文教科学委員会 第2号
- 発言数
- 205 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2014/10/16
会議録
○委員長(水落敏栄君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房法曹養成制度改革推進室長大塲亮太郎君外十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(水落敏栄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(水落敏栄君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○丸山和也君 久々に質問させていただくことになりまして、大変緊張しておりますけれども、よろしくお願いします。 日本の教育というのは、非常にやっぱり教育は人づくり、国づくりの基礎でありまして、とりわけ国際化の中ででも日本の教育の在り方によって国際競争力といいますか日本のプレゼンスというのも決まってくると思うんですね。そういう意味で、そういう観点から、分かりやすい意味で少し小学校レベルの教科書で日本とアメリカでどういう違いがあるか、あるいはポイントが置かれているかということをちょっと質問させていただきたいと思うんです。 教科書の比較は、ちょっと資料の関係でやや古いんですが、二十年ぐらい前の比較なんですけれども、基本的にそんなに変わっていないように思いましたので引用させてもらいました。 そして、なぜ私がここを取り上げたかというと、一部資料にも言っていると思うんですけれども、いわゆる、例えばアメリカ、欧米を中心にしたアメリカにおいては、強い個人をつくると。それで、強い個性を確立させて強い個人をつくることによって、強い社会ができて強い国家ができて、国際競争の中で存在していくと、こういう発想といいますか理念があると思うんですね。ところが、日本の場合というのはどちらかというと、やっぱり他人に対する思いやり、優しさ、これが圧倒的に強くて、自己主張とか個人の確立ということは余り言葉においても教科書においても取り上げられていないというふうに、私、気がするんですね。 ですから、グローバル人材の育成とかいろいろなことを言っていますけれども、やや少し深めて議論をしたいと思いまして、教科書の「ニックの仲間入り」というのを出しているんですけれども、これが向こうの小学校二年生の教科書に取り上げられている。国語の教科書なんですね、道徳とかそういうんじゃなくて、一般の一つの事例なんですけれども。足が不自由なニックが明日から学校に行くと。いろいろ心配していると。そして、学校に行くとクラスメートからいろんな質問をされると。また、先生がそれをクラスメートに対してどんどん質問していいか、ニックもオーケーと、じゃもうみんなに質問をさせる。何でそんな足がびっこなんだ、いつからなんだとか、どんどん質問をされると。それで、生徒の好奇心が十分満足いった段階で、それを、じゃ終わりということで、こういうストーリーが展開しているんですね。 これを見まして、やっぱり日本だと、障害のある子供にほかの生徒からみんな、何でそんな、例えばびっこなんだとか、びっこという言葉がどうかは分かりませんけれども、障害があるんだとか、いつからなんだとか、どういう状況なんだとか、ぼんぼんぼんぼん直接質問をさせるという状況は余りないと思うんですね。むしろそれを抑えるというか、気配りをしてそういうことは聞かない方にむしろ重点が置かれると思うんですけれども。 ここの部分はある程度大事でして、特に学校に行く前にニックが両親に、学校に行ったらどうなんだろうということをいろいろ両親に質問しているんですね。ここの子供と両親の質問ということがどういう意味があるかということは、つまり、子供であっても単に親に対して甘えじゃなくて、子供、親という人間関係を気にしながら質問しているということは、やっぱりどんどんどんどん親に自分が質問するということに対して、まあ一方的に質問するわけですから、相手に対しても甘えがなくて、いわゆる気遣っているというんですね。子供でありながら親を気遣いながら、遠慮というんじゃなくて、相手を認めて質問しているという、こういう非常に大人の関係がここでもう成立しているということと。 それから、学校に行っては、やっぱりそういう質問をどんどんさせる、あるいはしたということで、ニックもそれに対して堂々といろいろ答えると。そして、それが終わった後、ボール投げをしたときに、ニックが引っかかったボールを棒で落としてやると、ああ、ニック、すごいじゃないか、足が不自由でも大したもんだということで拍手喝采を受けて英雄気分になるというか。 ですから、これはハンディキャップの例ですけれども、自分の置かれている客観的状況を鋭くやっぱり認識させているんですね。そして、そういうハンディがあっても優れた点があるじゃないかということをみんなで評価する、たたえ合うという、こういう風潮なんですよね。 これが、どこがいいかというと、やっぱりどんなにつらい状況があっても、そこから事実として逃げないでそれをしっかりする、認識すると、そこから強い個人ができてくるんだと、そしてそういう個人の特性、特徴があればみんなでそれを褒めたたえると、こういう強い人間でオープンな環境、環境といいますか、教育の過程を描いているんだと僕は思うんですね。これは筆者、今井さんという筆者ですけれども、日本ではこういうことは恐らく取り上げられないだろうと言っているんですね。 それで、これも一例ですけれども、同じ資料二の、二ページ目ですけれども、日米教科書の内容の比較を若干やってみました。統計が出ています。 それで、ナンバー一の方の強い個人というところですけれども、この中にいろいろ、上がアメリカの教科書、括弧の中が日本の教科書で、そういうポイントが指摘されている部分が何か所あるかという個数の比較なんですけれども、例えば自己主張というのに関してはアメリカなんか七か所あると、日本はゼロと。自立心、独立心、向こうの教科書は七、日本はゼロと。それから、強い意志、向こうは十五、日本は一と、こういうふうになる。だから、強い個人という観点からだけ総計すると、アメリカの小学校の教科書では五十三か所に出てくると、強い個人というのはね。日本では七か所。 それから、ナンバー二の方を見ますと、創造性と個性というところがあるんですけれども、その内訳のチャレンジ精神というのを見ますと、向こうでは十四か所出てくると、日本では一か所。それから、一番下の人間関係、温かい人間関係というのは、向こうでもやっぱり人間関係の温かさということは決して価値のないものじゃなくて二十三か所出てくると。でも、日本の場合は、その約倍以上の五十四か所に出てくる。それで、向こうでもう一つ大事なのは、人間関係で緊張感のある人間関係というのが二十四か所出てくる。これは日本はゼロと。それから、一番下の優しさ、相手の気持ちになって考えるというか、ここが向こうでは二か所だけど日本は十六か所ある。それから、自己犠牲の精神、向こうはゼロ、それで日本の場合は八か所あると。 こういう大ざっぱな比較をしてみますと、やっぱり強い自己主張をするということに対しては余り積極的に評価がされていないと、日本の教科書の中では。それよりも、他人に対する思いやりとか、あるいは自己犠牲の方が非常に大きなウエートを占めていると。つまり、自己主張を抑え自己犠牲を勧めると、やや単純に言いますと、そういう考え方といいますか、そういうのがあるように私は思われるんですね。 これはこれで一つの価値観でもあるし、一概に何とも言えないんですけど、やはり自己を主張するということの中に自分の確立というのができてきますし、それから他者に対する、他者の存在を認めるということも、そして結果的にはいろんな共存共栄、競争していく中での強い個人というのができてくると思うんですね。こういう意味で、私は日本の特に低学年の教育においては自己の主張、自己の確立ということをもっともっと強調していいんじゃないかと思うんです。 そういう観点から、教科書の指導要領というのを見てみました。これ、文科省からいただいた資料なんですけど、昨日いただいたんですけど、教育課程を取り巻く現状と今後の学習指導要領改訂に向けた論点という、まさに論点として捉えているんですけどね。 その中で、学習指導要領の理念として、中心に最近非常に重きを置かれている生きる力と、こういう言葉、恐らく大臣のあれにもあったんじゃないかと思いますし、生きる力ということが盛んに強調されている。生きる力とは何か、非常にある意味で哲学的なんですよ、これね。それで、生きる力を構成するものとして三つ掲げている。確かな学力、豊かな心、健やかな体と、こういうふうに書いているんですね。 でも、この確かな学力というところで何を文科省が指導要領として言わんとしているか。基礎、基本を確実に身に付け、自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質、能力。これ、立派なことを書いているんですよ。主体的に判断し、問題を解決する資質や能力を高めていくと、これが確かな学力だと言っているんですね。でも、これはまあ間違いじゃないんだけど、よく考えると非常に自己完結型なんですね。他人を余り前提にしない自己完結型の目標なんですよ。そして、これ、豊かな心というところに、どういうことかというと、自らを律し、他人とともに協調し、他人を思いやる心や感動する心、これを非常に強調している、独立した項目として。あとは、体力ですね、健やかな体と。つまり、自分が主体的に判断し行動する人間になるということと、自分を律し、協調し、他人を思いやると、これが二つの車輪の軸のようになっているんですね。 これは、大きく言うと、やや欠けているものは、他人の存在、他人とどう競合するかという観点がやっぱりほとんどないんですよ。自己完結型の人間形成、そこで他人との関係は他人の思いやりというこっちに来ているんですね。他人との競争、まあ言葉はいわゆる他人との戦いとか競合、競争するとか、そこら辺の観点がほとんどない。 すると、やっぱり二十年前のこの教科書の比較とそう変わっていない。やはり僕は、日本の教育においては、自分の主張、そして他人とのディベートというか、他人と比較して自分はどこが個性があるのか、どう違うのか、どう優れているのか、いや、あるいはどこが自分は劣っているのか、こういうことを比較の過程で、単に協調とか思いやりではなくて、むしろ比較をすることではっきりと自己を確立させていくという、ここの観点が学習指導要領の中でも非常に弱いと私は思っているんですね。 そうすると、大人になって国際社会へ出ていって、ビジネスにしろ、いろんなある意味個人の付き合いにしろ、やっぱり他人と協調したり、戦ったり、いろんなことがありますよ。その中で、圧倒的な個人のそういう、まあ言葉がちょっとあれだけど、闘争力というとちょっとややけんかみたいなんだけど、そういう競合してやり合っていく力が弱いんですよ、日本というのは。また、そういう性向、傾向、そういう性向が極めて弱い。 ということは、基本的に自己主張しない、抑制がち。グローバルな社会では、自己主張をしないということは自己がないとみなされる。極端に言えばばかだとみなされる、に近いこともよくあるんです。そういう点は、なかなか小さいときからトレーニングし教育の中で自然に身に付けないと、いきなり、では国際社会でやり合っていきなさいといってもできないんですよ。これは後で言いますけど、法曹の世界においてもそう。 だから、私は、日本のすばらしい道徳も、非常にすばらしいんですけど、やっぱり世界の国はどんどん、西洋だけじゃなく中国も含めて自己主張型ですよ。強い自己主張をしてくるので、そういう中で対応していくには、もっともっと日本人の小さいときからの自己主張の力を付けていくという、こういう点を是非指導要領の中でも取り入れていただきたいと思っているんですけれども、こういう点についてどのようにお考えでしょうか、まず文科大臣、お願いします。
○国務大臣(下村博文君) まず、丸山委員には、委員長のときには大変、一年間お世話になりました。感謝申し上げたいと思います。 そして、先日、丸山委員がどこかで講演されたことを議事録で配付をされているということで、私の手元にも参りまして、日本人の気概、どう確立するかということで、大変すばらしい講演議事録を私も読ませていただきまして、感激をいたしました。 今のお話は、御指摘の点は、共感する部分とそれから必ずしも、そうおっしゃっているわけではないんですが、アメリカや西洋的な考え方の方が、あるいは教育の仕方の方がはるかにすばらしいということでもないとは思うんですけれども、しかし、そういう要素も取り入れなければならないということだというふうには思いますが、私は、これから人類が共生、調和の社会で生き抜くためには、逆に日本人のような考え方というのはますます世界の中で逆に広めていかなきゃいけないと、そういうふうに思うわけでありまして、競争、闘争、戦いの中に人類の未来はあるのかという限界が今いろんなところで出ているのではないかというふうに思います。 しかし、だからといって、委員がおっしゃるとおり、ただ思いやりとか優しさとか慈しみとか謙虚さとかいうことだけで何も発信しなかったら、それは全く存在そのものが他者から認識されないということでありますから、そういう心根の本来日本が培ってきたすばらしい部分は生かしながらも、学習指導要領においては、今後、これは日本だけの問題ではなくて近代工業化社会の中の学校制度の中では、一方的に教師が生徒に教えるという講義形式で、生徒、学生はインプットする、暗記、記憶を中心にただ受け入れているというような授業の仕方で、本当にアイデンティティーの人材育成ができるのか、あるいは、世界で伍して対等に議論したり仕事したり論争したりするような人材育成ができるのかということではこれはできないというふうに思いますし、こういう日本の本来のものを生かしながら学校の授業の中でも自ら主体的に学ぶ、そのためにディベート力とかコミュニケーション能力とか、それから道徳についても、この四月から「私たちの道徳」という教材を導入していますが、かつての道徳のように教師が一方的にこの道徳のこの物語はこういうふうに読み込むべきだ、こういうふうに解釈すべきだというような指導書ではなくて、このアメリカの事例にもありましたが、この物語を読んで実際にディベートしてもらいながら、それぞれ子供たちがどういう感覚で捉えて、一つだけこれだけが正しいということはないわけで、いろんな見方によって道徳についても価値観が多様化の見方というのはやっぱりあるわけです。そういう、それぞれが主体的に議論に道徳の時間も関わることによって、自ら考える力とか自ら生きる力とかいうことを育むという意味では、学習指導要領も、同じ例えば国語であっても中身をどう変えていくかと、授業の仕方を含めてですね、ということはもう問われてくると思います。 そもそも、その象徴が大学入学試験だというふうに思います。大学入学試験で今おっしゃったようなことも含めて問われているのかというと、全く問われていないわけですね、暗記、記憶中心の学力の判断と。しかし、それが本当に二十一世紀の社会で必要な全ての能力なのかというと、ごく一部しかないということで、抜本的な大学入学試験を変えていくということは、当然高校以下の学習指導要領も変えていくということで、今、高校以下の学習指導要領をその中身まで含めて、それから新たな教科まで含めてどう変えるかということについて検討しておりまして、それをできるだけこの秋には中央教育審議会に諮問をしていこうと考えております。 二十一世紀、あるべき日本における人材育成は何なのかという意味で、本質的な問題提起が今も問われたと思いますが、それは我が国そのものに今問われていると思いますので、抜本的な学習指導要領の改訂を是非進めていきたいと考えております。
○丸山和也君 ありがとうございます。 それで、一点追加しますけど、この生きる力という点で、文科省の方でも反省をしているんですね。生きる力を育むという理念はますます重要な一方で、必ずしも十分に実現できなかった要因として次のようなことがあるとして、生きる力の意味や必要性について文科省による趣旨の周知徹底が必ずしも十分ではなく、十分な共通理解がなされなかったと、こういう反省をされているんですけど、やはりこれは今も私が述べたような意味でも課題として残っていますので、生きる力を一つの大きな旗印とするのであれば、この生きる力というのは、ある意味で非常に深い概念だと思うんですね、今、大臣もおっしゃいましたように。そこに私流に言えば、やや他人と、単に優しくするんじゃなくて、共存し競争し、その中で相手の良さも見付けるけれども、やっぱり生き残っていく力という、そういう、やや他者との競争、競争というか、まあ所詮競争ですから、そういう観点も少し入れていただいたら有り難いと思います。 この点についてはそれだけにしまして、時間の関係で、次に法曹養成、これも文科省のあれなんですけれども、について少しお聞きしたいと思います。 昨今、ロースクールができ、また司法試験合格者も増えながら、またそのロースクールの維持の困難さ、あるいは志願者の減少、就職難等の関係で、ややそれが見直されている過渡期に入っていることは間違いありません。ただ、いわゆるグローバル化の中で、人も経済もあるいは国と国との関係も非常にリーガルな側面というのが重要視されてきているんですね。それで、国内だけじゃなくて、法曹というのも、社会的な中で日本の法曹をどう養成していくかということが課題になると思っています。 例えば、世界の十大ローファームというのは、ほとんどイギリスとアメリカでもう五分五分ぐらいですね、数から言いますと。それで、大体上が四千人、一つの法律事務所といいますかローファームで約四千人強、それから下が二千人ぐらいの、二千人から四千人ぐらいの十大ローファームがありますね。これはもうほとんど今のところはアメリカとイギリスで全部独占しています。もしかすると新しい発表で、中国の法律事務所が非常に買収をいろいろやっていまして急拡大をしているけれども、もしかすると、一番最新の発表が今年行われるとすれば、その中国の法律事務所が世界一になるかも分かりません。中国では毎年、司法試験合格者を数万人、四、五万人と聞いていますけど、四、五万人の司法試験合格者、中国版はあるということですから、それだけすごい勢いで数が増えているということですが。 片や、日本の場合、十大法律事務所というのは約、規模的に言うと、十分の一です、まあ四、五百人、五百人超えたかな、五百人弱ぐらいが一番大きい事務所で、あと二百人から五百人の間が十事務所ぐらいあると。約十分の一のサイズなんですね。 ところが、今、経済のシフトというのが非常にアジアに重点が来だしまして、アメリカ、イギリスのローファームもどんどんどんどんアジアにシフトしています。だから、逆に言うと日本も、そのリーガルサービスの必要性、日本企業、日本法人、いろんなものに対するアドバイスの提供、いろんな仕事が増えてくる傾向にあります。 ただ、残念ながら、日本の法曹がなかなか追い付いていかないと。結構伸びているんですけれども、国際法務ということになるとなかなか難しいといいますか、そこら辺が法曹人口、私も党の司法制度調査会の会長としていろいろやりまして、一旦は法曹人口千五百人程度に三年ぐらい掛けて減少せざるを得ないという答申を出したんですけれども、これが理想ではなくて、一旦ロースクールの問題もありますから絞りますけれども、やはり国際化の時代へ向けて再び力強い法曹養成をしていかなきゃならないと、質量共にと思っているんですね。そういう意味で、この法曹養成の問題というのは非常に大事だということと。 それから、もう一つ大事なのは、これ、一九八〇年頃にレーガン大統領が強いアメリカの復権といって打ち出したんですね。あの頃、高度成長の頃は、日本がどんどんいい物は作る、価格は安い、サービスはいいということで、アメリカは製品に関しては、物づくり、その価格、品質、サービスに関しては日本に勝てないということで、あの頃はエズラ・ヴォーゲルさんかな、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」という本が出たというようなこともありまして、日本がもう日の出の勢いだと、アメリカは非常に恐怖を抱いていたんですね。産業競争力において負けると、日本に勝てないんじゃないかと焦っていた時期でした。 そのときにアメリカが一つ発見したのは、日本の圧倒的に弱いのは製品とか価格とかサービスじゃない、リーガル紛争だと。だからリーガル紛争、要するに訴訟ですね、訴訟を、まあ吹っかければという言葉に等しいんですけれども、訴訟を仕掛ければ日本は圧倒的に弱いと。まず経験がない、訴訟を嫌がると。それから、何というか、熟練をした弁護士もいないと、そういうことですね。争いを嫌うという日本、だから訴訟をやれば必ず勝つというような何か自信をアメリカが持って、どんどんどんどん東芝、日立やもういろんな、IBMやいろんな訴訟が提起されて、莫大な賠償金というか、いろんなあれを払ってきたと思うんですね。これらも、やっぱりリーガルの側面の弱さがこういう、結局産業競争力の弱さということで、最終的なせっかく日本が生み出す価値が日本に帰属しないと、あるいは不当に持っていかれるという、国際競争の中で負けてしまうということになるんですね。 それで、これは単にリーガルな面だけじゃなくて、やっぱり日本において、国内においても、あるいは特に海外でもいいです、そういう訴訟をする、自己を主張し正々と堂々と闘うというマインドがやはり弱いんですよ。余りやらない。いい意味では仲よくしようと。ところが、それは相手にとれば弱みだというふうに映るわけですね、チャンスだと。ここらはやはり一気に、そういう強いあるいはディベートできる企業、社員、それから弁護士をつくろうといっても、やっぱり小さいときからのそういう教育によって、そういうことを是とする、あるいはそういうことの能力を持った人材を育てていかないと、企業の中にも、あるいはそれがまた弁護士にも、そうなっていかないと、国際リーガル紛争なんてなると、もう専担ですから、人材がいないんですよ、日本で。はっきり言って勝てないんだ。みすみす莫大な不当な金額を払ってきたのは幾らでも例がある。それで、司法の場ですから、やっぱり判決が下りれば、それは従わなきゃならない。それがジャスティスになりますから。 そういう意味で、国際リーガル紛争に勝ち残っていくためにも、やはり根底はそういう小さいときからのディベート能力とか自己を主張するとか、堂々と主張する、こういう能力を質量共に高めていく必要があると思っているんですけれども、そういう意味で教育ともこれはつながると思うんですけれども、初等中等教育局長、いかがでしょうか。
○政府参考人(小松親次郎君) 先ほど来の御質問の中で、まず司法の専門的な職業、特に国際的な活躍というものの下に、自らの意見を堂々と主張し、それから相手の意見とそれを併せて建設的にやっていくという、そういう積極面の教育がもっと必要ではないかという御主張がございますけれども、これが特に最も典型的に出るのが法廷等を舞台といたします法曹ということだと思います。 文部科学省、高等教育の部分ではプロセス養成ということで、丸山委員なども御尽力いただいております司法制度改革に教育としても関わっておりますけれども、一つは、特に小中高というようなところで申しますと、高等学校等においては政治経済や倫理やそういったものの内容の中でそういうものに触れさせておりますけれども、それよりもう少し下、小学校、中学校ぐらいになりますと、実は今の教科書においてはかなりディベートとか、それからそれには手順があって、相手の言うことを尊重しながら、しかしこちらは主張しなければいけない、そこからどういうものが出てくるかということを考えさせるような教科書に変えつつございます。今の学習指導要領でも、道徳ではなくて、例えば先ほど御指摘の国語のような教科書の中でも、学級会のような場を使って一つのテーマを設定して賛否を争わせるというようなことが教科書等としても出てきております。 こういった点で、関連付けを頭に置きながら、社会との接触や社会参加ということを頭に置きながらそちらの方向へ進めてきたというのが現在の学習指導要領の方向でございまして、先ほど大臣から答弁のありました今後の学習指導要領の全面改訂の中でも、そうした言わば能動的な学習、アクティブラーニングと言われますが、そういったものができるように、内容、方法等、それから教育条件の面での整備に努力をしていく必要があるというふうに考えております。
○丸山和也君 ありがとうございます。 是非、やや強調し過ぎるぐらい、そういうディベートの能力とか、相手の立場を認めてもしかし自己も主張すると、そういうぶつかり合う中から互いを認め合うというのは一番、けんかして仲よくなるという言葉が日本にもありますけれども、やっぱり適当なところでとどめていると、なかなか本当の信頼が生まれないということもあるんですね。だから、国際社会は、やっぱり激しい議論の応酬、ディベートの応酬の上に相手の本当の姿が分かり、自分も主張もでき、そしてお互いを認め合うことで本当の信頼が生まれてくると思うんですね。やはり、日本はそれを事前に抑制する事前抑制型が非常に、日本の特徴なんですけれども、強いものですから、集団主義と合わせて、だからそこが育ちにくいんですよ、そういう能力のある人が。社会環境的にもそうなんですよ。親もそうですし、子供だけでなく、教育だけではできないんですけれども。そういう意味で、やや特に意識的にそういうディベートをする能力を付けるように指導していただきたいと思います。よろしくお願いしておきます。 それから次に、大臣の所信の中にもあるんですけれども、科学技術イノベーションの推進というところで、今般のノーベル賞、中村修二さん外二名の青色発光ダイオードのうれしいニュースがありました。確かにうれしいんですけれども、これ単純にうれしいといって喜んでいられない側面が本当はあるんですよ。大臣に、これはもう水差すわけでは決してありません。 この青色発光ダイオードにつきましては、中村さんが日本で二〇〇一年ですか、東京地裁に訴訟を起こしました。要するに、職務発明の正当な対価を求めて訴訟を起こしたんですね。それが二〇〇四年に判決が出たと。最終的に決着して東京高裁で、判決が東京地裁で一月でしたかね、それでその十二月に東京高裁で和解が成立したと。ちょうど、だから十年前になるんですね。だから、このときは、その後、中村さんはカリフォルニア大学サンタバーバラ校へ行くんですけれども、そのときの捨てぜりふと言ったらちょっと悪いんだけれども、最後に残した言葉は、日本の社会は会社も司法も腐っていると、こういうところで未来はないと、研究者の未来もないという有名な言葉を発したんですよ。だから彼が悪いというのじゃないですよ。だから、そこに、その問題点というのを我々は決して忘れてはいけないと。その十年後にノーベル賞を取った。評価されたんですよ。 それで、一審には、御存じかと思いますけれども、二〇〇四年の一月でしたか、中村さんの請求が二百億円、概算二百億円の請求に対して満額を認めた、二百億円。それで、非常に大きなニュースになりました。それで裁判所の認定は、青色発光ダイオード、四〇四特許と言われているんですけれども、発明による会社の利益、会社が得た利益というのは六百億円だという、彼の貢献度は五〇%だと、だから彼を三百億円請求する権利があるとわざわざ言ったんだね。だけど、弁護士、中村さんが二百億円しか請求していないから二百億円を認めたと。まあ、百億円損しているんですけれどもね。これぐらいの大きな、ある意味でショッキングな影響を与えた判決だったんですね。 彼の弁護人も私もよく知っていますけれども、それでそのときはよかったんです。日亜科学の方は東京高裁に控訴しました。知財高裁がなかった頃ですね、控訴しました。そして、東京高裁の判事の、これは判決じゃありませんからあれですけれども、伝えられるところによると、結果は六億円と、四〇四特許その他百数十幾つの特許全部を合わせてもうたたき売りみたいなものですね、それで六億円ということで金額的にはまとまったと思います。六百億の六億で百分の一ですよね。ほかの特許も全部合わせているんですから、本当は三百分の一ぐらいの評価になったと思うんですね。 つまり、彼の特許、争いになったのは貢献度、六百億という会社にもたらした貢献はそんなに争われていなかったんですけれども、中村さんの発明の貢献度をどれだけに見るかというところで、会社側の主張は、要するに彼の個人の功績ではないんだと、これは。確かに発明は一部あったけど、それは発明にすぎないと。それを商品にするためにいろんな努力も要ったし、商品を売るためにはやっぱり営業も必要になるし、そもそも会社がやっていくためには一人の力ではどうもならないんだというこういう、単純に言えばそういう理屈ですよね。それで東京高裁は、そういうみんなの力でこうなっているんだから、あんたの発明だけの価値というのは、まあ恐らく、たしか僕の記憶では数千万円だと言ったと思うんですね、数千万ぐらいのものじゃないかと。だけど、いろんな特許を合わせて六億円と、遅延損害金みたいなのを入れて八億円になりましたけどね。そういう判定だった。 これを見ましても、非常に面白いというか日本的なんです。これを恐らくアメリカであったら、あるいはヨーロッパであったら、二百億円、高裁へ行ったら恐らく三百億円請求していると思いますね。それで認められる可能性も十分あった。ところが、やっぱり、個人の功績に対する評価というのが日本は非常に素直にしないんですよ。それは、もちろん営業のためにはセールスマンも必要だし、いろんな人要るけど、でも発明というこれがなかったら、この四〇四特許が、発明がなかったら、後ほどノーベル賞をもらうほどのこの発明がなかったら、あり得ないんですから。 どこに価値を置くかというところで、やっぱり日本は集団主義なんですよね。個人を余り高くは評価しない。それは、一つは妬みもあるんですよ、と私は思うんだ。最高裁長官だって、定年退職したって一億も退職金入らぬでしょう。まあこれは余談ですけれどもね。それをたったこんな、こんなって失礼なんだけど、特許を一つ発明して二百億とはとんでもないという、こういう感覚なんですよね、日本の社会というのは。 だから、個人が主張する、また個人が評価されるということが非常に難しい国であるということを我々は知って国際競争の中でやる。だから、中村さんは、司法も腐っていると言っていましたけど、会社も、日本の産業界、個人を認めない社会では研究なんかやっていられないということで行っちゃったんですけどね。頭脳流出と言われています。それから帰ってもきません、もちろん。だから、単純にこれが十年後にノーベル賞をもらってめでたいことだと喜んでいられないんですよね。 こういう問題があるということを我々は考えなきゃいけないし、その後特許法も改正されて、ややそれを制限するような、職務発明に対する対価の事前に取決めをした場合はそれに従うというような内容の、制限する法律改正がなされました。さらに、その後、今も話題になっているんですけど、更にそれを、職務発明そのものが個人の権利じゃなくて会社のものにしてしまったらどうかという議論すら一部出かかっていると聞いています。そうなると、これイノベーション大国、日本はアベノミクスの中で言っています、イノベーションに非常に重要にと。アベノミクスの成否も懸かっている。そういう発想からすると、やはり私は非常に危惧するんですよね。二百億、三百億が正当かどうかは別にして、極端に言えば二百億や三百億、それだけの価値があれば会社は払えばいいじゃないかと私なんかは思うんですけど、だけど、そういうのが司法も含めて抑え込まれてしまったという現実、一側面はあるんですよね。 だから、やっぱり世界で一番起業しやすい社会とか一番イノベーションの起こりやすい社会をつくっていくんだと、もうスローガンとしてはいいことがいっぱい掲げられているんですけれども、やはりこういう個人の華々しい貢献、これはもうスポーツにしたって、どの分野にしたってみんな一緒ですけれども、だから、やっぱりこれを素直に褒めたたえるというか、そういう気質というか風土をやっぱりつくっていく、これはやっぱり小さいときから、協調だけではできない。橋本先生おられますけど、立派なオリンピックアスリートですけど、やっぱり優れた人に対しては評価していくと、こういう風土をつくっていくことが必要じゃないかと思うんです。 例えば、オリンピックで金メダル取った人が、金メダルでも銀メダルでもいいんですけど、選手がインタビューで言いますよね。これ、私、国際比較をちょっとしてみたのよ、大ざっぱに。日本の選手の場合は必ず自分がやったとは言わないのね。コーチのおかげ、皆さんのおかげです、家族の励ましのおかげで金メダルが取れましたと言うのよね。おまえは努力していないのかと。でも、それは言わない、一言も言わない、ほとんどの人は言わないですよね。みんな、おかげで、おかげで、おかげさまで取れましたと。まあ、頭が非常に低姿勢なの。外国の選手は、私はこうやってやりましたとか、自分の能力を誇示するような選手が多い。これもやっぱり自己主張をすることに対する後ろめたさというか、それをプレッシャーを掛ける風土があるんですね。 これは学問書でも出ていますよ。社会科学者がこういう国際比較した、オリンピック選手のコメントをずっと比較したら、日本はもうほとんどいない、私の力でこうやりましたとか、私がこうであったから勝ちましたと言うのはまずいない。そういう教育になっているんですよ、だから。自分がやった、自分の力でやったと言うと、生意気なやつだなとか、おまえだけの力じゃないなと。これはこの青色発光の判決と全く同じなんですよ。 ここら辺について、私は、やっぱりジャパン・スタンダードも非常に、大臣おっしゃったように、他人を思いやる、バランスの取れた、いいんですけど、ややもう少し自己を主張するというふうにしないと、強い個人というか、それと、それをおおらかにたたえるという風土をつくっていかないと、やっぱり外国人も日本人と一緒にやっていくのに対して非常に閉鎖性を感じちゃう面があるんですよね。そこら辺について、もう時間がなくなってまいりましたので、一言感想をいただきたいと思うんですけど。
○委員長(水落敏栄君) どなたですか。
○丸山和也君 じゃ、高等教育局長。
