原子力問題調査特別委員会 第2号
- 発言数
- 177 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2015/04/16
会議録
○吉野委員長 これより会議を開きます。 原子力問題に関する件について調査を進めます。 この際、原子力規制委員会の活動状況について説明を聴取いたします。田中原子力規制委員会委員長。
○田中政府特別補佐人 おはようございます。原子力規制委員会委員長の田中俊一でございます。 衆議院原子力問題調査特別委員会における御審議に先立ち、原子力規制委員会の活動状況について御説明申し上げます。 原子力規制委員会は、原子力利用に対する確かな規制を通じて、人と環境を守るという使命を果たすため、さまざまな政策課題に取り組んでおります。 まず第一に、原子力施設等に係る規制の厳正かつ適切な実施について申し上げます。 東京電力福島第一原子力発電所の事故の教訓を踏まえ制定された新しい規制基準への適合性審査については、これまで、発電用原子炉については十一の事業者から二十四基の原子炉に係る申請が、核燃料施設等については八つの事業者から十九の施設に係る申請が出されております。このうち、九州電力川内原子力発電所一号炉、二号炉及び関西電力高浜発電所三号炉、四号炉に対して設置変更許可を行い、さらに、九州電力川内原子力発電所一号炉に対しては工事計画の認可を行い、使用前検査を開始するなど、原子力施設等に関する審査、検査を順次進めております。 第二に、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に向けた取り組みの監視等について申し上げます。 原子力規制委員会としては、福島第一原子力発電所の早期かつ安全な廃炉や汚染水対策の実施に向け、規制当局としての立場から、積極的な監視、指導を行うとともに、周辺地域のモニタリングに取り組んでおります。引き続き、東京電力の対応状況について、必要な指導や助言を行ってまいります。 また、安全上の観点からの優先順位を明確にし、完了した措置と引き続き対策が必要な措置がわかるようにするため、中期的リスクの低減目標マップ平成二十七年二月版を決定いたしました。今後、当該マップを定期的に見直し、目標の達成状況の評価を行います。 第三に、原子力災害対策及び放射線モニタリングの充実について申し上げます。 原子力規制委員会では、平成二十四年、原子力災害対策特別措置法に基づき、原子力災害対策指針を策定し、その充実に努めております。また、地方放射線モニタリング対策官事務所の新設等により、緊急時モニタリング体制の充実強化を図っております。 最後に、核セキュリティー対策の強化、国際社会との連携について申し上げます。 原子力規制委員会では、核セキュリティー対策の強化のため、本年二月、国際原子力機関、IAEA国際核物質防護諮問サービス、IPPASミッションを受け入れました。今後示される正式報告書の勧告事項や助言事項について、適切な措置を講じます。 また、原子力規制の向上のため、原子力規制委員会は、IAEA等の各種委員会に参加するとともに、IAEAの総合規制評価サービス、IRRSの受け入れを進めています。 以上、原子力規制委員会の活動状況について御説明いたしました。 我が国の原子力規制に対する信頼の回復は、いまだ道半ばにあります。原子力規制委員会では、与えられた職責を踏まえ、真の安全文化を構築し、原子力利用の安全が確実に担保されるよう、今後とも努力してまいります。何とぞよろしくお願い申し上げます。
○吉野委員長 以上で説明は終わりました。 —————————————
○吉野委員長 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、参考人として東京電力株式会社代表執行役社長廣瀬直己君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として内閣官房原子力規制組織等改革推進室長中井徳太郎君、内閣法制局第一部長松永邦男君、内閣府大臣官房審議官兵谷芳康君、内閣府大臣官房審議官山本哲也君、復興庁統括官熊谷敬君、文部科学省大臣官房審議官伯井美徳君、文部科学省大臣官房審議官田口康君、経済産業省大臣官房審議官土井良治君、資源エネルギー庁次長高橋泰三君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長多田明弘君、原子力規制庁長官官房審議官山田知穂君及び原子力規制庁原子力規制部長櫻田道夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○吉野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○吉野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。津島淳君。
○津島委員 ありがとうございます。 皆さん、おはようございます。自由民主党の津島淳でございます。(発言する者あり)励まし、ありがとうございます。頑張ってまいります。 本日は、質問の機会をいただきましたこと、吉野委員長を初め理事、委員の皆様に本当に感謝を申し上げます。また、田中原子力規制委員長を初め規制庁の皆様には、いわゆる規制行政に先頭に立って尽力されていること、この場をおかりして心より敬意を表させていただきます。真摯な議論をさせていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。 私、実は、七、八年前ですが、フランスに行きまして、かの国の原子力規制のあり方についてお話を伺う機会を得ました。それから一定の関心というものを持ち続けながら、あの東日本大震災、そして原発事故というものを迎えたわけです。そのとき、私は落選しておりまして、いわば浪人中でございまして、東京で行われている議論というものを非常にもどかしいというか、そういった思いで見ておったわけでございます。 そして、平成二十四年に発足をいたしました原子力規制委員会、国家行政組織法第三条委員会として発足をしたわけですけれども、この設置法附則の第五条には、三年以内の見直しという規定がございます。ということは、ことしの九月が見直しの時期になってまいるということでございます。また、時あたかも高浜原発をめぐる福井地裁の判決というものが出て、そこでも、規制委員会、そして規制行政のあり方というものがいろいろ議論されている、そういう時期になっている。 私、この委員会というものは、規制委員会とコミュニケーションできる本当に唯一のチャンネルだ、そういう理解をしておりまして、ですからこそ、この場における真摯な議論というものがまさに必要なんだろう。本質的な議論を行って、我々は立法府にいる人間です、立法府の人間として、原子力規制行政のあり方というものを、しっかりとした議論を行っていく責務があるのであろう、このように思っております。そういう前提に立たせていただいた上でこれから質問をさせていただきます。 まず、規制委員会の活動原則について、米国の原子力規制委員会、NRCのそれと対比しながら質問をさせていただきたいと思います。 皆様のお手元に資料をお配りさせていただきました。私の方で、日本、米国、それぞれの活動原則というものを一枚にまとめようと思ったんですが、一枚におさまり切れませんでした。別に意図的に日本の字を大きくしたわけでもなくて、改めて一枚にまとめてわかったのは、アメリカが事細かに文章を書いているんですね。結果、だから一枚におさまり切らずに二枚になったということです。 これだけ一見して、日本とアメリカの活動原則に対する、何というんですかね、レベルが違うと言ったらちょっと強い言い方になるかもしれませんが、そういったものを感じずにはいられませんでした。これをぜひごらんいただきながらと思うんです。 この原子力規制委員会の活動原則は、ウエブサイトにも掲載されております。以下の五つなんですが、すなわち、独立した意思決定、実効ある行動、透明で開かれた組織、向上心と責任感、緊急時即応ですね。一方、米国のNRCの活動原則というのは、独立性、開放性、効率性、明瞭性、信頼性。両者を比べて、我が国の原則にない項目、これは何だろうと思ったら、効率性と信頼性ではないかと思います。 この効率性と信頼性というのが、今後、規制委員会を実効あるものとして権威を高めていく上で私は非常に重要なものだと思うんです。それで、これは、原則として検討すべき項目だと私は思うんですね。その点について、田中委員長の御見解をぜひお伺いしたいと思っております。
○田中政府特別補佐人 まず、信頼性についてお答え申し上げたいと思います。 先ほどの御報告で申し上げましたけれども、福島第一原子力発電所の事故によって、我が国の安全規制行政というのは完全に信頼を失いました。ですから、私どもが発足に当たって一番旨としましたのは、地に落ちた信頼性をいかに回復するかということが第一であります。その下に活動原則というのを置いたわけであります。 そういう意味で、もう少し具体的に申し上げますと、活動原則を作成する際に念頭に置きましたのは、東京電力福島第一原子力発電所の事故の教訓を踏まえて、こうした事故を二度と起こさない、そのためにどうすべきか、どういう活動をすべきかということであります。 その一つの重要な要素として、それぞれに重要ではありますけれども、独立性とか緊急事対応、それから規制機関として最も重要と思われること、特に、信頼性回復という意味では透明性、ですから、全ての会議、全ての議論は全てオープンにしているという状況にあります。 その上で、今先生御指摘の、効率性ということが落ちているではないかという御指摘でございます。 効率性ということについては、行政官庁としては当然考慮しなければいけないことと認識しております。原子力規制委員会としましても、さまざまな意見はあるかと思いますけれども、限られたリソースの中で、可能な限り効率的かつ信頼性のある審査を進めるよう努力してまいりたいと思います。
○津島委員 ありがとうございます。 委員長がおっしゃられた、行政機関としての規制委員会、その中で効率性を考えなきゃいけない、これは私もそのとおりだと思いますし、いろいろな議論はあると思うんです、いろいろな議論はあると思うんですが、リスク評価という考え方も一つにはあると思うんですね。リスクを低減する効果に比べて、時間、費用といったコストが大き過ぎる、そういった手法というものは見直していくことで、審査の迅速化に資するものとしていくという考え方もあろうかと思っています。 あとは、信頼性の原則について私が思うのは、規制の運用、解釈、そういったものの首尾一貫性ということが信頼につながっていくのではないかというのが私の考え方でございます。 どうもありがとうございます。 次に、我が党では、原子力規制に関するプロジェクトチームをつくりまして、あるべき規制行政について多方面からヒアリングを行った上で、平成二十五年十二月に緊急提言を取りまとめさせていただきました。 この緊急提言では、国民との対話、コミュニケーション、説明等の不足や、独立性、中立性への懸念といった事項が指摘をされております。つまり、独立性を重んじる余り、事業者さん、それから議会、立地自治体の住民などの利害関係者などのコミュニケーションチャネルが細いという指摘なんですね。 さっきの我が国の規制委員会の原則、「実効ある行動」には注記があるわけですね、文章で。以下の注記があります。「形式主義を排し、現場を重視する姿勢を貫き、真に実効ある規制を追求する。」と。私、現場重視というからには、さまざまな利害関係者とコミュニケーションを図ることも必要なんじゃないかと思うんです。 このような指摘に対して、この「実効ある行動」という原則を踏まえた上で、どのようなお考えをお持ちか、田中委員長にお伺いしたいと思います。
○田中政府特別補佐人 原子力規制委員会として、国内外の多様な意見に耳を傾け、孤立と独善を戒めるということは大変重要であるというふうに認識しております。これは、規制委員会の組織理念の中でも、活動原則として掲げているところでございます。 これも先生御指摘のように、いろいろな御意見があるのは承知しておりますけれども、私どもとしては、昨年の秋から、事業者、特に社長さんたちとのコミュニケーション、これはトップマネジメントが安全確保の上で最も重要であるという認識に基づいているところもありますが、事業者とのコミュニケーションについては、社長さんそれぞれと意見を交換する場を設けて、これまでに計六社、引き続き今月も東北電力さんと交換の場を設ける予定でありますけれども、こういった交換を実施してきております。 また、審査の途中でのいろいろな御意見もありましたけれども、審査の途中で余りいろいろな意見を聞くことが、状況によりますけれども、いろいろな問題の原因になりますので、いろいろな御意見の方がおられます。 そういうことで、まず私どもがとったのは、九州電力川内原子力発電所の設置変更許可後には、原子力規制庁職員が、設置変更許可に係る審査内容について、地元議会とか地元の住民への説明を行いました。また、高浜町につきましては、町長さんからの申し出がありまして、ビデオをつくってくださいということで、それについても積極的に対応して、そのビデオの評価についてはいろいろ御意見ありますけれども、一応そういう取り組みをしております。 コミュニケーションも、どういうふうにとるかというのは大変難しい問題だというふうに私自身は思っております。引き続き、多様な意見に耳を傾けつつ、原子力規制委員会として、科学的、技術的観点から最終的な意思決定をしていきたいというふうに考えているところでございます。
○津島委員 ありがとうございます。 さまざまなコミュニケーションをとる御努力をされている。引き続き御努力をいただきたいとお願い申し上げるとともに、思うんです、独立と孤立とは私は違うと思います。そして、立場の独立と判断の独立性、そういうことがあるんだろう。つまり、規制委員会として求めていくのは判断の独立性であって、判断をする上で必要な材料を得るためには、コミュニケーションをしっかりとっていく。 その上で、NRCのこの開放性の原則というのは、非常に示唆に富んでいる。はっきり、多様な関係者と、海外の原子力界とのコミュニケーション、そこまで踏み込んで、それで「コミュニケーション・チャネルを維持しなければならない。」と書いてある。非常にこれは示唆に富んでいるというふうに私は思っております。 ありがとうございます。 それでは次の質問ですが、角度を変えて、ちょっと田中委員長には一旦お休みをいただきます。原子力にかかわる人材について質問させていただきます。 人材ということは、規制行政を行う、担う人材ということでもあると思うんですね。規制委員会があって、そして事務局、スタッフとしての規制庁がある。その規制庁を担う人材としても、有為な人材を確保していかなきゃいけない。 では、全体として原子力を取り巻く人材の状況はどうかということを私なりに調べてみますと、原子力ルネサンスと言われた中で、平成十六年を境に一旦増加傾向だったんです、原子力関連の学部と学生数は。しかし、東日本大震災、あの原発事故があって、それを契機に減少傾向になった。 しかし、最近また回復傾向にあるというふうに聞き及んでおりますが、正確なところを、きょう文部科学省さんにおいでいただいていると思いますので、最近の原子力関連の大学、大学院の応募、入学状況、さらには原子力関係企業への応募状況まで、ちょっとお知らせいただければと思います。
○田口政府参考人 お答えをいたします。 文部科学省では、大学の学部及び大学院の専攻単位で原子力に関係するものといたしまして、名称に原子という単語が含まれているものについて調査してございますが、平成二十六年度の調査におきましては、大学の学部で三学科、それから大学院で九つの専攻が設置されてございます。 これらへの応募者数でございますが、平成二十六年度で八百九十二名、入学者数は二百九十一名となってございます。これは、前年度に比べまして、応募者数は三割増、入学者数は一割増ということになってございます。 また、一般社団法人日本原子力産業協会が原子力関係企業の合同就職説明会というのを主催してございますが、これへの参加企業、これも東日本大震災以後減少傾向にございましたが、平成二十六年度におきましては、前年度に比べて、参加企業数は三割増の四十七社、それから参加学生数はほぼ前年と同数の三百九十三名ということになってございます。 文部科学省といたしましては、各種の施策、事業によりまして、我が国に必要な原子力人材の育成に力を入れていきたいというふうに考えてございます。
○津島委員 文部科学省さん、ありがとうございました。志望者がふえているということは、非常に喜ばしいことだなと思っております。 一方で、企業への就職応募者もふえているということは、ある意味、規制庁側とすれば、有為な人材を確保するのが非常に難しい状況になっているとも言えるんじゃないかな。しっかりと人材を育てていくことに努める中で、しっかりと人材確保というところも、今後の規制庁、そして規制行政の中でお考えいただければと思っております。 それから、ちょっとまた視点を変えて、最近の我が国、そして世界各国の原子炉プラントメーカーを初め、原子力産業の状況について、きょう経済産業省さんにおいでいただいているので、ちょっと教えていただけますでしょうか。
○土井政府参考人 世界の原子炉プラントメーカーの状況についての御質問でございます。 スリーマイルアイランドでの原発事故やチェルノブイリの原発事故を契機にしまして、世界的に原発建設が停滞したのが一九八〇年代でございますけれども、それ以降、原子力プラントメーカーの国際的な再編集約が進展しておりました。 その後、地球温暖化問題への対応という観点から原発の重要性が再認識されまして、二〇〇〇年代半ば以降におきまして、今度は、我が国企業が維持してきた高い技術力との連携という形で原子力プラントメーカーの再編集約が進んできております。 具体的には、二〇〇六年には東芝による米国ウェスチングハウス社の買収、それから二〇〇七年には日立と米国GE社による日米新会社の設立というような、日米の原子力プラントメーカーの統合が進展し、日米の原子力産業における協力関係が非常に緊密化しております。 また、二〇〇七年には三菱重工業とフランス・アレバ社が中型炉の共同開発のための合弁会社であるアトメア社を設立するなど、フランスとの連携も進展してきております。 他方で、ロシア、韓国、中国にも大規模な原子力プラントメーカーが存在しておりまして、近年国際的な原発輸出市場に参入しているということも承知しております。 このような中、東京電力福島第一原子力発電所事故の経験から得られました教訓を国際社会と共有することで世界の原子力安全の向上や原子力の平和利用に貢献していくことが我が国の責務であると認識し、また、それが世界からの期待であるとも認識しております。
