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186回国会参議院2014/03/19

予算委員会 第14号

発言数
310
登壇者
34
会派数
8
開催日
2014/03/19

会議録

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  平成二十六年度総予算三案審査のため、本日の委員会に日本放送協会会長籾井勝人君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 平成二十六年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。  本日は、内政・外交に関する重要事項について集中審議を行うこととし、質疑は往復方式で行い、質疑割当て時間は四百十四分とし、各会派への割当て時間は、自由民主党百四分、民主党・新緑風会百九分、公明党四十六分、みんなの党四十五分、日本共産党三十五分、日本維新の会三十五分、社会民主党・護憲連合二十分、新党改革・無所属の会二十分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 平成二十六年度一般会計予算、平成二十六年度特別会計予算、平成二十六年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、内政・外交に関する重要事項について集中審議を行います。  これより質疑を行います。山田俊男君。

山田俊男自由民主党

○山田俊男君 自由民主党の山田俊男であります。本日は質疑の機会をいただきまして、同僚の皆さんに御礼を申し上げるところであります。  さて、拉致被害者の横田御夫妻がお孫さんにお会いになった、大変いいニュースでありまして、政府の御努力に大変感謝申し上げるところでありますが、どうぞ更なる取組を急いでもらいたい、こんなふうにお願いするところであります。  さて、本日は、まず最初にTPP交渉のことにつきまして触れさせていただきます。  甘利大臣は、シンガポールでの閣僚会議、大変御苦労されたところであります。退院されて間もない間にゼロ泊三日という強行日程でアメリカのフローマン代表にお会いになってみえたわけですが、閣僚会議が終わった後は、何でアメリカへ行ったんだと、こんなことならアメリカに行くんじゃなかったというふうにおっしゃっていたというふうにお聞きしたところでありますが、ところが、甘利大臣の頑張りについてアメリカのフローマン代表がこうしゃべったと出ているんです。インサイドUSトレード紙に書いてありまして、甘利大臣は疲れを知らない日本農業の守護者だと、高く評価しているというふうに書いているわけでありまして。  米国は、大臣、決着する気があるんですかね。大臣、今回の閣僚会議の結果をどう受け止めておられるか、お聞きします。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) アメリカが決着させる気があるかどうか、これは明確に決着させたいと思っております。  シンガポール、先月の二十二日から四日間行ったわけでありますが、結論から申し上げますと、かなりの分野で進展がありました。ただ、重要な部分はまだ多々残っております。言ってみれば、方向感がかなり出だしまして、各国ともそれに向けて収れんできるんじゃないかというモメンタムになってきております。  いずれにしても、TPP交渉国の経済分野、シェアでいえば日米が八割でありますから、日米がまとまるということに他の国は相当な期待を掛けているという状況だと思います。

山田俊男自由民主党

○山田俊男君 大臣の入院前のことでありますが、一センチも譲らないと会見でおっしゃっておられたわけでありますが、一センチも譲らない、一センチも譲れないという決意を込めた何らかの提案をアメリカになさっておられるんじゃないかというふうに思うんです。秘密交渉ですから、交渉の概要は我々は知るところでないわけでありますが、米国に対してそういう何らかの提案をされていたのかどうか。当然、その内容は重要品目について党や国会の決議に沿ったものというふうに思うところでありますが、それでいいんでしょうか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 十二月一日に菅官房長官、林農水大臣と私とでフローマン代表と協議を行いました。その後の会見で一センチ発言をさせていただいたわけであります。その後、西村副大臣がシンガポールに行って一ミリもと言われたものですから、一センチと一ミリの差というのは何なんだとか聞かれましたけれども、これは西村さんに聞いていただきたいんですけれども。  重要五品目に関して衆参の農水委員会の決議があったということを強く意識しておりまして、その決議と整合性が取れないと議会が判断されるようなそういう譲歩については、我々はするつもりはないし、できないということを申し上げたつもりであります。

山田俊男自由民主党

○山田俊男君 どうぞ甘利大臣、フローマンが褒めているわけですから、それに従って徹底して頑張って対決してもらいたいと、こんなふうに思います。  どうぞ甘利大臣、衆議院の方で委員会があるようでありまして、ありがとうございました。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 質問途中でございますが、甘利国務大臣におかれましては、理事会で途中退席が認められておりますので、御退席いただいて結構でございます。

山田俊男自由民主党

○山田俊男君 ところで、安倍総理は、昨年十二月の年内合意の懸かった閣僚会議で、結局は米国は何にも合意しないまま終わったわけでありますが、その昨年十二月の閣僚会議後の国内のテレビで、米国に迎合したり膝を屈したりすることはないというふうに発言されているわけでありまして、大賛成であります。(資料提示)  総理は昨年二月の日米首脳会談で、オバマ大統領との間で、両国間にセンシティビティーが存在するということを共同声明の中で記入されて、確認されたわけであります。その後の記者会見でも、TPPは聖域なき関税撤廃が前提ではないということが明確になりました、こんなふうに会見された上でまさに言明されたわけでありますが、にもかかわらず、米国は全くその約束を踏みにじって、そして何ら日本の要求に応える、日本との交渉を進めるという姿勢にない、同じことの繰り返しになっているということは極めて残念であります。  ましてや、米国の各品目ごとの農業団体に対しまして、関税撤廃ができないということをどうも各団体に言わせているんじゃないか。この十二月から新年に至りまして、各作物団体がみんなこぞって関税撤廃でないと日本を交渉に参加させない、日本は外れてもらったらどうだというところまで言わせているということはゆゆしき事態だというふうに思います。  私は三年前に米国を訪問しましたが、その際、対日強硬派として知られます全米豚肉生産者協会、ここの幹部とお会いしました。その際、幹部は何を言っていたか。日本は米国の豚肉の輸出額の世界で第一位だ、量は二位だ、現在の関係を高く評価している、将来もそうあってほしいとまで言っているんです。  米国の品目団体は関税撤廃を要求はしていますが、しかし品目によっては関税を撤廃した場合、アメリカが現に今、日本に輸出している品目が、場合によったら量が、それはほかの国に移ってしまいかねないということを恐れているんです。だったら、本音に立ち返ってちゃんと交渉するということがあってしかるべきなのに、そういう交渉がなされていないというのは極めて残念であります。ですから、日本がやるべきことは、そういう本当の貿易関係の中での本音の部分でちゃんと交渉ができる、この取組を粘り強く粘り強くやってもらうということだと、こんなふうに思います。  それから、総理は大変いい仕事をされているというふうに思うんです。私が総理に向かってそういうことを言うのはおこがましい話でありますが、そうそのとき思ったんです。何かといいましたら、総理が出席された昨年十月八日のバリ島でのTPPの首脳会合、これはオバマ大統領が欠席したときの首脳会合でありました。そのときの首脳会合声明に、発展段階の多様性という言葉をきちっと入れておられるんです。さらにまた、包括的でバランスの取れた地域協定を作るということを確認されているんです。あの共同声明に入れた多様性とバランス、この意味は大変私は大きいというふうに思います。  総理、長い間にわたって交渉しましたWTOドーハ・ラウンドにおきましては、農業が果たしている多面的な役割に配慮しながら進めるということをみんなそれなりに交渉国は了解しながらそれを進めておりました。で、APECですね、APECの国々も、柔軟性を持って交渉に当たるということを原則としているわけであります。これは、ひとえに日本がリーダーシップを発揮してこれを盛り込ませてきた考え方でもありました。そして、世界の官民問わず多くの関係者からもこのことが支持を得ていたわけであります。農業が果たしている多面的な機能、多面的な役割、この評価であります。  ちなみに、当時、世界の農業団体ですね、世界中の農業団体です、とりわけアフリカ、アジア、それからヨーロッパ、この国々の農業団体は、食料安全保障と多様な農業の共存という共同声明に、何ときちっと六十六か国の農業団体は署名しているわけであります。  こうした中でオバマ大統領がこれから来日されるわけですが、その来日の中で、大統領が日本に対してアメリカの論理で、アメリカの主張で日本に妥協を迫ってくるんじゃないかということを私も心配しますし、同僚の議員もそうですし、多くの関係者が心配しているところであります。米国が約束を守らない中で日本が一方的に引き下がることは毛頭ないわけでありまして、我が国は、あくまで党それから国会決議の実現に向けまして全力を挙げるということだというふうに思います。  どうぞ総理の決意を聞きたい、お願いします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま山田委員がおっしゃったように、バリにおきましては、多様性、そして包括的でバランスの取れたものにしていこうということであります。  もうこれは委員御承知のように、このTPPにおいては、関税等の市場アクセスだけではなくて、知的財産やあるいは電子商取引、そしてまた国有企業や環境、そうしたルールもございます。日本はまさにルールにおいては主導的な役割を示しているわけでありますし、日本はルールはまさに世界の標準、模範と言ってもいいんだろうと思います。そういうものを全体的に包含しながらこれは前に進めていくということでありまして、ルールはルール、そして市場アクセスは市場アクセスということではなくて、全体の中でのそれぞれの国のTPPに向けた努力についてそれぞれ評価をしていくということが重要ではないかと、こう思っているわけでございますが、成長センターであるアジア太平洋地域に一つの大きな経済圏をつくっていく、TPPはこれは大きなチャンスでもあります。早期に交渉を妥結させていくことは我が国にとって国益であると、このように思います。  交渉全体に方向感が出てきているのは事実でございまして、交渉は最終局面を迎えています。各国とも国益を懸けたぎりぎりの交渉をしているわけであります。  また、オバマ大統領は四月に来日予定でありますが、当然、米国と交渉しつつ両国で協調して交渉全体の議論を引っ張っていきたいと、こう考えておりますが、日本には守るべき国益はあるわけでありまして、守るべきものはしっかりと守り、攻めるべきものは攻めていくことによって、国益にかなう最善の道を追求していくために全力を尽くしていきたい、そしてしっかりと強い交渉力を持って当たっていきたいと、このように思っております。

山田俊男自由民主党

○山田俊男君 強い交渉力を持って守るべきものは守る、攻めるものは攻めるという立場でやりますという総理の決意であります。  ただ、総理、四月にオバマ大統領が来日するからということでそこへ突っ込んでいくというのはやはり避けるべきではないか。総理もそうおっしゃっているというふうに聞いておりますし、それから、さらには、基本的には、一昨年の衆議院の選挙におきまして、昨年の参議院の選挙におきまして、きちっと党の決議、これを守っていくぞ、党の公約を守っていくぞということで選挙をしてきたわけでありまして、そして圧倒的な安倍内閣をつくり上げたという経緯があります。そのことをきちっと踏まえていただけるものというふうに確信しています。  どうぞもう一度、総理のその決意をお聞きしたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私どもが公約においてお約束をしたことはたがえてはならないと、このように思います。  また、農水の衆参の委員会において示された五品目について、これは我が党においてもJ—ファイルでお示しをしているところでございますが、我々はこの意を体してしっかりと交渉していきたいと、このように思います。

山田俊男自由民主党

○山田俊男君 総理の決意を聞かせていただきました。頑張ってください。  ところで、もう一点申し上げたいことがありまして、現在、日豪のEPAの交渉も具体化しているやに伝えられております。この交渉においても重要品目の関税を守るとする国会決議があるわけでありまして、この決議に基づく取組が進められるものというふうに思っておりますし、交渉前の民間の経済界や学者等の代表によります共同研究報告があるんです。日豪のEPA取組に当たっての共同研究報告なんです。そこには、センシティビティーへの配慮、さらには柔軟性、そしてバランスの取れた成果の実現をちゃんと盛り込んでいるんです。  さらにまた、この三月に入ってから日中韓のEPAについても動きが出てまいっております。現在、御案内のとおり、中国、韓国との間では外交上なかなか難しい課題を抱えたままになっておるところでありますが、しかし、日中韓のEPAについては、これはそういう中でも進めようという動きがあるというのは、それはそれで私は大事なことだというふうに思います。これも、日中韓で事前にまとめた産官学共同研究報告書は、バランスの取れた成果とウィン・ウィン・ウィンの状況を目指すことをまとめているわけであります。  どうぞ、総理は極めて精力的に世界の国々を訪ねておられるわけでありまして、お互いの国がお互いに支え合う真の意味での経済連携協定をつくり上げるということが物すごく大事だというふうに考えています。総理のお考えをお聞きします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、自由貿易の推進は我が国の対外通商政策の柱であると考えております。  日本は人口が減少していく中において、生産人口も、そしてまた消費人口も減少していく中において、成長していくアジアあるいは世界の活力を取り入れていく必要があるんだろうと、こう考えているわけでございますが、自由貿易体制をこれまで以上に強化し、諸外国の活力を我が国の成長に取り込む、これによって力強い経済成長を達成していきたいと考えておりますが、今委員が御指摘になられましたように、我が国としてはTPP交渉の早期妥結に取り組んでいるわけでありますが、それだけではなくて、日中韓のFTA、RCEP、そして日豪EPA等を含む九つのEPA交渉を同時並行的に、戦略的に、かつスピード感を持って推進をしていく考えでございまして、これらの取組が相互に刺激し合い、全てが活発化するというダイナミズムが動いていくということを期待をしているわけでございますが、繰り返しになりますが、こうしたものを我々も戦略的に捉えながら我が国の国益をしっかりと確保していきたいと、このように考えております。

山田俊男自由民主党

○山田俊男君 総理の極めて精力的な海外への訪問、とりわけ私は、インドへ訪ねておられること、このことが、こうした今おっしゃっていただいたRCEPを始めとする取組に必ずや大きな影響を与えるというふうに思いますから、どうぞ取組を深めていただきたい、こんなふうに思います。  牧野外務大臣政務官がお見えでありますので、どうぞ一言、この点について触れてください。

牧野たかお自由民主党外務大臣政務官

○大臣政務官(牧野たかお君) 山田委員にお答えをさせていただきます。  外務省としては、今総理が御答弁されたように、各種の経済連携協定というのは日本の国益に資するだけではなく、相手国や各地域との関係を強化するものであり、農水省や経産省など関係省庁と協力して積極的にしっかりと取り組んでいきたいと考えているところでございます。

山田俊男自由民主党

○山田俊男君 ありがとうございました。  続いて、岩盤規制のことについて触れさせていただきたいんですが、総理は、これ読ませていただきます、これはもう大好きな言葉で、ただしっかり覚えなきゃいかぬのですが、間違わないように読みます。  日本には世界に誇るべき国柄があります、息をのむほど美しい田園風景、日本には、朝早く起きて、汗を流して田畑を耕し、水を分かち合いながら五穀豊穣を祈る伝統があります、自助自立を基本としながら、不幸にして誰かが病に倒れれば村の人たちがみんなで助け合う農村文化、その中から生まれた世界に誇る国民皆保険制度を基礎とした社会保障制度、これらの国柄を私は断固として守ります、私は、あらゆる努力によって、日本の農を守り、食を守ることをここにお約束しますというふうにおっしゃっている。これは、昨年三月十五日、総理がTPP交渉参加を表明された際の記者会見の言葉です。原稿を見ないでもう見事におっしゃっておられたわけでありまして、感激しました。  そして、翌々日の三月十七日の自民党大会におきましては、総理は、私は強欲を原動力とする市場主義経済の道を取ってはならないと思います、日本は瑞穂の国です、道義を重んじ、真の豊かさを知る市場主義経済を目指してまいります、そのことをお誓い申し上げますとおっしゃっているわけです。これは、今回の通常国会の予算委員会の冒頭の総括質疑で山本順三議員からも発言した内容でありまして、私も大賛成であります。この総理の言葉に、私もそうですが、全国の農林漁業者やそれから農山漁村に住んでおられる皆さんがどれほど励まされたことかというふうに思います。  一方で、総理はこうおっしゃっているんです。今年一月のダボスの会議でありますが、既得権益の岩盤を打ち破る、いかなる既得権益といえども、私のドリルの刃から無傷ではいられないというふうにおっしゃっているんです。  こうしたこともあって、総理、こういうことになっているんです。資料にも出しましたが、国家戦略特区会議の民間議員がこぞって総理のダボスでの発言を引き合いに出して、今こそ過去の政権で何度もはね返されてきた岩盤規制を打ち破ろうと言って、総理の発言に支持を得たとばかり、それを引き合いに出しておっしゃっているんです。そして、雇用やそれから医療や教育やそれから農業について新しい提案も行っております。農業の分野では何をおっしゃっているかといったら、企業の農地所有による農業経営と農業協同組合の在り方をテーマにするというふうにおっしゃっているんです。  しかし、既に平成二十一年の農地法の改正で、企業は借地で農業経営を行うことができるようにちゃんとなっているんです。そして、これまでの四年間、二十一年から今までの四年間で、過去と比べまして五倍にも上る千三百九十二の企業が借地で農業に参入しているんです。だから、借地の期間も、短い期間じゃないんですよ、最長五十年はちゃんと借地できるという仕組みなんです。  そして、この企業による農地の所有による農業経営については、総理は、昨年一月、本会議場でみんなの党の渡辺代表の代表質問に答えられて、本会議場ですよ、総理は、企業には借地で農業経営ができることとなっており、所有でなければならないということではないというふうに明確におっしゃっておられるわけであります。  なのに、なのに国家戦略特区の諮問会議は、総理の意に反して、企業の農地所有による農業経営を国家戦略特区でやらせようというふうに提案されている。一体これはどういうことなんですかね。何を国家戦略特区の議員は言いたがっているんでしょう。改めて私は総理のお考えをお聞きします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど山田委員が挙げていただいた私の発言についてでございますが、二つとも私が農業について申し上げたことでもある、後半も、農業も含む意味について使わさせていただいたわけでございます。まさに農業というのは国の基であり、美しい日本の景観、国土、そして国柄を維持をしているのは農業であろうと、このように思っているわけでございます。  しかし、その言わば農業、農村を守っていくためにも、変えるべきものは変えていく必要がありますし、若い皆さんが農業という分野に夢や希望を持って参入してくるような農業にしていかなければ農業の未来はないんだろうと、このように思うわけでございまして、安倍内閣においては、強い農林水産業とともに美しく活力ある農山漁村を実現するという決意を示しているわけでございますが、輸出促進や六次産業化の推進によって付加価値の向上を図るとともに、今挙げられましたリース方式を活用した農地集積による生産性の向上などに精力的に取り組んでいく考えであります。  農業への企業参入については、今御紹介をいただきましたように、平成二十一年の農地法改正によるリースの解禁で株式会社のままでも自由に参入できることとなっておりますが、昨年の臨時国会で関連法が成立をいたしました農地集積バンクの取組によって、分散し、そして錯綜した農地を集約していくことによって更に効率的な農業経営を展開することが可能になってまいります。いろいろ飛び地となっていたところを借りていることによって大変農作業に時間が、移動にも時間が掛かったわけでありますが、これを県が主体となってまとめて、そしてまとめたものを貸しますから、当然効率は大幅にアップしていくわけでございます。  そして、代表質問でお答えをいたしましたように、所有権取得による農業参入は、農地が耕作放棄された場合に、リース方式であれば、契約を解除し、そして原状回復は容易でありますが、所有権取得の場合はこうしたことができないため自由化をしていない、これは今でも同じ考えであります。今後、農地集積バンクの活用によってリース方式による企業参入を積極的に推進をし、農業構造改革を加速をしていきたいと考えております。  また、私の主宰する農林水産業・地域の活力創造本部において、規制改革会議や産業競争力会議の検討も踏まえまして、現場での実効性と制度の安定性に配慮しながら更に必要な見直しを行い、農業改革を前進させていく考えであります。

山田俊男自由民主党

○山田俊男君 総理の農林漁業に対する思いの一端を改めて知ることができました。どうぞ、農地集積バンクの取組、それから強い農業づくり、さらには美しい景観を伴った農林漁業、農村づくり、そしてきちっとした担い手をつくり上げること、そのことについてはもう一生懸命にこれは政策展開するし、全員でやっていくということだということを確信しているところであります。  御案内のとおり、日本の農村地域ないしは農村を抱える各県におきましても、本当に住みよいところはどこかといったら、それこそもういろんな指標がありますけれど、明確に農村地域がみんな評価されているわけであります。そのことにやはり農林漁業者も自信を持たなきゃいかぬし、それからさらに国もそのことを自信を持って進めていくということをやっていかなきゃいかぬ、このことをお願いするところであります。  ところが、何としても我慢ならないのは、総理がまさに、先ほど言いましたが、任命された、それこそ産業競争力会議、それから規制改革会議、国家戦略特区会議のメンバーが口をそろえて農林漁業は遅れている、既得権益の上に立ったぶち壊すべき岩盤規制だというふうに言われたのでは、もう本当にかなわないというふうに思っておりますので、どうぞ総理、しっかりそこに目を配っていただいて、間違わないようにこの国の安定をきちっと確保してもらいたい、こんなふうにお願いするところであります。  さて、今話題になりました国家戦略特区会議のことについてでありますが、新藤内閣府特命担当大臣にお願いするところでありますけれども、どうもこの特区の諮問会議は、規制緩和と関係する雇用や医療や教育や農業の担当大臣は特区の諮問会議に呼ばないという仕組みになっていますよね。これだと、一体ちゃんとした議論ができるのかと。もっと言うと、諮問会議が自分たちが思っていればそのまま進行できる、地域も設定できる、テーマも設定できると。独断専行をそのまま認めるような内容になっているんじゃないかということを心配しているわけでありますが、その点についてはいかがですか。

新藤義孝自由民主党総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)

○国務大臣(新藤義孝君) 今委員が御指摘いただいたような御心配は起こらないようにしたいと私は考えております。そして、そもそも国家戦略特区諮問会議の役割は、特区に関する重要事項についての調査、審議を行って総理大臣に意見を申し上げると、こういう場であります。そこには、総理、官房長官、財務大臣、また甘利担当大臣、稲田大臣、そして担当大臣の私がおりまして、かつ民間の諮問の皆さんがいるわけであります。  特区の諮問会議において、規制緩和、新しい議題になる場合には関係担当大臣も出ていただけるようになっております。ですから、必要な場合にはそういう議論をするということであります。何よりも、総理のリーダーシップの下でスピーディーに、しかししっかりとした議論をしながらこれは進めていきたいと、このように考えております。

山田俊男自由民主党

○山田俊男君 大臣からそうおっしゃっていただきましたので、どうぞ協議の上、総理の指示があれば、農業の課題をやるときには林大臣が出れるという仕組み、それをやっていただけるということですから、ちゃんとやってくださいね。もう一回確認します。

新藤義孝自由民主党総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)

○国務大臣(新藤義孝君) そうした専門的な議論を行う場合には、その専門的な立場である大臣の方々が議論をされることは当然のことだと思いますし、しっかりとしたそういう議論の下でこれは国家戦略を進めていかなければならないと、このように考えております。

山田俊男自由民主党

○山田俊男君 分かりました。  それでは、最後の質問でありますが、和食がユネスコの無形文化遺産登録になりました。ところが、日本の和食の本当の良さはうまみですよね。それをつくり上げているのはまさに日本の大豆であります。みそ、しょうゆであります。  だから、この大豆の生産が極めて大事なわけでありますが、今や、こうしたみそ、しょうゆ等に使われている国産の大豆の割合は何と二五%しかないんです。あと七五%の大豆は、それこそアメリカやブラジルから入ってきているわけですよ。それで本当に和食と自信を持って言えるのかということであります。ここは何としてもちゃんと国産の大豆でつくり上げていくぞということをしなきゃいかぬというふうに思います。  ところが、さらにまた、豆腐を作っておられる皆さんはどうなっているかといったら、これは、大スーパーマーケットからの安売りの目玉商品になったり、値下げ要求があったりして、中小の零細な豆腐業者はどんどん廃業しているんです。十年前に一万五千軒あった豆腐屋さんは今や九千軒です。だから、毎年五百軒ずつ減っているんです。消費税、今度上がります。消費税の上がった分だけ、またそれは値下げだぞと言われた日には、これはもうやっていけません。  どうぞ、ちゃんと和食を世界に広げるなら、これは国産の大豆で作っているぞという仕組みをつくっていただきたいわけであります。林大臣に決意をお聞きします。

林芳正自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(林芳正君) 今委員からお話があったように、煮豆で七割、豆腐で三割、納豆は二割、みそ、しょうゆは一割、国産の割合であります。残りは全部輸入と、こういうことでありますから、しっかりとこれを上げていく努力をしなければいけませんし、実は実需者からも、国産大豆、外観も成分も非常に評価をされておるところでございます。湿害、連作障害、こういうことがあって、なかなか難しいところもあるわけでございましてああいう数字にとどまっておりますが、やはり水田をフル活用するという意味でも、この大豆の産地づくり、いろんなことで支援をしていかなければいけないと、こういうふうに思っておりまして、機械を導入するとか、排水対策するとか、粒ぞろいの均質化、乾燥調製施設の整備、いろんなことをやりながら、しっかりと国産大豆の生産拡大を図っていきたいと、こういうふうに思っております。

山田俊男自由民主党

○山田俊男君 ありがとうございました。しっかり総理、頑張りましょう。  ありがとうございました。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 以上で山田俊男君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 次に、高階恵美子君の質疑を行います。高階恵美子君。

高階恵美子自由民主党

○高階恵美子君 おはようございます。自由民主党の高階恵美子です。どうぞよろしくお願いいたします。  初めに、これ通告申し上げていない事項なんですけれども、昨夜来報道されておりますように、ロシアの大統領がクリミア自治区の編入について表明をいたしました。非常に緊張感が高まっております。この件に関する政府の受け止めと対応方針について、総理にお伺いをしたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府としての考え方を申し上げます。  ロシアがクリミア自治共和国の独立を承認し、十八日、クリミアをロシアに編入する条約への署名がなされたことは、ウクライナの統一性、主権及び領土の一体性を侵害するものであり、これを非難いたします。我が国は力を背景とする現状変更の試みを決して看過できません。  我が国は、昨日十八日、査証簡素化に関する協議を停止し、新投資協定、宇宙協定及び危険な軍事活動の防止に関する協定の三件の新たな国際約束の締結交渉開始を凍結することとしたところでございますが、引き続きG7を含む各国と連携しながらロシアに対し更なる措置を検討していく考えであります。  ウクライナ情勢につきましては、米国政府は、今般、G7各国首脳が集まるハーグにおける核セキュリティ・サミットの際に、G7非公式首脳会合を開催することを提案いたしました。私も、国会の状況を含め諸般の事情が許せば核セキュリティ・サミットに出席をいたしまして、G7を含む各国と連携しながら適切に対応していきたいと考えています。  ロシアに対しては、先般、谷内国家安全保障局長を派遣をいたしまして、ラブロフ外相及びパトルシェフ安全保障会議書記に対し事態の平和的収拾を働きかけたところでありますが、引き続きロシア側へ働きかけていく考えでありまして、今後とも、引き続き各国とよく連携をしながら平和解決を求めていく考えであります。

高階恵美子自由民主党

○高階恵美子君 ありがとうございます。国際社会における日本の外交の力、非常に重要な位置にあると思います。どうぞよろしくお願いをいたしたいと思います。  さて、準備させていただきました質問に入らせていただきます。  今般の予算案には、世界で最もイノベーションに適した国をつくり上げるための様々なアイデアが盛り込まれております。補正予算においてはImPACT、本予算においてはSIP、そして優れた医療分野の革新的技術の実用化を強力に後押しする仕組みの構築など、これらの政策が順調に展開されることによって我が国の様々な研究開発領域から新たな息吹が起こってくるに違いないと希望が湧いてくる思いがいたします。  安倍総理は、こうした一連の取組による成果が、いつ頃、どのような形で我が国あるいは世界の発展に寄与していくだろうと見通しておられますでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 科学技術イノベーションは我が国に新たな可能性をつくり出す極めて重要な課題であり、成長戦略の柱の一つであります。  平成二十六年度予算案におきましては、科学技術関係予算として、革新的な再生医療等につながるiPS細胞、エネルギー制約や地球温暖化を克服する革新的な省エネルギーや再生可能エネルギー技術、そして広域にわたり災害の状況を把握できる人工衛星に関する研究などのために、政府全体で約三兆六千億円を計上いたしております。これらは、社会や経済を変革するイノベーションを創出をし、我が国や世界の発展に貢献するものと考えています。  世界で最もイノベーションに適した国の実現に向けまして、引き続き政府を挙げて取り組んでいく考えでございます。

高階恵美子自由民主党

○高階恵美子君 科学技術はまさしく日進月歩であります。それを実現するのは人の英知です。地道に理論と実践を積み重ね、研究者が一人前に成長していく道のりは険しくて、その過程をいかにして支えるかということが重要と考えます。  私は、免許を取って医療機関、保健所、精神保健センターなどに勤務した後、改めて、国立公衆衛生院、東京医科歯科大学、大学院を受験して学び直しをいたしました。社会人として安定したポジションと収入を得たのに、それを離れて学究生活へ飛び込むという決断をするには、家族や友人を含めた周囲の厚い支えと理解が必要でした。  大人が学び直すとき、本人の意思だけで所期の目標を達成するのは極めて困難であることを身をもって学んでまいりました。授業料と生活費の両方を確保するために、昼は学び、深夜から朝まで夜勤専従で病院で勤務していた時期もありますが、しかし、その生活は心身共に過酷で、ほかの方にお勧めできる方法ではありません。  こうしたときに助けとなったのが奨学金制度であり、ティーチングアシスタント制度であり、若手研究者育成枠でした。獲得枠は限られていますし、後々の返済計画も必要となります。それでも、学びたい者たちにとってこうした修学を支える制度の存在は、学ぶ機会を逃さずに成長するための大きな支えとなっています。  これからは、学び直しをする、こうした大人たちへの支援についても一層のお取り計らいをお願いしたいと思います。文科省の見解をお尋ねいたします。

西川京子自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(西川京子君) 高階先生、御質問ありがとうございます。  社会人の学び直しという御質問でございましたが、実は、日本はOECDの各国に比べてこれが非常に低いんですね。日本の大学進学率が約五一%、OECDが平均六〇%、この一〇%の差が、実はこの社会人の大学入学、これと留学生の受入れ、これで日本が下がっているんですね。実は、ここをきちんと、もう少し社会人の方がどんどん大学に入り直していただきますとこのOECD並みの大学入学率になるということでございまして、今先生がおっしゃったこと、それともう一つ、経済活動に関してですが、産業構造の変化を踏まえた成長産業への労働力の円滑な移動、こういう面もあります。  それから、キャリアアップ、キャリアチェンジの促進、そして豊かな人生を過ごすための多様な学習ニーズへの対応、そして社会人の学び直しの機会をより一層充実させていくことが更に社会の言わば成長戦略にも実は資するんではないかと。今いろいろな学者の先生方と省内で意見交換をしておりますが、社会人が、一度学校を離れて、もう学校と縁を切るのではなくて、常に学び直し、行ったり来たり、これを繰り返すことで実は少子化対策や成長戦略に大きな効果があるというようなお話もいただいております。  今先生が御指摘になりました奨学金制度、これについては、今までは実は大学で過去に奨学金を受けた人はまた受けられないような状況があったんですが、これを、無利子奨学金の貸与を受けることを更に可能にするよう再貸与の制限の緩和、そのようなこともやっております。  そして、この社会人の学び直しを受ける実は大学、学校側の対応、これも非常に大事なことでございまして、各大学や大学院において都心部におけるサテライトの設置を含めて社会人向けの講座を積極的に開設、そして実は専門学校、専修学校の質の向上、これ今専門学校に行くのは実は社会人の人の方が多いんですね。ですから、これの質の向上を図りまして、今回、職業実践専門課程というのを指定いたしまして、これに全国の専門学校から手挙げ方式でお願いしましたら、約一七%の専門学校が手を挙げておりますので、この学びを受け入れる方の体制、それと奨学金制度の充実ということで、先生御指摘の社会人の学び直しをしっかりと推進していきたいと思います。

高階恵美子自由民主党

○高階恵美子君 学び直す大人の中には、妊娠、出産、育児中の女性もいます。各々が置かれた環境は異なっていますから、是非、それぞれがどの制度が自分に合うか吟味しながら選べていけるように、利用者の視点に立って情報提供することもお考えいただきたいと思います。  さて、子育て家庭への経済支援という点では、この度の雇用保険法改正案で育休手当の引上げと男性が育児するための環境整備が提案されています。(資料提示)御覧のとおり、従来の育児休業手当は産後の十か月間、五〇%の給付率で支給されてきました。今後はそのうち六か月間についての給付率が六七%に引き上げられます。また、夫婦が交代し、七か月目からは男性が育休を取る場合、新たに六か月間続けて六七%の高い給付率で手当を受けることができるようになります。  我が国の男性の育休取得率はいまだ二%以下と低迷しておりますが、経済面からも男性の育休取得を後押しすることによって、夫婦が共に育児する環境が醸成され、女性のキャリア中断リスクを減らす効果を期待できますし、ひいては社会全体の経済活性化にもつながる可能性があると考えます。  厚生労働大臣には、この制度の一層の活用促進にお努めいただきますとともに、その後の成果評価にも御尽力をいただきたいと思います。そして、財務大臣には、是非、田村イクメン大臣のバックアップをお約束いただきたいと思います。一言ずついただけますでしょうか。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 高階委員、ありがとうございます。  今般、育児休業給付、給付率を五〇%から引き上げると。これ、以前からヨーロッパに比べて日本は給付率が低いというお声がございました。その中において、労働政策審議会の雇用保険部会の方で御議論をいただいて、その後に法律を現在提出をさせていただいておるということでございまして、何とか四月一日にはこれがスタートできるように今審議をお願いをさせていただいておるような最中でございます。  六七%半年間ということでございまして、女性も男性も取っていただければ、ちょうど一年間は二人の所得の平均六七%、それを給付できるという話でありますが、非課税でございまして、また社会保険料免除でございますから、六七%ならば大体八〇%の効果があるということで、かなりのそういう意味では期待ができるわけであります。  一方で、これ、ただ単にこの育児休業の給付率を上げただけでは、なかなか育児休業、これ自体取得率が上がらないこともございまして、例えば代替要員等々をどうするんだというようなこともございます。これ、両立支援の中において代替要員の支援プランというもの、助成金を出すような、そういうメニューもございますし、あわせて、育児から復帰する、そのような支援のプランも作っておりまして、そういう助成の中においてこの育児休業給付というものを取りやすい環境をつくっていくと。企業にも御理解をいただかなきゃなりません。PRしっかりしていきながら、検証もしながら、悪い部分があったら直してまいりたいと思っております。  どうか育児休業を皆様方取っていただきますように、心からお願いいたしたいと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 男女共に育児休業というのの取得を促進する、更に促進するということによって、これは仕事と子育ての両立ということが可能になる就業環境を整備するということは、これは安倍内閣が力を入れております少子化対策、また女性の活躍を促進するという観点からもこれは重要だと思っておりまして、今五五から六七というお話でしたけれども、これに掛かります総額が約五十五億円と思われますけれども、こういったような方向でしっかり取り組んでいくということで、田村さんの圧力に余り屈しないように頑張りたいと思います。

高階恵美子自由民主党

○高階恵美子君 ありがとうございます。  人生の途中には予期せぬ出来事で暮らし方の見直しが求められることもあります。  例えば、昨年六月にDV防止法を改正したところでありますが、全国のDV相談センターや警察署への相談、裁判所への保護申立ての事案などは、累計いたしますと、年間十五万件にも及んでいます。また、売防法を設置根拠とする婦人保護所では、訪ねてくる相談者の六割がDV被害から逃れようとする方です。このうち、一時保護される人数は、子供を含めて年間一万二千人にも上っております。  女性たちはこうした機関を経由して加害者の手が及ばない場所で子供とともに生活を再建するわけですが、このときに、住居の契約や就職、あるいは子の就学や予防接種、住民健診などといった自治体サービスの利用の段階でつまずいております。  婦人相談所の機能を充実させて、徹底した情報管理の下、これらの基本的な住民サービスへ安全に移行できる入口機能、これが果たせるような基盤強化をすべきと考えますが、いかがでしょうか。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) DV被害に遭われた女性、またお子様、そういう方々がやはり生活をしっかり再建していくためにいろんな支援していかなきゃならぬわけでありますけれども、やはり婦人相談所、それと市町村のやはり関連機関等々がしっかり連携しながら生活の再建等々支援していかなきゃならぬわけであります。  今委員おっしゃられました婦人相談所、もちろん中心になるわけでありますけれども、あわせて、各市町村、自治体の福祉事務所の婦人相談員、大体、市町村、郡部、こういうところを合わせて一千名以上おられると思いますが、こういう方々としっかり連携しながら支援していくことが大変重要であります。  今ちょうど婦人相談所のガイドラインというものを策定し直しておりまして、その中において、今言われたような、各自治体、基本的なサービス、こういうものをやはり市町村が提供されるわけでありまして、そういうことも含めてしっかりと婦人相談所が連携しながら、それぞれ、ユーザーの方々、一時保護をしておるような方々に対してしっかりとPRしていかなきゃいけないわけでありまして、そういうことにもこれからガイドラインを作り直す中において力を入れてまいりたいと思っております。  あわせて、婦人相談所で一時保護をされてから民間のシェルターに移られて自立をしていくという中において、これに関しましても今モデル事業をいろいろやっているんですけれども、これにも支援をしっかりやっていきたいと。  あわせて、今、四次の地方の一括法、これに合わせて指定都市に関しましても婦人相談所がつくれるようにしようというようなことでございますので、そういうことをいろいろと我々も勘案しながら、DV被害の皆様方、そういう方々に対しての支援を強化をしてまいりたい、このように考えております。