○政府参考人(吉田大輔君) 今、丸山先生の方から貴重な御意見いただきまして、大変共感をする部分も多うございました。 私の担当いたします法科大学院の中でも、まさに教育の質的改善というところで、先ほど来ございますけれども、きちっと海外の人とも、協調しながらではございますけれども、論争をし、主張すべきところは主張をするような、そういった強い法曹を育てるべく教育内容の改善に努めておるところでございまして、そういった特色ある教育を行う大学院に対しましては私どもの方もきちんと支援をしてまいりたいと思っております。
○丸山和也君 やはり自己主張をするというのは、ビジネスとか個人の関係だけではなくて、国と国の関係でも非常に大事になってきていると思うんですよ。やっぱり、尖閣諸島の問題、それから歴史教育、それから慰安婦の問題、いろんなことがあります。その中でも、やっぱり反省するところは反省する、しかし、これは違うよと、ここはやっぱり誇りがあると、ここは間違っていないんだと、こういう自分の信念を臆せず堂々と国際社会の中で言っていかないと、黙っていると、やっぱり厚かましい者勝ちというか、吹っかけた方が既成事実になってしまうことがありましてね。だから、これから国と国との関係、あるいは民族と民族との関係でも、対立をあおるわけじゃ決してありませんけれども、共存共栄がもう第一目標なんですけど、それははっきりと主張をしないと信頼関係は生まれないと思うんですよ。 例えば、戦時徴用判決にしても、もう条約で完全にコンプリートリーに解決済みであるにもかかわらず、そういう認めるような判決が出てくると。これは国際法にも明らかにおかしいということを堂々と主張して、またそういう強制執行に対しては断固として受け付けないという姿勢で、日本政府も言っていると思うんですけれども、やっぱりそういう国と国との関係においても、他民族との関係においても、多少はやっぱり対立して当然なんですよ。対立して当然だけど、対立を恐れないで堂々と主張し、そして胸を張って主張するということで、相手もリスペクトというかそういうもの、あるいは、もうギブアップもするしリスペクトもするということになってくると思うんですね。ここらが、個人だけの問題じゃなくて、国と国と、国民と国民との間でも非常にこれからの社会では大事になってくると思うんですね、自己主張をしていくということが。これは他人をけなすことでも何でもなくて、やっぱり相手に対しても、自分を主張するということは、相手もこちらに対して主張する、その中で正しいことを認め付き合っていくという、こういうことになっていくと思うんですね。 だから、日本、もう最後に文部大臣にお聞きしますけれども、そういう姿勢が大事なんじゃないかと、私は国と国との関係においても思っているんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) さっきのスポーツ選手のコメントについては、これは日本人の美意識という部分にどう共感するかどうかという問題があるので、ちょっと違うところがあるんですが、しかし、政府や我々政治家がきちっと主張するべきというのはおっしゃるとおりだと思います。 実は今日も、アメリカのあるメディアが、日本の教育はグローバル教育をする一方で愛国教育をしていて矛盾しているんじゃないかという批判があったものですから、これは私の方がその反論記事で、日本人としてのアイデンティティー、これをきちっとつくりながら真のグローバル人材を育成するという意味で、別に愛国教育をしているわけじゃなくてアイデンティティー教育ですから、そういう誤解を、海外のメディアに対しても投稿しようと、そういうことも含めて、積極的に日本政府は発信すべきという、正すことは正すと、おっしゃるとおりだと思いますし、やっていきたいと思います。
○丸山和也君 質問を終わります。
○二之湯武史君 自由民主党の二之湯武史です。 本日も建設的な提言、議論をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。 まずもって、今年も多くの自然災害等々が起こりました。被害に遭われた方に心からお見舞いを申し上げたいと思います。 また、今月の十一日は、実は大津いじめ事件から丸三年という時間になります。その後も、あの事件を機に様々な法改正が行われたり、また各自治体においてはいじめ防止条例等々、全国的に取組が進んでいるわけでございますけれども、残念ながら、あの事件以降も報道等々では痛ましい事件の報道が相次いでおるところでございます。是非、今まで以上に一層実効性の上がる取組を心から期待したいというふうに思っております。 閉会中、私も地元の学校現場、小学校、中学校を中心にいろんなところを回らせていただきました。運動会とか様々な学校の行事がある中、大変お忙しい中、迷惑ではあったと思いますが、快く対応していただきまして、様々な現場の話というのも聞けましたし、授業なんかもたくさん見学させていただいて、現状の、今、学校現場若しくは子供たちの姿というのも改めて見てきた次第でございます。 そういった中に、行く先々で必ず異口同音におっしゃるのは、学校現場が大変疲弊していると、つまり非常に負荷が年々掛かってくると。そういった中で、非常に教職員の負担が増大していると。これはあくまで一般論ですが、こういった一般論に対して、まずどのような背景があるとお考えか、初等中等教育局長にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(小松親次郎君) お答えいたします。 教職員の負担が非常に大きなものとなっているという御指摘でございますけれども、今おっしゃられました理由、背景、要因は多様でございますけれども、我が国の学校におきましては、一つは教職員総数に占める教員の割合が非常に高いと。例えば、アメリカやイギリスですと五割台ぐらいです。五割前後ですけれども、日本では八割を占めております。そういたしますと、組織全体として、教員が極めて幅広い業務を引き受けなきゃいけないという事態が生じております。 それからさらに、近年は、いわゆる不登校や、それから問題行動、こういったものが増加する。さらには、障害によりまして特別な学習ニーズを必要とするようなお子さん方が増加するといったように、児童生徒のニーズが個別化、多様化しているということがこれに加わります。こうしたことから、先生方に求められる役割が複雑化、困難化しているということが背景にあると思います。 これに加えまして、保護者の方々への対応、さらには通学路の安全確保といったようなことなど、現在の学校に求められる役割が従来よりも拡大、多様化してきているということが背景にあるものと私ども考えております。
○二之湯武史君 ありがとうございます。 そこで、今日配付させていただいている資料のこの一枚目、御覧いただきたいんですけど、これはある教育委員会でいただいた資料でございまして、学校で取り扱う主な各種教育・指導ということでございます。教科の指導は当然ですが、その下の各種教育というところですね。人権・同和、特別支援、障害者理解、環境、安全、この辺からですと、国際理解とか視聴覚、図書館、情報、統計、職業・キャリア、租税、男女共同参画、消費者、金銭、福祉、平和、防災、健康、性教育、ものづくり教育と。年々一つか二つぐらいは増えているという、そういうイメージがあるようですけれども、こういう様々な社会の変化に対応することが学校現場に要請をされていると。そして、それにまた一つずつ応えていくことによって、そういったものの事務的な作業であるとか、要は企画書を作る、事業計画書を作る、その報告書を作る、そういった一つ一つの作業が、いわゆる今局長がおっしゃったように事務的な手間が非常に増えてきていると。 また、裏面には、各種指導という部分がありますが、こういった中にも、今おっしゃったように、交通安全とか少人数とか、英語もそうです、食育というものも最近社会的な要請が高まっています。元々ある保健や進路、生徒指導といったものと加えて、今のような社会の変化に対応しなければいけない業務が増えていると。 また、教員研修。研修というのも、私も今回いろいろお聞きしたんですが、様々なやっぱり取組を各自治体ないしは学校単独でもされておられますが、そういった研修も実はなかなか時間が取れないとか、本来そういった研修を一番していただきたいんですが、なかなかその時間が取れない、そういった悩みもお聞きをいたしました。 こういった中で、今まさに局長がおっしゃっていただいたことなんですけれども、教職員が、つまり、もう教員免許を持った有資格者が行うべき、若しくは有資格者でしかできない仕事と、いわゆる事務的に事務作業として行えるような仕事、こういったもの、今おっしゃったように八割が教職員という、日本の割合が高いということでしたけれども、そういったものもやはり考えていかなければ、確実に年々そういった学校へのニーズ若しくは負荷というのは高まっていくのではないかと。現場のお声を聞く限りそういうふうに考えましたので、そういった今後のあるべき望ましい役割分担、若しくはもう学校の組織、若しくは業務全般の役割分担、こういったことに関してどのようにお考えであるのか、これもまた局長にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(小松親次郎君) 根本的に、学校運営に関わる校務分掌、これは今、先生方によって担われておりますけれども、その中心になるべきものは授業を中心とする児童生徒と教育的に向き合う仕事、これは先生方にしかできない仕事と考えます。その授業そのものの在り方が、先ほど丸山先生のお話にもございましたが、今後に向けての主体的、能動的な学習ということを心掛けようといたしますれば、その手間や時間も相当掛かります。こういった点が先生でなければできない仕事ということになります。 それから、同じ生徒と向き合う仕事でも、例えば部活動のようなものがございます。これは部分によるかと思われます。地域の方々が協力していい成果が上がるという部分もたくさん出てまいると思います。もちろん授業でも社会人の先生方とかを入れることはありますけれども、土曜日や放課後の生徒と向き合う活動の中は様々な方々が入りやすいところでございます。 さらには、最近増やしております、先生とは違うけれども専門性を持った方々、例えばスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーといった方々、あるいは先生方の中でも栄養教諭や養護教諭といったような分担をしてくださる方々、こういった専門家集団で担うところがあると思います。それから、事務職員でございます。事務について忙殺されているというところは、事務職員によって本来賄うことができると思います。 これらの校務を十分整理をして、学校が組織として力を発揮するようにする必要があると思っておりますので、私どもとしてはその観点から今後の改善を図る必要があるということは基本的に思っております。
○二之湯武史君 総論としては非常に分かるんですが、もう具体的に、例えばスケジュール感を持って今みたいな問題に取り組むというような具体策、若しくはそういうスケジュール感というのはあるんでしょうか。もう一回、局長に。
○政府参考人(小松親次郎君) 私どもといたしましては、そのために、今般、向こう十年間の長期計画を立てまして教職員の定数改善を図りたいと考え、その初年度として来年度の概算要求をするということで、ただいま申し上げましたような形に沿いまして概算要求を提出しているところでございます。 したがいまして、関係方面の御理解が得られまして、そうした計画が実施に移せるように努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○二之湯武史君 済みません、もう一回確認なんですが、教職員の定数もそうですが、今申し上げたような職務の分担とか、いわゆる教職員以外の人材を積極的に学校に登用する、若しくは様々な地域等との協力を含めて、よりそもそもの教務に集中する体制をつくるという意味での具体策というふうに理解していいでしょうか。
○政府参考人(小松親次郎君) そのとおりでございます。 なお、今の御質問でちょっと付け加えさせていただきたいと思いますが、文部科学大臣から中央教育審議会に、いわゆるチーム学校という表現をいたしておりますが、ただいま申し上げましたような様々な専門性を持った人でその校務の在り方が改善できるようにするにはどうしたらいいかということを、この夏に諮問が行われております。現在、中央教育審議会でその審議中でございます。これをまとめて実行に移すようにしてまいりたいと思います。
○二之湯武史君 ありがとうございます。 次の資料を見ていただきたいんですが、各国における教員の平均労働時間という資料がございます。実は総合的な全て合わせた労働時間というのは、日本はこの調査国中で最長なんですよね。しかも圧倒的に長いんです。平均が三十八・三時間に対して日本は五十三・九時間ということで、十五時間以上実は長時間労働をされていると。一方で、一方で本来、教職員、つまり教職免許を持った方が全力を投じるべきである授業という時間は、実は平均を下回っているんですね。平均が十九・三時間に対して日本の授業に使われた時間というのは十七・七時間と。 つまり、ここのデータから読み取れるのは、時間は長い、しかし本来割くべき業務に割けていない、つまり授業に割けていないと、こういうことが単純に申し上げて浮かび上がるのかなと。 その次の資料をめくっていただきたいんですが、それを裏付けるデータとして、一般的事務業務に使った時間、これは平均のやはり倍近くになっております。若しくは課外活動、これは恐らく部活動とかのことだと思いますが、これも三・五倍ほど時間が掛かっていると。 要は、こういうことにも教員の方々が時間を取られ、そして本来、本来というか一番力を注いでいただきたい授業の方に時間が使えていないと、こういう現状がデータとしても、若しくは国際比較としても見られていると。この辺はしっかりと踏まえていただきたいと思いますし、まさに教育というのは待ったなしだと私は思いますので、スピード感を持ってこういった現場の現状を改善していただくように心からお願いを申し上げたいというふうに思います。 その資料の裏をまた御覧いただきたいんですが、そういった、私は、精神的にも時間的にも余裕がない、これが今偽らざる、特に小学校ですね、中学校はまだ教科担当でございますので、若干小学校に比べると定員の余裕があると、これはまあ学校現場なんかの声ですが、小学校は非常に厳しいということを私も実感をいたしました。 そういった中で、例えば生徒の自己肯定感がよく議題に上がりますけれども、そもそも先生自体に自己肯定感が諸外国と比べたら弱いというデータもございます。例えば、教室内の秩序を乱す行動を自分は抑えられるだろうか、日本の先生たちの半分しか絶対できる若しくはかなりできると答えておられないんですね。とか、例えば教室の決まりを従わせるでありますとか、生徒を落ち着かせるでありますとか、そういった学級運営にしても教科指導にしても、特に一番下の生徒の主体的学習参加の促進というようなところは平均を大きく下回る、もう二割にも満たないような項目もございます。 これは、一概に何が原因かとは言えませんが、私はやはり現場の余りにも負担というものが大きい、それは時間的なものもそうですが精神的なものもあるというふうに思っているわけでございまして、今申し上げましたように、こういった現状を何とか改善ができる方向にスピード感を持って進めていただきたいと、これはまた是非大臣の御決意のほどをよろしくお願いします。一言、済みません。
○国務大臣(下村博文君) これはもうおっしゃるとおりだというふうに思います。 先ほど小松局長から話がありましたように、来年度の平成二十七年度からこれに着手をし、これから十か年の教職員定数改善計画、そしてチーム学校、こういう形で、学校の先生方が自らの職業に誇りを持って、そして子供と向き合う時間が確保されるような環境づくりに力を尽くしてまいりたいと思います。
○二之湯武史君 ありがとうございます。 これは、今までの、えてして教育行政においては、我々保守系と若しくはそうではないというところの、まあ不毛とは言いませんが、そういった対立を乗り越えるところに次世代の教育があるのかなというふうに思っておりますし、これは是非よろしくお願い申し上げます。 続きまして、次のテーマで行きますが、大学の国際競争力、これも大臣の所信にもございましたし、常々大学力は国力であるというふうにおっしゃっておられ、私も全くそのとおりだと思っております。 今回、ノーベル賞の受賞もございましたが、やはり日本の技術力、こういったものはまだまだ世界の最高水準にあると言っても過言ではないと思います。また、今回は徳島大学でありますとか名城大学でありますとか、これまでのノーベル賞受賞者の学歴、経歴とはまた一風変わった大学の名前も出てきました。非常にその裾野が広いということも非常にうれしい限りであると思います。 そういった意味で、大学の国際競争力の強化ということに対してもう一度具体的なその目標と、そしてそれに対する具体策というものを大臣からお聞きをしたいというふうに思います。
○国務大臣(下村博文君) 我が国は七百八十三の大学がありますが、その中でグローバルユニバーシティー、これはトップ型とそれから牽引型、合わせて先日三十四校指定いたしました。特にグローバルユニバーシティー、トップ型の十四校は、これから十年以内に世界トップ大学ランキング百位以内に十校入ることを目標にしながら支援をしていきたいと思っております。 そのために、各大学が、例えば十年後までに大学の教授、外国人あるいは外国で単位を取った人の占める割合を五〇%クリアするとか、あるいは英語教育を三分の一以上の授業で行うとか、それから民間のTOEFLとかTOEICとか英検とか、そういうふうなものを入学試験で活用することによって、読む、聞く、話す、書く、四分野におけるバランスの取れた語学教育を強化する等々を行うことによって、逆に言えばこの部分が我が国でほかのトップレベルの大学と比べて欠けている部分でありますから、こういうところを強化しながら、まさに日本の大学が世界で評価され、海外からも日本の大学や大学院に留学したいというようなバックアップをしてまいりたいと思います。
○二之湯武史君 ありがとうございます。 これ、前回も、前回というか何回か前の委員会にもちょっと提出させていただいた資料なんですが、もう一回ちょっと見ていただけますでしょうか。まあ、私、へび年なんでしつこいので。 この日本の研究水準の部分の資料でございますけれども、今大臣がおっしゃっていただいたとおり、とにかく大学力は国力であると、それはもう全くそのとおりでございます。そういった中で、やはり、これは論文の被引用数でございますけれども、理工系は世界から高く評価されているものの、人文系については改善の余地があると。 この人文系の経済学、ビジネスというのは、いわゆるアカデミックの分野の話だと思われますけれども、それ以外の理系の方は、現状でもベスト百どころかベスト三十にもずらずら大学が入っております。これはあくまで論文の引用数でございますけれども、先ほど大臣がおっしゃったような英語における授業とか、つまり国際性というものは日本の大学は総じて低い。そういう部分は改善すればランキングというものは飛躍的に高めることはできると思いますが、実質的な部分で、今回のノーベル賞等々を含めてまだまだ日本の理科系の大学というのは世界でもかなり高い水準にあるということが裏付けられたと思いますが、それをまた裏返していただきます。 また同じ主張をさせていただきますけれども、要は、日本のビジネススクールは世界のトップ百に一つも入っていないという現状がございます。先ほど丸山議員からも同じような趣旨の話がありました。つまり、技術等々で日本が先行優位性を持っていても、それがビジネスとか国際ルールとかそういった段階になってしまうと、残念ながら世界の後塵を拝してしまうというような残念な状況が散見をされるわけでございます。 そのうちの一つの要素として、先ほど丸山議員が質問されたリーガルの世界での競争力というものもあると思いますけれども、一方で、私は、マネジメントの部分での競争力、こういったものも今現状日本には欠けている部分なのではないかということは思っております。 その中で、今、国立私立問わず、経営系の専門職大学院というものができておりますが、残念ながら世界的な評価を受けるには至っていないというのが偽らざる現状だと思いますけれども、まさに、この分野における取組若しくはその目標、目標は先ほどおっしゃった世界のトップ百、十校、それも、まああれは総合的な大学評価でございますので、是非こういった専門的なランキング内においても、例えば経営学の部分であるとか、例えばアメリカの大学院のランキングを見ますともっと細分化されています。ファイナンスであるとか会計であるとかマーケティングであるとかそういった部分に関しても、まさにこれは文系の経営系の専門職大学院に関しても、同じぐらいの熱意若しくは具体的な目標を持って取り組んでいただきたい、若しくはそういう具体策があれば是非お伺いをしたいというふうに思います。これも大臣からよろしくお願いします。
○国務大臣(下村博文君) 済みません、先ほどのグローバル大学は三十七大学でございましたので、訂正いたします。 この三十七大学で、実際、大学生の占める割合が二〇%、ですから相当、総合大学が入っているということもありますが、グローバルユニバーシティーというのはかなり裾野が広いエリアに我が国においても影響するということで申し上げたいと思います。 それから、先日、京都でSTSフォーラムという科学技術のダボス会議、これ日本で主催しているわけですが、そこで、世界のノーベル賞受賞者の方もたくさん来られまして、話をする機会がありました。その中で、日本がこのトップテンに入っていない、あるいは日本の大学が、あるいは日本の学者が評価されていない一つの理由として、日本語論文だけを書いていると。もっとそれを英語で世界に発信して、ただネットで発信するだけでもいいから、英語と日本語両方を是非発信するということを日本の学者に伝えてほしいという話がありました。特に、この文科系はまさにそうだと思うんですね。文科系は、もう国内といいますか日本語の論文だけしか視野になくて、海外に英語で発信するというようなことをするだけでも相当まず違ってくる部分があるんではないかというふうに思いました。 ただ、今、二之湯委員から指摘がありましたように、確かにこのマーケティング部門、それからマネジメント部分ですね、この分野における専門的、実践的な能力を有する人材の育成もこれから更に重要だというふうに思います。大学がビジネスの現場と連携して実践的な教育手法を導入する取組とか、また、グローバル人材育成等に向けて大学の徹底した国際化を進める取組等、文部科学省としても更に支援をしていきたいというふうに思います。 このようなことによって、マーケティングやマネジメント等の分野を含めた大学の競争力についてしっかり対応してまいりたいと思います。
○二之湯武史君 ありがとうございます。 最後におっしゃられたまさにその学び直しを、大学院教育を盛んにしようとすれば、本当に受皿の企業側がそれを理解できるか、そしてそういった、学び直したから給料が上がった、学び直したからキャリアアップができたと、そういう社会をつくらなければ、何のメリットもないのに大学院に行くわけないので、そういった企業側の理解も含めて、是非強力に進めていただきたいというふうに思います。 続きまして、日本遺産事業についてお伺いいたします。 これは、来年度、文化庁から提言され、そして実施される事業でございますけれども、これまで大臣もおっしゃられておりました文化財の保護、保存という観点が大変重視された文化庁でありましたが、そういった文化財を利活用することによって、地域を含め経済、地域を、社会を活性化していけるんじゃないかと、私もそれはもう本当にそのように思いますし、そういったこの日本遺産、この文化財を活用した地域活性化と、こういったものを進めていただくというのは大変有り難いことだと思います。 この日本遺産の事業概要を見ますと、我が国の地域に点在する有形、無形の文化財をパッケージ化し、そして我が国の文化、伝統を語るストーリーを日本遺産に認定する仕組みを新たに創設、歴史的魅力にあふれた文化財群を地域主体で総合的に整備、活用し、世界に戦略的に発信することにより地域の活性化を図ると、こうありますが、やはり一つのめどは二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックであると思いますが、どういった体制でこの日本遺産というものを、実際、その日本遺産の認知度でありますとかブランド価値が高まらないと地域の活性化にもつながっていかないわけでございますし、そういったものをどのように実際活用し、地域の経済活性につなげていくのか。また、観光庁との連携という視点も大変大事だと思いますが、そういった他省庁との連携を含めて、この日本遺産をどのように盛り上げていくのかという御決意をお願いをしたいと思います。
○副大臣(藤井基之君) ありがとうございます。 今、二之湯先生から日本遺産に対して非常に御理解ある御発言を頂戴して、そして指摘された問題点についても我々も同じような意識を持っておりまして、今後とも引き続いて御指導いただきたいと思っておりますが。 現在、文部科学省におきましては、この施策というものを、明らかに今言われたとおりですが、今までの過去の文化財行政の問題点を発展的に解消して、より世界に広めたいという意識でございます。そして、これについては、今御指摘あったとおりですが、実は二十七年度からこれをやらせていただきたいということで、今、日本遺産検討委員会で精力的にその内容を詰めているところでございまして、概算要求で、予算額としましては一応二十七年度十五億強の予算を今時点では要求をしております。 今先生がお話しされたとおりでございますが、この各自治体の行う事業を本事業を通じて我々としてはそれを支援していくという、そういうスタンスの中で各自治体の意見をこれから取り込んでいかなければいけないと思っておりますが、現時点におきましても実は数多くの市町村からこれに対するお問合せを受けているのが実態でございまして、期待の高さを我々も感じているところでございます。 この日本遺産事業、おっしゃるとおりでして、日本の各地域にいろいろと点在する魅力あるそういった文化財、これは本当に多くあると思うんですね。これが今までどうも日の目を見ていなかったかもしれない。これについては市町村の方の方がよく御存じですから、自分の村や自分の町にはこんなものがある、やはりそれを世界の方、日本の方により知ってもらいたい、そして理解してもらいたい、そしてできることならそういったものについてもっともっとなじんでもらいたいんだと、こういう意識だと思っておりまして、これは私どもとしてやらせていただきたいと思っております。 今先生から御指摘がありましたとおり、実際のこの事業の実施の担い手になりますのが市町村になるわけでございます。ですから、私どもとしては、文化財担当部局のみならず地域振興とか観光振興の関連部局とか、あるいは地域のNPOでありますとか商工会議所等の民間団体と連携協力して、地域全体で取り組んでいく体制を整備することが望ましいと考えております。 したがいまして、私ども文部科学省としましても、本事業の実施に当たりましては、専門的な観点からの指導、助言のほか、観光庁を始め関係省庁とも連携協力して、政府全体で自治体の取組を積極的に支援してまいりたいと考えております。
○二之湯武史君 藤井副大臣から力強いお言葉をいただきまして、ありがとうございます。 私の選挙区の滋賀県も古くは近江の国でございますので、例えば戦国の歴史資産であるとか、全国で唯一、東海道と中山道が合流しているところでございますので、いわゆる街道文化でもございます。また、古くから、実は人口当たりにおけるお寺の数というのは滋賀県が一番なんですね、つまり、そういう非常に信仰深い地域でありましたし、寺、神社の集積も非常に大きいと。しかし、残念ながら観光につながっていないと。 まさにこれは私の選挙区の滋賀県のための事業であるというふうに思っておりますし、早速もう先日の十二日に自民党の滋賀県連の中に勉強会を立ち上げて、一回目の意見交換会ということを、自治体関係者や観光産業の関係者、観光協会とか商工会議所とかそういった方々にもお集まりをいただいて、早速勉強会をさせていただいております。是非頑張っていきたいと思っております。 そういった地域の取組が今の地方創生の流れにつながっていけばすばらしいと思いますし、まさにその目玉の一つとして、今年度のみならず、少なくとも東京オリンピック・パラリンピックの二〇二〇年度までは、この現在の予算規模ないしは更にそれを上回る規模でしっかりとこの地域の観光若しくは文化財を活用した地域経済活性化、これに取り組んでいただきたいというふうに思います。 是非力強いお言葉をよろしくお願いします。
○副大臣(藤井基之君) ありがとうございます。 今、二之湯先生からお話あったとおりでございまして、私どもは、先ほど申し上げたように、取りあえず次年度に初めて予算要求をさせていただいております。そして、この日本遺産の事業は、予算の形から申し上げますと国庫補助事業という形になっておりまして、それ自体は単年度の事業という形を取らせていただいております。 しかし、先生が今御指摘されたとおりでございまして、二〇二〇年の東京オリンピックまでは、年間の訪日外国人旅行者の数を二千万、これを達成するという政府方針もございますし、本事業そのものがインバウンドにも大いに資するものと私どもは考えております。 したがいまして、少なくとも東京オリンピックまでは事業を継続して、自治体の取組を支援できるよう努力してまいりたいと思っております。御支援をお願いします。
○二之湯武史君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。 続きまして、次のテーマ、これも文化に関係することでございますが、和食について取り上げさせていただきたいと思います。 この委員会でも何回か申し上げましたが、私も実は自民党内に日本食文化普及推進議員連盟という議員連盟を立ち上げさせていただきまして、なぜかと申しますと、随分前、もう十一年前になりますけれども、京都の料亭、料理組合という組合の関係者とNPOを立ち上げまして、そして事あるごとに、様々な海外の普及イベント若しくは政府主催の晩さん会とか、そういったものに対して御協力をさせていただいておりました。それが今回の和食の世界遺産認定に少しはつながった、貢献したというふうに自負しているわけでございますけれども、当選後、それを踏まえて議員連盟を立ち上げさせていただき、そして今、まあ自民党だけなんですが百三十数人の御加入をいただいて、精力的に勉強会を開いているところでございます。 今回、大臣の所信の中に和食という言葉がなくて、大変ちょっと寂しい思いをいたしました。実はこれ、今省庁でいえば農水が非常に熱心に取り組んでおられますが、全世界に例えば五万五千軒、和食店というのはございます。若しくは、今日資料にも添付させていただきましたが、訪日外国人が日本で期待するイベントのトップというのは、これ日本食を食べることなんですね。圧倒的にトップなんです。例えば温泉とか、例えば日本の歴史文化を体験するとかよりも、圧倒的にやっぱり和食を食べたいんですね。 その次のページをめくっていただきますと、今、世界に求められている日本料理とあります。これは、世界各国で好きな料理かつ外食で食べる外国料理はどれですかと複数回答可で聞きますと、アメリカ以外、全部トップは和食なんですね。これだけの今世界で認知度を、しっかりと地に足の付いた認知度を確保しているわけです。 〔委員長退席、理事石井浩郎君着席〕 これをもっと戦略的な文化資産として活用するということは、私は非常にこれは大事なことではないかというふうに考えておりまして、その議連でも様々な勉強会をし、昨年度、概算要求前にもいろんな省庁に申入れをさせていただきました。残念ながら、文科省はちょっとアポが取れなくて行けなかったんですけれども。 こういう、もう少し、例えば五万五千軒の和食料理屋、これほとんど、九九・九パーが非日本人の経営なんですね。ほとんどが日本酒サーブされていないんです。もし一日一本、単価二千円としますと、これ今計算しましたら、大体四百億なんですね。一日、例えばこの五万五千軒の料理屋で五本使われれば、これ二千億、単純にすればですよ、それぐらいの実はボリュームのある分野なんです。 ここは是非、私はまず、文化庁もそうですが、是非こういった重要性というものを再認識をしていただきたいと思いますし、当然認識はしていただいておりますが、文化庁の中でもできることってたくさんあると思うんです。例えば文化交流使事業でありますとか、若しくは様々な国際交流事業の中にも、残念ながら、私、文化庁から予算をいただいてそういう事業をやったことは実はまだないんですね、民間人時代ですね。やはり国際交流基金とかジェトロとか、そういう枠組みになっちゃうんですね。 だから、やはり文化庁として、当然、その生活、文化の中に食文化というのは含まれているんですけれども、やはり特出しでこれを振興していくというようなものがあれば、一層今のこの流れに加速が付くんじゃないかということをちょっと申し上げたいんですが、いかがでしょうか。
