厚生労働委員会 第22号
- 発言数
- 93 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 2015/06/10
会議録
○渡辺委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案及び井坂信彦君外五名提出、労働者の職務に応じた待遇の確保等のための施策の推進に関する法律案の両案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 両案審査のため、本日、政府参考人として厚生労働省大臣官房年金管理審議官樽見英樹君、職業安定局派遣・有期労働対策部長坂口卓君、職業安定局雇用開発部長広畑義久君、職業能力開発局長宮川晃君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○渡辺委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。とかしきなおみ君。(発言する者、離席する者あり) 着席してください。委員の皆さん、着席してください。
○とかしき委員 済みません。それでは、質問させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 委員会、何か騒然とした中で始められましたけれども、しっかり派遣法の審議をさせていただきたいと思います。 始まる前に一言申し上げたいのは、年金の問題も国民にとっては大変重要な問題であります。こちらの方も、与党としまして、また審議の機会を近いうちに設けていただきますよう、よろしくお願いを申し上げます。 ということで、今回は重要法案ということで派遣法の方も付託を受けておりますので、これから質問をさせていただきたいと思います。(発言する者あり)
○渡辺委員長 静粛にしてください。
○とかしき委員 それでは、派遣法の質問をさせていただきたいと思います。 派遣法の審議の方は、きょうも含めればもう既に三十時間近くなってまいりまして、いろいろな形でそろそろ議論も煮詰まってきたような状況でありますけれども、幾つかこの派遣法においては矛盾点があるのではないか、そういった素朴な疑問を幾つか、審議の様子を拝見して思ったことをきょうはちょっと質問させていただきたいな、このように思います。 ということで、派遣法の議論の中で、極端な事例を出して、さもそれが全体像のような、そういった議論が先行しておりますので、もう一度原点に立ち戻って、特にこの派遣法は、どんどん家を建て直していくように、いろいろな形で修正が加えられて、本来の意図とは違った形に、そして時代の変化に合わせて労働関係も変わってきたということで大きく変遷を遂げてまいりましたので、もともとの本来の原点に立ち戻って少し幾つかお伺いしていきたいと思います。 まず一つ目、日本の労働の特徴というのは終身雇用が前提でありまして、これこそまさに日本の、日本型の労働形態ということで、長年維持をしてまいりました。この中で、では、派遣というのはどういった方向性を実際目指していくべきなのか。これは、常用の雇用なのか、それとも臨時的、一時的なものにすべきなのか。この法案の中にも、実はこの両方の要素が混在しているのではないかなというふうに私は思います。 一方で、日雇い派遣を禁止しております。でも一方では、派遣を一時的、臨時的なものだとこの法律の中では定義しているわけでありますけれども、この辺の交通整理をどういうふうにお考えなのか、お聞かせいただけますでしょうか。お願いいたします。
○坂口政府参考人 お答え申し上げます。 今議員御指摘のとおり、この派遣労働という問題について、日本の雇用全体の中でどういう位置づけか、どういう役割を果たすのかというようなことも含めて、今回提出させていただいた法案の議論を労働政策審議会の方でも御議論いただいたというところでございます。 そういった中で、やはり派遣労働につきましては、特に有期雇用の派遣労働については、直接雇用に比べまして雇用の安定やキャリア形成が図られにくいというような弊害もあるということで、今委員の方からもありましたけれども、派遣労働は臨時的、一時的な働き方ということで原則として位置づけた上で、派遣労働への固定化を防ぐということと、それとともに、派遣先の常用労働者を代替しないように、派遣労働の利用についても原則として臨時的、一時的なものに限るというようなことで御議論いただいたということでございます。 ただ、一方で、この委員会でも御紹介しておりますように、派遣労働というのは多様な働き方の一つでもありますので、正社員を希望する方もおられれば、そういった臨時的、一時的な働き方として積極的に選んでおるという方もおられるので、まさに今回の派遣法の改正法案は、この両方について、正社員を希望する方については正社員の道が開けるようにということと同時に、みずからの働き方として積極的に派遣を選択している方についてはその待遇の改善を図るというようなことを、双方しっかりやっていこうということでございます。 それから、委員御指摘がありました日雇い派遣につきましては、前回の改正で原則禁止ということにしたわけでございますけれども、こちらについては雇用期間が短いということで、やはり雇用管理が不十分であったという弊害があるということで、前回の改正でもそういった観点での原則禁止ということが盛り込まれたわけでございまして、臨時的、一時的なものと派遣労働を位置づけているということとは別の観点で規制を行っているということでございます。
○とかしき委員 ありがとうございます。 今お答えいただいたんですけれども、このほかにもまだ同じように、幾つか私も矛盾点があるのではないかなと。 例えば、正社員の仕事と派遣の仕事は異なって、正社員の代替にしてはいけない、こういうふうに書いてあるわけですけれども、でも、今回の派遣法は、逆に正社員を目指すように従来よりも随分配慮されているということがあります。この両方はちょっと矛盾しているように感じるんですけれども、その辺についての答弁、説明をいただけますでしょうか。
○坂口政府参考人 今委員御指摘のように、今回、この改正法案では、今も御紹介しました常用代替、派遣先での正社員から派遣労働者への置きかえを防ぐということについては、これは従来の課題でもありましたけれども、今回についても、事業所単位の期間制限を課すということでその防止を担保しようとしておるところでございます。 一方で、今議員の方からも御指摘がありました正社員を希望されるという方もおられますので、そういった方については、今回、直接雇用の依頼も含めての雇用安定措置の義務化であったり、あるいは教育訓練、あるいは予算措置としてのキャリアアップ助成金の活用とかというようなものも含めての正社員化も推進していこうということで政府としては考えているということでございます。 これらの取り組みを私どもとしては両方しっかりやっていこうということで、正社員のポストを派遣に置きかえないようにするということと同時に、やはり派遣で働く方を正社員になれるように支援するという、この双方をしっかり取り組んでまいりたいということでございます。
○とかしき委員 ありがとうございます。 派遣法の難しさというのは、このように多様な価値観を持った人たちがこの法律の適用を受けるわけでありますから、それに、なるべく多くの声に応えていく、これがこの派遣法の難しさでもあるのではないかなと思います。 このほかに、例えば雇用の安定、派遣労働の安定、派遣切りはいけない、ここでよく叫ばれている方が多いんですけれども、そのときに、では今度は、その声を聞いて、安定性を重視していくとどうなるかというと、これは生涯派遣になっていくわけであります。では、生涯派遣は反対にいいのか、今度は派遣の固定化につながっていくのではないか、こういう相反する議論がよく出てまいりますけれども、この辺についてはどのようにお考えでしょうか。
○坂口政府参考人 お答え申し上げます。 これも従前も御紹介しましたけれども、今後の働き方について派遣をどう考えるかということにつきまして、正社員として働きたいという希望と、派遣労働者として積極的に希望される方というのは、フィフティー・フィフティーと申しますか、相半ばするという形になっておりますので、やはりその方々に沿った形で我々としてもしっかり働き方の実現を図っていかなければいけないということで、双方にまた応えていかなければいけないということかと考えております。 そういった意味で、今回も、みずからの働き方として派遣を積極的に選択されている方については、待遇の改善、キャリアアップということをしっかり図っていく。正社員を希望される方については、正社員の道が開かれるようにするということをしっかり対応していきたいと思っておりますので、今委員おっしゃいました雇用の安定という意味では、派遣という形を積極的に選ばれたとしても、処遇の改善を図るという中での派遣労働者の雇用の安定をしっかり図りながら、正社員化ということの道もしっかり対応して、派遣で働く方の希望する働き方の実現ということに重きを置いてしっかり取り組んでまいりたいと思います。
○とかしき委員 ありがとうございました。 今回の派遣法で、また議論されるんですけれども、この派遣法が施行になると正社員が派遣に切りかわっていくのではないか、こういう議論をよく耳にするわけであります。実際に、これは本当にそうなのかなと私は議論を聞いていて思うわけであります。 派遣はどちらかというとジョブ型、派遣というのは仕事を依頼しているわけですけれども、正社員はメンバーシップ型。いきなりこの二つの間で、かなり仕事のやり方に違いがあるわけでありますけれども、これが果たして、本当に正社員と派遣の間にこれだけ簡単に大きな影響を受け合うのか。むしろ、派遣から契約社員への移行の方が促進されるのではないか、このように思います。 実際、皆様の方にお配りさせていただいた表にもありますけれども、派遣は今二・三%ですけれども、まずは、最初は、ジョブ型の派遣から、それなりに能力のある方でということであれば次は契約社員にして、メンバーシップ型のお仕事をしていただいて、そして行く行く正社員になっていく、こういう階段を上がっていくのが割と順当な流れなのではないかな。 ということで、今回の派遣法が施行になった瞬間に、正社員から派遣に大きく入れかわっていってしまうのではないかという議論、こういった話が出てきているんですけれども、この辺についてはどういうふうにお考えなのか、お聞かせいただけますでしょうか。
○坂口政府参考人 お答え申し上げます。 今委員御指摘のように、派遣労働というのが仕事重視、ジョブ型の働き方ということで、正社員がどちらかというとメンバーシップ型という働き方であるというようなことかと思います。 一方で、契約社員という方は、働き方によると、ジョブ型、メンバーシップ型、いろいろな形での、双方の要素を持ち合わせるということで考えられるのかなと思っております。 一方で、先ほど御紹介しました今後の働き方という場面でも、派遣労働をそのまま続けたい、あるいは正社員として働きたいということのみならず、正社員以外の就業形態で働きたいという方がおられるのもそのとおりかと思っておりますので、今議員御指摘のように、直接雇用の働き方を希望するという中で、一気にそういう形で正社員になられるということになるのか、あるいは、今の正社員以外の就業形態で働きたいというような方も一部おられるのと同じような意味合いを、正社員で働きたいという方の中にもおられて、そういうワンクッション置いてというようなことも、正社員の道を目指していく過程の中で一定程度いらっしゃるのかなということは、委員御指摘のとおりかなと考えます。 ただ、一方で、派遣労働者から契約社員に転換するという際に待遇が下がってしまうということになってはどうかということもありますけれども、そういったことにならないようにするためには、やはり、本人の希望を踏まえながら、派遣労働者の方にステップアップ、能力アップということをしっかりやっていただくということが重要かと思っております。 今回の改正法案には、そういった方にも資するように、いろいろ計画的な教育訓練、キャリアコンサルティングというようなことを派遣会社の方にしっかりお取り組みをいただこうということも義務づけておりますので、こういった取り組みを通じて、派遣労働者の希望に応じた、委員御指摘のようなステップを踏まれるということを希望される方も含めて、そういった道がしっかり開かれるようにしてまいりたいと思います。
○とかしき委員 ありがとうございます。 本当にここでよく議論に出てくるのが、いつも、この法律が施行になると、正社員がすごく減ってしまって、仕事を奪ってしまうのではないかとか、正社員がゼロになってしまうのではないかとか、こういった極端な議論が行われているんですけれども、こういったことはほとんど心配がないと思います。 ということで、また次の質問をさせていただきたいと思います。 二十六業務について、平成二十四年の改正法の附帯決議の中で、わかりやすい制度になるように、速やかに見直しの検討を開始すること、このように記されておりました。 この二十六業務、かなり現場で今混乱が起こっているようでありまして、これは、派遣元も派遣先も結構苦しんでいる状況であります。ですから、きのうも派遣業界の皆さんと懇親する機会があったんですけれども、この二十六業務、もう何とかしてほしいという切実なる声をたくさんいただきました。 ということで、何とかこれをわかりやすい制度にすること、そしてさらに、派遣労働への固定化を防止するという観点で、今回の改正では個人単位の期間制限が設けられたわけであります。 実は、この個人単位の期間制限については、上限が示されて設定されているために、ある方は、その上限に達した場合の雇いどめにつながるのではないかという声がよく上がってまいります。 この雇いどめになるんじゃないかと批判されている方々は、一方で、生涯派遣ということも主張されていて、これは、両方はちょっと矛盾しているのではないかな、一体どっちを重視なさっているのか、私には全くそこら辺がよくわからないわけであります、きょうは余りいらっしゃいませんけれども。 また一方、二十六業務以外に従事されている方はもう既に上限があるわけでありまして、では、これらの方々の雇用不安定性に対しての手当ては必要ないのかな、こうともとれるわけであります。 ということで、今回の改正法で設けられる雇用安定措置は、二十六業務以外の方にも雇用安定を進めるものでありますし、現在の制度よりもかなり格段に雇用安定が図られる、私はこういうふうに考えているんですけれども、どのようにお考えでしょうか。