高階恵美子自由民主党

○高階恵美子君 婦人保護の現場にもおりました。逃がすまでは一生懸命支えることができるんです。しかし、そこからの生活再建のところにはなかなか私ども関わることができず、もどかしい思いを経験しておりますので、是非いろんな知恵を出していただければというふうに思います。  一人一人が存分にその能力を発揮できる働き方を模索するという点では、テレワークという働き方を普及、活用してはどうかと考えております。  安倍総理は、昨年秋の国連演説におきましても、全ての女性が活躍できる社会をつくること、これを宣言いたしまして、これからのあらゆる政策分野において女性の社会参加を促す方針を明確にしております。  働くとなると、一般的には出勤前の身支度や通勤の時間など所定の勤務時間帯以外にも制約が生じてまいります。パソコンやタブレットなどのITを活用し、在宅で上手に時間をやりくりしながら働く方法であれば、目の届く距離で子や親を見守りながら安心感を持って就業することも可能になります。こうした働き方のメリットを生かして新たな労働市場を開発していく、その可能性について、総理の御所見をお聞かせください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 子育てや介護において、まさに今委員がおっしゃったように、目の届く、そして手の届く範囲で仕事ができればと思っておられる方がたくさんおられるんだろうと、このように思います。  その中におきまして、この在宅勤務によるテレワークは、勤労者にとっては仕事と育児、介護の両立支援や時間の有効な活用によるワーク・ライフ・バランスの向上にもつながると同時に、企業にとっても多様で優秀な人材の確保、維持を可能にしていくわけでございます。社会全体にとっても雇用の創出につながっていくことは間違いないわけでございまして、今まで仕事を諦めた方々がテレワークを活用することによって、仕事、そしてまたワーク・ライフ・バランスにも配慮した形で仕事ができるということによって新たなこれは雇用が間違いなく生まれてくると、このように思うわけでございまして、我が国の経済成長にも資すると考えております。  様々なメリットのあるこれは働き方になってくると期待をしているところでございますが、政府としては、テレワークの普及促進に向けまして、これまでも在宅勤務に伴う様々な労務管理に関する相談体制の整備などを行ってまいりましたが、来年度からは、新たにテレワークを実施する企業に対する導入経費の支援や、あるいは在宅型テレワークに関する実証事業を通じて、中小企業等が取り組みやすいモデルを構築をしていく考えであります。今まで、中小企業の皆さんは自分たちには無理だよという、そんな声もあったわけでございますが、そうした中小企業も応援をしていきたいと思っています。  こうした取組を通じまして、在宅勤務を始めとする多様な働き方を広げ、雇用の創出につなげていく考えであります。

高階恵美子自由民主党

○高階恵美子君 現在の日本のジェンダーランキングは世界第百六位です。女性国会議員の輩出もさることながら、女性自身が働くことを諦めない風土を整えることがこの劣勢から立ち直っていく原動力になると私も思います。そして、時間的、空間的制約から解放された労働形態を普及、活用するには、そのノウハウを磨く必要もあると思います。幅広い地域、業種で将来性のある働き方を計画的に育てる取組、一層進めていただければと存じます。  さて、六十五歳以上人口がピークを迎える二〇四二年に向けて日本の総人口はおよそ二割程度減少すると推計されています。そうした中で、いかにして人生の最後をその人らしく過ごせる地域を整えていくか、このことは国民の大きな関心事であり、政治の重要課題であります。  これから着手されようとしている大規模な病床改革の過程では、その現場で活躍する人材の確保と配置について構造的な分析と冷静な判断に基づく対策が求められるようになると考えます。  例えば、看護師は、社会保障分野で最も就業者数が多く、既に全国で百五十三万人が働いています。かねてから、労働条件が過酷な上、技術料が十分に手当てされていないため離職率も高いと指摘されてきましたが、そうした課題を解決できないまま、この先の十五年間で更に五十万人の看護師を増員しなければならないという試算もございます。  また、日本の人口当たりベッド数は、イギリス、アメリカと比べまして四・五倍、フランスの二・一倍、ドイツの一・六倍です。ですから、ベッド当たりに配置される医師や看護師の数は極端に薄くなっております。このことは、勤務医の厳しい労働環境の改善や過労死防止、あるいは医療安全対策などを考慮する点からも私たちが直視すべき課題の一つであります。  医療の現場では、対象の高齢化、傷病の複雑多様化、重症化、そして医療技術の高度化が並行して進んでおり、それぞれの場所で手厚い対応が求められるようになってまいりました。一方、各地では人口構成が刻々と変化してまいります。届出病床数はそのままにして、各地の医療ニーズに合わせて実際の稼働病床を小さくして運営しているという施設もございます。  さらに、在宅ケアの領域について申しますと、今般の診療報酬改定でも様々な工夫がなされました。けれども、地域内の在宅ケアニーズに安定して対応できる体制はまだ整っておりません。例えば訪問看護は制度創設から二十年が経過しましたが、人材確保を含めていまだに事業展開が難しく、需要に追い付いていません。  こうした不具合を改めるには、各々の地域ごとにあらゆる分野から知恵を出して、必要とされる医療、介護を質的、量的に評価をして、その充足に主眼を置いた組替えを進めていくこと、そして同時に、その地域で存分に働ける医療、介護人材を育成、配置していくことが肝要と存じます。大臣の意気込みをお伺いいたします。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 二〇二五年、現在団塊の世代の皆様方が七十五歳を迎えられる、全ての方々が七十五歳になられると。これ、大変なインパクトでございまして、これをどうこの医療、介護という流れの中において対応していくかって大きな課題であります。  社会保障制度改革国民会議の中でも、二〇二五年をひとつ目標といいますか、そこを目指して、今言われました病床機能、これの分化、連携をしっかり進めながら、一方で、一万人から二万人ぐらいの中学校区、これをひとつめどに地域包括ケアシステムというものをしっかり整備していかなきゃならぬというような方向であるわけでございまして、そのために今いろいろと、急性期、もちろんこれも大事でありますけれども、その後の受皿でありますとか在宅医療でありますとか、もちろん医療人材、皆様方、関係職種の方々の連携、さらには今言われました人材の確保、こういうことが大変重要になってくるわけであります。  病床機能の報告制度というものを、これを今般提出をさせていただいております法律の中に入れさせていただいておりまして、その後、地域医療構想というものをおつくりをいただき、それにのっとって整備をしていただいていくわけでありますが、人材という意味からいたしますと、例えば地域医療支援センター、これをこの法律の中にも、しっかりと法律的な位置付けをさせていただいております。  さらには、今、勤務のお話が出ました。非常に看護師の方々も含めて勤務が厳しい、そういうところで医療の勤務環境改善支援センター、これを各都道府県につくっていただいて、そこにはもちろん医療のことも分かっていただいている方々も入っていただきますが、病院の運営、こういうことも分かっていただく方、またある程度労務管理が分かっていただく方も入っていただきながら、しっかりと継続して医療従事者の方々がしっかりと安心して働けるような、そんな環境もつくっていく必要があろうということで、それを支援をしていっていただきたいと思います。  そして、特定行為、これ、看護師の皆様方、この特定行為に対する研修制度、これも位置付けさせていただいたわけでございまして、チーム医療の支援をしていかなきゃなりません。さらには、ナースの復職支援ということもやっていかなきゃならぬわけであります。  こういうことをしっかり進めるためには、もちろん厚生労働省も頑張りますけれども、やはり先生方のいろんな御意見というものが必要なわけでございまして、どうかこれからもいろんな意味で御示唆、御助言を賜りますように心からよろしくお願い申し上げます。

高階恵美子自由民主党

○高階恵美子君 大臣におかれましても、厳しい御公務の中、日々生じてくる緊急事案にも御対応いただいております。  さきの豪雪災害によりまして、今年は看護師国家試験にも大変な支障が生じました。厳正なる審議会の審査を経て、大臣にはいち早く、三月三日の我が党の伊達国対委員長への答弁において、公正な再試験を実施するという方針をお示しいただきました。本日、三月十九日、まさしく今、被災した学生たちが追試験に臨んでおります。全員が合格し、四月から明るい笑顔で臨床に立って活躍してほしいと願っています。若者の未来をお救いくださいましてありがとうございます。  次の代へと引き継ぐ仕事の一つに地域づくりがございます。私は、宮城県の内陸部、加美町の出身ですが、我がふるさとは人口が少なく、医療資源も乏しい地域でございます。東日本大震災からの復興を加速させる上でも、広域的、長期的な展望を持った生活圏の再整備が必要と考えています。  そこで、平成二十四年六月から東北地方整備局の御協力を得て、県及び近隣自治体の市長さんたちと、かえでプロジェクトと称する取組を始めました。過疎地域であっても中長期的な人口変動を見据えた近未来の地域開発を進めるという観点から、命が育つ道、命を支える道、命が巡る道を主な柱に掲げまして、内陸部から海へとつながる幹線道路を通年通行できるように整備することや、その沿線にカエデを植樹してみちのくの彩りを創出すること、そしてその周辺地域にみとりも含めた命を守るための様々な拠点を整備することを提案してまいりました。  昨年秋の臨時国会で成立した交通基本法に基づく措置や、この度、調査費が計上されました小さな拠点を核としたふるさと集落生活圏の形成促進など、田舎で最後まで暮らすための将来設計について、太田大臣の方針をお伺いいたします。

太田昭宏公明党国土交通大臣

○国務大臣(太田昭宏君) 人口減少社会、これはかなり急速です。三十八万平方キロの日本の国土を一平方キロでメッシュで切りますと、何と二〇五〇年には六三%の地域が人口が半分以下になる、更に高齢社会が進むということに、町においても集落においても、また各都市においても、どう対応するかというその中に、医療や介護あるいは買物、様々なものを組み合わせてどうするかというのは最大の課題であろうというふうに思っています。  そういう意味では、過疎化が進行する集落地区におきましては、農協の支所や診療所等が撤退したり公共バスが廃止されるというようなことがあって、日常の買物というのも十分ではないという状況もありますものですから、小さな拠点をある意味では集落の真ん中のところにつくります。そこに、明日はどこに行くかということで、ディマンドバスという、回るような、そうしたバスを配置する。そして、コンビニ、診療所、そして介護施設、そうしたものを含めてやらせていただくというような小さな拠点というものをつくって、プラスネットワークという形をつくるのが大事だと思います。  もう少し大きな町や都市になりますと、全体の町づくりをもう一編考え直して、そこに医療とか介護、そして買物、様々な集積をするという体制をつくり直すということの中で、私たちは、ふるさと集落生活圏であるとかあるいは町づくりの再生ということについて今心を砕いているところでございます。  コンパクトシティー・プラス・ネットワーク、コンパクトな拠点プラスネットワーク、そうした町づくりを全国的に各個性を尊重しながらやっていくということで安心して住み続けられるという、そうしたところに持っていきたいというふうに努力を更にさせていただきたいと思います。

高階恵美子自由民主党

○高階恵美子君 ありがとうございます。  関連する話題で、一昨年の五月に東北地方会の要請を受けて動き始めました東北地方への医学部の新設問題につきましても、総理には大きな方針、決断を出していただきまして、今その準備が着々と進められております。卒業生が出て地域に定着して医師として働いてくれるようになるまで十五年ぐらい掛かると思います。少し先の時代を見越した様々な政策づくり、私も精いっぱい協力してまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。  最後の質問をいたします。  生活様式の変化や傷病等による死亡率の改善に伴いまして、我が国は世界一の長寿国となっております。健康寿命の延伸がこれからの課題です。ところが、性差に着目した健康科学という点では諸外国に大きく後れを取っておりまして、いまだに女性の健康を包括的に支援する基盤法もございません。法の下で研究体制を整え、エビデンスに基づいて政策立案を進めている世界の趨勢と我が国の女性健康施策の間には、残念ながら大きな隔たりがございます。  今年は国民的な運動を進めてまいりました健やか親子21の最終年度にも当たります。この先に向けて、大臣の女性健康政策について一言お伺いいたします。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 高階委員は、女性の健康の包括的支援に関するプロジェクトチーム、自民党の座長ということでございまして、いつも御指導いただいております。  女性は、やはり思春期、それから妊娠・出産期、さらには更年期、高齢期、それぞれ特有のいろんな健康の問題があるわけでありまして、性感染症であったりでありますとか、また子宮頸がんでありましたりですとか、乳がんでありますとか、またさらに女性に比較的多い骨粗鬆症、高齢期において、こういう問題があるわけでございまして、やはり女性という視点から健康を包括的にどのように支援していくか、重要な課題でございます。  厚生労働省といたしましても、各部局しっかり連携してそのようなお声にお応えできるような体制を整備してまいりたいというふうに思っております。今後ともいろいろと御指導いただきますようによろしくお願いいたします。

高階恵美子自由民主党

○高階恵美子君 様々御要望申し上げましたが、なお一層のお力添えをお願いいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございます。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 以上で高階恵美子君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 次に、三原じゅん子君の質疑を行います。三原じゅん子君。

三原じゅん子自由民主党

○三原じゅん子君 自由民主党の三原じゅん子です。  本日は、少し大きなテーマとして、企業と税について問題提起をさせていただき、議論を深めていけたらと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。  この問題をめぐっては、グローバル企業による租税回避、平たく言うと課税逃れという問題が以前から指摘されております。課税逃れとは何か。税率や課税する対象などの税制は国ごとに異なります。複数の国をまたいで活動するグローバル企業としては、この国ごとのルールの違いを巧みに利用して納税額を少しでも抑えようとするのです。  イギリスの民間団体、タックス・ジャスティス・ネットワークの統計によりますと、計二十一兆ドル、何と二千百兆円に上る金融資産が租税回避地に集まっているといいます。アメリカ政府では、この仕組みを使った節税で四千五百億ドル、約四十五兆円もの税収が失われていると推計されています。  記憶に新しいところでは、コーヒーチェーン大手のスターバックスが、そのイギリス法人が、過去三年間に四億ポンド、約六百億円の売上げがありながら法人税をほとんど納めていなかったと報じられて、消費者団体などからは不買運動を起こされたりしておりました。また、アップルは、極めて複雑なスキームをつくってまでして税金を不当に低く抑えているとして、CEOが米国上院の公聴会に呼び出されたりしております。その他のグローバル企業も多かれ少なかれ同じような手法で課税逃れを行っていると言われております。  そして、私たちにとって身近な企業としてアマゾンがありますが、こちらも同様です。日本法人であるアマゾンジャパン、アマゾン・ドット・コム、ドット・シーオー・ドット・ジェーピーは、日本でのシステム運営と顧客サービスを担当しているにすぎないのであって、販売を行っているわけではない、販売しているのはあくまでもアメリカ法人であるから法人税はアメリカに支払うというものです。これはアマゾンの領収書でも確認することができます。  簡単に言えば、販売会社はあくまでもアメリカ法人であり、アマゾン・ドット・シーオー・ドット・ジェーピーは商標、ブランドにすぎない、だから、アマゾン・ドット・シーオー・ドット・ジェーピーで幾ら買っても、それは通しているだけであって、実際はアメリカ法人から買って配送などを日本法人が行っているという仕組みだから、法人税はアメリカに払っているということなんです。  国税庁に伺います。アマゾンの我が国での売上げと納税額を教えてください。

愛知治郎自由民主党財務副大臣・復興副大臣

○副大臣(愛知治郎君) アマゾンの日本における売上額と納税額について御下問ありましたけれども、申し訳ありません、個別の事項についてはお答えを差し控えさせていただきたいと存じます。

三原じゅん子自由民主党

○三原じゅん子君 いつも個別企業の数字というのがなかなか出ないという御答弁のようでありますけれども、果たしてそれでどうやって国会の場で税制の議論を深めていけるのかなというのは、個人的にはちょっと疑問に思うところでございます。  アマゾンについては、私も日頃から便利で安くて早いということでよく利用してきましたけれども、政治家としてこの問題を掘り下げて考える中で自分の行いがとても恥ずかしいなと思うようになりました。  言ってみれば、この便利で安くて早いにはやはり大きな落とし穴がございます。我が国の政府に納税がなされないということによって、巡り巡って我が国の国家財政基盤が大きく揺るがされることになって、そのツケは結局私たち日本の納税者、国民に回ってくるんです。納税を回避するようなこうしたグローバル企業は、国民の皆さんの税金で整備された道路や橋やトンネル、こういったもろもろのインフラを税を納めることなく、言わばただ乗りする形で利用して商売を行っているわけであります。  ここまでの話は法人所得税の話でありますが、ここからは、四月から税率が八%に上がる消費税の話に移りたいと思います。  民間シンクタンクの調査によれば、我が国でインターネットの広告やネットで配信される音楽や電子書籍などをめぐり、外国企業に対して消費税を課税できないため、二〇一二年には年間約二百五十億円の税収が失われたと見込まれているようです。調査によりますと、最も大きいのがネット広告で、グーグルなど外国企業の国内での売上げ関係で百三十三億円余りの税収が失われました。次いで、ネット上で顧客のデータを保管するサービスで七十四億円余り、音楽ソフトの配信で十一億円余り、電子書籍でも九億円近い税収が失われたと推計されております。この額は取引の拡大に伴って年々大きくなっていっていることは言うまでもございません。  本日は、その中でもインターネットでダウンロードする電子書籍や音楽配信などについての問題を提起させていただきたいと思います。  消費税において、外国企業は課税の対象になっていないため、日本国内での取引であっても電子書籍や音楽配信などを販売したのがアマゾンのような外国企業であれば消費税を課税することができません。一方、我が国の老舗の書店であります紀伊国屋の電子書籍を販売しているキノッピーのように、きちんと消費税を納税してくださっている事業者もいることは大いに強調しておきたいと思います。  そこで、麻生大臣、私が問いたいのは、日本国内の消費者に同じ商品を販売しながら、片や租税回避を、片や真面目に納税する。商売において八%の価格差は決して小さくありません。これで公平な競争環境が提供されていると言えるのでしょうか。こういうことを放置しておけば、私は、時間の問題で悪貨が良貨を駆逐することになるのではないかなと、こんなように思っております。麻生財務大臣、安倍政権としてこうした動きを許しておいてもよろしいとお思いでしょうか。是非お聞かせいただきたいと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) これは国境を越えた役務の提供に対する消費税の課税の在り方という話なんですけれども、これは、平成二十六年度の与党の税制改正大綱におきまして、国際機関や欧州諸国における対応状況などを踏まえ、平成二十七年度税制改正に向けてこれを検討を進めてまいりたいということで話をさせていただいておりますが、これを検討するに当たっては、これは課税の中立性の確保という観点というのが当然必要になってくるんですが、考えておかないかぬ幾つかの問題は、税務執行が確保できるかということになると、これは執行権の管轄外の国の話ですから、そういった意味では適正な申告納税というのをどう確保するかという点が一つ問題になります。  また、国内外の事業者の事務負担に与える影響というのもこれはもちろん考えなきゃいかぬので、これは国内の事業者にいわゆる納税義務を負わせるということになりますので、これはそうじゃないんじゃないの、向こうでやるんじゃないのという話になりますので、そういった意味ではこれは幅広い観点から検討を進める必要があろうと思っておりますので、これは、昨年の秋以来、政府税制調査会におきまして、有識者の方々から、我々と違ってちょっときちんとした専門家の方々を、きちんと意見を集めようということで目下検討をお願いさせていただいております。

三原じゅん子自由民主党

○三原じゅん子君 頑張っていただきたいと思います。  税のゆがみは国家のゆがみというのが私の尊敬する経営者の言葉であります。その経営者いわく、立派な企業というのは稼ぎと務めを両方果たすものであると。稼ぎとは従業員を食べさせていくための売上げ、そして、務めは行っている事業を通じて世の中に貢献していくことだ。自分さえもうかれば税金は払わなくてもいいと、こういうことで本当にいいのでしょうか。この稼ぎと務めについて私は改めて考え直すことが必要なのではないかなと、こんなふうに思っているところでございます。  さて、今お話もございましたように、このグローバル企業による租税回避の問題はOECDやG7で議論されているということも承知しておりますが、その話を聞いていて、私はふと有名なルース・ベネディクト氏の「菊と刀」というのを思い出しました。この本は日本研究の古典としてもう世界各国に知られていますが、元々は、戦後の日本の占領政策と統治に生かすためにアメリカ政府が委託したものであります。つまり、アメリカの占領統治の下で設定された日本の戦後レジームの理論的バックグラウンドとして活用されたわけです。  この著書では、ルース・ベネディクト氏は、西欧文化と日本文化を対比させて、西欧文化は自律的な罪の文化であるのに対し、日本文化は他律的な恥の文化であると結論付けました。罪の文化というのは、神との契約においていい悪いが決まっている、だから西洋人は自分の頭で考えて自分で倫理的な行動を取ることができる。しかし、それに比べて日本人は恥の文化であり、人の顔色をうかがいながらしか行動できない人種である。「菊と刀」ではそのように決め付けているわけであります。  果たして本当にそうでしょうか。確かに、よく私たち日本人は人の顔色を気にしがちだと言われますけれども、しかし、実は一番気にしているのは、私、おてんとうさまなのではないかと思います。どんなときでも、たとえほかに誰も人がいなくても、おてんとうさまはいつも私たちを見ている、見ておられる、だから悪いことはしない。つまり、天の理、宇宙の理というものに反したことはしないというのが日本人の倫理観だと、私はこのように思っております。  むしろ、欧米人の罪の文化というのは、裏を返せば、法律や契約書に書かれていなければ何をしてもいいという文化であるとも言えると私は思っております。さきに述べた、アップルのCEOがアメリカの上院の公聴会に呼ばれて、海外に資産を移して不当に税金を回避しているという嫌疑について追及された際、もう大臣御承知のとおり、そのCEOが、私たちは法律に従っている、デジタル時代に法律が追い付いていないのだと開き直った姿、これなどはまさに法律や契約書に書かれていなければ何をしてもいいという罪の文化の典型例ではないかなと、私はこのように思っております。  多国籍企業の課税逃れの横行を見逃すようなことになれば、その税の負担のしわ寄せというのは弱者である個人にのしかかってきます。消費税率が引き上げられる四月一日は、もう再来週のことになってきました。消費税の負担増を国民にお願いしている中でこうしたことを放置すれば、国民の皆様は不公平だと思うに違いありません。また、真面目にきちんと納税している企業がばかを見るようなことがあってはならないと、このように思っています。これでは、税制全体への国民の大切な信頼を失うことになりかねない。まさに、税のゆがみは国家のゆがみにつながっていくのではないかなと思っております。  租税三原則によりますと、税は公平で中立で簡素でなければならないと言われております。この公平性、これが余りにないがしろにされて、莫大な利益を上げている企業にこんな節税を許していると分かったら、国民の皆様はどう思われるでしょうか。やがてはばかばかしくなって誰も税金払わなくなってしまう、こんなことを心配いたします。すなわち、何度も言いますが、税のゆがみが国家のゆがみであります。  総理、こうした事態を放置していては、最終的にグローバル企業栄えて国滅ぶということになってしまうのではないかと大いに心配しております。改めて企業と納税の問題について考え直す必要があるのではないでしょうか。税制面でのアプローチというのももちろんそうですけれども、むしろ納税する企業こそが立派な企業なんだという正しい納税意識を持ってもらう。例えば、納税額に応じてそういったいい行いをする企業をたたえるといったような、そういう仕組みなどが検討できないかどうか。安倍総理に、この問題についてのお考え、そして解決に向けた御決意をお聞かせいただきたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま三原委員が指摘をされたように、真面目な納税者によって納められた税金によって大切な社会保障は維持され、そして学校、道路、そうしたものもしっかりと造ることができるわけでありますし、また警察を始め治安も維持されるわけでございまして、つまり、まさにそうした真面目な納税が、これは当たり前なんだと、そしてそうするべきだということをみんなが共通の認識として持つことが大切なんだろうと、このように改めて認識をしたような次第でございまして、御指摘のように、多国籍企業が課税を逃れる事態が横行することは、税収を減少させるのみならず、課税の公平性という観点からも問題だというふうに考えております。  まさに、これは根本を崩していくことにもつながっていく課題であろうと思います。企業は経済活動を行う上で国家や社会から様々な恩恵を受けているわけでありまして、多国籍企業についても適切に税を負担していただくことが必要であります。  昨年のロック・アーン・サミットにおきましても、この問題がキャメロン首相から提議をされ、議論を行ったところでございまして、OECDにおいては、BEPS、税源浸食と利益移転に対する国際的な取組が進められているところでありまして、日本としても引き続き国際課税に関する議論を主導していきたいと、このように思うところでありまして、日本人元来持っている、まさにおてんとうさまが見ている、この認識が倫理観として大変私は大切なんだろうと、このように思うわけでありますが、企業自らが納税を通じて社会に貢献するという正しい納税意識を持っていただくことが重要でありまして、こんな観点から、現在、申告納税の内容が適正で他の納税者の模範となる中小企業に対しましては、税務署長が表敬を行い、表彰状を渡しているわけでございます。そしてまた、税務に関するコーポレートガバナンスが良好であると認められた大企業について一定の条件の下で税務調査の間隔を延長しています。  今後とも、国際的な議論等も通じまして、企業の納税意識の啓発、向上に取り組んでいきたいと、このように思いますし、そもそも教育の場においても、これは企業だけではなくて、消費税を通じてお子さんたちも納税をするわけでございますが、この納税の意義、意味についてもしっかりと教育をしていくことが大切ではないかと思います。  そして、御提案のような納税額に応じて顕彰する仕組みの導入についてでございますが、これは、例えば取引先の関係で、たくさん税金を納めているんだったらちょっともう少しそれを、価格を少し安くする、あるいは取引先の関係におきまして、あなたのところもうけ過ぎじゃないのということを言われる危険性というのは常にあるものでございまして、支障を来すおそれもあるわけでありまして、しかし、いずれにいたしましても、このような納税者が真面目に納税をしている、そういう人たちをしっかりとたたえていく、顕彰していくということについてどうしていくべきかということについても検討していきたいと、このように思います。

三原じゅん子自由民主党

○三原じゅん子君 ありがとうございます。頑張る人が報われる、こういう社会の実現というものを目指していってもらいたいと、このように思っております。  グローバル企業栄えて国滅ぶの一例ではありませんけれども、昨年、米国のデトロイト市が破産法の適用を申請、つまり財政破綻に陥り、大きな話題となりました。かつて米国の自動車産業の中心地として栄華を誇ったデトロイトの今の姿など、またグローバル競争のなれの果てを見る思いがいたします。  このデトロイト市の破綻の背景に一体何があったのか。アメリカの自動車大手ビッグスリーの一角であるGMが二〇〇九年に経営破綻した際、オバマ政権は約八兆円にも上る公的資金を投入した上、税制優遇で巨額の法人税の支払を免除しました。しかし、公的資金を投入されたGMは、その資金を、デトロイトでもなく、米国内でさえなく、何と世界販売台数の半分を占める新興国に対して投資したのです。こうしてGMはよみがえり、翌一〇年には早くも黒字転換を達成して、経営破綻から一年五か月という異例のスピードで株式市場に再上場を果たしたのです。これにより、役員たちは数億円にも及ぶボーナスを手にいたしました。  しかし、その陰でデトロイトの工場では、新規労働者の賃金は半減、八時間だった労働時間の上限は撤廃、不採算工場も閉鎖されてしまいました。ワーキングプアの層が大量に生み出されて生活保護の受給者に陥り、その支出が更に州や市の財政を圧迫したのであります。そして、デトロイト市では失業率が何と五〇%にも及び、市内の自動車関連の就業者はピーク時の約一割ほどまで落ち込みました。市の職員が大量に解雇されて、学校、消防署、警察、こういう行政サービスが凍結いたしました。これによって貧困率そして凶悪犯罪発生率が共に全米一位となって、住宅ローンが払えず、仕事もなく、家族を抱えて途方に暮れた人たちが何と保険金目当てに自宅に火を付けるような事件が後を絶たないといいます。これがグローバル競争のなれの果て、まさにグローバル企業栄えて国滅ぶという未来を暗示しているのではないかと空恐ろしくなります。  しかし、これは決して他人事ではありません。なぜなら、我が国にもGM同様、莫大な公的資金を投入されて再生され、史上最高益を上げながら法人税を支払っていない例があるんです。これは、私も以前ずっと取り上げ、先日の予算委員会でも先輩の西田昌司先生が繰り返し取り上げられているJALの再生をめぐる問題であります。  JALは、二〇一〇年一月の経営破綻の後、会社更生法に加えてやはり公的資金、つまり税金で救済されたわけですが、実はこれにとどまらず、欠損金の繰越控除制度を適用されて四千億円規模の法人税の支払も免れるという過剰な支援を受けており、JALは毎年度のように一千億円を超える高い利益を上げています。  このJALの利益、一体どれくらい大きいものなのか調べました。例えば二〇一一年度、世界の航空会社全体での純利益が約六千七百二十億円だったうち、JALの純利益は千八百六十六億円、つまり、JAL一社だけで世界の航空会社の三割近くを占めていたんです。また、JALは破綻時に株式が一〇〇%減資、つまり紙くずとなり、当時たくさんの株主の皆さんが泣かされたわけですが、その後に国の機関である企業再生支援機構が三千五百億円出資、ほぼ一〇〇%の株主となり、実質国有化状態でありました。  そして、一昨年九月、これまた破綻から二年という異例のスピードで再上場を果たしたわけですが、機構からの出資三千五百億円分の株式を約六千四百八十三億円で売り抜けたことをもって国として三千億円を超えるキャピタルゲインを得たと言われ、これをもってJAL再生は成功だったと言う方もいらっしゃいますが、とんでもありません。JALのために国が被った負担は、この三千五百億円の出資だけではありません。  パネルを御覧ください。(資料提示)政府系金融機関による出資二百億円と、債務免除千四百九十億円を始め、同じく政府系金融機関の債務保証一千億円、加えて債務免除益、つまり、銀行が借金棒引きにした分、本来、利益として法人税が掛かるところ、その支払が二千億円規模で免除された点など、もろもろきちんと踏まえて計算すると、トータルで国庫から八千五百七億円の負担をしたのに対し、六千四百八十三億円を回収したにすぎないんです。  麻生大臣、つまり、JALの再上場で株を売却したことによって国は三千億円もうかったどころか、実は依然として二千二十四億円のマイナス、つまり国民負担が生じているということなんです。法人税減税見合いの課税ベース拡大といった議論もある中で、これ国としてきっちり耳をそろえて返していただく、国としてきちんと回収しなければいけないと思うのですが、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 日本航空の再建にこれは国民負担が発生しているので、その分を税制で取り戻すべきと。前半の倫理の話は別として、今の後半の部分で私どもの、財務大臣の担当としてはその点が御質問なんだと思いますので。  税につきましては、もうこれは御存じのように、あらかじめ決められたルールでやっていただくんですが、これに対して、過去に生じた国民負担のように、これまで想定していなかったものの、いわゆる担税力に遡ってそれを見出して新たに税制を設けるということになりますと、その目的や他の事例への影響を含めて、これはちょっと慎重に検討せないかぬということになろうと思います。  いわゆる遡及するという話なんですが、特に特定の企業のみをターゲットにして制度の不正や不利益の遡及となるような見直しというのは、これは厳に慎んでおきませんと、これは一つの例で、感情論としては甚だ面白くないところもよく分かりますし、元日本航空の株主でもありましたんで、紙くずになりました記憶がありますからよく覚えていますよ、私も。ふざけた話だと思っていましたよ、個人的には。  しかし、私の立場というのは今財務大臣という立場にありますので、私どもとしては、これはいろいろなことを考えますと、これは仮に、じゃ銀行が債務というものを放棄しなかったらどうだったであろうかといえば、これはJALが潰れたんだと思います。その場合は、多分壮大な数の失業者が生まれたであろうと思いますし、いろんなことを合算してみますとどうだったかというようなことは、これはまた別の観点から考えないかぬところ。  また、今の倫理観の話からいえば、これまたもう一個別の話ということになりますが、単に税金という話で遡及してきっちり耳をそろえて返せという話は私も分からぬわけではありませんし、私の趣味にも合いますけれども、ちょっと今私どもの置かれている、私の置かれている立場からいいますと、法律的には今申し上げたような形にならざるを得ないんだと思っております。

三原じゅん子自由民主党

○三原じゅん子君 債権放棄は借金チャラ、おまけに追い銭である公的資金までもらって立ち直ったものに対し、不必要な九年間で四千億円もの免税まで与えられ、先ほどの利益規模や利益率からも分かるとおり、競争上極めて優位な立場に立っていると言えると思います。  民主党政権下で生まれたこのゆがみについてきちんと総括して、適切な軌道修正を行っていくことは、頑張る人が報われる社会を標榜する自民党、安倍政権の使命ではないでしょうか。  総理、税のゆがみは国家のゆがみです。まず、民主党政権によるJAL再生の在り方について、安倍政権として、あれは失敗だったと認めて明確なステートメントを出す必要があるのではないかと思いますが、総理、いかがお考えでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本航空は、民主党政権下におきまして、平成二十二年一月の政府声明において、我が国の発展基盤である航空ネットワークの重要な部分を担っており、その運航の継続と確実な再生を図るため必要な支援を行うとの方針に従って公的な支援が行われ、再生が図られた。これは委員御承知のとおりだろうと思います。  日本航空の問題につきましては、この委員会等で取り上げられた際、私としても問題意識を持ったことから、その後、政府内で検証を行ってきたわけでございます。  日本航空の再生支援については、大手二社による実質的な寡占状態の中で一社のみに対して行ったものであり、また、異例とも言える規模の再生案件であっただけに、様々な議論を生んだ、課題を残したと言えると私は認識をしております。このような議論の中で指摘されている点については、今後の企業再生の在り方を考える上で重要であります。  政府としては、こうした点を参考にしながら、できる限り競争環境を阻害することがないよう今後十分に配慮していくことが重要ではないかと考えています。そうした意味におきまして、日本航空に対する公的資金によって航空会社間の競争環境がゆがめられることのないよう、国土交通省において日本航空の再生の進捗状況を監視をし、必要に応じて指導、助言を行うなどを通じて適切に監督させるようにしていきたいと考えています。

三原じゅん子自由民主党

○三原じゅん子君 課税逃れ問題ということ、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。  次の質問に移らせていただきます。物づくり日本の我が国が誇る代表的なジャパン・ブランド、オートバイについてお伺いしたいと思います。  安倍政権の成長戦略において、世界で戦って勝つを目標にしております。我が国の二輪車産業、世界シェアが五〇%近くあり、市場規模は四兆円もあります。マシンというのは細かい部品の集合体であり、その部品を作っているのはほとんどが町工場であります。この町工場の発展こそが成長戦略の要であると思っております。二輪車業界が今後更に国際競争力を強化していくためには、国内での物づくりをしっかり実施していくことが必要であり、また、生産、開発、雇用面で国内市場の一定規模の確保が非常に重要なのではないかと思っております。  また、二輪車は、省エネ、省スペース、省資源で、環境に優しい乗り物であります。さらに、都心での移動時間も、四輪と二輪車を使い分けることで渋滞の解消にもつながると思いますし、CO2の削減効果もございます。そして、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックを迎えるに当たり、都心部の渋滞緩和とか環境対策ということを考えても喫緊な課題になるのではないかなと思っております。  また、東日本大震災あるいは阪神・淡路大震災の際、二輪車は交通渋滞に巻き込まれることなく、災害直後の初動における情報収集や、医薬品とか食料品を輸送するといったときに大きく貢献をいたしました。  このように、社会に役立ち、災害にも強い二輪車に対して、国内における利用環境において様々な問題点があるために国内の需要が激減しているんです。ホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキ、全て日本人の名前が付いているメーカーが世界のシェアのトップフォーを占めている。世界中に日本ブランドを広めている二輪車産業、これを更に発展させていくためにも、是非とも利用環境の改善というのを検討していただきたいと思っております。  そこで、太田大臣にお伺いします。  まず、二輪車のETCの車載器を普及促進させるために助成制度を設けるべきではないかと思っております。現在、二輪車のETCの保有台数当たりの搭載率は、平成二十四年三月末で一一・二%。普通自動車が八七・八%と比べますと、もうはるかに低いわけですね。実際、このETCというのは、私、二輪車の方が実効性があるんじゃないかなと思っております。このETC本体とセットアップ料、これが、自動車は一万円前後なんですけれども、二輪車四万円前後という価格なんですね。これは本当に高いんで、助成制度のお願いに先日伺いましたけれども、大臣、いかがなりましたでしょうか。

太田昭宏公明党国土交通大臣

○国務大臣(太田昭宏君) 御要望をいただきまして、検討させていただきました。  二輪車ETCの車載器におきましては、十七年四月から十三万台を助成してきたところでありますけれども、なかなか十分なまだ普及がないということでございます。  そこで、二十五年十二月四日、御要望もいただきました。高速道路会社において、来年度、五万台を対象にして一台当たり一万五千円の助成を実施することといたしました。四月からまた消費税が上がるということもありますので、更なる二輪車ETC車載器の普及促進に努めたいと、このように思っております。

