厚生労働委員会 第32号
- 発言数
- 206 件
- 登壇者
- 31 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2015/07/31
会議録
○渡辺委員長 これより会議を開きます。 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官岩渕豊君、内閣府大臣官房審議官中島誠君、子ども・子育て本部審議官小野田壮君、法務省大臣官房審議官金子修君、文部科学省大臣官房審議官佐野太君、初等中等教育局長小松親次郎君、厚生労働省大臣官房総括審議官宮野甚一君、大臣官房統計情報部長姉崎猛君、医政局長二川一男君、医薬食品局長神田裕二君、労働基準局長岡崎淳一君、労働基準局安全衛生部長土屋喜久君、職業安定局雇用開発部長広畑義久君、雇用均等・児童家庭局長安藤よし子君、社会・援護局障害保健福祉部長藤井康弘君、環境省大臣官房審議官早水輝好君、総合環境政策局環境保健部長北島智子君、原子力規制庁原子力規制部長櫻田道夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○渡辺委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。足立康史君。
○足立委員 おはようございます。維新の党の足立康史でございます。 きょうは、大臣が参議院本会議でお時間が入っているということで、いつもよりちょっと早く始まっています。順番も、いつも私は民主党の委員の方の後ですので大体民主党の方の話題から入るんですが、きょうはトップバッターということで話題を振りませんが、しっかり質疑をしてまいりたいと思います。 おとつい、社会福祉法人の話をいたしました。そのときに、私たちが政権入りをした暁には法人制度をしっかり抜本的に見直していきたい、こう申し上げましたが、同じく政権入りをしたらということで言うと、少子化対策を絶対やりたいなというふうにずっと考えてきております。 そうした意味で、きょうは一般質疑ということでお時間を頂戴しましたので、まず前半は少子化対策、それから後半は薬の問題を若干取り扱わせていただきたいと思います。 まず、少子化対策ということで、きのう、いわゆる質問要旨をお出しして厚生労働省の方と御相談をしたら、ちょっと私も認識不足でありまして、私の用意しました問いのほとんどは、内閣府であります、こういうことになりまして、きょうは大臣にあるいは厚生労働省に振らせていただいている問いがほとんどありません。のんびりとお聞きをいただいたらいいと思います。 内閣府からは小野田審議官においでをいただきまして、ありがとうございます。本来、内閣委員会で取り扱うべきテーマかもしれませんが、そういう経緯で御容赦をいただきたいと思います。 少子化問題はいろいろな切り口があるわけでありますが、私は最近いろいろな文献を読んでいまして、少子化の問題とそれから戸籍ですね。端的に言うと、少子化ですから子供さんの問題。子供の問題を考えるときに、やはり嫡出子、非嫡出子という問題がある。日本ではいわゆる婚外子が非常に少ないということで、フランスなんかと比べるとその典型でありますが、この問題を取り上げた文献がございました。そういうものを読ませていただいて若干事前に勉強させていただいても、結構タブーなのかもしれませんが、なかなかこういう議論が国会でなされていないということのようです。 タブーに挑戦するのが私のモットーでありますので、ひるまずに。ただ、私は、このテーマについて特段のポジションを、今、質問させていただくに当たって持っているわけではありません。むしろ、そういう議論がマスコミ等の世界では若干あるので、この委員会でも取り上げて確認をしておきたい、こういう趣旨であります。 まず、そうした意味で、内閣府の方に、そういう日本独特の登録制度である戸籍の問題、戸籍という制度が、少子化というか、結婚とかあるいはその結婚に引き続くところの出産、そうした問題に影響があると考えているのかどうなのか。その辺をちょっと、もし御見解があられましたら御紹介いただきたいと思います。
○小野田政府参考人 お答え申し上げます。 非常に難しい課題だと思ってございますが、実は内閣府におきましては、本年三月に、政府として少子化対策に総合的に取り組むための少子化社会対策大綱を策定したところでございます。 これは最終的に閣議決定させていただいているところでございますが、その策定過程におきましては、有識者から成る検討会も設けた次第でございますけれども、今委員おっしゃられました少子化と戸籍の関係について特段の議論がなされたということはないというふうに承知してございますので、そういう観点から、今この段階で内閣府として、その関係につきましてこうだという見解を申し上げるのはなかなか困難だというふうに認識しております。 ただ、いずれにしましても、大綱に基づきまして、総合的な少子化対策をしっかりと取り組みを進めてまいりたいというふうには思ってございます。
○足立委員 まさに今御答弁いただきましたように、きのう私も事前に多少、質問要旨をお出しする過程で事務的にもやりとりをさせていただきましたが、いわゆる行政サイドからはほとんどコメントをいただけないんですね。 普通、仮に大綱に書いてなくても、森羅万象を扱う霞が関は何らかの見解を大体伺うことができるテーマがあって、例えば、ここでも取り上げたことがありますが、終末期医療などのテーマでも、これは大変難しいテーマなので政治が主導して議論をしてきているところでありますが、政府においても一定の見解をお述べいただけるわけです。 今、内閣府としては、大綱に書いてないんだ、こういう御答弁でありますが、大綱に書いてないということは、すなわち、そこについての見識、見解はない、こういうことですか。ちょっと確認までに。
○小野田政府参考人 お答え申し上げます。 大綱には書いてないということで、それ以上でもそれ以下でもないということでございます。
○足立委員 いや、だから、見解はないんでしょうか。余りここでがちがち詰めるつもりは全くないんですが、結構これは大事な問題だと思っていて、大綱に書いてないというのは事実ですね。それは事実です。だから、事実は紹介していただいていいんですが、書いてないのは、何らかの見識があって書いてないのか、そもそも見識自体を持つつもりがないのか。
○小野田政府参考人 お答えいたします。 閣議決定しました大綱には触れていないということでございますので、少なくともその大綱の推進という中においては、戸籍を扱うということは対象には入っていないということでございます。
○足立委員 まあ、わかったようなわからないような、わからないですね。 これは、事務方とやりとりさせていただいても、きょうは厚生労働委員会なのでここにいる政治家は厚生労働省の政治家でありますので、内閣府の大臣とか政務がきょうはいないので、済みませんね、呼べばよかったんですが、役人ではなかなか答えられませんという感じだったんです、きのうも。 先ほど、大臣、のんびり聞いておいてくださいと申し上げたんですけれども、せっかくの機会ですので。いや、大臣でなくてもいいんですが、これは通告を、きのう厚生労働省のお役人の方に、せっかくだから厚生労働省の三役にも通告させてくださいと言ったら、いや、これは内閣府ですからといって拒まれまして、結局、通告はしないけれどもこの場で適当に振っちゃうかもしれないからよろしくね、こう言っておいたわけです。 大臣、まあ大臣じゃなくてもいいんですが、この少子化と戸籍の問題、もし御見識、俺はちょっと思うところがあるぞということであれば、ぜひお願いします。
○塩崎国務大臣 さっき足立先生からも触れられましたけれども、フランスの例がよく出るわけですね。婚外子ということがよく言われて、婚外子が多いフランスと少ない日本ということなんですが、これはまさに、結婚制度そのものをどう考えるかとか、あるいは男性と女性がパートナーとして一緒に暮らす暮らし方とか、そういうこととも深くかかわってくる問題で、戸籍と言うと何かすごくかた苦しい感じですけれども、それよりも前に、男性と女性の関係というのがあって、戸籍というのは要するに結婚制度の中の、正式な夫婦となってから子供をつくるかどうかというような問題だと思うんです。 フランスで多いというのは、それは別に結婚はしていないけれどもパートナーとして暮らしていて、そこで子供をつくって、それが普通の結婚に基づく子供と同じ扱いを相続等々で受けるということがあって、日本はそういうことについてどうしますかということは随分私たちも議論をしてきたつもりであります。 したがって、どちらかというと、実態をどう、何というか、本人の意思に従って一緒に暮らすということが抵抗なくできるようにするのかということの方が先なのかなというふうに思いますし、男性と女性の関係というものを社会の中がどう受け入れていくのかということにもかかわってきて、その実態が進まないと、戸籍をどうこうするということにはなかなかならないのかなというふうに思います。もちろん、どっちが先かという問題もありますけれども。 私は、どちらかというと、実態を、いろいろなパターンがあり得るというふうに社会が変わっていく方がいいのかな、そういう中で、子供の問題も自由な雰囲気の中で議論をし、その上で実際に行動に移すということになるのではないかというふうに思います。
○足立委員 ありがとうございます。 今、大臣の方からもフランスのお話を、私も申し上げましたが、きょうは法務省もお越しをいただいていて、ありがとうございます。 いわゆる戸籍とは言わないと思いますが、各国、登録制度があります。これは、大前研一さんが書いているものを読むと、三十年以上前にフランスとかスウェーデンも何か歴史的に昔からあったある種の登録制度を廃止したんだ、こういう御紹介をされている記事がありましたが、フランス等のそういう状況、ちょっと簡単に御紹介をいただければと思います。
○金子政府参考人 お答えいたします。 正式に調査したわけではございませんので、諸外国におけるいわゆる登録制度の状況について正確にお答えできません。 ただ、文献等によりますと、フランスにつきましては、出生証書を中心に、各種の身分関係が集中して記載されるある種の登録制度というものがあるというふうに承知しております。 もっとも、その詳細、あるいは今先生が御指摘になった三十年以上前にどのような改正をしたかということについては、把握しておりません。 また、同じく御指摘がございましたスウェーデンにつきましても、文献によれば、個人識別番号による登録制度があるようですけれども、その詳細、あるいは三十年以上前にどのような改正をしたかということにつきましては、把握してございません。
○足立委員 ということなんですね。だから、ぜひ皆さんも御認識をいただけたらと思うのは、内閣府であれ法務省であれ、余りよくわからないんですね。私の理解では、例えば保育園の問題について諸外国はどうなっていますかと言うと、雇児局が大体わかっていて御紹介をいただけるわけでありますが、この問題については、法務省さんも、きのうもちょっと議論したんですが、日本の戸籍の問題は我々がやっていますが、諸外国はわかりませんと。 これはまた立法府でもしっかり勉強していきたいと思いますが、私の印象は、思いのほか霞が関は見ていないというか、少なくともこういう切り口で議論したことがほとんどない、データもない、知識もないということのようでありまして、政権をとったらやる仕事がまた見つかったな、そういう印象をきのう、きょうと受けているところであります。 先ほど大臣から実態という話をちょっと御紹介いただきましたが、言葉がいいのかな、いわゆるできちゃった婚というのがありますね。 日本では、結婚届、婚姻届を出してから子供が生まれるまでの期間について、また大前さんが、これが今非常に短くなっているんだ、こういう御紹介をされています。わかりますか。結婚してから子供を産むまでの期間が短くなっているんだ、こう大前さんは書いているわけです。それはできちゃった婚がふえているからだと書いていらっしゃるわけでありますが、そういう統計が政府の中でわかれば御紹介ください。
○姉崎政府参考人 お答えをいたします。 私どもで実施をしております人口動態統計によりますと、今委員は結婚届を出してからという御質問でしたけれども、統計上、父母が結婚生活に入ってから第一子が生まれるまでの平均期間ということでございまして、比較可能な昭和四十九年からの推移ということで見てみますと、昭和四十九年には一・五二年だったんですけれども、徐々に延びまして、平成十七年に二・〇九年というふうに二年を超えまして、直近では、平成二十四年が二・三三年、二十五年が二・三七年ということで、徐々に長くなる傾向で推移をしております。
○足立委員 ということだそうで、要すれば、今おっしゃったのは結婚生活ですから、一緒に住んでいる、そういう実態としての結婚生活に入ってからお子さんを持たれるまでの期間は長くなっているんだという話なんです。 一方で、大前さんがおっしゃっているような、いわゆる……(発言する者あり)そうそう。これはおっしゃるとおりなんです。だから、ずっと生活をしています、実態として結婚生活をしています、それで子供ができたら婚姻届、結婚の届けを出す、こういうのが非常にふえている。 不妊とかそういうのもふえているというような議論があるとすれば、全体は長くなっているんです、今御紹介があったように。むしろ、極端にというか、大変大きな明確な傾向として、一緒に住んでいる、結婚生活を営んでいる期間は長くなっているんですね、子供がいらっしゃらない状況で。 一方で、できちゃった婚で、婚姻届を出すのはほとんど同時というようなことがどうも統計からは見受けられる。それはなぜかというと、やはり結婚制度であり、要すれば、子供ができたら、婚姻届を出そうと思うわけです。なぜ出そうと思うかというと、結婚の届けを出さないと婚外子になるからですね。それは問題じゃないですよ、問題じゃないけれども、恐らく婚外子として制度上の差ができるからなんですね。 それで、ちょっともう時間もなくなってきましたが、要すれば、今申し上げたような制度上の問題があるんじゃないかと私は思っているし、さらに言うと、第二子、第三子が生まれたときに、その負担、経済的な負担については議論がなされています。問題は、第二子、第三子については議論されていますが、そもそも結婚、出産という最初の入り口のところについて、制度的にどうなんだということがなかなか整理をされていないように思いますが、内閣府、どうでしょうか。
○小野田政府参考人 お答えいたします。 先生から今お話しいただきましたことにつきましては少し勉強もしてみたいと思いますが、先ほど申し上げました大綱の中では、まさに晩婚化、未婚化、それから夫婦が持つ子供の数の減少が少子化の大きな要因となっているという認識をさせていただいております。 そういう中で、その原因を見てみますと、どうしても、結婚資金がなかなか足りないとか、あるいは子育ての不安要素でも、経済的にやっていけるかということを男女とも答えられる割合が多うなってございます。 なので、大綱の中では、制度問題というよりも、そうした経済的負担の軽減という観点から、若い年齢で結婚、出産の希望が実現できる環境の整備を重点課題と挙げさせていただいております。そのもとで、若者の雇用の安定、高齢世代から若者世代への経済的支援を促進する仕組みの構築など、これをしっかりと図っていくというようなことで整理をさせていただいているところでございます。
○足立委員 ありがとうございました。 私は、きょうは制度問題を、制度問題というか、問題があるかどうかわかりませんが、制度にまつわる議論の入り口を取り扱わせていただきましたが、今御紹介があったように、経済的な負担。結婚し、第一子を産まれる、そして第二子、第三子、こういう議論の中でしっかりと、さっき申し上げたように、結婚と子供が実は日本ではリンクをしてしまっている、できちゃった婚を初めとして。それがリンクをしているというところは制度的な問題。それから、第一子、そして第二子、第三子の経済的負担。 これは、少子化対策に本当の意味で取り組むのであれば、子供を持たれることの負担感というのは、やはりもっともっと力を入れて政府として負担感を解消していく。それは、いわゆる格差問題という形での対応も必要でしょうけれども、むしろ、子育てに係る経済的な負担をそもそも国として下支えをしていくような施策が求められる、こういうふうに考えております。 通告はあと一つ、二つありますが、もう一つどうしてもきょうやっておきたいテーマがありますので、話題をかえさせていただきたいと思います。各省の方、ありがとうございます。 次に、薬の問題をちょっと、もう五分、六分しかございませんが。 私、ここで質問に立たせていただいて、大体抽象的な、あるいは演繹的な話をいつもさせていただきますが、きょうは一つ個別具体の話で、薬の有効期限の話であります。これはいわゆる医療費の問題とも絡んで、またマクロ的な議論もさせていただきたいと思いますが、きょうは内服製剤の有効期限についてであります。 これについて、まず、日本の状況と諸外国の状況、有効期限の表示の問題ですね、これは内外で差があるかないか、簡単で結構ですので御紹介ください。
○神田政府参考人 お答えいたします。 医薬品の有効期限につきましては、一定の期間品質が確保されるかどうかを確認する安定性試験に基づいて設定することとしておりまして、その安定性試験につきましては、日米EUの三極で構成されます医薬品規制調和国際会議の合意に基づいて定められております安定性試験ガイドラインに従って行うこととされておりますので、基本的に同じ考え方に基づいて実施をされている。したがって、有効期限の設定の考え方も、基本的には同じものであるということでございます。
○足立委員 まさに今御紹介をいただきましたように、これはとかしきワールドですが、済みません、席を立たれていますので振りませんが。 僕は、きのうも厚生省からいろいろ質問取りでおいでいただいたときに、皆さん薬剤師の方で、大変優秀な方々がたくさんいらっしゃって、維新の党の選挙にリクルートしようかなと思うような方もいらっしゃいましたが……(発言する者あり)済みません、余談であります。 三極でこういうルールが統一されているということでありますが、実態面では、日本ではいわゆるアルミピロー包装が使われています。でも、アメリカとかではほとんどこのアルミピロー包装は使用されていないために、実態としては、いわゆるシートの、PTP包装で試験等も実施をされていると承知しています。 そういう実態面、要は、制度的には一応統一しているよということでありますが、薬の包装の仕方、流通の仕方、あるいは処方の仕方について、日本とアメリカ、あるいはEUで相当違うということではないかと思いますが、そういうことでよろしいでしょうか。
○神田政府参考人 先ほど申し上げましたように、医薬品の有効期限の設定については、品質が変化しないかどうかという安定性試験に基づいて設定するということでございます。試験に当たりましては、実際に流通、保存される包装形態のもとで試験を実施するということにしております。 したがいまして、アメリカなど諸外国では箱出しのものが多いということはございますけれども、実態として、PTPで流通、保存されるものについてはPTP包装で安定性試験を実施する、それから、遮光保存ですとか防湿性が必要とされるような製剤の場合には、PTP包装にアルミピロー包装を加えた上で試験をする、ヒートシール包装などの場合にはそれで実施をするということで、実際の流通、保存される包装形態のもとで安定性試験を実施しているということでございます。 したがって、実態としての流通、保存形態が異なれば、実態としては、その試験の仕方も一定の範囲では異なっているかというふうに認識いたしております。
○足立委員 私がちょっと調べさせていただいたところでは、例えばアメリカでは、いわゆる瓶ですね。お詳しいかもしれませんね、先生。お医者さんもたくさんいらっしゃいますが、アメリカでは瓶で、相当長期というか、日本では二週間とかですが、もうちょっとまとまった形で患者さんに渡されることがあって、薬の瓶での処方がもう八割に上っているそうであります。 したがって、そういうケースの場合は、個別の薬というか、あるいは、きょうはお配りしていませんが、これはアメリカのいわゆるPTP包装の写真なんです。これは個別に、まあ見えませんが、個別に有効期限の日付が書いてあるんです、エクスパイアする。 結局、きょう私がこの問題を取り上げさせていただいたのは、日本では、箱とかあるいはアルミの包装とかに書いてあるが、薬局とか医療機関でそれをばらしていくと、患者さんのもとでは特にそうだし、薬局等でも、ばらして、箱から出して保存をしていると、こういう有効期限がそこに書いてないのでよくわからない。 そういう話をすると、いや、日本では医師が処方するので、とかしきさんがいろいろおっしゃりたいことがあるようでありますが、日本ではそういう問題があるので、例えば患者さんが自宅に持って帰って余っていたりすると、それはもう期限がわからないのでいろいろなことになる。ただ、それはお医者さんが処方しちゃったので、きのう聞くと、とにかく捨ててくださいということになっているんですが、医薬品の費用の問題、あるいは医療経済の問題からすると、この有効期限の表示の問題をもう少し考えられないかというような問題意識できょうは質問させていただきました。 時間が来ましたので、これはまた改めて次の一般質疑のときに、次の一般質疑までにぜひとかしき委員には時間を頂戴して、レクチャーをいただいた上でまた参上したいと思います。 ありがとうございました。
○渡辺委員長 次に、重徳和彦君。
○重徳委員 維新の党の重徳和彦です。 きょうは、テーマとして、一つは不妊治療におきます体外受精の問題、それからもう一つは発達障害の問題について、質問させていただきたいと思います。 まず、お手元に資料を配付させていただきましたけれども、つい三日前の新聞記事であります。 「匿名の第三者の卵子で体外受精」という記事があります。これは、不妊の夫婦の方には朗報であると同時に、法整備はめどが立っていない、こういう記事でございます。特に、見ず知らずの他人からの提供が判明したのは国内では初めてというような記事の内容になっております。 まず確認ですが、見ず知らずも含めて、他人から卵子をもらって体外受精をした例は、過去に我が国で何件ありますか。確認です。
○安藤政府参考人 お答え申し上げます。 親族や知人などの第三者の卵子提供による体外受精の件数につきましては、厚生労働省としては把握をしておりません。 一般社団法人日本生殖補助医療標準化機関、JISARTという団体によりますと、平成十九年から平成二十七年六月までにJISART倫理委員会の承認を得て実施された第三者の卵子提供による体外受精は五十五件であったというふうに聞いております。
○重徳委員 第三者からは五十五件ということですけれども、御承知のとおり、夫婦間の体外受精というものは年々ふえておりますね。万の単位で子供が誕生しているという事実があります。 それは別として、まず、ちょっとこれも確認なんですが、要は、他人の女性の方から卵子を採卵するという行為なんですけれども、これは技術的に医師の方しかできないと同時に、法的にも恐らく医師にしかできないということだと思います。ただ、病気とか、採卵を受ける方からすれば特段何も困っていない状況の方から採卵をするというこの行為は、法的にはどのように位置づけられているのかということについて御教示いただきたいと思います。
○安藤政府参考人 採卵は、女性の腹部に針を刺し入れて卵巣から卵子を採取することでございますので、その行為は、医師の医学的判断と技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼすおそれのある行為、医行為に当たりまして、反復継続する意思を持って行う場合には医業に当たるものと考えております。 刑法第三十五条におきましては、正当業務行為は罰しない旨規定されておりまして、医業につきましても、正当性が認められる限り刑法上の違法性が阻却されると解されるものでございます。 平成十五年の厚生科学審議会報告書におきまして、卵子提供の実施に当たっては、採卵に伴う身体的危険性を含め、卵子提供者に十分な説明をし、卵子提供者自身が正しく認識した上で同意することが必要であるとされているところでございますが、そのような説明と同意がなされておれば、その範囲で正当性が認められるものとして違法性が阻却されるものと考えております。
