法務委員会 第4号
- 発言数
- 148 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2014/10/28
会議録
○委員長(魚住裕一郎君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、山下雄平君が委員を辞任され、その補欠として舞立昇治君が選任されました。 ─────────────
○委員長(魚住裕一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府男女共同参画局長武川恵子さん外十四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(魚住裕一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(魚住裕一郎君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○江田五月君 上川大臣、御就任おめでとうございます。ついこの間、松島前大臣の下でこの質疑をスタートをさせたばかりで、また仕切り直しということになりました。前回が十六日、今日が二十八日ですから、十二日間、無駄をしたというのか、いろいろ国民に対して申し訳ないということを感じなければいけないと思います。 ただ、これは立場によっていろいろで、大体野党が細かなことを追及するのが悪いと、そういうようなことを言う人もいますが、私どもはそうは思っていない。政府の方がもっとしっかりしてくれなければ困ると思っておりますが、この点どちらの見解に立たれますかということを大臣に伺っても困るでしょうから、それは伺いません。ただ、みんな、国会にいる者、よく考えていかなければいけないと思っております。 さらに、前回の松島大臣に対する私の質疑、読んでおいてくださいねと昨日お願いをしましたので読んでいただいていると思いますので、そこでいろいろ細かく述べていることはなるべく簡単にしながら今日は質問いたします。 私は、参議院で同僚議員の皆さんの理解をいただいて議長を三年間務めさせていただきました。それがもう一度まわしを締めて土俵に上がってくるのはいかがなものかという、そういう批判もありますので、そのことは念頭に置きながら、そういう批判を受けることのないように質疑の内容もわきまえてまいりたいと思っております。 しかし、この十二日間の無駄について何も聞かないわけにもいかないんですが、一応、上川大臣はこのことについて御自身の大臣としての責任があるという立場ではないわけですけれども、こういうことになっている、簡単に御感想を伺えますか。
○国務大臣(上川陽子君) おはようございます。 本日は、この参議院の法務委員会の審議に、私の所信に対しての質疑でございますけれども、江田先生から冒頭の質疑者ということで、ただいまお話がございましたとおり、この場に立たせていただいておりますけれども、大変身の引き締まる思いでいっぱいでございます。議長としての御経験や、また法務大臣として御経験のところの大きな、日本にとっても大変宝ということでありますので、今日は御質問にしっかりと答えていくということで、これからの法務大臣としての私の覚悟ということを改めて認識できるような、そういう場にさせていただけたらなというふうに思うところでございます。よろしくお願いいたします。
○江田五月君 ちょっと変わった質問かもしれませんが、大臣、うったてという言葉は御存じでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) 私自身、存じ上げておりません。
○江田五月君 これは、私は岡山生まれの岡山育ちで、うったてというのは、溝手さんなんかは分かりますかね、あちらの方の、当然標準語だと思って最近までうったてというのを何の疑問もなく使っていたんですが、どうも中国地方、岡山、広島辺りの方言のようでございます。 うったてというのは、筆で字を書くときに、筆の穂の弾力、これが非常に重要で、線を書く一番最初にどういうふうに筆の穂先からぐっと力を入れて紙に食い込むようにするかと、この一番最初の一歩をうったてと言うんですね。それは、力強く打つのもいいし、柔らかく優しく打つのもいいし、いろんな打ち方があるんですが、うったてというのが一番大事で、今回法務委員会はうったてで傷ついて、二度目のうったてになっているわけです。 二度目のうったてとなっていて、それだけに一層、上川大臣には、この法務行政の国民に対する責任がちょっとスタートで乱れているということをしっかり御認識の上、職務を行っていただきたいと、要望でございます。 やはり大変残念で、余りこれは伺いたくはないんですけれども、しかし聞かないわけにはいかない。松島前大臣の事件、これについての感想をお聞かせください。
○国務大臣(上川陽子君) 松島前大臣が任期途中で辞任という運びになったということでございまして、私も、同期の、しかも女性の大変期待されていらっしゃるというお立場で、応援をしていたものだったということもございまして、大変残念に思うところでございます。 先ほどうったてという御発言がございまして、一歩を刻むときのその一歩のところに大変大きな問題があったということについては、国民の皆さんが、その分大変信頼ということでも傷つけかねないような、そういう状況であるということもありますので、そういう意味で大変残念に思うところでございます。 その意味で大変私自身大きな責任をしょっているなということでございまして、そういう意味で、二番目のうったてということではございますが、そのことをしっかりと覚悟をして取り組んでいくと、こういう姿勢でまいりたいというふうに思っております。特に、真摯に、そして皆様の声にしっかりと耳を傾けながら、しかし決断したことについては迅速に対応すると、こういう方針をしっかり持って取り組んでまいりたいというふうに思います。
○江田五月君 私は、安倍第二次改造内閣が女性閣僚を五人起用したというのは、まあ余り野党の方で褒めちゃいけませんが、しかし頑張っているなと思っていました。 しかし、そのうちのお二人がすぐにお辞めになる、残りの三人はそろって靖国神社に参拝をされる。靖国神社の参拝については意見はいろいろありますが、しかし今、日中関係、これからAPECに向けてもう本当に関係者が血のにじむ努力をしているまさにそのときに、その努力に水を掛けるようなことをやられるというので、本当にざんきに堪えぬ思いでおります。 女性閣僚のお一人としても上川大臣に頑張っていただきたいと思っておりますが、松島大臣の事件というのは、これはうちわ、括弧付きでしょうか、うちわのようなもの、これがどうなるかという話ですが、松島前大臣は東京地検に告発をされて、これが受理をされているということなんですね。この事件についての対処方針というものは、大臣はどのようにお考えですか。
○国務大臣(上川陽子君) 松島前法務大臣に対する公職選挙法違反の事実の告発ということで、今年十月の二十日に、御指摘いただきました東京地検に出されたということで、東京地検も受理したというふうに承知をしているところでございます。 個別の事件ということで、捜査の具体的内容に関わるということでございますので、お答えというのにつきましては差し控えさせていただきたいというふうに思います。
○江田五月君 個別の事件ですから対処方針は申し上げないというのは、それはそれでそういうことだと思いますが、しかし、大臣は個別の事件についても指揮をする権限をお持ちであると。これは御存じですよね、検察庁法十四条ですが、指揮権の発動、個別の事件については検事総長のみを指揮できると。検事総長は検察のトップですから、検事総長が法務大臣から指揮を受ければ、その指揮に従って個々の事件について担当の検察官を指揮すると。 検事総長ですから、検事長、検事正といって行くかもしれませんが、ということができるわけですが、この検察庁法十四条についてはどうするお考えですか。
○国務大臣(上川陽子君) 御指摘の検察庁法の第十四条に係る指揮権発動ということの件だというふうに理解をいたしましたけれども、この指揮権の行使につきましては、検察権が行政権に属すということによりまして、法務大臣がその責任を負うということでございます。と同時に、検察権は独立でなければいけないということで、この独立性の確保という要請がございます。この両者を調和させながら、検察庁法の第十四条の趣旨に鑑みまして、検察権の不当な制約とならないように、極めて慎重に対応する必要があるというふうに考えております。
○江田五月君 極めて慎重に対処をするということなんですが、これはもう申し上げるまでもないと思いますが、検察というものが行政権に属していて、国民との関係あるいは国会との関係でいえば、法務大臣が責任を負っているわけです。検察の全ての機構も法務大臣の下にあるということで、したがって、もし検察庁法十四条がなかったらどうなるのか。なかったら、恐らく、国家行政組織法上の原則からいうと、法務大臣が全て指揮ができるということになる。しかし、それでは検察の独立は保てない。そこで、検察庁法十四条で検事総長のみを指揮できると。その指揮が間違っているか正しいか、それは国民が判断するんだということになっているわけで、よくこれは慎重に対処していただくというのはそうなんですが。 私は、ここで、松島前法務大臣の告発事件については法務大臣は指揮権を発動しないと、そういうふうに言っていただけないかと思うんですが、もし仮に指揮権を発動しないということになる場合は、今度は国民との関係がおかしくなってくるわけで、じゃ、指揮権を発動すると言えばこれはもちろん慎重に対処するということと反することになってしまいますので、今のようなお答えで仕方がないのかなということで納得をいたしますが。 しかし、大臣、もうちょっと踏み込んで、指揮権の発動は検事総長に対してするんですが、これはどういうふうにしてやるかというのは御存じでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) ただいまのどのように具体的にするかという御質問でございますけれども、具体的な事件に対する指揮権ということにつきましては、唯一法務大臣の権限であるということでございます。それゆえに、法務省の中の例えば事務次官とか、そういうお立場の方がこれを行使することはできないというふうに思います。 ただ、法務大臣が具体的な事件に対して、検事総長に対して指揮をする場合ということにつきましては、こうした事務次官とか刑事局長を通じて行うということについては可能であるというふうに考えております。
○江田五月君 ちょっと今よく分からなかったんですが、こういう整理を是非していただきたいと思うんですね。 私も、実は検事総長を指揮したことがあるんです。だけど、これは個別の事件について指揮したのではないんです。そうではなくて、取調べの可視化がどういう効果を持つか、これが判定できる程度に試行を、試みにスタートをさせてみてくださいということをペーパーにして、検事総長に法務大臣室に来ていただいて、ペーパーをお渡しして指揮をいたしました。これは個別の事件ではありませんから、法務大臣の検事総長に対する権限としてできると。だから、そういう方法はあるので、もし個別の事件について検事総長に指揮をすることがあれば、これはやはり法務大臣室に呼んで指揮をするということが一番、どういうか、原則的なやり方になるのかもしれませんが。 しかし、大臣、今事務次官やあるいは刑事局長が検事総長を指揮することはできないとおっしゃいましたが、だけれども、事務次官や刑事局長やあるいは法務省の全ての職員は皆、これ、行政組織法上は大臣がトップでというピラミッド型の法律関係ですが、行政作用法というのがありまして、これは行政行為、処分の名宛て人の国民と行政庁との関係という、その関係はこうでなきゃいかぬ、そのときの訴訟はこうだという、そういう関係のことで、処分庁、国民を名宛て人として行政行為を行う処分庁というのは法務大臣お一人ですから、検事総長も刑事局長もその他の皆さんも全部これは法務大臣の処分庁としての権限を行使するときの言わば補助機関ですから、したがって、検事総長が指揮をしても刑事局長が指揮をしても、それは全部法務大臣が指揮をしたことになってしまうというその理解を是非しておいていただきたい。 したがって、大臣が、私が検事総長を指揮するんじゃないので刑事局長ちょっと言っておいてねと、これも指揮権に当たってやはり検察庁法十四条に違反するんだと、この点の御認識は持っておいていただきたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(上川陽子君) ただいま先生が御指摘なさったこと、今、大きな枠組みということの中でのしっかりとした体系的な取組ということについては理解をさせていただきましたし、また、そうした心構えでしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
○江田五月君 なお、もう少し突っ込みますと、まあ私も分かりませんけれども、恐らくこうした世間の注目を引いている事件というのは法務大臣のところまで報告が上がっていくと思います。上がらなければ上がらないでもいいんですが、上がらなければ、やはりちょっと法務行政全般に責任を負う法務大臣として困ってしまうでしょうね。ですから、報告は上がってくると思いますが、その際にその報告に対して何かの感想めいたことを言えばそれが指揮権に当たるおそれがあると、こういうことも分かっておいていただきたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(上川陽子君) 個別の事件につきましてのそうした言葉ということにつきましても指揮権の範疇に入るということにつきましては、そのように理解をさせていただきます。
○江田五月君 これは本当に慎重に行動していただきたいと思います。 松島前大臣のケースのこの括弧付きのうちわの配布ですが、これはどういうふうに答えられますかね。公選法違反に該当しますか、どうですか。
○国務大臣(上川陽子君) 個別具体的な事例ということでございますので、お答えは差し控えさせていただきたいと存じます。
○江田五月君 そうだと思います。 一般論として、うちわをお祭りであるとか、一般の人が、有権者が集まっているところで配布をするということは公選法違反に当たるとお思いですか、どうですか。
○国務大臣(上川陽子君) この件につきましては、公職選挙法ということを所管しておりませんので、その限りにおきましても答弁はいたしかねるということで御理解いただきたいというふうに思います。
○江田五月君 これは、各地の選挙管理委員会でたくさん、どういいますか、指針といいますかガイドラインが出ておりまして、うちわは駄目よということになっているので、その点はまた別の機会に別のところで確認をさせていただくことになるかと思いますが。いずれにせよ、私どもは、松島前大臣についても小渕前大臣についても、お辞めになったからこれで終わりということではなくて、ちゃんと経過あるいは自分のお考えを説明をしていただきたい。説明の場は例えば政治倫理審査会であるとかというようなこともあるし、また、こうした事案の解明の結果、大臣を辞めるということだけでは済まないことも出てくるのではないかというふうに思っておりまして、また同僚議員がいろんな立場で御質問することもあるかと思います。 さて、時間がもうだんだん来ておるんですが、私は今、法務大臣と法務省というもの、検察庁の関係を例に引いて、そのことについて大臣に見解をただしました。検察は独立性というものがありますから慎重に考えなきゃいけないところがあるけれども、その他の法務省の全職員は、地方末端に至るまで全て大臣の手足であるんだと、全てその行為は大臣が行っている行為であり、大臣に責任が及ぶ行為であると、そういうことを肝に銘じて法務行政全般をしっかりと把握をしながら進めていただきたいし、法務省もいろいろなところを持っていますから、刑務所の中などでも、いつも事が穏やかに進むばかりではない、時には行き過ぎもあるでしょう、あるいは、行き過ぎではなくて間違った人も法務省の職員の中にいるかもしれません。そうしたことも起きたときに、是非厳正にすべきは厳正に対処をし、また、しかしやっぱり職員のことは是非気に掛けて、仕事をしやすいようにしてやっていただきたい。 とりわけ大臣は、就任の記者会見だったですかね、女性の職員のことに言及をしておられまして、既に一定の指示を出しておられるということなので今日はそのことはお伺いしませんが、是非、先般の最高裁の判断のように、いわゆるマタニティーハラスメントですか、そのようなことが法務省で起きたらこれはもう漫画チックになってしまいますから、そんなようなことのないようにお願いをいたします。 一つ、時間が進んでおりますが、法の支配と司法戦略ということについてお伺いをしておきます。 昨日、松島大臣と私とのやり取りは是非読んでおいてくださいということを申し上げましたが、法の支配のくだりについて、私の留学での経験、イギリスで法の支配という言葉が始まって、これ、日本で法の支配というと非常に多義的です。そのいろんな理解の仕方が間違っているといったって、日本ではそういう理解だといえば、それはそうなんですが、元々はといえば、法の支配はイギリスにおけるルール・オブ・ロー、これの翻訳であることは間違いない。ルール・オブ・ローというときに、裁判所の前では王様も国民も対等ですよという、これが法の支配の一番の原則であるというようなことをお話をしておりますが、それは読んでいただいていますか。