三原じゅん子自由民主党

○三原じゅん子君 ありがとうございます。  そして、高速道路の料金体制についても、それから駐輪場の整備の促進、こういうこともどんどんやっていかなければならない。大きな問題がたくさんあると思いますけれども、二輪車のますますの普及によってまた女性ライダーなどが増えたらいいなと、こんなことも期待しながら、本日、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 以上で三原じゅん子君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 次に、大塚耕平君の質疑を行います。大塚耕平君。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 民主党・新緑風会の大塚耕平でございます。  今日は、総理、そして財務大臣、防衛大臣に質問をさせていただきます。  今、私の前の質問者である三原委員から、企業の課税、そして企業の責任についていろいろお話がありましたが、例に出された日本航空のみならず、かつて自民党さんの政権の時代に、金融機関の不良債権処理で多額の公的資金が金融機関に投入され、かなり長期間にわたって損失を繰り延べて税を払っていなかったという例もございます。  だから、これはやはり大企業の社会的責任というものを大企業御自身がどういうふうに認識するかということを我々は党派を超えて問いただしていかなくてはならないというふうに思っております。やはり大変、破綻をしたりすると国民生活や日本の産業や経済に影響が大きい企業というのは、時と場合によっては政府から、あるいは国会で法律に基づいて支援を受ける可能性がある一方、中小企業や多くの零細事業者の皆さんはそういうことはないわけでありますので、だからこそ、これは全ての大企業の皆さん、特に経営者の皆さんには常に社会的責任を意識して納税の義務を果たしていただくべく、我々は国会としてしっかり監視をしていかなくてはならないということを冒頭申し上げたいというふうに思います。  その上で、本論に入ります前に総理に一言、お願いでもありますが、昨日、おとといと国会の委員会に閣僚の皆さんやあるいは政務三役が遅刻をしていらっしゃるという事例が相次いでおります。やはり、先ほどこれまた三原委員から税というのは国の根幹であるというお話もありましたが、国会が緩むということは、あるいは内閣が緩むということはこれは国の全体の緩みにつながりますので、是非閣僚の皆さんには国会への対応には厳粛に対処していただきたいということを私からもお願いをしておきます。  また、とりわけ石原環境大臣におかれては、委員会に遅刻をされた件について今日環境省から私どもの国対委員長に説明があったようでありますが、国対委員長はその説明を納得していないということでありますので、これについてはまた改めて説明を聞かさせていただきたいと思いますが、総理に、是非緩みのないような内閣の運営をお願いしたいと思いますので、一言だけコメントをいただければ幸いであります。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 閣僚が国会において質問に答える、これは重要な責務でございますので、その責務を果たしていく上において支障のないように、当然遅刻等は基本的にあってはならないわけでございますので、しっかりと我々閣僚にも改めて指示をしていきたいと、このように思っております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 是非よろしくお願いします。  石原大臣におかれては、宮中の行事も欠席しておられたという情報もありますので、それも是非御確認をいただいて対処をしていただきたいと思います。  さて、今日は麻生大臣と議論をさせていただけることを楽しみにしてまいりました。この通常国会、補正予算の審議から一貫して、今のこの当初予算案の審議でも基金の問題がだんだんクローズアップされてきて、これはやはり、これだけクローズアップされたこの局面で、今後の在り方等について、やはり与野党間あるいは国会で認識を共有しておく必要があると思っております。  パネルをお願いいたします。(資料提示)皆さんのお手元にも資料をお配りさせていただいております。  まず、麻生大臣にお礼申し上げますし、財務省の事務方の皆さんも御苦労さまでありましたが、補正予算のときに、基金の実情が全然分からないので実情を理事会に報告してくださいと申し上げたところ、しっかり資料を作っていただきました。一歩前進だと思います。その上で、いただいた資料を整理したものが今御覧いただいているパネルであり、皆さんのお手元にも配らせていただいております。一枚目の計表であります。  御覧いただきますように、二十五年度の補正予算、これはもう可決されて執行されているわけであります。そして、今審議中の当初予算案、この両方で何とその基金と言われるものが九十八、二兆六千四百億円計上されているということが改めて確認をすることができました。詳細は御覧のとおりであります。  しかし同時に、財務省から提出していただいた資料によると、基金というのは随分昔から活用されている手法のようでありますが、平成二十年度から二十五年度において基金から国庫に返納された額が一兆三千四百五十一億円あると。返納されたこと自体はこれは結構なことでありますが、過剰に積み過ぎていたというふうに言えるかもしれません。ただし、返納されれば、それはそれでまたその予算の使い道を考えればいいと思うんですが。  まず財務大臣に、この基金の実情と問題点について、財務大臣としての御認識をお伺いしたいと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) この基金というのが、いわゆる平成二十年からよくこの話が出てきたんですが、最も古いものでは昭和四十年まで遡ってこれは制度がございます。甘味資源作物、また国内産糖調整交付金等々でありまして、これは昭和四十年まで遡っておりますが、いずれにしても、かなり古くから基金という仕組みが利用されているんだと思いますが。  これが、今の現状として、少なくとも今回の場合、今回の場合というか補正予算で例を引かせていただければ、まあ通っておりますんで、補正予算を使わせていただければ、いわゆる補正予算というものの目的は、四月以降の消費税による反動減、景気の反動減というものに対応するために予算をということだったんですが、予算は、今三月になっておりますんで、御存じのように地方議会は三月が議会ですから、基本的には三月までにきちんとやっておかねばならぬ。もうこれ、地方議会は皆、御存じのとおりなんで、それで、三月通って、じゃスタートというのでは、とてもではないけれども四月以降に間に合わぬ。そこで補正予算というのを組ませていただいてということになったのがそもそもの今回の補正予算の主たる目的で、昨年度のような状況とちょっと違う前提になっておりますのは、もう御存じのとおりです。  その上で、私どもとしては、補正予算のときの段階で、今どれくらいの基金が、金が地方で要るかということに関しましては、各年度きちんとしたのであれば繰越明許とかいろいろな方法はありますけれども、きちんとまだしていない段階で、特に復興とかなんとかいうことになりますと、まだなかなかよく見えてきていないところもありますし、そういった意味では、私どもとしては、基金という形でまずはあらかじめ決めておいて、それを地方の、例えば、何というか、地方自治体なら地方自治体においてできましたものの中から、そこにおけます基金できちんとやっていただくという形にさせていただいているということだと存じます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 ありがとうございます。  若干、質問の趣旨と少しずれた御回答をいただいたような気がするんですが。  二枚目のパネルをお願いします。もちろん、今回の補正予算でどういう趣旨で計上していただいたかというのは、これはもう十分理解しております。皆さんお手元の二枚目のものであります。  基金は、この真ん中の、国、各省庁が予算として取ったものを、今大臣がおっしゃったように、地方自治体やあるいは独立行政法人などにこれを交付して、その下に基金をつくって運営するもの、それから各省庁が独自に基金として持つものがあるんですが、これは前回二月のときにも申し上げましたが、財政法には基金というものの根拠がないんですね、根拠がないんです。だから、今繰越明許とおっしゃいましたけれども、前回も指摘をさせていただきましたけれども、この繰越明許費あるいは継続費あるいは事故繰越しという、こういう複数年度で使える仕組みが財政法の中にはちゃんと作られているんですが、残念ながらこの基金というのにはどこにも法的根拠がないんですよ。  だから、私がお伺いしたかった実情と問題点というのは、実情は、随分基金というものが活用されている、よく言えばですね、ちょっと違う表現を使えば濫用されている。そして問題点は、法的根拠がなく、そしてその実態がよく分からないと。財務省にお伺いしたところ、このパネルの、皆さんのお手元の資料の左側、各省庁に渡ったものについては今基金シートというものを徴求してですね、各省庁から、実情を把握しようという努力はしておられると。これは大分前進だと思います。ところが、地方公共団体に渡ったものについては全く実情が分からないということでありますけれども、それでよろしいですか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 二つ御質問をいただいたんだと思いますが、まず最初に、私、そちらの方がパネルを使われると伺いましたんで、私もちょっと許可をいただいて、私の方もテレビ向けにパネルを使わせていただきますんで、よろしくお願い申し上げます。これは許可をいただいたと思いますんで、よろしゅうございますね。(資料提示)  テレビを見ている皆さんはこの二つの資料というものを見ていただいたら分かると思うんですが、これは国が財政法に基づきまして基本的に基金を入れるという、ここのところまではよろしいんだと思うんですが、今のその図でいきますと、この下に出てくるところが問題だという……(発言する者あり)あっ、この地方公共団体の行く手前のところが問題なんでしょう。地方公共団体の手前の方が問題なんだというふうに図から見えますね。  時間がおありなんなら、どうぞ。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 ちょっと、愛知さん、立っていていただいていいですか。  いや、済みません、大臣、ここは大事なところなんで。  つまり、国民の皆さんにも御理解いただきたいのは、特別会計については、私の敬愛していた塩川大臣が、母屋でおかゆ、離れですき焼きという名言を発せられて以降、与野党間でいろんな問題ありましたが、特別会計については随分改善がなされてきたんですが、特別会計が少し良くなってきたなと思ったら、今度は基金という問題が出てきたんですよ。この予算委員会でも、経産省の案件、そして厚生労働省の案件で今不祥事が出ておりますけれども、両方とも基金が関わっているんですよ。  何を申し上げたいかというと、大臣がお作りいただいたこの絵は、私の絵でいうと右半分なんですよね。左半分は、これは別に問題ではなくて、今基金シートを作って実態を把握しようとする努力が始まっているので、これは結構なことだと申し上げているんです。  じゃ、改めて二つ指摘させていただきます。  一つは、大臣がお作りになったこのパネル、つまり地方自治体の持っている基金あるいは過去に渡った基金の実情は今全く分からないということでよろしいですねというのが一点と、それからもう一つは、このパネルは間違いがあります、財政法には根拠はありませんので。その点の大臣の認識を確認させてください。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) まず、財政法上の基金がないという話からですけれども、これは御存じかとは思いますが、これは憲法や財政法において予算の単年度主義とか会計年度の独立の原則に取られている中で、実質的に複数年度にわたって事業が行われる基金方式が許されるとの趣旨は、これはもう御存じのとおりなんだと思っておりますんで、したがって、そちらの紙の、そちらの紙と言うと変な言い方ですけれども、その紙、この紙の中で財政法上の根拠がないとされるところが、いかにも根拠がないという、法律に違反しているようなニュアンスに取られるとそれはちょっと違いますんで、ちょっと非常に紛らわしく作ってあるのか、意図的にされたのかどうかは別にして、きちんとして、財政法上の根拠がきっちりしていることだけはまずはっきりさせていただきたいと思っております。  それで、地方公共団体の基金の設置団体というところからの支出は、確かに翌年度以降に行われる場合というのは間違いなくあるんですが、国から基金の設置団体への支出というものは、その都度その年度の歳出予算に計上して国の議決というのを経た上で年度内支出を行っておりますので、この点に関してはさしたる問題はないんだと思っております。  その上で、私どもの方として、各地方団体に造成された基金についてこれは全て掌握しているかといえば、お尋ねのケースについて現段階で全部掌握しているわけではありません。それだけは確かです。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 愛知副大臣、ありがとうございました。どうも、恐縮であります。  大臣大臣、別に今日はこれは詰問しているわけではないんですよ。この基金について与野党間で認識を共有しないと、私どもの政権のときにも基金はもちろん使っているんです。ここは、大臣、認識を共有していただきたいんですが、予算もこれは法ですから、予算案は可決されると法律と同じ効力を持つんです。だから、この中に基金の案が入っていると、可決されたと同時に合法になるんです。ところが、案として提出されている段階では、今まさしく御自身がおっしゃったような、例えば会計年度独立の原則、財政法十二条や財政法四十二条、あるいは憲法八十六条には単年度主義がうたわれているんですが、案の段階ではこれらに抵触する蓋然性のあるものを出し、予算案として可決をされると合法性を持つという、こういう仕組みになっちゃっているんです。  これは実態が分からないわけですから、次のパネルをお願いします、これ御提案を申し上げておきたいんですが、平成十八年、これは前の自民党さんの政権のときにやはり基金の返納基準というのを作られたんですね。これは結構なことだと思います。  今これに基づいてさっき申し上げたような返納が行われているんですが、私、改めて御提案を申し上げておきたいんですけれども、これは、愛知さん愛知さん、敬愛する愛知さんと、これは副大臣も一緒になってお考えいただきたいんですが、大臣もお忙しいと思いますので、基金に関わる基本法とかあるいは基金情報公開法というものを作り、このパネルにありますように、基金造成の根拠、それから情報公開、造成経緯とか期首の残高がどうなっているかとか、あるいは基金を運営する団体やその職員に関する定め、さらには禁止規定ですね。これほっておくと、これから公共事業に基金使うようになります、もう既に今でも若干使われておりますけれども。今の財政状況の中でこれを放置しておくのは、やっぱりこれは日本の国にとって新たな禍根を生み出すことになりかねませんので、こういうものを作るべきだ。  そして、場合によっては、愛知副大臣、大変長い間親しくさせていただいていますので、大臣、愛知副大臣と相談させていただければ法律の原案は幾らでも作りますので、お願いをしておきたいと思います。これは別に詰問ではありませんので、提案であります。もし一言あれば、短くいただければ、恐縮です。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 建設的な御意見というのをいただけるというのは誠にめでたいことなのであって、私どもにとっては大変有り難いと思っていますよ。なかなかいただけませんので、その意味では大変有り難いと思っておりますが。  財政法上の観点で申し上げれば、これは違反ではありませんので問題はないということなんで、その上で更にという御提案だと存じます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 いずれにしても、この基金が大量に含まれているということで、今回の予算案、我々はこれも主な理由の一つとして残念ながら多分反対の方向になると思いますが、今回の予算委員会を契機にこの基金の問題はこれから健全化をさせていただきたいと思います。言ってみれば、母屋でおかゆ、離れですき焼き。すき焼き、食べ過ぎは良くないといって、ちょっと良くなったと思ったら地下室で宴会やっているという状態になっているんですよ、今。だから、そういうことが放置されないように、これから我々も努力したいと思います。  次の問題に移らせていただきますが、総理にお伺いをしますが、アベノミクス、もちろん効果出ている部分も私は適切に評価を申し上げたいと思います。その上で、今後の課題、あるいは現在総理が留意点だと思っておられることについて、簡単に御披露いただければ幸いです。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私どもが進めている政策は、デフレから脱却をして経済を成長させていく、そのために大胆な金融緩和、そして機動的な財政出動、財政政策と、そして民間の投資を喚起する成長戦略、これを一体的に行っていくことでございますが、我々の当初の目的でございます、まずはデフレから脱却するということにおいては、今の段階ではデフレとは言えない状況にはなりつつあると、このように認識をしております。これはまさに一本目の矢と二本目の矢が効いてきた成果であり、三本目の矢におきましても、厳しい御批判もありますが、それなりの成果もいただいていると、このように思うところでございます。  そして、今後の課題でございますが、今後、まさにこれから持続的にこの成長軌道に乗せていく上において、まさに、今までは資産効果として、株価が上がる中において資産効果は出てきているわけでございますが、まだ所得効果ということにはなっていないわけでございまして、この所得効果として、四月から企業における従業員に対する賃金が上がっていくことが、これがまさに所得効果となり、いい景気循環の中に入っていくことができると、このように思います。  もちろん、課題といたしましては、我々の予測よりは残念ながら輸出が増えていないということがございます。そうしたことについても、どうして輸出が増えていないんだということについては既に甘利大臣の方からも御説明をさせていただいているところでございますが、今後、我々、更に競争力を上げていく、生産性を上げていくこと等、そしてまた中進国を含め海外の景気状況がこれは好転していくことの中において輸出の拡大を見込んでいきたいと、こう思っているところでございます。  また、中小零細、また地域には、残念ながらまだ皆さんには実感していただけるほどこの景気の回復をお届けできていないということでございまして、そういう意味におきましては、更にそうした地域に、そして中小零細企業で働いている従業員の皆様にこの今の政策の効果が出ていくように様々な政策を実行していきたいと、このように思っているところでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 ありがとうございます。  今総理から所得効果という言葉がありましたが、全くそのとおりでありまして、大企業はベアが割と今回は成就しそうでありますので結構かと思うんですが、非正規の皆さん、これは今、勤労者の四割になろうとしているわけであります。この非正規の皆さんの賃金体系も分からないし、そしてベアも昇給もないわけですから、ここをどうしていくか。それから、今総理御自身がおっしゃった中小企業の問題等々あります。  ただ、もう一つ、今日はせっかくですから御認識いただきたいのが、次の資料であります。金融抑圧の実情と書いてありますが、実は、金融抑圧という言葉が最近エコノミストや学者の間で使われるようになっております。これは、総理、前の総理でいらっしゃったときとか小泉政権の時代に時々話題になっていたのを御記憶にあるかもしれませんが、つまり、極端な低金利政策をやっていると金利収入が家計も企業も得られないわけですね。これは、こんな超低金利時代になる前は大体平均すると市場金利三%から五%ぐらいだったわけですが、今もう九五年ぐらいから事実上のゼロ金利で、小泉さんの時代の頃にも私何回か取り上げさせていただいたんですが、そうすると、過去と比べると金利収入が毎年物すごく減っちゃっているわけですよ。  これ、例えば九一年当時をベースとすると、今日までに、これは計算上ですよ、計算上五百四十三兆円の金利収入が失われていると。これ、大き過ぎるように思われるかもしれませんが、もっともな数字なんですよ、約二十年間ですから。年間二十兆円ぐらい、家計の皆さんとか資産運用していらっしゃる皆さんも同じでありますけれども、金利収入を失っていると。  これ、こういう片方で低金利政策によってデフレ脱却をすると、そのことによって金利収入が逸失する。しかし、これはインフレを起こそうとしているわけですから、インフレになると政府の債務は事実上目減りしていくという、こういう損得勘定で、金融抑圧を起こすことによって政府の債務を解消しているというメカニズムが働いているわけですね。この間はデフレでしたので政府の債務も実質増えたりして大変だったんですけど、これからインフレを目指しておられるわけですから、この金融抑圧というのはもっと深刻になるんです。  例えば、その二番にありますように、今、預金残高、それから投資家、国民の皆さんも含めて持っておられる国債の残高は、大体両方とも一千兆円なんですよ。これ、二%インフレをもし実現したときには、実質価値の目減りがそれぞれ二十兆円、年間四十兆円の実質価値の目減りなんですね。つまり、何を申し上げたいかというと、総理がおっしゃった所得効果、もちろんフローの収入を増やすということもあるんですけれども、こういう長年にわたって金融抑圧が起きていることが、これがインフレが加速すると更に規模が大きくなると。これは、消費水準とか所得に大きな影響を与えてきたと思います、これから与えると思います。  その上で、三番目を見ていただくと、国民の側は、今申し上げたように、利子収入の喪失、現預金や保有国債等の実質価値の目減りが起きる一方で、政府側は、これはインフレになると国の債務の実質価値が減りますから、つまり財政規律が緩むわけですね。  こういうことを称して、金融抑圧が始まった、本格的に始まったということをエコノミストや学者の皆さんはおっしゃっていて、このアベノミクスの問題点というか留意点もやっぱり総理にはよく意識をしていただいて、黒田日銀総裁ともいろいろ話をされるでしょうけれども、黒田総裁は認識はしておられると思いますけれども、過ぎたるは及ばざるがごとしですから、異次元緩和もあるところまでは効果がありますけれども、ベア等の、あるいは若干デフレが解消されるプラス効果と、長年消費や所得に重くのしかかっているこの金融抑圧が更に進むことと、どっちのプラスマイナスがより強く出るかによって、実は今年の後半ぐらいから僕は状況変わってくると思います。  そこで、財務大臣、なかなか提案がないとおっしゃったので、もう一つ提案させてください。物価連動債を実は財務省は五年ぶりに去年発行し始めました。これ、なぜ五年ぶりに発行することとされましたでしょうか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 物価連動債、これ、テレビで見ておられる方はなかなか聞き慣れない言葉だと存じますけれども……(発言する者あり)簡単にということなので。テレビの方は分からないという前提でちょっと私しゃべらせていただきます、分からないといけませんので。  これは、平成十六年の三月に発行を開始したんですが、御存じのようにリーマン・ショックがありまして、それであっという間に、これは平成二十年十月にもうこれは発行を停止しております。そして、その後デフレ脱却が視野に入ってくる中で、これは物価連動債に対する投資家のニーズというのは結構いろいろ入ってきたところでもありましたので、その声に応えて昨年の十月から発行させていただいておりますので、ニーズが見込まれることなども踏まえまして、いわゆる、平成二十五年度で〇・六兆円出させていただきましたけれども、今年度は一・六兆円のあれを出させていただこうと思っておりますので、少なくともこういったものがきちんと消化をされていかないといかぬものですから、その発行額等々は極めて慎重に対応せねばならぬと思っております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 一言で申し上げると、物価が上がっても元本で目減りしないような国債なんですね。だから、インフレ政策を取られたわけだから物価連動債を五年ぶりに発行されたわけです。  私が提案申し上げたいのは、実は、今申し上げましたように、金融抑圧の下で国民の皆さんは金融資産が目減りしていくんです、インフレになると。目減りさせないために、そうしないと所得効果は減るわけですからね、総理。物価連動債は、残念ながら今個人は直接投資できないんです。それはなぜかと言えば、もう大臣御承知のとおり、その元本部分が利子所得として課税されますので、転売されたときに対象者が分からないんですね。ところが、去年の税制改正で平成二十八年から譲渡所得になりますから、これもう個人が投資できないということになっている理由がなくなるわけです。  だから、私が申し上げたいのは、総理、今年にも来年にも二%のインフレを目指しているわけですから、ということは、平成二十八年にもうこの物価連動債の課税の税制が変わりますので、少なくとも平成二十八年からは個人も投資できるようにする、つまり家計の皆さんの金融資産の目減りをなくすような工夫をする。あるいは、財務大臣にお願いしたいのは、平成二十八年と言わず、もう来年にこの税制改正を前倒しして、来年から個人も物価連動債を投資できるようにしませんか。提案もしますし、国会でこういうことを一個一個決めていくということが大事なことだと思います。どうですか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 珍しく、続けて二ついい提案だったと思います。こういうことを一言言うから余計なことを言われると言われるんですが。  今の物価連動債につきましては、これはもう御存じのように保有者によって課税手続が違っていますので、現時点では、今言われましたように、個人の保有というのは認めておりません、おっしゃるとおりなんですが。他方、昨年でしたか、税制改正によって公社債課税の見直しというようなことをやろうということになっておりますので、今御指摘のありましたように、平成二十八年から施行されます、その方法が。  したがいまして、そうした制限というものを、それを課している理由がなくなりますので、当然のこととして、これは個人保有が可能になるような必要な施策というのは、これは講じるのは当然ではないかと、私どももそう思って、二十八年度という点に関しましては私どもも検討しておりますが、一年前倒しせいというのが新しい御提案なんですが、そこはちょっと検討させていただきます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 是非よろしくお願いします。総理、金融抑圧についてはこれからだんだん議論になると思いますので、是非少しお心に留めておいていただきたいと思います。  次のパネルに移らせていただきます。  安倍政権の課題、TPPも大きな課題であります。この後も私の同僚の徳永議員が取り上げられると思いますけれども、それに関連してちょっと気になる情報を御説明をさせていただきたいと思います。  資料に米国におけるカルテル事件の状況ということで、米国の司法省が摘発しているいわゆるカルテルの事案、そして摘発された、個人で刑事訴追された方々の人数がここに記載してあります、二〇〇三年から二〇一三年まで。麻生大臣のお手元にもありますので御覧ください。  日本人が、二〇〇九年に二人、そして二〇一一年に七人、一二年に八人、九人、こういうふうにだんだん摘発が増えていて、ほとんどが自動車関連なんですね。そして、収監された方々、つまり身柄を拘束されて収監されているんです。これ、もちろん独禁法に対する違反あるいはカルテルの嫌疑が掛けられてこういうことになっているんだと思いますが、私は、やっぱり国と国との政策というのはいろんなものが密接に関係していますので、やはりこの数字、あえて私はここで今日解説はいたしませんけれども、総理には御認識いただきたいと思います。  そしてまた、何と日本の企業戦士、まさしく日本のために海外で働いている最前線の自動車関係の皆さん、小さなお子さんも持っている働き盛りの皆さんが身柄を拘束されているんですね、これ。おまけに、自動車関連法人に対する罰金は御覧のとおりです。これ、二十四社で罰金だけで二千三百億円。さらに、アメリカは弁護士費用高いですから、大体罰金と同額の弁護士費用が掛かると言われていますから、自動車関係企業だけで五千億円ぐらい言わば負荷が掛かっているんですが、まず、総理、こういう状況になっていたということは御存じでありましたか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 自動車業界からも、米国における様々なこうした状況についての説明は受けておりました。  言わば、こうした事案等については、日本ではなくて米国の司法によって裁かれるわけでございまして、そこで使う言語も当然英語でありますし、米国の弁護士を雇わなければならないという意味におきましては大変厳しい状況の中における裁判になっているというのも事実なんだろうと、このように思いますし、また、商習慣等々の違いもございます。そうした中において、こうした出来事が起こっているということは大変残念なことだと、このように認識をしております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 エビデンスのない中で、私がここで解説したり断定することはいたしませんが、通商交渉とこういう出来事というのは無縁である、無関係であるということの証明もなかなかできないのが事実だと思いますので、やはり日本国民がこういうことになっているわけですから、是非少しお考えをいただきたいと思います。  その上で、TPPは、思い起こせば二〇〇九年にオバマ大統領が訪日されたときに急に持ち出されて、そのときは割と大勢の方が、TPP、よく分からなかったんですね。  それからちょっと遡ること二年、二〇〇七年にこういうことがあったと言われているんです。中国は今だんだん国力を付けてきている中で、中国とアメリカの軍隊は毎年陸海空それぞれで会議を開いていると言われておりますが、二〇〇七年の米中海軍首脳会議において、中国側がハワイを境に太平洋を分割統治したらどうかという提案をしたという。最初、このニュースを聞いたとき、本当かなと思っていたんですが、翌年、私の知るところでは、その会議に参加したアメリカ太平洋軍のキーティング司令官、当時の司令官がアメリカの議会の公聴会でそれを証言しているわけですね。ということは多分事実だと思うんですが。つまり、そういうことがあり、そして二〇〇九年にアメリカを中心としたTPPの経済圏をつくろうという提案があったという、こういう流れなんですよ。  防衛大臣と総理にお伺いしたいんですが、まず防衛大臣には、今私が申し上げたキーティング司令官の証言及びこの中国側の発言は事実であったかどうかということだけ是非お答えいただきたいのと、総理には、やはり先ほどの自動車カルテルの問題もそうですが、通商問題や安全保障問題、これらは全て密接に関係しているという御認識があるかどうかについてお伺いしたいです。

小野寺五典自由民主党防衛大臣

○国務大臣(小野寺五典君) 二〇〇八年三月、キーティング米太平洋軍司令官、当時でありますが、議会におきまして、二〇〇七年五月に同司令官が訪中した際に、中国海軍の将校から、米国と中国との間で協定を結んだらどうか、米国がハワイから東を取る、中国がハワイから西を取るとの提案を受けたと発言をしていることは承知をしております。一方、米側がそのような文脈において中国側の提案を受け入れたということは承知はしておりません。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 昨年行われました米中の首脳会談におきましても、新しい大国間関係という中において、また、太平洋というのは米国と中国という大きな大国がこの中に収まれないほど小さくはないという、そうした趣旨の会話が行われたと、こういうことでございますが、しかし、当然太平洋、日本も太平洋国家でありますし、TPPに参加をする国々は太平洋国家であり、海は公共財として、まさに国際的なルールに従って各国が海を自由な航行の権利の下に活用できる、その下で初めて地域は発展をしていくんだろうと、こういう認識でございまして、どこかが二つに割れるものではないと、こういうことではないかと思いますが。  そこで、安全保障と経済ということでありますが、もちろん経済、これは例えば、我が国においてだけいえば、例えば経済が発展していくことは、当然外交力も向上し、安全保障においても更に力がこれは増していくということに、安全保障上も更に確保できると、安全が確保できるということになっていくんだろうと、このように思うわけでございますが、例えば日米の関係において、経済と安全保障でございますが、基本的には日米同盟によって日本は安全を守り、そして米国も太平洋地域、アジア太平洋地域の前方展開戦略は日本の基地があって初めて可能になっていくわけでございまして、その意味におきましては、この日米同盟、両国にとってこれは絶対的に必要なものであろうと、このように思うわけであります。  その中におきまして、そうした安全を確保した上におきまして、言わば地域の経済の発展において米国も大きな役割を担い得るということにもなっていくんだろうと思いますし、そうした信頼関係の下において日米の例えば経済関係はより発展していくんだろう、また、強い信頼の下における経済関係のきずなを強固なものにしていくことによって同盟関係は更に強化されていくと、このように考えております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 総じて、要は密接に関係している、相互関連しているという御回答だったと思います。私も当然そうだと思います。そういう文脈の中で実は集団的自衛権の行使についての論争が今行われているわけであります。  だから、実は私は、総理がこの問題に高い関心を持ってこうやって問題提起をされていること自体は大変結構なことだと思います。集団的自衛権についてこれだけ堂々とちゃんと議論できるようになったのは、これはいいことだと思います。ただし、やはりどういうふうにその議論を収れんさせていくかということについてはしっかりと論理的に対応していかなくちゃいけないと思っております。今日は法制局長官もいませんので、冷静に議論をさせていただきたいと思いますので。  次のパネルをお願いしたいです。  総理、実はこの重要な局面で、私は与党の北川筆頭理事と一緒に、私は野党側の筆頭理事をさせていただいて、最前列でずっとこの議論を聞かせていただいていると、総理のお考えは、去年の秋、私もこの問題も質問させていただきましたが、それ以降、ほかの方への答弁も含めて徐々に徐々にやはり総理の御答弁というのは変わってきているんです。それは決して悪い意味で言っているんじゃなくて、合理的な方向に変わってきているんです。  三月四日の共産党の小池議員とのやり取りで、総理はこういう答弁をしておられるんです。これ、議事録からちゃんと拾っておりますので、正確であります。一つは、自衛権につきましても必要最小限という制約が掛かっている、自衛権全体に掛かっているわけでありますから、個別的自衛権にも掛かっていると、なるほどなと。二番目、ほかの国と同じように言わば集団的自衛権が行使できるということとはこれは違うわけで、明確に違うと言ってもいいんだろうと、こう言っておられるんですね。三番目、普通のほかの国々との比較において、そういう国々が行使できる集団的自衛権とは違うというふうに考えていると。これは、随分去年の秋からは変化しておられるんです、私なりの理解ではですね。  その下に個別的自衛権と集団的自衛権の絵を描かせていただきました。去年の秋にも解説をさせていただき、そして二月の七日の質問でもお示しをしましたが、個別的自衛権は、最初は吉田首相は個別的自衛権すら否定しておられた中で、国際情勢が変わっていく中で、その後、佐藤首相、中曽根首相の答弁で徐々に個別的自衛権の対象とする事象が増えていき、必要最小限の個別的自衛権は行使できる、急迫性、必要性、相当性のこの三条件を満たせば行使できると、今こうなっているわけですよ。一方、集団的自衛権については、これあえて点線で書いてあるのは、これは残念ながら、この集団的自衛権は国連憲章五十一条によって、八十一条ですか、失礼します、一九五一年に新たに人為的につくられた権利であるからして、我が国は残念ながら憲法上の制約もあり、そして政府見解としても、これは持ってはいるけど行使できないという、この積み重ねで来たわけですね。だからこそ、総理御自身が三月四日には、ほかの国々の集団的自衛権とは違うというふうにはっきり言っておられるんです。  私は、去年のまず十月の二十三日に質疑させていただいたときに、総理に、個別的自衛権は自然権だけども集団的自衛権は違いますよねとお伺いしたら、総理はお答えにならずに、小松長官が違いますというお答えになりました。これ、一歩前進なんですよ。二月七日のときには、実は集団的自衛権には国際司法裁判所がニカラグア事件のときに行使のための要件を課していて、支援をされる方から要請を受けないと駄目だというのが付いていますよと。例えば総理がよく例にお出しになるイージス艦によるミサイルの迎撃はいつ要請を受けるんですかと、要請を受ける間がないとすれば、事後的に要請を受けるとか要請を受けたという擬制、つまりそうみなすという項目をどこかの法律に作らないとできないですよねというやり取りをして、これは、失礼しました、三月五日のときですね。それから、その前の二月七日のときには、集団的自衛権はどこを対象にしていますかと聞きましたら、私は日米同盟のような同盟国だと思っていたら、総理は、国際法の一般的定義を御披露なされて、密接な関係にある国には行使できるし、それを救うためには行使できるし、対象としているというふうにおっしゃったわけですが、これ、一個一個だんだん事実関係が明らかになり、そして総理のお考えがこのパネルのように明らかになっているわけです。  だから、何を申し上げたいかというと、必要最小限の個別的自衛権の延長線上で国際情勢の変化に対してどう我が国は対処するのか。そして、制限された集団的自衛権というものを個別的自衛権の延長線上で定義できるかということを、だって、この今までの政府見解は皆さんの政府見解ですからね。今までの自民党さんが積み上げてきた政府見解を逸脱しないように論理的に次のゴールを目指すということをやるということが国会がちゃんと丸く収まるということであって、一足飛びに過去の解釈を全面否定するということになると、これは国会紛糾しますよ、大紛糾します、多分。  だから、実は、最前列でずっと聞かせていただいていると、着実に進歩しているんです。法制局長官がいない方が進歩するんです。いや、本当にそうなんですよ。総理、これ、誰も日本の国が大切じゃないなんて思っている国会議員は一人もいませんから、野党もみんな心配しているんです、我が国の在り方。さっき申し上げたように、そんな太平洋分割統治なんか認められるわけありませんよ、そんなの、ねえ、防衛大臣。そういう状況の中にあってどう対処するのかということを国会議員でちゃんと議論しないと駄目ですよ、国権の最高機関なんですから。  まず一つお願いします。  これ、やはり総理が閣議決定される前に、あるいはされるときでもいいですけれども、総理のお考えの防衛政策への若干の変化をもたらす場合には、これ予算委員会ですからね、国の予算に大きな影響を与えますから、一体その装備の変更等でどのぐらい予算に影響を与えそうだと思っていらっしゃるのかということは、集団的自衛権の行使の可否とは別に、ちょっとその情報を開示してもらいたいんですね。  それはどういうことかというと、例えば、防衛大臣、イージス艦は今アメリカに次いで一番たくさん持っているのは日本なんですよ、たった六隻ですけどね。一隻造るのに千四百億円、維持費は四十億円って、これ護衛艦の中ではもう飛び抜けて高いわけですよ。だから、これ一体どのぐらい造るのかとかいうことを多少見通しを持って集団的自衛権の議論をさせていただかないと、社会保障の予算も圧縮するし、公共事業の予算だって圧縮するし、教育の予算だって圧縮するし、やっぱりすごい影響が出るんですよ。  例えば、防衛大臣にお伺いしたいんですけれども、集団的自衛権的個別的自衛権の拡大をもしするとしたら、例えばイージス艦にはトマホークミサイルは積むことになるんですか。

小野寺五典自由民主党防衛大臣

○国務大臣(小野寺五典君) あくまでも、今安保法制懇での議論が行われているということになります。私どもとしましては、既に現在、防衛大綱、中期防、国家安全保障戦略、こういう中で必要な防衛整備の水準というのは国会にもお示しをさせていただいております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 総理、これ、今の延長線上のお願いですけど、防衛政策を変更するということは他の分野に対してどのぐらい予算的なつまり影響が出るのかということも一緒に、正確には無理ですよ、大体どんな影響が出そうかということも一緒に御開示いただけるということでよろしいでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) ある意味大変議論を整理していただいたと、このように思います。  私自身の答弁というか考え方については基本的に変わってはいないわけでありますが、私がまだ若い議員のときに、当時、高村外務大臣に対しまして集団的自衛権の質問をいたしました。その際、言わばこの認められていない、集団的自衛権の行使が、行使を認められていないというのは必要最小限を超えるから認められないということであり、つまり絶対概念ではなくて、それは量的概念ではないかという質問をしたわけでございます。  つまり、そういう意味におきましては、九条という、九条がある上において、当然自衛権全体にこれは係っているわけでありますから、集団的自衛権においてもと、個別的自衛権にも係っているようにそれは集団的自衛権にも係るということだろうと思います。この日本におけるその行使の議論と国際社会全般における、国際社会における法的な集団的自衛権の行使についての議論がこれは言わば混同される中においての誤解もあるんだろうなと、このように思います。  そして、防衛費との関連におきましては、基本的に、この今私どもが申し上げている中において、防衛費について、それに根本的な影響を与えることは私はないというふうに認識をしているわけでございまして、四分類を議論する中におきまして、例えばミサイル防衛につきましても、技術の中において、それは同じ、例えば、今の段階で直ちにその能力を、あるかどうかということは別にいたしまして、グアムに飛んでいくミサイルを、わざわざそのために能力を開発をするわけではなくて、言わば既にある能力において、米軍とその中において、日本に対する武力攻撃事態が発生していない中における共同的な対処を可能にしていくということにおいて考えているわけでありまして、基本的には既に中期防で我々お示しをしているような形で、毎年〇・八%ずつという形で伸ばさせていただくということを考えているところでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 小野寺大臣、総理はよくイージス艦の例をお出しになるんですけれども、端的に事実関係だけ教えていただきたいんですが、アメリカ側からは、イージス艦によるミサイル迎撃で、そういうときは支援してほしいという具体的要請があるんですか、あるいはあったんですか。事実関係だけでいいです。