○重徳委員 一応、現行法上、体外受精、特に他人からの卵子提供を受けた体外受精というのは、法律上は位置づけられていないといいましょうか、そのための立法はなされていない状態でありますけれども、現行法を前提にすると、今局長が言われたような、説明の上同意があれば正当業務の範囲内ということなんだと思います。 今までのところ五十五件しか他者からの卵子提供による体外受精は行われていないということなんですけれども、やはりこの新聞記事にもありますように、幾つか法的な問題が起こり得るんじゃないかという指摘がなされておりまして、この点は厚労省におけます報告書でもこれまで検討された結果が記載されていると思うんですが、まず一つ、採卵によりまして提供者の体に何か問題が起きた例があるかどうか。それから、あったとしてもなかったとしても、その場合に補償などは一体どのように行われることになっているのでしょうか。
○安藤政府参考人 採卵によりまして提供者の身体に問題が起きた事例ということについては、厚生労働省においては承知をしておりません。 また、卵子提供者の身体に問題が起きた場合における例えば公的な補償制度については、現在整備されていないところでございます。
○重徳委員 つまり、法的あるいは公的な補償制度はないということでありますので、一応、刑法上どう位置づけられるか、あるいは、医行為という位置づけは現行法上もあるにしても、やはりあくまで民間の契約に基づいた卵子の提供でありますし、そこで何か提供者に問題が起こった場合には十分な法的担保がないという状況であると言わざるを得ないと思います。 今、安藤局長が言われた報告書も私は少し拝見しましたが、やはりその報告書の中でも、例えば排卵誘発剤の投与による副作用、採卵の際の卵巣、子宮等の損傷等により卵子の提供者自身が不妊症となるおそれがないとは言えない、だから提供者は、原則として既に子供がいる、つまり子供を産んだ経験のある方に限って提供をしてもらうべきであるというような指摘がこの報告書でもあるわけなんですよね。 もう一点、これも新聞記事に記載がありますが、子供の出自を知る権利がどうなのかという論点もまた法律上の課題としてあるわけです。 体外受精で生まれた子供が自身のアイデンティティーをどう捉えるかという問題、逆に提供者側のプライバシーの問題もあるし、子供にしろ提供者にしろ家族関係にいろいろな影響が出るというようなこともあって、ちょっと過去の議論をひもときますと、だから子供が出自を知る権利というものは少し制限するべきだという議論があったときもあるし、いや、逆に、それは大事なことだから、提供者も可能な限り、プライバシーの問題はあるにしても、ちゃんと同意の上で提供することを前提に、出自を知る権利というものを十分に認めるべきだとか、当然ながらもともといろいろな議論があるわけですから、それについて現時点で厚労省としてはどのようにお考えなのか、教えていただきたいと思います。
○安藤政府参考人 先生御指摘のとおり、生殖補助医療に係る問題についてはさまざまな議論があり、大変幅広い論点のある課題であるというふうに考えております。 生殖補助医療制度の整備に向けた検討を行いました平成十五年の厚生労働省厚生科学審議会報告書においては、出自を知る権利については、生殖補助医療により生まれた子であって十五歳以上の者は、卵子等提供者に関する情報のうち、提供者を特定できる情報の開示を請求することができるとされたところでございます。 また、親子関係につきましては、同じく平成十五年の法務省法制審議会の中間試案において、女性が卵子提供により子を懐胎、出産したときは、その出産した女性を子の母とするという民法特例の案が示されたと承知をしております。 しかしながら、これらの報告書の結論を踏まえた形での制度化にはいまだ至っていないところでございます。 現在、与党においても、出自を知る権利を初めとする生殖補助医療に関する国内の法的整備に向けた議論が行われているというふうに承知しておりますが、厚生労働省といたしましては、引き続き、国会での御議論も注視しながら、その動向を踏まえて対応していきたいというふうに考えております。
○重徳委員 いろいろと課題があって、過去の審議会においては一定の結論のようなものは出ているんだけれども、やはりこれは立法府であります国会の方での立法が、つまり議員立法として提出すべきではないかというような政府側の見解だというふうに受けとめました。 この点は本当に家族の根幹を定める非常に重要な点だと思いますので、本当に、政府の皆様方はもちろんですけれども、厚労委員、私が所属しております法務の委員の皆さん方を初め、議員立法に向けた取り組みというものがもっと必要ではないかということだと思います。非常に重い責任が今立法府に課せられていると認識しておりますので、政府の対応はもちろんですけれども、立法者としての議員各位にもこの点御理解をいただきながら取り組みを進めていきたいというふうに考えております。 第三者からの卵子提供については、今のような論点、議論があるということでありますが、私はこれまで、当選以来、子供が減っていくことに対して、やはり子供がふえていくような、増子化社会をつくろうというふうに申し上げてまいりました。子供を産みたい、育てたいと思える温かい地域社会づくりというものが急務であると思っております。 特に、子供をふやそうなんというと、何か、戦時中の産めよふやせよみたいな話かよなんということもちょっと古い方はおっしゃるんですが、事この問題については、子供が欲しくてしようがない、なのになかなかできないといって苦しまれている皆さん方のことでありますので、絶対にこれは政府として手を差し伸べる、もっともっと手厚い支援を行っていくべき分野だと私は考えております。 そこで、体外受精、これは他人からのではなくて夫婦間の体外受精、それから体外受精以外の人工授精、この二つについてそれぞれ今の現状を知りたいんですが、それぞれの件数、出産に至ったという成功率、それから費用、そして、保険は適用にならないと思いますが、公費の助成について、現状をお知らせいただきたいと思います。
○安藤政府参考人 お答え申し上げます。 日本産科婦人科学会によりますと、配偶者間の人工授精の件数については把握はされておりませんが、非配偶者間の人工授精は、平成二十四年で三千七百件実施されまして、出生に至った割合は三・二%となっております。 また、配偶者間の体外受精につきましては、平成二十四年で三十二万六千四百二十六件実施され、出生に至った割合は一一・二%とされております。 その費用につきましては、人工授精は一回当たり一万円から二万円前後と把握しております。また、配偶者間の体外受精につきましては、採卵から体外受精、胚移植までを行う場合、一回当たり三十万円から四十万円でありまして、御指摘のように、人工授精、体外受精とも保険適用はされていないところでございます。 厚生労働省におきましては、平成十六年度から、不妊治療の経済的負担の軽減を図るために、高額な医療費がかかる配偶者間の体外受精についてのみ、その費用の一部を助成する事業を実施しておりまして、対象年齢や助成回数の条件はございますけれども、体外受精一回当たり十五万円を助成することとしております。
○重徳委員 まず、今の局長の御答弁によりますと、一般の人工授精はその成功率が三・二%に対しまして、体外受精は一一・二%ということで、この数字だけ見ても体外受精が高いんですけれども、きょうお配りした資料の三枚目、資料三をごらんいただきますと、その一一・二%という数字の内訳が、この上の段に書いてあります。 新鮮胚を用いた治療、凍結胚を用いた治療、顕微授精を用いた治療、これを合わせて一一・二%ということなんですね。その中でも、出生児数が最も多い凍結胚を用いた治療では二二・三七%ということで、大分高いなという数字になっております。 そして、これも治療の延べ件数に対する出生児数ですから、恐らくこれは、同じ方が、一回目がだめでも二回目でうまくいったとか三回目でうまくいったということを勘案して、三回目でうまくいったということも含めて成功のケースだというふうに考えると、この率は非常に高いんじゃないかなというふうに思います。 それから、一枚戻りまして、資料の二をごらんいただきますと、それもやはり年齢によるんですよね。 これは、最近は高齢出産と言われる皆さんも多くて、そういう方の方がより妊娠ができなくて本当に苦しんでおられる、こういう現状がある。客観的に数字を見ても、この下の累積分娩率というものを見ますと、ちょっと薄くて見にくいかもしれませんが、一番上の三十四歳以下の場合には、三回、四回と試すうちに五〇%を超えるんですよね。それに対して、一番下の、低い一〇%ぐらいのラインが横ばいになっているのが四十歳以上の方の現状でありまして、これを見ても、年齢によって分娩に至る率というものは非常に高いということでございます。 実際、先ほどからの平成十五年の報告書を読んでいると、卵子の提供は、提供者の年齢要件を三十五歳未満とするというような記述もあります。やはり、これはもう一般によく言われている、早く結婚して早く出産した方が、子供が自然妊娠でもできやすいんだということが言われておりますが、体外受精においても、やはり若い卵子の方が妊娠しやすいということでございます。 なので、何が言いたいかといいますと、一般によく言われる、できるだけ早く結婚して子供を持とうよというのは、もちろん、全体的にそういう認識を若い方にも持っていただく、これは一般論としても大切なことだと思うんですが、体外受精であれば、例えば、そうはいっても三十代半ばを迎えたという方が三十五歳時点での卵子を複数凍結保存しておくということも可能でありますし、そういう意味で、この体外受精というものが、妊娠の確率を見ても出産の確率を見ても、余りに高いハードルになっていると、結局、子供を産みたいと思う人も何だかんだ言っているうちに時が過ぎて子供を持てなくなってしまうということもあるのではないか。このハードルというのはできるだけ下げていって、ただでさえ、もちろん精神的、肉体的苦痛もある中で、負担もある中で、経済的には、せめて政府からの支援というものをより手厚くするべきではないかというふうに思うわけであります。 そういうようなもろもろのことを含めてちょっと塩崎大臣の御見解を聞かせていただきたいんですけれども、今、政府も一定の支援をしておられると思いますが、果たしてこれで十分なのか。年齢制限も今度かけるというような議論もありますけれども、私なんかは本当に、この体外受精という選択肢も含めて、より多くの若い方の、若いというのはまだこれから妊娠のできる方にとって、御夫婦にとっての有力な選択肢として、より手厚い支援を政府から行うべきではないかと思うんですが、大臣の御見解をお聞かせください。
○塩崎国務大臣 今先生からお話をるるいただいたのは、基本的には、御夫婦の、卵子は少なくとも奥様からの卵子を使った上で不妊治療を行って妊娠に結びつける、こういうことだと思います。 今、助成制度について先生からお話があって、この不妊治療への助成は、年齢別の不妊治療による分娩割合とか、あるいは妊娠、出産に伴うリスクなどの医学的な知見に基づいて、平成二十五年度の有識者検討会での御議論を踏まえて、より安心、安全な妊娠、出産に資する観点から、平成二十六年度から対象年齢や助成回数の見直しを行って、先ほどお話がありましたように、二十六年度からは、四十歳未満の方で新規に助成を受ける場合に、年間助成回数、通算助成期間の限度を廃止して、通算助成回数を六回までとし、二十八年度からは、助成対象年齢を四十三歳未満の方ということで、また、四十歳以上の方は通算助成回数三回まで、こういうことを御提案いただいているわけでございます。 助成の拡充などさらなる見直しについては、今回の制度見直しに伴う施行がどういうふうになっていくのか、あるいは財政状況を勘案し、今後必要に応じて検討しなければならないと思いますし、生殖補助医療につきましては、議員立法でも今自民党の中でも検討が行われ、超党派的にも一緒に議論をしていただいているというふうにも聞いているわけでございます。 いずれにしても、子供をつくることを希望しながらなかなかそれがかなわない人たちについては、先ほどお話があった倫理の問題も含め、しっかりと議論をした上で、これは最終的には立法府で御判断をいただくようなことにもつながる大きな問題だろうというふうに思いますので、厚労省としてもしっかり検討してまいりたいというふうに思います。
○重徳委員 子供の人口問題、これはもう国家の存亡とも言えるような重要な政策でありますので、大臣は今財政状況も鑑みながらということですが、どちらが国家にとってリスクなのかというぐらいの大きな比較をして、財政的な支援もしっかりと行っていく必要があると思っております。これについてはまた取り上げていきたいなと思っております。 それから、残りの時間で、発達障害児への支援についてお尋ねしたいと思います。 今、子供の発達障害の早期発見、早期療育のために、一歳半健診と三歳児健診というものがあるんですが、よりきめ細かく、学校に入る前の五歳児健診というのもやるべきだという声が上がっております。こうした健診の充実についてどのようにお考えでしょうか。
○安藤政府参考人 乳幼児健康診査につきましては、母子保健法第十二条におきまして、市町村は一歳六カ月児健診及び三歳児健診を行わなければならないというふうにされておりますが、それ以外の年齢における健診につきましては、同法十三条におきまして、市町村は、必要に応じ、乳幼児等に対して健康診査を行うこととされておりまして、五歳児健診についても一部の市町村において実施していただいているものと承知をしております。 五歳児健診について、仮にその制度化ということを考えますならば、学校保健安全法に基づきまして市町村の教育委員会が就学時健診を実施しております、これも就学前に行うということですので、これとの関係もございまして、一律の制度化というのは課題があるものと考えております。
○重徳委員 次々聞いていきますが、学校で、やはり親御さんが、自分の子供が学校の先生から十分理解されていないんじゃないか、こういう心配をされている方が多いですね。学校における教師を含む人材育成というものを充実させるべきじゃないかと思うんですが、きょう、文科省の小松局長にもお越しいただいていますので、ちょっとその点、御答弁願います。
○小松政府参考人 お答え申し上げます。 私ども文部科学省といたしまして、御指摘の発達障害を含めまして、障害のあるお子さんたちに対する支援に携わる学校の先生方の専門性の向上というのは、大変重要な課題だというふうに認識しております。特に、最近の状況に鑑みまして、全ての学校の先生方が、研修の受講等によりまして、特別支援教育に関する知識、技能の向上を図るということが重要と考えております。 文部科学省といたしましては、このために、一つは、通常の学級の先生方に対して、発達障害に関する正しい理解を図るための研修等を実施するための事業を実施いたしております。それからまた、各教育委員会等に対しまして、学校内外での研修の実施による教員の方々の専門性の向上策を求めるということをいたしております。そして、独立行政法人国立特別支援教育総合研究所というのがございます。ここで、各都道府県のいわば指導者の方々のための研修を実施しているところでございます。 今後に向けまして、現在、中央教育審議会で、これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上についてという議論が行われておりまして、この中にも特別支援教育にかかわる先生方の専門性の向上も入っております。 私どもといたしましては、こうした議論等も踏まえまして、先生方の専門性の向上を支援する取り組みを充実するということに努めてまいりたいというふうに考えます。
○重徳委員 中教審でもまだ今後の大きな課題があるという話でございますので、しっかりと取り組んでいただきたいと思っております。 それから、発達障害というのは、先ほどの一歳半、三歳といった健診、それから学校保健法に基づく健診もやっておられるということですが、その後ずっと、小学校、中学校、高校、場合によっては就職のときまで、しっかりそういう記録、過去の状況を把握した上で、必要な指導なり教育というものを行っていく必要があると思うんですが、こういった、その子の記録をずっとカルテのようにデータ蓄積をしていく仕組みを検討すべきじゃないか、あるいは検討されているのかもしれませんが、そのあたりについてお聞かせいただきたいと思います。
○安藤政府参考人 母子健康手帳につきましては、母子保健法に基づきまして、妊産婦、乳児、就学前までの幼児に対する健康診査及び保健指導の記録を行うこととされているわけでございますが、発達障害に関する記録も含めまして、母子健康手帳に記載された情報を確実に学校保健に引き継いでいくということは、子供の健康にとって重要なことだと認識しております。 どのような対応ができるかにつきましては、文部科学省や自治体関係者などとも連携をしながら検討を進めてまいりたいと考えております。
○重徳委員 ちょっとこの取り組みはまだまだ十分でないというような印象の御答弁でありました。これは重要なところだと思いますので、引き続き私としても提言してまいりたいと思っております。 最後に、藤井部長にお越しいただいていますので、特に発達障害は、グレー判定といいましょうか、グレーゾーンで、この子が発達障害なのかどうかよくわからない、こういう子もいます。そういったグレーな子をしっかりと判定を行える、そのための環境を整え、また、そのための専門家を育成すべきじゃないかと思いますが、そのあたりをちょっと、時間が来ておりますが、手短で構いませんので、よろしくお願いします。
○渡辺委員長 簡潔にお願いいたします。
○藤井政府参考人 お答え申し上げます。 先生御指摘のように、発達障害、これは、早期に気づくこと、あるいは支援をできるだけ早い時期から行うということが私どもとしても重要だと認識をしております。 私どもとしては、一歳半ですとかあるいは三歳時点の乳幼児健診で発達障害の可能性が把握できなかった子供も含めまして、巡回支援専門員整備事業という、これは障害者総合支援法の地域生活支援事業の中に位置づけられておりますが、こういったことで市町村の取り組みを支援しております。 また、発達障害についての専門性を持って健診にかかわる医師など現場の専門家の数、これは決して十分ではない、まだまだ育成が必要だというふうにも認識をしております。 これは、私どもは、国立精神・神経医療研究センターで研修を行うなど、医師などの専門家の育成に努めているところでございますが、今後ともこの発達障害の専門家の育成により一層尽力をしてまいりたいと考えております。
○重徳委員 発達障害児への対応はまだまだ始まったばかりという印象でございます。現場の方も大変頑張ってはいますけれども、限度があります。国としてもしっかりと支援をしていただきたいということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○渡辺委員長 次に、木村弥生君。
○木村(弥)委員 自由民主党の木村弥生でございます。 私は、まず、看護職の労働環境についてお尋ねします。 資料の、A4の横のものをごらんください。 少子化の進む中、労働者の勤務環境の改善は、労働力確保及び女性、高齢者等の多様な人材の力の活用の観点から急務であり、これらの点については、今般閣議決定された骨太の方針、成長戦略においても課題として言及されるところでございます。 超高齢化社会となる我が国において、看護職は、チーム医療及び医療・介護連携のキーパーソンとなると言われていますが、十八歳人口が減少する中で、養成数をふやすことには限界があります。離職防止や潜在看護師の復職の促進が不可欠です。より多くの人材が看護職を志すように、そして働き続けられる魅力ある職場とするために、看護職の労働環境の改善は喫緊の課題でございます。 看護職は、一日二十四時間の勤務を交代制でカバーします。看護職の労働環境を考えるとき、夜勤体制のあり方の問題が非常に大きい問題です。 看護職の夜勤体制については、一九六五年に初めて人事院による二八判定、二枚目の、おめくりいただいたところです、こちらで、夜勤は、二名以上で、回数は月八回以内を目指すことが示されて以降、一九九二年の看護師等の人材確保の促進に関する法律の施行に伴い国が示した基本方針においても、月八回以内を可能とする夜勤体制の構築が掲げられています。 しかしながら、現在に至るまでの五十年間、看護職の夜勤の改善はほとんど進んでおらず、現在でも、多くの職場において月に九回以上の夜間勤務に従事する状況があります。 三ページ目をごらんください。 診療報酬の算定要件において、月平均夜勤時間の上限が示される等が行われてはおりますが、これで十分とは言えません。看護職が人々の生命にかかわる業務に携わっていることを鑑みても、速やかな改善が必要であると考えます。 医療従事者についても、雇用の質の向上が強く求められる中、夜勤体制のあり方について、労働法制の中で規制を設ける等により、来る超高齢社会を支える看護職の労働環境改善を強く推し進めることが急務であると思いますが、いかがでしょうか。
○永岡副大臣 木村先生からは、看護職の労働環境改善に向けた取り組みについての御質問でございました。 看護職の方々は、今先生がお話をいただきましたように、夜勤などがございまして、やはり相当勤務負担というのが過重になっているというお話でございますが、それをきちんと軽減して、そして離職防止をさせることというのは非常に重要な課題であるという認識をしております。 これまでも、例えば、短時間の正規雇用などの多様な勤務形態の整備を進める取り組みをしておりますし、また、診療報酬上の、夜間の看護職員でございますとか、あとは看護を補助する方たち、これは看護補助者と申しますけれども、その配置の評価などを行ってまいりました。 それから、昨年十月に施行されました改正医療法によりまして、医療機関が個々の実態に応じて医療従事者の勤務環境の改善に計画的に取り組むとともに、また各都道府県に医療勤務環境改善支援センター、これを設置いたしまして、勤務環境改善に取り組む医療機関を総合的にそして専門的に支援をします体制を整備しております。アドバイザーなどを設置しているわけでございますけれども、都道府県におきまして、各地域の実情に合った取り組みがこれで進められると考えております。 厚生労働省といたしましては、こうした取り組みを通じまして、各医療機関がそれぞれの実情に応じた自主的な取り組みを進めることなどによりまして、看護職員を含みます医療従事者の勤務環境の改善を進めていきたいというふうに考えております。
