法務委員会 第2号
- 発言数
- 299 件
- 登壇者
- 34 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2015/03/20
会議録
○奥野委員長 これより会議を開きます。 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 各件調査のため、本日、政府参考人として警察庁長官官房審議官露木康浩君、警察庁長官官房審議官濱勝俊君、金融庁総務企画局審議官氷見野良三君、総務省大臣官房審議官時澤忠君、消防庁長官坂本森男君、法務省大臣官房長黒川弘務君、法務省大臣官房司法法制部長萩本修君、法務省民事局長深山卓也君、法務省刑事局長林眞琴君、法務省矯正局長小川新二君、法務省入国管理局長井上宏君、公安調査庁次長杉山治樹君、外務省大臣官房審議官鈴木哲君、文部科学省大臣官房審議官中岡司君、厚生労働省大臣官房年金管理審議官樽見英樹君、厚生労働省大臣官房審議官木下賢志君、厚生労働省大臣官房審議官苧谷秀信君、厚生労働省大臣官房審議官武田俊彦君及び厚生労働省社会・援護局長鈴木俊彦君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○奥野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○奥野委員長 次に、お諮りいたします。 本日、最高裁判所事務総局堀田人事局長、今崎刑事局長及び村田家庭局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○奥野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○奥野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。黒岩宇洋君。
○黒岩委員 おはようございます。民主党の黒岩宇洋でございます。 せんだって十三日、上川大臣から所信を聴取いたしました。本日は、その所信についてお聞きをしたいと思っております。大臣、所信というのは大臣の思いでありますので、きょうは、その大臣の思いを大臣の言葉で国民に向けて御説明をいただきたいと、まずは冒頭お願いをしておきます。 ただ、残念なことに、所信表明の後に、大臣が、補助金受給企業から献金を受けた、国民からの疑惑に対して説明をされる、もっと厳しい言い方をすれば釈明をされる、こういった場面があったわけでございます。この点について、やはり国民の疑念を払拭するという意味においても質問をさせていただきたいと思います。 まずは、私がお聞きして腑に落ちなかった点を二つほど大臣にお聞きしたいんです。 前段で大臣は、この問題を説明するまでに一定の時間の猶予をいただいて、今般、調査検討を終えたところです、こうおっしゃいましたね。大臣の所信にもありました、法務省は我が国の法秩序の維持をつかさどる役所であると。その所管大臣である法務大臣ですら、一定の時間、これは多分、二月二十七日に新聞報道され、そして三月十三日に説明をされるまでの約二週間ということだと思うんですけれども、大臣の説明ですと、弁護士さんとかがチームを組んで、そしてこれだけの時間をかけて、法の専門家である大臣が、今般、調査検討を終えなければ説明のできない規正法という法律というのは一体どういう代物なんでしょうか。問題があるとお感じにはなりませんか。
○上川国務大臣 私にとりまして、今回、通常国会の初めての法務委員会での御質問ということで、黒岩先生の、法務省に対して、さまざまな御苦労をしながらいろいろな問題に取り組まれてきたということに対して敬意を表しながら、また、御質問をしっかりとやりとりさせていただきたいというふうに思っております。よろしくお願い申し上げます。 所信の折に、私がその後、補助金に関しての説明をさせていただくという大変ありがたい時間をいただくことになりまして、所信の後にお話をさせていただいたところでございます。 私が代表を務めます政党支部がいただいた献金についてでございますが、違法ではないかという御指摘をいただいたということでございまして、それを踏まえて、私としては、しっかりと調査をして説明をさせていただきたい、そうした姿勢でおりました。その意味で時間をかけさせていただいたということでございますが、国会の中のこの場所でお話をさせていただくということが大変大事ではないかなというふうに思った次第でございます。 二週間が長いか短いかということについてはいろいろなお考えがあろうかと思いますが、私としては、しっかりと調べて、そしてその上でしっかりと説明をしていくということが大事ではないかというふうに思っておりましたので、なるべく早くという思いではございましたけれども、そのようなプロセスの中で、先回の所信表明の後の説明とさせていただいたところでございます。 今回の政治資金規正法に係る部分の問題につきましては、私自身は知らなかったということでございますけれども、ルールにのっとってしっかりと対応していくというのは、法の支配という、民主主義の国の、私たちの社会の中では大変大事なルールでございますので、そういう意味で、知らなかったということに対して、しっかりと説明をさせていただくということを通して皆様に御理解をいただくことができ得ればなという思いでこの間取り組んできたところでございます。 私としては、評価がどういう形になろうかと思いますけれども、これからも、法の支配ということでありますので、政治資金規正法にのっとって適正に活動していく、襟を正してしっかりと取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○黒岩委員 大臣、これからは私がお聞きしたことに端的にお答えをいただきたいと思います、限られていますので。 私の問題意識は、法律をつかさどる大臣という立場の方がこれだけの時間をかけて調査検討しなきゃいけないということは、一般の国民からすればどれだけ不明確な法律であるのか、その問題はあるのかないのかとお聞きしたんですよね。それについて、あるのかないのかということをお聞きしたい。 そして、先に進めていきますけれども、大臣は後段でこうおっしゃっています。当該企業の寄附、この寄附に問題がなかったというのが私の判断、結論でございます、こうおっしゃいましたね。 これは、とりようによったら、大臣、私の判断、すなわち政治家個人の判断、ともすれば恣意的な判断、言い方は悪いかもしれませんけれども、私個人の判断に、問題があるかないか、違法性があるかないかを委ねることができる。そういう法律は、大臣、やはり改善の必要があるとはお考えになりませんか。
○上川国務大臣 ただいま御指摘の件でございます。 まず一点目ということで、時間がかかったぐらい大変難しい法律ではないか、問題があるのではないかという御指摘でございます。 私も一政治家としてこの問題として真摯に受けとめるということで取り組んでまいりましたけれども、今、さまざまなところで、法律を改正するでありますとか、あるいは運用についてどうするかというような御議論があろうかというふうに思います。 そういう意味では、私自身知らないということで今回のことになったということも考えてみますと、運用のところで、この法律にのっとってしっかりと対応していくということは必要ではないかというふうに思っております。
○黒岩委員 私は、まずは、余りにも不明確な法律であれば、大臣も含め私たちも、国会にいる人間はいつ大きな疑念にさらされるかもしれないということですよ。 この後、資金規正法に照らし合わせながら質問をします。ただ、もちろん、規正法の所管大臣は総務大臣でありますから、それについて改正かどうかということをここでぎりぎり詰められないということは承知しております。 ただ、くどいですけれども、法秩序をつかさどる大臣という要職にいる政治家として、そして、つい最近までまさにこの法律を所管している総務省の副大臣もされていた政治家である上川大臣として、私も決して、何か党の意見を集約したわけではなく、私のもとにも、多くの国民の皆様や、そして折々、法律の専門家の方からもさまざまな疑問や問題提起というものがされてきておりますので、ぜひ、大臣のお知恵をおかりしながら、そして私から提案もして、この改善というものをどう図っていけるか、この点を議論させていただきたいと思います。 そして、大臣の先ほどの説明の中で、今の答弁の中でも大臣触れられましたけれども、私はやはり、国民からすると、三つ大きなわかりづらい点があると思います。まず、この三点について申し上げますね。 さっき大臣がおっしゃいました。まず、大臣は前段でこうおっしゃったんですね。当該企業が補助金を受けていた事実を知らず、こう説明されました。これは、規正法で言うところの二十二条の三の六項ですね。受領側が知りながら受けてはならない、この知りながらという部分。これは、国民からすれば、何だ、知らなきゃ何でも済むのかという、こういう問題意識があるということが一点目です。 二点目は、大臣が国交省から受けていた広域物資拠点施設整備費補助金、この補助金は、これも二十二条の三の括弧内の例外規定、「試験研究、調査又は災害復旧に係るものその他性質上利益を伴わないもの」に当たるという説明でありました。これも、国民からすれば、何だ、どれが例外に当たるんだよと、非常に不明確である。 ちなみに、この国交省の広域物資拠点施設整備費補助金というものがどんなものか、私もちょっと調べてみましたら、確かにこれは災害復旧にかかわるものじゃないんですよね。いざ災害が起きたときの非常用電源だとか非常用通信だとかの設備を導入する際に、国が二分の一ないし三分の一補助をする。 では、これが利益を伴うか伴わないか。これは、大臣の判断では、その他の利益を伴わないものだという解釈だと私は承知しておりますけれども、これも、特に大手の企業なら、あれだけの大災害があれば、みずからの意思で非常用電源をつくろうじゃないかと思っている企業に、二分の一、国から補助が行けば、これは、助かった、もうかったという話になるわけですよ。 仮に、あなたのところ、非常用電源をつけなさいよという何か義務づける法的担保があって、いや、そんなお金はない、だったら二分の一つけましょうというならば、これは利益を伴わないかもしれない。こういう、解釈によってもいろいろな解釈があり得るということがまず二点目の指摘です。 三点目。これは、大臣の政党支部が、環境省から二つの補助金を受けている企業から献金を受けたと。この際に、大臣の説明ですと、この補助金は国が直接交付決定をしたわけではないから寄附の制限は受けない、こういう説明でした。これは、二十二条の三の主語「国から」、この「国から」という主語の解釈の仕方なんだと思います。 ただこれも、国民からすれば、大臣のケースは社団を経由している、だったら、社団なり公共団体なり、何か経由すれば違法性は問われないというのも、これもおかしいんじゃないのという、こういう大きな疑念が湧いたわけですよね。 そこで、大臣、今の三点について質問に入っていきましょう。 まず一点目、受領側に係る故意要件。これは、二十二条の三の六項に「知りながら、」とある。では、すっきりさせる意味で、この「知りながら、」を取っ払ってしまう。実は、取っ払っても故意犯処罰の原則がありますから、取っ払うだけじゃなくて、厳密に言うと、そこに、過失犯も違法性を問えるという条文立てをしなきゃいけないということになるんですが、きょうは余り細かいことには踏み込みません。 まず質問しましょう。今言った二十二条の三の六項から「知りながら、」を取っ払ってしまう、こういう改善策についてどうお考えですか。
○上川国務大臣 今、三点の御質問をいただきまして、一点目からということでありますけれども、政治資金規正法の改正ということの意見ということで求められたわけでありますが、これは、総務省の担当、所管ということでございますので、この部分で改正ということになりますと、やはり政党間でしっかりと御議論いただくということがこれから大事ではないかなというふうに思います。
○黒岩委員 冒頭申し上げた、改正にぎりぎりというわけには確かにいかないので、今申し上げた、国民や法律の専門家から提案があった、この提案について、例えば大臣の方で、これは合理性があるなとか、これは無理があるなとかいうような、やはり大臣なりの見解というものは、議論を建設的に進めていく上でお答えいただければと思っております。 それで、確かに、「知りながら、」の故意要件を取るというのは難しいかもしれないと私も思っています。なぜかといえば、政治資金規正法上、受領側、あえて簡便に政治家側と言いましょう。厳密に言えば政党支部の、そして政党本部の、そして政治資金団体の会計責任者ということになりますけれども、これを政治家側と言いましょう。政治資金規正法上、政治家側には全て故意要件がかかっていますので、これはなかなか取っ払うのは難しいかもしれません。ただ、そうしたときに、これから私、二つのことを提案しますね。 一つ目。これは、少なくとも各府省庁は、補助金を出すわけですから、そのときに、総務大臣と事前に一定の期間を持ち、きちんと合議をする。そのことによって、この補助金が交付決定後一年間寄附を禁止されている内容の補助金である旨を、交付決定したときに、その企業、団体側に通知する。こうすると、企業側も、ああ、自分たちはあと一年間政治家に献金できないんだなということがわかりますよね。 二つ目。さらに念には念を入れて、だったらそこに、交付決定をした側、各府省庁が、例えばインターネット等を使って、閲覧できる、いわゆる公開する義務を負うことによって閲覧性が向上できる。そうすると、受け取る側も、ああ、この企業からは一年間は受け取れないんだなと。 こういうような措置を講ずれば、いや、これは改正とか運用とか言っているんじゃないんです。運用かもしれませんよ。ただ、こういう改善を図れば、知らなかったということがなかなか言いづらくなるんじゃないか、こういう私の後ろにいる方のアイデアでありますので、このアイデアについて、大臣はどういう御見解をお持ちですか。
○上川国務大臣 今も、改善か改善かということでございますけれども、法律に照らしてどういうふうな形で改善するかも含めまして、やはり国会で御議論いただくべきことであり、また、法の改正が必要になるような項目につきましては、総務省の所管ということで、法務大臣という立場ではちょっと答えられないということでございます。
○黒岩委員 大変議論が前に進まなくなってきましたね。では、二点目と三点目はまとめて御見解をお聞きしましょう。 二点目は、やはりその例外規定、例示列挙として三つほど挙げられて、それ以外については、その他利益を伴わないものとあるんですけれども、この括弧の内容を全部取っ払う、こういう御意見も私のもとに寄せられた中でありました。 そのほか、これは運用でもいいでしょう、例えば限定列挙、ポジティブリストをつくる。これは、各党でも考えていることだと思いますし、可能なことだと思うんですよ。 いかがでしょうか、この考え方については、大臣、どういうようにお考えになるか。上川先生、よろしくお願いいたします。
○上川国務大臣 今回の政治資金規正法に係る課題ということでございまして、法務大臣としての答弁につきましてはなかなか難しいということでございます。 今回、環境省と国土交通省からの補助金ということについて、先ほどの二点の御指摘が、最後の一、二、三でございますけれども……(黒岩委員「各党の運用で考えてくださいよ」と呼ぶ)
○奥野委員長 ちょっと、質問するときはちゃんと……。
○上川国務大臣 そうした問題、課題については、それぞれ一人一人の政治家が、しっかりとそれに対して、私のように知らないとかということにならないように対応していくということで、まずしっかりと取り組む必要があるというふうに私自身思っております。
○黒岩委員 今、国会全体に疑念が抱かれていると申し上げました。それは、一議員という意味では、私も大臣も、国会に、この院に属する議員でありますので、ですから、私たちが私たちの手で国会の議論の中でこの疑念を晴らしていこうという趣旨であって、所管がどうとかではなくて、各党会派といっても、各党会派に私たちも属している一議員であります。ですから、これは、きちんとした質疑をしていくべきだと私は思いますけれども、大臣があくまでもそういう答弁でしたら、議論が前に進まない。 三点目については私の方から意見だけ申し上げておきますけれども、本来、規正法の趣旨というのは、補助金受給企業からの献金を禁止しているのは、やはり税金が政治家側に還流することを防ぐというのが立法趣旨でありますよね。そうなると、社団とか公共団体を通じても、その交付する給付金の原資またはその一部に、国からの補助金、すなわち税金が入っていれば問題じゃないかというのが国民からの疑念なわけですよ。 そうしますと、我々はいわゆる補適法と呼んでいますけれども、補助金の適正化に関する法律には間接補助金という概念があって、要は、今言った、給付する側が例えば社団であろうが公共団体であろうが、その原資の一部または全額に国からの補助金が入っていれば、これは法の網をかけましょう、ないしは運用で網をかけましょう、こういう考え方もあるということをぜひ御認識いただいて。もう答弁はさすがに求めません。 せんだっての大臣の説明を聞きながら、私だけでなく多くの皆さんが、今の制度に対して、これはなかなか不明確過ぎるぞ、こういう疑問を持ったことに対して、我々も真摯に答えてまいろうではありませんか。このことをお願いさせていただきます。 それでは、今度は本体、大臣の所信の部分であります。 私の問題意識として、やはり検察改革というもの、これは、過去から現在も、そして多分、未来永劫進んでいくものだと思います。ただ、近年のある時間軸をとらせていただきますと、私ごとでありますが、今から四年半前、二〇一〇年の九月二十一日に、当時は民主党政権でございましたが、私が法務大臣政務官に就任した日なんですね。ただ、多分、法務省にとってはその日として位置づけられているわけではなく、その日の全国紙の一面に、あの大阪地検での証拠改ざん事件、フロッピーディスクの改ざん事件が大々的に報じられた日だったわけです。その日はまだ事実関係は確定されていなかった。しかし、翌日にはその検察官が逮捕される。 私は、法務省の皆さんにこう申し上げました。前代未聞の検察官による証拠改ざんだ、多くの国民は検察に対して、自然と、当然に信頼を置いてきた、しかし、その検察が、準司法機関である検察が証拠を捏造したんだ、これは、大きな信頼失墜どころではなく、仮に二度こんなことが起きたら検察はもう死んじゃいますよと私は申し上げた記憶があります。 そして、その後、年末になりまして、当時の検事総長でいらっしゃいました大林検事総長が辞職をされました。これは、御本人も周りも決して引責だとは認めませんし、私も思っていません。ただ、就任後六カ月という期間で辞職をされた大林検事総長の思いはいかなるものか。現職の検察官の皆さんに、検察よ、もう一回よみがえってくれ、もう一回生き返ってくれという重いメッセージだと、私は私なりに深い感慨を覚え、そして、何とか検察のあり方の改革を進めていかなければいけないという強い思いを持ちました。 その後、省内に在り方検討会議を設け、そして三月には一定の方向性を取りまとめ、その後、さまざまな改革を行ってきた。 大臣が就任されてからまだ四カ月、五カ月でしょう。ただ、それまでのいきさつは当然お知りでありましょうし、引き継ぎもされているはずです。私がお聞きしたいのは、では、この四年半で検察はどのように変わったのか。怖いのは、喉元過ぎれば熱さを忘れるというようなことでは、これは不断の改革につながらないんですよ。 ちょっと話が長くなりましたけれども、当時、民主党政権で政務三役を経験した方は十数人いるんですけれども、今、本院、衆議院にいるのは私一人です。ですから、本院のこの法務委員会で、大臣に、あのときの問題の発端を直接担当させていただいた人間として、今、検察は本当に変わってきたのか、この肌合いというものを私は大臣からぜひお聞きしたい。よろしくお願いいたします。
○上川国務大臣 今、黒岩委員からの御指摘で、当時、あってはならない事態が起き、そして、このままでいくならば死に等しいというような、そういう大変厳しい問題意識の中で取り組んでこられたということを、今、認識を新たにした次第でございます。 私も、五カ月、法務省におりまして、特に検察は、準司法の役割を担う、国民の皆様から信頼されてこそ初めてその役割が発揮できる、そうした大きな使命を担っているというふうに強く感じてまいりました。 そして、検察の在り方検討会議も含めまして、検察の改革を不断にしていくということ、そして、謙虚に、そして絶えずみずからに問うていくということが極めて大事だということを、この間のさまざまな、検察の理念でありますとかあるいは問題提起、あるいはそれに付随してさまざまな体制整備あるいは教育研修、こういうことを積み上げてこの四年が経過したわけでありますが、こうしたことが、先ほどの委員の御質問でいけば、喉元を過ぎるというようなことにならないように、絶えず今の問題としてこの問題に取り組んでいくように、これは、私自身も強く感じながら、この五カ月過ごしてきたところでございます。 そういう意味でも、これからも、衆議院では唯一というようなお話がございましたので、あのときのそうしたさまざまな御苦労、あるいは問題意識というものがしっかりと今生かされ、そして将来につながっていくことができるのか、厳しく問うていただきたいというふうに思います。
○黒岩委員 今の点についてもう一点付言させていただくんですけれども、大臣から謙虚という言葉が発せられ、それは非常に重い言葉だと私は思っております。 在り方検討会議、多分、十数回開かれて、私は、担当政務官として全ての会議に出席しました。そして、視察も何カ所か行きましたけれども、その視察も全て私も参りました。 そのときに、これは、ある地検と申しましょう。ある地検で検察官からの意見を聴取しようというときに、ある検察官は、足を投げ出して、言葉は悪いですけれども、ふてくされたような顔をされて、人ごとのように、たまたま特殊な検察官が証拠改ざん事件を起こしたんだと言わんばかりの対応だったんですね。その後、上司の方からそれなりの注意を受けたとお聞きしましたけれども。 私は、検察官が誇りと矜持を持ってその任に当たるということは大切だと思っています。しかし、そののりを越えて、自分が正義であるとか、ましてや自分が偉いんだという意識を持った途端に、それが、今回の刑訴法の一部改正にもありますけれども、取り調べの不適正化につながるとか、ましてや二度と起こしてはいけない証拠改ざんなどということにつながるおそれがあるのではないかと思っているんです。ですから、やはりこの意識というものをどう変えていくのか、これが私の最大の問題提起なんですね。 どうですか、大臣、この四カ月、五カ月の就任ですけれども、検察官の意識が変わってきているなという実感というのは具体的にお持ちですか。
○上川国務大臣 私は、五カ月前に就任をするというところから、自分自身、現場というものを大事に、検察官の活動そのものも見てまいりましたけれども、まだまだ十分ではないというふうに思っております。 検察改革がスタートしてからどう変わったのかということについて、実感のある具体的なエピソードのようなものがあればというようなお話でありますけれども、私自信は、やはり先ほど申し上げたように、検察の役割ということを、真摯にそのミッション、使命を果たしていくために、現場の中での仕事そのものもみずから絶えず問うていくという謙虚な姿勢で臨むべきだ、これは私の第一印象でもございました。 検察の理念ということ、あるいはそれ以後のさまざまな取り組みということについても、その意識、つまり精神がしっかりと体現できるような一人一人であるのかということについては、私自身、検察改革についてはというところで、たゆまずというふうに述べさせていただきましたけれども、まさにたゆまず努力をしていくということを通して失われた信頼を少しでも回復できるように、そうした努力の積み重ねの中で皆様から信頼をいただくことができるというふうに思っておりまして、そういう意味での努力については、たゆまぬ努力を叱咤しながら、そしてまた激励をしながら、誇りを持ってやっていただくことができるように、法務大臣としても役割を果たしてまいりたいというふうに考えております。
○黒岩委員 たゆまぬ不断の対応というのが大事なんですよね。これは本当に、与野党と政府、委員会の別なくしっかりと、法務行政に対して、そして検察のあり方については、私たちも真摯に見詰めていく必要があると思っております。 きょうは、もうちょっと具体的な、刑訴法の取り調べの可視化についてお聞きしたいんですが、かなり時間がなくなったので、概括的なことしか聞けないんですけれども。 在り方検討会議が終わってから、まずは、大臣指示によって、検察において可視化の試行が始まりました。これは何段階かに分かれていますよ。まずは、特捜、特刑の独自捜査事件、その後、特捜、特刑以外にも独自捜査事件というものがかぶさりました。そのほか、裁判員裁判の対象事件。そして、知的障害がある方でコミュニケーションに問題があると思われる方。そして、四類型目としては、精神障害等により責任能力に問題がある方。こういう方々に対しては、試行として検察として可視化を進めていこう。そして、二十六年十月からは、さらに対象事件を広げるとか、試行が本格化している。 大臣にお聞きしたいのは、この試行に対しての大臣の率直な評価というものを聞かせていただきたいんです。
○上川国務大臣 取り調べの録音、録画、可視化の問題については、検察改革の中の大変大きな柱になっているというふうに思います。今御指摘の四類型についての取り組みをさらに段階的に進めていくという趣旨の中で取り組みがなされてきたというふうに思っております。 録音、録画については、いろいろ御議論のある中で、被疑者から供述が得られにくくなる場合があるというような問題点も御指摘があったというふうに思っておりますが、全体としては有用性が極めて高いというふうに考えております。 これから、評価をしながらさらに改善努力をしていくということが非常に大事であるというふうに思いますし、また、この拡大ということにつきましても、今回、法制審議会の御議論をいただきながら、その拡大についても御審議いただいた、答申をいただいているということでございますので、取り調べの録音、録画ということについて積極的に取り組んでいくということがこれから先さらに必要ではないかというふうに考えております。
○黒岩委員 拡大についても積極的というのは、本当にかなり踏み込んだ発言で、方向性が示されたと思いますけれども、ちょっと話が進み過ぎたので、もう一つ、やはり根源的なことをお聞きしたいんですよ。 可視化を進めるというときに、これも在り方検討会議での議論で、二つの非常に大きな命題がぶつかり合ったんです。それは何かというと、一つは、何としても冤罪事件は起こしてはいけない。と同時に、真相解明機能を減退させてはいけない。これは、難しい言い方をしましたけれども、簡単に言えば真犯人を逃しちゃいけないということ。冤罪は起こしちゃいけない、でも、真犯人も絶対に逃しちゃいけないという、この二律背反するテーマを可視化という制度が担い得るのかどうかというのが大命題だったんですよ。 そして、この二律背反する命題を克服しなければ、刑訴法一部改正という法律に法的義務として落とし込むことはできないはずですから、私はこの命題を克服したんだと理解しているんですが、しかし、この非常に難しい二つの二律背反する命題をどういう議論で克服し、そして克服し得たと大臣自身が御認識されているのか、その点はすごく重要ですので、お聞きをしたいと思います。
○上川国務大臣 委員からお触れいただきました検察の在り方検討会議においての提言、さらにその後の法制審における御議論ということで、一つの問題に対しての大変大きな御議論があったというふうに承知をしているところでございます。 二律背反という、捜査も公判も、真実をしっかりと証拠として踏まえながら、法と証拠に基づいて適正な手続をしていくという、そうした大きな方向性がございまして、その中で、この可視化の問題について、録音、録画ということについて、真実をしっかりと把握することができるようにしていくということについては、これは大変な工夫が要るというふうに思っております。 そして、取り調べとか供述調書に過度に依存するというようなことの問題、課題に対して、この制度がしっかりと機能することができるようにしていくという意味では、御指摘のような問題点についてのたゆまぬバランスということが必要ではないかというふうに思っております。
