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187回国会参議院2014/11/04

厚生労働委員会 第7号

発言数
290
登壇者
31
会派数
7
開催日
2014/11/04

会議録

丸川珠代自由民主党

○委員長(丸川珠代君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、石田昌宏君、堂故茂君、山下雄平君、渡邉美樹君、山本香苗君及び藤田幸久君が委員を辞任され、その補欠として滝沢求君、森屋宏君、木村義雄君、三原じゅん子君、新妻秀規君及び森本真治君が選任されました。     ─────────────

丸川珠代自由民主党

○委員長(丸川珠代君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として川崎市健康安全研究所長岡部信彦君、独立行政法人国立国際医療研究センター国際感染症対策室医長加藤康幸君及び久留米大学医学部感染制御学講座主任教授渡邊浩君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

丸川珠代自由民主党

○委員長(丸川珠代君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

丸川珠代自由民主党

○委員長(丸川珠代君) 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、参考人の方々から御意見を伺います。  この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、御多忙のところ当委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。  参考人の皆様から忌憚のない御意見をお述べいただきまして、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。  次に、議事の進め方でございますが、まず、参考人の皆様からお一人十五分以内で順次御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えをいただきたいと存じます。  なお、参考人、質疑者共に発言は着席のままで結構でございます。  それでは、まず岡部参考人にお願いをいたします。岡部参考人。

岡部信彦川崎市健康安全研究所長

○参考人(岡部信彦君) おはようございます。川崎市の健康安全研究所、岡部と申します。どうぞよろしくお願いいたします。  本日はお招きをいただいてありがとうございました。私は、感染症法ができたときから前任地の感染症研究所におりましたので、それに関わっていたというようなことでお招きをいただいたんじゃないかというふうに思います。  感染症法に関する法律が、今回、この後、加藤先生なんかからもお話があるように、エボラ出血熱があるのでかなり話題になっているところでありますけれども、これ毎年毎年見直しをしたり、それから五年ごとには大きく変えるところがあるという中での一つの動きでありまして、そういう意味では、私は淡々とやっていることの一つではないかというふうに思います。  お手元に私の方で用意しました参議院厚生労働委員会資料、岡部というのがありますので、それを御覧いただければというふうに思います。  ページを繰っていただいて二枚目、ページは右の下の方に書いてありますけれども、二番というところになりますが、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の一部改正、これはもう先生方御存じのところで、その背景あるいは概要、それから施行期日といったようなことがありますけれども、この中では、主には新たな感染症の分類であるとか、この中に鳥インフルエンザ、MERSが入ってくるわけですが、感染症に関する情報の収集体制の強化といったようなこともございます。  ページを繰っていただいて、スライド番号で言うと三と四になりますけれども、この感染症法は、感染症新法として一九九九年、平成十一年に行われましたけれども、伝染病の予防法じゃ間に合わない、もう新しい感染症あるいは新たに感染症のアウトブレークに対応ができないというところでこの法律ができたわけですが、その大きなきっかけになっているのは、やっぱり何かトリガーがあると動くわけですけれども、この下の一九九六年、大阪でO157が発生したと。今、当たり前のようですけれども、これが年間に三千例から四千例、死亡者も時に出てくるというようなものですけれども、このとき、ここに書いてありますように、一万名以上の患者さんが発生して十三名の死亡者が出た。こういうものをあらかじめきちっとキャッチをして検査をし、その情報を共有すべきではないかというのがこの法律の骨子ではないかというふうに私は印象を持っています。  次のページですけれども、スライドの五番目、六番目の方になりますが、やはり感染症の対策、当たり前のようですけれども、医療はもちろんですけれども、できるだけ早く見付けてそれについて適切な処置をとる、それが日常の予防策に結び付いていくので、そこから漏れたようにしてと言うと失礼ですけれども、発生した患者さんに対してはきちっとした適切な医療をやるということが基本であろうというふうに思います。  その感染症法ができまして、対象疾患が、御存じのように一類、二類、三類、四類、五類、最初は四類までだったんですけれども、途中から分類を変えて、こういったような一覧表になっていますが、六ページの黄色い字で入っているのが、その都度社会的情勢あるいは感染症の発生に応じて新たに加えられている疾患というものがあります。それが今回、H7N9、指定感染症・新感染症という下から二番目のところにありますが、中国での鳥インフルエンザのヒト感染例、あるいは中東のコロナウイルスといったようなものがやはり新しくなるとこの中に入ってくるというようなことがございます。これを二類の感染症ということも一つの改正案になっているというふうに思います。  次のページの七番目、八番目になると数が多くなりますけれども、そのほかに四類感染症、五類感染症、黄色いマーカーをしてあるところがその都度の状況に応じて新たに入ってきたものであります。  この感染症の対象疾患が増えるというのは、臨床医、それぞれの医師あるいは医療機関、行政関係にとって非常に負担にはなるんですけれども、その負担を軽減するのが、できるだけ電子化をするような簡単な方法で届けるとか、あるいはそれをできるだけ、これは私がやっていて今でもやっているところですけれども、その情報をきちんとした形で分析をして、正しい形で医療機関、行政機関、それから一般の方々に示していく、これが対応に結局は結び付いていくことでありますし、啓発あるいは対応のそれぞれの対策に結び付いていくんだろうと思いますので、数が多ければいいというものではもちろんないわけですけれども、その数だけではなくて、適切にそれに対して対応するということが重要だろうと思います。  ページを繰っていただきますと、九番、十番という番号があります。  五類感染症の方はちょっと詳細は話しませんけれども、数の多い病気については全数の求めではなくて、代表的な医療機関にお願いをしてここに書いてあるような病気がピックアップされるというようなことになります。  その仕組みがこの十枚目のところに書いてありますが、これは御存じのところではあろうかと思いますけれども、左の隅の方に臨床現場というのがありますが、ここがまず診断をしていただく、あるいはその病気だというふうに気付いて、感じていただくことが大本になるんですけれども、それを保健所に届け、保健所は自治体に届け、厚労省に届いて、ぐるっと右側の方の感染症研究所に来るというのがございます。  これ、いずれも欠けてもサーベイランス、情報というものには困るので、いずれもその連携を強固にしなくちゃいけないんですけれども、この真ん中に地方衛生研究所、私が今いる川崎市健康安全研究所はここになるんですけれども、ここで感染症法に対応する疾患についての検査を基本的にはできるということになっているのが建前でありますけれども、なかなかそこが十分にいかなかったり、あるいは、例えば保健所設置法のようなもので保健所は法律できちっとした形でできているんですけれども、この衛生研究所が本来微生物その他の検査をやらなくちゃいけないんですけれども、なかなかそこの法律的位置付けが今までできていないというところがウイークポイントでもありました。  次、お願いします。  十一番、十二番のところで、十一番のところに病原体収集の必要性というのがございます。もちろん患者さんですから患者さんの治療、それからもちろん予防も含めて重要ですけれども、それの大きいヒントになるのは、病原体を、つまり、はしかのもとであるとかエボラ出血熱のエボラウイルスであるとか、あるいはインフルエンザのウイルスとか、そういったような病原体をきちっと調査をして、それに対して科学的な根拠を持って予防法あるいは治療法を考えるということが重要になります。  したがって、患者さんからいただく病原体を得て初めて正しい診断ができるわけですけれども、病原体だけではなくて、例えばそのタイプであるとか、つまりどこから来たものなのか、誰と類似をしているのか、どういう変化があるのか、そういったような細かい調査が必要になります。場合によっては、国内発生例かあるいは輸入例なのか、まだ日本にないものなのかといったようなことも必要ですし、最近は院内感染対策などにおいて、薬剤耐性がどのぐらいなのか、新型インフルエンザもそれが興味を持たれていますけれども、そういったようなものが必要であり、もう少し遠く離れれば、長い目で見ればそのワクチン、治療薬、診断薬、いずれも現在使われているものは元々病原体があって初めてできるものですから、今後の治療、ワクチン、診断を考える際には病原体を手に入れるということが非常に重要になります。  そこで、地方衛生研究所がこの感染症法に基づいた疾患に対する検査を行われるということが、技術的中核機関であるとは言われながら、なかなかその明確な規定がないというものが先ほど申し上げましたようなウイークポイントでもありました。  ページを繰っていただいて、十三、十四になりますけれども、十三は先ほどと同じで、その中の骨子で、病原体を、もちろん患者さんに迷惑の掛けない範囲内で、しかし、私、SARSのときにも経験しているんですけれども、SARSが発生した当初、この病気はもしかするとSARSかもしれないから検査をさせてほしいという一線の先生の話を患者さんに説明したところ、いや、そんなことはどこにも規定がないんだからそういう検査は困ると言って帰ってしまったといったような経緯がありました。もちろん法律にまだ決められていない頃ですけれども。  しかし、そういう状況があると、むしろその患者さんの治療というものにも困るわけですし、早期発見で早く対策を取る、それから、その周辺におられる御家族であるとか友達であるとか、そこに広げないということがひいては社会に広がりを抑えるわけなので、全ての病気についてこういうことをやるわけではありませんけれども、やはり特定の病気の場合には進んで検査を受けていただけるような仕組み。それから、一般の病気であっても、例えばインフルエンザのウイルスが収集できる、あるいははしかというような病原体の収集ができることによって初めてそのワクチンの開発は、この次にはこういうワクチンがいいとか、あるいは、はしかの場合は、今世界でエリミネーション、排除というようなことがなっていますけれども、日本はまだ数は少ないんですが、排除に至っていないのは、結局そういう病原体の検査について詳細な情報が得られていないのではないかというようなWHOの指摘もございます。  そこが、先ほども申し上げましたように、患者さんに迷惑の掛からない範囲ではやはりきちんと病原体を得て、それはその患者さんの結局は治療に結び付くことでもありますし、周りの方の予防であったりあるいは周辺の方々への安心に結び付けられるのではないかというふうに思っております。  ページを繰っていただいて、十五、十六というのがありますけれども、十五は、これから加藤先生あるいは渡邊先生から御意見があると思うんですけれども、最近においても、二〇〇九年にパンデミックが発生したとき、それから、これは余り人知れずのところでありますけれども、実は新型インフルエンザというのは時々出ておりまして、そういうようなものがアメリカで出たとか、今回のMERSはもしかするとSARSの再来ではないかというふうに言われましたり、重症熱性血小板減少症といったような病気、それから鳥インフルエンザ、エボラ出血熱、枚挙にいとまがないぐらい新しい、多くの方にとっては何か突然出てきたような感じですけれども、しかし、これに対して論理的にきちんと整備をして対応策を説明をしていくというのが私たちのやらなくてはいけないことだろうと思いますが、それをシステムとしてつくっていただいて、我が国も感染症対策がきちんとできるということを示す必要があるだろうというふうに思います。  最後にデング熱と書いてありますけど、これは我が国では問題になりましたけど、世界中ではある病気ですから、余り世界的な話題にはなっていないというのがございます。  十六番の方に国際保健規則二〇〇五というのが書いてございますが、これはWHOが制定した、SARSのときの反省をして、早く感染症に対する情報を共有する、あるいは今申し上げましたような、微生物の検査をできるだけ積極的にやるといったようなことがこのWHOの示してある国際保健規則というところで改正になりました。  この中には、サーベイランスの強化、しかしそれはWHOが一生懸命やっても駄目なので、国が報告をしてもらわないと駄目である。もちろん、日本に向けてだけではなくて世界に発信をしているわけですけれども、それは、国がきちんとした報告を出すということは、日本でいえば自治体がしっかりしていなくてはいけないわけですし、自治体がしっかりしているためには、その下のもっと細部に至るとか、あるいは保健所、検査をするような衛生研究所、もちろん医療機関がそれについて安心してチェックをできるというようなことも必要になって、結局全体の医療の底上げだろうと思います。  最後の方で、十七、十八の最後のページですけれども、下の方はちょっと漫画みたいなものですけれども、上の方は、しかしそれについても、感染症というのはどうしても人にうつるということで、恐怖感が出てきたりあるいは心配になったりすることがあるので、公衆衛生と個人、この権限あるいは権利、バランスをどう考えるか、これが今後の、いつもそうですけれども、行政であったり仕組みをつくる方、それから診療する側、私たちも常に考えなくちゃいけない、このバランス感覚が非常に重要だというふうに思っております。  以上です。ありがとうございました。

丸川珠代自由民主党

○委員長(丸川珠代君) ありがとうございました。  次に、加藤参考人にお願いをいたします。加藤参考人。

加藤康幸独立行政法人国立国際医療研究センター国際感染症対策室医長

○参考人(加藤康幸君) おはようございます。国立国際医療研究センターの加藤と申します。私、このような機会を与えていただきまして、本当に光栄に考えております。  私がお招きいただいたのは、恐らく一類感染症の医療機関での対応ということに関心を持ってきたということと、昨今のエボラ出血熱のアウトブレークについて意見を述べさせていただくということでお招きいただいたかと思います。  では、お手元の資料を使いまして説明させていただこうと思います。  先ほど岡部先生から、感染症法が、伝染病予防法が廃止されて、十二年前でしょうか、制定されたというお話がありましたけれども、当時の感染症法の制定される前の審議会での意見ということが公表されておりますが、その中で、エボラ出血熱等の新興感染症が世界的に問題となっている、あるいは感染の危険が世界的に問題視されるウイルス性出血熱等の十分な対応が図られていない、ウイルス性出血熱や原因不明の感染症に対しても安全で安心して対応できる医療体制の確保といったようなことが審議会で述べられておりまして、感染症法の作られるときに、いかにエボラ出血熱のようなウイルス性出血熱が意識されてこの法律が作られたかということが分かります。  今年の西アフリカでのエボラ出血熱の流行は、このときの想定というんでしょうか、専門家の間での想定というのが間違っていなかったというふうに考えます。  この間、第一種感染症指定医療機関といった専門の医療機関が指定されてきたわけですが、私ども、医療従事者の研修ですとか実際の受入れ体制についてはまだまだ不備があるのではないかということで、お手元の資料の二枚目になりますけれども、平成二十三年度から厚生労働科学研究費の補助金をいただいて、実際にこういったラッサ熱、エボラ出血熱といった疾患は非常に先進国では見ることが少ないんですけれども、ヨーロッパの専門家を招いて二日間の研修会というのを国立国際医療研究センターで三年にわたって開催してきました。第一種感染症指定医療機関の大体四分の三の施設から、医師だけではなく看護師に参加していただいてやってきておったところです。  これらの研修を基に「ウイルス性出血熱 診療の手引き」といったようなものをまとめたところでありました。今年度はこの手引を基に更に医療機関での準備といったものを充実させていこうということだったんですけど、そのときに起きたのが現在のエボラ出血熱の流行であります。  私は、WHOの要請に応じまして、五月と八月にリベリアの方に短期専門家としてエボラ出血熱の流行防止の方に関わってきました。主な活動としまして、感染防止とあと患者さんの治療ということになります。  感染防止については、患者さんの約一〇%が医療従事者であるということです。ですので、医療従事者の感染を防ぐために、この写真に示してあるように、個人防護具、こういったものの脱着というのは非常に技術が要ります、練習が必要ですので、そういったことを指導してきたということと、あと治療につきましては、下に写真が付いているのがエボラ治療ユニットという、こういうプレハブのような、あるいはテントを使ったり、広い空き地にこういった仮設の施設を造って患者さんを隔離して治療するということがアフリカの方では行われます。こちらがリベリアの方では非常に不足していたということで、こういったものを設営することの支援に関わってまいりました。  次のページにエボラ出血熱の臨床経過というカラーの図を示しておりますけれども、なぜ医療従事者に感染が起こるのかということを示した図であります。  患者さんは高熱で発病します。最初の一週間というのは、高熱と頭痛、筋肉痛といった余りほかの感染症とも見分けが付かないような症状で発病してくるわけですけれども、八日目ぐらいですね、一週を超えてきますと嘔吐や下痢あるいは出血症状といったものが出現してきます。血液のウイルス量、これが多ければ多いほど重症で、更に周りの方への感染性も強くなるわけですけれども、実際、病院にいらっしゃるのは発病してから五日目以降ぐらいのことが多くて、その間に嘔吐や下痢が出現して、そういったものに直接触れる方から患者さんが発生すると。重症になって受入先となる医療機関、医療従事者というのは、非常に、発症してからしばらくたっていて感染性が強い状態で患者さんと接触するということになります。このために、医療従事者というのは感染のリスクが高いということになります。  実際、エボラ治療ユニットの中でのその働きぶりというんでしょうか、行われている治療の内容をまとめたのが次のスライドになりますが、私の関わったユニットでは三十五のベッドです。ただ、実際は七十人ぐらいの患者さんを収容せざるを得ませんでした。廊下にストレッチャーを置いて診療するということです。  当然、患者さんの治療としましては、アフリカの状況ですと、まず入院したときはエボラ出血熱かどうかというのは分かりません。PCRの検査結果を待たないといけない。結果を待つまでは、マラリアあるいはほかの細菌感染症もアフリカでは多いので、こういったものの治療を行います。また、点滴、こういった基本的な治療のみであります。酸素などももちろん使えませんし、点滴についても患者さんが倍入ってくるとなかなか実際はできないのが現実であります。  勤務体制は三交代、八時間交代で行っておりました。一勤務帯、約二十五人のスタッフが防護具を着て中に入ります。多い場合ですと、一勤務帯で二回入ることもありますので、延べ一日当たり百人ぐらいのスタッフが防護具を着て患者さんの治療やケアに当たるというような状況でした。  このユニットは、幸い、八月下旬に開設して二か月間、スタッフの感染というのは病棟では起こっておりません。ただ、そのためには、職員の健康管理、勤務前後に体温管理、防護具を着ていてもやはり一〇〇%感染を防げないということを前提にしておりまして、発熱があったらすぐにエボラの検査を受けるというような、ちょっと緊迫したような中で勤務が行われております。もちろん、職員については、そういうある意味恐怖の中で働かないといけないということで、心理面のケアなども重要です。  現地でどのように勤務を始めるかということなんですが、勤務前に個人防護具の脱着のトレーニングというのを行います。私もここに関わっておりましたけれども、重要なのは、最初の一週間程度、経験者と一緒に働くということです。オン・ザ・ジョブ・トレーニングをして自信を深めてもらうというか、そういう期間を設けておりました。  次のページに、これが西アフリカの状況なわけですけれども、先進主要国ですね、我が国を含めて、では、こういうウイルス性出血熱という病気にどういう準備をこれまでしてきたかというのをまとめたものであります。  研究班で視察などをしたところを中心に書いておりますけれども、例えば、イギリスは国内に二か所こういう病棟を設置しています。二か所しかありませんので、航空機による患者の移送を前提として対策をしているという状況です。  また、ドイツにおきましては全国に六か所専用の病棟を設けています。ウイルスの分離などを行うBSL4実験室、これは患者さんの治療にもウイルス量を測ったりすることは非常に重要だということで、BSL4実験室に近いところにこういった病棟を配置する。病棟の配置には、車での移動ですね、ドイツは航空機は使わないということにしておりますけれども、四時間以内で患者を移送できるようにということで配置が考えられております。  米国では全国に四か所専用病棟がありまして、これは主に実験室での感染事故の際に使うことを想定しております。海外旅行などで感染した事例については、適切な感染防止策を行えば特に専用の病棟は不要というのがこれまでの米国の考え方です。  日本では、御承知のように、全国に四十五か所専用病棟をつくってきているということで、これは国際的には非常にユニークな体制であります。  個人防護具の種類など、ウイルス性出血熱、感染経路がやや、エアロゾルによる感染もするかもしれないという不明な点があることと致死率が高いことですね、こういったことで、診療の形態については各国様々でございます。  例えば、イギリスのロンドンにあるロイヤル・フリー病院、ここでは実験室のような、アイソレーターの中に患者さんを収容して、このぶら下がっているのがグローブになっているんですけれども、それに手を入れて診療するということになっています。ですから、医療従事者は軽装で診療できるんですけれども、複雑な治療行為は当然難しくなると。ドイツにおいては、こういう宇宙服のような服を着て、御覧のように、シリンジポンプがいっぱい付いておりますけれども、エボラ出血熱のような患者さんについても集中治療を行うということを前提にした体制をつくっているというところであります。  次のページに、これまでにエボラ出血熱等の一類感染症が先進国でどれだけ発生してきたかということをまとめたものです。  二〇〇〇年以降、大体年に一人ぐらいですね、非常にまれと言っていいのではないかと思います。ですから、こういう準備を、年に一例起こるか起こらないかという患者さんのためにどれだけ維持、準備していくかというのは各国とも課題となっております。実際は、アフリカから帰国した患者さんについては、この下に示しましたとおり、マラリアが実は多いんですね。エボラ出血熱よりも恐らくマラリアなどにかかって帰ってくる方が多いのではないかと思います。  ということで、こういったマラリアについて知識を持っている感染症の専門医などが必要となるわけですけれども、最後のページにお示ししましたように、現時点で、現在指定医療機関に感染症専門医がどれだけ配置されているかというものをまとめたのが表となっております。設置母体、様々です。大学であったり赤十字であったりしますけれども、特に自治体立の大学以外の病院では、まだ感染症専門医を配置できていない指定医療機関もございます。  ということで、感染症法が制定されて準備は進めてきているわけですけれども、まだまだ人材という面で課題があるように感じております。  最後に、こういった一類感染症の対策という意味で、我が国における課題ということで述べさせていただきます。  まず、直近の課題としましては、国内で発生したときに、現在各県で対応ということになっておりますので、ただ、アフリカでの経験を考えても、相当人を投入して支援をしていかないと、なかなかこういったアウトブレークは乗り切れるものではないと考えております。ですので、特に、感染防止ですとか健康管理について国レベルで支援をしていくことが大切だろうというふうに考えております。  また、こういった珍しい疾患の専門家を養成、維持していくということは、国際貢献のみではなくて、我が国の危機管理としても重要だろうと思います。  また、第一種感染症指定医療機関の役割、特に海外の感染症の相談窓口として整備していくのはどうかと考えます。例えば、黄熱の予防接種を実施する機関として整備したり、熱帯病治療薬、マラリア等の未承認薬を使用する機関があるんですけれども、そういった役割を担っていただくと、ふだんからそういう海外の病気に対して関心を持って機能していくことができるのではないかというふうに思います。長期的には医療機関の適正数などについても検討していくことが必要ではないかと思います。  私からは以上です。ありがとうございます。

丸川珠代自由民主党

○委員長(丸川珠代君) ありがとうございました。  次に、渡邊参考人にお願いをいたします。渡邊参考人。

渡邊浩久留米大学医学部感染制御学講座主任教授

○参考人(渡邊浩君) 皆さん、おはようございます。久留米大学の渡邊でございます。本日はお招きいただきまして、ありがとうございました。  私は、日本渡航医学会の理事として、海外渡航者の健康管理を扱うトラベルクリニックというものを全国に普及するという活動を主にやってまいりましたので、今日は、お手元の資料にあります海外渡航に関連した感染症対策の課題ということで意見を述べさせていただきます。  資料一を御覧ください。  これは、我が国の海外旅行者数の推移を示した図であります。いわゆる海外旅行の自由化というものが日本で行われ、日本人が外国に自由に行けるようになったのは一九六四年のことでありますので、ちょうど今年で五十年ということになります。  御覧のように、海外に行く人の数というのは右肩上がりで増えまして、一昨年初めて年間千八百万人を超えておりますし、一方、海外から訪れる外国人旅行者数も同様に伸びておりまして、昨年初めて年間一千万人を超えております。単に観光地に行くわけではなく、辺境の地域に行かれる方も増えておりまして、日本人が渡航先で日本には余りないような感染症に陥ったり、あるいはそのような感染症がこういった方々とともに国内に入ってくると、そういうリスクが高まっていると思っております。  資料二を御覧ください。  これは、途上国に大体一か月程度訪れたときに旅行者がどのような感染症にどのような頻度でなるかというものを示した表であります。  旅行者下痢症という一番上にあるもの、これが大体二〇から四〇%と、非常に外国に行って下痢をするという方が多いわけであります。そして、中ほどにありますA型肝炎とか腸チフス、このような病気は数千人に一人と比較的多い。このように食べ物が原因でなる病気というのが一番多いわけでありますけれども、上の方にありますマラリアとかデング熱、蚊に刺されてなる病気も数%で比較的高いですし、人から人にうつるインフルエンザのような病気も比較的多い。特にインフルエンザは、我が国においては主に冬季に流行するわけですけれども、熱帯地におきましては一年中流行が見られるということですので、時期が外れても外国から帰ってきて熱を出せばこういった病気を疑わなくてはなりません。  それから、我が国において八年前に、フィリピンで動物にかまれて帰国後に狂犬病を発症して二人亡くなるという事例が起こりましたが、狂犬病のリスクのある動物にかまれるという事例が近年非常に増えてきているというのが最近の傾向であります。デング熱の下のところにあります狂犬病のリスクのある動物咬傷というのは、これは世界的に頻度が増えてきているというふうに言われております。  資料三を御覧ください。  福岡県の久留米市、人口三十万人の地方都市でありますけれども、久留米大学病院での海外旅行外来、いわゆるトラベルクリニックというものは七年前から御覧のような状況で始めているわけでございます。  資料四を御覧ください、次のページです。  診療内容をそこに記しております。  このトラベルクリニックでは、渡航国別の治安、あるいは国別で流行している感染症に対する情報提供を来られた方にちゃんと行った上でワクチンを接種しております。それから、当然ワクチンで予防できない病気もあるわけです。そういうものをどのように防ぐかという指導も行います。その表の下にあるような、マラリアの流行地に行くときは蚊帳をちゃんと買って持っていく、あるいは下痢をしたときの脱水対策としてOS—1、こういったものをどのように入手するかということも指導します。それから、高山病あるいはマラリアの予防内服の処方も行いますし、留学目的で来られる方などを中心に英文診断書の作成なども行っております。  資料五を御覧ください。  我々の外来の受診者数の推移を示したものであります。  三十万の地方都市でありますけど、年々その受診者数というのは増えまして、今、年間延べで約二千人程度の方が受診されるようになっております。海外渡航に対する健康管理に対する意識がやはり高まってきていることの表れではないかというふうに考えております。  資料六を御覧ください。  これは、我々の外来の受診者の居住地域を示したものであります。  久留米市というのは九州の北部に位置しますが、約三割の方というのは県外から来られているのが現状であります。また、県内におきましても、久留米市よりも人口の多い福岡市周辺から大勢の方が来られている。なぜこのように遠くから来られるかというと、地方においてはこのようなトラベルクリニックが近くにないからであります。  しかし、苦労してわざわざ遠くまで来られている方の裏側には、そんなことまでできないということで、無防備に、必要なワクチンも打たずに海外に行っておられる方も相当数いるんではないかというふうに思われるわけであります。  資料七を御覧ください。  我々の外来に来られる受診者数の内訳を示した図でございます。  約半数の方というのは、企業派遣でいろんな途上国に行かれる方が半数であります。こういった方々は、現在、半年以上海外に赴任させる場合には健康管理をしないといけないという決まりがございますので、こういった方は企業派遣で、ワクチンとかの費用負担というのは会社が主にされている方であります。  一方、留学あるいは観光、比較的短期間の海外旅行、ワクチンを接種するにも自己負担で行わなくてはいけない方というのは、それぞれ一四%から一二%と、そんなに多くない。恐らく、一般の方の認識としては、長期間海外に、途上国に行く場合はそういったワクチンも必要かもしれないけれど、短期の観光目的ぐらいだったらそこまで必要じゃないんじゃないかと、そういうふうに思っている方が多いんではないかと、そのように推察しております。  資料八を御覧ください。  これは、我々のところは海外渡航後の感染症に対する帰国後診療も行っておりますが、その感染症の内訳を示したものであります。  頻度と同じように旅行者下痢症というのが最も多くて、海外で動物にかまれて狂犬病のワクチンを打ちに来る、こういう方が多いわけですけれども、マラリアやデング熱のような日本には余り存在しない、デング熱は最近流行がありましたけれども、これまで余り日本では流行がなかった輸入感染症も含まれております。三年前は、リベリアから帰国して熱帯熱マラリアであったという症例も二例ほどこの中には含まれております。そして、経時的に示しておりませんけれども、このような感染症の患者さんというのは年々増加していると、そういう傾向でございます。  資料九を御覧ください。  このように、帰国後、症状があって我々の外来を受診される方の海外滞在期間を示しておりますが、一週間以内の方が二五%、それから一週間から二週間の間という方でも三七%。結局六〇%ぐらいの方というのは短期の観光目的の海外渡航者でありまして、恐らくこういった方々というのは、そんなにリスクが高いと御本人では思われていないんでしょうけれども、実際は長期間渡航されている方というのは現地の病院にかかられることが多いわけで、帰国後、我々のような海外診療をやっているところに来られる方というのは、そういう長期の方よりも短期の方の方がむしろ多い。こういった方にもっと啓発していかなくてはいけないんだと思っております。  資料十を御覧ください。  日本渡航医学会としまして、やはりワクチンを渡航者に過不足なく打てるようにワクチンを整備しないといけないということで、海外渡航者のワクチンガイドラインというものを作成しまして、四年前に出版しております。それから左側、日本内科学会も二年前に成人予防接種のガイダンスというものを出しまして、この中に海外渡航時のワクチンということで私、掲載させていただいております。  資料十一を御覧ください。  しかし、ワクチンがいろいろこんなガイダンスやガイドラインができて打てるようになったと申しましても、都市部はともかくとして、地方ではこういうトラベルクリニックというのがまだそれほど多くはございません。それで、近くにないとどうしても遠くまで行って打てるわけではないということで、学会として三年前からトラベルクリニックサポート事業というものを開始しております。  その内容は、全国に七人の委員を配置しまして、ホームページにトラベルクリニックの開設マニュアルというのを公開しまして、主に見学を受け入れる、トラベルクリニックをやりたいという医療機関の方を招いて見学、どういうものが必要か、立ち上げからうまくいくまでサポートする、こういう事業をやって、いろんな病院を受け入れて、そして開設をさせていく、こういうことを三年ほど行って、地方の方にでも、徐々にではありますけれども、トラベルクリニックというのはだんだん増えてきております。しかし、ワクチンとかそういったものはなかなか保険が利きませんので、そういったものがもう少し一般の方に安く打てるような、そういう対策づくりができるとなおこういったものは活性化されていくんではないかと考えております。  しかし、まだ問題がございます。それは、トラベルクリニックの多くは、今から外国に渡航しようとする方が渡航前に感染予防のために訪れているところであります。ところが、帰国後に感染症の診療ができる医療機関というのはそれほど多くないのが現状であります。  理由は明確でありまして、マラリアとかデング熱とか、そういったものに対する検査というのは限られた施設しかできませんけれども、そういうものに全く保険点数が付いていませんので、つまり病院の利益になかなかつながらない、あるいは専門家がいない。感染症の専門家自体は少ないんですけれども、国内で例えば感染症の専門であったとしても、海外に行くと感染症の種類が全く違いますので、たとえ国内で専門家であっても、海外から帰ってきた人の輸入感染症に対して専門性を持っているかどうか、それはまた甚だ疑問になるわけであります。  資料十二を御覧ください。  これは、以前私が所属しておりました長崎大学で国のCOEプログラムの支援を受けて行っていた熱帯感染症研修コースの案内を示したものであります。  コンセプトは、日本に存在しない、あるいは日本ではめったにない感染症を現地に連れていって見せると、そういう研修でありました。感染症の専門医を目指す、国内だけではなく輸入感染症にも対応できる専門医を目指す方々を現地に連れていって、フィリピンやタイに連れていって、日本で見られないような感染症を見せると、こういうコースを行っていたわけであります。フィリピンでは、日本でも死亡例が出ましたけれども、狂犬病を見ることができますので、日本で発生した狂犬病の診断にもこういった研修コースに参加した人たちが関わっていたわけであります。  こういった研修コースというのは、短期的に行うものではなくて、長期的な視野に立っていろんなコースをつくっていろんな国で行うようにする、それが感染症の専門家、輸入感染症にも対応できる感染症の専門家を育成するための大事なプログラムであるというふうに考えております。感染症は国や地域によって流行している病気が全く異なりますので、一か所だけに行ってそういったものを全てカバーできるというわけではございません。  資料十三を御覧ください。  海外渡航に関連した感染症対策の課題ということで、そこにまとめを記しております。  一、海外旅行者及び訪日外国人旅行者の急速な増加に伴い、旅行者が渡航先で感染症に罹患したり、国内では余り見られない感染症が持ち込まれるケースが増えているということであります。  二番目、海外旅行者の健康問題を扱う医療機関であるトラベルクリニックは、地方ではまだ少ないんですが、渡航医学会のトラベルクリニックサポート事業などのかいもあって、徐々にではありますけれども増加しております。  三、企業派遣による海外赴任者のトラベルクリニック受診は増加しており、感染症予防の意識は高くなってきているとは思います。しかし、短期の海外渡航者のトラベルクリニック受診はまだ少ない。自分でお金を払って来なくてはいけない人はまだ少ない。しかし、実際に帰国後感染症で受診する人の多くは短期の観光目的の旅行者でありますから、こういったところに啓発をする、あるいはこういった方がトラベルクリニックに受診しやすくするような方策が必要であると考えます。  四、海外旅行者が旅行前に受診できるトラベルクリニックは増えてきていますけれども、帰国後の感染症に対応できる医療機関は少ない。その主な理由は、先ほど述べましたように、輸入感染症に関わる検査の多くに保険点数が付いていないことや専門家が少ないということが原因であります。  五、輸入感染症に対応する医療機関への予算措置や専門家を育成するための海外研修制度を確立していく必要があると考えられます。  先日、今度、東京オリンピックをにらんで外国人診療ができる拠点病院を全国に増やしていくというようなことが示されておりますけれども、必ずしも感染症に対応できるところとリンクしているかどうかは定かではありません。地方でも、いろんなところからいろんな国際空港を通じて海外にどんどん出ていっているのが現状ですので、都市部ではなく地方でもこのようないろんな輸入感染症に対応できる医療機関が、可能であれば拠点病院のような形でもいいのかもしれませんけれども、いずれにせよ、そういった病院がどんどん増えていくような方策を望みたいと思います。  以上でございます。

