本会議 第25号
- 発言数
- 63 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2014/05/28
会議録
○議長(山崎正昭君) これより会議を開きます。 この際、日程に追加して、 独立行政法人通則法の一部を改正する法律案及び独立行政法人通則法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎正昭君) 御異議ないと認めます。国務大臣稲田朋美君。 〔国務大臣稲田朋美君登壇、拍手〕
○国務大臣(稲田朋美君) ただいま議題となりました独立行政法人通則法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 独立行政法人制度については、その本来の趣旨にのっとり、主務大臣から指示される明確な目標の下、独立行政法人が、自主性及び自律性を発揮した業務運営と適切な組織規律により、その期待される政策実施機能を最大限に発揮できるようにするとともに、肥大化防止、スリム化も図るため、法人の分類や目標、評価の在り方等にも踏み込んだ抜本的な改革を行うことが急務であります。 このような観点から、法人の事務及び事業の特性に応じた法人の分類を設け、各分類に則した目標管理の仕組みを導入するとともに、監事の機能強化と主務大臣による事後的な是正措置を導入することなどにより業務運営の改善を図る仕組みを設ける等の所要の措置を講ずるため、本法律案を提出する次第であります。 以下、本法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。 第一に、独立行政法人を事務及び事業の特性に照らし三つに分類し、国民の需要に的確に対応した多様で良質なサービスの提供を通じた公共の利益の増進を推進することを目的とする法人を中期目標管理法人として、我が国の科学技術水準の向上を通じた国民経済の健全な発展その他の公益に資するため研究開発の最大限の成果を確保することを目的とする法人を国立研究開発法人として、また、国の行政事務と密接に関連して行われる国の指示その他の国の相当な関与の下に事務及び事業を正確かつ確実に執行することを目的とする法人を行政執行法人として、それぞれ個別法で定めることとしております。 第二に、独立行政法人の業務運営は各分類に応じ、中期目標管理法人は三年から五年の中期的な目標管理によるものとし、国立研究開発法人は五年から七年の中長期的な目標管理により、研究開発に関する審議会が業績評価等に関与するものとし、行政執行法人は単年度の目標管理によることとしております。 第三に、政策実施機関としての独立行政法人の役割が的確に果たされるよう、主務大臣による実効性、一貫性のある目標設定及び評価の仕組みとするため、これまで各府省に設けられていた評価委員会に代わり、主務大臣が法人の業績評価を行うこととしております。 また、総務大臣が目標設定及び業績評価に関する指針を策定することとし、このうち、研究開発の事務及び事業に関する指針案は総合科学技術・イノベーション会議が作成することとしております。この総務大臣が策定する指針に基づき、主務大臣は目標設定及び業績評価を行うこととしております。 第四に、総務省に第三者機関として独立行政法人評価制度委員会を設置し、中期目標の設定、中期目標期間の業績評価、中期目標期間の終了時の見直し内容について主務大臣に意見を述べることとしております。 第五に、独立行政法人の監事及び会計監査人は、法人の業務及び財産の調査を行うことができることを明確化し、その職務権限を強化するとともに、役員に損害賠償責任を導入するなど、役員の義務及び責任を明らかにすることとしております。 第六に、独立行政法人に対する主務大臣の関与の在り方を見直し、中期目標管理法人及び国立研究開発法人については業績評価の結果に基づく法人の業務運営の改善命令及び違法行為等の是正命令を、行政執行法人については特に必要があると認めるときにその業務に関し監督上必要な命令をすることができることとしております。 政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出した次第でありますが、衆議院におきまして、主務大臣は、独立行政法人の長又は監事を任命しようとするときは、必要に応じ、公募の活用に努めなければならないものとすることとし、公募によらない場合であっても、透明性を確保しつつ、候補者の推薦の求めその他の適任と認める者を任命するために必要な措置を講ずるよう努めなければならないものとする旨の修正が行われております。 以上が本法律案の趣旨でございます。 次に、独立行政法人通則法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 本法律案は、独立行政法人通則法の一部を改正する法律の施行に伴い、個別法に各独立行政法人を中期目標管理法人、国立研究開発法人又は行政執行法人のいずれかとする規定を追加する等、関係法律の規定の整備を行うものであります。 政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出した次第でありますが、衆議院におきまして、日本司法支援センター及び日本私立学校振興・共済事業団の理事長又は監事を任命しようとするときの措置について、独立行政法人通則法の一部を改正する法律案に対する修正と同様の修正が行われております。 以上が本法律案の趣旨でございます。(拍手) ─────────────