○黒岩委員 確かに大臣のおっしゃるとおりなんですよ。私もあえて意地悪に、克服できたかというと、それは簡単に克服できる話ではなくて、バランスを保ちながら目的に進んでいくという、これは私も理解をしています。 これは、実はさまざまな法制度の中で、きょうは逐条の法案審議をする気はないんですけれども、例えば、我々が俗に言う新たな刑事司法というものが盛り込まれましたね。具体的には、合議制であり、刑事免責であり、そして通信傍受の拡大というものが盛り込まれました。これは、当初、在り方検討会議での議論は、可視化との見合いで新しい捜査手法、こういう議論だったんですよ。すなわち、可視化によって真相解明機能が減退すると。 いっとき、先ほどお聞きした検察による試行について、当時の笠間検事総長はこうおっしゃっていましたね、確かに真相解明機能には支障を来している、だけれども試行を続けていくと。これは、現場の取り調べ官にしても悩ましい問題なんですよ。ただ、今申し上げた新しい捜査手法については、真相解明機能の減退による見合いとして新しい捜査手法を加えていくという議論だったと私は記憶しています。 しかし、今回の一部改正法の概要だと、まさにさっき大臣がおっしゃったとおり、取り調べ及び供述調書に過度に頼る刑事司法からの脱却という、大変言い方は悪いけれども、すばらしい看板にかけかえられていて、そのための手段が今言った新しい捜査手法の導入だと。これは合理性はありますけれども、ただ、もともとの議論は、可視化に対しての見合いという考え方だったんですよ。 これは多分、新時代の刑事司法制度特別部会なんだと思うんですけれども、今言った当初の見合い論から見合い部分が取っ払われて、すごくきらびやかな看板のもとでの手段へと置きかわってしまった。これはどこで議論が収れんされたのか、私、これが非常に大きな疑問ですので、大臣、御説明いただけますか。
○上川国務大臣 今回の法制審議会の審議を踏まえて出された答申に基づきまして、情報収集手段の適正化を図り、また多様化をしていくということ、そして充実した公判審理の実現を図るための諸制度を一体として刑事司法制度に取り入れるというような結論の中で、今回の法改正の御審議をお願いしていくということでございます。 今、審議の過程の中で、見合い論ということについては私、深く承知をしておりませんので、それぞれの制度の役割、そして新しい時代にふさわしい刑事司法制度のあり方ということをかなりいろいろな角度から検討した上で、総合的な判断でそうしたことになったというふうに考えております。
○黒岩委員 わずか四年半前に起きた大事件からの在り方検の会議、これは冊子になってありますので、それをごらんいただければ。承知していないというのはいささか責任に欠けるのかなと私は思います。 ただ、きょうは、所信、さまざまな分野があるので、それはもう本当に長い時間をかけてお聞きしたかったんです。そして、私の質問通告も半分も行きませんでしたけれども、最後に、あくまでも国民のための検察、そして国民のための法務行政を大臣としてしっかりとつかさどっていただく、まさに所信で宣言したその思いを実行していただく、このことを強く強く要望いたしまして、私の質問を終わります。 どうもありがとうございました。
○奥野委員長 これで黒岩君の質疑は終了しました。 次に、山尾志桜里君。
○山尾委員 民主党、山尾志桜里です。 きょうは、所信に対する質疑ということで、まず大臣に伺いたいと思います。 所信の中で、私、よくも悪くも非常に気になる言葉がありまして、私たちがおおらかな自信に満ちた個人として、一人一人の人権を尊重し、擁護する、そうした豊かで成熟した社会を目指す必要があると考えます、こういうふうにおっしゃられました。おおらかな自信に満ちた個人としてと。 質問に入る前にちょっとお伺いしたいんですけれども、大臣所信というのは、どの立場の人が最初に起草して、それに対してどのように大臣が関与して、最終的に大臣自身の言葉として決定され、この場で述べられるものなんでしょうか。
○上川国務大臣 大臣所信がどのようなプロセスを経てつくられていくのかということについて、今回、私自身、このような所信を述べさせていただきましたけれども、私の意思でございます。 そして、いろいろ大臣がいらっしゃいますけれども、どのようなプロセスを経てつくられるかということについては、私、承知しておらないと言うのも変ですけれども、しておりませんので、私自身のものにつきましては、私の意思の中でつくらせていただきました。
○山尾委員 多分、一言一句最初から大臣が書かれているわけではないと思いますので、恐らく、役所の方が案というものを出して、そこに大臣が御自身の思いを含めて手を加えられていくというのが通常だと思うんですけれども、この法務大臣の所信についてはそういうプロセスではないんですか。
○上川国務大臣 何をどのように含めていくかということについて、私自身の思いがございます。 五カ月たちました。そして、所信につきましては、私が責任を持って法務大臣としての使命を果たしていくために、スタートのときから、臨時国会、いろいろございましたけれども、新しい通常国会のスタートに当たりまして、その間考えてきたこと、あるいは、その間、さまざまな現場の皆様と話し合いをしながらかかわってきたこと、そのことを、自分なりに問題意識をまとめさせていただきまして、それを土台にしてつくったというところでございます。
○山尾委員 今のお話であれば、言葉の選び方一つ一つについても、そこにはやはり大臣の思いが込められたものと伺っていいんだと思います。 そこで、まず一点なんですけれども、これは非常にうれしかったんです。個人として、一人一人の人権を尊重し、擁護するというふうに言ってくださった。これは、単なる人ではなくて個人という言葉を用いたのはなぜですか。
○上川国務大臣 私の思いの中には、人というのは一般名称ということでございます。人格を伴う個人、そういう意味で、独立した人格を伴う個人が、その人権がしっかりと尊重される社会というのが非常に大事ではないかというふうに思って、これは日ごろからの考え方でございますが、そういう意味で個人ということを使わせていただきました。
○山尾委員 この十三ページで書いていただいた文言ですけれども、この中に、私は、憲法十三条の前段、個人の尊厳を規定した文言ですけれども、そこの趣旨と重なり合うものを込めていただいたのかなというふうに受けとめたんですけれども、その点はいかがですか。
○上川国務大臣 委員御指摘のとおり、憲法十三条につきましては、「すべて国民は、個人として尊重される。」ということで、我が国の基本的な理念の、一番大きな核というか、骨となる考え方だというふうに思います。基本的人権の尊重、そして同時に法の支配という、この二つにつきましては、今回の所信の中で明示をして、この基本的な理念を大切にしながら、過去から現在、そしてさらに将来と、あるいは、この考え方を共有していくさまざまな国々ともつながっていく、こういう問題を提起させていただきました。 そういう意味では、憲法十三条の個人としての基本的な人権ということについては、これと同じ考え方というふうに思っております。
○山尾委員 率直にお伺いをします。 今、法務大臣は、御自身の言葉で、この十三条というのは、まさに基本的人権の尊重という我が国の核であると言ってくださった。そしてまた、人は一般名称、それに対し個人は、独立した人格を伴う個人、そういうこともはっきりとおっしゃってくださいました。 その中で、今、自民党の改憲草案の中では、十三条の前段、個人、ここで、個が消えまして、人という言葉に置きかえられております。今のお考えを踏まえて、党の草案について意見を求めるつもりはありません、ただ、大臣の中で、この十三条の個人の個を消して人に置きかえることについて、何かメリットがあるとお考えですか。
○上川国務大臣 党の方の憲法について私の方から法務大臣として申し上げる立場ではないということであります。 今御質問いただきました所信の中の個人ということについて、私としてはとても大切にしていきたいというふうに思っておりまして、これは、どんな表現であろうとも、そうした意味を込めて、そして意義を込めて活動していくということが大切ではないかというふうに思っておりますので、私は、政治家として、この個人ということについては大切なものとして扱っていきたいなというふうに思っております。
○山尾委員 今の法務大臣の言葉をこれからもいろいろな場所で御紹介しながら、私自身もこの十三条の問題に向き合っていきたいというふうに思っております。 自民党の改憲草案の説明、QアンドAの中には、いろいろな反論に対する弁解のようなものがあるんですけれども、この部分は全く説明がされていません。なぜ個を消すのかという理由は、このQアンドAでは全く触れられておりません。 ただ、いろいろな新聞記事を読みますと、これに深くかかわった方が、ともすれば、今、個人主義というものが日本では強くなり過ぎて云々かんぬんということをおっしゃっています。私は、そういう方は、多分、個人主義と利己主義を履き違えていらっしゃるんじゃないかというふうに思っております。 ぜひ、この場でとは申し上げませんけれども、やはり法務大臣として、そして自民党の政治家として、このことにはいろいろな形で向き合い、そして御自身のお考えや信念を発信していただきたいというふうに思います。 今は、大変うれしかった個人ということを伺いましたが、ちょっと残念だったのは、個人はいいんですけれども、その前に、おおらかな自信に満ちた個人というふうにつけられたんですね。 私は、さっき大臣がおっしゃった独立した人格を伴う個人、独立した一人一人の、一つ一つの人格、それが個人の尊重であり、個人の尊厳である、そこを共有したものですから、余計、この個人の尊厳を語る文脈の中で、何か理想の個人のあり方に一定の枠をはめるような形容詞はおつけにならない方がよかったんじゃないかというふうに思ったんですけれども、いかがでしょうか。
○上川国務大臣 今、個人に対して形容詞をつけるということについて御指摘がありまして、そういうふうに判断されるのだなということを改めて思った次第であります。 私は、一人一人の人権、個人の人権、これが尊重される落ちついた社会というのを目指していきたいというふうに思っておりまして、それぞれの多様性もしっかりと受け入れる、あるいは認め合う、こういうことを、ある意味では明るくおおらかに包み込むような、そうしたイメージを大事にしながら進めていきたい、そういう気持ちを重ねたというところでございます。
○山尾委員 次に、十三条の後段のお話をさせていただきます。 十三条後段の公共の福祉、これを大臣はどのように解釈されていらっしゃいますか。
○上川国務大臣 ただいま、憲法十三条の後段の趣旨について法務大臣の認識を問うということでございましたけれども、憲法につきましては法務省の所管ではございませんで、私、法律家として詳細な法律論を論ずることができるものでもございませんので、詳しい御説明につきましてはいたしかねるというところが正直なところでございます。 ただ、公共の福祉について、実は、平成二十五年の四月に質問主意書に対して答弁をしたものがございます。それによりますと、憲法が保障する基本的人権は無制限なものではなく、他人の人権との関係では制約を受けることがあり、憲法における公共の福祉については、この人権相互の矛盾や衝突を調整するための原理だと一般的に解されている、そうした答弁がございます。
○山尾委員 私もそれは手元にございます。平成二十五年四月二十六日の答弁書、「「公共の福祉」とは、人権相互の矛盾・衝突を調整するための原理である」。そしてまた、平成二十五年四月二十二日予算委員会、ここでは、当時の法制局長官が、この公共の福祉は、「人権相互の矛盾や衝突を調整するための原理だというふうに考えられております。」とあります。 大臣の認識とこの政府答弁あるいは法制局長官の答弁との間に、そご、異なるところはございますか。
○上川国務大臣 憲法の解釈としてのところでございますが、私も閣僚の一員でございますので、政府の見解と同様でございます。
○山尾委員 なぜ、この公共の福祉について、人権を制約できる唯一の根拠は他の人権であるというふうに政府は解釈を積み上げてきた、あるいは司法はそういった解釈をつくり上げてきたと思われますか。
○上川国務大臣 ただいま、質問主意書の内容につきまして答弁をした内容、これにつきまして政府の見解ということでございまして、私自身、人権の相互の矛盾、衝突を調整するための原理ということで、この公共の福祉についてはそのように理解をしているところでございます。
○山尾委員 私の質問は、なぜ人権を制約できる唯一の根拠は他の人権に限るという解釈を積み上げてきたのか、それは、公益でもなくて、社会秩序でもなくて、他の人権だけが人権を制約する根拠となる、こういう解釈を政府もあるいは司法も積み上げてきたわけですけれども、それはなぜだとお思いになりますかという質問です。
○上川国務大臣 大変基本的な御質問でございまして、私もちょっとゆっくりと考えさせていただきたいというふうに思います。この場で軽々に申し上げるということについてはできませんので、ちょっと考えさせていただきたいと思います。
○山尾委員 これは、応用的で複雑な質問であれば、もちろんゆっくり考えていただければいいんですけれども、おっしゃったとおり基本的な質問でございます。答弁を求めます。
○上川国務大臣 ただいまの経緯ということでございますけれども、公共の福祉の趣旨にかかわることだというふうに思っております。これは大変大事な概念でございますので、人権の衝突というところにおいて、この限りの中での答弁ということでございます。
○山尾委員 恐らく大臣は、正直言ってこのことを考えられたことがおありにならないんだろうと思います。 ただ、もう一度確認ですけれども、人権を制約できる唯一の根拠は他の人権である、このことは大臣自身御認識されているということでよろしいですか。
○上川国務大臣 今御質問のところで、考えたことがないということよりも、唯一のものであるということのプロセスについてどういういきさつがあったかという御質問でございましたので、それにつきましては、そのようにお答えした次第でございます。
○山尾委員 質問にお答えいただきたいと思います。 人権を制約できる唯一の根拠は他の人権であるということ、この認識については共有できたということでよろしいですかという質問です。
○上川国務大臣 そのとおりでございます。
○山尾委員 そこで、上川大臣はこれからまたゆっくりと考えられるということですけれども、先ほどの質問の理由を、私なりの考えを申し上げます。 人権は、先ほど大臣がおっしゃったとおり、この国の核をなす本当に重要な価値観の一つである。だからこそ、曖昧な全体によって個の人権が制約されることがないように、個の人権は個の人権との具体的で丁寧な調整によってのみ制約される。これは恐らく、戦争の時代を教訓とする理性の積み上げだというふうに私自身は思っております。 個人の具体的な人権は、これが社会秩序だ、あるいはこれが公益だという抽象的な大きな固まりに、全体に個が吸い上げられることがないようにということを、戦後七十年、政府も司法も、心してこういう解釈を、丁寧に、壊さないように積み上げてきたんだというふうに私は思っております。 またどこかの機会で大臣の考えも大臣の言葉で聞かせていただきたいと思いますが、いずれにしても、個人の人権を制約できるのは他の人権のみである、ここまで共有できた。 選択的夫婦別姓について少し議論したいと思います。 上川大臣は、大臣としての初登庁の記者会見でこんなふうにお答えになっています。これも私、非常にうれしかったんです、そこににじむ消極的でない姿勢を読み取れたから。 お一人のお嬢さんの場合には、その方の姓を継続することができない、お墓を守ることができない、こうした声も寄せられてきたところでございますというふうに、いわば別姓を認める方の必要性の声を挙げていただいた。一方で、ちょっと消極的な、選択的であれ反対だと言われる方の声というのは、具体的にはその場では述べられなかった。 反対している人たちがいるというのは事実でございます。反対している人たちの懸念というのはどこにあるというふうに、どんな声として大臣の耳に届いていますか。
○上川国務大臣 選択的な夫婦別姓、あるいは家族のあり方ということについてのさまざまな御意見がございます。そして、私のところに寄せられてきた積極的な意見ということについては、今のように、家族を大事にするということを大切にする、そういう声の中に、賛成して、それを選択的な制度にしてほしい、そういう御意見でございました。家族、特に、お墓を守るでありますとか、これまでの伝統的な考え方の中に、長男と長女というようなことも含めて、あるいは、今よく介護の問題で言われますけれども、そういうものの実態を踏まえて、やはり、しっかりとファミリー、家族を守っていく、家を守っていくという、そうしたしっかりとした考え方の中の御意見もございました。 さまざまな意見がございますので、余りぶつかり合うような意見になってしまうということになりますとなかなかその先に進めないということで、私としては、通称使用ということについてしっかりと推進していくということを挙げております。
○山尾委員 質問に答えていただきたいんですけれども、選択的夫婦別姓について消極、反対の方の声というのはどういう声として大臣に届いていますかという質問です。
○上川国務大臣 消極的な意見ということでございますけれども、家制度というか、家族の部分についてつながりを断ち切ることになるのではないかという声も届いております。
○山尾委員 家族制度、家制度というのは人権でしょうか。
○上川国務大臣 そうした考え方もございます。(山尾委員「えっ」と呼ぶ)いやいや、人権ではございません。
○奥野委員長 山尾さん、ゆっくり聞いてから言ってください。
○山尾委員 私はよく聞いております。 家族制度は人権ではございません。 そしてまた、選択的夫婦別姓を望む方の声は、もちろん、お墓を守りたい、むしろそちらの方が家族を守れるというような考えの方もいらっしゃいますし、それも実際にございます。ただ一方で、やはり、自分の姓を続けたまま好きな人と結婚したい、こういう権利の声でもあるわけです。 そういう中で、強制ならともかく、そういう方たちの選択を認める権利、これを、家族制度という、いわば公、さっきの議論でいえば社会秩序、こういうもので制約することは許されるんでしょうか。
○上川国務大臣 それぞれさまざまな考え方がございます。 私は、先ほど所信の中で、個人を大切にする社会が大事だということを申し上げましたけれども、個人を大切にする中においても、これまでの社会のあり方、長い長い歴史がございますので、そういう中においてのさまざまな考え方というのは、私は、それに対して、今のように、基本原則に反するからノーだということは必ずしも言えないというふうに思っております。
○山尾委員 さっき申し上げた、個の選択を全体に吸い上げる、そういうことを二度としないという流れの中でいえば、私は、もしかしたら大臣とは違う考えなのかもしれません。 性的マイノリティーのことが、今、いろいろなマスコミでも、あるいはこういった国会の場でも取り上げられるようになってまいりました。差別の解消法というものをつくったり、結婚と同様の社会的な認知制度、たてつけをつくるというような動きもあります。賛否両論あります。 大臣、いかがお考えですか。
○上川国務大臣 性的マイノリティーに関する人権問題ということでございますけれども、性的な指向、性同一性障害を理由とする偏見や差別をなくしていく、そして国民の皆様の理解を深めていく必要があるというふうに考えております。
○山尾委員 LGBT、性的マイノリティーの方々に対して、その差別をなくすような法律をつくったり、あるいは結婚に類するような制度のたてつけをつくるということに対して、もちろん積極的な声もあれば、消極的な声もあります。 消極的な方たちはどんなことを理由に反対をされているか、どんな声として大臣に届いていらっしゃいますか。
○上川国務大臣 今回の御指摘がありました性的マイノリティーに関する問題ということで、十年以上前から、このことにつきまして、法務省の中でも、人権問題、人権擁護の機関で取り上げてきて、啓発については進めてきたところでございます。 まず、いろいろな御意見がございますので、それについてしっかりと向き合っていくことが非常に大切であるというふうに思っておりますので、いろいろな意見にしっかりと耳を傾けてまいりたいというふうに思っております。
○山尾委員 余り具体的な答弁が得られませんので、もう少し自分の言葉でお話しいただきたいなというふうに正直思いますけれども、言いたいことは同じです、御案内のとおり。 性的マイノリティーの方々の性的自由を認めていくという動きに関して、それこそ社会的な秩序だとかいうものを理由に消極的あるいは反対をするような御意見もある。でも、これも、まさに個人の自由、個人の人権、個人の独立した人格を尊重してほしいという、ここは基本的人権の中核だと思います。それを、何だか形のよくわからない抽象的な、社会的な秩序だとか、そういうものでのみ込んでいく、これは私は、先ほど大臣と共有できた憲法十三条の価値観からいくと、とても認められないというふうに思っているから、こういう質問をさせていただきました。 次に、憲法について伺います。 憲法の意義や特性の中に、国家像を明らかにするというようなことは含まれると思いますか。
○上川国務大臣 ただいま、憲法について真正面からの御議論であるということで御質問いただきましたけれども、憲法そのものにつきましては法務省の所管するものではないということでございまして、その解釈に関する詳細について法務大臣としてお答えすることは差し控えさせていただきたいというふうに思っております。 むしろ、先生がどのようにお考えになっていらっしゃるのか、先ほどいろいろ御議論ありましたけれども、いろいろな形で皆さんの御意見をいただきたいというふうに思っております。
○山尾委員 法務大臣ですから、憲法の意義の中に国家像を明らかにするというようなものが含まれるか含まれないか、その点について御自身はどう考えているかというようなことぐらいは語っていただくべきだと思いますが、いかがですか。
○上川国務大臣 憲法のあり方についての御議論につきましては、しかるべき委員会で御審議をいただきたいというふうに思っております。
○山尾委員 法務行政をつかさどる法務大臣が、憲法の最も基本的な意義について御自身の言葉で語らないというのは、これは私、あり得ないことだというふうに思います。 もちろん、個々の条文を挙げて、その趣旨をつまびらかにせよとか、御自身の解釈を明確にせよとか、そういうことを申しているつもりはありません。でも、全ての法律の最高法規が憲法であり、その法律をつかさどる法務行政のトップの法務大臣が、憲法の意義の中に国家像を明確にするということは含まれると思いますか、含まれないと思いますか、あるいは、含まれるという意見もありますけれども、そのことについてどうお感じになりますか、こういう質問にも答えられないですか。
○上川国務大臣 この件につきましての議論について、法務大臣として個人的な考え方を申し上げるということについては差し控えさせていただきたいと存じます。
○山尾委員 せっかくの所信に対する質疑で、法務大臣の根底にある憲法観を聞くというのは、ここでしかできないことなんです。ほかの場ではできないんです。法務大臣がいかなる憲法観を持っているかということは、国民が恐らく本当に知りたいことのはずです。 では、どこでそれを明らかにしていけばいいんですか。
○上川国務大臣 法務大臣という立場での議論ということでございますけれども、それゆえに、よりこの場で答えることができないということでございます。
○山尾委員 それでは、法務大臣として必ず答えていただきたい刑事訴訟法の改正についてお聞きしましょうか。 取り調べの可視化、二〇〇六年に一部の事件からスタートをしましたけれども、そこから十年が経過しています。 この十年間、捜査機関の真相解明機能が損なわれた面も現象としてあるかもしれないし、場合によっては、それがむしろアップをした、いろいろ、自白の任意性や信用性の判断について、スピード感あり、そして中身も以前より担保された面もあるから、そういうアップしたという面も、多分、さまざまなプラスマイナスの現象が起きていると思います。それを総体的に見たときに、全体として真相解明機能が低下をしたというような認識はおありですか。
○上川国務大臣 ただいま御質問の、検察における取り調べの録音、録画について、総体的に真相解明機能が低下したか否かということについてでありますが、一概に結論づけるということについてはなかなか難しいというふうに思っております。
○山尾委員 先ほど、いわゆる見合い論については承知をしていないというふうにおっしゃいました。ということは、今回の取り調べの可視化の部分と捜査手法の拡大、これは、今の大臣としては、見合いの関係にないという御認識ですか。
○上川国務大臣 先ほどの御質問にお答えしたと思いますけれども、やはりバランスが非常に大事だというふうに思っております。
○山尾委員 憲法については語れないと言うから、法務大臣が絶対に知っていなければならない事項について、今、具体的に問うています。 刑事訴訟法の改正で、さっき黒岩さんが言いましたけれども、最初の成り立ちの段階で、可視化をすると真相解明機能が損なわれるから、そのマイナスを補うようなプラスとして捜査手法の拡大をする、こういう考えが散見されていたわけですね。でも、今はそういう見合いの状態にないというふうに受け取れるんですけれども、大臣の認識はどうですか。
○上川国務大臣 冤罪を生まない制度にしていこうということで、検察の改革も含めまして、さまざまな御指摘のある中で可視化の問題が議論をされ、そして、そのことによって真実を究明していくという機能そのものが失われることがないように、やはりしっかりと取り組んでいくということが大事であるというふうに思います。
○山尾委員 ということは、見合いという考えですか。要するに、可視化をすると真相解明機能が損なわれる危険があるから、全体としてそれが損なわれないように、捜査手法の拡大もあわせて今回提起をされる、こういうことですか。
○上川国務大臣 適正な捜査をしていくという中の一つの要素として可視化を進めていく、そして冤罪を生まない、そして同時に、さまざまな捜査手法を駆使し、それを適正に運用し、そして、犯罪の真相究明においてその捜査手法をしっかりと踏まえることによって、総合的に刑事司法の適正な運用が図られるように、また、時代にふさわしい制度になるようにしていくということであるというふうに思います。
○山尾委員 では、こういうふうにお聞きをしましょう。 なぜ今回、取り調べの可視化部分と捜査手法の拡大というものが同じパッケージの中で議論をされ、スタートしなければならないという認識に立たれているんですか。
○上川国務大臣 今回の改正につきましては、発端につきましては、冤罪も含めて検察のさまざまな問題に端を発したということでございます。そして、新しい時代にふさわしい刑事司法の手続を法制審議会の中でも御検討いただきました。そして、それに総合的に取り組んでいくということで、今回の法律の改正をお願いしているところでございます。