○木村(弥)委員 ありがとうございます。 四ページ目にありますように、離職の理由が、非常に勤務の時間が長い、また夜勤の負担が大きいといったアンケート調査が出ております。ぜひ、そのことをしっかりと受けとめて、看護職の労働環境の改善をお図りいただいて、私どももそのために頑張りたいと思います。 では、次の質問に参ります。 こちらは看護師の役割拡大についてでございます。A3の資料の「特定行為に関する看護師の研修制度が始まります」、こちらをごらんください。 保助看法の一部改正により創設された特定行為に係る看護師の研修制度が本年十月より施行されます。本制度は、二〇二五年に向けて、地域において質の高い医療を効率的に提供するための一方策として創設され、さらなる在宅医療等の推進が期待されています。 今般、厚生労働省からは、この研修を修了した看護師を向こう十年間で十万人確保するという件が示されました。この見開きの方の、右上の「十万人以上の養成を目指します」をごらんください。 これは、十年間で十万人といいますと、認定看護師も十年以上でまだ一万人ちょっとですので、なかなか、大丈夫なのかなとちょっと思ったんですけれども、その具体的なアクションプランというのが明らかにされていないと思います。 本制度が医療現場において効果的に活用されるためには、量だけでなくて質が確保されることが必須ではないかと思います。そのための継続的な支援が重要です。今年度は本事業の補助金として二億六千万円が計上されていますけれども、次年度以降にも十分な予算確保を進め、既に活躍している看護師が現場のニーズに合わせ研修が受講できるよう、適切な措置を講じていただきたいと思います。 とりわけ看護師の人数が限られている訪問看護ステーションや介護施設等においては、研修受講のニーズがありながらも、マンパワーの問題で派遣が困難な状況があります。在宅医療を着実に推進するために、訪問看護ステーションや介護施設等での計画的な人材育成をどのように考えておられますでしょうか。 本制度では、既に医療現場等において活躍している看護師が特定行為を安全に実施する能力を獲得するために、講義、演習、実習を通し、体系的に学ぶ研修となっています。働きながら学ぶ手段としてEラーニングの活用も提案されていますが、実習などで一定期間勤務から離れる必要もあり、代替要員の確保などの配慮が必要です。 在宅医療等の推進という本制度の趣旨を鑑みれば、特定行為研修へ看護師を派遣する訪問看護ステーションや介護施設等に対し、例えば代替要員の確保など、特段の財政的支援は必要不可欠ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○二川政府参考人 先生御指摘のとおり、特定行為に関する看護師でございますけれども、二〇二五年に向けて、医療ニーズが高まっていく中で、特定行為研修を修了した看護師を多く確保していくことが重要であると考えてございます。 具体的には、各病棟あるいは施設に一名以上の看護師、あるいは、ほとんどの訪問看護師の方につきまして、そういった特定行為の研修を受講していただく必要があるというふうに考えてございます。そういったことから、十万人以上は必要なのではないかというふうに考えているところでございます。 そのため、先生御指摘のとおり、養成につきましては、Eラーニングによる研修も可能にするということにしてございますし、既に大学院で勉強したとか、あるいは、既に病院で、実際にはそういった個別の指示によって特定行為を現に行っておられる方もいらっしゃいますので、そういった方につきましては、研修ではなくて、試験によって研修を免除するといった仕組みも導入をすることにしてございます。そういった仕組みによりまして、できるだけ看護師の方がこの特定行為の研修を受けたというふうにできるような形を確保してまいりたいというふうに考えております。 また、研修機関の方の設置や運営の経費、こういったことにつきましても、先生御指摘のとおり、本年度、予算を確保しているわけでございますけれども、こういったことにつきましての今後の予算確保につきましても、できるだけの努力をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。 また、研修を受ける場合に、働きながら研修を受けていただくという方も多くいらっしゃるわけでございますけれども、そういった場合に、そういった方が勤務から離れるといった時間もあるわけでございまして、そういった部分につきましてはキャリア形成促進助成金といったものも使えるわけでございまして、この点につきまして、特定行為の研修を受講させる訪問看護ステーションあるいは介護施設等、そういったところの事業主の方につきましても十分御理解を賜って、こういったものの利用も活用いただけるように周知を図ってまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、本年十月一日の制度の施行時から研修を受けていただけるように進めておりまして、ちょうど昨日、審議会で十四の機関につきまして認められたところでございまして、できるだけ多くの機関を指定してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○木村(弥)委員 ただいま医政局長より、できるだけの努力をしてまいりたいと非常に心強いお言葉を賜りました。ありがとうございます。 地域包括ケアの時代と言われております。在宅医療を支えていく看護師を計画的に養成し、患者さんやまたその御家族の方の御負担がないように、ぜひそのような看護師を養成することを進めていただきたいと思います。ありがとうございました。 次の質問に参ります。 一人親家庭の子育て支援、貧困の連鎖対策についてでございます。 いわゆる子供の貧困対策を行うに当たりましては、学習支援、生活支援、就労支援等総合的な支援が必要となります。特に、一人親家庭を対象とした支援が非常に大きなウエートを占めると思います。 一人親家庭に対する支援策は、子育て・生活支援、就業支援、養育費確保支援、経済的支援の四本柱による取り組みが進められておりますが、これらを着実に実施するとともに、施策の充実を図っていくことが必要です。一人親家庭の子供は夕食を一人でとることになるケースが多いと思われますので、そうした子供が安心して過ごすことのできる場所を確保することや、子供を孤立させないということが重要であると考えます。 一人親家庭の子育て支援においては、市町村が実施主体の子育て短期支援事業があります。ショートステイ事業、トワイライトステイ事業が行われています。 ショートステイ事業は、親が病気や仕事などの場合や育児疲れ等の身体的、精神的な負担の軽減が必要な場合に、子供を児童養護施設等で最長七日間まで預かる事業です。また、トワイライトステイ事業は、親が仕事などで平日の夜間または休日に不在となる場合や、緊急時に、児童を児童養護施設等において預かり、生活指導、食事の提供等を行う事業です。 しかしながら、これらの事業は親の申し込みが必要となっており、子供が、自分の居場所が必要である、欲しいと思ったときに自由に利用することができない仕組みになっています。 こうした状況を踏まえ、近年、子供の居場所づくりと食生活の向上の観点から、一人親家庭などの子供たちが、一人で安心して、わいわいがやがやとみんなで栄養バランスのよい食事がとれる子供食堂と呼ばれる取り組みを行っているNPOがふえてきています。私も、豊島子どもWAKUWAKUネットワークというところの要町あさやけ子ども食堂というところに行ってまいりました。こちらは、ボランティア等で二週間に一度、水曜日に行われています。 このようなNPO等の支援を活用しつつ、一人親家庭の子供の孤立を防止していく取り組みを強化する必要があると思います。 また、柱の一つである就業支援についても、高等職業訓練促進給付金制度により一人親家庭の資格の取得支援が行われています。私自身、子育てが一段落した後に学校に通い、四十一歳で看護師と保健師の資格を取得しました。一人親家庭が子育て終了後も自立して生活をしていけるよう、学びの機会を得て、看護師や保育士のような資格を取得することは極めて重要なステップになり得るものと思います。 現段階では、支給対象期間は上限が二年間、支給額が月額で十万円となっていますが、一人親家庭の子供の孤立の防止と居場所づくり、そして親の自立支援は、子供の貧困対策を進める上で重要な課題であり、今後、施策の充実を図っていく必要があると考えておりますが、この点において、厚生労働省の見解を伺います。 〔委員長退席、とかしき委員長代理着席〕
○安藤政府参考人 御指摘のとおり、一人親家庭は、大人が一人しかいない家庭であるということから、どうしても子供だけで過ごす時間が多いと考えられます。そうした中で、子供が安心して過ごすことができる居場所を確保するということが大変大事なことであると認識しております。 また、御指摘の高等職業訓練促進給付金につきましては、有利な就職につながる資格の取得を促進するということから、一人親家庭の自立を促す上で効果的かつ重要な施策であると認識しております。 一人親家庭への支援策につきましては、四月二日に開催されました子供の未来応援国民運動発起人集会において総理の指示がございましたが、充実施策につきまして、夏をめどにその方向性を取りまとめ、年末をめどに財源確保を含めた政策パッケージを策定するように、こういう指示でございました。 これを受けまして、四月二十日に、ひとり親家庭・多子世帯等の自立支援に関する関係府省会議が設置されまして、この会議において、議長である世耕内閣官房副長官からも、厚生労働省に対しまして、支援を必要とする家庭に対し、行政の支援が確実につながる仕組みや、子育て、生活、就業、経済面などの充実策を検討するようにという御指示をいただいたところでございます。 厚生労働省といたしましても、一人親家庭の自立に向けた支援の充実につきまして、先生御指摘の点も含めまして、幅広く関係者の意見を聞きながら検討していきたいというふうに考えております。
○木村(弥)委員 ありがとうございます。 先ほど月額十万円と申しましたけれども、まだまだちょっとこれでは難しいかなという気がいたします。特に看護師の取得には三年かかりますので、ぜひこの点のところも拡充していただくよう、切にお願いいたします。 子育てで、魚を与えるのではなくて魚の釣り方を教えよとよく言われます。それは、子育てにおいても看護においても政治においても同じだと思います。少しでも一人親家庭の方々が自立して生活していけるような、そういった支援の方に手厚くしていただきたいと切にお願い申し上げます。 では、次の質問でございます。 子供の貧困対策を推進するNPO等への基金の活用についてです。 子供の未来応援国民運動が推進されています。こちらは、子供の貧困解消に向けて、民間資金を活用した基金を新設する見込みであると承知しております。日本の未来を担う子供たちのためにオール・ジャパンで民間基金を新設することは、非常に重要な取り組みであると考えます。今後、基金をどのように活用していくつもりなのか。先ほど申し上げた子供食堂のような取り組みを行うNPO等への助成なども視野に入れているのかも含めて、今後の見通しについて伺います。 また、基金に頼るだけではなく、国としての一人親家庭支援、子供の貧困対策関係予算を拡充していくことも重要です。この点において政府の見解を伺うとともに、平成二十八年度予算の概算要求に向けた検討状況についても、あわせて伺います。
○中島政府参考人 先ほど安藤局長の方から御答弁がございましたけれども、子供の未来応援国民運動の発起人集会におきまして、この国民運動の展開につきまして、趣意書が採択されたところでございます。 この趣意書の中には国民運動事業の例が幾つか挙げられておりますけれども、その中の一つに、「民間資金を核とする基金創設の検討」というものが掲げられ、委員御指摘の基金創設に向けての検討を今進めておるところでございます。 この趣意書に盛り込まれた趣旨といたしましては、公費では必ずしも支援が十分に届きにくい分野、今、委員の方から御紹介もありました、地域に根差した学習支援、生活支援等を行っておられる支援団体への助成などに柔軟かつきめ細かくお応えできるようなものとするという趣旨であると承知をしておるところでございます。 内閣府を中心に、現在、そうした基金の創設に向け、検討を進めているところでございます。 また、お尋ねの二点目、子供の貧困に関する概算要求に向けての検討状況でございます。 この六月三十日に閣議決定をされました経済財政運営と改革の基本方針二〇一五、いわゆる今年度の骨太の方針におきましては、重点課題の一つとして、「女性活躍、教育再生をはじめとする多様な人材力の発揮」という項目の中で、「「子供の未来応援国民運動」などの子供の貧困対策を推進し、経済的に厳しいひとり親家庭や多子世帯への支援など、必要な財源を確保しつつ、集中的に実効性のある政策を投入する。」と述べられておるところでございます。 内閣府を初め関係省庁におきましては、この骨太の方針を踏まえまして概算要求に向けた検討が進められているところと承知しておるところでございます。
○木村(弥)委員 ありがとうございました。 時間がないので、ちょっと手短に、次の質問に参ります。 よきサマリア人の法というものがございます。これは、日常生活や大規模な災害時において事故や急病により救急処置が必要な人に遭遇したとき、医師や看護師といった医療従事者に限らず、一般の方でも心肺蘇生などの救急処置を施すことができれば、その方の救命率は高まり、後遺症も軽減するものでございます。 しかし、こうした善意の一般の方々が救急処置を行うことについては、行った処置がよい結果につながらなかった場合、その責任を追及されることを恐れて、萎縮して、行われないという懸念があります。 アメリカやカナダでは、緊急状態にある人をボランティアが手当てした場合、仮にその手当てによって状況が悪くなったとしても、民事の責任を免除するとの内容の法律、いわゆるよきサマリア人の法が制定されています。 私が調べた限り、このよきサマリア人の法につきましては、橋本政務官初め、過去三人の国会議員の方が質問されておられますけれども、現在、観光客を初めとする、海外からさまざまな価値観、多様な文化を持った人たちが日本におられます。萎縮せずに、善意で助け合える社会を構築していくためにも、今こそ、このような法律を我が国でも制定することが有用ではないでしょうか。厚生労働省の見解を手短にお願いします。
○二川政府参考人 先生御指摘のとおり、アメリカやカナダにおきましては、いわゆるよきサマリア人の法が制定されているというふうに承知をしているところでございますけれども、一方、我が国におきましては、既に現行の法制度上におきまして、善意に基づいて注意義務を尽くして救急蘇生を実施した場合には民事上、刑事上の責任を問われることはないというふうに、民法上、刑法上も考えられているところでございます。 こうした点を踏まえますと、我が国でよきサマリア人の法を制定することにつきましては、慎重に検討すべき課題であると考えてございますけれども、市民が萎縮せずに救急処置を実施できることは、救命率向上の観点から非常に重要であると考えておりまして、厚生労働省としては、関係学会等とも協力しながら、救急処置に関する必要な普及啓発を行ってまいりたいと考えているところでございます。 〔とかしき委員長代理退席、委員長着席〕
○木村(弥)委員 ありがとうございました。 最後に、生涯現役社会の実現について申し上げます。 少子高齢化が進み、労働生産人口が減少していく中で、女性や働く意欲のある高齢者がその能力や経験を生かして生涯現役で活躍し続けられるような社会、生涯現役社会の実現を図っていくことが重要だと思います。健康寿命を延伸して、マクロ的に見れば医療費削減にもつながるであろうということが指摘されているところです。 今般六月に、生涯現役社会の実現に向けた雇用・就業環境の整備に関する検討会の報告書が出されました。この報告書には、シルバー人材センターの機能強化のほかにも、高齢者の雇用促進や再就職の促進などの重要と思われる取り組みが盛り込まれております。なかなか受け皿がまだまだできていないのが実情だと思います。ぜひ、こちらを具体化していっていただきたいと思います。 この報告書のとおりに、生涯現役で生き生きと暮らせるような高齢者が少しでもふえて、健康寿命を延伸していくよう、切にお願い申し上げまして、私の質問時間を終わりにさせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○渡辺委員長 次に、中野洋昌君。
○中野委員 公明党の中野洋昌でございます。よろしくお願いいたします。 本日は、私は、若者の雇用、働く若者、こうしたことをテーマに質問をさせていただきたいと思います。 私は、党の方では学生局長という役職をいただいておりまして、学生など若年者向けの政策というのを担当させていただいております。今、文部科学委員もやっておりますので、奨学金の例えば無利子化を促進するであるとか、学生に対する経済的支援をしっかり充実させていこう、こういうこともお訴えをさせていただいております。 実は本日も、夕方に、政府に対して党の学生局の提言を提出する予定でございまして、この中にはかなり厚生労働の関係の施策も多くございますので、ぜひ、厚労省におかれましても、しっかりと御対応をお願いしたいというふうに思っております。 そんな中で、今回一つ取り上げさせていただきたいのは、まず一つ、最低賃金について御質問をさせていただきたいというふうに思います。これにつきましては、つい先日、平均で十八円引き上げ、こういうニュースもございました。 現在、私は多くの学生のメンバーからいろいろなお話を伺いますけれども、今、多くの学生というのは、奨学金を借りている方が非常に多いです。それの返済が非常に困難だ、こういうこともよく報道がなされます。実際にお話を伺うと、将来返せるかどうかという問題があるので、余り借りずに、実際はアルバイトをしながら学費を賄うであるとか、あるいは、奨学金は借りていて、実際に生活もできるんだけれども、将来仕事をして返せるかどうか心配だな、だから学生のうちからしっかりアルバイトをして返すお金をあらかじめ準備しておこう、こういうお話も実は私は先日伺ったこともございます。 私は、基本的には、こういう学生に対する経済的支援、奨学金であるとか、こういうものを充実させるということをまずやっていく必要があるんだろうとは思うんですけれども、とはいえ、現実問題として、働いている学生の方というのも多くいらっしゃって、いろいろな御要望をいただく機会もふえてまいりました。 その中で大きな御要望の一つが、アベノミクスで言われている賃金の上昇というものがしっかりとアルバイト、こうしたところにも恩恵が及ぶようにしてほしい、こういうお声を最近よくいただくようになりました。 やはり、今、安倍政権におきまして、政労使会議などさまざまな場面を通じて、とにかく働く方の賃金を上げていくんだ、こういう施策を前に進めているわけでありますけれども、学生のアルバイトであるとかパートタイマーの方であるとか、なかなか、政労使会議あるいは春闘、こうした場面というよりは、どうしても最低賃金の引き上げというのが非常に大事な、こういう方々も私は多くいらっしゃるというふうに思うんです。 一時期は、平均で千円を目指そう、こういうお話もありましたけれども、やはり、私は、現政権においても、今後も最低賃金の引き上げというのをしっかりと継続的に行っていって、いわゆる非正規の労働者の方も含めて、全ての働く方の賃金の上昇というのをしっかりと目指していくべきである、このように考えておりますけれども、ぜひ山本副大臣の御決意を伺いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○山本副大臣 御紹介いただきましたとおり、昨日、中央最低賃金審議会におきまして、今年度の引き上げ額の目安につきまして、全国加重平均で昨年を二円上回る十八円との答申を得たところでございます。 今後、この目安を参考といたしまして、地方最低賃金審議会で御議論いただきまして、各都道府県の最低賃金を決定していただくことになるわけでございますけれども、この目安どおりに決定されれば、最低賃金が時給のみで示されるようになった平成十四年度以降での最高額でありまして、三年間で約五十円の引き上げとなるところでございます。 学生などアルバイトやパートなど短時間労働者の方につきましては、こうした最低賃金が与える影響というのは大変大きいものでございまして、また、最低賃金の引き上げがそれよりも高い賃金の労働者の賃上げにも影響を及ぼしていくということもありますから、アルバイト等の処遇改善や賃金上昇を図るために最低賃金の引き上げの流れをつくっていくということは、御指摘のとおり、大変重要なことだと思っております。 引き続き、中小また小規模事業者の方々の生産性向上のための支援も同時に図りながら、最低賃金の引き上げに向けた環境整備といったものに全力を傾けてまいりたいと考えております。
○中野委員 ありがとうございます。 どうしても、最低賃金というと、単純に上がれといって上がるものではございませんし、景気の好循環という、経済を発展させ、拡大させていく中でしっかりと底上げをしていくという、やはりこれは両面政策が必要であるというふうに思います。しっかりと、私は、この最低賃金の引き上げという、こうした目的に向けてもやはり引き続き力を入れていっていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いをいたします。 アルバイトの話題になりましたので、最近、よく報道等でも、いわゆるブラックバイトというものが話題になることがございます。これは具体的に何かと申しますと、学生であることが余り尊重されていないのではないか、こういうアルバイトの働き方を指すのではないか、このように感じているわけでございます。 私が具体的にお伺いをした事例ですと、例えば勝手にアルバイトのシフトを変えられたりであるとか、あるいは勝手にシフトを削られたりする、こういうお話も伺いました。あるいは、学生なのに大きな責任やノルマが課されてしまって全く学業に支障を来している、こういう本末転倒なお話もお伺いをしたことがございます。 これについて、党の学生局でも学識経験者の方等にお話も伺いましたけれども、例えば、法政大学の上西教授が独自に調査を行われて、こういう不当な取り扱いを受けている学生が七割近くにそのときは上ったんだ、こういう結果のお話も伺いました。 なかなか難しいなと思いますのは、では全てが労働法令に違反をしているかというと、必ずしも労働法令違反ではないんだけれどもというケースも、例えば、学生の方に非常に大きな責任を負わせること自体そのものが労働法令違反かというと、必ずしもそうではないんですけれども、やはり、学業をやっている中での働き方というものをしっかりと考えていかないといけないのではないかなというふうに思います。 他方で、勝手にシフトを変えられるであるとか、話を聞いた労働条件と全然違う働かせ方をしているとか、かなり問題があるのではないかと感じる事例もございます。業界でいうと、例えば飲食業とか学生のアルバイトが多いような業界、そして、こういう苦情を非常によく伺うような業界もございます。 私は、これは、しっかり国としても実態を調査しながら、そして必要があればしっかりと何らかの指導を行っていく、こういうことが必要なのではないか、このように考えておりますけれども、いかがでございましょうか。
○山本副大臣 御指摘のとおり、学生がアルバイトをする際に適正な労働条件を確保するということは極めて重要であると考えておりまして、今までも、厚生労働省といたしましても、アルバイトの学生を含めた対策として、労働基準法等の知識を身につけてもらうための周知啓発や、情報発信の強化、相談体制の充実等に取り組んできております。 また、本年四月から、アルバイトを始める前に労働条件の確認を促すことを目的といたしました「アルバイトの労働条件を確かめよう!」キャンペーンというものも実施をさせていただいているところでございます。 今御指摘いただきましたとおり、例えば労働基準関係法令違反が認められた場合には、その是正についての指導も行わせていただいております。 御指摘の学生アルバイトの実態調査についてでございますけれども、今、実施すべく準備をしているところでございまして、八月中にはスタートをさせてまいりたいと考えております。
○中野委員 ありがとうございます。 やはり実態の把握が必要だというふうに思います。しっかりと前に進めていっていただけるという御答弁でございますので、やはり、こうした現状を把握しながら、さらに必要な対策は何なのかということを考えていく必要があると思います。 この問題、私は、学生から、勝手にシフトを変えられましたという御相談を受けることもあるんですけれども、他方で、こういう話を学生側にすると、それはよくありますよね、当たり前じゃないですかという反応をいただくことも実は多々ありまして、やはり使用者側にも問題はあるんですけれども、働く側が基本的な労働法令をそもそも知らなくて、これが当たり前だと思って受け入れてしまっている、こういう状況も実はあるんじゃないかというふうに思っております。 例えば、労働条件をそもそも書面で受け取っていない、こういう方もかなりいらっしゃいますし、では、給与明細をもらっているかというと、それすらもらっていない、こういういろいろな、最低限やるべきこともなされていない現状にあるのではないかなというふうに私は思っております。 特に、例えば高校生であるとか、あるいは大学生が入学をして一年生でいよいよアルバイトを初めよう、こういう時期でありますとか、こうした時期に労働法令の周知あるいは啓蒙というのをしっかりやっていく必要があるのではないか、このように考えますけれども、これについても御意見を伺いたいというふうに思います。