○副大臣(藤井基之君) 今お話があったとおりでして、「和食 日本人の伝統的な食文化」という副題を付けておりますが、それが昨年、ユネスコの無形文化遺産に登録されたわけでございまして、これについては先生方の御支援を本当に感謝申し上げたいと思っております。 実は、今和食の話がございました。つい先日、日刊紙がこういう見出し、出しているんですね。何かといったら、和食がこれ、日本語じゃないというか、WASHOKUと書かれている。つまり、和食というのはもうそういう用語にそろそろなってきているんじゃないかという認識を私どもも持っております。 ただ、それを一層発展させていくことというのは、これはまさに先生の今の御趣旨に沿うものだと思っております。御存じのとおり、和食というものは自然の尊重という日本人の精神をこれ体現したものだと思っておりまして、食に関する社会的な慣習が評価されたもので、その継承とそしてその活用、これを図らなければならないと考えております。 私ども文部科学省、先ほど先生のところにそういった補助金も何ももらっていないと、こういう話があったんですが、実は和食の登録を契機にしまして、新たに食文化関係者を文化使節として海外に派遣するということの事業を始めました。実は、この最初、第一号というのは実は二十六年でございまして、先生のところに間に合わなかったということで申し訳ございません。 こういった、これは一つの私どもの行政の動きでございますが、和食文化の海外への普及、これについて積極的に取り組んでいきたいと思っておりますし、また和食の次世代への継承という問題につきましても、これは学校における食育を推進する、このことが結果として和食文化の普及につながるんであろうと思って、あっ、済みません、先ほどの文化交流使ですか、和食の、失礼しました。 〔理事石井浩郎君退席、委員長着席〕 和食に関しましては、今お話あって、私どもの文部科学省の方に話を持っていけなかったという話がございましたが、御存じのとおり、農林水産省さん、そして外務省さん、この二省庁も積極的に継承、活用の取組をやっているところでございまして、今年の七月には、私ども文化庁の呼びかけによりまして、三省庁で関係省庁連絡会議を設置して連携を図っているところでございまして、三省合わさって積極的に対応したいと思っております。 文部科学省としても、今後とも関係省庁と連携をするとともに、我が国の伝統的な食文化の次世代への着実な継承、そしてその魅力の国内外への発信、しっかりと取り組んでいきたいと思っております。
○二之湯武史君 ありがとうございました。また議連の方からも積極的に政策提言させていただきたいというふうに思います。 最後に、スポーツ庁についてお伺いしたいと思います。 スポーツ庁が検討されているということなんですが、その中のスポーツビジネスについてちょっと今日はお伺いしたいと思うんですが、そのスポーツ庁の今想定されている中にスポーツビジネスというのはどういう位置付けになっているか、ちょっと簡潔にお答えいただければ有り難いんですが。若しくは、なければないで結構です。
○政府参考人(久保公人君) 現在要求いたしておりますスポーツ庁の要求の中におきましては、スポーツに関する施策を総合的、計画的に実施する観点から、どこでもスポーツができる地域のスポーツ環境を整備するといった観点での民間スポーツ施設も含めた地域スポーツコミュニティーの育成、さらにスポーツ界を基盤整備するという意味でのマーケティングも含めたスポーツ団体の育成といった観点のスポーツビジネスの進展、振興も視野に入れた要求をしているところでございます。
○二之湯武史君 ありがとうございます。 ちょっとこの委員会で該当するかどうか分かりませんが、プロスポーツ、スポーツビジネスという観点で最後にちょっとだけお話をさせていただきたいというふうに思います。 私、子供のときは、我々の年代はぎりぎりでもう野球世代の最後だと思うんですね。もう、とにかく毎日ゴールデンタイムに三カード、四カード野球をやって、二時間、二時間半、野球放送を地上波でやっていた最後の世代だと思いますけれども、やはり、野球でいえば野茂投手から始まる、要は超一流のクラスはメジャーに行ってしまう。サッカーでいっても中田英寿選手から始まる超一流選手は海外に行く、こういった流れが残念ながら定着をしてしまっている。そういった意味で、我々日本国民としては、自国の超一流のスポーツ選手のプレーを自国で残念ながらなかなか見る機会を失っていると、若しくはそういったプロスポーツ全般の活気なり、若しくは一部競技レベルも含めて停滞ないしは少し落ちていると。こういったものは我々国民にとっては残念なことだというふうに思っております。 それはやはり、一つは、プロスポーツというのはビジネスですから、これを今日、世界と日本のサッカークラブ売上比較というのを出させていただいたんですが、私、まあ大変サッカーが好きで、若いときはヨーロッパまで試合をわざわざ見に行ったりしておりました。今、サッカークラブでいいますと、レアルマドリードというのが、これ単位、ユーロでございますので、大体日本円にすると売上げ七百億ぐらいあるんですね。そういったクラブがずらっと並んでおります。一方で、Jリーグで一番売上げの高いのは浦和レッズでございますが、これ五十三億なんですね。 もっとその中身を見てみますと、この裏見てください。例えば、レアルマドリーは、マッチデー、つまりこれは入場料若しくは競技場の中での物販収入です。そしてテレビ放映権、そしてコマーシャル、これは例えば胸、ユニホームに付けるスポンサーとか、そういったものですね。こういったものが非常にバランス良く、かなり高い水準でバランスされているわけですね。一方で、これに日本の資料は付けておりませんが、日本にないのは何か。これ放映権ほとんどないんです。ほとんどないんですね。 実は、イングランド・プレミアリーグというリーグがありますが、これはリーグが一括して放映権を管理しているんですね。今年、これちょっと通告ありませんのであれなんですが、大体イングランド・プレミアリーグの一年間の放映権って大体どれぐらいだと思われますかと。これ三千億なんですよ、三千億。そのうちの実は三対二の割合なので四〇%は海外からの放映権収入なんですね。つまり、一年間で千二百億の放映権収入がイギリスに、イングランドのプレミアリーグに自動的に入ってくると。そして、そのうちの半分が東南アジアなんです、六百億。 これだけ世界各国でマーケティングをし、そしてその国の一流選手を自国のリーグに引っ張り、そしてその自国の、まあ我々日本人がそうですよね、例えば香川がドイツにいる、本田がイタリアにいると、そうしたらああいうスカパーやWOWOWの加入者がぐっと上がるわけですね。こういったマーケティング戦略も含めたこのプロスポーツ戦略というのは、私は非常に日本は遅れている。しかし、Jリーグは最近頑張り始めているんですね。 こういったところはスポーツ庁の範疇になるのか、若しくは、ならなくても何らかのそういった戦略的な支援なりそういったものが私は必要じゃないかと思うんですが、最後にそのことだけ、大臣よろしいですか。じゃ、お願いします。
○国務大臣(下村博文君) おっしゃるとおりだと思います。 今、JOC正式加盟の中で、スポーツ団体というのは十一団体あります。その中で、日本は、最もプロスポーツで成功しているのは野球だというふうに思いますが、これは年間トータルで二千万人ぐらい動員を、観光客、しているそうで、サッカーはJリーグ八百万ぐらいですから、成功しているとはいえ野球から比べるとまだまだ少ないと。しかし、Jリーグ的なノウハウというのは大変すばらしいと思います。 これは私、石破大臣のところに行って、地方創生の中にこのスポーツを入れたらいいのではないかと。これは企業だけでなく地元自治体、それからNPO、地域ぐるみでそこの団体を、まあどんなスポーツでもいいんですが支援をするということで、地域創生にもつながるということを、今、文部科学省としても地方創生の中の一つのメニューとして進めております。 そして、二〇一六年には、世界経済フォーラム、ダボス会議のシュワブ会長と話して、日本でスポーツ・文化ダボス会議を二〇一六年に世界二千人の方々集めて、規模で開きたい。その中に、スポーツの文化、トップアスリートやアーティスト、それからスポーツビジネス関係、それから文化のビジネス関係もそうですが、そういう拠点をつくっていきたいと。これは日本にとっても成長のチャンスとして、このスポーツをビジネスとして捉えるというのは大変重要なことだと思いますし、そういう視点から、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックを目指して戦略をつくってまいりたいと思います。
○二之湯武史君 時間も参りました。 堀内先生と石井先生の前に野球の質問をするのはどうかなと思いまして、今日はサッカーにさせていただきましたが、これからもスポーツビジネスもしっかり提言をしていきたいというふうに思います。 ありがとうございました。
○西村まさみ君 民主党の西村まさみでございます。 初めてこの委員会で質問をさせていただきます。大臣始め、皆様、どうぞよろしくお願いをいたします。 今、様々スポーツの話が出ておりましたけれども、大臣の所信の中でも、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会は、我が国が活力を取り戻す弾みとなるものです云々とありまして、その後、東京大会の前年には我が国でラグビーワールドカップが開催されます、両大会の一体的な準備に配慮しつつ、国立霞ケ丘競技場の改築など、インフラ整備や競技者の育成強化などに取り組みますとおっしゃってくださいました。 私自身も、ラグビーワールドカップについては、度々本会議そして決算委員会などで質問をさせていただきましたし、何よりも、昨年東京オリンピック開催決定する前に、二〇〇九年の七月で、我が国の中でラグビーワールドカップが開催されるということが決まったわけであります。とにかく、今、何となく世の中のムードが東京オリンピック・パラリンピックに向けてというような風潮になりつつありますが、その前年に、やはり大きな、世界で言うと三番目のスポーツイベントのラグビーワールドカップ日本大会があるわけですから、焦点を少し前に戻していただきたいというのがまず一番のお願いなんですが、やはりこのラグビーのワールドカップ日本大会は、自民党森元総理を始め、多くの国会議員、そして多くの皆様の願いがかなった大会であります。御承知のように、ラグビーの伝統国でもありませんし、アジアの中でも初めての開催となるわけです。是非とも、このオリンピック・パラリンピックの成功の鍵を握るのがラグビーワールドカップ二〇一九年大会だという認識を共通のものとして、まさにそのときに向けて、日本がいわゆる世界に向けて復興を成し遂げているんだということをアピールする大変大きな場だと考えています。 ところが、今、残念ながら、予算委員会の中で我が蓮舫議員が御指摘させていただいたように、入札の手続のやり直しだったり談合の疑惑があったりという残念なこともありました。しかし、今ここでそれを追及するのではなくて、先に向けて、まさに健康で健やかなといったところを含めたところでは、まず間に合わなければ、インフラ整備もそうです、国立競技場の改築もそうです、それも間に合わなければ何の意味もないということで、改めて大臣にお尋ねしたいと思うんですが。 本来であれば、八月二十日付けのJSCの発表によると、先月九月から来年の九月までがいわゆる解体、そして来年十月から二〇一九年ワールドカップの開催年の三月、これが建設工事、既にもう今年、十月半ばとなって、一か月ちょっと遅れているわけです。この国立競技場の解体工事の遅れについて、やっぱり所信で大臣が述べられたように、一体化するときに、本当に今現在で準備が万全として進んでいるのか。今、もちろん入札のやり直し等あると思いますが、それを例えばしたとしても、二〇一九年の少なくとも早い段階で工事が済んで、きちっとそれをアピールしなければならない。そして、今大臣おっしゃいましたが、二〇一六年にはこの我が国日本で世界スポーツ会議が開催されるということであれば、まさにその途中の経過を多くのスポーツ関係者の皆様にお知らせするいい機会だと思うんですが、果たして間に合うのかどうかということをまず大臣にお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、ラグビーワールドカップは世界三大大会の一つということで大変注目を浴びている、世界的にはですね、ものですが、我が国は残念ながらまだそこまでのメジャーなイメージはありませんが、しかし、初めて二〇一九年、我が国でラグビーワールドカップを開催することになったわけでございますし、御指摘のように、今回の国立競技場の建て替えは、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックではなくて、この二〇一九年のラグビーワールドカップに間に合わすように造るということで、今準備をしているところでございます。 また、ラグビーワールドカップそのものは、十月の十四日から対象試合を開催する自治体の立候補の受付が開始をされ、十月三十一日まで応募受付をしているということでございまして、来年三月にはラグビーワールドカップ二〇一九組織委員会によって開催自治体が十都市程度決定されるという見込みでございます。 このメーン会場となる予定の新国立競技場の問題でありますが、今御指摘のようなことがあり、実際に解体工事等が遅れているわけでございます。解体工事が今年の十二月の中旬からスタートをして来年の二〇一五年の九月までの予定ですが、遅れた部分がその分遅れる可能性はあります。しかし、建設工事そのものは二〇一五年の十月からスタートをするということで、この解体工事とそれから建設工事の準備の部分を一緒に並行してやることが可能というふうに聞いておりますので、建設工事そのものがずれ込むということはなく予定どおり進められるというふうに聞いておりますので、二〇一九年のワールドカップまでには間に合うような、万全たる体制で整備を進めてまいりたいと思います。
○西村まさみ君 大臣、ありがとうございました。 絶対にこれ間に合わなければならない大きな課題でありますし、これからまたいろいろなことが、様々なことが起こり得ることは当然視野に入れて、それでもやはり世界から二百万人近い方が、先ほどなかなかメジャーじゃないと大臣からもおっしゃられました。確かにラグビーワールドカップ、そんなにメジャーじゃないことは十分に承知していますが、それでも世界各国からラガーマン、そしてラグビー好きなファンがやってくるわけです。そこに対して、間に合わないなんということはもちろんないというふうに思いますが、しっかりと取り組んでいただきたいと、そう思っています。 当初、ワールドカップだけだった頃は、今の国立競技場を改築、少し変えて八万人規模を造って、そしてそれをナショナルスタジアムにしていこうという決議も議連の中でさせていただいたりしている経緯もございます。その間に、昨年、先ほど申しましたように東京オリンピック・パラリンピックの開催が決まって、それではということで本格的な設計が始まり、そして一番、いわく言われているのが、あのすばらしい流線的な設計、設計の段階、当初の計画は一千億ぐらいだったけれども、設計が始まったら千三百億ぐらいになった。そして、それを実際に本当に造ってみたらその倍以上、三千億。そして、それではなかなか難しいから規模を二割ぐらい縮小したら千七百八十五億と。でも、それでも当初の予算を随分上回っている。 もちろん、工期、改築そして新しいスタジアムというものも、工期というものも大事ですが、予算的にそれが伴うのかということも非常に大きな問題。JSCなんかでは、この事業費は国費であったりスポーツ振興くじであったりtotoの一部を利用するというように言われていますが、本当にこれだけ金額が大きくかさんでいった中で、当初計画より、もちろんいろんな物価の高騰ですとか建築資材の問題とかあるのは十分承知していますが、ロンドン・オリンピックのときでさえも大体六百三十億ぐらいであれだけすばらしいスタジアムを造っているわけです。我が国日本が果たしてあのすばらしい競技場を造るのに予算的な問題はないのか。大臣がもしその辺の御認識がありましたらお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) おっしゃるとおり、あの設計どおりに造れば三千億になるという、予算の中で当初は一千三百億でありましたから、これは余りにも膨大な予算が掛かり過ぎるということで、その後規模を縮小し一千七百億円程度にしたわけでございます。ただ、御指摘のように、資材の高騰とか人件費の高騰とかがありますので、それを上回るのではないかということが言われておりますが、これはやはり国民の皆さんの税金を活用して造るわけですから、いろんなコストダウン、努力をすることによって千七百億で収まるような、そういうことをしていきたいというふうに考えております。
○西村まさみ君 ありがとうございます。 もちろん、先ほど言ったように、工期が間に合うこと、そして何よりも予算を縮小したからって質が低下しては、これはスポーツを行う競技場ですからこれは危険が伴うわけで、だからそれはないように是非ともお願いしたいと思います。 何度も言います。東京オリンピック・パラリンピックの前年に二〇一九年ラグビーワールドカップ日本大会が開催される。その両方の成功があって初めて我が国日本がスポーツ大国であるという一員になれると思いますし、何としても今までそれに大変な御尽力をいただきました下村大臣におかれましては、引き続き、継続してこの東京オリンピック・パラリンピック、ラグビーワールドカップ日本大会、全て是非私は下村大臣に引き続きお願いしたいということを心から申し上げまして、次の問題に移りたいと思います。よろしくお願いします。 それでは次、もう一つ、大臣は所信の中で、一人一人の能力、可能性を最大限伸ばし、それぞれの夢にチャレンジできる社会を実現する、学ぶ意欲と能力のある全ての子供、若者や社会人が質の高い教育を受けることができる社会の実現とおっしゃっていました。私もまさにそのとおりだと思っています。 そこで、私の専門分野のことで大変恐縮ですが、大臣にちょっとお尋ねしたいのは、大臣は九月十三日、日本口腔インプラント学会学術大会の中で、二〇二〇年夢ビジョンということで特別講演をしていただきました。お忙しい中、本当に心から感謝をいたしますが、その中で歯学教育の課題として、そしてその対応策として、歯科医師として必要な臨床能力の確保、それから優れた歯科医師を養成する体系的な歯学教育の実施、そして歯科医師の社会的需要を見据えた優れた入学者の確保、未来の歯科医療を開く研究者の養成、以上四項目を挙げられたわけなんですが、歯科医師が余りにも多い、過剰だ、ワーキングプアだと言われている現状の中で、優れた入学者確保が困難な大学、国家試験合格率の低い大学等の入学定員を見直すとも発言されたと聞いています。 大臣がお話しになりました入学定員の見直しということに対しては、ここ、後で説明をさせていただきたいと思いますが、これは大学の問題でありますから、もうまさに大臣の所管であると思います。しかし、国家試験の合格率ということに対すると、これは文科省と厚生労働省と両方に関わってくる。大臣よりそれが公の場でお口に出されたということは非常に重い意味を持つんだと私自身は認識をしています。 今、ちょっと最初に申し上げましたが、歯科医師というものは最初、いわゆる歯科医師法が作られた明治三十九年には僅か八百名ちょっと。そこから健康保険法ができた昭和二年で一万人、そして国民皆保険制度が始まった頃、そして虫歯がどんどんどんどんできた、いわゆる高度成長の時代のときには一万三千人ぐらい。それで足りない足りないという国策に従って、厚生労働省が人口十万人に対して歯科医師五十名をつくろうということで大学をどんどん増やしていったという経緯があります。まさに国策で増やしていったんです。 ところが、それから僅か六十年に、十万人に対して五十名と決めた中でも、その目標があっという間に達成できてしまったと。それでいて、私たち歯科医師は虫歯をゼロにしましょう、そして歯磨き指導しましょうとか、食べることと全身疾患とか大きな関わりがあるということも訴え続けまして、これは残念ながら歯科医師の役割が、今までの虫歯の治療や入れ歯を作ることから、今度は健康寿命の延伸ということにつながってきたんです。ですから、単純に増やせ増やせで増やして、そして今度は多いから減らせ減らせでやってきて、大学の入学定員というものはそもそも大体増えたときに二〇%削減をして、更にそこから一〇%ということで、今現状八%削減に向けてそれぞれ努力しているところであります。 しかし、医学部と違って歯学部の場合は私立が大変多いですから、やはりその学校経営という問題からもそう簡単に定員を削減するという大臣の発言について、非常にちょっと心配なところはあるんですが、やっぱり最初に言いましたように、これからの歯科医師を目指す若者が夢途中で、もしかして大学の定員が少なくなったら入学できないんじゃないかと思ってみたり、また大学でしっかり学んでいる人が、自分たちが国家試験を受ける頃にはもっと厳しいものになるんじゃないかと、夢を断ち切られるようなことにつながるようなことは、これは何としても避けていかなければならない。 大臣にお尋ねしたいのは、今までるる申し上げましたように、国策として増やしてきたんだと。そして、結果として増えてしまったから、これは減らす努力をしているんだということから、大臣はその辺のところをどう御認識があって御発言されたか、もし思いがありましたらお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) ありがとうございます。 先日、口腔インプラント学会、四千人も集まるすごい学会に御案内いただきましてありがとうございます。大変、歯科関係の先生方が熱心に取り組んでおられるということを改めて目の当たりにいたしました。 今御指摘があったように、特に国家試験に関係することについて、先ほども司法の問題で丸山委員が取り上げられましたが、国家試験に関係する部分については、やっぱり国が需要供給のバランスというのを考えていく必要があるのではないかと思います。 医学部とそれから歯学部の違いというのは、御指摘のように、歯学部は私立大学が非常に多いということがあると思いますね。そして、そのために、大学によっては六年間で納める学費が五千万とか六千万ぐらいになるというところもあるというふうに聞いております。それだけの学費を納めて、国家試験合格して歯医者さんになって、実際にそれだけの職業として十分にやっていけるだけの環境が十年、二十年後にどの程度社会的にあるのかどうかというトータル的な部分で見ていかないと、それだけの投資をして、苦労して勉強して、そして歯医者さんになったけれども、いざ自分が働くときになったら職がないと、職場がないということになりかねないという意味で、やっぱり需給関係の中で調整をしていくということも将来のことを考えると必要だという中で、この医学と歯学と違う部分はありますが、このまま行くと、歯学については、一方で、例えば昔は虫歯の子供とかたくさんいましたが、今は余りなくなってきたということで、歯も違うニーズの中でどう対応するかということと、それから、昔のような形で患者さんがこれからも増えるということではないわけでありますから、社会環境、社会状況の中で、それから、それだけ膨大なお金が掛かるわけですから、その後の社会における在り方ということでの職業を考えていく必要があると思います。 それに先行する形で、既に国立大学は定員の半分に減らして、ピークのときから比べると減らしていると。私立大学ももう実際は三分の一に減らしていると。それでも年間の国家試験合格者は千八百人から千九百人ぐらいで、実際しかし本当に必要なのは千五百人ぐらいいればいいのではないかということを日本歯科医師会からも聞いているところでございます。それが分かっていてそのままほっておくというのは、やっぱり無責任になるのではないかと。 ただ、御指摘のように、私立大学については、別に国がその定員を減らせとか、あるいは廃校しろとかいうことができるわけではありませんから、ただ、法科大学院等は国家試験の合格率によって文部科学省は私学助成の額をランクに分けてするということによって結果的には淘汰が進むようなことを進めている部分がありまして、ほかの医学と、それから司法試験というようなところも比べながら、今後、歯医者さんとして働く方々の将来設計が成り立つようなことでのやはり国の何らかの支援なり関与なり協力を考えていかなければ、ただ市場に任せるというわけにはいかないのではないかと、そういう認識であります。
○西村まさみ君 ありがとうございます。 今大臣、まさにおっしゃってくださった需要と供給、これは国がしっかりバランスを取って十年後、二十年後を見据えていかなければならない、これはまさにおっしゃるとおりです。 そこで、一つ。実際に口の中に何か違和感があったり、例えば詰めたものが取れたり、虫歯だろうなと思うところがあったとしても、実際に歯科医院を訪れている人は、国民の中、おかしいと感じていて実際に訪れている方は三〇%ぐらいと言われて、残りの七〇%の方はお忙しいとか余り痛くないからとかいうことで実際に診療していないということは大きな一つ。 そしてもう一つは、私の出身大学はまさに昨年がそうでしたが、今、歯学部の学生、女性が半数近くになっています。そうすると、今度、十年後、二十年後を考えたときに、数の問題をよく考えてみると、今政府では輝く女性の活用ということでいろいろな取組をしてくださっていますが、そこまで果たして到達できているかどうか。今後どうなるかということも見据えたときに、やはりまだまだ介護や育児に対して女性が担う部分、役割というものがまだ大きいと思います。 そうすると、今の段階で十年後、二十年後を見据えていろいろ考えてくださる中では是非、その半数女性なんだと、女性が今増えてきているんだということも是非視野に入れていただきまして、もちろん歯科医師を目指す女性がずっと働き続けられるような社会をつくっていただくこと、これも大事ですが、そうではなかったとき、そうではまだないときに、その分、逆に今度また足りなくなるなんというようなことがないような十年後、二十年後を見据えて、是非とも、入学試験は文科省、国家試験は厚生労働省というところで線を引くのではなく、一体化として文科省と厚生労働省が一つの枠組みの中で同じように捉えていただくことをお願いを申し上げたいと思います。 そして、ちょっと最後の問題、もう一つどうしても行きたいものがありますから、大臣に御見解をお尋ねしたかったんですが、次、薬の教育についてお尋ねをしたいと思います。 今、危険ドラッグというものは社会問題化されていて、単に吸っている人の健康問題だけではなくて、それが原因で暴走事故が起きて子供や若者も多くの犠牲になっている現実がある。 そこで、私は、民主党としては、全部の野党の皆様と共同で危険ドラッグ禁止法案を国会に十月十日に出したんですが、何といっても社会問題化することを抑える、法律で縛るということも当然必要ですが、その前段階として教育の現場においてしっかりと薬に対する知識を児童生徒に教えていく、教育するということが非常に重要だと思うんですが、文部科学省に児童生徒への教育の今の現状についてお尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(久保公人君) 学校における薬に関する教育の現状でございますけれども、まず医薬品に関する教育につきましては、健康な生活と疾病の予防について理解を深めることを目的といたしまして、平成二十年度に改訂されました学習指導要領の保健体育科の中で内容を盛り込んだところでございまして、中学校では平成二十四年度から完全実施、高等学校では平成二十五年度から学年進行で実施されております。 また、薬物乱用に関する教育につきましては、小学校では体育、中学校及び高等学校では保健体育を中心に、道徳、特別活動、総合的な学習の時間なども活用しながら学校の教育活動全体を通じて指導が行われております。 なお、警察職員や学校薬剤師等の専門家の協力を得まして、全ての中学校及び高等学校におきまして少なくとも年一回、薬物乱用防止教室を開催するように指導しているところでございます。
○西村まさみ君 様々な取組をしてくださっていることには本当に感謝したいと思いますが、私は非常に心配に思っていることがあります。先ほど来、自分が歯科医師だということは申し上げましたが、例えば、歯は乳歯から永久歯に交換するときにもうほとんどぐらぐらで、ほぼ私からすると抜けているような歯でも、自分では抜けない子供が来たり、親がやっぱり抜いてくださいと保護者の皆さんが連れてきてくれることもある。もうほとんど、ちょっと触ったらぽろっと抜けて、出血もほとんどしないのに、帰るときに保護者の方が、これからお稽古だから、塾だから痛み止めを出してほしいと言われることとか、あとは、いわゆる体が成長していくときに起こる成長痛に対して痛み止めを服用している子供たちがいるとか。 薬というものは、皆さん御存じだと思いますが、当然いい効果と、そしてそれに対する効果というものがあるわけです。その上手な使い方、正しい知識を持っていくことということは、これは非常に重要なことであり、今、薬物乱用とかの教室とか、医薬品の適正使用について、中学、高等学校では随分やっていただき、また、小学校の中でも五年、六年の体育の授業でということでありますが、私はもっと前からやるべきだと思っています。薬という漢字は小学校三年生で一般的には習うと言われている。その薬という字を習うときとほぼ同じ、若しくはできれば私は低学年からと思っているんですが。 確かに、小学校の最初というのは、人間の、また共同生活を始めた一番最初として様々なことを学ばなきゃならない。学校の先生方も決められた、先ほど二之湯先生のお話の中にもありました、いろんなことをしなきゃいけない中で、ありとあらゆることを、あれもやれ、これもやれ、これも教育だというわけにはいかないことは十分に分かっています。 ただやっぱり、手洗いやうがいを推奨する、そして基本の日常の生活に対しての指導をするというのと同じように、健康教育というものもやはりやっていく中で、これは教職員の皆さんと、大臣の所信の中でもありました専門的なスタッフというものの中で、先ほど文科省の説明にもありましたが、学校薬剤師という方々を十分に活用して、小学校にもいます。ただ、学校薬剤師の皆様が子供たちと直接触れ合う機会というのは実は少ないんですね。 ですが、例えば私たちが歯科健診や内科の医師が医科の健康診断をするときと同じように、やはり学校薬剤師が何とか継続的に小さいときから正しい薬の使い方、もうそもそも薬とは何ぞやから始まって、正しい薬の使い方、そして、一つ誤るとこうなんだ、そしてと順番を追っていって、最後がやはり薬物乱用であったり。今の薬物乱用が先にありきというのではなくて、基本的な知識を最初に教えていくこと、それに教職員の皆さんの負担を増やすということではなく、まさにプロである学校薬剤師の存在というものをきっちり使って連携を取ってやっていくことが重要だと考えるんですが、大臣、その辺のところはもっと、私が言いたいのは小学校の初めの、小さいときから薬に対する知識をしっかり教えていくことが必要だと思うんですが、大臣はそのところをどういうふうに御認識を持っていらっしゃるか、お聞かせください。
○国務大臣(下村博文君) 今御指摘のように、小学校において薬物乱用についての教育は具体的には今までしていなかったわけでございますが、危険ドラッグの問題でクローズアップをされてきて、そして、御指摘のように、昔から比べると日本社会そのものが薬物依存症的になっていたり、あるいは乱用的になっていたりしている部分があるのではないかと思います。 これは、親御さんの教育を含めて、もう子供が小学生ぐらいのときから、小さいときからしっかりとした薬物に対する、あるいは薬に対する教育をすることが、親にとっても必要ですし、本人にとっても必要だというふうに思いますので、小学校段階で特に医薬品教育、これの充実について、しっかり充実するように図ってまいりたいと思います。
○西村まさみ君 ありがとうございました。 この今の日本の社会の中では、サプリメントも含めましてたくさんの薬というものが、テレビコマーシャルを見ていても、新聞の広告を見ていても、非常に薬のコマーシャルというものは多いです。もちろん、ジェネリックも含めて、そのジェネリックが何ぞやということも含めて、非常に多い中で、子供たちにとっては身近なんだけれども、身近でありながら、それを使うときというものを正しく教えておかないと、一歩間違うと様々な弊害が起き、そして健康を損なうという結果になりつつあってしまうということを防ぐのも、これも教育の一つだと思いますし、医療人の一人として、また働く母親の一人として、やっぱり子供たちを一人で家に置いてくるときの心配って様々ある中の一つは、やっぱり薬のことというのは大きな問題としてこれから出てくると思います。 是非、早い段階での、今すぐというわけにいかないことは十分承知しておりますので、できるだけ早い時期から正しい薬の知識というものを教えるということを引き続きしっかりと取り組んでいただきたいということをお願いをいたしまして、私の質問とさせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(水落敏栄君) 午後一時に再開することとし、休憩をいたします。 午前十一時五十七分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(水落敏栄君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○斎藤嘉隆君 民主党の斎藤嘉隆であります。今日はどうぞよろしくお願いをいたします。 まず大臣、引き続いての御就任おめでとうございます。また、こうして議論をさせていただける、本当にうれしく思っています。 若干、様々な思想、信条の違い等あろうかと思いますけれども、そういう相違は超えて、教育に関する深い造詣ですとか、思いについては、私どもも大変評価をするところでございますので、是非、子供たちや日本の望ましい未来をどう創造していくかという観点で、建設的かつ真摯な議論をさせていただきたいなというように思います。 先般の所信を拝聴をいたしました。冒頭の教育に関してのグランドデザインの部分で、全ての人たちで子供、若者を支えるんだという思いですとか、それから、家庭の経済状況や発達の状況などにかかわらず、学ぶ意欲と能力のある全ての子供、若者や社会人が質の高い教育を受けることができる社会を実現をしていくんだというところは、もうまさにそのとおりだというように思っております。 ただ、私も現場の経験が長くありますけれども、能力があっても環境によって、うまくはちょっと申し上げられませんけれども、学ぶ意欲を持ちようがないというか、なかなかそういう意欲が湧き得ない、そういうような子供たちがいるという、そういう現実もこれもまた事実であります。そういう子をどうケアしていくかとか、あるいは、そういう現実の中で、そういう子供たちに対して保護者とか教育関係者、もちろん教育の現場も教育委員会も、あるいは文科省もでありますけれども、懸命に努力をしていると。ましてや、我が国は公的な教育への支援がある意味極めて脆弱だという中で、一定の高い水準の教育を維持をしているという現状がございます。 こういう個々の努力を生かしながら、そういったものをしっかりサポートをする、そういうような是非この委員会でありたいし、我々でありたいなというふうに思っています。そのような役割を、これはまさに政策官庁である文科省の皆さんと是非つくっていきたいというように思っていますが、そういう点に関して何かコメントをいただければ、大臣。
