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186回国会参議院2014/03/05

予算委員会 第7号

発言数
420
登壇者
36
会派数
8
開催日
2014/03/05

会議録

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  平成二十六年度総予算三案審査のため、本日の委員会に火山噴火予知連絡会会長・東京大学名誉教授藤井敏嗣君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 平成二十六年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。  本日は、一般質疑を百二十二分行うこととし、各会派への割当て時間は、自由民主党二十六分、民主党・新緑風会四十三分、公明党十四分、みんなの党十三分、日本共産党八分、日本維新の会八分、社会民主党・護憲連合五分、新党改革・無所属の会五分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 平成二十六年度一般会計予算、平成二十六年度特別会計予算、平成二十六年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。  これより一般質疑に入ります。石井正弘君。

石井正弘自由民主党

○石井正弘君 おはようございます。私は、この度岡山選挙区より選出されました自由民主党の石井正弘でございます。どうかよろしくお願い申し上げます。  早々の予算委員会における質問の機会を与えていただきまして、関係各位に感謝を申し上げさせていただき、そして、私自身、今まで四期十六年にわたりまして岡山県知事といたしまして地方自治行政の先頭に立って、財政の再建をしながら、地方の活性化、そして岡山県が更に力強く情報発信できますようにと、このように努めてまいったところでございまして、この経験を踏まえ、さらにまた全国知事会等々における活動もいろいろございました、そういった経験も踏まえながら幾つか質問をさせていただきますので、どうかよろしくお願いを申し上げたいと存じます。  それでは、早速でございますが、質問に入らさせていただきたいと思います。  地方において、アベノミクスに対します期待、非常に大きいものがございます。報道等によりまして様々な数値が、経済指標、これが発表される中にありまして、非常に大きな期待を持って、これが一日も早く地方全体に行き渡ること、地方への波及というものを期待する声が非常に大きいものがあるところでございます。  ただ、選挙区の皆さん方、地元に帰られますと同じかと思いますが、私も地元に帰りまして、特に景気ウオッチャーともいうべきタクシーの運転手さん等々と話をしておりますと、まだまだ十分に景気の浸透が隅々まで行き渡っていない、とりわけ輸出関係の関連の企業とか、あるいは、一部の建設産業等々は別といたしまして、まだまだ十分ではないんではないかと、このような感を強くするものでございますが、まずはこの今の実態につきまして、またこれからこの波及を進めていくためにどのような具体的な方策を取っていこうとされているのか、内閣府政務官より御答弁をまずいただきたいと思います。

小泉進次郎自由民主党内閣府大臣政務官・復興大臣政務官

○大臣政務官(小泉進次郎君) 今日は、石井委員に御指名をいただきまして、ありがとうございます。昨年の夏の参議院選挙におきましても、あの岡山県の日本一有名な図書館の前で先生と一緒に街頭演説をしたことを思い出します。今日は、昨年御当選をされた自民党の参議院の一回生としての初めての参議院予算委員会のバッターということで、私もこの権威ある参議院予算委員会での答弁も初めてですので、よろしくお願いしたいと思います。  今御指摘の地域経済におけるアベノミクスの波の波及ということですけれども、地域経済の動向を見ますと、総じて景気回復の効果が出ているとは思います。ただし、地域間でのばらつきが見られるのは先生御指摘のとおりだと思います。  内閣府の方で地域経済動向というデータも出しておりますが、全部で全国十一地域あります。この十一地域の中で、三地域は現状維持、そして八つの地域は上方変更。こういった中で、先生の御地元の岡山を含む中国地方でありますけれども、まだまだやはり回復、更に進めていく余地もあると思いますので、先日成立をしました補正予算、そして今御審議を参議院の方でいただいております本予算、こちらを速やかに成立を図り、遅滞なく、そしてシームレスに執行につないでいって、何とか地域の皆さんにも景気の回復したなと、そういった実感を伴っていけるように進めていきたいと思っております。  私も先日、地元のある小学生とお話をしたところ、小学生から大変面白い質問をいただきました。小泉さん、アベノミクスと会ったことあると、そういうふうに小学生から言われて、アベノミクスとは会ったことないけど安倍総理とは時々お会いするよと、そういったところを答えたんですが、よくよく考えてみると、私はその小学生のアベノミクスと会ったことあるという言葉は間違っていないのかなと。まだまだアベノミクスの好景気の実感を隅々まで感じていただいていないということを、その子供の言葉を借りればアベノミクスと会っていない方がまだ地域に多くいらっしゃいますので、一人でも多く、一社でも多く早くアベノミクスと会えるように全力を尽くしてまいりたいと思います。

石井正弘自由民主党

○石井正弘君 御答弁ありがとうございました。  本当に一日も早くアベノミクスと面会できますようにということを期待をしながら、総理にもお伺いさせていただきたいんですが、今御指摘いただきました、中国地域は緩やかに回復しつつある、確かにそうなっております。  岡山辺り見ておりますと、雇用情勢が特に着実に回復してきておることは、これは大変すばらしいと思うんですが、鉱工業生産、これは持ち直し、個人消費は持ち直し、確かに全体はそうなんですが、地域全体隅々まで、例えば中小都市あるいは中山間地域、こういったところに行きますとまだ実感がないというのが実態ではないかと思うんですが、これにつきまして、今後のアベノミクスの地方への波及、総理のお言葉から是非よろしくお願いを申し上げたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私どもは、三本の矢によってデフレから脱却をし、そして経済を成長させていくことによってしっかりと景気回復を着実なものにしていきたいと、こう思っているところでございます。  その中におきまして、今委員が御指摘になられた景気回復の実感でありますが、一般の皆さんが景気回復を実感するというのは、やはり自分の給料が上がって初めて実感できるんだろうなと思います。経営者のレベルにおいては実感している方々が大分増えているのは事実なんだろう、これは、地方に参りましても、仕事が増えている、売上げが上がっているという実感を持たれている方は多いわけでありますが、しかし、それで、その状況の中において、では従業員の給料を引き上げるかというところまでは残念ながら行っていないということなんだろうと思います。  大切なことは、しっかりと働いている人たちの給料が上がっていく、そのことによって更に消費が増えて、そしてさらに企業、小規模事業者まで含めて業績が改善をし、そしてそれが更なる賃上げにつながったり、あるいは設備投資につながっていくことによって、景気の好循環、この景気の好循環を全国津々浦々でしっかりと確保していくことが大切なんだろうと、このように思います。  ただいま小泉政務官からも答弁をさせていただきました地域経済動向でございますが、内閣府の調査でありますが、中国地方、今、石井委員が御指摘になったように、現在緩やかに回復しつつあるまで来ているわけであります。これは、かつて二十四年に行った調査においては弱い動きとなっているということでございまして、言わば、景気を十三段階に分けますと、二十四年の十一月の調査においては下から四番目だったわけでありますが、現在は上から四番目までは来ているわけでございまして、東北は回復しているまで、上から二番目まで、あるいは東海も上から二番目まで来ているわけでございます。  何とかもっともっと実感をしていただけるように、特に地方の皆さんが実感をしていただけるように、我々も更に今進めている政策を着実に前に進めていきたいと、このように思いますし、地域ごとの地方産業競争力協議会も開催いたしまして、全国各地の生の声を日本再興戦略の実行に反映をさせていきたいと考えているところでございます。

石井正弘自由民主党

○石井正弘君 ありがとうございました。是非、景気の地方への波及、よろしくお願いを申し上げたいと思っております。  これに関連いたしまして、お手元に資料もあるわけでございますが、総合特別区域、この指定状況をお示しをさせていただいております。  今、国家戦略特区ということで、国が主導して強力に成長戦略を進めていこう、これは非常に有意義なことで大切なことだとは思いますが、地方の経済を元気にしていくためには、地方の個性あるいは特性というものを踏まえながら、地方の取組、それは地方の発意によるもの、これを尊重してこれを国が支援していく、こういう仕組みというものも依然として有効だというふうに思っているところでありまして、是非とも、この地方の意思を尊重いたしました総合特区、それから構造改革特区などもあるわけでございます。  岡山県でも、実は水島の方でハイパー&グリーンイノベーション水島コンビナート総合特区、私も主導してやってきているわけでございまして、まだ進行中でございます。是非、こういったものも引き続き国の方から強力な支援、求めたいと思いますが、いかがでございましょうか。

新藤義孝自由民主党総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)

○国務大臣(新藤義孝君) 知事会等ではいろいろお世話になりまして、今回、国会へおいでいただいて、地方自治の実態を御存じの方から様々な建設的な御提案をいただけるものと大いに期待をしております。  そして、今委員がお話しされましたように、私どもも、個性を生かし自立した地方をつくる、これがこれからの地方分権の合い言葉だと、このように思っておるわけであります。  その上において、国家戦略特区というのは、新しい日本の経済の扉を開く、そして大きな規制緩和を通じていろんな経済を刺激していこうと、こういう取組であります。でも、それはあくまで先導的な事業であって、全国千七百を超える自治体はそれぞれのやり方でそれぞれの工夫をしながら元気になっていただかなければならないということであります。  ですから、御指摘のとおり、構造改革特区は既に七百七十件規制緩和を実現させております。それから、総合特区も四十八地域を指定して、岡山でも二地域あると、今御紹介いただきました。  これまでの既存の事業も生かしながら、そして地域の活性化やそれから過疎対策も含めて、そういったものを総合的に、複合的に展開しながらそれぞれの町の原型をつくってまいりたいと思っております。  私どもの国家戦略特区は日本再興戦略の中に位置付けてありますけれども、その国の上位計画の中においても、既存の特区制度も十二分に活用しながらこれを着実に振興していくと、このようなふうにしているところでございます。

石井正弘自由民主党

○石井正弘君 前向きな御答弁いただきまして、ありがとうございました。  それでは、具体的な産業の振興ということで、やはり基幹産業であります農林水産業の振興というものが極めて重要だという立場から御質問をさせていただきたいと思います。  まず最初は、農林水産物の輸出についてでございます。  農業を取り巻く現場の状況というものは今大変厳しいものがありまして、担い手が減少し高齢化が進む、こういった様々な厳しい諸条件の中で、我が国全体の人口というものが減少する、そういう状況の中に入ってまいりました。  こういった中で、一方で、日本の食文化、特に日本食というものに対して非常に今注目をいただいて、世界文化遺産という動きもございまして、非常にこれからも農林水産物を国内だけではなくて海外に向かって、すなわち輸出の振興を図っていくという必要があると、こう考えております。  ただ一方で、原発の影響によって非常にまだまだ風評被害等も残っているわけでございますから、こういったところは早期に外交力も駆使して解決をしていかなければならないというところでございますが、全体といたしましての今後の輸出の戦略というものにつきまして、農林水産省の方の見解をいただきたいと思います。局長さん、いらっしゃいますか。

山下正行農林水産省食料産業局長

○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。  まず、農林水産物、食品の輸出の状況でございますけれども、農林水産物、食品の輸出は、近年、リーマン・ショックや原発事故の影響等により減少傾向で推移していたところでございますけれども、昨年は、香港、ASEAN地域への輸出が大きく伸びまして、輸出額が対前年比二二%の増加、それから、これを原発事故前の平成二十二年と比較しまして一二%の増加ということで、五千五百六億円となりまして、過去最高となったところでございます。  また、輸出戦略についてでございますけれども、昨年の八月に国別・品目別輸出戦略を公表したところでございまして、今後は、この輸出戦略に基づきまして、オールジャパンの輸出促進の司令塔を設けて、日本食、食文化の普及拡大、また御指摘の原発事故発生に伴う諸外国の輸入規制の緩和等の輸出環境の整備、さらに産地間連携の構築等によります物流の効率化など、輸出戦略を着実に実行することにより、農林水産物、食品の輸出額一兆円目標に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

石井正弘自由民主党

○石井正弘君 是非前向きに力を入れていただきたいと思うんですが、お手元の資料に、二ページ目に、今局長の御答弁ありましたけれども、輸出戦略、これを農林水産省の資料ということでお示しをさせていただいているところでありまして、二〇二〇年までに一兆円規模へ拡大、是非これを実現できますように総力を挙げて取り組んでいただきたいと思うんですが、やはり地方公共団体との連携も極めて重要ではないかと、このように考えているところでございます。  いろいろこれを進めていく際には、ここにもありますけれども、いろんなネックとなっている点が多々あろうかと思うんですね。関税の障壁の問題があれば、あるいはHACCPの問題、さらにはいわゆるイスラム圏におけるハラール認証とか、いろいろ問題点もあろうかと思います。こういった問題点についてどのような方策をもって打開をしてこの輸出戦略を実現に向けて取り組んでいこうとなさるのか、大臣のこれからの御方針というものをお聞かせ願いたいと思います。

林芳正自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(林芳正君) 今局長から答弁いたしましたように、戦略を定めました。FBI戦略と言っておりまして、メード・フロム・ジャパン、メード・バイ・ジャパン、メード・イン・ジャパンのこの頭文字を取って、メード・フロム・ジャパンは、これちょっと珍しい話かもしれませんが、日本の食材をフランス料理ですとかイタリア料理で使うと、こういうことが起こっております。それから、メード・バイ・ジャパンは日本の食文化、食産業の海外展開、メード・イン・ジャパンが日本産のものの輸出と、こういうことでございますが、これを連携してやっていこうということでございます。  根底に、ジェトロで調査をしていただいておりますが、昨年それから今年と、同じ三月三日なんですけれども、日本食に対するアンケートをやっておりまして、主要国で昨年の調査でも日本食が一位になっておりますし、今年は主要国の都市で、新興国、モスクワ、ホーチミン、ジャカルタ、バンコク、ここまでは日本食がトップでありました。サンパウロで二位、ドバイは残念ながら、インド、中国、イタリアに次ぐ四位ということでもう少し改善の余地があると思いますが、今委員がおっしゃっていただいたように、こういう人気が必ずしもこの輸出に結び付いていないと、こういうところがあるわけでございまして、まさに御指摘のあったHACCP、ハラール、相手国が求める認証基準、これ農林水産物、食品の場合いろんなものが、クリアしていかなきゃいけないものがあります。  したがって、関係省とも連携して、まず相手国の規制を個別具体的に把握をする、そのことについての事業者への情報提供ということを行いながら、HACCP基準やハラールに対応した施設や体制、これを整備するための経費を補助すると、こういうことをやりながら輸出環境の整備に努めてまいりたいと、こういうふうに思っております。

石井正弘自由民主党

○石井正弘君 是非よろしくお願いしたいと思います。  そこで、私の今までの経験の中で、岡山は果物王国と称しておりますので、高品質な安全な果物を主として東南アジアをターゲットに行ってまいりまして、先ほどお話がございましたが、東南アジアのシンガポールであり、あるいはマレーシアであり、あるいはジャカルタ、いろんなところに売り込んでまいりまして、非常に富裕層の方に受け入れられまして、競ってそれをお買い求めいただいたという経験ございます。こういうアジアの富裕層をターゲットといたしまして、青果物、さらには牛肉も、今のハラール認証の問題がございますが、是非こういったものも進出を図っていくように後押しを政府からお願いしたいと思います。  とりわけハラール認証なんかは、国内において、食肉の処理施設、こういったものが厳しいハラールの世界、イスラム圏の教典に沿った対応というものが求められますので、こういったことが非常に地域の産業の活性化にもつながっていくものと、こう思っておりますので、そういった方針につきまして大臣からの御答弁をお願いしたいと思います。

林芳正自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(林芳正君) まさに石井委員から今御指摘があったように、青果物、それから牛肉、これは高い品質が評価されて輸出が伸びているところであります。お示しも資料でいただいた国別・品目別輸出戦略でも、例えば青果物については、成長著しい東南アジア等の新興市場の戦略的な開拓、卸売市場の活用をして周年供給体制、一年中ロットを同じぐらいの量で出し続けていくと、これが大きな商売には大事でございますので、こういうことをやっていくと。  私も、昨年、ベトナム、インドネシアを訪問させていただきましたが、スーパーへ行きますと本当にいろんなところが並んでいるんですが、残念ながら日本のリンゴがなかったりとかいうことがございます。向こうのスーパーの関係者なんかは、もう是非入れたいんだと、こういう要望も強かったわけでございますので、こういうところをきちっと開拓していくことによって、今大体八十億円の輸出ですが、二〇二〇年までにその表にありますように二百五十億円規模にしていきたいと。  それから、牛肉も大変評価は高いわけですが、先ほどFBI戦略と申し上げたように、日本食である焼き肉、これと一体的にプロモーションをしていくということを実施する。また、ロシアやサウジアラビアなど牛肉需要が見込まれるところでまだ出せていないところ、こういうところを絞って輸出解禁に向けて検疫協議を進めると、こういうことをすることなどによって、今五十億円でございますが、これを二〇二〇年までに二百五十億円規模にすると、こういう意欲的な目標を立てております。  オールジャパンの輸出促進の司令塔、これが必要でございまして、ジャパン・ブランドとしてやはり輸出をしていくと。今、どういうぐらいの数字が出ているのか、それからどういう取組になっているかということを一つずつ検証しながら、更に何ができるのかということをやることによって大きな一兆円の目標を達成していきたいと、こういうふうに考えております。

石井正弘自由民主党

○石井正弘君 是非、一兆円目標達成をお願いいたしたいと思います。  小泉政務官、ありがとうございます。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 小泉内閣府大臣政務官については御退席結構でございます。お疲れさまです。

石井正弘自由民主党

○石井正弘君 それでは、今度は国内の消費拡大ということに向けた戦略を質問させていただきたいと思うんですが、まず、食料自給率の向上ですよね。これも私も県議会で度々論戦をしてまいりました。県も目標を設定して取り組んでいこうということでやってきているわけでございますが、なかなか目標達成厳しいという現状がございました。政府全体も目標を立てられ、そしてそれに向けて具体的に今いろいろ取り組んでいらっしゃると思うんですけれども、これは地方公共団体も一緒になってやっていく必要もあるテーマではないかと思っております。  穀物を中心に是非これを向上させていく必要性というものを痛感をしておりますけれども、こういった点につきまして、農林水産省、大臣としての方針をお聞かせいただきたいと思います。

林芳正自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(林芳正君) 今委員がおっしゃっていただいたように、食料の安定供給、これを将来にわたって確保していくということは国民に対する国の最も基本的な責務であろうと、こういうふうに思っておりまして、食料・農業・農村基本計画においては、御案内のとおり、自給率目標、平成三十二年度でカロリーベース五〇%、生産額ベースで七〇%にしましてその向上を図っているところでございます。しかしながら、天候、それから東日本大震災等の影響もありまして、現在、カロリーベースで三九%、生産額ベースで六八%、いずれも平成二十四年度でございますが、そこにとどまっておるということでございます。  向上を図るためにどういうことをするかと。生産、消費の両面が考えられるわけですが、需要のある飼料用米、麦、大豆、こういう自給率が麦、大豆は一割内外でございますので、こういうものの生産振興を図ると。それから一方で、消費の方では、学校給食における地場食材の利用拡大、それから地域で生産される農産物の消費拡大を図るための商品開発、こういうものを行う食のモデル地域、こういう取組への支援、こういう政策を行うことによって、まさに委員がお詳しいところでありますが、地方公共団体などが実施する国産農産物等の消費拡大、地産地消の取組、こういうものを推進することによりまして、この冒頭申し上げた自給率目標の達成に向けて引き続き努力を重ねていきたいと、こういうふうに思っております。

石井正弘自由民主党

○石井正弘君 ありがとうございます。  私も今まで地域の女性ボランティアでございます栄養委員の皆さんと連携いたしまして、これは栄養改善協議会というんですけれども、朝食を食べよう大作戦、これを運動して、特におにぎりを子供さんたちと一緒に握ってこれを食べようと、おいしいですねというようなことで一大運動をして、大分朝食を食べていただく、特にお米を食べるお子さんたちが増えてきたという経験がございます。  米の消費拡大につきまして、例えば今、米粉のパン、こういったものが非常に注目されて、大分これが増えてきているかとは思うんですけれども、この米粉を使ったいわゆる六次産業化、これにつきまして、大臣の方でこれからの方針につきましてお話をいただきたいと思います。

林芳正自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(林芳正君) まずお米の消費量でございます。今お話をしていただいたように、昭和三十七年がピークでありまして、一人頭百十八キロと。これが今二十四年度で大体半分の五十六キロということですから、委員がしっかりやっていただいたように、朝飯、昼飯、晩飯、全部お代わりして二杯ずつ食っていたのが、朝はトーストになって昼が丼で夕食がお代わりと、これで大体半分でございますから、まあ大体そういう感じになったと。  減り方は、実は六五年から七四年の十年間は二・二キロずつ減っていたんですが、九五年から二〇〇四年は〇・六キロということで、減り方自体は少なくなってきてはおりますが、やはり食生活が欧米化した、それから単身世帯が増えたので食の簡便化志向が進んだ、また高齢化等によって一人当たりのカロリーの摂取量がどうしても減ってくると、こういうことでございますので、引き続きこの主食用の米の需要が、まあトレンドは少なくなりつつも減っていくと。  こういう中で、今言っていただいたようなことをやりながら、パン、麺など、御飯以外の形態で米を消費するということができる米粉の消費拡大、これ大変に大事だと、こういうふうに思っておりまして、六次産業化でいろんなことをやっていく、一次産業の方が二次産業、三次産業も併せてやるという取組でございますが、こういう取組に対して六次産業化法というものに基づいて事業計画を認定する。また、新しいものを開発したり販路を開拓したりする。また、加工販売施設必要ですから、これの整備への補助事業、融資、こういうものに加えて、昨年の二月からはファンドをつくりまして、各県にサブファンドをつくっていただいているところでございますが、ここから出資をするということ。さらには、六次産業化プランナー等の専門家による事業計画を作るところから事業の実施に至るまでのアドバイスをすると、こういうことで一生懸命六次産業化、後押しをしていきたいと思っておるところでございます。

石井正弘自由民主党

○石井正弘君 ありがとうございます。  お手元に、六次産業化、大臣の今御指摘のこのポテンシャルという資料もお付けしておりますが、非常に地域に期待が今高まってきております。今のファンドの問題とかプランナー、非常に有効な政策ではないかと思いますので、是非必要な予算額を確保して強力に進めていただくようにお願いいたしたいと思います。  そして、この問題、最後に米粉の製品についてなんですが、学校給食でも米粉パン非常に普及してきていると思うんですが、これの普及状況ですね。今、米粉パンということになるとやはり小麦粉が少しどうしても入っているのが普通だと思いますし、米粉の麺、これも今大臣御紹介いただきましたが、これもやはりつなぎの問題で小麦粉も少し入っている。そうすると、いわゆるアレルギーの問題が学校給食あるものですから、これが解決できないかということで、私どもの地元では、一〇〇%米粉による麺というものが開発されまして、今普及体制に入ってきておりまして、先般、農林水産省の関係の方も御出席されましてプレゼンテーションも行ったというような状況でございます。一〇〇%の米粉ですから米粉麺の麺というへんを、むぎへんでなくてこめへんにしなきゃいけないと、こういうふうな冗談ぽい挨拶もあったんですけれども、こういったものにつきまして農林水産省の支援もお願いしたいと思いますが、担当局長さんの御答弁をお願いしたいと思います。

佐藤一雄農林水産省生産局長

○政府参考人(佐藤一雄君) 石井先生の御質問にお答えいたします。  今の学校給食での米粉の利用につきましてですが、米粉パンを導入しております学校数でございますが、平成十七年度には六千校で給食実施校の約二割であったものが、平成二十四年度には一万八千校ということで給食実施校の六割まで拡大しているところでございます。  また、学校によりましては、今先生の方からお話ございましたように、米粉パンに加えまして、麺やあるいは揚げ物の衣にこの米粉を利用するといったようなところも出ておりまして、これらの普及というものは非常に大事なことというふうに考えておりまして、このようなことに対しまして、農林水産省では、米粉料理レシピのコンテスト、あるいは各地で行われる食のイベントへの米粉関連商品の出展といったようなものについていろいろと後押しをしているところでございます。  米粉の需要の拡大で今一番大事なのは何かと申しますと、やはり小麦粉の価格よりも米粉の価格の方が割高になっておる、製粉コストといったものがまだまだ小麦粉に比べて米粉の方が高いという状況になっておりますので、この製粉コストの低減に向けました技術開発、これを今現在やっておるところでございまして、また、先生の方からもお話ございましたように、米粉製品の持つ食感あるいは機能性を生かした商品の開発と普及と、こういったものが非常に大事でございますので、今、予算審議していただいております二十六年度の予算要求の中に大豆・麦・飼料用米等生産拡大支援事業というものがございまして、この事業を活用しまして、今申し上げました製粉コストの低減あるいは新たな製品開発、こうしたものをしっかり推進していきたいと、このように考えている次第でございます。  以上でございます。

石井正弘自由民主党

○石井正弘君 是非よろしくお願いいたしたいと思います。  それでは、次のテーマに移らさせていただきたいと思います。地方都市の再生というテーマなんですが、地方都市中心部を見ておりますと、やはり大規模店舗法による規制緩和、こういったことがなされて、そういったこともあろうかと思いますし、また、大都市への人口の集中、いろんなことが背景にあろうかと思いますが、中心市街地は閑古鳥が鳴いて、そしてまた空き店舗が非常に目立っているような状況にあるわけでございます。  いろいろ議論があろうかと思いますが、この中心市街地の活性化というものはもう待ったなしの今状況になっているのではないかと思います。相当思い切った対策を講じていただきたいと、こう考えておりますが、全体といたしまして、どのように現状を捉え、どういう方策をお考えなのか、経済産業大臣のお答えをいただきたいと思います。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) 中心市街地の活性化の問題でありますが、石井委員が知事になられたすぐ後になると思いますが、平成十年に中心市街地活性化法を制定して以来、重要政策として取り組んでまいりました。  しかしながら、厳しい経済状況、特に地方においてはそうであります。さらには、例えば病院が郊外に移転すると、そうすると人の流れもそれに伴って変わってしまう。こういった公共施設の郊外移転など様々な要因が複合的に関連した結果、中心市街地に対して十分な民間投資が行われずに、必ずしも、中心市街地の状況、全国でまばらであります。例えば、景気が良くても中心市街地が全然駄目なところと、景気は悪いんですけれど長崎の佐世保のように比較的うまくいっているところとありますけれど、全体的には低迷をしている。恐らく岡山においても同じような状況なんだと思います。  こういった状況を踏まえまして、先日、二月の十二日に中心市街地活性化法の改正法案、閣議決定をいたしまして国会に提出したところであります。この法案、これまでの反省も踏まえまして、地元住民、自治体の強いコミットメントがあると、そして、それだけではなくて、経済効果の高い民間プロジェクトに対しまして従来よりも手厚い支援措置を重点的に講じていきたいと考えております。具体的には、予算措置の拡充、そして建物等の取得に関する割増し償却などの税制措置の創設、さらには低利融資措置の創設など支援策を講じることにいたしております。  こういった措置に加えまして、一月二十八日に設置をされました地域活性化の推進に関する関係閣僚会合において、関係省庁の施策を有機的に結び付けながら、当然これは経産省だけではできない、国交省であったりとか様々な省庁一緒になって取り組む問題でありまして、新たな地方都市像のモデルとなるケース、こういったものを構築していくことにしております。恐らく一つの、青森の新町商店街とか、ああいったコンパクトシティーとか、幾つかの概念が出てくるかと思うんですけれども、そういったモデルをつくりまして、そしてそういったものをまた全国に広げていく、こういったことも展開をしてまいりたいと考えております。

石井正弘自由民主党

○石井正弘君 ありがとうございました。  ただいまの御答弁の中にコンパクトシティーという言葉もあったんですけれども、お手元に都市再生特別措置法等の一部改正法律案の概要という資料もお付けしておりますが、国土交通大臣にお伺いをしたいと思います。  超高齢化が進んでいく、そういった中で、今経済産業大臣からもお答えがあったんですが、医療施設なんかをもっと町の中心に近いところへ、福祉関係もそうでございますし、様々な都市業務施設を真ん中に集めて、そして居住関係の地域もその周りに設定していく、緩やかな、今までの都市計画の線引きとは違った、そういう誘導型の町づくりという面におきまして非常に注目される改正案ではないかと私も思っておりますし、またあわせて、その次のページにもございますが、公共交通ネットワークですね。やはり離れたところにおられても様々な交通、公共交通のルートが設定されている。バスがある、あるいは不便なところはデマンド型のタクシーがある、こういったような全体としてのそういう公共側が、地元が中心になって事業者と連携した取組、今これが求められていると思うんですね。  その場合には、公共交通機関、これを公設民営にするとか、公設民託、こういったような新しい考えも出ておりますので、国の支援も併せて行っていくべきではないかと考えておりますけれども、国土交通大臣のお考えをいただきたいと思います。

太田昭宏公明党国土交通大臣

○国務大臣(太田昭宏君) 人口減少そして高齢化、この二つは相当これから進み、そしてどうこれに国土づくりあるいは社会づくりということをするかという大きなテーマだと思います。  二〇五〇年ということを想定してみますと、一平方キロでメッシュで切りますと、何と二〇五〇年には六六%の地域で人口が半減以下になると。そうすると、増田寛也さんが言っているようにもう消滅するという。しかし、私は、消滅するのではなくて、数人であってもその集落に住み続けて恐らくいるということからいきまして、どうやってこれを支えていくかという、町づくり全体をどうするかということが一番大事なテーマで、そこにスタートするのは今でなくてはならないというふうに強く思っています。  そうした観点からいきますと、コンパクトシティー・プラス・ネットワークということが非常に大事になるわけですが、コンパクトシティーというものをやる中でも、郊外に広がった、また住んでいる居住自体が広がっていますから、それを誘導して高齢者も町中に住んでいただく、そして歩いて暮らせる町づくりというものをつくっていく、そして介護施設や医療施設もその中心市街地に持っていく、そうしたこと。  その中には、今度は交通網も、今までは全部駅に行くようなバスであったり駅をつないだ列車というようなことが中心でありましたが、バスも最近は都市ではコミュニティーバスということで、昼間、高齢者が大勢住んでいますからそれをずっと回って医療施設に行くようなコミュニティーバスという想定があり、またディマンドバスと、もっと集落が小さいところには、あしたここに行きますよということをちゃんと予定を出して拾っていくというディマンドバスというような回るバス、駅に行くバスではなくて行き帰りの回るバスということが想定される。  そういう中には、交通網の整備ということが非常に大事になってくるわけですが、そこを今度は、民間がやっている、市がやっていると共に赤字になって成り立たないというようなことがありますから、そこに今御指摘の公設民営であるとか公設民託であるとかという、下の、持っているもの自体はこれは公が持つけれども運営は民がやっていくと、いろんな形のすみ分けといいますか、お互いの連携というものが極めて重要と。  交通網におきましても町づくりにおきましても、今、茂木大臣から中心市街地を始めとすることがありましたが、大きな構想の下でやるということは今しかできない、私はそのように思っていますが、そこでは今度は各市に、また県に知恵袋がいなくてはならないと、そういう点が非常に急所だというふうに思っているところです。

石井正弘自由民主党

○石井正弘君 おっしゃられるとおりでございまして、岡山も公設民営など先進的にもう取組をスタートしておりますので、是非御支援をお願い申し上げたいと思います。  そして、この項、最後にでございますが、やはり人口減を食い止めて若者の定住ということになりますと、産業の振興、とりわけ第二次産業の立地というものが非常に鍵を握っていると思うんですね。どうしてもこういった産業は大都市の周辺に立地をしがちだと思うんですが、地方都市にしっかりこれを立地をしてもらうというためには、やはり国策として国からの強力な産業政策というものが必要だと思うんです。  関係法律ももちろんできてはいるんですが、まだまだ十分な立地が地方に行っていないと思いますので、このための国の政策支援、是非よろしくお願いしたいと思いますが、経済産業大臣のお考えをお願いいたしたいと思います。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) 先ほども申し上げましたが、これ、例えば経済産業省であったりとか国土交通省とか、一省庁で完結するものではありません。  例えば倉敷なんかもすばらしい町並みを持っていると思いますけれども、そこで様々なイベントを開くとなりますと、そこには例えば交通規制で警察の問題が関わってきたりとか、病院の問題、厚労省であったりと、まさに政府一体で取り組むべき問題だと、こんなふうに考えておりますし、今まで以上に、先ほどの法案のことでも御説明申し上げましたが、レベルを上げて取組をしないと、なかなか難しい問題でありますから、中心市街地の活性化達成できない、こういう思いで取組を進めてまいりたいと考えております。

