めていただけていないようなんですが。  じゃ、まだ動いていないと。いつ動くんですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) これは日米間で協議を行いますが、私といたしましては、可能な限り早急に動き始めるものではないかと思っております。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 統幕文書には軍軍間の調整所の運用要領について検討するとありますが、この軍軍間の調整所の運用要領はできたんですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 検討中でございます。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 軍軍間の調整所はどこにどんなメンバーで設置するのか、何を調整するのか、お答えください。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 同盟調整メカニズムの構成員につきましては、今後、日米間で具体的な検討を進めていくことになります。この同盟調整メカニズムは、日本の平和及び安全に影響を与える状況その他の同盟としての対応を必要とする可能性があるあらゆる状況において活用されるということで、具体的案件としましては、発生する事案等により異なるものでありまして、あらかじめお答えすることは困難ですが、一般論として申し上げれば、地域及びグローバルな協力についても調整の対象になることはあり得ると考えておりまして、今後、日米間で具体的な検討を進めていくことになります。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 どこに設置するんでしょうか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) この具体的な内容につきましては、今後、日米間で必要な実施要領、また基盤等の検討を進めていく予定でありまして、現時点で具体的な設置の期限、これが定められているわけではございません。  他方、現行の安全保障の環境におきまして、安全保障上の脅威が日米両国の平和と安全に深刻かつ即時の影響を与え得ることを踏まえますと、可能な限り速やかに設置できるように検討を鋭意進めていく考えでございます。  また、我が国といたしまして、同盟調整メカニズムが設置されるまでの間も、日本の平和と安全に影響を与える状況その他の同盟としての対応を必要とする可能性があるあらゆる状況に、切れ目のない、実効的に対処するための既存の日米間の調整メカニズム、この下で可能な限りの対応をしていくということは当然のことでございます。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 場所を全然お答えにならないんですが、横田ですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 場所は検討中でございます。  既存の日米の調整メカニズムの下で可能な限り対応をしていくということでございますが、これからの組織等につきましては、現時点で具体的なものが決まっているわけではございません。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 では、現在、自衛隊の司令部機能、自衛艦隊司令部、航空総隊司令部、中央即応集団司令部は、それぞれどこに置かれていますか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 横田、横須賀、座間にございます。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 自衛艦隊司令部は横須賀に米海軍とともにあります。航空総隊司令部は、二〇一二年に府中から米軍横田基地内に移転しております。中央即応集団司令部も、二〇一三年に朝霞から米軍キャンプ座間に移転いたしました。既に陸海空全ての自衛隊司令部が米軍基地内に置かれて、日米の司令部は一体化しております。  防衛大臣、そういうことですね。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) そのとおりでございますが、あくまでも調整所でありまして、例えば東日本の大震災のときにおきましては横田の在日米軍司令部に、日本の部隊の関係機関等で震災の対応等もいたしましたが、あくまでも共同の調整所があるということでございます。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 場所だけ一体になるはずないんですよ。  驚くべきことで、この十年間の米軍再編で、日米陸海空司令部の一体化は進んでいる。その上、軍軍間の調整所を常設でつくる、これはもう一体化を更に深化させようということにほかなりません。法案審議の裏でこうした体制が着々と構築されております。  もう一つ、ガイドラインで重要なポイントが共同計画の策定です。日米共同作戦計画を作るということですが、中谷大臣、共同計画の策定について説明してください。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 新ガイドラインにおきまして、日米両政府は、我が国の平和と安全に関連する緊急事態に際し、自衛隊と米軍がより緊密に連携して適切に対応できるように、各々の政府の関係機関を包含する改良された共同計画策定メカニズム、これを活用しまして平時から共同計画の策定、更新を行い、その成果を最大限活用すべく努めてまいっております。  これまでも包括的なメカニズムの下に関係省庁の関与を得つつ、日米共同の計画検討作業が進められてきておりますが、新ガイドラインは日米の共同計画の策定、更新に当たって、適切な場合に関係省庁の情報提供を得ることが明記をされております。  このように、新ガイドラインの下での共同計画の策定、更新、これは日米双方の関係省庁の一層の関与を得た形で進めていくことになると考えております。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 共同計画ではどういうことを決めるんですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) これは、先ほど説明をいたしましたが、我が国の平和と安全に関連する緊急事態に際して、自衛隊と米軍がより緊密に連携して適切に対応できるように、政府の関係機関を包含するようにいたしました共同計画策定メカニズムを活用いたしまして平時から共同計画を策定をするということでございます。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 ガイドラインにはこう書いてあるんですよ。「運用面及び後方支援面の所要並びにこれを満たす方策をあらかじめ特定する」、こう書いてあります。これは、平時から緊急事態に至るまで、どういう情勢下で米軍がどういう作戦を行うのか、その際、自衛隊はどういう作戦を行い、どの部隊がそれを担うのか、政府機関、自治体、民間事業者がどういう協力を行うのか、こうしたことを日米であらかじめ特定しておくということじゃないんですか。ガイドラインにそう書いてあります。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) ガイドラインで合意をしたことが記述をされておりまして、それに従って行っていくということでございます。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 今言ったようなことがやられるんですね。確認します。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) これは日米間の計画等でございますので、詳細には申し上げることはできないわけでございますが、もう既に九七年のガイドラインのときから共同作戦計画、また相互協力計画についての検討を行っておりまして、こういった作業の進展及び精緻化について確認がされて更なる検討を積み重ねてきたということで、今回のガイドラインの見直しにおきまして共同計画として策定、更新をしていくということになったということでございます。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 運用、所要、方策をあらかじめ特定するというふうに書いてあるんですね。  総理、こういう共同計画を作ったら、私は、米軍が何らかの事態で軍事行動を取れば、あらかじめ決められた自衛隊の部隊が動員されて、政府機関や自治体、民間の協力も求められる、これ自動参戦装置ということになるんじゃありませんか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国が武力の行使をするのは、あくまでも新三要件の下に自主的に判断をして武力の行使をするわけでありまして、それはまさに国の存立を全うし国民を守るためのものであります。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 幾ら口で言っても、もう実態は日米一体化が進んでいるわけですね、軍事面で。  米軍と自衛隊の軍軍間の調整所を設置し、共同作戦計画を策定したら、これどうなるかと。圧倒的な情報と部隊を持つ米軍が作戦上の主導権を握るのは当然じゃありませんか。これ、一体化とともに自衛隊の従属化が進む、自衛隊が米軍の指揮下に入るということにほかなりません。  既に自衛隊と米軍の一体化が進んでおります。一つは、訓練、演習です。  安保法案審議中のさなか、八月三十一日から九月九日まで、カリフォルニアの米軍基地で日米統合訓練ドーン・ブリッツ15が行われました。あれはどういう訓練でしたか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 本訓練は、島嶼防衛における自衛隊の統合運用能力の維持向上を図ることを目的として実施をいたしました。八月十八日から事前訓練を実施した上で、八月三十一日から九月九日までの間、米国カリフォルニア州キャンプ・ペンデルトン、サンクレメンテ島及び周辺海空域において実施をいたしました。  この訓練には三自衛隊の部隊約一千百名を派遣をいたしまして、陸上自衛隊からは、西部方面隊の人員三百二十名と、AH64D二機、中央即応集団の人員約三十名と、CH47JA二機が参加をいたしました。また、海上自衛隊からは、護衛艦「ひゅうが」、「あしがら」、輸送艦「くにさき」及び搭載されているSH60K三機、SH60Kが参加をいたしました。また、米軍からは、第三艦隊及び第一海兵機動展開部隊が参加をいたしたということでございます。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 自衛隊一千人、米海兵隊中心に三千人ですよ。これがそのときの写真ですが、自衛隊のヘリ空母「ひゅうが」の甲板上で離着艦訓練しているのは米海兵隊のオスプレイです。これ、誘導しているのは自衛隊員ですよ。米海兵隊と自衛隊による水陸両用作戦、上陸訓練も行われました。まさに、米軍と自衛隊が一体となった統合訓練がもう既に進んでおります。  訓練だけではなくて、基地の一体化も進んでおります。二〇一二年七月に統幕防衛計画部が作成した日米の動的防衛協力についてという文書があります。この文書は、九月十日の記者会見で河野統幕長がこの文書の存在を認めております。そこには、沖縄の米軍基地の十三の施設、二つの水域に自衛隊の部隊を配置し、そして共同使用するという計画が示されております。それを地図に落としたのがこのパネルであります。  米軍キャンプ・シュワブとキャンプ・ハンセンに陸上自衛隊の部隊を配置し、上陸訓練を行う。米軍北部訓練場では対ゲリラ訓練戦を共同して行う。そして、米軍伊江島補助飛行場でも自衛隊が離着陸訓練、上陸訓練、降下訓練を行う。驚いたのは、この米軍海兵隊キャンプ・コートニーに自衛隊の司令部を置く計画まであることです。  中谷大臣、もうこういうことまで計画しているんですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) これは、もう既に2プラス2とか、前大臣等がこういった共同使用について日米間で協議をしていくということは数年前から公表した上で行っておりまして、この信頼関係の下に実際の行動等におきましてもこの検討は進めてきているわけでございます。  また、日米の共同使用作業部会等がございまして、あらゆる選択肢を排除することなく、地元との関係も踏まえつつ幅広く検討を行っているところでございますが、その具体的な成果につきましては説明をできる段階にはないということでございます。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 このパネルで示された沖縄の米軍基地と自衛隊の共同使用、訓練、これは検討しているということですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) その提示をされた資料につきまして私におきましては承知をしておらず、どのような内容を前提とした御質問にお答えするというのは困難でございますが、先ほどお話をいたしましたが、一般論として申し上げますと、施設・区域の共同使用については、二〇一三年十月の2プラス2、新ガイドラインでもあるように、緊密な運用調整、相互運用の拡大、柔軟性や抗堪性の向上、地元とのより強固な関係の構築といった観点から、今後充実をさせるべき日米協力分野の一つと考えておりまして、あらゆる選択肢を排除することなく幅広く検討を行っているところでございますが、具体的な成果について説明できる段階にはないということでございます。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 九月三日の記者会見で河野統幕長は、共同使用については作業部会を設けて鋭意検討している、シュワブ、ハンセンも含め検討しているとはっきり答えていますよ。中谷さんの答弁と矛盾しているじゃないですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 統幕長の会見につきましてですが、統幕長は、その報道があることは承知しておりますと言うべきところを、その文書があるということは承知していますと言い間違えたものでありまして、このことは統幕長自身が直後に、文書の存在について現時点でお答えすることはできませんとお答えをしております。記者会見におきましてはそのように返事をしたということでございまして、その点につきまして明らかなことでございます。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 私が言ったのは、九月三日の答弁で統幕長は、キャンプ・ハンセン、キャンプ・シュワブも含め共同使用を検討していると言っているじゃないですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 統幕長は会見でも説明しましたが、その報道があるということは承知していると言うべきところを、文書があるということは承知していますと言い間違えたものでございます。  具体的にどこかということにつきましては、まだそういったことを発言できるような状況ではないということでございます。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 九月三日の記者会見、お読みですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 今、手元に、確認しました。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 その部分を読み上げてください、河野さんの。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) かなり量が多いのでどこの部分か分かりませんが、ちょっとその部分、問題の部分、ちょっと御指摘いただけませんでしょうか。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 会議録の一番最後にはっきりおっしゃっています。読んでください。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 最後の部分ですが、これ、以前に私が国会の答弁で、キャンプ・シュワブが代替施設ですけれども、恒常的な使用は考えていないというふうに言明されているのですということで、統幕長は、大臣が言われたのは、今、辺野古の代替施設の陸上自衛隊の恒常的な使用については考えていないと言われたと認識しております、恐らくそういうことです、私が申し上げているのはそこではなくて、シュワブ、ハンセンも含めて他の共同使用という意味です、それは今、全体として検討を進めているということで、作業部会を通じましてと発言をいたしたというところでございます。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 だから、今読み上げられたように、キャンプ・シュワブ、キャンプ・ハンセン、名前を二つ挙げて検討していると言っているんですよ。  大体、安倍政権が作った防衛大綱でも、南西地域における米軍施設・区域の自衛隊による共同使用の拡大と書いていますよ。ガイドラインでも、施設・区域の共同使用の強化とちゃんと盛り込まれていますよ。ごまかしちゃ駄目ですよ。  議論してきたように、日米同盟、新ガイドラインの下で、憲法も安保条約さえも踏みにじって、日米軍事一体化が地球規模で進められようとしています。それを完成させるために必要なのが今回の安保法案ですよ。日本の平和と安全、ためだというのは偽りの看板だと言わなければなりません。国民多数の声に応えて、戦争法案は廃案にすべきです。  最後にどうしても言いたい。  安倍政権は、一昨日、辺野古の新基地建設作業を再開いたしました。断固抗議したいと思います。本日、翁長知事は埋立承認取消しを通知しましたけれども、重く受け止めるべきであります。  戦争法案は憲法違反だという国民の声にも、新たな米軍基地は要らないという沖縄県民の声にも一切耳を傾けずに暴走する政権に未来はないことを指摘して、質問を終わります。