丸川珠代自由民主党

○委員長(丸川珠代君) ありがとうございました。  以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。  これより参考人に対する質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

羽生田俊自由民主党

○羽生田俊君 今日はお三人の先生、大変お忙しいところ、ありがとうございます。私、自由民主党の羽生田俊でございます。去年まで日本医師会の方におりましたので、岡部先生には委員会で大変お世話さまになっておりました。ありがとうございます。  今のお話にも、いわゆる感染症に対応できる医療機関というものが非常に少ないということで、現在、特殊感染症の指定医療機関が三件、ベッド数にすると八床ですね。それから、第一種の感染症に対しての指定医療機関が四十四医療機関、八十四床ということですけれども、全国的に見ると九県には全くないという状況になっているということでございまして、その辺がどのように、今最後に渡邊先生がその辺のお話をされたんですけれども、今のこの感染症に対しての治療ができる医療機関、日本の状況を見て、先生はどのようにお考えになりますか、渡邊先生。

渡邊浩久留米大学医学部感染制御学講座主任教授

○参考人(渡邊浩君) ありがとうございます。  確かに、こういった感染症が発生したときにどこに入れるという場所は決まっておりますが、先ほど加藤参考人も言われましたように、そこには感染症の診療ができる方というのが必ずしも配置されていないというのが現状であるというふうに理解しています。  例えば、今の流行地であるリベリアから帰ってきて熱を出したということがもしあったとしても、その方というのは、エボラである可能性よりもマラリアの可能性の方が本当は高いんだと思います。そうしますと、そこに入って、そこで例えばエボラとして対応して、しかしそこではマラリアの検査、診断が、治療ができないというところでありますと、その方はエボラを疑われたけれども実はマラリアで、治療が遅れて下手すれば重症化したり亡くなられたりする、そういうことが可能性として起こり得る状況であると思います。  ですから、いろんな地方で配置されている、そしてそれは場所だけじゃなくて、そこにちゃんとした専門家がいて診療体制を築けるような、そういう仕組みをつくることが必要なんだというふうに考えております。

羽生田俊自由民主党

○羽生田俊君 ありがとうございます。  今、感染症の研修コースというお話がありましたけれども、一回に十名ということで、これは年に何回かやられるんでしょうけれども、これを今までの期間、十八年からやっているわけですから、結構多くの方が受講されているということで、全国に今七十数名とか、何か非常に少ない数が言われているんですけれども、これは登録をした数ということになるんでしょうけれども、実際にこの研修コースを受けた方、かなり多くいらっしゃると思うんですけれども、その辺、今どちらでどのように活動されているんでしょうか。

渡邊浩久留米大学医学部感染制御学講座主任教授

○参考人(渡邊浩君) ありがとうございます。  COEプログラムで五年、グローバルCOEプログラムで五年、計十年間、こういったコースを長崎大学では行っていたわけでありますが、そこで研修を受けられた方というのは、今、少し時間がたって成長しておられまして、例えば、今回、WHOで、加藤参考人もリベリアに行かれておりますけれども、和歌山医療センターの古宮医師、彼もこの研修に参加して、先月、リベリアにWHOの短期専門家として派遣されております。それから、いろんな感染症の病院病院で、それぞれ今中堅という形でいろいろ御活躍されている先生方というのがこの研修を受けた中には多数おられますので、それなりに非常に成果があったんではないかと思っています。  ただ、現在はもうそういった国の補助が期限付のために行われていないので、こういった海外研修制度というのは、現在いろんなところで多数行われているというわけではなくて、ストップしているのが現状であるということでございます。

羽生田俊自由民主党

○羽生田俊君 ありがとうございます。  研修もまた改めてしなければいけないのかなというふうにも思っておりますので、是非、その点よろしくお願いいたします。  それから、加藤先生がリベリアに行かれたということでございますけれども、先日、外務省からの報告では、多く今感染している三国の中でリベリアが一番死亡者が少ないんですね、割合的に。四〇%いかないぐらいなんです。それで、ほかの国は六〇%前後ということで、約半分ぐらいの死亡率になっているということで、今このリベリアの、何というんですか、いわゆる治療ユニットとかそういうのがある程度多いのかなとも思ったんですけれども、この辺は外務省でもよく理由が分からないということなんですが、先生、実際に行ってみて、ほかの国との差というものが、いわゆる公衆衛生上何かあるのかとか、治療法として何かあるとか、その辺どのようにお考えでしょうか。

加藤康幸独立行政法人国立国際医療研究センター国際感染症対策室医長

○参考人(加藤康幸君) リベリアで致死率が低いかもしれないというお話がありましたけど、私の印象では三国でそれほど大きな差はないんじゃないかなと思っています。  患者の数を数えたり、死亡者を数えたりするという疫学調査をするスタッフの不足ということもありますし、かなり今混乱の中で、特にリベリア、患者の急増が著しかったものですから、その辺りでカウントが不正確になっている可能性の方が高いんじゃないかなと思っています。本当に基本的なこと、マラリアの薬ですとか点滴などしかできていませんので、何かリベリアで特別治療を行っているということではないというふうに考えます。

羽生田俊自由民主党

○羽生田俊君 ありがとうございます。  岡部先生にお伺いしたいんですけれども、先日、ロンドン大学のピーター・ピオット先生という、武見先生が御招待していろいろお話を聞いたんですけれども、今、日本で水際作戦ということで熱を測る機械を置いて、あとは機内でのアンケート調査ということが主流でやられているわけですが、このピーター・ピオットさんにそれはどうかと聞いたら、ほとんど無意味だという回答があったんですけれども、SARSのときからそういったことが随分行われているわけですけれども、先生、この辺どのようにお考えになりますでしょうか。

岡部信彦川崎市健康安全研究所長

○参考人(岡部信彦君) 岡部です。ありがとうございます。  水際作戦で全てがストップできるというような考え方に基づけば非常に無駄が多いし、例えばサーモグラフィーのようなもので今までSARSが分かったとか、あるいは新型インフルエンザの発生が阻止できているという例は極めて少ないわけであります。しかし、ああいったようなものの設置によって、一つは一般の方への啓発といったようなこと、あるいは、私は、抑止効果が非常に大きいのではないか。しかし、そこで全てが解決できると思ってしまうといけないので、それがもし漏れた患者さんをどうしようか、中に入ったときに早く対応できる、これを同時並行にやっていく必要があるので、ある国では水際で全部国内に侵入しないんだというようなことが言ったり、かつて我が国でもそういったような議論があるんですけれども、無駄だとは思っておりません。  それから、新型インフルエンザ発生の際も成田で食い止めた事例がありますけれども、その後、我が国に流入しているのは一週間から十日の遅れがあります。その間にいろんな準備ができるという意味ではいいと思うんですけれども、ただ、繰り返しますけれども、あれにいつまでも頼っているという状況があると混乱になってしまうし、無駄も生じてしまうというふうに思います。  以上です。

羽生田俊自由民主党

○羽生田俊君 ありがとうございます。  私、医師会出身でございますので、全国の医師会会員のいわゆるネットワークでの感染症対策ということで、いろいろな研修会等々を行ってきました。  例えば豚インフルエンザがあったときに、アメリカではもう亡くなった方が出た、日本ではゼロという結果が出ているわけですね。そういったことが日本でのそういった全国での感染症に対する対策という意味ではかなり世界中の中でも随分進んでいる状況じゃないかと。特にSARSのときにいろんなネットワークを組んでどういうことをやるかと、研修委員会もやったりということでして、その後の鳥インフルや豚インフル等々でもそれを中心にやったわけですけれども、この辺の、いわゆる国内にもし入ってきたときの対応ということで、今まで岡部先生からいろいろとお話もいただいているので、その辺ひとつお聞かせいただければと。

岡部信彦川崎市健康安全研究所長

○参考人(岡部信彦君) ありがとうございます。岡部ですけれども。  ないものに対する準備というのは、なかなかそのイメージも膨らみにくいし、難しいとは思うんですけれども、しかし、感染症としてかなり共通の部分があるので、そういったような部分を、一つは、専門家としての医師集団は知識として共有する機会をつくらなくちゃいけないだろうと思いますし、その機会を積極的に利用していかなくちゃいけないと思うんですけれども、ただ、それはやろうやろうといってもできるものではないので、医師会の先生方、随分努力されておられますけれども、例えば私のいる川崎もそうですけれども、行政機関がやっぱりある程度音頭を取ってできるような状況、また、そういうものに参加できるということが可能な状況につくっていかないと、なかなか実際には聞きに行くのが難しいといったようなことができてしまうんじゃないかというふうにも思います。  ただ、今回、エボラもそうですけれども、こういうようなことは一つきっかけにして、足りないものを補っていくというようなことが将来にわたるステップアップに結び付くだろうというふうに思います。  以上です。

丸川珠代自由民主党

○委員長(丸川珠代君) 時間でございます。

羽生田俊自由民主党

○羽生田俊君 ありがとうございます。  時間が参りましたので終了いたしますけれども、今一番、私、心配しているのは、防護服が数が全く足りない状況で、もし日本に入ってきたときにどの程度のことが実際できるかなということで、またその辺も先生方から国に対しての御助言もいただきたいというふうに思います。  以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 おはようございます。民主党の足立信也です。  三名の先生方、本当にありがとうございます。皆さんやはり視点が違われておられますので、お一人お一人に質問をしていきたいと思います。  まず岡部先生ですが、非常に俯瞰的に感染症あるいはその前の伝染病からずっと流れをしっかり押さえておられると思うんですが、最近、世界がエボラを封じ込めようと必死で闘っている中で、日本が感染症法、この法改正を審議していないみたいな暴言を吐いている人がいるんですが、先生、率直にこの法案、大事なことはこれから言いますが、二十八年の四月一日施行がほとんどで、今日本にエボラが入ってきたら、この法改正はほとんど無関係だという認識でいるんですが、それでよろしいかどうか。それが一点目。  それから二点目は、今回の法改正のメーンはやはり情報収集。これ、要請、勧告、それから強制的な面も入ってきます。これがやっぱり一番大きい。そんな中で、検体は集めても処理できるところはあります。しかし、病原体は一体どこに集めるんだと先生も話をされていました。それから、BSL4の話ですが、先生が戸山におられたときに、感染研におられたときに、武蔵村山の住民の方にもかなり説明されたと思います。今クリアできていない状況はどこにあって、何が必要かと。絶対必要だと思うんですが、その点をまずはお聞きしたい。この二点で。

岡部信彦川崎市健康安全研究所長

○参考人(岡部信彦君) 岡部です。ありがとうございます。  なかなか難しい御質問なんですけれども、エボラが入ってきたらどうするかと。これは私は、むしろ未知であったSARSが入ってきたよりは、エボラの方がかなり理解ができている部分があるので、もちろん不明の部分もありますが、その対応としては専門側としてはある程度できることは、SARSよりはできるだろうというふうに思います。  ただ、それはやはり法律的な整備がないといけない部分があったりするのと、確かに緊急の場合にはそれを超えてやらなくてはいけないことがあるだろうと思いますけれども、感染症法においては一応エボラ出血熱も視点に入れたことはやっておりますのと、それから、SARSのような空気感染あるいは飛沫感染の形ではなくて、接触感染が主であるというようなところを十分に理解しながら進めていく必要があるだろうというふうに思います。そこは要は運用の問題で、できるだけ法律のバックアップというものは必要だというふうに私も思っております。  それから、検体を集めるということですけれども、検体ができて病原体が見付かるわけですけれども、それをきちっとライブラリーのような形で保存しておかないと、例えばエボラもそうですけれども、新型インフルエンザが発生して、それは一体十年前に我が国にあったかなかったのか、SFTSという新しい病気が中国で見付かったときに、それがあるかないかというのは、やはり常日頃からそういったような病原体の収集であるとか、あるいは患者さん方からいただいている血清であるとか、そういったものをきちんと保存しておいて初めて比較ができるだろうというふうに思いますので、そのライブラリーの仕組みを自治体ができて、それを統合するような感染研といったような連携は今後更に必要になってくるだろうというふうに思います。  それから、BSL4の問題がありますけれども、現在、エボラ出血熱の診断ができないというわけではなくて、これは遺伝子としてウイルスそのものをばらしてしまえばいいわけですから、感染性のないものに対する遺伝子診断というものは可能です。しかし、患者さんが今一体どういう状態に置かれているのかという、そのウイルスの物を見ていくこと、それから、診断だけではなくて、やはりウイルスがあって初めてその治療薬あるいは診断薬それからワクチン、それからその病気の解明であるという、そういう本当の基本的なところに行くにはやっぱり病原体そのものが扱える状況がなくてはいけないので、私自身はBSL4は日本にないのがおかしいというふうには思っております。  ただし、やはりそこを、住民の方への説明、私も、先生がおっしゃったように感染研にいたときにも随分行ったこともありますけれども、感染症は怖いんだというところからスタートしてしまうのがありますし、しかしそれには十分説得するだけの設備であるとか、あるいは時間も場合によっては必要でしょうけれども、特にこういうものは、国として必要であるという姿勢が動かないと実際には持つことができないのではないか。しかし、これは多くの国では、例えば先ほど加藤先生からありましたけど、病院のそばに併設しているとか、あるいは町の真ん中にすら置いておいて早く検査をするというようなことの重要性をどうやって、先ほどのそのバランスを考えるかですけれども、我が国において私は必要なもので、私も、できるだけそういうものについて協力できるところがあればしたいというふうに考えております。  以上です。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 ありがとうございます。  今ちょっとお触れになったんですが、加藤先生にお伺いします。  これ、新型インフルエンザとの一番の違いは、ウイルス量によるわけですけれども、潜伏期に感染しないと今のところ言われていますね。これはウイルス量に大きく依存しているからです。岡部先生もそれから加藤先生も、接触感染が主だとおっしゃるんですが、これ中間リスクで、九十センチ以内は中間リスクに指定されたですよね。  今一番気になるのは、変異も含めて、飛沫感染、エアロゾルの可能性もなくはないとさっきおっしゃいましたが、これ、飛沫感染してくる可能性、変異があるなしに関係なく、今まで一万三千人という患者さんの中で、本当に接触感染だけだと断言していいのかどうか。あるいは、やっぱり飛沫感染の可能性が出てきつつあるのかどうか。ここら辺はどうなんでしょう。

加藤康幸独立行政法人国立国際医療研究センター国際感染症対策室医長

○参考人(加藤康幸君) 飛沫感染の可能性ですけれども、私も現地で医療従事者の感染ということをちょっと聞き取りなどをしていたんですが、防護具を、マスクですね、サージカルマスクとグラブをしているんですけれども、激しく嘔吐をしているようなケースで感染しているというような事例を見たことがあります。  ですので、飛沫というとインフルエンザのように咳嗽で、ある意味、発症の前日ぐらいから感染するというような、そういうものとはまたちょっと違うのかなと思っています。非常に間近で体液が飛び散るような症状が出ている際に、割とその近くにいて、冷たいとか体液が掛かったという自覚がないんだけれども感染してしまうと、そういうようなケースはあるように思います。なので、インフルエンザのまた飛沫ともちょっと違うような印象を持っております。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 加藤先生も渡邊先生も私より若くて、随分期待するところがあるんです。  なぜかと申しますと、私、昭和五十七年卒です。二十世紀の医学の歴史って、感染症が最初にありましたけれども、その後、がんと移植ですね、二十一世紀になってきて脳と遺伝子というのが注目されてきているわけですが。私の頃は、大学の授業もそれから講座数も、それから感染症を選ぶ方もやっぱり非常に少なかった。それは、国家試験の出題数がかなり少なかったというのもあると思うんです。  若い先生方お二人というか、最後は渡邊先生なんですが、今、大学の授業の中での感染症、先生、長崎、久留米と経験されて、唯一ずっと大学ということですので、授業の数、それから入局者、感染症関係の、これがどう推移しているのか。今、私は昔よりも若干増えつつあるような気がしているんですが、そこは日本の教育の面での取組はいかが評価されているでしょうか。

渡邊浩久留米大学医学部感染制御学講座主任教授

○参考人(渡邊浩君) ありがとうございます。  私の経緯で申し上げれば、私はずっと感染症の臨床でやっておりましたが、八年前に久留米大学に移ったとき、それは元々基礎のウイルス学講座、これを臨床の方に変えようということで、そこに臨床医の私が呼ばれて行きまして、そして七年ほどそこで臨床の仕事をしながら徐々に増やしていきまして、今年度、完全に医局自体を臨床の講座、感染制御学というふうに名前を変えて、いわゆる感染症科のようなものを立ち上げられたということで、先生がおっしゃったような入局、入局というのは、今まで基礎系の講座に位置付けられていたので全然できなかったのが、ようやく今、入局者を募集できるようになりまして、今、勧誘活動を久しぶりにやっているところであります。  全国的には、少しずつ、先生が医学部におられた頃よりは少し感染症に興味を持って、専門医なんかもできたので、多少増えてきているんではないかなとは思いますけど、まだまだ、やはり感染症に行こうと思う人の数は、内科のスペシャリティーの中では相変わらずマイノリティーであります。  ただ、そのような形でいろいろ講義数を増やしたり、それから感染症というよりも感染対策、感染制御部、こういったものがいろんな院内感染対策としていろんなところで問題になっていますから、感染制御部自体は全国のほとんどのところで今はつくられています。そこをきっかけとしながら徐々に感染症診療も広げていこうと、そういう動きが今出てきているのが現状と考えております。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 大変参考になりました。ありがとうございました。

長沢広明公明党

○長沢広明君 公明党の長沢広明です。  今日は大変お忙しい中、参考人の先生方、ありがとうございます。  早速お伺いします。まず岡部参考人にお伺いしたいと思います。  岡部参考人は、厚生科学審議会の感染症部会の委員として、今回の感染症法改正の内容は五年ごとの見直し規定、これを受けて、厚生科学審議会の感染症部会で行われた検討が基になって、六月の部会の提言を条文化する形で改正案が作られたと、こういうような理解をしております。この感染症法は、昨今のこういう状況の中にあっても、とにかく一日も早く成立をさせて動かしていくこと、また、感染症に対する国のひとつ構えを更に強くしていくという意味でも大変重要な法案だというふうに思っておりますので、一日も早い成立を図りたいというふうに思っております。  ところが、六月の部会の提言を出された後にデング熱あるいはエボラと、こういうことで、感染症をめぐる状況はその後大変大きな変化をしております。直近の感染症の発生状況を踏まえて、今回の法案を早く成立させた上で、今後更に検討すべき課題というものがあるとお考えでしょうか。また、検討するものがあるとした上で、現段階でできることとして何が重要とお考えか、お伺いしたいと思います。

岡部信彦川崎市健康安全研究所長

○参考人(岡部信彦君) やはり病気、いろいろありますけど、感染症は非常に変化が早い、それから社会情勢によっても動く、人の動きによっても当然違うので、その対応は柔軟に構えていく必要があると思います。したがって、五年に一遍だからやるということではなくて、先生おっしゃるように、何か発生したときにはもう少し柔軟にそれに構えていくということは更に必要なことであろうと思います。  ただ、冒頭に申し上げましたように、五年に一度きちっと見直しをして新しいものをやっていくという、固定的に定期的にやっていくということも当然ながら必要だろうというふうに思います。  それで、今回、仮に法案が成立して、その後の次の課題ということで、もっと先のことになりますけれども、しかし、例えば検査機関が検体を収集する、検査ができるというふうにしても、それをどの程度人権に配慮しながらきちんと検査ができるのか。あるいは、その検査をやるところがどういう決まりに基づいて検査をやらなくてはいけないのか。あるいは、検査をやるという言葉自体は簡単なんですけど、その精度をどうやって確保していくか。そうすると、そこには人も必要なわけで、実際にはソフトの部分がこれからきちっとやっていただくということがやはり法案が成立した後に更に必要なことだろうというふうに思います。  殊に、感染症の診療に当たることを加藤先生あるいは渡邊先生からおっしゃっていただいたんですけれども、感染症の診療はもちろんでありますけれども、それは結局、ナース、看護師の問題であるとか、それから検査をやる担当の者、それから、私のところでいえば公衆衛生的な検査をやる、病院内ではないというところですね、そういう方々がきちっとした背景、裏付けを持って仕事ができて、正確な検査ができるということが必要だろうというふうに、全体の医療のバックアップということを考えていく必要があると思います。  それから、時間が長くなりますけれども、今回は情報ということが非常に話題になるわけですけれども、情報を私、取り扱ってきた側としては、やはり常に簡単にそれを入れていただいて、つまり現場の負担にならないような形の情報の入れ方、それから、それを分析するときにできるだけ早くできるというような、これ機械力に頼るわけですけれども、それを速やかにやっていくという仕組みをつくっていくのは更に更に必要だろうというふうに考えております。  以上です。

長沢広明公明党

○長沢広明君 ありがとうございます。  ちょっと今の岡部参考人の御意見に少し関連をしますけれども、岡部参考人、加藤参考人、渡邊参考人、お三方にお伺いしたいと思います。  この感染症法による措置というのは、感染の予防及び蔓延の防止を目的とすると、こういう性質上、入院措置あるいは就業制限、一定の人権制限を伴う場合が出てまいります。このため、感染症法にはあえて前文が設けられて、この中に、患者等の人権の尊重ということがあえてそこに書き込まれております。  そこで、お三方に、岡部参考人、今の御意見とちょっとかぶるかもしれませんが、いわゆる感染症対策の上で患者の人権を尊重するという点で、現場、それぞれお立場でどういう配慮が必要というふうにお考えでいらっしゃるかということが一点。  もう一つ、仮に、感染症では一類から五類、こういうそれぞれの類型に応じてとり得る措置が決められていると。何らかの感染症を一類から五類へ定める場合は、その感染力とかあるいは重篤性とか、こういうものを見極めて適切に位置付けるということが大事だと思うんですけれども、仮に、ある類型に位置付けた感染症について、後に知見が蓄積をされて重篤性とか感染力が低くなったと判断された場合は位置付けを見直しをすると、こういう必要があると思うんですね。こういう場合、専門家のお立場から、その位置付けの見直しについてどういう課題があるかということについてお考えをお伺いしたいと思います。  お三方、順番にお願いします。

岡部信彦川崎市健康安全研究所長

○参考人(岡部信彦君) 岡部です。ありがとうございます。  そこが一番重要なところだと私も思いますので、私の話の中でもバランスということを強調させていただきました。  やはり一度決まったものに対して非常に固定的な考えでやりますと、時には人権の方の侵害になりますし、また場合によっては、逆にそこを尊重し過ぎるがために、人々あるいは御本人の治療のための重要な情報が入ってこないということがありますので、そういったようなバランス感覚が、現場の医療機関あるいは行政担当者、それから、ここにおられる方々が決めるときにそのバランスをしっかり握っておく必要があるだろうと、私も常々反省しながらそういうことをやっております。  それから、位置付けでありますけれども、例としては、例えばSARSは当初一類でスタートしているわけですけれども、それは感染の状況等々から二類に落としたというような経緯があります。できるだけそういうような、特に新しい病気、あるいは古い病気でも新しい知見が加わった場合には柔軟に対応ができるというような仕組みをあらかじめつくっておくことが重要であろうと。一つのことをいつまでもその固定観念で使わない、あるいは決まっているからこうなんだというふうにやらないことが必要じゃないかというふうに思います。特に感染症は相手が変化していますから、それに対応する姿勢が必要だろうというふうに思います。  以上です。

加藤康幸独立行政法人国立国際医療研究センター国際感染症対策室医長

○参考人(加藤康幸君) 御質問ありがとうございます。  私たちは、感染症指定医療機関で実際に患者さんを受け入れる立場として、やはり人権といったものに注意を払う必要があるというふうに認識しています。  やはり感染症でも、最小限度の法則というんでしょうか、最小限度の措置を行うべきという条項も設けられていますし、患者さん、まず面会が入院するとできなくなってしまうということで、家族などとのコミュニケーションですね、テレビモニターを使ったようなシステムを考えて、できるだけ疎外感というのを軽減するような措置といったものを準備しています。また、入院の必要性について、例えば個人防護具を着て病室に入るということは非常に恐怖感を与えます。そういったことについても十分説明をして理解を求めるといったことを、協力を求めるという立場で十分な説明をしていくようにしています。  あとは、病院から患者さんの個人情報などが漏れないようにということで、この辺り、スタッフの情報管理というんでしょうか、この辺りもきちんとしていきたいというふうに、そういったところを実際受入先として注意をしているところであります。  あと、感染症の変化によって位置付けを見直すということですけれども、それも当然行われるべきことではないかなと思います。例えば一類感染症においてもいろんな出血熱が入っていて、あとペストという病気も入っています。ペストについては有効な治療薬があるんですね。抗菌薬がございます。そういったことで、一類感染症の中でも、その治療のしやすさですとか感染性の程度なども様々ですので、今後の知見などによって分類を変えるといったことも当然審議会などの場で検討されていい課題かと思います。

丸川珠代自由民主党

○委員長(丸川珠代君) 渡邊参考人、恐縮ですが、簡潔にお願い申し上げます。

渡邊浩久留米大学医学部感染制御学講座主任教授

○参考人(渡邊浩君) はい。  最初の方ですけれども、私、大学で感染制御部を担当していますので、個人の人権も大事ですけど、感染症というのは人にうつることがあるので、人にうつるようなもの、それが社会にどのような影響を与えるかということを考慮しながら対策をしないといけないと思ってやっております。特に、このような重要な病気で、うつったら大変なことになるというふうなときに、なかなか言っても分かっていただけないというときに、こういう法というのは重要ではないかというふうに考えております。  分類の見直しについては岡部参考人と同意見でございます。  以上です。

長沢広明公明党

○長沢広明君 終わります。ありがとうございました。

山口和之みんなの党

○山口和之君 みんなの党の山口和之でございます。  本日は、お忙しい中、こちらの方に出向いていただいてありがとうございます。  さて、日本はこういうことについては先進国だと、あるいは世界でも進んでいると思っているんですけれども、先ほど来、教育の問題、いろんな話を聞くと、医師になるときも、例えば自分の興味のあるところに行けるわけですね。感染症のところにどれだけの興味を持たれていらっしゃるかということを考えていくと、本当にトップレベルなのかということが非常に心配になるんですけれども、先進国の中でも進んでいると勝手に思っているんですけれども、それはもしかしたら各地の一握りのある場所のことをピックアップして言われているのかもしれません。  あるべき姿について、何というんでしょうかね、先進国と比較して、日本としてあるべき姿はこう、こういうところをもっと強化すべきだというところを、今度は渡邊参考人から、次に加藤参考人、岡部参考人に移っていただきたいなと思います。

渡邊浩久留米大学医学部感染制御学講座主任教授

○参考人(渡邊浩君) ありがとうございます。  先進国でありますと、いろんな病気が治ります。そうすると、日本の死亡原因というのは、今がんが一番、二番目が心疾患、三番目にようやく肺炎という感染症が出てまいりますが、非常に平均寿命も長くて、もう男性女性も合わせると八十年、人生八十年という、女性に至っては八十六ですかね。これが途上国に、例えばアフリカなんかへいきますと、平均寿命が五十を切ると。こういったところでは、マラリアであったりエイズであったり、感染症で亡くなっている方が多いわけですね。ですから、先進国だと皆さんの脅威というのはやはり人が亡くなるような病気の方に移行して、途上国では逆に感染症で亡くなる方が多いから興味はむしろ感染症の方に行くと、こういった違いは出てくるんだろうと思います。  ですから、先進国である日本において感染症の専門家を増やさないといけない理由というのは、人は今グローバルになって、いろんなところに出かけていくと。狂犬病だって、日本にはもう、法律を作ってなくしたわけですけど、一歩外に出れば幾らでもある。そういったことの脅威を忘れているから、八年前のように、外国で犬にかまれてワクチンを打たずに亡くなるというふうなことが起こってしまうわけですね。  昔は日本にだってあったものが、なくしてしまったからみんなの意識が低下しているということがあるわけですから、やはり感染症は、そういう意味で、グローバル化していろんなところに出かけている現状では、やっぱり専門家を育てていかないといけない。そういう若い人たちを育てるためには、やはり海外研修制度なんかがあると若い人は魅力を感じて、それで集まってくる、そういうためにああいったプログラムを進めていただくことは非常に意味があるものだというふうに考えております。  以上です。

加藤康幸独立行政法人国立国際医療研究センター国際感染症対策室医長

○参考人(加藤康幸君) 先進国の中でということで、私の発表の中でも述べましたけど、例えばヨーロッパの方のこういう出血熱を診る医療施設、行ってきますと、やはり底の厚さというんでしょうか、幅の広さですね、アフリカの病気に非常に詳しいドクターが非常に多くいます。現地にしばしば行って、アフリカなどで共同研究をしているような臨床医がたくさんいるんですね。  そういった状況を見ると、やはり我が国というのは、特にアフリカについて距離的に非常に遠いという問題もありますけれども、基礎レベルでは非常に高いレベルを維持していると私も思っていますけれども、特に臨床というか、患者さんのケアの部分、治療とかを担当する医師の間で途上国の病気について詳しいというんでしょうか、そういう医師はほかの先進国に比べると非常に少ないと、そこは課題ではないかなというふうに考えます。

岡部信彦川崎市健康安全研究所長

○参考人(岡部信彦君) 岡部ですけれども、医療そのものの技術であるとか機械力であるとかはかなり進んでいると思うんですけれども、それを日本の場合にちょっと欠けているなと思うのは、やはり情報の収集、今日の話題にもありましたけれども、いかに情報を科学的に収集して分析をして、しかもそれを広く発表していくかという点では、先進国の中ではやや劣っているような部分があると思います。  それは私がいたところの責任でもあるんですけれども、例えば中国や何かでも、十年前、十五年前はインフルエンザのサーベイランスのことを説明をしに行っていた側だったんですけれども、昨今の中国のCDCはそれに対して世界のトップレベルに躍り出ている、それに対して相当な力を入れているというようなところがございます。それから、ある感染症が発生したときの対応の、台湾の例なんかでは、SARSの発生を機会に一気にそれを切り替えているといったようなところがあって、確かにトップレベルの部分はないことはないんですけれども、後れを取ってしまうような危惧がございます。  それと、先ほど来申し上げましたように、研究と基礎的な部分の努力というものを更に続けていかないと、地に足がついていないような状態になるのではないかというふうに思っております。

山口和之みんなの党

○山口和之君 ありがとうございました。  やはりある程度、お任せではなく、国を挙げてそういう体制をつくっていかなきゃいけないというお話は三人の参考人の方々から読み取れたところでございます。    〔委員長退席、理事福岡資麿君着席〕  加藤参考人の方にお伺いしたいんですけれども、先ほども出てきましたけど、先進主要国の準備状況ということで、一類の専用病棟なんですけれども、病床ですけれども、四十五か所日本にはあるといいながら、ほかの国、いわゆる先進国と言われているところは本当に少ないですね。だから、その分、少ないんだけれども、地域の、全国津々浦々に体制がしっかりしているのか、その辺の読み取りのところをもう一度お伺いしたいんですけれども。

加藤康幸独立行政法人国立国際医療研究センター国際感染症対策室医長

○参考人(加藤康幸君) 英国ですとかドイツなどの状況を見ますと、患者の移送、患者さんが発生したときにその専門病院まで運ぶ体制とセットにして考えています。あとは、患者さんを実際にきちんと治療したいということになりますと、例えば血液の検査も毎日していかないといけないと。例えば病院の検査部などですと、なかなかそこまで安全性の高い施設を持っていないということで、BSL4といった安全性の高い実験室で患者さんの経過観察にも必要な検査を行う必要が出てくるといったようなことを基に、BSL4実験室のそばに病院を置くというような発想があります。    〔理事福岡資麿君退席、委員長着席〕  あと、年に一例ぐらいなんですね、先進国で。今回の事例は非常に想定外といいましょうか、異常な事態ですけれども、これまで出血熱は年に一人先進国に入ってくるぐらいと、非常に頻度が低いものですから、ドイツもかつては十三か所だったかと思うんですけれども、六か所にして、今後は三か所にまで減らすという構想もあるようなんですけれども、やはりこれを維持するコストの問題、その辺りのバランスを多分国の中で議論して、移送とセットで、かえって数を減らして集約してそこにスタッフを充実させる、それが一番効率的だというふうに判断をしているんではないかというふうに思います。