石井正弘自由民主党

○石井正弘君 ありがとうございました。  それでは次のテーマに移りたいと思うんですが、再生可能エネルギーについてでございます。  私は、全国三十数人の知事さんたちに集まっていただきまして自然エネルギー協議会を立ち上げ、その会長に就任して、各種の提言とか要望活動を行ってまいりました。また、岡山県でも新エネルギービジョンというものをつくり上げまして、岡山ならではの自然エネルギーを進めていこうという取組も行ってまいったわけでございます。  今現在、エネルギー基本計画の案がいろいろ部会等でも我々も議論、参画をさせていただいているところでございますけれども、もっともっと国として強力に進めていくべきではないかと思うんですね。この今現在の案では、再生可能エネルギー、三年程度導入を最大限加速をしていく、その後も積極的に推進となっておるので、まあ積極的に推進ではあるんですが、なぜこの三年程度ということが先に出るのか。全体として強力に推進する中でとりわけ三年程度は強力に更にやっていくんだという表現の方がもっと分かりやすいんではないかというふうに思うんですが。  それから、我々、私も参加しておりますが、自民党資源・エネルギー戦略調査会の地域の活性化に資する分散型エネルギー会議、二階座長、山本会長の指導の下、長谷川事務局長の案ということで、今日、関係の部会の方で議論されるようでございますが、「再生可能エネルギーの試案ならびに提言」というものがまとめられております。  これによりますと、具体的な提言が最後に提示されておりますけれども、再生可能エネルギーは、固定価格買取り制度の適切な運用と地域の強みを生かした最適な構成並びに省エネの推進と合わせることによって、国民の負担を最小限に抑えつつ、二〇三〇年に再生可能エネルギーの比率目標を三五%に据えることは可能である等々の具体的な提言もなされているところでございます。  この提言、試案、こういったものについてどのように受け止めておられますのか、経済産業大臣の御見解をお願いいたしたいと思います。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) 再生可能エネルギーは極めて我々重視しておりまして、国産のエネルギーである、さらに、よく木質バイオマスの話出てまいりますけれども、地域活性化にも資する分散型エネルギー源でありまして、低炭素社会の創出にも寄与し、さらには新しいエネルギー関連の産業であったりとか雇用の創出にもつながるということで、最重点で取組を進めたいと思っております。  どうして中長期にしっかりやると、そこの中で特に三年は最大限のということにならないかということなんですが、経緯から申し上げると、一昨年、我々が政権に復帰をします総選挙、安倍総裁の下で戦うときに、政権公約作りました。そのときに、今後三年間最大限導入しますと、こういう公約を作ったわけであります。今回、その三年に加えて、三年で終わるのではなくて、更にその先も見据えてしっかりやっていきますということをエネルギー基本計画の政府原案に盛り込まさせていただいた。そういった意味で、これまでの経緯からして三年、そしてその後という流れになっているわけであります。  さらに、今回のエネルギー基本計画におきましては、単に期間の話だけではなくて具体策ということで、一つは、やはり太陽光もそして風力も消費地と生産地が違ってくる部分がありますので、送配電網等系統の強化を図っていく、さらには、地熱の問題を含めて、環境アセスであったりとか規制の合理化といったことも重要であります。さらには、低コスト化を図っていくという重点となります政策もこの基本計画の中に明記をさせていただいた、盛り込まさせていただいたというところであります。  また、もう一点の、自民党の地域活性化に資する分散型エネルギー会議におきまして、再生可能エネルギーの導入目標、二〇三〇年に三五%と極めて高い野心的な目標を設定していただいた、このことは承知をいたしております。  当該試案につきましては、まず自民党におきまして様々な議論が進んでいくものだと承知をいたしております。

石井正弘自由民主党

○石井正弘君 その固定価格買取り制度でありますが、これは国民の負担を求めてという制度でございますけれども、認定を受けた事業者が太陽光パネルの値下げというものを待っているということなど、様々な事情によって一定の期間内に運転開始をしないというケース、これが出ているわけでございます。  我が岡山県でも強力にやってまいりましたけれども、幾つかの事例が散見されるようでありますが、この認定、こういったものについてはもう認定を思い切って取り消すとか、あるいは適用価格は下げていく、変更していく、こういった思い切った制度の改正、見直しをしていくべきではないかと思うんですが、担当部長の御見解をお願いしたいと思います。

木村陽一資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長

○政府参考人(木村陽一君) お答え申し上げます。  御指摘の点につきましては、実態を把握すべく、昨年九月から報告徴収を行ってまいりました。その結果判明いたしましたいまだに土地と設備が決定していない案件につきましては、今後、段階的に認定の取消し手続に入ることとしてございます。また、設備の認定の在り方につきましては、新たに検討のための専門のワーキンググループを設置をいたしまして、認定から土地と設備の決定までに何らかの時間的制約を設けるなど、制度の運用につきましても見直すことといたしまして、今年度内に結論を得べく検討を進めているところでございます。こうした見直しを早急に進めながら、早期の運転開始が促進されるようにしてまいりたいと考えてございます。

石井正弘自由民主党

○石井正弘君 その固定価格買取り制度についてでありますが、地域によって大分事情が違うと思うんですね。太陽光発電で見ると、やはり太陽光、非常に効率のいいところとそうでもないところの差があると思うんですが、こういった地域特性を踏まえながら全体としては強力に進めていくと、こういう考え方もあろうかと思いますが、これについてはどのようにお考えでしょうか。  また、法施行後三年後見直しと、こうなっているわけでありますが、ドイツの資料をお手元に付けております。これを見ると、半年ごとあるいは月ごとと、このように改めてきたということも記されているわけでありますが、こういったようなドイツの制度というものも参考にした見直し、これについてどのように思われますか。担当部長の見解を求めたいと思います。

木村陽一資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長

○政府参考人(木村陽一君) 再生可能エネルギーに地域による特性があるということは御指摘のとおりでございます。一方で、国民負担の観点から、法の趣旨に沿いまして、効率的な事業実施を前提にそのコストを評価していく必要がございまして、バランスを取っていく必要があると考えてございます。  買取り価格、買取り期間の決定方法につきましては、法律上、毎年度、省令で定める再生可能エネルギー発電設備の区分、設置の形態及び規模ごとに価格と期間を定めるということが明定されておりまして、現行法の下では、御指摘の地域別、月別の価格設定というのがなかなか難しいところがございますけれども、ただ、いずれにいたしましても、そのドイツの例も参考にいたしまして、固定価格買取り制度の在り方につきましては、法の見直し条項に基づき、新たなエネルギー基本計画の策定を踏まえた再生可能エネルギー導入促進策の検討の中でしっかりと議論していくこととなるものと考えてございます。

石井正弘自由民主党

○石井正弘君 是非前向きな見直しをお願いしたいと思います。  そして、もう一つ、木質バイオマスについてでありますけれども、非常にこれは林業関係者とか地域の皆さん、期待が大きいものがあります。また一方、その関係の燃料源となります原木とかあるいは端材といったものをどのように集めていくかという大きな課題も地域においてあるわけでございますが、いずれにいたしましても、こういったものを克服をいたしまして、強力にこの木質バイオマス発電進めていくべきだ、非常にエネルギー関係の部会でも多くの議員の皆さんから声が出ているわけでありますが、国からの力強い支援につきまして、農林水産大臣の見解を求めたいと思います。

林芳正自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(林芳正君) 我が国の毎年伐採される立木、この半分が実は林地内に放置をされて、二千万立米とも言われておりますが、未利用になっておると、こういう状況でございます。製材工場まで行きますとほぼ九五%を利用している、建設現場でも九割は利用しているというのに比べて、伐採のところはほぼ利用率がゼロということで、この二千万立米の利用されていないものを何とか利用できないだろうか、こういうことを発電や熱供給に使っていけないだろうかというのがこの木質バイオマスのそもそもの発想でございまして、エネルギーの安定供給や地域の活性化、森林の整備に寄与するということで大変大きな役割を担っていると思っております。  先ほど茂木経産大臣からもお褒めの言葉をいただいて大変意を強くしているところでございますが、この木質バイオマスの利用の促進に当たって、今委員からもお話がありました、やはり施設を最初に導入するときの初期負担、これは結構大きいということと、それから、走り出してからやはり木質バイオマス燃料の調達、これが非常に課題になります。  したがって、我々として、まずこの発電施設の整備に必要な資金の融通、それから当該施設の立ち上げに際して必要となる原料の初期調達コストの一部支援、さらにボイラー等の熱供給施設の整備への支援、それから路網整備、森林施業の集約化などの取組を通じて、今先ほど申し上げた未利用木質バイオマスの安定的、効率的な収集への支援、木質バイオマス発電等に取り組もうとする事業者、今資料でお配りをいただいているように、御地元の岡山でも大きなプランが銘建さんを中心に動き出すと、こういうことで大変期待をしているわけでございますが、こういう事業者の皆さんに対する相談等のサポート体制の構築、効率の良い木質バイオマス発電等に関する技術開発の支援と、こういうことを網羅的に行っていきまして、この木質バイオマスの利用を推進してまいりたいと、こういうふうに思っております。

石井正弘自由民主党

○石井正弘君 ただいま御答弁の中で引用していただきましたが、我が地元でも、日本一の規模の木質バイオマス発電、もう着工しているという状況でございますし、太陽光発電につきましても我が国最大の規模のものが今事業化に向けて具体化しつつあるという状況でございます。  総理に、最後に、この再生可能エネルギー普及拡大につきまして総理としての決意というものをお伺いをさせていただきたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 再生可能エネルギーの普及は、我が国のエネルギー安全保障の観点からも、あるいは低炭素社会をつくっていくという観点からも大変重要でありまして、そして新しいエネルギー関連の産業創出にもつながっていくと、このように考えておりますし、実際、岡山県でも新しい動きが出ていることは歓迎したいと、このように思います。そのため、固定価格買取り制度の着実な運用に加えまして、送電インフラの整備や規制改革、技術開発など再生可能エネルギーの最大限の導入に向けて必要な施策を総動員していく考えであります。  昨日首脳会談を行いましたデンマークにおいては、既に風力を中心に再生可能エネルギーを五〇%にしているわけでありまして、将来一〇〇%を目指していくということでありました。ただ、国の規模等は大分違うわけでありますから単純に比較はできませんが、しっかりとこの三年間の集中期間に再生可能エネルギーの充実を図っていきたいと、このように思っております。

石井正弘自由民主党

○石井正弘君 どうも、総理、ありがとうございました。  私も、十数年前にデンマーク行ったときに、風力発電がどんどん普及しておって、岡山でもどうですかと言われたんだけど、ちょっと岡山は風が強くないんですという会話をした記憶がございますけれども、是非地域に応じた再生可能エネルギーの普及を政府を挙げて強力に進めていただくように改めてお願いをいたしたいと思います。  そして次は、地方分権について総務大臣に幾つかお伺いしたいと思います。  今回、法案も出されるわけでございますが、地方分権推進についてどのように基本的にお考えになっておられるのかということで、今、第四次一括法案、通常国会に提出ということでございますけれども、これで終わりということではないと思うんですね。地方分権改革有識者会議でも議論があるようでございますが、今後の取組、是非これをお願いいたしたいと思います。

新藤義孝自由民主党総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)

○国務大臣(新藤義孝君) ちょうど今年は、平成五年に宮澤内閣において地方分権の推進に関する決議、これ衆参両院で行った決議から二十年目の節目を迎えております。  まず、第一次分権改革においては、これは国と地方の関係を見直そうと、上下主従から対等、そして協力と、こういう関係で見直しました。機関委任事務を廃止をして、そして自治事務、法定受託事務と、こういったものに分けたと、これが大きなテーマです。そして、それを第二次の分権改革で着実に実施してきたと。そして、その仕上げが今回の第四次一括法案で、今までの残りのものを全て提案をテーブルにのせて、そして方針出せるものは全て織り込んだ、これが第四次であります。  この二十年間の節目の中で、ある程度国から地方への権限移譲というものは、できるものは進んだということであります。ですから、今後どうするかは新しいステージに上げなければいけないと、このように思っているんです。それは私は、このキーワードを地方の発意と多様性だと。全国一律で同じような規制緩和をするとなると、最大、これはミニマムのものにしなきゃなりませんので、どうしてもできることとできないものははっきり分かれてくるわけです。  でも、例えばやる気のあるところ、自分たちがそれをやると、これ手挙げ方式というのを認めようじゃないかと。それから、自分たちだったらこうしたいと、これは提案方式。今度は分権を一律のものではなくて多様であって発意を前提としたものとして進めていきたいと、私はそう考えております。その中で、今後、今のような具体的な制度、提案募集方式もそれから手挙げ方式というものも、これも制度として確立させていきたいと思います。  あわせて、今まで進まなかったのは、地方分権を調査審議するのと政策決定する機関が一つになってごっちゃになっていたのです、前政権において。これを私、今お役を頂戴して完全に機能を分離させました。そして、その上で調査審議機能と政策決定機能を分けた中で具体的な提案をさせてきた。私の下にいわゆる分権の有識者会議というものを設けて、そこが、議論するだけではなくて、役所と実際に調整をしていろんな提案を整理してきたということであります。これを継続、持続可能なものにしたいと、このように思いますし、何よりも、ここまで来ると成功事例を全国のそれぞれの自治体に知っていただいて、そんなことができるんならば我々もやるよと、こういう情報発信を更に強化しよう。SNSですとかそういうものを使ったり、シンポジウムを設けたり、いろんな工夫をしながら地方分権を新しいステージに上げていきたいと、このように考えております。

石井正弘自由民主党

○石井正弘君 是非、新しいステージということで前向きな新しい方式を取り上げていただく、これを我々としても期待をするものでございます。  そこで、次、財政について、地方財政となりますとやはり一番大きな課題でございますので、総理に見解をお願いしたいと思うんですけれども。  確かに、地方財政計画、お手元の資料にありますとおり、地方一般財源、これは全体で一%の伸び、〇・六兆、必要な地方一般財源総額の確保と、このようにされておりまして、このような大変厳しい中でのこのような財政措置は地方公共団体にとりましても評価をされているかと思うんですが、ただ、地方はそもそも社会保障費が当然増で非常に増えていくんですね。毎年七千億円程度増えるという試算もあるわけでして、これへの対応とか、消費税増税に伴って当然社会保障もこれから充実をしていくことになっているわけでございます。  こういった点からすると、これで十分だと言えるのかどうかという議論も地方には一部あるわけでございますけれども、言いたいことは、地方分権を推進していくためにはやはり地方財源が充実されること、そして確保されることが一番大事だというふうに考えておりまして、地方財政の充実強化につきましての総理のお考えを是非お示しをいただきたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 地方分権を進めまして、そして地方が自らの発想、創意工夫によってその地域の良さを生かした、その地域らしい町づくりを進めていくためには、自由に使える財源をしっかりと確保していく必要があると思います。  平成二十六年度の地方財政計画においては、社会保障費の自然増や、今おっしゃった自然増や充実分を含む経費を適切に計上いたしまして、歳出総額を前年比一・四兆円の増とするとともに、地方税等の一般財源総額について平成二十五年度を上回る額を確保いたしました。  今度とも、地方財政計画において、必要な経費を適切に歳出に計上し、そして地方分権を一層推進するために地方税財源の充実確保に取り組んでまいります。

石井正弘自由民主党

○石井正弘君 是非よろしくお願いいたしたいと思います。  そして、この項、最後に、地方住民税の交付税原資化という今回の税法の改正でございます。  地方にいる者といたしましてはこの偏在是正ということ自体は評価させていただきますけれども、一方で、東京都を始めとする税収の多い自治体は反発を強めているというのが現状ではないかと思います。この点につきましてどのようにお考えなのか。  それから、元々全国知事会でも提案してきたわけでありますけれども、偏在性が少なく、そして安定性のある地方税体制、例えば消費税を地方税化していくとか、こういったことを目指していくべきという提言もあるわけでございますし、また、国と地方の歳出比率を、これを四対六に近づけていくためにまずは五対五を改革目標とすべきではないか、これも地方分権改革推進委員会からも提言があったと承知しておりますし、地方側の意見でもあるわけでございます。  これにつきまして、総務大臣のお考えをお示しいただきたいと思います。

新藤義孝自由民主党総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)

○国務大臣(新藤義孝君) これは、一度に三つ御質問いただいておりますので、少し時間を頂戴したいと思います。  まず、東京都などの税収の多い自治体に対する反発をどうするのかということであります。  これは、地方消費税の増収分の範囲内でこの法人住民税の一部を交付税原資化すると、こういうことで、地方法人特別税の規模を三分の一縮小することと併せてやったということですね。  これは、数字を申し上げますと、例えば東京都特別区においてはどうなったかといいますと、法人住民税が確かに千七百億円の減なんです。ですが、地方消費税が約二千二百億円の増となります。ここでプラス、五百億円プラス。さらに、地方法人特別税の規模縮小でありますが、本来の制度でいうと千二百億マイナスだったんです。それが、いや失礼、本来の規模から今回制度改正して七百億円の負担軽減となっています。したがって、住民税の増の五百億と合わせてトータルで千二百億円程度は税収が増加していると、このようなことになって、これは東京にも一定の御理解をいただいているところであります。  それから、偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系の構築につきましては、これはもとよりそれは必要だということで、今後、地方消費税の充実を図ることが重要である、そして消費税と地方法人課税との税源交換の検討、これは今後も更に進めていきたいと、このように思います。  それから、国と地方の税源配分についてでありますが、これも歳出規模を五対五とする、歳入と歳出のこの配分を五対五にしようと。これは我々も目標とするところでありまして、今後それらに向けて取り組んでまいりたいと、このように思っております。ただ、そのときに、大都市部への税財源の集中が進んで財政力格差が拡大すると、こういったことが起きないようにしなければならないということもあります。  税源の偏在性の小さな税体系を構築するということが極めて重要であると、今後の税調においてもいろんな御検討を賜りたいと、このように考えております。

石井正弘自由民主党

○石井正弘君 通告申し上げていないんですが、財務大臣、後ろで首を縦に振ったり横に振ったりされておられまして、総務大臣も務められて御造詣深い分野でございますが、御見解がございましたら少し御開陳いただけますればと思いますが。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) これは少子高齢化とも、先ほど言われたところと関係するんだと思いますが、都市に人口が集中する、コンパクトシティーという名前でも同じくやっぱり都市に集中する。人口が集中する、イコールそこに税収が発生する。税支出も出ますけれども。そういった意味ではかなり地域差が出てくるので、本社のあるところに法人税が入る。例えば、スーパーで売り上げたたばこはその地域の、岡山で売れたスーパーのたばこ税も、本当はそこに地方消費税で入る分が本社にあるところにたばこ税は全部吸い上げられますから。  そういった形になりますと、まあ極端なことで一極集中ということになりかねぬという部分がありますので、それをうまくやらないと、非常に地域に格差が出るというのを是正するということをやっておかないと、なかなか地方と中央との差というのは出ますので、それをどういう比率で割るかというので、今回、地方交付税等々いろいろ、特別交付税等々を今やらせていただいて、今総務大臣とのお話にもあったように、今後とも、これは適宜調整をしていかないと非常に偏在することになりかねぬというのが将来への危惧しておくべきところだと思っております。

石井正弘自由民主党

○石井正弘君 どうも突然のお願いでございますけれども、ありがとうございました。  それでは最後に、道州制につきまして御質問を総理にさせていただきたいと思っております。  私は、知事会の中におきまして、道州制特別委員会の委員長とか、あるいは全国の有志の知事、政令指定都市の首長さんと一緒になって推進連合をつくって共同代表を務めて、提言等を行ってきたわけでございます。私は、長い間の地方分権、これを推進していく議論の中にありまして、その究極の姿、これが私は道州制ではないかというふうに考えております。  この道州制、いろいろ議論はございますが、国の形を変えるような大改革が道州制、またこれでないと意味がないというふうにも思っております。昨年七月の参議院選挙における自民党の公約には、道州制基本法の早期制定後五年以内の道州制導入、目指すというふうになっておりますけれども、この道州制はいろいろ実は考えがあるんだと思います。  是非、お手元の資料、知事会がまとめた資料もございますが、地方分権というものをあくまで推進するということ、そして国の形を変えるような中央省庁の解体、再編にもつながるような思い切ったものを提案すべきではないかというのが地方側の意見で、もしもそうであれば全国知事会の方の意見もかなりまとまってくるのではないかと思います。  党の方でも今議論しておりますけれども、総理自らがあるべき道州制の理念、姿を述べられますとともに、公約の道州制導入を目指すために、今国会に関連の道州制関係の法案を提案されるべきではないかと考えておりますけれども、総理のお考えを最後にお示しを願いたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 地方において、また特に全国知事会においては様々な意見がある中におきまして、石井当時の知事が道州制に向けて議論をリードしてこられた、改めて敬意を表したいと思います。  道州制の導入は、地域経済の活性化や行政の効率化などを目指し、国の在り方を根底から見直す大きな改革であります。道州制の目指す姿は、国の役割を国の存立の根幹に関わるものなどに集約をしていき強化していくとともに、道州は国際競争力を持つ地域経営の主体となって、基礎自治体は住民に直接関わる事務を行う主体となる。つまり、国、そして道州、基礎自治体、しっかりと役割分担をしていくわけでありますが、現在与党において道州制に関する基本法案の早期制定を目指し精力的に議論を行っているところでありまして、この議論が集約されていくプロセスの中で法案が国会に提出されることになると考えておりまして、今後政府としても連携を深めて取り組んでまいりたいと思います。

石井正弘自由民主党

○石井正弘君 ありがとうございました。終わります。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 以上で石井正弘君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 次に、大野元裕君の質疑を行います。大野元裕君。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 民主党・新緑風会の大野元裕でございます。  早速でございますが、まず総理に対して、現下のウクライナ情勢、そしてロシアに対する対応についての我が国の立場をお伺いをしたいと思います。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) ウクライナ情勢につきましては、二月二十三日にヤヌコビッチ大統領が首都キエフを離れ、暫定政権がスタートをしました。その後、三月一日にロシア連邦院におきましてウクライナ国内におけるロシア軍の使用を承認する決定がされたということで、国際的な懸念や憂慮が表明されているところであります。  我が国の立場としましては、三月二日の日に外務大臣談話を表明させていただきまして、まずは、こうしたロシア連邦院での決定につきましては深い憂慮と懸念を表明しております。是非、このウクライナ情勢につきましては平和裏に事態が収拾されることを望む、そのためには関係当事者の自制と責任ある行動を求める、こういった内容の談話を発出しております。  その際に、我が国の考え方としましては、このウクライナ情勢につきましては、国際法、さらにはロシア、ウクライナの間で結ばれております地位協定を始めとする法の論理が尊重されること、さらにはウクライナの主権、そして領土の統一性、こういったものが尊重されるべきであると、こういった考え方を表明しております。  そして、翌日、三月三日にG7で共同声明を発出しておりますが、我が国もこのG7の共同声明に盛り込まれた考え方に賛同してこの共同声明に参加したということであります。  その後、情勢は引き続き緊迫しておりますが、昨日はEUの外相理事会が開催され、本日はNATO・ロシア理事会が開催され、明日はEU首脳理事会が開催される予定になっております。そうした会議の行方につきましても今注視している状況でございます。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 いろいろと詳細な説明ありがとうございます。  総理、ロシアに対する対応を含めて、我が国の立場、今のとおりでよろしいですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私も総理としての発言をさせていただいておりますが、基本的に、今外務大臣が述べたとおりでございます。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 菅官房長官が記者会見で、報道によってですけれども、現時点ではプーチン大統領の訪日あるいは岸田外務大臣のロシア訪問の予定に変更はないと、こういう話がございました。当然、こういった状況の中で相互に要人が往訪するとなれば、大変な国際社会からの注目あるいは我が国の対応、そういったものが問われることになろうと思いますけれども、現時点では変更なくこれまでのとおりの往訪ということで、総理大臣は適切だとお考えでしょうか。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 先ほども申し上げましたが、情勢は引き続き緊迫をしております。しかし、そうした情勢を受けて、EU各国そして関係国は様々な場で意思疎通を図り、議論を今行いつつあります。こうした状況もしっかり我が国は注視していかなければならないと考えております。  現状におきましては、今後日ロ間で予定されております様々な予定の変更はありません。しかしながら、この情勢の変化は予断ができません。是非、状況をしっかりと注視していきたいと考えています。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 なぜこのように申し上げるかというと、例えば、アメリカのケリー国務長官はロシアの行為を侵略と明言をし、その上で査証発給停止、在米資産の凍結及び経済制裁について言及をしています。また、EU、それから先ほどおっしゃったG7、これらの非難の声明、さらにはG8の準備会合の見合せ、EUによるロシアとの査証協議の停止等、西側等を中心とした国際社会はロシアに対して極めて強い警告の態度を取っております。  我が国の立場はこれらのトーンよりも後ろ向きに見えてならないんですけれども、往訪を含めて、ロシア及び国際社会に誤ったメッセージを与えるということがあってはならないと思いますけれども、総理、いかがお考えでしょうか。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 関係各国の間では引き続き様々な議論が行われております。  アメリカからそうした強いメッセージが出ているという御指摘もありましたが、一方で、ドイツ等の関係国からは、OSCEの枠組みあるいはコンタクトグループの設置など、こうした対話の大切さを訴える意見も出ていると承知をしております。是非、こうした関係各国、先ほど申し上げましたように、昨日、今日、明日と様々な具体的な会議、対話が予定をされています、その議論もしっかり注視をしていかなければならないと考えております。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 ならば、その戦略面で少しお伺いをしたいんですが、総理が鳴り物入りでおつくりになったNSCですけれども、このNSCにおいては我が国の国益に従った対ロ戦略について当然、ウクライナ情勢の悪化以降、様々な議論がなされていると承知をいたします。閣僚レベルでこれらの協議がなされたのか、その場合いかなる対応を取るという形にされているのかをお伺いいたします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) ウクライナ情勢につきましては、先月二十七日の四大臣会合において取り上げたほか、連日、谷内国家安全保障局長が関連省庁幹部を招集いたしまして、情報の収集そして対応の検討を行っているわけでございまして、私及び官房長官のところには谷内局長から随時報告が出され、指示を仰いでいるわけでございます。  引き続き、国家安全保障局を中心に関係省庁間で緊密に連携をしながら、事態の推移を注視をしつつ、我が国として適切に対応していく考えであります。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 総理、確かに総理が御就任されて以来、私、アメリカと日本との関係というのは極めて厳しいと思っています。大変冷たい態度で遇されていると思いますし、また、中韓との関係についてはこの予算委員会においてもさんざん取り上げられたとおりでございます。そういった中でロシアとの関係を非常に良好に推移されていることは私も高く評価をしたいんですが、しかし、我が国の国益というのは必ずしも二国間若しくは両首脳間の関係だけで図られるものではないと思っています。  例えば、ウクライナ情勢の緊迫は、当然その地域の情勢にも関係がありますけれども、例えばアメリカが今、シークエストレーション、政府の予算削減で悩んでおられますけれども、ヨーロッパの方に目が向くことによって東アジアのリバランス、こういったものが、実はまだリバランスについても実質的には何も、具体的に動いているものというのはすごく少ないわけですから、そういった意味でこれらの欧州情勢が東アジアの状況に対して影響を及ぼすことというのは私は当然考えることでございますし、安倍政権がNSCをつくられた以上、戦略的に初動の態勢で誤りを犯せば将来禍根を残すことになりかねないというのが私の質問の趣旨でございます。  そういった意味から、ウクライナ情勢については深刻に捉えていただきたいと思いますが、改めてお伺いをしますけれども、全くスポーツというものは私は政治を持ち込むべきではないと個人的には思っていますが、さはさりながら、イギリス政府あるいはアメリカ政府は、ソチで開催されるパラリンピックにそれぞれ閣僚の派遣及び議員団の派遣というものを取りやめています。我が国としてこれらの、同じ措置かどうかは分かりませんけれども、何らかのメッセージを送るための措置というものはパラリンピックに際してお考えなんでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま大野委員が指摘をされたように、NSCにおきまして詳細にどういう検討をしているかということについては差し控えさせていただきたいと思いますが、当然、このウクライナ情勢の影響、東アジアの情勢に対する影響、あるいは日米同盟の観点、そして日本とEUの観点、そして国際社会との観点、そしてまた日ロ関係、言わばロシアは日本の隣国でもありますから日ロ関係との観点等々を総合的に勘案し、我が国の立場を決めている、戦略的に決めているところでございます。  そして、その中におきまして、パラリンピックでございますが、まさにスポーツを通じて障害者の方々の自立や社会参加を促すとともに、様々な障害への理解を深めるものでありまして、大変有意義な大会であるのは言をまたないわけでございますが、我が国としては、このようなパラリンピックの重要性に鑑みまして、二〇二〇年の東京大会の成功に向けてソチ・パラリンピックへの政府関係者の出席を検討しているところでございます。  国際社会の動きとしては様々なものがありますが、原則としては、基本的には、こうしたオリンピック、特にパラリンピックに対して、政治の様々な状況をここの場に持ち込むことについては慎重でなければならないというのが基本的な立場でございますが、例えばオーストリア、ドイツ等については、それぞれ政府の要人が出席をすることに今でもしているところでございます。  我々はそうしたことを慎重に見極めながら検討をしていきたいと、このように考えております。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 先ほど申し上げたとおり、我が国の安全保障に及ぼす影響等にも鑑み、総理のしっかりとしたリーダーシップで、このパラリンピックに際しても幅広い議論、慎重な検討というものを加えていただきたいと思います。  この件は流動的なのでここでやめさせていただきますが、次に、昨日来、一昨日来ですか、議論になっております集団的自衛権の件についてお話をさせていただきます。  資料がお配りさせていただいていると思いますけれども、総理は集団的自衛権に関して様々な答弁をされておられますが、二月五日の本委員会におきまして、集団的自衛権について、行使が認められる判断も政府が適切な形で新しい解釈を明らかにすることは可能だ云々といった形で、解釈の変更についても何度か言及をされておられます。  総理が言うところの憲法の解釈あるいは憲法解釈の決定、若しくは変更というのは、いかなる意味でおっしゃっているのかを是非教えていただきたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今までも、憲法解釈については自衛官が文民であるかそうでないかという解釈の変更はあったわけでございますが、その際は法制局の答弁、法制局長官の答弁であったわけでございますが、法制局というのは、長官が度々累次答弁をしているように、内閣に対する助言を行っているわけでございます。  内閣としてこの憲法について、行政府として、内閣として解釈をしていくということになるわけでありますが、この集団的自衛権あるいは集団安全保障等々についての、またPKOもそうなんですが、憲法との関係について安保法制懇において今議論をしているところでございまして、様々な事態を分類をいたしまして、そうした分類におきまして、我が国の安全、そして国民の生命を守る上において今までの解釈でいいのかどうかということについての議論を行っているところでございます。そうした議論の結果を待ち、その上において法制局を中心に協議をいたしまして、必要であれば、必要ということになれば解釈の変更を行っていくということになるわけであります。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 少しこの件について踏み込んでいきたいと思います。  法制局長官にお伺いをさせていただきたいと思いますが、今総理の方からも、自衛官の文民条項ですね、いわゆる、憲法六十六条に関する言及がありました。この文民条項に関する政府による憲法の解釈及び運用の変更というものはいかなる理由、背景で行われたものか、御説明をください。

小松一郎内閣法制局長官

○政府特別補佐人(小松一郎君) お答え申し上げます。  お尋ねにつきましては、平成十六年六月十八日の民主党の島聡衆議院議員提出の質問主意書に対する政府答弁書、これは御案内のとおり閣議決定されるものでございますが、この答弁書で以下のとおりお答えしております。  関連部分を読み上げさせていただきます。  御指摘の「憲法の解釈・運用の変更」に当たり得るものを挙げれば、憲法第六十六条第二項に規定する「文民」と自衛官との関係に関する見解がある。すなわち、同項は、「内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。」と定めているが、ここにいう「文民」については、その言葉の意味からすれば「武人」に対する語であって、「国の武力組織に職業上の地位を有しない者」を指すものと解されるところ、自衛隊が警察予備隊の後身である保安隊を改めて設けられたものであり、それまで、警察予備隊及び保安隊は警察機能を担う組織であって国の武力組織には当たらず、その隊員は文民に当たると解してきていたこと、現行憲法の下において認められる自衛隊は旧陸海軍の組織とは性格を異にすることなどから、当初は、自衛官は文民に当たると解していた。その後、自衛隊制度がある程度定着した状況の下で、憲法で認められる範囲内にあるものとはいえ、自衛隊も国の武力組織である以上、自衛官がその地位を有したままで国務大臣になるというのは、国政がいわゆる武断政治に陥ることを防ぐという憲法の精神からみて、好ましくないのではないかとの考え方に立って、昭和四十年に、自衛官は文民に当たらないという見解を示したものである。  以上でございます。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 長官、私、理由、背景をお伺いをしたので、多分後段の部分だろうと察しますけれども、それでよろしいですか。

小松一郎内閣法制局長官

○政府特別補佐人(小松一郎君) 仰せのとおりでございます。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 先ほど総理がおっしゃったとおり、文民条項、それ以外にも、安全保障に関連しては様々な形で憲法の解釈に関し政府の答弁が変わっているものが、これは総理も何度もおっしゃっているところだと思います。例えば、戦力の保持であるとか、あるいはPKOに関する林法制局長官、高辻法制局長官の議論ですとか、さらには日本有事の際の公海における米艦防衛、これは中曽根政権時代だったと思います、こういった変化があります。これらは憲法の、しかしながら、解釈及び運用の変更には当たらないというのが政府の統一した説明、見解でございました。  法制局長官、この見解は現在も維持を同様にされているかを教えてください。