○津島委員 ありがとうございました。 高い技術力というのは、一つ、私はやはり大事なところだと。日本が高い技術力を有しているからこそ日米を中心に緊密な連携関係ができている、そういう世界の状況も、今後の原子力について考える上で大変考慮に入れるべき事項であるというふうに私は思います。 そろそろ時間が迫ってまいりましたので、本当はもう一問聞きたかったところなんですが、大変申しわけございません、割愛をさせていただきまして、ちょっとまとめに入らせていただきます。 私が規制委員会について取り上げてまたこれから議論をしていきたいと思ったのは、この規制委員会に求めたいのは、多様な関係者とのコミュニケーションを図るオープンなそういう組織風土をつくっていただきたいなということと、それから、先ほども申し上げました、判断における透明性と独立性をしっかりと両立させること、そしてそれを迅速に行うためのスタッフ機能として、法律に定められております放射線審議会、原子炉安全専門審査会、核燃料安全専門審査会を立ち上げ適切な助言をいただくということ、そして、有為な人材を規制庁として確保して事務局機能を高めていくなど、さまざまな角度からの検証と改革が必要だ、そのように考えたからでございます。 時間が参りましたので、今後ますます議論を深めていきたいと思っておりますので、これからまたよろしくお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○吉野委員長 次に、勝沼栄明君。
○勝沼委員 おはようございます。自由民主党の勝沼でございます。(発言する者あり)ありがとうございます。 本日は、二番バッターとして質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。本来、二番バッターは、一番バッターが塁に出たら進塁を助けてやるのが役目でございますが、津島先生の原子力規制委員会に関する質問とはちょっと趣を変えて、私は、我が国の放射線教育について何点か質問したいと思います。 やはり、原子力問題を考える上で、放射線に関する問題というのは切っても切り離せない問題だと思います。 福島第一原子力発電所の事故以降、放射線をめぐってさまざまな混乱がございました。まだ続いていると思います。それは、我々政治家や行政、そしてマスコミを含めて、国民全体の放射線に対する正しい知識や理解が不足していて、その普及が今まで決して十分ではなかった、そういうことを示していると思います。 しかし、我が日本国は唯一の被爆国であります。広島、長崎では被爆後五年の間に、広島では二十万人、長崎では十四万人の方がお亡くなりになっております。また、一九四七年に設立されましたABCC、いわゆる原爆傷害調査委員会、そしてそれを引き継いだ放射線影響研究所が、被爆者九万四千人と被爆をされていない方二万七千人を生涯にわたって追跡調査を行いました。そのデータが現在の放射線医学の基礎となり、ICRP、国際放射線防護委員会の方針の基本となっております。 つまり、現在の放射線に関する知見というものは、我が国同胞の多くのとうとい犠牲の上に成り立っているものです。 さらに、福島第一原子力発電所の事故以来、家を奪われ、ふるさとを奪われ、避難されている方々は、いまだ五万人近くいらっしゃいます。 したがって、我々日本国民は、こうしたつらく悲しい歴史、現実、事実、こういったことに真摯に向き合って、そしてそれを背負っていかなければなりません。だからこそ、最も原子力や放射線について知っている、理解している国民であるべきだと思っております。 また、決してあってはならないことだと思いますが、万が一つ原子力災害が起きたとき、稼働しているしていないにかかわらず、まだ冷温停止状態で原子炉は動いているわけですから、そういった可能性もあります、そういった場合に、正しい知識を持っていれば、正しい判断をして正しい行動がとれます。その結果として、被害を最小限にとどめ、そして早期の収束も可能となると信じております。 では、実際の教育現場での放射線に関する教育はどうなっているのか。 一九七七年に中学校の学習指導要領から放射線に関する記述が削除され、二〇〇八年になってようやくその記述が復活したと聞いておりますが、その認識で間違いないでしょうか。
○伯井政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘のとおり、中学校の学習指導要領におきましては、昭和五十二年、一九七七年の改訂において、理科の授業時数が削減されたことに伴いまして放射線に係る記述は削除され、その後、平成二十年、二〇〇八年に改訂した中学校学習指導要領におきまして、中学校理科の授業時数を増加させて内容を充実させたことに伴いまして、エネルギーを学ぶ中で放射線の性質と利用にも触れるというふうにしたところでございます。
○勝沼委員 ありがとうございます。 過去のことを余り言ってもしようがありませんし、時間もないので深く掘り下げませんが、約三十年間、中学校では放射線に関してほとんど教えられていなかったわけですね。高校に入っても、やはり物理や化学を選択しない限りそういった授業はないわけであります。 したがって、この三十年間、この時代に中学校、高校を過ごした方々のほとんどが放射線に対する知識がないまま卒業されているわけでございます。日本国民の放射線に関する知識が圧倒的に不足している、こういった背景には、やはりこういったことも明らかに原因の一つであると思います。 では、放射線教育が復活した二〇〇八年告示の学習指導要領がございますが、これが二〇一二年より全面実施されております。放射線教育に関しては、どういった内容で、またどういった点に気をつけて行うよう指導しておりますでしょうか。
○伯井政府参考人 お答え申し上げます。 現行の学習指導要領におきまして、中学校の理科では、放射線は自然界にも存在することや、放射線は透過性などを持ち、医療や製造業で利用されていることなどについて、また、高等学校の物理では、放射線及び原子力の利用とその安全性の問題などについて触れることにしております。 御指摘のように、放射線に関するさまざまな情報が氾濫する中で、各学校におきまして放射線に関して適切な指導を行うためにはわかりやすく適切な教材が必要であるということから、私ども、平成二十六年二月に、放射線についての科学的な知識の理解を助けるための放射線副読本を作成、配付したところでございます。 副読本では、放射線に関する知識に加えまして、福島で起こった原子力発電所事故のことや、事故によって多くの人々が大きな被害を受けまして、今なお困難な状況にあること等に触れるとともに、放射線に関する理解が十分でないために、風評被害やいわれのない偏見、差別が生じたこと等を紹介し、このことについて児童生徒に考えさせる内容になっているものでございます。
○勝沼委員 ありがとうございます。 私も何冊かちょっと中学校の教科書を拝見しましたけれども、各教科書とも、新しい学習指導要領に沿って、先ほど審議官がおっしゃいましたように、放射線が自然界に存在すること、また放射線と放射能の違いですとか、透過性の性質や利用例、また大量に放射線を浴びた場合の危険性等について触れる程度は記述しておりますが、やはり個人的にはまだちょっと物足りないかなというところは正直ございます。 ただ、今、審議官からお話が出ましたが、二〇一一年三月十一日のあの事故を受けて、やはりより放射線教育の必要性が高まったということで、今、副読本のお話が出ました。私もこれを読ませていただきましたけれども、さまざまな放射線に対する記述ですとか、そういった福島第一原発事故による福島の状況、また、放射線の人体に対する影響とか、網羅的に記載されて、初等中等教育で用いるものでは非常によくできていると思います。 これは多分希望者だけにお渡ししていると思いますけれども、この活用状況というのはどうなっていますでしょうか。
○伯井政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘の副読本につきましては、小学生用と中高生用の二種類を作成して、小学生用はより平易な記述にし、発達段階の内容に応じた内容にしておるわけでございますが、御指摘のように、希望した学校に合わせて配付しておりまして、合計一千二百万部配付を行っております。小学校用には六百万部、中高用で約六百万部ということですので、おおむね、多くの、ほとんどの、相当の小中高等学生には行き渡る形で配付をさせていただいているところでございます。 また、文科省のホームページにも掲載いたしまして、学校の実情に応じて適宜活用することができるような配慮もしているところでございます。
○勝沼委員 ありがとうございます。 先ほども申し上げましたが、やはりこれはよくできていて、これをしっかり使っていただいて、読み込めば最低限の知識が得られると思いますので、今後ともぜひ全国各地の学校でより一層活用していただければと思います。 ただ、やはり講義だけですと生徒も退屈しますし、また、ともすればテストのためにただ暗記する、そういったことになってしまいます。しかも、放射線というのは、身近に存在しながらも、実際に見ることはできません。 こういった中で、さらに放射線に関する知識を深めていく、それには、やはり放射線測定器具を使って実際に身近なものの放射能をはかってみたり、また、霧箱という箱があると思います。簡単に放射線を可視化できる装置ですけれども、それを使って見えない放射線を実際に見てみるですとか、それを使うと、やはりそれがアルファ線であれば例えば紙一枚で遮蔽できる、ベータ線であれば鉛を使えば遮蔽できる、そういったことを、放射線は実際に遮蔽可能であるということは実際に体験することはできるわけです。 やはり、こうして教科書とか副読本で得た知識を現象として体験すると生きた知識として生徒さんの中に残りますし、また、その体験を通じて、放射線源から離れると放射線量が減る、さらには、遮蔽もできる、そして、放射線量は時間とともに下がっていく、そういった放射線防護の基礎の基礎ですね、こういった基礎知識を実際に体験として学ぶことができると思います。 こういった実験器具、装置を使っての授業は非常に有益だと思うんですけれども、実際に各学校で、放射線を可視化するとか、そういった実験装置を使った授業とか、そういった使用状況というのは実際わかるものでしょうか。
○伯井政府参考人 御指摘のとおり、放射線測定器あるいは霧箱を用いることによって視覚的に理解できるということは、子供たちの学習にとっても非常に有効であるというふうに考えているところでございます。 しかしながら、実際の使用状況をつぶさには把握はしておりませんが、文科省では、教職員等を対象とした研修あるいは学校への出前授業等の事業を行っておりまして、そうした中で、放射線測定器とか霧箱を用いることなどによりまして、放射線について身近に感じて、理解が進むような工夫をしてきているところでございます。 引き続きまして、そういう測定器あるいは霧箱などの実験器具を活用しながら、児童生徒が効果的に放射線に関する理解を深めるよう、必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
○勝沼委員 ありがとうございます。 恐らくまだまだ多くの学校で多くの先生方が非常に苦労されていると思います。やはりこの実験装置、本当に非常に有用だと思いますので、引き続き、そういった出前授業ですとかそういった研修を行うことで、より一層活用していただけるようお願いしたいところでございます。 それで、ここでちょっと資料を一つ見ていただきたいんです。三十年間行われていなかった放射線の教育が復活し、二〇一二年からだと思いますけれども、つい最近です、その教える側の意識はどうなのかなと思って、資料を請求したんです。これは、先ほどの、放射線に関する教職員研修及び出前されている授業の実施事業についてというアンケートでございますけれども、その研修を行った、出前授業を受けたそういった教師の方だけの意識調査なんです。 これを見ますと、やはり、受ける前と受けた後でポイントが上がっているので非常に効果はあるなと思うんですが、理科の先生で、しかも放射線を教える、さらに言えば、こういった研修を受けていらっしゃったり出前授業を呼ぶというのは非常に意識の高い先生だと思うんですけれども、そういった先生にもかかわらず、こうやって見ると、放射線は身近な自然界にあるとか、ごく当たり前のことでも満点になっていないとか、その下の方に行って、実験装置を使った授業というのもほとんどできていないというのが実情だと思います。これは、でも、やはり教える側も非常に苦労されて今放射線教育を行っている、それが非常にこのアンケートからもわかると思います。 放射線に関することは、先ほども述べましたように、学校現場では長らく教わること、教えられることがなかった。だから、当然ではありますが、先生方も、放射線に関する教育もしたこともないし、受けたこともなかったと思います。 やはりここは文部科学省も、こういった職員の方々に非常に有効的な支援をこれからも行っていくべきと考えますが、その点について、よろしくお願いします。
○伯井政府参考人 御指摘のとおりでございます。 まず、指導する教員自身が放射線について科学的にしっかり理解し、適切に指導できる力を身につけていくことというのは極めて重要であるということで、御指摘の、こういう放射線に関する研修あるいは出前授業といったものを文科省の事業として実施をしているところであり、その結果、一定数ではございますが、受講者の理解が進んだこともあらわれているところでございます。 御指摘のように、それだけでは全ての先生方になかなか浸透しないということでございますので、このたび文科省では、希望する全国の小中高等学校に放射線副読本を配付しておるわけですけれども、その副読本をより効果的に活用する、指導のための参考資料で、可視化したDVDを作成して、このたび全国の小中高等学校に配付したところでございます。約四万五千部を配付したところでございます。 このような取り組みをさらに進めることによりまして、今後とも、児童生徒が放射線について科学的な知識を持って科学的に考え行動することができるよう、教員に対する支援を引き続き行ってまいりたいというふうに考えております。
○勝沼委員 ありがとうございます。 放射線に関する教育というのは、やはり今後の原子力規制に対する国民の理解に直結するものと思いますので、全省挙げてとは言いませんが、引き続き支援していただきたいと思います。 放射線は我々の身近に存在して、その恩恵で医学ですとか科学は飛躍的に進歩しました。一方で、大量に浴びることでがんの死亡率は上昇し、また、その汚染により、住む家、ふるさとを奪われた方がおります。やはり正しい知識がないと、使いこなすことはおろか避けることもできません。 冒頭で述べた傷害調査で明らかになったのは、統計学的に、被爆されていない方より被爆された方の発がん率が明確に上がったのは、被曝量二百ミリシーベルト以上です。百ミリシーベルト程度より低い線量では、発がんリスクの有意な上昇は認められておりません。これよりも低い線量域では、発がんリスクを疫学的に示すことができなかったということです。 遺伝的影響についても、いわゆる被爆二世の方々の、親の被爆の影響が見られた例は一例も見られておりません。これはあくまで事実でございます。 やはり、こういった知見をもとに放射線防護の立場からリスクを推定するために導入されたのが、閾値なし直線仮説と呼ばれる、放射線の被曝線量とその影響の間には閾値がない、そして直線的な関係が成り立つという考え方がございます。しかしそれは、低線量放射線被曝についてはその影響はよくわからない、よくわからないけれども影響があると考えておいた方が安全だという考えに基づいたもので、科学的には解明されておりません。だから仮説と呼ばれております。 これはあくまで放射線管理の目的でリスクを推定したものにすぎず、やはり低線量被曝は、実際にはリスクが小さ過ぎて、統計学的にも疫学的にもほかの要因とは区別ができないということもございます。 にもかかわらず、この仮説をもってのみ低線量被曝の評価をして、それを喧伝する声が後を絶ちません。こういった声は、やはり人々に誤解を与え、放射線に対する恐怖感をあおることとなっております。結果として風評被害を生み、正しい知識がないことでそれが助長される、そういった悪循環が生まれております。 これを断ち切るには、やはり事実に基づいたしっかりとした放射線教育を、子供たちだけでなく大人たちにもしっかり行って、非常に有用であるけれどもリスクがある、そしてかつ見えないこの放射線に対して、むやみに恐れるのではなく、正しい知識を持って正しく恐れる態度を醸成する、このことこそ大事だと考えております。 本日は赤池政務官お越しになっていただいておりますけれども、最後にこの点について、一言よろしくお願いいたします。
○赤池大臣政務官 委員御指摘のとおり、児童生徒が科学的に正しい知識を身につけ、柔軟に活用することができるということは、大変重要であるというふうに考えているところでございます。 特に、放射線に関しましては、委員が冒頭御指摘のとおり、日本は唯一の被爆国、その大変な経験の中から国際的にも大変有為な知見が蓄積をされているわけでありますから、東日本大震災の事故もございました、放射線が健康に与える影響等の関心が大変高まっている中でありますから、その性質や危険性について正しく理解するということは文部科学省としても大変重要だということは、もう既に審議官の方から御説明させていただいたところであります。 第一次安倍内閣で、平成十八年十二月に教育基本法を改正いたしました。それに伴いまして、教育内容、量、質、大拡充をいたしまして、その中で、先ほど御説明させていただいたように、放射線を学習指導要領に新たなる明記をして、教育を進めさせていただいているところでございます。 副読本の作成、配付はもちろんでありますが、学校教育だけではなく、幅広い生涯学習、社会教育の場でもこの副読本が活用できるような方策も、ぜひ検討させていただきたいというふうに思います。 今後とも、学校教育を通じまして、児童生徒が放射線を初めとする科学について正しい知識を持ち、科学的にしっかり考えて行動できるよう、科学に関する知識のさらなる充実に努めてまいりたいと存じます。
○勝沼委員 ありがとうございました。終わります。
○吉野委員長 次に、中野洋昌君。
○中野委員 公明党の中野洋昌でございます。 済みません、通告にはなくて申しわけないんですけれども、田中委員長に冒頭一問、一昨日の福井地裁での再稼働差しとめを求める仮処分決定についての受けとめを、ちょっと質問させていただきたいと思っております。 私も、決定の内容自体は拝見をさせていただきました。昨日、委員長が記者会見をされた。事実誤認も多い、こういうお話もされていたことも伺ってまいりまして、この福井地裁での高浜原発の再稼働差しとめを求める仮処分の決定に関しまして、改めて田中委員長、どういう受けとめをされているのかというのを、冒頭まず御質問させていただきたいと思います。