山口和之みんなの党

○山口和之君 ある程度の体制、地域の中で、地域というか、最初からそこに行くわけではなく、いろんなところを経由して行くわけですから、そこでの体制がしっかりしていなきゃいけないとは思うんですね。  そこで渡邊参考人さんにお聞きしたいんですけれども、診療報酬を付けていく、あるいは誘導策、いろいろあるんですけれども、こういうことを広げていかないと、全国にどれぐらい専門医のドクターが必要で、まあボリューム感ですね、そういう体制をつくっていくことが重要なのか、是非教えていただきたいなと。

渡邊浩久留米大学医学部感染制御学講座主任教授

○参考人(渡邊浩君) ありがとうございます。  今、エボラとか特殊な感染症が非常に注目されていますが、輸入感染症として入ってくる例えばマラリアとかデング熱、特に我々が脅威に感じているのは実はマラリアで、これは治療が本当に遅れると、やはり死に至る病であります。  こういった熱が出て病院に行くというときに、例えば地方から、九州や北海道から東京まで出てくるというのはやはりなかなか現実的ではないし、症状があって具合が悪い方が病院に行けるようにするということになると、やはり県に一つぐらいはそういう輸入感染症に対応できる、最低県に一つはそういうものがあるというのがやっぱり望ましいんではないかというふうに、どこにいてもそういうことができる医療機関が県に一つはやはりあるべきだというふうに個人的には思っております。

山口和之みんなの党

○山口和之君 どうもありがとうございました。参考になりました。

東徹維新の党

○東徹君 維新の党の東徹でございます。  本日は、三人の参考人の方にお忙しいところお越しいただきまして、ありがとうございます。  早速質問をさせていただきたいと思います。  まず岡部参考人にお伺いしたいというふうに思うんですが、私も一度、二〇〇九年の新型インフルエンザのときのことをよく覚えておりまして、当時、私、大阪なんですけれども、大阪でも新型インフルエンザが大変流行いたしました。そんな中で、このままでは大阪の機能が麻痺するんではないのかというふうな危機的なことを感じたわけなんですね。それは、患者が発生するたびに学校を休校したり、イベント、行事等をどんどんどんどんと自粛していったり、このままだと都市機能が麻痺していくんじゃないだろうかというふうな思いをいたしました。  そんな中で、当時、厚生労働大臣に、新型インフルエンザの対応、自宅療養とかそういったことに、軽症であれば入院ではなくてというふうなことで、このままだと入院患者がどんどんどんどん増えていくというふうなこともありましたので、軽症だったらば自宅でというふうなことで、当時、厚生労働大臣の方にその見直しを求めたということがありました、都道府県としてですね。  今回の法では、感染症に関する情報収集体制の強化ということであるんですけれども、それだけではなくて、もちろんそこも非常に大事だと思うんですが、厚生労働省との何かそういう対応としてもっと具体的にやってほしいものとか、そういったものというのがまだまだあるんではないのかなというふうに思うんですが、その辺のことについてお聞かせいただければ有り難いなと思います。

岡部信彦川崎市健康安全研究所長

○参考人(岡部信彦君) 感染症に携わる専門家側の意見としましては、何かしらのそういう変化をさせるときに、あるいは早く変化をしなくちゃいけないときに、エビデンス、その時点での事実、科学的な事実に基づいたものについて十分に参考にして決めていただきたいというふうに思います。  つまり、ただ一人の専門家という意味ではもちろんないので、専門家の集団による意見ということを尊重していただいて科学的に変化をする必要があると。ただ、もちろんいろいろな、先ほどの経済的な効果等々がありますので、最終的には行政的な、あるいは先生方の判断ということがあるでしょうけれども、その材料になるのはやはり科学的なエビデンスであるというふうに思います。そういうことの科学的な情報を得るということが、私たちの方としては提供するということが必要だろうというふうに思います。

東徹維新の党

○東徹君 ありがとうございます。  もう少しちょっとお聞きしたいんですが、今、川崎市の健康安全研究所の所長をやられているということなんですが、万が一、川崎市内で、例えば神奈川県でもいいと思うんですけれども、エボラが発生したときの対応策というのはどの程度考えておられるのか、お聞きしたいと思います。

岡部信彦川崎市健康安全研究所長

○参考人(岡部信彦君) 岡部です。  そこは市の方の説明になっちゃうんじゃないかと思うんですけれども、川崎市は特殊あるいは一種の指定医療機関を持っていない政令指定都市なので、その場合は神奈川県にお願いをすることになるというふうに思います。  ただ、それに対して、私は、医師会の先生方あるいは市の担当者に研修会をやったり、あるいは、どういう病気であるのかという説明会、それから地元のメディアの方に対する説明というようなことはやっておりますけれども、それは一市、一地域だけの問題ではなくて、やはり国全体の問題としての連携が必要じゃないかというふうに思います。

東徹維新の党

○東徹君 ありがとうございます。  続きまして渡邊参考人にお伺いをしたいと思うんですが、久留米の方での取組とかいろいろとお聞かせをいただきました。  特に久留米だと、エボラについてなんですけれども、東京と非常に離れているというふうな問題があるかと思います。大阪でもそうなんですが、もし疑いのあるような患者さんがおられた場合、その検査のために、恐らく検体を東京の国立感染症研究所まで送られるというふうになると思うんですけれども、久留米だと非常に遠いと思うんですが、その辺のところの対応とかはどのようにお考えなのか、ちょっとお聞かせいただければと思います。

渡邊浩久留米大学医学部感染制御学講座主任教授

○参考人(渡邊浩君) ありがとうございます。  福岡県には四つの医大がございます。九州大学、福岡大学、久留米大学、そして産業医科大学と。福岡には一種の指定医療機関が民間の、民間の病院というか、福岡東医療センターというところが担うことになっておりまして、大学病院ではございません。  そこは、先ほど加藤参考人が現地での診療体制というのを少し提示されましたが、医師が三交代。そうすると、一日診療するだけで医師が三名以上、それから看護師はもっと要ると。そこにいる感染症専門の医師の数というのは二名か三名しかいないと。これではとても、一人たとえ入ったとしても医療ができないということになりますので、今我々は福岡県として県の感染症危機管理委員をしているんですけれども、四つの医大、大学で感染制御に携わっている人間が、患者さんが実際に入ったらそこに我々が出向いていって、そしてサポートする、そういう感染制御のトレーニングを受けた医師や看護師をそこに派遣していってそこで診療する。そして、大学としてはやはり高度医療を必要とする人の機能を落とさないでできるように、そういうふうに機能分化してサポートして、そこでの二次感染あるいは市中に拡散する、こういうことを防ぐということを今取組をやっているところであります。検体輸送もその範疇の中に入っております。  以上です。

東徹維新の党

○東徹君 ありがとうございます。  もう一点お伺いさせていただきたいと思うんですが、今日いただいた資料十三のところに、輸入感染症に対応する医療機関への予算措置や、専門家を育成するための海外研修制度を確立していく必要があると考えられるというふうなお話でありましたけれども、特に医療機関への予算措置というところなんですが、どのような具体的に予算措置を求めておられるのか、具体的にお聞かせいただければと思います。

渡邊浩久留米大学医学部感染制御学講座主任教授

○参考人(渡邊浩君) ありがとうございます。  間もなく渡航医学会で、帰国診療ができる医療機関、我々から見ていろんなマラリアとかデング熱にも対応できるということを最低条件にリストを公表することになっておるんですが、全国でそういうことができる医療施設が非常に少ない。しかし、そういう、できるというところに声を掛けてホームページに公開するということを許可してもらえるかということをお尋ねすると、載せてほしくないというところも少なからずあるんですね。そういう人たちがやっぱり来られることが逆に病院にとってデメリットに考えられていると。  ですから、ここに書いてあることの意味というのは、少なくとも、マラリアとかデング熱の今診断キットというのはある程度あるんですけど、そういうものにやはりまず保険点数をちゃんと付けていただいて、そして、さらに輸入感染症を診るということに対する、そういった体制をきちんと取っているところには、例えば今、院内感染対策として感染防止対策加算というのは一人当たりの患者さんから五百点、四百点プラス百点で五百点、我々の病院はいただいているんですけど、そういう患者さんを診るごとにそういうプラスの点数が付くというふうな、病院にそういった患者さんを診ることによってちゃんとメリットがあるということを示すということができるところがちゃんとそういうものに乗っかってくれる、公表して、どんどんそれは来てくださいということにつながるんだろうというふうに考えているところです。

東徹維新の党

○東徹君 ありがとうございます。  最後に加藤参考人の方にお伺いしたいと思うんですが、今回のエボラで日本としてなすべき支援というのはどんなように考えられているのか、海外に対してもなんですが、海外に対してどのような支援というのを、なすべき支援というのは考えられるのか、その点のところをお聞かせいただければと思います。

加藤康幸独立行政法人国立国際医療研究センター国際感染症対策室医長

○参考人(加藤康幸君) エボラが国内に発生しないためには、やはり現地での流行を抑えるということが最重要なのかなと思います。日本で人材がその点で必ずしも多いわけではないんですけれども、やはりこれまで、渡邊先生もお話しされていたように、感染症に関心を持って、こういう海外の病気の調査ですとか、そういう診療に関心を持っている比較的若い専門家がいますので、そういう方を世界保健機関の下でやはり派遣していくといったようなことは是非国としてもやっていただきたいなというふうに思っています。  あとは、やはり個人防護具のようなものですね。そういうものはすぐなくなってしまいますので、もう幾らあっても足りないというような状況だと思いますので、そういう物資を、やはり向こうの使い勝手が良いものというんでしょうか、国境なき医師団はこういうものを使っているとか、いろいろそのユニットによって少し差があったりしますので、そういう細かい情報を入手して、ふさわしい、現地ですぐ使えるものを送っていく、そういったような支援がまずやりやすいというんでしょうか、まず取りかかるべきことかなと考えております。

東徹維新の党

○東徹君 ありがとうございました。

小池晃日本共産党

○小池晃君 日本共産党の小池晃です。  三人の参考人の皆さん、本当にありがとうございました。  まず岡部参考人にお伺いしたいと思うんですが、先ほどからも議論あるんですけれども、感染症法案というのは、九八年に制定の議論をしたときも、やっぱり人権とそれから公衆衛生とのバランス、医療とのバランスをどう取るのかということがずっとテーマになってきた問題です。  私は、新しい感染症に対する法的整備が必要だとは思うんです。ただ、今回の法案の中で、検体採取の勧告そして強制的な採取という、そういうことが入っております。先ほど岡部参考人は、SARSのときの例を挙げてそういう措置が必要なんだというふうにおっしゃったんですが、更に突っ込んで、なぜそういう措置が必要なのかということについて御説明をいただければと思うのと、やはりあくまで医療ですから、これはもう根本はインフォームド・コンセントというか、同意を得て採取をするということがなければ、その後の医療の継続にもやっぱり支障を来すと思うので、あくまで基本は同意だと思うんですが、しかし、そういう中でもやっぱりこういう措置が必要だというふうに提言されたことについて、是非御説明いただきたいと思います。

岡部信彦川崎市健康安全研究所長

○参考人(岡部信彦君) 岡部ですけれども、ありがとうございます。  やはり基本は、医療というのは、患者さんとそれから医療をする側との信頼関係がないとできないので、そこに対してインフォームド・コンセントを取り出すまでもなく、きちっとした医療が前提になるというふうには思うんです。  ただ、緊急時のときに、なかなかその信頼関係ができていないときに動かさなくちゃいけないというのが医療の現場の恐らく悩みだと思うんですけれども、先ほど加藤先生もちょっとおっしゃっていたと思うんですが、実際は通常の場では、そういう、強制とかやらないとという法律を持ち出す必要もなく検査ができ、あるいは治療ができるというのが通常だと思うんですけれども、どうしてもできないというときには、やはりそこには、その方の治療とそれから周囲の方の保護と、それから大衆に広がっていくときのことを考えた場合には、やはり何らかのルールがないと、医療の現場としてはそのまま放っておくわけにはいかないだろうというふうに思います。  そこが、強制という言葉は非常に良くない言葉だと思うんですけれども、何らかの裏付けで同意をできるだけいただけるような仕組みをつくっていただきたい。あくまで同意はどんな場合でも前提だというふうにも思います。そこから後は運用の問題になってくると思います。

小池晃日本共産党

○小池晃君 今回の法制度というのは、やっぱり同意をいただくために必要な法的な整備をするという理解かなというふうに思うんですが、よく分かりました。  加藤参考人にお伺いしたいんですけれども、今アメリカで、エボラ出血熱の治療に当たって帰国した医療従事者が、その症状がないのに患者と接したということのみをもって行動制限みたいなことがあって、いろんな議論を呼んでいると思うんですね。  先ほどのお話にあるように、やっぱり潜伏期間はウイルス量も少ないわけですから、幸いなことに。症状がない場合にこういうことをしてしまうと、やっぱり海外で支援しようという思いにも障害にもなるのかなというふうに思っていまして、やはり人権を制限するような措置をとる場合、いろんな疾病がありますから、それは疾病によって違う場面あると思いますけれども、少なくともエボラについて言うと、やっぱり症状がない段階で一定の制約をするということは、私は余り合理性ないんではないかなというふうに思うんですが、我が国でやっぱり今後やる場合に、その点はしっかり考えていく必要があるんじゃないかなと思うんですが、いかがでしょうか。

加藤康幸独立行政法人国立国際医療研究センター国際感染症対策室医長

○参考人(加藤康幸君) 私も同感でして、支援者が症状がないままで隔離のような状態になるのはやはり科学的根拠も乏しいと思いますし、やはり支援に行く方のやる気をそぐというんでしょうか、そういう面が大きいんではないかと思います。やはり、潜伏期が三週間ですので非常に長いわけでして、その間、特に隔離をする必要はないと思います。  ですから、アフリカに派遣するということは、感染のリスクは決してゼロにはできないと思うんですね。支援に行っていて、防護具を着ていても感染してしまうことというのはゼロにできない、そういうところを国民としても理解しつつ、支援者を是非応援する立場で支えていただきたいというか、私、実際アフリカに行った立場としましてはそういうふうに感じております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 ありがとうございます。  それから、先ほど日本が支援すべき中身ということで加藤参考人に質問あったんですけど、ちょっと振り返ってみると、このエボラというのは何も最近出てきた病気でも何でもなくて、「ホット・ゾーン」なんという小説ももう二十年ぐらい前にあって、元々分かっていたわけですよね。  このアウトブレークになる前にもっとやっぱりやるべきことあったんじゃないかなというふうに思うんですけれども、その点、現地に行かれて、医療の面での支援だけじゃなくて、先進国、とりわけ日本がああいった西アフリカの本当に最貧国と言えるような国に何をやっぱりやるべきだったのかというか、これからもそうだと思うんですが、実際現地に行かれて、こういう支援が、かなり何か因習的なものというか、亡くなった人をハグする習慣があって、それによって感染するとか、病気に対する理解が広がっていないとか、いろんな問題があるというふうに聞いていますけれども、何かもっとこんなふうになる前にやるべきことがあったんじゃないかと私は思うんですが、その点いかがでしょうか。

加藤康幸独立行政法人国立国際医療研究センター国際感染症対策室医長

○参考人(加藤康幸君) 私も、五月と八月、五月に行っていたときには、リベリアではもう患者さんが発生していなくて、やはりこれまでと同じようにこのまま対策を続ければ収まるというようなちょっと楽観視した考えが現地でもございました。それは事実だと思うんですね。ただ、五月頃というのは、今回改正で審議されているMERSですとかあるいはポリオといったようなほかの課題が重要視されておりまして、ちょっと世界保健機関の関心というのも若干ほかの感染症に、これまでエボラというのは大体数百人で収まっていたので、このままいけば収まるだろうというようなムードというんでしょうか、それがあったように感じております。  日本としましては、アフリカで、例えば二国間で協力できることというのはやはり限られているのかなと思いますので、そういうときに、何というんでしょうか、注意喚起というんでしょうか、世界保健機関の枠組みの中でもう少しエボラに対策を強めるというような何か助言というんでしょうか、ちょっと私の方ではそれぐらいしか思い浮かばないんですけれども、五月の状況というのはやや現在の事態を想定していない、そういうムードがあったのは事実だと思います。

小池晃日本共産党

○小池晃君 ありがとうございました。  それと一点、ちょっと確認したいんです。  先ほど、最初のお話の中でエアロゾルによる感染の可能性ということがあったんですけど、先ほどもちょっと議論ありましたけど、これはもう体液を広範にまき散らすような状況の中で濃厚に接触した場合の話ということで、一般的な飛沫感染とやっぱり違うということだと思うんですが、その点について一応確認をさせていただきたいなというふうに思います。

加藤康幸独立行政法人国立国際医療研究センター国際感染症対策室医長

○参考人(加藤康幸君) 特に医療行為をするとか、エアロゾル発生手技というのは、SARSのときに気管挿管ですとかそういったことで、体液が飛び散りやすい、そういったときに、冷たいとかそういう五感で感じないような接触においても感染するということで、市中でそういうことが軽々起こるというふうには考えておりません。

小池晃日本共産党

○小池晃君 ありがとうございました。終わります。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。  今日は、三人の専門家の方、お忙しい中、本当にありがとうございます。  まず初めに加藤参考人に、いただいた資料に「先進国における一類感染症の発生状況」というのがあるんですが、非常にまれというか少ないというふうに私はこれを拝見して思いまして、ということは、先進国において割とこういう感染症に関する対策は成功しているという理解でよろしいんでしょうか。  それと第二点目は、これは非常に素人的で、専門家に申し訳ないんですが、アメリカにおける対応の報道を見て、やはり人権上の観点からいかがかと思っているんですが、なぜあんなに非常に隔離が強まったのか、そこは専門家としてどう見ていらっしゃるでしょうか。  二点、お伺いします。

加藤康幸独立行政法人国立国際医療研究センター国際感染症対策室医長

○参考人(加藤康幸君) ありがとうございます。  まず一点目の、一類感染症の発生がこれまで非常にまれであったということであります。  これは対策が成功しているかどうかということなんですけれども、元々この一類感染症というのは発生が非常に少ない疾患であります。ラッサ熱は、西アフリカで今ちょうどエボラが発生している地域で、流行地が重なるんですが、ラッサ熱は実際は年間数万人の患者さんが出ていると推定されているんですが、非常に田舎の方ですね。ウイルスを持っているのが齧歯類でして、そういった動物との接触がないとなかなかかからないということで、一般の旅行者が感染することは非常に少ないということで、感染する方が少ないので実際輸入症例も少ないということで、必ずしもそれは対策のせいというよりも、元々かかりにくい病気なんだということが理由ではないかと思います。  二点目の、米国の支援者に対する隔離については、やはりエボラという病気は、これまでも、一九七六年に発見されて、こういう病気があるというのは分かっていたんですけれども、やはり致死率が高いですとか、そういったところで若干パニックというんでしょうか、そういうところがあるのかなと思います。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 岡部参考人にお聞きをいたします。  私も、資料でいただいた「感染症対策には、常に適切なバランス感覚が必要」で、大衆、公衆衛生と個人のバランスのところが一番今回の感染症の改正法案で気になるところです。基本的に同意を得るとしても、同意を得られない場合もあるかもしれない、あるいは、本人が嫌ですと言って検体の提供を明確に拒否した場合に、一体これはどうなるのかという点について、いかがでしょうか。

岡部信彦川崎市健康安全研究所長

○参考人(岡部信彦君) 私は運用の問題だというふうに先ほどから申し上げているんですけど、私の考えとしては、やはりどうして必要なのかということを説得していただいて、それが第三者的に納得がいけるものであるならば許されるものではないか。しかし、第三者的に見ても、これはどうしても興味であるとかあるいは心配だというだけの問題であるならば許されない。つまり、個人の拒否というのがオーケーになることもあり得るんだろうと思いますけれども、基本的にあるのは、あくまでやっぱりその人が早く診断をされて、できれば快方に向かうように、それから、繰り返しますけど、周辺の方、ひいては広いところへの広がりを防ぐ、そのために必要な検査であって、この人をポイントアウトするものではないというふうに思うんですね。  ただ、それを余り、面白おかしくと言うとあれですけれども、個人の病気ということに視点を置き過ぎると個人の人権の侵害になる、これは過去の歴史がいろいろあったんじゃないかというふうに思います。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 検体というか、その人から血液なり検体をもらって、その目的外使用と目的内使用というのはどう考えたらいいのか。例えば、もしもその人がある感染症であれば、ワクチンを作るとか対応するというのは必要かもしれないし、重要かもしれない。つまり、本人に検体を提供する場合の同意がある場合、ない場合。それから、同意があったとしても、その検体の目的内使用と目的外使用、その線引きをどう考えたらいいのか。あるいは、本人の連絡取れないけれども、その検体を使って大急ぎでワクチンを作った方がいいという場合もあるかもしれない。かように極めてシビアな状況というのはあり得ると思うんですが、とりわけ目的外使用、目的内使用、本人の同意という点についてはいかがでしょうか。

岡部信彦川崎市健康安全研究所長

○参考人(岡部信彦君) 現在でも、それはもう常に両方の点を抱えているんですけれども、例えば通常の場合でも、検体を公衆衛生の私のところで預かるときでも、目的外使用していいかどうかということをお尋ねするように現場の方にお願いをしています。つまり、その場だけの診断に使うものなのか、あるいは、個人情報には関わらないけれども、これを後でワクチンの材料に使う研究にしていいかとか、あるいは過去に振り返ったときにその病気があるかないかということを見るために使っていいかどうか、そういう目的外使用というのは個人の方にお尋ねをした上でオーケーのものについて取ると、それが私は病原体の収集ではないかというふうには思っています。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 岡部参考人に、そのときに本人の同意があったかどうかを明確にするために承諾書を必ず取るとか、そういうことについてはどうお考えでしょうか。

岡部信彦川崎市健康安全研究所長

○参考人(岡部信彦君) それは必要なものだろうというふうに思います。ただ、それをできるだけ簡素化していかないと、緊急事態において医者が一生懸命やっているときに全部やらなきゃいけないというのは実際には不可能な場面も多いので、そこをいかにきちっと、なおかつ簡便にやるかということが課題だと思います。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 今日、渡邊参考人とそれから加藤参考人にそれぞれ課題と提言についていただきました。  まず加藤参考人に、最後の課題のところで三点言っていただいていますが、とりわけ医療機関の活性化ということなどを提案していただいております。その点についていかがかという点と、それから渡邊参考人に、診療報酬やいろんな点も提言されていらっしゃいますが、お二人にそれぞれ国会に対して提言というのを是非お願いいたします。

加藤康幸独立行政法人国立国際医療研究センター国際感染症対策室医長

○参考人(加藤康幸君) ありがとうございます。  第一種感染症指定医療機関の活性化ということで、ふだんやはり特に地方の、都市部の医療機関ですと旅行者の患者さんを診る機会も多いんですが、海外渡航者の少ない地方になりますと、ふだんから外国から帰ってきた患者さんというのを経験していませんので、そこにいきなり西アフリカのエボラと言われても、非常にふだんの診療とギャップがあるということで、ふだんからできるものとしては、例えばアフリカに行く方ですと黄熱の予防接種を受ける機会が多いんですね。今検疫所ですけど、一部医療機関、私どもの病院も含めて予防接種ができるようになっています。  そういったことで、アフリカの旅行者にふだん触れる機会があると、アフリカの病気への助言といったような、そういったふだんやっている診療に厚みが出てくるということで、是非、そういうふだんの活動の場、なかなかこういうアウトブレークのときだけ活動するというだけでは難しいので、ふだん何かそういう疾患に関わることをやるべきだというふうに考えます。

渡邊浩久留米大学医学部感染制御学講座主任教授

○参考人(渡邊浩君) 予算を付けるというのは、やはりこれは国でしかできないことでありますのでこういう提言をさせていただいておりますが、先ほど申し上げたように、ふだんから輸入感染症に対応している医療機関というのは少ないけれど、決して病院としては喜んで今できていない状況にあります。先ほど、保険点数を検査とかに付けてほしいとか、患者さんを診るごとに診療報酬を付けてほしいというようなことを申し上げましたけれども、可能であるならばやはりそういった、少なくとも県に一つそういう医療機関を置いて、そして、そういったのは例えば熱帯希少薬の研究班のようにグループ化して、ちゃんとネットワークをして、年に一回か二回は集まって情報共有できるような機会を設けて、そういったところの人たちが、ちゃんといろんな共通の危機意識、それから問題を解決してまた上に上げていけるような、そういう仕組みをつくるとなおいいんだろうと私は思っています。  重ねて申し上げますけど、医療機関が喜んで輸入感染症に対峙できるような、そういう環境をつくっていただければ有り難いと思っております。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 どうもありがとうございました。

丸川珠代自由民主党

○委員長(丸川珠代君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人の方々には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。(拍手)  午後一時に再開することとし、休憩いたします。    正午休憩      ─────・─────    午後一時開会

丸川珠代自由民主党

○委員長(丸川珠代君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、森屋宏君が委員を辞任され、その補欠として豊田俊郎君が選任されました。     ─────────────

丸川珠代自由民主党

○委員長(丸川珠代君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省健康局長新村和哉君外十四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

丸川珠代自由民主党

○委員長(丸川珠代君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

丸川珠代自由民主党

○委員長(丸川珠代君) 休憩前に引き続き、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

西村まさみ民主党・新緑風会

○西村まさみ君 民主党・新緑風会の西村まさみでございます。塩崎大臣になられまして初めての質問ということで、大臣、どうぞよろしくお願いをいたします。  まず冒頭、午前中、足立議員も少し触れられていましたが、感染症対策についての重要性、この法案の改正もそうですし、エボラ出血熱がこれだけ全世界に蔓延している中で、大変重要な法案の審議だと私たちは思っています。  今までも臨時国会が始まってから、丸川委員長の御采配の下、定例の火曜日、木曜日と常に審議に応じ、そして真摯に議論を重ねてきたところでありますが、残念ながら、そうではないかの発言が世の中にはびこっている、これも事実でありまして、大変残念であり、遺憾であります。しかし、特に感染症に関して誤った情報を流すということは、これは国民も非常に不安になる大きな要因になると思いますので、これから与野党の壁を越えてしっかりと今日一日議論をさせていただきたいと思いますので、改めまして、大臣始め厚生労働省の皆様、よろしくお願いをいたします。  まず、この法案についてお尋ねしたいところですが、このいわゆる法律改正案そのものに対して反対するようなものではありません。しかし、今回、先ほど申し上げましたように、三月二十一日のエボラ出血熱のいわゆる対応も含めて、個々に非常に心配であったり疑問に思ったりすることがありますので、その点について一つずつお伺いをしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。  まず、先ほどの参考人のお話の中にもございましたが、特定そして第一種感染症指定医療機関というものが全国で四十五、指定されています。今現在、例えば先週の二十七日の例で挙げれば、患者さんは陰性でありました。ですから、スムーズに事が運んだかのように見えますが、今現在、エボラ出血熱感染を疑われる方がいらしたときに、その四十五の医療機関全てが万全の体制が整っているのか。いわゆる人的なものもそうですし、機械的なこともそうです。施設の設備についてもそうだと思いますが、今、現状の受入れ体制についてお尋ねしたいと思います。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) お答えいたします。  感染症法におきまして、エボラ出血熱等の患者さんに対しましては、感染の拡大を防止するためのソフト面あるいはハード面の基準を満たす専門の医療機関により医療を提供することとしておりまして、現在、三十八都道府県において専門の医療機関が整備されております。専門の医療機関がまだ整備されていない九県ございますが、こちらでエボラ出血熱の患者さんが発生した場合には、当該県等は近隣県の第一種感染症指定医療機関等に搬送するということとなっております。  厚生労働省といたしましては、実際にエボラ出血熱の患者が発生した場合の対応に万全を期すため、先月、十月の二十四日にも都道府県等に対しまして、近隣県の第一種感染症指定医療機関等への搬送も含めた発生時の具体的な対応の流れを再確認するよう改めて通知したところでございます。  さらに、全国の自治体との間で危機感を共有するとともに、対策の水準の底上げを図るため、来週には全国の自治体担当者にもお集まりいただきまして、発生時における搬送体制なども含め、基本的な対応について確認する予定としております。

西村まさみ民主党・新緑風会

○西村まさみ君 ありがとうございます。  十一月一日の朝のニュースを見ていましたら、四十五医療機関全てにアンケートを出して、もちろん未回答というものもあったんですが、そのうち三十二医療機関、八二%の医療機関が今現在、万が一エボラ出血熱陽性の疑いがある患者さんが来ても、受け入れる体制にないと回答しているんですが、この十一月一日から僅か数日の間で到底大きく変わるとは思いませんが、十月二十四日の日に、大臣も先ほど予算委員会で櫻井委員の質問にお答えになられていましたが、しっかり体制を整えていくということをお答えいただいていることは、これは非常に有り難いと思いますが、これ、体制を整えるだけではなくて、日々の細かいことを常に国としては把握をしていかなければならなかったことだと思っているんです。  例えば今回、十月二十七日に疑いがあるだろう患者さんが羽田空港に降り立ったと。そこから様々なことが急ピッチで進められたような気がしてなりませんが、例えば十月二十八日の記者会見の中で大臣は、四十五ある指定医療機関の中でも、十一月の初旬中には一回全員集めて防護服の着脱方法や様々な研修を行いたいというふうにおっしゃっていますが、実際に今もう十一月四日です。十日まで、まあ三つに、初旬、中旬、終わりとあるならば、十日ぐらいまでに全国の四十五医療機関の皆様を集めて、防護服の着脱だとか施設の点検とかする準備を整っているというふうに解釈してよろしいですか。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) 厚生労働省におきましては、西アフリカにおけるエボラ出血熱の感染拡大を受けて、感染防御を含めまして指定医療機関の従事者によるエボラ出血熱への対応力を向上させるため、十月八日より感染防御策の研修会を開始しておりまして、今年度内に全国十四か所以上で実施することとしております。  またさらに、第一種指定医療機関の関係者全て、医療従事者にお集まりいただきまして、国際医療研究センターにおきまして感染防御策の研修を実施する予定でございます。当初、十一月十日の週と予定しておりましたけれども、国立国際医療研究センターとの調整の結果、今月中には開催するという方向で今準備が進んでいるというところでございます。  このような取組を通じまして、第一種感染症指定医療機関において正しい感染防御策が講じられるよう支援してまいりたいと考えております。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) 今月中ということではあるんですが、今先生がおっしゃるように、今月中といったってまだ初旬ですから、今、いつなのかということで。  私は、今月中と言わないで、できるだけ早くやれということを今朝指示をしたところでございまして、今、日程調整をしているところでございます。

西村まさみ民主党・新緑風会

○西村まさみ君 今厚生労働省は年度内とおっしゃったような気がするんですが、年度内って、来年の三月ということでよろしいんですか。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) 国立国際医療研究センターにおきましては、研究班の枠組みを使いまして、今年十月八日から各医療機関に赴いて研修会を実地に行っております。毎週一回というようなペースで行うことにしておりまして、今年度内に全国十四か所の病院に赴きまして研修をするということを実施予定にしております。このほかに……(発言する者あり)失礼しました、今年中に十四か所で行うということにしております。  これ以外に、それですと全ての医療機関に回るのに時間が掛かるものですから、大臣の御指示がありまして、今月中に全ての医療機関の医療従事者に集まっていただきまして研修を行うということを予定しております。

西村まさみ民主党・新緑風会

○西村まさみ君 非常に重要なことだと思うんです。これ、私も福岡東医療センターにも直接行ってお話を伺ってきました。また、都立駒込病院にいるスタッフの中からもメールで頂戴した意見等もあります。  非常に分かりにくいのでもう一度お尋ねしますが、十四か所に厚生労働省、いわゆるセンターの指導を受けていくということは、今年度中なのか今年中なのかということが一点。それから、逆に向こうから出向いていただいてやるということは、今月中に行うということなのか、もう一度はっきりお答えください。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) まず、十四か所は今年中に各病院に赴いて研修をするということでございます。  それから、全国の第一種感染症指定医療機関の医療従事者にお集まりいただいて行う研修については今月中と、十一月中ということでございます。

西村まさみ民主党・新緑風会

○西村まさみ君 じゃ、最初に局長がおっしゃった今年度中ということは今年中の誤りということでよろしいですか。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) 失礼いたしました。今年中ということでございます。

