議院運営委員会新たな国立公文書館に関する小委員会 第3号
- 発言数
- 9 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 2015/07/30
会議録
○高木小委員長 これより新たな国立公文書館に関する小委員会を開会いたします。 新たな国立公文書館の建設等に関する件について協議を行います。 この際、御報告ですが、本小委員会は、去る一日、公文書管理に関係する施設として、外交史料館及び宮内庁書陵部を視察し、関係者から説明を聴取しました。 本日は、この視察を踏まえまして、本件協議のため、政府参考人として、宮内庁書陵部長山内健生君、外務省大臣官房長上月豊久君、防衛省防衛政策局次長鈴木敦夫君がそれぞれ出席いたしております。 この際、順次説明を聴取いたします。まず、宮内庁書陵部長山内健生君。
○山内政府参考人 宮内庁書陵部長の山内でございます。 きょうは、こういう機会を与えていただきまして、まことにありがとうございました。また、日ごろから先生方には、私どもの業務について御理解、御協力を賜っておりますことに対しまして、この場をかりて厚く御礼を申し上げます。 お手元に二枚物のペーパーを用意させていただいております。「宮内公文書館について」ということでございますが、宮内庁は、言うまでもなく、皇室を公私にわたってお支えするということを使命としておりまして、私どもの宮内庁書陵部というのは、その一環として、書、文書、陵、陵墓、こういったものの管理を行っている部署でございます。 宮内公文書館について、簡単にこれまでの経緯と現状について御説明を申し上げます。 ペーパーの一番目のところに書いてございます「経緯」でございます。 私ども宮内庁の文書関係の仕事というのは非常に歴史がございまして、一番最初は、明治十七年でございますから、もう百三十年ぐらい前ということになります。このときに、宮内省図書寮というものが設置をされております。位置づけとしては、括弧に書いてございますように、「帝室一切ノ記録ヲ編輯シ内外ノ書籍等ヲ掌ル所」、こういうことでスタートをしたわけでございます。 その後、いろいろ発展を遂げてまいりまして、戦後、昭和二十二年には宮内府の図書寮ということになり、昭和二十四年には宮内庁が発足をして、そのときに、図書関係だけでなくて陵墓関係のものも合体して一つの書陵部という組織になってございます。 その後でございますが、いわゆる公文書管理法ができて、間もなく施行されるということを受けまして、平成二十二年に、書陵部の中に宮内公文書館と図書寮文庫という二つの施設を設置いたしました。 法律の施行に向けて鋭意準備をして、一年後、法律の施行と同時に、宮内公文書館の方が、法律の規定に基づく特定歴史公文書等の管理を行う施設として指定をされ、一方で、図書寮文庫の方も、その法律に基づいて、歴史的もしくは文化的な資料または学術研究用の資料として特別の管理を行う施設ということで指定をされた。要するに、書陵部の中には、公文書管理法に基づく二つの施設が入っているということでございます。 では、公文書館の方でございますが、どういう資料を所蔵しているかというのを次の二番目のところに書いてございます。 宮内公文書館におきましては、基本的に、明治以降の宮内省、宮内府、宮内庁が作成または取得をし、公文書館に移管された皇室の御活動等に係る記録、こういうものを特定歴史公文書等として所蔵しているということでございます。 数で申しますと、当初、発足した時点では五万三千ほど、それが、法律の施行までの間に振り分けをいたしまして八万、そして、直近の平成二十七年七月一日現在で申し上げますと、八万七千件ほどの所蔵資料を持っているということでございます。 どんなものがあるかというのをその下に書いてございますが、ざっとごらんいただきますと、例えば、天皇の御行為等に関する文書、謁見録ですとか、幸啓録あるいは御用度録、皇族御身分録とか、題名を見ただけでも、ほかの省庁ではお目にかかることがないような非常に独自、独特な資料であるということがおわかりいただけると思います。 ここで一つだけ申し上げておきますと、中身につきましても、かなり独特なものがあるということをぜひ御承知おきいただければと思うところでございます。 と申しますのは、私ども、宮内省以来現在の宮内庁に至るまで、先ほど申し上げましたように、皇室を公私ともに二十四時間お世話をする、お支えするということでございまして、これらの文書も全てそうしたものの記録ということになります。 したがいまして、天皇あるいは皇族方のお身の回りのこと、場合によっては機微に触れるような事項も含めて、公私混然一体となった記録になっている、そういうものが含まれているということでございます。 そういう意味で、天皇あるいは皇族方のお身の回り、非常に身近なところにある事柄が記録をされている文書、こういうものがほとんどを占めているということでございます。 次のページをごらんいただきまして、では、宮内公文書館はどういう仕事をやっているかということでございます。 