○山尾委員 全くお答えになっていないんですけれども。もしかしたら副大臣に聞いた方がいいのかもわかりませんが、引き続き大臣にお伺いをします。副大臣が御存じのことは当然大臣も御存じでしょうから、大臣にお伺いをします。 なぜ私がこう問うているかというと、本当にいい議論がしたくて言っているんですけれども、今回、取り調べの可視化については一定の前進がある。とはいえ、捜査手法の拡大も漏れなくパッケージでついてくる。今の捜査手法の中で制度の課題があるから、取り調べに問題があるから、ここを適正化しよう、可視化をしていこうと。だったらば、まず適正の部分をしっかりやって、そこが適正になった上で、例えば、では捜査手法の拡大のことを考えようかとか、なぜこれをセットで議論しなきゃいけないのかということについては大変多くの異論や疑問の声があるわけです。現に私もそう思っています。両方議論するのは全く構いませんけれども、なぜこの二つがパッケージで議論の俎上に上がってくるのか。私たち、なぜこの二つをパッケージで議論しなければいけないのか、やはりすごく疑念があるわけです。 もう一つ言えば、今回、技能実習のことも法務の課題に挙がっておりますけれども、そこも、技能実習制度の適正化という部分がありながら、一方で、その制度の拡大というところもまたパッケージになっているわけです。 余りこういうやり方はよくないんじゃないかというのが私の問題意識なんですね。別に両方議論したらいいと思いますよ。だけれども、なぜこの二つを一つの制度として提案し、同じ俎上にのせるのか。そのことについて、理由があるなら説明をしてほしいから問うています。 司法制度のことで結構です。刑事訴訟法の改正のことで結構です。改めて、ちゃんとそれぞれ分けて議論をした方がよっぽどいいじゃないか、適正化の部分は適正化で議論をし、その適正化の部分がいろいろな検証によってちゃんと前進したとわかったならば、拡大の部分を考えていこう、これも一つの筋ですよね。なぜ今回、同じ土俵で、同じパッケージの中で議論をすべきだと考えているのかということをお伺いしたいんです。その理由に納得がいけば、納得がいって議論ができるわけですから。
○奥野委員長 質問の内容が非常にクリアになったと思いますから、とりあえず大臣から答えさせます。(発言する者あり)いやいや、あなたが答えるんじゃないんだよ。ちょっと黙っていてよ。
○上川国務大臣 今回の法制審議会に対する諮問に応えまして、そして、法制審議会におきましての御議論をいただいた上で、今回、新しい時代に即した刑事司法制度の構築をするということで、取り調べの録音、録画制度の導入を含めまして、取り調べ及び供述調書に過度に依存した捜査、公判のあり方を見直し、幅広い調査審議を求めた上で、この諮問の趣旨であります証拠収集手段の適正化を図り、そして多様化を進める、そして同時に、公判審理の充実化を実現するという理念に基づいて検討を行った結果として、この答申には、さまざまな制度を一体として刑事司法制度の中に取り入れるべきである、こうした形での取りまとめが行われたところでございます。 答申に掲げられた諸制度につきましては、犯罪事実の解明や適正な処罰、被疑者、被告人の権利利益の保護、被害者、証人となる国民の権利利益の保護、こうしたものにいずれも配慮した形で、全体としてバランスのとれたものということでございまして、今、この答申の内容に基づいて作業を進めているところでございます。
○奥野委員長 私の方から少し言わせていただきますが、後ろから差し出されたメモを読むのではみんなが理解できないということを言っているわけですから、悪いけれども、副大臣、あなたがメモなしで答えられるのなら、ちょっと答えてみてくれませんか。
○葉梨副大臣 今御議論のありました見合い論というような意見、議論があったということは私も承知しております。あるいは、これは捜査手法だけではなくて、例えば、かつて児童ポルノ法の審議のときにも、今の枝野幹事長でいらっしゃいますけれども、可視化が進めば単純所持もいいんじゃないかみたいな、そういうような議論もまたあったことも私自身も承知しております。 ただ、今回の刑事訴訟法の改正といいますのは、冤罪事件もありますけれども、組織的な犯罪も非常に問題化しておる。そういう中で、実際に刑事司法として、今の世の中に合わせた総合的な施策というのを今打ち出していかなければいけない、そういうような認識に基づきまして、各般の分野において相当大きな改正をさせていただこうというふうに考えているわけです。 それぞれの論点につきましてまたしっかりとこの法務委員会の場で御審議をいただきまして、一個一個の論点をしっかりクリアにしていきたいなというふうに考えております。
○山尾委員 率直に言えば、やはり取り調べの可視化によって、当初は、やはり真相解明機能が相当に損なわれるのではないかという危惧もあり、そしていろいろな試行を経て、中間の検証や取りまとめでもそういう懸念の声はなくならなかった中で、やはり全体として、その機能を害して何か国民の治安、国内治安に影響を及ぼすことがあってはならないので手法の拡大もあわせてということであれば、これはこれで一つの論としては成り立つんです。だけれども、そこが違うということであれば、なぜこの法案を一つのパッケージとして我々は議論しなければならないのか。今副大臣がおっしゃったように、一つ一つの制度改正が大きいですから、個々の制度一つ一つを分けて、それぞれの是非やあるいは改善すべき点をしっかり議論し、修正も含めて成案にしていく方がより国民のためではないかということを私の方から申し上げたいというふうに思います。 最後に、これは、申しわけない、大臣にしかお伺いすることができないことで、政治と金のことを最後に一つだけお伺いさせていただきます。 大臣の政治と金に関する会見で、最終的に違法という判断には至らないという内容になったわけですけれども、これは、さっきの議論にもありましたけれども、二十二条の三の例外規定に当たると。二十二条の三の災害復旧に当たるのか、そのほかに当たるのか、まさにその他利益性がないものに当たるのか、どこの部分に当たるという解釈で違法ではないと判断されたんですか。
○上川国務大臣 ただいまの御質問のところでございますけれども、その他というところでこの補助金については位置づけているところでございます。
○山尾委員 もう一つだけ聞きたいんですけれども、では、この補助金はどういう内容のものであり、それがどういう解釈を経てその他に当たるという思考過程をたどったのかということをお聞かせください。
○上川国務大臣 国土交通省所管の補助金についての位置づけということの御質問でございますけれども、補助金につきまして当該企業からの説明ということで受けているところでございますが、この補助金につきましては、災害発生時の支援物資の輸送を円滑に行って復旧を支援するため、拠点施設に非常用発電設備等の導入を行う費用ということで、それを補助するものというふうに位置づけられている補助金でございます。 この設備につきましては、災害による非常事態を除き、業務を行うに当たっては必要がない非常用の設備であるということ、そして、本件の補助金につきましては、災害による非常事態において支援物資の円滑な輸送の確保に民間企業としても協力をする、そのための費用を負担してこれを導入する、これに当たりましてこの導入費用の一部を補助してもらうということであること、こうしたことから、この補助金につきましては、先ほど申し上げたように、「試験研究、調査又は災害復旧に係るものその他性質上利益を伴わないもの」の後段に該当するということにつきまして、これが当該企業の判断と聞いたところでございます。 私といたしましては、当該企業が、弁護士等の専門家の意見を踏まえまして、改めましてこのような結論に至ったということでございまして、当該企業のこのような検討プロセスを含めて検討いたしました結果、疑問に思うようなところはなかったということでございますので、当該企業からの寄附には問題がないということで判断をし、また、先般説明をしたところでございます。
○山尾委員 今、大臣の見解を述べられました。 一つ一つについて、こういう問題が起こる前に、そこまで調査をされて、判断をされて、御自身の中で適法という形で受け取られるということが全ての場合においてできるのであれば、それはそれで一つのやり方だというふうに思うんです。 ただ、今のを伺うと、やはり判断にはそれなりの期間がかかり、そして民間の企業の判断を待ち、その企業の判断に、ある意味、大臣としての、政治家としての判断を加え、それを御自身の判断となされた。これをこれから先もずっと一つ一つについてなし続けていくとき、では、最終的な判断のプロセスの責任はどこにあることになるのか。そして、それがもし総務省にあるとするならば、これを機会に例外規定の該当性を一気に広げるようなきっかけになってしまったのではないかという危惧が、実際、私にはすごくあるんです、これまでは一個一個判断していなかったわけですから。 そういうことを考えていくと、この例外規定については、一旦例外を外して、もう少し個別具体的な要件を設定するならそういう努力をするとか、何かもうちょっと納得できるような法改正が必要だと思っております。 これについて、大臣の答弁は大体予想できるんですけれども、最後に一言どうぞ。
○奥野委員長 時間が来ていますから、短くやってください。
○上川国務大臣 総務省の案件ということでございますが、立法府の意思ということで御議論いただきたいというふうに思います。
○山尾委員 以上です。
○奥野委員長 これにて山尾君の質疑は終了しました。 次に、鈴木貴子君。
○鈴木(貴)委員 民主党の鈴木貴子でございます。 きょうは、大臣の所信に係るということで、さまざまな幅広いテーマでぜひ質問をしたいなと思っておりまして、私、実は四つ、項目で考えておりました。 一つ目が、法務省、検察庁の組織に係る質問。二つ目が、今もありましたが、刑事訴訟法等の一部を改正する法律案に係る質問。そして三つ目、再犯防止対策に係る質問。四つ目、刑事施設の収容者処遇に係る質問。この四つ、項目を持っていたんですが、今の白熱した議論を聞きながら、三と四の方までたどり着けるかなというような思いでありますが、しっかりと議論を深めていくべく、質問をさせていただきたいと思っております。 それでは、まず、法務省、検察庁の組織に係る質問をさせていただきます。 法務省の幹部職員に関してのデータといいますか数字をまずお尋ねさせていただきます。 平成二十七年一月一日現在で、法務省本省内部部局の局長、また課長相当職は何人おり、うち、検察官出身者及び裁判官出身者は何人いますでしょうか。
○黒川政府参考人 法務省内部部局の課長相当職以上の役職者は、本年一月一日現在で六十二名おります。そのうち、検察官出身者は二十五名でございます。また、裁判官出身者は十八名でございます。
○鈴木(貴)委員 ありがとうございます。 今答弁がありましたように、実は、これはもしかしたらなかなか知られていないのかもしれませんが、法務省の俗に言われる幹部、これは大多数が検察官または裁判官出身の皆さんであられます。 私、今、平成二十七年の一月一日現在の統計を答弁いただいたんですが、実は、事前に大臣官房の人事課の皆さんに、二十七年のもの、平成二十五年のもの、二十年、十五年、十年と、同じようにデータ提出を資料請求させていただいておりました。その全てで、今の黒川官房長の答弁のとおり、七〇%以上を検察官出身者または裁判官出身者が占めている。また、その中の半数以上は検察官出身者であります。 ここで、検察官の主たる業務といいますか仕事は、これはもちろん、警察等から送致を受けた事件に関して、これを裁判所に起訴するかどうかを決める、その捜査、そして起訴した事件について公判で立証し、裁判所に適正な裁判を求めることであるかと思っております。 つまりは、検察の本来の役目、役割というのは、法務省の支配ではなく、今私が申し上げたような公判での立証だとか裁判所に起訴をする、こういった業務であるかと思うんですが、検察本来の仕事に専念すべきであると私は考えますが、上川大臣の見解はいかがでしょうか。
○上川国務大臣 法務省の所掌事務の中には、司法制度に関する法令並びに民事及び刑事の基本法令の立案、訴訟事件の遂行、検察に関する事項等、専門的な法律知識、経験を要する事務が多いということでございます。これらの事務に関する高度な判断を的確に行いつつ、法曹資格者を初めとする部下を指揮監督して適正に職務を遂行しなければならないということで、法務省幹部に法曹としての豊かな専門的知識と経験等を備えた者を任用することにつきましては合理性があるというふうに考えております。 ただ、法務省の幹部の職には検事以外の者を充て得ないというふうに考えているわけではございませんで、適材適所の観点から適正な配置に努めるということでありますので、その意味で、幹部職員につきましてはしっかりと育成強化を図っていきたいというふうに思っております。
○鈴木(貴)委員 今、大臣、お言葉の中で、適材適所であるとか、あとは、適正に職務を遂行しないといけない、このようにありました。 いつも大臣の答弁を伺いながら、ごもっともだと。まさしく、適材適所ももちろんでありますし、適正に職務遂行するのも当たり前なのでありますが、しかしながら、現実を見たときに、いわゆる冤罪事件、再審無罪となるような事件、もしくは、それぞれの地裁において、捜査当局による証拠の捏造の疑いがあるなどとまさに判決主文で書かれるような事例というものが多々見られるわけであります。 そういう意味では、これは適正に職務遂行されていないんじゃないでしょうか。大臣、どのようにお考えですか。
○上川国務大臣 先ほど申し上げたように、法務省の所掌する事項が非常に幅広いということでございまして、裁判実務経験を有する法律専門家である専門家を任用するということも含めまして、大変大事ではないかというふうに思っております。 今後も、法務省の所掌事務を適正に行うために、裁判官としての実務経験を有する者を任用する必要があるのではないかというふうに考えております。
○鈴木(貴)委員 これに関連して、引き続き、法務省の組織のあり方についてなんですけれども、いわゆる判検交流について伺わせていただきます。 この判検交流というのは、裁判官が検事になったり、検事が裁判官になったりという、いわゆる人事交流的な制度でありますが、この制度、判検交流の目的は何でしょうか。
○黒川政府参考人 今、目的についてお尋ねでございますが、法務省が所掌する、司法制度、民事、刑事の基本法令の立案、訟務事件の遂行等の事務におきましては、裁判実務の経験を有する法律専門家である裁判官を登用させていただく必要性がまずございます。 また、裁判官のサイドから見ても、行政事務を御体験することによってその後の裁判実務に対して一つの豊かな経験になるものではないかと考えております。
○鈴木(貴)委員 同時に、今現在の判検交流の実施状況についてお伺いをします。
○黒川政府参考人 平成二十六年一月一日から同年十二月三十一日までに法務省に任用した裁判官は三十五名でございます。もとより、ほぼ同数の裁判官が法務省から出ていっておりますが。 以上です。
○鈴木(貴)委員 ちょっと過去にさかのぼって、平成二十四年なのでありますが、民主党政権下で、小川敏夫法務大臣の時代でありますが、検察官が裁判官に行く人事交流の部分については廃止を決定なされました。 この廃止の動きについて、上川大臣はどのように考えられ、また、大臣御自身はこの流れを踏襲されるお考えでしょうか。
○上川国務大臣 廃止につきましての御質問ということでございますが、法曹というのは法という客観的な規律に従って行動するものであるということで、裁判官、検察官、弁護士のいずれの立場におかれましても、その立場に応じて職責を全うするというところに特色がございます。 また、現場において判検交流を行うことについて、公正な裁判を阻害することはありませんけれども、元来検察官でありました者が一時的に裁判官を務めることにつきましては、裁判の当事者等から見た場合の公正らしさに問題があるのではないかというふうな指摘がなされた上で廃止をされたというふうに理解しております。
○鈴木(貴)委員 大臣、改めて伺います。 二十四年のときに時の小川法務大臣が廃止をされていらっしゃる。上川大臣としてはその流れを踏襲されるかということについてお尋ねを、改めてもう一度させていただきます。
○上川国務大臣 ただいまの小川大臣のときの廃止ということでございますが、法務省が所掌するさまざまな事務につきまして、裁判実務の経験を有する法律専門家である裁判官を任用することが必要であるということがございまして、法務省といたしましても、裁判官の実務経験を有する者を任用する必要があるというふうに考えております。
○鈴木(貴)委員 済みません、大臣、小川法務大臣が廃止をしたのは検察官側が裁判官に行くという、今の答弁の逆のバージョンでありますので、改めてお尋ねをいたします。
○奥野委員長 ちょっと待って。 その前に事実関係をちゃんと言ってください。黒川官房長。
○黒川政府参考人 委員御指摘のとおり、小川法務大臣のときに、いわゆる刑事の現場における判検交流、つまり、裁判実務をとり行う法廷で立つ検察官役を裁判官がやる、あるいは刑事で裁判をする裁判席に検察官が立つ、そういったような交流は廃止しましょうということになりまして、現に、平成二十四年度から現場レベルの交流は廃止されました。 また、同じように、法務本省に勤める者についても、例えば訟務、訟務もこれは法廷に立って訴訟事務を追行するわけでありますが、元来、判決しなければならない裁判官が当事者席で訴訟の現場で訴訟追行することは、外部から見たときの公正らしさに問題があるのではないかという御指摘がありまして、訟務についてはなお一定の必要性がありますから相当数の裁判官に来ていただいておりますけれども、その数については逓減させてきているところでございます。 法務本省の刑事、民事の立法、そういう立案の世界、この世界ではやはり裁判実務あるいは捜査、公判を経験した実務家としての経験が不可欠であろうということで、なお続けさせていただいているところでございます。 以上です。
○奥野委員長 事実はそういうことですから、それをベースに質問してください。鈴木さん。
○鈴木(貴)委員 それをベースに質問をさせていただきます。 上川大臣、今御丁寧な御説明がありましたけれども、上川大臣としては、この流れを踏襲されるという考えでよろしいでしょうか。
○上川国務大臣 そのような流れで踏襲したいと思います。
○鈴木(貴)委員 つまりは、今、黒川大臣官房長の説明にもあったとおり、客観的に見たときに公正らしさというものが欠けるのではないのかという指摘などを踏まえて、平成二十四年に小川法務大臣のもとでそれが廃止をされ、そしてまた、上川大臣も今その流れをくむという答弁をいただきました。 ひいては、上川大臣も、まさにその交流において、客観的に見ても公正らしさが欠けるという認識をお持ちということでよろしいでしょうか。
○上川国務大臣 公正らしさに問題があるという御指摘があったということを踏まえて、二十四年度から三年間、今のような、交流をストップするということになったところでございます。 法務省が所掌する案件というのは非常に幅広いものがございまして、先ほど官房長からの説明がございましたとおり、訟務局などにつきましては、さまざまな法律専門家である裁判官の任用というのは非常に大事であるというふうに思っておりますので、法務省の所掌が適正に行われることができるように、さらにそうしたことに配慮しながら、人事につきましても対応してまいりたいというふうに思っております。
○鈴木(貴)委員 やはりごもっともな答弁というかお考えでありまして、法務大臣というのは、予断を与えるということは一番嫌われるというか、しっかりと、そういったことがなきようにさまざま策を講じられ、また発言などをされていらっしゃるかと思います。 そういった観点から考えましても、この人事交流、一つ、私はいまだに課題があるのではないのかなと思っております。民間会社なんかでも、相互コミュニケーションであったりだとか、さまざまな見識を高めるためにという名目で人事交流というものを行われております。しかしながら、検事そしてまた裁判官、おのおの独立性というものが非常に重要視をされる立場においての人事交流、まさにこれは、見方によっては、国民の目線という意味合いでですけれども、見方によっては、まさに予断を与えかねない、そしてまた中の癒着というものを招きかねない、こういったおそれもあると思います。 大臣は、こういった考えについて、今後、人事交流、このまま例えば数を大きくしていくのか、それとも、そういった国民からの指摘に伴ってその数を減らしていこうとされていらっしゃるのか、大臣の考えをお聞かせいただけますでしょうか。
○上川国務大臣 ただいま委員が御指摘いただいたような懸念ということがあるとするならば、それは非常に問題であるというふうに思います。人事交流というのは大変大事な、組織にとっても大変基本のところでございますので、国民の皆様からそうした指摘がないように、しっかりと取り組んでまいりたいというふうに思います。
○鈴木(貴)委員 私は、例えば検察改革であるとか組織の見直しであるとかも踏まえて、やはり抜本的な見直し、改革というものが、まさに今、時代として求められているのではないのかな、このように思っております。 例えば、先ほど来も質問に出ておりましたが、刑事訴訟法等の一部改正の法律案で取り上げられている取り調べの録音、録画、この対象範囲が、二年間の議論を尽くしても、いまだに三%から四%と、非常にこれは消極的であります。 しかしながら、この法律立案に携わっているのがまさに身内と言っても過言ではない、今の幹部の中身、組織図を見た中で七割が検事もしくは裁判官である、こういった人たちが幹部であるところがその立案に携わっていれば、これはやはり身内に対して甘くなってしまうんじゃないか、こういう考えも一つあるかと思うんですが、大臣、これに関してはどのような見解でしょうか。 〔委員長退席、柴山委員長代理着席〕
○上川国務大臣 法務行政というのは、法の支配と基本的人権の尊重という大変重要な理念を体現しながら、この間運用し、またさらに、これから未来に向かっても進んでいかなければならない大変大事な役所でございます。 そういう意味では、さまざまな人材がそれぞれの中で活躍することができるように、そして国民の皆様にしっかりと奉仕していくことができるように、法務行政も大変幅が広いということでありますので、そういう中で適材適所ということでしっかりと考えていくことが大切であるというふうに思っております。
○鈴木(貴)委員 私がお尋ねをしたのは、身内に甘いんじゃないか、こういった批判に対して大臣はどのようにお考えかということを聞かせていただきました。改めてもう一度よろしいでしょうか。
○上川国務大臣 今、身内というお話がありましたが、身内という中で何か甘くしていくとかしていかないとかというような考え方というものについては、私自身はとっておりません。それぞれの立場でそれぞれの職務にしっかりと忠実に仕事を果たしていく、それぞれが見識とそして努力を重ねながら国民の皆さんの権利利益の保全ということについてしっかりと尽くしていくということ、それぞれが努力をしていくことが大変大事だというふうに思っております。 身内に甘くなるのではないかというそうした御指摘があるとするならば、それは厳にあってはいけないことだというふうに思っておりますので、また、その点については、先ほど来の話にありましたけれども、検察の理念でありますとか、あるいは、その他の法務行政につきましてもしっかりと取り組んでいかなければいけないというふうに思っております。これは検察だけではなくて、たゆまぬ改革が必要であるというふうに思います。
○鈴木(貴)委員 まさにそれぞれの努力が必要であり、また、そういった国民からの疑念を持たれないように、大臣がまさにリーダーシップを発揮されて、ありとあらゆる策を講じていただきたい、そしてまた、上川大臣であれば講じていただけるものであろうと私は心から期待をしております。 続いて、これに関連をしてくることなんですけれども、刑事訴訟法等の一部改正の法律案、私は、いつも委員会でも、そしてまた予算委の場でもこの点について質問を続けさせていただいております。いつも、もう何度となく質問をさせていただいておりますので、端的に質問に入らせていただきます。 取り調べの録音、録画の例外事由というものが今回も答申で出てきているかと思います。例えば、その例外は、機器、機材の故障、そして暴力団などの構成員による犯罪にかかわるものなどがあるかと思いますが、それ以外に取り調べの録音、録画をしないという例外規定は何かありますでしょうか。
○上川国務大臣 今回の法案における取り調べの録音、録画義務の例外事由ということで、四つ挙げさせていただいております。 記録に必要な機器の故障その他のやむを得ない事情により記録をすることができないということ、これは委員御指摘のところでございます。被疑者が記録を拒んだことその他の被疑者の言動により、記録をしたならば被疑者が十分な供述ができないと認められるときというところでございます。また、暴力団の問題については御指摘いただきました。そして、それ以外でございますが、犯罪の性質、関係者の言動、被疑者がその構成員である団体の性格その他の事情に照らしまして、被疑者の供述及びその状況が明らかにされた場合には、被疑者もしくはその親族の身体もしくは財産に害を加え、またはこれらの者を畏怖させ、もしくは困惑させるような行為がなされるおそれがあることにより、記録をしたならば被疑者が十分な供述をすることができないと認めるときということでございます。 一定の範囲の中での例外を設けるということにつきましては、以上のとおりでございます。
○鈴木(貴)委員 今、例外事由をるる述べていただきましたが、まさに機器、機材の故障その他のやむを得ない場合であるとか、供述がしづらいおそれがあるときというような中身であります。つまりは、取り調べ官、取り調べる側が、記録をしたら被疑者は十分な供述をしないだろうと推察をしたときには可視化をしなくてもいいという例外規定だと思います。ということは、取り調べる側の一定の裁量に任せられているということだと思うんですが、これで果たして十分な可視化の措置と言えるのでしょうか。 なぜならば、何度となく、きょうも多分本委員会で質問も出てきたかと思いますが、そもそも論として、この可視化の議論がなぜ出てきたのか。先ほど大臣がみずからの答弁でおっしゃっておりました、これまでの過去、検察の反省をしなくてはいけない、二度とやってはいけない自白強要型の取り調べ、こういったものの反省の上に立って今のこの可視化の議論があると思います。 しかしながら、二年をたってして出てきた答申がいまだに取り調べる側の一定の裁量に任せるというのは反省が足りていない、このように思うんですが、大臣、いかがでしょうか。この例外規定で十分だと思われていらっしゃるでしょうか。
○上川国務大臣 今回の改正におきましては、原則として、取り調べの全過程の録音、録画を義務づけるということであります。一定の範囲で例外を設けるということで先ほど申し上げたところでございますけれども、捜査機関が例外に当たるとして録音、録画をしなかった場合には、その判断は後に裁判所によるチェックを受けることになるということでございます。 公判で例外事由の該当性が問題となった場合には捜査機関側の責任で例外事由を立証する必要がある、そうした規定になっているところでございますので、そういう意味で、例外に当たるとして録音、録画をしないということは極めて困難な例外であるというふうに思います。恣意的に運用される余地は乏しいというふうに考えております。
○鈴木(貴)委員 恣意的に運用されることはないであろうし、そしてまた、取り調べる側はしっかりと法と証拠にのっとった適正な捜査をされるものと信じております。 大臣、この点は大臣も御賛同いただけますでしょうか。
○上川国務大臣 この法の趣旨にのっとって、またその生まれてきた背景ということに鑑みながら、しっかりと適正に運用できるように最大限の努力をしていくということでございます。
○鈴木(貴)委員 取り調べる側が、常々、もちろん法と証拠にのっとってしかるべき適正な捜査をしている、もしくは取り調べをしているというのであれば、そもそも論として、この可視化の議論もしくは冤罪防止、こういった議論というものは生まれてこないんじゃないでしょうか。しかしながら、冤罪防止の議論が出ている、取り調べ可視化の議論が出ている。裏を返せば、それだけのことが、あってはならない適正ではない捜査が、そしてまた捜査手法がとられてきたことの裏返しだと思っております。 今回、この二年間での答申で、まさにこの可視化の対象範囲が三%から四%、これは全体の事件においての三%から四%、極めて極めて限定的であります。また、先ほど私が質問させていただきましたように、かつ取り調べ官の一定の裁量に任せる。例外規定が権力者側といいますか取り調べる側にあるというのは果たしてチェック機能というものが果たされているのか、私は非常に不明瞭だと思います。 第三者がこれはその例外規定に当たると判断をするというのであればまだ理解ができるのでありますが、あくまでも当人がその例外規定に当てはまるか否かというのを決めるというのは、これはチェック機能として十分に機能しないと私は思いますが、大臣、どうでしょうか。
