内閣委員会 第10号
- 発言数
- 212 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2014/11/18
会議録
○委員長(大島九州男君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、酒井庸行君、蓮舫君及び山崎力君が委員を辞任され、その補欠として井原巧君、尾立源幸君及び柘植芳文君が選任されました。 ─────────────
○委員長(大島九州男君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 犯罪による収益の移転防止に関する法律の一部を改正する法律案外一案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として警察庁長官官房審議官鈴木基久君外十三名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大島九州男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(大島九州男君) 犯罪による収益の移転防止に関する法律の一部を改正する法律案及び国際連合安全保障理事会決議第千二百六十七号等を踏まえ我が国が実施する国際テロリストの財産の凍結等に関する特別措置法案の両案を一括して議題といたします。 両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○上月良祐君 自由民主党の上月良祐でございます。 何点かだけ確認をさせていただきたいと思います。FATF勧告に基づく二法案でございますので、基本的にしっかりやっていただきたいというつもりなんでございますけれども、二、三点だけ確認させてください。 まず、百十数か国あるいは機関も入れてたくさんある中で、このFATFは三十四の国と機関が入っているというふうに聞いております。FATF勧告を遵守するというか、それに従ってきちんとやるというのはある意味で大変重要なことだと思うんですが、それ以外の国々というのは一体どんなふうになっているのか。結局、どこかに一つ抜け穴があったら世界のテロの資金の、何というんですか、移転防止等々という意味では意味がなくなってしまうようにも思います。そういう意味で、世界中の体制というのはどうなっているのかなということを一点教えていただきたい、確認させていただきたいのと、あと、警察の方の資料をいろいろ見させていただいたりしたんですが、日本が随分遅れている、遅れているということを書いておるんでございますけれども、私自身の感じとしては、日本というのは金融取引もそれなりにしっかりやっているのかなというふうに思っております。 ただ、FATFの方からの対日相互審査の報告書の概要などもいろいろ見させていただきましたらば、結構厳しく言われているということも事実なんだなというふうに思いました。日本の現在のその対策というんでしょうか、とっている措置の状況、位置付けというんでしょうか、どういうふうに見られているのか、その辺りについてちょっと教えていただきたいと存じます。
○政府参考人(浅川雅嗣君) お答え申し上げます。 今委員御指摘のように、FATF自体は三十四か国の加盟国でございますが、それを含めまして実は世界で百九十か国の国・地域がFATF若しくは……(発言する者あり)失礼しました。 FATF自体は今委員御指摘のように三十四か国の加盟国でございますが、実はそのFATFを含めまして世界で約百九十の国・地域がFATFの本体若しくは、FATF勧告の履行のために八つの地域機関がございますが、そのメンバーとなっているところでございます。そこでは、マネーロンダリング及びテロ資金供与対策の国際基準としてこのFATFの勧告が一律に採用されているということでございます。 委員お尋ねの日本の取組なんですが、日本は平成二十年十月の対日相互審査以来、FATFの全体会合、これは年に何回かございますが、これまで約十回のフォローアップの議論を受けまして、その都度、日本の取組についての説明を丁寧に行ってきたところでございます。 FATFは、勧告が求めるいろんな義務がございますが、その義務を、例えば金融機関に対するガイドラインや監督指針などではなくて、あくまでも強制力のある法令に明記することを求めてきております。そういう観点から、犯罪収益移転防止法については平成二十三年に法改正をお願いし、それをお認めいただいたところなんですが、依然としてその義務の一部が日本の法令で明記されていないなどという指摘を受けてきたところでございます。 他方、テロリストの資産凍結の方なんですが、こちらに関しましては、国際テロリストの対外取引に関しましては外為法により規制されているところでございますが、国内取引に関しては規制されていないなどの指摘を受けてきたところでございます。 このようなFATFからの指摘を踏まえまして、今回、法案を提出させていただいたところでございまして、我が国として、FATFからの理解を得られるよう、その内容について今後丁寧に説明してまいりたいと思っているところでございます。
○上月良祐君 ありがとうございました。 私は、内政の場で働くことが多かったので国際交渉というのは非常に経験少ないんですが、幾つかその僅かな経験でもやった中では、概念のすり合わせというんでしょうか、非常にまあ何というんでしょう、まさに言葉が違うのと一緒で、似たようなことを向こうからは違うと言われ、こっちはそうだと言われというようなこともあろうかと思います。見ていると、資金という言葉に関しても随分やり取りがあるみたいにも思えますので、そういったところ、しっかり伝えるところを伝えて、受け止めるところを受け止めてきちんと法制化をしていくと、そういうことをしっかりやっていただきたいと存じます。 私、もう一点気にしておりますのは、萎縮効果がないかどうかということです。民民取引に萎縮効果があるようではいけないというふうに思っております。これから二〇二〇年を迎えるに当たって、海外の方もたくさん来られると思いますし、国際テロリストを、きちんとその資金などを防止していく、移転防止なんかをしていくということは大変重要だと思いますけれども、一方で、家の契約とかが萎縮効果で何となく外人の人が借りにくいとかということになってもまたいけないというふうに思っております。 テロリストの財産凍結法案の十五条、二十一条、二十二条辺りを見ると、一回間違って契約しちゃったからそれで捕まっちゃうという、罰則を受けるということではないようですね。三回ぐらいやらないと捕まらないというような形になって、慎重な形になっているとは思います。 しかし、一度間違って契約した人が、次また、何というんでしょう、その人が名前が変わっていたとか、代理人が来てやったとか、あるいは何でしょう、実質的にはその人なんだけれども、別の人の名前でやったとかというようなケースで間違ってまた契約しちゃった、したいと思ってやっているわけじゃないけれどもしちゃったというようなケースとか、あるいは犯罪収益移転防止法の方でいうと、これは年々疑わしい取引が増えているようでありますので、その疑わしい取引に基づいて検挙される件数もどんどん増えているというような状況でありますのでしっかりやってもらわなきゃいけないんですけれども、その中でも、やはり銀行の取引で必要以上の手続とかを課していくということになってしまうと、これもまた萎縮効果になってしまってはいけないなというふうに思います。 悪いものはきちんとたたいていただきたい。しかし、必要以上の、何というんでしょうか、手間を掛けるというのもどうなのかなというふうにも思います。その辺り、萎縮効果の面でどんなふうに仕組みがなっているのか、その点を確認させていただきたいと思います。
○政府参考人(高橋清孝君) お答えいたします。 テロリストの財産凍結の関係でありますけれども、御指摘のような場合には、取引をするに至った経緯等の個別具体の事情を踏まえまして命令違反となるかどうかを判断することとしておりますが、仮に取引の相手方が公告国際テロリストであることを認識し得ないような場合には、改めて情報提供や指導、助言をすることとしております。 いずれにしましても、情報提供を行うに当たりましては、御指摘のような形で違反行為が行われることのないよう、例えば当該公告国際テロリストの別名を併せて教示するなど、きめ細かな情報提供をしてまいりたいというふうに考えております。
○上月良祐君 ありがとうございます。 是非丁寧な情報提供を心掛けていただきたいと思います。官報というのは誰も、誰も見ていないというのは言い過ぎですけれども、一般の人はなかなか見られないので、ネットであるとかなんとか。特に仲介業者などには、一般の人の民民の本当の個人の取引というのはなかなか難しいんですが、間に仲介業者がはまるような場合には特に責任が大きいと思いますので、そういった方々に対する情報の提供の在り方、是非検討していただきたいと思います。 最後に、大臣に一言決意を伺いたいと思いますが、今回のは世界のテロ防止に貢献することではありますけれども、結局、テロが起こらないという、起こってしまうと日本の、例えば石油、ガス、そういったものの輸入にも影響があったり、日本の国際企業の活動にも影響があったりするようなこともあろうかと思います。人のためにやるのではなくて、やはり日本自身のためにやるんだという気持ち、それから、二〇二〇年に向かって安全、安心な国であるということを、やっぱり重要な日本のイメージであるというふうに思っております。 そういったことから、今回のFATFの勧告に基づく、日本はしっかりやっていただきたいと思っておるんですが、萎縮効果ということも気を付けながら、悪いものをきちんとたたくという姿勢で是非お願いしたいんですが、大臣の決意を問いたいと思います。
○国務大臣(山谷えり子君) マネーロンダリングやテロ資金供与は国境を越えて行われるものであり、各国が協調して対策に取り組むことが重要と考えております。 また、一般の経済取引への影響に配慮しつつ、悪いものには厳正に対処するということは議員御指摘のとおりでございまして、法の運用に当たっては、こうした点に留意し、国際社会と連携しつつ実効ある対策を推進するよう警察を指導してまいりたいと思います。
○上月良祐君 ありがとうございました。終わります。
○尾立源幸君 おはようございます。民主党・新緑風会の尾立でございます。 私が出てくるとまた銃刀法かと言われるかもしれませんが、本日は犯罪収益移転防止法案、国際テロリスト財産凍結法案の議題でございますので、まずはこれを中心的にやらせていただきまして、後ほど、前回、山谷国家公安委員長とは非常に呼吸が合った質疑をさせていただきましたので、銃刀法について少し質問をさせていただければと思います。 改めまして、このグローバル化の中、やはりテロに対しては断固として我々は対処していかなきゃいけないですし、またその活動の資金源となっておりますマネーロンダリング対策についてもしっかりこれやらなきゃいけないということはもう言わずもがなだと思っております。同時に、こういう対策をする中で、金融機関などの我が国のいわゆるビジネスのプレーヤーの活動に支障を来してはならないという、こういう非常に二律背反するような、バランスを取らなきゃいけない課題であるわけなんですけれども、今回、政府から冒頭の犯罪収益移転防止法案、そして国際テロリスト財産凍結法案が提出され、ここに審議されておることは、その努力に非常に敬意を表したいと思いますし、冒頭、賛成の立場ということを明言して質問をさせていただきたいと思います。 まず、私も財務省で政務官をさせていただいたときにこの問題を知り、また取組をさせていただきましたが、非常に複雑であるし、分野が多岐にわたるということも承知しておりますが、改めて、国際社会におけるマネーロンダリング対策のこれまでの流れと我が国の取組状況について、簡単に御説明していただきたいと思います。
○大臣政務官(竹谷とし子君) お答え申し上げます。 国際社会におけるマネロン対策のこれまでの流れ、そして我が国の対応について御質問いただきました。 国際的なマネロン対策は、一九八九年のFATF設立によって本格的な取組が始まりました。また、二〇〇一年九月の米国同時多発テロ事件以降、テロ資金供与の防止や取締りに係る国際的な取組も本格化しています。 我が国では、こうした国際的な流れに対応し、マネロン対策といたしまして、二〇〇三年に金融機関を対象とした本人確認法を制定し、二〇〇七年にはその対象を非金融機関に拡大した犯罪収益移転防止法を制定しています。また、テロ資金対策としては、二〇〇二年にテロ資金提供処罰法を制定することなどによって順次対応してきているところでございます。
○尾立源幸君 今御説明いただきました、日本でも相当な取組をしてきたということなんですが、改めて、FATFについて、この組織がどんなものかというのを改めて御説明いただけますか。
○大臣政務官(竹谷とし子君) お答え申し上げます。 FATFは、マネロン、テロ資金供与対策に取り組む政府間の枠組みであり、一九八九年のアルシュ・サミットにおいて設立され、現在、G7を含む三十四か国・地域と二地域機関がメンバーとなっています。また、FATFはマネロン、テロ資金供与対策に必要な法制度について国際標準であるFATF勧告を制定するとともに、加盟国における勧告の遵守状況を確認するため相互審査を実施しているところでございます。
○尾立源幸君 ありがとうございます。 それでは、そのFATFが平成二十四年に勧告を出しておりますけれども、この勧告ではどのような内容が出されたのか、改めてお聞きしたいと思います。
○大臣政務官(竹谷とし子君) お答え申し上げます。 公表されたFATF声明において指摘された事項でございますが、顧客管理及びテロリストの資産凍結については、それぞれ本委員会で御審議いただいている犯罪収益移転防止法改正法案、国際テロリストの財産凍結法案により、また、テロ資金供与の犯罪化については先週十四日に成立をいたしましたテロ資金提供処罰法改正法案により対応を進めることができると考えておりますが、この中で指摘されていることと申しますのは、テロ資金供与の犯罪化が不完全であること、また、金融及び非金融セクターに適用される予防措置の分野で顧客管理措置やその他の義務が不十分であること、また、テロリスト資産の凍結メカニズムが不完全であることが指摘されております。
○尾立源幸君 法務委員会のこれ所管になっているんですが、テロ資金供与の犯罪化防止ということについてのまず対策、そして本委員会での二つと。あともう一つ、パレルモ条約の締結と実施ということについてもその後声明があると思いますが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(竹谷とし子君) パレルモ条約についても指摘をされているところでございますけれども、この条約を締結して国際社会と協力し、組織犯罪と闘うということは重要な課題であるということは認識されておりますが、同条約を締結するための法整備について、重要な課題であると政府も認識しているところでございますが、国内担保法案について、これまで様々議論があるところでございます。これについては、慎重な上にも慎重な検討が必要であると考えております。
○尾立源幸君 じゃ、るる御説明いただきましたが、FATFからは日本国に対して四つ改善しなきゃいけないところがあるよと言われたうちの、三つの部分が今国会といいますか、この委員会も含めて対処ができるという理解でよろしいですね。
○大臣政務官(竹谷とし子君) はい、そのとおりでございます。
○尾立源幸君 今、解散風がいろいろ吹いているんですけれども、今国会で法案が成立しないと来年二月のFATF会合でハイリスク国として国名が公表される可能性があるという指摘があるんですけれども。 ただ、全銀協の会長さんが九月の会見で、国名公表の可能性は低いとしながらも、二つのことをおっしゃっています。コルレス銀行からコルレス契約の解除を求められるなど銀行自身の活動が制限される、また、海外送金が遅れるなど顧客利便性が大きく損なわれる可能性があるということを御指摘されておるわけですけれども、仮に法案が成立しないとこのようなことが想定されるんでしょうか。また、その場合はどう対応されるんでしょうか。
○大臣政務官(竹谷とし子君) お答え申し上げます。 今御指摘いただきましたけれども、この法案が成立しない場合にハイリスク国として国名公表がされる可能性があるということは事実であると思います。そうした事態に陥った場合には、海外の金融機関が日本の金融機関との取引を回避する、取引ができない、あるいは遅延するといった影響が出てくることが考えられます。本邦金融機関及び企業等の国際金融取引に重大な支障を来す可能性があると考えております。 この法案について是非御審議をいただいて、可決、成立を進めさせていただきたいと思っております。
○尾立源幸君 国際社会からイエローカードを突き付けられているような状況なんですけれども、なぜこれまでこんなに遅れたのか、その理由についてお聞かせをいただきたいと思います。 これは、また我々政治家としてもしっかり意に留めておかなきゃいけないことですので、是非理由を教えてください。
○大臣政務官(竹谷とし子君) お答え申し上げます。 FATFは、勧告が求める義務を金融機関に対する監督指針等ではなく強制力のある法令に明記することを求めています。これまで監督指針等に明記をしておりましたけれども、法令には明記されていなかったということでございます。こうした中で、犯罪収益移転防止法については、平成二十三年に法改正を行ったものの、依然として義務の一部が日本の法令で明記されていないなどと指摘をされました。このため警察庁では、昨年六月から有識者懇談会を開催して検討を行いまして、約一年を掛けまして本年七月に報告書をまとめたところでございます。 また、テロリストの資産凍結については、警察庁を始め関係省庁において、現行法との整合性、また外国の立法例等を含めた様々な検討を行ってまいりました。その他、関係者の権利利益の保護への配慮等、その検討を慎重に行う必要があったということでございます。その結果、時間を要したものでございます。
