地方創生に関する特別委員会 第1号
- 発言数
- 71 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2014/11/10
会議録
○江口克彦君 ただいまから地方創生に関する特別委員会を開会いたします。 本院規則第八十条により、年長のゆえをもちまして私が委員長の選任につきその議事を主宰いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、儀間光男君、林久美子君、金子原二郎君及び宮本周司君が委員を辞任され、その補欠として室井邦彦君、安井美沙子君、石田昌宏君及び高野光二郎君が選任されました。 ─────────────
○江口克彦君 これより委員長の選任を行います。 つきましては、選任の方法はいかがいたしましょうか。
○藤本祐司君 委員長の選任は、主宰者の指名に一任することの動議を提出いたします。
○江口克彦君 ただいまの藤本君の動議に御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○江口克彦君 異議ないと認めます。 それでは、委員長に関口昌一君を指名いたします。(拍手) ───────────── 〔関口昌一君委員長席に着く〕
○委員長(関口昌一君) この際、一言御挨拶を申し上げます。 ただいま皆様方の御推挙によりまして、本委員会の委員長に選任されました関口昌一でございます。 委員会の運営に当たりましては、当然でありますが、公正かつ円滑な運営に努めてまいりたいと存じますので、委員各位の御支援と御協力のほどよろしくお願い申し上げます。 ─────────────
○委員長(関口昌一君) ただいまから理事の選任を行います。 本委員会の理事の数は六名でございます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(関口昌一君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に岡田直樹君、古賀友一郎君、藤川政人君、藤末健三君、藤本祐司君及び荒木清寛君を指名いたします。 暫時休憩いたします。 午後二時二分休憩 ─────・───── 午後二時九分開会
○委員長(関口昌一君) ただいまから地方創生に関する特別委員会を再開いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 まち・ひと・しごと創生法案及び地域再生法の一部を改正する法律案の審査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(関口昌一君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ─────────────
○委員長(関口昌一君) まち・ひと・しごと創生法案及び地域再生法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。石破国務大臣。
○国務大臣(石破茂君) ただいま議題となりましたまち・ひと・しごと創生法案及び地域再生法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 まず、まち・ひと・しごと創生法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 我が国における急速な少子高齢化の進展に的確に対応し、日本全体、特に地方の人口の減少に歯止めを掛けるとともに、東京圏への人口の過度の集中を是正し、小さな村落から大都市まで、それぞれの地域で住みよい環境を確保して、将来にわたって活力ある日本社会を維持していくためには、国民一人一人が夢や希望を持ち、潤いのある豊かな生活を安心して営むことができる地域社会を形成すること、地域社会を担う個性豊かで多様な人材について、育成を含め確保を図ること及び地域における魅力ある多様な就業の機会を創出することの一体的な推進、すなわち、まち・ひと・しごと創生が重要となっております。 この法律案は、このような観点から、まち・ひと・しごと創生について、基本理念、国等の責務、まち・ひと・しごと創生総合戦略の作成等について定めるとともに、まち・ひと・しごと創生本部を設置する等の措置を講ずるものであります。 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。 第一に、まち・ひと・しごと創生の基本理念として、希望に応じ、地方に住み続け又は地方に移住するなど、国民が個性豊かで魅力ある地域社会において潤いのある豊かな生活を営むことができるよう、それぞれの地域の実情に応じて環境の整備を図ること、日常生活及び社会生活を営む基盤となるサービスについて、その需要及び供給を長期的に見通しつつ、かつ、地域における住民の負担の程度を考慮して、事業者及び地域住民の理解と協力を得ながら、現在及び将来におけるその提供の確保を図ること、結婚、出産は個人の決定に基づくものであることを基本としつつ、結婚、出産又は育児についての希望を持つことができる社会が形成されるよう環境の整備を図ること、仕事と生活の調和を図ることができるよう環境の整備を図ること、地域の特性を生かした創業の促進や事業活動の活性化により、魅力ある就業の機会の創出を図ること、これらが行われるに当たっては、地域の実情に応じ、地方公共団体相互の連携協力による効率的かつ効果的な行政運営の確保を図ること等を定めております。 第二に、政府は、基本理念にのっとり、まち・ひと・しごと創生総合戦略を定めるものとしております。 第三に、都道府県は、まち・ひと・しごと創生総合戦略を勘案して都道府県まち・ひと・しごと創生総合戦略を定めるよう努めるものとしております。 第四に、市町村は、まち・ひと・しごと創生総合戦略等を勘案して市町村まち・ひと・しごと創生総合戦略を定めるよう努めるものとしております。 第五に、内閣総理大臣を本部長とするまち・ひと・しごと創生本部を内閣に設置し、まち・ひと・しごと創生総合戦略の実施を推進するとともに、その実施状況の総合的な検証を定期的に行うこととしております。 このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。 次に、地域再生法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 地域再生は、地域の知恵を生かした自主的、自立的な取組を国が支援することにより、我が国の活力の源泉である地域の活力を再生しようとするものであり、これまで全国各地で創意工夫にあふれる様々な取組が行われてきました。 政府としては、少子高齢化が進展し、人口の減少が続く中で、地域の活力の向上及び持続的発展を図る観点から、地域産業の成長及び雇用の維持、創出を早急に対応すべき重要課題として位置付け、地域の活性化に取り組む地方公共団体の声を聞きつつ、国の地域活性化施策の制度改善に向けた所要の検討を行ってまいりました。 今般、これらの検討結果に基づき、地域活性化関連の計画の認定等について手続のワンストップ化を可能とするほか、地方公共団体からの提案等に対して内閣総理大臣が一元的に対応するとともに、地方公共団体の要請に応じて内閣総理大臣が関係省庁間を調整する等の措置を講ずることにより、関係省庁が一体となって意欲ある地方公共団体の主体的な取組を総合的に支援するため、この法律案を提出する次第であります。 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。 第一に、地域再生計画の認定の申請をしようとする地方公共団体は、内閣総理大臣に対して、地域再生の推進のために政府が講ずべき新たな措置に関する提案をすることができることとしております。 第二に、構造改革特別区域法の特定事業等に関する事項を記載した地域再生計画について、内閣総理大臣の認定をもって、当該特定事業に係る構造改革特別区域計画の認定等があったものとみなすこととしております。 第三に、内閣総理大臣は、地域再生計画の認定を受けた地方公共団体が当該計画を実施する際、地方公共団体からの要請に応じて関係行政機関の事務の調整を行うとともに、関係行政機関の長に対し、必要な勧告を行うことができることとしております。 第四に、認定地域再生計画に基づく事業に対する特別の措置として、地域農林水産業振興施設整備計画の作成及びこれに基づく農地等の転用等の許可の特例を追加することとしております。 このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。 以上が、まち・ひと・しごと創生法案及び地域再生法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、十分御審議の上、速やかに成立いたしますようお願いを申し上げます。
○委員長(関口昌一君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○堂故茂君 自民党の堂故茂です。 石破大臣始め各省庁の皆さんには、通告が随分タイトになって申し訳ありませんでした。本人も今質問があることを実感しているところであります。 昨年まで、高齢化率において国の平均より十五、六年先行する、しかも財政力の弱い富山県の氷見市長をいたしておりました。地域医療を守るため、市民病院の公設民営化を進め、市の職員を四百人分限免職しなければならないという大変厳しい改革に取り組んだり、寒ブリのブランド化など食を切り口とした町おこしなんかにも取り組んでまいりました。一地方都市のちっちゃな行政経験でありますが、あえて申し上げますと、厳しい課題に臨むに当たっては、リーダーの強い覚悟、それから住民の皆さん、議会の皆さんと危機感を共有するということが最も大事だと思って仕事をさせていただいてきました。 一昨年再び総理になられました安倍総理の強い決意で、デフレを脱却し、三本の矢によるアベノミクスが進められ、多くの企業で賃金がアップするなど経済の好循環の兆しも見えてきております。しかし、これが全国の地方まで行き届いているとは必ずしも言えません。地方にいい循環を波及することが喫緊の課題となっています。こうした中、まち・ひと・しごと創生本部を立ち上げ、人口減克服と地方創生という大きな課題に真正面から取り組もうとしておられます。国民の期待、地方の期待、本当に大きいものがあると思っています。 石破大臣は、かねがね、もう後がない、日本を再生する最後のチャンスであると日本社会の現状を危機感を持ってお話しされているのを何度も聞いております。地方創生に向けた大臣の思いを改めてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) もう後がないと申し上げているのは、何も誇大宣伝をしているわけでも何でもございませんで、これは委員も御経験になっておられるかと思いますが、限界集落を通り越して集落が消滅しているという例をたくさん見てまいりました。そして、それが増田レポートに指摘をされておりますように、限界集落がやがて限界市町村になっていく、そして高齢者の方がおられなくなれば、それは高齢者の方々がまだおられる東京に、医療とか介護とかに従事している人たちが東京に移る。しかし、その東京が出生率全国最低でございますから、ブラックホールという言葉を使うかどうかは別として、時間差を置いてでございますが、地方も東京も衰退に向かっていくということは、日本全体が衰退に向かって今進みつつあるのではないか。みんなこれは何かがおかしいということに気が付いてはいるのだけれども、じゃ、国全体として政府を挙げて地方と連携をしながらこの流れを止めていくということは、もう今が最後の機会ではないかと。今、こうしている間もどんどんとそれは進行しているのであって、これを止めるのは今だということでございます。 もう一つは、委員が御指摘になりましたように、大胆な金融緩和あるいは機動的な財政出動で、あの異様な円高というものは脱している、そしてまた財政出動の効果も現れている。しかしながら、それを仕組みとしてこれから先、総理がよく言っておりますように、この新しい経済政策の効果というものを日本全国津々浦々に広げるということでなければ、我が政権の経済政策は一体何であったのかということが問われることに相なります。 そうしますと、地方におけるいろいろな潜在力というものを本当に最大限引き出す努力をしてきただろうか。地域地域ではもちろん取り組んでおられますが、国を挙げて第一次産業でありますとかサービス業でありますとか、地域の持っている潜在力を最大限に引き出すということは、これから先、日本国のために必要なのではないか。地方創生というのはすなわち日本創生であると、そういう思いの下に、後がないという決意でやっておるところでございます。
○堂故茂君 石破大臣の覚悟を改めて感じました。 人口対策というのは、各自治体で医療費無料化だとか、ちょっとサービス合戦の様相を呈したような段階、まだ続いていると思うんですけれども、私は、国が本腰を入れて取り組まないと、これは解決の方向に進まないとずっと思ってきました。フランスなどを例に取りますと、国民の大きな負担と人口減に対する危機感を共有しなければならないと考えます。 出生率を一・八まで上げ、五十年後に一億の人口を維持することなど、並大抵の覚悟ではできないことだと思います。その御決意をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 委員も市長をなさっておられたので、一番よく御存じのことだと思っております。 これ、今一・八という数字をお使いになりましたが、それは、かつてのように国が産めよ育てよみたいなことを申し上げるつもりは全くございません。今の若い方々は、結婚したくないとか子供が欲しくないとか、そういうことを思っておられるわけではない。これは調査をやってみますと、結婚もしたい、子供も欲しいという国民の皆様方の御期待はあるわけで、それをかなえるために国として何ができるか、自治体は何ができるかということ、考えられることは全てやらなきゃいかぬと思っております。 何事も原因があるから結果があるのであって、先進国はみんな少子化がどんどん進んでいるかといえば、そんなことはない。先進国でも人口が回復基調になっているところはあるわけであって、何をやるのか、何が一番政策効果を実現しやすいか。そこにおいて常に考えねばならぬのは、国民が持っておられるそういう希望をかなえるために何ができるかということであって、それが今回の政策の取組の基本姿勢であるべきだと考えております。 この下に、総理を先頭に政務に当たります者、あるいは事務に当たります者、総力で取り組んでまいりたいと思っておりますので、どうぞいろんなお知恵を授かりますようにお願いを申し上げます。