○田中政府特別補佐人 今回の仮処分については、私ども当事者じゃありませんので、余り詳細についてコメントする立場にはありませんので控えたいと思いますが、昨日プレス会見でも申し上げましたように、幾つか事実誤認がありましたので、そういうことも踏まえまして、私どもとしては、今、新しい私どもの規制基準を変えるというところまでは必要ないだろうという判断をしております。
○中野委員 私も、今後、司法の場においてどのような議論がなされているのかということにつきまして、引き続きしっかり注視をしてまいりたい、このように考えております。 引き続きまして、新規制基準への適合審査の体制確保、この点につきまして質問をさせていただきます。 平成二十五年七月に審査の申請が一番最初にあったということで、今、一年半が経過ということでございます。 私は、この審査に関して大事なことは、まず何よりも安全性を優先することである、このように考えてございます。また、基準地震動の策定など大変に難しい論点がある、こういうことも確かでございますので、しっかりと時間をかけて審査をする、これはもちろん大事なことだと思っております。ただ、実際にこの審査にかなり時間がかかっているのは体制が不十分じゃないのか、もっとしっかりした体制を整えた方がいいんじゃないのか、こういう御指摘もあることも事実でございます。 そこで、新規制基準への適合性の審査、この進捗状況に関する現状をどう考えているかということと、また、より充実した審査体制を確保すべきなのではないか、このように指摘をさせていただきますけれども、これについてどう考えておられますのか、御意見を伺いたいというふうに思います。
○櫻田政府参考人 今御質問ございました新規制基準への適合性審査、原子力発電所でございますけれども、現在、十一の事業者から、十五の発電所の二十四基の審査を進めている、こういう状況でございます。 このうち、先生も御案内のとおり、川内の一号機、二号機、それから高浜の三号機、四号機につきましては、設置変更許可というところまで至っております。 今御指摘ございましたように、進捗、なかなか進まないというところもございますけれども、これは、審査の過程においてさまざまな指摘がある、それに対して申請者が回答する、こういったプロセスを経ておりますので、申請者の対応によるところも多いんですけれども、審査側においても、効果的、効率的に審査を進めていく、こういうような工夫も行っているところでございます。 例えば、審査書をつくりますけれども、この内容をきちんと、基準の条文ごとに、内容とか審査の過程における論点とか、どういうふうに変えていったのかとか、そういったことも説明をいたしまして、後の審査に役立てるような形で使えるようなものにしよう、こういうようなことをやってございます。 それから、今御紹介しました設置変更許可に至ったものはPWRでございますけれども、少しおくれて申請のあったBWRにつきましては、複数の事業者を同時に扱う審査会合というようなことをやっておりまして、そうすると、同じような内容について何度も繰り返して説明を聞き、同じ指摘をするというようなことが避けられる、こういうことで、効率的な審査を行いながら、かつ実効的に審査についてもしっかり行う、こういうことができるかなというふうに思ってございます。 こういった工夫をすることによって、効率的に、かつしっかりと審査をするということを今後も進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○中野委員 審査に関しては、しっかりと厳格に、そして適切に行っていただきたい。その上で、やはりしっかりと審査をしていくためにも、この体制が本当に十分なのか、こういう点についても常に留意をしながら進めていっていただきたい、このように考えております。 続きまして、避難計画の策定について質問をさせていただきます。 原発の再稼働に当たりましては、やはり地域の住民の皆様の理解、これが何よりも大事である、このように考えております。そのためにやはり大事になってきますのは、地域防災計画の中で原子力災害にどのように備えるのか、この備えをしっかりしていくこと、このように考えております。 これについては、地方自治体に丸投げをするのではなくて国がしっかりと支えていくことが大事なんだ、こういう指摘を以前もさせていただいておりました。そして、国の方からも、地方でワーキンググループを設置してしっかりと支える、こういったいろいろな取り組みがなされている、このように聞いておるんですけれども、やはり依然として策定が進んでいないような部分もある。あるいは、実際に計画を立てても、これは実効性としてはどうなのか。では、例えば輸送の手段がどうやって確保していけるのか。 さまざまな場面で、これはもっともっとブラッシュアップをしていく必要がある、このように考えておりまして、その上で、やはり国の支援というものはさらに充実をさせていかないといけない、このように考えますけれども、いかがでございましょうか。
○山本政府参考人 御指摘のとおりでございまして、まず、地域防災計画あるいは避難計画につきましては、これは、地域の実情を熟知する自治体が中心となって策定することが適切であるということから、法律の災害対策基本法におきましては、各自治体が策定するということが責務になっております。 しかしながら、今御指摘がありましたように、地方自治体だけにこれを任せるのではなくて、やはり、国の関係機関が大きな役割を担うということが大変重要でございます。そうでないと実効性のある計画はできないというふうに考えておるところでございます。そのため、計画の具体化や充実化に国が関係自治体と一体となりまして取り組む、こういう姿勢で臨んでいるところでございます。 それで、御指摘のとおり、これまでワーキンググループという形でさまざまな形での支援をしておりましたが、この三月末にはワーキンググループの位置づけを変えまして、災害対策基本法に基づく国の防災計画をまず改定いたしまして、地域防災計画、避難計画の策定については、国の関与を大幅に強めること、そして自治体をしっかり支援するということ、そういう位置づけを明確にしたところでございます。 具体的に申し上げますと、まず、原発の所在地域ごとに、関係省庁あるいは関係自治体が参加いたします地域原子力防災協議会というものを新たに設置いたします。そして、国と自治体が一体となって地域の防災計画、避難計画の充実強化を進めてまいります。 その上で、地域の原子力防災協議会で、地域の防災計画あるいは避難計画が、原子力規制委員会が策定いたします災害対策指針に沿って、具体的で合理的なものであるかどうかということを詳細に確認いたします。 そして、その上で、内閣総理大臣が議長を務めます原子力防災会議で、国としてその実効性があるものであるということの確認、了承をするというものでございます。 さらに、計画はつくった、それで終わりではなくて、その実効性を確認するために、住民あるいは関係機関が参加した訓練を実施いたしまして、その訓練から得られました教訓、課題、反省点について協議会で検討した上で、計画のさらなる改善強化をする、いわゆるPDCAを回していくということを進めてまいりたいと思っております。 いずれにしましても、原子力災害の備えには終わりとかあるいは完璧というのはございません。この取り組みを各地域にしっかり定着させて、地域の防災計画あるいは避難計画の継続的な改善あるいは強化に努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○中野委員 ありがとうございます。しっかりと支えて、また国からの応援もしていっていただきたい、このように御要望させていただきます。 続きまして、廃炉、汚染水対策について質問をさせていただきます。 発災から東日本大震災四年ということでございます。先日、三月に、我が党でも東北の復興会議というものがございまして、福島県の皆様から、風評被害にも直結する問題であるこの廃炉、汚染水対策、やはりしっかりとやっていただきたい、こういうこと、改めて御意見をいただきまして、やはりしっかりやらないといけないな、こういう思いを新たにしたんです。 ただ、私、以前にも、福島第一原発視察もさせていただきました。発災当初の非常に大変な状況から、現場では本当に皆様に頑張っていただいて、着実に、いろいろな困難はあります、いろいろな困難はあってなかなか進んだり進まなかったりはあるんですけれども、全体として見れば、私は、この廃炉、汚染水対策というのは着実に前進をしている、このように感じておる次第なんです。 しかし、現場でどういうものが進んでいっているのかというのが、なかなか国民の皆様に伝わっていかない部分もある。やはり情報発信の仕方も含めてしっかり考えていかないといけないな、こういう思いもあるんですけれども、田中委員長に今回お伺いしたいのは、廃炉、汚染水対策に関するプロセスの進みぐあい、進捗状況に関して現在どのような評価をされているのか、これを率直にお伺いしたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。
○田中政府特別補佐人 先生御指摘のように、福島第一原子力発電所は、事故発生後から四年経過しまして、事故発生当初の非常にリスクの差し迫った状況から、応急措置を次々と実施して、かなり安定的な状況に向かいつつある。廃炉に向けて計画的な取り組みを中心に実施し得る状況が生まれてきているというふうには認識しております。 しかし、今御指摘のように、今でも汚染水タンクが日々増加しております。そういったことも含めまして、住民の不安を解消するというところには至っておりません。特に、こういった汚染水については、先日もデータ隠しみたいな話がありましたけれども、こういったことは厳に戒めなければいけないというふうに思っております。 それから、福島第一の状況がよくわからないというのも御指摘のとおりであります。私どももそのように感じまして、安全上の観点から、さまざまなリスクがありますので、それを整理しまして、中期的リスクの低減マップを本年二月に策定しました。 こういったものを踏まえて、今後、その進捗状況をきちっと監視し、指導してまいりたいというふうに思っております。
○中野委員 ありがとうございます。 先ほどまさに委員長が御答弁の中でおっしゃっておられた地域の住民の皆様あるいは国民の皆様への信頼関係の構築、こういう観点から、やはり、廃炉、汚染水対策に対する安全のマネジメント、これをしっかりやっていくことが非常に大事だと私も思っております。 昨年の委員会でも同様の指摘をさせていただいて、そのときは、ヒューマンエラーであるとか汚染水の漏れの問題に関していろいろな事故がまだよくニュースで出ていたこともございまして、しっかりトップマネジメントとしてこういう安全管理対策の意識を全体で持っていただかないといけない、それをしっかり指導していっていただきたい、こういう御要請をさせていただきましたけれども、本年の二月、また、先ほども御指摘があった、排水路からの汚染水の流出について情報の開示がかなりおくれた、こういうことがまだあるというのは大変私も遺憾に思っておるところでございます。 経営陣も含めて、しっかりと全体として安全のマネジメントの意識を持っていただけるように、引き続き規制委員会にはしっかりと指導していっていただきたい、こう思うんですけれども、現在このマネジメントの体制というのが確立されているのか、現状の認識、そして今後の取り組みについて委員長の御答弁を求めたいというふうに思います。
○田中政府特別補佐人 東京電力のトップマネジメントについては私も大変懸念しまして、一昨年の十月の二十八日に東京電力の廣瀬社長においでいただき、作業員の環境、サイト内の放射線対策の環境、それからさまざまなリスク低減化への取り組み等について求めたところでございます。 また、昨年三月二十日には再度面談をして対策の進捗状況について報告を受け、福島第一を最優先として、投資は惜しまないことや安心できる環境を整備するということを求めたところでございます。 東京電力では、労働環境の改善対策として、給食センターとか大型休憩所の整備、全面マスクの省略エリア、これは全面マスクをすることによって労働災害が起こる伏線になっておりますので、そういったことの拡大に取り組みました。 その結果、給食センターについては、本年三月三十一日に試験運用が開始されたということは高く評価しております。また、全面マスク省略エリアについては計画の前倒しがされており、大型休憩所の整備については達成時期が若干おくれているものの、いずれも本年五月までの達成が見込まれておりますので、確実に実現化されるものと期待しております。 また、本年に入りまして、二月二十七日には原子力規制委員会の場で廣瀬社長と議論する場がありまして、情報発信に係る社内コミュニケーションが根づいていない、先ほどのことを踏まえてでありますけれども、そういった反省の話がありました。社長みずからも反省しているというお話がありましたので、その点については情報共有のあり方についてさらに改善を求めたところでございます。 引き続き、東京電力とはよく話し合いをしながら監視、指導を強めていきたいと考えております。
○中野委員 ありがとうございます。 引き続き、やはり規制委員会のお立場は非常に大事だと思いますので、この点、本当に地域あるいは国民の皆様にしっかり信頼をしていただける体制を築くという意味からも、しっかりと指導し、また監視をしていただきたい、このように要請申し上げます。 最後に、ちょっと規制委員会に対する質問ではないんですけれども、現在、政府におきましてエネルギーミックスの議論がまさになされておるところでございますので、これに関連をして質問をさせていただきます。 私は、今回、エネルギーミックスの議論を進めていくに当たりまして、やはり再生可能エネルギーの導入というものをしっかりと加速させていく、これが非常に大事な論点なのではないか、このように思っております。 固定価格買い取り制度が導入をされまして、再生可能エネルギーの現在の量というのは非常に上昇いたしました。しかし、その中身を見ますと九割以上が太陽光発電だ、こういうことになっております。 この太陽光発電、例えば、曇りのときの発電量が晴れのときより非常に低い。出力としては不安定、稼働率としては低いという発電形態でございまして、いろいろな課題があるんだろうなと。他方は、地熱あるいは水力、こういった稼働率の高い再生可能エネルギー、こういうものもあるわけでございます。 ですので、再生可能エネルギーと一口に言いましても、どういった電源をどの程度導入していくのか、こういう議論をしっかりとやっていかないと再生可能エネルギーを着実に進めていくということにならない。この再生可能エネルギーのベストミックスというものもやはりしっかり考えていかないといけない。私はこのように思うんですけれども、この点について経済産業省はどうお考えか、御答弁いただければと思います。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、再生可能エネルギー、これはエネルギー安全保障あるいは地球温暖化対策の観点から大変重要な電源でございまして、政府としても、その導入を最大限進めていくという立場でございます。 ただ、固定価格買い取り制度開始後二年半たっております。その成果もありまして、導入量が約八割増加しているという状況でございますけれども、今御指摘ございましたように、太陽光発電中心の導入が進んだ結果、系統制約の顕在化、あるいは国民負担上昇の懸念等の課題が出ていることも事実でございます。 先般、電力会社の接続保留の問題がございましたときにおきましては、そうした再生可能エネルギーの中の電源の特性を踏まえまして、地熱あるいは小水力といったベースロード電源になり得るものについては優先的に受け入れをするなどの措置を講じております。再生可能エネルギーにつきましては、各電源の特性を踏まえてバランスのとれた導入を進めるということが大事だと考えております。 御指摘のありました再生可能エネルギーごとの具体的な導入比率を含みますエネルギーミックスにつきましては、年明けより専門の審議会で今検討をいただいているところでございます。再生可能エネルギーにつきましては、その最大限の導入、それから同時に国民負担の増大の抑制を両立させながら導入水準を検討するということとしておりまして、今後、各エネルギー源の特性やバランスを十分踏まえながら、できるだけ早くエネルギーミックスを取りまとめていきたいと考えてございます。
○中野委員 もう一問準備しておりましたけれども、時間が参りましたので、以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。
○吉野委員長 次に、荒井聰君。
○荒井委員 民主党の衆議院議員、荒井聰でございます。 先ほど自民党の先生方から低線量被曝の話がありましたけれども、低線量被曝というのは、民主党政権のときに初めて法律事項にしたんですね。それまで低線量被曝の話というのは法律事項にさえなっていなかった。 そして、何ミリシーベルト以下が安全かどうかということも定説がなくて、二十ミリシーベルトというのがICRPが出した基準なんですけれども、その基準も、私の知るところではNASAが宇宙飛行士のためにつくった基準から引用された。あるいは、日本政府の公式的な低線量の見解としては五ミリシーベルトというのが、職業上の障害だということで補償金が出た例が五ミリシーベルト。それから、一ミリシーベルトは、被爆者援護法で、広島や長崎の被爆者が一ミリシーベルト以上が原爆手帳を持つということから低線量被曝の議論というのはいろいろなされているので、単純に医学的に検証されていないから云々と、そういう問題ではないと思います。 そしてさらに、今最も福島の人たちが悩み苦しんでいるのは、政府なり公的な機関が本当に信頼できるのかどうかいう、そこにあるんだと思うんですね。それが原子力政策の信頼性にあるもので、この間の、この四年間の日本政府の原子力の政策というのはマイナスから始まっていったわけで、そのときに、少しでも信頼に足り得る人というのはどういう人なのか、福島の人から見てどういう人なのかというと、一緒に福島に住んだ人ですよ。低線量被曝だと政府が一生懸命言っているけれども、俺たちと一緒に住んでいた人なのかどうか、あるいは、そこに長く、ちゃんと仕事をしてくれた人なのかどうか、そこを問われているんですよね。 私は、田嶋君が、物すごく福島で、非常に影響力が強いというか尊敬されているんですよ、全然選挙区は関係ないんだけれども。それはなぜかというと、あの被曝事故が起きたときに半年間ずっとあそこにいたんですよ。彼らと一緒にあそこにいたんですよ。そういう人が今信頼されている。その中の一人の田中委員長もそうですよ。田中さんも除染作業に、ボランティアで伊達市に入り込んで一生懸命やられた。それが今に続いているというふうに、まず言及しておきます。 さて、きょう、この間で原子力の安全規制について基本的に問われる事象が一昨日福井地裁で起き、それから、昨年の七月に、アメリカのブルーリボン委員会が実施をした、アメリカのアカデミーが日本の福島の事象を調査して、幾つかのアメリカ政府に対する勧告ですけれども、この勧告は日本の原子力事業者にも参考になるだろうということを言及しているんですね。 まず、福井地裁について見解を、先ほど公明党の先生からもございましたので、もう少し私から詳しく言いますと、地震の想定が甘過ぎるだろう、それから、使用済み核燃料のプールが脆弱じゃないか、それから、新規制基準が、全体的にそれほど厳しくはないんじゃないかということを判決文の中で言っているんですけれども、これについてどのようにお考えですか。