○議長(山崎正昭君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。小西洋之君。 〔小西洋之君登壇、拍手〕
○小西洋之君 民主党・新緑風会の小西洋之でございます。 私は、会派を代表して、議題となりました二法案について、これらの適正執行の前提となる安倍内閣の法の支配等に係る資質の観点も含め質問をいたします。 本法案は、平成二十年の福田内閣による法案、そして事業仕分の観点等による抜本的な見直しを講じた民主党野田内閣による、通称平成二十四年法案のそれぞれが衆院解散により廃案となり、その後、第二次安倍内閣での検討を経て再提出をされたものでございます。 こうした経緯を踏まえつつ、本法案の中身を見ると、業務の特性に着目して法人を類型化し、それに応じた目標設定や評価システムを設けることなど、改革の主要な部分は平成二十四年法案の内容が踏襲されており、全体としては評価できるものと考えております。 しかし、詳細を検討すると、平成二十四年法案からは本来の国民本位の改革という趣旨が後退し、あるいはその実現が危ぶまれる点が多々あるものと言わざるを得ません。 その第一が、法人の統廃合の在り方です。平成二十四年の野田内閣での閣議決定では、雇用の確保に十分配慮をしつつも、独法を百二から六十五法人まで再編することとしていたのに対し、昨年十二月の安倍内閣の閣議決定では、これらが八十七法人までの再編にとどまっております。 本法案は、平成二十四年法案の内容とほとんど同じなのに、それに伴う全体の再編の姿がこれほど大きく違うのは一体なぜでしょうか。国民本位ではなく、天下りポストなどのお役所本位、あるいは安倍政権の基本的政治姿勢である国家本位のためでないならば、その違いの具体的な理由を、内閣を代表する立場として、菅官房長官にお答えいただきたいと思います。 さらに、本法案を検討してみると、平成二十四年法案に措置していた役員の原則公募の定めが入っておりません。この公募については、いわゆる官僚たたきではなく、幅広く社会全体に有為な人材を求め、法人経営の改革を図る非常に重要な制度であったはずでございます。 この点、衆議院提出段階の法案が、公募を単なる例示に格下げし、かつ、義務規定を努力規定に格下げするという平成二十四年法案よりも二段階も後退した内容であったところ、民主党を中心とする与野党協議の結果、条文修正に至ったところです。 しかし、この修正は、主務大臣は公募の活用に努め、そして、公募によらない場合には他の必要な措置を講じるという、まるでどっち付かずの規定ぶりであり、民主党政権での国民本位の改革の趣旨が担保されたものか、大いなる疑問を禁じ得ません。 そこで、稲田行政担当大臣に伺います。 この衆院での修正の趣旨は、主務大臣は、まずは、公募を真にやむを得ない場合を除いて必ず実行しなければならない、そして、やむを得ず公募が実行できない場合は、その理由等について国民への説明責任を全うしなければならないという意味であると解してよろしいでしょうか。役員公募の実績等もお示しいただきつつ、担当大臣より明確な答弁を求めます。 また、法人の長の任命に当たっては、福田内閣及び野田内閣の法案では内閣の承認手続を措置しておりましたが、今回の法案では、この主務大臣の独善、偏向を排し、公正な人選を確保するための仕組みが存在しません。 この点、昨年のNHKの経営委員人事において、放送法上の唯一の任命権者である安倍総理の任命行為により、安保法制懇の委員である岡崎久彦氏との共著において、日本国憲法というものが日本の近代史における最大の汚点であると主張する長谷川三千子氏などのお友達が任命され、その代わりに、東日本大震災の最大の被災地である東北地方を代表する経営委員が戦後初めて空席となる、被災地切り捨ての、断じて許すことのできない事態が生じております。 こうした安倍内閣の政治任用の実態を踏まえつつ、今回の法案では、主務大臣の任命の適正確保のための内閣の承認手続を削除した理由について稲田行革担当大臣の御見解をお伺いいたします。 続いて、本法案における重要な改革である独法のガバナンス強化について、同じく国民本位の改革の後退の観点から質疑いたします。 第一に、各省に設置されていた評価委員会を廃止した場合、実際の評価作業は各省の独法担当職員が担うことになると考えられますが、いわゆる身内意識による手抜き、お手盛り評価の危険性をいかなる具体的措置により排除するのか、稲田行革担当大臣の御見解をお伺いいたします。 