○堂故茂君 その際、いろんなことをやらなきゃいけない、もう政策を総動員しなきゃいけないということだと思いますが、よく地方自治体から聞くのは、結婚、出産、子育て支援について、これまでにない取組を検討すべきという声が聞こえてきます。どのような取組が考えられるのか、石破大臣のお考えを聞きたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 例えて言えば、結婚が可能となる年収水準を実現する安定的雇用を目指した取組の推進を通じて、若い世帯の経済的安定を図る。社会全体で費用を負担する子ども・子育て支援新制度の円滑かつ持続的な実施などを通じて、子ども・子育て支援の充実を図るなどの対策が考えられます。 創生本部におきましては、今後五年間の政府の施策の方向性を提示する総合戦略をこの十二月に取りまとめる予定でありまして、若い世代の結婚、出産、子育ての希望をかなえる観点から、効果が高い政策を総合戦略に盛り込んでいくということですが、要は、きちんと仕事がなければならぬと。そして、そこに安定したある程度の収入がなければ、結婚したい、子供を育てたいと思ってもそれがかなわないということなのでありまして、若い世代の方々の希望をかなえるというのはそういうことだと思う。何にしても、きちんとした仕事、安定した収入、そしてまた、それがやる気のあるもの、そういうやりがいのあるものでなければいかぬ。 そこで、安定したと申し上げたのは、その事業が一体いつまで続くんですかということがあるわけですね。そのときだけ高い収入でも、五年先にそれはないかもしれないということであれば、それは安定した仕事ということにはならぬのでございます。そういうような仕事を創出するために今までと違う取組をしていかねばならぬ、従来型のものでは駄目だと思っております。
○堂故茂君 地方が活力を取り戻し、人口減少を克服する、そのためには地方への、今大臣おっしゃったように、人の流れ、それから、これまではややもすると工場誘致ということにかなり精力を注いできたわけでありますが、本社機能などを地方へ移転して魅力ある仕事を地方につくらなければならないということが大きな課題となっています。 企業が東京圏から地方に本社機能を移転する場合の税制上の優遇措置等を講ずることについては、是非実現に向けて積極的に検討を進めていただきたいと考えますが、今後、取り組まれる予定があるのか、石破大臣の意気込みを伺いたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) これは、委員も北陸でいらっしゃいますからコマツの例はよく御存じで、ここで私があえて繰り返すことはいたしません。YKKもそうでございます。コマツの話が極めて有名でありますが、まさしく富山県、YKKグループは平成二十六年度末までに東京本社から同社の生産拠点である富山県黒部市に経理、総務、人事等の本社管理部門の一部を移転する予定であり、これは二百人規模になると。あるいは、東芝、効率的に研究開発成果を量産に結び付けるため、研究開発機能を横浜から半導体メモリーの主力生産拠点である三重県四日市に移転、集約したことにより、約三百人の研究者が移転し、地方拠点の高度化や雇用増大など経済波及効果をもたらしているということであります。 そのように、地方でもできるんだということはございまして、地方とともに発展しようとする企業の取組を広く応援する仕組みを強化していくべきだということで、それはITの発達とか新幹線とか飛行機とか、そういうものが発達したことによって、地方でも東京に置かなくても十分できるじゃないかということが本社機能の移転だと思っております。 また、工場で考えますと、かつてのように同じものをたくさん作るというモデルをやるのであれば、それはもう海外の方が優位性を持っておるわけですし、市場に近いことでございますから、じゃ、マザー工場みたいなものをどうするかということを考えていかねばなりません。 これが、今コマツあるいは東芝あるいはYKKの例を申し上げましたが、それが広く伝わるというためには何が一番効果的なんだろうか。そんなにいいことであればほっといてもどんどん広がるはずなんですけれど、それが加速しないというのは那辺に原因があるのかというのは、それは企業の側に聞いてみなければ分かりません。それが、委員御指摘のように、法人税なのだろうか、法人税とした場合に、国税たる法人税の不公平というものはどうすれば解消されるのか。いや、そんなこと言っているから異次元にならないんだという議論もあるのかもしれません。 何が一番効果的なのかということは、またこの委員会の御議論で御示唆を賜りたいし、御教示を賜りたいと思っております。
○堂故茂君 大臣今おっしゃったように、経営者の皆さんにお聞きすると、税法上の理由、あるいは東京圏がどれだけ離れていれば地方なのかという、いろいろな問題もあるようですけれども、社員にとっても働きやすく暮らしやすい場所でなければ本社移転というのは考えられない、地方都市はそれだけ磨いていかなきゃいけない、そういう課題があると思うんです。 一つだけ、ちょっと今日はお聞きしたいんですけれども、大学を選択して、その後就職を決めていく場所として、大学選択というのは一つ大きな人生の選択だと思うんですね。その大学を決める際、地方の国立大学の授業料だとか、あるいは地元に就職したときの奨学金の免除などを含めて、地方大学を充実させていく方法というのはもっとないのかということをちょっとお聞きしたいと思います。
○大臣政務官(赤池誠章君) 委員御指摘の意欲と能力のある若者が地方に残って活躍する環境をつくっていくというためには、地方大学が一層活性化をして、都市部の大学以上に若者にとって魅力ある存在となることが重要であるというふうに考えております。 文部科学省といたしましては、地域の課題解決や地域が必要とする人材の育成等に積極的に貢献しようとする大学を、既に平成二十五年度から、知識の知、それから地域の地というこの二つの地(知)の拠点整備事業という大学COC構想、センター・オブ・コミュニティーという言い方をしておりますけれども、そういった大学を既に支援を始めているところでございます。国立大学や市立大学に対して、地域の強みを生かした教育研究の機能強化、地域発展に係る積極的な取組を支援を強化をしているところでございます。 また、委員御指摘の国立大学の授業料については、国において標準額と、その一定の範囲内での各大学が授業料を設定することができる仕組みとしているところでもありますし、意欲と能力のある学生等が経済的理由によって進学等を断念することがないように、学生の就学支援の観点から、授業料減免及び奨学金についての充実というものを図っているところでございます。 既に、先月末に取りまとめられましたまち・ひと・しごと創生会議の基本政策検討チーム報告書にも、地方大学への進学、地元企業への就職等を促進するための具体的な措置について提言がなされているところでもありまして、文部科学省としてもきちっとそれを受け止めて、スピード感を持って検討を進めてまいりたいと存じます。
○堂故茂君 是非検討を進めていただきたいと思います。 地方創生においては、その地域らしいアイデンティティーが大切にされなければならないと思います。 富山県では、三月十四日、五十年来の期待である新幹線開業に向けて各町が切磋琢磨しています。富山市では高齢化に備えたコンパクトな町づくり、そのほかの町村でも創意工夫しています。 私の氷見市では六次産業化というのに取り組んでおりまして、一つ例を取りますと、ちっちゃな過疎の集落でハト麦というのを作っていました。せいぜい三ヘクタールだったんですね。それを、その荒れ地に三ヘクタールしか作っていなかったハト麦を氷見市農協がペットボトル化したんです。その際、金沢大学医学部と共同研究して、美肌、美白、整腸作用を実証して特許を取りました。それを商品化した。そして、あっという間に耕作地も三十倍、四十倍になりまして、農家の収入も上がるし、それから市民の健康づくりにもなる。 また、一本売れると市に五円寄附していただくという仕組みを導入して、あっという間に一千万円寄附していただいたり、また新しい商品を製薬会社、化粧品と共同開発して、海外にも打って出ようと、こういう動きもあるわけでありまして、そういった六次産業化の取組というのはかなり地域のエネルギーを引き出すものであると思うんですが、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 六次化というのは、一掛ける二掛ける三は六だとか、一足す二足す三は六だとか、まあどっちでもいいんですが、いかにして付加価値を上げるかということが極めて重要で、なおかつ生産者がどれだけ利益を手に入れることができるかという意味でも極めて重要なものだと思っております。 ですから、委員御地元のハト麦もそうですし、六次化と同時にブランド化ということも、寒ブリなんて完全にブランドになっているわけですが、その際に重要なのは、後ほど御指摘があるのかもしれませんが、地理的表示というものをどう活用するんだと、そこでなければ駄目だというものをどれだけ価値を付けて売るかということも併せて重要だと。ですから、六次化というものとそれからブランド化というもの、両方併せて進めることが大事だと思っております。 全国四十七都道府県見ますと、六次化率が一番低いのは北海道でありまして、何でそんなことになるのかというと、原材料を出しただけでかなりの収入があるから、何も二次産業、三次産業を経る必要はないよねということが今まであったのかもしれません。しかしながら、それだけ六次化をすることによって所得を増やす余地があるのだということをそれぞれの地域のそれぞれの産品でそれはお考えをいただくことであって、そのためのお手伝いが国は何ができるかということだと思っております。
○堂故茂君 今、氷見の例を申し上げましたけれども、全国には、今大臣ちょっとお触れになりましたけれども、高知県の馬路村のユズですね、それから栃木県芳賀のイチゴ、野菜販売。これ全国各地で相当なエネルギーが生まれてきて、いいものが発揮されようとしているわけで、是非国としても後押ししていただきたいなと思います。 それから、地方には山村地域が多いわけでありますけれども、里山、森林を活用するというのは非常に大事な視点だと私は思います。間伐材や枝材の再生エネルギーへの利用というのも環境面から大事です。それから、我が国の森林は、戦後植林政策をして、今伐採期に来て、どんどん木が多くなり過ぎているわけであります。幸い世界的には、自分のところの国の木材を大切にしようということから需給関係も少し緩くなっているようですが、また、公共建築物に木材を利用するという法律ができてから少し利用率も上がっているようです。 しかし、最近お聞きすると、新しい新技術、CLTですね、日本材、杉材でも合板にすると強度が増して、六階、七階建てのビルさえ造れるようなCLT工法が、かなり革新的なところまで来ている。それから、セルロースナノファイバー、これは同僚の高橋克法議員が先日環境委員会で話しているのを聞いて私は感動しました。五倍の強度、それから軽さも七分の一か八分の一の、木材の繊維を利用した素材が、これは日本の社会を変えるかもしれないという新技術として普及しつつある。 そういったことを考えますと、林業、山林においてこれから有力な成長産業になるんではないか、こういう期待が持てるわけですが、大臣はその辺、どんな御見解を持っておられるか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) これは是非この委員会において御議論をいただきたいことだと思いますが、世界中木の切り過ぎで困っているんですけれども、日本だけが木の切らな過ぎで困っているわけですよね。一年に成長する木の量だけで大体一年の需要が賄えるなんというような国は世界中どこを探してもないわけで、国土の六七%は森林ですから、これを活用しないで何が日本創生だいというお話でございます。 そこの議論をするためには、今議員が御指摘のCLT、クロス・ラミネーテッド・ティンバーですか、これが、もうヨーロッパではこのCLTの建物がもうあちこち続々と建っている。いや、それは、ヨーロッパは地震がないからさと、こういう話になるんですけれども、じゃ、地震国のイタリアでもたくさん建っているというのはどういうことなんだということです。これ、私、前から高知の知事からお話は聞いておりまして、この仕事になる前から随分関心を持って取り組んでいるんですが、これはきちんと工程表を持って考えていかねばならぬと。CLTの普及を通じた林業の成長産業化というものを、今平成二十六年度ですが、平成二十七年度にはどのように行うのか、平成二十八年度にはどのように行うのかということをきちんと、これは林野庁と、それから国土交通省住宅局になりますが、両方が力を合わせてやっていかねばならぬことだと思っております。これは、いつかできたらいいなじゃなくて、いつまでにやるんだということをきちんと時間的な感覚を持って実現をしていかねばならぬことだと考えております。 また、これも何か高知の議員さんから御紹介いただいた方がいい話なんでしょうが、自伐型林業というものをどう考えるかということだと思っております。 つまり、森林組合によって一種、所有と経営が分離された形で森林というものは今まで運営をされてきたわけですが、じゃ、ドイツでどうなっている、同じように急峻な地形のオーストリアでどうなっているか。森林というものが一体どれだけの雇用を生んでいるかということは、私どももう一回よく考えてみるべきじゃないでしょうか。 森林組合による経営を私は否定をいたしません。否定をいたしませんが、それ以外の経営形態があるのではないだろうか。そこにおいて、この日本の宝のような森林をどうして所得と雇用の源泉としていくかということは、我々が地方創生を語るときに絶対に避けて通れない論点だと認識をいたしております。