○田中政府特別補佐人 福井地裁において、御指摘のような仮処分決定があって、私もその結果を読ませていただきましたけれども、原子力規制委員会として、本件は当事者ではないために、同決定について直接コメントする立場にはないというのが基本的なスタンスでございます。 ただ、今ありました、例えば使用済み燃料プールについての認識、これも事実誤認で、給水設備はSクラスですが、Bクラスというような記述もございますし、使用済み燃料は基本的には水が枯れなければ大丈夫で、そこのところについては十分に安全性を確認しております。そういったことがありますので、細かいことはいろいろ一々申し上げませんけれども、もう一つだけ申し上げますと、地震動についても、決して平均ではなくて、いろいろな状況、その特殊事情、そこの地域の特殊性を踏まえて、最大限の不確実性を考慮して、最大の地震動を設定させていただいている。 このことについては、逆に事業者とは我々も相当激しい議論をやった上で決めさせていただいてきているというところ等も、十分に御理解いただいていないところがあるなということもありまして、先ほど申し上げましたように、今の段階で我々の規制を変える必要はないというふうに認識しております。
○荒井委員 この福井地裁の考え方というのは、ドイツのメルケルが原発をやめたときに、あのときにメルケルは、委員会をつくって検討したんですけれども、その中に哲学者とか歴史学者とか倫理学者とかを入れたんですね、単なる技術者だけではなくて。それが結果的には国民の理解を得るんだということでそういう委員会をつくったんです。その考え方ととても似ているんですよね、この福井地裁の考え方というのは。 逃げないでというのはおかしいですけれども、田中さんは、今まで自信と誇りを持ってこの数年間仕事をしてこられたんでしょうから、その立場からしっかりと説明責任をされるべきだというふうに私は思います。これは当事者じゃないから、そういうことではないんだろう。 そういう形でいけば、やはり田中さんも政府の人間だから云々かんぬん、そういう論理の中で、少しでも原発政策のあるいは原子力政策の信頼性を回復するということ、それを回復することの障害になっていくというふうに私は思います。これは田中さん自身がお考えになることだと思います。 もう一つ、アメリカの上院だと思うんですけれども、ブルーリボン委員会に基づいて調査をしております。この調査報告はかなり精度の高いもので、アメリカの科学アカデミーがかなり力を入れてつくったものだと思います。 その中で強調しているのが、私の理解では、設計基準を超えることはたまたまあるんだ、その設計基準を超えたときにどうするのかということをちゃんと考えておかないとだめだよ、そういうことなんだろうというふうに思うんですよね。 設計基準というのは、何万年に一度起きるとか、安全率をどう見るかとかという、それが設計基準だと思うんですけれども、それを超えることが、いわゆる想定外ですよね。想定外が起きたときにどうするのかということがちゃんと事前にセットされていないといけないんだというのが、私は科学アカデミーの考え方だと思うんですけれども、田中さんは科学アカデミーのこのレポートを読みましたか。
○田中政府特別補佐人 一応拝見させていただいています。 本報告書の作成に当たりましては、私どもの更田委員がかなりその作成にサポート役としてコミットしておりますので、そういった点も含めまして、組織理念とか新規制基準の骨子ですね、今先生御指摘のように、いわゆる安全の考え方、設計基準の考え方等についてもいろいろ意見を述べさせていただいているというふうに承知しております。
○荒井委員 この中に、今まで私もほとんど考えたことがなかった磁気嵐の話が出てくるんですね。磁気嵐というのは、かつてカナダで大停電を引き起こして、ある地域が全く全電源喪失をした事象がありました。これは天文学者とかあるいは物理学者なんかではよく知られた事象だと思うんですけれども、こういうことに関して今の日本の安全規則、規制がしっかり対応できているかどうかとなると、私の知っている限りでは聞いたことがなかったなというふうに思います。 ところで、このブルーリボン委員会に基づいてアメリカの科学アカデミーが調査をしたんですけれども、これはいわゆる議会の要請によって、あるいは議会が事務局となって実施したというふうに私は理解をしています。 その機能が日本の議会にあるのか、似たような議会機能があるのかというと、それは調査室だと思うんです、あるいは調査局だと思うんですけれども、こういう大事なレポートなりがつくられていた、あるいはアメリカの議会がこういう活動をしていたということを、きょう事務総長は来ておられる。事務総長、答弁できますか。
○向大野事務総長 この報告書については、ちょっと私も存じ上げておりません。
○荒井委員 アメリカ議会はこの種の調査は物すごくたくさんやっているんですよね。それが日本に直接影響を与える場合も物すごく大きいんです。例えば従軍慰安婦の慰安婦の問題なんかも、あれはアメリカの上院だったと思いますけれども、それの調査レポートに基づいてどんどん大きくなっていった事例だというふうに私は承知をしています。 この種の対応が、私は国会事務局として端的に言えばシャビーじゃないかと。もっとキーンになって、あるいは自分たちみずから、行政府だけにやらせるんじゃなくて立法府でもどんどんやっていくということ。そのために予算が必要ならば、議運でもって、後でちょっとまた国会事故調の話をしますけれども、国会事故調のときにも、独自の予算をとって活動したわけですよね。そういうことをやっていくべきではないか。 単なる政府と国会議員とのやりとりだけじゃなくて、国会自身がもっと調査能力を高めていくということが必要だと思うんですけれども、どうですか、事務総長。
○向大野事務総長 全く先生のおっしゃるとおりで、我々も、調査能力を、しっかりこれからはつけていきたいと思います。 ただ、なかなか、どうしても受け身になっている部分はあると思います。その点も、これから先生方の御指導とかをいただきながら、しっかりやっていきたいと思います。
○荒井委員 それで、今、皆さんの手元に国会事故調の提言書というのをお渡ししてございます。 この国会事故調の提言書の第一、「国民の健康と安全を守るために、規制当局を監視する目的で、国会に原子力に係る問題に関する常設の委員会等を設置する。」この第一の提言でこの特別委員会は設置されたというふうに承知をしています。その中に、「この委員会は、最新の知見を持って安全問題に対応できるよう、」云々かんぬん「専門家からなる諮問機関を設ける。」そういう条項がございます。 似たようなことが、提言の七のところにも「独立調査委員会の活用」ということで出てきます。 安全問題をしっかり議論するということは、この国会事故調から始まったことであります。この委員会ができたその根拠にもなっています。 今いろいろ議論をしているときに、安全問題というのは物すごく専門的でありますから、そういう専門的な知見を持った人たちが調査室にもいないわけですから、この委員会が独立に諮問機関のようなものをつくって、そこで安全問題をしっかり広範囲に議論していく。 特に、先ほど公明党の先生からもございましたけれども、汚染水の話。あれを凍土壁工法でやる。凍土壁工法でやるということに関して疑問の声を呈する人はたくさんいるんです。私も土木技術者の端くれですけれども、本当にできるのかなというふうに思っていますし、やはり、そういうことをちゃんと議論していく、しっかり議論するためには、そういう専門的な知見を持った人たちで、国会事故調第二事故調みたいな大きなものでなくて、この特別委員会の中に、数人の方でいいですから、そういう人たちで恒常的に、常設的に議論していく、あるいは調査していく、調査権限も与える、予算も与えていく、そういうことを考える時期に私は来たのではないかというふうに思います。 これは、むしろ委員長に、私の方からのお願いです。何かありましたら。 もう一つ。 この委員会は、平成二十四年の七月五日に国会事故調の報告書が出ます、これが出ます。そして、どういう構成にするかということでずっと議論するんですけれども、結果的には、百八十二国会の、平成二十五年一月二十四日に、議運の理事会でつくるということを決めました。 委員会をつくるときに、これは多分公明党の先生方の主張が大きかったんじゃないかと思いますけれども、三つの事項について了解をしております。 一つが、原子力規制委員会の委員長は出席するということ。それから二番目が、法律の審議はやらないということ。三番目が、有識者、専門家の知見を求めるため、諮問機関、アドバイザリーボードを設ける、それが三番目に入っています。残念ながら、一、二は順調にやっているんでしょうけれども、三番目は私はできていないというふうに思います。 なお、この委員会は、今まで、発足をしてから実質審議を八回ぐらいしかやっていないんですね。確かに、国会議員だけで安全性という専門的な問題だとか、あるいは原子力行政全般をやるというのは大変時間的にも難しいですから、やはりこういう専門的な機関を私はつくるべきだというふうに思います。これは委員長、何か。
○吉野委員長 本件につきましては、国会事故調の提言にもございますので、本委員会では、国会事故調の提言を尊重して、今国会におきましても鋭意、理事会でただいま協議をしておるところでございます。
○荒井委員 もう一つ、もう一つというか、これは苦言を呈するんですけれども、原発行政の信頼性を回復するということの二つの大きな軸があると私は思うんですね。一つは安全性の問題です。もう一つは被災者の支援の問題であります。 その支援の問題の中に低線量被曝の話もあるんですけれども、それはおいておくとしても、被災者支援の中で、被災者にとって、希望の星というか希望のよりどころと考えておられる人たちがたくさんいるのが、子ども・被災者支援法なんです。 この子ども・被災者支援法という法律は、被災者の方で、避難した人もそこにとどまった人も同様に、ちゃんと救護活動を受けられる、健康管理についても受けられるということをうたった法律で、しかも超党派の法律なんです。 しかしながら、この法律、平成二十四年の六月にできているんです。これは基本法ですから、この基本法に基づいて政府は基本方針を定めるということになっているんです。ところが、この基本方針を定めたのが一年以上たってからなんです。平成二十五年の十月なんです。この十月にできたきっかけも、福島在住の被災者の方々が行政不服のための裁判を起こしたんですね。それがきっかけになったと私は思っているんですけれども。 どうしてこれは一年半も放っておかれたのか、どんな理由があったのか、やる気があったのかどうか、それをちょっとお答えください。
○熊谷政府参考人 お答え申し上げます。 子ども・被災者支援法は、超党派の議員立法によりまして、全会一致で成立したものと承知をいたしております。 その基本方針の策定におきましては、法の趣旨や立法時の議論などを踏まえまして、さまざまな観点から総合的な検討を行う必要がございました。例えば、支援対象地域や一定の基準については、子ども・被災者支援法案の国会審議の際にも、線量数値で国が勝手に線を一方的に引くことでコミュニティーを分断してはいけないとか、あるいは、多様な事情を総合的に勘案して決めていく必要があるといった議論があったと承知をいたしております。 このような点についてさまざまな検討を行ったため、基本方針の策定までに一定の時間がかかったと理解をいたしております。
○荒井委員 私は、役人時代によく上司から言われたものですよ。三カ月でできないのはできないんだと。三カ月でできない場合には、できませんと言えというふうに言われたことがあります。 これは一年半ですよ。どういう事情があったか知らないけれども、やりたくなかったということが根底にあったからやらなかったんじゃないかというふうに、私もとっているし、あるいは被災者の人たちもそういうふうに思っていますよ。だから裁判を起こしたんですよ。それは、政府として原子力行政の信頼を回復しようというのが、今、政府の最大の眼目のはずですよ。それは大いに反省するべきだと思います。その反省の過程の中で、特定の担当者が要らないことをツイッターでしゃべったりとかですね。 それから、今回は、四月四日の毎日新聞朝刊に出ていましたけれども、自主避難者に対する家賃の負担は行わない、求償しないということが書かれていました。この話は、現在は多分、家賃については相当な支援が行われているわけですけれども、それがなくなる、あるいは、今後この問題に関して大きなトラブルが発生するだろうということを予感させる、そういう記事なわけですよね。これは誤りですか。はっきりさせてください。
○兵谷政府参考人 お答えいたします。 東電への求償に関する報道がなされておりますが、東日本大震災の応急仮設住宅の提供につきましては、発災当初から災害救助法に基づく応急救助を実施しておりまして、これは、地震とか津波、原子力災害等を分けずに、東電が原因者である場合も含めて一律に取り扱っております。 現時点におきまして、今、求償は行っていないんですけれども、求償の範囲についての考え方等の整理が必要でございますので、東京電力や福島県の関係者との間で調整を行っているところでございまして、引き続き調整を進めた上で求償を行ってまいりたいと考えております。
○荒井委員 調整とは何ですか、何のことを言っているんですか。具体的にもう少し説明してください。
○兵谷政府参考人 お答えいたします。 地震、津波、原子力災害を、この場合、区分けをせずに全部一律で取り扱っておりますので、あるいは原子力災害の場合でも、避難場所等々も考慮せずに全てまとめて災害救助法で仮設住宅等の提供を行っております。 そういった意味で、どの対象者あるいは求償項目でも、避難所の設置とかいろいろな、炊き出し等の経費もどこまで対象となるのかといったこと、さらには過去の事例、ジェー・シー・オーの臨界事故等がございましたが、そういったものとの比較等もございまして、そういったことを、現在、東京電力や福島県等の関係者の間で調整を行っているというところでございます。
○荒井委員 被災者にとって一番関心があるのは、今行われている住宅支援策、それが打ち切られるのかどうかということですよね。 現在、支援されているわけですよね。それを、今回のこの調整によって打ち切られる可能性があるということを言っているんですか、どうぞ。
○兵谷政府参考人 お答えいたします。 東電が原因者となるものについては、東電の側の方に求償していくというのが原則でございますので、それを、国と東電との関係で、今どの範囲が求償すべき額なのかということを調整しているということでございます。
○荒井委員 現在、災害救助法で避難した人に対して避難を、何かよく、東電との関係で云々かんぬんという、そういう形で打ち切るとしたら、これはそんなことにはならないというか、なり得ない、行政としてそれは避けなければならないというふうに私は思います。ということを指摘しておきます。 あと、時間がちょっとしかなくなったんですけれども、先ほども公明党の先生からエネルギーミックスの話が出ました。 新聞でいろいろと報道されているところによると、エネルギーミックスの原子力の比率が二〇%前後ではないかというふうなことが書かれています。一部には、自民党の先生方は、党の中では二二%といったようなことを議論されているというようなことも、新聞記事として出ておりましたけれども。 ただ、原子炉規制法というのは、あの事故のときに原子炉規制法の改正をやったんですね。当時は民主党政権だったですけれども、これは、でも、当時の自民党あるいは公明党さんとも協議をして、全党一致だったと思います。原則四十年なんです。原則じゃない事例は、厳しく審査をしていきます、あるいは運用していきますということで、原則四十年なんですね。 原則四十年でいくと、全電源の一五%にもならないと思うんですけれども、それが二〇%ぐらいまで上がるということは、四十年を超えた原子炉の大体三割から四割ぐらいを四十年を超えて稼働させるということを意味するんじゃないですか。きょう、エネ庁か誰かいますか。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘のエネルギーミックスにつきましては、各分野の専門家あるいは消費者の代表等の方々によりまして、審議会で今まさに御議論をいただいているところでございまして、現時点で特定の水準について政府が決定したということはございません。 いずれにせよ、エネルギーミックスにつきましては、安定供給、コスト低減、温暖化対策、安全性のいわゆるスリーEプラスSを基本に、各エネルギー源の特性や各エネルギー源のバランスを十分考慮して、現実的かつバランスのとれたものとして作業を進めているところでございます。 今御指摘の四十年運転制限制でございますけれども、これにつきましては、法令に基づき事業者が申請した場合において、原子力規制委員会が法令に定められた基準に適合するかどうかの審査を行い、その判断が尊重されるものというふうに考えております。
○荒井委員 福島の第一原発、最初に爆発した事故の、あれは四十一年目の原子炉ですよ。四十年の原則、あのときもあったんですけれども、弱かったんですね。あれがしっかり守られていれば、あの福島の第一原発の事故というのはなかった可能性が高いんですよ。 それで、この原則ということを非常に重んずる法律の書き方にしたんですよ。それをなし崩しにしちゃう。ということは、法の趣旨をよく理解していないということじゃないですか。原則が原則じゃなくなっているということを意味していませんか。もう一度、高橋さん、答えてくれるかな。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。 原子炉運転期間延長制度につきましては、原子力規制委員会において運用される制度でございますけれども、これ自体につきましての理解といたしましては、法令に基づき事業者が申請した場合におきまして、原子力規制委員会が判断されるものと承知しております。