西村まさみ民主党・新緑風会

○西村まさみ君 分かりました。  ここは局長、非常に重要なところで、年度ということは、またぐということは、いわゆる本年の三月二十一日にエボラ熱が出て、一年たつわけですから、それまでの間に幾ら何だって我が国だってもう少し急ピッチでやらなければいけないと。  今回だって、十月の二十七日に羽田にそういった陽性の疑いがある旅行者が来なければこんなに進んでいないんじゃないかと、そんな声さえ聞こえてくるわけですから、是非ともそこのところは徹底的にやっていただかなきゃいけないでしょうし、後ほどもっと詳しく聞かせていただきたいと思っていますが、やはり今国がやっていることは後手後手に回っているとしか思えない。だからこそ国民がいろんな意味で不安に思っている、だからこそ、これからお願いする施設の話だとか先に進まない、なかなか地域住民の皆様の御理解をいただけないということ、これはあると思いますので、是非とも、まず受け入れる先の医療機関、またそれに付随する施設についての研修というものは徹底的にやって、まず一番最初に来るだろうところの不安感、安全面、安心面というものを是非ともやっていただきたいということ、これはまず冒頭お願いしたいと思います。  今ちょっと私が例に挙げました福岡東医療センターの件について、福岡県についてお尋ねしたいと思います。  今まで私ども、多分本日お越しの皆様、委員のところに参考資料として厚生労働省からいただいたものの中に、福岡県は、十月と書いた資料の中に市立のこども病院となっていました。ところが、実際に福岡県に尋ねましたところ、本年七月に福岡市立こども病院・感染症センターから独立行政法人の国立病院機構福岡東医療センターに変更届を出しているんです。ところが、もちろんこれは都道府県、福岡県の事務的なミスもあるかと思いますが、実際に厚生労働省が把握したのは十月二十一日、これ数か月のずれがあるわけです。  その間、東医療センターでは常に、三年掛けて地域住民、地域自治体、いろんなところでの理解を求めて、そしてこの開院にこぎ着けているわけでありますが、いずれにしても、お話を聞いてみると、人材不足ということが一番。そして、医療に関わるナースの皆さんたちからの一番の不安の声がいまだ払拭できていないということ。そして、空床時、要は二床ある病床が空いているときにどのように使うのか、優先順位をどうしたらいいのか。また、感染性の廃棄物が出たとき、その廃棄物をどう処理するのか。また、それを搬送する廃棄物業者に対しての研修など行われているのか。本当に細かいところでそれぞれ、たった一つのセンターのお話を聞かせていただいても出てきました。  また、都立駒込病院では、我が医療センターでは、受入れ対象病院となっていますが、いまだ患者が搬送されたときのシミュレーションや防護服の着け方、一般患者との受入れでの隔離の方法など、具体的な訓練がなされていませんと、やっぱりなるんですね。  ですから、やはりいろいろな意味で大変遅れている部分と、都道府県に任せているからそれでいいというのではこれはないと思うんです。国がしっかりと指示をし、またその状況を把握するということが非常に重要だと思いますが、例えば、今例に挙げました福岡県の例、周辺住民は、一体、じゃ、そのときにどうするのか。我々でさえもいただいた参考資料が既に違っていたということ、これは国として都道府県に対してしっかりと意見を言い、また把握をするように、都道府県から国へ上げるときにもっと厳しく言うべきじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) 福岡県の第一種感染症指定医療機関につきましては、平成二十六年六月三十日に福岡市立こども病院・感染症センターの指定が取り消され、翌七月一日に国立病院機構福岡東医療センターが指定されたものと聞いておりまして、切れ目なく指定自体は行われたものと考えておりますが、委員から御指摘がありました点につきましては、こども病院の方が辞退の意向を県に示したのが今年の九月であり、私どもに変更の届出があったのが十月ということでございまして、現場としては切れ目なく指定が行われたと考えておりますが、連絡が遅れたというようなことがありますので、御指摘を踏まえまして、県への指導、調整等は今後しっかりやっていきたいと考えております。

西村まさみ民主党・新緑風会

○西村まさみ君 是非とも国がしっかりと状況を把握するということ、これを徹底してお願いしたいと思います。  また、その東医療センターの上野院長、本日の新聞の中にも載っていますが、やはりこれはなかなかその地域地域だけで対応することは非常に難しい、県境を越えた広域連携ができる環境整備を是非国にお願いしたいと、そういうふうに要望されています。本当に私はそうだと思っています。後で聞きます。  要は、四十五医療機関、全ての都道府県に設置されているわけではありません。本来であれば、原則として各都道府県に一医療機関ずつというのがあるでしょうが、実際には九もの県で医療機関がありません。そういったことも含めると、地域の連携というものは非常に、県を越えた地域の連携、そして県だけではなく、国を含めた意味での広い連携が必要だと思っています。その辺については厚生労働省はどのようにお考えでしょうか。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) 先ほども少しお話し申し上げましたけれども、エボラ出血熱等の患者を受け入れられる医療機関、特定感染症指定医療機関及び第一種感染症指定医療機関、現在三十八の都道府県において整備されてはおりますが、九県におきましてはまだ整備されていないということでございます。  これらの県に対しましては、県内での整備が進むよう、引き続きこれは要請を強めてまいりたいと考えておりますし、また、万一患者さんが発生した場合には、近隣県の第一種指定医療機関に搬送するということも必要になりますので、その搬送体制につきましてもきちんと準備するように要請をしたところでございますし、今後ともしっかり再確認をさせていただきたいと思っております。また、搬送の際には国としても必要な支援は当然のことながらやっていきたいと考えております。

西村まさみ民主党・新緑風会

○西村まさみ君 基本指針によって第一種感染症の指定医療機関にあっては原則として都道府県に一か所、病床は二床となっています。この基本指針が定められて既に十五年が経過しています。この十五年の間に、今局長がおっしゃった九つの県では未設置。その九つの県に対してどのような働きかけをしてきたか、厚生労働省としてどのように九つのまだ未指定の県、特に大臣の御地元愛媛県は病院はありません。そういったところに対してどういう働きかけをしてきたのか、お知らせください。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) まだ専門の医療機関が整備されていない、現在において九県でございますけれども、確かに、基本指針が策定されまして、こういった考え方に基づいて整備するという考え方を示して以来、順次今整備が進められてきて、今三十八都道府県になっておるところでございます。各地域、自治体におきまして、様々な医療機関、大学病院あるいは自治体病院等々ございますが、そういう中でどのような体制があるか、ハード面、ソフト面、そういった基準もございますので、そういったことについて、順次自治体と病院側とお話をしていただく。それについて私どもも国としても確認を逐次してきているわけですけれども、九県においてはまだそこが進んでいないということでございます。  各県におきまして進捗状況、少しずつ違いますけれども、具体的に医療機関の目星が付いている、候補が定まっているというようなところもございますので、そういったところについては様々な条件を詳しく詰めていただくと。それについて私どももしっかりとフォローして支援をしていきたいと考えております。

西村まさみ民主党・新緑風会

○西村まさみ君 大臣、大臣の御地元で、もし国際空港、国際線で乗り入れた方でエボラ出血熱の陽性の疑いがある方といったときに、自分の県の中だけで対応ができないということ、よその県に頼らなければ、そのためにはどうしてもやはり県境を越えた連携というものが必要だと、本当に大臣自らがお感じになると思うんです。  是非とも、このエボラの出血熱というものの蔓延というものは、これは世界にとって大変残念なことでありますし、早く終息をするように、我が国も取組を強化し、また支援をしていかなければならないと思いますが、大臣の今のお考えというかお気持ちとしては、四十七都道府県にあるから万全というわけではないでしょうけれども、やっぱり県民お一人お一人、市民のお一人お一人というものの安心、安全というためには、そういう医療機関の整備というものは喫緊の課題だと思うんですが、大臣、いかがお考えでしょうか。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) 先生おっしゃるとおりでございますが、今局長からも御説明申し上げたように、スタッフが十分トレーニングを受けていない、これをどう人材をつくっていくかということ、ハードはハードとしてもちろんこれは配慮していかなきゃいけないと思いますけれども、ソフトの、人を育てるということがとても大事でありまして、我々としては、しかし、今後何が起きてもいいようにしておかなきゃいけないということを考えてみれば、先ほど櫻井先生に対して申し上げたように、あのときは全県設置、つまり九県を含め全県設置に向けて自治体と調整してまいりたいということで、県が判断するのを待っているというわけにはいかないなというのが厚労省として、私も大臣として強く感じるところでございまして、そのためには、医療スタッフをどう育てるかとか、それから医療機関全体として大体、例えば私のところだったら県立中央病院とか、そういうところの体制をきちっと整えてもらうということも大事なので、そういうことを含めて自治体とよく協議をして、急いでやらなければいけないなというふうに私は思っております。

西村まさみ民主党・新緑風会

○西村まさみ君 大臣、是非お願いします。  前回は羽田空港で疑われて、そして同じ東京都内の中、それでも、三時十七分に飛行機が到着してから陽性か陰性かはっきり大臣がおっしゃるまでには随分な時間を要しました。やはりこれがあの時間であの東京で起こったからよかったんじゃないかと、万が一自分のところだったらどうだろうかという不安を大きくいただくところであります。  特に、大臣のところばかり申し上げて恐縮ですが、大臣の地元松山空港では無人の検疫となっているわけです。万が一入国されたときの検疫での対応とか、患者をどの病院に運んで、検体をどこで検査する、そしてどのぐらいの時間が掛かるかということは大臣は是非把握をしていただいて、日本全国、どの空港、どの港で例えば発症が確認されたとしても、また御自宅へ戻ってから、滞在先へ行ってから発症されたときも同じです。それぞれどの場所で、どういう状況になったとしても、そのシミュレーションをきちっと国としては把握して、一日も早く、もちろん患者さんを隔離するという意味ではなく、治療に向けた、専念できる現場というか場所を用意すること、そして地域の皆様には、その感染というものがどういったことであるかということを明確にお知らせして安心、安全を与えていくことがこれは国の仕組みだと思いますので、是非とも引き続き、もう今日、細かい、松山空港で行ったらどうなるかはお尋ねいたしませんが、それは松山に限ったことではないと思います。  例えば九州三県でも、足立先生の大分もそうですが、三県ないところは、三時間ぐらい車、大分、宮崎、鹿児島とあるんですが、熊本まで三時間掛けて運ぶと、それも、いわゆる渋滞とかそういった交通のことを考えずして大体三時間。じゃ、ヘリコプターで運んだらどうか、でも相手の病院にはヘリポートがないとか、いろいろ細かいことを言ったら切りがないです。ただ、先ほど申しましたように、このエボラというものの蔓延は残念なことであっても、これは我が国は是非教訓にしていただくために、様々な感染症の法律改正というものもあると思いますので、ちょっとここからは法律改正について少しお尋ねしたいと思っています。  今回の十六条三項で、一類感染症、二類感染症又は新型インフルエンザ等の蔓延を防止する必要があると認められるとき、都道府県知事は、いわゆる今までの検体というものは任意であったところが、強制的に採取することができる、勧告することができるとなっています。これは新聞では本当に強制的に強制的にと報道され、先ほどの参考人のお話にもありましたが、強制をするためには、強制と言ったら正しくないかもしれませんが、検体をきちっと採取していくことを必要とするためには、具体的にこの法律が改正することでどのように変わるのか。また、医療現場、先ほど来、人的な研修も必要とおっしゃっていた大臣ですが、医療現場に対する負担増や人権の配慮とか、様々考えなければいけないことがあると思うんですが、その辺について厚生労働省にお尋ねしたいと思います。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) 検体の採取に係る規定でございますけれども、これは、基本的には患者さんの同意を得た上で医療機関からこれを提出していただくというのがまず大前提でございます。しかしながら、一類・二類感染症、あるいは新型インフルエンザ感染症等、迅速に危機管理対応が必要なものにつきましては検体を患者さんから採取できるという規定もございます。しかし同時に、医療機関から検体を収去できるという規定がございます。  そして、人権面の配慮等も、感染症の法の前文にありますように当然の前提でございますので、まずは患者さんの同意を得るということでございます。  またさらに、基本的な同意が万一得られない場合でありましても、書面による御説明というようなこともございますし、医療機関からの検体の収去というのがまず最初に行われることでございますので、通常は医療の中で検体が医療機関にあると思いますので、その検体を医療機関から収集する、収去するということで対応できるものと考えてございますので、基本的には、万一の場合ということで、一類感染症等の場合には強制的な採取という規定もございますけれども、基本的には医療機関からの同意、そして患者さんの同意に基づく検体収集ということで現実的には対応できるものと考えております。

西村まさみ民主党・新緑風会

○西村まさみ君 陽性か陰性かを判断するためには当然検体が必要であるわけですから、丁寧な同意というものを取ること、これは重要だと思うんですが、その以前に、大体どういう状態が必要なのかという、いわゆる教育とか周知ということが非常に欠けていると思うんです。  毎回申し上げることではあるんですが、今回のエボラ出血熱は、大体潜伏期間が二日から二十一日間、そして症状としては下痢、嘔吐、発熱と、これからの日本の中では風邪の症状と非常に似ているので、もちろん御自身はほかの国から帰ってきたということの思いはあったとしても、なかなかほかの人からということにはつながらないですよね。そうすると、空港へ戻ってきて自宅へ帰って、また滞在先でその症状があったときには是非ともというのは、空港でただポスターを広げているとか、こういう該当したところから帰ってきていませんかというだけではやっぱり少し足りないのではないかと思いますので、同意を得るために丁寧な説明をするためには、その前の段階でのいわゆる周知も必ず必要だと思います。  検体についてお話しいただきましたので、次に、その検体をどうするか、また確定診断を行うためにはどうするかということにおいて、バイオセーフティーレベルの4という施設についてお尋ねしたいと思います。  今現在、最終判断というか確定診断をするところは、日本には何か所ありますでしょうか。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) エボラ出血熱の病原体でありますエボラウイルスなどは、一種病原体、最も危険性の高い病原体ということでございますので、このウイルスを分離して試験検査などをするためには、バイオセーフティーレベル4、第一種病原体取扱施設でなければ取扱いはできないということになっております。  ただ、エボラ熱の診断そのものはPCR検査という遺伝子の断片を用いるということで、ウイルスそのものを分離しなくてもできるということでございまして、BSL3レベルの検査室で検査をするということが可能でございます。この検査につきましては、現在のところ、国立感染症研究所のみにおいて行うという体制になっております。

西村まさみ民主党・新緑風会

○西村まさみ君 じゃ、ちょっと重ねてお尋ねしますが、3でも診断ができると。しかし、今、日本では、私がお尋ねしたバイオセーフティーレベル4に値する施設は一か所、村山庁舎だけということですが、3と4との違いは何ですか。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) 病原体によりまして、一類、二類等々、危険性、その取扱いの規定が非常に厳重なものから一類、二類等となってございます。  そして、実験室、検査室につきましては、BSLの3のレベルと4のレベルと、それぞれ細かい規定がございます。3のレベルでもHEPAフィルターというような、きちんと病原体を除去するような、そういう施設は必置になっておりますが、BSLの4のレベルになりますと、更にこれに加えまして、排気のHEPAフィルターを二重にするとか、二重の扉を通って入るとか、安全キャビネットを、特定の病原体を安全に扱えるようなキャビネットを用意するとか、そういったハード面の違いが実験室の設備として定められております。

西村まさみ民主党・新緑風会

○西村まさみ君 今、局長は施設のいわゆるハードの部分ばかりをお話しになりましたが、ここで私がお尋ねしたいのは、やっぱりこの4の施設というものの重要性というのは、もちろんその施設を充実させることもあるでしょうけれども、何よりも病気、いわゆる発症したものに対しての研究とか診断法とか治療法とかワクチンとか、そういったものをやっぱり開発していくことが第一でありましょうし、また、そのためには人材育成の面で必ず、先ほどからも人材、人材と何度も出ていますが、人材を育成するためにも、必要な優秀な研究者がそこで様々な開発をしていくわけですから、そこが一番大きなところだと思うんです。  ただ、一番の問題として、なかなか地域住民の皆様に御理解がいただけないということ、これは指定医療機関をつくるときも、感染症の指定医療機関をつくるときも同じことだと思うんですが、ただ、やはり我が国の優秀な研究者が、今自国では開発研究ができないから、また後輩を育てることもできないから、ほかの国へ行って開発研究をしているわけじゃないですか。その中で、残念ながら、九・一一のテロを踏まえて、自国の人じゃないとなかなかその研究開発にも携われなくなると、我が国の優秀な若い人材というものがどこでそれを発揮したらいいか分からないと。  そういったことも含めまして、私は、このBSL4の施設というものは非常に重要だと思いますし、周辺住民の皆様にきちっと真摯に丁寧に理解をしていただかないといけないんだと思っていますが、今現在の、先ほど局長お話しになりました国立感染症研究所の村山庁舎は一九八一年にできているわけです。その間、なかなか地域住民の皆様の理解が得られないということですが、どういうふうに地域住民の皆様に理解を得ようとしてきたのか、その経緯をお知らせください。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) お答えいたします。  国立感染症村山庁舎にBSL4の施設が設置されましたのは、御指摘のとおり一九八一年のことでございますが、なかなか地域住民の方の理解が得られないということで、4のレベルでは稼働できていないということでございます。  これまで国立感染症研究所におきましては、地域住民の方々の理解を得るべく様々な説明会を開催してきております。市民セミナーを年に数回行う、あるいは見学会も年に一、二回行うというようなことで、定期的に地元住民の方にも開かれた運営を行いながら説明会を重ねてきているところでございます。  しかしながら、こういった説明会の開催につきましても、BSL4施設の稼働とは直接リンクさせることなく説明するということをせざるを得なかったということがございます。しかしながら、現在の西アフリカにおいてエボラ出血熱の感染が異常に大きく拡大しているというような状況を踏まえますと、私どもとしては、BSL4施設の稼働が重要と強く認識しているところでございます。  地元関係者の理解を得て早期の稼働ができますよう、今後、地元関係者の方々にこれまで以上に丁寧に、昨今の感染症の発症動向、そして、そういったエボラ出血熱等への対応に当たってはこの施設が非常に重要な施設であるということを説明するなど、一層力を尽くして御理解を得られるように努めてまいりたいと考えております。

西村まさみ民主党・新緑風会

○西村まさみ君 ありがとうございました。  この施設については、世界十九か国で四十施設以上が稼働しており、またG8の中では日本だけがこの運用ができないという状況でありますので、是非とも、地域住民の皆様にしっかりと理解をしていただけるような説明をしつつ、一日も早い稼働体制ができるような、そんなようにお願いをしていきたいと思います。  今日は文科省にもおいでいただいておりますので、この施設、日本になかなか、まあ何か所かあることはあるけれども、稼働しているところが一つもないということで、今、長崎大学においてこの施設を建設しようという動きがあるようですが、文科省にその現状について、進捗状況についてお尋ねしたいと思います。

山脇良雄文部科学大臣官房審議官

○政府参考人(山脇良雄君) 長崎大学における取組について現状を御説明申し上げます。  長崎大学におきましては、BSL4施設を中核とした感染症研究拠点の形成について検討を行っているという段階でございます。また、そのための住民説明会を開催するなどの取組を行っておりまして、地域住民の理解を深めるための取組も進めているという状況でございます。  文部科学省におきましては、平成二十七年度、来年度の概算要求におきまして、長崎大学がこのBSL4施設の設置の検討を行うために必要な情報収集や調査に係る経費を要求しているところでございます。  今後、長崎大学におけるBSL4施設の整備の検討につきましては、施設の継続的な安全管理の検討でございますとか、地元自治体との協定締結などの合意形成の状況などを確認しつつ、長崎大学と相談しながら検討を進めていきたいと考えております。

西村まさみ民主党・新緑風会

○西村まさみ君 一日も早くお願いをしたいと思います。  冒頭から申し上げているように、私は、今までこの委員会でどのあれでも言ってきたんですが、やっぱり教育が大事だと思っているんです。感染症に対する教育も非常に重要であって、例えばこういう感染症は日本ではあり得なかっただろうと思っていたものが、これから運輸方法、手段とかが今までとは格段に変わってきますから、ありとあらゆるところから入ってくる可能性があると。我が国日本が島国だから大丈夫とか駄目とかいうことではないですし、向こうの国で起こっていることがもう必ず我が国にも起こるんだという意識でこの感染症に対する教育もしっかりしていかなければならないと思っています。  今現在では、感染症は小学校の保健教育の中での授業、中学校での保健体育の保健分野で取り扱われることになっていますが、あくまでもやはり通り一遍のことというのがまず最初に子供たちに教えること。でも、そこから先、そこでストップしてしまって、このようなことになって大人になって初めて気付くというのではなくて、常日頃から感染に対する予防、これは、うがい、手洗いだけではなくて、例えば感染の種類には空気・飛沫感染があったり接触感染があったりということは、どの場においても、どの状況においても、子供であっても御高齢の皆さんであってもよく分かるような周知の仕方というものを常日頃からやってきていただきたいということをまずお願いをしたいと思います。  それから、この感染症というものは、先ほどから参考人の皆様のお話を聞いていても、今まで過去、相当前においては人類にとって大変大きな脅威で、これによって死に至るということが非常に多かったとき、これはもう本当にどの国でも熱心に研究開発進められて、その治療薬というものも進められてきました。  しかし、今は生活水準も変わりましたし、衛生環境も変わりましたし、ワクチンとか抗菌薬、抗ウイルスとか様々な開発によってコントロールされるようになったと思っています。しかし、その分、薬剤に耐性する微生物が出てきたり、また新興感染症の発生があったり、バイオテロなんという言葉まで出てくると、また違った意味でこれから感染症対策というものは国としてしっかりとやっていくべきだと思いますので、このところはお願いを申し上げておきたいと思います。  それから、先ほどの防護服の問題、人材を研修させることについても、それぞれ都道府県や病院、施設に任せることではなくて、やはり国としてしっかり予算措置をとらないと、これはなかなかやりたくてもやれないのが現状です。防護服を用意するのだって簡単ではありません。二百用意したって、もし陽性の患者さんが来れば、僅か一週間でその二百着はなくなってしまうわけですから、その辺のところにつきましても、いろんな意味でお金が掛かると言われることではありますが、必要最小限をきちっとそれぞれの場所に提供するだけの予算措置をお願いしたいと思いまして、次の質問に行きたいと思います。  大臣、私は今までるるちょっと医療関係者っぽくお話をさせていただいていましたが、歯科医師でありまして、歯科関連の問題については必ずこの厚生労働委員会で取り上げさせていただいています。とりわけ、八〇二〇運動とか口腔保健をきちっとすることによって健康寿命の延伸につながるんだということも常々、大臣も御出席いただいた決算委員会の中でも、総理に対しても前の田村大臣に対しても行ってまいりました。  今、口腔保健推進事業と八〇二〇の運動推進特別事業というものは、各自治体において、国が民主党政権下で歯科口腔保健に関する法律を作って、推進室をつくって、各自治体でそれを更に進めてもらうためには、この二つの事業というものは非常に口腔保健事業の基軸になっているわけなんですが、今後もしっかりと引き続きお願いをしていきたいし、実施をしていかなければならないことだと思いますが、厚生労働省としては今現実どのようにお考えか、お聞かせください。

二川一男厚生労働省医政局長

○政府参考人(二川一男君) 歯科口腔保健事業、それから八〇二〇運動推進事業の状況でございますけれども、これまでいわゆる八〇二〇運動推進特別事業につきましては、平成十二年度から厚生労働省で都道府県に対する支援といったものを開始をしておりまして、平成十一年度に一四・三%でありました八十歳で二十本以上の歯を持つ人の割合が、平成二十三年度では四〇・二%というふうに向上をしてきておるわけでございます。  それからまた、平成二十三年には歯科口腔保健の推進に関する法律、これが成立をいたしまして、平成二十五年度からは、この法律に基づきまして口腔保健支援センターの設置などの口腔保健推進事業を実施してきているところでございます。  これらの事業につきましては、国民の歯及び口腔の健康の保持増進を図る上で極めて重要な事業と考えておりまして、今後も引き続き実施してまいりたいというふうに考えているところでございます。

西村まさみ民主党・新緑風会

○西村まさみ君 今局長からお話しいただきましたように、八〇二〇運動は日本歯科医師会は平成元年から取り組んでいます。そして、国は平成十二年からこのような特別事業としてやっていただいています。これは八十歳で二十本の歯があるからそこでおしまいなんだという目標ではなくて、八十歳で二十本の歯を残すためには、いかに乳幼児の頃からしっかりと検診事業なり研修なり、また口腔衛生指導を受けていくことが大事かということに使われる非常に重要な事業です。  例えば、虫歯予防のためにフッ化物を応用したりとか、歯科検診を切れ目なくするために様々な取組をしていったりとか、全身疾患と歯周病の関わりというものを周知徹底させていく口腔衛生指導をさせていただいたり、また食育といったことにも関わってくるわけです。  ですから、八〇二〇というと何となく高齢者の皆さんに対する運動、八十歳で二十本の歯があれば今までと同じ、何でもかんで食べられるよということではなくて、二十本の歯があればいいというんではなくて、乳幼児からその取組をしていかなければ、突然八十歳で二十本の健康な歯が残るわけではありませんから、是非ともこれにつきましては、役割が終わったとかいろいろ言われていますが、これは人間が生きている限り、話すこと、食べること、これは人間の生きる源であります。是非ともそこのところは引き続きお願いをしたいと思います。  もう一方の口腔保健推進事業というもの、これはなかなか通常の診療が困難な皆様、例えば障害がある方、また、在宅でいらっしゃる方、施設にいらっしゃる方、こういった方々の歯科検診というものも非常に重要でありまして、歯科口腔保健法ができたことに対して、国の中には推進室ができました。これも前通常国会では再三、推進室会議を開け、開け、開けと言いましたところ、大変有り難く開いていただきましたし、兼任ではなくて専任を、専任をともしつこく申し上げてまいりました。  これと同じことが、各都道府県又は政令市にとってこの推進室に代わるもの、これがまさにこの口腔保健支援センターなんだと思っています。切れ目のない検診事業ということは、これはしっかりとこの法律の中で書かれています。この書かれている法律をしっかりとやっていくためには、口腔保健支援センターに関わる口腔保健推進事業も重ねて大きな役割をすると思うんですが、厚生労働省もそれは同じ感覚だと思いますが、局長、お答えください。

二川一男厚生労働省医政局長

○政府参考人(二川一男君) 障害者あるいは要介護者などの歯科検診といったことにつきましても、先ほど申し上げました歯科口腔保健の推進に関する法律、これに位置付けられているところでございます。そういった施策を推進するために、同法に基づきまして口腔保健支援センターを都道府県等に設置をするというふうに規定されているわけでございます。このセンターは、様々な企画調整を行って、障害者や要介護者の施設を歯科医師が訪問するとか歯科検診を実施する、いろいろな取組を進めると、こういった位置付けになっているわけでございます。  この口腔保健支援センターを設置する都道府県は、平成二十四年度時点では四か所でございましたけれども、現在、平成二十六年度におきましては十三か所というふうに増えてきておりまして、今後とも、効果的な歯科口腔保健施策を推進するため、この口腔保健支援センターの設置を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

西村まさみ民主党・新緑風会

○西村まさみ君 是非よろしくお願いします。  大臣、大臣にお尋ねするんですが、あのときも伺いましたので御承知だと思いますが、大変歯というものは、口の健康というものは国民の健康に大きく関係するわけです。健康寿命の、今十年とも十二年とも言われているものをできるだけ短くというのが国の、政府の方針であるとするならば、まさにここの部分に光を当てるべきだと思います。  大変予算が厳しい中というか、国の財源がない中、十分承知していますが、やはり長い目で見たときに、健康な我が国の日本人をつくっていくためには、ここの部分の予算というのは非常に重要だと思いますが、何とかこの事業に対して引き続き今まで以上な取組ができるために大臣にも御尽力をいただきたいと思うんですが、大臣の見解はいかがでしょうか。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) 先生御指摘のように、歯、並びに口腔の健康を保つということは、本当に自分の身内を見ていてもやはり重要だなということをつくづく感じるわけで、自分も果たして八〇二〇は達成できるんだろうかと、時々心配になって歯医者さんに聞くわけであります。  国民が健康で本当に質の高い生活を営み続けるというために、本当に基礎的かつ重要な役割を果たしているのがこの口腔衛生保健ではないかなというふうに私も思っておりまして、私、高校のときにアメリカに一年間留学したときに、正直言って、日本人の歯に対する、あるいは口腔に対する意識とアメリカの人たちの意識の差が歴然としていまして、あのときリステリンというのを初めて知りましたが、いかに皆が歯を一生懸命磨いて、そして口の中をきれいにして毎日過ごしているかということを改めて感じて、えらい日本と違うなということを感じたのを昨日のように思い出すわけであります。  近年、口腔ケアについては、先生の、先生方の御尽力もあって、誤嚥性肺炎の重要性、意味合いとかですね、それから、それが口腔ケアをちゃんとやることによって誤嚥性肺炎が減るとか、あるいは歯周病と糖尿病の関係とか、それから口腔衛生と全身の健康の関係とか、いろいろなことが幅広く指摘されるようになって、まさに口腔の健康は全身の健康にもつながるということで、先ほどの議員立法も、これはもう与野党共に意見の一致を見て最終的には通した。それはまた地方で議会で条例が先にできていたりして、そういう中でできたということを私も記憶をしているわけで、我々やはり問題意識をちゃんと持って、子供の頃からまさにこの口腔ケアについての意識を高めていくことが最終的に自分たちの健康長寿の基になるんだということを据えていかなきゃいけないんじゃないかなというふうに思います。  したがって、厚生労働省では、歯科疾患の予防、国民の日常生活における口腔機能の維持向上に向けた、先ほど来お話が出ております取組、この推進を図っているわけでありますけれども、今後ともこれらについては更に維持向上に努めてまいりたいというふうに思います。

西村まさみ民主党・新緑風会

○西村まさみ君 大臣、ありがとうございました。  大変厳しい状況の中でもしっかりと財務省に対しても働きかけをお願いをして、この事業、是非とも十分な形の中で存続できるように、また新しい事業に関しましてはそれができるような御配慮を是非ともお願いしたいと。うなずいていただきましたので、多分大丈夫だろうと確信いたしましたが。  もう一方で、もう一つお尋ねしたいのは、質の高い歯科医療を提供するための歯科医師の養成というもの、これは私は、文部科学大臣と厚生労働大臣と、これは医師、歯科医師にかかわらず全ての医療職についてそうだと思いますが、ここはしっかりと連携を取っていくべきだと考えています。  しかし、前回、文教科学委員会で下村大臣にも質問させていただきましたが、下村大臣がある学会の中で、入学定員の見直しということ、そして国家試験の合格率が著しく悪いところも入学定員を減らすといったような趣旨の発言がありました。私もそのとき大臣にお尋ねしましたが、まず、そもそもなぜ歯科医師が増えたのかというと、明治三十九年、まず歯科医師法が制定したときは僅か八百名ちょっとだったんです。それがやはり虫歯がだんだん増えていって、国民皆保険制度になったときに虫歯の洪水と言われて、足りない歯科医師を国策として増やしていったんです。今まで何校かしかなかったところ、特に私立の大学に、その私立から幾つか分散した学校をつくるようにということで、今現在では二十九に至っています。  ところが、目標をあっという間に達成してしまって、今度は歯科医師過剰、過剰と言われています。過剰だからということで、昭和六十年を目標として、人口十万人に対して五十名という数字を持ってきてやってきたんですが、今まさに歯科医師が過剰だ過剰だというからといって、また今度減らして減らしてというのは、実はもう既に歯学部の定員は最初に二〇%削減、これはほとんどの大学で実施しました。その後、更に一〇%といって、二八%に向かって今鋭意努力をしています。  でも、冒頭言ったみたいに、歯学部は私立が多いので経営が成り立ちません。その分では、やはりしっかりとその分も踏まえて考えていただかなければいけないことでしょうし、また、下村大臣がおっしゃったのは、今すぐのことではありませんと、十年後、二十年後を見たときに果たして今の歯科医師の数が国民に対して適正かどうかをしっかりと検討していくとおっしゃいました。  そのときに私が申し上げたのは、今、歯学部の学生、私の出身大学であれば、昨年は女性の方が一名増えました。全体では、歯学部の学生は四〇%を超えて女性となっています。その女性がこれから歯科医師となって十年後、二十年後というのは、単純に数字だけで把握をしていただくと、また今度は数が少なくなると。というのは、もちろん女性が活躍する社会というものをいち早くおつくりいただきたいということは、これは誰もが同じ思いだと思いますが、今の段階では、育児にしても介護にしてもやはり女性が担う部分が非常に多く、どうしても資格を持っていても離職せざるを得ない状況があるわけです。  ですから、是非とも、十年後、二十年後と考えたときには、さらに男女差であったりそんなことを考えない世の中にしていくことが一番だと分かっていても、現実のこととしていえばそこの部分が非常に大きいと思うんですが、そこで下村大臣にお尋ねしたのは、是非とも厚生労働省と、歯学部の入学、大学に関しては文部科学省、しかし歯科医師となってから、国家試験、それから先はずっと厚生労働省ということで、肝腎なところで線を引くのではなく、一体化として是非ともこの需給問題というか、若い歯科医師を目指す皆さんの芽を摘むようなことがないようにお願いしたいということを御質問させていただきました。  大臣にも同じことをお尋ねしたいと思います。文科省と厚生労働省としっかり連携を組んでいくことが私は必要だと思いますが、大臣はどのようにお考えでしょうか。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど先生御指摘がございましたけれども、やはり良質な口腔保健を担える歯科医師をどう育てるかということが最終的にいい口腔保健の結果をもたらすということではないかなというふうに思っておりまして、そういう意味では、今御指摘のように、まず養成は文科省ということで、その後、国家試験から厚労省が臨床研修や生涯研修などを担っているわけでありまして、確かに長期的な観点で人材養成をしていくということは、実はこれ医科でも同じだろうと思うんですね。同じようにしなければいけない。  一方で、今お話があったように、私学でありますから、それぞれ独自の裁量でもっていろいろ御方針を立てて人材教育をしていくということになりまして、結果として、総人数がどういうふうになって、地域格差も含め、その辺を国民にとっての、何というか、良質な歯科医療が全国津々浦々どこでも少なくとも得られるというのに十分な条件を提供できるのかということを考えなければいけないと思うんですね。  そうなると、いよいよもって人材育成をする側の文科省と、その後からのいろいろな口腔医療サービスについていろんな定めをする厚労省とが連携をするということは当然必要であるわけでありまして、先ほどお話が出ました、子供にまず歯の大事さ、口腔の大事さを教えるというのも実は文科省でやっていかなければいけないことでもありますし、しかしそれは歯科医師とのまた連携や厚労省との連携の下で行われるのでありますので、しっかりと文科省と連携を取りながらやっていくように、それも長期的な視野を持ってやっていかなきゃいけないというふうに私も思っているところでございます。

