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187回国会参議院2014/10/28

文教科学委員会 第3号

発言数
125
登壇者
19
会派数
7
開催日
2014/10/28

会議録

水落敏栄自由民主党

○委員長(水落敏栄君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る二十日までに、中野正志君及び西村まさみさんが委員を辞任され、その補欠としてアントニオ猪木君及び榛葉賀津也君が選任されました。     ─────────────

水落敏栄自由民主党

○委員長(水落敏栄君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官兵谷芳康君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

水落敏栄自由民主党

○委員長(水落敏栄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

水落敏栄自由民主党

○委員長(水落敏栄君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 おはようございます。民主党・新緑風会の神本美恵子でございます。  文教委員会、久しぶりなんですけれども、下村大臣には決算委員会で御質問をさせていただきました。今日は、その点も少しだけ触れながら質問させていただきたいと思います。  まず、昨日、御嶽山の噴火から一か月過ぎたということで報道等もなされておりましたけれども、まず、噴火で亡くなられた方やけがをされた方、そして今なお行方不明で捜索も気象条件で打ち切られ、また再開するということでありますけれども、こういった方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。  実は、今年の三月、内閣委員会で、私、内閣委員会に所属していたんですが、兵庫の方にE—ディフェンスという防災科研、これは文科省所管だと思いますけれども、そこの施設の視察を中心に行ってきたんですけれども、その訪問の際に、すごく大きな施設で重要な研究がなされているんですけれども、そこで得られた知見が防災や減災に本当に生かされているのかという疑問を少し持ちましたので、そのことを中心に内閣委員会で質問したときに火山の観測、研究についても質問をいたしました。  まだ、もちろん御嶽山の噴火の前だったんですけれども、そこで火山観測と研究のための人材育成が重要ではないかということを質問いたしましたところ、そのときには、文科省としても、昨年の十一月に文科省の科学技術・学術審議会で決定した地震火山観測研究計画で観測網の充実、若手研究者、技術者、防災対応人材育成が挙げられているのでしっかりと取り組んでいきたいというふうな、文科省の方からの答弁をいただいていたんですけれども。  実は、その質問をする際に私もいろいろ調べましたら、日本には火山研究の専門家と言われる方が四十名しかいないということを聞いてびっくりしたんですね。日本は、御承知のように百十もの活火山を持つ火山大国、大国といいますか火山国と言われる国ですけれども、ヨーロッパの火山国と言われるイタリアでは六百人の専門家がいるというふうにそのときに知りまして、余りにも日本の火山研究あるいは観測体制といったものが不十分ではないかということで、そういう問題意識で質問をいたしたんですけれども、先ほど紹介しましたように、それはしっかりやっていくんだというふうに御答弁がありました。  噴火がありましたので、特に今その問題意識も皆さん共有されていると思うんですけれども、昨日の新聞でも、昨日新聞で報道されていたんですが、九州大学の地震火山観測研究センターのセンター長がおっしゃっているんですが、問題は観測結果をどう解釈して防災に役立てるのか、人材育成とセットで考えないといけないというふうに強調されております。  その内閣委員会の質問のときもどうしてこんなに少ないのかと聞きましたところ、やはり火山研究というのはマイナーでなかなか就職口がないということで、せっかく研究してきても、それが社会に出て生かされるような就職口がないというようなこともなかなか増えない要因だというふうにお聞きしたんですけれども、文科省として、現在、火山の、これは時間が掛かると思いますが、火山研究に関わる研究者の人材育成についてどのような取組をなされているのか、お答えをいただきたいと思います。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) おはようございます。  御指摘の火山観測研究につきましては、科学技術・学術審議会の建議による研究計画に基づきまして、活動度が高い火山などを中心に全国の火山噴火メカニズムや火山噴火予測等に関する大学関係機関等の研究について推進を図っているところであります。  今回の御嶽山の噴火を踏まえ、火山研究については災害の軽減を図るための課題が多くあることが改めて認識されたという中で、専門家の検討会、これは科学技術・学術審議会地震火山部会でありますが、ここにおいて、今後、重点的に進めるべき火山観測研究や人材育成の在り方等についての年内の早い時期に取りまとめを行うということで今進めていただいているところでもございます。  文科省としては、先日、緊急的な措置として、科学研究費補助金、これは特別研究促進費でありますが、これによる御嶽山火山噴火に関する総合調査を進めることを決定したところでありまして、今後とも関係機関と協力して火山研究の充実強化に努めてまいりたいと思います。  来年度、二十七年度の概算要求においても、火山観測施設の整備に係る経費、約三億円の要求もしているところであります。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 御答弁いただきました。昨日、ちょっと質問通告のときに聞いたら、予算、概算要求はちょっと分からないというような答弁でしたが、今大臣の方からしっかりと答弁していただいたんでよかったんですけれども。  その内閣委員会で質問したときに、内閣府にも御質問したんですけれども、当時の西村内閣府副大臣からも危機感は共有していると、まだ噴火の前ですよね、努力されているという前提だったんですが、その答弁の中で、これ内閣府にも今日おいでいただいていますが、監視の方も、常時監視は四十七でありますけれども、地震と違って火山は予知できますのでというふうな答弁があったんですね。  今回、その予知ができなかったといいますか、西村副大臣の御答弁では、山が膨らんできますので、その山の傾きがだんだん緩くなってきますとか、空気が若干振動してくるとか、いろんな予知が可能であるので、こうした観測機器の増設とかを含めて対応していきたいというふうに御答弁があったんですけれども、観測機器などの予算も含めて、十分な数の火山専門家の確保ということで、昨年度予算が三千五百万だったのを、これも少ないなと思いますが、今年度は五千六百万というふうにそのときに御答弁いただいておりました。来年度の概算要求ではこの点についてはどのようになっているんでしょうか。

兵谷芳康内閣府大臣官房審議官

○政府参考人(兵谷芳康君) お答えいたします。  内閣府では来年度予算の概算要求において、従来の予算に加えまして、新たに大規模降灰時の影響の検証や対応策の検討を始め、火山災害対策の推進に係る経費として約一億百万円を要求しているところでございます。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 私も、一年間でしたけれども、文科省の中で政務官をやらせていただいたときに、この防災も関係しておりまして、つくばにある防災科研というところに視察に行ったときに、まああそこは本当に、JAXAとかああいうふうな大きな施設、日の当たるところではないという印象を持ったんですが、政治家も役所もなかなかここには来ないというふうな話も聞きまして、ずっとそれは引っかかっていたんですね。  ですから、防災ということに関してせっかく研究をしているその知見が生かされない、そのことを三月に指摘をしまして、しっかり取り組みますというふうにお聞きしたやさきといいますか、その後、この前の御嶽山の噴火で、私はやっぱり、そういった国民の生命、安全を守るという観点からの防災に関して、文科省としても、特にこの人材育成というのは時間が掛かりますので、しっかり取り組むという答弁をいただきましたし、国会で取り上げましたことについては、今大臣からは予算も要求を増やしているので取り組むという御答弁いただきましたが、言葉どおり取り組んでいただきたいということをお願いしておきたいと思います。  次に、貧困問題についてでございますけれども、八月二十九日に閣議決定されました子供の貧困対策大綱、これは昨年六月に成立しました、議員立法でしたけれども、子どもの貧困対策推進法に基づいて、今年一月施行になっておりますので、大綱が閣議決定をされております。  これは、言うまでもなく、貧困の連鎖によって子供たちの将来が閉ざされることがないようにということで、議員立法で成立した法律でございますが、どうしても貧困対策というと福祉的な観点からの取組が中心になるように思いますけれども、この間、様々な研究者からも、経済格差が教育格差につながっている、その教育格差が、教育格差というのは、必ずしも学力があるかないかだけではなくて、教育の機会が奪われてしまうというようなことも含めて教育の格差につながり、それが貧困の連鎖につながっていくということで、この貧困対策に関しては教育の力というのは非常に重要になってくるのではないかということを私自身は思っております。  それで、この貧困対策の大綱の中の基本方針で教育の支援というのが大きく取り出されておりますが、その中では、学校を子供の貧困対策のプラットフォームと位置付けて総合的に対策を推進していく、教育費の負担軽減を図るというふうにされておりまして、具体的には大きく三点挙げられているんですが、その中に学校教育による学力保障ということが取り上げられております。  これ、ちょっと読んでみたんですけれども、まあ大綱を読んだ感じでは、「家庭環境や住んでいる地域に左右されず、学校に通う子供の学力が保障されるよう、少人数の習熟度別指導や、放課後補習などの取組を行うため、教職員等の指導体制を充実し、きめ細かな指導を推進する。その際、学力や学校運営等に課題がある市町村に対し、国が直接改善方策の専門的助言・体制の整備など重点的な支援を行うことを通じ、当該市町村の自律的な改善サイクルを確立する。」というふうに書かれているんですけれども、具体的に貧困対策としての学力保障がこれでどのように図られるのか、ちょっと見えてこないんですけれども、ここはどういうふうに、具体的にどういう取組になっていくのか、お答えをお願いしたいと思います。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 神本委員おっしゃるとおり、教育における貧困によるハンディキャップというのは深刻なものがあるということを、昨日も私は、川崎市が公設民営として、フリースクール、ここでは「フリースペースえん」という名前で運営しているところに視察に行ってまいりましたが、百人を超える不登校の子供たちの四割ぐらいは貧困家庭に所属をする、あるいは、同じように四割前後は何らかの障害を持っている子供であるということで、貧困ということが結果的には不登校にもつながると。その日の食べ物にもままならないような、そういう貧困家庭の子供がその「フリースペースえん」へ来ているということを聞きまして、国会で子どもの貧困対策法を通していただいて、政府として大綱を今年八月作ったわけでありますが、これはもうしっかりと取組をしなければならないということを改めて感じております。  家庭の経済状況にかかわらず、学ぶ意欲と能力のある全ての子供が質の高い教育を受けて、そして一人一人、その能力、可能性を最大限伸ばすことによって、夢や希望、それにチャレンジできる社会を実現すると、これは丁寧な対応が必要であるというふうに思います。  支援の内容や方法等によって対象となる地域は様々ありますが、学力や家庭の経済力等の課題がある地域に対して、地方公共団体の要望を踏まえながら重点的な支援が必要であると考えております。その支援の内容としては、例えば文部科学省の職員をそこの地方自治体に直接派遣することによってのきめ細かな助言を行う、また家庭環境などによる教育格差の解消を図るため、その地域における教職員定数の改善も図る、あるいは地域人材等のサポートスタッフの配置などの強化、このようなことをすることによって、学力向上や学校運営の改善についてバックアップをしてまいりたいと考えております。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 今、定数改善やサポートを強めるというような御答弁で、ちょっと安心したんですが、この貧困対策大綱に書かれているものを読みますと、学力や学校運営等に課題がある市町村ということで漠然としているなと思ったんですね。私はもっとはっきりと、今フリースクールの例を出されましたけれども、一人親家庭が多い地域とか生活保護を受けている家庭が多い地域とか、また児童養護施設を校区内に抱えている学校とか、そういう、もう明らかに貧困が原因となって学力や学校運営に課題が生じていそうなところを重点的にやはりやるということを明確に打ち出した方が、私は市町村に対する支援としては適切ではないかという思いを持っておりました。その支援も、学校にちゃんとやりなさい、自律的に改善しなさいというふうにもちょっと読み取れましたので、そうではなくて、国としてできる定数改善の支援とか、そういったものをしっかりと含めてやっていただきたいなというふうに思っております。  ちなみに、私も数年前、横浜のある学校から、児童養護施設を校区内に抱えていて、もうとても学校運営が今の定数の中ではやれないという校長先生からの声を聞きまして、この委員会で取り上げて、そうしましたら、すぐ文科省から横浜市教委と連携を取って人を配置していただいて、大変学校運営がスムーズにいくようになったと。児童養護施設という、親元で成長していない子供たちをたくさん受け入れている学校というようなところはもう明らかに課題があるということは分かっておりますし、そういった意味で、是非、貧困対策としてそういう重点化した取組をしていただきたいということをお願いしたいと思います。  次に、夜間中学についてお伺いをしたいと思います。  これについては衆議院の方でも質問が何度かされているようで、下村大臣は力を入れてこの問題に取り組んでいただいているというふうに御答弁からうかがっております。私も、超党派の夜間中学議員連盟に一議員として参加をしておりますけれども、今の貧困対策大綱においても夜間中学の充実改善等への取組ということが出されておりますし、この夜間中学の現状について、少し、私自身も過去、二〇〇七年に義務教育未修了者と不就学者の数の把握について委員会で質問をしたことがございます。  そのときの議事録を改めて読んでみますと、私の問題意識としては、二〇一〇年、国勢調査が十年ごとに大規模に行われるんですが、その中にこの義務教育未修了者についての調査が入っているんですけれども、その調査の在り方が、これでは義務教育を未修了、小学校は卒業したけれども中学校は卒業できていないという方たちが把握できないので、改善をしてほしいということで、総務省、文科省両方に随分とやり取りをさせていただいたんですが、そのときの御答弁では、できないという、結果的にできないということだったんですが。  今回、衆議院のこの夜間中学についてのやり取りの中で、大臣は、総務省にしっかりと要請をして、次の調査、つまり二〇二〇年になるんですが、六年後の調査においてはしっかりやってもらうように要請したいというふうに御答弁されておりますが、総務省にどのような要請をされて、今、中学校の卒業できていない人たちも把握できるような調査検討がどのように行われているのか、お伺いしたいと思います。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、二〇〇七年に神本委員から御質問があった当時、調査を所管する総務省が、デリケートな事柄であるため項目を細分化することは困難であると、そういう認識があるということでございまして、文科省としては特段の取組はしてこなかったという経緯がございました。  他方、今御指摘がありましたが、二〇二〇年に予定されている次回の国勢調査に向けて、義務教育未修了者を調査項目に追加していただけるよう総務省に対して要望を行ってきたところでございまして、今年の二月段階で、次回の調査に向けて検討課題とする旨の回答を総務省からいただいているところでございます。  こうした中、今御指摘がありましたが、今年五月の二十一日の衆議院文部科学委員会におきまして、総務省の大臣政務官から、期待に応えられるようしっかり検討する旨の答弁がなされたところであります。これは、総務省と文科省との間で事務的なやり取りもしている中での答弁でございまして、文科省として、引き続き、総務省の検討状況についてしっかりフォローしてまいりたいと考えております。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 デリケートな問題だからということで、確かにそういう答弁だったんですね、総務省は。その状況は今も変わらないので、これはかなり強く文科省の方から、それがないと、この義務教育未修了者の方々の基礎教育、初等教育をしっかりと保障することは、初等中等教育を保障することはできないんだということをしっかりとやっていただきたいなと思います。  最近の国勢調査、その二〇一〇年の国勢調査で、未就学者、義務教育未修了者ではなくて、未就学者は何人だったんでしょうか。