○荒井委員 それがだからおかしいと言っているんですよ、僕は。原則をほっぽっておいて例外を大々的に取り入れるような計画をつくること自体が、政府の姿勢としてはおかしいということを私は言っているんですよ。そうじゃないですか。 それでは、百万キロワットの原発一基を稼働させるとどのぐらい、あなたたちの計算では電力料金のコストは下がるというふうに見ているんですか。そんな計算をしたことはあるか。ないか。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。 これは、それぞれの電力会社がその代替の燃料をどういう構成でやっているのかということにもよりますし、その原子力発電所がどれぐらいの設備利用率で運転するかによっても変わりますので、具体的な数字として、私どもとして今持ち合わせているものはございません。
○荒井委員 これは、エネルギーミックスですから、エネルギー全体の話をしているわけですよね。エネルギー全体で、電力のところのエネルギーというのは大体全部で三割、三〇%ちょっとでしょう、三〇%以下でしょう。その三〇%ちょっとのところの一五なのか、二〇なのか、一〇なのかというそこのところは、話していると、三〇の中の一〇%か、二〇%なのかというのが原発の比重の話でしょう。エネルギー全体でいけば非常に小さいですよね。数%の話ですよ。 その数%の話のところで、原子力を積極的に推進するというような、エネ庁としてはそうやりたいんでしょうけれども、そういう姿勢を示すことがどれだけ意味があるのか。あるいは、どれだけ日本経済全体に与える効果としてカウントできるのか。それよりも、そのことよりも、原子力行政に関する信頼を回復するということの方がはるかに大きいことなのではないですかということを私は言っているんです。これは誰に答えてもらうのかな。経産省に答えてもらうというのもあれだな。同じだろう。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。 エネルギーミックスにつきましては、それぞれのエネルギー源の特性を踏まえて、バランスよくスリーEプラスSを達成するために作業しておりますけれども、いずれにいたしましても、政府といたしましては、原子力依存度は、徹底した省エネルギーの推進、それから再生可能エネルギーの最大限の導入をしつつ、可能な限り低減をするということが基本方針でございます。
○荒井委員 今私が最後に言いましたように、原子力行政をもう一回再構築するということは並大抵のことじゃないと思うんです。その意味では、田中委員長も頑張っておられるし、それぞれの人たちがそれぞれの立場で頑張っておられると思うんですけれども、もう一回国民の信頼を取り戻すためには何が一番必要なのか、これは国会自身も考えなければならないということだというふうに思いまして、ぜひ諮問機関をつくっていただけるように委員長にお願いをして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○吉野委員長 次に、馬淵澄夫君。
○馬淵委員 民主党の馬淵でございます。 まず冒頭、これは、ことしの二月に報じられましたいわゆる東電の相変わらずの情報公開に対する後ろ向きの姿勢、また、規制委員会そのものの管理監督に対する不十分な姿勢、これらにつきまして指摘が繰り返されましたK排水路の汚染水問題について、これをお尋ねさせていただきます。 まず、委員長に、K排水路の汚染水問題、その後、規制庁として、規制委員会としてどのような状況把握をされているかということを端的にお答えいただけますでしょうか。
○田中政府特別補佐人 お答えを申し上げます。 K排水路を含めまして本年二月二十四日に実施した東京電力との面談において、平成二十六年四月から本年一月にかけて、K排水路に流れ込む二号機原子炉建屋大物搬入口屋上のたまり水や降雨時にK排水路において比較的高い濃度の放射性物質が計測されたとの報告を受け、当該たまり水が流入するK排水路内を調査し報告することを求めております。 その後、三月四日に開催した検討会において、東京電力より、K排水路に関するデータについて社内の情報共有が十分でなかったこと、K排水路について港湾内に移行する予定等の説明があり、原子力規制庁より、K排水路を含めた全ての排水路における放射性物質の量や核種等を調査するよう指示を行いました。 また、三月二十五日に開催した検討会において、原子力規制庁より東京電力に対し、放射性物質の濃度及び流量の継続的測定、排水路の水の放射性物質濃度の低減対策、汚染の性状に合わせた拡散抑制措置、これは排水路流路を港湾内につけかえるということでございますが、そういったこと、それから港湾内のモニタリングの測定頻度を増すことといったことを求めまして、三月三十一日に東京電力からこれらの措置を反映した実施計画の変更許可申請を受理したところでございます。 原子力規制委員会としては、この実施計画を含めまして、引き続ききちっと東京電力の取り組みを監視、指導していきたいと思っております。
○馬淵委員 予算委員会等、また予算以外の委員会でも再三指摘をされてきたことに対して、今お話では、三月三十一日、実施計画が提示をされて、それに対する執行をしっかりと監視していくということだというふうに承ります。 私がこの問題について申し上げたいのは、一年近く汚染状況が明らかにされずに、公開に対しても非常に後ろ向きであったと言わざるを得ない状況。結局は、ガバナンスの欠如ということをあの中でも各委員が指摘をされてきたかと思います。やはりここは、国の東電に対するガバナンスの欠如、構造的な欠陥があるのではないかということを、私自身は、再三、この原発問題にかかわりながら、繰り返し指摘をしてきたところであります。 その中で、規制庁、規制委員会としては、今お話しいただきました五点ほどの対策について、計画の執行を見守るということだと思いますが、東京電力の情報を隠そうとする姿勢、これに対して規制委員会としてはどのように捉えておられるのか、また、その体質に対しての対処というものについてはどうお考えになっておられるか。これは、田中委員長、お答えいただけますか。
○田中政府特別補佐人 先ほどもお答えしましたが、情報はやはり速やかに全て開示するということが国民あるいは住民の信頼を得る上で基本となるものということだと思います。 いわゆるガバナンスにつきましては、これも先ほど申し上げましたけれども、一昨年、二十五年の秋に、いろいろ私自身も大変懸念しまして、東京電力の廣瀬社長においでいただいて、相当細かい注文をつけてまいりました。それもフォローアップもしてまいりました。 私は、いまだにまだ今回のような事態が起こっているということについては、十分ではないというふうに認識しておりますので、引き続きその点については注意を払っていきたいと思っております。
○馬淵委員 今委員長から明確に、いまだにまだ十分な状態ではないという御懸念をお持ちだということで、厳しい監視の目を向けるという決意をいただきました。 私も懸念しておったのは、三月四日の委員長の会見録の中では、これは仕方がないと思いますが、一義的には、廃止措置の事業主体、責任は東電であり、箸の上げ下げまで技術指導する立場でもないということで、汚染状況の把握や、あるいは実態、事業者に責任がこれはあるのだという御発言がありましたので、少し規制委員会としても隔靴掻痒の部分はありながら、若干引いているところがあるのではないかと心配しておりましたが、今、明確に田中委員長からは御決意をいただけたというふうに伺いました。 その上で、今、三十一日の実施計画のお話がございましたが、ここでは、情報公開に関する新たな仕組みとして、新たな公開ルールと運用実績は定期的に社外からの監視、評価をいただきということで方針を打ち出されております。 これに関して、規制委員会の側で、監視、評価について、現在、具体的な取り組み、仕組みの構築というのを何か検討されているのか、あるいは示唆をされているのか、これについてはいかがでしょうか。
○田中政府特別補佐人 東電からの情報につきましては、当然、駐在している職員、それから、こちら側におりますいわゆる廃止措置グループの一Fの担当職員がおりまして、日々いろいろな情報を聴取するように努めております。 それと同時に、これは更田委員と田中知委員が中心になって進めております監視・評価検討会というのがありまして、これは大体一月に一回ぐらいは行っております。こういうところで、さらに、今回のような事例もございますので、先生御指摘のように、東京電力の取り組みの状況については十分な説明を求めていきたいというふうに思います。
○馬淵委員 今の御説明で監視・評価検討委員会、これが、東電が示した新たな情報公開の仕組みの中での社外から監視、評価をいただく仕組みである、規制委員会としてはそのように考えているということでよろしいですか。これもイエス・オア・ノーでお答えください。
○田中政府特別補佐人 私どもとしては、そこが最も適切なところだというふうに判断しております。
○馬淵委員 確認させていただきましたが、ここはぜひしっかりと、ガバナンスの欠如、欠陥、これは構造的な問題だと、もうずっとこの四年間、我々は指摘をし続けてきたわけです。当事者でもありました。その上で、やはりガバナンスの欠如ということにつきましては、ここは、今こういう時点でこのような状況があるということを確認しなきゃならないというのは非常に残念なんですが、そのことは、今、田中委員長の御答弁の中でまた確認をさせていただいたということであります。 続いて、再稼働問題も含めた運転延長に関してのことにつきまして質問させていただきます。 お手元には、資料の配付をお許しいただきました。配られておりますでしょうか。 こちらには、まず一枚目には、これは自民党の部会ですね、調査会で四月の七日にまとめられた調査会の資料でございます。これは一部抜粋でこちらに載せましたが、いわゆるエネルギーミックスに関する提言をまとめられたということであります。ここには、下線部でございますように、「経済効率性」というところで、このような記述があるということで書かせていただきました。 電力コストは震災前に回復させることを目指して、そしてこれを実現するために、「欧米の多くの国で、漸減傾向にあるが現状六割以上となっているベースロード電源の比率について、わが国において国際的に遜色のない水準を確保する」、このことが「経済効率性」という項目の中で記されております。 これについて、私、昨日も経産委員会で質疑をさせていただきました。経産大臣、宮沢大臣は、党の提言をしっかり受けとめたい、これをベースとするというわけではない、十分に配慮をするということはおっしゃっておられました。党の提言を踏まえて、できるだけ速やかにエネルギーミックスをまとめていきたい、このように述べておられます。当然ながら、与党でおられるわけですから、そこは平仄を合わせておられることは十分承知をしているつもりです。 その上で、先ほども議論の中にありました、ベースロード電源の話でありますが、これは四つの発電形態ということになります。一般水力、地熱、原子力、石炭火力、こういった四つの発電形態の中で、現時点では四割です。二〇一四年度では原発はゼロです、ゼロ%という状況。 この四割の中でどのような形で積み上げられるかということになりますが、当然、石炭火力に関して、これはいろいろな取り組みがありますけれども、いわゆるCO2の排出に関しては、再生可能エネルギーや原子力、あるいはその他天然ガスなどに比べても、なかなか削減効果ということが困難であるというようなことから、我々としては、削減目標を掲げる責務がある中では、この発電量を伸ばしていくのは難しい。水力、地熱に関しましては、これはある程度、大規模な設備投資、建設等にコストもそして時間もかかる、こういう状況で、大幅な比率増加は難しい。 結論とすると、この六割という数字、これにこだわるものではないとされながらも、既に出ております。与党からも提示をされ、そして、長期需給見通しの小委員会の中でも、六割が望ましいということが再三委員の中からも指摘をされ、事務局からもそのような、誘導ともとれるような指摘がなされているわけでありますが、六〇%、六割、そこに、現状の四割を差し引くと、二〇%以上の原発の比率を確保しなければベースロードとしては確保できないということになります。 一方、先ほど議論にありましたが、四十年の運転制限のルールとの兼ね合いも含めて、なかなかにこれは高いハードルがあるのではないかということであります。 そこで、委員長にお尋ねをします。 委員長はかねてより、四十年を超えて運転するというのは非常に高いハードルである、このように述べてこられました。今もこの考え方には変更はありませんか。いかがでしょうか。 〔委員長退席、鈴木(淳)委員長代理着席〕
○田中政府特別補佐人 結論から申し上げますと、なかなか大変なハードルだろうというふうに思っております。 現在、四十年近くを経過した高浜一、二号機、美浜三号機について、新規制基準適合性の申請がありましたので、その審査を進めています。ただ、運転延長認可に係る申請はまだ提出されていないため、これらの中身について詳細にここで述べることは差し控えたいと思います。 一般論的に申し上げますと、新規制基準に係る審査では、新たに要求することとなった津波、火災防護対策、重大事故対策等については、基準への適合性を厳正に確認させていただいているところでありますので、運転期間延長認可に係る申請とあわせて、こういった対策も求めることになりますので、こういったことが非常に高いハードルである。 それから、延長期間二十年ということになりますと、その間の劣化についても適切な評価を、技術的な評価あるいは保守管理の方法とか、こういったことについても十分検討しなければいけないということで、そう低いハードルではないということには変わりありません。
○馬淵委員 やはり高いハードルですよね。私もそのように思います。新基準の規制を満たした上で、お話がありました劣化に対してということで、延長しようとする期間における健全性を保持しなきゃならない、いわゆる二重の審査を経なければならないということでありますから、そこは高いハードルがあるんだというふうに思います。 先ほど委員長からもお話がありました高浜の一、二、そして美浜の三、これが三月から審査申請ということで出ております。また、四月二日には再稼働に必要な安全審査に着手したというふうに伺っておりますし、いずれにせよ、三基とも三十八年から四十年という長きの期間を運転してきたものでありますから、こういう状況の中で、大変厳しい審査をしていただかねばならないわけでありますが、この三基についての審査の現状、見通し、これについて、どの程度期間がかかると見込まれるかということについて、端的にお答えいただけますでしょうか。
○櫻田政府参考人 お答えいたします。 今お尋ねございました高浜一号、二号、それから美浜三号、これは、先ほど先生からも御紹介ありましたように、ことしの四月になって審査をまさに開始したばかりでございます。通常、審査会合において審査の概要を聴取して、二回目に主な論点というものを提示いたします。今のところはそこまで進んでいるという状況でございますので、この時点で、どのくらいの審査期間がかかるかということについては、今、見通しを申し上げるような段階ではないというふうに考えてございます。
○馬淵委員 では、重ねて確認ですけれども、ある程度時間がかかるというふうにお考えでしょうか。いかがでしょうか。
○櫻田政府参考人 具体的なところはなかなか申し上げにくいですけれども、そんなに簡単に審査が終わるということではないというふうに考えてございます。
○馬淵委員 先ほど来ありましたように、新規制基準に加えて健全性維持という部分で、ここは極めて慎重な審査が必要であるということを確認させていただきました。 そして次に、廃炉についてであります。 これも、先ほどお配りをした資料にございます。規制庁からいただいた資料で、これは運転開始からの年数の一覧表であります。現時点におきましては、四十年を超える原発五基と、三十五年以上に限っても十二基という中で、今、現時点では五基、関電の美浜一、二、原電の敦賀一、九電の玄海一、中電の島根一、これが廃炉が決まっているということであります。 これも、規制委員会、規制庁で、これに対しまして、廃炉の対応というものについては、どのような状況になっているのか、また、四十年制限を超える、制限制の中でこれを迎える原発の廃炉は今後進んでいく、その他の原発も進んでいくとお考えになっておられるのか。委員長、これはいかがでしょうか。
○田中政府特別補佐人 先生御指摘のように、今回、五つの原子炉が廃炉を決めたわけでございます。 廃炉にするかどうかということについては私どもが関与するところではございませんけれども、廃炉措置に入った場合には、廃炉に係る規制に基づいてきちっと、安全に廃炉が進むようにしていきたい、そういうふうに指導してまいります。 それで、もう一つの問題は、廃炉に伴って出てくる廃棄物の問題につきまして、これは、特に放射能レベルの高い廃棄物については、余裕深度というような、少し、地下に埋設するようなことの問題がありまして、これについても早急に、規制基準を整備すべく、今取り組んでいるところでございます。 〔鈴木(淳)委員長代理退席、委員長着席〕
○馬淵委員 これはもう事務方で結構ですが、今、廃炉につきましては、最終的には事業者の判断になるということでありますが、廃炉に伴う手続の段階でいうと、現時点では電事法上の廃止届だけということであって、今後、廃炉に関しては事業者の判断ということになりますが、残りのプロセスは、どういうプロセスがありますか。これは事務方で結構です、簡単で結構です。
○櫻田政府参考人 手続でございますけれども、原子炉等規制法におきましては、原子炉を廃止する段階になりましたら、廃止措置計画というものを提出させて、これを認可していく、その認可によりまして、廃止措置の段階における安全が確保されるのかを確認していくということになります。
○馬淵委員 今後、これから、まさにこれからなわけでありますが、廃炉について、電力会社の判断ではあるが、少なくとも、今後の廃炉というものが当然ながら次のステップへと進んでいく可能性が十分あるということも確認をさせていただいたところであります。 さて、今、私の方からは、廃炉と運転延長についての審査状況を確認させていただきましたが、続いて、これも確認をさせていただきたいのですが、PWR、いわゆる加圧水型の原子炉に関しての審査状況、これは、先ほど高浜一、二と美浜三ということで、現状を確認させていただきたいんです。これは事務方でも結構です。PWRの三基の審査状況の現状、見通し、どのようになっているでしょうか。お答えいただけますか。