○国務大臣(上川陽子君) 松島前大臣とのやり取りの速記録というのを入手いたしまして、丁寧に読ませていただきました。今言及された箇所につきましても何度も読ませていただきました。
○江田五月君 そこで、私が気になるのは、衆議院の予算委員会で稲田委員の質問で、私は、政府全体として司法戦略を練る時代に突入しているのではないかと思います、総理の御見解をお伺いしますという質問があって、これに対して安倍内閣総理大臣は、議員御指摘のとおり、国の制度の在り方や政策の根幹、あるいは日本の名誉に重大な影響を与える訴訟が様々な形で増加していることについては事実であると認識しています、これら訴訟に適切に対応していくことは国として喫緊の課題であると考えております、政府全体としてしっかりと訟務機能の充実強化に迅速に取り組んでいく、戦略的にしっかりと取り組んでいきたいと思いますと、こういう答弁があります。 続けて、稲田委員が各大臣に聞かれまして、松島国務大臣、今総理からの答弁にもございましたように、中略、国としてこれらの訴訟に適切かつ迅速に対応していく必要がますます高まっておりますと答弁しておられるんですが、これは一見さらさらと読むとうんうんということなんですが、もう少し考えるといろんな問題が出てくると思うんですが、この点に関する松島前大臣と私とのやり取りも読んでいただきましたね。
○国務大臣(上川陽子君) やり取りにつきましても読ませていただきました。
○江田五月君 国が訴訟で負ける、これは国の名誉を害したことになるんでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) そのことには当たらないというふうに思います。
○江田五月君 是非そこのところは押さえていただきたい。勝つことも負けることもあるので、これは名誉の話ではない。 例えば、最近の例でいえばアスベスト、これで、最高裁で結局被害者側の国家賠償が認められて、これが確定をいたしました。しかし、八年掛かっているんですね。しかも、国民が国や公共団体を相手に訴訟を起こす国家賠償、これは九割方が国民敗訴というんですよね。これは本当にこれで、まあ裁判の結果ですからいいとも悪いともなかなか言い難いけど、全体を総体として見れば、これはやはりもっと国民に救済が与えられるべきではないのかと。 あるいは、逆に言えば、裁判所まで駆け込んでそして駄目よと言われる前に、しっかりと国民の権利が確保できるように、そういう行政プロセスの中でいろんな法的な疑義が生じないようにサポート役を果たしていく。国民に裁判所へ行っても駄目よと思わせるのではなくて、裁判所へ行かなくても自分の権利は十分満足できる、あるいは、それが言うとおりにならなくても、自分としてはそれで、よく行政は話を聞いてくれた、満足したと、そういう結果を国民に与えていくような、そういう訟務的なサポートが、司法戦略という言葉は私はちょっと誤解を生むかなと思うんですけれども、そういう訟務戦略をお考えになるのならこれは理解ができる。そこのところはどうお考えになっていますか。
○国務大臣(上川陽子君) ただいま先生から御判断いただいたような、そうした趣旨の、訟務行政のサポート機能ということについて戦略的に取り組めというような御趣旨のことについては、それは私もそのように感じているところでございます。 訴訟の結果が、国の政治、また行政、経済等に重大な影響を及ぼすような、そうした案件が非常に増えているということ、その中でアスベストのことにつきまして御言及されたところでございます。 こうした大型な訴訟ということでございますが、裁判所に対して国の主張やまた論点ということについてしっかりとこれを提供いたしまして、そして裁判所が適正な判断ができるようにしていくということがまず大事ではないかというふうに思います。そして同時に、そうした結果を踏まえて、様々な行政行為ということに対して法的な視点で、そのことが事前に予防することができるようなところにまでつなげていくと、こういう機能も、先ほど委員から御指摘がございましたとおり、極めて大事だというふうに思っております。 こうしたことを併せた形で、訟務行政につきましては、この充実強化をしっかりと図っていくということが所信の中でも述べた点でございます。
○江田五月君 例えば嫡出子と非嫡出子の相続分の違い、これは最高裁の決定によって違憲であるということになって、そして民法を変えると。 国は負けたわけですが、国が負けたというのは国の名誉が害されたとかということとは異質の話であって、裁判所の判断がどっちへ向いたかということで国が名誉が守られたり害されたりするようなことは、それはちょっと、どういうんですか、位相が違うんだということをしっかり御理解をいただきたいと思います。 以上で、次の同僚議員に後を譲ります。ありがとうございました。
○有田芳生君 おはようございます。民主党・新緑風会の有田芳生です。 今年の八月二十日、二十一日にスイスのジュネーブで国連人種差別撤廃委員会の日本審査が行われました。そこの結論を日本のテレビ、新聞のメディアは大きく報じましたけれども、例えば、ある新聞は一面トップの記事で、ヘイトスピーチ対処勧告、国連委員会、日本に法規制促す、現状、世界の常識と落差という報じられ方をしております。 しかし、日本ではどうしてもヘイトスピーチの問題が強調されて今まで来ているんですけれども、実は人種差別撤廃委員会の日本審査では、ヘイトスピーチだけではなく様々な多くの人権問題が取り上げられました。今日は、そのことに対して日本政府がどのようにこれまで対処してきたのか、あるいはこれから対処していくのか、そういう視点で幾つかの質問をしたいと思います。 まず、具体的にお聞きをしたいんですが、警察庁にお尋ねいたします。 十月二十五日、いわゆる在特会、在日特権を許さない市民の会というありもしない在日特権を主張している団体のメンバーを中心にして五人が逮捕をされております。どういう事案だったでしょうか、教えてください。
○政府参考人(塩川実喜夫君) お答えします。 在特会関係者らが、本年八月十五日、都内千代田区に所在する居酒屋で飲酒し、午後九時頃、この店を出ようとしたところ、日頃から在特会の活動に対して抗議するグループのメンバーである被害者らがこの店に入店しようとした、言わば鉢合わせとなりまして、店舗付近路上などにおいて在特会関係者らが被害者二人を取り囲み暴行を加え、肋骨の骨折などの傷害を負わせたものであります。警視庁では、その後の捜査により、今議員御指摘のとおり、十月二十五日、在特会関係者ら五人を傷害罪で逮捕しております。
○有田芳生君 その事件についてはテレビあるいは新聞でも大きく報じられました。しかし、全く報道に出ていないことがあります。つまり、在特会の関係者が二人の日本人男性を取り囲んで肋骨を折るというような暴行を働いた、そのとき彼らがどんな言葉を吐いて暴行に及んだか。その場には大体百人ぐらいいた。それに対して、日本人二人の男性に対して、直接的には七、八人の男性が殴る蹴るの暴行を働きました。そのときに在特会関係者は彼らに対して何と叫んだか。当事者から話を詳しく聞きました。朝鮮人は出ていけ、朝鮮人は死ね、朝鮮人は殺す、チョンコというような侮蔑的な言葉を吐いたんです。 つまり、何が言いたいかというと、被害を被ったのは日本人ですけれども、在特会関係者がそこで吐いていた言葉というのはまさしくヘイトスピーチ、差別扇動表現なんですね。つまり、ヘイトスピーチというのは、ヘイトクライム、差別犯罪に結び付くんだということがこの事件でも明らかになったというふうに私は考えております。 お手元に資料を配付しましたけれども、実は、十月二十五日、第三十七回日韓・韓日議員連盟合同総会がソウルで行われました。日韓議連の会長は、皆さん御承知のように、自民党の額賀福志郎先生でいらっしゃいますけれども、その共同声明の中で、その前の段階で、朴槿恵大統領との会談でも日本のヘイトスピーチが話題になりました。それを受けてこの共同声明の五項目めに、皆さんにお配りした資料にも引用しましたように、こう書かれております。日韓両国の国会議員は日本内の一部地域におけるヘイトスピーチが両国の友好増進と在日韓国人の生存権に悪影響を及ぼすことに留意し、こうした街宣やデモを防止できる方策を模索していくこととしたと。 これ、言葉ではこう表現されておりますけれども、さっきヘイトスピーチがヘイトクライムに結び付いているんだということをお伝えをしましたけれども、実は今でも毎週どこかで、この間の日曜日には新宿で在特会系のデモが行われていた。そこでは同じようにヘイトスピーチが行われているんですよね。これは全国各地で毎週やっているんです。一年間にすると三百六十回以上、昨年は行われております。 そういう状況の下で、例えば去年大きな問題になった大阪の鶴橋や東京の新大久保にしても、在日コリアンの集住地域で、朝鮮人は出ていけというような、殺す、ホロコーストだ、新大久保を更地にしてガス室を造れ、そういうことをずっと年中繰り返している団体がいまだ存在しているんです。ですから、そういう攻撃を受けた人たちは、本当に自分たちが直接的な危害を加えられるんではないかと日々恐れているのが現実なんです。今日は時間の関係もありますので、インターネット上で個人がどれだけひどい仕打ちを受けているかということはまた改めて行いたいと思いますけれども、本当に深刻に皆さんが心配しているんです、差別されている人たちは。 お手元に配付した資料の右側、カラー刷りですけれども、見てください。 私は、国連の人種差別撤廃委員会の日本審査、スイスのジュネーブの傍聴をして、その足でポーランドのクラクフという古都に行きました。ポーランドは一九三九年の九月にナチス・ドイツが侵略を行って、クラクフにもハーケンクロイツの旗が中央公園という一番きれいな公園にもざあっと掲示をされた。その実物のハーケンクロイツの旗がシンドラー博物館にも展示をされております。 このシンドラー博物館というのは、皆さん御承知のように、「シンドラーのリスト」、この人はナチス党員だったんだけれども、自分の会社で働く約千二百人のユダヤ人を救うために努力をされた方で、今でもそのクラクフにシンドラーさんの会社が残っているんです。だけど、その中身は実際は戦争博物館なんです。 ナチス・ドイツがポーランドを侵略したときにハーケンクロイツの旗がずっと掲げられただけではなく、今皆さんにお示ししたポスターが貼り巡らされました。これ何と書いてあるかというと、ユダヤ人はシラミだというんです。ユダヤ人はシラミだ。この数年間、日本でずっと吹き荒れているヘイトスピーチ、朝鮮人はゴキブリだ、いい韓国人も悪い韓国人も皆殺せ、そういうヘイトスピーチがナチス・ドイツが侵略したポーランドのクラクフにも貼り巡らされた。その後何が起きたかというと、これも展示がありましたけれども、市電にユダヤ人お断り、きれいな公園にもユダヤ人お断りという掲示がされた。 去年の法務委員会でも質問させていただきましたけれども、日本でもサッカーの会場で、ジャパニーズオンリー、日本人だけだよと。それはサッカー会場だけではなくていろんな飲食店、理髪店、風呂屋などでも、今、北海道から沖縄までジャパニーズオンリーというのが掲げられている。そういうことがやはり、このシンドラー博物館に行って、日本も大丈夫かなというふうに思いました。 その行き着く果てが、ユダヤ人のゲットーへの囲い込み、そして皆さん御承知のようにアウシュビッツへと続いていったんですよね。だからこそ、ヘイトスピーチというのは双葉の段階で摘み取らなければならない。そういう恐怖感を、多くの在日コリアン、中国人、フィリピン人、そして、さらには在特会などの攻撃が向けられている生活保護を受けている人たちにも向いている、そういう日本に今いるということを私たちは切実に認識しなければいけないだろうというふうに思っております。その上で、具体的な問題に入っていきたいと思います。 人種差別撤廃条約が国連で採択されたのは一九六五年です。日本が加入したのはそれから三十年。私は、撤廃委員会の日本審査を傍聴していて、ああ、やっぱり日本は国際基準から本当に遅れているんだなということを痛感いたしました。そのことを今から具体的にお伺いしたいと思います。 まず、外務省に伺いたいんですが、人種差別撤廃委員会の総括所見、八月二十九日に発表されましたが、そのパラグラフ十一、ヘイトスピーチとヘイトクライム、これはどういう内容が示されているでしょうか。
○政府参考人(河野章君) お答え申し上げます。 八月二十九日でございましたが、この条約に基づき設置されております人種差別撤廃委員会が日本に対しまして、我が国が二〇一三年一月に提出したこの条約の運用に関する政府報告に関する最終見解というものが示されました。今委員から御指摘いただきましたパラ十一というのは、この最終見解にございますパラ十一でございますけれども、これは、ヘイトスピーチ及びヘイトクライムに関する同委員会の我が国に対する勧告について述べたものでございまして、その内容を、多岐にわたりますのでちょっと要約いたしますけれども、人種差別的暴力の扇動にしっかりと対処すること、あるいはインターネットを含むメディアにおいてヘイトスピーチに対処する適切な措置をとること、必要な場合には責任ある個人や団体を捜査し起訴すること、さらに、人種差別的ヘイトスピーチの原因に対処し、教育等に関わる措置を強化することなどといったことが記載されてございます。
○有田芳生君 今示していただいたとおりなんですが、もう一度最終パラグラフ十一の核心部分をお伝えしますと、こう書かれています。 外国人やマイノリティー、とりわけ朝鮮人に対し人種差別的デモや集会を行う右翼運動や団体により差し迫った暴力の扇動を含むヘイトスピーチが広がっていることを懸念する。暴力が差し迫っている。この間の事件は日本人が被害を受けたわけですけれども、繰り返しますけれども、在日コリアンの人たちは差し迫った危機感をずっと感じながら生きていらっしゃる。 ところが、今お話しになったように、二〇一三年一月の日本政府報告、どのように書かれておりますでしょうか、その差別問題に対して。もう一度外務省の方から教えていただきたいと思います。
○政府参考人(河野章君) お答え申し上げます。 今御質問いただきましたのは、二〇一三年一月に我が国が提出いたしました政府報告書の中で、いわゆるヘイトスピーチと呼ばれる状況についてどういうふうなことを言っているかというふうな御質問というふうに理解いたしましたけれども、その報告書の中でこの部分に触れておりますのは、少し細かくなりますけれども、日本がこの条約について入ります際に、この条約の四条の(a)と(b)というところについて留保を付しております。この留保というのは、四条の(a)と(b)というのが、端的に申し上げますと、人種的優越あるいは憎悪に基づく思想の流布であるとか、あるいは人種差別を扇動する行為、あるいは人種差別を助長するような団体への参加、こういったことを国内法上犯罪とするということを条約上定めておるのに対して、日本政府として、これは憲法の定める自由の保障と抵触しない限度においてこれを履行しますという留保を付しておるわけでございます。 この部分について書いたものでございますけれども、御指摘の部分というのは、この留保を撤回し、人種差別思想の流布等に対し、正当な言論までも不当に萎縮させる危険を冒してまで処罰立法措置をとることを検討しなければならないほど、現在の日本が人種差別思想の流布や人種差別の扇動が行われている状況にあるとは考えていないということを記載しております。
○有田芳生君 昨年の五月九日の法務委員会でそういう質問をさせていただきました。今お示しくださった中で明らかになっているのですが、日本政府は、今この日本の現状において差別思想の流布や扇動はないという判断をされている、私はそれを法務委員会で昨年、それはフィクションじゃないかということを言いました。まあ確かに言論、表現の自由の問題等の関わりで処罰立法措置をとるかどうかというのは大きな議論にこれからもなっていくと思いますけれども、私の判断ではそれはフィクションだと言わざるを得ない、現場の感覚からいって、そう主張をしました。 じゃ、次に、法務省の人権擁護局にお尋ねをいたします。 ヘイトスピーチについて日常的にどのような情報収集活動を行うのか、それを現場にどのように指示されておりますか。
○政府参考人(岡村和美君) お答え申し上げます。 いわゆるヘイトスピーチについては、報道や現場の状況の確認、人権相談や自治体等からの情報提供などによって状況の把握に努めるよう、全国各地の法務局、地方法務局に指示しているところであります。
○有田芳生君 じゃ、具体的にお聞きをします。二〇〇九年十二月から二〇一〇年にかけて、三回にわたって京都朝鮮初級学校が在特会などによって襲撃をされました。京都地裁、大阪高裁でも判決が既に出ておりますが、下品で低劣なヘイトスピーチであると、損害賠償約千二百二十万円が求められている件ですけれども、その京都朝鮮初級学校襲撃事件については、当時どのような報告が法務省に上がっていましたか。
○政府参考人(岡村和美君) 御指摘の事件に関しては、報道、人権相談などを契機といたしまして、法務局から当局に対して報告がなされております。しかしながら、個別の案件ですので、詳細についてはお答えを差し控えさせていただきます。
○有田芳生君 今年の四月二十四日のこの法務委員会で、外務副大臣に日本政府の報告書というのはどのように作られているのかとお尋ねしたところ、政府報告は各省庁からの報告を基にまとめたものだという答弁がありました。 今、京都朝鮮初級学校襲撃事件については、法務省にはそういう報告があったといいますが、法務省以外から何か報告はあったのかどうかということを外務省、教えてください。