小松親次郎文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(小松親次郎君) 平成二十二年の数字になりますけれども、今おっしゃられましたとおり、未就学者という形で調査をされている数は十二万八千百八十七人という数字でございます。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 約十二万八千人。現在、夜間中学は、公立夜間中学ですけれども、八都府県二十五市町村、三十一校。そこで学んでいる方々の総数は、千八百七十九人なんですね。この国勢調査で分かっている未就学者は十二万八千人で、実際に夜間中学で学んでいらっしゃる、公立で学んでいらっしゃる方々は千八百七十九人ということですけれども、先ほど言いましたように、捕捉できていない義務教育未修了者、この未就学者十二万八千人よりも相当多い数いらっしゃるのではないかと想像されるんですけれども、ここに大きなギャップがあります。  大臣はこれまでの御答弁の中で、少なくとも都道府県ごとに一つぐらいは設置することによって、学びたい方々にそのチャンス、可能性を提供できるようにしたいというふうにおっしゃっておりますけれども、都道府県に一校ずつ、少なくとも、最低でも置きたいという私は大臣のそのお考えは非常に大事なことだと思っておりますが、実際に必要な数がとてもそれでは恐らく間に合わないのではないかと思いますので、現在文科省が考えていらっしゃる各都道府県に一校ずつ最低でも設置をするというその目標と、実態がしっかりと把握できていないけれども、そのニーズと併せて夜間中学の目的、位置付け、どのように考えていらっしゃるのか、例えばどのような人を対象に考えていらっしゃるのかということをお伺いしたいと思います。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 先ほど小松局長から十二万八千百八十七人未就学者がいるという報告がありましたが、詳細を見ますと、やっぱり高年齢の方々が多いんですね。八十五歳以上の方々だけでも二万三千人を超える方々が未就学者。こういう方々が、なかなか夜間中学をつくったからといって通いましょうというふうにはならない部分もあるのではないかとは思いますが、しかし、御指摘のように、十二万八千人も未就学者がいるにもかかわらず、実際に夜間中学在籍者は千八百七十九人ということで、その差は非常にあるわけです。  これは、夜間中学そのものがまず少ないと、八都府県二十五市区内三十一校のみ、受皿が少ないと、その受皿をどうつくるかと。それから、そもそもその夜間中学の存在が一般の方々に知られていないということもあると思います。それから、この未就学者御本人の希望もそれぞれ様々であるということもあります。  文科省としては、夜間中学についての積極的な広報を展開するとともに、その設置を促進をしていきたいと考えておりまして、御指摘のように、少なくとも四十七都道府県に一つは夜間中学を設置をするための、来年度、二十七年度概算要求においても、そのためのこの夜間中学の設置に当たっての課題、その解決策等に関する調査研究としての予算を計上したところでありまして、是非この予算が財務省が認めてくれれば、その結果、各都道府県においても夜間中学の取組について積極的に加速度を付けて対応していただきたいと考えております。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 しっかりと取り組んでいただきたいと思いますが、最低都道府県に一か所という目標で、ところが、現在の夜間中学の設置状況を見ますと、八都府県三十一校ですよね。その内訳を見ますと、東京都に八校、大阪府に十一校、近畿地区だけで大阪府を含めて十七校というふうに、偏在しているといいますか、そういう状況になっています。これは非常に歴史的な背景を背負っていると思うんですけれども、それで自治体が設置をしている。地域によって、例えば中国から帰国した人とか、在日の韓国・朝鮮籍の方々がたくさん住んでいらっしゃるとか、そういう地域的な状況もあると思うんですね。  そういうものと、都道府県に一か所という、これとの関係が私はどんなふうに考えたらいいのかなと、分からないんですけれども、ちょっと時間がもうありませんので次の質問と一緒にしたいんですけれども、例えば横浜市は五校あったんですけれども、そのうちの四校を廃止して一校に統合しているんですね。横浜も日本一の大きい、人口を抱えた市でありますけれども、この大きなところで五校あったものを一校にまとめてしまうという、まあ市の財政の状況もあるのかもしれないし、大臣がおっしゃったように広報不足ということもあるかもしれませんけれども、やはりニーズをしっかりと把握して、広報して、そして新設するなら新設するというような考え方をもう一方で持っていただかないと、今一生懸命やっている現状の夜間中学校の人たちが一番心配しているのは、各県に一校ずつ設置を促していって設置されましたということで終わってしまっては本当の自分たちが望んでいることではないというような声もお聞きするんですね。  必要なところにニーズに合った設置が行われるように、大臣の方から調査研究もなさるということですので、そこをしっかりと受け止めていただきながら、現状の夜間中学校が抱えている様々な環境、施設の問題もありますし、外国語が話せないと、ニューカマーの人たちも受け入れたりしていますから日本語指導もなかなか十分にできないとか、様々な課題を抱えておりますので、現状の夜間中学のニーズ、課題も踏まえて、最低でも各県に一校という、その目標は目標で私はいいと思うんですけれども、取組をしていただきたいと思いますので、最後に大臣の方から御決意をお願いします。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) それはおっしゃるとおりであります。  横浜については、五校で生徒が十五人しかいないと、二つの学校では生徒がゼロということで、一番多い学校でも八人しかいないということで、これは再編統合せざるを得ないというふうに聞いております。  御指摘のように、文科省としては各都道府県に少なくとも一校は夜間中学が設置されるよう取り組んでもらいたいと思いますが、現在、複数の夜間中学が設置されている都道府県におきましては、これは設置数を減らす必要は全くないわけでありますし、できるだけ必要な方々が通学をしていただけるような環境整備に努めていただきたいと思いますし、またそのようにフォローアップをしてまいりたいと思います。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 終わります。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 民主党の那谷屋正義でございます。  九月の内閣改造以来といいますか、内閣改造がされても引き続き下村大臣とこの委員会で議論ができることを大変うれしく思っておる次第でございまして、よろしくお願いをしたいと思います。  といいますのは、今日というか最近の新聞を見ていますと、本当に閣僚の、いわゆる政務三役の献金ですとか政治資金ですとかの活用の問題で相当にぎわしております。  特に、今エボラ出血熱というのが大変国民の関心の的になっておりますけれども、そういう中にあって、夜中の十二時に記者会見を開いて、そして自分の政治資金のことについて話をするなんというとんでもない状況も起こっております。  そういう中にあって、文科大臣を始め政務三役はそういったことがないということで、本当に真摯に教育論ができるということで大変うれしく思っておりますので、どうかこれからも引き続きそういう状況であっていただけたらということをまずお願いをしたいというふうに思います。  それでは、早速質問に入らせていただきたいと思いますけれども、まず国家戦略特区の法案において、そのメーンであります公設民営学校のことについて質問をさせていただきたいと思います。  たしか今日の朝、本当は閣議決定ということだったようでありますけれども、それが延期になったというふうに聞いております。そういう意味では、この話題については、いわゆる序といいますか初めという意味で、少しきっかけということでお話をさせていただきたいと思います。  公教育というものを考えると、幾ら公設民営学校の枠組みがあるとはいえ、包括的委任については、他の行政サービス分野とは大きく異なる取扱いとなるべきではないかというふうに考えています。特に、義務教育は、幼稚園や高校など保護者や子供たちの選択に基づいて就学する他の教育段階とは大きく異なるほか、子供たちが生きるための基礎を培う場であることから、より慎重に考えるべきであるというふうに考えています。  公立学校の管理運営は公の意思に基づき実施されるものであることとの整合性についてどのように担保されるのか、まずお聞きをしたいと思います。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、公立学校の管理は、公権力の行使、公の意思の形成に関わるものでありまして、高い公共性を持って公正中立に行う必要があるため、学校の設置者である地方公共団体が管理することが原則であります。  一方、行政事務の民間への委託については、行政事務の処理に当たっての公正さ及び判断の中立性を担保する措置や行政庁による監督体制を確保する措置等を講ずることを前提として可能とされておりまして、既に地方自治法に基づく指定管理者制度などが設けられているところでもあります。  現在、国家戦略特別区域法の改正により導入を検討している公設民営学校の特例については、これらの点も勘案しながら、管理を行わせる法人の要件、教育委員会の一定の関与等を規定することに加え、条例により公設民営学校の管理の基本方針や入学等の処分の手続及び基準等を定めることとしておりまして、公立学校の管理の中立性、公正性を確保することができるというふうに考えております。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 そうしたことというのは大変重要なことですので、これを仮に行うということになればしっかりとそこは担保していかなきゃいけないということで、私も注視をさせていただきたいというふうに思います。  次の観点からいきますけれども、この公設民営学校というのは、要するに今ある公立の学校をいわゆる民営化するわけですよね。そのときに、例えば私学の存立の根幹である建学の精神という、そういったものに基づいたときに、私学というのは土地、建物、そういったものは一から全部自分で様々準備をするわけでありますけれども、この公設民営というのは、その部分についてはもういわゆる費用が掛からない。いわゆる初期投資費用というものがあるわけですけれども、それについて圧倒的なアドバンテージがあるということになるわけであります。仮にこの法律の目的が、この目的を達しようとしたときに、それが十分に可能であるということは私学でもそれは可能であるというふうに言えるというふうに思います。  そういう意味では、私学との不平等といいますか、不公平というか、そういう点について私は非常に懸念しているんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 公設民営学校は公立学校であり、その経費は学校教育法第五条に基づき設置者である地方公共団体が負担するわけでございます。私立学校におきましては、各学校がそれぞれの建学の精神に基づき多様で特色ある教育を行うものである一方、公設民営学校は、国家戦略特別区域法の趣旨に沿って各地方公共団体の方針に基づき公立学校として地方の実情に応じた教育を行うことを可能とするため制度的に対応しようとするものでございます。つまり、既存の公立学校やあるいは私立学校では十分対応できない部分について、予算的な部分、あるいは人材的な部分、それを特例的に認めるということでございますので、私立学校と同レベルでアンフェアな形になるということでない位置付けでございます。  そもそも、公設民営学校は、私立学校とはその制度、趣旨そして性格をそういう意味で異にするということでありますので、私立学校と同様のものであるのに公費を投入することによって私立学校に不利益となるというような御指摘は当たらないというふうに考えております。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 この点については、また後日議論させていただきたいと思いますけれども、もう既に今の私学の中においても、例えば政府が二百校の認定を目指している国際バカロレアというふうなことについても既にもう行っているところもあるわけでありまして、そういう意味では、そことのバランスというものも、やっぱり今後しっかりと説明を果たしていかなければいけない部分だろうというふうに思っています。  それともう一つ、実は、この問題については既に衆議院の文科委員会でも質問がされております。その委員の質問の中では、質問を受けて大臣の答弁として、いわゆる今お話があったように、この学校においてはやはり特別な力を持った教員が必要であるというふうなことを言われたわけです。そうだろうとは思いますけれども、ですから、そういう中にあって、そういう状況の中で、今のいわゆる公立学校の教員の任用形態あるいは給与体系ではとてもそれができないというような答弁をされたというふうに思います。  これは、聞きようによっては、今の任用形態あるいは給与体系では今の公立学校の先生に優秀な人材を配置できないというふうな捉え方をされてしまう可能性がある。そうなると、非常に現場で働いている方たちの士気に関わる問題でありますので、ここのところを、私はそうじゃないというふうに思いますけれども、もう一度ちょっと誤解のないような答弁をいただけたらと思います。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 那谷屋委員のおっしゃるとおりでありまして、現場の先生方を否定していることでは全くありません。これは大学ガバナンス法案のときにも議論になりましたが、我が国の現状の公務員的な給与体系では、特に世界のトップレベルの、例えばノーベル賞級の方々を日本の大学に招致するというのは今のような給与体系では難しいということで年俸制を導入したりとか、それからガバナンス的な形でより柔軟な形が取れるようにしたわけであります、それは大学の話でありますが。  公立の小中学校においては、そういうことはこれはなかなか国民の理解も得られないと思います。制度設計上も、そこまで導入するということについては、これは難しい課題がたくさんあると思います。そもそもそこまでする必要があるのかということでありますから、今公立学校で働いておられる、それから公立学校の教師を目指す方々には、国としては最高の高度な指導力を有する優秀な教員を是非配置をしたいと、またそのための支援をするというのは当然のことでありますが、特に今回の公設民営学校においては、コンセプトが国家戦略特別区域ということでありまして、これはグローバル人材の育成など特色ある教育を公立学校において実現できるため、その特色に応じた能力や経験を有する人材を積極的に活用するという視点でございます。  つまり、今までの地方公務員法にとらわれないより柔軟な人事管理を可能とすると。例えば、教員免許を持っていなくても、国際的なそういう活躍をしている方々を現場に入って特別免許状のような形で配置をするという場合に、それなりのキャリアの方であればそれなりの優遇をしなければ、なかなか実際は絵に描いた餅で優秀な人が集まらないということから衆議院でも申し上げたわけでありまして、現場の先生についてはより高い教育力を持つようなことを国としても支援しながら、今努力されている方々が当然いるというのは当たり前のことであります。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 今大臣の答弁から、免許のない方でも可能であるというふうな、そういうお話がございました。それっていいのかどうなのかというのは今後また議論をさせていただきたいというふうに思いますし、いわゆる公教育の安定性、継続性というものを考えた部分についてもどうなのかなということについても、また今後議論をさせていただきたいというふうに思います。  今日は下村大臣と、そもそも論で申し訳ないんですが、今更何だという話になるかもしれませんが、今教育現場というのは本当に様々な課題が山積をしているところであります。その解決のために大臣は最も必要なことというのはどんなことだというふうにお考えになっていらっしゃいますか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) まず、私が今回留任になりまして是非やりたいと思っていることが二つありますので、それをちょっと申し上げたいと思います。  今、改革工程表を作って、五十六項目、これは教育、文化、スポーツ、科学技術と幅広い分野ですが、特に教育においては、大学入学試験の抜本改革をしていく必要があると考えております。暗記、記憶だけの一発勝負の十八歳でゴールが決まってしまうような入学試験でいいのか。本当に社会の中で必要な能力を問うような大学入学試験にしなければ、更に教育が画一、均一化する中で、子供たちの閉塞感の中、非常に生きづらくなっている部分がある、その象徴が大学入学試験としてあるのではないかという位置付けが一つあります。  それからもう一つは、先ほど出ておりました不登校の子供たちの問題、高校生まで入れて十七万を超える子供たちが不登校であると。これは、多様な教育をすることによって全ての子供たちにチャンス、可能性ということであれば、できるだけもちろん普通の小中学校に行ってもらえればそれはいいわけですが、そういうところに行けないという子供に対して無理やり行かせるということではなくて、その場の中で、よりその子に合った教育ということをどう考えるかと。これがフリースクールをどう考えるかということの位置付けになりますが、全ての子供たちにチャンス、可能性、これは障害児の子供たちもそうですが、そういう多様な教育体系をつくる、これが今後の課題だというふうに考えております。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 いろいろあると思いますけれども、私なりの解釈でいえば、とにかく今、子供たちがもう大変いろいろな悩みを持っている。その悩みなりなんなりを、問題をやっぱりしっかりと先生が聞いてあげられるような体制というのをつくるということはもう本当に欠かせない話だろうというふうに思うんです。  そうなったときに、この間の、前回の一般質疑のときにも大変この委員会で話題になりましたけれども、教員の多忙化、世界一の多忙化と、多忙な教員という話がありましたけれども、実はちょうどそれを、軌を一にして、今日は丹羽副大臣においでいただいておりますが、先日、十月二十日の毎日新聞に「学校と私」という欄でもって、副大臣は母校で教育実習をされた、そのときに教育実習で感じたのは先生の多忙さだと。もうまさに、本当にそのとおりだというふうに思いますけれども、日本の先生は世界一多忙と言われています。副文科大臣として、教員の多忙解消には是非取り組みたいと思っていますという大変力強いコメントがあるんですけれども、具体的にどのようにこれを応えていただけるのか、お答えいただけたらと思います。

