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189回国会衆議院2015/06/02

厚生労働委員会 第19号

発言数
90
登壇者
10
会派数
5
開催日
2015/06/02

会議録

渡辺博道自由民主党

○渡辺委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案及び井坂信彦君外五名提出、労働者の職務に応じた待遇の確保等のための施策の推進に関する法律案の両案を議題といたします。  本日は、両案審査のため、参考人として、東洋大学法学部教授鎌田耕一君、山陽印刷株式会社代表取締役社長秋山桂子君、元派遣労働者廣瀬明美君、全国労働組合総連合副議長・全日本金属情報機器労働組合中央執行委員長生熊茂実君、以上四名の方々に御出席をいただいております。  この際、参考人の方々に一言御挨拶申し上げます。  本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、審査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。  次に、議事の順序について申し上げます。  最初に、参考人の方々から御意見をそれぞれ十五分以内でお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。  なお、発言する際はその都度委員長の許可を受けることになっております。また、参考人は委員に対して質疑することができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。  それでは、まず鎌田参考人にお願いいたします。

鎌田耕一東洋大学法学部教授

○鎌田参考人 おはようございます。私は、東洋大学の鎌田と申します。よろしくお願いいたします。  このような重要法案の国会審議において意見を述べる機会をいただき、まことに光栄に存じます。  私は、大学で労働法という科目を担当しておりますので、本日は、労働者派遣法改正案について、主に法政策的な観点から意見を述べたいと考えております。  細かな改正案の内容に入る前に、検討に当たっての基本的な視点、考え方についてお話をしたいと思います。  私は、労働者派遣制度の法政策を考える場合、三つの観点から検討する必要があると考えております。  一つは、労働者派遣事業の役割は何か、労働者派遣事業というのはどのような意義があるのか、これが第一の点であります。  第二に、派遣労働者の利用は、その受け入れる企業にとっては外部人材の活用ということでございますので、その企業に属する長期雇用労働者にとってはその職場を脅かす側面もあります。そうしたことから、派遣法は、制定当初から、常用雇用代替防止という基本原則を持ってまいりました。  第三に、派遣労働者の保護はどうあるべきかという点でございます。言うまでもなく、派遣労働者はさまざまな課題を持っておりますけれども、この派遣労働者の保護という観点は、平成二十四年法において「目的」の中に加えられているということでございます。  このような三つの論点はどれも派遣法の基本的な課題でありますが、考えてみますと、第一の視点、労働者派遣事業の役割と申しますのは、これは派遣事業者の側からの問題、観点。第二の、常用代替防止というのは、派遣先の労働者側からの見方。そして第三の、派遣労働者の保護というのは、言うまでもなく派遣労働者自身の観点ということになりまして、実は、この三つの観点をそれぞれ考えていきますと、なかなか相互に対立する面がございます。そうしたことから、この三つの観点を法政策の中で追求する中で、いろいろ複雑なルールを派遣法の歴史の中で導入してきたという経緯がございます。  こうしたことが現行法の現状でございますが、改正案について冒頭一言その意義を申しますと、今申しましたような、三つの観点からさまざま複雑に入り組んだルールを、わかりやすいシンプルなルールに置きかえていること、それから、派遣労働者の保護の観点を、特に雇用安定という観点でより進めているという点で、私はこの改正案を評価したいというふうに思っております。  では、次に、今申しました三つの観点について、側面について、やや詳しく、改正案と絡めてお話をしたいというふうに思っております。  まず、労働者派遣事業の役割をどう考えるのかということでございます。  この点につきましては、まず、労働者派遣事業が職業仲介、マッチングに一定の役割を果たしているということは、恐らく大方の意見の一致があるのではないかと考えております。  一九八五年に、職安法四十四条が労働者供給事業を禁止している中で派遣法が成立し、労働者派遣制度が法的に容認されたというのは、この労働力の需給調整機能を評価した点にあるというふうに思っております。  また、国際的に見れば、ILO百八十一号条約が一九九七年に成立をいたしますが、ここでも労働市場において労働者派遣事業が果たしている役割を肯定的に認識したこと、そして、こういった認識が各国において労働者派遣制度を法的に受け入れる動向につながっていったのではないかと考えております。  こうしたことから、労働者派遣事業は、英語で言うところのテンポラリーワーク、派遣労働の臨時的、一時的な労働という側面を見据えながら、これを希望する労働者と、それから、臨時的、一時的な労働需要を持つ企業とを仲介する役割を果たしているというふうに申せましょう。  ただし、実は、この派遣事業の役割は、これにはとどまらないということでございます。  これも立法の経緯の中で明らかになっていることでございますが、そもそも、派遣制度を法的に容認する理由の一つは、労働者供給事業が使用者性が曖昧である、果たして派遣先が使用者なのか、派遣元が使用者なのか、この曖昧さが派遣労働者の保護においてマイナスであるということから、この派遣制度というものが法的に容認されている。  では、どのように考えたのかと申しますと、派遣元事業主を雇用主として位置づけ、この派遣元事業主が派遣労働者の雇用責任を担うんだ、こういった観点がここでは求められていたわけであります。  こうしたことから、派遣元事業主の雇用主としての責任ということが重視されていたわけですが、ところが、立法当初におきまして、一般派遣事業と特定労働者派遣事業という二つの区分がなされまして、とりわけ、特定労働者派遣事業、常用労働者のみを雇用する派遣事業でありましたが、これについては届け出制ということで、緩やかな規制にとどまったわけです。この点が、後年になって、私は見込み違いであったのではないかと思います。常用労働者、つまり雇用の安定を図るような雇用が派遣労働者にとってプラスになる、だから届け出制という考えでありましたが、実はそうではなくて、非常に幾つかの点で問題があったということでございます。  今度の改正案は、この特定労働者派遣事業を廃止し、全ての労働者派遣事業を許可制のもとに置いたということは、先ほど申しましたように、派遣事業の雇用主としての責任、そしてその信頼性を高めるという意味で、非常に大きな前進ではなかったかというふうに思っております。  次に、常用代替防止の点に話を移したいと思います。  常用代替防止は、これもまた非常に議論の多いところでございます。これを維持するのか、あるいはこれを廃止するのか、さまざまな意見が述べられているところでございますが、改正案は、常用代替防止の政策を維持するという立場に立つものだと思います。この点において、私はこの考え方をやはり支持したいというふうに思っております。  その理由は、日本のいわゆる雇用慣行、新卒一括採用、それから定年までの雇用保障、勤続年数に応じた昇給、それから企業内教育訓練といったようなことを保障する雇用慣行が、日本においては依然として基本的な雇用システムとなっております。就業形態の多様化が進んでいる中で、これを損なうような利用の仕方というのは、やはり一定の制限があるべきだというふうに思うからであります。また、職安法四十四条が労働者供給事業を禁止して、その例外として労働者派遣制度を認めたという立法的な経緯も考慮に入れる必要があろうかと思います。  問題は、常用代替防止をどのように実現していくかという点であります。  現行法は、これについて、いろいろな経緯がございまして、やや複雑なルールをとっております。いわゆる専門二十六業務の派遣においては、派遣期間の制限がない、常用代替防止の例外としております。これに対して、非二十六業務については、業務単位の期間制限を置いている。この専門二十六業務と非二十六業務の区分に基づく規制というのは、この改正の契機となりました国会の附帯決議で指摘されますように、実務においては大変な混乱をもたらしていた、こういうことでございました。  改正法は、専門二十六業務の区分を廃止し、全ての派遣に受け入れ期間制限を設けたわけでありますが、私はこれを評価したいというふうに思っております。  その理由は、まず、専門業務と申しますが、技術革新、あるいは職務内容の変化が目まぐるしい現代において、何が専門的業務なのか判断が難しいということでございます。仮に個々の専門業務を指定したとしても、その業務範囲においてどこまでが専門業務なのかということは、やはり非常に判断が難しい。ところが、こうした判断が難しい専門業務を前提として、期間制限がある、ないという極めてドラスチックな差を設ける規制を置くのは、非常に大きな混乱をもたらすことになろうというふうに思っております。  次に、期間制限の話に移りたいと思います。  現行法は、業務単位で最大三年に限定しております。業務単位と申しましても、この業務区分が明確でない我が国においては、その境界は曖昧であります。  また、業務単位の期間制限でありますと、例えば、一人の派遣労働者が二年派遣就業しますと、次の派遣就業は一年しか働けない、こういうようなことで、派遣労働者の視点から見ると、もう少し雇用機会を保障してほしい、こういうふうに考えるところであります。  改正案は、御存じのように、個人単位と派遣先事業所単位の二つの期間制限を導入しました。個人単位の期間制限を設けたということは、このような業務単位の曖昧さをなくすということと、派遣労働者の立場からいうと、三年間という一定の期間雇用機会を与えるということになろうかと思います。ただし、三年を上限とするわけですから、もっと働きたい人にとっては不満があるかもしれません。  このような問題に対しては、改正案は、雇用安定措置、雇用安定化の措置として、派遣元に幾つかの措置を義務づけることとしております。この点については、私は大変重要な改正であるというふうに思っております。法的には相当踏み込んだ派遣元の責任、雇用安定化の責任を法律で定めたということでございまして、大変重要だと思っております。  ただ、個人単位で期間制限を置きますと、個人をかえれば恒常的に受け入れができるということになってしまって、常用代替防止の観点から問題が出てきます。そこで、事業所単位の三年を上限とする期間制限を導入しております。  このような上限を設けておりますが、過半数組合または過半数代表者の意見を聴取した場合、さらに派遣期間を延長することができるということでございまして、こうした観点で、わかりやすい、そして、労使のコミュニケーションを生かすような期間制限のあり方を導入したということで、評価したいというふうに思っております。  この事業所単位の期間制限につきましては、意見聴取が有効に機能しないのではないか、あるいは、歯どめにならないのではないかという御指摘があります。そうした懸念もわからないではありませんが、派遣先が意見聴取を行わずに期間延長をいたしますと、これは期間制限違反ということになりまして、派遣先による労働契約申し込みみなし制度が適用となることになります。そういう意味では、この意見聴取というのはかなり重たい手続ということになりまして、企業は相当慎重な対応が求められることになろうと思います。  最後に、派遣労働者の処遇の問題であります。  派遣労働者の処遇の問題は、派遣労働の特性を考慮に入れなければなりません。派遣労働者の処遇というのを決定するのは派遣元事業主でありますが、しかしながら、この処遇を決定するための要素は、派遣先、派遣元の労働者派遣契約によって影響を受けるわけです。ところが、派遣先、派遣元の関係は民事契約でありますので、労働法の適用がない。こうしたことから、派遣労働者の処遇を改善するというのはなかなか難問であるというのは事実であります。  こうした中で、現行法は、派遣先の社員との均衡を考慮して待遇を決定すべきだというふうに言っております。これに対しては、均等待遇原則の導入こそが大切なのだという御意見があります。  私は、均等待遇原則を否定するものではございません。しかし、ヨーロッパのような職種別労働市場、そして、その職務に即した賃金相場が社会的に産業別協約などで形成されている社会と日本を同列に論ずることは、なかなか難しいというふうに思っております。わかりやすく言えば、日本における正社員は職能給中心でありまして、職務に即した賃金の均等というのは、なかなかすぐには実現できないところでございます。  そう考えますと、現状では、均衡配慮というやり方でより実効性を高めていくことが大切ではないかと考えております。改正案は、そのために幾つかの工夫をしております。  一つは、派遣先の均衡配慮、派遣元が均衡配慮する上で派遣先社員の情報が不可欠でありますが、それを、情報の提供を行うようにしております。また、均衡配慮したというけれども、一体どのように均衡配慮したのか、この説明をちゃんと派遣元が派遣労働者にするということ、これによって派遣労働者がチェックをできるようにするということでございます。  さらに、改正案は、派遣元に対してキャリアアップ措置を義務づけております。派遣で働く方はなかなかキャリアアップが難しい中で、このキャリアアップ、それから教育訓練、職業能力開発、そして、自分の将来にわたるキャリアをどう考えるか、この点についてさまざまな支援が派遣元に課せられるということになりまして、これは、派遣労働者の職業生活を考える上で大変重要な改正であろうというふうに思っております。  以上、簡単ではございますが、改正案は、派遣元事業主の雇用責任の強化、それから、わかりやすいルール、そして、派遣労働者の雇用の安定化とキャリアアップ、この点で大きな前進をしているということで、私は改正案の内容を高く評価したいというふうに思っています。  ありがとうございました。(拍手)