○坂口政府参考人 今委員の方から御指摘ありましたように、今回、現行制度のいわゆる二十六業務ということに着目した派遣期間制限ということの考え方、制度の違いということについて、平成二十四年の法改正のときの附帯決議も踏まえながら、やはり、そのわかりにくさの解決を図っていくということで、今回、新たに事業所単位と個人単位の期間制限という形に設けさせていただくということで御提案をしているということでございます。 これにつきましては、今委員御指摘ありましたように、このいわゆる二十六業務で働く方につきましても、私どものアンケート調査等でも、約八六・七%の方が派遣元と有期雇用契約を結んでおられるということがございますので、審議会等の議論の中でもそうでありますけれども、やはり必ずしも雇用の安定が図られているとは言いがたいということかと思っております。 それからまた、もう一点、このいわゆる二十六業務以外の方につきましても御指摘がございましたけれども、これにつきましては、現在も業務単位の期間制限、一年、延長して三年ということはございますけれども、ただ、そういった期間制限の上限に達しました後の派遣労働者に対する対応策ということは、現行制度ではないということがございます。 ということで、今回につきましては、このいわゆる二十六業務該当、あるいは二十六業務以外の方も含めて、今回は、期間制限の考え方を見直すと同時に、期間制限の上限に達する派遣労働者に対して、派遣元事業主が雇用安定措置を実施することを新たにしっかり義務づけるということで、全ての有期雇用の派遣で働く方の雇用の安定についてしっかり対応してまいりたいということでございます。 〔委員長退席、高鳥委員長代理着席〕
○とかしき委員 ありがとうございます。 この法律は本当に私はよくできているなと思うんですね。ですから、二十六業務のわかりにくさ、これを解消するだけではなくて、多くの人に正社員になる道をつくっていこう、ステップアップの道をつくっていこう、キャリアアップの道をつくっていこう、そういう準備がされているのではないかなと思います。 では、最近の労働環境は一体どうなっているかというと、アベノミクスの取り組みにより、景気が大分最近よくなってまいりまして、雇用は大幅に増加して、有効求人倍率も高水準を記録するということで、私は、雇用環境はかなり、ここ数年、安倍政権が誕生してから大変改善傾向にあるのではないかなと思います。 ただ、一方、我が国はこれから高齢社会を迎えまして、労働人口が減少していくわけであります。こうなると各企業はどういうふうに考えるかというと、持続可能な成長を考えていった場合は、これは、外から新規の労働力の流入が期待できそうもないなとなると、企業とすれば、今いる人材もしくはこれから採る人材をなるべく有効活用していこう、教育訓練投資を行うことが必要になってくるであろうということで、そうなると、むしろ、臨時的な労働力をふやすよりは長期的な育成を行う正社員の重要性がこれからどんどん高まってくるのではないかなというふうに考えられます。 正社員の重要性が高まれば、今回の法律が適用になれば、これは派遣労働者にとっても、正社員への道が開けて、ステップアップできるような取り組みがかなりきいてくるのではないかな、その辺の見解についてまたお聞かせいただければと思います。 さらに、このような状況において、今回の法律が適用になると派遣労働者が爆発的にふえていく、こういう議論がよくなされるんですけれども、むしろこれは、派遣労働者がふえるのではなくて、ふえる可能性はそんなに高くないのではないかと私は思うんですけれども、その辺についてもお答えいただければと思います。 以上です。
○坂口政府参考人 今委員の方から、最近の状況並びに今後の中期的な人口減少社会の中での派遣労働の今回の改正という御質問かと承知いたしました。 まず、最近の状況ということで申し上げれば、最近の正規雇用の状況でございますけれども、まさに委員御指摘のように、例えば働き盛りの五十五歳未満で見ますと、二〇一三年から九四半期連続で、非正規から正規に移動する方が正規から非正規になる方を上回っているとか、あるいは、全体としての有効求人倍率も改善しておりますが、中でも正社員の有効求人倍率につきましては、調査開始以来の最高水準に達するというようなことで、着実に改善しているという状況にもございます。 また、委員御指摘のように、今後、人口減少社会ということでございますので、やはり、企業あるいは産業の中でも、持続的な成長を図るためには多様な担い手の確保を図るということとともに、必要な人材を確保して、働く方一人一人の生産性を向上させるということが大事なんだろうということで考えております。 こういった中では、やはり、不本意に非正規で働いている方の正規化を進めていくということが重要だと考えておりますし、また、先ほど委員御指摘ありましたように、企業の方にとってみても、そういった人材をしっかり確保していかなきゃいけないということで、中期的には、そういった人材の確保のためには教育訓練その他、人材への投資も非常に重要だということも含めて、正社員をふやすという動きも出てくるということは十分に考えられるのかなと考えております。 こういった中で、そういったものを後押しするという意味でも、今回の改正法案では、派遣で働く方の正社員化の推進ということを図るための対応を幾つか盛り込んでいるということです。 全体としての傾向が、いろいろな景気の状況等々ありますので具体的な数の動向ということについて申し上げることはなかなか難しいんですけれども、いろいろ今回の改正法案に盛り込んでいる、教育訓練の義務づけであったり正社員募集の情報提供の義務づけであったり、そういったものを通じて正社員化の推進ということが、全体としての企業の正社員化を図っていこう、人を獲得していこうという流れと相まって後押しをしっかりできればなということで考えております。
○とかしき委員 ありがとうございました。 ある意味、時代の要請を受けて今回の派遣法というのはかなり整備されているのではないかな、このように思います。 それでは、せっかくなので、議員立法のことについてお伺いさせていただきたいと思います。 同一労働同一賃金、これを目指すべきであるという大きな方向性を出していただいたのでありますけれども、私はこの方向性はとても理解はできるんです。 ただ、正社員と非正規との間には、職能給や職務給といった違いとか、あと派遣労働者の場合は雇用主が異なる等々、さまざまな問題、課題があるんじゃないかな、実際運用していくにはなかなかしんどいところもあるんじゃないかなと。 そのために、一足飛びに均等まで目指すんじゃなくて、その手前のさまざまな要素を勘案しながら、両者を近づけていくための、均等ではなくて均衡の考え方をまずは強化していくべきなんじゃないかな。その先に均等があるということで、ゴールを均等に持っていきながら、まずは手前の均衡から取り組んでいくべきである、この方が現実的な前進なのではないかな、このように考えるんですけれども、提出者の方はどのようにお考えか、お知らせいただけますでしょうか。
○井坂議員 一足飛びに均等ではなくという御質問でありますが、現行法でも、例えばパートであれば、法律にはっきりと均等が書かれております。にもかかわらず、現実で、ではパートの方と正社員の方が本当に均等待遇かと聞かれて、そうですねと言えるような状況は、これはないというふうに考えています。 法律で均等が明記をされていても、なお実社会では賃金水準にも大きな差がありますし、雇用の不安定性はもちろん、正規と非正規ですからありますし、また、いろいろな福利厚生の面でも大きな格差があるという現状認識のもとに、我々は、今回の法律では、まず調査も含めてこうした現実的な格差を解消しましょうということをうたっております。 派遣に関しましては、現行法の規定が、均衡の配慮義務という、さらに均等よりいわば二段階低い状態に法律の書きぶりがとどまっていることが大変大きな問題だというふうに考えています。 そこで、今回の我々の議員立法では、本法施行後一年以内という期限を定めて、法制上の措置を講ずることを義務づけているところであります。 ですから、一足飛びに均等は難しいのではないかという御懸念でありますが、まずは法律に派遣でも均等としっかり明記をする、ここがむしろ現実的な最低限のスタートラインではないかというふうに我々は考えておりますし、逆に、均等と書いたから何か世の中が、いきなり均等がびちっと義務づけられて大変な混乱が起こるどころか、パートの例のようになかなかそうはならないという現実ですから、まず法律に均等をしっかり定めるというのは、むしろ最低限のスタートラインだというふうに考えております。 もちろん、将来的な同一労働同一賃金のあり方については、これはまた各党さまざまな考え方があるというふうに思っておりますので、そこは今後の課題として、調査研究、また実態に合わせたさまざまな追加の施策ということで法律につけ加えさせていただいております。 以上です。
○とかしき委員 ありがとうございました。 同一労働同一賃金、これはヨーロッパが今取り組んでいらっしゃいますけれども、結構ヨーロッパも、なかなか理念どおりいかなくて苦労なさっているようであります、調べてみると。 ヨーロッパの場合は、賃金と福利厚生、この二つを分けて考えて対応なさっているようであります。 正社員は、どちらかというと最初に取り組んでいくのはまず福利厚生の処遇、井坂議員がおっしゃいましたように福利厚生、ここをまず処遇改善をしっかり目指していこうということ。あと賃金の方は、これは、ジョブ型の派遣とメンバーシップ型の正社員の格差をどこまでが許容できるか、ここの議論を今一生懸命やっているというところで、同一労働同一賃金をうたっているヨーロッパですら、なかなか運用、今苦労しているというのが現実ではないかな。 ただ、目指す方向性としては私はある意味正しいのではないかなというふうに思いますし、そういう意味では、十分に日本も検討する価値があるのではないかなというふうに、今回の法律を拝見させていただいて私は思いました。 それでは、次に進めさせていただきます。もう時間がなくなってまいりましたので。 今回の派遣法を見ていて思うんですけれども、今後、労働市場をどういうふうに持っていったらいいのか、その全体像の設計図がないまま、現実に振り回されながら今まで改正を掲げてきたのがこの派遣法だと思うんですけれども、先ほどから議論に出ていますように、派遣の話は、いろいろな多様な人たちの意見を取り入れていかなくてはいけません。派遣で働き続けたい人、正社員になりたい人もいれば、そして、みずから望んで仕事をしている人とか不本意で働いている人とか、正規がよくて非正規が悪いという議論もあったり、無期がよくて有期はだめとか、何かそんな二極論、二元論みたいなものも結構出てまいります。 ということで、今回の派遣法というのは、どっちかにウエートをかけ過ぎないで、極端な事例ばかりを挙げて議論するのではなくて、それぞれの立場で満足度を高くしていくことが重要なのではないかな、このように思います。 その上では、政治的な意思というのが物すごく重要になってくるなというふうに思います。 特に我が国は、これから高齢社会に向かって、高齢者の人たちの労働力もどういうふうに生かしていったらいいのか。これはまた若い方々と違って経験が豊富であります。体力的には少し衰えてくるかもしれないですけれども、逆に経験があることによってそれが強みになる場合もあると思います。 このシニアの方々は、逆に、派遣労働で、特殊な技能を持っている方は派遣という労働の仕方に非常にある意味向いているのかもしれません。そして、このシニアの方々も、これは私の提案なんですけれども、一人でこうやって契約するよりも、チームで仕事を請け負っていくとか、あと、若い人と一緒に仕事をするとか、こういうやり方も工夫していくすべがまだまだ私たちはあるのではないかなというふうに思います。 そして、少子化社会でありますから、女性の働き方のそれぞれの価値観がありますから、その多様性に応えられるような準備も必要なのではないかな。 このように、いろいろな価値観が、多様性がたくさんあるこの労働市場の中で、では私たち日本は、どういう労働環境になるのが一番理想なのか。我が国のこの今の環境の中で、どういう設計図を持っておけばいいのか。今回の改正法だけではなくて、今後、日本のあるべき労働市場のあり方みたいなものを、ありましたら総括してお伺いしたいと思います。