○尾立源幸君 それじゃ、金融庁にちょっとお聞きしたいと思いますが、まさにその担当で、これを法令化すべしということだったんですけれども、なぜその監督指針、ガイドラインレベルであって法令に落とせなかったのか、改めて金融庁の見解を求めたいと思います。
○政府参考人(中島淳一君) お答えいたします。 ただいま御質問にありましたように、金融庁では広範な監督権限を有しておりまして、それに基づく監督指針でそれなりの効果を上げることができたというふうに考えております。一方で、今回、FATFからの指摘にありますように、法令にそれぞれきちんと根拠があるということが必要であるという指摘を受けましたことから、今般法改正をお願いしているものでございます。
○尾立源幸君 金融庁もいつもグローバルスタンダードに合わせなきゃいけないとか言っておきながら、なぜそれは監督指針でいいという理解をして国際社会から指摘されるような後手後手の対応になったのか改めてお聞きしたいと思いますし、こういうことはしっかりまさに国会の場で議論をしなきゃいけないということだと思います。──聞いていますか、大丈夫、いいですか。 改めてその考え方をお聞きしたいと思いますし、これは後の銃刀法にも関連するんですけれども、こういう行政内部のいわゆる通達だとか指針だとかいうことで理解が得られているようだと思ってもらっては困るということも含めて、金融庁にお聞きしたいと思います。
○政府参考人(中島淳一君) お答えいたします。 これまでのFATFとのやり取りの中で、強制力ということについて議論をしてまいりました。金融庁といたしましては監督指針で十分対応できるという説明をしてきておりましたが、まさに御指摘のとおり、法令にはなっていなかったというところについて今般法令として提出をさせてお願いをいたしております。
○尾立源幸君 こういうことを国際社会から指摘されると非常に不名誉なことですので、しっかりやってくださいね。改めてどうぞ、決意を。
○政府参考人(中島淳一君) ただいまの御指摘を踏まえて、金融庁としてもしっかり対応していきたいと思います。
○尾立源幸君 それでは個別の法案の質問に移らせていただきたいと思いますが、お配りしております資料の一ページ目、これは、今回の犯罪収益移転防止法の目的だとか効果だとか、さらに様々な法律がこの目的や効果を達成するために関連しているというような一覧図でございますけれども、それともう一つ、二枚目もめくっていただけますか。疑わしい取引の届出から捜査機関等への提供の流れという図を添付させていただいておりますけれども、これまでも、今おっしゃったように、指針の中で疑わしい取引の届出というのがあったわけなんですけれども、今回の改正で更に疑わしい取引の判断方法をまさに明確化することが決められようとしております。 それで、私ちょっと調べましたら、現在の制度でどのぐらい疑わしい取引が届け出られているかということですが、三ページ目に資料が付けてございます。平成二十五年だけを例に取りますと、金融機関、その他、リース、クレジット等々いろいろありますが、郵便などもありますね、電話転送サービスとか非常にいろんな分野にわたるわけなんですけれども、一年間で約三十四万九千件ということで、非常に膨大な取引の届出が出されているということでございますが、現状、この三十四万九千件も届け出られて、どのようにこの情報を活用しているのか、まずその点について御質問をしたいと思います。
○政府参考人(樹下尚君) 疑わしい取引情報の活用状況についてのお尋ねでございますけれども、国家公安委員会におきましては、特定事業者から各所管官庁に届出のあった疑わしい取引に関する情報を集約、分析いたしまして、その結果を検察庁、警察、麻薬取締部、海上保安庁の四つの捜査機関と税関及び証券取引等監視委員会に提供しているところでございます。 捜査機関に提供されました疑わしい取引に関する情報につきましては、捜査機関等におきまして、提供された内容に即して犯罪の捜査や犯則事件の調査に活用されているものと承知をしております。例えて申し上げますと、疑わしい取引に関する情報を端緒として都道府県警察が検挙した事件数は毎年増加しておりまして、平成二十五年中は九百六十二件でございました。
○尾立源幸君 じゃ、今警察で九百六十二件、一年間に検挙されたということですね。本当、非常に膨大な数で、それぞれの担当は大変だと思うんですけれども。 それじゃ、今回の改正では更にこの疑わしい取引の判断方法を明確化するということで、チェックリスト化というふうなことを考えられているそうなんですけれども、これをすることでこの疑わしい取引というものの届出が増えるんでしょうか、減るんでしょうか、端的にお聞きしたいと思います。
○政府参考人(樹下尚君) 今回の改正におきましては、従来、マネーロンダリングの疑いの有無を判断する際に取るべき方法が個々の特定事業者の裁量に委ねられていたというところ、その判断の方法を明らかにすることによりまして、特定事業者が疑わしい取引に該当するか否かをより適切に判断できるようにすることを目的としているものでございます。したがいまして、特定事業者からのより精度の高い届出が行われることが期待されるものでありますけれども、これにより届出件数が増減するかにつきましては一概にお答えすることは困難でございます。 いずれにいたしましても、疑わしい取引に該当するかどうかの判断がより適切に行われることにより、マネーロンダリング対策の強化が図られるものと思料しているところでございます。
○尾立源幸君 現状では増えるか減るか分からないということなんですけれども、それじゃ、これを実際に窓口等で担当する銀行の例をお聞きしたいと思うんですけれども、銀行では、例えば今までの判断に加えて新たにどんなことをしなきゃいけなくなるのか、これは金融庁でしょうか、質問をしたいと思います。
○政府参考人(中島淳一君) 具体的にどのようなことを新たに行うのかということにつきましては、この後、警察庁とよく議論をして中身を詰めていきたいというふうに考えておりますけれども、現時点で検討している例ということで申し上げれば、取引のリスクに応じて、申告を受けた職業や取引を行う目的等に照らして確認するチェックリストというものを利用する方法を考えております。
○尾立源幸君 のべつくまなく全てのお客さんについて同じような判断方法、チェックリストを使ってやると、これはもう大変なことになるんじゃないかと私も危惧しております。 そういう意味で、リスクに応じた顧客管理というものが必要ですし、低リスクの方には簡素化というようなことも必要になってくるんだと思いますが、具体的には、これも多分検討されていると思うんですけれども、簡素化の方についてはどのようなことを検討されていますか。また、ハイリスクの方については、その抽出について、どのような方法でやられようとしているのか教えてください。
○政府参考人(樹下尚君) 顧客管理措置の簡素化についてでありますけれど、本改正案では、毎年、取引の種別ごとにマネーロンダリングに悪用されるリスクを国家公安委員会が評価することとしておりまして、その結果を踏まえまして、主務省令を定めるに当たりましてはリスクが低い取引について顧客管理措置を簡素化するなどの負担軽減についても検討することとしております。 例えば、現行では十万円を超える現金振り込みの場合には取引時確認の対象となるわけでありますけれども、公共料金の支払であるような場合、マネーロンダリングに悪用されるリスクが低いというふうに考えられますことから、その簡素化措置について検討する必要があるというふうに考えております。 それから、高リスク取引についてのお尋ねでございますけれども、先ほど申し上げましたように、マネーロンダリングに悪用されるリスクというものにつきまして国家公安委員会が評価をするというふうにしておりますので、その結果を踏まえまして、リスクが高い取引につきましては厳格な方法を取ることを検討をしているところでございます。 その具体的な判断の方法につきましては、先ほど来申し上げておりますように、主務省令において定めることとしておりますけれども、先ほど申し上げました取引のリスクに応じてチェックリストを利用する方法に加えまして、マネーロンダリングに悪用されるリスクの高い取引につきましては、厳格な判断を期するため、取引時確認の結果等に照らして疑わしい点があるかどうかの判断について統括管理者が承認することなどを定めることを考えているところでございます。
○尾立源幸君 確かに、私なども銀行振り込みしますが、十万円を超えるとできないといって二回、三回分けなきゃいけない、大変不便なこともありますので、今おっしゃったように、リスクに応じてこういうこともやってもらえれば有り難いですし、また、銀行のカードだとかクレジットカードの受取も非常に今は厳しくなっておりますので、またその辺も工夫をしてもらいたいと思います。 そういう意味で、顧客の協力というのもある意味大事なんですけれども、顧客にしっかり説明をして協力をしてもらわなきゃいけないんですけれども、この点については、対顧客に対してはどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(樹下尚君) 本改正案の成立後には、この施行準備とともに、FATFからの指摘事項に対して政省令により対応することとしているものにつきましても、マネーロンダリング対策の実効性を確保しつつ、事業者や顧客に過度な負担とならないように、関係省庁、業界の御意見を伺いながら検討を進めてまいりたいと考えております。 また、犯罪収益移転防止法の円滑な運用のためには、御指摘のとおり、取引時確認等の対象となる顧客の理解と協力が不可欠でありますことから、法令の改正内容につきまして関係省庁と連携し、周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
○尾立源幸君 それでは、金融庁にお聞きしたいんですが、先ほど、指針止まりだったということは、一つコストの問題、事務作業量の問題も実はあったんじゃないかと思いますが、今回の法案が成立することで金融業界にとっても新たなやっぱりコスト増というのもこれ実際出てくるんだと思うんですが、この点についてはどのように考えておられるか。また、疑わしい取引を届けるに当たっては、今までいろいろなノウハウが逆に金融業界にはあるのではないかと思っております。そういうことで、自主的な取組をされている中でいい例などがあれば御紹介をいただければと思います。
○大臣政務官(越智隆雄君) 御質問頂戴しました。 金融業界にとってのコストはどうなるのかという点でございますが、今般の犯罪収益移転防止法案につきましては、金融庁が定めております監督指針等におきまして既に民間金融機関に取組を求めている事項でございます。これを法律上の義務として規定するものでございますけれども、このことによって追加的に生じる民間金融機関の事務コスト負担は多大なものではないというふうに当局としては今考えております。 また、二つ目の御質問でございますが、疑わしい取引の届出に関する金融業界の自主的な取組の事例でありますけれども、例えば、各業態の特性やリスクに応じまして、業界団体が中心となって届出手続に関する通達やハンドブック等を作成し周知するとともに、会員向けの研修会を行っているというふうに承知しております。
○尾立源幸君 ありがとうございます。 余り追加コストが出ないんだと早くやればよかったですね。今聞いてびっくりしましたけれども。 それではもう一点、マイナンバーというのが二〇一六年から使用されることになります。それで、今様々な準備が政府等々で進められているわけなんですが、銀行取引等でもすぐに利用ということでは今ないんでしょうが、このマイナンバーが使用、利用されると、この法律の目指すところ、すなわち犯罪収益移転防止だとかテロリストの財産凍結について、より私は実効性が上がるんじゃないかと思っております。 また、疑わしい取引を判断するにも非常に役立つんじゃないかと思いますが、まずその辺のマイナンバー利用の有効性ということに対する質問が一点と、もう一つ、そのためにまた更に追加で利用するためには何か法改正が必要なのか、その二点についてお聞かせいただきたいと思います。
○大臣政務官(越智隆雄君) マイナンバーの導入が間もなくでございますが、それに向けてどんなことを考えるのかということでございますが、まず、金融機関を含む特定事業者は、収受しました財産が犯罪による収益である疑い又は顧客が組織犯罪等を行っている疑いがある場合に、疑わしい取引の届出を提出することになっております。 そういう中で、マイナンバーの活用が届出の提出を行う上での判断に直接的に役立つかどうかということでございますけれども、マイナンバーにつきましては今様々な議論行われておりまして、現段階では一概には言えないというふうに考えております。 いずれにしましても、マイナンバーにつきましてはマネロン対策での活用も含めて現在内閣官房を中心に議論が行われているところでありますので、当局としても関係省庁とともに検討を進めてまいりたいというふうに考えておる、そういう状況でございます。
○尾立源幸君 せっかく悲願ともいうべきマイナンバーが入るわけですから、これを有効に金融庁では使っていただくように検討を鋭意進めてもらいたいと思います。その改めて御決意をお聞かせください。
○大臣政務官(越智隆雄君) 委員の今の御発言をしっかり受け止めまして、鋭意検討させていただきたいというふうに思います。
○尾立源幸君 それでは、疑わしい取引ということがずっと課題で出てきておりますけれども、これはグローバルな中で判断されることだと思っております。ある国では疑わしくないとか、ある国では疑わしいということがばらばらであっていけないわけですので、ある意味全国的なグローバルスタンダードで取引を判断をしていかなきゃいけないと思うんですけれども、他国の例で、それでは、何というんですか、参考にすべきような判断基準があるのかどうか、その点についてお聞きしたいと思います。
○政府参考人(樹下尚君) 御指摘のように、マネーロンダリング対策につきましてやはり国際協調が大事でありますので、そういった他国の例ということも参考に様々な検討がなされるべきものというふうに考えているところでございます。 御指摘の疑わしい取引の判断方法につきましては、FATF勧告後において求められておりますリスクに応じた顧客管理等の措置を明確化するために、これを主務省令で定めようとしているところでございます。 他国の例につきましては、各国の法令、制度は様々でありまして、FATF勧告を実施するに当たり、各国がその法体系に応じて顧客管理の方法を定めているものというように承知をしておりまして、FATFの要求水準を満たしているという国々では、勧告に定められております顧客管理措置等につきまして明確に規定しているというふうに評価されているところと承知をしております。 いずれにいたしましても、主務省令を定めるに当たりましては、他国の例も参考に、今後、関係省庁、業界の御意見を伺いながら検討を進めていくこととしたいと考えております。
○尾立源幸君 それでは、この犯罪収益移転防止法の最後の質問になりますが、先ほども出てきましたコルレス契約、為替業務等の代行契約ということがコルレス契約ということなんですけれども、この契約を結ぶ際に相手国がマネロン対策を行っているか否かの確認が厳格になされるとのことでございますが、我が国では現状は今どうなっているんでしょうか。政務官。
○大臣政務官(越智隆雄君) コルレス契約の関係で御質問を頂戴いたしました。 御指摘のとおり、改正後の犯罪収益移転防止法第九条に基づきまして、金融機関はコルレス契約の相手方のマネロン防止体制の確認を義務付けられることになります。 現状でございますけれども、我が国の金融機関に対して金融庁が定めております監督指針におきまして、コルレス契約の締結に際して相手方マネロン防止体制の確認を求めているということでございまして、言わば監督指針から法律での規制になるわけでもございますけれども、現在でもほとんどの金融機関におきまして改正案第九条の内容に既に対応できているというふうに認識をしております。
○尾立源幸君 それでは次に、二本目の法律の国際テロリスト財産凍結法について質問をさせていただきたいと思います。 この法律を適用して国際テロリストの財産凍結をするに当たっては、当然ながら国際テロリストという認定が必要となってくるわけなんですけれども、このテロリスト認定をされれば、これまでは対外取引のみが禁止であった、我が国は。しかしながら、この法律が成立すると、国内取引もできなくなるということで、これは当たり前のことで、これもなぜこんなに遅れたのか私も非常に不思議だし遺憾に思うわけですけれども。 それでは、このテロリスト認定に当たって、間違いだとか恣意的な認定があってはこれもちろんならないわけでございます。そのために、こういう誤りを防ぐためにどのような対策をお取りになる予定なのか、教えてください。
○国務大臣(山谷えり子君) テロリストの認定に当たっては間違いや恣意的な認定があってはならない、当然のことでございます。 国際テロリストの財産凍結法案では、国連安保理決議第千三百七十三号を踏まえて外為法で規制対象となっている者であり、かつ米国、英国といった一定の外国が財産凍結措置の対象としている者等の要件に該当する者を指定することとしており、警察が恣意的に指定することはありません。また、指定に当たっては、指定を受ける者にその理由を示すとともに、聴聞の手続として、その意見を聴取しなければならないとしています。 いずれにせよ、指定に当たっては、御指摘のような懸念が生じることのないよう、関係省庁や外国の関係機関と適切に連携を図りつつ法の適切な運用に努めてまいります。