小松一郎内閣法制局長官

○政府特別補佐人(小松一郎君) お答え申し上げます。  まず、冒頭に確認しておく必要があると思いますのは、総理も繰り返し答弁されているとおり、憲法第九条に関する安倍内閣の憲法解釈は、現時点では従来からの政府見解のとおりであるということでございます。その上で、総理は、安保法制懇の報告書の提出を待って改めて内閣として再検討するということをおっしゃっているわけでございます。  その上で御質問にお答えをいたしますと、平成十六年六月十八日の島聡衆議院議員に対する政府答弁書、同じ答弁書でございますけれども、憲法の解釈、運用の変更に当たり得るものとして明示しているのは、憲法第六十六条第二項に規定する文民と自衛官との関係に関する見解のみでございます。  御指摘の戦力、PKO、日本有事の際の国会における米艦防護に関する政府の一連の答弁で示された見解は、憲法第九条に関する従来からの政府見解の体系全体の中に整合性を持って位置付けられているものと認識しておりまして、憲法の解釈、運用の変更に当たるようなものがあったとは認識してございません。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 関連。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 関連質疑を許します。大塚耕平君。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 長官、今の大野委員の質問は、文民規定は憲法の解釈変更ではないかということを聞いたわけですが、もう一回答えてください。

小松一郎内閣法制局長官

○政府特別補佐人(小松一郎君) これは何度も申し上げてございますが、今まで政府が憲法の解釈、運用を変更した例というものは、六十六条二項の文民条項だけに関するものだけであるというのが政府の認識でございます。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 改めて確認させていただきます。  政府が唯一の憲法の解釈、運用の変更とされた、今御確認された六十六条二項の文民条項については、憲法の条文の解釈変更というよりも、時代に伴う自衛隊制度の変化により、変わらぬ憲法の精神に鑑み当てはめが変わったと、こういう認識で、法制局長官、よろしいんでしょうか。

小松一郎内閣法制局長官

○政府特別補佐人(小松一郎君) これは、政府の見解は、先ほど御答弁申し上げましたとおり、閣議決定をされた政府答弁書の中で、この文民条項に関する政府の昭和四十年の答弁、これは憲法の解釈、運用に関する変更であるということを内閣として閣議決定をしてお答えを申し上げているわけでございます。  そこで、お尋ねの、これは条文の解釈変更ではなくて当てはめの問題なのではないかという御質問でございますが、この条文の解釈変更に当たるのか当てはめの変更に当たるかにつきましては、突き詰めると用語法の問題に尽きるものと考えております。  いずれにせよ、申し上げましたとおり、繰り返しますが、御指摘の文民と自衛官の関係に関する見解は、憲法の解釈、運用の変更に当たるものというふうに内閣としては認識しております。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 分かりません。用語の問題というのがちょっとよく分からないんですが。  というのは、小松法制局長官、昨年の十一月の六日に、憲法の規範、基本的な考え方というものがあって、それに客観的な事態を当てはめましてこういう結論が出てくることは当然あり得るわけでございまして、客観的な事情が変化すると、その当てはめの問題というのはあるわけでございますと御答弁をされているわけですけれども、用語の単なる違いというよりも、憲法そのものの解釈、当てはめが変わることというのは、決して私は同じようには思えないんですけれども、いま一度御説明いただけますか。

小松一郎内閣法制局長官

○政府特別補佐人(小松一郎君) 昨年十一月六日の衆議院外務委員会で御質問を受けまして、私は、この文民の解釈につきまして、このとおり答弁しております。  ただいまの文民の解釈につきましても、憲法の解釈を変更したものか、又は、法規範、つまり、シビリアンコントロールの観点から、武力組織の方は閣僚になることができない、こういう論理に自衛隊の性格の変遷というものを当てはめて、その当てはめの結果であるというような考え方もございまして、そこのところは議論があるところでございますと。  ここの趣旨でございますが、この私の衆議院外務委員会における答弁は、文民と自衛官との関係に関する見解の変更については、政府自身が、内閣自身が憲法の解釈、運用に当たるということを閣議決定もして明示しているものではございますが、学者の方などの中には、これを当てはめの変更であると指摘される向きも皆無ではないという事実を踏まえて述べたものでございます。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 その後に、先ほど私がお読みしたところがあるんです。当てはめの問題はあるというふうにおっしゃっていて、先ほどの御答弁でも、その後、自衛隊制度がある程度定着をしてきたと、そこで変わったんだと、そういう御説明だったと思いますので、いま一度、法制局長官、私が先ほど読んだところ、客観的な事情が変化すると、その当てはめの問題というのはあるわけでございますという答弁について、もう一度御説明ください。

小松一郎内閣法制局長官

○政府特別補佐人(小松一郎君) 憲法の条文自体の解釈の変更ということと、この当てはめの変更ということにつきましては、学者の方々の中にも、何がそれに当たるのかと、いろいろな御議論がございまして、非常に関係については微妙なものがございます。  一説によれば、規範自体を変更したのではなくて、対象となった事象が変化したことによるいわゆる当てはめの結果が変わるということがあるのだという主張をされている学者の方もいらっしゃいますし、過去、例えば戦力の解釈につきまして、当初、これはかなり早い時代には政府は近代戦遂行能力という言葉でもって説明していたものを、その後、自衛のための必要最小限度を超えるものはこの憲法第九条二項で禁止されている戦力なのだと、こういう説明になっておりますけれども、ここは、内容を変更したのではないけれども、基本的な考え方には変更はあるわけではないが、説明ぶりを変更したものという考え方でございます。  このように、憲法解釈の変更、当てはめの変更、それから説明ぶりの変更というものにつきましては、なかなか相互の関係は微妙で、どこからどこまでがどこに当たるのかということは微妙なことがあるということを申し上げているわけでございまして、その上で、繰り返しになりますけれども、憲法六十六条二項の文民の解釈につきましては、政府自身が閣議決定をもってこれは憲法解釈、運用の変更をしたものであるということを認定しているということを申し上げているわけでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 関連で。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 大塚耕平君。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 長官は、解釈、運用の変更と、説明ぶりの変更と、当てはめの変更ということを三つおっしゃいましたが、この三つの定義を申し述べてください。

小松一郎内閣法制局長官

○政府特別補佐人(小松一郎君) 申し訳ございませんけれども、そのそれぞれ三つにつきましては、立派な学者の方々がそういう意見を闘わしていらっしゃるということを申し上げているわけでございまして、それを政府として定義をする立場にないわけでございます。(発言する者あり)

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) じゃ、ちょっと速記を止めてください。    〔速記中止〕

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) それでは速記を起こしてください。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 運用、解釈の変更、説明ぶりの変更、当てはめの変更と、この三種類を使い分けて今御答弁されたので、今後この三つをどういうふうに使い分けるのか、定義があれば定義を教えていただきたいですし、なければないという御回答で結構です。

小松一郎内閣法制局長官

○政府特別補佐人(小松一郎君) 憲法の条文の解釈、運用の変更という言葉は、その質問主意書に対する閣議決定を経た政府答弁書の中でも使っている言葉でございますので、それを定義しろということであれば、これは定義することができると思います。  それは、憲法はもちろん日本語で条文いろいろ書いてあるわけでございますけれども、そこで定められている規範は何かと、憲法規範は何か。まさに、立憲主義に基づいて国家権力を縛るというのが本質ではないかという御主張があるわけでございます、そのとおりだと思います。それはどういう規範が縛っているのかということでございまして、その規範をこういう規範なんだということを内閣が認識をする、その認識を示すということが解釈するということでございます。それを、解釈、運用を変更するということは、その規範に関する認識を変更するということでございます。  学者の先生の中には、そう一概に言えるものではなくて、規範は不変であるけれども、そこに客観的な事象の変化があってこれを当てはめたというものが変更するというのもあるんじゃないかと、こういう御議論をされる方もいらっしゃるわけでございまして、それからまた、単に説明ぶりを変えているというだけのものもあるんじゃないかと、そういう御議論をされる方もございます。それについて、政府がそう言っているわけでございませんので、私がそれを定義をすることはできないということを申し上げているわけでございます。  この三つについては用語法の問題に行き着くのではないかと冒頭にお答えしたところでございますけれども、それは用語法の問題である以上、定義はできないわけでございます。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 神学論争というお声もいただきましたが、少し中身を、お話を聞きたいと思います。  外務省になるんでしょうか。我が国の集団的自衛権の解釈についてはいろんな説があって、大体一九七二年から八一年ぐらいにかけて政府の解釈というものは定まってきたのではないかと言われていますが、この一九八一年以降、国際法上の集団的自衛権の概念は変化したのでしょうか。

石井正文外務省国際法局長

○政府参考人(石井正文君) お答え申し上げます。  集団的自衛権とは、国際法上一般的に、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止することが正当化される権利と解されておりまして、このような概念に変化はないものと考えております。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 そうすると、今までの議論を受けて総理にお伺いしたいんですけれども、国際法上の集団的自衛権の概念は変わっていないんだそうです。そうだとすると、六十六条の文民条項はいろんな説があるという話もありました。しかしながら、規範そのものに対する認識を変えるという意味でのいわゆる解釈の変更に当たるようなケース、若しくは、そうではなくて、規範は不変だけれどもその対象とする事象は変わったというケースの二例、学説があるというお話を法制局長官からもいただきましたが、今回もしも、集団的自衛権の解釈の変更、総理が踏み込んでおっしゃった言葉ですけれども、あるいはその適切な解釈について行うとすれば、これは当てはめが変わる方にはどう考えても当てはまらない。つまり、憲法そのものの解釈、規範を変えると、そういう理解でよろしいんでしょうか。

小松一郎内閣法制局長官

○政府特別補佐人(小松一郎君) 御質問でございますが、集団的自衛権とは何かという御質問に対して、私は昨日も答弁いたしましたし、これは国際法上の概念であるということを申し上げているわけでございます。その国際法上の概念である集団的自衛権はどういうものであるかというのは、これは外務省の所管でございまして、今、石井国際法局長が答弁したとおりでございます。  今議論をしておりますのは、従来、憲法の問題として例外的に武力を行使する場合があるのかという問題を議論してきておりまして、従来はるる説明を申し上げているような論理に基づいて、いわゆる自衛権に関する三要件、これを満たす場合を除いては武力の行使はできないと、これが憲法の規範だということを申し上げておるわけでございます。  それで、今、そこのところの解釈というのを変更する余地があるのか、それで全く変更する余地がないのかということを議論をしているというわけでございまして、そこは変更して、これは結論出ておりませんけれども、武力行使もできる場合があるとすると、その部分というのは、国際法上は、憲法九条に基づいてできることであれば何でもやっていいというわけでは、当然のことではございません。これは、憲法には第九十八条二項というのがございまして、我が国が締結した条約及び確立された国際法規はこれを遵守すると、これも憲法上の規範でございますから、憲法上許容されるものであっても、それが国際法に照らしても合法でなければならないわけでございまして、そこの部分につきましては、それは集団的自衛権なのかもしれませんし、またその他の法理なのかもしれません。  ですから、集団的な自衛権の行使、解釈を変更するのか、それは当てはめなのかという御質問は、ちょっと私は残念ながら理解できないわけでございます。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 それは御質問を聞いていただいていないから理解していないだけの話です。  集団的自衛権についての概念が変わっていないとすると、当てはめの方ではなくて、二説ある場合ですね、憲法の規範そのものの認識を変更するという方に、学説二つあるとすれば当たると思いますが、憲法規範そのものの認識を変えるということを総理はおっしゃっているのでしょうか。そういうことを総理にお伺いしているんです。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、学説に準拠して答弁はすることはできないわけでありますが、我々はそもそも、今法制局長官が答弁をさせていただいたように、自衛権はあると、そしてその自衛権の発動については三要件があるということでございますが、その中において、特に必要最小限というもの、今までの答弁の中におきましては、この最小限という観念を超えるものであると、集団的自衛権の行使についてはですね。  そこのところについて、しかし、今国際情勢が大きく変わる中において、一国のみにおいて自国の安全を守ることができない、その前、例えば三要件の中において我が国に対する急迫不正の侵害ということがあるわけでございますが、事実上そういう状況もあるのではないか。我が国事態に至らなくても、事実上我が国の言わば生存権そのものに大きな影響があるのではないかということを議論をしているわけでございまして、そうした観点の中において、今まで、基本的な考え方の枠内の中における集団的自衛権の行使というものがあるのではないかということを議論しているところでございます。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 次の議論に入る前に一つ総理に確認しておきたいんですが、これまでの累次の答弁の中で、法制懇の報告を受けますと、そしてその後に与党内で協議をしてもらって閣議決定、そしてその後、国会、法案等で審議をしていただくというこの段取りは変わりないでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 基本的に、今、安保法制懇で様々な観点から議論を行っている、集団的自衛権の行使だけではありませんが議論を行っているわけでございまして、この結論が出るわけでありますが、当然この結論については皆様にオープンにさせていただくところでございます。  今までも、中での議論については、代表的な議論については御紹介をさせていただき御議論をいただいているところでございますが、これを結論を得た上において法制局を中心に協議を進めます。そして、その中におきまして、当然、与党、自民党、公明党とも協議を進める中において、もし解釈が必要ということ、解釈の変更が必要ということになれば、我々は閣議決定を、与党と協議した上において閣議決定を行い、そして政府としての見解がそこで確定するわけでございます。  当然、その上においては、国会からその説明を求められれば、当然我々には、その過程においても状況について御説明をしていくことは当然でございます。その上において、自衛隊がすぐに活動の範囲を変えられるかといえばそうではないわけでありまして、その上において自衛隊法等関連、この変更に関わる自衛隊の行動に関する法律等々についてはその改正が必要であろうと、こういうことになるんだろうと、このように思います。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 少しずつ総理のおっしゃる憲法の解釈の変更、若しくは適切で新たな解釈というものが明らかになった気がいたします。  というのは、憲法の規範そのものの中で、先ほど法制局長官がおっしゃった三つの要件の中で必要最小限の部分、生存権について変更する必要があるかどうか、ここの部分に焦点を絞っていくということであろうと私は今の御議論の中で理解をいたしました。  私自身、実は個人的には、当然の話だと思いますけれども、生存権を含む基本的法益、これをないがしろにしてまで今のがちがちの解釈を維持するべきではないと個人的にもとても強く思っています。  しかしながら、私は、三つの理由から総理のおっしゃる今のプロセスについては反対でございます。閣議決定を行う前に十分に国会で審議を行うべきだと思っています。  三つの理由の一つ目は、今議論したとおり、憲法そのものの基本、こういったものを変えていく、もしかすると六十六条と若干性質が違うような解釈の変更になる可能性がある。そうだとすると、憲政史上初めてのことでもあり、我々は国会でこれを議論するべきではないかというのが一つ目の理由です。  そして二つ目は、これは国民的な関心事であるということであり、我々国民に選ばれた国会がしっかりと総理のお考えというものを承って、そして議論をすることを、国会で議論した上で閣議決定に臨んでいただくということが適切だと思っています。  そして第三に、国際的な関心あるいは懸念、こういったものを呼んでおりますので、真に我が国の安全保障にとり集団的自衛権の行使が必要であれば、その行使の在り方について真剣に前向きに議論をするためにも、これ当然、法制懇の議論が出て、個別のケース、これ総理は何度もおっしゃっています、個別のケース大事ですよ。だとすれば、個別のケースが出た後に閣議決定、特に、もしも与党との議論が長引いて、閉会中に閣議決定で、次の国会が開かれたときには個別の法律が出てくる、こんな状況では私はあってはならないと思いますが、改めて、総理、国会における審議を閣議決定の前に尽くすという、あるいは国民の前にしっかりと示すということについてはいかがお考えでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国会の日程との関係においては今ここで確かなことを申し上げることはできませんが、まだ安保法制懇の中で協議が続いているわけでございまして、結論を得るのがいつかということと、同時にまた、与党との協議がその後あるわけでございまして、いずれにいたしましても、国会開会中に結論が出た場合、結論というのは安保法制懇の結論が出た場合は、そのことは世の中に出ていくわけでありますから、当然そのことについて、国会が開会中、あるいはもし、いつ出るかということでありますが、いずれにいたしましても、国会、例えば国会開会中であれば、当然、こうした機会にこの結論についての御説明ということは当然できるわけでございます。  また、万が一国会が開催されていない場合でも閉会中の審査ということは可能であろうと、このように思うわけでありますが、閣議決定に至るまでは、これ政府としての判断、解釈が確定していないわけでありますから、私たちの、政府としての解釈を確定的にその段階では述べる、安保法制懇の結論については述べることができるわけでありますが、閣議決定をしないと政府としての統一的な判断がこうなったということについてはその段階では申し上げることはできませんが、しかし、言わば安保法制懇で議論したことについて国民の皆様の前で、国会で議論するということは当然行われると、このように思っております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 関連。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 大塚耕平君。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 国権の最高機関は国会であることを定めた憲法四十一条の精神からいえば、これだけ国の根幹に関わる問題ですから、政府が最終決定をされる前に国権の最高機関たる国会の意見を聴くことは当然だと思いますが、法制局長官と総理の両方に御意見を伺います。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) まず、それでは小松法制局長官。

小松一郎内閣法制局長官

○政府特別補佐人(小松一郎君) これは昨日も申し上げたところでございますが、まず憲法解釈につきまして、内閣が憲法解釈を行うことというのは憲法上どう位置付けられるかという法制上の問題がございます。  それは、繰り返しになりますが、憲法第八十一条において、憲法の最終的な解釈は最高裁判所において示されるものでございます。これはもう明らかなところでございます。しかし、この権限は司法権の作用でございますことから、ドイツとかフランスにございますような憲法裁判所、これがあれば抽象的な形で憲法裁判所に解釈を問うということが可能なわけでございますが、現行日本国憲法下においては、これは憲法の改正以外、せずにですね、この憲法裁判所を設けることはできないという見解でございまして、現行日本国憲法下においては、最高裁判所の判断が示されるためには具体的な訴訟事案が提起されることが必要でございまして、また、仮に裁判所の判断が示された場合でも、その判断は当該個別の訴訟のみについて効力を有すると。これは最高裁判所の判例もございます。  その上で、憲法第九十九条は公務員の憲法尊重擁護義務を定めております。行政府が日々その行政府の権限の行使を行って行政を行っております。その行政を行う前提として、憲法を適切に解釈をして日々の行政が憲法に違背しないように進めなければならない。これは当然のことでございまして、したがいまして、このような観点から、憲法の解釈については、第一義的には、憲法六十五条において「行政権は、内閣に属する。」と規定されているとおり、内閣がその責任において行うべきであるというのは当然であると思うわけでございます。  他方、これも総理も何遍も答弁されておりますけれども、内閣が憲法解釈の仮に変更を行ったといたしましても、それが自衛隊の行動を伴うようなものであるとすれば、それをそのまま行政に反映させることができるのかというと、それはできないと。それは、そのためには必要な立法措置を国会にお願いしなければならないであろうということを総理は繰り返しおっしゃっているわけでございます。  そこで、まず、そもそも総理がお答えになっているとおり、解釈を変更するとすると、その解釈を変更したのはどういうふうに変更したんだということが、まさに、単にふわふわとした口頭におけるものではなくて、きちっと議論のベースになるようなものにならなければ、それに基づいてこの国会の御議論をいただくということも生産的ではないということだろうと思います。  そこで、内閣による解釈の変更と必要な立法措置との間にどういう手順で物事をつないでいくのかという方法、これは幾つか法制的にはあり得るであろうと、したがって、どの方法でなければならないということはないということを私は昨日も申し上げました。  以上を申し上げた上で、まさに今御指摘がございますように、憲法九条の解釈に関わるような重要な問題について内閣が決定を、立場を改めるということであれば、憲法上、国民の代表であり国の唯一の立法機関である国会に対し具体的な法案をお示しをして、その背景になる憲法解釈、こうでございますよという前に、まずコンセプトをお示しをして御議論をいただくということはむしろ当然のことではないかと。  総理はそういうことを申し上げていると私は理解しておりまして、このお考えは、なるべく丁寧なやり方で物事を進めていきたいというお考えに基づくものというふうに理解してございます。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 今の答弁で、総理、よろしいですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 基本的に今法制局長官が答弁したとおりでございますが、言わば私の言わんとしているところは、当然、今、大塚委員からも御指摘がございましたように、国会に対して、私たちがどういう方向に向かおうとしているかということについてはきっちりと説明する必要が当然あるんだろうと、また説明をしなければならない義務があると、このように思っておりますが、そこで、安保法制懇の結果が出て、こういう結果が出ましたということについての御説明はできますが、閣議決定をするまでは、まだ決まっていないという中においては、我々は、どのように解釈をするかということについては、まだ今検討中ですということしか言えないわけであります。ただ、皆様から御意見は承ることはできると。  しかし、政府として、総理として答えろと言われても、それは検討中ということでございますから答えられないということになるわけでありますが、しかし、閣議決定をすれば、その閣議決定については当然御説明をし、かつ自衛隊が活動するということになればそのための法律を作っていき、より具体的になっていく、様々な縛りについても、あるいは活動範囲についてもより具体的になっていくわけでございまして、そこは要は権利として行使、権利があり、そしてさらに行使できるということになっても、実際行使する上においては、しかし、行使するというのはどれぐらいの範囲で行使できるということになっていき、さらにはその実際に行使する上においてはその法律を改正して、その中でさらに縛り、国会との関係も決まっていくわけでございますが、より具体的な議論ができるのではないかと、このように思っております。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。  午後一時に再開することとし、休憩といたします。    午後零時二分休憩      ─────・─────    午後一時開会

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  平成二十六年度総予算三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。大野元裕君。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 午前中に引き続き、集団的自衛権のお話を続けさせていただきたいと思います。  まず、外務省にお伺いしますが、第二次世界大戦後、あらゆる戦争は違法とされていますが、国際法の観点からその例外の一つとして集団的自衛権を国家に授権している法的な根拠は何ですか、教えてください。

石井正文外務省国際法局長

○政府参考人(石井正文君) お答え申し上げます。  集団的自衛権は、委員御承知のとおり、国連憲章第五十一条におきまして、「国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。」と規定されているものでございまして、国連憲章の起草に際して確立した概念であると考えております。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 それでは外務大臣、我が国の憲法九十八条では国際法の遵守をうたっています。しかし、もし、国際法の観点からですが、国連憲章や国連の慣習法、国際慣習法が求める義務について我が国はどんな拘束を受けて、もしもそれを破って例えば自衛権と称して武力攻撃を行ったような場合には、他国からどのような評価を受けることになるとお思いですか。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 委員御指摘のように、憲法第九十八条二項は、日本国が締結した条約及び確立した国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする、こうした規定を設けています。国際社会における法の支配の確立、これは我が国の外交政策の柱の一つであります。国際憲章を含む条約及び国際慣習法が求める義務、これを遵守することは当然のことであります。  そして、御質問の、こうした、国際法上正当な根拠がない場合、日本がこうした規定を破った場合どうなのかという御質問ですが、国際法上の正当な根拠がない場合、国際関係における武力の行使を行うこと、これは国際法違反であります。国際社会から違法な武力行使という評価を受けるということになると考えられますが、ただし、今申し上げましたように、国際社会における法の支配の確立を外交政策の柱の一つと位置付けている我が国は、国際憲章を含む条約及び国際慣習法を遵守すること、これはまず当然のことであります。そして、今御指摘の憲法九十八条二項においても、我が国が締結した条約、確立された国際法規を誠実に遵守するとされておりますので、我が国が国際法上違法な武力行使を行うことはないと考えます。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 ありがとうございます。  このような国際法が授権している集団的自衛権ですが、総理、お配りをしております資料にございますが、総理の国会答弁の幾つかを示させていただいております。その中で、「例えば、我が国の近くで武力攻撃が発生して、米国がそれに対応して集団的自衛権を行使している中において、攻撃をしかけた国に武器弾薬を供給しようとしている船舶を、米国からその船舶をとめてくれと言われても我が国は対応できない、それでいいのかどうかということですね。」とおっしゃっておられますが、これは国際法上の集団的自衛権を行使する、適用する、そういった議論の対象ということでおっしゃったのでしょうか、確認させてください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今御指摘の例示は、安保法制懇の中での議論を紹介させていただいた事例でございまして、このような事例への対応は、国際法上は集団的自衛権の行使に当たる場合、そして国連の集団安全保障措置の一環としての対応に当たる場合、これは国連決議があった場合でありますが、その時々の状況によって議論が行われているところでございます。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 若干、私には違和感がございます。我が国の近くで武力攻撃が発生する、それに集団的自衛権を行使している米国に対して非交戦国行為とみなされるような、例えば支援を行うということをどう検討をするんでしょうか、教えてください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今申し上げましたように、これは集団的自衛権の行使に当たる場合ですね、つまり、言わば、当たる場合と、今申し上げましたように、国連決議があった場合は集団安全保障措置の一環としての対応ということになるわけでありますが、前者の場合においては、その当該の言わば米国に対して攻撃をした国に対して武器弾薬等が運ばれているという状況の中において、その船舶に対しての措置を行うことが集団的自衛権の行使に当たるのかどうかということ等について今検討しているところでございます。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 過去においては安保理決議の六六五や六七八のようなああいったケース、安全保障理事会の決議があるという場合はあると思いますが、その一方で総理は、近隣の国、我が国の近くで武力攻撃が発生し、米国がそれに対応して集団的自衛権を行使している中で、我が国は何をするかとおっしゃっておられます。  ニカラグアのICJ判決では、慣習国際法上、武力攻撃の犠牲者とみなす国の要請がない場合に集団的自衛権の行使を許す規則はないというふうに判決で言っておりまして、集団的自衛権を行使している最中の米国に対して我が国がそういった行為をなすということは、国際法上規定がないのではないでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 外務省からも答弁させますが、今様々な御議論がこの安保法制懇の中において行われているわけでございまして、この議論は私が行っているわけではございません、安保法制懇の中において議論が行われているわけでございまして、国際法上の様々な事例等々も引用しながら精緻な議論が行われているというふうに承知をしております。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 答弁を求めますね。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 はい。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) それでは、石井国際法局長。

石井正文外務省国際法局長

○政府参考人(石井正文君) ちょっと事実関係についてだけ申し上げさせていただきます。  懇談会におきましてはまさに今議論が行われているところでございまして、政府としての考えは、そのことの、今総理がおっしゃったとおりでございますが、元へ戻りまして、御指摘の一般国際法上の集団的自衛権の行使の要件は何かということについて申し上げますと、ある国家が集団的自衛権を行使するための要件は、武力攻撃を受けた国からの要請又は同意があること、他に手段がないこと、必要最小限度の実力の行使であることというふうに一般的に考えておるということでございます。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 外務省のおっしゃるとおりだと思います。総理のおっしゃる安保法制懇における議論というのはそれはそれで分かりますけれども、ここにまさに書いてあるとおり、集団的自衛権を行使しているアメリカに対して、これ日米同盟はあるわけですけれども、それに対して非交戦国と見られるような行為を行うことは、もう一度お伺いをいたしますけれども、国際法上は許されていないのではないでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、私が今御紹介した事態に対して国際法との関係についてつまびらかに判断をする立場にはございませんが、安保法制懇の中において、そういう事態の中において、同盟国である米国に対する攻撃が発生して、そしてその事態が、例えばその事態が我が国に及んでくるということも容易に考えられるという状況もあるわけでありまして、その状況の中においてどう判断するかということであります。  そして、それは例えば、昨日も紹介させていただいたわけでありますが、当該国のその紛争地域となったところにおける邦人の救出等について米軍に依頼しなければならないという状況がある中においてのそういう状況も考えられるわけでございまして、そうした様々な可能性の中から議論が行われているということでございます。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 違うんじゃないですか。おっしゃっていることが、今米国に対する攻撃がある場合にと、それはそのとおりだと私も思いますけれども、総理がおっしゃったのは、我が国の近くで武力攻撃が発生して米国がそれに対応して集団的自衛権を行使している中において、ということは、米国に対する攻撃はここで述べられておりません。  そして、先ほど精緻な議論というふうにおっしゃいました。精緻な議論とおっしゃって、既にこれ答弁として総理がなされたことでございますので、私はこれは不適当な例だと思いますけれども、もう一度、これは撤回されるおつもりはありませんか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは私が出している例ではなくて、安保法制懇の中での議論を御紹介をさせていただいているわけでありますが、今私が例として申し上げているのは、まさに我が国の近くで武力攻撃が発生したと、言わば武力攻撃が発生している中において米国がそれに対応しているということでありまして、直ちに、そこで瞬時に起こるということではないわけでありまして、というのは、その国に武器弾薬が運ばれるという時間的な経緯も当然あるわけでございます。つまり、その中において、その中においてその事態が我が国の事態にこれは発展する可能性も、当然我が国近傍でありますから可能性としては十分に考えられるわけでございます。  同時に、その当該国における邦人等の安全についても米国に依頼しなければならないという状況にあるということも考えられるわけでありまして、そうした中において、果たして、その国、当該国に対して武器弾薬が輸送されると、そしてそれを止めてくれと言われている中においてそれを止めなくていいのかどうかと、こういう議論もなされているわけであります。  それを、そうした議論を詰めていくことは、起こり得るわけでありますから、当然それは言わば議論のための議論をしているわけでは全くないわけでございまして、そういう状況になっても正しく対応できると、我が国の国民の命を守っていくことは私たちの使命であるわけでありまして、そうした中において法的な観点から専門家の皆さんに議論をしていただいているところでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 関連。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 大塚耕平君。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 外務省にお願いします。総理によく御理解いただけるように、八六年のニカラグアの国際司法裁判所の集団的自衛権行使の要件をちゃんと説明してください。

石井正文外務省国際法局長

○政府参考人(石井正文君) お答え申し上げます。  今、ニカラグア事件の判決そのものを私持っておりませんが、一般的に申し上げますと、先ほど私申し上げたとおりでございまして、ある国家が集団的自衛権を行使するための要件は、武力攻撃を受けた国からの要請又は同意があること、他に適当な手段がないこと、必要最小限度の実力の行使であることということで、このラインに沿って判決も積み立てられていたと承知しております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 今、大野さんが繰り返し質問しておられるのは、総理や法制懇が御検討、御発言になっている内容はその要件の現に武力攻撃を受けているというものに該当しないんじゃないかということを聞いておられるんですが、正しいですね、この考えは。

石井正文外務省国際法局長

○政府参考人(石井正文君) この問題について私が具体的にお答えするのが適当かどうか必ずしもあれでございますが、今、私の理解するところは、総理がおっしゃっておりますのは、まさに懇談会の中で今議論が行われている事態についてこういう議論が行われていますよということで紹介をなさっているということだと思います。  その上で、政府としてどう対応するかということは懇談会の報告を受けて別途考えるということも総理おっしゃっているところでございまして、その際、当然政府としての対応と申しますのは、岸田外務大臣が申し上げましたとおり、国際法に沿った形で行われると、これは憲法の要請でもあるということだと思います。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 議員の皆さんは今の三要件聞いていただいたので分かったと思いますので、今の外務省の発言に関連して法制局長官に聞きます。  今、外務省は自分たちが解釈する立場にないと言いましたが、昨日、法制局長官は国際法の解釈は外務省の所管であり内閣法制局の所掌ではないと発言されましたが、その法的根拠は何でしょうか。法的根拠ですよ。

小松一郎内閣法制局長官

○政府特別補佐人(小松一郎君) 突然のお尋ねでございますので、条文は持っておりませんけれども、外務省設置法の所掌事務の規定がございまして、私の記憶では、その所掌事務の中に国際法の解釈、適用、実施というものが外務省の所掌事務として明記されているというふうに記憶してございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 その矛盾を解決してください、今。外務省は自分の仕事じゃないって言ったんだから。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 質問がないんですが、ちょっと質問……(発言する者あり)それで、もう一度再答弁という形でよろしいですか。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 はい。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 石井国際法局長。

石井正文外務省国際法局長

○政府参考人(石井正文君) 申し訳ございません。私が先ほど私が申し上げていいのかというふうに申し上げましたのは、総理がおっしゃいました懇談会における議論、それをクオートされたことについて私がどうこう申し上げるというのは差し控えた方がいいかという意味でございまして、国際法の解釈については、今法制局長官からもございましたように、私が当然責任を持って、大臣の下で責任を持ってやらなきゃいけない仕事だと思っております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 ということは、先ほどの三要件に適応しない状況の中で集団的自衛権の行使を日本が後々行うということについては、外務省はどういうお立場でしょうか。