ここに書きましたことは、文書の受け入れ、保存、利用、あるいは情報収集、調査研究、法律上で公文書館がやるべきことというふうに定められたことを書いてあるわけでございますが、私ども宮内公文書館なりの特色というものも幾つかございますので、それについて少し御説明をさせていただきます。 三点ほど御説明させていただきたいと思うのですが、まず最初は、利用状況でございます。 下の方に表がございますのでごらんいただきたいと思うのですが、一番上に利用請求件数というのがございまして、これは国民から正式な利用請求があったものということで、平成二十六年度で申し上げますと四千二百件ほどということでございます。 一番下の欄に移管元利用件数という欄がございます。これはどういうことかというと、要は宮内庁の職員が利用した件数ということでございまして、これを見ると、平成二十六年度で二千六百件ということでございまして、ほかの公文書館等に比べましても、恐らく職員の利用というのが非常に多いというのが大きな特色の一つではないかと思っております。 これはどういうことかということでございますが、私どもの仕事自身が、先ほど来申し上げておりますように、皇室をお支えするということでやっておるわけですが、皇室の関係の仕事をするということになりますと、長い伝統を十分に踏まえた上で現在の課題にどう対処していくかということを考えなきゃいけないということで、実は、一つ一つの仕事をする上で、特に儀式なんかを考えていただければよくわかると思うのですけれども、過去にさかのぼって、非常に古い資料を丹念に調べた上で今後どうするかということを検討するということをいたしております。 私も霞が関に勤務したことがありますので、霞が関でのお話をすれば、例えば、前のときの資料はどうだったか、前の前のときはどうだったかということでいろいろ言われることがあるわけですが、そういうときには恐らく、前任者とか前々任者、そういった方々がつくられた資料を見る、いわば二、三年とか四、五年とか、そういう資料を見ることが多いと思うのですけれども、宮内庁の場合には、前のときどうだったかというと昭和時代の話、前の前はどうだったかというと大正天皇の時代ということになりまして、非常に古い資料、法律上でいえば、まさに特定歴史公文書に当たるような文書を見る機会が非常に多い、そういう業務の特殊性に由来をしている部分があるのではないかというふうに思っております。これが一点目。 それから二点目は、上の方のポツの括弧の中に書いてあります利用該当性の審査等に関することでございます。 一般的に、公文書、情報公開も含めてですけれども、その基準はほぼ統一的なものかと思いますけれども、特にこの公文書管理法上で、個人情報についてなんですけれども、公開の慣行があるかどうかというようなことも一つ基準になってまいります。 実は、宮内庁というか皇族方の個人的な情報についての公開の基準が、恐らく、ほかの省庁とはかなり違う部分があるのではないか。 例えば、昨日は皇后陛下の御病状に関することを発表いたしましたけれども、そういったような形で、恐らく、ほかの省庁と比較いたしましても、かなり公表の慣行が違う。そういたしますと、当然、審査の内容も結果も違ってくるということがあるのではないかというふうに思っているところでございます。 それから三番目は、展示あるいは広報、そういった国民の利用促進に関することでございます。 これにつきましては、率直に申し上げて、私どもの取り組みはまだまだ不十分であるというふうに認識をしてございます。私どもは自前の展示施設等も持ってございませんし、また、予算的なこともあるんですけれども、この取り組みというものはまだまだこれからだなというふうに私ども自身としても思ってございます。 今のところ、そういうことですので、例えばほかの公文書館あるいは博物館といったところと共同で展示会をやるとか、あるいは、こういう時代になりましたので、インターネットを活用したデジタルアーカイブのような取り組みもできる範囲で少しずつやっているというところでございます。 そういうことを通じて、これまで文書の管理をし、保存をしてきたということでございます。 今後のことでございますが、今後につきましては、まず、これまで皇室のもとに集積をされてまいりましたさまざまな文書、もちろん公文書も含むわけですが、こうしたものにつきましては、引き続き私どもが、皇室をお支えするという立場から、この文書についても責任を持って管理をして、そしてそれを後世に引き継いでいくということが重要であろうというふうに思っております。これが一点目。 それから、最後でございますが、この小委員会でも議論になったと仄聞をいたしておりますが、新しい公文書館ができた場合に、場合によっては共同展示のようなことも御検討になっているというふうなお話も少しお聞きをしたんですけれども、仮にそのような機会を設けていただけるということであるならば、我々としてもできる限りそうしたものには積極的に対応していきたいというふうに考えているところでございます。 ちょっと長くなりましたが、私からの説明は以上でございます。 ありがとうございました。