○尾立源幸君 それでは、大臣にまた追加でお聞きしたいんですが、今回の法案では、テロリスト本人について贈与、貸付け、財産の売却代金の支払などの経済行為を行うときに、公安委員会の許可を得ることを義務付けていることに加えて、経済行為の相手方も処罰の対象としております。 一方で、この相手方については一般の人であるケースもあるわけですね。知らずにやってしまったということもあるわけで、このように何も知らずに取引をしてしまった一般の人についてどのような配慮や工夫がされているのか、その点について委員長にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(山谷えり子君) 国際テロリストの財産凍結法案では、許可を受けていない公告国際テロリストを相手方として贈与等を行ってはならないとしております。 御指摘のように、相手方が公告国際テロリストであると知らずに取引を行った場合は、都道府県公安委員会において、まずは情報提供や指導、助言を行うこととしており、それにもかかわらず更に取引を行ったような場合には、反復して違反行為を行わないよう命令を発することとしています。この命令を受けた者が命令に違反して取引を行うような悪質な場合に限って処罰することとしていることから、公告国際テロリストと知らないままに取引をした者が直ちに処罰されるということはございません。
○尾立源幸君 大事なところなので改めて確認させていただきますと、指導や、指導というんですか、その取引をしている相手はテロリストだよという指導なり助言でしたか、おっしゃったんですけれども、それがあってすぐには罰せられないけれども、もう一回それに従わずにやった二回目から罰せられるということなんでしょうか。
○国務大臣(山谷えり子君) まず、指導、助言があり、そして、反復して違反行為を行わないように命令を発すると。この命令を受けた者が命令に違反して取引を行うような悪質な場合に限って処罰するということでございます。
○尾立源幸君 命令違反の場合に、悪質な場合に処罰するということなんですが、その命令違反の場合はもう一発アウトということでいいんですか。
○国務大臣(山谷えり子君) そのとおりでございます。
○尾立源幸君 じゃ、それまで、指導、助言の前に何度取引していてもそこはしようがないねと。分かった時点から二回のその指導、助言、それで次は当然命令なんでしょうけれども、その間にまた知らないで取引されちゃって、空白が、二、三回の何か反復があるかもしれませんが、そういうことは関係なく、とにかく指導、助言と命令、この二つの行政からの行為で罰せられると、中に何かやったかは関係ないと、こういう理解でよろしいですか。
○国務大臣(山谷えり子君) そのとおりでございます。
○尾立源幸君 分かりました。ありがとうございます。 それでは、お待たせをいたしました、銃刀法の質問をさせていただければと思います。余りこればっかりやっているとテロリストかと思われるので、あれなんですけれども。 それでは、改めて有害駆除が今非常に厳しい状況だということだし、また、それをやらないと大変なことが起こっているということを一つ事例を紹介したいと思います。 前回は農林水産業被害が毎年二百億以上ということの御紹介をしたわけですが、今回は警察庁としても関係するような問題です。まさかと思うようなことなんでしょうけれども、一番最後のページ見ていただきたいんですが、私も北海道にこういうことをやっていますのでよく行き、また、レンタカーなども借りるんですけれども、これは釧路空港のあるレンタカー屋さんで配っているような鹿衝突事故マップというようなものなんですね。ですから、レンタカーを借りるときにこれを渡されて、もう一枚実は鹿と衝突しているリアルな写真の載ったものもあるんですけれども、こういう国道等で一年間にこれほどの事故が起こっているので気を付けてくださいよ、衝突しますよということを、これ知らせているマップでございます。 それで、私も改めてその事故件数でびっくりしたんですけれども、北海道では平成二十五年にエゾシカが関係する交通事故が何件あったかというと、千八百十八件もあったということです。それで、十年前の平成十五年の二倍以上になっております。また、車だけじゃなく、JR北海道で列車に支障が出たケースは何と二千五百三十六件もあります。 この質問をする、昨日、おとといですかね、またニュースが飛び込んできて、山梨県の方で鹿を避けようとして車が衝突をして、一人が死亡、三人が重軽傷というようなことがあるんで、本当にこれは皆さんにとっても人ごとじゃない、農林水産業被害だけじゃなくて、交通の面からも非常にリスクのある今状況に全国が置かれているということなんです。 それで、この鹿の被害、交通事故について、全国、イノシシもいるのかもしれませんが、聞こうと思ったんですが、北海道だけしかこの統計がないということで残念なんですけれども、そういう意味で、現に二日前にもう死亡事故が山梨、すぐ近くで起こっているわけなんですよ。そういう意味で、是非こういう対策をするためにも改めて警察庁の方にこの協力を私は要請したいと思っております。 それで、前回も申し上げたんですが、その心は何かというと、銃の所持に関する規制が、国民から見て、銃を持つ人から見て非常に分かりにくくなっております。これは、度重なる先ほどの法律以外の通達だとか内部文書、さらには示達書とかといういろんなレベルの文書が様々あって、それが様々な都道府県でいろんなものが出ている結果、あの県ではよくてこの県では駄目みたいになっている、また、この所轄ではよくてこの所轄では駄目というような、そういう非常に現場が混乱をしておるということでお示しをしたいと思っております。 そこで、その基本にあるのは何かというと、前回もちょっと触れましたが、日本では所持が禁止されている軍用銃、これは当然駄目ですと、ただ、軍用銃類似という非常にファジーな概念があって、その類似性をもって所持許可が出ないというような判断がなされておるわけでございます。 それで、例えば、これもこの前お話ししたと思いますが、軍用銃類似として所持が禁止される条件に何があるのか、三要件を簡単に、改めて、大臣、教えていただけますか。
○国務大臣(山谷えり子君) 銃砲は殺傷用具としての機能を有し、犯罪等に用いられる危険性があることから、銃刀法は、一般的にその所持を禁止し、狩猟、スポーツ、その他社会的有用性を有する用途に供する場合にのみ公安委員会の許可の下に所持することができることとしております。銃刀法上、軍用銃という用語は用いられていませんが、歩兵の戦闘用に製造された銃又は戦闘用の銃を模倣して製造された銃は、外形上猟銃に類似していても猟銃ではなく、一般的には小銃に該当し、所持許可の対象とはならないとの解釈を示してきたところでございます。 このようなことから、都道府県警察に対しては、通達により、戦闘に用いる殺傷用火器として設計、製作された小銃に特徴的に見られる構造として、例えば消炎装置、消音装置、着剣装置及びその取付け装置、ピストルグリップやこれに類似した銃床、大型弾倉、冷却カバー等がある銃については、小銃に該当する可能性があることから慎重に審査を行うよう指示しているところであります。
○尾立源幸君 三要件と言っているんで三要件をちょっとお答えしていただきたかったんですけれども、私の方で、まず三要件。五ページにあるんですけれども、軍用ライフル銃の一部を改造しても猟銃ということはできないという通報第二〇号というやつなんですが、この回答の理由の中に、二行目、遠距離射撃適応性、多弾速射性、戦闘適応性、こういう三つの性質を示して、こういうものを持っているものは猟銃じゃないよということをおっしゃっております。私も、全部は同意できませんが、多弾速射性、戦闘適応性、例えば二十発をばばばばっと撃てるような話だとか、戦闘適応性というのは、突撃をしていくようなタイプの鉄砲などはこれは駄目なんだと思っております。 ただ、次の七ページ見ていただけますか。今大臣がお読みになったところはこの七ページの外形というところで、消炎装置及びその取付け装置、消音装置及びその取付け装置、着剣装置、バイポット、その取付け装置、ピストルグリップ等々、こういうふうに書いてあるんですけれども、ちょっとその上を見ていただきたいんですが、内部機構ということも大事なんですが、外形的な話はこれで分かります、内部機構を見た場合に、安易に連発機構が回復するような構造、これはまさに、一回一回引き金を引かないで、一度引き金を引いたらばばばっと出続けるようになるような、こんなのはとんでもないわけでして、あきませんと、これは分かります。 ただ、次ですね。有効射程距離、命中精度等を用途に比して必要以上に高める。用途に比して必要以上に高めると、この点をもって恐らく通報の方では遠距離射撃適応性みたいなことをおっしゃっているんだと思いますが、前回も申し上げましたように、当たらない銃ほど怖いものはないんですよ。世界中どこを見ても、当たる銃を規制するというようなことはあり得ません。たくさん弾が出るのは規制されますし、さっき言った突撃銃なども規制されておるんですけれども、当たらない銃を警察が勧めるということはとんでもない話になりかねないんです、逆を言えば。 それで、実務上の話を言いますと、例えば装薬銃は薬きょうがあって火薬があって弾頭があるんですけれども、この火薬の量〇・一グラム単位でその正確性が変わってきます。〇・一グラムの、一粒とか二粒の火薬の調整で当たったり当たらなくなるような非常にこれ微妙なものですし、我々は今、鹿を捕獲するにもやっぱり安楽死をさせなきゃいけないと思っています。いろんなところを撃って傷つけて捕ってはいけないと思っておりますし、みんなそういうふうに考えてやっています。 というのは、これも、今月、厚労省ですね、ジビエの活用ということで、せっかく捕獲をしたこういう鹿については、自然からのいただき物ですからできるだけ我々でいただきましょうと、こういうことでガイドラインまで、今、ジビエの肉の、野生肉の処理の仕方などガイドラインが出てきているんです。そういう意味で、どこを撃って倒すかとかいうのが非常に今ポイントになっているんです。例えば、おなかを撃ったり腰を撃ったり背中に当たると、肉がもうぐちゃぐちゃになって食べられません。 そういうことで、やはり急所を狙うということが大事になっている中で、警察がこういうふうに当たらない銃をあたかも勧めるような通達、通達でこれ出しているんですけれども、こういうことをおっしゃっているということについて、私は、先ほど言いました三要件、命中精度の問題、たくさん撃てる、そして銃を持って突進できると、この三つの要件があるんですけれども、是非、正確性については私は議論の対象から外すべきだと思っております。 大臣、私の今の考え、一般論としてどんな御感想をお持ちですか。当たらない銃って怖くないですか、大臣。例えば車でハンドルを切った、自分の切った以上に曲がるハンドルだったら怖くないですか。どうぞ。
○国務大臣(山谷えり子君) 遠距離射撃適応性、その有効射程距離を一概に述べることは困難でありますけれども、今委員がおっしゃられた当たらない銃で狩猟を行うことになるんじゃないかということでございますが、そういうことを言っているわけではなくて、銃砲は殺傷用具としての機能を有し、犯罪等に用いられる危険性があることから、銃刀法は、一般的にその所持を禁止しており、戦闘に用いる殺傷用火器として設計、製作された銃は猟銃ではなく小銃に該当するものとして所持許可の対象としていないものであります。 通達では、そのような小銃の特徴の一つとして遠距離射撃適応性に優れているということを挙げているにすぎないものであり、所持許可の対象となる猟銃についても、危害予防上の観点から、狩猟や有害鳥獣駆除、標的射撃の用途に供するために必要な性能を有していなければならないということは当然であると思っています。
○尾立源幸君 ありがとうございます。 じゃ、当たる銃はいいよということだと思いますが。 それでは次に、先ほどこの七ページの外形の部分でおっしゃったピストルグリップについてちょっと議論を、私したいと思うんです。 これも非常にマニアックな議論で恐縮なんですけれども、皆さんもこんなことはお聞きになったことないと思うんですけれども、四ページになりますね、資料の四ページ。ちょっとページ数が振っていないのですが、四枚目です。ごめんなさい。四枚目、ピストルグリップが駄目よというふうに今大臣がおっしゃいました。 このピストルグリップというのは、この一番の写真に出ている、まさに拳銃のような握りのものをピストルグリップというんですけれども、これはなぜこのピストルグリップというのをまず規制されたのか、その心をお聞かせください。
○国務大臣(山谷えり子君) ピストルグリップは、戦闘に用いる殺傷用火器として設計、製作された小銃の一般的な特徴の一つであることから、ピストルグリップやこれに類似した銃床を有している銃については慎重に審査を行い、小銃に該当すると判断した場合には所持許可の対象とはしていないところであります。 他方で、ピストルグリップを有している銃であっても、歩兵の戦闘用に製造された銃又は戦闘用の銃を模倣して製造された銃に該当せず、標的射撃のために設計されたと認められるライフル銃や空気銃については所持許可の対象となるものと承知しております。 いずれの場合についても、小銃に該当するか否かを判断しているものであり、相互に矛盾するものではありません。
○尾立源幸君 今お聞きになったように、オリンピックなどで使われる射撃用は全部このピストルグリップなんですね、ライフル。 それで、戦闘用に開発されたと言われましたが、なぜこのピストルグリップだと戦闘用なんですか。
○政府参考人(辻義之君) いろんな理由があると思いますけれども、その一つとしては、例えば腰だめで撃てる、腰撃ちができるとか、そういったような使い方もできるのではなかろうかというふうに思います。
○尾立源幸君 一番、二番、三番、全部腰撃ちができるんですけどね。逆に、二番なんという方が、上から握るので腰だめで撃つには撃ちやすい。これは、ある私どもの仲間が所轄の方と、どれがピストルグリップか、どれが普通のグリップかを言わずに、どっちが持ちやすいですかとやってもらったら、二の方が持ちやすいと言う方もいらっしゃるんですよ。だから、それはちょっと多分、おっしゃっていることが違うと思うんですよね。 いろいろ理由はあると言いましたけれども、腰だめで持てるからこのピストルグリップは駄目なんですか。本当にそうなんですか。
○政府参考人(辻義之君) 先ほど来大臣からも御答弁させていただいたところでございますけれども、ピストルグリップにつきましては、殺傷用火器として設計、製作されました銃の一般的な特徴の一つであるということで、ピストルグリップの場合に、これは、小銃は許可の対象にならないものでございますので、小銃かどうかを判断する際の一つの着眼点ということにさせていただいているところでございます。
○尾立源幸君 聞いていらっしゃる方もおやっと思われると思うんですけれども、恐らく腰だめで銃を持って撃つという場合は、一発ずつ込めて撃つような銃では絶対これは当たりません。だから、マシンガンのように、機関銃のようにばらばらばらっと撃つことが想定されているんだと思います。 私は、百歩譲って、そういう危険性のある銃は確かに持たせちゃいけないと思いますし、禁止すべきだと思うんですが、実は、ここに掲載されています写真というのは、そのばらばらばらっと出る銃じゃなくて一発ずつ弾を入替えしながら撃つ銃でして、まさに腰だめで戦闘で突撃していくような銃じゃないわけなんです。にもかかわらず、拡大解釈されて、専門用語ではボルトアクションというんですけれども、オートライフルとボルトアクションという、ボルトアクションにまでその今のピストルグリップ理論が来ちゃっているんですよ。 それで、更に何が起こっているかというと、じゃピストルグリップじゃなきゃいいでしょうということで、例えば三番のような、これサムホールというんですが、親指だけが入れられるようになっていて、あとは空間がなくなっているわけなんですけれども、こういうものもありますが、警察庁の方では、基本的にこれも一と類似だということで規制に掛かってきております。で、二だけがいいということなんです。 ただ、私が申し上げたいのは、この一、二、三、全部ボルトアクションです。それで、全てこれ、ジェーン年鑑という軍用ライフル銃の図鑑から取ってきたやつで、戦闘にはどれもこれを使うんですよ。戦闘に使い得るものがジェーン年鑑に基本的には掲載されているのが多いんですけど。 ということで、全くおっしゃっていることと実際の現場での使われ方、運用が乖離しているんです。だから、私は、突撃銃のような、アサルトライフルというような言葉があるんですが、そういうものについてはきっちりこういう定義で規制をするが、例えばボルトアクションというような単発で一発ずつ撃つようなものについてはそういう解釈はすべきではないと、このように、局長、思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(辻義之君) 先ほども御答弁をさせていただきましたけれども、銃刀法では小銃につきましては許可の対象となっていないというところでございまして、先ほどの通達や執務資料にもございましたけれども、ああいった点につきまして殺傷用の火器であります小銃の特徴点ということで捉えて、グリップの部分だけじゃなくて全体を見て、また今ジェーン年鑑おっしゃいましたけれども、そういうものも参照させていただきながら判断をさせていただいているというところでございます。
○尾立源幸君 じゃ、猟銃でこういうライフル、単発ライフルであれば、ピストルグリップも可能だという御答弁でいいんですか。
○政府参考人(辻義之君) 個別具体のものにつきましては、やはりそれをしっかりいろんなものと照らし合わせながらちょっと判断しないといけませんので、こういうものでグリップでいいのかということで一般論で聞かれても、ちょっとお答えはできないということであります。
○尾立源幸君 いや、局長、あなたは小銃、まさに軍用で使うものは駄目よと。じゃ、猟銃でこのようなピストルグリップのライフル銃はいいんですかと私は聞いているんですよ。話が違うじゃないですか。──いやいやいやいやって何ですか、そのいやいやいやっていうのは。