渡辺博道自由民主党

○渡辺委員長 ありがとうございました。  次に、秋山参考人にお願いいたします。

秋山桂子山陽印刷株式会社代表取締役社長

○秋山参考人 おはようございます。  本日は、発言の機会を頂戴いたしまして、まことにありがとうございます。  私は、横浜市金沢区で印刷業を経営している秋山桂子でございます。本日は、中小企業経営者の立場として意見を申し上げます。  先生方には、日ごろより、中小・小規模企業の成長のためにさまざまな労働政策に御配慮をいただいておりまして、厚く御礼を申し上げます。  中小企業は、我が国企業数の約九九%を占め、雇用の約七割を担っております。この中小企業が置かれております環境や実態を十分に踏まえた審議をお願い申し上げます。  初めに、中小企業を取り巻く事業環境について申し上げます。  大企業の多くは、円安、株高、輸出増などによりまして、今春、大幅な賃上げを実施し、明るい兆しが見えているようでございますが、中小規模企業者の多くは、経営の苦しい状態が続いておりまして、景気がよいという実感はございません。  なぜかと申しますと、人件費、電力を初め、材料費のコストが上昇したにもかかわらず、市場規模の減少による過当競争によって販売価格に転嫁はできず、利益の出ない、いっぱいいっぱいの経営を続けているのが実情でございます。また、大企業に比べ条件の劣る中小企業には、なかなか人材が集まりません。  しかし、そんな中でも、私どもの社員は、それを理解し、頑張って働いて、少しでもよい職場環境をつくろうとしております。弊社では、社員が中心となりまして、印刷の廃材を使いまして、アーティストと一緒になって、地域のお子さんとお面やクリスマスツリーなどをつくる活動をしたり、社内にアート作品を展示してフレッシュな気分で楽しく働く工夫をしております。また、地元の和菓子屋さんと共同でパッケージのデザインをして地元名物のお菓子をつくって、横浜型地域貢献企業の認定を受けております。  印刷業の市場規模は、一九九六年の約九兆円の規模から二〇一三年には約五・四兆円へと縮小しております。インターネットや電子書籍の出現によりメディアが多様化しており、通販による低価格化も進んでおります。また、人件費の安い海外生産や、デザインや生産の一部を日本語のできる中国の大連などでつくるという形態も出ており、海外との競争にも直面しております。  さて、今後、生産年齢人口が急速に減少する中で、既に多くの企業が人手不足に悩んでおります。東京商工会議所が二月に行った調査でも、売り上げを増加したいが、七〇%の企業では人手不足のためになかなか実現できないという深刻な状況が続いております。  このような状況を打開するためには、企業みずから生産性を向上させ、イノベーションの実現に取り組まなければなりません。企業は、社員教育やICT化、技術開発を通じて、より付加価値の高い製品やサービスを提供してまいりますが、先生方におかれましても、ぜひ、引き続き御支援をお願い申し上げます。  今後さらに深刻化する人手不足に対応するために、多様な人材が活躍できる社会の構築が課題であり、男女を問わず、働く意欲のある方が全員参加できるよう、社会が一体となって取り組む必要があると考えております。  そのためには、若者や女性、高齢者など、働く意欲のある全ての人が個性や能力に応じて活躍できるよう、働き手の多様なニーズに応え、職務や労働時間を限定した勤務形態の普及やフレックスタイム制など柔軟な労働時間制度の活用促進といった、多様な働き方を実現する労働環境の整備は大変重要だと考えております。  今申し上げた状況を前提に、労働者派遣制度について基本的な考え方を申し上げれば、労働者派遣制度は、企業のニーズだけではなく、働きたい仕事が選べる、働く曜日や時間を選べるといった労働者のニーズをかなえて雇用を創出する、双方にとってメリットのある制度だと考えております。  企業のニーズという点では、厳しい国際競争の環境で、非常に速いスピードで変化していく顧客、消費者ニーズに対応していくために、企業内の組織も創造力を備えた柔軟なものにする必要がありますが、例えば、急いで立ち上げなければならない部門で専門性を備えた派遣労働者の方に活躍していただくことは、極めて有効であると言えます。  今回の改正案は、中小企業の職場において判断が難しい専門二十六業務を廃止するなど、わかりやすい制度に改善されている点、また、労働者の派遣期間が満了を迎える場合に雇用安定措置も講じられる点で、とても重要であると理解しております。  弊社でも、派遣社員で働いていた方が、現場から仕事ができるので正社員にしてほしいという要請があって、本人も正社員になる意向がありましたので、正社員になっていただいた例がございます。  派遣社員に対する教育訓練、キャリアアップについては、今後も中小企業として積極的に取り組むべきものと考えております。  企業にとって、働く労働者の質を高めることは競争力の生命線であるということもございますが、私も含めて多くの中小企業経営者にとっては、従業員は家族という思いがあります。直接雇用している従業員であっても、また、派遣会社を入り口にして来ていただいている派遣労働者であっても、この思いは変わりません。従業員とともに成長していけることは、経営者にとって大きな喜びでございます。今後も、さまざまな機会を捉えて、労働者の実際の成長につながる教育を行っていきたいと考えております。  今回の改正案は、総じて、企業と労働者の双方にとってわかりやすい制度となっておりますし、タイムリーであると評価しております。  最後に、特定労働者派遣事業の廃止について一言申し上げます。  現在、この事業を行っている中小規模の優良な事業者にとりましては、事業の断念や、許可要件を満たすために財務的な対応等を迫られることになります。特定労働者派遣事業者には多くの中小企業がありますので、円滑に移行ができるよう配慮をお願いしたいと思います。  私からは以上でございます。  先生方におかれましては、本法案につきまして十分な議論を尽くしていただき、早期に成立させていただけるよう願っております。  どうもありがとうございました。(拍手)

渡辺博道自由民主党

○渡辺委員長 ありがとうございました。  次に、廣瀬参考人にお願いいたします。

廣瀬明美元派遣労働者

○廣瀬参考人 皆さん、おはようございます。廣瀬明美です。私は元派遣労働者です。当事者でございます。  私は、三十代の前半、派遣先の正社員と同一業務で働き、派遣法違反で三年三カ月余り働かされてきました。そのことによって体を壊してしまい、言葉に詰まりながらになるかと思いますが、お許しください。  労働者派遣法が制定されて三十年になりますが、法改正の際に参考人として当事者の声を聞いていただくことはありませんでした。二〇一三年に取りまとめられました今後の労働者派遣制度の在り方研究会や、この法案のベースになった労働政策審議会において、これまで派遣労働者が発言するということはなかったので、今回ようやく当事者の声を聞いていただける場を設けていただけたことに心より感謝を申し上げます。ありがとうございます。  当事者として、まず初めに、私の簡単な派遣就労をお話しさせてください。詳しいことは、お手元の振り番、三番から八番の資料になります。  二〇〇六年から二〇〇九年の三年三カ月余りに、派遣先日本赤十字社で、国内独占事業である血液センターの献血業務にて正社員と同一業務に従事してまいりました。派遣元は株式会社スタッフサービスです。最初から正社員と同じ業務、途中から役職や企業内研修の研修係までしてまいりました。  これは、既に厚労省、東京と神奈川労働局、東京地裁において派遣法違反が認定されております。東京地裁においては、日赤職員との同一業務に従事していたことも認定されております。  私は不当解雇に遭った一人です。二〇〇九年九月、会社間で労働者派遣契約が急遽打ち切られ、日赤から、あなたの会社の言ってきたことがのめなくて派遣会社にうんざりしてきたから、今月で期間満了と、業務中に電話で直接事実上の解雇通告を言い渡されました。それからの五年半、現場復帰を願い、労働者保護を訴えてきました。  日赤は一貫して勤務中の私に全く非はないという態度でしたが、残念ながら、立場の弱い派遣労働者の係争には限界がありまして、現場に戻ることはできませんでした。  私が働きかけたことで、日赤と、それからスタッフサービスの取引先での違法に遭っている派遣労働者は、是正措置として直接雇用になり、その後正社員化になっていらっしゃる方もいらっしゃいます。私の念願だった、血液センターで働きながら子育てをするということは、これまで派遣社員においては前例はなかったのですが、本件を契機にかなえていらっしゃいます。  本件は、ことしの三月末に和解をし、私は日赤の上司から、仕事への貢献に対し感謝を述べていただき、派遣先と派遣元から今後も事件の経過を語ってよいということで合意をいたしました。  今回の法案の方に移ります。  お手元の資料の一番ですが、現在、派遣労働者は百二十六万人いらっしゃいます。そのうち六割が女性であります。そして、専門二十六業務におきましては、四十万人の方が従事しておられます。そして、そのうちの八割が女性でいらっしゃいます。  立場が大変弱いので、権利を主張しますと、即、首を切られてしまいます。ですから、声を上げたくても上げることができません。ですので、私が今回代弁させていただくことになりました。女性の派遣労働者の実態をどんどん語っていきます。  現行法でも大変な実態は、今の私の話からもおわかりになっていただけるかと思います。  そして、この法改正で、私は改悪法案だと思っておりますが、この改悪法案が通ってしまいますと、三年の常用代替が可能になってしまいます。そうしますと、低賃金また低処遇で、体を壊してしまうことになりかねません。低賃金なので、食べていくこともできませんし、体を壊してしまいます。そして、将来設計も立たなくなります。これを認めてしまうことはできません。  そして、この法案、ますます大変になっていく。この問題点は、大きく二点あります。  まず、正社員にますますなりにくくなる、なれません。そして、正社員がゼロになる、一生派遣になる。  なぜなら、これは今までは業務単位でした。派遣先企業の繁忙期や、例えば子育て中の派遣先の職員の方の穴埋めなどに、補填というか、繁忙期やそういうところに一時的に派遣するという仕組みでした。その働き方においては直接雇用の申し込み義務が一年目、三年目にありました。そういう一時的な働き方から、今回、それが取り払われて、今回の法案では事業所単位となります。それで人を三年ごとに入れかえるということになります。これで臨時的、一時的だとしておりますが、これは、派遣を恒久的に使うことになりますよね。そして、人を入れかえるということは、この発想自体が、より物扱いになっていると私は思います。  そして、もう一方の人単位に着目したときですが、課をかえれば何年でも派遣で働くことになり、派遣の固定化につながります。これは、まさに生涯派遣です。  そして、安価な労働力として、派遣労働者のいなかったポストに派遣労働者が入り、正社員の仕事が置きかわるので、正社員がゼロになる法案です。これは、正社員の道を開く法案ではなく、正社員の道を閉ざす法案です。  そして、問題点、二点でございますが、専門二十六業務の今いらっしゃいます四十万人の方々、八割が女性ですが、この方々、今、四十万人の方々が、この法案が通れば三年後に雇いどめ。派遣先から私のように直接言われる場合もありますから、もう事実上解雇になります。こういった方々の声をどうするんですか、この法案。  実際、たくさん、全国各地から声が寄せられております。まず、幾つか紹介いたします。  昨日ヒアリングさせていただいたんですが、大阪の三十代女性が、現在、専門業務三号の放送機器等操作の業務で二十年近く働いていらっしゃいます。同じ派遣先で働いていらっしゃいますが、今回の法案を知り、今仕事があるのに何で法律によって仕事を奪われないとならないのとおっしゃっております。法律で命の期限を決められるというふうにおっしゃっておられました。また、私たちは生きる権利はないのか、現状としてある仕事を取り上げないでという悲鳴が、きのう訴えておられました。長年働いてきた仕事を奪われること、そして、愛着のある職場を三年で強制的に去らねばならなくなることで精神的に参ってしまうとおっしゃっておられます。  また、ある五十代の女性は、十五年間同じ派遣先で勤め、その契約内容は、五号の事務用機器操作の専門業務です。彼女は先日、派遣会社より、もしこの法案が九月一日に施行されれば三年後には法令遵守にのっとると言われました。これは、なれ親しんできた十五年間の職場を去るということになります。これはもう事実上の雇いどめを告知されたようなものであります。そして、派遣先の上司に伺ったところ、同じような回答を受けたということで、この方はシングルマザーで、二人のお子さんを抱えていらっしゃいます。この方は今、不安で夜も眠れなくて、そして、もうこの法案が通れば一家心中も考えているというふうにおっしゃっております。だから、何とかこの法案をとめてほしいと、必死に毎日毎日訴えておられます。皆さん、ぜひこの声を聞いてほしいと思います。  あと一件、聞いてください。  私の知り合いなんですが、五十代の女性で、三十代、四十代は専門業務で働いていらっしゃいました。それで役職も、派遣なんですが、課長職までされておりました。私も、派遣ですが、役職がついておりました。  しかし、派遣は、事前面接が公然と、違法派遣ですけれども、まかり通っております。五十代、四十代で面接を受けると、採用が不採用になってしまいます、年齢ということで。派遣の場合は、露骨に年齢を理由に不採用になります。すると、専門業務で働けなくなり、日雇い派遣に移行してしまいます。そうすると体力的にも年齢的に衰えて、日雇い派遣で働くとなると体調不良になって、今本当に厳しい状態にさらされていらっしゃいます。  こういった方々の本当に悲痛な叫びが今全国各地から寄せられています。専門業務、今仕事があるのに、どうしてこの法案でなくしてしまうのか、厳格化して残すべきです。今、不安定ながらも、有期雇用である人たちもいらっしゃいます。でも、今、なれ親しんできた職場があります、そして仕事があります。何でこの法案で奪うのという声が全国各地から寄せられていることを、皆さん、実態を知っていただきたいと思います。  そして、雇用安定措置なんですが、これは本当に実効性はありません。私の実態から述べさせていただきます。  まず最初に、派遣先に派遣元から直接雇用の依頼とありますが、私、実際、派遣会社スタッフサービスに、最後、労働者派遣契約が切れたときに、直接雇用に申し込んでくださいと言ったんですが、会社間の契約がもうないからといって、無理でした。  何せ、派遣会社の方が、廣瀬さんはうちの利益だからとはっきり、うちのスキルだからとはっきり明確に言われました。廣瀬さんのように安定的に長く働いてくださる方は手放したくないというふうに、これは東京地裁でも証人尋問でやっておりますが、そのような理解です。  派遣元の営業マンは、自分の、営業マンの稼働数が一つでも多ければ昇格になると陳述書にちゃんと書いていらっしゃいます、提出していらっしゃいます。会社としてもそうですが、営業マンの昇格にもつながる、そういった派遣労働者を手放したくないのが実態です。これを知っていただきたいと思います。  そして、新しい派遣先は本当に見つかりにくいということ。これは、派遣先から派遣先にそう簡単にスライドできますか、次から次に。ある程度インターバルというか、期間があるんじゃないですか。三年が切れます、すぐに次の職が見つかりますか、その期間どうするんですかということ。  また、四十代、五十代の方だと、先ほど話しましたけれども、だんだんと処遇の悪い派遣先になっていく可能性もあります。私自身も、派遣先が切ったときに、派遣元のスタッフサービスに次の派遣先は紹介してくれないんですかと言ったところ、三年三カ月前に最初に断った派遣先を紹介されまして、そこは時給が低いので食べていけませんというところを紹介されました。そういう実態です。全然実効性はありません。  そういったことで、この法案、本当に三番のところも、今回届け出制のところが許可制になりますが、資産要件などが盛り込まれるということですけれども、そういうところで、大きい派遣会社がある程度の派遣労働者を抱え込めるかと思われますが、結局三年で一回リセットされるということですから、そういう大量に派遣労働者を抱え込めるのかということも考えられますし、本当にこれは絵に描いた餅です。  皆さん、これは本当に、私たち、この法案によって、専門業務派遣の四十万人、まず四十万人が解雇され、路頭に迷います、命の危険にさらされますので、ぜひとも考え直してほしいと思っております。命の問題です。どうして命の期限を、三年後、決めてしまわれるんですか。  最後に、きょう午後二時半から九時にかけて、専門二十六業務などの緊急ホットラインを行います。振り番十四の、六月二日、派遣労働緊急ホットライン実施の御案内、これは、日本労働弁護団が主催でやっております。ホットラインの番号ですが、〇三—三二五一—五三六三。もう一度言います、〇三—三二五一—五三六三、もう一つ番号がありまして、五三六四もあります。  ぜひとも、全国の皆さん、アーカイブなどで見ていただいていると思います、ネット中継も見ていただいていると思います、こちらに相談してくださればと思います。  私からは以上になります。ありがとうございました。(拍手)