西村まさみ民主党・新緑風会

○西村まさみ君 大臣、ありがとうございます。  この大学教育の在り方とか歯科医師の養成について考えなければいけないこと、これたくさんあることは理解いたしますが、例えば入学定員割れとか国家試験の合格率だけで様々判断するのではなくて、教育制度そのもののカリキュラムの見直しだとか国家試験の出題の方法についてももっともっと議論されるべきであり、そのためには是非とも文科省と厚生労働省が連携を組んでいただき、何よりも、先ほど大臣がおっしゃったように、全身疾患と歯科との関わり、認知症の患者さんと歯の本数の問題、それから、私は以前にもこの委員会で取り上げましたが、児童虐待でネグレクトのお子さんを歯科検診で見付けること、私は、実例として、学校歯科医として二例、今まで見付けたことがあります。家庭環境を調べた結果、児相に入りましたから事なきを得ましたが、今、残念なお知らせもたくさん入っている中で、是非ともそこのところをよく御理解いただきまして、今まで虫歯の治療や歯周病の治療、入れ歯を作ることだけだったと思われていた歯科医師の仕事というもの、これを是非とも国民の健康に大きくつながるんだということを厚生労働省には更なる御理解をいただきまして、先に進めていただきたいと思っています。  そして最後に、これはお願いでも質問でもなく、ちょっと私から提議と議論と、これからの議論のことにさせていただきたいんですが、実は八月二十二日に日弁連から、健康保険法等に基づく指導・監査制度の改善に関する意見書というものが出されました。これは、医療機関、もちろん医科も歯科も調剤もそういった悩みをずっと抱えてきたことのものではあるんですが、そのうち七つの意見を言っています。  一つ目が、選定理由を開示、なぜ指導対象に選ばれたのかといったことなどの選定理由の開示をするべきではないか。また、指導対象とする診療録とか様々なものを準備しなければいけないけれども、それはもっと早くやるべきじゃないかですとか。例えば、録音を取っていいんじゃないか、弁護士が立ち会ってもいいんじゃないかとか、いろいろな七つの問題を意見として日弁連が出しています。  私は、常々思っていたのは、やはり選定理由というものはしっかりと開示しなければいけないんじゃないかと思っています。どういった理由で行われるのか。また、もう一方では、非常に長期にわたって、中断中断で長期にわたって指導を受けている場合があります。そのストレスというものは相当なもので、これは医師も歯科医師もそうですが、残念ながら自ら命を絶った方がたくさんいらっしゃる中で、そのたびに改善方策を考えてこられているんですが、一向にこの部分に関して改善されていないということ、これは間違いないことなんだと思っています。  ただ、あくまでも指導というものと監査というものを同じように考えてはいけないというふうに思っていて、御承知のように、指導というものは指導です。監査というものはそうではありません。そこも健康保険法の中ではしっかり条文が違うというところで位置付けられておりますので、そこのところはこれから私としては議論をしていきたいと思っていますが、一つだけ申し上げるのであれば、やはり指導と監査の機関の分離というものが必要なんじゃないかと思っていて、これは七番目に言われているんです。指導は、健康保険法の七十三条の一項で言われています。そしてさらに、指導大綱の中では、いわゆる健康保険に対して、保険医は保険診療の取扱いや請求に関して周知徹底させることを主眼として懇切丁寧に行わなければいけないというようなことが書いてありますし、監査については、これは七十八条の一項で書いてあります。  そういった意味では、ひょっとしたら指導と監査の機関の分離というものをしっかりとしていかなければいけないのかなと思っておりますが、いずれにしても、私は前からこの委員会の場でも言っていました。正しいことを正しく請求できないという今のシステムですとか、例えば一概に点数が、平均点数が高いからといって指導の対象になるということ、これはそろそろ見直さなければならない時期になっているのではないでしょうかと、そんな提案はさせていただいておりますので、これからの委員会の中で引き続きその部分につきましては私からもお願いをしてまいりたいと思いますし、厚生労働省と議論を進めてまいりたいと思いますので、そのことを最後にお話を申し上げまして、私の質問とさせていただきたいと思います。  ありがとうございました。

薬師寺みちよみんなの党

○薬師寺みちよ君 みんなの党の薬師寺みちよでございます。  大変申し訳ございません、先ほどの参考人の皆様方の話を受けまして、少し質問の順番を変えさせていただきたいと思います。  まず、最後から質問をさせていただきます。  日本の衛生状態というのが世界トップレベルであるということは我々も認めるところでございます。抗生物質、そしてさらに抗菌剤等々、更なる医薬品の発展によっても衛生状態が更に良くなる。感染症から生活習慣病へと疾病構造も変わってまいりました。今や感染症というものは過去の病気だというふうに思われていた節があるのではないでしょうか。  実は、私がはっといたしましたのは、さきの所信表明演説に関する長沢先生の質問でございました。デング熱の診断がなぜ行われたのか。たまたまデング熱を診断したことがあるドクターが診察をしたからあれがデング熱と分かったと。もしかしたら、それ以前にもデング熱が日本で発生していたかもしれません。しかし、デング熱というものは日本にあり得ないだろうというこの常識が、申し訳ございません、私、医者でございましたけど、ございました。これは、海外から帰ってくる方がたまたまなるような病気であって、日本で発生するわけがない。発疹があって、そして発熱がある、ほかの病気を疑います。  ということは、これは大変怖い事態が日本に起こっているということで、調べてみましても、やっぱり、地球の温暖化によって更に疾病構造が今変わろうとしている、その過渡期であり、人と物の交流、そして往来というものがもう止められない状況の中で、我々は更に危機感を持って今回の感染症というものを議論していかなければならないと考えました。  そこで教えていただきたいと思います。医師、そして歯科医師、看護師、保健師の養成課程における感染症の位置付けというものはどういうものがございますでしょうか。お願いいたします。

佐野太文部科学大臣官房審議官

○政府参考人(佐野太君) お答え申し上げます。    〔委員長退席、理事福岡資麿君着席〕  医学部、歯学部におきましては、感染症は、大学生が大学卒業時までに履修すべき学習の到達目標を定めました医学教育モデル・コア・カリキュラム及び歯学教育モデル・コア・カリキュラムに位置付けられているところでございます。具体的には、医学教育モデル・コア・カリキュラムにおきましては、医療関連感染症の原因及び回避する方法を概説できることなどが明記されております。また、歯学教育モデル・コア・カリキュラムにおきましては、新興・再興感染症について説明できることなどが明記されておりまして、現在、各大学ではこれに基づき教育が行われているところでございます。  一方、看護師、保健師の教育課程におきましては、感染症は、学生が卒業時に看護師等として修得すべき能力を定めた学士課程においてコアとなる看護実践能力と卒業到達目標に位置付けられております。例えば、感染防止対策について理解し、必要な行動を取ることができることなどと明記されているところでございまして、各大学では、これに基づき教育が行われているところでございます。  以上です。

薬師寺みちよみんなの党

○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  私も教鞭を執っておりましたけれども、感染症というと、今は性感染症についての講義が多いんですね。あと、院内感染をいかに予防していくかという観点で講義をすることが、輸入感染症というものが明確に位置付けられているにもかかわらず、やっぱり中身が薄いんではないかというふうに私自身も反省をしたところでございます。  ところで、先ほどの参考人の話、様々私も学ぶ点がございました。実は、日本に輸入感染症の専門家、不足しているんではないか、育成もなかなか行われないような予算状況ではないかという話がございました。では、今、感染症専門家というものが日本に何人いるのか、そして何人必要だというふうに試算されているのか、教えていただけますでしょうか。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) お答え申し上げます。  日本感染症学会に確認いたしましたところ、同学会が認定する感染症専門医は、今年の十月末現在で千百八十一名と伺ってございます。専門医の必要数につきましては、政府として特にこの感染症に限らず試算したものはないようですが、平成二十五年四月に取りまとめられました専門医の在り方に関する検討会の報告書におきましては、専門医の養成数は、患者数や研修体制等を総合的に勘案して設定するということとされておりまして、このような考え方に基づき、地域医療の実情にも配慮しつつ、専門医の養成が図られるものと認識しております。    〔理事福岡資麿君退席、委員長着席〕

薬師寺みちよみんなの党

○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  ですから、先ほどお話しいただいた中で出てきた話題、ちょっと御紹介させていただきましたら、拠点病院はあるんだけれども輸入感染症について診断、治療できるドクターがいないと。結局、感染症の専門医はいても輸入感染症には対応していない、そこが一番の問題ではないかということでございます。だから、ハードがどんなに充実して拠点病院をたくさんつくっても、中で治療できる人間もいなければネットワークもないということが問題なんです。  私ども、これではやはり何かあったときに対応できない、形骸化してしまって、国民に対してアピールするには拠点病院の数を数えたり専門医の数を数えたりするのはいいかと思いますが、その中身をしっかり問われているんではないでしょうか。輸入感染症に対して、専門家を育成するための様々な措置というものが今までも行われてきたかと思います。専門家を育成するための海外研修等々というものを確立する必要も今後あるんではないか。  実は私も、今、問いを立てながら大臣に質問する予定でございましたら、大変いい先ほどお話がございました。国立国際医療研究センターの加藤参考人からでございます。二十三年から二十五年と、イギリスとドイツの専門家を日本に呼び寄せて二日間の研修会をセンターで行う、それを三回行ったんだと。それは、医師、看護師、七十四名が受けました。一方で、長崎大学でもCOE、そしてグローバルCOEのプログラムの中で期限付で研修を海外でさせるために医者を養成するためのシステムがあったと。でも、どちらも期限付なんですね。永続的にこの輸入感染症に対応する専門家を日本というものは育成するプログラムを持っていないということがこれで明白になりました。  だから、先生方からはもっともっとそこを、専門家の育成を真剣に日本も考えてほしいというお声がございましたけれども、私のこの訴えというものを大臣、どのように受け止められますか。お答えいただきたいと思います。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) ボーダーレスになって、人が行き来するようになって、聞いたことないような感染症を含めて日本に入ってくるおそれがあるという、そのリスクにさらされているということは十分意識をしてやっていかなきゃいけないと思いますし、今回のエボラの話は特にそれを国民に知らしめたことではないかなというふうに思っています。  そうなると、備えとしてはやっぱりそれをちゃんと対処できる医師がいないといけないということになりますと、これは、まずは今のお話のように、一部ボランティア的にやっていただいている長崎大学とか、国際医療研究センターでもやりつつあるわけですけれども、政府としては、さっきお話に出た、平成十三年度からやっている、国内に存在しない感染症に関しての海外での医療研修というのを行っていて、延べこれまで八十名が受講していると。国内の感染症の専門家の育成に取り組んできてはいるわけであります。  これ前回は、去年の六月から七月にかけてトルコで行われた研修会がございまして、そのときにはクリミア・コンゴ出血熱という、日本ではないようなものがその研修の対象の一つということであったというふうに思っております。  今、これが一時的な試みだということであるならば、これは一時的で済むような話ではますます、世界はボーダーレスですから、なってきますので、これからもこうした、国内でももちろん研修をやるとともに、海外での研修も活用し、感染症の専門家をしっかり育成していかないと、このリスクに対処できていかないなということを改めて感じて、今先生の御指摘を受けて、今後、こういうことが一時的なものではないようにどうやっていくかということを検討してみたいというふうに思います。

薬師寺みちよみんなの党

○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  久留米大学の渡邊先生の方からもお話がございました。一か所に研修をしても一つか二つの病気しか学べないと。やはりいろんな世界の各地において、私、後から資料も提示しようと思いますけれども、各地によって全く病気が違ってくるということは、一か所に行ったからいいだろう、一か所に行かせたからこれで全てが終わりではない。いろんなところに行ってやっぱりいろんな病気を学んでくる、それがこれから国がやらなければならない人材育成のシステムの構築だと思っておりますので、その点、御協力いただきますようによろしくお願いを申し上げます。  では、質問を最初に戻させていただきます。  今日、私は教育と職場ということの観点で感染症を議論していきたいと思っております。職場と申しますと労働者の安全を守る、労働者の安全を守るというと労働安全衛生法ということになりますけれども、労働安全衛生法における感染症の考え方について教えていただけますでしょうか。お願いいたします。

土屋喜久厚生労働省労働基準局安全衛生部長

○政府参考人(土屋喜久君) お答え申し上げます。  労働安全衛生法におきましては、事業者は労働災害の防止のための必要な措置をとることが求められておりまして、この法律の二十二条においては、病原体等による健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならないという旨が規定をされているところでございます。また、同じ法律の六十九条におきましては、事業者は労働者の健康増進を図るため必要な措置を講ずるように努めなければならない旨が規定されておりまして、各事業所では、この一環といたしまして、必要に応じて感染症に関する情報提供等を行っているものと考えております。

薬師寺みちよみんなの党

○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  企業というものは幅広く活動も行っていかなければなりませんけれども、その中で安全衛生に関する法令を守ることはもちろんでございます。しかし、従業員に対して安全配慮義務というものも一方では負っております。新型インフルエンザ流行時におきましても例外ではなく、従業員が業務によって感染するリスクを評価し、それに対して感染予防策、必要によっては事業の縮小、休止など適切な対応を行うということが企業の義務となってまいります。安全配慮義務や、さらに法や指針の基準を守るだけではなく、その企業の事情に応じた対策というものを実施することが求められてまいります。  そのため、労働安全衛生法でも、職場において労働者の健康管理を効率的に行うために、常時五十人以上の労働者を使用する事業場においては、事業者は産業医を選任をし、労働者の健康管理等を行わせなければならないこととなっておりますね。うんとうなずいていただきまして、ありがとうございます。企業の感染症に対する危機管理というものは産業医が大きく関わってまいります。  産業医は、所定のカリキュラムに基づく産業医学の基礎研修というものを五十単位以上修了した医師、若しくはそれと同等の研修を修了したと認められる医師に認定産業医の称号というものを付与されるものでございます。  認定の際に、基礎研修というものがございます。この基礎研修の中に必須科目として感染症が位置付けられているんでしょうか。もし位置付けられていないと、私としては、これからグローバル社会における日本企業の活躍において大変危険なことも起こってくるのではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

土屋喜久厚生労働省労働基準局安全衛生部長

○政府参考人(土屋喜久君) 委員御指摘のとおり、企業が感染症に対する危機管理を行うに当たりましては、やはり企業における健康管理を担う存在でございます産業医の役割というものが極めて重要だというふうに考えております。  この産業医につきましては、厚生労働大臣が指定する者が行う産業医の資格を取得するための研修の科目、こういったものについて、感染症対策について明示はしてございませんけれども、その内容を含むものとしての健康管理等の科目を定めているところでございます。  また、実際に大臣の指定する産業医の研修機関である日本医師会において実施している産業医の研修会の標準カリキュラム、ここでは、これも必須ではございませんけれども、健康管理に関する適切なテーマ設定の例として事業場における感染症対策というのを挙げているところでございます。さらに、産業保健総合支援センターにおきましても、産業医に対して職場の感染症対策に関する研修を実施しております。  このような取組を通じまして、産業医の感染症対策に関します資質の向上といったものに努めてまいりたいと考えております。

薬師寺みちよみんなの党

○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  新型インフルエンザ以来、本当に企業というものは多くの役割を担わせられているということに気が付いたようでございます。BCPという事業継続計画の中でも、やっぱりパンデミックにいかに対応していくのかということが大きな課題となってきております。  しかし、一回もしそこの企業で何か起こってしまえば、これは日本の問題にもなってまいりますので、ということで、次の質問を資料を見ながらさせていただきたいと思います。  資料の一、二というものを御覧いただきながら話を聞いていただきたいんですけれども、これから先、日本が世界で確固たる地位を築いていく、まさにこれは日本の企業というものは海外進出、もう避けられないものでございます。さらに、グローバル化された社会の中で世界を飛び回る日本人の労働者というものも今後間違いなく増えてくるということが分かります。  平成二十五年、外務省の調査では、我が国の領土外に進出している日系企業の総数は少なくとも六万拠点です。本統計を開始した平成十七年以降最多となっております。地域別では、アジアが日系企業の全体の七〇%を占め、平成十七年以降、一貫して首位を維持しています。  近年、大企業だけではなく、中小企業からの海外勤務者というものも増加していることが特徴でございます。その下の図の、中小企業基盤整備機構の調査によれば、中小企業で海外展開を行っている企業は、平成二十年、二三・九%でございましたけれども、平成二十四年度では六〇%にも達している。そして、近年はその派遣先も先進国に限らず、様々な地域の新興国、発展途上国に広がっております。  次の資料二でございます。  このような国で、じゃ、何が危険なのか。新興国、そして発展途上国ではやはり感染症というものが問題でございます。日本ではもう忘れ去られてしまったような病気も、まだまだこの現場に行くと、まさにこれは生命の危機を感じるような位置にあるということも事実です。この表からも、派遣された従業員やその御家族の皆様方というものは、国ごとに衛生環境、医療水準の違いなどにより様々な疾病リスクにさらされていることも分かります。  この中小企業の皆様方、実は先ほど申しました五十人以下のところは、産業医もいなくていいんですね、選任しなくてもいいんです。じゃ、こういう中小企業の皆様方が更に海外に進出していくためには、こういった情報をどこから仕入れたらいいのか、どうやって相談したらいいのか、どのような体制を取られているのか、教えていただけますでしょうか。

土屋喜久厚生労働省労働基準局安全衛生部長

○政府参考人(土屋喜久君) 今お話のありました小規模の事業場等々を対象といたしまして、その産業保健活動を支援していくために、各都道府県に産業保健総合支援センター、これを設置し、またさらに、各地域には地域産業保健センターを設置をしているところでございます。  この地域産業保健センターにおきましては、産業医の選任義務のない小規模事業場を対象にいたしまして、労働者の健康管理に係る相談対応や事業場への個別訪問指導のほか、産業保健に関する情報提供などの支援を行っているところでございます。このような小規模事業場での海外赴任予定者に対する健康管理、こういった点についての相談もこの地域産業保健センターにおいて受け付けているところでございます。

薬師寺みちよみんなの党

○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  では、今ございました産業保健総合支援センター、地域産業保健センターというところは、海外赴任者のワクチン接種に関する相談、健康相談などの役割というものを既に担っていらっしゃるんでしょうか、どうなんでしょうか。

土屋喜久厚生労働省労働基準局安全衛生部長

○政府参考人(土屋喜久君) 産業保健総合支援センターにおきましては、産業保健スタッフなどを対象といたしまして、職場における感染症対策に関する研修であるとか、あるいは専門的な相談対応を実施しておりまして、各地域の地域産業保健センター、こちらでは小規模事業場における海外赴任予定者を含めた労働者からの健康相談、これを実施しているところでございます。  今お話のございましたワクチン接種等に関する専門的な相談など、なかなかこれらのセンターでは対応が難しいところは、検疫所などの専門機関に関する情報提供を行っているところでございます。

薬師寺みちよみんなの党

○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  時間もございませんので一問飛ばしますけれども、たらい回しにしないでください。必ず、どこに何を相談したらいいのかという情報の窓口になってください。でなければ、本当に我々としても、産業医の立場から言わせていただきますけれども、いないところであれば同じようなサービスを受けられない、同じような情報を手に入れられない、そのために誰か一人が感染をし、そして海外から帰ってこなければならない。企業の問題じゃないですよね。感染した患者様方を日本が受け入れるときにはこれ政府の問題になりますので、しっかりとした情報提供をお願いしたいと思います。  では、今日は経産省にも来ていただいていますので、経産省にもお尋ねをしてみたいと思います。  経産省は、中小企業の海外展開現地支援のプラットフォームなどの取組をなさっていらっしゃるかと思います。今後、海外進出を進めるに当たりまして、現地に赴く従業員の健康、安全にも配慮した取組というものを行っていらっしゃるのか。行っていらっしゃらないのであれば是非お願いしたいというふうに考えますが、いかがでしょうか。

小林利典中小企業庁次長

○政府参考人(小林利典君) 委員御指摘のとおり、中小企業の海外展開において、現地における従業員の健康や安全に配慮することは極めて重要だというふうに認識をしております。そのため、これから海外展開を行おうという段階、海外展開を目指す中小企業に対しましては、海外ビジネスの実現可能性調査、いわゆるFSの支援を実施しておりまして、これにより、進出予定国における感染症を含めたカントリーリスクなどについて、ニーズに応じてあらかじめ調査を行うことができるような仕組みをつくっております。  また、海外進出後の段階でございますが、今委員も触れていただきましたような現地における労務管理を含めた様々な課題、これを解決するために、官民の支援機関をネットワーク化した中小企業海外展開現地支援プラットフォームというものを十二か国、十七か所に設置をしているところでございます。このプラットフォームにおきまして、従業員の健康、安全に対する支援として健康管理セミナーなども実施をしております。さらに、現地事情に精通したコーディネーターを配置しておりまして、相談対応も実施をしているところでございます。  今後もこれらの施策を活用いたしまして、現地従業員の健康、安全にも配慮しつつ、中小企業の海外展開を支援してまいりたいと、このように考えております。

薬師寺みちよみんなの党

○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  海外に出ていけという経産省、お考えはもちろんのこと、それは日本の外貨獲得にもなります。しかし一方で、やはりこういった危険なことというものがあるんだということを厚労省としっかりタッグを組みながら情報提供をして、日本国民の命を守るというのが我々の仕事でございますので、是非よろしくお願いをいたします。  では、また時間もございませんので、次に進ませていただきます。  学校における感染症についてお話を伺っていきたいと思います。資料三を御覧くださいませ。  私も教員として学校で教えておりましたが、実は感染予防法とそれから学校保健安全法というものは感染症の分類が違います。感染症の予防法の方では、感染力、罹患した場合の重篤性などに基づく危険性によって分類がございますけれども、一方で学校保健安全法の方は、第一種というものは感染予防法の一類、二類に当たるもの。第二種というものは学校で流行しやすい飛沫感染する病気、これは出席停止というものが定められております。第三種というものは学校において流行を広げる可能性がある感染症というものの規定、そして出席停止期間の基本的なものは、病状によって学校医が、若しくは主治医が感染のおそれがないと認められるもので判断をしていくというような病気というふうに分けられております。  では、お尋ねをさせていただきます。  もうそろそろインフルエンザが流行する時期となってまいります。インフルエンザが流行して、学級閉鎖、学校閉鎖とも毎年毎年のようにニュースで聞くことが多くなってくるんですけれども、このような休校のタイミング、そして種類、期間というものに一定の基準があるのでしょうか、教えてください。

久保公人文部科学省スポーツ・青少年局長

○政府参考人(久保公人君) 臨時休業につきましては学校保健安全法に規定がございまして、「感染症の予防上必要があるときは、臨時に、学校の全部又は一部の休業を行うことができる。」という規定になっているところでございます。

薬師寺みちよみんなの党

○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  ちょっと私も不満を覚えまして調べてみました。資料四を御覧いただきたいと思います。  この資料四、これは新型インフルエンザに関する臨時休業の基準や目安の状況というものを四十七都道府県で調べたものでございます。学級閉鎖一つとりましても、これだけ基準が県によって違います。そして、一番最後のページ、これが驚くんですけれども、休業期間、三日間から七日間というものもあります。規定がないというものや教育委員会と相談というものまでございます。本当にこれでいいのか、これは私は大変疑問に思ったところでございます。  全く基準もなく、科学的根拠が本当にこの中に盛り込まれているのかというふうに思うんですけれども、このような基準、ある一定のもの、もちろん柔軟性は必要かと思いますけど、作成すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

久保公人文部科学省スポーツ・青少年局長

○政府参考人(久保公人君) 確かに、個別の出席停止なんかと異なりまして、こういう一般的な規定になっておりますのは、そもそもどういう場合に臨時休業を行うかにつきましては、感染症の種類や各地域、学校における感染症の発生、流行の態様が様々であって、また、感染症予防の観点と児童生徒が教育を受ける機会を確保する観点等を勘案して総合的に判断する必要があるからこういう規定になっているわけでございます。  お示しいただきました資料は、たしか二十一年のときのインフルエンザが大変はやりましたときに、厚生労働省と文科省が連携しながら、学校だけじゃなくて保育所等も含めた一般的な判断基準なりの指導を行いましたときに、その当時の状況を整理してお付けしたものでございます。したがいまして、臨時休業を行うに当たりましては、各地域において、保健担当部局や学校医との連携によって地域や学校の状況を正しく把握し、適切に判断することが望ましいと考えておりますことからこういう規定にしているところでございます。

薬師寺みちよみんなの党

○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  県をまたいだら別の病気というわけではございません。新型インフルエンザは新型インフルエンザでございます。ということは、ある一定のものを示していただいた上で柔軟に対応するような施策というものが私は必要かと思います。今後の検討課題かと思いますので、よろしくお願いいたします。  それでは、資料五を御覧くださいませ。  これは奈良市がマニュアルを作っているものでございます。こういう危機管理というものは、しっかりこういうマニュアルに基づいて動くということが大切かと思います。  このように、学校で感染症に対する対応マニュアルというものが必要ではないか。様々なところを調べてみましたら、やっぱりマニュアルがある市、マニュアルを持っている学校、またそれぞれ違うんですね。しかし、こういうものについてもある一定の基準というものを厚労省若しくは文科省の方からお示しいただきたいというふうに考えておりますけれども、この学校対応マニュアル、どのようにお考えか、ちょっとお聞かせいただけますでしょうか。

久保公人文部科学省スポーツ・青少年局長

○政府参考人(久保公人君) まず、学校におきましては、学校保健安全法に基づきまして学校保健計画を作成することになってございまして、この中で感染症対策も含めた取組を実施しているところでございます。  その上で、それを前提として、文部科学省といたしましては、具体的な対応マニュアルといたしまして、「学校において予防すべき感染症の解説」、こういう冊子でございますけど、作成いたしまして、各都道府県の教育委員会が学校に配付しておるところでございまして、各学校におきましては、こういったマニュアル、文部科学省で作りましたマニュアルの活用をより積極的に行っていただきたいと思いますし、さらに管理体制の構築、医療関係機関等との連携強化などをきちんと図ってやっていただければ適切な対応が取られるんじゃないかと考えておりまして、その辺りの指導をきちっとしていきたいというふうに考えているところでございます。

薬師寺みちよみんなの党

○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  やっぱり危機管理で、誰がどういうふうに、いつ見てもすぐに手に取れるというものが、簡易なものもなければなりません。私もその冊子読ませていただいて、もう本当にいいものでございますけれども、それを全部読み解くのに何時間掛かるかというものでございましたので、是非このようなフローチャート式で誰でも分かるようなものを各学校に作成していただくようにお願いをしていただきたいと思います。  この中で、やっぱり今後大事になってまいりますのが学校医の役割でございます。産業医の役割、まさに企業における産業医の役割が学校における学校医の役割でございます。感染症についての研修を行っているのか、教えていただけますでしょうか。

久保公人文部科学省スポーツ・青少年局長

○政府参考人(久保公人君) 文部科学省では、毎年、学校医や教職員等を対象とした研修会を実施してきております。毎年十一月頃に開催しております全国学校保健研究大会では、感染症、食中毒の予防を含めた健康教育に関する諸課題につきまして研究、討議を行っているところでございます。また、その大会の翌日には、毎年、日本医師会主催で学校医を対象とした全国学校保健・学校医大会を開催されておりまして、平成二十五年度には学校における感染対策をテーマに基調講演やシンポジウムも開催されているところでございます。

薬師寺みちよみんなの党

○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  学校医というのは、先ほどの産業医と違いまして、認定制度ではございません。その中で実は面白い試みがございまして、大阪府の医師会では認定学校医制度というものをしいております。任意でございますけれども、研修を行って、しっかりと学校に向かうべく様々な保健活動について学んでいらっしゃる先生方が多いようです。今までこういうことが全国で行われず、なかなか、年一回あったというところで、忙しい臨床を持っていらっしゃる先生方は行くことができません。各地の医師会でもこの学校医についての研修が行われていることも分かっておりますけれども、年に一回ぐらいはもう一度感染症について見直す機会というものを持っていただくよう、文科省の方からも働きかけをお願いしたいと思います。  少し質問が残ってまいりました。大変申し訳ございません。次の機会に質問させていただきたいと思いますので、今日、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

東徹維新の党

○東徹君 維新の党の東徹でございます。  通告させていただきました順番どおり質問させていただきたいというふうに思います。  先ほど薬師寺委員の方からも話が出ておりましたインフルエンザのことについてでありますが、ちょっと十月二十八日にもこの委員会で質問させていただいたんですが、インフルエンザの予防接種ということですが、これは、これからやっぱりインフルエンザがはやる時期が来て、そして特に必要とする学校、例えば医療とか福祉とかの専門学校であったり大学であったり、そういったところが、病院とか高齢者の施設であるとか、そういったところに現場実習に行く、そしてまた国家試験があったりとか、そしてまた、そういったところだけではなくて、企業でもそうだと思うんですが、非常に企業としてもやっぱりきちっとインフルエンザの予防接種をしなければいけないというような企業もあるというふうなことで聞いております。  その中で、先日聞きましたけれども、昭和三十七年の通達がありまして、二川政府参考人からは、学校や企業で臨時的に行う予防接種は、医療を受ける方の安全を確保するため、原則として診療所の開設届が必要であるというふうな答弁でありましたけれども、巡回診療の診療所の開設届を求めるという理由が、医療を受ける方の安全を確保するためということでありました。安全の確保というのは、例えば無医地区であったとしても、またそういった学校であったとしても、安全は求めるのは当然同じなわけでありまして、これはなぜこういうふうになっているのか、まず大臣の見解をお伺いしたいと思います。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) 医療法上、診療所とは医業を行う場所であって、診療所の開設に当たっては、衛生管理上の責任を明確化するために管理者を定め、開設の届出を求めることとしていると、こうなっておりまして、今お話があったように、衛生管理等の責任を明確化するということになっていました。  いわゆる巡回診療についてのお話は、もうお話、今、出ましたっけ。

東徹維新の党

○東徹君 いいえ。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) いずれにしても、衛生管理等の責任を明確化するために開設の届出を求めるということになっているということでございます。

東徹維新の党

○東徹君 何か、ここで休憩を挟んだ方がいいんですか。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) いえいえ。

東徹維新の党

○東徹君 いいんですか。大丈夫ですか。  そこでなんですけれども、これは無医地区であっても必要だということ、安全は大事だということでありますし、先日の二川政府参考人の方からは、原則として診療所の届出を行っていただくか、又は診療所の開設届ではなくて、巡回診療の実施計画等の提出でもよいというふうになっているというふうにお聞きしましたけれども、それはそれでよろしいんですか。

二川一男厚生労働省医政局長

○政府参考人(二川一男君) 先日も御答弁申し上げたとおりでございまして、巡回診療につきましても、原則としては、特定の場所で医業を行うものに該当するということで、原則として診療所の開設の届出を行っていただくこととしておりますけれども、無医地区などにつきましては、昭和三十七年の通知によりまして、巡回診療の実施計画でもよいと、こういうふうになっているところでございます。

東徹維新の党

○東徹君 いや、そうじゃなくて、無医地区のことじゃなくて、無医地区でない都市部においても巡回診療の実施計画の提出をすればインフルエンザの予防接種はできるということでよろしいんですか。

二川一男厚生労働省医政局長

○政府参考人(二川一男君) 通知で具体的に例示をしておりますのは無医地区等ということでございますけれども、具体的にそのどちらのケースでいくかということにつきましては各自治体で御判断をいただいているところでございますから、自治体につきましては私ども適切に助言をしていくと、こういった方針でございます。

