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186回国会参議院2014/03/04

予算委員会 第6号

発言数
404
登壇者
41
会派数
8
開催日
2014/03/04

会議録

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  平成二十六年度一般会計予算、平成二十六年度特別会計予算、平成二十六年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、昨日に引き続き質疑を行います。山本順三君。

山本順三自由民主党

○山本順三君 おはようございます。自由民主党、山本順三でございますが、昨日に続きまして質問をさせていただきます。昨日は教育問題で途切れてしまいましたけれども、少し気持ちを切り替えまして、今日は外交から始めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  安倍総理におかれましては、今年一月に総理としては初めてアフリカに出向かれました。私も、長らくの間アフリカ外交に関与してきた者として大変総理がアフリカ諸国を訪問されたことはうれしいことであったと思いますし、二十一世紀はアフリカの時代と言われておりまして、今回の訪問においては、コートジボワール、それからモザンビーク、エチオピアと、三か国を訪問されました。ちょっとパネルを上げてください。(資料提示)  その中で、特にコートジボワール、ここでウワタラ大統領の呼びかけによって、西アフリカ諸国経済共同体、ここから十か国の大統領がコートジボワールに集まる。したがって、コートジボワールでは十一か国、それにモザンビークとエチオピア、十三か国の首脳と会談ができたということは非常に効率的な、そしてまた有意義なことであったというふうに思っております。  そこでまず、私ども、総理が今回の訪問においてどういう感想を持たれて、どんな成果があったのか、あるいはまた今後のアフリカ外交、どういうふうな形で進めていかれるのか、その点についてお伺いしたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 昨年、日本におきましてTICADⅤの会合を開催をしたわけでございますが、その間、三十か国前後の首脳と首脳会談を行いまして、改めて、日本に対して大変熱いまなざしがアフリカから向けられているということを実感したところでございます。  日本は長らくODA等によってアフリカの発展を支援をしてきたところでございますが、今後はいよいよODAとともに日本の企業の投資によるアフリカへの支援に対する期待が高くなっているわけでございます。特に、日本の企業というのは、アフリカにまさに職場に倫理を持ち込んだと、日本だけだ、そんなことをするのはというお話もあったわけでございます。  今回の三か国の訪問におきましては、各国で大変温かい歓迎を受けることができました。各首脳との懇談や、あるいは活力のある町の様子などを拝見をいたしまして、改めて、アフリカが成長していると、そしてだんだん安定をしてきたということを実感をしたところでございます。  アフリカは、長らく貧困と紛争といった課題を抱える一方で、近年は目覚ましい経済成長を遂げつつあるわけでありまして、だからこそ、このODAとともに日本の企業の投資を強く望んでいるところだろうと、このように思います。  雇用創出や人材育成につながる民間投資の促進に力を入れていきたいと、こう思っておりますし、また、アフリカというのは、日本外交におきましてもまた経済の分野におきましても新たなフロンティアであります。日本とアフリカが共に発展すると、この精神で協力を深め、そして共に未来に向けて発展をしていきたいと、このように思っておるところでございます。

山本順三自由民主党

○山本順三君 ここのパネルにも表示しておりますけれども、総理が行かれた国、それからまた集まっていただいた国々を表示をしておりますけれども、今後も是非機会あるごとにアフリカ訪問に向けてのチャンスをつくっていただきたいと、このように思うわけであります。  今総理からTICADⅤの話がありました。TICADⅣ、TICADⅤと、日本で非常に成功裏に開催されたわけでございますけれども、総理のメッセージというものは非常にインパクトが強かったように思いますし、アフリカ首脳の皆さん方の期待値もかなり上がったと思いますけれども、現時点でどのような成果が出ておるのか、これは外務大臣にお伺いしたいと思います。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) TICADⅤにおきましては、我が国の支援策としまして、今後五年間でODA約一・四兆円を含む最大三・二兆円の官民によるアフリカ支援を実施する、こうした表明を行っております。  こうした表明を行った後、主要な支援策の中で、まずは戦略的マスタープランの策定については、現在までのところ、日本側において、ケニア、モザンビーク、西アフリカ、タンザニアなど七か所についてこの戦略的マスタープランの策定を進めております。そして、意見の集約が見られ、準備ができたものから一つずつ相手国政府の調整を開始している、こういった現状にあります。  また、産業人材育成については、ABEイニシアティブによって、今年の秋、第一陣として約百五十名の留学生の本邦大学への入学が予定されております。これ予定としましては、全体で千名を考えております。  また、TICAD産業人材育成センターについては、先般の総理のアフリカ訪問の際、エチオピアにおきまして総理から、エチオピア・カイゼン・インスティチュートとして、アフリカ初となりますTICAD産業人材育成センターとして始動させていく旨表明をしていただいております。  また、投資アドバイザーの派遣については、現在、タンザニア、モザンビーク、モロッコ、スーダンに派遣中ということであります。  今後、これらの支援策につきまして、具体的なニーズですとか開発効果、あるいは日本企業の要望等を踏まえまして更に準備を進めていきたいと考えております。

山本順三自由民主党

○山本順三君 その成果を踏まえてこれからアフリカ外交が前進することを期待するところでありますけれども、実は私もTICADⅣあるいはTICADⅤにもずっと参加をさせていただきましたけれども、非常に印象的な違いがございました。TICADⅣのときには、各国首脳が様々なインフラ整備、道路とか橋梁とか港湾とか、もろもろの要望というものをODAに絡んでアピールされておったというふうに思いましたけれども、今回TICADⅤでは、そういった要望ではなくて、いわゆる自国の資源を今後どういうふうに活用していって、そのことが自分の国の雇用の創出であったり産業の活性化であったり、そういったものに寄与するためにどうしたらいいのか、そのために是非日本の民間の投資をお願いしたいという声が物すごく多かったように思います。  今後、日本のアフリカ外交の基本戦略はやはりその辺りを見据えた形になっていく。要は、国民の一人一人が幸せになるような方向付けをアフリカの首脳は考えていらっしゃるということでありますから、すなわちこれは日本とアフリカ諸国とがウイン・ウインの関係になっていくんだと。日本側もただ単に資源を目指すというだけではなくて、その国が豊かになるために努力をして、その結果として両方がいい形になる、そんな方向性を見出していかなければならないと思いました。  実は、私も昨年二度ほどアフリカに参りました。特に愛媛県とモザンビークは非常に近い関係にございまして、これを紹介したいのですが、残り三分ですから紹介できませんけれども、そんな関係もございまして、特に総理はモザンビークの首都のマプートだけだったと思いますが、我々は、北部のテテ州であったり、あるいはナンプラ州に行ってまいりました。特にテテ州では石炭をまさに露天掘りしておるというような、想像を絶するようなすさまじい光景でございまして、百両、将来は二百両の列車でそれをナカラ港まで運ぶ。ナカラ港には今回七百億の予算を付けていただいて、その整備をしていただくということを、総理、お約束をいただきまして、我々も非常にうれしく思っておりますけれども。  そのときにつくづくと感じたのは、露天掘りで石炭を掘る、そしてそれを掘り尽くしたらまた鉱区を変えるわけでありますが、その後、そこはどうなっていくんだろうか、環境問題どうなるんだろうか、あるいは雇用はどういうふうに変化していくんだろうか、こういうことを考えずにはいられないような、そういう状況がございました。バオバブの木が群生しておりましたけれども、神聖な木であるバオバブの木をこれ切り倒さなければならない、そういったことに対しての当然のごとく配慮もこれしていかなければならない。ちょうどそこは新日鉄住金が今後石炭の採掘をしていくということでございますけれども、そういったことを考えたときに、これ環境問題というのも当然のごとくアフリカの資源開発に対して日本側の支援のキーワードにもなってくるんだろう、こういうふうに思いました。  そこで、総理にお伺いしたいと思いますけれども、これからのアフリカ外交、基本的な戦略というものをしっかり構えて、そして友好関係を更に築いていかなければならない、このように思っておりますけれども、どういう戦略で対応していかれるのか、その基本的なお考えをお示しいただきたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今までアフリカに対しまして、山本委員、何回も訪問をされて関係を厚くしてこられたこと、改めて敬意を表したいと、このように思います。  今まさに山本委員がおっしゃったとおりでありまして、かつてはインフラ整備等のODA一本で来たわけでございますが、それぞれの国が安定してくる中において、まだまだもちろんインフラ整備も必要でありますからODAを今後とも続けていく必要はあるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、同時に経済成長著しい国々も出てきたわけでございまして、その中において自国の資源を有効に活用したい、人材の育成、そして職場の労働倫理の向上、そして環境に配慮された技術移転、そしてそれとともに雇用の創出を行っていきたい。  そういう中において、日本の企業こそそうしたニーズに応えることができるのではないかという強い期待があるわけでございまして、こうした期待に私たちは応えていかなければならないと、このように思っているところでございまして、我が国としては、アフリカの急速な経済成長を背景に日本の企業の進出意欲も高まっている中で、アフリカ諸国と日本企業の要望を踏まえて、インフラ整備や人材育成を始めとする日本の強みを生かした日本ならではの貢献を通じてウイン・ウインの関係を築いていきたいと、このように考えております。  昨年の六月のTICADⅤで表明した支援策を今後着実に実行しながら、官民連携をしてアフリカの質の高い成長に貢献をしていきたいと、このように考えております。

山本順三自由民主党

○山本順三君 ありがとうございました。  もう時間がございません。最後に、本当は地方再生についてのお話をしたかった。特に地方の住んでいる皆さん方の安心、安全をいかにして守るか、そういった意味では国土強靱化というのは非常に大事な政策だと思っておりますが、自民党のばらまき政治が始まったとか、あるいはまた相変わらず無駄なことをやっているというような安易な批判があるんですけれども、とてもとてもそんなものではない。地方に住んでみたら分かるんですね、命を守るために何をすべきか。当然のごとく、積み上げていったら二百兆や三百兆じゃ済まないかも分からない、そのぐらいの私は気持ちを持っています。  したがって、是非そういった観点で、強い意思を持って国土強靱化に向けての対応をしていただきたいし、農林水産業の振興もしていただきたい、これはもう要望だけで終わりたいと思いますけれども、今後ともよろしくお願い申し上げて、私の質問を終わります。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 以上で山本順三君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 次に、西田昌司君の質疑を行います。西田昌司君。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 自民党の西田昌司でございます。  総理、一年ぶりの予算委員会でございます。よろしくお願いします。  安倍内閣ができまして、間違いなく経済はデフレ脱却の方向に向いていると、これはもう安倍総理の功績であることには間違いないと思うんです。しかし、ここに来まして幾つかの懸念事項があるのも私は事実だと思います。そこで、実は昨年、ちょっと宣伝になりますが、(資料提示)「総理への直言」という本を出しまして、総理にもお渡ししましたけれども、アベノミクス、それからいろんなことについての懸念事項を私がまとめたんですが、今日はその辺のところを率直にお伺いしたいと思います。  まず、デフレ脱却ということなんですが、アベノミクスの目的と成果、この時点でどのように考えておられるか、総理のお話を聞きたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私も、その本、さっと拝見させていただきました。日頃既に西田委員の主張は私よく承知をしておりますので、改めておさらいをさせていただいたところでございますが。  アベノミクスの目的は何かということでございますが、一九九八年以来続いているデフレから脱却をして力強く経済を成長させていくことであります。経済の成長というのは、まさに国民の富を増やしていくということにほかならないわけであります。大切な社会保障制度を維持をしていくためには、その財政基盤を強化をしていく必要があります。そのためには成長が必要であります。  そして、国が豊かになるということは、国民の生活が向上していくということにつながっていくわけでありますし、次の世代にその富を引き渡すことも可能になっていく、これが目的でございまして、そしてその成果ということでありますが、成果としては、二〇一二年の十月から十二月期と二〇一三年十月―十二月期のGDPの水準を比べますと二・七%成長しているわけでございます。そして、長らく名目GDP、五百兆円を切ってずっと下がってきたわけでありますが、再び五百兆円が視野に入ってきたところであります。  また、大切な雇用についてでありますが、リーマン・ショック後、〇・四二倍まで落ちていた有効求人倍率が一・〇四倍まで上昇したわけでございまして、一人の求職者に対して一人分以上の職があるという状況をつくり出すことができたと思います。  また、中小企業の景況感におきましても、全てプラスに昨年の十二月転じたわけでございます。  また、倒産件数でございますが、二十二年ぶりの低水準となったわけでございまして、全ての企業を、大企業も含めますと十五か月連続で倒産件数は減っております。中小企業だけに限ってもこの直近の六か月連続で倒産件数は減っているわけでございますので、着実に景気回復は広がりつつあるわけでありますが、今後さらに、賃金上昇へと企業の収益改善をつなげながら、この景気回復を全国津々浦々の皆様の手にお届けすることが更なる使命であると、このように考えております。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 今お話のありましたように、数々の指標でいい方向に出ているということは事実だと思うんです。  そこで、三本の矢と言われていますけれども、総理はこの三本の矢のうちどれが一番効果があったとお思いでしょう。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これについては、西田委員の御議論はよく私も承知をしておりますが、まず一本目の矢でありますが、大胆な金融緩和、これはデフレマインドを払拭をすると、そして、実際にそれは株式市場あるいは為替にも影響を与えただろうと、このように思います。  そして、どれがというのは難しいんですが、三本が一体となってやっぱりこの私たちの政策であります。  二本目の矢も、これはいよいよ経済が良くなっていくと、需要をつくっていくわけでありますから、地方にこの景気回復の実感を広げていく上においては確かに効果がありましたし、一本目の矢と合わせて、相まってデフレマインドを払拭することに大きな力を発揮をしていると。  そして、これからは三本目の矢についてしっかりと力を入れていくことによって今後この景気回復が続いていくということに、持続可能な景気回復につながっていくんだろうと、このように思っております。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 総理はそういう御答弁だと思うんです。当然です。ただ、私は、やっぱり二本目の矢が一番効果があって、財政主導で、金融の方はフォローでやっていくのがこの経済、デフレからの脱却、一番大事なことだと思うんです。  それで、今日は日銀総裁にお伺いしたいんですが、大胆な金融緩和でマネタリーベースがどんどん安倍内閣から増えていますが、肝腎のマネーサプライですね、銀行から貸出額、これはどのようになったんでしょう。お答えください。

黒田東彦日本銀行総裁

○参考人(黒田東彦君) マネタリーベースとマネーストックについて、安倍政権が発足した二〇一二年の十二月からこの一月までの増加額を平残ベースで申し上げますと、マネタリーベースが六十八兆円、マネーストックのM2が三十九兆円、これだけ増えております。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 マネーサプライは。

黒田東彦日本銀行総裁

○参考人(黒田東彦君) マネーサプライあるいはマネーストックと言います。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 要するに、マネタリーベースの方はかなり増えていますが、もちろんマネーサプライも減ってはいません、増えているんですけれども、割合はそれほど大きく増えていないというのが現実だと思うんですね。ということは、マネーサプライが増えない限り、民間投資、第三の矢というのは効かないわけですね。GDPにはその分が貢献できていないということじゃないでしょうか、黒田総裁。

黒田東彦日本銀行総裁

○参考人(黒田東彦君) 御案内のように、マネタリーベースは、民間銀行が日本銀行に保有する当座預金の残高と市中に流通している銀行券などの現金の合計を言っているわけでございます。先ほど申し上げたように、量的・質的金融緩和の下で日本銀行が民間銀行から大量に国債を買い入れますので、その代金として民間銀行の日銀当座預金残高がどんどん増加しているということでマネタリーベースが大量に増えているわけでございます。  一方、マネーサプライあるいはマネーストックというのは、個人や企業が保有している現金とそれから銀行預金の合計でございますので、民間銀行が企業や個人に貸し出しますと、それが預金となってマネーサプライ、マネーストックが増えるということになっておりますので、マネーストックの伸びは、基本的に銀行の貸出し姿勢あるいは個人、企業の資金需要に影響されるということで、マネタリーベースとマネーサプライとは一対一で対応しているわけにはいかないわけですが、ただ、量的・質的金融緩和の下で大量のマネタリーベースを増加させて、そうしますと、銀行が貸出しを増加しやすい環境をつくり出しているということでございます。  実際、銀行貸出しは中小企業を含めて伸びておりまして、その結果、マネーサプライの伸び率もこの一月には四・四%となっておりまして、これは一九九八年以来の高い伸びになっております。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 確かに、今おっしゃっているように、減ってはいないんですね。だから、増えてはいるんですけれども、私は申し上げたいのは、これがマネタリーベースの方ばかりがどんどん伸びてくると結局は円安ということに今なっています。これは、それなりに円高でありましたから有り難いことではありますけれども、行き過ぎますと、いわゆる円キャリートレードですよね。これ、かつてありました、海外にどんどんどんどん出ちゃって、それが世界のバブルをつくってしまったということになりかねないわけですが、今そういう傾向が出てきていることはないでしょうか。

黒田東彦日本銀行総裁

○参考人(黒田東彦君) 御指摘のように、円キャリートレードというのは金利の低い通貨で資金を調達しまして金利の高い通貨建ての資産で運用して収益を得るという取引でございまして、一般的にはこういうキャリートレードといいますのは、金利差が大きい、あるいは為替が安定していないとそういうトレードに基づく利益は確定しないわけですので、金利差が大きくて為替が安定していますと非常に増加するという傾向がございます。  この点、内外金利差でいいますと、確かに量的・質的金融緩和の下で円金利を低位に保つようにやっておりますし、一方、欧米や新興国では金利が上がっておりますので、そちらの方に円キャリートレードを増加させるように働くモメンタムがあることは事実でございます。ただ、為替の方は、御承知のように輸出入企業とか内外投資家のいろんな取引が行われておりますので、円キャリートレードだけを取り上げてこのぐらいになっているとか増えているということを量的に申し上げることは非常に難しいと思います。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 今総裁もおっしゃいましたように、これ余りやるとそういうキャリートレードの可能性が出てくるという懸念があるんですから、これやっぱり気を付けていただかなければならないんです。  そこで、総裁にまたお聞きしますが、日銀当座預金、本来は当座預金というのは金利が付きません。ところが今、日銀当座預金に〇・一%の利息を付けておりますね。これはどういう理由で付けているんでしょう。

黒田東彦日本銀行総裁

○参考人(黒田東彦君) 強力な金融緩和を進めるという場合には、もちろん短期金利をできるだけ下げるということが重要でございます。一方、短期金利が余りゼロに近づきますと、運用してもほとんど利益が得られませんので、市場におけるその短期の金融取引が減少してしまいまして、そうしますと、必要なときに市場関係者が資金調達ができなくなるという可能性もあり得るわけでございます。  こうした面を勘案いたしまして、量的・質的金融緩和の下では、金利面で市場取引を行うための最小限度のインセンティブを残しておくという観点から〇・一%という金利を付けておるわけでございます。  御承知のように、海外においても英国あるいは米国なども大胆な量的緩和を進めてきたわけですが、その下でも同様の制度を取っているというふうに承知しております。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 これ、海外でもされていると言われているんですけれども、これ基本的に、この金融政策が実は世界的にもう破綻しかけてきているということの私は表れだと思うんですね。  といいますのは、普通、民間銀行が当座預金に預け入れましても、当然金利付きません。今や定期預金に預けても、それだけ付いていないんですよ。ところが、日銀当座預金、つまり国債をどんどんどんどん買い入れて、そして日銀が金融緩和します、それは必要な政策なんですが、それをやるためにかなりの無理をしているということなんですよ。そして、その結果、二百兆円、これからマネタリーベースを増やしていくということになりますから、二百兆円に〇・一%の金利を付けると幾らですか、これ。二千億円ですよ。つまり、二千億円を民間銀行に補助金であげていると同じ意味なんですよ、これ。ところが、民間銀行に預けている皆さん方は一円の利息も、一%も付いていませんよ、これは。  つまり、これ金融政策としてかなり無理を世界的にしてきていると。つまり、世界的にデフレになってきて、金融政策が効きにくい、こういう状況を示しているわけなんですね。だからこそ、私は財政出動が必要だと思うんです。  この状況につきまして、日銀総裁、私はかなり、やっておられることはもちろん賛成なんですけれども、かなりやっぱり限界に近づいてきているということじゃないでしょうか。

黒田東彦日本銀行総裁

○参考人(黒田東彦君) 日本銀行が、ゼロ金利政策あるいは量的緩和、さらに、その後包括緩和、そして現在の量的・質的金融緩和といった俗に非伝統的金融政策というものを取ってまいりましたのは、デフレの下で短期金利がほとんどゼロに近づく中で、短期金利の操作による伝統的な金融政策の余地がほとんどなくなってきたという下で行われているわけでございます。欧米の場合も短期金利がゼロに、ディスインフレの下でゼロに近づいているということで量的緩和をしていると。  そういった意味では、伝統的な金融政策の余地はないと。したがって、非伝統的な、やや異例の金融政策を日本のみならず欧米がやっているということはそのとおりだと思いますが、ただ、非伝統的金融政策であるからといって、金融システムとかその他に不測の影響を及ぼすようなことがあってはならないというふうに思っておりまして、そういったことも勘案しながら、二%の物価安定目標をできるだけ早期に実現すべく頑張ってまいりたいというふうに思っております。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 今総裁おっしゃいましたように、要するに非伝統的、異例のこういう政策をやらなければならないほど金融政策だけではデフレ脱却できないということ。だから、まずやらなきゃならないのは財政出動なんですよね。そして、内需を増やしていくということなんです。  その中で、最近特に安倍総理がおっしゃっているのは、給料を上げてもらわなきゃいけないと、こういう発言を盛んにされております。非常に私は大事なことだと思うんですけれども、これは給料をなぜ上げなきゃならないんでしょう、総理。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この景気の好循環をつくっていく上においては、しっかりと消費を拡大をしていくことが必要であります。そのためには、と同時に、同時に、今私どもが進めている政策において、そもそもデフレから脱却をしていく二%の物価安定目標を設定をしているわけでございますが、この物価安定目標に向かって物価が安定的に上昇していく中において、やはり給料がそれに追い付いていかなければ消費は拡大をしないわけでございます。  そこで、その時差がある程度出てくるということもエコノミストの間では言われているわけでありますし、浜田先生もそうおっしゃっているわけでございますが、しかし、長い間続いてきたデフレマインドを払拭する上においては、なるべくその時差を短くして、いよいよこれはデフレから脱却できるんだなという中においてインフレ期待が起こってこなければならないわけでございまして、そのためにはやはり、四月から消費税が上がっていくわけでありますが、それに合わせて企業が中小企業も含めまして給与が上がっていくことによって、そして当然、給与が上がっていくことによって消費も増えていく、そしてそれは更に企業の収益の改善につながり、さらに更なる給与の上昇、そしてまた設備投資へと向かっていくのではないか、そのことによって景気の好循環を実現していきたいと、このように考えているところでございます。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 総理おっしゃるとおりだと思うんですね。やっぱり給料を上げていくのが大事だと思うんです。  そこで、ちょっと一番目、二番目のこの資料を見ていただきたいんですが、ここに書いてありますのは、これは政府が発表している資料から作ったんですけれども、要するに一九九八年以降ずっと日本はデフレだったと。そのデフレだったという意味は、要するに実質GDPは上がっていると言われていますけれども、要は名目GDPはずっと下がり続けてきていると。GDPデフレーターというその乖離がどんどん続いてきているわけですね。そして、続いてきているその金額がどれぐらいあるかといいますと、最終的には一七%ぐらい、まあ二割近く出ているわけですね。そうすると、五百兆円の二割というと百兆円の要するに需要不足があるのではないかということで、私は、この内需を拡大するために、これから申し上げますけれども、第二本目の矢をもっと出すべきだということを申し上げています。  それからもう一つ大事なことは、下の方の資料を見ていただきたいんですけれども、この人件費、今おっしゃった給料なんですね。この給料を見ていきますと、ずっと下がり続けてきています。雇用者報酬というのはずっと下がり続けてきているんですね。そして、その原因を見てまいりますと、下に非正規雇用の割合がずっと高くなってきています。そして、その結果何が起こったかといいますと、企業所得は増えたんですね。まあちょっとリーマン・ショックで減りましたけれどもね、赤いところですが、この企業所得が増えてきた。つまり、人件費が減って、その分企業所得が増えていると。じゃ、人件費減ったのは何かというと、非正規雇用の割合が増えてきたという、これはっきりとしたエビデンスがあるわけなんですよね。だから、ここのところをしっかり見なきゃいけないと。  それからもう一つ、一番上の段が設備投資なんですが、これも減税をこの間してきています、消費税導入したときとか上げたときとかに。しかし、減税しても設備投資は伸びなかったんですね。ずっと横ばい、若しくはリーマン・ショック以降ずっと落ちちゃっていますね、一番上のラインです。ですから、この辺のまず事実を御確認をしていただきたいんです。  その上で、私は、なぜ、じゃこういうことになってきたのかということをお話しさせていただきたいんですが、これはまず総理にお伺いしたいんですけれども、かつて、この小泉内閣のときには、いわゆるイザナギ以来の景気回復をして成長していたんだと言われていましたけれども、今見ますと、完全にこれは名目GDPは落ち続けて、デフレーターもどんどん下がり続けてデフレだったと思うんですけれども、小泉時代はこれは経済成長していたと今の時点でお考えなさっているでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この小泉政権においては、名目については確かに成長していたわけで、あっ、名目ではなく実質においてですね、成長していたわけでございますし、競争力も付いてきたんだろうと、こう思うわけでありまして、小泉政権が誕生した段階は、まさに金融危機の中からやっと回復しつつある中にありまして、不良債権の処理もしなければいけないという大変厳しい状況の中においては、私は成果を上げたんだろうと、このように思うわけでございます。  しかしながら、名目が追い付かなかった。これは、日本銀行だけのせいにするつもりはございませんが、なかなか金融政策とうまく調和することができなかったということも、その名目成長が十分に確保できなかったということ、デフレから脱却できなかったことの理由の一つではないかと、このように考えております。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 まず、私ちょっと事務方に聞きたいんですけれども、小泉政権もそうですけれども、その前の橋本政権のときから、言わばバブルが終わってからずっといわゆる構造改革路線をやってきているんですね。そういう改革、どういう改革を大体そもそもやってきたのか、それをちょっと説明してください。

豊田欣吾内閣府大臣官房審議官

○政府参考人(豊田欣吾君) 平成八年に発足いたしました橋本内閣におきましては、変革と創造という基本理念の下、行政改革、財政構造改革、社会保障構造改革、経済構造改革、金融システム改革、教育改革という六つの改革が一体的に推進されました。具体的には、規制緩和、地方や民間への業務、権限の委譲、歳出全般についての聖域のない見直しといった取組が進められたところでございます。  また、平成十三年に発足いたしました小泉内閣におきましては、改革なくして成長なし、民間にできることは民間に、地方にできることは地方にという基本理念の下、金融、規制、税制、歳出にわたる構造改革が進められました。具体的には、不良債権の抜本的解決と産業の再生を図るとともに、規制改革、構造改革特区の推進、郵政民営化、地域の活性化、歳出歳入一体改革等が進められたところでございます。  このように、これらの内閣におきましては、活力ある経済社会を創造するため、その時々の経済財政状況に応じまして様々な政策が講じられてきたものと承知しております。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 それで、今の安倍内閣で成長戦略といいましょうか、どういう方向の改革されているのか、これは甘利大臣、お願いします。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) そもそも、アベノミクスってコンビネーションだと思うんですね。一番の元凶はデフレがあったと。デフレというのは、お金は使わない方が価値が上がるという社会現象です。お金は必要なものは今使った方がいいよというふうに変えた方がいいと。それで、大胆な金融緩和をして、物価は二%を目指して上げていきますと。事実、資金供給量が増えるわけですから、物とお金の関係は逆転をしてくるわけであります。  あわせて、間髪を入れずに需給ギャップを埋めていくという政策を財政出動でいたしました。しかし、財政出動に頼っていると、一方で調達する資金がやがて赤字国債になります。そうすると、国債の金利に跳ね返ります。だから、できるだけ早く国のお金に頼らない、民間のお金を導入していくという仕組みが必要です。これが成長戦略であります。このコンビネーションで進めていくと。  その際には、市中のお金が市場に出やすくする環境整備をしていく。そのために障害となっていく規制を外していく。そして、企業の、投資する側にとってみれば、こういうものが外れていけばすぐ投資するのにと。あるいは、日本が抱えている社会的な課題、これを解決すれば、そのソリューションはやがて同じような課題を迎える国に対して丸ごとパッケージで輸出もできるじゃないかと。  そういう視点に立って三者を一体的に今動かしているところでありますし、実行していくための計画を具体的に推進していくと、改善するための計画も検討していくという作業工程であります。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 余りよくは、なかなか皆さん分かりにくかったと思うんですけれども、基本的に規制緩和、それから、そこから民間が投資をしてくれる成長戦略、こうおっしゃっているんですが、こういうことはずっと実は九八年以降、私はやってきたと思っているんです。そして、今のアベノミクスとの違いは、決定的違いは、これずっと緊縮財政だったんですよ。ところが、今回は安倍内閣の下では積極財政をされたと。これが一番大きな話で、私は、積極財政なしでいわゆる規制緩和だけでやっていきましたり、金融緩和だけでやっていきますと、結局はこれは円キャリートレードになったり、外にお金が回ってしまう、そして国内の需要が減ってしまう、そういうことになると思うんです。  ですから、まず今回の一番大事なのは、小泉改革の二の舞になってはならない、アベノミクスは絶対にここをしっかりしていただきたい。そのための一番の鍵は、私は財政出動にあると思っているんです。ですから、財政出動をしなければならないんですが、そしてこのことも実は非常に政府の資料でよく出ているんですね。  まず、事務方にこれ聞きたいんですが、三番のその資料を出してください。平成二十六年度の政府の財政見通しの概要、これについてちょっと説明してください。

中村昭裕内閣府大臣官房審議官

○政府参考人(中村昭裕君) こちらの資料でございますけれども、平成二十六年度政府経済見通しの概要でございまして、一月の二十四日に閣議決定をされたものでございます。この資料の折れ線、これが実質の成長率、それから棒グラフが民需、公需、外需の寄与度をそれぞれ示しているものでございます。  このうち、平成二十五年度、右から二番目でございますけれども、ここにつきましては、各種政策の効果が下支えする中で景気の回復基調が続くということが期待をされます。この結果として、実質の成長率が二・六%というふうに見込んでいるところでございます。  それから、平成二十六年度、一番右側でございますけれども、につきましては、消費税率の引上げに伴います駆け込み需要の反動減、これには留意が必要でございますけれども、好循環実現のための経済対策あるいは政労使の共通認識に基づく取組など各種政策の推進等によりまして、年度を通して見れば前年度に続いて堅調な内需に支えられた景気回復が続くと、経済の好循環が徐々に実現していくというふうに考えてございます。この結果といたしまして、実質成長率は一・四%程度というふうに見込んでいるところでございます。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 この今の説明が、私ちょっと信じ難いんですよ。  つまり、二・六%今年は成長すると。来年は一・四なんですよ。もちろん零じゃない、プラスですよ。しかし、普通の人間にとりまして、成長してきたのが、それががくっと落ちるわけですよ。何で落ちるかというと、消費税のギャップなんですね、これは。しかも、今年が何で成長してきたかというと、まさに公共事業で一%どんと上がっているわけですよ。だったら、消費税で落ちるのが分かっているんですから、ここで消費税の分をもっと公共事業など内需拡大策を打つべきなんですよ。  何でこれを今回の予算でやっていないのか、これが一番の私は問題だと思うんですが、いかがでしょうか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 基本的に、小泉内閣との比較でお話を進められたい意図のようにお見受けしますので、その前提で、基本的に小泉内閣と安倍内閣の一番の違いは、小泉内閣のときも日本銀行は二十兆、三十兆と結構金は、日銀券は刷ったんですよ。したがって、先ほどの言葉を借りれば、日銀の口座には各銀行の膨大な金がマネタリーベースとして出たわけです。問題は、それから先の市中にマネーサプライとして金が散らなかったというところが問題だと、そこが一番の違いだと、多分そう言われたいと。易しくしゃべるとこういうことになります。  その問題点を解決するためには、いわゆるGDPが伸びないと少なくとも銀行から金を借りるという人がいないということです。GDPを伸ばすということは基本的に三つです。個人消費が伸びるか、民間の設備投資が伸びるか、政府の政府支出が伸びるか、ほかにも純輸出とかいろいろありますけれども、大きく分けてこの三つです。この三つのうち二つ止まっておりました。この十数年間の間止まっておりましたので、これを動かすためには、アベノミクスとしては、どう考えても政府支出を先頭切って動かさない限りは、これはとてもではないけれども残り二つが動くわけがありませんからということで、この数字に上がってきたというのがこれの結果でありまして、したがいまして、私どもとしてはこれに合わせて、これはある程度予想ですから外れるかもしれませんけれども、この方向でいくであろうと私どもは期待をいたしております。  一番私どもが、私、財務省として期待よりいい方向に動いたなと思ったのは、いわゆる個人消費というものが、我々は、なかなかデフレに固まった気持ちが緩んで金を使おうという気にさせるというためには、これは民間の消費、個人消費が増えるというところが一番の問題だと思っておりましたが、何となく長い間買い控えをしておられた反動もあったでしょうし、インフレになるという予想もあったんだと思って一挙に金が出始めた。しかも、高級品から売れ始めたというのは、その数字ははっきりさせていると思いますけれども。  したがいまして、我々としては、これは成功したんですが、同時に考えておかないけませんのは、自公民三党で消費税を上げるということで、政府としてはきちっと財政もちゃんと考えているということを、国際的にそれを言わなければなりません、それは日本の国家の信用にも関わりますので。  それをやるということを三党合意で決めたというのは、これは民主党政権のやった中の成果としては最も高く評価されてしかるべきところだと、私どもそう思っていますし、野党も賛成してこれをやったわけですから。世界中これをやった国はないので、日本の民主主義の成熟度合いが他国に比べてはるかに進んでいたと、堂々と後世、歴史に語って構わぬところだと、私はそれぐらいに思っていますけれども。  是非その意味で、今回上げさせていただきますのでその分だけ民需が減る、四―六減るであろうと、それをどれぐらい抑えるかというところで私どもとしては補正予算を組まさせていただいて、今私どもは、これほど落ちずに進めるような形になるのではないか、これはちょっと少々期待も入っていますけれども、その方向で事を動かしてまいりたいと考えております。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 是非そういう思いで、足らない場合はまたもっと追加の補正をやってでもやっぱり景気の下支えを、これははっきりGDPに効果があるのは公共って出ているんですからやっていただきたい。  ところが、ちょっと問題は、下の図を見ていただきたいんですね。  この間、二十一世紀になりましてから公共事業はどんどん減らしているんですけれども、何で減らしてきたかと。これははっきりしていまして、内閣府が出しているこの資料、これは一番下のやつなんですが、公共事業をやってもGDP伸びないんですね、大して。ところが、ほかのマクロ経済モデル、これは民間が使っているやつでも全部どんどん伸びることになっているんですよ。何でこうなっているのかということを私はちょっと聞きたいんですね。  このマクロ経済モデルが二〇〇一年に変更されたというふうに聞くんですが、これはどういう経緯で、どの内閣のどの大臣のときにこういうことになったのか、ちょっと説明してください。

豊田欣吾内閣府大臣官房審議官

○政府参考人(豊田欣吾君) 現在、内閣府が中期展望作業の際に使用しております経済財政モデルでございますけれども、中央省庁再編に伴って設置されました経済財政諮問会議等における政策の審議、検討に寄与することを目的として開発され、二〇〇一年十一月に公表されたものであります。それまでの中期分析用の計量モデルに対しまして、マクロ経済、国及び地方の財政、社会保障が一体となって構築されているという特徴を有するものでございます。  この経済財政モデルでございますが、公表した時点の内閣は小泉内閣でございまして、そのときの担当大臣は竹中大臣でございました。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 まあそういうことなんですよ。  これはつまり何かといいますと、これは、大事なのは、経済、財政を一体化させると言っているんですよ。これは何のために作ったかというと、要するにIMFモデルなんですね。IMFが、国際通貨基金が、アジアの金融、この熱くなったのが一挙に破裂したと、それを立て直すときにできるだけ政府予算を小さくする、そのために作ったのがこのモデルですよ。  要するに、それはインフレからの脱却のためのモデルなんですよ。インフレからの脱却のモデルを今、日本で使うとデフレになるのは当たり前じゃないですか、これ。麻生大臣、うなずいておられます。これ、変えるべきじゃないですか、どうですか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 固有名詞が出ると甚だ答弁がしにくいので、控えめに。  基本的に、西田先生、やっぱりさきの戦争、一九四五年で負けてこの方、日本も数々、六十八年間の間に不況をやりましたけれども、いずれもインフレ下で不況だったので、デフレーションで不況をやった経験は日本にはありません。多分、世界百九十三か国、一か国もデフレーションによる不況をやった経験のある国はないと存じます。  したがって、我々は、日銀も対応を間違えたし、竹中平蔵先生に限らず、これはもう大蔵省も、財務省もとにかく全部対応を間違えた、インフレ下の不況しかやったことなかったから。したがって、それは素直に反省をして、その上に立って、これはデフレーションなんだと。したがって、デフレーションをやった経験は我々にはありませんから、となると歴史に学ぶ以外にほかに方法はありません。  歴史はやっぱり一九三一年末の、あれは犬養毅内閣のときの高橋是清大蔵大臣のときが多分、デフレ対策ということを正面切ってやって二年半でデフレからの脱却に成功し、ウォール・ストリート・ジャーナルに今次不況を世界最初に脱出、日本が最初に脱出に成功せりと書かせしめたほどの成功だったと思いますので、我々が学ぶ歴史は多分これだと思いますので、アベノミクスは基本的には高橋是清のあのデフレ対策というのを一つの範として我々は対応すべきなんであって、インフレと全然違う状況で対応せねばならぬというちょっと覚悟を我々はする結果、異次元とか、これまでの伝統に非伝統的とかいう表現にならざるを得ないというのが多分その背景だと存じます。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 今の麻生財務大臣のお話、そのとおりだと思うんですよ。ですから、このモデルを、マクロ経済モデルを元に戻すべきじゃないかということを申し上げているんです。  この間違った指標では正しい政策ができないんじゃないですか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) それまで経済企画庁というのが経済モデルといいますか作っておりまして、内閣府になって何が変わったかというと、経済、財政、それから社会保障も含めてです。  やっぱり、経済モデルを作るときに財政の状況にどう跳ね返るか。例えば、公共事業でも公共事業を出すだけの財政余力があれば、それは財政への負担といいますか、それは国債への信用ということと無関係なんでしょうけれども、しかし財政余力がない場合には発行する国債の信用をどう保つかということと密接に関連していきます。そこは、だから財政再建をしっかりやらないと、景気は良くはなりました、金利支払はべらぼうに増えました、これでは持続性がないわけですね。  そこで、総合的に判断するという視点は実は大事なんだと思います。諮問会議、竹中大臣が就任した後、諮問会議ができたんじゃなくて、諮問会議がつくられた後、竹中大臣が就任されたというふうに承知をいたしておりますから、総合的な勘案をしながら経済財政運営を図っていくというのが諮問会議の発想の原点でありますし、そこは安倍内閣といえども、経済、財政、社会保障、三方にしっかり目配り、気配りをしながらベストなモデルを作っていくということであろうと思います。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 いや、そこがちょっと違うんですね。だから、私、諮問会議がそもそも間違っているという意見なんですよ。彼らがやった指標でやってデフレになったんじゃないんですか。今もデフレをつくるような指標でやっていると、これがおかしいんじゃないかということなんですが、どうですか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 現在の諮問会議の下でも、日銀との連携はしっかりしているわけであります。  そして、日銀は異次元の金融政策を取りました。それは何かといいますと、今までマネタリーベースを増やしてもマネーサプライには関係なかったと、これが常識だったと思います。実は、私も入閣する以前はそういう考え方でありました。しかし、事実として、マネタリーベースを増やして、つまり、粗っぽく言えば、中央銀行から市中銀行にお金を渡した、それがそこにとどまっているという従来の常識が、実はその市中銀行からしみ出して市中にお金が流れているのは事実なんであります。そして、そういう決意を示すことによって景色が変わって、これからは必要なお金は使った方がいいというマインドに変わりつつあるということは事実ですから、従来の言われていた常識が少し変わってきているのは事実だと思います。  そういう中で、財政政策、経済政策、そして社会保障、もちろんこれには金融政策も絡んでくると思います。これをしっかりコンビネーションを取りながら最大公約数を取っていくということで、今経済財政運営をさせていただいております。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 何かちょっと分からなくなってくるんですが、要するに、事実としてこの指標が間違っているということを私は認識していただきたいです。  そこで、今度はもう一度総理に聞きますが、法人税減税というのが最近よく言われるんですね。私、給料上げるのは意味分かるんですけど、法人税減税して何がいいことあるんでしょう。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさにこの法人税の課税の在り方については、日本の経済の活性化の観点から産業構造も含めた大きな議論を行って、グローバル経済の中での競争等も考えながら検討していくことが重要だろうと、このように思います。  この法人税の議論には様々な議論があるわけでございますが、言わば日本の企業もグローバルな競争にさらされているわけでございまして、そのグローバルな競争の中において勝ち抜いていかなければ日本で雇用を維持することができないということになると。そういう観点からも、またあるいは起業する、企業を起こしていく場合につきましても、これはグローバルな中における経営者の判断にもつながっていくということもあります。その意味で活性化ということを申し上げたわけでございます。また、企業も公的な存在としてその社会的な費用を負担をするというのも、これは当然のことでございます。  そうしたことを勘案しながら、本年、更なる法人税改革に着手することといたしまして、今後、政府税制調査会において専門的な観点から、法人実効税率の在り方、課税ベースの在り方、政策効果の検証、これ大変大切だと思いますが、政策効果の検証を行い、他の税目との関係などについて検討を行っていく考えであります。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 今総理はグローバルという話で、要するに海外と競争していくときに高かったら出ていっちゃうよと、こういう話をおっしゃっているんですが、そこで七番の資料をちょっと見ていただきたいんですが、これ、ジェトロのアンケート調査なんですよ。これについてちょっと説明してください。