○国務大臣(下村博文君) 冒頭、激励のエールをありがとうございます。 斎藤委員とは、支援基盤は、よって立つところは違いますが、今おっしゃったようなこと、教育に対する基本的な考え方は共通している部分があるのではないか。つまり、この国の子供たちの視点から教育をどう良くしていくかと、それから教員についてもより条件整備をしていくということが必要だというふうに思います。 私は元々、昔から歴史的には寺子屋というのがやっぱり教育の具体的な民間制度として始まった。そのときぐらいから日本はやっぱり世界に冠たる教育立国で、一人一人の国民が、多少貧しくても、子供に対してはやっぱり教育にしっかりとした環境を与えることによって頑張ってもらいたいと、こういう国民意識がずっとあって、それによって成り立ってきた国だというふうに思います。 しかし、残念ながらそれが、つまり日本の美点が今弱点になりつつあると。つまり、教育というのは、本人や家庭、家計ですね、これによって義務教育以外は成り立つものだという前提があったわけですが、しかし、今格差社会が進んでいる中で、そして世の中が高度化、複雑化してきた中で、今までのような読み書きそろばん的な基礎学力だけでは社会の中で十分に太刀打ちできないと。より高度な教育を身に付けるという意味では、個人や家庭を超えた公的な支援をしていかなければ一人一人の可能性を伸ばすということは難しいという中で、それについて、ほかの先進国以上に我が国は教育における公的支援がやっぱり遅れているというところをもっともっと自覚をしながら大きな方向転換を、つまり教育立国として果たしていかなければ日本の将来はないと。 まあ、日本の将来はないというのは、つまり、一人一人の可能性、チャンスを切り開いていく、そういう場を限られた人が自力によってつくっていく人はいるかもしれませんが、大半の人はそのチャンスにも到達することができないということだと思いますし、更に深刻なのは、今御指摘のように、じゃ、そういう人たちが、例えば経済的に貧困でなかなか教育の場がなくても、しかし向上心がある、学力に対して、学びたいという意欲があるかというと、それさえもが萎えてしまっているというところについて、いかに、どんな人たちにもチャンスがあってやる気があるような環境をつくるだけではなく、そういうサポートもするようなことも同時にしていかないと、これはまさに格差が増大するだけだという、そういう深刻な状況があるということをしっかり受け止めながら、ですから、学校教育だけで解決できる話ではないというふうに思います。 社会全体の中で、あるいは家庭も含めて、本来日本人が持っていたそういうすばらしいものをいかに堅持をしながら、しかし、財政的には公的なサポートをすることによって教育における理想的な環境づくりをどう挙げてやっていくかということが、一人一人の豊かさやチャンス、可能性をつくっていくということに、教育によって成り立つということを、これはもう与野党を超えて、文教関係であれば多分共通して持てる思いではないかと思いますが、是非それを一日も早く実現をしていくような努力を、留任ということになりましたので、これから更に精進をしてさせていただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○斎藤嘉隆君 ありがとうございます。 本当に日本中どこでも必要最低限のというか、一定の高い教育水準がある、こういう国は本当に世界的に見ても数少ないというように思います。その利点を生かしつつ、今大臣がおっしゃったような、どう伸ばしていくかという点、非常に重要な視点だと思います、課題だと思いますので、是非力を尽くしてまいりたいと思います。 午前中に二之湯委員が質問されました。実は、用意した資料も同じで非常に中身がかぶっております。示し合わせたわけではないんですけれども、そのうちの一つをちょっと、若干短縮をして今日は御質問させていただきたいと思います。 資料を用意をして、これもちょっと二之湯委員の資料と同じで大変恐縮なんですけれども、二枚目になりますが、先般のOECDが実施をした、去年ですね、実施をした国際教員指導環境調査、TALISの結果の一部を今日はお示しをさせていただきました。 これは、世界的規模で三十四か国の中学校相当の教員を対象とした調査であります。これは九月でしたか、メディアでも盛んに報道されましたので多くの皆さんが目にされたというふうに思います。報道のほとんどは世界一多忙な日本の先生という内容でありました。もう既に見ていただいたこの資料でもありますけれども、様々な教員の勤務の時間等々、お示しがされています。教員の勤務時間は週五十四時間ということであります。これももう世界一でありますけれども。 こういったことを、この調査の結果全体に見て、特にこの教員の忙しさという点について、率直にどのように文科省として捉えられているのか、あるいは、過去にこれ、文科省も全国的な規模で調査をされていると思いますけれども、こういったものと比較してどうであるのか、御質問したいと思います。
○政府参考人(小松親次郎君) ただいま御引用のありましたのは、本年六月に公表されたOECDの国際教員指導環境の比較調査でございます。ただいまお話ございましたように、中学校相当の教員につきまして、一週間当たりの勤務時間が、ただいまお挙げになりました数字のとおり、日本は参加国中最長の五十四時間ということでございます。それと同時に、授業以外の諸活動に従事する時間が参加国平均よりも長いということでございます。 それから、質の向上に関係することといたしまして、教員の資質、能力向上が非常に期待されている中で、研修への参加意欲、これは日本の教員、非常に高いものの、参加が困難な状況ということが見られます。そして、それは業務多忙によるということが大きな原因になっております。 これらが私どもの現状の捉え方でございますが、あわせまして、その理由、背景といたしましては、午前中の御質問のお答えにも一部申し上げましたけれども、学校の教職員の総数に占める教員の割合が非常に高く、八割を超えております。このことは、逆に申しますれば、教員が極めて幅広い業務を引き受けなければならないという状況がございます。 さらに、近年の変化というものがございまして、例えば不登校とか例えば問題行動といったものの増加、それから、障害をお持ちで特別な学習ニーズをお持ちのお子さんたちの増加といったように、児童生徒のニーズが個別化、多様化しているというようなことが考えられるわけでございます。 私どもといたしましては、これらの状況を何とか改善していくということが大切であって、その認識の下に、教員が特に授業等に専念ができ、また自らの能力向上をより一層図ることができるというふうになるような必要な環境整備を図り、学校教育全体の質の向上を図れるように努めてまいりたいというふうに考えております。
○斎藤嘉隆君 五十四時間、週の勤務で、一日平均十一時間、これは、十二時間が一日、過労死の一つのライン、基準だと言われています、これに三割の教員が今該当するという状況であります。 普通に想像していただければお分かりになるかと思いますが、学校に勤めると、朝学校に入ると基本的にはもう退勤時間まで職場を出ることはありません。法で休憩、休息等も定められておりますけれども、現実的にはそういったものを取ることも不可能であります。そういうことを考えると、この勤務時間というのはあながち実態と懸け離れたものではない、そのように思っています。 ここにいらっしゃる官僚の皆さんも非常に過酷な今労働環境の中でお仕事をしていらっしゃるというふうに思いますけれども、例えば昼休憩時に職場も離れることもできない、昼食を取りながら職務をする、普通です、それは、教育の現場でいえば。こういう職業って役所も余りないんじゃないかなというふうに思います。持ち帰り仕事とか休日の出勤も非常に多いという調査の結果が出ています。やはり世界一多忙な教職員という言い方は必ずしも間違っていないだろうと思います。 さっき、教員の割合が八割で事務的な業務をする方が二割ということで、これが欧米の状況からいうといわゆる教員の割合が非常に高くて、その分、教員が事務的な仕事をしているんだというようなことだったと思います。それも一個の実態であろうかというふうに思いますし、教員の勤務の状況というか実態を探っていくことで、今の教育現場、日本の学校教育の抱えているいろんな意味での課題とかこれから向かうべき方向性とか、そういったものがあぶり出すんじゃないかなというように思います。 今回の調査、ちょっと資料が十分ではありませんけれども、勤務時間そのものだけではなくて、その内訳ですとか、教員の、午前中もあった意識調査なども詳細に行われています。この仕事の内訳なんかを見ると、諸外国と比べて圧倒的に多いものとして事務作業、これが大体二倍ほどありますし、課外活動、ですからこれは中学校でいうところの部活動だと思いますけれども、これが大体諸外国の三・五倍です。それから、学校運営の業務が二倍あります。 これも二之湯委員からもありましたが、授業とかこういったものに関わる時間というのはほとんど変わらないんですね。数字を見るだけでは、保護者への対応というのもそんなに変わらない、そんなに変わらない状況があるんです。 学校で教員が対応すべき最も重要なことは僕は授業であるというように思いますので、そういった意味でいうと、課内での、課外に対して課内での子供の指導、これ以外のものが非常に多過ぎるんではないかなと。これは、必要な対策もなくて、政治とか地域社会とかいろんな要請を中心にいろんな課題が学校に持ち込まれてきた、それでいろんな箇所がパンク状態で綻びが出ているということもあろうかと思います。 午前中に、何とか教育、何とか教育ということがたくさんお示しをしていただきましたけれども、まさに防災拠点になっているとか、保護者の対応もそうです、通学安全への対策とか地域の協力活動とか、それからもう昼夜を問わずある保護者からの連絡への対応とか、そういった課題に対応するための校内会議、これも非常に大きな時間を取っているというふうに思いますが、先ほどのお話だと、教員の割合がちょっと少ないのでということで、じゃ具体的に、これもう少し突っ込んだところで、今僕が申し上げたような、様々多くのことを抱え込んでいる教育現場を少し解放してやるために具体的な対策として何か考えているようなことはあるんでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 具体的には、是非、来年度の概算要求から求めておりますが、チーム学校という形で、先ほどのお話のように、教員、八割が占めているわけですが、諸外国では五割ぐらいと。つまり、それ以外の、アウトソーシングというとちょっと適切でないかもしれませんが、斎藤委員がおっしゃるとおり、教員は生徒に向かう時間を第一義的に大切にしてもらって、それ以外の時間をできるだけ、ほかの方でできる部分についてはほかの方々にお願いをする、スクールソーシャルワーカーだったり、スクールカウンセラーであったり、あるいは事務的な部分についても委託をするとか。 それからあとは、民主党政権のときにコミュニティ・スクールというのを推進をされておりましたが、私は非常に重要なことだと思うんですね。つまり、学校は閉鎖的な中で教員だけがやるということではなく、ある意味では地域開放といいますか、もう地域ぐるみで子供たちを支えていくようなコミュニティ・スクール、こういう部分を一緒にやっていきながらチーム学校とどう組み合わせるかということだと思います。 そもそも、これから計画的な教員の定数改善を図っていきたいというふうに思っておりまして、十か年の教職員定数改善計画を策定し、来年の二十七年度概算要求、その初年度分として要求をいたしております。具体的には、子供たちが主体的、協働的に学ぶ課題解決型授業、アクティブラーニングへの転換をしていくと。二つ目には、今申し上げたような事務職員の拡充による学校の事務機能の強化や学校司書など専門的な知見を有するスタッフの配置充実によるチーム学校の推進、また、特別支援教育やいじめ問題など個別の教育課題への対応、このようなことをすることによって本来の教員が生徒に向き合う時間を確保できるように、文部科学省としても是非十か年計画の中で実現してまいりたいと思います。
○斎藤嘉隆君 ありがとうございます。 もう総合的な対策を打っていただく中で、こういう教員の多忙化解消という観点よりも、やっぱり子供たちにきちんと向き合う時間を確保するということだろうと思いますので、そのことを総合的に進めていくということだろうと思います。 それから、できることから、細かなことから是非実践をしていただきたいと思うんですけど。例えば事務仕事が非常に多いんだという、諸外国の二倍ほどあるということを今申し上げましたけれども、これは昨今、教育の場における説明責任というか、そういったものを大変強く求められている中で、あらゆることに説明と記録と書類の事前の準備等々必要なわけです。それは一定仕方がないことだというふうに思いますけれども、あわせて、文科省や都道府県教委あるいは地教委からの調査指示、しかも回答を要するものというのは非常に多いんですね。こういったものについてもいま一度、精選できるものはないのか、是非役所レベルで御検討いただきたいなというふうに思います。 ちょっと、もし数字が分かればお知らせをいただきたいと思いますが、文科省を起点とする学校現場を対象とした回答を要する調査などは、年間これ何件ぐらいあるんでしょうか。
○政府参考人(小松親次郎君) 御指摘の調査等による業務の負荷ということについては、極力過大なものとならないようにすることがまず大事だと思います。その観点から、私どもとしてはいろいろと努力をしているところでございます。 現在の数字を申し上げますと、文部科学省が学校現場を対象として行う定期的な調査の件数は、今年度現在で、毎年度実施の悉皆調査、これは九件となっております。例えば、平成十八年度には毎年度実施の悉皆調査が二十三件ございました。その点はかなり精選をさせていただいております。学校基本調査とか、児童生徒の問題行動等の調査、特別支援教育に関する調査など、どうしても必要なものに限るように努力をしておるつもりでございます。 それから、御参考までに、抽出調査や隔年実施の調査といったようなものも含めまして、総計にいたしましても現在は二十六件ほどございます。これは、先ほどの平成十八年度では三十三件でございました。こうした点では、平成二十年度から大幅な見直しに取り組んで今現在こういうふうになっておりますが、御指摘の点を踏まえまして、引き続き学校現場の負担軽減ということにはあらゆる努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○斎藤嘉隆君 段階的に精選をしていただいているという状況はよく分かりましたので、なおもその努力を続けていただきたいというように思います。 定数の問題も、僕は、今大臣おっしゃっていただいたように、十年計画でいわゆる改善計画を作って計画的に定数改善を図っていくということであります。もう非常に重要なことだと思います。是非実現をしていただきたいというように思います。 先ほど答弁の中で言われたスクールソーシャルワーカーですとかスクールカウンセラーですとか、最近はスクールガード・リーダーとか、いろんな方々が、もちろん文科省の予算だけではなくてそれぞれの市町村の予算あるいは県の予算などで配置をされています。その人たちに来ていただくと非常に助かるんです。非常に助かるんですが、ただ、コーディネートするのはやっぱり教員なんですね。多くの人材、いろんな方々に、例えばボランティアの方も含めて、保護者の方も含めて来ていただきます。本当に大きな力を発揮していただくんですが、やっぱりコーディネーター役が必要です、全てのことに。ほとんど教員が分担をしてそういうものをやっていかなければなりません。 こういう地域の人材を生かすという観点からも、元々の定数というものをやはり少しずつ増やしていく努力が必要だろうと思いますし、これが多くの施策を効果的に進めていくために極めて有意義だというように思っています。 そういった意味で、繰り返しになりますけれども、定数改善計画を何としても、財務省さんはまたいろいろな形でこのことについてはいろんなお考えをお持ちだというように思いますけれども、決して、今回の概算要求の中身を見ても、予算の拡大が伴うものではありませんので、是非これについては実現をしていっていただきたいと思いますし、あわせて、事務職員についても、先ほどの事務負担の軽減という観点からも、併せて拡大をしていくということをお願いをしたいと思います。 ここでちょっともう一点、少し細かなことを、これ通告をしていないんですけれども、お聞かせをいただきたいと思いますが、概算要求であった基礎定数と加配定数というものの考え方が示されていたかというように思います。基礎定数を増やすんだということでありますけれども、計画の中で、ここのところの考え方をもう少し詳しくお知らせをいただけないでしょうか。
○政府参考人(小松親次郎君) 基礎定数と加配定数ということでございますけれども、一番メーンのところの考え方を申し上げますと、斎藤先生御指摘のように、何といっても授業の充実、指導力の向上と、それから授業そのものの革新ということになります。こうしたものは基礎定数ということになります。十年間で申しますと、これを一万人の増を図りたいというふうに考えております。失礼しました。数字が、間違えました。二万人の充実、訂正いたします。二万人の充実を図りたいというふうに考えております。 基礎に属するものといたしましては、学校マネジメント、今おっしゃられましたような例えば大規模校へのマネジメント、副校長、教頭先生の配置の充実とか、そういったものにつきましては基礎定数、あるいは学校事務の強化についても基礎定数というようなことで、基礎定数としての増加を図ります。その事務というのは、全く別の専門的な、その分野での専門的な方々として栄養教諭、養護教諭の方々とか、そういったものを図ります。 一方、それに対しまして、例えば授業の今の革新に向けた実践研究をしていただく、そのための体制の充実、あるいは研修の充実のための代替教員のような充実、それから小学校で今専科の指導、英語などがいろいろと行われておりますが、こうしたものの充実、こうしたものにつきましていわゆる加配で考えていくということになります。 したがいまして、基礎定数の方で、重立った授業、それから事務やそのほかの専門家の通常の体制を大きく増やしていく、これ、大きくというか大部分を、その増加をそれに充てる、そして個別の課題につきましては加配定数で充てる、こういう考え方でございます。
○国務大臣(下村博文君) 基本的な哲学としては、地方自治体が基礎定数を明確にすることによって計画性がつくれると。加配の場合には、その年その年によってどれぐらい増えるかという将来的な見通しがないということで、数でいえば、それは増える分には、地方自治体としては柔軟性があってより緊密な生徒との関係を持った教育ができるということでいいわけですけれども、計画性ということでは、地方自治体に対しては基礎定数で将来的な見通しの国方針を示した方が自治体が非常にやりやすいというところが基本的な違いのところだと思います。
○政府参考人(小松親次郎君) 申し訳ございません。ちょっと答弁漏れかなと思いましたので、補足させていただきます。 それで、今大臣のおっしゃられたとおりでございまして、それを分類したものが私の先ほど御説明したものでございますが、ちょっと訂正させていただきたいと思いますが、これらトータルを合わせまして三万一千八百人の増を十年間の間に図りたいと思っております。そのうちのメーンになります基礎が二万七百人、加配が一万一千百人というのを予定しております。 数字の面で不正確でございましたので、訂正して補足させていただきます。
○斎藤嘉隆君 今まさに大臣がおっしゃったことをお聞きしたかったんです。これは、基礎定数だともう自治体は計画的に採用ができます。それから、もっと言うと国全体で考えれば教員養成も含めて非常に計画的にできるわけで、これが加配ということだと、毎年毎年この時期に一体どうなるんだろうと、概算要求ではこうだけど実際の予算はどうなるんだろうという、そういう苦労が各自治体にあるわけで、そういったことを含めると基礎定数が望ましいし、毎年毎年議論をしなくてもある程度固定化した改善が図れるということでありますから、是非、今三万人のうち二万人が基礎定数、いわゆる法の改正によって増やしていく部分だということだろうと思いますので、是非そのことについても引き続いてこの委員会でもお願いをしてまいりたいと思います。 それでは、ちょっと話題を変えまして、高等学校の就学支援制度について少しお伺いをしたいと思います。これは、私は去年からこの問題、幾度かこの委員会で質問させていただきました。今年の三月にもこの委員会でも質問をさせていただいてきました。 文科省の皆さんの答弁などを総合的に考えると、いわゆる我々が進めてきた高校無償化から、今回の高等学校の所得制限を設けた就学支援金制度へ転換をしてきた、このことの最大の理由は、限られた予算の中で財源をより有効に活用するんだと、必要なところに必要な対策を打つためにこういう制度にしていくんだということで、私どもは反対をしましたけれども、そういった形で実施をされた。その中で、公私間の例えば保護者負担の格差をなくしていく、低所得者層に手厚い支援をしていくということであったかと思います。我々は、それはそれでその意義はもちろん認めるものの、所得制限をすることによる逆の意味での様々なデメリットをいろいろ申し上げてきたわけでありますけれども、そういったことについても逐一対策をしていくということで御答弁をいただいてきました。 ちょっと全体的なイメージを皆さんで共有をしたいと思いますが、高校無償化に所得制限を設けることによって捻出をされた財源というのは、本年度予算でいえば幾らに相当するんでしょうか。
○政府参考人(小松親次郎君) 平成二十六年度予算におきまして御指摘の所得制限により捻出される財源は、一学年分、約二百九十五億円を見込んでいるところでございます。
○斎藤嘉隆君 そのうち、低所得世帯の私立高校生の就学に対する支援として加算をされた分は幾ら相当でしょうか。
○政府参考人(小松親次郎君) お答え申し上げます。 私立学校の低所得者加算の拡充に係る予算といたしましては、そのうち約九十四億円を計上いたしております。
○斎藤嘉隆君 それでは、更にちょっとお聞きをしたいと思います。 その九十四億円というのは、都道府県の方に配当されたんだろうというふうに思いますけれども、これは低所得者世帯の高校生のための支援に全て回っているというように文科省として判断を現状、しているのでしょうか、そうでないのでしょうか。
○政府参考人(小松親次郎君) 実際の需要につきましては、予算の見込みと執行の間に常に動きはございますけれども、基本的にはそのお金自体はそちらで使われているというふうに考えております。
○斎藤嘉隆君 今、局長は、この九十四億円の、低所得者、私学のですね、低所得者世帯のための支援に基本的には全て使われているというようにおっしゃられましたけれども、これは私の知る限り、残念ながら、大変な苦労によって捻出をしたこのお金が、全ての先ほど申し上げたような対象となる子供に回っていない、そういう現状があるのではないかと、そのように思います。これ、子供のための元々の予算を削って子供のために活用するという制度設計をされたわけですけれども、元々子供ために活用されるはずであった財源が子供のところに直接行っていないんじゃないかということであります。 具体的に申し上げると、度重なる文科省からの働きかけにもかかわらず、財政負担の減った分を具体的な就学支援の拡充に回さなかった。要するに、国からはお金が来るんだけれども、県として、県としてその制度の充実、拡充にそのお金を回さなかった、事業として進めなかった、こういう県があるというように報道でも聞きますし、指摘もされています。拡充しなかったどころか、従来あった制度を縮小した、国から予算が来ているにもかかわらずですよ、そういう県もあるというように聞いています。それは事実でしょうか。そして、その県は何県に当たるのでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) この四月から御指摘の新・高等学校等就学支援金制度が始まったことに伴いまして、各都道府県での新制度の実施状況及び授業料減免制度等の家庭の経済的負担の軽減策の見直し状況について調査をし、七月末に取りまとめて公表いたしました。その調査結果によれば、都道府県による家庭の経済的負担の軽減策の見直しについては、授業料減免の対象世帯の拡大や支給額の増額など、二十九都府県で支援策の拡充が行われている一方、十六道県では何ら拡充が行われていなかったという結果が出ました。しかし、そのうち、今後拡充を検討する方針であるというふうにしたのが八道県ございます。 これまでも、国による就学支援金の充実によって生じる都道府県の財源については、御指摘のように低所得世帯等への一層の支援に充ててもらって家庭の教育費負担の軽減を図っていただきたいと、そういう旨要請してきたところでありますが、改めて、今回の調査結果を踏まえまして、都道府県に対し、家庭の経済負担の軽減策の拡充について要請を再度したところでもございます。 今後、各都道府県の補正予算や二十七年度予算要求の状況についてもしっかり国としてフォローアップを行いまして、その結果を踏まえ、引き続き家庭の経済的負担の一層の軽減に努めるよう、各都道府県に対して要請していきたいと考えております。
○斎藤嘉隆君 これは私の知る限り、文科省から都道府県に三回同様の要請が出ていて、にもかかわらず、今十六道県ですか、が何ら拡充をしていないということであります。これは、保護者の側から見れば、ちょっと言葉を選ぶ必要があるかもしれませんが、県がピンはねしているんじゃないかというようなことを言われても仕方ない、そんな状況があるわけですから、これ来年、今年はいいです、まだ一学年だけ対象ですので、来年はこれ二学年が対象になるわけでありますから、一年生、二年生と倍、こういった予算も動くわけでありますし、これはもう根本的に、先ほど働きかけていただくということでありますけれども、強力にこういったことにはどうぞ指導力を発揮していただいて、きちっとした対策をしていただきたいというふうに思います。 今、これ私学のこういう低所得者加算の問題を取り上げさせていただきましたけれども、もう一点、公立の課題で申し上げると、これも三月のときにも申し上げましたけれども、受給の申請の折の課題もいろいろあるんじゃないかということで指摘をさせていただきました。 これまでは全ての子供が対象の高校無償化でしたので、申請の必要がないんです、申請の必要がない。今は申請をしてその該当になるということでありますから、当然申請漏れがあったり、そういったことが危惧をされてくるわけであります。おおむね九百十万円以下の所得という、多くの子供たちが申請をした上でこの支援を受けるという形になっていますけれども、受給対象であるにもかかわらず受給できていない生徒がいるんではないかということを私も危惧としてずっと持ってきています。 これは三月の当委員会で、申請者数とか辞退者数、それから申請書類未提出者数などを調査をして、未提出の理由などについて精査をして対策を講じていくと、したがってこういった子供はもう基本的には出ないんだというようなことを答弁で述べられていましたけれども、じゃ調査の結果、どれぐらいの生徒が受給対象でありながら受給できていないのか、あるいはもう全てできているのか、あるいはもう分からないのか、この辺りの状況を教えていただきたい。
○政府参考人(小松親次郎君) 本来受給できるはずの生徒が申請ができないのが何人かという形での数字の調査は行っておりませんで、ただ、どういう場合にその申請がしにくかったか、あるいは後から見て申請漏れになるようなケースが出てきているか、そういったものを調査をいたしております。 その数字ということでは、ちょっと今ここで責任を持って申し上げかねますが、もしそういったケースに対する対応等についてということであればお答えすることができます。どういたしましょうか。
○斎藤嘉隆君 いろんなケースごとに県がどういう対策をしてきたかということですか。あっ、それは結構ですので。 例えば、冒頭に僕が申し上げましたけれども、なかなか非常に厳しい環境にいる子供たちってやっぱり多いんですね。所得申告を親がしていないがために課税証明が取れないという子は結構いるんです、結構いるんです。こういった子は、ルールどおりでいえば、ルールどおりでいえば申請ができないということになりますし、あるいはもうネグレクトとか、もう親の所得がそれを理由に証明できないというのもありますし、それから一人親の場合は、なぜ、なぜ親が一人なのかという理由を問われるようなケースがあって、かなりプライベートな中身を答えなきゃいけないと、その理由が答えづらいがためにあえて申請をしないという家庭もあるというように聞いています。 それからもう一点、ちょっとこれも大きな問題だと思いますが、年度の途中で申請をした場合に、これは四月に遡って受給ができるんでしょうか、あるいはもう県任せなんでしょうか。この辺の状況も分かる範囲で教えていただきたいと思います。
○政府参考人(小松親次郎君) ちょっと現時点でそこのところ把握しておりませんので、確認をしてみたいと思います。
○斎藤嘉隆君 元々の制度設計として、これ、僕は以前も、例えば家計が急変をする、家計が急変をするような場合に、じゃその年度はどうなるのかとか、あるいは年度当初には申請ができなかったんだけれども、いろんな事情で、その後、例えばこの時期に、この時期にまた課税証明を含めてきちんとした申請をしたような場合に、これは四月に遡って受給ができる、制度としてはこういう考え方でいいんでしょうか。
○委員長(水落敏栄君) 答えられますか。
○政府参考人(小松親次郎君) 今お取上げをいただきました家計急変の場合などは、それが遡れるようになっております。
○斎藤嘉隆君 家計急変の場合じゃなくて、その場合だけではなくて、申請がいろんな事情でできなくて、できなくて、所得は変わっていないんだけれども、例えば随分遅れてこの時期に申請をしたような場合はどうでしょうか。
○政府参考人(小松親次郎君) 失礼いたしました。 制度設計として、そういう場合には遡ることができます。
○斎藤嘉隆君 これは文科省としてできるという制度設計だと思いますので、これもきちんと一度調査をして、調査というとまたいろんな調査が現場に行くのかもしれませんけれども、必ずしも全てのところ、都道府県でそういうようになっていない状況があるのではないかなと思います。 遡及して当然給付をすべきだというように思いますので、この点についても、一度文科省としてもアンテナを高くして、来年度のこともありますので、是非そういった形でお願いをしたいと思います。 県レベルの支援拡充が多くで進まない現状から今申し上げたような申請漏れが出てしまって、必要な支援を求めている子供たちに行き届かない現状があります。制度そのものに若干、設計そのものが若干難しい部分があるものですから、ややこういう課題が出てしまうのも仕方がないとは思いますけれども、元々これは文科省の予算ですから、生涯学習的なというか、教育的な、社会全体で私は子供を育てようという理念で始まった施策であります。これが、気を付けていないと福祉的な施策にもなってしまいますので、ここのところをきちっとやっぱり対応していただいて、その根本的な考えを、理念を守る形で是非進めていただきたいなというように思います。 私、先日、地元の私の事務所に地元の高校生たちが突然やってきました、数名。突然といっても、ちょっと事前に連絡があったんですけど。それで、いろいろ話を聞いてほしいということで、このいわゆる高校無償化の話とそれから大学の奨学金の話ですね、これを随分時間掛けて話を聞いたんです。 子供たちは、特に大学の奨学金、ちょっと話が飛んでしまいますけれども、について、今後どうなっていくのかということを非常に気にしていて、そのことによって大学の進学をどうするのか、もう考えなきゃいけない、そういうような環境にある子供たち、友達の話もしていました。高校生の子が五人でしたか六人でしたか、来ていただいて、随分そういった意味ではいい意見交換ができたんですけれども。 結構、高校生あるいは大学生、就学についてせっぱ詰まった状況で、子供たちが非常に悩んでいる、悩んでいる現状が我々が思う以上にやはり広がっているんだなと、今の社会の中でですね、そういったことを改めて私、感じたところであります。 是非この就学支援金のこと、それから、今日はあえて申し上げませんけれども、大学生向けの奨学金、給付型も含めて、こういったものについて是非前向きに進めていっていただきたいと思いますが、このことについて何か御意見があれば。
○国務大臣(下村博文君) まず一つは、御指摘のように、この四月から高校生における、まず一年生からですが、給付型奨学金をスタートしたわけでございます。大学における、大学の給付型奨学金もできるだけ早くスタートしたいと考えてはいますが、膨大な財源が必要ですので、まずは有利子を無利子にする奨学金にできるだけシフトするということで、来年更に三万人増の無利子奨学金の枠を拡大するということを考えております。 是非その高校生に言っていただければと思うんですが、国として、その子たちが大学に行く頃は、まずできるだけ無利子の奨学金の枠を増やすと。給付型がすぐ始まるかどうかはなかなか、今財務省と折衝中なので時期が明確にはできないけれども、しかしその後、所得連動型奨学金制度、これは既にあるわけですけれども、これについては年収三百万以下までは返済をしなくてもいいという、猶予されているというものでありますが、三百万以上であればその返済をしていくという形ですので、金利でどんどん増えていくわけではございませんので、またその所得によって将来返す額が違ってくるということですので、できたら奨学金を借りてでも大学に行って勉強してほしいということを言っていただければと思いますし、また、できるだけ早くこの給付型奨学金、大学においても導入するように、しっかり頑張って対応していきたいと思っております。
