文部科学委員会 第10号
- 発言数
- 103 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2015/05/20
会議録
○福井委員長 これより会議を開きます。 文部科学行政の基本施策に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、参考人として国立研究開発法人理化学研究所理事有信睦弘君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として文部科学省初等中等教育局長小松親次郎君、研究振興局長常盤豊君及びスポーツ・青少年局長久保公人君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○福井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○福井委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。谷川とむ君。
○谷川(と)委員 おはようございます。自由民主党の谷川とむでございます。 本日は質問の機会をいただき、ありがとうございます。文部科学委員会での質問は初めてで、まだ二回目の質問でございますので緊張しておりますが、よろしくお願いいたします。 私ごとではございますけれども、ことしの一月三十日に第一子の長男が生まれまして、もうすぐ四カ月を迎えます。先日、下村大臣にもだっこをしていただき、家族ともども大変うれしく思っております。下村大臣、ありがとうございました。 息子の成長を見守るのと同時に、私の息子もそうですが、全ての子供たちに、自立できるような、そしてお互いが認め合い、助け合う心を育み、さらに、国家社会のために貢献できるような教育を進め、誇り高き日本人を育成することが、日本の将来を明るいものにすると思っております。 我が国は、明治維新以来、驚異的な勢いで国力を増し、世界有数の経済大国となりました。しかし、近年では、国力の低下が目立ち、青少年を中心に倫理、道徳の退廃が著しく、規範意識の低下が、国家、社会の将来を暗いものにしつつあります。 国づくりは人づくりからと申しますように、日本の将来を担う子供たちへどのような教育をして、どのような日本人を育成していくのか、日本の将来を左右する大変重要な課題であると考えております。その中の一つとして、やはり私は、道徳教育を充実させることが不可欠であると考えております。 本年の三月二十七日、学校教育法施行規則及び学習指導要領の一部を改正し、道徳が特別な教科として位置づけられました。小学校及び特別支援学校小学部は平成三十年度から、中学校及び特別支援学校中学部は平成三十一年度から、検定教科書を導入して実施されることとなりました。 本来、私は思うに、道徳教育は、家庭、学校、地域社会などそれぞれの場で自然に教え、自然に学ぶものであると思っています。しかし、社会の形態も変化して、共働き夫婦がふえ、また、核家族化が進み、家族水入らずの時間も減少しています。さらに、地域のコミュニティーも希薄化されています。自然に教え、自然に学ぶということが難しくなっている現在、学校教育に求められるものは大きく、道徳が特別な教科と位置づけられたことは意義があると考えています。 以上を踏まえて質問に入りたいと思います。 まず、現状の道徳教育では、「私たちの道徳」を全国の小中学校に配付して、平成二十六年四月から使用を開始されています。いろいろと話を聞くんですけれども、その存在すら知らない、学校の隅に追いやられて山積みになって配付されていないとの声を聞きました。もし、どの程度使用されているのかおわかりであれば、教えていただきたいと思います。
○下村国務大臣 おはようございます。 谷川委員におかれましては、おめでとうございます。さらに我が国の少子化に貢献をしていただきたいと思います。 そして、「私たちの道徳」の御質問でありますが、昨年の四月から配付をしておりますが、十分に活用されていないという話を聞く中で、文部科学省として、三回にわたって、各教育委員会に対して、活用状況の調査とともに、活用していただきたいというお願いを出させていただきました。 その結果、昨年七月に実施した活用状況調査によれば、道徳の時間で「私たちの道徳」を使用している割合は、教育委員会の報告によりますと、小学校では九九・五%、中学校で九八・四%であり、数字の上ではほぼ全ての小中学校で使用されているという報告でありました。また、「私たちの道徳」を家庭に持ち帰るよう全ての学級で指導している割合は、小学校で八割、中学校で約七割との報告がありました。 しかしながら、実際にそれほど活用されていないのではないかという声はよく聞きますし、また、ほとんど家に実際は持ち帰っていないのではないかという声もよく聞きます。 例えば、都内の小中学生の保護者を対象としたある調査では、「私たちの道徳」を授業で用いたとの回答が約三七%にとどまっております。これも、毎回使ったかどうかではなくて、一学期のうちに一回使えば使ったということですから、この三七%が実態的にどの程度かということは、詳しくはわからない状況があります。 そういう意味では、文部科学省の、教育委員会に上がってきている報告とは相当の乖離があるのではないかと考えておりまして、文科省としては、このような状況を踏まえ、「私たちの道徳」の一層の活用を図るため、授業や家庭、地域での活用事例を盛り込んだ教師用の指導教材を作成し、ことし三月に全国の小中学校に配付をしたところでございます。 ことし四月からは、改訂学習指導要領が実施されるまでの移行期間となっているということもありますので、文科省としては、「私たちの道徳」のより一層の活用を通じて、道徳の特別の教科化の趣旨を先取りした取り組みが推進されるよう、各教育委員会や学校に対する指導の充実に努めてまいりたいと考えております。
○谷川(と)委員 ありがとうございます。 さまざまなデータがあり、平均しても大体六割ぐらいしか活用されていないのかなというふうに思っておりますので、私も拝見させていただいて、内容もすばらしいもののできだと思っていますし、それを家庭に持ち帰っていただいて、家族と一緒に道徳を考えることができればよりすばらしいのではないかなというふうに思いますので、文部科学省としても普及に努めていっていただきたいなというふうに思います。 次に、道徳教育の充実を図るためには充実した教材が不可欠であると考えていますが、今後の教科書についてどのようにお考えでしょうか。
○小松政府参考人 お答え申し上げます。 昨年十月の中央教育審議会の答申では、道徳科の検定教科書の導入が提言されておりまして、その大きな方針といたしまして、御指摘のように、道徳教育の充実を図るためには充実した教材が不可欠であるという観点から、今後、特別の教科、道徳としての位置づけのもとに、中心となる教材として検定教科書を導入する、これを全てのお子さんに無償で配るということ、それから、この同じ特性を踏まえまして、民間発行者の創意工夫を生かすとともに、バランスのとれた多様な教科書を認めるという基本的な観点に立って、教科書検定の具体化に取り組む必要があるというふうにされております。 具体的には、昨日でございますが、教科用図書検定調査審議会に対しまして、これを踏まえた審議要請を行っております。 今後、この審議会からの御提言を七月中を目途に御報告を取りまとめていただいて、それに基づいて検定基準を改正したいと思いますが、その際、教育基本法、それから学校教育法、学習指導要領に基づいて教科書がつくられるということを基本に、道徳科の教科書検定の具体化ということが図られるようにしてまいりたい、かような取り組みにしたいと思っております。
○谷川(と)委員 ありがとうございます。 やはり、教科書をどのようにつくるか、また、それを指導していくというのが一番大切になってくると思います。指導するに当たっても、その教科書にのっとって指導していく先生方が多分多いと思われますので、ぜひともその点を十分に注意していただいて、今後進めていっていただきたいなというふうに思います。 次に、道徳の教科化に当たり一番大切なことは、教員の指導力であると考えております。しかし、道徳の授業が苦手と感じる教員が多いと思われる中、そのような教員を含め、全ての教員の道徳の指導力を向上させることが必要であると考えておりますが、いかがお考えでしょうか。
○小松政府参考人 お答え申し上げます。 道徳教育の抜本的な改善充実を図るためには、御指摘のように、全ての教員の道徳教育に関する資質能力の向上を図り、学校において一層実効性のある指導を行っていくということが不可欠だと考えております。 このため、現在、文部科学省では、独立行政法人の教員研修センターというところでさまざまな研修を行っておりますが、これを引き続きしっかりやっていくことを前提といたしまして、今回の特別の教科化の趣旨や内容等について周知し、具体的な指導の改善を促すために、教育委員会の担当者、学校の管理職、あるいは道徳教育推進教師等を対象とした、道徳に係る指導方法等の改善に関する研究協議会を、この一月以降、順次開催をいたしております。これを全国で開催をしてまいりたいというのが一点でございます。研究協議会でございます。 それからもう一つは、教師用資料というものが必要だと思っております。これは、先生方の指導力向上を支援するため、本年度の予算におきまして、特別の教科、道徳の効果的な指導方法等について、具体的な事例も含めたものとして作成し、各学校、全ての担任の先生に行き渡るように配付をしたいと思っております。 さらに、大学の教員養成課程でございますが、ここで道徳の指導に関する扱いの改善について、これは引き続き中央教育審議会において、教員養成のあり方全体にかかわる議論の中で検討が行われております。 以上のような、研修、それから、資料、養成等の関連施策を通じまして、児童生徒一人一人によりよく生きるための力を養う道徳教育が各学校において実施されるよう、全ての教員の指導力向上に取り組んでまいりたいと考えます。
○谷川(と)委員 よろしくお願いいたします。 やはり、道徳というのは単純な正解がありませんので、先生方が子供たちの成長の過程でさまざまな問題に対して的確にアドバイスができるのか、難しい問題ではあると思うんですけれども、全教員の先生方が子供たちの立場に立っていろいろなことを考えて、そして伝えていけるのかということが本当に非常に重要になってくると思いますので、その研修を含め、いろいろな取り組みをこれからもどんどん進めていっていただきたいなというふうに思います。 最後に、特別な教科、道徳で今後どのような評価のあり方を考えられているのか、文部科学省の見解をお伺いさせていただきたいと思います。
○小松政府参考人 道徳に係る評価についてのお尋ねでございます。 道徳の評価につきましては、昨年十月の中教審の答申におきまして、一人一人のよさを伸ばし、成長を促すための適切な評価を行うということが必要であり、指導要録等に示す評価として、数値などによる評価は導入すべきではないというふうに提言されております。 文部科学省といたしましては、これを受けまして、数値等による評価を行うことは考えておらず、ほかとの比較ではなく、一人一人の子供たちがいかに成長したかを積極的に受けとめ、励ます評価を確立する必要があると考えております。 このため、今後、評価や道徳教育、発達障害等の専門家による会議において、道徳科の評価に関する専門的な検討を行った上で、今年度中に、教師用の指導資料の作成や指導要録の改正を行うことといたしております。 これらを通じまして、御指摘のような、道徳の評価が適切に行われますように努めてまいりたいと考えます。
○谷川(と)委員 ありがとうございます。 先ほども申したとおり、道徳においては単純な正解がないので、評価の仕方というのは大変難しいかなと思いますけれども、しっかりとこれからも評価のあり方についてもう一度御検討いただければなというふうに思います。 もう時間も終わりに差しかかりましたので、最後に、道徳教育は、一人一人がよりよい人生を送る上で不可欠であり、また、国家、社会の持続的発展にとっても極めて重要な意義を持っていますので、私も引き続きしっかりと取り組み、そして、文部科学省の皆さんもしっかりと取り組んでいただきたいなというふうに思います。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○福井委員長 次に、吉田宣弘君。