○堂故茂君 まさにその感がいたします。 省庁を超えて、これはひょっとすると、今までお荷物だとまで言われていたこの里山、森林を宝の山に変えて、日本の資源再生の一つの大きな切り札になるかもしれないという大変大きな可能性があるものだと私は思いますので、まさに大臣のところで省庁をまたがって束ねて、是非この実現に向けて御努力をいただきたいと思います。 それから、地方におけるIT産業の育成、それから国際的にもICT化が遅れていると思われている医療、教育、福祉の分野、このICT化推進が地方都市の地理的条件不利を補って地域経済を活性化すると思うんですよね。この質問しようと思ったんですが、総務委員会におりますので、次回にさせてください。ちょっと質問の時間がなくなったので、ごめんなさい。 それから、地方を回っておりますと、地方の物づくり、富山でいえばアルミそれから薬、機械など、物づくりの中小企業が地域に密着していて、田園と一緒に張り付いていて、また建設産業も地域の雇用と暮らしを守ってくれているということを実感しています。 そういった企業が生き残ってその地域で役に立っていくためには、新たな展開も目指さなきゃいけない。例えば、生き残るために海外進出をしなきゃいけない、東南アジアを中心にですね。あるいは、ベンチャー企業として新しいものに生まれ変わっていかなきゃいけない。そんな地方の企業の新しい試み、新しい分野に挑戦しようとする動きを国としてどうバックアップしていくのか、伺いたいと思います。
○政府参考人(北川慎介君) お答え申し上げます。 地方の中小企業・小規模事業者の方は地域に根差して事業活動を行って地域経済と雇用を支えてきておられるわけですが、今後、この事業の持続的発展を図っていくためには、御指摘のとおり、新しい市場あるいは成長分野へ出ていくということが大変重要だと考えております。 まず、新しい市場の一つで海外市場、これに挑戦される中小企業の方々に対しまして、まず国内におきましては、独立行政法人中小企業基盤整備機構におきまして総合的な経営支援の一環として相談に応じるとともに、また具体的に進出するかどうかという御検討に際しましては、海外現地ニーズに精通されました専門家の方と一緒に考えるということでFSの、実現可能性調査の支援なども行っております。 さらに進みまして、海外に行きまして新たな販路を開拓する、このときには、やはり現地パートナーの発掘あるいは具体的な顧客の開拓、これが必要だと考えております。そのため、独立行政法人日本貿易振興機構、いわゆるジェトロでございますけれども、海外のネットワーク力を生かしまして、海外展示会への出展あるいはパートナーの紹介、こういったことを行っております。最近非常にニーズが強うございますので、海外十二か国十七か所にプラットフォームを設けまして現地での様々な御支援を図っているところであります。 また、こういった具体の取組以前に、それぞれ御地元でどういうことをこれからやっていくかということを考えるに当たりまして、地域の素材、技術の強みを生かしてジャパン・ブランドというものをつくって海外に打って出ると、こういったお取組も御支援しておりまして、例えば富山県の場合では、高岡市の青銅器産地、ここと一緒になりまして欧州への売り込みを図る、こういったことも政府としてやっております。 創業支援に関しましては、新しいビジネスをやる上で身近なところで相談していきたいということがございますので、産業競争力強化法によりまして、総務省と二人三脚で市町村によります計画、これを応援するというスキームをつくっておりますし、また、個々の事業者の方に対しましては、代替わりも含めて、新しい分野へ挑戦するという方に創業補助金あるいは様々な政策金融面の支援、こういったことを行っているところでございます。
○堂故茂君 ありがとうございます。 昨年まで市長会の経済委員長をしておりまして、各市の悩み、市長さんの悩みの中で多かった項目として、それぞれの地域の中小企業の育成のために海外へ行っているのを是非バックアップしてくれと、海外進出を是非国としてもバックアップしてほしいという、こんな声を受けておりましたので、是非力強く政策を推進してもらいたいと思います。 石破大臣は、地方分権改革は地方が抱える課題に地域の特性に応じた解決策を見出す上で重要な改革だと、そんなふうにおっしゃっておられます。地方創生の中核を成すものともおっしゃっておられます。私も、自治体経営の中で新しいことに取り組むとき、例えば市役所を、古い高校の体育館を利用した施策を展開するときなんか、もっと権限と財源があればもっと工夫して効率よくやれたのにな、そんなように思ったこともありました。 経済政策の面から見ても、例えば申し上げますと、富山は薬の産業が集約しています。かなり集約していまして、全国でも有数の製薬会社があるわけですが、許認可なんかについて地方に下ろしてくれれば、もっとスピーディーに意思決定をして政策に生かし、政策というか、会社の方針を立てて、スピーディーに物事を行っていって、その結果として地域全体としては産業として活性化していくという、そういうことだって可能だと製薬会社の皆さんからお聞きするわけですね。許認可で一々国に出てくるんじゃなくて、県という単位で決めてくれればいいのに、そんなような声も聞くわけでありまして、そういった産業の集積というのは全国各地でいろいろあると思うんですね。 そういった地方分権も行えればもっと国全体として産業も活気付くんじゃないか、そういうタイプの地方分権もあるのではないかと思いますけれども、大臣に御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 委員御指摘の趣旨を踏まえまして、今年から、より地方の個性を尊重する観点より、国から地方への事務権限の移譲等を含め、地方分権改革について広く地方から提案を募集する提案募集方式を導入したというのは御案内のとおりでございます。 地方分権改革の推進は政府の最重要課題であるという認識に立ちまして、提案の最大限の実現に向けて取り組みますということなんですが、まず、今委員から薬の、御提案というか、お話がありました。だから、地方がこれに困っているんだと、これをやってくれという提案を今受け付けておるところでございますが、それは駄目なものは駄目なんですけど、駄目ならなぜ駄目だという理由をきちんと説明するのはこちらの責任で、駄目だけど理由はあなた方考えなさい、みたいな話をしたらめちゃくちゃなことになるわけですね。やっぱりその挙証責任はこちらにあるんだろうと思っています。 現行制度でも可能であるというお答えをすることがありますが、可能じゃないから聞いているんであって、現行制度で可能であるというんだったら、どうして可能なのかということをちゃんと御説明をしなければなりません。私は、実際に地方からの提案というものに最大限誠意を持ってお応えをするということが必要でありまして、できるだけ実現に向けてやりたいと思っています。ただ、何でもかんでもできるというわけではありませんので、できませんと言うときには、なぜできないのかということを提案をされた方にきちんと御納得いくように、そういう説明をするのが政府の責任だと認識をいたしております。
○堂故茂君 もちろん、薬事法の難しい点もありますが、権限を譲れるものもあると私は思うのですね。その点もまたこの委員会等で発言をさせていただきたいと思います。 地方公共団体からは、それぞれの地方を取り巻く実情に即した措置を講ずることができるよう自由度の高い包括的な交付金を創設することが提案されていますが、このような交付金を創設することについて大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) ただいま提案いたしました法律の中には、地方において、各自治体において地方版総合戦略を作ってくださいということを、少し珍しいのですが、努力義務にしておるわけでございます。それは、自由に使えるお金がたくさんあった方がいい、それはそのとおりなのですが、それが何にどのように使われたのかということが少なくとも地域において検証できるというシステムは、それは私は必要不可欠なものだと思っております。 これをしち面倒くさい言葉で言えば、地方自らが客観的な分析に基づき政策目標を設定する、何をやるのと。そして、政策目標の達成に向けた厳格な効果検証も自ら行う、やったはいいけど、どういう効果があったんですかというのは検証するシステムが必要であります。そういうものをきちんと具備をして、やる気のある地方から様々な御提案をいただくことを前提に必要な支援策を政府として検討したい。 そうすると、格差拡大ではないかという話が時々出るんですが、やる気のない地方があると私は思いません。どこもやる気はあるはずです。そこにおいて効果検証を行い、そして政策目標を設定するということであれば、それはもうそれぞれの創意工夫が発現されることによって地方創生というのは可能になると考えておりまして、最初から駄目な理由を考えても仕方がありません。
○堂故茂君 本当に、知恵を出す、そしてその結果も責任取るということが問われていると思います。(発言する者あり)後ろから何かばらまきだ、ばらまきだと随分言われておりますが。やっぱり元気を出す、その仕掛けが大事だと思います。決して地方は頑張らないと言っているわけじゃなくて、これはもう命懸けで頑張る、そういう局面に来ているんだと思います。しかも、インパクトのあるやっぱり額も、一定のめり張りのある額も私は必要だと思っています。 それから、今日は、質問の時間が押してきましたので、人だと思うんですね。何といっても、人が作用する、これから作っていくわけでありまして、市町村に対して創生意欲のある国家公務員や大学の研究者、民間シンクタンクなどの人材を派遣するという日本版シティーマネジャー派遣制度、それから地方コンシェルジュ制度がありますけれども、今後具体的にどのように推進していくのか、小泉政務官にお聞きしたいと思います。
○大臣政務官(小泉進次郎君) ただいま御質問を賜りました日本版シティーマネジャー制度、そしてコンシェルジュ制度、これについて御説明をさせていただきますが、既に先月末に日本版シティーマネジャー制度については公表をされました。 基本的には、五万人以下の人口規模の市町村に対して、創生意欲、また能力のある若手の国家公務員、そして大学の研究者、また民間のシンクタンク、こういったところから人材を、手挙げ方式ですけれども、希望のあった市町村に対して送り込むと。既にもうこの派遣を希望する市町村の募集を開始していまして、十二月の上旬、来月の上旬をめどに派遣を希望する市町村を公表します。そして、派遣する人材の募集を行って、マッチングをした上で、来年度の当初からの派遣を今目指しております。 地方創生コンシェルジュ、これにおきましては、先生は富山県氷見市を地盤としていますけれども、例えば氷見の地元の方から地方創生の取組をしたいと、だけど、どこに話を持っていっていいか分からないと、そういったときには地域活性化統合事務局、これが窓口となって、今まで、例えば富山県とか氷見市とかそういったところに出向した経験がある者、若しくはまた何かしら出身だとかそういった関係のある、また思い入れのある、愛着を持っている、そういう担当者を職員としてしっかりと選定をして、これも十月末に公表しましたので今もう既に市町村等の希望を募っているところであります。来年の一月末にはこの手を挙げた地方公共団体ごとの担当のコンシェルジュの名簿を公表できるように今準備を進めてまいりますので、おっしゃるとおり、人の支援というものもしっかりとやっていきたいと思っております。
○堂故茂君 最後の質問になります。 私は、いろいろ地域おこしに取りかかってきて、やっぱり地域のリーダー、あらゆる分野でリーダーが必要だと思うんです。幾ら優秀な人が集まっても横並びでは前へ突き抜けるエネルギーにならないんですね。あらゆる分野で、ちょっと変わり者、ちょっと変人と言ってもいい、私は敬意を込めて変人と言っているんですが、扱いにくいけれども思い込みの強い人、こういう人が世の中をあらゆる分野でつくっていくと思います。 石破大臣は常々、地方創生に当たっては異次元の大胆な政策を実行していく、こんなようなこともおっしゃっておられます。こうした地域を変えていく可能性のあるリーダーをどう認めていくのか。それから、あわせて、地方創生の担い手である自治体の職員、これも横並びの人が多いんですけれども、公務員という枠を超えて、行政の発想を超えて、何か事を成すスーパー公務員といった人もやっぱり発掘して活用していかなきゃいけないと思うんです。その辺の御所見をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 私、全国を回っていて、昨日は鹿児島にいたんですけれども、鹿児島の鹿屋市というのは大隅半島のかなり先の方にある、かなり交通不便なところですが、そこにおいて見事に集落を再生したというところがあります。そこはやっぱりそういう人がいるんですね。補助金もらわない、自分たちでお金はつくるんだと、集落を運営するお金は。そして、とうとう村民に、そこの集落の人にボーナス払うところまで行ったというのがあります。私、正直言ってえらく感動しました。すごい話だと思いました。 実は、日本国中そういう人たちはいるんだと思います、私たちが知らないだけの話で。そういう人たちが集落を立派に再生している。あるいは企業を、不便なところでも日本国中から人が集まるような企業に育て上げている。そういう人たちがいることを知っている人は知っているんだけど、知らない人は知らない。それをどうやって横展開するかというのは我々の知恵をどう使うかということですし、そういう人たちに謙虚に我々が学ぶことだと思っております。 委員御指摘のように、私の地元もそうですが、日本海側全部がそうだとは言わないが、北陸も山陰もどちらかというと、よそ者駄目、若者駄目、奇抜な発想する「ばか者」駄目、みたいなところがあって、やっぱりそういう人たちを受け入れるという、そういうものが必要ですし、行く人も、俺が行って変えてやるぜみたいなことで地域の文化にも全然なじまないような話も駄目だと。 それは、お互いがいろんな心得というか、それを持って臨むべきですが、委員おっしゃるように、そういう人たちが地域を変えていくのであり、そういう人たちを、創意工夫は持っているけれどそれを生かし切れない人たちをどうやって発掘してやっていくか、そのための仕組みがもしあれば、また御教示をいただきたいと思っております。