渡辺博道自由民主党

○渡辺委員長 ありがとうございました。  次に、生熊参考人にお願いいたします。

生熊茂実全国労働組合総連合副議長/全日本金属情報機器労働組合中央執行委員長

○生熊参考人 きょうの委員会審議の参考人に招致いただきました全国労働組合総連合副議長・全日本金属情報機器労働組合中央執行委員長の生熊です。  本日は、陳述の機会をいただき、ありがとうございました。  私は、きょうこの場に立つに当たって、私なりに頭を整理してまいりました。しかし、審議が進めば進むほど、この法案の持っている矛盾あるいは混乱が明らかになっていると思います。改めて、慎重審議をまず最初にお願いしたいというふうに思います。  第一の問題は、社会政策上の観点であります。  私は、これ以上、雇用が不安定で、賃金や労働条件の劣悪な労働者をふやしてはならない、こういうふうに思います。孫子の代まで安心できる日本社会を残すためにも、劣悪な雇用や労働条件で働く派遣労働者を一層ふやすような本法案を成立させてはならない、このことを最初に訴えたいと思います。  今回の法改正は、派遣労働者をふやすものではない、あるいは、正社員になりたい人は正社員化ができる、こういう議論がありますが、それは事実に反します。  なぜ派遣労働者がふえると言えるんでしょうか。  ちょっと話がかわりますけれども、私は、二〇〇三年の労働基準法改正法案の参考人質疑で、やはり同じこの場に立ちました。その当時、その法案、解雇は自由というふうなものに対して全ての労働団体が反対をいたしました。そして、民主党の山井議員や当時の共産党の山口議員などとともに協力して、社会通念上相当でない解雇は無効と修正させた重要な委員会審議でありました。  そのとき私は、その法案に含まれていた有期雇用契約の上限を一年から三年に延長するということについて、その危険性を指摘いたしました。有期雇用の上限を三年にすれば、製造業などでは一年の臨時雇用ができないことも相当できるようになる、そうすれば有期雇用がふえて不安定雇用が増大するだろうというふうに申しました。少子化が問題になっているときに、若者の有期雇用がふえ、雇用が一層不安定になり、それでは結婚や出産をためらうことになって、少子化が一層進み、深刻なことになる、そういうふうに申し上げました。  残念ながら、その心配は現実のものとなりました。現在は、非正規雇用労働者が四割近くになってしまいました。製造現場でも有期雇用がふえ、二年半あるいは二年十一カ月で全ての労働者を入れかえるための雇いどめが当たり前のように行われております。しかも、その契約は、六カ月契約程度の繰り返しであります。いつ雇いどめになるかわからない状況であります。三年働くことさえ保証されていません。  有期雇用労働者も派遣労働者も、いつ雇いどめ、契約解除になるかわからない、こういう不安の中で働いています。そのことが、どんな無理を言われても働かざるを得ないという劣悪な労働環境を押しつけることになります。そういう中で一層少子化が進んだことは否定できないというふうに思います。  とりわけ派遣労働者は、どんな不満があっても派遣先には何も言えないという状況にあります。苦情を言えば派遣元から雇いどめされたり、派遣先を変更されたりすることが日常行われているからであります。また、派遣期間制限三年を前にして直接雇用に変える、また三年以内に派遣労働に戻す、こういう雇用のキャッチボールもされました。  これでは正社員への道は開けないことは明らかであります。事実に基づく法案審議を行うためにも、こういう実態の調査、把握を求めたいと思います。それを本委員会に報告して、審議を慎重に行っていただきたいというふうに思います。  また、なぜ少子化が起こるのか、どんな問題が起こるか、もう少し意見を述べたいと思います。  非正規雇用労働者は、若者では五割を超えます。若者が将来の夢が持てず、結婚や出産に踏み切れない労働者が多い、これが少子化の原因の大きな一つであることは否定できません。少子化は、労働力不足をもたらすだけでなく、消費意欲の高い若者の減少が国内消費の大きな減退を招いていることも事実であります。そして、若者の雇用が不安定になることが、税金や社会保険料の減収につながり、年金や健康保険にも悪影響を与えています。まさに大きな社会問題になっているところであります。  五月二十七日、日銀の岩田副総裁が北海道で講演をいたしました。消費税増税の悪影響が予想を上回ったのは、低調な雇用環境が続いて低所得者が増加し、高齢化が進展していたなどの要因があると認めざるを得ませんでした。この低調な雇用環境、低所得者の増加に、派遣労働者などの非正規雇用労働者の存在が含まれていることは明らかであります。  日本経済の再生、成長のためにも、これ以上不安定な雇用をふやしてはならない。派遣労働などの非正規雇用は、働く者個人の暮らしや人生に悪影響を与えるだけではなくて、日本経済や社会保障の土台にとっても大きな悪影響を与えることになります。  繰り返しますが、社会政策の上から見ても、これ以上不安定雇用をふやしてはならない、このように考えます。  第二点であります。  今回の内閣提出法案には、厚生労働大臣は、法の運用に当たっては、派遣就業は臨時的かつ一時的なものであることを原則とするとの考え方を考慮するとしています。しかし、法案の内容は正反対の事態をもたらすことになり、この法案自体が大きな矛盾を抱えていると言わなければなりません。この点は、五月二十日の本委員会の審議で、維新の党の井坂議員の質問でも指摘されたことであります。  派遣労働が職業安定法の例外として認められたのは、あくまでも限定した業務によるものでした。業務に専門性があるので交渉力が強いとか、あるいは臨時的かつ一時的業務だから派遣労働を認めるというものでした。いずれにしろ、業務が基本になっていたことは疑いありません。  もちろん、派遣労働は間接雇用であります。ですから、労働基準法第六条や職安法第四十四条で禁止されている中間搾取や労働者供給を野放しにしないという意味でも、臨時的かつ一時的でなければならないというふうに思います。  業務による期間制限は一年、上限でも三年という規定は、その業務を継続して行おうとするならば、人を入れかえても派遣労働は利用できなくなります。ですから、直接雇用にしなければならない、こういうことになります。そのようになれば、経営者にとっても、正社員になってもらってしっかり働いてもらおうという契機になることは明らかであります。  業務による期間制限は、直接雇用、正社員化の推進力となっていることは明らかです。直接雇用、正社員化を推進しようというのなら、絶対にこれは維持されなければならない、このように思います。  ところが、人を単位にして、同じ業務でも人をかえれば派遣労働を利用できる、また、同一の派遣労働者でも、課単位と言っていますけれども、課単位をかえれば派遣労働を利用できる、そうすれば、いつまでも派遣労働者を利用できる。このようになるなら、経営者は正社員の雇用は控えることになり、正社員は激減するということは明白ではないでしょうか。  そして、派遣労働者は、正社員になる道を閉ざされます。いわゆる生涯派遣、一生派遣ということになります。しかしながら、生涯派遣といっても、生涯安定した派遣で働けることは何にも保証されていません。あくまでも派遣先の仕事の状況に左右されるのであります。  そしてまた、派遣労働は業務の遂行能力だけが必要とされています。派遣先による個別の労働者の特定は許されません。それは、派遣先による雇用と同じことになるからです。  ところが、人を単位にし、課をかえて派遣労働を続けさせるということになれば、それは必ず個別労働者の特定、選別につながる、このようになります。全ての派遣労働者にそのように派遣労働を続けさせる、こういうことは想定することはできません。それは明らかに労働者の特定ということになり、派遣労働の根幹が崩壊することになります。この問題をどう考えるんでしょうか。  業務単位から個人に単位を変えるということによって、このような大きな矛盾がこの法案には含まれています。  また、五月二十日の本委員会の審議で、臨時的かつ一時的労働の原則と、派遣労働がいつまでも利用できるようになる、この整合性を問われて、政府委員はこのように答弁をいたしました。三年でリセットされるから、次の三年も臨時的、一時的労働になる。さすがに議場でも失笑が漏れました。法案には派遣可能期間の延長となっております。これをリセットするというような答弁は成り立つのでしょうか。  こういうことを見ると、派遣労働の考え方の土台が全く変わってしまった、異次元の政策転換になる、このように言わなければなりません。繰り返しますが、派遣労働の原則の根幹が壊れています。  また、三年ごとに自分のキャリアを見直す契機にする、このような議論もあるようですが、三年ごとに見直すべきなのは、本当に臨時的かつ一時的労働が利用できる業務なのかどうか、そのことを検討することではないでしょうか。継続して存在する業務なら、直接雇用、正社員化を図るべきです。  また、派遣期間制限なしの専門二十六業務は、その運用がわかりにくいと言われ、それが今回の法改正の論拠の一つともなっています。  わかりにくいというなら、現在の二十六業務が本当に専門性があるのかどうか、そのことを検討して、専門性に疑義がある業務を省令から外すこと、これこそわかりにくいという問題を解決する道ではないでしょうか。  今回の改正で、現在二十六業務で就業している派遣労働者が切り捨てられるという心配があります。二十六業務の派遣労働者にも三年の期間制限を適用して、それを超えて派遣労働を利用しようとするなら、直接雇用、正社員化を促進する、このことが必要だというふうに思います。  実例を挙げて紹介したいと思います。  徳島にあります、トヨタ自動車の関連会社ジェイテクトの子会社、光洋シーリングテクノという会社です。私は、この問題の初めから、全ての人が正社員化されるまで、直接、団体交渉にも参加してきた当事者であります。  二〇〇四年から違法な偽装請負と闘う中で、労働者の違法な働かせ方に対するマスコミや世論の批判、三年の期間制限もあって、経営者が、技術や技能の継承には直接雇用がいいという結論になりました、このように団体交渉で回答してきました。かなり長い期間はかかりましたが、当時の派遣労働者全員が直接雇用、正社員になることができました。  これによって、五十歳の労働者は、ボーナスも出るようになったこともあり、年収が三百万円から倍加いたしました。一人平均でも年収が二百万円ふえ、結婚ができた、あるいは、住宅ローンが借りられ住宅を持つことができたなど、地域経済にも好影響がありました。全体で百人以上の正社員化になりましたから、地域には最低でも二億円以上の所得が循環するようになりました。  一方、仕事の上でも、雇用を守るためにも、品質をよくするよう会社にも意見を言い、協力しながら頑張っております。  正社員化というものは、遠い夢ではなくて、現実にできるのです。コスト削減だけを考えていては企業もよくならない、このような証明だというふうに思います。  第三点です。  派遣労働者でも派遣会社の無期雇用なら雇用が安定するから期間制限をなくす、これも実態から見ればあり得ない話であります。また、派遣労働者がキャリアアップすれば正社員になれる、こういう議論もありますが、実態とかけ離れています。  派遣会社の無期雇用の派遣労働なら雇用が安定するのか。そんなことはありません。二〇〇八年のリーマン・ショック後の派遣切り、期間工切りのことを覚えていらっしゃると思います。私も、二〇〇八年の十二月三十一日、日比谷公園の年越し派遣村の開村式の現場におりました。当時、派遣切りに遭った派遣労働者にも、少なからず無期雇用の派遣労働者がいました。当時の調査では、解雇、雇いどめされた派遣労働者は、派遣元で無期であろうと有期であろうと、ほぼ同じでありました。  派遣元で無期雇用なら雇用が安定しているというのは、派遣先企業が派遣労働を利用する目的についての誤解があるからだというふうに私は思います。  私の知人が経営している派遣会社では、派遣労働者全員が無期雇用です。溶接技術が高く、派遣先の労働者に仕事を教えることもあるほどであります。しかし、橋梁などの大きな物件ですから、仕事の繁閑があることは避けられない、こういう状況にあります。ですから、幾ら労働者が技術を持っていても、腕がよくても、仕事が少なくなれば契約解除になります。それが派遣労働の実態だというふうに思います。  そうなれば、派遣元で無期雇用であったとしても、派遣先から契約解除されれば、派遣会社の利益、収入の源泉が閉ざされるわけですから、真面目な経営者であっても、不本意ながら解雇せざるを得なくなることは自明であります。  また、良識のない派遣会社の経営者のもとでは、派遣先から契約解除になったら、解雇されなくても返品とか不良品と言われ、賃金が払われないとか、払われても休業補償のみ、こういう実態もあります。  結論です。  本法案の提案理由で、派遣労働者のより一層の雇用の安定、保護を図るとされていますが、今三点にわたって述べましたように、本当に矛盾と混乱に満ちています。  この法案は、労働者派遣の実態に基づいていないこと、業務単位で期間制限を設けている現在の制度がわかりにくいということを、個人単位やあるいは労使双方にとってわかりやすい制度にする、こういう点において、解決の方向が全く逆になっていることであります。  本法案の土台が派遣労働の根幹を崩壊させる異次元の転換である、このことを強く指摘して、後世にうらみを残さないように、必要な資料をもとに、実態に基づいて慎重審議を行われることを強く願うものであります。  本法案は廃案とし、派遣労働の実態に基づいた抜本的な改正をしていただくように心からお願いいたしまして、私の意見といたします。  ありがとうございました。(拍手)