丹羽秀樹自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(丹羽秀樹君) 現在、本年六月に公表されましたOECD国際教員指導環境調査、通称TALISでは、我が国の中学校の教員の一週間当たりの勤務時間は約五十四時間と世界最長、参加国の中で最長とされておりまして、授業以外の諸活動に従事する時間が参加国平均よりも最も長くなっております。  私自身もその教職員の教員課程の研修のときに、やはり母校で教育実習をした中で、授業が終わった後、クラブ活動や、またクラブ活動が終わった後、書類整理、そしてまた、さらには翌日の授業の準備とか、さらには、その期間中修学旅行とかいろんなことが重なりまして非常に多忙を極めた思いがございまして、授業の後の教員が一人一人の子供たちと向き合う時間が十分に確保されているとは今なかなか言い難い状況にあるということを痛感いたしました。子供たちが学校で笑顔で過ごせるような教育環境をつくらなければならない。そのためにも、教員が子供たちとしっかりと向き合って信頼関係を築いていくことが重要であります。  教員の多忙化には、解消に向け、現在、教育再生における重要な課題と認識いたしております。文部科学省といたしましても、新たな教員定数の改善計画を概算要求に盛り込んでおるところでございます。地域人材の学校教育への参画や校務の情報化、事務の共同実施の推進など、教員の多忙化に様々な検討を積極的に取り組んでいきたいというふうに考えております。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 あっという間に時間があと十分になりまして。本当は教員の、多忙化を極めているから、そこに拍車を掛けている教員の免許更新制についてこれから議論をさせていただきたいと思ったんですが、これをちょっと今日やっていると時間がなくなりますので、また次回に申し訳ないけれども送らせていただきます。  ただ、今の副大臣の答弁を受けて、大臣、もう一度、多忙化解消に向けた大臣の決意をお聞かせいただけたらと思います。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 是非、本委員会にも財務省を呼んでいただきたいと思いますが、毎回毎回ですね、毎回毎回、我々とは真逆のことを今考えておられるようでありまして、私は、やはり機械的ではなくて、前から比べても本当に今教育現場はもう大変だというふうに思います。  是非、来年度概算要求は、チーム学校の中で、アウトソーシングという言い方は適切じゃないかもしれませんが、事務処理的な部分、つまり、学校の先生は、一番大切なことは生徒と向き合う、子供と向き合う時間を大切にする、それ以外の部分で多忙的な部分はできるだけそれぞれの専門の方々に協力をしてもらう形で、チーム学校としてどう取り組むか。それから、きめ細やかな、人数も三十五人であればいいというわけではなくて、それは、少人数学級をどうするとか習熟度別な学級編制をどうするかというような相当きめ細かな対応を考えていかなければ、とても今の子供たちが健全な教育、育成するのは不可能のようなもう限界的な状況があるのではないかと思っておりまして、そういう教職員の改善計画を着実に進めていくようにしっかり取り組んでまいりたいと思います。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 今こちらから、大臣の決意が弱かったら副大臣を大臣にしようかというとんでもない発言もありましたけれども、今の大臣の答弁をいただいて本当に、だから大臣と引き続きこういう教育議論をするのがうれしいというか喜んでおる次第でございまして、上げたり下げたり大変忙しいところでありますけれども、申し訳ありません。  そういう大臣の所信的挨拶の中に教育再生の実行という部分がございまして、その中で、日本の将来を担う子供たちは国の一番の宝です、教育は国の根幹を形作る最重要政策です、ここまでは私も同意するんですが、教育再生のための施策を実行に移し、世界トップレベルの学力と規範意識を備えた人材を育成しますと、こういうふうに言われて、いわゆる下村文科大臣の体制の中で教育の目的がここにあるような感じがするんですけれども、そういうことでよろしいんでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 教育の根本的目的は、改正教育基本法第一条にありますとおり、人格の完成と国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身共に健康な国民の育成であります。そのためには、個々人の潜在能力を最大限に引き出し、互いに認め合い、社会に貢献しながら自己実現を図ることを通じて、一人一人が人生を幸福に、より良く生きられるようにするための教育が行われることが重要であります。しかし、今なお、一人一人の能力を社会の中で生かし切ることが必ずしも十分できていないなど、改正教育基本法の理念が十分に実現しているとは言えない状況にあります。  このような状況を踏まえ、現在の安倍内閣における教育再生の目標として、世界トップレベルの学力と規範意識を育む教育の実現を掲げて取り組んでいるところでありまして、安倍内閣の最重要課題である教育再生の実現に向けて取り組んでいきたいと考えております。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 前段、教育基本法に書かれている部分についてはもう全くそのとおりだろうというふうに思いますが、そのことにはほとんど触れずに、いきなり世界トップレベルの学力と規範意識というふうになっちゃうと、仮にそこに到達しなかった子供が受けた教育というのは失敗だったのかというような、まあこれもまたうがった見方をするとそういうふうにも取れるわけでありまして、そうではなくて、やはり、よく歌の中にあります、ナンバーワンよりもオンリーワンだというふうなことが言われますけれども、私たちはやっぱりそのオンリーワンというものを目指してやっていく必要があるんだろうというふうに思います。  そのオンリーワンを目指す中にあって、やはり、先ほどから申し上げているとおり、教員と一人一人の児童が向き合う時間をしっかりと確保するということが求められているというふうに思うんですけれども、ところが、二十七日の財政審に提出された文教予算関連の資料について、財務省としていろいろと新聞をにぎわしてくれました。一万八千人を減らすことができるですとか、小学校一年生は三十五人学級だけれども、それを四十人学級に戻すんだというような、そんな記事がございますけれども、今の教育に対しての考え方を踏まえて、財務省として本当にそういう考え方なのかどうかということをこの場で答弁いただけたらと思います。

竹谷とし子公明党財務大臣政務官

○大臣政務官(竹谷とし子君) 教育は子供の幸福のためであると同時に、未来を担う人材を形成するものであり、子供たちが互いに育ち合い、学び合って、学力、能力、人間性の向上を図ることができる教育環境をつくることは日本の将来にとって極めて重要な課題であると認識しております。  他方、日本の厳しい財政状態の下で、子供たちへのツケ回しを増やさないよう、他の政策分野と同様に教育予算についても質の向上に努めていくことは何よりも重要であると考えます。  先ほど来、教員の方々の多忙解消について御議論されていらっしゃいましたが、教職員定数について申し上げれば、少子化が進む中、これまでの予算措置もあって、平成元年以降、児童一人当たりで約一・四倍に増加し、在学者一人当たりの公的財政支出はOECD平均を僅かですが上回っています。義務教育費国庫負担金として教員給与に義務教育予算の約九割が充てられております。  一方で、日本の教育の方々の多忙、これが世界一であるというTALISのアンケート調査結果の一方で、年間授業時間は小中学校共にOECDを平均下回っているという実態もあると思います。また、学力の低下、いじめ、不登校、暴力行為といった問題が指摘され続けており、多様化する諸問題への解決のために、教員の方々の負担感を軽減し、より子供と向き合う時間を確保するということは重要であると考えますが、そのために教職員定数を増員させることが直接的な解決策となっているかどうか、それが事務作業の合理化、外部化、スクールカウンセラーや退職教員の方々のボランティア、外部専門人材による支援等の他の施策よりも有効と言えるのかどうか、よく検証する必要があると考えております。  いずれにしても、義務教育予算の在り方につきましては、今後、予算編成過程で文部科学省とよく意思疎通を図りながら検討してまいりたいと存じます。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 まあ、財務省的な答弁としては今のような答弁なのかなというふうに思いますが、本来、公明党の竹谷議員としてはきっとそういうのは本意じゃないというか、ちょっと違うところにあるんじゃないかなというふうにお察ししながら答弁を伺っておりました。  教育的効果がどうのこうのというふうによく言われますけれども、教育的効果というのは、これは私が言うまでもありませんけれども、例えば、こういうすばらしい商品ができたからということでみんながばあっと飛び付いて、やっぱりそれで売上げが上がるという、そんな単純なものじゃなくて、いろんな要因がある。  例えば、よく、今回財務省が言っているのは、いじめの問題が減らないじゃないかという言い方をしています。しかし一方で、例えば大阪府の事例においては、児童の欠席率が減少しているというデータが出ています。この欠席というものの一つの要因にはいじめも入っています。それから、今日お手元にお配りした資料にありますけれども、全国連合小学校長会のアンケートなんかでも、小学校一年生の三十五人学級の制度化について、学習意欲が向上した、きめ細かい指導の充実など、学習指導、生徒指導両面にわたって大きな効果があったというふうな結果が示されているわけです。  こういう文字には目を塞いじゃうんです、財務省は。それで、自分たちの、何というか、財源を下げるための理由しか見付けようとしてこない、だから本当にそれで教育の本質を見ておられるのかなという、そんな気がしてしようがないんですね。  ですから、教育というのはそんな簡単に結果が得られるものではないんだけれども、やはり少しそれでもってしっかりやっていく。つまり、定数改善を行ったなら定数改善をやって、そしてだんだん日本の子供たちがどうなっているのかというのをしっかり見ていく必要がある。そういう長い目で見なければならないものなのにもかかわらず、昨日今日やったことがすぐ結果に出ていないじゃないかとかという、そういう論理。今日の某新聞にも「教育の質より目先の財源?」というふうにクエスチョンマークが付いている、そういうニュースもあります。  そういう意味では、文科大臣を始め、是非財務省と、さっき何かおっしゃいましたね、真摯に向き合うじゃなくて、いろいろお話合いをするというふうな話がありましたけれども、どうも聞いていると話合いじゃなくて圧力を掛けてばかりいるように聞こえるので、そういうことじゃなくて、しっかりと教育論を理解した上でどうするかということを判断してもらうということをお願いしたいと思いますし、それに向けて、大臣、最後にこの財務省の様々な問題について、いろいろある話についてしっかりと闘っていくんだという、その決意を聞かせていただきたいと思います。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) このことについては那谷屋委員とは全く意見が同感、共有する部分がありまして、竹谷政務官も公明党の議員でもあるわけですから、本心の部分では我々と相当、実際のところは意見が合う部分があるのではないかと私は臆測するんですけれども、是非財務省の中でしっかり見識を示していただきたいと思いますが。  いずれにしても、是非本委員会にも財務省を呼んでいただいて、目先の財政的な議論で教育を判断したらこの国は誤ります。未来に対する先行投資として教育をどう位置付けるかという国家観が今求められていると思うんですね。財務省には是非、国家観としての教育についてしっかり認識していただきたいと思っていますし、またそのような議論を積極的に我々もしてまいりたいと思っています。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 大臣から百点の答弁をいただいたところで、私の質問を終わります。

森本真治民主党・新緑風会

○森本真治君 大変お疲れさまでございます。民主党・新緑風会の森本真治でございます。会派三番バッターでございます。引き続きよろしくお願いいたします。  文科委員会で初めての質問でございまして、本日通告をさせていただいておりますのは、子供の貧困対策というこれ一項目でございます。先ほど神本先生の方からもちょっと触れられましたけれども、少し掘り下げながら、また、この問題について大臣も大変思い入れを持たれているというふうにも伺っておりますし、所信でも決意を述べられておられますので、是非、大臣の御所見なり、また今後の取組の考え方についてお聞かせいただければというふうに思います。  それで、この子供の貧困という問題につきましては、皆様御案内のとおり、昨年の法律制定、そして本年に入っての大綱がまとめられたということで、これは、文科省だけでなくて政府一丸となってこの問題については取り組んでいくという、その決意だというふうに思います。  それで、まず、今日は厚労省さんに来ていただきましてありがとうございます。ちょっと基本的なところを是非また聞かせていただきたいんですが、まずは、そもそも今なぜこの子供の貧困対策が必要なのかという、ちょっと総論的な話というふうになりますけれども、これを厚労省さんの方にお伺いしたいと思います。  例えば、これは成人の場合の貧困でございますけれども、例えば生活保護受給者の自殺率が高いとか精神疾患を患っている方の割合が高いというような、これは実証的なというか、そういうデータが明らかになっているというふうに思います。  それで、この子供の貧困について、家庭の経済状況が子供にどのような影響を与えているのか、例えばこれがデータ的にいろんな研究などで既にもう実証されているのかということを、具体的なものが、もし分かりやすく説明いただければというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

木下賢志厚生労働大臣官房審議官

○政府参考人(木下賢志君) 委員御指摘の、家庭の状況ですとかが子供の成長とか親の虐待等に与える影響につきまして、様々な要因が関連すると考えられまして一概に申し上げることはできないわけでございますけれども、一般的には、貧困の状況にあるお子様については、教育面等々様々な不利を背負い、また社会的に孤立して必要な支援が受けられず一層困難な状況に置かれてしまうということが指摘をされております。  厚生労働省といたしましては、子供の将来が生まれ育った環境によって左右されることがないよう、また貧困が世代を超えて連鎖することがないよう、必要な環境整備と教育の機会均等を図る子供の貧困対策が重要であると認識しており、そうした観点から進めているところでございます。

森本真治民主党・新緑風会

○森本真治君 いろんな複合的な要因が関わってきますので、なかなかこれを分析するというのは難しいかもしれませんけれども、ただ、やはりいろいろ問題を解決していく上においては、例えばちょっと虐待の問題とかって今も触れられました。さらには、子供の健康問題とかについてもどのような関係があるかということを、より戦略を立てて取り組んでいこうと思えば、より研究というか、そういうものは必要になってくると思います。  これは、それこそ文科省だけじゃないし、厚労省、また内閣府なども一体となってこの辺りの知恵というものはやはり出していかなければならないというふうに思いますので、その辺りについては我々もしっかり研究もさせていただきますが、お互いに知恵を出し合っていければというふうに思っております。  それで、大臣の方にも是非お伺いをしたいと思うんですけれども、学力格差などについてはいろんな報告も出て、研究なども出てきているというふうに思います。先ほど来もいろいろお話、ちょっと大臣もされていますけれども、学力格差の問題以外にも、例えば不登校であるとか高校の中退率とかというようなこともよく言われていると思うんです。この教育の観点での格差の問題というか、この辺りについても大臣の方に是非ちょっと御所見をいただければと思います。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 家庭の経済状況が子供の成長に与える影響については、例えば家庭所得や両親の学歴が児童生徒との学力と密接に関係がある、それから親の年収が高いほど子供の四年制大学への進学率が高い。これは研究結果があるわけでありまして、親の収入と四年制大学の進学率というのは比例していて、親の年収がトータルで一千万を超える家庭の子供の大学進学率はもう六二%を超えております。その中でも、特に東京大学の、行っている子供の家庭の親の年収が大学の中で最も高いというのは、まさに親の学歴とそれから年収が子供の学力にも連動していると。ですから、負の連鎖が貧困によって更につながって格差が更に広がっていくと、こういう深刻な問題が我が国には更に拡大しているという現状があるというふうに思います。  是非、文科省として、家庭の経済状況にかかわらず、学ぶ意欲と能力ある全ての子供が質の高い教育が受けられるよう、そういうことが重要であると考えておりまして、それにしっかり取り組んでまいりたいと思います。

森本真治民主党・新緑風会

○森本真治君 ありがとうございます。  子供の成長にとってもやはりこの格差の問題ということ、特に教育の観点でも非常に大きな問題だというふうにも思います。  それでもう一点、ちょっと大臣に、これは文科大臣というよりも一人の政治家という立場で是非お聞かせいただきたいと思うんですけれども、子供の成長はもとより、我が国全体にとってもこの格差の問題というのは非常に大きなやはり課題だと思います。今後、我が国が成長していく、まさにこれ成長戦略という観点にとっても、この格差の是正は大きな課題だというふうに思いますし、政府は何より最優先で国政課題の中でこの格差の問題というのに取り組むべきだと私は思うんです。  総理候補とも言われる文科大臣に、是非、我が国にとってのこの格差の問題についての御所見と、今後やっぱり最優先でやっていかなければならないんだというそのお考えがあればお聞かせいただければというふうに思います。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 過分なエールをありがとうございます。  我が国は、残念ながら、これから人口はもう減っていかざるを得ない、少子高齢化の中でですね。そうすると、国民一人当たりのGDP、労働生産性をどう上げるかということが経済成長においては必要不可欠になってくると思います。つまり、量的な面では経済成長はもうあり得ないと。質を上げるという意味では、これは一人一人の持っている潜在能力をどう引き出していくようなチャンス、可能性を与えていくと。一人一人の潜在能力を引き出すというのは、つまり、お金持ちの家庭の子供しかチャンスがないような国ではなくて、どんな家庭の子供であっても、あるいはどういうハンディキャップを持った子供であっても、できるだけ教育環境をバックアップすることによって、意欲とやる気があれば、もちろんこれはオンリーワンという意味でのそれぞれの興味、関心をどう引き出す、そういう教育でありますけれども、そのことによって一人一人の付加価値を高めると、教育力によって。それが結果的にその一人一人の豊かさにつながっていく、一人一人の豊かさをバックアップするということが結果的には国の豊かさにつながってくるということでありますから、これから成熟国家日本が目指すべき方向は、財政的にもそういう教育に対していかに投資するかどうかと。  つまり、未来に対して可能性を提供するような政策をどうするかどうかが、結果的に国の成長につながっていく、経済的な成長にもつながっていくと。そういう発想を是非、財務省も百八十度転換していかなければこの国の未来はないというふうに思っておりますし、文部科学行政の中でそれを是非これから、教育再生実行会議で教育における公財政支出等をしっかり議論していただく予定でありますが、政府全体の、安倍内閣の思いになるように努力してまいりたいと思います。