小野寺五典自由民主党防衛大臣

○国務大臣(小野寺五典君) 具体的な要請あるいは日米間のやり取りについては差し控えさせていただきますが、例えば一般的に、現実に、総理がよくお話しされますように、アメリカが、例えば日本を含めた安全保障の問題に関わる北朝鮮のミサイル発射、このような問題に対してイージスシステムを使って対応する場合、イージスシステムというのはどうしてもミサイルに目が向きがちですから、その船自体は非常に危うくなる。こういうときに、それを例えば日本が護衛艦等でどう対応するか、こういう議論は当然私どもとしては必要な内容だと思っております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 それじゃ、今のパネルを使って、このパネルでは最後の質問を総理にさせていただきたいんですが、この集団的自衛権のところ、実はニカラグア事件のときの国際司法裁判所は、助けようとしている国が現に攻撃を受けているという事実、そして支援してくれという要請があったということは、これは条件として掲げたんですが、助けようとしている国、例えば日本に実体的損失が及んでいるかどうかについては見解を示さなかったんですよ。  総理は今、もし同盟国を助けに行こうとする場合、日本国自身に具体的な実体的利益の損失が必要だと思いますか、それも必要なくても助けに行けるとお考えですか、どちらですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま、まさにそうした点につきまして安保法制懇において議論をしていただいているところでございまして、先ほど大塚委員が御指摘になった点、要請があるかどうかという点でありますが、それは、例えば同盟国としてであれば、あらかじめそうしたことが期待されている中において、あらかじめ同盟国として地域を防衛している中において、警戒している中において、そうしたことが期待されているということが明確になっているかどうか、そうしたことを今まさに安保法制懇で議論をしているところでございまして、今私が確たることを申し上げることはできませんが、そうしたことを踏まえて結論を得た上において、しっかりと議論を重ね、法制局を中心に政府としての見解をまとめていく考えでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 じゃ、最後のパネルを出していただいて、法制局全体にしっかり仕事をしていただくのは結構なことですが、法制局長官におかれては、残念ながら、この委員会にいらっしゃる他党の議員の方も含めて、ちょっと余り信頼を置けない状況になっていますので、是非冷静な議論ができるように総理には御配慮をいただきたいと思います。  その上で、今更三権分立がこの絵でどうしたということでありますが、総理は、私は最高責任者だというふうに衆議院でおっしゃったんですけれども、残念ながら、憲法上に総理が最高責任者だというふうにはどこにも書いてありません。憲法には、四十一条に国権の最高機関は国会だということが書いてあり、総理は、七十二条で、内閣の全体を指揮監督するということが書かれているんですが、国権の最高機関あるいは最高責任者とは書かれていないんですよ。  だから、これだけ国の根幹に関わる重要な問題は国会に一回お諮りいただいて、一つにどうせ意見はまとまりませんから、いいんですよ、各論併記で報告書を受け取れば。法制懇の報告書も受け取っていただいていいですけれども、これだけ重要な問題で国会の報告書を受け取らずして先に閣議決定すると、憲法のこの根本原理に反します。そのことをよく御理解いただいて適切に対処していただければ、私は総理が集団的自衛権の論争をあえてやっておられる価値は大いに出てくると思いますので、この手順についてだけお願いを申し上げて私の質問を終わりますが、もし何か一言いただけるならよろしくお願いします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私が最高責任者と申し上げましたのは、審議の中において、法制局の次長に答弁を求めていて、それは私から答えましょうと言ったときに、まあずっと次長だったんですが、その後、なぜ次長じゃなくてあなたが答弁しようとしているんですかということになったものですから、言わば、行政においては内閣が言わば解釈について責任を持つと、そして内閣においては私が責任者であると、最高責任者であり、それは次長ではなくて私が最終的には判断すると、こういうことでありまして、この三権分立の中において答えたわけではないということを申し上げ、そして、しっかりと当然国会においても御議論をいただきたいと、このように思います。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 誠実に御答弁いただいたと思います。どうもありがとうございました。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 以上で大塚耕平君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 次に、徳永エリ君の質疑を行います。徳永エリ君。

徳永エリ民主党・新緑風会

○徳永エリ君 民主党・新緑風会の徳永エリでございます。  先日、本会議で代表質問させていただきましたけれども、総理に直接お話をするのは約一年ぶりでございます。この貴重な機会をいただきましたこと、冒頭、感謝を申し上げたいと思います。  さて、今日は、籾井会長にお越しいただきました。それから、私の地元、北海道に大きな影響のあるTPPについて、また、安倍政権の農政改革について御質問をさせていただきます。  それでは、まずはNHK問題からであります。  籾井会長の一月二十五日の記者会見からもう二か月になろうとしています。いつまでこの問題をずるずると引きずり続けるんでしょうか。籾井会長、そろそろ御自身で決着を付けた方がよろしいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

籾井勝人日本放送協会会長

○参考人(籾井勝人君) 私も一日も早く決着が付くといいと思っていますが、そのオプションは私にはないというふうに思っております。

徳永エリ民主党・新緑風会

○徳永エリ君 御自身では決着が付けられないということですか。

籾井勝人日本放送協会会長

○参考人(籾井勝人君) 本当に私個人としては一日も早くこの問題を収拾できればというふうに思っていますが、残念ながら私自身が収拾するというわけにもいかないわけでございます。  ただ、私自身、業務に全力を挙げることで会長としての責務を果たし、公共放送の使命に基づいたより良い放送とサービスを視聴者の皆さんにお届けしたいというふうに思っています。その結果がNHKの信頼回復につながるというふうに考えております。

徳永エリ民主党・新緑風会

○徳永エリ君 もう収拾する方法は一つしかないと思います。お辞めいただきたいと思います。

籾井勝人日本放送協会会長

○参考人(籾井勝人君) NHK会長の重みはしっかり受け止め、放送法に基づいて公共放送の使命を果たしていくということで会長としての責任を全うしてまいります。

徳永エリ民主党・新緑風会

○徳永エリ君 なぜこういう失礼な言い方をさせていただくかといいますと、これは報道に関わる問題だからなんです。これから国会の中では、日本の国の未来を変えるような集団的自衛権の行使など活発な議論が始まります。そういう中で報道が偏っていては困るからなんです。しっかりこの問題はけりを付けなければいけないと思っているから言わせていただきました。  そこで、安倍総理にお伺いをいたします。  籾井会長はNHKの会長としてふさわしいと思いますか。そして、このまま会長を続けていてもいいとお考えでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 放送機関のトップの個別の発言について、また、そのトップが辞めるかどうかということについて政府としてコメントすべきではないと、このように考えております。  会長は経営委員会の議決によって適切に選任をされているものでございまして、NHKについては、その信頼性を更に向上させるよう、社会的使命を担う公共放送として、会長以下役職員が力を合わせて、自主自律の下、豊かで良い放送番組による放送を続けていただくことを期待をしております。

徳永エリ民主党・新緑風会

○徳永エリ君 記者会見での発言の問題だけではないんですね。この国会の中で、籾井会長の御答弁を聞いていて、そして対応を見ていて、態度を見ていて、ああ、この人にはもう任せられないと思っている国民がたくさんいるということは、もう皆さんもお気付きになっているんじゃないかと思います。  そこで、NHKには毎日毎日苦情の電話が掛かってきています。籾井会長に伺います。問題の記者会見があった一月二十五日から先週末三月十四日の夕方までに、NHKには何件の苦情があったでしょうか。

籾井勝人日本放送協会会長

○参考人(籾井勝人君) お答えします。  本日現在の数字につきましては私は今正確には持っておりませんが、三万件を超える意見が届いております。

徳永エリ民主党・新緑風会

○徳永エリ君 しっかり把握をして、重く受け止めていただきたいと思います。  約三万二千七百件の声が寄せられており、そのうち二万一千百件が批判的な意見だということであります。これは大変に重要な問題です。  その中で、受信料に言及した意見は全体の何割か、御存じですか。

籾井勝人日本放送協会会長

○参考人(籾井勝人君) その個々の数字につきましては、いろんな意見が混じっておりますので、そういうふうなきめの細かい数字は統計取っておりません。

徳永エリ民主党・新緑風会

○徳永エリ君 NHKではちゃんと統計を取って把握をしています。受信料に言及した意見は全体の三割ということであります。  年払の解約をしてほしい等の電話が殺到し、局内では不払運動につながるのではないかと懸念が広がっているという報道もございました。このままだと受信料収入に大きな影響が出るのではないでしょうか。いかがですか。

籾井勝人日本放送協会会長

○参考人(籾井勝人君) お答えいたします。  やはりこういう状態がずっと続けば、もしかしてそういう影響はあるかもしれませんが、私自身は、私自身は、今後、各地方を回りながら私自身も営業に全力を尽くし、営業の人に任せるのみならず、努力を続けていくつもりでございます。(発言する者あり)

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 御静粛に願います。

徳永エリ民主党・新緑風会

○徳永エリ君 今のデータをお聞きいただいて、NHKの現場で働いている人たち、それから受信料の収納業務に当たっている人たち、どんなことを言われているか、どんな思いをしているか、想像するのは容易だと思います。心は痛まないんでしょうか。(発言する者あり)

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 御静粛に願います。

籾井勝人日本放送協会会長

○参考人(籾井勝人君) お答えいたします。  受信料の収納については、先ほども申しましたけれども、私も含めて職員一丸となってやりますが、同時に、職員の問題につきましては、私は今は各現場を回っております。職員は一生懸命仕事をしてくれております。いや、本当にそのとおりでございます。中には、こういうことで士気が上がらないという人もいるかもしれませんが、やっぱり職員全体としては一生懸命にやってもらっていると思います。同時に、私自身は、やはりそういう心配している職員がいることに対して、非常に私自身も申し訳なく思っているわけでございます。本当に職員は一生懸命やってくれていますので、今から先、更に頑張ってまいりたいというふうに思っております。

徳永エリ民主党・新緑風会

○徳永エリ君 とても心が痛んでいるとは思えませんね。  実は私、百名にアンケートを取らせていただきました。これですね。北海道の釧路で三月八日に国際女性デーがありまして、そこの講演で呼ばれたときに、その会場にいる方と、それから翌日、中標津というところに行きまして酪農家の皆さんと意見交換をしたときに、そこでもこのNHKの話が出まして、アンケートを取らせていただきました。  その結果なんですけれども、籾井会長の問題となっている発言を知っているか。イエス、九十三人。会長発言によるNHKの印象は変わったか。悪くなったが八十六人。会長は辞任すべきだと思うか。辞任すべきと答えた方は八十七人でありました。  そして、自由記載欄に寄せられた意見でありますが、公共放送の原点に立ち返り襟を正してほしい、経営委員も不適格である、うそだらけで嫌だ、今回だけのことではなくトップに立つ人間として失格だと思う、NHKの報道も信じられなくなった、偏っているように思う、銀座のクラブのママにたたき出された話は有名、受信料を集める人のためにも早く辞めるべきだ、受信料を払いたくない、抗議したいがまだ実行していない、この事態を許してはならないと思う、受信料は払わなければいけないと思うが会長が辞めるまで払わない、そして一番中立の立場でいなければいけない報道、NHKは安倍さんのお友達人事で信頼を失った、こういう意見がありました。私もそう思うんです。  不偏不党、公正でなければならないNHKの経営委員に選ばれた四人、総理によって任命された方々、我が党の小西議員が過去の発言等を御指摘させていただきました。百田尚樹さんと長谷川三千子さんは安倍晋三総理大臣を求める民間有志の会のメンバー、ほかのお二人、本田勝彦さん、中島尚正さんは総理を囲む経済人の集まりの四季の会のメンバーであります。経営委員の四人は、最高権力者である安倍総理のお友達であります。  その友達人事によって選ばれたのが籾井会長であります。総理は、国会が選んだ経営委員によって選ばれた籾井会長だと言いますが、私たち民主党はこの国会同意人事には反対をいたしました。数の力で押し切って決めたのは与党であります。ですから、籾井会長の一月二十五日の記者会見の発言を聞いていて、正直、やっぱりこういうことが起きたなと思いました。  与党の皆さんも黙っているわけにはいかないと思いますよ。総理もこのままにしておくわけにはいかないと思います。いかがでしょうか。総理にお願いします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほどの世論調査風の数字の結果は、それは統計学的には何の意味もないだろうと。後半については、徳永さんの言わば囲む会みたいなところで聞いたんじゃないですか。後援会の皆さんに集まっていただいたんでしょう。でも、それは全く私は意味がないんだろうと、このように思う。まず、そのことは……(発言する者あり)

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 御静粛に願います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) よろしいですか。余り後ろでがんがん声を上げられますと答弁がしにくいという状況になりますので。よろしいですか。静粛にお願いをしたいと、冷静に議論をする必要があるんだろうと、こういう大切な問題ですからね。  先ほども申し上げましたように、これは一放送言わば事業者のトップの発言について、私がそのことについて申し上げること、あるいは経営委員の発言について、個人的な発言について申し上げることは不適切であろうと、このように思います。  また、経営委員の発言におきましても、これはまさに経営委員会における発言ではないわけでございまして、長谷川三千子さんも、先般、経営委員会におきましては、物事について自分は根本から考えていくようにしていると、そして根本から考えていく中において自分は更に多くの方々の意見に耳を傾けていきたいと、こういうふうに述べておられるわけでございまして、その中で、自分の意見は時には、常識と、一般で常識と言われているものと違う場合もあるけれども、自分のそうした意見も、多くの人たちと違う意見も言わば参考になればと思って経営委員も引き受けたということでございまして、まさにそうした認識を持って経営委員会としてしっかりと発言をしていただきたいと、このように期待をしているところでございます。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 残余の質疑は……

徳永エリ民主党・新緑風会

○徳永エリ君 よろしいですか。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 質問されます。  失礼しました。それでは、徳永エリ君。

徳永エリ民主党・新緑風会

○徳永エリ君 今総理から、このアンケートはデータとしては何の意味もないとおっしゃいましたけれども、私たちは、国民から選挙で選ばれて負託を受けて国政の場に送り込んでもらった国会議員であります。地元の国民の皆さんの声を届けるのが私たち仕事でありますから、何の意味もないという御発言はおかしいと思います。  それと、今の総理の御説明を聞いていて、テレビを御覧の皆さん、様々いろんなお考えがあると思いますけれども、果たして納得したかどうか、疑問であります。  最後にお伺いいたします。  籾井会長、いろいろお話をいたしましたけれども、何度も申し上げますが、もうこの事態を収拾するには籾井会長がお辞めになることしかないと思います。御自分でしっかり決着を付けていただきたいと思いますが、お考えいただけますね。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) ちょっと速記止めてください。    〔速記中止〕

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 速記を起こしてください。

籾井勝人日本放送協会会長

○参考人(籾井勝人君) お答えいたします。  NHK会長の重みをしっかり受け止め、放送法に基づいて公共放送の使命を果たしていくということで会長の責任を全うしたいと思います。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。  午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十五分休憩      ─────・─────    午後一時開会

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  平成二十六年度総予算三案を一括して議題とし、内政・外交に関する重要事項について集中審議を行います。  休憩前に引き続き質疑を行います。徳永エリ君。

徳永エリ民主党・新緑風会

○徳永エリ君 民主党・新緑風会の徳永エリでございます。午前中に続きまして御質問させていただきます。  まず、午前中は、NHKの籾井会長に、問題の決着は御自分で付けていただきたいとお願いをさせていただきました。私が北海道で取った百名の籾井会長に対するアンケートに、総理から、このアンケートには何の意味もないという御発言がございました。私は、この問題は看過できないと思っております。私たちは選挙で国民に選ばれて、国民の負託を受けて国会で働いております。どんな形であれ国民の声をしっかりと届けるのが私たち国会議員の仕事だと思っておりますし、民主党の責任だと思っておりますので、今後もしっかりとやらせていただきたいと思います。  それでは、続きましてTPPについて伺います。  総理が昨年、年内妥結に向けて強い意思を示しておられたTPP交渉は、結局越年をいたしました。二月二十二日から行われたシンガポール閣僚会合も大筋合意には至りませんでした。私は一貫してTPPには参加するべきではないと申し上げておりますので少しほっといたしましたけれども、二月の十五日ですか、甘利TPP担当大臣が譲歩案を持って渡米されるという報道を見たときには正直緊張いたしました。  実は私も我が党の玉木衆議院議員とともにシンガポール交渉に行ってまいりました。情報収集のために行ってまいりました。今回は、参加国、チリ以外の国とはバイで相当に厳しい、中身の濃い二国間交渉を行ったということでございますけれども、その中でも日本と米国にとっては大変にタフな交渉であったというふうに伺っています。米国の通商交渉機関であるUSTRのフロマン代表は、米国議会や利害関係者が交渉のハードルを上げているので今回は最初から交渉する気などなく、アメリカの要求を日本にのませるかのませないかだけだったというふうにも聞いております。  フロマン代表と甘利大臣は、二月の二十二日と二十四日、バイの会談を行っております。二十二日はフロマン代表が大声を上げた、あるいは甘利大臣が大変にいらいらしていた、その日は眠れなかったということも聞いております。そして二十四日、この会談が終わった後は、記者のぶら下がりの取材の中で、甘利大臣には珍しく、疲れたと、疲れる交渉だとおっしゃったということも聞いております。マーケットアクセス、関税の問題で米国は強硬な姿勢を崩さず、歩み寄りは見られなかったということなのでしょうか。  このシンガポールでのTPP交渉会合を振り返られて、そして今後TPP、どういう方針で臨んでいかれるのか、甘利大臣にお伺いいたします。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) とにかく各国のバイ会談でそれぞれの間合いを詰めていこうと、それなしに全体会合を開いても収れんしていかないということで精力的にバイをやりまして、私もほとんどの国とバイをやりましたし、アメリカとは二回やったわけであります。  アメリカも議会からの強い要請を受けて、あるいは利害関係団体からの強い要請を受けてハードなネゴシエーションをするわけですが、私も前回の会合で申し上げたのは、バイ会談全てで、私は交渉責任者、現場責任者ではあるけれども、できることとできないことはあると。衆参の議会で決議を受けていて、それと最終的に整合性をどう取れるかということをやらなければならない、まるで議会が承認しないような案を持って帰っても議会を通らないことになるからという点は強く言いました。双方が激しい主張のぶつかり合いをしまして、一回目は完全に物別れになりました。二回目はそれを踏まえてもう少し冷静に現実的に対応するということで、そこで具体的な数字の詰めができたわけではありませんけれども、ある種、方程式については双方共通認識を持って、その方程式に従ってその後の事務折衝をやろうということにしたわけであります。  交渉全体を見てみますと、確かに大筋合意ということには至りませんでした。まだまだ残された懸案事項はあります。日本でいえば、物品の市場アクセスについては議論が平行線の部分は随分あったわけでありますし、ルール分野でセンシティビティーを抱えている国もあります。ただ、全体的に項目数が、残されている項目数が大幅に減ってきたことは事実でありまして、そういう意味では前へ進んだということは言えると思います。ただ、残されている問題というのは難しいから残っているのでありまして、これからまだ二国間のタフな交渉は続くというふうに思っております。  私がシンガポールで申し上げたのは、やっぱり事務折衝を実のあるものにしようと。要するに、最初から閣僚会議をセットしちゃうと、権限を持っているのは閣僚だから、確かにそうなのでありますけれども、じゃ事務折衝は権限がない者同士がお互いの主張を繰り返すだけかということになってしまうと。だから、閣僚折衝というのはもう四日も五日もやらないということにしてくれと、一日だと。一日だということは、もうほぼ、あとほんの少しを大臣間でやれば判こが押せる、まあ判こはない、サインですね、サインができるということにしないと事務折衝が実のあるものにならないということを強くフローマン代表に言いまして、その種の最終的な会議の席では、これから先行うのは極めて短い閣僚折衝にしようと、それまでマンデートを与えて事務方に実のある交渉をさせようということに最終的になったわけであります。

徳永エリ民主党・新緑風会

○徳永エリ君 私もシンガポールで何度か甘利大臣がお疲れの様子を拝見いたしましたので、少し今日はお元気になられたかなと思ってほっといたしました。本当にお疲れさまでございます。  総理に伺います。総理は昨年十月のバリでの交渉会合で、TPPはアベノミクスの三本目の矢、成長戦略における大きな要素だ、TPPの参加は国家百年の計として私が決断したものだとおっしゃっています。日本が主導して交渉を進めていくともおっしゃっていました。  しかし、これ、なかなかうまくいっておりません。脱退してほしいという声もありますけれども、脱退できないのであれば、余り急がず、譲らず、協議を延ばす手もあると思います。十一月にはアメリカの中間選挙もありますから、協議が延びればアメリカもTPPどころではなくなると思うんですね。その点はいかがでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) このTPPの重要性についてはもう既に申し上げているとおりでございまして、日本は人口が減少していくわけでありまして、生産人口もまた消費人口も減っていくわけでありますが、アジア太平洋地域はまさに人口は増加をしていくわけでございまして、このアジア太平洋地域の活力を取り入れていくことは日本の成長には間違いなく大きなプラスになっていくわけでございます。  今後、このTPPだけではなくて、日米韓、あるいはRCEP、FTAAPへとこの自由貿易圏の範囲は広がっていくわけでございますから、基本的にはこのTPPにおいてルール等は形作られていくわけでございまして、その中において日本がルール作りに参加をしていくことは極めて私は日本の国益からも重要ではないかと、このように思います。  その中におきまして、日本は遅れて参加をしたわけでございますが、市場アクセス以外の分野におきましてはまさに日本が基本的に議論をリードしてきたと、このように思うわけでございまして、甘利大臣以下、交渉チームがしっかりと取り組んだ結果だろうと、こう思うところでございます。しかし、もちろん、日本には日本の守るべき国益もあるわけでございまして、基本的には早期に包括的にバランスの取れたものを妥結していきたいと、こう考えるわけでございますが、しかし、これは交渉でございますから、いつまでにということをあらかじめ設定することは足下を見られることにもつながるわけでございます。  その中におきまして、交渉を進めていく中で、日本としては、様々な情勢、状況を判断した上において適切に判断していきたいと、このように考えております。

徳永エリ民主党・新緑風会

○徳永エリ君 TPP馬車論というのを伺いました。馬車がいわゆる市場アクセスなんですね。この関税の分野が決まって、馬がどのくらい馬力があるのか、何頭立てなのかが決まらないと、なかなかルールという荷物は積めないという話が聞こえてきました。  今お話がありましたけれども、妥結を急いで、よもやアメリカの要求を全てのむということはないということを確認させていただきたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私どもとしては言わばあるべき姿として早く妥結すべきだというふうに考えているわけでございますが、我々は我が国独自の言わば交渉上の理由から急がなければならないという理由はないわけでございまして、このTPPについては、言わばアジア太平洋地域の新しい志の高い自由貿易圏をつくっていく、これはなるべく早くできた方がいいという観点から早期妥結ということを申し上げておりますし、また、それはまあいろいろと交渉を進めていく上においての私どもの考え方もあるわけでございますが、当然、私たちが必要のない形で身を削って早期妥結ということは当然それは全く考えていないわけでございまして、早期妥結というのは、これはTPP交渉に参加している全ての国の利益として早く妥結すべきだと、そして、言わば機運が盛り上がったところにおいて妥結をしなければなかなか妥結の道は遠くなるのではないかという観点から、そう申し上げているわけでございます。

徳永エリ民主党・新緑風会

○徳永エリ君 一言でお答えいただきたいと思います。アメリカの要求を全てのむということはないということですか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 私はフローマン代表にも申し上げていますけれども、両者の主張が離れているとします。着地点は一方が一方的に片方に寄ることではないということはきつく申し上げておりまして、である以上、双方が国内事情の許す限りにおいて、同じ距離、どこまで歩み寄れるかということだと思っています。

徳永エリ民主党・新緑風会

○徳永エリ君 総理も関係閣僚の方々も、衆参の農林水産委員会の決議を踏まえて全力で国益を守り抜くといつもおっしゃっておられます。  こちらのフリップを御覧いただきたいと思いますが、(資料提示)この衆参の農林水産委員会の国会決議は八項目あるんですね。その一つが関税についてです。「米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物などの農林水産物の重要品目について、引き続き再生産可能となるよう除外又は再協議の対象とすること。十年を超える期間をかけた段階的な関税撤廃も含め認めないこと。」となっています。  十二日の衆院の外務委員会で、我が党の玄葉衆議院議員が除外の定義を質問したところ、一般論として、除外も含め関税撤廃などの原則に対する例外措置の具体的な扱いや定義は個々の経済連携協定の中で決められると御答弁があったそうであります。  そこで、いろいろ調べてみました。過去のWTO、EPAでは、除外とは、即時関税撤廃、段階的関税撤廃、関税削減、関税割当て、再協議も含めいかなる約束も行わないということであり、再協議とは、一定年数後に当該品目に係る関税の扱い等について両国間で再交渉されるとなっています。  それで間違いないですね。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 民主党政権下に、内閣官房の資料で除外について記述がされているのは承知をいたしております。ただし、このときにはまだもちろんTPPに入っておりませんし、情報収集の段階でこういう主張をしている国があると、多分一〇〇%撤廃を求めているP4の国が中心だと思いますが、そういう国の主張として記述したものであると思います。除外の定義については、もう学者間でもいろいろな説明があります。  最終的に私がやるべきことは、衆参農水委員会で決議をされております内容と最終的に日本がまとめてきた内容とが整合性を取れるか、その判断はやっぱり議会がされるものだと思っております。私は、交渉の現場責任者としては、極力国会の理解を得られるように、つまり、これならば衆参農水委員会の決議とぎりぎり整合性が取れると議会に判断していただけるように最大努力をするということであります。

徳永エリ民主党・新緑風会

○徳永エリ君 ちょっと今の御答弁は不安であります。この決議は我が党の衆議院農林水産委員会の筆頭理事である大串衆議院議員と与党の理事が詰めたものでありまして、決議に書かれている除外、再協議は先ほど申し上げた解釈でありますから、関税の引下げや関税割当てなどの譲歩案を提示するということになれば、これは国会決議違反であるというふうに申し上げたいと思いますが、もう一度御答弁お願い申し上げます。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 私も衆参農水委員会の決議は何度も読ませていただいております。あわせて、我が党の公約についてもしっかり受け止めているつもりであります。  交渉事でありますから、お互いの国の主張がぶつかり合うわけであります。その中で、私の頭の中の整理として、衆参の決議、党の選挙公約をにらみながら、この範囲であるならば理解をいただけるんではないかということを自分なりに目配りしつつ交渉をいたしております。完璧な百点が取れるのか、それとも合格点ぎりぎりか、その辺は最終的には議会に判断していただくしかないのかなというふうに思っています。

徳永エリ民主党・新緑風会

○徳永エリ君 大変に不安な御答弁でございますけれども、もう一度申し上げておきます。私たちが解釈しているこの除外とは、即時関税撤廃、段階的関税撤廃、関税削減、関税割当て、再協議も含め、いかなる約束も行わないということだということを確認しておきたいと思います。  そして、決議の七項目めの情報公開についてです。TPPに参加することが日本にとって果たしてプラスになるのかどうか国民が判断できるよう情報を提供しなければならないということを申し上げているわけです。政府としては七項目めを守っているという認識はおありになるんでしょうか、お伺いいたします。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) TPPに参加するときの最後の参加希望国の行為は守秘義務契約書にサインをすると、そこで初めてデータベースにアクセスできるわけであります。その秘密保持契約にサインをしたということとTPPの参加国の中で共有されている情報開示の範囲を探りながら情報開示をしているつもりであります。というのは、勝手に交渉内容、相手との交渉内容を開示すると退場命令が来るという危険性があるわけであります。そこで、総理を筆頭に、私や農水大臣、外務大臣等々、機会あるごとに情報開示が許されるであろう範囲について会見をし、あるいは資料を公開し、政府のホームページ上に情報を載せているわけであります。いろいろと、どこの国がこういうふうに開示しているじゃないかというお話がありますたびに、そこにアクセスして、どの程度の中身かということをチェックしておりますが、それは日本が開示している内容を超えるものではないというふうに思っております。  これからも、ステークホルダーとの会合を含めて、その都度、可能な範囲で情報開示はしていきたいと思っております。

徳永エリ民主党・新緑風会

○徳永エリ君 今お話がありましたけれども、TPP交渉に参加する際に交渉の内容については守秘義務を掛けられて首席交渉官が誓約書にサインをしている、そして情報にアクセスできる人も大変に限られているということでございますけれども、我が国では今何人ぐらいが情報にアクセスできるんでしょうか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 大臣でも、TPP会合、TPPに関する閣僚会合は限定したメンバーでやっております。あわせて、交渉官は極めて限定をして、公務員法の縛りを掛けて、情報を漏えいした場合にはそれなりのペナルティーがあるということを認識させた上で数を絞っております。  何人になるかというのは数えたことはありませんが、二十一の交渉分野を担当する交渉官、それは他の分野まではアクセスしていない、自分の範囲でやっているわけであります。でありますから、全体を俯瞰して承知している人数というのは極めて少数だと思います。私以外、担当閣僚で全体を見ているという者はないと思います。

徳永エリ民主党・新緑風会

○徳永エリ君 閣僚の中でも、甘利大臣以外は全体の情報は把握しておられないということですね。  なぜこれTPPが秘密だらけなのかということなんですが、これ秘密が漏れたら反対運動が大きくなるからですよね。反対運動が大きくなるとTPPが瓦解する可能性がある、そのくらいTPPというのは重大な問題があるということであります。  そして、もう三年もたちましたから、本物のテキストがインターネット上に流出したり、それから国際NGOのメンバーに各国交渉官がぽろっとリークをしたりとか、だんだんいろんなことが分かってきたわけです。ですから、いろんな国で情報公開をせざるを得ないというムードになってまいりました。  次のフリップを御覧いただきたいと思います。こちらは、今年の一月に米議会の超党派議員が提出したTPA法案、大統領の貿易促進権限法であります。この中にも情報公開について書かれております。国会及び国民との協議の強化、テキストへのアクセスの保証、全ての議員が交渉中のテキストのアクセスができるというふうになっております。  こうした動きがある中で、情報公開について我が国では何もいまだ議論されておりません。そろそろ情報公開の方法について我が国も具体的に議論するべきときが来たと思います。  そこで、まずは、自民党総裁でもある安倍総理に、情報公開へのプロセスとして、衆参のTPP特別委員会設置に向けて与党に御指示をいただきたいと思います。我が党からは何度も要求させていただいておりますが、全く応えていただけません。総理、いかがですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国会における審議の進め方等につきましては、これはまさに国会においてお決めをいただくことだと、このように思います。

徳永エリ民主党・新緑風会

○徳永エリ君 そして、我が党ではこの情報開示を求める議員立法を今国会で提出させていただく準備をしております。この情報公開に関しては、野党だけではなく、与党の議員の皆さんも是非やってほしいと思いを同じにしていると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  次に、安倍政権の農政改革について伺います。  昨年末、突然、経営所得安定対策の見直しと米の生産調整の廃止が決まりました。稲作農家は、余りに突然のことに茫然自失となりました。今も不安な気持ちでいっぱいであります。  総理はなぜ水田農政の転換が必要だとお考えになったんでしょうか、お伺いいたします。

林芳正自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(林芳正君) これは、農林水産委員会でも何度か御議論をさせていただいておりますが、一つは、やはり食生活の変化で一人当たりの主食用の米、これが昭和三十七年の百十八キロから平成二十四年、直近では五十六キロまで減ってきたということでございます。一方で、主食用の米の需要は半分になっているんですが、じゃ、水田もどんどんどんどん減らしていってということであると農地がどんどんどんどん減っていくと、こういうことでございますから、やはりこの貴重な生産装置である水田というものは有効に活用していかなければならないと。  委員のお地元の北海道でももう日本一おいしいと言われるようなお米も出てきたと、こういうことでございまして、したがって、水田をフル活用しながら主食用の米の減少にどう対応するかということをしっかりと考えた上で、餌米、加工用米という多様な米の生産振興を図る、それから、水田で小麦や大豆など国内の需要がありながら輸入に頼っているこういうものの作付けを増やしていくと、こういうことをやはりやっていく必要があるだろうということで、この今回の改革をやらせていただいたわけでございます。  農作物でございますので、もうあしたからやれと言われてもなかなかできないということで、五年間この経過期間を置いて、五年後に目指す姿を今のうちからお示しして、みんなでそこに目指してやっていこうと、こういうことにさせていただいて、いろんな諸般のことをやってまいりました。  したがって、今年は実行元年でございますのでしっかりと説明をして、都道府県レベルでもう全部済ませて、お地元の北海道では広いので何か所かブロック別にやらせていただきまして、その後、市町村レベルに本省の職員が派遣をして行ったもので、二千か所を超える既に説明会をやっております。今後も説明に努めていきたいと、こういうふうに思っておるところでございます。

徳永エリ民主党・新緑風会

○徳永エリ君 説明とともに、現場の声をしっかり聞いていただきたいというふうに思います。  総理は一月二十四日の施政方針演説で、四十年以上続いた米の生産調整を見直します、いわゆる減反を廃止します、需要のある作物を振興し、農地のフル活用を図りますとおっしゃいました。しかし、その二日前、一月二十二日のダボス会議での演説ではニュアンスが大分違います。米の減反を廃止します、民間企業が障壁なく農業に参入し、作りたい作物を需給の人為的コントロール抜きに作れる時代がやってきますとおっしゃっているんです。  もうけを一番に考えて高収益作物ばかり作って、本当に国民にとって必要な食料を供給することができるんでしょうか。世界の人口が二〇五〇年には九十億人を超え、食料難が懸念されています。食料自給率三九%の我が国は、目先の利益だけ考えて本当にいいのか、食料安全保障は守れるのでしょうか。  また総理は、四十年以上続いてきた米の生産を見直し、いわゆる減反の廃止を決定した、減反の廃止など絶対に自民党にはできないと言われてきた、これを私はやったのだとおっしゃっています。  林大臣、林大臣は生産調整の見直しとおっしゃる、安倍総理は減反の廃止とおっしゃる、どちらなんでしょうか。

林芳正自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(林芳正君) これも何度か委員会で、これは衆議院の方だったので参議院の農林水産委員会ではなかったかもしれませんが、私は記者会見でも聞かれましたので、農林水産委員会や私が発言する対象というのはもう専門家、農業の関係者と、こういうことでございますので、厳密に狭義で言えば、いわゆる面積を減らしていく減反というよりは、今やっているのは生産調整、更に細かく言うと生産数量目標の配分、これを五年後にやめていこうと、こういうことを決めたと。  こういうことでございますが、一般の方まで対象にしますと、そしてまた外国の方まで対象にしますと、やはりこの減反という言葉の方が分かりやすいと。多分そういうことで総理はこういう御表現をお使いになって、今御披露いただいたように、生産調整の見直し、いわゆる減反の話と、こういう言い方をされておられるわけでございまして、やはりここは全く同じことを指して、今回決めさせていただいたものは官邸のプランによってしっかりと政府全体として決めさせていただいておりますので、中身については全く同じことを指しているということでございます。

徳永エリ民主党・新緑風会

○徳永エリ君 減反というのは実はもう廃止されていました。減反というのは、非常に国民が聞くとイメージが悪いんです。米が余って価格が下がることを避けるために米を作らないと。単純休耕田に対して交付金を出すということですから、何で米作らないのに税金出さなきゃいけないんだというイメージがありますから、総理が自民党にはできなかった減反を私がやりましたと言うと、すごいことやったんだなという印象を実は国民の皆さんは受けるんですけど、全然すごいことをやっているわけじゃないんですよ。  そして、民主党の戸別所得補償制度を自民党の皆さんはばらまきだ、ばらまきだとずっとおっしゃってきました。しかし、米の生産費と販売価格の差額である恒常的な赤字を補填し、米価の変動にかかわらず営農を継続できる、米が安定的に消費者に供給できる仕組みを民主党はつくってきたんです。  フリップを御覧いただきたいと思います。このフリップの米の所得補償交付金のところを見ていただきたいんですが、十アール一万五千円の交付金でした。赤字が補填されて農家所得が増え、生産調整を守ることによって需給も安定し、価格も安定、明るい見通しから、北海道では規模拡大も進み、後継者もできたんです。現場からは制度の恒久化が望まれていました。ここ数年、今や米の生産量が日本一になった私の地元北海道の稲作地帯は非常に明るくて活気があったんです。それが突然の水田農政の転換。この十アール一万五千円の赤字を補填しているところを、平成二十六年度から半分の七千五百円に減らし、平成三十年にはゼロにするということであります。  このフリップは、恒久化、法制化に向けて、昨年の六月、民主党が提出した法案の概要です。米の所得補償交付金のところを見てください。標準的な販売価格は一俵六十キロ当たり一万二千円、標準的な生産費は一万三千七百円、差引きすると千七百円の赤字になります。  経済界の皆さんは、農家は甘えている、この生産費、コスト削減の努力をせよと言いますが、この生産費の内訳は、物財費、雇用労働費、支払利子、支払地代と家族労働費となっています。物財費は農業の資材や肥料等、こういうのは為替の影響も非常に受けるんですね。今は円安で調達コストが非常に上がっているので、負担が大きくなっています。雇用労働費はパートさんや出面さんのお給料です。支払利子は農業機械の借金など。米の収穫に使うコンバインなどは一台一千五百万もするものもあるんです。地代は規模拡大による土地のリースや購入費。  政府はこの生産費を四割削減するという目標を立てているんです。これ、どこ削るんですか。また人件費削るんですか。地域の雇用のことを考えてもこの人件費は絶対削ってはいけないと思いますし、十アール一万五千円の交付金の半減がいかに現場にとって大きなダメージであるかということは御理解いただけるのではないでしょうか。いかがでしょうか。

林芳正自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(林芳正君) 先ほど申し上げましたように、残念ながらと申し上げていいと思うんですが、日本人の食生活が変化して主食用の米の需要が減ってきていると。これ私、いろいろ聞いてみる前は、そろそろもうパン食とか麺に行くのは止まったんじゃないかと、こういうふうに思っておったんですが、食生活の割合が変わらないと仮定しても、実は高齢化によって、お年寄りの方はそれほど若いときほどお召し上がりにならないとか、それから人口そのものが減っていくということで、大体主食用の米は毎年八万トンずつこれからも需要が減っていくと、こういう見通しでございます。  したがって、お示しいただいた主食用の米だけに直接払いということをやっていきますと、先ほど申し上げたように、水田を活用して、ほかの餌米ですとか加工用米、ひいては豆や麦、こういったものに対する転作がなかなか進みにくいということと、それから規模にかかわらず支給をされておられたということがあって、今効率化のお話がございましたけれども、コストの低減の、これはやはり土地利用型の場合は規模を集約して、今北海道では大きいんですが、北海道以外の日本ではまだ二・三ヘクタール、こういうことでございますので、トラクター、コンバインのような機械で十ヘクタール、十五ヘクタールぐらいまでは今の設備投資で十分やっていけると、こういうデータもございますので、そういうところに近づけていくために今回の大きな政策の方向というのを出していったと、こういうことで御理解いただければと思います。