○宮野政府参考人 お答えいたします。 労働法令の基礎知識の周知を図ることは、労働関係法令を知らないことによる問題事案の発生を未然に防止するとともに、若者の職業意識を高めることにも資するものであるというふうに考えております。 これまでも、文部科学省とも連携をしながら、これから就労する学生に対しまして、労働法令についてのわかりやすいハンドブックを作成する、都道府県労働局の幹部が大学等に出向いて労働法令の講座等を行う、労働条件に関する法制度や裁判例を解説する基礎的なセミナーを全国で開催するといった取り組みを進めてまいりました。 また、労働法令の講座等を行う際に、学生等に対しまして、アルバイト等における労働トラブル発生時の相談先の周知も行っております。 さらに、今国会に提出をさせていただいております若者雇用促進法案では、労働関係法令の知識の付与についての規定も設けたところでございます。 今後とも、大学等で行われるセミナー等の中での労働法令の周知等を含めまして、若者に対する労働法教育についてしっかり取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○中野委員 ありがとうございます。 これも非常に大事な政策であると思いますので、しっかり進めていっていただければと思います。 続きまして、学生の就職活動についてお伺いをしたいというふうに思います。 実は、ことしは学生の就職活動というのは例年と状況が異なっておりまして、それは何かといいますと、しっかりと学ぶ時間を確保していただこうということで、従来、三年生の後半から就職活動というのは始まっていたものなんですけれども、これを後ろに持っていこうということで、これを政府の方からも経済界に要請をいたしまして、ことしから後ろ倒しということになっております。 今まで、広報活動が三年生の一月から、三年生のお正月が明けると、もう就職活動も完全に始まっている、こういう状況だったんですけれども、これが三月から。採用選考活動は、従来、四月から面接、内定、内々定、こういう流れだったんですけれども、これが八月からということで、時期が変わっております。 しかし、報道等でも見られるように、就活は後ろ倒しにはなったんだけれども、実際はかなりの企業が既に内々定を出しているような状況ではないか、こういう実態も種々報道されているところでございます。 こうした中で、学生からどういう声が上がっているかといいますと、政府が経済界に要請したことによれば、採用活動というのは後ろ倒しになっているはずだ、まだ始まっていない。しかし、にもかかわらず、企業によっては、早目に採用活動を始めて、内々定も既に出して、内々定を出したから、いわゆる拘束というか、就職活動はもう行わないように、これでうちの会社に来てほしい、こういうことを強要された、こういう声も上がってきております。 ちまたでは、これを就活終われハラスメント、いわゆるオワハラだ、こういう呼び方をされて報道されるときもございますけれども、せっかく政府全体として、就職活動を後ろ倒しにしよう、こういうお話が出ている状況でございますから、これはしっかり是正してほしいんだ、こういうお声もいただきます。 文部科学省の方でも、調査をして、こうした実態もある程度出てきている、こういうこともお伺いをしましたけれども、厚生労働省としてはどうお考えなのか、または、どのように御対応されるのか、これについてもお伺いをしたいというふうに思います。
○山本副大臣 七月三十日に文部科学省が公表いたしました調査結果などによりますと、残念ながら、今御指摘いただいたような、就職採用活動において、学生の就職活動の終了を強要するようなハラスメント的な行為が存在するということが判明して、我々としても認識をしているところでございますが、こうした学生の意思に反して就職活動の終了を強要するような行為は、望ましいものではございません。企業には、学生の就職機会の確保に御協力をいただきたいと考えております。 そこで、厚生労働省といたしまして、本日付でございますけれども、企業向けの周知リーフレットを作成いたしまして、これを用いて、都道府県労働局に、企業への周知徹底を図るように指示をさせていただいたところでございます。 このリーフレットでございますけれども、この中には、例えば、「人材確保に熱心になるあまり、就職活動中の学生に対して、次のような行為などを行わないようご留意ください。」という形で、「自社の内々定と引き替えに他社への就職活動を取りやめるよう強要することなどの職業選択の自由を妨げる行為」や、「学生の意思に反して就職活動の終了を強要するようなハラスメント的な行為」という形で明示的に書かせていただいて、事例も載せさせていただいて、しっかりとこれは周知をさせていただきたいと思います。 また、今後は、さまざまな機会を捉えてこうした企業の理解促進に努めると同時に、学生からの相談にも、新卒応援ハローワークなどにおきましてしっかりと対応できるようにしてまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○中野委員 まさに本日付で通知を出していただいたということで、しっかりと国としてもこうした取り組みを前に進める、また相談等もしっかり乗っていただく、こういうことをぜひお願いしたいというふうに思います。 この就職活動に関連しては、もう一つ、きょうは文部科学省に来ていただいていると思うんですけれども、インターンシップを充実していこうということをよく言われております。 私はこれは望ましいことだと思っておるんですけれども、ただ、他方で、文科省さんに調べていただいたところによると、インターンシップがふえているんだけれども、実態を見ると、実は一日だけしかやっていなくて、しかも、実態上はほとんど、単なる企業説明会をやっている、インターンシップといいながら、採用活動の前倒しというのを、ある意味、抜け道的にやっているだけなんじゃないか、こういう指摘もなされているところでございます。 私は、今回の、今の就活の取り組みというさまざまな施策の中で、インターンシップの名をかりて単に就活を前倒しで行っているだけ、こういう実態は余り望ましい現状ではないのではないか、このように考えますけれども、文部科学省としては、どのように実態を把握され、今後どのように対応されていくおつもりなのかということをお伺いしたいというふうに思います。
○佐野政府参考人 お答え申し上げます。 インターンシップと称しまして採用選考活動が行われていることがあるとの先生の御指摘に関してですが、昨年九月に日本経済団体連合会から、インターンシップの実施に当たっては、採用選考活動とは一切関係ないことを明確にして行う必要がある旨のことを加盟企業に対して周知しているところでもございます。 また、国公私立大学等の関係団体により構成されます就職問題懇談会におきましては、「広報活動開始前に「インターンシップ」と称した会社説明会や実質的な採用選考活動とも捉えられるような行事等は慎んでいただきたい」といった、企業等への要請に関する申し合わせを本年二月にまとめておりまして、その申し合わせを大学等を通じまして各企業に手交するなどして周知を図っているところでございます。 このような周知を図っている一方で、先ほど先生がおっしゃられましたように、就職問題懇談会が本年五月に実施した調査によりますと、三〇・七%の学生から、インターンシップが採用選考活動となっていると感じたことがあるという回答が寄せられているところでもあります。 文科省といたしましても、インターンシップと称して就職採用活動開始時期前に就職採用活動そのものが行われることがないよう、今後とも、厚生労働省、経済産業省を初めとした関係府省と連携しながら、適切なインターンシップの推進に努めてまいりたいと思っております。
○中野委員 ありがとうございます。 最後に、ちょっと時間もなくなってまいりましたけれども、一問簡潔にお答えいただきたいんです。 いわゆる若者の使い捨てが疑われる企業への対策あるいは過重労働への対策、こうしたものをしっかり進めていっていただきたいと思っているんですけれども、先日、私も東京労働局に行きまして、ここでは、過重労働撲滅特別対策班、いわゆる「かとく」というものがありまして、今月、ABCマートも摘発をされる、こういう取り組みをされている。いろいろな対策を伺いました。しかし、東京労働局管内には約五十万を超える大変数多くの事業所がある一方で、例えば「かとく」のメンバーは七名の体制でやっていると伺いました。あるいは監督官の方の数もかなり少ない。 こういう限られた人数で監督を行わざるを得ない、大変に難しい状況であるというふうに思いますので、こうした少ない体制で最大限の効果を発揮できるようなさまざまな工夫というのをしっかりやっていかないと、労働法令に違反をしているような企業をしっかりと是正していく、この取り組みはやはり難しいなというのを現場を見て改めて感じさせていただきました。 こうした労働法令違反の監督指導を今後どのように進められていくのか、こういうことについて、最後に簡潔に御答弁をいただければというふうに思います。
○渡辺委員長 既に持ち時間が経過しておりますので、答弁は簡潔にお願いします。
○岡崎政府参考人 先生御指摘ありましたけれども、やはり、より問題があるところにしっかりやっていく。 ABCマートのお話もございました。そういったところにつきましても、やはり企業単位とか、いろいろ手法を凝らしながらやっていく。悪いところをしっかりと見定めて、しっかりと監督をしていきたいというふうに考えております。
○中野委員 以上で終わります。ありがとうございました。
○渡辺委員長 この際、休憩いたします。 午前十時四十分休憩 ————◇————— 午後一時十七分開議
○渡辺委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。山井和則君。
○山井委員 三十分間質問をさせていただきます。 きょうは、残業代ゼロ法案、労働基準法改正法案について質問させていただきたいと思いますが、その前に、冒頭に、漏れた年金問題を一つ質問させていただきたいと思います。 といいますのは、これは、検証委員会が八月の中旬に中間報告を発表するということを言っておられます。ついては、日本年金機構も独自に調査委員会を数回開いておられまして、日本年金機構が当事者なわけですよね、その当事者の、調査委員会を何度か開いた原因究明等々の結果報告をされるということになっております。 そこでお伺いしたいのは、当然、検証委員会が中間報告をする八月中旬よりも前に当事者から調査結果というものが出るべきだと考えますし、常識的に考えたらそうでしょう。外部の検証よりも当事者の調査結果が先に出る、これはもう当たり前の話だと私は思います。ところが、なぜか厚生労働省はそのことを日本年金機構に指導してくださらないんですね。 監督官庁として、検証委員会の中間報告よりも前に日本年金機構の調査委員会の結果報告をするようにぜひ指導していただきたいということと、ついては、日本年金機構の調査報告というのはいつごろ発表になるんでしょうか。塩崎大臣、いかがですか。
○塩崎国務大臣 今先生御指摘の日本年金機構自身の調査委員会、これは六月四日に設置をされて、今回の事案の原因究明、そして再発防止策を取りまとめるように、現在、関係者へのヒアリングやその内容の検証を行っているというふうに報告を受けております。 その取りまとめに当たりましては、しっかりとした調査に基づいて、今回の事案への対応のどの過程に問題があったのか、その原因はどのようなものなのかということなどについて、みずから十分に検証する必要があるというふうに考えております。 私ども厚労省としては、八月の中旬くらいという検証委員会の中間報告のスケジュールを踏まえて、できる限り速やかにしっかりとした報告をまとめるように機構に対して指示をしているわけでありまして、検証委員会の中間報告がこの中旬ということでございますけれども、機構の調査委員会においても、今回の事案の当事者として、何らかの取りまとめがその前に行われるということが自然ではないかと考えているわけで、できる限り速やかに報告を取りまとめるようにということで機構に対して指示をしているところでございます。
○山井委員 今、大臣から、検証委員会の報告の前に、調査委員会は、当事者として日本年金機構は発表すべきだという答弁がありました。 塩崎大臣、その指示はいつ日本年金機構にされましたか。
○塩崎国務大臣 先ほど私は、指示をしたとは申し上げておりませんで、この中間報告の前に自身の、機構の調査委員会が調査報告を出すというのが自然じゃないかということを伝えているということでございますので、当然のことながら、機構は私のその考え方を踏まえて応じてくるものだというふうに私は思っております。
○山井委員 そうしたら、その自然じゃないかということを伝えたのはいつですか。 というのは、今まで私たちも何度もやりとりしてきましたが、今までは、前に出るのが自然だなんという話は聞いたことがないんです、厚生労働省から、申しわけないけれども。今初めて聞きましたので、いつそのことを年金機構に伝えられましたか。
○塩崎国務大臣 私が指示をしているのは、できる限り速やかに報告を取りまとめるようにということを言っているわけで、私の考え方としては、検証委員会の、我々は第一次報告書と呼ぼうと思っていますが、その前に出してくるというのが自然ではないかと考えているということでございまして、年金局にそのような考えを伝えておりますから、そのような形で伝わっているものだというふうに理解をしております。
○山井委員 本当にいいかげんな話ですね、何か、間接的に伝わっているんじゃないかとか。本当にこの検証をやる気があるのかと疑わざるを得ない。なぜ、これだけ漏れた年金の問題が深刻になっているのに、監督官庁としての指導義務を果たさないのか。何か、伝わっているんじゃないかと思いますとかですね。指示したらいいじゃないですか、塩崎大臣。 それともう一つお聞きしたいんですけれども、そうしたら、塩崎大臣の意向というのは、例えば八月十五日に検証結果が出るのであれば、八月十四日、一日前に機構の調査委員会の発表が出てもいいという、とにかく前だったらいいということなんですか。 私なんかが思いますのは、やはり当事者の調査委員会の報告を見て、検証委員会も、ああ、こういうことだったのかといって検証報告を書く部分もあると思いますから、一日、二日前とかそういう次元じゃなくて、多少、一週間とか、前であるのが私はおっしゃるように自然だと思うんですが、大臣の自然という意味は、一日前であったら自然だということなのか、やはり一週間ぐらいの、きっちり検証委員会が検証できるインターバルが必要だと思われるのか、塩崎大臣、いかがですか。
○塩崎国務大臣 まず第一に、繰り返し申し上げた方がいいなと思っているのは、年金は漏れておりません。漏れたのは年金の情報であります、残念なことではありますが。それが第一点です。 第二点は、恐らく行政のスタイルの違いが少しあるのかなということで、今回の重大な情報流出を踏まえて、私たちはみずからも検証委員会を設けて、機構もみずから反省をして、徹底究明を、原因についても、そして再発防止についても行おうというふうに、そのように水を向けてきたわけで、当然そういう形でやるということで私たちも理解をしているわけで、そして、できる限り速やかにと言いながら、もちろん中身がいいかげんであったら困るわけでありますから、徹底的な検証をする。 そして、しかし、できる限り速やかにであり、また、第三者委員会の第一次報告書が中旬に出てきそうだということで、これも明確なことは甲斐中委員長がお決めになることでありますから、そこら辺は、しっかりと事の重大性を踏まえて水島理事長が適切に判断をしていくものだというふうに思っていますし、私の考えは十分理解をしてもらっているというふうに私は理解をしております。
○山井委員 委員長にお願いしたいんですが、これは非常に深刻な問題で、百一万人の方の年金情報が漏れた。さらに、年金は漏れていないと塩崎大臣はおっしゃいますが、既に今日まで十億円この費用がかかっております。そして、この十億円は恐らく年金保険料から使われる可能性が高い。ということは、年金給付が十億円減るんです。残念ながら、年金給付が減ってしまうんです。十億円なり、今後、二十億、三十億、五十億にふえるかもしれませんが、そういう意味では、年金が減っていくのは事実です、情報だけじゃなくて。そのことは申し上げたいと思います。 それで、ぜひ、年金機構の調査報告、そして検証委員会の中間報告が出たら、この衆議院厚生労働委員会で集中審議を行っていただきたいと思います。理事会で諮っていただきたいと思います。 渡辺委員長、よろしくお願いします。
○渡辺委員長 理事会で協議いたします。
○山井委員 それでは、残業代ゼロ法案に入らせていただきます。 何か、きのう、きょうの新聞報道を見ると、残業代ゼロ法案、労基法改正の成立を断念したという記事が出ておりますが、まだ、成立は断念しても審議入りは諦めておられないのではないかと思いますが、私は、この残業代ゼロ法案は審議入りすべきではないと思います。その理由は、昨年、この厚生労働委員会で超党派で成立させた過労死防止法に違反しているというふうに私は思うからです。その理由を今からお話しさせていただきます。 今回の法案の目玉は二つ、高度プロフェッショナルと裁量労働制の拡大。高度プロフェッショナルは一千万円以上と言われています。しかし、この高度プロフェッショナルよりもより今回の残業代ゼロ法案で対象が拡大すると見込まれているのが、裁量労働制を三百万人の営業職の方やPDCAサイクルの管理部門の方々に広げていくということです。 最初に申し上げますが、きょうは、年収要件もない、年齢要件もない、つまり、三百万円台でも四百万円台でも二十代の若者でも事実上の残業代ゼロになる裁量労働制について取り上げますが、裁量労働制に満足されている方もおられます。だから、私は全て否定するわけではありません。実際、私の知り合いでも裁量労働制でいいと言っている方、よかったという方はおられます。 ただ、過労死の家族の会や過労死に対する弁護団の方々もおっしゃっておられますが、三つの問題点があるんですね、この裁量労働制。 一つ目は、労働時間が把握できない、しにくいということ。実際、配付資料の一ページ目にもありますように、企画業務型裁量労働制、今回拡大されるものは、四二%が労働時間が把握されていません。 二番目の問題点は、労働時間が長くなりがち。これもデータで実証されておりまして、配付資料の二枚目、実際、裁量労働制の方が残業が非常に多い、こういうデータもあります。 三つ目、労災認定が受けにくい、過労死認定が受けにくい。つまり、実際、過労死したりうつ病になって労災認定を受けようと思っても、労働時間が把握されていないから認定すら受けられないということなんですね。 それで、実際、ブラック企業も、残業代を払わずに長時間労働させられるということで、この裁量労働制を今後悪用するのではないかという不安も高まっております。 それで、今回出ました、先週金曜日に出た過労死防止大綱、きょうの配付資料に入れてあります。過労死防止大綱は配付資料の六ページ、七ページですが、そこでも、過労死の原因は、「長時間にわたる過重な労働は、疲労の蓄積をもたらす最も重要な要因」。つまり、長時間労働を是正しないとだめだというのが、過労死防止法に基づく過労死防止大綱なんです。長時間労働の是正。 しかし、この裁量労働制は、今言ったように、長時間労働になりがちなんですね。 また、例えば私の友達は、ことしの四月から裁量労働制になって年収が何と百万円下がった。これは実例です。こういう、もちろん残業代が事実上ほとんど出なくなって、年収が減るという問題点もあります。 さらに、営業マンは過労死が非常に多いんですね。技術職、事務職に次いで、営業マンは六十人。過労死一一〇番の統計によりますと、営業マンの過労自殺は非常に多い。ただでさえ過労自殺が多い営業マンに、今回、裁量労働制を広げていくということになるわけです。 そして、きょうの配付資料にもありますように、先日、裁量労働制の方が過労死の認定を受けられました。 塩崎大臣にお伺いします。今お話ししましたように、この裁量労働制というのは、やはり長時間労働になったり過労死がふえる、あるいは過労死認定すら受けにくい、そういうリスクが一般の働き方より高いんじゃないですか。
○塩崎国務大臣 今、長時間労働になる可能性が高いんじゃないか、過労死につながるリスクが高いんじゃないかというようなことを御質問になられたというふうに思っております。 まず、労働時間の長さにつきましては、きょう先生がお配りをいただいております二枚目の上がございますけれども、労働時間の長さは、平均的な方については、実は、今ある専門業務型の裁量労働制、それから企画業務型の裁量労働制、それと一般の方々との比較であるわけでありますけれども、これは言ってみれば、長い時間働いていらっしゃる方々、部分だけをおとりになっているように見えるわけでありますが、平均的な方を見てみると、実はこの三つを比べてみるとそう変わらないわけです。 例えば平均時間でいきますと、専門業務型の裁量労働制だと九時間二十分、企画業務型の裁量労働制だと九時間十六分、むしろちょっと専門業務型よりも少ない。一般労働者でいきますと九時間三十七分ということで、若干、むしろ一般労働者の方が平均でいくと長い。 裁量労働制が適用されている方の一部にもちろん長時間労働の傾向があるということも、それはそのとおりであるわけでありまして、そのために、今回、この裁量労働制を新たに加えるに当たって、この法案では、健康確保のための措置というものが確実に講じられるようにする仕組みを設けていて、一番大事なのは健康ということで、長時間労働で体を傷めたりしてはいけないということでございます。 それから、長時間労働につきまして、今お配りをいただいた一枚目のところで、把握がしづらいということでありますけれども、これは、労働時間の把握について、労使でみなし時間を定める裁量労働制の場合には実労働時間の把握というのがなされにくいという御指摘ではないかというふうに思うわけでございまして、裁量労働制のもとで働く方でも、健康確保の前提としての把握が当然必要であるわけであります。 したがって、今回、この裁量労働制の対象となる方を含めて全ての働く方について、原則として、パソコンの起動時間とかあるいはタイムカードとか、客観的な方法で労働時間を把握しなければならないことを厚生労働省令に規定することにしておりまして、これは何度か御説明をしたと思いますけれども、これに基づいて、長時間労働となった場合の医師による面接指導等を徹底してまいりたいというふうに思っております。 労災、過労死……(山井委員「委員長、長過ぎます。私の質問時間は切りがあるんですから、注意してくださいよ」と呼ぶ)
○渡辺委員長 答弁していますので、聞いてください。
○塩崎国務大臣 労災認定の御質問もあったかと思いますが……(山井委員「ちょっと長過ぎますよ、答弁が。もう結構です」と呼ぶ) 質問があったと思うのでお答えをいたしますが、労災認定のされやすさについては、労災請求がなされた場合、その方にいかなる労働時間制度が適用されていたかにかかわりなく、労働基準監督署が会社建物への入退館記録や同僚等への調査を含む独自の調査を行って実労働時間を算定して対応しているわけでありますから、どういう働き方をしようとも労災認定は平等に認定の手続がとられるということを申し上げておきたいと思います。
○山井委員 長々と答弁をして時間を潰すのはやめていただきたいと思います。人の命がかかっている質問をしているんですからね。これは人の命がかかっている。 実際、塩崎大臣のおっしゃっていることは現実と全然違うんですよ。今言った裁判のケースでも、その次の山下さんの事例でも、過労死やあるいは脳梗塞で倒れたら、パソコンを回収されて勤務記録を全部消去される、そういうことが相次いでいるんですよ。それが今の現実なんです。 そういう中で、さらに、脇山さんという二十四歳の方も、裁量労働制で、二十四歳で過労死をされてしまわれました。若い人にもこの裁量労働制は適用をされるわけであります。 それで、塩崎大臣にお伺いしたいんですが、この裁量労働制、要は、現在、営業の方でも裁量労働制というのは適用されているんですか。あるいは、四年目以降、ほとんどの若者に裁量労働制を適用するとか、そういう大がかりな適用の仕方、そういうことは今の法律では合法なんですか。