○山本副大臣 今おっしゃっていただきましたとおり、働き方というものが多様化しております。 そういう中で、今回の派遣という働き方についても、おっしゃっていただきましたとおり、女性にとっては、例えば、ワーク・ライフ・バランスの実現だとか、仕事を離れた後の、いわゆる職場復帰のステップとして極めて有効だと思いますし、また、高齢者の方にとりましても、退職後の就業機会を確保するといった重要な役割を果たしてきているところでありまして、柔軟で多様な働き方を実現するものの一つとして、派遣というのは大事な働き方だと私たちは考えております。 加えて、今回の労働者派遣制度の見直しにおきましては、不本意に派遣で働き、正社員を希望する方についてはその道が開かれるようにする、また、派遣という働き方を積極的に選択している方につきましては待遇の改善を図るなど、それぞれの選択がしっかり実現できるような内容にさせていただいたところでございまして、きょうの質疑の中でも確認をしていただいたところでございます。 こうしたことを通じまして、政府といたしましては、女性であれ、高齢者であれ、障害者であれ、一人一人がそれぞれのライフスタイルや希望に応じて社会で活躍の場が見出せるような、そういう仕組みづくりに全力を挙げてまいりたいと考えております。
○とかしき委員 ありがとうございました。 この法律、本当に私は、一つのステップアップとしては非常によくできている法律だと思いますので、これから、その内容をきっちりと国民の皆さんに理解いただけるように力を尽くしていきたいと思います。 ありがとうございました。
○高鳥委員長代理 次に、古屋範子君。
○古屋(範)委員 おはようございます。公明党の古屋範子です。 きょうは派遣法の審議ということでございますが、年金情報流出問題に関しまして、先週二回、当委員会におきまして集中審議を行ってまいりました。私からも、さらに原因究明、事実の解明、そして再発防止、また、国民の不安を払拭する上でも、近いうちに、しかるべきときに、当委員会におきましてもしっかりとこの問題に関して審議を行うべきであるということを申し上げて、質疑を始めたいというふうに思っております。 当委員会での派遣法の質疑も長時間にわたってまいりました。その中で、この法案が一体何を目指す法案なのか、そういう根本的なそもそも論の議論も行ってまいりました。 私は、今回の改正案の目的というのは、正社員を希望する方々にはその道を開く後押しをしていく、また、派遣という形を望む方々にはその処遇を改善していく、この両面を備え、高齢者、また女性、若者、全ての働きたいという意欲のある方々が働けるような制度をつくっていく、多様な働き方を推進していくための法改正だと理解をしております。 また、もう一つの目的は、わかりやすい制度にしていくという点であると思っております。 派遣法が非常にわかりにくいという御指摘があります。その一つの要因は二十四年の改正にあったのではないかと、私は振り返って考えております。 平成二十二年、百七十四国会に、民主党政権下で派遣法の改正案が提出をされました。その通常国会で本会議で質疑に入り、そのまま百七十五、百七十六、百七十七、百七十八、百七十九、ここまでずっと、いわば民主党政権がこれを動かすことができずに百八十国会を迎えた。 その中で、我が党の坂口力元大臣が、このままにしておくのはよくないのではないかということで修正に乗り出して、労働界、経済界とも話をつけた。そして、各党を回ってこの修正案の協議を行っていった。私にも、きょうは何党の誰々さんに会って話をしてきたよ、そういうふうにおっしゃっていました。 民主党政権下で提出をされた内閣提出法案で、我々は野党の立場で、そこまでするのかなと私は正直思いましたけれども、その修正が実って、第百八十国会で修正をして成立に至った。それはかなりの大幅な修正が加えられました。ですから、その前の自公政権で考えていた派遣法改正案の要素が盛り込まれて、結果として、さらに複雑になっていったということが言えるのではないかと思っております。 ですので、そのときの附帯決議、特に専門二十六業務に関しては、自民、民主、公明の三党で、これに関しては見直しをしていくということが決議に盛り込まれた。それに基づく今回の改正であるというふうに私は理解をいたしております。 その上で、きょうは、議員立法も含めて、同一労働同一賃金に関して質問してまいりたいと思っております。 昨年十一月の委員会で私は安倍総理に、そのときも二時間、野党欠席の中で、総理がそこにいらして、私は十分質問させていただきました。 そのときに、雇用形態がどうであれ、同じ仕事をしている以上、賃金も同じであるべきではないか、同一労働同一賃金が一つの理想形だ、ここに近づけるために、派遣労働者の待遇の均等、均衡を含めた派遣労働者の処遇改善のための調査研究、これを進めて、理想形に少しずつ近づける努力をすべきではないかと総理に質問いたしました。 これに対しまして、安倍総理の方は、同一労働をしていれば同一賃金が保障されるという仕組みをつくっていくことは、一つの重要な考え方だ、このように私も考えております、他方、職務に対応した賃金体系が普及していない、能力や責任の大きさなど、さまざまな要素を考慮して労働者の処遇が決定されることが一般的である我が国の労働市場においては、すぐさまこうした仕組みを導入していくためには、乗り越えるべき課題があると思う、また、派遣労働者の場合、派遣先のどの労働者と比較するのかという課題もある、このために、まずは個々の事情に応じた均衡待遇を推進していくことが重要であろうと認識している、今回の改正案において、賃金等の面で派遣先の責任を強化するなど、均衡待遇を推進していくこととしているという答弁をいただいたところでございます。 我が党の主張を入れた形で、今回の派遣法改正案には、均等・均衡待遇の調査研究というところが盛り込まれております。今回、維新、民主から議員立法も提出をされておりますので、政府に改めてお伺いをしたいと思っております。同一労働同一賃金について、これは非常に重要な考え方だと思いますが、改正案でどのような対応をされているのか伺います。
○山本副大臣 同一労働に対しまして同一賃金が支払われるという仕組みをつくっていくことは、ただいま御紹介いただきました総理の御答弁の一つの重要な考え方と認識しておりますけれども、ただ、今御紹介いただいたような、るる乗り越えるべき課題がございます。 そのため、今回の改正法におきましては、具体的に申し上げますと、派遣元に対して、派遣労働者の求めに応じて均衡待遇確保の際に配慮した内容の説明を新たに義務づけるとともに、派遣先に対しまして、派遣先の労働者の賃金情報を派遣元へ提供する努力義務を配慮義務へと格上げさせていただいております。 こうしたことによりまして、まずは、派遣で働く方と派遣先の労働者との間の均衡待遇を進めることを第一歩として進めさせていただくことになっておりまして、これらを通じて、派遣で働く方の待遇改善というものを図ってまいりたいと思います。 そして、今御紹介いただきました今回の改正法案におきましては、附則第二条におきまして、均衡・均等待遇のあり方を検討するため調査研究等を行う旨の規定を新たに盛り込んでおりますので、この規定を踏まえた適切な対応というものもしっかりとしてまいりたいと考えております。
○古屋(範)委員 今回の改正案は、均等・均衡待遇に向けた一歩前進の法案であるということが言えるかと思います。 次に、議員立法提出者、維新の党、井坂議員にお伺いをしてまいります。 このたび、この法案を取りまとめられたことに敬意を表したいと思います。 この法律のタイトルにもありますように、労働者の職務に応じた待遇の確保等のための施策の推進に関する法律案ということであります。この職務という文言につきまして、我が国におきましては、労働者の職務の範囲が必ずしも明確に区分、限定をされておりません。そのことが待遇の比較を困難にしているという側面があるかと思います。 職務に応じた待遇というのを実現していくためには、労働者の職務の範囲というものをまず明確に区分、限定して、それぞれ比較可能なものに改めていく必要があるのではないかと考えます。いかがでしょうか。 それは、現在、日本がとっておりますメンバーシップ型、一つの会社に就職をすれば、そこの中でさまざまな仕事を経験してキャリアアップをしていくというような、メンバーシップ型と呼ばれる日本型の雇用環境をジョブ型に見直していく、こちらを志向しているというふうに考えるんですが、その理解でよろしいんでしょうか。
○井坂議員 メンバーシップ型とジョブ型についてのお尋ねがありましたが、もちろん、能力、経験、勤続年数で賃金が決まるメンバーシップ型雇用ではなくて、職務で賃金が決まるジョブ型雇用を推進していくことが大事だというふうに我々は考えております。 ただ、今委員がおっしゃったような、メンバーシップ型かジョブ型か、こういう二項対立ではないというふうに考えておりまして、おっしゃったような終身雇用の会社であっても、その都度、その方の職務定義をしっかりやっていくという当たり前のことをやっていけば、それはもう全てジョブ型の雇用、ジョブ型の雇用契約ということになるというふうに思いますので、そういう意味では、メンバーシップ型のよさを全て捨て去らないとジョブ型にならないというふうには考えておりません。 また、現行法においても、パートタイム労働法、また有期雇用労働者の労働契約法、どちらも「職務の内容」というふうに書いてありますが、この中には、業務の内容とそれに伴う責任の程度ということが規定をされておりますので、職務の明確化ということについては、別に我々の法律と関係なく、既に現行法でもそれが要請されているものというふうに理解をしております。
○古屋(範)委員 ジョブ型を目指すんだけれども、現行のこうしたメンバーシップ型の考え方も認めていくということなのかなと今受けとめました。 それで、五月二十九日の質疑の中で、雇用の流動化について質問がありました。 法案提出者の方は、流動性が高くあるべきか低くあるべきかということとは関係なく、職務に応じた待遇を原則とすべきというふうに井坂議員はお答えになったかと思います。民主党の山井議員の方は、雇用の流動化というものは、さまざまな国際競争力の中等で高まらざるを得ないのではないか、流動化した際にセーフティーネットがないということが一番重要だといった見解の答弁がありました。少しニュアンスが違うのかなというふうに受けとめました。 一方、昨年十月二十八日の衆議院本会議で、維新の党、柿沢未途議員なんですが、我が国においても、同一労働同一賃金が原則として成り立っていれば、離職をして別の会社に移っても本人の不利益は生じなくなります、このような形での労働市場の流動化は、働く人に多様な就業を与えるものと言え、私も賛成ですと述べられています。 ある会合で、柿沢議員は、突き詰めていけば正社員は要らないんだみたいな発言をされていたことがありまして、御党の中でもさまざまな意見があるんだろうというふうには思いますが、同一労働同一賃金を実現することで労働市場の流動化が進むとの意見もあるようなんですが、改めて、この同一労働同一賃金は、労働市場の流動化とは関係なく実現することができるというふうにお考えなのか。 同一労働同一賃金原則と雇用の流動化について、提出者にお伺いしたいと思います。
○井坂議員 まず、本法案自体は、労働市場の流動化がなければできないというような、そういう労働市場の流動化を前提としたものではありません。 ただ、むしろ同一賃金ということが本当に社会で広く実現していけばいくほど、その結果として、正規から非正規に自由に行ける、また、非正規から正規に望めば自由に行ける、こういった行き来がふえて、結果として流動性が高まるといったことにはなるというふうに考えております。 この法律案においても、雇用形態による格差が、特に今、日本社会では大きく目立ってきている、しかも、これが格差の固定化につながっているのではないか、こういう問題意識から本法案を提出しております。ですから、基本理念の中には、正規労働者以外の労働者が正規労働者になることを含め、労働者がみずからの希望する雇用形態にしっかり就労する機会が与えられるように、こういうことを基本理念に掲げているところであります。 そして、これを実現するために、具体的に法律の中でも、労働者の採用や登用などの雇用管理の方法の多様化の推進、そのために必要な施策の実施ということで、法律に定めさせていただいております。 流動性というよりは、やはり労働者みずからが好む、そのときそのときでみずからが好む雇用形態にしっかり移れる、選択ができる、その選択肢がいつも幅広く開かれている、こういうことが一番重要だと考えております。
○古屋(範)委員 同一労働同一賃金を推進していけば、結果として流動性は高まるだろうと。また、多くの人が労働に参加できる。 例えば女性でいえば、一生の間で、子育てをしたい、こういう時期は時間を狭める、それなりの所得が得られる、そして徐々に、まあ私のような年になれば、一〇〇%仕事に全力投球できるとなればまたそこで、結局は仕事が永続をしていくことができるということからも、この考え方というのは私も賛成であります。 その上で、賃金制度についてお伺いしてまいりたいと思っております。 実は、きょう、これは民主党さんにもお伺いをしたかったんです、いらしていないので残念なんですが。 これは連合の二〇一四年に出された見解なんですが、「真摯な議論を重ねて築き上げてきた定期昇給制度は、労使の信頼関係の基礎であり、現場力の源泉とも言うべきものである。労使は長年にわたって賃金項目それぞれの持つ意味合いや位置づけ、水準決定のあり方について議論を積み重ね、一定の認識共有に至ってきた。」あるいは、これは二〇一三年の連合の見解でございますが、「賃金は「生計費」「労働力の対価」「社会性」といった労働者の生活や保有する技能など様々な要素によって決定される」と。 連合を支持母体とする民主党さんは、こうした考え方にはどういうお考えをお持ちなのか、きょう伺いたかったんですが、いらっしゃらないので残念でございます。 改めて、維新の党の井坂議員にお伺いをいたします。 こういう中で、先ほどの答弁とも重なるとは思うんですが、職務に応じた待遇の確保は、定期昇給制度や労働者の生活等を考慮した賃金決定とは両立しがたい面があるというふうに思うんですが、それについてさらにお伺いしたいと思います。 〔高鳥委員長代理退席、委員長着席〕