○櫻田政府参考人 お答えいたします。 先ほど御質問いただいたところでお答えいたしましたが、高浜の一号、二号、それから美浜三号につきましては、原子炉設置変更許可あるいは工事計画の認可、こういったものについての申請をいただきまして、審査を開始したというところでございます。 具体的には、この二つの発電所三基について、審査の概要を聴取するという審査会合を一回やり、また、二回目の審査会合において、主な論点というものを提示するというところまで進んでおります。 これから、具体的な中身についての審査を開始していく、そういう段階になります。
○馬淵委員 これは設置変更許可も含めて進んでいるということの御説明をいただきました。 ある意味、PWRの審査に関しては、これは進んでいるという現状だという認識でよろしいでしょうか。
○櫻田政府参考人 先ほど高浜の一号、二号、美浜三号という三つの原子炉施設についての状況を御説明いたしましたが、そのほか、PWRにつきましては、全部で十五の原子炉施設についての審査を今やっているところでございます。 川内の一号、二号、それから高浜の三号、四号については、原子炉設置変更許可まで至っているという状況まで進んでございますし、そのほかについても、それぞれ早い遅いございますけれども、着々と審査を進めている、こういう状況でございます。
○馬淵委員 PWRは着々と進んでいるという上で、BWRの審査の状況についてお尋ねしたいと思います。 これに関しては東電の問題に絡めてお尋ねをしたいんですが、今後の事業計画において重要な意義を持つこれは柏崎刈羽、KKの審査に関してであります。 これは、東電におきましては、再稼働が総特の想定から一年近く遅延して収支に大きな影響を与えているということを認識しながらも、当然これについては進めていくという方向で東電は事業計画を立てております。今後の終了の見込み、あるいは審査状況の進展ぐあい、これはどのような状況でしょうか。お答えいただけますでしょうか。
○櫻田政府参考人 お尋ねの柏崎刈羽原発の審査でございますけれども、これにつきましては、先ほど御紹介いたしましたPWR、先行しておりましたものに比べて、少し申請の時期が遅くなりました関係もありましてそのPWRの先行のものに比べるとおくれた形になってございますが、先ほどのほかの議員へのお答えの中にも御紹介しましたように、BWRにつきましては、複数の事業者の申請を同時に扱うような会合を行うというようなことによって効率化も図ってございまして、おくれを取り戻すように、しっかりと今、迅速にかつ中身のある審査を行うということで進めているところでございます。 ただ、まだこれは審査の途中でございますので、今後の見通しがどの程度になるのかというところについては、今お答えできるような状況ではないというふうにお考えいただければと思います。
○馬淵委員 この柏崎刈羽、今のお話では、ちょっと見通しというのは今立っていない、少なくとも答えられない状況だというお話でありました。 地震、津波関係でのこの審査、敷地及び敷地周辺の地下構造、あるいは断層の活動性評価、地震、地すべり、津波の評価、これを実施中であるということと、また、プラント関係においては、確率論的リスク評価、有効性評価、格納容器の圧力逃し装置、いわゆるベント、外部火災、内部溢水などの審査実施、そういう状況だというのは確認をさせていただいたところでありますが、このいわゆるフィルターつきベント、これについては審査会合は四月七日に行われたと東電は発表しております。この内容についてはどういう状況でしょうか。
○櫻田政府参考人 フィルターベントにつきましては、四月七日の審査会合でもやりましたけれども、その前にも何回か審査会合で扱ってございます。 ベントにつきましては、そのベントの性能、これはどのくらいの状況で放射性物質が入って、そのうちのどのくらいの割合のものをこし取ることができるのかといった話でございますとか、そういうハード的な内容に加えまして、そのベントを構成する系統のバルブの状況がどうなっているのかというような話でありますとか、あるいは、もう少し進みますと、どういう状況になったときにベントをするのか、そのときの手順はどうするのか、その際の作業員の被曝状況はどのような形で評価されるのか、こういったようなことを順次審査していくということになろうかと思っております。
○馬淵委員 このフィルターつきベントに関しては、昨年の八月、いわゆる地上式のみのフィルターつきベントでは規制基準に適合しないという指摘があったということで、再度、東電側は、地下式フィルターつきのベント、これの想定をし、審査に供しているということだと思いますが、今のお話ですと、これも重要な項目だと思いますが、見通しが立たない、立っていないと。 今これは非公開だというお話でありますが、この内容についてはお答えいただけないとは思うんですが、少なくともこれも見通しが立っていない状況だということでよろしいでしょうか。確認させていただきます。
○櫻田政府参考人 先ほど申し上げましたようなフィルターベントに関するいろいろな論点がございます。この指摘を出したところに対して申請者から回答を求める、そういうプロセスを今やっているところでございますので、申請者からの回答がいつごろ来るのかというようなところも含めて、現時点で、いつまでに審査が終わるというようなことまで申し上げられるような段階にはございません。
○馬淵委員 確認させていただきましたのは、結局は、運転延長申請を含めさまざまな申請がなされている中で、PWRに関しては、これは比較的着々と進んでいる。しかし、BWR、柏崎刈羽に関しては、極めてその見通しが立たない状況である。 時間も少なくなりましたが、最後に、その他のBWR、柏崎刈羽と同様の課題を抱えているとの認識でよろしいでしょうか。これに関してお答えいただけますか。
○櫻田政府参考人 そのほかのBWRにつきましては、今現在、東京電力、それから中国電力の島根発電所、東北電力の女川発電所、それから中部電力の浜岡発電所、この四つのサイトについて、並行して審査をするというような形でやってございまして、主な論点はほぼ同じ状況にあるということでお考えをいただければというふうに思います。
○馬淵委員 すなわち、KK、柏崎刈羽と同じ論点であるということは、少なくとも今後の見通しについてはPWRとは全く違う状況である、なかなか見通しが立たない状況、厳しい運転制限期間を控えるBWRは審査は順調になかなかいかない、このように指摘をされたということを受けとめさせていただきます。 今後、原発の再稼働、そしてエネルギーミックスの話と絡んでくるわけでありますが、東電がどのようなガバナンスを持って、今後、新総特を含めてこれら東電の再建を目指す取り組みをしていくのか。それは、少なくとも原発の再稼働ということが大前提になります。柏崎刈羽の再稼働、これが大前提になっていく。その上で、ベストミックスは六割を確保するという方向が定められれば、そこでの矛盾は生じないのかということが大きな論点になってまいります。 きょうは、私自身は、委員長から、そして事務方から確認の答弁をいただきました。今後、経産委員会、あるいはこのベストミックス、今後の我が国のエネルギーのあり方の根幹並びにCO2の削減の目標起草も含めまして、重要な課題に資する答弁をいただけたというふうにきょうは思っております。 本日の私の質問は以上とさせていただきます。ありがとうございました。
○吉野委員長 次に、河野正美君。
○河野(正)委員 維新の党の河野正美でございます。 今国会、初めて原子力問題調査特別委員会の委員とさせていただきました。繰り返しの質問、重なっている質問があるかと思いますけれども、よろしくお願いいたします。 まず最初に、本特別委員会の意義についてお尋ねいたしたいと思います。 既に御承知のように、本特別委員会は、平成二十四年七月に提出された東京電力福島原子力発電所事故調査委員会の報告書において、「国民の健康と安全を守るために、規制当局を監視する目的で、国会に原子力に係る問題に関する常設の委員会等を設置する。」とされた提言に基づき設置されたものであります。立法府の立場から行政を監視する役割の強化を一貫して求められているものだと思っております。 しかし、現状は、本特別委員会の活動は国会開会中の委員会質疑がほとんどという限定的なものであるというふうに思っております。このような状況は、事故の検証で明らかになった問題や課題がどのように改善しているのか、継続的、恒常的に調査、監視するという事故調提言の要請とは若干異なっているようにも感じるところであります。 田中原子力規制委員会委員長におかれましては、予算委員会等さまざまな委員会で答弁に立つ機会も多く、国会に来られることも頻繁だと思います。国会による原子力行政の規制当局の監視の現状をどのように受けとめられているか、他の常任委員会等々と本特別委員会などの違いも踏まえて、最初に率直な御意見を賜りたいと思います。
○田中政府特別補佐人 原子力問題調査特別委員会による監視の意義について、私から何か申し上げるという立場ではないので意見は控えさせていただきます。 ただ、原子力規制委員会の取り組みについては、国会はもちろん、いろいろの場でしっかりと御説明し、御理解をいただくことは重要であるというふうに認識しておりまして、今後とも、十分にさまざまな場において説明責任を果たしてまいりたいと思います。
○河野(正)委員 先ほど来もう既に質問が出ているかと思いますが、特別委員会設置に関する申し合わせでは、「有識者・専門家の知見を求めるため、諮問機関(アドバイザリー・ボード)を設ける。」というふうにされています。国会事故調の提言でも、「最新の知見を持って安全問題に対応できるよう、事業者、行政機関から独立した、グローバルな視点を持った専門家からなる諮問機関を設ける。」というふうにされております。 これまでは、利害関係者や学識経験者等をお呼びして参考人質疑が中心となっておりますが、諮問機関を常設するには至っていないと思っております。昨年秋の臨時国会におきましても、菅直人委員がこの点を委員長に質問されており、理事会で協議しますということだったと思います。 これまでこの諮問機関がなぜ設けられてこなかったのか、協議の状況等についてお知らせください。
○吉野委員長 これは私に対する質問ですか。
○河野(正)委員 通告してあったんですけれども、これは。
○吉野委員長 私に対する質問というふうに理解してお答えしたいと思います。 先ほど、荒井委員からも同趣旨の質問がございました。 本件につきましては、国会事故調の提言にもございましたので、本委員会では、国会事故調の提言を尊重して、今国会におきましても、鋭意理事会でただいま協議を続けておるところでございます。
○河野(正)委員 ありがとうございました。 ところで、原子力規制委員会設置法には、第五条で、施行後三年以内の見直しということが定めてあります。本年九月、これもあったかと思いますが、三年を迎えるところでございます。 現在までの検討状況はいかがでしょうか。見直しの有無、方向性についても教えていただきたいと思います。
○中井政府参考人 原子力規制委員会設置法附則におきましては、原子力利用の安全確保に関する行政組織について、三年以内に検討を行い、必要な措置を講ずることとされております。 このため、昨年九月に、小里副大臣を座長とし、福山政務官を座長代理とする省庁横断的な検討チームを設置いたしております。 そこでの検討を踏まえ、昨年十月には、内閣府の原子力防災担当の体制強化のため、政策統括官の新たな設置、約五十名の常駐スタッフの配置を行いました。 さらに、三月には、国と地方自治体が一体となって避難計画の策定支援などを行う地域原子力防災協議会を設置し、また、大規模複合災害への対応を強化することといたしました。 今後、その他の論点につきましても、引き続き検討を行っていく予定であります。
○河野(正)委員 特別委員会といたしましても、原子力への規制、本委員会の活動のあり方など、これまでの調査や審議も踏まえまして、提言をまとめてはいかがと思いますけれども、これは、吉野委員長、いかがでしょうか。
○吉野委員長 特別委員会として、三年後の見直しについて議論をしていけという御趣旨でしょうか。
○河野(正)委員 委員会として、今までの経過を踏まえて、何らかの提言とかはいかがかなと思いまして。
○吉野委員長 後日、理事会できちんと協議をしたいと思います。
○河野(正)委員 ありがとうございます。 福島第一原子力発電所の事故はいまだ収束しておらず、現在も日々刻々と続いている状況にあると認識いたしております。 そのような状況にも、政府は、年内には原発を再稼働させ、今後も原子力発電を重要なベースロード電源と位置づけておられます。こうした政府の方針からは、本当に福島第一原発事故の教訓を学んでいるのか、結論ありきの議論ではないのか、事故を二度と起こさないといってもその根拠が乏しいのではないのかという思いを拭いがたいのが正直な気持ちかなと思っております。 事故直後、さまざまな立場から事故を検証する動きがございました。しかし、その際には、原子炉格納容器内部で実際何が起こったのか、十分な調査、分析はできませんでした。現在では、ロボットによる調査などによって、内部の様子が少しずつ明らかになっているのかなと思っております。 そこでお尋ねいたしますが、こうした調査はどこが責任を持って行っているのか、規制当局である原子力規制委員会は関与しているのかどうか、これまでの取り組み、成果とあわせてお示しいただきたいと思います。
○山田政府参考人 東京電力福島第一原子力発電所の事故の分析ということにつきましては、原子力規制委員会の重要な所掌事務の一つとなってございます。 長期にわたる原子炉内の調査等も踏まえつつ、技術的な側面から分析を継続いたしまして、得られた知見のうち必要なものについて安全規制に取り入れていくということは重要な課題であるというふうに認識してございます。 このため、原子力規制委員会におきましては、平成二十五年三月二十七日から東京電力福島第一原子力発電所における事故の分析に係る検討会というものを設置し、開催をしてございます。 まずは、平成二十五年五月から、東京電力福島原子力発電所事故調査委員会、いわゆる国会事故調の報告書で「今後規制当局や東電による実証的な調査、検証が必要である」とされております未解明の問題についての議論を開始してございます。 これまで検討会を六回、現地調査を九回実施しておりまして、平成二十六年十月八日には原子力規制委員会として、一号機原子炉建屋四階において水が出たといったような事象、それから、四号機原子炉建屋の水素爆発、こういったような七項目について中間報告書を取りまとめたところでございます。 今後とも、中長期にわたる原子炉内の調査も踏まえまして、引き続き、技術的に解明すべき課題については検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○河野(正)委員 事故の収束に至るまで、継続的、恒常的に原因究明、検証を行っていかなければならないというふうに思っております。 その際、事故を起こした当事者である東京電力だけにそれを任せっきりにしてしまうと、都合の悪いといったような情報が出てこない懸念もあるんじゃないかなと思います。実際に、先日、一号機格納容器内部の画像は編集された形で公開されたと思います。 重なった質問にもなるかもしれませんが、少なくとも、そうした調査で得られた情報を当事者から独立した立場にある組織が共有して、それに基づいて調査、分析を継続していく、そのような、独立し、継続的な調査ができる組織が必要ではないかというふうにも思いますが、いかがでしょうか。
○山田政府参考人 先ほどもお答えをさせていただきましたとおり、東京電力福島第一原子力発電所事故の分析というものは、原子力規制委員会の重要な所掌事務であるというふうに考えてございます。 先ほど申し上げました事故の分析に関する検討会におきましても、規制庁職員がみずから現場に赴いて調査をするといったようなこともしてございまして、事業者とは独立した立場でこういった調査、分析をさせていただいているところでございます。
○河野(正)委員 我が国が国際社会のトップリーダーとして活動していくには、安くて安定した電力というのは絶対に必要だというふうに思っております。 確かに原子力というのは安定供給できるかもしれませんが、仮に事故が起きた場合、巨額の予算が必要となるのは御存じのとおりと思います。私は、原子力は決して安いエネルギーではないというふうに考えております。 安全に運転したとしても、老朽化して廃炉にする場合、例えば燃料プールで今保管している使用済み燃料をどこに持っていくのか。どんどんこの問題は先送りされていますけれども、高レベルの核燃料廃棄物の処理処分の問題が大きく残っていると思います。 まず、原子力発電所が保有する使用済み核燃料について確認をさせていただきたいと思います。 再稼働を始めれば、使用済み核燃料を各原子力発電所内で保管し切れなくなる事態が容易に想定されます。そこで、各原子力発電所が保有している使用済み核燃料の状況について伺いたいと思います。 我が国の各原子力発電所における使用済み核燃料の保有量とその容量の余裕度、保管の方法について教えていただきたいと思います。あわせて、どの程度再稼働すると、続けると容量が限界に達するのかも教えていただきたいと思います。
○多田政府参考人 お答え申し上げます。 まず、国内の原発のサイトでございますが、こちらの方に約一万四千トンの使用済み燃料が貯蔵されている状況でございます。各原発の貯蔵容量は、全体として約二万一千トンという状況でございます。なお、このほか、三千トンが六ケ所の施設の方に貯蔵されているという状況でございます。 各原発におきましてこの使用済み燃料をどのように貯蔵しているかという方法でございますけれども、大半は、いわゆる使用済み燃料プールというものの中につけているという状況でございます。そのほか、最近では乾式貯蔵施設を用いているものも出てきている、このように承知をしております。 先ほど申し上げましたように、全体として二万一千トンの容量に対しまして一万四千トンの使用済み燃料が存在するという状況でございますので、マクロ的に見ますと一定の貯蔵の余地は確保されていると考えておりますけれども、他方で、個々の原発によってこの状況は異なるのも事実でございます。 例えば、容量に余裕のない原発というものとしまして、再稼働をしましたらどの程度でいっぱいになるかという点でいきますと、柏崎刈羽、玄海、東海第二といったようなところが三年程度で貯蔵容量がいっぱいになるという試算ができます。 ちなみに、この試算は、最処理工場の方が全く動かないまま発電所の全ての基が一斉に稼働して、燃料取りかえを十六カ月ごとに行うというふうな仮定をした場合の試算だということで御承知おきいただければと思います。 以上です。