○政府参考人(河野章君) お答え申し上げます。 国内で生じました人権に関します様々な事案につきましては、平素より外務省といたしましても、その関連事案の内容あるいは問題の所在について把握に努めてきているところでございます。その上で、御指摘のその政府報告書の作成に当たりましては、関係省庁と協議しながら各種の個別の事案の内容なども踏まえた上で、最終的に様々な協議を経て政府報告書を作成しているところでございます。
○有田芳生君 もう一度お伺いします。法務省以外にも京都朝鮮初級学校襲撃事件についての何らかの報告というのはあったんですか、なかったんですか。
○政府参考人(河野章君) ただいま申し上げましたとおり、政府報告書を作る過程におきましては、様々な省庁からいろんな話を聞き、その協議をした上で作っておりますけれども、個別に具体的にどういった話があった、なかったかということにつきましては、政府部内の中での検討の詳細に関わる部分でございますので、細かいところにつきましては控えたいと思います。
○有田芳生君 法務省が報告されていたということを明言されているのに、ほかからあったかなかったのか、例えばほかの省庁からこういうのがありましたよというのは、そのぐらい言えてもいいと思うんですけれども、時間がなくなってきたので、次に行きますけれども。 じゃ、もう一度外務省にお聞きをします。 そういった各省庁からのいろんな報告があった上で、先ほどお示ししましたけれども、現在の日本が人種差別思想の流布や人種差別の扇動が行われている状況にあるとは考えていないという、そういう驚くような結論、どこから出てきたのですか。
○政府参考人(河野章君) お答え申し上げます。 先ほど申し上げましたとおり、その政府報告書を作成する過程におきましては、関係省庁と協議しているところでございますけれども、その中で各種の個別事案についてのいろんな検討というのも行われております。例えば個別事案の内容ということでいきましたら、それに対する対応という意味では、個別に、必要に応じまして、名誉毀損罪であるとか侮辱罪あるいは業務妨害罪といった、既存の法令において適切な対処措置などもとられている事例もあるというふうに理解しておるところでございます。 そのような可能なものについては既存の法令によって取締り等が行われているという状況がある中で、更にそれを超えて一般的にこのような言動について規制をするということ、これは正当な言論までも不当に萎縮させるおそれがあり、このおそれとの比較考量の上で、現在、処罰立法措置をとることを検討しなければいけないほどの状況にあるとは考えていないという結論に至った次第でございます。
○有田芳生君 そこには現実が何にもないんですよ。これは京都朝鮮初級学校襲撃事件についての京都地裁、大阪高裁の判決でも明らかなように、やはり、一般個人ではなく不特定多数の在日コリアンや、中国人でもいいんだけれども、そういうマイノリティーに対する攻撃というのは今の法律では対処できないんだと。だからこそ、国連の人種差別撤廃委員会の日本勧告も包括的な差別禁止法を作りなさいということが再三強調されているわけなんですよね。 しかも、この二〇一三年一月の政府報告が提出された後、東京の町田では朝鮮高校のみ防犯ベルの配付を取りやめるという出来事がありました。多くの人たちの批判的な意見の声があり、それは撤回されましたけれども、当時、東京法務局はどのように対処したんでしょうか、教えてください。
○政府参考人(岡村和美君) 私ども法務省の人権擁護機関では、被害者からの申告などに基づき人権侵害の疑いがある事案については調査を開始し、事案に応じて適切な措置を講じておりますが、町田の件につきましては個別の人権侵犯事案の取扱いということですので、お答えを差し控えさせていただきます。
○有田芳生君 報告は何かあったんですか。
○政府参考人(岡村和美君) そのことにつきましてもお答えを差し控えさせていただきます。
○有田芳生君 そのように、もうあらゆる事件、出来事について、どんな報告が上がっていて、どんな検討がなされて、どういう対処をしてきたかというのが全く見えないんですよ、事、差別問題についても。だから、ここをやはり克服しなければいけないというふうに思っております。 お手元にお配りしてあります資料の左側、英文ですけれども、これは去年の四月十二日のジャパンタイムズの社説です。こう書かれています。今回の町田市の問題は、この国全体に吹き荒れる非常に不穏な動きの一部である。幾つかの自治体は朝鮮学校への補助金支給を停止した。今年二月二十日、安倍内閣は朝鮮学校を高校無償化制度から除外した。これらの決定は撤回されるべきである。生徒たちを政治的な人質として利用することは間違っている。生徒たちを利用すれば、日本における朝鮮人差別をあおるだけだと。こういう指摘がなされているんですけれども、これが今年の八月二十日、二十一日にジュネーブで行われた国連の人種差別撤廃委員会の日本審査の結論と共通するものだと思うんですよね。 そう判断しているんですけれども、外務省、どのように認識されますか。
○政府参考人(河野章君) お答え申し上げます。 今委員から御指摘ありましたジャパンタイムズの社説、四月十二日付けというふうに承知しておりますけれども、政府といたしましては、個々の報道についてコメントをするということは差し控えるべきであろうというふうに考えております。 その上で申し上げますと、今年、人種差別撤廃委員会が示しました最終報告、八月でございましたけれども、この中で、いわゆる高等学校等就学支援金制度から朝鮮学校が除外されていることについて懸念が示されたということは御指摘のとおりでございます。ただ、この処遇につきましては、この高等学校等就学支援金制度というものの運用に当たって設定された基準に照らして的確であるあるいは的確でないというふうな判断が行われたというふうに承知しておりまして、それは殊更に朝鮮学校というものを差別するというものではないというふうに政府としては考えておりまして、この旨を人種差別撤廃委員会に対しても御説明申し上げたところでございます。
○有田芳生君 詳しくは時間も迫っておりますので控えますけれども、国連の人種差別撤廃委員会の委員の方々は、そういった日本政府の発言に対して、いつまでたてば同じ質問ばっかりをしなくて済むんですかということを語っていらっしゃいました。日本政府は全く応えていないというのが人種差別撤廃委員会の委員の人たちの意見でした。そのことだけを指摘して、時間の都合で次に行きますけれども。 そういった人種差別撤廃委員会の日本審査について今お話があった中身あるいはこれまで報道されてきたことについて、法務大臣、海外からの厳しい目についてどのように考えていらっしゃいますか、あるいは、これからどう対応されていきますでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) ただいま御質問でございまして、この間、様々な関連の現実についての御指摘もございました。 一部の国あるいは民族に対してこれを排除しようとするこうした言動につきましては、人々に不安あるいは嫌悪感ということを与えるだけではなくて、また差別意識を生じさせることにつながりかねないということで、これにつきましては甚だ残念であるというふうに感じております。また同時に、あってはならないことだというふうに思っているところでございます。 このような言動に対しましては、現行法につきましてしっかりと適用して対処するということと同時に、これまでもそうでありますが、啓蒙啓発活動につきましてはより一層積極的に取り組んでいくべきだというふうに思っておりまして、こうしたことについて適切に対応していきたいというふうに思っております。 また、先ほど来の御指摘がございましたけれども、このような言動に対しまして新たな規制についてはどうかということでございます。 正当な言論までを不当に萎縮させるということにつながりかねないということもございまして、表現の自由との関係で難しい問題はあるというふうに承知しておりますが、ただいま各党におきましてこの点につきましての検討がなされているということでもございますし、また、国民的な議論の深まりということを踏まえまして考えていくことになろうかというふうに思っております。 一人一人がこうした成熟した社会の中でしっかりと人権意識を高めて、そして一人一人の人間としての尊厳ということについてしっかりと守っていくことができるような社会づくりということについて、法務行政の中でもこうした視点を大事に取り組んでいきたいというふうに思っております。
○有田芳生君 総括所見のパラグラフ三十三では、特に日本政府がこれから強調しなければいけない、真剣に取り組まなければいけない四つの課題が取り上げられております。一つはヘイトスピーチ、もう一つは朝鮮学校問題、三つ目に琉球、沖縄、四つ目に難民問題です。 本来、今日、それぞれの課題について各省庁がどのようにこれから対応されていくのかということをお聞きする予定だったんですが、時間の都合がもう来ておりますので、一言でも副大臣の方から御自身の担当のところだけでも語っていただければと思います。
○副大臣(葉梨康弘君) いわゆるヘイトスピーチの問題でございますけれども、私の担当は、まず現行法、これを本当に活用をしているんだろうかということをしっかり点検しないといけないだろうと思います。民法上の損害賠償だけじゃなくて、侮辱罪あるいは名誉毀損罪、さらには業務妨害、そういったような罪もあります。これを本当に我々は活用した上でこういった問題に対処しているのかどうかということもまずしっかり点検しなきゃいけない。それから、各地の法務局において、人権擁護の足腰、しっかり足腰を強くして、やはりいろんな問題があったときに迅速に対応できるようにしていくということをしっかりこれもまたやっていかなきゃいけない。そういう意味で、いろいろな課題は大きいかなというふうに思っています。
○有田芳生君 さっき大臣もお話しなさっていましたように、私たちも今年の四月から超党派で人種差別撤廃基本法を求める議員連盟というものをつくって、この半年間、法案準備もして、ほぼ完成に至っております。自民党にも公明党にもヘイトスピーチ対策のプロジェクトチームがつくられているということを伺っております。 こういったやはり差別の問題というのは超党派で、人間の尊厳と平等を守る問題ですから、取り組んでいかなければいけないというふうに思います。臨時国会でもまた新たな動きがあると思いますので、本当に党派を超えて、新しい段階に人権問題、進んでいかなければいけないということを最後にお伝えをして、時間が来ましたので終わりたいと思います。
○矢倉克夫君 おはようございます。 上川大臣、就任おめでとうございます。 御就任早々大変恐縮ではございますが、新任閣僚の方々への様々な報道が相次いでいることを公明党としても大変残念に思いますし、また、与党の一角として国民の皆様に大変申し訳なく思っております。政治への信頼を取り戻す正念場であるかと思っております。大臣には御期待を申し上げたいと思っております。 改めて、大臣から御決意をいただければと思います。
○国務大臣(上川陽子君) ただいま先生から御指摘がございました今の状況ということにつきまして、私自身も、突然の任期途中の就任ということで、大変このような事態が起きたことについて責任を感じているところでございます。国民の皆様から信頼が損なわれかねないことで、大変迷惑を掛けているということに対しても申し訳なく思っております。 一日も早くこうした審議が迅速に進むことができるように、私自身も、副大臣、政務官と力を合わせて信頼回復を図るためにも頑張っていかなければいけないということで、身の引き締まる思いでございます。これからもそうした視点をしっかりと持って頑張っていきたいと思いますので、よろしく御指導いただけますようお願い申し上げます。
○矢倉克夫君 よろしくお願いいたします。 それでは、前回の質問の確認も含めて幾つかお尋ねしたいと思います。大変恐縮なんですが、質問通告、最初、再犯防止をする予定だったんですが、ちょっと最後に回していただきたいと思っております。 まず、法テラスについて、前回、主に後見過疎の問題を取り上げて、福祉分野における司法の役割の充実、拡充を提起いたしました。大臣も所信で言及されております高齢者や障害者等の法的ニーズの掘り起こしについて、私、これ既に法的問題が顕在化した後の事後処理では意味がなく、やはり事前予防であるべきだと考えております。例を挙げれば、社会的弱者の多重債務の問題など、債務がもうどうしようもなくなった状態で任意整理をしたり破算処理するような事後対応では間に合わないわけでして、その状態を引き起こした当事者の判断能力の問題や、またこれに付け込んでいる第三者の問題なども、危険な要素を事前に察知してどう法的にプロテクトしていくのかというのが非常に大事であると思っています。 問題は、こういうことについて、普通はこのような事前の段階から司法に一般の人から話が来ないということで、普通の感覚では、法律の出番というのは、にっちもさっちもいかなくなって訴訟をせざるを得ないような状態になって初めて来ると。私も弁護士だったときも、もっと早くに言ってくれればみたいな話もよくあったりとかしたんですが。それで、早くから当事者の情報に一番触れている自治体や福祉事業者に、ちょっとでもおかしな話が出てきたら、法律に関わるかどうかは分からないけど、まずは弁護士等に連絡してみようかと思わせることが大事であろうかと思っています。そのためには、もう待っているだけでは司法の側も当然駄目で、常日頃から定期的に意見交換するなど、よほど緊密に連携を取らなければいけないというふうに思っております。 ちょっと長々と話してしまったんですが、私、その連携の核になるのが給与制のスタッフ弁護士のいる法テラスであるという認識をしております。この点、大臣も所信の方では法テラス等の充実、訴えられていたんですが、同じような思いであると思いますが、この辺り、大臣、いかにお考えか、お考えをいただければと思います。
○国務大臣(上川陽子君) 委員御指摘の点につきまして、私も全く同感でございます。 そもそも、法テラスの制度ということにつきましては、国民に身近な司法をということで制度設計されたものでございまして、まさに司法が、垣根が低くて、そしていろんな課題に対して相談をすることができる、そういう役割を社会の中で果たしていくべきだという中から生まれてきた制度であるというふうに思います。 その意味で、法テラスが今後、高齢者の方とか障害者の方たちの様々な悩みやそして課題に対しまして、法律という視点から適切に行動することができ、またそれを解決に向けてつなげていくことができるような、そうした拠点としての業務ということについては大変大事だというふうに思っております。 ニーズにつきましては本当に多岐にわたるということでありますので、できるだけ多くの関係する機関と、福祉の機関でありますとか、最近は地域の包括ケアのシステムということにつきましても充実をしていこうということでありますので、そうしたところとうまくネットワークを結びながら、その中で、先ほど御指摘がありましたように、常勤の弁護士さんが本当に身近なお気持ちに立って、相談をして、そしてそれに対して適切に対応することができるような、そうした新しい仕組みに向けての努力ということについては、今まさに求められているのではないかというふうに思っております。
○矢倉克夫君 法テラスの重要性は、法務省の設置している法曹有資格者の活動領域に関する有識者懇談会においても、泉先生や田島先生など多くの専門家の方が指摘をされているところであります。 大臣も所信で述べられていた司法ソーシャルワーク、この拡充という側面においても法務省だけではなく厚生労働省なども巻き込むべきだと、このようなことも含めて、法テラスの重要性と絡めて懇談会では話もあります。特に、この他省との連携、この部分についても大臣から御説明いただければと思います。
○国務大臣(上川陽子君) 今回の所信で司法ソーシャルワークに向けた体制整備につきまして言及をさせていただきましたけれども、平成の二十七年度の概算要求につきましても、このことの整備のための予算ということで要求をさせていただいているところでございます。 そして、この法テラスの件につきましては、他省、つまり福祉的な様々なニーズというものも関係しているということでありますので、その一つずつの問題に対して解決すればそれで終わりということではなくて、障害者や高齢者の皆さんがいろんな課題や問題に対してシームレスに取り組んでいくことができるように、他省との連携、とりわけ厚生労働省との連携というのは非常に大事なものだというふうに思っております。そういう意味で、法テラスの役割というものは、一つの拠点、核としての役割を更に充実強化していくことが必要であるというふうに考えております。
○矢倉克夫君 大臣おっしゃったシームレスな対応、これは非常に大事であると思います。どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。 次に、法務省の役割について、主にルール構築という観点からお尋ねをしたいと思います。 前回の質問のとき、自民党の三宅理事の質問に対しまして松島前大臣から、法務省が各省に対し言わば顧問弁護士みたいな形で、会社に顧問弁護士がいるように各省の政府の顧問弁護士という役割を果たすという答弁がありました。私、非常に重要な視点であるかと思っております。今、組織機構的なものも含めて、この点に関してどのような試みがなされているのか、改めて大臣から御説明いただければと思います。