○斎藤嘉隆君 是非お願いしたいと思いますし、実はもう一度その子供たちと会うことになっていますので、今の大臣のコメントをストレートに、議事録見ながら、示しながら紹介をしたいというように思います。 それでは、もう一点、時間もちょっと迫ってきましたので、違う話題で御質問したいと思います。今回の国家戦略特区におけるいわゆる公設民営学校についてお伺いをします。 大臣は、これも所信の中で、多様な価値に対応した公教育が可能となるよう、国家戦略特区での公立学校運営の民間開放に向けた準備を進めるというように言及をされました。 これまでもこの件についてはこの委員会でも議論の俎上には上がっていましたけれども、基本的には該当となる市からプランの詳細が示されていないので、具体的な議論はそのときにということでありました。 これも大阪市からもう既に今制度設計案が出ているというように思いますけれども、今後のまずは実施までに想定をされるこの公設民営学校の具体的なスケジュール、プランについて聞きたいと思います。
○政府参考人(小松親次郎君) 公設民営学校の内容等につきましては、現在、国家戦略特別区域において、大阪市の提案を見ながら協議を行っているところでございます。 今のスケジュール、大阪市におけるその進捗状況等にもよることになりますけれども、大阪市から今聞いている範囲では、平成三十年頃を目途に学校を開校というようなことを考えていると聞いております。まだ検討中ということでございますけれども。 それまでのそのスケジュールのイメージを逆算をいたしますと、その前の年には施設整備や生徒募集が必要でございますし、その前、二十八年度には、どういうところがそれをお受けになるのか、あるいは施設整備どうするのかというようなことが必要になります。そうしますと、その前の年、すなわち二十七年度には様々なそのための準備ということが行われることになります。 今国会で、もしその法案ということがお願いをするということに、そのまま計算をいたしますと、大体、それを受けて来年度からそうした準備が始まっていったというふうに考えて、そのくらいの開校になるであろうと。極めて漠然としておりますけれども、今現在は大体そんなふうに受け止めております。
○斎藤嘉隆君 商業紙等の報道だと、学校施設運営費、人件費、こういったものを大阪市が、あるいは一部は国が負担をして、ある法人に委託をしてその学校の運営を任せると。既に自治体で行われている指定管理者制度、これに近いものを学校教育に導入をしていくということのプランだというふうに聞いていますが、こういうことでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(小松親次郎君) 指定管理者制度に近いというか、法人を指定して管理を委託、民間の法人に管理を委託するということであり、前にも文部科学省として答弁をいたしておりますが、非営利法人を対象ということで考えているという段階でございます。
○斎藤嘉隆君 この国会で場合によっては法制化していくということですが、これはこれからの教育の方向性ですとか該当校で学ぶ子供たちの将来に非常に深く関わる問題でありますけれども、これは、衆議院の文部科学委員会ですとかこの当委員会などで今後具体的に議論はされるんでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 政府としては、今月の二十八日に国家戦略特区法案としてその中に公設民営も入れて閣議決定をしたいということでありますが、現在与党協議をしていただいている最中でございますので、まだ確定をしている段階ではございません。もし法案が提出可能という場合には、これは国会の中でその辺の整理はしていただくことになるかと思いますが、基本的に、国家戦略特区法案ですので内閣委員会が当てはまるかと思いますが、法案でなくても当委員会で公設民営についてはいろんな議論をしていただきたいというふうに思います。
○斎藤嘉隆君 今局長から、その受託先が営利企業は含まない、営利団体は含まないということでありましたけれども、これは大阪から出ている案もそうなっているんですか。
○政府参考人(小松親次郎君) 大阪市が考えておられる案は確定したものではないので、今まで幾つかの試みというものがなされておりますけれども、現時点では私どもとしては制度は非営利法人に限って制度化をするということを考えており、大阪市としてもそれについて特段の異論はないものというふうに受け止めております。
○斎藤嘉隆君 基本的に、大阪から出ているプランは営利企業も含めた形で考えているということだったと思います。 ただ、それを文科省として一定の歯止めを掛けていただくということであろうというように思いますけれども、ただ、これ、文科省さんに事前にいただいた公設民営学校に係る法的措置イメージというものを見ますと、受託法人の要件ということで、直接の受託先は営利を目的としないものに限ると、直接の受託先というようにおっしゃってみえます。この辺がちょっとよく分かりにくくて、分かりにくくて、直接の受託先が営利法人でない、じゃこれ、営利企業が例えば何らかの団体をつくって衣を変えて受託をするとか、あるいは営利企業が参画をするんですが、この学校運営の事業の中では営利を目的とした活動をしないと、そういうことなのか、ちょっとここのところを詳しく、文科省としての考え方をお聞かせいただきたい。
○政府参考人(小松親次郎君) 今申し上げましたとおり、受託先は非営利法人というふうに考えているということでございます。これは制度化についての私どもが取っている考え方でございます。 今お手元にございますイメージ案というものにつきまして、それを説明する場所で、直接の、直接の受託先は営利を目的としないものに限るとしておりますけれども、この意味は、様々な非営利法人がつくられますときに、その出資あるいは財産的基礎を形成する際には、例えば企業さんから寄附をいただくとか、そういったようなことは行われるのが普通でございますので、そういったことはごく普通にあり得るであろうと。あるいは、学校法人などでもそうですけれども、その理事さんの中に経済界の方が外部の者として入っている、そういったこともいろいろあると思いますが、そういったもの全てないような特異な非営利法人にするという考えではないという意味でございまして、特段の、これが間接的には営利でもいいとか、そういう含意ではございません。
○斎藤嘉隆君 もう少し、要するに自治体が学校をつくる、管理や運営は民間が行うと、簡単に言えばこういうことだと思います。 学校教育法の第五条だと、学校の設置者はその学校を管理しということがあるわけですけれども、通常考えれば、設置者というのは国、自治体、学校法人に限られていて、管理も設置者が行うというようにこの学校教育法は規定をしているというふうに理解をしていますけれども、こことの兼ね合いは現状どのように考えていらっしゃるんですか。
○政府参考人(小松親次郎君) ただいま御引用の条文は、学校のいわゆる設置者管理主義と呼ばれる条文でございますけれども、設置をした者がその学校の管理を直接に行うという法的な原則でございます。 今回の公設民営は、公立学校について、その設置者は地方公共団体の教育委員会でありますけれども、そのうちの管理の部分を民間に委託をいたしますので、その点では、その限りにおいて間接の管理ということになります、その部分につきましては。そういう意味では、学校教育法第五条の例外措置を設けるということでございます。
○斎藤嘉隆君 確かに第五条には例外の文言もございますけれども、じゃ、これ、この管理運営の責任者というのはどなたになるんでしょうか、この学校の場合は。
○政府参考人(小松親次郎君) 管理運営の委託が行われます場合、その管理運営の直接の実施責任は受託をした機関にございます。したがって、今回の場合ですと、指定された非営利法人ということになります。 ただし、例えば管理運営はその受託が終了するということがあり得るわけでございますけれども、そのときは、元々公立学校の設置者としてその管理の部分を委託したのみでございますから、その管理が解除された時点で通常の公立学校に戻ると、こういう仕組みになります。
○斎藤嘉隆君 もう一回お聞きしますが、じゃ、学校が開校している間は、その管理については受託をした受託先がその管理の責任を負うということでよろしいですか。
○政府参考人(小松親次郎君) そのとおりでございますけれども、その設置者の最終的な権限と責任はその設置者に残っておりますので、その部分の管理を委託しているだけでございますから、通常、必要に応じて調査、指示、そういったものができる権限を併せて持っており、そしてそれが合わないというときには指定を取り消すとか停止をするという権限を持つというふうにしてその両者の担保を図るということが普通だと思われますので、制度的には、現在法制局等で検討中でございますが、そういったイメージで、設置者の原権限、原責任が担保され、その委託された範囲内での通常の日常の管理運営が受託された非営利法人によって担われると、こういうふうにイメージしていただければよろしいかと存じます。
○斎藤嘉隆君 イメージはともかくとして、法的な位置付けをちょっときっちりしたいんです。 これ、地教行法だと、学校教育機関の管理というのは教育委員会の職務権限なんですね。であるとすると、今のお話で、公設民営学校が開校している状況の中で、じゃ、教育委員会はその管理に対してどのような権限を持ってどういう位置関係であるのかとか、まあもちろん当然議論されていると思うんですよ、役所の中で。その辺りはいかがですか。
○政府参考人(小松親次郎君) まず、委託が行われる前に、どういうふうな委託の基準、それから管理の基本方針、管理の基準、それから範囲、そういったものを設置者において定める必要があると考えられます。その範囲内において手続を経て管理が行われますから、地教行法との関係でいえば、その設置している学校の管理の法令上の根本的な権限は、まず教育委員会に残りますけれども、その範囲内において一定の基準等を定めて、それに沿って外部の者に管理の部分を委託をすると。まず、そこまでが委託が行われるまでの関係でございます。 そして、実際委託が行われて、それが管理されている間、通常の形式で申しますと、まず定期的にその委託されたとおりに管理が行われているかどうかを報告をしてチェックがあるというのが通常の考え方でございます。その上で、今度はその原権限者でございます設置者、すなわち教育委員会は、必要に応じて調査をし、これを直せということであれば是正の指示をするということになります。そして、それに従わない場合はその委託を解除するということになります。こういう関係になります。
○斎藤嘉隆君 済みません、まだすっきりとしないんですけれども。 では、公設民営化、公立の学校ですし、公設の学校ですから、そこの自治体の教育委員会が基本的には管理について最終的な責任は負うということでいいんですよね。
○政府参考人(小松親次郎君) 最終的なその学校の設置、管理責任は教育委員会にございます。
○斎藤嘉隆君 これ、実はいろいろ過去にも遡って調べましたけれども、大阪市でのプラン、これ元々は二〇〇八年の関西の経済団体からの某要望書の中で、英才教育を公教育で進めるんだと、それができないのであれば特区において公立学校の民営化、民間委託を試験的に実施すべきだというような御提言がなされているんです。また、国家戦略特区の諮問会議では、この公設民営学校について、その目的をグローバル人材、産業人材の育成のためというようにうたわれています。 これ、中学校、まあ中高一貫併設校とかでの実施も想定をされていますし、当然中学校ですから義務教育でありますけれども、私は、義務教育は産業人材育成のために必ずしもあるのではないというように思いますし、もっと子供が主体のというか、子供の学ぶ権利がもっと尊重されるべきもの、まあちょっと言葉が難しいんですけれども、ではないかなというふうに思います。 義務教育は公の責任だというように思いますので、私は民間委託がなじむとは思わないんですが、これは、教育政策をつかさどる文部科学省、そして大臣として、これ省内での細やかな議論はしていただいているとは思いますけれども、ここの教育論的な立場での議論、検討というのはされるべきではないんでしょうか。 これ、公私協力学校ですとか、いろいろありました。いわゆる株式会社立の学校とか、あるいはアメリカのチャータースクールとかもお手本として示されているのかもしれませんけれども、チャータースクールに至っては、過去十年で一五%が閉校しているんですね。学校閉じているんです。入学しても公立学校へ転校する子供が非常に多いという数字も出ています。株式会社立学校と比べれば財政的な支援が今回は見込めるわけです、公的な支援が。実現へのハードルは私はぐっと下がるというふうに思いますけれども、でも抱える課題はそんなに変わらないんじゃないかなと。さっき局長も言われた撤退時のリスクとか教育の質の確保の問題とか、これは大学での募集停止なんかも記憶に新しいところであります。 こういったことを含めて、今回法律出てくるということでありますけれども、細かな議論をもう少し詰めてすべきだと思うんですけれども、そのことについてはどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 義務教育機関において、これは御指摘のように公設民営学校ですので、これは教育委員会が当然設置責任を持つわけでございます。主体はやっぱり公立ということは、つまりそこの自治体、公立ですね。そこにそのノウハウとして民間のノウハウを参入することになっていくということですが、しかしあくまでも公立です。ですから、そこの自治体、教育委員会が責任を持つと。 特に義務教育については、これは当然、学習指導要領を含め一定水準以上のことをするというのは、これはもう自治体の責務でありますから、それをクリアしながら、さらに、より国家戦略特区の中で高度な教育養成をしたいというところについて、今後、与党の手続が終われば、国会に法案として提出をすることによって国会で議論をしていただきたいと思っておりますが、法律そのものは、ある意味では骨子案でございますので、具体的に大阪市なりあるいは国家戦略特区のほかの自治体等でもしそういう御要望があれば、個々の要望に沿ってどんなことができるかどうかということについての詳細はまた別の議論になってくるかと思いますが、法律では基本的な、一応つくることができるということで、中身まで踏み込んだものではなくて、それは、自治体との連携といいますか打合せ等をする中で、そういう危惧も含めたものについて国もチェックをしながら、しかし、その自治体が途中で無責任で放り出すということがないような制度設計を考えていくということは大切なことだと思います。
○斎藤嘉隆君 そろそろ時間ですのでもうこれぐらいにしたいと思いますけれども、さっきあったように、教育や子供たちを試験的に、試験的に制度導入の是非を確かめるような形で、私はこの学びの場をそういった場に活用すべきではないというように思っています。ただ、これ、法律は恐らく与党での協議を経て定まってくると思いますので、そうなると、今大臣まさにおっしゃっていただいた細かな部分をどう制度設計していくかという議論に入らざるを得ないものですから、このことについては、さっき僕が申し上げたように、細やかな子供の立場に立った是非議論をお願いをしたい、最後にそのことをお願いを申し上げて、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○新妻秀規君 本日は、大臣の先日の挨拶を踏まえまして、基礎研究の充実、推進、そして総合型地域スポーツクラブについてお尋ねをさせていただきます。 まず、基礎研究の更なる充実を目指した基盤的経費の拡大というテーマについてお尋ねをしたいと思います。 大臣は先日の挨拶におきまして、青色発光ダイオードを世界で初めて実現し、実用化に導いた、赤崎勇氏、天野浩氏、中村修二氏の日本人三名のノーベル物理学賞の受賞が決定したといううれしいニュースがありました、改めて我が国の学術研究、技術開発の水準の高さを世界に示してくれましたと述べられています。この吉報には、本当にまさに日本中が沸き立ちました。この受賞につながったのは、長年にわたる基礎研究の成果が大きいと言われています。例えば、赤崎さんが開発に着手してから、この青色LEDですね、から製品化されるまで十年以上の歳月が要したということです。 安倍総理も、先日の参議院の予算委員会での公明党の荒木清寛参議院議員への答弁におきまして、今後、世界で最もイノベーションに適した国の実現を目指して、人材の育成や魅力あふれる研究環境整備とともに、産官学の壁を越えた取組を推進して、青色LEDのような革新的な科学技術イノベーションの創出につなげていきたいと決意を述べられています。 一方で、国の科学技術政策におきましては、その時々の注目分野に集中的な資金投資をしがちとの問題点、課題も指摘をされております。科学技術研究所が二〇一〇年に行った調査、お手元の資料一でございますが、二〇〇一年に比べて、このグラフの一番上、③長期の時間をかけて実施する研究、そしてその二つ下、①新しい研究領域を生み出すような挑戦的な研究、こうした研究は減りまして、それに対して、下から三番目、④短期的に成果が生み出せる研究、そしてその一つ下、一時的な流行を追った研究が増えているとの結果が出ています。また、この一番下の⑨にあるように、日本全体としての基礎研究の多様性も減っている、このような結果が出ております。 また、ノーベル賞につながるような基礎研究の弱体化への懸念もございます。文科省の調査によりますと、二〇一二年までの三年間の平均で、日本の研究者が名を連ねた科学論文は六万四千本弱、論文全体の五・四%でありまして、これは二十年前七・八%から二%以上下がっている、こうした結果も出ております。 今回の受賞者のお一人、赤崎さんは、会見の中で若い研究者に掛けたい言葉はと聞かれまして、このようにお答えになりました。はやりものをやるのではなくて、やりたいことをやりなさいと。しかし、大学ではこうした研究をしやすい環境にあるとは必ずしも言えないと思います。 国の研究開発についての予算、資料二を御覧ください。これは内閣府の調査によりますが、若干の凸凹はあるものの、横ばい傾向だということが言えるかと思います。このうち国立大学について見ますと、一枚おめくりいただいて資料三です。これは、いわゆるはやりではないような研究にも振り向けられる基盤的経費というべき運営費交付金の推移です。減少傾向にございます。一方で、競争的資金が、基金が増え続けまして、この獲得のために申請書類を書き、また報告書を作り、こうしたことに本来の研究のための時間が削られている、こうした声もありまして、この件につきましては本委員会で私、この六月十七日、取り上げさせていただきました。 ここで、基礎研究の更なる充実のためにこうした運営費交付金のような基盤的な予算の更なる拡充が必要ではないでしょうか。大臣も先日の挨拶で、国立大学法人運営費交付金や施設整備費補助金、また私学助成を安定的に確保するとともにと明言をされています。また、先ほど申し上げました本年六月十七日の本委員会で吉田高等教育局長は、国立大学法人運営費交付金や私学助成等の基盤的経費、これは長期的な視野に基づく多様な教育研究を推進する上での極めて重要なものでございまして、これを安定的に確保していくことが不可欠であるというふうに認識をしております、このように答弁をされています。ここで御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 大学力は国力そのものでありまして、大学の強化なくして我が国の発展はあり得ないというふうに思います。 基礎研究の更なる充実のためにも、また喫緊の課題である国立大学改革を強力に推進していくためにも、長期的な視野に基づく多様な教育研究活動の基盤を支える運営費交付金の安定的な確保、これは極めて重要だと考えております。この委員の資料三の資料の中で、残念ながら二十五年度までずっと減ってきてしまっていたわけでありますが、文部科学省として、厳しい財政状況の中でありますが、この国立大学の運営費交付金はこれは増やす必要があるということで、平成二十六年度予算において対前年度三百三十一億円の増額を図ったところでございます。 来年度二十七年度の概算要求におきましても、国立大学の強み、特色を最大限に生かした教育研究の実施などの機能強化に取り組む大学に対する支援に必要な経費も含めて増額要求をしているところでございまして、今後とも必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えております。
○新妻秀規君 力強い御決意、ありがとうございます。是非とも、こうした基盤的経費の確保にお努めいただきたいと思います。 次に、総合型地域スポーツクラブの課題と拡充に向けた取組について取り上げさせていただきます。 大臣は、先日の挨拶におきまして、学校体育の充実、地域スポーツや障害者スポーツの推進を通じ、国民が生涯にわたってスポーツに親しむ機会の充実を図りますと述べられ、さらに、スポーツを通じた健康増進や地域活性化についても言及をされました。その地域スポーツ、生涯スポーツの拠点となる総合型地域スポーツクラブについてお尋ねをしたいと思います。 まず、このクラブの育成の地域差、そして失敗経験の活用の在り方、またクラブの自立を促す支援の在り方についてお尋ねをしたいと思います。 資料の四を御覧ください。これは、文科省の平成二十六年度総合型地域スポーツクラブの育成状況の調査の結果でございますが、これによりますと、この総合型地域スポーツクラブを全市町村につくろうというこの国の目標に対して、育成状況、この丸ポツの推移でございますが、八〇%を超えるまでに伸びております。 しかし、次に資料五を御覧ください。これは、各都道府県別の育成の状況のグラフでございます。都道府県によって大きくばらついていることが見て取れると思います。この一〇〇%を達成した県、例えば秋田県とか富山県とかありますけれども、一方で、六〇%近い千葉県、大阪府、こうした府県もございます。 さらに、一枚おめくりいただきまして、資料六を御覧いただきますと、これは、一番右の列は町と村、その少し左側が市なんですけれども、この一般の町、村では、この丸を付けた千葉県でございますけれども、二三・五%、こうした県もございます。 こうした地域差がなぜ生じているのでしょうか。また、この差を埋めるための現在の取組状況はいかがでしょうか。 また、この資料六の一番下に、百四十七というところに丸を付けてございます。これは、せっかくつくった総合型地域スポーツクラブが、統合されてしまったり、若しくは解散してしまった数でございます。ちなみに、去年、二十五年度の結果では、解散したクラブは五十九でした。なので、この百四十七という数字、去年の二・五倍と激増をしております。 クラブが解散や統合になってしまうのはなぜでしょうか。また、この経験をどのように生かしていくのでしょうか。 さらに、総合型地域スポーツクラブには、そして会員の確保、場所の確保、人材、財源など様々な課題がございますが、個々のスポーツクラブに共通する課題も多いと考えます。 文科省が平成二十一年にまとめました、今後の総合型地域スポーツクラブの支援の在り方という、七つの提言という、そうした調査報告書では、支援体制の強化が挙げられております。アドバイザーの活動の活性化、広域スポーツセンターの機能強化、こうしたことが提言をされてございます。 さきの通常国会におきましても、本委員会の堀内委員の質問に対して、今年度からクラブ同士のネットワーク化によって自立を促す事業を開始する、こうした答弁もございました。 総合型クラブの自立を促す様々な取組が必要と考えますが、それぞれの取組の状況と効果はいかがでしょうか。また、好事例や失敗の経験を共有するような仕組みの構築ができないでしょうか。まとめて答弁をお願いを申し上げます。
○政府参考人(久保公人君) それでは、まず最初の何点かにつきまして御答弁申し上げます。 まず、地域の実情によって育成状況に差があるということでございます。 この理由につきましては、地域によっても違うわけでございますけれども、例えば、従来から既存のスポーツ団体の活動が活発である地域におきましては総合型クラブの意義や必要性を余り感じていないという理由もございます。他方、クラブの創設に向けて中心となり活動する人材がいないという地域もあるようでございます。 したがいまして、文部科学省におきましては、育成が進んでいない地域に対しまして、地域社会の再生を目指す仕組みであります総合型クラブの理念について理解促進を図りますとともに、スポーツ振興くじ助成などを通じまして、総合型クラブ創設に対する支援を行っているところでございます。 次に、せっかくつくったクラブが解散してしまったり、統合されてしまう理由はどうなんだろうかということでございます。 この理由につきまして、特に解散数が多い岐阜県、和歌山県、島根県等に聴取いたしましたところ、まず後継者問題等の運営スタッフが不足している、それから二点目といたしまして、クラブ会員が減少して事業が立ち行かなくなってきた、三点目といたしまして、既存団体との調整が付かず活動が継続できなくなったなどの回答が多かったところでございます。 また、統合する理由といたしましては、活動を継続する中でより効率的な運営を行うため他のクラブと統合するケースや、小学校の統廃合に伴い統合するケースなどが見られるところでございます。 そこで、創設いたしました総合型クラブが自立的に活動を持続発展していけるようにするために、より多くの会員の獲得や財源の多様化等の課題を解決していく必要があると考えております。 文部科学省といたしましては、本年度から、先ほど先生御指摘の全国七か所において総合型クラブ同士のネットワークを強化いたしまして、指導者の共有化やスポーツ教室の共同開催などの事業に取り組み出しているところでございます。これによりまして、総合型クラブの魅力を高め、自立化につながる取組を支援いたしますとともに、他方で、好事例や失敗の事例を収集いたしまして、SC全国ネットワークなどを通じて総合型クラブや地方自治体に周知していくこととしているところでございます。 それから、七つの提言を受けましての具体的な利用拡大策についての検討でございます。 これにつきましては、総合型地域スポーツクラブの活動場所のうち、約九〇%が学校体育施設や公共施設を活用しているという実態がございますので、これらの施設をより有効に活用していくことが重要であると思っているところでございます。 このため、文部科学省におきましては、行政事業レビューの結果等も踏まえまして、例えば、さいたま市内の複数の総合型クラブが連携、協働して学校体育施設を活用したスポーツ教室の開催に取り組む実践研究を実施いたしましたり、学校体育施設等の有効活用実践事例集、二十四年三月に作りましたけれども、これなどの好事例を総合型クラブや地方公共団体の関係者に広く周知を図るなどとしているところでございます。
○新妻秀規君 課題の抽出はできていると思います。人材がいないとか、あと解散に至った例では運営スタッフの後継者がいないとか、そうした理由は把握されているということは認識しましたので、そうした状況でどういうふうに対応をして、多くの国民、全ての国民が地域でスポーツを楽しめる、そのためにつくったクラブですので、それが過度な統合が行われてしまうと、そうした元々目指した理念が崩れてしまうと思うんです。それは、きちんとこうした状況を把握をした上で対応をして、あらゆる国民がスポーツを地域で楽しめる環境を確保していただきたいとお願いを申し上げます。 次に、活動場所の確保についてお尋ねをします。今一部御回答がありましたけれども、お尋ねさせていただきます。 地域スポーツクラブの大きな課題は活動場所の確保でございまして、先ほど局長からもございましたように、学校体育施設に大きく依存している現状で、既存団体との場所取り合戦、こんなような状況がございます。 平成二十一年度に、先ほど紹介しましたこの七つの提言という文科省のレポートによりますと、この提言では、スポーツ施設の整備、そして廃校や空き教室の活用、夜間照明の設置による利用時間の拡大について触れられておりまして、この地域スポーツクラブについての平成二十四年度の行政事業レビューの取りまとめコメントにも、学校施設等の利用をしやすくする方策について検討すべきとされています。現状はいかがでしょうか。 また、学校体育施設そのものについても課題があります。 スポーツ基本計画、これは平成二十四年度のものでございますが、これには「子どものスポーツ機会を充実する。」と基本方針にうたわれていますが、学校体育についての課題として、グラウンドの芝生化の整備率は上昇しているものの、依然として低い水準にとどまっている状況にあり、その充実が課題となっている、さらに、武道の必修化に当たって武道場の整備の推進が課題になっているとの現状認識が示されています。 なお、この武道については、後ほど同僚の秋野議員からも別の論点で質問をさせていただきます。 先ほどは西村委員もラグビーについて取り上げていただきましたけれども、かつてラグビーの日本代表として活躍をした往年の名選手といいますか名指導者であり、また日本人としてただ一人国際ラグビー評議会が定めるラグビー殿堂入りをした坂田好弘氏は、ニュージーランドにラグビー留学をしたときに、各地域に芝生のグラウンドがあり、そしてクラブハウスがあるということに驚いたというふうにおっしゃっています。そこはラグビーを愛する老若男女が集まる地域社会の交流の場でもありまして、地域の代表を州の代表へ、そしてオールブラックスへと送り出すのを楽しみにしているといいます。 このニュージーランドの例は、我が国が目指す総合型スポーツクラブの目標でもあるスポーツを中心とした地域社会の形成の好事例とも言えますが、やはり基本は、このスポーツ施設の豊かさにあると感じます。 ここで、利用時間の拡大に役立つ夜間照明施設の設置、そして地域住民の身近なスポーツ活動の場ともなるグラウンドの芝生化、さらには武道場の整備を促すべきと考えますが、いかがでしょうか。答弁をお願いをいたします。
○副大臣(丹羽秀樹君) 先生御指摘のとおり、総合型地域スポーツクラブの増加を促すに当たっては、活動場所の確保というのは非常に大きな課題の一つであると考えております。特に、学校体育施設や公共スポーツ施設を利用しているクラブが全体の約九〇%以上に上っておりますことから、これらの施設を有効にどのように活用していくかということはとても重要なことだと考えております。 このため、現在、文部科学省においては、行政事業レビューの結果等を踏まえて、例えば、先ほど久保局長からも話がございました、さいたま市内の複数の総合型クラブが連携、協働して、学校体育施設を活用したスポーツ教室の開催、また、それらを取り組む実践研究を実施するとともに、学校体育施設等の有効活用実践事例集など様々ないい事例集を挙げて、総合型クラブや地方公共団体の関係者に広く周知を図っていきたいというふうに思っております。さらには、学校のグラウンドの芝生化においても、また、中学校の武道場や屋外運動照明、地域武道センターや地域屋外スポーツセンターの新改築等もしっかりと対応していきたいというふうに考えております。 現在支援を行っている中では、平成二十四年度からは、新たに社会体育施設の耐震化を対象に追加したところでもございます。また、独立行政法人スポーツ振興センター、通称JSCのスポーツ振興くじ、通称totoの助成においても、地方公共団体を対象に、学校開放事業を行っている学校のグラウンドの芝生化や公共スポーツの整備を支援させていただいております。 以上でございます。
○新妻秀規君 今副大臣がおっしゃったような取組を更に推進をしていただきたいと思います。 次に、スポーツ指導者の確保、マッチングについてお尋ねをさせていただきます。 スポーツ基本計画には、地域のスポーツ指導者等の充実が課題として挙げられておりまして、具体的にマッチングが十分に機能していないと言及がございます。実際、文科省の委託調査のスポーツ政策調査研究という研究レポートによりますと、スポーツリーダーバンクの設置都道府県、これが平成十七年の四十都道府県から、その六年後、平成二十三年には三十六道府県に減少して、廃止理由としては、低い活用率、そして活動の機会が少ない、こうしたことが挙げられております。この報告書によりますと、都道府県によってバンクの登録者、活用率に大きなばらつきが見られます。例えば登録者数では、埼玉県では三千四百五十四名、一方、島根県では八十九名という結果が出ております。この課題はスポーツボランティアについても当てはまります。 スポーツ指導者の活躍の機会をつくることは、地域社会のスポーツ振興のみならず、スポーツ選手のセカンドキャリアの構築のためにも極めて重要と考えます。スポーツ指導者、そしてボランティアと地域社会からの需要、こうしたマッチングの促進、そして地域差を是正するための取組をどのように進めていくのでしょうか。答弁を求めます。
○副大臣(丹羽秀樹君) 先生おっしゃいますとおり、スポーツの人材と活動現場のマッチングというのはとても重要な課題でもあります。 現在、文部科学省は本年度から、総合型クラブ同士がネットワークを構築して、指導者についての情報を共有できるとともに、指導者と総合型クラブの需要をマッチングさせるための仕組みづくりなどに取り組まさせていただいております。 また、スポーツボランティアにつきましては、本年度から、スポーツボランティア活動を実施している個人や団体及びボランティアバンク等の活動実態をしっかりと調査し、人材と活動現場とのマッチング手法や、ボランティア団体創設の具体策を取りまとめさせていただきまして、地域のスポーツ活動で活用できるガイドブックを作成するとしております。 現在、文部科学省では、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックに向けて、東京大会の開催もしっかりと見据えた中で、その成果を全国に普及啓発させ、スポーツ指導者やスポーツボランティアのマッチングを促進するとともに、地域内における人材の活用をしっかりと推進し、地域差の是正を図っていきたいと考えております。