渡辺博道自由民主党

○渡辺委員長 ありがとうございました。  以上で参考人の方々の御意見の開陳は終わりました。     —————————————

渡辺博道自由民主党

○渡辺委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。新谷正義君。

新谷正義自由民主党

○新谷委員 自由民主党の新谷正義と申します。  参考人の皆様におかれましては、本日、貴重な御意見をいただきまして、まことにありがとうございます。限られた時間でございますので、参考人の皆様全員に質問はできないかもしれませんが、いただいた時間の限り、御意見をいただければと思います。どうかよろしくお願いいたします。  これまでも、本委員会の質疑でこの労働者派遣法改正に関してはさまざまな議論がなされてきたところでもございます。今回の改正に際しまして、議論の中で少し極端な意見が出てしまう傾向がございますが、この労働者派遣法は、平成二十四年の前回改正時から今後の課題が指摘されておりましたし、また附帯決議もついております。一つ一つ、どのようにしたらわかりやすい、そして、労使のニーズに合ったよりよい制度になっていくか議論を進めていかなければならない、そのように考えております。  昭和六十年に最初にこの労働者派遣法が制定された当時は、高度経済成長期でしたし、社会全体もまだ少子高齢化に対する認識も低い時代でございました。IT化なども進んでおりませんでした。時代が変わり、社会も変わりました。この社会の変化に合わせて、不備を修正し、あるいは実態に合った制度に改善していくために、これまでも労働者派遣法は改正を繰り返してきたところでございます。  今、少子高齢化、労働力不足は、我が国が抱える深刻な問題となっていますし、労使ともに仕事に対するニーズも変化してきております。労働者派遣法を運用していく中で、業種の定義なども今の実態に余り合っていないものも出てきておりますし、さまざまな問題、課題が明らかになってきているところでもございます。ぜひ、この労働者派遣法の改正は進めていかなければならない、そのように考えております。  今回の改正案に関しましては、規制緩和の部分がよく取り上げられますが、規制強化の要素もかなり入っております。特に、キャリアアップ支援を初めて義務化し、雇用安定措置を派遣元に義務づけることの意義は大変大きいと思います。  昨今、非正規という言葉がひとり歩きをしております。前回の参考人質疑でも、参考人からのお話もございましたが、この非正規とされる方々の中には、望んでその働き方を選んでいる方々と、本来なら正規採用を望む、いわゆる不本意非正規とされる方々がまざっています。キャリアアップという観点におきましては、課題は、やはりこの不本意非正規とされる方々に対しどのように対応していくか、このことにあると思います。  しかし、人材に対しては、企業側のニーズもございます。企業側のニーズを満たせるようにスキルを身につけていただかなければならない、これまでの労働者派遣法にはこの視点が少し抜け落ちていたのではないか、そのように思うこともございます。であるからこそ、今回の改正案の意義は非常に大きい、そのように考えております。  今回、改正案のキャリアアップ措置、雇用安定措置、そしてその意義に関しまして、不本意非正規というこの観点も踏まえまして、改めて、鎌田参考人、秋山参考人の御意見をお伺いしたいと思います。

鎌田耕一東洋大学法学部教授

○鎌田参考人 御質問、どうもありがとうございます。  ただいまの御質問は、この改正案につきまして、キャリアアップ措置の義務づけ、それから雇用安定化措置の義務づけ、この意義についてどう考えるかということでございます。  議員御指摘のとおり、派遣労働者のキャリアアップにつきましては、一般論としては大切だという認識があったかと思いますが、より踏み込んで派遣元にキャリアアップ措置を定めるということは、大変意義のあることだというふうに思っております。  さまざまな面で意義を考えることができると思いますが、私は、一つは、今御指摘ありましたけれども、派遣労働者のスキルアップ、これをどのように獲得してもらうか。これをしっかりとやはり派遣元が考えていただくということが大切だろうというふうに思っております。  同時に、派遣労働者の立場でいえば、今現在は派遣労働者として働いているわけでありますけれども、今議員おっしゃったように、それぞれ、この先、自分がどのような方向に進むのかということを、将来を見据えて考えていく、そういう必要が当然出てくるわけです。将来を見据えた考え方、見方をする際に、いわゆるコンサルティングあるいはキャリアプランといったものも派遣元、派遣労働者がしっかりと考えていく、こういう必要があるかというふうに思います。  あと、今回、派遣労働者の就業、それから業務の遂行状況につきましては、派遣元からの求めに応じて派遣先が情報提供するということでございます。こうした点も、派遣先もまた、現に働いている派遣労働者のスキルについては一定の責任を持って対応していくということがあるのではないかというふうに思っております。  雇用安定化措置でございますが、これは議員御指摘のとおり、非常に重要な規定だというふうに思っております。  実は、法的な観点で申しますと、現在、二十六業務で有期で働いている方は、派遣期間の限定がない中で、派遣労働契約を反復更新しておられるわけです。そして、期間が来ればそれで雇いどめということでございますが、御存じかどうかわかりませんが、労働契約法において雇いどめ法理が明文化されたということ、前から判例法理ではございましたが。一定の反復更新によって無期の労働契約と同視できる状態、あるいは雇用継続について合理的期待ができる場合には雇いどめができない、更新される、そういう規定でございます。  ところが、私の立場でいうと残念ながらということなんですが、裁判例におきましては、派遣は別だという考え方があります。  それはなぜかというと、派遣というのは、派遣先との派遣契約があって雇用継続というものが期待できるのであるから、派遣先との関係がなくなれば、さらに継続雇用したいといってもそれは無理だよねという考え方があるわけです。  それは一つの考え方だと思いますが、しかし、この法律、雇用安定化措置で考えますと、具体的に幾つかのメニューがありますけれども、派遣先との関係がなくなればそれで終わりだよ、そういった考え方にやはり一石を投じているのではないかというふうに思いますし、これは、この規定が直ちに司法的効力を持つ規定というふうにはならないと思いますが、しかしながら、今後、裁判において、派遣労働者の雇いどめというのを考える場合には、派遣元会社の、派遣元事業主のこういったような義務が一定の影響を与えることもあるのではないか、そういう期待も持っております。  こうした点で、私は非常に重要な規定だというふうに思っております。  ありがとうございます。

渡辺博道自由民主党

○渡辺委員長 参考人各位に申し上げます。  大変恐縮ですが、質疑時間が限られておりますので、できるだけ簡潔に御答弁をお願い申し上げたいと思います。

秋山桂子山陽印刷株式会社代表取締役社長

○秋山参考人 御質問をありがとうございます。  ただいま議員の御質問にありましたように、不本意で非正規で働いている方のことでございます。  今回、改正の大きな目玉というのは、派遣元に対して、派遣業者に対して、キャリアアップとそれから雇用安定措置を義務づけられているということが大きな点でございまして、それをすることによって、派遣労働者がスキルアップしたり、それから、キャリアコンサルタントにいろいろ相談して、自分のキャリアをどうするかということを相談したりすることができますし、そして、派遣の期間が満了するようになった場合には、派遣元が、派遣先に対して直接雇用をしてくださいというようなことをお願いしなきゃいけないし、また、そうでないときには、その他の職を探さなきゃいけないということが義務づけられていることが大変大きな点でございます。  ただ、派遣労働者が正規社員になりたいということは、派遣元と、それから派遣先、受け入れる側も、やはり派遣労働者に対して、スキルアップできるように情報提供したり社内研修をしたりして教育訓練をしていきたいと思っております。  そして、派遣社員自身の努力も必要だと思いますけれども、そういう道は大きく開かれていると思います。先ほどの事例もありましたように、正社員になる事例はたくさんございますので、そういう形に持っていきたいと思っております。

新谷正義自由民主党

○新谷委員 ありがとうございました。  また、規制強化という点におきましてですけれども、先ほどのキャリアアップ措置だけではなくて、今回、改正案では、特定労働者派遣事業と一般労働者派遣事業の区別を廃止しまして、全ての労働者派遣事業を許可制にすることになっております。  一般労働者派遣事業は、許可をとるために、これまでも入り口でしっかりチェックが入っておりましたが、特定労働者派遣事業の方は、先ほど鎌田参考人が御指摘になったとおり、届け出だけで開始できておりました。  改正案では、全ての事業者が、しっかりと要件を満たし、許可をとらなければ事業が始められない、そういうことになります。私は、この改正も非常に重要なことだと考えております。  前回の参考人質疑でも議題に上がりましたが、悪質な法令違反というのは、大体、この特定労働者派遣事業の方で目立っている、こういう現状がございます。  また、平成二十一年に一般労働者派遣事業の許可基準が厳しくなったときがございましたが、このころから、厳しい方の一般労働者派遣事業は、それまでふえ続けていたのが、急に今度は一転して減り続け、今に至っている。そして一方、届け出だけで参入できる特定労働者派遣事業はふえ続けている、こういった現状がございます。これはやはり疑わしい状況だと私は思っております。資産要件などを逃れるために特定労働者派遣事業ということにしている可能性がございます。  今後は、教育訓練、キャリアコンサルティング、また雇用安定措置、こういった、派遣労働者の方々の保護をきちんと図っていくためには、派遣元事業者もある程度の規模や資産は必要になると思いますし、しっかりと基準を満たすよう、体制づくりをやってもらわなければならない。キャリアアップ推進とセットでこの改正を行うことの意義は大きいと私は考えております。  しかし、例えばIT業界では、かなり小規模といいますか、ニッチな分野で労働者派遣が行われているという実態を伺うこともございます。こういった小さい分野では、急激に変化を迫ると業務が停滞してしまったり、あるいは失業者が出てしまったり、そういった懸念も考えられます。  このため、派遣業界の再編がゆるりと行われるよう、あるいは請負や子会社などへの業務の移行が進むよう、激変緩和措置も欠かすことはできない、そのように考えております。  一方、逆に偽装請負などを誘導してしまわないように注視もしていく必要があると考えておりますが、これらのことに関しまして、今後の行政のありようとして、鎌田参考人、秋山参考人の御意見を伺いたいと思います。

鎌田耕一東洋大学法学部教授

○鎌田参考人 ありがとうございます。簡潔にお答えしたいと思います。  まず、議員、第一点といたしまして、特定労働者派遣事業の廃止ということについて言及されまして、先ほど私が申しましたけれども、立法当初においてのもくろみ、すなわち、常用雇用のみを雇用する派遣事業が一定の信頼性を確保できるというもくろみが、実は見込み違いであったということでございます。今議員おっしゃったように、さまざまな形での問題点が指摘されているということでございます。  ただ、このような中小零細企業が多いわけですけれども、押しなべてこれが全て信頼性の低い企業というわけではございません。そこでは一生懸命、小さいながらも、派遣労働者を紹介し、また派遣をしているという事業もございますので、信頼のできる事業については的確に生き残っていけるように、行政としてもめり張りをつけた対応というのが必要になってくるというふうに思います。  あと、先ほど、いわゆる請負への転換が偽装請負になってはいけないということは、まさに非常に大きな御指摘だと思いますので、その点については、行政はしっかりと偽装請負のチェックを行っていってほしいというふうに思っております。  以上です。

秋山桂子山陽印刷株式会社代表取締役社長

○秋山参考人 ありがとうございます。  議員がおっしゃるように、今回、特定労働者派遣事業と一般労働者派遣事業が、区分を廃止して統合して、全て許可制にするということは、適正化は大変重要であると考えております。  また、特定労働者派遣事業者の多くは中小企業でございますので、この法改正に伴いまして、許可要件が、大変ハードルが高くなってまいります。そうしますと、やはり急に変更されて困難になる企業さんも出てきますので、そこはスムーズに移行できるよう、御配慮をよろしくお願いいたします。

新谷正義自由民主党

○新谷委員 ありがとうございます。  今回、改正案では、先ほど来お話が出ております、専門二十六業務の派遣規制も撤廃されることになります。これに関し、何よりも重要なのは、今の時代に合わない業種による規制をやめて、わかりやすくすることではないか、私はそのように考えております。  この認識は今に始まったことではございませんで、自民党はそのとき野党でございましたが、平成二十四年に労働者派遣法が改正されたときにも、いわゆる専門二十六業務に該当するかどうかによって派遣期間の取り扱いが大きく変わる現行制度については、わかりやすい制度になるよう速やかに見直しの検討を開始すること、このように附帯決議がなされていました。  それに先立つ平成二十二年、専門二十六業務派遣適正化プランというものが出たときは、どこまでが専門業務か解釈がはっきりしない派遣労働の場合、大変現場で混乱が出たと伺っております。  明らかに違法派遣の場合は、これは論外でございますけれども、微妙なケースは多々あり得ると思います。労働局の人が突然やってきて、何か微妙な解釈の違いがあって、悪気がないのに突如違法派遣だと宣告される、この可能性があるのはやはり非常に不安定なことだと思います。一年を通して一緒に同じ現場で働いていたら、たまたま病欠の人などで現場の人員が手薄になるときもございます。そんなときに、専門業務の派遣だから違法派遣にならないよう電話一本とれないというのが、現状、あり得ることでございます。  人間同士のことですから、この制度のままではどうしても派遣先の直接雇用の労働者の方と派遣労働者の方の間で壁ができてしまうのではないか、そのように考えることもございます。  派遣労働の業務区分により規制の異なる国は我が国だけとも伺っております。この規制が今回の改正で撤廃されることは大いに意義があることだと考えておりますけれども、鎌田参考人、時間が参りましたので、簡潔に一言お伺いできればと思います。

渡辺博道自由民主党

○渡辺委員長 鎌田参考人、簡潔によろしくお願いします。

鎌田耕一東洋大学法学部教授

○鎌田参考人 今議員御指摘のとおり、今回、業務の専門性に着目した規制のあり方というのが根本的に変えられる、廃止をするということでございまして、そういう意味では、関係者が非常にわかりやすい制度になったというふうに私は思っております。  以上でございます。

新谷正義自由民主党

○新谷委員 ありがとうございました。  今後議論を進めていく上で大変貴重な御意見をいただきまして、心より感謝を申し上げます。  以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