鈴木英夫経済産業省通商政策局長

○政府参考人(鈴木英夫君) 御説明申し上げます。  本調査は、ジェトロが二〇一三年一月に実施をいたしました二〇一二年度日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査でございまして、回答企業の八割が海外事業の維持拡大を図ると回答しておりまして、同時に九割の企業が国内事業の維持拡大を図ると回答をしておりますので、国内事業、海外事業とも拡大するという答えになっています。その中で、本調査につきましては、特に海外事業の拡大を図ると答えた六割の企業にその拡大の理由を聞いた結果でございます。  したがいまして、本設問は、国内事業を海外にシフトさせるためのいわゆる空洞化の理由を聞いているものではなくて、海外事業の拡大を決めている企業にその理由を問うたものでございまして、具体的には、このお示しいただいている資料のとおり、海外での需要の増加を挙げた企業が七四%で最も多くなっておりまして、次いで国内での需要の減少が五五%、国内法人税等の税負担が重いことを海外での事業拡大の理由として答えた企業は四%であったと承知しております。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 それともう一つは、この五番、六番の表を見てください。法人税の税収と、それから景気に関係あるんですけれども、要するに法人税下げたらどうなるのかと、これがデータありますので、ちょっと主税局長、説明してください。

田中一穂財務省主税局長

○政府参考人(田中一穂君) お答えをいたします。  先生の配付になられました五番の利益剰余金と人件費の推移という表を御覧いただきたいと思いますが、最近の法人税率の引下げは二十四年度に一番直近のものが行われておりますが、それでは前後の比較ができないということで、この九八年、九九年の法人税率の引下げ、すなわち三七・五%から二回の引下げで三〇%に法人税率を引き下げたわけでございますが、これを挟んで人件費等についての推移を見ますと、まず人件費につきましては、平成九年度の、これ数字が入っておりませんが、二百四兆円から平成十二年度二百三兆円となりまして、ほぼその後横ばいというふうなのが見て取れると思います。それから有形固定資産につきましては、平成九年度四百八十六兆から平成十二年度四百八十二兆に若干減少いたしまして、その後も減少傾向にあるのではないかなと思います。それから利益剰余金でございますが、平成九年度百四十三兆円から平成十二年度百九十四兆円に増加しまして、その後も増加傾向になっているというふうに見て取れると思います。  それから、六番の資料は、いわゆる内部留保・現預金、投資有価証券、借入金の推移ということでございますが、まず借入金は大幅に減少してきているということでございますが、一方で、内部留保、現金預金、有価証券は、それぞれ増加の程度は異なりますが、増加傾向にあるのではないかなという過去のデータとして分析をしております。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 役人の説明じゃなかなかよく分からないんですが、要するに、この資料を見たら一目瞭然なんですよ。要は、税金を、法人税率下げてこの有形資産、設備が増えたかというと、増えていない。そして、人件費も、これは増えていないんですよね。安倍総理が法人税下げるから増やしてくださいと、これはいいことですよ。いいことなんですけれども、なかなか今まで実際には伸びてこなかったという現実があるということなんですね。  そこで、ちょっと安倍総理に、これ普通考えたらどうなるかということを考えていただきたいんですが、法人税減税されると言っていますね。もう片っ方で、総理は、設備、この早期償却なり投資減税をするとおっしゃっているんです。私は、投資減税というのは物すごく大事だと思うんですよ。  例えば、こういうことですね。例えば、利益が一億円出ましたと。放っておきますと四割の税金で四千万払わなきゃなりませんとしましょう。そのときに、投資減税で、例えば一億円の機械を買ったら、装置を買ったら全額もう損金にしましょうと、これが投資減税ですね。そうすると、税金は一円も払わなくていい。そうすると、四千万税金払うか、それとも一億円の機械を買うかというと、一億円の機械を買っていただける可能性あるんですね。  ところが、投資減税はするんですけれども、法人税を例えば四千万払うところを二千万にしたとしましょう。そうすると、法人税は一億利益出ても二千万ですと。そうすると、機械を買えば、もちろん一億円の機械を買えば税金はゼロになりますが、減るのは二千万の税金減るだけなんですね。  どちらの方が、総理、インセンティブがあるとお考えになりますか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほどの法人税のこの推移等についてのグラフなんですが、確かにそういう推移は取っておりますが、これはデフレ下においてでありまして、そのデフレ下において名目GDPもこれは減少しているわけでございますから、その中における法人税の減税と、一方、言わばデフレからデフレではない状況、そして二%の物価安定目標に到達をした段階における企業の行動とはまた私は別になっていくんだろうということは申し上げておきたいと思いますが。  そこで、この法人税については、まさに今、西田委員がなされた議論をこれから党の税調、そして政府税調で行っていただきたいと、こう考えているわけでございまして、グローバルな競争の観点、あるいはまた、実際に設備投資をすればそれは税の恩典があるよと言えば設備投資の方にインセンティブが働くわけでありまして、実際にお金を使っていくと。せっかく法人税減税をしても、それが内部留保という形でたまっていたんではしようがないでしょうということであります。  ただ、実際、今回、復興特別法人税について、一年前倒しについて、これについては我々、我々も、余り評判のいい政策ではないわけでありますが、企業に、お願いベースではありますが、これは自由主義経済の国でありますから当然なんですが、お願いをする中において経営者の皆さんにも思い切って橋を渡っていただきたいと、こういうことを申し上げまして、だんだんこの橋を渡りつつあるのも事実であろうと、このように思います。  いずれにせよ、今、西田委員がおっしゃったような議論について、これからしっかりと政府・与党において議論をしていきたいと、このように思います。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 是非お願いしたいんです。  私は、最後に総理にこれお願いしたいのは、要するに、総理は、経済、財政、これを立て直す、これも大事なんですけれども、もう片っ方で、国の安全保障、外交、安全保障というのに本当に政治生命懸けてやられている。これも大変大事なんですね。しかし、はっきり申しまして、外交、安全保障はマスコミが、第一次安倍内閣でもそうですけれども、総理をバッシングする道具に使おう、使おうと思っているんですね。実際やっているんですよ。しかし、それでもなぜ総理の支持率が下がらないか。それは、経済がしっかり立て直しの路線に行っているからなんですよ。  ですから、私が申し上げたいのは、その総理の大きな志を遂げるためにも、まず目下の消費税、それからこの法人税の話は慎重にやっていただいて、デフレ脱却には一番は何といっても二番目の矢なんですよ。財政出動による需要創造、これが一番大事だということをお伝えして、是非その決意をもう一度聞かせていただきたい。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この委員会を通じて、なぜ二本目の矢が大切かということは西田委員からよく説明をしていただいたんだろうと、このように思います。言わば、今までデフレ経済下にあったわけでありまして、当然デフレギャップがあった。それを埋めていくということについては甘利大臣から御説明をいただきました。  と同時に、この二本目の矢においては、これは実際に需要を創出をしていくわけでありまして、これは東京だけではなくて、もちろん被災地そして全国に大切なインフラを造っていく。この大切なインフラというものは、借金だけが残るわけではなくて、大切な橋が残り、場合によっては命をつなぐ道路も残っていくわけでございます。そうしたものをしっかりと今こそ、これは金利が非常に低いわけでありますから、今こそそうしたインフラを整備をしていくということについては大きな意味もあるわけでありますし、この四月から消費税が上がっていく上において、五・五兆円、経済対策をまとめました。それは、この反動減を緩和をする、そして七月から今のこの軌道に戻れるようにするためであります。そうした状況に戻っていくことができるかどうかということをよく見極めながら経済運営をしていきたいと、このように考えております。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 ありがとうございました。  そういうことで、是非、インフラ整備、国土強靱化を始めとする財政出動をお願いしたいと思います。  そこで、手前みそな話になりますが、その国土強靱化で一番効果がある政策の一つである中央リニア新幹線についてお聞かせいただきたいと思うんです。  まず、鉄道局長の方から中央リニア新幹線が建設される経緯について御説明ください。

瀧口敬二国土交通省鉄道局長

○政府参考人(瀧口敬二君) 中央新幹線につきましては、全国新幹線鉄道整備法に基づき、昭和四十八年に基本計画が決定されております。その後、平成十九年にJR東海が自己負担で整備する意思を表明したことを踏まえまして、この法律に基づき、審議会での諮問と答申を受けまして、平成二十三年に建設主体、営業主体としてJR東海を指名をするとともに、リニア方式による整備計画の決定、そしてJR東海に対して建設の指示を行ったところでございます。現在は、JR東海が東京─名古屋間の環境影響評価の手続を進めているところでございます。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 今のお話にありましたように、平成二十三年に全国新幹線鉄道整備法で整備するということになったんですが、なぜJR東海になっているのか。これは元々国がやるべきものなんですが、JR東海がすることになった経緯をちょっと教えてください。

瀧口敬二国土交通省鉄道局長

○政府参考人(瀧口敬二君) この法律に基づきます審議会における審議の過程において、建設主体、営業主体についても議論がなされております。  審議会での議論の経過でございますが、JR東海が自己負担で整備を行う意思を表明したことを踏まえまして、東海道新幹線と一体的に経営されることが合理的であること、また、技術的な面に関しましてJR東海が超電導リニアの技術を持つこと、こういった二点の点を考えまして建設主体、営業主体として同社を指名することになったものでございます。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 西田先生、日銀総裁はよろしいですか。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 はい、どうぞ。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) じゃ、黒田日本銀行総裁は御退席いただいて結構でございます。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 今お話ありましたように、元々国の計画だったのが、国は金がない、JR東海は金持っていると、じゃ、やらせてやろうと、はっきり言えばこういう話なんですね。それはそれでいいんですけれども、やはりこれは民間事業者にさせる問題じゃなくて、そもそもやっぱり国土軸をつくる話は国が積極的に私は関与しなきゃならないと思うんですよ。  それで、そもそも中央リニア新幹線なんですけれども、これは九兆円ほど多分掛かるんだと思います、全線やりますとね。しかし、この中央リニア新幹線の話をしますと、片っ方で整備新幹線、この整備新幹線が七百億円ぐらいしか毎年付いていませんけれども、この予算がどんどん減らされるということになっちゃうから、中央リニア新幹線をやることに国費使うことに反対される方が結構多いんですよ。これがしみったれた議論なんですよ。  そもそも、先ほど言いましたように、アベノミクスの二本目の矢でどんどん公共事業をやっていかないかぬと言っているんですから、ここは財務大臣がもっと太っ腹でそれはもうやらなきゃいけないというぐらいの話を言っていただかなきゃならないんですが、そこができればこれは整備新幹線もできるんですが、その辺、どういうように財務大臣はお考えですか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) いろいろ御説があるんだと思いますが、少なくともこういったようなものは、後々施設として、インフラとしてきちんと後世に形が残るもの、加えて、物の流れ、人の流れ、情報の流れを促進するもの等々を考えますと、極めて投資効果の大きなものだということは私も理解をいたしております。  ただ、今、それと金との話になりますと、いわゆる利用率とかいうことを考えますと、今何となく福井で止めるとか金沢で止めるとかいろいろありますけれども、どうせなら、南海トラフをお考えになっておられる国土強靱化を言われるんだったら、少なくとも東海道側、太平洋側に一旦事が起きたときには向こう側をちゃんときちんと通して関西まで行けるような道路、国道というものを考えるのが国土強靱化をやる方たちの本来あるべき姿なんですよ。これを財務大臣から言われるのがおかしいんですよと、私は正直そう思っていますけどね。でも、立場上なかなか控えめに、これまで言ったことありませんので。  少なくとも、そういった考え方でなさらないと、地域のエゴにしか取られないのは甚だ残念に思います。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 いやいや、今大変太っ腹な発言出まして、是非、やっぱり財務大臣がそこまでお墨付きしていただいているんですから、これはアベノミクスの本当に二本目の矢、強力にするためにも、是非これは総理、お願いしたいんですけど、どうでしょう、整備新幹線。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 整備新幹線については、今考え方として財務大臣からお話をさせていただいて、財政的にどうするかということはまた更に検討していくということになるんだろうと思いますが、この新幹線については、言わばCO2との関係、温暖化との関係においても、大量に一度に短時間で輸送することが可能になるわけでございまして、排気ガスの問題もないわけでありますし、言わば環境に対する負荷もこれは非常に少ないということになると。そして、今おっしゃったように、いざというときのための大切な交通手段になるということ、つまり、地域の人々を守っていく上においても有効だろうと。  こうした観点からも整備新幹線を進めていく、まさにこれは地域のエゴではなくて日本全体のためにもなっていくということではないかと、このように思います。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 是非、積極的にこの整備を進めていただきたいんです。  その上で、私は中央リニアについてお聞きしたいんです。といいますのは、今はJR東海任せでやっていますから、東京から名古屋までを先にやって、あとはちょっと後でという話なんですね。しかし、これは同時開業しないと意味がない。しかも、東京オリンピックがもう目の前に来ている。それから、その後も東京、首都圏はどんどんどんどん大きくなっていく。  そういうことを考えましたときに、私は、この際考えなきゃならないのは、同時開業はもちろんですけれども、プラス成田―関空中央エクスプレスにすべきだと思うんですよ。つまり、成田から関空までつないじゃう。何が起こるかと。これ、すごいですよ。首都圏に空港が、成田、羽田だけじゃなくて、中部空港、関西空港、四つできちゃうわけですよ。しかも、それは一時間で全部首都圏に行っちゃいます。  今一番日本が困っているのは、まさにこの鉄道、それから高速道路、そしてさらには空港、これが本当は一体的に活用して国土軸をつくるんですよ。ところが、そういう話が全く出てきていない、これ、省庁分断されて。これやるのは総理が決断是非していただきたいんです。  しかも、この成田―関空エクスプレスにすると、もう一つ大事なことが出ます。それは何かというと、あの伊丹空港は要らなくなりますよ。もう完全に関空から関西圏まで十分で着いちゃいますからね。伊丹は要らなくなる。要らなくなると何が起こるかと。ここに首都機能を移転することができるんですよ。  今、首都直下型地震ということが言われていますね。じゃ、そのときにどうするんだと。これはもう喫緊の課題ですよ。これも一挙に解決できます。しかも、お金は幾ら掛かるのかというと、JR東海が六割、七割持つと言っているんですから、そもそもですよ、あとは政府がお金の出し方を麻生大臣に知恵を絞ってもらいながら出していけば、これはできちゃうんですよ。  是非、こうした大きな夢のある話を安倍内閣が掲げていただくことは大事だと思うんですけれども、この中央リニアエクスプレス、特に関空から成田までつなぐ、この新しい計画をやるためには政府がもう一度基本計画を考え直さなきゃいけないんですが、総理の是非御決断をいただきたいと思うんですが、いかがですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 一九六四年の東京オリンピックの際に、今のこの東京―大阪間、東海道新幹線が開通したわけでありまして、私も十歳でありましたが、胸がわくわくする思いでありました。  このリニア中央新幹線は、日本が誇る世界最先端の鉄道技術を用いるものでありまして、まさに夢のプロジェクトなんだろうと思います。この整備に関しては、今委員が提案をされましたように、成田空港と関西空港までを延伸をするという案もございますし、様々な御意見があるわけでございまして、現在建設主体である、現在のところ建設主体であるJR東海が、計画に沿って東京―大阪間で建設を進めるべく準備をしているものというふうに承知をしておりますが、政府としては、今後着実に事業が進んでいくように、来年度税制改正案において本事業に係る税制上の優遇措置を講ずるなど、できることはバックアップしていきたいと、このように考えております。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 是非夢のある政策をやっていただきたいと思います。  それで、最後に、JAL問題についてお聞きします。  これは、前の国会でも私聞きましたけれども、もう一度このJAL問題、航空局長にお聞かせいただきたいんですけれども、JALの再生の概要と、その結果、競争環境にかなりのゆがみを与えたんじゃないのかと思うんですよ。そのことについてちょっとお聞かせください。

田村明比古国土交通省航空局長

○政府参考人(田村明比古君) お答えいたします。  日本航空の再生につきましては、平成二十二年一月に企業再生支援機構が支援を決定するとともに、東京地方裁判所が会社更生手続の開始を決定し、その後、更生計画に沿って事業規模の縮小、人員削減等の再生に向けたコスト削減のほか、企業再生支援機構による出資、債権者による債権放棄、既存株式の一〇〇%減資、企業再生支援機構等によるつなぎ融資の供与などが行われたと承知しております。  平成二十三年三月には会社更生手続が終結し、平成二十四年九月には日本航空の株式が東京証券取引所に再上場し、機構が保有する全株式が売却されたことをもって機構による支援も完了したものと承知しております。  国土交通省といたしましては、再上場の決定を受け、日本航空に対する公的支援によって我が国航空会社間の競争環境が不適切にゆがめられることがないよう、平成二十四年八月に同社の再上場に先立ちまして、日本航空の企業再生への対応についてと、いわゆる八月十日ペーパーと言っておりますけれども、これを作成、公表したところでありまして、これに基づき、同社による新規投資、路線開設等を監視し、必要に応じ指導、助言していくこととしたところであります。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 まず、公取に聞きますが、このJALの再生には競争環境、非常に問題があったんじゃないですか。

杉本和行公正取引委員会委員長

○政府特別補佐人(杉本和行君) 一般的には、競争関係にある事業者の中の一部の者に公的資金等による支援が行われますと、これは事業者間の競争をゆがめるものと考えられております。  JALに対する再生に関する支援に関しましても、航空事業分野における事業者間の競争条件には影響を与えたものと考えております。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 このように公取も問題点を指摘しています。そして、今航空局長も、上場する前に、競争環境に問題を与えるから監視していきますと言っているんですよ。つまり、上場する前からJALは、競争環境おかしくなるということ分かっていた、分かっていたのに上場させたんですよ。これがとんでもない話で、私は、ずっと上場させるべきではない、もう一度整理をすべきだということを申し上げてきたんですよ。  そして、上場させてしまった結果、今何が起こったかというと、JALとANAとのこの体力差、物すごくありますよ。それは幾らあるかというと、今大体JALが二〇一三年の見通しでは一千四百八十億円の利益、最終利益ですよ。これは最終利益一一・五%。ANAは百五十億円、〇・九%ですよ。税金もJALは払わないから丸々利益がそのまま残っているんですよ。そして、この利益率というのは物すごく高くて、JALの利益率は一五・八%、二〇一二年実績。そして、世界のキャリアは五%ぐらいですよ。  こういうことから羽田の発着枠について差を付けたんだと言われるんでしょうけれども、そもそもJALとANAの体力差、今、ではどれぐらい付いていると考えているのか、それを説明してください。

田村明比古国土交通省航空局長

○政府参考人(田村明比古君) 日本航空の再生に当たって、先ほど申し上げましたように、事業規模の縮小、人員削減等の再生に向けたコスト削減のほかに、企業再生支援機構による出資、債権者による債権放棄、既存株式の一〇〇%減資等々が行われたと承知しております。  この結果として、会社更生手続に伴い発生した繰越欠損金により、私どもの推計でございますけれども、二〇一八年度、平成三十年度までに法人税等の合計で千九百四十億円程度が軽減されるものと考えております。このほか、一般の企業再生事案と同様に、財産評定による減価償却費の軽減、債権放棄による金利負担の減免が生じているものと考えられます。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 つまり、そんな二千億円程度の話じゃなくて、私は一兆円近い金額になると思いますよ。  具体的に言うと、総理、今このままほっときますと、JALは毎年一千億から二千億近いお金をどんどんどんどんためていけるんですよ。ためていった結果どうなるかというと、今は無借金ですから、彼らには一兆円近い資金がもうこの数年のうちにたまります。たまるとどうなるかと。JALはそのままANAの株をTOBで公開買い付けできるんですよ、全部。こういうことになっちゃうと、死んだ企業が生きている企業をのみ込んじゃうと。これは、まさにあってはならないことをしているんですよ。  こういうことをして、取り締まる法律があるんですか、公取、どうですか。

杉本和行公正取引委員会委員長

○政府特別補佐人(杉本和行君) 合併若しくは株式取得に関する件でございますが、一般論として申し上げますと、ある事業者がその競争事業者を買収することによりまして、市場シェア、順位等の当事会社の地位及び競争者の状況、参入圧力の状況などを総合的に勘案いたしまして、一定の取引分野における競争を実質的に制限することになる場合には独占禁止法の問題が生ずるわけでございます。  合併や株式取得については、公正取引委員会が事前の届出を受けて審査することとされているところ、公正取引委員会としては、当事会社から届けがあった場合には速やかに審査し、法定の要件に基づき独占禁止法上の問題について判断するということになると考えております。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 航空局、これ、JALのANA買収を止めることできますか。

田村明比古国土交通省航空局長

○政府参考人(田村明比古君) JALの再生というのは、複数の航空会社間で適切な競争基盤の上に立ちまして、健全な競争が行われることが航空政策の基本的考え方にとって非常に重要であると、こういうことで再生をしたわけでございます。それに反するような事態が生ずる場合には、航空法等に基づいて、その望ましくない状態について判断をするということになろうかと思います。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 だから、航空局は止められるんですか、これは。できないだろう。

田村明比古国土交通省航空局長

○政府参考人(田村明比古君) 事情に応じまして、企業の合併等につきましては、国土交通大臣の認可に係らしめられているところでございます。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 そもそもその前に、先ほど言いました一五%の利益出ています。普通の会社は五%。JALが五%の売上げ値引きをすればほかの会社の利益は出なくなっちゃうんですよ。  こうした事態に今なりかけているんだが、その航空料金だってあなた方の規制で止められないんじゃないんですか。

田村明比古国土交通省航空局長

○政府参考人(田村明比古君) 今、運賃のお尋ねでございましたけれども、基本的には、国内の航空運賃は航空法上届出制となっておりますし、それから、国際航空運賃については上限認可制ということになっております。その範囲内で航空会社が自主的に決定することになっておりますけれども、ただし、航空法上、市場支配力の維持を目的として不当に低い運賃を設定する場合、あるいは……(発言する者あり)それから、運航コストよりも低い運賃を設定すること、こういうことにつきまして、不当な競争を引き起こすおそれがある場合には、国土交通大臣が航空会社に対して事後的に運賃の変更を命じることができるということです。(発言する者あり)

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 西田さん、質問のときに言ってください。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 五%下げることを聞いているんですよ。具体的に聞いているんだからそれを答えなさいよ。何言っているんだよ、君は。

田村明比古国土交通省航空局長

○政府参考人(田村明比古君) そういう意味では、航空法に基づいて判断をするということになると思います。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 西田昌司君、おまとめください。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 はい、もうこれで終わりますがね。  要するに、JALはこの不当な利益をどんどんため込んでいくんだけど、それを規制する法律がない。やり得なんですよ。事業再生ビジネスとして成功したかもしれないけれども、国策としては全くの失敗をやっている。これを誰がやったのかというと、これは政治家がやったんですよ。彼らも、局長に怒りましたけれども、彼らはそのとき違うところいたんですからね。怒ってごめんなさいね。しかし、実際困るのは、政治家がやらなきゃ駄目なんですよ。  だから総理、これは本当に安倍内閣として……

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) おまとめください。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 もう一度JAL問題を見直してほしい。そのことを是非もう一度答弁ください、これだけ。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 答弁なさいますか。安倍総理大臣。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本航空は、民主党政権下、平成二十二年一月の政府声明において、我が国の発展基盤である航空ネットワークの重要な部分を担っており、その運航の継続と確実な再生を図るため必要な支援を行うとの方針に従って公的な支援が行われたわけでありまして、その後、平成二十四年九月に再上場されたというふうに承知をしております。  日本航空の再生支援については、大手二社による実質的な寡占状態の中で一社のみに対して行ったものであり、また異例とも言える規模の再生案件であっただけに、御指摘のような再上場の是非も含め様々な議論を生んだものと理解をしております。このような議論の中で、指摘された論点については、今後の企業再生の在り方を考える上で重要であり、できる限り競争環境を阻害することがないよう十分配慮していかなければならないと考えております。  そうした意味におきまして、日本航空に対する公的支援によって航空会社間の競争環境がゆがめられることのないよう、国土交通省において日本航空の再生の進捗状況を監視をし、必要に応じて指導、助言を行うなど適切に監督させたいと、このように考えております。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 終わります。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 以上で西田昌司君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 次に、西田実仁君の質疑を行います。西田実仁君。

西田実仁公明党

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。  いよいよ一週間後には三年目の三・一一を迎えることになります。被災されて犠牲になられた全ての方々の御冥福を改めてお祈り申し上げますとともに、今も大変不便な大変な生活を余儀なくされている方々が一日も早く元の生活を取り戻せるように、しっかりと頑張ってまいりたいと思います。復興につきましては、後ほど同僚の若松議員から中心的に質問をさせていただきます。  私の方からは、まず、さきの雪害の被害につきましてお尋ねをさせていただきたいと思います。  二月の十三、十四、十五と大変な雪が関東、また東北一円を襲いました。私の地元の埼玉におきましても大変な雪害に遭われている、特にハウス農家の方々が多くいらっしゃるわけであります。  私自身は、二月の十七日に埼玉県の本庄市のハウス農家の方々にたくさんお話をお聞かせいただきました。今、何とかもう一度ハウス農家を再開をしたいと、こういう二代目、三代目の方々が一生懸命取り組んでいるところでございますが、まずこの倒壊したハウスを撤去して、その後再建をするということで、まず撤去をしなければならないわけであります。  早速農水大臣の方で新たな様々な施策を打っていただいておりますけれども、今日はまずこの撤去あるいは再建ということについてお聞きしたいと思いますが、自力で撤去をする場合、この新たな経営体育成支援事業、この補助対象になるのかどうかということと、あわせまして、現地で今若い方々が特に言っておられるのは、ハウス農家で現金収入が既にもう途絶えてしまっている、蓄えもあるわけではないのでなかなか撤去費用を賄うのも大変であるということ。そして、そもそも撤去する事業者の方々もそう多くないものですからすぐには撤去がなかなか、待っていたら何年掛かるかもしれないという、こういう状況の中で、被災して生産ができない農家の方々が自分たちでグループとかあるいは組合とかをつくって仲間内の撤去をしたり、あるいは再建をみんなでし合ったりと、こういうようなことも知恵を出し合ってやろうというような声が出てきているわけであります。  こうしたことも今後、今の支援事業の中の対象に是非していただきたいという思いがあるわけでありますが、この自力撤去に補助が出るのかということと、こうした自分たちでグループ等をつくって撤去、再建ということに取り組んだ場合に支援の対象になるのかということについて農水大臣からお聞かせいただきたいと思います。

林芳正自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(林芳正君) この今回の豪雪による農業被害を受けられた農業者の方が、今まさに西田委員おっしゃっていただいたように、今後も継続していく、これをサポートしていけるように、ハウス等の撤去、再建に要する経費について、被災農業者向け経営体育成支援事業、これによる支援を行うことを先週決めさせていただきました。  昨日でございますが、第三回の農水省の本部を開きまして、追加対策を発表させていただきましたが、再建については国の補助率を十分の三から二分の一に引き上げまして、残りの部分に対する地方公共団体の補助に関して、その七割について特交措置を講ずることによって農業者の負担を最小化する仕組みをつくる、こういうことにいたしました。  また、撤去については、農業者の負担がないよう、地方負担を含めて十分の十相当の定額助成とすることとしたところであります。また、関連で環境省の事業で市がやっていただく場合には、元々市がやる事業ということもございますが、それを待たずに御自身でやられる場合もこういう十分の十相当の定額助成にしたと、こういうことでございます。  今お尋ねの、個々の被災農業者が実施する場合に加えて、共同でやられる場合、これも対象にするということにいたしました。  それから、自力撤去でございますが、助成でございますので基本的には外注分ということでございますが、撤去については、自力撤去、自身の労賃相当額、これにも定額助成を行うことにいたしました。

西田実仁公明党

○西田実仁君 新しい施策を打っていただく、またこれからいろんなニーズが出てきたらそれに対応をお願いしたいと思います。  もう一つ、この再建に関して、二重ローンの問題が起きてくることが必至でございます。実は二年前に、野党の時代、自民党、公明党、そして与党の皆さんにも御協力いただいて東日本大震災事業者再生支援機構法というのが成立を見ました。あしたがちょうど設立して二年ということになるわけでございますが、ここで被災地として指定されている第二号指定のところというのは、実は今回の雪害に遭った地域とかなりの部分が重なるわけでございます。再建をするときにこの二重ローンの問題がどうしても起きてきてしまう。  是非、復興担当大臣、お願いしたいんですけれども、この機構法による支援の相談等は、是非今回の雪害についても、前回で二号指定を受けたところはそこでいろんな負担を負っているわけでありまして、その方々が更に今回雪害で大変な思いをしておりますので、相談等丁寧に対応いただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。

根本匠自由民主党復興大臣

○国務大臣(根本匠君) 東日本大震災事業者再生支援機構、今委員のお話のように、委員の強力な御尽力でつくっていただきましたが、私は、この支援機構、非常に二重ローン対策、効果的だと思っております。支援を行うに当たってはいろんな、幾つか要件がありますが、特に震災前の債務が収益力に対して過大な債務となったこと、こういう点が一つありますが、同機構の支援基準に照らして判断することになります。  例えば、今回の豪雪で、様々な例があろうかと思いますが、震災による被害を受けていた、ただ、自力で事業再建できると考えていて機構には相談していなかった、今回の豪雪被害により更なる被害を受けて自力での再建が困難となった農家などの例が考えられると思いますが、相談があった場合には、機構として事業者の状況をよく把握して丁寧に相談に応ずるなど、適切な対応を図っていくように指示していきたいと思います。

西田実仁公明党

○西田実仁君 ありがとうございます。  次に、公文書管理法の改正につきましてお聞かせいただきたいと思います。  昨年の十月、我が党の山口代表、そして本年の一月には井上幹事長がそれぞれ衆参の本会議におきまして、国民の知る権利の保障、また政府の活動の透明性等を求める観点から、閣議あるいは閣僚懇談会、この議事録を作成し、公表する義務付けを行うべきである、そのための公文書管理法の改正を行うべきである、こういう提案をさせていただきましたところ、総理からは、政府部内で検討、調整の上、提出することとしたいと、こういう御答弁をいただきました。  その後の検討状況も含めまして、総理の御見解をお聞かせいただきたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 昨年十月の参議院本会議におきまして、山口代表から、閣議の議事録の作成、公開のため公文書管理法の改正を行うべきとの前向きな御提案をいただきました。法律改正のポイントは、閣議議事録の作成を義務付け、その一方で、閣議議事録については三十年後に国立公文書館に移管し、一般の利用に供するため法律上の特例を設けるという点にありました。  これに関し、改めて政府部内で真摯に検討を重ねた結果、現在の閣議の在り方を前提とすれば、法律改正により三十年後に国立公文書館に移管するよりも現行法の下で速やかに公表することとした方が、閣議に関する透明性の向上や情報公開、国民への説明責任という観点でより望ましいのではないかという結論に至ったわけでございます。言わば、法改正によりますと三十年後に国立公文書館に移管するということになりますが、法改正によらずに運用でまいりますと速やかに公表が可能になるということでございまして、その結論に至ったわけでございます。  このため、現行の公文書管理法第四条の趣旨に基づきまして、閣議の議事録を作成、公表することを閣議決定することで対応したいと考えております。閣議の議事録については内閣制度が発足した明治以来作成されてこなかったところでありますが、憲政史上初めての取組として、今後この方針を閣議決定した上で、平成二十六年度から、すなわち本年四月一日の閣議、閣僚懇談会から議事録を作成、公表することといたしまして、公文書管理法や情報公開法にのっとり、しっかりと対応していく考えでございます。

西田実仁公明党

○西田実仁君 ただいま総理からは、日本国におきましては、明治政府以来行われてこなかった閣議あるいは閣僚懇談会の議事録を作成し、またそれを公表することを義務付けるという御答弁をいただきました。  今の御答弁は、法改正によらず閣議決定によりまして対応をするということになるわけでございますが、そういたしますと、この安倍政権が永遠に続くわけではございませんので、次のあるいは将来の内閣を、それを拘束を、決定していただいても拘束を本当にするのかどうか、法改正によらず閣議決定によってこの閣議あるいは閣僚懇談会の議事録が作成、公表の義務付けが今後もずっと続くのかどうか、この点につきましてお聞きしたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど申し上げましたように、先ほど申し上げた方針につきましては、閣議決定した上で二十六年度、すなわち今年の四月一日から公表することといたしますが、この閣議決定が将来の内閣を拘束するかどうかということでございますが、閣議議事録の作成については、公文書管理法第四条の趣旨を踏まえて閣議決定で基本方針を定めるものでありまして、その効力はその後の内閣にも及ぶというのが原則でございます。仮に、将来の内閣がこの閣議決定を改め運用の見直しを行おうとする場合には、国民に対する相応の説明責任を果たすことが強く求められることから、事実上拘束されることになると考えております。  いずれにいたしましても、今回、公明党の山口代表が閣議議事録問題を提起をされまして、井上幹事長を始め皆様が、西田委員を始め皆様が後押しをされたことによって、閣議や閣僚懇談会の議事録については作成、公表に向けて大きく前進をした、歴史的な一歩を刻むことになったと、このように思います。

西田実仁公明党

○西田実仁君 今総理からも大変大事な御答弁をいただきました。憲政史上初となる閣議議事録の作成、公開に公文書管理法の四条の趣旨を踏まえて踏み切っていただくということでございます。  今御答弁にありましたけれども、あくまでも現在の閣議の在り方というものを前提とした場合の措置としてお話をいただきました。今、国会改革等、御議論されております。今後、閣議の在り方が変わっていったときには同様にこの情報公開の在り方につきましてもより充実させるように変えていくべきではないかと思いますけれども、御見解をお伺いします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の対応は、現在の閣議の在り方を前提に真摯な検討を行った結果、明治以来作成されてこなかった閣議の議事録について憲政史上初めて作成をし、速やかに公表を行うこととしたものであります。  現在、国会改革等の議論が行われているところでありまして、今後、国会改革が実現をし、そして閣議の在り方、態様も変わることとなれば、議事録の在り方についても見直しが行われることはあり得ると考えています。  いずれにいたしましても、閣議の在り方については、今後、国会改革がどのように実現されるかなどの大きな状況変化を見つつ、不断に検討していく課題であると認識をしております。

西田実仁公明党

○西田実仁君 閣議につきましては、内閣法において「閣議は、内閣総理大臣がこれを主宰する。」と、こう定めてあるだけで、それ以外のことはこれまで長年の慣行によってきたということでございますので、今お話がありましたように、この閣議の在り方を変えていくときには内閣法の改正ということも視野に入れなければならないのではないかというふうに思っております。  もう一つお聞きしたいと思いますけれども、この公文書管理法の第四条には、閣議に加えまして、関係の閣僚会議、あるいは省議、あるいはそれに準ずる会議等もその議事録等を作成する作成義務ということが行政機関の職員には課せられているという法文になっているわけでございますけれども、この閣議や閣僚懇談会以外の閣僚会議等についてはどのように取り組んでいかれるおつもりなのか、お聞かせいただきたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 閣僚会議等につきましては、御承知のように大変数多く存在するわけでございまして、それに加えまして、設置根拠や運用も異なるという事情もございます。そのため、公文書管理を担当する稲田大臣の下で、現状を調査をした上で、公文書管理法第四条の趣旨に基づきまして、今回の閣議、閣僚懇談会に関する対応を踏まえた必要な措置を検討いただくこととしております。