山田太郎日本を元気にする会・無所属会

○山田太郎君 日本を元気にする会の山田太郎でございます。  今回、北関東それから東北を中心にありました災害、洪水、それから今、阿蘇山も噴火していると、いろいろあります。お見舞い申し上げるとともに、政府には是非しっかりした対応をお願いしたいと思っております。    〔委員長退席、理事佐藤正久君着席〕  さて、今回の法案、何度か私も質疑に立たせていただきながら、国民の三つの不、不明、不信、不安と、なかなかまだまだ拭い去られていないのかな。やっぱり国民の中には、政府が暴走してしまうと歯止めが利かないんではないか、政府のみで自衛隊派遣が可能というのはどうなのか。それから、後方支援が一体化とみなされ戦争に巻き込まれる、これは、自国はやられていないにもかかわらず、アメリカその他の国の戦争に加担してしまうのではないか、自衛隊員の命もリスクにさらされている。そして、政府が説明責任を果たしているのかどうかと。  この法案の審議でも、残念ながら答弁が一貫していなかったり、入口、中口、出口、まさに国会での承認という辺りに関してもしっかり議論されなければならない、私どもはこういうふうに思うわけであります。ただ、必要だという法律に関しては、我々自身も与党、野党の垣根を越えてしっかり議論をする必要はあるだろうと、こういうふうに思っております。  私は、このまま、この法案が政府原案のまま通ってしまうというのは非常に問題が多い、こういうふうに思っております。ただ、政治はやはり結果を出すのが仕事だというふうに考えています。何とか我々、今三党、私ども日本を元気にする会、それから次世代の党、そして新党改革、三党でしっかり修正案を出させていただいて議論をさせていただいています。先ほど、公明党の山口代表の方からも、この国会の関与、民主的統制ということに関してはしっかりとした評価をいただいております。公明党の代表までは届いたようですので、あとは安倍総理のところに我々の案がしっかり届いているのかどうか、こんなところもこの質疑で確認させていただければなというふうに思っております。  さて、パネルの方を少し見ていただきたいんですけれども、(資料提示)非常に私どもが心配していますのは、国会の承認といった場合に何を承認するのかというところであります。実は、存立危機事態に関しては対処基本方針、これも、質疑をさせていただいていますけれども、対処基本方針という書類をしっかりNSCそれから閣議が作って、それを国会にかける。事後であったとしても事前であったとしても、これをかけるというのが今の立て付けだというふうに思っています。国際平和共同対処事態においても基本計画、そしてPKOについても実施計画は、これしっかり国会にいわゆる承認を求める書類がはっきりしている。  ただ、ちょっと気になりますのが、重要影響事態に関しては、基本計画に対して対処措置を実施することの国会承認ということしか実は載っていないんですね。法律にはそういうふうにしか書かれていません。法案上、この基本計画は、特に重要影響事態において、国会承認ではなく、国会で承認することは対処措置を実施するということになっておりまして、義務付けられていないんですが、これは私は国会できっちしその他の事態と同じように承認を求めるべきだというふうに思いますが、この辺りいかがでしょうか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 政府案におきましても、現行の周辺事態法と同じく、基本計画には自衛隊が実施する後方支援活動等の具体的な内容が記載をされることになっており、決定又は変更された場合には遅滞なく国会に報告をされます。  また、対応措置の実施につきまして国会の承認を求めるに際しましては、その具体的な内容について十分御審議をいただくものと考えておりまして、このような仕組みにより、後方支援活動等を実力組織である自衛隊が実施することについて、国民の十分な理解を得つつ、民主的統制を確保することが可能になると考えておりまして、基本計画自体を国会承認の対象とする必要はないものと考えております。

山田太郎日本を元気にする会・無所属会

○山田太郎君 そうすると、国会で何を承認するのかと。なぜこの重要影響事態だけが、いわゆる存立危機事態や国際平和共同対処事態、それからPKOと違って、基本計画として国会にかけられないのか。バランスも悪いと思っておりますし、国民には、何を決めたのか、事後検証を例えばするにしても、一体何が元々の計画だったのか比較するものがなくなってしまうと、こういうふうに思うんですけれども、もう一度、大臣、是非、この重要影響事態、私は、この基本計画書、しっかり国会で議論して、あるいは最終的には事後にはしっかり検証するべき対象だと思いますが、もう一度いかがですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 重要影響事態法における基本計画につきましては、閣議決定を行った上で国会に遅滞なく報告をして、公表をされます。  この実施要領につきましては、これは自衛隊の運用等の詳細に関わることから、それ自体を公表するのは困難でございますが、基本計画につきましては、実施する後方支援活動の具体的な内容が記載されることになっておりまして、これが公表されるわけでございますので、その点も含めて国会で御議論をいただくことが可能ではないかと思っております。

山田太郎日本を元気にする会・無所属会

○山田太郎君 もう一つ大事なポイントは、これもパネルの方を見ていただきたいんですけれども、国会決議によってきちっと部隊の活動が終了できるのか。実は、存立危機事態に関しては終了できるとなっているんですが、重要影響事態、それから国際平和共同対処事態、PKO、いずれにおいても、いわゆる派遣後の途中撤退に関しては、国会の中止の決議ということについては法律のところでは特にないんですね。  これに関しては、民主的統制から、国会の決議をきちっとやっていただき、もし国会の決議でもって隊を引く場合にはしっかり受け止めていただきたいんですが、この辺りはいかがですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 政府といたしましては、一旦国会に承認をいただいた後においても、国会に対して必要な情報提供を行っていくのは当然のことでございます。  重要影響事態等における対応措置は、存立危機事態と異なりまして、あくまでも我が国が武力を行使し得ない後方支援等にとどまるものであることから、国会の議決による終了を法文上明確に規定をすることまでしておりませんが、国会における審議が行われ、国会の承認後、状況の変化等により活動を中止すべきとの意思が示される場合におきましては、政府としてその判断を重く受け止め、適切な対応を取るということは当然でございます。政府といたしましては、国会の理解と支持が得られない形で対応措置を講じていくということはあり得ないと考えております。

山田太郎日本を元気にする会・無所属会

○山田太郎君 もう一つ、これも国会の中の質疑でやったんですが、念のため今回確認したいんですが、存立危機事態と重要影響事態の認定に当たっては他国の要請が必ず必要だということでよろしいのか、これも御答弁いただけないでしょうか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 存立危機事態等におきまして集団的自衛権を行使する際におきましては、他国からの要請、同意、これは必要なものといたしまして、その対処基本方針に盛り込む際におきましては、そのことを明記をするということでございます。  重要影響事態につきましては、特に自衛権に関わることではないということで、他国の同意は要らないということでございます。

山田太郎日本を元気にする会・無所属会

○山田太郎君 ただ、重要影響事態も後方支援で、相手国があって後方支援をするわけでしょうから、やはり要請というのは必要だと思いますが、もう一度いかがですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 当然、要請があって後方支援を行うわけでございますし、他国の領域内で行う場合におきましてはその同意が必要ですということでございます。

山田太郎日本を元気にする会・無所属会

○山田太郎君 今の答弁しっかり受け止めさせていただきますので。  それから、もう一つ、存立危機事態というのは全て集団的自衛権ということでいいのかどうか。集合の大きさなんですけれども、存立危機事態という事態は、これは全て集団的自衛権なのかどうか、この辺りもお答えいただけますか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 存立危機事態において新三要件の下で我が国が武力の行使を行う場合、その国際法上の根拠は集団的自衛権の行使となる場合が通常であると考えますけれども、武力行使を容認する国連安保理決議に基づく集団安全保障措置になることもあり得るということでございまして、国際法上の根拠が必ず集団的自衛権を行使するということになるわけではないということでございます。

山田太郎日本を元気にする会・無所属会

○山田太郎君 ほぼ、多くの問題に関して確認が取れました。今回、我々自身、三党でこの修正案を出させていただいています。やはり、国会の民主的統制が重要だ、これも国会の中でいろんな方々が指摘してきました。  最後に、総理にお伺いしたいと思います。  この我々の修正案、国民のまさに三つの不、不安、不信と不明、これを解消する、国会がどういう書類に基づいてどういう隊を送り出すのか、何をするのか、どこでやるのか、これをきちっと承認する、そしてその途中途中の経過に関してもしっかり承認、確認をしていく、最後に事後検証もしっかり行われる、こうすることによって相当な三つの不は解消はされるのではないか、こういうふうに思っております。  是非、最後は政治決断で、我々の三党の修正案、総理の方にも受け入れていただきたいと思いますが、是非御決断をいただけないでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 民主的統制、自衛隊が活動する上において民主的統制を確保する上において、国会の関与は極めて重要であると考えております。その中において、御党からも、事前、この例外なき事前の承認、あるいはまた、途中において、活動を行っている中口における検証、そして、行動が、任務が終了した後の出口における検証の重要性について御提言をいただいているところでございます。  ただいま、五党、御党も含めて五党で協議をしていると、このように承知をしているわけでございますが、この五党において協議がまとまれば、政府としても当然、その五党の協議がまとまった上において対応していきたいと、このように考えているところでございます。

山田太郎日本を元気にする会・無所属会

○山田太郎君 しっかり、我々自身、歯止めということ、国民の不安を払拭するために是非最後まで頑張って、修正案、五党できちっと話し合って何とかやっていきたい、こういうふうに思っています。そして、法案の修正を引き続き目指していきたいというふうに思っています。  今日はありがとうございました。

和田政宗次世代の党

○和田政宗君 次世代の党の和田政宗です。  まず、今回の大雨災害により、私の地元、宮城県でも大きな被害が出ておりまして、昨日は渋井川が決壊しました大崎市古川でお話を伺ってきました。東日本各地の被害は甚大です。改めて、お亡くなりになった方に心からお悔やみを申し上げますとともに、被害を受けられた方の生活再建が速やかになされるよう、政府においてはしっかりと手を打っていただきますよう切に願います。  では、本法案について聞いてまいりますが、我が党は、新党改革、日本を元気にする会とともに修正案を提出しております。本日も与党と修正協議を行っており、国民の命を守り、北朝鮮や中国の軍事行動に対する抑止力を高めるためにも、国民の多くの方々が賛同して本法案を成立させることが重要です。例外なき国会の事前承認、国会の関与強化、国会が全てチェックをする、これが国民の方々の不安を取ることになると思いますので、政府・与党の皆様におかれましては決断を是非お願いしたいというふうに思います。  まず、こちらの写真を御覧いただきたいのですけれども、(資料提示)これはシリアの難民の方々です。内戦によって、こうした子供たちが苦難にさらされております。私も、五歳の子を持つ親として、こうした子供たちの姿は本当に心が苦しくなります。今月になってからは、家族とともにシリアの内戦を逃れようとして亡くなり、トルコの海岸に打ち上げられた三歳の子供の写真が全世界に衝撃を与えました。とても痛ましいことで、こうしたことを繰り返してはなりません。  シリア難民が発生している原因は、内戦やISIL、いわゆるイスラム国の攻勢により故郷から逃げざるを得なくなったことであり、立場の弱い女性や子供が特に危難にさらされています。こうした人々が発生しないためにも、世界各国はテロ組織や平和を乱す国に対し連携して対処する必要に迫られています。  日本は世界各国のこうした動きとどう連携していくべきと考えるのでしょうか。また、今回の安保法制は世界各国との連携にどのように寄与するのでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府としては、政策判断として、ISILに対する軍事的作戦を行う有志連合に参加する考えはありません。ISILに対する作戦への後方支援を行うことは全く考えていないわけでありますが、これは今回の法案が成立した後であっても不変であります。  シリア難民問題については、我が国は今後とも、難民、国内避難民等に対する食糧配布、保健医療等の分野において我が国ならではの人道支援を拡充し、非軍事分野において国際社会における我が国の責任を毅然として果たしていく考えでございます。  平和安全法制はテロ組織に対する全般的な対処措置を定めるものではございませんが、本法案の整備により、例えばテロリストに誘拐された在外邦人の救出も、領域国の当局が現に公共の安全と秩序の維持に当たっており、戦闘行為が行われることがないと認められ、そして武器の使用を含む保護措置の実施について領域国の同意がある等の要件が満たされれば実施し得るようになります。PKO活動中の自衛隊の部隊が、身の危険に遭遇しているNGO等の要請に応じて駆け付け警護を実施できるようになるものでございます。