徳永エリ民主党・新緑風会

○徳永エリ君 北海道の水田は平均二十町を超えております。ですから、大きければ大きいほど円安の影響のダメージも受けますし、この十アール一万五千円が半分になるというのは大きなダメージになるんですね。そういう中で農家所得が減るのは確実でありまして、どうやって借金を払っていこう、息子に継がせるのはやっぱりやめた、もう少し続けようと思ったけど先が見えないんで離農を決めた、そんな声が今どんどん現場から上がってきています。ですから、総理、申し訳ありませんけれども、総理が誇らしげに私が減反をやりましたとおっしゃる姿と農家の落胆する姿のギャップに私は大変に重たい気持ちになります。  そして、餌米という話もありましたけれども、北海道は今、日本で一番おいしいお米を作ってきたんです。それが急に牛や豚や鳥の餌を作れと言われても、もちろん生活のことを考えなければなりませんけれども、非常にプライドが傷つくというかモチベーションが下がる、現場はそんな雰囲気であります。  そして、次のフリップを御覧いただきたいんですが、TPPの影響も私のふるさと北海道にはもう既に出ています。TPP参加による将来不安から、酪農家の方々の離農が加速しています。平成二十五年一月末から平成二十六年一月末までの一年間で、北海道では二百七戸もの酪農戸数が減少いたしました。今年もある農協では六百戸のうち三十戸がもう離農を決めているということであります。これ、大変なことなんです。  規模拡大をしてきて、みんな家族が元気なときはよかったんです。でも、高齢化してくると、一人が病気になったりするともう経営していけなくなるんですね。今、政府は規模拡大を目指していますけれども、規模拡大にも適正規模というものがあると思います。  そして、このフリップでTPPによる北海道への影響を見てください。米、打撃。小麦、壊滅的。ビート、全滅。ジャガイモ、全滅。小豆、壊滅的。もう大変な影響が出るんですね。ですから、農政転換とTPPの影響とそれから円安で資材調達費が上がってしまったということ、それから四月から消費税が上がるということ、こういういろんな要素が相まって、本当に今、北海道の農業の現場は暗い重たい空気の中にあるということを御理解いただきたいと思います。  また、TPPに参加した場合の政府が発表した影響試算は、農林水産物の生産額は約三兆円減、しかしGDPは三・二兆円、〇・六六%増えるとしていますが、TPP参加交渉から即時脱退を求める大学教員の会の試算では、関連産業や雇用への影響も加え、GDPは約四兆八千億円、一%落ち込み、農林水産業では百四十六万人、関連産業と合わせると百九十万人の雇用が失われるとしています。  日本がTPPに参加することで、GDPも落ち込み、多くの雇用が失われることになります。総理はそのことをどのように受け止められますか。

林芳正自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(林芳正君) 影響試算については内閣官房で作っていただきましたが、農業の影響のところは農林水産省で作らせていただきましたので、私の方から答弁させていただきたいと思いますが、今お示しになったのは、これ北海道の、道庁ですか、北海道……(発言する者あり)大学教員の会でございまして、我々が出したものは、都道府県別には出しておりませんが、先ほどちょっと御紹介いただいたような全国で数字が出ると。これはあくまで試算でございまして、即時撤廃、全関税をですね、もう即時ですから、その決まった年からと、こういうことで、実際にはそうならないように先ほどから甘利大臣とやり取りしていただいているように、一生懸命決議を踏まえて交渉しているところでございますので、そもそもそういうふうにならないようにしっかりやっているということがまず一点でございます。  それから、北海道の試算というのは、まあいろんな方がやっておられますので、必ずしも政府の試算とはまた違った数字であるということと、それから、もうやめようかなという方がいろいろ相次いでおられるというのは、このTPPに入りそうだからということももしかしたらあるのかもしれませんけれども、この話、ここ数年、野田政権で参加を検討すると、こういうところからTPPのことが皆さん耳に入るようになったわけですが、その前から実はいろんな構造的な問題がございます。畜産にしても酪農にしても、構造的な問題についていろんな対策を打っていって、もうずうっとそういう状況になっているところを何とかしなければいけないと、これが今回の農政の改革だというふうに御理解をいただければと思います。

徳永エリ民主党・新緑風会

○徳永エリ君 このままでは、総理の目指す農業の企業参入による産業化が進む前に、大きな投資をした大規模経営から立ち行かなくなり、高齢農家や後継者のいない家族農業もどんどん離農し、農村は限界集落化し、消滅してしまうと心配です。  今やるべきことは、企業参入、大規模化よりも、今まで頑張ってきた農家の営農をいかにして継続させるか、多様な農業の共存をさせていくか、それから自給率を上げ食料安全保障を守るか、そして技術のある担い手を育成していくことだと思います。どうぞしっかりと影響調査をなさって、そして産業競争力会議や規制改革会議という人たちだけではなくて、地域代表の農業の本当の専門家の意見もしっかりと聞いていただきながら日本の農業の未来をお考えいただきたいと思います。  今、国会へ提出される平成二十六年度予算に大きく影響する担い手経営安定対策法と多面的機能法は、その日本の農業の今後の在り方を決める大変に重要な法案であります。民主党からも対案を提出させていただいておりますので、農林水産委員会で今後しっかりと議論してまいりたいと思います。  これで質問を終わります。ありがとうございました。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 以上で徳永エリ君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 次に、佐々木さやか君の質疑を行います。佐々木さやか君。

佐々木さやか公明党

○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。よろしくお願いいたします。  まず冒頭、質問に入ります前に、横浜市の二歳の男の子が預けられていたベビーシッターのマンションで遺体で見付かるという大変痛ましい事件がありました。御冥福をお祈りするとともに、厚労省としても、しっかりと速やかな調査をしていただいて再発防止の対策を取っていただくように申し上げて、質問に入らせていただきたいと思います。  総理、テレワークという言葉、よく御存じいただいているかと思います。このテレワークのテレといいますのは、電話ではなくて、離れた場所で働くという意味でございます。パソコンですとかそれからインターネット、こういったICTを活用して、場所や時間にとらわれない、そういう柔軟な働き方、これをテレワークというふうに言います。このテレワークにはいろいろなメリットがあります。是非推進していくべきだというふうに思っております。  私、この前、在宅医療の現場を見させていただきました。実は、ここでもテレワーク、大事な役割を果たしているんです。私が伺ったクリニックでは、お医者さんが車に乗って患者さんのおうちを回ります。ヘルパーさんですとか、それからケアマネジャーさん、こういう方たちと連携をして、患者さんの御自宅での生活を支えています。こうした訪問診療の現場を支えているのが、実は子育てなどでお仕事を辞めている看護師さんのテレワークなんです。  私が回ったクリニック、このお医者さんは、病院で診察をするのと違いまして、患者さんの自宅を訪問しますので移動時間が掛かります。ですから、少しでも多くの患者さんのお話をじっくり聞こうとすれば、時間をやりくりをしなければならないわけですね。このクリニックの院長の先生は、自分の仕事時間のうち何にどれぐらい時間を使っているか、これを書き出してみたんだそうです。そうしますと、患者さんのところから帰ってきて、机に座ってカルテを記入をする時間が多いということに気付きました。ここを節約をしようということで、車で移動している間にその患者さんのカルテに書く内容を音声で録音をして、この口述筆記をするということを始められました。  資料の一枚目を御覧いただければと思いますけれども、(資料提示)診察の後、移動中に録音した内容を、テレワーカーの、子育て中でお仕事を辞めている看護師さんに文字起こしをしていただくわけですね。看護師さんは医療の知識がありますので、正確に文字起こしもしてくれる。それで、その結果、この資料にも書きましたけれども、時間が節約できて訪問診療に充てられる時間が五〇%もアップしたと、こういうことでございました。それだけでなくて、音声で録音しますので、字で書くよりも手間が省けるので、もうあれも録音しておこう、これも録音しておこうということで、より詳しい充実した内容のカルテを作成することができるようになったと、このように伺いました。  ですから、お医者さんもうれしい、子育て中の看護師さんもうれしい、患者さんもじっくりとお医者様に話を聞いていただけますからうれしいと、こういったことでテレワークには大変大きな可能性があると私は思っております。  こうした場所また時間にとらわれない柔軟な働き方であるテレワーク、これが普及をしていけば、会社で働く女性の皆さんは、子育て中は会社ではなくて自宅で働くと、こういったこともできるわけであります。  子育てを理由に仕事やキャリアを諦めなくても済む。会社としては、子育て中もこれまでどおり継続して働いてもらうことができてうれしい。子供たちも自宅でお母さんと一緒に過ごせる時間が増えますからうれしいということで、総理の目指されている女性の活躍ということについて、このテレワークを推進をしていくことは大きな力になるのではないかというふうに思いますけれども、どのように取り組まれるでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、佐々木委員が御指摘になったように、ICTを活用して自宅で仕事をこなしていく、これが今可能になってきているわけでございますし、今、事実、例として挙げられたように、それを見事に活用して効率性を高めておられる方々がたくさんいらっしゃるわけでございます。それによって、育児あるいは介護であったり、場合によっては、これ女性だけに限らずに、様々な障害があることによって通勤が困難な方においても新たな道が開かれていくわけでございます。  まさに、勤労者にとっては育児と仕事との両立支援や時間の有効な活用によってワーク・ライフ・バランスの向上につながるわけでございますし、また企業にとっても多様で優秀な人材の確保、維持を可能にしていくことにつながるわけでございまして、社会全体にとっても雇用の創出につながるなど、様々なメリットがある働き方であろうと、このように思います。  政府としては、これまでも在宅勤務に伴う労務管理に関する相談体制の整備などを行ってきたところでございますが、来年度からは、新たにテレワークを実施する企業に対する導入経費の支援や在宅型テレワークに関する実証事業を通じて中小企業等が取り組みやすいモデルの構築などを行うこととしております。こうした取組を通じて、テレワークを始めとする多様な働き方を広げていきたいと、このように思います。

佐々木さやか公明党

○佐々木さやか君 是非推進をしていっていただきたいと思います。  ところが、こんな課題がございます。  おうちで働けるこのテレワーク、ハローワークで求人検索をしようと思っても探しにくいんです。今の制度では、事業主は求人票に仕事をしてもらう場所、これを三つまで届け出ることができます。三つしか書くことができません。でも、テレワークで働いてくれる人を広く募集しようと思ったら、三つだけでは足りないわけですね。北海道でも沖縄でも東京でも、どこでもいいわけですので。今、全国だったりとか、自宅、就業場所は指定しない、こういう届出はできないことになっています。この事業主が届け出た三つの場所以外に住んでいる方は、自宅で働きたい、就業場所から検索をしようと思ってもうまくいかないわけです。  このテレワークの仕事を検索をしやすいように、ここは改善を是非していただきたいと思うんですけれども、厚労大臣、いかがでしょうか。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) テレワーク、在宅勤務のお話でございました。  確かに、求人票上にいろんな表記があるわけですが、これ統一されていないものでありますから、今委員おっしゃられましたとおり、在宅勤務というふうに検索しても、これはなかなか統一して出てこないと。例えば、在宅であったり、また自宅勤務であったり、自宅での勤務、さらにはテレワークというのもあります。在宅などと打ちますと在宅介護なんていうのが出てくる場合もあるわけでありまして、その点は大変問題があるということでございまして、三月六日に各労働局にこれ統一するようにということで文書を出させていただきました。四月から統一した表記の中においてこの在宅勤務を目指す方々がしっかりと検索できるような、そんな仕組みにしてまいりたいというふうに考えております。

佐々木さやか公明党

○佐々木さやか君 この就業場所の届出、ここの点についてもより改善をこれからもお願いをしたいと思います。  先ほど総理もおっしゃっていただきましたけれども、このテレワークというのは、子育て中の女性だけではなくて、例えば障害をお持ちで会社まで通うのが難しい方であったり、介護と両立をする方であったり、いろいろな方が働く機会を得ることができるという可能性があります。  私、被災地の石巻に住む方からこんなお話を聞きました。石巻では今若い人たちが働く場所が少ないんですと、これから集団移転で新しいお家を建てることもできるんだけれども、このお家のローンというのは親の世代だけではなくて子供たちの世代にも払っていってもらわないといけない、でも、若い人たちが働く場所が少ない、今本当にローンを組んでお家を建てて将来大丈夫なんだろうか、こういう心配のお話でした。  地方に住む若い人たちが、大好きな地元に残りたいんだけれども働く場所がないので仕方がなく県外に出ると、こういう方も少なくありません。  さて、厚労省ではテレワークの導入モデルの実証事業、これを行われるというふうに聞いております。被災地の若い人たちが地元にいながら県外の企業にテレワークで雇用されることができれば被災地の復興にもつながっていくのではないかと思います。是非この実証事業を被災地で行ってはいかがでしょうかと思うんですけれども、それと同時に、その場合に最低賃金基準、これが、働く場所である例えば石巻の基準になるのか、そうではなくて会社がある例えば東京の基準になるのか。もしそうであれば、企業としてはこのテレワーク、なかなか導入しにくいんじゃないかと、こういう声もありますので、是非ここも含めて利用がしやすいように検討をしていただきたいと思うんですけれども、田村大臣、いかがでしょうか。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) テレワークでございますけれども、委員おっしゃられましたとおり、やはり被災地でもこのような働き方というものを広げていく中において、雇用、なかなかミスマッチも生まれておるわけでありますけれども、求める雇用というものをしっかり確保していく、これは大変重要なことであるというふうに考えております。  今般、実証事業をやるわけでありますけれども、これに関しましても被災地念頭に置きながら、しっかりと我々としてもいろんな部分、課題も含めて検討させていただきたいというふうに思っております。今、いわきテレワークセンター、こういうのがありまして、ここでは、在宅コールセンターでございますけれども、こういう事業もやっております。いずれにいたしましても、しっかりと委員の御意見も踏まえながら対応してまいりたいと思います。  それともう一点、最低賃金の問題でありますが、これは事業所のあるところの最低賃金ということでございますので、例えば、今言われたように、東京に事業所があるならば東京の最低賃金というものが適用されるということになってまいります。  この雇用、人事労務管理の問題も含めまして、実証事業、これをやる中においていろんな課題が抽出されようというふうに思います。そういうところも踏まえながらしっかりとこれからも対応してまいりたい、このように考えております。

佐々木さやか公明党

○佐々木さやか君 どうぞよろしくお願いをいたします。  それから、この被災地でのテレワークの推進事業、総務省の方では行っていただくということが決まったというふうに聞きましたけれども、どのような取組なのか、教えていただけますでしょうか。

上川陽子自由民主党総務副大臣

○副大臣(上川陽子君) 総務省におきましては、被災地域における就労機会の提供を図るために、平成二十六年度の被災地域の情報化推進事業の一つとして新たに被災地域テレワーク推進事業を追加することとしております。  本事業は、被災地域を対象といたしまして、ICTを活用して御自宅やまた仮設住宅等で仕事ができるテレワークの仕組みを構築することによりまして被災地域における就労を支援するものでございますが、具体的には、被災自治体等に対しまして、全国の企業等からの業務の受発注、あるいは業務管理を行う就業支援システム、あるいはICTスキルの習得のためのe—ラーニング、こうしたシステムを構築するための費用の補助を行うというものでございます。  事業活用によりまして、生活再建や育児、介護等の理由によりまして御地元や自宅を離れることができない住民の皆様に対しまして就労機会を提供することが可能となるというふうに考えておりますので、こうした取組を通じまして、総務省といたしましても被災地域の雇用拡大に積極的に貢献してまいりたいというふうに考えております。

佐々木さやか公明党

○佐々木さやか君 御説明ありがとうございます。  総理、被災地から是非、新しい働き方でありますテレワーク推進に取り組んでいただきたいと思います。雇用の拡大にも、また被災地の復興にもつながっていくかと思いますけれども、いかがでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 被災地の復興からの加速につきましては、まず住宅の建設、そしてなりわいの再生に力を入れているところでございますが、被災地における雇用の創出は復興のための大変重要な課題であります。  テレワークによって、生活再建や介護のため自宅を離れられない被災者にも就労機会を提供することが可能になり、被災地における雇用拡大等につながると考えています。また、テレワークは、子育て期の女性や育児に参加する男性などの柔軟な働き方を実現するメリットがあり、成長戦略に欠かせない女性の活躍推進にも資するものであります。  政府としては、二十六年度からテレワークの推進に取り組む被災自治体への支援を行うこととしておりますが、被災地を始めとしてテレワークの普及に一層取り組んでいく決意でございます。

佐々木さやか公明党

○佐々木さやか君 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。  次に、平成二十七年の四月から始まる計画になっております子ども・子育て支援新制度、これについて質問をさせていただきます。  この新制度は、地域のことを密着して一番よく分かっている市町村が事業主体となって、その地域の子育て支援のニーズを把握をして、計画を作って実施をしていくという事業であります。  ところが、この新制度、始まるに当たってこんな問題があります。市町村と私立幼稚園との連携の問題です。私立幼稚園は、これまで制度上、都道府県と結び付きが強かったんですね。ところが、この新制度に移行をすると、市町村が実施主体になりますので、私立幼稚園としては市町村と新たに関係をつくっていかなければならない。ここがうまく連携がいきませんと非常に困ったことになります。  例えば預かり保育、これは幼稚園が終わった後の時間もそのまま子供たちを預かって、夕方まで預かるという制度で、多くのお父さん、お母さん、利用をされています。この預かり保育も、これまでは都道府県から運営の費用も受け取っているという私立幼稚園が多いわけです。これが新制度の下で市町村に移行をする、そこでしっかりと連携が取れないと、これまで利用していたお父さん、お母さん、新制度の下に行って、うちの幼稚園では預かり保育ができなくなった、こんなことも起こるおそれがあるわけであります。  この市町村と私立幼稚園の連携の問題、これをうまくクリアをしているのが横浜市でございます。横浜市では市と私立幼稚園の連携がよく取れておりまして、様々私立幼稚園についての施策もこれまでも行っております。  資料の二枚目なんですけれども、この預かり保育についても、新制度に移行した後もこれまでどおり幼稚園が続けることができるようにしっかりと話合いが行われているそうです。また、横浜市では、幼稚園と市との連携だけでなく、保育園と幼稚園、また小学校の連携も深めています。例えば横浜保育室。この横浜保育室はゼロ歳、一歳、二歳を預かるところなんですけれども、そこを出た後に入れるところがないんじゃないか、こういう心配の声を受けて、横浜市では、預かり保育をしている私立幼稚園と連携を取って、日頃から横浜保育室の子供たちが幼稚園に遊びに行ったり、こういう交流を重ねる中で、横浜保育室を出ると希望すればその幼稚園に入ることができる、こういう連携事業も行っています。  また、幼稚園、保育園、小学校との連携も強めている、こういう横浜市でありますけれども、こうした先進的な事例を参考にしながら、子ども・子育て支援新制度が始まるに当たって、全国の市町村でも是非私立幼稚園との協力また連携、この関係をつくっていってもらう必要があると思います。  そして、新制度の下での公立と私立とそれから幼稚園と保育園を通じた幼児教育の推進のための体制強化、これも行っていく必要があります。そのために国としても必要な財政支援、また指導、助言、これを行っていっていただく必要があると思いますけれども、下村文科大臣また新藤総務大臣にお伺いしたいと思います。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 佐々木委員御指摘のとおり、幼児期の教育、保育、地域の子ども・子育て支援を総合的に推進する子ども・子育て支援新制度におきましては、新制度の実施主体である市町村が新制度の趣旨や幼児教育の重要性について理解をし、私立幼稚園と密接な関係を構築した上で適切な財政支援や制度運営を行うことが重要であるというふうに考えます。  パネルで御指摘されたように、この横浜市においては保育所と同様の長時間預かりを実施する私立幼稚園に対する財政支援を行っている。また、就学前の一貫した教育、保育環境の確保を行うため、ゼロ歳から二歳児を対象とした施設と幼稚園との連携の推進を行っている。さらに、公立、私立を通じ、幼稚園、保育所、小学校が連携した研修、交流の実施などを行っているということで、私立幼稚園と市町村との連携強化が図られている、まさに先進的な事例であるというふうに認識をしております。  文科省としては、横浜市のような先進的な事例を参考にしつつ、市町村における新制度の理解と私立幼稚園との連携強化が進むように、説明会を始め各種会議等を通じまして市町村に対して新制度の趣旨について周知徹底を図っているところでございます。  また、財政上の支援については、地方自治体に対し公定価格等の基準を早期に示すとともに、こうした基準に基づき、市町村が私立幼稚園に対し適切な財政支援を行うよう要請してまいりたいと思います。

新藤義孝自由民主党総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)

○国務大臣(新藤義孝君) 今回始まります子ども・子育て支援の新制度、二十七年度から始まるわけですけれども、市町村が地域の幼児教育、保育等に係るニーズを十分に把握をして、そしてこの事業者との連携に努めて適切な給付や事業の実施を行うということ、これが期待されているわけであります。いずれの地域においても、良質な幼児教育、保育を受けることができるように、市町村に対して私どもは適切な財政措置を講じると、このように考えております。  したがって、各市町村が地方財政措置の内容についてよく御理解をいただくことが重要であって、我々はそこをしっかりと説明していきたいと思います。特に、私立幼稚園は今回市町村とのお付き合いが初めてということで不安の声があることも私承知をしておりますから、そうしたことのないように、そして子供の教育の、また保育の後退がないように、これは適切に、またしっかりといろんな対応をしてまいりたいと、このように考えております。

佐々木さやか公明党

○佐々木さやか君 是非よろしくお願いをいたします。  この新制度、子育て家庭への支援を目的としておりますので、例えば保育料の負担軽減、こういった家庭が直接メリットを実感できるような取組こそ進めていくべきだと思います。来月からこの保育料の負担軽減拡充されることもありますけれども、さらに来年四月から予定されているこの新制度の開始に当たって、特に低所得世帯への保育料の負担軽減を進めていくべきではないでしょうか。森少子化担当大臣、よろしくお願いいたします。

森まさこ自由民主党内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全・少子化対策・男女共同参画)

○国務大臣(森まさこ君) お答えします。  全ての就学前の子供に質の確保された教育、保育を受ける機会を保障することは重要であると認識しております。子ども・子育て支援新制度における利用者負担については、保護者の所得に応じた応能負担とすることにより、低所得者世帯に配慮することとしております。その具体的な水準については、現行の負担水準を基本として、現在、子ども・子育て会議において検討を進めているところでございます。  更なる低所得者世帯の保育料の負担軽減の拡充については、その対象者の範囲や内容について、必要な財源の確保を図りつつ、今後検討を進めてまいりたいと思います。

佐々木さやか公明党

○佐々木さやか君 どうぞよろしくお願いをいたします。  総理は、施政方針演説で、幼児教育の無償化、これを段階的に進めますと、このようにおっしゃっております。この低所得世帯の負担軽減を拡充をしていくことは幼児教育の無償化にも資することであると思いますけれども、総理、いかがでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 幼児教育は生涯にわたる人格形成の基礎を培う大変重要なものであります。全ての就学前の子供に質の確保された教育、保育を受ける機会を保障することが必要であります。このため、平成二十六年度予算案では、幼児教育の無償化に向けて幼稚園就園奨励費を拡充いたしまして、保護者負担の軽減を行いました。具体的には、生活保護世帯の保護者負担をゼロにする、そして子供が二人以上の世帯の保護者負担を軽減することなどを行っています。  子ども・子育て支援新制度における利用者負担については、現在、子ども・子育て会議において検討をしておりますが、更なる低所得世帯の負担軽減については、必要な財源の確保を図りつつ検討を進めていく考えであります。

佐々木さやか公明党

○佐々木さやか君 是非よろしくお願いをいたします。  残りの時間で、最後に司法ソーシャルワークというテーマについて質問させていただきます。  これから超高齢化社会を迎えて今大切になっているのが、お年寄りの方々の生活を地域で一体的に支えていくという動きであります。そのためには、医療、介護、福祉、自治体、いろいろな方々が連携を取っていくことが必要になりますけれども、私が取り上げたいのが弁護士や司法書士といった法律家の役割です。  今、日本司法支援センター、法テラスが司法ソーシャルワークの取組、進めております。資料の三枚目にありますけれども、この司法ソーシャルワークといいますのは、お年寄りの方だったり障害をお持ちの方だったりなかなか問題の解決のために自分からその手段にたどり着くことが難しい方のために、アウトリーチの手法で、法律家が、行政担当窓口だったりケアマネジャーさんだったりいろんな方たちと連携を取ってその方を総合的に支えていく、問題を解決をしていくと、こういう取組であります。  御高齢の方々は、消費者被害に遭うという方も多くいらっしゃいます。しかしながら、なかなか御自分では法律的なトラブルに巻き込まれているということ自体に気付けないという場合も多いんです。こうした方々は、しかし大抵何らかの介護サービスだったり福祉サービスだったり受けていらっしゃいますので、そうした介護携わる方々が問題の第一発見者になるということも多いわけですね。  ですから、そうした方々が全体的に連携を取ってお年寄りの方を支えていく、こういう司法ソーシャルワーク、是非推進をしていきたいと思っておりますけれども、今厚労省では地域包括ケアシステム、この取組を進めていらっしゃいます。私は、この地域包括ケアシステム、また司法ソーシャルワーク、これは目指すところは一緒だと思うんですね。みんなで連携をしてお年寄りの生活を支えていこうということなわけですけれども、この資料の最後のページ、厚労省の作られた資料を見ますと、社会全体で認知症の人々を支えるという輪の中に明確には法テラスとか弁護士という文字はないわけですね。是非この中に入れていただいて、しっかりと連携を取っていただきたいと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 今地域包括ケアシステムを、これ医療や介護や、また予防、生活支援、また住まいというような部分を一体的にサービス提供していこうということでございますが、実際、認知症の方々が、今言われたような法的な総合的な支援というものはなかなかないわけでありまして、成年後見人制度がまだ十分に動いていないところもございます。そこで、今言われました司法ソーシャルワーク、法務省、法テラス、こういうところが中心になって今試行的に一部の地域で取組が始まっておるということでございます。  我々といたしましては、地域包括支援センター、こういうものが中心になっていくんであろうと思いますけれども、しっかりと法務省とも連携しながら、やはり法的な意味で高齢者の方々をどのように保護していくか、大変重要な部分だというふうに思いますので、連携をしっかり強化をしてまいりたい、このように考えております。

佐々木さやか公明党

○佐々木さやか君 ありがとうございます。  最後に、総理に是非こういう垣根を越えた専門家のいろんな方々が協力をしていかなければならないということについての御決意を伺おうと思ったんですけれども、時間が参りましたので、是非お願いを申し上げて、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 以上で佐々木さやか君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 次に、石川博崇君の質疑を行います。石川博崇君。

石川博崇公明党

○石川博崇君 公明党の石川博崇でございます。  本日は、日本のこれからの将来を担う若い方々、青年の方々を取り巻く現状を踏まえて、特に非正規雇用労働者への支援策及び若者の使い捨てが疑われるいわゆるブラック企業対策などについて政府の更なる対応を求めたいと思います。  最近の青年層、若者を取り巻く現状、総理、どのように認識されておられますでしょうか。  私も地元などで地域の若い方々とお会いしますと、アベノミクスを大変高く評価する声もある一方で、しかしながら、景気回復の実感はまだまだ感じられないという声も残念ながら伺うところでございます。  グラフの一つ目を御覧をいただきたいというふうに思います。(資料提示)よく言われることでございますが、これは全年齢の失業者の失業率に対しまして年齢別の失業率の傾向を表したものでございますが、全年齢の平均失業率が四%に対しまして、平成二十五年度の時点でですね、十五歳から二十四歳の方々の失業率は六・九%、そして二十五歳から三十四歳の方々の失業率は五・三%と、改善傾向にはあるものの、全年齢の平均値に比べて若年層の失業率が高いことがお分かりいただけるかと思います。  また、次の二枚目のグラフを御覧いただきたいというふうに思います。特に非正規雇用労働者のここ数年の推移について示したものでございます。御覧いただいて分かりますとおり、九〇年代後半以降、非正規雇用労働者の方々の割合というものは年々増えてきている状況にございまして、二〇一三年度時点で三六・七%、全労働者全体の三分の一を超える約一千九百万人の方々が正規社員でない状況にございます。  特に問題は、非正規雇用の方々といってもいろんな方々がいらっしゃいます。高齢者の方々、配偶者、主婦の方々のパート、あるいは学生の方々ももちろんいらっしゃるんですが、特に問題視したいというふうに思いますのは、自らが主たる生計維持者の方々である若年層の方がかなりいらっしゃるということでございます。  非正規の方々というのは、当然ながら雇用が不安定でございます。また、正社員の方々に比べて、年齢が上がったとしても賃金カーブがなかなか上昇しない、あるいは教育訓練を受ける機会が乏しくてキャリアアップができない、雇用保険、社会保険など各種のセーフティーネット制度を十分に受けられないなど課題がございます。  私も地元で若い方々からお声を伺うのは、将来の生活、人生設計が賃金カーブの上昇が見込めないということもあってなかなか立たない、結婚に踏み込めない、あるいは家族の生計を維持できるような余裕もないので子供を増やすことも考えられない、こういったお声も伺うところでございます。  こうした現場の声も踏まえつつ、私ども自公連立政権としては、政府・与党一丸となってこうした非正規若年層の方々の待遇改善に努めるべきだと考えますが、まず厚労省から最近の取組について御説明をお願いしたいと思います。

佐藤茂樹公明党厚生労働副大臣

○副大臣(佐藤茂樹君) 石川委員の御質問にお答えいたします。  委員御指摘のとおり、次世代を担う若者の就職支援を推進していくということは極めて重要であると、そのように認識をしております。  そのため、現在、新卒者等に対しましては、全国の五十七か所の新卒応援ハローワークなどでジョブサポーターによるきめ細かな職業相談、職業紹介を実施しておりますとともに、フリーター等の方々に対しては、わかものハローワーク等において正規雇用に向けた支援を実施しているところでございます。  その上で、来年度ですけれども、一つは、予算上の措置として、若者を含めた非正規雇用対策としてフリーター等を支援するわかものハローワークの拠点の拡充、今は三か所なんですね、東京と愛知と大阪なんですけれども、それを二十六年度には二十八か所に拡充するということを実施したいと思っております。さらに、拡充されたキャリアアップ助成金やトライアル雇用奨励金による支援を考えていきたいと思います。例えば、トライアル雇用奨励金ですと、元々ニートやフリーターという方々を対象にしていたんですけれども、それに加えまして、来年度は学卒未就職者や育児等でキャリアブランクのある方々への、そういう支給対象を拡充するということをやってまいりたいと思っております。  二つ目に、法制度の措置として、一つは雇用保険制度を見直して非正規雇用労働者である若者等の中長期的なキャリア形成を支援していくということ、二つ目にはパートタイム労働法を見直しパートタイム労働者の均等・均衡待遇の確保等を更に充実させると、三つ目には労働者派遣法を見直して派遣労働者のキャリアアップ等を支援していくという、こういう対策をしっかりと推進していくために、今国会にも関連法案を提出をさせていただいているところでございまして、是非御審議をよろしくお願いしたいと思います。

石川博崇公明党

○石川博崇君 ここで田村厚労大臣にお伺いをしたいと思います。  今申しました非正規雇用労働者の方々の中で、いわゆるフリーター、これは総務省の定義では、十五歳から三十四歳の方々で、パート、アルバイト又はその希望者ということになっておりますが、このフリーターの方々の数が昨年も全国で約百八十二万人と大変高い数字がございます。  政府は、二〇二〇年、東京オリンピック・パラリンピックの年ですが、この年までにピーク時からこのフリーターの方々を半減させるという目標を掲げておりまして、百二十四万人まで減らすという目標で、あと六十万人近く六年間で削減していく必要がございます。この目標達成のためにどのように取り組んでいかれるおつもりなのか、田村大臣にお伺いをしたいと思います。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 施策に関しましては、今、佐藤副大臣からいろいろとお話をいただきました。  わかものハローワークというのは全国に二十八、来年度増やしていくんですが、そのほかにも、全国に二百十一でありますけれども、ハローワークの方に、わかもの支援コーナー、また、わかもの支援窓口というものを併設いたしております。そういうところでフリーターの方々に対しての対応等々もさせていただいております。  それから、今話がありました雇用保険法の改正、今般、国会に提出をさせていただいておりますが、これに関しまして、中長期のキャリア形成、これは、若年フリーターといっても実はもう四十五歳ぐらいまで来られておられまして、そういう方々を対象にいろんな資格を取っていただきながら正規の方につなげていくということで、そのようなことも含めまして、しっかりとこのフリーター対策、これからも進めてまいりたいと考えております。

石川博崇公明党

○石川博崇君 これまで御説明あったとおり、政府は様々な個別の取組を進めてきていただいております。しかし、若者の雇用政策に関しまして、中長期的に取り組む例えば全体的な戦略ですとか、あるいは基本方針というものは存在しないのが現状でございます。国や地方自治体がやらなければならない役割というものも明確にはなっておりません。  日本の将来を築くために、若者の方々が未来に夢を持って生き生きと活躍し、そして仕事と家庭又はプライベートとのワーク・ライフ・バランスを保てるような、そのような社会を築いていくことは極めて重要な日本の課題だというふうに思っております。そのためにも、これまでの個別の政策の継ぎはぎではなくて、若者の雇用環境を改善させるための国を挙げての総合的な対策あるいは戦略を打ち出すことを検討していくべきではないかと思いますが、厚労大臣それから総理の御所見をいただきたいと思います。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) また総理の方から全体的なお話あられると思いますけれども、人づくり事業ということでございまして、一千億からの交付金を用意をさせていただいて、地域地域で若者たちが定着できるような、そのようないろんな仕事をつくり出していただく、こういうようなことも今般考えさせていただいておるわけでありますし、あわせて、職業紹介予定派遣、こういうものをしっかり活用しながら若いフリーターの方々を正規雇用へとつなげていく、こんなこともしっかり進めてまいりたいというふうに考えております。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) フリーターにつきましては、最も直近で多かったのは平成十五年の二百十七万人でございまして、ちょうど小泉政権時代だったと思いますが、当時からこのフリーターを減らしていこうということについて様々な政策について検討を始めたところでございますが、安倍政権におきましても、このフリーターを減らしていくために何をすべきがいいか様々な検討を行う中において、職業訓練を中心としたフリーターの方々のキャリアアップへの支援等々をスタートしてきたところでございますが、結果として平成二十年には百七十万人まで参りました。つまり、平成十五年に二百十七万人だったものが、約四十七万人、五年間で減少したわけでございますが、その後、残念ながら、リーマン・ショック等の後またしばらく増えて、現在百八十二万人になっているわけでございますが。  今まで行った政策について、その政策の効果等もしっかりと検証してみる必要もあるんだろうと思うわけでございますが、若い皆さんがしっかりと自分の将来に希望を持てるように、そして安心できるようにしていくためにも、正規への道がしっかりと開かれているということにしていかなければいけないわけでございますから、我々もそのための政策についてしっかりと検討していきたいと思います。

石川博崇公明党

○石川博崇君 是非、今おっしゃられたその個別の政策も重要だと思いますけれども、やはり日本の国として中長期的に戦略をどう組んでいくのか、基本方針をどういうふうに立てていくのか、そういう総合的な対策について併せてもう一度総理から御答弁をいただきたいと思います。  また、それに加えて、年央には新成長戦略取りまとめられる予定ということで様々作業が進められているところでございますが、女性について総理から数多く発信していただいているところでございますけれども、こうした若者対策についてもこの年央の新成長戦略あるいは骨太の方針において主要な政策の柱として掲げていただきたいというふうに思いますけれども、総理の御答弁、よろしくお願いいたします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍内閣としては、働きたいと希望するあらゆる人が社会で活躍し、その可能性を発揮できるチャンスをつくっていくことが少子高齢化社会の下で力強い成長につながっていくというふうに考えております。  特に、若者は我が国の将来を担う貴重な人材であり、政府としては、新卒者等に対する就職支援、そしてフリーター等に対する正規雇用化の支援、非正規から正規へのキャリアアップ支援など、個々の事情に応じたきめ細かな就職支援を進めていくことにしております。  今後とも若者の多様なニーズに対応できる総合的な雇用対策の推進に取り組んでいきたいと、こう思っているわけでございますが、言わばこうした社会を実現をしていくことによって全員参加の社会の構築につながっていくわけでございまして、また現在は、グローバルな経済の中において勝ち抜いていくことのできる若者を人材として育てていくことも求められているわけでございまして、その意味におきましては、具体的には、資格取得等につながる自発的な教育訓練の受講などの若者等の学び直し支援のための取組や、グローバル化やイノベーション人材の育成につながる大学改革の取組などを進めているところでございまして、年央の日本再興戦略の改定や骨太方針の策定に向けて、若者を含む多様な働き手が創造的で生産性の高い働き方ができる、柔軟で多様な働き方ができる社会の実現など更に議論を深めていきたいと思います。

石川博崇公明党

○石川博崇君 総合的な対策につきましては、今後とも我が党としても政府と協議を進めさせていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。  なお、昨今、若者の使い捨てが疑われるいわゆるブラック企業というものの存在が取り沙汰されております。  昨年、私ども公明党といたしまして、若者のワーク・ライフ・バランスに関するアンケート調査を全国で行わせていただき、全国二十八万人以上の青年の方々から御回答いただいて、その結果を踏まえて安倍総理に提言を提出させていただきました。  特に、具体的な取組として、このいわゆるブラック企業対策をお求めしたわけでございますが、その後どのように取組が進められているのか、御説明をお願い申し上げます。