○政府参考人(辻義之君) 先ほどから同じ答弁を繰り返させていただいていますけれども、小銃につきましては許可の対象となってないところでございまして、ピストルグリップにつきましても小銃の一つの特徴でございますので、そこを見て小銃かどうかということを判断をさせていただいておるところでございます。
○尾立源幸君 それでは、必ずしもピストルグリップだと駄目だというわけじゃないということでいいですね。今の、皆さん、そういう認識ですよね。小銃、すなわち軍用銃に該当するならば駄目よと、そういうことをおっしゃっていましたが、いかがですか。いいですね。
○政府参考人(辻義之君) ピストルグリップの場合には、小銃の一つの特徴でございますので、小銃に該当する可能性があるということで、ピストルグリップが付いています場合には慎重な判断をさせていただいているというところでございます。
○尾立源幸君 慎重な判断は、私していただいて結構だと思います。だから、一律規制するなんというのは論外だと思います。 私は、こういう問題を取り上げさせていただいたのは、前も申し上げましたが、通達や内部通報というんですか、また様々な示達書ですか、今日はちょっとサンプルを出していませんけれども、余りにも生々しいので、現場で非常に高圧的にこういう示達書にサインをさせられて銃を持つ権利が侵されているという場面もあるわけです。 そういうことで、警察庁の方では通達などについてはホームページで公開していただいているんですけれども、実は、今日、なぜか分からないですが、ここにお示しをした通達は残念ながら載ってないんですよね。何で一部出したり出さなかったりみたいな裁量をやるのかということについても疑問を呈したいと思いますし、私は、こういう議論がいっぱいあるんで、この際ですね……(発言する者あり)もう一回、ありがとうございます、もう一回やれということなんですけれども、そうじゃなくて、しっかり前向きに分かりやすい基準を、駄目なものは駄目、いいものはいいというような、建設的な議論を是非内部でもしていただきたいと思いますし、私どもも協力をさせていただきたいと思います。 そのことは、いつも課長補佐にも来てもらっているんですけれども、そういう提案をしていますので、そろそろこういう不毛な議論をやめて、もう聞いていて訳分かんないんです、みんな。だから、明確な基準、法治国家ですから、しっかりこの基準を作ろうではございませんか。局長、いかがでしょうか。
○政府参考人(辻義之君) ただいま先生からお話ありました通達でございますけれども、実は保存期間がございまして、保存期間が満了しているということで今ちょっと公表してないところでございますけれども、ただ、全体として、今警察庁で銃刀法に関します通達の整理合理化ということを行っているところでございまして、その過程で、所持許可の対象とはならない小銃か否かの当てはめに当たっての着眼点につきましても、これまで示してきた通達や執務資料を分かりやすく取りまとめて、改めて各県の方にも通達をしたいということを検討しております。 また、当然、公表につきましても、できるだけ銃刀法のものに限らず、通達につきましても透明性の確保ということで公表するようにいたしておりますので、そういう形でこれからもやらせていただきたいというふうに思います。
○尾立源幸君 最後になります。本当に一歩間違えばこれ危険な用途にも使われてしまうので、その安全をしっかり確保するという前提で、是非建設的な分かりやすい基準を共に作っていくことをお願いをして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○若松謙維君 公明党の若松謙維です。 先ほど尾立委員が大変専門的な質問で、私は事務的な質問に移らせていただきます。 まず、この犯罪収益移転防止法、二十三年に改正したということで、この改正が、いわゆる特定事業者による取引時確認事項の追加ですか、あとは成り済ましの疑いがある取引に対して厳格な本人確認を行うと、こういう内容でありますが、その施行が平成二十五年四月一日からされているということで、この一年半新制度で経過しておりますが、金融機関を含めて事業者における対応状況について、この新しい制度、警察庁はどのように認識していますか。
○政府参考人(樹下尚君) 平成二十三年四月の犯罪収益移転防止法の改正におきまして、特定事業者が取引時確認の際に確認すべき事項に取引目的、職業等が追加されるとともに、成り済ましが疑われるなどマネーロンダリングのリスクの高い取引に対する厳格な確認が導入されまして、二十五年四月に全面施行されたところでございます。 その施行に当たりましては、関係省庁と連携いたしまして、研修会を開催するなどいたしまして特定事業者への改正内容の周知を図ったところでありまして、現在、特定事業者において、所管行政庁の指導監督の下、改正法に基づく取引時確認等が適切に実施されているものと認識をしております。 また、疑わしい取引の届出につきましては、特定事業者が取引時確認の結果その他の事情を勘案して行うものでありますところ、この改正によりまして取引時確認の内容が追加されまして、特定事業者による顧客管理措置が充実することによりまして、疑わしい取引を一層的確に把握することができるようになったと考えているところでございます。
○若松謙維君 いわゆる改善があるということですね。 次に、その取引時確認における本人確認書類の在り方についてお尋ねいたしますが、先ほどのFATF第三次対日審査ですか、四点指摘があって三点対応したということでありますけれども、一方、我が国におきましては、例えば自動車運転免許証又はパスポートを所有していない、いわゆる写真付きの証明書類を持っていない証明弱者というんでしょうか、そういう方も一定数いらっしゃいます。 有識者会議報告書におきましても、この点については補完措置の在り方を含めて検討すべきとしておりますけれども、それでは、施行令とか施行規則等への反映について今後どのようにされるのか、警察庁の検討状況をお尋ねいたします。
○政府参考人(樹下尚君) 御指摘のとおり、有識者懇談会の報告書におきまして、運転免許証等の写真付き証明書を有していない方が各種サービスを受けることが困難になるということで、写真なし証明書について自然人の本人確認書類として引き続き利用を認める必要があるというふうにしているところでございます。 一方で、報告書は、写真なし証明書はそうでない書類と比べて当該書類の持参人が真にその名義人と同一であるかの確認能力という点において劣るということを指摘しまして、FATFの指摘に対応するためには、写真なし証明書を利用する場合には補完的な確認措置を求めることとすることが必要であるとしているところでございます。こうした写真なし証明書の取扱いにつきましては政省令により対応することとしておりますけれども、FATFの要請を満たしつつ、一方で写真付き証明書を有していない方が相当数存在するという指摘も踏まえ、事業者や顧客等に過度の負担とならないよう、関係省庁や業界の御意見を伺いながら検討を進めてまいりたいと考えております。
○若松謙維君 分かりました。いろいろと配慮されているということですね。 ちなみに、私事ですが、たしか三十二歳のときにイギリスに駐在しまして免許証を取りました。七十歳まで更新なし、かつ写真がありません。その免許証を持っていくと、アメリカで、何ですか、レンタカーとか借りて、日本の国際免許証よりも何か信頼性があるんですね。そういうことでありますので、是非写真ありなしで縦割りで決めないで、きめ細やかな対応をよろしくお願い申し上げます。 それと、マネロン対策に関しますマイナンバー制度の活用についてお尋ねいたしますが、このマイナンバー制度の利活用ですけれども、これは二十八年一月から本格開始されるということで、国民への個人番号カードの交付が始まるという予定になっております。 IT総合戦略本部のマイナンバー等分科会ですか、これが今年の五月に公表いたしました中間取りまとめ、ここでは預貯金等の管理に関し、個人番号カードを本人確認書類として活用することで行く行くはマネロン対策に寄与できるとしておりますけれども、この効果的なマネロン対策や、事業者や国民の負担軽減などの観点から様々なメリットが期待できると考えますけれども、制度設計に関しまして政府はどのような検討を行っているか、お尋ねいたします。
○政府参考人(樹下尚君) マイナンバー法についてのお尋ねでございますけれども、マイナンバー法はマイナンバーの利用を法律又は条例に定める社会保障、税及び災害対策に関する特定の行政事務に限定しておりまして、現状では犯罪収益移転防止法の取引時確認等にマイナンバーを利用することはできないものと承知をしております。 一方で、マイナンバーの利用範囲の拡大につきましては、国民の理解を得ていくことが重要であることから、公共性の高い分野を中心に、個人情報の保護に配慮しつつ、マイナンバーの利用の在り方やメリット、課題等について内閣官房を中心に総合的な検討がなされているところと承知をしておりまして、当面、政府内の検討状況や制度の施行状況等を見守ってまいりたいと考えております。
○若松謙維君 もし分かればなんですが、分かればで結構ですから。おれおれ詐欺ってありますね、あれは国内ですよね。海外からのおれおれ詐欺ってあるんですか、いわゆる送金してくれと。
○政府参考人(樹下尚君) 突然のお尋ねでございますので正確な答弁になるかどうかちょっと自信ございませんけれども、海外に居住しているというふうに思われる者の関与が認められるような事件もあるというふうに認識しているところでございます。
○若松謙維君 分かりました。じゃ、今後もまた検討していただきたいと思います。 最後の質問ですが、特定事業者の多様性に応じて適切なマネロン対策を講じる必要性という観点からお尋ねいたしますが、第十一条の特定事業者における体制整備に関しまして、特定事業者の規模や取引の種類、事業形態が多種多様であることから努力義務にとどまっております。確かに、メガバンク等の金融機関や、又は地域密着型で家族経営しているような不動産屋さんはこれを一くくりすることできないわけでありますけれども、一方で努力義務に甘んじて犯罪収益の抜け穴になるようなことは避けなければならないと思います。 そこで、事業者の多様性に合わせて、リスクベースアプローチの考え方も踏まえつつ、ガイドラインの策定などの体制整備に関しても政府が支援、指導していくべきと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(樹下尚君) 特定事業者が行う体制整備等の努力義務につきましては、今回の改正によりまして拡充されることとなりますが、御指摘のとおり、特定事業者の規模や取引の種類、事業形態等は多種多様でありますことから、実効あるマネーロンダリング対策等を実施するためには各特定事業者の実態に即した体制整備等を行うことが重要であるというように考えております。 こうした観点から、各特定事業者の所管行政庁におきまして、改正法の施行に向けまして、関係団体等からの意見を聞きながら特定事業者の実態や取引のリスクに応じた必要な指導等が行われるものと承知をしております。 また、警察庁におきましても、実効あるマネーロンダリング対策等を講ずるため、所管行政庁と緊密に連携し、本改正法の施行のための検討を進めてまいりたいと考えております。
○若松謙維君 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○井上義行君 みんなの党の井上義行でございます。 この法案の前に二、三質問をしたいんですが、厚生労働省は十三日に、自治体に住民票などを登録しながら居住実態が把握できない十八歳未満の子供の数が十月二十日時点で全国で百四十一名だというふうに発表されました。 この趣旨は、どういうような経緯でこういうような発表をしたんでしょうか。厚生省。
○政府参考人(木下賢志君) 委員御指摘の調査の経緯でございますけれども、厚生労働省では、乳幼児健康診査を受診しないなど行政と接点がなくその居住実態が把握できない児童につきまして、市町村の母子保健や児童福祉部門、教育委員会、警察等の関係機関が連携して把握に努めるよう要請したところでございます。 これを踏まえまして、本年五月一日時点で当該市町村に住民票があるけれども居住実態が確認できない児童につきまして、所在把握のための調査を実施しました。その時点では、居住実態が把握できない児童は二千九百八名ございました。さらに、八月に開催されました児童虐待防止対策に関する副大臣等会議におきまして、居住実態が把握できない児童につきまして政府一体となって全力で把握に努めるとの対応方針が示されたことを踏まえまして、五月二日以降の居所不明児童数についても確認することとし、その結果、十月二十日時点で委員御指摘のその居住実態が把握できない児童は百四十一人となったところでございます。
○井上義行君 そこで、この百四十一人のうち虐待のリスクがあるのが四人ぐらい考えられると思いますが、このような虐待のリスクがある人の保護をどう考えていますでしょうか。
○政府参考人(木下賢志君) 調査の結果、把握できた児童の状況を見ますと、同一市町村内での関係部署あるいは関係機関との情報共有により確認できた児童が最も多いことから、まずは同一市町村内での関係部署間での情報共有を徹底することが重要でございます。さらに、先日の副大臣等会議で申し合わせました市町村間での情報共有の取組を確実に実施すること等を通じて居住実態の把握をし、児童の安全確保に努めたいと考えております。 なお、御指摘の、居住実態が把握できない児童のうち虐待リスクが把握されている四名につきましては、引き続き自治体において児童の所在確認を行うとともに、得られた情報や児童相談所との対応状況を踏まえまして、虐待のおそれがあり緊急の対応が必要と考えられる場合には、警察に相談をし、居住実態の確認に努めることとしております。
○井上義行君 まさに、この虐待のリスクがある四名につきましては、私は、個人的には公表を控えるなどいろんな手だてをして守る必要があるんだろうというふうに思っております。 やはり、市町村で、たった一言の情報で命を奪われてしまう、こういうことがありますので、やはり市町村に対してきちんと情報管理の徹底やあるいは国民への啓発、マスコミも含めて、この部分については公表できない、このようなことを市町村に対してもしっかりとやっていただきたいと思いますが、副長官の決意をお願いいたします。
○内閣官房副長官(世耕弘成君) 全く議員御指摘のとおりだと思います。 DV等が原因で避難をしている家庭に対しては、いわゆるもう機械的に情報共有を行ってしまって、その家庭の安心が脅かされたり、あるいは逆にそういうことで行政に不信感を持って行政との接点を絶ってしまうというようなことになってはいけないというふうに思いますので、自治体等に対しても情報管理の重要性について周知徹底してまいりたいというふうに思います。この辺は副大臣会議でしっかりと対応していきたいと思います。
○井上義行君 ありがとうございます。 そして、政治的には、やはりDVで被害を受けている様々な人に対して、生きている実感をしっかりと味わわせるためにやはり政治が動いていかなければならないというふうに思っております。 私は、このような人たちを、例えばアメリカで証人保護プログラムというのがありますけれども、お礼参りとかそういう形で証言したときにやられてしまう、そのためにパスポートあるいは運転免許証あるいは社会保障番号を全く新しいものに変えて、その人を保護するというのがあるんですね。このような人たちも、やはりどこかで誰かに見付かってしまったらまた元に戻ってしまうというこの恐怖の中で生きていくんであれば、やはり政治として新たな制度を確立してその人たちをしっかりと生きられるようにしていくべきではないかというふうに思っておりますが、副長官の政治的な意思を是非お聞かせいただきたいと思います。
○内閣官房副長官(世耕弘成君) お答えする前に、まず今DV防止法というのがありまして、ですから決してDVで避難している方々が丸裸なわけではなくて、このDV防止法二十三条というところでは、そういった方々に関わる職務をする人たちに対しては、被害者の安全の確保及び秘密の保護に十分に配慮しなければならないという義務規定もありまして、こういったところで守られているわけであります。 それを更にもう一段、委員御指摘のようなアメリカでやっている証人保護プログラムのようにするかどうかというところですが、私も余りアメリカの証人保護プログラム詳しいわけではありませんが、映画とか物の本で読んだ感じでは、今おっしゃったように、別人に完全に名前も何もかも変えて、そして公的書類も全部入れ替えてということだと思います。それを日本でやるとなりますと、例えば戸籍制度を始め今ある制度といろいろぶつかってくるところもあろうかと思います。 もちろん、DV被害者を保護しなければならないという気持ちは一緒でございますので、そういう更に今やっている対策以外にもっと別の対策があるかどうか、よく検討してまいりたいというふうに思います。
○井上義行君 ありがとうございます。 やはりこの命というものは、本当に我々国民一人一人、やはり貴重な命でございますので、是非それを守るように制度をつくっていただきたいと思います。 それでは、この法案についてお尋ねをしたいと思うんですが、この今回の法案は、国連安保理第千二百六十七号、テロリストのタリバン関係者、そして千三百七十三号の外為法により指定された国際テロリスト、これが対象だというふうに思っておりますが、私は、このほかに日本独自で、例えばいわゆるイスラム国を名のってテロリストをやっている、こういう人を対象に入れるべきだと思うんですが、国家公安委員長、いかがでしょうか。
○国務大臣(山谷えり子君) イスラム国についてでございますけれども、御指摘のイスラム国というのは、本年六月にISILがその名称をイスラム国とする旨の声明を出したことを受けて使用されていることとなっておりまして、ISIL、イラクとレバント地方のイスラム国については既に安保理決議第千二百六十七号に基づく安保理制裁委員会の名簿に記載されており、ISILが贈与を受けるなどの行為は国際テロリストの財産凍結法案において規制対象となっているところでございます。