和田政宗次世代の党

○和田政宗君 更にお聞きをしていきますけれども、テロ組織や平和を乱す国への対処の中には、世界各国が連携して行動するときに残念ながら戦闘が発生する場合があるというふうに思います。現行憲法では、日本は当然前線での戦闘行為に参加することはできませんが、できませんから、あくまで後方支援となるわけですけれども、もう日本しかやれないというふうになったときには、後方支援において、発進準備中の航空機への給油や整備を行う可能性はあるわけです。    〔理事佐藤正久君退席、委員長着席〕  そのような答弁も当委員会でなされているわけですけれども、こうした行為を憲法違反としないために政府はどのような対策を取るんでしょうか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 重要影響事態法並びに国際平和支援法におきましては、戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機に対する給油及び整備を含め、現に戦闘行為が行われている現場では後方支援を実施しないことを法律上明記をいたしておりまして、他国の武力の行使と一体化をすることはありません。  その上で申し上げれば、一般的に、戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機への給油や準備を含め、給油や整備といった活動の実施中は、支援する側も受ける側も攻撃に対して極めて脆弱な状態となります。したがって、そもそも運用上、現に戦闘行為が行われているような状況の下でこのような支援を実施することは考えられず、現に戦闘行為が行われている現場から一線を画する安全な場所で行うということになります。  そして、実運用上の措置といたしまして、防衛大臣は活動を円滑かつ安全に実施できるように実施区域を指定をするという法律の規定を受けまして、今現在戦闘行為が行われていないというだけではなくて、自衛隊の部隊等が現実に活動を行う期間について戦闘行為が発生しないと見込まれる場所を実施区域に指定し、部隊等はその区域内で活動いたします。また、万が一活動場所や近傍で戦闘行為が発生した場合等には直ちに休止及び中断をする。これに加えて、派遣前に十分な教育訓練を行い、そして、活動に当たりましては、現地の情勢につきまして情報収集、分析を行うということで、武力の行使との一体化を確実に回避するとともに、部隊の安全も十分確保した上で後方支援を行っていくということになります。

和田政宗次世代の党

○和田政宗君 次に、我が国周辺の状況についてお聞きしますが、現場の自衛官に話を聞きますと、中国軍の自衛隊へのちょっかいの出し方というのがこれ度を越しておりまして、昨年は中国軍戦闘機が自衛隊機に三十メートルまで異常接近するという、まさに事故につながりかねない事件もありました。  最近の中国空軍や中国海軍における日本に対する挑発的行為や危険行為にはどんなものがあるんでしょうか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 中国機に対するスクランブルの回数、近年急激に増加をいたしまして、五年前、二〇〇九年度と比較し十倍以上の水準となっております。また、二〇一三年以降、爆撃機などの航空戦力が沖縄本島と宮古島の間を抜けて太平洋に進出をしておりまして、以降、毎年複数回確認をされております。  一方、中国海軍艦艇が南西諸島等を通過して太平洋へ進出する回数も二〇〇八年以降増加傾向にあり、現在では常態化をいたしております。そして、二〇一三年には西太平洋で初となる海軍三艦隊合同演習が実施をされ、二〇一四年にも同様の演習が実施されたと見られております。

和田政宗次世代の党

○和田政宗君 動きというのが極めて活発になっているということが分かるわけですが。  関連してお聞きいたしますが、おととしには中国海軍のフリゲート艦が海上自衛隊の護衛艦に火器管制レーダーを照射するという事案がありました。これに対し、アメリカ国務省の日本部長であったケビン・メア氏は、米軍であったら攻撃と判断して反撃していると述べています。しかし、日本は反撃をしませんでした。  こうした場合に、一般的に国際法では攻撃とみなし、反撃することができるんでしょうか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) これは、平成二十五年一月十九日そして三十日に立て続けに行われた可能性が高いということで、政府は、外交ルートを通じて中国側に申入れを行うとともに、防衛省から本件について抗議を実施をいたしました。  一般論として申し上げれば、火器管制レーダーの照射を受けた護衛艦等は、個別具体的な状況を踏まえ、安全確保のための退避行動等を取ることになります。その上で、護衛艦等の退避によってもその防護が不可能である場合等、他に手段のないやむを得ない場合は、自衛隊法九十五条の武器等防護の規定により武器を使用することができます。  平成二十五年一月の事案におきまして、当時の状況下での判断として武器は使用しませんでしたが、この理由も含めて、火器管制レーダーの照射を受けた護衛艦等が具体的に現場で取った対応の詳細につきましては、我が方の手のうちを明らかにすることになることから、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。

和田政宗次世代の党

○和田政宗君 答弁からも、自衛隊がこのように抑制的に行動しているというのが分かるわけでございます。まさに、レーダー照射を受けるということは相手に撃たれるかもしれないという極限の状態なわけですけれども、それでも自衛隊は思いとどまったわけです。まさに、専守防衛を掲げる日本は、結局、相手に撃たれないと反撃できないというような状況でもあるわけです。  ですから、中国などによる離島攻撃を考えた場合に、速やかに反撃できる、一番良いのは、相手に攻撃をしようとする気を起こさせない、抑止ができるということが重要なわけです。  そこで、対馬から与那国島の主な島々に地対艦ミサイル部隊を常設すれば、中国艦船は攻撃をすれば速やかに反撃をされるわけですから、攻撃しようと思わなくなり、抑止力になると考えられます。抑止力向上の観点から、各島々へのミサイル部隊の常設について政府はどのように考えるでしょうか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 我が国の防衛力の整備は特定の国を対象として行っているものではありませんが、委員の御指摘のとおり、島嶼部への地対艦ミサイル部隊の配置、これは、艦艇等による島嶼部への上陸阻止や周辺海域の海上優勢の獲得の観点から、力による現状変更を許容しないとの我が国の意思をより一層しっかり示し、攻撃に対する抑止力を高めるものであると考えております。  防衛省では、奄美大島に地対艦ミサイル部隊を含む部隊の配置を計画しているほか、本年五月、左藤防衛副大臣より宮古島市長に対して同様の部隊の配置について申入れを行っております。  防衛省としては、現下の安全保障環境を踏まえまして、引き続き南西諸島における防衛態勢の強化に向けた取組を進めまして、島嶼防衛等に万全を期してまいりたいと考えております。

和田政宗次世代の党

○和田政宗君 これも、ぽつりぽつりということではなく、しっかりと射程圏内が島々に重なるような形でやりましたら、もうそこを通って攻撃しようとする場合には全て反撃ができるわけですから、これは抑止につながっていくと思いますので、検討をお願いしたいと思います。  次に、北朝鮮による拉致被害者の救出について、本法案に関連して聞きます。  北朝鮮が無政府状態に陥るなどして領域国の同意を得られない場合にも拉致被害者を救出できるよう法改正すべきと私は九月四日の当委員会で質問しましたが、防衛大臣は、国際法上も憲法上も難しいとの答弁でした。しかし、平成二十六年三月五日の予算委員会の総理の答弁では、国際法上は一定の要件を満たす場合には自衛権の行使として認められる場合があると考えると答弁をしています。  国際法上可能なのか、改めて見解をお聞きします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の平和安全法制により海外の邦人を守るための制度の充実を図ったところでありますが、派遣先国の同意が得られない場合に、部隊を派遣して自国民を保護、救出することは、国際法上の観点から、私が昨年三月五日の参議院予算委員会で答弁した点のみならず、我が国の場合は憲法第九条の制約があるため、自衛隊の特殊部隊を救出のために派遣するといった対応を取ることは、今回の法整備によっても難しい課題であると言わざるを得ないと思います。  いずれにせよ、拉致被害者の方々の安全確保は極めて重要であり、今後とも、拉致被害者の救出のために何ができるかについて不断の検討を継続してまいりたいと思います。

和田政宗次世代の党

○和田政宗君 憲法の制約があり難しいという答弁は一貫しているわけですけれども、そうしましたら、北朝鮮が無政府状態になったときに、北朝鮮による拉致被害者を誰が救うのでしょうか、お願いします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 北朝鮮がそうした状況に陥ったときに、残念ながら、先ほど申し上げましたように、受入れ国の同意がない状況の中におきましては邦人救出の仕組みを使うことはできないのでありますが、しかし、あらゆる事態において拉致被害者の安全を確保することは極めて重要であります。  政府として様々な事態を想定して対応を考えるべきことは当然であり、その際、同盟国たる米国との協力は極めて重要と考えています。これまで、米国に対しましては拉致被害者に関する情報を提供してきておりまして、拉致被害者の安全が脅かされる事態に至った場合に、拉致被害者の安全確保のための協力を米国政府に対して依頼をしているところであります。  米国とのやり取りの詳細については、このような公の場でお答えすることは適切ではないと考えますが、いずれにせよ、政府としては、あらゆる事態において全ての拉致被害者の安全確保を図るべく、引き続き米国や国際社会とも連携して全力を尽くしてまいりたいと思います。

和田政宗次世代の党

○和田政宗君 拉致、誘拐された国民を奪還するというのは国の責務だというふうに思いますので、しっかりとした法整備をお願いしたいというふうに思いますとともに、今回の安保法制でもまだそういったところが足りないわけでございます。国民を守るために必要な法整備を行っていくべきだというふうに思います。  最後に、徴兵制についてお聞きをしたいというふうに思いますが、世界各国においては徴兵制を取っていた国も志願制に変える、これが世界の流れです。なぜそうするかといいますと、これは訓練度、練度の問題があるからです。毎年新兵が入ってきて訓練して、また社会にお帰りになるということであれば、部隊の訓練度、練度は上がっていかない、そのようなことから世界各国ではそういった流れになっているわけです。  今回の法案が通ると徴兵制につながるという的外れな批判をしている人たちもいるわけですけれども、徴兵制についてどう考えているか、改めて総理の見解をお聞きしたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 徴兵制につきましては、憲法第十八条にあります意に反する苦役に当たると、こう考えているわけであります。徴兵制とは、まさにこれは強制的に戦闘部隊に従事させるということでございますから、その本質はこれ変わらないわけでございます。  これは憲法に明確に反する、憲法において明確に禁止されていると、我々はこう解釈をしているわけでございますが、同時に、今委員がお話しになられたように、国際社会の潮流としては、徴兵制はもうもはや時代遅れであると。軍隊がハイテク化して、一人前の兵士となるためには相当の練度が必要であります。むしろ、そのために人的な資源をこれは差し向けなければならないわけでありまして、不合理となるわけでありまして、長い間徴兵制を取ってきたフランスやドイツもやめているわけでございます。G7の主要国は全て徴兵制は取っていないと、こういうことでございまして、今後はそうした流れが変わることはないんだろうと、このように思っているところでございます。

和田政宗次世代の党

○和田政宗君 徴兵制は明確に行わないという答弁であったというふうに思います。  そして、今日の質疑の中では中国の脅威についても明らかにできたというふうに思っております。やはりこの安保法制は必要だというふうに思っておりますが、やはりそこには国会のチェックが必要であろうというふうに思っております。三党の修正案、是非御決断を願えればというふうに思います。  終わります。

水野賢一無所属クラブ

○水野賢一君 無所属の水野賢一です。  今回の法改正は、海外の邦人救出のために自衛隊を送ることも一定の条件下で可能にするわけですよね。これまでの自衛隊法では輸送しか認めていなかったわけですけれども。じゃ、今まで邦人輸送をした例というのはどれだけありますでしょうか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 現行の自衛隊法第八十四条の三に規定する在外邦人の輸送を行ったのは、平成十六年四月にイラクに滞在する邦人記者十名をクウェートまで輸送した事例、平成二十五年一月に発生したアルジェリアの邦人拘束事件に際して邦人七名を本邦まで輸送した事例の二件でございます。