○新妻秀規君 今副大臣がおっしゃったように、具体的な取組が今検討されているというふうに理解させていただきましたので、この点については引き続きフォローをさせていただこうと思います。 こうした二〇一九年ラグビーワールドカップ、そして二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック、こうしたトップスポーツの振興とともに相まって、本当に地域スポーツ、そして生涯スポーツ、これが根付いてこそ本当のスポーツ立国と言えると私は感じております。 こうした取組を進めるためにも、またここの委員会におきまして議論を深めていきたいと思います。 どうもありがとうございました。
○秋野公造君 公明党の秋野公造でございます。お役に立てますよう質疑をしたいと思います。 武道議連の末席におりますので、まずは武道教育について伺いたいと思います。 平成十八年に改正された教育基本法では、道徳心を培うこと、それから健やかな体を養うこと、伝統文化を尊重することなどが教育の目標として規定されて、二十四年度から中学校において武道が必修化されております。心技体を一体として鍛える武道は、世界に誇る我が国固有の伝統文化でありまして、青少年の健全な育成にも大変有意義であり、私は今後もより一層充実させることが重要であると考えておりますけれども、まずは、平成二十四年度より中学校一、二年で武道が必修化されておりますが、文部科学省はこれまでどのような取組をしてきたか。実施時間、種目、専門家の活用等、実施状況がどうなっているかと併せてお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(久保公人君) 平成二十四年度より中学一、二学年におきまして必修化された武道につきまして、実施状況でございますけれども、実施種目につきましては、柔道を選択する学校が六四%、剣道は三七・六%、相撲は三・四%、その他なぎなたなどの武道は四・一%となってございます。 〔委員長退席、理事石井浩郎君着席〕 実施時間につきましては、日本武道館の調査によりますと、平成二十四年度に学校平均で年間約九・四時間となってございます。外部指導者につきまして、同じく日本武道館の調査では、平成二十四年度で約一四・四%の学校が協力を得ているとなってございます。 文部科学省といたしましては、これまで中学校における武道が安全かつ円滑に実施できるように、指導者の養成確保、武道場の整備、武道用具等の整備に取り組んできたところでございます。
○秋野公造君 武道が必修化されて三年目となります。一定の評価というのもあるかと思いますが、成果と課題について伺いたいと思います。
○政府参考人(久保公人君) 武道必修化によります成果といたしましては、まず、自分を律して礼儀を守り、相手を思いやる態度が身に付いたということが報告されております。二点目といたしまして、伝統的な考え方や行動の仕方を理解して実生活の中に生かすことができた。三点目といたしまして、地域の伝統継承に貢献できたなどが武道等指導推進事業実践研究校より報告されているところでございます。 また、課題でございますけれども、これまでの生徒の安全確保の努力に加えまして、教員の指導力の向上、地域の指導者の時間的な制約確保などが報告されているところでございまして、今後とも中学校における武道の安全、円滑な実施に努めていきたいと考えております。
○秋野公造君 今、久保局長から安全面についてのお話もありましたけれども、この生徒の安全面の課題というのは当初から懸念をされている問題でありました。重大な事故などはなかったでしょうか。そして、私自身が道着の中などに針が入っていたといったような事例も聞いておりますので、こういった点もここで御報告をしておきたいと思います。 安全管理についてはどのような取組を行ってきたか、改めて伺いたいと思います。
○政府参考人(久保公人君) 武道が必修化された平成二十四年以降、現在に至りますまで重大な事故は報告されていないという状況でございます。 具体的な安全、円滑に実施されるための方策といたしましては、まず、都道府県等の教育委員会、各武道団体に対しまして、安全指導充実のための研修会を開催していただくような支援を実施してきたところでございます。二点目といたしまして、学校体育実技指導資料等の作成をし、その普及を図ってきたところでございます。三点目といたしまして、授業開始前に指導体制や計画、施設設備、用具等についてしっかりと点検し、安全確保の上で実施するよう、武道の授業の安全かつ円滑な実施に関する通知を発出したなどを行ってきたところでございます。 〔理事石井浩郎君退席、委員長着席〕 今、道着に針が入っていたなどの事例も伺いました。こうした、要は用具の安全対策につきましても、先生からの御指摘も踏まえまして、これまでの通知の内容をより具体的に記述して周知徹底を図るなど、武道の安全な実施に向け、引き続き適切に対応してまいりたいと考えてございます。
○秋野公造君 大臣、私は、今行われているがんばらんば国体の、長崎県の五島市で今度行われます国体の剣道の、五島の鬼凧が竹刀を持っているピンバッジを大事に付けています。今なお心技体、育てていただく武道というのは非常に重要でありまして、それを小さいうちから親しんでおくというのは非常に重要であると考えております。 大臣に、この武道教育の促進という点から決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 武道は我が国固有の文化であり、青少年にとって、武道を通して我が国の伝統や文化を尊重するとともに、自らを律し、相手を尊重する態度などを養うことが期待されているところであります。 文科省ではこれまで、学校における武道教育の安全かつ円滑な実施のため、指導者の養成確保、武道場及び武道用具の整備、安全管理等の徹底等に取り組んできたところでございます。 私は、是非二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックを、東京は二回目でもありますし、オリンピック・パラリンピックのステージを上げるような位置付けとして考えた場合に、この道、柔道、剣道の道の精神をいかにスポーツの中に、世界に広げていくようなことを日本がしていくかどうかということが問われているのではないかというふうに思っております。 二〇一六年にはブラジルでリオ・オリンピックがあるわけですが、ブラジルではブラジリアン柔術ということですね。ほかの国ではやっぱり術、テクニックなわけですけど、我が国は道と。それを通じて、いかに人が生きていくかという非常に昇華した思想、人生を見極めるような、それを一つの道を通じて極めるという意味で術でなく道ということだと思いますし、これはまさにスポーツがあるべき形として目指すべきもの、五輪憲章にも同様のことがあるのではないかと思っておりますので、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック、武道だけでなく全てのスポーツにおいてこのような道、道が反映されるような取組を日本としてチャレンジをしていきたいと考えております。
○秋野公造君 大変心強い御答弁をありがとうございます。どうか安全に気を付けて促進をお願いしたいと思います。 大臣、先日の御挨拶の中で、我が国の文化と日本語の大切さを再認識し、歴史と文化を尊ぶ心の育成を図りますとおっしゃいました。今の御答弁も全く意を強くするものでありますが、もう一つ、日本の歴史と風土の中で発展してきた文化、先ほどは保健体育における武道について伺いましたけれども、音楽の授業で和楽器が取り上げられており、我が国の伝統音楽に関する教育の充実が図られておるということでありますが、その教育の成果についてどのように把握をされているか、伺いたいと思います。
○政府参考人(小松親次郎君) 学習指導要領におきまして、音楽の指導の中で、まず小学校では、和楽器を含めた我が国の音楽を学習内容に応じて選択して取り扱うと、それから中学校では、三年間を通じて一種類以上の和楽器の表現活動を行うことだというふうにして、その教育を行っているところでございます。 国立教育政策研究所が実施した調査がございます。これ平成二十年のものでございますが、音楽の学習によって我が国の伝統音楽の良さが分かるようになると考えている児童生徒が、小学校では八割から九割、中学校でも約八割という数字を得ております。それから、学校からは、和楽器の指導の成果として、実例資料等を作る際に伺いますと、児童が日常生活において伝統音楽を聴こうとする姿が見られるようになったというような評価、これは教員からの評価でございます。それから、具体的に、箏の音色の奥深さを知った、あるいはほかの和楽器にも触れてみたい、和楽器で多くの日本の曲の演奏に挑戦したいといったような生徒からの感想を得たなどの報告を受けております。 こういう意味で、全体的な数字や事例からして、こうした教育が非常に功を奏しているものと受け止めております。
○秋野公造君 和楽器の良さというものを生徒の皆さんが実感してくれているというのはとても有り難い、意を強くするものでありますが、かつて国立大学で神経解剖学を教えていたことがある身として、この和楽器がとても魂を揺さぶらせる、非常に感動を呼ぶ一つの理由としては、聞こえるはずがない二万ヘルツ以上の音、いわゆる不可聴音域、聞くことができない音域で、この音を多く含んでいるからであるということが言われています。 すなわち、耳では聞こえていないんですが、DVDやCDなどはこの耳で聞こえない音というのは全てカットしているようでありまして、なおかつ、洋楽器と言われるものはこの二万ヘルツを超える音はほとんどないようでありますが、一方で和楽器にはこういった音が非常に多く含まれているといったようなことが一つ背景にあるのではないかということが指摘をされているようであります。 そして、洋楽器が金属など人工のものでできているのに対して、和楽器は動物の皮でありますとか、あるいは草木、竹とかヒノキとか、そういった自然のものを背景にしてできていればこそ、非常に自然に近い音を反映することができるだけでなく、洋楽器が一つの音を出すことに着目するのに対し、和楽器は音色ということで、たくさんの音が含まれているということに価値を置くといったような背景があるということを考えると、こういった和楽器という文化に子供が触れていくということだけでなく、先ほどの武道と同じく、大人もこういった文化に触れていくということは、より心を豊かにし、そしてこの教育基本法の改正といったものを本当に確実ならしめる、その意図というものを確実ならしめる効果などもあるのではないかと私は思っていますが、こういったものに触れる人が少なくなってきているというのも一方で事実であります。 先ほどの武道と同じでありますが、小さいときからこういったものに触れておくということが、我が国のそういったものに関わる裾野を広げていくということにつながるのではないかと思います。触れる人が増えないとこの文化が絶えてしまうという観点から、日本の伝統を守る観点から、こういう和楽器の教育を行うといったことに対して重要であると私は考えますが、大臣の御見解も伺いたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 全くおっしゃるとおりでありまして、お医者さんの立場から非常に専門的な、医学的なお話をされました。 私もそういう、ある意味では和楽器といいますか雅楽によってショックを受けるほどの感動をしたことがございまして、国会議員になるとローテーションで園遊会に招待されることがありますが、初めて園遊会に出たとき、ちょうど春だったと思いますが、カキツバタが咲き誇っている池の近くで、つまり園遊会の隅の方なんですが、そこで雅楽の演奏を聴きまして、本当にショックを受けるほどの感動をしました。これこそ日本の美であり、また音楽であるということで、あんなにショックを受けたというのは、音楽に余り縁がない私であっても、それだけ、和楽器、雅楽の、今おっしゃったような、音以外の癒やしなり精神的な効果というのはすごいものがあるんだなという感じを持ちました。 私たちの子供の頃は学校で和楽器に触れる機会というのはありませんでしたが、今は児童生徒が学校で和楽器を使って演奏したり、和楽器が使われている曲を聴いたりすること、これは生涯にわたって日本の伝統音楽を愛好し、我が国の伝統や文化への理解を深め、それを継承する態度を育てていくことで重要だということで、中学校では平成十四年度から、箏、三味線、尺八などの和楽器を用いた表現活動、必修となったところでございます。 文科省では、子供たちが、今申し上げたようなことを含めて、一流の文化芸術団体や芸術家による質の高い様々な文化芸術を鑑賞、体験する、本物に触れる機会、これをすることが大切だということで授業を実施しております。 今後とも、児童生徒が我が国の伝統文化のよさを味わい、音楽文化についての理解を深め、豊かな情操を養うことができるよう、伝統音楽に関する指導の充実等を図ってまいりたいと思います。
○秋野公造君 もうちょっと話をさせていただくと、聞こえていないはずの音が脳はしっかり反応しているということでありまして、体で感じているといったような部分もたくさんあるのかなと思います。どうか、和楽器の教育、よろしくお願いしたいと思います。 そういった文化を輩出してきたのが地域ということになります。私たち公明党は、先ほど二之湯議員からも日本遺産についての言及がありましたけれども、大臣のところにもこういった制度をつくるべきであるとお願いにも行かせていただきましたし、骨太、いわゆる経済財政運営の改革の基本方針の中にもこういった日本遺産ということをしっかり書き込んで、政府として取り組んでいくべきであるということも主張をさせていただいたところであります。この地域に点在する有形無形の文化財をパッケージ化し、その文化、伝統を語るストーリーを大切にして、地域に点在する様々な遺産をブランド化してPRすることが地域の発展につながり、地域創生に資するものと信じます。 概算要求もしていただいたと伺っているところでありますが、ここは大臣に改めて決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 文化財については従来の保存優先の施策を見直し、文化庁が文化保護庁のような存在でありましたが、逆にその文化財を使って地域を活性化する、あるいは世界中の方々が日本の文化、伝統を見に、体験しに来ていただく、そういうコンセプトとして、日本遺産、これは非常に象徴的な施策として位置付けていきたいと思います。公明党からの積極的な御提言に感謝申し上げたいと思います。 この日本遺産は、地域に点在する様々な文化財を魅力的なストーリーの下にパッケージ化して国内外に発信し、地域の活性化を図る取組でありまして、観光振興のみならず、地域住民のアイデンティティーの再確認や地域ブランド化に貢献し、安倍内閣に掲げる地方創生に資するものというふうに考えます。 今日午前中、二之湯委員からの話もありましたが、私は、二之湯委員の地元でもありますが、比叡山に行ったときに、世界遺産ですから既に有名なわけですけれども、根本中堂でも今は年間五十万人ぐらいしか訪ねていないということを住職の方にお聞きしました。それはまさに、我々が考えているこの日本遺産的なストーリー、ただ建物があるだけでは、行っても、知識がないと外国人にとってはそれだけで終わりになるわけですね。しかし、例えば、根本中堂からいろんな宗教、宗派が出てきて、いろんな方が修行して、そして織田信長によって焼き討ちになったりとか、そういうようなことをトータル的に、地域の方々と連動してでしょうけど、ただ建物を見せるだけじゃなくて、歴史的な物語まで展開するようなそういうパッケージをつくれば、それは興味、関心を持って、母国に戻ったときそれを伝えるとか、あるいはリピーターになるとかいうようなことが出てくると。そういうものを、既にあるもの、それは世界遺産であったり重要文化財だったり国宝だったりしますが、それを日本遺産の事業として位置付けて、そして活性化の拠点にしていこうということで、平成二十七年度概算要求において十五億六百万円を計上しているところでございます。 文化財を活用した地域の活性化を図ろうとする自治体、これはばらまきだったら意味がありませんから、やっぱり自治体が本当に、じゃ日本遺産として既存の資源を、文化財を活用しようというところについて支援をするという形で地方創生につなげるような、そういうものとして取り組んでまいりたいと思います。
○秋野公造君 文化によることが大きいと思われる離島とか半島の振興にも資すると思いますので、どうかこの観点からもよろしくお願いをしたいと思います。 地方創生のために、あるいは国力を高めるために、高等教育を学んだ人材を輩出する文科省に期待が大きいと思います。中でも、造船、日本を牽引してきた産業であり、これから非常に新造船の受注も多くなってくるということを考えますと、その一方で、造船関係の大学や高等学校が非常に減ってしまっている、人材を輩出できないという背景も今あるのではないかと思います。 多くの大学が都市圏に集中しておりますが、造船業は地方に拠点を有するがゆえに、将来の担い手となる人材の確保が喫緊の課題であります。造船業のような地域経済を支える産業を担う優秀な人材の育成、確保が重要だと考えますが、大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 大学が地域経済を支える職業人の育成に対する要請にしっかり応えていくことは重要であるというふうに思います。造船業のような技術分野の担い手育成、確保には、産業界と大学の連携による体系的な職業教育の充実が重要であるというふうに考えます。 文科省としては、地域産業界と連携した大学の取組を促すとともに、地域経済を支える優秀な人材の育成、確保に努めてまいりたいと考えます。
○秋野公造君 二十七年の概算要求に、理工系プロフェッショナル教育推進事業、盛り込まれておりますが、これは造船業を対象とすると考えてもよろしいでしょうか。
○政府参考人(吉田大輔君) 御指摘の理工系プロフェッショナル教育推進事業は、その目的でございますけれども、成長の核や基盤となる産業を牽引していくために必要な知識、技術の確実な習得を図るべく、産業界からの大学に対する教育内容の要望、あるいは実践的な課題の提供、さらに産学の人事交流など、大学と産業界が密接に連携しながら、学生の入学段階から大学院段階までを見据えた一貫した職業教育システムを構築する取組を想定をしておるところでございます。 造船業における設計、開発等の技術者は、工学系の大学、大学院におきまして船舶工学などを学んだ者が就業していると認識をしておりまして、今回のこの理工系プロフェッショナル教育推進事業の対象になり得るものと考えております。
○秋野公造君 造船を目指してくれた方に対する支援は文科省の方で強く行われているということを理解しましたが、こういった優秀な人材を地方に確保するためには、造船に特化した奨学金の創設や試験研究設備の高度な教育インフラ設備などが有効な手段と考えますが、国交省の見解も伺っておきたいと思います。
○政府参考人(坂下広朗君) 造船業は、委員御指摘のとおり、国内の地方圏に生産拠点を維持しておりまして、地域の雇用、経済を支える重要な基幹産業というふうになっております。 不況を脱しました九〇年代以降、右肩上がりの成長を続けてきております。近年ではリーマン・ショックもございまして、これ以降、受注量が減少しまして厳しい時期もございましたけれども、一昨年末の円高の是正に支えられまして回復基調に乗っておるという状況になってございます。 また、造船業、国際マーケットの中で事業を行う産業でございまして、我が国の造船業が韓国あるいは中国といった競合する国と、これらの国との国際競争を勝ち抜いていくためには、優秀な技術者を確保して技術力を維持強化していくということが不可欠となっておる状況でございます。 優秀な技術者の確保に関しまして、奨学金や試験設備の整備など、産業界と教育機関の結び付きを強める対策について委員から御指摘がございました。 私どもといたしましても、産学連携の強化を進めることが極めて重要だというふうに考えております。現在、造船企業によります寄附講座の創設でございますとか、あるいはインターンシップを受け入れるということを通じまして、学生の方々が造船の実際を学び、また進路として造船技術者を目指していただけるような取組を進めているところでございます。 国交省といたしましても、こうした取組の強化を含めまして、造船業の人材確保対策を進めてまいる所存でございます。
○秋野公造君 どうか大臣におかれましては、様々な政策を総動員をいたしまして、優秀な人材を輩出していただけますようお願いを申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。 昨年度の全国学力・学習状況調査の追加調査として、保護者に対する調査が実施されました。保護者の所得や学歴を指標とした調査で、有効回答が約四万に上っています。この中で、家庭の社会経済的背景と学力の関係についてどのような分析が行われたのか、要点を御説明ください。
○政府参考人(小松親次郎君) 今御指摘の調査は、平成二十五年度の全国学力・学習状況調査に併せまして、全国の公立小中学校の保護者約四万七千人対象に、家庭所得や学歴、児童生徒との関わりなどについてアンケートによる調査を行い、学力との関係を分析したものでございます。 調査結果につきましては、二点。まず、家庭所得や保護者の学歴に基づき設定した指標でございます家庭の社会経済的背景と学力の関係を分析いたしますと、家庭の社会経済的背景が高い児童生徒の方が各教科の平均正答率が高いという傾向が見られております。もう一点は、この家庭の社会経済的背景の指標が低く、言わば不利な環境にある中で学力の向上に成果を上げているという例もございます。 そういった学校への訪問調査等の結果から共通する取組を見ますと、家庭学習の指導の充実、あるいは管理職のリーダーシップと実践的な教育研修の重視、小中連携の取組の推進、言語活動の充実、基礎、基本の定着と少人数指導といったようなところが挙げられるところでございます。 こうした分析結果となっております。
○田村智子君 この報告の一部を私も資料でお配りをしました。私も、保護者の所得や学歴が子供の学力を決めるものではないというように思います。 しかし、一方で、この調査の結果で大変衝撃を受けましたのは、いわゆる社会経済背景、SESといいますが、これが最も低い層の子供で学習時間が三時間以上という子供たちの平均正答率が、SESが最も高い層で全く勉強していないという子供の平均正答率にいずれの教科でも届いていないという結果が出ていることなんですね。 大臣、このような結果をどのように受け止めるか、お答えいただけますか。
○国務大臣(下村博文君) 家庭の経済状況や児童生徒の学力の関係についてはこれまでも様々な形で指摘されてきたところでありますが、この調査からも改めて全国的な傾向として相関関係があるということが裏付けられたというふうに考えております。 文科省としては、家庭状況が不利な環境にあっても子供たちが学力の向上を図ることができるよう、学力向上に効果的な指導方法についての教育委員会、学校への普及を図る、また、就学援助を通じた家庭の教育費負担の軽減に更に取り組む必要があるというふうに思います。昨年、議員立法で子どもの貧困対策推進法、成立をしていただきました。政府もこの大綱を作りましたが、これをしっかりと進めることによりまして、このハンディキャップをなくす努力を公的支援によってしていく必要があるというふうに思います。 二十七年度の概算要求において、具体的に新たな、家庭環境における教育格差を解消するための学力保障に必要な教職員配置の充実のための経費等を計上しておりますが、しっかり学ぶ意欲と能力のある全ての子供たちが質の高い教育が受けられる社会の実現に向けて、文部科学省を挙げて取り組んでまいりたいと思います。
○田村智子君 これは、経済的背景と学力の相関関係を調べたこれだけ大規模な調査って初めてのことだと思うんです。悉皆調査による全国学力調査で都道府県や学校を単純に序列化すると、こういうことがしきりに行われてきましたが、私は今回お示ししたような調査こそ注目すべきだと思っています。 これ、来年度の全国学力調査も、私は、悉皆調査ということに予算を掛けるのではなくて、むしろ抽出調査とした上で子供の学力と家庭環境の測定、これは継続して行っていくということも必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) こうした調査は継続して行ってまいりたいと思います。 ただ、各自治体によって学力調査等によってやはり更に学ぶ意欲を学校側にどう付けるかということの中で、福井県や秋田県等先進的な取組をして成功しているところについては、ほかの自治体も視察、見学等に行くことによってその都道府県における学力を伸ばすような努力をしているという自治体もたくさんありますから、そういう意味では、悉皆調査によって、学力だけではありません、そういうところは子供の体力も含めて、あるいは早寝、早起き、朝御飯といった生活習慣、こういうこともいい事例としてそれぞれの都道府県も参考にするという事例もありますので、自治体にとってプラスのような形になるという意味では悉皆調査を続ける必要があると考えております。
○田村智子君 是非継続した調査をお願いしたいと思います。 それで、今年八月に閣議決定した子供の貧困対策大綱、子供の貧困率どう下げるかの数値目標がないなど問題点は指摘されていますが、省庁の枠を超えて対策を取っていこうということが示されたと思っています。その対策の四つの柱の一つ目に教育の支援が挙げられ、その冒頭に学校をプラットフォームとした総合的な子供の貧困対策の展開を行うとしています。とても大切な施策だと私も思います。 これを進める上で、今日お聞きをしたいのは、スクールソーシャルワーカー、やっぱり家庭丸ごと子供たちの様子を捉えるという点で大きな役割を果たし得ると思いますが、大臣、まず、このスクールソーシャルワーカーの役割、どのように認識されておられますか。
○国務大臣(下村博文君) 貧困に起因する児童生徒の様々な課題を解決する上で、福祉の専門家であるスクールソーシャルワーカーの活用を図るということは大変に重要なことだというふうに考えております。
○田村智子君 このスクールソーシャルワーカーの方にお話を伺いますと、学校で気になる子供、あるいは困った子供、この状況を粘り強くつかむ努力というのをされています。家庭訪問はもちろん何度もやります。あるいは、卒業した小学校とか保育園を訪ねて、その子の生育の状況ですね、何か気になることはありませんでしたかというようなお話を聞くようなこともやっている。そうした情報を学校の先生方と共有をして、子供の問題行動の背景にどんな問題があるのか、改善のために誰にどういう働きかけをしたらいいのかということを集団的に検討する。大変手間も暇も掛かる、そういうお仕事だというふうにお聞きをしましたね。 例えば、落ち着きがなくて授業を抜け出すと、先生が注意するとすぐに暴言を吐く、遅刻もどんどん増えていく、こういう中学一年生の男の子、どうしようか。スクールソーシャルワーカーが本人と母親と信頼関係築きながら家庭環境をつかんでいくと、実はお母さんが再婚をして新しいお父さんが暴力的なしつけをするんだと、家庭の中に居場所がなくなっていたんだということが発見される、こんな事例もあったとお聞きしています。 こういうふうに、スクールソーシャルワーカーは、場合によっては社会福祉の制度につなぐということも必要ですし、子供や保護者、学校の教員との関わり方についても極めて専門的な知識や経験を必要とする、そういう仕事だと思います。しかし、その待遇が余りに悪いんです。 来年度は四千百四十一人配置というふうに要求をしていますが、これはどのような積算根拠での要求になっているのでしょうか。
○政府参考人(小松親次郎君) 平成二十七年度の概算要求でございますスクールソーシャルワーカーの配置に要する経費、これは約十三億円を計上しているところでございます。この積算でございますが、小中学校のための配置と、それから高等学校のための配置、さらに、質向上のためのスーパーバイザーの配置、そして貧困対策のための重点加配という四項目から成り立っております。 そして、具体的な積算方法につきましては、共通した積算方法は、その人数とそれから週当たりの時間なり回数、それから週数、これに単価を掛けて補助率を掛けるということをいたしておりますが、例えば、小中学校のための配置、これがおおむね半分以上を占めますけれども、これを例に説明いたしますと、一人のスクールソーシャルワーカーが週一回で一回当たり三時間として年間四十八週間動いていただきます、そういうふうな前提で積算をいたしまして、一時間当たりの単価を三千五百円とし、これに配置人数の四千人と、それに補助率の三分の一を掛ける、こういうふうな形にいたしております。
○田村智子君 これ、一時間三千五百円、週一回三時間で四十八週、年収にすると五十万四千円なんですね。一人で五校担当すれば五人分払えるんだという御説明も受けたんですけど、それでも年収二百五十万円程度という計算になってしまうんですよ。 埼玉県のスクールソーシャルワーカーの方、一日六時間勤務で日給が一万八百円、大変やりがいのある仕事ですけれども、ダブルワークをしなければ生活ができない。スクールソーシャルワーカー養成に取り組んでいるところも出てきたけれども、若い人たちがこれを就職先にすることができない、長期に働けないというお話があるわけですね。これ、貧困対策のために自分たち頑張っているけど、自分たちがワーキングプアになってしまうという指摘なわけです。そうすると、これの見直しが必要じゃないだろうかと。 スクールソーシャルワーカー、実は二〇〇八年度に始まった事業なんですが、初年度は国庫補助は一〇〇%だったんですよ。これで一気に九百四十四人配置。ところが、翌年、国庫補助を三分の一にしたことによって、何と五百五十二人に激減しているわけです。昨年度、やっと一千人を超える配置にまで回復をしたんですけれども、果たしてこの状況で来年度、四千百四十一人配置ができるのかと。 大臣、これ、何らかの待遇の改善につながるような施策が必要だと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) このスクールソーシャルワーカーについては、文部科学省は非常に野心的な計画を作っておりまして、今御指摘がありましたが、二十六年度、約千五百人の配置予定だったわけですが、来年度は四千人、予算も対前年度比九億円増やした十三億円。これを是非五年後には全国でまず一万人配置をしたいと。今現実に学校で様々な課題を抱えている子供たちを一人でも多く救いたいと。そのために、まず数を増やしていきたいと。 しかし、御指摘のような点もございます。一万人が、小中高合わせれば全部で約三万校ですから、幾つかの学校を兼務していくことによって、できるだけ生活できるような環境づくりについての勤務体系を是非地方自治体でも配慮していただきたいと思いますが、まず一人一人の子供に対して十分なスクールソーシャルワーカーの確保を図りながら、その上で更に一人一人の処遇についてアップしていくような、そういう順番で考えてまいりたいと思います。
○田村智子君 是非、待遇改善をお願いしたいと思います。大変、抱えている情報も、個人情報、極めて重いものを抱えながらの仕事で、その職務にふさわしい待遇改善になるようにお願いしたいと思います。 今日は厚労政務官にも来ていただきまして、ありがとうございます、厚労大臣政務官。 次に、省庁横断的な支援策として、生活保護世帯の子供への支援についてお聞きします。 高校進学率は、全世帯九八・四%に対して生活保護の世帯は九〇・八%にとどまっています。経済的な要因だけでなくて、学力や進学への意欲とか家庭環境など複雑な問題があると推測されるわけですが、貧困の連鎖を断つためにも、この保護世帯の子供たちの進学支援ということは、この間、政府でも重要視をしてきたと思います。 その一つの施策として、保護世帯の中学生や高校生を対象とした無料塾に取り組む自治体が注目されています。埼玉県のアスポート教育支援、私も聞き取りをいたしました。生活保護世帯全体の高校進学率、埼玉県八九・八%ですが、この学習支援に参加した方は九七%と、目に見える変化をつくっています。これはほかの自治体でも同様の成果だと言われています。 これは、実は厚生労働省の方の補助金の施策なんですけれども、これ、昨年度の実施箇所数はどれぐらいで、今年度はどの程度というふうに見込まれているか、お答えいただけますか。
○政府参考人(谷内繁君) 生活保護世帯の子供の学習支援事業の実施状況についてのお尋ねでございますけれども、平成二十五年度におきましては百三十の自治体で実施しております。また、平成二十六年度におきましては百五十の自治体で実施する予定ということでございます。
○田村智子君 この事業は二〇〇八年度のスタート時から今年度まで国庫負担一〇〇%なんです。ところが、来年度から生活困窮者支援法に定める任意事業となるため、国庫補助率が二分の一になってしまいます。これは自治体に衝撃を与えていて、沖縄県では地元紙の一面で来年度は継続困難という報道がなされ、その後、私が進学ができたのは無料塾があったからだという青年たちの声を連続して報道するような、そういう騒ぎになっているわけです。 埼玉でも、学習支援員は今家庭訪問も行っています。なぜかというと、チラシを入れて来る子供はそもそも学習意欲があるんだと、それで来ない子供たちにどうやって意欲を引き出すかということで一生懸命家庭訪問やって学習支援に来てもらっている。ところが、この家庭訪問はお金掛かり過ぎると、もう国庫負担二分の一だからアウトリーチ事業は駄目だという説明まで行われているということなんですね。 これ、成果も明らかです。ニーズもあります。これからどうやって全国の自治体に広げるかと問われているときに縮小しかねないんですね、質が落ちかねないんですね。これ、何らかの手だてが必要だと思いますが、政務官、いかがですか。