石井正文外務省国際法局長

○政府参考人(石井正文君) これまた岸田外務大臣の答弁の繰り返しになって恐縮でございますが、政府といたしましては、憲法におきましても、政策といたしましても、国際法を、確立した慣習法を遵守するということでございますので、その範囲で当然やるということだと考えております。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 国際法があくまでも授権しているこの集団的自衛権に関して、大臣がおっしゃったとおり、国際法を遵守するのは我が国の義務だと私は思っております。  そういった中で、総理が御紹介をされた、総理の多分勘違いではなくて紹介されたということですから、集団的自衛権の行使は武力攻撃を現に受けているという当該国からの要請がなければならないということでございますので、このケースには私は当たらないというふうに思います。そこについては改めて御認識を新たにしていただきたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当然、安保法制懇で議論をしていることは、国際法上、集団的自衛権の行使に当たらないというものについて、それを当たるということに変えていくものではないわけでありまして、国際法の中において、つまり逆でありまして、つまり、国際法上と集団的自衛権については、国際法上は権利があるけれども我が国の憲法上は行使できないという、この考え方であります。  そして、その中において、言わば国際法上の中における多くの国々が行える権利について、我が国の、我が国においてもそれを行使できる範囲があるかもしれないということについての議論を行っている、個々の事例について議論を行っているわけでありますが、今申し上げました事例については、我が国近傍で、我が国近傍ということでありますから、言わば米艦、米国が、そこにおいて米国が攻撃を受けなければ、例えば、密接な関係にある、密接な関係がある、それは言わば米国が攻撃を受けているわけでありまして、米国に対しての攻撃が発生をしなければならないわけであります。  つまり、言わば近傍における武力攻撃事態があり、米国が更に攻撃を受けているという状況の中において、米国が攻撃を受けている、米国が攻撃を受けたという状況の中において、米国側から依頼があり、その艦船を止めてくれということでありますから、言わば米国に対する攻撃が発生していて、その当該国から依頼があると、こういうふうに私は理解しているところでございます。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 米国の攻撃がなければならないということはここには書いてないんですよ。ということは、それは……(発言する者あり)書いてないですよ。総理の答弁ですよ、これ。総理の御答弁ですよ。しっかりと、総理というしっかりとした、それだけの責任を負っている方が、精緻な議論とおっしゃったのは御自身ですからね、そこについては、だったらこのときにはこういうことですというのをやはり付け加えるべきだろうし、あるいは訂正するべきではないでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは、こういう中で答弁を行っているわけでありますから、答弁の時間もいつも長過ぎるというふうに言われておりますので、その中で答弁をしているわけでありますが、当然、私は同盟国との関係においても述べているわけであります。もちろん、集団的自衛権の解釈は必ずしも同盟国に限られているということではございませんが、その中において、近傍の国において、に対する武力攻撃があって、そしてその中で集団的自衛権の行使する米国が攻撃、米国が攻撃されてということを私は申し上げているわけであります。  だから、米国に対する攻撃は発生しているわけでありまして、その上において、要請がなければ、要請があってその船を止めてくれと言われても止めなくてもいいのかと、そういう議論であります。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 国際法の要件について舌っ足らずで済ますのは、私は済まないと思いますので、是非そこのところは正確に、総理が精緻な議論とおっしゃっているわけですから、精緻な議論をお願いをさせていただきたいと思います。  その上で、まあこれも新聞報道で出ている話ですが、北岡法制懇の座長代理が、集団的自衛権行使については五要件を付ければいいんじゃないかという話が出ています。しかしながら、これを見てみても、実は先ほど総理がおっしゃいましたが、国際法は授権しています、その中で我が国の制約がある、そんな中で議論をしている、これは分かります。しかし、だったらこの国際法の原理というのは当然守らなければいけないもので、遵守しなければいけないものであるというのは、外務大臣がおっしゃったとおりです。  この五要件の中で、私の理解では、二つ、つまり、放置すれば日本の安全に大きな影響が及ぶ場合及び国会の承認、これを除くと明示的に集団的自衛権が慣習法として要請をしている三つの要件にすぎず、これをわざわざ国内で定める必要もないのではないかと思いますけれども、いかがでございましょうか。

小松一郎内閣法制局長官

○政府特別補佐人(小松一郎君) 誠に恐縮でございます。私がお答えするのが適当な問題か分かりませんけれども、この安保法制懇で北岡座長がいかなることを、本当におっしゃっているのかと、五要件ということをおっしゃっているのかどうかということについて、私は直接聞いたわけでもございませんし、多分、政府の中で直接聞いている方がおられるのかどうか私も分かりませんので、政府としては答える立場にはないのではないかと考えます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 関連。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 大塚耕平君。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 総理、今日は大変議論前進していると思います。攻撃をアメリカ等の同盟国が受けている事実、それから要請を受けることが必要だ、そこまでおっしゃられました。  したがって、総理が時々例に出されるイージス艦等のミサイル迎撃とか、その要請を受ける時間的余裕がないときはどうされるんでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) つまり、そこをまさに検討しているわけであります。  先ほどの例もそうなんですが、基本的には国際法の中において我々は行動しなければならないというのは当然のことであります。  しかし、先ほど申し上げました例は、基本的にそれは、私は別の委員会においては、米国から要請があっても船を止めることができなくてもいいのかということを申し上げているわけでありますが、毎回全部を申し上げて、時間の関係もあるのではしょる場合もあるわけでありますが、今、大塚委員が言われた点も含めて安保法制懇において議論がなされているわけでありまして、言わば、私が出す例としては、公海上において、ある某国がミサイルを発射するという可能性がある中において警戒に当たっている米国のイージス艦に対する攻撃があって、そしてその攻撃を我が国のイージス艦が阻止できる立場にあるときに、それを阻止しなくていいのかどうかと、こういうことについては議論を進めているわけでありまして、言わば、そこで阻止しないことによって米国のイージス艦を失い、そして、それはひいては我が国に対するミサイル防衛の能力を失っていくことにもつながっていくわけであります。これは明確にそうだと言ってもいいんだろうと思います。  そして、それを阻止しないということでいいのかどうかということにもなるわけでありますし、そして、阻止ができるのに阻止をしなかったということは、これは同盟においては決定的に同盟関係を毀損していくということにもなるという中においての解釈、判断を、今、解釈について議論をしているところでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 大変今はかみ合った部分だと思います。  したがって、要請を受ける時間的余裕がないときに要請があったものとみなす擬制規定を後々法律に入れるのか、あるいは自衛隊法七十六条に定める間接侵略その他の緊急事態等の解釈を広げるのか、あるいは武力攻撃事態法二条に定める武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態に該当するというここの解釈を広げるのか、こういう展開が考えられますが、外務省の考え方を伺います。  あと、法制局長官、もしコメントする立場にあればコメントしてください。

石井正文外務省国際法局長

○政府参考人(石井正文君) お答え申し上げます。  いろいろ詳細具体的な御質問でございますが、まず、私の理解しますところ、懇談会の報告というのはまだ完成をしておらないということでございます。その上で、これは政府が作っておるものではございませんで、懇談会の方が作っておりますものですから、したがって、累次、私どもの方からは、こちらはそれにコメントするということではないと、でき上がった後に政府としてどう対応するかはこちらで考える、その後考えるというふうに答弁を差し上げているところでございます。  そういう意味におきまして、今おっしゃった法律の手当てについて、ちょっと私が具体的にお答えできる状況には今ないんではないかというふうに考えております。

小松一郎内閣法制局長官

○政府特別補佐人(小松一郎君) 総理御自身が繰り返し御答弁になっておられますけれども、この安保法制懇の報告書を踏まえて、内閣としてどうするのかと。これは集団的自衛権だけに焦点が、報道の焦点が当たってございますけれども、それだけではなくて、憲法解釈には関わらないけれども、つまり今までの従前の憲法解釈の中でもできることであっても、これは自衛隊の行動に関わるということは当然国会の御議決になった法律が必要でございまして、そういう法律が欠けている部分がないのかと、その欠けていることによって従前の解釈の中でできることも今不十分にしか対応できないので、我が国の安全保障に問題を来している部分はないのかという部分もあるわけでございまして、そういうことを含めて総合的に内閣として判断をするということを総理がおっしゃっているわけでございまして、その法制懇の報告書が出ましたら、それを踏まえて内閣で検討する。その中で、私どもはやるべきことをやると申し上げましたけれども、要するに設置法に基づいて純粋に法制上の観点から意見を申し上げるということでございます。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 集団的自衛権に関する議論について今進めさせていただいてきて、総理の先ほどの舌足らずというんでしょうか、そういった答弁もありました。また、外務省の方から、政府がやっているわけではないので、法制懇でやっているものなので法的手当てについては今のところ、現時点ではお話しできないという話もありました。さらに、これ余り議論は深められませんでしたが、既に国際法上の要件になっているものがわざわざこんなところに盛り込まれている。  だからこそ、私最初から申し上げているのは、閣議決定の前にしっかりとここで議論をして、そして練り上げた上で国民的な御理解を得る、そして国際的な理解も得る、これが重要ではないかということを最初から申し上げているわけでございますけれども、総理、改めてお伺いします。これ、時間を掛けて十分に国会の中で議論をするようなお時間を閣議決定前にいただけないでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 従来から答弁をさせていただいておりますように、安保法制懇において、様々な状況について、言わば日本国民の命、そして国益を守る上において様々な事態でこの行使について、自衛隊の活用について、憲法の解釈に今までの解釈とは抵触するという可能性があるということについて、事態について議論をしているわけでございますが、その結論が出た上において、出た上において、先ほどの議論もそうなんですが、それが出た上において法制局を中心に、そこで結論が出てから法制局を中心に政府で議論を進めていくわけでありますが、もちろん与党と調整をしていく中においてですね。そこで政府が初めて議論を固めて、議論が固まった段階で政府の立場について、先ほど二つの事例についてお話をさせていただきました、二つの事例につきましても最終的にどうなるかということは今の段階では分からないわけでありますし、今の段階では安保法制懇の議論がまだ結論が出ておりません。  結論が出た後について、政府としてそれをどう解釈するか、あるいはその結論に対してどう憲法との整合性が付いていくか、あるいは解釈の変更が必要かどうかということを政府として決めていくわけであります。当然、それは更に深い議論を、深い精緻な議論をしていく必要があるわけでありまして、その上において閣議決定して政府の立場が決まるわけでございます。  決まった段階においては、決まればそこで当然我々は政府の立場として、政府としての解釈についてここでお答えをすることができるわけでございますし、さらに、その上において自衛隊法を改正をしていく必要が当然あるんだろうと、こう思いますが、自衛隊法を改正していく上において様々な、これは言わば縛りが掛かるということもあるでしょうし、国会との関係も定まってくるということもあるんだろうと。より具体的に、実際に、できる権利は持つけれども、さらに実際にできることが法的に決まっていくわけでありまして、当然そこでは国会で御議論をいただかなければ法律は成立をしないわけでありますが。  その間の議論についてどのように、その一番前の議論ですね、ですから閣議決定する前の議論については、これはまた国会との関係において国会でお決めになることだろうと、このように思っておりますし、我々は求められれば当然その段階における結論についての御紹介はさせていただきますが、しかし、その段階においては、先ほども御説明をさせていただきましたように、政府としての立場が決まっておりませんから、私たちはこうですよという確定的な答弁はできないわけでありまして、言わば法制懇の議論の御紹介ということでしかないと、こういうことになるわけでございます。  いずれにいたしましても、今日も大野委員また大塚委員とも中身についてのある程度の議論をさせていただきましたが、実際はまだこれは安保法制懇で決まっていない中の議論の一部を私の記憶の中で御紹介をさせていただいているということでございますが、いずれにいたしましても、国会から求められれば当然我々は御説明をするという義務を負っていると、このように思います。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 深い精緻な議論をしている段階、閣議決定前においても、国会においてそれは御決定いただくことだというお話がありましたので、これはしっかりと審議を私もさせていただきたいと思います。正直、時間がないので、そのときの議論では一時間、二時間いただいて、是非個別のケースについてやらせていただきたいと思いますが。  別な件ですが、特定秘密保護法についてお伺いをいたします。  政府・与党が強硬にあの法律は成功させたことは記憶に新しい中ですけれども、審議の最後の二日になりまして、総理は第三者委員会の設置について言及をされました。  現在、この第三者委員会についての検討状況、進行状況について教えてください。

森まさこ自由民主党内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全・少子化対策・男女共同参画)

○国務大臣(森まさこ君) 第三者である外部の有識者の御意見を伺うための情報保全諮問会議の方は、第一回会合を本年一月に開催したところでありますけれども、その上で、本法の施行までに、昨年十二月の四党協議の結論に従い、独立した公正な立場において検証し、及び監察することのできる新たな機関として、米国の情報保全監督局も参考としつつ、内閣府に審議官級の独立公文書管理監(仮称)と、その下に二十人規模の情報保全監察室(仮称)を置き、両者相まって各行政機関による個別の特定秘密の指定等を検証、監察し、不適切なものについて是正を求めることができるようにすることとしてまいりたいと思っております。  また、内閣総理大臣が特定秘密の指定、解除等についてチェック機関としての役割を果たすことに資する組織として、米国の省庁間上訴委員会を参考としつつ、閣議決定により、内閣官房にインテリジェンスコミュニティーの事務次官級を中核とする保全監視委員会(仮称)を本法の施行までに設置をしたいと思っております。  お尋ねの点でございますけれども、内閣官房に設置する保全監視委員会(仮称)や内閣府に設置する独立公文書管理監(仮称)とその下の情報保全監察室(仮称)に具体的にいかなる事務を所掌させるか、どのような権限を与えるべきかという点も含めて、情報保全諮問会議の有識者の御意見も伺いつつ、鋭意検討を行っているところでございます。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 こういった議論を本当は最後やらなければならないのを強硬に押し切ったのは大変残念であります。  しかしながら、その一方で、これらの委員会あるいはその局については、今閣議決定で設置をしたという話もありましたが、これ検討している委員会については当然法制化していくということでよろしいですね。

森まさこ自由民主党内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全・少子化対策・男女共同参画)

○国務大臣(森まさこ君) 四党合意に記載されてあります文言でございますけれども、「内閣府に情報保全監察に関する機関を政令(または立法措置が必要な場合には立法)により設置する。」旨合意をされておりまして、政府としては、この四党協議の結論に従い、これら機関の具体的な在り方について先ほど御答弁申し上げたとおり検討しているという状況でございます。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 総理に伺います。  秘密保護法制というのは、どの国においても秘密は国民から隠すことになります、最終的には。しかしながら、こういった制度があるので信用してくださいと、こういう立て付けになるのが文明国の法律の在り方だと私は思っています。  そういった中で、国民に信頼を得るためには、やはり政令や閣議決定ではなくて法律によって、ここで審議をして国民に御理解をいただくことが極めて重要だと思いますけれども、総理、改めて伺います。この法律の施行までに、法令としてこの場で議論をして、第三者委員会として国民に信頼をいただく、そして安全保障と国民の信頼を両立させるということを図っていただけるんですね。それを是非御明言を賜りたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま森大臣から答弁させていただいたとおり、情報保全諮問会議、そして独立公文書管理監、情報保護監察室、そして保全監視委員会を立ち上げる、設置すること、あるいは設置しているわけでございますが、このように多層的にチェックする仕組みをつくっていくということが極めて重要であり、我々は国会で答弁しているとおりしっかりと設置をしていきたいと、こう思っているところでございます。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 最後です。よろしくお願いします。

大野元裕民主党・新緑風会

○大野元裕君 古屋大臣、申し訳ございませんでした。質問する機会がございませんでしたが、これにて質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 以上で大野元裕君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 次に、金子洋一君の質疑を行います。金子洋一君。

金子洋一民主党・新緑風会

○金子洋一君 民主党の金子洋一でございます。  今日は、消費税などと景気の問題について、総理を中心にお尋ねをさせていただきたいと存じます。また、こういった大変大きな問題につきまして、総理が御自身で官僚に丸投げせずに様々な御答弁をなさっていること、心から敬意を表したいと存じます。  さて、昨日の予算委員会、総理御答弁で、二本目の矢は一本目の矢と相まって効果を発揮するというふうな御趣旨で御発言をなさいました。その真意についてお聞かせをいただきたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これまで、バブル崩壊後、累次の経済対策は一定の景気の下支えの効果はあったというふうに考えておりますが、デフレ脱却を果たすことはできなかったということでありまして、デフレが継続する下では財政出動や成長戦略の効果は限定的であります。  そのために、まず第一の矢である大胆な金融政策として日本銀行において量的・質的金融緩和をしっかりと推進をしているところでございまして、他方、金融政策のみでは企業が投資や給与を増加させるまでに相当の期間を要する可能性があるわけでありますし、また、景気回復の温かい風をできる限り速やかに全国津々浦々に広げていくという必要があるわけでありまして、このため、第二の矢である財政出動として、内閣発足後速やかに経済対策を策定し、早期の執行に努めたところであります。  他方、いつまでも財政出動に頼っているわけにはいかないと、また金融緩和の効果を高めていくためにも、第三の矢である成長戦略により民間投資を喚起をし、そして民間主導の持続的な成長戦略につなげていくという考えでございます。

金子洋一民主党・新緑風会

○金子洋一君 ありがとうございます。  そして、今言及なさいました第一の矢、大胆な金融政策ということで、これはもちろん為替介入とは全く異なりますから、意図をしてと申しますか、直接やったことではありませんけれども、その政策の必然的な帰結として円安を生じたと、そして円安により様々な効果が起きたということで理解をしてよろしいでしょうか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) これは結果論ということになろうかと存じますが、日本銀行によります金融の緩和というものは、これは金子先生御指摘のように、為替の変動を目的としたものではありません。長年にわたる日本の場合はデフレ不況というものでありますんで、これからの脱却という国内目的というのを達成するために行われた金融の緩和というものが、結果として円安を招いたということで、これは昨年の四月でしたか、G20のコミュニケでもこれはきちんと確認をさせておりますんで、円安じゃないか、独歩安だというような話がありましたんで、それは違うという話できちんと話をしておりますんで、為替相場というのは様々な要因でもなりますのはもう御存じのとおりでございますんで、一般論として申し上げれば、各通貨の供給とか経済動向とか金融政策とかいうのをやったものの副次的な結果として円安になったというように理解をいたしていただければと存じます。

金子洋一民主党・新緑風会

○金子洋一君 ちょっとお尋ねの仕方を変えさせていただきます。  つまり、大胆な金融政策、金融緩和を行えば、これは論理的に見ると、円安方向に動くだろうなということはこれは想像が容易にできたと思うんですが、いかがでしょうか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 大胆な金融緩和をやったことは、二〇〇一年、二年、三年、あの頃も大胆な金融緩和をやったんですけれども、結果として余り円安というような形にはなりませんでしたんで、そういった意味ではもっといろんなものが副次的に出てくるんで、日本はこの方向に行くなという感じと、それに合わせて第二の矢の財政出動と両方ないと、なかなか円安ってそう簡単にいくかなという感じはいたしますけれども。  ちょっと正直申し上げて、これはもうよくお詳しいところなんで、聞いていただく上で、知っておられる方に説明するのは面倒くさいといえば面倒くさいんですけれども、よく御存じのところの上で聞いておられるのを更に説明するのはもう何となくあれなんですけれども。とにかく、円安というものを目的とせず、金融の緩和というものは、正直申し上げて、リーマン・ショックのときに我々は通貨戦争はしないという各国との約束をしたにもかかわらず、きちんと守ったのは日本だけ。それだけは、百八円でずっとスタートしてあったものが七十何円まで円高というのにじっと日本は耐えましたから、ちゃんと我々は、ちゃんときちんとその約束を守ったと。みんなあのとき約束したんだけど、金融の緩和ということを使って結果として通貨安にしたんだけれど、うちはそんなこそくなことはしなかったと。したがって、今になって、今言われる覚えはないということであの話は収めたというのが経緯です。

金子洋一民主党・新緑風会

○金子洋一君 ありがとうございます。  それでは、ちょっと黒田総裁、大変恐縮ですが、御通告申し上げていないんですが、マネタリーベースを拡大をするというような大胆な金融緩和をした場合に、一般論としてですよ、その国の通貨が自国通貨安になるというふうに予想をするのはこれは極めて当然なことじゃないかと思いますが、いかがお考えでしょうか。

黒田東彦日本銀行総裁

○参考人(黒田東彦君) 委員御指摘のとおり、言わば、他の事情にして一定であれば、金融緩和した国の為替が下落する傾向があることは事実でございますが、それも常にそうだというわけでもありませんし、他の事情は一定でなくて常に動いておりますので、そこは一概に割り切って言えるわけではないと思います。  それから、麻生副総理から答弁がありましたとおり、私どもの金融政策というのは、あくまでも国内の経済目的、つまりデフレから脱却し、二%程度の物価安定目標というのをできるだけ早期に実現するということでやっておるわけでございます。

金子洋一民主党・新緑風会

○金子洋一君 ありがとうございます。大胆な金融緩和を行う、金融政策を取ることによって金融緩和が起こると、そして、その場合には円安が起こることを想定をしておいても何も罰は当たらないというぐらいに申し上げてもお叱りは受けないと思うんですが、その上でお尋ねをさせていただきます。  実は、昨年の二月の六日に参議院の本会議で、円安の弊害を防ぐ方策ということでいろいろなことをお尋ねをさせていただきました。つまり、大胆な金融緩和をすれば円安が起こるであろうこと、そして、足下では既に起きていたということからすれば円安対策を行うべきだと申し上げまして、そして、私はそのときに、輸入小麦ですとか、あるいはガソリンとか軽油のいわゆる旧暫定税率、あるいは電力料金ですとか自動車関係の諸税の見直し、そういったものをやるべきだというふうに申し上げました。そのときにはやりませんというお答えだったんですが、今でもやらないおつもりでしょうか。それとも、このうちの幾つかはやってみようかなという気になっておられるものがあるでしょうか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 昨年のたしかこれは代表質問だったと記憶いたしますけれども、パンや麺類の原料となる輸入小麦の価格を引き下げるため公費を投入すべきではないかとの御提案をいただいたんだと思いますが、これ輸入小麦の価格というものは、これは為替のみならず国際市場における相場の関係もございますので、この為替による、まあ円安による引上げというもので、これだけが関係したかといえば、国際相場が下がったりしておりますので、必ずしも円安分だけが要因になったのではないというんで、そういった意味では公費投入というような特別な対策を講ずる必要があるとは考えてはおりません。  ガソリンにつきましては、揮発油税、軽油引取税の旧暫定税率等々を廃止すべきとの御提案もあのときいただいたんだと思いますが、これにつきましても、これは民主党政権下において、これは、揮発油税等の税率についてはこれは検討がなされております。しかし、地球温暖化対策の観点とか厳しい財政事情を踏まえてこれは維持されたものだと承知をしておりますが、いずれにいたしましても、為替が円安方向に推移していることに伴って、軽油とかガソリンとか、A重油、C重油、皆そこそこ上がっておるんですけれども、現在もこの地球温暖化対策等々、財政状況厳しいのは変わりありませんし、これ額としては極めて大きな、二十五年度の税収だけで二兆八千億ぐらいの大きなものでもありますので、これなかなか簡単にということにはできにくいというのが正直なところであります。  LNGにつきましても同じようなところではありますのですが、今後とも、これは北米からのシェールガス等々が入ってまいりますので、いろいろな意味でガスも一時期ばあんと上がっておりますけれども、これ一定国からではなく、アメリカの、ロシアからも、中近東からもということになりますと、これ買手市場になり得る可能性というのがありますので、そういった意味では低廉な、安いものの調達というのに今後とも取り組んでいかねばならぬと思っております。  車体課税についても御質問があったんですけれども、これは、このときのあれは、自動車重量税、自動車取得税引き下げるべきだという御意見をあのときいただいておりますが、これはもう税制抜本改革法第七条に基づいて、これは安定的な財源を確保した上で行うということとして、自動車取得税の税率につきましてはこれは五から三に引き下げたんだと思いますが、自動車取得税及び自動車重量税のエコカー減税を拡充するとかいうのをさせていただいておりますけれども、ユーザーの軽減負担につながるという施策も一部盛り込ませていただいたことは事実であろうと存じますけれども、いずれにしても、いろいろ漁業関係の方々の、あれはA重油、C重油か、A重油の料金等々につきましては補助を出したりなんかした、細かいのは幾つかございますけど、そういうのをさせていただいたところではございます。

金子洋一民主党・新緑風会

○金子洋一君 ありがとうございます。  金額的に大きいので景気対策としてやっていただけないかという趣旨で申し上げたんですが、残念でございます。  総理に再びお尋ねを申し上げます。  二〇〇〇年と二〇〇六年の日銀の早過ぎた金融引締めが誤りであったということで、これは昨年の三月二十七日の財政金融委員会での私の質問に対してお答えをいただきました。そして、そういったことがあるからこそ物価安定目標が必要だと御発言になったと思いますが、その御認識に今も変わりはありませんでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 現在、私どもが進めております政策につきましては、野党時代、エコノミストとしての金子委員にもいろいろと御指導をいただいたわけでございまして、大体委員のおっしゃった方向に向けて今政策を進めているところでございますが、大胆な金融政策が導入される前の日銀の金融政策は、結果として長引くデフレから脱却できなかったということは確かであります。  二〇〇〇年、ゼロ金利の解除の判断についても、二〇〇六年、量的緩和の解除、ゼロ金利の解除の判断についてもやはり早かったというふうに考えているわけでございますし、当時、私はそれぞれ官房副長官あるいは官房長官の立場でございましたが、政府としては反対をしていたところであります。  こうした点も踏まえ、昨年一月に政府、日本銀行の間の緊密な意思疎通を行った上で共同声明を取りまとめ、日本銀行が自ら二%の物価安定目標を定め、その早期実現を目指すこととしたものであります。その上で、日本銀行は昨年四月に量的・質的金融緩和を導入をいたしまして、二%の物価安定目標を二年程度の期間を念頭に置いてできるだけ早期に実現することを目指すとともに、これを安定的に継続するために必要な時点まで金融緩和を継続することとしております。  まさに、そういう意味におきましては今までとは次元の違う政策であると、このように思います。

金子洋一民主党・新緑風会

○金子洋一君 ありがとうございます。  今の総理の、二〇〇〇年、二〇〇六年の判断、日銀の判断に対する御批判というのを、黒田総裁、そちらでお聞きになっていてどういうふうにお感じになったでしょうか。

黒田東彦日本銀行総裁

○参考人(黒田東彦君) 二〇〇〇年のゼロ金利政策の解除及び二〇〇六年の量的緩和政策解除のタイミングにつきましては、その時々の状況を踏まえて議論を尽くした結果だとは思いますし、その時点においては一定の合理性はあったかもしれませんが、結果的に見て適切な対応ではなかったというふうに考えております。

金子洋一民主党・新緑風会

○金子洋一君 ありがとうございます。  大体これまでお尋ねをしましたことは、金融緩和につきましては、総じて言えば、現在の与党の政策について私はこれはいい方向にあるのではないかなということでありまして、言わばこれからお尋ねをするところが大変、今後日本の経済を考える上で本当にいいのかという趣旨でお尋ねをさせていただきたいと存じます。  昨年の十月の一日に消費税引上げの本格的な決定がなされました。それ以前、総理官邸に大勢の学者さん、エコノミストさんがお集まりになりまして、様々なヒアリングが開かれておりました。そこでどういう議論が行われたのか。特に、駆け込み需要、あるいは消費増税の逆進性の問題、さらに財政再建によるプライマリーバランスの問題といったようなことについてはどういう議論があったのか、御紹介をいただきたいと思います。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 六十名の有識者、専門家からヒアリングを行いまして、有意義な御意見をいただいたわけでございます。  具体的には、今年の四月の五パーから八パーへの消費税引上げについては七割超が適切又はやむを得ないという意見を述べられていました。ただ、その場合にも様々な対策を講じる必要があるとの意見が多く出されました。他方、景気やデフレ脱却に与える影響を懸念をして、消費税率の引上げ時期であるとか引上げ幅を変更すべきだという意見、あるいは消費税率引上げ自体に反対という意見もありました。  そこで、具体的な御質問の三点、まず駆け込み需要に関して、駆け込み需要とその反動減の緩和については、景気の下振れリスクへの対応や経済の自律的成長力を高める政策を求める意見、それから逆進性につきましては、低所得者対策の必要性があるとの意見、それから財政健全化については、財政の信認維持のために中長期の財政再建へのコミットが重要との意見がありました。  本年四月の消費税引上げにつきましては、こうした集中点検会合であるとか経済財政諮問会議等における議論も踏まえまして、税制抜本改革法附則十八条第三項に基づきまして経済状況等を総合的に勘案した上で、さらに総理が最終判断をされたというふうに認識しております。

金子洋一民主党・新緑風会

○金子洋一君 ありがとうございます。  例えば、内閣官房参与の浜田宏一先生ですとか本田教授とか、そういった皆さんは現在のような形での引上げには賛成はなさっていなかったと思うんですが、そうしたことも含めて、これ総理にお尋ねをしますが、どういう思いでここで引上げを決定をなさったんでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま甘利大臣から御紹介をさせていただいたような議論が行われたわけでございます。  私の基本的な考え方としては、まず伸びていく社会保障費に対応していく必要があると。そのためには消費税を引き上げなければならないということにおいて、我々野党時代に、与党の民主党、そして公明党と三党合意したわけでございます。そして同時に、国の信認はこれはしっかりと維持をしていく必要があるということでございます。  とともに、やっとこのデフレから脱却できるという状況になりつつある中において、この勢いを失ってしまってはこれは元も子もなくなるわけでございまして、そこで消費税を引き上げることが時期尚早かどうか、あるいは、それに対応する経済対策によって反動減を言わば相当程度緩和し、そしてまた、まあ四月、五月、六月はどうしてもこれは反動減等がある程度はあるわけでありますが、七月からは、七月、八月、九月にまた元の成長軌道に戻ることができるかどうか、これがまさに判断のポイントであったわけでございますが、そうした御議論の上において、五・五兆円の経済対策と一兆円の税制対策をしっかりと打っていけば、今申し上げました懸念をある程度払拭していくこともできると、そのような判断の下に消費税を引き上げていくという判断をしたところでございます。ただ、同時にやはり四月以降、景気の状況を慎重に注視していきたいと、このように思っております。

金子洋一民主党・新緑風会

○金子洋一君 ありがとうございます。  具体的に、五から八%に引き上げた場合に、引き上げたことによる効果、例えば、今年度でしたら駆け込み需要があってプラスになると、来年度については、まさに今おっしゃったように反動減があるといったようなことを足し合わせた効果で、それぞれの年度、今年度、来年度、どのくらいになるかと。経済対策の分は除いて純粋なその悪影響の分だけですけれども、どのくらいになるのかということと、あと、前回の引上げのときに実際のデータとしてはそれぞれどうだったのかということについて、これは甘利大臣でしょうか、お願いします。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 消費税を引き上げますと、まず駆け込み需要があります。これはプラスに働きます。しかし、その後、反動減があります。これはマイナスに働きます。  そこで、駆け込み需要を算定しますと、二十五年度の実質GDP成長率は〇・四%ポイント程度押し上げられるというふうに見込まれます。そして、反動減でありますけれども、二十六年度の反動減は駆け込み需要と同じくらいの規模、つまりやはり〇・四%ポイント、これが見込まれるわけであります。これ一切対策をしないで、そのままでいったとしますとです。  それから、前回というお話でありますが、一九九七年の消費税率の引上げ、三パーから五パーに上げたときでありますが、これが経済に及ぼした影響についてでありますが、この九七年当時の経済動向を振り返りますと、まず消費税率引上げによります駆け込み需要と反動減が大きく現れました。その後に、しかしプラス成長に復帰をしたのでありますけれども、同年夏以降のアジア通貨危機や金融システム不安の影響等から、一旦回復したのでありますけれども、再びマイナス成長へと転じたというふうに理解をいたしております。

金子洋一民主党・新緑風会

○金子洋一君 今、駆け込み需要で今年度中に〇・四%ポイント上がると、その代わり来年についてはその駆け込み需要分だけ〇・四%ポイント下がるというふうにおっしゃったんですが、それ以外の効果というのは消費増税にはないんですか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) これは、例えば家計に与える影響がどうこうとか、そういうことですか。

金子洋一民主党・新緑風会

○金子洋一君 GDPから見てですね。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 家計に与える影響ですと、これ昨年十月に消費税率引上げに係る意見について審議を行った諮問会議において、内閣から審議の参考のための提出した資料によりますと、既定の主な制度変更に加えて、現行法どおりに二〇一四年四月に五%から八%に消費税引上げを実施した場合に、家計の支払増・受取減でいいますと七兆円半ば程度と見込んでいると、それから、制度変更等に伴う家計の受取増・支払減については四兆円半ば程度と見込んでいると。つまり、出る方が七・五兆、入る方が四・五兆ということで、その差がマイナス三兆あるわけであります。  ただし、景気回復が進展すれば雇用者報酬等が堅調に増加すると、そういうことも見込まれるということでありまして、その幅も景気回復によって吸収されていくというふうな見通しを出しております。

金子洋一民主党・新緑風会

○金子洋一君 となりますと、最初に消費税の五から八への引上げの分の純粋な効果を教えてくださいと申し上げましたので、今の御説明ですと、いや、純粋な効果に、そこに、政府のおっしゃることでは、家計にベースアップなりの増収が、給与上昇があるから、それを踏まえますと結局駆け込み需要の増減の分しかありませんよとお答えになったんですけれども、その消費税単体の部分というのは計算をされていないんですか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 消費税の引上げによる物価の上昇であるとか実質賃金の上昇への影響は一時的なものであって、将来にわたってこれが継続されるものではないということから、消費等への影響は限定的になるというふうに見込まれております。  消費税引上げというのはワンショットで行われるわけでありますから、それに経済成長効果、つまり、消費税引上げ、それから物価安定目標による消費者物価の上昇を超える賃金上昇を目指して好循環を今図っているところでありますが、物価安定目標は毎年継続的に二%ということでいくわけでありますが、消費税による引上げはワンショットでありますから、それが先々に引き続いてその分乗っかっていくということではないということであります。

金子洋一民主党・新緑風会

○金子洋一君 一時的なものでワンショットだから影響が出ない、先々引っ張らないという御表現を取られました。  賃金上昇を目指しているからそこが埋め合わされるんだよという御趣旨なのかなと思いますが、これもお尋ねをしたいんですが、では、その消費税増税分の物価上昇分の効果を計算したときに、八%に引き上げた場合に、そして、あと厚生年金の保険料の引上げも来年ありますから、それを足して勤労者世帯の支出にどのくらい影響をもたらすのか。  例えば、民間のシンクタンクの計算ですと、三百万円から四百万円未満の世帯ですと、合計で消費増税分と厚生年金保険料の引上げ分で七・七万円負担が増える、これは所得の二・二%に当たるというようなシンクタンクの計算があります。そういった計算を政府ではなさっているんでしょうか、なさっていないんでしょうか。所得階層別で見るとどうなるんでしょうか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 全体での出入りは計算していますけれども、所得階層別という細かくブレークダウンした計算はやっておりません。