第二に、業務報告書への法令遵守等の体制の記載とともに、監事による不正事実の報告義務が措置されましたが、今般の厚労省所管法人の入札事案からも危惧されるように、実務上の報告窓口である各省の独法担当職員による隠蔽等の危険はないのか、さらに、最終的な大臣への報告やその指示内容は闇に埋もれることなく公表されるのか、これらの対処策について稲田行革担当大臣の御見解を伺います。 以上、本法律案について、安倍内閣の改革姿勢、主要制度に係る法令解釈及びその運用の在り方、さらには、法令遵守等のガバナンスの確保の在り方等について質問をいたしました。 しかし、以上の全ての質問及び今後の法案審議の大前提として、国会による発議及び国民投票という憲法第九十六条の改正手続を無視して、閣議決定のみで最高法規である憲法の解釈改憲を強行しようとする安倍内閣においては、そもそも、適正な法令解釈や、昨年のNHK人事にあったような独善、偏向なき適正な制度執行が確保されるのか、さらには、憲法規範を破壊し、社会の遵法精神を破壊しようとする、まさにその当事者が、まるで漫画の世界のごとく、国民に法令遵守を指導することができるのか、何より、立憲主義や法の支配、国民主権、議院内閣制を否定しようとする内閣が真に国民本位の改革を実行できるのか、この代表質問の場で徹底的に明らかにする必要があります。 まず、菅官房長官に伺います。 こうした本法成立後のその適正執行を担う安倍内閣の資質について、自らどのような評価及び認識でいるのか、真摯なる答弁をお願いいたします。 さて、安倍内閣がその真の姿として、また法案審議の前提として、主権者国民及び国会を尊重し、立憲主義及び議院内閣制を遵守する意思があるかについて、より明瞭に追及いたしたく、議場の先輩、同僚議員の皆様に、ちょうど今から六十年前の一九五四年六月二日にこの本会議場で全会一致で可決されたある決議文を朗読をさせていただきます。「自衛隊の海外出動を為さざることに関する決議 本院は、自衛隊の創設に際し、現行憲法の条章と、わが国民の熾烈なる平和愛好精神に照し、海外出動はこれを行わないことを、茲に更めて確認する。 右決議する。」 これは、自衛隊創設に当たり、自衛隊の海外出動、つまりは、自衛隊の海外派兵たる海外における武力行使はこれを行わない、すなわち、自衛隊による集団的自衛権の行使はこれを許さないという憲法第九条の解釈を、我らが参議院が確定した決議であり、当時の鶴見祐輔議員は、その趣旨説明演説において、その内容を以下のように明瞭に述べています。 何ものが自衛戦争であり、何ものが侵略戦争であったかということは、結局水掛け論であって、歴史上判明いたしません。ゆえに我が国のごとき憲法を有する国におきましては、これを厳格に具体的に一定しておく必要が痛切であると思うのであります。自衛とは、我が国が不当に侵略された場合に行う正当防衛行為であって、それは我が国土を守るという具体的な場合に限るべきものであります。幸い我が国は島国でありますから、国土の意味は、誠に明瞭であります。ゆえに我が国の場合は、自衛とは海外に出動しないということでなければなりません。いかなる場合においても、一度この限界を越えると、際限もなく遠い外国に出動することになることは、先般の太平洋戦争の経験で明白であります。それは窮屈であっても、不便であっても、憲法第九条の存する限り、この制限は破ってはならないのであります。外国においては、今日の日本の戦闘力を利用せんとする向きも絶無であるとは申せないと思うのであります。さような場合に、憲法の明文が拡張解釈されることは、誠に危険なことであります。ゆえにその危険を一掃する上からいっても、海外に出動せずということを、国民の総意として表明しておくことは、日本国民を守り、日本の民主主義を守るゆえんであると思うのであります。 以上、すなわち、この自衛隊の海外出動を為さざることに関する決議は、日本国民を守り、日本の民主主義を守るために、憲法第九条の明文が拡張解釈されるその危険を一掃する、つまり、内閣による解釈改憲の危険を許さず、これを絶対に封じるために、国権の最高機関たる参議院において、国民の総意として全会一致で可決されたものであります。 そして、憲法第九条の拡張解釈による自衛隊の海外出動たる海外派兵、すなわち、集団的自衛権の行使はこれを絶対に許さないというこの本会議決議は、その後の本院における自衛隊法などの審議の際に、繰り返し繰り返し、必ずと言ってよいほどその趣旨が政府との間で確認されてきたものでございます。 例えば、平成十七年十二月十二日のイラク人道復興支援活動等に関する特別委員会における当時の安倍晋三官房長官、すなわち現在の安倍総理は、本決議の趣旨を問われ、自衛隊を海外に派遣をして、そしてこの自衛隊が言わば武力行使をするということを念頭に置いているのではないかと、このように思いますと、明快に本決議が自衛隊の海外における武力行使、すなわち、集団的自衛権の行使を禁止したものであるとの認識を答弁をしております。 同様の政府答弁は、平成二十年代の新テロ特措法、イラク特措法、旧テロ特措法、周辺事態法制、PKO法に係る審議等々、その数は優に数十回を超え、まさに憲法第九条の解釈に係る本決議は、参議院と政府の間で積み重ねられた法規範に匹敵する、内閣を揺るぎなく強固に拘束する立法府としての決議であります。 