○河野(正)委員 今お聞きしましたように、再稼働されるともう本当に、処理というか、置いておく保管場所がなくなってしまうということですので、まず早急に検討しなければいけない大きな課題だと思っております。 今おっしゃいましたように、使用済み核燃料は、核燃料サイクルによる再処理が動かない限りどんどんたまっていく一方であります。しかも、再処理工場が動き出すというめども立っていないかと思います。そのような状況を放置したまま原発を再稼働すれば、これまでと同じようになし崩し的な原子力行政を許してしまうこととなり、受け入れがたい問題であるというふうに思います。 九州電力は、玄海原発一号機の廃炉決定もあり、自分のところでつくるのが一番簡単と、使用済み核燃料を保管する中間貯蔵施設の必要性を認める発言もあったと報じられております。 使用済み核燃料を今後どのように取り扱うかは、原発再稼働に当たっても、繰り返しになりますが、避けられない課題であります。電力業界では、各社共同で中間貯蔵施設をつくる案も浮上しているということでございますが、政府は今後どのように取り組んでいくかをお聞かせいただきたいと思います。
○多田政府参考人 お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、使用済み燃料の貯蔵能力の確保、これは大変重要な課題でございまして、再稼働のみならず、現在私どもが進めております廃炉、これの円滑化にとっても大変重要な課題でございます。 具体的には、使用済み燃料のプールの貯蔵能力を高めるということ、あるいは中間貯蔵施設、さらには先ほどもちょっと触れましたが乾式貯蔵施設、こうしたものを建設、活用していくということが重要かと思っております。 エネルギー基本計画の中でも言及しておりますけれども、今後、国も積極的に関与いたしまして、発電所の敷地の内外、いわゆるサイトの内外を問わず、新たな地点の可能性を幅広く検討しながら、中間貯蔵施設あるいは乾式貯蔵施設等の建設、活用というものを促進していきたいと思っておりまして、このために国としても取り組みを強力に進めていきたい、このように考えております。
○河野(正)委員 各原子力発電所では、その建設に当たり、立地自治体との間にさまざまな取り決めを交わしていることが多いというふうにも言われております。使用済み核燃料は県外処分との約束を交わしている原発もあるというふうに聞いております。 実際に、本年三月のある記事によりますと、三月十七日、関西電力が美浜一号、二号機の廃炉を決定した、立地自治体である福井県に対して、使用済み核燃料は県外処分を約束しているというふうに書いてあります。 具体的にそのような約束を交わしている原発があるのかどうか、あるならばどれぐらいあるのかどうか、政府としての御認識を教えていただきたいと思います。
○多田政府参考人 お答え申し上げます。 従来から、原発の立地自治体の中には、電気の消費地の協力を求める声、こうしたものが強いということはよく私どもとしても認識をしております。 そのような中で、今先生御指摘のございました関西電力の件でございますけれども、先般の美浜の廃炉の決定に当たりまして、福井県に対して報告を行っているというふうに承知をしております。その報告の中では、廃炉に伴う「使用済燃料の中間貯蔵施設の福井県外立地に向けた取組み」ということでございまして、「従来からの取組みに加え、電気事業者間の共同・連携による事業推進等、様々な可能性を検討し、福井県外への使用済燃料の搬出に向けた具体的な目標時期を早期に示せるよう、最大限努力。」このような内容の報告が行われたというふうに承知をしております。 その意味では、先生御指摘の県外貯蔵を約束というふうなことでは、私どもとしては認識をしてはおりません。 なお、関西電力の、今の福井県さんとの関係のこと以外のその他の例というものにつきましては、私ども、承知をしておりません。
○河野(正)委員 やはり、県外に持っていくというとまた運ぶリスクというのも出てくると思いますので、これも含めてしっかりと議論しなければいけないと思いますし、多分、事業者と立地自治体との間でそういったことが、取り決めがあるということは実際あるんじゃないかと思いますので、しっかりと把握をしていただきたいなと思います。 最後になりますけれども、一昨日、四月十四日、福井地方裁判所によって、関西電力高浜原子力発電所三、四号機の再稼働を差しとめる仮処分が出されました。その決定文を読みますと、原子力規制委員会が策定した新審査基準が緩やかに過ぎ、合理性がないというふうに指摘をされています。 原子力規制庁は、仮処分後の記者会見で、裁判の当事者ではないので特に問題と受けとめていないというような趣旨の発言があったと思います。しかしながら、司法から行政に対する厳しい指摘がなされたことは真摯に受けとめ、これまでの一連の対応に本当に問題がなかったのか検証していく姿勢が必要だというふうに考えております。 けさの日経新聞には、「原発新基準「見直さず」 規制委員長、高浜差し止めに反論 見解の隔たり鮮明に 「地裁に事実誤認ある」」という見出しが記事として出ております。一つの司法判断であり、極めて難しい問題でもあるというふうに認識をしているところでありますが、可能な範囲で結構ですので、この記事も含めて田中委員長のお考えを伺いたいと思います。
○田中政府特別補佐人 先ほど来と同じ回答、お答えになろうかと思いますが、御指摘のように、仮処分の内容については私も読ませていただきました。しかし、先ほども申し上げましたように、やはり、事実誤認に基づくいろいろな判断が書かれておりますので、それを私どもなりに詳細に検討をさせていただきまして、今の時点で、それを受けて規制基準まで見直す必要はないという判断をさせていただいているところでございます。
○河野(正)委員 時間が来ましたので、終わらせていただきます。ありがとうございました。
○吉野委員長 次に、初鹿明博君。
○初鹿委員 維新の党の初鹿明博です。 きょうは、東電の廣瀬社長にもお越しをいただきまして、お忙しいところありがとうございます。 きょうは、先ほど馬淵先生も取り上げておりましたけれども、K排水路の汚染された水の流出、外洋への流出について取り上げさせていただきます。予算委員会でもかなり時間を割いて我が党の松野幹事長が取り上げておりまして、またその後、維新の党の部門会議の方にも、規制庁に来ていただき、東電の方にも来ていただいて、議論をいたしました。その中で、幾つかやはり解せない部分がありましたので、きょうはこちらで確認をさせていただきたいと思います。 まず、東京電力にお伺いいたしますが、今こちらに、東京電力が二十七年三月につくっております、K排水路に関する対応についてという資料をお配りさせていただいておりますけれども、先ほどもお話がありましたとおり、二十六年のもう一月の段階で、排水路の測定をするようにということが求められて、この時点でかなり濃度が高い水が流れているんじゃないかということはわかっていたわけですよね。 四月から十二月までデータの採取をしたということでありますが、結果、二十七年の二月になるまではそのデータを公表していなかった、また規制庁にも報告をしていなかったということでありますが、このデータを取得していながら、当然かなり線量が高いということもわかっていたわけですよね。わかっていながらそれを報告していなかった理由をまずお聞かせください。
○廣瀬参考人 お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、昨年の一月、二月に原子力監視検討会というところでデータをお示しし、K排水路の放射線濃度についての御報告をさせていただいております。 三月に、これから一年かけてこの濃度を減らしていこう、そういう指示を承りまして、四月以降、まさに、K排水路の濃度を下げるためには、これは基本的には雨水が、いわゆるフォールアウトを一緒に流して排水路に流れ込んでいるものですので、どこのフォールアウトを拾ってきているのかということを中心に、そこを潰していこうという対策を始めました。具体的には、地面を舗装するであるとか瓦れきを撤去するであるとか、それからいわゆる清掃ですね、それから排水路の中もきれいにするというようなことをずっとやってまいりました。 その間、大変申しわけなかったことは、我々として、一年かけてきれいにするんだ、あるいは場所を特定するんだということに集中してしまいまして、それを一生懸命やってしまったということで、データをその間にとっていたにもかかわらず、一月、二月と御報告していたにもかかわらず、四月以降それをやめてしまったということがございました。 一年かけてということですので、その間いろいろな場所の見つけをやってきたわけですが、昨年の暮れからことしぐらいになって、むしろ海側から、我々は、雨ですので山側から排水路に流れ込むであろうということで、専らK排水路の山側を一生懸命やっておりましたけれども、海側も調査しましたところ、もう既にこれは御案内のとおり、二号機の建物、大物を搬入する搬入口の建物がございまして、そこの屋上に比較的濃度の高い水たまりを発見して、そこからいわゆる雨といに伝わって下に、K排水路につながっていたということがわかって、これは海側も一生懸命やらなきゃいけないということから、今まさに海側の部分についての対策をとっているところでございます。 その間データの公開をやめてしまったということに関しては本当に申しわけなく思っておりますし、漁業関係者を初め、皆さんの一番お知りになりたいところ、御心配のところに思いが至らなかったということでございまして、大変申しわけなく思っております。
○初鹿委員 対策に一生懸命になってデータの公表は忘れてしまった、そういうことですよね、簡単に言えば。この発想というか、この感覚自体がずれているということをまず指摘させていただきたいと思います。 やはり、データをとったら直ちに公表するということを、今後、姿勢として示してもらいたいですね。先ほど馬淵議員の質問の中で、これからは定期的に社外の監視、評価の仕組みをつくっていくということですから、本当に、一カ月に一回は必ず公表するとか、そういう仕組みを進めていただきたいと思います。 次に、規制庁の方に伺いますけれども、委員長の方に伺いますが、濃度が高い水があるということがわかって、調査をしろということを、もう規制庁としてはわかっていたはずですよね。それなのに、去年の四月からことしの二月の公表までの間に、途中でなぜ、報告を求めるとか経過の推移について確認をするとか、そういうことはしなかったんでしょうか。
○田中政府特別補佐人 K排水路も含めまして、一般の雨水の排水路は幾つかありまして、そういったことについては、随時、監視検討会で報告を求めてきているというふうに私は理解しております。
○初鹿委員 では、なぜ、四月から十二月までデータをとっているものが報告されていなくて、そのままにしていたんですか。そのことを言っているんですよ。
○田中政府特別補佐人 そういった高い、一定のレベルを超すような排水が出ているというような報告があるということは、私どもとしては認識していなかったので、そこは事業者の方からの報告を待つということになります。
○初鹿委員 先ほど活動状況を話したときに、何と書いてありますか。「規制当局としての立場から、積極的な監視・指導を行う」と書いてあるんですよ。「積極的」と書いてあるということは、報告を待つだけじゃなくて、規制庁みずから、高い可能性がある水が流れているというのが最初に指摘されて、もうモニタリングを始めているわけですよね、データを。この時点で積極的に報告を求めるべきじゃなかったんですか。違いますか。
○田中政府特別補佐人 先ほども申し上げましたように、一Fについては、さまざまなリスクがあります。いろいろなデータが多分、日々出てまいります。 そういったことについて、特に汚染水でいきますと、私どもがこの一年間最も注意を払ってきたのは、いわゆる海側にあるトレンチの高濃度の汚染水です。これは五千トンほどあるんですが、五千立米ほどですが、桁が大体五桁ぐらい高い濃度です。これを何とか早くとめることが大事だということが最大の課題でした。 これについては、東電の方もいろいろな試みをして、ようやく最近ですが、今完全に終わったわけではありませんけれども、やっとそれが措置できるような段階になっております。 ですから、やはりリスクの大きさに応じて我々の注力というのも、そういったところに集中的にどうしても行かざるを得ないということだけは御理解いただきたいと思います。
○初鹿委員 それは当然、リスクの高いところをまず優先するというのはそのとおりだと思いますが、このK排水路は、外洋に水が流れていっているところなわけですよね、港湾内じゃなくて。そこに、濃度が高いかもしれないというのがわかっていたら、やはり途中で状況を確認するとかいうのは、私は必要ではなかったかなとあえて言わせていただきます。 次に、東電さんにお伺いいたします。 こちらの資料によりますと、裏面に、K排水路をポンプでくみ上げて、C排水路へ排出をして、港湾の中に水を流すように対策をとるということで、「三月末までの実施を目指す」と書かれておりますが、今現状はどのようになっているでしょうか。
○廣瀬参考人 お答え申し上げます。 御存じのように、K排水路というのはトンネルですので、地面の下を走っております、B、C排水路というのは陸上に出ておりますので、ポンプアップをする必要がございます。最終的には、K排水路を海に出さずに港湾内に引き込むという、これは大がかりな工事が必要でございますけれども、まずは、ポンプアップをしてB、C排水路に入れて、B、C排水路から港湾内に流そうという計画でございますので、その試運転を三月三十日に行っております。 現在は、それを連続運転するための最終的な調整を行っておりまして、近々、連続運転を始めるという段取りになっております。
○初鹿委員 三月三十日に試運転をして、まだ連続運転していないということは、現状ではまだ港湾の外に、外洋の方に水が流れている、そういう理解でよろしいでしょうか。
○廣瀬参考人 はい。基本的には、雨水ですので、雨の量に応じますけれども、運転をしていないときには外に出てしまっております。
○初鹿委員 今現状では、ここを流れている水の線量は告示限度内におさまっている、そういうことでよろしいんでしょうか。
○廣瀬参考人 告示限度内におさまっております。
○初鹿委員 対策をとる前のデータを見ると、雨が降ったときにやはり濃度の高い水が流れ込むという状況だったと思うんですよ。 現状、試運転ということですけれども、雨がたくさん降ったときには運転をしてC排水路の方に流すという対応になっているのか、それとも、必ずしも天気に関係なく、運転をする日と運転をしない日とを分けているのか、どちらでしょうか。
○廣瀬参考人 理屈上は、もちろん雨が降りませんとポンプをたくさん動かす必要はないですけれども、今のところは、連続運転をするための調整ということで、雨、晴れ関係なく、動かすときは調整のために動かすということですが、動かしていないときには外に出てしまっております。
○初鹿委員 こういうところを規制庁はしっかり見て、雨が降ったときには基本的に動かすようにして、港湾の中に水が流れるようにするように指導するのが規制庁の役割じゃないかと思うんですよ。東電の都合もあると思いますけれども、やはり、雨が降ったときにリスクが高くなるというのがわかっているわけだから、そのリスクを回避するのが本来必要なんだと思うんですよ。 確かに、試運転だから、雨、晴れ関係なくやっている、そういうことなんだと思いますが、でも、やはり、雨のときは必ず回してC排水路の方に流していくという対応をするということが本来だと思います。 その点について、やはり規制庁もきちんと見ていかないといけないと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○田中政府特別補佐人 おっしゃるとおり、早急にこの対策は実現していただくということで、昨日も、再三にわたってそういったことを東電の方に求めております。
○初鹿委員 やはり、規制当局なんだから、積極的にもうちょっとかかわって、監視をしてもらいたいなと思うんですよ。 それで、今回、実施計画にこの水の対策が載ったのは三月三十一日からですか、実施計画の中にこの汚染水の対策が載ったのは。
○廣瀬参考人 これは昨年度からでございます。
○初鹿委員 前回伺ったときに、まず、液体廃棄物ではないということですよね。だから、基本的には炉規法の中での対応にはならない。ただ、事故が起こったということで、特定原子力施設ということで実施計画の中でその対策を盛り込んでいく、そういう御説明でしたよね。 先ほど、こういう対策をとっていって濃度が下がっていっている。その濃度が下がっていったときに実施計画に載って、そしてきちんと対応するようになるんですけれども、濃度が高いときは、調査をしている段階だと、実施計画の対象になっていないわけですよね。高いときにはそのまま海に流されていて、ある程度対策がとられたときになってやっと港湾の中に入れていくように今なっていると思うんですが、そもそも、実施計画に載せる前からやはり対応をとるべきだったんじゃないかと思うんですよ。 その辺は、規制庁としてはどのように考えているんでしょうか。
○田中政府特別補佐人 ちょっと御質問の趣旨を正確にしたいと思うんですが、今のK排水路の状況が濃度が低くなっているというのは、たまたま今大雨がないということだけで、状況の変化は基本的にはありません。 ただ、今回、三月三十一日に出された実施計画では、K排水路の措置について、当面はポンプアップをして、湾内に水をB排水路の方から合流させて流すというようなこと、それからモニタリングをきちっとするということです。 それから、これは廣瀬社長にお答えいただいた方がいいのかもしれませんけれども、排水路のつけかえについては少し時間がかかるので、来年までにそれのつけかえを行うということでございますので、若干、先生の認識とは少し違うかもしれません。