佐藤茂樹公明党厚生労働副大臣

○副大臣(佐藤茂樹君) 石川委員御指摘のように、若者の使い捨てが疑われる企業等は社会的に大変大きな問題だと、そのように考えております。  そのため、今委員が述べられました平成二十五年六月の公明党青年委員会の御提言も踏まえまして、昨年九月に過重労働重点監督月間として五千百十一事業場に対しまして重点的な監督を実施いたしました。その結果、十二月に公表させていただきましたけれども、約八二%に当たる四千百八十九事業場で労働基準関係法令違反が認められたため、是正に向けた指導を行ったところであります。  今後とも、こういう監督月間というような月間は設定しないんですけれども、年間を通じてこうした監督指導はしっかり行ってまいりたいと思いますし、さらに、平成二十六年度予算案において、昼間、労働基準監督署に来られない方々いらっしゃるんですね、やっぱり働いておられるので、そういう方々に対しての労働条件相談ダイヤル(仮称)の設置による夜間や休日における相談体制の強化等をしっかりと図ってまいりたいと思いますし、また、若者がこの企業がいい企業なのかどうなのかということがしっかりと分かるように、職業選択の際にしっかりと分かるように、来年度からハローワークの大卒用求人票に離職率が分かるように、過去三年間の採用者数と離職者数の記入欄をしっかりと設けるように、これも青年委員会の御提言を踏まえてしっかりと実施してまいりたいと考えております。

石川博崇公明党

○石川博崇君 また、若者に対して活躍できる舞台を提供するということも社会の重要な役割だというふうに思います。  前の自公政権のときから総務省で進めております地域おこし協力隊という事業、大変すばらしい事業で、隊員の八割が二十代から三十代、かつ隊員の任期が終わった後もその地に、過疎地等に定着をしているという制度でございますが、対象市町村千三百八十二市町村のうち隊員を受け入れているのが僅か三百十八自治体にすぎないということで、是非広く全国の地方自治体に周知、広報をお願いしたいというように思いますので、これ総務大臣にお願いさせていただきまして、時間が参りましたので、質問を終えさせていただきたいというふうに思います。  どうもありがとうございました。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 以上で石川博崇君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 次に、行田邦子君の質疑を行います。行田邦子君。

行田邦子みんなの党

○行田邦子君 みんなの党、行田邦子です。  経済の好循環ということがこの国会でも度々議論されています。企業の収益やためているお金を賃金に回して、そしてまた消費につなげて更なる投資を生み出していくという好循環を実現するためには、私は、今最も重要な課題の一つが賃金アップというふうに考えています。  その中で明るいニュースがありました。今年の春闘で大企業が次々とベースアップ回答したということです。久々のベースアップということでありますけれども、ただ、こうした大企業のベースアップがそのまま働く人の三人に一人以上と言われている非正規雇用者やまた中小企業の従業員の賃金アップにつながるとは限りません。  そこで、総理に伺いたいと思います。非正規雇用者、そしてまた中小企業の従業員の賃金アップにどうつなげていくお考えでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先週から本格化いたしました春闘の回答の状況を見ますと、今、行田委員が御指摘になったように、例えば十四日にこれは連合が公表した数字でございますが、月例賃金については一人当たり平均賃上げ額が六千四百九十一円でありまして、賃上げ率で二・一六%でありまして、六年ぶりに六千円、二%を超えたわけでございまして、物価安定目標を超えているわけでございます。同時期で比べて過去十年で最高の水準でございます。そして、組合員三百人未満の組合においても、一人当たりの平均賃上げ額が五千五百六十円で、賃上げ率で二・二二%でありまして、これも過去十年で最高の水準であります。こうした賃上げの風が更に中小企業・小規模事業者や非正規雇用労働者にも吹き始めていくことが大切でありますが、だんだん吹き始めているというふうに認識をしております。  そして、この賃上げの風をもっと広く、全国津々浦々で働く方々にお届けをしていかなければなりません。そのため、昨年十二月の政労使の会議におきまして、中小企業・小規模事業者に関する取組、非正規雇用労働者の処遇改善など、幅広いテーマについての共通認識を取りまとめました。大企業だけではなくて、中小企業・小規模事業者で働く方々や、そして非正規雇用労働者の賃上げや処遇改善の実現に向けた確固たる土台を築くことができたと思います。  政府といたしましても、所得拡大促進税制の拡充などの思い切った税制措置を講ずるとともに、中小企業・小規模事業者の賃上げに向けた環境整備の観点から、ものづくり・商業・サービス革新補助金において賃上げを実施をした事業者を優先的に採択することといたしております。あわせまして、非正規雇用労働者に対しキャリアアップ助成金の拡充により正規雇用への転換や処遇改善を促進することとしているところでございまして、現在でも多くの企業で賃金水準についての労使間の交渉が、真摯な議論が行われているというふうに認識をしておりますが、経済の好循環の実現に向けて、中小企業・小規模事業者で働く方々や非正規雇用労働者の皆様にも賃上げ上昇の動きが広がっていくことを強く期待をしたいと思います。

行田邦子みんなの党

○行田邦子君 賃金アップが消費へとつながっていくためには、私は、個人消費に特に影響を与える、賃金の低い、所得の低い方の賃金の底上げが重要だと思っています。  そこで、田村厚生労働大臣に伺いたいと思います。厚生労働省としてこの賃金の底上げについてどのような取組を行っていらっしゃいますか。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 今総理の方からもお話ありましたが、連合が今月十四日発表した春闘第一回の集計結果でありますけれども、これ、非正規雇用労働者に関しましても平均時給が約十二円、月給といたしましては二千九百六十八円引上げというような結果が出てきておりまして、非正規でお働きの方々にもこの賃上げの風というのが吹いてきておるということであります。  政府といたしましては、例えばキャリアアップ助成金、先ほど来話出ておりますけれども、これを三月一日より今までよりもバージョンアップをさせていただくということでございまして、例えば、今まで中小企業、これ大企業もあるんですが、有期から正規に変わる場合、四十万円というものを一人当たり五十万円、さらに、派遣から正規になる場合には更に十万円加算というような、そういうようなものを用意をいたしております。  あわせて、業務改善の助成金ということでございまして、これは、最低賃金等々を引き上げられた企業に関しまして、そのためのいろんな効率化、言うなれば設備機器等々を入れた場合に関しましての助成をしておるわけでありますが、この助成率のアップとともに、対象地域も広げさせていただいておるわけでございまして、予算も二十五年度の補正予算から比べれば二十六年度は倍加させていただいておるということでございまして、そのようなものを使いながらしっかりと賃上げの方につなげていっていただければ有り難い、このように思っております。

行田邦子みんなの党

○行田邦子君 厚生労働省でも賃上げのために様々な工夫をされて、また御苦労もされていると思いますけれども、大変申し訳ないんですけれども、今御説明聞いていて、どうも随分小ぢんまりしているなという印象を受けております。好循環をつくるための賃金アップにもっとインパクトのあるような支援ができないのかなというふうに思うところなんですけれども。  そこで、もしその財源に問題があるということであれば、私は、労働保険特別会計の雇用勘定の積立金、これを使えばいいんではないかというふうに思います。今六兆円たまっています。厳密には、平成二十四年度決算で五兆九千二百五十七億円たまっているわけであります。この額というのは、ここ二十五年で過去最高というほどたまっているわけであります。  私は、これはため込み過ぎだというふうに思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) この雇用保険の積立金というものは、平成七、八年だったと思いますが、やはり四兆円ぐらいあったものが、平成十四年ぐらいには四千億円まで、つまり景気が悪くなると一遍に出ていくものでございますので、そういう意味では、六兆円あるから何かそれを全て使っていいというものではないわけでありますが、いずれにいたしましても、これ、労使共に御納得をいただいて保険料を積み立てておるわけでございますので、労働政策審議会の方で御議論をいただいたという中において、今般、雇用保険法の改正で、例えば中長期にわたるキャリア形成に使ったりでありますとか、それから雇い止めになられた方々に対する特例、これを延長したりでありますとか、いろんなものに使わさせていただいておるわけでありまして、労使共に御議論をいただいた中でこれの使い道というものをお決めをいただいておるということであります。

行田邦子みんなの党

○行田邦子君 積立金の過去の額を見ますと、ここ五年間で五兆円を超えている規模なんです。それまでは、例えば平成元年なんかは二・三兆円でした。だから、この五年ぐらいというのが非常にため込み過ぎだと私は思っているんですけれども。  私は、この六兆円近くまでためているこの積立金の一部を、例えば従業員の処遇改善とか、それから又は労働生産性の向上ということに使うというのは、これは労使共々御理解いただけるんではないかというふうに思っているんですけれども、それがどうしても特別会計の中のお金で労使の理解得られないと大臣がおっしゃるのであれば、総理にここで伺いたいんですけれども、それならば、雇用保険料、これを引き下げたらどうでしょうか。例えば、それを一律にということではなくて、総理に伺いたいと思うんですけれども、例えば賃上げをした企業に対して一時的に雇用保険料を免除するとか、私はこれは賃上げのインセンティブになると思いますけれども、いかがでしょうか。総理にお願いします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに、企業の収益の向上を賃金上昇につなげていくことは重要でありますし、また、企業が賃金を引き上げるインセンティブを与えるということもこれは大変重要な考え方であろうと、こう思います。その意味におきまして、政府は復興特別法人税を一年前倒しをして所得拡大促進税制の拡充も行ったわけでございます。  その中におきまして、今委員の御提案の賃金を引き上げたところは雇用保険の保険料を少し減らしてやるということでございますが、雇用保険料は誰もが直面する可能性のある失業というリスクに対する保険のためでありまして、全ての企業と労働者にひとしく御負担をいただいているものでありまして、賃上げのインセンティブとの御提案でございますが、このような保険制度の趣旨を踏まえれば、特定の企業に限って雇用保険料の料率の引下げを行うということは、これは難しいのではないかというふうに考えます。

行田邦子みんなの党

○行田邦子君 それも難しいということであるならば、私は、この六兆円という過剰に積み立てているものを、これを一部取り崩して、もちろん法改正は必要であると思いますけれども、例えばですけれども、今所得拡大税制というのをつくりました。これの、お金に色はないんですけれども、税収減が見込まれるのであれば、そこを補うような、そのような考え方も私はあるというふうに思っておりますので、是非検討していただきたいと思います。  今政府は、企業に対して、ためているお金を賃金に回してください、投資に回してください、そのために政府も一生懸命いろんなことをやりますよというお願いをしているのであれば、政府自らがため込んでいる積立金の一部を好循環の呼び水にしても、私はそれは構わないというふうに思っておりますので、どうか総理、御検討をお願いいたします。  最低賃金の話もしたかったんですけれども、次のテーマに移りたいと思います。  先日、地元埼玉の司法書士の知人と話をしていてこういうふうに言われました。実は、自分の仕事の中で今一番増えているのが奨学金の問題なんですということです。司法書士の仕事で奨学金って、これはどういうことかなと思って調べてみました。パネルをお願いいたします。(資料提示)  日本の奨学金事業規模は平成二十二年度で一兆一千五百三十五億円になります。そして、そのうち約八八%が独立行政法人日本学生支援機構によるものなんです。今、大学生や短大生の三八%が日本学生支援機構から奨学金を借り入れているということです。全て借入れ、貸与です。  私が驚いたのは、この機構の総貸付金残高なんですけれども、七兆七千六百五十六億円にも上っています。この額というのは、例えば私の地元の埼玉りそな銀行があるんですけれども、ここの貸出金より一兆円以上多いです。そしてまた、平成二十五年の消費者向け無担保個人ローンの上位二十五社の貸付残高を全部足し合わせたもの、これが五兆二千億円程度なんですけれども、これより更に上回っている規模なんですね。これだけの規模拡大を行う中で今奨学金の返済の滞納ということも起きていまして、八年間で一・八倍に増えています。日本学生支援機構としては回収強化に努めているわけでありますけれども、一方、訴訟やまた自己破産の相談といったことも急増しています。  そこで、まず政府参考人に伺いたいと思いますけれども、平成二十四年度末時点の個人信用情報機関への登録件数、ブラックリストですね、いわゆる、それから債務名義取得件数、これは裁判所で債務が確定した件数、それから財産差押えの件数、それぞれを教えていただきたいということ。それから、あわせて、この奨学金の回収業務をどこに委託をしているのか、お聞かせいただけますでしょうか。

吉田大輔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(吉田大輔君) 平成二十四年度末時点の件数及び平成二十二年度からの増加率につきまして御報告申し上げます。  まず、個人信用情報機関への登録件数でございますが、九千八百七十一件でございまして、平成二十二年度と比較しますと二・二倍という数字になっております。債務名義取得につきましては八千九十五件でございまして、これも一・三倍でございます。また、財産差押えについては三百二十六件でございまして、これは三・八倍という形になっております。  債権回収業務に関しましては、企画競争によりその委託先を決定しておりますが、平成二十五年度におきましては、エム・ユー・フロンティア債権回収株式会社及び日立キャピタル債権回収株式会社に業務の委託を行ったところでございます。

行田邦子みんなの党

○行田邦子君 今機構では、回収の強化策として、三か月滞納するとブラックリストに載せる、個人信用情報機関に載せるということ。九か月の返済の滞納をすると督促状を出す、まあ法的措置です。その後、財産差押えということになっています。  回収業務については、今答弁にありましたように、サービサー、回収のプロに委託をしているということで、ここに対して、その回収をできた金額の四%とか数%を報酬として与えるというような契約をしているわけであります。  ここで、ある弁護士が相談を受けたケースを紹介したいと思います。三十代の男性です。大学四年間で約三百万円を借りました。大学卒業後、四年間程度は月一万五千円をきちんと返済できていましたけれども、病気がちになって収入が減り、徐々に支払が遅れるようになったということです。で、日本学生支援機構から督促状が届いたので弁護士に相談をしたところ、自己破産しかないと言われてしまったと。ところが、父が連帯保証人、おばが保証人になっていて迷惑を掛けるわけにもいかず、自己破産をちゅうちょしているというようなケースです。こういった相談というのが弁護士に対しても急増しているということであります。  私は、今、日本学生支援機構が行っているこの奨学金事業というのが、これは巨大な個人ローンビジネスを行政機関の一部である独立行政法人が行っているように思えてならないんです。民間の金融機関の方がまだ借り入れた人のことを考えて、そして返しやすいように融通を利かせているというふうに思います。このような日本学生支援機構のとにかく回収ありきというような姿勢で続けるんであれば、私は、政府保証の教育ローンを民間の金融機関に委託する方が、その方がまだ学生のためにもなるのではないかというふうにも考えていますけれども、下村文科大臣の御所見を伺います。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) おっしゃるとおり、いろんな課題が確かにあるというふうに思います。  この日本学生支援機構の奨学金制度、これは、そもそも貸与した学生からの返還金が次の学生の奨学金の原資というふうになっていることから、返還できる方からはしっかりと返還してもらう一方で、返還困難者に対するきめ細やかな対応をすることも重要であるというふうに思います。そのため、平成二十六年度の予算案において、延滞金の賦課率、現行一〇%でしたが、これを五%に引き下げるということと、それから返還猶予制度の制限年数、これ現行五年でありましたが、これを十年にするということを決めました。  真に困窮している奨学金返還者に対する救済措置の充実を更に検討してまいりたいと思います。

行田邦子みんなの党

○行田邦子君 借りたものは返すのは当たり前であります。そして、返せるのに返せない、こういう人にはしっかりとやはりペナルティーを科すべきだと思います。けれども、一方で返したいけれども返せないという方がいます。こういう方に対しては、その方の経済状況や所得に応じた柔軟な返済プランというのをやはり機構としても用意をすべきだというふうに思っています。今大臣が御答弁されたように、恐らく同じ問題意識を文科省でも共有されていて、来年度の予算からそのような柔軟なプラン、猶予措置というのを検討されているということであるというふうに思います。  ただ、私、そもそも日本の奨学金制度というものを見直すべきではないかというふうに思っています。パネルを御覧いただきたいと思います。各国の平均授業料と奨学金等との関係を表したものです。右上のグループが授業料は高いけれども奨学金が充実しているという国、アメリカやイギリスです。そして、右下のグループは授業料は低いけれどもまた奨学金も充実している、これがノルウェー、デンマークなどの右下のグループです。そして、左下のグループは、授業料は低い、また授業料を払わなくてもいいから奨学金は充実していないというグループで、イタリアやフランスやメキシコというふうになっています。日本はどうかといいますと、左上のグループなんですけれども、授業料は高い、そして奨学金は充実していないというようなグループのところに位置する唯一の国になっています。これはOECDの調査を基に作成したグラフでありますけれども、このような状況になっているわけであります。  そこで、下村文部科学大臣に伺いたいんですけれども、日本の公的奨学金制度というのは今貸与のみです、貸出しのみになっています。それを、給付型というのを検討するおつもりはございませんでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、経済的理由にかかわらず学生たちが進学を断念することがないように、奨学金事業の充実図っていくことは非常に重要な課題であるというふうに思います。  取りあえず、今年から高校生に対する給付型の奨学金はスタートすることになりました。現在、大学生等に対する給付型奨学金については設けてはおりませんが、平成二十六年度の予算案におきまして、まずは無利子奨学金の貸与人員の増員を図り、今有利子と無利子がありますが、有利子からできるだけまず無利子にすると。そして、授業料減免等への支援の拡充を図るということ。それから、先ほど申し上げましたように、延滞金の賦課率の引下げなど、真に困窮している奨学金返還者への救済措置の充実などをいたしまして、安心して奨学金の貸与等を受け、大学等に進学できる環境についてはより整備、まずしてまいりたいと思います。  昨年四月から、学生等への経済的支援の充実を図るため、効果的な支援の在り方について検討を既に行っているところでございます。  今後とも、経済的理由により学生等が進学を断念することがないよう、大学生等の給付型奨学金、これの創設を目指して、大学等奨学金事業の一層の充実に努めてまいりたいと思います。

行田邦子みんなの党

○行田邦子君 給付型の奨学金制度というのも検討をされるということでありますけれども、ただ、給付型、つまり返さなくていい、渡しっ放しということですから、これをもし国がやるとすると、あるいは公的機関がやるとすると、非常にやっぱり財源の問題が出てくると思います、限りある財源の中で充実をさせようということになると。  そこで私が提案したいのは、民間マネーの活用なんです。個人の金融資産が一千五百兆円あると言われています。これを寄附へ回していただく、例えば大学とかそれから民間の奨学金の基金などに寄附をしていただく。また、法人がためている、蓄えているお金を大学に寄附をする、また民間の奨学金基金に寄附をするというようなことを促すために、奨学金の寄附の特別税制というのを私は創設してもよいのではないかなというふうに思っております。  今NPO等に対しての寄附の優遇税制というのはもう既にありますけれども、これの奨学金に限定したバージョンということでこれをやってはいいのではないかなというふうに思っております。そうすれば、大学は理念に沿った人材に対して奨学金を給付をして育てることができる。また、人材を自分たちの給付の奨学金で育てることができる。そして、大学同士が切磋琢磨されて教育の質も向上につながるというふうに思っておりますけれども、総理、いかがでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 委員が持っておられる問題意識であります、経済状況によって進学を断念することがあってはならない、教育の機会均等をしっかりと確保していくために奨学金制度を拡充、充実をしていく必要があると、私もそのとおりだろうと、このように思います。  その中におきまして、民間団体が行う奨学金事業は教育の機会均等を図る上で大変重要な役割を果たしていると思います。約三千二百の団体が年間三十四万人の学生に対して奨学金を支給しており、そのうち、人数で約半数については給付型の奨学金となっております。これら民間団体の行う奨学金事業の財源は、企業や一般の方々の善意に基づく寄附金であります。  政府としても、このような寄附を促進するため、奨学金事業を行う学校法人や公益法人等に対して寄附を行った場合、所得税や法人税を軽減をしているところでございまして、今後とも民間の力を奨学金事業に生かしつつ、意欲と能力のある学生を社会全体で支え、家庭の経済状況によって大学進学が妨げられることのないようにしていきたいと、努めていきたいと思います。

行田邦子みんなの党

○行田邦子君 是非御検討をお願いしたいと思います。  経済状況によって教育を受ける機会を失ってしまうというのは、これは教育の機会均等に反するわけです。それだけではなくて、資源の乏しい国と言われている我が国日本においては、教育というのは人材への投資であり、また未来への投資であります。是非御検討をお願いしたいと思います。  好循環を実現をして、そしてお金を投資へ、また配当金へ、賃金へ回していくだけではなくて、さらに教育へとしっかりと回っていくよう政府のお取組を期待して、私の質問を終わります。  ありがとうございました。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 以上で行田邦子君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 次に、山口和之君の質疑を行います。山口和之君。

山口和之みんなの党

○山口和之君 みんなの党の山口和之でございます。  私、福島県で生活している者ですけれども、通告していなくて大変申し訳ございませんが、総理に一言お伺いしたいことがあって、それは、東日本大震災の追悼式でなんですが、衆議院議長の伊吹先生が原発ゼロへ私たちはかじを切ったという話をされたと。そこで、安倍総理がそこにいらっしゃったという話ですので、その意見をお伺いしたい。  また、フェイスブックの中でも私たちは最終目標として脱原発にかじを切ったという言葉を発せられているんですけれども、そのことに対して御意見をお伺いしたいんですが。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 伊吹議長が脱原発あるいは原発ゼロと言及されているということは私も寡聞にして存じ上げないわけでございまして、何ともお答えのしようがないところでございますが、あの式典に、三・一一の式典における議長の言葉においては、私たちはエネルギーを消費することについての言わば無頓着であったのではないかと、そういう趣旨のお話であったと思います。そうした今までの来し方についてやはり我々は自戒をしながら、しっかりと省エネをしていかなければいけないという趣旨ではなかったかというふうに私は理解をしているところでございます。

山口和之みんなの党

○山口和之君 内容的には、新聞に載っている記事などを見ますと、そちらの方にかじを切ったという話がありましたので。  山口個人としても、昔、原発事故の前、福島県では、自分自身はどう思っていたかというと、原発というのはもう油田と同じだと、これもういっぱい造って、油田と同じようにしっかりとエネルギーが確保できればいいじゃないかなんて思っていたこともあったんですけれども、この事故ではとてもそんな考えは出てこなく、ましてや一〇〇%安全と、これはもう一〇〇%に近づくなんということはまずあり得ない、一〇〇%になるということはあり得ない、ましてや日本の国の構造ではなかなか原発というのは日本に合わないんじゃないかなというふうに思うわけです。是非ともエネルギー計画をゼロに向かうように検討していただければと思います。  それでは、質問に入らせていただきたいと思います。  二〇二五年に向けた地域包括ケアシステムについて質問をしたいと思います。  午前中の高階委員のところでも少し出てきましたけれども、資料一を見ていただきたいと思います。  二〇二五年に向け、なぜ地域包括ケアシステムの構築が必要とされるのか、厚生労働大臣、お願いしたいと思います。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 医療や介護が必要になられても、やはり住み慣れた地域で生活をされたい、そういう思いは非常に強いわけでございます。    〔委員長退席、理事北川イッセイ君着席〕  今、七十五歳以上の方々、一千五百万人ぐらいでありますが、二〇二五年になりますと約二千二百万人。ちょうど団塊世代の方々が全て七十五歳以上になられるわけであります。そういう中において、やはり住み慣れたところで生活していこうとなりますと、まず、そこの地域において、例えば認知症等々に対してもしっかりとそれに対する対応ができる、そういうような状況でなければならぬわけでありますし、そのためには多職種の方々が連携をしていただかなきゃなりません。あわせて、二十四時間型のやはり医療、介護、こういうものも充実をしていかなければならぬわけでございまして、そのような体制をしっかりとつくっていかなければならないということでございまして、それが一つ、地域包括ケアシステム。つまり中学校校区で医療、介護、それから予防、さらには生活支援、住まい、こういうものが一体的にサービスとして提供できる、そういうような地域づくり、これをしっかりしていくことが必要であろうということでございまして、我々はそれを進めておるということでございます。

山口和之みんなの党

○山口和之君 超高齢化社会は、もうこれは世界に類を見ない大変なことなんですけれども、この二〇二五年に目標に向かうとされていますけれども、これからの十年を語るとすれば、今までの十年はどうだったのかということは大事だと思います。  幸いにして、約十年前ぐらい、二〇〇三年ですけれども、戦後ベビーブームの世代が高齢期に達する二〇一五年をターゲットにした高齢者介護の戦略がありました。そこでは、あの堀田力さんが高齢者介護研究会の、二〇一五年の高齢者介護という報告書を出されました。このときは、テレビで相当二〇一五年に向けて大変なことが起きると、しっかりとその体制をつくっていかなければならないという話がたくさんなされたわけですけれども、その二〇一五年に向けて国はいろいろなことを行ってきたわけですけれども、この十年間いろいろなことが進んだと思いますけれども、厚生労働大臣としては、この十年間どういったことが進んで、またどういったことが足りなかったのか、分かる範囲で結構ですのでお答え願います。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 今委員おっしゃられました高齢者介護研究会でありますが、二〇〇〇年に制度ができ上がって、二〇〇三年、ちょうどその頃に担当部局にこの研究会を立ち上げて、将来に向かって介護保険制度の在り方、これも検討していかなきゃなりませんし、併せて高齢者介護自体の課題というものも議論していかなきゃならぬと。この内容が二〇〇五年の介護保険法改正、これに反映されたわけでありまして、地域包括ケアという考え方、それからまた、尊厳を持ったその支え方ですね、介護の仕方といいますか、そういうケアに関してどういう在り方でやるか、こういうことを念頭に、例えば地域包括支援センターでありますとか地域支援事業でありますとか、あと地域密着型サービス、こういうものがその後いろいろと創設をされてきたわけであります。そして、二〇一一年でありますけれども、二十四時間型の定期巡回・随時対応型サービスということで、これは在宅にいて何かあったときも二十四時間体制をということで、まだ十分に広がってはおりませんけれども、これをしっかりとこれから広げていかなければならぬと思っております。  足りないところというわけではありませんが、やはり認知症の問題というのは大変大きな課題でございますので、五か年計画を作りながらこの認知症のいろんなこれからの対策も組んでいかなきゃならないというのが、これが焦眉の急であるというふうに考えております。

山口和之みんなの党

○山口和之君 この高齢者介護研究会の中でうたわれてきたことは、介護予防とそれからリハビリテーションの充実と、いわゆる自立支援をしっかりやっていくべきであろうということが提言されていました。パネルをお願いしたいと思います。(資料提示)  資料二ですが、介護保険法の抜粋です。第二条の二項に、介護給付は、要介護状態の軽減又は悪化の防止に資するように行われるとともにとうたわれて、四項には、要介護状態となった場合においても、可能な限り、居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように配慮と言われています。それから、国民の努力及び義務のところでは、第四条ですけれども、国民は、自ら要介護状態になることを予防するため、加齢に伴って生ずる心身の変化を自覚して常に健康の保持増進に努めるとともに、要介護状態となった場合においても、進んでリハビリテーションその他の適切な保健医療サービス及び福祉サービスを利用することにより、その有する能力の向上に努めるものとするとされております。  なかなかここがうまくいっていなかったのではないかと自分は思っております。このことに全国がしっかりと取り組む、御本人又は現場も、そのサービスを出す専門職も、この分野について、このところについてしっかりとやるべきであったんだろうなと自分は思っています。  さて、地域包括ケアシステムでは、介護予防を新たな展開として、要支援者の介護予防を地域支援事業に移管するとしていますけれども、今まで十年間そんなにできたかなと、予防にしてもそれからコミュニティーづくりに、それにしてもですね。基本的に閉じこもりが原因ですので、本来であれば地域のいろんな形態で閉じこもりを予防していくということができればよかったんですけれども、なかなかその地域の中でそういうコミュニティーづくりというのは難しかったと思います。  そういう意味では、再挑戦するということは非常にすばらしいことではあるかもしれませんけれども、この千七百もある市町村が一斉にここ十年で介護予防の体制を取り組むということはなかなか難しいんじゃないかなと思います。この二〇一五年の高齢者介護がそんなすばらしく進んだとは自分は思いませんけれども、これを市町村事業に移管してしっかりとつくっていくということを考えるとすると非常に難しい。  そこで、もし自治体間に格差が生まれたり機能が不十分な場合、サービスの低下につながらないかと、予防の効果が薄れるんじゃないかなと思いますけれども、そのことについて御意見を伺いたい。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 介護保険制度でありますけれども、今委員がおっしゃられましたとおり、介護が必要になった、そういうような状態であってもやはり尊厳を持って自ら有する能力を、これを、応じた中においてしっかりと自立した生活を営めるような、そんな社会をつくっていかなきゃならぬというわけでありますが、この介護予防という話からいたしますと、それぞれの地域でそれぞれやはり特色を持って必要なニーズというものに対してしっかり対応していただいた、そういうサービスを提供していただく必要があろうと思います。    〔理事北川イッセイ君退席、委員長着席〕  まず、見える化をしていかなきゃならぬわけでありまして、どういう課題がどういう地域にあるか。同じ地域であってもそれぞれの地区によっていろんな課題が違うわけでありまして、そういう見える化というものをしっかりと進めていくこと。その上ででありますけれども、機能回復訓練だけでは、これは必要でありますけれども、これだけではなくて、今委員言われたように、その人その人のやはり出番、居場所、出番づくりというもの、こういうものをつくっていく必要もあろうと。  そこで、運動の例えば集い、こういうものを行う場合に、高齢者の方々が指導者にもなっていただく。ただ、指導者になる場合に、やはりリハビリ専門職のような方々が初めしっかりとそれを教えていかなきゃならぬわけであります。一方で、出れない方々、そういう方々に対してはリハ専門職の方々が今度は個々に対応していただいて、しっかりと予防でありますとか要介護の軽減というものを努めていただかなきゃならぬというわけであります。  それぞれ地域によっていろいろとばらつきが出てくるのではないかというお話がありますが、一つは財源の話であろうと思います。  これ、地域支援事業、確かに地域に任せるわけでありますが、財源は御承知のとおり介護保険の方からしっかりとこれを出すということでありますし、財政上、いろんな所得水準が違う地域もありますが、そこはしっかりと財政調整をさせていただきながら、地域によってばらつきが出ないような、そういうことは検討してまいりたいと思います。  あわせて、生活支援サービス等々の整備のためのコーディネーター、こういう方々がいろんなそのサービス等々に対しての助言もしていただくわけでありますが、この方々に対しての人件費、財政支援でありますとか、それから場合によっては移行期間というものもちゃんとこちらとしても考えなきゃいけないわけであります。  何よりも好事例集をしっかりと我々としては集めて、そして厚生労働省が地域に出張っていってしっかりその点助言をさせていただきたいと思っておりますし、ガイドラインの方もしっかりと作らさせていただく中においてばらつきがなるべくできないような、そんな努力をしてまいりたいと考えております。

山口和之みんなの党

○山口和之君 二〇一五年のときもそのような話で広げていくということになったんですけれども、なかなか難しかったということをやはり踏まえなきゃいけないと思いますし、その当時よりも地縁、血縁は非常になくなってきているわけで、これを市町村事業の中でやっていこうとすると非常に大変な状況だと思います。  そこで、先ほど、この中で専門職が関わりが少なくなるんじゃないかなというふうに思われるところもありますので、少し資料三を見ていただくと、これは特別養護老人ホームの理想的なというか徹底的に質を高めている特養の資料です。  特養は四十二万人待ちと言われておりますけれども、ここは在宅・入所相互利用というのを使って特養待ちの方々が何か月ごとに一つのベッドをシェアして在宅で生活を長く送りましょうということを支援しています。また、自立支援介護、リハビリテーションと介護を連携をしっかりと取った介護を提供しています。また、地域の介護予防と認知症ケアをしっかりと行っているところでありますけれども、昨年の四月に開設して、現在、二十六年の一月で、上の方のスライドの下の方を見ていただくと、三・六から三・一九に改善しています。要介護度認定の再更新のときに、四段階改善が二名、三段階が三名、二段階改善が三名、一段階改善が十二名と、実に改善率は七〇%を超えています。まだ更新されていない方がいらっしゃいますけれども、また更新したらばまたこれが改善している方も増えていくことかと思います。  また、下に、おむつゼロということですけれども、日中はトイレで必ず排せつ、夜もできる限りトイレで排せつするといったケアがなされています。  こういった特養が全国に広まることは期待できますけれども、専門職の支援というのがやはりかなり大切なところでありますので、地域支援事業においてなくなることがないように是非お願いしたいなと思います。  さて、最後に、被災地での地域包括ケアの取組についてお伺いいたします。  資料四を見ていただくと、復興の基本方針、地域における暮らしの再生、地域支え合いということで、少子化のモデルとして、地域支え合いを基盤として復興の中で行っていくということですが、これを見ると、場合によっては新しい町を建物から新しくつくっていくようなイメージがあります。ところが、現場は、仮設住宅であったり、またばらばらな地域であったり、遠く離れたところに住んでいたり、そう簡単にコミュニティーができない状況にあります。  被災三県で要介護者二万人増と。中でも福島県の増加ぶりは目立ちますね。それで、福島では関連死は津波、地震による死者を超えています。そう考えていくと、被災地は既に二〇二五年を迎えてこの待ったなしの状況から、被災地から未来型の地域包括ケアシステムを構築していくことが極めて重要だと思います。日本の先端モデルとしてもっと国が積極的に関与してほしいと思いますが、根本復興大臣にお伺いしたいと思います。

根本匠自由民主党復興大臣

○国務大臣(根本匠君) 復興庁では、復旧復興に当たって単に従前の状態に復旧するのではなくて、復興を契機として、人口減少やあるいは高齢化、この問題を解決して、我が国が世界のモデルとなる新しい東北を創造すべく先進的な取組を推進しています。具体的には、子供の成長、活力ある高齢社会などの五本柱に沿って先導モデル事業などを実施して、被災地の先進的な取組を支援をしております。  ただいまのテーマですけど、被災地は、勤労者の転出などによって高齢化の加速化という課題、これが特に顕著に現れておりますので、高齢者が安心して暮らすことができるようにするためには次世代型の地域包括ケアシステム、これが重要だと私も思います。  具体的には、地域包括ケアシステムの構築に向けて医療関係者や自治体、NPOなどが協働し、多職種連携システムを構築する取組、これは今、石巻で先導モデル事業でやっています。そして、住民主体の共生型支え合い拠点の立ち上げを促進する取組、こういうものを新しい東北先導モデル事業によって支援をしております。  このような先進的な事例について、被災地はもちろんのこと、全国の地域に展開することができるようにしっかりと取り組んでいきたいと思います。

山口和之みんなの党

○山口和之君 是非とも被災地をモデルにしていただきたいなと思います。(発言する者あり)はい、分かりました。総理にお聞きする予定でしたが、ちょっと時間がなくて、申し訳ございません。  どうもありがとうございました。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 以上で山口和之君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 次に、紙智子君の質疑を行います。紙智子君。