ここで、安倍内閣を代表して、菅官房長官にお尋ねします。 安倍内閣として、この自衛隊の海外における武力行使、すなわち、集団的自衛権の行使はこれを許さない、そして日本国民と日本の民主主義を守るために、そうした内閣による憲法九条の拡張解釈は断じてこれを許さないという参議院の確固たる本会議決議を前にして、それでもなお安倍内閣の閣議決定だけで憲法九条の解釈改憲を強行することが許されるとお考えですか。 そのような蛮行は、国権の最高機関である参議院を否定し、議院内閣制を否定し、さらに、山崎正昭議長以下二百四十二名の全参議院議員と、それらを選出した主権者国民を否定する、断じて許されない行為との認識はございませんか。 本日二十八日、明日二十九日と、衆参で解釈改憲問題の集中審議がなされます。しかし、かつての六〇年安保改定では百五十五時間、PKO法案では百九十三時間、周辺事態法制では百六十一時間の衆参の国会審議を行っています。 これらを含め、これまでの全ての安全保障法制の審議は、集団的自衛権の行使は憲法違反であるとの前提の下に行われております。この前提そのものを解釈の変更により覆そうとするのであれば、その憲法九条の解釈の変更案を、紙芝居ではない、集団的自衛権行使の具体的かつ詳細な政策的必要性とともに、衆参の国会に提出して、その新たな解釈の論理的整合性や、これまでの国会論議との整合性について、憲法審査会や特別委員会などの場を含め、まずは徹底的に数百時間以上の審議を受けるべきではないでしょうか。それが自称闘う政治家である安倍内閣総理大臣の取るべき道であり、何よりも、それが国民のために立憲主義を守る内閣の責務であるとは考えないのでしょうか。 以上、全ては本法案審議の前提となる事項でもありますが、これらについて、参議院本会議場の演壇の上で、内閣として、三権の長たる議長以下、本日ここに集う全参議院議員に対し、そして主権者国民に対し、逃げることのない、明確な菅官房長官の答弁を求めます。 最後に、日本国憲法の前文においては、日本国民は、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定するとあります。 この趣旨は、我らが日本国民は、国家による戦争の惨禍から永久に国民自身を守るために、そのことを目的として、国民主権原理を憲法に採用したことを意味します。すなわち、憲法九条の内閣による解釈改憲は、憲法第九十九条の憲法の尊重擁護義務に違反するのみならず、この憲法前文の恒久平和主義に立脚した国民主権原理を否定する憲法違反行為そのものであり、まさに立憲主義そのものを否定する空前絶後の蛮行でございます。 先輩、同僚議員の皆様におかれましては、閣議決定はもちろん、この本会議場で議決する自衛隊法改正等の法律によっても、なお奪うことのできない自衛隊員や国民のかけがえのない命がある、それを決めることができるのは、主権者国民の国民投票による憲法改正でしかない。 このまさに立憲主義の原理そのものを破壊しようとする安倍政権の、一部識者の弁によれば政治的クーデターともいうべき過ちから国民を守り、その国民の擁護者として、今こそ我々良識の府たる参議院の存在意義とその真価が問われておりますことを、本法案審議の前提の観点を深く深く込めながら、改めて更に深く深く皆様にお願い、お訴え申し上げまして、私の質疑とさせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 〔国務大臣稲田朋美君登壇、拍手〕
○国務大臣(稲田朋美君) 役員任命に係る公募についてのお尋ねがありました。 御指摘の公募は、手続として透明性が高いという長所がありますが、これまで閣議決定に基づき百九十四ポストの公募を実施したところ、応募者に適任者が不在で再公募を要した場合などが約一割あることや、任命権者自らの発意による主導的人事になじみにくいといった面もあると考えております。 そのため、独法役員の任命に当たり、最適な人材を確保するための最適な方法の選択は任命権者の責任で行われるべきであるとの考えから、政府提出法案では、原則公募という義務付けではなく、公募を適任者を得るための選択肢の一つと位置付けたものです。 衆議院における修正は、独法の長及び監事の任命に際し、公募を活用すべきか、まずは検討することを求めているものと理解しております。また、主務大臣が最適な人材を登用する上で公募によらないとした場合、どのように透明性を確保していくかについては、国会での御審議等を踏まえ、今後検討してまいります。 独法の長の任命に係る内閣承認に関するお尋ねがありました。 独立行政法人は、主務大臣から与えられた政策目標を達成するための実施機能を担うものであり、その長に適任者を確保する責任及び権限は、政策責任者たる主務大臣に存するものと考えております。このため、本法律案では、主務大臣の人事権を尊重し、内閣の意思決定である内閣承認を得ることは要しないこととしたものです。 評価のお手盛り防止の措置についてお尋ねがありました。 