○国務大臣(上川陽子君) ただいまの御質問でございます、松島前大臣から、言わば顧問弁護士というような役割ということでございました。 国の利害に関係する争訟、訴訟は法律上法務省が行うということになっているところでございます。そしてその訴訟の結果が、国の政治や行政、経済に大変重大な影響を及ぼす訴訟が増加しているということも昨今の課題でございます。国として、これらの争訟、訴訟に適切かつ迅速に対応していく必要性がますます深まっているというふうに考えております。 同時に、委員の御指摘でございますが、法律の専門家を多数抱えておりますので、訴訟が起きてから対応するのではなくて、訴訟が起きる前に関与をし、そして行政の法適合性を高めていく、そのことによって国民の権利利益に資するような行政とすると。これにつきましては、松島前大臣は顧問弁護士というお話もございましたし、また、言い換えてみれば、政府のコンプライアンスの機能を高めていくという意味での大変大事な役割もあるというふうに思っております。 訟務組織の充実強化ということで先ほど来お話ししましたけれども、予算概算要求につきましても、この点につきましても十分に対応することができるように努力してまいりたいというふうに思っております。
○矢倉克夫君 ここにも事前予防の観点、同じような側面もあるかと思います。 今のは国内の話ですが、視点を変えまして、国際的なルール構築に向けてお尋ねをしたいと思います。 この分野、各国が主導権争いをしていることはあえて言うまでもないことであるかと思います。TPPなどもその一環というふうに私も理解もしております。 その裏返しとしまして、国際的な問題は公開の法廷類似の機関でルールに基づいて決するという流れもまた出てきているのかと思います。この前のICJの判決などもそうではありますし、これは非常に政治化しやすいような問題であってもルールに基づいてまたしっかりと議論もしていくという部分、必要な部分でもあるかとは思っております。例えばWTOなども、ラウンドとしては今非常になかなか進展もない一方ではあるんですが、紛争処理機関としては着実に非常に実績も成果も上げてきているところではあるかと思います。 ただ、問題意識として、日本の体制、こういう国際訴訟についての体制というのはまだ脆弱であるかとは思っています。例えば外務省など、今話もしましたWTOの関係、このスタッフがでは今外務省はどれくらいいるかとなりますと、室長が一人と、あとは専門のスタッフが大体四名のみ、担当官が三名、常勤調査員一名、これだけで今担当をしているという、非常にほかの各国と、アメリカとかに比べれば全然体制も弱いということを非常に感じております。 公明党は、本年四月に、経産、外務に加えまして法務省を含めた形で、国際的な法的紛争に対して一元的に対応するための国際訟務部門、これを設置することが非常に有益である、このような旨の提言も提出させていただきました。私の個人的な経験からも思うんですが、やっぱりリーガルマインドというのは、国内と国際というのを何か特別に区別があるわけでもなく、法的素養がある人というのは、国内だけではなく国際にもしっかりと伝わっていく経験と知識というものがやはり備わっているということではあるかと思っております。こういう点からも、法曹資格者が非常に多い法務省こそ、この国際法の分野、訴訟の分野においてもより積極的に動くべきであるというふうに考えています。 この点、法務省の方でも今、訟務局を新設するという動きがあると聞いております。日本を被告とする国際訴訟なども含めた対応を、いかに法務省が持っている知見を確実に活用していくのか、こういう点では非常に良い方向性でもあると思いますし、私も応援したいと、このように強く思っているところではありますが、大臣から改めて、国際的な法の支配、ルール構築に向けまして、法務省、今後どのように取り組まれるのか、御説明をいただければと思います。
○国務大臣(上川陽子君) 大変重要な御指摘をいただきまして、ただいま国外の訴訟ということでございますが、これまでは法務省は関与をしていないというのが実情でございます。しかし、国際化の進展ということ、あるいは国際取引が飛躍的に拡大しておりまして、これらの訴訟が非常に増加するということが予想されるわけでございます。 そこで、法務省といたしまして、これらの訴訟への関与の在り方につきましてまず検討をしていく必要があるのではないかというふうに認識しているところでございます。訟務組織の充実強化を図るためにも、平成二十七年度の予算概算要求におきましては訟務局の新設をお願いしているところでございます。 このような国外の訴訟に対して対応策の検討も、この組織を強化する上での一つの課題であるというふうに考えております。
○矢倉克夫君 引き続きしっかりよろしくお願いいたします。 それでは、冒頭申し上げました再犯防止につきまして、前回、いわゆる自立準備ホームに対し更生委託費が件数ごと、つまり施設に入居している人ごと、定額支給されているということを確認いたしました。この自立準備ホームというのは、一部屋に大人数を一緒に住まわせるところであったり、また一軒家を借りて出所者に個室を割り当てているところなど様々あるようでございます。 前回、約三億円の予算について、登録事業者の特性を見定めながら予算の適正な執行を行うという御答弁でしたが、この適正な執行を確保するための具体的な対応策、どのようになされているのか、御説明いただければと思います。
○政府参考人(片岡弘君) お答えいたします。 自立準備ホームへの予算の執行の関係でございます。自立準備ホームへの宿泊等の委託の関係では、仮釈放者につきましては保護観察ということになります。満期釈放者等については更生緊急保護という手続によることになります。いずれにいたしましても、当該施設の受入れ対象、例えばホームレスを対象としている、あるいは障害者を対象としている、あるいは高齢者を対象としているというような受入れ対象に照らしてその施設が適切であるかどうかなどを勘案して委託先を決定しているところでございます。また、当該施設については、保護観察官が実際に委託先を訪ねて生活状況等を確認するなどしているところでございます。 このように、委託先の施設につきましては、保護観察や更生緊急保護の目的に鑑みて適切に運用されているかどうかを確認した上で委託の決定をしているところであります。今後も引き続き、各施設の特性や実情等を踏まえて委託を決定するなど、その適正な予算の執行に努めてまいりたいと考えております。 以上であります。
○矢倉克夫君 しっかり対応されているところ、効果を上げているところにはより手厚くという部分も含め、めり張りある執行をよろしくお願いいたします。 松島前大臣からは、この再犯防止について予算獲得に向けて決意が述べられました。上川大臣も引き継いでいただきたいと思っております。 そのために必要なことが、やはり何といっても、再犯防止における経済的効果というのがどの程度か、これも試算もしていくことであると思っています。私、議連の申入れで麻生財務大臣にお会いしたとき、財務大臣から強調されたのがまさにこのことでありました。この点について法務省としてどのようになされるのか、大臣からいただければと思います。
○国務大臣(上川陽子君) ただいま御質問の経済的な効果ということについての試算をということのお話がございましたけれども、そもそも個々の犯罪者による再犯を防止することで得られる経済効果を正確に数字ではじき出すということについてはなかなか難しいということではあるというふうに考えておりますが、一般論といたしまして、再犯防止に向けた取組によりまして刑務所出所者等による再犯が減少いたしますと、刑事司法手続の各段階におきましての新たな支出ということにつきましては抑制されるという効果があるというふうに考えております。また、刑務所の出所者等が再犯をしなかったことによりまして、こうした方々が、再犯事件を原因とした新たな犯罪被害が生じないようにすることによっての効果もあろうかと思います。さらに、社会においてお働きになったり、あるいは消費をしたり納税をするという形で経済活動の主体となるということによっての効果もあろうかというふうに思っております。 いずれにしましても、世界一安全な日本を構築するに当たりまして、再犯防止対策につきましては果たすべき役割が極めて高いというふうに考えているところでございますので、御指摘のところも踏まえまして、国民の皆様方に再犯防止対策の効果につきまして分かりやすくお示しをし、そして御理解をいただくことができるように全力で努めてまいりたいと思っております。
○矢倉克夫君 予算の獲得の過程でも非常に必要な資料にもなってくるかと思いますので、民間ベースでいろんな試算があるものですから、法務省として、より多くの方が信頼できるような試算というのも是非やっていただきたいと思います。 時間が参りました。今申し上げた再犯防止の件、また法テラス含めたこの司法と福祉の連携という点、そして私の思いとしても、また国際法務戦略という、戦略という言葉が適切かどうかも含めましてではありますが、しっかりその辺りも含めて、是非引き続きよろしくお願いいたしたいと思います。 以上で終わります。ありがとうございました。
○行田邦子君 みんなの党、行田邦子です。よろしくお願いいたします。 上川大臣、御就任おめでとうございます。仕切り直しということで質問させていただきますけれども、まず今日、私は、最初に民法の家族法改正について伺いたいと思います。今日は、国連の女子差別撤廃委員会からの勧告、それに対する日本政府のコメントなどをちょっと読み返してみましたので、それに沿って質問させていただきたいというふうに思っております。 まず最初に、上川大臣に伺いたいと思います。 所信的挨拶の中でも、民法の家族法、具体的には選択的夫婦別姓、そして婚姻の最低年齢の男女統一、また女性のみに課せられている再婚禁止期間の廃止について触れられていませんでしたけれども、大臣御自身のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) 女性の活躍ということで今回の安倍政権の大きな柱になっているこの大変大きなテーマにつきまして、特に地方の創生と併せて二本柱ということで大変重要であるというふうに感じ、私自身もこれまで女性の活躍についての様々な取組をしてまいりましたので、そういうことも踏まえましてしっかりと取り組んでいこうと、こういう決意でいるところでございます。 女性の社会における活躍のいろいろな形で壁になる要因ということにつきましては、先ほど委員が御指摘になった氏の問題でありますとか、そして、あるいは結婚の年齢についての問題でありますとか、様々な課題がこれまでも指摘されておりますし、また同時に、海外からもそうした形で指摘をされているところでございまして、こういったところにつきましては、法務行政の中でもこうしたことについて今までの経緯もしっかりと踏まえながら、私なりにいま一度しっかりとした取組をしていくべく、少し時間をしっかりと置いて考えていきたいと思いますし、そして行動もしていきたいというふうに考えております。
○行田邦子君 大臣の今の御答弁で、海外からの意見といった御答弁がありましたけれども、国連の女子差別撤廃条約、これは一九七九年に国連総会で採択されて、日本は一九八五年に締結をしております。 その締結後に国連の女子差別撤廃委員会から勧告が出されています。最新の勧告としては二〇〇九年の八月のものでありますけれども、ここでは、選択的夫婦別氏制度を採用すること、また女性のみに課せられている六か月間の再婚禁止期間を廃止すること、男女共に婚姻適齢を十八歳に設定することを内容とする民法改正のために早急な対策を講じるよう日本政府に要請するというようなことが勧告の中に盛り込まれています。 そこで、法務省に伺いたいと思いますが、こうした国連女子差別撤廃委員会からの勧告に対して法務省はどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(深山卓也君) ただいま御指摘がありましたとおり、我が国は、平成二十一年の八月に国連の女子差別撤廃委員会から、民法を改正して、選択的夫婦別氏制度の導入、それから婚姻最低年齢の男女の統一、さらに、女性のみに課されている再婚禁止期間の廃止をすべきであるとの勧告を受けているところでございます。 この勧告に対しましては、我が国は本年の九月に女子差別撤廃条約実施状況第七回及び第八回報告というものを女子差別撤廃委員会に対して行ったところでありまして、これらの民法改正につきましては、国民の理解を得て行う必要があるとの認識の下、引き続き、国民意識の動向の把握に努め、また国民の議論が深まるよう情報提供等に努めていると、こういった内容の報告をしたところでございます。この報告は政府として先月行ったものでございますので、現時点での法務省の見解ということになりますとこのとおりということになります。
○行田邦子君 さらに、女子差別撤廃委員会からの勧告に対する政府のコメントに沿って質問を続けたいと思うんですが、この二〇〇九年の勧告に対して、日本政府としてはその二年後、二〇一一年八月にコメントを出しています。そこで、私も読み返してみたんですけれども、その中にこういった報告がありました。 二〇一〇年一月、婚姻適齢の男女統一、選択的夫婦別氏制度の導入、嫡出である子と嫡出でない子の相続分の同等化等を内容とする民法及び戸籍法の一部を改正する法律案を第百七十四回通常国会に内閣提出予定法律案とした。同法律案については、国会提出のための閣議決定は行われず、国会には提出しなかったと。日本政府の取組としてこのような報告がコメントの中で盛り込まれているわけであります。 そこで、また法務省に伺いたいんですけれども、法務省としては民法の家族法の改正の法律案を国会に提出するまで準備をしたと認識しているんですけれども、ということは、結局これは閣議決定が様々な事情で行われなかったわけですが、法務省としては、民法の家族法の改正に前向きなスタンスというふうに捉えられると思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(深山卓也君) 法務省におきまして、平成二十二年に民法及び戸籍法の改正法案を作成したことは委員御指摘のとおりでございます。なお、その法案の中に盛り込まれていた内容の一部である嫡出でない子と嫡出子の相続分を同等とすることにつきましては、昨年九月四日の最高裁の違憲の判断を受けまして、昨年秋の臨時国会において民法の一部改正法が成立しているところでございます。 今御指摘のあった民法等の改正法案の内容につきましては、元々は法制審議会が平成八年の二月に法務大臣に答申した内容を踏まえたものでございまして、法務省としては、一般論として、法制審議会の答申についてはこれを尊重すべきものと考えているところでございます。ただ、他方において、選択的夫婦別氏制度の採用を始めとする民法の改正につきましては、我が国の家族の在り方の根幹に深く関わるものであることから、国民の大方の理解を得て行うべきであるとも考えておりまして、このような法務省の見解はこれまでも繰り返し御説明させていただいたとおりでございます。 このように、法務省としては、法制審議会の答申を尊重すべきであるというスタンスと、改正法案の内容に鑑みて国民の大方の理解を得て法改正を行うべきであるというスタンスのいずれも持ちながら現在に至っているということでございまして、今のお尋ねの法改正に前向きなスタンスかということなんですが、これは、前向き、後ろ向きということで一言で言うというのはなかなか難しいということで御容赦いただきたいと思います。
○行田邦子君 今の御答弁でもありましたけれども、民法においては、法制審の答申がなされて、それが法改正に至らなかった例というのはないというふうにも今年三月の答弁でもいただいているわけですけれども、法務省としては極めて異例な案件であるのかなというふうに私は認識をしております。 更に質問を続けたいと思うんですが、上川大臣に伺いたいと思います。 この国連の女子差別撤廃委員会の勧告に対して、二年後の二〇一一年に日本政府はコメントを出しました。そして、更にその一年後の二〇一二年の十一月に追加的情報を日本政府は出しております。それをまた読み返してみたんですが、このようなことが書かれています。 男女共同参画会議における取組についてというところで、二〇一一年七月二十五日、男女共同参画会議において、当時の江田五月法務大臣は、女子差別撤廃委員会の勧告にも言及しながら、政府部内における様々な意見により二〇一〇年の通常国会において法律案の提出ができなかったことについて法務省としても残念である旨及び今後も法律改正に向けて努力したい旨を表明したということが、国連の女子差別撤廃委員会への追加的情報として日本政府は提供しています。さらに、二〇一二年八月一日、男女共同参画会議において、滝実法務大臣は、法務省として、今後も関係方面に対し改正の内容等を十分に説明しながら、民法改正に向けて努力したい旨を表明したというふうに記されています。いずれも、当時、民主党政権下の法務大臣としての、また法務省としてという発言になっています。 そこで、上川大臣に伺いたいんですけれども、これはお二人とも民主党政権下での法務大臣ではありますけれども、このお二人の法務省を代表しての見解を、上川大臣はこのスタンスを引き継がれているのか、それとも別の考え方を取るのか、御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(上川陽子君) ただいま先生から御指摘がございました点でございますが、江田元法務大臣、そして滝元法務大臣が男女共同参画会議におきまして先ほど御紹介いただいたような内容の御発言をされたというふうに承知をしているところでございます。さらに、その発言内容が女子差別撤廃委員会にも報告されたということにつきましては、御指摘のとおりであるというふうに考えております。 法務省におきましては、法制審議会の答申を尊重をするということで、平成八年と平成二十二年にそれぞれ選択的夫婦別氏制度の導入等を含む民法等の改正法案を準備したところでございますが、政府部内また国民の間に様々な御意見があるということで、国民の意識にしっかりと配慮をしながらということで、更に慎重な検討を行う必要があるということで提出を断念したものというふうに考えております。 御指摘のお二人の大臣の御発言につきましても、民法改正をめぐるこのような経緯を踏まえて述べられたものであるというふうに理解をしているところでございます。私といたしましても、このような経緯ということにつきましてしっかりと受け止めてまいりたいというふうに考えております。