○初鹿委員 そもそもやはり、炉規法で液体廃棄物の対象となっているのは、基本的に燃料に触れた水だということだと思うんですね。 今回、福島第一原発は、想定していない事故が起こってフォールアウトがあって、それで放射性物質が敷地内にばらまかれた状態になったわけですよね。それで、B排水路とC排水路はもう先に港湾の中に水を流すようにしていた。K排水路はそのままになっていて、でも、気がついたら高濃度の汚染水が流れていたということですよね。 つまり、事故が起こってフォールアウトしたら、どこに放射性物質が行くかわからないから、たまたま今回は屋根の上だったということですけれども、基本的に、ばらまかれてしまったら、雨水は汚染をされるものなんだと思うんですよ。だから、そもそも最初から、炉規法の液体廃棄物の対象に、事故があったときに限ってですけれども、事故があってこうやってフォールアウトしたような場合に、液体廃棄物として対処をするということを最初から法律で規定をしておいた方が私はいいのではないかと思います。 事故があるということを想定したくはないですけれども、今後何があるかわかりません。再稼働しなくても、使用済み燃料はそれぞれの原発の中にとどまっているわけですから、この法律の中で、万が一のときに、雨水についてもきちんと監視していくということを、この際、事前に決めておく必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○田中政府特別補佐人 まず、そもそも論になりますけれども、福島第一原発のように、いわゆるフォールアウト、環境に出すようなことを起こさないということが最も大事なことです。それが新規制基準では、炉心損傷対策とか格納容器破損防止対策、あるいは、万が一出たとしても、その出る量を極力少なくするためにフィルターつきベントをつけるとか、そういった要求をしております。 そういった、万が一、格納容器が破損して放射能が環境に出るような状態が起きた場合には、それを事前に想定して炉規法で決めるというよりは、規制基準を決めるということではなくて、事故の状況に応じて臨機応変に対応していくことが現実的で、かつ適切な考え方だというふうに認識しております。 今、K排水路については、ハッチの上の屋根に積もっているということでありますけれども、もっと大きな問題は、環境に広く放出された放射能の問題があります。だから、これは炉規法の世界ではなくて、それに対しては防災指針、防災法の関連で対処するようにしております。 国際的に見ても、規制基準でこういった今回のような事故の後の汚染水とか事故後の処理を規制しているような例はないというふうに私は理解しております。したがって、今のやり方で私は適切ではないかというふうに考えているところであります。
○初鹿委員 それにしても、実施計画の中に入れるまでは垂れ流し状態になってしまっているということは明らかなわけですから、これは事故が起こることもある程度やはり想定をした対策をとらないと、事故が起こらないような対策をとっていくことが必要だというのはそのとおりだと思いますが、今回だって、絶対に起こらないと言っていたにもかかわらず事故は起こったわけですから、絶対はないと考えて、事前の策は考えておく必要があるということを指摘させていただいて、もう時間ですので、質疑を終わらせていただきます。 ありがとうございます。
○吉野委員長 次に、藤野保史君。
○藤野委員 日本共産党の藤野保史です。 先ほど来お話が出ておりますけれども、国会事故調の報告に基づいてさまざまな提言がなされております。私自身、今国会、二月の予算委員会で、この国会事故調の報告に基づきまして規制委員長にも質問させていただきました。 この報告書は、七つの提言ということで冒頭提起をされておりまして、その中に、先ほど来お話のありますアドバイザリーボードの設置もございます。いずれも重要な提言だというふうに思うわけですが、同時に、原子力規制委員会の三年目の見直しという点も、先ほど同じように指摘がありました。 私からも、改めて、今どのような検討が行われているのか確認をさせてください。
○中井政府参考人 原子力規制委員会設置法附則では、原子力利用の安全確保に関する行政組織について、三年以内に、国会事故調査委員会からの報告などを踏まえつつ検討を行い、必要な措置を講ずることとされております。 このため、昨年九月に、小里副大臣を座長といたしまして、福山政務官を座長代理とする省庁横断的な検討チームを設置しております。 そこでの検討を踏まえまして、昨年十月には、内閣府の原子力防災担当の体制強化のため、政策統括官の新たな設置、約五十名の常駐スタッフの配置を行っております。 さらに、三月には、国と地方自治体が一体となって避難計画の策定支援などを行う地域原子力防災協議会を設置し、また、大規模複合災害への対応を強化することといたしております。 今後、その他の論点につきましても、引き続き検討を行っていくというところでございます。
○藤野委員 この規制委員会のあり方の見直しと深くかかわる決定が一昨日、福井地裁で行われたというふうに思っております。 福井地裁は、関西電力高浜原発の三、四号機運転差しとめを認めたわけですが、非常に画期的な判決だというふうに思います。これは、司法の判断によって実際に原発がとまるという全国で初めてのケースになるわけですので、非常に大きな意義があると思います。 福井地裁は、この中で、「新規制基準は緩やかにすぎ、これに適合しても本件原発の安全性は確保されていない。」「新規制基準は合理性を欠くものである。」と指摘しているわけですが、内閣官房としては、今から見直しをずっとやっていかれるわけだと思うんですけれども、この指摘をどのように受けとめられていますか。
○中井政府参考人 内閣官房におきましては、規制委員会設置法附則の規定に基づきまして三年の見直しを行うということで、現在、政府内で検討を行ってございます。 現在、先ほど先生御指摘の司法の判断について意見を申し述べる立場にはございませんことを御了解いただきたいと思います。
○藤野委員 意見を別に求めているわけじゃないんですけれども、要は、規制委員会の見直しを行う上で、まさに規制基準そのものが不合理であるという指摘ですから、決して無関係じゃないと思うんですね。ですから、そういう意味では、内閣官房としてもしっかり受けとめていただいて、これをそうした見直し、再検討に生かしていくということを強く求めたいと思います。 あわせてなんですけれども、これは委員長へのお願いになるのかもしれませんが、国会事故調の提言というのはかなり多岐にわたっておりまして、先ほど七つと言いましたけれども、その中には、国会のあり方そのものも含まれております。そして、政府の危機管理体制の見直し、被災住民に対する政府の対応、電気事業者の監視、新しい規制組織の要件、原子力法規制の見直し、そして独立調査委員会の活用ということで、政府の危機管理体制とか政府の住民に対する対応とか、いろいろ政府のことが求められている。 私は昨年の総選挙で選んでいただいた新人なんですけれども、これは先ほど来話があるように、三・一一を受けて、この事故調の報告も踏まえてつくられたこの委員会ということで、しかも、政府に対するさまざまな提言もなされている。しかし、お聞きをすると、これは基本的には規制委員長との関係で質疑が行われる、大臣も基本的に呼べないということを聞いて、率直に言って私は驚いたんです。 アドバイザリーボードもそうですけれども、この事故調の指摘を全面的にやはり受けとめてやっていくという立場に立つのであれば、ここで指摘されているような政府の履行状況だとかいろいろなことが、政府にしっかりちゃんとやれよという提言もあるわけですので、この点につきましては、アドバイザリーボードも含めて、当委員会に大臣を呼ぶかどうかも含めて、今後はしっかり検討をしていただければというふうに思っております。お願いいたします。
○吉野委員長 その件につきましては、理事会できちんと協議をしていきたいと思っております。
○藤野委員 ありがとうございます。 改めて、その上で規制委員会にお聞きをしたいと思うんですけれども、田中規制委員長は、この間、策定段階から、この規制基準につきましてこうおっしゃっていらっしゃいます。それ自体では現時点では世界最高レベルのものというふうに考えておりますが、この基準が最後ではない、こういう趣旨ですね。現時点では世界最高レベルのものというふうに答弁をされていらっしゃいます。 しかし、先ほども紹介したんですけれども、その基準に対して福井地裁が、緩やか過ぎる、こういう判示をしたわけであります。 そのくだりの中で田中委員長自身の言葉も引用されておりまして、紹介させていただきますと、「原子力規制委員会委員長の「基準の適合性を審査した。安全だということは申し上げない。」という川内原発に関しての発言は、安全に向けてでき得る限りの厳格な基準を定めたがそれでも残余の危険が否定できないという意味と解することはできない。同発言は、文字どおり基準に適合しても安全性が確保されているわけではないことを認めたにほかならないと解される。」と。この後ろに「新規制基準は合理性を欠くものである。」と続くわけですが、ですから、まさに委員長の言葉が引用されて、かつ解釈が加えられております。 委員長にお聞きしたいんですけれども、委員長自身の言葉に対するこの解釈ですね、これは事実誤認ではないんでしょうか。
○田中政府特別補佐人 これについては、昨日もプレス会見で申し上げましたけれども、いわゆる今度の福島第一原子力発電所事故の大きな反省は、これは国会事故調でも言われていますが、絶対安全だというふうに、いわゆる安全神話に陥っていたということが大きな反省点として指摘されています。私はそのとおりだと思います。 要するに、科学技術ですから我々の知見の及ばないこともありますので、そういう点を含めて、私どもとしては、今考えられることについては、その安全確保のために最大限の努力をして、知恵を絞って安全規制、基準をつくったわけですけれども、そのことをもって絶対安全だとは言えませんということを申し上げています。 それを裁判官の方がどういうふうに解釈されたかということについては、私の趣旨とは違うということは大変残念である、遺憾であるということは申し上げました。
○藤野委員 この点についても事実誤認というか趣旨が違うということでありますが、細かい部分はさておき、私も今からはその判決から離れまして、基本的な一般論といいますか、一般論というよりも、むしろ福島の原発事故そのものに立ち返って、ちょっと考えてみたいというふうに思うんです。 あの福島事故ではさまざまな事象が起きましたけれども、私はきょう、四号機の使用済み核燃料プールで起きかけた事象につきまして取り上げたいというふうに思うんです。 これは有名な話なので先輩方は御存じのことと思うんですけれども、この事故調の報告書でも指摘されておりますが、まさにさまざま偶然が重なって危機を回避したと。しかし、その切迫した危険性が、当時、いろいろな黒い煙も出たりいろいろして、わからなかった段階では、アメリカのNRCは在日米国人に五十マイル圏外への脱出を呼びかける。そして内閣としても、当時、避難計画、これも有名な話ですけれども、最大想定では二百五十キロ以遠、東京ほぼ全域を含む広範囲の人々への強制移転を求めるという内容の避難計画もつくられるということで、それぐらい緊迫した、切迫した状況だったということであります。 しかも、この報告書を読みますと、その危険性があと少しで現実のものになりかけたということです。 ふだんは張られていない水が入っていたとか、全電源喪失による使用済み核燃料の温度上昇に伴って生じた水圧の差で、原子炉ウエルと使用済み核燃料プール、両方のプールを遮っていた防壁がずれたことで期せずして水が流れ込んだとか、四号機は水素爆発したんだけれどもプールの保水機能は維持できたとか、あるいは、爆発で屋根が吹き飛んだがゆえに、かえってそこから注水ができたとか、まさにさまざまな偶然が重なって、この使用済み核燃料プールの破滅的事態というのが免れたと指摘をされております。 単なる幸運にすぎなかったという言葉もあるわけですけれども、委員長にお聞きしますが、この四号機につきましては、委員長も、かなりの偶然が重なった、ある意味幸運な事象であったというふうにお考えでしょうか。
○田中政府特別補佐人 事故の状況とかそういった細部について、私が今ここで幸運か幸運でなかったかということを申し上げる立場にもないし、それはいろいろな解釈があろうかというふうに承知しております。
○藤野委員 これは多くの方が、やはりかなりいろいろなこと、幸運が重なったんだなというのが一般的な認識だというふうに思います。幸運という言葉を使うかどうかは別としましても、やはりそうした切迫した事態であったということを私としては強調したいと思うんです。 この福島の事故の教訓から、やはり対策というのもつくっていかないといけないだろう。これについては、先ほど、委員長が冒頭、使用済み核燃料につきましては水を張っていればいいと、そこまで簡単にはおっしゃらなかったかもしれませんが、そういう趣旨の発言があったと思うんです。 しかし、やはり使用済み核燃料というのは、場合によっては普通の原子炉内にあるよりも多くの燃料体が保存されていることも多々あるわけでありますし、危険性という点では原子炉内の燃料体と何ら変わらないというふうに思います。問題は、それが原子炉内の燃料体並みの防護施設に守られているのかということだと思うんです。 先ほど、他の委員の御質問の中で、全国のサイトに大体一万四千トンの使用済み核燃料があって、六ケ所を含めれば一万七千トンというお話もありました。 先日私が原子力規制庁にいただいた資料によりますと、全国で、ことし三月末で、使用済み核燃料は本数にしますと大体五万体以上あるということで、ちょっとお聞きしたいんですけれども、済みません、これは通告していないのです。先ほどの答弁で私がお話しさせていただきたいのは、この五万体を超える使用済み核燃料の安全性というのは、大体、ほとんどがプールに置かれている。一部、乾式の貯蔵もあるということでありました。ですから、この多くがいわゆる堅固な施設に入っていないというのが今の現状だというふうに思うんですけれども、委員長、間違いありませんか。
○田中政府特別補佐人 先ほども答弁がありましたけれども、一部、乾式貯蔵容器に入っている部分はありますが、大部分はプールに今保管されている状況であることには間違いないと思います。
○藤野委員 国会の事故調の報告書の百四十二ページなんですけれども、四号機の事故を振り返った後に、こう指摘しております。「使用済み燃料プールに対しては第五の壁以外の閉じ込める機能がないこと、原子炉よりも多量の燃料が貯蔵されていることがあることなど、原子炉内とは異なる条件が存在する。」そしてその後に、ちょっと飛ぶんですが、「このように、原子炉だけでなく使用済み燃料プール内の燃料管理にも十分な配慮がなされるべきである。」という指摘であります。 ですから、やはり福島の事故を受けて、しかも、首都圏まで強制避難、移転というような可能性、教訓を踏まえて、使用済み核燃料についても、原子炉内と同じく十分な配慮をすべきだというのが教訓であります。国会事故調の指摘であります。 この点で、原子炉については、いわゆる有名な五重の壁があるわけですけれども、やはり、使用済み核燃料についてはこれがない。委員長、これでいいんでしょうか。
○田中政府特別補佐人 使用済み燃料の場合には、運転中の原子炉の燃料が置かれている環境と違いまして、高温高圧といったような環境ではございません。使用済み燃料の場合には、ある程度冷却が進んでいますので、常温以下に保たれた大気圧のプールの中にありますので、一番問題になりますのは、冠水状態が乾いてしまうというか、水の水位が下がってしまうということであります。 それにつきましては、今回の規制基準でもそうですけれども、プールについて、それから冠水装置についてはSクラスという、耐震性からいうと最大限の配慮をしていただいているということでございます。 なおかつ、今回は、そういったシビアアクシデントが起こった場合でも外部からの注水ができるような設備も、可動式になりますけれども、そういった方法も手だてをしていただいているということで、決して使用済み燃料のリスクを軽んじているわけではございません。
○藤野委員 私もあの審査書を読ませていただいて、要するに、水の部分についてはいろいろ審査をされているというのはよく承っております。 確かに、水についていろいろな対策もとられているなとは思うんですが、私が質問しましたのは、要するに、国会事故調は、原子炉内の燃料体と同様に十分な配慮をすべきだ、防護すべきだ、こういう指摘なんです。原子炉内については五重もあって、やっている、一応。にもかかわらず、使用済み核燃料についてはプールだと。もちろん第五の壁はあるわけですけれども、非常に差があるということなんです。それで大丈夫なのかという質問なんです。水とは関係ないんです。
○田中政府特別補佐人 原子炉の場合には、圧力容器とか格納容器とかがありますけれども、結局、圧力容器は高温高圧を保つために必要な設備であります。それは、防御機能ももちろんありますけれども、そういった非常に過酷な状況じゃないというのが使用済み燃料プールでありますので、まず、冠水の状態さえ保てるということであれば、リスクが大きな、原子炉で起こるようなアクシデントにはならないというふうに我々は判断しております。
○藤野委員 ちょっと今のは驚きました。 この事故調の報告でも、アメリカのNRCで報告書が二〇〇四年に出ているんですが、そこでは、使用済み燃料の、要するに水がなくなった場合ですけれども、ジルコニウム火災の懸念、過熱による火災があって、それは大変問題だから対策をとれという指摘がされているわけです。過酷な状況になり得るわけですよね。 ですから、そういうことも含めてさまざまな、可能かどうかは知りませんが、防護体制がとられている、原子炉内の。しかし、使用済みプールは水だけ。問題は、アメリカでは、その水がなくなったときの話を想定していろいろ指摘をしているわけで、ちょっと今の委員長の認識は大変問題があるというふうに思います。 その上で、やはり、そういう基準、審査。この審査はもう本当に水だけです。そういう意味では、スプレーがどうしたとか、いろいろ、それなりに審査はされているんだと思います。しかし、やはり、事故の経験を踏まえた対応になっているのか、事故の教訓を踏まえた基準になっているのかというと、私はこの福井地裁の指摘は重いものがあると。細かな部分というよりも、やはり大きなところで、本当にあの事故の原因は一体何だったのかということも含めて、そこに対応した対策というのを国民が求めているというふうに思うんです。 最後になりますけれども、最も新しいNHKの世論調査では、原子力規制委員会が認めた原発は再稼働を進めるという安倍政権の方針に賛成は二二%だけです。反対が四七%と二倍以上に上っております。そういう意味では、福井地裁の判決というのは、やはりこういう圧倒的な世論と合致しているというふうに思うんです。 そういう意味で、規制委員会にとどまらず、安倍政権もこの地裁の指摘を真摯に受けとめるべきだということを強く指摘して、私の質問を終わります。
○田中政府特別補佐人 時間が過ぎているのに、申しわけありません。 先ほど、NRC、米国の例が引かれていましたけれども、水がなくなるとジルコニウム・水反応が起こる可能性がある。だから、アメリカも、日本と同様に、水がなくならないような対策を求めているということでありまして、水がなくなった場合の対策を求めているわけではないということだけは申し上げておきたいと思います。
○吉野委員長 時間があれですから、簡潔に。
○藤野委員 ありがとうございます。 要するに、水がなくなったときのこともやはり考えることも私は必要だというふうにも思いますし、要は、防護が水しかないということを私は言いたいんです。そこについてはお答えがないわけですね。それではだめだということを指摘して、質問を終わります。
○吉野委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時十一分散会