森本真治民主党・新緑風会

○森本真治君 ありがとうございます。  我が国の成長という観点でいったときに、ちょっと私が安倍政権の印象を持つのは、やはりグローバルとか国際人材とか、そういう観点での成長を目指していこうと。もちろん、そういう考え方もあろうかと思います。ただ、その一方で、ローカルの視点での成長というものが、やはりそれも考えることができるのではないかというようなことも思うわけです。やはり、しっかりとこの底上げを図っていくというか、我が国のですね、その中での成長というような視点でいろいろとまた考えてもいきたいなという思いもありまして、大臣には、またいろいろと御教示もいただければというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。  少人数学級の話は先ほど那谷屋先生の方からもありましたので、ちょっともう御答弁は求めようと思いませんが、学力格差を縮小するその政策として少人数学級の意義ということも大いにあろうかと思っております。そういう中でのその流れに逆行する財務省の今の方針ということで、今大臣からも御決意もございました。この部分については、これは与野党関係なしというか、むしろ野党の方が大臣を応援するような立場に今後なるかもしれませんけれども、その是々非々というか、やはり考え方が合う部分についてはしっかりとまた我々としても進めていきたいというふうにも思っておりますので、是非とも大臣にはリーダーシップを発揮していただいて頑張っていただければというふうに思っております。  先ほど神本先生の方からもちょっと触れられましたけれども、今回の子供の貧困対策の大綱ですね。これは政府一丸となって取り組んでいくんだということの今後の決意だというふうにも思うんですけれども、その中で、先ほどもあったように、学校を子供の貧困対策のプラットフォームに位置付ける、総合的にこの問題について対策を推進するということが示されたわけでございます。これは、学校がまさに、教育の観点だけではなくて、この貧困対策の私は総合本部というか、そこを担っていくんだというような、ある意味相当重い今後役割というものを担っていくことになるんだというふうに思います。  教員の負担の問題などが先ほども議論がありますけれども、さらにやはり、じゃ現実問題として学校現場なりがこの総合対策本部の拠点として担っていけるかということについては今後本当にいろいろと慎重に考えていかなければならないというふうにも思うんですが、まず、その役割を担っていくということの覚悟というか決意ということを、しっかりと持たれているというふうにも思うんですけれども、大臣に、まずその辺りについての御認識をお伺いしたいと思います。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) なかなか地域の社会教育力、それから家庭教育力が相対的に厳しい現状の中、ある意味では子供たちが昔から比べるとより教育環境が悪化している状況があるのではないかと思います。そのために、学校を子供の貧困対策のプラットフォームとして位置付けて、もちろん学校の先生も、先ほどから議論がありましたように世界で一番忙しいですから、更にというのはそれは大変な話ですから、これはチーム学校的な形で、学校を核として地域の方々にも参加していただきながら、それからいろんな専門分野のスクールソーシャルワーカーとか、そういう方々にも参加してもらいながら特にその貧困問題についてはしっかり対応していくような、そういうものをしていかないと活力は生まれないと思いますし、是非しっかり取り組んでまいりたいと思います。

森本真治民主党・新緑風会

○森本真治君 決意だけではなかなか、実態をしっかりと把握する中で今後どう知恵を出していくかということにもなってこようかと思うんですけれども、まずこの問題に取り組んでいくその前提として、しっかりと実態把握ということがやはり大事になってくるわけでございます。  先ほど来のお話でもありますように、じゃ本当に先生が的確に実態を把握することができるかどうか。でも、一番子供と向き合っているのは先生の皆さんでもございますけれども、かといって、今、例えば、じゃ本当に家庭の部分まで先生も踏み込んでいくことがなかなか難しいような時代にもなってくるわけで、ただ学校に来て授業を受けている子供だけを見て、本当にその子供が貧困家庭なのかというようなことも把握はなかなか、これも素人感覚というか、そういう中でも思うわけですよ。  実際に、今現状として、この実態把握というものをどのようにやられているのか。何か、例えば先生などに研修なんかもされて、こういうところをこうSOSというか、を見落とさないようにというような、そういうようなことは指導というか、そういうのもされているのかどうか、その実態把握の今の現状ですね、について少しお話しいただければと思います。

小松親次郎文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(小松親次郎君) 学校に通われる児童生徒の皆さんの御家庭の状況、これにつきましては、今御指摘がありましたように、まず第一義的に中心になって学校として把握に努めているのは担任の先生方でございます。今お話がございましたように、学級経営や、それからそれぞれ個人個人のお子さんと向き合うための様々なスキル、保護者の方々とのコミュニケーション、こういったものについても様々な研修等が行われているところでございます。  しかし、今御指摘ありましたように、それだけで例えば膨大な家庭訪問ができるかとか、あるいは御家庭のそれぞれの方針をきめ細かく見て接触ができるかと、これは担任の先生一人ではなかなか難しいこともございます。  そこで、近年は、お子さんと一人一人向き合うところではスクールカウンセラーの方々、それからまた、より総合プラットフォームに近いお話で申し上げますれば、スクールソーシャルワーカー等の方々に入っていただきまして、その中でも特に対応を要するような事案については、担任の先生やあるいは教育相談の担当の学校の中心になっていらっしゃる先生方などから情報提供を受けながら、そうした別の専門性を持った方々と連携をしてつかむというようなことが行われるようになっております。  私どもといたしましては、今のこうした新しい形、例えばスクールソーシャルワーカーの方々でございますと、様々な関係機関との連携等も行われるわけでございますが、こうしたことも含めまして立体的に御家庭の状況を把握していくということが広まっているという状況であって、それをしっかり広げていくということが大事だというふうに考えております。

森本真治民主党・新緑風会

○森本真治君 ちょっと実態把握の、ちょっと分かりづらかったんですけれども。  例えば、今私の子供、小学校ですけど、うちの息子が通っている小学校、家庭訪問というのはないんですね。昔は家庭訪問なんかというのをたくさんやられていたと思って、そこで把握するような方法もあったというふうに思います。スクールソーシャルワーカーさんなんかも、積極的に子供たちに入っていって状況を把握するということができているのかですよね、というようなところもちょっとよく分からない。  例えば、進路指導のときなんかになって、例えば中学生なら高校進学で、そのときに実は私の家では私立の高校には通えないんですよというようなことがあって初めて、ああ、この家庭はやっぱり貧困の家庭というか、そういう苦労もされているんだなという、でも、そのときになったらもう遅いんですよね。もうそのときに進路の選択肢が狭められている。  だから、事前にどのように、繰り返しになりますけれども、SOSというか、そこをつかむかということが、これはかなりちょっと文科省というよりも、それぞれのまた教育委員会とか細かいレベルの話になってくるかもしれませんけれども、そのきめ細かさということをもっとやっぱり考えていかないと、なかなか現場の方も、私はプラットフォームとはいえども苦労は多いんじゃないかというふうに思います。  ですので、また現場なりそれぞれの自治体、教育委員会なりとの連携もしっかりと今後更に進めていって、やはり文科省としてもしっかりとバックアップをしていくということを、これは是非とも取り組んでいただきたいというふうに思います。  これまでもいろいろやっていますという話もありましたけれども、さらに、この大綱もできて強化をするという観点でいえば、今後やはり更なる手を打っていくということも必要になってくると思うので、少しその辺りで今後の課題というか、是非こういうことも検討していきたいんだということがもしこの先のことであれば、その辺りについてもお伺いしたいと思います。

小松親次郎文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(小松親次郎君) 今申し上げましたように、例えば家庭訪問とかにつきましても、地域や御家庭、学校の方針で現在様々でございます。そういった中で、お一人お一人の学校の先生方がスキルを磨くための、校内研修から始まりまして、教育委員会、それから全国的な研究集会等については様々行われておりまして、これらについてはしっかりこの貧困対策大綱を踏まえて進めていきたいということがまず一つございます。  それから、あわせまして、今それぞれの専門性の連携ができるような体制をつくりたいというふうに申し上げましたけれども、先ほど来御議論に出ております教職員の定数改善計画のようなものを通じまして、そうした体制が学校の中でより充実するような配置を進めていきたいというふうに考えております。  こうした点でも、その体制の面と、それからソフト面と申しましょうか、研修その他のスキルの向上、それからそのトータルとしての子供と向き合う時間、そういったものを確保していく、これらを組み合わせてこの貧困対策に実が上がるような学校の体制を進めていきたいというのが私どもの考えでございます。

森本真治民主党・新緑風会

○森本真治君 やはりいろいろと取組を取っていく中で、先ほども言われましたけれども、体制の充実ということがどうしてもやっぱり一番大きくなってくるんだというふうにも思います。人的、そして財政的な問題になってきて、先ほど来、大臣も是非財務省の方も呼んでくれというようなお話にもなるわけでございますけれども、やはりしっかりこれはもう常に言い続けていることで、これがやっぱり国民の声だと、思いだということは、この国会の中でも、委員会の中でも言い続けることもまた我々のこれは役目だというふうにも思いますから、引き続き、私もこの問題についてはしっかりとまたお訴えもさせていただきたいと思います。  それと、もう一点なんですけれども、この問題とも関わってくるんですけれども、やはり家庭教育の支援というような話も出てくる中で、例えば、これには生活習慣の問題とかそういう話にもなってきて、これまでも例えば「早寝早起き朝ごはん」運動なんというのはもうずっと前からやられたりもしますけれども、やはり特によく言われる最近の親御さんというか、そういう方々への教育というか指導ということで言っていいのかどうかというのはありますけれども、子供だけではなくて、そこまで含めてやはり教育現場ではちょっと担っていかざるを得ないような状況にもなってきているのかなというふうにも思うわけです。  やはり家庭教育の観点での保護者を含めた部分についての現状認識というか、その辺りは今後どのように取り組んでいこうと思っていらっしゃるのかということもお伺いしたいというふうに思います。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 先ほどちょっとお話ししたことなんですけれども、昨日、川崎市にある「フリースペースえん」というところに行ってショックを受けたことがたくさんあったんですが、その中の一つとして、ここは川崎市が公設民営で民間委託をしているということで、ほかのフリースクールに比べると財政的にはまだ恵まれているんですが、ですから、子供たちは無料なんですね。ただ、お昼代だけ、二百五十円なんですが、それだけは自己負担ということなんですが、その二百五十円も結構家庭的に大変な子が多いと。そのお昼が子供にとって唯一のもう食事であって、それをみんなで作って食べるということだそうなんですけど、それまでその多くの子供が、親が冷蔵庫にコンビニで買ってきたおにぎりを、数日前のを出してきて、それでチンして温めて食べるような、そういう家庭環境の子供が圧倒的に多いと。  これだけ豊かな我が国にもかかわらず、そういう、これは貧困家庭であったり、あるいは家庭教育そのものが、親が我が子の教育に対してほとんど無関心であると、こういうことが子供の未来にとっては大変なマイナスになっている部分があるということを親御さんもよく認識してもらう必要がやっぱりあるというふうに思うんですね。  そのために、文科省として、身近な地域における家庭教育に関する学習機会の提供、あるいは地域人材を活用した家庭教育支援チームによる保護者への相談対応や訪問型家庭教育支援などに更に取り組んでいく必要があるというふうに思います。  今後とも、家庭と学校、そして地域の多様な関係機関との連携を強化しまして、経済的困難など様々な問題を抱えている家庭も含め、全ての家庭に対する家庭教育の支援をしっかり取り組んでいく必要があると考えております。

森本真治民主党・新緑風会

○森本真治君 私、前職で広島の市会議員をしておったときにも、もう何年前になるか、ちょっとはっきり今記憶ないんですけれども、給食費の未納問題というのがいろいろあったことをちょっと思い出しまして、そのときも、貧困家庭というのももちろんあるんですけれども、悪意の未納者ということが大変多くて、その徴収をどうするかということを一生懸命広島市としても議論したのを何かちょっと思い出したんですけれども。  本当に、この家庭教育というか、先生方もいろいろ学校現場に行かれること多いと思うんですけれども、いろんな親御さんも今いる中で、しっかりと今後の未来のこの国を担う子供たちを社会全体で育てていくということが本当にやはり必要になってくるなということを、皆さん同じ認識だと思います、しっかりとこの辺りも今後みんなで力を合わせていかなければならないなということも申し上げさせていただければというふうに思っております。  ちょっと残りの時間で、就学援助のことについて少し触れさせていただきたいと思います。  この就学援助のことで、今日は配付資料もさせていただいておりますけれども、これは昨年、生活扶助基準の見直しというのが行われて、様々な影響が出るのではないかということが危惧をされて、文科省というか、これは政府の方として影響が出ないようにということで対策なども図ってこられたというふうにも思っております。  それで、今日配付させていただいたのは、どのような影響が出ているのかということをそれぞれの自治体の方に調査をされて、その結果が本年の六月にこれは文科省の方で公表をされたわけでございますけれども、ちょっと私、この中を読ませていただいて少し気になったのが、これだけを見ると、この数字だけを見ると、見直しに伴う影響が生じていない自治体は九六%、直接的にはこの対応を行っていないというのが四%ということで、もちろんこの四%の部分もしっかり見ていかなければならないんですが、この九六%の方もしっかりと検証していかないとこれで安心だというふうにはならないのじゃないかなというふうに思うわけですね。  これ、この区分の仕方も、事前にいろいろお伺いしても、なかなかこれを素直に受け取れないんではないかというような認識もちょっと持たれているようにも感じたんですけれども、この九六%の自治体の中でも、多い千百十七自治体が回答している中で、前年度の例えば生活保護基準を使用して認定するなど影響が出ないように対応しているというふうにありますけれども、これは、要は年度初めの部分がそのまま使っているというのは当然であって、要は来年度以降の方はこれはちょっと影響が出てくるんじゃないかというふうに思うわけですよね。  そうすると、ここはもう問題ないですよというふうに簡単には片付けられない話だなというふうにも思いますし、この四%の中でも、例えば今後検討するというようなところがあったりとかあるんですけれども、子どもの医療費助成制度による、二枚目ですけれども、支援等を行っているというように回答されていたりというのは、これ直接的なこの影響に対する対策とは全く関係ないようなことを回答されているというふうにも思うんですね。  それで、まずはこの調査結果についての、私なんかはそのような疑問を持つんですけれども、文科省としてはどのように受け止めているのかということをちょっとお伺いできればと思います。

小松親次郎文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(小松親次郎君) 各地方公共団体において、国の体制を、一応、政策意図を体して努力してくださっているというのは、全体の体制としては見えると思いますけれども、今おっしゃられましたように、特に二点、一つは、きちっとその意思が伝わっているかどうかちょっと疑問に思わなければいけないところ、それからもう一つは、ちょっと評価は様々なものがあるかもしれませんが、おっしゃられますとおり、対応が、それぞれの制度が影響を受けないようにというのが国の考え方でございますが、そのほかで代替しているということで本当にできるのか、今御指摘の点でございますが、こういった点については少しきめ細かく考えていただかなきゃいけないかなというふうに思っております。  それと、大きく申しましては、もう一つの点は、来年以降どうなるかということがございます。今回は政府の方針もございまして、それを体するために前倒しで調査をさせていただきましたけれども、今後ともそこはちょっとフォローさせていただいて、もちろん各自治体の自主性によって適切に考えていただくというのが私どものお願いの仕方でございますけれども……

水落敏栄自由民主党

○委員長(水落敏栄君) 簡潔におまとめください。

小松親次郎文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(小松親次郎君) よくよく意思疎通をしていただきたいと思います。

森本真治民主党・新緑風会

○森本真治君 ありがとうございました。  時間が来ましたのでもう終わりますけれども、本当にこれは、来年度以降に向けても引き続き注視していかなければならない問題がちょっとありますので、今後とも取り上げさせていただきたいと思います。  終わります。