○行田邦子君 それでは、質問を続けさせていただきたいと思います。 先ほど民事局長の最初の御答弁の中にもありましたけれども、日本政府は、女子差別撤廃委員会の勧告に対する日本政府の取組として、今年の九月に第七回、第八回の定期報告というものをしております。これを読ませていただいたところ、このようなことが書かれていました。 男女共同参画会議監視専門調査会は、二〇一三年十一月に監視専門調査会としての意見を出したと。そこには、引き続き民法改正の法案提出に向けて努力する必要があるとしたと。さらに、選択的夫婦別氏制度に関しては、その意義や想定されている内容、氏の選択に関する現状等について広く情報提供することなどにより、国民各層におけるより深い理解を促しつつ、その議論の裾野を広げるよう取り組む必要があるとした。男女共同参画会議監視専門調査会がこのような意見を出したということをもってして、日本政府の取組というふうに女子差別撤廃委員会に対して報告をしているわけであります。 そこで、内閣府に伺いたいと思うんですが、この意見が監視専門調査会から出されたのは約一年前のことなんですが、一年たっておりますが、その後一年間の間に、この意見を踏まえて関係府省でしっかり取り組んでいるかどうか、どのようなフォローアップをされたのか、あるいは監視をしているのか、具体的にお聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(武川恵子君) 御指摘の男女共同参画会議監視専門調査会の取りまとめでございますけれども、本年四月の男女共同参画会議に報告されております。これを受けまして、男女共同参画会議におきましては、監視専門調査会の意見を踏まえた更なる取組の推進を政府に求めたところでございます。 この監視専門調査会では、女子差別撤廃委員会の最終見解も踏まえまして作成されております第三次男女共同参画基本計画につきまして今後フォローアップを行うことを予定しておりますので、このフォローアップを通じまして適切に監視を行っていくこととしております。 以上でございます。
○行田邦子君 私の聞き間違いだったら申し訳ないんですが、昨年十一月に監視専門調査会から意見が出されました。そして、その意見の報告が男女共同参画会議に出されたのが今年の四月ということで今御答弁いただきましたが、なぜそのような時間が必要だったんでしょうか。意見を出して、その後速やかに男女共同参画会議に報告をすることはできなかったんでしょうか。
○政府参考人(武川恵子君) 男女共同参画会議につきましては、専門調査会の幾つかの報告をまとめて報告することにしておりまして、この報告と併せまして、例えば防災・復興における男女共同参画の推進に関する政府の施策の取組状況についての意見、これも今年の二月に同じく監視専門調査会から出されておりますので、そういった意見を併せまして今年の四月に男女共同参画会議に報告されております。 以上でございます。
○行田邦子君 私は、これは遅いと思いますけれども。意見を見させていただきましたけれども、七ページぐらいのものでしょうか、何回かの調査会を重ねて作り上げられたものですので、これは五か月たって報告というのは私は大変遅いと思いますので、もっとスピード感を持って対処していただきたいというふうに思います。 それで、この男女共同参画会議監視専門調査会なんですけれども、開催状況を見てみました。今年は二月二十四日に一回しか開かれていません。過去どうなのかなというのを見てみましたらば、平成二十三年の四月からこの調査会は始まっていますが、平成二十三年は七回、平成二十四年は十回、平成二十五年は七回開催されていますが、今年は二月二十四日を最後に開かれていないと。しかも、この二月二十四日の調査会の議題は、防災・復興における男女共同参画の推進に関する意見についてのみということでありました。なぜ一回しか開かれなかったんでしょうか。
○政府参考人(武川恵子君) 御指摘のとおり、この監視専門調査会でございますけれども、昨年七回開催いたしまして、女子差別撤廃委員会の最終見解への対応に関しましてフォローアップを集中的に行っております。そして、並行して審議しておりました防災・復興に関しまして、御指摘のとおり二月に開催されました監視専門調査会において意見を取りまとめ、そして本年四月に男女共同参画会議に報告したところでございます。 この四月の男女共同参画会議におきましては、今年の秋をめどに新たな男女共同参画基本計画策定に向けた検討を開始するということが表明されておりまして、その準備を進めてきたところでございますが、今年の十月に男女共同参画会議におきまして、正式に新たな男女共同参画基本計画策定に向けた基本的な考え方について総理から諮問がされておりますので、今後は、この監視専門調査会におきまして、新たに計画策定専門調査会が設置されるわけですけれども、合同で今後精力的にこのフォローアップを行う予定としております。 以上でございます。
○行田邦子君 監視専門調査会というその調査会の性質からしますと、これは恒常的にというか定期的に、もっと頻繁に開いて精力的に調査をすべきだというふうに私は思います。 それでは、大臣に最後、最後というか、この件の最後の質問をさせていただきます。 上川大臣は、平成十四年に衆議院の法務委員会におきまして、民法改正による夫婦別姓も可能な制度導入に関する請願の紹介議員になられています。当時の衆議院の法務委員会の議事録にもこの記録が残っております。そしてまた、自民党内の例外的に夫婦の別姓を実現する会のメンバーになっているとも承知しております。 そこで伺いたいんですが、このような請願の紹介議員になる、また党内のこのような会のメンバーになるということは、一般的に考えれば、上川大臣は議員として大変に選択的夫婦別姓に積極的なんだろうと私は理解をしているんですけれども、法務大臣となった今も、基本的に上川大臣御自身のお考えに変わりはないでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) ただいま委員から御指摘がございました、平成十四年の段階で法務委員会に対しまして、民法改正による夫婦別姓も可能な制度導入に関する請願の紹介議員になる、さらに自民党内の例外的夫婦の別姓を実現する会のメンバーであったということにつきましては、事実でございます。 法務大臣に就任をし、また、こうしたことにつきましても様々な御意見をしっかりと受け止めながら政策を進めていくということは大変大事なことであるというふうに思っているところでございますが、こうした過去、私自身、現場、つまり日常生活の中で女性が活躍する際に壁になっていることはできるだけ避けていくように努力していきたいなという思いの中で取り組んできたことであるということでございまして、その考え方については、個人的には変わりがあるものではございません。 法務大臣という形で改めてこの問題についてしっかりと向き合うということでありますが、一番大事なことは、国民の皆様のいろいろな思いということをどのように受け止めていくかということではないかというふうに思っております。 世論調査ということも一つの方法でもございますし、また請願とか要請があるということについての御意見もしっかりと受け止めていきたいというふうに思っておりまして、その点については、改めて気持ちを平らに、また鏡のごとくの気持ちで臨んでいきたいという思いでございます。 他方、旧姓の通称使用につきましては、いわゆる士業の皆さんの中で職務上の登録等におきまして広く認められるようになったということもございますし、社会の認識につきましては、この通称使用ということについては一歩も二歩も進んできたなというような印象がございまして、その点、少しずつ現場の中で工夫をしながらこの不便を解消していくべく努力をしていただいているのではないかというふうに思っているところでございます。 安倍政権そのものも女性が輝く社会ということで目指しておりまして、これにつきましては、国や地方や企業、あるいは一般の皆様も併せて、女性が活躍しやすい社会づくりということについては、ある意味では一体として取り組んでいこうという時代でもございますので、私としては、そのような観点から、旧姓使用が認められないために被っている社会的な不便ということの是正に向けた措置については、関係省庁と協議をしながら一つずつ前向きに検討してまいりたいというふうに考えております。
○行田邦子君 確かに、選択的夫婦別姓を始めとする民法の家族法の改正というのは、これはやはり国民の理解がなされていることが私自身も大切だというふうに思っております。その点は、今の大臣の御答弁、非常に納得いたしました。 ただ、大臣のこれまでの行動を見ても、恐らく選択的夫婦別姓については非常に積極的であるというふうに私は理解をしておりますので、どうか上川大臣らしい法務大臣としての指導力を発揮していただきたいなということを御期待を申し上げたいと思います。 残り時間が少なくなりましたので、あと、最後一問だけ聞かせていただきます。 入国管理に関してなんですけれども、エボラ出血熱への検疫を強化するために、国際線のある全国三十空港の全ての入国者に対して、流行四か国に滞在歴がないか確認する運用を順次開始しているということであります。 この件について伺いたいんですけれども、本来はこれは過去二十一日以内に流行国に滞在していた方は検疫所への申告が必要だという周知ボードでなされるものですが、見逃してしまうということもあって、入国審査官がパスポートをチェックする際に、この四か国への旅行歴があるかどうかということを地図を見せて確認をするという作業が開始されたということだと理解をしております。 この運用開始状況と、そしてこの作業が追加的に発生することによって入国審査処理にどの程度負担が掛かっているのか、お聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(井上宏君) 委員御指摘のとおり、エボラ出血熱の流行を受けまして、去る十月二十四日金曜日から、厚生労働省において検疫体制を強化しておりまして、法務省におきましても、検疫所との連携を強化して水際対策に努めているところでございます。 具体的に申し上げますと、入国管理局の審査ブースにおきまして入国者に対しまして、二十一日以内にその発生国に滞在していたかどうか、滞在していた場合には検疫所に申告したかということを確認いたしまして、申告されていないという場合には検疫所へ誘導しているという、そのようなことをしているわけでございます。その上記協力を実施するに当たりましては、あらかじめ確認事項を主要九か国語に翻訳した確認ボードを使用するなどしておりまして、できるだけ円滑に必要な確認を行えるよう留意してございます。そのため、現在までのところ、審査待ち時間や時間当たりの処理件数に大きな影響が出ているという報告は受けておりません。 入国管理局におきましては、引き続き、入国審査手続の円滑化に留意しつつも、感染症対策に遺漏なきを期すべく、検疫所と連携して水際対策の強化に協力してまいりたいと考えております。 以上です。
○行田邦子君 私は、この件に関しては検疫強化優先というふうに思っていますけれども、一方で、円滑かつ迅速な入国審査ということも念頭に置きながらしっかりと当たっていただきたいということをお願いを申し上げて、私の質問を終わります。
○真山勇一君 維新の党の真山勇一です。 上川大臣には初めての質問ということになります。どうぞよろしくお願いをいたします。 松島大臣の突然の辞任を受けてということの御就任なんですけれども、やはり、でも法務大臣としての重要な役目というのは変わらないと思いますので、是非しっかりとその役目を果たしていただきたいということをまず申し上げたいというふうに思います。 その観点から、まず、少しその問題についてお伺いしたいんですけれども、松島大臣の問題を踏まえて、やはり私は、法律を扱うものの責任者、その法律の立場、それは大変重要であるというふうに思われるんです。そのために、その法律を守るという、まさに法務大臣だから法律を大切にするということは大事だと思うので、その辺の、守るという上川大臣の決意、この辺りをもう一回伺わせていただきたいということ。 それから、この法務委員会で私が審議をしている過程の中でよく感じるのは、やっぱり法律というのは時代によってどんどんどんどん変わってきてしまう、変化をしてきて、それに対応して変えていかなければならないことが起きてくる。法律というのはやっぱり人のためにあるものなので、そういうふうに変わってくるというのはあると思うんです。今、今日もいろいろな形で出ていると思うんですが、例えば民法などでも時代にそぐわないというか遅れてきているところもあるのかなということもいろいろあるわけです。 そうしたことでいうと、まさに松島大臣の問題は公選法という問題ですけれども、いわゆるうちわということで言われてきましたが、その財産的価値があるのかどうかといえば、昔は確かにうちわというのは何がしかのお金を払わないと買えないものかもしれませんけれども、今は、こういう大量生産、大量消費の時代になったら使い捨てですね、もうほとんどね。もらったら使い捨てみたいな、そういうふうになったときに財産的価値があるのかどうかということが一つと、それからチラシじゃないんじゃないかという曖昧さもまだ公選法にあるとか、そういうことがあるんですが、そういうことをどういうふうに今回の松島大臣のあの問題を御覧になっていて感じられたか、その二点について答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(上川陽子君) どうぞよろしくお願いいたします。 松島前大臣が突然の辞任をされるということで、大変国会の審議に対して空白を生ずるということに対しての皆さんの御懸念ということについて本当に重く受け止めているところでございます。 私自身、法を預かる、法務行政を担う法務大臣としての任命を受けたわけでございますが、その意味で、今回のこうした引継ぎも含めまして、二重三重の課題、責任をしょって動いているということを日々痛感する毎日でございます。そういう意味で、信頼を損なうことがないように、そしてさらに、信頼をもっともっと持ってもらうことができるように努力をして真摯に頑張っていきたいというふうに思っているところでございます。 今日の一番冒頭の江田先生との御議論をさせていただきましたけれども、やはり法の支配ということについて、こうした理念につきましては貫徹をするということがまず大事なことではないかというふうに思っております。人の考えではなくて法律にのっとって行動をしていくという、こうした基本的な民主主義の理念ということについて、法務大臣預かっておる立場でも、さらに、そこにつきましては真剣にこのことの意味を問うて問うて問うて臨んでいきたいというふうに思っております。 さらに、時代に合わせて様々な動きが出てくるということにつきましても、私も委員がおっしゃるとおりの考え方でおります。しかし、その新しい取組をするときにつきましては、やはり丁寧に、そして国民の皆様の御理解をしっかりといただきながら、しかし環境はスピードを持って動いているということもございますので、それに対して果敢に、また迅速に取り組んでいくという姿勢も併せて大事ではないかというふうに思っております。そのバランスということについては、このことについてもそうした意識を持って取り組んでまいりたいというふうに思っているところでございます。 さらに、松島前大臣に関わることにつきましては、先ほど来の御質問もございましたけれども、今、私の立場ということでございまして、具体的な答弁につきましては差し控えさせていただきたいと存じます。
○真山勇一君 丁寧に答えていただけたと思います。私も、おっしゃったようにスピード感、これからの法務行政もやっぱりスピード感というのは必要じゃないかなというふうに思っております。大変重要な時期に大臣になられたと思いますので、是非その辺りをしっかりと認識してやっていただきたいというふうに思っております。 これから質問に入りたいと思うんですけれども、上川大臣のお得意な分野の女性の問題と、それからもう一つは国際問題での我が国の対応ということの二点、時間があればお伺いしていきたいというふうに思います。多分、お得意な分野ですので、率直、明快な答弁をいただけるんではないかというふうに思っております。 就任して、法務行政に大変意欲を持って取り組んでいかれるということを表明されているんですが、特に女性の社会進出問題ということについては私も本当に大賛成、同感でございます。 大臣は所信表明の中でも、女性が輝く社会を推進する安倍政権の一員として、法務行政に携わる女性の働く環境を整えていくことに力を尽くしたいというふうにおっしゃっていますし、先日の記者会見の中でも、ワーキングチームを法務省内につくるというふうなことをおっしゃっていますね。このワーキングチームというのはもう設置されましたか。