○大臣政務官(橋本岳君) お尋ねをいただきました支援事業でございますけれども、まず、そのようなことになってしまった背景について申し上げたいと思います。 現在まで予算事業としてその学習支援事業を実施しておりましたが、来年度からは生活困窮者自立支援法に基づきまして、生活困窮者世帯の子供に対象を拡大して実施をすることにしておりますというのは御指摘のとおりでございます。 そこの法律に基づきまして、現在は十分の十の国庫補助率で実施をしておりますが、法律上二分の一ということになっておりまして、先生が御心配をされているというような状況があるというのは承知をしているところでございます。 やはり今お話をいただきましたように、そうした生活保護世帯を含む、今度法律によって、生活保護世帯のみならず、もっと広く困窮をしておられる世帯の子供さんたちに対する支援というのも含まれるようになりますが、そうした学習支援と貧困の連鎖を防止するために大変重要なものだと思っておりまして、そしてその縮小が御心配をされているということでございますけれども、現在、百五十自治体で実施をしておりますというのは先ほど審議官が答弁のとおりでございますが、調査をいたしましたところ、現在百七十九自治体が来年度支援を実施予定というふうに回答しておりまして、なお四百の自治体が未定ということになっております。 したがって、これからも引き続き各自治体に対しまして事業の意義を丁寧に説明をしてまいりたいと思っておりますし、また自治体の負担分、残りの二分の一につきまして地方交付税措置の対象となるように関係省庁と働きかけをしているところでございますので、積極的に委員の御心配の当たらないように努力をしてまいりたいと思っております。
○田村智子君 今、地方交付税措置でということをお聞きして少し安心したんですけど、これ関東知事会からも是非一〇〇%の国庫補助の継続をという意見書が上がっていたり、沖縄県の浦添市議会も全会一致で九月三十日に同様の意見書も採択をしています。是非、事業が継続されるように、また増えていくように、質が落ちないように厚労省の方でも頑張っていただきたいと思います。 下村大臣にも一言いただきたいんですけれども、これ先ほどスクールソーシャルワーカーが全額国庫負担から三分の一になったことで一気に減っちゃったという事例を示したんですけど、同じようなことにならないようにしていただきたいんです。やはり保護世帯の子供たちの高校進学というのは教育行政としても重要な課題だと思いますので、内閣としてしっかりと取り組んでいただきたいと思いますが、一言お願いします。
○国務大臣(下村博文君) スクールソーシャルワーカーについては努力をいたします。 それから、今の話ですが、文科省でも、家庭での学習が困難であったり、学習習慣が十分に身に付いていない中学生への学習機会を十分確保するため、来年度の概算要求におきまして、学校支援地域本部の仕組みなどを活用して、新たに大学生や教員、OBなどの協力を得た学習支援、地域未来塾、これを要求しているところでございます。二千中学校区で学習支援ができるような形を取りたいと思っておりますが、厚労省と連携しながら、経済状況の厳しい家庭の子供たちに対する教育支援、しっかり行ってまいりたいと思います。
○田村智子君 よろしくお願いします。 今日、最後残された僅かな時間なんですけれども、ちょっと予算委員会で我が党の大門議員が取り上げたカジノの問題について、どうしても下村文科大臣にお聞きしたいと思います。 この予算委員会の質疑で、カジノ合法化を目指す議連の顧問を辞すつもりはないというふうに大臣お答えになったんですけれども、安倍総理は、総理という立場を考慮して最高顧問を降りると明言されました。通常国会では、麻生財務大臣、当時副総理も同様の答弁をされました。私ちょっと驚いたんですね、だから大臣の答弁には。 まずお聞きしたいんですけど、カジノはギャンブルであると、ばくち、賭博であると、そういう御認識はおありですか。
○国務大臣(下村博文君) そのとおりだと思います。
○田村智子君 二〇〇八年のスポーツ投票法案、いわゆるサッカーくじ法案のときに、当時、文教委員会の委員でおられた下村大臣は、サッカーくじは競技の賭博やギャンブルではない、宝くじと同じであって、青少年に悪影響を与えるものではないという立場での御質問をされています。 ということは、ちょっと私たちの立場とは違うんですけど、でも、少なくともギャンブルは青少年に悪影響を与えるものだという認識だったのではないんですか。
○国務大臣(下村博文君) まず、顧問というのはそんな大したポストではないと思います。自ら辞めるようなポストではないと思いますが、議連の方から辞めてほしいということであれば辞めるつもりでありますが、自ら途中で辞めるほどのポストではないというふうに思っております。 そして、今回のこれは、私もその議連の顧問という立場からも申し上げるわけですが、青少年に対する悪影響という話がありましたが、このカジノの場所に青少年が入るようなことは、これは排除しているということでございます。IDカード等を活用しながら、依存症やあるいは経済的な問題、また犯罪歴のある方、こういう方は入れないと。あるいは、国内の人は入場料が掛かると。これがシンガポールで実施されている部分で外国人との違いでありますが、そういう形で世界百か国以上でこのIR、国際観光産業としてのカジノ導入されておりますが、最先端の新しくつくった国では、いろんな危惧の問題を解決し、排除しながらやっているという意味で、この青少年に対する悪影響を及ぼすような場所にそもそも青少年を入れないと、そういう立て付けになっておりますので、そのような危惧は当たらないと考えております。
○田村智子君 大臣も視察されたというシンガポールのカジノですけれども、確かに立入り制限などの対策取っています。その立入り制限者は、二〇一〇年の設立当時は百八十三人、二〇一二年には十万人を突破、二〇一四年六月には二十一万五千人を超えているわけですよ。青少年は入らないかもしれない。でも、この立入り制限に至るまでにその方の家族どうなったかですよ。借金抱えたり自己破産したり、当然家庭の中の問題が起きる。こういうのを青少年への悪影響と言うんだと思うんです。 今日お配りした資料を見ていただきたいんですけど、厚生労働省の調査によりますと、日本ではもうギャンブル依存症多いということを予算委員会でも指摘をしましたが、その病的なギャンブル依存症の患者さん、自殺を考えた、自殺を試みた、こういう人の割合は、薬物依存症で入院している方に次いで非常に高い割合を示しているわけです。青少年に対して何もいい影響は与えないわけですよ。 青少年の健全育成に責任を負う文科大臣という立場と、私は、そういうギャンブルであるカジノの解禁を目指す、その議連の顧問という立場は相入れないものだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(下村博文君) それは何か単純な論理であると私は思います。 そもそもこの依存症の人は、元から排除するような仕組みをどうつくるかということが今後、法案議論の中でも出てくるのではないかというふうに思いますし、実際に世界で百か国以上でこのような形で導入されている中で、我が国だけがこのことによって依存症が更に拡大して破滅的な家庭環境になるということはないと思いますし、また、そうならないような制度設計をどうするかということを同時に考えていくことが法治国家として必要なことだと思います。
○田村智子君 最後に一言。 今日、午前中、日本食の話もありましたけど、やはり文科大臣として推奨する文化としたら、私は日本食とか日本の芸術文化だと思うわけですよ。 初めからギャンブル依存症の人はいません。ギャンブルに手を染めた依存症になった男性で、最初にギャンブルをやったのはいつか、その統計もここ入れましたけど、男性で平均二十・二歳なんですよ。そこからのめり込んでいくんですよ。 やはり、是非そうした資料をよくお読みになって、道徳を重んじる文科大臣ですから、再考いただきたいと申し上げて、終わります。 ─────────────
○委員長(水落敏栄君) この際、委員の異動について御報告をいたします。 本日、アントニオ猪木君が委員を辞任され、その補欠として中野正志君が選任されました。 ─────────────
○委員長(水落敏栄君) 質疑を続けます。
○柴田巧君 維新の党の柴田巧です。新しい党になって初めて質問をさせていただきます。よろしくお願いをします。 大臣におかれては御再任ということで、おめでとうございます。一層の御活躍を御期待を申し上げます。 さて、今年は、先ほどもありましたが、豪雨やら土石流やら、あるいはまた火山の噴火などが相次ぎました。改めて、お亡くなりになった方の御冥福をお祈りを申し上げ、また被災された方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。 我が党も、そういう自然災害の後に対策本部などをつくって、現場を視察をしたり、いろんな提言、提案をさせていただいておるところですけれども、改めて、私どもが災害列島といいますか、災害大国に生きている、暮らしているということを実感すると同時に、これから地球の温暖化などによって異常気象というのはより頻繁になると言われておりますし、東日本大震災の影響を受けて火山活動も一層活発になると言われておりますので、それへの備えといいますか、国民の生命、財産、身体を守るためにそういった災害を監視、観測、また予測をして、もし起きたとしても最小限に被害がとどまるような、そういう災害、減災に貢献する防災科学をしっかり推進をする。せっかく我が国は最先端のそういう技術があるわけですから、そういったものを生かして防災科学をより充実強化をしていくということが大事だと思っております。 今日は、そういう観点で幾つか質問をまずしていきたいと思いますが、最初は火山の問題を取り上げたいと思います。 御案内のとおり、御嶽山の火山災害は戦後最悪のことになりました。これを機に、改めてこの火山対策といいますか、監視、観測、火山研究の在り方を抜本的にやっぱり見直すときに来たのではないかと思いますし、予算や人材等々を含めて、火山大国であるにもかかわらず軽視をしてきたというところが否めないと思っておりますので、大震災の後には大噴火が起きるというか、富士山も宝永の一七〇七年でしたか、大地震の後に大噴火をしているのはよく知られていることですので、先ほども申し上げたように、富士山始め日本は百十も活火山がある国ですから、いつ何どき、どこの山で噴火などがあるかもしれません。しっかり備えをしていく必要があるんだと思っております。 大臣も、さきの所信の中でも火山研究の更なる充実強化に向けた対応について検討を進めますと述べておられますし、大臣記者会見の際にも火山研究の強化や人材育成の在り方を年内に見直すとされておるわけで、であるならば、具体的にどのようにこれから取り組んでいくのか、幾つかお聞きをしたいと思うわけですけれども。 まず、この監視・観測体制を強化するという意味からも、噴火や火山の活動の監視・観測機器の更新、結構老朽化しているものもあるやに聞いていますが、更新や高度化、あるいは新たな技術開発に取り組む必要があると思っていますけれども、今後は特にどういうところが必要だと、力点を置いていく必要があるとお考えになっているのか、大臣にお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) まず、御激励をいただきましてありがとうございます。 本当に最近の我が国は、災害列島という感じを全ての国民が思っているのではないかというほど次から次へいろんな災害が、台風があって、しっかり国が事前にいろんな対処をしていくということこそが問われているのではないかと思います。 〔委員長退席、理事石井浩郎君着席〕 そして、御指摘の監視・観測機器の高度化や新たな技術開発についてでありますが、災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画、これは平成二十五年十一月、科学技術・学術審議会で建議されたものでありますが、ここにおいて、各種観測を火口近傍で安全に実施する技術開発、リアルタイム火山観測システムの高度化など、観測・解析技術の開発について取り組むべき課題として示しております。 また、今回の御嶽山の噴火を踏まえ、十月十日に開催した専門家の検討会、科学技術・学術審議会測地学分科会地震火山部会という、何かよく分からない名前なんですが、ここで、今後の火山観測体制の強化や火山観測研究の在り方等について検討を行っていただいておりまして、特に、今御指摘がありました水蒸気噴火からマグマ噴火への移行過程の解明について早急に研究を促進する必要性と、山頂付近での地殻変動の観測強化等の必要性について指摘されたというふうに承知をしております。 年内には基本的な考え方を取りまとめていただく予定になっておりまして、文科省として、これを踏まえ、関係機関等と協力して迅速に対応してまいりたいと考えております。
○柴田巧君 ありがとうございます。 そういった監視・観測技術の更なる進展をしていただきたいと思いますが、山の表面を監視、観測するのももちろん大事なんですが、既にもう東大とか名古屋大学などでも技術開発が進んでいるようですけれども、宇宙からの素粒子によって要するに山の中を、内部を見るということですね、マグマの活動などを。要するにレントゲン、我々にとってはレントゲンのように胃の中を見るのと同じような感じで火山の中を見る技術というのが今進みつつあるやに聞いておりますし、地震波の乱れからその内部の状況を推測する技術も開発されつつあると言われていますので、表面だけではなくて内部の状況をしっかり把握できる技術の開発にも努めていただきたいと思います。 この監視、観測、そして研究の体制を改めていく上でやっぱり一番深刻なのは専門的研究家が少ないということだと思っております。物がなくても、観測機器が若干足りなくても工夫はできますが、専門的研究家がいなければ、なかなかやはりこの監視、観測というのはうまくいきません。 火山はそれぞれに特徴があって噴火の仕方も違いますし、前回と同じように噴火するとも限らないわけで、言わばホームドクター的なその専門家が必要だと言われているわけですが、今、常時監視、観測が必要な活火山、四十七ありますけれども、我が国には専門的な研究家が四十人いるかいないかと言われておりますので、非常に日々監視しなきゃいけない山にも張り付けないという状況でございます。 また、無人化がどんどん進んでいまして、東大なんかでも二〇〇二年以降、三か所あった有人観測所は全て無人化をしておりますし、こういう具合に非常にマンパワーが足りないということであります。今、常時大学の研究者がいるのは有珠山、桜島など五つだけということで、非常に監視・観測体制が脆弱だと言わざるを得ません。 他国では日本とは桁違いに一桁違う数のやはり専門家が確保、育成されておりますし、インドネシアなんかでいうと、この千年の間で爆発した山には必ず人が有人で観測をしているということでありまして、やはりこの火山研究を充実させていく上でも人材の確保、育成、急務だと思いますが、どのように取り組んでいくか、お尋ねをしたいと思います。大臣、お願いします。
○国務大臣(下村博文君) 文部科学省が最近行った調査によりますと、現在、火山関係の研究を進めている人材については、平成二十六年度時点で約三百人程度であるというふうに把握をしております。近年ほぼ同水準の推移であるというふうに見られ、火山研究を充実していただくためには一層の人材の確保、育成が重要であるというふうに認識しております。 我が国の火山研究に関する人材確保、育成については、災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画におきまして、複数の教育、防災業務機関が連携をし、観測研究を生かした教育活動を継続して若手研究者や防災業務に携わる人材などを育成するとされているところであります。また、火山研究を実施するためには、理学、工学、人文・社会科学分野など様々な英知を結集して総合的かつ学術的研究として推進していくことが重要でありまして、多様な分野からの人材の参画が必要にもなってまいります。 〔理事石井浩郎君退席、委員長着席〕 今回の御嶽山の噴火を踏まえ、十月十日に開催した専門家の検討会におきまして、今後の人材育成の在り方についても検討を行って今いただいているところでございます。年内には基本的な考え方を取りまとめていただく予定となっておりますので、文科省としてこれを踏まえて関係機関と協力して迅速に対応してまいりたいと思います。
○柴田巧君 今三百人云々とおっしゃいましたが、それを幅広く捉えると関係している人はそれぐらいになるという説もあるんですが、専門的な研究家となると四十人学級などと言われるんですけれども、極めて少ないと言わざるを得ないと思っておりますので、いずれにしても専門的な研究家の確保、育成にこれから真剣に取り組んでいかなきゃならぬと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。 こうやって世界の地震国と比較をしてみますと、やっぱり決定的に違うのは、国として一元的な地震に関する調査研究機関がない、専門的な機関がないということが非常に弱点ではないかと思っております。日本には世界の七%の活火山が集中をしているなどと言われておりますが、その割には正直なところ、地震に比べればなおさらのこと、この火山対策というのは非常に心もとないわけで、したがって、専門家からも独立した火山の調査研究機関が必要だという声も上がっておりますが、また、そういうものがあれば、大学で火山学を勉強してきた人たちがそういったところに勤務するということにもつながるだろうとは思いますが、いずれにせよ、地震大国だからこそこういう専門的な機関が必要なんじゃないかと、独立の、と思いますが、大臣の御所見をお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 現在、国において火山に関する検討を行う場として、文部科学省に設置をされ、大学や研究機関における観測研究や研究人材の育成等の観点から審議を行う科学技術・学術審議会測地学分科会地震火山部会、それからもう一つは、気象庁に設置され、関係機関による情報交換及び火山活動についての総合的な判断等に関する検討を行う火山噴火予知連絡会があるというふうに承知をしております。 文科省としては、地震火山部会における基本的な方向を踏まえた研究成果等は、適宜適切に火山噴火予知連絡会の場において関係機関間での共有を図りながら、火山活動についての総合的判断のための情報として活用されているところでございまして、火山については、現在のところ、これらの機関が連携して、それぞれの特徴を生かし、多様な観点から検討を進めていくことによって迅速かつ適切な対応を取っていくことが重要であるというふうに考えております。 これを取りながら、今委員の提案についても今後検討してまいりたいと思います。
○柴田巧君 是非、検討を進めていただきたいと思っています。 次に、この火山災害の減災、軽減のためにも国際共同研究というのはやっぱり非常に必要なことだと思っています。 火山噴火などの災害は世界各地で発生をしておりますし、その事例からいろいろ得るものもあると思います。また、アメリカの地質調査所というのは、専門的な、独立、火山の研究機関ですが、そこは世界中に現場に派遣をしてトレーニングを積ませたりノウハウを蓄積をさせておりますが、火山の予知研究に資していくためにも、国際共同観測であるとか、比較研究等の国際的な共同研究の推進が必要だと思いますが、どのように取り組むか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(田中敏君) 火山研究につきましては、災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画ということが取りまとめられております。そこでも、大規模な火山噴火の災害ということは世界各地で発生しておりまして、海外の事例を研究することにより、火山研究のより詳細な分析、あるいは災害の解析ということが可能になるということから、国際共同研究を促進する体制を整備するというような指摘もいただいているところでございます。 また、各大学におきまして、海外の優れた火山研究者、あるいは火山噴火が多発する国の研究者を招聘する取組ということが行われておりまして、例えば東大地震研でも、数名程度ではありますけれども、毎年一か月から数か月程度招聘をしているというような仕組みもございます。 また、独立行政法人防災科学研究所におきましては、東南アジアの開発途上国等において地震、火山噴火に関わる災害軽減のための国際共同研究ということを行っているところでございます。 これらを通しまして、火山研究の国際的な協力ということを一層強化をしていくというふうに考えているところでございます。
○柴田巧君 一段の強化をお願いをしたいと思います。 私の地元の富山県の立山も全国百十ある活火山の一つになっているんですが、常時観測火山の四十七の中には入ってはいないんですけれども、過去一万年でいわゆる水蒸気爆発というのは四回ほどしていると言われておりますし、三千四百年から二千四百年ぐらい前には今回の御嶽山程度の大規模な噴火がしたと考えられております。また、一八三六年にも爆発があったことが記録に残っているわけですが、最近といいますか、東日本大震災以降、この火山ガスが非常に強く出てくるようになって、あそこは御案内のように国立公園でたくさんの人が来るところですが、今遊歩道などは立入禁止状況になっております。 また、環境省の自然保護官事務所、立山のですね、によると、いわゆる地獄谷というのがあるんですが、そこの噴気温度が、平成二十三年度、二十四年度観測したときは百度前後だったのに対して、二十四年度に新たに見付かった噴火点では百四十度まで上がってきているということで、専門家、地元の研究者からも現状の監視・観測体制では不十分じゃないかという指摘がなされているわけであります。 この近辺には防災科学研究所も、また気象庁も京都大学の研究所も、また今申し上げた広い意味では環境省の自然保護官事務所もあって監視、観測をしているわけですが、やはり連絡を密にして万全の監視・観測体制を取るべきじゃないか、取ってほしいものだと思いますが、どういう考えかお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(田中敏君) 立山火山、弥陀ケ原に関する火山観測研究につきましては、先生御指摘のとおりでございます。 現在、気象庁、国土地理院のほかに、京都防災研究所、東京工業大学あるいは防災科学研究所というところが観測データの収集分析を実施してございます。特に、京都大学、防災科学研究所はリアルタイムの地震観測ということを実施しているところでございます。 弥陀ケ原につきましては、ここ数年熱活動が継続的に活発な状況にございまして、大学等で得られるデータにつきましては気象庁を通じ火山噴火予知連絡会に速やかに提出し、専門家による活動評価ということに供しているところでございます。 今後は、更にこうした活動情報をより防災対策に生かしていくという観点から、国の機関や地元自治体、観光施設の関係者等で構成されます立山室堂地区安全対策連絡協議会等に火山研究者も参画をいたしまして、必要な情報提供をするということによって関係機関との一層の連携強化ということに取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。
○柴田巧君 ありがとうございます。是非、関係機関と連携強化をして万全の体制を取っていただきたいと思います。 時間がなくなってきましたので、ちょっと飛ばさせていただいて、官民イノベーションプログラムについて残りの時間お聞きをしたいと思いますが、安倍政権になって大変私どもも気になっておりますのは、いわゆる国が中心となって民間の事業や企業に投資する官製ファンドが非常に乱立をしているということで、いわゆる官の投資の膨張というのは民業を圧迫したり、いわゆる官僚のOBの皆さんの天下り先になったり、あるいはまた投資が焦げ付けば、最終的には国民負担になってしまうということなどが心配をされるわけですね。 かつて基盤技術研究促進センター、キバセンと略して言っておりますが、ここが技術開発名目で民間出資と合わせて四千億円余りの出資金が投入をされたことがありました。しかし、会検の調査によって特許収入などを回収できたのは三十億余りで、結局国が投資した二千六百八十四億は回収不能になって、誰一人責任を取らないということで終わってしまったと言われておりますが、こういうことが大変心配をされるわけです。 この官製ファンドでいうと、文科省関係でいえば官民イノベーションプログラムがそれに当たるわけですが、大学の大学発ベンチャーを促進をしていこうと。大学の研究成果の事業化に向けた産学官の共同研究の推進を目的に二十四年度の補正で一千億措置をされて、その後長い間たなざらし状態にあったわけですが、京大、阪大が九月に認定をされて、東北大学がこれから申請をしてくると聞いておりますが、そういう状況です。政府の方もというか内閣の方も、この官製ファンドのそういう運営状況をチェックするために官民ファンドアドバイザリー委員会というのを設けていまして、このプログラムについては、文部科学省は、大学に対して、十分な仕組みができなければ、支援事業者の認定、出資の認可を行うべきではないと五月には指摘をしました。 その後、阪大と京大が認定を受けたということになるわけですが、果たして、この巨額の公的資金による初期段階のベンチャーファンドを運営するにふさわしいプロフェッショナルな執行、推進体制が本当に整っているのか、また、それを監督するガバナンスがいかに確立されているのか、大臣にお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) これは柴田委員と同じ認識です。ですから、国民の貴重な税金を一千億、四大学に投入するわけでありますから、むやみやたらにばらまけばいいということではなくて、本当に各大学がそれだけの体制ができているのかどうかということを厳しくチェックしている結果、今でも四大学全てに対しては対象にしていないと、それがクリアできなければそれは認めないと、そういう強い姿勢で今考えているところでございます。 この度、設立されるその中でも、京都大学とそれから大阪大学のベンチャー等支援会社の業務執行体制については、専門的人材が確保されているのかを事業計画の認定に際して審査するとともに、会社としての意思疎通を行う取締役会の構成を社外かつ学外の者を過半とすることで公正かつ中立な判断が行われていることとし、さらに、監査役が取締役の業務執行を適切に監査するなど、会社内のガバナンスが確保される仕組みが取られていると。 また、ベンチャー等支援会社へのモニタリング機能を果たすため、各国立大学法人においては、技術に関する研究成果に知見を有する外部の専門家を構成員とする外部評価委員会を設置し、会社における業務執行の妥当性をモニタリングするということにもしているところでございます。 さらに、本事業の進捗状況について、毎年度、国立大学法人評価委員会において評価することとしておりまして、これらの仕組みによりましてこのプログラムの適切な執行が確保されるということを判断をして、取りあえず、四大学のうち阪大と京大について認めたと。ほかの大学についてはまだ厳しくチェックをしているということで、相当これはきちっと国も責任を持ってやるということが問われると思います。
○柴田巧君 最後の質問になると思いますが、是非しっかりガバナンスが利くようにしていただきたいと思いますし、もう一つ心配は、既に東大や京大にはベンチャーファンドがあるわけですね、同趣旨の。これができることによっていわゆる民業圧迫になるんじゃないかというやっぱり懸念があるわけですが、その点はどのように大臣考えていらっしゃるのか、それを防ぐためにどういう手だてがあるというふうな思いを持っていらっしゃるのか、お聞きをしたいと思います。
○委員長(水落敏栄君) 時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。
○国務大臣(下村博文君) 国立大学法人が設置するベンチャー等支援会社について、類似の活動を行う民間事業者がある場合には、不当に妨げることがないように配慮して民業補完に徹するということで認定の要件を掛けております。 大学におけるベンチャー等支援会社の設立準備に当たりましては、既存の民間のベンチャーキャピタルとの間で研究成果に関する情報の共有を図ったり、大学発ベンチャー等に共同で出資を行うなど相互に連携するということで、圧迫にならないような形で配慮したいと思います。
○柴田巧君 どうもありがとうございました。終わります。
○松沢成文君 みんなの党の松沢成文でございます。 まずもって、下村大臣におかれましては、文部科学大臣、そしてオリンピック・パラリンピックの担当大臣として再任をされたということで、おめでとうございます。 私は野党でありますけれども、大臣とは結構、思想、哲学、政策、近いんじゃないかと思って、今日も質問をさせていただきますが、幾つか大臣にちょっと御決断を迫らなきゃいけない質問もありますので、是非とも積極的な御答弁をいただきたいと思います。 まず、オリンピック担当大臣として、今、東京オリンピック二〇二〇の成功に向けて様々準備を展開されていると思います。その中で、オリンピックの会場ですね、競技会場、これ、ここのままでいいのか、あるいは、これ造り直すんだけれども、そんなにお金掛けないでできるんじゃないかと、コスト面も含めて東京都の舛添知事が、ちょっと今の状況じゃお金掛かり過ぎると、もう一回見直しだと言って見直しに入ったんですね。それを受けて組織委員会の方も、もちろん東京がお金出す部分も大きいので、できるだけコストが掛からないように見直しをやっていこうという今真っ最中であります。 それで、私、この競技会場の選定とか内定とか見直しについて幾つかちょっと大きな疑問に当たりましたので、今日は大臣とそういう内容で議論をしていきたいと思います。 まず、プライベートな質問ですが、大臣はゴルフなさいますか。それで、ゴルフ好きですか。あるいは、ゴルフをやるとしたら、ゴルフというスポーツの魅力は大臣にとって何でしょうか。
○国務大臣(下村博文君) ゴルフは好きですが、残念ながら年に数回ぐらいしかする機会はありませんが、しかし、選挙区が東京の板橋でほとんどもう自然が周りにありませんので、ゴルフ場のようなところへ行って大自然の中でプレーするということがストレス解消にもなりますし、気分転換にもなるということで、できたらもうちょっと行きたいなと思っているぐらいであります。
○松沢成文君 大臣、ゴルフやられるということで、ちょっとこの議論はかみ合うような議論になるかと思うんですけれども、オリンピックで、リオデジャネイロのオリンピックからゴルフというのがまた競技としてこれ始まるわけですね。当然、東京オリンピックでも、これはゴルフは競技として開催される方向なんですけれども、オリンピックにおいてゴルフ競技をやる場合のゴルフ場というのはどういう会場が望ましいと思いますか。 ちょっとこれは抽象的過ぎるので、例えば一つ例を出しますけれども、今ゴルフ場には、プライベートの、会員制の結構高級なゴルフ場と、パブリックといって誰でも予約すれば会員であるなしにかかわらずプレーができる一般開放型のゴルフ場があるんですね。 オリンピックの精神、オリンピックの精神というのは憲章にいろんなことが書いてあるので私も全て把握しているわけじゃないですが、スポーツを通じて平和や、あるいは国際親善をしっかりつくっていこうということだと思います。そういうオリンピックの精神に照らし合わせると、一部のお金持ちが運営をしているプライベートコース、これは結構いいコースたくさんあるらしいですね。でも、一般開放されて誰でも使える、オリンピックが終わっても、ああ、あそこでオリンピックやったんだと、自分もプレーしてみたいなと思ったらまた行けるわけです、誰でも、こういうパブリックのゴルフコース。これ、どちらでやるのがオリンピック精神にかなうと思いますか。
○国務大臣(下村博文君) ゴルフ会場におきましては、世界中のトップアスリートがベストな競技ができる会場であるということはもちろんのこと、運営のための十分なスペースがあって、そして安全で円滑な大会運営が認められる場所というところだと思います。 オリンピックの競技会場については、オリンピック後のレガシーの観点はもちろんのこと、コースの良しあしなど競技性の観点、それから大会運営の観点、総合的、多角的に検討、選定をされるべきものでありまして、松沢委員もゴルフをされるかどうかは詳しくちょっとお聞きしたことはありませんでしたが、今は余りパブリックでもプライベートでもそれほど変わらなくなっていると、必ずしもプライベートだからいいゴルフ場ばっかりということではなくて、パブリックでも相当いいゴルフ場があるというふうに思いますし、要はそういう、本当にオリンピックにふさわしいようなゴルフ場かどうかということで、余りパブリックとかプライベート、とらわれるという必要はないのではないかというふうに思います。
○松沢成文君 私も大臣と同じか、もうちょっとぐらいやります。大体月一ゴルファーでして、ですからなかなかうまくなりませんが、目指せボギーペースぐらいで頑張って、でも、ゴルフというのは、体力的なもの、技術的なものだけじゃなくて、非常に精神力の要求されるスポーツで非常に面白いスポーツですね。ですから、私は、ゴルフをやるのも見るのも大好きなんです。 今、大臣の答弁で、オリンピックにふさわしいゴルフ場というのは、もちろんほとんどプロの選手が来るわけですから相当難しいコース設定ができるかとか、あるいは広さに余裕があるとか、あるいは大会運営の実績があるとか、こういう総合力で評価されるべきだと思います。おっしゃるように、今パブリックでもプライベートでもいいゴルフ場はあるし、パブリックかプライベートかじゃなくて、やっぱりゴルフ場全体を考えて判断されるべき、私もそのとおりだと思いますね。 さて、大臣、ゴルフをやられるということですが、大臣は、大臣の選挙区からちょっと北の方、東の方に行った霞ケ関カンツリー倶楽部という日本を代表する名門プライベートゴルフコースでプレーをされたことがありますかというのが一つと、もう一つ、東京都がパブリックコースとして東京湾のど真ん中に夢の島を埋め立てて造った誰でもできるパブリックコース、若洲ゴルフリンクスというのがあるんですね。このゴルフ場、この二つのゴルフ場でプレーをされたことはありますか。