紙智子日本共産党

○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  TPP問題と安倍政権の農政改革について質問いたします。  TPPについては、依然として国民の間に大きな不安があります。交渉参加国の間の矛盾も大きく、大筋合意にも至らなかったのに、安倍総理は相変わらず秘密交渉を盾に情報を隠したまま交渉を行っています。二月に行われましたシンガポールのTPP閣僚会議の結果について、甘利大臣は、決裂も漂流もせず、次に向けての確かな一歩になったと答弁をされておりますけれども、米国を始め、日本に対してあくまで関税撤廃求められているんじゃないでしょうか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) まず、我が国はTPPに参加するに当たって、総理が訪米をして日米会談をして前提条件の確認をいたしました。つまり、最初から全てを聖域としないで関税撤廃を前提とするか否かということでありました。その点につきましては、日米間で確認できたことは、両国ともそれぞれセンシティビティーというのを持っている、最初から全てを聖域とせずに交渉に臨むということではないけれども、しかし、そのセンシティビティーというのは交渉の結果として出てくるものであるということでありました。  でありますから、我が方としては、党の公約、そして衆参農水委員会での決議を踏まえて、その決議と整合性を取れるようにすべく、我が国のセンシティビティーを最終的交渉結果として勝ち取れるように、今厳しい交渉をしているというところでございます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 ですから、今の答弁というのは、結局、いろいろ確認があったと言うけれども、それ自体がもうそうじゃなくなってきているということなわけですよ。  先日、ワシントンで日米の実務者協議が開かれましたけれども、進展もなく、大江首席交渉官代理は頂上が見えないくらい遠いと表現していますし、アメリカの通商代表部も、進展は限定的と、大きな隔たりが残されたと言っていますし、引き続きそういう中で日本に関税の完全撤廃を迫っているわけです。米国の五つの農業団体も十三日には、日本に改めて農産物の関税撤廃を求めたと伝えられているわけですね。  そもそも、TPPの原則というのは、四か国、スタートしたときの四か国、ブルネイ、シンガポール、チリ、ニュージーランド、このP4協定が出発点なわけです。全ての関税が撤廃だと、例外なき関税撤廃が原則だったわけですよ。それを基にして始まっているから、だから我々は始めからこれは参加すべきでないということを繰り返し主張してきたわけです。  ところが、あなた方は、昨年総理は、二月にオバマ大統領と共同声明を発表して、聖域なき関税撤廃が前提でないことを確認したと、確認したと言ったわけです。我が党は交渉力を持っているんだと、いかようにでもなるんだよというようなことを豪語して交渉に入ったと。しかし、その結果どうなっているか。今の状況は、アメリカは聖域どころか今また関税撤廃を求めてきているわけですよ。ですから、国益を守るどころか、これは日本の経済と国民生活に取り返しの付かない重大な打撃を与えかねない危険な状況に立ち入らせているわけです。  総理、あなたの責任、この重大さを認識するのであれば、国会決議にあるとおりに、守れないならば脱退を辞さずということが書いてあるわけですけれども、これを今こそ判断すべきときではないですか。いかがですか、総理、次は総理です。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) このTPP交渉は、関税だけではなくてルールについての交渉も行っているわけでございます。知財の問題あるいは電子商取引もございますし、国有化企業等々の問題もあるわけでございます。同時にまた、関税におきましても各国それぞれが様々な事情を抱えているのは事実でございまして、その中におきまして、各国は自国の国益を守るための交渉を続けている。当然、日本も日本の守るべき国益、それをしっかりと守るために交渉をしているところでございます。  その中におきまして、今の段階で撤退するしないということを私から申し上げるのは控えさせていただいた方がいいと、こう考えているところでございまして、実り多きものにしていきたいと、このように考えております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 もちろん関税だけじゃないということは百も承知ですよ。知的所有権の問題や環境問題や、いろいろありますよ、労働問題もありますよ。  重大なのは、総理が、日本の農業を守り、食を守ることを約束する、国民との約束をたがえてはならないと、こういうふうに繰り返し言いながら、農産物の関税をめぐる協議では、米国などの出方によっては重要五品目についても譲歩する考えを示唆していると、このことです。甘利大臣は、一つ残らず微動だにしないというのでは交渉にならないという答弁をしたんですね。私はもうびっくりしましたよ。これは国会決議に明らかに反することです。  国会決議では、先ほども議論がありましたけれども、米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物などの農林水産物の重要品目について、引き続き再生産可能となるように除外又は再協議の対象とすること、十年を超える期間を掛けた段階的な関税撤廃も含め認めないこと、残留農薬や食品添加物の基準、遺伝子組換えの食品の表示義務、遺伝子組換え種子の規制や原産地表示など、まあそのほかにもありますけれども、こういう守るべきものを列挙して、それが守れないときは脱退も辞さないと。ところが、政府は、妥結を優先する余り、なし崩しにする答弁をこの間やっているわけです。私、絶対許せないですよ、これは。  最近の答弁でいえば、決議は衆参の議会の意思だから政府としては答える立場にないなんていうことを平気でおっしゃる。関税撤廃の原則に反するこの例外措置の具体的な扱いや定義は個々の交渉の中で決められるというふうな答弁をしているわけですけど、今まで何て言ったかというと、国会決議は守りますですよ。守ります守りますと言って、それが今になって、その国会決議については我々は何も言えないんだと、議会で決めたことだと。こんな理屈が通るんだったら、国会決議を守る公約なんていうのは意味がなくなってしまうじゃないですか。本当にひどいと思いませんか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) そんなにひどいことを言っているつもりはないんですけれども。  国会決議は、私からも、そして総理からも、しっかり受け止めますという答弁は何度もさせていただいています。だから苦労しているんでありまして、最初から国会決議守らない、守るつもりがないんだったら交渉なんというのはもっと、特に日米交渉なんてもっと簡単に済んでいるわけでありまして、いろんな国から農産品五品目について要求が来ます、それについて厳しい交渉をしているからこれまで長引いているわけであります。  それから、国会の決議の中身について、その解釈については、それは国会で決議されたわけでありますから、政府の側が勝手にこれはこうですよというような都合のいい解釈はしていないわけでありまして、その解釈は決議をされた国会に委ねるということは、これはかなり誠実な答弁だというふうに思っております。  五品目について、微動だにしないことでは云々という発言を確かに私はいたしましたけれども、それについて、我が党の幹事長も、貿易実績が全くないということまで云々ということを言っているわけではないという表現もありましたように、決議の中でも、我々は、ここまでの協議であるならばその結果は国会決議と抵触しないで整合性を取るんではないかということを探しながら協議をしているわけであります。  もちろん、最終的に政府が合意した中身について判断されるのは国会であります。ここら辺まで頑張ったんだったらそれは評価しようという評価が下るのか、あるいはこれでは我々は納得できないとされるのか、それは最終的に議会で評価をいただくと。その評価に堪え得るように今タフな交渉を続けているというところであります。

紙智子日本共産党

○紙智子君 全然誠実な答弁なんかじゃないですよ。国民との公約はどうだったんですか。選挙のときにそのことを言ってきたわけですよ。公約を守りますと。努力すれば済むんですか、崩れてしまっても。それは無責任というものですよ。  五百八十六品目の話も今ちらっとされましたけど、それで、結局、国会決議との整合性なんという話が今出てきているわけですよ。最初の頃、そんな話全然してなかったですよ。実績がないものについては譲っても構わないんじゃないかなんという話、一切なかったですから。まあ西川さんが言われたんだけど。  とにかく、いずれにしても、どんどんと言いぶりが変わってきているわけですね。そうやって整合性なんという話になってきているということ自体、そんないいかげんな理屈が通るわけがない。国民は絶対納得できないですよ。  米国は、米国の企業利益にとって邪魔なものは命や健康を守る仕組みでも一切許さないという立場です。TPPの本質はそういうところに現れているというふうに思うんですね。もうけのためにはもうどんなことだってやると。だから、マレーシアやオーストラリアを始めとして各国の根強い反発があるというのは当然だと思います。  ですから、重ねて、直ちにこれは撤退をすることを強く求めておきたいと思います。  次に、安倍政権の農政改革についてお聞きします。  政府の農林水産業・地域活力創造プランというのがありますけれども、ここには、農林水産業、農山漁村の現場を取り巻く状況は厳しさを増していると書いています。基幹的農業従事者の平均年齢が現在六十六歳、耕作放棄地は二十年で二倍に増えて、過疎化の進展で農業、農村の再生は待ったなしと指摘されています。確かに、販売農家は百七十四万人だったんだけれども、うち七十歳以上は八十一万人と高齢化が進んでいます。  なぜこのような厳しい状況になったのか、その原因について、安倍総理はどのように認識をされているでしょうか。

林芳正自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(林芳正君) 農業従事者の減少、高齢化、今委員から御指摘があったようにこれは進展をしておりまして、我が国の農業所得はこの二十年間で三・二兆円、これは平成二十二年度の数字でございますが、三・二兆円に半減するということで、深刻な状況……(発言する者あり)この原因でございますが、これは先ほど徳永先生のときにもちょっとお話ししたように、国民の食生活が大きく変化をする一方で、例えば米のように、経営感覚を持って農業者が自ら作物を選択する環境の整備が遅れまして、需要の高い作物への生産転換、これが円滑に進められなかったこと……(発言する者あり)いやいや、深刻な、原因ということで申し上げておりますが、担い手への農地集積が遅れた、それから、安価な輸入農産物との価格競争で農産物の価格が低迷する中で、消費者の視点を踏まえた農作物の高付加価値化が実現できなかったことと、そしてもう一つ、農村においては、就業機会の減少等に伴って都市部へ人口流出が進んでいると、こういう事情があったというふうに認識しております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 要するに、厳しい状況になっていて改革しなきゃいけないという話になっているんだけれども、なぜそうなったのかということの原因を聞いたわけですよね。  それで、私は、原因ははっきりしていると思うんです。それは、自民党農政によって輸入自由化路線が取り入れられて、市場任せにして、米価などの農産物価格を引き下げて農家の所得を減らしてきたからだと思います。もうからない農業、生活できるだけの収益が見込めない農業では、これは子供に後は継がせられないと、現役の農家の皆さんが自分の世代でもう農家は終わりだというふうに考えてきた。そういう状況をつくってきたのは、一時政権交代はありつつも、基本的には自民党政権の下での農政によってつくられてきたんじゃないかと思うんです。  そこで、ちょっとパネルを見ていただきたいんですけれども、(資料提示)日本の農業所得は、アメリカそしてEU諸国などと比べても下降の一途をたどってきたというのは明白です。これは、一九九〇年を一〇〇として二〇一〇年の農業所得の総額の伸びをグラフにしたものです。アメリカは一〇九と増えているわけですね、少し。EUは九九・五で横ばい。日本は五八・九へと減少の一途をたどっていると。この二十年間、日本では半減近く減っているわけです。  これで農業者が営農意欲を持てると思いますか。

林芳正自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(林芳正君) まさに半減したということは先ほど申し上げたとおりでございまして、その要因も述べたとおりでありますが、一方、アメリカ、EUのこの図を示していただいておりますが、まず、これ、EUは九〇年、これは脚注に小さく書かれておられますが、十一か国だったんですね。十一か国の一〇〇に対して二〇一〇年はEUは二十七か国になっております。二十七か国で九九・五と、こういうことが客観的な事実としてあるということを申し上げておきたいと思います。  それから、アメリカの場合でございますが、世界の穀物需要が増加して小麦を中心にした穀物の価格が上昇傾向ということで、アメリカの場合の上昇は多くはこういう要因ではないかと、こういうふうに思っております。  また、これ、円で作られておられると思いますが、この間に為替が大分変動しておるという要素も加味していかなければならないということを申し上げておきたいと思います。

紙智子日本共産党

○紙智子君 今いろいろとお述べになったんですけれども、もう一つ、ちょっとパネルを見てください。  諸外国の例はこうだこうだという話もあったんですけれども、問題は日本の農政がどうだったのかと。自民党の農政がやっぱり原因であるということは、私は一目瞭然だと思うんですね。  このパネル見ますと、一般歳出総額に占める農林水産関係予算の比率の推移ということなんですけれども、一九八〇年、このときは占める割合は一一・七%、農林水産予算ですね、それがどんどんどんどん減り続けていって、二〇一四年四・一%に、半分以下になっているわけです。  つまり、農業に掛ける予算を縮小させてきた中で、農家の所得を確保する必要な予算も確保できずに農政の貧困を生んだということ、輸入自由化路線で価格下げ競争の中にさらしてきたということの責任が大きい。そう思われませんか。

林芳正自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(林芳正君) 予算委員会でこの予算額を取り上げていただくということは、激励をいただいているのかなと思いながらも聞かせていただきましたが、昭和五十七年度に三兆七千十億円でピークでございましたが、増減を繰り返しながら減少傾向であるということはおっしゃるとおりでございます。  大きなフレームで見ていただきますと、少子高齢化が進む中でやはり社会保障費というのがかなり増大をしてきておりまして、農林水産予算にとどまらず、社会保障費以外の財源、これが大変抑制されてきたということで、例えば公共事業費についても財政再建の観点からずっと抑制をされてきたところでございます。  こういう厳しい情勢の中で、担い手の育成確保、それから担い手への農地集積、農地の大区画化、経営所得安定対策等の直接支払等々、その時々の課題に応じて対応してきたところでございます。  私は、就任以来、二十五年度予算については、攻めの農政をやっていくという観点で十三年ぶりにこの減少傾向に歯止めを掛けまして、対前年度比で増額を確保をいたしました。二十六年度予算案、今まさに御審議をいただいておるわけですが、これも昨年十二月に決めました活力創造プラン、これを実行するための施策を盛り込んで、二年連続で増額を確保させていただきました。今後も予算の確保には努力をしてまいりたいと、こういうふうに思っております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 そういうふうに言われても、現場では疑心暗鬼というのがあるんですね。安倍政権がやろうとしている農政改革は五つばかり、四つか五つか分かりませんけど、あるわけです。それで、全部は紹介しませんけれども、一つ言うと、米の直接支払交付金を半減をして、二〇一七年に打切りにすると。それから、生産調整を廃止する。減反廃止という話ですね。それから、飼料用米を水田フル活用の中心にして交付金を出す。そのほかにもありますけど、などあるわけですね。  それで、農業者の皆さんと懇談をしますと、まず最初に出てくるのが米の直接支払の半減についてなんですよ。富山県でシンポジウムがありまして行きましたら、米の交付金、十アール当たり今まで一万五千円だったのが七千五百円に半減されたら大幅な減収になってしまう、経営が続かないと、こういう声が出されます。それで、大規模な営農組合の方が交付金半減されたらどうなるかと計算したら、五百七十五万円減収になるという話が紹介されました。それに米の価格が下がっていて、例えば今度六十キロ一万円になったとすると、もう六百九十万円の減収になるんだと。そこに今度三%の消費税ということになったら、もう本当に来年の決算が恐ろしいという声が出ていました。  皆さんが、担い手だと思っている人たち自身がそういう声を上げているわけなんですよ。どうですか、その辺は。

林芳正自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(林芳正君) まさに先ほど、この農業全体の額が半分になったという原因の一つに、例えば米のように、経営感覚を持って農業者が自ら作物を選択する環境の整備が遅れ、需要の高い作物への生産転換が円滑に進められなかったと。こういう反省を申し上げたところでございまして、まさに今回の改革は、こういう反省に立って四つの改革を同時に進めていこうということで、米の直接支払交付金についても、今までは小規模な農業者も含めて一律に支給をしてきたと。こういう構造政策と矛盾する面ありましたので、これを減額する一方で、飼料用米等々の戦略作物の助成の充実、それから地域別に使っていただく産地交付金の拡充、これらを同時にやっていこうということ。そして、さらに加えて、日本型直接支払制度ということで、食用の米にとどまらず、農地を維持していただく方、これは畑地であっても草地であってもやっていただく方にはきちっとお支払いすると。こういうものをセットで大きく変えていこうということをさせていただいているところでございます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 いろいろとこういうことをやっているという話はあるんですけれども、しかし、実際に行ってみると、どこでも不安が出ているということは認識すべきだと思うんです。  二番目に出てくる話としては、やっぱり生産調整、減反の見直しと。これらは、これからは減反をやめて自由に米を作れるかのように言うけれども、実際は主食用米から飼料米に作れというふうな押し付けがあるということも出されました。全く自由なんかじゃないよと、飼料米を押し付けしないというふうに言えるのかというような声も出ているわけですね。  また、こういう声もあります。農業者は、やっぱり今までブランド米、質の良い、おいしい主食用米を生産するということに意欲を持って取り組んできたと。ところが、正直言うと、飼料米を作れと言われても、ちょっとモチベーションが下がると。餌米なわけですからね。今までおいしい、質のいいと思っていたやつがそうじゃないものにと言われると、ちょっと下がるという、正直言ってという話もありました。  所得倍増計画と言うけれども、実際にはこれ所得激減政策じゃないのか、農業潰しじゃないのかと、そして亡国の政治じゃないのかと、こういう声が出されているんですけれども、これに対して何かありますか。

林芳正自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(林芳正君) 何かあるというよりもたくさんあるんでございますが。  米の改革ですね、徳永委員とも先ほどやらせていただきましたけれども、まず一つ、この餌米を強制するというのは、我々もう少しちゃんと説明をこれからもしていこうと思っておりますが、せっかく今日はテレビが入っておりますので、これはそういうことはないということを申し上げておきたいと思います。  これはあくまで選択制でございまして、この餌米を作っていただくと八万円プラスマイナス二・五万円の単価の数量払いにしたものが支払われるようになると。しかし、それは麦であれ大豆であれ主食用の米であれ、それぞれの単価が決まっておりますので、その中で、集落営農であれ、個別であれ集落であれ、水田フル活用ビジョンというのをつくっていただいて、大事な生産装置である水田をなるべくフル活用して、そしてフル活用する中でアウトプット、トータルの売上げを最大限にしていただくということをそれぞれ考えていただこうと、こういうことにしたわけでございます。  まさにこの餌米、なかなかプライドがというのはよく分かるんです。しかし一方で、主食用の米、これ先ほど申し上げましたように、残念ながら毎年八万トンずつ需要が減っていると。これは厳然たる事実でありますので、このことに対応してきちっと需要のある作物を水田をフル活用して作ってもらえると、このことに全力を挙げて取り組んでまいりたいと、こういうふうに思っております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 我々も飼料米については別に否定していないわけですけれども、ただ、今、一遍に作れと言われても、実際にはその需要がないというか、受入先がないと。  富山なんかの例でいっても、若い人はもう既に、鶏のために米を食べさせてやるということを既に手掛けていて、だから、これ以上増やせと言われても、もういっぱいいっぱいだと。あとは作ってもはけていかないんじゃないかと、心配だと、そういう声もあって、そのことが一つと。  それから、飼料米を作ると十アール当たり十万五千円という数字があるんだけど、独り歩きしているんですけれども、これは実際には精いっぱい取れてその額なので、実際にはもっと低くなるということで、現状よりも下がる可能性があるということも現場では問題になっていました。そういう形で、今実際に政府が打ち出しているけれども、現場では非常にいろんな疑問や不安があるということです。  それで、現場でどういう声が出ているかというと、今回の農政改革について、農業を見て農民と地域を見ない政策だというふうに言われているんですよ。なぜこんな農政になるのか。それは安倍総理の発言にも表れているというふうに私は思います。  安倍総理は、一月二十二日のスイスのダボスで開かれた世界経済フォーラムの会議で、四十年以上続いてきた米の減反を廃止します、民間企業が障壁なく農業に参入し、作りたい作物を需要の人為的コントロール抜きに作れる時代がやってきますと演説をされた。企業の要求を優先して、抵抗する者は岩盤として破壊しようとする。改革どころか、そこに住んで地域を支えてきた農業者と地域を潰すことになるんじゃありませんか、安倍総理。これは安倍総理の発言なので。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) むしろ、農業に取り組んでいる皆さんが自らの経営判断を生かしながら更に収入を増やしていくことが可能な、そういう仕組みに変えていきたいというのが私たちのこの改革でございまして、お米の生産調整の見直しにおきましては、これまで行政が配分する米の生産数量目標に従って農業者が作物を作っていたものを、農業者がマーケットを見ながら自らの経営判断で作物を作れるようにするわけでございまして、また、需要のある麦や大豆、飼料用米等の生産振興を図ることによって、言わば農地のフル活用を図り、食料自給力の維持向上を図っていくことにしているわけでございます。  まさに、このような目標に進んでいくことによって、さらに六次産業化等々も図りながら、農業、農村全体の所得を増やしていきたいと、このように考えております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 やっぱり顔が見えないわけですよ。安倍総理の演説には地域を支える家族経営を守るという発想がないんじゃないかと。このところ、何かというと、小規模農業で競争力がない、非効率だと、企業が参入して大規模化すれば競争力が付いて進むかのような強調がされるんですけれども、しかし世界の大勢は家族経営が圧倒的なんですね。  今ちょっとパネルを示しておりますので見ていただきたいんですけれども、世界の圧倒的多数の国は、これ家族経営を中心にして経営が成り立ってきたということです。全農家に占める家族経営の割合ですけれども、そこにちょっと小さく書いてありますけれども、上の方ですね、家族経営というのは家族労働を基本とする農業経営、企業経営というのは雇用労働を基本とする農業経営ということで、グリーンとグレーで分けてあります。日本は九八・二%が家族経営、アメリカでさえも八六・五%、イギリスで九二・六%、ドイツは九三・四%と。だから、圧倒的に家族経営で支えられてきたわけです。  農業は、食料生産だけでなくて、多面的機能として国土保全や景観の維持、雇用創出、文化伝承等の機能があると。そして、こういう農業の担い手として家族経営は重要な役割を担ってきたわけですよね。これを安倍総理はどのように御覧になっていますか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに家族経営が地域においては地域の文化や伝統も継承してきた、これはまさに共産党の主張というよりも自民党の主張ではないかというふうに思うわけでございまして、この家族経営は私たちもしっかりと支援をしていきたいと、こう思っている次第でございます。  しかし同時に、私の地元もそうなんですが、家族といっても、残念ながらもうおじいちゃん、おばあちゃんだけで、息子さんたちはなかなか、他の仕事を持っていて地元にいないという状況が生まれているわけでございまして、近い将来、そこは既にもう状況としては耕作がなされない状況になっていくという可能性のある中において、それをまた、もちろん家族等でそれを引き受けようという方がおられれば新たな担い手としてやっていただきたいわけでありますが、経営体において、例えば企業という経営体において土地を集約した形で高い生産性を持って取り組むという人たちがいれば、それはそれで私は活用していきたいと、こう考えている次第でございまして、私たちの政策が家族経営をこれは否定しているということでは当然ないということは申し上げておきたいと思います。

紙智子日本共産党

○紙智子君 それであったら、家族経営を支援する政策はあるんでしょうか。現場を歩きますと、やっぱり今度の農業改革の中では家族経営がどうなるかということが心配だという声があるんですよ。  今年は国連が定めた国際家族農業年です。これについて、どういう政府として意義や位置付けがあるのか、政府としてどう取り組もうとしているのかということを御紹介ください。

林芳正自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(林芳正君) 国際連合において二〇一一年の総会で、家族農業が持続可能な食料生産に果たす重要な役割を周知するため、二〇一四年を国際家族農業年、インターナショナル・イヤー・オブ・ファミリー・ファーミングということに決定をしたところであります。  我が国の食料・農業・農村基本法においても、農業経営の法人化とともに、家族農業経営の活性化を図るということが明記をされております。  一月十八日でございますが、ベルリン農業大臣サミットに出席をいたしまして、その際の閣僚コミュニケ、それからEUのチオロシュ農業・農村開発担当委員、これ閣僚に当たる方ですが、その方との会談において、家族農業の重要性に対する認識を共有させていただいたところであります。  この国際家族農業年は、FAO、国連食糧農業機関が中心となって、家族農業をテーマとした式典それから国際会議、そういうところで認識を深めていこうと、こういうことになっておりますので、我が国としても、こうした国際的な取組、積極的に参画してまいりたいと、こういうふうに思っております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 今御紹介いただいたんですけれども、国際家族農業年は、二〇〇八年の食料危機以来、市場競争によって非効率な経営、つまり小規模とか家族経営が淘汰されて、効率的と言われるような経営がもてはやされてきたんだけれども、しかし、市場原理のモデルでは世界的な食料危機に対処できないということが明らかとなって、同時に、この家族農業の有する自然的、文化的、社会的な様々な価値への再評価がされたと、国際家族農業年を設定することになったということですよね。  我が国こそ、やっぱり家族農業年にふさわしい位置付けと取組が求められているというふうに思うんです。ところが、政府はこの家族農業年の予算も付けていないんじゃないかと思うんですけれども、そんなことでいいんでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国際連合は二〇一一年の国連総会において、家族農業が持続可能な食料生産に果たす重要な役割を広く周知するため二〇一四年を国際家族農業年に決定したところでありまして、我が国の食料・農業・農村基本法においても、農業経営の法人化とともに家族農業経営の活性化を図るとされております。  国際家族農業年に対しては、FAOが中心となって家族農業をテーマとした式典や国際会議を開催することとしており、政府としては、こうした国際的な取組に積極的に参画してまいりたいと考えております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 やはり、今後の日本が行くべき方向はどういう方向なのかということでは非常に大事な議論が今されているときだと思いますし、しっかりと農業の位置付けをやって食料自給率を高めていくと、太い方針を持って、そしてやっぱり担い手を育てていくという方向が必要だということで、我が党としてはそのために全力を尽くす決意を述べまして、質問を終わります。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 以上で紙智子君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 次に、中山恭子君の質疑を行います。中山恭子君。

中山恭子日本維新の会

○中山恭子君 日本維新の会、中山恭子でございます。  今日は、拉致問題について総理にお伺いいたしたいと思います。  今月の十日から十四日まで横田滋さん、早紀江さん御夫妻がモンゴル・ウランバートルで、孫のキム・ウンギョンさん、そしてひ孫さんともお会いになったという報道がありました。  二〇〇二年十月十五日、平壌に地村さん御夫妻、蓮池さん御夫妻、曽我ひとみさんを迎えに行きましたとき、キム・ウンギョンさんが空港に姿を見せました。そのときまだ十五歳の本当に穏やかな賢そうなお嬢さんでしたが、めぐみさんについてはそのときは直接何も話は出ませんでした。早紀江さんがお書きになった「めぐみ、お母さんがきっと助けてあげる」という本を一冊バッグの中に入れてありましたので、その本をウンギョンさんに渡しました。ウンギョンさんは日本語が読めないわけでございますが、そこの表紙に自分の母親の若かったとき、十三歳のときの横田めぐみさんの写真が載っておりまして、そっくりな少女の写真をじっと見ておりました。その後、壁際の椅子に座りましたときにも、その本を膝の上に置いて、なぜるような様子でその写真に目を注いでいた姿を今でも覚えております。  あのときからもう十一年半たちました。キム・ウンギョンさんに私自身がお会いしただけで横田さん御夫妻が会っていないということをいつも非常に残念な思いで過ごしておりまして、何とかして会わせられないものかといろいろ動きましたけれども、まあウンギョンさんにお会いすることでめぐみさんの救出に遅れが出るのではないかといった日本側からのおそれもありまして、これまで実現しておりませんでした。今回、外務省、大変頑張ってくれたと思いますが、このニュースを見て素直に非常にほっとした、横田さん御夫妻がお元気な中でお孫さんやひ孫さんに会えて本当に良かったとほっとした思いでおります。  総理、この辺りのお考え、いかがでいらっしゃいますか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 横田さん御夫妻は、めぐみさんが拉致をされて以来、様々な困難な判断をしてこられたと思います。  まず初めは、めぐみさんのことについて、北朝鮮によって拉致をされたという事実が明らかになる中で、これを果たして世の中に示していいのだろうか、世の中に示すことによってめぐみさんの命に対して危険が迫るのではないかと、このように考えておられたわけでございますが、残念ながらこのままでは事態は好転をしないという中において、大きな決断をされ、そして世の中に公表されたわけでございます。  そして、その後、ウンギョンさんにつきまして、まあ幼名ではヘギョンちゃんだったわけでございますが、当時、中山恭子議員は参与であられたわけでありますが、あのとき、言わばウンギョンさんと横田さん御夫妻が面会をするということをどう捉えるかどうかということが大きな議論になっていたわけでございます。  当時は、北朝鮮において北朝鮮側は面会という機会を提供しようという話があったわけでございますが、その際、言わば我々が懸念した、あるいは横田さん御夫妻が懸念されたことは、そこで、めぐみさんがこのように亡くなっていますよ、例えばお墓に連れていってこうなっていますよということにおいて幕引きが図られるのではないかという懸念があったわけでございますが、その際、しかし御家族のことでございますから、御家族でしっかりと考えていただいた結果、そのときは、孫にはどうしても会いたいけれども、しかし、めぐみさんを取り返すことに支障が出てはならないという御判断をされたわけでございます。  しかし、その後、やはりお孫さんに会いたいというお気持ちはだんだん募られる中において、年を取っていく、果たして、もう二度と会えないかもしれないという中において、今回、モンゴル政府に大変な御協力をいただいて、モンゴルでウランバートルという場所の提供をいただいたわけでございます。また、交渉の中におきまして、北朝鮮側もそれを了承する中において、横田さん御夫妻がキム・ウンギョンさんと面会を果たすことができた。  私も大変、中山議員と同じように胸の熱くなる思いでありまして、ずっとこれは私たちの宿題でもあったわけでございまして、一つ肩の荷が下りた思いもするわけでございますが、しかし目的はめぐみさんを始め拉致被害者全員を取り戻すことでありますし、その思いは全く横田さん御夫妻も変わっていないわけでございまして、今後、拉致問題全面解決に向けて全力を尽くしていきたいと、このように思います。

中山恭子日本維新の会

○中山恭子君 モンゴルの協力というのも大変有り難いことであったかと思っております。モンゴルに協力を依頼に行きましたときにも、フレルバータル、今の日本大使が局長でいらっしゃったのを北朝鮮大使として赴任するということを決めてくださいました。モンゴルは、日本と北朝鮮との間を、友好関係をつなぐために動くんだということをはっきりと示して、北朝鮮の中でも活動してくださっていらっしゃいました。  本当にモンゴル、もちろんモンゴルだけではなくほかの国々も協力してくれておりますので、多くの国々の協力があってこの拉致問題の解決にもつながっていってほしいと考えているところでございます。  今回の動きに対して、外交カードとしては失敗の策ではないかといった意見が出されているという報道もありますが、私自身は、早紀江さんがその御自身の考えていること、三十六年間もめぐみさんのことをずっと捜し続けていたというようなことをウンギョンさんにもお話しになったと、思いのとおりお話しになったというようなことをお聞きして、また帰国後もめぐみさんの生存について全くその確信は揺らいでいない、全ての拉致被害者の救出に向けてこれからも活動していくというようなことを述べていらっしゃいますので、この今回の動きをきっかけにして、今回の動きはまさに被害者そのものの救出、直接の話ではありませんけれども、これをきっかけにして、さらに全員の被害者の帰国に向けて活動する大きな動きになるのではないかと思っておりますが、総理はいかがでいらっしゃいますか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、十一年前と比べますと、前回のときには、言わば北朝鮮でということに大変北朝鮮側もこだわったわけでございますが、今回は、モンゴルの協力もございましたが、北朝鮮側も北朝鮮以外での再会に対して彼らは了解をしたわけでございまして、こうした変化を私たちはしっかりと捉えながら拉致問題の解決に向けて糸口としていきたいと、このように思うところでございまして、対話と圧力、この一貫した姿勢において完全解決を目指していきたいと、このように思っております。

中山恭子日本維新の会

○中山恭子君 ウンギョンさんだけではなくて、有本恵子さんと石岡さんの間にもお子さんがいらしたという情報もありますので、きっともうすっかり大人になっているはずだと思っておりまして、他の被害者の救出に向けて更に一層御尽力いただきたいと、そんなふうに思っております。  また、今回は、ほぼ時を同じくして飯塚家族会代表と増元さんが国連の北朝鮮における人権に関する国連調査委員会との対話で発言をするという機会があったかと思います。こういった動きについても外務省として応援、政府として応援してくださったものと思っておりますが、今後、国際社会との関係でどのような形で一層この救出の動きを強めていかれるおつもりか、お伺いいたします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 北朝鮮の問題におきまして、例えば核問題につきましては、これは世界の安全保障に対する重要な脅威ということでこれは認識を一つとしているところでございまして、国際社会は協力して北朝鮮の核実験等、開発に対して制裁も科しているわけでございます。  しかし、残念ながら、かつて十一年前、十二年前は、この拉致問題については国際社会における理解は進んでいなかったわけでございまして、言わばそれは同情はするけれども日本の問題ですねという、そういう理解であったと言ってもいいんだろうと思います。  その中におきまして、私たちはまず私たちでできることからやろうということであったわけでございますが、私たち自身が様々な機会を捉えて制裁をすることによって、国際社会に対して日本としての意思を示したわけでございますし、また、ずっとそれ以来、私も前内閣、第一次安倍政権の際にも、首脳会談を行った際、必ずこの拉致問題について提議をいたしまして、我が国のこの拉致問題に対する姿勢に対して理解をし、そして支持をすることを求めてきたわけでございます。  今回も百数十回首脳会談を行いましたが、基本的に拉致問題に対しての協力を呼びかけてきたところでございますが、幸いそうした全日本の努力が成果として出てまいりまして、国連調査委員会による報告書が出されたわけでございますが、拉致問題を北朝鮮による人道の罪と断定するなど、この問題が国際社会の共通の認識となったと言ってもいいんだろうと、このように思います。  拉致被害者家族会の飯塚代表が国連人権委員会において残された御家族を代表してこの問題の解決を求める訴えを行ったことは、拉致問題に対する国際社会の更なる関心喚起と理解促進につながったと考えております。  言わば国際社会の理解が進んだことによって、北朝鮮は核問題だけではなくて拉致問題も解決をしなければ国際社会から受け入れられることはできないと、このように認識することにつながっていくのではないかというふうに期待をしているところでございます。

中山恭子日本維新の会

○中山恭子君 アメリカに協力依頼をいたしましたときにも、アメリカの、政府の直接ではありませんが、政府にいろいろ意見をおっしゃれる立場の方が、私からは、米朝の国交正常化をするに当たってこの拉致問題の解決を条件にしてほしいとお願いしましたときには、アメリカ側もプレス・アスという単語を使って協力をしていきたいということをおっしゃっていたことがございました。やはり、世界全体で、国際社会全体で北朝鮮に対してプレッシャーを掛けていくということは非常に重要なことであろうと考えております。  ただ、北朝鮮自体が、張成沢氏が激しい形で粛清され、また、ごく最近は崔竜海、チェ・リョンヘ氏まで何かあったのではないかと、これはどうも偽りだったようですけれども、いうような情報が流れてきたりして、北朝鮮情勢そのものが予断を許さないという可能性もあるのかというように思えます。  ここは全くしっかりしたことはつかめないことであろうと思いますが、そういった中で、北朝鮮情勢を見るときに、中国の対北朝鮮の動きというものをなしで考えることはできないと思っております。中国と北朝鮮との関係というのを政府はどのように見ているのでしょうか。外務大臣、お願いいたします。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 御案内のように、まず中国は北朝鮮に対して様々な経済協力を行うなど、従来から密接な関係を持っております。そして、国連の安全保障理事会の常任理事国の一国でありますし、また六者会合の議長国でもあります。中国が北朝鮮に大きな影響力を持っているということは間違いないところであります。  その中国との関係でありますが、我が国は、中国との関係、最も大切な二国間関係であるというふうに思っておりますし、また日本と中国、地域や国際社会に大きな責任を持つ二つの国であると考えております。個別の問題があったとしても、是非大局的な見地から戦略的互恵関係の原点に戻らなければならないということで対話を呼びかけているわけですが、残念ながら、現状、高い政治のレベルでの対話が実現しておりません。  引き続き様々なレベル、そして様々な分野における意思疎通を積み重ねながら、中国との間で高い政治のレベルでの対話を実現するべく今働きかけているところですが、是非中国側にもこうした我々の思いに応じてもらいたいと強く期待をしているところであります。

中山恭子日本維新の会

○中山恭子君 非常に困難な問題かと思いますが、是非進めていただけたらと思っております。  また先日、三月十二日の予算委員会で猪木議員が国会議員の訪朝団についての質問をなさいました。この問題、総理からは、対北朝鮮措置を行っている中において、我が国から北朝鮮への渡航の自粛の要請を行っており、その方針を踏まえて適切に対応すべきという御答弁がありました。まさにそのとおりでありまして、我が国国家公務員の北朝鮮渡航の原則見合せというのは、二〇〇六年、北朝鮮の弾道ミサイル発射関連措置として、万景峰号の入港禁止措置などとともにとられた措置でございます。相当効果のある措置であると考えています。  ただ、拉致問題解決に向けてそれが有益である場合、又は拉致問題解決のための訪朝であれば、今後国会議員の訪朝も必要なのではないかと。その場合はもちろん政府と協力し、密接に連絡を取りながら行動することが必要だと思いますが、拉致問題についてはあらゆる手段を用い、あらゆる糸口を探っていくことが必要だろうと思っておりまして、この点について、総理、いかがでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 基本的に、中山恭子委員と私も同じ考え方でございます。  言わば北朝鮮という国は大変外交的な工作も巧みに行うわけでございまして、善意であっても善意をうまく利用される危険性があるわけでありまして、彼らの言いたいことを日本側に言わせて自分たちは交渉を有利に進めよう、これはもう委員はよく御承知のとおりでございまして、それを十分分かった上において、言わば情報収集ということも含めて、あるいはこちら側の考え方を向こうのトップに近い人々に打ち込んでいくという可能性のある中において効果的にそうしたものが行われるということであれば、私は大変有意義ではないかというふうに考えているところでございます。

中山恭子日本維新の会

○中山恭子君 ありがとうございます。もう一刻も猶予のないような状態まで来ておりますので、政府として是非今後も御尽力いただきたいと思っております。  もう一点、今日は文化の問題についてお伺いしたいと思っております。  文化庁では、文化芸術立国を目指して文化芸術立国中期プランを策定していると聞いております。文化芸術立国を目指すことについて、先日、財政金融委員会で麻生大臣にはお伺いいたしましたんですが、総理はいかがお考えでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 文化予算を増やすべしという委員の御主張は、従来からの御主張は私もよく承知をしておりますが、我が国は世界に誇るべき伝統的な文化財や優れた芸術文化を持っているわけでありまして、これらの文化芸術を振興していくことは、心豊かな国民生活を実現するとともに、活力ある社会を構築をし、国力の増進を図る上で重要であると思います。また、日本の文化を積極的に世界に発信していくことは、我が国が海外から尊敬されることにつながっていく、言わばソフトパワーを高めていくことにつながっていくと思います。  政府としては、このような考えの下、文化芸術立国の実現を目指して、人材育成や文化の発信など我が国の芸術や伝統文化の振興に取り組むため、文化予算の充実に努めていきたいと思います。

中山恭子日本維新の会

○中山恭子君 お手元に資料をお配りしてあります。  日本の文化庁予算でございますが、現在千三十四億円という額でございまして、例えばフランスの四千四百七十四億円、イギリスの一千六百億円などに比べましても非常に絶対額も小さいですし、それから国家予算の比率も大変小さいものになっております。  フランスでは文化予算を国家予算の一%まで付けるということを目指して、現在一・〇六%の国家予算を付けております。日本は国家予算の〇・一一%という非常に惨めな状態でございまして、できれば今回、平成二十六年度予算で、国家予算の一%までは元々無理でございますが、今の文化庁予算を倍増しようとして動いたということでございますが、残念ながら、倍増どころか〇・二四%増、三億円の増加にとどまっているということでございました。  また、文化交流を担当する国際交流基金の予算も、これも資料四に付けておりますが、極めて小さな、他の国ととても比較することすらできないような予算額も、それから拠点の数も小さなものでございます。  こういった中で、文化芸術立国を目指していくという覚悟を決めて政府が動いていただけないものかと思いますが、これはどなたでしょう。そうですね、大臣で。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 中山委員のおっしゃるとおりだというふうに思っております。  ただ、今年倍増ではなくて、いきなり一千億を二千億というのはさすがにそれは無理な話だと我々も思っておりまして、二〇二〇年までに倍増しようという文化芸術立国中期プランというのを作成をいたしました。これは是非、二〇二〇年に東京オリンピック・パラリンピックが開催されるということ、あわせて、スポーツは東京でされるわけですけれども、もう日本全体で受皿として文化芸術、それはフランスも大変力入れておりますが、我が国は世界で最も伝統、文化、歴史のある古い国でありまして、日本津々浦々眠っている文化芸術はたくさんあると思いますし、それを是非世界に発揮して、そして二〇二〇年には外国人観光客が二千万、二〇三〇年には三千万、日本の文化芸術力で来ていただけるような、そういう文化芸術立国プランをこれから作っていきたいと思っておりますし、御協力を是非よろしくお願い申し上げたいと思います。