今回の法案では、新たに業績評価に関する基本的なルールを総務省に設置する独法評価委員会の意見を聴いた上で総務大臣が指針として策定することとし、主務大臣はこの指針に基づき評価を行うこととしております。また、独法評価委員会が主務大臣の中期目標期間の業績評価結果について意見を述べるとともに、毎年度の評価が著しく不適正な場合には委員会が意見を述べられることとしております。さらに、総務省の行政評価・監視の対象に独法を追加することとしております。 こうした仕組みにより、主務大臣の適正な評価を確保することができると認識しております。 独法における不正事実の報告とその対応についてお尋ねがありました。 不正行為等の報告先について、衆議院内閣委員会において、法人の役職員は、不正行為や法令違反等の事実があると認めるときは、直ちに監事に報告することを業務方法書に記載する旨の附帯決議が付されております。 これを踏まえ、各法人に一定程度共通する事項を業務方法書にどのように定めるかについては、独法制度を所管する総務省を中心に対応を検討してまいります。 また、不正行為等が発覚した場合の監事から主務大臣への報告や、主務大臣から法人への是正等の命令は、一義的には不正行為等の是正を目的とするものですが、情報開示についても、公的組織として説明責任を果たすという観点から、各主務大臣や各法人において適切な対応が図られるべきものと考えます。(拍手) 〔国務大臣菅義偉君登壇、拍手〕
○国務大臣(菅義偉君) 法人の再編についてお尋ねがありました。 独立行政法人については、スリム化を図りつつ、国民の皆さんに質の高い行政サービスをお届けすることが極めて重要であります。 民主党政権下の独法改革は、独立行政法人制度を行政法人制度に置き換えるとともに、特殊法人化、国移管、大規模の統合等により法人数を減らしたものと承知をいたしております。 一方、現政権は、独法制度が本来の趣旨にのっとり機能するよう制度改正を行うとともに、組織の見直しを行うについても、各法人をできるだけ独法として維持した上で、政策実施機能の向上に資する統廃合等を行うこととした結果、再編後の法人数は八十七となったものであります。 独法通則法改正案成立後の適正執行についてお尋ねがありました。 政府が日々の行政を実施していくに当たり、法律に基づき適正に執行を図ることは当然のことであり、議員が御指摘のような懸念は全く当たらないと考えます。 今般の独法改革は、国民に対し説明責任を果たし、より効率的で質の高い行政サービスの実現を目指すものであります。国民の目線を念頭に置きつつ、本改革を着実に実行し、新たな制度、組織の下で、各法人がその政策実施機能を十分に発揮し、独法に対する国民の信頼、理解が一層深まるよう努めてまいります。 憲法解釈と国会審議についてお尋ねがありました。 御指摘の参議院の本会議決議は承知をいたしておりますが、いずれにしても、行政府が日々の権限の行使を行うに当たり、その前提として、憲法を適正に解釈することは当然必要なことであります。このような行政府としての憲法解釈は、最終的に憲法第六十五条に基づく行政権の帰属主体である内閣がその責任において行うものでもあります。 集団的自衛権等に関する問題については、これまでも国民の代表である国会において御議論をいただき、政府としても丁寧に説明に努めてきたところであります。現在、与党協議が進められており、その結果に基づき、政府としての対応を協議をし、憲法解釈の変更が必要と判断されれば閣議決定をしていく考えであります。 その上で、準備ができ次第、必要な法案を国会にお諮りすることになりますが、そこでもしっかりと議論をさせていただきたいと考えます。(拍手) ─────────────
○議長(山崎正昭君) 河野義博君。 〔河野義博君登壇、拍手〕
○河野義博君 公明党の河野義博です。 私は、ただいま議題となりました独立行政法人通則法の一部を改正する法律案並びに独立行政法人通則法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案に対し、自民党、公明党を代表して質問いたします。 独立行政法人制度は、平成十三年に、民間の経営手法を活用して国の政策を効率的、効果的に実施することを目的に創設されました。しかし、独立行政法人が何をしているのか国民に分かりづらい、さらには、制度の運用が硬直的で効率的な運営ができていないのではないかといった様々な問題点が指摘されたことから、制度並びに組織全般にわたる改革の検討がなされてきました。 公明党は、昨年十二月、党独法・特会改革委員会として稲田担当大臣に独立行政法人改革に関する提言を届け、国民に対する説明責任を果たしつつ、法人の政策実施機能の最大化を図るため抜本的な改革を進めるよう求めました。その後、公明党の主張が反映された新たな政府方針が示され、この度の法案改正は、その具体的な前進を図るものであると評価しております。 そこで、まず稲田大臣に、これまでの改革の評価を含め、今後の独立行政法人改革に向けた政府の基本方針を伺います。 次に、独立行政法人の見える化の推進に関して伺います。 