○吉田(宣)委員 公明党の吉田宣弘でございます。早速質問に入らせていただきます。 本日は菅原財務副大臣にお越しいただいております。お忙しい中を本当にありがとうございます。 では、早速入らせていただきます。 先般、財政制度審議会に提出をされました財務省の資料によりますと、その中に、今後の少子高齢化見通しを踏まえて試算をすれば、平成三十六年度までに三万七千七百人の自然減を反映した上で、四千二百十四人の加配定数を合理化したとしても、標準学級当たりの加配教員数は維持されるとの財務省のお考えが示されたようでございます。 これまでこのようなお考えが示されたことはなかったようではございますが、また、本日は先ほど申し上げました菅原財務副大臣にお越しいただいておりますので、その辺のお考え方について、また、これまでこのようなお考えが示されてはこなかったんですが、今般示されたことの趣旨について、ひとつ教えていただければと思います。 お願いいたします。
○菅原副大臣 当文科委員会でも議論がされておりますように、教育は未来を担う人材を形成するものでありまして、子供たちの学力、能力、人間性の向上を図ることは、日本の将来にとっても極めて重要な課題であると認識をいたしております。 一方で、御案内のとおり、日本の財政状況は極めて厳しいものがありまして、教育予算につきましても、重点化、効率化を図りながら、質の向上を目指す工夫が必要であると考えておりまして、今般の財政審におきましては、今、吉田先生がお話しのとおりの、教職員定数の合理化計画、問題提起がされております。 具体的には、少人数指導などの現在の教育環境を維持することを前提といたしまして、少子化等による基礎定数の自然減、これに加えまして、これから約十年間かけまして、平成三十六年度までに漸次、加配定数を四千二百十四人、合理化が可能であるというような試算が示されました。 中長期的な教職員定数の合理化の見通しを立てた上で、それを踏まえた、例えばスクールカウンセラーなど外部人材の活用、あるいは、教職員採用を計画的に進めるといった考え方の中で、厳しい財政状況の中にあっても効果的に教育環境を改善できるもの、このように考えております。
○吉田(宣)委員 ありがとうございます。 ただいま御説明をいただきましたが、この内容について、先ほどの試算はあくまで機械的になしたものだというふうにも一つお聞きをしております。また、基準も、現在の状況を踏まえてこれを将来的に、繰り返しですが、機械的にやったというふうにお聞きをしておりますが、私の理解はそのようなものでよろしいのでしょうか。
○菅原副大臣 教員も人でありますから、機械的という言葉が適切かどうかは別といたしまして、この少人数学級などの現在の教育環境を維持すること、これを前提といたしまして、いわゆる少子化に伴う学級数の減少ということが起きてまいります。そうした試算を示したものでありまして、いわばそういう数字上の試算である、このような御理解をいただければと思います。 今後とも、この試算を土台として文科省と徹底して議論をしていきたい、このように考えております。
○吉田(宣)委員 ありがとうございます。 次に文部科学省にお聞きをしたいと思います。 先ほどの財務省のあのお考えというのは、加配定数を合理化する、すなわち減らしていくというふうな方向性でのお考えかと思っておりますが、そもそもこの加配定数という措置は何ゆえにこのようにとられているのか、その必要性についてお教えいただければと思います。
○小松政府参考人 お答え申し上げます。 加配定数は、例えば通級指導や、あるいは、いじめ、不登校への対応、貧困による教育格差の解消や外国人児童生徒への日本語指導など、学級数等に応じて算定される基礎定数では対応困難な教育課程に対応するための措置でございます。 具体的には、今申し上げました通級指導、小中学校の普通学級に在籍をいたしまして、言語障害、学習障害、ADHDなどのお子さんたちを対象に、通級指導教室で学習上あるいは生活上の困難の改善、克服に必要な指導を実施していただく分、あるいはいじめ、不登校対策、これにつきましては、保護者との面談や関係機関との連携、それから、校内研修会や対策委員会の実施、家庭訪問、別室登校、さまざまな必要がございます。これらに対応する分、それから教育格差の関係につきましては、学力低位層の生徒の個別学習指導計画の作成や学び直し教室の開設、あるいは放課後の学習相談、指導、こういったところに加配の先生方の定数を活用するということが目的となっております。
○吉田(宣)委員 ありがとうございます。 今御説明をいただいたとおり、加配定数というのは、例えば通級指導である児童さんであったりとか不登校の児童さん、それから、いじめ、そういった児童さんのためにとられている措置だということでございますけれども、数という形になるのでしょうか、これまでの児童さんたちの傾向と、実はふえているとか減っているとか、それからまた、それを踏まえた今後の見通しというふうなことについて文部科学省でどのようにお考えなのかも加えてお聞かせいただければと思います。
○小松政府参考人 数値的傾向というお尋ねでございます。 直近の十年、平成十六年度からということで見てみますと、不登校児童生徒の割合は、上がったり下がったりというのはあるんですけれども、横ばいでございます。 これに対しまして、学校での暴力行為の件数は非常にふえておりまして、小学校ですと五倍以上、中学校ですと一・六倍、小学校ですと一万件を超えている、中学校ですと三万七千件ぐらいになっております。 それからまた、特別支援教育について申し上げますと、通級による指導を受けているお子さんたちが、小学校では倍増、中学校では六・七倍ぐらいになっております。 特別支援教育につきましては、基礎定数でも、学級の関係によりまして特別支援学級、特別支援学校に在籍する児童生徒数への手当てを行っておりますが、この関係で生徒さんの数を見ますと、小学校、中学校とも一・八倍ぐらいとなっております。 それから貧困対策につきましては、要保護、準要保護の生徒さんが一・二倍ぐらい、外国人の方々ですと、日本語指導が必要な外国人の方、小学校が一・四倍、中学校が一・五倍ということで、大体全般的に増加が続いております。 今後の見通しについてお尋ねでございますが、今後もこれらが増加していくことが十分考えられるというふうに考えておりますので、こうした点に対応していくことは必要であろうと考えております。
○吉田(宣)委員 ありがとうございます。 今の御答弁にもありましたとおり、通級指導を初め、いろいろな、いじめとか暴力行為であったりとか、そういった課題がここ十年程度で明らかにふえているというふうなことのようでございます。 そもそも論ですけれども、こういった教育課程の増加に比べて加配定数がちょっと追いついていっていないのではないかというふうな御指摘も多々お受けをするところでございますが、この点についてはいかがでしょうか。
○小松政府参考人 ただいま申し上げましたように、お子さんたちの数につきましては、いろいろな問題、課題を抱えていらっしゃる方々がいろいろなふえ方で増加しております。 加配定数につきましては、同じ直近十年で見ますと一・二倍程度、私どもとしても増加に努めておりますけれども、数としては一・二倍程度という推移でございます。
○吉田(宣)委員 今御説明していただいたとおり、加配を措置する必要性というのは、増加傾向ということもあって、これからもずっとこういった予測が立ってくるのかなというふうに思いますが、その上で、先ほど菅原副大臣のお話にもありましたが、先ほどのあの試算というのは機械的であり、そして、現状というふうな数字を基準にしたものであるというふうに御説明いただきました。 それを踏まえて、今の加配措置の必要性というものと、それから、今後そういった課題というのが増加していく、また、複雑化していくというふうな点もあるかと思いますけれども、そういった現状を踏まえて、その時々の状況に応じたきめ細やかで柔軟な対応というものを財務省の方にも私はぜひお願いをしたいと思うのですけれども、その点について御所見をお聞かせいただければと思います。
○菅原副大臣 ただいまの吉田委員のお話、大変理解するところであります。 今般の財政審の議論におきましては、先ほど申し上げたとおり、少人数学級などの現在の教育環境、これを維持することを前提として加配定数の合理化が可能であるという試算を示したものというふうに私どもも捉えております。 そして、この試算を土台として、増員が必要なのか、さらなる合理化が必要なのか。これは、今後、教育におけるさまざまな状況や、あるいは人口増減、こうした環境に対応しながら、毎年度の予算編成過程で財務省と文科省と協議をしていく、このような基本的な考え方を持っております。 以上でございます。
○吉田(宣)委員 ありがとうございます。 本当にこの加配措置の背景にある状況というものがこれからもやはり続いていくのかなというふうにも思いますし、現場の最終的には負担になってまいりますので、ぜひ御配慮いただければと思います。 さて、今申し上げてきたとおり、学校というものを取り巻くその環境というのは、複雑化、困難化が深まっているというふうな状況でもございます。いろいろな児童さんがいる中で、これからそういった児童さんを立派に育て上げていくということが、やはり国としても大切な施策になっていくのかと私は思っております。 そういう意味におきましても、今措置されているこの加配定数というのを、単純に少子化というだけの理由で減少させるということではなくて、必要に応じて、場合によっては大幅な増員も含めて、ぜひその時々に応じた対応というものをやはり考えていっていただきたいと私は思っております。 以上を踏まえまして、下村文部科学大臣から、ぜひその点に関するお受けとめを一言お聞かせいただければと思います。お願いいたします。
○下村国務大臣 財務省の考え方は、子供の数が減っているので、それに合わせて教員の数を正比例して減らすというのは当然だという机上の計算をされているわけでありますが、そうでないということに対して詳しく文科省の方からも、資料等を含めながら財務省に説明をしていきたいと思っておりますが、まず一つは、やはり世の中が、今まで高度経済成長のときのような工業化社会で、一クラス四十人でも五十人でも先生が一方的に教えて、暗記、記憶をすればいいという時代がもう終わって、情報化社会の中で多様な能力をどう引き出すかということを考えると、一クラス五十人、六十人のパッケージのような一方通行の教育ではそもそももう成り立たないという、時代が変わってきているというのが一つあると思います。 それからもう一つは、今提案されましたように、なぜ加配が必要なのかというのは、前から比べて、先ほどデータも申し上げましたが、いじめとか不登校がやはりふえている。また、通級指導や貧困による教育格差がふえている。教育現場の抱える深刻な問題がたくさんある。日本は世界で一番教師の多忙感もある。そういう状況があります。 文科省としては、それらの対応をしていくために、教育課題を解決するためには、大幅に教員の数をふやしていくことによって、きめ細やかな対応をしていく必要がある。 それから、グローバル社会に対応するために、主体的、協働的な学びであるアクティブラーニングを実施するための指導体制、これは一クラス四十人とかではできません。その半分ぐらいにはしないとアクティブラーニングはできないということになると、教員の数も当然そういうことでも必要になってくるということでありまして、今までの延長線上で日本の社会が続くわけではありませんから、社会の状況に応じた、また、今現在における困難な教育現場の状況に応じてきめ細かく教員を対応するということが、結果的には、日本の社会のその先の豊かさ、教育というのは未来に対する先行投資だと思いますので、それをぜひ財務省に理解してもらうように、しっかり、資料等をつくりながら対応してまいりたいと思います。
○吉田(宣)委員 大変に丁寧な御答弁をありがとうございます。私も、この問題、しっかりまた今後とも取り組んでいきます。 時間が少々押してしまいました。申しわけありませんでした。 以上で終わります。
○福井委員長 次に、郡和子君。
○郡委員 おはようございます。民主党の郡和子です。 今し方、吉田委員からの御質問にもありました、いろいろやりとりもあったわけですけれども、去る十一日の財政制度等審議会財政制度分科会におきまして、財務省は、公立の小中学校の教職員数の合理化、そしてまた、国立大学の授業料を私立大学並みに引き上げるというような、そういう案を提案されたということでございました。 これら教育予算の歳出削減案の内容、それから、それに係る議事の概要を御説明いただきたいと思います。