水野賢一無所属クラブ

○水野賢一君 実際の輸送までには至らなくても、準備行為として自衛隊の輸送機を海外に派遣したこともありますよね。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 御指摘の平成九年にタイ、そして平成十年にシンガポールへ輸送機を派遣した事例は、当時の自衛隊法第百条八、現行は八十四条の三でありますが、それに規定する在外邦人等の輸送を根拠といたしまして、その準備行為として実施したものでございます。  こうした準備行為につきましては、法律に明文上の規定があるわけではありませんが、自衛隊が活動する際、その前段階としての種々の準備を行うということはできると解して実施したものでございます。

水野賢一無所属クラブ

○水野賢一君 今大臣がいみじくもおっしゃったように、法律上の明文の規定はないけれども、準備行為で海外に輸送機を派遣したという、そういうお話ですよね。  そのことから推察すると、今後可能にしようという救出作戦とかの場合にも、法律には明文上書いてないけれども、準備行為の段階で自衛隊を海外に派遣するということも、これもあり得るわけですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 今般、新たに在外邦人等の保護措置を行うに当たりましては、まず、国家安全保障会議の審議を経て、内閣総理大臣が承認する旨、法律で規定をいたしております。また、在外邦人等の保護措置を行うに当たっては、改正後の自衛隊法八十四の三号、一号に規定する要件が満たされている必要があります。このような要件についても、国家安全保障会議の審議を経て、内閣総理大臣が承認する必要があります。  以上を踏まえれば、在外邦人等の保護措置について仮に準備行為を行う場合には、できるだけ早期に情報収集を行い、政府全体としての判断を行い、必要な手続を取ることになると考えておるわけでございます。

水野賢一無所属クラブ

○水野賢一君 そうすると、具体的な例えば海外での人質事件などが発生していなくても、いざそうなったときに迅速に対応できるように予防的に派遣するということも可能なわけですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) これまでも準備行為として派遣をいたしましたので、準備行為として可能であると認識しております。

水野賢一無所属クラブ

○水野賢一君 予防的に派遣する場合でもこの総理大臣の承認というのは必要になるわけですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 当然、私は総理に相談をいたしまして派遣すべきであると考えております。

水野賢一無所属クラブ

○水野賢一君 いや、相談じゃなくて、承認が法律上必要になっていますけれども、その点はどうなんでしょうか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 通常、準備行為でございますが、閣議決定をするということでございますので、総理の承認が必要だと私は認識しております。

水野賢一無所属クラブ

○水野賢一君 邦人救出そのものには誰も反対しにくいわけですけれども、戦前の山東出兵でも上海事変でも邦人保護や居留民保護を名目にしていたということを忘れちゃいけないというふうに思うんですね。  歯止めの議論というのは絶対に私は必要だと思うんですが、邦人救出などのために自衛隊を派遣するときには受入れ国が、総理、必要ですよね。当然のことだと思いますけれども、総理、なぜ受入れ国の同意が必要なんですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、受入れ国の同意があることによって、当然これはスムーズに救出が、救出作戦が取り運ぶことができるのでございますが、同時に、警察の治安維持がなされていると、基本的にですね、という中において、しかし、その中において我々が自衛隊を出さなければ救出できないということでございまして、そういう中におきまして受入れ国の同意が必要であろうと。これは憲法との関係におきましても受入れ国の同意が必要であると考えております。

水野賢一無所属クラブ

○水野賢一君 野党時代の自民党が議員立法として提出した法案を配付資料四としてお配りしていますが、これも海外で武装した自衛隊が避難中の邦人を守れるというものだったわけで、中谷大臣も提出者の一人だったわけですけれども、この法案では、中谷大臣、受入れ国の同意を必要だとしていましたか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 私は、在外邦人の保護の在り方について常々問題意識を有しておりまして、提案者の一人として取り組んでまいりました。  その上で、御指摘の議員立法について申し上げれば、同法案におきましても、活動の実施に際しましては領域国の同意を得るということを前提としておりました。

水野賢一無所属クラブ

○水野賢一君 どこに書いてありますか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 条文上は領域国の同意について明文上の規定はございませんが、議員立法提出時に作成をされた資料におきまして、領域国の同意を得るということが前提であるということは示しております。

水野賢一無所属クラブ

○水野賢一君 重要なことを法律に書かないで後でいろいろと解釈を言うというのは、そもそも解釈の混乱を生むし、これはそもそも問題だというふうに思っておりますけれども、じゃ、他国の領土で相手の同意もないままに武器を使うことはまずいというふうに考えているわけですね、今でも昔でも。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 当然、そういう対応の場合には領域国の同意を得るものが前提でございます。  そしてまた、武器の使用等につきましては、現在、自衛隊法八十四の三がございますが、ここにおいても派遣先国の同意は法文上明記をされておりませんが、これは自衛隊が他国の領域において在外邦人等の輸送を実施する際には国際法上当該国の同意が必要でありまして、このような国際法上の前提をあえて法文上明記する必要はないという考え方でございまして、こういった考え方、議員立法におきましてもこの考え方を踏襲しまして、派遣先国の同意については法文上明記していないということでございます。

水野賢一無所属クラブ

○水野賢一君 法文上明記していないことを実はあったんだと言われても、ちょっと困るんですけど。  総理に伺いますけれども、私は海外でのそういう軍事的な作戦というのはやっぱり抑制的であるべきだと思うんですが、総理も受入れ国の同意は必要だというお話ですけど、例えば逆の立場になってですよ、逆の立場になって、他国が、例えば米国でも韓国でもいいんですけど、仮にその国民が日本国内で人質になったとして、そのときに例えば韓国軍が日本国内で救出作戦をやりたいんだとかと言ってきたら、総理はそれに同意するんですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当然それは同意はしないわけでありますし、先ほど申し上げたのは、今般新たに設ける在外邦人等の保護措置は武力の行使を伴わない警察的な活動として行うものであって、領域国の同意がある場合に、その同意が及ぶ範囲、すなわちその領域において権力が維持されている範囲で活動することを前提としているわけでありまして、このため、領域国の受入れ同意は、国際法上の要件としてだけではなくて、このような前提を確保することによって国又は国に準ずる組織が登場しないことを担保する、先ほど憲法上の要請を担保するということで申し上げたわけでありますが、要件の一つとしているものでございます。

水野賢一無所属クラブ

○水野賢一君 やっぱり、自分がやられて嫌なことは他国でも控えるというのが筋だというふうに思いますけれども。  大臣に伺いますが、救出作戦のために持っていける武器とかには制限はありますか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 法律上は必要な範囲ということにいたしております。

水野賢一無所属クラブ

○水野賢一君 必要な範囲というのは、例えば、じゃ、場合によっては必要であれば戦車とか攻撃ヘリとかも可能なんですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 目的が邦人の救出でございますので、それの必要な範囲でございますが、これにつきましては救出に必要なものに限られるという認識でございます。

水野賢一無所属クラブ

○水野賢一君 いや、だから、そうすると、必要があれば戦車とか攻撃ヘリもあり得るということですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) これは基本的には当該国の警察当局等とも相談をしながら、その同意によって行われることでございまして、基本的には武力の行使を伴わない警察的な活動と、行うものでございますし、領域国の同意がある、そしてその同意が及ぶ範囲、そしてその領域において権力が維持される範囲で活動するということでございますので、おのずと必要以上の装備は持っていく必要がないと考えております。

水野賢一無所属クラブ

○水野賢一君 どういう武器を持っていくかというのも受入れ国の同意は必要なわけですか。例えば戦車だとかというんだったら、それは駄目よと言われたら、それは持っていけないと、そういう理解でいいんですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは当然受入れ国の同意が必要でありますし、武力行使ではないわけでありまして、言わば警察的な活動として行うものでございまして、その地域においては権力が維持されているわけでございますから、維持されている権力と、受入れ国と当然その内容等についても話をしていくということになるのは当然のことであろうと思います。

水野賢一無所属クラブ

○水野賢一君 警察的な活動といっても、事実上、軍事作戦にやや近い部分があると思うんですが、そうなると、故意にとは言わないけど、間違って民間人を誤射したりした場合はどうなるんでしょうか。殺傷してしまったという場合は。例えば亡くなってしまったとか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 自衛官による武器使用に当たりましては、極めて厳格な注意義務が求められて、各種情報を元に相手を的確に識別をして武器を使用できるように訓練等も行っているわけでございますが、自衛官が派遣先国で犯罪を犯した場合に、我が国と派遣先国のどちらが裁判管轄権を持つかにつきましては、派遣先国との間で地位協定等の内容いかんによるものだと考えております。  仮に、自衛官が適正な武器の使用を行った結果、民間人を死傷させた場合は、当該武器の使用は刑法三十五条に該当し、違法性が阻却されると承知をしておりますが、他方、万が一、急迫不正の侵害が生じていると誤信して民間人を死亡させた、いわゆる誤想防衛のケースにおきましては、仮に誤信したということに過失がある場合には過失致死罪又は業務上過失致死罪が成立することが考えられますが、これらの罪には国外犯処罰規定が設けられておらず、刑法を適用して処罰することはできないと承知しております。

水野賢一無所属クラブ

○水野賢一君 要するに、違法性が阻却されるような場合なんかをおっしゃられていますけれども、それは日本政府が判断していいんですか、海外であっても。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 我が国と派遣先国におきまして、どちらが裁判管轄権を持つかにおきましては、派遣先国との間の地位協定等の内容いかんによるものと考えられますので、そのような場合には事前に派遣先国との間で協議をするというふうに認識しております。

水野賢一無所属クラブ

○水野賢一君 そうすると、必ずこういう救出作戦なんかで送る場合も地位協定をお互い結ぶということが前提なわけですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 一般国際法上、外国に派遣された軍隊の構成員に対する裁判権の具体的な振り分けにつきましては、必ずしも確立した原則があるわけではなくて、必要に応じて派遣先国と、受入れ国の協議等を通じてその具体的な取扱いが決定されるということになります。  自衛隊を海外に派遣する場合には、任務を円滑かつ適切に実施するために、受入れ国の裁判管轄権から免除等を含め自衛隊員の法的地位を確保することが重要でありまして、このような法的地位の確保は必ずしも地位協定といった形式によるものではなくて、様々な形式によって行われるわけでございます。  いずれにしましても、在外邦人の保護措置に係る規定は今般新設されるものでありまして、受入れ国との協議等を踏まえまして、事案の切迫性も勘案しながら、個々の派遣ごとに自衛隊員の法的地位を適切な形で確保していくことになるものと考えております。

水野賢一無所属クラブ

○水野賢一君 何だかよく分かりませんけど。  これまでに海外派遣中の自衛隊員が過失であっても現地の人を死亡させてしまった例というのは複数ありますよね。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) これは、事例は三件ございまして、最初の国連のPKOの派遣であるカンボジアPKO、UNTACで発生をしたものでございます。いずれの事案も、隊員が職務に従事する中で車両を運転している最中に発生した交通事故でございまして、国際協力のために現地に派遣された隊員がこのような事故を起こしたことは大変残念なことでございます。それ以外はございません。

水野賢一無所属クラブ

○水野賢一君 三件あって三人亡くなって、刑事責任は問われましたか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) これは事故発生後速やかに公表をいたしましたが、これにつきまして、事故を起こした原因、責任の程度の事実認定を行いまして、事実関係に基づいて関係者の懲戒処分を実施をいたしたわけでございます。

水野賢一無所属クラブ

○水野賢一君 では、刑事責任なしで懲戒処分ですけど、懲戒処分の内容はどうだったんですか。減給ですよね。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 三名につきましては、それぞれ、注意、減給一か月と十五分の一、減給一か月と五分の一の処分を実施をいたしました。

水野賢一無所属クラブ

○水野賢一君 人が何人も亡くなっている中で、私は非常に身内に甘い体質だというふうに思いますけど、そのまま海外活動を広げることに懸念を強く指摘しておきたいと思いますが。  国外犯処罰問題について伺います。  自衛隊がどういうときに武器を使えるかということは様々な法律に定められていますが、何本の法律にそうした規定がありますか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 現在、自衛隊又は自衛官の武器の使用について規定している法律は、自衛隊法を始めPKO法、周辺事態法など、計八本ございます。また、既に失効している法律は、イラク特措法を始めといたしまして三本でございます。