○塩崎国務大臣 どういう方がこの対象になるかということでございますけれども、今回、特に課題解決型提案営業とか、こういう企画業務型の裁量で働いていらっしゃる方々は、制度の対象者は、企画立案を核とする、みずからの裁量で遂行できる知識や経験を有する方に法律上限定されています。 さらに、これも御案内だと思いますけれども、労使同数の委員会の決議と、それから本人の同意というものがなければいけない。加えて、これも説明をいたしましたが、指針でもって、少なくとも三年ないし五年程度の職務経験を経ることが必要といったことを規定しているわけです。 これらに基づいて、みずからの裁量で業務を遂行できない方が制度の対象とならないように、労働基準監督署における指導を徹底していかなければならないので、いわゆる新人がいきなり裁量労働制を若いのに強いられるということは想定を全くされているわけではないということを明確にしておきたいというふうに思います。
○山井委員 会社の名前は挙げませんが、大手企業で、例えば、今、二〇一四年の段階で六千人、企画業務型裁量労働制を適用している、そういう大手企業もあります。ここでは、入社四年目以上の総合系職員、原則入社四年目以上の専門系、技術調査系職員が裁量労働制、本社スタッフのほか、営業にも裁量労働制が適用をされているということであります。 塩崎大臣、現在の法律では営業は除外されていて、今度の法律で初めて営業が入ると思うんですけれども、既に営業にも使われている。入社四年目以降の多くの総合職の方に適用されているんですが、私は思うんですが、このような六千数百人、労働者全てが果たして、事業運営上の重要な決定を行う事業場において企画、立案、調査及び分析の業務に携わっていて、自己の裁量で自由に勤務しているんでしょうか。 私は、この企業がどうと言っているんじゃないんですよ。でも、こういうふうに、限定的だとおっしゃいながらも、既に非常に広がっているんですね。 だから、こういう状況を鑑みて、今回これをさらに拡大するということは、今回の法案に入っている裁量労働制の拡大で、入社四年目以降、二十五、六歳の若者とかが、拡大解釈で、裁量労働制という名のもと、十分な残業代がつかない、あるいは長時間労働を強いられるということになるんじゃないでしょうか。いかがですか。
○塩崎国務大臣 先生御指摘の、営業に広がっているというお話でありますけれども、よくお取り上げをいただいていますが、統計上の営業職従事者全体ということがよく言われるわけですけれども、それは全く違う。 今回は、特に課題解決型提案営業という営業は、法人である顧客の事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査、分析を行う、かつ、これらの成果を活用した商品の販売または役務の提供に係る当該顧客との契約の締結の勧誘または締結を行う業務ということであって、いわゆる店頭販売とかあるいはルートセールスとか、おっしゃるような単純な営業の方は、その業務は今回の課題解決型提案営業の対象に決してなることはないわけであって、そうした業務と組み合わせる場合は、それはこの対象にもならないということでございます。 つまり、顧客の事業の運営全体を考えた上で企画、立案、調査をするということでこの課題解決型の提案営業を行う、こういう職種でございますので、かなり能力がないと、経験もないと、この対象にはなり得ないというふうに思っていただければと思います。
○山井委員 だから、私が言いたいのは、大臣が答弁されていることと現実に起こっていることは全然違うということなんですよ。全然限定がかかっていないじゃないですか。既に営業の人も裁量労働制になって、厚生労働省もそれを認めているじゃないですか、ここのケースなんか。さらに、二万数千人の社員のうち六千人以上が裁量労働制ということでやっている事例があるじゃないですか。私が言っているのは、そこなんですよ。 塩崎大臣が限定的だ限定的だと言っても、拡大解釈でどんどんどんどん既に広がっているんです。私は、個別の企業がいいとか悪いとか言っているんじゃないんです。いるんですよ。だから、幾ら塩崎大臣が今回の残業代ゼロ法案は限定的だと言ったって、説得力がゼロなんですよ。既に今の法律の拡大解釈でどんどん広がっているんですから。 だから、そういう意味では、配付資料の一枚目にありますように、過労死問題の第一人者である川人先生、「過労自殺」という本も書いておられますが、こうおっしゃっているんですね。 配付資料の一ページ目にありますけれども、今回の法案が成立すれば、高度プロフェッショナル型の創設または企画業務型裁量労働制の拡張によって、サービス残業、違法残業が合法化され、より一層長時間労働に拍車がかかる危険が大。また、過労死が発生しても、労働時間の証明が困難なために、現在以上に労災認定を受けることが困難になる危険性がある。特に、若者への悪影響が大きい。現在、残業無制限によく使われている管理監督者は、新人、若年労働者にはなかなか適用しにくい。今回の残業代ゼロの法改正により、若者でも高度プロフェッショナルまたは裁量労働制に組み込まれやすくなり、残業規制が撤廃される危険性が大ということなんです。 そこで、塩崎大臣、今回の過労死防止大綱にもどう出ているかといいますと、この裁量労働制が問題だということで、配付資料七ページには、特出しで、調査研究、裁量労働制の状況を調査研究するとなっているんですよ。つまり、きょうの質問で言ったように、裁量労働制は過労死のリスクが高い、長時間残業になりやすい、残業代がつかなくなってお金がもらえにくくなる可能性も高い、だから、過労死防止法では、調査研究をやって過労死の原因を究明した上で対策を考えましょうと。 つまり、この裁量労働制がこれだけ深刻な問題をはらんでいるにもかかわらず、それを無視して今回の残業代ゼロ法案を審議入りするというのは、私は過労死防止法違反だと思います。 塩崎大臣、ここは、労基法改正、残業代ゼロ法案の審議入りは一旦凍結して、まずは過労死防止大綱に従って裁量労働制の実態をしっかり調査する、そのことをやってから法改正を再度検討すべきではないですか。塩崎大臣、いかがですか。
○渡辺委員長 既に持ち時間が経過しております。答弁は簡潔にお願いいたします。
○塩崎国務大臣 今、現行の企画業務型裁量労働制とそれから専門業務型の裁量労働制のことをおっしゃっていると思いますが、参考までに申し上げると、労働者の割合を見ると、企画業務型裁量労働制というのが〇・二%、専門業務型の裁量労働制が一%ということで、かなり限定的な使われ方を今までもされてまいったところでございます。 それで、先ほど来申し上げているように、例えば企画業務型の裁量労働制というのは、事業の運営に関する事項ということでビジネスの全体を企画、立案、調査するということでもあり、今回、さらにそれの営業ということでありますから、仮にそういう法律に定めていることを守らないで裁量労働制を導入している先があるとすれば、それは労働基準監督署がしっかりと厳しい指導をしなければいけないということに尽きるというふうに思います。
○渡辺委員長 山井和則君、もう終わってください。
○山井委員 もう終わりますが、塩崎大臣、言っていることが全く成り立っていないじゃないですか。こういう実態があると言っているのに、監督署が指導しますと。全然指導していないじゃないですか。 だから、拡大解釈でこういう現実があるんですから、そういう現実をまずはなくして、そしてまた、そういう実態を調査した上でこの残業代ゼロ法案はぜひ出し直す、一回撤回をしていただきたいと思います。 以上で終わります。
○渡辺委員長 次に、大西健介君。
○大西(健)委員 民主党の大西健介です。 私の方は、少し、ふだん法案の質疑では聞けないテーマについて順次聞いていきたいというふうに思っているんです。 まず、今週から参議院で安保法案の審議が本格的に始まりました。衆議院の委員会での強行採決の前日の閣議後記者会見でしたけれども、塩崎大臣は、理解はまだ進んでいないという発言をされております。 普通の法案は、最初は反対だとかよくわからないという声が多くても、審議が進んでいくにつれてだんだん理解が進んでくる、これが普通なんですけれども、安保法案については、衆議院で審議をすればするほど、よくわからない、あるいは反対という声が広がっていきました。大臣の言われるとおり、国民の理解は進んでいない。安倍総理自身も、それをお認めになる発言を衆議院の採決の直前にされている。 では、大臣にお聞きをしたいんですけれども、衆議院での審議を通して国民の理解が深まらなかったのはなぜと大臣はお考えになっているのか、お答えをいただきたいと思います。
○塩崎国務大臣 総理も委員会などで述べているように、これは参議院の平和安全特別委員会が始まった後の発言でございますが、安全保障の問題は日常生活において国民の皆様には肌感覚で感じにくいのではないか、あるいは、今回の法制は、憲法との関係、国際法との関係、そして安全保障政策との関係という三つの観点があり、大変複雑だということもあったということではないかと思っているわけでございまして、政府としては、参議院における法案審議において、これらの点を含めてできるだけわかりやすく丁寧な説明をしていくことが何よりも大事だというふうに考えております。 先ほど、理解が進んでいないということを私が言ったということでありますけれども、これは、国会というよりはむしろ一般の方々のことについて触れたものでございます。
○大西(健)委員 わかりやすくしようということで、例えば火事の例とかを持ち出されていますけれども、それが余計わかりにくくしている。きょう金曜日ですけれども、きょうも夜は三千人規模の抗議行動が予定をされているということでありますので、ぜひとも、大臣も内閣の一員として、さらに国民の皆さんに、まさに国民の皆さんに理解をいただけるように御努力をいただきたいというふうに思っております。 同じく今週、やっと参議院で労働者派遣法の審議が始まりましたけれども、私たちが内々聞いておりますと、参議院の採決はどんなに頑張っても九月に入っちゃうんじゃないかというふうに聞いています。この法律、施行日は九月一日になっているということですから、採決時期がもし九月に入るということになれば施行日を越えるということでありますから、そうなれば、本来、法案は一旦廃案にしていただいて出し直していただくというのが私は筋だと思いますけれども、もしそれを避けるのであれば、これは施行日を修正しなきゃいけないということになると思います。 この点について、大臣は、二十八日火曜日の閣議後記者会見においても、いまだ、法案に定める九月一日という施行日のとおりに施行できるように、引き続き国会において速やかな御審議をお願いしてまいりたいと述べられている。また、きのうの参議院の審議も私ちょっとテレビで見ていましたけれども、その中でもやはり同様の答弁を繰り返しておられますけれども、私は、これは無責任じゃないかというふうに思います。 現実にはもう間に合わない可能性が極めて高い。きょうはもう七月の末です。もう一カ月しかない。そういう中で、この段になってそういう答弁を繰り返しておられる。これから、仮に一週間、十日後に、その御答弁の舌の根も乾かないうちにやはり修正させてくださいと言われても、私たちも、はい、そうですかとは言えないというふうに思うんですね。 そういう意味では、法案提出者として、大臣、この状況をどうされるおつもりなのか、ぜひ誠実な御答弁をいただきたいと思います。
○塩崎国務大臣 この派遣法の改正法案は、内閣法として三月に国会に提出をさせていただいたものでございます。現在参議院で御審議をいただいているわけでございまして、この法案は私どもからお願いをして今回改正をするわけでございまして、特に、派遣で働く方について正社員への道が開かれるように、そしてまた、派遣で働くことを選択される方には待遇改善が行われるようにということを織り込んだ法律でございます。 これは、閣法として提出した私どもとしては、早期の成立を国会にお願いする、こういう立場だというふうに思います。
○大西(健)委員 先ほども言ったように、きょうはもう七月の末です。九月の一日まで一カ月ぐらいしかないわけです。しかも、一カ月ぎりぎりに通っていいという話じゃなくて、その後に、政省令をつくるためには労政審にもかけなきゃいけない。 ということになると、審議をお願いしている立場というのはわかりましたけれども、ではデッドラインはいつなんですか。いつまでに参議院で成立しないと施行日を修正しなきゃいけなくなるのか、そのデッドラインはいつになるんですか。
○塩崎国務大臣 これは議会制民主主義の基本であって、議院内閣制であれば、内閣が国会に、立法府にお出しをしたわけでありますので、後の裁きは、国会が御審議をいただいて成立を図っていただくということだというふうに思います。 先ほど政省令の御心配をいただきました。そのとおり、これから成立後に労政審で政省令、指針などについて御議論を賜らなきゃいけないわけでありますけれども、ただ、政省令などについては、労政審の建議というものもあって方向性は示されているわけであります。したがって、こういうことになれば、確かに日程的には非常にタイトになってきているのは御指摘のとおりでありますけれども、そういう意味で、成立をした際に、労政審において、労使の皆さん方に御協力を願って、速やかな結論を出していただくようにお願いをするということだと思います。 基本は、さっき申し上げたとおり、提出させていただいた法案の扱いについては国会がお決めになられるので、私どもとしては御提案申し上げているとおりにお願いをしたいということが、私どもから言えることでございます。
○大西(健)委員 そうです。国会の審議は国会が決めることです。 では、九月一日の一週間前ならいいんですか、二週間前までに成立すれば間に合うんですか。そこのデッドラインはいつなんですか。もう政省令は大体固まっているので後は労政審に急いでお願いしますというのは、一週間前だったらできるのか、二週間前だったらできるのか、どっちなんですか。 デッドラインというのはあるでしょう。それは、お願いはして国会がそれを決めるんですけれども、デッドラインというのはあってしかるべきなんじゃないですか。
○塩崎国務大臣 繰り返して恐縮でございますけれども、法案の扱いは国会がお決めになるので、この国会で御議論をいただいた上で結論を出していただくということにお願いをするしかないんだろうと思います。 それに対して、立法府に対して、どういう状況になるのかということについては当然説明をするという責任は私どもにはありますから、それについては適宜国会の方に御説明を申し上げて、その上で御判断をいただいて裁きをいただくということだというふうに思います。
○大西(健)委員 こんな不誠実な答弁では、一週間後、十日後に期日を修正してくださいと言われても、我々は、はい、そうですかとは言えないですね。そのことを申し上げておきたいというふうに思います。 らちが明かないので次の問題に移りますけれども、建設労働者の社会保険適用の推進について質問したいと思います。 昨今、建設従事者の高齢化、若年入職者の激減というのは深刻の度を深めています。一方で、不安定就労が多い建設業界では、日雇い労働者や一人親方など、社会保険の適用を受けられないという方が多くいるのが現実であります。 そして、その下支えをしてきたのが建設国保という仕組みであります。法人事業所が健保に強制加入しなきゃいけないというのが始まって以降も、その適用除外の承認を受けることで、国保組合と厚生年金適用という組み合わせが認められてきたということなんですね。 しかし、平成十七年の課長通知というのがあって、この課長通知によると、既に国保組合に加入している者が法人成りした場合には、国保組合に加入したままで新たに厚生年金の適用を受けられるけれども、国保組合に未加入の者には健保の適用除外というのは受けられないということになっているということであります。 この点、現実には、建設事業者は非常に苦しいというので社会保険をつけていない。現在、市町村国保に加入している社会保険未適用の零細法人の従業員に対しても、健保適用除外による国保組合への加入を認めていただければ、建設国保の側から事業主に厚生年金の適用もしてくださいよということを働きかけることができる。その結果、建設業界における社会保険未加入対策が進むんじゃないか、ひいては建設業界における後継者不足にも資する部分があるのではないかというふうに言われておりますけれども、大臣、この点いかがお考えでしょうか。
○塩崎国務大臣 今、国保組合の健保適用除外措置についてお話がございましたけれども、原則として、法人事業所または従業員五人以上の個人事業所は健康保険の適用事業所であって、その事業所に使用される人は健康保険の被保険者となるわけでありますが、例外的に、これまで国保組合に加入していた方々が働く事業所が法人となった場合などについて、加入している国保組合の理事長が認めた人について、厚生労働大臣の承認を受けることで引き続き国保組合に加入することを、国保組合の事業運営の継続性の観点から認めてきたわけであります。 一方で、本来、健康保険に加入すべき方が健康保険に入っていなかった場合においてもこうした対応を認めるということ、これが今お話があったわけでございますけれども、これは医療保険制度の体系にかかわるものでありますので、そこは慎重な検討が必要だというふうに考えているところでございます。 適用除外制度の運用面での改善などについては、これは、運用ということであれば、国保組合等の声を伺いながら検討していくということはやっていきたいと思いますけれども、法律の定めがあるところについては慎重な検討が必要だというふうに思っています。
○大西(健)委員 まさに課長通知を改めていただければ私はできるんじゃないかと思いますし、そのことによって、国保プラス厚生年金というこの組み合わせが認められれば、今まで社会保険の適用を受けられなかった、特に零細の法人で働いている従業員の社会保険適用が進む、こういうことが私は効果として期待できるんじゃないか。建設国保の皆さんも、それを、自分たちもそういう社会的役割を果たしていきたいとおっしゃっているわけですから、ぜひ御検討いただきたいというふうに思います。 次に、今国会、発送電分離などを定めた改正電気事業法が成立をしました。この附帯決議の中で、電気事業の労働者の争議行為の禁止を定めた法律については、労政審のあり方部会の報告における再検討の指摘に基づいて、その廃止を含めた検討を行い、結論を得るものとすることとされています。 この点、先日、我が党の部門会議において、では、この結論を得る時期というのはいつなんだということを聞きました。そうしたら、厚労省の青山参事官が、少なくとも法案に書いてある電力システム改革の全てのメニューが実施されるのが平成三十二年の四月だ、それ以降にその状況を見て結論を得るんだと言っておられたんですけれども、平成三十二年というと余りにも先送りし過ぎじゃないか、附帯決議に書いてあるのにそんなに先送っていいのか。 また、本来、電力システム改革とスト規制の話というのは本当は全く別の話、これはこれ、あれはあれの問題だというふうに私は思います。 憲法上基本的な権利であるスト権というのが重大な制約を受けている状況というのを一刻も早く解消しようというのが、私は厚労省の役割じゃないかと思うんですね。 さらに、電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律、これによってスト規制が行われているんですけれども、ここでは、電気事業労働者だけではなくて、石炭鉱業労働者のスト権も規制の対象になっている。ただ、日本においてはもう石炭鉱業労働者というのはほとんどいないんですよ。だから、そういう存在しなくなったものに対して重大な憲法上の権利を制約しているような法律を、そのまま残しておくことはいかがなものなのかと私は思います。一刻も早く廃止するのが筋だと思います。 この電力及び石炭鉱業の労働者のスト規制、平成三十二年以降なんという悠長なことを言わずに、もっと早期に結論を得ていただきたいというふうに思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 今先生御指摘のこの附帯決議は、「第三弾改革に係る改正法の施行後」というふうに書いてございまして、それが三十二年四月というふうになるわけで、電気事業については、労政審で、現時点では存続することでやむを得ないということで、この規制につきまして話があったわけでありますが、今後再検討するべきというふうにもなっておって、さっきお話し申し上げた第三弾の電力システム改革法案の審議の際の附帯決議で、廃止も含め再検討ということになっている中で、この附帯決議の中で「改正法の施行後」ということになっておるわけであります。 ですから、これらを踏まえて、今後、廃止も含め再検討ということをしていくべきだというふうに思っております。 一方で、石炭鉱業の話についてもお話がございましたが、石炭鉱業は今般の労政審の検討対象ではございませんで、また、現在も事業が存在を、少ないといえども北海道などにございまして、当該規定を維持しているけれども、まずは石炭鉱業の状況の把握などを行ってまいらなければならないというふうに考えているところでございます。
○大西(健)委員 本当にストが激しかったときとは時代は大きく変わっていますし、そもそも憲法上の重要な権利を制約しているということをまずしっかり押さえていただいて、その上で、やはり本来は電力システム改革と憲法上の権利の制限という話は別ですから、これは、あり方部会でも労側からは、もう即刻廃止してほしいという話がついておりますので、ぜひ、三十二年なんてそんな悠長なことを言わずに、厚労省として、こういう重大な権利が制限を受けているということをしっかりもう一度検討していただきたいと思っております。 次に、今、概算要求の時期ですけれども、行政事業レビューで抜本的改善が必要と指摘を受けた事業についてお聞きしたいと思います。 敬老の日に合わせて、百歳を迎える高齢者全員に内閣総理大臣からのお祝い状と銀杯が贈られている。これは、昭和三十八年度に始まったときには、百歳というのは百五十四人しかいなかったんです。ただ、昨年度は対象者が三万人になりました。この銀杯は一人八千円という予算がついているんですけれども、そうすると二億九千八百万円、予算がついている。 しかも、これは毎年三月に対象者を見積もって準備するそうなんですけれども、その後に死亡される方もいらっしゃるので、実際には銀杯が余るんです。昨年度は、三万一千五百個準備して二千百四十三個が余った。ところが、その銀杯の裏にその年の老人の日の日付をもう刻印しちゃっているので、余った分はまた鋳造し直すそうです。これは本当に無駄じゃないかと誰もが思うというふうに思うんです。 私は、長寿を国を挙げてお祝いすることは、これはいいことだと思います。ただ、同様の事業というのは自治体においてもやっておられますし、さっきも言いましたように、始まったときは百五十四人だったけれども、今は三万人になっているわけです。対象者を絞り込むとか、あるいは、正直言って私は銀杯をもらってもうれしくないですよね。銀杯が八千円するんだったら五千円の商品券をくれた方がいいと思うんですけれども、何を贈るのかは別にして、要は、今のあり方というのはやはり抜本的に見直していただく。 今、概算要求の時期ですけれども、これは、大臣、見直すということでよろしいでしょうか。
○塩崎国務大臣 今御指摘をいただいた百歳高齢者記念事業というのは、厚労省で、老人の日の記念事業として、先ほどお話があったとおり、百歳を迎える高齢者に対して内閣総理大臣からお祝い状を出して、なおかつ記念品として銀杯を贈呈してきたということで、これは老人福祉法が施行された昭和三十八年から行ってきているものでございます。 御指摘のとおり、今年度の行政事業レビューにおいて、外部有識者から、記念品の贈呈については事業全体の抜本的改善との評価を受けたわけであって、その際に、銀杯の贈呈を廃止し、お祝い状のみにすることのほか、記念品として銀杯とは別のものを贈呈すること等の意見もあったと聞いているわけでありまして、私ども厚生労働省としては、評価結果を真摯に受けとめて、また、今、大西先生から御指摘もいただきました、現在、概算要求に向けて作業中でございますけれども、この概算要求の中で検討してまいろうというふうに考えております。