○上川国務大臣 取り調べの全過程の録音、録画ということにつきましては義務でございますので、それについては十全に対応していくということが大原則でございます。 仮に今のような例外に当たるということで録音、録画をしなかった場合に、その判断につきましては、後々裁判所によりましてチェックを受けるということでございます。そして、公判で例外事由の該当性が問題になった場合には、この例外事由につきまして立証責任を捜査側が負うということでございまして、この例外事由について十分な立証ができないということになりますと、例外として録音、録画をしないことは非常に難しいということになります。 そうした手続の中で、恣意的な運用については極めて抑制的に働くということでございますので、先ほど、恣意的に運用される余地は乏しいというふうに申し上げたところでございます。
○鈴木(貴)委員 これは事務方で結構なんですけれども、もし答弁可能であればお願いしたいんですが、この可視化導入にかかる予算の見積もり、どのように計上されていらっしゃるでしょうか。
○林政府参考人 録音、録画制度の導入に当たりまして必要となる経費、予算といいますと、やはり録音、録画機器の整備がございます。 これにつきましては、今回の制度導入に向けての予算という形での算定をしているわけではございません。といいますのは、これまでにも録音、録画というものは運用で始めておりまして、しかも、最近におきましてはかなりの範囲で録音、録画機器を導入して行っております。 今年度以降も、そういった形で、必要な録音、録画機器が各取り調べに当たって整備されるべく予算計上をさせていただこうと考えております。
○鈴木(貴)委員 林刑事局長、ありがとうございます。 大まかでも結構なんですけれども、大体の予算の額というものを今教えていただけますでしょうか。
○林政府参考人 今後必要となる全体像ということではございませんが、平成二十七年度予算案につきまして、機器整備に関連する経費といたしましては六億一千二百万円ほどを計上させていただいているところでございます。
○鈴木(貴)委員 これは、対象範囲はいまだに三、四%、そしてまだ走り出した状況の中で、今お伺いしただけでも六億一千二百万だと。過去にも随時導入されていらっしゃるわけですから、六億一千二百万プラスアルファであると思います。 この六億一千二百万、もちろん大臣のポケットマネーでもなければ局長のポケットマネーでもない。きっと局長はお金をお持ちだとは思いますが、しかしながら、ポケットマネーではないと思います。 ということは、誰のお金か。国民の血税なわけであります。国民の血税を使って、国民の安心、安全を守るための冤罪防止対策である。血税を使っているというからには、国民が望む、しかるべき対策が必要であると思うんです。これが、今回のこの改革が、また大臣の言葉をかりるのであれば抜本的な改革が、新時代に、今の時代に見合った新たな捜査手法が必要だというのであれば、これは、中途半端な改革をしてしまっては、まさに国民のお金を無駄遣いするということになるんじゃないのかなと。やるからにはしっかりとやっていく、それが抜本的改革であり、国民の皆さんの血税を使わせていただく我々の基本的、忘れてならないスタンスだ、このように思っております。 同時に、可視化においてなんですけれども、私が問題意識を持っているのは、もう一つ、参考人の取り調べの可視化の部分なんです。 今回の試案では、参考人の取り調べ可視化という部分は触れられておりません。ただしながら、特別部会などでは、その議論の中では、参考人の取り調べというものも可視化が必要だという議論が何度もなされております。 特に口火を切っていらっしゃるのは、大臣もよく御存じだと思いますが、村木元局長であります。村木さんの事件では、まさに任意の取り調べを受けたいわゆる参考人の皆さん方が、自白強要といいますか、調書、ストーリーありきの取り調べを受けて、最終的にこういった冤罪被害に巻き込まれていったということであります。これは忘れてはいけない事実です。 という意味では、まさに今回の抜本的改革、新時代における必要な改革の中で、私は、参考人の取り調べ可視化はもちろん含まれていて当然であると。しかしながら、答申に入っていない。 なぜ、何ゆえ答申の方に入ってきていないのでしょうか。
○上川国務大臣 参考人の取り調べの録音、録画制度について、これは法制審議会の中でも、先ほど御指摘がありましたように、積極的な御意見もあったというふうに承っております。 ただ、問題も指摘をされております。参考人には犯罪被害者の方々も含めてさまざまな立場の方がいらっしゃるということで、一律に録音、録画を義務づける必要性、合理性については疑問があるという御指摘もございました。また、参考人の協力確保に問題が生じるおそれがあるなどの問題も指摘されているところでございます。そうしたことから答申に盛り込まれなかったというふうに承知をしているところでございます。 参考人取り調べの録音、録画につきましては、法制審議会のこうした御議論において指摘されたような問題点も含めまして、慎重な検討が必要であるというふうに考えております。
○鈴木(貴)委員 参考人の証言の確保が困難をきわめる可能性がある、その懸念があるということでありましたが、大臣、お尋ねをいたします。我々がこの改革において何よりもトップの優先順位で考えないといけないのは、参考人の証言の確保の難しさを大事にするのか、それとも、いかに冤罪を二度と繰り返さないか、どちらの議論に上川大臣は重きを置いていらっしゃるんでしょうか。
○上川国務大臣 真相究明のプロセス、つまり捜査と公判ということの中で冤罪を起こしてはいけないという、そうした御議論の背景にあって、こうした取り組みを今御議論いただき、そして法制審議会におきましても賛否両論ある中で、その比較考量の中で、答申に盛り込まれたというふうに思っております。 私としては、冤罪の防止ということについて、このよって立つ基盤ということについては非常に大事なことだというふうに思っております。ただ、問題も多いということでございますので、これにつきましては慎重に検討していくことが必要ではないかというふうに思っております。
○鈴木(貴)委員 慎重に二年間まさに検討がされてきたのであればいいんですが、その二年間、本当に十分な議論がなされたのかなという思いがあります。それは、実際に、村木元局長が意見書という形でも、事務局による答申作成の前に出されております。 繰り返しになりますが、たしか大臣も就任されての所信の際に、そしてまた私とのこの委員会でのやりとりにおいても、冤罪被害者、あってはならない犯罪であると。また、言いかえれば、冤罪ということは、真犯人を野放しという言葉が正しいかわかりませんが、真犯人が捕まえられていないというわけであります。 そういった観点でも、まさに、世界一安心な国日本をつくる、そういった今安倍政権が掲げていらっしゃる考えの中でも、冤罪防止、真犯人をしっかりと適正な捜査のもとで見つけるということが非常に重要だと私は思うんです。 そういう意味では、例えば参考人の証言が可視化によって難しくなるといいますが、しかしながら、可視化をしたからといって、町中でそのDVDが流されるわけじゃないんです。テレビで誰かがランダムに、不特定多数の人が見られるわけでもないわけであります。やり方、知恵の出し方によっては、これは私は、参考人の可視化で証言がとりづらくなるということはあくまでも言いわけにすぎないと思います。 そしてまた、それを大臣が答弁で繰り返されるということは、捜査当局の資質、捜査当局に限界があるというようなことをおっしゃっていることに変わりはないのではないのかなと思います。大臣、いかがでしょうか。
○柴山委員長代理 上川大臣、質疑時間が終了しておりますので、短く御答弁ください。
○上川国務大臣 ただいまの参考人取り調べの録音、録画制度につきましては、法制審議会におきまして、専門家の先生方、また村木委員も含めまして、慎重審議、しっかりと議論をいただいた上で結論に至ったというふうに考えております。
○柴山委員長代理 質疑時間が終了しております。以上で鈴木さんの質問を終わらせていただきます。
○鈴木(貴)委員 ありがとうございました。
○柴山委員長代理 次に、重徳和彦君。 〔柴山委員長代理退席、委員長着席〕
○重徳委員 維新の党の重徳和彦です。
○奥野委員長 ちょっと待って。入れかえに時間がかかるから。
○重徳委員 そうですか。 ちょっと自己紹介で、前国会までは経済産業委員会や厚生労働委員会の方でお世話になっておりましたけれども、今国会から法務委員会に配属となりました。 まだ、わからない分野もたくさんありますけれども、一つ一つ、法務行政は大変重要、かつ今たくさんの課題が山積をいたしておりますので、私も、そういった分野の問題解決に当たりまして、微力を尽くしてまいりたいと思っております。 よろしいでしょうか、委員長。
○奥野委員長 はい。では、重徳君。
○重徳委員 維新の党の重徳和彦です。 そういう中で、先般の大臣の所信表明の中にも文言でいうと五行にわたって触れておられました、戸籍のない、親によって出生が届けられず無戸籍のまま、さまざまな不利益をこうむっている方々についてきょうは取り上げたいと思います。 この問題につきましては、NHKのクローズアップ現代においても、去年の五月二十一日、そして、ことしの二月十八日にも取り上げられました。DV、家庭内暴力の夫から逃れまして、離婚ができないままに、あるいは離婚から三百日以内に新たなパートナーとの間で子をもうけても、民法七百七十二条という規定がありまして、DVの夫の戸籍に入る、つまり、嫡出推定が働くという問題であります。子供がいることをDVの夫に知られたくない、そういう奥さんにとっては出生届を出せずじまいになってしまう、そうするとその子は戸籍がない、そうすると住民票など自己を証明するものはなくて、さまざまな行政サービス、契約行為に支障が出てくる、こういう問題でございます。 そこで、まず事実関係から入りたいんですが、法務省の調査においては、無戸籍の方々というのはどれだけいらっしゃると把握をしておられますか。そして、無戸籍の原因、事前に聞いたところでは約八割ぐらいが民法七百七十二条の嫡出推定に関連したケースだということなんですが、このうち、前夫との婚姻が継続しているケース、つまり離婚ができていないケースと、離婚後三百日以内のケースの内訳がわかりましたら、教えていただきたいということ。そして、この調査というものは、一体世の中の全貌の中でどのぐらいの部分を把握できていると認識をされているのか、お答えいただきたいと思います。
○深山政府参考人 今お尋ねのあった無戸籍者の調査の件ですけれども、法務省では、無戸籍者に関する情報を把握するために、平成二十六年の七月三十一日に課長通知を発出いたしまして、全国の市区町村や児童相談所などが業務の過程で無戸籍者の存在を把握した場合には、市区町村の戸籍担当者がその情報を収集して、さらに法務局においてその情報の提供を受けることによりまして、全国の無戸籍者の存在に関する情報を集約するということとともに、無戸籍者に対しては戸籍に記載されるための手続の案内をするという取り組みを行っております。 この取り組みの結果、直近の三月十日現在ですけれども、全国で五百六十七名の無戸籍者を把握しているところです。 この五百六十七名の無戸籍者のうち、民法七百七十二条の規定によって嫡出推定が及んで、戸籍上、夫あるいは前の夫の子供とされてしまうことを避けるために母親が出生の届け出をしなかったとする者が全体の七七%と大部分を占めております。 なお、この五百六十七名のうち、無戸籍者が、夫婦の婚姻中に出生した者が九十一名いる、これは全体の一六%です。離婚後に出生した者が二百三十三名いる、これは全体の四一%です。この点は確認できているんですが、その余の、二百四十三名おりますけれども、全体の四三%については、その出生が婚姻中なのか離婚後三百日以内なのかということが把握できておりません。 また、無戸籍者の全貌がどれくらい把握できているのかというお尋ねがございました。 法務省では先ほど述べた取り組みを進めているものの、無戸籍者の中には行政機関に一切接触がない、把握されていない方もおられるというふうに推測されますので、無戸籍者の全数を把握できている、あるいは把握することができるというのはなかなか難しいことでございます。 法務省としては、今後ともこの取り組みを継続して、これは毎月毎月少しずつふえていっていますので、一人でも多くの無戸籍者の方の把握に努めたいと思っております。
○重徳委員 ありがとうございます。 おっしゃるとおりで、調べるたびに数がふえていくというのが無戸籍の調査の実態のようでございます。 こうした無戸籍の方々が現に直面している生活上あるいは人生における問題は非常に大きいと大臣も所信で述べられておりますが、改めて、大臣、どのようにこの問題を捉えておられますか。
○上川国務大臣 今回、先ほど委員が触れましたNHKのクローズアップ現代も含めまして、無戸籍の子供がいらっしゃるということについては大変衝撃的な現実でございました。 私といたしましては、その把握にしっかりと取り組むとともに、一人一人の戸籍取得について、丁寧に寄り添いながらその実現を目指して応援をしていく、支援をしていくということが何よりも大事だということで、きめ細かく無戸籍者の方の実態ということについて把握できる限りの把握をしてほしいということで指示をしているところでございます。 これからも無国籍者の情報の把握に最大の努力を傾けますとともに、特に生活上あるいは人生上の問題、そういうことでございますが、教育の問題もございますし、そうしたサービスが十分に得られることができないような事態になってしまったならば個人の尊厳ということについても大変問題があるというふうに思っておりますので、このことについてはしっかりと取り組んでまいりたい、そういう決意でございます。
○重徳委員 今大臣、実態把握をして、寄り添って応援をしていく、そして、教育を初めとしたさまざまなサービスに支障が出ないようにということなんですが、やはり、根本的な問題は、戸籍ルールそのものにあると私は思います。 ただ、戸籍がなくても、確かに、当面直面する問題は、いろいろな工夫を凝らしながらある程度解決していくこともできる。だけれども、どうしてもできないこともある。このあたりを、きょうは、各省の幹部の皆さん、お忙しい中お越しいただきまして、ちょっと個別に詰めていきたいと思います。この後、個別の質問に、時間の関係もありまして、簡潔にお答えいただきたいと思います。 まず、無戸籍の方々というのは、身分の証明がなかなか難しいということが考えられます。身分証明というと、これは私の感覚でありますが、一般的には、住民票、旅券、パスポート、運転免許証、それから保険証、この四点についてお伺いしたいんです。 まず一つ目、住民票なんですが、平成二十年の七月七日の総務省通知、これは七年前にも同じような問題が取り上げられたという経緯もありまして、総務省から通知が出まして、出生届の提出に至らない子に係る住民票の記載について、認知調停手続など外形的な手続が進められている場合には、市町村長の判断により、職権で住民票の記載を行うことが可能だということとされました。この内容については、これでよければ特段何も触れていただく必要はありません。 この通知を受けて、その後実際に行われた市町村長の職権による住民票の記載は何件あったかということについて、総務省の方からお答えいただきたいと思います。
○時澤政府参考人 平成二十年七月の通知で示されました要件に該当するものにつきまして、住民票を作成した件数でございます。 全国で、平成二十年七月から二十一年三月までで三百二十四件、二十一年度に三百八十九件、二十二年度に五百二十三件、二十三年度に五百八十件、平成二十四年度は、外国人に対しても適用いたしましたので、これも含めまして六百五十六件、二十五年度七百二十六件となっているところでございます。
○重徳委員 ありがとうございます。 今お聞きした数字ですと、少しずつこれもふえていますけれども、五百、六百、七百、このぐらいの数字でありますので、仮に、先ほどの法務省の調査の結果、五百数十人、これがみんな職権で住民票を得られているのだとすれば、ほとんど住民票については解決されているんじゃないかということも考えられるんですが、実際には、なかなかそうじゃないと思われます。 法務省では、今の総務省の把握している数字、つまり市町村長の職権によって住民票を得た数と、先ほどの五百六十七人という数、ここの関係性ということについて把握はされていますか。
○深山政府参考人 実は、先ほど御紹介した課長通知に基づく市区町村に対する無戸籍者に関する情報提供の要請というのは、戸籍法第三条二項、法務局長が戸籍事務の処理に関して必要があると認めるときは市町村長に対して報告等を求める権限がある、こういう戸籍法の権限規定に基づいて、この権限の行使として報告を求めているものです。 今申し上げた要件、つまり戸籍事務の処理に関しということで報告徴求権限があるということから、住民票の記載の有無というのは戸籍事務と必ずしも直接の関係はないものですから、これまでは市区町村に対して報告事項としておりませんでした。 先ほどの五百六十七名のうち、その他欄に参考的に書いてきたことで把握している方は何名かおられます。住民票に記載をしてありますという人が三十一名。記載がありませんという人が二十七名。これはごくわずかですけれども、この方々は、いわば任意的に報告を市区町村がされたものですが、一律の報告事項にしていないものですから、全体の状況を把握しておりません。 ただ、今委員御指摘のとおり、住民の置かれた状況というのは、住民票がとれているかどうかということで非常に重要な影響を受けますので、今後、報告を求める際にこの点まで追加的に求めることにするかどうかということにつきましては、先ほどの戸籍法上の権限規定の解釈、運用で賄えるのかどうかという法律の解釈の問題と、それから住民基本台帳制度を所管する総務省さんとも御相談をして、今後の課題とさせていただきたいと思っております。
○重徳委員 今後の課題というのは、私がきのうの夜申し上げたことですので、きょう、今決めていないとおかしいとまでは言いませんが、戸籍がなくても住民票さえあれば、とりあえずは何とかなる、行政サービスも、あるいは身分証としても、非常に重要なところでありますので、ぜひこれは必ず報告を求めるようにしていただきたいと思いますが、もう一言お願いします。
○深山政府参考人 今の委員の御指摘はそのとおりだと思っております。ただ、法解釈の整理の問題と、それから所管省庁と連絡をつけた上で、法務省だけで勝手にやるわけにいかない、そういう意味で、報告の求め方を、非常に強制的な必要的な記載事項にするか、それともわかる限りというか、そのあたりのニュアンスの点を、最後、両者の検討の結果詰めたいと思っているので、報告を求める方向で考えるのはそのとおりにしたいと思っております。
○重徳委員 ありがとうございます。すぐお隣に担当の総務省の審議官がお見えになりましたので、ぜひよく調整をしていただきたいと思います。 それでは続いて、旅券、パスポートについてですが、これも、人道上やむを得ない理由、人道上といっても、これは実は修学旅行に一人だけ行けないのは困るだろうというぐらいでも人道上だという取り扱いだそうですが、その人道上やむを得ない理由により戸籍への記載を待たずに渡航する特別の事情がある場合は、これも認知調停手続などが進められていることが必要ではあるが、それさえ、つまり手続が進められているという外形的なものがあれば旅券を発給できるというふうに聞いております。 ただ、若干気になるのは、この場合に、推定がきいてしまう、前夫の氏がそのお子さんのパスポートに入ってしまうということだそうですが、これは、こういうことで正しいでしょうか。
○鈴木(哲)政府参考人 お答え申し上げます。 旅券法上、旅券は、戸籍謄本または抄本に記載される内容に基づいて発給されますが、戸籍がない方についても、人道的観点から例外的に旅券を発給することは可能でございます。 無戸籍の方が旅券の発給を受けるためには、申請者の方が日本国籍を有していることが明らかであり、戸籍への記載を待たずに人道上やむを得ない事情により海外渡航しなければならない特別の事情があると認められる場合に加えまして、御指摘のありました、認知調停を初めとする、戸籍に記載されるよう身分関係の形成のための人事訴訟などの手続が既に開始されていることが必要でございます。 また、発給される旅券に記載される氏についてでございますが、旅券法施行規則の規定によりまして、家庭裁判所の審判または裁判の結果が出ていない段階においては、あくまで民法の規定に基づき戸籍に記載されることになる氏、具体的には婚姻中の父母の氏、多くの場合は申請者、母の前夫の氏を記載することになります。
○重徳委員 これもちょっと不都合な点だと思われます。 時間の関係もありますのでどんどん行きますが、次に、運転免許証について、これは、戸籍がなくても住民票があれば取得できるということでございますが、住民票もない場合には取得はできますか。
○濱政府参考人 お答え申し上げます。 運転免許を新たに取得する場合でございますけれども、受験資格である年齢、それから過去の免許の取り消し処分等を確認するために個人の特定が必要でございまして、そのために住民票等の提出を求めているところでございます。 委員お尋ねの住民票がない場合にどうなのかということでございますが、一般論として申し上げれば、その他の書類等におきまして個人が特定できればよろしいかと思いますが、特定することが困難であれば運転免許の取得は困難であると考えております。
○重徳委員 次に、保険証ですが、被用者保険であれば、これは民間の契約でありますが、まず雇用されているということが前提になりますので、それすらままならないという方のことも考えますと、国民健康保険についてお聞きしたいんです。これも戸籍がなくても住民票があればもちろん加入できるんですが、これについては、住民票がない場合、加入できるんでしょうか。
○武田政府参考人 お答えいたします。 国民健康保険でございますけれども、市町村の区域内に住所を有し、他の公的医療保険に加入していない方が被保険者でございますので、戸籍や住民票の有無は国民健康保険制度上の適用の要件とはなっておりません。 したがいまして、お尋ねの住民票に記載されていない場合でございますが、その場合であっても、その者の生活実態に照らして当該市町村内に住所があると認められる場合につきましては、被保険者として適用する取り扱いになっているところでございます。
○重徳委員 国民健康保険については、そういう証明がなくても、生活実態に照らして加入できるということでございます。 さて、身分証明以外にも、無戸籍の方々には権利行使、行政サービスへのさまざまな制約があるのではないかと思われる一方、住民票なんかがなくても何とかなるようなものもあると見受けられます。 まず一つ目に、生活保護について、これは戸籍も住民票もなくても受けられるんでしょうか。
○鈴木(俊)政府参考人 生活保護制度におきましては、戸籍や住民票の有無は保護の要件とされておりませんので、戸籍や住民票がない方でありましても生活保護を受けることは可能でございます。
○重徳委員 次に、選挙権について、これは若干住民票というものが重視されるような感じなんですが、戸籍がなくても住民票に記載された者であれば選挙人名簿に登録されるが、住民票にも記載されなければ登録されない、つまり選挙権を行使できないということでよろしいでしょうか。
○時澤政府参考人 選挙権を行使するためには、選挙権を有するとともに、選挙人名簿に登録されていることが必要でございます。 この選挙人名簿の登録につきましては、公職選挙法第二十一条におきまして、「当該市町村の区域内に住所を有する年齢満二十年以上の日本国民で、その者に係る登録市町村等の住民票が作成された日から引き続き三箇月以上登録市町村等の住民基本台帳に記載されている者について行う。」というふうに規定をされております。 したがいまして、戸籍の有無にかかわらず、住民票に記載された日から引き続き三カ月以上登録市町村等の住民基本台帳に記載されている者でなければ選挙人名簿には登録されず、投票することはできないということになっております。
○重徳委員 次に、義務教育についてですが、これは戸籍がなく、かつ住民票がなくても、実態として当該市区町村の区域内に住所があれば就学できると考えてよろしいでしょうか。その場合、就学通知はどのようになるんでしょうか。
○中岡政府参考人 義務教育諸学校に就学すべき年齢の児童生徒につきましては、その保護者に当該児童生徒を就学させる義務が課せられておりますため、戸籍の有無にかかわらず、小学校、中学校等の義務教育諸学校に入学させなければならないこととなっております。 また、市町村は、戸籍や住民票等の有無にかかわらず、域内に居住している学齢児童生徒の名簿である学齢簿を編製することとなっておりまして、居住の実態の把握に努め、学齢簿に記載されている小中学校への就学予定者の居住の実態のある場所に向けて入学期日や就学すべき学校の指定の通知を行うこととなります。
○重徳委員 ありがとうございます。 次に、児童手当、児童扶養手当、保育所、母子保健、これらも、戸籍がなく、かつ住民票がなくても、実態として当該市区町村の区域内に住所があって、かつ医師の出生証明等があればこれらのサービスを受けられると考えてよろしいでしょうか。
○木下政府参考人 お答え申し上げます。 児童手当、児童扶養手当、保育所、母子保健につきましては、先生今御指摘の戸籍及び住民票に記載がない児童につきましても、居住の実態等を確認することにより、サービスを受けることが可能でございます。
○重徳委員 次に、介護保険でございます。これも、戸籍がなく、かつ住民票もなくても、実態として生活の本拠地である住所を有していれば加入できるんでしょうか。
○苧谷政府参考人 介護保険につきましては、国民健康保険制度と同様の取り扱いになっておりまして、生活実態に照らして当該市町村内に住所があると認められる場合には、被保険者として適用する取り扱いになってございます。
○重徳委員 次に、国民年金なんですけれども、これも、戸籍がなく、かつ住民票もなくても、実態として当該市区町村の区域内に住所があれば加入できるんでしょうか。
○樽見政府参考人 国民年金の適用につきましても、日本国内に住所を有することということが条件でございまして、戸籍や住民票は必ずしも要件とはなってございません。 ただ、国民年金は長期にわたって加入していただく制度ということでございますので、市町村窓口に加入の相談があったときに住民票がないという場合には、まずは住民登録の手続について市町村の方で案内を行うというのが通例であるというふうに承知をしています。その上で、例えばDVなどのケースで特別な事情によって住民票がないという場合には、実質的な住所があると確認されれば適用する、そういうことになります。
○重徳委員 最後に、これは民間取引の分野に入りますが、銀行の預金口座ですね。いろいろな社会経済活動の基盤となると思いますが、銀行の預金口座を開設するには、犯罪収益移転防止法に定める公的証明書がないとだめだというふうに書かれておりまして、一般的には、戸籍がない、住民票もない、運転免許証もないというようなことであれば本人確認もできないし、口座開設もできないんじゃないかというふうに受けとめられますが、いかがでしょうか。
○氷見野政府参考人 お答えいたします。 住民票の写し、運転免許証に限るわけではありませんが、御指摘のとおり、犯罪収益移転防止法に定める各種の公的証明書がいずれもない場合には本人確認ができませんので、銀行口座を開設することはできないということになります。