松沢成文みんなの党

○松沢成文君 みんなの党の松沢成文でございます。  今日、私は、これまでこの委員会でも何度となく取り上げてきて、大臣も積極的に推進をしていただいている高校日本史の必修化、あるいは近現代史の創設の問題について、幾つか大臣の考え方を確認をしていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いをいたします。  大上段に構えるわけではありませんが、例えば古代ではアリストテレスも、中世ではモンテスキューも、あるいは近世ではあの「文明の衝突」を書いてベストセラーになったハンチントン教授も、歴史を学ぶことの重要性、それぞれの言葉を使って私たちに説いております。例えばハンチントン教授は、歴史を学び、歴史的に醸成された文化を知ることは自己のアイデンティティーの源泉であるという名言を残しておられますね。つまり、国民として大切なことは、自国の歴史、伝統文化をしっかり身に付けていることであると。むしろ、言葉を換えれば、しっかりと国民が歴史、伝統文化を勉強していない国や民族や文明は滅んでいくんだというようにも言っているんですね。それだけ、過去の哲人の名言から察してみても、歴史教育というのは大変重要であるというふうに私は認識をしております。  そういう中で、私は何度も、実は十年ほど前でしょうか、文科省に通って高校の日本史は必修化すべきだと歴代の文科大臣に訴え続けてまいりましたが、なかなか国の方は動いてくれませんでした。そこで、神奈川県として全国で初めて高校日本史を必修化しようということで、教育委員会ともかんかんがくがくの議論をしながら、神奈川県では、日本史A、Bと、あと神奈川の郷土史、神奈川の近現代史という四つの中から必ず一つ必修として選んで日本史を勉強するという体制をつくってきたわけなんです。  そういうことも含めて、これまでこの文教委員会でも何度となく大臣に私の考えを訴えて質問をさせていただいて、大臣も大変それを前向きに受け止めていただいて、つい先般、八月頃ですか、大臣は、高校日本史の必修化、あるいは近現代史の創設も含めて中教審に諮問をし、そして次の学習指導要領にはきちっと改訂をしていきたいという旨の発言をされたわけですね。私は本当にうれしかったです。さすが下村大臣という感想を持ちました。  さあ、そこで、まず、この高校日本史の必修化を中教審に諮問をする、これもうやられたんでしょうか。秋頃って新聞には書いてあったんですが、もう諮問をされたのか。あるいは、されていないとしたらいつ頃諮問をして、その答申をいつ頃受けて議論を進めていくのか、その辺りについてお伺いしたいと思います。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 松沢委員が神奈川県の知事のとき、日本史を神奈川県において必修にされたということは見識だというふうに思います。国においては、今、高等学校における地理歴史科の改善などを含む学習指導要領の全面改訂について、近く中央教育審議会に諮問する予定でございます。答申の時期については、中教審における議論の状況もございますが、平成二十八年度中をめどにいただきたいと考えております。  これは、大学入学試験の抜本改革をするに当たって、当然、高校以下、特に高校における学習指導要領全部を見直す必要があると考えておりまして、入学試験だけ変えても高校以下の学習指導要領を変えなかったら新たな時代に対応する教育人材育成にはつながりませんので。そうすると、まず文部科学省として、高校における学習指導要領を、何をどう変えていくかということについて中教審に諮問する、その中身をきちっと精査する必要があると考えておりまして、その一つとして、日本史の位置付けあるいは近現代史の位置付けも含めてトータル的に今検討しているところでございます。

松沢成文みんなの党

○松沢成文君 今大臣が最後におっしゃっていただきましたけれども、この中教審に対する諮問は、高校日本史必修化をどう制度として組み込むかということだけでなく、近現代史という新しい科目を創設するということも含めて諮問するというふうに認識してよろしいんでしょうか。  といいますのは、私も知事として高校日本史必修化を神奈川県でやったわけなんですが、そのちょっと反省の中から、歴史というのを世界史と日本史というこういう分け方で、日本の場合は中学校で日本史をやってくる、高校生になったらより広い視野で世界史を必修として勉強してもらう、日本史は地理との選択だと、こういう形になったわけですね。  ただ、やはり一番若い人たちに学んでもらいたいのは、日本が幕末、明治維新以降、近代国家をつくる過程で様々な努力をしてきた、ここの部分なんですが、ここがなかなか学ばれていない。つまり、中学校で縄文、弥生からスタートをして、結局江戸時代ぐらいで三学期終わってしまう、なかなか近現代史まで勉強できなかった。あるいは、高校では地理を取っちゃったんで日本史は取っていません。恐らく、私は、今高校を卒業した子供たちで三分の一ぐらいの生徒は、近現代史はほとんど、あるいは全く学ばないで卒業していってしまう、こういう現状にあると思うんですね。そうであれば、やはりきちっと近現代史という科目をつくって、そこに焦点を当てて、近現代史というのは日本が国際社会に扉を開いて国際政治の中で近代日本をつくってきた過程ですから、世界史と日本史が融合されているんですよね。  やはり、そういう科目をつくって、きちっと若い人たちに歴史を学んでもらうということが必要だと思いますが、そういう新科目をつくるという設定も含めて中教審に諮問をするということでよろしいんですか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 具体的な諮問内容については現在検討中でありますけれども、例えば日本学術会議の高校歴史教育に関する分科会におきまして、近現代に重点を置いた歴史基礎科目の新設にしたらどうかという提言もいただいているところでございます。また、それ以外に、与党からは、新たな教科として公共、この民主主義社会の中で、前も松沢委員が提案をされていたことがありましたが、もっと政治に直接関わっていくための動機付けとしての公共、あるいは、先ほど申し上げましたように、大学入学試験を抜本的に変えるに従って、高校における学習指導要領全体を見直す中で一つ一つの教科においても、例えば国語においても今までと同じ国語ではなくて、アクティブラーニングあるいはコミュニケーション能力、それを高めるための国語教育はどうあるべきかというようなことを全部見直した中で、新科目についてもどの新科目がよりふさわしいかということも併せて議論していきたいと思っておりますので、具体的にまだ確定しているわけではありませんが、今おっしゃったようなことも含めて、これからの二十一世紀、必要な子供たちに対する教育について取り組んでいきたいと思います。

松沢成文みんなの党

○松沢成文君 大臣おっしゃるように、必修科目をどんどん増やしていけば、それだけ教室では負担が掛かるわけですね、先生にも生徒にも。ですから、新しい必修科目を増やすとしたら、必修科目の入替えだとか、あるいは二つあった科目を統合して必修科目にするとか、こういう工夫も当然必要になってくるわけですよね。そういう社会科関係の科目再編の中で、私は、是非とも近現代史という新しい科目を創設して若い人たちに教えていっていただきたいというふうに要望しておきます。  それに関連して、実は、最近ちょっと面白い本を読んだんですが、「逆読 ニッポンの歴史」という本があって、これは中教審で委員を務めた宮崎正勝さんという方が書いた本なんですが、つまり歴史を縄文、弥生の古代から勉強するんじゃなくて、一番今、現代に近い近現代から勉強して、なぜそうなったか、江戸時代に入っていく、なぜそうなったか、戦国時代に入っていくと、こういう形で勉強した方がより歴史に興味を持てるんじゃないかといって、この宮崎さんは非常に面白いメリットを三つ挙げているんです。第一に、近現代史に十分な時間を割くことができるようになる、そうですね。二つ目に、歴史を単なる暗記科目ではなく、思考科目にすることができる、なるほどなと。三つ目に、子供たちに歴史への興味を持たせることができる。つまり、縄文、弥生とか古代とか、私たちと生活様式も社会も全く違うところを覚えさせるよりも、もう私たちのおじいちゃん、ひいおじいちゃんの代、どんな苦労があったのか、こういう現代の社会に通じるところから過去を振り返りながら歴史勉強を進めていく、この方が、よりやっぱり充実した歴史学習になるんじゃないかという提案なんですね。  こういう考え方に対して、大臣はいかがお考えでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) それは共感できる部分がやっぱりありますね。今、目の前における社会現象が現実問題として過去からの積み重ねの中で今があるわけですから、今の問題なり課題なりあるいはプラス面が、その前の時代どういうつながりで出てきたのかということは、子供たちが学習意欲を高めていくためには非常に重要なことだと思います。  ただ、じゃ、今の歴史教科書を後ろの方から教えていって、本当に今のような問題、解決できるかというと、教科書の構成そのものを逆に学ぶような構成にしないと、ただ後ろから学んでいっても恐らくちんぷんかんぷんでよく分からないと思いますから、相当教科書編集力といいますか、問われると思います。  それ、実は私もイギリスに行ったときだと思いますけれども、そういうことをされていることを先生から聞いたことがありますが、イギリスの歴史教科書というのは日本の歴史教科書の三倍ぐらいあるんですね、相当分厚いものなんですね。それは結構、先生が自由裁量でどこからどんな学び方をしてもいい、あるいは部分的に取りながらやっていくということの創意工夫の中での授業の仕方でしたけれども、今の日本のそのままの学校の教科書を現代から遡って教えるというのは、なかなか教科書的には課題があるのではないかと思います。

松沢成文みんなの党

○松沢成文君 その教科書なんですが、古代からずっと教えていくと自分たちの社会とは程遠いところから始めるわけですね。ですから、どうしても年号とその年に何が起きたか、事件とか事象ですよね、まあこれを覚えさせるという歴史教育になりがちなんですよ。だから、私も中学校ぐらいでやったんでしょうか、例えば大化の改新虫五匹、ムシゴだから六四五年かな、中臣鎌足と中大兄皇子がどうのこうのと、こういうのを覚えるんですね。いい国つくった頼朝さん、鎌倉幕府は一一九二年で、初めての武家の政権が鎌倉にできて、京都から政治の首都が移ったとか覚えさせられるわけですよ。でも、当時の社会というのはなかなか私たちの今の現状とは違うので、それでテストも、どうしても年号や事象が出てくるので暗記、一夜漬け、ほとんど歴史の面白さとか楽しさとかそういうものは身に付かずに、何か暗記させられてテストでやったと、こういう歴史で終わっちゃうんですね。  ですから、私は、今後、歴史教科書を改訂していく場合に、歴史の流れや事象を解説することも必要ですが、その時代に生きた人物、その人物に焦点を当てて、そしてその時代にどういう苦労をしながら社会の改革をしたのか、いろんな偉業を成し遂げたということを教えていく歴史授業に変えられたらもっともっと子供たちは興味を持つと思うんですね。その人物というのは、何も政治家だとか軍人を言っているんじゃないんです。もう学者であったり商人であったり農民であったり、その時代に生きて地域のために本当に貢献した、そういう人たちの生きざまを教科書で教えるようにしないと、私はなかなか中学生辺りだと歴史に対する興味というのは湧かないと思うんですが、人物の生きざまを中心に歴史を教えていく、そういう教科書を作っていくことに対しては、大臣、どうお考えでしょう。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 私は、高校は群馬の高崎高校というところの田舎の高校の出身なんですが、その高校では伝説がありまして、学校で使われている歴史の日本史の教科書は大学入学試験では通用しないということで、ある教科書を高崎からわざわざ東京まで買いに行って、学校の教科書と違うその教科書を自分で学ぶと、それはどんな参考書よりもはるかに入学試験では有利になるというのがありまして、事実そのとおりだったんですね。まあ、教科書の名前は言いませんけれども。  しかし、それはつまり大学入学試験のための勉強なんですね。ですから、今おっしゃったこともそのとおりだと思いますけれども、しかしそれをやっていたら大学入学試験では全く意味をなさないと。つまり、そんな教育が問題だということで、そもそもの大学入学試験を変えていく必要があると。  ですから、大学入学試験を変えないと今おっしゃったことも絵に描いた餅になるというふうに思いますので、大学入学試験そのものが暗記、記憶中心の受験勉強を問うのではなくて、まさにそういう過去のいろんな歴史上の人物のそういうことを通じて、どう一人一人の受験生が創造的でクリエーティブな、歴史から何を学んだのかというようなことを、例えば記述式とか、あるいは別の形で入学試験そのものを工夫しないと、高校の教科書も変えるというわけにはいかないのではないかと思います。

松沢成文みんなの党

○松沢成文君 そのとおりだと思います。その入試の件については、ちょっと今日は時間がないので送りますけれども。  最後に、近現代史を学ぶとなったら、これから近現代史の教科書をまた作っていかなければいけない、そのために検定をしていかなければいけないわけですね。ただ、近現代史というのは、いわゆる過去の大戦に絡む歴史認識の問題があって、非常に教科書を作るのには難しいです。  ただ、私は今までの近現代史の教科書を見てきて、どうしても、過去の大戦で日本は近隣諸国に被害を与えた、こんなに悪いことをした、だから反省しながら生きなければいけないという自虐史観に基づいた教科書が多いように思えてならなかったんです。近現代史を創設しても、そういう自虐的な歴史ばかり教えていて、何か日本の若い子がみんな日本は悪いことをしたから謝りながら生きなきゃいけないんだとなったら、これは歴史教育の私意味がないと思うんですね。もっと歴史に光を当てて、日本は確かにいろんな戦争もあったけれども、みんなで努力してこれだけの近代国家をつくってきたんだという部分に光を当てた教科書にしていかなきゃいけないと思っているんです。  今後の近現代史の歴史教科書の在り方については、大臣はいかがお考えでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 全くおっしゃるとおりだと思います。最近、ニューヨークタイムズに、安倍政権の教育改革は、片っ方でグローバル教育をしながら片っ方で愛国教育をしているという批判がありましたが、これは全く当たらないというふうに思っておりまして、日本人としてのアイデンティティー教育、歴史や伝統や文化をきちっと教えるということは、これは右傾化とか国家主義的な愛国教育とかそういうジャンルでは全くないわけでございまして、歴史においても我が国は自虐史観的なやっぱり部分が多かったのではないかというふうに私も思っております。  歴史は影の部分だけではなくて光の部分もやっぱりありますから、学ぶことによって、子供たちが日本に対して誇りやあるいは伝統に対する敬意、祖先の歩みに対してですね、素直にそれに対して受け止めると、そういう部分も必要だと思います。もちろん、光だけ全て書けということではなくて、影と光、バランスよく教えることによってバランスの取れた歴史観を教えていくということは当然必要なことだと思います。

水落敏栄自由民主党

○委員長(水落敏栄君) 時間が過ぎております。

松沢成文みんなの党

○松沢成文君 どうもありがとうございました。

アントニオ猪木次世代の党

○アントニオ猪木君 危なくでかい声が出そうでした。  予算委員会のときに、安倍総理に元気ですかと言ったら、委員長が心臓に悪いからやめてくれと言われました。その翌日、外交防衛委員会では委員長にお断りをしたら、震災時にも言って皆さんが元気になりました、どうぞやってくださいということを言われましたが、今日は、先ほどできるだけ小さい声でというふうに、喉がちょっとやられているものですから、今日は声が出ないので、次回またやらせていただきますけれども。  政界もいろいろ、毎日、新聞を見て、テレビを見ていると問題が絶えませんが、先日は二大臣が同時に辞任されて大変だなと思っているんですが、一部でこの責任は、任命責任があるんじゃないかと。英語でアルファベットはABCと言うんですけど、ラテン語だとアーベーセーと言うんです。安倍総理に責任があるのかなと。まあ本当にふざけたことを言うなと言う人もいるかもしれませんが、冗談とふんどしはまたにしろと怒られるかもしれませんので、本題に入りたいと思います。  私も、十四歳のときにブラジルに移民をすることになりまして、一家を挙げてブラジルに着いて、翌日トラックで奥地に入って、そしてすぐコーヒー労働という、全くさっきの教育を受ける環境になく過ごした時期があります。  私にとって、特にいろんなところを、プロレスラーであり国会議員でもあって、世界中いろんなところを回りました。そうすると、必ずその土地でニュースになって、日本人学校の校長先生、先生が、是非学校にも来てくださいと言う。私も正直言うともう体がぼろぼろで、肩は外れ、膝はもう打撲している、でもそんな状況の中でも、やはりそういうさっき言ったブラジルの経験もあるものですから、是非訪問しようということで朝一番で起きて行った経験があります。  その中で、いろんな国も行きましたけど、一つ思い出に残っているのが、ドイツのデュッセルドルフという、この小学校は相当生徒もいたと思うんですが、日本の空とドイツの空をつなぐデュッセルドルフというかな、二番目が日本の土地とドイツの土地を結ぶ、三番目が日本の友とドイツの友が結ぶデュッセルドルフという、そんな校歌だったと思いますが、非常にちょっと涙するような感じがしました。  そんな中で、今、日本人学校というのは、この間お聞きしたら五十か国ぐらいあるというんです、海外に。先日はパキスタンに、小学校にも行ってきましたが、本当に日本人の商社マンとか外務省の子供とかそういう方が行っている学校。非常に、この辺はへき地というか、いろんなところに行くと、やはり子供たちが教育を受けられない場面があるということで、本当にもうちょっと、私もいろいろなところを歩いたときに視察をこれからしていこうかなと思っていますが、途上国における学校教育が大変関心もありますので、その辺の事情をちょっとお聞かせいただければと思います。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 海外に在住する日本人の子供の数が増加傾向にある中で、各国の日本人会などが中心となって現在八十八校の日本人学校が設立されておりまして、合計約二万一千人の児童生徒が在籍をしております。  また、平日は、現地の学校やインターナショナルスクールに在籍する児童生徒を対象に、主に土曜日に国語、算数・数学を中心と行う授業、補習授業を行っておりまして、これが二百三校、生徒数約一万八千人が学習しております。  海外に在住する日本人の子供たちに対して、少なくとも義務教育段階では国内に近い教育が受けられるよう国として最大の支援を行うことが必要であると考えております。そのため、文科省では、教員派遣や教材整備、教科書の無償提供等によりまして、日本人学校や補習授業等の学習環境の整備に努めているところであります。残念ながら、最近、日本人学校、補習校に派遣する教員の数が減っている部分がありますが、是非、充実をさせ、在外教育機関の支援を積極的に図ってまいりたいと考えております。