○大西(健)委員 これは、行政事業レビューのときも、参加した有識者の一人が、この程度の話は省内で責任を持って決めてほしいと言って、怒って退席されたそうです。私も、この程度のことは、大臣、ここで廃止しますと言ってくれたらいいのにと思うんですけれども、何で検討しますぐらいしか言えないのか。 この程度のことは、大臣の意思で、これはやはりしっかり見直しますと言った方がいいと思いますが、いかがですか。
○塩崎国務大臣 先生もわかって言っておられると思いますけれども、やはり政府というのは、政府で全体で決めていかなきゃいけないのでありますので、今申し上げたとおり、今検討中で、概算要求を決める際に決めようということを申し上げているわけであります。
○大西(健)委員 今、概算要求をやっているから聞いているんですよ。私が大臣だったら、もうやめさせますと言いますね。それぐらいのことが言えないんだったら、この委員会で審議している意味が余りないと思うんです。 次の問題に移りたいと思います。 いわゆる育休退園についてお聞きしたいと思うんですけれども、下の子が生まれて保護者が育児休業に入った場合に、保育園に通う上の子を原則退園させる埼玉県所沢市の対応に保護者が反発をして、退園の仮差しとめを求めたのに対して、先日、さいたま地裁は却下という決定をしました。 しかし、私は、育休退園というのはやはりおかしいというふうに思います。確かに、この制度で助かる人もいるかもしれません。ただ、次の年に、育休が終わった人が保育園に入れることができなかったら、ただ待機児童が入れかわるだけなんですね。一旦退園しても、希望する時期に希望する園に戻れることが保証されているならば、これは話は別ですけれども、それが保証されていないと、職場復帰のめども立たないということになります。第二子の産み控えにもつながりかねない。 さらにもう一つ言えば、子供はそんなことをわからずに急に途中で退園させられる、この子供に対する心の影響、これもやはり私は懸念されると思います。 ことしの四月から、子ども・子育て支援新制度が始まりました。保育園の利用は、保育に欠ける子供から、保育が必要な子供ということに変わりました。既に保育園を利用していて下の子の育休中も継続利用が必要というケースも、この保育が必要というケースに当てはまるんだということになっているはずなんです。しかし、この必要性を認める場合の想定として、国が、次年度に小学校入学を控えるなどの例を挙げたために、各自治体の対応が分かれたんじゃないかと言われています。 ただ、所沢市のようなケースというのは実は少数派なんです。待機児童の多い首都圏や政令市を中心に百市区の保育施設を調査した保育園を考える親の会によると、原則退園という措置をとっているのは、百市区のうち、たったの七市区なんですね。 ですから、ここは、まさに自治体の裁量に任せるんじゃなくて、下の子の育休中でも上の子は保育園にそのまま通えるように、統一のルールを国が示すべきじゃないかと私は思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 いろいろな市町村でこのことが問題になっているというのを私も聞いておるわけでございます。 保護者が下の子供の育児休業を取得した際に、それまで保育園、保育所に通っていた上の子供を退園させるという運用について、自治体が判断をした上で決めているわけでありますが、それを国が一律認めたらいいじゃないかということを今おっしゃっているわけであります。 保護者が育児休業を取得した場合に、既に保育所等を利用している子供については、保護者の希望とか地域における保育の実情とか、いろいろなことを踏まえた上で、市町村が児童福祉の観点から必要と認めるときは継続利用を可能とするように、通知で私どもからも示しているところであります。 いずれにしても、今回の問題が保育の供給量が足りていないということに起因するものであるとすれば、待機児童を解消すべく、必要な量の保育の受け皿確保を図っていくことが必要だと考えておりまして、待機児童解消加速化プランを着実に実施していって、供給量の問題に起因しているのであるならばその解決を根本から図っていくということであって、考えてみれば、やはり市町村はそれぞれ置かれた状況というのがいろいろあって、その優先順位の中で、上の子供を退園させるところとさせないところとが出てきているわけでありまして、これは地方自治の問題でもある。 一方で、子育ての支援の問題だという今の先生からの御指摘ももちろん一理あるわけでありますけれども、我々としては、根本解決のために、供給量が足りないということであればそれを解消するためのことをやることによって、市町村の優先順位を変えていただけるようにするということにしたいというふうに思うところでございます。
○大西(健)委員 これで裁判をしなきゃいけないなんて、私はかわいそうだと思いますよ。 単に入れかわるだけなんですから。そのことによって職場復帰ができなくなるかもしれない、あるいは、第二子の産み控えが起きるかもしれないということであれば、保育に欠ける者じゃなくて、保育が必要な場合ということで変えたわけですから、これはもう国の指針で、望む場合には引き続き上の子も通えるようにするというふうにしたらいいじゃないですか。何でこれぐらいのことができないのかというふうに思います。 時間がもうないので、ことしは戦後七十周年ということですので、きょうは本当は援護施策についてもうちょっと聞きたかったんですが、残った時間、聞きたいと思います。 厚労省は、四月の末に、終戦後に旧ソ連に抑留され亡くなった日本人約一万人の名簿を公表しました。このうち約二千人の北朝鮮や樺太などの死亡者名簿が公開されたのは、今回が初めてなんです。 日本政府は、平成三年以降、ロシア側から延べ五万人以上の抑留死亡者の名簿の提供を受けてきた。しかし、これまではシベリア、モンゴルでの抑留死亡者の公表を優先してきていて、それ以外の地域については対応がおくれていたということであります。 そこで、まず聞きたいのは、今回、今まで公表していなかった分についても公表すると方針を転換した理由というのは何なのか。 それから、遺族からは、もっと早く公表してくれれば、もっと自分の親族がどういうふうに亡くなったのかとわかったのにという声が上がっていますけれども、戦後七十年もたってなお全容解明ができていないということは、これは政府の怠慢とのそしりを免れないと私は考えます。 平成三年からずっと五万件分を受け取っていたわけですから。それがこんなに遅くなってしまった。このことについて、大臣から反省のお言葉もあればいただきたいと私は思いますが、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 この件につきましては、既に私から、申しわけなかった旨の発言を国会でもいたしているわけでありますけれども、これまではシベリア抑留者への対応を優先してしまっていた、他の地域の名簿の公表を行っていなかったということが実際に起きていたわけであります。 ここに来て、やはり御遺族が高齢化をしているということを深く考えてみれば、反省を込めて、これは公表しないといかぬということになって公表に踏み切ったわけでございまして、今後、今お話があったように、早急に、これまでのおくれを取り戻すべく、死亡者の特定というものを行って、ロシア政府等から提供された資料の内容について御遺族の皆様方にお伝えをしていかなければならないというふうに考えているわけでございます。
○大西(健)委員 時間がなくなってきたので、きょうは外務省にお越しをいただいているので最後にお聞きしたいんですが、全容解明がおくれている一つの理由としては、ロシア側の問題もある。さまざまな機関に保管されていると見られる関連資料は、機密指定が解除されない限り、資料の存在そのものさえ表に出てこない、だから、やはり日本側として、ロシア側に積極的にこの問題について情報開示を働きかけていく必要があるんじゃないかというふうに言われております。 ロシア側への情報開示の働きかけやあるいは資料の翻訳等についても、外務省がもっと協力すべきじゃないかというふうに思いますが、きょうは薗浦政務官に来ていただいておりますので、御答弁をいただきたいと思います。
○薗浦大臣政務官 お答え申し上げます。 この問題につきましては、両政府間で恒常的にやりとりを行っております。ロシア大使館を通じるなどして、九一年の日ソ協定に基づきまして、名簿関連資料の提供を求めてきておるところでございます。 御指摘いただきました機密指定の解除要請、これは連邦保安庁、それからロシアの国立公文書館、国立軍事古文書館等に協力を要請しておりまして、また翻訳についても、提供された資料の一部の翻訳を在ロシア大使館で行っております。 今後とも、厚労省等関係省庁と連携しながら、この問題に取り組んでまいりたいと思います。
○大西(健)委員 時間が来ましたので終わりますが、本当は最後に戦没者の慰霊碑の話を聞きたかったんです。戦後七十年たって、戦友や遺族の手で、海外はもとより沖縄にもたくさんあるということですけれども、慰霊碑が建っているんですけれども、遺族も高齢化して、その中にはもう管理が行き届かなくて朽ち果てていく、そういう慰霊碑があるということであります。 厚労省におかれては、それを調査して、維持管理ができないもの、本来は建立者でやるべきなんですけれども、そういうものについては、建立者の許可をとった上で埋設等整理を進めているということでありますけれども、この事業はぜひ、厚労省としても、戦後七十周年ということですから力を入れてやっていただきたい、このことをお願いして私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○渡辺委員長 次に、岡本充功君。
○岡本(充)委員 民主党の岡本です。 きょうは、まず冒頭、病後児・病児保育、そして院内保育について少しお伺いしたいと思います。 三月二十日、きょうもお越しいただいていますけれども、安藤局長から、こう答弁いただいています。病児保育をより簡便にできるように市町村に周知徹底をするべきじゃないかという私の問いに対して、「幅のある、簡便な方法も含めまして、工夫ができる制度であるということについての周知は、させていただきたいと思います。また、事例もいろいろ勘案いたしまして、簡便な取り組みというものについても周知をさせていただきたいと思います。」ということですが、実際に、簡便な方法についてどのように周知をされていますか。
○安藤政府参考人 病児保育事業につきましては、その実施要綱におきまして、実施場所や職員配置等に関する要件をお示ししているところでございます。 その上で、事故防止及び衛生面に配慮されているなど、児童の養育に適した場所であることに十分留意した上で、受け入れる児童の症状の範囲などに応じて多様な方法での実施が可能であるということにつきまして、先般、各自治体宛てに周知をさせていただいたところでございます。 多様な方法の具体的な取り組み事例につきましては、今後、病児保育に係る調査研究を実施しました上で取りまとめる予定にしておりまして、その結果も含めて引き続き周知に努めてまいりたいと考えております。
○岡本(充)委員 これはやはり、大臣、遅いと思うんですよ。これから調査して、これからその結果を踏まえて周知をする。これは三月にお願いしていて、今調査して、その周知が来年度になるかもしれない、きのうのレクで話を聞いたときに。それではちょっと長過ぎると思います。やはり、より早く簡便な方法で周知ができるように、大臣、ぜひ指導してもらいたいと思いますが、いかがですか。
○塩崎国務大臣 この病児・病後児保育は、私も地元で以前からずっと見ていましたけれども、ほとんど、幾つかの限られた小児科医などでしかやっていないということで、今お話があったように、簡便な方法を含め、ニーズはたくさんあると思います。私の身内でも、見ていてもそのとおりだと思いますので、できる限り早く、どのようにやったらいいかということもよく研究しながら、できるだけ早くふやしていく手だてを実効あるものとしてやっていきたいというふうに思いますので、そういう指示をしたいと思います。
○岡本(充)委員 そういう答弁で、結局、来年度になっているんです、今。来年度にお知らせをするということを考えているという話では、ちょっと遅過ぎる。 私は、来年度からこういった事業に手を挙げる者が出てくるようにスケジュール感を持つべきだと思いますので、来年度から始める事業者が出てくるぐらいのタイムスケジュールでぜひ例示をしていただきたい。それはお願いできますか。
○塩崎国務大臣 来年度からでも出てくるようにという話を今いただいたわけでありますけれども、そういう勢いでやらなきゃいかぬなというふうに私自身も思っていますので、ぜひ、その簡便な方法を含めて、どういう形でやるのが可能かということを早急に詰めていきたいというふうに思います。
○岡本(充)委員 大臣、ぜひ今の御決意で頑張っていただきたいんですけれども、もう一つ、院内保育についても、このときの答弁で、「病院内保育所の運営支援を含めた医療従事者の確保対策が着実に実施されるように、具体的な基金事業の例を周知するなど、都道府県に対して積極的に働きかけてまいりたいというふうに思っております。」ということですが、これは、都道府県に対して本当に大臣は働きかけていただいているのかなとちょっと思いたくなるような話もあって、例えば、基金を使ってつくった院内保育、ここで、例えば自分の院以外の近隣医療機関のスタッフ、これを受け入れることができる都道府県は、愛知県は二十七年度より丸になる予定、東京都はだめ、神奈川県はだめ、大阪府はできる、こういうふうにばらついているんですね。 こういうことを含めて、やはり、せっかく国がつくった基金なんですから、自分のところの院内につくった保育所で近隣の医療機関に勤める医療スタッフの子供さんをお預かりできるようにする、こういう柔軟な事例も周知してもらいたいわけですね。これは、例えば大阪府ならいいんだけれども神奈川県じゃだめとか、こういう話で、ばらつきがあっちゃいけない。そういう意味で、ぜひ大臣、これもリーダーシップを発揮してもらって、前に進めてもらいたいと思いますが、いかがですか。
○塩崎国務大臣 先ほど対応が遅いというお話をいただきましたが、三月二十日に岡本先生からお話を頂戴して、四月下旬に都道府県の看護担当者会議を開いてこの病院内保育所の推進について協力を依頼して、六月中旬には、都道府県別の病院内の保育所設置率を提供した上で、他県の状況等と比較をした現状認識とか今後の対応方針に係る調査も行っておりまして、今、都道府県に対して積極的に働きかけておりまして、私が事務方に今回は対応が随分早いじゃないかと言ったぐらいでありました。 そこで、今御提案をいただいたお話でありまして、医療施設の中にある院内保育所が特に近隣の方々にも使っていただける、それも医療施設とか介護施設とかという御提案がありましたが、それを基金で使えるということで今御提案いただきましたけれども、私どもも、これは地域医療介護総合確保基金の趣旨に沿う御提案だというふうに思いますので、その提案どおり、補助の対象となり得る旨を都道府県に対して示していくことによって、今お話があったようにばらつきがないようにしたいと思いますし、ましてや、これ以外のところで余りないとすれば、全国にこういうものがあるようにしたいというふうに思います。
○岡本(充)委員 次の質問まで答えていただいて、介護の話です、次に聞こうと思っていたんですけれども。 医療の話、まず統一をしてもらいたい、統一見解を示すべきだという話、そして、先んじて答えていただきましたけれども、近隣の介護施設のスタッフも子供さんを預かってもらえるように、その取り組みを進めるという御答弁をいただきましたので、この二問目は飛ばして、重要なポイントは、院内保育といっても、二十四時間保育がやはり求められていますよね。 私の地元の病院でも院内保育をやっています。たしか基金を使っていると聞いたような気がしますが、ちょっとそこは定かではありません。ただ、その病院も、火曜日と木曜日だけ二十四時間のようなんですね。そうすると、ほかの曜日は二十四時間じゃないんです。だから、二十四時間保育をやっています、丸とつけてくるんです、それでも。 でも、これは火曜日と木曜日だけではいけなくて、実態調査をするときには、ちゃんと毎日やっているのかどうかということを含めて二十四時間保育の実施状況を特に調べるべきだと思いますので、その点に留意して調査を早急に進めていただけますか。お願いしたいと思います。
○塩崎国務大臣 そのような方向で指示をしたいと思います。
○岡本(充)委員 では、その方向でのまた取り組みについて御報告をお待ちしたいと思います。 続きまして、皆さんのお手元にきょうお配りをしておりますペーパー、四枚ほどあるんですけれども、福島の原発の作業員の衛生管理について少し聞きたいと思います。 原発事故で、大変厳しい環境でその作業をしていただいている皆様には本当に頭が下がる思いでありますが、国が、緊急作業従事者として、平成二十三年三月十四日から平成二十三年十二月十六日までの間、いわゆる緊急被曝限度のもとで働いていた労働者の皆様方、その皆様方に登録証をお送りしているというのが、一のところ、皆さんのお手元のものであります。 残念ながら、その中でも、住所不明等で二十八人、それから登録証が送付できていない人が三百三十七人いるというのが二十六年十二月二十六日の現状でありましたが、今これはどのようになっていますか。
○土屋政府参考人 お答え申し上げます。 今御紹介をいただきましたように、緊急作業に従事した方は全体で一万九千六百七十五人ということで、このうち九八・三%の方々に登録証をお出しできていて、三百三十七人が送付ができていない、こういう状況ですが、これは、この資料にもございますように、昨年の十二月現在で取りまとめたものでございまして、その後、ちょっとこの数字の推移を私ども確認ができておりませんので、この数字が一番新しい数字だということになります。
○岡本(充)委員 これは追えていない人がこれだけいるという状況なんですね。その中でも、手帳を発行してもらっている人については、八六・四%に手帳を発行済みですと。 これは、対象者からの申請に基づいてという話ではなくて、やはりそういった作業に従事をしていたということをもってすれば、登録証と同じように申請なくしてお送りするのが筋じゃないかと思うんですよね。大臣、どうですか。そういう意味では、これをお送りした方がいいんじゃないかというふうに思っています。 それともう一つ確認をしたいんですけれども、この二十三年の十二月十七日以降、最も多い被曝線量、被曝をされた作業員は何ミリシーベルトですか。そしてまた、百ミリシーベルト以上の被曝をした方は何人いらっしゃるんですか。それはいつの時点の調査か。あわせてお答えをいただきたいと思います。
○土屋政府参考人 今手元にあります数字ですと、二十三年十二月以降というよりは、三月からの時点で被曝線量の高い方ということになってしまうのですが、二百五十ミリシーベルト以上を超えて浴びた方が六人、それから百ミリを超えた方が百七十四人、五十ミリを超えている方が全体で二千三百人ほどというような状況でございます。(岡本(充)委員「それはいつの調査、いつの時点ですか」と呼ぶ)済みません。ことし五月末までの状況でございまして、緊急作業従事の期間も含めての被曝線量でございます。
○岡本(充)委員 ということであるとすると、二百五十ミリシーベルト以上の人が六人、それから百ミリシーベルト以上の人が百七十四人、合わせて百八十人の方ががん検診の対象として今フォローをしている、そういう理解でよろしいですか。
○土屋政府参考人 先ほど申し上げました百ミリシーベルトは、百七十四人は六人を含んでの数字でございますので、百ミリ超えの方という意味では、今お話があった点は、百七十四人が対象でございます。
○岡本(充)委員 この百七十四人の、正社員もしくは非正規社員、また東電の本社の雇用、協力会社の雇用、それはどういう内訳になっていますか。
○土屋政府参考人 まず、正社員か非正規社員かということにつきましては、こういう作業に従事していた方ということで一律に把握をしておりますので、その雇用形態に関しての区分はしてございません。ちょっとその数字はわかりません。 東電の社員の方が百七十四人中百五十人、協力会社の方が二十四人でございます。
○岡本(充)委員 これは、どういった雇用形態だったのかというのは、今後の被曝線量の上限を決めていく上でやはり検討しなきゃいけないテーマだと思いますよ。なぜかというと、先ほどお話をしたように、その後の足取りが追えなくなっている方がみえるんじゃないかと思っています。 皆さんのお手元の裏のページの下段の表二というところを見ると、明らかに協力会社の方の方が、例えば特定健診の受診率が低いんです。東電は九九・二、協力会社は六三・五なんですね、パーセンテージで。そういう意味でいうと、きちっと健診を受けてもらうということにおいても、明らかにこれは差があるというふうに思います。 そういう意味で、どういう雇用形態の人だったのか、また、どういう会社だったのか、こういうことを踏まえた上で、今後のやはり被曝線量の管理をしていかなきゃいけないと思います。 では、この百七十四人のうち、今、住所等がわからなくなっている、連絡がとれない方は何人いらっしゃるんですか。
○土屋政府参考人 ちょっと手元に細かな資料がないんですが、百七十四人については、住所等をきちんと把握ができているということだと認識しております。
○岡本(充)委員 にもかかわらず、健診を受けてみえない方がこれだけいらっしゃる。 また、国が実施しているがんの検診率は半分以下ですね。これはきょうつけていないんですけれども、四五%です。半分以上の方が、がん検診、百ミリシーベルトを超えた被曝を受けていながら、受けていない。 この事実を見ると、やはり今の管理、もし住所を把握しているのであれば、これは受診をもう少し勧奨するべきじゃないですか。半分以下の受診率では、普通の人のがん検診と変わらないじゃないですか。どうですか。
○土屋政府参考人 もともと、高い線量を浴びた方にきちんとがん検診を受けていただくというのがこの制度をつくった趣旨でございますので、先生おっしゃるとおり、私どもとしても、きちんと受けていただきたいということで、毎年、受診の勧奨をさせていただいております。これからも徹底していきたいと思います。
○岡本(充)委員 徹底していきたいと言うけれども、これは一般のがん検診の受診率と変わらないというこの現状ですよ。それはやはりおかしくないですか。 大臣、きょうお手元にはお届けしなかったので申しわけないですけれども、四五%なんですよ。それは事実ですよね、国が実施をしている受診率は。これだけ低い、百ミリシーベルトの被曝を受けた方でもこれだけしかがん検診を受診していないというこの現状を踏まえると、私は、やはり勧奨の方法に問題があると言わざるを得ないんじゃないか、こう思うわけであります。これはしかも平成二十五年度の調査です。二十六年度の調査はまだ出ていませんね。 そういう意味でいったら、きちっと調べて勧奨をするような方法を考えるべきだと考えるんですが、大臣、御意見いかがですか。
○塩崎国務大臣 今お話がございましたように、勧奨をしても応じる方々が低い、それも特に、正社員、非正規についてはちょっとその統計がございませんけれども、東電とそうじゃない協力会社と見ても、明らかな差があるというのは、御指摘のとおりだと思います。 しかし、負ったリスクは同じでありますから、これを長期的にきちっと管理していくということが大事であって、その追跡をちゃんとしていくということ、そしてまた、追跡できた方については健康管理を長期的にしっかりやっていくということが大事なので、がん検診を受けていらっしゃるかどうかについては、国としてもきちっとフォローしていくということをやっていかなきゃならないということを私も思うところでございます。