西田実仁公明党

○西田実仁君 公文書管理法には、先ほど申し上げましたように、閣議、閣僚懇談会以外の省議、あるいは閣僚会議等も文書作成義務が定められておりますので、是非そうした重要な行政文書の管理についても情報公開をお願いしたいと思います。  閣議あるいは閣僚懇談会のことを、今回、議事録を作成して公表するということを閣議で決めていただけるということでございますけれども、その最終の形がまさに閣議や閣僚懇談会になるわけでありますが、それに至るまさにプロセス、議論のプロセス、その結論を得たプロセスというのは、省議であったり、あるいは関係閣僚会議であったりするわけでありますから、そこのところの情報公開をするということが国民の知る権利を保障していくという点でも大変大事になってくるというふうに思いますので、是非お取組方をお願い申し上げたいと思います。  次に、武器輸出管理の新たな三原則につきましてお聞かせいただきたいと思います。  本年一月の三十日、参議院の本会議におきまして、山口代表の質問に対しまして総理は、武器輸出三原則が果たしてきた一定の役割に配意して、輸出管理の三原則を見直すと御答弁をなさいました。総理の言われるこの一定の役割というものはどういうものなのか、お聞かせいただきたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 武器輸出三原則等につきましては、国連憲章を遵守するとの平和国家としての基本理念を維持しつつ、国際社会の平和と安定に貢献をしていく中において一定の役割を果たしてきたと考えております。具体的に申し上げますと、我が国が武器輸出三原則等を掲げまして、また平和主義の理念を掲げてきたことが国際平和協力や軍縮・不拡散の分野においてリーダーシップを発揮をし、他国の信頼や尊敬を得る上でこれまで果たしてきた役割というものに十分配意する必要があると考えております。  昨年策定いたしました国家安全保障戦略においては、与党間の議論も踏まえまして、国際協調主義に基づく積極的平和主義の観点から、武器等の海外移転に関し新たな安全保障環境に適合する明確な原則を定めることとしているところでございます。  新たな原則については現在検討中でございますが、その策定に当たっては、武器輸出三原則等がこれまで果たしてきた役割にも十分配意した上で、また、これまで個別の官房長官談話等により二十一件の例外化措置を講じてきましたが、これらの経緯についても適切に整理をしながら十分な検討、調整を行い、具体的に定めていく方針でございます。  いずれにいたしましても、国連憲章を遵守するという平和国家としての基本理念は維持していく考えであります。

西田実仁公明党

○西田実仁君 これまで政府は、今お話がありましたこの武器輸出に関しましては二十一の例外というのがあったわけで、昭和五十八年以来、二十一件あるというふうに承知しております。その例外化のたびに官房長官談話というのが発せられておりまして、(資料提示)そこに、最後のところに必ず決まった文言が載っておりまして、それは、国際紛争等を助長することを回避するという武器輸出三原則によって立つ平和国家としての基本理念は確保されるということで、ここに掲げさせていただきました、国際紛争等を助長することを回避するという基本理念を維持すると、こういう趣旨の談話が必ず発せられてきたわけでありまして、まさにこれまで果たしてきた武器輸出三原則の役割というのはこれなんだろうというふうに、私自身、率直に思うわけでございます。  また、こうした回避する役割を日本が果たしてきたからこそ、先ほど総理からもお話がございましたが、今国会に提出をされておりますATT、武器貿易条約、通常兵器の取引を規制するとか、あるいはクラスター弾の禁止条約、あるいは対人地雷の禁止条約、こういったことが、日本がリードできる、そういう平和国家としての国際社会における確固たる地位を占めてきたんだろうと思います。  こうした日本の役割というのはこれからも維持されていくべきと考えますけれども、総理、いかがでございましょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員が御指摘をされました、我が国は、武器貿易条約に関しては共同提案国の一つとしてこの条約の交渉と採択に主導的な役割を果たしております。早期の条約締結を目指すとともに、全ての未締結国に対して早期の署名及び締結を働きかけていく考えであります。また、我が国は、クラスター弾条約と対人地雷禁止条約をいち早く締結をいたしまして、不発弾の除去、被害者支援などの被害国に対する支援にも積極的に取り組んでいるところでございます。  こうした我が国の取組は、国連憲章を遵守する平和国家としての基本理念に立脚したものでありまして、我が国の取組は国際社会からも高い評価を得ているところでございます。政府としては、国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から、今後ともこれらの分野において国際社会をリードしていく考えでございます。

西田実仁公明党

○西田実仁君 この新たな三原則においては、最終的には個別の厳格な審査によって輸出を許可するかどうかということが決定をされる、判断されるというふうに承知をしております。  その際、この個別の審査において、その情報公開の在り方、なぜこの個別の審査を通って輸出を許可されたのか、その件数とかあるいは分野とか、許可するに至った判断の理由とか、こうしたことを是非情報公開をしていくべきである、可能な限り公開していくべきであるというふうに考えますけれども、この個別の審査の情報公開の在り方について、総理のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 武器等の海外移転に関する新たな原則については、与党間の議論も踏まえまして、国際協調主義に基づく積極的平和主義の観点から、新たな安全保障環境に適合する明確なものとするべく現在検討を進めているところでございます。  その策定に当たりましては、武器輸出三原則等がこれまで果たしてきた役割、先ほど申し上げましたが、そうした役割も十分配意した上におきまして、まず武器の移転を認め得る場合を適切な形で限定をしていきます。そして、移転を認め得る場合であっても、移転先の適切性や安全保障上の懸念等を厳格に個別審査をしていきます。さらには、目的外使用や第三国移転についても適正に管理をしていく考えであります。  政府としては、こうした考えの下、十分な検討そして調整を行いまして新たな原則を具体的に定めていく方針でございますが、御指摘の個別審査に関わる情報公開の在り方につきましては、私たちは大変重視をしておりますが、少なくとも従来のように個別に例外化措置を講じてきた場合に比べて透明性に欠けることがあってはならないと考えています。  そして次に、十分な説明責任を果たすとの観点から、決定内容の明確化、透明化を確保していくべく、与党とも御相談をさせていただきまして、適切に検討をしていく考えであります。

西田実仁公明党

○西田実仁君 今総理からは、従来よりも透明性に欠けることはないと、より透明にしていくというお話をいただきました。ありがとうございます。  続きまして、海上保安業務のアジア連携についてお聞かせいただきたいと思います。  先月の二月の二十四日になると思いますけれども、海上保安大学校におきましてアジア海上保安初級幹部研修の修了式が行われました。余り聞き慣れない研修でございますけれども、いつから、どのような目的でこういう研修がなされてきたのか、また投入されている国費というのはどのようなものなのか、これを海上保安庁長官からお聞かせいただきたいと思います。

佐藤雄二海上保安庁長官

○政府参考人(佐藤雄二君) 海上保安庁では、一九六〇年代以降順次、航行安全や人命救助、災害対応、海賊対処などの海上保安に関する様々な分野におきまして、アジア各国等の海上保安能力の向上に寄与してまいりました。  アジア海上保安初級幹部研修は、アジア各国との連携協力の一環としまして、各国海上保安機関の合意の下、能力向上を目的としまして、平成二十三年度より公益財団法人海上保安協会に協力して実施しております。三年間で四か国十八名の修了者を輩出しており、各国から高い評価を得ております。

西田実仁公明党

○西田実仁君 続けて長官にお聞きしますけれども、今回参加された方々の研修生からどんな声があったのか、また、先ほどお答えいただいておりませんが、国費は幾ら投入されているのか、この二つをお聞かせいただきたいと思います。

佐藤雄二海上保安庁長官

○政府参考人(佐藤雄二君) 諸外国の研修生は、本研修を通じまして海上保安能力の向上に必要な知識を得たことに加えて、日本の文化や習慣にも慣れ親しみ、互いに連携協力して海上保安業務を遂行していくとの認識を持って帰国の途に就いております。ある研修生は、海洋における問題は国際法にのっとり解決することが重要であるという認識に変わったという感想を述べておりました。また、他の研修生も、海はつながっているからこそ一国だけではなく各国の海上保安機関が連携協力し共通認識を育んでいくことの重要性を学んだという感想を述べておりました。  また、先ほどのありました研修運営に係る具体的な費用でございますが、実施主体であります公益財団法人海上保安協会の平成二十五年度事業費は約六千万円でございます。

西田実仁公明党

○西田実仁君 お答えいただいていませんが、国費は出ていないということなんですね。  それで、ちょっと同じような研修ですが、もっと長い歴史を持っている防衛省防衛研究所の留学生受入れについてお聞かせいただきたいと思います。  この防研では、古くは昭和三十年代から外国の軍や国防省の幹部を留学生として受け入れる一般課程という研修があると承知しております。同研修を終えたいわゆる知日派の方々が果たしてきた日本と各国をつなぐ橋渡し役としての役割について、防衛大臣にお聞かせいただきたいと思います。

小野寺五典自由民主党防衛大臣

○国務大臣(小野寺五典君) 防衛研究所の一般課程は、将来、自衛隊の高級幹部となる、ふさわしい隊員を対象に実施される約十か月間の教育課程であります。防衛省では、外国人留学生の受入れによる留学生との交流は、日本人学生への教育効果が期待できるだけでなく、我が国と留学生派遣国との間の相互理解や信頼関係を増進させる上で大きな意義を持つと思っております。  防衛研究所の一般課程では、現在、五か国計七名の留学生を受け入れております。昭和五十六年からの受入れ留学生の累計は十四か国約百八十人に上ります。当該課程を修了した者の中には、将官に昇進し、本国で重要な役割を担ったり、日本におきまして在京武官として我が国に赴任するというような、我が国との橋渡し役をしている者が多数おります。  また、同じように、防衛大学校でも現在、九か国約百二十二名の留学生を受け入れております。昭和三十三年から受入れ留学生の累計は十六か国約六百五十人に上りまして、現在、例えばタイにおいては、大将、中将級が防衛大学校卒業生で出ております。  先般も、私、タイに行ったときにはこの卒業生とともに会談をし、これ日本語であります、そして、我が国の防衛幹部がそれぞれの任国に行くときは防衛大学校卒業生とともに同窓会を行い、そこでは日本語でカラオケを歌うと、こういうことで、今でも大変重要な役割を担っていると思っております。

西田実仁公明党

○西田実仁君 防衛研究所、防衛省におきましては、そうした長きにわたる人事交流によってかなり成果を上げているというお話でございました。  その前の、海上保安庁におきましても、三年間という、まだ始めて三年ではありますけれども、海をまさに法の支配によってそれを貫徹させていくという、そういうことをきちんと理解するアジアの留学生が増えていると、こういう話でございました。今年九月には海上保安庁では十回目となるアジア長官級会合が開催されると聞いておりますが、その主要なテーマとして人材育成というのが掲げられていると聞いております。アジア各国の海上保安機関同士の連携を担う人材育成として、先ほど御説明いただきましたアジア海上保安初級幹部研修、今後も更に充実をしていくべきであると私は考えております。  是非太田大臣には、国費の投入も含めまして積極的な推進をお願いしたいと思いますが、その御決意をお聞かせください。

太田昭宏公明党国土交通大臣

○国務大臣(太田昭宏君) 先ほど海上保安庁長官からもお話をさせていただきましたが、一九六〇年代からやってきた上に立って、この三年、特に人材を育てるということ、交流を図ることというのを重点にやってきたところであります。  極めてアジアの航行の安全や海難救助、環境保全、海賊対処、様々な意味での海上保安能力の向上は不可欠であるというふうに思います。各国海上保安機関の能力向上に貢献して、海上保安庁との連携協力関係を構築することは極めて有効であるという認識をしております。  今後、各国海上保安機関の更なる能力向上を目指し、より専門的で、より高度な知識を習得していただき、各国間の緊密な連携を確保するための人材育成を始めとすることが重要であるという認識の上で、支援策の充実に取り組みたいと思います。

西田実仁公明党

○西田実仁君 是非これは、大変重要な事業であると思いますので、財団による拠出金ではなくて、国費でしっかりとこうした人材育成を行っていくことが必要ではないかということをお訴えさせていただきたいと思います。  このテーマについて総理に最後お聞きしたいと思いますが、総理は常々、アジアの海をオープンかつ法の支配が貫徹する海にしなければならないと言われております。これまで述べてまいりましたこの海保のアジア海上保安初級幹部研修のような人材育成、またアジア各国とのもうちょっと高いレベルでの人的な交流、あるいは共同訓練、こういった交流促進に更に力を入れていくべきではないかと思っておりますけれども、総理の御所見を伺います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま委員が御認識を示されたとおり、力ではなく、航行の自由、法の支配といった基本ルールに基づく開かれた、そして安定した海洋の維持発展は、我が国の平和と繁栄の基礎であります。同時に、国際公共財として世界の平和と繁栄の基盤でもある重要なものであるというふうに認識をしております。  アジアの海をより開かれ、安定したものとするためには、自衛隊による海洋安全保障協力に加えまして、議員の御指摘のようなアジア諸国の海上保安機関の職員に対する研修実施等による人材育成への協力、そして各国海上保安機関との共同訓練の実施、こうしたことによって、言わば海の安全そして安定を守っていく執行機関の人々がお互いに認識を共有し、そして交流関係を深めていくことによって対話のチャンネルがそれぞれのレベルで確保されていくことにもつながっていくんだろうと、このように思います。  海上保安分野での交流を促進し、引き続き我が国と戦略的利害を共有するパートナーとの協力関係を強化していく考えであります。

西田実仁公明党

○西田実仁君 ありがとうございます。  ちょっと時間が迫っていますので、一つ問題を飛ばさせていただきまして、昨年被害が最大になりました特殊詐欺被害についてお聞かせいただきたいと思います。  今日テレビで御覧いただいている方の多くも、大変に、もしかしたら被害に遭った、あるいは遭いかかった方もいらっしゃるかもしれません。いわゆる振り込め詐欺、振り込まない振り込め詐欺というのもあるようですけれども、あるいはオレオレ詐欺といった特殊詐欺被害、これが昨年過去最大、最悪の四百八十七億円という被害額に上ったというふうに聞いております。  なぜかくも被害が増えているのか、最近増えている手口はどういうものがあるのか、またその未然防止策は何か、この新年度の予算に盛り込まれた施策も含めて、それぞれお聞かせをいただければと思います。

古屋圭司自由民主党国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(防災)

○国務大臣(古屋圭司君) 委員御指摘のように、オレオレ詐欺、振り込め詐欺、いわゆる特殊詐欺ですね、四百八十七億円、過去最悪です。やはり高齢者がその被害に遭うのが多いんですね。それから、一回の被害額が高額化しています。  警察では、だまされたふり捜査と、これ結構効果がありますので、こういった捜査をして、できるだけ検挙のために捜査を進めていますし、また一方では、電話とか郵便、宅配便、私設の私書箱とか貯金口座が悪用されていますので、こういったサービスを提供する事業者にも働きかけて、監督官庁と連携をして対策に取り組んでいます。  さらには、やはり被害防止のためには、まず犯人から押収をいたしました名簿に載っていた方に直接警察から電話をして個別に注意を喚起をする、こんな対策。それから、やはり家族とか地域のきずなにより高齢者を守っていくということは大切なので、警察からも、自治会とか老人クラブとか、こういったところにしっかりそういった取組をするようにしています。  しかし、警察の取締りだけではやはり限界ありますので、政府挙げての取組はもちろんのこと、やはり国民の理解と協力というのが不可欠だというふうに思います。この特殊詐欺犯罪の撲滅に向けて、我々警察としても全力を挙げて取り組んでいきたいと思っています。

西田実仁公明党

○西田実仁君 この後、消費者担当の森大臣にもお答えいただきますけれども、いずれの詐欺も出発点は一本の電話であるということは間違いないんだろうと思うわけであります。電話番号は恐らく名簿業者から入手をして、そうした犯罪者がそれを利用している。俗にカモリストなどとも呼ばれる詐欺に掛かりやすいリストが出回っているとも聞くわけでございまして、しかしながら、この名簿業者を監督する官庁というのが今ないわけであります。これは是非改善すべきではないかということと、先ほどの未然防止策とかも含めて、森大臣からお答えいただきたいと思います。

森まさこ自由民主党内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全・少子化対策・男女共同参画)

○国務大臣(森まさこ君) 世界でも類を見ない高齢化社会に突き進んでいる我が国で、高齢者人口の伸び以上にこの高齢者被害が増加をしておりまして、一人当たりの被害金額も消費者被害の中で上位を占めております。  これは、個人の被害だけでなく、国家として見ましても、高齢者が持っている資産が悪徳業者に行けば、それは税も掛かりませんし海外に流出をしてしまうというわけでございまして、しっかり取り組んでまいりたいわけでございますが、劇場型勧誘でやるので、こちらも劇場型には劇場型をということで、老人会等に消費者相談員が行って劇をしてその再現をするなどの取組を促しておりますが、こういった地方の取組のために、これまで補正で積み増し積み増しされておりました地方の消費者行政活性化基金を当初で組みまして、しかも、高齢者被害へ取り組む場合には裏負担なしという措置をしまして、地方自治体のインセンティブを付けまして、この高齢者被害撲滅に向けて消費者庁頑張っております。また、高齢者の皆様にも人気な松平健さんや八代亜紀さんが協力をしていただきまして、未然奉行として様々な広報キャンペーンをしております。  今御指摘あったように、一本の電話からということで、この広報の中でも注意を喚起をしているんですけれども、定期的な電話による見守り、今御指摘がありました被害者リスト、これはカモリストとして犯罪者の中にも出回っているわけでございます。こういったものを執行等で入手した場合に、被害者にアクセスして二重被害を防止していくということもいたしております。これ、はやりがございまして、振り込め詐欺と簡単にくくっておりますけれども、その中身は様々なものがありまして、やはり社会的に立派な肩書をお持ちの方が退職をした後被害に遭うということも多いわけでございます。  消費者庁では、こういったことを地域の見守りでなくしていこうということで、法案も準備をしております。すなわち、福祉施設の皆様、商店街の皆様、金融機関の皆様が、高齢者本人への呼びかけではなかなか防止をできないこういった被害を見守りネットワークによって、先ほどのような消費者被害者のリストを利用してやっていけないかということで法案を準備しておりますが、その中でも、このリストについては個人情報でございますので、個人情報保護法の問題がございます。  今御指摘のように、個人情報保護法は、個人情報保護法上の監督権限を行使するといういわゆる主務大臣制を採用しておりますが、いわゆる名簿業者については特定の官庁が一律に所管しているわけではございませんので、その取り扱う個人情報の種類に応じて主務大臣が決まることになっております。昨年十二月に決定をさせていただきましたパーソナルデータの利活用に関する制度見直し方針において、現行の主務大臣制の機能を踏まえつつ、分野横断的に指揮監督権限を行使する第三者機関としての体制を整備することが示されましたので、引き続き、内閣官房と連携しつつ検討してまいりたいと思います。

西田実仁公明党

○西田実仁君 自分だけは大丈夫だろうというふうに思って被害に遭ってしまう方が多いんですね。実は私も、我が家も、十数年前ですけれども、危うくこの被害に遭いかけたことがございまして、自分だけは大丈夫だと思っても必ず、そうはなかなかならない、実際には自分が引っかかってしまうということがありますので、何か変だなと思ったらやっぱりいろんな人に相談するということがすごく大事なんだろうというふうに思うわけであります。この高齢者の方を狙った犯罪が大変に多いという中で、その被害者の方々が相談できる体制をどうつくっていくのかということも大事だろうというふうに思います。  法テラスというのがございます。この法テラスの運営を定めた総合法律支援法という法律には、高齢者や障害者に対する特段の配慮をしなければならないということが条文で定められてございます。この特段の配慮ということについては、既に法務省としても随分といろんなことをやっていただいているんだろうというふうに思いますけれども、それについてお聞かせいただきたいのが、簡潔にお願いしたいのが一つと。  それから、この法テラスを利用する場合、無料の法律相談というのがありますけれども、代理援助とかあるいは書類の作成援助とか、この民事法律援助を受ける際の資力要件というのがございます。資産がどのぐらいあるかとか預金がどのぐらいあるかとか、こういうことでありますけれども、この資力要件ということに対しては、高齢者とかあるいは障害者の方々に対してはこの総合法律支援法で定める特段の配慮ということが特になくて、健常者と全く同じ資力基準、資力要件というふうになっているわけでございます。やはりここは、例えば高齢者の方々であれば、将来のことを考えて様々現役の世代とは違う形での貯蓄とかが必要な場合もありましょうし、また、障害をお持ちの方におきましても同様にそうした将来のことを備えてということもあろうかと思います。特段の配慮がそこも必要ではないかということをまとめて法務大臣にお聞かせいただき、終わりたいと思います。

谷垣禎一自由民主党法務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 法テラス、今の御議論のような特殊詐欺に掛かった高齢者に特化した仕組みを持っているわけではありませんが、委員がおっしゃった法の精神に従いますと、高齢者の中には、自分が法的な被害に遭ったとか法的な問題に関わっているんだという、そういうことも十分認識できない方もいらっしゃる。そうなると、当然、相談して援助を求めようということにもならないわけですので、福祉機関などと連携しながらそういう方たちをサポートする体制をつくってやっております。  今の特殊詐欺に関して具体例を申し上げますと、ある御老人、少し認知能力が劣っておられる方で、前からどうもこういう被害に掛かっていたんじゃないかと。ところが、あるとき、クレジットカード会社の会社員を名のる男から、あんた被害受けたんだろうと、その被害回復のための手数料を、回復してやるから手数料を払ってくれと現金を要求された事案がございまして、法テラスでは、消費生活センターと連携しまして、民事法律補助の枠組みの中で相談に乗って被害の拡大を防ぐとともに、損害金の一部を回収するという、こういった例もございます。  だから、今後ともこういうところは力を入れていかなきゃいけないと思いますが、ただ、今おっしゃった、確かに資力要件というものがあるわけですね。それで、高齢者については、認知能力は劣ってもかなり資産は持っておられるという方もいらっしゃるわけです。ただ、そういう方をどこまでの範囲で国費によって資力要件を外してバックアップできるかというと、ここはなかなか、財務大臣との御相談ももちろんないわけじゃないんですが、どこまで国民の理解を得られるかという問題もあろうかと思います。そういった点もいろいろ今後よく見ていきたいと思っております。

西田実仁公明党

○西田実仁君 終わります。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 以上で西田実仁君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 次に、若松謙維君の質疑を行います。若松謙維君。

若松謙維公明党

○若松謙維君 公明党の若松謙維です。  十年ぶりの予算委員会質問となります。安倍総理を始め閣僚の皆様の御奮闘、本当に御苦労さまでございます。  豪雪被害対策について質問させていただきますが、初めに、先月の豪雪被害によりお亡くなりになりました方々へ心よりお悔やみ申し上げますとともに、被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。  このパネルにもございますけれども、私は、一月十九日、秋田県横手市に行ってまいりました。(資料提示)私の腰の位置は、実は高さ二メートルでございます。そして、二月一日は北海道岩見沢市、空知地方の豪雪被害の現地調査を行いました。その自治体は、豪雪のため除雪費用が予算が底をついておりましたので、総務委員会で三月分の特別交付税の一部前倒しを要求し、総務大臣の御尽力により実現いたしました。  先ほど、豪雪被害につきまして同僚の西田議員から農水省にお尋ねをしましたが、新たな支援策ということで御説明ありましたので、今回のいわゆる農業用ビニールハウス、これ蔵王の町でございますけれども、また鶏舎等に大きな被害が出ていまして、特に環境省が新たな支援策を講じたということで、それについて浮島政務官にお伺いいたします。

浮島智子公明党環境大臣政務官・内閣府大臣政務官

○大臣政務官(浮島智子君) 今御質問がございました。環境省におきましては、従来より、災害により発生した廃棄物について、市町村が行う収集、処分等に対しまして、災害等廃棄物処理事業費補助金により支援をさせていただいているところでございます。  二月の二十六日の衆議院の予算分科会の方でも私の方からお答えをさせていただいておりますけれども、何よりも大切なのは、被災された生産者の方々にとって一番良い方向で支援を行っていくことだと思っております。今回の大雪により倒壊した農業用ハウス等処理については、被害の実態に応じた支援が必要と考えましたことから、先ほど来、林農水大臣からもございましたけれども、農水省そして関係省庁としっかりと調整の上、今回の支援策を公表させていただいたところでもございます。  具体的には、倒壊した農業用ハウス等撤去を含む一連の処理については、市町村が行う場合にこの補助金により支援を行うことといたしました。また、この補助金の採択に当たっては、積雪の深さ、この要件がございました。一メートル以上としておりましたけれども、なかなか一メートル以上いっていないというところもございましたので、被害の実態に合わせて採択要件を行っていくということにさせていただき、積雪が一メートル以上でなくても採択できるということにさせていただいたところでございます。  いずれにいたしましても、被災しました農業者の皆様にとって一番良い方向で支援が行えるよう、農水省そして関係省庁としっかり連携を取り対処してまいりたいと思います。

若松謙維公明党

○若松謙維君 是非、農業経営、高齢化しておりますので、今回の農水省、環境省、大変重要な施策と評価している次第でございます。  あわせて、先月の豪雪でございますが、福島市と相馬市を結ぶ国道百十五号線、これ通行止めになりまして、いわゆる相双地区が三日間孤立状態となりました。国道閉鎖の迂回路として、現在不通区間となっております南相馬インターから常磐富岡インターまでの一日も早い開通と併せまして、山元インター―常磐富岡インターまでの常磐道全線開通、そして復興支援道路であります東北中央自動車道相馬福島道路の早期完成を要望いたしますが、太田国土交通大臣、見込みはいかがでしょうか。

太田昭宏公明党国土交通大臣

○国務大臣(太田昭宏君) 常磐自動車道につきましては、先月二十二日でありますが、予定より一か月ほど前倒しをしまして、広野インターチェンジから常磐富岡インターチェンジを再開通させたということです。残る区間、山元インターチェンジから相馬インターチェンジ、南相馬インターチェンジから浪江インターチェンジについては平成二十六年度開通を目指して整備を進めていきます。また、原発に近いところでありますが、浪江インターチェンジから常磐富岡インターチェンジにつきましては、工事作業時の線量管理や被曝防護措置などの困難を克服して、平成二十六年度内を目指す他の供用区間から大きく遅れない時期に、目標に整備を進めてまいります。  相馬福島道路につきましては、中通りと浜通りをつなぐ極めて重要な道路であるというふうに思っておりまして、現在、全線四十五キロの整備を推進しているところです。このうち急峻な地形を克服する阿武隈東道路については平成二十八年度の開通を予定しています。  一日も早くという思いが被災地の皆様の声だというふうに思いますので、しっかりと工事を進めてまいります。

若松謙維公明党

○若松謙維君 先ほどの常磐富岡インター一か月前倒し、先ほど要望しました道路も更に半年、一年前倒しとなるように太田大臣のリーダーシップをお願いして、次の質問に移ります。  福島復興加速化についてでございます。  三月十一日で大震災より三年目を迎えます。宮城県、岩手県の瓦れき処理は三月で完了しますが、福島はまだ六八%と、瓦れき撤去の見通しすら立っていない状況でございます。それは、福島原発事故による放射能汚染問題が重くのしかかっているためであり、福島は現在も原発事故の風化や風評被害との必死の闘いが続いております。原発事故の影響により、現在でも福島県民が、九万人が県内、五万人が県外での避難生活を余儀なくされている状況でございます。改めて心よりお見舞い申し上げます。  人類史に残る甚大な被害をもたらした福島原発事故と直接関わりが少ない多くの日本人及び世界の人々に、この三年間、放射能と闘ってきた福島の思いを伝えたいと思います。  三年前の三月十四日に発生した福島原発建屋爆発直後、私はいわき市内避難所で三日間避難者と共に過ごしました。しかし、それは一時的でありまして、既に三年の間に何度も引っ越しを余儀なくされ、そして仮設住宅等に暮らす被災者の御苦労を思うと申し訳ない思いでいっぱいであります。  先月、南相馬市で避難生活をしながら多くの方々に激励を続けておられる、三人のお子さんを育てながら現在五十歳の御婦人の思いがこもった手紙をいただきました。実際、放射能からの避難生活をしていない私には到底分かち合えない心情であり、そのままそのお手紙を披露させていただきます。  震災から三年目になります。あの日以前には戻りようもなく、私の人生の時間はあの日を起点として時を刻んでいます。原発事故で今も避難生活中です。避難生活が当たり前の日常となってしまいました。震災も原発事故もどんどん風化して、既に昔の話になりました。だけど、それじゃ困ります。原発事故は人間がつくり出した事故であることを忘れてほしくありません。どんなに安全を強調しても、一たび想定外が起きれば、私たち福島の苦しみ、悲しみは繰り返されます。原発イコール核は人の手に負えないのです。  私たちはこの三年、何もせず待つこと、線量が自然に下がるのを待つことしかできませんでした。岩手や宮城が復興を力強く進めるように、私たちも復興をしたかった。だけど、時を待つことしか手だてがないこの苦しさ、悔しさ。この私たちが体験した貴重な事故の現実、庶民の生活の現実をしっかり見てください。人間が賢き生き物であることを信じ、希望として、四年目の避難生活を送ります。  この経験の上に新しい希望をつくってほしい。もう繰り返してはいけません。人間がつくり出したものなら、ピリオドを打つのも人間です。勇気を持ってください。この経験を人類の財産にしてください。  以上でございます。  総理、この福島原発事故をしっかり収束していただきたい、また、一日も早い普通の生活に戻していただきたい、その御婦人の思いに対して御感想はいかがでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま若松委員が紹介をしていただいたそのお手紙、お手紙を伺っておりまして、大変私も胸の痛む思いでございましたし、恐らくその手紙を書かれた御婦人と同じような気持ちの方がたくさんいらっしゃるんだろうと思います。  私もたくさん手紙を、福島第一原発事故によって避難を余儀なくされた方々からのお手紙をいただき、改めてそうした皆様のお気持ちを受け止めていかなければならないと、このように決意を新たにいたしておる次第でございます。そして、今お手紙の中にあった、この事故の経験を言わば世界の財産としていかなければならないと、このお言葉は大変示唆に富んだものがあると、このように思います。  福島第一原発事故で被災された方々の心の痛みにしっかりと向き合い、そして寄り添い、福島の復興再生を全力で成し遂げる、これがエネルギー政策を再構築するための出発点であるというふうに考えております。  政府と東京電力は、いわゆる安全神話に陥り、十分な過酷事故への対応ができず、このような悲惨な事態を防ぐことができなかったことへの深い反省をひとときたりとも忘れてはならないと、このように思うわけでありますし、我々自由民主党は長い間政権を担ってきた者として大きな責任を感じているところでございます。そして、廃炉、汚染水問題を解決をしていくためには、事業者任せにするのではなく、国も前に出て、国内外の英知を結集をして予防的かつ重層的な取組を実施しなければならないと思います。  いずれにいたしましても、原子力に関しては安全を最優先にする、これがあの過酷事故を経験をした私たちの原則であろうと、このように考えております。

若松謙維公明党

○若松謙維君 是非、福島県民の思いをまたしっかり体して頑張っていただきたいと思います。  次に、二月十二日、福島県から、中間貯蔵施設の配置計画案の見直し、中間貯蔵後の県外最終処分の法制化等についての要望書が届きました。その要望に対する回答を伺いたいのですが、環境大臣、よろしくお願いします。

石原伸晃自由民主党環境大臣・内閣府特命担当大臣(原子力防災)

○国務大臣(石原伸晃君) ただいま若松委員から御指摘のありました知事からの御要望というものは、簡単に申しますと、私ども、三つの町に中間貯蔵施設、一つの町に廃棄物を設置するというものを、双葉町、大熊町の二つに集約する方向で再検討すべしであるという御要望でございました。そのとき私からは、知事のやはり強いイニシアチブが欠かせず、引き続いてこの双葉郡の関係町村との前面に立っていただきたい、また、私どもとしても、これ住民の皆様方の御理解をいただかないことには一歩も全然進まない話でございますので、早期に住民の皆様あるいは議会の皆様に御説明をさせていただきたいと、そういうことをお願い申し上げました。  これまで、三か所ということで、面積も今除染されている物量等々を考えて計画してきたものでございますので、変更するとなりますとこれは大きな宿題であると思っておりますけれども、知事のお言葉によりますと双葉郡八町村の総意であるということでございますので、国としてはしっかりとこれを受け止めさせていただいているところでございます。  まだ具体的な回答を申すところまで検討が至っておりませんが、できるだけ速やかに回答ができるよう努力をしてまいりたいと考えております。

若松謙維公明党

○若松謙維君 中間貯蔵施設ができないと福島の復興は進まないというこの現実、大変な仕事だと思いますが、是非とも頑張っていただきたいと思います。  続きましての質問でございますけれども、現在避難されております福島県民の皆様の今後の対応についてお尋ねいたします。  昨年十二月二十六日には、いわゆる第四次追補と言われます原発事故損害賠償新指針が出されました。これからマニュアルが策定されまして避難者に説明が始まりますと、帰還を目指す方々と新生活に進まれる方々に分かれ、町の分断という悲しい現実が発生いたします。ちょうどパネルにもありますけれども、田村市都路町では四月一日から二十キロ圏内最初の避難指示解除される地域となり、先月二十三日にも住民説明会が行われまして、地元新聞では大筋了承との報道がありました。  帰還されない住民が過半数を超えることも予想されます。国が本気になって双葉郡の復興に最大の努力を払うのか。今後、川内村等の避難指示解除が予定される状況でもありますので、再度この状況説明を赤羽経産副大臣、復興大臣にお願いいたします。

赤羽一嘉公明党経済産業副大臣・内閣府副大臣

○副大臣(赤羽一嘉君) 原子力災害現地対策本部長としてまずお答えをさせていただきたいと思います。  田村市の現状は、昨年六月の時点で避難指示解除の客観的な要件をおおむね満たしたことから、昨年八月からいわゆるふるさとへの帰還に向けた準備のための宿泊、いわゆる事前準備宿泊を十月三十一日までの三か月間実施をさせていただきました。  この宿泊の期限を迎えました昨年十月十四日に避難指示解除についての住民全体集会を開催をさせていただきましたが、残念ながらその時点では、まだまだ数多くの不安や要望事項が残る、また、寒い冬を迎えるのではなくて冬を越えてから、来年の春、つまり今年の春を目途に避難指示解除を検討してはいかがかという強い住民の要望がございました。その間、小さな集落単位での膝を突き合わせた住民対話集会を重ね、住民の皆様から出る一つ一つの要望に対して国、市を挙げてお応えをする中で、先日二月二十三日、住民集会を開催をしたところでございます。  その中でもまだ時期尚早ではないかという不安の声もあったことも事実でございますが、例えば農業を開始している方からは、やっぱり本格的な農業を開始するためにはもう二十四時間やっぱり避難解除していただかなければ進まないですとか、住宅の補修のためには本格解除しなければ職人の方が来てくれない、そして、中でも、やっぱり何だかんだいっても自分の家に戻ることによって初めて自分の人生、第二の人生を再建できることができるという大変強い、避難解除への強い御意見が出たことから、この四月一日、避難指示解除をするということを決めさせていただいたところでございます。  しかし、大変重要なことは、避難指示を解除すると国はもう復興支援をやめるのではないかという大変心配をされている方もいらっしゃいますので、それは全く逆でございまして、本格的な、避難指示を解除した段階から更に復興に向けて、風評被害の対策ですとか雇用の創出、また放射能に対する、不安に対する丁寧な相談など、しっかりと本格的に進めていき、自公政権、安倍内閣の最大のテーマであります福島の復興の加速化に向けて全力で尽くしてまいりますことをお約束申し上げます。

若松謙維公明党

○若松謙維君 赤羽副大臣、本当に何度も福島入りしていただいております。是非とも新しい、双葉郡を離れる方もいらっしゃいます、しかし、戻られる方、これが本来の姿でありますので、その復帰される方に対する最大の支援を改めてお願いを申し上げる次第でございます。  そして、復興公営住宅の入札不調についてお尋ねいたします。  大勢の大熊町民が避難されております会津若松市の復興公営住宅の最初の門田地区十六戸が入札不調となりました。三年近く狭い借り上げ住宅又は仮設住宅に住まわれる方々は、復興公営住宅への転居を一日千秋の思いで待っておられます。門田地区は再入札によりまして業者は決まりましたが、他の被災地で起きております入札不調の状況と併せて、原因解明と早期の対応策を太田国土交通大臣、よろしくお願いします。

太田昭宏公明党国土交通大臣

○国務大臣(太田昭宏君) 入札不調が多いということで大変心配もし、注視もし、そして様々な手を打ってきているという状況にございます。  被災地全体で災害公営住宅の入札不調の状況を申し上げますと、本年一月までの平均で一二%、福島県では五%という実は低い水準になっておりまして、再発注いたしますとほとんど契約に至っているというのが現状でございます。  ただ、一旦なりますと何か月か掛かりますから、それで遅れるということだと思いますが、御指摘のありました会津若松市の災害公営住宅は、昨年十二月に三軒並んだところを三つに分けて発注したところ、二つはそれで契約ができたんですが、しかし、入札不調となったところは、工事現場への搬入路確保のための工事費用が予定価格に入っていないということでございました。その分を加味したようで、二月二十六日に落札されたということでございます。  被災地全体の入札不調等につきましては、様々な理由がありますが、労務単価を引き上げたりあるいは資材高騰への対応をしたり様々な手を打っておりまして、二月一日に私も現地に入って直接各県あるいは建設業者を始めとする方々ともお会いをし、対応を協議してまいりましたが、結論的には積み残しはないという状況で、これが更にスムーズにできるようにということに更に努力をしたいと思っております。

若松謙維公明党

○若松謙維君 是非、長期間仮設住宅等に住まわれる方々の思いをしっかり受けて、一日も早い公営住宅の建設をお願いいたします。  続きまして、避難者を一番多く受け入れておりますいわき市等についてお尋ねをいたします。  いわき市は、今、双葉郡を中心とする避難者、同じ浜通りでありますので、このいわき市に既に二万三千人が住まわれておりまして、復興工事関係者も含めて急速な人口増加によりまして、交通渋滞の慢性化、住宅事情の逼迫、宅地不足等、生活インフラが追い付かずに市民生活に重大な支障が出ております。いわき市自体が津波被害で多くの復興事業を抱え、市外からの避難者への細やかな対応まで手が届かないのが現実でありますが、避難者の受入れ人数に応じた財政支援の見直し等により何とかしのいでいる状況であります。  原発事故避難者のための復興公営住宅が福島県全体で約五千戸建設され、そのうちいわき市内に四割近い約二千戸が建設されます。さらに、賠償新指針の周知徹底が進み、いわき市に新定住を決められる方による人口急増がありますと、宅地不足の解消を始めとした更なるインフラ整備事業が予想されます。このために、いわき市などの被災者受入れ自治体の新たな要請に対して状況に応じた親身な対応をお願いするものでありますが、復興大臣、いかがでしょうか。

根本匠自由民主党復興大臣

○国務大臣(根本匠君) 委員お話しのように、いわき市、津波被災を受けました、地震、津波。そして、自らが復興事業で今大変な思いで御尽力をしていただいておりますが、避難の受入れもしていただきました。  その意味では、今お話がありましたが、原発事故による長期避難者の生活拠点の形成、これはコミュニティ復活交付金を創設いたしました。具体的には、復興公営住宅を中心に、道路改良、学校施設の増設などの関連基盤整備事業、あるいは受入れ市町村や避難者の実情に応じたソフト事業、これを一体的に実施していく交付金であります。さらに、新たに今、福島再生加速化交付金も創設いたしました。  御指摘の人口急増による新たなインフラ整備のニーズ、私もいわき市の現状をよく認識しております。様々な整備手法もありますので、いわき市を始め避難者を受け入れている市町村の実情をよくお聞きしながら丁寧に対応していきたいと思いますし、最大限の支援に取り組んでまいりたいと思います。