中山恭子日本維新の会

○中山恭子君 先日、今もフランスが話題になりましたけれども、フランスでは、ただほっといてフランスが文化国家であると世界に考えられるようなことになったのでは決してありませんで、やはり大統領それから文化大臣がもう躍起となって予算を置き、そして文化国家としてつくり上げてきたという歴史がございます。  その中のお一人でジャック・ラングさんという元文化大臣をなさった方が、先日、日本に来て講演をなさっていました。その中で、もちろん文化国家になろうという強い意思を持って政府が動かない限り文化国家はでき上がらない、ただ、日本には非常に豊かな文化芸術の素地があり、至る所に日本の中に文化芸術の世界がある、これをただただほってあるのは非常にもったいないことに思う、オリンピックがいい機会になると思うと、その方もそのようにおっしゃっていらっしゃいました。  自然に文化国家になれるわけではなく、文化は絶対に必要だという強い信念を持たなければ文化国家は成り立たないということでございます。この点について、財務大臣のお考え、お伺いしていいでしょうか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) ジャック・ラングの前に、やっぱりアンドレ・マルローでしょう、フランスの場合は。あの人は、たしかドゴールのときの文化大臣だったんだと思いますが、日本に来て和歌山県に行って、たしか、何びとが住んでおわすかは知らねども、ただ有り難さに涙こぼれるというあの歌を見て、何の意味か全然理解ができないと、そう言って、これが日本の最もいい歌だと言われている場所に行きたいというんで、和歌山の高野山の上に行っております。そこに行って二つ、一つは白滝を見たのと、もう一つは日露戦争の兵隊さんの墓がロシアの兵隊と日本の兵隊と同じ場所に同じ大きさで飾ってあるのを見て、その二つを見て、帰って、いわゆる時のドゴールに向かって、その当時ドゴールからは、日本は、シリコンチップじゃなかった、何とかの……(発言する者あり)コンデンサーでしたっけ、トランジスタの販売人とか商売人とか言われていたのが、あれを境にびたっと言わなくなりましたので、その意味じゃ大きいものだと、私はそう思います。  したがって、こういったものは、これはお金も絶対必要ですし、文化というものに対してプライドを持って堂々とやるというのも必要なんだと思いますが、若い人が自然にやっている文化というのにも是非この際目を向けていただいて、少なくとも、パリの日本庭園でやったコスプレ大会に十六万人の人が集まる。ただですよ、ほとんど、向こうが勝手に来るんですから。十六万人、一日四万人ずつで四日間だとたしか磯村さんが言っておられたと記憶しますんで、そういうのを見て、なるほどアニメーションとはこういったものができるんだと思って私のときはアニメーションのを建てようと思ったんですが、そこらにいる人たちはみんな反対されまして、みんなで潰されましたよ。民主党でしたな、あのときは。それで、後になったら今頃良かったなんて、大体そんなもんです。  これは何も民主党だからという話じゃなくて、大体みんなそうだったんです。ですから、こういったものを最初にやるというのはかなり意識が要って、やっぱり文化というものに対して幅広く日本の持っている良さというのを、やっぱり二〇二〇年というのは、おもてなしなんていう言葉を仰々しく言われると、表があるんだけど裏がないのかとか、表がないなら裏はあるのかというような表現で引っかけて言ってくるアメリカ人もいるぐらいですから、それは日本語知っている人はみんな結構詳しく、いろんなおちょくってきたり引っかかってきたりするのがいっぱいいるんですよ、実は。  だから、そういった意味で、私どもも、いろいろお見えになりますんで、丁寧に一つずつ説明はするんですけれども、地道な努力と、何といってもやっぱり自国の文化に対する誇りなり自信なり、知っておかな駄目ですよ。知らないくせに知ったようなことを言うからみんな話にならないんで、歌舞伎とか能とか狂言とか見たこともないのが分かったような話をするからもう話がいよいよ分からなくなってくるんで、是非こういったようなものを分かった話を堂々と普通にしゃべっていただくというのが一番肝腎。  かつ、それに対していろいろな意味での、孔子学院というのをあれだけ伸ばしてきたのも意図的にもう中国はやっておるわけですから、ああいったようなことを、あれほど極端だとは思いませんけれども、日本も予算という面からいきますと、効率的にこういったものの予算を付けるのはもちろんのこと、やっぱりこれを広めるという意思が最も大事かなと思っております。

中山恭子日本維新の会

○中山恭子君 貴重なお話ありがとうございました。  確かに、日本の文化、西欧文化とは違いますけれども、でも、二十一世紀にはこの日本が育んできた文化が世界のいろんなぎすぎすした国際社会の中で非常に重要な役割を担えるのではないかと考えております。日本文化の持つ、共生、調和の力を大切にする文化、自然を大切にする文化、そして相手を尊重し弱い者を大切にする心、そういったものを日本人は何かもう生まれたときから持っているように感じておりまして、日本を理解してもらうということは、ある意味では国の安全にも関わる事柄であろうと思っております。  どうやったらこの日本というものを理解してもらえるんだろうかとずっと考えておりました中で、やはり世界の人々に日本を訪ねてもらって、日本の人々、田舎、どこでも、東京でももちろんいいんですが、地方の日本の人々に直接接してもらう、これが日本を理解するのに最も有効な形ではないかと考えております。  そのために、じゃどうするかということで、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの機会を捉えて、日本の、東京だけではなくて各地で文化の交流の場、世界の文化が輝きあふれ交流する、そういった場を日本の各地域でつくっていく。民謡大会でもいいですし、芸能大会でもいいですし、大道芸人の大会でもいいですし、もちろん医療の大会、先端技術の大会、現代アート、現代舞台、伝統舞台、もういろんな種類がある。音楽に至っては、あらゆる楽器の競技会といったもので、そういう事柄を、どこの国でもできるということではありませんが、日本であればあらゆる文化を受け入れる素地が、もう二千年以上も続いておりますから、世界のいろんな文化が日本の中で共演し、競技する、そういう場をつくっていってはいかがかと考えております。  言葉が、まだいい言葉が見付かりませんで、文化オリンピックなどと言っておりますが、文化サミットでも祭りでも、そういった、何というか、祭典を日本の中で催していくということを政府としてもお考えいただきたいと思いますが、これは総理、お願いいたします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) たくさんの方々が外国から日本を訪問していただき、日本の文化、私たちの生活を知っていただくことは、日本人を理解をしていただく意味においても大変重要だろうと、このように思います。  幸い、昨年一千万人、日本への観光客、突破をしたところでございますが、さらに今年の一月、二月も順調に昨年の一月、二月よりも増えているわけでございまして、そして、そこで二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックに向けまして全国で様々な文化イベントを開催したらどうかという御提案でございますが、各地域で長年受け継がれてきた祭りなどの有形無形の文化遺産の活用や、世界との交流を目指した大規模な美術展や舞台芸術の国際イベントの開催など、日本各地の豊かな地域資源、文化資源を積極的に生かして、大会全体の盛り上がりに向けて、さらに全国がそして活力を得られるようなそういう大会を目指していきたいと、このように思っております。

中山恭子日本維新の会

○中山恭子君 この催しは、一回限りのものではなくて今後百年くらい日本の中で続けると、そういったことでお考えいただけたら有り難いと思います。  時間が参りました。ありがとうございました。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 以上で中山恭子君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 次に、福島みずほ君の質疑を行います。福島みずほ君。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。  まず初めに、主な国民負担増についてお聞きをいたします。(資料提示)  賃金は下がっています。二〇一四年一月の一人当たり現金給与総額は前年同月比〇・二%減、賃金は下がっています。消費税はもうすぐ、四月より消費税率八%。復興特別所得税、年二・一%の課税が二十五年間。法人税は、法人の場合はもう前倒しでなくなるということになると。生活保護は、御存じ引下げになって、子育て世帯の引下げ率が特に大きい。介護保険、今、介護保険の改悪法が厚生労働委員会で審議に今度なりますが、予防給付のうち、訪問介護、通所介護については介護保険給付から外してしまう、地域移管になってしまう。介護保険が壊れてしまうと社民党は反対をしていきます。  これ、あれでもかこれでもか、年金、医療保険、あれでもかこれでもか、あれでもかこれでもかと国民の負担増なんですね。四月以降もとりわけ厳しくなる。これについて、総理、この社会保険の切捨て、負担増は問題ではないでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、福島委員はこれでもかこれでもかという形で負担が増えたところばかりを書かれたわけでございますが、しかし、例えば消費税につきましては、伸びていく社会保障費に対応するため、そして、今私たちが享受をしているこの社会保障制度を次の世代に引き渡していくためのものであります。  そして、今負担増の点しかその表には書かれていないわけでございまして、誤解を与えて国民の皆様を不安に陥れてはならないと私も思うわけでございますので、例えば介護保険や医療保険では負担増ばかりが強調されておりますが、所得が低い世帯への介護保険料や国民健康保険、後期高齢者医療の保険料は一層の軽減を行います。そして高額療養費は、中所得者層の約四千万人については負担を軽減することとしております。  さらに、その表によりますと、七十歳から七十四歳の方々の窓口負担は新たに七十歳になる方から二割となるものでございまして、その世代の方々が新たな負担増にはならないわけでございまして、今まで三割負担だった方が、今度七十歳になられる方が一割になりませんが二割ということになっているわけでございまして、その表だけを見ますと、七十二歳、七十三歳の方々はいきなり一割から二割になるという誤解をされるかもしれませんが、そういうことではないと。新たになる方から、三割の方が二割になっていくということは申し上げておきたいと、このように思います。  また、賃金につきましては、御指摘の現金給与総額は、決まって支給する給与と賞与を合わせたもので、月により変動があります。昨年十月はマイナス〇・一%、十一月がプラス〇・六%、そして十二月はプラス〇・五%であったことから見ても、一月のデータを取り上げて議論をするのはいかがと、このように思うところでございます。  また、消費税率引上げに伴いまして、所得の低い方に対する影響を緩和することを目的とした簡素な給付措置や住宅ローン減税、住宅取得に係る給付措置など、直接的な家計支援策も行っているところであります。  さらに、復興特別所得税は、東日本大震災からの復興に必要な財源を確保するため国民に広く負担をお願いするものであります。これからの一年を被災地の皆さんが復興を実感できる一年になるように取り組んでいきたいと考えているわけでございます。  いずれにいたしましても、社会保障給付を含めまして、これは誰かが負担することによって初めて給付が成り立つわけでございまして、その中におきまして、少子高齢化社会の中におきまして国民の皆様に納得できる姿にしていきたいと、このように考えているところでございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 賃金が一番重要なんですよ。だって、アルバイト、非正規雇用の人たち、賞与をもらっていない人が多いですから、賃金が上がっていない、これが重要です。賃金が上がっていないのに消費税を上げるから要件がないと私たちは怒って、撤回せよと言っているわけです。  また、介護保険にしてみても、明らかに改悪じゃないですか。全部が全部負担増などと言っておりません。でも、ここに挙げたように、主な国民負担増がこれだけある、年金であれ医療であれ、とりわけ介護保険が問題ですよ。生活保護だって引き下げました。これはやっぱり消費税は社会保障のためだと言いながら負担増、これには納得できないということを申し上げます。  次に、原発の再稼働についてお聞きをいたします。  各原発の再稼働申請の状況を見てください。東電を含む八つの電力会社が、十原発十七基もの原発再稼働を申請しています。しかし、いずれもできない、そう思っています。  女川は被災をした原発です。浜岡、これも再稼働を申請しておりますが、この三十年間の間、マグニチュード八以上の地震が起きる可能性は八七%、マグニチュード六以上は九十数%に上がると言われています。浜岡、避難計画だってなかなか作れない、原発再稼働なんてあり得ない、そう思います。また、柏崎刈羽、東電が申請をしています。汚染水対策すらできない東電に原発再稼働をする資格はない、そう思います。島根原発だって、松江、県庁所在地にある島根原発に行くトンネルで、向こうは島根原発というこの手前に高齢者のための施設がありました。どうやって避難をさせていくのか。  どの原発も欠点があり、とりわけ問題のところもたくさん原発の再稼働の申請があります。耐震指針も極めて不十分です。  私は、三月十五日、鹿児島の川内原発放射線管理区域、ここに視察に行ってまいりました。川内原発には根本的な問題があります。活断層の存在の可能性、第一。第二に、これは平野達男さんがここで何度も質問されていらっしゃいますが、火砕流や降灰、灰が落ちてくる、十五センチと、こう出しているわけですね。三番目に避難計画、これは全ての原発に共通するところですが。  そこで原子力規制委員長に御質問をいたします。活断層の存在の可能性は言われておりますが、この調査を是非していただきたい。第二に、火砕流と降灰の問題です。私は、この九州電力川内原発の中で、九州電力の人に、六十年間、これから三十年間その川内原発を動かすと、そのときに破局的な火砕流の事故は起きないと断言されました。何でそんなことが予測できるのか、断言などできません。火砕流の事故や降灰、十五センチで本当にいいのか。あるいは、九電が言っているように、十五センチで極めて機能が失われてしまうんじゃないか。その二点についてお答えください。

田中俊一原子力規制委員会委員長

○政府特別補佐人(田中俊一君) 先生、たくさんのことをお話しになられたんですが、川内原発のことですね。  川内一、二号機については、三月十三日の規制委員会で一応、基準地震動、基準津波について大きな論点の審査が終了したということで、これから申請の補正と審査書案の作成の準備に入るということを決めさせていただきました。しかし、それはあくまでもその一つの手続のステップでありまして、現時点で全ての審査が終了したわけではありません。  敷地内の活断層については、島崎委員を中心にして十分に調査をしまして、いわゆるSクラスの下に活断層があるという認定はしていません。そういうことで、それ以外、外にあります、離れたところにある活断層からの影響、そういったものを踏まえて、今後基準地震動をきちっと評価して、それに対する耐震性を今後審査していくということになります。  それから、いわゆる大規模カルデラ噴火というのが歴史上あったわけですけれども、これにつきましては、以前にも平野先生にお答えしましたけれども、設計上対処できないような火砕流が押し寄せるような場合には、これはその運用期間中にでございますけれども、そういう場合にはまず立地不可能という判断をするということで、そうじゃない場合には、一応そういう監視体制を取りながら設計対応をできるかどうかということをこれから評価していくということにしております。  それで、今後三十年、大規模なカルデラの大噴火、特にあそこの、鹿児島湾のところの大きなところの、歴史的にはそういうのが数千年前にあったと聞いておりますけれども、現在までの歴史的なそういう火山活動の歴史ですね、これは地震よりはかなり確実に陸上に近いということもあって見えているようです。  それから、一つは専門的になりますけれども、そういう大きなカルデラ火山があるようなときには、かなりマグマ活動が活発になって、地形変動とかそういうことで相当予知できるというふうなことだそうであります、そういうこと。  それから、現在もあの辺は火山地帯ですのでかなり詳細な観測が続けられておりますので、そういったデータを踏まえて今回のような結論を導き出させていただいたということでございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 この予算委員会の中で、火山の予知というのはなかなか難しいということを専門家もおっしゃっています。改めて活断層の調査、それから火砕流の存在、それから降灰についての影響、これをきちっと原子力規制委員会が慎重に判断してくださるよう強く求めます。  避難計画ですが、現地に行っていろんな人と話をしました。基本的に、原子力対策指針は、まず五キロの人から逃げる、そして五キロから三十キロの人は、その五キロの人が逃げた後に逃げるとなっています。そんなのあり得ない。一本道で、八キロの人が、五キロの人が逃げるのをじっと見ていて、じゃ、それから逃げようなんてなるわけがありません。この防災計画、一体何なんだと。それから、ハンディキャップを持っている人の親御さんは、じゃどうやって避難をするのか。この委員会では、自宅退避というか屋内退避とありますが、結局置いていくのかということは大問題です。  アメリカのグレゴリー・ヤツコ、アメリカの元米国原子力規制委員長は、避難計画が不十分ならアメリカでは原子力規制委員会が原発停止を命ずると言っています。  田中委員長、これ避難計画に実効性がなければ再稼働の要件とならないということでよろしいでしょうか。総務委員会で総務大臣は、避難計画に実効性があるかどうか、これは判断をしなければ、中身が実効性のあるものになっているかどうか、こういうものも踏み込むことが必要だと言っています。この避難計画の実効性、これも再稼働の要件ではないですか。

田中俊一原子力規制委員会委員長

○政府特別補佐人(田中俊一君) これも再三お答え申し上げているのであれですけれども、再稼働の是非を私どもが判断するという立場にありませんけれども、御指摘のように、やはり福島の事故を踏まえれば、きちっとした避難計画が作られているということがやっぱり必要だろうということは私も申し上げてきました。  実効性があるかどうかということについては、私がその実効性があるかどうかを判断する立場にはありませんけれども、できるだけ実効性のある、住民の方が納得できるような計画を作っていただくよう、我々としてもできるだけのサポートをしていきたいと思っています。  そういう意味では、特に今御指摘がありました入院患者とか要介護者といった、いわゆるそういう方についての避難については、今回の教訓からいきますと、無理な避難はかえって二次的な被害をもたらしたという非常に苦い経験がございます。ですから、今回の指針の中では、そういった場合には屋内退避を優先できるようなことも一応我々としては勧めておりまして、そのためには、ただ屋内に退避するだけではなくて、それなりの防護措置、放射能が入ってこないようにできるようなフィルターを付けるとか、そういったことについても今回予算措置もされていますので、順次そういうものを整備しながら実効性を高めていくということ、もちろんそれに基づく避難訓練というのも当然必要だと思いますし、そういったことについて今後も引き続き我々として最善の努力を払っていきたいというふうに思っています。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 避難計画の実効性を判断するところがないんですよ。これは、しっかり原子力規制委員会としても、委員長としても、避難計画の実効性がなければ原発を動かすことはできないというふうにすべきです。どこも避難計画不十分ですよ。実効性ないんですよ。  総理、これは、原発再稼働して、そして、いついろんな地震が、今地震というか、非常に地殻活動が活発になっています。世界の十分の一の地震が日本で起きている。今まさにエネルギーがたまっている。原発を再稼働させて、事故が起きて、誰が責任を取るのか。福島東電原発事故は、誰も責任など取り得ないということでした。耳にたこができるほど原発は安全だと言われていたけれど、原発事故は起きたんです。原発再稼働して、誰も責任は取らない、取れない。だとしたら、そして今電気は足りています。原発再稼働にきっちり踏み込むべきだということを申し上げます。  総理、集団的自衛権の行使について、最後、時間がありませんので、お聞きをします。  集団的自衛権の行使に関して、違憲、集団的自衛権の行使は違憲であるというのが政府の今までの政治の見解です。これに関して、違憲であるものをなぜ合憲とできるのか。個別的自衛権と集団的自衛権は概念が全く違います。個別的自衛権は自分の国が攻められているときに反撃する、集団的自衛権は他国防衛のために武力行使をする。  これは、総理が国会で小泉政権のときに質問をして、数量的な問題ではないかと平成十六年一月二十六日に聞いておりますが、内閣法制局は、数量的な概念として申し上げているものではないと答えています。  どう考えても、集団的自衛権は違憲、概念上違憲です。にもかかわらず、これをなぜ解釈で認めることが合憲として閣議決定できるのか、納得できないので説明してください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 集団的自衛権の行使及び集団安全保障に係る海外での自衛隊の武器の使用等々について、安保法制懇において様々な今議論を行っているところでございまして、その際、四分類について第一次安倍政権で議論をしてきたところでございますが、具体的な事象において、その際今の解釈でいいのかということを議論しているわけでございます。  この委員会におきましても再々議論をしてきたところでございますが、例えば、日本のイージス艦と米国のイージス艦が近傍、近傍といっても、イージス艦は地平線を越えて電波は越えていきますから、相当遠くでもイージス機能というのはお互いにこれはリンクできるわけでございますが、その際、ある国のミサイルの脅威に対して米国のイージス艦が警戒に当たっていた際、イージス機能を、これはみんな上空に向けることによって自分の船の周りの警備はおろそかになるわけでございまして、対艦ミサイルが発射された際、それを近傍の日本の自衛艦が察知をして、それを落とす能力があるにもかかわらず落とさなくてもいいのかということでございます。  そうしたことについて議論をしているわけでございまして、そのことによって日米の同盟は著しく毀損をされるわけでございまして、今安全保障環境が大きく変わる中において、日本も日本一国のみによって日本を守ることができない。これはどの国もそうでございます。そういう中におきまして、今までの解釈のままで、例えば今私が申し上げた例においては、著しくこれは日米の同盟関係が毀損をされるわけでございます。そうした中で、果たして今後、日本の安全を守ることができるかどうかという中において、この集団的自衛権の行使は、言わば今までの答えとして、政府の見解としては、必要最小限を超えるものというのが今までの一貫した考え方であったわけでございます。  そこで、果たしてそうかということについて今安保法制懇で議論を行っているわけでございまして、この議論が終わった中において、もし解釈の変更が必要となれば、あるいはこれは様々な議論がございまして、それは先般もここで議論になった、それは解釈の変更なのか当てはめなのかという学説もあるわけでございまして、そうしたことをまさに議論をしながら、また与党とも調整をしながら政府としての見解を取りまとめていく考えでございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 総理は全く答えていないんですよ。  私の質問、違憲なことがなぜ合憲になるのかという質問に、必要だからというのでは全く答えになっていません。違憲なものは違憲じゃないですか。憲法九条が集団的自衛権の行使を禁じている。総理のことで、必要がある、必要がある、必要がある、我が国の防衛に必要があるんだったらそれは個別的自衛権ですよ。必要がある、必要があるとして時の政府が集団的自衛権の行使を認めることが極めて問題なんです。そのことで総理は全く答えていない。  違憲なことを合憲にはできない、解釈改憲など認められないということを強く申し上げ、私の質問を終わります。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 以上で福島みずほ君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 次に、浜田和幸君の質疑を行います。浜田和幸君。

浜田和幸新党改革・無所属の会

○浜田和幸君 新党改革・無所属の会を代表して、総理に質問をさせていただきたいと思います。  まず、ウクライナの危機的状況について。  ウクライナというのは日本にとってとても大事な国だと思います。ロシアからの軍事的介入という危機的状況にありながら、今年の三月十一日はウクライナで三周年の追悼式典を盛大に展開してくれました。ウクライナと日本の作曲家が合同で作った鎮魂と希望の楽曲をウクライナ・シンフォニー・オーケストラが演奏してくれたんですよね。また、ウクライナには戦後、日本人の捕虜が一万人近く抑留されていました。そのうち多くの人たちが現地で亡くなって、その人たちの遺品である旭日旗を実は日本に持って帰ったときに、安倍総理が受け取っていただいて、靖国神社でそして奉納し、おたき上げをするときに、総理は涙ながらに、よく遠いところを帰ってきてくれたということをおっしゃった。そのウクライナが今、ロシアからの厳しい軍事的な圧力を受けて国家存亡の危機にあるんですね。  このウクライナに対して、日本とすればどういうような支援をするのか、まずは総理のお考えをお聞かせください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) ウクライナ情勢の平和的解決のためには、ウクライナの経済状況の改善と、そして緊張緩和のための対話と透明性の促進が重要であります。これらについて、G7諸国を始め各国と連携をしつつ日本としても貢献をしていきたいと考えています。  第一に、ウクライナに対する経済支援については、現在、国際社会において議論が行われておりまして、政府としては、IMFとウクライナの間の議論を踏まえまして我が国としての支援の具体的な内容を検討していきたいと思います。  第二に、緊張緩和のための対話と透明性の促進が重要であります。欧州安全保障協力機構の政治対話促進及び少数民族監視ミッション派遣に対し、同ミッション派遣経費十万ユーロを拠出することを決定をいたしました。既にこれは表明済みでございます。  ウクライナにおける、またこれは邦人の安全確保も当然しなければならないわけでございますが、在ウクライナ大使館を通じて在留邦人との連絡体制を維持をしておりまして、随時安否確認を行うとともに、危険情報を含む情報提供を行っております。また、ウクライナ政府に対しましても累次にわたり申入れを行いまして、邦人の安全確保に万全を期しているところでもございます。

浜田和幸新党改革・無所属の会

○浜田和幸君 それで、今総理がおっしゃったように、アメリカは十億ドル、EUが百五十億ドル、世銀が三十億ドル、ウクライナの財政破綻を救うために支援の申出があります。足しても百九十億ドルです。ウクライナ政府は緊急に三百五十億ドルが必要だと言っているんですね。不足するこの百六十億ドルをどういう形で手当てをするのか。  実は、その間アメリカは、ウクライナが保有していた金三十三トンを一方的にニューヨーク連銀に持ち出しておりますよね。また、これはアメリカの企業、カーギルですとかシェブロンといった大手企業は、ウクライナの持っている農業や資源をある意味では収奪するかのように企業買収に一生懸命走っている。これはある種、火事場泥棒と言えるような行動が一部、支援をすると言いながら、その実態はウクライナの富を収奪するような動きもある。  やはり、日本はそういう動きに対しては毅然として、これは間違った、相手の国の今の状況をちゃんと踏まえた、相手のためになる援助、支援をすべきだ、是非、このG7でそういうことを訴えていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国会の情勢においてお許しをいただければ、今度のハーグの核セキュリティ・サミットに出席をさせていただきまして、その際、G7の会合が、このウクライナ問題についてのG7の会合が予定をされておりますので、G7諸国と協議をいたしまして、このウクライナへの支援等々について日本からの発言もしていきたいと、このように考えているところでございます。

浜田和幸新党改革・無所属の会

○浜田和幸君 是非、日本にとって大事なウクライナ、ウクライナが経済的にしっかりと再生できるような支援体制を組んでいただきたいと思います。  その関連で、ロシアに対する経済制裁、これはアメリカからも強烈なプレッシャーが掛かっているようですけれども、このロシアに対する経済制裁を発動する、このことによって、まあ言ってみればもろ刃のやいば、ヨーロッパもロシアの天然資源、特に石油に、あるいは天然ガスに依存していますよね。もし、そのことによってヨーロッパがきつい状況になるという可能性もあります。それを踏まえた上で、逆にウクライナが、ロシアの天然ガスはウクライナ経由のパイプラインでヨーロッパに行っているわけですから、そのウクライナを通っているパイプラインを遮断することによってロシアとの交渉を優位に展開しようという動きもあるわけですね。  そういったもろもろの展開を考えると、ロシアに対する経済制裁の在り方というのはとても厳しい選択だと思うんですね。プーチン大統領とも五回お会いになっていて、今回もいろいろと接点があると思うんですけれども、ロシアに対する経済制裁について総理のお考えをお聞かせください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) ロシアがクリミア自治共和国の独立を承認し、十八日、クリミアをロシアに編入する条約への署名がなされたことは、ウクライナの統一性、主権及び領土の一体性を侵害するものであり、これを非難する、そして、我が国は力を背景とする現状変更の試みを決して看過できない、これが日本の現在における立場でございます。  我が国は、昨日十八日、査証簡素化に関する協議を停止をし、そして新投資協定、宇宙協定及び危険な軍事活動の防止に関する協定の三件の新たな国際約束の締結交渉開始を凍結することといたしました。引き続き、G7を含む各国と連携しながらロシアに対し更なる措置を検討していく考えであります。  ウクライナ情勢につきましては、米国政府は、今般、G7各国首脳が集まるハーグにおける核セキュリティ・サミットの際に、先ほど申し上げましたように、G7の非公式首脳会合を開催することを提案をしているわけでございます。その際、もし、先ほど申し上げましたように、国会の状況も含め諸般の情勢が許せば参加をいたしまして今後の対応等について協議をしたいと、このように思っております。  また、ロシアに対しましては、先般、谷内国家安全保障局長を派遣をいたしまして、ラブロフ外相、そしてパトルシェフ安全保障会議書記に対しまして事態の平和的収拾を働きかけたところでございますが、今後も私たちは、対話のドアは開いていくというのが日本の基本的な考え方でありますから、ロシア側に対しまして働きかけを行っていく考えでございます。

浜田和幸新党改革・無所属の会

○浜田和幸君 是非、日本らしい援助、支援の仕方を考えていただきたいと思います。  実は、我が国の固有の領土である北方領土、国後、択捉にもウクライナ人がスターリン時代に強制的に移住させられているんですよね。もし、今回のことが引き金になってこの北方領土に居住しているウクライナ人たちが、俺たちは独立したいんだというようなことをもし宣言し、日本に協力を求めてくるというようなことがもし起こったとしたら、総理、どういう判断をされますか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今の浜田委員の仮定に対するお答えは差し控えさせていただきたいと思うわけでございますが、また、このウクライナ情勢が平和条約交渉にどういう影響を与えるかということについて、今定かに申し上げることはできないところでございますが、いずれにいたしましても、六十八年にわたりまして平和条約が日本とロシアの間には締結をされていないという状況は異常な状況であるということについて、私とプーチン大統領は認識を一つにすることができたところでございます。  そして、昨年、この平和条約交渉を加速化させていくということについても一致したところでございまして、今後、戦後残された大きな日本の課題である領土問題の解決を図り、そして平和条約締結をすると、この平和条約締結交渉に向けてしっかりと取り組んでいきたいと思います。

浜田和幸新党改革・無所属の会

○浜田和幸君 是非、その強い、固い決意でこの領土問題解決に臨んでいただきたいと思います。そのときには北方四島に住んでいるウクライナ人も味方に付けるという発想も是非念頭に置いていただきたいと思います。  実は、昨日、総理はベトナムのサン国家主席と首脳会談を行われました。サン国家主席というのは、ベトコンの勇士、ヒーローでありますよね、全身傷だらけ。しかし、強い力でもって国づくりを邁進されている。  そのサン国家主席から、昨日の首脳会談の中に、ベトナムと日本が協力して第三国を招いて、例えばインド。インド、ベトナム、日本、三か国の戦略的なパートナーシップ、これを今後拡大していこうじゃないかという提案があったという具合に聞いているんですが、その辺り、インドもベトナムも日本も中国との間で様々な課題を抱えています。そういう課題を抱えている同士で連携を深めていくということは、日本の国益にとっても大変かなうことだと思うんですね。  その点について、総理、この新しい三か国の協力関係についてはどういう受け止め方をされたんでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 昨日、サン国家主席と首脳会談を行い、またその後の晩さん会においても、日越間の課題、あるいはまた国際場裏での協力等について様々な議論を行ったところでございます。  特に、日越関係におきましては、広範な戦略的パートナーシップに言わば我々の関係をグレードアップしたところでございまして、政治、経済、文化あるいは安全保障、そして人的交流、あらゆる分野におきまして関係を更に緊密なものにしていきたいと思うところでございますし、また国際場裏において協力も深めていきたい。そして同時に、南シナ海そして東シナ海、様々な課題、問題があるわけでございますが、やはりこれは、国際法を尊び、そして国際法により、こうした公共財である海の航行の自由等も含めてしっかりとこれは守っていかなければならない。言わば国際法を遵守するという観点において完全に一致をしているところでございます。  そして、今お話のございました、日、ベトナム、インドにつきましてでございますが、これ第三国も入っておりますので、そうした会話が行われたかどうかということも含めてここでの発言は控えさせていただきたいと、このように思うわけでございますが、まさに今後、ベトナムと様々な国益が、利益が一致するわけでございますから、この厳しい国際環境下において、そういうベトナムと今後ともしっかりと戦略的な、広範な戦略的なパートナーとしての関係を深めていきたいと、このように考えているところでございます。

浜田和幸新党改革・無所属の会

○浜田和幸君 是非、インドシナにおけるベトナムの重要な役割、戦略的なパートナーシップを深めていただきたいと思います。  中国に関してですけれども、ベトナムもインドも同じような危機感を持っています。しかし、日本にとっては、中国で一千万人を超える中国人が日本の企業で働いているんですよね。それだけ多くの人たちが、中国で日本の言ってみれば価値観を評価しながら働いてくれている。そういう人たちが、一人、二人とどんどん増やしていけば日本に対する考え方もがらっと変わっていくと思うんですよね。ですから、この一千万人の日系企業で働く中国人の人たちにもっともっと総理からも直接語りかけていただく、そういうようなお考えはないでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日中関係というのは戦略的互恵関係にあるわけでございまして、第一次安倍政権の際に胡錦濤主席と認識を一つにしたところでございます。  その中におきまして、日本は中国に物を輸出し、あるいは投資をし、利益を上げているわけでございますが、一方、中国も日本の投資によって、今おっしゃったように一千万人以上の雇用を創出をしているわけでございまして、日本しかできない半製品を輸入し、それを加工して海外に輸出をして大きな利益を上げている。つまり、そういう意味におきましては切っても切れない関係であるということは間違いないんだろうと、このように思います。  残念ながら政治の場においては首脳会談がなされていないわけでございますが、今の段階においては、中国もそういう認識の下、経済においては関係を全く変えていないと言ってもいいんだろうと思います。  また、一月、二月、日本、観光客が増えたんですが、その多くは中国から日本への観光客が、これは大きく、六、七割、昨年の一月、二月よりも増えているという状況もあるわけでございまして、日本のことをしっかりと知って、真実の姿を知っていただくことによって更に関係の改善に向けていきたいと、このように思うところでございます。

浜田和幸新党改革・無所属の会

○浜田和幸君 前回も質問しましたけれども、今ちょうどオバマ大統領夫人が中国、ファーストレディー外交で駆け回っておられますから、是非、昭恵ファーストレディーにも先陣を切っていただければと思っております。  それで、来月、オバマ大統領が日本に来られます。その日米関係に暗雲を投げかけているのが、トモダチ作戦に参加した一部のアメリカの水兵さんたちが東電に対する集団訴訟を起こしておりますよね。一人当たり四十億円もの賠償金を請求するという。  これは元々、アメリカの政府、国防総省や海軍が訴訟の相手と想定されていたんですが、アメリカ政府は、そういった訴訟は内容が極めて非科学的であり、政治的な背景ということで却下しました。却下されたがゆえに、この集団訴訟を裏で言ってみればあおっている一部の弁護士たちは、言ってみれば、くみしやすしという観点から日本政府や東電を訴えるという作戦に出ているんですね。  実際に昨年、何度か訴訟が行われましたけれども、運よく昨年中はサンディエゴの地裁が却下しました。しかし、今年になって内容を変えて、再び東電に対する訴訟が起こっています。日本政府は東電の最大の株主であるわけですね。もしこれが、訴訟が日本に不利な形になれば、これは大変な問題が引き起こされると思います。  来月、オバマ大統領が来られるときに、こういう理不尽で非科学的な政治的背景の訴訟は断固として抑えるように是非総理から大統領に進言いただきたいんですけれども、いかがでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 本件は私人間の民事訴訟に関わる事項でありまして、政府としてコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。  いずれにいたしましても、福島第一原発事故の現状や我が国の取組について、米国も含めた国際社会に対し引き続いて適時適切な情報発信を行っていきたいと思います。

浜田和幸新党改革・無所属の会

○浜田和幸君 是非、こういった訴訟の背後にも様々な意図を持った反日組織、集団の動きがありますので、是非十分情報収集に当たっていただきたいと思います。  そして、こういう集団訴訟が起こるという事例を見ますと、甘利大臣にお伺いしますが、TPPに参加することによってこういった理不尽な日本の企業に対する集団訴訟がどんどん起こる可能性がなきにしもあらずだと思うんですけれども、大臣のお考え、いかがでしょうか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 恐らくこれ、投資した企業が、投資を実行していく際に本来あってはならないような規制が掛かったりとか、そういう際に相手国政府を訴えるという件に関してだと思います。  一部の先進国でもそういう話がありましたけれども、その話は、具体的にどこからということは控えますけれども、収束しつつあるというふうに理解をしておりまして、日本としては、この条項については、むしろ途上国に日本の企業が進出する際に不透明な規制が突然出てきたりすることに対して入れている条項でございまして、一部の先進国から言われている懸念はしっかり手当てをしつつ、基本的にはTPPには組み入れていくという方向で調整が進んでいるというところであります。

浜田和幸新党改革・無所属の会

○浜田和幸君 是非このTPP、アメリカが戦わずして勝つような、そういう環境をつくろうというアメリカの強烈な意図も感じられるわけですから、今このTPPに加盟していない例えばインドですとかインドネシアですとか、また中国とか韓国、そういったところを交えた本当の意味のアジア太平洋の自由貿易協定、しかも各国の特殊事情に配慮したRCEPという方向の方が日本の国益、アジアのためになるんではないかと思うんですが、最後に安倍総理のお考えをお聞かせください。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 短くお願いいたします。時間が来ております。安倍内閣総理大臣。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 現在も日本は、日中韓のFTA、あるいは日豪のFTA、そしてまた今御紹介いただいたRCEP、そしてFTAAP、様々な貿易交渉について議論を進めているところでございますが、RCEPについていえば、RCEP、FTAAPへ進んでいく上においてもTPPというのは重要なルール形成の一つの基本になっていくのではないかと、このように思うわけでございまして、我々は、このTPPについては、国家百年の計として、日本の国益をしっかりと守りつつ日本の将来の成長に資するように我々は締結を目指していきたいと、このように考えております。

浜田和幸新党改革・無所属の会

○浜田和幸君 ありがとうございました。  以上で終わります。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 以上で浜田和幸君の質疑は終了いたしました。(拍手)  これにて内政・外交に関する重要事項についての集中審議は終了いたしました。     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) この際、御報告いたします。  本委員会は、平成二十六年度総予算三案につきまして、内閣委員会外十四委員会にその審査を委嘱しておりましたが、各委員長からそれぞれ審査概要について報告書が提出されましたので、お手元に配付しております。  つきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 御異議ないものと認め、さよう取り計らいます。  次回は明二十日午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時十分散会

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