○岡本(充)委員 離職している方が特に検診率が低いということは、恐らく、離職しているということは、正社員の方じゃない方が多いんじゃないかなという気はするんです。したがって、正社員、非正規と分けて傾向を見るべきだと言っているわけです。 きょうは、原子力規制委員会の方からも来ていただいています。 これから先、働く皆さん方の被曝の線量をどうしていくか、それからまた、きょう人事院には来ていただいていませんけれども、国家公務員含めてそうですけれども、こうした被曝線量の緊急時の線量引き上げをしていく際には、やはりこうしたフォローアップの体制がきちっとできているということが前提でなければまずいと思います。 そういう意味で、私は、今の答弁を聞いていただいた上で、これからの緊急時の労働者の被曝線量引き上げについて、もう少し慎重な検討が必要な段階ではないかと思うんですが、御答弁を求めたいと思います。
○櫻田政府参考人 お答え申し上げます。 今委員から御質問ございました緊急作業時の作業員の被曝に関する規制、これは原子炉等規制法に基づくものでございますけれども、これにつきましては、今、原子力規制委員会におきまして検討して方向性を定めた上で、昨日、放射線審議会において、その答申に対する諮問内容について御決定いただいたというふうに承知をしてございます。 この内容の中には、緊急作業の従事について、あらかじめ放射線の影響などに関する情報提供を受けて、参加の意思を表明して、かつ、必要な訓練を受けた放射線業務従事者に限るということ。それから、今御紹介のございました、緊急作業後の健康診断等の措置を求めるという形にしてございます。 実際に原子力規制委員会といたしましては、そういった事業者に対する要求事項がきちんと履行されているかということ、特に事前の教育訓練や放射線防護措置を適切に行うということでありますとか、あるいは緊急作業後の健康管理等の適切な措置を行う、こういったことが事業者から作業員に対してきちんと行われることについては、保安規定という事業者のルールがございますが、それの審査でありますとか保安検査の中で確認をするということにしてございます。 こういった形で作業員の健康影響にも配慮して、緊急作業の確実な実施のために、緊急作業時の被曝に関する規制を適切に行ってまいりたいと考えてございます。
○岡本(充)委員 勤めている間はその方針にのっとってやってくれるでしょう。今回言っているのは、離職した後の受診率がめちゃくちゃ低いという話をしているんです。 したがって、今言ったように、事業場における規則では離職した後は縛れないんですよ。離職した後も含めて健康管理ができるのかという観点が今回抜けているんじゃないんですかという指摘をしているんです。 そういう意味で、離職後の元従業員に対してどのように健康診断を受けさせるスキームに今回なっているのか、では御説明をいただきたいと思います。
○土屋政府参考人 失礼します。制度を持っておりますのは厚労省でございますので、私の方からまず御説明をさせていただきたいと思います。 離職をされた方については、健康管理手帳を発給いたしまして、そのもとで必要な健康診断を国の費用で受けていただくという制度をつくってございますので、その制度を今後の特例緊急作業が必要な場合にもしっかりと活用していくということを考えてございます。
○櫻田政府参考人 答弁が後先になって申しわけございませんでしたが、原子炉等規制法におきましては、原子力事業者に対する規制ということでございまして、その中で、事業者の従業員あるいは協力会社の方も含めて、作業に当たる方の放射線管理をしっかり行うということを求めてございます。そして、そういった方々が業務に従事していた間の被曝線量については、きちんと記録を管理しておく、さらに、職場から離れるときにはその情報を必ずきちんとした形で当該対象の方にお伝えする、こういうことも求めているということでございます。
○岡本(充)委員 離職した後、またさらに転居したり、さらに転職する方もいらっしゃるんですよ。したがって、そこまで追えていないでしょう。 それから、安衛部長の方には、先ほどもそれは聞きました。残念ながら、その制度があっても、手帳は申請しなければ出さないわけだし、なおかつ、本人に受診を勧奨しても半分以下、普通の人と変わらないがん検診の受診率しかないこの現状を私はやはり問題だと言っているんですよ。 今大臣聞いていただいてわかるように、事業場に勤めている間は、原子力規制委員会の話は、そのとおり対策としてやりましたよという話です。しかし、非正規の方がたくさん働いているのではないかと私は思料する中で、やめられた後、もちろん正規職員の方でもいつかは定年退職でやめられます、そのやめられた後にきちっとフォローができる体制をつくらなければ、線量の上限を上げることはやはりまずいと思う。 したがって、政府部内でぜひその調整を、あれは厚労省だ、あれは原子力規制委員会だ、そういう話ではなくて、これは内閣の会議に持ち帰って、こういう指摘がある中で取り組みをきちっとやっていくという旨、ぜひ大臣、率先してやっていただきたいと思いますが、いかがですか。
○塩崎国務大臣 もともと、今回二百五十ミリシーベルトにするということも、こういう原子力緊急事態が起きたときに限って厚生労働大臣が特例緊急被曝限度を二百五十ミリシーベルトに定めるということにしていますけれども、当初はいろいろな考え方があって、一般的にこういう事態が起きたときには二百五十ミリシーベルトに上げるというような考え方もあったわけでありますが、やはりそれは、幾ら何でも、青天井でやるようなもので、それはよくないんじゃないかということで、今回、そういう事態になったときのみ二百五十ミリシーベルトに大臣が定めるということにしたわけであります。 これは、何といっても、初めてのこれだけの大きな原子力の事故でありましたから、これはやはり、離職をしようとしまいと、それはきちっとフォローして長期的に健康管理をしていくという考え方が私も正しいというふうには思っておりますので、まだそういう制度がきちっと整っていないことがたくさんあった中でここまで来ていますから、さらに今先生の御指摘のような発想で、どこまでもF1にいた方々に関してフォローしていく、追っかけていく、そして健康管理をしてもらって、がん検診を含めて、その被曝線量に応じて健康管理をしてもらうようにすべきだというふうに私も思います。
○岡本(充)委員 その方向でぜひやってもらわなきゃいけないと思いますけれども、離職された方は特に重要ですよ、本当に。言っておきます。 その上で、今、厚生労働省として、この健康管理の対象となっている方の中でがんを発症された方、何人把握されているんですか。
○渡辺委員長 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○渡辺委員長 速記を起こしてください。 土屋部長。
○土屋政府参考人 がん検診等を含めまして、健康診断の結果は事業者からいただいておりますので、その結果の範囲で私ども状況把握をしておりますので、がんの確定診断があったかどうかという点については、恐縮ですが、把握ができてございません。
○岡本(充)委員 いや、それはおかしいでしょう。がん検診等の結果のデータベース登録の状況を見ているんでしょう。その中で何人発症しているんですかと言っているんです。
○土屋政府参考人 今後、今、第一原発で働いていた方については、全体の方について疫学調査をする予定にしてございまして、その中でがんについても把握をさせていただきたいというふうに思っております。
○岡本(充)委員 では、何のためにデータベースをつくっているんですか。 それはやはり、がん検診のさっきの話、やってもらっていますね、その後どうなりましたかということを厚生労働省は把握していないという今の答弁、大臣として、聞いていて恥ずかしくなりませんか。やはりこれは、どういう状況になっているかということを把握するべきですよ。検診だけやって、もう後どうなったか知りませんというのじゃまずい。 それからもう一つ、きょうは時間がないから言わないですけれども、健診の中身も私は大変お粗末だと思っています。 これは、いろいろな人に聞いて、費用等を見ながら決めたのかもしれませんが、そもそも、電離則で定めている放射線従事者の健診というのは、皮膚の表面を診るとか、白血球の数を診るとか、白内障がないかどうか、これも簡易な検査で診ているだけであって、私は、十分な検査ができているとは日ごろからも思っていませんよ。 正直言って、私も、大学院生のときには放射線の被曝の可能性のある実験をやっていましたから、毎年その検査を受けていました。友達同士でやり合うんですね、医者同士だから。本当に簡単なものですよ。ああ、オーケーだね、オーケーね、こういう感じですよ、本当に、現場。これに加えて若干の採血検査等をやっていると言うけれども、これだけ大量の被曝をした者に対する検査としては、極めて不十分だと思います。 そういう意味で、中身も含めて、健診の中身についてももう一度見直すべきだと思うし、それから、今お話をしましたけれども、その結果を厚生労働省として把握していないのは問題だから、至急把握をしてもらうようにお願いしたいと思いますが、いかがですか。この二点。
○塩崎国務大臣 おっしゃるとおりだと思いますので、先ほど申し上げたように、かつてない規模での原子力発電所の事故でありますから、そのフォローを、これは厚生労働省だけではできませんので、先ほどお話があったように、協力会社で、また、それを離職された方も含めて、被曝線量の高かった方について、特にがん検診の結果を含めてフォローしていくというのは当然のことだと思いますので、これは経済産業省とも連携をしなければいけないし、原子力規制委員会も同様だと思いますので、そこら辺をよく連携するように指示をしたいというふうに思います。
○岡本(充)委員 ぜひ、また結果をお聞かせいただきたいと思います。 さて、最後に、ドラッグラグの話について少し聞きたいと思います。 平成二十六年度におけるいわゆるドラッグラグの状況はどういうふうになっているのか。平成二十五年の状況についてはお伺いしたんですが、平成二十六年、開発ラグ、アンケートを今実施しているそうですけれども、どういうようなスケジュール感で今後出てくるのか。そしてまた、数字について、二十五年度を含めて、研究開発のラグ、審査のラグ、今どのようになっているか。御答弁をいただきたいと思います。
○神田政府参考人 現時点では、直近の数字では、二十五年度の数値ということでございます。二十六年度の数値については、現在、その調査をしていると。 ドラッグラグの把握につきましては、米国との比較によって行っております。開発ラグにつきましては、規制当局に対して薬事承認申請をした時期との差、それから、審査ラグにつきましては、その年に承認された審査期間の差ということでございますので、二十六年度の数値については、現在、集計をしているところでございます。 ちなみに、二十五年度の数値について申しますと、開発ラグは一年、審査ラグは〇・一年、ドラッグラグ全体としては一・一年ということでございます。
○岡本(充)委員 時間が来たから終わりますけれども、こうした審査の迅速化、それから研究開発の促進というのも、大臣、重要な仕事であって、本当に厚生労働省の仕事は多岐にわたるんですけれども、ぜひこの面についても御尽力をいただきたい。 最後に一言だけ決意をいただいて、終わりたいと思います。
○渡辺委員長 塩崎厚生労働大臣、一言でお願いします。
○塩崎国務大臣 かねてからこのラグの問題は指摘をされてきたことでもあり、大分よくなってきたということもありますし、治験も、長く時間がかかると言われていましたが、かなり、大分変わってきたということもあって、そういう意味では、さらに努力をすべしということで、私も認識を共通にするところでございます。
○岡本(充)委員 終わります。ありがとうございました。
○渡辺委員長 次に、西村智奈美君。
○西村(智)委員 民主党の西村智奈美です。 私は、安倍政権が女性の活躍促進とか女性が輝く社会を目指すと言っていることはまやかしだと思います。なぜならば、一部の女性が輝くことについては非常に一生懸命であるけれども、困難を抱えている女性であったり、また、今本当にサポートを必要としている一人親家庭であったり、非正規で働いている女性に対しては、今回の労働者派遣法の改悪にも見られるとおり、極めて冷たい態度をとり続けているからであります。 ただ、塩崎大臣にきょう伺いたいと思っていますのは、次の育休・介休法に向けて、現在、厚労省の中で研究会が行われていると聞いております。 私、この前、労働者派遣法の、非正規の方々の育休の取得について質問しました折に、大臣も、非正規の方々の育休の取得条件についてはちょっと問題があるというような答弁も実はしてくださっていました。 大臣に改めて伺いたいと思うんですけれども、やはり、きょう資料でもお配りしていますけれども、非正規で働いている方々の割合というのは、過去二十年以上、ふえてきているわけですね、特に女性。実は、女性の就業率が高くなっているとはいえ、押し上げているのは、非正規の方々が割合としてはふえているということですし、また、資料の一枚目の下につけてあります、働き方別の育休利用状況ですけれども、正規社員の方々は取得がふえてきているんですね、過去二十年。正社員の方の育休取得は過去二十年間ふえているんです。 ところが、パートとか派遣、非正規の方々でいうと、ずっと横ばいが続いている。これは、先日、山本副大臣が御答弁くださいました。正社員の方に比べて、非正規の方の育休取得率は十分の一でしかないと。これを大臣が御存じなかったというのは、私はちょっとショックだったんですけれどもね。 いずれにしても、こういうような状況の中で、やはりこれは、次の改正に向けて取得条件を何とかしていかなければいけないんじゃないかというふうに思うんですけれども、大臣の見解を伺いたいと思います。
○塩崎国務大臣 実は非正規だけではなくて、一つは、特別養子縁組の際の監護期間の六カ月の話もあって……(西村(智)委員「聞いてないです。聞いてない」と呼ぶ)いや、これは大事な話だから申し上げる……(西村(智)委員「短いので、お願いします」と呼ぶ)ああ、そうか、きょうは十五分しかないんだ。 要するに、そういうところにも問題があって、それから、例えば里親にも認められていないという問題があって、実は同じ問題がこの非正規の問題にもあると私は考えているので申し上げているんです。 それは何かというと、やはりこれは、雇用の継続という観点から仕組まれている制度であるがゆえに、子供の福祉とか、それから、女性の、就業と関係ない、役割の向上とか、そういうことは余り考慮されない仕組みになっているというところが私は問題だということを感じています。 これは全然こんなものには書いていませんので、本質的な問題として、これを解決しない限りはなかなか難しい。ですから、ここに事務方が用意したものを見ると、今の制度のことがいっぱい書いてありますが、それを読んでみたところで余り足しにならないので申し上げませんので、今のようなことを申し上げたということでございます。
○西村(智)委員 里親のことについては、先日、この研究会報告書の案に入ってきそうだということで、中間的に報道もなされているんですよね。(塩崎国務大臣「特別養子縁組だけの話」と呼ぶ)特別養子縁組だということはわかりますけれども、ただ、私は何が申し上げたいかというと、この間、この研究会の報告書案として出ているのは、例えばさっき大臣がおっしゃった里親、半年の試験養育中も育休の取得が可能になるということで「法改正へ」というタイトルがついていたり、それから、これはけさですけれども、介護休業の分割取得も可能になるということで、法を改正して対応する方針ということで、要するに、何が言いたいかというと、次の育休・介休法に向けては、こういう形で、こういう法改正になりそうですよということがもう出てきているんです。 ただ、非常に残念なのが、私、この資料の一枚目につけたように、パートとか派遣の育児休業の取得が過去二十年間にわたってずっと横ばいが続いている、しかも正社員の取得と比べては十分の一、このような状況を、この法改正を行わないということで放置しておくのがいいのかどうかということなんです。 有期契約労働者の育児休業の取得条件については、三つ言われています。一つが、当該事業主に引き続き雇用された期間が一年以上であること。二つに、養育する子が一歳に達する日を超えて引き続き雇用されることが見込まれること。三つに、当該子の一歳到達日から一年を経過するまでの間に、その労働契約の期間が満了し、かつ、当該労働契約の更新がないことが明らかでないこと。 こういうふうに三つ言われているんですけれども、ILO条約、百五十六号条約があります。これに基づいての百六十五号勧告というのも出されています。ここでは、正規と非正規の方々に、家庭生活との両立の上で、待遇条件に差があってはいけませんよということを言われているわけですから、私は、ここはやはり育休の取得条件についても差をつけない方が望ましいというふうに思っています。 ただ、これは、有期契約の方々については、さっき私が申し上げた一と三の要件がもう一載せ、要件として載せられているわけですね。無期で働いている人たちは二番目の要件が課せられているだけで、一と三の要件は課せられていません。 これはやはり、私は、将来に向けて、撤廃をしていくような法改正が必要ではないか、そうでないと、ふえている女性の非正規の割合、そして、ふえていかないその中での育休の取得率というこの状況がいつまでたっても改善しないというふうに思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 さっき申し上げたことが本質だと思っていまして、今三つの要件を言っていただきましたが、育児・介護休業法というのは、育児を理由とした雇用関係の終了を防いで、つまり、さっき言った雇用の継続、これが目的なんですね。労働者の雇用の継続を目的としていることから、有期契約労働者については、相当期間雇用の継続が見込まれると考える者に限って育児休業を認めているというのが現状の仕組みなんです。 ですから、さっき申し上げたように、それともう一つ加わっているのは、法律上の親子でないとだめだということがあって、それが特別養子縁組の場合には監護期間でもというのは、早晩それが見えているからということで例外的に認めるという方向の御意見が出ているということのようですが、里親は親子の関係では法律上ないので、そうならないし、何よりも、雇用の継続を目的としているというところでこういう条件が課せられているということでありますので、そこのところをどうするかという、育児休業制度の仕組みを含めて私どもとしては検討しないといけないなということを今考えているわけです。 それともう一つは、先ほど、今検討が政府内で進んでいるじゃないかということですが、これは研究会で進んでいるので、この後、研究会は研究会の意見としてお出しをいただきますが、その後、審議会で正式にかかりますので、そのときは、またもう一回、その研究会の結果を見ながら、新たに議論をするというプロセスが参りますので、ぜひとも御議論を御一緒に賜れればありがたいなというふうに思います。
○西村(智)委員 これは立法府の意思として、一番最新の育休・介休法の法改正のときに、この衆議院の厚生労働委員会で、平成二十一年、附帯決議が付されているんです。そこには、「有期契約労働者への制度の適用範囲の在り方について引き続き検討すること。」というふうに、これは立法府の意思として加えられているわけですから、ここは、大臣、よく認識をしていただきたいと思うんです。 私はなぜ今回の研究会報告を非常に注目してきたかというと、恐らく、この後、労政審の雇用均等分科会でこの研究報告をもとに法改正に向けて議論されていくんだというふうに思うんですけれども、読んでいてよくわからない文章がいっぱいあるんですよ。 もう時間なので、最後にまとめてお伺いしたいと思うんですけれども、これは研究会報告書の案の十九ページのところに、「子が一歳に達する日までの間に、労働契約期間が満了し、かつ、労働契約の更新がないことが明らかである者のみ育児休業が取得できないこととすべき、との意見があった。」というふうに書いてあるんですけれども、これは一体何を意味しているのか。逆の意味として、更新するかもしれないという人は全てとれるということというふうに理解をしていいのかということを伺いたいと思います。 大臣、やはりここは大臣のリーダーシップが必要なところだと思います。労政審の議論に委ねる、大臣はそこに逃げるおつもりかもしれませんけれども、私たち民主党政権のときは、審議会も、あるいはこういった形での研究会も、政務三役が可能な限り出席をしたりして、いろいろな意見を賜りながら一緒に議論はさせていただいてきたんです。そういったことからしても、大臣のリーダーシップが非常に重要だと思うんですけれども、この法改正に向けてそれを発揮していただけるのかどうか、そこをお伺いして、終わりたいと思います。
○塩崎国務大臣 今、報告書案の一部の御指摘がありましたけれども、現在の育児休業の取得要件のうち、子が一歳に達する日を超えて引き続き雇用されることが見込まれることについては、将来の雇用継続の見込みの判断が労働者、事業主ともに困難であること等から、子が一歳に達するまでの間に確実に雇用契約が終了する者以外は育児休業が取得できるようにすべきとの趣旨から御提案をいただいた意見の一つと認識をしているわけでございます。 そういうことで、雇用の継続というのが絶えず育児休業の判断にかかわってくるので、それだけで本当にいいのかということも含めて考えていかなきゃいけないなということで、私もちゃんと審議会の方にもメッセージを発していきたいと思いますし、私は、いろいろな審議会にも、こんな分科会にまで大臣は出たことないというところまで出向いてこれまでもやってきていますので、その辺はきっちりやっております。
○西村(智)委員 終わります。ありがとうございました。
○渡辺委員長 次に、堀内照文君。
○堀内(照)委員 日本共産党の堀内照文です。 きょうは、アスベストの問題について幾つか質問したいと思っております。 兵庫県尼崎市のいわゆるクボタ・ショックから十年が経過をしました。環境再生保全機構が発表した環境型暴露によるアスベスト被害者は、六月末時点で、医療費受給や遺族への給付金の受給者も含めまして合計一万人を超えました。一方、石綿による労災保険の支給決定件数は、九六年以降、一万二千人近くに上っております。 労災、環境型の区別を問わず、中皮腫による死亡者数を見ますと、二〇一二年から年間千四百人台になり、九五年以降、一万七千人を超して、深刻の度を増しております。 アスベスト全面禁止は二〇〇六年でありまして、暴露から発症まで一般的に三十年、四十年かかるということを考慮すれば、今後さらに数十年は健康被害が広がるということが懸念をされております。 まず、塩崎大臣に認識を伺いたいと思います。こうした現状と今後の推移について、どのように考えておられますでしょうか。
○塩崎国務大臣 今御指摘をいただきましたけれども、石綿による疾病の労災認定件数、私も今改めてグラフでも見ましたが、ここ数年は千件前後で推移をしているわけでございまして、当分の間はこれまでと同じ程度の水準で推移していくものと考えるべきかなというふうに思っております。 今先生からもお話がありましたように、発症まで三十年、四十年かかるということでございますので、そのように認識をしなければならないというふうに思っております。
○堀内(照)委員 きょうは資料も用意していまして、一枚目にアスベスト輸入量の推移をつけておきました。 今大臣にお答えいただきましたように、総計で千万トンですが、使用のピークが七〇年代とそれから八〇年代の終わりと二つありまして、しばらくこの傾向が続くという大臣の御答弁も、恐らく、この使用量の傾向を見ればこういう健康被害が今後続くと見込まれるという答弁だったというふうに思います。 問題は、現行の補償もしくは救済制度で被害者をしっかり捕捉できているのかということであります。 資料の二枚目、三枚目に、労災と救済制度の概要について掲載をしておきました。労災による補償とともに、石綿による健康被害の救済に関する法律に基づいて、労災では救済の対象とならない者に対する救済給付ということの二本立てで行われているというふうに思います。 中皮腫だけで限って見ますと、死亡者が、先ほど言いましたように、九五年以後、一万七千人を超えております。対して労災認定は、中皮腫分、これは統計が一年ずれるんですが、九六年以降、合計すると六千人余りになります。救済法に基づく救済制度の受給者で中皮腫に当たる方は計九千人弱でありまして、労災と救済制度を合わせると一万五千人なんです。 これは療養中の方を含む数でありまして、当然、単純比較はできないわけでありますが、アスベスト由来がはっきりしている中皮腫でさえ、この間の死亡者の方が、存命の方も含む救済の認定者数よりも多いということになっております。恐らく中皮腫だけでも数千人規模で制度の対象となっていない方が残されているというふうに推察されると思うんです。 まだ被害者の全体を捕捉できていないというふうに思うわけですが、この点、制度が両方ありますので、厚労省、環境省、両方にお答えいただきたいと思います。