○堂故茂君 ありがとうございました。終わります。
○古賀友一郎君 自由民主党の古賀友一郎でございます。 今回こうして石破大臣に対して、しかも初日早々に質問させていただくことに感謝申し上げます。大臣におかれましては、どうぞよろしくお願いいたします。 どんな仕事でもそうでありますけれども、やる場合には、何のためにやるのかという目的をしっかりと見定めて進めていくということが当然ながら重要であると思っております。特に、今回の地方創生の取組につきましては、これまでの地域振興政策と一体何が違うのかと、こういう声が聞こえてくる中でのことでありますから、とりわけその点はしっかり意識して取り組んでいくことが重要であるというふうに思っております。 この点、私は、これまでの地域振興政策とはそもそも目的が違うんじゃないか、このように理解をいたしております。具体的には、今回の法案の第一条でも出てきていますけれども、「活力ある」という冠は付いておりますけれども、やはり日本社会の維持、先ほど大臣も日本全体の衰退に大変大きな危機感を示されました。この日本社会の維持であって、言い換えれば人口減少をどう止めるかと、ここがやはり究極の目的ではないのかなと、私はそのように理解をしております。 日本創成会議のいわゆる増田レポートによりますと、全国の約半分の八百九十六市町村が消滅可能性があるという非常に衝撃的な試算がなされましたけれども、私はそれでは済まないと思っております。 私は、前職、長崎市役所で副市長をやっておりました。長崎市は人口約四十三万の中核都市でございまして、長崎県の県都でございますけれども、八百九十六の自治体のリストは入っていないんです。入っておりませんけれども、これ三年少し前の話になりますけれども、私が長崎市に着任して間もない頃であったと記憶していますが、直近の平成二十二年の国勢調査によりますと、全国四十七県庁所在地の中で二番目に人口の減り数が大きいのが長崎市であったんです。私は大変衝撃を受けました。 ただ、それまでも、ある程度の人口減少は見込まれるということで、民間の試算ではそういう公表されていたんですけれども、私はそれでは済まないというふうに思いまして、市の職員に独自に試算をさせてみたんです。そうしますと、今の前提が変わらなければ、三十年後には三十万人を切って、六十年後には二十万人を切って、九十年後には十万人を切って一桁になっていくと、こういうもう背筋が凍るような結果が得られたわけであります。だから、私に言わせますと、県都長崎市も消滅可能性のある自治体だと言わざるを得ないと、そのように認識をいたしました。 県都ですらそういう状態ですから、長崎県全体ではいわんやをやということでありまして、私は、こうした状況は程度の差こそあれ全国どこの地方都市でも同じだと思いますし、やがては三大都市圏も含めてそういうふうになっていくんだと。その辺は、先ほど大臣がまさに危機感を示された、そのとおりだというふうに、私も同感でございます。 人口が減ってもどこかの水準で均衡点に達して安定的に推移するのであれば、私もそこまでの深刻さは持たないわけでありますけれども、今の状況というのはもう際限なく減り続けると。刺激的な言葉を用いるとすると、この日本社会が滅亡に向かっていると、まさにそういうことではないかなと。だからこそ、私たちは深刻な危機感を持たねばならないし、今回の地方創生が出てきたのもそれが背景にあるはずであると。それはこれまでの地域振興政策とは全く違う背景ではないかなと思うわけであります。 これまでの地域振興政策というのは、地域振興そのものが目的であったというふうに思っておりまして、過疎法ですら、人口減少を契機としていますけれども、法律の建前、やはり地域振興だと私は理解をしています。 それに対して、今回の地方創生はやはり人口減少を止めるということが究極の目的であって、地域振興の先にそれを目指していると。これを、地域振興は手段だと言ってしまえば言い過ぎかも分かりませんが、しかし、関係性としてはそういうことではないかなというふうに思っています。だから、裏を返せば、たとえその地域が活性化したとしても、人口減少に歯止めが掛からなければ、これは、私は地方創生というのは失敗ではないかなと、それぐらいに思っているところです。 そこで、石破大臣にお伺いしたいのは、今回の地方創生の究極の目的といいますか、それは人口減少を止めて日本社会を維持することなんだと、そういうことであるというふうに私は理解しているんですけれども、大臣、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) その御理解で結構です。 ただ、人口減少を止めるためにはどうすればいいか、それから、増田レポートのコアの部分は、二〇四〇年になると二十代、三十代の女性の数が何人になりますかというのがあの立論のコアにあるわけで、二十代、三十代の女性がお子さんを出産していただくがためには当然家庭を持っていただくという、まあ当然は外しますが、家庭を持っていただく、パートナーがいていただくということになります。そのパートナーがいていただくためには、それは安定した収入、そして雇用、さらには仕事のやりがいというのが必要なんだろうと、それが地域の振興というものになっていくんだろうということだと思っております。 ですから、まち・ひと・しごとと申しますが、これどれも大事な要素なんですが、論理的に言えば、仕事が人を呼ぶということはあります。そして、それが人を更に増やしていくということになるのでしょう。 ですから、日本全体が滅亡に向かって進むというのは、我々今を生きる者としてどうしてもここで止めなければいけないと。どうすれば地方に仕事があるかということに焦点を絞って議論をするときに、仕事がないから地方を出ていくというのが、仕事をつくりに地方に行くということがあってもいいでしょう。そして、地方から人が出ていくのは、大体大学に上がるときと、それから就職するときに一つの山があって、大学へ上がるときに東京に行っちゃってそのまま帰ってこない、あるいは地方に仕事がないので東京に職を求めて行くということが地方の人口減の最たる要因でありまして、どうやってそれを解消するかということを各論できちんと詰めることが大事だと私自身考えております。
○古賀友一郎君 ありがとうございました。 まさにそうだと思うんですね。仕事を持って生活にゆとりが出ることによって、やはり人口減少の歯止めになっていくと、私はそう思っているんです。だから、この後もちょっとまた触れたいと思いますが、東京一極集中の是正もそれをやることによって人口減少の歯止めに資すると、そういう因果関係にあると考えられるからそういうふうにやるわけであって、それが自己目的化するということは、ちょっと私は違うんじゃないかなというふうに思ってもいるわけであります。そういった目的をしっかりと見定めてやると。目的が違えば、当然これまでの地域振興策とやることも変わってきますし、評価の基準も変わってくるということでありますから、是非、大臣におかれてはそういう視点で今後の具体策を考えていっていただきたいと、このように考えております。 この人口減少の問題については、私は最も如実に表れているというのはやはり離島だと思うんです。私の地元長崎県は、日本一多くの離島を抱えている県であります。島の数は五百九十四、そのうち有人島だけでも七十余りあります。その離島が著しい人口減少に悩んでいるということでございまして、例えば対馬市においてはこの五十年間で約七万人から三万三千人に、もう半分以下になってしまいました。壱岐や五島ももう似たり寄ったりであります。全国の離島も恐らく同じような状況であろうというふうに思っておりますし、このままでは我が国の離島が次々に無人島化していきかねない、そういう危機感がございます。 このことは、地域社会の維持が困難になってきているという問題だけじゃなくて、特に長崎県下の離島のように外国と国境を接しているいわゆる国境離島が無人島化していくということは、国防上も大変大きな問題だというふうに私は認識しております。尖閣諸島もかつてはかつおぶし工場ということで日本人が二百人以上住んでいたというようなお話も聞いておりますけれども、最近の尖閣の問題あるいは小笠原の状況を見ておりますと、一層その思いを強くいたしております。 島に日本国民が住んでいるというのは、我が国の領有を端的に示すものでありますし、また、島民がいることによって外国に対する監視機能を持つというわけでありますが、それが無人島化してしまいますと、その機能を、じゃ自衛隊であるとか、あるいは海上保安庁であるとか、そういう機関が代替をしなければならないというわけでありまして、そのためにも多大なコストが掛かってくるというわけであります。 したがって、私は、特にその国境離島に国民が居住をするということはそれ自体が国家的利益にかなうことであると、このように思っておりますけれども、この点について、安全保障に造詣の深い石破大臣のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 人が住んでいるというのは、実効支配のかなり中核を成す要素だと思っております。何をもって実効支配なのかといえば、やっぱり人が住んでいるということが極めて重要な要素だと思います。日本国中、離島なるものは六千八百四十三あるんだそうで、そのうち、じゃ有人離島は幾つなのというと二百六十です。そうすると、引き算すると、それに全部に人が住むことができるかというと、それもなかなか難しいということになるわけですが、今、人が住んでおられるがところの有人離島というものから人がいなくならないために何ができるんでしょうねということは、安全保障上の観点から議論をしなければいかぬことだと。 と同時に、その全部の島に人が住むのは難しいんで、これはこの委員会で議論をすることじゃありませんが、そういう島を守るための安全保障の体制とは一体何でしょうかということも同時に議論しなきゃいかぬ。 今、人が住んでいるところから人がいなくならないためには何ができるんだということは、いろんな御提案を承りたいと考えております。
○古賀友一郎君 ありがとうございました。大臣、さすがの御見識だというふうに感じました。 まさに、全部の島に住めないということは、もうこれは当然でありますけれども、少なくとも、今、島に住んでいて、その人たちが住めなくなるような状況をどうやって避けていくのかということは大変大きな課題だと思っているんです。 元々、本土よりも燃料費が高いであるとか、あるいは海上輸送コストが掛かるとか、様々なハンディキャップを負いながら島民は生活をしているというわけでございますけれども、近年は、特に島の基幹産業である漁業の衰退、これも相まって、非常に住むこと自体が難しくなってきているという状況がございます。実際、先ほど申し上げたように人口も著しく減っているというわけでございます。 この離島振興策については、これまで累次にわたっていろんな対策が講じられてきておりまして、最近は、本県選出の谷川弥一衆議院議員が中心となりまして、いわゆる国境離島新法の制定に向けて検討が進められているという、我が党の方で進められているというところであります。 ただ、私のこれまでの印象といたしますと、この離島振興策というのは、海上輸送費の助成にしても、例えば公共事業の補助率のかさ上げにしても、離島の不便さの解消であるとか、あるいは本土との格差解消、そういうレベルにとどまっていたんじゃないのかなという印象を持っております。言うならばマイナスをゼロに持っていくような発想。ただ、私は、現在の離島の現状を考えれば、今回の地方創生を契機として、離島に住み続ける、あるいは本土から離島に移ってくる、そういうことがむしろ有利になるような、そういう思い切った政策を打ち出すべきではないかなと、このように思っているわけであります。 そこで、具体的に一つ申し上げたいんですけれども、離島に住む人の税金、これを軽減するということが一つ考えられるんだと思うんです。最近、地方の企業について税金を安くするべきという意見が聞かれるようになりまして、たった今も堂故議員が御指摘になりまして、先日の本会議でも我が党の中原八一議員も指摘をされました。また、これは衆議院の方でも、地方公聴会その他でそういった意見が出ておるようであります。 私は、この企業の問題についてもそのとおりだと思うんですけれども、離島については、住民個人についても軽減措置を考えていいんじゃないかなというふうに思っております。 