○重徳委員 今お聞きいただいたとおり、相当支障もある一方で、住民票がとれるケースも、認知調停手続に入れば、外形的な手続に入れば一応可能である。そして、住民票がなくても受けられるサービスも一定程度ある。こういう全体をきちんと掌握した上で市町村との連携だとか支援というものを具体的に、大臣も先ほど寄り添って応援していくんだという決意を表明されましたので、できないことはもちろんあります、だけれども、できることはできるんだから。 クローズアップ現代でも、教育を受けずに大人になってしまった、こういう方のことも報道されていました。これは戸籍以前の問題という言い方がいいのかわかりませんが、戸籍が仮になくてもほかのいろいろなやりようがあったはずだ、こういうことでありますから、これは法務省だけの問題ではありませんが、各省としっかりと連携して、どういう方策を施していくのか。これはかなり横断的なテーマだと思いますので、できることはできるんだということをきちんと周知していただく必要があると思います。 その上で、そういう行政サービスさえ受けられればいいんだという問題ではもちろんありません。戸籍のないままに生涯過ごすということは、もうこれは極めて、大臣の所信にありましたけれども、まさに、国民としての社会的基盤が与えられないという、人間の尊厳にかかわる重大な問題であると思います。 したがいまして、もちろん、嫡出推定を打ち消すために、通常のケースであれば、裁判手続に前夫をかかわらせる、前夫を相手とした裁判手続にかけるという趣旨は一般的には理解されますが、しかし、世の中は大分変わっております。民法なんて百年以上前の法律ですから、離婚とかDVとかいろいろな実情がある中で、お母さんが子供がいるということを前夫には知らせたくないというような場合、前夫が亡くなるまで問題が解決しないんだというような状況の中で、あくまで二択だ、前夫の戸籍に入るかあるいは裁判手続をするか、どっちかだ、これは余りに酷な問題だと思います。 それから、前夫がかかわらず実父のみによる強制認知という手法もあるんだというふうに思ったんですが、思ったというかそのようにお見受けしたんですが、しかし、その場合にも、前夫との間の別居の状態が長く続いているということを客観的に、海外に行っているとか刑務所に入っているとかそのぐらいまでに別居しているということが客観的に明らかじゃないといけないとか、あるいは、結局どうなのかというのは裁判所に前夫を呼んで一応確認しておかないとという運用を家庭裁判所でも行っているのが通常だという話も聞きます。これは余りに酷であって、事実上、そんなことはできないじゃないかというふうに思います。 したがいまして、離婚後三百日のことはちょっとこの後お話ししますが、離婚していない場合にも、つまり妻は夫の戸籍に入ったままの状態であっても、子供の単独戸籍をつくるというようなことも認めるような、そんなルールをつくるべきではないか、法改正をすべきではないか、こういう考え方があると思うんですが、いかがお考えでしょうか。
○上川国務大臣 ただいま委員から御指摘がございました戸籍をどのようにつくるかということでございまして、先ほどの単独の戸籍をつくるということにつきましては、これは母親の方が無戸籍の場合に限定し、この場合には子が入るべき戸籍がないということでございまして、この就籍の許可の手続、これは戸籍法の百十条をとった上で子の単独戸籍が編製される、こうした手続になっております。 今委員からは、母に戸籍がある場合にもこのような手続をとるということがどうかというような御指摘がございましたけれども、戸籍制度の本質に係る非常に重要な問題というふうに考えておりまして、現時点、困難であるというふうに思っております。
○重徳委員 さもなくば無戸籍を選べというようなことではいけないと思うんですね。 確かに、重要なことです。ですから、軽々に、絶対それがいいんだということまで、結論まではいろいろな議論を経た上でやらなきゃいけないと思いますが、今、実情として、戸籍がない状況、つまり出生届を出せないという状況を選ばざるを得ない状況になっておるわけです。 ここは重大な問題であるというふうに大臣も捉えていらっしゃるわけですから、先ほどからの議論の中で、一般の行政サービスは割と、住民票も、余り簡単にではないかもしれませんが、とる方策もある、あるいは住民票がなくても住民サービスを得られる、そういう方策もあるという中で、法務行政だけが進んでいかない、つまり戸籍だけがつくれない、こういう状況にこのままだと陥ってしまう可能性があると思います。 ぜひとも前進させていただきたいと思うんですが、今の単独戸籍というのは、生涯単独戸籍というよりは暫定的な単独戸籍で、一定の条件、あるいは期間を過ぎたら本来の戸籍に戻すということも含めて検討すべきではないかというふうに思います。 あと十分程度ですので、今度は三百日ルールの話に移したいと思うんですが、現状、いわゆる三百日ルール、つまり離婚後三百日以内に子供が生まれたらそれは前夫の子であると嫡出推定が働くということなんですが、離婚後三百日以内に実際に生まれる子の数は把握されていますでしょうか。それから、離婚後懐胎の医師証明書提出ケースというものについてもちょっと言及していただきたいんですが、お願いします。
○深山政府参考人 今お尋ねのあった離婚後三百日以内に生まれる子の総数というのは、実は、統計をとっておりませんので、把握しておりません。ただし、平成十九年にこの問題が問題になったときに法務省が調査をしたことがありまして、これは推計的な調査ですけれども、離婚後三百日以内に出生した子は年間三千人近く存在する可能性があるというのがその推計の結果でございましたので、おおむね現在も同じような状況ではないかと推定をしているところです。 他方で、平成十九年五月の民事局長通達で、今お触れになった離婚後三百日以内に子が出生したときでも、妻が前夫との婚姻中に懐胎した子ではない旨の医師作成の証明書が提出されれば、前夫との関係で嫡出推定が及ばないものとして出生届を受理できるという扱いをしておりますが、この通達の取り扱いに基づいて出生の届け出がされた件数は、この通達を発出した平成十九年五月から平成二十五年十二月三十一日まで、六年半ほどありますが、この間の累計で二千百五十九件、また、直近の平成二十五年の一年間では二百八十二件となっております。
○重徳委員 推計の数字ですので一〇〇%正しいかどうかはともかく、年間三千人ぐらい、そのうち三百人ぐらいは婚姻中の子ではない、離婚後の前夫でない方との間の子であるということを証明する医師の証明書を出したということであります。つまり、前夫の推定が働かないという状況。 単純に言って三千引く三百で二千七百人の方は、逆に言うと、前夫の嫡出推定が働いているということなんですが、これはこれで、そのとおりだということももちろんあるでしょうし、あるいは、そうじゃないんだけれども、まあ、いいかという方ももしかしたらいるかもしれない。だけれども、本当はそうじゃなくて、ただし、婚姻中だったので証明もとれないという方もやはりいるかもしれない。ましてや、前夫がDV夫である場合には本当にそこでまさに苦しんでいる方がいらっしゃる、こういう状態なんだと思います。 それで、一方で、婚姻後二百日以内に生まれる子は夫の嫡出推定がきかない、つまり婚姻後二百日以降の子供にしか嫡出推定が働かない、こういうルールもあるわけですね。 最近は、いわゆる授かり婚というんですか、結婚前に妊娠をするというケースもかなり多くて、婚姻後二百日以内に誕生する子も我々の感覚的にも相当いると思います。しかし、このルールは、そもそも結婚もしていないのに二百日以内に子供が生まれるはずがない、あるいは生まれるべきではないというような民法の当時の明治時代の想定があったと思うんです。だけれども、その部分については、もはや我々は、おめでたいじゃないかと言うぐらいに、受け入れるような時代にもうなってきていると思います。 そういう意味でも、民法が想定していた、結婚してから二百日以内に子供が基本的には生まれないよねとかいう社会の通念自体が相当変わってきていると思うんですが、こういった社会の変化というものについては、大臣もそのように認識されていらっしゃいますでしょうか。
○上川国務大臣 ただいま御指摘の、婚姻後二百日以内に生まれるお子さんということでの御指摘でございます。 婚姻の成立の日から二百日以内に出生した子には嫡出推定が及ばないということでございますが、婚姻中の夫の子として出生届が受理されるということでございます。この取り扱いにつきましては、婚姻の成立の日から二百日以内に出生した子であっても、内縁関係が先行しておりその子が内縁中に懐胎したと認められる場合には、民法中の親子に関する規定全般の趣旨に照らして嫡出子となることとした、これは昭和十五年の大審院の判決ということで出されているところでございます。それを踏まえた上で、戸籍の窓口におきまして、内縁関係が先行しているか否かということにつきまして判断するということが窓口でできないということでございますので、その意味で、婚姻成立ということを機に、二百日以内に出生した場合には、その子につきましては嫡出子としての出生届を受理するということにしたものであるというふうに思っております。 今、婚姻に関しての社会通念が民法の制定当時からさまざまな変化があるというふうには考えているところでございますが、戦前からされているからといって、そのことについて直ちにということにはならないということでございまして、社会通念の変化と関連するということについては、この件につきましてはそのように考えていないということでございます。
○重徳委員 では、もう少し迫ってみたいと思うんですが、結婚して再婚するまで百八十日、女性は間をあけなきゃいけないというルールが今ありますね。では、百八十日たったのですぐ結婚、再婚をしましたと。ただし、離婚から数えて三百日以内、つまり結婚してから百二十日以内に生まれた子は、今の夫の子だという推定が働かないわけで、逆に、前の夫との子であるという推定が三百日ルールでかかるわけですね。そういう場合にまで今言ったようなルールを働かされるというのはちょっとどうかなという感じがいたしませんかね。 こういう場合、つまり、離婚後百八十日で結婚しました、その後百二十日以内に生まれました、こういう子については、さすがに前の夫との嫡出推定を外すか、あるいは、さらに言うと、後の方の夫との嫡出を推定する、こういうふうにルールを改正した方が、さすがにこういうケースについては社会通念に合うんじゃないかと思うんですが、いかがお考えですか。
○上川国務大臣 そもそも、この嫡出推定制度ということでございますけれども、妻が婚姻中に妊娠した子を夫の子と推定するものであるということでございまして、妻の懐胎時期につきまして、妊娠したことについて、婚姻中であるか否かということについて必ずしも容易に判断することができないということでございまして、そこで、一般的な妊娠期間につきましては、婚姻成立の日から二百日を経過した後、また離婚などの婚姻解消の日から三百日以内ということで、その間に生まれた子供さんについての嫡出推定をする、そうしたルールを定めたところでございます。 子の安定した法的な基盤をつくるということの中で、この制度について、一定の期間の設定については合理性があるというふうに考えております。
○重徳委員 もう今はDNA鑑定でも何でも後で幾らでも確認をし得るわけですから、もう少し法務行政というか民法ルールをいじらなければ解決しないと思うんですけれども、大臣、結局、何をされようと、今回の問題についてどう対応されようとしているんですか。あくまで、今の民法のルールのまま全く何も変えずに、運用だけで何とか解決に当たろうというお考えなんでしょうか。今回の所信に対するお考えを最後にお聞きして終わりたいと思います。
○上川国務大臣 先ほど来御指摘がございましたけれども、社会が大変大きく動いているということは事実でございます。 そういう中にありまして、戸籍を持たない方がいらっしゃるということ、そして、その戸籍を持たないことによって大きな不利益を長年にわたって生じていらっしゃる方もいらっしゃるということ、まずこのことの実態を把握する。先ほどその理由についてはいろいろ数字もございましたけれども、そのことにつきましてもしっかりと調査分析をしていく必要があるというふうに思います。 そして、やはり、直ちに戸籍を取得していただくということについて、これは寄り添うということで申し上げましたところでありますけれども、戸籍の取得をしていただくということについては、情報あるいは知識、そういう面についてサポートをしっかりとして寄り添いながら、戸籍の取得において、この無戸籍者の方をゼロにしていくという方向で取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○重徳委員 非常に重要な問題なので、また引き続き議論させていただきたいと思います。 本日は、どうもありがとうございました。
○奥野委員長 次に、井出庸生君。
○井出委員 維新の党、信州長野の井出庸生です。 大臣、今国会も法務委員会をやらせていただきます。どうぞよろしくお願いをいたします。 冒頭、政治と金の問題、きょうは時間をとりませんが、違法だとか違法でないとか、いろいろ調査でお時間もとると思いますので、ぜひ自民党の党内の方で、我々のように企業・団体献金は禁止をしたらどうか、そういう問題提起をしていただければな、そういう思いをまず述べさせていただきたいと思います。 きょうの質問の方は、少年法について、三月十日の分科会で、たしか、自民党の宮川典子先生も御質問されていたかと思いますが、きょうは少年法について伺いたいと思います。 まず、六十一条なんですが、いわゆる少年犯罪の加害者の実名報道を禁止した六十一条、条文は「家庭裁判所の審判に付された少年又は少年のとき犯した罪により公訴を提起された者については、氏名、年齢、職業、住居、容ぼう等によりその者が当該事件の本人であることを推知することができるような記事又は写真を新聞紙その他の出版物に掲載してはならない。」と。 先般、川崎市で、中学一年生が殺害されるという大変痛ましい事件がありました。お亡くなりになられた方の御冥福を心からお祈りいたします。 そしてまた、この事件を機に少年法の見直しの議論が上がってきたことも事実かと思います。 この川崎の事件について週刊新潮が、週刊新潮の記事の見出しによれば「「十八歳主犯」の身上報告」という見出しをつけて、十八歳の主犯とされる人物の実名と写真を掲載しております。 また、それと同じと思われる人物の名前や写真がインターネット上では早くから流れておりまして、週刊新潮は、今回この実名報道をするに当たって、各新聞社等の取材に対して、インターネット上において早くから十八歳の少年の実名と顔写真が広範に流布し、もはや少年法が形骸化していると言わざるを得ない状況も検討、考慮しております、こういう文書をコメントとして出しております。 まず大臣に伺いたいのですが、週刊新潮が今回の事件の加害者とされる十八歳の人物の実名と写真を掲載したことについてどのようにお思いになるか、コメントを求めます。
○上川国務大臣 先ほど委員から御指摘の六十一条の規定を読み上げていただいたところでございます。 少年の実名と顔写真が掲載されたことにつきましては、少年が可塑性を有するものでありまして、その健全な育成を期すということが必要であるという少年法の趣旨に照らして、遺憾であるというふうに考えております。
○井出委員 今、遺憾である、そういうお話がありました。 実は、前に谷垣さんが法務大臣をされていたときに、これは平成二十五年三月二十一日、参議院の法務委員会での大臣の御発言なんですが、このときも、質問者の側が具体的な加害者の少年の実名報道に触れて、少年犯罪の実名報道のあり方について見解を伺った、その大臣の答弁ですね。 少年法六十一条、このことについて、「あの子がやったんだというようなことが世間に流布してしまうようなことを避けたい、その少年の再起に妨げになるようなことは避けたい」そういう御答弁で、最後に、上川大臣と同じように、「六十一条の趣旨に反する報道があったことは甚だ遺憾に思っております。」と、同じようなお話をされておるんです。 今回の事件は、週刊新潮の報道もそうなのですが、週刊新潮自身が認めているように、その前段に、インターネットで少年の実名、写真、そういった情報が広く出てしまった。これは、谷垣大臣がその当時おっしゃっていた「あの子がやったんだというようなことが世間に流布してしまうようなことを避けたい、その少年の再起に妨げになるようなことは避けたい」、それすらも大きく変える、そういう状況をはるかに上回る事態ではないか。と申しますのは、インターネットですので、当然ずっと記録に残りますし、検索も可能でございます。 少年の実名報道については、たしか平成十五年に最高裁の判例が出ている。そのもととなっている大阪高裁の判決があるんですが、少年の実名報道について、大阪高裁の判決というものは、実名報道を、禁止していたものに少し裁量を設ける判決だったんですが、その理由として、被控訴人、犯人を知らない一般市民が被控訴人の実名を永遠に記憶しているとも思えないというようなくだりを述べて、事件によっては少年法が禁じていたとしても実名報道が可能であるという判例をつくった裁判なんです。 この大阪高裁の判決、一般市民が実名を永遠に記憶しているとも思えない、この部分をとっても、インターネットで広く未成年の加害者の実名と写真が出るということは、そうした過去の判例、そして昨年の大臣の答弁、そういったものをはるかに上回る深刻な事態だと思っております。 週刊新潮が言っている少年法が形骸化しているというのは、私は、残念ながら事実ではないかと思います。インターネットの状況、少年法が形骸化しているという御認識、大臣におありかどうか、伺いたいと思います。
○上川国務大臣 ただいま、出版物においての実名及び写真ということで、その前にインターネットでの掲載があった、しかもそれが拡散しているということ、これに照らして考えると実態に合わないのではないかということでございます。 こうした少年の特定に関する情報ということにつきましてインターネット上に掲載されて拡散するという事態については、私は、少年法の六十一条の趣旨、そして少年法自体の、可塑性のある青少年のことを考えてつくられたこの少年法の趣旨に照らして考えますと、問題であるというふうに考えております。
○井出委員 おっしゃるように、問題であるということは間違いないと思います。しかし、それに対して有効な対策を打てていないということもまた事実ではないかと思います。 一つ、法務省のお仕事として、インターネットのブログなどにおいて名誉毀損やプライバシー侵害に当たるような書き込みがなされたと被害の申告がされるなどした場合、法務省の人権擁護機関がプロバイダー等に対してその書き込みの削除を求める、そういうお仕事があるということを聞いているんです。この法務省の人権擁護機関をもってしても、先ほど私が述べました平成十五年の最高裁判決で、事件によっては少年法があっても実名報道はあり得る、その判決が出て以降、法務省の人権擁護機関の取り組みも一層慎重なものになった、そういう答弁も出ております。 では、これは実際に、法務省としてどういうふうに、問題であるとお話をされて、解決をされていくのか。少年法の趣旨にのっとって現状を規制していくのか。それとも、私自身も規制は難しいということはわかっております、その状態を、どちらかといえば最高裁の判例の方に近くなるんですかね、場合によってはそういうこともあり得るということを認めていくのか。法務省としてどうお考えかを伺いたいと思います。
○葉梨副大臣 今、インターネットのお話がございましたけれども、インターネットで非常に流布しているという状況は、私自身も非常に問題はあるというふうに考えます。 ただ、インターネットで見ることができるというのと、それから報道で見ることができる、つまり、インターネットは若い方は非常によく使うわけですけれども、だんだん私ぐらいの年齢になってくるとやはり報道の方が非常に見られる、プリベーリングしているという状況もございますので、少年法で報道について六十一条のような規定を置いているというのは非常に合理性のあることだというふうに思います。 インターネットはインターネットの問題として、人権侵害に当たるような場合につきましては、法務省でも、最近になりますけれども、法務局、人権擁護局の方でも削除要請等の対応を行っているところで、インターネットについては、今のところ、そういった啓発と、それから人権侵害に当たるような事案についての削除要請。 それから、報道関係につきましては、インターネットでそういった少年の実名が流布されているからといって、少年法の趣旨が形骸化しているとか没却しているということではないだろうと思います。やはり、報道機関は報道機関として、しっかりと責任を持って報道をしていただくということも大切ではなかろうかなというふうに思います。
○奥野委員長 井出君、まだその上に大臣の答弁を要求しますか。(井出委員「一度ちょっと私の方からも発言をさせてください」と呼ぶ) では、井出君。
○井出委員 少年法の六十一条は、少年に関する情報を推知することができるような記事または写真を新聞その他の出版物に掲載をしてはならないと、確かにおっしゃるように報道を想定されているんです。 ただ、今回、週刊新潮は週刊新潮としての意図、方針を持って実名を報道されておりますので、そこは私も議論があるとは思うんですが、週刊新潮は各社に、どうして実名報道したんですか、そう聞かれたときに、もうインターネットに広く出ている、そういうことも考慮した、そういうコメントが入ってきているわけであって、私は、インターネットと報道というものをもう切り離せない時代になってきていると思うんですね。インターネットに報道するべき情報があれば今の報道機関は報道しますし、インターネットで情報が出ていることと報道機関で情報が出ていることはもうセットで考えていただきたい。 先ほど申し上げた人権擁護機関の取り組みというのは一つの例であって、インターネットであれ報道であれ、未成年の犯罪の加害者と思われるそういう人物の情報が出て、少年法六十一条の実態にかなっていなくて問題である。その問題の解決の方向性を、お考えがあれば伺いたいと思います。
○上川国務大臣 今、インターネット上での情報流布行為ということでございますけれども、少年法の六十一条の趣旨に鑑みますと、個人によりますインターネット上の情報流布の行為などにつきましても、この禁止の対象として含まれているというふうに私は考えております。新聞紙その他の出版物という形で規定をされているわけでございますが、それに加えて、コンピューターを使った各種の通信等を含むというふうに考えてしかるべきというふうに考えております。
○井出委員 今、少年法六十一条の趣旨にインターネットの情報も含まれると。これは大変重要な答弁をいただいたと思っております。 インターネットの情報は、そうやって少年法の趣旨に合わない情報が出ることがあるのに対して、おかしいだろう、そういう情報は出すべきじゃない、そういう逆の意見はインターネット上でもしっかりあります。 そして、報道機関はどうなのかというと、報道機関は、新聞協会などの発表しているものを見れば、実名報道というものは報道する者の個別の判断だ、時代の情勢も考慮する、少年法については、新聞、報道機関は特に社会的な責任があるので基本的には報道すべきでない、そういうラインを引いているんです。 私は、今すぐにその解決策を出すことは非常に議論のあることだと思うんですが、今、こうした状況、こうした中で上川法務大臣にぜひやっていただきたいことは、インターネットも少年法の六十一条の趣旨に入るということも含めて、きょう大臣が御答弁されたことは非常に率直に受けとめられる中身をいただいていると私は思いますので、それを政府の見解としてきちっと世の中に周知していただきたい。周知をするだけでも、報道機関やインターネットで情報を発信したり受けたりしている人たちにとって、それは一つの大きなメッセージとして伝わると思うんです。ぜひやっていただきたいんですが、いかがでしょうか。
○上川国務大臣 大変重要な条文ということでございますので、今御指摘いただいたようなことにつきましても、趣旨がしっかりと生かされる形で少年の人権も保護されることができるようにしていくということは非常に大事だというふうに思っております。 六十一条の趣旨につきましては、少年の特定に関する情報が広く社会に伝わり、少年の社会生活に影響を与えることを防ぎ、その更生に資することを趣旨としているということでございまして、少年の特定に関する情報を出版物に掲載することを禁止する規定である、本条によりまして禁止される行為につきましては必ずしも報道機関等によるものに限られないものというふうに考えているということでございます。インターネット上で情報を流布する行為につきましても、本条の趣旨につきましては妥当するというふうに考えております。 先ほど人権擁護機関におきましてインターネットプロバイダーに対しての削除要請ということでございますけれども、申請に基づいて削除要請をするということになっておりまして、また、インターネット上の取り組みにつきましては、それぞれの制度がございますので、非常に難しいものであるというふうに思います。 ただ、この趣旨に照らして、しっかりと少年の人権を守ることができるようにしていくということに力を尽くしていきたいと思います。
○井出委員 今回の川崎の事件というものは報道を見る限り非常に残虐な手口であって、それに対して私も到底許されるものではないと思っております。しっかりこれからの刑事手続、司法手続の中でその全容を明らかにして、しかるべき罪を償っていく、そういうことになるのではないかと思って今見守っておるのです。 ましてや、こういう事件が二度とあってほしくありませんし、再発の防止ということも非常に大切です。ただ、残念ながら、もし仮にこういうことがまたあったときに、インターネット上で情報が出る。例えば新聞報道などでは、インターネットで情報が野放しに拡散されることをネット私刑、そういうような表現もあるんです。 私は、今回の事件のときに法務大臣をされている上川さんに、私がさきにお願いした記者会見でもいいんですけれども、このことに特化して政府のスタンスというものを、少年の実名報道について、インターネットと報道のことについて、しっかりスタンスを示して世の中に発信していただくということは、今法務大臣である上川さんにしかできない。谷垣さんでもできないことですし、その後、これからの法務大臣でもできないこと、今しかできないことだと思いますので、ぜひその発信を上川さんにお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○上川国務大臣 少年法の六十一条の趣旨に照らして、少年を特定する情報が広く拡散することがないように、そして、少年の更生に資することについてこの趣旨を生かして取り組んでいただきたいというその思いにつきましては、しっかりと申し上げたいというふうに思っております。
○井出委員 ありがとうございます。 大変難しい、議論のある問題でありますので、きょうは政府のスタンスをしっかり答弁していただいたということには感謝をしたいと思います。 次に、この川崎の事件とも関連をするのですが、少年法の厳罰化の議論、これは最近、公職選挙法の選挙年齢を十八歳に引き下げる、その議論とも重なって、少年法の厳罰化の議論、または少年法もその成年年齢を引き下げよう、そういう議論が出てきている。その一つには、少年法が甘いのではないか、そういう認識を一定程度の方が持っていると思うんですが、きょうは、最高裁家庭局の村田局長に来ていただいておりますので、伺っていきたいのです。 少年法は、基本的には、少年が無罪、無実が明らかになった場合を除いて、必ず家庭裁判所に全て送致をされる。一方、刑法、成人が罰せられる刑法は、場合によっては裁判所に送られないケースもある。まず、そういう制度的な違いもありますし、識者の意見として、一つの犯罪行為があって、成人であればその行為責任が問われる、少年であればその行為責任とその更生、指導の部分も含んだ判断が下される。 これは端的に申し上げますと、同じ事件を起こしても、大人であれば執行猶予、釈放、それに対して少年は少年院に送られて、それは指導という意味も含んでなんですけれども、長い時間をかけて更生していくというケースはあり得る。 まず、そういうケースが一般的にあり得るかどうかというところと、今私が挙げた家裁への全件送致の制度、原則の話などを含めて、少年法が甘いということが、その認識をぱっとそう簡単に言い切れるものなのかどうか、コメントをいただきたいと思います。