若松謙維公明党

○若松謙維君 根本大臣も同じ福島県民でありますので、一緒に同じ思いで頑張っていきたいと思います。  次に、放射線量の高い地域での除染、いわゆる放射能除染ですね、それとリスクコミュニケーションについてお尋ねいたします。  二月十三日に、宮城県知事、白石市長、丸森町長連名の放射線量低減対策に関する要望書をいただきました。ちょうどこのパネルにもありますが、比較的線量が低い地域の除染方式で行いました丸森町の住宅除染結果では年間一ミリシーベルト以下に下がりませんでした。宮城県南部と登米、栗原等の県北部及び岩手県南部の一関、奥州市等でも同様の実は地域があると聞いておりますので、このような地域でも比較的線量の高い地域とされる福島県と同様の除染方法を行いまして、その除染経費を国が財政措置すべきであると考えますが、環境大臣、いかがでしょうか。

石原伸晃自由民主党環境大臣・内閣府特命担当大臣(原子力防災)

○国務大臣(石原伸晃君) 今委員が御指摘になりました丸森町の除染でございますが、これは市町村が実施する除染ということで、特措法の方針を踏まえまして環境省が線量等に応じて補助を行っているところでございます。  今委員は福島県と他県との違いということを御指摘になったわけでございますが、福島県以外でございましても、子供の皆様方の生活環境や、線量が比較的高い地域では、福島で行っていると同じような、土を剥ぎ取るとか高圧洗浄の機械を使いまして除染をするといったようなことを可能にしております。  現在、ちょっと調べてまいったわけでございますけれども、福島県のほかでは、放射能の自然減衰等々によりまして、比較的線量が高いと言われるような地域は今現在ではなくなっているというふうに認識をさせていただいているところでございます。

若松謙維公明党

○若松謙維君 事実としてその年間一ミリシーベルトより高いところがありましたら、是非きめ細やかに対応していただきたいと要望いたします。  実はこれも大きな問題でありまして、放射能の健康影響は特に小さなお子様を持つ親の最大の悩みでございます。この不安解消、健康調査のために福島県が行っているリスクコミュニケーション、これ、どのような今結果となっておりまして、その結果に対して医師会、WHO等の専門家はどう評価しているか、伺います。  あわせて、健康管理調査は大変長期の継続事業となりますので、国の半永久的な支援が必要と考えられますが、環境大臣、いかがでしょうか。

石原伸晃自由民主党環境大臣・内閣府特命担当大臣(原子力防災)

○国務大臣(石原伸晃君) ただいまの委員が御指摘されましたリスクコミュニケーションというのは、非常に重要な問題であると認識をしております。  これは根本復興大臣ともいつもお話をさせていただいていることでございますけれども、やはり一番大切なことは、不安というものは、こうこうこうだから不安を解消してくださいといって不安が解消されるものではない。やはり何よりも住民の皆様方に安心をしていただくということが大切だと思います。そして、そのことを納得していただくには、科学的な、あるいは医学的なことをできる限り易しく簡単に、そして国際社会等々がこの問題についてどう考えているかということもかみ砕いて御説明をさせていただくことが大切だと思っております。  これも先ほどのお話に若干関係しますが、近隣の県につきましても、福島県以外でも、リスクコミュニケーション事業といたしまして、住民の方々との接点が多い保健師の皆様、教師の皆様に正確な情報を住民の皆様方に伝えていただくといったような研修会等々も開催するなど、取組を深めているところでございます。  今後、国としても正確な知見の収集に努めまして、委員の御指摘のとおり、リスクコミュニケーションというものをしっかりと、これは一回やれば済むことではございませんので、住民の皆様方が安心していただけるまで丁寧に丁寧にやっていく必要がある問題であると認識をしているところでございます。

若松謙維公明党

○若松謙維君 福島県と隣接します宮城県丸森町、あと白石市越河地区、これの放射線量ですが、学校、保育園、公民館等は除染しておりますが、それ以外の地域で大変放射線量が高い地域がありまして、その保護者から甲状腺検査の実施要望が出ております。福島県から宮城県に避難している多くの実はお子様の健康調査を、宮城県内病院の協力もいただきながら、これらの放射線量が高い除染対象区域に住む十八歳未満の希望者を対象に地元自治体と福島医大にその甲状腺検査データの集約化を依頼して、国がその費用を負担する等の制度を構築すべきと考えますが、環境大臣、いかがでしょうか。

石原伸晃自由民主党環境大臣・内閣府特命担当大臣(原子力防災)

○国務大臣(石原伸晃君) この点についても、住民の皆様方の大変心配というものが高いということは承知しているところでございます。  まず、福島県の方についてお話をさせていただきますと、福島県の健康管理調査ということを、県の考えもございまして、福島県の医大が中心になってやらさせていただいております。委員の御指摘になりました甲状腺の検査でございますけれども、福島県の方においては、事故時に十八歳未満でございましたおよそ三十六万人の方を対象にした調査というものを実施しているわけでございます。  しかしながら、国内外、これも私も専門家のお話、医者のお話、国連の皆さん方のお話を聞かせていただきましたけれども、放射線が飛来したエリア以外のところの問題については、原発事故によるものとは、すぐに影響が出ることはないのではないかというのが医学的な見地からの考えであると、こんな話を、実は私、こういう話もあるけれども、これをどう考え、また不安がある方々に対してどう説明をすればよろしいでしょうかということを、福島医大の方に行きまして甲状腺の専門の先生方にお話を聞かせていただきました。その先生の意見も大体同じようなもので、そういう影響が極めて低いというところに手を差し伸べるよりも、私どもたちの方の現実に影響が高いかもしれないと思われるところで様々なことをさせていただきたい、そういうようなお話もいただきました。必要な技術的、財政的な支援というものが必要であるならば行わせていただきますが、現状はそのように認識をさせていただいているところでございます。

若松謙維公明党

○若松謙維君 結局、この問題はやっぱりリスクコミュニケーションに帰着すると思います。ですから、この甲状腺問題も含めて、三役の皆様もどんどん先ほどの丸森又は白石等に出かけていただいて、このリスクコミュニケーションについてしっかりやっていただきたいと思いますと同時に、やはり市民が結局納得しなければ、このリスクコミュニケーション、意味がありません。そういう意味の市民納得型のいわゆる日本版諮問委員会というんでしょうか、その設置を私は提案するんですが、これ尽力しております赤羽経済産業副大臣、いかがでしょうか。

赤羽一嘉公明党経済産業副大臣・内閣府副大臣

○副大臣(赤羽一嘉君) これ、アメリカのワシントン州のハンフォード地域でも実施をされているところでございますが、行政でもなく議会でもない、市民が中心の諮問委員会というのがありまして、市民が中心となって放射線リスクについて理解を進めていく仕組みが大変参考になろうかと思っております。事実、川内村では、長崎大学から派遣されております看護師、保健師の皆さんが常駐して一軒一軒地元住民の皆さんと同じ目線で会話している、これが大変効果を出しておりまして、今月発足をさせていただきました廃炉・汚染水対策の福島評議会で、青年の代表、女性の代表、NPOの代表の人も含めて、このリスクコミュニケーションの在り方について検討を始めたところでございます。

若松謙維公明党

○若松謙維君 是非よろしくお願いいたします。  やはり、福島はいわゆるエネルギー拠点でありました。これがまさに二十一世紀の新エネルギー拠点となるべく、是非とも、産総研も四月から郡山、さらに福島電力という会社もございます。そういうものを活用しながら、いわゆる福島・国際研究産業都市構想、これを進めるべきと考えますが、今後の見通しと併せて、御存じのように放射線量計測環境が一番多いのが福島であります。いわゆる一番安全だと証明できるのが福島でもありますので、そういう地の利を活用して、オランダのフードバレーのような大規模な植物工場を設置するなど、これは規制緩和とブランド化が必要なんですけど、そういう意味での農業立県産業を興すべきと考えますけれども、副大臣、お願いします。

赤羽一嘉公明党経済産業副大臣・内閣府副大臣

○副大臣(赤羽一嘉君) これまで原子力関連企業が地域経済を支えてきたこの当該地域の産業集積ですとか産業基盤の再構築というのは、これは今後の復興の大変重要なテーマだと、こう考えておりまして、今御指摘の構想研究会を立ち上げさせていただきました。  これは、廃炉に関する研究技術、特に遠隔操作ができる災害用のロボットの開発ですとか実証研究ができるフィールドをつくるですとか、また再生可能エネルギーの大拠点もこの郡山の産総研の福島センターを中心に進めていくべきと考えております。  加えて、これまで農業に従事してきた方々もその農業に就けるような、例えば我が省でいいますと植物工場等々の集積を図るなど、そういった面も含めた構想を本年六月を目途に研究会として発表し、報告をし、それを実現化していきたいと、こう考えております。

若松謙維公明党

○若松謙維君 是非よろしくお願いいたします。  あと、高速道路無料化についてお尋ねいたしますが、今月末で実は避難指示を受けられた福島県民の皆様、この高速道路無料化の延長、大変強い要望がございまして、私も、二月七日、直接太田大臣に延長の申請をいたしました。  太田大臣、今どういう状況になっていますでしょうか。お答えいただきたいと思います。

太田昭宏公明党国土交通大臣

○国務大臣(太田昭宏君) 警戒区域等からの避難者及び母子避難者等に対する高速道路の無料措置につきましては、生活再建に向けた移動支援に対して地元の皆様から大変強い要望があることを踏まえまして、来年三月三十一日まで一年間延長する案で調整に入るよう、先日事務方に指示をしたところでございます。  無料措置の延長によって、被災地の皆様に高速道路をより一層利用していただき、復興が加速することを期待をしているところでございます。

若松謙維公明党

○若松謙維君 是非よろしくお願いいたします。また来年もお願いに参りますので、併せてお願いいたします。  最後の質問になります。  先ほど、御婦人のお手紙にもありましたが、福島県民の多くの思いは、この事故を教訓に福島県民の苦労を二度とさせてはならないという気持ちが強いと思います。この福島原発事故を反省して、この歴史的事故を永遠にとどめる遺構記念日の制定をすべきと考えますが、安倍総理、お考えいかがでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 東北地方を中心に未曽有の被害をもたらした東日本大震災の発生から間もなく三年の歳月がたつわけであります。犠牲になられた方々の御冥福をお祈りするとともに、原発事故によりいまだ避難生活を余儀なくされている方々を始め、被災された全ての方々にお見舞いを申し上げます。  被災地に足を運ぶたびに復興が一歩一歩前に進んでいることを実感するわけでありますが、被災者の方々が一日も早く普通の生活に戻られるように復興を更に加速させていく決意であります。  今委員の御指摘がございましたが、大震災の試練から我々が得た貴重な教訓を記録に残すとともに、これらを蓄積、整理、共有して、防災教育に活用するなどして各世代がしっかりと受け継ぎ、そして災害の絶えない我が国の防災に役立てていくことは極めて重要であると考えています。  三月十一日については、犠牲になられた方々を追悼するため、一昨年、昨年に引き続きまして本年も政府主催による追悼式を実施することとしております。東日本大震災や原発事故からの復興は今なお道半ばでありまして、まずは復興に政府を挙げて取り組んでまいりたいと思います。  その上で、今後、長期的な観点から、三月十一日という日をどのように位置付け、どのような取組を行っていくかについては、御指摘を踏まえましてよく検討をしていきたいと思います。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 古屋防災大臣、一言。

古屋圭司自由民主党国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(防災)

○国務大臣(古屋圭司君) 今総理からも答弁されましたけれども、やはりこの教訓をしっかり生かしていく、例えば、そういった視点に立って、九月一日は関東大震災、それから一月十七日は阪神・淡路大震災、それから十一月五日、これ意外と知られていないんですが、津波防災の日、これ全部教訓にしているので、三月十一日も、大変傾聴に値する提言をいただきましたので、関係大臣としっかり検討をして、そういった記念日の制定に向けて検討していきたいと思います。

若松謙維公明党

○若松謙維君 ありがとうございます。福島をよろしくお願いいたします。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 以上で若松謙維君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 次に、中西健治君の質疑を行います。時間よろしくお願いします。中西健治君。

中西健治みんなの党

○中西健治君 みんなの党の中西健治です。  午前中の質疑はお天気予報まであと数分という非常に限られた時間でございますので、本質的な議論に入る前に安倍総理に一問だけお伺いしたいと思います。  みんなの党は、小さくて効率的な政府ということを進めていきたいということをうたっておりますけれども、小さくて効率的な政府、地域主権型道州制にも通じる考え方だというふうに考えておりますが、こうした考え方について安倍総理はどのようにお考えになるか、一問お聞きしたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 小さくて効率的な政府、大変響きはいいと思います。御党から、国有資産の売却や年間歳出の見直し、あるいはまた道州制の導入などによって小さくて効率的な政府を実現すべきとの御提案をいただいていることは承知をしております。  個別の提案につきましてはいろいろな議論があるとは思いますが、自民党においても行政機能や政策効果を最大限向上させるという観点が重要であるというふうに考えてまいりました。  平成十八年、これは小泉政権時代でありますが、簡素で効率的な政府の実現を喫緊の課題として位置付けてきたわけでございまして、独立行政法人の見直しや特別会計改革、国の資産及び債務に関する改革などの基本的な方針を定めた行革推進法を制定し、政府としてもしっかりと取り組んできたところでございます。第一次安倍政権におきましては筋肉質の政府ということを、表現を使わさせていただいたところでございますが、先ほど申し上げました法律に沿って、御指摘の国の資産の圧縮については、社会経済情勢の変化にも留意をしながら百十六兆円圧縮するなど、着実に取り組んできたところであります。  また、行政改革推進会議の下で独立行政法人改革、特別会計改革などについても着実に取り組んでいるところでございまして、言わば政府をより効率的にしていく、そして将来の国民負担を勘案をしながらこの政府の効率化、そしてサイズを考えていくという視点は大切ではないかと、このように考えております。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。  午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十三分休憩      ─────・─────    午後一時開会

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  平成二十六年度総予算三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。中西健治君。

中西健治みんなの党

○中西健治君 みんなの党の中西健治です。  午前中に引き続きまして、午後の質疑をさせていただきます。  午前中は一問だけ安倍総理に御答弁いただきましたが、小さくて効率的な政府、大きく取って大きく配るのではなくて、大きく徴収して大きく配るのではなくて、小さくて効率的な政府を目指す、そんな考え方を底流に質問をさせていただきたいと思います。  まず、現在の経済状況に関する認識についてお伺いしたいと思います。  甘利大臣は、現在の経済状況について、デフレ脱却にはまだ至っていないと先月の記者会見でも述べられています。デフレ脱却はまだ先のことで、デフレとの戦いはまだまだ続いているという認識でよいか、現状の認識について伺いたいと思います。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) デフレの脱却は、持続的に物価が下落する状態を脱して、多少のことはあっても元に戻る状況にならないようになるということであります。そういう意味では、現在、今日の時点がデフレであるかどうかといえば、コアコアも物価プラスになっておりますから、今日の時点をデフレかどうかといえばそうではないと言えますけれども、しかし、多少の外的要因があっても戻らないかといえば、まだそこまでは行っていないということでありますから、まだ現状は脱していないということでありまして、まだ課題はあると思います。

中西健治みんなの党

○中西健治君 デフレの脱却とは確定的には言えない、そういうようなことだろうというふうに思いますけれども。  ところで、大臣は、二〇〇八年に起こったリーマン・ショックの影響からはほぼほぼ抜け出したという認識でよろしいでしょうか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) リーマン・ショックは大変な衝撃を日本経済、世界経済に与えました。そこで、当時、麻生内閣でしたけれども、史上最大規模の補正を組んだというか、組まざるを得なかったわけであります。その効果もあってリーマン・ショックからは脱したというふうに認識いたしております。

中西健治みんなの党

○中西健治君 リーマン・ショックからは脱したということでありました。  それであるならば、もう株価などもリーマン・ショック直前は一万二千円台でしたし、デフレギャップ、需給ギャップも五年ぶりのレベルまで縮小しつつある、縮小してきているということですので、これは総理にお伺いします。脱デフレ宣言はまだまだ先といっても、脱リーマン・ショック宣言ぐらいはしたらいかがでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 余り個別的に区分けして宣言をするつもりはございませんが、安倍政権の目標は何といってもデフレ脱却でありまして、今デフレ脱却の道は、委員が御指摘のように、着実に進みつつある、様々な山を越えつつあると、このように思いますが、まだデフレ脱却ということについては道半ばであるという認識でございます。

中西健治みんなの党

○中西健治君 私がこう申しますのも、まだまだ当然困難はあるわけですけれども、一定の回復をしたということで、気持ちも前向きになりますし、これから攻勢に転じるんだという政権の意思を示すということになるのではないかというふうに思いますし、ビジネスの世界でも、一つ一つ、一里塚というかマイルストーンというか、そうしたものを確認していくということに意味がありますので、是非こうしたことを御検討いただきたいというふうに思います。  そして、経済の方は好転しているだろうというふうに私も思いますけれども、気になるのは財政の肥大化ということなのではないかと思います。  グラフを示させていただいていますけれども、(資料提示)グラフを見ても明らかなように、毎年の予算はほぼ右肩上がりでどんどん増大し続けております。この増え続ける歳出について、まずは財務大臣のお考えを伺いたいと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) そこの御指摘のある、今のリーマン・ショックの話が出ましたけれども、そのときに一挙に九十兆円のところまで達しているというところで、以後確実に伸びて、平成二十六年度予算では九十五兆九千億ということになってきたんだと存じます。  ただ、これは私どものあれから見ますと、このリーマン・ショックのときは、もう今御存じのように、世界中で金融恐慌の一歩手前ぐらいまで行きましたので、その意味ではこのときにはいろんな形でやらせていただかざるを得なかったんだと思いますが、その後、この二年間の安倍内閣のもの、その前の三年間は民主党にちょっと聞いていただくとして、この二年間のものを私どもから言わせていただくと、二十四年度当初に比べまして、これは九十兆が九十二兆六千億に増えておりますけれども、これは御存じのように、年金の国庫負担率というものを正式に一般会計予算に入れておりますので、これが一挙に増えておりますので、これで約二兆六千億ぐらい増えてきておりますので、その増加額が一番大きかったものだと思っております。  それから、今年度を言わせていただくと、これは例の特別会計のもので、今まで特別会計にしてあったものを本会計にしたものが約八千億円ございますし、また、国債費というものが自然増に増えてきておりますので、それが一兆円、それから社会保障関係の伸びというのが約一兆四千億ございますので、それを足しまして約三兆二千億ということになりますので。  この九〇年度以降の、この図はよくできている図ですけれども、私どもとしては、公債残高の増大に伴う国債費の増加等々は、これはある程度やむを得ざる歳出の増だというような感じに思っておりますが、いずれにしても、こういったようなものは、毎年補正を組まなけりゃならぬのは、今回は景気対策であってみたり、昨年は政権が替わったすぐだったりした等々いろいろな要件がありましたけれども、基本的には、一番最初に中西先生御質問があったように、小さな政府というものを基本的に目指して効率のいい運営というものに心掛けていくというのは、これは当然の務めだと存じます。

中西健治みんなの党

○中西健治君 財務大臣から御説明いただきましたけれども、リーマン・ショックの影響からほぼ脱しているにもかかわらず、当初予算というのは、リーマン・ショック前の二〇〇八年度の八十二兆円レベルに戻るどころか、民主党政権下、ばらまきだ、ばらまきじゃない、いろいろ議論、国会でありましたけれども、そのときに大きくなった予算、その歳出を、また安倍政権になってもそれが発射台になって二年連続で史上最大予算というのを更新しそうになっている、こうしたことはやはりおかしいのではないかというふうに思われます。  そして、このグラフが示していることというのは、やっぱり大きな、何か大きなショックがあると、そのショックで一気に歳出が膨れ上がってなかなか元に戻りにくい、そうしたことを示しているんだと思います。例えば九七年、赤い線、矢印引きましたけれども、消費税増税、三%から五%になった年ですが、その年は金融危機もあった、アジア危機もあった、そこで予算が補正も含めて大きくなりました。そしてもう一つ、リーマン・ショックの後もやはり大変大きく予算が膨らんだということになっております。  このリーマン・ショックのとき、しなければならなかったという御説明もあったわけでありますけれども、当時、総理として麻生財務大臣は、これは大きく大盤振る舞いをしたと言うこともできるかもしれませんが、今財務大臣になって、予算を切り詰めるということを大変だと身にしみていらっしゃるんじゃないかと思いますが、こうした予算の持つ下方硬直性について御見解を伺いたいと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 今、その図にも、図というかそのグラフにもありますように、リーマン・ショックへの対応で、平成二十一年度の補正予算ということになりますけれども、それの予算額があるいは決算額が大幅に増加をし、それがその後目に見えて小さくなっていないということは、もう間違いなくその図のとおりであります。  ただ、状況になっておりますのは、平成二十二年度は、これも急激な円高・デフレ状況への対応ということがありましたでしょうし、平成二十三年度は、これは多分、東日本大震災というのが大きな理由だったんだと存じます。そして、二十四年度は、もう御存じのようにこれは政権交代直後で予算が組めませんでしたので、そういった意味では、これはもう補正予算をまずは組まねばならぬというようなこと等々から、底割れ懸念への速やかな対応ということでやらせていただきましたし、そして、二十五年度は御存じのように消費税の引上げに伴います反動減というものを考えておいてその対応をやらねばならぬというので、緊急的な対応は結果として続いたんだと、少なくともこの数年間についてはきちんとその説明ができると存じます。  ただ、こうした補正予算による緊急的な対応というものの背景になります経済とか社会情勢とかいうのが解消するという方向に落ち着いてくれば、それは間違いなく、これは不要という意味でいけば、きちんとそれは元へ戻らなきゃいかぬはずなんであって、下方硬直的という経済用語はありますけれども、そういった形で下方硬直的というわけではないんであって、私どもとしては、今後とも、社会保障費のこれは高齢化に伴います増加等々が我々にとって今後とも大きな問題、そして公債残高というものに対しますもの、この二つを基本的にはおなかに置いて、私どもには、容易に減少しないというところは、その二点は非常に大きなところだとは思いますけれども、私どもとしては、下方硬直性を有しているかといえばそれほどのことではないのではないかと考えております。

中西健治みんなの党

○中西健治君 私自身は、やはり下方硬直性が少なからずあるんじゃないかというふうに思っています。それがグラフが示していることなんじゃないかと思っていますが、例えばリーマン・ショックの後の緊急措置として一兆円を上乗せした地方交付税別枠加算、これは麻生政権時代に実施したわけでありますけれども、今回の予算でも六千億円もの上乗せが残っております。  リーマン・ショックから脱出しているのであればもう必要ないのではないかと考えますが、年末の予算折衝において総務大臣と財務大臣やり合って切り込んでいったんだけれども、結局、財務大臣が最終的に矛を収めたと聞いておりますけれども、矛を収めた理由は何なんでしょうか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 矛を収めさせた方に聞かれた方がよろしいかと思いますが。  地方交付税の特別加算につきましては、これはリーマン・ショック後の危機から対応して平成二十一年度以降に講じてきていたところです。平成二十六年度の財政政策におきましては、これはもう景気の回復とか消費税率の地方税の上がった分等々、税収増が地方はあるはずですから、そういった意味で、地方の財源不足が大幅にこれは解消されるはずだということで特別加算を解消すべきとの考え方であの折衝を行ったんですが。  向こうの言い分を私の方から言うのもいかがなものかと思いますが、総務省からは、これは地方税収等々まだ十分に回復しておらず、地方交付税の別枠加算枠は継続すべき等々の御意見もありまして、私どもとして、大分、何回となく議論を経まして、地方交付税の別枠加算というものを約四割削減ということで減らさせていただいて〇・六兆円とさせていただいた。六千億、一兆円が約六千億に四割減らしたという形で両方で決着をしておりますので、今後とも、二十七年度等々が続いてくるわけですけれども、今後とも総務省とはこの点につきましては協議をし続けていかねばならぬと思っております。

中西健治みんなの党

○中西健治君 地方財政上必要だというのであれば、地方の財源不足分を国と折半で、国と地方で折半する特例加算制度がそもそもあるわけですからそちらで調整すればよく、リーマン・ショックによるあの別枠加算というのはもう不要なのではないかと私自身は考えています。平成二十七年度の予算においては遅くともこれを廃止すべきであるというふうに思いますが、私の意見として申し述べさせていただきます。  こうした様々な特別措置について、措置の本来の役割を終えているのに、制度自体が廃止されないので一度つくった特例が漫然と残ってしまうと。これは税制の特別措置にも同じようなことが言えると思いますけれども、こうした制度を厳しく見直す必要性について、財務大臣のお考えを伺いたいと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) これは、中西先生、ありとあらゆるところに言える話ですので、この部分だという具体的な話ではありませんので、全体的な話を申し上げさせていただければ、これは全体に、例えば物価が下がっているんだったらその分だけ下げたっておかしくないではないかというふうなものも、細かいことを挙げればそこから出てくるでしょうし、いろんな形で、子供の数がこれだけ減っているんだったら学校の先生だってもっと減らなくちゃおかしいじゃないかとか、いろんな御意見というのは、これは実はいろんな方面からいっぱいあるところなので、こういったところは、その時々、いわゆる世論、またいろんな方々の御意見を足して、いやいやあの頃は五十人学級だった、六十人学級だった、今は三十五人学級が当たり前だとか、いろいろ説もありますので、こういったところを一つ一つ詰めていかねばならぬというところは確かだと思っておりますが。  いずれにしても、問題は、各省に限らず、それぞれ各課にわたっていろいろ詰めて詰められないことはないようなものはいっぱいあるはずだと思っておりますので、きちんとそういったものに対応していく姿勢というのは大事なものだと思っております。

中西健治みんなの党

○中西健治君 是非厳しく見直していただきたいと思います。  よく指摘されることですけれども、今回の予算案を基に財務省が作成した試算でも、政府の中期財政目標である二〇二〇年度の基礎的財政収支の黒字化という目標には遠く及ばないという姿ということが描かれているわけでありますが、この基礎的財政収支、プライマリーバランス、これは大事な指標だとは思います、黒字化しなければ政府の新規の借金が増えるわけでありますから。けれども、この黒字化に至る過程で、GDP対比何%だ、半減だというのがそんなに意味があるのかということを私は常々思っております。  というのは、このプライマリーバランスの中には税収の自然増、自然減と、言わば結果論というもので出てくるものがプライマリーバランスということになりますから、政府がコントロールできないものという部分があると思います。ですので、政府がコントロールできる歳出の上限、歳出の削減、こうしたものを目標としてしっかり定めなきゃいけないと思いますが、それについてはいかがでしょうか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) これは、基礎的財政収支、プライマリーバランスという指標は、これは別に操作が可能なわけではありませんので、私どもとしては、各年度の予算において、それぞれに計上すべき税収とか、また経費などを適切に計上しておりますので、基礎的財政収支を恣意的に操作をしているというわけでは全くありません。  その上で、政府が掲げております財政健全化の目標というものは、これは実績値で達成することを目指していることから、御懸念のように、当初予算の時点で税収を過大に見込むといったような操作をしてもそもそも余り意味がないということになろうと思いますので、少なくとも私どもとしては、歳出額にキャップを掛けるべきではないかとか、いろんなこれは御意見があるんですが、私どもは、中期財政計画で定めております基礎的財政収支対象経費についてはGDP、国民総生産の比で低減させていくと、片っ方は千兆に対して五百兆、バランスをということで考えておるんですけれども。  いずれにしても、これには金利が入っていないじゃないかとか、いろいろな御意見があるのはよく承知をしておりますので、私どもとしては、まずはこれを、目標を立てておりますけど、この目標ですら二〇二〇年の達成は極めて厳しく、二〇一五年、予定より早めに八兆円まずはというところだったんですけれども、それは半分より二割ほど多く五兆円を超える改善ができておりますので、その面は良かったとはいえ、これは今年度、この後も引き続きずっといくかどうかというのは、これから六年間、ちょっとまだ不確定なところもあろうかと存じますが、いずれにしても、二〇二〇年までの目標を掲げておりますので、それに合わせてきちんと我々としては細かく詰めていかねばならぬところだと思っております。

中西健治みんなの党

○中西健治君 成長したときに税収はどれぐらい伸びるのかと、これが税収の弾性値ですけど、政府は一・一というのを使っていますが、これをちょっと大きくするだけでプライマリーバランスの予想図というのは全然変わってきてしまいますから、やはりこのプライマリーバランス以外にもう一つ歳出の目標を持つということが必要だと思います。  あともう一つ申し上げさせていただきたいのが、補正予算そのものについてなんです。補正予算は今回も四、五日の審議で通ってしまうということになっていますが、補正予算があるがゆえに本予算の、まあ緩んでくるということもあるかもしれません。敗者復活する、本予算で駄目だったものは補正でやればいい、こんなことがありますけれども、補正予算そのものをなくすと、そういうことについてお考え、いかがでしょう。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) これは、会社経営やら何やらきっとなさったことがおありなので経験がおありだと思いますが、財政法上は補正予算というものは、これは義務的経費の不足を補うという面と、また予算を編成した後、何らか大きな事件等々によって特に緊急となった経費を支出というときに追加の予算を行うことができるということにされておるのが理由なんですが。リーマン・ショックのときはその最たる例の一つだったと思いますが、二十四年度の補正予算も、先ほど申し上げましたように、これは政権交代直後でしたんで、いわゆる予算編成を我々が開始をいたしましたのが十二月の二十七日だったかでありましたんで、とても物理的にこれは予算編成が間に合わないということになりました。  また、今回は、この補正予算というのは、これは四月に消費税が引き上がりますんで、それによって経済の成長率が鈍化するというのをあらかじめなだらかにするというのを目的として補正予算を組んで反動減というものを緩和したんで、当然の、私どもとしては、補正予算というものはその都度都度いろいろな事由があってできてくるんであって、毎年補正予算をぽいっと勝手に積むというようなものではないんであって、この補正予算というものは、悪用とは言いませんけど、補正予算というものは、その都度、そのときの情勢に合わせて有効に活用される一つの手段としては、持っておくべき手段の一つだろうと存じております。

中西健治みんなの党

○中西健治君 手段の一つとして絶対なくせというわけではありませんが、やはり原則としてなし、そして、ない年度もあるんだということをやはり実現していかなきゃいけないというふうに私自身は思います。  続きまして、身を切る改革について伺いたいと思います。  公務員、国家公務員の人件費減額措置がこの四月から廃止をされます。これは復興財源に充てられるものということになっておりましたけれども、個人にお願いをしている復興増税、所得税、住民税はまだ続いています。しかも、消費税増税が四月から行われるそのときに、公務員の人件費カットがなくなり公務員の人件費が上がるということについて政府として違和感を感じないのか、増税を最終判断した総理にお伺いいたします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国家公務員給与について現在講じられている特例減額措置は復興財源を確保するため臨時異例の措置として行われているものでございまして、方針の決定に当たりまして、総人件費の抑制、デフレ脱却や経済再生など国政全般の観点から総合的に検討を行った結果、労働基本権制約に対する代償措置である人事院勧告制度を尊重するという政府の基本姿勢に立って、法律の規定どおり終了させるとしたものでございます。一方、我が国の厳しい財政状況を踏まえまして、行財政改革を引き続き着実に推進していかなければならないと考えています。  公務員を取り巻く諸課題に対しては、臨時異例の措置によるものではなくて、恒久的な制度改革を実行に移すことで的確に対応していく考えでありまして、具体的には、より地域、民間の実態に合わせ、能力、実績が一層反映されるように給与体系の抜本改革に取り組むとともに、定員管理の徹底、そして、既に決定をしておりますが、退職手当の引下げ等を通じて総人件費の抑制を図りつつ、公務員が使命感や誇りを持って職務に取り組める環境をつくって、国家国民のために積極的に行動できる公務員をつくっていきたいと考えております。  ちなみに、閣僚の給与につきましては、本年四月以降においても現在の特例法による減額分に相当する額、私は三割、そして閣僚は二割等を国庫に返納することにしたいと考えております。

中西健治みんなの党

○中西健治君 安倍総理は賃上げを経済界にお願いをしておりますけれども、春闘を見ても、なかなか多くの会社が賃上げという状況にはまだ至っていないという認識を持っています。民間企業の賃金アップをしっかりと確認するのが先なんじゃないでしょうか。税金でお給料をもらっている人たちの賃金を上げるのはその後なんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど申し上げましたように、公務員の総人件費の抑制とかデフレ脱却をしていくという観点を含めまして、人事院勧告制度を尊重するという政府の基本方針に立って、法律の規定にのっとって終了させるものであります。  一方、今、中西委員が御指摘になったように、消費税を引き上げていく以上、しっかりと政府を引き締めていく必要がありますから、公務員制度改革には断固たる決意を持って取り組んでいきたいと、このように思うわけでございますし、同時に、四月から我々は復興特別法人税を廃止を、一年前倒して廃止をするという大きな決断をしたわけでありますから、多くの民間企業の経営者の皆さんには賃上げに踏み切っていただきたいと期待をしているところでございます。

中西健治みんなの党

○中西健治君 民間が先なんじゃないかということを私は申し上げているわけであります。  もう一つ、国会議員の歳費削減も四月末に打ち切られることになっています。みんなの党は、恒久措置としての国会議員歳費削減法案をずっと国会に提出し続けております。国民に増税を強いる以上、少なくともこの国会議員の歳費カットは続けるべきだと思いますが、総理としての御意見を伺えば国会で議論していただきたいということになるかと思いますが、自民党総裁として、また削減措置に二〇一二年の十一月十五日の衆議院本会議で賛成票を投じた衆議院議員のお一人としてどのようにお感じになっていらっしゃるでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国会議員の歳費削減につきましては、まさに私は自民党総裁ではありますが、行政府の長として私たちはまさにこうした場において国会議員の皆様からチェックをされる立場でありまして、その国会議員の皆様の待遇等について私がこうするべきだということは、これはやはり厳に慎んだ方がいいんだろうと、自民党総裁としてもですね、と思うわけでございます。  一方、先ほど、繰り返しになりますが、閣僚そして総理大臣の歳費、給与については削減を継続をさせていただくところでございます。  他方、自民党としては、三十人削減という案を、これは定数の削減の案を自民党としての一つの考えとしてお示しをさせていただいているところでございます。

中西健治みんなの党

○中西健治君 私が二〇一二年十一月十五日と言ったのには当然意味がありまして、この十一月十五日、前の日が党首討論であります。この党首討論で、議員定数の削減が行われるまでは国会議員の歳費カット二割で約束するという、それを条件に解散をするということがなされたわけでありますので、そうした条件が付されている、そして、議員定数の削減を提案しているということでありますけれども、進んでいない。こういう現状がある以上は議員歳費のカットというのは継続すべきなんじゃないかと思います。  実際にこの二割カットの法律にも書かれているんです。「国会議員の定数削減による歳出の削減の状況等を勘案して」というふうに法律自体に書かれているわけですから、これは継続すべきなんではないかと思いますが、このおととしの十一月の経緯も踏まえて安倍総理の御意見を伺いたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに今委員が御指摘されたような経緯を経て、議員の定数が削減されるまではという条件が付いているわけでございます。当然、そうした条件を踏まえて国会において意思が決定されていくと、このように思っております。

中西健治みんなの党

○中西健治君 申し上げた経緯もあり、そして法律にも書かれていることですので、是非、与党の総裁として約束をほごにしない指導力を発揮していただきたいと思います。  続きまして、日本郵政について気になることがありますので、質問をさせていただきます。  先週、二月二十六日に発表されました日本郵政の中期計画では、最大の焦点である金融二社、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の上場について方針を示しませんでした。金融二社の今後を示さないで、二〇一五年春を目指すとする持ち株会社の株式上場などは、あと一年ですよ、到底道筋が付かないと思いますが、政府はどのように考えているんでしょうか。郵政側は株主とも話は付いていないと言っていますけれども、株主である財務大臣にお伺いしたいと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) この日本郵政の上場につきましては、これは社長の西室社長が二〇一五年中を目指す旨の発言をされておられるということは承知をいたしております。  ただ、株主であります総務相としては、日本郵政が上場のための体制整備というものを終えた後、この会社の決算、また市場情勢等々を勘案して上場のタイミングを決定することになるんだと思いますが、このため、現時点においてもまだ上場時期が決まっているというわけではありません。

中西健治みんなの党

○中西健治君 決まっていない、目標ということですが、二〇一五年春というのは到底現実的ではないというふうに私は思います。ですので、この上場目標を延期するのか、若しくは、ゆうちょ、かんぽについて早急にはっきりさせるのか、これをしなければいけないと思います。日本郵政内では、またぞろ金融二社の上場を阻止していこうとする動きがあるなどと仄聞をしております。  ところで、一昨年十二月の自民党への政権再交代の直前に旧大蔵省出身で社長に就き、その後実質的には解任をされた前社長、坂篤郎さんという方が顧問としてまだ郵政内に居座っているということでありますけれども、主務大臣である総務大臣は御存じだったでしょうか。

新藤義孝自由民主党総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)

○国務大臣(新藤義孝君) 本件につきましては、昨日の新聞報道で私も知りました。

中西健治みんなの党

○中西健治君 ということは、郵政の方からは報告がなかったということだというふうに思います。  菅官房長官にお伺いいたします。  この政権再交代のどさくさ紛れに大蔵省出身の社長のたらい回しをしたことにつき、一番強く批判をされていたのが菅官房長官だったのではないかと思いますが、この人事についてどのようにお感じになられているでしょうか。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) 実は、私のところにある方からメールがありまして、坂前社長が顧問に就任をし報酬を得ていると、また複数の顧問が存在をしていると、それについて官房長官は知っていますかということでありました。  私は、よもやそんなことはあるはずがないと、実はこう正直な思いであります。まあそういうふうに、そんなことないでしょうというメールを私は返しましたけれども、気になりまして日本郵政に尋ねてみましたら、まさにそうした事実が厳粛としてあるということでありました。私はこのことについて唖然といたしました。  まさに日本郵政というのは国民の大切な会社であります。さらに、民営化、今言われましたけれども、を推進をして、株式上場を目指して経営の効率を図らなきゃならないその会社に、大勢の顧問がいてですよ、高額の報酬を得ている。ここは国民の皆さんにとって全く私は理解をされないことだというふうに思いました。  そういう中で、監督官庁であります総務省、新藤大臣と話しまして、しっかりと総務省として指導監督してほしいと、されるということであります。そしてまた、私は、現経営陣に対して、前例にとらわれることなく、まさに厳粛に、厳正にそうした実態というものを一日も早く見直しをすべきである、こうしたことを私の立場で要請しました。