渡辺博道自由民主党

○渡辺委員長 次に、山井和則君。

山井和則民主党・無所属クラブ

○山井委員 民主党の山井和則でございます。二十分間質問をさせていただきます。  四人の方々、大変参考になる意見陳述をしていただきまして、まことにありがとうございます。限られた時間ですので、幾つか質問をさせていただきたいと思います。  今も質問がありましたけれども、今回の法改正の一つの大きなポイントは、専門業務を廃止して一律上限三年を入れるということであります。民主党としては、専門業務を廃止することには反対です。さらに、労働政策審議会でも連合も、維持をすべきということを言っておりましたし、経営側からも、ここを廃止するのはよくないという意見が出ておりました。  きょうの廣瀬参考人の配付資料の十一ページにも、労働政策審議会の二〇一三年十一月十四日の資料の中で、経営側が、二十六業務の廃止に関しては、下線が引いてあるように、こう述べておられるんです。「二十六業務で期間制限を受けない派遣労働者の雇用に大きな影響を及ぼす可能性もあり、二十六業務の廃止は求めない。」これは経営側。それで、労働側は左のように、「業務単位での期間制限を維持するべき。」専門業務は残すべきと。  我が党の見解もそうでありまして、もうちょっと厳格にしてわかりやすくすべきだということは当然ですけれども、わかりやすくするから専門業務もなくすということになると、先ほど廣瀬参考人がおっしゃったように、命の期限を切られることになりはしないかという深刻な問題がございます。  そこで、鎌田参考人にお伺いをしたいんですが、先ほど鎌田参考人のお話の中で、専門業務を廃止してわかりやすくするということを強調しておられました。また、今回の法改正は労働者保護の法改正だということをおっしゃいました。  確かに、専門業務をなくして一律三年にしたらわかりやすいですが、問題は、廣瀬参考人も指摘をされておられました、既にそこで期限の定めなく働いておられる四十万人の方々、例えば、パソコン業務、テレビ局、アナウンサー、通訳、秘書、設計等々二十六業務の方々は、四十万人、八割が女性でありますけれども、今までは期限の定めがなかったわけで、先ほど廣瀬参考人の話にありましたように、五年、十年、十五年働いてこられた方もおられます。  私も、この間一週間、ほぼ毎日、専門業務の方々、違う方々から話を聞き続けておりますし、きのうも四人の方々から話をお聞きしました。皆さんおっしゃっていますのは、今回の法改正で、自分たちが三年後に雇いどめ、解雇になる内容が含まれているなんて全く知らなかった、自分の同僚たちもほとんど知らない、どうして法改正によって三年目に解雇されるんですか、そういう切実な、そして、人生設計が狂う、成り立たないと言って、深刻な相談をされておられました。  そこで、鎌田参考人にお伺いしたいんですが、専門業務をなくしてわかりやすくするという考え方、そういう考え方なのかもしれませんが、一方、そうしたら、この四十万人の、今まで期限の定めなく働けると期待されていた方々はどうなるんですか。セーフティーネットか何かはあるというふうに考えておられますか。

鎌田耕一東洋大学法学部教授

○鎌田参考人 御質問、どうもありがとうございます。  今御指摘の、専門二十六業務の廃止によって、現在有期で期限なく働いている方たちの処遇をどう考えているのかということでございます。  まず、現在二十六業務で働いている方たちが有期で反復更新をしていただいているということで、雇用については必ずしも安定という形態ではない、そういう前提に立った上でのお話でございますが、今回、常用雇用代替防止の規制ですけれども、無期雇用派遣については適用除外ということになっておりますので、この方たちが事業の中で、派遣元との対応ということになりますが、無期雇用ということであれば、期間限定なしで受け入れることが可能ということになる、その限りで雇用の保障がある。  しかも、二十六業務で有期という形で一定期間で雇いどめということの不安も、無期ということで一定程度緩和される。無期だからその雇用不安がなくなるとは申しませんが、そういったことでもありますが、一定の雇用の安定があるのではないかというふうに思っております。  それから、有期で三年という上限が設けられることによって、派遣元が、それを機縁といたしまして、雇いどめ、解雇をするのではないか。これは、この制度の趣旨から申しますと、実にちょっと、違ったことではないかというふうに思っております。  むしろ、雇用安定化措置ということで、この方たちの雇用の安定化を図るという観点から派遣元がさまざまな努力をすべきである、こういうふうな考え方でこの法案の趣旨はでき上がっているのではないかというふうに考えております。  以上です。

山井和則民主党・無所属クラブ

○山井委員 私は、ここは非常にこだわるんですね。私も四十万人の中の専門二十六業務の方々の相談にずっと乗っておりますけれども、ある女性の方は、三年後に解雇されるのであれば、仕事のモチベーションも下がっちゃうと。親の介護もしていて、今シングルでおられて、専門業務だとずっと雇ってもらえる可能性があるということで、自分の人生設計の中で、十年、十五年かけてパソコンの能力を磨いてきた。ところが、三年と切られてしまったら、その方は今四十代ですけれども、もう三年後、六年後、いい待遇になる可能性は新しい派遣先でもほぼないということで、夜も眠れないということをおっしゃっておられます。  改めて鎌田参考人にお伺いしたいんですが、確かに、この配付資料の十ページに雇用安定措置というのがあります。でも、あえてお聞きしますが、特に四十代、五十代の女性の方々の場合、派遣先への直接雇用を派遣会社が依頼して、雇ってもらえるでしょうか。  あるいは、今、派遣会社に無期雇用されたら期限なく雇ってもらえますということですが、派遣会社が、四十代、五十代の女性の方々を、今まで派遣だった方を無期雇用するという可能性は高いんでしょうか。  さらに、新たな派遣先の提供ということですが、今言ったように、私も多くの、数十人の派遣労働者の方々の話をこの間聞きましたが、四十代、五十代になると、新しい派遣先といっても、基本的には待遇は悪くなるか、もう五十代になると、新しいところもなかなか見つからないという声ばかりを聞いております。  この雇用安定措置というのは、本当に、三年後に今回の上限で四十万人の方が雇いどめ、解雇された場合、その四十万人なり多くの方々が、この雇用安定措置で雇用は安定するというふうに思われますか。

鎌田耕一東洋大学法学部教授

○鎌田参考人 なかなか難しい御質問で、現実にどうなんだということでございます。  私は、今御指摘いただいた例、今四十代の方などの対応について現実にどうであるかということでありますが、正直なところ、その方の置かれている具体的なスキルの程度とかあるいは希望とか、そういったことを考えないと、一概にはなかなか言えないのではないかというふうに思っております。その方が派遣労働者として長く働いて、非常にいわば職場で頼りになる存在ということであれば、いろいろな道も可能ではないかなというふうに思っております。  そうしたことから、今の先生の御質問については、私の立場で一概にどうというようなことはちょっと言いづらいというふうに思っております。  以上です。

山井和則民主党・無所属クラブ

○山井委員 答えづらい質問をしてしまったかもしれません。本当に失礼をお許しいただければと思います。  その点について、廣瀬参考人、法律によって命の期限を切られてしまうという、仕事がなくなるということは、生活していけないということですし、特に四十代、五十代の方にとったら、幾らスキルがあっても、今よりいい派遣先はなかなか見つからないし、かつ、三年ごとに、例えば四十三歳の方だったら、四十六歳で新しい派遣先、四十九歳、五十二歳、五十五歳、三年ごとというのは、本当にこれは、お子さんを抱えたりされていたら人生設計が成り立たないような気がするんですが、廣瀬参考人、この四十万人の専門業務の方々にとって、雇用安定措置で雇用を安定させられると思われますか。

廣瀬明美元派遣労働者

○廣瀬参考人 私の周りの方や実際ヒアリングで聞いてきた方々によりますと、今四十代、五十代の方々、今五十六歳の方々がおっしゃったことなんですが、三年後は五十九歳である、派遣先の上司にこの法案が通った場合をお伺いになったんですが、そうすると、あなたはもう五十九歳になるから、ほかの課で拾ってくれればいいけれども、うちは何とも言えないということを聞かれたそうなのです。  この雇用安定化措置が努力義務でありますし、強制的なものではありませんし、本当に法律として実効性、どこに担保があるのか、本当に私は疑問です。人の雇用をつなぐ法的拘束力が疑問なので、そこは皆さんに逆に聞きたいと思っております。

山井和則民主党・無所属クラブ

○山井委員 廣瀬参考人にもう少しお伺いしたいんですが、当たり前の話、やはり人生設計を派遣労働の方々も立てておられると思うんですよね。今まで四十万人の方々にとっては期限がなかった、それが今回期限を切られることになってしまう。  そういうときに、最悪、どういうふうな事態が、もちろん、言ってはなんですけれども、正社員に雇ってもらえるとか派遣会社の無期雇用というのは私はないと思います。もうないです。そんなのは恐らくないと思います。でも、新しい派遣先といっても、そう簡単に見つかりにくいんじゃないかと思うんですが、そういう状況の中で、今後どういう問題が起こってくると思われますか、廣瀬参考人。

廣瀬明美元派遣労働者

○廣瀬参考人 本当に、次の派遣先も見つからなくて路頭に迷われる。日雇い派遣で体調を崩されるというお話もさせていただきましたが、本当に、それか路頭に迷われる。いっときネットカフェ難民ということもありましたけれども、私の周りの方々にも、いっとき、あのリーマン・ショックの後に、そういう女性の方もいらっしゃいました。そういうふうになるのかと思います。

山井和則民主党・無所属クラブ

○山井委員 廣瀬参考人にさらにお伺いします。  今回、私、深刻な問題だと思うのは、法律なり政治というのは、そもそも、雇用を守ったり、むちゃな解雇をしたらだめですよといって労働者や国民の暮らし、生活、命を守るのが法律だと思うんですが、今回、四十万人の方々が三年後に雇いどめになってしまう、もちろん一部の人はどこか違うところに就職できるかもしれませんが、そういうことというのは前代未聞だと思うんですよね、三年後に四十万人を解雇する法改正なんというのは。  そのあたりについては、廣瀬さんはいかが思われますか。

廣瀬明美元派遣労働者

○廣瀬参考人 法律で今まであった雇用が奪われるというのは、私も本当に今回、正直驚いております。本当に前代未聞で、私もびっくりしていて、もう答えようがない。まさかこんなことが立法府で行われていること自体が信じられないので、もう答えようがありません。このことを全国の皆さんに知っていただきたいという気持ちの方が先立っています。  私は、皆さんが何で、今ある雇用を奪ってしまう、ずっと長らく働いていらっしゃる方々の雇用を三年で奪ってしまう、何で立法府がこんな雇用を進めようとしているのかわからないんです。それをもっと全国の皆さんと共有したいと思っております。ただ専門二十六業務の四十万人の方々だけではなくてと思っています。

山井和則民主党・無所属クラブ

○山井委員 これは本当に、万が一法律が成立して、マスコミにもっと報道されたら、これは四十万人の方はパニックになる危険性があると思います。  秋山参考人にお伺いしたいんですが、印刷会社の社長さんをされているということですが、今回の法改正が成立した場合、御社では派遣労働者をふやす方向に経営方針を変えられるのか、それとも正社員をふやす方向に経営方針を変えられるのか、いかがですか。

秋山桂子山陽印刷株式会社代表取締役社長

○秋山参考人 今弊社では、二人の派遣社員の方に働いてもらっていますけれども、それはやはり専門的スキルのある、デザインですとかホームページの製作とかというのをやっていただいております。やはり派遣というのは、専門職のある方を即戦力としてやっていただくことには、企業にとってはとても、大変大きなメリットでございます。  そして、企業というのは、受注がコンスタントにあるわけではなく、季節によって変動がございますし、それからまた、仕事が多量に急に来たりするときがありますし、そういうときには、やはり即戦力で専門職の技術がある派遣の方をお願いして、それをこなしていくというのが企業としてはやっていくことでございまして、御質問の、これから派遣をふやすか、正社員をふやすかというのは、その場その場を見ながら対応していきたいとは思っております。

山井和則民主党・無所属クラブ

○山井委員 今、秋山参考人がおっしゃってくださったように、本当に派遣の方々が、そういう、デザインであれ、スキルを持っておられる専門業務の方というのは、今の日本の社会、企業を支えてくださっている縁の下の力持ちなんですね。逆に言えば、その方々を、今回の法改正で三年後には解雇、雇いどめということは、私は本当にあり得ない話だと思うんです。  それで、再び廣瀬参考人にお伺いしたいんですが、今回の法案は正社員になる道を開く法案だという説もあるんですが、そのことに関しては、正社員になりやすくなる法案なのかということについて、廣瀬参考人、いかがでしょうか。

廣瀬明美元派遣労働者

○廣瀬参考人 先ほども私からお話しさせていただきましたが、三年後に一旦リセットするというこの間の審議がありましたが、そこで、まず第一番に直接雇用を依頼する、そこで正社員化の道を開くとおっしゃっていると思うんですが、私の実態からも、また周りの実態からも、派遣元会社は、自分のところの中間手数料でありますし、営業マンの昇格にもなりますから、手放しません。派遣先も、そもそも間接雇用を望んでオーダーをしているのであるから、正社員化の道になるとは思いません。

山井和則民主党・無所属クラブ

○山井委員 最後に廣瀬参考人にお伺いしたいと思いますが、やはり女性の方々、例えば、子育てを終えて一段落して、家計の補助として短期間派遣で働かれるということはいいと思うんですが、これから家計の中心として働かれる方がふえてくると思うんですね。  そういう意味で、今回、一生派遣ということがふえるような法改正が行われることについての御意見を最後にお聞きしたいと思います。

廣瀬明美元派遣労働者

○廣瀬参考人 もし今回の法案が通れば、業務区分がなくなって、そして正社員と同じ業務を派遣という安価な労働力で、いわゆる間接雇用で働いていくというわけですから、当然、生計が成り立たないと思いますし、そこで出産や子育てももちろん成り立たないと思います。そして、社会の生産性もそこから上げていくことはできないと思いますから、個人単位でも社会単位でもこれはマイナスになると思います。