○井上義行君 再度確認ですけれども、このイスラム国の対象者は今回の法案の中に入るということで理解してよろしいでしょうか。
○国務大臣(山谷えり子君) そのとおりでございます。
○井上義行君 ありがとうございます。 それでは、こうした資金を確実にチェックするというために、私も財政金融委員会に所属したときに、様々なインターネット情報漏れとかいうのに遭遇しました。 例えば、日本証券業協会は、守秘義務が掛かっていますので、口座の開設時には反社会に対して警察との連携が非常にうまくいっている。しかし、銀行では、いろんな民間の活動あるいは様々ないろんな要因でこうしたことができていないというような現状があるというふうに把握をしています。そうすると、今回のこの防止によってせっかくやったものがやはり抜け道ができてしまう、そこをやはり防止をしていく必要があるんだろうというふうに思っております。 そこで、やはりこうした守秘義務を課して、銀行も同じような形を取ってしっかりとテロ対策に使った方がいいと思うんですが、今の現状はどうなっていますでしょうか。金融庁、お願いいたします。
○政府参考人(氷見野良三君) お答えいたします。 金融機関からのオンライン照会につきましては、現在、守秘義務を有しております預金保険機構を活用するという方向で現在スキームの詳細設計のための議論を関係者間で進めておるところでございまして、金融庁といたしましては、警察庁、預金保険機構、金融機関等の関係者と協力いたしまして、できる限り早期の運用開始を目指してまいりたいと考えております。
○井上義行君 財政金融委員会にいるときよりは更に、大分進んだなというふうに思って評価をしたいと思います。 さて、このFATFなんですが、日本が必要な法案を成立させることを含め、マネロン及びテロ資金供与対策の不備に迅速に対処することを促す、このような声明を発していますけれども、実際、この実務として具体的にどのような対処をするんでしょうか。山谷委員長、お願いいたします。
○国務大臣(山谷えり子君) 声明が公表されたわけでございますが、この声明において指摘された事項のうち、顧客管理及びテロリストの資産凍結については、ただいま御審議いただいている犯罪収益移転防止法改正案及び国際テロリストの財産凍結法案で対応を進めることができると考えております。また、テロ資金供与の犯罪化については、テロ資金供与処罰法改正案が今国会で成立したということでございます。 これらの法案が成立し、関連政省令が整備された場合には、FATFからの理解が得られるように、関係省庁と協力しつつ、その内容について更に丁寧に説明をしてまいりたいと考えております。
○井上義行君 法案の説明は非常に分かるんですが、やはりテロリストに対して、警察庁としてはこういうようなことをやっていくよという具体的なものをすることによって抑止力が働くんだろうと。これはむしろ大臣というよりは事務方の方だと思いますので、実務的に、具体的にもしこういうことをやるということがあれば、その今後の抑止力を是非具体例を挙げていただきたいと思いますが。
○政府参考人(高橋清孝君) お答えいたします。 今回新たにテロリストの財産凍結法案というものを新規で立法していただきましたら、その法律についてしっかり国民の皆さんに周知徹底して、適切に運用していきたいというふうに考えております。
○井上義行君 なかなか具体的にどうするかということはお答えできないというふうに思っておりますが、私はこの犯罪を防止するには、確かに何かをやってその手口を明かさないというのは日本のやり方だと思うんですが、実はもっと、私たちはこれを見ていきますよということによって逆に犯罪を、そこを防止することもあるんだろうというふうに思っておりますので、もっとテロリストに向かって、あなた方がこういうふうにやっているのを私たちは見ていますよということを、はっきり申し上げていただいた方がいいのではないかというふうに思っております。 また、今回の、日本がマネーロンダリングという犯罪を利用された事例というのは過去どのぐらいあったんでしょうか。これは大臣の方がいいのか、それとも事務方、どちらの方がよろしいですか。じゃ、お願いします。
○政府参考人(樹下尚君) 日本がマネーロンダリングというような犯罪に利用された事例がどれぐらいあるかということでございますけれども、まずマネーロンダリングにつきましては、組織的犯罪処罰法等におきまして、犯罪収益を資金追跡が困難な場所に送金をしたり、あるいは他人名義口座に入金したりする行為が犯罪収益隠匿あるいは収受等として犯罪化されているところでありまして、こういったマネーロンダリング事犯につきましては、平成二十五年には二百八十二件検挙しているところでございます。
○井上義行君 その二百八十二人、過去、多分累計するともっとな数になるんだろうというふうに思っておりますが、この二百八十二人の中に、例えば北朝鮮関係でマネロンをした例というのはあったんでしょうか。もし分かれば後で結構ですから、また質問しますのでお答えを願いたいと思うんですが。 じゃ、具体的にマネロンについて過去事例がたくさんあるということでございますが、その具体策、どういうふうなその後防止をしたのか、これをお聞かせ願いたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(山谷えり子君) 各国が歩調を合わせてマネーロンダリング対策を推進する必要があります。我が国においては、FATF勧告を踏まえ、平成十九年に犯罪収益移転防止法を制定し、さらに平成二十三年に同法を改正したほか、疑わしい取引の届出に関する情報を集約し、整理、分析するFIU、資金情報機関の体制を強化してまいりました。これら対策と事業者等の自主的な取組とが相まって、マネーロンダリングの抑止が図られてきたところであります。 今回、御審議いただいている改正案についても、より効果的なマネーロンダリング対策等を講ずることを内容とするものであり、今後とも、犯罪収益移転防止法の適正な運用とマネーロンダリング事犯の検挙を推進し、マネーロンダリングの抑止に努めてまいりたいと考えています。
○政府参考人(樹下尚君) 先ほど北朝鮮関係の事件についてのお尋ねがございました。必ずしもマネーロンダリング事犯かどうかということにつきましては直ちに手元に資料がございませんけれども、いわゆる疑わしい取引に関する情報を端緒とする北朝鮮籍を有する者による事件の検挙もございます。
○井上義行君 ありがとうございます。 例えば安保理この委員会の国際テロリストの該当者、これが我が国に入国した例はあるんでしょうか。事務方、お願いいたします。
○政府参考人(高橋清孝君) 現在、我が国にいるという事実は把握しておりません。ただ他方、過去の事例ではありますけれども、殺人、爆弾テロ未遂等の罪でICPOを通じて国際手配されていた者が平成十五年十二月にドイツで逮捕されたところ、その人物がそれ以前に他人名義の旅券を使用して不法に我が国への入出国を繰り返していたことが判明しております。その人物はフランス人男性のリオネル・デュモンという男でありまして、この人物は平成十五年六月に安保理制裁委員会において国際テロリストに指定されております。
○井上義行君 まさに、日本が気付かないうちにもう入国し、そして出国をしていると、こういうことがありますので、しっかりと水際で防いでいく、これが必要だろうというふうに思っております。 先ほど話のあった北朝鮮の関係ですけれども、今回は北朝鮮この対象にはなっていないんですが、私の認識では、北朝鮮は、既に国連、我が国として制裁を掛けているんで、この対象外でもしっかりとこのようなマネロンのようなことを防げるというふうに思っておりますが、大臣の認識をお願いしたいと思います。
○国務大臣(山谷えり子君) 我が国は、安保理決議等を受けて、外為法に基づき、北朝鮮の大量破壊兵器計画に関連するものに対する送金等を規制しているなど、関係省庁において適切な対応がなされているものと承知しております。 警察においても、対北朝鮮措置の実効性を確保するため、引き続き、各都道府県警察に対する指導、関係行政機関との緊密な連携を通じて対北朝鮮措置に係る違法行為の取締りについて適切に対処するよう、国家公安委員会として警察庁を指導してまいりたいと考えております。
○井上義行君 是非、こうしたテロリストに対して日本は断固として闘っていくという姿勢がやはり大事だろうというふうに思っておりますので、私は、この法案については一応賛成をして、大いに日本が果たすべき役割をしっかり国内で対策をつくり、そしてテロリストの根絶に向けて日本として闘っていただきたいというふうに思っております。 そこで、先ほど話のあったやはり水際、ここを、私も副大臣会議のときに水際対策、これをしっかり議論をしてきた記憶があります。やはりこうしたことを水際で防いでいくということが一番大事だというふうに思っておりますので、是非、大臣の決意を最後に質問をし、私の質問を終わりたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(山谷えり子君) 水際での対策、対応、そしてまた関係省庁、そして世界の各国との連携を強めながら、このFATF勧告に対応する必要性もございます。国内外、安全・安心社会をつくるために努めてまいりたいと思います。
○井上義行君 終わります。
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。 冒頭、世耕官房副長官に質問をいたします。 昨日発表された七—九月期のGDP速報値は、御存じのとおり、年率換算でマイナス一・六%と、事前の予想を大幅に下回って二期連続のマイナスとなりました。 端的に言って、四月の消費税八%への増税が暮らしと経済を直撃した結果の私は増税不況と言わねばならないと思いますが、政府の認識、いかがでしょうか。
○内閣官房副長官(世耕弘成君) 今委員御指摘のとおり、今回の一次QEでは、七月—九月期の実質GDP成長率が前期比年率マイナス一・六%となりました。二四半期連続のマイナスということであります。 ただ一方で、その前に、一—三月は駆け込み需要で大きくプラスになっておりますので、その影響をならすという意味で一月から九月までをならして取りますと、まだ引き続き対前年比プラスとなっているというふうに思います。 今回、マイナス一・六%の要因をいろいろ分析をしていきますと、まずやはり在庫調整の進展というのが効いております。これ、在庫調整が進むということは、景気全体から見れば前向きに受け止めるべき部分もあるわけですけれども、GDPの統計上はマイナスに効いてくるわけでありまして、これが大きく影響したと思います。 また、御指摘のとおり、消費税率引上げの影響もあると思いますし、制度変更に伴う駆け込み需要の反動等の影響によって住宅投資と設備投資がマイナスになったというところが大きいと思っております。 また、個人消費についても、前期比プラスにはなっているものの、前回の大幅なマイナスの後としては小幅な伸びにとどまっているというふうに思います。これは、消費者のマインドの低下とか、あと夏の天候不順の影響というのも無視できないというふうに考えておりまして、個人消費には足踏みが見られております。 ただ一方で、名目雇用者報酬については前年同期比二・六%増と、これ十七年ぶりの高い伸び率を示しているわけでございます。 トータルとして、今回のこの景気の現状については、雇用者数が増えて雇用者報酬が増加するなど前向きな動きが続いている一方で、個人消費などにこのところ弱い動きが出ている、こういったことが今回のGDPで分かったのかなというふうに思っております。
○山下芳生君 一—九ならすとプラスという認識でいいのかと思いますよ。 このペースでいきますと、政府の目指している年率一・二%の成長というのを達成しようと思ったら、あと二四半期しか残っていません。それぞれ三%の成長が要るんですよ。そんなこともう事実上不可能ではないかというところに来ているのに、一—九ではプラスなんですというふうに平気で言っているというのはいかがかなと思います。 GDPの六割を占める家計消費が落ち込んでいるということが一番の問題なんですよ。四—六月期、おっしゃるように、消費税増税の直後大きく落ち込みました。年率一九・五%のマイナスですよ。これ、四十年前のオイルショック直後の落ち込みに匹敵する落ち込みなんですね。今度は少しは上向くだろうと思いましたけれども、ほとんど上向かなかった。それは、落ち込んだまま横ばいになっているんです、家計消費は。 何でそうなっているかといいますと、円安による物価の上昇に加えて、やっぱり消費税の増税、何よりもこれで私は国民の実質所得が目減りした状況がずっと続いている、これが景気悪化の要因だと、ここのところをやっぱり一番深刻に受け止めないと駄目だと思うんですが、これ、もっと深刻に受け止めないと駄目なんじゃないですか。
○内閣官房副長官(世耕弘成君) 今回のGDPの数字は、我々これからまた一層しっかり分析をして、きちっと対応を考えていきたいというふうに思います。しっかりと、我々、決して軽視をしているわけではなくて、きちっと受け止めて対応策を考えてまいりたいというふうに思っております。
○山下芳生君 さっきのはしっかり受け止めているという感じじゃなかったんですよ。 それで、アベノミクスによる円安で物価が上昇した、加えて消費税増税が今度の不況を招いた。私は、もうはっきり言って安倍不況だと思いますよ。こういうときに、今日総理は解散の記者会見をされるということですけれども、こんな状況で本当に解散して大丈夫ですか。
○内閣官房副長官(世耕弘成君) 解散については、私は、全くこれは総理の専権事項でございますので、お答えする立場にはありません。
○山下芳生君 今回の、このGDPショックと言われていますけれども、これは本当に国民全体に大変大きな衝撃が走っておりますので、しっかりとどういう経済のかじ取りをする必要があるのか。私は、冷え込んだ家計消費を温めることこそ今最も必要な対策だということを申し上げて、世耕官房副長官に対する質問はこれで終わりたいと思いますので、御退席いただいて結構です。
○委員長(大島九州男君) 世耕内閣官房副長官は御退席いただいて結構でございます。お疲れさまでした。
○山下芳生君 それでは、犯罪収益移転防止法改正案について質問いたします。 この法のスキームは、金融機関など特定事業者の顧客に本人成り済ましや犯罪に関わりがある疑わしい取引があった場合に、その情報を国家公安委員会、警察庁に設置されている資金情報機関、FIUに集めて、警察庁刑事局が分析して都道府県警察その他捜査機関に情報提供するという仕組みとなっております。この資金情報機関、FIUは、当初金融庁に置かれておりましたけれども、二〇〇七年にそれが警察庁に移管されたという経過になっております。 配付資料一枚目に、疑わしい取引の情報の届出件数、活用状況の資料を配付しておりますが、平成二十五年に特定事業者から国家公安委員会、警察庁に届出された疑わしい取引情報は約三十五万件、そこから都道府県警察などへの情報提供は約三十万件、そのうち犯罪捜査で活用された情報は約十九万三千件。そうすると、その差十万件以上は捜査に活用されなかった犯罪とは関係のない情報ということになります。 山谷国家公安委員会委員長に伺いますが、これらの情報は破棄されるんでしょうか。
○国務大臣(山谷えり子君) 疑わしい取引に関する情報は、犯罪収益移転防止法第十二条第一項の規定により、捜査に資すると認めるときに捜査機関に提供されます。捜査機関においては、提供された疑わしい取引に関する情報の内容に即して必要な捜査を行うため、これを活用しているものと承知していますが、その活用の時期は情報が提供された時期に限られず、捜査の進展や関連情報を収集する中で新たな事実が判明するなどし情報が活用されることもあると承知しております。 したがいまして、捜査機関に提供された情報をいつまで保管するかについては、その後の捜査における活用の可能性等を勘案し判断することとなるものと承知しております。
○山下芳生君 保存するということですが、どのぐらいの期間、個人情報が保存されるんでしょうか。
○政府参考人(樹下尚君) 都道府県警察に提供された疑わしい取引に関する情報につきましては、捜査のために活用されるものでありますことからその保管期間を一概に申し上げることは困難でございますけれども、疑わしい取引に関する情報につきましては捜査に必要な限りにおいて保管されるものと承知をしております。
○山下芳生君 事前のレクでは三十年間というふうに聞いております。違うんですか。
○政府参考人(樹下尚君) 三十年間の保存ということにしておりますのは、FIUたる国家公安委員会が保有する保管期間として三十年間ということで御説明をしているところでございます。
○山下芳生君 まあ三十年間なんですね。 そこで、既に約二百四十万件疑わしい取引情報が累計されていると、蓄積されているというふうに聞いておりますけれども、その九八%が金融庁を経由して集められた金融機関からの情報だと、これ、資料二枚目にその旨載せております。ならば、これ金融庁が集めて分析し蓄積しておけばいいんじゃないかと思いますが、何でこの警察庁刑事局でデータベース管理する必要があるんでしょうか。
○国務大臣(山谷えり子君) FATF勧告は、マネーロンダリングや疑わしい取引の届出情報を受理、分析し、提供する役割を果たすFIU、資金情報機関を国の中央機関として設置することを求めています。我が国では、平成十九年の犯罪収益移転防止法制定以前は金融機関を所管する金融庁がFIUの機能を担っており、一定の成果を上げてきたところでございます。 しかしながら、疑わしい取引の届出についてより高度な分析を行うためには、組織として蓄積した組織犯罪、テロ関連情報の活用や捜査機関等との緊密な連携が必要であります。このため、犯罪収益移転防止法制定により金融機関以外の業種も対象となること等を契機として、暴力団その他の組織犯罪対策、テロ対策等に中核的な役割を担う国家公安委員会にFIUの機能を移管し、情報の集約、整理、分析を行っているものでございます。