政府は、その基本方針において、透明性を向上させるため、国民に分かりやすい形での情報公開の充実、すなわち、見える化を促進するとの方針を示しました。 そもそも、独立行政法人は国民の税金により運営される機関である以上、適切かつ効率的な業務運営に努める義務があることは言うまでもありません。その上で、国民の信頼と納得を得るため、法人の業務、財務情報の積極的な開示、また主務大臣の目標設定、評価のプロセスなどを通じて分かりやすい見える化が今後求められると考えますが、具体的な取組方針について稲田大臣の見解を求めます。 評価制度について伺います。 今回の改正により、主務大臣を主体とする目標、評価の一貫性のあるPDCAサイクルが構築されることになります。一方で、各主務官庁の役割を拡大することは、客観性を欠いたいわゆるお手盛りの評価になってしまうのではないかとの厳しい指摘もあります。このような懸念を払拭するため、例えば目標設定や業績評価の検討過程を明らかにできるよう、有識者を含むチームを設け、公開の議論を行うなど、国民に見える運用を各省庁が自発的に行うよう促すべきと考えますが、稲田大臣の見解を求めます。 さらに、総務省に設置される独立行政法人評価制度委員会の委員は総理大臣が任命することになります。主務大臣による目標案や評価結果などをチェックする非常に重要な委員会となりますが、そのふさわしい委員の人物像、評価委員会の運営体制や期待される役割について、そして総理任命とした趣旨は何か、稲田大臣に伺います。 総務大臣に伺います。 今申し上げた目標、評価の仕組みについて、総務大臣がその在り方を示す指針、言わば政府統一のルールを策定されることとなっております。各法人の役割を明確に位置付け、国民の視点に立った達成度が明確に評価できる目標設定となることが重要であると考えます。指針策定について、その方向性並びに内容についてどのように取り組もうとされているのか、総務大臣の見解を求めます。 次に、管理会計の導入について伺います。 多くの民間企業の成功や破綻の原因はマネジメントの巧拙にあると言われております。優良な民間企業においてはほぼ例外なく管理会計が導入されていますが、独立行政法人では管理会計がほとんど導入されていません。このことが業務運営の適正化、効率化が十分でなかった一因であると指摘されております。 そこで、独立行政法人においても、目標、評価の客観性を担保するためにも、事業別のコスト算出を可能にする管理会計を導入し、マネジメントの高度化を図ることを原則とすべきと考えます。管理会計の導入促進に当たっては何らかのインセンティブを与えるべきかとも考えますが、稲田大臣の見解を伺います。 ガバナンスの強化について伺います。 本改正案では、監事及び会計監査人の調査権限が明確化され、役員の不正行為の主務大臣への報告義務規定や、役員、会計監査人から監事への報告義務規定が設けられるなど、監査機能の強化が図られています。しかし、これらの規定は民間企業や社団法人では当たり前のことで、本改正でようやく独立行政法人がそれに追い付くということになります。 監査機能の実効性を担保するためには、監査に関する指針の整備や、監事と会計監査人、第三者機関等との連携強化、そして監事スタッフの配置など、具体的な運用上の取組を早急に進めることが重要と考えますが、稲田大臣の見解を求めます。 さらに、法人の規模は、職員数で数十人から数万人、予算では数億円から数兆円というように、まさに千差万別です。こうした法人の規模や特性に応じ、例えば監事、会計監査人に加え、外部の専門家も含めた経営に関する委員会を設置するなど、独立行政法人独自のガバナンス強化の取組も促すべきと考えますが、稲田大臣の見解を求めます。 最後に、今回の法改正により、独立行政法人改革が一歩前進しますが、不断のチェック機能が働かなければ形式だけとなってしまいます。今後、政令や省令など細部にわたっての規定を定め、実施状況をきめ細やかにチェックしていくことが肝要です。国民に分かりやすい独立行政法人制度の見える化を更に強化して、改革が真に国民に役に立ったと言えるものとなるよう全力で取り組むことを固くお誓いし、私の質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣稲田朋美君登壇、拍手〕
○国務大臣(稲田朋美君) 改革に向けた基本姿勢に関するお尋ねがありました。 独立行政法人は、効率的で質の高い行政の実現に大きく貢献してきましたが、一律の制度適用により、政策実施機能が十分発揮されていない、目標、評価の適切なPDCAサイクルを確立できていないなどの問題も指摘されてきたところです。 これらの指摘を踏まえ、与党とも十分協議し、今般、独法制度を維持し、制度本来の趣旨にのっとり、法人の政策実施機能の最大化、官の肥大化防止、スリム化を図る観点から、制度、組織両面で抜本的に見直すこととしております。 独法改革は、第一次安倍内閣以来の課題でありますが、二度にわたり法案が廃案となっていることから、今回の法案の成立に向け全力を挙げて取り組み、集大成となる改革の実現を期してまいります。 