○菅原副大臣 御指摘の財政審、これは財務大臣の諮問機関でございますが、そこにおける議論の過程におきまして、義務教育につきましては、教職員定数の合理化計画として、少人数指導などの現在の教育環境を維持することを前提にいたしまして、少子化等による基礎定数の自然減に加え、平成三十六年度までに加配定数を四千二百十四人合理化が可能である、このような試算を示しております。 あわせまして、お話しありましたとおり、国立大学におきまして、例えば、大学が企業からさまざまな事業を請け負い、そしてそうした受託収入の確保、そしてまた、授業料の引き上げ等によりまして大学そのものの財政基盤の強化を図るとともに、一方で、授業料の引き上げをいたしますと、それが一定の財源となります。その財源をもとといたしまして、例えば、意欲と能力がありながらも経済的に困難な学生などに対するいわゆる低所得者向けの負担軽減、こういったものも提案をしているところでございます。 このように、財政審におきまして、教育予算については、量的拡充ではなく、質向上を進めるべきであるという観点から、こうした取り組みに賛同する意見が多数でございました。 今後、取りまとめられます財政審の報告書を踏まえまして、財務省としても今後の予算編成に取り組んでいきたい、このように考えております。
○郡委員 教育費の公財政支出及び私費負担についてのOECD諸国との国際比較では、我が国、とりわけ高等教育における私費負担割合が、就学前の教育とともに大きくなっているわけです。 また、先ほどもちょっと大臣が対応を触れられましたけれども、二〇二〇年度からスタートするアクティブラーニングなど、新しい資質能力を育成する学習方法の推進はもとより、就学する上で家庭環境や社会環境にさまざまな障害や困難を抱えている子供たちにもきめ細かく対応できる体制を整える必要があるというふうに思っています。 高度化、多様化、複雑化する教育ニーズに的確に応えて、そして、格差を是正し、良質な教育を確保し、我が国の経済社会の成長、発展を担う人材を、質と量と両面で育成していくことが、ひいては健全な財政基盤の強化に資するという中長期的な視点で財政審にも理解を促し、教育予算の抑制ありきという議論にしっかりと対処していただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。文科省に伺います。
○下村国務大臣 これは郡議員御指摘のとおりでありまして、確かに、財務省からすれば、子供の数が減っていく中で、教員を減らすということではなく、文科省の主張によれば、また、今のお話のように、我々としては、よりきめ細やかな対応をする。 そして、教育というのは未来の先行投資というふうに先ほど申し上げたのは、ここでしっかりとした教育行政をすることが、中長期的というのを今、郡委員おっしゃいましたが、中長期的に見たとき、社会保障等のコストダウンにつながるというのは、これは諸外国の事例でも明らかなことでありまして、つまり、教育によってより自立して社会の中で生きていける、また、それだけの能力を引き出すことによって社会の中で発揮できる場をつくるということは、結果的には、中長期的に見たら社会保障を含めた社会のコストダウンにつながるという意味では、これは単年度制ではなくて、長い目で見たら財政の支出の削減にもつながる、こういう視点をぜひ財務省には持ってもらうことが必要だと思いますし、我々も、そのような資料をつくることによって、単年度制だけではなく、中長期的な視点に立ったときの財政支出はどうなのかという視点から、逆に、今こそ教育にしっかりとした支援を財源として担保してほしいということについて要請してまいりたいと思います。
○郡委員 ぜひ、財政審に対しての、理解を深めるようにお働きをいただきたいというふうに思います。 次に、いわゆる夜間中学についてお尋ねをしたいと思います。 財務副大臣、結構ですので、どうぞ御退席いただいて結構でございます。 文科省は、去る四月三十日に、中学校夜間学級等に関する実態調査の結果を取りまとめて、公表されました。調査は、昨年の五月一日に、全都道府県と市町村の教育委員会を対象に実施されたものでございます。 初めて詳細な全国実態調査が行われたこの背景には、公立と自主を問わず、夜間中学の運営に取り組んでいる教師や市民らでつくる全国夜間中学研究会のおよそ三十年にわたる地道な活動と、そして、当委員会での質疑や視察などの積み重ねがあったというふうに承知をいたします。 二〇一二年八月二十四日のこの文部科学委員会で、当時の平野文科大臣が、未設置の道県への設置を前向きに検討するというふうに答弁され、翌年の十一月十九日にこの委員会の理事が、足立区の足立区立第四中学校夜間学級を視察いたしました。そして、その翌年の四月には、超党派の夜間中学等義務教育拡充議連が設立をされました。 この調査が実施された昨年の五月二十一日のこの委員会で、笠委員の質問に答えて下村大臣は、「少なくとも各都道府県ごとに一つぐらいは設置することによって、学びたい方々にそのチャンス、可能性が提供できるような仕組みということをやはり考えていく必要があるというふうに思います」と表明をされまして、七月の教育再生実行会議の第五次提言で、義務教育未修了者の就学機会の確保に重要な役割を果たしている夜間中学について、「その設置を促進する。」と明記されたわけです。 そして、今回の調査結果の取りまとめ公表後の今月十二日、下村大臣は記者会見で、外国籍の人が八割ということですが、グローバル化の進展によって、母国での義務教育が未修了の外国人等の入学者が増加してきた結果、現在のような在籍状況になってきたと考えております。そもそも小中学校段階の教育は、各個人の能力を伸ばしつつ、社会において自立的に生きる基礎を養うものであり、国際人権規約においても、全ての者にその機会を与えることが求められているところであります。文科省としては、国際人権規約等を踏まえれば、学齢を超過した外国人であっても母国での義務教育が未修了である場合には、できる限り同様の機会を確保していくことが必要であると考えており、夜間中学はそのために重要な役割を果たしていくものと認識しておりますとコメントをされました。 そこで、きょうは、外国人の教育問題という観点から、夜間中学についてお尋ねをしたいと思います。 昨年五月に実施されました中学校夜間学級等に関する実態調査の目的は、中学校夜間学級の設置ニーズ、設置に係る検討状況、詳細な実態等について調査を行って、今後の支援また設置促進に向けた施策の検討に資するためというふうにされているわけです。 公立の中学校夜間学級、いわゆる夜間中学校の生徒の属性や入学理由から見ますと、きょうお配りした資料の一ですけれども、千八百四十九人のうち義務教育未修了者は三百四十四人、一八・六%で、外国人等が千五百五人、八一・四%です。 また、自主夜間中学・識字講座等の参加者の構成を見ますと、資料の二ですが、七千四百二十二名のうち、義務教育未修了者と、不登校児童生徒と、不登校等により義務教育を十分に受けられなかった義務教育修了者、いわゆる形式卒業者と呼ばれる方々ですけれども、合計で六百九十三名、九・三%で、外国人が四千四百三十四名、五九・七%でありました。 公立の中学校夜間学級の生徒の実に八割、自主夜間中学校等の参加者の六割が外国人であります。 では、中学校夜間学級の潜在的なニーズとも言える外国籍の子供、すなわち本国の中学校あるいは九年の教育課程を修了しておらず、かつ日本の中学校の学齢を超えている外国籍の子供がいるということになるわけなんですが、そうした子供たちが日本に現在どれぐらいいるのか、把握しているのでしょうか。また、おおよそ、その子供たちの在留資格は何なのか、承知していらっしゃるでしょうか。
○小松政府参考人 お答えを申し上げます。 先ほど委員から御紹介のありましたようなデータ等を今回集めたわけでございますけれども、お尋ねの、外国籍で、本国で中学校等、日本でいう義務教育を修了しておらず、かつ日本の中学校の学齢を超えている方々という形での調査をいたしておりませんので、その人数は私ども不明でございます。 在留資格につきましても、国勢調査で在留資格等については通常把握いたしますが、御指摘の部分につきましては調査項目に含まれておりませんので、把握ができておりません。 なお、直近の国勢調査でございます平成二十二年の国勢調査では、未就学者が、これは外国人だけではございませんけれども、約十三万人おられます。この中で外国籍の方が七千九百四十八人でございます。それで、学齢超過というのは、もちろんお年寄りの方まで全て入るわけでございますが、例えば十代、十五歳から十九歳といったようなところで見ますと、二百十九人となっております。 この方々が本国で中学校を修了しておられるかどうかは不明でございますけれども、おおむねそういった数字の中にお尋ねの方々が入ってくるかというふうに推測するところでございます。
○郡委員 外国人に対して税金を使うのかとか、公的な支援拡充に対して消極的な見方もあるんだろうというふうに思いますが、だからこそ、であればこそ、理解を得るためにも実態の把握が必要なのではないだろうかというふうに思うわけです。 ところで、こうした子供たちは日本の公立中学校に通うことはできるのでしょうか。
○小松政府参考人 お答えいたします。 日本の義務教育に当たる九年の教育課程を修了していない外国人児童生徒についてのお尋ねと受けとめましたけれども、そうした外国人児童生徒、お子さんにつきましては、学齢を超過している場合でも、希望に応じて就学することが可能となっております。保護者の方に対する就学義務は課されておりませんけれども、希望に応じて、就学することは可能な形となっております。 都道府県教育委員会あるいは市町村教育委員会の判断によりまして、学校の収容能力や指導体制、あるいは施設設備等の状況を勘案して、公立の義務教育諸学校に受け入れが行われているという状況でございます。
○郡委員 文科省は、受け入れを柔軟に行うことができるように各地の教育委員会に対応を求めているわけですけれども、今御答弁があったように、市町村の判断に任せられているわけです。それで、前日述べました、子供たちが昼間の公立中学校に受け入れられていない、もしくは居住する自治体によって対応がばらばらになっているということを許しているんだと思います。 学校の収容能力や、ほかの生徒への影響、本人の意欲や能力等について、あらかじめ確認、考慮することを勧めていますけれども、想定とは違って、実際は、学齢を超えているという理由で断られているということも聞いているところであります。 こういった子供たちが、日本における義務教育を実際には受けられずに、高校に進学をしようとしても受験資格がないという問題が生じているというふうに認識をいたします。 中学校夜間学級等に関する実態調査でも、外国籍の生徒の夜間学級への入学理由、これを見ていただきたいんですが、ごめんなさい、きょうは資料に付しておりませんでしたけれども、日本語会話が三一%、読み書き能力二八%、中学校教育修了一七%に次いで、中学校の学力を身につけたいが一〇%、高校に入学するためが九%となっておりました。 公立学校への外国人の受け入れを促進するには、学齢主義に立たず、受け入れ学年や受け入れ時期について、外国人の出身国の教育制度を勘案しながら、当事者並びに保護者の意向を聞いて柔軟に対応することが必要ではなかろうかと思うところです。 文科省は、平成十九年以降、公立学校における帰国・外国人児童生徒等の受け入れ体制、支援体制づくりを推進する委託事業を実施いたしまして、平成二十三年度から、補助事業として、公立学校における帰国・外国人児童生徒に対するきめ細かな支援事業に取り組み、昨年度からは、日本語指導を実施する特別の教育課程を開始されました。学齢を盾にした門前払いは、きめ細かな支援事業の獲得目標や、前提となる自治体の外国人生徒受け入れ体制とそごがあるんじゃないでしょうか。 市町村の教育委員会及び公立学校の現場での対応のあり方について、学校の収容能力、その他の受け入れ体制の不備などの障壁を取り払う支援、これを充実しつつ是正していくべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○丹羽副大臣 お答えさせていただきます。 義務教育未修了で学齢を超過している外国人児童生徒でも、希望に応じて就学するということは可能でございます。 文部科学省といたしまして、義務教育未修了の外国人児童生徒の教育の機会の確保はとても大事なこと、重要なことだと考えております。就学を希望する場合には、義務教育を受ける機会を逸することがないように、周知を行っております。 また、先ほど委員おっしゃられたように、外国籍の子供の受け入れの体制整備も、もちろんこれは非常に重要なことでございまして、教員定数の加配措置やサポートスタッフの配置、また、公立学校における帰国・外国人児童生徒に対するきめ細かな支援事業による自治体への補助等、支援を行わさせていただいております。 今後とも、これらの施策の充実にしっかりと努めていきたいと考えております。