○山下芳生君 資料三枚目に、資金洗浄、テロ資金供与対策の国際協力を推進するFATF加盟三十四か国・地域が、それぞれどこの機関に資金情報機関を置いているかを示してありますが、半分は警察以外の機関に資金情報機関を置いているんですね。アメリカ、フランス、カナダは財務省です。イタリア、スペインは中央銀行です。警察でなければうまくいかないというわけではないんですね。 資金情報機関、FIUに集められる情報というのは、資産あるいは収入といった繊細な個人情報、あるいは企業の取引情報が含まれております。犯罪と関係ない個人情報が犯罪捜査機関にいつまでも保管される。しかも、これは本人に伝えられません。本人の知らない間に蓄積される。こういうことでいいのかと。これだけでも人権侵害ではないかと言わざるを得ない問題が含まれております。 データベースで管理する必要があるんだったら、警察以外の機関で行うことを検討すべきではないかと思いますが、大臣、いかがですか。
○政府参考人(樹下尚君) 先ほどもお話ありましたように、三十四のFATF加盟国・地域のうち、FIUが捜査を所掌する機関に置かれている国・地域は、我が国を含めて十八あるものというふうに承知をしております。 どこの省庁がFIUの機能を担うかにつきましては、これは一つの政策判断であろうかというふうに思いますけれども、犯罪収益移転防止法の制定時に、内閣官房の調整によりまして組織犯罪、テロ関連情報について知見を有する国家公安委員会がFIUの機能を担うことが適当であるというふうにされたものでございます。 警察といたしましては、国家公安委員会にFIUが置かれたこのような趣旨を踏まえまして、組織犯罪、テロ関連情報を十分に活用し、マネーロンダリング対策を効果的に推進してまいりたいと考えております。
○山下芳生君 まあそういう考え方だという説明なんですが、そうじゃない国もたくさんありますよと。 いずれにしても、二百四十万件もの個人情報が、犯罪とは関係ない情報が三十年間保管され続けるわけですから、これは捜査情報を漏えいする警察官の不祥事もありました。少なくとも使わない情報は削除する、そういう運用ルールを作るべきだということを、今日はもう申し上げるだけ申し上げておきたいと思います。 次に、この犯罪収益とも関わる闇金の問題について質問をしたいと思います。 闇金というのは無届け、無許可で無登録で金貸しをする犯罪者であります。登録業者であっても違法な高金利あるいは違法な取立てを行えば闇金と同じであります。闇金被害は全体としては減ってはきておりますけれども、まだ被害はなくなってないし新たな手口も発生しておりますので、その予防、取締りは引き続き重視すべき問題であります。 社会問題にもなって、警察の対応も取締りの強化だけではなくて予防も重視するようになりました。そこで、資料の四、五、六枚目に警察庁のヤミ金融事犯相談対応マニュアルというものをいただきましたので付けておきましたけれども、なぜこういうものが作られたのか、この主な内容について御説明いただけますか。
○国務大臣(山谷えり子君) ヤミ金融事犯相談対応マニュアルは、平成十五年七月に貸金業規制法の一部改正がなされ、取立て行為規制等が強化されたことを踏まえ、適切な相談対応を図るため同年八月に作成したもので、その後、法改正等の情勢の変化に応じて六回の改訂を行っているところでございます。 マニュアルにおいては、相談の基本的心構えとして、相談者の心情に配意しつつ、その訴えを誠実に聴取する、事案の特性、背景、犯罪の成否やそのおそれの有無を適切に判断し、今後の違法行為に備えての記録や録音などの適切な対処方法を教示することを内容として、まず話をよく聞く旨を、次に、無登録での業としての貸付けや高金利契約は犯罪行為である、民事不介入を口実として相談者の刑事上の被害が看過されることは許されない、特に平穏な生活を害する取立てが行われている場合には、速やかに検挙に向けた措置をとることを内容として、積極的かつ迅速な対応を行う旨を、さらに、業者の所在も判明せず、電話等による悪質な取立行為によって相談者が精神的に追いつめられている、又はそのおそれがある場合には、相談者の保護を図るために業者に対して電話で警告し、その状況を書面で記録化しておくなど、契約者確認要求を念頭に置いた措置を講ずることとして、悪質な取立行為には電話警告する旨を明示しています。 そのほかにも、借りたものは返しなさい等の対応はすべきではないことや、闇金融事犯利用口座の全件凍結と被害回復の支援についてマニュアルに記載されているところであります。
○山下芳生君 御丁寧に説明いただきましたけど、よくできているなと私思いました。これ、これまでのいろんな闇金被害の対応を積み重ねて何回も改訂されてこうなっていると、非常に実践的だし丁寧だと思います。 ただ、実際の警察の相談対応がこうなってないという苦情が、この問題に取り組んでいるボランティア団体などから聞かれます。 今日はちょっと具体例紹介したいと思うんですが、福岡県で多重債務、闇金被害の根絶と被害者救済に取り組んでおられる福岡クレジット・サラ金被害をなくす会、ひこばえの会という市民団体から話を聞きました。 この会に闇金の被害で相談に来られた福岡市の自営業者Aさんの事例なんですが、十万円、僅か十万円借りたんですけれども、三十万円既に闇金指定の口座に振り込んだんですね。しかし、返済は終わっていないし、貸した金は返せと繰り返しこのAさんの自宅や職場に電話が掛かってきて、Aさんがいなかったら御家族を脅して返済を要求する。さらには、頼んでもいない宅配ピザあるいはすし屋の出前が来たり、出前注文の確認電話がしょっちゅう来る。さらには、葬儀社や消防車が呼ばれるなどの嫌がらせもあったと。 このAさんは、もう自殺でもしなければ一生続くのではないかと悩み、苦しんでいたそうですが、知人の紹介でひこばえの会を知って、相談員の方が、これはもう相当悪質な闇金だから警察に出張ってもらう必要があると判断して、資料七枚目、一番最後ですけれども、犯罪事実一覧表という、このひこばえの会が被害者にちゃんと相談をする際に事実経過を確認するためのこの一覧表に基づいて、闇金の屋号、名前、携帯電話の番号、振り込み先の口座番号、送金年月日、そして取立ての悪質さなどの状況を書いて、今年の六月十日、Aさんと一緒にひこばえの会の相談員の方が福岡県警本部に助けを求めに行かれました。 ところが、残念ながら、県警本部の相談窓口で、闇金被害に遭って悪質な嫌がらせを受けているので助けてほしいと、書面も一緒に、まずは警告電話というやり方ができますから、警察からその闇金の業者に警告することができるんですけれども、その対応を求めたんですが、担当者は、借金問題を個別に対応はしていないと、法テラスに行って全てを終わらせてから県警に来てくれ、さらに、借りた金は返しなさいと。そんな対応をしたらあかんとマニュアルに書いているのに、そう言って被害者であるAさんを追い返そうとする対応をされたんですね。 さすがにこのひこばえの会の相談員さんも、これはちょっと見過ごせないということで、これは借金の返済の相談に来たんじゃなくて、悪質な闇金のこういう違法な取立て、嫌がらせ被害が起こっているからそれをちゃんと取り締まってくれと、助けてほしいということでお願いに来たんだと言ったんですが、まだ県警の担当者は、Aさんの住所地の警察署に行ってくれとか、闇金相談対応マニュアルがあるんじゃないですかと言っても、そんなものはありましたっけと、そういう対応で、結局一時間近くすったもんだした挙げ句、だったら一回は電話しましょうということで警告電話はしてくれたようですが、何といいますか、県警本部でこういう対応がされていると。 先ほど大臣が丁寧に説明いただいたこの相談マニュアルが生かされていないんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(山谷えり子君) 今お話しの件でございますが、昨日、前日のレクチャーが夜の八時半からでございまして、その具体的な日時とか場所とか特定につながるような情報がいただけなかったので、本日、この今の時点について、その御指摘の事案について事実関係の確認が必要でございますので、この場でコメントはできない状況にありますが、一般的には、闇金融事犯の相談、訴えについては、相談者の心情に十分配意して対応し、民事不介入を口実に対応をおろそかにすることで刑事上の被害が看過されるようなことがないようにすべきだと考えております。
○山下芳生君 分かりました。じゃ、もっとほかにもいっぱい事例を持っておりますので、すぐお伝えしますから、調査してしっかり対応いただきたいと思います。
○国務大臣(山谷えり子君) 相談者の心情に十分配意して対応ができるようにしてまいりたいと思います。
○山下芳生君 次に、携帯電話の不正利用防止法の関係で聞きたいと思います。 この闇金の事犯は、三種の神器と言われるものがあるそうです、この世界に。一つは個人情報の名簿リスト、それから二つ目に他人名義の携帯電話、そして三つ目に預貯金の口座、これが三種の神器、闇金のですね。こういう携帯電話の利用停止というのは、したがって、犯罪の打撃になっているんですが、闇金被害、電話詐欺が発覚した時点で、そこに使われた携帯電話をできるだけ早く止めることが被害予防に大事なんですけれども、携帯電話の利用制限は、一方で、電気通信事業法で正当な理由がなければ電気通信役務の提供を拒んではならない、憲法上の要請からそういう厳格さが求められております。同時に、偽電話詐欺、闇金事犯に使われている携帯電話で多くの被害が生じておりますから、犯罪に使われている場合一刻も早く利用制限ができるように検討すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(吉田眞人君) 携帯電話不正利用防止法におきましては、警察署長の求めに応じまして携帯電話事業者が契約者確認を行った場合におきまして、相当の期間を経ても契約者が契約者確認に応じないときは利用停止を行うことができるとされておるところでございます。 今御指摘のように、これまでも出資法違反や詐欺等の被害増加を防止するという観点から各携帯電話事業者におきましては、利用停止までの間に掛かる期間につきまして、例えば、従来はその利用確認を郵送で行っていたものについて例えばショートメッセージを利用するようにするなど、その期間の短縮ということについては取組を行ってきているところでございます。 ただ一方で、今委員御指摘のように、通信の制限ということについては様々の考慮すべき要素もあることから、そういうことについても更なる、例えばその期間の短縮等については慎重な検討も引き続き行っていく必要があると考えているところでございます。
○山下芳生君 時間が来ましたので、残り、預金口座の凍結の問題も質問したかったんです。そういう犯罪に使われた預金口座というのは、犯罪者が使うという面と、これ残念ながら被害者が、闇金の方から口座を教えろとか、キャッシュカード出せとか、通帳出せとか言われて出したものが犯罪に利用されるというケースもありまして、それで凍結されちゃったら日常生活ができなくなっちゃうという問題もありますので、この問題についてはまた時間があれば後刻質問したいと思います。 終わります。
○委員長(大島九州男君) 午後一時十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時七分休憩 ─────・───── 午後一時十分開会
○委員長(大島九州男君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、井原巧君及び柘植芳文君が委員を辞任され、その補欠として渡邉美樹君及び大野泰正君が選任されました。 ─────────────
○委員長(大島九州男君) 休憩前に引き続き、犯罪による収益の移転防止に関する法律の一部を改正する法律案及び国際連合安全保障理事会決議第千二百六十七号等を踏まえ我が国が実施する国際テロリストの財産の凍結等に関する特別措置法案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○浜田和幸君 新党改革・無所属の会、浜田和幸です。 今日は、山谷大臣始め財務省や外務省の方にもお越しいただいていますもので、まず確認したいことは、週末にオーストラリアのブリスベンでG20のサミットが開かれました。その場でも、今回我々が議論しているマネーロンダリング、要するに資金洗浄に関する国際的な取組が欠かせないんだということで共同宣言の中にもそういうことがうたわれております。 私が一番関心を持ったのは、特に新興国の中でインドのモディ首相がこのマネーロンダリングについて大変力強い、参加国の首脳に対するアピールをされまして、インドでも国内の資金が不正に海外に持ち出されている、その金額たるや一兆ドルを超えるということのようでございますね。そうやってその不正に持ち出された資金が回り回って国際的なテロの資金源になったり、様々な不正に使われていると。ですから、これに対して世界の国々がしっかりとした対策を講じるべきだということで大方の合意が得られた。 我が国からも安倍総理始め麻生財務大臣も出席されてこのことをいろいろと議論されたと思うんですけれども、そういうことを踏まえた上で、その様々な試みがこれまで何十年にわたって繰り返されているにもかかわらず、なかなかこのマネーロンダリング、不正資金の洗浄という問題が克服できていない。これまで日本としても様々な取組をしている中で、残念なことに、外から見るとどうも日本の今の体制そのものが不十分ではないかという批判もあって、特にFATFが年に三回ぐらい会合を持つ中で、昨年から今年にかけても日本が名指しで十分な国内の法的な体制が整っていないという批判を受けてきているわけですね。 そういうことも踏まえて、今回の法案が世界に向けて日本が、いかにそういう抜け道で日本が利用されているということに対するいわれなき批判とかそういう懸念に対してしっかり応えるものであるという形になっていると思うんですけれども、そのことについて今回のG20でもいろいろと議論になったと思いますので、そういうことを踏まえた上で、今のこの日本政府の新しい法案の整備に関する基本的な問題意識と、これでもって世界に対して自信を持ってテロに対する資金源、きっちりとこれで防ぐことができるということになるものかどうか、そういう国際社会の懸念に対してしっかり応える中身になっているかどうかということについて、まずは大臣から基本的なお考えをお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(山谷えり子君) 平成二十年十月に公表された第三次対日相互審査において、FATFからは、顧客管理に関する勧告について四段階ある評価のうち最低の不履行との評価を受け、我が国は顧客管理措置が不十分であると指摘されました。 今回の犯罪収益移転防止法改正案は、疑わしい取引の届出に関する判断の方法を主務省令で定めること、取引時確認等の措置を的確に行うための体制整備等の努力義務の拡充などにより、FATFの指摘に応えようとするものでございます。 具体的には、疑わしい取引の届出に関する判断方法について、従来マネーロンダリングの疑いの有無を判断する際に取るべき方法が個々の特定事業者の裁量に委ねられていたところ、その判断の方法を明らかにすることによって特定事業者が疑わしい取引に該当するか否かをより適切に判断できるようにすることとしています。また、事業者が行う体制整備等の努力義務の拡充については、現行法において事業者が行う努力義務として使用人に対する教育訓練の実施等が規定されているところ、事業者が顧客管理措置をより的確に講ずることができるよう、顧客管理の実施に関する内部規程の作成、顧客管理措置の責任者の選任等を努力義務として追加することとしています。 これら改正法案に規定する事項以外に、FATFの指摘事項に対応するために政令や主務省令の改正を検討することとしておりまして、今後、改正法の施行に向けて政省令の検討に当たっては、マネーロンダリング対策等の実効性を確保しつつ、事業者や顧客に過度の負担とならないよう、関係省庁、業界の御意見を伺いながら検討を進めてまいりたいと思います。 本法案が成立し関連政省令が整備された場合には、FATFから理解を得られるよう関係省庁と協力しつつ、その内容について丁寧に説明してまいりたいと考えております。
○浜田和幸君 山谷大臣はG20には出席されていなかったと思いますけれども、G20の場で、このマネーロンダリングの問題についても様々な議論がなされたと聞いています。そういう中で、日本の立場、これについてどのような議論、日本の主張がどのような形で展開されたのか、その辺りについて、外務省あるいは財務省、もし報告していただけることが可能であれば是非お願いしたいと思います。
○政府参考人(河野章君) ただいまG20での議論ということでございましたけれども、サミットの中で、先ほどインドの首相のお話もございましたけれども、個別の首相の発言というのはちょっとそのまま外に出さないということが一応ルールといいますか、なっておりますので、その点は御了解いただきたいと思うんですけれども。 今回のG20におきましては、より強靱な世界経済の構築に関するセッションというのがありまして、その中で金融規制改革や国際課税に関連する様々な課題につきまして議論が行われたというふうに承知しております。