こういう話をいたしますと、一国二制度はいかがなものかという話がすぐ出てはくるんですけれども、実は自治体レベルでは既に、一国二制度ならぬ一自治体二制度というものは実は地方税法上制度がありまして、これは不均一課税というんですが、地方税法の六条二項にあるんですけれども、公益その他の事由により必要がある場合には、その一部の人だけですね、自治体の中の一部の人だけ税を軽減する制度があるというわけでありまして、言わばこれを全国レベルでやってはどうかと、こういう話なわけであります。 当然いろいろ検討しなければならないことはあろうとは思いますけれども、私は、その政策効果を見極める、そういう意味合いからも、まずはこの離島を対象にしてやってみるということについて、これ検討する価値はあるんじゃないかなと、このように思うんですけれども、大臣のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 委員はまさしく地方財政のプロでいらっしゃるので、そういう御議論は是非行っていただきたいと思います。こうやって委員席を拝見いたしましても、知事をなさっておられた方、市長をなさっておられた方、地方議会におられた方、大勢いらっしゃいます。 ですから、私は、これは異次元と言うからには今までの発想の延長線上では駄目なんだろうと、御指摘の地方税の課税免除又は不均一課税に伴う減収補填というのがあるわけで、これでもうちゃんとあるじゃないのと言えばそうなんです。ですから、マイナスをゼロにするんじゃなくて、そちらに行った方がプラスだよねというインセンティブみたいなものが必要で、そうでなければ人は住まないんだという御議論はございますでしょう。 と同時に、衆議院の議論のときにもかなり取り上げられたものですが、島根県の隠岐の島の海士町というのは、これはもう離島の最たるものみたいな話ですが、そこに、何であそこの高校に大勢の子供たちが島留学というのをしているのだろうか、何でこう離島に人がたくさん集まるようになったんだろうか、そこの島に来る、離島に来るすばらしさって何だろうかということも併せて考えるべきものであって、離島に住んだらこんないいことあるよというのも、それは一つ考えるべきことでしょう。でも、知られていない離島の魅力というものをどうやって更に発掘し広げていくかということも同時に御議論をいただきたいと思っております。 ですから、地方財政のプロたる委員が、離島に住む場合の税制措置というのはどういうものかという御提案があれば真摯に承りたいと存じます。
○古賀友一郎君 ありがとうございます。真摯に受け止めていただいて、ありがとうございます。 まさにそういった問題の中で、一体何が効果的なのか。さっきの海士町の例を指摘されました、何で離島に人が行くようになるのかと。これはもう大変重要なポイントだと思うんです。ただ、今私が申し上げたのは、国境離島を例に挙げましたけれども、まさに島の、我が国の位置付けとして国家的利益にかなう、そういう島であるならば、システムとして、制度として、そういう措置があってもいいのではないかと、このように申し上げたところでございまして、またこれは大臣におかれても今真摯に受け止めるという御答弁をいただきましたので、引き続いてこれは御議論をさせていただきたいというふうに思います。 次に進みたいと思いますが、農地転用許可の権限移譲の問題についてでございます。 この問題は、現在、地方創生の総合戦略を策定する中で検討中ということのようでございますけれども、私は、食料安全保障の観点をしっかり踏まえた議論を進めていただきたいというふうに思っております。遠くない将来、世界的食料争奪の時代が本格化してくるというふうに思っております。エネルギーとともに食料はできるだけ国内で自給できる体制を確保しておくべきというふうに考えております。 我が国の食料自給率は現状で今四割程度でありますけれども、これは飽食と言われる今の状態を水準にした、ベースにした数字でありますので、ちょっとこれは、これをそのままというわけにはいかないと思いますけれども、今農水省の方では、食料・農業・農村基本計画改定の一環で新しい食料自給力という、この概念を今検討しているところです。 これは、食料の潜在的な供給能力というものを測れないかというようなことでございまして、いざというときに国民を飢えさせない、最低限食料を供給できる、大体二千キロカロリーと言われていますけれども、一日一人ですね、そういう食料供給体制を保持していくということは、やっぱり国の基本的な役割として極めて重要だというふうに考えております。 もちろん、地方の創意工夫を尊重するということは重要でありまして、現在、市町村も主体性を持って農地の総量確保のための仕組みが検討されているということも承知はしております。それがどの程度実効性が期待できるかも見極める必要はあるとは思いますけれども、いずれにしても、この食料安保の観点から、最低限、どういう農地をどこにどれだけ確保しておかねばならないかという見極めをしっかり行う中で議論していく必要があるものと考えますけれども、大臣のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) この話はまさにそのとおりで、地方に権限を移譲した場合に、そこにおいて確保される農地面積の総和が、マクロで見たときの国が必要とする農地面積と乖離が出た場合にどうするか、乖離が出ないような調整メカニズムをどのようにつくるのかということが議論の焦点だと私は思っております。それは、観念論をいつまで続けても仕方がないので、そこのメカニズムというものをどうするかというお話を今後精力的に詰めていかなければ答えは出ません。 このお話は、今委員がまさしく御指摘になったように、自給率だけが農政の究極目標かといえば、私はそうだと思っておりません。これは副大臣のときからずっと言っておりますし、大臣のときにもそのように答弁をいたしました。それは、必要なのは、自給率というのはその国で食べるもののどれだけを国で作っていますかという話であって、それは確かにそれもフードセキュリティー、もうフードセキュリティーでもないか、食料安全保障の重要な概念ではありますが、飢えている人がいっぱいいるような国でも自給率は高いというのは論理的にはあり得ることなのでございます。 そうすると、必要なのは自給率とともに自給力、すなわち、農地をどれだけ確保するか、農業者の人口構成がどれだけサステーナブルであるか、ダム、水路、農道、ため池等々のインフラがどれほど維持されるか、あるいは、糖度であり、単収でありというクオリティーがどのようにされるかということに因数分解されるのであって、いずれにしても、その農地の面積をどれだけ確保するかというのは国家にとって極めて重要なことです。 そのミクロとマクロの整合というものをどのようにメカニズムとしてワークさせるかということが議論の核心で、ここをどうすればいいか、政府としてもいろんな有識者の御意見も承り、各省のお話も聞きながら、今後鋭意詰めていかなければなりません。そこは、地方自治の御経験のある方も大勢いらっしゃいますので、そこのメカニズムについてまた御提案をいただければと存じます。
○古賀友一郎君 ありがとうございました。 さすが石破大臣、非常にクリアにお答えいただきました。私も農水委員会にも所属しておりますので、この議論についてはまたそちらの方でもしてみたいと思います。是非、国家的利益を損なわないようによろしくお願いを申し上げます。 いずれにしても、今回の法案は理念法ということでございますので、具体策は今後ということになるわけでありますけれども、現段階で私が少し心配をしていることをちょっと大臣に申し上げておきたいと思います。 一つは、具体的事業の立て方ということでございます。私も一応中央官庁の出身でございますので、役所の文化というのはある程度承知をしているつもりではありますけれども、役所間の調整に任せ切ってしまいますと、往々にして悪い意味で現実的な事業といいますか、ちょうど川を流れる石が、上流では角張っているんだけれども、どんどん角が取れて下流に行く頃には真ん丸くなっているというように、当たり障りのない事業に落ち着いていくということが、そういう傾向もあるわけです。 また、その予算確保のしやすさという観点から、やっぱり既存の事業がちょっとお色直しして出てくるというようなこともありがちでありますから、そういった結果どうなるかというと、総花的になって、だんだんピントがぼけてくるということが起こりやすいということでありまして、全体で見たときに、いや本当にこれで効果があるのかなということにもなりかねない、そういう懸念がございますので、そういった点では石破大臣の非常に強い御決意がありますので、大臣のリーダーシップを是非発揮していただきたいというふうに思っているところであります。 もう一つ私が懸念をしていることが、東京一極集中是正にスポットが当たり過ぎるということを少し懸念をしております。 あくまで地方創生の目的は先ほど申し上げたように人口減少を止めること、東京一極集中是正はそれに資するというふうに考えられるからこそ、今回の一つのテーマになっているというふうに思うわけでありますけれども、当然、その効果は理解はできますし、東京にも我慢してもらわなければいけないことも出てこようかと思いますけれども、これは私に言わせるとあくまでも手段、余りに東京一極集中是正に躍起になって自己目的化しないように、そう行ってしまうと事の本質を見失ってしまうんじゃないかというふうにも懸念をしておりますし、東京対地方の無用な感情的な対立にもつながってしまうんじゃないかということを少し心配をいたしております。 そもそも、東京と地方の関係というのは、地方が枯れてしまうと東京も枯れるし、地方が元気になれば東京も元気になってくるというような関係にあるというふうに思いますので、そういう認識を東京と地方で共有しながらやっぱり進めていくということが大変重要ではないかなというふうに思っております。 以上、この二つの点について石破大臣のお考えがあればお示しをいただければというふうに思います。
○国務大臣(石破茂君) それは、どこからも反発を受けないようにしようと思えば、総花的な当たり障りのないものになります。反発は受けませんが、結局どういう反応になるかというと、期待外れ、総花的、従前どおり、旧態依然とかいって、もう幾らでも批判の言葉は並ぶわけですが、当たり障りはないと。それでは前に物事は進まないだろうと思います。 ただ、ラジカルな政策を出しますと、調整力不足、現場から反発必至、地方自治体猛反発、独り善がりの政策に反感とかなんとか、これまたもうめちゃくちゃな御批判があるわけで、それはどっちにしたって叱られるわけです。そのことはよく承知をしておりますが、どちらを取るかといえば、私は後者を取るべきものなのだろうと思っております。 地方分権が最もすばらしかったのは恐らく江戸時代なのであって、徳川幕府というのはきっと長崎藩には何もしてくれなかったんだろうと思います。鳥取藩にも何もしてくれませんでした。徳川幕府というのはまさしくそれは分権社会だったんでしょう。分権社会でしたが、地方に何かしてくれたかといえば絶対何もしてくれていない。そうであるがゆえに、地方においては独自の教育があり、そしてまた独自の産業があり、独自の財政があったはずです。私はそれをもってよしとして徳川時代に戻れなんぞというめちゃくちゃなことを言うつもりもありませんが、地方独自の文化であり、産業であり、財政とは一体何なのか、国の形とは一体何なのかということは、やはり日本創生ということで国の形を変えるからには、何が一番地方の創意工夫が生かされるのかということだと思います。 で、地方ってかわいそうだよねとか、農業、漁業、林業って大変だよねっていう、そういう言い方を私どももずっとしてきました。上から目線という言葉は、私、余り好きじゃないんですけれど、そういうような考え方を変えていかなければいかぬのじゃないか。地方の持っている潜在力を、第一次産業の持っている潜在力を最大限に引き出すことを阻害していたものは何なのかということを突き詰めて考えることが必要だと思っておるところでございます。 また、東京一極集中是正に躍起になる余り、というお話でございます。 今回かなり意識をしながらやっているつもりですが、これを東京対地方の対立構図に持ち込むと、必ずこの事業は失敗します。それは絶対に駄目だと思っております。 ただ、提案理由の説明でも申し上げましたが、東京に過度に集中しているというのはどういうことなのか。お見受けしますと東京選出の先生方もいらっしゃいますので、東京における過度の集中という認識を我々政府としては持っておりますが、東京としてどのようにお考えかという御議論も是非とも展開をしていただきたいと私自身思っております。 東京を更に安全で、安心で、活力があり、世界中から人材の集まる町にしていくということは、日本国にとって必要なことだと思っております。そのことと、地方が再生していく、創生していくということは論理的に連関するものでなければいけません。それを無理やり木に竹を接いだような議論をしても仕方がないのであって、東京がそういう町になっていくことと地方が発展をしていくことをどうやって論理的に整合をさせてうまく回していくかということが、この地方創生の議論のかなり核心だと思っております。 東京を活力ある町にしていかねばならないし、世界中から人材が集まる町にしていかねばなりません。首都直下型地震はいつあってもおかしくないのであって、そこにおいて東京にいろんなものが一極集中しているということは国家経営にとってどうなのかということもまた御議論をいただかねばならないことでございます。東京対地方の構図には、政府としては考えておりません。対立構造にすればこの地方創生の議論というものは決してうまくいかないという認識は委員御指摘のとおりでございます。