○高木小委員長 ありがとうございました。 次に、外務省大臣官房長上月豊久君。
○上月政府参考人 外務省の官房長、上月でございます。よろしくお願い申し上げます。 今、お手元にクリップでとめた四点の資料がございまして、そのうちの、一番最初に写真がついている資料をごらんいただけますでしょうか。これが、先日お訪ねいただきました外務省外交史料館の正面から撮った写真でございます。 最初に、沿革について御説明いたします。 外交史料館は昭和四十六年に開館いたしました。外務省の歴史公文書を保存し、国民の利用に供してきております。 平成二十三年に、公文書管理法によりまして、外交史料館は特定歴史公文書等を扱う国立公文書館等に位置づけられました。我が国の外交に係る史料の保存、公開、利用等、外交に特化した公文書館としてこれまで役割を果たしてまいりました。 利用案内が書いてございまして、月曜日から金曜日十時から十七時半で、土日休館となっております。 活動としましては、史料の閲覧サービス、レファレンス、史料の展示、それから「日本外交文書」の編さん、これが主な四つでございます。 先日、外交史料館にお立ち寄りいただいたときに見ていただきましたのは史料の展示でございまして、この展示は、お手元の資料にございます小冊子が目録になっておりまして、「常設展示史料目録」というのがございます。 先日見ていただいたものの写真つきのものでございまして、最初のページに日米修好通商条約、古いものから始まりまして、ナポレオン三世の国書ですとか、日清修好条規、日墨修好通商条約、パリ講和会議の写真ですとか、一連の歴史文書がずっとあるものでございます。こういう形で展示も行っております。 その次の四番に書いてあります「日本外交文書」の編さんと申しますのは、写真がございますけれども、明治以降の重要な外交文書を所収した「日本外交文書」という本を編さんいたしまして、これはずっと刊行しておりまして、昭和十一年に開始しましたが、これまで外交史料館においてこの作業を継続してきておるというところでございます。 また、これ以外にも、特別展などもやっておりまして、お手元のもう一つの小冊子が、「日本とペルシャ・イラン」という特別展示会でございます。このような形で、常設展示のほか、在京外国大使館と共同で展示会や講演会の開催なども行ってきております。 このような形で貴重な外交分野の史料を一般に供覧するとともに、諸外国との友好協力関係を強化するためにも活用しているところでございます。 また、資料で御紹介しました史料の閲覧サービス、レファレンスでは一体どういうものを皆さんにお見せしているかという点でございます。 どういう史料があるかということについては全部閲覧可能なのでございますけれども、その中身につきましては、戦前期のものは原則公開としております。ただ、戦後期のものについては、現行の外交政策と密接不可分なものや、国の安全、他国との信頼関係や交渉上不利益を及ぼすような機微な外交史料も数多く存在しておりまして、終戦から講和に至る時期の他国とのやりとりといったことも、今回、七十周年の中でいろいろ話題になってくると思っております。 こういった中で、目録は全て公開しておりますけれども、戦後のものについては、個別の史料を全部一般の利用者の閲覧に供するかどうかについては、現在の外交交渉に支障がないか、国益を損なうことがないか、また、外交政策との整合性を確保する等の観点から、外務省では、担当部局が内容をあらかじめ精査した上で、必要な場合には関連箇所にマスキングする等の作業をした上で供する、そういう作業をしているところでございます。 全体として、このような形での作業については積極的に進めておりますし、また、先ほど宮内庁の方からも御指摘ございました、仮に新たな国立公文書館が設立されて、我が国の基本的な歴史をたどる展示が行われるようなことになった場合には、従来より外交史料館等で展示している重要な条約書等について、歴史を振り返る上で重要な資料でございますので、これを提供することは国民にとって大変に有意義だと思いますので、そういうことになりました場合には、喜んで協力させていただきたいと思っております。 簡単でございますが、以上でございます。
○高木小委員長 ありがとうございました。 次に、防衛省防衛政策局次長鈴木敦夫君。
○鈴木政府参考人 防衛省防衛政策局次長の鈴木でございます。よろしくお願いいたします。 防衛省の方からは、お手元のパワーポイントの資料で御説明をさせていただきたいと思います。 防衛省に防衛研究所というのがございます。これは防衛省におきますところの一種のシンクタンクというものでございますが、この中で、戦史に関しましても、我が国最大の戦史に係る機関として、防衛政策のニーズですとか自衛隊の教育訓練に適切に応えるために国内外の戦史研究を行い、さらに、戦後の安全保障政策の研究への幅を広げるというようなことから、平成二十三年から戦史研究センターという形に改編をさせていただきまして、この中で、右下に史料室というのがございますけれども、歴史的な資料または学術研究用の資料として特別な管理がされているものを扱う形でこの史料室が存在してございます。 