○国務大臣(上川陽子君) ただいま委員から私の所信の中のところに言及をしていただきまして、女性の活躍につきましても、安倍政権の、内閣の一員としてこのことについては取り組んでいくと、この私の強い気持ちにつきまして言及していただきまして、本当に心強いエールを送っていただいたものというふうに考えておりますが。 実は、本日、議長に事務次官を据えまして、各部局の局長クラスを委員といたします法務省女性職員活躍及びワーク・ライフ・バランス推進検討会議という形で立ち上げを本日したところでございます。 この検討会におきましては、直ちに職員の皆さんからヒアリングをするということで、これに着手をするということで、十一月中には法務省の各組織が抱える課題につきまして把握をし、そして、具体的できめ細やかな対策を検討してまいりたいということでございます。
○真山勇一君 もう早速スタートさせたということで、やはりそういうスピード感というのは大事だなというふうに改めて思いますけれども。 大臣の記者会見のときのちょっと気になる言葉があったので、これはどういうことを考えておられるのかちょっと伺いたいんですが、職場によって特有の課題があるのではという、覚えておられますか、そういう指摘をされているようなんですが、法務省の中で職場によって特有の課題があるのではというのはどういうことを頭に描かれておっしゃったことなんでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) 法務行政の業務につきましては、先ほど、入国管理というような部署もございますし、また、全国に矯正施設等もございます。そして、様々な刑事、民事の局もございます。全国に地域の中でそれぞれ役割を担っているということでございます。 とりわけ私が、今の段階で明確にということでございますが、女性刑務所の中の女性の刑務官の皆さんの働き方ということにいち早く着手しなければいけないなというふうに感じたところでございます。大変厳しい環境の中で、世代的に言うと比較的若い世代の皆様が働いていらっしゃるということ、そして結婚をし、子供を出産し、そして継続就業ということになったときに、通常の社会の中での取組と比べると、はるかにここにつきましては、その特有の問題も業務の中身も含めまして、しっかりとその実態を把握して取り組んでいかなければいけないということを強く感じたところでございます。 これにつきましては、もうそうした問題意識で取組が少し芽出しができているところでありまして、一つの事例としましては、全てではないんですが、ある一部の女子刑務所の中では、地域の様々なこの問題に関わっていただける皆様とネットワークをしっかりとつないでいただきながら、女性刑務所が地域の中で孤立化していくということではなくて、むしろ全体としてこれを支えていくというようなことを推進していくプロジェクトがもう既に試験段階で動いているということであります。こうしたことにつきましてしっかりと評価をし、また、さらにその中での課題や問題につきまして丁寧に掘り起こしていきながら問題の解決につないでいこうということで、具体的に言うと、例えば今のような事象でございます。 と同時に、今たまたまそういうことでしっかりと取り組まなきゃいけないということでの、私自身は明確なそこにつきましては取組をしなければいけないということでありますが、まだまだいろんな業務を、しかも現場でしていらっしゃるということでありまして、そういう中に今まで気付きがなかったところについてはしっかりともう一度、いま一度今の立場で再点検をしていくということの中から、また新しい女性の働き方に関わる課題や問題も判明していくこともあるかもしれませんし、そういったことを謙虚に現実に向き合って取り組んでいこうと、こういう問題意識がございまして、この懇談会につきましては、特に法務省の中の特有な問題、課題を、主にハイライトを当てながら取り組んでいくということを目指していこうというところでございます。
○真山勇一君 大臣、ありがとうございました。かなり具体的に大臣のもう頭の中に既にいろいろ入っていらっしゃるということがよく分かりましたけれども。 そこで、例えばその刑務官というのは、女性刑務官も大変でしょうけれども、私も現場でいろいろ取材してお話を伺ったところでは、やっぱり男性も、刑務官という仕事というのはもうその仕事そのものがやっぱり現場では大変なものという私も認識を持っておりますので、そういうことは是非取り組んでいっていただきたいというふうに思うんですが。 女性の社会進出ということでちょっと伺いたいんですが、実は私ども、多分ここにいらっしゃる委員の皆さんもそうなんですが、大臣が替わられたときとか、あるいは法務省の中の幹部の人事の異動があったときに名簿というのが配られるんですね。法務本省幹部名簿というのがあるんですね。これがあるのは、まず大臣、御存じですか。
○国務大臣(上川陽子君) 存じ上げております。
○真山勇一君 これを見ると、各省庁もみんなこういうのがあるんですけれども、やはりちょっと感じるところは非常に女性の、これは幹部名簿ということで、伺ったら、これは省議に出られる方の職員の名簿だというふうに伺っています。 それで、大臣と副大臣と大臣政務官を除いたいわゆる法務省の職員、幹部ということになると、この名簿に載っているのは六十二人なんですね、稲田事務次官以下。それで、この中で、六十二人いらっしゃるんですが、課長さんまで、女性が局長さんがお一人、人権擁護局、先ほどいらっしゃいましたね、岡村局長ですね、これお一人、局長では。それから、課長職の中ではこの名簿では五人ほど確認できるんですが、六十二人の中で役職者も含めて六人というこの状態は多いのか少ないのか、大臣はどんなふうに御覧になりますか、この法務省の幹部名簿というものについて。
○国務大臣(上川陽子君) 政府の方針といたしまして二〇二〇年までに指導的地位に占める女性の割合を三〇%以上にしようという、その目標からすると低いというふうに思っております。
○真山勇一君 私もこれを見て、ああ、これは本当に女性の進出というのはもっとやっていかなければならないんだなという感じを受けるのと同時に、幹部を増やすためには、当然その下で更に幹部候補生の働く女性がたくさんいなくちゃいけないわけですね。 ですから、女性の職員が例えば少なければ、やっぱりそれはちょっとなかなか幹部を増やそうといっても無理じゃないかというふうに思いましたので、お配りした資料をちょっと見ていただきたいんですが、二枚目の方の小さい数字がいっぱい書いてある資料一というやつです。女性国家公務員の登用状況ということなんですが、これ見ていただくととても面白いことが分かるのは、二十二ぐらいになるんですかね、省庁のそれぞれの職員の総数とその中の女性職員の数を統計を取っているわけですね。 これを見ると、職員の数は、法務省は国土交通省なんかよりも少ないですが五番目と、比較的きっと職員の総数では多い方ですね。うち女性というのも比較的多いということで、女性の割合が法務省を見てみますと、これ、上の段と下の段は、上が二十五年で下が二十四年ということなので、二十五年の新しい方でちょっと話をさせていただきたいと思うんですが、上になると法務省はこの表で見ると二七%ということで、女性の割合、とてもほかの省庁から比べると職員としては多いですね。 そのうち、少し今度右の方へ移動していくと、その中でも課長補佐相当以上、つまり管理職、そして一番右側が指定職というのは、これはいわゆる会社でいえば役員ということなんでしょうか、そういうところの待遇の人ということで、ほかの省庁から比べても職員は非常に女性が多いというのが法務省の感じなんですが、その一方で管理職になるとやはりちょっとほかの省庁より少ない。特に、ほかの省庁もそうですが、指定職となるともうほとんどゼロ、ゼロ、ゼロというのが並んでおります。 この辺りの全体のいわゆる女性の公務員への進出ということを御覧になると、上川大臣はどんな印象でどういうことをしなければならないというような感じをお持ちになりますでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) 資料として御提出していただきましたこの女性国家公務員の登用状況の一覧の表というのは、これまでも、今二年間だけでありますけれども、過去ずっとこの表をたどっていきながらこの段階に至っていると。そして、今の段階でどうかというふうに問われれば、法務省につきましては、女性の割合は全体的にはほかの省庁と比べるといい方向に向かっているなと、ベクトルとしてはいい方向に向かっているなというふうに思います。 女性の割合の七・一というところでございますが、これにつきましても、全省庁の平均と比べてみても上ということでありますので、ここについても、決して上位ではございませんけれども、トップではありませんけれども、少しずつ前進しているなという印象でございました。 そして、その先、指定職まで行きますとまたゼロということでありますが、女性の採用から登用まで、さらにそこまでの一連のキャリアをつないでいくための施策ということについて、まさにこのデータが如実に表していることだと思うんですけれども、なかなか難しいハードルが実は女性の側の方にも課せられているということであります。 特に、一般的なM字カーブということに象徴されるとおり、第一子を出産するときにお辞めになっていらっしゃる。御自分は勤めたいけれども、あるいは仕事を継続したいけれども、辞められるというケースがあるということについては、この国家公務員の中でも、そのことについては男性と比べるとまだまだM字が残っているなということでありまして、そのところを継続して就業することができるようにしていくには、結婚や出産や子育てというところの部分のバランスをしっかり取ることができるような制度づくり、あるいは基盤づくりということは、これは法務省のみならず全省庁、あるいはこれが隗より始めよということで、社会全体として要求されている、求められていることであるというふうに課題を認識しているところでございます。 先ほど少し触れられましたが、男性にとってもということ、ここが非常に大事な視点でありまして、男性も子育てとかあるいは育児休業の中で子供と触れ合う時間を取っていただくというようなことは、仕事の質を高める上でも大変大事なことであるというふうに思っておりますので、男性にとっても、ワーク・ライフ・バランスあるいはライフ・ワーク・バランス、バランスということでありますが、こういったことが実現できるようにしていくために、女性の環境整備そのものが男性の働く環境の整備にもつながるし、意識の改革にもつながると、こういう総合的な取組の中で初めて実現していく、あるいは一歩も二歩も前進していくものだというふうに考えております。
○真山勇一君 お答えが少し長いので、伺ったことのところを、ポイントを、要点を答えていただけると有り難いと思います。 先ほど改善はされているというふうにおっしゃっていますけれども、改善していくためには、やはり公務員になる女性の絶対数を増やしていかなければいけないのかなというふうには思うわけですね。 もう一つの資料を見ていただきたいんですが、下のところに三色の折れ線グラフが書いてあります。これ、国家公務員の採用試験申込者、それからその試験に合格した者、それから実際に採用された者というふうに色で分けてあるんですが、これ見ると、この十年ぐらい、ちょっと途中で制度が変わっているということもありますけれども、余り女性の、例えばブルーのラインが申込みということなんですが、これもやや少し増えているかなというふうに思いますが、それから合格者も増えてはきているんですが、採用が余り、伸び悩んでいるというか横ばいですね。 つまり、やはりこれは国家公務員の定員が多くなったり少なくなったりということであっても、これパーセンテージなので、恐らく女性の占める割合というのはこのぐらいだと思うんですね。そういうことでいうと、やはり何で女性を、これだけ公務員でもいろいろ働きやすくしようということが、国を挙げて、政府を挙げてやっていても、この辺りはなぜ増えないのかと。 女性問題を考えておられる上川大臣としては、どんなふうに思われますか。
○国務大臣(上川陽子君) ここのところはなかなか、ヒアリングをさせていただいたこともございますけれども、私自身、ここのところについては、採用のところの課題、問題については、いま一度、一段、課題の理由をはっきりさせていくように努力していきたいなと思っていた案件でございまして、なかなか現実の実態は、十年間伸びていないということについては御指摘のとおりでございます。
○真山勇一君 私は、この辺りに女性の進出を更に進める鍵があるんではないかなというふうに思っておりますので、大臣もこうした点をどう改善していくかということに是非力を注いでおいていただきたいということと、それから、やはり私が申し上げたいのは、この女性の社会進出というのはやっぱり男性の協力もなくちゃいけないと思います。今イクメンという言葉が盛んに言われていますけれども、そういう男性も例えば育児休暇が取れるような、これ、やはりなかなか民間の会社では難しいので、やはり国が積極的にこういうことを取り組んでいくことによって民間にも広げて是非いっていただきたいというふうに思います。省内だけの問題でなくて、こうした問題をほかの省、そして民間へとフィードバックしていくということがやはり女性の社会進出というのを進めていく上では大事ではないかというふうに思っております。 御丁寧に答弁をいただいたので、私の方のその後の質問はちょっとできなくなりました。またの機会にしたいと思います。 どうもありがとうございました。
○委員長(魚住裕一郎君) 午後一時十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時十分休憩 ─────・───── 午後一時十分開会
○委員長(魚住裕一郎君) ただいまから法務委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。 上川大臣の所信的挨拶を伺いまして、二点、まず選択的夫婦別姓について伺いたいと思います。 午前中も質疑がありましたけれども、大臣は夫婦別姓に積極的に活動をしてこられたと思います。二〇〇七年には、福田内閣の少子化対策・男女共同参画大臣として、市川房枝記念会の「女性展望」二〇〇八年一月号にインタビューに答えられまして、私も選択的夫婦別姓については賛成で、そのために議員として活動してきました、それぞれの時代にふさわしい形で法律を見直していかなければならないと思っていますというふうにお答えになっておられます。松島みどり前大臣も長年選択的夫婦別姓に賛成をしておられたと私は理解をしているんですけれども、所管大臣になったら、言わば自らの政治的信念を曲げて、民法改正はできないと答弁をされて、私、前回その認識をただしたわけですね。 上川大臣も、一人の政治家として、あるいは福田内閣の閣僚としては選択的夫婦別姓に賛成としながら、安倍内閣の法務大臣になったら姿勢が変わることになるのでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) 私が過去におきまして雑誌「女性展望」のインタビューにお答えをさせていただいたこと、その中で選択的夫婦別氏制度につきまして賛成である旨を述べたことについては、委員の御指摘のとおりでございます。 もっとも、御指摘のこの「女性展望」のインタビューについてでございますけれども、選択的夫婦別氏制度につきましては、国民の間に様々な御意見があるということ、また通称使用につきまして広く使用されるようになってきており、制度導入のためには社会の意識が熟していくということが重要であるというふうにお答えしたというふうに思っているところでございます。 法務大臣として、現在、今政治家として基本的な考え方については、そうした考え方を取っているところでございます。選択的夫婦別氏制度の導入ということにつきましては、我が国の家族の在り方の根幹に深く関わるものであるというふうに考えておりまして、国民の皆様の理解をしっかりと得ながら行う必要があるというふうに考えているところでございます。 平成二十四年の世論調査の結果を見ましても、国民の皆さんの意見が分かれているということでございまして、その意味で、現時点で直ちに民法を改正して選択的夫婦別氏制度を導入するということについてはなかなか難しいというふうに考えておりますけれども、今後も引き続き皆様の意見を幅広くお伺いをしながら、またこうした世論調査の動向等も参考に国民の皆様の理解を得てまいるということでございまして、各方面の議論の推移、しっかりと注視をしていきたいというふうに思っているところでございます。 また、このインタビューの中で、先ほどちょっと言及させていただきましたけれども、通称使用について触れておりますが、このことにつきましては、いわゆる士業の職種の皆様の中で既に職務上これが広く認められるようになるということが徐々にできてきているということで、社会の認識は私がこのインタビューをしたときと比べて進んできているのではないかなというふうに思っております。 さらに、社会生活上不便を強いられているような場面もまだまだ多くあるということでございますので、私としては、この安倍政権、女性が輝く社会を目指して国、地方、企業一体となって女性が活躍しやすい社会環境をつくっていく、社会づくりを進めていくということでございまして、その観点から、旧姓使用が認められないために被っている社会生活上の不便の是正に向けた措置について、関係省庁と協議をしながら前向きに検討してまいりたいというふうに思っております。