山井和則民主党・無所属クラブ

○山井委員 本当は生熊参考人にもお聞きしたかったのですが、本当に大変失礼なことで、申しわけございません。  時間が来てしまいましたので、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。

渡辺博道自由民主党

○渡辺委員長 次に、浦野靖人君。

浦野靖人維新の党

○浦野委員 維新の党の浦野でございます。  本日は、参考人の皆さん、本当にありがとうございます。  この間も、この派遣法改正について、賛否両論、委員会の中では賛成というよりは否定的な意見の方が多いのが実際ですけれども、この法案、我が党の井坂委員もこれまでもよく指摘をしてきました、規制緩和と規制強化の内容がまざっていて、非常に、どっちの方向を向いている法案なのかよくわからなくなっているというふうに言われております。  その中で、この法案に肯定的な立場の方と否定的な立場の方、参考人が来られていると思います。そこで、一つ私も心配しているのは、キャリアアップができるからこの法案は大丈夫なんだ、労働者の待遇改善につながるんだというふうに言っています。では、お聞きするんですけれども、肯定的な、恐らく鎌田参考人、秋山参考人はそうだと思うんですけれども、キャリアアップというのは、大体、具体的にどういったことをやってもらったらキャリアアップになるか。  例えば、これまでの法案審議の中でも、厚生労働省は、キャリアアップ、一年に一時間やってもキャリアアップなんだというふうなことを実は言ったりとかしているんですね。では、果たして一時間でどんなスキルを身につけられるのかとユーキャンとかで私調べましたけれども、簿記三級でも一時間じゃ取れないんですよね。二カ月とか三カ月とかそれなりに時間をかけて、しかも仕事をしながらですから、毎日そのためだけに勉強するわけではありませんから、キャリアアップとそんな簡単に言葉で言ってもできないと思うんですけれども、その点について、お二人、いかがでしょうか。

鎌田耕一東洋大学法学部教授

○鎌田参考人 御質問ありがとうございます。  何をもってキャリアアップと言うのか、こういったような御質問かというふうに思います。  派遣労働者が従事する仕事、業務、いろいろ多彩でございまして、そのさまざまな業務の中でどれをキャリアアップと言うのかというのは、個々の事情によって違ってくると思いますので一概にはちょっと申すことはできませんが、私が大切だというふうに思っているのは、やはり、今従事されている業務の中でキャリアアップしたということが見える化するような仕組みというのがぜひ必要になってくるのではないか。  そういうことから、派遣労働者の要望も含めて、どのようなキャリアアップを派遣元としてメニューとして考えるのか、そういったことを相互に話し合って進めることが大切なのではないかというふうに思っております。  以上です。

秋山桂子山陽印刷株式会社代表取締役社長

○秋山参考人 私が考えますキャリアアップというのは、やはりスキルアップとそれから本人のキャリア形成をつくっていくことだと考えています。  そして、スキルアップは、やはり社内で、第一にはOJTでその現場現場でいろいろな技術を教えていくこと、それから社内研修をすること、そして改善会議とかそういうところに参加させて、いろいろな意見を出して意見交換をする、情報提供をするということをやることによってスキルアップにつながっていくと考えております。  そして、キャリアアップの方は、キャリアコンサルティング、相談をするなり、自分で自分の自立できる道を考えてやっていくことだと思います。

浦野靖人維新の党

○浦野委員 同じくキャリアアップについてですけれども、廣瀬参考人と生熊参考人にもお伺いするんですけれども、実際、廣瀬参考人も、たくさんの派遣労働者の皆さんと今までお話をしてこられたと思います。その中で、では実際にどんなキャリアアップをすれば、自分がさらにいいところに就職、正社員で採用してもらえるようになるとか、そういった何か具体的なものを聞いたことがあるのか。生熊参考人も、これまでの事例の中でそういったことをどれぐらい聞かれたことがあるか。  それをちょっとお聞かせいただけたらと思います。

廣瀬明美元派遣労働者

○廣瀬参考人 実際にキャリアアップをされて正社員化とか直接雇用化になられたということですか。  というよりは、実は派遣労働者の皆さんは資格をたくさん持っていらっしゃいます。なので、派遣先々で即戦力になっていらっしゃいます。または専門職を生かしていらっしゃいます。なのにもかかわらず、直接雇用化に、法がひっかかってなかなかつながっていないのが実際なんですね。実際に持っている職能だとか資格が法律でストップしちゃっているというのが実感です。だから、私やまた周りの方々はそこでとまっているというのが正直なところです。  スキルアップするというのは、実はその労働現場でしか、派遣元で幾らスキルアップしても、現場で使うスキルなので、スキルアップというのは、キャリアアップというのは、派遣先で必要なんだと私は思っております。

生熊茂実全国労働組合総連合副議長/全日本金属情報機器労働組合中央執行委員長

○生熊参考人 ちょうど具体的な例があるからお話ししたいと思うんですが、実は、日産自動車で、リーマン・ショックの後、派遣切りに遭って、今裁判をやっている方がおります。  その方はやはり大変優秀な方で、自動車のデザインをやっていたんですけれども、デザインの、教える、教官の側でもあった人です。しかも、派遣で、派遣先の日産自動車に行くときに、実際にそのデザインしたものを持ってこいと言われて、それをちゃんと審査する、これは実は労働者の特定行為ではないかということで裁判上の争いになっているんですが、それぐらい優秀な方です。  しかし、そうであっても、やはりリーマン・ショックの後、あっという間に派遣切りに遭っているわけですね。  そういう面では本当に、それは皆さん、どんな労働者も自分のスキルアップやキャリア形成の努力はしていると思うんですが、だから直接雇用されるとか、だから正社員になれるということはない。やはり派遣先の都合で全て決められてしまうんだ、この事実は変わらないのではないか、このように思っています。

浦野靖人維新の党

○浦野委員 細かい議論をどんどんしていけばしていくほど、それはもうケース・バイ・ケースだというふうに言われることが多いんですけれども、今、廣瀬参考人がおっしゃったのがやはり僕は実態だと思うんですね。  やはり、今持っている資格を生かすために派遣で仕事に行かれている方というのは非常に多い。その中で、では、さらに上のスキルを身につけるためにどういったものが要るのか。もしそれがあるとするならば、それを取得するにはまた膨大な時間がかかる。では、仕事をしながらそういった時間を派遣先が許してくれるのか。業務以外の時間帯で個人でやりなさいと言われると、それは非常に厳しい話にもなりかねない。  私は、このキャリアアップ、もうちょっと細かく本来は規定をするべきだと思っています。実効性が余りないんじゃないかというふうに私も考えているんですね。  この法案、実は、実効性が本当にあるのかどうか疑問なところがたくさんあります。例えば、均等待遇、均衡待遇の確保のあり方について調査研究をして必要な措置をとるという文面がこの法案の中にはあります。  これは、皆さん、参考人の全員に簡潔に答えていただけたらと思うんですけれども、これについても、先ほど、最初の意見陳述の中で鎌田参考人は、いわゆる同一労働同一賃金に資するものですけれども、日本の労働環境では非常に難しいというお考えをおっしゃっていました。  鎌田参考人は、難しいというふうにお答えになっているので、その中でも、では、全ての業種においてそれが不可能というふうに思われているかどうか、可能なものも実際あるというふうには考えていらっしゃらないかということをお答えいただけたらと思います。  それで、他の参考人のお三方には、この部分が本当に実効性があるかどうかというのをちょっと御意見として伺いたいと思います。

鎌田耕一東洋大学法学部教授

○鎌田参考人 均等待遇について我が国で直ちに導入するには少し難しいのではないかということについて、全てについて難しいのかというような御質問だったと思います。  私が申しましたのは、まず、雇用、採用の形式が、先生御存じのように、いわゆる日本の正社員については新規一括採用で、その中で企業内教育訓練をやって、そして勤続年数で昇給していく、そういったような流れの中にある人と職務給中心の派遣労働者で、職務について同一の賃金というのはなかなか難しいのではないかというふうに申し上げたわけでありますけれども、考えてみると、正社員においても職務給で評価され、また賃金を支払われている部分もございます。また、随分昔の話になりますけれども、日経連が、いわゆる正社員についても職務給を導入するということで、さまざまな工夫をされた時代もありました。  ですから、そういったようなことを考えますと、労使で最終的に決めることではございますが、均等待遇を受け入れる可能性というものが何らかの形で出てくるのではないかとも考えております。  以上です。

秋山桂子山陽印刷株式会社代表取締役社長

○秋山参考人 使用者側としても、派遣労働者の待遇の改善というのは常に考えていることでございます。  しかし、社員の場合には本当にいろいろな仕事をやっておりまして、ある部分を切ったときに派遣社員と同じことをやっているときもありますでしょうし、そうじゃないときもあるという形で、その辺のところを、まるで同じことをやっているのに同じ賃金でないのはおかしいという、そこだけをおっしゃられるとちょっと、実際はもっと社員というのは本当にマルチで働いている部分がありますので、そこは違うのではないのかなとは思っています。  こういうことに関しましても、社員とそれから派遣労働者の方々によく理解してもらえるように丁寧に説明をしていきたいと思っております。

廣瀬明美元派遣労働者

○廣瀬参考人 お答えします。  同一労働同一賃金についてですよね。  私、労働者派遣法違反で、二十六条の七項、特定目的行為違反が認定されているんですけれども、日本赤十字社から直接、配転の指揮命令も受けておりまして、国内最大級の献血ルームに選抜されまして、そこのルーム長から、ここのスタッフは、雇用形態が違っても待遇が違っても、みんな同じ仕事をしてもらうからねと何度も迫られてきまして、その後すぐに献血広報の副責任者に任命されて、正式にそれも冊子にされて、毎日、それで献血広報の責任者もしてきました。全般業もしておりました。  しかし、献血の広報で採血者数が上がって、ルームとして総数が月に四千人達成しても、皆さんには賞与としてはね返ってきても、私には何もなかったんですね。みんなでロールケーキを食べたということはあったんですけれども。  そういうところで、本当にこれは差別待遇だと思うんですけれども、本当に不合理というか、そういうことに遭ってきた実態があります。ここをやはり解消すべきだと本当に身にしみていました。それを私、今この立場でどのように解消すればいいのかは、具体策を申し上げることはちょっと私の知識ではできないんですけれども、そういう実態を語ることはできます。

生熊茂実全国労働組合総連合副議長/全日本金属情報機器労働組合中央執行委員長

○生熊参考人 均等待遇というのは、もちろん通常の労働者に対する待遇の改善でもあるんですが、それだけではなくて、やはり非正規雇用や不安定雇用をなくすという意味があるんだろうというふうに思うんです。  例えばフランスでいえば、いわゆるテンポラリーワーカー、派遣労働の場合ですね、時間当たりにして一〇%、いわゆる正規労働よりも高い、そういうふうな規定になっているわけですね。  ですから、私は、そういう面でいうと、均等待遇をしていくことは、実は労働者の雇用を安定させる、正規労働者をふやしていくという非常に重要な意味があるというふうに思います。  そして、均等待遇の問題なんですが、それはもちろん、日本は企業ごとによって労働条件が違うという現実があります。しかし、それは派遣先の企業と同等のものをそのときに支払えばいいのであって、そういうことは不可能ではないというふうに思います。  先ほど申し上げました光洋シーリングテクノのところでは、実は正社員が、ボーナスをもらうときというのは一年で二回本当に楽しい時期なんだ、しかし、それがそのときに悲しくなる、なぜかというと、一緒に働いていた派遣労働者はもらえない、何か気まずくなってしまう、こういうことを言っておりました。  そういう面でも、私は、均等待遇というのは本当に、全ての労働者が力を合わせていくという意味でも、大変重要な意味を持っているのではないかというふうに思います。

浦野靖人維新の党

○浦野委員 我が党は、民主党さんと生活の党さんと共同で、同一労働同一賃金の法案を別で出させていただいております。  本案の方は、調査研究をして、しかも、いつまで、どれぐらい調査研究をするかも定めていませんし、その後、いつ、そういった対策をとるのかということも書かれていない法案です。  我々が出している法案というのは、非常に、期間も区切って、すぐに実行するという内容を含んでいる法案になっているんですけれども、我々の法案について、もし言いたいことがある方がいらっしゃればと思うんですけれども、もしかしたら見ていただいていないかもしれませんので。生熊参考人なんかは……。

生熊茂実全国労働組合総連合副議長/全日本金属情報機器労働組合中央執行委員長

○生熊参考人 均等待遇、誰と均等待遇にするかという問題でありまして、そういう面でいいますと、正社員とか、あるいは派遣先の正社員の労働者と均等待遇にするということが必要だというふうに思うんですが、その均等待遇を低めてしまう、つまり、非正規の人たちに合わせてしまうということになれば、それは同一労働同一賃金とかいっても逆の話になるわけですから、その辺についてはしっかり明確にしていただければ、非常に大事なことだというふうに思っております。

浦野靖人維新の党

○浦野委員 ありがとうございました。  質問を終わります。

渡辺博道自由民主党

○渡辺委員長 次に、輿水恵一君。

輿水恵一公明党

○輿水委員 公明党の輿水恵一でございます。  本日は、参考人の皆様、貴重な御意見を賜り、心より感謝を申し上げます。  私の方から、もう時間もないので端的にいろいろ聞かせていただきたいんですけれども、まず初めに、鎌田参考人に、今回の労働者派遣法の改正の意義についてもう一度確認をさせていただきたいと思います。  そもそもこの派遣法の制定の目的というのが、労働者派遣事業を労働力需給調整システムの一つとして制度化し、労働者の保護と雇用の安定を図るために必要なルールを定める、このように目的が規定をされており、さらに派遣法では、労働者派遣について、「自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下に、」と規定されています。つまり、派遣元は、派遣労働者の雇用主としてしっかりとした責任を果たす、そういう内容がそもそものもとになっている、このように感じるわけでございます。  今回のこの改正、まさに派遣元が責任を持って、派遣労働者のためにさまざまなキャリアアップ支援をしたり雇用安定化措置を遂行する、そしてその能力アップを図り、また、個々の力を強めて、より賃金の高い安定した職場への道を開く、そういったものであると思います。この法律を遂行するための、今回、目的に合った、非常に適正な方向性のある改正であるかなと私は感じているんですけれども、その点についての見解をお願い申し上げます。