○国務大臣(下村博文君) 元々ゴルフは余りする機会がなく、下手なゴルフですが、たまたまですが、両方とも一度ずつゴルフをしたことあります。
○松沢成文君 ああ、なおさらこれは話がかみ合いますね。 実は私も、これ両方とも視察に行ったんです。行きました。なぜかというと、今回のオリンピックのゴルフ競技の選定で、実は霞ケ関が内定しているんですね。ところが、この決定の仕方はおかしいと、むしろ前の二〇一六年のオリンピックの招致のときには若洲で立候補しているんです。それで、今度のオリンピックも最初の申請は若洲でやっているんです。ところが、その後、ごちゃごちゃごちゃごちゃいろんな会合があって、途中で何だか分からないけれども、霞ケ関に変わっちゃっているんですね。 さあ、この二つのゴルフ場をちょっと比較をしてみたいんですよ。どちらがオリンピックをやるにふさわしいかということで。 まず、霞ケ関はプライベートのコース、若洲はパブリックのコース。ですから、みんな、あんなオリンピック競技をやったところでやりたいなと思って、皆さんがやれるのはむしろ若洲ですね、開放型です、一般開放していますから。 それから、東京オリンピックはコンパクト五輪というのを目指しているわけです。できるだけ選手村やプレスセンターから半径八キロ以内で、選手に遠くにまで行くという負担がないように、観客も大変ですから、できるだけ東京湾岸の近いところでやりましょうと、その方がコストも安くなるわけですね。 若洲というのは選手村から僅か四キロ。ゴルフだから歩いても行けるんですよ。ゴルフカートでも行けちゃうんです。すぐそばですよね。霞ケ関、もう選手村から百キロ以上あるんじゃないかな。どれぐらいか分かりませんが、かなり遠い。選手村から五十キロだ。それで、車で、夜走って一時間、昼間走ると一時間半掛かります。 それで、若洲の方は選手村に近い、したがって、ホテルにも近い、非常にいいところです。もっとアクセスでいえば、羽田空港から僅か十分、やっぱりみんな羽田空港から来るでしょう。それから、東京の都心から本当にもう十分です。やっぱりギャラリーの皆さんだって行きやすいですよね。ですから、立地の面で考えると、圧倒的に若洲の方がオリンピックに向いているわけです。 次、ちょっと景観というのはあれですけど、霞ケ関も丘陵コースで松の並木がすごいきれいでした。いいゴルフ場だなと感じますよね、ゴルファーだったら。ところが、若洲がすごいところは、東京湾のど真ん中の島ですから、ディズニーランドは見える、あるいは東京タワー始め品川とか汐留の高層ビル群が見える、そしてこちらには新しくできたゲートブリッジ見えて、もう本当にすばらしい景観なんですよ。こういうゴルフ場は日本では若洲だけですからね。 それから、いろんな特徴がありまして、実は、先ほど言いましたように、若洲は、東京で出たごみ、それを埋め立てて上をゴルフ場にして造ったんですね。だから、最初はメタンガスが出るなんてと言われましたが、今はそれがいい起伏になって、すばらしいコースに発展してきています。ですから、環境政策をアピールするにも、昔はごみ処理場だった、それをゴルフ場にして今一般開放をして皆さんが喜んでいる。これ世界にアピールできますよね。その上、設計者がかの有名な岡本綾子さん。恐らく日本のプロゴルファーでは世界で最も有名な方の一人だというふうに思います。こういう特色もあるんですね。 それから、私は最大の問題だと思うのは、オリンピックをやる七月の終わりから八月の初めの日本の真夏の気候、もう三十五度、湿度八〇%。埼玉県というのは、ここの中に県民の方がいたらちょっとごめんなさいなんですが、内陸ですごく暑いんです。もう熊谷なんて四十度行っちゃうぐらい。霞ケ関も埼玉県の内陸ですから、恐らく日中の温度は四十度になっちゃいます、体感温度は。そうすると、プレーヤーが途中で熱中症になるどころか、一万人からのギャラリーが集まるんです、この人たちがばったばった熱中症で倒れますよ。なぜこの暑い夏に内陸部のど暑いゴルフ場でやらなきゃいけないのか。 一方、若洲は周りじゅう海ですから、海風が吹いて、体感温度は低いんですね。これパブリックのコースですから、もし少しお金を掛けると、ナイター設備を付けて深夜にゴルフやればもっと涼しいんですよ。それで、深夜にゴルフやると、オリンピックはテレビ放映権が最大の収入源ですから、深夜にやればヨーロッパやアメリカの時間でゴルフ放映が生中継できるんですよ。こういうアイデアもあるんですね。ですから、気候の問題を見ても、圧倒的に若洲の方が私はこの時期にやるオリンピックとしては向いていると思うんですね。 そういうことで、これプライベートかパブリックかということを関係なく、いろんなゴルフ場の持つ立地だとか、あるいは環境面、あるいは気候面、こういうものを考えても、どう見ても私は、霞ケ関でやるよりも若洲の方が、プレーヤーもギャラリーも喜んで、事故もなくて、日本の環境政策もアピールできる、こう思うんですよね。 今、私いろいろと理由を述べましたけれども、大臣、この二つのコース回ったことある、まあ、どっちがいいコースかというのは大臣の主観もあると思いますが、ただ、オリンピックをやる条件として大臣はどちらがふさわしいと思いますか。
○国務大臣(下村博文君) 霞ケ関はゴルファーの憧れの場所の一つと言うぐらい名門のゴルフ場ですよね。しかし、意外と私そこで、もちろん会員じゃないわけですが、簡単にゴルフができたということがあって、一方で若洲は、パブリックということもあるんでしょうけど、相当競争率が、抽せんでプレーできるかどうか、私、五年も掛かったんですね。すぐいっぱいになっちゃうんですよ。ですから、五年たってやっとできたところであったので、感激で言うと、実はパブリックであっても若洲の方が感激をしたんですが、今の松沢委員のその分野におけるその分析で言えば、多分そのとおりだというふうに思います。 ただ、オリンピックでのゴルフ競技会場はそういうコンセプトで選択をしているわけではなくて、国際ゴルフ連盟、IGFのゴルフ競技に関するデザイン基準におきまして、競技エリアのほか、二万五千人の観客を収容するスペース、それから放送施設設置エリアなど大会運営に係るスペース約七千平米、また駐車スペース約一万平米など、相当の面積が必要であるというふうに規定をされております。 私も若洲は非常にいいところだなと思ったんですが、埋立地であるということで、ちょっとやっぱり狭いなという感覚は当時持ったことは事実なんですね。ですから、このようなことがクリアするのが難しいということで、多分、若洲ゴルフリンクスにおいては、IGFの基準のうち、観客を収容するスペースとか、それから大会運営に係るスペースが不足していて拡充も難しいということがオリンピック会場としての要件を満たさないというふうに判断としてなったのではないかというふうに漏れ聞いております。
○松沢成文君 私もそういう話はいろいろと聞かせていただいているんですが、これ、このゴルフ競技の会場の設定をしていく会議の中で、私は随分調べたんですが、不透明な部分が非常に多いんです。 先ほど言ったように、最初は、二〇一二年二月は、実は東京五輪の会場の申請ファイルに、IOCに出したやつですね、これ若洲で出しているんですね。最初の二〇二〇年のオリンピックも若洲でいこうといって出しているんですが、その二〇一二年の四月に、これ五輪対策本部につくられた二〇二〇東京招致委員会の第一回目の会合があって、ここにゴルフ関係者の方が集まっているんです。集まっている方も全部分かっていますけれども、個人名は避けさせていただきます。そのときに、やっぱりその人たちは名門霞ケ関を、あそこでやって、それで世界的な有名なゴルフ場にしようと。マスターズはオーガスタ、あるいは全米オープンはペブルビーチ、あるいは全英オープンはセント・アンドリュース、こうやって世界のゴルフ先進国には世界中の人が知っている名門な知名度の高いゴルフコースがあるんですが、日本にないんです。だから、霞ケ関をオリンピックでやって世界中に有名にしたい、だから霞ケ関に持っていきたいと考えた方が多いんだと思います、私。 それで、実は条件をいろいろつくったんです。例えば、国際試合の実績があるか、七千ヤード以上あるかとか、あるいは三十八ホールあるかとか。あるいは、ちょうど霞ケ関が入る晴海から五十キロ以内、車で一時間以内と、ぎりぎりセーフなんですね。それで、一日一万五千人から二万人のギャラリーの収容能力なんですね。これ、どう見ても霞を入れて若洲を落としたいと、こういう条件なんですね。ここから私、不信感あるんです。 例えば、若洲も、私、コース関係者に聞きましたから、七千ヤード以上に改良するのはほとんどお金掛からずにできちゃいますと、こう言っているんですね。それから、三十六ホールないけれども、世界の国際大会で十八ホールで国際大会、大きいのやっているところたくさんあるんです。これは世界基準で言っているんじゃなくて、あくまでもこの会合でつくった条件なんですね、若洲を外すために。それから、多少遠くてもいい、車で一時間以内ならいい、霞ケ関を入れたいわけです。ギャラリーの収容能力も、若洲はいろんなところを配置換えすれば十分に収容能力できます。 例えば、練習場が必要なんですね、プロが練習するために。その練習場も、実は海外のある例で、海に向かって練習場で打たせて、その後、全部ボールをダイバーが拾うという、こういう、場所を使わないで海を使って、練習場もやって国際試合もやっているという例もあるんです。これこそ、私は無理して埋め立てたりしないで、環境にも配慮したやり方だと思うんですよね。 こうやって会合が二回開かれました。その中で、若洲の反対論を言う人が多くて、だんだんだんだんこうやってそういう人たちは理論武装をして、若洲を外して霞ケ関を入れようということでやっていったわけです。 これは本当に重要な会場決定の会合なんで、私は議事録出すべきだと思うんですね。ただ、議事録要求しても、何かA4三枚ぐらいの、こういうことが議論されましたという報告書しか出てこないんです。だから、誰が何を言ってどういう経緯で若洲が霞ケ関にひっくり返ったかというのは分からないんですね。極めてこれ決定過程が不透明なんですよ。こんな形で霞ケ関に決定していいのか、私は大きな疑問を持っているんです。 それで、実はこの霞ケ関の方にも少し聞いてみたんですけれども、当然プライベートゴルフ場ですから理事会があります。理事会も、理事会長さんなんかは推進派ですから、やりましょう、霞ケ関に決まったって発表されましたので、いいですよとなったんですが、これは理事会の中は賛否両論渦巻いているんです。 例えば、霞ケ関でやろうとしても、今霞ケ関、ツーグリーンですから、これをワングリーンにしないとというのは、これ国際基準なんです。ワングリーンにすると、また相当な改良費が掛かるわけですね。ゴルフやるとしたら二万人のギャラリーが入りますから、仮設スタンドも造る。それから、霞ケ関の場合は会員制ゴルフ場で、オリンピックで使うとしたら恐らく二、三か月休まなきゃいけない。そのための補償だとか、いろんなお金が掛かってくることが分かったんです。 じゃ、これどこで負担するのかと。やってくれと言うんだから国が出してくれるでしょうと、そう思いますよね。でも、国はそこまで言わないわけですね。いや、これは霞ケ関、お金持ちなんだから、このワングリーンの改修なんかあなたたちでやってよみたいに、今もめ始めちゃっているんですよ。つまり、霞ケ関でやると決まっても、これはやっぱり理事会で、メンバーの皆さんの持ち物ですから、ここで紛糾しちゃいます。がたがたになっていきます。それで、霞ケ関はやっぱりできないというのを、これから半年後、一年後にそんな反応が返ってきちゃったら、もうどんでん返しもいいところで、またチャラに戻っちゃうんですね。 それで、今度、JGAの会合では若洲を外すためにいろんな工作をしていまして、一番目は霞ケ関です、二番目は横浜ですと、ここまで決めたんです、霞が駄目なときに。でも横浜は、こんなのやっていられない、自分たちで負担するようなことはやっていられないということで、もう私たちはやりませんと宣言しちゃったんです。そうしたら、霞ケ関に無理に持っていって、いろんなことがこれから噴出して、理事会でももめて、霞ケ関やっぱりできないとなったときに、これどうするんですか。それから新しい候補のゴルフ場見付けて間に合うんでしょうか。私は本当に心配なんですね。 さあ、そこで、若洲ならば、先ほど言ったように、いろんな工夫をすれば十分にキャパシティーの面でも大会運営の面でも応用できるんです。それこそお金を掛けないコンパクトな五輪じゃないでしょうか。現に、大臣が昔いらっしゃった東京都議会、東京都議会はもう絶対若洲だと、若洲賛成なんですね。だから、今後、都議会でも議論が出てきます。今日、私は国会で問題提起させていただきました。都議会でも議論が出てきます。まあ、こういう混乱状況に陥っているんです。 さあ、大臣、今の状況を考えて、ゴルフ競技をオリンピックで成功させるためには、私は、このどちらがふさわしいかというのを客観的に検討しても霞ケ関より若洲の方がふさわしいと思う。それから、決定過程を見ても、極めて一部のゴルフ関係者が強引に霞ケ関に持っていって若洲外しをやっている、それが議事録が公開されていないという不透明さ。長野五輪のときも誘致のときのお金の使い方で、後でそれが発覚して大もめになりましたよね。そうなる可能性もある。その上、霞ケ関の理事会はごちゃごちゃな議論で、やるなんて決まっていない。東京都は地元の東京でやってほしい、コンパクト五輪目指しているから東京都議会も大賛成だ、これが私が取材した今の客観的状況なんですよ。 さあ、大臣、どう思いますか。大臣として、最高責任者としてこれは検討し直してやっぱり軌道修正しないと、私はゴルフ競技成功できないと思いますが、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 東京都は決定過程が不透明とかなんとかいうことではなくて、ですからゴルフ場は対象には入っていないと思いますが、今競技場の見直しそのものはしているわけですね。これはそのコストの問題とそれから環境問題併せて、当初の計画どおりではとてもやれない、あるいはやれる環境にないということで、東京都の造る競技場の見直しを組織委員会と一緒にやっている最中であります。国がやるのはこれは国立競技場だけでございますが、改修工事ではなくて改築工事をやるということで進めているわけでございます。 この中で、実は私も、月刊文芸春秋今月号、記事を書かせていただいているんですが、結構購読をしているものですから、このことについて二か月ぐらい前の月刊文芸春秋でも記事で書いてありましたから読んでおりまして、松沢委員が質問される以前に私もこれは確認をしました、もしそういう危惧があるのであれば、これはもう大変なスキャンダルにもなることでありますので。 その結果、ちょっと事実関係を申し上げたいと思うんですが、会場の選定に当たっては、二〇一二年二月に東京都がゴルフの国内競技団体である公益財団法人日本ゴルフ協会、JGAに対し、立候補ファイルに記載する会場候補について国内競技団体としての意見集約を依頼をしました。日本ゴルフ協会では、二〇一二年四月、ゴルフ界全般の専門知識を有する有識者で構成する委員会を設置し、あらかじめ選考基準を決定した上で候補地の選定を行っております。この委員会には、日本プロゴルフ協会副会長や日本女子プロゴルフ協会副会長、開催都市である東京都等も参画をし、適正なプロセスを経て候補地の選定が行われたというふうに聞いております。 その後、東京都及び招致委員会において、国際競技連盟である国際ゴルフ連盟の現地視察を踏まえた会場承認を経て立候補ファイルに会場計画を記載しており、全体としての手続も適正に行われているというふうに報告を受けております。 二〇二〇年大会の競技会場については、現在、東京都及び大会組織委員会において、コスト面、それから先ほど申し上げたようなレガシー利用等の観点から会場計画の再検討が行われているところでありますが、現時点では、ゴルフ会場については会場変更を要するような大きな課題があるとは聞いていないというのが現在の状況でございます。
○委員長(水落敏栄君) もう時間が来ております。
○松沢成文君 済みません、時間が来ておりますので。 この件については、十一月にIOCのジョン・コーツさんという調整委員長が視察に来ます。そのときに霞ケ関に行くんでしょうが、私は、やっぱりここで軌道修正して若洲も見ていただいて、IOCの立場からどちらがふさわしいのか、これきちっと見ていただいた方がよほど公平だと思うんですね。 是非とも大臣、これは、私は霞ケ関のまま強引に持っていっても成功できないんじゃないかとすごく危惧していまして、そうであればまだ間に合うんです。来年の二月ですから、最終的に計画を出すのは。あと四か月あるわけで、ここでもう一度大臣の下でしっかりと検討し直していただいて、ゴルフ競技成功のためにリーダーシップを取っていただければなというふうにお願いをして質問を終わります。 以上です。
○中野正志君 次世代の党の中野正志でございます。質問の時間をお許しいただきましてありがとうございます。 下村大臣には、再任大変おめでとうございました。というよりも、大変御苦労さまですと申し上げなければならないかもしれません。私、個人的には、かつて自民党在籍時代は同じ政策集団グループ、まあ端的にいえば派閥、一緒でございましたから、将来は日本丸の船長さんになっていただきたい一人だな、そういう期待感を今でも持っておりますので、これからも頑張っていただきたいと思いますし、正直言うと、この間の改造党役員人事で下村さんには私は幹事長をやっていただきたかったな、それで憲法改正勢力をしっかりまとめ上げて、ここ三年、四年以内に私たちの日本国の憲法を新しい形に作り替える、その責任者をやっていただきたかった、それを強く実は考えておったんでありますけれども、大臣再任でございますから、ちょっとだけ意気は落ちたかなと、私自身、そうあえて申し上げておきます。 今日は、正直、クレームを付けに参りました。下村大臣の所信的挨拶に、東北地方の医学部新設についても触れられておりましたから、今日はその問題で大臣の考え方、文部省、また厚生労働省の考え方をお聞かせをいただきたいと思います。 東北に新設される大学医学部の設置者に選ばれたのは東北薬科大学。県立宮城大学が一番有利であろうと県民の皆さんも、また私たちの周囲もみんながそう予想をしておったんでありますけれども、見事に外れました。医学部新設を主導してきたのは、村井嘉浩という宮城県知事なのであります。この知事の私は熱情を知る一人として、どこか変な決着の仕方だよなと、いまだもって実は納得いかない現実があります。 被災地の医療復興でありますから、やっぱり何だかんだ言っても本来は県立なんだと思うんです。今後、これから医学部設置の主体者が東北のほかの自治体と緊密な連携を取っていかない限り、この作業は絶対成功しない。だとするならば、やっぱり県立なのであります。なぜ東北薬科大学か全然分からない。 私は、私立医大に比べれば、県立の場合は授業料、いわゆる学費、圧倒的に安い。それから、医者さん方の地域定着策の一つとなるいわゆる修学資金制度、これもつくりやすい。それから、あえて何十年後かと言っておきますけれども、何十年後かに医師過剰ということになった場合、どうしたって定員の見直しをしなければならない。このときには私立の医科大学よりは県立大学の方がやりやすい。そんなこんなのプラス面を考えますと、私はやっぱり県立が選ばれるべきではなかったのかなと思うのであります。 まず、構想の審査という割には、実は、宮城県立大学は緻密さが欠けている、準備不足だ、具体性にも欠けていると退けられたのであります。それにしても、八月二十八日、ここが大事なんです、八月二十八日の構想審査会の前の日、前日に東北薬科大学に決定との報道が出て、実はそのとおりの結果となったのであります。 初めから結論ありきの出来レースではなかったのかと、審査に対する私たちの不信の根拠でありますけれども、まず見解をお伺いしたいと思いますし、二つ目、七項目の条件を付けて東北薬科大を認めた。なぜ県立では駄目だったのかということが私を含めて県民の皆さんに理解できておりません。 やっぱり県民の立場からすると、県庁という組織は宮城県内最大のシンクタンクなんです。それが否定されたという影響はでかいのであります。もう県民の皆さんは、県立であれば庶民家庭でも通えるよね、さらに奨学金があるなら最高だよね、それから県立なら地域定着の医学生、医師をたくさん輩出できるよね、こういう大きな実は期待感もあったわけであります。 取りあえずは、この二つについて見解をお聞かせをいただきたいと存じます。
○国務大臣(下村博文君) まず最初、私の方から申し上げたいと思いますが、中野委員におかれましては、激励またクレームということですね、御質問していただいておりますが、今までのことについては感謝を申し上げたいと思います。 そして、なぜ東北に医学部、東北薬科大学かということでありますが、この東北地方における医学部新設について、昨年十二月に三省庁で定めた基本方針に基づきまして新設構想について公募し、有識者会議での専門的、客観的な審査を踏まえて選定を行ったところであります。 審査に当たっては、基本方針において示した四つの留意点及び実現可能性の五つの観点から審査を行いました。その結果、適切な定員設定の観点からこれは宮城県が評価されましたが、一方で、震災後のニーズに応じた教育の観点、地域医療に支障を来さない教員等の確保の観点、実現可能性の観点からは東北薬科大学が高く評価されました。つまり、実際のところは、この締切りの数日前に県立大学が手を挙げたと。最初から構想を練っていたらまた違っていたかもしれませんが、その辺の準備不足ということで十分構想ができていなかったということだというふうに思います。 なお、卒業後の地域定着策の観点では両者の評価に差はありませんでした。それ以前に、実際は三校からこれについては希望があったわけですが、最初の一校、福島の方は条件的に全くクリアできなかったということで、この宮城県内における二つが絞られて、そして八月の末にそのような形になったわけでありますが、特に東北薬科大学の構想は、石巻サテライトセンターの設置等、地域医療や災害医療を含む六年間の教育内容の具体性等から優れていると評価された結果であるというふうに認識しております。 これらの結果から、総合的に判断し、東北薬科大学が選定されたものであるというふうに認識しておりますが、局長の方からも補足について答弁させていただきたいと思います。
○政府参考人(吉田大輔君) まず、八月二十八日の構想審査会の前の日に報道がなされた点につきまして御説明申し上げます。 確かに、そのような報道が前日になされまして、その点については私ども大変遺憾に思っているわけでございます。ただ、第五回目になるわけでございますけれども、この構想審査会の前に審査会としてあらかじめ結論を決めておったと、そういった事実関係は全くございません。 七月三十日、これは第四回でございますけれども、そこで、先ほど大臣から御紹介いただきましたけれども、この基本方針に示されております四つの留意事項、さらにそれに実現可能性、それを加えました五つの事柄につきまして、それぞれ委員の方から評価をいただきまして、そのことを踏まえて第五回の審査会におきまして御議論いただいた上で、その場で決まったと、こういった経緯になっております。
○中野正志君 局長の立場はそういう答弁でしかないと思います。 ただ、選定されなかった村井知事の不信感、二つの点に要約されます。 一つは、最初に提出した構想応募書とヒアリング、質問書に対する回答書だけが審査の対象だと。五月三十日以降、カリキュラム内容や教員確保策を具体化するために検討委員会を立ち上げたり、大規模事業評価を実施して文科省に資料を提出、報告していたけれども、一切評価に反映されなかった。これはどういうことなんですか。 二つ目。構想審査中に文科省から薬科大への支援について問合せがあって、奨学基金への拠出限度を七月中にメールで二度回答した。しかし、薬科大側にも審査会側にも実はその答えは届いておらず、確認されていなかったんです。薬科大はこの医学生修学資金制度の規模を百五十億円と見積もっている。しかし、その計算で構想に示しているんでありますけれども、宮城県は拠出の上限は八十億円としているんであります。薬科大の誤った認識でも審査の対象ではプラス評価なんです。この誤認は絶対大きい。これもどうなんでしょうね。こうしたことから、村井知事は今回の選定方法と文科省の対応を批判しているんであります。 財政面についても、薬科大の構想どおりの運用ができるのか。また、運営協議会の設置、運営ができるのか。文科省がいろいろ電話で地ならししているようでありますけれども、こうした村井知事の二点の不信感と薬科大の財政面の運用、運営協議会について、現時点でどう考えておられるのか。特に、さっき言いました修学資金の拠出額に関する宮城県の八十億円と薬科大が予定している百五十億円、このギャップ、国としてどのようにうずめるつもりなのか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(吉田大輔君) まず最初の、申請後におきまして様々な情報提供が的確に評価されていないのではないかという御指摘の部分でございますけれども、今回の構想審査に当たりましては三者の応募がございまして、その応募者の公平性に留意しながら、応募時に提出されました応募書を基本としつつ、その後のヒアリングや、あるいは審査会での委員の求めに応じまして提出されました追加資料、これを審査の対象として審査を進めていただきました。 加えて、宮城県からは、七月の終わりに、そのカリキュラムや教員確保策等につきまして検討会を立ち上げるという情報提供がございました。その点につきましては、七月三十日の第四回の審査会におきましてこちらの方から報告をさせていただいているところでございます。 しかしながら、そういった検討会を開催をするという連絡や、先ほど御紹介のありました県の予算編成手続の前段階として大規模事業評価を行うということにつきましての御連絡はございましたけれども、具体的にその検討会などにおきます成果ということにつきましては示されていなかったわけでございます。したがって、そういったものを審査の中に取り入れるということはできなかったと、こういった事情もございます。 一方、東北薬科大学の場合には、構想応募の段階でカリキュラム案や教員確保の方策について具体的な案が示されておりまして、それが審査会の場では評価をされたと、こういったことになっております。 次に、修学資金の関係でございます。 修学資金の関係につきましては、東北薬科大学の応募の段階で宮城県の方からは、これは審査会からの質問に対しましてですが、東北薬科大学が選定された場合であっても宮城県が奨学金基金を創設し、東北薬科大学に活用させることに変わりはないという方針が示されておりました。 ただ、先生の御指摘のように、その後、宮城県から、事情が変わって、県立の場合に想定している以上の内容で支援をするというのは難しくなってきたという、こういった御連絡はございました。 ただ、これにつきましては、東北薬科大学の構想におきましても、この奨学資金の関係につきましては、本学が選定された後、対象人数、金額等については宮城県と協議をするということがあらかじめ記載をされておりました。 また、元々こういった修学基金を作るという構想自体がなくなるということになりますと構想に大きな変更ということが生じますので、その点につきましては私どもの方も、そこのところが根本的に変わるのかどうか、そごが出てくるのかどうかということについて宮城県の方ともやり取りをさせていただきましたけれども、その関係では宮城県からは、東北薬科大学の応募書と宮城県の認識にそごはないと、こういった回答もいただいたところでございます。 そういった事情を勘案いたしまして、その修学資金の具体化ということにつきましては、審査終了後の当事者間の調整に委ねることが適当であるというふうに判断をしたというところでございます。 そこのことを具体化をいたします場として、これは審査結果の中で今後の進め方について、東北各県あるいは関係する医科大学などの参加を得た運営協議会を設置をして、そこで様々な論点について協議をすると、これが条件として示されているわけでございますけれども、その修学資金の関係につきましても、この運営協議会の中の大きな論点の一つになるものだというふうに承知をしております。 この運営協議会につきましては、近日中にこの開催につきまして東北薬科大学から公表されるものというふうに承知をしております。協議会の設置の主体につきましては、これは東北薬科大学ということになりますけれども、文部科学省としても各県、各大学に対しまして参加を要請するなど、その円滑な運営に対して協力を行ってまいりたいというふうに考えております。
○委員長(水落敏栄君) 委員長から申し上げます。 時間が四十七分までですから、質問、答弁、明瞭簡潔にお願いします。
○中野正志君 私はそのメールを読みました。文科省の受け止め方は間違っていますよ。だとするならば、県に対して具体の金額をしっかり確認しなくちゃならなかったはずなんですよ。それは、あえて言いますけど、課長補佐さんか課長さんか別として、確認しなくちゃならなかったでしょうに。確認もしないで、結果的には百五十億という数字の薬科大学はプラス評価されたんですよ、プラス評価。だから、宮城県は八十と言っているんですから、その金額ギャップをどうするんですかと。運営協議会に委ねるみたいな話で、文科省逃げているんじゃないですか。私は、それじゃ駄目だという話をあえて申し上げます。 ただ、この審査の真っ最中、高等教育局の担当セクション、医学教育課長が、なぜか僅か十か月でその職を離れて某国立大学に転勤しております。何かあったんですか、これは。
○政府参考人(戸谷一夫君) 文部科学省におきましては、定例の人事異動は各省と同様に主に一月及び夏ということでございますけれども、特に夏が大体大規模な定期異動ということでございまして、御指摘の当該課長につきましても、今回の夏の定期の大規模な人事異動に合わせましての異動ということでございます。 大学との人事交流につきましては、文部科学省は積極的に行っておりまして、今回、御指摘の大学からの学長の御要望もございまして、当該課長が大学業務全般に関する知見を有する者としての人事異動ということでございます。
○中野正志君 通常の異動とお話しされましたが、とんでもありません。この医学課長は僅か十か月です。ところが、高等教育内の課長の任期、私、ずうっと調べました。高等教育企画課長、三年、二年ですよ。大学振興課長、二年五か月、一年六か月。専門教育課長、一年八か月、二年六か月。十か月なんという課長、誰もいないじゃないですか。みんな二年何か月でしょうに。 この医学教育課で何か問題があったから結果的には転出させざるを得なかった。それは大学の事務局長にもう何ぼでも天下りさせているのは私たちも承知していますよ。しかし、十か月というのはないですよ。それはあえて指摘しておきますけれど、間違いであります。 もう時間がないんで最後にいたしますけど、厚生労働省さん、後で改めて質問の機会をおつくりをいただくように頑張りますので、よろしくお願いします。 この医学部設置が各分野からいろいろ反対の声も当然あります。そういった声を乗り越えても、万々が一、文科省の考えているような状況にならなかった場合、審査会イコール文科省高等教育局には重大な責任があると考えますけれども、その認識はあるんでしょうか。
○政府参考人(吉田大輔君) 文部科学省としては、この構想審査会におきまして、有識者による専門的、客観的な審査をいただき、適正な選定が行われたものと考えております。 今後、文科省としては、厚生労働省、復興庁とともに定めた東北地方における医学部設置認可に関する基本方針に沿って適切に手続を進める、そういう責務を負っているものと承知をしております。 東北薬科大学の構想が東北全体の復興、地域医療の振興に資する医学部となるよう、東北薬科大学を主体としつつも、東北各県、各大学等との調整が円滑に行われるように文科省としても全力を挙げてまいりたいと考えております。
○中野正志君 大臣、安倍内閣は地方を大事にするということで、人口減少に歯止めを掛けると。活力を取り戻すには、まず特色ある地域戦略。 私は、この安倍内閣の地方創生法案のことを考えたら、仙台にまた一つの医学部を設置するということより、この県立大学のように、宮城県庁と私たちの宮城県の一番岩手県側の栗原市と共同作業になるんですよ。まさに地方創生法案のはしり、象徴するこれはプロジェクトになるはずなんですよ。それをできなかったというところに、はっきり言いますけれども、政治主導バーサス文科省の官僚、厚生労働省の官僚、この戦いだったんです。自民党の皆さんには怒られるかもしれませんけれども、政治主導が負けたんです。官僚主導が勝った案件がこれなんですよ。これ以上は申し上げませんけれども。 大臣、お答えいただけますか。はい、お願いします。
○国務大臣(下村博文君) 今回は、安倍内閣が三十六年ぶりに医学部の新設を認めると、これは東北被災地のエリアという地域状況の中で判断をしたことであります。 そして、今のようなことは、中野先生の頭の中でお考えの分にはそれは一つのイメージかもしれませんが、事実は全く異なります。もしということがあったとしたら、最初から県立大学が手を挙げて準備をすればそのようなこともあったかもしれませんが、それはもう全く最初は想定していなかったと、もう締切りのぎりぎりの二日前に急遽手を挙げたというところから、やっぱりもう準備不足は否めなかったのではないかと思います。 これはもう政治的ないろんな恣意ということじゃなくて、客観的に有識者会議の中で、公正公平の中で判断されたことでありまして、全く瑕疵がなかったというふうに認識しております。
○中野正志君 どうもありがとうございました。
○委員長(水落敏栄君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時四十七分散会