○浜田和幸君 G20とか様々な国際的な金融問題を扱う場面において、やはり日本に対する期待も高ければ、日本に対する不信も若干引きずっているような状況だと思うんですね。 これまでのFATFの日本に対する勧告ですとかそういうものを読んでみますと、もう明らかに言いがかりとしか思えないような問題の指摘も多々見受けられるんですね。どういうことかと申しますと、暴力団ややくざが様々な日本の国内で、言ってみれば不法な手段を通じて資金を獲得しそれが外に流れている、あるいはかつてのオウム真理教、これの活動についてもFATFで問題視されております。 そういう問題、また午前中の議論だとおれおれ詐欺、こういうことについても、そういうものがいかに日本の金融の制度の欠陥として、それがまた言ってみれば抜け穴としてテロリストにお金が渡ってしまうような、そういうことに対するきちんとした歯止めが行われてない、そういうことの改善を名指しで日本に求めるということが繰り返し行われているようでありますが、これはやっぱり財務省なり外務省、そういう海外からの日本に対する不信感に対して、なぜこれほど日本だけが突出して批判されるだけの、そういう問題が本当にあるのかどうか、その辺りについてこれまでどういう対応をしてきたのか、御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(浅川雅嗣君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、日本に対して対日相互審査があったのは平成二十年十月のことでございました。それ以降、FATF全体会合の場等を通じまして、計十回でございましたがフォローアップを受けまして、その都度、日本の取組については真摯な説明を行ってきたところでございます。 FATFは、委員も御案内のように、勧告が求める義務を法令に明記しろと、こういうことを求めておりまして、例えば金融機関に対する指導監督指針やガイドラインだけではなくて、強制力のある法令に明記することを求めてきており、その観点から、犯罪収益移転防止法につきましては平成二十三年に法改正を行ったものの、依然としてその義務の一部が日本の法令に明記されていないという指摘があったわけでございます。 それからもう一つはテロリストの資産凍結でございますが、これに関しましても、委員御案内のように、国際テロリストの対外取引につきましては外為法により規制されていますが、国内取引に関しましては、それは法令上の条文はないではないかと、規制されていないではないかという指摘があったわけでございます。 まさに、今回FATFの声明でそうした具体的な指摘事項があったわけでございますが、そのうち、顧客管理及びテロリストの資産凍結につきましては、それぞれ本委員会で御審議いただいてございます犯罪収益移転防止法の改正法案それから国際テロリストの財産凍結法案により、また、テロ資金供与の犯罪化に関しましては、先週十四日に成立しましたテロ資金提供処罰法改正法案により十分な対応ができると考えてございます。 これらの一連の法律及び関連政省令が整備された場合には、FATFを含む国際社会からしっかりとした理解を得られるように関係省庁で協力しながら、その内容について丁寧に御説明をしてまいりたいと思っているところでございます。
○浜田和幸君 ありがとうございます。 是非、国際社会から日本がいわれなき誤解や不信感を持たれないように、しっかりとした情報提供は必要だと思うんですね。 そういうFATFの動きを報道機関も、これは今年の十月のロイターの配信したニュースでは、日本がそういう国際社会からの要望を受けていながら、日本の国内の国会議員の一部あるいは日本の弁護士会等から、そういうマネーロンダリングに対するような規制を政府が後押しすることは言ってみれば国民の自由を規制することになるということで反対の意見がいろいろとあって、そういうことが今、日本が国際的なスタンダードに一歩踏み込めない原因だという指摘があるんですね。 これなども、もちろん国会の場で一部の方々、いろんな意見が違うということは分かるんですけれども、何か反対する意見のみが指摘されていて、日本の現状、日本の取組が正確に伝わっていないという感じがするんですけれども、そういう意味で、対外広報活動の在り方やはり見直す必要があるんじゃないかと思いますね。 FATFの報告書を見ても、日本の国内のマネーロンダリングの四〇%がやくざが仕切っているというんですよね。これなども本当にそういうデータがしっかりとあるものかどうか疑わしい限りなんですけれども、そういう現状について、財務省、どういう具合に把握されていますか。
○政府参考人(浅川雅嗣君) お答え申し上げます。 FATFという正式な組織に対しましては、我々、正式な場として今まで対応してきましたし、日本の累次のFATFの指摘に基づいて行われた法改正に関しても説明してきたつもりでございますが、今委員御指摘のように、マスコミに対して、私もこの英文読みましたけれども、確かに若干日本の現状に関して誤解するような記事が散見されます。今後、法整備がきちっとなされましたら、それに基づいてマスコミの対応も含めてしっかりとした御説明を行っていくよう努力してまいりたいと思っております。
○浜田和幸君 是非、国際社会も日本の国内も、そういうメディアを通じて我々が議論している法律の中身等を間接的に知ることが多いわけですから、やはり公正な、バランスの取れた報道に資するような情報提供を心掛けていただきたいと思います。 また、FATFの日本に関する問題点を指摘する中で、なぜ日本がこういう依然としてマネーロンダリングとか違法と思われるような金融取引が行われているのかという原因を分析した箇所で、日本では取締官が少ないということを指摘されているんですね。そういった意味で、幾ら法律を整備しても、実際それを実行に移す取締官、捜査官の数が少ないということが指摘されているんですけれども、その現状はどうなんでしょうか。
○政府参考人(樹下尚君) 捜査体制ということについて申し上げれば、各国ごとにそれぞれ治安情勢ございますし、その国に応じた捜査体制というものを整備をしているのではないかというふうに考えるところでございます。 それから、FIUの体制はどうかという点についてでありますけれども、FIU、金融庁から国家公安委員会に移管されましたけれども、その後、体制も随分拡充をいたしまして、現在、FIUでいろいろと資料の整理、分析等を行っておりますけれども、約百名体制でそういった事務に携わっているところでございまして、今後とも必要に応じて体制の整備に努めてまいりたいと考えております。
○浜田和幸君 ということは、今のところ百人の体制で取り組んでいる、これでもう十分だという、そういう判断なんでしょうか。
○政府参考人(樹下尚君) 今回の法改正も含めまして、今後どのような形で疑わしい取引が届けられるかということにもよろうかというふうに思いますけれども、非常に精度の高い情報が数多く寄せられるということであれば、そういったものについて分析をし、あるいは提供をするための人手もそれなりには掛かってくるんだろうというふうに思いますので、今後、そういった疑わしい取引の届出の件数の推移等を見ながら必要な体制については整備してまいりたいと考えております。
○浜田和幸君 午前中の審議の中で、疑わしい取引の届出の件数がもう三十万件とか四十万件とか膨大な数あるわけですよね。本当に百人体制でそういうことに十分な対応ができるのかということも含めて、予算措置とか人員の強化についても是非、我々も応援したいと思いますので、前向きに考えていただき、人材育成、そのためには海外との言ってみれば情報の共有、特にテロリストに関する情報等はやっぱり日本の国内では限界があると思うんですね。ですから、国際的なテロリスト情報の共有、それと必要な対策ということも是非取り組んでいただきたいと思います。 それで、あと、最後に山谷大臣に、全く別の観点で、やっぱり今世の中がインターネット中心にどんどんどんどん進化している状況がありますよね。ですから、お金の取引ですとか、情報やあるいは物のやり取りに関してもネットの世界でいろんな決済が行われる。先般のビットコインに関わるいろんな問題もありましたけれども、これからのマネーロンダリングあるいはテロに関する資金の、そういうことをブラックマネーに関して考えますと、このネット上の決済ですとかお金のやり取りということがどんどんどんどん幅が広がってくると思うんですね。 そういう、現物の銀行とかそういうところの取引じゃなくて仮想空間での取引、これがやっぱり犯罪の温床になるということが十分考え得ると思うんですけれども、山谷大臣、いろいろこの新しい危機的状況にどういう具合に今回の法案もカバーすることができるのかどうか。もしも十分含まれていないとすると、この分野でもやっぱり新しい取組が必要だと思うんですけれども、大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(山谷えり子君) サイバー空間が国民生活や経済活動に不可欠な基盤となる中、サイバー犯罪やサイバー攻撃の手口は悪質、巧妙化するなど、サイバー空間における脅威、深刻化している状況にあると認識をしております。御指摘のビットコインを始めとした仮想通貨については、今後も犯罪に悪用される懸念があると認識しておりまして、警察では違法行為を認知した際には法と証拠に基づいて厳正に対処していくものと承知をしております。 こうしたことを含めまして、サイバー空間の脅威への対処は警察における重要な課題であり、今後とも関係機関や民間事業者、外国捜査機関等とも連携し、対処能力及び体制を強化するとともに、サイバー空間における違法行為の取締りの徹底等の取組を推進するよう、国家公安委員会として警察庁を督励してまいる所存でございます。 不断に現状を見、そして対策を考えていかなければならないと考えております。
○浜田和幸君 是非、新しいネット空間という舞台が言ってみれば国に代わる、そういう可能性も秘めている。ですから、ネット空間でやり取りされるお金にしても、一体誰が主導権を握るのか。例えばマイクロソフトのビル・ゲイツさんが新しい通貨をネット空間だけで通用するような、そういうことをいろいろと考えておられたり、あるいはそれに追随する形でいろんな、国の言ってみれば国境にとらわれない、言ってみれば新しい国、新しい国民、新しい通貨、新しい制度というものが物理的な限界を超えてどんどん広がってくる、そういう今我々は時代に突入しているわけですよね。ですから、それに対する対策ですとか、あるいはそういう世界でどうやって日本が、持ち前のすばらしい発想や歴史やそういったものを踏まえた上での新しい通貨とか新しい通貨戦争ですとか、新しい金融のシステムを守っていくという意味では、やはり情報の収集や分析、対策といったことをより広い範囲で取り組んでいく必要があると思うんですね。 不断にそういうことを取り組まれるとおっしゃいましたので大いに期待したいと思うんですけれども、そういうネット空間における新しい通貨の在り方について、財務省あるいは外務省含めて、何かそういう日本独自の方針ですとか戦略ですとか、そういうことについて検討進んでいるんでしょうか。
○政府参考人(浅川雅嗣君) お答え申し上げます。 今、通貨ということなんですが、そもそもこうした仮想通貨なるものは、我々が今まで政策の中で取り扱ってきました通貨そのものに当たるのかどうなのかという一番根本的な問題も含めて、今各省庁でこの新しいビットコインを始めとしたいわゆる仮想通貨にどういうふうな対応が可能かを検討を始めたところでございまして、もう少しお時間をいただきたいと思いますし、また、ビットコインに限らず、これからもいろんな恐らくイニシアティブがこのネット空間の中で出てくると思いますので、その都度、多少行政ですからどうしても後追いにはなるかもしれませんけれども、必要な対策はきちっと取っていきたいと思っているところでございます。
○浜田和幸君 是非柔軟な発想で取り組んでいただきたいと思います。 最後に、山谷大臣、いろんな、何というか、犯罪ですとかテロですとか、そういうことに対する不信感というか、二〇二〇年東京オリンピックに向けて本当に日本が世界一安全、安心な国として、お金の流れとか安全という観点でいきますとまだまだ取り組むべき課題が多いと思いますし、東京オリンピックの機会に、本当に日本らしい、世界に誇れるような安全、安心な社会をつくっていくということが大事な役割だと思いますけれども、最後に、大臣のオリンピックに向けての準備体制、それについての決意、お考えをお聞かせいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(山谷えり子君) 取り組むべき課題は本当に日々またいろいろな現象が出てきているわけでございまして、安全、安心な社会づくりのために努めてまいりたいと思います。 マネーロンダリング対策、国際協調の下に講じられる必要がありまして、仮想通貨についてはFATFにおいて具体的な議論をしているところでありまして、我が国も実態に即した対応の検討が必要とされていると考えております。
○浜田和幸君 ありがとうございました。以上で終わります。
○山本太郎君 解散・総選挙となってもやっぱり一人、新党ひとりひとりの山本太郎でございます。 まず、国際テロリストの財産凍結等に関する特別措置法案について質問いたします。 テロリストとは何かと聞かれた場合なんですけれども、本法案の四条一項の二のイに出てきます、公衆等脅迫目的の犯罪行為提供等の処罰に関する法律の第一条一、二、三に羅列してある定義に該当する行為をした者がテロリストであるという認識でよろしいですね。
○政府参考人(高橋清孝君) お答えいたします。 国際テロリストの財産凍結法案におきましては、関係する安保理決議により財産凍結等の措置をとるべき者を国際テロリストと称しているところであります。 具体的には、安保理決議第千二百六十七号等に基づき安保理制裁委員会がタリバン関係者及びアルカイダ関係者として指定した者に加えて、安保理決議第千三百七十三号に基づき外為法において規制対象となっている者であり、かつ過去に公衆等脅迫目的の犯罪行為を行った者で将来これを行うおそれがある者、若しくは米国、英国といった一定の外国が財産凍結等の措置の対象としている者等の要件に該当する者を対象とすることとしております。
○山本太郎君 現在、日本国内に公告国際テロリスト、存在しますか。
○政府参考人(高橋清孝君) 現在、日本の国内においては存在するという事実は把握しておりません。
○山本太郎君 我が国で日本国籍又は永住資格を持つ者の中に、現在この法律案に従って適用できる個人又は団体、存在しますか。
○政府参考人(高橋清孝君) 現在は存在しておりません。
○山本太郎君 ありがとうございます。 現在、我が国にはテロリストは存在しないということが確認できました。 この法案、我が国において現在該当者いないですから、今のところ適用不能ということですよね。そのような存在が現れるまでこの法律は休眠状態、休眠法ということなんですよ。この法案、立法事実ないんじゃないかなと思うんですけれども、この法案の立法事実、FATFからの圧力ということなんだと思います。 公安調査庁、警察庁公安部共に日頃から治安維持のために調査、監視などをされていることと思います。お聞きしたいんですけれども、山本太郎は監視の対象になっていますかね。
○政府参考人(高橋清孝君) お尋ねの監視の意味が必ずしも明らかではございませんけれども、警察としましては、公共の安全と秩序の維持という警察の責務を果たすため必要な情報を収集しているところであります。具体的にどのような個人について情報を収集しているかにつきましては、今後の警察活動に支障を生ずるおそれがありますから、お答えを差し控えさせていただきます。
○政府参考人(小島吉晴君) 公安調査庁といたしましても、今後の業務遂行に支障を来すおそれがございますので、およそ特定の個々人につきまして当庁の調査対象になっているかにつきましては、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
○山本太郎君 なるほど、捜査に支障を来すからそういうことは言えないんだと。じゃ、山本太郎が赤ちゃん言葉でしゃべったあの電話の会話聞かれているかどうかということさえも教えていただけないんですね。分かりました。山本太郎を調査、監視してももう税金の無駄なんです。何も出てきません。汗も出てきません。 現在の調査ですけれども、調査、監視対象、それぞれの組織でどんなものがございますか。
○政府参考人(高橋清孝君) 警察としましては、公共の安全と秩序の維持という警察の責務を果たすため必要な情報を収集しているところであります。あえて申し上げれば、例えば国際テロ組織、極左暴力集団、右翼、オウム真理教等の動向につきましては、警察として重大な関心を有しており、これらについて必要な情報は収集しているところであります。
○政府参考人(小島吉晴君) 公安調査庁といたしましては、無差別大量殺人行為を含む暴力主義的破壊活動を行うおそれがある団体の組織及び活動、並びに当該団体の活動に影響を与えます内外の諸動向について調査を実施しております。警察庁と同様、あえて具体的な団体名を挙げるといたしますれば、オウム真理教、過激派、朝鮮総連等々の団体を調査しておるところでございます。
○山本太郎君 ありがとうございました。 一九九九年十一月二十五日、中日新聞の記事、そのほかのメディアでも取り上げられました公安調査庁の九六年度の内部資料、これ明らかになった件ですよね。破壊活動防止法、破防法に基づき暴力主義的破壊活動を行い、将来もそのおそれがある団体の調査を担当する法務省の外局、公安調査庁が、調査指示項目に日本ペンクラブ、日本ジャーナリスト会議など報道関係の任意団体も対象として列挙していたとあります。ほかにも、人権保護団体のアムネスティ・インターナショナル、生活協同組合、情報公開を求める市民運動、青年法律家協会、全国公害患者の会連合会、核兵器廃絶を訴える団体、原水禁、原水協まで調査、監視されていた。これらの団体が暴力主義的破壊活動を行い、将来もそのおそれがある団体、そんなわけないですよね。一体何の調査をされているんでしょうか。世の中の不条理をあぶり出そうとする人々が暴力主義で破壊的として調査、監視されるなど、むちゃくちゃな話ですよね。 資料として皆様にもお手元にお配りしております今年一月十四日の読売、そして今年一月の朝日新聞の記事を御覧ください。 二〇一〇年十月、警視庁公安部外事三課などが作成したと見られる国際テロの捜査情報の文書ファイル、インターネットに百十四点流出した事件のものです。流出した情報の中身は約千人分の在日イスラム教徒の高度な個人情報、国籍、氏名、住所、家族構成なども含まれ、モスク、礼拝所を監視した報告書もあったと。流出から約一か月後には二十一を超える国と地域、一万台以上のパソコンにダウンロードされ、世界中に拡散されまくった。この件で十七人が国と警視庁を所管する東京都を訴え、裁判所はこの十七人に対して計約九千万円を支払うように命じたという話なんですよね。 原告の中には日本人のイスラム教徒の方もいらっしゃった。男性とその妻はネットに流出した資料でテロ容疑者の関係者と名指しされており、資料には妻の顔写真が貼られ、自宅の住所、電話番号、子供の名前まで。イスラム教徒であることは確かだけれども、犯罪とは無縁の生活を送っているのになぜ、子供もテロリスト扱いされたとコメントされています。ほかにも、原告の外国人男性は、出入国時に身柄を拘束されるのではないかとの不安から帰国しておらず、世界中でテロリスト扱いされたままどうやって生活していけばいいのか、そのように嘆かれたと。ほかにも、この個人情報の流出によって職場を解雇されたり、売上げが激減した飲食店経営者などなど、被害を受けた方々たくさんいらっしゃいます。まさに人生をむちゃくちゃにされたと言っても過言ではないと思うんです。裁判で勝ったとしても、テロリストの関係者と間違った記載をされた個人情報の世界中への拡散、止められないですものね。 これ、どういう捜査なんですか。イスラム教徒を見たらテロリストと思えという話なんですかね。仕事が雑という印象を受けるのは私だけではないはずです。 右翼、左翼、過激派、暴力団、宗教団体以外で調査、監視対象になっているものに、大衆運動、いわゆる市民のデモなどがありますよね。東電原発事故以降、どんなテーマで行われているデモを監視の対象にされていますか。