東徹維新の党

○東徹君 大臣、ここが非常に大事なところでありまして、今の話では、巡回診療の実施計画の届出でもいいんだけれども、それは自治体の判断であってというふうな話なんですよ。ということは、自治体は、これは巡回診療はできないというふうに判断しているんですね。だから、ここはちょっと違うじゃないですかと。ここはやっぱり通達を変更してもらって、変えてもらって、巡回診療の実施計画の提出でインフルエンザの予防接種を学校においても企業においてもできますよというような通達に変えるべきだというふうに思っているんですが、いかがでしょうか。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) たまたま私も同じような問題意識を持っておりまして、中で議論をしました。  今先生が御指摘のように、原則として一般の診療所といわゆる巡回診療、このどちらも診療所の開設という届出で今対応をしているわけですね。  しかし、考えてみたら、この巡回診療というのは、特に無医村、無医地区とかですね、そういうことを前提にしたものでありまして、これは昭和三十七年の通達なんですね。この間、藤田先生から、私と同じ年齢の通知の話がありましたけれども、五十二年前の話であって、五十二年前の状況と今は全く違うわけでありますし、むしろ、やや、フレーズとして言えば、都会にも無医地区があるというふうに言えないこともないような状況に今なってきているわけであって、そこで、先生、前回、もう既に局長に対して御質問を別途いただいているわけでありますけれども、この点については、今の現行法令上の取扱いについて、簡素化とか、あるいは国民の利便性の向上などの視点を踏まえながら、どのような仕組みが今の時代に合って、適切なのかということを自治体の関係者とも意見を伺いながら検討すべきじゃないかというふうに私は思っておりまして、そのように厚労省としても今後やっていきたいというふうに思っております。  平たく言えば、昭和三十七年のこのときの医務局長通知、これはやはりそのときの時代に合ったものとして、今の時代にはなかなかそぐわないかも分からないし、また、そのような、手続的にも煩瑣であり、また国民の利益からもどうだろうかというところがあるので、これは厚労省としてもちゃんと自治体と協議の上で新しい考え方をやっぱりつくっていくべきじゃないかということを指示したところでございます。

東徹維新の党

○東徹君 是非、通達を変えていただくということを大臣の方からは答弁していただきたかったなというふうに思っている──ああ、どうぞ。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) 言い方が悪いのかも分かりませんが、実情そういうことを申し上げているわけであって、しかし、その通達を変えることで済むのかどうかということはまた別問題で、法律に関わる問題で、法律の根っこを変えなきゃいけないのかも分からないということもあるからこそ今そういうふうに申し上げているので、方向としては、先生と問題意識を私は共有しているつもりでありますので、その点は御心配をいただかなくてもいいんじゃないかというふうに思います。

東徹維新の党

○東徹君 ありがとうございます。  じゃ、そういうふうになるものというふうに信じておりますので、ちょっと、何で、まあ余り言いたくはなかったんですけれども、もう一度再度質問させていただいたのかといいますと、これ、ある議員がこの間質問が終わった後、自治体に言うから駄目なんだよとか言うのを聞くと、何かちょっと地元のお医者さんの言ってみれば患者が少なくなるからこういうことを言っているのかなというふうにちょっと思えたようなところもありましたので、そういうところを是非改正していただいて、やはりそういう医療のサービスを受ける方がより便利になるように、学校を休まなくてもちゃんと受診することができるというふうな、会社を休まなくても受診して予防接種ができるというふうな状況を是非つくっていただきたいというふうに思います。  続きまして、西アフリカで猛威を振るっているエボラ出血熱のことにつきまして質問をさせていただきます。  先ほどから他の委員の先生からも質問がありましたのでちょっとダブってしまいますが、特定感染症と第一種感染症の指定医療機関というのが全国で四十五か所ありますということで、先ほども話がありましたけれども、塩崎大臣の地元愛媛におきましても、隣の熊本県の医療機関に患者を運ぶことを想定しているというふうに聞いておりますが、その患者の搬送に救急車を使うかどうかもまだ決まっていないというふうなことは報道でもありました。  このような指定医療機関がない県でエボラ出血熱等に感染した疑いのある患者が生じた場合の対応について、改めて厚生労働省の見解をお伺いしたいと思います。

永岡桂子自由民主党厚生労働副大臣

○副大臣(永岡桂子君) 東先生にお答えいたします。  先ほど来ずっといろいろ出ておりますエボラ出血熱の患者さんに対して、これ現在、三十八の都道府県におきまして専門の医療機関が整備されているということでございますが、これはやはり感染の拡大を防止するためのソフト面であるとか、あとはハード面の基準を満たすもの、専門の医療機関というものが必要でございまして、そこが医療を提供することになっております。  先ほどからも、本当にまた同じようなんですけれども、九つの県、これはやはり基準を満たしていないということで、第一種の感染症指定医療機関にはなっておりませんし、また特定感染症の指定医療機関にもなっておりません。そういうことでございますので、エボラ出血熱の患者さんが発生した場合には、その県におきまして、またお隣の県の指定機関に搬送するということにはなっております。  やはりこれは、実際にエボラ出血熱の患者さんが発生した場合の対応にまず一番万全を期すために、先月になります、十月の二十四日にも、都道府県などに対しまして、近隣県の第一種の感染症の指定の医療機関などへの搬送を含めた発生時の具体的な対応、これを確認するために、これは再確認ですね、今までもきちんと決められておりましたので、再確認をするよう改めて通知をしたところでございますし、またさらに、全国の自治体との間で危機感を共有するとともに、また対策の水準の底上げを図るために、来週十三日、十一月の十三日になりますが、全国の自治体の担当者にお集まりいただきまして、発生時におけます搬送体制などを含めた基本的な対応について確認する予定でございます。  専門医療機関が未整備の県におきましては、当面の対応といたしまして、近隣県への搬送の体制の確認はもちろんのこと、県内での整備が進むように、引き続き要請を行ってまいりたいと考えております。

東徹維新の党

○東徹君 ちょっと私も大阪府の方に確認をいたしましたら、大阪府の方でも、実際に感染者が出たときにどう対応していいのか、マニュアルとかそういったものもまだできていないというふうなことでありました。  是非、エボラ出血熱患者が国内に発生したときの支援体制、先ほども参考人の方が言っておりましたけれども、診療を行う医療機関に、感染防止、医療従事者の健康管理等についての助言であったりとか指導を行う専門家の派遣、こういったことをしっかりと行えるように是非お願いしたいと思います。  続きまして、結核対策についてお伺いをしたいと思います。  結核の罹患率ですけれども、我が国ですが、二〇一二年のデータでは一六・七と、年々低下をしてきておりますけれども、結核の蔓延に対する対策が一定の効果を上げているというふうに考えております。  結核の罹患者の中心は六十五歳以上の高齢者でありますが、都市部においては、高齢者には限らず、海外の高蔓延地域から入国者など比較的若い層でも結核に罹患する方が一定程度存在しております。例えば大阪市では、平成二十四年結核発生動向調査によりますと、結核新登録患者が、約四四%が六十五歳未満ということで、非常に若い方がおられるというふうに思っています。  この中でも、特に若い層は行動範囲が広いため、複数の自治体が連携しながら感染拡大防止に努める必要がありますが、この自治体間の連携をどのように推進していくのか、まずは見解をお伺いしたいと思います。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) お答えいたします。  結核につきましては、健康診断、積極的な疫学調査及び予防接種などの施策を総合的に講じることによりまして、発生の予防、蔓延防止に努めているところでございます。  一方で、ハイリスク者を中心に、御指摘ありましたように、若年層でも結核患者が存在しております。市町村におきましては、地域の実情に応じ、平時からハイリスク者に対する定期健康診断を実施し、患者の早期発見に努めているところでございます。  また、若年の結核患者の場合、行動範囲が広いといったことによりまして、必要な対策が広範囲にわたるということも想定されますので、自治体間の情報共有や事例の共有が重要と認識してございます。こういった観点から、毎年全国の七ブロックで都道府県主催の結核予防技術者地区別講習会を開催しておりますが、県域を超えた自治体間の相互連絡につきましても連携強化を図っているところでございます。  厚生労働省といたしましても、引き続き自治体間の連携が強化されるよう支援を行ってまいりたいと考えております。

東徹維新の党

○東徹君 具体的にどのようにやっていくのか、お聞きしたいところでありますが、次の質問をさせていただきますけれども、この法案では、結核の蔓延防止の観点から、新たに五十三条の十四第二項で、保健所長は、病院等に対し、処方された薬剤を確実に服用する指導その他必要な指導の実施を依頼することができるものというふうにされておりますが、その他必要な指導というんですけれども、これは一体どのようなことを想定しているのか、お伺いしたいと思います。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) 結核患者に対して保健所長が行う指導に含まれるものといたしまして、服薬指導のほかには、結核患者さんの療養上必要な食事あるいは日常生活についての保健指導、こういったものが想定されます。

東徹維新の党

○東徹君 続きまして、同じ結核に関する話でありますけれども、結核に関する特定感染症予防指針においては、平成二十七年度までにDOTSの実施率ですけれども、これを九五%以上という目標を掲げております。この点、平成二十四年度時点では実施率が八六%というふうにとどまっておりますけれども、この実施目標をどのように上げていくのか、お伺いしたいと思います。

永岡桂子自由民主党厚生労働副大臣

○副大臣(永岡桂子君) 結核に関します特定感染症予防指針、これは直接服薬確認療法、これがDOTSだそうでございますが、これを実施率九五%とするということを目標に掲げております。しかしながら、現在そこまで至っていないということでございますので、このDOTSの取組を推進してまいったところでございます。  昨年、厚生労働省が調査いたしましたところによりますと、病院と薬局と連携してDOTSを実施している自治体の方が、それをやっていない自治体に比べまして大変DOTSの実施率が高いという調査が出ております。  そこに着目いたしまして、今般の法改正におきましては、国として、地域の関係者の連携を促進しまして、DOTSの実施率を更に向上させるため、保健所長がDOTSの実施につきまして必要に応じて地域の病院、薬局などに依頼をすることができる旨を法律に明確化をすることによりまして、地域の関係者の間での連携を強化、普及することとしております。  平成二十四年時でDOTSの実施率は八六%と目標に達しておりませんでしたが、これらの取組によりまして、結核の患者さんに対して、より頻繁にDOTSを実施することが可能となりまして、目標の達成に寄与するものと考えております。

東徹維新の党

○東徹君 最後に、ちょっと時間がなくなりましたので、一点質問させていただきますが、今日、参考人質疑の中でも足立委員がおっしゃっておりましたけれども、この本法案の施行日なんですけれども、一部の規定を除きまして平成二十八年四月一日というふうになっておるわけですね。こういうのは早くしなければいけない、感染症に関する情報収集体制の強化なんかはもう来年の四月からでも是非実施しなくてはいけないというふうに思うんですが、二十八年四月一日になっている、非常に遅いと思うんですが、いかがでしょうか。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) 今回の改正法案の施行期日は幾つかに分かれておりますが、まず、現在、政令により暫定的に二類感染症と同様に取り扱われている鳥インフルエンザ、H7N9と中東呼吸器症候群、MERSの二類感染症への追加等につきましては公布の日から起算して二月を経過した日、一部の五類感染症の医師の届出方法の変更等については公布の日から起算して六か月を経過した日、検体の採取等の要請の制度の創設等については平成二十八年四月一日としているところでございます。  このうち検体の採取等の要請の制度につきましては、都道府県知事に対して入手した検体の検査を行うことを義務付けることとしているわけですけれども、その検査の質を確保するための基準について、厚生労働省において専門家の意見を聞きつつ詳細を詰める必要があるということが一点、また、地方自治体において一定水準の……

丸川珠代自由民主党

○委員長(丸川珠代君) 局長、時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いします。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) はい。  一定水準の検査精度を担保するため体制を整備する必要があることといったことで、十分な準備期間を確保するために二十八年四月一日施行としているものでございます。

東徹維新の党

○東徹君 もう時間がなくなりました。終わらせていただきます。

小池晃日本共産党

○小池晃君 日本共産党の小池晃です。  新たな感染症から国民の健康を守る措置は私どもも必要だというふうに思っております。そういう立場で質問をしたいと思います。若干、ちょっと質問の順序変わるかもしれません。  今回の法改正で、都道府県知事が検体の採取を勧告することができるという新たな仕組みが盛り込まれておりますが、これはやっぱり厳密でないといけないというふうに思うんですね。  厚労省にお聞きしますが、第十五条三項第一号で規定している当該感染症にかかっていると疑うに足る正当な理由のあるものとは、具体的にはどういうものを想定しているんでしょうか。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) お答え申し上げます。  感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者とは、感染症の患者と接触した者など当該感染症に罹患したことを疑わせる合理的な理由がある者のことでございます。具体的には、感染症ごとの感染様式、感染力の強さ、患者等との接触の程度などを考慮して個別に判断されるものと考えております。  例えば、エボラ出血熱につきましては、患者の体液等に直接接触することにより感染するものでありますので、接触歴がないと分かっており、かつ症状がない場合には、感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由があるとは認められないと考えております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 今、若干答弁の中にありましたけれども、エボラ出血熱の場合でいいますと、症状がなくても、蔓延国に滞在するだけ、あるいは患者と接触したという事実のみをもって、例えば医療活動で参加したということをもって感染を疑うに足る正当な理由になるんでしょうか。これはならないと思うんですが、いかがでしょうか。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) 西アフリカにおきましてエボラ出血熱の患者さんの治療を行った医療従事者というだけで、症状がない場合、これは感染症にかかっていると疑う正当な理由にはならないと考えております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 午前中の参考人でも議論にしたんですけれども、アメリカでは、治療に当たったというだけで隔離病棟に入れるとか自宅に帰っても外出禁止ということが問題になっていて、やっぱりこれは人権侵害であるだけではなくて、医療活動にも非常に支障を来すと思うんですね。やはり人権を制約するような場合には、これは慎重な上にも慎重な対応をしていくと。今の答弁でそういったことにはならないということだというふうに私は理解しますが、そういうことだと思うんですが、そのことは強調しておきたいというふうに思います。  あわせて、本人の同意なく強制的な検体採取ということになれば、これはその後の医療の継続に深刻な影響を来すと思うんですね。やっぱり検体採取というのは、強制的にやるのはあくまでもこれは例外的な措置であって、極めて例外的な措置であって、これはあくまでもやっぱり本人の同意を基本にすべきだというふうに思うんですが、今日の午前中の参考人でも、これは同意を得るための措置なんだというような、そういう御説明も参考人からはありましたけれども、私は、これはあくまでも本人の同意が基本だということを確認したいと思うんですが、いかがですか。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) おっしゃるとおりでございまして、検体の入手に当たりましては、まずは都道府県知事等からの検体提出の要請に対しまして、医療機関、本人等から任意で御協力いただくことが望ましいと考えております。  改正法案で、一類感染症などにつきまして新たに設けられる検体採取の措置がございますが、これにつきましても、患者本人ではなく医療機関からの検体の収去を優先させるということ、措置に当たっては、事前の勧告の実施、書面による理由の提示などの手続を踏むといったことが規定されておりまして、実際には医療機関が御本人から検体を採取して保管していると思いますので、それを入手するということができると思っておりますので、こういった規定を発動して、本人から検体の採取措置に至るということはせずに入手できると思っております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 感染症指定医療機関について聞きます。  先ほども御指摘ありましたけれども、NHKのアンケート調査では、八二%の指定医療機関が対応、準備が不十分だというふうに言っているわけで、大臣にこれはお伺いしたいと思うんですが、現状の医療体制は極めて深刻な状態だという御認識はありますか。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほども出ましたけれども、NHKでアンケートを取られて、この受入れ準備の課題として医療現場の研修や防護服等の備品確保を挙げる医療機関が多かったということは私も承知をしているところでございまして、感染防護を含めて、感染症指定医療機関の従事者によるエボラ出血熱への対応力を向上させて安心して治療に当たっていただけるようにしなければならないわけで、厚労省としても、先ほどちょっとお話が出ましたが、十月の八日からこの年内に順次全国の十四か所以上で感染防護策の研修を実施する、指定医療機関でですね。これは、こっちから出向いていく理由は、それぞれがそれぞれ独自の施設を持っていたり装置を持っていたりするものですから、やっぱり現場でやるということが大事だということで、国際医療研究センターの方から専門家が出向いてやるということでレベルアップを図っていくということでございました。  それから、先ほど出ました、今月中のいつだという話ですが、私は何しろ早くしろと、こう言っているんです。第一種感染症指定医療機関等を対象に国立国際医療研究センターにおいて、全国から来ていただいて、それで感染防護策の研修を実施するということを予定をしていまして、これはやはり、もう何しろ可及的速やかにみんなに少なくともミニマムスタンダードのレベルの用意はしてもらうと。  あとは、個人防護具については、これまでも厚生労働省において、感染症に対応する医療機関に対して購入経費を補助しておりまして、感染症指定医療機関でも利用いただくことが可能になっていると。  こういったことで、感染症指定医療機関における準備を我々としては更に強化していきたいというふうに思っております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 現時点で指定医療機関のない県については、先ほどから議論になっていますが、九県。九県の空港には全て国際線が就航しております。やはりこれは、大臣は先ほど全県設置を目指すというふうにおっしゃったんですが、やはり全県設置がこれは基準ですからやるべきことだというふうに思うんですが、先ほど局長は、目星が付いているところはやるけれどもという話があったんですが、目星が付いているところは九県中幾つなんですか。それで、それ以外もこれはやっぱりきちっと設置するということで臨むんですね。そのことを確認したいんですが。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) 国としても、この指定医療機関がまだ設置されていない九県とは個別にきちんとやり取りをして現状を把握しつつございます。最新の状況をまた今日、明日にでも把握させたいと思っております。そういう中で、基本的な考え方としてはおっしゃるとおりでございまして、空白県がないようにこれは是非とも設置していただくように、重ねて要請をしてまいりたいと考えております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 国立感染研の村山庁舎はバイオセーフティーレベル4の機能を有する施設であるわけですが、一種病原体等取扱施設としての指定を受けておりません。  これは大臣にお伺いしたいんですが、BSL4の大臣による指定に当たっては、やっぱり地元住民、地元自治体に対して十分な説明を行い、理解を得ることが必要だというふうに思っておりますが、先ほど、どうやって理解を得るんだと言ったら、これまで以上に理解を得るんだと、そういう話で、これ三十年掛かっているわけですから、具体的にやっぱりちょっと踏み込んで、きちっと責任を持って理解を得る努力ということはどんなことをお考えですか。大臣としてお答えいただきたいと思います。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) このBSL4施設を稼働させることが極めて重要だということは、繰り返し申し上げているとおり、そのとおりであって、国立感染症研究所の施設は、適合している施設を持っていながら、施設周辺の住民の方々の中には、病原体の取扱い等で近隣で実施することに対して不安をまだお持ちだということなので、それは事実でございまして、我々はその心情に十分配慮することが重要だというふうに思っておりますけれども、しかし、既にもう事は西アフリカにおいてあれだけの感染が拡大していることを考えてみると、やはり国内で発生した場合に万全の対策を講じるためにこのBSL4の施設が必要だという認識は更に強めておりまして、地元関係者の理解を得るべく、今事務的にもいろいろな動きをさせていただいておりますけれども、何しろ早く稼働ができるように、地元の関係者にこれまで以上に本当に丁寧にこれ重要性を説明をし、今こそ、やはりこういう問題が起きているときにこそ御理解をいただくということを更にやっていかなければいけないというふうに思っていて、事務方にはその旨言って指示をしているところでございます。

小池晃日本共産党

○小池晃君 私は、大臣が直接説明するぐらいのことをやるべき課題ではないかなというふうにも思いますが。  今後の課題ですけれども、これ、フェンス隣は小学校なんですね。特別支援学校も隣接していて、大規模な都営住宅もあるわけですよ。もう三十年たっているんですね、できてから。今後の課題ですけれども、やっぱり現在のような立地条件で、しかも三十年たっているわけだから、もうこれは造り直さなければ、やっぱり東日本大震災の後で不安もあるわけで、私は、やっぱり適切な場所に造っていくということを考える必要があるんじゃないかなというふうに思いますが、これは質問ではなく、指摘にとどめたいというふうに思います。  さて、先ほどちょっと西村委員が質問されたことに関連する、何か連係プレーのような質問になりますが、日弁連が保険医の指導・監査についての意見書を出して、先ほど中身は御説明あって、私も非常に重要な提言だと思って読みました。  大臣は、厚労省としてこの提言、日弁連の提言、どう受け止めていらっしゃいますか。具体的にもいろんなことをされているかと聞いているんですが、いかがでしょうか。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど既に西村先生から問題提起がありましたけれども、今年の八月二十二日ですかね、日弁連から厚生労働大臣宛てに意見書が提出されたことは前大臣時代にあったということでありますが、承知をしておりまして、この意見書は、指導・監査を受ける保険医等への適正な手続を保障する立場から、現行の指導・監査制度について改善、配慮及び検討を求めているということで七項目、先ほどもありましたが、検討を求められているというふうに思っております。  もとより、保険診療の適正化というのはもう重要な課題であって、指導・監査制度についても、これはやはり保険でありますから、厳格な運用が求められることは当然だと思いますけれども、一方で、対象となる保険医の尊厳とか、あるいは事務負担とかデュープロセスの在り方とか、そういったことについては、当然、今後とも制度の適正な運用は努めていかなければならないことだというふうに思っているところでございます。

小池晃日本共産党

○小池晃君 具体的にお聞きをしたいと思います。  指導当日に資料を持参をするというのは、これは被指導者側の任意の協力によるものであって、やっぱり最小限度にすべきだと思うんですね。指導大綱の実施要領では、指導は原則として指導月以前の連続した二か月のレセプトに基づき行うとされているわけで、したがって、やっぱり持参物も二か月ということに限定すべきではないでしょうか。

唐澤剛厚生労働省保険局長

○政府参考人(唐澤剛君) 先生から御指摘いただきましたように、保険医療機関の指導につきましては、指導大綱に基づきまして、指導を行う月以前の連続した二か月の診療報酬明細書に基づき実施するということにしております。その際に、私どもでお願いをしておりますのは、医療材料の購入伝票でありますとか、あるいは一部負担金の徴収の名簿など、こういうものをお願いしておりますが、それはある程度の診療の関連する状況というものを御確認させていただくために、直近の一年分というものの資料をお願いをしているところでございます。  これにつきましては、指導の実効性を確保する上でやむを得ないということでお願いをしたいと考えているところでございますけれども、医療機関の皆様にも御協力をいただきつつ、丁寧な指導の実施に努めてまいりたいと。引き続き、改善等、あるいは日弁連の皆様とも意見交換をさせていただきながら検討してまいりたいと考えております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 一年という御答弁があったので、それ以上のこともやられている実態もあるようですから、まあ一年、私はもっと短くていいんではないかと思いますが、負担軽減するべきだと思います。  それから、指導対象カルテですが、これは以前は実施日のおおむね一週間から十日前だったのが、これ今、医科、歯科とも診療所は四日前に十五人分、前日十五人分なんですね。厚労省は、カルテというのは日常的に作っているんだから、いつ何どき言われても大丈夫じゃないかというふうに言っているんですけど、これは乱暴な話で、やはり保険医というのは日常的に多数の患者の診療に当たっているわけですから、やはり事前に一定の準備期間というのは必要だと私は思います。  今のように前の日に指導カルテを規定するようなやり方はやめるべきで、従前の実施前一週間から十日、ここに戻すべきじゃないですか。

唐澤剛厚生労働省保険局長

○政府参考人(唐澤剛君) 治療のカルテの提出につきましては先生の御指摘のとおりでございますけれども、私どもといたしましては、指導の対象の方には三週間前に指導の実施、その際必要となる書類をお知らせしておりますけれども、実際の提出につきましては、従来は一週間前から十日前に通知していたものを現在は四日前、前日という形になっております。  これは、指導を実効あるものにするという観点から、確かに大変ではございますけれども、やむを得ないものとしてお願いをしたいと考えているところでございまして、是非今後とも丁寧な指導の実施、改善に努めてまいりたいと考えております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 大変だと言っているじゃないですか。大変なことをやっぱり求めるのはやめた方がいいんですよ。指導というのは、先ほどもあったけど、監査と違うわけで、何か不正が前提にあるような、改ざんするんじゃないかみたいな、そういう考え方でやっているとしたらとんでもない話なんですね。これはやっぱり見直していただきたい。  それから、個別指導の中断というのも大問題で、中断となった場合に、指導結果が出ないまま、いつ再開するかも分からない不安定な状態に置かれる。過去、東京の歯科医師がこれを苦に自殺された事件もあります。中断を繰り返しながら長期化するような実態がやっぱりあるんですよ。そういう実態を把握されているかどうか。  もちろん、必要な資料を忘れたということで、中断することがないわけじゃないと思います。ただ、その場合もいつ再開するのかというめどを示す、あるいは中断を繰り返して長期化する、こんなことあってはならないというふうに思うんですが、いかがですか。

唐澤剛厚生労働省保険局長

○政府参考人(唐澤剛君) 中断の御指摘でございますけれども、中断の理由は様々あるわけでございますが、指導時にお願いした書類が十分でなかった場合でありますとか、あるいはなかなか十分な回答を得ることができなかったというようなことで、期間内に指導が完了しないというケースがございました。そして、その結果として長期化するというケースがあることは承知をしております。  しかしながら、中断の期間が長期にわたることにつきましては保険医療機関側の相当な御負担ということにもなりますので、私どもといたしましては、長期化することはできる限り避けるべきであると考えております。  個々の案件の中には、やむを得ず早期の再開が困難なケースもございますけれども、可能な限り早期に再開し、指導を終了できるように、適切な制度の運用に努めてまいりたいと考えております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 再開のめどをきちっと示すと、早期に。そこはどうですか。