鎌田耕一東洋大学法学部教授

○鎌田参考人 御質問ありがとうございます。  今議員おっしゃったとおり、今回の改正法は、労働力需給システムの一つとして制度化し、労働者の保護と雇用の安定に資するという方向をより一層強めたものだというふうに思っております。  少し詳しく申しますと、まず、これも私、冒頭に申し上げましたけれども、派遣元の雇用主としての信頼性を、届け出制を廃止するということから、より高める措置をとったということが一つあります。それから、これも議員御指摘のところでありますが、キャリアアップ措置あるいは雇用安定化措置を派遣元に義務づけるということから、派遣元の責任についてはさらに一層強化を図っているということであろうというふうに思っております。  以上です。

輿水恵一公明党

○輿水委員 ありがとうございます。  そこで、先ほど来議論になっているのが、キャリアアップあるいは雇用安定の措置が本当に効果的に遂行できるかどうなのか、こういったところが非常に重要になるわけでございます。  この点について鎌田参考人と秋山参考人に伺いたいと思うんですけれども、派遣元には今回、計画的な教育訓練を実施するとかキャリアコンサルティングを実施、また、無期雇用の派遣労働者に対しては、長期的なキャリア形成を視野に入れて、そういった義務が課せられるわけでございます。  また、労働者派遣事業が許可制になったということで、その許可や更新の要件に、派遣労働者へのキャリア形成支援制度を有すること、あるいはキャリア形成支援の具体的なあり方について指針を規定する等、またさらに報告義務だとかそういったものも発生するわけで、一つ一つ派遣元に対してさまざまな取り組みが課せられる。  そういったものが効果的に進んで、本当の意味で派遣労働者のキャリアアップ、あるいは正規社員、直接雇用に結びつくようになるために、こういうことの最も留意するべき点、どんなところにあるのかについてお聞かせ願えますでしょうか。

鎌田耕一東洋大学法学部教授

○鎌田参考人 キャリアアップ等につきまして、効果的に進めるために最も留意すべき点は何かという御質問でございました。  キャリアアップそれからスキルアップともに、やはり派遣労働者がどのような意欲を持ってどういう方向に自分が進んでいくのか、そういった明確なプランと目的意識が大切だというふうに思っております。  それを派遣元が支援するということでございますので、個々具体的にはさまざまなスキル、さまざまなキャリアアップのあり方ということが想定できるわけでありますが、派遣元としては、派遣労働者の職業生活の今後のあり方、考え方、そしてその方向性を十分に酌み取って必要な措置をとっていくということが、最も両者にとって効果的な成果を生み出すポイントではないかというふうに考えております。  以上です。

秋山桂子山陽印刷株式会社代表取締役社長

○秋山参考人 私は、派遣労働者の方が職場になじんでいただくように、派遣先も努力しなきゃいけないと思っております。やはり即戦力として力を発揮していただきたいわけですから、受け入れる職場では、その辺を考慮して、いろいろなことを手助けしながら、派遣労働者の力が発揮できるような環境を整えてやることが大切だと思います。  そしてまた、今回の法律に言っていますように、派遣元もやはり、研修会を開くだとか、そういうコンサルタントをするとかということを徹底していただきたいと思っております。

輿水恵一公明党

○輿水委員 どうもありがとうございました。  先ほど秋山参考人の方から、日本の中小企業は、九九%、雇用の七割を支えている、そういったお話の中で、やはり人材の確保というのが本当に中小企業にとっては大変大きな課題になって、またこれからも課題になりつつあると。  そんな中で、人材だけではなくて企業を取り巻く環境としても、現場のニーズも変化をしたり、あるいは技術が革新をしたり、そしてそれに合った人材をどう速やかに確保しながら企業の事業をしっかりと運営していくのか、そういったことを悩みながら、いろいろな形で進められていることと思います。  そして、先ほども、何人かの専門職の方に来ていただいて、そういったお手伝いもしていただいて、今まで長年事業をやられてきましたが、また新しい分野へのそういった取り組みも適切に進められているということを伺ったんですけれども、まさに先ほどのお話にもあったんですけれども、先ほど廣瀬参考人からも、やはりキャリアアップというのは、派遣元というよりは派遣先で、どうやって派遣先に受け入れられる、また派遣先が必要とされている力を身につけて、そこに一緒になって大きな貢献ができるかどうか。そこに新しい雇用の道も開かれてくるのかな、そういうふうに思うわけでございます。  そういった意味で、秋山参考人に、派遣先として、今回の改正により、どのような形で派遣元と連携をとりながら、この改正を有効に活用しながら企業の新たな繁栄と発展の道を開いていけるのか、また、そんな方向性があるのかどうなのか、その点についてお聞かせ願えますでしょうか。

秋山桂子山陽印刷株式会社代表取締役社長

○秋山参考人 ただいま議員がおっしゃったように、やはり派遣先のニーズを的確に派遣元は捉えていただきたいと思います。  やはり、どういう人材が必要なのか、どういうキャリアがあればいいのか、どういう技能があればいいのかというようなことを派遣元はよく派遣先と話し合って、そこのニーズをちゃんと捉えてほしいですし、そういう方を派遣先に派遣してきて、うまくマッチングさせていただきたいと思います。ミスマッチで仕事がうまくいかないという例も多々ございますので、その辺のところを派遣元にはお願いしたいと思います。

輿水恵一公明党

○輿水委員 どうもありがとうございました。  次に、鎌田参考人にお伺いしたいんですけれども、やはり、こういったキャリアアップ措置が適正に行われているかどうか、そして、頑張った派遣元に対しては適正な評価が行われることも大事なのかなというふうに思うわけでございます。  そのときに、いろいろなキャリアアップ支援の取り組みも大事であるかと思うんですけれども、今、秋山参考人からいただきましたように、企業のニーズ、どんな人材をそこの企業は必要としているのか、それに対して、どういう人をマッチングさせながら将来の直接雇用につなげられるか、そういった視点も持ちながら、ただ単に画一的なプログラムを用意しているだけではなくて、一人一人の個人に合った、また相手企業に合った、そういった臨機応変というか、いろいろな多種多様なキャリアアップの仕方をどう考えるか、そういった点も非常に必要なのかなと。  そういう面では、計画がありました、マル・バツ、そして、何かこういうことをしている、していない、マル・バツというよりも、もうちょっと具体的な中身をしっかり吟味しながら適正に派遣元を評価していくことが、そこで雇用されている派遣労働者のさらなる育成あるいは能力開発にもつながるのかなと思うんですけれども、派遣元のキャリアアップ、そういった取り組みに対する評価のあり方について御見解をいただけますでしょうか。

鎌田耕一東洋大学法学部教授

○鎌田参考人 キャリアアップの支援の評価のあり方という御質問でございました。  なかなか評価というのは難しいことでありますけれども、外部から評価をするということになれば、一つはやはり、派遣労働者がどのような職業能力を獲得したのか、資格ということでもよろしいかと思いますが、そのような具体的な指標を持って見ていく必要もあるかと思います。  あともう一つ、先ほど来私が申しましたように、やはり派遣労働者の意欲との関係でキャリアアップの効果というのは出てくるわけですので、派遣労働者の満足度が評価をする上で非常に大切だというふうに考えております。  では、こういったものをどのように調査していくのかということが一つの課題ということでございますけれども、一つは、アンケートのようなものも重要なツールではないかというふうに思っております。  以上です。

輿水恵一公明党

○輿水委員 どうもありがとうございました。  先ほど廣瀬参考人からも派遣労働者は約百二十万人ということでありましたけれども、ちょっと気になるのが、今回は、派遣労働者のキャリアアップ、また派遣労働者に光を当てた法改正なんですけれども、一方で、派遣労働者は横ばいか減りぎみになっている現状で、それ以外の、パート、アルバイト、契約社員などの非正規、そういった働き方がふえている。そういった中でやはり将来的に大事なのは、そういった皆さんの中で、安定して、さらにキャリアアップを希望する人たちのその道をしっかりと開ける社会になるかどうか、ここがまた重要なのかなと私は思うわけでございます。  実際、ある調査では、派遣社員の方が一般の直接雇用の非正規の方よりも賃金も高いような、そういった実態もあると伺っているわけでございます。  ここで、全員の皆様にこの視点について御意見を、この機会なので伺っておきたいんです。  今後の課題として、日本の将来を考える中に、単純に派遣社員がふえるとか派遣社員が減るとかそういった問題ではなくて、全ての人々の可能性を適切に引き出せるような、そういった社会の仕組み、今回は派遣労働者に光が当たっているんですけれども、一人一人、その希望、また自分の思いをなし遂げられる、そういった社会の仕組みというものが今後は必要ではないかと思うんです。  ここですぐ結論が出るわけではないと思うんですけれども、そこにも光を当てることが、今後、人口が減少し、生産労働力人口が非常に必要になってくる日本の社会にとって大事な要素なのかと思うんですけれども、この点についての見解をお聞かせ願えますでしょうか。

鎌田耕一東洋大学法学部教授

○鎌田参考人 今後の課題ということで大変大きな御質問がございまして、うまくお答えできるかわからないんですが、私は、二つの面を考えております。  一つは、今議員御指摘のとおり、非正規で働いている方が、不本意で働いている方、あるいは自分の状況に応じてそういう働き方を選んでいる方、いろいろな方がいらっしゃると思いますが、こういう方たちがその力を発揮できるような、その移行が可能になるような社会、そのときそのときの自分の人生の一場面で選んだものが速やかに別な形態に移行できるような労働市場をつくっていくということが、今後の課題として非常に大切だろうというふうに思っています。  そのためには、やはり、自分の持っている職業能力などが労働市場において見えるようにしていく、あるいは、自分の経験が他の企業にも評価できるような仕組みをつくっていくということが非常に大切なことではないかというふうに思っております。  もう一つの点は、派遣についてさまざまな規制が行われると、心配なのは、請負、委託という形で、いわば規制を回避するような形での就業ということになってしまうのではないか。  実はこれは大きな問題でありまして、偽装請負というのはもちろんだめですから、これはしっかりと行政で摘発して、場合によっては、または裁判所におけるさまざまな司法上の救済ということが必要になってくると思いますが、しかし、労働力を外部で利用するということで、請負あるいは委託ということがいわばパラレルに派遣との関係で選択されるということが果たしていいのか。  一方では派遣については規制があって、請負、委託についてはないという状況の中で、ちょっとバランスを崩しているのではないか。そういう危惧がございますので、そうした点は今後の課題として考えていきたいというふうに思います。  以上です。

秋山桂子山陽印刷株式会社代表取締役社長

○秋山参考人 私は、誰でも皆すばらしい能力を持っていると思います。それが不幸にも開花しなかったりとかということもありますので、やはり、小さいときからそういう能力を開かせてあげるような教育ですとか自己啓発とか、いろいろあると思うんですけれども、何かそういうものを磨いてあげるような仕組みができたらいいなとは思います。  これは大変大きなテーマですので、私たちも真剣に取り組んでまいりたいと思っております。

廣瀬明美元派遣労働者

○廣瀬参考人 簡潔にお答えしますが、まず、済みません、キャリアアップについて少しだけ。  キャリアアップを派遣元で行うこと、私、これはフィクションだと思っております。というのは、派遣先で毎日毎日働いております、それを派遣元でどうやってキャリアアップ、スキルアップするんですかということと、派遣先での特殊な技能が必要なんですね。なので、派遣元のキャリア、スキルを磨くのではなくて、派遣先の特殊な技能をそこで磨いて直接雇用、正社員化になればいいと私は思っていますので、フィクションだと言わせていただきます。  それから、質問なんですけれども、私は、まず、非正規労働だけ、ここだけで見ないというふうに思っております。なぜならば、正社員が今やモデルとはなっていない現状は皆さんもおわかりだと思います。過酷な労働とブラック企業がはびこっていることを皆さんもよく御存じだと思っております。  それで、非正規労働の中でも、間接雇用である派遣においては、これはやはり例外であるということ、ここが問題である、そこに焦点を当てていくべきだということを強調しておきたいと思います。  以上です。

生熊茂実全国労働組合総連合副議長/全日本金属情報機器労働組合中央執行委員長

○生熊参考人 端的に申し上げたいと思います。  やはり、人間、能力の違いとか特徴の違いとか、それは当然あるわけです。しかし、全ての方々が本当に、働く職場において、一番大事なのは人間として尊重されるということだろうというふうに思うんです。ですから、その違いはあるにしても、本当に差別のない働きやすい職場、そのことが大事なんだろうというふうに思うんです。  そういう面でいえば、大事なことは、今もお話ありましたように、やはり使用者責任というのは一番大きいと思うんです。それは、雇用と使用を分離しない、やはり直接雇用が大原則だろうと思いますし、あるいは、さまざまな違いがあったとしても、待遇については不合理な差別をもたらさない、そういうことが大事だろうというふうに思います。  人生のステージの中でさまざまな働き方が出てくると思うんですが、やはりそれは、そういう大原則を踏まえた上で、全ての方々が本当に、人生としても、あるいは社会に貢献する意味でも働ける、そういうようなことを望みたいなというふうに思っているところです。

輿水恵一公明党

○輿水委員 時間でございます。以上で質問を終わらせていただきます。  貴重な御意見、大変にありがとうございました。

渡辺博道自由民主党

○渡辺委員長 次に、堀内照文君。

堀内照文日本共産党

○堀内(照)委員 日本共産党の堀内照文です。  きょうは、貴重な御意見を本当にありがとうございます。私からも幾つか質問をさせていただきたいと思います。  まず初めに、廣瀬参考人にお伺いします。  女性の派遣労働者数が七十万人に上り、そのうち過半数が主な収入源が自分自身の収入だけ、つまり派遣労働者としての収入だけだということであります。多様な働き方ということがよく言われ、派遣労働者にも派遣としての働き方のニーズがあるんだと言います。とりわけ女性の場合、育児との両立など、派遣労働者になりたいというニーズがあるんだという議論があるわけでありますが、女性の視点として、こうした議論というのはどうお考えでしょうか。