○政府参考人(高橋清孝君) 警察としましては、公共の安全と秩序の維持という警察の責務を果たすため、必要な情報を収集しているところであります。 今、大衆運動ということでお話がありましたけれども、大衆運動につきましては、当該運動に付随して違法行為が行われるおそれがあると認められる場合などに必要な情報を収集しているところでございます。
○政府参考人(小島吉晴君) 当庁、公安調査庁といたしましても、公共の安全の確保ということを使命といたしまして、先ほど申し上げました調査対象としております団体の調査を行っております。 そういう意味でいきますと、大衆運動団体、それにつきましても、先ほどの警察庁の御答弁にもありましたとおり、当該団体そのものにつきまして、暴力主義的破壊活動を行うようなおそれがないのであれば調査の対象とはいたしてはおりません。しかしながら、これらの大衆運動団体等に対しましても、当庁の調査対象団体からの働きかけ等々、様々な行為が行われる場合もございます。そういった場合には、これらの調査対象団体からの働きかけ、これを調査するということはございます。
○山本太郎君 公共の安全、秩序の維持と聞いても、権力の安全、権力の維持というふうに聞こえてしまうんですよ。 このような、警察庁が、「警備情勢を顧みて」というような冊子、立派な冊子に、この中に書いてあるんですよね。どんなものを調査、監視しているかということを書いてあるんですけれども、原子力政策をめぐる運動だと、それもチェックしているよ、反戦、戦争は駄目だという人たちに対してもチェックしていると、反基地運動、基地は要らないという人たちもチェックしていると、TPP反対などの反グローバリズム運動、ほかにも、雇用問題の改善を求める運動など、調査、監視していると。大衆運動として調査、監視されている多くの市民運動は、弱者切捨ての政治に対して声を上げ、異を唱える方々ですよ。大企業、大資本のみの優遇政策で、そのしわ寄せでこれからますます拡大する弱者切捨てをやめてくれと声を上げる人々です。 デモは市民に与えられた権利ですが、本質的にテロと変わりないと思われますか。
○国務大臣(山谷えり子君) デモとは集団行進や集団示威運動を意味するものであり、いわゆるテロとは異なるものと認識しております。
○山本太郎君 山谷先生のおっしゃるとおりなんですよね。 その一方で、石破茂さん、特定秘密保護法を何とか止めようと官邸前や議員会館前で声を上げる市民たち、彼らを自身のブログでテロリスト扱いしたと。デモは日本国憲法第二十一条一項で保障されている表現、集会、結社の自由であり、メディアの世論調査で七割以上が特定秘密保護法に対して反対、不安感を持つ中、十分な審議もせず強行採決しようとする独裁的な政治に警鐘を鳴らす人々の意思表示だったわけですよね。最高法規である憲法をスルーして、権力者に対し都合の悪い声を上げる人々をテロリスト扱いしてしまうというのは、僕になんか言われたくないでしょうけれども、政治家としての資質を疑う、民主主義を理解していないブログでの意思表明だったと思います。 権力者にとって都合の悪い耳障りな声を上げる市民をテロと変わらないと言ってしまう閣僚、権力者にとって都合の悪い耳障りな声を上げる市民への調査、監視が日常的に平然と行われている現状、こういうことがこれからテロ対策という抽象的な入口から拡大していくんじゃないか。テロを入口に、東京オリンピックを看板にして何でも押し通せる、これまさにショックドクトリンですよね。テロ関連という話であれば、非人道的な捜査が行われても特定秘密にしてしまえば表には出てこない。でたらめな調査、監視、人権侵害があったとしても全て覆い隠せてしまう。 今回、テロ指定するのはどこの部署の方なんですか。
○政府参考人(高橋清孝君) 国家公安委員会でございます。
○山本太郎君 国家公安委員会ということは、その下部組織というか、その管理している警察が実際は動いているということなんですね。これ本当に、警察のさじ加減一つでどうにでもなるようなことにまで恣意的に広げられる可能性があると思うんです。 今回、この法案、お勉強するときに法律家の先生方に何人かにお付き合いいただいたんです。その方々が共通しておっしゃるのは、皆さん驚いたと言うんです。こんな分かりにくい、ひどい法案文、久々に見たと。普通の人々が見て分かりやすい法文であるべきだと、そういうものを作っていくべきなんじゃないかなって一年生の僕は考えるんですけれども、プロの法律家が見ても余りにも分かりづらく、解釈を広げられるおそれがあると。 本法案四条一項二号のイにあります、四条一項二号のイ、先週成立したいわゆるカンパ防止法一条に定められた「公衆等脅迫目的の犯罪行為を行い、行おうとし、又は助けたと認め」る者であって、このようにありますけれども、この「助けた」という部分、この「助けた」は刑法上の幇助という表現よりも解釈が広いんじゃないかなって心配するんですけれども、いかがでしょう。
○政府参考人(高橋清孝君) 御指摘の「助けた」とは、公衆等脅迫目的の犯罪行為の幇助に相当する行為を意味するものと解しております。
○山本太郎君 なるほど。助けたと幇助はもう一緒なんだよということなんですね。
○政府参考人(高橋清孝君) 広くも狭くもない、相当する表現だというふうに考えております。
○山本太郎君 ですよね。一緒だったら幇助でいいじゃないかという話なんですよ。助けたという言葉を使うということは、少し解釈が広げられるという可能性を持っているという部分なんですよね。法律の中で助けたという表現、なじまないんじゃないかなとも思っちゃうんですけれども。 また、この中で、「将来更に公衆等脅迫目的の犯罪行為を行い、又は助ける明らかなおそれがあると認めるに足りる十分な理由」、これ、どういうことなんでしょうか。将来というのはまだ実際には行われてない状態を指すんですよね。将来的に行うことを認めるに足りる十分な理由、どのように関知してどのように認定するのかなと思うんですよ。 もう既に、個人や法人、そのほかの団体の活動実態を調査するために、調査員が集会に参加したり、個人や団体の構成員を尾行したり、組織の中に調査員を送り込んだり、既になさっていることだと思うんですけれども、将来的に行うことを認めるに足りる十分な理由を関知して、それを認定するためには、もっと踏み込んだ行動、必要になりますよね。霊能力でもない限り無理ですよ、これ。 先々、行政盗聴などを行う法改正とかは考えていらっしゃいますか。
○政府参考人(高橋清孝君) テロ行為を将来的に行うおそれがあることをどのように認定するかという御質問でございますけれども、例えばテロ行為を行うことを現に主張し又は他者にも呼びかけていること、あるいはテロ行為を行うに足りる物的、資金的能力を有していること、物資、資金の調達や訓練などテロ行為を行うための準備を現に行っていることなどの事実について、物的証拠や周辺者の供述等により認定することとしております。 それから、行政盗聴ですか、ちょっと行政盗聴の意味が私自身明らかになりませんけれども、この法案におきましては、指定に当たり国家公安委員会が関係行政機関の長等に必要な協力を求めるほか、都道府県公安委員会から意見の陳述を受けることとしており、こうした方法により指定に必要な情報を得ることとしているものでございます。そういう意味で、新たな情報収集の手段を設けることは現時点で考えておりません。
○山本太郎君 将来的なことをどうやって認定するというところまで持っていくかといったら、いろんなことを想像しちゃうんですけれども、今の時点では考えていないと、でも後々もどうなるか分からないという意味合いですよね。 次に、犯罪収益移転防止法改正案に対する質問をいたします。 この法案が可決、運用が始まった後、先々、銀行口座を開くときに写真付き証明書を提示しなければならない方向に向かうんですかね。
○政府参考人(樹下尚君) FATFによる第三次対日相互審査の指摘におきましては、取引時確認におきまして、写真付き証明書の提示が不可欠とされているものではなく、写真なし証明書を用いる場合には補完措置を行うことが必要とされているものでございます。 また、マネー・ローンダリング対策等に関する懇談会の本年七月の報告書におきましては、写真なし証明書について、自然人の本人確認書類として引き続き利用を認める必要があるとした上で、FATFの指摘に対応するため、写真なし証明書を利用する場合には補完的な確認措置を求めることが必要であるとしているものでございます。 こうした写真なし証明書の取扱いにつきましては政省令により対応することとしておりますけれども、FATFの要請を満たしつつ、一方で写真付き証明書を有していない者が相当数存在するという指摘も踏まえまして、事業者や顧客等に過度の負担とならないよう、関係省庁や業界の御意見を伺いながら検討を進めてまいりたいと考えております。
○山本太郎君 いや、本当にこれ写真付きじゃないと駄目だという話になっちゃったら困るんですよね。証明書さえも作れないという人たち、一定数いるんですよね、かなりの数がいると。 というのも、免許証だと言われたら教習所通うのに三十万円は掛かる、パスポートだと言われたって一万円以上掛かる、それも出せない人たちどうするのって。だって、年収二百万円以下のワーキングプアと呼ばれる人は二四%以上いるんだよ。二人以上の世帯で貯金ゼロが三〇・四%、単身世帯での貯金ゼロ三八・九%。これ、アベノミクスのアの字も届いていない人たちが山ほどいるということなんですよ。 これ、もし、でもこれ政省令で変えていけるんですもんね、必要だということにもできてしまう。その場合に、いろいろ検討なさるとおっしゃいましたけれども、それが必要になった場合、写真付きのものが必要になった場合、国が写真付きの証明書を作るための費用の補助であったりとか負担ということは、そのことも含めて検討していただけるんですかね。
○政府参考人(樹下尚君) 先ほど申し上げましたように、自然人の本人確認書類を写真付き証明書に限定するということにつきましては現在予定しておりませんで、したがいまして、写真付き証明書の費用を国が負担するということについても想定をしておらないところでございます。
○山本太郎君 でも、またFATFから言われたらやるんでしょう。
○政府参考人(樹下尚君) 先ほど申し上げましたように、FATFによる第三次対日相互審査の指摘におきましては、取引時確認において写真付き証明書の提示が不可欠とされているものではなく、写真なし証明書を用いる場合には補完措置を行うことが必要とされているものでございます。
○山本太郎君 ありがとうございます。 今の段階ではそんな状況だけれども、でも先々どうなるか分かりませんものね。集団的自衛権とかという話が進んでいけば、他国に行って戦争するようなことになってしまえば、もちろんテロの標的になるのは日本だし、そういうことでテロということがもっと緊張感を増してきたら、銀行口座開くのにも写真付きという可能性も出てくるわけですから、今の状況を鑑みたらそのようなことまで考えなきゃいけないのかなとも思うんですけれども。 この質問はここまでにしまして、別件なんですけれども、衆議院の解散・総選挙、迫っているようですね。公職選挙法について質問してもいいですか。衆議院比例代表選挙での名簿届出政党の名称及び略称についてお伺いします。 公選法八十六条の二の第三項の規定に、その代表者若しくはいずれかの選挙区における衆議院名簿登載者の氏名が表示され又はそれらの者の氏名が類推されるような名称又は略称以外の名称及び略称でなければならないと書いてあります。 逆に言えば、名簿届出政党となる政党、その他の政治団体の名称及び略称は、その代表者か名簿登載者の氏名以外であれば個人名が表示された名称及び略称であってもよいということなんでしょうか。
○政府参考人(稲山博司君) お答えをいたします。 衆議院の比例代表選挙、政治改革の議論により平成六年に導入されたところでございます。その際の比例名簿を届け出るときの名称及び略称でございます。 今、御紹介ございました公職選挙法第八十六条の二におきまして、当該政党等の代表者又は氏名登載者である個人の氏名又は氏名が類推される名称及び略称以外でなければならないとされているところでございます。したがいまして、当該政党等の代表者又は名簿登載者以外の個人の氏名又は氏名類推事項、氏名が類推されるような名称、略称が入っていたといたしましても、公職選挙法上これを制限するような規定はございません。 なお、留意事項でございますが、例えば、小選挙区に立候補される候補者名を冠した名称とか略称としたような、そういった、まあこれは例外的な場合と思いますけど、そうした場合には、当該政党等が行います比例代表選挙の選挙運動が小選挙区の選挙運動にわたると認められるおそれもございます。そのような場合など、名称によりましては、比例の選挙運動の面におきまして一定の制限が出てくると、こういった場合が出てくることには留意が必要かと存じます。
○山本太郎君 ありがとうございました。終わります。
○委員長(大島九州男君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。 これより両案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○山本太郎君 私は、犯罪による収益の移転防止に関する法律の一部を改正する法律案と国際連合安全保障理事会決議第千二百六十七号等を踏まえ我が国が実施する国際テロリストの財産の凍結等に関する特別措置法案に対して反対の立場から討論を行います。 犯罪収益移転防止法改正案について、取引時確認における本人確認書類に関する政府の検討について、運転免許証やパスポートなどを持たない証明弱者に対する配慮、十分でないなどの観点から、反対することを申し上げます。 また、国際テロリスト財産凍結法案ですけれども、国際テロリストが日本国内で財産の譲渡などを行おうとすることを規制することに関しては、十分理解いたします。ですが、本法律案は、悪政を正すべく物を言う市民の運動に対し、現在でも行われている不必要な調査、監視など、無言の圧力が本法案可決後に特定秘密保護法やそのほかのテロ関連法案との相乗効果で一層強まり、国民の人権保護をおざなりにする今の政府の姿勢を見ても、制度の濫用、恣意的に広げて適用していく危険性が全く払拭できません。 警察庁は、本法律案に基づく財産凍結の対象となるような国際テロリストが国内に存在した具体的な事実はないとしています。例えば入国審査など、既存の制度を運用すれば十分対応できるのではないでしょうか。国際的な要求に屈する形で新たな規制を生み出すのは拙速と言わざるを得ません。 国際的要求といえば、国連の人権諸条約に基づく国連の委員会が行う国別審査や人権理事会で、これまで日本の人権をめぐる状況に関し度々多くの指摘を受けていますが、改善しているとは言い難い状況です。国連の自由権規約委員会、社会権規約委員会、女子差別撤廃委員会、子どもの権利委員会、拷問等禁止委員会、人種差別撤廃委員会などからは、数百の勧告が出されています。 同じ国際的要求であるにもかかわらず、これら国連の勧告の完全実施は行われず、FATFからの要求だけに応じようとするのはなぜなのでしょうか。さらに、国内の民間機関では実際には対策のための努力が既に十分になされており、そのことはFATFでさえも認めています。 政府は、全ての国民の基本的人権が十分に尊重される制度を整えることを何より優先すべきではないでしょうか。 両法案が可決されるならば、公の安寧を破壊しかねない、最も調査、監視が必要な国内に存在する真のテロリズムとまずは闘うべきではないかと申し上げて、私の反対討論を終わらせていただきます。
○委員長(大島九州男君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 まず、犯罪による収益の移転防止に関する法律の一部を改正する法律案の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大島九州男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、国際連合安全保障理事会決議第千二百六十七号等を踏まえ我が国が実施する国際テロリストの財産の凍結等に関する特別措置法案の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大島九州男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大島九州男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時二分散会