アントニオ猪木次世代の党

○アントニオ猪木君 今日はドーピングに関して、二〇二〇年のオリンピックも間近というか、そういうことで、大変ドーピング問題は、選手たちがメダルを取った後に剥奪されてしまうとかいろいろありますが、やはり人間が強くなりたい、記録を伸ばしたいというのは本能的なもので、どうしてもそこに依存してしまった場合はなかなか抜け切れないというのが現状かなと思いますが、その辺のある意味でチェックですね、これから非常に日本が最先端というか、そういういろんな医療的な技術もあると思いますが。  政府、いろんな競技大会がありますが、スポーツ分野において国際貢献としてスポーツ・フォー・トゥモロープログラムが今進められていると思います。スポーツ・フォー・トゥモロープログラム、目的と具体的な内容をお聞かせください。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会の東京招致に当たりまして、昨年九月のIOC総会において安倍総理が、スポーツを通じた我が国政府の国際貢献策であるスポーツ・フォー・トゥモローの実施を約束したところであります。スポーツ・フォー・トゥモローでは、二〇二〇年までに百か国、一千万人以上を対象に、あらゆる世代の人々にスポーツの価値とオリンピック・パラリンピックムーブメントを広げていくことを目指しております。  具体的には、スポーツ指導者の派遣、スポーツ施設整備、機材供与、学校体育カリキュラムの策定支援など、諸外国のスポーツ環境の整備への支援を行うこと、また国際的なスポーツ界で活躍が期待されている人材の受入れとか養成を行うこと、さらに国際的な、今御指摘がありましたが、アンチドーピング推進体制の強化支援、この三つの柱で構成をされております。  二〇二〇年東京大会を契機として、スポーツの力を国内外に発信し、オリンピック・パラリンピックムーブメントを広げることによりまして、二〇二〇年大会を世界中の多くの人々が夢と希望を分かち合える歴史的な大会にしていきたいと考えております。

アントニオ猪木次世代の党

○アントニオ猪木君 今、次に質問しようと思ったらお答えいただいたので、ありがとうございます。  二〇二〇年東京大会に向けて世界全体にクリーンなスポーツを普及していくことが重要であり、我が国への各国からの期待が大きいのではないかと思います。アンチドーピング分野における我が国の国際貢献についての政府の意気込みをお聞かせください。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 我が国は、世界アンチ・ドーピング機構、WADAというふうに言われておりますが、この創設された平成十一年度以来、アジア地域における常任理事国として世界のアンチドーピング活動に積極的に参加し、世界アンチ・ドーピング規程の改定や人材育成事業、研究促進事業等、アンチドーピング環境の整備に先頭に立って取り組んできたところであります。また、これまでのオリンピック・パラリンピック競技大会におきまして、我が国からは一人もドーピング違反を出していない、これは先進諸国としても多分我が国だけだというふうに思います。  我が国のアスリートたちが高い倫理観を有していること、これは東京大会の招致においても高い評価を受けたところであります。今後、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向けて、アンチドーピング先進国である我が国が世界からこの重要性をしっかり発信することによって、世界におけるクリーンなスポーツ環境の整備にしっかり貢献していきたいと考えております。

アントニオ猪木次世代の党

○アントニオ猪木君 さっきお聞きするのを忘れたんですが、メキシコの日墨学院というのがあるんですが、田中角栄総理の時代に設立されたと思います。  先日、安倍総理も行かれ、私もちょうど九四年でしたか、サリナスという大統領の招待をいただきまして、そのときにその子弟が日墨学院に通っていて、非常に、現地の子供たちと日本人の子供たちが一緒に教育を受けて、グラウンドも、運動場も一緒で、大変、一つの学校関係、さっき言った外国学校の見本になるんじゃないかなと非常に興味を持っておりましたら、先日安倍総理も行かれたということで。  非常に、どの国が大事でどの国がそうでないというわけではありませんが、特に中南米における日本との関係も大事だと思いますので、この学校について、どのような今状況か、お知らせください。

小松親次郎文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(小松親次郎君) 日本メキシコ学院は、ただいまお話ありましたように、昭和四十九年に田中角栄総理がメキシコを訪問された際に両国首脳によってその開設が表明されたということを踏まえまして、両国の関係機関の協力の下に現地に日本メキシコ学院の法人をつくって、そこが設置主体となって昭和五十二年に開校した歴史を持っております。  この学院の現状でございますが、メキシコ在留の日本のお子さんたちや日系人子弟を対象とする日本コースと、それから広くメキシコ人のお子さんへの教育を行うメキシココースを設けているというところに特徴がございます。日本コースでは日本の教育と同等の教育を行うことを基本としておりますけれども、日本とメキシコの文化理解と交流の重視、それから英語とスペイン語学習の充実といったような、メキシコに存在する利点を生かした教育を積極的に行っております。  文部科学省では、同院の日本コースに教員を派遣しておりますほか、教材整備や教科書の無償提供等を行っておりまして、今後とも日本メキシコ学院への支援に取り組んでまいりたいと思っております。

アントニオ猪木次世代の党

○アントニオ猪木君 今日は憲法問題に入るつもりはなかったんですが、毎日、やはり改憲か自主憲法か、あるいはそのままで、いろいろな憲法論議がなされていますが、一つ私がおかしいなと思うことは、憲法七条の四項というところですね。総選挙の天皇陛下の国事行為というあれがあるんですが、この七条の四項に「総選挙」という言葉があるんですが、これはもう多分御存じだと思いますけれども、その辺について、世界の憲法がどのようになっているかはちょっと知りませんが、多分そういう誤字とかあるいは文章の間違いがあるとは思いませんが、その辺についてはどうお考えでしょうか。

小松親次郎文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(小松親次郎君) 学校教育におきましては、学習指導要領に基づきまして小中高等学校の社会科等において、これは憲法の定めるところにより天皇が国事に関する行為を行っているということを理解させる、これが基本になっております。それを受けてどのように教育をするかということはそれぞれの展開があるわけでございますが、例えば小学校の社会科の教科書におきましては、天皇陛下の主なお仕事として、総選挙を行うことを国民に知らせることといったような記述がございます。  この点につきまして、法律の解釈につきましては、憲法では議員の方々の任期満了又は解散により新しく議員を選出するためのものを広くそういうふうに表現しているというような学説なども広くございまして、こうした点を体しながら誤りのないように教えていくというような形で、現実に即した教育をするようにいたしているところでございます。

アントニオ猪木次世代の党

○アントニオ猪木君 この誤字に対してどうお考えですか。

小松親次郎文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(小松親次郎君) 文部科学省の立場といたしまして、この公職選挙法、憲法の関係につきまして、ちょっと誤字かどうかということを申し上げる立場にはございませんけれども、ただ、法律によって同じ文言で対象が若干違ったものを指すということはございますので、この点は、少なくとも教育の世界ではそういったものが混乱が起きないように適切に注意して教えていくということは大事ではないかというふうに考えます。

アントニオ猪木次世代の党

○アントニオ猪木君 ちょうど日本も過渡期というか、経済含めていろんなものを見直しをする時期に来ているのではないかなと思います。  質問はこれで終わります。ありがとうございます。

田村智子日本共産党

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。  今月九日、泉南アスベスト訴訟で最高裁は、初めて国の対策の遅れが被害を広げたことを認める判決を言い渡しました。原告の皆さんは、肺がんや中皮腫などの重篤な病気を抱えながら、謝罪、賠償とともに、アスベスト被害の根絶を命懸けで求めておられます。    〔委員長退席、理事石井浩郎君着席〕  私は、文教施設などでアスベスト被害を根絶させるためには、これは教育行政が責任を持って様々な対策を行うことが必要だと考えています。学校でのアスベストの暴露をさせない、発生させないためには、私、二つのことが大切ではないかと。一つは、アスベストを認識し管理すること。その認識というのは、飛散の危険性が著しく高い吹き付けなどですね、レベル1、これはもちろんですが、張り付けられている、巻き付けられている断熱材などのようなレベル2、そして封じ込められているから安全だと言われている建材なども、こうしたアスベストが学校のどこに使われているのかということを認識し、適切に管理するということ。そして二つ目に、やはり計画的にそうしたアスベストを除去していって学校施設のゼロアスベストを目指す、こういうことが必要だと思いますが、大臣の見解をお聞かせください。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 文部科学省では、平成十七年度に学校施設等における吹き付けアスベスト等の使用実態調査を実施し、その後、毎年度フォローアップ調査を実施するとともに、本調査結果を含むアスベスト関係書類について保存、管理を徹底するよう要請しているところでございます。また、御指摘のとおり、学校施設等からアスベストを全廃していくことは極めて重要なことと考えております。  しかし、石綿含有建材の除去を進めていくためには、教育環境の悪化や教育活動への支障等を生じさせないようにするため、封じ込めや囲い込み等も併用して暴露のおそれのない状態を維持しながら、大規模改修等を行う際に併せて除去していくことが効率的と考えております。  文科省としては、学校施設者等の改修計画や要望を踏まえまして、アスベストの全廃に向け支援をしてまいりたいと考えます。

田村智子日本共産党

○田村智子君 私も、今すぐいきなり行えと求めているわけではなくて、ゼロアスベストを目指すという方向性が必要だというふうに思います。  大阪府立金岡高校で、二〇一二年十月から十一月にかけて、発がん性が最も高い石綿、青石綿の飛散事故が起きました。大規模改修でひさしの天井板を剥がしたところ、青石綿が吹き付けられていたと。ところが、施工業者は石綿飛散の定期検査で指摘されるまで三週間にわたってこのことに気が付かず、青石綿をむき出しの状態としました。また、校舎内には落下した青石綿の塊も複数発見されるなど、生徒や教職員の暴露を起こしてしまったという事故です。さらには、二〇一三年五月、撤去されたはずの石綿含有の廃材、この工事で撤去したはずの廃材の破片が校内で発見されるなど、あってはならない事態が繰り返されました。    〔理事石井浩郎君退席、委員長着席〕  このように、既に把握していなければならない、そして飛散させてはならない吹き付けアスベストさえも認識や管理に瑕疵があるということを文部科学省は認識をしておられますか。

関靖直文部科学大臣官房文教施設企画部長

○政府参考人(関靖直君) 今お話のございました金岡高等学校では、建設時の校舎図面にアスベストを使用する旨の記載がなかったことから、十分に調査せず、アスベストの使用がないものとして工事を進めたため、吹き付けアスベストの小片が工事現場内の複数箇所に散乱するなどの状況があったと聞いております。この設置者である大阪府教育委員会では、その後、有識者を含む協議会を設置し、アスベスト飛散の原因となった工事、作業の内容、飛散状況、健康への影響及び再発防止策等について検証を行っていると聞いております。  改修工事の過程におきまして吹き付けアスベスト片が散乱したことにつきましては大変遺憾であり、今後、検証結果等を踏まえ、同様の事故が起こらないよう調査を着実に行うこと及び施工時の確認等について注意喚起を行ってまいりたいと考えております。

田村智子日本共産党

○田村智子君 この金岡高校については、事故の原因解明と説明が不十分だということで、保護者の皆さんが今も運動を続けておられます。是非、原因解明と説明が行われるよう、また、長期にわたる生徒や教職員の健康観察がしっかりと行われるよう文科省としても必要な指導を行ってほしいと要望しておきます。  こういう事故が起きる背景の問題、原因といいましょうか、先ほど大臣から御答弁あったように、文部科学省は二〇〇五年、平成十七年に吹き付けアスベスト等使用実態調査を行い、調査報告によりますと、公立小中学校、幼稚園の一〇〇%、公立高校、大学も二機関を除いてこの年度に調査が行われました。二〇〇八年には、新たに三種類のアスベストの分析が必要となり再度全機関調査が行われ、この調査も二〇一二年十月一日時点で公立小中高校は全て調査済みというふうにされました。それにとどまらず、フォローアップの調査を毎年行う、あるいは注意喚起や石綿分析機関や除去の工事ができる事業所の紹介など、ここにも置きましたけど、たくさんの通知も出されて文部科学省が努力をされてきたことは私も理解をいたします。しかし、残念ながら、こうして調査済みとされたにもかかわらず、見落としや分析ミスということが毎年のように指摘をされています。  資料をお配りいたしました。NPO東京労働安全衛生センターが、報道されたものだけですね、これを基に調べたところ、二〇〇八年以降、公立の小中高校、幼稚園六十五施設で見落とし、分析ミスがあったとされています。  今年を見てほしいんですね。今年六月、北海道釧路市、九つの小中学校で天井や天井裏で吹き付けアスベスト等が発見されています。実は釧路市は、先ほど言った〇八年の再調査のときにももちろん全小中学校の調査を行いました。そこでも二〇〇五年のときの見落としで四校発見したんです。今年発見された九校は、この二〇〇八年の調査でも見落としをしたんです。つまりは、二〇〇五年の調査時点から見ると、これはもう当時から見ると、廃校になった学校施設を含めると四十七施設のうち十三校、三割近い学校で見落としがあったということになるわけです。  これは、岡山県倉敷市もフォローアップで見付けたんじゃないんです。ある中学校の耐震工事のときに音楽室、図書室の天井で吹き付けアスベストが発見された。そこで、百五十校を改めての調査を行ったら、二十二校で発見されたと。こうした事象は氷山の一角ではないかと指摘をされているわけです。  こうした見落とし、分析ミスへの対策が必要だと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、吹き付けアスベストの調査におきまして見落としや分析ミスがあったことは誠に遺憾であります。  文科省では、毎年度、全機関を対象に繰り返しフォローアップ調査を行うことでアスベストに対する意識を維持しつつ、万が一見落としがあった場合には早期に対策を講じるとともに、フォローアップ調査、反映させるよう要請しているところであります。  今後とも、着実にフォローアップ調査が実施されるよう、注意喚起をしてまいりたいと思います。

田村智子日本共産党

○田村智子君 これ、フォローアップ調査というのは、基本的にはまだ調査が行われていないところと吹き付けアスベストが見付かったところのその後がどうかという調査というふうに通知がされているんですよ。だから、私は、調査は終わったところで見落としが起きている、これがなぜなのかという分析が必要だと思います。  今日は国交省さんにも来ていただきました。アスベスト対策に関わってきた方からは、専門的な知識を持たない人が調査を行えば見落としは起こり得るという指摘があります。国土交通省は、石綿調査の国家資格である建築物石綿含有建材調査者制度を昨年からスタートさせています。この制度が必要だとされた理由について、簡潔にお示しください。

杉藤崇国土交通大臣官房審議官

○政府参考人(杉藤崇君) お答え申し上げます。  国土交通省では、委員御指摘のとおり、昨年七月に建築物石綿含有建材調査者講習登録規程を定めまして、中立かつ公正に正確な調査を行うことができる調査者の育成を図っているところでございます。  この調査者を設けた理由でございますけれども、建築物の石綿調査を適切に進める観点から、私ども国土交通省の社会資本整備審議会建築分科会アスベスト対策部会というところで、建築物とアスベストの双方について知識と技能を有し、公正中立である者、こういった者の育成が必要とされたことからこの制度を創設したものでございます。  この調査者には、国土交通大臣に登録された講習機関で講習をしっかり受講していただくことにしてございますけれども、この講習の中では、建築物の中で石綿が使用されている可能性がある部分がどこなのかといったことに関する知識を有していること、あるいは石綿含有建材であるかどうか、またその劣化状態について適切に判断ができること、さらに建物所有者などに対しまして必要な対策について適切な助言ができること、こういったことにつきまして必要な知識と技能を修得していただくことになってございまして、今後ともこの調査者の育成を促進し、これら調査者の活用を図ってまいりたいというふうに考えてございます。