○井坂議員 まず、定期昇給とか労働者の生活を考慮した賃金水準ということと、職務に応じた賃金というのはなかなか両立しないのではないかというお尋ねであります。 労働者の生活を考慮した賃金決定ということで、まず私が申し上げたいのは、では、現状の非正規の方は生活が成り立つような賃金設定になっているんでしょうか、ここが我々のそもそも本法律を提出した問題意識であります。現状がいいとは全く思えません。 さらに、定期昇給制度などとこうした同一労働同一賃金が両立しにくいのではないかという御指摘でありますが、この法案でも、正規と非正規の労働者の待遇に係る制度の共通化の推進、正規でも非正規でも待遇を、制度そのものを共通化していきましょうということを大きく掲げております。 ですから、その中で、会社によっては、別に非正規の方に何か定期昇給的な賃上げをしてはいけないというルールなど一切ないですから、この派遣法の議論でもずっと出てきている、例えば五年、十年、同じ派遣先に行っていらっしゃるような専門二十六業務の方であれば、当然、そういう方に正規労働者と似たような定期昇給的な賃上げをするということは私はあってよいことだというふうに思いますし、職務、できることは年を重ねるごとに同じ職場でふえていくのが普通だと思いますから、職務定義もし直した上で賃上げに近いことをしていくということは、私は全く本法案で否定されるものではないというふうに思っています。 この法案は、同一労働同一賃金と大きな話ですけれども、まずその第一歩として、正規とそれから派遣、特に今、法律面でおくれている派遣労働者の方の、その働き方の違いによる賃金格差をまずなくしていきましょう、少なくとも法律にそのことを明記することから始めましょうという、非常に最初の一歩的な法律でありますので、ぜひ御理解を賜れればというふうに思います。
○古屋(範)委員 まずは派遣、非正規の方々の処遇を正社員まで少しでも近づけていこう、そういう趣旨、目的であるというふうに伺いました。 だんだん時間がなくなってきまして、井坂議員、ちょっと一問省かせていただきます。済みません。 井坂議員は、危険ドラッグ対策などでもともに取り組ませていただきました。苦しんでいる方々、特に若い世代の方々に寄り添って、今までも議員活動を続けてこられたというふうに思います。 そこで、大変僣越なんですが、今回の議員立法の中で、女性の立場からいたしますと、賃金格差やさまざまな格差が派遣と正社員の間であるんですが、育休のとりにくさというのも、やはり派遣社員の中で育休の取得率が低いという現実があります。そこで、出産、子育てを経ても仕事をし続けていくために、ここのところも目を向けてあげる必要があるんじゃないかなというふうに思いました。 今回の法案の中で、なかなか明示的にここのところを改善していく条文に当たらなかったものですから、育休の取得なども、派遣社員、特に派遣で働く女性にとっては、ここを後押しする、また推進していくような条文も取り入れてはどうかということを最後に提案させていただいて、議員立法に対する質疑を終わりたいと思っております。 これから政府の方に聞いてまいりますけれども、同一労働同一賃金を進めていくという上にあって、能力に応じて、では、能力が低ければ低い賃金でよいのかということになってしまいます。やはり能力開発をしてこそ、同一労働同一賃金というものの意味が出てくるんだろうというふうに思います。 政府提出の改正案では、派遣会社に対して、派遣労働者の計画的な教育訓練、キャリアアップ支援が義務づけられました。このキャリアアップ支援を実効性あるものとして、真に派遣社員がキャリアアップをしていける、正社員の道も開かれていくものにしなければならない、これを行わなければ許可を取り消すということが今回盛り込まれております。この支援制度を整備できない派遣業者は淘汰をされていくわけであります。 派遣先が常に確保されるために、または正社員への道を開いていくために、派遣元業者が講ずべき教育訓練等の中身が重要であります。この教育訓練の中身の具体性についてお伺いしたいと思います。 また、企業横断的な能力開発を行う仕組みを構築する必要があるのではないかというふうに思います。この点についてお伺いします。 また、今年度予算では、派遣労働者等非正規労働者の正社員化に取り組む派遣先へのキャリアアップ助成金が拡充をされました。この助成金がしっかりと活用されることが非常に重要だと思います。そのために、申請の簡素化、また、利用しやすい制度になるよう周知徹底をしていかなければならないと思います。この点についてもお伺いをいたします。 また、派遣のみならず非正規労働者支援として、労働者側にも、昨年十月から、教育訓練給付制度に専門実践教育訓練給付が創設をされました。これは、一定の要件を満たした人が専門、実践的な講座を受講して資格取得をする、正規雇用につながった場合、本人に、年間四十八万円を上限に費用の最大六〇%、最長三年、給付されることになっております。こうした制度についても、ぜひとも周知徹底をして活用を促していただきたいと思います。これについてお伺いします。
○坂口政府参考人 幾つか御質問いただきましたので、私からは、派遣元の関係の、教育訓練の関係、それからキャリアアップ助成金の関係についてお答えを申し上げたいと思っております。 今委員の方から御指摘ありましたように、今回の改正法の中で、派遣会社、派遣元に対して、計画的な教育訓練の実施等について新たに法的に義務づけるということとしたところでございます。 その具体的な内容につきましては、従前申し上げたとおり、今後、労政審の議論の中で検討していくということにしておりますけれども、派遣労働者を取り巻く状況、あるいは派遣労働者がどういった業務に従事されているかということでいろいろな状況があるので、そういった状況に即して、派遣労働者に、どういう形がキャリアアップに資するかということを十分に考えて、効果的にそういったキャリアアップ措置がなされるような、適切な教育訓練になるように検討してまいりたいと思っております。 また、次に、キャリアアップ助成金の活用促進の関係のお尋ねでございましたけれども、キャリアアップ助成金の申請に当たりましては、現在も、事業主に対しまして、助成金の適正支給と申請の簡素化という両方を満たさなければならないわけでございますけれども、添付書類等につきましては、就業規則でありましたり労働条件通知書等の必要最小限の書類ということにとどめさせていただいておるところでございます。 この助成金のさらなる活用促進に向けましては、現在、ハローワーク等に配置している事業主支援アドバイザーがおりますけれども、そちらの方でいろいろ、申請書類の作成支援など申請者の負担の軽減を図るというような取り組み、あるいは周知徹底をしっかりということでございましたけれども、そこの点についてはしっかり私どもとしても取り組みたいと思っております。 また、より利用しやすい制度になるようにということにつきましては、引き続き検討してまいりたいと思っております。
○宮川政府参考人 労働者の企業横断的な能力開発について、簡単に御説明させていただきます。 労働者を取り巻く経済社会環境が大きく変化する中で、企業や業界が主体となった人材育成と、個人が自発的、主体的に取り組む能力開発の推進、ともに重要だと考えております。 このため、厚生労働省におきましては、キャリアアップ助成金によります、事業主が非正規雇用労働者を対象に、正規雇用労働者への転換ですとか、あるいは一定の要件を満たす職業訓練を実施した場合の支援、あわせまして、キャリア形成促進助成金によりましては、事業主や業界団体による企業横断の職業訓練などの取り組みを支援しているところでございます。 また、あわせまして、労働者の自発的な能力開発を促進するため、教育訓練給付制度による支援を行っているところでございますが、委員御指摘の専門実践教育訓練給付、この制度につきましては、制度の周知徹底を図るためにホームページを活用することはもとより、非正規雇用労働者を含む労働者のニーズに応じた講座の充実に努めるなど、本制度の積極的な活用促進に努めてまいりたいと考えております。
○古屋(範)委員 最後の質問になります。 参考人質疑の中で、横浜で印刷工場を経営されている秋山参考人から、やはり派遣社員へのキャリアコンサルタントの重要性ということが述べられたと思います。労働者の主体的なキャリア形成を支援するためにも、このキャリアコンサルタントがますます重要になってくるんだろうと思います。 国は、キャリアコンサルタントなど必要な人材を十分な規模で確保できるよう積極的に育成をして、企業、業界団体、ハローワーク、職業訓練機関、また大学等への配置や、必要に応じた派遣を行っていっていただきたいというふうに思っております。また、人材の育成に当たりましては、カウンセリング能力だけではなくて、労働者の希望や能力、労働市場の動向等も踏まえて、真にキャリアアップにつながるものにしていっていただきたいというふうに思っております。 このキャリアコンサルタントの積極的な育成、配置、質や専門性の向上にどのように取り組んでいかれるのか、この点についてお伺いをいたします。
○宮川政府参考人 キャリアコンサルタントの育成、その質の向上は大変重要な課題と認識しているところでございます。 このため、今国会に提出中の勤労青少年福祉法等の一部を改正する法律案におきましては、キャリアコンサルタントの登録制度を創設いたしまして、キャリアコンサルタントとしての知識、技能を有する者であることを国が担保するとともに、更新制や守秘義務などを盛り込むことによりまして、今議員御指摘のキャリアコンサルタントの積極的な育成、あるいは質、専門性の向上を図ることとしております。 また、企業における取り組みを促進するため、平成二十七年度より、キャリアコンサルタントを活用したキャリアコンサルティングの仕組みを導入、実施した事業主を支援する企業内人材育成推進助成金を創設したところでございます。また、あわせまして、キャリアコンサルティングを活用している企業の好事例の収集等に努めているところでございます。 こうした取り組みを通じまして、労働者の適職選択や主体的な職業能力開発に資するキャリアコンサルティングの体制整備を図ってまいりたいと考えております。
○古屋(範)委員 リクルートワークスの大久保参考人からも、中高年の職業訓練や能力開発については、別途、全力を挙げて取り組むべきだという御指摘もございました。 こうした非正規の方々への教育訓練、キャリアアップ、ここに全力を挙げてほしいということを申し上げて、質問を終わります。 ありがとうございました。
○渡辺委員長 次に、牧義夫君。
○牧委員 維新の党、牧義夫でございます。 法案の質疑に入る前に、一言、委員長にも申し上げておきたいと思うんですけれども、言うまでもなく、今、年金の制度の運用をめぐって、全国民的な不安が本当に高まっているところでございます。 そういう中で、もちろん、派遣労働者の雇用の安定化に向けての充実した審議も大切なことではございますけれども、しかしながら、先日来のいろいろな議論を聞いておりますと、年金機構も、この流出した対象というのは百二十五万件に限るかどうかもわからないような曖昧な返答でありますし、年金加入者六千八百万人の皆さんがこの制度の内容について非常に不安を抱いている状況が今も続いているわけで、このことについてのしっかりとしたこの委員会における議論を踏まえて、ほとんど全ての国民を対象にしたこの年金制度ですから、この不安をまずは解消することから始めるのが、私は政策のプライオリティーとして正しい選択だったと思うんです。 そんな中、民主党も退席をしてしまいましたけれども、こういう形でこの委員会をごり押しする、その姿勢については、私からも本当に強い憤りを持って委員長には抗議をさせていただきたいと思います。 そしてまた、この派遣法の審議も、まだまだ道遠いものがあろうかと思います。この出口をずっとずっと待った上で年金の議論ということでは、これは国民の期待には決して応えられない、そう思いますから、この派遣法の終局、採決の前に、一人残らず国民の皆さんが納得できるような年金の議論をこの委員会で開催していただくことをまずはお約束していただいた上で、不本意ながら、きょうは派遣法の質問をさせていただきたいと思いますが、委員長、どうでしょうか。
○渡辺委員長 この年金流出問題については、大変重要な問題であります。引き続き、当委員会においてもしっかりとした議論を進めていかなければならない、そういう認識でございます。 よろしくお願いしたいと思います。
○牧委員 委員長の認識については理解させていただきましたが、この派遣法の出口の前に、一人残らず国民の皆さんが納得していただけるような議論をしていただけるように、お願いを改めてさせていただきたいと思います。
○渡辺委員長 理事会で協議をさせていただきます。