金子洋一民主党・新緑風会

○金子洋一君 夏のエコノミストや学者さんを集めた会合の中で、当然、先ほどもおっしゃったように、消費税の逆進性の問題について取り上げられたはずですから、それからもう随分と月がたっているわけです。  消費税を上げると、五%上げたら十二・五兆円です。税収が四十五兆円ぐらいしかないところで十二・五兆円引き上げるというのがどれだけ大きなことであるのか。そして、それだけ大きなことをやれば国民の経済にどういう影響があるのか。そして、一番弱いところに大きな影響が出るのではないかと考えるのは、これは理の当然だと思います。  それなのに、これ、御同意いただけると思うんですが、それを御同意いただけるんでしたら、なぜ、そういったその逆進性の問題、低所得者あるいは高年齢の年金生活者の生活に対してどのくらいの影響があるのかということを御検討になっていないんでしょうか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 対策はかなりきめ細かくやっているつもりであります。臨時の給付金であるとか、あるいは社会保険料を低所得者対策のために引き下げる等々、具体的な手当てはいたしております。ただ、先ほども申し上げましたように、詳細に所得階層別に、このくらいの所得だとこういう具体的な出入りの影響があるという詳細な試算はいたしておりません。  いずれにいたしましても、経済の好循環には賃金の引上げが大事でありまして、一年でという具合にはなかなかいきませんけれども、複数年のうちには、物価上昇分、消費税上昇を加えた物価上昇分をオーバーライドしていくと、給与が、そういうための政策を打っているというところであります。

金子洋一民主党・新緑風会

○金子洋一君 賃金上昇を目指しておられるということですけれども、複数年でそれを、消費税分追い付くんだとおっしゃっているんですが、今申し上げたように、二・二%とか二%台、あるいは所得の多い方でも一%台あるわけです。それを、その分だけ給与を引き上げるということがそんな簡単にできるんですか。  しかも、今の御説明ですと、できるということを前提にして、来年の成長、実質経済成長の計算をなさっているというふうにしか思えないんですけど。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) これは各種経済対策をまず打っております。先ほど、駆け込み需要と反動減がGDP〇・四、ですから、はじいていくと二兆円弱ぐらいでしょうか、これは民間の調査機関もそうはじいていたわけであります。  ただ、そうであっても、駆け込み需要はともかくとして、反動減をできるだけ抑えていこうということで五・五兆円の経済対策を行ったわけであります。これは、反動減だけであるならば、五・五兆とか、あるいは一兆円の減税対策というのは必要ないという理屈になるんだと思います。ただ、我々は、反動減を埋めるだけではなくて、成長軌道にしっかりと乗せていくということも含めて相当規模の経済対策を打ったわけであります。  その心は、経済成長をすること、企業が収益を改善することが賃金の改善に向かうと、そして、賃金の改善が更に消費行動につながって、それが生産行動につながっていくという好循環をつくっていくと、そのことが大事だということを各方面に説明してきたわけでありますし、そのために政労使の会議を持ったわけであります。  あわせて、消費税の引上げというのはそっくり社会保障の安定と充実に向かわせると。ということは、これはこれからも政府がしっかり説明をしていく必要があると思いますけれども、将来にわたる安心感をそれを行わないよりもより確保をしていくと、そのことを通じて消費が落ちていかないようにしていくということも併せて取り組んでいるわけであります。  それらを通じて、一刻も早く消費者物価の上昇を超えて賃金が上昇していくという環境を整備したいと思っております。

金子洋一民主党・新緑風会

○金子洋一君 経済対策を打っている、あるいは将来への安心感が増すから消費が増えるとおっしゃっていますが、ではその件について関連してお尋ねをしますけれども、中長期の経済財政に関する試算の中で、一定の歳出削減努力、更なる収支改善努力という言葉が出ております。そうした歳出削減努力や収支改善努力は、これは景気にはどういう影響を及ぼすんでしょうか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 中長期試算でそう表現していますのは、我々が目指しています成長軌道、十年平均で名目三パー、実質二パーというのは経済再生ケースであります。そして、御指摘の表現がありますのは、より緩やかな成長路線となる参考ケースにおいては半減目標が達成できないと、だから、より更なる改善努力が必要だというふうに表現しているわけであります。  もちろん、更なる改善努力というのは支出の抑制であり、そしてさらに成長への一層の政策努力であるということでありますけれども、私どもはあくまでも達成できないケースを想定しているのではなくて、この経済再生ケース、政策目標に掲げています、十年間三パー、二パーを実現していくと、そういうふうに取り組んでいきますから、その場合には今の一定の削減努力、更なる改善努力が必要という参考ケースとは違う道をたどるというふうに承知いたしております。

金子洋一民主党・新緑風会

○金子洋一君 お尋ねをしていることをちょっと取り違えておられると思いますので、表現を変えます。  つまり、この二つの努力、歳出削減努力とか収支改善努力というのは、要するにプライマリーバランスの赤字を減らすということですよね。じゃ、プライマリーバランスの赤字を減らすということは景気に対してプラスの影響をもたらすんですか、マイナスの影響をもたらすんですか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 直接的に支出を減らすということは、当然マイナスになるはずです。しかし、これはなぜやるかといえば、財政規律の確立です。ということは何かというと、国債の信頼を高めるということです。ということは、むやみに国債の金利が上がらないということになります。上がらないということは、経済財政上もプラスに働くということです。  ですから、それ自身がどうかということと、それが与える中長期の影響ということは同一ではないと思います。

金子洋一民主党・新緑風会

○金子洋一君 では、一般に、今お尋ねをした、むしろ大臣が御説明をなさった中で、経済対策を打っていると、だから来年度の経済成長は大丈夫だとおっしゃったんですけれども、二十五年度と来年度、二十六年度を比較して、これプライマリーバランスの赤字の削減度合いというのはどちらがより大きいんですか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) この二十六年度予算においては、二十五年度からの改善を五・二兆円と踏んでいます。当初の中期財政計画上の目標というのは四兆円ずつ改善をしていこうということです。この四兆、四兆の改善の最初の年について五・二兆と目標よりも高く、目標よりも大きな改善ができたというところであります。

金子洋一民主党・新緑風会

○金子洋一君 ということは、本来四兆円やるべきところを五・二兆円やったと。五・二兆円歳出を削減をした、有効需要が五・二兆円減った、これは経済対策を打った後の数字ですよね。確認です。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) もろもろの対策を経てこういう見通しができたということだと思います。

金子洋一民主党・新緑風会

○金子洋一君 正直申し上げて、私はその計算が全く分かりません。  つまり、政府の公需が五・二兆円減りましたと、まあ公需じゃないかもしれません、支出が五・二兆円減りましたと。でも、経済は、そして五・二兆円減ったと。そして消費増税も行いました。十兆円程度増税、あっ、済みません、五兆円程度の税収増がありますと言っているときに実質経済成長率が一・四%になりますというのは、いかに見ても甘いんじゃないかと思いますが、いかがでしょう。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) これは、済みません、これは当初予算ベースです。ちょっとこんがらがっちゃうんですけれども、財政健全化というのはSNAでやっていますけれども、SNAというのは、国、地方を連結の決算ベースです。しかしそれは、それの具体的な目標は当初予算ベースで改善をしていくのが一番見えやすい、国の経済規模の一番枢要になっているのが当初予算ですから、当初予算ベースでその改善をしていくということです。ですから、補正での経済対策、SNAでいう部分について、補正の部分についてはそれに入っていないということになります。

金子洋一民主党・新緑風会

○金子洋一君 となりますと、五・二兆円改善をしたというのは実際には違うと、補正予算を考慮に入れると五・二兆円も改善してませんということですね。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) SNAで改善をさせていく、その改善率というのは二〇一〇年を基軸にしています。二〇一〇年はマイナスの六・六だったと記憶しています。それを二〇一五年には、半分ですから本当は三・三ですが、三・二になっているはずです。  当初予算ベースで改善目標を測っていきますから、当初予算ベースでは初年度、次年度とも四兆円の改善を目指すということになっています。その当初予算ベースの四兆円が五・二兆円改善したということです。

金子洋一民主党・新緑風会

○金子洋一君 ということは、補正予算を考慮に入れると、プライマリーバランスの赤字の改善というのは結局幾らになるんですか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 二〇一三年から二〇一四年に向けてマイナス六・七からマイナス五・二になっております。これは、国、地方でいうと、マイナスの三十二・六がマイナスの二十六兆円に改善したということになります。

金子洋一民主党・新緑風会

○金子洋一君 ということは、その五・二兆円とおっしゃっていたものに該当する数字は幾つですか。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 甘利担当大臣。(発言する者あり)

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) いや、こういう詳細な質問が来るというふうに質問通告は受けていません。  マイナス三十二・六からマイナス二十六ですから、引き算すれば出てくる数字です。ですから六・六です、国、地方合わせて。

金子洋一民主党・新緑風会

○金子洋一君 ということは、今後、その五・二兆円という数字は姿を消して、政府の御発表になるときにはそういう新しい数字でおっしゃっていただけるということですね。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) SNAベースとそれから一般会計ベースと、これでお示しをしていきます。

金子洋一民主党・新緑風会

○金子洋一君 全く横道に入ってしまってお尋ねをしたいところに全く届きませんでしたので、この続きにつきましてはまたあしたやらせていただきまして、関連の質疑を同僚の石橋通宏議員からさせていただきたいと存じます。  今日はこれで終わらせていただきます。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 関連質疑を許します。石橋通宏君。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 民主党・新緑風会の石橋通宏でございます。金子委員の関連ということで質疑を続けさせていただきたいと思います。  今し方の議論でも、好循環実現のために賃金の改善を含む様々な対策が必要だということでお話がありました。  まず、総理に伺いますが、総理、よろしいでしょうか。まず、総理に伺いたいと思いますが、まさにその好循環実現のために、今回、今審議しております平成二十六年度本予算案の中で、いわゆる雇用対策、これ、どう重きを置いて今回予算編成に取り組まれたのか、まずその点について総理のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 雇用対策は極めて我々は重視をしているところでございまして、まさに国民の皆様が景気の回復を実感をしていただくのは雇用であり賃金であろうと、このように思っているところでございます。  このため、政労使の取組や所得拡大促進税制といった税制面での支援に加えまして、平成二十六年度予算においても、女性、そして若者、高齢者などあらゆる人が社会で活躍しその可能性を発揮できるチャンスをつくるべく、平成二十六年度予算に労働雇用関係の必要な予算を盛り込んでいるところでございます。  今後も、しっかりと雇用対策に力を入れていきたいと思います。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 極めて重視をしていただいているということでありましたので、厚労大臣、おいでになります。厚労大臣、今の総理の極めて重視をしているという御発言がありましたので、それを踏まえて、具体的に雇用労働関係の予算額、一般会計予算、そしてまた特別会計含めて、どういう額、そして昨年比でどれぐらいの増になっているのか、お示しをいただけますでしょうか。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 理由はまた後から御説明、御質問あると思いますので、今数字だけ申し上げます。  一般会計については前年度比マイナスの百三十億円ですね、減でございます。率でいくと、四・三%減の二千九百億円であります。労働保険特別会計については、前年度比プラス六十三億円増、プラス〇・二%増の三兆七千億円でございます。  なお、最低賃金等々を引き上げた企業、これに対する支援、これは中小企業対策でございますのでこの中に入っておりません。二十八億円。それから、監督官の増員分、これも入っておりません。  ということでございまして、なぜ減ったかはまた次の御質問でお答えいたします。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 済みませんが、ちょっと大臣、資料の一で、厚労省に出していただいた資料で、これは一般会計の厚労省所管の中でいうと千八百二十二億円、前年比八・二%減というふうになっておりますが、今数字違いますけれども、これちょっと説明いただけますか。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 済みません、御通告いただいていたのかも分かりませんが、我が省の方でこれ検討させていただいていないので、ちょっと今からすぐに検討させて、後ほどお答えいたします。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 レクでやらせていただいておりましたので、ちょっとその整合性、お願いします。今数字いただいたのは違いますので。  一応私の手元にあるのは資料一でお配りをさせていただいたもので、これ千八百二十二億円、前年比八・二%減というふうになっております。いろいろ御説明があるんでしょうが、大臣、用意をしていただいていると思いますので、これ、総理は非常に極めて重視をしていると、雇用労働対策。しかし、これは一般会計で見たときに八・二%減というふうになっております。これ、どうして減なのか、御説明いただけますか。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 我が方としては四・三%減という数字を今お示ししましたが、百三十億円減になっておりますこの理由でありますけれども、実のところ言いますと、雇用保険の国庫負担分、これは失業者等々が減ってきておりますので、そういう意味で予算立て百三十六億円、これはマイナスにいたしております。それから、求職者支援制度の国庫負担、これも求職者、来られる方々がだんだん減ってくれば、景気良くなって少なくなるということで、二十一億円減。その上で、例えば育児休業給付の引上げが五十五億円増にさせていただいておりましたりですとか、あとはシルバー人材センターや最賃に向けての中小企業の支援策、先ほど言いましたが、こういうものはプラスにさせていただいておるということであります。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 若干御説明になっていないような気がしますが。  一般会計あって、労働保険特別会計、あっちがあって、それでいろいろ施策を打っていただいているわけですが、私の趣旨は、総理、まさに言っていただいて、私全く同感なんですね。雇用労働政策、非常に重要視していかなきゃいかぬという中で、一般会計で本当はこれは、今の政権、総理のまさに言葉をこれは形にしていただく上で、これはやっぱり雇用労働関係の予算をしっかりこの一般会計の中でも確保していただいて、まずこの好循環を実現させていただくということが必要なんじゃないかと思うんですが、総理のお考えはどうでしょうか。  今、一般会計の中では八・二%減、約一割近く減になっているわけで、今後もっとしっかりやっていくべきだとお考えになりませんか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当然、先ほど申し上げましたように、今般の予算の中におきましても雇用を重視をしているわけでございますが、今大臣が答弁させていただきましたように、景気の好転換の結果によって必要な手当てが言わば減少したと、その結果だという今説明だったのではないかと、このように思うわけでありまして、雇用政策そのもの自体についてはしっかりとこれからも力を入れていきたいと、このように思っております。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 また細かいところはあした厚労大臣とやらせていただきますが。  その上で、総理も好循環実現のためにということをいろいろ言っていただいているわけですが、月曜日の予算委員会で我が党の櫻井委員の質問に対して総理もこういうふうに御発言をされています。第一次安倍政権のときも企業の空前の利益が残念ながら労働者の賃金上昇につながらなかったと。  今日、資料二、資料三で、私も改めて、じゃ、景気動向指数が過去どういうふうに推移をしてきたのか、またその間、労働者の賃金が所定内、所定外どうなってきたのか見てみようと思いまして資料の二、三を用意をさせていただきました。これは安倍政権の第一次のときに限らず、二〇〇二年から二〇〇七年ぐらいの本当にすごい、バブルに匹敵する以上の好景気の中で、残念ながら、労働者のとりわけ実質賃金、所定内の賃金はマイナスを続けていたというのが現状であります。  総理、これは何が原因だったと総理としてお考えになりますか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今御指摘があったように、二〇〇二年から二〇〇七年にかけて企業収益が上昇したにもかかわらず賃金が上昇しなかったという御指摘でありますが、これは、バブル崩壊後、過剰雇用、債務を抱えていた日本企業が人件費を抑制して収益を確保し、その収益で資本を厚くするとともに債務を圧縮して財務体質を強化してきたこと等によると、このように考えております。  また、これまでは、先の見えないデフレという状況にある中において、企業が賃上げや設備投資という未来への投資について非常に慎重であった結果、これも言わばバブルの崩壊時の後遺症と言ってもいいんだろうと、このように思います。そのような中で、デフレが進まない中において企業が収益を上げていたにもかかわらず、残念ながら賃金の上昇にもつながらなかったというふうに認識をしております。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 総理、今大変重要な説明をいただきました。  当時、まさに企業が人件費を抑制をして利益を確保してしまったと、そっちに走った。未来への投資を行わなかった。それは、未来への投資、私は、いわゆる設備投資だけではなく人的な投資も含めて企業が行わなかったんだというふうに総理おっしゃったと理解しておりますが、それでよろしいですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当然、人材への投資は未来への投資だと思います。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 まさに企業が人件費を抑制して利益の確保に走った。未来への投資、残念ながら人的な投資も含めて行わなかった。  この反省に立って、じゃ、私たちこれからどうつくっていくんだということだと思いますが、とすると、これから、総理、まさに安倍政権としてやっていただくのは、企業が同じ過ちを繰り返さないと。つまり、企業がまたしても、これから企業業績が仮に回復をこのまま続けたとしても、人件費を抑制して利益を確保するような行為には決して走らせてはいけないんだということで理解をしてよろしいでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当然、これはそれぞれの企業、労使間で賃金等が決まっていくものでありますが、私たちとしては、人件費に言わば企業が上げた収益を分配をしていくことができる、また分配をしていくことが企業にとって有利であるという状況をつくっていくことが極めて重要であろうと、このように思っておりますし、その上において、税制上もそうしたインセンティブを与える税制改正を行っているところでございます。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 総理、確認ですが、人件費を抑制した企業はどのようにして人件費を抑制したと、総理、お考えになっておられますか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) それぞれの企業によるわけでありますが、企業の中においては、言わば非正規の雇用を増やすという中において人件費を抑制している企業もあるのは事実なんだろうと、このように思いますし、他の多くの企業は、労使の交渉の中で賃金も一般労働者については決まっていっているというふうに承知をしております。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 私、まさに同感なんです。  多くの企業がこの時期にまさに、あの二〇〇二年から二〇〇七年の時期、それだけではありませんが、正規から非正規、雇用の転換、非正規が大きく拡大をした、これも事実でありまして、その中で企業がいわゆる賃金原資を縮小してしまったということが大変大きいと思うんです。  つまり、先ほど総理言われた、これから企業業績、安倍総理の指導力によって回復をしていくんだとしても、改めて、やっぱりこれは企業がまたぞろ同じことを、つまり非正規を拡大をして人件費を抑制をして、それによって利益を確保してということは、これはいかぬということで、総理、考えられているということでよろしいですね。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) そこは、今までの認識は石橋委員と一緒でありますし同じなんですが、そして働いている人たちが働きがいを持って、そして人生に夢を持って生きていくことができるという労働環境をつくっていくということについても同じだと思いますが、同時に、この中において雇用も確保しなければいけないと、グローバルな競争の中において雇用も確保しなければならないという状況もあるわけでございますが、いずれにいたしましても、言わば企業において人材に対してしっかりと投資できるような、そういう状況をつくっていくことが重要であり、また政労使の懇談会においてもそのことを要請もしているわけでございますし、また非正規の方々が正規に変わっていきたいという方々に対してはキャリアアップに対する支援等々を行っていきたいと、このように思っております。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 大変重要なことだと思いますので、改めて、総理、つまり企業が業績回復をする、成長する、それは決して労働者の犠牲の上に企業の業績回復があってはいけないと、これは確認していただきたいと思いますが、そういうことでよろしいですね。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは言わば、企業が業績を回復をすると、言わば企業というのは誰のものなんだということでありますが、当然、企業が業績を回復していく中において、その生み出した利益、富がしっかりとそのために働いた従業員、勤労者のために均てんされることが大変重要であろうと、このように思っております。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 はっきり言っていただいていませんが、私の質問、答えていただいたんだと思います。企業が、これはやっぱり働く者の犠牲の上に成長があってはいけないんだということだと思います。しっかり還元することだというふうに思っております。  その上で、ちょっと今日は是非、女性の活躍という観点で総理の見解をお伺いしたいと思うんです。  常々、総理、女性の活躍と言っていただいている。私も全く同感なんですが、改めて、総理のイメージされるこの女性の活躍ってどんなイメージなんでしょう。ここで是非お話をいただければと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私が目指しておりますのは、全ての女性の方々がその生き方に自信と生きがいを持って生きることのできる社会、そして持てる可能性を開花できる社会をつくっていくということであります。  例えば、我が国の女性の労働力率は子育てにおいて一旦低下をしているわけでございまして、この中において、せっかくこの自分の能力を生かしていこうということにおいて、しかし子育ての中においてその能力を生かしていくことを諦めなければならない状況があるとすれば、それは変えていかなければならないと、このように考えているところでございます。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 今総理も全ての女性の方々と言っていただいた。ちょっとこれ是非聞きたかったんです。  というのは、我々も内閣府等々からいろんなブリーフィングを受けておりますと、何かあたかも総理の言われる女性の活躍というのは、役員を増やすだとか、どうも一部の女性の方々のことしか考えておられないのかなというふうなイメージがあったものですから、いや、そうではない、全ての女性なんだというふうに言っていただいたということだと思いますが。  では、総理、御存じだと思いますが、今、女性労働者、約二千万人ぐらいおられるんですが、そのうちの何割ぐらいが非正規で働いておられると理解されていますか。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) まず、先ほどお答え十分にできなかった分を……(発言する者あり)あしたでいいんですか。じゃ、分かりました。それではあした、事細かく御説明をさせていただきます。  女性の非正規労働者の割合でありますけれども、平成二十五年、足下を見ますと六八%。おおむね、平成十四年ぐらいから数字を見てみますと、七割ぐらいですね、若干今六八%ぐらいに落ちてきておるというような、そのような状況であります。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 総理、これは数字お聞きになってどう思われますか。女性の六八%、三分の二ですが、非正規という、これ増えているわけですけれども、この状況についてはどうお考えですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに全ての女性ということでありまして、女性の就業における比率が非正規が高い、これは分析をしていく必要があるんだろうと思います。  言わば、その間は、ある程度の間は子育てに集中をしていきたいという中において、言わば非正規の形においての働き方を選んでいる方もおられるでしょうし、転勤が嫌だという方もおられるでしょうし。ではなくて、正規に行きたいけれども、なかなか正規の門戸が開かれていないという状況があるかもしれません。そうしたものをしっかりと分析をしていきたいと、このように思います。  いずれにいたしましても、育児等により離職した女性が再就職活動を行いやすい支援や、あるいはこうした方々が再就職をして更にキャリアアップしたモデル事例の収集、活用なども行うことにいたしております。これは子育てとの両立という観点からですが、そういう支援もしていきたいと、このように思っております。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 資料の五を総理御覧いただければと思いますが、これはいわゆる賃金カーブを示したもので、これよくあるので御覧になったことがあると思いますが、男性の正社員、正社員でも男性と女性とこれだけ差があるというのは、これは国際的にも大変残念な状況ということで批判もいただいているところですが、正社員でこれだけの男女間格差があり、さらに、非正規の女性の方々、一番下の線でありますけれども。  結局問題は、せっかく、総理、女性の活躍、女性頑張って仕事をして働いて、多くの女性は家族的な責任と両立をして頑張っていただいている。しかし、三分の二、非正規の方々、幾ら経験積んで頑張っていただいても、結局非正規という働き方が、こうして賃金が上昇しない、昇進昇格もできない、こういう働き方になってしまっているというこのことにやっぱり焦点を当てて対策を打っていかなければ、総理の言われる女性の活躍というのは到底実現できないんだろうと思います。  これ見て、総理、どうされます。是非、これ総理、ここをやっぱりやっていかなきゃいかぬということだと思いますが、いかがですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま石橋委員が御指摘をされたような観点からも、我々もそういう状況をしっかりと分析をして、対策等について検討していきたいと思います。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 厚労大臣、ここで具体的に何か取組、どうこれ実現していくのか、あればお願いします。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 正規、非正規という働き方、女性も男性もやっぱり賃金格差があるのは言われるとおりであります。女性よりもかえって男性の方が格差はあるんだと思いますが、しかし、男性、女性問わずこの格差をどうなくしていくか、これ重要な課題だというふうに思っております。  女性というところにフォーカスしますと、女性は、大体パート労働の九割が女性だというふうな数字があります。非正規、一千九百万人今おられるというふうに言われますけれども、このうちのパート労働の割合が大体四八、九%でありますから、非常に多い非正規労働の中において、非正規雇用の中において、その半分近くを占めるパート、その中の九割が女性ということを考えれば、やはりパートに対して均等待遇に向けてのいろんな整備をしていかなきゃならぬということで、今国会にパートタイム労働法の方を、これを提出をさせていただきました。  あわせて、キャリアアップ助成金、これいつも総理がおっしゃっておられます。非常に拡充して使い勝手も良くなっておりますし、助成金の方も拡充をいたしておりますので、こういうものを使いながら正規化を図っていく、こういうようなことを含めてしっかりと対応をさせていただきたい、このように思っております。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 また個別の課題につきましては明日以降是非議論をさせていただきたいと思いますが、総理、是非、これまさに今答弁いただきましたように、全ての女性、とりわけこうして非正規で多くの方々、そして今大臣も触れられましたけど、パートで八百万人の方々が頑張っておる。でも、かなり結構な方々は正社員とほぼ遜色のない責任を負って時間も働いてやっておられる。そういう方々がちゃんとした処遇受けていないという実態がこれあるわけですから、ここに本当に焦点を当てて、これは是非取組をさせていただければというふうに思います。  その上で、派遣法の改正について若干触れさせていただきたいと思います。  今回、これからいよいよ法案出てくるんだと思いますが、要綱等、これから建議、要綱を見させていただいておりますけれども、改めて我々すごく懸念をしているわけです。これによって、今回そのまま法案出てくると、これ相当にまたいわゆる正規から派遣労働者への転換が起こってしまうのではないか、そのことをすごく心配をしておりますが、総理、衆議院の方でも、いや、これは派遣は増えることはないんだ、増やすんじゃないんだというふうな答弁されたと思いますが、総理、本当にこれ、今回の改正で派遣が増えないんでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 派遣労働者の増減については、雇用やあるいは景気や失業情勢、労働者の意向など様々な要因があるわけでありまして、私は先般の答弁では、正確に言いますと、派遣を増やそうとあなたはしているのかと言われたので、派遣を増やそうということは考えていませんと、こういうふうに答弁させていただいたわけでございますが、基本的には、この派遣労働、御本人の意向も様々ありますし、多様な働き方をしたいという方々もおられるのも事実でありますし、また同時に、グローバルな競争の中で企業が打ち勝っていかなければ雇用も確保できないという、そういう状況もあるわけでございますが、そういう中におきまして、派遣という雇用形態が存在しているという現実があります。  そして、その中におきまして、正社員になりたいという希望の方々がおられれば、そういう努力をされておられる方々についてはしっかりと道が開けていくという状況をつくっていかなければならない、先ほど申し上げました支援等を行っていきたいと、こう思っているところでございます。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 派遣を増やそうとは考えておられないというふうな答弁であったということですが、そうすると、結果として、政策というのはいろいろプラス面、マイナス面当然あるわけですから、結果として派遣が増えることは否定しないということでよろしいですか。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 今回の位置付けも今までと同様、臨時的、一時的な働き方ということでございますので、常用代替というような考え方の下に今回の派遣法改正をいたしておるわけではございません。  そういう意味では、非正規の間において派遣というものが代替することはこれはあり得るかも分かりません。それは、非正規、それぞれ契約社員と、派遣社員と、それぞれ企業、それから働く方々、それぞれの選択の下において派遣にするかどっちにするかというようなことが起こるんであろうというふうに思います。そのような意味からいたしまして、今言われたとおり、正規社員から派遣にどんどん替わるというようなことを目指して今回の法律改正をさせていただくというわけではございません。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 厚労大臣、ちょっと確認ですが、今、非正規の中で派遣へ移ることはあり得るだろう、つまり非正規の直接雇用から派遣に、間接雇用に移ることはあり得るだろうと、それは厚労大臣としてそういう方向は正しいと思っていらっしゃるということですか。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 非正規、契約社員だけではないんですけれども、直接雇用である非正規の社員の方々、それから派遣の方々、それぞれメリット、デメリットあると思います。  直接雇用で契約社員のような方々は、要するに直接企業とそのまま契約しているわけでありますから、雇用と働く場が一緒であるという部分はあります。ただし、有期である場合、期限が来た場合に、それで雇い止めということが起こる可能性はあるわけでありまして、すると御本人がまた次の仕事を探していかなきゃならない。一方で、派遣の場合は、雇用契約を結んでいるところと働く場は違っております。そこは不安定なところはありますが、しかし、期限が来た後、派遣会社が次の働き先を探してくれる、こういうメリットはあるんだと思います。あわせて、これは外資でありますけれども、契約社員等々直接雇用の有期の方々と派遣社員と比べますと、時間当たりの賃金は派遣社員の方が高いという、そういう現実もございます。  でありますから、それぞれ選択の下においてどちらを選ぶかということはあります。  更に申し上げれば、多分、直接契約の有期社員等々非正規の社員の方々と派遣社員を見ますと、派遣の場合は、今回は法律の中でかなり均衡待遇に向かってのいろんなものを入れさせていただいております。そういう意味では、そちらの方は義務化をしておりますが、一方で直接雇用の場合は、非正規社員を正規社員にするかどうか、若しくは均衡待遇するかというような部分に関しては義務付けはないわけでありまして、そういう意味では法律の中ではかなりそのような形のものを均衡待遇、均等待遇に向かって準備をさせていただいておるという意味では、今回の改正法というのはそれなりに意味のあるものであろうというふうに考えております。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 このところは、間接雇用、大臣今いろいろるる申し述べられましたけれども、間接雇用、派遣の現場の様々な問題点、これはあるわけですから、そこのところを本当にしっかりと日を当てて考えないと、これは本当に、単純に賃金、時間の賃金単価が高いから、じゃ間接雇用でいいのかという話じゃないわけで、大臣よく数字出されますけれども、あれは、じゃ、ほかのボーナスがどうなのか、退職金がどうなのか、様々いろんな、生涯賃金ベースも含めていろんなこと考えなきゃいかぬし、あと、総理がよく言われている、労使でと言っていただいている、僕すごく大事なところだと思っているんですが、総理御存じのとおり、これ大変残念ながら、今の日本の労使、組織率がどれぐらいかというのは、これは総理御存じのとおりだと思いますが、残念ながらちゃんとした労使関係のない職場というのが圧倒的に多いわけであります。そこをどうしていくのかというところもある。じゃ、間接雇用の場合の労使関係がどうなっているのか、これ大臣よく御存じで、これも大変残念ながら、間接雇用の現場で労使関係というのはなかなか難しい状況にある。  そういう中で、じゃ間接雇用、本当にこれ、今回の法律がむしろ大変厳しい働き方の間接雇用である派遣を増やしてしまう結果になってしまったら大変なことになるんじゃないか、我々はそういう心配をしているわけで、是非この点、本当にこれからしっかり議論させていただければと思いますが。  大臣、ちょっと時間がなくなってきましたので、派遣の中で女性の占める割合、これどうなっているか、数字をお持ちでしたら是非紹介してください。これ、通告していると思います。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 済みません。こちらの方がしっかりと委員の御質問の御説明を把握していなかったということで、許していただければ、明日こちらの方から御説明を、数字の方を出させていただきたいと思います。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 あっ、ちょっと準備されたようです。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) よろしいですか。  それでは、田村憲久厚生労働大臣。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 五八・六%でございます。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 済みません。それ、どういう推移でその今の数字に至っているかも、ちょっとこれ、推移をという話をしておりましたので。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 年にわたっての推移でございますね。時間の経過とともにの推移でありますね。  平成十五年が七四%、派遣に占める女性の割合でございました。平成二十二年が六四・六%、そして二十五年が五八・六%でございますから、七割五分近いところから六割切れのところまで比率が落ちてきておるという状況でございます。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 これ、総理、実は比率が落ちてきたのは決して、女性の派遣が減ったというよりは、むしろ男性の派遣が増えたということから比率が落ちたわけですが、これ、一九九九年そして二〇〇四年、派遣法の大改正があったときに、やっぱり女性の雇用に非常に大きな影響出たんです。ですから今回も、先ほどの、総理、女性の働き方、女性の活躍といったときにまさにそのことを念頭に置いて制度設計をしていただきたいということも含めて、また明日以降しっかりとこの点議論させていただきますので、よろしくお願い申し上げて、質問を終わります。  以上です。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 以上で金子洋一君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 次に、山本香苗君の質疑を行います。山本香苗君。

山本香苗公明党

○山本香苗君 公明党の山本香苗です。よろしくお願いいたします。  先日、福島市内で阿部美和さんという方にお会いしました。彼女は、歯科衛生士として福島市内で初めて障害者歯科診療の立ち上げに携わって、それ以来、障害者の支援に携わりたい、そういう熱い思いを持っておられたそうです。そして、震災を機にNPOを立ち上げて、桑の実というカフェをオープンして、障害者の就労支援を今行っておられます。連日、ランチのときはお客さんでほぼいっぱいになるそうです。現在、障害者の方を五名雇用されておりますけれども、もっと雇用したいといったお話を伺いました。  今、この阿部さんのように、お金を稼ごうということよりも、自分の目の前にある課題を何とか解決したいという思いでNPOなど非営利組織の形で起業する女性たちが増えています。私は、もっとこうした方々、こういったNPOなど非営利で起業する女性の人たちを支援していただきたいなと思うんですが、総理はどういうお考えでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 昨年、官邸におきまして、そうしたボランティア団体、NPOの方々で障害者を活用あるいは雇用している方々を集めた際に、ある女性の方は、これは三軒茶屋でフレンチレストランを経営しておられるんですが、知的障害あるいは精神障害の方々を従業員として使っておられると。私もそこに一回お邪魔をしたわけでございますが、大変な人気でございました。  これはまさに女性ならではの感性によってうまく経営をしておられるなと、こう感じたところでございますが、地域の課題解決や地域活性化の上でNPOは大変重要な役割を果たしているわけでございまして、政府としてもこれらの活動の広がりを後押しすることが重要であると認識をしておりまして、政府としても、例えば商店街の空き店舗を活用した預かり保育など中小企業と連携した事業を行うNPOの創業を支援しているほか、女性の起業家を優先的に支援するなど積極的に支援を行っているわけでございますが、今後とも、人材、信頼性の向上といった点からNPO等の活動を支援をし、そして活力ある共助社会づくりを進めていきたいと思います。