○岡崎政府参考人 労災保険制度及び石綿救済法に基づきまして、業としてかかわられた方、時効にかかられた方々、これらの方々については、それぞれの補償がされているということです。 私どもは、これらの制度での救済の対象になる方につきましてはしっかりと把握して認定していく必要がある、その辺の周知を含めて、今までもやってきておりますし、今後ともしっかりとやっていきたいというふうに考えております。
○北島政府参考人 お答えいたします。 石綿救済法による指定疾病の認定者数は、近年、毎年おおむね七百人から八百人で推移をしております。全ての対象者を救済できているかについて判断することは困難でございますが、環境省といたしましては、法の趣旨にのっとり、可能な限り、すき間なく迅速に救済していくことが重要であると認識しております。 このため、石綿健康被害救済制度について、医療機関や医療関係学会等に対し、セミナーなどを通じて周知を図るとともに、環境再生保全機構におきましても、医療機関を初め関係行政機関や駅などに広告ポスターを掲示するなど、また一方では、新聞や雑誌等の媒体を通じて積極的に周知を図っているところでございます。
○堀内(照)委員 周知ということで言われたわけですが、私も幾つか課題があると思っておりまして、一つに、肺がんの認定基準の厳しさの問題があると思っております。 肺がんの原因は、石綿のほか、喫煙、大気汚染などさまざまに考えられること、同時に、その鑑別が難しいということから、肺がん患者のうち、原発性肺がんであって、肺がんの発症リスクを二倍に高める量の石綿暴露があったとみなされる場合に、石綿肺がんと認定しております。 ですから、胸膜プラークの所見を有していても、例えば、二倍に高める量に相当するかどうかというその基準があるわけですね。乾燥肺重量一グラム当たり石綿小体五千本以上もしくは石綿繊維二百万本以上、そういう基準が設けられております。 過去の中央環境審議会石綿健康被害判定部会に出された資料などを見ますと、認定されなかった理由として、原発性肺がんであると認められるものの、肺がんの発症リスクを二倍に高める量の石綿暴露を示す所見が認められなかった。やはり、二倍ということで線引きがされているという印象を受けました。 環境省にお伺いしたいんですが、こうした基準、線引きが、そういうふうに認定を妨げる壁になっているんじゃないか、それから厚労省には、労災ではこの基準の実際の運用がどういうふうになっているかということ、これも双方にお聞きしたいと思っています。
○北島政府参考人 石綿健康被害救済小委員会により取りまとめられました、石綿健康被害救済制度における指定疾病に係る医学的判定に関する考え方につきましては、肺がんについては、喫煙を初めとしてさまざまな原因があり、石綿を吸入することによるものであるか否かについての判定は必ずしも容易ではない、このため、現行の救済制度における肺がんの医学的判定については、原発性肺がんであって、肺がんの発症リスクを二倍以上に高める量の石綿暴露があったとみなされる場合に、石綿によるものであると判定することとされております。 ある要因がある疾病の発症リスクを二倍以上に高める場合に、当該要因を当該疾病の原因とするものとみなすというこの考え方は、その要因の暴露を受けた後に発症した健康被害者から一名を無作為に抽出すれば、その方の健康被害の原因が当該要因である可能性の方が当該要因以外の要因である可能性と同じかそれ以上であると判断できることによるものであり、民事責任等によらず、石綿による健康被害者を幅広く救済するというこの制度の趣旨に照らせば、対象者を判定する考え方としては妥当なものであるということが同小委員会の考え方として示されているところでございます。
○岡崎政府参考人 肺がんにつきましても認定基準がございます。医学的所見と、それから石綿作業の従事期間を組み合わせております。 例えば、胸膜プラークの所見と十年以上ということであれば、これは明らかに業務上ということにしておりますが、これに満たない場合等につきましては、それで業務外とすることではなくて、本省の協議をしていただきまして、本省の中で専門家の意見を聞いて対象になるかどうかを総合的に判断する、こういう形で現在運用しております。 今後とも適切な運用に努めてまいりたいというふうに考えております。
○堀内(照)委員 労災の認定の際には、リスク二倍を基準にしつつも、それを下回るものについてもさらに個別に判定をしているということだと思うんです。しかし、救済制度の方は、二倍ということが基準になって、満たないものが認定されないということになっている。 一昨年四月の中央環境審議会環境保健部会石綿健康被害小委員会の「石綿健康被害救済制度における指定疾病に係る医学的判定に関する考え方について」という報告の中で、胸膜プラークの所見が認められる場合の肺がん発症リスクは一・四倍だという研究についても言及されております。しかし、これも、単にプラークがあるだけということでは二倍に高める量の石綿暴露があったとみなされると判断することはできないということで、採用されていないわけです。 しかし、先ほども述べましたように、肺がんはさまざまな要因のもとで起こっておりまして、国際化学物質安全計画、一九九九年の報告、これもいろいろな審議会の中でも出てくるわけですが、喫煙歴も石綿暴露歴もない人の発がんリスクを一とすると、喫煙歴があり石綿暴露歴がない人で十・八五倍、喫煙歴も石綿暴露歴も両方あるということになると五十三・二四倍と、発症リスクというのが格段に上がる。つまり、相乗的に作用するということが報告されております。 確かに、石綿由来ということだけで考えるとリスクは一・四倍かもしれませんが、たばこなどほかの原因と合わさって、リスクは格段に上がるのではないか。主たる原因はたばこなどによるほかのものかもしれないけれども、一・四倍にせよ、石綿を暴露したことによって発症リスクが格段に高まっていると言えるのではないか。逆に言えば、石綿暴露がなければ発症リスクがそこまで高まることはなかったわけでありまして、そう考えると、石綿暴露が発症の確かな原因の一つとなっている。 そういう点からも、胸膜プラークは、これ自身は石綿暴露がなければ生じないものでありますので、プラークの所見のあるものは広く認定するということが必要ではないかと考えますけれども、いかがでしょうか。
○北島政府参考人 肺がんの発症リスクを二倍以上に高める量の石綿暴露があったとみなされる場合に石綿によるものであると判定することにつきましては、先ほど申し上げたとおりでございます。 この考え方に基づきまして、御指摘の胸膜プラーク所見につきましては、広範囲の胸膜プラーク所見を認める場合には、肺がんの発症リスクを二倍に高める量の石綿暴露があったものとみなし、石綿による肺がんと判定しているところですが、胸膜プラーク所見が広範囲に満たない場合には、肺がんの発症リスクを二倍に高める量の石綿暴露があったとみなされると判断することはできないという状況でございます。
○堀内(照)委員 先ほどの小委員会の報告書でも、この一・四倍の研究について、「今後、胸膜プラークと肺がんの発症リスクに関する知見の収集に努めることが望まれる。」というふうにも書かれておりますので、これはぜひ検討すべきだと指摘をしておきたいと思います。 労災では、ここ数年、中皮腫で毎年五百人程度、肺がんで四百人程度の認定に対して、救済制度の方は、中皮腫六百人程度に対して肺がんは百数十人という水準で推移をしております。労災と比べると、救済制度の場合は肺がんの認定が極端に少ないというふうに印象を受けるわけです。聞きますと、これはそもそも申請件数が少ないんだというお話でした。 私も、いろいろ被害者の相談活動をしているアスベスト被害からいのちと健康を守る尼崎の会、この方からお聞きをしますと、例えば七十歳で亡くなった方の御遺族が申請をしようと、亡くなる五年前に肺がんの手術をされた県立病院に、手術の証明書、エックス線やCTの画像、石綿小体の数のデータを請求しますと、もう五年たって、記録が、写真もなかった、それで申請を諦めたというんですね。また、肺がん末期になれば、もうレントゲンなどのフィルムではプラークの確認が非常に難しくなる。ですから、比較的まだ肺がきれいなころの写真をということで過去の写真を捜そうとするんですが、この点でもやはり古いものが処分をされていて、申請に必要な書類がそろわないというケースもあるとお聞きしました。 医学的所見というのはもちろん大事なわけですが、そもそも申請にすら結びつかないということであれば、必要な方々の救済にやはりつながらないと思うわけであります。レントゲン写真がないと申請することすら諦めなければならないのか、申請を受け付けることのもう少し柔軟な改善ができないのかと思うわけですが、いかがでしょうか。
○北島政府参考人 制度創設以降、平成二十六年度末までの累計申請件数は、肺がんについては二千八百八十六件であり、中皮腫は一万五百六十六件でございました。 この件数が本来あるべき件数より少ないかどうかについて評価することは困難でございますが、申請に際しては、処分庁である環境再生保全機構において相談を受け付け、労災制度についても紹介するとともに、必要となる医学的資料等についても助言を行うことなどにより、可能な限り、すき間なく迅速に救済を実施できるよう努めているところでございます。 なお、石綿救済制度に基づく救済を受けるに当たりましては、医学的判定が必要となりますことから、一定の医学的資料を提出いただくことはやむを得ないものと考えております。
○堀内(照)委員 医学的所見のみということはちょっと後でもまたやりたいと思うんですが、すき間なくとおっしゃるなら、やはり申請を柔軟に受け付けるという必要があるかと思っております。 費用負担の問題も、この相談活動をされている方からお聞きをしました。御本人が亡くなったときに、肺の組織をとって病理検査を行って、申請に回すという場合もありますが、その際、既に亡くなった方ですので保険がきかずに、六万、七万という検査費用がかかる。私が聞いたケースは、病院の御好意で持ち出して、御遺族の負担なしに検査に回せたことによって、申請、認定に何例か結びついたということがあるんだとお聞きをしました。逆に、自己負担だと、御遺族がちゅうちょしてしまうおそれがあるんじゃないかというお話でした。 こうした診断も含めた申請にかかわる費用負担への補助というのも必要ではないかと思うんですが、この点はいかがでしょうか。
○北島政府参考人 石綿健康被害救済制度におきましては、申請時の診断書作成や放射線画像検査の自己負担に係る費用などにつきまして、議員御指摘のとおり、申請者に負担をお願いせざるを得ない部分があることは事実でございます。 ただし、これらのうち、検査にかかった費用につきましては、認定後に、療養を開始した日までさかのぼって支給されることとなっているところでございます。
○堀内(照)委員 いかに対象者を救済するか、その立場でぜひ取り組んでいただきたいと思います。 救済制度の枠組みでは、労災とは違って、あくまで医学的所見のみで認定を進めている、これが非常に認定を厳しくしていることの一つだと思うんですが、救済制度の認定についても、医学的所見に加えて、職歴や居住歴などを勘案した暴露歴を勘案することで、より実態に即した認定ができるんじゃないかと思うんですが、その点はいかがでしょうか。
○北島政府参考人 石綿健康被害救済制度におきましては、申請者は石綿暴露歴の確認が困難なケースが多く、職歴、住所歴等を含め、暴露歴の厳密な精査には限界がありますことなどから、当該救済制度では、石綿による健康被害の特殊性に鑑みまして、民事上の賠償責任から離れて、社会全体の費用負担により、広く救済する仕組みとなっているところでございます。
○堀内(照)委員 この点では、この間、健康リスク調査も行ってきていると思うんです。救済法ができたとき、附帯決議で、「政府は、石綿による健康被害の実態について十分調査・把握し、本制度の施行に反映させるよう努めること。」としていることから、大阪の泉南地域、兵庫県尼崎市など対象地域を指定して、二〇〇六年からは第一期、二〇一〇年から昨年までが第二期ということで、住民を対象に問診、胸部エックス線、CT検査を行ってきていると思います。 この調査で何が明らかになったのか、そうした知見を認定に反映させるということはできないのか、この点はいかがでしょうか。
○北島政府参考人 平成十八年度から平成二十六年度まで実施した石綿の健康リスク調査におきましては、有所見者の八五・三%の方が初回受診時に発見されたことや、有所見率や医療の必要があると判断された方の割合は、女性よりも男性、石綿暴露歴の可能性が特定できない方よりも何らかの石綿暴露歴があったと申告している方、低年齢よりも高年齢において高かったことなどの知見を得たところでございます。 平成二十六年三月には、石綿の健康影響に関する検討会におきまして、これまでのリスク調査での知見が得られたことから、リスク調査後の取り組み等について報告書が取りまとめられ、平成二十七年度以降は、石綿検診の事業化を見据え、肺がん検診との連携方法や事業に要する費用等について調査検討を行うよう提言されておりまして、これを受けて、平成二十七年度から試行調査を開始しているところでございます。 なお、リスク調査につきましては、石綿暴露者の中長期的な健康管理のあり方を検討するための知見の収集を目的として行われたものであり、御指摘のような認定基準に反映させるべき知見は得られていないものと考えております。
○堀内(照)委員 私もそのペーパーをもらいましたけれども、そこには、調査対象の範囲では通常の十六倍に相当する中皮腫患者が発見されたということも報告されていると思うんですね。有所見者は、先ほどありましたように、八五・三%。 きょう、資料の四枚目で、尼崎市の地図にプラークの所見のある人を赤印でプロットを落としたものを用意しましたけれども、やはりクボタの周辺中心に集中をしている。そういう点では、やはりこうした知見なんかも認定に生かすということが可能じゃないかと思うわけであります。 このリスク調査は、今年度からは、希望のあった西宮市、芦屋市など、対象を広げて、新たな試行調査として行われるということでありますが、希望する自治体の手挙げを待つのではなくて、国の方から対象地域を定めてこうした調査を行うということも必要ではないかと考えています。 厚労省に伺いたいんですが、労災認定との関係で、石綿暴露のあった事業所は当然把握されているはずだと思います。建設業の場合はなかなか事業所と現場とは同じではありませんが、製造業の場合はほぼ同一だと思います。ある程度そういう地域を特定していく、それでリスクのあるところを特定することができると思うんです。そうしたものをやはり環境省の調査に生かしていくということも必要ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○岡崎政府参考人 労災の認定におきましては、当然のことながら職歴もとっておりますので、そういった意味におきまして、どこの事業場で仕事をされていたか、ある程度明らかになっています。 これらの状況につきましては、過去に同じ事業場で就労されていた方への注意喚起ということもありますし、あるいは周辺住民等の方々への健康確認の契機にもなるというようなこともあるというふうに思っておりまして、毎年度、石綿暴露作業における労災の認定、あるいは事業場、これについては公表してきているところであります。 これまで、実数で七千八百五事業場、延べで九千五百六十一事業場につきまして、その情報を公開しているところでございます。
○堀内(照)委員 公表はされているということですが、厚労省から環境省へそういった情報を提供したり、連携をとっているというわけではないわけです。 本気で被害者を救済しようというのであれば、そうした労災認定との関係で、該当する事業所のある地域、これは、労働者だけが被曝するリスクがあるわけじゃない、周辺住民もリスクが当然あるわけでありますので、そういった管理をしっかり行っていくということが必要ではないか。 今後、阪神・淡路大震災や東日本大震災での瓦れき処理に伴う暴露ということも懸念をされております。そうした地域を含めて、国の方から指定をしていく、リスク管理を行っていくということが大事じゃないか。 さらに言えば、建築関係や学校などのリスクを考えれば、やはり全国に被害が広がっていく危険もあるわけです。 労働安全衛生法に基づく健康管理手帳のようなものを環境暴露型の方々にも発行して、全国どこにいても必要な検査なりができるようなことというのが今後重要になってくると思うわけですが、この点、いかがでしょうか。
○北島政府参考人 試行調査の前身である石綿の健康リスク調査の対象地域につきましては、その開始年度である平成十八年度以降、環境省からの打診や自治体からの参加希望を踏まえまして、順次拡大してきたところであります。 また、試行調査の実施に際しましては、できるだけ多くの自治体に参加を呼びかけるため、都道府県を通じまして全自治体にアンケート調査を実施し、その結果を踏まえまして、九地域十一自治体を指定したところでございます。 試行調査は、肺がん検診と連携し、医師または保健師による保健指導を実施することとしておりますことから、自治体の理解と協力が必要でございまして、今後も引き続き、自治体の意向を踏まえながら、円滑な実施を図ってまいりたいと考えております。
○堀内(照)委員 アンケート、希望をとってというのは、やはり自治体からの手挙げにとどまっていると思うので、これはぜひ国の方から積極的な取り組みが必要だと指摘をしたいと思います。 ちょっと時間の関係で問いを飛ばしたいと思うんですが、労災と救済制度とで給付内容が大きく違うことも問題だと思っております。 労災では、医療費補助に加え、賃金の八割の休業補償などがあります。対して救済制度では、医療費の自己負担分と月十万円余りの療養手当。亡くなった際には、救済制度の場合は生存中の給付額が引かれるなど、これは先ほどからもずっと答弁がありましたが、片や使用者責任を含む補償という労災と、片や責任は問えないが広く救済するという、その制度の違いがあるんだということだとは思うんですが、同じ病気で、とりわけ環境型暴露について、本人に何の非もないのに発症してしまったものにこうも違いがあるということであります。 ちょっと塩崎大臣にお聞きしたかったんですが、後で、最後にまとめてお聞きしたいと思います。 高橋政務官に伺いたいと思います。 救済法の給付の額を引き上げることが求められていると私は思っています。尼崎での被害の実相を考えると、クボタの責任は本当にはっきりしているわけで、使用した企業の責任ももっと問われるべきだと思いますけれども、救済法の枠組みはそういうものではないということはもちろん承知をした上でお聞きしたいんですが、責任の所在ということでいうと、企業よりさらにはっきりしているのは、私は国だと思うんです。 一九七二年時点で、がんの原因になるという危険性が国際的にも指摘されながら、管理使用という考え方で、全面禁止は二〇〇六年までおくれたわけであります。それが被害を拡大させたことは間違いありません。 冒頭、塩崎大臣に認識を伺いましたけれども、使用量がこうあるので、今後、千人ペースで被害が続くだろう、数十年続くだろうとの認識がありましたけれども、そういう点では、やはり輸入使用を認めてきた国の責任というのがあると思うんです。 まずそこから認めて、救済法の給付をせめて労災並みに近づけていく、そういう努力というのが必要ではないかと思うわけですが、いかがでしょうか。
○高橋大臣政務官 お答えいたします。 これまでの判決で、環境関係法規に関する国の責任は認められていないと承知をしております。御指摘のとおりでございます。 一方、石綿による健康被害救済制度は、原因と被害との因果関係を明らかにすることが大変困難であります。ですが、このような石綿による健康被害の特殊性に鑑み、民事上の賠償責任から離れて、社会全体の費用負担により、広く救済する仕組みを運用してまいりました。 平成二十三年六月の石綿健康被害救済制度の見直しに関する中央環境審議会の二次答申におきまして、先ほども質問にいろいろございましたが、現行の救済制度の基本的な考え方を維持するほかないとこの答申ではしております。責任の有無を問わずに救済措置を実施するという性格を維持する以上は、費用負担のあり方や類似の他制度との公平性、つまり同様の水準であるべきというふうにされております。現行の救済給付を上回る変更を理論的に裏づけ、説明することは容易ではないという答申を受けております。 以上です。
○堀内(照)委員 しかし、使用がなければこういう被害がなかったわけであります。 建設アスベストの問題も非常に重大な課題でありまして、全てのアスベスト被害者を補償し、被害の根絶を求める請願には、当委員会渡辺委員長を初め、全ての政党の皆さんも加わっておられます。 ちょっと時間がないので、この運動の中で石綿被害者補償基金制度の設立を掲げている、これはぜひ厚労省としても受けとめ、検討すべきだということを指摘し、今後の課題では、解体の問題で、石綿を含んだ建材を使用した建物の解体、これが続くと思います。 兵庫県尼崎市が独自に解体現場全てを立入調査しますと、石綿を含む建材はないと申請した三百二十九件のうち、四分の一以上、八十八件で含む建材が使われておりました。これは、つまり非飛散性と飛散性との扱いが違うということで生じたわけですが、非飛散性のものも飛散性と同等に扱うような規制強化が必要だと思いますが、この点いかがでしょうか。
○早水政府参考人 お答えいたします。 石綿含有成形板などのいわゆるレベル3建材と呼んでおりますけれども、これにつきましては、吹きつけ石綿などの飛散性の高い特定建築材料に比べまして石綿の飛散が少ないと考えられるために、現在、大気汚染防止法に基づく届け出義務などの対象とはしておりません。 他方、いわゆるレベル3建材につきましては、手作業による取り外しや湿潤化などによりまして石綿の飛散を防止することが可能と考えられ、環境省が示している石綿防止対策マニュアルでもこれを奨励しているところでございます。 ただ、いずれにいたしましても、レベル3建材の解体作業時の石綿飛散状況について、まだ調査事例が限られておりますので、現在、情報収集を行うとともに、実態調査の実施を計画しているところでございます。これらの調査結果などを踏まえまして、レベル3建材の解体作業に関する規制の必要性について検討してまいりたいと考えております。
○堀内(照)委員 割れたら飛散するわけで、やはりそこはしっかりと対応が必要だと思います。 時間が来ました。済みません。最後に塩崎大臣に伺って、終わりたいと思います。 国民の命と健康を守るという点では、本当に大事な役割がある省庁だと思います。課題は環境省にかかわることが多いわけですが、ぜひ、厚労大臣としてのイニシアチブも発揮していただきたい。最後にそのことだけ御所見を伺って、終わりたいと思います。
○塩崎国務大臣 労災につきましては厚生労働省が責任を負って、泉南の最高裁の判決も受けて和解に進んだわけでございますし、私も泉南にみずから行ってまいって、おわびを申し上げたところであります。 今、環境省との間の御議論を聞いていても、救済法でカバーし切れないという方が残っておられるということ、その現実も今よくわかったところでありますので、私どもとしては、やはり厚生労働行政とそれから環境省の行政としっかりと連携をして、健康はやはり厚生労働省の責任でございますので、考えていかなきゃいけないなということを感じたところでございました。
○堀内(照)委員 ありがとうございました。終わります。
○渡辺委員長 次回は、来る八月五日水曜日午前八時三十分理事会、午前八時四十五分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時三十八分散会