○牧委員 はい、お願いいたします。 それでは、派遣法についての質問に入りたいと思いますが、ちょっと間もあいてしまいましたので、もう一回簡単におさらいをしたいと思います。 おさらいをするというよりも、今回の派遣法の改正で、業界の健全化ですとか、あるいは雇用安定措置の義務化、個人単位及び事業所単位の期間制限、あるいは正社員への道を開く、こういったさまざまな文言を聞いておりますと、これは非常に結構な法改正だなと、さらっと聞くと思えるんですけれども、後ほど議論しますけれども、せんだって、岡本充功議員から、マージン率の公開の義務化ということについてのお話がありましたように、この義務化という言葉そのものが何か軽くなってしまったかのような感があります。 雇用安定措置の義務化ということで、派遣先への直接雇用の依頼ですとか、新たな派遣先の提供、派遣元での無期雇用とありますけれども、具体的に現場に即したイメージをさせていただいて、そのロールプレーイングといいますか、そういったことをさせていただくと、本当に三年後に派遣先に正規雇用を頼んでもらえるのかどうなのか、ちょっと順々にお答えをいただきたいと思います。事務方からで結構です。
○坂口政府参考人 今委員御指摘ございました雇用安定措置、今回、個人単位の期間制限を上限三年ということで設けたわけでございますけれども、その上限に達する見込みのある派遣で働く方について、引き続き就業を希望される場合に、派遣会社、派遣元に措置を講ずることを義務づけているという措置でございます。 今、一部、委員の方から御紹介ございましたけれども、その選択肢としましては、派遣先への直接雇用の依頼、あるいは新たな派遣先の提供、あるいは派遣元での無期雇用、それから、その他安定した雇用の継続を図るために必要な措置ということがこの選択肢となっておりまして、派遣会社に対しては、そのいずれかを実施するという義務を課すということでございます。
○牧委員 私が心配するのは、その義務化という言葉の軽さなんですね。厚労省の皆さんが使っている意味でのこの義務化という言葉の軽さに、私は非常に懸念を抱いております。 派遣先への直接雇用の依頼、新たな派遣先の提供、派遣元での無期雇用、幾重にも何かネットが張られているように見えるんですけれども、しかし、依頼することが義務化されている、では、依頼して断られたらどうするのか、断られたら新たな派遣先の提供、これが、新たな派遣先がなかったらどうするのか、では派遣元での無期雇用、そういう理解でよろしいんでしょうか。
○坂口政府参考人 今委員も御指摘ございましたが、先ほど私は、いずれかの選択ということで申し上げました。 ただ、とりわけ、今委員からもありましたように、派遣会社が派遣先への直接雇用の依頼をするというものにつきましては、これは、派遣先に対して派遣労働者を雇用するように求めるということをその選択肢としての義務の一つとしているわけでございますので、最終的に直接雇用につながるかどうか。 今回の派遣会社に課す義務というのは、派遣労働者の方が雇用の継続をされるということを図るための義務、責務でございますので、今回も、これが最終的に直接雇用されなかったというときにつきましては、その後、ほかの措置、先ほど申し上げました新たな派遣先の提供あるいは派遣元での無期雇用、その他の雇用継続のための措置をしっかり講じていただくということは、しっかりお願いをしていくということとしておるところでございます。
○牧委員 具体的にイメージしていただきたいんですね。今部長がおっしゃったとおりの手順だと思いますが、結局は、直接雇用を頼んで断られたらどうするんだ、断られたら別の派遣先を見つけてもらえるのか、そして見つからなかったらどうするのか、こうやって順番に具体的にイメージしていくと、最終的に、では本当にその派遣元で無期雇用ができるかというと、派遣先から契約を切られてしまった社員をずっと抱えておくことはできないわけですから。もうそういった事例が徐々に出てきつつあります。 そういう中で、結果どうなるかというと、派遣元で無期雇用といっても、派遣元が潰れてしまうんですね。派遣元が潰れてしまうのを見越して、安い労働力を囲い込もうとしている大手の一般派遣元業者もあります。こういう状況が具体的にもう生まれてきているんですよ。そのことをぜひきちっと捉えていただきたいと私は切にお願いをしたいと思います。 前回も私、ちらっと触れたんですけれども、日本の国が三〇%株式を保有している通信大手の会社でございます、言うまでもなくこれはNTTの話ですけれども、NTTが通信業界のリーダーであり、これに伴って、今いろいろな価格競争もありますから、KDDIですとかソフトバンクも同じようなことをしているんですけれども、その会社が一体何をしてきているかというと、専門職の派遣の社員を今どんどんどんどん契約が来た時点で切りつつあるわけですね。 これはどういうことかというと、この持ち株会社の中でも内製化の通達をもう出している。内製化というのは、自分のところで直接囲い込むという理解を私はしておりますけれども、有期雇用の非正規社員化を図っているわけですね。そういう中で、どんどん派遣社員が契約をもって切られている、そういう状況であります。 NTTの持ち株会社というのは、二〇一八年までにグループ全体の経常利益を一兆四千億にとの通達を出して、グループ各社に、目的達成のために一番手っ取り早い人件費削減に手をつけているというのが実情でございます。 私は、その辺の実情をやはりしっかり踏まえていただいて、つまり、最終的にこの法律が成立をしたときにどういうことになっていってしまうのかということに、ぜひとも思いをいたしていただきたいと思うんですね。 これまで、要するに、派遣元に正規雇用された社員を派遣する場合というのは届け出制だったわけで、今回、全部これが許可制になるわけですけれども、実際何が起こるかというと、今申し上げたように、自社の社員のみを送り出してきた特定労働者派遣事業者は倒産を余儀なくされる、そうすると、そこに雇用されていた社員は失業します。失業した社員は、今度は待遇の悪い許可制の大手の業者に結局は登録せざるを得ないような状況になると思うんですね。 そうじゃないでしょうか。
○坂口政府参考人 私どもとしましては、今回、全体として派遣事業の健全育成、健全化を図るということで、特定労働者派遣事業を廃止して、全般的に許可制ということにするわけでございます。 今議員おっしゃったような、あるいは先ほども派遣先の問題についても御指摘がありましたけれども、私どもとしましては、今回の制度改正ということが、まさに今申し上げたような趣旨に沿ってちゃんと機能するようにということで、今もおっしゃいましたような、単に、悪質な派遣会社が許可制で残ってそちらの方に人が集まっていくというような実態にならないように、そういった面では、悪質な派遣業者、これは今回、許可制ということをしいてしっかり指導監督もしていくということでございますので、そういった点についてはしっかり注視をして私どもとしても取り組んでまいりたいと思っております。
○牧委員 今の話はわかるんですけれども、悪質な特定業者が今度許可制に移行しないようにしっかり見ていただくというのは、もちろん当然の話であります。 それと、これまでの質疑の中で、とりわけ与党の皆さんの質問の中によくあったのが、これまでの特定業者、届け出制の業者の中に悪質な業者が圧倒的に多数あるんだというようなお話がありました。 これは、全部許可制にするための援護射撃のような質問だったと私は思うんですけれども、それでは、今まで特定の届け出制でやってきた業者の中で、本当に優良なところと悪質なところとの見きわめというのは、厚労省として、してきたんでしょうか。してきていなかったとしたら、本当に今回の法改正というのは優良な届け出事業者にとっては大変迷惑な話だと思うんですけれども、その辺のところをしっかり厚労省として見きわめてきたんでしょうか。そこをお知らせください。
○坂口政府参考人 私どもも、特定派遣事業者については届け出制ということでございますので、あくまで要所要所での、例えば許可の更新時というようなときの事前のチェックということができないということはあるんですけれども、私どもとしましても、都道府県労働局の方で、具体的には、この特定に限らずでございますけれども、定期的な指導監督ということをしっかりやるということ、それから、派遣労働者からの苦情相談であったりいろいろな情報提供ということで、臨時的な指導監督ということもしっかりやっていく中で、特定派遣事業者の中での悪質な業者に対してはしっかり対応するということでございます。 今委員御指摘ございました、特定派遣事業者についてもいろいろ悪質な業者がいるというような点でございますけれども、ただ、これは今回、二十四年の附帯決議を受け、それで労働政策審議会でも御議論いただいたんですけれども、その中でもやはりそういった御議論はあり、実際にも、特定派遣事業者の中で、有期雇用者を多く含んでいるにもかかわらず常時雇用者のみであるというようなことを言っているところであったり、あるいは、例えば平成二十六年度の行政処分の実績を見ましても、全体で六十七件、行政処分を行っておりますけれども、この中で、うち特定の派遣事業者が六十件というようなことで、そういった点につきましては、やはり特定派遣事業者についての問題ということも健全化しているということも事実あろうと思います。 ただ、私どもとしましては、やはりそういった部分について、先ほどの、許可の更新等に当たってのチェックも働かないということもありますので、今回、許可制という形にさせていただいて、今委員御指摘のように、許可制になるということでの御負担はありますけれども、どちらかというと、いわゆる定期的な指導監督、臨検の指導監督というだけではなくて、その許可の更新時等で、今まさに委員が御指摘されたように、良質な業者か悪質な業者かということもしっかり見きわめながら指導をしてまいりたいということでございます。
○牧委員 ぜひしっかり見きわめていただきたいんですね。 それと、あわせてお願いしたいのは、優良な派遣元の専門職の労働者の皆さん、この人たちを具体的にどう守ってどう救済するのか、その辺について見きわめた上でしなきゃいけないことだと思うんですけれども、その辺のお考えをお聞かせください。
○坂口政府参考人 今回、そういったしっかり取り組んでいただいている派遣会社、これはこれまで届け出制であったところも含めてでございますけれども、やはりそういったことについては、許可制にはしっかり経過措置も含めて移れるようにということもございます。 それから、優良な事業者の中で、恐らく今議員御指摘の点は、例えば、そういったものに過度な今回の期間制限というようなものが働いてきた場合にどうなるかということだろうと思いますけれども、やはりそういった方についても、今回、全体の御議論をいただく中では、期間制限をわかりやすくするという議論が一つありました。 もう一方で、有期労働の派遣労働者という方については、専門的な方、優秀で一生懸命やっておられる方であれ、一方で有期労働という形であればやはり不安定な雇用契約の中での働き方ということもありますので、そういった点については、今回の制度見直しの中で、そういった方もいわば安心して働いていただけるために、今回の個人単位の期間制限であったり、先ほども委員の方から御質問があったように、あるいはいわゆる二十六業務の方がそこで雇用が切れてしまって継続できないということにならないために、雇用安定措置ということも含めて、全体としてパッケージでしっかり、そういう方が安心して働いていただけるような仕組みということで御提案をしているということでございます。
○牧委員 なぜ私がこういうことをくどくどお願いするかというと、最初の話に戻りますけれども、厚労省の皆さんが例えば義務化ですとかそういう言葉を使っても、本当に実効を伴ったやり方をされているんだろうか、そういうことについての疑問があるから私はくどくどとお願いをするわけであります。 最初ちょっと触れましたけれども、なぜそういう話になるかというと、せんだって、岡本充功議員の質問の中にも、マージン率の情報公開義務化のお話がございました。これは私がちょうど厚労副大臣だったときのお話でもございますし、議事録も皆様方のお手元にお配りをさせていただいておりますけれども、私も、そしてまた当時の小宮山大臣も、特に小宮山大臣のところは黄色いマーカーをしてありますけれども、ごらんいただければおわかりのとおり、「マージン率などの情報公開の義務化、」こういうふうにはっきり言っているんですね。 恐らくこれは当時の、私もそうですし、津田政務官も同じような答弁をしております。それは、当然、同じ答弁をするということは、厚労省の同じ担当官からレクチャーを受けて、三人がそれぞれ自分なりの理解をしながらこういう答弁をしているわけでありますけれども、改正派遣法二十三条五項のマージン率の情報提供の義務化について、改めてこの法の趣旨について確認をさせていただきたいと思います。
○山本副大臣 平成二十四年の改正におきまして、派遣元事業主にいわゆるマージン率や派遣労働者の平均賃金額等の情報提供を義務づけたのは、この趣旨というのは、派遣労働者等の関係者が適切な派遣元事業主を選択できるようにすることを主眼としたものでございます。これはこの間も御答弁させていただいたところでございますが、これらの情報を知ることによりまして、派遣労働者がよりよい待遇の事業所を選択するという材料にもなって、ひいては派遣労働者の方の待遇改善につながるものだと私たちは考えているわけです。 恐らく、副大臣でいらっしゃったときの御認識と私がこの間答弁したときの認識が違うんじゃないかという問題意識をお持ちで御質問なさっていらっしゃると思うんですが、私も、副大臣時代でいらっしゃるときの議事録を拝見させていただきましたら、私は認識に差はないと思っているんです。 ここに書いてある言葉が、法律上は提供と書いてありますし、趣旨説明で長妻大臣も提供とおっしゃっていらっしゃいますし、そういう中で、何が一番大事かというと、やはり派遣労働者自身がきちんと判断していただけるための材料を提供する、そういう意味でございまして、当時とまた今の政府の認識が異なっているという認識は、申しわけございませんが、私は持っておりません。