水野賢一無所属クラブ

○水野賢一君 ところが、法律にはこれだけいろいろ規定があっても、八本に規定があっても、それに違反しても海外派遣中ならば国外犯がないから罪に問われないわけですよね、違法な武器使用に関しては。  維新案提出者に伺いますが、維新案では国外での違法な武器使用も処罰することにしていますけれども、その必要性について考えをお聞かせください。

柴田巧維新の党

○委員以外の議員(柴田巧君) お答えをいたします。  自衛隊が海外で活動する際にその武器が正当な理由なく使用されることがあれば、水野先生もしばしばこの委員会でも御指摘をされましたが、国際問題となったり、さらには思わぬ事態の緊迫化を招くおそれもあります。  近年、自衛隊の国外での活動が増えてきており、また今般、私どもは、いわゆる国際平和支援法を提出をして自衛隊の国外での活動につき新たな類型を提案していることからすれば、こうした武器の不当な使用を厳に防止することが必要と考えました。  この点、現行法では、自衛隊の武器の不当な使用については国内では罰則が適用されますが、国外では適用されません。これでは制度としては非常に整合性を欠いていると認識をするところでありまして、この問題に適切に対処をするためにも、国外犯処罰規定の整備を私どもは提案をしているところでございます。

水野賢一無所属クラブ

○水野賢一君 この問題はちょっと歴史の教訓からも重要なところなんですけど、総理にまず満州事変について伺いますが、政府の認識では満州事変というのは石原莞爾作戦参謀ら関東軍が引き起こしたという、そういうものですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 個々の歴史的な事象についての、そして今委員がおっしゃったような確定的なことについては政府として申し上げることは差し控えさせていただきたいと、このように思うわけでございまして、具体的な事象に関する評価については専門家等により議論されるべきものと考えておるところでございます。

水野賢一無所属クラブ

○水野賢一君 いや、そんなことを言ったら、個々のことについて確定的に言えないなんて言ったら、じゃ、総理はあれですか、真珠湾奇襲は山本五十六が立案して連合艦隊が実施したというのが普通の解釈でしょうけど、それも確定的には言えないということですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、一々、今、政府として今まで統一的なことを申し上げてきたことはないわけでございます。一々の歴史的な事象についての評価については差し控えさせていただきたいと思います。

水野賢一無所属クラブ

○水野賢一君 いや、だから、侵略かどうかの評価とか、いいとか悪いを聞いているんじゃなくて、事実としての認識も言えないということですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府として、歴史的な出来事一つ一つについて確定的なことをお答えすることは適切ではないと、このように考えております。

水野賢一無所属クラブ

○水野賢一君 全く納得できませんけど。  中谷大臣に伺いますが、私は通説に基づいて石原莞爾作戦参謀らが引き起こしたということに沿って質問しますが、こういうような関東軍が柳条湖事件みたいなことをもし海外で今後やったら、例えばですよ、海外派遣中の部隊が、それは一体どういう罪に今だと当たるんですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 自衛隊は、今は志願制の下に一人一人の強い責任感に基づいて厳正な規律を維持することを基本といたしておりますが、服務指導、また教育の機会を通じて遵法意識の高揚に図るとともに、規律違反行為に関しましては懲戒処分を含めて厳正に対処をいたしております。  また、的確に任務を遂行できるように隊員に十分な教育訓練を行っておりますし、また、統帥権の独立が認められてその軍の行動が内閣や議会のコントロールになかった旧軍と異なりまして、厳格なシビリアンコントロールの下に今自衛隊が置かれておりますので、海外に派遣された部隊が、かつての満州の事変のように独断で行動したり、爆発物を仕掛けたり、本国の命令に従わないといったことはないように教育を全力で行うということでございます。

水野賢一無所属クラブ

○水野賢一君 いや、だから、そんなことのないように努めることは分かりますが、もしそういうことをしたら、それは犯罪なんだから、一体何法で処罰されるんですかというのが質問です。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 今回の法案におきまして国外における自衛隊の任務が拡充されることを踏まえまして、自衛隊法の罰則のうち、国外における自衛隊の活動の規律統制のより適切な確保という観点から、新たな任務に対応した、必要に応じて十分な、上官命令への多数共同反抗、また部隊の不法指揮などの罰則について国外犯処罰規定を設けることといたしたわけでございます。  この法案が成立後におきまして、海外において上官命令への多数共同反抗をした場合などにおきましては、自衛隊法に新設する国外犯処罰規定を含めて、法的責任、これが検討されることになるわけでございます。

水野賢一無所属クラブ

○水野賢一君 いや、多分、だから、部隊の違法指揮という辺りに当たるんだと思いますけれども、これはあれですか、本国の命令に従わないときもこの部隊の違法指揮で処罰できるわけですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 権限がない人が部隊を動かすということはあってはならないことでございまして、自衛隊は指揮系統に従って行動するということが原則でございます。上官の命令というのは絶対的なものでありまして、これに従わないという場合におきましてはこの法律の適用が、規定される、適用されるということでございます。

水野賢一無所属クラブ

○水野賢一君 もう時間もあれですので、最後の方の質問にしたいと思いますけれども、不当な武器使用が海外で処罰されない、国外犯処罰規定がないというのは問題だというのは前から指摘していますが、この罰則規定、国内法にはあるわけですけど、ちょっとお聞きしたいのは、元々はこれ、不当な武器使用は、武器を使用した個人が責任問われるんですか、それとも、それを命じた上官が罰を受けるんですか。それとも、両方罰を受けるんですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 個人が違反すれば個人が適用されますが、不当な命令等に行う場合におきましては、それを起こした者が処罰されるということでございます。

水野賢一無所属クラブ

○水野賢一君 それを起こした者、命令者ですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 命令した者が処罰されると認識しております。

水野賢一無所属クラブ

○水野賢一君 その場合は、両方ということにはならないわけですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) ケース・バイ・ケースで、よく調査をした上で処罰をすることになるということでございます。

水野賢一無所属クラブ

○水野賢一君 最後の質問にいたしますけれども、この問題に関しては、総理も中谷大臣も国外犯処罰規定がないということについて別途検討するということを、こういうようなものがないのはやっぱりちょっとおかしいからということを最初の方に言っていましたけれども、この別途検討は最終的に今どうなっているのか、その辺りについてお伺いをして、私の質問を終わります。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 御指摘の不当な武器使用に対する罰則は、仮にその武器使用の結果何ら被害が発生していない場合であっても適用されるものでありまして、一年以下の懲役と、法定刑とされております。  本罪におきまして国外犯規定を設けることにおいては、事実上、刑法において国外犯処罰規定が設けられる犯罪は基本的に三年以上の懲罰、懲役を伴う罪とされていることとの均衡を考えると妥当ではないと考えておりまして、現在の規定に従って対応するということでございます。

水野賢一無所属クラブ

○水野賢一君 もう質問は終わりますが、まだまだ課題が多い中で、こうした中で強行採決をするなどという方向はもってのほかだということを申し上げて、私の質問を終わります。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。  まず、被災された皆さんに心からお見舞いを申し上げます。  総理、日本が武力攻撃を受けていないにもかかわらず、他国の領域で武力行使ができるようになるということでよろしいですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 三要件を満たせば武力攻撃が、武力行使ができるということでございます。それは、我が国の存立を全うし、国民を守るためのものでございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 三要件を満たせば他国の領域で武力行使ができるということでよろしいんですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 他国の領域、その領域というのがちょっとよく聞こえなかったんですが、領域においては、これは一般に海外派兵は認められていないわけでございまして、武力攻撃、武力行使を目的として自衛隊を外国の領土、領海、領空に派遣することは一般に禁じられているということでございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 一般とおっしゃいました。例外があるわけですね。例外の要件は何ですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この存立危機事態においては、一般に、存立危機事態におきましても一般に海外派兵は禁じられているわけでございますが、その中におきまして、ホルムズ海峡における機雷の敷設に対しましては、この敷設された機雷を、これを排除をしていくことは限定的、そしてかつ受動的であると、これは必要最小限度の範囲内にとどまると、このように理解をしているわけでありまして、念頭にあるのはこの件だけであります。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 分かりません。  例外の要件は何ですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この例外は、まさにこの三要件に当てはまるということでございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 三要件は集団的自衛権の行使です。私が聞いているのは、他国の領土、領域で武力行使ができる、我が国が攻められていないのに、その例外的要件、総理は例外とおっしゃいますから、その要件は何ですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに集団的自衛権の行使というのは武力の行使でありまして、今、福島委員が言われた武力の行使に当たるわけでございますが、この三要件に当てはまるものが、これは憲法の範囲内ということでございます。その中におきまして必要最小限度にとどまるべきもの、それが要件でございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 全く分かりません。  要件は何ですか。他国の領域で武力行使ができる要件は何ですか。その例外の要件を言ってください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) それが今申し上げました三要件が要件であるわけでありますが、その中で、三番目の必要最小限度というのにこれは当てはまるかどうか、必要最小限度を超えるかどうかということでございまして、その中で判断をしていくことになります。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 全く答えていません。  日本が攻められていないのに他国の領域で武力行使ができる、これが極めて、今回の法案の極めて問題のあるところです。  要件言わないじゃないですか。新三要件は要件にならないですよ。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 三要件は要件であると申し上げております。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 新三要件は集団的自衛権の行使の要件です。私がお聞きしているのは、例外の要件です。他国の領域で武力行使ができる要件は何かということです。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 三要件の、まさに第三要件である必要最小限度の実力行使にとどまるべきことということに対しましては、これはまさに武力行使を目的として外国の領土、領海、領空に自衛隊を派遣をすることは、これは一般に禁止されていると、この三要件目において我々はそう理解をしているわけでありますが、今例外として挙げたものは、これは例外として、これは受動的、限定的であることによって、この第三要件の必要最小限度の範囲内にとどまると、このように考えているわけでありまして、三要件はまさに、今、三要件はまさにそのことによって要件であるということは明確ではないかと思います。(発言する者あり)

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 止めないでください。  福島みずほ君、どうぞ。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 例外が新三要件というのは納得できません。一般があって例外があるんですから、例外の要件を教えてください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは個別的自衛権においての旧三要件も同じことでありまして、必要最小限度を超えることによって、従来から、個別的自衛権におきましても一般に海外派兵は禁じられていると、こう政府は一貫してお答えをしてきたところでございます。  そして、今回の新三要件において申し上げているこの必要最小限度の実力行使にとどまるべきことということは、これはその実力行使の様態も含めて、これは要件として決めているわけでございます。  そこで、まさにこの第三要件目においては、一般にこれは海外派兵は禁じられているという、この要件によって海外派兵は禁じられているわけであります。一般に海外派兵は禁じられているわけでありますが、その中において、その中において言わば機雷を除去するということについてはこれは限定的であり、そしてまた受動的であることによって必要最小限度の範囲内にとどまるということでございます。それはまさにこの三要件の中で当てはめていることでございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 日本が武力攻撃を受けていないのに他国の領域で武力行使ができる、憲法違反だと思いますが、物すごいことですよ。これができる要件について答えていないじゃないですか。新三要件なんて聞いているのではありません。要件は何かと聞いていますよ。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これはもう要件としては、今までお答えをしているように、新三要件であり、そして、この三要件目の必要最小限度の実力行使にとどまるべきことということでございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 でたらめですよ。新三要件も白紙委任ですが、例外的に海外の領域で武力行使ができる中身も今の話で白紙委任じゃないですか。全くこれでは駄目です。  では、お聞きします。海外の他国の領域で武力行使ができるのはホルムズ海峡の機雷除去だけですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 念頭にあるのは、従来から答弁を積み重ねてきている、再三答弁をしておりますように、念頭にあるのは、ホルムズ海峡における機雷の敷設の除去で、除去のみでございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 条文上はそうなっていません。もしホルムズ海峡の機雷除去だけが念頭にあるんだったら、機雷の技術供与をやればよくて、こんな法案要らないじゃないですか。こんな法案要らないですよ。