○郡委員 ぜひお願いをしたいと思います。 外国において九年の教育課程を修了していない、学齢を超過した外国人の子供で、昼間の公立中学校の受け入れを断られた子供たちが日本の高校受験を希望する場合ですけれども、またあるいは、その準備のために学習言語としての日本語を習得しようとする場合どうすればいいのか。我が国にはどのような選択肢が用意されているんでしょうか。
○丹羽副大臣 お答えさせていただきます。 夜間中学校等、現在約千五百人の外国籍生徒が学んでおり、このうち、主たる入学理由を高等学校に入学するためとしている方が外国籍生徒全体の約一割の百三十七名というふうになっております。日本語が話せるようになるためとしている方が約三割の四百六十二人というふうになっておりまして、卒業後の進路につきまして、平成二十五年度、外国籍の卒業者二百二十三人中九十四人の方が高校に進学しているなど、夜間中学が外国籍生徒の高校入学のための選択肢として一定の役割を果たしていることは明らかになっております。 さらに、文部科学省としては、定住外国人の子供の就学促進事業、また、高校入学を目指した日本語学習等を支援する取り組みを民間団体に委託して行うというのも可能といたしておりまして、団体の支援を受けるという選択肢もあるというところでございます。
○郡委員 二百二十三人中九十四人が高校入学を果たしたということを御報告いただきましたけれども、日本における外国人学校を卒業するという手法もあるわけですね。 ですが、実はこれも地域ごとにばらつきがございまして、必ずしも中等教育課程を修了したからといって日本の公立高校への受験資格が得られるわけではございません。 また、中学校卒業程度認定試験がありますけれども、これは、日本に来て間もない外国の子供さんたちにとっては大変高い壁になっています。 そこで、現実的な受け皿として重要になっているのが、先ほど副大臣もお話しになられましたけれども、夜間中学ではないかと私も思っているところです。 報道発表されました中学校夜間学級等に関する実態調査の結果では、初めての調査ということで、過去に比べてこの数字がどういうふうに推移してきたのかということは比較することはできないわけですけれども、参考までに、日本語指導が必要な外国籍児童生徒数の傾向を見てみますと、二年前の調査と比べて二千百八十五人、八・一%増加して、学校数としては三百七十三校、六・五%増加しておりました。 学齢を超過した義務教育未修了の日本に来て間もない外国人の子供たちにとって、夜間中学というのは非常に重要な位置づけになっているんじゃないかというふうに思います。 外国人の子供たち、若者が高校に進学をして、そして、ちゃんと将来仕事について社会から排除されないようにしていくということ、これは、とても大切なこと、共生社会を確立していく上でも重要なことだというふうに私自身思っています。 それでは、全国にそういった子供たちの受け皿となる夜間中学はどれぐらいあるかといいますと、御承知のように、偏在をしているわけですね。中学校夜間学級等に関する実態調査の結果、八都府県二十五市区において三十一校でございます。日本語の指導が必要な子供たちが散在している現実とはやはりかけ離れているように思われます。 五月十九日、文科省の調査では、自主夜間中学・識字講座など、県別取り組み件数も明らかになっています。これも資料につけましたけれども、資料の三、夜間中学を設置していない市区町村が九九%。そして、資料の四というふうになるわけですけれども、夜間中学の設置の予定がない理由は何だというふうに思われますでしょうか。
○小松政府参考人 お答え申し上げます。 今回行いました実態調査によりますと、これは千七百三十八の全ての市区町村を対象にしたものでございますが、二十五市区町村で夜間中学を設置しているということでございますので、御指摘のように一%ということになりますが、「国の動向を踏まえて検討したい」という回答をされたところが、市区町村にしまして四百二十、二四%ぐらいになります。それから、「現時点では検討の予定がない」と御回答された市区町村が千二百九十二市区町村、七四%という結果でございます。 この検討の予定が現時点ではないと回答された市区町村に理由を尋ねましたところ、まず、九割ぐらいが要望・ニーズがないということでございましたが、施設・予算の調達が難しい、あるいは近隣の自治体に夜間学級が設置されている、識字教室その他の事業でニーズに応えているというような回答もあったところでございます。こうしたところが実情かと理解いたしております。
○郡委員 夜間学級を設置している市町村のおよそ七割に対して、県内のほかの市町村からの入学の可否の問い合わせというのが半年に一回以上あるようです。また、ほかの府県からも、およそ三割の市町村が問い合わせを受けているということで、財政その他の負担が生じる夜間学級の設置に自治体が慎重になるという側面もあるだろうし、また、ほかの県やほかの市町村に在住する子供や外国人の受け入れということについて、何といっても自治体住民の合意、それからまた納税者の理解というのが不可欠になってくると思います。 外国人材の受け入れ、活用という国家戦略との関連などを含めて、夜間学級の必要性を丁寧に説明して、財政支援を初め、都道府県に一校設置に向けた国としての取り組みの姿勢を示し、都道府県の協力と市町村との連携をつくり出していくことが必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。
○丹羽副大臣 お答えさせていただきます。 今回行わさせていただきました実態調査の結果、夜間中学校に在籍する生徒の約八割が外国籍の方々でございまして、夜間中学校が外国人の方々に教育の機会を保障するための重要な役割を果たしていることが明らかになってまいりました。 また、今後の夜間中学校においては、戦後の混乱の中で義務教育を修了しないまま学齢を超過した方々に加え、不登校等のためにほとんど学校に通えないまま中学校を卒業した方々や、昼間の学校に通うことができない不登校生徒に教育機会を提供していくという役割も期待されると考えております。少なくとも都道府県に一つは夜間中学校を設置する必要があるというふうにも考えております。 このため、文部科学省におきましても、平成二十七年度の予算において、広報活動を強化するとともに、未設置の都道府県において、区域内の市町村にも参加してもらいながら、設置に向けた検討を行っていくための必要な経費を計上いたしております。 国、都道府県、市町村が連携協力して、夜間学級の設置が促進されるような取り組みを加速させていきたいと思います。
○郡委員 他方で、自主夜間中学・識字講座の全国的な実態についても明らかになったわけです。自主夜間中学というのは、文科省によりますと、市民ボランティアなどの有志が中心となって、外国人や義務教育未修了者などに基礎教育などを施すことを目的とし、社会教育施設などで自主的に運営する組織でございます。自主夜間中学・識字講座などは、より多くの都道府県、市区町村で行われております。 公立の夜間中学の設置数が最も多い大阪でも七十三件の自主夜間中学がございますし、東京都でも四十三件、奈良県で二十六件、神奈川で十八件。多くの市区町村の公立中学校に夜間学級が設置されていない三重県や長野県、徳島県、埼玉県、栃木県などでも、自主夜間中学が行われているということです。 私たちの地域では夜間中学のニーズがないと多くの市区町村が答えているわけですけれども、必ずしもそうではないわけでして、日本人の形式卒業者を含め、掘り起こせばニーズはかなり大きくなるもの、そういうふうに思っています。国の方針として、公的支援策、そしてまた先駆的な取り組みを進めてきた団体などへの支援、また、今後の体制の拡充を図るべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○丹羽副大臣 お答えさせていただきます。 郡先生おっしゃるとおり、やはり夜間の学級とかボランティアによるそういった取り組みにおいては、これはまさに夜間中学校の設置に対する潜在的なニーズのあらわれというふうに考えております。 予算事業も活用しながら、都道府県教育委員会や市町村教育委員会における設置に向けた検討を積極的に支援していきたいというふうに思っておりますし、自主夜間中学校に対する支援につきましては、実態調査の結果から、市町村によっては、施設の提供や教材の提供、指導者の派遣などの支援策が講じられていることも実態として明らかになっております。 国といたしまして、こうした市町村におけるすぐれた取り組み事例を広く提供するとともに、目的や対象に応じて、定住外国人の子供の就学促進事業や、生活者としての外国人のための日本語教育事業など、外国人に対する日本語教育の充実につながる各種事業も活用しながら、必要な支援を行っていきたいと考えております。
○郡委員 私もぜひ応援をさせていただきたいというふうに思います。 質問を終わります。
○福井委員長 次に、鈴木義弘君。
○鈴木(義)委員 維新の党、鈴木義弘です。 先週に引き続きまして、質問させていただきたいと思います。 先週も時間がなくて、質問が途中になってしまったところをちょっとおさらいさせていただければと思っています。 今、公立学校、まあ小中学校だと思いますが、生徒の中に、特別支援学校に通っていない子供さんの中でも、知的障害児というジャンルのくくりじゃなくても、知的のおくれだとか、自閉傾向が強いとか、LDだとか、アスペルガー等の軽度発達障害児の疑いのある生徒さんが増加傾向にあるというお話を現場で聞くんですね。それに対する対応が今どうなっているのか、まずお尋ねしたいと思います。
○下村国務大臣 知的障害や発達障害等によりまして特別支援教育の対象となる児童生徒は、近年、御指摘のように全体としては増加傾向にあります。 文科省としては、障害のある子供の自立と社会参加を見据え、その教育的ニーズに的確に応えた指導ができるよう、通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校といった連続性のある多様な学びの場の整備に取り組むことによりまして、インクルーシブ教育システムの構築に向けた特別支援教育の充実に取り組むことがさらに必要だと考えております。 また、通常の学級における発達障害のある児童生徒の学習活動等を支援するため、特別支援教育支援員の配置に係る地方財政措置等を行っておりまして、その配置実績は、最近の五年間で約一万二千人増加し、一・四倍にふえております。 なお、全国学力・学習状況調査の実施に当たっては、各学校の判断によりまして、児童生徒の障害の種類や程度に応じて、調査期間の延長、また、別室による実施など、配慮を行うことも可能としているところであります。
○鈴木(義)委員 先週、学力テストのことをお尋ねしたと思うんですけれども、今大臣から御答弁をいただいた生徒さんたちも学力テストを受けているんだと思うんですけれども、間違いないんでしょうか。
○小松政府参考人 ただいまのような措置をとりまして、各学校において、そうしたお子さんたちについても受けていただくようにいたしております。 なお、こうした障害を持つお子さんに限りませんけれども、もとより当日の体調等によって受けられないお子さんが出るということは別途あり得るところでございます。全体の仕組みとしては、そういった方たちにも受けていただくようなシステムで受験が行われているところでございます。