法人の業務、財務情報等の見える化についてお尋ねがありました。 法人運営の透明化を向上させるためには、国民に分かりやすい見える化を推進することが重要であると認識しております。 従来から、財務諸表、事業報告書、中期目標、業績評価の結果等を公表してまいりましたが、さらに、今般の改革により、各法人の事業等のまとまりごとに、予算の見積りを年度計画に、執行実績を事業報告書に添付し公表する、業績評価結果の業務運営や予算等への反映状況について毎年度公表するなどの情報公開を充実することとしており、より一層見える化を推進してまいります。 評価制度についてのお尋ねがありました。 今般の法改正においては、目標設定、評価の基本的なルールとなる指針を総務省に設置する独法評価制度委員会の意見を聴いて総務大臣が策定し、これに基づき、主務大臣が目標設定、評価を実施することとしております。また、独法評価制度委員会が、主務大臣の中期目標の目標案、業績評価結果について第三者の視点からチェックする仕組みとしており、これらの取組を通じて客観性、透明性を確保することとしております。 このような取組を前提としつつ、各府省における検討過程についても透明性を確保していくことは重要であり、例えば、必要に応じ有識者の会議を活用するなど、自発的に国民に見える運用を行っていくことが重要と考えています。 独法評価制度委員会についてお尋ねがありました。 本委員会は、主務大臣による中期目標の設定、業績評価、法人の業務及び組織の見直しが適正なものとなるよう、これらを第三者の視点からチェックする重要な役割を担うこととしております。このため、委員には、評価、財務、会計、法律などの横断的分野の専門家、研究開発などの法人業務に詳しい専門家など、各分野の優れた識見を有する方に就任していただくことが必要と考えております。 こうした重責を果たせる優れた人材を政府全体の見地から委員として選任することや、法人の業務及び組織の見直しの実効性を担保するため、内閣総理大臣に意見具申可能な仕組みを設けたことから、委員は内閣総理大臣が任命することとしております。 また、委員会の運営に当たっては、個々の法人の実態に即した詳細な調査審議を行えるよう、臨時委員、専門委員を任命することが可能としております。 管理会計の導入促進についてお尋ねがありました。 管理会計の導入を促進するためには、あわせて、事業等のまとまりごとの会計情報の公表を進めることや、コストの削減や利益の増大等に対して適切なインセンティブを設けることが効果的であり、これらの取組を一体として進めることが重要と考えています。 目標、評価の指針や会計基準の見直しにおいて、事業等のまとまりごとにコストを把握して業務改善につなげられる仕組みとして、管理会計の導入等による業績向上を評価することによって各独法で管理会計の導入等によるマネジメントの向上が促進されるよう、総務大臣と協力して検討してまいります。 監査機能の実効性を担保する運用上の取組についてお尋ねがありました。 今般の法改正により、監事及び会計監査人の調査権限の明確化や、会計監査人による監事への不正行為等の報告義務等を通則法上規定していますが、御指摘のとおり、監事による監査機能の実効性を担保するためには、運用上の取組を進めることが重要と考えています。 昨年末の独法改革の基本方針の閣議決定では、監事監査の指針の見直し、監事と会計監査人、第三者機関等の連携強化、監事を補佐する体制の整備、監事向けの研修、啓発の実施など、運用面の取組を充実させることとしており、これを推進してまいります。 法人の規模や特性に応じたガバナンス強化の取組についてお尋ねがありました。 今般の法改正においては、法人が定める業務方法書に内部統制の体制整備について記載を義務付けることとしており、法人の規模や特性に応じて必要となるガバナンスの整備を促す仕組みとしております。 また、昨年末の改革の基本方針の閣議決定において、各法人が行う事務事業の特性に応じたガバナンスの高度化等の取組を行うこととされており、これらを含め、それぞれの法人に応じたガバナンス強化の取組を促進してまいります。(拍手) 〔国務大臣新藤義孝君登壇、拍手〕
○国務大臣(新藤義孝君) 河野議員から、総務大臣が策定する指針についてのお尋ねをいただきました。 御指摘の指針は、今回改正法案で御提案している独立行政法人通則法第二十八条の二第一項に基づき、総務大臣が独立行政法人評価制度委員会の意見を聴いて定めるものであります。 その方向性としては、現時点では、今般の独立行政法人制度改革での議論とこれまでの独立行政法人評価の経験を踏まえ、適切な目標設定と適正かつ厳正な評価を主務大臣が行うために必要な政府統一のルールを定めることになると、このように考えているわけであります。 内容についてであります。目標設定に関する指針といえば、例えば、目標の具体性、明確性の確保、政策の中での位置付けの明示、一定の事業等ごとの目標設定などであり、また、評価に関する指針については、具体的な指標を用いた評価の実施、統一的な評価の基準や評定区分の設定、具体的な評定理由の付記などを考えているところであります。(拍手)