○仁比聡平君 今大臣がいろいろな事情をおっしゃいましたけれども、この当時のインタビューでは、そうした要素も踏まえた上で、それぞれの時代にふさわしい形で法律を見直していかなければならないと思っておりますとお答えになっているんですね。 世論調査でいいますと、もう今日詳しくは伺いませんけれども、世論は大きく変化しているでしょう。大臣が以前、男女共同参画担当大臣をされた当時、このインタビューの当時の二〇〇六年の十二月の世論調査、内閣府のものがありますけれども、このときには、選択的夫婦別姓に賛成は三六・六%、反対は三五%といった数字でしたが、例えば直近、毎日新聞が十月二十日付けで発表している世論調査でいうと、選択的夫婦別姓に賛成は五二%と過半数を超えて、反対は四〇%。大きく変化しているんですね。世論が前進しても、かつて選択的夫婦別姓に賛成しそれを求めていた女性議員が所管大臣になったら次々と信念を捨ててしまうということになったら、法務大臣こそが世論に逆行して、世論を抑える桎梏になってしまうということになるわけです。 私は上川大臣にそうなってほしくないと思ってお尋ねをしているんですけれども、この「女性展望」のインタビューでは、大臣が男女共同参画について大変生き生きと語っておられます。とりわけ印象深いのは、一直線に進むということが難しい部分もあります、だから駄目だと考えるのではなくて、乗り越える課題があればあるほどいろいろと知恵も働く、乗り越えていくチャンスなんだとポジティブに考えていきたいと思いますとおっしゃっているんですね。 選択的夫婦別姓を実現する上で壁があるなら、このときにお述べになっているように、それを乗り越えるためにイニシアチブを発揮すると、それが大臣の責務なんじゃないですか。
○国務大臣(上川陽子君) 今、私がかつてインタビューに答えてお話をさせていただいたことについて触れていただきましたけれども、なかなか、女性活躍について、また男女共同参画の推進ということについて、本当に試行錯誤をしながら、今でもそうですけれども、こうしたことを議論をしながら進めていくということが本当に必要だなということを改めて感じているところでございまして、その当時の感じてきたことについての基本的な考え方は今も変わっているものではございません。 社会の中で、男女共同参画の担当大臣をしておりましたときにも、この方向に進めていきたいなと思ってもなかなか課題があるということで、一つずつ課題を解決するわけでありますが、全体としての意識を変えていくためにやはり力が結集していかなければいけないのではないかというふうにも思っていたところでございます。そういう中で、男女共同参画の動き、あるいは女性の活躍を推進していく様々な課題については、どれ一つ手を抜くことなくしっかりと向き合って、そしてその課題解決に向けて進めていこうということの考え方は今も持っているところでございます。 国民の皆さんの考え方がどのようになっていくのかということについては、やはりいろいろなアンテナを張り巡らせて本当に真摯に向き合っていかなければならないと。その中の一つが国民に対しての世論調査ということであるというふうに思っております。先ほど御指摘がございました調査は、平成十八年の時点で賛成が三六・六、通称使用のみの容認が二五・一、反対が三五・〇ということについて、二十四年の段階での数字もほぼ同一ということであります。 通称使用ということで現実的に対応していくというところについて、現場の中で努力をして、またそれに向けて前進しているというところの動きがやはり社会を一つ前進させていくための大きな力になるということで、今回、通称使用のこの部分について、日常的に非常に不便を感じていらっしゃるところの声ということについて、更に広げていくことができるかどうかということについては前向きに検討してまいりたいと思っております。
○仁比聡平君 いや、そうやって通称使用についてはといって限定的におっしゃるような態度は、課題があればあるほど乗り越えていきたいと言っていたスタンスと違うじゃないですか。通称は、広く使用されるようになれば解決する問題じゃないということは、もう大臣よく御存じだと思うんですよ。 やむを得ず通称使用をするために、例えば職場で、あるいはその関係機関に認めさせるためにどれだけ苦労しているか、現場の女性たちが。例えば、ある教員の方は、教育委員会も含めて何度も説明して足を運んで並大抵ではない苦労をされているんですね。同じような苦労を今も多くのカップルが強いられているわけです。しかも、銀行だとか役場だとか病院だとかクレジットカードの使用、ここでは戸籍名しか通用しないでしょう。ですから、日常二つの名前を使うことに慣れているはずの方もうっかり通称を書いてしまって不審がられたり、見ず知らずの人に一々言い訳をしなきゃいけなかったりと。これは、最高裁もかつて述べたことのある、氏の呼称は人格権の一内容であるという考え方に反しているんだと思うんですね。 女子差別撤廃条約の委員会が〇九年八月の最終見解で、本条約の批准による締約国の義務は、世論調査の結果のみに依存するのではなく、本条約は締約国の国内法体制の一部であることから、本条約の規定に沿うように国内法を整備するという義務に基づくべきであると指摘をしていること、大臣も御存じだと思います。世論の多寡で背を向けてはならないのが人権ではありませんか。今の夫婦同姓を強制するという制度が人権問題であると、人権を制約していて、その解決が問題になっているという認識は、大臣、おありですか。
○国務大臣(上川陽子君) ただいまの御指摘、また国際的な評価ということでございまして、そうしたことの部分、つまり社会の情勢、いろいろな事情、そういったことも総合的に勘案しながら考えていくべきことだというふうに思います。 そういう意味で、今回、これから取り組むことにつきましても虚心坦懐にいろんな御意見をいただきながら、ただ単に世論調査が、数字だけで見るということではなくて、取り組んでいきたいというふうに思っているところでございます。
○仁比聡平君 数字だけを見るのではなくてという御発言を本当によく考えていただきたいと思うんですね。世論調査の結果で人権を侵害してはならないんですよ。この解決が問題とされているときに世論調査だけを理由にしてはならないんですよ。女性の活躍を掲げながら、女性閣僚が一政治家として持っている信念を曲げさせるみたいなことになったら、これはとんでもないことであって、私は安倍内閣挙げてしっかり議論をさせていただく必要があると思っております。 もう一つの点は、袴田事件についてです。 静岡地裁は、とりわけ五点の衣類などのDNA鑑定関係の証拠及び五点の衣類の色に関する証拠に新規性、明白性があると認めて再審開始を決定をいたしました。この袴田事件は、一九六六年に一家四人が殺害されたという事件ですよね。ところが、それから一年二か月もたって、みそだるから突然発見をされたのが五点の衣類です。地裁の再審開始決定は、捜査機関によって捏造された疑いがある、国家機関が無実の個人を陥れ、四十五年以上にわたり身体を拘束し続けたことになり、刑事司法の理念からは到底耐え難いことと言わなければならないと厳しく断罪をいたしました。ところが、これに即時抗告を申し立てた検察官が、この五点の衣類について著しく不当で正義に反する訴訟活動を行っています。 二点伺いたい。 一つは、その発見直後に撮影されたカラー写真のネガが発見されたんだといって、再審開始決定後に抗告審に、この再審開始決定を覆すべく、検察官が証拠提出をしているわけですね。この証拠は地裁の段階で当然、袴田さんの弁護団が開示請求をしたにもかかわらず、静岡地検は二回にわたって存在しないといって提出してきませんでした。なぜ今頃になって出てくるのかと驚くべきことです。 そこで、まず警察庁に伺いますが、静岡県警の刑事部長は記者会見において、再審開始決定後に偶然発見し、東京高検に連絡した、それは県警の施設内であると述べていますけれども、一般に刑事事件の証拠、これどんなふうに管理しているんですか。証拠の標目、あるいはそれに従った整理というのが当然されているものだと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(荻野徹君) お答え申し上げます。 一般論として申し上げますと、証拠物件は犯罪の立証のための資料であることなどから、犯罪捜査機関等の規定に基づきまして、証拠価値の保全に努め、定められた保管設備において適切に保管することとしていることでございます。
○仁比聡平君 袴田事件の証拠は、そうした考え方で静岡県警が管理をしていたということですか。だったら、一貫した最大争点であり、弁護側から証拠開示が求められてきたにもかかわらず偶然発見したと、こんなことあり得ないじゃないですか。偶然発見したってどういう意味ですか。
○政府参考人(荻野徹君) お答え申し上げます。 お尋ねの件につきましては、現在、再審請求審に係属中の刑事事件に関わる事柄でございますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
○仁比聡平君 警察が管理していたということも認められないんですか、審議官。
○政府参考人(荻野徹君) お答え申し上げます。 お尋ねにつきましては、基本的には現在再審請求審に係属中のものの証拠の存否等に関わる事柄であろうということでもございますので、この場でのお答えは差し控えさせていただきたいと思います。
○仁比聡平君 とんでもない話じゃないですか。偶然発見したと県警の刑事部長が記者会見しているんでしょう。それをなぜ国会で答えられない。係属中だから答えられないというんだったら、再審無罪が確定したら答えるんでしょうね。再審無罪が確定したら答えるのか。
○政府参考人(荻野徹君) まず、御質問の事柄につきましては、基本的には現在係属中の刑事事件の中で取り上げられることであると考えております。 その後のことにつきましては、仮定の御質問ということもございますので、お答えは差し控えたいと思います。
○仁比聡平君 仮定ではなくて、私は無罪を確信をしております。 ネガというのは、これは形のあるもので紛れようはないんですよ。実際に、偶然発見されたというのは、その辺りにあったということでしょう。これを、証拠開示を求められながら隠していたのではないのかと。探せば当然見付かったはずじゃありませんか。 法務省刑事局長に伺いますが、地検が存在しないと繰り返してきたのは虚偽ですか。
○政府参考人(林眞琴君) お尋ねの件につきましては、現在、即時抗告審係属中の個別の再審請求事件に関わる、またその証拠に関することでございますので、そのお答えについては差し控えさせていただきたいと思います。
○仁比聡平君 この問題について進行協議の中で謝罪したと、検察がという報道がありますけれども、それは何をどのように謝罪したんですか、刑事局長。
○政府参考人(林眞琴君) 今のお尋ねの件に関しましても、非公開で行われております即時抗告審におけます個別の再審請求事件に関わる事柄でございますので、お答えは差し控えさせていただきます。
○仁比聡平君 証拠隠しだと非難されて当然です。いつどこで発見されたのか、なぜ原審での審理中に発見されなかったのか、これを私は明らかにすべきだと思います。 しかも、検察はネガが発見されたという事実をすぐに弁護団に知らせませんでした。それだけでなく、再審決定を覆す証拠とするべく、学者によるネガの鑑定まで行っているわけですね。元々、冤罪からの救済と真相の解明というのが再審請求の趣旨でしょう。その再審において捜査側の手持ち証拠は、私は全面的に開示されるべきだと思います。 ネガが発見されたにもかかわらず弁護団に知らせもしなかったというのは、これ、刑事局長、なぜなんですか。
○政府参考人(林眞琴君) お尋ねの件に関しましては、そうした証拠、現在、即時抗告審に係属中の個別再審請求事件の中で、まさしくその証拠をめぐって様々議論されており、争われている事柄でございます。そうしたことから、法務当局といたしましては、それに対するお答えは差し控えさせていただきます。
○仁比聡平君 苦難を経て再審開始が決定された袴田さんに対して、あくまで犯人と決め付けて、再審開始決定を覆すために、これまで出してこなかった、隠していたんじゃないのかという証拠を使う。これが公正な裁判を実現すべき公益の代表者としての検察官の責務に沿うものと言えますか。私は、著しくその責務を損なうものだと思います。 もう一点、この五点の衣類などのDNA鑑定、いわゆる本田鑑定について、今、検察は非科学的かつ鑑定人独自の手法で、鑑定結果に信用性はないと主張しているわけですね。ところが、同じ本田鑑定、これが、例えば神戸地方裁判所、平成十八年の殺人被告事件の有罪証拠として、最重要証拠として検察官によって提出をされ、これが有罪確定の証拠になっております。 この事件の論告で検察官はこう主張しています。V—PCR法という本田鑑定の方法、これは従来の方法ではPCRを掛けることができないような微量の鋳型DNAでも、活性化によりPCRを掛けることが可能となり、その意味で画期的な方法である。しかし、PCR法としては一般的に用いられているPCRバッファーを改良したものにすぎず、従来のものと違いはない。触媒などを添加して増幅効率を上げること自体、化学反応としては一般的であり従来のものとは違いはない上、誰が行っても可能な普遍性を有するものであると。これがこの事件での検察の主張ですよ。 袴田事件で非科学的であるとする根拠は何なんですか。
○政府参考人(林眞琴君) そのDNA鑑定に関する事柄につきましても、現在係属中の個別の再審請求事件に関わる事柄でございますので、法務当局からのお答えは差し控えさせていただきます。
○仁比聡平君 鑑定した専門家のDNAが混入した可能性があるなどとも主張されておられるんですが、私はもう名誉毀損であって、ここまで来たら、こんな主張は直ちに撤回をすべきだと思います。 大臣に伺いたいと思うんですけれど、科学的捜査と証拠方法の評価について、何らの検討や研究も行わずに、自分たちの描いた、捜査機関が描いた心証に沿えば科学だ、沿わなかったら非科学だと、それが検察の言う科学捜査ですか。二枚舌を使って、一方の事件では有罪証拠とし、もう一方ではそれを覆そうとする、方法をですよ。そうした態度というのはそういうことじゃありませんか。私は、こうした態度はもはや一般論を超えていると思います。検察のやり方は、憲法三十一条のデュープロセス保障に照らして著しく不当であり、正義に反するんじゃないですか。 早期に私は無罪判決を確定することを願っていますけれども、今、大臣と検察がやるべきは、なぜ無実の袴田さんの自由を四十八年間も奪うことになったのか、死刑の恐怖にさらし続けて心身に深刻なダメージを与えることになったのか、これを徹底して検証する第三者機関を設けて、全面的に協力をすることだと思います。それが二度と冤罪を繰り返さないための政治的責任ではありませんか。大臣の御意見を伺います。
○国務大臣(上川陽子君) 大変厳しい状況の中で今があるということをしっかりと受け止めながらも、今回は即時抗告審に係属中の刑事事件に関わる事柄でもございまして、所感を述べることにつきましては差し控えさせていただきたいというふうに存じます。
○仁比聡平君 大臣がそんなことでは駄目ですよ。 私は、そうした今おっしゃったような一般論を超えるような重大な憲法違反、正義に反する、こうしたやり方に対して徹底して議論をしていくべきだということを強く申し上げて、今日は質問を終わります。
○谷亮子君 生活の党、谷亮子でございます。 上川大臣始め法務省の皆様、よろしくお願いいたします。 本日の議題となっております法務及び司法行政に関する調査につきまして、十月二十三日に行われました上川法務大臣の挨拶の中にございました犯罪被害者の支援、そして出入国管理行政、またエボラ出血熱に関する我が国の対応、さらには我が国の法の秩序における国際協力の推進につきまして、本日は時間が限られておりますけれども、伺ってまいりたいと思います。 先週二十三日の法務大臣挨拶で上川大臣が、これまでの法務行政との関わりの中で忘れられないのは、犯罪被害者等基本法の制定に向けて全力を注がれたことであり、その過程で多くの犯罪被害者の方や御遺族の方々のお声を聞かれる中で、国家が国民生活の安心、安全を守るということがどれだけ大切かを痛感され、そのときの経験が政治家としての出発点となっていると言っても過言ではないと述べられていらっしゃいました。 また、議員立法によって犯罪被害者等基本法は、平成十六年十二月八日に成立、そして平成十七年四月一日から施行されておりますが、上川大臣におかれましては、自民党政務調査会の犯罪被害者等基本法のプロジェクトチームのリーダーとして、この基本法成立に向けて大変御尽力をいただいたとお聞きいたしております。 今後も、犯罪被害者等の権利、そして利益保護のために各種制度が適切に運用されていくために、また適切に運用していただくように推し進めていっていただきたいというふうに思っております。 そこで、上川大臣にお伺いさせていただきますが、犯罪被害者等に対するきめ細やかな対応に努めていただく、また努めていくために今後どのような取組をお考えでいらっしゃいますでしょうか、お伺いします。