山本香苗公明党

○山本香苗君 今お話にありましたNPOへの起業支援につきましては、先月の予算委員会におきまして茂木大臣から、三月に開始する公募においてNPO法人も支援対象としたいと答弁していただきました。しかし、三月から始まった公募におきましては、中小企業者と連携した事業を行うNPO又は中小企業者の支援を行うために中小企業者が主体となって設立するNPOと要件が付いています。中小企業に裨益効果があるかどうかじゃなくて、NPOをストレートに支援していただきたいんです。茂木大臣、お願いいたします。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) 山本委員、海外の事情もお詳しくて、ノンプロフィット・オーガニゼーション、単にボランティアではなくて、海外では様々な社会の分野で極めて重要な役割を果たしている、間違いないところであります。委員の御指摘もいただきまして、二月の末から実際公募を始めておりますが、そこの中では一定の要件を掛けつつもこういったNPO法人について対象としていきたい。  ただ、その範囲についてもう少し広げられないかと改めて御要望をいただきましたので、関係省庁とも協議をいたしまして、こういった創業の補助金、一回だけでやめようと思っておりません、継続したいと思っておりますので、今後どのような範囲にできるかと検討してみたいと思います。

山本香苗公明党

○山本香苗君 ありがとうございます。  もう一つお願いです。  NPOは、創業支援の対象でないだけではなくて、中小企業信用保証制度の対象外なんです。NPOがお金を借りるのは大変です。是非対象にしていただきたいんですが。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) 現在、委員おっしゃるように、この信用保証制度の対象となっていない、そのためにどうしてもNPOとしての事業活動、本来だったら広げたいのに広げられない、こういう部分もあるんだろうと、そんなふうに思っております。  今後、実態といいますか、例えば事業実態において会社と同等にみなせるか否かとか、NPO法人に対します既存の支援策とのバランスの問題であったりとか、中小企業政策の対象となっていない一般の社団法人などほかの法人形態とのバランス、こういったことも検討しなければなりませんが、どんなことができるか検討を開始したいと思います。

山本香苗公明党

○山本香苗君 要するに、現行におきましては、何が何でも中小企業と絡めなくちゃ駄目だというような要件が課されているわけですが、今大臣の御答弁の中にありましたとおり、NPOの中には中小企業とほとんど実態が変わらないような事業型のNPOというのもございます。また、地域の活性化や雇用創出に大変役立っているというNPOもよくあることを御存じだと思います。  是非とも、NPOをまたこの中小企業と同様に新しい経済の担い手としてしっかりと位置付ける方向で、中小企業基本法並びに既存の法律、制度、それを可及的速やかに見直していただきたいんですが、大臣、いかがでしょうか。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) 中小企業基本法でありますが、委員も御案内のとおり、中小企業者、これを新たな産業の創出、そして市場における競争の促進などの使命を有するものと捉えておりまして、原則として営利を目的とする事業者、これが中小企業基本法の対象でありますが、御案内のとおり、関連の法案であったりとか、それに関連した施策たくさんありまして、そこの中の一部では、中小企業等の振興に資するNPO法人、これも対象にしているところでありますけれども、これから恐らく健康、医療、福祉、社会教育、こういった分野でNPO法人の出番といいますか役割はますます大きくなってくるなと、そんなふうに思っております。  そういった中で、会社であったりとかNPO法人など組織形態も多様化している。つまり、社会のニーズ、活動できる分野も組織も非常に多様化をしているという中で、基本法ですから、なかなか明日すぐにという話にはいきませんけれども、今後どういうふうに考えていったらいいか、よく整理をしてみたいと思っております。

山本香苗公明党

○山本香苗君 検討に着手をしていただけるという御答弁だと理解して、次に行かせていただきたいと思います。  官房長官にお伺いさせていただきたいと思います。  今国会におきましては、健康・医療戦略、これを推進するための法律案が提出されております。この戦略によりまして、国民に健康長寿社会を実現するんだ、そういうことが大きい目的として掲げられているわけですが、法案を見させていただきまして、肝腎要の、国民や患者のニーズを詳細に把握して、そのニーズを反映させていくという仕組みがないんです。是非そういう仕組みをつくっていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) 委員御指摘のとおり、患者の皆さんのニーズというものをこの戦略の中にしっかりと入れ込むということは、これ極めて大事なことだというふうにそこは認識をいたしております。そして、そのことは間違いなく実行に移していきたいと思います。  例えば、現在、がんあるいは難病、こうしたものについては、厚生労働省において患者の立場からの意見を伺った中で政策をつくっているところであります。そうしたものを活用する、あるいはまた関係省庁、これは総合的に行いたいと思いますので、そうした省庁とも連携をしながら、今委員の御指摘のとおり、患者のニーズ、皆さんの様々な意見というものをしっかりと酌み取ることのできる仕組みをつくって、計画の段階からしっかりと組み入れていきたいと思います。

山本香苗公明党

○山本香苗君 ありがとうございます。  そこで、患者のニーズということで二点お話をさせていただきたいと思いますが、まず一点目は官房長官にお伺いしたいと思います。  今現在、白血病などの小児がんにかかるお子さん、約一万人に一人発症すると言われていますが、近年は治療法が進歩したことによりまして七割から八割治るようになってきました。しかし、入院というのは長期にわたります。本当に狭い病室の中での生活です。ベッドの上のスペースが子供の唯一の生活の場になっております。感染症予防のために病室の外に出ることもできなくて、友達にも兄弟にもなかなか会えません。親は昼も夜も子供に付き添って、簡易ベッドで仮眠しています。こんな過酷な環境の中で小児がんの子供と家族は闘っています。  こうした家族を支えるために、神戸市にNPO法人がチャイルド・ケモ・ハウスというのを造りました。ここでは、小児がんの子供と家族が我が家と同じ環境で滞在できるだけではなくて、併設する診療所で治療も受けられる、日本初の小児がん専門治療施設です。しかし、住居部分が病室と認められていないために入院基本料が付きません。そして、入院しているという形で認められないため、患者負担が増えます。そのため、今、住居部分を病室とみなしていただけるように、国際戦略特区の枠組みの中で今規制緩和を目指していると伺いました。  今、小児がん拠点病院は全国に十五あります。こうしたケモ・ハウスのようなところは、全国に少なくとも五、六か所以上は絶対必要だと思います。過酷な環境で闘っている小児がんのお子さんと家族を治療に専念させてあげたい、そういう思いで、是非とも早く規制緩和を実現していただきたいんですが、いかがでしょうか。(発言する者あり)

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 神戸のチャイルド・ケモ・ハウス、大変すばらしい、医療機関と住居部分が併設している、そういうような施設だというふうにお聞きいたしておりますけれども、非常にすばらしい施設だというふうにお聞きいたしております。  もちろん、有床診療所の扱いになるんだろうと思うんですけれども、そうなれば、人員配置基準だとか、それから構造設備基準等々、こういうものはある程度クリアしていただかなきゃなりません。今、神戸市にお聞きしますと、神戸市も、長期間御家族が滞在されるので、果たして病院というような形で申請していいのかどうなのか戸惑っておられるようでございます。もちろん、有床診ですとちょっと細かな基準がありまして、病床のうちの半分しか、要するにこれ、差額ベッド代をもらうような個室になると思いますので、そういうものは造れないというような基準もあるんですけれども、いずれにいたしましても、神戸市、それから、当然その病床規制等々関わってくるのは県でございますから兵庫県、こういうところと密接に連絡を取り合わせていただきながら、今委員がおっしゃられたような方向性、求めておられるのであるならば、いろいろと我々も検討させていただきたい、このように思っております。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) 一義的にはこれ厚生労働省であります。今大臣が答えたとおりだろうというふうに思います。  そういう中で、他の省庁と連携をする当然必要もあるわけですから、実際これは許認可が神戸市でありますので、今総理がこれはやった方がいいって言っていましたけれども、いずれにしろ、政権として、そこはそうした方向でしっかりとこれ検討させていただきたいと思います。

山本香苗公明党

○山本香苗君 総理も小さい声でやった方がいいとおっしゃってくださったのを私も伺いましたので、是非よろしくお願いしたいと思います。  もう一つ、田村大臣の方に。  来年一月から高額療養費制度が見直される予定なんですが、多数該当は手付かずのままなんです。先日、乳がんが再発した女性から、病気のために仕事を辞めざるを得なくなって、収入が絶たれて自己負担限度額すら払えない、治療を断念せざるを得ないという悲痛な声が寄せられました。また、がん患者を支援する団体からも、治療費が払えず治療を諦めている患者さんが増えている、特に年収が三百万円ぐらいの方が本当に大変だ、そういった声を伺っています。衆議院の予算委員会で、この多数該当の見直しについて田村大臣は、これからの検討課題と答弁されました。難しいことは重々承知しています。でも、治療が長引くことによって月々の負担が物すごく重くなっているんです。多数該当で下がっているといえども重いんです。  お金の切れ目が命の切れ目になることのないように、多数該当の見直しについて真剣に検討していただけませんか。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) モデルケースで、三人家族で、今まで二百十万から七百七十万、九十万でしたかね、そこまでの方々は八万百円プラスアルファであったわけでありますが、これを今回、五万七千六百円というのを三百七十万円以下の方々という形で自己負担部分の限度額、これを高額療養費の中において引き下げるということをさせていただきました。その中において、多数該当、今言われたように、何回も何回も一年のうちにこれを高額療養費まで行ってしまうという方々でありますけれども、こういう方々の上限を、今四万四千四百円、高いのではないかと、もう少し下げてほしいという御要望たくさんあるのも我々も承知をいたしております。  公費の掛かる部分でもありますし、保険者の方々の御理解もいただかなければなりません。今般これを引き下げるというのは、もう今の状況、予算まで提出させていただいたという中において難しいところがあるわけでありますが、さらに、来年度、再来年度に向かって保険者等々ともいろいろと話合いをさせていただきながら検討をさせていただきたいというふうに思います。

山本香苗公明党

○山本香苗君 是非とも、具体的な制度設計に向けて厚労省内で御検討をしていただきたいと思います。  次に、子ども・子育て支援新制度についてお伺いをさせていただきたいと思います。  先月の十四日に、新制度における量的拡大と質の改善を実現するためには約一・一兆円必要だ、そのような試算が初めて示されました。このうち七千億円は消費税の引上げ分が充てられることになっておりますけれども、残りの四千億円は財源のめどがまだ立っておりません。そのために、この子ども・子育て会議で出されたペーパーに、優先順位を付けるとの名目で質の改善の削減を示唆するような文言が書かれているわけなんです。  量の拡大と質の改善は車の両輪です。まず削減ありきではなくて、何としても必要な財源の確保に全力で取り組んでいただきたいと思うんですが、総理、力強い答弁をお願いしたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 子ども・子育て支援の充実については、昨年の六月に少子化社会対策会議において決定をいたしました少子化危機突破のための緊急対策において、子ども・子育て支援の質、量の充実を図るための財源として、これ質、量両方でございますが、消費税の引上げにより二十九年度までに確保する予定の〇・七兆円程度を含めまして、一兆円を超える、一兆円超程度の確保に努めることとしております。  今後とも、必要な財源を確保できるようしっかりと取り組んでまいります。

山本香苗公明党

○山本香苗君 確保していただけるということでございますが、それともう一つ、先月のその同じ会議で示された今後のスケジュールというペーパーがありました。その中には、四月から六月にかけて仮単価提示というふうなことが書かれておりました。六月なんて遅過ぎます。四月でも間に合わないんじゃないかというような声が上がっている中で、是非とも四月には出していただきたいと。そしてまた、公定価格の設定におきましては、幼稚園と保育園、この公平性を絶対に確保していただきたいと。  この二点、引き続きまして、総理から力強く御答弁いただきたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 公定価格につきましては、関係者も参加した子ども・子育て会議における議論を踏まえまして、来年度の早い時期に仮単価をお示しをしたいと、来年度の早い時期に仮単価を、これはまあ来年度の早い時期ですから、お示しをしたいと思います。その際には、国会の附帯決議も踏まえまして、幼保間の公平性が担保されるものにしてまいります。

山本香苗公明党

○山本香苗君 早い時期にということは、四月にということを念頭に置いて、頑張って政府部内督励していただきたいと思います。  保育の質の改善、田村大臣、一生懸命取り組んでいただいておりますが、田村大臣に是非ともお願いしたいんですけれども、保育の質を改善していくために諸施策打っていただいておりますが、保育施設における子供の死亡事件など重大な事故が起きた場合に、事故の報告、検証を求めて再発防止策を取ることは極めて重要なことだと思います。  新制度におきましては、施設事業者に対して事故報告というのは義務化されることになっています。しかし、検証というのは義務化されることになっていません。また、報告された情報を全国的に共有するためのデータベースも今ないんですね。ですから、自治体なんかに保育関係者の方が聞こうとして、別に個人情報を聞こうと思っているわけじゃなくて、どういう事故だったかって聞こうとしたら、教えられませんと、個人情報ですというようなことを言って全然教えてもらえないというのが今の現状なんです。  是非とも、こういった事故情報の報告とともに検証も義務付ける。と同時に、全国的に共有するための保育事故情報データベースを作る。この二点は確実に新制度においてやっていただきたいと思うんですが、田村大臣、お願いいたします。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 今委員おっしゃられましたとおり、今般、保育現場の事故、これを防止するための指針の整備と併せて、報告を義務付けるということといたしております。  しかし、おっしゃられたとおり、その後、来た報告を収集して、分析して、そして周知、指導をしていかなきゃいけないわけでありまして、その周知、指導まで考えますと、しっかりとデータベースというものを作りながら検証をしなければならぬわけであります。情報をちゃんと上げていただくということはこれは義務でありますし、その後の検証、そしてデータベース、こういうものをしっかりとできるように我々は検討してまいりたいというふうに考えております。

山本香苗公明党

○山本香苗君 ありがとうございます。  もう一つ、認可保育所で事故が起きた場合は、独法の日本スポーツ振興センターの災害共済給付制度が使えるんですけれども、新制度における小規模保育などの地域型保育は対象外になっています。このままいきますと、無保険保育所ができます。  是非とも、この災害共済給付制度に小規模保育等の地域型保育も加入できるようにしていただきたいと思うんですが、文科大臣、お願いいたします。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 独立行政法人日本スポーツ振興センターが行う災害共済給付事業は、学校の管理下で起こった災害に対して給付を行うというものでございまして、御指摘のように、現在、小規模保育事業などの地域型保育事業についてはこの制度の対象にはなっていないわけでございます。これ、衆議院の予算委員会分科会で御党の伊佐委員から同じ質問を受けまして、そのときには非常に慎重な答弁させていただいたんですが、再び山本委員から質問を受けたということもございまして、この地域型保育を災害共済給付の対象とすべきという趣旨については前向きに検討したいと思います。  ただし、ただし、これは厚生労働省との関係がございますので、まずは、給付の要件である施設の管理下での範囲を明確にするため、地域型保育事業について保育所と同等の施設としての法的位置付けをまず明確にすること、それからもう一つは、この地域型保育事業に関する管理基準の内容と実際の事故の発生状況の詳細な検討等の課題、これをクリアしていくことによって前向きに検討できると思います。

山本香苗公明党

○山本香苗君 田村大臣、今の課題どうクリアされますか。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 客観的な基準は、当然のごとく、今般、これ認可をしなければならない、自治体の認可でありますけれども、しなければなりませんので、これは客観的な基準は作ってそれを守っていただくという話になると思います。  一つ、この制度は文科、例えば幼稚園等々、その予算の中でオーバーした場合はその部分を国庫で見るというふうになっているんですけれども、保育所の場合はそうなっていないものでありますから、心配されるのは、地域型保育給付事業が、例えば今回の小規模保育も含めて、家庭的保育も含めて、なかなか家庭的保育、基準も難しいところあるんですけれども、そういうものを入れる場合に、事故が多かった場合には掛金がその分だけ上がってしまうという、そういうおそれがあるものでありますから、その点を御心配をいただいておるというふうに思います。  ですから、制度スタートした後、状況、事故率がどういうものなのかということも含めて調査しまして、その上で、我々としても、それは我々は入れていただければ有り難いわけでございますので、文科省の方にお願いをさせていただきたいというふうに思います。

山本香苗公明党

○山本香苗君 ありがとうございます。  ではもう一つ、保育だけじゃなくて学童も大事なんです。学童は保育と異なって、新制度においても地域子ども・子育て支援事業の一つなんですね。実施は市町村に任されていて、なかなかこれ進みません。  そこで、総理にお願いなんです。保育同様、国がしっかり支援していくんだ、強いメッセージを伝わるように、総理のリーダーシップで、例えば学童待機児童解消加速化プランみたいなようなものを作っていただけたらなと思うんですが、どうでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 詳しい答弁は田村大臣からいたしますが、基本的に、前向きにしっかりと検討していきたいと思います。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 八千七百人ほど待機児童、学童の方もいるというふうにお聞きしております。  今般、新制度の中において、例えば今までなかった人員配置の基準、質を担保するという意味からそういう部分をしっかりと付けさせていただいたりでありますとか、加算もいろいろと用意をさせていただいております。そういうところに力を入れながら、まずは待機児童解消加速化プランでありますが、しっかりとこの放課後児童クラブの方も整備をするために我々努力をしてまいります。

山本香苗公明党

○山本香苗君 総理の答弁の方が前向き感が出ていたんですが。  では、もう一つ、文科大臣にお願いしたいんですけれども、学校施設に学童を開設するというのは、コスト面から見ても早くて極めて有効なんです。増えていますけれども、しかし一方で、教育現場では管理負担や責任が増えるといって利用できないケースもあると伺っています。是非、下村大臣のリーダーシップでこれは抜本的な対策を打っていただきたいんですが、どうでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 仕事と子育てが両立しやすい環境づくりや働く女性への支援のため、放課後子どもプランの推進は安倍内閣の重要課題と位置付けておりまして、放課後の子供たちの健全で健やかな活動場所の確保を図る上で、学校施設の有効活用は重要であるというふうに思います。  このため、文科省では、放課後児童クラブや放課後子ども教室の実施に際して、学校施設を放課後児童クラブなどへの転用時の財産処分手続の大幅な弾力化や、余裕教室や図書館等の活用が図られるよう厚労省と連名通知を発出して、学校施設の有効活用を促しております。  しかし、昨年の総務省の政策評価に係る勧告において、放課後児童クラブの拡充に当たって、学校の余裕教室等の活用は学校施設の管理上の理由から教育委員会や学校の理解が得られない場合があると指摘されておりまして、このような事例の背景には、教育と福祉の関係間における意識の壁があることが問題ではないかと思っております。  これは私の方からも是非委員にお願いしたいんですが、今、与党間で教育委員会についての協議をしておりますが、これは抜本的な、教育委員会制度を変えないと今の課題についてはなかなか解決できないという現場の問題がありますので、是非御党がこの教育委員会制度について踏み込んだ結論を出していただければ、この問題については改定できる状況がございます。  文科省としては、学校の余裕教室の活用促進が一層図られるように図ってまいりますので、私の方からもよろしくお願い申し上げたいと思います。

山本香苗公明党

○山本香苗君 この後、協議をしてまいります。  学童の約半数では障害のある子供を受け入れているんですが、医療的なケアを必要とする子供さんはなかなか受け入れてもらえません。その理由の一つが、看護師の配置に国の補助がないことだというふうに言われています。是非、国のこのいわゆる看護師を配置した場合の加算ということも検討していただきたいんですが、いかがでしょうか。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 放課後児童クラブで障害をお持ちのお子さん方、預かっておられる事例あるわけでありまして、やはり専門的な知識を持った方がおられないと、なかなか障害児の方々の対応は難しいわけであります。  そういう意味で、ここは加算というものをやってきておるわけでありまして、二十六年度百六十四万円という形で増額をさせていただきましたが、これからも引き続き必要な額というものを我々確保するために努力をしてまいりたいというふうに考えております。

山本香苗公明党

○山本香苗君 最後に、PKOについて総理にお伺いしたいと思います。  昨年の末、政府はPKO法二十五条に基づいて国連を通じて南スーダンでPKOを展開する韓国隊に銃弾を無償譲渡することを決定されました。しかし、PKO法に基づく物資協力において譲渡される物資には、従来、武器弾薬は含まれていないとされてきました。また、仮に要請があっても断ると国会で答弁されておりました。従来の見解を変えたんですか。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) 昨年十二月のこの件について、もう一度、どういう状況の中で決定したかということをまず御説明をさせていただきたいというふうに思います。  南スーダンの治安情勢が非常に悪化する中で、国連南スーダン・ミッション及び韓国政府より我が国に対して、不足している弾薬の提供要請がありました。韓国隊の隊員及び避難民の生命、身体を保護する一刻を争う状況であったということです。そして、韓国隊の小銃に適用可能な弾薬を保有するのは、現地においては自衛隊のみであったということであります。そういう中で、緊急の必要性及び人道性、さらにはそうしたものが極めて高いという判断の下に官房長官の談話を発出をして、武器輸出三原則等によることなく、国際平和協力法第二十五条に基づく物資協力、その枠組みで譲渡することを決定したのであります。  委員御指摘のとおり、元々、平成四年の国際PKO法制定時においては、政府は武器弾薬供与が要請されることを想定しておらず、要請があっても断るということを答弁をしておりました。しかしながら、PKOに参加する各国部隊は基本的に自ら必要な武器弾薬をあらかじめ携行していくのがそれは当然のことだという前提の上に立って政府が基本的な答弁を述べたのでありまして、緊急事態における例外的な措置まで排除する趣旨ではなかったというふうに考えております。  本件の提供に当たっては、国家安全保障に関する外交・安全保障の課題であるとの判断から、いわゆる国家安全保障会議、四大臣会合を開き、さらに、文民統制という観点から九大臣会合も重ねて審議を行った結果、閣議決定を行うという手続を慎重に取った上で提供させていただいたことであります。

山本香苗公明党

○山本香苗君 緊急事態における例外的な措置まで排除する趣旨ではないという理由でPKO法に適用されたということなんですが、そもそも自衛隊の活動というのは、想定外だとか緊急事態の局面に遭遇する機会はいっぱいあります。その都度、想定外だとか緊急事態における例外的な措置という理由で言い逃れをしていると、法律があってないようなものになりかねません。  特に、安全保障の分野で緊急事態における例外的な措置で正当化してしまいますと、何でもできてしまうようなことになりかねません。このままでは法治国家としての内閣の立法行為に信用を失うことになりかねないではないかと考えますが、総理の御見解をお伺いしたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 御指摘のとおりでございますが、基本的にはこの韓国隊に対して弾薬を提供したということは、元々は必要な弾薬、武器は携行していくという前提の下でございまして、今回、弾薬が極めて少ないという状況の中において弾薬を提供しないということは、韓国隊の隊員あるいは韓国隊の人たちの助けを求めてやってきた避難民の命を危うくするという危険性がある中において、これは当時は想定していなかったということで例外的に出したものでありますが、基本的には、言わば安全保障に関わること、あるいはまた自衛隊の行動に関わることについては、しっかりと事前に、事態の前に議論をしていくことが重要ではないかと、このように考えております。

山本香苗公明党

○山本香苗君 であれば、同様の事態が発生した場合、今回のように緊急事態における例外的な措置として正当化するのではなく、こうした緊急事態が起こることに備えてPKO法を改正するという対応を取られるんでしょうか。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) まず、今回のその適用でありますけれども、先ほど申し上げましたが、まさに緊急性、人道性が高いという判断の中で、やはり当然日本は法治国家でありますから、内閣法制局始め関連省庁とも内容を詰めた上で、このPKOの物資協力の枠組みで譲渡したわけであります。  今後、そうした同様のものが発生する場合も、国家安全保障会議において審議を行い、個々に慎重な判断をしていきたいと思いますけれども、現在、このPKOの参加の在り方について安保法制懇の中で様々な検討が行われているところであります。そういう中で、懇談会の報告を踏まえて、今委員の御指摘がありました、そうしたことも十分踏まえた中で判断をしていきたいと思います。

山本香苗公明党

○山本香苗君 終わります。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 以上で山本香苗君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 次に、井上義行君の質疑を行います。井上義行君。

井上義行みんなの党

○井上義行君 みんなの党の井上義行でございます。  建設的野党にも、総理、前向きな答弁をお願いしたいと思っております。  私は、外交の基軸に、日米同盟を基軸に、自由、民主主義、法の支配、そして基本的人権の尊重を守る価値観外交を基軸に置いております。  今回のウクライナ事態はこうした価値観に背く行為だと考えておりますので、ロシアの行動は容認できません。また、今回の事態によって日米同盟を紙切れだけの関係と言われたくない気持ちを持っています。一方、今回の事態によって経済制裁の発動という事態になれば、我が国の経済そしてエネルギー政策にも大きな影響を及ぼします。また、北方領土、尖閣諸島、北朝鮮などの複合事態に発展してしまうことも想定をされます。既に北朝鮮は、日朝と協議をしながら、一方でミサイルを発射して日米に揺さぶりを掛けています。  今回のウクライナ事態については、私は、日米が一体となって共同歩調を取り、そして一方で安倍・プーチンとのパイプを生かし、最大限の努力を、安倍総理が主体的に行動すべきだというふうに思っております。確かに、総理ではなくていろんな閣僚でやればいいだろうという慎重派の人もいるかもしれません。だけれども、私は、あえて総理が主体的な行動を取ることによって信頼を勝ち取るというふうに思っております。  そこで、NSCの組織ができたわけですから、フル回転してこの問題について徹底的に議論をし、そして事態に備えて結論を出していただきたいというふうに思っております。そこで、今回のウクライナ事態で、四大臣会合やあるいは国家安全保障会議を開いてこうした問題に結論を出して、主体的に総理が行動してもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) このウクライナ情勢につきましては、先月二十七日の四大臣会合において取り上げました。そして、連日、谷内国家安全保障局長が関係省庁を招集をしまして情報の収集、対応の検討を行っておりますし、私も適時指示を出しているわけでございます。今後とも、国家安全保障局を中心に関係省庁で緊密に連携をしていきたいと思います。    〔委員長退席、理事北川イッセイ君着席〕  今までは、こうした事態に至ったときには、基本的には、外務省において、総理の談話あるいは外務大臣の談話またG7の談話というものを起案をしていくわけでございますが、今回はNSCができましたので、NSCにおいて、これは全体の事態を、様々な今後のシミュレーションを行いながら、そしてその結果どういう対応を取ったらどういう影響があるかということをしっかりと勘案しながら戦略的に対応を決めているわけでございまして、ここがまさに、NSCができる前とできた後、大きな違いであります。基本的には、NSCにおいて、私が総理大臣として情報を一元的に集めながら、そのNSCに集まった情報を私のところに上げてもらいながら指示をしているところでございます。

井上義行みんなの党

○井上義行君 是非、日本が世界平和のために汗を流す国家であるということを是非、米国や欧米あるいはアジア諸国に分かってもらえるように行動をしていただきたいというふうに思っております。  それは、なぜ私がこういうことを言うかといえば、集団的自衛権の解釈の変更に伴う法案にも影響が出てくるんだろうというふうに思っております。米国との同盟関係が紙切れの同盟関係を超え真の友人になることができるかどうか、初めてこの法案の意味を持つというふうに思っております。自分が襲われたときに友人がいつも自分を助けてくれる、しかし友人が襲われたときには、ごめん、憲法があるから、逃げる関係で友人関係が本当にできるんでしょうか、私はいつもそういうふうに思いました。  既に、北朝鮮のミサイルの発射を受けて、米国は、仲介者ではなく友人として日韓の関係改善に努めると、最優先課題として取り組んでいくということを言っているわけですね。ですから、日本も友人として対応していかなければならないというふうに思っております。一人前の国家とは、現実に目を背けずにその課題を挑むことこそ、これが闘う政治家だというふうに考えております。  この集団的自衛権については、私も第一次安倍内閣の総理の首席秘書官として携わっていますので、私としては理解ができます。しかし、そのイメージが先行してしまって、必ずしも総理の意図が伝わっていない部分もあるんではないかというふうに思います。  私の理解では、総理は元々憲法改正論者ですから、憲法解釈によって何でもかんでもできるということになれば憲法改正をしなくていいわけですね。だけど、総理は憲法改正をやると言っているんですから、憲法改正ができるまでに何か本当にできることはないのかということをやはり政権として、政治家として考えて、内閣官房の主任の大臣である総理が安保法制懇に、安保懇に、どこまで可能か、今の憲法の範囲でどこまでが可能かどうかを検討させ、そしてその結論を得て、法制局の主任の大臣である総理大臣が今度は法制局に、その今までの憲法の議論の整合性を持たせて、そして、その結論を踏まえて、最終的に、閣議の主宰者である内閣の長たる内閣総理大臣が最終的に閣僚に諮って判断をすると、そして、その判断があって初めて官僚が法案に着手できるんだろうというふうに思っております。  私としては、本来であれば、例えばいろんなやり方があると思うんですね。総理が直接閣議にかけてやる決定もあるでしょう。しかし、あのときの議論は、いや、そうではなくて専門家にきちんとこういうことを議論してもらおうという形で安保懇ができたというふうに私は認識しております。ですから、丁寧に今手続を踏んでいるわけですから、この場で総理から国民に向けて、丁寧にこの手続、そして総理の思いを是非お伝え願いたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 現在、安保法制懇におきまして、これは委員よく御承知のように、第一次政権におきましてはいわゆる四分類について議論をしてきたところでございますが、言わば日本を取り巻く情勢が大きく変わりました。脅威は国境を越えてやってくるわけでございますし、そして一国のみで一国の国民そしてその国益を守れる国はないわけでございますし、日本も当然そうであります。  その中におきまして、日本の言わば生存権ということを考える中において、今までの解釈のままで日本の国民の命を守ることができるかどうかという基本的な認識であります。その認識の下に、ではどういう事態のときに、そういう憲法との解釈の中において、これは実際できないということにおいて日本国民あるいは日本国に影響が及んでいくかという観点から議論をしているわけでございまして、この集団的自衛権の解釈の問題について、集団的自衛権という言わば抽象概念的な議論になりますとこれはなかなか分かりにくいわけでございます。  まずは、これは押さえておかなければならない点は、権利としてあってしかし行使できない、しかし、その行使は権利であって、行使をしなければならないということではないわけでありまして、かつ、その行使ができるということになったとしてもそれは一定の制約が掛かるかどうかということについて議論をしているわけでございまして、その上において、実際に行使する上においては、自衛隊法を始め各種の法律を変えなければならないと。その際には、当然、更に限定的な言わば制約が掛かってくるわけでありますし、国会との関係においても言わば具体的な議論がなされていく。国会において議論するということではなくて、実際に自衛隊を動かす際に国会との関係についての議論も当然行われるわけで、国会の決議が必要かどうかということも含めて、これは個別的自衛権を発動するときにおいてもそうでありますが、当然そうしたことも具体的に議論していくということになっていくわけでございます。  今はその一番最初の段階においての安保法制懇における議論でありますが、この安保法制懇の結論を得た上において、法制局を中心に検討をし、与党と協議をして、必要であれば閣議決定を行い、解釈の変更、あるいはまた、これは集団的自衛権の行使だけではなくて、集団安全保障の中における海外の武器の使用についての考え方等についても、変更が必要であれば閣議決定を行い、その上において法整備が行われていくということになるんだろうと思います。

井上義行みんなの党

○井上義行君 是非、私は、憲法解釈にとどめることなく、これは多分最終的には憲法改正が、最終的な目標があって、そして、それまでの間ということだというふうに思いますので、是非憲法改正も視野に入れて取り組んでいただきたいというふうに思っております。  そこで、やはり総理は、政治の最終目標は憲法改正を成し遂げるという思いだというふうに私は思います。この憲法の改正には多くの賛同者が必要になってきます。そこで、将来ですけれども、憲法を改正する場合、自公に加え、賛成する政党を加えた憲法改正内閣を発足するお考えはあるでしょうか、いかがでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この憲法改正については、三分の二の発議、議員の発議が衆参それぞれ必要でございます。今の連立内閣ではそれに達していないわけでございますが、当然、これは連立とかそういうことではなくて、広く賛同者を得るということは当然必要でありますし、そのための努力を積み重ねていかなければ憲法改正には至らないということではないかと、このように思うわけでありますが。  しかし、言わば内閣を共に組むというのは、これは憲法だけではなくて様々な課題において政策の一致を見るということが必要であろうと思うわけでございまして、まずは憲法改正においては、それぞれの党の御理解をいただいて三分の二の賛成、これはまあその条文、何を変えるかということも当然あるわけでございますし、何を変えるかによって、どういう条文を変えるかによって、それは賛成していただけるところと賛成できないところも出てくるんだろうと、このように思うところでございます。