○牧委員 それはそうだと思います。私も、自分の答弁を改めて見ると、今の副大臣がおっしゃったこととかなり近いことを言っているんですけれども、ただ、大臣ははっきり義務化と言っているんですね。この義務化という言葉そのもの、さっきもちょっと触れましたけれども、厚労省は余りに軽く扱っていないかと私は思うんです。 当時の法案の説明資料を見ても、資料の二をごらんいただければおわかりのとおり、これは厚労省が作成した、当時の法改正のときの説明資料でありますけれども、このアンダーラインを引いたところ、派遣元事業主に対する義務化という説明があります。 これを見たら、それは普通、常識的に誰もが、例えばネット上に全部公開するとか、あるいはハローワークでそういうことをしっかりと求職者に提示するとか、そういったことが義務づけられていて、この義務を履行しなかった業者に対しては何らかのペナルティーがあるというような理解を普通であればしてしまうと思うんですね。だから、そういう錯誤に基づいて当時の大臣も答弁をしていたと思うんです。 そうは思いませんか、この資料を見て。
○山本副大臣 私も当時、議員として仕事をさせていただいておりました。このときの私の認識は、マージン率を公開する、表に公表するというのは今までやったことがないことでありまして、要するに、表に公にするということに非常に力点を置いた形で御説明なさっていたのはよく覚えております。 修正のいろいろな議論の中でもここのところがいろいろと変わってきたところも存じ上げておりますが、どちらかというと、全ての方にというよりも、先ほど申し上げたように、派遣労働者の方々にとって、派遣の関係者の方にとって、判断材料として初めて出すんだというところが強調されたのが公開だという意味合いで私は認識しております。
○牧委員 私は、別に言葉の遊びをここでするつもりは全くないんです。 ただ、この趣旨というのが、やはり派遣労働者の身分を守るための、そういう人たちの立場を守るための趣旨ですから、そういう中で義務化という言葉が使われて、この義務化という言葉が余りに軽く扱われているんじゃないかと。だから、私が最初に申し上げた今回の法改正における雇用安定措置の義務化、この義務化についても半信半疑にならざるを得ないと思うんですね。 実際に、私は、マージン率の公開義務化というこの文言を受けて、ホームページでいろいろ調べてみました。そうしたら、派遣元の業者の中には、これは具体名があるのでお配りはしませんでしたけれども、これはプリントアウトしたものですが、律儀にきちっとマージン率を公表しているところもあるんですね。 どちらも同じ文言が最初についているんですけれども、平成二十四年十月一日の改正労働者派遣法の施行により、派遣元事業主は、毎事業年度終了後、派遣先から受け取る派遣料金に占める派遣料金と派遣労働者に支払う賃金の差額の割合を公開することが義務づけられました、このマージン率は以下の計算式で計算されておりますと。同じようなことを書いて、こういう業者があるんですね。 一方でこういう業者がありながら、そうでない業者もいる。そして一方で、私のように、これは本当のそういった義務化だというふうに理解する政務についていた者もいれば、そうじゃない人もいる。 こうなると、厚労省は、政権がかわると、時の政権に合わせて大臣、政務官にレクチャーをするのかと思われても仕方がないと思うんですね。法律の中身が変わっていないのであれば、厚労省の政務に対する説明が悪いと私は言わざるを得ないわけで、どうして当時の大臣、副大臣と現在との認識がこんなに違ってきちゃうんでしょうか。
○坂口政府参考人 私ども、先ほど山本副大臣が御答弁しましたように、当時の牧副大臣と現在の副大臣のこのマージン率の情報提供についての認識が違うということでは、先ほど御紹介いただいた当時の御答弁も含めて、ないのではないかと思っております。 いわゆるマージン率の情報提供につきましては、先ほども議員の方からも御紹介いただいたとおり、法律上義務づけられているということで、より適切な派遣会社を選択できるようにするためという趣旨であります。 派遣法の中では、現行派遣法の二十三条の第五項というところでございますけれども、やはり、そちらの方には明確に、派遣元事業主はこれこれについて情報提供を行わなければならないということで書いた上で、今委員が御紹介になりましたように、提供の手法につきましては、「厚生労働省令で定めるところにより、」ということになっておりまして、具体的には、厚生労働省令で、インターネットまたは事業所への書類の備えつけ等によるということになっておるわけでございます。 ですから、ちょっと今の段階で全ての企業がインターネットの形での対応ということになっていないのは事実でございますし、また、今委員が御指摘になられたように、そういった何らかの方法も含めての提供がなされていないということにつきましては、これは、当時の政務にも当時の事務方が説明した、あるいは国会でも恐らくそういう形で御説明していると思いますけれども、このマージン率等については、情報提供は法律上新たに義務づけるということでございますので、そこは、守っていないところがあればしっかり指導していかなければいけないということだと思います。 冒頭、議員の方からおっしゃっていただいたとおり、私どもとしては、義務化ということで法律上構成しているからには、その指導監督をしっかりやっていくということについては、議員御指摘のとおりだと思っております。
○牧委員 本当にしっかりやってくださいね。特に今回、全部許可制にするわけですから、新たな何らかの措置を考えてもいいんじゃないかと思います。 これは、公開する対象が、この間岡本さんが言ったように、情報公開といっても、公の機関が公開するわけじゃなくてそれはあくまでも民間企業ですから、情報公開法みたいなそんなものが適用されるわけではもちろんありませんけれども、ただ、その関係者というのを、これから求職をする人に限るかのような答弁がございました。ありましたけれども、この場合の関係者というのは、私は恐らく全国民が関係者だというふうに考えるのが、この法律のたてつけ上、妥当だと思います。 なぜならば、例えば裁判所の不動産の競売物件なんかは、全然、会員登録も何も、利用料も払わなくてもインターネットで閲覧することができるわけで、これは別に、物件を買う人、買わない人関係なく、もう全部公開するわけですよね。それと同じで、あなたは本当に就職するつもりがあるのかないのか、そんなことを聞いて、就職するつもりがない人にまでこんな情報は提供する必要がないというような言い方は、私はおかしいなと思うんですね。 少なくとも、少なくともですよ、資料をお配りいたしておりますけれども、厚労省がこのマージン率の公開というものをしっかりやってもらいたいという意思が本当にあったのであれば、ハローワークの、今、求人申込書のコピーを持ってまいりましたけれども、二枚目の申込書の方にマーカーが入れてあります。これは、派遣元の事業者は、ハローワークに自分のところで囲い込む労働者を求人する場合があるわけですね、もちろん。その求人する申込書の中にも、全然、マージン率だ何だという情報を提供するような欄すらない。 つまりは、ハローワークでは、ハローワークに求人を出している派遣元事業者がどれぐらいのマージン率かということすら把握していないということだと思うんですね。 このことだけ見ても、マージン率公開の義務化といっても、全く厚労省はそんなことをやるつもりも何もなかったんじゃないかというふうに思われても仕方がないと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○坂口政府参考人 お答え申し上げます。 まず、マージン率の提供の対象となる関係者ということについての御指摘がございましたけれども、この点につきましては、まずは平成二十四年改正の時点も含めて、先ほどのような趣旨で設けたという立法の趣旨に鑑みて、この関係者ということについては、派遣労働者や、登録者といった派遣労働者になろうとする方、あるいは派遣先、派遣先になろうとする方であるという解釈ということにつきましては、現在そういう解釈ということだけではなくて、二十四年改正法の時点でもそういう解釈をしていたということは、これはちょっと御紹介をさせていただきたいと思います。 その上で、今委員から御指摘がありましたように、現在のハローワークの求人申込書の求人票でございますけれども、この求人票自身につきましては、賃金などの労働条件の明示を安定法で義務づけているということで、そういったものを中心に求人票については記載しているということで、今委員、記入例のところも御紹介いただきましたけれども、現在そういった事項にも当たっていないということで、マージン率等の記載についてはこの求人票の中にはないということが事実でございます。 ただ、先ほども申し上げたように、また、まさに今委員の方からも御指摘がございましたけれども、私どもとすると、マージン率の情報提供ということは、その情報提供の対象者というのは派遣労働者になろうとする者も含まれるということであれば、求職者の方がこの求人票をごらんになるということもあります。労働条件とは異なりますので、ちょっと具体な、ほかの正社員、正社員以外の方の求人との扱い等々もありますので、どういう形でということは今後検討してまいりたいと思いますけれども、例えば備考欄等に記載するように働きかけるとか、そういったことも含めて、委員の御指摘も踏まえて私どもとしても検討してまいりたいと思います。
○牧委員 ハローワークで労働条件を提示するのは当たり前の話で、つまり、マージン率というのはどれだけ自分が上前をはねられているかということですから、それは別問題ですよ。 それはきちっと、厚労省がやる意思があれば、少なくともそういうところから手をつけてもらいたかったなということを申し添えて、まだまだこの法案については道遠しだなという感を改めて抱かせていただいたということを申し添えて、時間になりましたので質問を終わります。 ありがとうございました。
○渡辺委員長 次に、井坂信彦君。
○井坂委員 維新の党の井坂信彦です。 まず、厚生労働委員会における質疑の意義、答弁の正当性など、本日の質疑に先立つ大前提について伺います。 衆議院では、年金機構の全てのインターネットを五月二十九日に遮断したと答弁がなされ、また、厚生労働委員全員に正式に配られた文書にも、そのように時系列で明記をされておりました。 しかし、昨日の参議院厚生労働委員会では、年金機構の水島理事長が、五月二十九日以降も、六月四日の十九時までメールは遮断をしていないと繰り返し答弁をされております。 厚生労働委員会で配付された事実経過の文書と全く異なるわけでありますが、六月四日まで年金機構がメールを遮断していなかったという事実を厚生労働省の中で一番早く知ったのはどなたでしょうか。そして、それは、いつの時点でしょうか。大臣にお伺いをいたします。
○塩崎国務大臣 昨日の参議院の厚生労働委員会における審議に際しまして、参考人でございます日本年金機構の理事長の答弁をめぐって混乱を生じさせ、そしてまた委員会審議が中断をするに至ったということについて、深くおわびを申し上げたいというふうに思います。 きのうの審議において参考人が答弁した内容は、厚生労働省も当該答弁で初めて知った事実でございまして、驚きを持って受けとめたところでございます。 私どもは、今回、日本年金機構の組織も、そしてまた役職員の意識も、また体質も抜本的に見直さなければならないということを感じてまいりましたけれども、加えて、厚生労働省の方も、心して監督者として改革をしなければいけないというふうに思います。 社会保険庁改革ということで日本年金機構ができた、この改革があったにもかかわらず、このようなことになったということは、大変残念なことでございます。 その後、その事実関係について調査を行ったところでございまして、現時点で把握できました事実関係は、おおむね以下のとおりでございます。若干長くなりますが、お許しをいただければというふうに思います。 日本年金機構のLANシステムは、旧社会保険庁時代に構築をしたものでございまして、当該システムを現在も使用しております。 このLANシステムには、当時から独自のインターネット回線が存在をしておりました。日本年金機構は、平成二十年、二〇〇八年の厚生労働省統合ネットワークへの参加、そして平成二十二年の日本年金機構への移行後も、当該インターネット回線を保有し、使用を続けてきたことが判明をいたしました。 この回線は、古く、容量の小さいものであり、統合システム参加後、日本年金機構はメールの送受信専用回線として使用してきた。 そして、今般の事案において、日本年金機構は、五月二十九日、統合ネットワークへの接続を遮断いたしましたが、その後においても、当該LANシステムのインターネット回線は遮断をせず、六月四日木曜日十九時までメールの送受信に使用していたということでございます。 日本年金機構の説明によりますと、日本年金機構は、五月二十九日の時点では、情報の大量流出の防止を最優先として考え、機構のシステムを統合ネットワークから遮断する、いわゆる出口対策を行うことを遮断と彼らは呼んで、厚生労働省に対しても、統合ネットワークシステムからの遮断をもってインターネットからの遮断と報告をしてきたことがわかりました。この説明は極めて不正確なものであり、常識では考えられないものであったと言わざるを得ないというふうに思います。 したがって、昨日の審議において御指摘があったとおり、五月二十九日金曜日から六月四日木曜日まではインターネットにメール専用の回線がつながっていたことは事実であるということでございます。 かかる事態に対して、私ども厚生労働省としては、事案の経緯、すなわち皆様方にお配りを申し上げたクロノロジーでありますが、この記述のうち、日本年金機構からの報告に基づいて記載をした部分について、改めて事実関係の点検を行い、必要があれば追記、修正を行いたいと思います。 そして、五月二十九日から六月四日までの間の感染の有無をチェックし、その間の安全性についての確認を早急に行いたいというふうに思います。 そして、機構の業務全般に対する監督指導体制の一層の強化を図って、本事案の対応に万全を期すなどの措置を講じていく所存でございます。 いずれにしても、正確な情報が厚生労働省に伝わっておらず、かかる事態が生じたことはまことに遺憾であり、おわびを申し上げるところでございます。