どういうものを所蔵しておるかと申しますと、基本的に、戦前戦中期の日本の国防に関する史料が中心でございますけれども、三ページでございますけれども、旧陸軍関係の史料が五万八千冊、旧海軍関係が三万七千冊ということで、合計九万五千冊でございます。 ただ、こちらにつきましては、まさに歴史的な資料ということでございますが、ここでは、私どもの史料室は一種図書館というような役割も果たしておりますので、研究用、戦史を研究される人たちの材料として、戦史関連の図書なども所蔵しておるというものでございます。 四ページ目でございますけれども、これらの所蔵の史料の経緯でございますけれども、昭和三十一年、当時復員業務を担当していた、復員省もございましたけれども、厚生省から旧帝国陸海軍の記録というものを約一万件ほど移管されました。そして、一九四五年、日本の降伏に際して占領軍に押収されて、その後米国国務省から返還された文書、これが四万件ほどございます。さらには、まさに明治維新から昭和二十年に至るまでの間に作成されて、これらを保有していた旧軍人の方、またその御遺族の方などから寄贈された文書というものが四万件余ございます。こうしたもので、全体で九万五千件ほどの文書を所蔵しているというものでございます。 そうしたものの経緯が、五ページのところ、少しダブりますけれども、戦史室そのものは、防衛研究所、もともとは保安庁研修所というような形で発足しておりますけれども、その発足のかなり初期の段階、昭和三十年から、こうした戦史にかかわるところのものができております。 先ほど申し上げた、昭和三十一年に厚生省から戦史室に移管されたもの、それからアメリカから返還されたもの、そして、昭和三十年から四十一年の間に、こうした戦史の研究者の方が一万五千人ぐらいの旧軍人の方と面談をして、そのときに日記等の提供を受けた、その後も現在に至るまで御遺族等からそれらに関するような史料の寄贈を受けているというものが、現在の史料の内容になっているというものでございます。 六ページの方では、こうした史料をどのように公開しているかということでございますけれども、昭和四十六年から、国立公文書館に準じて公開ということで、原則全面的に公開という形になってございます。 そして、平成十三年には、国立公文書館のアジア歴史資料センターというところを通じまして、インターネット上での公開を開始しております。分量にいたしますと、約一千五百万ページに及ぶ四万件ほどの史料、これをデジタルデータで提供しているというような形で、情報の共有というのを図らせていただいているというものでございます。 それ以外にも、最後、七ページ目に出ておりますけれども、閲覧室の利用者数につきまして、防衛省と左に出ておりますが、これは基本的に、次のレファレンスにもかかわるんですが、ここにある防衛省におきます史料は、もちろん公開に供されるものもあるわけですけれども、もう一つの役割としては、戦史の研究者の人たちがふだん研究するところの材料として使っているということがございます。 そういうことがあるものですから、まさに部外からいろいろな、レファレンスと我々言っておりますけれども、何か調査、例えば、軍事上というか戦史にかかわる何か一つの事件または特定の個人の方、そうしたものについての史料がないかというお問い合わせを一般的に受けたときに、それに関する戦史の史料を使っての研究結果というか一つの回答という形、参考調査ということを実施させていただいております。そうしたものがあります。 そうしたもの以外に、防衛省の中でもまた別に利用している者もおりますので、それら三百四十一件を含めまして、合計三千人足らずの利用者数があるというようなところでございます。 真ん中のレファレンスというのは、いろいろな方々からいろいろなお問い合わせがございますので、それに対して対応するという形のものでございます。 そして最後の、取材等協力。ことしにつきましては、戦後七十周年ということもございまして、例年に比べて非常に多くの取材等の申し込み等もありまして、それに対する協力等々を通じて、公開という形で御協力をさせていただいているというものでございます。 私どもの方の史料室というのは、さきに二つございました宮内庁、外務省の方の施設とはやや性格を異にするものでございますけれども、先ほど申し上げましたようなインターネットを通じての公開ですとか、さまざまな形で国立公文書館に対しての協力というものはさせていただいておりますし、私どもとしても、こうした形で今後とも協力をさせていただければというふうに考えておる次第でございます。 防衛省からは以上でございます。
○高木小委員長 ありがとうございました。 これにて説明は終了いたしました。 —————————————
○高木小委員長 これより懇談に入ります。 〔午後一時五十四分懇談に入る〕 〔午後二時十七分懇談を終わる〕
○高木小委員長 これにて懇談を閉じます。 政府参考人の皆さん、どうもお疲れさまでございました。 本日は、これにて散会いたします。 午後二時十八分散会