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) どなたへの質問ですか。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 総理、ホルムズ海峡の機雷除去だけが念頭にあるんだったら、こんな法案要らないじゃないですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この法案はホルムズ海峡の機雷除去のためだけの法案ではないわけでございまして、その中でホルムズ海峡の機雷除去も可能になるという法案でございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 でたらめ言わないでください。ホルムズ海峡の機雷除去のみ念頭にあると言いながら、それのみではないと。結局、この法案は海外で、他国の領域で武力行使ができることにあるんですよ。  戦争法案と言って、これは削除要求を自民党から受けました。でも、自民党は、戦争法案ではなくて、戦争に関連する法あるいは戦争につながる法ではいかがですかと言いました。それならいいんですか、総理。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) ちょっとよく、今、早口で言われたのでよく理解ができなかったので、申し訳ございません、もう一度最後のところ、最後のところだけ質問していただきたいと思います。

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 福島君、質問を続けてください。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 戦争法案と言って、自民党から私はそんな法案ないと削除要求受けましたが、自民党から、戦争法案ではなく、戦争関連法あるいは戦争につながる法と変えるのではいかがかと言われました。それならいいんですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 戦争は国際法上違法でございますから、それを目的とした法律を作るはずがないのでございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 戦争関連法も戦争につながる法も戦争法案です。  そして、国際法上違法なものはやらないのかどうか、お聞きします。  ニカラグア判決は、武力攻撃を受けた被侵害国の援助の要請を要件としています。しかし、法文にはこのような条項はありません。問題ではないですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当然、集団的自衛権の行使となるわけでありますから、国際法上の要請は満たしていなければならないわけでございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 じゃ、条文にないのはおかしいですね。この法律は欠陥法案ですね。  次に、集団的自衛権の行使と重要影響事態のいわゆる後方支援の前提となる武力行使は、国連決議や安保理決議を要件としていないということでよろしいですね。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 重要影響事態は、まさにそのまま推移すれば我が国に重要な影響を与える事態でございますから、この安保理決議等は必要としないわけでございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 集団的自衛権の行使の場合はどうですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 集団的自衛権の行使につきましては、これはまさに我が国の存立に関わり、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある中において武力の行使をするわけでございまして、この国連決議は必要ないわけでございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 国際法上の担保なんかないんですよ。集団的自衛権の行使は相手方に対する先制攻撃です。それを日本人の命と暮らしを守るとでたらめ言うから、これは全く誤導でやっていますよ。  そして、いわゆる後方支援をしている中で自衛隊が攻撃を受け、応戦しなければならなくなったときに、その行為は集団的自衛権の行使ですか、個別的自衛権の行使ですか、自衛官の武器使用ですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 後方支援におきましては武力行使をしないという条件で活動しておりますので、基本的には武器使用ということでございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 武器使用は、これは自衛官の武器使用、上官がこれに関しては、その部隊として武器使用をするということになりますね。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 法的根拠は自衛官の自己保存の法案でありまして、自己又は他人の身体を防御するために必要な範囲で武器を使用するということでございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 これは応戦するんですよ。国際法的にはユース・オブ・フォース、武力行使ですよ。実際的にはこれは集団的自衛権の行使じゃないですか、対外的には。応戦して戦争をしていく、武力行使をする、これは集団的自衛権の行使で、フルスペックの集団的自衛権の行使ですよ。だって、これは新三要件などやりませんから、そこで応戦するとなれば、これは集団的自衛権の行使です。実際、フルスペックの集団的自衛権にここでなっていきます。  総理、イラク戦争のとき幹事長でしたが、日本がイラク戦争でアメリカのイラク戦争を支持し、イラク特措法を作るときに、どのような情報で正しい戦争だと判断をしたんですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当時のフセイン政権が累次にわたる国連決議に反していたということでございます。そして、かつて大量破壊兵器を使った、使用したという実績があったわけでございます。そして、それを持っていない、造っていないということを証明できるにもかかわらずその証明を行わなかったという中において、我々はこの米国の武力行使を支持したということでございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 大量破壊兵器はありませんでしたね。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) しかし、フセイン政権が大量破壊兵器について、これは保持をしていない、あるいは作製をしていないということを証明できるにもかかわらず、証明しなかったということでございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 大量破壊兵器がないのにアメリカは先制攻撃で攻撃したんですよ。オランダは国際法違反だと検証をしました。日本はイラク戦争支持の検証すらやらない。そのときの情報開示もその総理の答弁の程度です。  そうしたら、総理、お聞きします。今の時点で判断は変わらないということでよろしいですか。正しい戦争なんですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 妥当性は変わらないというのが政府の考えでございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 イラク戦争で結局イスラム国、ISILができて、今シリア難民が本当に出ています。日本が間違った戦争、イラク戦争、市民への殺りく行為をやることに加担をしたことで、これは間違った戦争ですよ。総理が今、間違った戦争でない、正しかったと言うから、これは駄目ですよ。こんな状況で次の戦争や後方支援、これに関して判断をするとしたら、正しい戦争ではなくて、正しい戦争ではない間違った戦争に幾らでも加担していきますよ。私は、正しい戦争などないと思いますが、あのイラク戦争の支持が正しかったという、大量破壊兵器がなくても正しかったというような状況で、こんな法案許せないというふうに思います。  次に、先ほどドーン・ブリッツ15の件で質問がありましたが、この訓練の中身について再度お願いします。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) この訓練は島嶼防衛における自衛隊の統合運用能力の維持向上を図ることを目的といたしまして、八月十八日から事前訓練を実施した上で、八月三十一日から九月九日までの間、カリフォルニア州サンクレメンテ島周辺の海空域において実施をいたしました。  三自衛隊の部隊約千百名を派遣をし、陸上自衛隊からは西部方面総監の人員三百二十名と、海上自衛隊からは護衛艦「ひゅうが」、「あしがら」、輸送艦「くにさき」及び搭載されている航空機が参加をしたということでございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 配付資料がありますが、補給等の具体的活動について教えてください。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 目的は島嶼防衛ということで、これに関連する訓練でございまして、補給等の具体的活動のイメージということでございまして、上陸部隊の上陸以降、拠点を開設し、エアクッション艇、ヘリにより、当該拠点に弾薬、補給品等を集積をする。その後、上陸部隊に対し弾薬、食料、燃料等の補給を実施をする。そして、戦傷者が発生した場合は、当該戦傷者の収容、治療、後送を実施をする。これが補給等の具体的活動のイメージでございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 弾薬の補給、弾薬の提供についても訓練を実施していますね。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 上陸部隊に対して弾薬、食料、燃料等の補給を実施をいたしております。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 よく、法律がなければ一ミリも動けない、法律がなければ一ミリも訓練できないと言いますが、後方支援の弾薬の提供、訓練しているじゃないですか、アメリカと一緒に。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) これは島嶼防衛ということでございまして、我が国の個別的自衛権の範囲の中で、いかに島の領域を守っていくかということの目的でございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 アメリカの軍人はインタビューで、これは後方支援までつながるというふうに言っていますよ。  そして、もし日本だけの自衛隊でやるんだったら、なぜ米軍と一体となって訓練するんですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) これは防衛計画の大綱にも書いていますけれども、日米共同対処ということでございまして、自衛隊は常時日米共同訓練をいたしまして我が国の防衛に備えているということでございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 弾薬の提供、この後方支援の法案の中のことを先取りして訓練しているのではないでしょうか。  翁長知事が辺野古の基地の埋立てについて取消しの告知ということを始めました。辺野古に新基地建設は要りません。  そして、総理、憲法を踏みにじるこんな戦争法案、戦争につながる法案、戦争関連法案、許せないですよ。憲法を踏みにじる総理は退陣すべきだということを申し上げ、私の質問を終わります。

山本太郎生活の党と山本太郎となかまたち

○山本太郎君 被災された皆様に心からのお見舞いを申し上げます。  生活の党と山本太郎となかまたち共同代表、山本太郎です。  総理、お久しぶりでございます。本日の質問は七分、全て総理への質問でございます。総理以外が答えた場合、答弁とはみなしません。公平公正な委員会審議がモットーでございます鴻池委員長、是非お願いいたします。  総理、たかが一年生議員でございますけれども、どうぞ質問に逃げず、最高責任者としてのプライド、責任をお示しください。お願いします。  本委員会で私の質問に対し総理は、ある国がジュネーブ諸条約を始めとする国際人道法に違反する行為を行っている場合、そのような行為に対して我が国が支援や協力を行うことはないと御答弁されました。では、どのような行為が国際法違反に当たるのか、総理と検証してまいります。  第二次世界大戦当時、国際法であるハーグ陸戦条約では民間人への無差別攻撃は禁止されていました。米軍による広島、長崎への原爆投下、東京大空襲、日本全国への無差別爆撃、国際法違反、戦争犯罪です。総理、お答えください。違いますか、これ。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当然、自衛隊が活動をするに当たって、国際法を遵守し、国際法上違法な行為に対する支援を行わないことは当然であって、ある国がジュネーブ諸条約を始めとする国際人道法に違反する行為を行っている場合、そのような行為に対して我が国が支援や協力を行うことはないわけであります。このことは、米国を含め、対象国、支援対象国のいかんにより変わることはないということでございます。

山本太郎生活の党と山本太郎となかまたち

○山本太郎君 答えていないです。聞いていないことに答えないでくださいね。  ハーグ陸戦条約では無差別攻撃禁止されていましたから、広島、長崎への原爆投下、東京大空襲、それ以外の空爆も、全てこれ戦争犯罪ですよね、国際法違反ですよね。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) もちろん、我が国としては、原爆の投下については人道上非道な行為であるということを、非道な原爆の投下ということを申し上げてきているとおりでございますが、国際法上の言わば視点について言えば、我が国としては既にサンフランシスコ講和条約を受諾をしているという立場にあるわけであります。

山本太郎生活の党と山本太郎となかまたち

○山本太郎君 進めます。  総理、この方御存じですか。(資料提示)

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 写真を拝見して、今、存じ上げないわけでございます。

山本太郎生活の党と山本太郎となかまたち

○山本太郎君 沖縄の辺野古で毎日座込み抗議を続ける八十六歳、文子おばあ、島袋文子さんです。  今年三月、文子おばあが安倍総理宛てに手紙を書きました。沖縄県選出の糸数慶子参議院議員から内閣総務官室に託されました。総理、お読みになりましたか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) その手紙については拝見させていただきました。御指摘のお手紙については拝見させていただいておりますが、手紙の中におきましては、沖縄における日本で唯一の地上戦が展開され、多くの人々が貴重な命を失ったということ、いかに悲惨であったかということが記されていたわけでございます。  また、サンフランシスコ平和条約の発効以降も一定期間我が国の施政権の外に置かれていたという苦難の歴史、我々はそれは忘れてはならないと、こう思うところでございます。その中で、戦後七十年を経てなお沖縄に基地負担を、甚大な基地負担を背負っていただいており、その負担の軽減を図っていくことは政治家の、政治の責任であると、このように思っているところでございます。

山本太郎生活の党と山本太郎となかまたち

○山本太郎君 手紙はいつ読みましたか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 膨大な手紙はいただいておりますが、その中でこれは総理に読んでもらった方がいいというものを事務方が整理をして私のところにコピーを届けてくるわけでございまして、いつ読んだということは正確ではございませんが、拝読をさせていただきました。

山本太郎生活の党と山本太郎となかまたち

○山本太郎君 得た情報と違うんですよ。内閣総務官室に糸数議員が託された。その後は総理に届かず、防衛省に留め置かれていたんです。読んだの、今日じゃないですか。この話、資料で入ってくるといったから読んだんじゃないのかな。まあ、でも、結局読んでいただいたんだとしたら、それはすばらしいことです。  直接もう一度、総理に対してこのお手紙をお渡ししたいんですけれども、委員長、お許し願えますか。

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) お手元にもう届いていますから、コピーが。だから、その必要はありません。(発言する者あり)

山本太郎生活の党と山本太郎となかまたち

○山本太郎君 駄目駄目駄目駄目、与党側から声が飛んでおります。  本日、このお手紙、コピーを御本人にも御了解を得て皆さんに配付資料として配る、そしてパネルに飾るということをしようとしたんですけれども、自民党側から、もうとにかく駄目だという話になりました。なので、その中で議事録、以前、糸数先生がこのお手紙を外交防衛委員会で御紹介されたときに残っている議事録を皆さんにお配りいたしました。その議事録を皆さんに、コピーを、お手元に届いていると思います。  それでは、ここでもう一度代読していただくわけいかないですかね。総理、是非直接のお手紙を、いかがでしょう。