中西健治みんなの党

○中西健治君 菅官房長官、ありがとうございます。まさにそのとおりだと思います。  規制改革というのは既得権益との闘いでもありますし、こうしたところが甘くなってしまうと安倍政権の規制改革の大なたが緩んでしまう、ドリルが緩くなってしまう、そうしたことにもつながりかねませんので、是非厳正に対処をしていただきたいとお願いをいたします。  続きまして、ナベノミクス、みんなの党の経済政策についてちょっと議論をさせていただきたいと思います。  みんなの党は、デフレ脱却最優先、消費増税は凍結すべきと訴え続けていますが、それでも政府が増税を行うというのであれば緊急に必要な手当てを行うべきであるとして、緊急経済対策を取りまとめて発表いたしました。  パネルにあるとおり、アベノミクス三本の矢に対してナベノミクス新三本の矢と呼んでおりますけれども、一つは増税後の景気悪化に備えた先手の金融政策、できれば来週の三月十、十一日の日銀の政策決定会合、遅くとも、量的・質的金融緩和、QQEが行われて一年ということになりますから、四月の決定会合で追加緩和。二つ目は財政出動に頼らない経済対策。三つ目は岩盤規制の撤廃であります。  ナベノミクスのネーミング自体は、語感が合うのでなぞらえさせていただいたわけでありますけれども、総理は御出身が山口県であられますので、毛利元就公の三本の矢にちなんでネーミングされたんだと思います。渡辺喜美代表は栃木県、あの源平の戦いでの弓矢の名手、那須与一の出身地ということでございます。的を正確に射抜く矢だと思いますけれども、ナベノミクス三本の矢に対する総理の感想をお伺いしたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) かつて鍋底景気という言葉もあったわけでありますが、それとはまた逆で、どんどん鍋でぐつぐつ煮て景気が熱くなってくるといいなと、こういうふうに思います。  御党から先手の金融政策、そして財政出動によらない経済対策、岩盤規制の撤廃という新三本の矢について積極的な御提案をいただいたわけでございまして、責任野党としての御提案、建設的な御提案でございます。個別の論点につきましてはいろんな議論があるとは思いますが、デフレ脱却、経済を再生を図っていくという同じ方向性を持っていると、このように思うわけでございます。  例えば、第一の矢につきましては、二%の物価安定目標の早期実現に向けて日本銀行が責任を持って大胆な金融緩和を着実に推進していくことが重要と考えておりますが、御党からは先手の金融政策との御提案がございます。政府としては、金融政策の具体的な手法につきましては日本銀行の黒田総裁に委ねるべき、日本銀行に委ねるべきだと、このように思います。  いずれにいたしましても、黒田総裁は今国会においても、何らかのリスク要因が顕在化をして、二%の物価安定目標を実現するために必要であればちゅうちょなく政策を調整していく旨答弁をされていると、このように思います。  二本目の矢に関しては、財政出動によらず減税による経済政策を取るべきという御提案でございますが、我々は、まさに三本の矢の一体的な対応によってデフレから脱却をして全国津々浦々に景気回復の実感を届けていきたいと、こう考えている次第でございます。  そして、第三の矢につきましては、この四十年以上続いてきた米の生産調整の見直し、電力市場の自由化に向けた改革等を今進めているわけでございまして、この改革の方向性については大体御提言の方向と同じだろうと。また、様々な手法につきましてはそれぞれ検討させていただきたいと、このように思います。

中西健治みんなの党

○中西健治君 方向性は同じと。是非、御検討いただきたいと思います。  幾つか具体的に政府の所見をお伺いしたいと思うんですが、まず、NISAですけれども、これ出だしはまずまず順調のようでありますけれども、制度の拡充が必要だと考えております。  毎年の新規投資限度額が百万円、これ金融担当大臣にお伺いしたいと思いますけれども、この百万円というのはやはり少し小さいのではないかというか、しょぼいのではないかという声が多いですが、いかがでしょうか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) これは中西先生、JPなんかにおられたのでよく御存じのところだとは思うんですが、日本人の個人金融資産約一千六百兆、うち現預金が八百六十兆から八百七十兆円ぐらいだと今言われておるんですが、これは先進国、OECD加盟国の中の個人金融資産の中の分析で、やっぱり現預金が半分以上というのは、これはどう考えてもちょっと異常。  普通はその分が大体株やら債券に回っているはずなんですけれども、それがそういった形になっているのは、これは多分みんな一時期株屋にだまされたとか、痛い思いをみんなしているから、とてもじゃねえぞということになって、もうえらい勢いでやられて、私これを証券会社の総会で言ったものだからえらい不評を買ったんですけれども、私は事実だまされた人をいっぱい周りに見ていますんで、そういったのは信用できないから現金でじっと持っていくということになった背景というのを全然反省しないで、たらたら何とか言ってくる、言いがかりみたいなことを付けるな、反省が足らぬといって、まあ私、ああ、票が減ったなと思いながらしゃべっていたんですけれども、そういう話をしました。  しかし、現実問題として、これはちょっと明らかに異常に現預金に偏り過ぎていることはもうはっきりしていますので、そういった意味では、これは、たんす預金やら何やら別にして、日本銀行が正式に捕捉しているお金だけで一千六百ということになるとどう考えても異常だと思いますので、これを、少額投資非課税制度というのを始めて、まずはこういったものからというので、慣れていただくというところからスタートすることが適切ではないかというので、これ実は幾らまで非課税かというのは、結構この額を幾らに決めるかまではもめました、正直なことを申し上げて。  それで、五百とか三百とかいろいろ御説があったんですけれども、まずは出足はこんなものじゃないかというので、大体これが幾ら来るかも分からぬような話にと言ったんですけれども、現実問題としては非常に私どもの想像より多く来ておられますので、一月からこれがスタートしましたので、これがうまくいけばその額を少しずつ増やしていくということは、私どもとしては今後の検討課題だと思っております。

中西健治みんなの党

○中西健治君 百万円を三百万円にして間口を広げる。あと、五年の非課税期間、制度の存続が十年となっていますけれども、これ、お手本になったイギリス、ISAはそうした期間の縛りというのもありません。あともう一つ、二十歳で年齢制限が掛けられていますけれども、これも、先ほど株屋にだまされるという発言がありましたから二十歳というのも、ううん、どうかなという、私は十八歳に引き下げるべきだというふうに思っておりまして、投資教育という部分でも引き下げるべきであろうというふうに思っておりますが、制度の拡充を是非、進行年度中でも考えていただきたいというふうに思います。  二つ目は、配当に関する課税なんです。  企業の配当というのは、御存じのとおり、利益処分ということで課税後ということになっておりますけれども、それを課税前にする。損金算入を認めていくということによって配当が増えるということになっていくと思いますが、こうしたことについていかがでしょうか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 配当の損金算入ということは、これは、みんなの党の経済政策の中でも、これたしか語られていたのかなという記憶があるんですが、企業のためた資金というものを今どれぐらい、三百兆を超えるほど、いわゆる内部留保金という何にもしない金が三百六兆ぐらい超えていると思いますので、これを何らかの形で動かすということで、これが本来ですと設備投資に回るか、配当に回るか、賃金に回るか、そういったところに回ってもらうのが一番いいんですけれども、何となくただじっとしている。  物価は下がっているから、持ってりゃ持っている分だけ、物価の値下がり分だけ内容は良くなるということになりますので、金利が付いたのと同じような形になるというのはいかがなものかと思っておりますんですが、損金の算入につきましても、私どもいろんな、これを動かすために飲食というかいわゆる交際費課税を緩和しますとかいろんなことを、内部の金をじっとしているので動かすためにいろいろやらせていただいておるんですけれども。  損金算入の件だけを言わせていただければ、この十年間を見ますと、企業におけますいわゆる賃金というものはほとんど変わらず、ずっと増えもしなきゃ減りもしないという、少し減りぎみなぐらいな形になっております中で、いわゆる経費でない、利益処分のいわゆる配当というのは、これは平成十四年度と二十四年度と比べてみますと二・二兆円から四・二兆円までに配当の方が増えておりますので、そういった意味からいきますと、事業の経費ではないいわゆる利益処分である配当の損金算入を認めることが適切かねという御意見はちょっといろいろまだあるところなんで、これは給与等々含めていろいろこの点は検討しなきゃいかぬところかなと思っております。

中西健治みんなの党

○中西健治君 我々の提案というのは、個人株主への配当を行う上場企業に限定する、同族企業等がこうした制度をもし損金算入できるということになったら悪用する可能性があるということでそこは限定するということと、今、二重課税をなくすために、配当を受け取るのは法人の場合には益金不算入という制度がありますけれども、それはなくすという両方向のことをしたらどうだというのが私どもの提案でございます。  そうしますと、我々の試算でいきますと、損金算入することとそれから企業の益金不算入ということをネットにしますと九千億くらいの減税になるのかなというふうに考えておりますので、これも是非御検討をいただきたいと思います。  それからもう一つ、もっと銀行にリスクを取らせようという提案なんですが、銀行から中小企業や成長産業への融資がなかなか進まないのは、銀行の抱えるリスクを個別に貸倒引当金として計上する場合に、会計上は損金扱いされていますけれども、税務上はもうごく限定的にしか損金算入できません。ですので、これを損金算入することによって中小企業や成長企業に対して銀行がリスクを取りやすくする、融資をする、そうしたことを促せるんじゃないかと思いますが、これについても金融担当大臣としてお答えをお願いします。財務大臣としてはノーと言う可能性が非常に高いので、金融担当大臣として。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 財務大臣としてはノーですな。しかし、これ一つの物の考え方ですから、はなから駄目ですと言うつもりはありませんので、予算委員会じゃなくて財金ででも話をしましょうか。

中西健治みんなの党

○中西健治君 財務大臣、私は財金から今外交防衛委員会に移っておりますので、また私の同僚に議論を続けるように頼んでおきたいと思いますが、日銀の貸出支援制度の拡充よりも銀行自体が能動的に貸出しを行うということになるのではないかと思いますので、是非、政策効果も高いことだと思いますので御検討いただきたいと思います。  外交防衛委員会に移ったということで、一つ外交問題について最後質問をさせていただきたいと思いますが、二月二十五日、民放のテレビ番組でシリアへの対応をめぐる日米首脳の緊迫したやり取りに関する報道がされました。  昨年の十一月七日の外交防衛委員会で、私、岸田外務大臣に、九月六日のサンクトペテルブルク・サミットにおける日米首脳会談時には安倍総理は化学兵器の使用がシリア政府によるものというのは断定していなかったのが、翌日、日本も加わった十二か国の共同声明、これでは化学兵器の使用がシリア政府によるものと断定がされたわけです。この一日の間に何かあったんじゃないですかということをお聞きしたところ、岸田外務大臣は、機微な情報の提供があったということはお認めになられました。その内容について私はお聞きするつもりはありません。  この報道では、安倍総理は、オバマ大統領の再三の要請にもかかわらず情報を確認するまでは共同声明に参加することは拒み続け、それが日米関係の気まずさの一因となっているというふうに報道されていましたが、私は安倍総理の姿勢というのを支持します。イラク戦争のこともありましたから、証拠をしっかり見るまでは、それはそうした共同声明に署名などできないと思います。  ただ、ここで一点問題となるかもしれないということが、日本が第一級のこうした情報を遅滞なく、各国に比べて遅滞なく受け取ることができていたのかどうかということであります。これについていかがでしょうか。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 我が国は米国との間で幅広い分野で協力を行っており、御指摘のシリア情勢、もちろんですが、北朝鮮の核問題あるいはミサイル問題、そしてイランの核問題等、様々な分野におきまして緊密な意思疎通を図りながら連携しております。今日までも適時適切に必要な情報提供は行われていると認識をしております。  それに加えまして、先般、特定秘密保護法が成立をしました。これから我が国として、この情報保全に関しましての体制がしっかりとつくられることになります。こうした体制が整備されることによって、より一層信頼感は高まることになるわけですし、より高度な情報が提供されることも期待できるのではないか、このように考えています。

中西健治みんなの党

○中西健治君 アメリカにはCANAUSUKUSと判の押された機密文書があって、これは、カナダ、オーストラリア、UK、USにしか開示されない情報であるというのはよく知られている話なんではないかと思います。強固な同盟関係を結んでいるアメリカから第一級の情報を得ることができる、より高度な情報を得られるかもしれないというのは、ひょっとしたら今一番いい情報は得られていないということを意味しているのかもしれませんが、これは日本が集団的自衛権行使を容認していないということも一つの要因なのかどうか、総理にお伺いして、私の質問は終わらせていただきたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員が御指摘になったような認識は持ってはおりませんが、同盟国としてやはり信頼性を上げていくことは情報の提供につながっていくわけでございますし、情報というのは、実は情報を得る場合はこちらからも出していく情報があるという、それは情報の世界においてはそれが一つのルールでもあるわけでありますが、そうしたことも踏まえながら日米間の情報の言わば協力というのは進んできているんだろうと思いますが、先ほど岸田外務大臣が答弁をいたしましたように、特定秘密保護法が制定をされまして、先般、上院の情報委員会におきまして、米国のクラッパー国家情報長官が、日本は特定秘密保護法を成立をさせ、我々と更に情報を共有することが可能となった、日本は情報分野の優れたパートナーになってきていると、このように証言をしているわけであります。  このことが余り報道されていないのは残念でございますが、このようにだんだん情報の分野においても密接なパートナーとなってきていると、このように認識をしております。

中西健治みんなの党

○中西健治君 どうもありがとうございました。私の質問を終わります。  ありがとうございました。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 以上で中西健治君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 次に、薬師寺みちよ君の質疑を行います。薬師寺みちよ君。

薬師寺みちよみんなの党

○薬師寺みちよ君 みんなの党の薬師寺みちよでございます。  本日は、予算委員会での質問の機会をお与えいただきまして、誠にありがとうございます。子育てをしながら医療に従事してきた女性の観点から政府に対して質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  さて、日本は超高齢化社会を迎えております。このような日本の現状から、今後の財政上の問題について、まずは総理の御所見をお伺いしたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 急速な少子高齢化の進展によって、今後とも社会保障費の増加が避けられないという状況でありますが、消費税の引上げによって安定財源を確保するとともに、不断の改革を行うことによって受益と負担の均衡を図っていくことが重要であると、このように考えております。平成二十六年度を改革の第一歩とするべく、先般設置をいたしました社会保障制度改革推進本部を司令塔といたしまして、社会保障制度改革を着実に進め、暮らしの安心を取り戻していきたいと、このように考えているところでございます。  具体的には、社会保障制度改革国民会議の報告も踏まえまして、負担能力に応じた負担をいただくよう見直しを行っていくとともに、社会保障費の自然増の抑制にできる限りの努力を続けていく考えであります。そのため、後発医薬品の使用促進や、生活習慣病予防や介護予防の推進などにも取り組んでいく考えでありまして、まさに社会保障費というのは国民の皆様の負担によって成り立っているわけであって、負担があるからこそ給付があるわけでありますが、効率化を図りながら給付の質を落とさないように努力をしていきたいと思っております。

薬師寺みちよみんなの党

○薬師寺みちよ君 総理が御指摘のとおり、超高齢化社会において、社会保障関係費の確保及び配分がこれからの課題になってくるかと思います。  平成二十六年度の一般会計予算でも、社会保障関係費が三一・八%を占めております。とりわけその中でも医療費の占める割合は高く、最近では毎年およそ一兆円ずつが増加いたしております。みんなの党がかねてより主張してまいりました、増税の前にやるべきことがあるだろうという観点からも、医療制度の抜本的改革が必要だと考えます。その改革案を策定するためにも、日本の医療ビジョンを総理はどのように描かれていらっしゃるのか、お教えいただけますでしょうか。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 高齢社会、超高齢社会に入っていく中でどのような日本の医療ビジョンを我々模索しているかといいますと、二〇二五年に向かって団塊世代がいよいよ七十五歳を迎えられると。これ大変な超高齢社会になるわけでありまして、今までの病院完結型というような医療から地域完結型の医療、介護、こういう姿に変わっていかなければならないと。  急性期ももちろん必要ではありますけれども、急性期の後の受皿、言うなれば、退院を早期にした後、一つは地域包括ケア病棟というものを今考えておりますが、そのような受皿と同時に、やはり在宅医療というような形で対応ができていけないか、こういうことを考えておるわけでありまして、地域包括ケアシステムというような方向性を今見出しておるわけであります。  二十六年度から、そういう意味では病床機能の報告制度、これを導入をさせていただきながら、二十七年度に地域医療構想、これはよく地域医療ビジョンと言いますけれども、これを各自治体、もちろん都道府県だけではなくて医療関係者、保険者等々入っていただきながら、こういうものをつくっていただきながら、二〇二五年に向かってしっかりとしたビジョンをつくってまいりたい、このように考えております。

薬師寺みちよみんなの党

○薬師寺みちよ君 田村大臣、大変丁寧な御答弁、ありがとうございました。  私は、小手先の法改正ではなく、医療のグランドデザイン自体を描き直す必要があるのではないかと考えております。医療提供体制の再構築、医学教育の改革、さらには医療や介護専門職の職能、職域の抜本的な見直し、医療費の増加は今後避けられなくなってしまいます。  特に重要なのが、我が国のような高齢化社会における健康の定義ではないんでしょうか。二十代の若者と八十代の高齢者を同じ数値目標で治療を行っていてもいいんでしょうか。血液データを正常に戻すために御高齢の方が薬漬けになってしまう。副作用を治療するために更に薬を加えられる。本来の治療は健康になるために行うべきものであり、数値を正常に戻すために行われるものであってはならないはずなんです。老いを加味した健康が人間のあるべき姿ではないんでしょうか。  総理は高齢化社会における健康をどのように定義されているとお考えでいらっしゃいますでしょうか、御所見をお伺いしたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 厚生省の正式な見解は田村大臣から述べさせていただきたいと思いますが、確かに今委員が御指摘になったようなきめ細かな健康管理というのは大切なんだろうと思うわけでありますが、言わば高齢化社会において元気で長生きということが大切なんだろうと、このように思うわけでありまして、三十代、四十代の体力を六十、七十、八十代で求める必要はないわけでありまして、身の回りのことができて、寝たきりにならないような、そういう人生を送れるような、そういう健康管理が大切、それこそ健康長寿ではないのかなと、このように思っておるところでございます。

薬師寺みちよみんなの党

○薬師寺みちよ君 私も、健康に障害を持っていても生き生きと生活できる社会こそ健康長寿国、日本にふさわしい国の形だと思っております。高齢化社会先進国の日本として、世界に向け新たな高齢化社会における健康の定義を発信していってこそ、重要だと考えております。是非とも政府におかれましては、社会保障制度改革を推進する上で目指すべきゴールを十分に見極めた取組を行うよう強く求めてまいりたいと思います。  次に、昨年六月にまとめられました政府の日本再興戦略でも健康・医療戦略は重点分野と位置付けられております。政府は、今国会に世界最高水準の医療を提供するための研究開発を目的とした法案を提出されております。この法案は、米国立衛生研究所、いわゆるNIHを手本として、日本版NIHを構想されたと伺っております。今回の構想について、米国のNIHと対比をしながら御説明いただけますでしょうか、お願いいたします。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) 米国における研究開発の中核であります国立衛生研究所は二十七の独立研究所等で構成されており、それぞれの研究所において研究開発を実施するとともに、予算、その研究費の配分も二十七の研究所で行っているものであります。  一方、日本のこの組織というのは、米国の組織をそのまま導入するのではなく、米国とは異なって、自前で研究所を持たない、さらには研究費の配分、研究管理、さらには支援等に特化した法人にする予定であります。こうした形態にしたのは、我が国においてはこれまで大学や研究室等において医療分野の優れた研究が行われてきた、こうしたことを生かして機構が一体的に研究管理、支援等を実施することが最も効果的で効率的だろうと、こういう判断からそのようにさせていただきました。

薬師寺みちよみんなの党

○薬師寺みちよ君 ただいま御説明いただきました法人、日本医療研究開発機構では文科、厚労、経産、三省の研究予算を一元化することとなっており、しかし、新独法の予算千二百十億円のほかに、文科、厚労、経産のインハウス研究機関の経費として総額七百四十億円に加え、文科省の科研費も別途確保されている現状です。これで本当に一元化されたと言えるのか。このスキームで本当に成長戦略に寄与できるとお考えでいらっしゃいますでしょうか、お願いいたします。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) 我が国のこの医療研究開発機構は、平成二十七年度四月、その設立を予定をしておりますけれども、政府はそうした機構の立ち上げに先立って、二十六年度予算案から同機構向けの対象経費を取りまとめておりまして、総額で約一千四百億円であります。機構の設立後、これらの予算は関係府省から補助金として機構に交付されて、これによって国が定める戦略に基づいてトップダウンの研究開発等の予算を機構に集約して、基礎から実用化まで切れ目のない支援ができるというふうに思っています。  研究費の配分等がワンストップ化されるわけでありまして、この切れ目のない支援と同時に、さらに事務負担の軽減につながること、また研究支援や知的財産の取得、さらには企業とのマッチング等の実用化に必要な支援を受けられることなど、こうしたメリットが数多く出てくるというふうに考えています。

薬師寺みちよみんなの党

○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。  しかし、独法が一つ増えただけではないか、三省の権限は残存してしまったなど、日本版NIHの構想は尻すぼみだと報じられております。小さく産んで大きく育てるという発想で、省庁の省益を排し、本来のNIHの構想に近づけるように今後も議論をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  次に、本構想における人材育成について質問をさせていただきたいと思います。  アメリカでは、大学で基礎科学を学んだ上でメディカルスクールと言われている医師の専門職大学院に進学いたします。そのため、基礎研究も臨床も両方理解した人材育成が可能となっております。一方、日本の医学部では臨床に偏った教育カリキュラムになっているため、基礎研究から臨床への橋渡しができる人材が不足いたしております。  今回の日本版NIHの創設に当たり、橋渡しできる人材の育成が必要になってくるかと思いますが、文科省として今後どのような取組をお考えでいらっしゃいますでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、世界最高水準の医療の提供に資する医療関連分野の研究開発等を推進するためには、日本医療研究開発機構の創設に合わせて、従来の医学教育にとどまらず、幅広く研究開発人材を育成することが重要だと考えております。  文科省では平成二十五年度から、医学分野を核として、工学、医学、経済学等多様な分野との連携、融合により、橋渡し研究を始めとする最先端医療の研究開発をリードできる人材を育成するメディカル・イノベーション推進人材養成事業を開始したところでございます。また、大学等の基礎研究の成果を臨床応用まで橋渡しできるよう、全国七か所に整備した拠点に対し、橋渡し研究に係る専門人材の確保、育成の支援を行っており、平成二十六年度予算案でも各拠点の機能強化を図っていくこととしております。  文科省としては、今後、日本医療研究開発機構と連携しながら、更に世界をリードできる医療関係分野の研究人材の育成、確保に努めてまいりたいと思います。

薬師寺みちよみんなの党

○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。  橋渡し研究の一翼を担う臨床研修専門医の効率的な育成が進まない事態を放置すると、更なる空洞化が進行し、世界でリーダーシップを発揮することはできないでしょう。遅きに失した感は否めませんが、早急に橋渡しができる人材の育成にも着手していただきたいと思います。  また、最近、製薬会社ノバルティスのデータ改ざんを始め日本の研究機関の信頼を失墜させる報道が増加いたしております。早急に世界からの信頼を取り戻さなければ、今回の成長戦略は絵に描いた餅に終わってしまいます。日本の臨床研究の信頼を回復させるためにも、どのような施策が厚労大臣は必要だとお考えでいらっしゃいますでしょうか、お願いいたします。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 今委員おっしゃられましたノバルティスファーマ社のディオバン事件でありますけれども、これを受けて検討委員会の方を立ち上げて、去年の十月に中間の取りまとめをしていただきました。こういうものを踏まえながら、臨床研修に関する倫理指針というものを今作り直している最中であります。  例えばそのデータ改ざん、これができないような防止体制をどうやって組むかでありますとか、それから倫理審査委員会、これも強化しなければならないわけでありますし、研究者、研究者の責任者ですね、こういう方々の教育研修、さらには責任の明確化等々、こういうものもしっかりと考えていかなきゃならないわけでありまして、こういう観点から今見直しをさせていただいております。  あわせて、この中間取りまとめで法的な対応、これをしてはどうかというような、こういう御意見もいただいております。今年の秋をめどに法的な対応、法律の整備ですね、これをする必要があるのかないのか、する場合にはどういうような点が重要なのか、こういうことも含めて検討するための検討会を早急に立ち上げさせていただきながらいろいろと議論をさせていただきたい、このように考えております。

薬師寺みちよみんなの党

○薬師寺みちよ君 今回の改ざんの問題というのは氷山の一角と言われております。本場NIHに学び、被験者保護をテーマとしたトレーニングコースを研究費による臨床研究を行う研究者に義務付けるなど、施策を日本でも導入すべきではないんでしょうか。残念ながら、本日の答弁からも、この日本版NIHの構想については、独法の在り方や人材育成の面など、課題が山積していることが分かりました。一人の医療者として、NIH構想がより良いものになるよう今後も委員会などで十分な審議を重ねてまいりたいと思っております。  それでは、私もワーキングマザーの一人として、女性政策についてお伺いしたいと思います。  総理がダボス会議や施政方針演説で触れられているように、私も女性が輝く社会を目指しております。これまでも、育児休業制度や両立支援制度など様々な男女共同参画のための施策が実施されてまいりました。しかし、女性の労働力は、結婚、出産に当たる年代に一旦低下し、育児が落ち着いた時点で再び上昇するというこのM字カーブ、いまだに回復はいたしておりません。  二〇二〇年には指導的地位の三割以上が女性となる社会を実現することを総理は目標としていらっしゃいますが、どのような施策をお考えでいらっしゃいますでしょうか、お願いいたします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 二〇二〇年までに指導的地位の三割以上が女性となるという、これは野心的な目標ではありますが、この中におきまして、企業の役員、現在管理職に占める女性の割合は一一・二%にとどまっているわけでありまして、こうした現状を踏まえまして、昨年の四月に私から経済界に対しまして、全ての上場企業において積極的に役員そして管理職に女性を登用すること、まずは役員に一人は女性を登用することを要請したところでございます。  企業における役員等の女性登用を加速するために、企業への助成金制度の拡充、そして企業における女性の活躍状況を情報公開するなど、企業の主体的な取組を更に後押ししていく考えであります。

薬師寺みちよみんなの党

○薬師寺みちよ君 応援メッセージと受け取らせていただきます。ありがとうございました。  女性は柔軟な考え方で自分の居場所を求め、多様化する社会のニーズに応えるため、活躍の場を企業の中だけではなく地域社会にも拡大させようといたしております。このように、女性が活躍できる社会をつくることは将来の日本にどのような利益をもたらすとお考えでしょうか。女性として、森担当大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

森まさこ自由民主党内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全・少子化対策・男女共同参画)

○国務大臣(森まさこ君) 御指摘のM字カーブ、そして女性で働きたいと思っているけれども働けずにいる方が三百万人超に上っております。  このように、我が国最大の潜在力となっている女性の力を最大限発揮できるようにすることは、少子高齢化で労働力人口の減少が懸念される中で新たな成長分野を支えていく人材を確保していくためにも不可欠です。また、女性が労働参加をいたしますと、多様な価値観を取り込む新たなサービス、製品の創出を促進し、新たな市場が開拓されることが期待できるほか、家庭の単位で見ても、家計所得と購買力が増大し、景気の好循環が動き出します。女性の労働参加率が男性並みになれば日本のGDPは一六%伸びるという試算もあり、女性の活躍は我が国の経済成長につながるものと考えられます。  こうしたことを踏まえ、御指摘の地域の活性化も踏まえまして各般施策を進めてまいりたいと思っております。

薬師寺みちよみんなの党

○薬師寺みちよ君 私も同感でございます。ありがとうございました。  お答えいただきました利益を享受するには、まだまだ課題が山積いたしております。その一つとして、企業で就労する女性の問題がございます。パネルを御覧ください。(資料提示)  育児休業制度の取得率は向上傾向にはありますが、出産前に就労していた女性の約六割が出産後に離職いたしております。この傾向は昭和六十年代から変わるものではありません。女性が活躍する社会となるためにも、この六割の中で継続して就労を希望する方が働き続けられる環境整備が必要と考えますが、厚労大臣の御所見、教えていただけますでしょうか。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 委員おっしゃられましたとおり、第一子出産後、六割の女性の方々が離職されていると。育児休業の取得率自体は七割から八割と言われていますが、そもそも四割の中での七割から八割でありますから数字としては大して大きくないわけでありまして、両立支援、大変重要であろうというふうに考えております。  育児休業法等々でいろいろの対応をさせていただいておりますが、短時間勤務、これ義務化されていることを周知徹底していく必要があると思います。それから、次世代育成法、これに関しまして、くるみん認定等々でいろいろな支援を企業にもしておるわけでありますが、好事例集でありますとか、また助成金制度、さらにはいろんな意味で表彰する制度等々もやっておるわけであります。  今回、この国会に出させていただいておりますけれども、次世代育成法、これを更に延長、強化をしたいと思っておりまして、例えば中小企業支援といたしまして、プランナー、これを配置をしながら、育児休業を取っていただいた場合、助成金で三十万、そして復職していただいたらまた三十万というような、ちょっと具体的にかなり皆様方にとってインパクトのあるような、そのようなことを予定をさせていただいておりまして、こういうものを使いながら、是非とも両立できるようなそんな体制を整えてまいりたい、このように思っております。

薬師寺みちよみんなの党

○薬師寺みちよ君 私は子育て中に臨床を諦めなければならなかったという経験から言わせていただきますと、育児休業で職場を離れるのではなく、就労を希望する方には就労を継続できる環境を整備する施策が重要だと考えております。育休を取得するにしても、それぞれのライフステージやニーズに合わせて分割して取得できるような弾力的な制度にしていただくと更に活用が増えるかと思いますが、厚労大臣、いかがお考えでいらっしゃいますでしょうか。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) これ、育休も、おっしゃられますとおり、分割して取れるようにした方がそれはいいわけでございまして、今の制度の中ででもいろいろな弾力化も含めて、これはしっかりと対応してまいりたいと、このように考えております。

薬師寺みちよみんなの党

○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。  まだまだ利用者本位の制度とはなっていない。今後も柔軟な対応を委員会の方でも議論させていただきたいと思います。  また、本日は深くは触れませんが、介護、看護のため前職を離職した人は四十八万七千人、過去五年間におります。このうち八割を女性が占めております。超高齢化社会を迎える日本では、今後も介護の需要が高まることは明らかです。介護離職は女性の就職率に大きく影響してくると考えますが、政府はどのような対策をお考えでいらっしゃいますでしょうか、教えてください。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 育休、介護休業法、これで介護休業の方も短時間勤務等々これ義務付けておるわけでありまして、これ周知徹底をしていくわけでありますが、あわせて、もちろん介護休業も取れるわけでありまして、これの、介護ってずっと続きますから、僅か九十何日の休業をいただいたところでずっとというわけにいきませんから、それはまさにどういう体制を組んでいくかというような、そういう期間であるわけでありまして、そのようなことを合理的にいろいろと考えていただけるようなことを周知徹底をさせていただきたいなというふうに思っております。  それから、ファミリー・フレンドリーというような形で、企業に対していろんなこちらの方から表彰もさせていただいておりますし、またシンポジウム等々も組む、こういうこともやっておりますが、今般、好事例集だけではなくて、実証実験というものを二十六年度事業でやりたいと思っております。これ、百社に対しまして、大企業、中小企業、こういうところもいろいろとバラエティーに富んで、こうやれば介護休業を取りやすくなりますねというような、そういうようなことも含めて実証実験をさせていただいて、好事例集、これ集めてまいりたいというふうに思っております。

薬師寺みちよみんなの党

○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  では、森大臣にお伺いしたいと思います。  今後、女性が働き続けるための課題として介護、家事の負担が挙げられます。昨年六月の日本再興戦略の中にも、「ベビーシッターやハウスキーパーなどの経費負担の軽減に向けた方策を検討する。」とございました。ベビーシッターやハウスキーパーなどの雇用創出の観点からもこの方策は重要だと考えますが、現時点での検討状況、お聞かせいただけますでしょうか。

森まさこ自由民主党内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全・少子化対策・男女共同参画)

○国務大臣(森まさこ君) ベビーシッターに関しては、平成二十七年度からの本格施行を予定している子ども・子育て支援新制度の中におきまして、保育の必要性の認定を受けた方のうち、障害児や小児慢性疾患に罹患をしている乳幼児のうち、個別なケアが必要となる場合など一定の要件を満たす場合には居宅訪問型保育として公的給付を行う方針としております。  また、一月二十日に産業競争力会議で決定されました成長戦略進化のための今後の検討方針においては、ベビーシッターやハウスキーパー等の家事・育児支援サービスの利用者負担軽減に向けた方策、品質保証の仕組みの導入、人材供給の拡大のための方策等について検討することとされたところであります。  ベビーシッターなどの活用は仕事と子育てとを両立させていく上で重要なものと考えておりまして、検討方針も踏まえ、どのような支援が必要か、検討を進めてまいりたいと思います。

薬師寺みちよみんなの党

○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。  私もベビーシッターの皆様方やハウスキーパーの皆様方がいなければここに立っていることもできない身でございました。是非今後も御検討の方、よろしくお願いしたいと思います。  最後になりますが、日本社会には、男性のみが長時間働き、女性が家庭の役割を担うという意識を持っている方々がまだまだ多いと思われます。女性に仕事か家庭かの二者択一を迫らず、女性が活躍できる社会の環境整備を総理自らが関係団体や社会に対して要請していただく御覚悟はおありでしょうか。御決意のほど、お伺いをさせてください。よろしくお願いいたします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 女性の活躍は成長戦略の中核でありまして、出産、子育て等による離職の減少や、指導的地位に占める女性の増加等によって女性が活躍できる環境整備を推進をしているところでありますが、具体的には、待機児童解消加速化プランの推進、そして育休給付の引上げ、女性の活躍促進等に取り組む企業に対する助成支援など、総合的な施策を展開をしているところでございますが、まさにこの人口が減少していく中において、女性の活躍なしには日本は成長を成し遂げることはできないと、この認識の下に、政府一丸となって女性が輝く日本をつくっていきたいと、このように考えております。

薬師寺みちよみんなの党

○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。心強く今の答弁受け取らせていただきました。  先ほども触れましたけれども、女性というのは企業の中で活躍することだけを望んでいるわけではございません。地域社会の中で、NPOを立ち上げ、介護に関わり、様々な場面で新しい市場を開拓する、新たな視点でこの日本の経済を支えていく、そういう人材になっていくかと思いますので、総理も今後とも社会に対して是非強く、今の御答弁のように働きかけ、よろしくお願いしたいと思います。  旧来の日本社会の中で、育児、介護というものは主に女性が担ってまいりました。しかし、今後は核家族化が進みます。多様なライフスタイルを望み、これからの日本では育児、介護というものが、個人だけが負担するのではなく、社会や地域全体で分担していくことが大切だと私は考えております。また、冒頭に健康の定義お伺いをいたしましたけれども、病や障害を持たれた方々も生き生きと生活できる、お互いを認め合える、そんな社会を目指していくべきだと考えております。  今後は、経済成長のためにも、総理が先頭に立ち、政府もこのような観点から社会保障制度や女性政策の企画立案をいただけますことを切にお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 以上で薬師寺みちよ君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 次に、小池晃君の質疑を行います。小池晃君。

小池晃日本共産党

○小池晃君 日本共産党の小池晃です。  集団的自衛権について質問します。  まず、集団的自衛権とは何か。そして、日本国憲法に照らして集団的自衛権が行使できないとしている理由を説明してください。

小松一郎内閣法制局長官

○政府特別補佐人(小松一郎君) まず、御質問にお答えするに先立ちまして、私は、本国会序盤に心ならずも一か月近く入院を余儀なくされ、その間に内閣に多大な御迷惑をお掛けしたのみならず、本院における御審議にも答弁要求にお応えできなかったことにより支障をもたらしてしまいましたことを誠に申し訳なく思っておりまして、この場をお借りして心よりおわび申し上げます。  そこで、御質問、まず第一点、集団的自衛権とは何かということでございますが、既に本委員会におきまして私から民主党の大塚委員の御質問に御答弁申し上げたとおり、国際法上の概念でございます。  国際法の解釈、適用、実施は外務省の所掌事務でございまして、内閣法制局の所掌ではございませんが、私が理解しているところを申し上げますと、集団的自衛権とは、国際法上、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、武力を行使して阻止することが正当化される地位、やや硬い言葉で申し上げますと、国連憲章第二条第四項の定める武力行使の一般的禁止に対する違法性阻却事由であると一般に理解されております。  次に、集団的自衛権の行使と憲法との関係に関する従来からの政府の見解を御説明申し上げれば、次のとおりでございます。  憲法第九条の文言は、我が国として国際関係において実力の行使を行うことを一切禁じているように見えるが、政府としては、憲法前文で確認している日本国民の平和的生存権や憲法第十三条が生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利を国政上尊重すべきこととしている趣旨を踏まえて考えると、憲法第九条は、外部からの武力攻撃によって国民の生命や身体が危険にさらされるような場合にこれを排除するために必要最小限度の範囲で実力を行使することまでは禁じていないと解している。  これに対しまして、集団的自衛権を行使するということは、我が国にではなく他国に加えられた武力攻撃を武力を行使して阻止することを内容とするものでございますので、憲法上許容されない。  以上が従来の政府見解でございます。

小池晃日本共産党

○小池晃君 集団的自衛権の行使を可能にするということは、我が国に対する武力攻撃が行われていないにもかかわらず武力行使に参加をする、これを憲法九条が禁止しているのは自明のことであります。  そこで、こうした憲法解釈に基づくこれまでの日本の自衛隊の活動について聞きます。  二〇〇一年のアフガン戦争、そして二〇〇三年のイラク戦争の際にも、自衛隊派遣するために特措法を制定しました。いずれの場合も、武力行使をしない、戦闘地域に行かないと第二条の二項、三項に書き込みました。条文を読み上げてください。

小松一郎内閣法制局長官

○政府特別補佐人(小松一郎君) まず、テロ対策特別措置法第二条第二項でございますが、以下のとおり定めております。  対応措置の実施は、武力による威嚇又は武力の行使に当たるものであってはならない。  同じテロ対策特別措置法第二条第三項でございますが、以下のとおり定めております。  対応措置については、我が国領域及び現に戦闘行為(国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為をいう。以下同じ。)が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる次に掲げる地域において実施するものとする。一、公海(海洋法に関する国際連合条約に規定する排他的経済水域を含む。第六条第五項において同じ。)及びその上空。二、外国の領域(当該対応措置が行われることについて当該外国の同意がある場合に限る。)。  以上でございます。  次に、イラク特措法第二条第二項でございますが、既に読み上げましたテロ特措法第二条第二項と同じ規定でございます。  そして、イラク特措法第二条第三項でございますが、既に読み上げましたテロ特措法第二条第三項とほぼ同じ規定でございますが、テロ特措法と異なるところは、第一号にイラクの領域を含めた外国の領域と定めておりまして、第二号に公海及びその上空を掲げているというところでございます。  以上でございます。