○古賀友一郎君 ありがとうございました。 まさしく地方の潜在力を引き出す、歴史的に見ても、我が国は地方からこの国ができていったという歴史があります。まさに、東京にしても地方にしてもその潜在力をいかに引き出すか、そのための事業のつくり込みをどうするか、これを是非、石破大臣には果断な御決断をお願いいたしまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。早速質問に入らせていただきたいというふうに思っております。 本日この議題となっております地方創生関連二法案、これまでの例えば衆議院の議論等でも様々な御批判あるいは御指摘があったように認識をしております。そういった御批判も踏まえた上で、でも、改めてこの二法案というのは、今後の国と地方、地域の在り方、関係性といったものを明確に示しているんじゃないかと、こういった私は感想を今持っております。少なくとも大臣の答弁を拝見しておりましても、地方創生の主役というのは地域の皆様、地方の皆様なんですよということ、このメッセージは非常にクリアであったんじゃないかなというふうに思っております。 つまり、まち・ひと・しごと創生法案におきましては、国は地方における取組を積極的に支援する、これを言っているわけであります。また、改正地域再生法におきましても、国は地域にとって使い勝手のいい仕組み、あるいは制度、支援策を整えて、やる気のある地域に対して集中的に政策資源を投入するんだと、こう言い切っているわけでありまして、この関係は非常にクリアなんじゃないか。 一方で、今行われているこの議論、クリアだと思うんですけれども、この主役たる地方の皆様にはなかなかこの中身というのが理解されていないんじゃないかというのも一方で痛感をしております。その意味では、法案の中にたくさん書いていなかったとしても、より具体的に記述が、また分かりやすい言葉でされる国としての長期ビジョン、あるいは総合戦略が一体どのような形で打ち出されるか、ここが非常に大きなポイントになるというふうに思っております。 先週、地方創生会議におきましてこの長期ビジョン及び総合戦略の骨子案が提示されたわけでございますけれども、まず初めに、現時点での検討の概要、そして今後のスケジュール感についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。 先週六日に開催されました第三回まち・ひと・しごと創生会議におきましては、今後五十年を見据えた長期ビジョン、それと国の五か年計画でございます総合戦略の骨子案について有識者の方々と意見交換を行いました。その上で、十一月中に次回の会合の開催を見込んでございまして、これらの骨子を決定するとともに、十月の末でございますが、先月、基本政策検討チームの報告書で課題が提起されてございますので、これに関します現在、各省庁に対する調整を進めているところでございます。それを踏まえた上で総合戦略を十二月に取りまとめ、真に効果の高い政策を取りまとめていきたいと、このように考えている次第でございます。
○平木大作君 今中身については余り詳しくはお話しいただけませんでしたけれども、簡単に言いますと、これ国から施策が下りてくるのを待っていても何も進みませんよということ、これが一つは書いてあったんじゃないかなというふうに私は思っております。 この総合戦略、結局、地域がしっかり自ら考えて、また自ら行動を起こしていかなくちゃいけないんですよという方向性なわけであります。国と地方の在り方、大きく転換していく一つのきっかけになるんじゃないかなというふうに思っているわけですが、先日、首長の皆様と一緒にいろいろ意見交換をさせていただく機会がございました。ここで先方から私どもにいただいた御意見、一言で言うと、これでは困るということだったんですね。要するに、もっと国で詳細まで決めてくださいというお話をいただいてしまいました。これはそれでいいんですかという思いも持ちつつ、ただ、一方で、これが地方の本音なのかなということも思いながら受け止めさせていただいたわけであります。 ここまでは、結局、国が細かいところまで、方針までしっかりと打ち出して、それをある意味、下りてくるのを待ってから動いていた、予算が付くのを待ってから動いていた、そういうことをやっていても何とか回っていたのがこの地方行政であった。でも今、転換期にいるということなんじゃないかなというふうに理解をしております。 ここの点について、まだまだ多くの地方自治体において、いわゆる自主性ですとか積極性、こういったところが正直まだ足りないのかなというふうに私、個人的には思っているんですが、この点に関して大臣の御認識と、そして今後、そうであるならば意識改革、どのように促されるのか、是非お伺いしたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) いや、そういう話なんだろうと思います、現場は。 今週から来週にかけて、全国町村議長大会でありますとか全国町村長大会というのがございますので、一体国は何をしようとしているのかということを御理解いただきやすいように話さなければいけないと思っております。 また、これを政府として提出をいたしておりまして、これの法案作成に共に御努力いただきました議員の皆様方には、委員がそうしていただいているように、是非とも地元の市町村で、こういうことなのだと。主役は基礎自治体であるというのは一体どういう意味なのかということでございます。 総合戦略を市町村に作っていただくことを努力義務といたしましたのは、それ、やってもやらなくてもいいですけれど、努力する義務というものは負っていただきました。我が町をどのようにしようとするのかという総合戦略、それは豊かで潤いがあり安心できる福祉のまちづくりとか、そういう抽象的なお話ではなくて、国の方でビッグデータというものは提供いたします、それに基づいて、そしてまた十二月までに作ります国の総合戦略を勘案しながら、その町をどのようにするのかということを議会、地域住民の方も巻き込んで、経営者としての見識をお示しをいただきたいと思っております。 それを評価するとか、査定するとか、そういうようなことを申し上げているつもりはありませんが、それが国の総合戦略と符合するものであり、それが、その町が、これから先いろんな指標が好転していく、良くなっていく、そこにおいて経済が循環するようになるんだねということであれば、国はありとあらゆる支援をしたいというふうに考えております。 その際に、PDCAと言うから訳が分からないので、プランであり、ドゥーであり、そしてまたチェックであり、アクションであるというものをどうやって内蔵して回していくかということもきちんと御説明をしたいと思っております。とにかく、国の補助率の高い補助金はどれでしょうかと、どれが裏負担分を交付税で見てもらえるでしょうかということだけが判断基準であって地域が良くなると私は思っておりません。どれをやるかということはきちんとその町で決めていただくということであり、国の制度はそれに合わせて変えていくということだと思っております。 地方が使い勝手がいいということはもちろんでございますが、地方にそういうような権限をお持ちいただくからには、地方にも責任を負っていただかねばなりません。そこは、ある意味、新しい緊張関係というものがあるべきであり、そのことが地方創生のために不可欠だと私は考えております。
○平木大作君 今御答弁いただきました、この主役は基礎自治体なんであるというお話、私も今いろんなところを歩きながらお話をさせていただいております。 その際に間違っちゃいけないのは、これ首長さんの問題なんですと、そういう話だけであるということじゃやっぱりないと思うんですね。それこそ、地方議会の問題でもあり、また地域の住民の皆様と一緒になってやっぱり取り組んでいかなきゃいけない、そういうことを改めて思いますし、またこの点をしっかり率直に語りかけていくと、結局、この地域の魅力だとかこの地域の課題、一番分かっているのって自分たちだねという答えが必ず返ってきています。 そういう意味では、私たち公明党は、そもそもが出発の原点から地方政党であったわけでありますけれども、まさにこの地域の一つ一つの、またお一人お一人の声というのをしっかり集約しながら、今後とも政府にもどんどんどんどん届けていきたいというふうに思いますので、是非、お取り組みをお願いをしたいというふうに思います。 少し細かい点についても質問させていただきます。 先週発表されました長期ビジョンの骨子案の中で、政府は、合計特殊出生率のまず目指すべき水準として一・八程度というのを掲げました。これに対して、個人の選択である妊娠、出産への介入になりかねないですとか、あるいは女性が圧力を感じるといった、こういった懸念の声も一部で聞かれるわけでございます。この、まず一・八という数字の積算の根拠についてお示しいただけますでしょうか。
○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。 御指摘の試算でございますが、これは、これまでも審議会や民間機関において同様の試算が行われてございますが、結婚、出産、子育てに関します障害が除去され国民の希望が実現した場合にどの程度出生率が上がるかと、こういう試算でございます。 具体的には、最新の出生動向調査、この結果におきまして、既婚の夫婦の方の場合は、実際に持ちたいと思っていらっしゃる子供の数が平均二・〇七人でいらっしゃいます。また、未婚の方につきましても、結婚希望割合が八九%、結婚した場合の希望する子供の数が平均二・一二人でございまして、こういったものを計算しますと出生率が一・八%程度に改善する、こういう希望が実現した場合には一・八%程度に改善すると、こういう試算でございます。
○平木大作君 ちょっと、一応確認なんですけれども、これ今答弁の中にも一部あったかと思うんですが、結局、この一・八という数字、まず思い起こしますのは、最近、民間の有識者会議、日本創成会議の分科会が公表した希望出生率という数字があったわけでありますけれども、これと結局同じものなんですか、違うものなんでしょうか。
○政府参考人(山崎史郎君) 御指摘の民間機関の出生率の計算方法も基本的には同様でございます。データにつきましては、先ほど申し上げましたような出生動向基本調査という全国調査がございますので、これに基づいて算出されているというものでございます。
○平木大作君 結局、この一・八という数字が独り歩きするのが一番怖いのかなというふうに、私は今お伺いして思いました。 例えば、これ政治の側から一・八を目指しましょうと言っても、基本的には、それこそ若者や女性の行動には全く影響がないわけでございます。これ法文の中にも書いてありますけれども、「結婚や出産は個人の決定に基づく」、これが基本であるわけでありまして、この一・八というものを余り過度に重視してもしようがないのかなと。 一方で、この一・八というのは、やっぱり一つのメルクマールになるというふうに思っております。というのも、現状どうなっているのか。日本社会には、結局、結婚をしたい、子供を産み育てたいという方たちの希望、なかなかそれが実現できないような障壁がたくさんあるということ。その結果として現在のこの出生率、実際の合計特殊出生率は一・四三にとどまっているわけですけれども。この一・四三になってしまっている、一・八と一・四三のこの差を、じゃ、どうやって埋めていくのか、ここに我々はまさに知恵を使っていかなければいけないし、ここにこそ、この差分の部分にこそ注目をしていかなきゃいけないんじゃないかな、このように思っております。 もう一点、ちょっと細かいところを聞かせていただきたいんですが、もう一方の総合戦略の骨子案の中で、国は、ビッグデータに基づく地域経済分析システムを整備し情報面から支援するとしています。これ、具体的にどういうことなのか、ちょっと分かりにくいので御説明お願いいたします。
○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。 御指摘のものでございますが、これは地域におきます経済等の、関するビッグデータ、いろんな情報がございますが、これを分析いたしまして、その地域が一体どういう構造にあるかということを分かりやすく見える化すると、こういうものでございます。 すなわち、今後、地方公共団体におきましては、まさに地方版の総合戦略を策定するわけでございますが、それに先立ちまして、自分の地域は一体どういう現状にあるか、将来どうなるかということから課題を抽出していただくと、これ大変大事でございますので、それを情報面から支援していこうというものでございます。 例えば、産業でいきますと、どういった産業を強化すべきかという、まさに地域の産業の構造の把握、さらに、例えば観光面でいきますと、観光客がどの地域から来て、さらにどこに訪れていくかといったそういったデータ、さらには人口面でいきますと、男女別さらには年齢階層別に一体どういう方が人口が流出し、逆に流入しているかと、こういったことをしっかり分析するというものでございます。 この分析システムを本年度中に開発を行いまして、来年四月以降、地方公共団体において活用できるように対応していきたいと、このように考えている次第でございます。