○井坂委員 非常識、不正確な報告があったという御答弁であります。 昨日の参議院厚生労働委員会までは、厚生労働省の中ではこの事実を知る方が一人もおられなかったということで、ちょっと確認ですが、よろしいでしょうか。
○塩崎国務大臣 先ほど申し上げたように、きのうの答弁で初めて聞いたところでございます。
○井坂委員 五月二十九日以降、年金機構と厚生労働省の間では、そうすると、メールのやりとりは当然なかったということでしょうか。
○塩崎国務大臣 先ほど申し上げたのは、私が知ったのはきのうの答弁であったというふうに申し上げたつもりでございましたが、職員はメールのやりとりはしていたようでございまして、それはイントラネットであるという認識のもとでどうもやっていたのではないかというふうに思われるところでございます。
○井坂委員 委員長、後日、またきょうの議事録を精査していただきたいと思いますが、私は、もう最初の質問から、この事実を厚労省の中で一番早く知ったのはどなたですか、そしていつですかということで、別に、はなから、大臣がいつこれを知られたかという質問はしておりません。通告でも、明快にそのようにお尋ねをしています。 一問目のお答えで、答弁で初めて知ったとおっしゃられたので、私は再質問で、厚労省の中で、その答弁まではどなたも知られなかったということで間違いないですかと念押しの確認をいたしました。そのとおりですとおっしゃって、では、メールは誰もしていなかったんですかと言うと、いや、それは私が知らなかっただけで、職員はメールをしていたということであります。 議事録を御確認いただくまでもなく、聞いたことと全く違うことをわざと答えておられるとしか思えません。 通告もしております。今この場で確認もいたしました。厚労省の中で誰が一番早く知ったんですか、答弁まで誰も知らなかったんですかということでありましたが、しかし、実際、メールのやりとりは、厚労省の職員さんが機構の職員さんと五月二十九日以降されているわけであります。 何で、ネットが遮断をされたということで、正式に厚労省もそういう文書をつくっておきながら、五月の二十九日以降メールをしている職員さんがいて、この事実と、そして公式に配付した文書のそごに気がつかないんでしょうか。いつ気づかれたんでしょうか。
○塩崎国務大臣 先ほど申し上げたように、メールのやりとりを機構との間で厚生労働省の職員がやっていたようだということを私も聞いておりまして、それが、先ほど申し上げたように、厚労省と機構との間でのメールのやりとりをやっていた職員たちが、機構が有するイントラネットを活用してやりとりをしているものだというふうに認識していた模様だというふうに私どもは思っておりますが、なお、この点については、一人一人から、やりとりをした者がいれば調査をさせていただきたいというふうに思います。
○井坂委員 くれぐれもお願いをいたしますが、この事実関係の把握にいたずらに時間をかけて、厚労委員会への報告をおくらせることのないようにお願いをしたいと思います。 まずは、以前厚生労働委員会に配付をされた資料、これが五月二十九日遮断と間違っていた部分をまず訂正していただいたものをきょうあすじゅうに早急に提出していただいて、そして、それをもとに年金の審議を行うべきだと思いますが、この資料の提出は、もちろん、難しいことではないですから、きょうあすじゅうにしていただけますね。
○塩崎国務大臣 今申し上げたように、よく調査をした上で、可及的速やかにお出しをしたいというふうに思います。
○井坂委員 おくらせる意図を感じるのは私だけでしょうか。 もう一つ、本日、派遣法の質疑に入る前に、この厚生労働委員会の答弁の正当性、そして質疑の意義にかかわることでお伺いをしたいことがございます。 六月三日の厚生労働委員会で、私は、年金機構の水島理事長と質疑をさせていただきました。この年金問題の初日です。私は、その日一貫してお尋ねをしていたのは、なぜ五月八日にサイバーセキュリティセンターから不正な情報が外部に向けて出ていますよと通報があったのにアクセスログのチェックすらしなかったのか、そのことを延々、三十分近く初日に質疑をさせていただいておりました。 本日お配りしております当日の速記録にも、二十ページの方ですけれども、「アクセスログの解析はしなかったんでしょうか。」「それはいたしておりません。」と明快に答弁をされております。 この答弁以外にも、もう私、二、三十分、延々この話をしておりますが、アクセスログの解析をなぜしなかったのか、なぜしなかったのか、いやいや、こういう理由でしていません、ああいう理由でしていませんと、もう速記録でも四ページにわたって、二十四ページのところをごらんいただきたいですけれども、「きょうずっと議論しているのは、八日の段階でアクセスログを調べるのが普通ではないですか、」このあたりまで延々この話をしてきたわけであります。 ところが、これも昨日の参議院の厚生労働委員会の方では、アクセスログの解析は実は五月八日にもう行っていました、こういう答弁をしておられます。 もう全く私の初日の質疑と異なることがきのう参議院で答弁をされているわけでありますが、厚労省の中でこの事実を一番早く知ったのはどなたで、そして、いつの時点でしょうか。
○樽見政府参考人 今のお配りになられました議事録の関係でまず申し上げますと、実はきのうの議論の中で、まさに、アクセスログの解析はしなかったかというのに対して、水島理事長は、しましたということを言われて、そこで、衆議院の方ではそういう答えではなかったではないかというやりとりがきのうもございましたが、それに対して水島参考人は、年金機構でやったということではなくて、いわばシステムを運用している会社にやってもらったということだというふうに御答弁をしておられました。 お配りになった六月三日の速記録も、見てみますと、水島参考人は、「それはいたしておりません。」というふうに言っておられますけれども、その次のやりとりのところで、「その時点でログを解析して中身を、それがどのようなものであるか調べるということについては、運用会社に対して情報提供していると思います。」というお答えをしておられまして、この点は、昨日のやりとりとあわせて考えますと、そういうことであったのかなというふうに考えられるやりとりではないかというふうに私は思っております。 本題に入ります。恐縮です。 時系列を書いた紙にもございますけれども、平成二十七年五月十一日に年金機構から厚生労働省年金局に対して、五月八日からの対応状況を報告してございます。この報告によりますると、それを見ますと、アクセスログの解析を行ったものというふうに考えられるところでございます。 したがいまして、五月八日に解析が行われたかどうかについてはつまびらかにしませんけれども、十一日に報告があったときまでにアクセスログの解析が行われたというふうに認識をしてございます。 したがいまして、私どもの中では、この報告を受けた者が一番最初に知ったということになります。 以上でございます。
○井坂委員 年金機構はアクセスログの解析をしなかったが、運用会社がアクセスログの解析をしていたんだということでありますが、ばかにするなと申し上げたいと思います。そんな答弁が通用するのであれば、私は、厚生労働委員会を今後開く意味がないというふうに思います。実際、参議院でも、参議院の質疑者はすぐさまそのように反論をしておられます。 議事録を見ていただきたいですが、私は何もこの一往復だけで質疑を終わらせているわけではありません。手をかえ品をかえ、なぜ五月八日にアクセスログの解析をしなかったのか、しなかったのか、するのが普通ではないかと、延々、三十分近くこの件で議論をしてまいりました。その間に一度たりとも、いや、機構はしなかったけれども運用会社ではしていたんですと思わせるような答弁一つありませんでした。ですから、私は、この初日の審議で、ここの初動がまずかったのではないかというふうに思ったわけであります。 質疑は、こうして答弁を信用して積み上げられていくものだと認識をしております。 委員長にお伺いをしたいと思いますが、今回、派遣法の私の質疑でも、本会議のやりとりも含め、何度も間違った答弁、また、うそに近い紛らわしい答弁、さらには、丁寧に通告をしたのに意図的に違うことをおっしゃる答弁を繰り返されてまいりました。 今回の件は、特にこの年金問題の、ネット遮断をしましたと言って、していなかった、あるいは、アクセスログの解析をしていませんでしたと言って、していました、こんなことが当たり前に許されるのであれば、私は、厚生労働委員会の質疑の正当性が根底から覆されるというふうに考えております。今後、厚労委ではまともな質疑などできません、これが許容されるのであればですね。 委員長にお伺いしたいと思いますが、次回の厚生労働委員会は、この問題も含めて、年金に関して質疑をするのが当然だと考えます。さらには、それが国民の負託に応える厚生労働委員会を取り戻す唯一の道だというふうに考えますが、委員長の御所見を伺います。
○渡辺委員長 この件につきましては、理事会で協議をさせていただきます。
○井坂委員 ふだんであれば、そうおっしゃることで了としたいと思いますが、しかし、今の質疑を、このやりとりを聞いていただいて、やはり、委員長、御所見をお伺いしたいと思います。 そのとおりだと思うが、理事会で協議をするぐらいは言っていただけないものでしょうか。 さらには、本日も職権で委員会を立てておられますが、委員長が本気でこれは見過ごせない問題だ、厚生労働委員会の正当性を揺るがす問題だとお考えになるのであれば、委員長は職権ででも、次回、年金をやるんだと立てることもできるのではないでしょうか。御所見をお伺いいたします。
○渡辺委員長 井坂議員の今の私に対する質問でございますが、確かに、委員会は正当な答弁の上に成り立っていく、これは当然のことであります。その上で、国会においては、さまざまな議論をしていく、これが我々厚生労働委員会の役目だ、そのように思います。 その大前提、それはやはり、疑念があるような答弁では、その上での正しい議論ができない、私はそのように思います。 したがって、年金問題につきましては、改めてこれは質疑をする必要があるというふうに思っております。その上で、理事会で協議をさせていただきたい。 私の認識は以上であります。
○井坂委員 改めてとはもちろんおっしゃっておりますが、こういうことが見過ごされている間は、派遣であろうと何であろうと、この厚労委の質疑自体が正当性を持たないというふうに考えております。 ですから、優先順位は明らかで、まず、この問題、何でそんな答弁になったのか、何でそんな答弁が許されてきたのか、ここを次回、年金の質疑で明らかにした上で、その後は、派遣でも何でも、順番に議論をしていけばいいと思いますが、この正当性の問題を見過ごしたままほかの議論はできないと思いますが、いかがでしょうか。
○渡辺委員長 当然のことながら、この厚生労働委員会の役目はそういった前提に立って行われていると私は認識をしております。 したがって、この問題については、与野党の理事においてしっかりと協議をしていただく、これも当然、委員会運営として当たり前のことであります。 したがって、ぜひとも、今回においては、委員会立てをした、職権ということでありますけれども、私は、二回にわたって年金問題についての集中審議をしたわけであります。その上で、今回は派遣法並びに議員立法の審議に入ろうということが私の判断でありましたが、今申し上げたとおり、それは大前提として、答弁の内容の正当性が裏づけになっているということ、これは間違いない事実であります。 そういったことを踏まえまして、ぜひとも、与野党理事間で協議をしていただき、そしてまた、理事会でそれを協議をさせていただきたい、そのように思います。