小池晃日本共産党

○小池晃君 官房長官に確認しますが、このイラク特措法あるいは旧テロ特措法の第二条二項、三項は、米軍などに協力支援活動を実施するけれども、その場合も外国の領域で憲法が禁じている武力行使はしないと、武力行使と一体化する活動は行わないという意味ですね。確認です。

小松一郎内閣法制局長官

○政府特別補佐人(小松一郎君) まず、今の規定、読み上げました規定は、集団的自衛権とは関係がないということをまずお答えいたします。なぜならば、このイラク特措法、テロ特措法で予定しております行動はいわゆる後方支援と呼ばれる活動でございまして、それ自体、武力行使とは関係ないから、国際法上、阻却すべき違法性がないからでございます。(発言する者あり)  その上で、憲法九条の解釈として従来政府が申し上げておりますことは、そういうそれ自体が武力行使に当たらない活動であっても、外国が行う武力行使と一体化する行動を行うことは、我が国があたかも武力行使を行ったと同じように評価されるおそれがあると。これは憲法との関係という意味でございますが、そういう武力行使の一体化という法理を従来政府は取ってきておりまして、そのこととの関係で今申し上げたような規定になっているわけでございます。

小池晃日本共産党

○小池晃君 私が聞いたことにちゃんと答えてくださいね。後半だけ聞いたんですよ。憲法の番人なんだから、安倍政権の番犬みたいなことをしないでください。  総理に聞きますが、今までのことも踏まえて、これまで政府は憲法に照らして、我が国に対する武力攻撃発生しないときには、海外での武力行使も、他国の武力行使と一体とみなされるものもできないというふうにしてきたんですね。間違いない。今の確認されました、憲法に照らして。  集団的自衛権を行使できるようにするということは、日本が武力攻撃を受けていないときにも武力行使を可能にすると。これはあくまで基本的な定義についてお伺いします。そうですね。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 集団的自衛権の行使についての一般的な定義については法制局長官から答弁したとおりでございまして、私としても同じ考え方、言わば集団的自衛権の行使については同じ認識でございます。それが我が国にはできるかということですか。  それも今まで、従来の、答弁については法制局長官から答弁したところであります。

小池晃日本共産党

○小池晃君 いや、私が聞いたのは、集団的自衛権行使できるようにするということは、武力攻撃受けてなくても武力行使可能になるということですねと聞いているんです。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 現在、今、安保法制懇において議論を重ねているわけでありますが、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増しており、大量破壊兵器や弾道ミサイルの脅威は深刻度を増していると。また、サイバー攻撃のような国境を越える新しい脅威も増大をしている中において、このような状況の下では脅威は容易に国境を越えてくるわけでありまして、もはやどの国も一国のみにおいては自国の平和と安全を守ることはできないという認識であります。  そして、自国の平和と安全を守るためには国際社会と協力して地域や世界の平和を確保していくことが不可欠であり、このような観点に立って安全保障の法的基盤を再構築する必要があるという考え方の下に、ただいま安保法制懇において議論がなされているわけでございますが、集団的自衛権につきましても、これは個別的な事例に即して分類をしながら議論を重ねているわけでございまして、例えば、公海上におきまして、我が国に対する攻撃が行われていないという状況の中におきまして、しかし他国からのミサイル発射が懸念される中において、警戒している米国のイージス艦に対して、我が方のイージス艦がそのイージス艦に向かってくるミサイルを撃ち落とす能力があっても撃ち落とさなくてもいいのかと、こういう事例について議論をしているところでございます。

小池晃日本共産党

○小池晃君 そういうことを聞いているんじゃないんですよ。何か、これをやるのかどうかと聞いているんじゃないですよね。何でもできるとは言っていないんですよ。日本が集団的自衛権行使できるようになるということは、日本に武力攻撃が加わっていなくても武力行使が可能になるということですねという言葉の意味を私は確認しているので、お答えください。もう明確だと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) それはまさに、言葉の定義ということについてはそういう定義であります。

小池晃日本共産党

○小池晃君 テロ特措法の国会審議の際に、当時の小泉首相はこう述べています。  NATOは集団的自衛権の行使として対米支援活動をすると言っている、NATO諸国は日本と違って彼らはアメリカと一緒に武力行使することを辞さないと言っている、明らかに日本とは違うんですと、日本は武力行使もしないし、戦闘行為にも参加しないんです、戦場には出ていかないんです、日本としても苦労しているんです、国際社会の一員としての責任をどう果たそうか、こういう答弁しています。  そもそも、アフガン戦争を我々は断じて認めません。テロを戦争でなくすことはできないことは今の事態を見ても明らかです。しかし、当時の日本政府は、集団的自衛権が行使できなかったから、自衛隊の派遣はしたけれども、武力行使はしません、戦闘行為に参加しません、戦場には出ませんという、そういう立場を取ったわけですね。もしも日本が集団的自衛権行使できるようになれば、アフガニスタンのような戦闘地域でNATO諸国と同じように武力行使も可能になるということじゃないですか。実際にそうするかどうかを聞いているんじゃないですよ。可能になるということは、これは間違いないんじゃないですか。  自民党の石破茂幹事長は、「日本人のための「集団的自衛権」入門」の中でアフガン戦争についてこう書いています。論理上は、日本の集団的自衛権の行使が可能になっていたならば、あの戦いに自衛隊が参加した可能性はゼロではない。そういうことですね。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 現在、その石破幹事長が書かれた本でございますが、今、例えば安保法制懇においてどういう議論がなされているかといえば、例えば、今アフガンの例を出されたわけでございますが、実際に戦闘に参加するということについての議論ではなくて、そこに例えば医薬品あるいは弾丸等を運ぶことができるかどうかということについての議論はなされているわけであります。

小池晃日本共産党

○小池晃君 ちょっと、ごまかさないでくださいよ。こうはっきり言っているじゃないですか、石破さんだって。そして、議論をすり替えている。  日本周辺のことであるように、先ほどからいろいろと言っているけれども、例えば昨年末に閣議決定をされた国家安全保障戦略では、ペルシャ湾及びホルムズ海峡、紅海及びアデン湾からインド洋、マラッカ海峡、南シナ海を経て我が国に至るシーレーンについて、我が国と戦略的利害を共有するパートナーとの協力関係を強化するというふうに言っているわけで、この下で集団的自衛権行使すれば、これは当然地球規模での戦闘協力になっていく可能性はある。可能性ですよ、私聞いているの。  総理、要するに、集団的自衛権行使できるようにするということは先ほどお認めになった。我が国に対する直接の武力攻撃がなくても我が国が武力行使できるようになると。そうすると、結局、アフガニスタンのような戦闘地域って、絶対じゃないと言えるんですか。NATO諸国と同じような集団的自衛権行使できるようになる可能性があるじゃないですか。そういうことをはっきり言わないと、国民とちゃんと議論すると言うんだったら。これは可能性はあるでしょう。どうですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我々は今、安保法制懇で議論をしているわけでございますが、そもそもですね、そもそも我が国の自衛権につきましても、自衛権につきましても必要最小限という制約が掛かっている。自衛権全体に掛かっているわけでありますから、個別的自衛権にも掛かっているわけでありまして、当然、自衛権全般に掛かっていて、そして個別的自衛権についても掛かっている。  そして、それを超えるものということで、今まで集団的自衛権については行使できないということになっていたわけでありますが、その制約の中にですね、制約の中に入るものがあるかどうかということも含めて議論がなされているわけでございまして、それは、ほかの国と同じように言わば集団的自衛権が行使できるということとはこれは違うわけで、明確に違うと言ってもいいんだろうと、このように思うわけでありまして、まさに今、安保法制懇で問われていることは、例えば一体化の議論でありますが、弾薬やあるいは医薬品を運ぶことも果たしてできないのかどうかということについて、今、アフガンあるいはイラク等について例を挙げられましたが、ということについての議論であるということは正確に申し上げておきたいと、このように思います。

小池晃日本共産党

○小池晃君 いや、だから最初に確認、認めたじゃないですか。集団的自衛権の行使というのは、我が国に対する武力攻撃、実際の武力攻撃なくても武力行使できるようになるという定義はお認めになったわけですから、それが可能になるということは、やるかどうかと聞いているんじゃないですよ、実際に我が国に武力攻撃が加えられていなくても武力行使をする可能性があるということですよねと聞いているんですよ。これ、どうですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 最初に問われたのは一般的な定義としてお答えをさせていただいたわけでありまして、一般的な定義としてお答えをしたものについて、言わば日本が全てそれができるというふうには安保法制懇の中において議論はされていないわけでありまして、その特定の制約の中においても何ができるかということについて議論がなされていて、例えばということで先ほど申し上げたわけでございます。

小池晃日本共産党

○小池晃君 何でもできるとは私、一言も言っていないですよ。言っていませんよ。  こういう集団的自衛権の行使が可能になるということは、結局、制約があると、今まで制約があると総理おっしゃった。その制約が、これは集団的自衛権の行使ができるとできないとでは違ってくるわけでしょう。それは、最大の問題は、我が国に対する武力の攻撃、武力攻撃がなくても武力行使ができるようになると、それが可能になるということではありませんかと聞いているんですよ。間違いないじゃないですか、これは。どうですか、総理、可能性はあるということはきちんと認めて国民と議論すべきだと私は思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) つまり、今安保法制懇で議論をしているわけでありますから、私が予断を持って申し上げることは今の段階では控えさせていただきたいと思いますが、そもそも、基本的な立場として、制約がある中においては、普通のほかの国々との比較において、そういう国々が行使できる集団的自衛権とは違うというふうに考えているわけでありまして、そもそもそこで武力行使に参加をしていくということについては議論を行っていない、例えばアフガン戦争のようなケースでありますが、ということの議論は行っていないわけでありまして、そもそも、先ほど申し上げましたような武器、例えばアフガン戦争であれば武器弾薬を輸送するということがどうかという議論であります。

小池晃日本共産党

○小池晃君 さっきから同じことしか繰り返さないんですけどね、総理は。だって、国際法上の概念として集団的自衛権の行使をお認めになったわけでしょう、どういう概念かということは。だとすれば、それが可能になるということは、まさに日本だけ特別なことじゃないじゃないですか。  だから石破幹事長も、要は論理上は、論理上はですよ、論理上は集団的自衛権行使可能になっていたならばあの戦いに自衛隊が参加した可能性はゼロではないと。これ、じゃ間違いですか、この石破さんの記載は。間違いなんですか、幹事長の書いたこれは。つい最近出た本ですが、間違いなんですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、間違っているとか間違っていないとか論評する立場ではございませんが、私も、石破幹事長は恐らくフラットな中における定義として、その定義の論理的帰結について述べておられるのかもしれませんが、これは私の推測でありますが。  日本は憲法第九条があるという制約の中における、この制約をみんな認めている中において、個別的な事象、分類において我が国の生存権、先ほど小松法制局長官から答弁をさせていただきましたが、前文と十三条における生存権等々においてそれを否定するものではないという、これは砂川判決がそうだったわけでありますが、そこで個別的自衛権については引かれて、言わば我が国の自衛権はあるということはこれは最高裁の判例としてあるわけでありますが、その中における集団的自衛権というものについて今世界情勢が変わってきている中において可能となるものがあるかどうかということについての議論がなされているということでございます。

小池晃日本共産党

○小池晃君 可能になるものがあるかどうかとおっしゃった。要は可能なんですよ。可能になるんですよ、これは。実際に何をやるかどうかは別なんです。可能になるわけです。今までの自民党政権というのは、そういう場合でも絶対に武力行使はしないと言ってきたわけですよ。我々は、一体化するということは結局武力行使ではないかという追及はした。しかし、我々がここを追及をすると、いや、武力行使はしませんと、その可能性はないと言ってきたんです。  今総理は可能性も含めて検討すると言った。結局これは集団的自衛権を行使できるようにすると、私は論理の話をしているんです。集団的自衛権の行使を可能にするということは、結局、日本に対する攻撃がなくても海外で武力行使をする可能性があるということです。そういう新しい道に進もうというのがまさに集団的自衛権の行使じゃないですか。  結局、集団的自衛権の行使というのは、海外で武力行使を、戦闘に加わるということになる可能性があるということは否定できないわけです、今のやり取りをしても。それはしませんとは言いませんからね。可能性も検討しているとおっしゃったわけですから。  元内閣法制局長官の阪田雅裕さんは、集団的自衛権の行使というのは海外で戦闘に加わるということだ、自衛隊員に犠牲者が出ることや隊員が他国の軍人を殺傷することも起こり得ると、こう言っているわけですよ。  実際にそんなことになったら一体どういう事態になるのか、外務省にお聞きをします。アフガン戦争に派兵した主な国別の犠牲者の数を示していただきたい。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) アフガンにおける不朽の自由作戦及び国際治安支援部隊、ISAFの犠牲者数につきましては、NATO及び関係国の中には犠牲者数を発表していない国、機関もあるため犠牲者数を確定的に把握はできておりませんが、ただ、主要メディアが引用いたします独立系サイト、アイカジュアリティーズによりますと、二〇一四年三月三日現在のアフガンにおける外国軍の犠牲者数は三千四百二十五名と掲載されております。主要国では、米国二千三百十三名、英国四百四十七名、ドイツ五十四名、イタリア四十八名となっております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 三千人を超える犠牲者が出ているし、さらにアフガニスタン民間人の犠牲者数というのは、これは国連アフガン支援団の資料によれば二〇〇七年以降だけで一万七千七百人を超えているわけであります。そして、いまだに泥沼です。  日本に対する武力攻撃も発生していないときに自衛隊員を武力攻撃に参加をさせて、その生命を危険にさらす、自衛隊員が外国人の命を奪うことになる。この重大問題を憲法解釈の変更で進めるということなど、私は断じて許されないというふうに申し上げたい。  憲法解釈の変更について、二〇〇四年閣議決定した答弁書の該当部分を読んでください。

小松一郎内閣法制局長官

○政府特別補佐人(小松一郎君) 御指摘の答弁書でございますが、平成十六年六月十八日の民主党島聡衆議院議員の質問主意書に対する政府答弁書でございます。該当部分をそのまま読み上げさせていただきます。  憲法を始めとする法令の解釈は、当該法令の規定の文言、趣旨等に即しつつ、立案者の意図や立案の背景となる社会情勢等を考慮し、また、議論の積み重ねのあるものについては全体の整合性を保つことにも留意して論理的に確定されるべきものであり、政府による憲法の解釈は、このような考え方に基づき、それぞれ論理的な追求の結果として示されてきたものであって、諸情勢の変化とそれから生ずる新たな要請を考慮すべきことは当然であるとしても、なお、前記のような考え方を離れて政府が自由に憲法の解釈を変更することができるという性質のものではないと考えている。仮に、政府において、憲法解釈を便宜的、意図的に変更するようなことをするとすれば、政府の憲法解釈ひいては憲法規範そのものに対する国民の信頼が損なわれかねないと考えられる。  このようなことを前提に検討を行った結果、従前の解釈を変更することが至当であるとの結論が得られた場合には、これを変更することがおよそ許されないというものではないと考えられるが、いずれにせよ、その当否については、個別的、具体的に検討されるべきものであり、一概にお答えすることは困難である。  以上でございます。

小池晃日本共産党

○小池晃君 首相は、アジア情勢の変化などを解釈変更の理由に挙げておられます。しかし、答弁書にあるように、たとえ情勢の変化を考慮したとしても、政府が自由に憲法の解釈を変更することができるという性質のものではないとしたのが従来の政府の立場であります。  集団的自衛権の行使を可能にするなどという憲法の根幹に関わる解釈の変更など、この答弁書で認める余地は全くないじゃありませんか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今の小松法制局長官の答弁を最後まで聞いていただければ、前段においては、それはそう簡単なことではないということでありますし、私もそのとおりだと思っております。  しかし、それが全くその可能性がないのかといえば、そんなことはないという趣旨のことを最後は小松長官が述べていたわけでありまして、つまり、先ほど申し上げましたように、この国際情勢が大きく変わる中において、一国のみにおいて我が国を守ることができないという中において、国際関係の中において地域の平和と安定を協力をしながら維持をしていくという要請がある中において、この解釈について個別具体的に例を挙げながら、先ほども申し上げましたように、例えば日本においては日米同盟がなければ日本の安全を完全に守ることができないわけでありますし、そのことによって抑止力も効いている中において、日本を守っている米国のイージス艦が飛んでくるミサイルに対してイージス機能を集中しているときに、そこに飛んできたミサイル、別途飛んできた弾道ミサイルではないミサイルを日本のイージス艦が撃ち落とせるという能力を発揮をしなくていいのかという根本問題であります。そうしたことについてしっかりと議論をしているわけでございます。

小池晃日本共産党

○小池晃君 関係ないことをあれこれ答えられましたけれども、この閣議決定というのは、よく読めば、憲法解釈の変更がなぜできないのかという理由を列挙した上で、このようなことを前提に検討した結果、憲法解釈を変更することがおよそ許されないものではないとしているにすぎないわけです。  その理由を何と言ってきたか。理由は何と言ってきたか。情勢が変わったからといって政府が自由に解釈を変えることはできない。そして、政府が憲法解釈を便宜的、意図的に変更するようなことをすれば、政府の憲法解釈ひいては憲法規範そのものに対する国民の信頼が損なわれかねないとしているわけですね。  これが検討の前提なんですよ。だとすれば、この前提に照らせば、今の憲法の下で集団的自衛権行使が可能になるなどというそんな変更はおよそ許されるはずがないじゃありませんか。  集団的自衛権と憲法の関係について、もう一つ答弁があります。二〇〇四年二月二十七日、参議院本会議での当時の小泉首相の答弁を紹介してください。

小松一郎内閣法制局長官

○政府特別補佐人(小松一郎君) 御指摘の小泉純一郎内閣総理大臣が参議院本会議において行いました答弁の関連部分をそのまま読み上げさせていただきます。  集団的自衛権と憲法の問題ですが、現行憲法施行後の国際情勢の推移を踏まえて、集団的自衛権と憲法との関係について様々な議論があることは承知しております。憲法上の問題について、だれもが受け入れる状況の変化の中で時間の経過とともに制定時とは異なる憲法解釈が定着していくというものであれば、解釈の変更も一つの問題解決の方法となり得るものであると考えております。  しかし、解釈変更の手段が便宜的、意図的に用いられるならば、従前の解釈を支持する立場を含めて、解釈に関する紛議がその後も尾を引くおそれがあり、政府の憲法解釈、ひいては憲法規範そのものに対する国民の信頼が損なわれることが懸念されます。その意味で、私としては、憲法について見解が対立する問題があれば、便宜的な解釈の変更によるものではなく、正面から憲法改正を議論することにより解決を図ろうとするのが筋だろうと私は考えております。  以上でございます。

小池晃日本共産党

○小池晃君 集団的自衛権の行使を可能にするような重大な解釈の変更は誰もが受け入れる状況の中でなければならないし、見解が対立する問題があれば正面から改憲の議論をすべきだと、この国会答弁はその後の閣議決定で再確認をされているわけです。憲法の解釈を意図的、便宜的に行えば、最高法規としての憲法に対する信頼は揺らいでしまうと。だから、戦後の日本の保守政治は、保守なりの節度を持ってこのことに臨んできたわけですよ。だからこそ、今回の憲法解釈の変更に対しては、立場の違いを超えて怒りの声、疑問の声、懸念の声が広がっているわけです。  パネルを御覧いただきたい。(資料提示)自民党では村上誠一郎さん、古賀誠、野中広務元幹事長、公明党の漆原良夫国対委員長、そして阪田雅裕元法制局長官、憲法を変えるという立場の小林節慶応大教授も疑問の声を上げています。  首相、今の答弁に照らして言えば、この今の状況は、閣議決定で言うような誰もが受け入れる状況の変化なんですか。意見の対立、見解の対立がない状況だと総理はおっしゃるんですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに見解については様々な見解があるわけでありまして、その中におきまして、現在、今安保法制懇におきまして、分類を分けまして、今こういう状況の中において、これは憲法の解釈との関係において果たしてどうだろうかということについて議論がなされているわけであります。  集団的自衛権の行使だけではなくて、例えば海外における武器の使用等についても憲法との関係で議論しているところでございます。

小池晃日本共産党

○小池晃君 安保法制懇で議論しているだけじゃないじゃないですか。憲法解釈の変更をやろうとしているんじゃないですか。  ニューヨーク・タイムズの社説は、こう述べています。安倍氏はさきの国会で、国民は次の選挙で彼に審判を下すこともできると暗に示したが、それは立憲主義の誤った見方であると、安倍氏は当然、日本国憲法を修正する動きに出ることもできたはず、そのための手続が面倒過ぎるとか、国民に受け入れられないといったことは、法の支配を無視する理由にはならないと、こう言っている。  最高の責任者は私ですなどといって解釈改憲に踏み切れば、国民の自由や権利を守るため政府を縛る憲法の否定、すなわち立憲主義の否定になる、これが世界から寄せられている声であります。  総理、安保法制懇で議論していますで済む話じゃないんです。あなたは、これを閣議決定をして変更していくということをおっしゃっているわけですね。これだけ見解が対立している中で解釈を変えれば憲法の最高規範性が損なわれると、それでもやると総理はおっしゃるんですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに今、安保法制懇の中におきまして、様々な分類について議論をしているわけであります。その結論を得た上において、我々としては、政府・与党で議論を重ねまして、そして法制局を中心に、もし解釈が必要であればどういう解釈をすべきかということを最終的に決定をするわけであります。  その上において閣議決定をするわけでありますが、しかし、それで直ちに、直ちに自衛隊が活動できるということにはならないわけでありまして、様々なこれは法の改正が必要となるわけでありまして、法を改正して初めてこの自衛隊等が、新しいもし解釈が必要となれば、その解釈の上に立って行動、活動ができるようになっていくということでありますが、同時にそれは、集団的自衛権の行使について解釈が変更されるということは、行使をしなければいけないということではもちろんないわけでありまして、行使する権利を持つという話であります。  その中におきまして、先ほど申し上げましたように、法改正を行い、さらには政策的選択肢としてそれを取るかどうかという判断がなされるということになるんだろうと思います。

小池晃日本共産党

○小池晃君 行使する権利を持つということが戦後の政治の根幹を変えることになるんですよ。  日本共産党は、集団的自衛権の行使、すなわち海外で戦争できる国にすることには断固として反対であります。もちろん、それは、憲法の明文そのものを変えることにも反対であります。  同時に今、憲法九条を守ろうという人も、変えてもいいという人も、日本の中だけでなく世界からも、安倍首相の余りに乱暴な憲法解釈変更に懸念と不安と、そして怒りが広がっているわけですね。  法の支配を粉々に壊してしまっていいのか。憲法の規範性をなきものにしてしまっていいのか。この安倍政権の暴走を食い止めて日本の民主主義の根幹を守るために、今、与野党を超えて、私は、心ある全ての人が力を合わせる、立場の違いを超えて声を上げるときだというふうに思います。そのことを申し上げて、続いて、景気回復の鍵を握る賃上げの問題に移ります。  日本共産党は賃上げのための三つの提案をしておりますが、まず第一に、内部留保を活用した賃上げ。大企業の内部留保、この一年間で十五兆円以上も増えました。二百七十五兆円です。収益が改善したら賃上げをと先送りするんではなくて、内部留保の一部を活用してまず賃上げをと、この間何度も申し上げてきました。そして、賃下げ政策にほかならない労働者派遣法など労働法制の改悪をやめて、人間らしく働けるルールを作ることも求めております。  今日は、更に一つ、最低賃金の問題を取り上げたいと思います。  私たちは、厚労省と総務省の統計を基に、フルタイムの一般労働者で時給千円未満の労働者はどれだけいるのか計算してみました。これを見ますと、若年者そして高齢者、そして全体を通じて女性です。フルタイムであってもこれだけの低賃金が広がっているわけです。  私、総理に最初に基本的な認識をお伺いしたいんですが、年収二百万円にも満たないワーキングプアの広がりは、私はこれ深刻だと思う。この解決というのは日本社会の未来にとって極めて重要な課題ではないかと思いますが、総理の認識をまずお答えください。総理。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今御指摘のワーキングプアの方々については、その範囲、定義については様々な議論がありますが、こうした方々は非正規雇用である場合が多いと考えられるわけでありまして、賃金水準が低いことに加えて、能力開発の機会が乏しい、セーフティーネットが不十分であるといった様々な課題があるというふうに認識をしております。  このため、キャリアアップ助成金の活用などによって非正規から正規への移行支援等の取組を進めるとともに、こうした方々が就労以外の様々な生活上の問題を抱えている場合には、昨年成立をした生活困窮者自立支援法に基づきまして、生活資金の貸付けのあっせん等の事業を行うなどの取組を行っております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 私、もうちょっと大きな認識を聞いたんですが。  こういう低賃金の広がりというのは、私は社会の本当に病理現象とも言える深刻な状況だと思うんですね。この打開のためには最低賃金の抜本的引上げが極めて重要だと思います。  最低賃金の大幅引上げというのは、必ずこれは消費に結び付いてまいりますし、内需の活性化に最も効果的な景気対策であり、企業の経済活動にもプラスになってまいります。一九五九年に最低賃金制を導入した当時の岸信介首相も、最低賃金制によって中小零細企業の劣悪な労働条件が改善され、能率も上がり、事業も安定し、過当の競争もなくなる、中小企業対策としてもこれは効果があると答弁をされているわけですね。  欧米諸国も、このグラフに示したように、最低賃金の引上げを経済政策の柱に据えております。軒並みやっぱり時給千円以上です。アメリカ・オバマ大統領は最低賃金の引上げを、今八百十七円、これを千百円を超える水準へと呼びかけておりますし、ドイツも今度の政権合意で全国一律最低賃金制の導入を決めています。これに比べて、日本はやっぱり圧倒的に遅れているわけですよ。  もちろん中小企業は大変ですよ。本当に必死の経営でやっているわけですよ。やっぱり賃金を上げるってそんな簡単なことじゃないということは私も十分承知をしています。しかし、これは、中小企業に対しては本気で抜本的な支援を行うことと併せて、これをやることが中小企業の経営にとってもいいんだと、岸元首相の答弁にあるとおりだと私は思うんですね。  総理、この最低賃金制導入をしたと、この歴史を更に前に一歩進める、そういう決意はありませんか。最低賃金、私は、全国一律でやることによって地域格差も解消する、このことが本当に大事な政策ではないかと。やっぱり最低時給千円以上、これはあしたからというのはそれは無理かもしれないけれども、これを目指してそのための中小企業支援を行うと、先送りにできないと思いますが、いかがですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 最低賃金が引き上がっていく状況をつくっていくということについては、共産党の小池先生も岸信介も私も同じ考え方と言ってもいいんだろうと思います。  その考え方の下に、昨年度は十五円最低賃金を引き上げたところでありますが、大切なことは、まずそういう環境をつくっていくということにおいて、やっと現在、失業率についても低下をしてきたわけでありますし、有効求人倍率も上がってまいりまして、言わば労働市場がだんだんこれはタイトになっていく中において賃金が引き上がっていくという状況が醸成されつつあるわけでございます。  しかし、この最低賃金を引き上げていく上においては、これはもう小池委員も重々御承知の上で述べておられるんだろうと思いますが、中小企業・小規模事業者もその支払能力がなければならないということも重要であります。だからこそ、例えば第一次安倍政権のときには、中小企業・小規模事業者の生産性を上げていくという支援もさせていただいたところでございます。そのため、企業の収益を向上させ、そしてそれが雇用の拡大や賃金の上昇につながる経済の好循環をまずつくっていくことによって、そうした環境をつくっていきたいと思います。  また、政府としては、最低賃金を引き上げた中小企業・小規模事業者への助成等を拡充するとともに、例えばものづくり・商業・サービス革新補助金等において、賃上げや人材育成等の処遇改善に取り組む企業が優先的に採択されるよう工夫するなど、中小企業・小規模事業者への支援を今後充実をしていきたいと、このように考えております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 最低賃金引き上げたとおっしゃるんですけどね、これ全国平均で五年前の七百三円から七百六十四円へ。ペースは若干上がってきていますよ。しかし、毎年十円ちょっとという引上げなんですね。この五年間のペースでいくと、千円になるのにあと二十年掛かるわけです。  大体、中小企業、私、最初に強調しましたけれども、実は最低賃金額に張り付いているというのは決して中小企業だけじゃないんです。例えば大企業のグループ企業で最低賃金に張り付いているケース少なくありません。例えばワタミグループが経営する居酒屋のアルバイト時給、ホームページを私、全国調べました。これ、全国四十七都道府県のうち十三都道府県の店舗でその地域の最低賃金額の募集を掛けているんですね。  総理、支払能力と言うけど、支払能力十分あるんじゃないですか、こういうところは。こういう、中小企業だからという言い訳は通用しないと私は思う。十分に体力があるような大企業グループが最低賃金ぎりぎりで雇用しているような状況を、総理、このまま放置していいんでしょうか。何とかすべきではないですか、総理。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この最低賃金については、今全国において、それぞれの県において適切な引上げが行われるように、そういう状況をつくっていきたいと、こう思っているところでありますが、言わば最低賃金に張り付いている企業がなかなか人材が集まらないと、人が集まらないという状況をつくっていく中において、そうした賃金における待遇あるいは職場環境の改善に努力を傾注していかなければいけないという状況をつくっていきたいと、こう考えております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 何かちょっと頼りない答弁なんですね。もっとこれ、きちっとがつんと物を言うべきじゃないですか。支払能力十分あるような大企業グループで最低賃金ぎりぎりなんて、こんなことはもう駄目だということをはっきり言うべきですよ。  神奈川県のマクドナルドで十五年間働いている三十六歳の男性。シフト制で週五日八時間働いて時給八百六十円。これ、十五年前、八百円で働き始めて毎年十円上がったけれども、二〇〇六年以降は八百六十円のままだと。交通費も有給休暇もない。これ、月収十三万から十四万で、病院に通っていて月一万三千円から四千円の医療費掛かっている。親と暮らしているが、結婚もしたいし子供も欲しいが、この給料では望めない、せめて時給は千円以上にとおっしゃっている。  支払能力がなんてことを言うから最低賃金が上がらないんですよ。きちっとこのことを経済の発展の原動力と位置付けるべきだ。もちろん、おっしゃるように、中小企業に対する支援は必要だと思います。  私たち、政府のデータを基に計算をしてみました。最低賃金を時給千円以上に引き上げる場合に、雇用者全体、約二割に当たる九百三十二万人が賃上げの対象になってまいります。そのために必要な総額約二兆二千億円。そこで、従業員規模を百人未満の企業を対象として、最低賃金を九百円に引き上げる段階では最大で四千億円程度、千円に引き上げる段階でも九千億円程度です。もちろんこの中には黒字企業もあるでしょうから、全てを助成しなくても、これは最大だというふうに思うんですね。  今回、賃上げを期待して復興特別法人税の前倒し廃止、その規模は一兆円だというんです。しかし、法人税というのは黒字企業しか払っていないわけであります。一方、こうした最低賃金引上げのための直接支援を行えば、確実に賃金上昇につながる、ワーキングプアの解消になる、消費に回る賃上げになるから企業の収益向上にも貢献をする、全国一律最低賃金制で地域格差の解消にもなる。まさに好循環じゃないですか。財源はいろんな財源あると思う。例えば雇用保険には五兆円の積立金がある、これも活用できるんじゃないか。賃金が上がれば雇用保険には更に保険料入ってくるわけですから。  総理、私はこれ現実的、具体的、前向きな提案をしているんですよ。是非、日本経済の好循環というのであれば、こういう低賃金を解消するような政策に足を踏み出すべきじゃないですか。総理、いかがですか。総理、答えて。総理、答えてください。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 最低賃金の上がり方が歩みが遅いというお話がございました。もちろん、全体賃金が上がりにくい若しくは下がっている中において最低賃金が上がってきているわけでありますから、それは当然スピードが遅いと言われる部分はあるかも分かりません。ただ、今そういう意味で賃金が上がるような形で脱デフレ、アベノミクスやっているわけでありますから、その中において、最低賃金というものが景気の好循環の中において上がっていくということを我々は期待いたしておりますし、そのような形でいろいろと施策を打っておるわけであります。  その上で、今のお話でございますが、言われた部分、まず雇用保険は、御承知のとおり事業主とそれから労働者の保険料です。積立金といっても、これは国庫は入っておりません。でありますから、それを国が勝手に使うということはなかなか理解が得られないであろうな、このように思います。  重ねて申し上げれば、そのような形で補填したもの、我々は社会主義経済下の経済政策じゃありませんから、ですから、それを入れていくということはこれどういうことかというと、結局それで価格自体が要するに影響を受けるわけですよ。その金額を、賃金補填した上で価格形成されますから、それ自体自由な経済というものを阻害する可能性もあるわけでありまして。  そう考えますと、やはり景気を良くする中で最低賃金を引き上げていくということが我々は王道であろうと思いますし、いつまでもそのようなことをやっておれば延々とその費用というものが必要になってくるということでございますから、我々は我々の方法で最低賃金をしっかりと引き上げてまいりたいというふうに思っております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 スピード遅いと認めながらああだこうだ言い訳して、これだから駄目なんですよ。これだから最低賃金なんて上がらないんですよ、厚生労働省がこんな態度を取っているから。駄目なんですよ、それじゃ。岸首相が言ったように、これこそが中小企業の活性化なんだと、こういう立場でやらなきゃ駄目じゃないですか。  私、こういう発想じゃ駄目だと思うんです。雇用保険の積立金使えない、五兆円ずっとたまっているんですよ。こういったことに思い切って雇用のために活用するということが今求められているんじゃないですかと言っているんです。  それから、口では賃上げ賃上げと言いながら、政府、すぐにやれることをやっていないと私は思うんです。例えば、官公庁の求人状況を調べてみました。厚生労働省職業安定局の京都府宇治市のパート職員、時給八百九十円です。厚労省福岡労働局、時給八百八十八円、長野労働局も愛媛労働局も八百三十四円、財務省旭川財務事務所八百九円、松江も新潟も八百八円、防衛医科大学校七百九十円。政府のお膝元でこんな状況なんですよ。企業に賃上げを賃上げをと要求するんだったら、まず隗より始めよなんじゃないですか。  アメリカのオバマ大統領は今年の一般教書演説の中で、最低賃金の引上げを企業に訴えるだけではなくて、こう訴えています、連邦政府との契約を結んでいる業者に対して、公正な賃金として時給十ドル十セント、日本円にして千百円以上ですよ、これを支払を求めると。そして先日、大統領令に署名をしたんですね。オバマ大統領は、政府の仕事に取り組む人が貧困の中に暮らすことはあってはならないと、そして、さあアメリカに賃上げをと、こう訴えたんですよ。  秘書さんの賃上げがどうのこうのと言っていたけれども、そうじゃなくて、国で雇っている人たちがまともな賃金で暮らせるようにする、これをまず総理、やるべきじゃないですか。見習ったらどうですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今日この午後の審議の一番バッターは公務員の給与を下げろという質問でございましたが、今、小池委員の言っておられる気持ちは私も分かりますよ。しかし、その中において、この消費税を引き上げていくという、財政の厳しい状況の中においては、公務員の皆様方においても様々なことをお願いをしているわけでございますが、しかし復興のために御協力いただいたパーセンテージについては元に戻ささせていただいたところでございます。

小池晃日本共産党

○小池晃君 気持ちが分かるで済む話じゃないんですよ。気持ち分かってもらうだけじゃ何の意味もないんですよ。実際の具体的な行動が求められているんですよ。やっぱり日本を賃上げ社会にするための、私は本気で具体的な行動が求められているというふうに思います。それができるのは総理なんですよ。企業に求めるだけじゃなくて、総理自身ができることがあるわけです。最低賃金を全国一律時給千円以上にするための中小企業の直接支援を、国や自治体の仕事で適正な賃金の保障を、そのための公契約法の実現も併せて訴えて、私の質問を終わります。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 以上で小池晃君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 次に、片山虎之助君の質疑を行います。片山虎之助君。

片山虎之助日本維新の会

○片山虎之助君 日本維新の会の片山虎之助でございます。順次質問をいたしますので、是非分かりやすい明快な答弁をお願いします。  前の質問者が集団的自衛権のことを大分申し上げましたので、私も、釣られてじゃありませんが、集団的自衛権から入らせていただきたいと思います。  私もかねがね、集団的自衛権は持っているけど使えないというのはおかしくてしようがないんですよ。持っていて使えないということは、持っていないということなんですよね。持っていても使いたくないとか、持っていても使い方は最小限度にするとか、それはいいですよ。それがしかし、ずっと通ってきたんですよね。  大きく国際情勢が変化の中で、国や国民を守るためにそれはその在り方が変わっても一つもおかしくない、そういうのが私は集団的自衛権だと思っておりますが、総理、いかがですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 従来、政府は、国際法上集団的自衛権の権利はあるけれども憲法上行使はできないという解釈をしてきたわけでございますが、実際行使ができなければ、これは持っていないのと同じことに結果としてはなるわけであろうと、一般的にはそう考えるわけでありまして、しかしその中において、国際社会においては集団的自衛権は、を持って、国連憲章にもあるように持っており、そしてかつ行使をできるわけでございます。  その中におきまして、今、日本が国際社会で置かれている状況、国際状況の変化の中において、日本国一国のみで日本の安全は守れない、他国との協力、特に同盟国の協力は必要であるという中において、様々なこの起こるかもしれない事象について今のままの対応でいいのかということについて議論を深めているところでございます。

片山虎之助日本維新の会

○片山虎之助君 ところが、この議論が戦後、国会の中でいろいろ議論されて固まってきて、以後、戦後六十年、七十年、この議論がずっと通用してきたんですよね。しかも、その政権のほとんどは、申し訳ないけど自民党政権ですよね。自民党政権が使えないと、持っているけど使えないと言い続けてきたわけですよ。その解釈の下に、いろんな自衛隊法その他の法体系ができた。  私は、ある意味では、慣習法というのか慣行法というのか、不文法でない法体系が憲法九条にできているような気がしている。それが六十年間、我が国の解釈を支配して、一種の権威を持ってきたんですよ。それは法制局長官、お認めになりますか。