廣瀬明美元派遣労働者

○廣瀬参考人 お答えします。  多様なニーズとよく言われて、一九八五年に派遣制度が制定されて八六年から施行されましたが、本当にそれは私は甘言だと思っておりまして、実際は、やはり安価な労働力として、女性の労働力としてなされてきたと思っております。  多様な働き方の中で、出産したりとか育児をするということが、今まで女性は正社員でもなかなかこれが困難であるのに、非正規労働者はよりハードルが高くなっております。派遣労働者は正社員の育児休業取得率の十分の一と言われていますよね。そういったところから、ちょっと論点が外れてしまったかもしれませんけれども、多様な働き方とは私は思っておりません。

堀内照文日本共産党

○堀内(照)委員 ありがとうございます。  次も廣瀬参考人に伺いたいと思うんですが、今回の法改正の一つの理由として、専門二十六業務を廃止する理由として、一般業務との区別がわかりにくいというふうにしているわけですが、現場で働いていた実感からしてどうなのかということであります。  廣瀬参考人自身は以前の適正化プランの適用第一号で、結果的に御自身はかないませんでしたけれども、同じ職場の仲間が直接雇用に結びついたわけです。  ところが、今回の法改正で業務での区別がなくなり、個人単位、事業所単位の新たな期間制限、事実上形骸化となれば、これまで違法状態だったものが合法化され、正社員への道がまさに閉ざされることになります。  そういう点でも、どういう方策が求められているのかということもあわせてお聞きしたいんですが、この点、生熊参考人から、やはり専門業務がややこしいというんだったらこれを厳しく限定して、疑義があるものは省令から外すべきだという御意見がありましたし、かつて、優先雇用義務ということで、直雇用につながる仕組みもあったわけですね。  ですから、二つですね、一般業務と区別しにくいという議論があるけれども、それをどう見るのかということと、雇用の安定ということではどうあるべきかということをお聞きしたいと思います。

廣瀬明美元派遣労働者

○廣瀬参考人 最初の質問をもう一度お願いできますか。

堀内照文日本共産党

○堀内(照)委員 一般業務との区別がつきにくいという議論について。

廣瀬明美元派遣労働者

○廣瀬参考人 今、十三業種のところから二十六業種に広がったわけですが、私も生熊さんと同じで、厳格化、私の発言でもありましたけれども、専門業種を厳しく厳格化していくこと、絞り込んで、例えばファイリングなどは、ファイリングとは言わないですけれども、その二十六業種の中で本当に混乱しやすいものは省いてしまって、物によってはしっかりと厳格化していく、絞り込んでいく、残していくものは残していくという方向にするべきだと思っております。もともと派遣法が専門業種からスタートしていることを見詰め直すべきだと思います。  二つ目の質問ですが、もともと専門業種には、四十条の五に雇用優先義務がありました。三年目に同じ派遣先の職場に新たに人を雇い入れる場合、同じ業務で正社員を雇い入れる場合に、先にいた派遣社員の方が正社員化になる、直接雇用化になるというふうなものが二〇一二年度法案の前までありました。  それが二〇一二年度法案で削除されたんですが、この理由が、専門二十六業務派遣が派遣先との交渉力が高くて雇用が安定しているという理由でした。とても安定しているとは思えないんですけれども、それを削除したのであれば何で、安定しているから専門二十六業務を残すという理屈でした、二〇一二年度改正は。であるならば、今回、何でそれを、専門二十六業種をなくして、不安定で、雇用をなくしていくんですかというふうに私は思っております。

生熊茂実全国労働組合総連合副議長/全日本金属情報機器労働組合中央執行委員長

○生熊参考人 私も、専門業務については、ファイリングとか事務用機器操作というのは本当に今は一般化しているわけですね。かつてはコンピューターを使う人というのは少なかったかもしれませんが、今は誰でもやるわけです。先ほど例に挙げたデザインの業務でも、パソコンでデザインするわけですから、実はデザイン業務ではなくて事務用機器操作で派遣を受けている。こんなことがあるわけですから、そういう誰が見てもおかしいというのは、もうはっきりしているわけです。そういうものは省令で削除すべきであろうというふうに思います。  それから同時に、先ほどからお話があります二十六業務、これも三年という期間を設けられたらかなり大量の打ち切りが出るのではないか、こういう心配があって、私もその心配があるというふうに思います。  そういう面では、先ほどからお話がありましたように、例えば、これがもしこのまま通るのであれば、今まで期間制限のなかった二十六業務について期間制限を設けるとなったら、三年が来た後には特例としてでもそれは優先的に直接雇用するとか、そういう抜本的な修正がない限りは、心配なさっているような専門業務の派遣の打ち切りということが起こり得るというふうに思いますので、このまま成立させることは非常に問題が大きいというふうに感じているところです。

堀内照文日本共産党

○堀内(照)委員 ありがとうございました。  次も廣瀬参考人に伺いたいと思います。  今回の法改正で新たに個人単位の期間制限が設けられますが、部署さえかえればということになっております。  この点、先ほどもありました特定の問題です。  廣瀬さん自身が、日赤から、献血バス勤務からルームへ配転ということで、まさに特定ということを経験されたわけですが、そういう経験から、今回の、個人制限をかけたといっても部署をかえる、その際、どうしても特定につながらざるを得ないというこの法案の問題点についてどうお考えか、お聞かせください。

廣瀬明美元派遣労働者

○廣瀬参考人 法案が今度、課をかわるということとつながっていきますよね。ということでよろしいですかね。  私、面接と配転と両方ありまして、どちらが特定目的行為だったかは労働局がちゃんと出してくれてはいないんですけれども、両方とも特定行為をされていることは事実なんですね。  これを実際今回の法案に当てはめて考えますと、バスからルーム、派遣先の日赤が直接私を選んでいるんですよ。それをやっちゃうと、これを今回の法案に当てはめると、だから課をかえるわけですよね、A課からB課に。そうすると、違反になっちゃいますよね。  今回、三年たって課をかえればいいとなりましたよね、一方で。そうすると、前回、高橋議員がこの問題を指摘されましたけれども、私は現行法で特定目的行為違反として出ているんですけれども、課をかえる場合、誰がこれを選ぶんですか、三年先。これは問題なんですよ。  私、この法案は欠陥法案だと思います、はっきり言って。これは使えないと思っております。

堀内照文日本共産党

○堀内(照)委員 ありがとうございます。  次は、生熊参考人に伺いたいと思います。  これは今までも議論がありましたけれども、今回の法改正で、政府は、キャリアアップとか雇用安定措置を講じて正社員化だと言っておりますが、陳述の中でも、実態を見ていないという御批判がありました。政府は、三年ごとにじっくり見直してということを言うわけですが、これも陳述の中で、見詰め直すのは業務の方じゃないかということで、おっしゃったとおりだと思います。  特に、光洋シーリングテクノは、まさに業務を見直して、技術継承のためには正社員化が望ましいということで正社員化の道が開かれたわけですが、現場の感覚からして、こういったキャリアアップや雇用安定措置を講じて正社員化ということを、果たしてそう言えるのかということですね。そのあたり、お聞かせください。

生熊茂実全国労働組合総連合副議長/全日本金属情報機器労働組合中央執行委員長

○生熊参考人 光洋シーリングテクノの場合も、そんなに簡単にできたわけではないんですね。  ちょっと申し上げますが、確かに光洋シーリングテクノの場合は偽装請負という形でしたから、七年も八年も働いていて、実質的な派遣、偽装請負の労働者が正社員に仕事を教えるというようなこともあったわけですね。しかし、経営者の側からそれを進んで改善するということは当然なかったわけです。なぜならば、それは、低賃金で、いつでも契約を解除できるというか、いわゆる安全弁というふうに言う方がいますけれども、そういうことであれば、経営側にとって不都合がないわけですね。  それを、経営者をしてこれは変えなきゃならないというふうにさせたのは、その契機、つまりチャンスがあったわけです。その一つが、やはり偽装請負という違法労働だということであり、もう一つは、三年間の期間制限があったということなんですね。ですから、もちろん私たちは、現場でもいい仕事をやっていこうということで経営者ともいろいろな話をしてきましたけれども、経営者がそこに決断をするにはやはりそういう契機が必要なんだと。  だから、そういう面でいえば、先ほど申し上げましたように、三年間の期間制限というのは、経営者の側で業務を見直して、業務が継続してあるのならば直接雇用にしなきゃならない、あるいは正社員にしなきゃならない、そういうものを考えてもらうことが非常に大事なのではないか。やはり、単にキャリアアップをするだけでは、それは自動的に進むとかそういうものではないというふうに私は思います。

堀内照文日本共産党

○堀内(照)委員 次も生熊参考人に伺いたいと思います。  先ほどの陳述の中で、二〇〇三年の有期契約の問題で陳述されたこともおっしゃっていましたけれども、一年の臨時では単純な仕事しかできないけれども、三年に延長されれば相当のことができるようになるんだ、ですから有期がふえていくという懸念をされ、それがまさに現実のものになったんだという陳述でありました。それから、今もありましたとおり、経営者にとったら、まさにそういう人をずっと派遣として利用できるなら使い続けたいということで、正社員の雇用が控えられ、激減するだろうという御指摘でありました。  常用代替の防止が派遣先労働者の保護なんだとよく言われますけれども、正社員の仕事を派遣が食ってしまうのではなくて、まさに正社員と同じ仕事をしているなら、派遣労働者を正社員にすべきだと。今ありましたように、派遣という不安定な働き方をさせない仕組みや担保こそ必要だというふうに思うわけですが、その点、お聞かせください。

生熊茂実全国労働組合総連合副議長/全日本金属情報機器労働組合中央執行委員長

○生熊参考人 こういう議論があるわけですね。実は、今の現行の派遣法というのは、正社員の保護をするものであって、派遣労働者の利益に反しているんだということが言われるわけですが、そうではないというふうに私は思います。  実は、期間制限というのは、それ以上長く働かせるんだったら直接雇用しなさい、そういうことがこの法の基本的な考え方だと思うんですね。ですから、現行の派遣法は、やはり派遣労働者を保護するための期間制限を設けているんだということだろうというふうに思うんです。それがなくなれば、やはりそれは、先ほども申し上げましたように、正社員をたくさん雇う必要はないではないかということになっていくわけで、常用雇用の代替というのが進んでしまう危険があるわけですね。  そういう面で、私は、期間制限というのは常用労働者の代替を防止する非常に重要な担保だ、このように考えているところです。

堀内照文日本共産党

○堀内(照)委員 ありがとうございます。  続きまして、鎌田参考人に伺いたいと思います。  労政審のあり方についてです。  そもそもこの法案は、労政審で、労働側からは、例えば二十六業務の区分を廃止することには反対するなどの意見がありましたが、そういった強い反対や懸念を無視して強引に取りまとめられたという批判もよく私も聞いております。そうした批判についてどうお考えかということをお聞かせください。

鎌田耕一東洋大学法学部教授

○鎌田参考人 今の御質問は、私が労働力需給制度部会の部会長ということで御質問されたのかなというふうに思うんですけれども、強引に取りまとめたというふうな御指摘はちょっと当たらないのではないかというふうに思っております。  部会長としては、労使双方の御意見を伺いながら進めていくということで、それぞれのメンバーの御判断の中で一定の成案を得るべく努力していたということでございますので、今先生の御指摘のようなことはなかったというふうに理解しております。

堀内照文日本共産党

○堀内(照)委員 そういう批判があったんだということで私は伺いました。  最後に、生熊参考人に、今と同じ質問が第一点なんですが、労政審のあり方についてどうお考えかということと、それから、この法案は昨年の臨時国会冒頭に公明党から出された修正も取り込んだわけですが、そういう中身についてはそもそも労政審にもかかっていないわけであります。官邸主導の強力なやり方が目に余るという批判もあるわけですが、二点、労政審の今回の法案の取りまとめに当たってのあり方と、それから、労政審の原則さえ踏みにじっているようなこういう運営について、ぜひお聞かせください。

生熊茂実全国労働組合総連合副議長/全日本金属情報機器労働組合中央執行委員長

○生熊参考人 御存じのように、労政審の審議というのは、いわゆるILO基準に基づくといいますか、公労使、政労使という三者でこういう労働政策については決めていくんだという非常に重大な原則があるわけですね。  そういう面では、さまざまな利害の調整なども含めて、本当に全体で、労働者の保護などを含めて、どうやっていいものにしていくのかということが大原則だろうと思いますが、最近は、労働者側の、認められないというような意見までついているにもかかわらず、すぐ答申してしまうとか、こういう運営がされていることに、私たち労働者、労働団体としては本当に非常に危惧を持っているところであります。  先ほどお話のあった、前回の公明党さんの修正による臨時的かつ一時的労働の原則の問題ですね。  これは、先ほども私申し上げたんですが、まさに法の根幹に触れる問題だというふうに思います。このことについて労政審議会で再度議論をすることなく、この法案の審議に入ってしまったということは、非常に重大な問題だと思っています。  まさに論議不足だったし、こういう根幹に触れる修正、この問題についてされなかったということが、先ほど申し上げましたが、政府委員が派遣可能期間の延長というのをリセットと言う、こういうようなことがあり得るのかと。派遣可能期間の延長とリセットというのは、全く意味が違うんじゃないでしょうか。こんなことが政府委員から答弁されるというようなことは異常なことだというふうに思います。こういうことも、労政審議会で議論がされていなかった、このことの重大な反映ではないか、このように感じているところです。

堀内照文日本共産党

○堀内(照)委員 ありがとうございました。  時間になりましたので、以上で終わりたいと思います。時間の都合で秋山参考人には質問できなかったことを御容赦ください。  ありがとうございました。

渡辺博道自由民主党

○渡辺委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。  参考人の方々には、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございます。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時四十三分散会

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