○鈴木(義)委員 先週も、学力テストの結果をどういうふうに現場に反映させていくかというお尋ねをさせていただいたと思うんです。 それと、今のお尋ねをした中で、それは普通学級に通っている中での話なんですけれども、では、特別支援学校は今どういう状況になっているか。 現場の先生のお話を伺う機会があったんですけれども、現場の声の中では、高等部、高校生の位置づけだと思うんですけれども、生徒の障害の程度が軽くなってきているんじゃないかという、これは感覚の話なんです。なぜかといえば、データをとっていない、こういう話なんですね。 今みたいな、増加傾向にあるんだといっても、なかなかこれは、人権の問題だとかプライバシーの問題だとかあるのは承知するんですけれども、ある程度やはりきちっと統計をとっていく中で、それに基づく教員の加配だとか予算措置だとか、そういったものも考えていかなければならないんだと思うんです。 そこで、統計をきちっとおとりになっているのか、なっていないのか、今の時点で。
○小松政府参考人 特別支援学校の高等部でございますが、これにつきましては、学校教育法施行令に、障害の種類及び障害の程度に該当する生徒さんに対する教育を行うということが定まっております。それに基づいて各学校で入学をさせておりますので、そこまではわかっているわけでございます。 それで、今おっしゃられました、程度が軽くなっているのではないかという見方もあるということでございますが、今おっしゃられましたプライバシーの問題や、あるいは学校負担の問題等を考えまして、在籍生徒を今の法令による分類よりさらに詳細に、細かく調査を統計的に行うということは困難かなと思っておりますので、引き続き、一人一人の障害の程度や教育的なニーズに応じた教育を行う、そういった方向で進めていくことが大事だと思います。 私どもといたしましても、近年、特に就労に力を入れるということから、特別支援学校の高等部において、障害の程度の中でも比較的軽度の生徒さんが在籍する傾向があるのではないかといった見方があることは承知をいたしておりますが、本来の趣旨にのっとって、適切に受け入れが行われていくということに努めたいというふうに思っております。
○鈴木(義)委員 今、なぜそういうデータをきちっとおとりになった方がいいかというお話なんですけれども、これも現場の先生の話なんだと思うんです。 小さいころから、親がさまざまな機関、昔と違って今はいろいろな相談の窓口が多岐にわたっていますから、自分の子供はこうなんじゃないか、ああなんじゃないかというのを相談することによって、障害の程度が軽くなってきているんじゃないかというのもあるんです。 ただ、感覚的なものですから、きちっとデータをとっていない現状の中で、何を申し上げたいかといったときに、発達障害児になるかならないかというのは、二歳が一つの限界値じゃないかというふうに言われているわけですね。それまでの間の訓練を、教育、医療も含めてですけれども、それをきちっと施すことによって、一〇〇%までは健常者と同じような能力は回復できなくても、六割、七割までいくんじゃないかという、これもまだ全然そのデータがないんです。それで、早い段階で子供の障害に対応していれば重症にならないんじゃないかという考え方なんです。 だから、現場の状況把握とデータの蓄積をすることによって、これは文科省だけではないと思うんですね、厚労省とも連携しなくちゃいけないんだと。私は、県会議員の経験もありますけれども、県会でも同じことを教育局の場でも質問しました。連携しますと言うんだけれども、連携しないんですよ、今まで。頑張りますと。でも、その後、連携したからこうなりましたという話はほとんど聞いたことがないんですね。 だから、もうそろそろ、きちっとデータもとりながら、それは、プライバシーには配慮すればいいと思うんです。でも、今の社会の状況の中で、子供たちがどういうところに位置づけられているのかというのをきちっとやはり把握して初めて対応ができるし、そこで得られた情報を次の子育ての人たちにフィードバックしていくというのが大事なことなんですけれども、どこも縦割り行政になっているからやっていないんですね。 それを、現場に任せるとか都道府県教委に任せるとか、こういう話になってしまうんですけれども、そこの人たちも、引き継ぐか何かで現場の先生方があうんの呼吸で引き継いでいるだけの話で、都道府県教委で聞いても市町村教委で聞いても、データを持ち合わせていない、こういう話なんですけれども、それに対しての対応策なり今後の見通しみたいなものがあれば教えていただきたいと思います。
○下村国務大臣 これは非常に難しい問題がありまして、鈴木委員は埼玉県の県会議員も経験されていますから、そういう経験の中からの話だと思います。埼玉県の教育委員会は、そういう二歳児に対しても、発達障害等の傾向があれば、その子に応じた教育をフォローすることによって改善することができるというような、保育所と組んで研究をされているということも聞いております。 実はそれを、かつて、親学推進議員連盟というのをつくって、私が事務局長をして、埼玉県の所長の経験を私のブログで書いたところ、炎上したことがありまして、それは医学的には証明されていないと、発達障害の父母の会の方々から相当な抗議を受けました。これは、ある意味では脳の先天的な損傷による部分もあるので、その後の教育訓練で改善するということであれば、親の教育がきちっとされていないという親に対する批判かというような抗議を受けて、炎上したことがありました。 これはなかなか医学的に定説がまだはっきり決まっていないところがありますので、そういう、埼玉県におけるその経験則にのっとったことについては私もお聞きして、それはそれでそういう効果が出ているというのもお聞きしましたが、それが、我が国における全体的な発達障害における医学的な視点からまだ証明されていないというところも事実でございまして、その辺が十二分に進んでいないというところがございます。 それから、親の立場からすれば、自分の子供が何らかの障害があるというのは認めたくないというところも気持ち的にはあります。ですから、実際、小学校に入っても、低学年までは実はわからないんですね。ちょっと変わった子だというふうに家庭でも学校でも見られている。しかし、実際に三年生や四年生になったときに、ちょっと変わった子だけではもう済まないいろいろな事象が出てきて、そこで医学的に調べてみると、何らかの学習障害であったりとか、ADHDであったりとか、アスペルガーであったりとかいうことが初めてわかるという部分もあって、なかなか二歳や三歳の時点でそこまで専門的に診てもらう、あるいはまた、診てもらうだけの子供もそこまでの症状が出ていませんから、よくわからないという部分があるという部分が今までの経緯だというふうに思います。 しかし、できるだけこれから、一人一人のある意味ではそれも個性ですから、それを一人一人必ずしもマイナス的なところを指摘するんじゃなくて、逆にそれを生かしながら、どう伸ばすかという意味での対応教育という視点から、今後、発達障害等いろいろな子供に対して適切な指導をすることによって、逆に、ほかの子が持っていないような極めてすぐれた能力を持っている子がそういう中にも結構いるんですね。そういう子供たちに対する個別的な教育を、それぞれの発達段階に応じてどうきめ細かく対応できるかということがこれから問われていると思いますし、文部科学省はそういう視点からしっかり力を入れていく。 そのためにも、今までの延長線上じゃない教員の確保ということが必要になってくるということを財務省の方にも詳しく説明していきたいと思います。
○鈴木(義)委員 ありがとうございます。 今、大分、脳科学の解明がなされてきていますから、発達障害の関係も、すぐにその全部がわかるわけじゃないんですけれども、脳のどこの部分で記憶がつかさどられているかというのも、だんだんわかるようになってきていますし、いろいろな研究がされていると思うんですね。そこは、研究の場所だけで終わってしまうんじゃなくて、それをいかに教育現場にフィードバックさせていくかという、そこのシステムなんだと思うんです。 ですから、埼玉でいいやり方があったから、ではそれはやったけれども、大臣がおっしゃられたように、いや、そうじゃないという方々もいらっしゃるというんですけれども、でも、知見を少しずつでも積み上げていって、感情論じゃなくて、きちっと、なかなかそこは難しいところはあるんですけれども、やはり、年々年々、研究成果というのは上がっていくわけですから、それに基づいた教育の仕方というのを少しずつ見直していくべきだと思うんですよね。 それには、だから研究開発も大事だろうし、データもきちっととらせていただくというふうにやらなければ、やはりいつまでたってもそこのところは払拭できないんだと思うんです。 例えばアメリカなんかは、これは日本とは全然異質なんでしょうけれども、アメリカは、所得に応じてどういう子供の育ち方をするかとか、きちっとやはり、そこのところは理解度が広いというのか深いというのかわかりませんけれども、日本では難しいだろうなというような調査研究をしたりしますよね。そこの研究データをもって、日本もそうじゃないかと過去にやっているわけです。 例えば米国では、低年齢で厳しくして、また予算をきちっとつけて教育を施した人の犯罪の発生率だとか、所得の高低を追跡調査した結果を目にしているんです。日本ではこれはなかなか難しいと思うんです。 でも、日本の教育界の指針を出すときに、アメリカで、一部で研究開発されたデータに基づいて、日本もそれを取り入れて制度化しているものもあるはずなんです。なぜ日本でやらないのかということなんです。やれないからやらない。でも、外国でとったデータをもとにして日本でそれを制度化しているんですよね。 例えば、三つ子の魂百までもというのは結局神話だというふうに言われた根拠にしているのは、アメリカだったと思うんですけれども、そのデータをもとにして、そうだろうということで今日の教育のありようになっているんだと思うんです。 そこのところが、やはり好ましいことではないかもしれません、まだ日本の中では受け入れられないかもしれないんですけれども、例えば不登校や、適応指導教室に通う児童や生徒の個人の状況だとか、家庭環境だとか、やはりそれはきちっと調査をした中で、もしその子供さんが、障害児とまではいかなくても、先ほど申し上げたように、おくれがあるようなものであれば、幼児期の中から教育のプログラムをきちっとしていくとかというような形で、その子にその時点からスタートしても、なかなかこれは難しいかもしれませんけれども、その後に続く子供にフィードバックさせていくことをやはりしていった方がいいんじゃないかと思うんですけれども、その辺についての御所見をお尋ねしたいと思います。
○下村国務大臣 アメリカといっても、別に国がやっているわけではなく、御指摘のように、ペリー就学前計画というのがあります。これは、発達障害とかそういうことじゃなくて、幼児教育の三年間をしたグループと、しなかったグループ、これはアメリカのミシガン州において一九六〇年代から、低所得層アフリカ系アメリカ人の三歳児、これを分けて、その後四十年、今もやっているそうですから、五十年によっての追跡調査をしているというデータがあります。これは物すごく参考になると思います。 幼児教育、就学前ですから、わずか三年間でしょうけれども、三年間きちっとしたかしないかによって、その後の四十年後、収入も相当な違いが出てくる。あるいは、特にそういう低所得者層のエリアですから特別なのかもしれませんが、四十歳までに逮捕歴が五回以上あるかないかで違いが出てくるとか、それから、高校卒業者数の率も違う。また、十四歳での基本的な到達度も違う。こういう調査は、四十年以上かけて追跡調査をしている。学問的な視点だと思います。 日本においても、今、東京大学にお願いしてこのような調査をすることにいたしましたが、三十年、四十年先の話に結果としてはなってくるかと思いますが、そういう学術的な研究については、ぜひそういう関係の機関や大学等にお願いしながら、分析をしていきたいと思います。 先ほどのようなペリー就学前計画は、別にアメリカだけの特別な事例ではなくて、我が国でも同じようなことがやはり言えると思いますから、幼児教育に対してきちっと公的支援を入れることによって、ちゃんとした教育をするということが結果的には将来におけるそういう社会的なコストの削減にもつながるというようなことというのは、ぜひ、我が国の今後、教育政策や財源論の中でも、このペリー就学前計画については貴重なデータとして活用させていただきたいと思っておりますが、そういう国内外のいろいろな学術的な研究等を活用しながら、より教育改善に向けて取り組んでまいりたいと思います。