小松一郎内閣法制局長官

○政府特別補佐人(小松一郎君) 大方針について、多分総理にこの後御質問があって、総理からお答えになるものと思っておりますけれども、僣越でございますけれども、その総理のお答えに先立ちまして、私から、純粋に法制上の観点から簡潔に三点申し上げることをお許しいただきたいと思います。  この三点とは、まず第一点、内閣が憲法を解釈することの憲法上の位置付け、次いで第二点、内閣が従前の自らの憲法解釈を変更することの可否、最後に第三点、国会との関係でございます。  まず、第一点の内閣による憲法解釈の憲法上の位置付けについて申し上げます。  憲法第八十一条は、「最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。」と規定し、いわゆる違憲立法審査権を定めております。したがいまして、憲法の最終的な解釈は最高裁判所において示されるものでございます。  しかし、当該最高裁判所の権限は司法権の作用でございますことから、ドイツとかフランスにございますような憲法裁判所がない現行日本国憲法下においては、裁判所の判断が示されるためには具体的な訴訟事案が提起されることが必要であり、仮に裁判所の判断が示された場合でも、その判断は当該個別の訴訟についてのみ効力を有するということでございます。  他方、憲法第九十九条は公務員の憲法尊重擁護義務を定めているところでございまして、行政府が日々その権限の行使を行う、すなわち行政を行うに当たって、その前提として憲法を適正に解釈していくことは当然必要なことでございます。このような行政府としての憲法の解釈は、憲法第六十五条において「行政権は、内閣に属する。」と規定されているとおり、行政権の帰属主体である内閣がその責任において行うべきものでございます。  なお、内閣が憲法の解釈を行うに当たり、内閣の一部局でございます内閣法制局は、法制局設置法第三条に基づきまして意見を述べる立場にあるわけでございます。  次に、第二点の内閣による自らの憲法解釈の変更の可否についての考え方は、先ほどの小池委員からの御質問に対するお答えで読み上げました政府答弁書でお答えしているところでございまして、詳細は繰り返しませんが、要するに、論理的整合性や合理性のない恣意的な解釈変更は認められないが、このような厳しい制約を前提として、熟慮した上で真に至当であるとの結論が得られた場合には、解釈変更がおよそ許されないというわけではないということでございます。  最後に、第三点でございますが、国会との関係については次のとおりでございます。  第二点で既に申し上げた前提の下で、仮に内閣が従前の解釈を変更することが至当であるとの結論に達したとしても、内閣の立場決定のみでこれを自衛隊の行動を伴うような行政の具体的運営にそのまま反映させることができるわけではございませんで、必要な立法措置を国会にお願いすることが必須であることは当然でございます。  内閣の立場決定と立法措置とをどのような手順でつなげていくかについては、理論的に考え得る幾つかの方法がございまして、法的にそのいずれかでなければならないというものではないと考えます。  以上を申し上げた上で、仮に内閣が憲法解釈のような重要な問題について立場を改めることとした場合には、憲法上、国民の代表であり、国の唯一の立法機関である国会に対して責任を負う内閣としては、直ちに国会に対して十分な御説明を行うことがむしろ当然であると考える次第でございます。  まず、閣議決定を行って内閣としての考え方を確定した上で、具体的な立法措置を求めるに先立って国会で御議論いただくという総理のお考えは、なるべく丁寧なやり方で物事を進めたいとのお考えに基づくものであると私としては理解している次第でございます。

片山虎之助日本維新の会

○片山虎之助君 ちょっとそれは先なんだよね。やっぱり答弁者の時間制限も要るな。  私が聞いたのは、戦後六十年、七十年で一種の憲法九条解釈の慣習法的法体系ができているでしょうと、それが一種の権威を持っているでしょうというところまでなんですよ。だから、それを直すには本当は憲法改正が一番分かりやすいんですよ、それを根底から変えるには。ところが、憲法改正はそうはいってもこれはなかなか大変ですよ。国民投票法だってこれから中が固まっていこうとしているんだから、各党の合意はこれから形成されるんだから、待っていれば物すごい時間が掛かる。しかも、今大変硬式な憲法で、要件厳しいから、それじゃ、まあ解釈でいこうかというのが総理のお考えだろうという、その前の前提なんですよ。まあ大分勉強になりました。ありがとうございましたが、総理、いかがですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 集団的自衛権の解釈については、これは集団的自衛権については、個別的自衛権もそうでありますが、憲法の中には明文の規定がないわけでございまして、自衛権そのものについてずっと解釈で来たわけでございますが、集団的自衛権の解釈におきましても、先ほど小池さんから岸信介の例が出ましたが、岸信介総理答弁におきましても、現在の集団的自衛権の解釈とは違って、言わば全てが、集団的自衛権の行使について全てそれが禁止されているかどうかということについては、これはまだ議論があるところであるという答弁であったわけでありますが、その後、答弁の積み重ねにおいて現在の答弁が、法制局のアドバイスによって内閣として決めた答弁が確定したわけでございますが、その確定した答弁の中において様々な自衛隊の行動、活動について法律が決められているのは事実であろうと、このように思います。

片山虎之助日本維新の会

○片山虎之助君 総理、集団的自衛権の行使は戦後の日本の国際社会における立ち居振る舞いの根本的な姿勢なんですよ。これを変えるというのは大変ある意味では重要なことなんで、私や私の党はできれば憲法改正でやりたいと、こういうふうに思っておるんですよね。ただ、憲法改正はいろんな今ネックがありますよ、いろんな難しさがある。  総理も本当は憲法改正がいいと思うけれどもということじゃないんですか。いかがですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 憲法解釈においては、我が党は、この九条を改正したものにおいて言わば様々なこの自衛隊の活動等についてもしっかりと明記をしており、この自衛権についても明記をしているところでございますが、今まさに安保法制懇で議論しているのは、現行憲法において言わば我々は生存権というのは当然あるわけでございまして、その中において、必要最小限、議論の中においては必要最小限という、こういう制約が掛かるという議論があるわけでございますが、その中において認められるものがあるかどうかということを個別事例に従って今具体的に議論をしているところでございます。

片山虎之助日本維新の会

○片山虎之助君 私は、この変更はやっぱり国民の支持というのか納得と、国際社会の理解は不可欠だと思いますよ。  と思ったときに、安保法制懇は大変権威がある人の集まりですよ。それは認めますけれども、これは私的諮問機関でしょう。その意見をもらって閣議で決める。閣議は権威がありますよ。私も大臣をやらせていただいて、閣議の重さは十分分かっている。分かっておりますけれども、一内閣の一閣議というのかな、そこで決めると。しかも、与党との協議はその前か後か知りませんけれども、与党との協議をすると。それだけでこの重大政策の変更をやってもいいんでしょうかね。恐らく、国民の懸念もそこにある、野党の心配もそこにある、外国の見る目もそこにあると思いますよ。いかがですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさにこの議論は、第一次安倍政権においてこの安保法制懇をつくったわけでございまして、これは言わば七年掛かりの議論でもあるわけでございますが、今現にこの委員会においても、先ほども議論をしているわけでございます。  そこで、安保法制懇で結論を得た場合は、そして解釈の変更が必要となった場合には閣議決定をするわけでありますが、その閣議決定をする前に、当然、法制局を中心に解釈の、もし必要となれば議論をしていくわけでありますから、当然与党と調整をしていく中においてこの結論は、これは世の中に出ていくわけでございますから、当然国会における御議論も当然受けるわけでございます。  今既に行われている安保法制懇の中における議論についても、こうした国会の場で御紹介をさせていただきながら議論を進めなければならないと、このように考えておりますし、今、片山委員が御指摘をされたように、国民的な理解が深まっていくということも当然必要であろうと、このように思います。

片山虎之助日本維新の会

○片山虎之助君 だから、この変更は私は必要だと思っています。我々は必要だと思っているけれども、これをスムーズにやるためには、そこのところなんですね、国民的議論、国民的支持、これが必要なんで、そこで、行政府だけでやることが、国会は国権の最高機関と書かれていますよね、憲法にも。私は立法府も巻き込むべきじゃないかと思うし、しかも、国民的議論なら与党だけでなくて野党も入れるべきではないかと。  しかも、恐らく、どこまでできるかできないかというのは、何でもできるわけじゃないと思いますよ、解釈変更で、今の憲法がある以上。ここまではやれる、解釈で。しかし、ここまではやれないと、これは憲法改正その他につながるということになると、憲法改正とコインの裏表なんですよ、憲法解釈は。  そうであるならば、今ちょっと、そういうこと言うと怒られるかもしれませんが、開店休業風の憲法審査会でも議論をするとか、あるいは有識者の意見を聴くとか、いろんな手だてを尽くすことが必要なんじゃないでしょうかね、総理。急がば回れじゃないですか。私は、特定秘密保護法のときにそのことを言ったんですよ。こういう法案を通すには急がば回れが結局早いんだと。ぱっぱっとやっちゃいましたわね、いろんな議論がありましたけれども。私は、これだけの大きい政策の変更はそれだけの手間と時間を掛けてみんなの合意を形成することが結局はスムーズな成功につながると思いますが、いかがですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当然この議論においては精緻な議論を今重ねているわけでありますが、国民的な議論は当然必要なんだろうと、このように思うわけでありますし、その中で、今委員が御指摘になったように、他の国々とは、日本は現行憲法があります。その中において、日本は自衛権全体においての行使においても制約を受けているわけでありまして、この自衛権の中に個別的自衛権、そして集団的自衛権が入ってくるわけでありますが、個別的自衛権においても制約が掛かる中においては、それは当然集団的自衛権においても制約が掛かるであろうという議論がなされているわけでございますが、そうしたことも含めて結論を得れば、当然国会の場において、これはまさに国会の皆様が決めていただくことではありますが、当然議論に付されると思うわけでございますが、基本的には政府とまた与党で議論をしていくわけでございますが、これを閣議決定をすることによってこれ政府の意見がこれは確定するわけでございまして、その中において、当然そのことについて、確定した意見について国会で御議論をしていただくことになるわけでありますし、その先に、実際に自衛隊が活動する上においては、法律にしなければこれは活動自体ができない、できない状況は変わらないわけでありますから、当然できない状況は変わらない。しかし、できる状況になるためにはそれぞれ法律を変えていく。当然それは国会においての議論がなければ、そして国会において成立をしなければ、その法律が成立をしなければ当然実際に使用できるということにはならないと、こういう民主的な、あるいは国会を通じたプロセスは当然取っていくことになるわけでございます。    〔委員長退席、理事北川イッセイ君着席〕

片山虎之助日本維新の会

○片山虎之助君 もう釈迦に説法ですけど、民主主義というのはやっぱり手続ですから、私は重層的で丁寧な議論を積み重ねるように是非お願いしたいんですよ。日米ガイドラインの再改定が年末だから、それまでにばたばたと片付けようというような報道もありますけど、もしそれなら、私、本末転倒じゃないかと。ちゃんとこれを成功させて国民的支持の中に集団的自衛権の行使を認めた方が、それはアメリカ政府だってずっとその方がいいと思いますよ。  いかがですか、再度。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) しっかりと丁寧に説明をしろということは、かつて委員が参議院の国対委員長時代、私は衆議院の国対でございまして、よく厳しく御打擲もいただいたこともあるわけでございますが、今委員がおっしゃったことはしっかりと頭に入れながら、拳々服膺しながら考えていきたいと、このように思っております。

片山虎之助日本維新の会

○片山虎之助君 我々は集団的自衛権の行使、賛成でありますから、そういう意味での協力は是非させていただきたい。しかし、言うことは言わせていただきたいと思います。  さて、次は経済政策についてでございますが、消費増税を目前にしまして大変駆け込み需要なんかがあって調子がいいような感じもありますが、同時に、そうでないという見方もあるんですけれども、現況について御説明いただきましょうか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 駆け込み需要がないとは申し上げませんけれども、実は経済の回復は政権交代の初めのときに四%台とか三%台という高い数字を示しまして、それからすると駆け込みがずっと前から続いているということではないと思います。  雇用環境や給与環境、雇用、所得全体が増えていっております。これは消費力になっていると思いますし、それから企業収益が随分改善してきます。これも消費力になってきていると思います。でありますから、そういった地合い、全体の底上げができていることと、もちろん駆け込み需要もその一部ではあろうかというふうに思っております。

片山虎之助日本維新の会

○片山虎之助君 この駆け込み需要というのは、需要の移動みたいなものですわね。それが良ければまた谷も深いわけで、山が高けりゃ谷深いので。ただ、有効求人倍率なんかもいいし、消費支出も鉱工業生産指数も全部今はいいですわね。  しかし一方で、今日も午前中に議論がありましたが、例えば銀行の貸出しはそんなに良くないんだとか議論がありましたよ。あるいは、特に企業に対する貸出しが良くないとか、そういうあれがありますよ。日銀の総裁に来ていただいておるので、その辺の状況の御説明をお願いします。

黒田東彦日本銀行総裁

○参考人(黒田東彦君) 御案内のとおり、量的・質的金融緩和という下で家計や企業のデフレ期待が変わってきておりまして、これは前向きな資金需要を生み出すという効果があります。加えまして、大量の国債購入によります金利低下圧力、そしてポートフォリオ・リバランスの効果、これらを加えまして貸出しが増える方向に作用していることは事実でございます。こうした下で、銀行貸出しの残高の伸び率は最近では二%台半ばのプラスで推移しておりまして、特に中小企業向けのプラス幅が拡大しているということで裾野も広がってきているというふうに思っております。  ただ、委員御指摘のとおり、経済が持続的に拡大していく下で銀行の貸出しが順調に伸びていくということは極めて重要でございますので、今後とも、先日の金融政策決定会合では二つの貸出し増加支援制度を一年延長して、しかもその規模を倍増したわけでございますが、こうしたことも現在の量的・質的金融緩和の下でその効果をより強力に発揮させるようにしていきたいということで、今後とも引き続き銀行貸出しの動向については注視してまいりたいというふうに思っております。

片山虎之助日本維新の会

○片山虎之助君 アメリカの金融緩和はこれを修正するということで新興国市場から資金が移動していると言いますわね、グローバルマネーというのか。それが大体ヨーロッパやアメリカに行って、日本には余り、敬遠というのかパスというのか、そういうことになっているという話もあるし、それから外人投資家が東証市場では三割ぐらい持っているというんですが、一月は売り越し一兆円だと。去年は買い越しだったですよね、ずっと、十五兆円とか六兆円とか。  そういうことで、やっぱり海外が少し日本の景気、日本のこれからの経済について少しクエスチョンマークを付け出したんではないかという説がありますが、いかがですか、総裁。

黒田東彦日本銀行総裁

○参考人(黒田東彦君) 委員御指摘のこの二つの点、まず第一の米国が資産買入れプログラムを少しずつ縮小しているということでございますが、これは、米国経済が極めて順調に回復しておりまして、そうした下で、これまでやってきました資産買入れプログラムを少しずつ縮小していると。それに伴って、それまで確かに米国を中心に新興市場国に出ていた資本が一部米国に戻ってくるという傾向があることは事実でございまして、その影響が、特に経常収支の赤字などの問題を抱えている一部の新興国で通貨が下落するといった影響が出ているということは事実でございますが、根本的には、米国の資産買入れプログラムの縮小ということは米国経済の回復が順調だということの表れでもありますので、中長期的に見ますと、やはり米国を始めとした先進国経済の回復が新興市場国にもプラスになるだろうというふうに思われます。  現に、つい先日、シドニーでありましたG20の財務大臣・中央銀行総裁会議でも、比較的前向きに捉える新興市場国が出てきていたというふうに思いました。  二番目の点は、日本への資金の流入、特に株式への投資がどうなっているかということでございますが、これは、委員御指摘のとおり、昨年は外人は非常に大量の買い越しをしておりました。この一月だけ見ますと売り越しになっていることは事実でございますが、全体の趨勢としては、かなり外人は日本株を買い越しているという事態は変わっていないだろうと。  一番重要な点は、やはり日本経済あるいは企業業績の先行きの見通しということが一番重要でございまして、これは依然として好転した動向、状況にありますし、今、企業業績も今後とも伸びていくだろうというふうに思われておりますので、そういった面では、特に海外投資家が日本企業というか日本経済に対してマイナスの、あるいは悲観的な見方に変わったということではないだろうと。  ただ、こうした動向については、私どもとしても関心を持って注視していきたいと思っております。

片山虎之助日本維新の会

○片山虎之助君 アベノミクスに大変期待を外国人投資家を含めてしておったんですが、アベノミクスは大変順調なところもあるんだけれども、例えば第三の矢の新成長戦略や、第四の矢ともいうべき財政再建が余り進んでいないんではないかと、貿易収支が物すごく悪化しているから経常収支の黒字がどっと減っているではないかと。  それから、特にアジアにおいて、対アメリカ、対中国、対韓国の関係というのか外交というのか、それがぎくしゃくしているので大変リスクが高まっているのじゃないかと、そういうことのトータルがやっぱり今の若干の変化に表れているんじゃないか、若干なのかもうちょっと大きいのか知りませんよ、表れているんじゃないかという説があるんですけれども、総理、いかがですか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 外国が日本を投資対象国としてどう見るかということはとても大事なことであります。同時に大事なのは、中長期の資金をどう集められるかということもあろうかと思います。  中長期の資金といいますと、国家ファンドがございます、ソブリン・ウエルス・ファンド。一番大きいのはノルウェーであります。シンガポールなんかもそうです。そうした国家ファンドは、日本株へのポートフォリオをシフト、いい方にシフトさせています。つまり、日本を投資先として中長期に投資していく対象国であるという判断をしたんだと思います。こういうのはいい材料だと思います。  一方で、第三の矢の成長戦略がいま一つ見えにくいという指摘もあります。これは、日本としては従来、産業化になじまないかそういう視点が弱かったところで、これから経済のシェアとして大きくなってくる部分の産業化をしています。    〔理事北川イッセイ君退席、委員長着席〕  具体的に言えば、医療とか介護とか、あるいは農業、そういう産業化の視点が薄かったところを産業化をしていく。しかも、その部分がこれからは地域経済を担っていく、あるいは高齢化社会を担っていく、シェアが大きくなっていきます。つまり、社会課題を逆手に取って産業化していくという戦略に出ているわけでありますから、しかもそれを具体的に実行していく工程表というものを厳しく作っています。そういうところを理解してもらえば投資対象国として更に理解が深まるのではないかと思っております。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員が御指摘になったような点は十分に留意をしながら、しかし同時に、今、甘利大臣から答弁をさせていただいたように、世界の日本経済に対する注目度は変わってはいないわけでありますし、期待も高い。この期待に応えていくために特に成長戦略をしっかりと進めていきたいと思っておりますし、同時に、今度の予算につきましては五・二兆円プライマリーバランスを改善させていただきました。財政再建に向けた歩みもしっかりと前に進めていきたいと思っております。

片山虎之助日本維新の会

○片山虎之助君 日銀の総裁、お忙しい中来ていただいたようですが、もう一問。  アメリカは景気が回復しているから出口戦略にも着手したんですね。日本は、あなたが中心で異次元の金融緩和をやって、確かにいいですよ、いろいろなこれも議論があるけれども。しかし、出口戦略なんということは念頭に全くなくていいんですね。どう収束されるのか大変心配だわね。いかがですか。

黒田東彦日本銀行総裁

○参考人(黒田東彦君) 従来から答弁申し上げているとおり、出口戦略というのは極めて重要な点でございます。ただ、二年程度を念頭に置いてできるだけ早く二%の物価安定目標を達成するということを目標に量的・質的緩和を導入したわけでございますが、それ以来、十一か月というところでございますし、生鮮食品を除く消費者物価の上昇率も一・三%、あるいはエネルギー、食品を全て除いたいわゆるコアコア指数といいますとプラス〇・七%というところでございますので、まだ道半ばというところで、今の時点で具体的にどのような出口戦略を取るかということをいいますと、その時点での経済とか金融市場の情勢に合わせて最適の対応をしなければなりませんので、今の時点で申し上げるのは時期尚早であるというふうに思います。  ただ、委員御指摘のとおり、この点は極めて重要でございますので、適切に対処していきたいというふうに思っております。

片山虎之助日本維新の会

○片山虎之助君 総理、今の外国の見方のところで言いましたが、総理はダボス会議で法人税は必ず下げると言われたんですね。それが本当に実現するかどうかが、あっ、総裁、結構ですよ。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) じゃ、黒田日本銀行総裁は御退席いただいて結構でございます。

片山虎之助日本維新の会

○片山虎之助君 それが一つの試金石というのか、各国がそれを注目しているというんでしょう。どういうおつもりで言われて、どういうお見通しですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 法人税の改革につきましては、御承知のように、まずは与党で検討をいただくわけでありますが、その検討におきましては、まず政策の効果の検証であります。言わば法人税を引き下げてきた国、たくさんあるわけでありますが、果たして税収がどうなったのかということもございます。そしてまた、課税ベースの拡大や他の税目での増収策の検討といった論点が示されているところでございまして、また、日本経済の活性化のためには、産業構造も含めた大きな議論が必要であるというふうに考えております。そして、そうした議論を行いながら、グローバルな経済の中での競争に打ち勝っていく必要があると、法人課税の在り方をそういう中におきまして検討していくことは重要であるというふうに考えております。  今後、政府の税制調査会におきましても、地方法人課税の在り方を含めて、専門的な観点から、法人実効税率の在り方、課税ベースの在り方、政策効果の検証、そして他の税目との関係などについて検討を行っていくことにしております。

片山虎之助日本維新の会

○片山虎之助君 後にちょっと私どもの試案を御説明させていただきたいと思いますが。  そこで、来年度予算ですけど、年度内成立確定で本当におめでとうございました。もう確定したんですから、総理も財務大臣も急がないでくださいよ。やっぱり丁寧に参議院で審議をして、いろんな問題点を明らかに、対応も議論して是非通していただくようにお願いしますが。  最近は、安倍政権になってから、その年度の補正と次の年度の当初をセットでやる、十五か月予算というんでしょうか。それはいい点もあるんですよ、シームレスに四月からずっと予算執行できるといういい点もあるんだけれども、両方で、当初と補正でかばい合って予算の質を悪くしているんですよ。例えば、衆議院でも指摘されたと思いますけれども、秋のレビューで、稲田大臣のところか何かの、適当でないとか考え直せというやつがばっと復活したというんでしょう、ゾンビ予算だと。言葉は良くないわね。  それから、基金の多いこと多いこと。補正で四十九で一・二兆ですよ。来年度当初で、これも四十九で一・四兆かな。もうずっとこの二、三年続いているわね。基金というのは、効用はあるんですよ、効用はあるんだけど、国会のチェックはできませんし、多年度で適当に使えるんですよ。私がやったわけじゃありませんけど、そういうことで、基金のうまみはあるんだけど、余りそういうことでやることがいいのかどうか。  あるいは、シーリングは当初にありますから、シーリングは守らなきゃいけませんから、シーリングを逃れるために補正を悪用するんですよ。これは財務省だけじゃなくて要求官庁も恐らくそうなんで、百一兆五千億というのは、総理、幾ら何でも、大型予算といえば大型予算ですよ、しかし締まりがありませんわね。だから、財政再建に本気なのかと。  総理、あれでしょう、経済再生、デフレ脱却と財政再建でしょう、さらに社会保障の一体改革でしょう。経済の方だけじゃないですか。財政再建の方も緩いし、社会保障の方はこれからじゃないですか。それはどうお考えですか。プライマリーバランスのことを言われたけれども、二〇一五年に半減ですよ。二〇二〇年に黒字化でしょう。プライマリーバランスは借金を増やさないというだけなんですよ。ゼロにして借金が増えないんですよ。一千兆は残るんですよ。半分にするって、増えるやつを半分にする、威張れる話じゃありませんよ、そんなもの、財政再建と言えない。いかがですか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) いろいろ御質問というか御意見があったんだと存じますけれども、二十五年度の補正予算と二十六年度の本予算と、合計すれば大型予算ということになりますけれども、これは元々はもう目的が全く違っておりますので、そういった意味ではこれを両者を合算して論ずるのはちょっと適当じゃないんじゃないかと、まあ御存じの上で言っておられるんでしょうけど、まずそう思っております。  その上で、二十五年度の補正予算につきましては、少なくとも国債の新規発行というのは全く行わず、少なくとも五・五兆円の財源を確保しております。加えて、平成二十六年度の予算につきましても、経済の再生、デフレ等々の不況からの脱却ということで、少なくともプライマリーバランスというのでいけば四兆円のところを五・二兆円の改善をしておりますし、国債の発行総額も一・五兆円減らして、減額しておりますので、そういった意味では、これはある面、経済活性化、健全化と経済の再生、財政の再生というものを適切に配慮した予算なんだと、私どもはそう思っております。  事業の中でいろいろ当初予算で否定された項目が単純に盛り込まれておるじゃないかという御意見も衆議院であっておりましたけど、その御指摘は当たっておりませんので、私どもとしては、きちっと精査をした上で、来年度予算以降まで事業が継続し、各年度の所要額というもの、それなりの見込みがあるということといったもののうち来年、来年って本年の四月以降早期に効果が発揮し得るもの、加えてそれ以降の経済成長力の底上げにつながるもの等々を選んでやらせていただいていると思っております。  最後になりますけど、その際、今後ともやっぱり考えておかないかぬのは、これは毎年増大する社会保障関係費一兆円等とも言われますが、これはやっぱり取り組んでいく必要があろうと思いますので、こういったものに関して、私どもは今後とも不断の改革というのをやり続けていかぬと、この問題がずっと今後とも尾を引きますんで、プライマリーバランスというものは、これは金利が入っておりませんので金利分だけ増えていくじゃないかと、全くおっしゃるとおりなんで、その目標すらまだ立てられない、プライマリーバランスの段階までで、まだ二〇二〇年ぎりぎりという厳しい財政状況にあると、そういう自覚で我々、私どもはやらせていただいております。

片山虎之助日本維新の会

○片山虎之助君 我が党は、衆議院に予算の修正案を出させていただいたんですよね。あれの中、御覧になったと思うけれども、ある意味ではこれからの予算の在り方の、それは完全なものじゃありませんよ、を示しているんで、例えば法人税の一〇%引下げも入っていますよ。社会保障の切り込みをやっているんです。例えば、公的年金を積立方式に移行しようと。例えば、被用者保険、医療については一元化しようと。大変ですよ。そう口で言うほど簡単にできるかどうかというあれはあるんだが、生活保護の医療扶助は自己負担取ろうと、そういうことを果敢にやらないと、もう社会保障増大するんで、一〇パーにすれば済むなんていうことにはとてもならないと思いますよ。それは恐らく一二パー、一五パーということに伸びていくんで、やっぱりそこは考え方を直さないと、社会保障の抜本の。是非そこは考えていただきたいと思いますし、プライマリーバランスなんてもう絶対に二〇二〇年黒字化できませんわ。一五年度半減だというんですけど、十兆円も切り込めますか、来年。どうですか、財務大臣。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 今、この二〇一五年の半減というところまでですと、これは当初八兆円の差でございましたので、今年四兆、来年四兆ということにしておりました分につきましては、初年度五・二兆ということになりましたので、一応四兆を超えて五・二兆まで行けておりますので、今年、いわゆる消費税等々によってどういう影響が出てくるか、まだ未知なところがありますけれども、きちんとした形で、半減というんであると、五兆行っておりまして、来年最低三兆、できれば四兆ということを目的としてやり遂げたいと思っております。

片山虎之助日本維新の会

○片山虎之助君 時間がなくなってきましたので、法人税、実効税率の引下げの私案をちょっと見ていただきますけれども、法人税は、御承知のように国税と地方税があるんですよね。地方税が約一〇%ですよ。  お手元の資料を見ていただければ、資料一を見てください。(資料提示)現在、国、地方の法人税は三五・六%ですよ。その中に、地方の法人住民税が四・九%、法人事業税が五・二%あるんですよ。ところが、地方の法人税というのは、もうそろそろパンクしかかっているんですよ。というのは、地域の経済力が違うんで、税収がどっと違うんですよ。  だから、これをどうやって調整するかというので、例えば、法人事業税には地方法人特別税、そういうものをつくって、簡単に言うと、国税にしてそれを譲与税で戻しているんですよね、人口、面積で。その方が本来のあれより多くなっている、所得割より。  それから、法人住民税はこれから制度をつくるんだけど、これもややこしいね。地方法人税という名前でこれも一定のものを、三割ぐらいを国税にして、それを交付税の原資に突っ込んでいるんですよ。  私は、税制でこういうことをやるのは、まあ知恵を出しているといえば出しているんですよ。出しているけど、いかにも本来の税制からいくとおかしいと思う。しかし、しようがないんですね、地方の実態を見ると。  だから、この際、法人住民税の主要は法人税割ですから、それを廃止して地方消費税に振り替える。  法人事業税は四分の一が外形標準課税になっているんです。今は所得が中心で、これが四分の三で。次のページを見てください。法人事業税は、現在、これは左の方にありますように、所得割が三で、付加価値割と資本割を足したものが一なんです。それで所得割が二兆九千億、付加価値割が六千億、資本割が四千億なんですね、三兆九千億あるんですが。だから、この所得割を付加価値割にしてしまう。  なぜするかというと、地方税はこれは応益性なんですよ、着目しているのは。地方自治体のサービスを受けるから、赤字であれ黒字であれ、出した付加価値の一定割合をもらおうということなんです。こうなると安定するんですよ。シャウプも付加価値を勧めたんです、あの昭和二十五年の。だから、この際、これはしかし赤字のところに負担するというのは抵抗ありますよ。ただ、これをやると、本当に地方団体の希望でもありますし、それを、隣に書いたように、全額付加価値割と資本割。資本割は希望ですから、企業の。  それで、付加価値額は、単年度の損益にそこにありますように収益配分額で、報酬給与額、純支払利子、純支払賃借料です。生産要素で上がったものですよね、付加価値は、御承知のように。基本はまあ給与なんかが一番大きいわけですが。だから赤字法人にも、申し訳ないんだけれども、行政サービスの提供に対する応分の負担をしてもらうと。  それで、次のページを見てください。  だから、そのためには段階的な移行しかないと思います。現行が一番左にあります。それを、第一段階で三年後に大企業についてはこれを二分の一にしていくと、六年後には全額外形標準にすると。中小企業は、遅れて段階ごとに、三年後に四分の一、六年後に二分の一、十年後に丸々と。  これだけで、現在、大企業というのが二万四千社ありますけれども、黒字が一万三千社、赤字が一万一千社なんですね。五四%が黒字で四六%が赤字です。中小企業は二百四十三万社ありますけれども、黒字が七十万社、赤字が百七十三万社。黒字が二九%、約三割、赤字が七一%、約七割ですけれども、やっぱりこれを段階的に理解していただくことが日本の税制にとっても私は必要じゃないかと、法人税は必ず一〇パー落ちるわけですから。それと同時に、地方のこの格差というのか、それが縮小されて安定的な財源になると。  それで、問題は、法人事業税の外形標準化はいいんですが、問題は、その法人住民税の地方消費税への振替なんです。四枚目を見てください。  二段目から見ていただければいいんですが、法人住民税の法人税割を廃止すると約二兆二千億出てくるんです。これの代わりに地方消費税を増やす。一%が二兆六千億から七千億ですから、地方消費税を増やすと。そうしないと地方の財源に穴が空きますから地方消費税を増やすと。これをどこから持ってくるんだというと、消費税のうちから地方消費税の分を増やすんです。今、大体七、三ぐらいで国と地方を分けていますけれども、それを地方を増やす。消費税の地方税化というのは我が党が言っているあれなんですけれども、全体はなかなかこれは大変ですけれども、まずそういうところから取っかかりをやっていくと。そうしますと、国の一%分の財源が不足しますので、この代替財源をどこから出すかということなんですね。  そこで、今の財源確保、約二兆円については、よく言われているように法人課税ベースを拡大する。今、租税特別措置でいろいろ優遇をやっておりますけれども、例えば租税特別措置で約九千億。欠損金の繰越しが九年間できますから、この繰越控除で二兆三千億。それから、子会社なんかの配当を受け取った場合の益金がまけてもらえますので、これが約一兆円。この辺をどうやって考えていくか。  それから、真ん中は我が党が言っているんですけれども、例えば相続金融資産が年二十兆ぐらいあるんじゃなかろうか。死後精算で、申し訳ないんですが、仮に年率一〇%とすれば二兆円の税収が出ると。  それから、高所得者への課税強化、これはいつも利子、配当、キャピタルゲインへの金融所得課税について議論になりますが、これが今二〇%にしておりますので約二兆円。これを倍に引き上げればこれだけの金が出る。  だから、その二兆円をこの辺の組合せでどうやっていくか。しかも、段階的にやっていくということを考えれば、法人実効税率が一〇%落ちて地方財源は安定的な方向に進むと、こういうふうに考えておりますので、ひとつ総理、いかがですか、御意見あれば。

新藤義孝自由民主党総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)

○国務大臣(新藤義孝君) まず、先ほど総理からもお答えがございましたけれども、政府税調で検討する、それから地方財政審議会でもあり方検討会、これによって、今、片山先生が示された方向性、地方消費税の充実と法人事業税における外形標準課税の拡充、これは方向性は示されているわけであります。ですから、合致すると言っても差し支えないと思います。  ただ、今の先生の御指摘のやつは、果たしてそれを本当に実現するためにはどれだけの労力が必要なのかということだと思います。  まず第一に、この法人住民税の全額を地方消費税に振り替えるということは、それはまさにそのまま国の社会保障財源に穴が空くということですよね。それを代替で新しいものを増やすという御説明でございますけれども、この果たして法人税の課税ベースの拡大、特に高所得者の課税強化ですとか相続金融資産の新たな税とかこういったもの、だから検討に値すると思いますが、これはとても大変な、また一つ一つ税をつくるのは私は大変な労力があると思います。  それから、そもそも地方消費税には御案内のように偏在性があるわけでありまして、低いといっても一対二・〇ですから、ですから、そうすると地方にそのまま偏在性持った財源を地方が持つことになってしまうと、こういう調整があると思います。  それから、法人事業税の外形標準課税については、これも赤字、今外形標準が掛かっているのは全体の一%の二・四万社ですから、そうすると二百四十三万社はこれを払っていないんですから。今税率のことをおっしゃったけれども、だけど、二百四十三万社、掛かっていない人たちにみんな掛けるということになるわけです。  それから、大企業の租税負担が少なくなって、そして……(発言する者あり)ということで、様々な問題があるということでありまして、研究はさせていただきたいと、このように思います。

片山虎之助日本維新の会

○片山虎之助君 まあできないことだけ挙げるのは誰でもやるし、それはもうお役所がやることなんですよ。お役所の言うとおりやっちゃ駄目よ。どうですか、総理。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに税の専門家でもおられた片山委員の御指摘でございますから、ただ、消費税については引上げ分は全額社会保障に充てるということが公約でございますので、そこはもう我々変更できない点ではありますが、様々な御指摘について、我々はしっかりとまた政府・与党の税調において議論させていただきたいと思います。

片山虎之助日本維新の会

○片山虎之助君 あとパネルが二つありますから、ちょっと見てください。  一つは、地方の景気を良くするには公共事業なんですよ、いい悪いは別にして。その公共事業を是非地方主導型にしてもらいたい。  そこで、一枚目の紙を見ていただきますと、今は例えば交付金になっているんです。左側にある社会資本整備総合交付金になっていますが、補助・採択基準が細かい、書いているように。事実上、国が事前関与で決める。それから、最低制限価格や労務単価、これは地方がいろいろ注文を付け、文句を言っていますが、これは国が大体決めると。だから、新しい制度は、採択基準は廃してネガティブリストにする、それから事後チェックを重点にする、それから最低制限価格や労務単価は、ある程度の指導はいいんですけど、自由にやらせる、チェックで縛ると、こういうことなんですが、次の資料を是非見ていただきたい。  これまでの制度というのは、実は地方に交付金、交付金というのが三つあったんですよ。社会資本整備総合交付金、これが一番大きいんですよ。来年度が二兆円ですけれど、これは二十二年から始まっています、民主党政権時代から。それから、補正予算に計上されてきた地域活性化に関する交付金というのが、これが合わせて、多いときは一兆円以上、今年なんかは八百七十億ですか、だから、これ合わせて五兆七千億。同じものなんですけれども、何で二番目があるかというと、これは地方負担に対する激変緩和というのか御褒美だということで、地方負担をたくさん出しているところにこれを充ててやろうと。その下に、さらに地域自主戦略交付金というのが、これがまあ二か年だけどあるんですよ。三つあるんですよ、交付金が。  三つあって悪いわけじゃありませんが、国交省がやり、あるいは内閣府がやりと、こういうことになっているんですね。この辺をこれはどう考えてくれるか。一番中心は国交省ですが、農水省もありますね。その他、施設物では文科省も厚労省もあるので、そこで新たな制度として、地方の注文を聞けば、全体の三分の二ぐらいは外形的標準にして、残りはヒアリングである程度大規模なものに配慮して重点化すると……

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) そろそろおまとめください。

片山虎之助日本維新の会

○片山虎之助君 市町村は都道府県で決めると。思い切ってこれをやることによって地方の活性化が私は図られると思うんです。是非御配慮願いたいと、こう思います。  オーバー。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) オーバーです。