唐澤剛厚生労働省保険局長

○政府参考人(唐澤剛君) できるだけ再開のめども示すことができるように運用してまいりたいと考えております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 最後に、資料をお配りしましたけれども、歯科技工の問題を質問したいと思います。  歯科医療にとって欠かせないのが義歯を作る歯科技工士なんですが、非常に厳しい労働環境の下で、技工士学校卒後五年以内の離職率が七五%に上ると。二十代、三十代の技工士の離職率は約八割と言われています。お配りしたパンフレット、事前にも大臣の方にもお届けするように言ってありますので御覧いただいたかとも思いますが、これは大阪府歯科保険医協会などが行ったアンケートで、週七十時間以上働いている技工士が五割を超える。技工士一人の一人ラボというところでは、週九十時間働く人が三割近くもあるという異常な事態になっています。  先日、国会内で集会もやりまして、自民党からも参加者がありました。技工士の方から実態もお聞きしたんですが、大臣、やっぱりこれ実態調査をやるべきじゃないですか、技工士の置かれている現状について。処遇改善の手だてを取るべきだと思うんですが、いかがでしょうか。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) 調査ということでございますが、その前に、私ども、当然地元で技工士の方々とは親しくいろんなお話を聞きながら、会ともお付き合いをいただいて、いろいろな現状、またその働く場にも行って、どういう職場環境で働いているかということもよく拝見をしているわけであります。  問題意識は、我々も自民党の中に議連がちゃんとありまして、問題をよく聞いているわけでありますが、厚生労働省では、歯科技工士の就業場所等について、衛生行政報告例により隔年で調査を行って実態を把握してございます。それから、歯科技工士の就労時間とか賃金とかそれから歯科技工所の経営形態などについては、日本歯科技工士会が三年ごとに実施をいたします歯科技工士実態調査というのがあって、我々はそれを把握をしておるところでございます。  厚労省としては、これらの調査によって歯科技工士の勤務状況などを把握をしているわけで、今、新たにということでありますけれども、我々既にやっているということと、技工士会との連携をしながら、技工士会の調査についても取り込みながら、よく見ていくということだというふうに思っております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 実態をお聞きになっているんであれば問題意識は同じではないかなと思っていますので、是非、この問題、前向きに取り組んでいただきたいと思います。  終わります。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。  現行法においては、六条三項において二類感染症を項目立て、同条同項五号において「鳥インフルエンザ(H五N一)」と明記をしています。しかし、今般の法改正では「特定鳥インフルエンザ」とのみ記載するだけで、血清亜型の範囲については政令で定めるとされております。検体提出など強制的措置の対象となる範囲が法律から政令へと緩和されているわけです。このことは問題ではないでしょうか。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) お答え申し上げます。  改正法案におきましては、二類感染症である鳥インフルエンザにつきましては、血清亜型は政令に委任することとするものの、法律におきまして新型インフルエンザに変異するおそれが高いものであるということを定めております。そして、政令で定められる血清亜型を厳格に限定することとしております。  また、亜型を政令で定める場合、厚生科学審議会の意見を聞くということにしておりまして、科学的根拠に基づき、また人権に対しても配慮した上で政令が決定される仕組みを担保しているところでございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 法律から政令に落ちるわけで、この点についての説明やいろんな点はしっかりしていただかねばならないというふうに思っています。  それで、午前中の参考人質疑でも問題になったんですが、十六条の三が新設をされます。十六条の三の三項で、「都道府県知事は、第一項の規定による勧告を受けた者が当該勧告に従わないときは、当該職員に当該勧告に係る第十五条第三項第一号に掲げる者から検査のため必要な最小限度において、同号に定める検体を採取させることができる。」という、この十六条三項がこの度新しく入ったというのが重要なポイントだと思いますが、この三項の点について、本人が嫌だ、断固拒否とした場合には、これはどうなるんですか。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) 感染症法の前文にうたわれているように、感染症への対応においては患者などの人権に配慮するということが必要だということは当然のことで、これは大前提であるわけであります。一方で、感染症法上の感染症については、何よりも蔓延を防止するということが公衆衛生上の要請であって、その要請は極めて重かつ大だということだと思います。  患者等から採取をされました検体を分析することによって得られる情報というのは、確実な発生状況の把握とか、あるいは病原体の種類、特性、それから感染経路の特定を行って、効果的な感染症対策を、備えをする立案、実施、それから対策を打つということに不可欠だと思います。  今般の改正法案において新たに設けられた検体等の提出要請や一類感染症等についての検体の収去の制度において、都道府県知事が、今先生おっしゃったように、医療機関から検体を入手するに当たって患者の同意は不要としておりますけれども、これは検体の入手によって感染症の蔓延を防止するという公衆衛生上の要請に応え得ることを鑑みれば、許容されるものではないかというふうに思っております。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 ほとんどの人は実は同意するんではないかとは思っているんですね。  ただ、同意の書面を取るとか説明するとか、つまり自分が知らない間に、同意不要となると、例えばその検体がいろんなことに知らない間に使われるということもあるので、これは同意は基本的に必要であると。しかし、非常に蔓延するような感染症にかかっているかもしれないときに、本人の同意が様々な事情から取れない場合も可能だという、こういうことは必要なんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) 当然、御本人に御同意をいただけるように最善を尽くすということは当然のことだろうというふうに思います。  今申し上げたことは、最後どうしてもという場合にこういうふうにして公衆の衛生を守るということが大事だということを申し上げているので、さっき申し上げたように、前文にあるように、やっぱり人権に配慮するというのは当然のことだと思います。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 これは、同意書みたいなものを取るということを厚生労働省としては考えていらっしゃるんでしょうか。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) 患者さんの治療のために検体を取るということは当然本来の目的ですが、それ以外の目的のためにも公衆衛生上必要な場合ということで、例えば感染経路の調査ですとかウイルスの変異の有無を把握するとか、そういったことも必要になってくるかと思いますが、広くはそういった公衆衛生上の目的に合致するという場合であっても、患者御本人の診断や治療という、そういった範囲を超える場合もございますので、その場合には、運用上、極力御本人の同意を得るということが必要でございます。  実際の承諾書云々につきましては、先ほど参考人の意見もあったかと思いますので、現場の御意見を伺いながら対応を考えてまいりたいと思います。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 条文には最小限度においてと書いてあるんですが、この最小限度においてというのはどういう解釈になるんでしょうか。ぶちっと血を採るんでしょうか。どうなるんでしょうか。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) 検体の入手の具体的な方法でございますが、繰り返しになりますけれども、まずは都道府県知事等から検体提出の要請を医療機関又は本人にいたしまして、任意で御協力いただくということがまず大前提になるかと思います。  また、その上で改正法案で一類感染症などについて新たに設けられる検体採取の措置でございますが、患者御本人でなく医療機関からの検体の収去を優先させると。検体は、医療機関に、医療の中であるというのが通常でありますので、その収去を優先させるということ。  それから、手続といたしまして、措置に当たりましては、事前の勧告の実施、それから書面による理由の提示、こういった手続を踏むということで、その上で検体の採取措置になるということですけれども、これも重ねてで恐縮ですけれども、実際には、任意による提出あるいは医療機関への要請によって検体を入手することができるものと考えております。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 極力同意を取る、それから同意書を取るということをよろしくお願いします。  まず、検体を取るときの同意という問題と、その検体をどう使うかという二段階の問題があると思います。その検体の目的外使用、目的使用というのがあると思うんですが、取られたものを例えばワクチンに使うとか感染経路を見るとか、これは目的内使用なんですか、目的外使用なんですか。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) 検体の検査により得られた情報につきましては、感染症の発生の予防、蔓延の防止策を講じて公衆衛生を向上させるというために、活用するために収集されるものでございまして、このような目的以外に得られた情報を用いることは基本的には行われるべきではないと考えております。  公衆衛生上の目的としまして、例えばインフルエンザ等につきまして、感染症の発生状況の確実な把握をすること、あるいは患者が感染しているウイルスの由来を確認する、それによる感染経路の調査、あるいは患者が感染しているウイルスの変異の有無を確認すること、またさらには治療薬やワクチンなどの研究開発すること、こういったものは、検体を入手する目的、公衆衛生上の目的に合致するものでありまして、正当な理由に当たるものと考えております。  しかしながら、このような公衆衛生上の目的に合致する場合でも、患者御本人の診断や治療というその範囲は超えておりますので、その使用に当たりましては、運用上、極力御本人の同意を得るということが望ましいと考えております。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 普通の病気であれば、普通というと変ですが、血を採ってそれを検査してもらって分かるということなんですが、今のこの問題でポイントなのは、取った検体をワクチンをそれで使うとかなるわけですよね。そうしたら、自分が知らない間に自分のものがワクチンになっているとかいうことが起こり得ると。  今局長は、極力同意を得るというふうにおっしゃいました。私は、やっぱり二段階あって、まず検体を取るときに同意を取る。それから、それと併せて、その検体を取った後、これをワクチンの開発に使いますということもやっぱりきちっとそれは本人の同意を、まあ本人のものですから、元々、本人の同意を取るべきだということで、改めて確認で、よろしいですね。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) それぞれの段階で、検体を取る段階、それからその検体を取った後、何か必要が生じて、研究等あるいはワクチンの開発等、必要があった場合の同意の取り方、そういった点につきましては、御指摘を踏まえまして、現場の運用を慎重に考えたいと考えております。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 これは例えば遺伝情報の解析による感染経路の確認ということもあり得るわけですが、少なくとも、その検体を見たら遺伝情報の解析とかができると。やっぱり遺伝情報って極めて個人的なものでもあるので、是非、今おっしゃったように、まず検体を取るときに同意を取る、それから検体を取るときに、これが遺伝解析とか、場合によってはワクチンの使用などもあり得ると。同時に取るのか二段階で取るのかは別にして、きちっと、少なくともインフォームド・コンセント、それから同意を取るということを是非よろしくお願いをいたします。  それで、例えば、ちょっとまたこれで済みませんが、医療機関における受診時に患者が自分の確定診断以外には使わないでほしい旨を告げた場合でも、都道府県知事は検体を入手できるんでしょうか。本人が不同意であっても検体提出を強制できるのか、もう一回その点について教えてください。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) 先ほど大臣から御答弁ございましたけれども、感染症法の前文に患者等の人権に配慮するということは明記されているところでございます。一方で、先ほど来も少し申し上げたとおり、様々な目的で検体を活用する、検体の情報を活用するということで、感染症の蔓延防止等々、公衆衛生上の要請が非常に高いということも事実でございます。  そういう中で、今回の改正法案において設けられました検体の提出要請や一類感染症等における検体の収去の制度は患者の同意は不要と、この規定上そうなっておりますけれども、感染症、重篤な、特に危機管理を要するような感染症の蔓延の防止という公衆衛生上の要請に応えるということに鑑みれば許容されるものと考えておりますけれども、これも先ほど来申し上げておりますように、患者の同意を前提とし、そしていろいろな手続をきちんと踏むと、そういったことの中で必要最小限の措置として考えるものと考えております。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 アメリカのエボラ熱の観点で問題となった医療従事者の方は相当報道がされています。ですから、もし、今後のことなんですが、例えば差別や偏見の助長をどう考えるか。例えば、現在でも外国、とりわけアフリカなどに仕事で行った、観光で行った人が、会社の方からしばらく出てこなくていいと言われているというような話を聞いたりしております。ですから、感染症と闘うにはもう万全を期さなければならないという面と、やっぱりあのHIVのときも極めて問題でしたが、感染力や様々な原因などについて誤解が生ずるとか、会社側は、もう来なくていいというか、あるいはしばらく待避せよと言ってしまうような問題なども起こり得ると思いますが、この点についていかがお考えでしょうか。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) まずはそういうことが起きないようにするためには、個人情報をどう厳格に保護するかということがまずなければいけないことであって、これは都道府県が、今お話がありましたように、感染症に関する個人情報を取得するわけですね。したがって、これをどう守っていくかということが大事だと思います。  当然、こういった情報については、適切な管理あるいは目的外利用の制限、先ほど来お話がございましたが、それから個人情報保護法令の適用を受けるということ、それから感染症法においては、感染症の患者であるとの秘密を業務上知り得た医師とか公務員などが正当な理由なく当該秘密を漏えいした場合、刑法などの秘密漏えい罪よりも刑を重くしておりまして、感染症に関する個人情報の厳格な保護に十分な配慮を行っているところでございます。したがって、医師、公務員等々、知り得る立場にいる者が個人情報をしっかりと守るということが大事だということです。  先ほど申し上げた前文に、人権を尊重しなければならないという基本的な理念を明示しておりまして、今回の改正法案の実施に当たっても、この基本理念に基づく運用が行われるように我々としても十分配慮していかなければいけないというふうに思います。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 局長、さっき目的内使用と目的外使用なんですが、ちょっとやっぱり確認で、ほとんどのものが目的内使用と考えているのではないかと思うので、確認させてください。  遺伝情報の解析による感染経路の確認、これは目的内使用でしょうか、一つ。二点目、その検体を使ったワクチン開発や治療法開発のために使う、これは目的外使用でしょうか。お答えください。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) お答えいたします。  検体を採取して得られた情報というものは、感染症の発生の予防、蔓延等の防止、広く言えば公衆衛生の向上に活用するという、そういう目的がございますので、患者が感染しているウイルスを確認することによる感染経路の調査、それからワクチンなどの研究開発、こういったものも公衆衛生上の要請という意味では目的内使用になりますが、その対象となる患者さんの治療というものからは超えるという意味で、公衆衛生上の広く感染症対策を行うという意味で、その目的という意味では目的の中、目的内の使用と考えてございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 今、目的内とおっしゃいましたよね。じゃ、目的外みたいなのってどういうものがあるんですか。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) 遺伝子情報でも、例えばウイルスの遺伝子、これは当然、感染症そのものの実態を把握するという意味で目的の中、目的内使用ですけれども、患者さん個人の遺伝子情報というようなことになりますと、これは当然目的外になるということになります。  また、病原体情報、患者さんが持っている病原体の情報を公衆衛生以外の目的で仮に用いるというようなことになれば、これは当然目的外の使用になるということでございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 患者の遺伝子情報を勝手に使うとかそれ以外の目的で使うというのは、全く目的外使用であって、今日の議論で分かったのは、ほとんどというか全て、その人の検体をワクチン開発に使うとか治療に使うのも目的内使用であると。ですから、広く広く考えているわけですよね。  一旦検体を取られたら、それがワクチン治療に使われるかもしれない、遺伝子解析のためのものに使われるかもしれない、公衆衛生という観点から。だとすれば、やっぱりそれはきちっと同意を取って、きちっとこれは使われ得るということを説明する必要があるんじゃないか。  例えば、一旦検体を取りました、そうしたらこの人、陽性でした、そうしたらもっと検体を取りたいと思った、ところが本人はもうこれ以上取られたくない。こういう場合はどうなるんですか。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) ウイルスの性状分析ですとか、それを基にしたワクチン開発等々のためには、情報をより多く収集するということが望ましいというのはもちろんですけれども、それは患者さんの同意を得るということもまた必要でございますので、どうしてもその患者さんの同意が得られないという場合には、それは活用できない場合もあろうかと思います。同意を得られる患者さんの検体を収集する中で、できるだけの公衆衛生対策をしていくということが必要かと思います。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 感染症の類型が決められた後、感染力や重篤性が当初予想されたほど高くないなどの知見が集まった場合、迅速かつ柔軟にレベルダウンを行うということでよろしいでしょうか。また、その場合の手続はどうなっているんでしょうか。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) 鳥インフルエンザにつきましては、ウイルスの変異が突然かつ頻繁に生じるという性質がございますので、二類感染症に相当する鳥インフルエンザの発生には機動的に対応できるようにする必要がございます。このため、今般の改正案におきまして、鳥インフルエンザについては、法律において新型インフルエンザに変異するおそれが高いものと、その性質を明確化いたしまして、政令により血清亜型を定めることで二類感染症として指定することができることとしております。  一方、二類感染症である鳥インフルエンザであっても、感染力や病原性が当初予想されたほど高くないといった知見が集まった場合など、入院措置等を講ずる必要性がなくなった場合には、迅速に四類感染症に戻すべきものと考えております。  その際、政令を改正するに当たっては、厚生科学審議会感染症部会において審議いただくこととしております。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 質問を終わります。

武見敬三自由民主党

○武見敬三君 感染症というテーマで今日は様々な質問をさせていただきたいんですけれども、二〇一一年のWHOの総会の主なテーマというのは、抗微生物薬に対する耐性、アンタイマイクロバイアルレジスタンス、AMRを健康危機として取り上げました。この抗微生物剤の恩恵で、人類というのは健康を著しく改善をしてきました。科学の進歩によって人類社会というのは幾つもの疾病、疾患を克服してきたんですけれども、イタチごっこのようにまた新しい病気が生まれて、それでまた克服するということの繰り返しです。残念ながら、抗微生物剤についても、人類の健康を著しく改善したものの今その恩恵が確実に失われつつあると、こういう状況になってきました。  薬剤の耐性菌による院内感染事例というのは我が国でも確実に出てくるようになってきたわけでありますし、二〇〇九年四月のメキシコで発生した豚由来のH1N1型のインフルエンザ、これは六月にはWHOが新型インフルエンザとして宣言しましたけれども、これは四十一年ぶりに出現したパンデミックインフルエンザでした。それから、重症の熱性血小板減少症候群などの新興ビールスによる感染症も出現するようになっています。  さらには、デング熱について、我が国で代々木公園で蚊を媒体として国内でデング熱の患者が発生しました。この国内発生、何と一九四六年以来ですから、七十年ぶりですね、これ。  こうしたデング熱などは慢性的に東南アジアでは発生しているわけでありますから、人の移動を通じてこれから毎年夏、我が国ではこうしたデング熱というものが発生することがあり得る状態になってきて、それに常にこれから毎年対応しなけりゃならないという状態になってきました。  世界共通の課題がそこには明確に見出すことができるようになっています。二点、大きく分けてあると思います。  第一点は、感染症の原因微生物の多様化です。これはもう明らかに、例えば豚インフルエンザであれば豚から、鳥インフルエンザであれば鳥からですね。そしてまた、猿、チンパンジーというところからであればHIV、エイズ、そしてさらに今回話題になっておりますエボラであればコウモリですよ。このようにいろいろな病気が潜在的に持っている感染病原体というものが、時としてそれが人間に入ってくる、そして感染することによってそれがまた更に進化してヒト・ヒト感染になっていく、こういうパターンがこれから確実に増えていく。  そして、さらにまた、クライメートチェンジとか、いろいろ気候変動とか環境の変化を通じて、同時に、環境由来のこうした微生物体の新たな出現というものも確実にあり得るようになってきた。そのことを原因微生物の多様化と、こういうふうに呼んでいるわけです。こういう状況がまず第一の共通の課題として明確に出てきた。  その上で、もう一つはグローバル化とボーダーレス化です。この二つが重なり合うことによって、従来は、ある意味で動物由来のこうした感染症についても、その地域だけの風土病として完結していたようなものが、まさに国境を越えて世界に蔓延するということになってきた。  したがって、西アフリカで起きたエボラ熱に関わる感染症の拡大も、まさにこれは明日の我が身ということで、国境を越えて、我が国を始め世界中が大変な大きな関心を持ってきて、何と国連の安保理が、これは国際社会の平和と安定に対する脅威であるというふうにまさに決議をする。これはHIV以来三度目ですね。  しかし、そういう共通認識が出てきているということがあるわけでありまして、この場合はもう明らかに国際社会の中でこういった問題に対するゲームチェンジが始まっていますよ。すなわち、明確にまず発生地域・国に対して国際社会が協力して、なるべく早くその根源を抑え込むこと、これが第一。第二は、それぞれ自国の中でそれを防備する体制を強化していくこと。この二つをこれからいかに同時巧みに組み合わせて実行していくかということが今あらゆる国に求められていて、我が国はその中でも責任ある国としてその役割を果たすことが求められているわけであります。  こういう状況下の中で、例えば二〇一三年三月三十一日には、中国政府が鳥インフルエンザのAウイルス、これH7N9でありますが、これが世界初のヒト感染例として報告をされました。発生者数が三百九十四名で死亡が百十八名。これ二〇一三年の二月に発生して、夏には収まったかに思ったわけですよ、みんなが。ところが、秋になったらまた再度発生して、今度は何と中国以外のところで感染する例が出てきた。これによって政府も、中国で発生した鳥インフルエンザA、H7N9型について政令で指定をしたわけですよ。  このような形で、いつ何どき、今度はこの鳥インフルエンザA型も我が国に入ってくるか予断を許さないというリスクがあるけれども、取りあえずはこれは指定感染症で政令でやった。しかし、政令というのはもう来年の七月で効力を失う。だから、こういう危険な鳥インフルエンザA型については、これはきちんと二類の中に法律で定めて、そして確実に対処できるようにしようというのが今回のこの法律改正案の一つの大きな柱になっているわけであります。  あわせて、中東呼吸器症候群のようなものも同様な危険性があるがゆえに、同じく二類に改めて入れましょうということで、私は当然のことをやっておられるというふうに思います。しかし、そのことが十分にまだまだ国民に理解されていない。もう少しその辺の説明ぶりをきちんとしていく必要性を私は感じております。  その上で、また同時に考えなければならないことは、先ほどから話題になっておりますように、二類、さらには一類ということになりますと、確実に人権侵害の問題と重なり合わさってくる。この人権侵害の問題についてきちんと責任を持って対応する必要性があるがゆえに、わざわざ法律で定めているわけであります。  しかし、政令で取りあえず対応をして、そしてまた、よりその危険性が継続的で確認された場合に法律としてそれに組み込むという今のやり方、それが現在の原因微生物の多様化のある意味ではスピード化というものと合わさって、あるいはグローバル化、ボーダーレス化のスピード化というものと相合わさって考えてみたときに、今のこの法律で対応するやり方と政令で対応するやり方というものの組合せというのが果たしてこのままでいいのかどうかという問題も、実はその根源の問題として私は考えなきゃならない問題になってきていると思うんでありますけれども、この点についてのまず基本認識を厚生労働省、お聞きしたいと思います。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) お答え申し上げます。  指定感染症制度というものがございまして、これは、既知の感染症について緊急に対応が必要な場合に、政令で感染症を指定することによって感染症法に基づく措置をとることを可能とするものでございます。その際、入院措置や検体採取等の個々の措置についても、政令で定めることによりまして指定感染症に対して講じることが可能となります。したがって、二類感染症相当といったような形で対応することが可能となります。政令による指定期限は原則一年でございますが、一年間に限り延長が認められております。  このような仕組みになっておりますのは、御指摘もありましたように、感染症法に基づく措置は入院措置など人権への制約を伴うものも含まれているということから、法律で定めることが原則となっておるわけでございますが、新しい感染症が発生し、迅速な対応を行う必要が生じた場合には、指定感染症の枠組みによって対応を行うということで適切な対応を図れると考えております。  一方で、今般の法改正で、鳥インフルエンザにつきましては、ウイルスの変異が突然かつ頻繁に生じまして、H抗原、N抗原、変わり得るというものでございます。したがいまして、二類感染症に相当する鳥インフルエンザが発生した場合に機動的に対応できるように、法律におきましては、新型インフルエンザに変異するおそれが高いものと、その性質を明確化した上で、具体的な血清亜型は政令において定めることとしております。  指定感染症への指定や鳥インフルエンザの血清亜型を政令で定めるに当たりましては、厚生科学審議会の意見を聞きまして、科学的根拠に基づく議論をしていただくこととしておりますし、また、その過程で人権にも配慮した上で政令が定められるものでございまして、こういった仕組みで機動的に対応できるように御提案をさせていただいているところでございます。

武見敬三自由民主党

○武見敬三君 ただ、この二類感染症相当の対応が政令でできると、延長して二年可能ということでありますけれども、実際に二類感染症対応ということになりますと、一類の場合に可能となる検体検査といったようなことについてはこれはできませんよね。いかがですか、この点は。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) 二類感染症でも検体検査はできる規定になってございます。

武見敬三自由民主党

○武見敬三君 そうすると、一応の対応は、こうした、我が国の場合、短期的な対応としては可能だということになるかと思いますけれども、さらに、実は問題を考えると、各役所にいろいろと関連してくるということで、今日は防衛省さんやあるいは総務省さんにも来ていただいたわけでありますけれども、これ実際、今、西アフリカに三十数名、邦人の方がいらっしゃいます。こういうような、この方々が実際に罹患されて、そして日本に帰国されることを望んだ場合、日本に搬送するという必要性が出てきます。これはヨーロッパの先進国など、皆そういう対応をしているわけでありますけれども。  さて、じゃ、我が国の場合にこうしたケース、どのように対応するのか、その点についての御説明をまず厚労省から伺いたいと思います。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) 国外で日本人がエボラ出血熱に感染した場合でございますが、国外における邦人保護という観点から、政府として迅速かつ最善の対応を取る必要がございます。その際、御本人の病態や日本までの移動時間、医師の判断のほか、御本人の意思あるいは御家族の要望などを総合的に勘案の上、日本に搬送するかどうかの判断が行われるものと認識しております。日本人のエボラ出血熱の患者さんが国内に搬送された場合には、厚生労働省におきまして、感染症法上の特定感染症指定医療機関等に搬送するといった対策を取ることとなりまして、そのための体制は既に整備してございます。  厚生労働省といたしましては、御指摘のような場合に迅速に対応できるよう、搬送等々の面につきまして関係省庁と緊密に連携しながら、対策に万全を期したいと考えております。

武見敬三自由民主党

○武見敬三君 その場合、まず飛行機が必要になります。現状で比較的足の長い我が国の輸送機能を持った飛行機というと、実は空中給油機ですよ。上機部分というのはこれは輸送機と同じ空間が確保できる。そこに実際にある意味で隔離できるような体制を整えて、そしてその患者を輸送することになる。しかし、その患者だけではない、しっかりとそれを管理できる医師、看護師が同時にそこには乗り込んで、そして何交代制かで対応しなきゃならなくなる。  果たしてこの医師と看護師というのは、これは防衛省の飛行機でありますから、防衛省の例えば医務官や看護師がそこで対応するのか、あるいは厚生労働省の方の担当関係者が医師と看護師を派遣してその役割を担わせるのか、あるいはその両者を組み合わせるのか、一体どういうふうに対応するんですか。  この点について、防衛省からまずお伺いしておきたいと思います。

深山延暁防衛省運用企画局長

○政府参考人(深山延暁君) お答えいたします。  在外邦人の安全の確保のため、自衛隊機の派遣も含め、政府としてあらゆる選択肢を排除しないのは当然であると考えておりまして、内閣官房の下で関係省庁とも今様々な状況を想定して、必要な検討を行っております。  御指摘の際の、万が一海外で罹患された方を運ぶ場合の医学的な勘案につきまして今厚生労働省さんからお答えがあったところでございます。仮に自衛隊機によりエボラ出血熱に感染した患者さんを我が国まで空輸する場合は、防衛省・自衛隊の運航要員のみならず関係省庁等からも協力を得た上で、機内における感染防護を含む知見を有する専門的な医師等の十分な医療体制が必要になると考えております。  防衛省・自衛隊としても、国民の生命、健康を守るため、引き続き関係省庁と連携しつつ万全を期してまいりたいと考えているところでございます。

武見敬三自由民主党

○武見敬三君 厚生省の方はいかがですか。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) 関係省庁とまさに緊密に今連携し、相談をしているところでございますが、特に医師、看護師等の医療専門家につきましては、厚生労働省としても当然の協力といいますか、連携をしながら役割を果たしていきたいと考えております。

武見敬三自由民主党

○武見敬三君 では、是非両省仲良くお互いに人員を、医師、看護師を出し合って、そうしたチームを編成していただくことを私は期待します。  その上で、同じような問題が実は国内でも起きます。例えば、先ほどから四十五の第一種の感染症指定医療機関が話題になっています。九県では実際にまだ指定ができていない。しかも、四十五ある機関の状態というのは相当な格差がある。とすれば、実際にこうした対応の弱体のところでは、やはり患者の搬送を国内でしなきゃならない。しかも、国内で搬送するというときに、例えばこれが特定感染症指定医療機関などのようなところに搬送する必要があるというような場合には、かなりの遠距離を搬送するということが必要になる。その場合に、ドクターヘリというので対応するというので果たして可能かどうか。  私、ドクターヘリって何度も乗ったこともあるんですけれども、狭いですよ。果たしてこういう隔離して対応するようなことってできるかどうか。私は、このときにも防衛省のプロペラ二つ付いた大きなヘリコプターとか、いろいろ御協力いただかなきゃこれはできないんだろうと思うんだけれども、この点について、厚労省はどう対応しようと考えておられるんですか。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) 御指摘の点につきましても、まさに関係省庁と現在協議を進めているところでございます。  国内の場合には、先ほど来御答弁申し上げておりますように、四十五の医療機関がございますが、そこまでの搬送体制をどうするか。これは都道府県に再確認を今求めているところでございますが、更に遠方へ運ぶ必要などが患者さんの病態等々で生じた場合、その搬送が遠距離の場合など、御指摘のとおり、それも想定されますので、そうした場合にはやはり関係省庁の御協力をいただかなければいけないだろうと考えておりますので、具体的に今協議を進めているところでございます。

武見敬三自由民主党

○武見敬三君 防衛省はこのときには御協力いただけるんでしょうか。

深山延暁防衛省運用企画局長

○政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。  国内でエボラ出血熱の感染が確認された場合につきましては、先週開催されましたエボラ出血熱対策関係閣僚会議や、関係省庁の局長等を構成員といたしますエボラ出血熱に関する関係省庁対策会議において、関係省庁の緊密な連携を確保して、政府一体となって対応することを確認しているところでございます。  防衛省・自衛隊といたしましても、現在のところ国内で感染者が発生していない現状でありますので、感染者の長距離の輸送を含め、個別具体的な対応を現在実施しているわけではありませんけれども、今後の状況の推移に応じて適切に対応をすべく、内閣官房や厚生労働省を始めとする関係省庁と連携の上、可能な協力を実施してまいりたいと考えております。

武見敬三自由民主党

○武見敬三君 是非その際には防衛省も御協力をいただきたいというふうに思います。  次には、今度は消防庁であります、総務省。  実は、このエボラ出血熱の疑わしき患者が発生したとすると、その患者の必要な医療機関への搬送というのは、実は全国に五百ある保健所が担当して、その保健所の搬送車が対応することになっているわけです。しかし、患者となるであろう多くの人たちはそんなこと知らないから、当然に私だって一一九番で救急車を呼ぶわけですよ。救急車が来る、その救急車がいろいろその患者の家族などから実情も聞いて、どうもこれはエボラ出血熱の疑いの患者らしいと、こういうことになってくると、あっ、これはもう保健所の対応ですから私たちは対応できませんといって、そこから保健所に連絡をして搬送車が来るのをずっと待つと、こういうことになるのか。あるいは別の対応ができるのか。これはどういう対応の仕方が一番好ましいのか。この点について、まずは厚生省からお話を伺って、その後、消防庁からお話を伺いたいと思います。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) 国内で患者さんの疑いという例が発生した場合の対応ですが、まず、国民一般の方々には、万一そういった西アフリカの対象国から帰国されて発熱等の症状があった場合には、一般の医療機関には行かないようにということを大臣のメッセージとしても発しているところでございます。そして保健所に連絡してほしいということを言っております。  また、医療機関に対しても、万一、一般の医療機関に行った場合でも保健所に連絡していただいて、保健所が第一種等の感染症指定医療機関に県の責任において搬送するということになっているわけでございます。その搬送体制については、繰り返しお話ししておりますように、各県に再点検をお願いしているところでございまして、その中で何か問題点がないか把握しながら対応を更に考えたいと思います。

武見敬三自由民主党

○武見敬三君 それでは、総務省、消防庁の方はいかがですか。

北崎秀一消防庁審議官

○政府参考人(北崎秀一君) エボラ出血熱は、感染症法におきまして、武見委員御指摘のとおり、一類の感染症とされておりますので、感染症と診断された方の移送は都道府県知事がまさに行うこととされております。しかし、救急業務として傷病者を搬送した後にこの方がエボラ出血熱にかかっていたと判明する可能性がございまして、これにつきましては、救急隊員の健康管理あるいは救急車の消毒などを徹底することが必要でございます。  私ども、エボラ出血熱への対応に当たりましては、二次的な感染の拡大を防ぐことが最大の重要なことであると考えてございまして、消防庁といたしまして、九月三日時点で事務連絡を発出しまして、エボラ出血熱の発生状況について消防機関に注意喚起しますとともに、感染症患者を搬送した場合に必要となる対応についての再確認をお願いをしたところでございます。  具体的には、消防機関の対応といたしまして、救急の要請がありましたときに、先ほどの委員の、一一九番の電話がありましたときに、発熱症状を訴えておられます方については、ギニア、リベリア、またシエラレオネへの渡航歴の有無をその時点で確認いたしまして、過去一か月以内の渡航歴があることが判明した場合には、御本人には自宅待機をまずお願いを申し上げて、直ちに保健所の方に連絡をして対応をしていただくという体制を取ってございます。これは、先ほど厚生労働省の御答弁にありましたように、まずは保健所に連絡をしていただきたい、また患者の方は診療所に行かずに御連絡いただきたいということの平仄を合わせてやっているものでございます。  引き続き、厚労省と連携を取って、二次感染の拡大防止を最大の眼目にいたしまして、私ども、万全の体制を取らせていただきたいと考えております。  以上でございます。

武見敬三自由民主党

○武見敬三君 二次感染の拡大防止というのは極めて重要であります。しかし、また同時に、十分に実情を理解できない国民に対して迅速にいかに的確に対応するかということも大きな課題で、その場合に、厚生労働省と総務省、消防庁との間でしっかりとした連携と、それからそのことについて国民に広くきちんと知らしむるということをやっておきませんと、何だ、せっかく消防庁の救急車呼んだのに、ちっとも手伝ってくれないじゃないかと、我々は見捨てるのかというようなことまで言われかねませんから、そこを十分にやはりきちんと注意して対応されることを私は期待をいたします。  その上で、今日もう既に話題になっておりますバイオセーフティーレベル4の施設の問題についてお話を伺いたいと思います。  これは、WHOの基準に基づいてこのBSLの各レベルが4まで設定をされているわけでありますが、先ほども御説明申し上げたように、原因微生物の多様化という状況が今日最もこの問題の深刻化を招いているわけでありますし、また、そのスピード化というのが同時に大きな懸念材料になってきていて、このBSL4のその基準というのはそれに対応した形で増えていくということが当然にあります。そういう場合に、我が国の一類における感染症というものの分類とこのBSL4の分類というものが必ずしも合致しない。現状においてさえも合致していないかとは思うんですけれども、この点について、現状についての御説明を厚生労働省から受けたいのでありますが、いかがでしょうか。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) お答え申し上げます。  一類感染症には、エボラ出血熱のほか、クリミア・コンゴ出血熱、マールブルグ熱、ラッサ熱といったウイルス性出血熱のほか、痘瘡、南米出血熱、そしてペストが含まれてございます。  BSL4との関係でございますが、一類感染症のうち、細菌でバクテリアによるものでありますペスト、これのみがBSL3のレベルで対応可能ということでございます。そのほかの一類感染症の病原体はBSL4が必要ということでございます。

武見敬三自由民主党

○武見敬三君 我が国がWHOよりも早くこうした原因微生物の多様化に対応できるのならばそれに対応して、しかも法律を策定するのもスピーディーに全部きちんとできるということであれば、これは一類の感染症を基本として、BSL4の施設について、住民の皆さん方にしっかりときちんと説明をしつつ、早期に稼働させることが必要だということになるわけでありますけれども、実際はなかなかそうならないのが現実であります。  したがって、このBSL4に関しては、WHOの基準に基づいて再稼働させることが私は現状において最善の策だというふうに考えます。この点の判断を間違えますと、また一つ一つ法律にして対応してまた時間が掛かるという状況になって、場合によっては手遅れになる可能性だってあるわけでありまして、是非その点の御判断を皆様方にも、国民の多くの皆様方にも持っていただいて、そして、丁寧に丁寧に、三十年間動かなかったこのBSL4の施設を稼働させる努力を是非、私はこの参議院の厚生労働委員会の多くの先生方の今までの質疑を伺っておりますと、おおよそのコンセンサスはできているように思いますので、是非その総意をしかるべく形にして実際に実行できるように、是非この委員会としても対応していただけることを私は心から期待をするわけであります。  そしてその上で、グローバルヘルスという観点から更に伺いたいと思いますけれども、今回、西アフリカの三か国で今までは発生してもすぐに抑えられていたエボラがなぜ抑え切れなかったのかというその原因はどこにあったのかという点について、今、多くの識者の間で共通認識ができてきました。そのうちの二つの国はつい最近まで内戦をしていた状態にありました。また、もう一つの国は、余り大きな声で言っちゃいけないけれども、著しい政治的な腐敗が進行しておりまして、政治的にも不安定でありました。しかも、そのうちの一国には医師が五十一名しかおりませんでした。すなわち、ほとんど地域医療というものが皆無に等しい状態の国の中でこのエボラ出血熱というのが大量に発生をしてしまい、感染してしまったということについての共通認識というものがほぼ、今こうしたグローバルヘルスに関わる関係者の間では共通認識となってきました。  したがって、今後、改めてWHOであるとか米、仏、中国などが実際に相当貢献して、現地で抑え込む努力を現地の人たちと協力して今やっているところでありますけれども、こういった緊急の支援体制というものをただそれだけの一時的なものにしないで、それを撤収する際にはしっかりとその後、これらの国々の中にそういったプライマリーヘルスケアを中心とした保健のシステム構築ができるような仕組みを上手に残しながら撤収するということによって、再度のこの地域におけるこうした感染症の広がりを抑えていくということが私は極めて重要な課題であるというふうに認識しておるのでありますけれども、この点に関する厚生省のお考えはいかがでしょうか。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) 御指摘のとおりでございまして、私どもの承知している範囲でも、この西アフリカの流行国でのそもそもプライマリーヘルスケア、基本的な保健システムの体制が非常に脆弱であるということが一つ大きな要因であろうかと思います。  そういう意味で、このエボラ出血熱の感染の広がりが食い止められ、仮に終息したといたしましても、やはりその当該国の基本的な保健システムの整備というものに対しては我が国としても支援を継続していく必要があろうかと思いますし、厚生労働省としても、専門家の今回のエボラ出血熱に関する知見等も踏まえまして、あるいは広くプライマリーヘルスケアに関する専門家の御意見なども踏まえまして、その支援について必要な役割を果たしてまいりたいと考えております。

武見敬三自由民主党

○武見敬三君 そこで外務省にお聞きしたい。  こうした、私が先ほど申し上げましたゲームチェンジというのは、言うなれば、こうした感染症の発生地域や国にいち早く、WHOのみならず、責任ある主要な国々が自己完結型で自給自足の体制を伴ったそういった支援部隊を送って、そしてそれによって早急にこうした事態の収拾を図るということがまさに当然のこととして行われるようになってきた。  そのために安保理の決議もあり、それからG7における外相会合においても、G7は今まで感染症対策では主導的役割を担ってきました。我が国も沖縄サミットのときには感染症イニシアチブというのを提示して、三十億ドルのコミットをして、それが基本になってエイズ、結核、マラリアに対応する世界基金、グローバルファンドというものの創設を実現するそのきっかけを我が国はつくりました。  しかし、こういったことを考えたときに、我が国もこうした自己完結型、自給自足の体制を整えて国際的な緊急援助隊というものを実際に現地に派遣することが将来必要なことというふうに私は認識するわけでありますけれども、外務省はいかにお考えになるでしょうか。

豊田欣吾外務大臣官房審議官

○政府参考人(豊田欣吾君) 我が国がより積極的に国外での感染症流行への対応、とりわけ人的支援を行うことは、我が国の人道分野での貢献を広く国際社会に示すことになり、また、被災国を含む各国との関係強化の観点からも極めて有意義であると考えております。効果的な支援が行えるよう、外務省を含め厚生労働省、防衛省や関係機関が緊密に連携して取り組むための体制を整備していくことが重要であると考えております。  現在、我が国が自衛隊を含め国際緊急援助隊を組織し、海外での大規模な感染症流行に対処することは現行法においても可能でございます。ただ、その一方で、我が国要員が感染症に罹患することなく遠隔地において安全に活動し、効果的な支援を行うためには、人材の育成、関係機関の能力の向上を含めいかなることが必要か、引き続き具体的に検討してまいりたいと思います。