田村智子日本共産党

○田村智子君 今の御答弁のとおり、見るべき場所が分かると。それから、お聞きしましたら、虫眼鏡で見ても石綿なのかどうかというのの見極めが大体付くということなんですね、専門的なことを学んだ方は。この資料を見ますと、やっぱり見るべき場所の見落としということが決してレアケースではないということが私は言えると思うんです。  そこで、私、大臣に今日は提案をしたいんです。実は今年七月、文科省は、断熱材などとして配管に巻き付けられていたり、あるいは煙突の内側に張り付けられているなどのレベル2についても、今まではレベル1なんです、吹き付けなんです、今回レベル2のアスベスト使用の調査を始めたんです。今年は、まずは目視で、アスベストかどうか分からないけど、とにかくこの配管のところが破損している、何か分からないけど、むき出しになっていると、こういうところを確認をして、取りあえずむき出し状態の応急処理をしなさいと、来年度以降、アスベストが使われているのかどうか、このレベル2についての調査を全施設で行っていくということになるわけです。せっかくの調査でまた見落としが起きたら同じことの繰り返しになるわけですね。  この国家資格を持つ専門家という方は、まだ昨年始まったところなので、現時点で二百人程度と規模はまだ小さいんですけれども、国交省も鋭意育成に努めているとお聞きをしています。学校や幼稚園こそ専門家による調査が必要な施設だと思います。例えば、五年掛けてとか、優先順位を付けてとか、学校のアスベスト使用実態について国家資格を持つ専門家がレベル1からレベル3まで調査し、記録する、こういう対策が私は求められていると思うんです。  これ、レベル1の調査は、実は国交省の交付金で、再調査であっても十分の十の補助金も出ます。こういうことも是非知らせてほしいし、各地でレベル1の見落としが発見をされているんだということも周知をして調査を呼びかけてほしいと思いますが、大臣、是非検討していただきたいんですが、どうでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 建築物石綿含有建材調査者につきましては、文部科学省としても、アスベスト関係の通知に本制度を紹介するなど、その活用を促しているところであります。  しかしながら、今御指摘ありましたが、本制度は昨年の夏に創設したばかりで、登録者は現在百八十六名と非常に少数ということで、全国の学校施設等の石綿調査を本調査者のみに限定することはまだ現実的ではないという状況であるというふうに考えます。  一方、従来の建築士や施工管理技士、施工業者等の専門家、有識者による調査でも精度の高い調査が実施できるということでもありますので、どの者に委託するかどうかについては、これは学校設置者等の判断を尊重すべきであると現在のところ考えます。

田村智子日本共産党

○田村智子君 是非、見落としがあるんだということを注意喚起をして、できる限り専門家を使った調査、長期に掛かってもやはり専門家が調査したというように、学校を一つ一つチェックしていくというふうなことを検討していただきたいと思います。  私は、今の時点ではレベル3建材などについては調査対象にはなっていないんですよ、吹き付けとその囲われているアスベスト。建材は安全なのかということなんですけれども、これは阪神・淡路大震災、東日本大震災もその建材が破損をしてアスベストが飛散しているということが指摘をされていますし、それだけではなく、二〇〇八年に起きた川崎南高校の解体工事では、市民が危険性を指摘していたにもかかわらず、アスベスト含有の煙突筒が壊されて、校舎から複数のアスベスト成分が検出された。その上、この廃材がリサイクルされて、再生砕石にされてしまったということも分かっているわけです。  また、近年、エアコンの設置あるいはインターネットの回線工事など学校でも行われていますが、建材に穴を空けるときに、アスベスト建材であることを知らずに労働者が暴露をするという事故も多発をしています。そしてまた学校は、子供が壁にボールをぶつけたりとか、あるいは自転車置場の屋根の上に乗っかっちゃって穴空けたとか、こういう事故が起きやすいわけですね。あの自転車置場の波形の板がアスベスト含有建材だということを私も最近知って、恐らく多くの方が知らないと思うわけですね。  となりますと、やはりどこに、レベル3も含めて、学校のどこにアスベストが使われているのか、これきちんと調査をして記録をして、破損させないような日常的な管理を子供たちにも徹底していくような、こういうことが必要だと思いますけど、大臣、いかがでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 文部科学省では、石綿障害予防規則、これは厚生労働省の省令でありますが、これに基づいて、従前からのレベル1、これ吹き付けアスベスト、これに加えまして、今年度より新たにレベル2、これは石綿含有保温材等でありますが、この調査を開始したところであります。まずは、これらの使用実態につきまして調査漏れが生じないよう、注意喚起を行いながら鋭意実施していくこととしているところであります。  レベル3のこれは石綿含有成形板等でありますが、この調査の実施については暴露のおそれが少ないとされていることから、引き続き適切な管理及び除去の際の留意事項について注意喚起しながら、まずはレベル1、レベル2の調査及びアスベスト対策の進捗状況等を踏まえて検討していきたいと考えております。

田村智子日本共産党

○田村智子君 電気工事などで暴露しちゃった場合、それは設置者に責任があるわけですよ、アスベスト建材だって知らずに電気事業者がエアコン設置で暴露しちゃったら。こういうことも是非真剣に考えていただいて、レベル3についても調査広げていく方向を検討していただきたいと思います。  最後に、教育委員会や教職員にアスベストについての正しい知識を是非普及していただきたいと思うんです。金岡高校の事件では、大阪府教育委員会が事故について保護者の説明会を開いたんですけれども、白石綿の百倍と言われる毒性を持つ青石綿について何の説明もない、むしろ安全性を強調するような説明だったということで、保護者の方からも疑問の声が上がっているわけです。  是非、正しい知識を教育関係者が持つこと、そして、先ほど言いましたとおり、どこにアスベストが使われているかということを子供たちにも注意喚起をして、暴露を起こさないようにするということ、こうした管理も徹底していただきたいと思います。最後にお答えいただいて、終わりたいと思います。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 教育委員会に対し、アスベスト対策に関する留意事項、アスベストに関する法令改正の趣旨や技術的事項について、通知や各種研修会、講習会により周知を図っております。また、教職員に対しては、これらを踏まえ、教育委員会においてアスベストに関する正しい知識の周知に取り組まれることが重要であると考え、促進をしていきたいと思います。

田村智子日本共産党

○田村智子君 終わります。

柴田巧維新の党

○柴田巧君 維新の党の柴田巧です。  まず最初に、先般もお聞きをしましたが、官民イノベーションプログラムのことについてお聞きをしたいと思います。  さきにも述べましたけれども、安倍政権になって、国が中心となって民間の事業や企業に投資する官製ファンドが乱立をしております。重立ったものの資金量だけでも四兆円ぐらいに今なっているんだろうと思っておりますが、確かに、この官製ファンドというものは、公的資金の流入を呼び水として民間資金の流入を期待することができると。あるいは、官が関わることによって事業の制度的な障害を取り払われやすいというメリットはあるんだろうと思いますが、官の投資の膨張によって、先般も指摘しましたように、いわゆる民業の圧迫であったり官僚OBの天下り先になったり、そして何よりも投資が焦げ付いて結局国民負担になったりという懸念が非常に大きいと思っております。  したがって、我が党においても、そういう官製ファンドの在り方、また今後の展開を注視をする、いろいろ調査をするプロジェクトチームを立ち上げているところですが、文科省関連では今申し上げた官民イノベーションプログラムがあって、これは世界最高水準の独創的な研究開発を新産業の創出までつなげるために、大学の研究成果の実用化に向けた産学共同研究の推進を目的として一千億、二十四年度の補正予算で措置をされたわけです。  その後、一年半近くたなざらし状態にいろいろあって、ようやく九月に京大、阪大が認定をされ、今、東北大学が申請をしてきていると聞いておりますが、この一千億のうち四百十七億、最大の配分をされている東大については、いまだこの申請がなされていないと聞いております。もう二年近くになろうとしているのに、最大の配分先である東大からまだ申請がなされないというのが非常に不可思議で、東大固有の問題があるのか、あるいはプログラムそのものに大きな欠陥が何かあるのか、どうなんだろうかと思っております。  確かに、この大学発ベンチャーを成功させるのは大変難しいのは事実で、特にベンチャーキャピタルの役割が大きいですから、大学の仕組みを理解した調整役であったり、金庫番に当たる金融関係者であったり、あるいは投資ファンドを担うベンチャーキャピタル経験者が不可欠であって、その人材を確保するのは確かに難しいんだろうと思いますが、もうかなりの時間が経過をしている中で、なぜ東大の申請が遅れているのか、またいつまでに申請の予定があるのか、お聞きをまずしたいと思います。

吉田大輔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(吉田大輔君) 委員御指摘のこの官民イノベーションプログラムにつきましては、昨年の臨時国会で成立した産業競争力強化法におきまして、国立大学法人等が一定の要件を満たしたベンチャー等支援会社へ出資することを可能とする制度改正が措置され、本年四月一日から施行されているところでございます。  東北大学、東京大学、京都大学、大阪大学につきまして、それぞれ対象として準備が進められ、先ほど委員御紹介のように、京大及び阪大におきましてはこの九月一日から、また東北大学につきましても、現在、事業計画の申請を受けまして、審査を行っているところでございます。  東京大学につきましては、これは他の大学と比べましても、研究実績や産学連携の実績が顕著でございます。かねてより、官民イノベーションプログラム部会の委員からは、東京大学の実績に見合った高い水準の事業の実施が可能となるように、学内においてはこれまでの研究実績、産学連携実績が十分に生かせるよう学内体制の構築を図るべきこと、またベンチャー支援会社においては事業化、起業の経験者や金融系人材、技術系人材など、バランスの良い人材確保に努めるべきことが特に要請をされているところでございます。  東京大学では、このような意見を踏まえまして、全学的な体制を構築するとともに多様な人材の確保に努めるなど、事業計画の申請に向けた準備を進めているところでございます。現時点では明確に時期は申し上げられませんけれども、申請があり次第、厳密な審査を行ってまいりたいというふうに考えております。

柴田巧維新の党

○柴田巧君 今御答弁あったように、顕著な実績があれば恐らく本来ならより早くできてしかるべきじゃないのかという気はしますが、いずれにしても、いろんな難しさがあるのは分かっていますが、非常に遅れているので大変気にするところです。  そして、このプログラムを見ておりますと、スキームを見ておりますと、大変いろいろ疑問点が湧いてもくるわけですけれども、今お手元にその国立大学法人による出資制度の概要という文科省から出ている資料、このプログラム、スキームをお手元にお配りをしていますが、ここにありますように、国立大学法人等から出資ができるようになると。認定特定研究成果活用支援事業者、まあファンドなどに出資をされるということですが、出資というからには、これは言うまでもありませんが、融資や借金のような元本返済義務はなくて、出資元は出資先からのリターンを求めざるを得ないということになるわけで、そうじゃないと焦げ付きになってしまうわけですね。  したがって、このベンチャーキャピタルに出資をする以上は、やはり投資収益率を指標にすべきだろうと思いますが、どの程度の回収率や回収スパンを今のところ想定をしているのか、お聞きをしたいと思います。

吉田大輔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(吉田大輔君) この官民イノベーションプログラムの関係でございますけれども、国立大学法人等が設立するベンチャー等支援会社は、大学における教育研究活動の活性化や研究成果の活用促進という政策目的を実現するため、公的な資金を原資として、民間が投資しにくい案件も必要に応じて対象とすることが求められる一方で、公金を毀損しないよう最善の努力を尽くすことが必要であるという、そういう意味では投資としての適切性を含め効果的な運用が求められているところでございます。  このため、国立大学法人等が設立するベンチャー等支援会社を認定するに当たりましては、産業競争力強化法に基づき、文部科学省及び経済産業省が定めました特定研究成果活用支援事業の実施に関する指針におきまして、計画の期間における支援を通じて、保有する株式等の処分等を行うことによって得られる総収入額が総支出額を上回るよう財務諸表等の指標に基づく基準を設定し、これを継続的に把握すること等により、支援を行う特定研究成果活用事業者の事業活動について、事業年度ごとにその進捗状況や収益性を適切に評価する、そういうことを認定の要件としているところでございまして、これが投資収益に関する一つの目安になろうかと存じます。  また、期間の関係につきましては、ベンチャー等支援会社が実施する出資事業の実施期間は十五年でございますが、最大二十年まで延長可能ということにはしておりますが、この十五年を一つの目安といたしまして、その限られた期間内で収益を上げることを認定の要件としているところでございます。

柴田巧維新の党

○柴田巧君 実際に今おっしゃったような具合になっているかどうか、これから厳しく成り行きを見てまいりたいと思います。  それで、このスキームで気になりますのは、こうやって出資をする、それからそのファンドなどから経営上の助言、資金供給等の支援が大学発ベンチャー等になされて、そして国立大学法人と大学発ベンチャーの間にこの相互の矢印が共同研究その他の連携ということでなされているわけですが、これを見る限り、結局、場合によれば、出資ではなくて、言わば基金的な、あるいは補助金的な使われ方もされてしまうのではないか、一定程度、結局は少なくない程度が、出資金が大学側に流れてしまうのではないかという気がしてならないわけですね。  このように、いわゆる科研費の不足分に充当されるなど、大学発ベンチャーの育成という本来の政策目的とは全く相入れないといいますか、異なる使われ方がなされないようにやっぱりチェックの仕組みが必要なんだろうと思いますが、この点はどういうふうに考えていらっしゃるのか、大臣にお聞きをしたいと思います。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 官民イノベーションプログラムは、国立大学における技術に関する研究成果の事業化等を促進することを目的として、国立大学法人が設立したベンチャー等支援会社が大学発ベンチャー等に対して出資を行う事業であるわけであります。そのための資金は、いわゆる補助金ということではなく政府出資金を原資とするものであり、その使途は、大学発ベンチャー等支援会社への出資、また、大学の研究成果の実用化を目指した企業との共同研究のための施設整備等への支出など、国民が享受し得る資産の形成に該当するものに限定しておりまして、それ以外への支出はできないということになっているところであります。  その上で、国立大学法人から出資を受けたベンチャー等支援会社における投資に関する最終的な意思決定は、技術に関する研究成果の事業化や投資事業の実施に係る金融面、法務面等に知見を有する学外かつ社外の取締役を過半数とする取締役会において行われることとしておりまして、大学による意思決定への関与を排除し、会社の専門的人材による意思決定の中立を確保しているところであります。  加えて、ベンチャー等支援会社における業務執行については、国立大学法人に投資事業の知見を有する外部有識者より構成される外部評価委員会を設置し、当該委員会がモニタリングを実施することとしているわけであります。  こうした仕組みを備えることによりまして、本プログラムにおける出資金については、政策目的とは異なる使われ方がなされないようチェックする体制が十分確保されているというふうに考えております。