片山虎之助日本維新の会

○片山虎之助君 ああ、そうですか。それじゃもうやめますけれども、まあ我々は、責任野党として協力すべきは協力させていただき、注文は付けさせていただきます。  どうもありがとうございました。済みません。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 以上で片山虎之助君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 次に、福島みずほ君の質疑を行います。福島みずほ君。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。  集団的自衛権についてお聞きをいたします。(資料提示)  国連発足後、集団的自衛権を行使した事例はほぼ十五個ほどと言われています。アメリカのグレナダ侵攻はちょっと違うというふうに言われていますが、こういうものがあります。ハンガリー、それからチェコ、アフガニスタン侵攻、あるいはニカラグア侵攻、ベトナム戦争などです。どれも大国が、ノー、ハンガリーやチェコやニカラグアはノー、来るな、政府が否定しても武力介入を行った、武力弾圧を行った、それが集団的自衛権を口実に行われてきております。  この中でベトナム戦争、これ集団的自衛権の行使ということでよろしいでしょうか。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) ベトナム戦争については、米国のベトナムにおけるこの軍事行動は当時のベトナム共和国政府の要請に基づく集団的自衛権の行使であり、その法的根拠は国連憲章第五十一条に求められるものと認識をしております。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 ベトナム戦争は、トンキン湾事件、北ベトナムがアメリカを攻撃したというのは捏造であったというのが、アメリカ国務省報告書によって明らかになっております。トンキン湾事件は口実だった、これに立って、ベトナム戦争の評価、もし可能であればお聞かせください。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) トンキン湾事件につきましては、日本政府は有権的な判定をする立場にはありませんのでコメントは控えたいと存じます。  トンキン湾事件につきましては、米国高官が引退後にこれについて言及したことはあったと承知しておりますが、アメリカ政府自体はコメントはしていないと承知をしております。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 この国務省報告書は今インターネットでも見れますし、泥沼の戦争だったわけですね。集団的自衛権の行使の解釈改憲、総理がおっしゃるので、今までどれだけの泥沼のどれだけの戦争だったか。ベトナム戦争に日本の自衛隊は参戦をしておりません。  総理、憲法九条の効用、もし集団的自衛権の行使を認めていれば参戦することが可能だったわけですが、それについてどう思われますか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) そもそも、今例として示されたようなベトナム戦争あるいはチェコへの介入というようなそういうことについて、全く安保法制懇で議論をしているわけではないということは申し上げておきたいと、このように思います。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 集団的自衛権の行使の解釈改憲認めれば参戦することも法律上可能であった、いかがですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど来議論してきているところでございますが、既に自衛権の行使についても日本においては憲法九条における制約が掛かっているわけでありまして、集団的自衛権もこの自衛権の一部であるわけでありますから、例えばアメリカとかソビエト連邦、当時のソビエト連邦とは全く違うわけでありまして、その中における我々は今、個別的なこの分類、様々な公海上での例えばアメリカの艦船に対する攻撃に対して、日本のイージス艦がその攻撃に対して対応できるのにその能力を発揮をしなくてもいいのかという事柄等々について議論をしているわけでございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 国際法上、集団的自衛権の行使、集団的自衛権を行使すると援用したケースはこれらの戦争です。集団的自衛権の行使の解釈改憲認めるということはやはりこれらにつながる、そう思います。  総理、今の現時点でも集団的自衛権の行使は違憲です。違憲なことがなぜやれるんですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、強引に私たちがまるでそういう事態を想定しているかのごとくのフィクションを作っておられますが、そうではなくて、今私たちが議論していることは、例えば集団的自衛権の行使だけではなくて、先般成立をした、自衛隊が海外の邦人を救出するために陸上の輸送を可能にしたわけでございますが、その際、状況が大きく変化して、テロリストによってまた邦人が襲われた場合、それを完全武装の自衛隊が果たして助けなくていいのかどうかということについても議論をしているわけでありまして、私たちが議論をしているのはそういうことでありまして、ベトナム戦争に自衛隊が出ていくとか、そういうことでは全くないということは申し上げておきたいと思います。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 ケースを判断する場合に、集団的自衛権の行使は違憲であるという政府の確定した解釈があります。どう考えても、他国防衛のために自衛隊が武力行使をすることは憲法九条から認められません。認められないことを検討しているとおっしゃるから、これは理解できないんです。  総理、集団的自衛権が違憲なのに、認められる合憲の行為なんてあるんですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは先ほど申し上げたとおりでございまして、言わば憲法の中においても自衛権について明文化されていないわけでございます。  その中において、言わば解釈において個別的自衛権について、これは生存権を脅かす、言わば生存権が侵害されている中において、それを言わばそのまま座して受け入れることはできないという中において、それも想定はしていないという中において、個別的自衛権についての言わば自衛隊の合憲性ということは認められているわけでございますが、その中において、集団的自衛権において、そういう制約がある中においてもこれは認められる集団的自衛権があるのではないかということにおいて、先ほども申し上げましたように、例えば日本に対してミサイルが発射されるかもしれないという状況において、警戒に当たっている米国の艦船、米国の艦船ですね、その米国の艦船に対しての攻撃を我が国のイージス艦、高い能力を持っているイージス艦が阻止をできない、今の解釈ではできないという状況でありますが、それは果たしてそのままでいいのかということについて議論を行っているわけでございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 我が国が攻撃されていれば、個別的自衛権の行使ですからそれは可能です。総理が集団的自衛権を解釈で認める方向で閣議決定するとおっしゃるから、これは大問題なんですよ。戦後の自民党政治も積み上げてきたこと、誰が考えても、どの法律家が考えても、集団的自衛権の行使は違憲です。自民党がそう言ってきました、答えてきました。これは九条は解釈改憲ではできない、これは明文改憲しなければならないと繰り返し答弁してきたんです。  総理、何で違憲のものを合憲に、錬金術じゃないんですから、なぜできるんですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど私が申し上げましたのは、我が国に対する攻撃が起こっていない状況において、公海上において言わば警戒に当たっている米国のイージス艦が言わばイージス機能を、これは上空に集中している場合は周りに対する警戒がこれは薄くなっていく中において、近傍にある例えばイージス艦が、そのアメリカのイージス艦に対する攻撃を未然に防ぐ能力を持っているのに、これを防がなくていいのかということについて申し上げているわけであります。  それは、言わば日本のイージス艦、そして米国のイージス艦は連携して日本の上空を守ることができるわけであります。日本に対する事態が発生していない中においては、これは集団的自衛権の行使と言われているわけでありますが、それが果たしてできるかどうかということについて、日本一国のみにおいて日本を守ることができないという状況の中において、大きく国際情勢が変わる中において、日本の生存権自体に関わっていることにおいて果たしてどうかということについて議論を行っているということでございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 並走することが、そんなに近くて並走するのかどうかと防衛官僚なども言っています。また、アメリカのイージス艦が攻撃を受けるという事態はもう戦争に、武力行使がもう本当に行われる、さっきの十五の例じゃありませんが、もうこれは戦争が行われるわけですよ。そのときに日本が武力行使をして戦争に参加するのかという、まさに今までできなかった、違憲だったことをやるのかどうかという問題です。  総理、どうですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 例えばイージス機能というのは地平線を越えていくわけでありまして、見えるところで並走していなくても、それは能力の中に入っているわけでございまして、近傍といっても十メートル、二十メートルで並走しているわけでは全くないわけでありまして、例えば日本海の中で、一隻、二隻で、そしてイージス機能はリンクできることも可能でありますから、もしそういうことを言った自衛隊の関係者がいるとすると、自衛隊員でありながらそういうことに全く知識がないと言わざるを得ないんだろうと、このように思うわけでありますが、まさに私たちが今安保法制懇において議論していることはそういうことであります。例えば、米国がある国から攻撃を受けた際に、そしてその国に対する武器等を運んでいる艦船を、日本がそれを臨検等で阻止すること、あるいはその船に対しての臨検を行うことができるかどうかということについて議論をしているところでございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 アメリカの艦船が撃たれるということは、もうそれは大戦争に発展する。一回きりではなくて、日本がそういう戦争に参加するかどうかという問題です。総理今おっしゃいましたが、衆議院でも、北朝鮮の有事の際に、北朝鮮が例えば米国を攻撃したとします、その際に言わば国際社会において経済制裁を行うというときに、北朝鮮に向かって武器弾薬が運ばれている、その武器弾薬を我々は阻止する、そのことをやるかどうかというふうにおっしゃっています。  でも、朝鮮有事で米国が攻撃されている、朝鮮戦争が朝鮮半島で行われているときに日本が臨検で武力行使をしたら、日本はその朝鮮戦争に参加するという可能性があるということではないですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今申し上げていることは、言わばそういう事態が、まあ個別の国について私も何回も例として挙げることは控えさせていただきますが、例えば日本の極めて近傍の地域においてそうした事態が発生をして、ある国が米国に対して攻撃をしたと。そして、それは日本に対する事態に発展していく可能性もある中において、それを未然に、これは言わば米軍を活用することによって防ごうとしている状況の中において、その攻撃をした国に対して武器弾薬を輸送している日本の近傍を通っている船を、これを例えば臨検等をできなくていいのかどうかと、こういうことについて議論をしているわけでございます。  いずれにいたしましても、そうした事態が発生した中においては日米が共同対処していくわけでありまして、日米が共同対処していく、言わば米国の援助を必要としているにもかかわらず、その前の段階では日本は全く何もやらなくていいのかという、そういう問題意識を私たちは持つべきであろうと、こう考えているわけであります。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 個別的自衛権、日本が侵略されたりやられるときに反撃する、これは理解ができます。でも、総理、この例は、北朝鮮有事の際に、北朝鮮が米国を攻撃するというときに日本が、武器弾薬を運ぶことを臨検、武力行使をすれば、朝鮮半島、朝鮮有事、朝鮮戦争に日本が参加することになるじゃないですか。これは参加する余地がある。幾ら同盟国だといっても、日本は武力行使しない、他国防衛のためにはやらない、自分たちが攻められたらやるが他国防衛のためにはやらない、これは日本の戦後の背骨ですよ。日本の戦後の本当に大事なところですよ。  これ、何でできるんですか。何で解釈改憲でできるんですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今まさに安保法制懇において議論をしているわけでありますが、日本の言わば近傍の国が日本にミサイルを発射をした場合も、それを撃ち落とす上においては、早期警戒機から、日本に対する米国から情報の提供がある中においてそれを初めて撃ち落とすことができるということで日本の安全は守られているわけであります。  それがまさに同盟のきずなであって、同盟のきずなは、これは、ただ同盟というのは紙に書いてあるからそれがなされるということではないわけでありまして、信頼がなければそれは同盟とは言えなくて、ただの紙切れになっていく危険性があるわけでありまして、そして、そういう中において、今申し上げましたように、それが日本の安全に、言わば日本人の命が脅かされる事態に発展していく危険性がある中において、そうした日本は役割を果たさなくていいのかということについて今議論を行っているということでございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 集団的自衛権の行使は、他国防衛のために武力行使をするわけで、日本のためではないじゃないですか。さっきの全ての例がそうですよ。そうだとすると、なぜそのことが解釈で認められるのか。なぜ解釈で認められるのか。できないことをできると言うから、私たちはそれは違うというふうに思っているんです。  総理は、衆議院の予算委員会の中でもこう言っています。自民党の国家安全保障基本法案、これを出すに当たって、違憲立法になったらこれは困ると。ですから、まず解釈の変更をやった後、違憲立法にならないように、その後出すということもおっしゃっていますね。  これは、自民党の安全保障基本法は武力行使の限定など何もしていないじゃないですか。解釈改憲で閣議決定した後、自衛隊法や周辺事態法を変え、場合によっては国家安全保障基本法を作って、本当に様々なことができるようになる。これは憲法によって認められない。いかがですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、非常に早口でいろんなことを説明されたのでこんがらがってきたんですが、基本法についての答弁と、後半の御質問は、これは関わりがないんですか。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 あります。両方、じゃ、別々にお願いします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 基本法について、基本法についてはどういう質問だったんですか。ちょっともう一度お願いいたしたいと思います。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 自民党の安全保障基本法は何も限定をしていませんね、武力行使や様々なことについて。  総理は、まず、違憲立法にしてはならないので、国家安全保障基本法案を、解釈改憲をした後、その後国家安全保障基本法を出すという旨のことを答弁されているんです。これだと限定がないじゃないですか、集団的自衛権が。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 基本法案については、我々野党のときに提出を考えていた法案でございまして、言わば安全保障に対する基本的な考え方について網羅的に、理念としての基本法として作ったものでございますが、この中において集団的自衛権についての言わば行使を可能とする憲法解釈について肯定的に記述をしているわけでありますが、それは、その法律を出すためには、その前に言わば政府が解釈の変更をしなければその法律を政府としては出さないということについて説明をさせていただいたところでございます。  一方、今政府として進めておりますことは、安保法制懇の結論を得て、それが憲法の解釈の変更が必要であるという結論に至った場合は、これは政府・与党と協議をし、法制局を中心に議論を進めていく中において内閣として方向を決めてそれを閣議決定をするわけでございますが、そこの段階においてはまだ自衛隊は活動はできないわけでございます。  この変更の上における活動は、言わば自衛隊法等々を、これは相当様々な法律を変えなければいけないわけでございまして、そこで初めて言わば法律になって可能になるわけでございますから、当然国会における議論がなされた結果でなければそれは可能とならないと、こういうことでございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 解釈で、閣議決定で、憲法違反のことを合憲にする、そのことを問題にしているわけです。  総理、憲法とは国家権力を縛るものというのでよろしいですね。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) それについては今まで議論を重ねてきたわけでございますが、言わば立憲主義ということとも関わってくるわけでありますが、立憲主義とは、主権者たる国民がその意思に基づき憲法において国家権力の行使の在り方について定め、これにより国民の基本的人権を保障するという近代憲法の基本となる考え方でありまして、日本国憲法も同様の考え方に立って制定されたものと考えるわけでございます。  他方、憲法というものを国家権力を縛るためだけのものとは考えていないわけでございます。自由、民主主義、基本的な人権が定着している今日においては、一つの国の理想や形を示すものでもあると、このように考えているわけでございまして、例えば我が国の憲法の前文には、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、我が国の安全と生存を保持しようと決意したと、これはまさに我が国、当時の国民の理想について述べたものではないかと、このように思うところでございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 立憲主義に立つと憲法は権力を縛るものであると。総理、憲法九十九条、憲法尊重擁護義務が規定されています。国務大臣、そして国会議員は憲法に従わなければならない、とても重要な条文です。  総理、最高権力者であるあなたこそ憲法に従わなければならない。何で違憲のことを閣議決定できるんですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 違憲なことは閣議決定できません。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 集団的自衛権の行使は違憲であるというのが戦後の確立した見解じゃないですか。違憲のことが何で合憲にできるのか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我々は、違憲なことを合憲にできるとは考えておりません。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 なぜ、集団的自衛権の行使、憲法九条は平和主義を規定しています、九条から他国防衛のために武力行使することができるというのはなぜ導かれるんですか。自民党は今までそんなことはできないと言ってきたんですよ。そして、明文改憲しなければできないと言ったんですよ。私は明文改憲に反対ですが、手続を踏まなければ、憲法を勝手に、勝手に行政が、内閣が、総理大臣が変えられたら、憲法は無意味になりますよ。憲法九条が無意味になりますよ。  日本国憲法殺人事件、総理のクーデターじゃないですか。憲法を無意味にしてはならないんですよ。勝手に今まで違憲だったことが合憲にできる、こんなことを許しちゃ駄目ですよ。総理、憲法を守れ、これは総理にこそ課されているんですよ。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 突然クーデターということは大変な論理の飛躍があると思うわけでございますが、当然、憲法擁護義務が掛かっておりますし、私も当然その義務を果たしているところでございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 憲法を守ると言いながら違憲の決定をしようとしているから論議をしているんです。違憲のことを、今まで違憲だ、違憲だと六十何年間言ってきたことを合憲にできるんだったら、官僚制度も要らないですよ、国会も要らないですよ、裁判所も要らないですよ。勝手に合憲とやったら駄目ですよ。そんな、本当にナチス・ドイツの手口じゃないですか。国家授権法を作って、ワイマール憲法を無力化した。でも、憲法九条があるのに、それを無力化してはならないんですよ。  総理、憲法九条の効用、戦後、ベトナム戦争に、様々な戦争に、イラク戦争に日本の自衛隊は参戦しなかった、人を殺さなかった、殺されなかった。このことの役割をどう理解していらっしゃいますか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) イラク戦争あるいはベトナム戦争に、私たちが今議論していることについて、安保法制懇でそういうことを、そこに参加を、参戦するということを議論しているわけでは全くないということははっきりと申し上げておきたい。先ほど来ずっと申し上げているとおりでありまして、ああいう個別的な事情に立ち至った段階において、果たして我々は今できないというままでいいのかということについて、真面目に、真摯に議論をしているところでございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 北朝鮮有事の際に、北朝鮮とアメリカが、アメリカを攻撃している場合に日本が武器弾薬について臨検して武力行使をするということになれば、そこで日本も参戦していくということになりますよね。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今私が申し上げたことは、言わば、そうした武器弾薬を輸送している艦船について、それを阻止する、例えばその中において臨検をしなくていいのかどうかと、こういうことを申し上げているわけでございまして、そうしたことについて今はまだ結論を得たわけではないわけでございますが、憲法との関係の中において、それをまさに議論をしているところでございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 臨検だけではなくて、安保法制懇で議論しているとすれば、武力行使も可能かどうかというのを議論しているんじゃないですか。武力行使するということはすごいことですよ。ここでアメリカと北朝鮮で攻撃をやっているときに日本がそこで武力行使をすれば、日本が当事国として参戦していくということになるじゃないですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今私は特定の国についてあえて申し上げていないわけでございますが、この場においてはですね。しかし、例えば、今、福島委員は北朝鮮という名前を挙げられましたが、北朝鮮は既に日本の何も罪のない人々をたくさん、多数拉致をしているわけでございまして、当然、そして、混乱状態の中においては残念ながらその人たちの安全を私たちは確保できないわけであります。その際は、例えば、可能であれば韓国や米国に依頼をする。  既に、我々は米国に拉致被害者の人々の人定のために情報を提供しているわけでありますが、そういう中において、今、武器弾薬がその当該国に運ばれようとしているときに、私たちはそれを阻止するのに阻止できなくていいのかと。このときは阻止しませんよと。しかし、拉致被害者については、米軍の兵士に命を懸けて守ってくださいねということが果たして言えるかどうか。これは、私たちは国民の生命、財産を守らなければいけない立場として真剣に議論を進めていく必要があると、こう考えているところでございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 総理が衆議院の予算委員会で、北朝鮮有事の際に北朝鮮が例えば米国を攻撃したとしますと、そこで、北朝鮮に向かって武器弾薬が運ばれているときに、我々は阻止をする、その輸送を阻止をできる状況なのに阻止しなくていいのかどうかという議論になっているわけですとありますが、これは集団的自衛権の行使の絡みで議論しているわけでしょう。だとしたら、ここでもし武力行使をするとすれば戦争になってしまう、要するに集団的自衛権の行使の解釈改憲を総理が認める文脈の中で話をされているわけですから聞いているわけです。  ここで武力行使するんですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど、我が国だけで我が国の国民の命を守ることはできないという意味において拉致被害者の例を挙げさせていただきました。まさにそういうことなんですよ。  ですから、私たちは、そういう今拉致されている人々の命を守るためにも、例えば朝鮮半島で自衛隊が活動するということは想定していない中において、言わば米国がもしかしたらこれはオペレーションに参加するかもしれないという中においては拉致被害者の安全を確保してもらわなければならないという状況も十分に考えられる中において、そして米国を攻撃するための武器弾薬が運ばれている中において、目の前において、私たちはそれを阻止する能力があるのにその能力を使わなくて、果たして、今後もし更にそれが発展をしていく中において日本に対してその火の粉が及んでくるということにおいて、日米共同対処において守っていかなければならないわけでございます。  こういう議論をしていくことは、結局そういう事態には立ち至らない、言わば抑止力が強化されるわけでございまして、結果としてそういう事態を招かないということにもつながっていくわけでございます。  繰り返しになるわけでありますが、同盟関係を維持するということはお互いに努力をしていく必要があるわけでありまして、ここについては全く、目の前の出来事であっても何もやりませんよ、でも、ここのことについては米軍の兵士に命を懸けてくださいということが果たして通用するかどうか。そして、そのことによって日米同盟が毀損されたことはまさに日本人の生命に関わってくるのではないかと、そういうことを議論するべきではないかと、こういうことでございまして、いきなりベトナム戦争や何かの例を出してこういう議論を一切封殺をしていくというのは私は間違っているのではないかと、このように思います。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 違憲のものは違憲じゃないですか。だから、それをやると言うので分からないんですよ。  それから、総理、日米安保条約があるのは事実です。それがあるのは事実です。でも、日本は憲法九条があるから、イラク特措法、テロ特措法のときも、イラク特措法のときも小泉総理は、非戦闘地域、武力行使はしませんという形で自衛隊を出したわけです。私たちはそれに反対しましたが、ぎりぎりのところで日本国憲法は日本の自衛隊が武力行使をする、参戦することを防いだというふうに考えています。九条の効用じゃないですか。その日本国憲法九条の解釈改憲を、違憲とされたことを、自民党政権が違憲としてきたことを変えようと総理がされているからこれはもう一大事なんですよ。日本の戦後の一大事ですよ。日本国憲法九条を、私たちが獲得して戦後積み重ねてきた戦争をしないということが、戦争ができるわけじゃないですか。  さっきの朝鮮有事、北朝鮮有事の際にと総理が衆議院で言っています。ここでもし武力行使をしたら、日本は朝鮮戦争にまさに加担するんですよ。日本が武力行使をしてはならない、日本が攻められたら応戦するのは、それはいい、個別的自衛権の行使は認める。しかし、外国まで行ってそういう、様々なこういう、国連発足後、集団的自衛権を行使した例は、いずれも大国がその国にノーと言おうが武力行使をして泥沼の戦争をした例ですよ。  集団的自衛権の行使を日本が認めるとしてしまったら、アメリカが世界で戦争をするときに、あるいは他の事情のときに日本はノーと言えなくなりますよ。武力行使をするのが当たり前の国になるじゃないですか。それは許されないということを私は総理に強く申し上げたいと思います。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 以上で福島みずほ君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 次に、荒井広幸君の質疑を行います。荒井広幸君。

荒井広幸新党改革・無所属の会

○荒井広幸君 新党改革・無所属の会の荒井広幸です。  今の話に触れます。安倍総理はタカ派である、右である、日本は戦争をするんではないかというような一部に意見があります。  総理にお尋ねします。総理は戦争をするおつもりはあるんでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、はっきりと申し上げておきますが、私は戦争をするつもりは全くないということは申し上げておかなければいけないと思っております。  戦後六十八年の日本の歩みというのは、自由と民主主義をしっかりと守り、基本的人権そして法の支配を尊んできた日本の歩みであります。そして、この間、日本は平和国家としての歩みをひたすら続けてきたわけでありまして、これが一切変わることはないわけでございます。  先ほど来の議論の中において、同時に、私たちは日本人の生命と財産、領土、領海、領空を守るという大きな責任があるわけでございます。その責任はしっかりと果たしていかなければいけない。その責任をしっかりと果たしていくということは抑止力をしっかりと持っていくということでありまして、結果として、そしてそれは地域を平和にしていくと、このように思っております。

荒井広幸新党改革・無所属の会

○荒井広幸君 総理は、世界との協調の中で日米同盟を基軸にして、我が国の国民の命、これを守り、そしてアベノミクスに代表されるように経済成長で国民を幸せにしようとしている、そのように私は理解しています。ある種、正義感を持っていらっしゃる。それが前面に出過ぎますと逆に誤解を生むんじゃなかろうかなと、僣越ですが、申し上げたいんです。  そこで、例えばオリンピック招致のときのアンダーコントロールという言葉がございましたね。そこだけが取り上げられました。しかし、私は家でその記者会見、質問の方も見ておりました。子供たち、福島の子供たちの安全と未来に私は責任を持つんだと最後に締めくくっておられるんですね。これが、私は原発をきちんと収束させる、コントロールするという以上に、私は福島の子供たちの安全と未来に責任を持つんだと、こう締めくくっておられるんです。ほとんどのマスコミがこれを書きませんね。  私は、ここまで自民党を立て直した谷垣法務大臣に敬意を表しておりますが、お尋ねしたいんですけれども、谷垣大臣は、こうした記者会見、どのように受け止められたでしょうか。

谷垣禎一自由民主党法務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 福島の子供たちの安全と未来に自分は責任を持つ、これは日本のリーダーとして私は当然の発言だろうと思います。  私は、僣越ながら、安倍総理を前にして大変僣越ですけれども、安倍総理の強みは、こういうストレートな言葉が何のけれんみもなくすとんと出ていくところに安倍総理の強みがあるんだと思います。だから、今の言葉は、多くの日本の政治家の言葉は外国語に翻訳されるとすぐに伝わらないような表現をされ、私も時々そういうことをいたしますが、安倍総理の今の御発言はすとんと諸外国で通訳が訳されても相手方の胸に届く、そういう言葉だと思います。

荒井広幸新党改革・無所属の会

○荒井広幸君 そのようにストレート過ぎるというところが私は逆にはらはらしているところでございますけれども、正義感が真正面から出ていらっしゃるということでお人柄かなというふうに思うんですけれども、六年、七年の挫折と苦労の中で、目標を磨き、そしてまた信念を固めていかれたと思いますから、急がれるということはよく分かるんですけれども、その点、私は大変心配なところがあるんです。  そこで、内閣法制局長官にお尋ねしますが、集団的自衛権についてでありますけれども、政府見解を一つの内閣が変えました、今日の午後も午前中も議論がありましたね、そうした見解に基づいて変えた、政府が閣議決定をした。別な政府が、政権交代がありました、また別な見解を閣議決定すると、こういうことはあり得ること、認められることでしょうか。

小松一郎内閣法制局長官

○政府特別補佐人(小松一郎君) 内閣による憲法解釈の変更、これはあり得るか、それに限界があるかということにつきましては、先ほど来御答弁を申し上げておりますように、平成十六年六月十八日の島聡衆議院議員に対する政府答弁書でお答えしているところで、これは私が法制局長官を拝命する十年も前のことでございます。  この詳細は繰り返しませんが、要するに、論理的整合性や合理性のない恣意的な解釈変更は認められないが、このような厳しい制約を前提として、熟慮した上で真に至当であるとの結論が得られた場合に解釈変更がおよそ許されないというわけではないということでございます。  もっとも、先ほど来総理が御答弁になっておられますように、仮に自衛隊の行動を伴うような憲法解釈の変更を行うとすれば、まず内閣が憲法解釈についての立場を固める必要がございますが、そうしたからといって、それをそれだけで行政に反映することができるわけではございません。国権の最高機関であり国の唯一の立法機関である国会において必要な立法措置をお願いすることが必須でございます。  その上で、御質問でございますが、次の別の内閣が再度憲法解釈を変えることができるのかということでございますが、純粋に法理論上の観点から申し上げれば、先ほど申し上げた厳しい制約の範囲内でそれ自体がおよそ排除されるわけではないと考えるわけでございます。  ただし、立法措置により国会の御意思もいただいて固められた内閣の憲法解釈と両立しない行政の運営を行うためには、そのための新たな立法措置を国会にお願いしなければならないということは当然であると考える次第でございます。  なお、内閣の立場決定に当たって、意見を述べる立場にございます内閣法制局の立場について付言をいたしますれば、仮に厳しい制約を前提として熟慮した上で憲法解釈を変更することが至当との意見を述べて、これが採用されてそういう内閣の結論になったのであれば、その舌の根も乾かないうちにこのような結論と矛盾する意見を述べるようなことは、私は説明が付かないのではないかと考える次第でございます。

荒井広幸新党改革・無所属の会

○荒井広幸君 長官のはちょっと前後が長かったんですが、つまりそれはあり得るということなんですね。同時に、必要な法制は国会で法律を整備しなければそれはできないと。これは当然のことでございます。そうしますと、政府が替わるたびに見解を変えたのでは、むしろ日本国民を危うくするということ、起こり得るわけです。  ですから、私は総理に具申申し上げます。集団的自衛権の閣議決定の前に、是非とも、先ほど来からイージス艦の例が出ておりますように、具体的にこのケースでこういうことが、九条と自衛隊の縛りの中で、自衛権の縛りの中で、こういうことを考えているから、国会で、国民の皆さん、各党の皆さん、どうですかという、是非とも国民と国会で審議をする時間、急がず、休まずに手続を経ていただく、そして多くの国民と政党が賛同してもらえる、こういう状況をおつくりいただきたいと願うものでありますが、いかがでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私も、急がず、休まず、新渡戸稲造でございますかね、この気持ちでいきたいと、こう思っておりますが、閣議決定との関係におきましては、言わば政府としての考えを決定するのが閣議決定でございまして、それまではまさに与党との協議を進めているわけでございまして、そこでまだ確定をしていないということでありますから、質問された段階において、これが政府の考えだということは申し上げられない状況ではあるわけでございますが、言わば安保法制懇の議論が今進んでいる中において、その議論の中身についても御紹介をさせていただきながら、どういうことが今論点だということは、国民の皆様に対しましても、またあるいは国会に対しましても説明をさせていただいているところでございますが、結論を得た段階におきましてはこういう結論ですよということの説明は、当然、国会が開催され要求されれば我々はそれに対して説明していく義務があると、このように思いますが、しかし、閣議決定との関係におきましては、閣議決定がなされなければ政府としての立場は確定しないということについては申し上げさせていただきたいと、このように思います。

荒井広幸新党改革・無所属の会

○荒井広幸君 この件については、更にこの予算委員会で御相談、御協議させていただきたいと思います。  それでは、大塚さんの手を借りて申し訳ありませんが、私ども小さい政党でございますので、立てていただく方いないので、民主党の大塚さんにお願いしております。(資料提示)  前後いたしましたけれども、前の代表でありました舛添要一さんが、自公の支持、そして多くの都民の皆さん、国民の皆さんの御支援で当選をさせていただきました。都連会長もいらっしゃいますが、皆様方に代表してお礼を申し上げる次第でございます。  だからといって質問終わったわけではございませんので。これはちょっと非常に、過去二回、自民党さん、公明党さんが時間がないので審議不足だということでこのままにされていた問題なんです。  総理は、汚染水で前面に出るとおっしゃいました。子供たちの未来に責任があるとおっしゃいました。我々参議院が、予算そして原子力問題調査会が視察した次の日に、またもや汚染水が、これが事故があったんですね。是非とも、この原子力規制委員会設置法、この法案、お手元にお配りしたものでいうと一番です。きちんと原子力規制委員会は規制してチェックする警察の役割ですから、ですから廃炉を明記すると。そして、廃炉のために規制したりチェックするための専門審査会を、二番目ですね、つくる。そして、福島ということが一言も触れられていないんです、この原子力規制委員会の設置法には。しっかり福島のために早めに安全にこれを収束し廃炉に持っていくと。  こういうために、是非これを、もう民主党さん始め共産党さんもっとやれという意味でございますが、全党でこれを、二度法案を提出しているんです、もう待てません。自民党、公明党さんにもお願いしております。官房長官、自民党に、そして太田大臣は代表をされていました、その立場で、是非とも、自民党、公明党さんに相談をしておりますので、早くお答えをいただきますように、共同提出していただきますようにお願いしまして、お答えいただくところでございましたけれども、お願いにとどめます。  それは、やっていただけるというもう私は気持ちを持っているからでございます。太田代表もうなずいていただいたし、そして菅官房長官もうなずいていただいています。どうぞこういうことを、政府だけでなくて国会もこの事故には責任を持っているんです。責任があるんです。どうぞ御指導お願いしたいと思います。  さて、次になりますけれども、原発事故災害の件でございます。  もう今日も大勢の方から御意見をいただいて、前向きな施策等をいただきましたけれども、一番の問題は、この政府の事故調でだんだんだんだん、二番目ですけれども、事業者、行政の視点から見てしまうようになっている、政府事故調の反省点がそのまま今もう一回戻りつつあります。もう一回、住民、被害者の視点でもう一度立て直していただきたい、立ち直って考え直す勇気を持っていただきたいんです。それが二番目です。  三番目を御覧いただきますと、帰還しない理由は、総理、何だと思いますか。視察されていったらどんどん伺ってください。閣僚の皆さん、いかがだと思いますか。帰還しない理由の方々の大半が放射線が心配だと言っています。二つ目は、再び事故が起こるのではないかと心配しているんです。ですから、第二原発は廃炉にしなければ帰還できません。第二原発廃炉、早く決めてください。  そして次に四ページに参りますが、その心のうちをきちんと捉えるならば、現在の、各省、自治体も一生懸命やっていただきましたが、被災者の多様な意見に応えることができていない部分があるのは、生活、居住するための環境ってどういうことなのかなと。  これが、健康政策で判断をして、放射線を一ミリシーベルトとする基準、そして選択肢に移住、引っ越しという概念を、これを導入する、そして三番目に安全保護地域。万が一、もう一回事故があってはなりません。ネズミや汚染水さえまだこれを退治できないでいるんですから、おびえている皆さんもいらっしゃるのに戻りましょうなんてできません。その方々の安全を守る安全保護地域というものを設定する。  そして同時に、次のところをお願いいたします。今日は大変スムーズにやっていただいて有り難いです。私の方の時間がなくなってまいりましたが、ここに書いております。どうぞ全国の皆さんも、コンセプトですから考え方に合意してください。  まず、どういうことを言っているかというと、総理、閣僚の皆さん、まず、一ミリシーベルト以下のところ、年ですね、これは追加被曝量ですが、居住できますと。そして、その上を御覧ください。一から五ミリシーベルトのところは、生活する場合には、コンクリートの中で子供たちがいるとか、春休みには線量の低いところに保養に行くとか、そういう対応をすると生活できます。それから、五から二十ミリシーベルトのところは、これはやっぱりお年寄りの方で、引っ越すことによって、移住することによって体がかえって具合悪くなったということがあり得るというのがこの⑤番なんですけれども。  これが、チェルノブイリ原発のウクライナ、今回心配なことになっております、そしてベラルーシ、そしてロシアの教訓なんですね。今度は首に線量計を巻きますから、その線量計によって、生活動態では住めるという場合もあるかもしれません。そして、原則五から二十は居住不可、で、十キロ圏内はもう一回事故があるかもしれませんので安全のために住めない、こういうことにしてみたらどうかと。  福島県からもいろんな提案がありますが、是非、これも含めて是非とも御検討いただきたいと考えておりますので、時間がございませんが、環境大臣、復興大臣の順にお願いいたします。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 経産からでいいですか。

荒井広幸新党改革・無所属の会

○荒井広幸君 お願いいたします。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) では、茂木経産大臣。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) 区域の関係は私ですので。  まず一つ、選択肢として、昨年、我々も被災者の皆さんに寄り添った帰還支援等を行っていくという立場から選択肢を広げるということで、新しい場所での生活をしたいという方に対する更なる賠償と、こういった選択肢も用意をさせていただきました。  その上で、十キロ圏内をこういう新しい形の安全保護区域に設定をするということでありますけれども、御案内のとおり、前民主党政権の下で設定をされました二十キロメートル圏内の警戒区域、これは冷温停止状態確認されたことを受けまして昨年の五月までに全て解除されております。現状では、以前の警戒区域に相当するような福島第一原発からの距離に応じた一律の立入禁止区域を設定する必要はないと考えております。現在はむしろ放射線量に応じた帰還の準備や立入りの規制が適切であると、そのように考えております。それに向けた様々な準備を進めていきたいと思っております。  中間貯蔵施設等々につきましては環境大臣の方から答弁があると思います。

石原伸晃自由民主党環境大臣・内閣府特命担当大臣(原子力防災)

○国務大臣(石原伸晃君) 荒井委員にお答え申し上げたいと思います。  この大変居住コンセプトがコンパクトに、多くの方々の意見を集約した形で取りまとまっているというような印象をまず持たせていただきました。ただいま経産大臣の方からはこの居住についてのお話がございましたが、私の方からは、中間貯蔵施設に取り組んでいるということを是非御理解いただきたいと思います。  もう委員御指摘のとおり、再三再四委員会で御質問をいただいておりますが、仮置場等々に除染をしたものが山積みになっている、また、それがあるから除染をしてもちっとも復興が進んでいないではないかというようなことをお思いの方が多くいらっしゃいます。これを一刻も早く解消する必要がある、そのことで大熊町、双葉町の方に中間貯蔵施設を造らせていただきたいということをお願いをさせていただいているわけでございます。  このようなコンセプトが多くの方々に御理解をいただいた後、住民の皆様、議会の皆様方に私どもの考えをしっかりと御説明をさせていただいて、御理解をいただき、委員のこの居住コンセプトにのっとって物事が進むように努力をさせていただきたい、こんなふうに考えているところでございます。

根本匠自由民主党復興大臣

○国務大臣(根本匠君) 今、区域の考え方あるいは中間貯蔵含めて、経済産業大臣、環境大臣からお話がありました。  委員の御指摘は一つの考え方ではあると思いますが、政府としては昨年の八月に避難指示区域の見直し、これを完了しました。そして、経産大臣の話にもありましたが、昨年末、原子力災害からの福島復興の加速に向けて、これにおいて、様々な住民の声に応えるため、帰還支援と新生活支援の両面の支援策を打ち出しました。私も、これらの施策を踏まえて、いかにして早く復興させるか、しっかりと取り組んでいきたいと思います。

荒井広幸新党改革・無所属の会

○荒井広幸君 総理、閣僚の皆さん、もう一回、多様になってしまった意見を、自治体も頑張っています、皆さんも頑張っていただいている、しかし、多様化した皆さんの意見を酌み取るというところから、どうぞ立ち止まって、もう一回、今なら遅くないんです。ボタンの掛け違いを進めればもっと大変なことになります。私どもの提案が、一年掛けてまとめましたけれども、これがいいと言っているんではないんです。それぐらい多様な意見になってしまった。総理、そこを聞き届けない限り、足を運んでいただいても根本的な解決というのは遠のくと考えております。  ですから、どうぞ、放射線と再び事故があるから帰らないと言っている方がこの避難指示を受けた原発に近いところの方には非常に、六、七割になっているという現実を見据えて、救済する道を、選択肢を与えていただきますように、それが本当の人間の安全保障という考え方だろうと思うんです。ここに実現しなくて世界の中の日本の命も守れないということで、総理、是非とも深刻に受け止めてやっていただきたいと思います。  終わります。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 以上で荒井広幸君の質疑は終了いたしました。(拍手)  これにて基本的質疑は終了いたしました。     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) この際、先般、本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員から報告を聴取いたします。  それでは、報告を大塚耕平君にお願いいたします。大塚耕平君。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 予算委員会委員派遣の調査につきまして御報告いたします。  派遣団は、山崎委員長を団長とする十三名で編成され、二月十七日及び十八日の二日間、福島県を訪れ、東京電力株式会社福島第一原子力発電所の現状を視察するとともに、除染作業現場の状況、風評被害対策への取組及び避難生活の現況について調査を行ってまいりました。  まず、福島第一原子力発電所については、現在一号機から四号機の安定化・廃止措置等に向けた取組が進められていました。このうち、一号機から三号機については、冷温停止状態を維持するため注水を継続していましたが、地下水と見られる流入水が原子炉建屋に流れ込んでおり、貯水タンクを順次設置するとともに、多核種除去設備によって汚染水から放射性物質を除去する作業を進めておりました。四号機については、既に建屋の上に機材が設置され、使用済燃料プールから燃料を取り出し、キャスクと呼ばれる容器内に格納した後、共用プールに移送する作業が開始されており、その現場を四号機の最上階等において視察いたしました。  視察及び説明聴取の後、国際機関等の視察受入れ体制、現場の状況や技術開発などに関する幅広い周知の必要性等について質疑応答が行われました。  次に、除染作業現場については、双葉郡楢葉町の山田岡仮置場等を視察いたしました。楢葉町では今年度末までの予定で国の直轄事業として除染が進められており、既に対象地域の八割以上で除染が実施されているとの報告を聞きました。除染によって発生した廃棄物は、破砕圧縮され、大型土のうに成形された後、中間処分場が完成するまでの間、仮置場にて保管されておりました。除染の実施により、楢葉町では空間線量率が宅地で平均四八%低減したとのことでありました。  視察及び説明聴取の後、仮置場の放射線濃度、除染後の農地における営農再開の見通し等について質疑応答が行われました。  次に、風評被害対策への取組及び避難生活の現況について、農業、漁業、商工業関係者及び応急仮設住宅居住者等との意見交換を行いました。  出席者からは、風評被害対策への支援の充実、農産品の安全・安心確保のための取組、農地整備等に対する支援の継続、現状における漁業者の生計維持の態様、避難者の増加による自治体の負担への国の支援、グループ補助金等を継続する必要性、応急仮設住宅から自宅への帰還の進捗状況等について発言がありました。  出席者からの発言の後、深刻な風評被害への今後の対策、土壌の放射性物質濃度と作付け制限の関連性等について質疑応答が行われました。  なお、今般の委員派遣に当たっては、立谷相馬市長及び桜井南相馬市長から山崎委員長宛てに国の財政支援等に関して要望書が提出されております。  以上で派遣報告を終わります。  両要望書の概要を含む調査の詳細につきましては、これを本日の会議録に掲載されますよう、お取り計らい願いたいと存じます。  以上でございます。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。  なお、提出された報告書につきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載することとしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 御異議ないものと認め、さよう取り計らいます。  次回は明五日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十七分散会

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