井上義行みんなの党

○井上義行君 是非、安倍内閣の間に憲法改正ができるようにお願いをしたいというふうに思っております。  その憲法改正の前に総理に是非やっていただきたいということは、経済成長のために総理が言った岩盤規制に打ち抜くことをやっていただかなければならないというふうに思いますが、それは当然なんですけれども、是非、この拉致問題、これを解決を図っていただきたいというふうに思っております。  一昨日も、総理も私も拉致被害者の家族にお会いをしました。私も拉致被害者の家族に会うといつも言われるのが、誰々が亡くなったということを聞くんですね。やはりこうしたことを毎年毎年聞くというのは非常に心が痛みますし、私も、バッジを付けて、こういう立場になって、何もできない、本当に歯がゆさが非常にあります。  この拉致問題というのは、私は、与党とか野党とかそういう立場というのはもうどうでもいいと思っているんですね。やはり国が、日本国が一体となって北朝鮮に立ち向かっていかなければならない重要な問題だというふうに思っております。ですから、安倍総理が北朝鮮に井上行けよといけば私は北朝鮮に行きますし、何でもやる覚悟であります。是非、総理には、まあ今、水面下でいろいろ努力をしているんでしょうけれども、是非、あらゆる努力をする総理の決意を是非お聞かせ願いたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 一昨日お目にかかった皆様、横田御夫妻も有本御夫妻も十一年前と比べればお二人ともすっかりと頭、髪の毛が白くなっておられたわけでございまして、月日の経過を感じるわけでございますが、いまだに取り戻すことができない、大変申し訳ない思いであります。  拉致問題は我が国の主権及び国民の生命と安全に関わる重大な問題であり、国の責任において解決すべき最重要課題だと思っております。安倍政権の間に必ずこの問題を解決をしていく、この決意の下に取り組んでいきたいと、こう思っています。    〔理事北川イッセイ君退席、委員長着席〕  先月には、北朝鮮の人権状況に関する国連調査委員会、COIが拉致問題は北朝鮮による人道に対する罪と断定する最終報告書を公表いたしました。この問題が国際社会の共通認識となったわけでございまして、これは大変大きな前進であったと、こう思うわけでありまして、井上委員が私の秘書官をしているときから、国際社会の言わば連携、当時はなかなか理解はまだなかったわけでございますが、とうとうここまでは来たわけでございまして、北朝鮮にその中において圧力を掛けながら、対話と圧力によって必ずこの問題を解決をしていきたいと、このように思います。

井上義行みんなの党

○井上義行君 そこで、北朝鮮は金正日政権から金正恩政権に替わって、もし北朝鮮が内乱が起きたとき、果たして今の日本の法律や今の憲法の下で本当に救うことができるのかな、これが本当の国なのかなというふうに私は思います。やはり拉致被害者を救うために我々は努力をしている。拉致被害者がいるということが分かっているのに、もし内乱が起きたときに自衛隊がそこに行って救出することができない。やはりここは自衛隊が活動できる、救出できるような法整備をしなければならないというふうに考えていますので、是非この法案の整備をしていただきたいと思いますが、総理、いかがでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 現状況の中において、現在の法の枠組みの中において、もし北朝鮮において内乱的状況が発生した場合においては、現行の在外邦人を保護するための枠組みとしては自衛隊法に基づく在外邦人等の輸送があるわけでありますが、当該輸送を行う際には先遣先国の同意を得ることが前提となるため、御指摘の北朝鮮の内乱のような事態に際して拉致被害者を救出することは困難であると考えられます。  他方、この派遣先国の同意が得られない場合に、部隊を派遣して自国民を保護、救出することは、国際法上は一定の条件を満たす場合には自衛隊の行使として認められる場合があると考えられます。  しかしながら、我が国の場合は憲法第九条の制約があるため、御指摘のような事態、すなわち我が国に対する武力攻撃が発生しているわけではない北朝鮮の内乱のような事態については、一般的には直ちに自衛権発動の要件に該当するとは言えません。自衛隊の特殊部隊を救出するために派遣するといった対応を取ることは憲法上難しいと言わざるを、まあこれは、様々な検討を加えてもこれは憲法上は難しいという判断でございます。  いずれにいたしましても、拉致被害者の安全確保ということは極めて重要であり、不断の検討を重ねてきているところでありまして、同盟国たる米国の協力も極めて重要であり、その意味において、私たちは拉致被害者等々の情報も米国側に提供しながら必要なときの協力は常に求めているところでございまして、今後、日米同盟を強化するための各種施策を講じると同時に、国際社会とも連携してあらゆる事態において全ての拉致被害者の安全を確保すべく全力を尽くしてまいりたいと思います。

井上義行みんなの党

○井上義行君 私は、是非、こういう事態が本当に起きたときに、拉致被害者家族に、いや、憲法があるからちょっと何もできない、こういうことでは私は良くない、やはり憲法の解釈という今議論をしているのであれば、こういう問題もしっかり入れていただきたいというふうに思っております。  そしてもう一つ、日本で、NSCの中で議論していかなければならないのが、北朝鮮半島をどのように考えていくかということをやはり考えていく必要があるのではないかというふうに思っております。  北朝鮮が韓国と統一的になって朝鮮半島を安定するそういうやり方や、あるいは中国とかほかの国は、北朝鮮は中国の自治区になったらいいんじゃないかという人もいるかもしれません。あるいは自由とか民主主義とか基本的人権、法の支配を兼ね備えた北朝鮮国家なら、これは我が国にとっても安定するというような考え方が、いろいろあると思いますけれども、こうした朝鮮半島をどうするかということについて是非NSCの組織の中で検討をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 北朝鮮の体制についてどうあるべきかということについて私が検討しろということについては、これは適切ではないというふうに考えるわけでありますが、北朝鮮において、先ほどの、例として挙げました国連による調査委員会の報告書が出ているわけでございまして、まさに現在の北朝鮮の人権状況そして拉致問題について認識は大変に厳しいことになっているわけでございまして、今このままの道を歩んでいけば北朝鮮の未来は開かれていないということを北朝鮮自身が認識をし、政策を大きく転換していくことが北朝鮮の将来のためには不可欠であろうと思います。

井上義行みんなの党

○井上義行君 次に、教育問題についてお伺いしたいと思っております。  総理、今大学に入るのに非常に多額のお金がどうしても必要になってくるわけですね。やはりこうしたことを私は改善をしなければならないというふうに思っております。何人も、親の収入で子供が将来決まってしまうようなことでは、全ての人が高い能力と技術を身に付けることはできない、このように考えております。  今現在、例えば受験から入学までの費用で見ますと、国立大学で百十二万円、私立大学で百三十八万円なんですね。受験生の入学する家庭の平均の年収が平均七百九十七万円なんですよ。そして、今のサラリーマンの平均が一人当たり四百九万円ですよね。そうすると、八百万円の人も家を持ち車を持ち、そして大学に上げようとするとその負担で大変だということであれば、一つは所得税から減税するような、海外でも導入しているようなやり方や、あるいは貧しい子供でも奨学金を免除する仕組みを是非つくっていかなければならない。こういう考えで我が党も、今、私が中心となってこうした軽減の税制措置とか施策の法案のたたき台を作っておりますので、是非こうした視点で、頑張れば必ず報われる社会をつくるという決意の下に総理の前向きな答弁をお願いしたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 委員も大変経済的に厳しい状況の中から様々な障害を乗り越えてきたということは、私もよく承知をしています。  頑張る人が報われる社会を実現していく上においては、教育の機会均等をしっかりと図っていくことが大変大事であると、こう思います。家庭の経済状況によって大学等への進学が妨げられることがないように、学生や保護者の経済的負担の軽減に取り組む必要があると思っています。  平成二十六年度予算案においては、無利子の奨学金や授業料の減免を充実しているところであり、また成績の優秀な大学院生については奨学金の返還を免除しているところであります。さらに、税制においても、平成二十五年度から、子供や孫に教育資金を一括して贈与した場合、贈与税を非課税としているところでありますが、今後ともこれらの施策等によって学生や保護者の経済的負担の軽減に取り組んでいきたいと、このように思います。

井上義行みんなの党

○井上義行君 終わります。ありがとうございました。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 以上で井上義行君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 次に、田村智子君の質疑を行います。田村智子君。

田村智子日本共産党

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。  教育改革の一つの柱である教育委員会改革についてお聞きをいたします。  現在示されている自民党案は、首長の意向の反映を目的の一つに掲げて、首長が教育委員長と教育長を一本化した新教育長を任命する、首長が主宰する総合教育施策会議を設置して教育方針を策定するというものです。こうした案に対しては、教育の不安定を招く懸念、二月二十日の毎日新聞の社説、政治介入に歯止めを、同じく朝日新聞社説などの批判が、懸念が相次いでいます。  総理、このような懸念にどのように受け止められますか、お答えください。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 私の方からお答えさせていただきたいと思います。  教育基本法の精神にのっとり、学校教育においては政治的中立性を確保することが極めて重要であり、一党一派に偏した政治的主義主張が持ち込まれないようにすることが、するようなことがあってはならないわけでございます。こうした中、教育再生実行会議第二次提言では、日々の教育活動や教員の人事においては、政治的中立性等を確保するための制度上の措置を講じるとともに、地域の民意を代表する首長が教育行政に連帯して責任を果たせるような体制とすることが必要とされたところでございます。  しかし、中教審答申の改革案については、首長の権限が強くなり過ぎるという懸念もあったため、先般取りまとめられた自民党の案では、政治的中立性を確保するために教育委員会を執行機関としつつ、首長が教育行政に対し積極的に関与できる仕組みとなったと承知をしております。  自民党の案については、大方の方向性については共有できるものと受け止めておりますが、いずれにせよ、教育委員会制度改革については、現在、与党間において協議中でございます。この与党の協議を見守り、教育委員会制度を抜本的に改革をしていく法案を今国会で出させていただきたいと考えております。

田村智子日本共産党

○田村智子君 地域の民意を反映するのが首長だと言われますけど、これ、やっぱり何人もの候補者がいる中で一人の首長が選ばれているということですよね。  それで、教育委員会の改革についてどういうことがやっぱり懸念なのか。これ、二月十八日報道の朝日の世論調査見ますと、政治的な考え方に左右されない仕組みが必要と答える方が五九%、政治家が学習内容をゆがめることに一定の歯止めが必要という方が七五%と。  やはり首長も政治家のお一人ですから、首長や政治家の意見が学校教育を左右することのないようにと、これはやはり多くの国民が求めていることだと思うんです。けれど、自民党の案は、首長の意向の反映が必要だというのは、これ改革の目的として明確に掲げています。そして、教育の基本方針を決める会議も首長が主宰をするという。  これでは国民の不安が強まるというのは当然だと思うんですけれども、これはやはり責任者、これ安倍総理ですから、教育改革がこの国会の柱だとおっしゃるわけですから、総理の見解もお聞きをしたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この議論については、衆議院におきましてもずっと議論をしてきたところでございますが、この現在の教育委員制度は、教育現場で発生する様々な問題に対して誰が最終的に責任を負っているのか、また、いじめ問題等に機敏に対処するための体制ができているかという点で課題があるわけでありまして、事実、課題としてこれは今も残っているわけでありますし、これは、教育委員会そのものの制度にもこれは大きな問題があるわけでございます。  言わば教育委員会自体が責任を分け合っている中においては、結果として誰も責任を取らないという事態にもなっているわけでありますし、みんなが責任を持つことによって、結果として機敏に誰かが責任を持って指示をするということができない状況も起こっているわけでありまして、現在、与党においては、教育の、教育再生会議や中央教育審議会の提言を踏まえて、権限と責任の所在が明確となる体制を、政治的中立性や継続性、安定性を確保するという観点も加味をしながら議論をしているところであります。

田村智子日本共産党

○田村智子君 いじめの事件などで誰が責任者かと。子供の命に関わるような問題が起きたときに、これ自治体の長も責任を持って行動を起こす、これは当たり前のことで、今の法制度の下でもできるわけです。  この問題では、例えば大津のいじめ事件では、第三者調査委員会の調査報告書では、なぜ教育委員会が責任果たせなかったのかと。それは、教育長を始め教育委員会事務局が各教育委員に情報を提供しなかった、重要な意思決定にも参加させなかった、教育委員会によるチェック機能が働かず教育長以下事務局の独走を許すことになったと、こういう指摘もあるわけです。  そうすると、何で自民党の案で教育長と教育委員長を一体にしちゃうのか、ますますチェック機能が弱まっちゃうんじゃないのか、こういう懸念も出てくるわけです。これはまた後日、私、議論をしたいんです。  今日私がお聞きしたいのは、やはり政治家の意向が反映することは非常に学校現場を混乱させるという懸念。これは、現実にそうした事件が何度も起きてきたことによるからなんです。  例を挙げます。都立七生養護学校のこころとからだの学習裁判、昨年十一月、最高裁が上告を棄却して東京高裁判決が確定をいたしました。文科省、確定判決の概要の説明をお願いします。

久保公人文部科学省スポーツ・青少年局長

○政府参考人(久保公人君) 本件事案は、東京都議会議員等が、平成十五年七月、当該学校を視察して教材や性教育の内容に関して教員らを批判するなどとしたこと、また、都教委が当該学校の性教育が不適切であるとして、性教育用教材を所管換えし、教員らに対し厳重注意の上、配置換えするなどしたことに関しまして、当時の同校教員及び保護者らが、これらの行為によって教育の自由が阻害されたとして、東京都及び都議並びに都教委に対し損害賠償等の請求の訴えを起こしたものでございます。  これに対しまして、昨年十一月二十八日の最高裁判決では上告を棄却し、これによって第二審判決が確定したものでございます。本判決では、大きな争点は、都議会議員が学校を視察した行為などが不当な支配に当たるかどうか、それから、学校で行われていた性教育が学習指導要領に違反するものであったと言えるかどうかが争点となったところでございます。  このうち、不当な支配に関しましては、都議等の各行為は本件視察における教員に対する侮辱行為のみが違法であること、都教委の各行為は、このうち都議らの不当な支配から教員らを保護するよう配慮しなかったこと並びに教員らに対する厳重注意のみが違法であることを根拠といたしまして、その賠償責任が認められた事案でございます。  一方で、本件判決によれば、議員が教育実践の実情を視察することにつきましては、この教育実践が自己の見解に沿わないものとの考えの下に、そのことを議会において指摘して教育行政機関の見解をただし、必要な措置を求めるための準備行為であったとしても、議会や議員の権限等に照らし、また、これが教育委員会の対応を事実上義務付けるものとは言えないことに照らしても、不当な支配に当たると言うことはできないなどについての指摘もなされているところでございます。  また、当該養護学校における性教育が学習指導要領に違反するかにつきましては、本件判決によれば、本件性教育は、本件養護学校において平成九年七月に起きた生徒同士の性的交渉を始めとする性に関する問題行動が多発したことから、知的障害を持つ児童生徒にふさわしい性教育として、校内性教育連絡会を設けて全校的な取組を行い、校長を含む教員全体で、七生福祉園や保護者とも意見交換しつつ、試行錯誤しながら創意工夫し実践されてきたものである。このように、個々の教員が個々の考えに基づいて独自に行うのではなく、学校全体として、校長を含む教員全体が共通の理解の下に、生徒の実情を踏まえて保護者等とも連携をしながら指導内容を検討して組織的、計画的に性教育に取り組むことは、学校における性教育の考え方、進め方、性教育の手引等が奨励するところであり、これに適合した望ましい取組方であったと言うことができる。  その内容においても、本件性教育が、一審被告都教委の心身障害児理解推進研修事業として、東京都知的障害養護学校長会及び同教頭会で主催する専門研修において他校の校長を含む教員らに紹介されたにもかかわらず格段の問題点の指摘もなかったという事実も、これが本件学習指導要領に違反しないと考えている教育関係者が多数いたことを示している。  知的障害を有する児童生徒に対する性教育として何が優れているのかは、教育に関する専門的知識、経験を踏まえた議論によって決すべきことであり、この裁判においては、学習指導要領に違反する違法なものであるかどうかという限度で判断すべきものであるが、以上によれば、本件性教育が本件学習指導要領に違反すると断ずることはできないものと言うほかはないと指摘されているところでございます。

田村智子日本共産党

○田村智子君 次の質問までお答えいただいちゃったので、長くなったんです。  この裁判は、やはり都議が視察で養護教諭を侮辱したのは不当な支配だと、都教委は教員を保護する配慮義務に違反したと、都教委による教員の厳重注意は裁量権の濫用であるということが認定をされた。そして、手作りの教材を使って行ってきたその性教育は学習指導要領違反でもないということも判決の中で判断がされているわけです。  ところが、この三人の都議が、教育の実践を実際には見ることもなくて、勝手に不適切と決め付けた。手作りの教材は使えなくなった、抽象的な教育へと変更させられた、都教委は懲罰的に七生所属の教員を多数他校に異動してしまった、その一番の犠牲は子供たちなんです。  こういう政治介入はやってはならないということだと思いますけど、これ確認したいと思います。大臣、いかがでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 御指摘のあった都立七生養護学校の事案に関する判決においては、教育委員会の職員には都議らによる不当な支配から学校の個々の教員を保護する義務があったにもかかわらず、これを行わなかったこと等を根拠として賠償責任が認められた事案であると承知をしております。  教育基本法においては、教育は、不当な支配に服することなく、法令の定めるところにより行われるべきものとされており、国民全体の意思を代表するものとは言えない一部の社会的勢力が党派的な力として教育に不当に介入してくることがあってはならないという意味でございます。  本来、議会は、その所属する地方公共団体において、教育を始めとする行政全般にわたり適正な議会運営や議員の調査活動を通じて多様な民意を反映したより良い施策形成を図るための機関であり、教育内容に関わることであっても、法令に基づく調査活動等であればこれは不当な支配には当たらないものと考えます。私も実際にこの七生学園には視察に行きましたが、当然これは不当な支配には当たらないというふうに考えております。これは一議員として、文科大臣になる以前の話です。  その後、都教委においては、この当該事案が不適切な指導の事例であったとの認識の下、つまり、過激な性教育であったということは都教委も認めて、性教育の手引の改訂をその後行うなど、学校における性教育が適正に行われるよう必要な措置を講じているものと認識をしております。

田村智子日本共産党

○田村智子君 それは判決を理解していないですよ。  七生で取り上げられた教材というのは、例えば男の子がおしっこをするときにズボン下げてお尻見せたりしちゃ駄目だよと。そういうことをやると性犯罪者にさせられちゃうこともあるわけですよ。では、どうするのか。タイツで性器も描いたものを男性教員が履いて、こういうふうにやるんだよ、実践的に、具体的に、視覚的に知的障害者の方々の権利を守るためにやってきた教育ですよ。それを変えさせたことは不当ではないということですか、文部大臣。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 都議会議員等の視察において教職員等に対する侮辱、暴言があったということは、これは裁判で言われていることでありますし、事実だと思います。それをもって不当ということであれば、そのとおりだと思います。  ただ、一方、私がこれは議員として視察に行ったとき以前の話でありますが、やはり我々から見ても過剰な、過激な性教育として行われているのではないかという、そういう事例がありましたし、我々が別に指摘したわけではありませんが、東京都の教育委員会がそういう認識の下で性教育の手引の改訂を行ったということは、これは事実でございます。

田村智子日本共産党

○田村智子君 判決は、学習指導要領に沿ったものであると。それなのにそういう答弁出てくるから不安になるんですよ。  もう一つ事例挙げます。埼玉県の事例です。  これ、昨年十二月、埼玉県議会文教委員会で県立朝霞高校の台湾への修学旅行と平和教育の内容を問いただす質疑が行われました。その中で、生徒の感想文全員分を提出すべきと一部の議員が求め、提出された八人分の感想文の内容がチェックをされた。子供の内心に踏み込むような議論に、余りに教育の現場の中に深く関与し過ぎているのではないかと発言する議員もいました。これ我が党議員では、別の議員です、我が党議員は残念ながら文教委員会に議席ありませんでした。  また、昨年九月の文教委員会では、自国や郷土に誇りを持てるという埼玉県の教育方針に沿わないとして、実教出版の日本史教科書を採択した県立高校の校長を一人一人呼び出して、採択理由を問いただすということが行われました。  平和教育の内容が自分の見解と異なるからと生徒の感想文の提出まで求める、特定の教科書に意見があるからと校長を一人一人問いただす、これ異常だと思うんですけれども、いかがですか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) まず、御指摘のあった修学旅行の件でございますが、埼玉県立朝霞高校の平成二十四年度の台湾への修学旅行の事前学習に関する感想文の提出を埼玉県県議会文教委員会が求めたことを受け、教育委員会が生徒八人分の感想文を匿名で提出したものと承知をしております。  また、教科書採択については、埼玉県教育委員会が平成二十六年度に県立高校において使用する日本史教科書について実教出版の教科書を採択したことに関連し、県議会において実教出版の教科書の採択を希望した高校の校長に対してその理由の聴取が行われたものと承知をしております。  公立高校において使用する教科書の採択権限や修学旅行に関する最終的な決定権限は教育委員会に有しており、基本的に教育委員会がその説明責任を果たすべきものと考えますが、県議会による自律的な運営として調査を行うことは、これは不当な介入とは言えないものと認識いたします。  いずれにせよ、本来、教育内容に関わることであっても、法令に基づく適正な議会運営や議員の調査活動の対象とすることは、これは不当な支配に当たらないものと考えますが、学校の個別具体の教育活動に直接関わる場合には十分な配慮も一方で必要であるというふうに考えます。

田村智子日本共産党

○田村智子君 これ、生徒の感想文まで提出させるのは異常だと思いませんか。検定合格している教科書を採択したのにその理由を問いただされる。異常だと思わないんですか。もう一度お願いします。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) これは余り例がないことではあるというふうに思いますが、しかし、不当な支配ということではなくて、県議会は県議会の文教委員会の立場からそれを聞きたいと、そういうことでの判断だったのではないかと思います。

田村智子日本共産党

○田村智子君 これ、そういう答弁が出てくるのは、やっぱり安倍総理の教育改革の方向とも重なっているんじゃないのかと思わざるを得ないわけですよ。  総裁直属の組織、自民党教育再生実行本部は、昨年六月、教科書についての中間まとめを総理に提出をしています。ここでは、多くの教科書にいまだに自虐史観に立つなど問題となる記述が存在する、教育基本法や学習指導要領の趣旨をしっかり踏まえた教科書で子供たちが学べるようにするため必要な対策を行うべきという提言がされています。  総理、こういうことが教育再生、教育改革なんですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 教育基本法を改正をしたわけでございまして、新しい教育基本法にのっとってしっかりと教育を行っていくようにと、そういう趣旨の提言であったと思います。それはまさに新しい教育基本法の趣旨を理解して教育を行っていくということは当然のことではないかと、このように思います。

田村智子日本共産党

○田村智子君 そうすると、その中間まとめにある、多くの教科書はいまだに自虐史観に立っていて、これは教育基本法の趣旨にそぐわないということなんでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) それはまさに党の本部の提出でありまして、私が申し上げましたのは最後の趣旨のところでございまして、その中において党の教育再生実行本部における判断を示したということではないかと思います。

田村智子日本共産党

○田村智子君 そうおっしゃるんですけれども、実は安倍総理御自身が特定の教科書の採択促進に大変力を注いでこられた、こういう事実もあります。  前回、二〇一一年の教科書採択では、育鵬社の歴史・公民教科書出版記念行事に、安倍総理、元総理という立場で御参加をされ、新しい教育基本法の趣旨を最も踏まえた教科書は育鵬社であると私は確信していると挨拶をされています。  さらに、育鵬社教科書の採択報告と懇親の夕べ、これは採択の結果を報告する集いですね。ここにもメッセージを送っておられまして、扶桑社と比べて採択増加となったことに祝辞を述べて、大半の教育委員会が新しい教育基本法の理念に目を向けることなく旧態依然とした現場重視の採択を行った中で、日本人の美徳と優れた資質を伝える教科書が今後四年間で約二十五万名もの子供たちの手に届くことになったことは、戦後の我が国の教育再生の基盤となるものと確信しておりますとメッセージに書かれているわけです。これが教育改革の目的、方向ではないんですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当時は、総理大臣ではなくて一議員としての見識を述べたものでございます。今まさに、私、総理大臣としては、しっかりとした採択基準の下に、検定基準の下に各教育委員会が適切に判断して採択をしていただきたいと、このように思っております。

田村智子日本共産党

○田村智子君 でも、元総理という肩書で、教育基本法を改正したにもかかわらず、このようなことが行われているという立場での御発言なんです。  私は、やはり時の政治家の思惑でこういうふうに学校は振り回されている、埼玉でも、なのに、そのことに批判もできない、総理の歴史観や道徳観を教科書や学校教育に押し付ける、そういう方向の教育改革、これ本当に懸念がされます。そういう改革は行うべきではないということを申し上げて、質問を終わります。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 以上で田村智子君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 次に、藤巻健史君の質疑を行います。藤巻健史君。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 日本維新の会、藤巻健史です。よろしくお願いいたします。  まずは韓国についてお伺いしたいと思うんですけれども、最近、韓国は日本に対して歴史的認識とか領土問題でかなり強硬姿勢を取っていると思います。ただ、私、経済界におりましたけれども、経済面では日本はかなり韓国に対して友情を示してきましたし、隣国としての責務を果たしてきたんだと思っております。特に一九九七年、アジア危機で韓国も大変な思いをしたはずです。当時は地獄を見たというふうに言われていましたけれども、そのときに日本は関係国中最大の金融支援を決めているんですね。IMFの融資枠に次ぐ、その補完的枠としてそういう枠を設定いたしましたし、それから民間金融機関も、日本の民間金融機関も韓国の民間金融機関に対して短期債務を長期に替えてあげるということで非常にフェーバーを与えたわけです。  ところが、何か最近韓国は、非難ばっかりしてそういう恩義を忘れているような気配があるんですけれども、こういう恩義をきちんとしたんだよということを外交的にもアピールする時期にあるんではないか、外交の切り札として使うべきではないかと私は思うんですが、外務大臣と総理大臣、いかがでしょうか。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 我が国の韓国に対する協力ですが、まずは一九六五年の日韓国交正常化の際に締結しました日韓請求権・経済協力協定に基づきまして経済協力を実施したわけですが、その際に無償供与として三億米ドル、そして円借款としまして二億米ドル協力をいたしました。これ合わせて五億ドルは、当時の韓国の国家予算が三・一八億ドルですので、韓国の国家予算の一・六倍の協力をいたしました。  そして、今御指摘になられました韓国の通貨危機に際しての協力でありますが、輸銀による十億ドルの支援、さらには金大中大統領訪日時に三十億ドルの輸銀支援を行い、そしてあわせて、今委員からも御指摘ありましたIMFの国際的な支援の枠組みにおきましても、G7ほかで合わせて二百三十三・五億ドルの支援でありましたが、そのうちの百億ドルは日本が支援するということで、最大の支援、二位の米国の二倍の支援を行っているという状況でございます。  こういった支援につきましては、金大中大統領、九八年十月に我が国を訪問した際に国会で演説を行っておられます。その際に、日本は世界のどの多くの国よりも協力してくださった、日本の積極的で誠意のこもった協力に対し衷心より感謝する、こういった発言がありました。  御指摘のように、我が国としましては、こうしたこれまでの協力、取組につきまして、是非韓国側にしっかり理解をしていただきたいと考えております。こうした理解の促進を図りながら、是非韓国との協力を引き続き強化して、重層的で未来志向の日韓関係を構築していきたいと考えています。こうした理解を得ながら、対話のドアはオープンであるということをしっかり訴え、韓国側にも同様の態度を期待したいと考えております。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 そうですね、恩義は一瞬で恨みは千年だと困りますので、是非よろしくお願いしたいと思います。  次に、消費税についてお伺いしたいんですけれども、日経新聞の昨年十二月十一日に、経済教室というコーナー、これ御存じだと思いますけれども、極めて硬い、日経新聞の中では一番硬いようなコーナーだと思います。著名なエコノミスト、アナリストが書いている。私も一回書かせていただいたことがありますけれども、私以外はみんな著名なしっかりしたエコノミストです。その中で、十二月十一日に、アメリカのアトランタ連銀上級政策顧問のR・アントン・ブラウン博士、この方が書いているんですね。ブラウン博士は、二〇一六年から二〇七七年の間に消費税率を最高五三%まで、五三%ですよ、まで徐々に引き上げなければならない、こう書いていらっしゃるんです。それも、累積赤字をなくすためにじゃなくて、今の債務のGDP対比ですね、今二四〇、五〇%ぐらいだと思いますけれども、それを二〇〇%に安定させるために五三%が必要だと言っているわけです。  今、現状では、ギリシャが二番目ぐらいで一六〇%ぐらいだと思いますけれども、それよりもはるかに高い非常に悪い数字、それをキープするために五三%まで引き上げなくてはいけないというふうに書いてあるんですが、総理はいかがお考えでしょうか。  特に、先ほど金子議員の方からも、消費税の上げに対する経済インパクトということをおっしゃっていらっしゃいましたけれども、これ、消費税を上げれば、それは悪いに決まっています。しかし、消費税を上げないと地獄になっちゃうんじゃないかと思うんですね、日本も、財政破綻で。財政破綻になれば、先ほどの消費税の逆進性どころじゃないですからね。財政破綻を避けるためにハイパーインフレになる。これは物すごい逆進性ですから。  そういうことを踏まえて、この五三%の消費税についてどう思われるか、総理にお聞きしたいと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) ブラウンさんは、ジョージア大学、アトランタ大学でしたっけね、何かの経済学の先生だと思いますので、時々出てこられるので、この記事も知らないわけではありませんが。  まず、公的債務の累積というのが経済成長の足かせになりかねない、前提条件として書いてありますので。債務の返済が将来にツケ回されることによって世代間の不公平が起きるという点と、そして社会保障関係の支出の増大による政府の債務の累積が増大していくということ等々が指摘されているものだと承知しておりますが、その点で示唆に富むものとは受け止めておりますけど、その中にあります個別の指摘ないし見解、例えば今言われた消費税が五十何%でしたかな、に上げるなどについては、これは様々な仮定がこの中に書かれておりましたので、この場でその言及はちょっと差し控えさせていただきます。  いずれにしても、日本の現在の厳しい財政状況に鑑みまして、これ政府としては、持続可能な財政を実現するために、私どもとしては、まずはということで、今、二〇一五年に向かって対GDP比の基礎的財政収支を半減させる、二〇二〇年度までに黒字化する等々の目標をまず掲げ、初年度として、私どもとしては、単年度四兆円、四兆円のところを五兆円と、まずは一兆二千億多く返済をすることにし、国債発行額も一兆五千億ほど前年度より減らしたりするような地道な努力をきちっとさせていただき、その後、借金の規模を安定的に対GDPを下げていくということであって、これ、GDP比と、借入金の差が五百兆対一千兆というような形になっておりますところが問題なんであって、そういった意味で歳出歳入の両面から、これ取組を強力に、地道に、これは藤巻先生、進めていかないと、一挙に解決するなんということはありません。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 プライマリーバランスを二〇二〇年までに黒字化するという国際公約ですけれども、プライマリーバランスという言葉自身、非常にまがいものだと私は思っているわけで、この内閣府が昨年の夏に出した報告でも、二〇二〇年にプライマリーバランスがたとえ黒字化したって三十五兆円の赤字だということなんですよ。要するに、それまでどんどんどんどん財政赤字って膨れ上がってきちゃうわけです。  麻生大臣が、ダイエットって何効くかというと、百キロが来年百十キロになって、その次に百十七キロになった、十キロ増えるところが七キロになったからといって別にダイエット成功したと言えないわけですよ。ダイエットというのは、百キロが九十キロ、八十キロになって初めてダイエットが成功する。財政再建化というのは、累積赤字が減っていって、千十八兆円から千十五兆、千兆、九百兆と行って初めて財政健全化が図られると言うと思うんですけれども、その道筋は全くどこからも聞かないんですけれども、財政は大丈夫でしょうか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 財政再建というのは、確かに最終的には御指摘の姿だと思います。ただ、規模も大きいですから、いきなりそこに行くというのは何としても無理があります。予算を、支出を半分にしようなんていったら、もうそれで日本は立ち行かなくなります。ですから、目安として、要はSNAベース、つまり国、地方を合わせた連結決算ベースでプライマリーバランスの黒字化を目指すということの意味は、日本国内で供給される行政サービスはその年の税収その他、その他というのは国債による収入以外ですね、それでちゃんと賄えるようにしましょうということがまず第一ステップだと思います。それから、金利と成長率との競争がありますから、少しプラスにしていかないとGDPの比率は安定的に維持できないと。もちろん、それから比率を減らしていって残高自身を減らしていくという方向に向かうんだと思いますけれども、まずは目安としてはそこまで、とにかく二〇二〇年までに目標で向かっていこうという一種の一里塚だというふうに御理解をいただきたいと思います。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 徐々に減らすのはいいんですが、それまでに財政はもつんでしょうかね。消費税を上げたから、それを相殺するために史上最大の歳出額をする、そんな甘っちょろいもので財政はもつのかというふうに、極めて疑問に思っています。  今年度予算も一応四十一兆円の赤字なんですが、四十一兆円の赤字というのは新しく誰かが四十兆円分ぐらい買ってくれないとお金が足りなくなっちゃうわけです。この前、有識者の方と話していましたら、今債券を売る人は自分で自分の首を絞めてしまうから、持っている人は売らないから国債大丈夫だとおっしゃった識者の方がいらっしゃるんですけれども、四十兆今年も、来年も四十兆、おととしも四十兆ということは、毎年毎年誰かが四十兆買い増してくれなくちゃいけないわけですね。持っていればいいというものじゃないんです、買い増してくれなくちゃいけない。去年と今年はいいですよ、日銀がマネタリーベースを二倍にする、百四十兆から二百七十兆にするということで、必死で国債買ってくれているわけです。長期国債といえば八十九兆円から今年末までに百九十兆、百兆増やすと言っているから、日銀が一生懸命買ってくれているから、何とか四十兆増えても買ってくれる人がいるわけです。  じゃ、来年になったら誰が買ってくれるんですか。財務省は特に買ってくれる当てはあるんでしょうか。日銀が買ってくれなかったら誰も買ってくれなくて、国債暴落しちゃいますよ。国債暴落したら長期金利跳ね上がっちゃって、財政、一遍に破綻になるんじゃないですか。来年のことは、今はいいですよ、確かにアベノミクスがワークしていいですけれども、来年はどうなっちゃうんですかと私は思うんですが、いかがでしょう。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) これまでも、藤巻先生、これだけ大量に国債が発行されて、普通だったら、おっしゃるように信用がなくなったら金利が上がらなきゃおかしいですね。どうして下がるんですかね。これに対するお答えを答えられた経済学者ってまだ一人もいらっしゃらぬのですけれども、現実問題、我々が今まで起きたことがないようなことに直面しているんですよ。間違いないでしょう。我々も、これは正直言って一・八上がるかと思ったら〇・六切ったという話ですから、正直言って我々も、日本の国債というものに関してはかなりの信用があるから買われているんだと私どもも思っております。  日本銀行が買わなければどうなるかという御質問ですけれども、これは、金融緩和の出口戦略につきましては、この間、昨日でしたか、黒田総裁、ここに来ておられたので、具体的な議論をするに時期尚早であるとおっしゃっておりましたので、現時点で出口戦略について我々政府の方からお答えをすることは差し控えさせていただきたいと存じますが、今後とも、この国債というのは安定的に消化させていくという観点からは、これは財政の信認というのを確保するということが大事なことなんであって、やっぱり適切な国債の管理というものをきちんと進める一方、経済はきちっと成長させていく、それによって財政を再建すると。  こういった意味で、私どもはその両方をきちっとやっていくということで、この方向でいくということに関しましては、昨年のG20でも、各国、経済成長と財政再建というものの両立ということを目指す方向で事を進めておりますので、私どもとしては今後とも、国債保有者の多様化とか、また国債保有者との意見の交換、市場との会話とかいろんな表現がありますけれども、そういったものできちんと丁寧に、国債発行というか、そういったものに努めていかねばならぬと思っております。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 今、麻生大臣が、金利は〇・六%で低位安定しているとおっしゃいましたが、なぜでしょうねとおっしゃいましたけれども、簡単です、日銀がずっと買っていたからです。買い上がっていたから長期金利は低迷する。その日銀がいなくなっちゃったらどうなるのというのが私の疑問点でございました。  それともう一つ、二番目ですけれども、出口戦略、昨日確かに黒田総裁、まだ時期尚早だとおっしゃいました。私は、時期尚早じゃなくて、出口がない、方法がないからそうおっしゃらざるを得ないんだと理解しています。  例えば、私どもが学生時代、その後、金融政策といえば長期金利を上げるか下げるときでした。二年後に景気が過熱しそうだよ、じゃ、どうやって金利を上げていくの、皆さんおっしゃいましたよ。時期尚早なんてことは聞いたことない。なぜ今だけ時期尚早とおっしゃるんですか。金利を上げる方法なんというのは、預金率を、準備預金率を上げるとか公定歩合を上げるとか、それから、そうですね、買いオペをするとか、いろいろあるんです。それ言えるんですよ。何でそんな時期尚早だって、言わなかったでしょう、当時は。あと一年後には景気が過熱して上がりそうだ、でも決して時期尚早だ、分からない、まだ考えてないなんて言わなかった。なぜ今考えてないんでしょうか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) これは、日本の経済政策という、財政政策というのが日本一国ではなくて他国に対する影響が極めて大きいというのはアメリカのこの間のテーパリングでもはっきりしておりますので、同様な影響力を持ちます日本の一方的な話というものが他国に与える影響というもの、これは極めて大きなものでありますので、そういったものを十分に考えてアメリカ等々と緊密な連絡を取ってやっていく必要がありますので、その段階で、今、出口戦略というのは安易に語れるはずもないと、私はそう思います。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 時間がないので次の方に入りますけれども、先ほど金子議員の質問に対して、円安対策に対して、円安が進んでいるけれども、それに対して公費投入は、小さいのはあるかもしれないけれども、大きいものは考えてないって安倍総理はお答えになりましたけど、私もそれは極めてリーズナブルと思います。ただでさえ財政が厳しいんですから、この段階で円安政策なんかをすると本当に財政が危ないんじゃないかなというふうに思います。  なぜ円安対策は必要ないかといいますと、それは苦しいところがあるのは事実ですよ。ただ、私が大学のときは三百六十円だったんです。おばが、一九五六年かな、アメリカに行ったときは、闇値で一ドル四百円だったんです。それから二百円になって百五十円になって百十円になりましたけれども、その七十五円に上がるときに百二円って経験しているんですよ。そのときは百二円に、あのときは円高が大変だったけど、円安が大変なんて誰も言わなかったんです。百五十円のときは円高になって大変だって言いましたが、円安大変だって言わなかったです。百五十円に比べれば、今は百二円、物すごい円高ですよ。なぜ円安対策が必要なのか、そういうことを考えると、安易に円安政策といってお金をばらまいてしまうというのは極めて危険な政策だと思います。一応、意見表明で結構です。  ありがとうございました。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 以上で藤巻健史君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 次に、吉田忠智君の質疑を行います。吉田忠智君。