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 山本君に申し上げます。  その件につきましても、もう既に手元に配っているものを総理に読めということは、私はどうも道理にそぐわない話だと思います。その件については、委員長としては拒否します。

山本太郎生活の党と山本太郎となかまたち

○山本太郎君 あれっ、先ほど何かやり取りありましたよね。(発言する者あり)ああ、そうですか。先ほども石川政務官に読ませたじゃないかと皆さんが今言われていますけれども、それも駄目。分かりました。  じゃ、先行きますね、ここで時間を食うわけいかないので。  抜粋してお伝えします。島袋文子さん、七十年前、地獄のような沖縄戦を経験された。十五歳のときに火炎放射器で全身を焼かれた。大やけどを負った。人間の死体が浮いた水たまりの血の泥水をすすりながら生き長らえた人。この手紙の中で、沖縄戦で日本軍は沖縄の人間を守らなかったと書かれている。  沖縄戦での日本軍と米軍の沖縄の人々に対する行為について、総理の御見解、お聞かせください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 沖縄におきましては、唯一の地上戦が行われ、そして多くの尊い命が失われたわけであります。我々は、そのことを胸に刻みながら、二度と戦争の惨禍を繰り返してはならないと、こう考えているわけでございます。

山本太郎生活の党と山本太郎となかまたち

○山本太郎君 手紙の内容に戻ります。  七十年前の沖縄戦と同じように、沖縄県民の意思など問答無用とばかりに辺野古に新基地建設を推し進めるなら、沖縄にある全基地を撤去せよと私は言いたい、文子おばあはそうおっしゃっています。  本日、沖縄の翁長知事、埋立ての承認を取り消す手続の開始、宣言されました。この戦争法案だけでなく、辺野古新基地建設も、国民、県民の多数の意思を無視して、法律を無視して強行突破ですか。いかがですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、工事を一か月間停止をいたしまして、沖縄県側とお話合いを進めてきたところでございますが、普天間基地はまさに住宅地に囲まれた基地でありまして、この危険性の除去につきましては一致しているわけでありますし、その固定化は断じてあってはならないと、このように思っております。その点では一致をしておりますし、我々は、具体的に沖縄の基地の負担の軽減を一歩一歩進めていきたいと考えているところでございます。  また、この普天間基地につきましても、辺野古にそのまま丸々機能が移転するわけではなくて、機能としては三分の一になるわけでありますし、十五機の空中給油機は全て岩国にもう移転したのでございます。そしてまた、同時に、今までは約一万戸の方々のお宅に対して防音の措置をしていたところでございますが、辺野古に移ればそれがゼロになるわけでございます。  また、嘉手納以南の返還につきましても我々はしっかりと進めていきたいと思いますし、既に西普天間住宅については、これは返還がなされることは決まったわけでございます。  そうしたことを一歩一歩進めていきたいと、このように考えているところでございます。

山本太郎生活の党と山本太郎となかまたち

○山本太郎君 配付資料の一は朝日新聞、二、三は琉球新報に対して、一はマイケル・アマコスト元米国駐日大使のお話、沖縄の嘉手納基地こそ王冠の宝石のように重要で、海兵隊は重要でないとおっしゃっている。ミスター・ガイアツと呼ばれた方が辺野古の新基地の必要性がないことをおっしゃっている。そして、おなじみジャパン・ハンドラー、リチャード・アーミテージ様、対案があれば間違いなく米国は耳を傾ける。ジョセフ・ナイ様、辺野古を再検討すべきとおっしゃっている。いいんですか、言うこと聞かなくて、ここは。本法案だけじゃなくて、原発再稼働、TPP、特定秘密保護法、防衛装備移転などなど、全部第三次アーミテージ・ナイ・レポートに書いてある日本への提言、全力で実現しているのに、これ言うこと聞かなくても大丈夫なんですか。利権がまた違うのかな。  続けます。  二〇一〇年五月八日、サイパン、テニアンなどを含む北マリアナ州のフィッテル知事の声明、普天間基地移設に関し、グアムと北マリアナで環境影響評価を実施した。軍事基地と訓練所の場所となる考えを受け入れる。北マリアナ諸国連邦はどんな支援もする所存です。普天間代替、おっしゃってくださっているんですよね。  総理、新基地の建設、直ちに中止してくださいよ。  沖縄の海兵隊、キャンプ・ハンセン、ホワイト・ビーチのみをローテーション基地とすればいいじゃないですか。普天間は速やかに撤去、代わりにグアム、テニアンの新しい訓練基地、日本の費用で建設する提案、アメリカ政府に当然すべきだと思いますよ。しないんですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、委員に利権という言葉については取り消していただきたいと。何の根拠もなく極めて名誉を傷つけるような発言は控えていただきたいと思います。そのことをまず強く申し上げたいと思います。  そして同時に、この普天間の移設につきましては、例えば民主党において最低でも県外という公約をされたわけでありますが、三年間の言わばこの政権を担っている間を通じて、この辺野古への移転しか道がないという結論に、様々な案を検討されたと思いますが、ということになったわけであります。  自民党におきましても長年これは検討してきたところでございますが、我々は唯一のこの普天間の移設先であるという結論に至っているところでございます。

山本太郎生活の党と山本太郎となかまたち

○山本太郎君 残念ながら、民主党がちゃんとその北マリアナの方々とお話をされていたんですよ、どうやったら移せるかということを前向きに。  話、続けます。  沖縄で、もう一つ大きな問題あります。一九五一年……(発言する者あり)理事会協議って言いませんでしたか、今理事の方々も。一九五一年、最初に結ばれた日米安全保障条約、旧安保。一年後、それとセットで締結された日米行政協定、これ大問題なんです。その後、新安保に変わったときに地位協定に変わる。で、この内容はどういうことなのかということなんですけれども、要は、戦勝国である米国に対して、日本国内で好き勝手できる、全てフリーハンドを与えますという超不平等なものだったんです、行政協定は。  時が流れて、一九六〇年に新安保に変わり、そのときに行政協定は地位協定に変わった。で、何が変わったのって、表向きは占領色が弱まったような雰囲気だったけど、実はそのまんまだったよって。密約が裏で交わされていた。岸政権当時の藤山外務大臣、マッカーサーの米駐日大使との間で交わされた基地の権利に関する密約、公文書で明らかになっています。  これ、地位協定変えなきゃ駄目なんじゃないですか。おじい様がやったことですよ。この国の主権を売り飛ばしたような売国条約になっているんです、これ。中身分かっているでしょう。行政協定からそのままになっているんですから。総理、変える気ないんですか、地位協定。アメリカに求める気はないんですか、地位協定の変更を。(発言する者あり)

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 私は、政治家というのは議場においてどういう発言でもいいと思う。私も相当暴言を吐いてきました。ただ、今の山本君の発言につきましては、やっぱり売国奴とか、(発言する者あり)売国条約とか、いろいろ不適切と私のような不適切な発言をしてきた者がそのように思う箇所が多々見られる。  これについては、後刻私は理事会においてこの議事録をもう一度精査して、そのようにさせていただきたいと思います。理事の皆さん、いいですか。──よろしいですね。  じゃ、山本太郎君、質問を続けてください。

山本太郎生活の党と山本太郎となかまたち

○山本太郎君 売国条約という言葉には、ちょっと皆さんの物議を醸すような言葉があったと思います。そこは訂正させていただきます。  全ての主権を売り渡しているような条約に対して、これを継続する、占領時代と変わらないものを今も約束し続けるというのは余りにもおかしいと思います。  総理、地位協定、アメリカに対して、これ変えることを求めないんですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、山本委員が指摘された文書においては、政府として、米国において公開されたとされる文書の中身について一つ一つコメントすることは適当でないと考えます。米国も、一般に公開された文書につきコメントを行わないものと承知をしております。  また、地位協定については、事実上の改定とも評価される、今回は環境についてのこの地位協定についてのこれは新たな合意を行ったわけでございます。  このように、一歩一歩着実に進んでいるところでございます。

山本太郎生活の党と山本太郎となかまたち

○山本太郎君 一歩一歩前進しているどころか後退していくというか、継続しっ放しなんですよね、占領時代を。やはりここを変えていかなきゃいけないと強く申し上げて、そして辺野古の新基地は必要がない、代替地もある、そしてアメリカの関係者でさえも必要がない、話し合えと言っている、そのことに対して是非耳を傾けていただきたい、そしてこの本法案は廃案しかないと申し上げて、質問を終わらせていただきます。  委員長、失礼しました。

荒井広幸新党改革・無所属の会

○荒井広幸君 荒井でございます。  午前中、公明党の山口代表が、国会の関与を強めるということで御発言になりました。私ども……(発言する者あり)午後ですね、午後一番でございました、山口代表の発言に賛意を示すものであります。  私は、今日申し上げたいのは、総理を取り巻いてサポートするNSCの事務局の存在、これをずっと行政国家、官僚主義という立場でいろいろと、万が一のことがあってはならないと指摘をしてきたわけです。  今日取り上げたいのは幾つかになりますが、まず、毎日新聞によりますと、日米関係筋の話として、国会の状況により自衛隊の活動が左右されないようにしてほしいというのが米国の希望だという話を紹介しています。仮にこうした話があるとして、私は結構これは本質、本音をついたことだなというふうに思っております。  仮にこうした話があるとして、米国などの要請は正しくて、国会の判断や意思は正しくないと思われますか。NSCの担当者にお尋ねします。

前田哲内閣官房内閣審議官

○政府参考人(前田哲君) お答えいたします。  先生が今御指摘になりました毎日新聞、御指摘の報道については承知をしてございますけれども、報道の一々に対しての政府としてのコメントは差し控えさせていただきたいと存じますが、その上で、今回の平和安全法制の策定に当たりまして、自衛隊の活動について民主的統制を確保するための国会の関与、これは極めて重要なものであると考えてございます。また、適切な形の国会関与について各法案の中に適切に盛り込んだというふうに考えております。この各法に従って国会関与が十分なされる形で法律を執行していくべきであると、このように考えてございます。

荒井広幸新党改革・無所属の会

○荒井広幸君 まだ十分には盛り込まれていないということを指摘をしておきます。  さらに、NSCの皆さんに聞いていきます。  よくあり得る話でありますし、そんな声もどこというのではなくて出ているんですが、万が一ねじれ国会になれば、参議院では、自衛隊を派遣する場合の国会承認、承認されないからこういう場合は困ってくるなというような話もあり得るんです。こういうあり得る話について、NSCの事務局はどのように考えますか。

前田哲内閣官房内閣審議官

○政府参考人(前田哲君) お答えいたします。  今回の法案に様々な国会の承認事項というものが盛り込まれております。例えば、防衛出動の承認、あるいは対処基本方針の承認、そして重要影響事態等々におきます対処措置、これについても承認がございます。  これらの承認の案件については、衆議院、参議院、各院の一致した承認というものが必要となってくるというのが事実でございますので、政府といたしましてはこの両院の承認をいただけるように最大限の説明努力を行っていく、こういうことになろうかと思います。

荒井広幸新党改革・無所属の会

○荒井広幸君 これは、総理始め政府の皆さんも、そして官僚の皆さんもしっかり心に留める、我々国会議員も留めるべきことは、参議院でねじれが生じるということは、そのときの政府の支持が、これが失われたと、有権者から、そうしたねじれ、政府が多数を占められなくなった、与党が占められなくなったということで謙虚に受け止めるべきであります。  政治家はこうしたことをある程度受け止めるんですが、官僚は一度試験に当選しますとずうっと官僚です。(発言する者あり)合格ですね、試験に合格すれば。ということになりますので、どうぞ官僚の皆さんは戒めて対応していただくようにお願いしたいんです。二、三年我慢すればもううるさい政治家はいなくなるんだというようなことでも困るし、自分たちのさじ加減で情報を出せばそれで思うようにコントロールできるような思い上がりはゆめゆめ持っていないと思いますが、持たぬように願いたいと思います。  重要影響事態について申し上げます。  重要影響事態というのは、先ほど来からもありますが、存立ほどではないけれども日本に重大な影響があると、こういう事態ですが、緊急のときには国会の事前承認は要らないということになります。  しかし、事前に国会の承認を得るという国際平和協力活動については、例外なく事前承認なんです。自衛隊の活動は同じ後方支援をするんです。しかし、緊急のときが日本に関わるときだから重要影響事態はあるというんですが、緊急事態とは何でしょうか。NSC担当者に聞きます。