○鈴木(義)委員 ありがとうございます。 私が埼玉県議会議員でいたときに、毎回毎回、毎年、四十人学級を解消しろとか三十五人学級を解消しろと、こういう請願が出てくるわけですね。私たちが育ったころは一学級四十八人ぐらいいました。今平均値だと、二十四、五人か、もうちょっと低いぐらいだったと思います、一学級、一クラス当たりですね。 そうすると、では、毎回毎回その人数を下げていくといったときに、きちっとデータに基づいた根拠があるんだったらそれを示した方がいいんじゃないかというふうに尋ねたら、四年かけて埼玉大学と共同研究をしてデータを蓄積しました。四十人、三十五人、三十人、二十五人、二十人とか、ほとんどそのぐらいの今の一クラス当たりの単価でいったら、学力の差がほとんどなかったとかですね。 そういった、やはり、きちっとある程度、学術的というところまでいくかどうかわかりませんけれども、根拠に基づいたデータの裏づけがあって施策を遂行していった方が、何となく情緒的にやるとか、今までの習慣的なもので物事を進めていくんじゃないやり方を取り入れていった方がいいんじゃないかという考え方なんです。 今、不登校というのが大分解消されてきて、まだまだゼロにはなっていないんですけれども、これも、学校や家庭、教育委員会などがスクラムを組んで取り組んだ結果、不登校の生徒が減少しているデータを目にするんですけれども、これは各関係者の不断の努力の結果がそういう状況になっているんですけれども、不登校の範疇にカウントをしない、適応指導教室に通っている子供がいるんだそうです。これが年々増加している。不登校の扱いになっていない。適応指導教室、ジャンルを分けただけなんです。これも、平成二十四年度のデータで小中合わせて一万四千人、全国で通っているんだそうです。 これらの生徒も、通常の学校に通っている子供と同じように、ある程度の、六年間やれば小学校を卒業するし、三年間中学へ通ってくれば、この適応指導教室に通う子供さんも進級したり卒業させているのかどうか、ちょっと確認したいんですけれども。
○小松政府参考人 不登校児童生徒数に占める適応指導教室に通う児童生徒数の割合、これは先ほど実数で約一万四千と御指摘がございましたけれども、そのとおりでございまして、ここのところ、大体、近年一一%台から一二%台ということで推移をいたしております。 この場合の不登校児童生徒というのは、年度間に連続または断続して三十日以上の欠席があったお子さんたちのうち、何らかの心理的、情緒的あるいは身体的、社会的な要因、背景によって登校しない、あるいはしたくともできないという状況にある者としております。 したがいまして、かなり幅があるわけでございますけれども、その当該児童生徒の進級及び卒業については、学校長の判断で、一人一人を見て行っていくということになっております。 ただ、私どもとして認識しております限りでは、不登校ということが理由で進級または卒業させなかったという例は余り聞いておりません。一人一人の状況を見て判断をしているということだと認識しております。
○鈴木(義)委員 ある一定の年齢が来て、しようがないよなということで卒業させちゃう。社会に出ていくわけですよね。その人たちが自立できるかどうかは別にして、親なのか身内の人か第三者が見てくれているうちはいいんでしょうけれども、ひとり立ちしていかざるを得ない時期というのは必ず来ると思うんです。 そのときに、小中学校の、義務教育のレベルの教育もきちっと受けられないというんですか、習得できていないで卒業して、はい、さようならというので本当にいいのかと思うんですけれども、その辺はどう考えていきますか。
○下村国務大臣 これは国民的な議論が必要だと思いますね。 今おっしゃっているのは、例えば小学校六年とか中学三年、特に義務教育が終わったときに、一定の修学達成能力があるかどうかによって例えば留年させるとか卒業させない、そういうことをおっしゃっておられるわけですよね、鈴木委員が今御質問されているのは。ということでありますが、そういう国もあります。 我が国においては、義務教育段階で留年なり落第をさせて、一定の学力水準を達成していなければ義務教育卒業とは言わない、言えないということは、これは差別につながるという視点から、義務教育の九年間がたてば、実際は不登校の子供であっても卒業、学校に行っていなくてもですね、それが実態であるわけです。それに対する危惧があるわけですね。 そして、先ほど郡委員から御質問がありましたが、そういう子供たちの中には、その後、中学を卒業した後の話ですけれども、夜間中学校に入り直して学びたいという子供もいるわけです。 ですから、義務教育卒業段階で、そういうような一定の検定試験的な形で落第をさせるかどうか、つまりクリアしなかったらというようなことは、今後の国民的な議論だというふうに思います。今、文部科学省ではそういうことは考えておりません。 しかし、できるだけ、これは超党派の議連で、不登校の子供が小中学生で十二万人を超えていますけれども、そういう子供をほっておくということじゃなくて、そういう不登校の子供に対して何らかの学習機会を提供するような、そういう法律改正等を議連の皆さんと考えながら、文部科学省として、フリースクールや、あるいは不登校の子供たちに対する、よりチャンス、可能性を提供できるような、もちろん学力も含めて、そのフォローアップをしっかりしてまいりたいと思います。
○鈴木(義)委員 ぜひお願いしたいと思うんですけれども、結局、日本人の意識の中で、同級生と、一年先に生まれただけで先輩、一年おくれて生まれてきただけで後輩、これがもう本当に、エベレスト以上、日本海溝以上、深くて高いんです。その意識を変えない限り、今大臣がおっしゃったことは改善していかないと思います。 個人のための教育だというふうに片や建前で言いながらも、年代で切っていくわけです。だから、十二歳だったらこうならなくちゃいけない、十五歳だったらこうだとか、十八ならこう、二十二ならこうだとか、そういう価値観を変えない限りはこの問題の解決にはなっていかないと思うんですけれども、そこを誰がやっていくかといったら、やはり教育現場しか今のところ思い当たらないんですね。 社会に出てからといったって、学校現場でそういうふうに育てられちゃっているにもかかわらず、いいことなんですよ、先輩、後輩をきちっと、縦社会というのはいいんですけれども、それが余りにも強過ぎる。あなた何年生まれ、私は三十七年生まれですけれども、大臣はもっと先輩だと思うんですけれども、先輩ですよねと。一つ上でも先輩なんです。面倒を見てくれるくれないは別にしても。それが現実の世の中じゃないですか。学校教育の中はそれが顕著に出てきます。 そこの意識を変えない限りは、やはり問題の解決にならない。何のために教育をやっているのか、前々回にもお尋ねしたかもしれませんけれども、そこになっていくような気がします。 次に、もう時間がないので。 今、学校の教員の先生が、これも現場で聞いた話です。新任の女性の教員が学校現場でどういう状況だったかは、そこまでは聞き取りしているわけじゃないんですけれども、ある教員の親御さんが校長先生に、うちの娘が泣いているんだけれども、校長先生、あんたの指導が足らないんじゃないかと言いに来るんだそうですよ、現場の教員の先生の親が。ちょっと昔では考えられない時代になっちゃったんですね。でも教員なんです。 その子が自分で努力を最終的にはしていかなくちゃいけないと思うんですけれども、でも、選考の仕方が悪いのか、教員免許を取る実習のときにきちっと教育がされていないのか、どこかに、今の試験というんですかね、選考の仕方にちょっとやはりふぐあいが出てきちゃっているんだと思うんです。だから、現場に出されて、自分の価値観とは違う動き方をする子供がいたりしたときに対応できないからパニクって親に相談したら、校長先生に、あんたの指導が悪いんだ、こういうふうになっちゃうんです。 これを繰り返していたら、いろいろな問題を抱えている学校現場では、やはりいい方向には向いていかないと思うんですけれども、最後に御答弁いただいて、終わりにしたいと思います。
○下村国務大臣 もう時間が過ぎていますので、いろいろとお話ししたいところですが、簡単に申し上げたいと思うんです。 私のところにも、子供が教員だという親から同様の話を聞くんですよ。ですから、これは採用試験とかそういう問題よりは、我が国の今の親子関係における、そういう意識の問題等があると思います。 モンスターペアレントという話がよくありますけれども、親が子離れしていない、子供が親離れしていないという日本のそういう構造上の問題もあって、必ずしも採用試験の問題だけではない、もっと本質的な問題があるのではないかと私自身は思っているところであります。
○鈴木(義)委員 ありがとうございました。
○福井委員長 次に、畑野君枝君。
○畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。 中学校の夜間学級、いわゆる夜間中学について質問いたします。 このたび、文部科学省が夜間中学の実態調査を初めて実施しました。私が夜間中学について国会で初めて質問したのは二〇〇三年のことでした。この間の国会で、各委員の皆さんによって議論がされてまいりました。 文部科学省による夜間中学の実態調査の結果、具体的にはどのようなニーズが明らかになったのでしょうか。伺います。
○小松政府参考人 お答え申し上げます。 今回の実態調査におきましては、まず、夜間中学未設置の相当数の道県において、設置を求める要望が多く出されているということが明らかになっております。 それから、ボランティア等により運営される、いわゆる自主夜間中学や識字教室に通っている方々がこれも相当数存在しているということ、さらに、その中には、不登校等によって十分な教育を受けないまま、しかし中学校は卒業した、いわゆる形式卒業者の方々も含まれていること、既に夜間中学が設置されている自治体においても、ほかの自治体の在住者の方からの入学の問い合わせがあること、こうしたことがわかってきておりますので、私どもといたしましては、夜間中学の設置に関しまして、一定のニーズの存在がこういう形で明らかになったものと受けとめております。
○畑野委員 文部科学省として初めての調査で夜間中学のニーズが明らかになったということは大事だと思うんです。 夜間中学のある卒業生の方が次のように言っているんですけれども、私は、夜間中学に入って勉強できたことはとても幸せに思います。本当に学びの原点というのが伝わってくる言葉だというふうに思います。 文部科学省は、昨年から、全都道府県への夜間中学設置の方針をとるようになりました。現在、八都府県、三十一校あるというお話もございます。自治体によりましては、夜間中学入学の対象者は、市内在住者あるいは市内で働いている在勤者というところもあります。今後、残る三十九道県に夜間中学が開設されるということになりますが、日本全国どこに住んでいても夜間中学に入学できる道が開かれるとは言えない状況になりかねないのではないかというふうに思っております。もちろん、都道府県で一校では十分ではありませんし、今、夜間中学がある都府県でさらに設置を広げる必要が出てくるところもあるでしょう。 そこで、下村文部科学大臣に伺います。 文部科学省は、当面、各都道府県に一校の夜間中学設置を進めるというときに、あわせて、夜間中学が設置されている自治体の要望も聞いていただいて、そこでの対象者の受け入れの改善を図る必要があると思いますけれども、いかがでしょうか。
○下村国務大臣 夜間中学への入学に関しては、設置主体である市、区の在住者や在勤者に限られているという御指摘がありましたが、一方で、同じ都道府県内の在住者や在勤者に入学を認めている例も結構あります。 文科省としては、御指摘のように、各都道府県に少なくとも一つの夜間中学を設置したいと思っておりまして、教育機会の確保を図ることが重要であると考えます。就学希望者は、夜間中学が設置されていない自治体にも当然、各県一つですから、それの方が多くなるということになってまいりますので、設置自治体と未設置自治体との間で経費面や広報面も含めた役割分担や連携を行う必要が、御指摘のようにあると思います。 このため、平成二十七年度予算に盛り込んでいるモデル事業を活用して、未設置道県における設置に向けた取り組みを進める中で、県も含めた自治体間の役割分担を検討していただくことによって、どこに住んでいても、できるだけ近くの夜間中学に通えるような環境整備に努めてまいりたいと思います。
○畑野委員 その点では、ぜひ国としても、財政的な支援も含めて進めていただきたいと思うんです。 そこで、先ほど、調査の結果がありましたけれども、大臣に確認なんですけれども、このニーズがあるということ、それはもう今度の調査ではっきりしたということを大臣からもお聞きしたいんですが、御確認させていただいてよろしいですか。