吉田忠智社会民主党・護憲連合

○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。  まず、内閣法制局長官に質問をいたします。  内閣法制局は、憲法解釈、法律問題に関し内閣に意見を述べるという重責を担っているわけでございます。長官、この意見事務にはどのように当たるべきだと考えておられますか。

小松一郎内閣法制局長官

○政府特別補佐人(小松一郎君) 御質問、大変ありがとうございました。  私は、昭和四十七年に当初外務省に入省いたしまして、以後、ほぼ四十二年間、国家公務員を務めてきてまいっております。  日本国憲法第十五条は、「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。」と定め、また第九十九条は、「公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」と定めております。これを受けまして国家公務員法第九十六条一項は、「すべて職員は、国民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。」と定め、また、同法第九十七条は、「職員は、政令の定めるところにより、服務の宣誓をしなければならない。」と定めております。  私も四十二年前、この宣誓を行いました。以来、自分としては、この宣誓のときの初心を忘れずに務めてきたつもりでございます。約五年前に特命全権大使を拝命して以来、特別職の国家公務員という立場にはございますが、どのような心構えで勤務しているかとのお尋ねについては、現職である内閣法制局長官としてもこれまでと同じ心構えでその職責をしっかりと果たしたいと考えております。  ところで、昨日の本委員会の御審議において、他の党の所属の委員ではございますが、御質問の中で安倍内閣の番犬という御発言がございました。私としてはこのような御指摘をお受けすることはできません。この委員の所属されている政党は日頃、国民の基本的人権を殊更重視しておられます。僣越でございますが、私は内閣法制局長官として、国家公務員にもプライバシーや名誉に関わるものを含め憲法上基本的人権が保障されているということを申し上げたいと思います。  以上でございます。(発言する者あり)

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) では、速記を起こしてください。

吉田忠智社会民主党・護憲連合

○吉田忠智君 ほかの議員がどういう質問をしたか分かりませんが、私は、内閣法制局長官としてどのように意見事務に当たるのか、そのことを聞いたわけであります。

小松一郎内閣法制局長官

○政府特別補佐人(小松一郎君) 大変申し訳ございませんが、先ほどの答弁で私はそれに対して的確に答弁をしたつもりでございます。  この憲法第十五条に、「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。」と、こう書いてあると。また、憲法第九条は、「公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」と定めているということでございまして、この憲法の規定とそれから国家公務員法に定めております職務専念義務、こういうものを、今、私は特別職の公務員でございますけれども、こういうものを体してこの意見事務というものを果たしていきたいと思っているというふうに御答弁したつもりでございます。

吉田忠智社会民主党・護憲連合

○吉田忠智君 二月二十四日に長官が退院をされて、マスコミのインタビューに対して、内閣法制局は内閣の一部局なので首相の方針に従ってやるべきことはやると発言しておられました。  前後いろいろ言われたんだと思いますが、改めてその真意を聞かせてください。

小松一郎内閣法制局長官

○政府特別補佐人(小松一郎君) これは、私が初登庁をいたしましたときにマスコミの皆さんが集まっていらっしゃって質問をされました。ぶら下がりということでございますが。そこで、衆議院の予算委員会で、民主党の委員と総理のやり取りがあって、安倍総理が御答弁において、仮に憲法解釈の変更というものがあればそれを閣議決定の形で示したいと、その上で国会で御議論をいただきたいということを言われたが、それについて小松はどう思うかという御質問を受けたわけでございます。  それに対して、私は、そういうやり方、そういう御方針で臨まれるということが内閣総理大臣の御方針でございますということで、それは見ておりました、入院中のテレビで私見ておりました。内閣法制局は内閣の一部局でございますので、その御方針に従ってやるべきことはやると、やるべきことはやるということは、内閣法制局設置法に基づいて適切な意見を申し上げると、これはごく当然のことを申し上げたわけでございます。

吉田忠智社会民主党・護憲連合

○吉田忠智君 今日は法制局長官と余り長々私はやるつもりはなかったんですが、いずれにしても、法制局長官、これまで内閣法制局が私は果たしてきた役割、それを踏まえていないというふうに言わざるを得ませんけれども、その点はいかがですか。

小松一郎内閣法制局長官

○政府特別補佐人(小松一郎君) 歴代先輩長官の築いてこられた実績を損なうことのないよう、一騎当千である内閣法制局の優秀な職員のサポートを得ながらその職責をしっかりと果たしてまいりたいと考えます。

吉田忠智社会民主党・護憲連合

○吉田忠智君 小松長官のみならず、内閣法制局の皆さんが是非これまでの歴史的な役割を踏まえてしっかり職責を果たしていただくように、そのことを強く求めて、また長官とは今後やり取りをしたいと思いますが、次の質問に移ります。  総理の歴史認識について質問します。  日中、日韓の首脳が会うことができない、私は異常な事態だと思っています。何とかやっぱり関係改善を図っていかなければならない、そうした思いで質問をします。  総理は、歴史認識について、安倍内閣としてこれまでの歴代内閣の立場を引き継ぐと繰り返して言われております。去年、ちょっと総理の発言が揺らいだ時期がありましたから、今は随分反省したんだろうと思いますけれども。  ところが、総理は総裁、自民党総裁のとき、資料も配っていますが、二〇一〇年八月には日韓併合百年総理談話、いわゆる菅談話に反対する署名を呼びかけられて、談話が出されるや、日本国民と日本の歴史に対する重大な背信であるなどとする抗議声明を出されています。これについての動画もネットに掲載されております。今もそのまま残っていますが。その中で、村山談話、河野談話と相通じる、日本という国をおとしめる極めて卑劣で国益を損なう行為と菅談話を批判しています。菅談話だけではなく村山談話も河野談話も非難しているのではありませんか。  総理、過去のこうした発言、行動について、反省はありませんか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 累次の機会に申し上げてきたとおり、我が国はかつて多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対し、多大な損害と苦痛を与えてきた。その認識においては安倍内閣としても同じであり、これまでの歴代内閣の立場を引き継いでいる。戦後、我が国は、その深刻な反省の上に立って、自由で、民主的で、基本的人権や法の支配を尊ぶ国をつくり、戦後六十八年にわたり平和国家として歩んできた。その歩みは今後も変わらない。これが私の認識でございます。

吉田忠智社会民主党・護憲連合

○吉田忠智君 じゃ、その自民党総裁のときの自らの発言、行動については撤回をするんですか。考え方を改めたんですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 総理大臣としての認識は今申し上げたとおりでございます。

吉田忠智社会民主党・護憲連合

○吉田忠智君 私の質問に答えていない。  考え方を改めたんですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、内閣総理大臣の安倍晋三としての考えを申し上げたとおりでございます。

吉田忠智社会民主党・護憲連合

○吉田忠智君 じゃ、関連して、昨年十二月二十六日の総理の靖国参拝について伺います。  私の推察するところ、中国、韓国の反応は織り込み済みだったと思います。ところが、アメリカの失望表明、これは総理は想定外だったのではありませんか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私の参拝をした際、考え方については既に談話として述べさせていただいたとおりでございますし、米国に対しましても説明をしているところでございます。  私の真意が理解されるよう、今後とも努力を重ねていきたいと思っております。

吉田忠智社会民主党・護憲連合

○吉田忠智君 正面から質問に答えてくださいよ。  米国の失望表明について、一月十七日に、総理と大変親しい萩生田光一自民党総裁特別代理は、米国は共和党政権の時代にこんな揚げ足を取ったことはない、民主党政権だから、オバマ政権だから言っていると発言をしました。  十二月二十六日、靖国参拝の日の夜、総理と報道各社政治局長の懇談で総理は同趣旨の発言をしたのではありませんか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) そうした趣旨の発言をしたことはございません。

吉田忠智社会民主党・護憲連合

○吉田忠智君 私は、日中、日韓の関係改善のためには、総理が、自分の任期中は靖国に参らない、そのことを明言をするのが一番関係改善の第一歩だと思いますが、そう思いませんか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国のために戦った方々、そして尊い命を犠牲にされた方々のために手を合わせる、御冥福をお祈りすると、この姿勢は各国共通のリーダーの姿勢ではないかと、このように思う次第でございまして、私の考え方については今後とも各国に対して説明をしていきたいと、このように思っております。

吉田忠智社会民主党・護憲連合

○吉田忠智君 総理も、前の第一次政権のときに靖国に参れなかった、痛恨の極みだと何回も言われておられます。  去年の総理の靖国参拝は、私は大きく国益を損ねたと、そのように思っております。だからこそ、私は、関係改善のために総理御自身が、もう一回参ったからいいじゃないですか、総理自身も。周りの取り巻きの方々ももう言いませんよ、これ以上、総理が参らないからといってもう総理けしからぬということは言わないと思いますよ。  いま一度お聞きします。日中の関係改善のために、任期中は参らない、そのことを明言してください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、吉田委員のお考えはよく分かりました。その上において、私が今後靖国神社に参拝するかしないかということについては、今ここで申し上げるつもりはございません。  いずれにいたしましても、国のために戦い、尊い命を犠牲にされた方々に対して尊崇の念を表し、そしてこうべを垂れる、手を合わせるという行為については、私はリーダーとしては当然のことではないかと、このように思っております。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 吉田忠智君、締めてください。

吉田忠智社会民主党・護憲連合

○吉田忠智君 総理の是非決断を求めて、質問を終わります。ありがとうございました。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 以上で吉田忠智君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 次に、平野達男君の質疑を行います。平野達男君。

平野達男新党改革・無所属の会

○平野達男君 東日本大震災の発災から間もなく三年でありますけれども、発災直後、津波、地震の検証、それから、その後の災害に備えましての首都直下型、東南海の震災の検証等々、私は防災の副大臣、担当大臣もやっておりましたので、そういった検討組織を立ち上げまして、今も検討は続いていると思います。  もう一つあるんです。火山、これが検討がちょっと遅れまして、薄かったなということで、今日はちょっと火山について取り上げたいと思います。  今日、お忙しい中、藤井火山噴火予知連絡会長に来ていただいておりますが、まず、早速藤井先生にお伺いしますけれども、日本の火山の特性といいますか、日本は私は世界一の火山国ではないかと思いますが、いわゆるプレートの動き等々も併せて、この火山の特性ということについて、あるいは火山国だということについて御見解をお伺いしたいと思います。

藤井敏嗣火山噴火予知連絡会会長/東京大学名誉教授

○参考人(藤井敏嗣君) 地球の表面が十数枚のプレートで覆われているということは御存じだと思いますけれども、そのうちの四枚のプレートが日本列島の辺りで会合しております。その四枚のうちの二枚が残りの二枚のプレートの下に潜り込んでおりますので、日本列島というのは地震活動も活発でありますし、マグマの生産率も非常に高い場所になります。  それで、活火山というのは将来火山噴火が予想される火山のことをいいまして、これは、最近一万年間に噴火したことがあるか現在も活発な噴気活動の続いている火山のことをいいますけれども、我が国には現在百十の活火山がございます。  この百十の活火山という数ですけれども、もちろん先進国の中では最大であります。インドネシアが百二十七という活火山を持っておりますが、インドネシアは日本の国土の五倍の面積を持っておりますから、面積当たりという点でいえば日本の方がはるかに多いということになります。世界的に見ても千五百の活火山がございますが、そのうちの百十、ですから〇・二五%の面積のうちに七%の活火山が存在するということになりまして、ある意味では世界で一番の火山国であるということになります。  以上。

平野達男新党改革・無所属の会

○平野達男君 その火山なんですけれども、先生は、二十世紀は日本の火山活動が非常に静かな世紀であったということを言っておられますが、どういうことでしょうか。資料のこれは三ページを見ながら聞いていただければ有り難いです。

藤井敏嗣火山噴火予知連絡会会長/東京大学名誉教授

○参考人(藤井敏嗣君) 今の資料を見ていただければ分かるかと思いますけれども、信頼のできる古文書のある十七世紀以降、江戸時代以降の記録を見ますと、十七世紀、十八世紀、十九世紀と、それぞれの世紀で百年間に四回ないし六回の非常に大きな噴火、これは富士山の宝永噴火、あるいはその半分ぐらい以上のものと思っていただければいいんですけれども、そういうものが起こっておりました。  ところが、二十世紀になりますと、一九一四年、今から百年前の桜島大正噴火と、それから一九二九年の北海道駒ケ岳の噴火以外はそういう大きなものがございません。すなわち、百年近く我が国は大規模な噴火というものを経験をしていないということになります。そういう意味で、二十世紀は火山活動としては非常に低調であったということになります。

平野達男新党改革・無所属の会

○平野達男君 東日本大震災の地震のマグニチュードは、モメントマグニチュードで九・〇でした。この巨大地震と火山の関連性についても藤井先生はいろんな見解を述べておられますが、ここでまた御披瀝いただけるでしょうか。資料の四ページを見ていただければ有り難いです。

藤井敏嗣火山噴火予知連絡会会長/東京大学名誉教授

○参考人(藤井敏嗣君) 世界の大きな地震、マグニチュード九の地震を経験したその近く、近くといっても千キロとか千五百キロと、元々マグニチュード九の地震というのは非常に大きな地殻が割れますので、そこの震央の位置から千キロとか千五百キロの範囲で見たときには、どの大きな地震も数年以内に火山噴火を伴っております。これは必ずしも大規模噴火とは限りません。小さな噴火であることはありますが、しばらく噴火をしていなかった火山が噴火を始めるということがこれまでは起こっております。  間もなくあの三・一一から三年になりますが、我が国ではこれに入るかどうか、西之島は少し離れておりますのでこれに勘定されるかどうかは分かりませんが、火山活動、ほかの地震では必ず起こっているということがあります。

平野達男新党改革・無所属の会

○平野達男君 私が防災担当大臣のときに藤井先生からこのことを聞いて非常に気になりました。それから、もう一つ気になったのは、ある先生から十和田火山が気になるというふうに言われたんですが、今日は時間がございませんが、そのことだけはちょっと申し上げておきたいと思います。  そして、要は、火山はこれを予測、噴火が予測できるかどうかということなんですが、藤井先生、これについてはどうでしょうか。

藤井敏嗣火山噴火予知連絡会会長/東京大学名誉教授

○参考人(藤井敏嗣君) 火山の短期的な予測については適切な観測体制がしかれていて、十分な観測体制がしかれていて、今気象庁がやっておりますように二十四時間の監視体制があれば、場所とそれから時間についてはある程度予想、予測をすることができます。ただし、近代観測、そういう地震計や何かで観測をしたことのない百年以上休んでいるような火山については、本当にそれが成功するかどうかは保証の限りではありません。我々は計器による経験を持っていないからです。  それから、時期に関してはそういうことですけれども、火山噴火の見通しとか、あるいはどういう様式の噴火をするかということに関しては、これを噴火の前から、あるいは噴火始まった直後に早い段階で予想することは非常に困難であります。  それから、中長期的な予想、例えば一年後に噴火するか、十年後に噴火するか、数十年後に噴火するかというようなことに関しては、科学的にそれを推測する手法は今のところ確立しておりません。これをやるためには、それぞれの火山、百十の活火山があると申し上げましたけれども、それぞれの火山が、少なくとも最近一万年間にどういう頻度で噴火をしてきたのか、どの規模の噴火をしてきたのかということをボーリング調査やトレンチ調査といった地質学的な手法によって調査をする必要があります。これは系統的にやらないと、それぞれ大学やなんかに任せておいたのではとても、何十年たっても終わらないということになります。  それで、今申し上げたとおりの状況ですので、噴火予知というのは決して完成した技術ではなくて、今まだ基礎的な観測研究を進めなければいけないような状態にあると。これは決して我が国が遅れているんではなくて、世界中の火山学のレベルが同じようなレベルにございます。

平野達男新党改革・無所属の会

○平野達男君 そういうことで、百十ある活火山の中で、それではどういう観測体制になっているか、気象庁長官、報告いただけますか。

羽鳥光彦気象庁長官

○政府参考人(羽鳥光彦君) お答えいたします。  藤井先生のお答えと若干重複するところがございますけれども、まず気象庁では、全国の百十の活火山において地震計、傾斜計等の観測網を整備し、また、大学等の関係機関とも連携し、研究用のデータもいただきながら、札幌、仙台、東京、福岡に都合四か所の火山監視・情報センターを置いていまして、ここで二十四時間体制で火山の活動状況を監視してございます。火山活動に異常が認められる場合には噴火警報等を速やかに発表するとともに、活動の活発化等、状況に応じて臨時に監視体制を強化するということとしてございます。このように、噴火予知の現状につきましては、先ほど藤井先生が述べられましたように、ある程度以上の噴火活動については噴火前に異常現象を検知することは可能であると考えてございます。  このことについては、平成二十五年十一月の、文部科学省において科学技術・学術審議会というのがございますが、ここの建議がございまして、その中において、例えば、観測点の高密度化、多項目化が進んだ幾つかの火山については、噴火の先行現象の検知とそれに基づく噴火開始前の情報発信が可能になったとされてございます。  さらに、噴火後につきましては、時々刻々変化する活動を分析評価するということで、当面の見通しなどを述べることが可能な場合も出てきてございます。  しかしながら、先ほど藤井先生が申しましたように、その後噴火がどのくらい継続するか、規模がどのように拡大するか、こういった活動の推移について、あらかじめ早い段階で正確に予測するというものにつきましては現状でも困難で、引き続き研究調査が必要だと考えてございます。  以上です。

平野達男新党改革・無所属の会

○平野達男君 予測が非常に困難な中で、しかも二十四時間の監視体制をしいているのは四十七の火山だと、こういうことでありますね。  質問の観点をちょっと変えますけれども、火山から八十キロ離れている地点、そこに降灰が、火山降灰、火山が噴火すると灰が降ります。十五センチメートルが積もったと。これは実際に富士山の宝永噴火で横浜近辺はそれぐらいの灰が積もりました。もし今この時代にそういう降灰が起こった場合に、どういうことを考えなければならないでしょうか。  まず、藤井先生にお尋ねしたいと思います。

藤井敏嗣火山噴火予知連絡会会長/東京大学名誉教授

○参考人(藤井敏嗣君) 火山灰の被害については、昨年、内閣府の方から大規模火山災害への提言という形で報告をいたしましたけれども、近代都市ができてから、例えば東京や横浜のような近代都市が十センチとか十五センチといった火山灰に埋もれる事態になったことは世界中どこでもございません。  ですから、基礎的な火山灰に対するデータが欠如しているので正確な答えは難しいところでありますけれども、まず考えなければいけないのは、先日の積雪がありましたけれども、あれで幾つか建物が潰れた例がありました。積雪五十センチ程度で潰れるような建物に人がいたら、直ちに十五センチの降灰であっても避難させる必要があります。それは、火山灰というのは雪と違って岩石のかけらでありますから荷重は重いんですね。だから、たとえ十五センチでも雪でいえば五十センチ以上に相当する。しかも、水を含めばはるかに重い荷重が掛かりますので天井が潰れるということがございます。  それから、道路あるいは線路に灰が積もったとき、これはもう少し僅かな量でも交通が遮断されます。ですから、直ちに灰を除去しない限り、交通が麻痺をして流通経済も途絶えてしまうということになりかねません。  それから、横浜のような丘陵地を持つようなところに十五センチもの火山灰があると、これは時間雨量にして十ミリ程度で土石流が発生するおそれが十分にあります。ですから、土砂の排除ということが非常に重要なことになります。  それから、電線に火山灰が付きますと、先ほど申し上げたように、石の粉ですので非常に重いんですね。ですから、電線を切ってしまう。電線が重みで切れてしまって停電になるということもほかの国ではよく知られている事例であります。  それから、情報を収集しようとしてヘリコプターや飛行機を飛ばそうとしても、火山灰がもし降っている間はエンジントラブルを起こしますので、これはできません。ですから、フィルター付きのものでない限りそういう航空機は動かさないということで、情報収集をどうするかということは考えておく必要があると思います。  もう一つは、先ほど平野議員がおっしゃった宝永の噴火のときは、十五日間掛かって十五センチ横浜に灰が積もりました。ですが、これがいつもそうだとは限りません。ほかの例ですと、例えば一日のうちに数十センチ、八十キロ離れても灰が積もることもございますので、そういう場合も考えて、想定して準備をしておく必要があるかと思います。

平野達男新党改革・無所属の会

○平野達男君 参考までに聞きますが、桜島で大噴火した場合によく鹿児島市内に降灰が起こります。あの厚さというのはどれぐらいなんでしょうか。

藤井敏嗣火山噴火予知連絡会会長/東京大学名誉教授

○参考人(藤井敏嗣君) 非常にどか灰と言われる場合でも数ミリ、例えば鹿児島市内で一ミリ以上積もることはほとんどないですね。それでも、一ミリでも積もると道路の白線が全く見えなくなりますから、交通障害が引き起こされます。

平野達男新党改革・無所属の会

○平野達男君 まあいずれにしても、十五センチというのはとんでもない降灰だということであります。  それで、担当大臣、防災大臣にお伺いしますけれども、政府の方でこの火山対策についてどのような検討をやっておられるでしょうか。

古屋圭司自由民主党国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(防災)

○国務大臣(古屋圭司君) 平野委員もかつて防災担当大臣を務められて、そして特にこの火山対策ですね、今御指摘があったように、地震対策に比べて相当遅れています。これは私、全く同感です。  なぜか。それは、世界でこの数百年間、一度も都市部で経験してないから、だから知見がない、データがないということですね。でも、藤井先生、日本のオーソリティーですけれども、報告書を昨年の五月に出していただいたので、これに沿ってまずは対応していくということが何よりも重要だというふうに思います。  ちなみに、例えば日本の火山、一火山当たりの研究者数ですね、これは例えば〇・三六人なんですね。一番多いのがイタリアで十・七人とか、今先生から指摘があったインドネシアは〇・八五人、あるいは、アメリカでもかなり火山はありますけれども〇・八三人ということなので、まずはやっぱりそういう火山の研究者の充実を図っていく必要がありますよね。  それと、一方は、今、火山の研究調査体制ですかね。これは言わば地震火山部会の下に七つの組織がありますね、もう委員御承知のように。ただ、これ、横の連携ってできてないんですよ。これ問題ですね。  私も、これ非常に大きな問題意識を持っていまして、二十六年度予算でも、まずはこういった横の連携をさせるための検討として五千六百万円、まず計上いたしました。まず隗から始めよですけど、しっかりそういう取組をしながら、やはり地震に匹敵するような研究体制というものを充実する、そのための第一歩を確実に踏み出していかなくてはいけないと、こういう認識でおります。

平野達男新党改革・無所属の会

○平野達男君 この提言は様々な課題を整理しております。六ページ目に、その中の降灰対策ということで、まだまだ降灰対策、先ほど藤井先生から紹介がございましたけれども、検討しなければならないことがたくさんあるということで項目を整理しております。  是非ともこの項目についての検討を急いでいただきたいと思いますが、古屋大臣、どうでしょうか。

古屋圭司自由民主党国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(防災)

○国務大臣(古屋圭司君) あの報告書でも非常に示唆に富む提言をいただきましたので、そういった検討をしていくとともに、やはりその研究体制の充実ですね。今、先ほども申し上げましたような組織の充実を含め、あるいは、これからもこういうたくさんのデータベースを取らなきゃいけないんですから、そのためにはやっぱりある程度の財源も必要ですので、そういったことも含めて総合的な取組の充実を図ってまいりたいというふうに思います。

平野達男新党改革・無所属の会

○平野達男君 実はこの問題は、原発の再稼働とも物すごい関係するんです。  今日は田中委員長おられますけれども、今ここまで聞いて、火山と原発の審査に関してどのような印象を持たれましたか。

田中俊一原子力規制委員会委員長

○政府特別補佐人(田中俊一君) 福島第一原子力発電所の経験ですけれども、複数の安全機能が一斉に失われると過酷事故に至るという苦い経験があります。先生御指摘のように、火山対策についてもそういう可能性がありますので、それについては新規制基準できちっと見ることにしています。  具体的に言いますと、まず立地評価とそれから影響評価と二つに分けて私どもは審査しております。立地評価がなぜ必要かといいますと、溶岩流のようなものが届いた場合には、設計対応でこれをしのぐことはできないということで、そういう場合には立地が不適であるという判断をしております。  それから、今火山灰のお話がありましたが、そういったものが来た場合に安全機能が失われないかどうかということについて、その対策、影響についてきちっと評価をした上で審査を進めるということで、今、ただいまそういったことについて審査を進行中でございます。

平野達男新党改革・無所属の会

○平野達男君 詳しくはまたあしたやりますけれども、今の規制委員会で、火山活動に、火山の例えば予知とか、それから火山の降灰に対する影響というのは判断できますか。今、防災担当大臣も藤井さんも、厚い降灰があった場合の検討はこれからですと言っているんですよ。どうやって審査するんですか。これはあしたまたやります。  それからもう一つ、今日は片道ですから私も、火山についていろいろいろいろあるんですが、制約受けているからしゃべれない、もどかしいんですが、ただ一点だけ、川内原発というのがありますね、鹿児島に。あれは降灰何センチメートルを想定して、九州電力、申請書を持ってきたか分かりますか。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) どなたに御質問ですか。

平野達男新党改革・無所属の会

○平野達男君 田中委員長。

田中俊一原子力規制委員会委員長

○政府特別補佐人(田中俊一君) 十五センチでございます。

平野達男新党改革・無所属の会

○平野達男君 とんでもない降灰量を想定して、それでこれから審査をするというんです。だから、この問題の深刻性を十分考えてください。あしたまたやります。  それから、ちなみに、六ケ所村は三十センチ考えています。こんなものを受け取って平然と構えている方がおかしいんです、私に言わせたら。  そういう問題だということで、まず、古屋大臣には、この検討書のあれの内容を詰めてください。これ詰めないと、私は規制委員会はいろんな判断できないと思う。これはまたあしたやります。  最後に、総理大臣にお伺いしますけれども、やっぱり次に備えるということにつきましては、いろんな角度から様々な点を検討しなければならないと思いますけれども、この火山につきましても是非とも総理として大きな関心を持っていただきまして、これ本当に検討しなくちゃならない課題があると思いますので、検討を急がせることをやっていただきたいというふうに思います。そのことを最後にお聞きしたいと思います。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 簡単に。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 火山災害対策につきましては、大規模噴火時に火山山麓地域での被害が甚大になることはもとより、広く、今委員から御紹介がございましたように、都市部の生活や産業に対しても影響が及び、さらにはこの影響が全国にあるいは世界に波及することから、その発生に備えて事前の対策を取ることは大変重要であるというふうに考えております。  政府では、これまで、火山ごとに、関係地方公共団体、国の機関、火山専門家等から成る火山防災協議会の設置を進め、具体的な避難計画の策定などを推進してきたところでありまして、今後は、御指摘の大規模火山災害対策への提言も踏まえまして、火山の監視、観測及び調査研究体制を充実させるとともに、具体的で実践的な避難計画策定の加速を促してまいりたいと、このように思います。  引き続き、関係者が連携して火山防災対策の強化に努めてまいる考えであります。

平野達男新党改革・無所属の会

○平野達男君 終わりますけれども、田中委員長、今日の提言と藤井先生の今日の発言をよく今日もう一回、中で、戻って検討してください。あした、これで、川内原発等々のことについていろいろ意見を、ちょっとやり取りをさせていただきたいと思います。  以上です。ありがとうございました。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 以上で平野達男君の質疑は終了いたしました。(拍手)  次回は明六日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時九分散会

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