柴田巧維新の党

○柴田巧君 ありがとうございます。  大臣も、さっき、この前の答弁の中でも、国民の貴重な税金を一千億、四大学に投入するわけでありますから、むやみやたらにばらまけばいいというものではないと、大変強い調子で答弁をされておりましたが、いずれにしても、このプログラムがしっかり本来の目的を達成でき得るのかどうか。そうではなくて、先ほども申し上げたように、民業圧迫があったり、あるいは天下り先の一つになったり、また、何よりもその投資が焦げ付いて国民負担にならないようにしっかりと我々も注視をしていきたいと思いますし、必要に応じてまた物を申していきたいと思っております。  この天下りということでいえば、先般の報道にもありましたし、いろんなところでも取り上げられましたが、今年四月の統計によれば、全国の国立大学法人八十六校のうち約九割に当たる七十七校で、合わせて七十九人の文科省出身者が大学の運営方針や経営判断を行う理事や副学長、事務局長等の幹部として在籍するなど、国立大学の課長級以上の管理職に合計二百三十九人も文科省から出向しているということのようであります。中には指定席のように連続して文科省がこの部長や課長に就いているところもあったりするわけで、天下りではないというのが文科省の見解ですが、事実上の天下りに近いものだと言わざるを得ないと思いますし、このように文科省の意向が強く、これでは国立大学の運営に反映されるおそれが極めて高いものだと思います。  独法化したのも、この各大学の独自性を強めて特色ある研究活動をやる、あるいは、国の機関から切り離して人事や組織の制約を解いて今申し上げたような特色ある研究活動をするというのがそもそもの独法化の狙いだったんですが、これからも非常に外れてくるんじゃないかと思いますが。  このように、いわゆる文科省支配と言っても、言い過ぎかもしれませんが、こういった状態になっていることを大臣としてはどのように考えていらっしゃるか、お聞きをしたいと思います。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 文部科学省から国立大学法人への出向は、国立大学協会の申合せを踏まえ、任命権を有する各国立大学法人の学長からの要請に基づき行われておりまして、文部科学省から推薦された職員を実際に採用するか否か、あるいはこれらの者の学内での活用方法については学長の判断により行われるものであります。  このように、文部科学省からの出向者の受入れと活用は学長の権限と責任において行われておりまして、出向者は、大学の職員として学長の指揮監督の下、職務を遂行するものであります。したがいまして、文科省からの出向は、学長の目指す大学運営の理念等に基づき職務を遂行するものでありまして、文科省からの出向によって、大学の運営に関し国の関与を強めたり大学の自主性を損なうというものでは全くありません。  文科省としては、大学、特に国立大学法人職員の出向、これは文部科学行政で得た知見を学長の意向に沿って大学改革や機能強化の実現などに役立てる一方、国立大学法人で現場感覚を養い、その現場感覚を文部科学行政に反映することができるというメリットもあることから、学長からの要請があれば、今後も引き続き適切に対応していきたいと考えております。

柴田巧維新の党

○柴田巧君 そうはいえ、やはりこれだけ多くの文科省から出向をさせているとなれば、国立大学での影響力はやはりかなり強いものだと言わざるを得ませんし、大学から言われたとしても、結果的にはやはりこの文科省の考えを直接的に反映させることになって望ましいものではないというふうに思います。  その現場の経験を積ませるということが意味があるとおっしゃるのならば、例えば若手職員同士の人事交流に限るとか、そういうようなものに切り替える、そういうお考えはありませんか、大臣にお聞きをします。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 繰り返すようですけれども、これは学長の要請に基づいておりますので、各大学の学長がそのようなことを求めないということであればそのとおりにいたします。

柴田巧維新の党

○柴田巧君 ちょっとこれ以上あれしてもなかなからちが明かないようですが。  もう一つ、この出向というか、関係のものでちょっと取り上げたいのは、日本私立学校振興・共済事業団、私学事業団と略して言っていますが、ここには文科省から三名ほど今現役出向していると思っていますが、ここが先般、会計検査院から、宿泊経理の繰越金の欠損金が百二十一億になって、運営の見直しが求められました。平成十三年に特殊法人等の整理合理化計画を受けて八つの施設は確かに廃止をされましたが、その後はほとんど検討、議論、見直しなどがされずに今日に至って、二十四年度末で百二十億を超える繰越欠損金が出ている……

水落敏栄自由民主党

○委員長(水落敏栄君) 時間が来ていますので、おまとめください。

柴田巧維新の党

○柴田巧君 これをどのように大臣としてはやはり改善を求めていくのか、この点を最後にお聞きをしたいと思います。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 会計検査院の意見表示を踏まえまして、文科省は、私学事業団に対し、七月九日付けで、会計検査院の意見を反映した宿泊事業の見直しに取り組むよう指導するとともに、九月一日に、繰越欠損金の解消に向けた具体的な改善計画等を平成二十七年一月までに作成するよう指示したところでありまして、この内容を精査しつつ、今後適切に指導監督してまいりたいと思います。

柴田巧維新の党

○柴田巧君 ありがとうございました。

秋野公造公明党

○秋野公造君 公明党の秋野公造でございます。お役に立てますように質疑をしたいと思います。  本年四月の三十日、文部科学省は、教職員の命を守るためにすばらしい省令改正を行い、それが施行となりました。その中身は、胃がん検診について、これまでバリウム検査のみとしていたものに医師が適当と認める方法を追加して、胃がん及びその他の疾病を発見するとしたものであります。  国民の二分の一ががんにかかり、三分の一ががんで亡くなる時代にあって、胃がんは一番国民において罹患をしているがんであります。ならば、胃がん対策は、生活習慣病対策に加えて、感染症対策として行っていかなくてはならないということでありますが、であればこそ、私自身も、国会において、胃がんの原因はピロリ菌であるということ、国に整理をしていただいて、ならば治療ができるよう働きかけ、昨年の二月二十一日、胃がん予防のために慢性胃炎の段階までピロリ菌の除菌は保険適用となっています。  改めて、今回の改正は早期発見という観点からも大変すばらしいことであり、多くの方にも知ってもらうべきとの思いで、その省令改正の背景について伺いたいと思います。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、教職員の健康の保持増進は、教職員自身のためはもとより、児童生徒の健康上及び教育上においても非常に重要であるというふうに認識して改正をいたしました。教職員の胃の検査につきまして、本年四月三十日、御指摘の学校保健安全法施行規則の一部を改正し、検査方法を胃部エックス線検査に限定せず、医師が適当と認める方法、具体的には内視鏡検査等でありますが、その検査も行えるようにしたところでございます。  本改正は、平成二十五年二月に、ヘリコバクター・ピロリ菌による慢性胃炎について、内視鏡検査において確定診断がなされた場合も治療の保険適用の対象となり、内視鏡検査を有効に活用できる機会が広がったという状況がある中で、都道府県教育委員会等の教育関係者から、バリウムが体質に合わない教職員がいる場合は胃の検査を行うことができない等の問合せを複数いただいたということがございました。また、胃の検査は内視鏡検査等の他の検査方法でも代替可能であること等の事情を総合的に考慮した結果、行ったものでございます。  今後とも、教職員の健康の保持増進のため、引き続き、今回の改正の趣旨の徹底を図るとともに、胃の検査を含む教職員の健康診断が適切に実施されるよう取り組んでまいりたいと考えます。

秋野公造公明党

○秋野公造君 大事な教職員の方々でありますので、どうか早期発見、早期治療が行えるよう今後とも努めていただきたいと思います。  先月、自民党の松下議員及び民主党の石上議員とともに、ラオスに参議院として派遣をしていただきました。今や日本の製造業が安価でかつ良質な部品を必要とするということを考えますと、ラオスとの関係というものは極めて重要であります。しかしながら、その友好国ラオスに対するODAの額というものは非常に多い状況でありますが、日本企業の投資はそれに見合わず少ない状況であり、ODAで日本が作ったインフラを他国の投資が使っているというのは残念な状況であります。  企業が進出をちゅうちょする背景として、先ほどもありましたが、学校の問題があるようでありまして、現地に日本人学校が必要であるとの多くの声を伺って帰ってきたところでありますが、まずは、個別の案件になりますが、ラオスに日本人学校を設立することについて文科省の見解を伺いたいと思います。

小松親次郎文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(小松親次郎君) ラオスの状況でございますが、現在、首都ビエンチャンに、ラオス国日本人会によりましてビエンチャン日本語補習授業校が設置されております。現在、二十四人の日本人のお子さんたちが週三回、国語と算数・数学を中心に学習している状況と承知しております。  私どもといたしましては、これまでのところはラオス国内に補習授業校に加えて日本人学校を設置する計画があるという情報は伺っておりませんが、現地の状況につきまして、今後、日本人会などを通じて確認をしてまいりたいと思います。その上で、将来的にラオスで日本人学校を設置する構想が具体化し、在外教育施設として文部科学大臣の認定を受けたいというような具体的な御相談があれば、適切に対応させていただきたいと思います。

秋野公造公明党

○秋野公造君 大臣に伺いたいと思います。  仮の話ではありますが、日本人学校として文科省に認められますれば文科省から教員を派遣するということになると思いますが、日本人学校への派遣教員数が減少している、過去の新妻議員の質疑にもありましたが、こういった状況を改善して派遣教員を増やしていくということ、これはラオスを含め日本企業の海外投資を応援する、友好を深めていくという上で非常に重要ではないかと考えますが、この点について大臣の見解と、そしてこの学校の教員の概算要求はしっかり確保するという決意を最後に伺いたいと思います。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) おっしゃるとおり、海外に在住する日本人の子供たちについても、少なくとも義務教育段階では国内に近い教育を受けられるよう最大限の援助を行うことが必要であるというふうに考えます。このような観点から、日本人学校の学習環境を整備することは極めて重要でありまして、日本企業の海外進出にも寄与するものであると思います。  ラオスにおける日本人学校設立の構想については、事務的に、今局長から答弁がありました、確認するとともに、日本人学校への教員派遣も含め、在外教育施設への支援の充実については、今後しっかり、文部科学省として積極的に取り組んでまいる決意であります。

秋野公造公明党

○秋野公造君 終わります。ありがとうございました。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 下村大臣は、十四日の所信的挨拶におきまして、活力ある地方の創生に大学はもっと貢献できます、地域の中核的存在である大学等が地域に必要な人材を育成する取組を推進し、理工系人材の戦略的育成の取組を集中的に進めますとおっしゃっております。  大臣がおっしゃるとおり、大学が地域の発展に果たす役割は非常に大きいと私も考えます。本日は、そこで、地域への大学の貢献についてお尋ねをいたします。  まず、産学連携の在り方の見直しについてお尋ねをいたします。  大臣は、本年三月十九日、衆議院の文部科学委員会での地(知)の拠点事業についての質問の答弁におきまして、このように答弁されています。文科省としても、イノベーション創出に向けた、地域主導の優れた構想を効果的に支援する地域イノベーション戦略支援プログラムなどを通じまして、大学の地域貢献、機能の強化を推進してまいりたい、このように答弁されております。  また、安倍総理におかれましても、十月の一日、衆議院の本会議での公明党井上義久幹事長の地域発の成長戦略についての質問に対して、地域におけるイノベーションの更なる推進、地域を支える基盤産業の支援など、地域の成長を後押しする成長戦略の進化にしっかり取り組むと答弁をされております。  一方で、文科省の科学技術・学術審議会が今年の八月に発表いたしました「今後の地域科学技術イノベーションのあり方について」という報告書には、以下のような指摘がございます。従来の産学連携は、大学等における研究成果を産業界に移転し事業化するというリニアモデルに基づくことが多かったが、このモデルでは研究内容が産業界やマーケットのニーズに合致せず、研究が深化、深くなるばかりで円滑に事業化に結び付くことが困難となるケースも多い、研究の初期段階から企業が関与するよう産と学をコーディネートする機能の強化が重要である、また、企業のニーズ、技術的課題を大学の知見を使って解決をし、製品開発をする取組を推進するなど、企業の側から大学に近づいていきやすい仕掛けをつくることも有益である、こうしたことを踏まえ、リニアモデルにとらわれないコーディネートが地域で強化されることが重要である、このような指摘がございます。  ここで、文科省として、産学連携の在り方の見直しに関わるこの指摘をどう捉え、どのように対応していくのか、御答弁をお願いをいたします。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、科学技術・学術審議会の地域科学技術イノベーション推進委員会が八月にまとめた報告書において指摘されているとおり、研究、開発、生産、マーケティングの各段階が順次生じるとするリニアモデルに基づく産学連携では、研究内容が産業界やマーケットのニーズに合致しにくいため、研究の初期段階から産と学が連携しながら事業化までつなげる仕組みづくりや、産と学のコーディネート機能の強化が重要であるというふうに考えております。  具体的には、大学・研究機関、企業が集積した研究開発拠点の形成、研究から事業化まで一貫した支援とコーディネーターによる地域の中小企業のニーズの掘り起こし及び当該ニーズを全国の大学等のニーズとマッチングするといった、一体的に推進していくことが必要であると考えます。  今後も、引き続き、大学の研究開発成果を円滑に実用化に結び付けることができるよう、大学と企業双方の強みを生かした産学連携の推進に取り組んでまいりたいと考えます。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 力強い御答弁、御決意をありがとうございます。是非ともこうした取組を強力に推進をしていただきたいと思います。  次に、地域経済の活性化に役立つ地方大学、そして地元の経済界への人材誘導、そして地方大学の活性化についてお尋ねをいたします。  まち・ひと・しごと創生本部で検討されている総合戦略におきまして、政策分野ごとの取組例として地方への新しい人の流れをつくると明記されまして、その取組例の一つとして地方大学等の活性化が挙げられてございます。一方で、地方大学は少子化のあおりをもろに受けまして、特に私立の大学で学生の確保に苦しんでいるとの報道もございます。  先ほどの報告書、「今後の地域科学技術イノベーションのあり方について」には二つの指摘が挙げられています。一つ目、地域におけるイノベーションを持続させるには、事業化、経営人材を地域外から招聘したり地域内で育成することが重要である。二つ目、地域の大学、高専の卒業生が地域の企業に就職しない、プロジェクトに携わった研究者が地元に残らない、こうしたことにより大学、高専の研究シーズの承継が難しくなっている。こうした二点の指摘がございます。この指摘は、科学技術イノベーションだけではなくて、広く大学と地域の経済界に敷衍して考えることができると考えます。  この二月、本委員会の視察で秋田県の国際教養大学の学長さんと意見交換の場を持ちました。学長は、建学の理念、秋田から世界へ、こうした理念の下、全国から人材を集めて秋田で育てて、そして全世界に送り出す、こういう決意、熱意を語ってくれました。しかし一方で、こうした見方もできるかと思います。せっかく秋田で育てたのにそうした人材が秋田に根付かない、こうした側面もあるかと思います。  先日、全国知事会の代表であります古田肇岐阜県知事と懇談をする機会がありました。その際、地方創生のための提言をいただいたんですが、ここには地元の学生に対する地域内進学、そして就職の支援について具体的な要望が盛り込まれておりまして、地域の高校生などが地域の大学へ、そして地元の経済界へと誘導されていくことへの期待がされていることが分かりました。  ここでお尋ねをします。文科省として、地方大学の活性化をどのようにして実現をしていくのか、また地域経済の活性化に役立つ地方大学、そして地元経済への人材誘導をどのように考えて取り組んでいくのか、現状と課題についてお示しをいただきたいと思います。御答弁をお願いをいたします。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、魅力あふれる地方を創生し、成長への活力を取り戻していくためには、大学の知を地域の発展や課題解決に生かすとともに、各地域で活躍し将来を担っていく若者の育成が重要であるというふうに考えます。その意味で、これから更に地方大学が期待されるその役割というのは大変大きいと思います。現在、三十以上の大学に地域に関する学部、学科等がございまして、これらの大学を含め多くの地方大学が地域との連携を強化し、地域が求める人材の育成や地域課題の解決、新産業の創出など、貢献しようと取り組んでいるところであります。  文科省としても、このように積極的に地域に貢献しようとする大学を、平成二十五年度から地(知)の拠点整備事業、COC事業と銘打ちまして支援するとともに、国立大学や私立大学に対し、地域の強みを生かした研究教育の機能強化や地域発展に貢献する積極的な取組についての支援を行っているところでございます。また、総務省とも連携して、今年九月から始まったばっかりでありますが、地域への公立大学の関わり方について、文科省、総務省及び公立大学関係者による研究会を設け、検討に着手いたしました。  そして、具体的な取組の例として、COC事業におきましては、例えば、名古屋学院大学におきましては学生参加による商店街の活性化や歴史観光まちづくり等を通じた地域活性化に取り組んでいたり、また、高崎商科大学では地元電鉄等と連携して観光のまちづくり、人材づくりを通じた地域の活性化に取り組むなど、大学の教育研究機能を生かした地域貢献の取組も行われているところであります。  それぞれの地域の大学が自治体や企業等ともしっかりと連携しながら、両者にとって、そして若者にとって一層魅力的な教育を行い、地方の将来を担う若者を多く輩出する、そのようなことができるよう、各地方大学の活性化に文科省もしっかり取り組んでまいりたいと思います。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 今大臣がおっしゃっていただいたような、地方の活性化に資するようなこのCOC事業、また、この九月から総務省と一緒に始めたこうした事業に取り組んでいただいて、本当に日本が、こうした文科省の取組があって、我々の取組があって地方が活性化した、こう言われるような成果を出していっていただきたいと思います。  どうもありがとうございました。

水落敏栄自由民主党

○委員長(水落敏栄君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後一時一分散会

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