○平木大作君 今お話を伺いまして、結局、国が支援するといったときに、いわゆる実行段階だけじゃなくて、しっかりとそもそもの地域の課題を分析して、また計画を立てるところからもやっていきますよと、そういう今お答えだったんじゃないかなというふうに思っております。 この点、本当に大事だと思っていまして、結局、地方自治体、皆様といろいろとお話をさせていただくと、一番のネックは、やっぱりそんなことできない、そんな人材がいないというような声でございます。ここの部分について、そもそも人口推計をどう扱ったらいいのか、あるいはこの数値目標とか計画策定、そういったノウハウがないんだ、そこを何とかしてほしいという声、本当に多くいただいていますので、是非、これは細かいところも含めて、地方自治体、計画作りからまずしっかり支援すると、改めてお願いをしたいというふうに思っております。 もう一問、この総合戦略に関しまして、是非大臣にお伺いしたいと思っているんですが、この今の人口減少の議論、これ私いつも考えるとき、一冊、古くから私の本棚にあります本を取り出すようにしております。これ、今からもう十七年前、一九九七年に出版をされました日本経済新聞社の「二〇二〇年からの警鐘」という本でございます。当時、この連載がちょうど九七年のたしかお正月から始まったように記憶しているんですが、新年の新聞の明るい見出しが並ぶ中で、この「日本が消える」というタイトルが大変衝撃的だった、大学生ながらに本当に忘れられないというのを記憶しております。 この本の中で言っていたのが、いわゆる社会保障とか税とかそういったことに限らず、あらゆる社会システムの改革を進めていかない限り、日本は二〇二〇年頃までに立ち行かなくなる、第二の敗戦を迎えると、こういったことを書かれていたわけでございます。ある意味、そのときに書かれていたものが現実味を帯びてきてしまっているというのが今の一つの認識の仕方なのかなと。決してこれは予測の精度がすごかったとか、そういう話じゃないと思っています。未来予測というのは往々にして外れるんですけれども、この人口動態に関しては基本的には外れない。そこをしっかりと踏まえた上で、近々、もう現在そうなってしまいましたけれども、一定の人口減少といったものを前提にして、もう一度社会保障の在り方ですとか社会経済のシステム自体を見直していかなかったらやっぱりいけないんだということ、そういう指摘をしたという意味で大変示唆に富む本だったんじゃないかなと、今でも改めて振り返るわけでございます。 今回のこの総合戦略の中にも、結局、地方にしっかりと仕事をつくっていこう、あるいは人を環流させていこう、さらにはそれがちゃんと回っていくような町をつくっていこうと、これをうたっておりまして、これはとても大事、当然やり遂げなければなりません。でも、そこで終わっちゃいけないんだというふうに私は思っております。 また、国の役割というのは地方の地域振興の取組を支援することだけでやっぱり終わってしまってはいけない。そのもう一歩先、つまり、この人口減少といったものを一旦見据えた上で、じゃ、どうやってこの社会において新たな社会経済システムの構築につなげていくのか、ここまでもう一歩踏み込まなければ、この先のやっぱり日本、なかなか難しいんじゃないかなというふうに思っております。この点について大臣の御認識と、また改革に向けた御決意を是非お伺いしたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 冒頭、堂故議員の御質問に対しまして、地方創生というのは地方だけ良くなりゃいいんじゃないと、日本創生なのだという、かなり大げさと思われるかもしれませんが、そういう決意であるということを申し上げました。 要するに、今のシステムというのは、高度経済成長期であり、なおかつグローバル経済とローカル経済がある程度連動していた時代、そして少子高齢化の反対の現象が起こっていた時代、いま一つ申し上げれば、冷戦構造がきちんと確立していた時代のシステムでございますので、それは全て変容を遂げております。冷戦は終わりました。少子高齢化であります。グローバル経済とローカル経済の関係というのは、かつての高度経済成長とは全然違うわけでございます。そういうような環境が変わっているにもかかわらず、社会経済システムというものが余り抜本的に変わっていないということを我々はよく認識しなければいけない。ですから、地方分権とか規制改革とかいうことは、その意味合いの中において論ぜられるべきものであり、あわせて、社会保障制度もそうだと思っております。 社会保障制度を改革しますと、さっきのお話じゃありませんが、必ず物すごい御批判を浴びます。社会保障制度を改革しようと思うと、大体褒められることはございません。しかし、時代に合った社会保障制度というものは何なのかということは考えなければいかぬことです。地方における社会保障制度をどう変えていくかということは国の政策と併せて考えていかねばならないことですが、そこに民主主義とか選挙とかいうものが入ってきますので、どうすればほかの候補者よりももっと受けることを言うかということにどうしてもなりがちでございます。そうすると財政のお話に逢着するわけでありまして、そのときに、国家として国民に保障すべきナショナルミニマム的な社会保障の水準とは何だろうかと。 衆議院で御指摘をいただいたような気がしますけれど、選挙のときになると、特に首長選挙になりますと、医療費をどこまでただにするかという競争になります。それはそれで、止めどなくそれが進んでいったときに、その自治体の財政は一体どうなるんだという話になります。そうすると、やはり首長に出たい人はいろんな思いがあるでしょう。それを実現するために当選したいと思うでしょう。そうであれば、それが地域のそういう選挙の争点になるというよりも、国としてどこまで保障すべきかというお話もしていかなければならないのかもしれません。委員御指摘のように、社会経済システムというものを変えていくということをやらないと、国家はもたない。 まさしく、委員が御指摘になった本、済みません、私、不勉強で読んでおりませんが、私が大学生の頃読んだのは、グループ一九八四年というのが書いた「日本の自殺」という本はかなり衝撃を持って読みました。あれは私が大学生の頃でございます。そこに書いてあったことが現実になりつつあるなと。去年、おととしぐらい、ちょっとこのお話は取り上げられたことがありますが、やっぱりそういうような本の指摘というのは、何も脅かしでも何でもなくて、何年か経てそれが現実になりつつあると。それを認識をしながらそれを変えないのは政治の怠慢だというふうに思っておりまして、委員の御指摘というのは極めて重要だと思っております。 何をどのように変えるかということについて、多くの国民の理解というのかな、そういうものを得るべく更に努力をいたしてまいります。
○平木大作君 丁寧に御答弁いただきまして、ありがとうございます。 この一つの人口減少の議論をした上で、今おっしゃっていただいたような社会経済システム改革に取り組もうと思いましたら、もうこれは縦割りとか言っていられない。もう省庁横断的に、それこそ全省庁が力を、総力を結集して取り組まなければいけないような難事になると思います。こういう中でまさにそのリーダーシップ取っていただくのが、私、石破大臣だというふうに思っておりますので、是非ともこの点に関してもよろしくお願いしたいと思います。 続きまして、地方での雇用創出に関連した質問を二つほどさせていただきたいというふうに思っております。 この地方創生の主要テーマの一つが過度な東京圏への一極集中の是正ということでございます。この点については、ある意味、都内に在住の方のおよそ四割ぐらいが実際には地方に移住を検討もしているといったデータもあるわけでございますけれども、これ実は、近年、企業活動ですとかあるいは事業拠点を一か所に集約することの弊害とかリスク、こういったものが企業経営の世界でも強く認識されてきたと、最近そういうふうになってきたというふうに私は感じております。 これ、一つの事例を御紹介したいんですが、三年前、ある企業の役員会で、それまで幾つかの拠点に分散していた事務処理センターですとかコールセンターを一か所に集約して、大体千人規模のオペレーションセンターを造ろう、建設しようという案が了承されました。実は、この役員会の翌日に発生したのがあの東日本大震災でございます。当時、当初、建設予定地を仙台にしていたということもございまして、一旦、この震災を受けて、この案自体が白紙撤回されてしまいました。 このときに、結局この役員会では、もし万が一、震災の段階で自分たちの事業オペレーションを一か所に集中していて全部壊れていたら一体どういうことになったんだろうかということを、改めて現実味を持ってこの企業の中で検討をされました。これは、何もいわゆる仙台だったからどうこうという話ではございません。日本のどこかで、日本の中でビジネスを行おうと思えば必ずリスクは伴うわけでございまして、一か所に事業ですとかオペレーション、情報、そういったものを集めてしまうことの弊害というのはやっぱり大きいんだなということでございます。 このときに、じゃ、災害時の事業継続、いわゆるBCPという観点からもう一回この案練り直そうじゃないかということで、当時、私も企業の戦略立案をお手伝いさせていただいておりましたので、この企業から御依頼をいただいて一緒に検討をしたということがございました。 結局、地方へのオペレーションセンターの移管あるいは分散、また、例えば地方に在住したまま東京の企業に対してサービスを提供できるようなテレワークの環境の推進、これってやっぱり女性の活躍推進ですとかそういったところから言われることも多いんですけれども、それにとどまらない。この日本の産業構造を、その基盤をしっかりと強固にするという意味でもやっぱりとても大事な方向性じゃないかなというふうに思うんですが、この点について更に積極的な支援、進めていくべきだと考えますが、御答弁いただけますでしょうか。
○政府参考人(井上宏司君) お答え申し上げます。 御指摘のような災害時の事業継続という観点、更に加えまして、地方における仕事の創出、またそれに伴います地方への人の流れをつくるという意味でも、企業の地方における拠点機能の強化でありますとか、またテレワークの普及は重要な課題というふうに考えてございます。 このため、東日本大震災の後、企業立地促進法に基づいて国が定める基本方針を改正をいたしまして、企業ごとで定める事業継続計画の見直しに加え、企業や行政等も含めた地域が一体となった継続計画の策定を検討することが重要であるというふうに示しまして、企業立地におきますBCP、いわゆる災害時の事業継続の観点も踏まえた取組を促しているところでございます。 また、委員御指摘のように、企業の中には、災害時の事業継続の観点も踏まえて、拠点の分散を検討あるいは実施を進めているところも出てきているという状況でございます。また、テレワークにつきましても、設備導入に当たって活用いただけるような支援措置でありますとか、また産業界に対するテレワーク導入の普及啓発などの措置を実施しているところでございます。 また、現在検討がされております地方創生の関係でも、まち・ひと・しごと創生本部の下での基本政策検討チームの報告書、あるいは十一月の六日に示されました総合戦略の骨子案におきましても、企業の地方拠点機能強化といったものは課題として挙げられておりまして、更なる支援の在り方について現在関係省庁とともに検討を進めているところでございます。
○平木大作君 今積極的に取り組んでいるんだという御答弁いただきましたが、私の肌感覚としては、東日本大震災の後にBCP大事だ、BCP、事業継続計画を作るところまでは割とブームのように起こりました。皆さん作ったんですけれども、じゃ、実際に拠点どう分散するのかとか、地方にどうやるのか、テレワークの環境をどう整えるのかというところで足踏みをしているなと、まだまだ遅々として進んでいないなというのが、正直私、実感として感じます。そういう意味では、そもそもこのBCPの計画、どれだけの企業が今作ったのか、またそれを実行に移したのか、こういう観点からも是非経産省としてもフォローしていただきたいということをお願いしたいと思います。 もう一点、この質問に関連してお話ししたいんですが、先ほど私申し上げました地方への事業拠点、オペレーションセンターの分散の件なんですが、これ結局、私の仕事の中で、プロジェクトの中で、大体人口規模として上から五十番目ぐらいまでの地方都市、これを全部リストアップしまして、この各都市について、例えば台風のリスク、地震のリスク、津波のリスク、こういったものを一つ一つ洗っていってスコアリングしまして、どうやったらリスクが分散できるのか、二つの拠点にたとえ分散したとしても、結局一緒にやられちゃ意味がありませんので、幾つまで分散したらいいのか、あるいは、事業の中でも、もし一日ですとか一週間ですとか止まってしまったときに、どこの部分は残さなきゃいけないのか、どこは諦めなきゃいけないのか、こんなことも含めて検討させていただきました。 当然、この五十の都市をスコアリングによって並べまして、上の都市から順々に検討していきましょうということになったんですが、実際にこのオペレーションセンターを建てましょうか、検討しましょうかという段階で実は幾つか障壁が出てきたんですね。その最たるものというのが、ネックになったものというのが、実は、地方自治体が提供している企業誘致のために行っている情報提供、これが実際に企業が必要としているものに余りマッチしていないということにやっぱり直面しました。 簡単な例でいきますと、例えば、その地方に、その地域に、もしオペレーションセンターをつくったとしたら、実際にどういうスキルを持った方たちをどのくらいすぐ雇えるのかみたいなこと、これは最低限必要だと思うんですけれども、それすらなかなか手に入らない。 更に言いますと、これ、BCPの観点から当然考えていますから、事業継続、リスク管理の専門家と一緒に検討すると、単純にその地方にどれだけの例えばオフィスのスペース、どのくらいの広さがすぐ確保できるかというところだけじゃ終わらないんですね。もう一歩進んで、例えば電源の供給がなくなったときに、じゃ、そのオフィスには自家発電設備がどれだけあって、二日もつのか三日もつのか、こういったところがまず問われる。あるいは、セキュリティー保持のためにIDカードを二回かざさないと入れないスペースというのをちゃんとそのオフィスにつくれるのかですとか、一番セキュリティーが高い部屋というのは壁の厚さが何ミリなきゃいけないということも含めて、そもそもこういうのをBCPで検討するわけであります。 そういう点について、これ全く自治体に問い合わせても分からない。結局、現地に行ってみて、いろいろ人に当たる、あるいは建物を、足を棒にして歩いてみて、あっ、ここには移れないんだということが分かるということが実際に起こりました。 そういう意味では、企業が必要としている情報ってそもそも何なのか、これをまずしっかりと国として集約して、もっともっと地方自治体に対してこういう情報を発信しましょうという指導ですとか取組、是非していただきたいんですが、この点、いかがでしょうか。