○国務大臣(上川陽子君) ただいま谷委員から、私の政治的なある意味では原点になったという、議員立法として取り組ませていただきました犯罪被害者等基本法に触れていただきまして、そしてそのときの思いということにつきましても触れていただくことができまして、本当にありがとうございます。 私が、この十七年四月に施行された犯罪被害者等基本法の制定ということでございますが、関わるということになりました前から、長年にわたりまして被害者の皆様が訴え、街頭でも訴え、また署名活動も積み上げながら長年御努力をしていたことそのものが、その基本法を推進する大きな力になったというふうに思っております。 そういう中で、役割として、議員としてその声を法制化できたということ、このことの部分につきまして、先ほど政治家の出発点というふうに申し上げたところでございますが、同時に、国が国民の皆さんの生活あるいは命についてしっかりと守っていくということ、これがもう大変大事だということについて、ちょっと言葉で表現すると非常に平べったくなってしまうんですが、これは言葉では語れない大きな重みがあるというふうに思っているところでございます。 第一次の犯罪被害者等基本計画というところに盛り込まれた二百五十八の、その当時、被害者の皆さんが訴えてこられたこと、大きなものは参加人制度ということもございましたし、附帯私訴という制度もございまして、いろいろ大きなものもありますし、また今度、厚生労働関係の福祉支援というようなこともございまして、本当に幅広い中でシームレスに取り組んでいかなければいけないということも、併せてこの法体系の中にも盛り込ませていただいたところでございます。 一つずつロードマップを作りながらということでありますが、やはりステージごとに今までの検証をしながら、実際に制度がしっかりと定着をして根付いて、そして御利用していただいて、一日も早く元の生活に、でき得る限り早く復帰していただくことができるようなということについての今回の目的に対してどこまで肉薄しているのかなということも十分に検証しながら、これから先の課題につきましても真摯に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○谷亮子君 上川大臣、御丁寧に御答弁いただきまして、ありがとうございます。 私も、本委員会で、やはり犯罪被害者に寄り添った、また第一義的に行われなければならないのが被害者救済であるということをこれまでの委員会の質疑の中でも申し上げてまいりました。 今現在といたしましては第三次の基本計画等も取り組まれているということですので、今大臣がおっしゃられましたように、検証結果等も交えながら、また各省庁が連携をして、犯罪被害者等に対しまして本当に寄り添ったより良いものとなるように期待をしてまいりたいと思いますし、私もそう願っております。 そして次に、出入国管理行政の感染症に関する我が国の対応について今日は先に伺わせていただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。 世界的にも脅威を及ぼしているエボラ出血熱ですが、近年、世界的な交通網の発達による交通の利便性に伴い、世界各地が時間軸としても結ばれるようになりまして、人の移動や貿易が活発になり、世界の時間距離というのが大幅に短縮されてきております。一方で、感染症が発症した場合は短時間で世界中に広がるのではないかとも考えられておりますし、心配もされている状況であります。 また近年、航空交通量は飛躍的に増大してきておりまして、全世界の航空旅客数は、二〇一一年が約二十八億三千八百万人、二〇一二年が約二十九億七千万人、二〇一三年が約三十一億三百万人いらっしゃいまして、年々増加傾向にあるということで、これだけの方が世界を移動していらっしゃるという状況になります。 また、そのような中で、依然として被害が増え続け、また拡大をし続けておりますエボラ出血熱につきましては、世界保健機関、WHOによりますと、十月二十三日時点での感染の疑いのある患者数や感染が確定された患者数総計が一万百四十一人、そして死亡者数が四千九百二十二人となったということを、十月二十五日にまだこれは発信されたばかりですが、このことは、世界的な対応やまた取組として、各国が連携協力をして必要な対策を講じていかなければならないと考えられているわけでございます。 そこで、八月八日に世界保健機関、WHOが、エボラ出血熱の発症について国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態を宣言したことを受けて、厚生労働省が八月十二日から調査を開始することになり、これらを踏まえた上で、エボラ出血熱発生国からの我が国へのこれまでの入国者数は何人いらっしゃいますでしょうか、伺いたいと思います。
○政府参考人(福本浩樹君) お答えいたします。 エボラ出血熱の流行国五か国から我が国に入国をした数でございますけれども、この五か国、ギニア、シエラレオネ、リベリア、ナイジェリア、コンゴ民主共和国であります。こういう国に滞在して日本に入国した者の数でありますが、これは本人の申告により検疫所が把握した数ということになりますけれども、集計を開始いたしました今年の八月から現在までの間で千百七十四名ということでございます。 ただ、この五か国のうちナイジェリアでありますけれども、ナイジェリアは十月二十日の日にWHOがエボラ出血熱の感染について終息宣言を行っております。もう患者は発生していないということでもありますし、それまでのナイジェリア国内での患者数も二十名ということでありましたので、ナイジェリアから我が国に入国した数を除きますと、除いた残り四か国、現在も発生しております四か国からの入国者ということでありますと、二百四十三名というのが現在の数字でございます。
○谷亮子君 ありがとうございました。 八月十二日から現在に至るまでということで、その総計というのが千百七十四人に及んでいるという現況であるということが分かりました。大体一日平均十六人の方たちがそうした発生した国から入国を日本に来ているというようなことになると思いますが、またアメリカの方でも一日に約百五十人、これはギニア、リベリア、シエラレオネ、この三か国から、大体一日百五十人の方たちがそうした発生国から入国をしてきているという現況でもあるということを伺っております。 そこで、エボラ出血熱が発生している西アフリカからの渡航者の受入れにつきまして、アメリカの国土安全保障省は、エボラ出血熱が発生している西アフリカ三か国からの渡航者の受入れ空港を五つの空港に制限をして、全ての渡航者に対して既に検査体制を強化し、また他の予防措置もとられるようにするという方針を発表されまして、このことは十月二十二日から既に施行されております。また、ホワイトハウスは、今回の空港の制限措置がアメリカ国民の安全を確保することが狙いとしていると発信をされております。 また、アメリカ食品医薬品局の取組でございますが、エボラウイルス検出システムを緊急認可したと発信いたしておりました。アメリカ食品医薬品局、FDAは二十五日、エボラ出血熱の検出にアメリカのバイオファイア・ディフェンスが開発した二つの検査システムの使用を緊急認可したと発表をしました。バイオファイア・ディフェンスによると、今回認可された二つのシステムを使うことで、人体から採取した血液や尿からエボラウイルス陽性また陰性を一時間程度で判定することができるようになるというものでございまして、現在の検査システムでは結果が判明するまでには大体二十四時間から四十八時間掛かっているという現況でございますので、非常にスピーディーにその検査結果というものが出てくるという状況にあります。そしてまた、このバイオファイアの設備のある医療機関はアメリカ全土で三百を超えている、そうした医療機関に設置をされてありました。 このように、アメリカにおいてはこうしたエボラ出血熱に対しての対応策というのが実際に進められてきておりますし、我が国といたしましても、今臨時国会において、感染症の検査、そして対応に対する法案等も提出をされておりまして、その中では国内における法整備として、患者から強制的に血液などの検体採取を求めるなどの内容が盛り込まれているわけでございます。 そこで、エボラ出血熱に対する我が国の空海港における水際対策に対する具体的な取組につきまして、まず厚生労働省にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(福本浩樹君) お答えいたします。 我が国のまず水際対策ということでございますけれども、具体的には、先ほど申し上げました発生国四か国から我が国に入国される方について、エボラ出血熱の最大潜伏期間は二十一日ということでありますから、我が国への到着前二十一日以内にその国に滞在された方については空港等の検疫所に立ち寄っていただくということをまずお願いをしております。 具体的なその立ち寄りをお願いする方法といたしましては、入国者全員の方に対しまして、入国の際、検疫所で掲示をし、それによって呼びかける、あるいは検疫官が個々に問いかけをする、あるいは入国管理局と連携をすることによって検疫所への立ち寄りということを誘導するということをいたしております。 検疫所に立ち寄っていただいた際にどうするかでありますけれども、その滞在国四国でどういう行動であったかということを聴取し、あるいは問診等を行います。その結果、その時点で発熱あるいは嘔吐等のエボラ出血熱の感染を示す症状がありますと、入院隔離措置ということをその時点でいたしまして、必要な治療あるいは確定診断へというステップに進みます。 その入国の時点では症状がない方の場合には、検疫所において氏名でありますとか連絡先、あるいはその後の旅行日程等を聞き取りをいたしまして入国をいたしますけれども、その後、毎日二回、体温を測っていただきまして、それと併せて症状を含めて検疫所に報告をしていただくということをいたしております。
○谷亮子君 ありがとうございました。 こうした日本の対応策というのは非常に国民の皆様も心配をしていらっしゃいますし、やはり国が、そうしたシステム等々、検疫の在り方ですとか、そうしたことを国民の皆様にも分かりやすく今後説明していく機会がまた必要になってくるのではないかなというふうに感じております。 そして、今お話にもございましたように、体内の潜伏期間というのは二十一日間あるということで、二十一日目に発症してしまうという方もいらっしゃるという可能性が残るわけでございまして、やはりこの水際の対策がいかに重要であるのかということが今後大きな課題となってくる、これは世界的にもそうした心配がなされているところでございます。 そこで、これは安倍総理が十月二十七日に指示をされていらっしゃいますけれども、エボラ出血熱への対応をめぐり、国内で患者が発生した際の未承認薬投与を認め、ギニアなど流行四か国の滞在歴をチェックする空港での入国審査を強化する方針を決めているということで、今朝も関係閣僚会議が行われたと伺っておりますが、やはり空港での入国審査を強化する方針ということでございまして、先日の大臣所信の中にもございました、出入国管理の充実とありましたが、これは審査と管理がなされるということで、エボラ出血熱に対する水際対策の柱であります。 そこで、法務省の出入国管理についての我が国の現行の法制度に触れさせていただきますと、法務省所管である出入国管理及び難民認定法の第五条には、次の各号のいずれかに該当する外国人は、本邦に上陸することができないとし、具体的には、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に定める一類感染症、二類感染症、新型インフルエンザ等感染症若しくは指定感染症の患者が対象となる旨を規定しており、その一類感染症の一つとしてエボラ出血熱が含まれております。 また、同法第七条には、入国審査官の審査に関する規定といたしまして、外国人の上陸のための条件に適合しているかどうかの審査事項として、当該外国人が第五条第一項各号のいずれにも該当しないことを明記しております。これは、すなわち当該外国人がエボラ出血熱等に感染していないということを審査するということになります。 そこで、法務省として、世界的にこのように危機感が広がっているエボラ出血熱流行の動きをどのように認識されていらっしゃいますでしょうか。またあわせて、出入国管理及び難民認定法に基づく法務省としてのエボラ出血熱の侵入に対する空海港の我が国の水際対策に対する今後の対策強化の取組を具体的にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(井上宏君) お答えいたします。 法務省といたしましては、厳格な入国の管理ということについても円滑な審査と同様に力を入れてやっていかなければならないと考えておりますが、お尋ねのエボラ出血熱に関しましては、感染が拡大している状況に鑑みまして、厚生労働省を始めとする関係行政機関と緊密な連携の下、政府一体となって対応する必要があると認識しております。 具体的に申し上げますと、厚生労働省において、先週二十四日金曜日から、空港の検疫所で、先ほど答弁ありましたように、エボラ出血の発生国に滞在したかと確認する取組をしておりますが、入国審査のブースにおいて検疫のところを通らないで来てしまった人に対して九か国語に翻訳したボードを示しまして、その国に滞在していましたか、滞在していたら、検疫に寄りましたかということを確認して、まだの人の場合には検疫所に誘導するというような取組を検疫と協力するという形で行っておるところでございます。 今後とも、法務省におきましては、関係省庁と連携して水際対策の強化に努めてまいりたいと考えております。
○谷亮子君 やはり今お話ございましたように、厚生労働省の取組、そして法務省の取組、そしてまた各省庁に対する幅広い連携した取組というのが必要であるという現況が分かりました。 そして、十月十四日に閣議決定をされております感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の一部改正案の中には、エボラ出血熱のような国民の健康に重大な影響を与えるおそれのある感染症の疑いがある場合、患者から強制的に血液などの検体採取を認めることなどを内容とされている極めて重要な改正案というものが閣議決定されて国会に送られているわけでございますので、これは今週中にも厚生労働委員会で審議がなされて、実際にそうした体制というのがつくられると思いますので、本当に一日も早くそうした体制の構築というのを急いで執り行っていただきたいと。 そしてまた、法務省は、そうした出入国管理をする、水際の本当に大きな柱を担っている、重要な役割を担っているところでございますので、やはり国民の安心、安全のために、命を守るという観点からも引き続き取組をお願いしてまいりたいと申し上げさせていただきます。 そして、時間も限られているんですが、次に、出入国管理行政の自動化ゲート、そして顔認証技術について伺ってまいりたいと思います。 我が国の観光立国実現に向けた取組といたしまして、外国人の出入国管理の円滑化や迅速化は、これは大変重要なものであるというふうに考えております。 そして、先々週の委員会でも、この自動化ゲート、顔認証についてはまた次の機会で伺わせていただきたいと話をしていたんですけれども、そこで、まず初めに自動化ゲートについてお伺いしたいと思いますが、出入国管理の際、その効率化を図るため、現在、成田国際空港、東京国際空港、そして中部国際空港、関西国際空港に自動化ゲートが設置されておりますが、その利用状況についてお伺いします。
○政府参考人(井上宏君) お答えいたします。 現在、自動化ゲートは委員御指摘の四つの空港に合計四十台設置されておりますが、本年中にはこれを七十台に増やすことにしてございます。この自動化ゲートにつきましては、利用できる人は、日本人と再入国許可を受けているなど一定の要件を満たした外国人が利用対象者となるわけでございます。 自動化ゲートの利用者数でございますが、平成二十三年は約八十五万人、平成二十四年が約百四万人、平成二十五年が約百三十二万人と年々増加してございます。また、自動化ゲートの利用率でございますが、この利用率というのは、この四つの空港において出入国した日本人と再入国許可を受けた外国人のうち実際にゲートを利用された方の割合という意味でございますが、これは平成二十三年は二・五%、二十四年が二・九%、二十五年が三・八%と、少しずつでございますが年々増加しておるところにあります。
○谷亮子君 ありがとうございます。 やはり今お話ございましたように、利用者数と利用率というのが同じように向上していくということが望ましいわけでございまして、この自動化ゲートというのは、パスポートと指紋の照合、これがきちんと照合されれば自動化ゲートが開いて出国、入国していけるというような状況になるわけでございますので、指紋の認証に対してやはり少し抵抗感を感じていらっしゃる方たちもいるとも伺っておりますので、その辺の対策も併せてお願いしたいというふうに思っております。 顔認証につきましては、また質問の機会がありましたら伺わせていただきたいと思います。先週から答弁を用意していただいていたと思うんですけれども、時間の関係で申し訳ありませんでした。 ありがとうございました。
○委員長(魚住裕一郎君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後二時散会