○井坂委員 委員長、いろいろ出過ぎたことを申し上げたことはおわびを申し上げます。 国民の当たり前の感覚で議題の優先順位を決め、そして、緩み切った年金機構と厚生労働省を厳しくコントロールできる厚生労働委員会にしていきたいというふうに考えております。 本題の派遣法について、質疑に移らせていただきたいと思います。 今回の派遣法改正には、三つの大きな矛盾があるというふうに考えております。 一つは、専門性の低い低賃金の派遣は規制緩和で拡大をされるのに、専門二十六業務のような比較的スキルの高い高賃金の派遣の方々が、規制強化で働きにくく、また受け入れにくくなるという矛盾が一点目。 そして二つ目は、企業側は三年、六年、九年とずっと派遣を使い続けられるようになるのに対し、派遣労働者の側は三年ごとにまた行き先を探さなければいけない、これが矛盾の二つ目。 そして三つ目が、今回わざわざ臨時的、一時的と法律につけ加えておきながら、むしろ中身は派遣をずっと使い続けられるような規制緩和になっている。 この三つの大きな矛盾が派遣法改正に含まれていると考えております。 まず、この委員会でもずっと懸念を野党側から示されております専門二十六業務の方々。 これまで、確かに、契約の更新は頻繁にあって、必ずしも安定雇用ではなかったですが、しかし、事実上、同じ派遣先でその専門性を生かしてずっと働き続けてきた方が、今回の法改正では、三年後に必ずほかの派遣先を探さなければならなくなります。 この問題、実際に、実社会でも雇いどめあるいは解雇予告というようなものが起こってきているゆゆしき問題だと考えますが、これは、本法改正をもしこのまま行うのであれば、別途、何らかの手だてが必要な現実の問題だというふうに考えております。 そこで、例えばでありますが、法改正前の今現時点で有期の専門二十六業務の方は、特例的に、その業務内容をしっかり確認した上で、何か証明書のようなものでも発行して既存不適格のような扱いにするなど、今後も期間制限なしに、今行っている派遣先には少なくとも本人と派遣先が望めば行き続けられるようにできないか、これぐらいの手だては私は講じるべきだと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 施行日前に締結をされた労働者派遣契約につきましては、その派遣契約が終了するまでは経過措置によって改正前の期間制限の適用を受けるということでございます。 一方で、現在期間制限のない二十六業務、この派遣で働く方であっても、有期の雇用契約を反復更新することによって同じ職場で就業を続けている方はたくさんいるということを私もずっと申し上げてまいりましたし、今、そのことについても井坂議員の方からもお触れになられました。 雇用の安定あるいはキャリア形成が十分に図られているというふうになかなか言えないのが派遣労働であったというふうに思うわけでありまして、そのことは、やはりこの二十六業務に関しても同じことが言えるんだろうということでございます。 このために、これらの方々についても、派遣労働への固定化防止という課題に対応することが重要であることから、今御指摘のように、既存不適格のような扱いにして今後も期間制限はなしでいくべきじゃないかというお話がございましたけれども、特に、特例を設けるということについて、これはさまざまな考えがあるのかなということで、今すぐそのようなことを導入するという考えは、今のところ持っているところではございません。
○井坂委員 さまざまな考えはあるが、そのようないわゆる既存不適格のような扱いは今のところ考えていないという答弁でありますが、その理由は何ですか。一体どういうデメリットがあるからそれをしないというふうに御判断されたんですか。
○塩崎国務大臣 これは、今回のさまざまな新たな規制、あるいは保護の措置、それは雇用安定措置を含め、そしてまた、全面許可制にする等々のもとでのいろいろな義務化をしているわけでありまして、先ほど申し上げたように、もともと派遣の固定化ということはいかがなものだろうかという問題提起があった上で、今回の制度改正も御提起を申し上げているところでございます。 有期の雇用契約を反復更新されている方々は、やはり、いつその更新がされないことになるのかということは、可能性として絶えず考えなければならないわけでありますし、果たして、派遣という形でこのままいくということがいかがなものだろうかということで、三年の期間制限というものを設けて、そこで一旦立ちどまって考える、キャリアを考えるということをやることを申し上げているわけであります。 そういうようなことで、私どもとしては、やはり、新しい、今御提起申し上げている制度で運用をしていただきたいというふうに思っているわけでございますので、御理解を賜りたいというふうに思います。
○井坂委員 派遣労働の固定化防止とか、専門二十六業務の方であっても、やはり契約更新が頻繁にあって不安定な状況なんだ、決してよくない状況なんだというふうにいつも答弁をされておられます。 それはそうだと思いますが、しかし、では、今回の法改正で、専門二十六業務の方が三年後には必ずほかの働き先を探さなければいけない、こういうことが、むしろ今より状況が明らかに悪くなるではないかということが問題視をされているわけであります。 大臣の御答弁は、三年たてば正社員になれるとか、そういう道が幅広く約束されているなら成り立つ答弁でありますが、今我々が心配をしている専門二十六業務、しかも、四十代、五十代の方になると、三年後、次の派遣先を探すことすらままならないのが実態だ。この実態の中で、せめて、不安定雇用と大臣はおっしゃいましたけれども、それでも専門二十六業務の方は、比較的高い賃金で、しかも同じ職場でずっと派遣で働けてきた。正社員に比べれば不安定かもしれませんが、しかし、三年後行き先がなくなるよりははるかにましだというふうに思うわけでありますが、なぜそういった取り扱いができないのでしょうか。
○塩崎国務大臣 このことは、申し上げてきたように、三年たったときの雇用安定措置の中に四つメニューがございまして、その中で、雇用が安定化するための措置が、どれをとられるかということが来るわけでありまして、特にこの二十六業務の方は、派遣契約そのものが大変短期、半年とか三カ月とかそういうのが多いようでございますが、短期間の反復更新を繰り返すことで五年、十年と同じ派遣先で働き続けておられる方がおられることは、よく私もわかっているわけであります。 有期雇用の派遣で働く方については、御案内のように、労働契約法の十八条に基づいて、同一の派遣元との間の有期労働契約を繰り返し更新し、通算五年を超えた段階で、希望に応じて当該雇用契約終了後に派遣元で無期労働契約に転換でき、また、その時点で期間制限の対象外になることから、同一の派遣先で働き続けることが可能になるということが一つあります。 こうした派遣で働く方については、無期転換のルールが適用される前に意図的に雇いどめに遭うようなこと、行うようなケースは、やはり法の趣旨から望ましくないということも周知をしていかなければならないと思っております。 いずれにしても、今申し上げたような形での、無期の契約に転換をするということもありますし、これを使わないでも、これは働く人と派遣元との間の関係でもございますが、その方をどういうふうに評価されるかということで、派遣元もどういう形で、今、反復更新の短期の雇用契約であるならば、それをどうするかということを考え、無期雇用にすれば、それは期間制限から外れるということにもなるわけであります。 いずれにしても、労働市場全般にわたって言えることは、働く方をどう考えて雇用形態が決まるかということが、これは普遍的にあるわけで、その価値を上げるために、私たちは、今回、許可制のもとでキャリア形成支援制度というものをやって、一人一人の働く人の価値を上げていくということが最も市場の中でみずからを有利な立場にしていくことにつながるということを申し上げておるわけでございます。
○井坂委員 大臣がおっしゃることは、もちろん、派遣先の経営者の方、そして派遣元業者の経営者の方が本当に良心的な方であれば、そういうこともあるというふうに思います。実際、そういうケースもゼロではないというふうに思いますが、しかし、私が見聞きする限りは、そんなことはほぼ非現実的な、めったに起こらないラッキーなことであって、実際は、今既に起こっているように、三年後にあなたの行き先、今いるところに行けなくなるからということで、派遣元との契約が打ち切られてしまったり、そういうことが起こっているというふうに認識をしています。 法律は、いいときばかりを対象にしていたらいけないというふうに思います。むしろ、今の厳しい、本当に生き馬の目を抜くような経済競争環境の中で、企業だってそんなに、ほっておいたら、労働者のためばかりを考えて雇用契約を長期で結べるわけでもない。そういった中で、こういう労働の法規制があって、バランスをとっていくものだと思います。 今回、専門二十六業務に対して、私は、実際、実社会でもう問題が起こりつつあるわけでありますから、この法改正をこのまま行うのであれば、法改正は法改正としても、別途、既に起こることがほぼ確実視されているこの問題に対しては対策が必要だというふうに考えますが、大臣は、もう何ら対策は必要ないということでよろしいでしょうか。
○塩崎国務大臣 さっき申し上げたように、雇用は、雇用する側とされる側があって、そこの間でどうお互いを評価するかということで決まることは、これは基本だというふうに思います。そういうことでやるのは例外的だと議員はおっしゃいますけれども、それは、やはり原則は原則で、そこのところをどうしていくかということであるし、今回の場合には、かなりの発想の転換というのが全面許可制という中で行われるわけであります。 よく、専門二十六業務の中でずっと、十年とかあるいはそれ以上働いてこられた一つの業務の方が、四十歳代、五十歳代になって先が見えなくなるじゃないか、こういうお話を頂戴するわけでありますが、今回の改正では、派遣会社に対して、まず、派遣労働者の雇用安定措置を実施する義務を課すこととしておって、まずはその適切な実施に向けて指導するというのが私どもの立場。これが義務化をされるわけでありますから、当然のことながら、それを許可制のもとで指導していく。 その中で、新たな派遣先を提供する場合、労働者派遣法に基づく派遣先指針、ここでは、派遣先は派遣労働者を若年者に限ることなどを特定することを禁じておりまして、派遣元指針でも、派遣先による特定に協力することを禁じていることでございまして、仮に派遣先、派遣元がこれらに違反するようなことがあれば、当然厳しく指導を行っていかなければならないということで、年齢のみでそのようなことが行われるというのは、やはり法の趣旨に反する、あるいは派遣の指針というものにも反するということに相なってくるわけでありますので、許可制に基づく、厳しく指導するということが可能になるわけであります。 また、派遣労働者の希望する働き方の実現のために、必要に応じ、ハローワークにおけるきめ細かな就職の支援というものも同時にやることは当然のことでありますけれども、まずは派遣でということであれば、今申し上げたようなことであり、また、期間制限をなくすという意味においては、無期雇用を実現するために、どうやったらそれが実現するかということも一つの大事な手だてではないかというふうに思っているところでございます。
○井坂委員 今大臣がおっしゃった指針が本当に守られているのであれば、我々が心配しているような、四十代、五十代の派遣の方が三年後にぶった切られて行く先がないなんという現実は起きていないはずであります。しかし、実態は、年齢が上がれば上がるほど派遣労働者は次を探すのが難しくなるという厳しい現実があるというふうに考えておりますから、全く大臣は、御認識がその点に関しては現実から見て甘いのではないかなというふうに思います。 最後に一点だけ、ちょっと最後の質問に飛びますが、大臣は、派遣労働の固定化防止、だから三年後には派遣先を強制的にかえてもらうんだ、いつもこういう答弁をされますが、しかし、雇用安定化措置で、大体の場合は、派遣先や派遣元で雇われることなどほとんどなくて、実際は次の派遣先が提供されるのが関の山だというふうに思います。 三年ごとにただ派遣先がかわって派遣労働者でい続けることは、これは派遣労働の固定化そのものだというふうに思うわけでありますが、この個人単位の三年期間制限で派遣労働の固定化を防ぐとおっしゃっていることと矛盾するのではないでしょうか。三年ごとにかわれば固定化ではないというお考えでしょうか。
○塩崎国務大臣 個人単位の期間制限というのを今回導入していくわけでありますが、派遣労働の固定化防止を目的としているという趣旨は、同じ仕事を長年続けることによって、スキルとかキャリアの幅、それが生まれてこない、それから、その仕事から別の仕事に切りかえることが難しくなる、こんな可能性があるというふうに思うわけであります。 それが固定化であって、このため、今回の改正案では、同じ職場、つまり同じ課での仕事は三年を上限として、節目節目でみずからのキャリアを見詰め直すという契機を提供するとともに、派遣元に新たに義務づける教育訓練などと相まって、派遣で働く方のキャリアアップをということを、先ほど来申し上げているとおりで、そこにつなげていくということを想定しているわけであります。 結果として、三年の節目で別の派遣先に行く可能性が、それはあるかもしれません。否定することももちろんないわけでありますが、こうした場合であっても、キャリアアップ措置などと相まって、先ほど来申し上げているように、みずからの働き手としての価値を上げるということが、よりよい派遣先につなげていくことにも、そしてまた、正社員になりたいという方については、正社員になる可能性、道を開くということになっていくわけであって、やはりみずからの価値を上げていくということは極めて重要ではないかというふうに思います。
○井坂委員 終わります。
○渡辺委員長 現在、民主党・無所属クラブ及び日本共産党所属委員の御出席が得られておりません。理事をして御出席を要請させますので、しばらくお待ちください。 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○渡辺委員長 速記を起こしてください。 理事をして御出席を要請させましたが、民主党・無所属クラブ及び日本共産党所属委員の御出席が得られません。 この際、暫時休憩いたします。 午後零時十一分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