○村田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。 委員の御指摘のとおり、行った行為だけを見ますと、同じような行為をした事件につきまして、刑事訴訟においては刑の執行猶予の言い渡しや罰金刑の言い渡しがされる一方で、少年審判においては少年院送致決定が言い渡されるということは一般論としてはあり得ることだろうというふうに考えております。刑事訴訟においては刑罰法規の趣旨等にのっとって、また少年審判においては少年法の趣旨にのっとって、それぞれ事案に応じた適切な判断がされているものと承知をしております。 それから、少年法は甘いのではないかということにつきましては、裁判所の立場からは、御質問のような点は立法論ということになろうかと思いますので、それについてのお答えは差し控えさせていただきたいというふうに思います。
○井出委員 前半は私が希望した内容の答弁をいただけたかなと思うんですが、後半の部分は残念なような、いたし方ないような感じではあります。 今、川崎の事件で、少年法について厳しくした方がいい、選挙年齢の引き下げに伴って少年法の成年も十八歳にした方がいいのでは、そういう議論が現実としてございます。そういうことを発言、示唆されている政治家もおりますし、例えば、読売新聞などはきちっと社説でそういうことを三月三日に、少年法のあり方を検討する時期に来ているのではないか、そういうことを書いております。 ただしかし、少年法の制度の問題と、それともう一つ、少年事件というものが減少傾向にある、そういう事実を踏まえた上で議論をしていかなければいけないと私は思っております。 私が承知をしております上川大臣の御見解ですと、例えば、成年年齢を二十から十八歳に引き下げることについては、十八歳、十九歳の保護処分の必要性が失われた、そう言える状況ではないと慎重な御発言をされていたと記憶しておりますが、この少年法の成年年齢の引き下げ、また少年事件に対してもう少し厳罰をもって臨むべきだ、そういう議論について上川大臣の見解をいただきたいと思います。
○上川国務大臣 ただいま委員の方から御質問がございました、適用対象年齢につきまして厳罰化の流れの中で引き下げる必要があるではないか、こういう御意見に対して私自身がどう考えるかという御質問でございましたけれども、刑事司法の全般におきまして、成長過程にある若年層、青少年をどのように扱うかということについて、大変大事な少年法の固有の問題があるというふうに思っております。 私自身は、可塑性のある少年の問題ということについては、その観点から十分に検討を行う必要があるというふうに考えておりまして、少年法の適用対象年齢を二十歳未満から十八歳未満に引き下げるべきかということにつきましては、十八歳、十九歳の者につきまして一律に保護処分を科し得なくすることが刑事政策的に相当かどうかという観点から検討されるべき基本的な問題であるというふうに思っております。 私自身、これまで、さまざまな形で少年法の改正が、さまざまな事件が起こるということをきっかけになされてきたというふうに思っておりますけれども、今回、十八歳、十九歳の者に保護処分の必要性が一律に失われたというふうには考えておりませんので、この件につきましてはさらに慎重に検討していく必要があるのではないかという意味で、直ちにそれについて厳罰化をする必要があるとは考えておりません。
○井出委員 非常に手口の悪質、残虐な事件も出てきておりますので、私自身も、厳罰化や十八歳への少年法の成年年齢の引き下げというものは議論が必要だとは思います。ただしかし、きょうお話をしましたように、少年法の制度ですとかそういったものを踏まえた上での議論をこれから尽くしていっていただきたいと思います。 最後に、一つお話をさせていただきたいことがあるのですが、実は、少年法の成年年齢というのはかつては十八歳だった、それが戦後二十歳になったのですが、そのときの国会のやりとり、司法委員会議録、昭和二十三年六月十九日のものがあるのですが、そのときの政府側の発言で、年齢を当時十八歳から二十歳に引き上げることについて、「最近における犯罪の傾向を見ますると、二十才ぐらいまでの者に、特に増加と悪質化が顕著でありまして、この程度の年齢の者は、未だ心身の発育が十分でなく、環境その他外部的条件の影響を受けやすいことを示しておるのでありますが、このことは彼等の犯罪が深い悪性に根ざしたものではなく、従つてこれに対して刑罰を科するよりは、むしろ保護処分によつてその教化をはかる方が適切である場合の、きわめて多いことを意味している」こういう過去の政府答弁があるんです。 当然、これは戦後の話であって、今の時代のものに合っているかどうかというところは御議論があると思います。ただ、こういった答弁がかつてあったということも御記憶にとどめていただいて、今後の議論を進めさせていただければと思います。 きょうはありがとうございました。
○奥野委員長 午後一時十五分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時二十分休憩 ————◇————— 午後一時十五分開議
○奥野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。畑野君枝さん。
○畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。 ことし二月十八日、夫婦同氏、夫婦同姓の規定と、女性のみにある再婚禁止期間の規定が憲法に反するとして国を相手に損害賠償を求めた裁判で、最高裁は審理を大法廷に回付いたしました。 そこで、上川法務大臣の御認識について伺いたいと思います。
○上川国務大臣 御指摘いただきました二つの事案ということでございますけれども、最高裁判所の大法廷に回付されたということでございます。 選択的夫婦別氏制度の導入及び女性の再婚禁止期間の短縮につきまして、我が国の家族のあり方に深くかかわるものであるということでございますし、また、国民の間にもさまざまな御意見があるものというふうに考えております。 最高裁判所がどのような判断をするかということにつきまして、注視をしてまいりたいというふうに思っております。
○畑野委員 そう言われて長い期間がたちました。 そもそも、夫婦同氏、夫婦同姓の規定と、女性のみにある再婚禁止期間の規定の見直しについては、法務大臣の諮問機関である法制審議会が一九九一年から五年をかけて議論し、中間報告を出したり国民からの意見を公募したりして合意形成を図り、一九九六年二月に答申をした民法改正法律案要綱の中に盛り込まれていたものです。 それに先んじて、一九八五年に日本は国連女性差別撤廃条約を批准し、国内行動計画を策定し、一九九一年の新国内行動計画に、男女平等の見地から、夫婦の氏や待婚期間、女性のみにある再婚禁止期間のことですけれども、そのあり方を含めた婚姻及び離婚に関する法制の見直しを行うことと定めたわけでございます。当時、このようなタイミングで法制審議会が審議を始めたということで、民法改正の論議というのは、憲法や条約の理念に沿って見直すということが出発点であったと言えます。 この二月に、国連女性差別撤廃委員会の委員長に日本の林陽子委員が選出されました。先頭に立って女性差別撤廃を行う委員長に日本人が選ばれたということでございます。日本の差別撤廃について関心が高まっていくと思いますし、きょう、実はこの同じ時間に、国会の院内で国連ウィメン日本協会などを初めとして集会を開いておりまして、国連ウィメン本部人道部長らとともに林陽子女性差別撤廃委員会委員長が御挨拶をされているということでございます。 上川大臣はどのように思われますか。
○上川国務大臣 林陽子弁護士でございますけれども、委員長に御就任ということで、心から祝福をしたいというふうに思っております。 第六十回の女子差別撤廃委員会ということでございますけれども、その前にも委員として御活躍をされていらっしゃいました。また、国内におきましても女性の地位向上等につきまして大変活発に活動していらっしゃったということで、その意味では、大変深い識見と、同時に行動力もお持ちの方というふうに承知をしているところでございます。 法務大臣としても、また一女性としても、大きな活躍を期待しているところでございます。
○畑野委員 上川大臣から励ましのお言葉がございました。 これまで、国連の女性差別撤廃委員会は、二〇〇三年の第四回、第五回報告書審査の総括所見で、婚姻最低年齢、再婚禁止期間、夫婦別氏選択などの差別規定の改正を勧告してまいりました。二〇〇九年の審査で、女性差別撤廃委員会は、「本条約の規定に沿うように国内法を整備するという義務に基づくべきであることを指摘する。」と述べています。 民法の規定について、国連人権機関からの勧告は、日本政府に対して一九九〇年代からどのように出されておりますか。
○深山政府参考人 今お話のありました、国際人権諸条約に基づく国連の各委員会から、我が国は、民法の規定を改正するよう繰り返し勧告を受けております。 多数ございますけれども、その一例は、今委員が述べられた女子差別撤廃委員会が平成二十一年八月に、「男女ともに婚姻適齢を十八歳に設定すること、女性のみに課せられている六カ月の再婚禁止期間を廃止すること、及び選択的夫婦別氏制度を採用することを内容とする民法改正のために早急な対策を講ずるよう締約国に要請する。」という勧告がされていますし、直近のものでは、自由権規約委員会が平成二十六年七月に、「「婚姻制度及び家族制度の基本的概念に影響を与える」おそれがあるとの根拠で、離婚後六ケ月間の女性の再婚を禁止し、男性と女性の婚姻年齢の相違を設定する、民法の差別規定を改正することを締約国が拒否し続けていることを懸念する。」とした上で、「締約国は、したがって、しかるべく民法を改正するための緊急の行動をとるべきである。」との勧告をしたものと承知しております。
○畑野委員 今お話がありましたように、国連人権機関からたびたび勧告されてきたというのは、女性差別や人権の問題であるからだと思うんです。国連から民法にかかわる差別撤廃の改善勧告を繰り返し受けているような今の状況を変えるべきだと思いますが、上川大臣の御認識を伺います。
○上川国務大臣 ただいま民事局長が答弁をしたとおりでございます。 女子差別撤廃委員会等から複数回にわたりまして勧告を受けてきたということにつきましては、承知をしているところでございます。 勧告につきましては、選択的夫婦別氏制度の導入等を含めまして、民法改正を行わないこと、このことが条約に違反しているというような解釈を前提にしているというふうにも読めますけれども、我が国といたしましては、民法改正を行わないことが直ちに条約に違反するものではないというふうに認識しているところでございます。 今後とも、女子差別撤廃委員会の勧告に対しましては、民法改正をめぐる我が国の状況について十分な説明をし、適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
○畑野委員 しかし、実際はどうなっているかというと、二〇一三年の人口動態統計で、九六・二%の女性が改姓しております。民法の規定は建前上は平等だとおっしゃるわけですが、しかし、現実は、女性が改姓することが当然視されている状況があるということだと思うんです。 同じ氏、同姓になることを望んでいる人も多いと思います。しかし、これまでの自分の氏名を名乗りたいと思っている人もいるわけです。そのような人たちにとりまして、選択肢を広げる、つまり、同姓にしたいという人にはそもそも何も不利益がないわけですから、さらにより広いニーズに応えることになるのではないかと思いますが、上川大臣の御所見はいかがでしょうか。
○上川国務大臣 委員御指摘のとおり、選択的夫婦別氏制度を導入したというふうに仮定したとするならばでございますが、夫婦の双方が婚姻後もみずからの氏を称することができるという新たな選択肢が設けられることになるということにつきましては、そのとおりだというふうに思います。 もっとも、選択的夫婦別氏制度を導入した場合でございますけれども、夫婦の間に生まれるお子さんについては、必ず夫婦の一方と異なる姓を称することになるということでございまして、我が国の家のあり方、家族のあり方ということにつきまして大きな影響を及ぼすことが予想されるという大変難しい問題でもございます。 こうした我が国の家族のあり方に深くかかわることでございますが、このことにつきましては国民の皆さんの間にもさまざまな意見があるということでございまして、その意味で、慎重に検討することが必要ではないかというふうに考えております。
○畑野委員 二〇一二年の内閣府の調査でも、二十代、三十代の女性の半数は別姓を容認しております。それから、ことし三月七日の日本経済新聞の調査では、二十代から五十代の働く既婚女性の七七%が選択的夫婦別姓に賛成しております。 世論も急速に変化しております。もちろん、女性差別撤廃委員会が、二〇〇九年の審査で、法改正しない理由に世論を挙げてはならない、世論調査の結果のみに依存するのではなくということで、人権問題に対して世論に委ねている日本の姿勢について言及をしているわけですが。 それでは、伺いたいと思います。 結婚しようとするカップルにとりまして、いずれか一方がみずからの氏名を保持する権利を放棄するか、それとも、双方がそれぞれの氏を保持して婚姻の自由を放棄するか、今の場合、二者択一をしなければならないという現状がございますが、上川大臣の御見解はいかがでしょうか。
○上川国務大臣 現行の夫婦同氏制度のもとにおきまして、今委員御指摘のように、当事者の一方がみずからの姓を放棄するか、あるいは婚姻の自由を放棄して事実婚を続けるという形での選択ということで、二者択一になっているという状況でございます。いずれかの氏を選択しなければならないという制度でございますので、ともに婚姻後も自己の氏をそれぞれ称したいと考えている場合につきましては、委員御指摘のとおり、婚姻をするということについて難しくなるという事態が生じ得るということについては、そのとおりだというふうに思います。 もっとも、婚姻後も旧姓を使用したいと考える方々のために、弁護士さんでありますとか公認会計士さんでありますとか、それぞれ士業におきまして、職務上旧姓使用が広く認められるようになるということでございまして、社会の認識というのも少しずつ進んできているのではないかなというふうにも思っております。 世論調査におきましても、通称使用のことも選択肢の一つとして取り上げるという形で、この動向につきましてもこの間フォローしてきているところでございますが、安倍政権につきましても、女性が輝く社会ということを目指しまして、国、地方、企業が一体となって、女性が活躍しやすい環境づくりということについて進めているということでございます。 こうして、社会生活上、また経済的な活動をする上で不便を強いられているような場合があるということについてはさまざまな御意見があるということでございまして、そういう意味で、旧姓使用、通称使用というところについて、関係省庁と力を合わせて前向きに検討してまいりたいというふうに思っております。 実は、法務省におきまして、最近の取り組みでございますが、商業登記簿の役員欄に、戸籍に加えまして婚姻前の氏をも記録することを可能とする旨の商業登記規則等の改正を行ったところでございます。ことし二月二十七日から施行されているというところでございます。
○畑野委員 それでは伺いますが、世界で、夫婦同氏、夫婦同姓を法律で義務づけている国は日本以外にありますか。
○深山政府参考人 法務省で把握している限りでは、現在、婚姻後は夫婦いずれかの氏を選択しなければならないという夫婦同氏制を採用している国は、日本以外にはございません。
○畑野委員 お認めになりました。この問題で世界は、国連の条約に沿って法律上の差別をなくす措置をとっています。とっていないのは日本だけだということでございます。 二〇一四年六月、日本学術会議が男女共同参画社会の形成に向けた民法改正を提言し、選択的夫婦別姓制度の導入、再婚禁止期間の短縮、廃止、婚姻最低年齢の統一を緊急に実現するよう、政府や国会に求めました。 長い間、悔しい思いをしてこられた方々がいらっしゃいます。五十年以上、事実婚や通称使用しながら法制化を待ち望んできましたという方たちです。その思いを上川法務大臣はどのように受けとめられますか。
○奥野委員長 質疑時間が終了していますから、簡単に、一言で言ってください。
○上川国務大臣 婚姻によって自己の姓を選択するということで、一つの姓になるということでございます。いろいろな考え方が国民の皆様の間にあるということでございます。これは、家族のあり方に関する大変重要な課題ということでございます。法制審議会におきましても答申が出されてきたということでございまして、これに係るさまざまな御意見を大切にしてまいりたいというふうに思っております。
○畑野委員 最後に一言。国が早急に法改正をすべきだということを求めて、終わります。
○奥野委員長 次に、清水忠史君。
○清水委員 日本共産党の清水忠史でございます。上川大臣の所信に対する質疑をさせていただきたいと思います。 私は、法曹養成制度に係る部分で、司法修習生の経済的な問題について大臣の考えをただしたいと思います。 給費制から貸与制に移行してから四年目になります。この間、司法修習生や、あるいは大学院生、ロースクール生ですね、さらには新人弁護士等々から、貸与制になったことで経済的な不安を抱えているという声が広がっております。 例えば、法曹養成制度検討会議中間的取りまとめに対するパブリックコメント、一つ紹介しますけれども、ロースクールでは二百万円の奨学金を借り、修習が終わるころには、貸与金、借金が約三百万円プラスされ、合計五百万円になります、借金の返済が本当にできるのか、不安でたまりませんと。これはほんの一部であります。 二〇一二年六月一日の裁判所法の一部を改正する法律案に対する附帯決議でも、法曹界を目指す人が、経済的な事情によって、お金がないということで、「法曹への道を断念する事態を招くことがないようにすること。」とあります。 二〇一八年からはいよいよ貸与金の償還が始まることになるわけですから、これは対策が必要だと思うんですね。 当時、貸与制に移行したときには私も上川大臣も議論に参加しておりませんから、少しこの問題を振り返りながら検証していきたいというふうに思います。 改めて、司法試験合格者のうち、弁護士になる者に対しては、戦前は、司法修習生については無給でした。戦後、弁護士を目指す者も含めて司法修習生に給費を支給することになりましたが、そのときの理由は何でしょうか。
○萩本政府参考人 司法修習生に対するいわゆる給費制は、戦後、昭和二十二年の裁判所法の制定、施行に伴って、法曹三者を統一的に養成する司法修習制度が創設された際に採用されたものでございます。 給費制が採用された理由は、立法当時の資料からは必ずしも明らかではありませんが、法曹の職務の重要性に鑑み、司法修習生が生活の基盤を確保して修習に専念することができるようにして修習の実効性を確保する、そのための一つの方策として採用されたものと理解しております。
○清水委員 職務の重要性に鑑み、また、専念することが大切というお話がありました。 私たち日本共産党はこの給費を貸与に変える裁判所法の改正に反対いたしましたが、もともと六十年以上もの間ずっと給費制だったものが貸与に変わったんです。なぜ変わったのか、当時の理由について教えていただけるでしょうか。
○萩本政府参考人 給費制から貸与制への移行は平成十六年の裁判所法の改正によって決まったことですが、その際の議論では幾つかの点が指摘されました。 例えば、司法制度改革を実現するためには相当な財政負担を伴う以上、そのことについて国民の理解を得る必要があるということ、また、新たな法曹養成制度の整備に当たり、司法修習生の増加に実効的に対応する必要があるということ、あるいは、公務員でなく公務にも従事しない者に国が給与を支給するのは現行法上異例の制度であることなどから、給費制を維持することに対する批判があるということ、そうした点が指摘されたところでございます。 その上で、それらの事情を総合的に考慮すれば、給費制を維持することにつき国民の理解を得ることは困難であるとして、司法修習生が修習に専念できる環境を確保しつつ、貸与制に移行することとされたものでございます。
○清水委員 今、司法修習生の大幅な増加に対応する必要というふうに言われましたけれども、司法修習生のこの間の数の推移はどうなっているでしょうか。
○堀田最高裁判所長官代理者 最近五年間の司法修習生の採用人数ということでお答え申し上げます。 平成二十二年度に二千二十二人、二十三年度に二千一人、二十四年度に二千三十五人、二十五年度に千九百七十二人、二十六年度に千七百六十二人を採用しております。 なお、このほかに、平成二十二年度及び二十三年度にはいわゆる現行型司法修習の修習生というのも採用してございまして、これが、平成二十二年度には百二人、二十三年度には七十三人でございます。
○清水委員 つまり、当初、年間合格者数を三千人目標というふうにしていたわけですよね。そもそもこの三千人目標とした閣議決定そのものも、既に撤回していると聞いております。 ここで大臣にお伺いしたいんですけれども、司法修習生が大幅に増加するんだという一つの理由については、この前提が崩れているというふうに私は思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○上川国務大臣 法曹養成に係る改革ということで、大変大きな改革が行われました。そして、先ほど御指摘のように、三千人を目標としたというところにつきましても、実態としてはその数に至っていないということもあって、さまざまな問題や課題が指摘されているということでございます。 その中で、この身分、地位に係ることということで、今先生御指摘のような課題というものも当然あるということでございます。しっかりと検証しながら進めていくということが大切であるというふうに思います。
○清水委員 今大臣も認められまして、三千人どころか年々減ってきている傾向にあるということは確認できていると思います。 もう一つ理由として言われましたのが、公務に従事しない者に国が給与を支給するのは異例、このことで国民の理解が得られるのかという理由がありましたけれども、司法修習生の身分というのは一体どういうものなんでしょうか、教えてください。
○堀田最高裁判所長官代理者 最高裁の方からお答え申し上げます。 司法修習生は、公務員ではなく、裁判所法上、法曹に必要な能力を身につけるための修習を行うべき者と位置づけられております。 また、司法修習が法曹養成に必須の課程として国家によって運営されている制度であり、一年間という限られた期間内に高度の専門的な内容を身につけなければならないこと、及び司法修習が実際の法律実務活動の中で行われるものであり、実際の法曹と同様に、中立公正な立場を維持して利益相反活動を避けたりするという必要があることから、修習期間中は修習に専念すべきもの、そういうふうに理解しているところでございます。
○清水委員 非常に長い身分ですね。最初の公務員でないというところはわかったんですが、その後いろいろ理由をおっしゃいましたけれども、最終的に、修習に専念する義務を負う、これが司法修習生の身分だということを言われたと思うんです。 それでは、司法修習における専念義務というのは一体どういうものでしょうか。これも簡潔に答えていただければありがたいです。
○堀田最高裁判所長官代理者 先ほども御説明したところでございますが、司法修習の課程においては、その期間中、司法修習生としては、必要な高度の専門的な内容を身につけるという修習活動に専念をしなければならない、そういう義務でございます。
○清水委員 私、司法修習生に配られるハンドブックというのを一読させていただきました。これを読みますと、司法修習生における専念義務とは、全力で専念する、これがポイントだと思うんですね。実際の法曹と同様の義務を負うということなんです。 例えば、専念義務の中には、守秘義務、秘密保持義務だとか、あるいは兼業禁止、アルバイトをしたらだめですよ、その他、さまざまな厳しい義務や制約がありまして、海外旅行に行くときも無断で行くな、こういうことまでしっかりと書かれております。その身分は、私が思うに、公務員ではないけれども公務員に準じたものであろうと。だからこそ、法曹養成は国の責任としての給費があった。 この際、大臣に確認したいと思うんですが、大臣に確認する前に最高裁にもう一度確認します、先ほどちょっとわからなかったので。司法修習生の身分は公務員に準じたものであると考えていいでしょうか、お答えください。
○堀田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。 準じているかどうかというのは、なかなか難しいところでございます。私どもの理解としましては、司法修習生は公務員には当たらないというふうに理解しているところでございます。
○清水委員 判断が難しいというのはおかしいですね。 裁判所のホームページに何と書いてありますか。読み上げます。「司法修習生は、国家公務員ではありませんが、これに準じた身分にあるものとして取り扱われ、兼業・兼職が禁止され、修習に専念する義務(修習専念義務)や守秘義務などを負うこととされています。」と裁判所のホームページに書かれております。 大臣、公務員ではないけれども、さまざまな、全力で専念するという義務が課せられているわけですよね。だからこそ、司法修習というのは国の責任において運営されてきたわけです。 どうでしょう、公務員ではないけれども公務員に準じた身分であると裁判所にも書かれておりますので、このことは大臣も異論はないというふうに思うんですが、いかがでしょう。
○上川国務大臣 修習専念義務ということで、裁判所法の六十七条二項にその旨の記載がされているところでございます。司法修習が司法制度の担い手であります法曹に必須の課程であるということ、そして、修習内容につきましても、法曹に必要な能力を養成するため高度に専門的であるということに鑑みて、司法修習生が修習期間中に修習に専念するべきことを義務づけたものであるというふうに思っております。 公務員ではないということでございますけれども、法曹に必要な能力をしっかりと身につけていくために義務を課して能力を磨いていくという意味であるというふうに考えます。
○清水委員 なかなか慎重にお答えになられましたけれども、裁判所のホームページにも「準じた身分」というふうになっておりますし、今大臣自身がおっしゃったように、そうした義務が国によって課せられているということですから、この身分については共通の認識にしておく必要があると思います。最初の、法曹人口がどんどんふえるという前提もなくなっていれば、公務員でない者にというところについても、私はそもそも根拠がなかったと思うし、公務員に準じた身分というのであれば、やはりそれに準じて給費をするということ自身に何か問題があったのかというふうに思うわけであります。 ここで、皆様方にお配りをしております資料の一をごらんいただきたいと思います。これは、ビギナーズ・ネットといいまして、全国二千五百人の会員を擁し、例えばロースクール生、法科大学院生、その修了生、あるいは若手弁護士などでつくられております。 ここで、法曹養成制度検討会議の中間的取りまとめに対するパブリックコメントが出されました。全体で三千百十九通ありましたが、そのうち、経済的支援について言及するものが、七七%、二千四百十二通ありました。そして、その二千四百十二通のうち、給費制を復活させるべきという意見が、全体の九二・五%、二千二百三十九通ありました。 これは、法務省や最高裁の方でアンケートの総数については把握されておりますが、その中身についてはつかんでおられないということなので、このビギナーズ・ネットの皆さんの取りまとめた資料を出させていただいたわけであります。給費から貸与になって非常に経済的な困難にある、例えば修習専念ができないとか、さらに言うと、法曹の道を断念するというようなことが広がっているというふうに思います。 それで、改めて私は大臣にお伺いしたいというふうに思うんですが、こうした事態を鑑みれば、やはり貸与制への移行が、質的にも、また量的にも、法曹界の向上を阻害しているんじゃないか。貸与制にしたものの、最初に私が議論しました前提となっているところがもう崩れている以上、やはりもう一度、経済的な困窮に鑑みて、この貸与制の問題を見直す時期に来ているんじゃないか、こういうふうに思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○上川国務大臣 給費制から貸与制に移行する過程の中で大きな御議論があったというふうに先ほども説明をいたしたところでございます。その中には、司法制度改革全体についてかなり予算がかかるということでございまして、この国の全体の予算の中で、給費制そのものを死守し続けることがなかなか難しいというような御議論があったというふうに思っております。 そして、一般的な国民的な常識ということでございますけれども、政府全体で財政難ということでございますので、そういう中での給費制の維持ということについて、さまざまな御議論があったというふうに思っております。 今、それをもとに戻すというような時期に入っているのではないかということでございますが、司法制度改革のさまざまな法曹について、今、数字が下がってきているからという御議論もありましたけれども、そもそもそのことにつきましても、七月十五日をめどに、いろいろな形で、改革の方向性につきまして、改めて、現在の状況の評価とそれを踏まえての提言をするということでございますので、そうした議論というのが非常に大事なことになろうかというふうに思っております。