土本英樹内閣官房内閣審議官

○政府参考人(土本英樹君) お答えいたします。  緊急のときという御質問でございますが、個別具体的な状況によっては、例えば事態が急速に悪化していることが明らかであって我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれがあるといった、我が国として緊急に対応しなければならない場合も考えられるところでございます。  こうした我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態において、既に米軍等が事態の拡大を抑制し、又はその収拾を図るために活動を開始している中で、我が国自身の問題であるにもかかわらず適時に必要な後方支援活動等が行えないことや、その結果として我が国がより大きな危険にさらされるという状況は避けなければならないと考えているところでございます。

荒井広幸新党改革・無所属の会

○荒井広幸君 そのとおりなんですね。我が国を守ってもらっているアメリカ軍に対してのこれは後方支援なんですよ。ですから、我が国の極めて重要な事態になりかねない、あるいはなっている、そういう事態に対して米軍が我が国を日米安保で守っていただいているわけです。そのときに、我々ができ得る限りのことで後方支援をしていく、武力の一体化を避けてしていくということは当然なんですが、しかし、総理、国民の声も聞いてください。そうすると、地球の裏側まで行かなくてはならなくなるんじゃないですかと、アメリカに言われて、あるいは戦争に巻き込まれるのではないかという不安があるのは現実です。これらの誤解を与えているという意味では政府に責任がありますし、我々、この法案は必要であると言っている政党の責任もあります。  その上で、こうした不安を解消することが何よりも政治として必要です。法案が正しい正しくない、それだけではないんです。誤解を与えているというところが最大の問題だと考えているわけなんです。  そこで、こうした不安解消のため、国会がきちんとコミットして文民統制をしていくということでその不安を解消していくということは極めて大切であると思いますが、NSCの担当者はどう思いますか。

土本英樹内閣官房内閣審議官

○政府参考人(土本英樹君) お答えいたします。  重要影響事態に際しまして、政府は、閣議決定した基本計画を遅滞なく国会に報告するとともに、防衛省・自衛隊による後方支援活動等の実施につきましては国会の承認が必要であるなど厳格な手続を経ることとなっております。  政府といたしましては、国会に対してしっかりと情報提供を行うとともに、政府が事後に承認を求めた場合に、仮に国会において不承認の議決があったときには後方支援活動等を速やかに終了することとなっており、また、一旦国会に御承認をいただいた後においても、改めて国会における審議が行われ、議院としての意思が示される場合には、政府としてその判断を重く受け止め、適切な対応を取ることは当然でございます。  政府といたしましては、国会の御理解と支持が得られるような形で対応措置を講じていくことは、失礼いたしました、国会の理解と支持が得られないような形で対応措置を講じていくことはあり得ません。

荒井広幸新党改革・無所属の会

○荒井広幸君 緊急のときにもっと制限を掛けて限定していきたい、法的拘束力を持ったルールを作りたいというのが、元気、次世代、我々の考え方なんです。それが修正案にもなります。NSCの担当者はどう思いますか。

土本英樹内閣官房内閣審議官

○政府参考人(土本英樹君) お答えいたします。  政府といたしましては、重要影響事態という我が国自身の問題であるにもかかわらず、適時に必要な後方支援活動等が行えないことや、その結果として我が国がより大きな危険にさらされるという状況は避けなければならないと考えておりますが、あくまでも個別具体的な状況に応じまして、客観的かつ合理的に政府全体としてあらゆる情報を総合して判断することとしており、事後承認を求めるのは政府としても国会の承認が得られる見込みがある場合に限られます。

荒井広幸新党改革・無所属の会

○荒井広幸君 では、その政府の承認で判断、認定するのは、NSCにおける四大臣会合、九大臣会合、そして閣議決定です。それぞれ多数決で決めるんですか。可否同数ならどうするんですか。

前田哲内閣官房内閣審議官

○政府参考人(前田哲君) お答えいたします。  国家安全保障会議の議事でございますが、四大臣会合及び九大臣会合共に、議長及び会議に出席する議員の全会一致をもって決定することとされてございます。また、閣議につきましては、先生もうよく御存じのとおり、全会一致をもって決定することとされているわけでございます。

荒井広幸新党改革・無所属の会

○荒井広幸君 全会一致にならなければどうなるんでしょう。

前田哲内閣官房内閣審議官

○政府参考人(前田哲君) お答えいたします。  国家安全保障会議のケースで申しますれば、国家安全保障会議設置法第四条に基づきまして、議長である内閣総理大臣が会務を総理するとされているわけでございます。したがいまして、情勢が緊迫して迅速な意思決定が必要な場合には、総理のリーダーシップの下で必要なタイミングで会議としての意見が集約されるものと、このように考えてございます。

荒井広幸新党改革・無所属の会

○荒井広幸君 そこで、総理に御意見を拝聴します。  五党で今、国会の関与を強める、入口、中口、出口、そして法文にないところも、きちんとこれらも法的拘束力を持つような形で修正を求めております。  その総理大臣が御判断をいただかなければならない時期に近づいております。総理として、政治決断をして、国民の不安を取り除き、そして日本を守る、戦争はしない、そういう決意の下で御決断をいただく場面が出てまいります。適切に御決断をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 自衛隊の活動につきましては、民主的統制を確保する観点から国会の関与は極めて重要であると考えております。  政府としても、今回の平和安全法制においては、そのような考え方の下、民主的統制の確保のために国会の関与について適切に定めております。その中には例外として事後承認を認めているものもありますが、原則はあくまでも事前承認であり、政府として可能な限り国会の事前承認を追求していく考えであります。  いずれにせよ、御党と日本を元気にする会、次世代の党が共同の修正案を提出されたことに対しましては敬意を表したいと思いますし、現在協議が行われているものと承知をしております。政党間の協議には政府としては謙虚に耳を傾けていきたいと、こう思っておりますし、なるべく多くの政党に賛成をしていただきたいと、このように考えているところでございます。

荒井広幸新党改革・無所属の会

○荒井広幸君 総理、重ねてお尋ねします。  政党間協議をした上で、それでもなおかつ総理の御判断を求めなければならないときが出てきた場合、英断をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今まさに協議を、五党で協議をしているわけでございますから、その協議が調う前に私がこれ判断して決めるということは適切ではないと考えますが、先ほど申し上げましたように、私の基本的な考え方としては、できるだけ多くの政党に賛成をしていただくことによってこの法案の信頼性も高まっていくのではないかと、このように考えているところでございます。

荒井広幸新党改革・無所属の会

○荒井広幸君 NSC担当者にお尋ねします。  そうした総理のお考えがあります。国会の事前承認と国会が撤退決議をしたときに撤退する、これはただ一つ、存立事態しかありません。国会が撤退決議をするということは、事前承認と表裏一体の関係にもあります。国会が撤退決議をした場合、速やかに自衛隊を撤退させる、こうしたルールを法的拘束力を持たせながら組み込む必要があると思っていますが、現段階、NSCとしてはどのように考えておりますか。

前田哲内閣官房内閣審議官

○政府参考人(前田哲君) 活動実施中の撤退の決議があった場合、この規定は事態対処法にのみあるわけでございますけれども、自衛隊の活動について仮に活動を終了すべき旨の国会としての御意思が示される場合には、法的拘束力がなかったとしても、政府としてその判断を重く受け止め、適切な対応を取ることは当然であろうと、このように考えてございます。

荒井広幸新党改革・無所属の会

○荒井広幸君 法的拘束力がなくても国会の意思は尊重するべきということを強く言って、終わります。

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。  内閣総理大臣は御退席いただいて結構でございます。  速記を止めてください。    〔速記中止〕

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 速記を起こしてください。     ─────────────

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 領域等の警備に関する法律案を議題といたします。  発議者大野元裕君から趣旨説明を聴取いたします。大野元裕君。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 私は、民主党・新緑風会及び維新の党の発議者を代表し、ただいま議題となりました領域等の警備に関する法律案について、その提案の趣旨及び内容の概要を御説明いたします。  我が国の離島等においては、闇夜に紛れて多数の武装漁民のような者たちが上陸を企て、かつその者たちが機関銃などの重火器を隠し持っているケースや、工作船とおぼしき不審船舶が高速で我が国領海を侵犯し、かつ重武装をしているおそれがあるケースなど、海上保安庁などの警察機関には手に余る装備のため、自衛隊による対処が余儀なくされる事態が現実的かつ切実な脅威として想定されております。  これら武力攻撃に至らない事態、いわゆるグレーゾーン事態が生じたとき、現行法で自衛隊は治安出動又は海上警備行動にて対応することが考えられますが、その都度閣議による決定を経なければならず、一定の時間を要するため、この間に事態が悪化するおそれがあります。  また、これら治安出動や海上警備行動の発令に至るまでの間は、たとえ近辺に警察官や海上保安官がいないなど警察機関による対応が困難な場合であっても、自衛官は不審者に対して、警察官や海上保安官が行うことができる立入検査や犯罪の制止などの行為を行えません。  また、自衛隊法九十五条に定める武器等防護など例外的なケースを除いては、たとえ正当防衛、緊急避難の事態であっても、法律上、自衛官に武器使用の権限がありません。  これら、時間、権限、武器使用の三つの隙間を埋め、シームレスな対応を可能にすることこそが、国民の生命財産、我が国の領土、領海を確実に守るためには何より必要なことであります。  しかしながら、政府は、これらのグレーゾーン事態に対して、電話閣議の導入などの運用改善策にとどめ、今回提出された安全保障法制においては何ら法的な手当てがなされておりません。  これに対して、我々は、真に現実的な安全保障政策を追求する姿勢に基づき、近くは現実的にの観点から、これら三つの隙間を埋めるためには明確な法律的な裏付けが必要と考え、本法律案の提出に至った次第であります。  以上がこの法律案の提出の趣旨であります。  次に、この法律案の内容について、その概要を御説明いたします。  第一に、基本原則として、我が国の領域等における公共の秩序の維持は警察機関をもって行うことを基本として警察機関の拡充を進めつつ、警察機関をもっては公共の秩序を維持することができないと認められる事態が発生した場合には、自衛隊が警察機関との適切な役割分担を踏まえて当該事態に対処すること等を定めております。  第二に、政府は、領域警備基本方針を定めるとともに、警察機関の配置の状況や本土からの距離等の事情により不法行為等に対する適切な対処に支障を生ずる事態が発生するおそれのある区域を領域警備区域と定めることとしています。これらは、いずれも、閣議決定の上、国会の承認を求めることとしております。  第三に、領域警備区域における人命若しくは財産の保護又は治安の維持のため、関係行政機関の意見を聴取した上で、自衛隊が情報の収集、不法行為の発生予防及び対処のための領域警備行動を行うことを可能とするとともに、その際にこれら自衛隊の部隊に対して警察官職務執行法及び海上保安庁法上の権限を付与することとしております。  第四に、治安出動、海上警備行動等に該当する事態が発生する場合に備え、閣議決定等により領域警備基本方針及び領域警備区域を定めておき、その領域警備区域内において、改めて個別の閣議決定を要せずにこれらの出動が下令できるようにすることとしております。  第五に、防衛大臣は、領域等における公共の秩序の維持を図るため、自衛隊の部隊に対し、必要な情報の収集その他の警戒監視の措置を講じさせることができることとしております。  第六に、領域警備区域内の特定の海域における公共の秩序維持のため特に必要があると認めるときには、当該特定の海域を航行する船舶による事前通報制度を設けることとしております。  第七に、政府は、領域等の警備に関し実施する活動に伴い不測の事態が発生することを防止するため、各国政府との間で、関係行政機関相互間の意思疎通と相互理解の増進、安全保障の分野における信頼関係の強化及び交流の推進、緊急時の連絡体制の構築等の措置を講じるように努めることとしております。  第八に、国土交通大臣から要請があった場合においては、自衛隊の部隊は一定の権限を持って海上保安庁が行う警備を補完するための海上警備準備行動を取ることができることとしております。  第九に、国家安全保障会議の下に、領域等における公共の秩序の維持に関し、会議の審議に必要な情報を収集するとともに、関係行政機関の連携協力を図るため、領域警備事態連絡調整会議を置くこととしております。  以上が本法律案の提案の趣旨及び内容の概要でございます。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いをいたします。

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後六時十七分散会

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