○下村国務大臣 先ほど、不登校の子がそのまま中学を卒業しているということに対して、もう一度勉強したいのであればぜひ勉強できるような機会をつくるというのは、これは当然あるべき話だと思いますし、今回の調査で私が驚いたのは、外国人の方が八割、夜間中学に通っている。先ほど郡委員からも御質問がありましたが。 これは、その一人一人の外国人の人だけでなく、我が国における社会的なコストを考えれば、それは、日本に住んでいる全ての人は、教育におけるチャンス、可能性を提供することによってより能力を高める、それが就職にもつながるし、また、それが経済発展にもつながるということを考えれば、できるだけ夜間中学のニーズに対してはしっかりとした対応をとっていくということが、個々の方々の希望者だけでなく、国にとっても大変重要なことだというふうに認識しております。
○畑野委員 そして、各都道府県に一校以上の夜間中学設置を進めた場合に、遠距離、遠いところから通学する生徒にとっては通学費が重い負担になると思います。また、修学旅行などの経済的な負担も出てくると思うんです。 現行の制度では、学齢を超えた人については就学援助が適用されないということで、その改善、少なくとも就学援助に類する経済的支援が必要になってくるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○小松政府参考人 私どもの考え方について御説明を申し上げたいと思いますが、まず、国におきましては、経済的理由によって就学困難な学齢生徒の保護者に学用品を給与する等の就学援助を行うこれは市町村がありました場合に、要保護者に係る経費の一部を補助するという仕組みをとっております。 次に、夜間中学校に通う学齢を超過した方への支援につきまして見ますと、これは各地方公共団体において、さまざまでございますけれども、地域の実情等を踏まえて対応がなされているところでございまして、この中には、通学費等を含めた就学援助が実施されている例もございます。 そこで、文部科学省といたしましては、夜間中学の設置を促進するという考え方でございますので、平成二十七年度予算において、この未設置のところにつきまして、地域の実態や具体の学習ニーズに即して、設置に向けた課題やその解消策を検討するための調査研究に係る経費を措置したところでございます。 御指摘の点につきましては、各県最低一つの夜間中学を設置していくという考えに立って、まず、その設置市町村における就学援助の対応状況、それから未設置道県における検討状況、これらを把握いたしまして、どういう対応が必要か、できるか、これを検討してまいりたいというふうに考えております。
○畑野委員 下村大臣からも、ニーズに応えたいということですので、今後も、ぜひ現場の声を聞いていただいて進めていただきたいと思います。 次に、新国立競技場問題について伺います。 東京オリンピック・パラリンピックについては、簡素で無理のない取り組みを求める多くの国民や都民の皆さんの声をしっかり聞いていただいて、準備を進める必要があると思います。 メーン会場となる新国立競技場の建設計画を見直す方針について、下村文部科学大臣は五月十八日にそのことを明らかにいたしました。国民や都民については、説明も公表もされないで、議論もされないで済むというのは私は問題があると思いますので、下村文部科学大臣に伺います。 新国立競技場の建設計画の変更について、その事実関係はどのようになっているのか、そして、今後これをどういうふうに進めていくのか、説明を求めます。
○下村国務大臣 国立競技場の整備につきましては、独立行政法人日本スポーツ振興センター、JSCにおきまして、昨年八月から実施設計を行っているところでございます。 その中で、設計者側から、二〇一九年春に竣工させるためには、整備内容の一部について工夫、見直しを行う必要があるとの意見が出されたという報告を受けております。 政府としては、ラグビーワールドカップそれからオリンピック・パラリンピックを開催をする二〇一九年春の竣工が、これはもう必須である。この設計者の方の話ですと、二〇一九年の春に間に合わないということになってきているということだったものですから、その話を受けて、これはもうJSCだけでは対応は難しいということで文科省にも相談が来ましたので、その結果、開閉式遮音装置、これは国立競技場の天井部分でありますが、なぜ開閉式遮音装置をつけるのかというのは、オリンピック・パラリンピックが終わった後、ここを文化活動、コンサートもできるような会場として使用する。今までは、騒音問題がありましたので年に一度程度しか開催できませんでした。これがあいていれば、いつでも活用するためには、開閉式の遮音装置をつける必要がある。しかし、これはオリンピック・パラリンピックやラグビーワールドカップで必要なものではないので、この工事だけで二、三カ月はかかる、それが二〇一九年の春竣工に間に合わない理由の一つだということを設計者側から言ってまいりましたので、このことについては、オリンピック・パラリンピック大会閉幕後に施工するということを決定をさせていただきました。 それから可動席、これも、終わった後、九万席全部は必要ありませんので、これを仮設化することによって、終わった後、一部可動席の削減等も検討している。そのことによって、設計者側からすると、二〇一九年の春の竣工には間に合うということでありますので、間に合うことを前提で今話し合いをしております。 このことについては、最終的にはJSCと施工予定者との間において契約手続を行うこととなりますが、その前提となる整備方針については、速やかに検討を進めていくことによって、この工事着工は十月予定でありますので、その十月の工事予定には間に合うように、工事契約締結それからこの手続等しっかりしながら、随時、説明責任を果たしてまいりたいと思います。
○畑野委員 ぜひ、随時、説明責任を果たしていただきたいと思います。 一九六四年の東京オリンピックの象徴とも言える国立競技場は、いろいろな意見がある中で解体されました。 最後に伺いたいのは、国立競技場記念作品である壁画十三作品はどのように保存されるのか、伺います。
○久保政府参考人 国立競技場敷地内に設置されております壁画等の記念作品につきましては、全ての作品が新しい国立競技場の敷地内に保存できるよう一時保存することを昨年決定したところでございますけれども、特に壁画につきましては、作品の大きさが数メートル四方となりますので、どういう保存場所があるのかということを検討してまいりまして、この三月末までに、新競技場の建物内及び外壁での保存の可能性の検討を行ってまいりまして、保存の可能性がある場所は七カ所程度あることが判明したところでございます。 今後、具体的にどういう形で保存するかという検討を進めていくことになるところでございますけれども、文科省としても、全ての記念作品が国立競技場敷地内に保存されることが望ましいという観点から、いろいろ相談に乗ってまいりたいと考えております。
○畑野委員 時間が参りました。新国立競技場の問題については、福井委員長、引き続き、集中審議を含めて議論を進めていただきたいと思います。 そのことを言って、終わります。
○福井委員長 次に、吉川元君。
○吉川(元)委員 社会民主党の吉川元です。 本日は、理研の問題についてお聞きをしたいと思います。 当委員会で、以前、理研の改革の状況について大臣に認識をただしました。そこでは大臣は、改革に道筋がついた旨の評価を受けたことについても妥当なものと考えましたという答弁をされております。 確かに、外部委員でつくられた評価委員会、運営・改革モニタリング委員会というそうですが、の評価はそのようなものです。今回のモニタリング委員会の評価書は、理研自身が昨年八月に策定をしたアクションプランに基づく理研の取り組みに関する事項について、達成状況、見直すべき事項の答申と承知をしております。 他方、六月十二日に、昨年ですが、外部有識者、これは、理研改革推進本部のもとにつくられた研究不正再発防止のための委員会が提言書を出しております。 そこでまず、この提言書はどのように位置づけられ、アクションプランとはどのような関係にあるのかを尋ねます。
○有信参考人 お答えいたします。 東京大学名誉教授の岸輝雄先生を委員長とする研究不正再発防止のための改革委員会というのは、研究不正を抑止するため、研究所の体制、規定、運用等について研究所外部の視点で課題を抽出いただき、改善を行うということを目的として、理化学研究所として設置をさせていただいたものであります。 理化学研究所は、同委員会の提言書の内容を真摯に受けとめ、理事長を本部長とする研究不正再発防止改革推進本部において、組織運営の抜本的な改革に向けて、具体的な取り組みについて検討を進めてきております。 検討に当たっては、提言書の内容に沿って実効的かつ有効な再発防止策を、「研究不正再発防止をはじめとする高い規範の再生のためのアクションプラン」、いわゆるアクションプランでありますが、として取りまとめ、平成二十六年八月二十七日に公表をしております。 このアクションプランに沿って理化学研究所は社会のための理研改革を目指し、社会の信頼に応えるべく、再発防止対策を初めとする理研改革に取り組んでいるところであります。
○吉川(元)委員 アクションプランに記載されているように、また、今答弁にあったとおり、理研としては、この提言書を真摯に受けとめ、アクションプランを策定したということだというふうに思います。 私は、この提言書、かなり充実した内容だろう、これからの研究不正を防止するために考え得る方策、また、それが理研の特性に合わせた方策について網羅されているのではないかというふうに思います。 私がきょう尋ねたいのは、実はこのアクションプランの方ですけれども、幾つかの点で提言書と違う印象を持ちます。そこで今回は、主に研究不正の防止の面に限り、幾つかの点について尋ねたいというふうに思います。 まず、提言書では、研究不正に取り組む組織体制として研究公正推進本部の設置がうたわれており、アクションプランでそれに該当するのは研究コンプライアンス本部ということでよろしいのかというのが一点目。 それから、研究コンプライアンス本部というのはどういった方が入っておられるのか。提言書では、公正な研究活動推進のために、内部の人物とはしがらみのない人材を採用するようにというふうになっておりますけれども、この点はどうなっているのか。 余り時間がないので、簡潔にお願いいたします。
○有信参考人 お答えいたします。 最初の御質問に関しては、研究公正推進本部は研究コンプライアンス本部が該当するとお考えいただいて結構です。 それから、二番目の御質問に関しては、研究コンプライアンス本部の本部長は、コンプライアンス担当理事である私が務めております。私は民間企業の出身でありまして、また、大学での監事の経験もあります。企業における研究開発や経営監査の経験、あるいは大学での監査の経験を踏まえて、できる限り真摯にこの問題に取り組むことにしております。 また、ほかのメンバーについては、研究に精通した者や研究倫理に詳しい者等、さまざまなバックグラウンドを持った人たちにメンバーになってもらっておりまして、研修や教育等を通じてさらに人材の育成に努めているところであります。
○吉川(元)委員 本部長は結構なんですが、その他のメンバーの方についても、内部としがらみのない方ということでよろしいんでしょうか。
○有信参考人 その他のコンプライアンス本部のメンバーについては、理化学研究所内のさまざまな部署との連携、協調が必要でありますので、メンバーは理化学研究所の職員を充てております。
○吉川(元)委員 追加で質問したいところでありますが、次に移ります。 提言書では、公正推進本部、研究コンプライアンス本部ということでありますけれども、役割として四つ挙げております。信頼性の高い研究遂行に必要なルールと体制づくり、その実行のモニタリング、信頼性の高い研究活動推進のための教育、研究不正への対応及び原因究明、そして四番目として、研究不正の再発防止策の策定及び実行です。 アクションプランを見ますと、この研究コンプライアンス本部の役割としては、各部署に対し、研究不正防止のための規定の整備やその遵守に向けた取り組みについて直接指示する権限を付与したというふうに書いておりますけれども、この提言書で言う四つの役割については全て果たしているというふうに認識していいのかどうか。尋ねます。