○清水委員 さまざまな議論の中でというふうにおっしゃいました。 例えば、法曹制度改革でいいますと、法科大学院がどんどん定員割れをしているという問題もありますし、予備試験のあり方につきましても、本当に当初目的としたものにかなっているのかどうかという検証は必要だと思いますよ。同時に、司法修習生への経済的支援についてパッケージで考えていくんだという考えをいつもおっしゃるんですが、一方で、司法修習生に対する経済的困難は、もう待ったなしの課題だということなんです。 資料の二、カラーのものを見ていただきたい。これは日本弁護士連合会が作成したものでありますが、「止まらない法曹志願者の減少」「重い経済的負担の不安が影響」というふうになっておりまして、左上の方を見ていただきましても、司法試験の出願者数が大幅に減少している。平成二十六年、二〇一四年は九千二百五十五人ということですが、いっときは四万人から五万人いたんですよね。それが、もう魅力が乏しい職種になっているとしたら、これは問題ではないかというふうに思います。 そこにいろいろ声が出ております。これは、六十七期生の声をくみ上げたものです。優秀なのに経済的理由で法科大学院進学を諦めている人がいる。司法試験合格者が法曹になることを諦めて企業に就職した例を複数知っている。貸与金の返済は正直なところ苦しい、このようなリスクを嫌い、優秀であるにもかかわらず辞退した者もいる。 さらに、これは六十六期の声ですけれども、私が法科大学院に入ったころには、将来貸与制になるなんて知らなかった。修習生になるまで、修習生がこんな過酷な状況にあるとは知りませんでした。もし周りに法曹を目指して法科大学院に入ろうとする後輩がいたら、私は絶対に勧めません。 経済的困難を理由に、志があり、そして有望で、能力が高く、社会正義の実現と、あるいは国民の人権擁護のために頑張ろうという人たちの志を閉ざすということになっているのがこの貸与金への移行なんですね。 先ほど大臣は財政的な問題もおっしゃいましたが、私は、国民全体が享受する司法権の確立について、財政負担を理由にするというのはちょっと議論が違うんじゃないかなというふうに思うんですね。お金がないからといって、司法権や、あるいは法曹を目指す人たちがどうなってもいいという議論は、私は、法治国家としてそもそも成り立ち得ない議論だというふうに思うんです。 大臣、続いて、このカラーの三枚目、先ほど申し上げました、法曹志願者の減少につながっているということと、もう一つは、実務修習などの活動時間が減少している。つまり、修習専念義務ができないというもう一つの影響が出ているというグラフなんです。 右の棒グラフを見ていただきたいと思うんですね、自己研さん活動。 司法修習生に聞きますと、例えば、裁判所へ行ったり、検察庁へ行ったり、法律事務所へ行ったり、とにかく法曹を目指すための実務を一生懸命研修するわけです。それ以外にも、自分自身の、もちろん全力で専念するという義務がありますから、独自に自己研さんのためにセミナーを受けたり、学習会に行ったり、本を買ったりとかするわけですよね。 そうした方々の、勉強会に行った人の割合というのが、やはり六十五期、これは貸与制に変わった時期です、ここから減少している。左の円グラフを見ていただいたら、経済的な不安がありますというのが半数近いですよ。 それから、大臣、検討会の中でこうした議論があったから貸与制になったというようなことではなく、その当時から見ますと、今、新人弁護士の就職難というふうに言われております。 すぐにいそ弁になれずに、軒弁とか、あるいはすぐに独立をする即弁とか、必ずしもそういかなくて、何とか弁護士事務所に就職できたものの、経費負担ができなくて、それを事務所のボスに借金という形でさせられるというような声もありまして、法学部で奨学金を借り、法科大学院でまた奨学金を借り、司法修習生で三百万円借り、さらに弁護士になってからも経費負担を借金する。こんなことで本当に日本の法曹界がいいのかどうか。 経済的負担の問題は、他の問題もありますけれども、最優先して、大臣自身が認識の中で重く持つべきだというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○上川国務大臣 先ほど、六十六期修習生実態アンケートということでお示しをいただきました。その方たちの貸与金の返還が、平成三十年ということで、まだ始まっていないという状況でございます。しっかりとその様子を見てまいりたいというふうに思っております。
○清水委員 私は、それでは責任を果たせないと思うんですよ。実際に貸与金が返金できるかどうかというところを見ないと何とも言えないと。では、その間ずっとこの貸与制は続くわけなんですよね。六十七期の声がこういう声として上がっている。先ほど見ていただきましたように、パブリックコメント、圧倒的多数が給費制の復活を求めているわけなんです。 時間がありませんから私の方から紹介させていただきますが、資料の一番最後を見ていただきたいと思います。これは、現在、最高裁判所の方で、新たな経済的支援ということで取り組んでいただいている中身です。 例えば、新たに、実務修習地への移転料、これは引っ越し代です、これを出すようにしましたとおっしゃるんだが、これは実は、修習地に行くときの引っ越し代は出るんですが、そこを引き払う引っ越し代というのは出ないんですよ。 そして、例えば、埼玉県和光市で集合修習するわけですが、そのときにできるだけ全ての方々が寮に入れるようにする、こういうふうに打ち出されましたが、実際、入寮できなかった人が、A班、B班合わせて二百六十人近く出ている。通勤圏内にあるというふうにおっしゃいますが、一時間、二時間かけて寮まで通う経済的、時間的な、もちろん交通費も出ませんから、そうしたものも深刻な状況になっている。 それから、兼業緩和、アルバイトしていいですよということになったんですね。私、そもそも、修習専念義務があって、全力で専念しろという人たちに、お金がしんどかったらアルバイトしろ、これはちょっと矛盾した議論だというふうに思いますし、では、一体どれだけアルバイトした人がいるんですかということについて最高裁の方にお伺いしますと、許可件数が二百五十四件、そして許可人数二百三十八人、一人当たりの平均収入、これは一年間でですよ、実務修習期間は八カ月ですが、十三カ月のうち、一人当たり十四万円ですから、八カ月で割っても一万七千円ぐらいですか、一カ月当たりにすると一万ちょっと、中学生のお小遣い程度ですよ。では、もっと稼げるように兼業緩和しなさいということになれば、ますますこの修習専念義務という修習生本来の義務が果たせなくなるわけですから、これは本末転倒だと言わなければなりません。 この間、日弁連やビギナーズ・ネットの皆さんも共催されて、院内集会が開かれました。二月十八日でした。ここには、自民党の皆さんも公明党の方々も、民主党、社民党、維新の党、さまざまな政党から三十五人の議員の方が参加され、また、八十九人の議員の方々が賛同のメッセージを送っていただいているんですね。 大臣、これは、誰かの手柄にしようとかいうことで皆さん集まっているんじゃないんです。司法修習生が、本来あるべき修習専念義務、そして実務の研さん、そして、必ずしも私利私欲に走るということではなく、例えば、東日本大震災の後、それこそ手弁当で、ボランティアで、被災者のためにということで代理人業務だとかあるいは相談活動とか、そうした方々がいっぱいいらっしゃるわけですよ。少年犯罪の付き添いだとか国選弁護だとか、あるいは人権訴訟だとか、お金にならないようなことでも、一緒になって勝利した暁にはお金にかえがたい勲章を手に入れることができる、これが弁護士としての矜持だというふうに皆さんおっしゃっているわけなんですよ。 しかし、たくさんの借金を返さなければならないがゆえにお金がもうかるような事件しか取り扱わない、ボランティアや、あるいは弁護士同士がお金を出し合ってやる業務に対しては違和感を感じる、罪悪感を感じる、こういうような状況を改善していくことが必要だと思うんです。 私は、七月十五日の検討会議の結論を待ってと言いますが、ここで現状のまま推移しますなどということは絶対認められないというふうに思うんです。 いよいよ今は、この給費の実現、日弁連などは、あるいは他党の皆さんも、修習手当の実現というふうにおっしゃっておられます。公務員でない者にまた給費制を復活するかどうかという議論はありますけれども、少なくとも現状の状況では司法修習生の方々が本来果たすべき役割が実現できない、ここをしっかりと共有していただいたかと思いますので、最後はぜひ大臣自身の、私のお話を聞いていただいた、また、大臣自身の率直な思いとして、司法権の確立のために、決意なり感想なりをおっしゃっていただけませんか。よろしくお願いします。
○奥野委員長 時間が終わっていますから、短くお願いします。上川大臣。
○上川国務大臣 先ほど委員の方から、経済的支援については、それぞれの分野について、項目につきまして今もう既に実施をしているということで御紹介がありました。 二十五年七月の閣僚会議におきまして、貸与制を前提としながら、さまざまな取り組みについて前向きに実施をしていこうということでございます。最高裁判所と連携をしながら、政府としても、運用状況をしっかりと見据えながら取り組みを着実に前進させていくということについて、重要ではないかというふうに考えております。
○清水委員 終わります。
○奥野委員長 次に、今野智博君。
○今野委員 自由民主党の今野智博でございます。 本日は、質問の機会をいただきましたこと、皆様に心から感謝を申し上げます。 私は、初当選以来、といっても二年数カ月ですけれども、ずっと法務委員会に所属をしてまいりまして、今回、上川大臣の所信を拝聴いたしまして、今までとまた少し違った視点で、本当に諸課題に取り組む姿勢を鮮明にされた所信であったなと。法務行政だけではなくて、経済政策あるいは外交政策等とも関連をした、政府一体となって取り組む姿勢を上川大臣の意見として打ち出された所信表明ではなかったかなと思っておりますが、特に今、法務行政、諸課題が山積する中で、私なりに気になった点を幾つか大臣にお尋ねしたいと思っております。 まず、大臣の所信の冒頭にも出てきましたテロ問題。 先般もチュニジアでテロ行為が行われまして、邦人を含む多数の犠牲者が出た。そのことに対して、まず冒頭、心からお悔やみ、またお見舞いを申し上げたいと思います。 また、先般は、シリアにおける邦人殺害事件ということで、国民の注目を大変集める事件もございました。 テロといいますのは、暴力的な方法によって自分の思いを遂げようとする。そうはいっても、単純にその行為だけを見れば、無差別の殺人、殺りく行為でしかないわけでありまして、その悪質さ、卑劣さについては、本当に許されるべきものではない。これをいかに我が国としても禁圧していくか。また、テロに対してしっかりと対峙して、ほかの政府とも手を携えながら取り組んでいかなければいけない大きな課題である。 また、今後、我が国においては、二〇一九年のラグビーのワールドカップあるいは二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックと、大きな国際大会等も控え、テロの脅威というものが蔓延してくる、ますます高まってくるのではないかという懸念もされている昨今でございます。その現在において、やはり法務省としても、しっかりとテロ対策を講じていかなければいけない、外務省等ほかの省庁とも連携をしながらしっかりとそれに対応していかなければいけないというふうに私は考えます。 まず最初に、大臣に、法務省として、テロ対策、特に、海外からそうしたテロ行為を企図する者が我が国に侵入してくる、そうしたことをどうやって水際で防ぐかということで、法務省としての取り組みについてお聞かせを願いたいと思います。
○上川国務大臣 先日の所信表明に対しまして大変貴重な御指摘をいただきまして、ありがとうございます。 国民の安全、安心を守る、そして、一国のみでは安全、安心を保つことができないくらいグローバル化が進む中で、国の安全、安心につきましても、さまざまな角度からしっかりと取り組んでいかなければいけないというふうに考えております。 安全、安心を担保するためには、一人一人の国民の皆さん御自身もしっかりとその意識を持って、例えば外国に行くときにおきましても、持っていかなければいけない。そういう意味で、いろいろな形でこの安全、安心をしっかりとしたものにするための努力ということについては、取り組んでいかなければいけない法務省としての課題であるというふうに位置づけているところでございます。 法務省の中でどのようなテロ対策ということでございますが、まず、公安調査庁の取り組みがございます。 公安調査庁におきましては、国際テロに関するさまざまな情報収集に精力を傾注しておりまして、関係機関に提供いたしましたり、また、相互に協力をいただくことによりまして、政府全体として、国外におきましての日本人の安全確保の一翼を担わせていただいているところでございます。 公安調査庁におきましては、国際テロリズム要覧というものを海外進出企業等に提供させていただいておりまして、この要約版につきましてはホームページにおきまして掲載するということで、広く一般に対してもその情報提供に努めているというところでございます。 また、入国の管理というところでございますけれども、こちらにつきましては、水際ということでありますが、外務省が退避勧告を発している国あるいは地域に渡航しようとしている日本人に対しまして渡航の中止等を促すため、外務省から提供を受けた渡航情報のお知らせにつきましては、空海港の出国の審査場に掲示をし、そして、国境を越えて海外に出かける日本人の皆さんに対しては、そのことについてしっかりとした意識を持って、安全、安心についても、まず身を守っていただくということについて意識していただきたい、こういう思いでそうした掲示もしているところでございます。
○今野委員 ありがとうございます。 今後、我が国も、観光立国ということで、諸外国からの旅行者二千万人を目標として進めていく、そういう中で、入国管理行政そのものがより円滑かつスムーズに、しかし、なおかつ安心、安全を保つために、しっかりと、そうしたテロを企図する者の入国を許さないというような対策、対応がますます必要になってくる。 本当に、数はふえて、なおかつスピーディーに対処しなければいけない中で、そうした目的を持った人たちを入れないということで、現場の人たち、入管の当たられる担当者の方々には大変な御負担が行くということも予想されますので、法務省としては、しっかりそういったところにも目を向けて、人員の増員とかあるいは設備の増強、そうしたものの充実を図っていただきたいなというふうに思います。 もう一つ、ちょっと時間の関係で、本当でしたら、再犯防止に関して、私自身が自民党の司法制度調査会の中で取り組んできた分野でございましたので、若干お伺いしたいところがありましたけれども、その辺はちょっとはしょります。 午前中の質疑でも出ていましたが、今、我が国において発生している、あるいは、もっと前から発生していて今になってクローズアップされたということなのかもしれませんが、報道等であるように、無戸籍の方の問題。私、報道で数字等が出るまで、これほど多くの方が無戸籍のままでいるのかということを寡聞にして余り知らなかったんですが、きょう午前中の質疑で、直近の調査で把握している無戸籍の方は五百六十七名というような数字が出されておりました。 大臣の所信表明の中にも、この無戸籍の問題について、省としてもしっかりと取り組んでいくということが鮮明に打ち出されておりまして、その強い決意が述べられておりました。 まず、この無戸籍の問題、通常であれば、親御さんが子供を出生した段階で戸籍を届け出て、そこで記載されるというのが大多数の現状だと思いますけれども、そもそもなぜこうした無戸籍の方が我が国において生じてしまうのかということを、どのような理由を考えていらっしゃるのか、御見解をお聞かせ願えればと思います。
○上川国務大臣 今回、無戸籍の問題が発生いたしまして、昨年の七月三十一日以来、この問題の解消のためにさまざまな対策を講じてきているところでございます。 まず、実態をよく把握する、そして、無戸籍に至った理由について、年齢的にもさまざまな年齢の方がいらっしゃるということでございますので、そのことについてもきめ細かく対応していきたいというふうに思っておりまして、そういう意味で、まず実態調査ということに力を入れていこうということで把握をしているところでございます。 子供の戸籍を取る場面ということにつきまして、嫡出推定等の制度がございますので、そうしたことについて難しい現状があるということの中で、なかなか子供の戸籍をつくることができない、こういうような声もございますし、さまざまな状況があるというふうに考えております。 今はまずその戸籍をつくるというところについて支援をしていきたいというふうに思っておりまして、その支援の窓口も含めまして、きめ細かな対応ができるように指示をしているところでございます。
○今野委員 ありがとうございます。 戸籍制度の問題についてさまざまな考えがあるということは承知をしておりますが、ただ、さかのぼって考えますと、我が国は、古代、律令制度の時代から戸籍というものをつくって、それこそ江戸時代の宗門人別改め帳ですとか、あるいは、長州藩が一八二五年に戸籍法というものをつくって、それが近代の戸籍制度に引き継がれてきている。かなり長い歴史を持った我が国の戸籍制度であるわけです。私は、これは、今後も必ず制度として残していくべきだというふうに考えております。 ただ一方で、そのような戸籍に登録をされない方が今後どんどんふえていくということでは困るわけでして、制度そのものをきちっと存続させていくために、無戸籍の方にどうやって今後きちっと戸籍を取得させるかということも法務省としては考えていかなければいけない。 また、戸籍に登録されない、それにはさまざまな原因がある中で、その原因について、課題として克服できるのであれば、それはきちっと省を挙げて取り組んで課題を克服していかなければいけないというふうに思っております。 そうした中で、今、大臣の所信表明の中にもございましたが、全国各地の法務局において、無戸籍の方からの相談等を受けて、戸籍をつくるためのアドバイスを懇切に行っている。それを始めたということなのかもしれませんけれども、実際、今まで、どの程度そうしたアドバイス、相談をやられてきたのか、また、今後、法務省としてこの無戸籍の解消にどのような形で取り組んでいかれるのか、そのことについて大臣の御見解をお願いします。
○上川国務大臣 まず、無戸籍の方々の把握をしなければいけないというのが第一段階でございます。 そこで、全国の市区町村あるいは児童相談所、こちらの方の業務の過程で無戸籍者の存在を把握した場合につきましては、市区町村の戸籍担当者がその情報を収集していただく、そして、さらに法務局の方にもその旨の情報を提供していただく。こうしたことで、さまざまなところで把握をしている無戸籍の可能性のある方について、集中してその把握に努めていくということをお願いしているところでございます。 その結果として、今の段階、三月十日現在でありますが、五百六十七名の無戸籍の方を把握している状況でございます。 これは、一回で済むということではございませんで、こうしたことについて把握をするべく、それぞれの窓口のところで情報を把握していただきながらそれを集約していくということについて、まだ窓口の担当者の方も十分に御理解をいただいていないということも過去ありましたので、そういうこともあわせてしっかりと通知をし、また、そのことに繰り返し繰り返し努めていきたいというふうに思っております。 その次でございますが、手続の御案内をしていかなければなりません。無戸籍状態の解消ということになりますと、戸籍法にのっとってさまざまな手続をしていただくということでございますので、具体的な行動ということにつきまして、届け出をするとか、あるいは裁判に付するというようなことについてのアドバイスをしっかりとし、そして寄り添う形で支援をしてまいりたいというふうにお願いをしているところでございます。 そして、その結果といたしまして、今の段階で把握しているところではございますけれども、既に七十名の方が無戸籍の状態を解消したというような確認もされているところでございまして、先ほどの、さらに追加をしていくかもしれませんけれども、一人一人の状況をしっかりと把握しながら、一人一人の戸籍をつくる過程についてしっかりとサポートしていくということが目下の大きな課題であるというふうに思っております。
○今野委員 ありがとうございます。 私も、弁護士として活動していた中で、実際に実務としてやったことはないんですが、話を聞くと、無戸籍の方が、例えば法務局等でそうした相談を受けて、実際、アドバイスを受けて戸籍を取得するということ、これは、就籍の手続といって、家庭裁判所に裁判の申し立てをしたりして、当然そこには弁護士の手助けがなければ手続が進められないということも多々あるようでございますので、法テラス等の活用も含めて、そうした専門家のアドバイスを適切に受けられる体制をとる必要がやはりあるのではないかというふうに感じております。 無戸籍の方からすれば、これはもう本当に、自分の意図しないところでそういう状態が生じてしまって、それで、先ほど午前中の質疑でもあったように、さまざまな不利益が自分に及ぶわけでございます。ですから、そうしたことが不幸にして我が国の中でこれだけの数生じているということ、調べれば恐らくもっとふえてくるのではないかなというふうに思いますけれども、こうした実態の把握あるいはその解消に上川大臣の指導力を発揮していただいて、法務省として、それが全て解消されるというところに至るまで、しっかりとサポートしていただければというふうに思います。 また、大臣の所信に対して、民法の改正あるいは刑事訴訟法の改正、こうした今後の新しい時代に向けた法改正、本当に法務省として大切な改正がメジロ押しでございますので、私自身も、また機会をいただければ、そうしたことに対してもきちっと質疑等をさせていただきたいと思っております。 何はともあれ、上川大臣、法務省をしっかりとリードして、今後ますます困難をきわめてくるであろう法務行政をしっかりと支えていただければと思います。また御指導のほどよろしくお願い申し上げます。 本日はありがとうございました。
○奥野委員長 次に、菅家一郎君。
○菅家委員 自由民主党の菅家一郎でございます。 質問の機会を与えていただきまして、厚く御礼申し上げたいと存じます。よろしくお願いいたします。 まず、大臣の所信表明の中で、世界一安全な国日本をつくり、守る、これはやはり一番重要な対策でありますから、大いに期待をしてまいりたいと思います。この点について何点か質問させていただきたいと思います。 ちょっとダブりますが、テロ対策です。 やはり、今回のシリアにおける邦人殺害テロ事件、これは決して許せない、非道で卑劣な行為である、断固非難する次第であります。 このたびの事件を通して、テロ事件を対岸の火事のように思っていたわけですが、我が国も標的にされる、ですから、いつテロ事件に国内外にかかわらずに邦人が巻き込まれ犠牲になるかわからないような時代を迎えたのではないか、このように考えるものであります。ですから、テロ未然防止に向けた水際作戦の徹底、そして厳格な入国審査が求められるわけでありますが、大臣として、その辺の、この事件の前と後での認識といいますか、御決意についてお示しいただきたいと存じます。
○上川国務大臣 テロの問題について、人ごとではない状況が起きているということ、そして、多くの皆様、犠牲になった方もいらっしゃるということで、大変残念に思いますし、テロの脅威ということについて、この事件の発生を踏まえてしっかりと取り組んでいかなければならないというふうに考えております。 今、チュニジアでもああいう事件がございましたし、また日本人も海外の中でそうした標的になるということもあり得る時代ということになりましたので、そういうことにつきましてさらに力を入れて取り組んでいかなければいけないというふうに思っております。 特に、御指摘のとおり、さまざまな水際作戦というところにつきましては、これまでも、またこれからも、さまざまな関係する機関としっかりと情報を共有し連携をしながら、そしてその対策を進めていく、このことについては、これまでもそうでしたけれども、さらにそのことについて引き締めていかなければいけないというふうに思っております。 先般のシリアにおける邦人殺害テロ事件の発生、さらに日本国民を名指しして危害を加える旨のメッセージが出されているということ、また今般チュニジアにおいて邦人が犠牲となるテロ事件が発生するということでありまして、なかなか予測がつかない事態が起きているということでございます。 私は、入国管理、あるいはさまざまなテロに係る情報収集、いずれの分野におきましても、その安全、安心ということを、少しでもマイナスになるような事柄にならないように気を引き締めて取り組んでいただきたいというふうに思っておりまして、こうした指示をそれぞれの折々の中でしているところでございます。 この未然防止については、特に入国管理のところについては、特にテロリストの入国を阻止するということが非常に大事であるということでございますので、そうした情報収集も含めて、その情報を生かした形で未然防止に全力で取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○菅家委員 大変心強いわけでありますが、どうかひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。 そこで、入国審査の中で、要注意人物のリストといいますか、あるいは個人識別情報、つまり、テロリストなのかどうなのか、情報収集をする、そしてそれを分析する機能、これが極めて重要だなと私は思うんですね。 そういう意味で、このたび、インテリジェンスセンターですか、これが設置されるというわけであります。出入国管理情報企画官というわけでありますけれども、この役割は大いに期待したい、私はこう考えております。先ほど公安調査庁の役割も御答弁されたわけでありますが、公安調査庁の役割とインテリジェンスセンターの役割というのをもうちょっと説明いただきたいし、やはりこれは重要なので、機能を充実すべきだなと思うんですが、この辺についてのお考えを示していただきたいと思います。
○井上政府参考人 インテリジェンスセンターの御指摘でございましたが、これは入国管理局の中にそういう組織を設けるということでございますので、私の方から少し答弁させていただきます。 入管当局におきましては、水際における上陸審査等の場において、個人識別情報、指紋等を取得して、きちんとした措置を行っているわけですが、それに当たりましては、さまざまなテロリストに関する情報の集積というのが前提でございます。それに基づきまして要注意人物のリストを充実させ、それを的確にはじいていくという作業をしているわけでございます。 その関係でいきますと、本年一月から、新たな取り組みといたしまして、乗客の予約に関する記録、PNRといいますけれども、飛行機に乗ってくる乗客がどのような航空券の買い方をしたかというような情報が含まれておりますので、単に本人情報だけではなくて、同行者の情報でございますとか、どういう経路で来たか、行くか、そのような情報もこれからとれるようになってまいります。そのように、さまざまな情報の収集をふやしていくということ。 もちろん、警察当局等、要注意人物の情報をたくさん持っているところとの連携を強化して、さまざまな情報を集め、それをインテリジェンスセンターにおきまして、専門の職員、専門的知識を有する職員を専従させて、これを分析して、それを現場に流して確実に排除できるようにしていく。そのような観点から、インテリジェンスセンターをつくって、これを動かしていこうとしているところでございます。 今後とも、制度的にも体制的にも、情報の収集分析機能の強化を図ってまいりたいと思います。