○政府参考人(原田淳志君) お答えいたします。 地域に企業を誘致することによりまして地域に雇用の場を確保することは、地方創生の観点からも極めて重要なことだろうと思っております。これまでも企業誘致に関しましては自治体もそれぞれ情報発信をしてきたものと思っておりますけれども、今先生御指摘のような課題もあるものと思料するところでございます。 総務省では、先般報道発表もさせていただきましたけれども、経済産業省と連携いたしまして、補助金や優遇措置といったような情報だけではなく、企業が求める情報や地域の雇用の確保というものに関する情報の提供などを自治体に促していくとともに、このような業務に取り組んでおります中小基盤整備機構やジェトロ、こういったようなところと各自治体を結び付けるような取組を始めたところでございます。 具体的には、今後、総務省が昨年度立ち上げました全自治体の共同データベースであります地域の元気創造プラットフォーム、こういうものに新たにジェトロ、中小機構を接続させるとともに、自治体が提供する情報を充実していく。それと、ジェトロは自治体からの情報を活用して、外国企業の地方への誘致、地元産品の海外への販路開拓の取組を強化する、また、中小機構は各地の優れた中小企業のデータを保有しておりますので、これを各自治体の地域振興策に活用していただくと、このようなことをしていきたいと思っておりまして、今後、詳細設計を進めまして、可能なものから速やかに運用を開始して、きめ細やかな情報提供につながるよう努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○平木大作君 今御答弁もいただきましたけれども、やはり自治体が発信したがる情報って、まず最初に来るのはやっぱり補助金がどうですとか優遇措置どうですという話ばっかりになってしまうんですけれども、それはある意味、企業の側からすると欲しい情報の一つでしかない。今申し上げたような点、十分御留意いただきたいなということを改めてお願いするとともに、最後にもおっしゃっていただきましたけれども、企業が来るときにこういう点をいわゆる重視しているんだなということが分かれば、今まさにやろうとしている町の再生あるいは再開発みたいなときにもやっぱり生かしていけるんだと思うんですね。ビジネス拠点の整備みたいなところにも生かしていける。こういう観点からも、是非この地域に対する、地方に対する支援、お願いをしたいということを申し上げておきたいと思います。 次に、話題を変えまして、地域資源を活用した観光振興についてお尋ねをしたいというふうに思っております。 日本の観光産業、苦手な分野として、情報を駆使したマーケティングの弱さといったものがあるというふうに認識をしております。 私も観光産業の方とよくいろいろお話をさせていただくんですが、ある意味、厳しい言い方をしますと、日本という国は結局、観光資源に余りにも恵まれ過ぎている。それこそ海も山も川もあり、美しい風景が広がり、そして温泉まである、食事もおいしいと。でも、ある意味、ここに寄りかかったまま余り努力をしてこなかったんじゃないかなという事例も多々あるのかなということを正直に思っております。ただ、これ裏を返せば、まだまだ魅力を磨くための余力がある、余地があるということでもあるというふうに感じております。 例えば、観光業界の方とお話しさせていただいて、観光客を増やしたいと、じゃ、一体どこからどういう人たちを連れてきたいんですかと言うと、割と答えられない方が多いのかなというふうに思っております。やっぱり、潜在顧客の顔が見えない、どういう方たちに来てほしいのかということをしっかりと突き詰めないままに、例えば、海外から円安になっているし、来てもらおうということで、標識を中国語と韓国語を一緒に併記してみようとか、ある意味思い付きでやっぱり施策を打っても、なかなか当たっていかないというのが実情じゃないかなというふうに思っております。この潜在顧客をしっかりと見極めることで、逆に自分たちの観光資源を更にどうやって磨いていったらいいのか、こういったものもより見えてくるんじゃないか。 簡単な例で申し上げますと、例えば、フランスですとかスペイン、こういった国の方たちというのはお休みを一か月取って長期滞在して家族でいらっしゃるという過ごし方をするわけですけれども、こういう方たちにもし来ていただくのであれば、やはりこれ長期で滞在しますから、自分たちで料理できるようにキッチンを宿泊施設の中に置かないと、やっぱりなかなか、そもそも選考の対象にならない。あるいは、この長期、一週間とかそういった期間で滞在する方たちというのは、そもそも一週間同じ場所で何をやって過ごすのか、ここが見えていなかったら、どういうふうにこの価値を提供していっていいのかも分からない、これが実情なんじゃないかなというふうに思っております。 これ、べき論として語るのは簡単ですけれども、やっぱり一方で、小規模の旅館ですとかそういったところにとって、このマーケティングをやる、相手のことをより知るというのは大変な困難を伴うわけでございます。この分野に関して、国として一体どういう支援の策、今考えているのか、御答弁いただけますでしょうか。
○政府参考人(久保成人君) 委員、誠に御指摘のとおり、特に、訪日の外国人旅行者を地域に呼び込むに当たりましては、各海外市場の特徴だとかその市場のニーズに応じた取組が必要でございます。そのためには、各海外市場の情報収集及び市場分析などのマーケティングを行うことが大変重要だと私どもも考えております。 このようなマーケティング情報につきましては、JNTO、日本政府観光局と言っておりますけれども、海外事務所の海外現地におけるネットワーク等を最大限活用して、その情報を収集し、市場別に分析を行っています。その上で、その得た情報等を地方公共団体だとか民間の企業の皆さんに提供をしています。 具体的には、JNTOのウエブサイトだとか定期的に送るメールマガジンだとか出版物の発行によって情報は提供しておりますが、かてて加えて、そのJNTOに設けております窓口、ここで今、要請があれば随時個別アドバイス、例えば今おっしゃったような旅行形態がどうなっているんだとか、あるいはその国の休暇制度はどうなっているんだとか、こういったことの個別アドバイスを随時、またかつ定期的にそういう場を設けて行っております。 さらに、観光庁自身も、もうより戦略的な訪日プロモーションを展開するため、この四月から、外部のマーケティングの専門家も入れましてマーケティングの戦略本部をつくっています。これは、科学的な分析に基づいて市場別のプロモーション方針をそこで決定するということであります。この方針につきましても、地域、地方公共団体や民間企業の方も活用できるように、これはオープン、公開をしているところであります。 それと、私ども観光庁では、地域がいろんなことを判断する上で必須であります情報を統計という意味で、訪日外国人の例えば消費動向調査などの統計をしっかり行うことによって数字的な裏付けを伴う情報提供を行っております。今後も強化をしていきたいというふうに考えております。 以上です。
○平木大作君 個別にいろいろアドバイスを行う、あるいは、どんどんどんどん分析したデータを公共に供していくということでございました。 今、私、答弁をお伺いしながら一つちょっと話を思い出したんですけれども、少し前、昨年のことになるんですが、スペインから友人が何人か集まって来日しました。一日だけ東京を観光したいのでアテンドしてほしいというふうに言われまして、私、一日一緒に歩いたんですね。 東京をいざ案内しろと言われると、これ、どこへ連れていったらいいのかなと。スカイツリーがいいのか、浅草寺がいいのか、いろいろ悩んだわけですけれども、このスペインからいらした皆さん、日本のガイドブックを持っていらしたんですけれども、そこに東京のベストスポットといってランキング付いたものを持っていらしたんですね。ここに是非行きたいというふうに言われまして、その本に書いてあった一位というのが六本木ヒルズ。あそこは観光地じゃないんだけどなと思いながらも、まああの六本木ヒルズの建物を見るととても何か日本の最先端なものを感じるといって、連れていったらやっぱり感激してくれました。 その本の東京の名所二位にランキングされていたのが、今度は三鷹の森ジブリ美術館。これは予約が必要ということで行けなかったんですけれども、こういう形。東京私も長いこと住んでおりましたけれども、そういう目から見ても、ああ、そういうところからそもそも価値を見出しているのかというふうに、はっとさせられる経験でありました。 ちなみに、このガイドブックになかったんですけれども、結局、彼らは口コミで、今度是非あそこは行ってこいというふうに言われたといって連れていかされたのが、渋谷のスクランブル交差点であります。あそこに立ったままもうひたすら三十分、四十分、ずっとシャッター切り続けている、もうこんな光景見たことないというふうに言われまして、やはりなかなかこの内側の視点からでは気付かないようなところに価値を見出している。 是非、これ例えば観光庁としても、それこそ世界中にある日本に関するガイドブックを全部データベースにして、一体どういうところにそもそも価値を見出しているのか、こういうのを是非分析していただきたいですし、また、ツイッター等で日本の観光地について海外から訪日されている方たちがつぶやいていることというのを分析して、そこからどういう示唆が得られるのか、こんなところも是非これ分析の上、提供していただきたいなということをお願いしたいと思います。 ちょっと時間が押してまいりましたので、次の質問に移ります。 この観光振興に関してもう一つ私思っておりますのが、それはオーベルジュ。日本においてもオーベルジュというのはもっと可能性があるんじゃないかなということでございます。 この日本の誇るべき観光資源としてあるのが食であり、食文化。もうユネスコの世界無形文化遺産になったわけでございますけれども、なかなか、観光振興しようというと箱物を造ろうみたいな話から始まってしまう場合が多い。でも、この食というのを本当に生かさない手はないんじゃないかなと思っております。その中でも、宿泊できるレストランという形態のこのオーベルジュ、これでしたら、ある意味その魅力というのは、要は開発されていないところにあるわけであります。日本の田園風景の中で、あるいは里山のこの景色の中で、その地で取れたものを、おいしいものをいただいて、ゆっくり食べた後に一泊だけして翌朝また出発されると、こういった形がオーベルジュなわけであります。 是非、オーベルジュ、メニューの開発の支援ですとか、あるいは農地の一部、今六次産業化ということも言われているわけでありますけれども、こういったものも活用しながら国としてオーベルジュ、推進すべきじゃないかと思うんですが、この点、いかがでしょうか。
○副大臣(小泉昭男君) 委員御指摘のとおりでございまして、今、グリーンツーリズムを始めとして様々いろんなアイデアが盛りだくさん出てまいりました。 今回の地域再生法改正案においては、市町村が作成する地域再生計画等に従って行われているわけでありまして、地域の農林水産業の振興に資する施設の整備について御指摘をいただいたわけであります。 農地法に基づく農地転用許可等の特例措置でございますが、こういうことも講ずることとしておりまして、この特例措置の対象となる施設でございますが、地域の農林水産物の加工販売施設、それと、地域の農林水産物を利用して都市住民との交流を促進するためのいわゆる農家レストランや農家民宿といった農林水産業の六次産業化、先ほどお話ございました、等に必要な施設を想定しておりまして、具体的には政令で規定することとなっておるわけでございますが、御指摘の宿泊のできるレストラン、オーベルジュは、この形態によってはこうした農地法の特例措置の対象となり得るものであると考えております。 今回の措置を通じまして、その整備を行う取組に対し支援が図られるものと考えているところでございますので、これから様々御指摘をいただきたい、このように思っております。 ありがとうございました。
○平木大作君 ありがとうございます。 オーベルジュ、今風に言えば泊まれる農家レストランということにもなるんじゃないかなというふうに思うんですが、これ、しっかり農地は農地として守る、でもその中で、しっかり一方の六次産業化の取組の中で活用できるものは活用していくということであるというふうに思っておりますので、是非これは箱物を建てるということにとどまらず、例えば、オーベルジュですとか、これ食の、食資源の有効活用にも通じると思うんですけれども、メニューの開発、こういったところも併せて是非御支援いただきたい。 地域の取組の中で最も困難なことって、やっぱりブランドの確立だと思うんですね。時間もお金もやっぱりブランドをつくっていくには掛かる。この中である意味食文化というのは、一番その敷居がもしかしたら低いんじゃないかというふうに私は思っております。例えば地元の、地域の食材を活用しながら、有名なシェフの方に来ていただいてメニューの開発、一緒に監修していただく、開発していただく。こういうことで、ある意味掛けた時間は一日とか二日かもしれませんけれども、それがずっと持続的に地域の魅力に定着させる、そういう取組になるんじゃないかなと思っておりますので、是非こういった点、メニューの開発も含めてお願いをしたいというふうに思っております。 たくさん質問を残してしまいましたが、残り時間なくなりましたので、私の質問は今日ここまでとさせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(関口昌一君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時十六分散会