○有信参考人 お答えいたします。 今の四つの点に関しては、全てこの役割を果たすように研究コンプライアンス本部が規定されております。
○吉川(元)委員 次に、提言書にあった研究不正についての通報窓口、これを外部の独立した機関に置くとなっている部分がアクションプランの中では該当するところが見当たりませんでした。この点、どういうふうになっているのかをお聞かせください。
○有信参考人 お答えいたします。 既に理化学研究所では、外部の弁護士等に依頼して内部通報窓口を設けております。この通報窓口によって、研究所内部の干渉を受けることなく、内部通報が可能になっております。 しかも、この内容については、それぞれ、研修や毎月発表される社内広報で周知徹底を図っております。
○吉川(元)委員 わざわざあるものをなぜ提言書が改めて書いたのかというのはまだちょっと不思議に思いますし、同時に、外部に内部から通報する独立した機関というものが非常に重要だということを提言書は指摘をしております。 その理由として、理研職員が報復を受けることを恐れることなく研究不正行為を通報できる、特に、理研の特性、つまり任期制職員が全体の八割を占めていることを取り上げて、その身分が不安定であることから、行動を起こすとリスクが伴うという特殊性から外部独立というふうにしたと提言書の方では書かれております。 既にあるということであれば、しっかりこの観点を踏まえた上で、この提言書に言われていることをそれこそ真摯に受けとめて、そうした形できちんと広報も含めてやっていただきたいというふうに思います。 次に、モニタリング委員会について尋ねます。 モニタリング委員会、提言書が設置を求めているのは理化学研究所調査・改革監視委員会、これにまず当たると考えてよいのかというのが一つ目、それから二つ目として、提言書の方では改革監視委員会の使命として三つ挙げておりまして、一つ目はSTAP問題に関するものなので結構です。それから二つ目も、改革の実行のモニタリングですね、これも結構です。 問題は、三つ目の、先ほど言いました通報窓口を含む研究公正推進本部、アクションプランでは研究コンプライアンス本部となっておりますけれども、その業務をモニタリングする、これはもうこの先ずっとやるんだ、一時的ではなくてずっと見ていくんだということでその使命が書かれています。この三番がどうなっているのかという点、恒常的な組織なのかどうかも含めて。 そして最後なんですけれども、提言書では、この組織は監視委員会として設置すべしというふうになっておりますけれども、アクションプランでは諮問委員会というふうになっております。これはどういうことなのか、簡潔にお答えください。
○有信参考人 お答えいたします。 最初の点に関して、継続的にモニタリングを行うべきであるということにつきましては、実際、日常的には、監事監査や新たに設置した監事・監査室による内部監査を進めることによって研究コンプライアンス本部の内部監査が行われ、その監査結果をモニタリング委員会に報告することによって、具体的な監査の正当性、妥当性が検証される、こういう構造になっております。 それから、諮問委員会か監視委員会かということでありますが、基本的には、諮問内容は継続的にモニタリングをお願いするという諮問になっておりますので、内容的には一致していると理解をしております。
○吉川(元)委員 諮問と監視というのはやはり違うと思うんです。だからこそ監視委員会というふうに提言書の方では言っているんだろうと思います。諮問委員会は、これは当然、諮問されたことだけに答えるのが主な任務です。もちろん、その諮問の内容によって同じような機能を果たすことも可能ですけれども、やはり委員会の組織の性格からすると、やや違うのではないかというふうに思います。 提言書が監視委員会を設けるべしとしたのは、STAP問題の背景に、みずからの問題点に自覚的でない理研のガバナンスのあり方がある、あるいは、理研が提言に基づいた改革を十分実行しないのではないかとの危惧を感じるということを提言書は指摘をしております。だからこその監視であり、諮問委員会の運用の仕方では同じことができるかもわかりませんけれども、ややこの面でも後退をしている。また、恒常的に見るのは内部の監査であるということについても、やはり私は疑問を少し持たざるを得ません。 次に、データについてお聞きをいたします。 研究不正の多くは、やはりデータの捏造、あるいはクッキング、トリミングと言われるものから端を発しております。その際、やはり生の実験データをきちんと記録、管理されて、必要に応じて確認できるようにすれば、それで全ての不正が防げるわけではありませんが、少なくとも、その温床は小さくなっていくんだろうと思います。 提言書の方では、具体的な取り組みとして、実験データの記録、管理を実行する具体的なシステムの構築、普及を掲げて、研究公正推進本部のもとでの方針の策定、それから、各研究組織ごとのルールの策定とその明示、それから、横浜事業所の取り組みもモデルにしながら、研究員が規制強化になったりタスクの増加を伴わない、意識せずとも望ましいデータ管理の条件が満たされる仕組みの構築、それから、公正推進本部がモニタリングすること、そして、理研本体としてデータの管理、記録に関するシステムを構築し、データを一元的に保存、管理するシステムをつくるということを提言しております。 これに対してアクションプランでは、研究公正推進本部に当たるコンプライアンス本部というのが出てこないということ、それからデータ管理については、あくまで公表した研究成果についてのバックアップシステムということで、やや制限がかかっているのではないかという気がいたします。さらに、一元的な保存についてはなじまないものもあるというふうにそのアクションプランでは書かれております。 少し違うところがあるように感じるんですが、この点はいかがでしょう。
○有信参考人 お答えいたします。 さまざまな観点からの御質問ですが、まず、提言書を踏まえて私どもは研究記録管理規程を制定し、センター長、研究室主宰者、あるいは研究者の研究記録にかかわる責務を規定しております。 あわせて、科学研究上の不正行為の防止等に関する規程を改正して、研究倫理教育責任者がセンター内の研究記録管理にかかわる手続の履行状況を確認するという、重層的な確認構造をとっております。 それから、研究コンプライアンス本部長が兼務する、私が兼務をしております研究倫理教育統括責任者が研究記録管理等の取り組み状況を点検し、必要に応じて是正できる、こういう体制になっております。 それから、一元的に管理するシステムに関しましては、さまざまな研究分野ごとにデータ管理のあり方が違いますので、この内容を踏まえた上で、一元的な管理を進めるべく検討を進めているところであります。
○吉川(元)委員 もう時間がありませんので、最後に一つお尋ねしたいと思います。 データの管理については、非常に重要な問題だということで、これを提言書の中で二回にわたって触れられております。しっかりとその体制をつくっていただきたいと思います。 本来であれば、理事の指名諮問委員会を設けろ、あるいは、二人以上の研究担当理事を配置して、一人は生命科学担当理事にすべきであるというようなことが提言書の中では書かれております。 時間がありませんので、採用に関してだけお聞きいたします。 今回、提言書の中では書かれておりませんが、原因の分析の中で一番最初に取り上げているのが、今回のPIの採用のあり方であります。資質や実績を評価してというよりも、成果が魅力的で、iPS細胞を凌駕する画期的な成果を獲得したいとの強い動機、研究成果獲得を第一義として、通常の採用プロセスの手順をことごとく省略、画期的な成果獲得の前には、ふさわしい者を選考するための必要な手順をいともたやすく省略してしまう、これが理研の問題なんだというふうに指摘をされています。 大変厳しい書かれ方ですけれども、この指摘に対して理研はどのように受けとめておられるんでしょうか。
○有信参考人 お答えいたします。 改革委員会の提言については、採用手続の明確化、それから、ふさわしい者を精査する選考の実効性の向上、それから、研究室運営の経験の少ない者に対する配慮ということが提言をされたと理解をしております。 これを踏まえて昨年十二月に研究室主宰者採用にかかわるガイドラインを制定し、公募、委員会において選定することを原則とするなどの採用手順を明確にし、選考委員会の設置、選考過程にかかわる記録の保管の義務づけなどのルールを定めるとともに、研究運営経験が少ない者に対してはメンターを配置する等の配慮を進めるということで、このガイドラインに沿って公正な選考が進められていると理解しています。
○吉川(元)委員 もう時間が来ましたので終わりますけれども、そういう取り組みについては一定評価はいたしますが、提言書が指摘しているのは、成果主義のもとでそういう必要なプロセスを一気に省いてしまうというところに問題がある。三月の新聞の記事を読みますと、当時の理事が、今回のSTAP細胞の採用のあり方については特に異様とは思っていないというふうなことも言われております。しっかりこの点を踏まえた上で今後の取り組みを進めていただきたいと思います。 本来であれば大臣にもお聞きしたかったんですけれども、これはまた次回、文科省の方については尋ねたいと思います。 以上で終わります。 ————◇—————
○福井委員長 次に、内閣提出、学校教育法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。下村文部科学大臣。 ————————————— 学校教育法等の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○下村国務大臣 このたび政府から提出いたしました学校教育法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 我が国が将来にわたり成長、発展を続け、一人一人の豊かな人生を実現するためには、子供の発達や学習者の意欲、能力等に応じた教育を実現することが急務です。 この法律案は、そうした教育の実現に資するよう、学校教育制度の多様化及び弾力化を推進するため、小中一貫教育を実施することを目的とする義務教育学校の制度を設けるとともに、高等学校等の専攻科の修了者について、大学に編入学できる制度を創設するものであります。 次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。 第一に、新しい学校種としての義務教育学校の創設についてであります。 義務教育学校は、心身の発達に応じて、義務教育として行われる普通教育を基礎的なものから一貫して施すことを目的とし、義務教育学校における教育は、この目的を実現するため、義務教育として行われる普通教育の目標を達成するよう行われるものとしております。修業年限は九年とし、前期課程及び後期課程に区分するほか、就学義務、設置義務の履行等について必要な規定を設けることとしております。 第二に、義務教育学校の制度化に係る行財政措置についてであります。 公立の義務教育学校に関する教職員定数の算定、教職員給与費及び施設費等に係る国庫負担については、現行の小学校及び中学校と同様の措置を講ずることとするとともに、義務教育学校の教員については、小学校の教員の免許状及び中学校の教員の免許状を有する者でなければならないこととしております。 第三に、高等学校等の専攻科修了者の大学への編入学についてであります。 高等学校等の専攻科のうち文部科学大臣の定める基準を満たすものを修了した者は、大学に編入学できることとしております。 このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
○福井委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○福井委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本案審査のため、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○福井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次回は、来る二十二日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時七分散会