○杉山政府参考人 公安庁といたしましては、テロ対策といたしまして、テロの未然防止のために、テロ関連動向などの把握に努めているところでございます。 インテリジェンスセンターとの関係で申しますと、当庁におきまして、テロ一般の、あるいは個別の情報収集をして、それにつきましては入管当局と情報共有をしながら、入管に資する情報であれば入管に提供してそれをインテリジェンスセンターの方で役立てていただく、他方、当庁の調査に役立つような情報を入管当局の方から共有させていただくというようなことで進めていくものというふうに認識をしております。
○菅家委員 この役割は大きいと思いますから、やはり特定するためには情報ですから、ここは力を入れて、ぜひお願いしたいと思うんですね。 一方、オリンピックに向けて二千万人の観光誘客をする、こういう中で見てみますと、日本人の出帰国審査は合理化をして、外国人の場合の出入国審査もさらなる迅速化を一方で目指すわけですね。今のように、厳しい水際の、厳格な入国審査もやるということですから、これは非常に現場は難しいと思うんですが、ただ、これは避けて通れませんから、この点に関しての何か対策というか対応といいますか、あればお示ししていただきたいと思います。
○井上政府参考人 委員御指摘のとおり、入国審査は、厳格にするという要素と円滑にするという相反するものを両立させなければならないという使命を負っております。 そこでは、先ほど申し上げましたインテリジェンスセンターにおける情報の分析機能を強くいたしまして、やはり、慎重に時間をかけて審査すべき人物と問題のない人物の情報をなるべく分けて、それを現場における審査に当てはめることによって、問題のない人はなるべく早く入っていただく、危なそうな人は少し慎重に質問させてもらう、そのような仕分けをすることによって両立を図っていきたいと考えてございます。
○菅家委員 過去の履歴のある人ばかり来るのではなくて、テロ集団で、グレーゾーンのような人を恐らく送り込もうと思うと送り込んでくるわけでありますから、いかにくぐり抜けるかという知恵の、何かそういう場面、やはりそういう意味でのインテリジェンスセンターの役割は大きいと思いますから、公安調査庁と連携を組んで、まさに水際でしっかり押さえていただくよう強く要望を申し上げたいと思います。 次に行きます。 次は、大臣、実は所管があれなんですが、安心、安全、世界一安全な国日本をつくり、守るという中でちょっと気になるのが、資料を用意しましたが、実は、火災件数の中で放火に限ってちょっと調査しましたら、日本全体の火災件数は四万八千九十五件なんですね。その中の放火の件数が、何と一割以上あるんですね、五千九十。これは毎年減少はして、かなり御努力はされているなと思っているんですが、しかし、二十五年をベースに考えますと、五千九十三件の放火件数があって、何と死者数が三百十一人なんですね。 これは私はびっくりしまして、この件数から、警察庁にお聞きして、どのぐらいが犯罪として特定されたというか、これを認知件数というのですけれども、何と、平成二十五年、五千九十三件の中で認知されたのが一千八十六件、そして、亡くなった方が三百十一人の中で十六人なんですね。こういうようなデータがありまして、いわゆる現行犯でないとなかなかつかめないという非常に難しい課題があるなと思うんですね。 しかしながら、このままではいかがなものか、本当に国民の生命財産を脅かす深刻な問題なのではないか。一方では常備消防と消防団を国家予算をかけて火災から守ろうとやっていて、片や放火しているんですね。 ですから、私は、犯人の特定、そしてこれの検挙、これにやはりもう少し力を入れて、放火したら捕まえる、こういうような対策をやはり力を入れてやるべきだと思いますが、ひとつお示ししていただきたいと思います。
○露木政府参考人 お答えをいたします。 放火犯罪は、個人の生命、身体、財産に重大な危害を及ぼすとともに、地域住民の生活の平穏を著しく害する凶悪犯罪であります。このような認識のもとで、警察におきましては、放火事件発生時には、迅速な初動捜査活動を行いますとともに、警察本部の捜査一課あるいは鑑識課等の捜査員を投入した捜査体制を構築いたしまして、現場鑑識、聞き込み捜査、防犯カメラ画像の収集、解析等により、犯人特定のための捜査の徹底を図っているところでございます。 警察といたしましては、放火犯罪を殺人、誘拐、強盗等と同等の重要犯罪というふうにグルーピングいたしておりまして、国民の安全、安心を確保するために、引き続き、犯人の早期検挙を図るための諸対策に鋭意取り組んでまいりたいと考えております。
○菅家委員 刑法の中に、現住建造物等放火、第百八条、これは殺人と同じレベルでありますから、死刑または無期もしくは五年以上の懲役なんですね。同じレベル。ただ、人が住んでいないとか、人がいない建物というのは非現住建造物等に入って、これの放火、こうなるとどんと落ちるんですね。それから、建造物等以外の放火、これになると本当に刑が低い。放火は、同じ火のつけ方なんだけれども、この三つに分類されて、刑が分かれているんですね。だから、私、火をつけるというのは行為そのものがこれはもっと重いんじゃないかなと、法律がこうなっていますが、そういう感想は持つんですけれども。 それでは、実は、これは平成二十二年から二十六年までの殺人と現住建造物等放火によっての刑ですね。殺人で、これを被告人とした事例が千二人。そのうち、有罪にされたのが九百七十二。そのうち、死刑が十人、無期懲役が五十一人、三十年以下が三十二人、こう続いているんですね。現住建造物等放火の、これは終局人員が六百九十四人。有罪を受けたのが六百七十六人。死刑はゼロなんですね。これは平成二十二年から二十六年の間ですね。死刑はゼロ、無期懲役は一人だけ、三十年以下も二人。放火によって殺人しても、殺人より何となく結果軽いかなというのが感想。あくまでもこれは感想なんですが。 いずれにしても、放火そのものを、生命財産を奪う、五千件も出て、三百人も亡くなっている。ところが、それで、二十五年一年間の現住建造物等放火の調査対象事件数が百五件しかないんですよ。これは、過去に犯罪を犯して有罪になるんだから数年かかりますから、二十五年に放火した犯人ではありませんが。また、この数字は、ちょっとお願いして、手作業で探った、ちょっとレベルは余り高くないんですが、一つの事例として、該当事件数百五件のうち三人が有罪判決になった。そのうち、無期懲役が一人、死刑はゼロですね。件数も少ないんですね、これ。 ですから、私、この放火に対して、全体の火災の一割が放火で、大体三百人が亡くなっていて、ところが、これを特定する、検挙する、裁判に持ってくるまででどっと減るんですね。野放しになっちゃっているんですかね。 ですから、放火は死刑に相当する極めて厳しい刑量なんだ、やはりもう少しそういったことをきちっと国民に伝える。だめですよ、これを抑止力の一つに、やはり刑が重いから、すべきだというふうに思うんです。この点について何らかの対策を考えるべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
○今崎最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。 有罪判決で言い渡されます量刑というのは、委員御承知のとおり、個別の事件ごとに、それぞれの事件に応じまして、裁判体が法と証拠に基づきまして最も適切と判断した結果でございます。つきまして、その当否について事務当局からお答え申し上げることは差し控えさせていただきたいと存じます。 ただ、現住建造物等放火事件というのは、これはいわゆる裁判員裁判の対象事件でございます。したがいまして、刑を決めるに当たっては、裁判官のみならず、裁判員の方と評議と称する中で議論を尽くした上で判決に至っているはずでございます。その際には、裁判官からは、現住建造物等放火の法定刑あるいはその犯罪の性質や危険性等につきまして十分に御説明をした上で判決に至っている、このように考えているところでございます。 ただ、この裁判員裁判における評議のあり方、あるいは量刑のあり方につきましては、裁判所の中でも今もずっと議論しているところでございます。今後とも、この点については、裁判官の間で議論が尽くされるように、そのような場をつくっていきたいと考えております。
○奥野委員長 菅家君、時間は終了しました。
○菅家委員 時間になりましたので。 あとは、もうやはり予防しかありませんね。予防、消防、抑止力、ありとあらゆる方策を考える。やはり街頭のカメラであったり、見回りであったり、ここに全力で力を入れて、どんどん減っていますけれども、ますます放火件数を下げる、そして検挙率を上げる、絶対許さないというような考え方で対応していただくよう要望を申し上げ、終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○奥野委員長 次に、遠山清彦君。
○遠山委員 公明党の遠山清彦でございます。 上川大臣、今国会もよろしくお願いいたします。 私も、与党理事の一人として、柴山筆頭理事、山尾筆頭理事の御指導のもとに、また、委員長をしっかりお支え申し上げまして、今国会は重要な法案が大変多うございますので、充実した審議をこの委員会で行ってまいりたいと決意をいたしておりますので、どうかよろしくお願いいたします。 まず一問目の質問でございますが、我々全員の記憶に新しいところで、チュニジアのチュニスで、想定外と言って過言ではないと思いますけれども、中東の地域でも地中海に面しておりまして比較的治安のよいチュニスという町、首都でございますけれども、そこで、大型のクルーズ船が定期的に寄港して数百人の観光客がいっときにおりて、有名な博物館あるいは国会議事堂等を見学する場面で、二日前、あのような銃撃事件がありました。 しかも、我々が驚いたのはこのクルーズ船自体に日本人が百人以上乗っておられたということで、その中で、おりて見学に行かれた中の三名の方が亡くなられ、そしてまた三名の方が負傷されたということでございます。 まだわかっていない詳細はございますけれども、ここで、お亡くなりになられた皆様に心から哀悼の誠をささげたいと思いますし、また、被害を受けた皆様、御遺族の皆様、関係者の皆様に心からお見舞いを申し上げたいと思います。 シリアの邦人殺害テロ事件も先般ございました。ここでも日本の民間人二人が極めて残虐な形で殺害をされるということになったわけでございまして、このような行為は、いかなる理由があるとしても、まさに人間性、ヒューマニティーに対する重大な挑戦であり侵害でございまして、日本政府としても、国際社会の一員として、こういったテロの撲滅にあらゆるリソース、施策を動員して努力をしていただきたいということを冒頭お願い申し上げたいと思います。 ここで、具体的に一問質問させていただきます。 大臣は所信の中で、テロの未然防止に向けての情報収集、分析の強化というものを掲げられております。質問は、端的に申し上げれば、法務省として具体的にどのような方策を考えているのかということでございます。 私思いますに、法務省における情報収集機能ということでいうと、一義的には公安調査庁が想起されるわけでございますが、他方で、公安調査庁が国際テロ情勢についてどの程度の収集能力を保持しているかは、実は外部から余りわからないというのが現状だと思っております。 事柄の性質上、そもそも、どの程度の能力を持っているかということを情報開示するということは全面的にはしにくいわけでありますけれども、しかしながら、納税者の立場に立って考えれば、外から見てわからないということは、本当に効果のある活動をしているのだろうかという疑問を持たれても仕方のないところでございます。 そこで、本日の一問目、答えられる範囲で、公安調査庁、あるいは他の部署の情報収集能力もあるのかもしれませんけれども、どういう強化策を具体的に大臣としてお考えなのか、お示しをいただきたいと思います。
○上川国務大臣 冒頭、委員から、国際テロの事案につきまして、シリア、そしてチュニジアの事例ということで大変大きな犠牲があったということ、そして心からのお悔やみということで御挨拶がございました。私も、その中で、国際テロ組織に対して、こうした卑劣な行動をすることに対して断固怒りを持っているところでございます。 今御指摘の情報収集の機能ということで、私、所信表明の中に、大変強力に進めていくと。国際化の時代の中で安全、安心の状況をつくっていくということについては、法務省もその一翼を担っていく、極めて重要な役割を担っている、こういう認識でございます。 御指摘の公安調査庁ということでございますけれども、公安調査庁におきましても、調査能力の向上、そして、その充実に向けての取り組みについてはしっかりと幅広く取り組んでいくよう指示をしているところでございます。 機能といたしましては、国際テロ組織等の動向に関しての情報の収集、分析を行っております。そして同時に、国内におきましては、国際テロ組織とのかかわりが疑われるような、そうした不審人物、組織の有無、そしてその不穏動向に関する情報の収集、分析、こちらについても実施をしているところでございます。また、テロの標的となるおそれのある施設に関係する不穏動向に関する情報の収集、分析ということにつきましても取り組んでいるところでございます。さらに、サイバーテロという新しいテロの脅威に対しまして、関連情報の収集、分析についても実施しているところでございます。 これから、この強化ということについて、さらに調査体制の整備、さらには調査手法の高度化等についてしっかりと取り組んでいくことが大事ではないかというふうに考えております。 二〇一九年には大きなスポーツのイベント、ラグビーのワールドカップもございますし、二〇年にはオリンピック・パラリンピックの東京大会もあるということでございますので、安全、安心については気を抜くことなく、特に情報収集、分析、そしてそれを踏まえた予防司法ということについて、大変大事な取り組みとして所信の中でもその課題について申し上げたところでございます。
○遠山委員 続きまして、ちょっと一問飛ばしまして、入管局長に伺いたいと思います。 先月、私は、韓国のソウルで行われました日米韓の三カ国の国会議員による国際会議に参加をいたしました。その折に、アメリカの連邦議員で共和党のベテラン議員とテロ対策について意見交換をさせていただきました。 同議員によりますと、シリアのケースですが、今、テロリスト集団でありますISILに共鳴する者の中に、ヨーロッパのイギリスやフランスの正規のパスポートを保持する者が相当数いると。これらは当然潜在的リスクが高い人物なわけでございまして、万が一日本に来た場合に、水際で食いとめることが重要なんですが、技術的には非常に困難である。例えば、名前がイスラム教徒を想起させるような名前であるが、しかしながらイギリスやフランスの正規のパスポートを持っていたら、とめる理由はないわけでございます。アメリカでは、ちなみに、パスポートの渡航歴の中にトルコとかシリアとかそういったものがある場合には特別な審問をすることは許容されている、こういう話がありましたけれども、日本はそこまでいっていないかと思います。 それで、残念ながら、ISILはジハード戦線の海外展開というものを今推進しておりまして、日本も先般の事件以降その標的に入っております。日本のような先進国社会でISILがジハードを決行する場合には、英語でローンウルフ型、すなわち一匹オオカミ型で遂行すると言われております。フランスのパリの銃撃事件は、まさにローンウルフ型の典型であったわけでございます。 このような観点から、水際対策につきましても大臣は所信でお触れになっていますけれども、どのような取り組みをされようとしているのか、お示しをいただければと思います。 まずは入管局長からお話を伺います。
○井上政府参考人 委員御指摘のように、テロの対策を考える上では、テロリストの入国を防止するためにどのような情報を入手することができるかというのはやはり一番大事なことになってまいります。その意味で、裏をかいて、きれいな状態のパスポートとか、そういう経歴の者が送り込まれた場合、その阻止というものはなかなか難しいところがございます。 しかしながら、私ども入国管理当局といたしましては、水際でテロリストを阻止するための基本的なツールといたしまして、やはり指紋等の個人識別情報を活用した入国審査でありますとか、ICPOが構築している紛失・盗難旅券データベースの活用等々の基本的なツールを活用いたしまして、そこに最大限、収集した情報を分析して当てはめることによりまして、不適当な人物の入国を確実に阻止してまいりたいと考えておるところでございます。 その要注意人物のリストと申しましても、絶対入れてはいけないということがはっきりしている者から慎重に審査をすべきという者まで、レベルはいろいろ設定することができますので、そのような意味でも関係機関との情報の共有というものをさらに充実いたしまして、そのようなツールを利用して水際対策の徹底を図ってまいりたいと考えております。
○遠山委員 大臣からも一言、今の件につきまして御決意を伺いたいと思います。
○上川国務大臣 入国の折、正規のパスポートを持って入国してくるということについては、むしろスムーズに入っていただくということになるというのが基本でございます。その上で、今のように紛れ込むということになりますので、大変危険な、リスクの高い案件であるというふうに思います。 パスポートについては、成り済まし等の事案もあるということでございますけれども、やはり何よりも、その持っている者が危険であるかどうかということについての情報をしっかりと関係機関あるいは関係国と共有をしていくということが不断になければならないというふうに思っておりますので、そういう意味での連携ということについては内外ともに力強く推進していく必要があるというふうに考えます。
○遠山委員 ぜひ情報収集能力の強化を図っていただきたいということと、あと、ISILのシリアにおける、これは彼らにとってはメーンステージ、聖域での戦闘ということで、ジハードの海外展開とは違うんですけれども、そこに参加をしているヨーロッパ諸国の国籍の人物については、当該関係国政府が相当努力をしてウオッチリストをつくっていると聞いております。そういう人物の動きをやはり事前に日本の当局としても把握できるような国際関係をつくっていただきたいと思いますし、また、やはり人材育成を情報の分野でしっかりしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。 続きまして、今国会の重要法案の一つである外国人技能実習制度の見直しというか、新しい法律を今回つくって法的基盤を強化するということでございます。いろいろ申し上げようと思いましたけれども、時間の関係で。 私は、この技能実習制度について完全に否定をする立場ではございません。日本が持つ高度な技術を外国人労働者に、外国人技術者ですかね、研修生に移転をするということを主目的に導入された制度で、これまでの実績等もございますし、このことについて関係諸国から感謝をされている面もあるかというふうに思います。 他方で、大臣御承知のとおり、国連機関の一部や米国国務省などから、この技能実習制度の運用面について、人権侵害の観点から批判されてきたことも事実でございます。そして、今国会に、我々与党として審査をして、閣議決定をして、政府から国会に出していただく法案につきましても、単なる看板のかけかえだとか、あるいは人権侵害がより拡大するといったような批判をしている団体が存在することも事実でございます。 このような批判的な御意見も念頭に、今までの制度との大きな違い、特に実習生、研修生の人権に配慮した点などにつきまして御説明をいただき、そういった新しい制度のもとにおいては人権侵害などの批判を絶対に受けることがないようにするという大臣の御決意を伺いたいと思います。
○井上政府参考人 制度の細かいところをまず私の方から少し答弁させていただきます。(遠山委員「簡潔に」と呼ぶ)はい。 現行制度につきましては、委員御指摘のように、一部におきまして、制度の趣旨を正しく理解せずに、旅券の取り上げでありますとか、賃金を十分に払わないなどの不適切な取り扱いがあるということで、さまざまな御指摘をいただいている点があることは承知しております。 そこで、今回、技能の適正な修得と移転、それによる人材育成を通じた国際協力という制度本来の趣旨を徹底するために今般提出させていただきました技能実習法案では、まず、監理団体の許可制でありますとか技能実習計画の認定制の枠組みを法律できちんと整備する。さらに、外国人技能実習機構という認可法人をつくりまして、同機構に法的根拠をもって実習実施者や監理団体を実地に検査するなどの指導監督を行わせることとしております。 さらに、技能実習生の保護の観点に特化したものといたしまして申し上げますと、実習実施者や監理団体が技能実習生の旅券や在留カードを保管することや私生活を不当に制限すること、さらには、技能実習生が主務大臣に違法行為の申告などをしたことを理由とした不利益な取り扱いをすることなど、そのようなことを禁止行為として規定いたしまして、これらの規定に違反した者に対する罰則も定めるなどいたしまして、人権侵害の防止の観点から必要な措置を講ずることとしております。
○上川国務大臣 国際的な貢献の中で、この技能実習制度本来の趣旨ということがしっかりと生かされるように抜本的な改善をしていくということで、今回法案を提出させていただいたところでございます。 とりわけ技能実習生の人権問題ということにつきましては、運用の段階の中でさまざまな課題、問題が発生したということについては大変残念なことだというふうに思っております。この課題、問題にしっかりと改革をしていくというところの部分を織り込んだ形で、そして、技能実習制度の本来の趣旨、国際的な貢献という形の中での本来の趣旨がしっかりと生かされることができるように取り組んでまいりたいと存じます。
○遠山委員 大臣、一言だけ。 技能実習の現場で人権侵害として実際に告訴されたようなケースを私は幾つか調べましたが、耳を疑いたくなるものがあるんです。 外国人の方が来た中小企業の働く現場で、旅券を取り上げて、銀行通帳も全部取り上げて、あんたが帰国するまで通帳を見せない。そうしたら、毎月自分が幾らもらっているかわからないでしょう。それから、技能実習で、帰るまで返さないといったら、長い人は三年間ですから、ほぼ奴隷状態です。家族にも会えません。 だから、過去にそういうことが実際あったわけですから、これは、新しい制度になると政府直轄ですから、こういうことが起こったら政府の直接の責任になりますから、そこは、大臣、徹底的に厳しく言って新制度をスタートしなきゃいけないということは申し上げておきます。 最後の質問、簡単に言います。 お手元の読売新聞一面に載った記事の中で、傍線を私は引っ張りました。ここでは、難民ではないのに難民申請をして、それによって得られた地位でもって日本で就労するということを繰り返している偽装難民の問題が大きく取り上げられております。それはそれで対処しなきゃいけないと、私も公明党難民プロジェクトチームの座長として思いますが、この傍線を引っ張ったところはかなり誤解を生む表現です。 つまり、難民申請をした段階で難民ではないことが明白な申請者の就労は認めないようにするというふうに書いてあるんですが、難民申請した瞬間でおまえは難民じゃないなんてわかるわけないんですね。だから、これは非常に誤解がある記事で、ただし、左側の解説記事の一番下の方には「一方で、本来は救うべき人を排除しないことも大事だ。」と書いてあるので、記事を書いた記者はそういう意図はなかったと思いますが、ただ、申請した時点でおまえは難民じゃないからだめだという制度にならないようにしてもらいたいという、これは要望です。 時間がないので一言だけ。もう大臣でいいです。お願いします。
○上川国務大臣 現在、法務省におきまして、この濫用防止も含めまして、総合的な検討を進めているというところでございます。 真に庇護する者にとりまして、しっかりと庇護をしていく、難民の認定をしていく、こうした法の趣旨に照らしてしっかりと対応してまいりたいと存じます。
○遠山委員 終わりますが、難民というのは難民条約にいろいろ定義されていますけれども、基本的に、母国で政治的な理由で迫害されて逃げてきた人は非正規の偽造パスポートで入国してもいいんです、難民の場合は。その点、そういうことがあるということをしっかり理解した上で対応していただきたいということを申し上げて、私の質疑を終わります。 ありがとうございました。
○奥野委員長 これで本日の質疑は終了しました。 ————◇—————
○奥野委員長 引き続き、裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。 東日本大震災の被災者に対する援助のための日本司法支援センターの業務の特例に関する法律の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。 本件につきましては、先般来理事会等において協議いたしました結果、お手元に配付いたしましたとおりの起草案を得ることとなりました。 本起草案の趣旨及び内容につきまして、私から御説明を申し上げます。 東日本大震災の被災者に対する援助のための日本司法支援センターの業務の特例に関する法律は、東日本大震災の被災者の方々が、その資力の状況にかかわらず、裁判その他の法による紛争の解決のための手続及び弁護士等のサービスを円滑に利用することができるよう、東日本大震災の被災者の方々に対する援助のための日本司法支援センターの業務の特例を定めるものであり、議員立法により、平成二十四年四月一日から二十七年三月三十一日までの三年間の時限法として制定されたものであります。 平成二十三年三月十一日の東日本大震災から四年が経過しましたが、東日本大震災からの復旧復興はいまだ道半ばであります。現行法に基づく東日本大震災法律援助事業を見ても、法律相談援助は高い水準で増加傾向にあり、弁護士費用等の立てかえ援助も活発に利用されていることから、今後も東日本大震災法律援助事業の需要が見込まれるところであります。 また、いわゆる原賠時効特例法により、原子力損害に係る賠償請求権の消滅時効が延長されたことにより、同請求に係る紛争は今後も続くことが見込まれるほか、被災地の復興状況を踏まえると、政府の定める集中復興期間の終期である平成二十八年三月三十一日以降も、引き続き、復興事業に関連する民間住宅等用宅地の整備等が続けられることが見込まれ、それに伴う不動産をめぐる紛争が顕在化するおそれがあります。 このような状況に鑑み、本起草案は、現行法の有効期間を平成三十年三月三十一日まで三年間延長するものであります。 以上が、本起草案の趣旨及び内容であります。 ————————————— 東日本大震災の被災者に対する援助のための日本司法支援センターの業務の特例に関する法律の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○奥野委員長 お諮りいたします。 ただいま御説明した東日本大震災の被災者に対する援助のための日本司法支援センターの業務の特例に関する法律の一部を改正する法律案起草の件につきましては、お手元に配付しております起草案を委員会の成案とし、これを委員会提出法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○奥野委員長 起立総員。よって、そのように決しました。 なお、ただいま決定いたしました法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○奥野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時四分散会