武見敬三自由民主党

○武見敬三君 そういうことで、その点については詳細をもう少し詰めますけれども、要は、大きな目では、しっかりとそういう国際緊急援助隊というものをこうした感染症に関しても将来的には組織をして、日本も責任ある国として対応することが一つの方針としてあるんだという、そういう答弁であったと私は理解をいたしました。  ただ、現状でもできるということの中で、先ほどのプライマリーヘルスケアというものを中心としたシステム設計に対する事後的な協力、すなわち、ある程度までエボラが終息してきたときに、これら三か国の中で、今既にアメリカの援助庁あるいはイギリスの援助庁といったようなところも、いかに撤収するときにこうしたシステム設計につながるような形で撤収するかということをもう検討を始めました。  我が国の場合には、まさに安倍総理がユニバーサル・ヘルス・カバレッジというものを世界に大きく周知させ、そしてこれを実現するために我が国もしっかりとコミットするということを実は明確にされておられます。昨年の九月に英国の雑誌ランセット誌の中でその旨を明確にされたわけでありますが、この考え方に基づく限り、私は、このエボラの一定終息時期において、我が国は、こうしたプライマリーヘルスケアを中心とした体制の整備に向けて、今度は現行法の中でしかるべくその協力ができるというふうに考えるわけでありますが、この点についての外務省のお考えはいかがでしょうか。

水越英明外務大臣官房参事官

○政府参考人(水越英明君) お答えいたします。  ただいま御指摘のありましたとおり、現下の西アフリカにおけるエボラ出血熱の流行については、脆弱なプライマリーヘルスケアにより状況が悪化したものと承知しております。こうしたことからも、全ての人々が基礎的な保健医療サービスを負担可能な費用で受けられる強靱な保健システムを構築することで、エボラ出血熱の流行のような公衆衛生危機を今後未然に防いでいくということが重要であると考えております。    〔委員長退席、理事福岡資麿君着席〕  外務省としては、国際保健を日本外交の重要な課題として位置付け、昨年五月に発表した国際保健外交戦略では、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジを中心に据えております。まずは国際社会が一丸となってこの危機を食い止めることが先決ではありますが、中長期的には、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ推進という視点に立ち、西アフリカの保健システム強化につながるような戦略的な取組を行っていきたいと考えております。

武見敬三自由民主党

○武見敬三君 是非、具体的にそうした施策を今の時点から準備しておいていただきたいというふうに思います。  そこで、現状において既に六名の専門家をWHOの枠組みで我が国は派遣をしているわけですが、まだまだ他の国に比べると少数です。ドイツなどでは五千人志願者があって、そのうちの千二百人は医療従事者であるということのようでありますけれども、やはりこうしたことに貢献しようという意思のある方々が大変おられるようであります。  私は、我が国も決して例外ではないと思う。したがって、是非、より多くのこうした専門的な知識を持った方々を更に派遣をし、そしてこうした事態についての経験を積んでおいていただくことが今後その他の感染症にしっかりと、国際的にもあるいは国内的にも対応していくときの人材となっていくと思いますので、こうしたことをしっかりと更にやるべきと考えておるわけでありますけれども、この点に関する厚労省のお考えはいかがでしょうか。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) 今般の西アフリカでのエボラ熱の流行に対しましては、我が国としましては、WHOからの要請に応じまして日本人専門家の派遣を行ってきております。これまで合計五人、延べ六人の方々が西アフリカに派遣され、現在、更に追加で派遣すべくWHOと協議を進めているところでございます。  長期的かつ継続的により多くの専門家を西アフリカに派遣することは、この地域でのエボラ出血熱の流行阻止に貢献するということだけではなく、先生御指摘のとおり、我が国の専門家が経験を積むということができますし、それが国内対策にも資するという側面がありますので、その意味でも重要なことであると考えております。    〔理事福岡資麿君退席、委員長着席〕  このような観点を踏まえまして、今後とも、WHOと連携いたしまして、更なる専門家の派遣について引き続き調整を進めてまいりたいと考えております。

武見敬三自由民主党

○武見敬三君 実際に今回も、我が国としては自給自足の体制の整ったこうしたグループあるいは部隊を派遣するのが好ましかったんだろうと思いますけれども、現状ではまだその体制が十分でないと。その十分でない一つの理由として、自衛隊の衛生力をもっと向上しなきゃいけないんだというようなことも挙げられているというふうに聞いております。  この点について防衛省にお聞きします。  例えば、防衛医大、ここに防衛医学研究センターというのがあります。ここで、有事、災害時の研究として、シーバーン、CBRNEですね、これはケミカルと、それからバイオロジカルと、それからラジオロジカル、それからニュークリア、そしてエクスプローシブだろうと思いますが、そのCBRNEテロに対する防護及び特殊研究に関する研究というのがその中にある。また、平時においては、国際貢献を含むということで、研究には、感染症発生動向調査とリスク解析に関する研究の項目があるというふうに私は伺っております。であるがゆえに、二〇一二年には、四月、感染症疫学対策研究官が設置されたというふうに私も理解しているところであります。  このセンターに関しましては、こうしたNBCの暴露に伴う特殊医療に関する研究に、さらに研究員や研究補助員、さらには研究施設等の拡充が必要で、研究基盤の整備は不可欠だというふうにホームページには書いてあるんですが、実際にその実態について、どこまで不足しているのか、これは全く分からない。この点について、まず、現在の防衛医学研究センターの研究体制ではエボラ対策上貢献ができないというのはどういうことなのかをちょっと御説明いただきたいと思います。

塚原太郎防衛大臣官房衛生監

○政府参考人(塚原太郎君) お答えします。  今御指摘いただきました防衛医学研究センターにつきましては、自衛隊医官等に対し、自衛隊の任務遂行に必要な医学に関する高度の研究訓練を実施をしております。  体制といたしましては、研究センター長、それから今お触れいただきました感染症疫学対策研究官のほか、五つの研究部門を持っております。具体的には、外傷、医療工学、異常環境衛生、行動科学、情報システムという五つの分野でございます。  このセンターにおきましては、感染症疫学対策研究官を置きまして、感染症疫学研究として、隊員の感染症防護の観点から防衛省・自衛隊の活動を支援するために、感染症のリスク評価に関する研究、あるいは感染症に係る情報収集、解析、提供といったような業務を実施をしているところでございます。  このセンターにおきましては、感染症疫学の研究が中心になっておりますけれども、その成果は隊員の感染症防護の観点から反映をさせていくということでございますけれども、あわせて、今回のエボラ対策というようなものについても、感染症防護という観点からは貢献ができるのではないかというふうに考えておりまして、必要に応じて貢献してまいりたいというふうに考えております。

武見敬三自由民主党

○武見敬三君 今の御指摘、甚だ心もとないんですが、要は、これから確実にエボラだけでなくこうした危険な感染症が広がってくる確率が高まってきている時代の中で、これはまさに国際社会共通の平和と安定を脅かす脅威であるという認識が広く国連を通じて認識されてきている。こういう中で、やはり自衛隊もこうした国際社会の共通の脅威に対していかに貢献するかというのは、重要な私は自衛隊のこれからの任務だろうというふうに思います。したがって、そこをやはりこの際きちんと明確にしていただく必要があると思うのでありますが、この点はいかがでしょうか。

塚原太郎防衛大臣官房衛生監

○政府参考人(塚原太郎君) お答えいたします。  繰り返しに一部なるかもしれませんけれども、自衛隊の衛生といいますのは、一義的には、海外あるいは国内で自衛隊員が展開する場合の傷病、これに適切に対応していく、精強な自衛隊を構成していくというのが役割でございますけれども、あわせまして、国際協力ですとかといったようないろんな分野においてもそういったような能力を活用あるいは貢献できないかということだと思いますけれども、その点につきましては、今の自衛隊の感染症対策に関する実力というものを十分考えながら貢献させていただきたいというように考えております。

武見敬三自由民主党

○武見敬三君 是非、国際的に協力できる水準にしていただきたいと思います。  実際に、このCBRNE対策というのは、生物テロなどの人為的なものに限定されないで、感染症のパンデミックなどもCBRNE災害に準じて扱われるというのが通常の国々の基本的な考え方ですから、我が国もやはりそういう考え方をきちんと定着させていただきたいというふうに思います。  現に、我が国には、陸上自衛隊に中央特殊武器防護隊というのがありますよね。これ、陸自の対NBC兵器専門の化学科部隊で百五十名で構成されていると。こうした部隊というのは、今私が指摘しましたような感染症のパンデミック対応といったようなものは任務の対象とはなっていないんですか。

黒江哲郎防衛省防衛政策局長

○政府参考人(黒江哲郎君) 中央特殊武器防護隊に関連します御質問でございますけれども、防衛省におきましては、核、生物あるいは化学といった兵器による攻撃等に対処するために、汚染された地域で情報収集等の活動を行う、あるいは汚染地域の除染を行うという、そういう部隊といたしまして、御指摘のような特殊武器防護隊あるいは化学防護隊といったものを保持しております。  また、これに加えまして、生物剤が使用された場合に感染患者を隔離、収容する、その上で応急治療を行う部隊としまして対特殊武器衛生隊といったものを保持をいたしております。  こういった部隊については、万が一我が国におきまして感染症が流行するといったような状況で災害派遣等、防衛省・自衛隊が対応しないといけないという、そういう必要性が出てくる、そういった場合におきましては、これらの部隊が警察、消防あるいは医療機関といったものと連携をしながら、今申し上げたような能力、すなわち情報収集、あるいは除染活動、あるいは感染者の搬送、医療支援といったことを行うということに相なるということでございます。

武見敬三自由民主党

○武見敬三君 主に国内対策ということであろうかと思いますけれども、実際にそれをいかに円滑にするかということを考えたときに、実際にこれをまだ国内では起こっていない、外国においてこうした対処についての経験を積むということは、将来の国内対策上極めて重要であります。  今日、アメリカやイギリスや中国、フランス、いずれもこうした部隊を、中国はまだ医療関係者だけでありますが、派遣をしている。これは、やはり当然に新しいゲームチェンジの中で主要な役割を担っているというだけじゃなくて、将来的に自分たちの国にまで感染者が及んできたときの対応をきちんとするために経験を積ませることも実はその中の一つでありますし、また、こうした極めてリスクの高い微生物といったようなものが生物兵器として使われたときに、より確実に、それから国民の命を守るための体制を整備するためにもこの経験を積むことが認識をされて、このような形で実は派遣をしているわけですよ。日本としてもそういうことをきちんと考えて対応し、体制を整備していくことが極めて私は重要であろうかと思います。  そういう意味で、私は、防衛省が取りあえずアメリカのアフリカ軍司令部、シュツットガルトにありますけれども、そこに五名人員を派遣されたということを聞いているんですけれども、その目的というのは一体何かという点、ちょっと今との関連で御説明いただけたらと思います。

深山延暁防衛省運用企画局長

○政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。  御指摘のありましたとおり、防衛省は、十月二十一日、ドイツに所在する米アフリカ軍の司令部に防衛省職員五名を出張させまして、うち航空自衛官一名、階級は三佐、三等空佐でございますが、この方を引き続き連絡官として現地に駐在をさせているところでございます。また、十月三十日に、より幅広い情報収集を行うという観点から、陸上自衛官、この方は二等陸佐でありますが、この人を連絡官として追加派遣いたしました。したがいまして、現在アフリカ軍司令部には二名の連絡官が滞在するということになっております。  この派遣の目的でありますけれども、エボラ出血熱への対応は、資金援助、物資提供、人的貢献などなど様々な形で支援が求められていると承知しておりまして、こうしたことに日米両国が緊密に連携していく上で必要となる情報収集等を行うという観点でこの二名を派遣いたしたところでございます。

武見敬三自由民主党

○武見敬三君 その中に医務官は一人入っておられるというような話は漏れ伝わってきておるんでありますが、問題は、これらのオペレーションというのは、いずれも目的はエボラにいかに効果的に、しかも安全に対峙できるかということですよ。  したがって、そのときの情報収集をする際に、まず感染症や疫学に関する基礎的能力のある人がその中に加わっていないと、実際にその中身をきちんと把握することはできないと思うんですが、そうした専門家はちゃんと入っているんですか。

深山延暁防衛省運用企画局長

○政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。  当初、五名を派遣、出張させまして、そのうち一名を連絡官として引き続き滞在させておると申し上げたところでございますが、この一名を除きます残り四名の出張者の中の一名、階級は二等陸佐の方でありますが、この方は衛生運用幹部でございます。ただ、ちょっと厳密に申しますと、医官ではない、衛生を主分野としておりますが、お医者さん、医官ではない幹部でございますが、この方を一名加えているところでございます。この方は連絡員として引き続き滞在するメンバーではなく、出張を終えて日本に今戻ってきているところでございます。

武見敬三自由民主党

○武見敬三君 是非、もう少し正確に、時々刻々とこうした事態は変化をしているわけでありますし、それを最も正確に理解し得る人というのは、やはり感染症疫学に関わる相当な知識を持った方でないと分からないというケースが多々あるんですね。  したがって、せっかく防衛省には防衛医大があって、そしてさっき申し上げたような防衛医学研究センターがあって、そこに若干名の専門家の方々もいらっしゃるんですから、こういう人たちにも手伝ってもらって正確な情報の収集をきちんとやっていただいて、将来的に我が国が、先ほど外務省が言ったように、自給自足可能な国際的な緊急援助隊を感染症に関して派遣しようというときに、一体現状で何が我が国には不足しているのか、防衛省の中ではどこをどういうふうに強化すればそうした体制を整えることができるのかという情報を是非この際きちんと収集していただきたいと思うのですが、その御決意はあるかどうかをちょっと伺っておきたいと思いますが、防衛省、いかがですか。

深山延暁防衛省運用企画局長

○政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。  今御指摘のありました、現在二人を出しておりますけれども、今後の状況を踏まえまして、また適切な人間を場合によっては派遣するということも含めて検討していきたいと思います。また、アフリカ軍司令部自体は軍事組織であることもありまして、今先生からは医学について御指摘あったところでありますが、アメリカ軍のアフリカ軍自体はどちらかといいますと直接医療でない行為を多々行っているという状況もございますので、部隊運用に詳しい者を現在出しているところでございます。また、その派遣先等もあるかとは思いますけれども、御指摘を踏まえて検討してまいりたいと思います。

武見敬三自由民主党

○武見敬三君 是非検討をしていただきたいというふうに思います。  加えて、国際政治のゲームチェンジの一つというのは、従来の地政学的なパワーポリティクスというものだけではなくて、こうした国際社会の共通の課題というものをまず自国の中できちんと解決をして、そしてそれに基づいて、国際社会で新たに共通の課題となったものを確実に国際社会の協力体制を築いて解決していくという能力を持った国が、二十一世紀の国際政治の中で新しい影響力を持つ国として新たに発展するという新しいゲームが確実に始まったんですよ。そのゲームに日本も責任ある成熟した国家として当然に参加すべきだと。そのまず一里塚が私はエボラだと思う。これをいかにきちんと日本が責任ある国としてそうした国際貢献できる体制を整えるのかというのは、これは西アフリカの人たちだけの問題ではなくて、実は日本の国、そして国民の問題でもあるんですよ。  したがって、そういうことを議論したときに、例えばその新しいゲームの中で、日米同盟の運用の仕方だって、それに基づいて私は深化、発展させていくんだろうと思います。現に、今年の十二月までに策定することになっていると伺っております日米の防衛のガイドライン、この中の中間報告というのをざっと見ておりますと、新たに日米同盟で対処すべき課題として、グローバルイシューというのが入ってきた。このグローバルイシューというものは、当然に私は、こうした新たな共通の脅威として安保理などでも確認されるようになってきた感染症というのも当然に入ってくるものだと思います。  十二月、こうした日米の防衛ガイドラインというものを最終的なものにして発表することになるんだろうと思いますけれども、こうしたグローバルイシューの中にしっかりとこうした感染症等についても、それを含んだものとしてやはり御準備いただくのが適切と考えるのでありますが、まずこの点について、外務省の所見を伺いたいと思います。

水越英明外務大臣官房参事官

○政府参考人(水越英明君) 先生御指摘のとおり、現代の外交におきまして、このようなグローバルイシューというものが極めて重要であることは論をまたないところでございます。当然、日米協力においても重要な課題であることは間違いございません。そのような点も踏まえて、今後、関係省庁でよく協議して検討してまいりたいと思います。

武見敬三自由民主党

○武見敬三君 何か歯切れが悪かったけれども。  防衛省の方はいかがでしょうか。どうぞ。

黒江哲郎防衛省防衛政策局長

○政府参考人(黒江哲郎君) ただいま先生御指摘のように、我々は外務省さんとともに、現在、日米防衛協力のための指針、いわゆるガイドラインといったものの見直し作業を行っております。また、先般発出をいたしました中間報告の中にも、地域の、あるいはグローバルな平和と安定といったものに貢献する、そのために日米がどのように協力するかといった項目が芽出しをされてございます。  他方、今御指摘の感染症といったものに対して、それらの日米のこれは防衛当局間の話合いの結果というものをまとめる防衛当局間のガイドラインというものでございますので、軍同士でどのような協力ができるのかといったことはこれからの課題だというふうに考えてございます。  いずれにしましても、先生の御指摘を踏まえて今後の検討作業を行っていきたいと思っております。

武見敬三自由民主党

○武見敬三君 これからはこういう感染症発生地域に国際的にしっかりと貢献していく体制を整えるということになりますと、おおよそ体制が脆弱な国がほとんどでありますから、派遣する方の国は自給自足の体制を整えたものでなければ、そこに行ってきちんとした協力体制を組むことはできないんです。  したがって、それができるように我が国の中で体制を整えようとすれば、これは我が国の平和協力部隊なども参画をしている自衛隊の協力なしにはこれはできません。したがって、自衛隊の皆さん方にも是非、こういう新たな国際政治のパラダイムシフトであり、かつまた国際政治のゲームチェンジというのが起きているんだということを御理解いただいて、日米同盟というのをまた更により層の厚いものにしていくということも踏まえて、こうした新しい発想でこうしたガイドラインを締結するということを是非やっていただきたいというふうに思います。  改めて、この感染症の問題というものは、我が国に新しい役割を付加していると同時に、そしてまた、国内の体制一つ取ってみても甚だまだ不備であるという現実、これらをやはりきちんと認識した上で、こうした原因微生物の多様化、そしてグローバル、ボーダーレス化というのに対応した我が国の体制の整備をしっかりと整えていただくことを政府に御期待申し上げまして、私の発言とさせていただきます。  ありがとうございました。

長沢広明公明党

○長沢広明君 公明党の長沢広明です。  武見先生の後は非常にやりにくい状況で、私は、さきの大臣所信でも感染症の問題、先にちょっと取り上げさせていただきましたが、今日は確認も含めて幾つか質問をさせていただきます。通告した質問内容と、若干もう既に出ているものもありますので、少し削って質問させていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。  まず、現行の感染症法では、ある感染症に対して緊急に強権的な措置を講じなければならないという場合には、政令により指定感染症に指定した上で、一類感染症から三類感染症等に準じた措置をとることができるというふうにされておりました。ただし、その指定の期間が一回の延長を含めて最大で二年間ということです。  現在、この指定感染症に指定されている鳥インフルエンザA、H7N9については来年五月に失効すると。また、中東呼吸器症候群、MERSについても来年の七月には一年間の期限を迎えるということで、この指定感染症について指定の期限が終了した後の扱いを定めるということがこの改正案提出のきっかけの一つになったと、こういうふうに認識をしております。  そこで、鳥インフルエンザA及びMERSの現時点における感染の状況、そして、この改正をするきっかけとなったこの二つの感染症について、その重篤性、感染力等についてはどのように説明されるのか、説明をお伺いしたいと思います。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) お答えいたします。  鳥インフルエンザA、H7N9は、昨年三月以降、主に中国において発生しております。世界保健機関、WHOによりますと、本年十月二十九日までに四百五十五名が感染し、このうち少なくとも百七十二名が死亡したと報告されております。  この感染症につきましては、これまでのところ持続的な人と人との間での感染は確認されておりませんが、家族など患者に濃厚に接触した者への限定的な感染は報告されております。  次に、中東呼吸器症候群、MERSにつきましては、平成二十四年の九月以降、サウジアラビアやアラブ首長国連邦など中東地域を中心に発生しておりまして、WHOによれば、今年の十月十七日までに八百八十三名の患者が確認され、うち三百十九名が死亡したと報告されております。  中東呼吸器症候群につきましては、持続的な人と人との間での感染は確認されておりませんが、家族間や医療機関において限定的に人と人との間で感染するということが報告されております。また、高齢者や糖尿病などの基礎疾患のある方では重症化する傾向があるということが知られているということでございます。

長沢広明公明党

○長沢広明君 インフルエンザウイルスの場合、H幾つとかN幾つとか、こういう部分が血清亜型というふうに言うんだそうですけれども、現行法では法律の条文に血清亜型が明記されてきましたが、今回の改正案では、鳥インフルエンザについては政令により血清亜型が規定されると、こういうことになりました。  鳥インフルエンザの血清亜型を法律でなく政令により規定するということにした理由と、それを政令で決めるというのであれば、その決める、あるいは改正する、変える場合の手続はどうなるのかについて説明してください。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) 二類感染症につきましては、就業制限や入院等の行政による強制的な措置の対象となりますので、人権への配慮の観点から、個別の感染症を法律で規定してまいっております。  一方、鳥インフルエンザにつきましては、ウイルスの変異が突然に、かつ頻繁に生じるため、二類感染症に相当する鳥インフルエンザが発生した場合に機動的にできるように新たに備える必要があると考えております。このため、今回の改正法案では、鳥インフルエンザについて、法律におきましては、新型インフルエンザに変異するおそれが高いものとその性質を明確化した上で、具体的な血清亜型は政令において定めることとしたものでございます。  政令を制定又は改廃しようとする場合の手続につきましては、厚生科学審議会の意見を聞くこととしておりまして、同審議会で科学的な根拠に基づく御議論をいただくということになってございます。

長沢広明公明党

○長沢広明君 効果的な感染症対策を講じるために、今日、午前中の参考人質疑でもたくさん出てきたことですが、感染症の発生状況を把握することはもちろんのこと、検体を確実に採取、そしてそこから病原体の種類や感染経路などの情報を得るということが大変重要だということで、参考人からもそういう指摘が今日午前中あったところでございます。  今回、国内におけるデング熱についても、代々木公園というところの利用者への注意喚起、それから蚊の調査、駆除を行うに当たっても、その発生状況、感染経路等を確実に把握するための情報収集、これが当初から非常に重要であったというふうに認識しております。エボラ出血熱等の重篤な感染症でも、患者の検体から得られる病原体の情報をいち早く収集する、蔓延防止対策に万全を期する必要がより一層高いと考えます。  加えて、一旦性質が明らかになった病原体であっても、もし感染の途中で変異などが起きれば対策そのものを抜本的に見直す必要があるということで、病原体については継続的な分析ということが欠かせないということでございます。  そこで、橋本政務官に御説明をお願いしたいと思いますが、こういう観点を踏まえて、今回の法改正で感染症に関する情報の収集体制、これを、収集体制が今回の改正ではどう強化されていくのか、そして、一類、二類という重篤な感染症に関してどういう措置を講ずることとしているか、詳細に説明をお願いしたいと思います。

橋本岳自由民主党厚生労働大臣政務官

○大臣政務官(橋本岳君) 議員御指摘のとおり、効果的な感染症対策を講じる上では、確実にその発生状況を把握し、病原体の種類、特性あるいは感染経路など、感染症に関する情報を迅速かつ的確に収集することがますます重要となっております。  このため、今般の感染症法の改正法案においては、都道府県がこうした情報を入手しやすくし、感染症に関する情報収集を行う体制を一層強化するために、検体の入手、検査の質の向上などに関する規定の整備、一類感染症など重要な感染症について、医療機関や患者等からの検体の採取等の制度の創設などを行うこととしております。  このうち、検体の提出等の要請の制度につきましては、都道府県から要請を受けた医療機関や患者の皆様にはこれに協力する努力義務が規定され、大半の場合は御協力いただけるものと考えておりますが、万一提供を拒否された場合には検体を入手することができません。このため、一類感染症など特に強い病原性を持ち、国内で発生した場合に迅速な危機管理体制の構築が必要な感染症につきましては、新たに都道府県知事等がこれらの感染症の患者の検体等を所持している医療機関等から検体を収去できることとするほか、それでもなお検体等を入手できない場合には、感染症の患者等から検体を採取できることとする規定等を設けることとしておるところでございます。

長沢広明公明党

○長沢広明君 別の問題に行きたいと思いますが。  採取した検体には遺伝子情報など個人を特定する情報が多く含まれております。こうした個人情報、先ほども福島委員からも御指摘いろいろありましたが、決して外部に漏れたり目的外に使用されたりすることのないようにしなければいけません。とりわけ感染症患者の個人情報については、もうとりわけ慎重な取扱いというものが求められます。  感染症法において、医師や業務上の関係者が知り得た秘密を正当な理由なく漏らした場合に対する加重罰の規定ということが設けられております。こうした事態に至る前に現場において適切な取扱いが徹底されることが重要だというふうに思います。  採取した検体の個人情報を適切に扱われるということをしっかり担保するためにどういう対策を講じていくか、説明してください。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) 採取した検体を検査することで得られる情報につきましては、特定の個人の感染症への感染の有無等の情報が含まれておりますので、個人情報保護法令上の個人情報に該当いたします。特に、感染症の患者等は感染症に対する誤解などから不当な差別的取扱いを受けやすいということもございますので、都道府県等が取得した感染症に関する個人の情報は厳格に保護することが必要と考えております。  このような情報については、適切な管理等について個人情報保護法令の適用を受けることはもちろんでございますが、さらに感染症法におきましては、感染症の患者であるとの秘密を業務上知り得た医師、公務員などが正当な理由なく当該秘密を漏えいした場合、刑法などの秘密漏えい罪よりも刑を重くしておりまして、感染症に関する個人情報の厳格な保護に十分な配慮を行っているものでございます。

長沢広明公明党

○長沢広明君 厳格な、ある意味じゃ法律の規定にのっとって個人情報の保護をしっかり進めてもらいたいというふうに思います。  これまで何度も聞かれて議論になっていることですが、BSL4についてちょっと一点だけ伺いたいと思います。  エボラ等の一類感染症では、入手した検体について正確な分析を行うということが対策を講じる上で非常に肝要だということは今日の参考人の質疑の中でも本当に指摘をされて、改めてこのL4施設の重要性ということを再認識をしたところでございます。  さきの大臣所信の質疑でも私の方から大臣に伺いましたが、日本には最高レベルの感染防御機能を備えたL4、これは国立感染症研究所村山庁舎等に存在するものの、地域の住民の方々の反対もあってまだL3の運用にとどまっていて、L4としては稼働に至っていないと。これはもう既に三十年でございます。厚生労働省には地域の住民の方々から理解が得られるよう積極的な努力を願いたいと思いますし、今はある意味では非常に大事なチャンスだと思いますので、今を機会にもう全力でこのL4への稼働に取り組んでいただきたいというふうに思います。  それはそれとして、念のために確認しておきますが、国立感染症研究所村山庁舎にL4施設が設置されてから三十年以上が経過しているわけであります。この三十年を経て、ハードウエアとして現在でもちゃんと機能する状態を保たれているのかどうか、これ念のために確認をさせていただきます。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) お答えいたします。  国立感染症研究所村山庁舎に設置されておりますBSL4施設でございますが、これまで定期的な点検や必要な改修は行ってきておりまして、現状におきましても必要があればBSL4施設として機能できる、そういった状態に保たれております。

長沢広明公明党

○長沢広明君 済みません、点検はしっかりこれまでもしてきているということですか。もう一度確認させてください。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) 定期的に点検を行ってきておりますし、改修が必要な場合は改修を重ねてきております。

長沢広明公明党

○長沢広明君 改修もし、更新をしているということでございますので、その点については安心であるということで確認をさせていただきました。  万が一エボラ出血熱の患者が発生した場合、全国三か所の特定感染症指定医療機関、あるいは四十四か所の第一種感染症指定医療機関、こういうところで治療が行われるということでございますが、こういうところでは、患者の来院を想定した、ちゃんと防護服の訓練とか診断手順の見直し等が行われているということでございますけれども、これもちょっと確認させていただきます。  こうした特定指定医療機関、第一種指定医療機関、こういうところはどういう設備を備えて、医療従事者の体制はこの指定医療機関としてどういう体制になっているのか、確認をさせてください。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) 一類感染症の患者に対して適切な医療を提供し、感染症の蔓延防止を図るため、特定あるいは第一種感染症指定医療機関、それぞれ三施設と四十四施設、重複を除きまして四十五施設ございます。  これらの医療機関におきましては、感染の拡大を防止するため、ハードの設備といたしまして、屋外に感染症の病原体を飛散させないための陰圧を保つ空調設備、あるいはHEPAフィルターの設置、感染性の排水を消毒又は滅菌できる独立した排水処理設備などを設けるということになっております。また、医療従事者の体制につきましては、院内感染対策委員会の設置、また感染症の医療の経験を有する医師が常時勤務しているということなどを要件としております。  厚生労働省におきましては、これらの医師を対象に定期的に研修を実施しているところでございまして、一類感染症等予防・診断・治療研修事業といったことで、海外において一類感染症等の実際の症例の診察なども経験するといったような研修をこれまでも行ってきているところでございます。

長沢広明公明党

○長沢広明君 そういう全体にちょっと関係しますが、先般、厚生労働省に一類感染症の治療に関する専門家会議というのが設置をされたと聞いています。十月二十四日、先々週に初会合が開かれたと、こういうふうに聞いておりますが、この一類感染症の治療に関する専門家会議ではどういうことを決めようとしているのか、どういう役割を果たそうとしているのか、また、もし個別の感染症事例が発生した場合にどう対応し、どう検討するのか、その役割について説明してください。

新村和哉厚生労働省健康局長

○政府参考人(新村和哉君) エボラ出血熱に対する治療法が確立されていない現状に鑑みまして、今般、厚生労働省におきましては、エボラ出血熱の治療に当たる医師に対して助言を行うために、特定感染症指定医療機関の医師や国立感染症研究所の専門家などによる専門家会議を立ち上げたところでございます。  第一回の会議、十月二十四日に開催しております。その中では、WHOの倫理作業部会の結果を踏まえまして、アビガン錠などの未承認薬と申しますか、安全性及び有効性が未確立の治療の提供も我が国においても倫理的に許容されること、また、血液透析などの侵襲的な治療につきましては、エボラ出血熱の致命率が高いこと、患者の容体を考慮し、一方で、医療従事者への感染リスクも十分に考慮した上で判断されるべきことなどの結論が得られたところでございます。  今後、個別に感染者が発生した場合におきまして、専門家会議といたしましては、患者に対する基本的な治療方法や患者に対する未承認薬の使用の妥当性や方法等を検討して、現場の医師に対して意見を述べることといたしております。  厚生労働省といたしましては、専門家会議の御協力をいただきながら、万一国内でエボラ出血熱の患者が発生した場合にも、適切な医療が提供できるよう万全を期してまいりたいと考えています。

長沢広明公明党

○長沢広明君 一類感染症の患者に対する基本的な治療方法あるいは未承認の薬を使用するかどうかについても議論をしてもらうと、こういうことで大変重要な役割を担う会議になると思いますので、事務局サイドでも十分なサポートをしっかりしてもらいたいというふうに思います。  これ、最後の質問にさせてもらいます。  この夏に限らず、昨今、蚊が媒介する感染症、これ、大臣所信のときも取り上げさせていただきました。人の移動が激しくなっている中で、国内で発生していない感染症であっても、国外から帰国あるいは入国した感染者が海外から侵入した蚊などにより国内で感染する、拡大をするおそれがあると。来年以降もデング熱というのは大丈夫かということがあります。そのほかにも、いろいろな蚊あるいは虫が媒介する感染症について十分な備えをしておく必要があると思います。  前に大臣所信のときにも指摘をしました。今回、いわゆる代々木公園の初動の問題のときに、やはり専門的な知見がなかなか地域になかったということで初動が少し遅れたことがあったと。したがって、蚊を媒介とするようなほかの感染症についてもしっかり対応をしていく必要があるということで、厚生労働省の感染症部会が十月八日に蚊媒介性感染症に関する小委員会の設置を決めたというふうに聞いております。こういうところでしっかりと検討が望まれます。  これについては、蚊などが媒介する感染症について、この小委員会を中心に今後どういう検討をしていくか。来年の夏、また大丈夫かという心配もありますので、そこまでのスケジュールも含めて御報告いただければと思います。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) 今先生御指摘のように、デング熱以外にウエストナイル熱とかチクングニア熱とか、蚊媒介の病気が今後国外から持ち込まれる可能性というのが懸念をされるわけであります。  このため、今お話しの小委員会というのができたわけでありますけれども、この小委員会において、今回のデング熱の国内感染事例への対応の中で明らかとなった課題が幾つかございますけれども、これを踏まえて、具体的には、まず平時及び感染症発生時に蚊に対する対策をどうするのか、それから予防策に関する国民への普及啓発をどうするのか、それから患者の早期発見、治療のための医療機関への情報提供の在り方、これをどうするかなどについて検討することとしております。  今後、来年の夏にまた蚊が増えてくるわけでありまして、関係者が的確な対応がそれまでに取れるように、小委員会における専門家の議論を踏まえて、今年度中をめどに蚊媒介性の感染症に関する指針というのを取りまとめていきたいと思っておるところでございますので、これについての御議論を後ほどまた賜れれば有り難いというふうに思います。

長沢広明公明党

○長沢広明君 以上で終わります。ありがとうございました。

丸川珠代自由民主党

○委員長(丸川珠代君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時五十一分散会

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