○議長(山崎正昭君) これにて質疑は終了いたしました。 ─────・─────
○議長(山崎正昭君) この際、日程に追加して、 政府管掌年金事業等の運営の改善のための国民年金法等の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎正昭君) 御異議ないと認めます。厚生労働大臣田村憲久君。 〔国務大臣田村憲久君登壇、拍手〕
○国務大臣(田村憲久君) 政府管掌年金事業等の運営の改善のための国民年金法等の一部を改正する法律案の趣旨説明に先立ちまして、一言申し上げます。 五月二十一日に、地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案の趣旨説明を行うに際して、参議院事務局を通じ議員の皆様へ事前に配付させていただいた資料に誤りがあり、これにより参議院の議事運営に重大な混乱を招いたことにつきまして、誠に遺憾であり、深くおわび申し上げます。 今後、全力を挙げて再発防止に努めてまいる考えでありますので、よろしく御理解いただきますようお願い申し上げます。 引き続き、この度、政府から提出した政府管掌年金事業等の運営の改善のための国民年金法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。 政府管掌年金事業については、公的年金制度に対する国民の信頼を確保し、国民皆年金を維持する観点から、その適正な運営を図るべく、国民年金の保険料の収納対策や年金記録問題への対応等に取り組んでまいりました。しかしながら、喫緊の課題である国民年金の保険料の納付率の向上に向けて更なる対策が必要であり、また、年金記録問題に対応する過程において、年金記録の訂正手続の整備等が求められているところであります。このため、今般、これまでの取組を踏まえ、政府管掌年金事業等の運営の改善を図るため、この法律案を提出した次第です。 以下、この法律案の主な内容につきまして、その概要を御説明いたします。 第一に、国民年金の保険料の納付機会の拡大等を図るため、納付猶予制度の対象者の拡大、現行の後納制度に引き続き、過去五年間の保険料を納付することができる新たな後納制度の創設、保険料の全額免除等の申請を指定民間事業者が受託できる制度を創設するとともに、現下の低金利の状況を踏まえ、滞納した国民年金の保険料等に係る延滞金の割合を軽減することとしています。 第二に、年金記録問題に対するこれまでの取組を踏まえ、被保険者等による年金記録の訂正請求を可能とし、民間有識者の審議に基づき厚生労働大臣が訂正する手続を整備するとともに、事務処理誤り等の事由により納付の機会を逸失した国民年金の保険料について、納付等の特例を設ける措置を講ずることにより、将来の年金受給権の確保等を図ることとしております。 第三に、年金個人情報の目的外の提供ができる場合として、市町村が行う高齢者虐待の事実確認に関する事務等を追加することとしております。 最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、平成二十六年十月一日としております。 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手) ─────────────
○議長(山崎正昭君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。三原じゅん子君。 〔三原じゅん子君登壇、拍手〕
○三原じゅん子君 自由民主党の三原じゅん子です。 ただいま議題となりました政府管掌年金事業等の運営の改善のための国民年金法等の一部を改正する法律案につきまして、自由民主党、公明党を代表して、厚生労働大臣に質問いたします。 まず冒頭に一言申し上げます。 先ほど田村厚生労働大臣からも御発言がございましたが、先日の地域医療・介護推進法案の趣旨説明に際し、議員に配付された資料に誤りがあったことについて、厚生労働省に猛省を促し、再発防止を求めます。厚生労働省は今後の法案審議に真摯に御対応いただくよう、要請をしておきます。 さて、本題に入ります。 本法律案には、年金保険料の納付率の向上や年金記録に関する訂正手続の創設などが盛り込まれております。 昭和三十四年、国民年金法が制定され、その二年後に国民皆年金が実現いたして以来、我が国において、年金は国民の安心と老後の生活を支える重要な基盤としてこの社会の発展に貢献してまいりました。その後、高度成長とともに給付改善が行われ、昭和六十一年には、全国民に共通の制度として基礎年金が導入されるとともに、女性の年金権の確立も果たされました。 さらに、急速な少子化や高齢化を受けて、公的年金制度については、制度の財政的な健全性を長期的に安定させるため、不断の制度改正が求められてきております。 平成十六年には、負担と給付のバランスを取るための仕組みとして、マクロ経済スライドの導入など、大きな制度改正がなされました。 また、平成二十四年には、社会保障と税の一体改革に向けた取組が行われ、例えば、平成十六年改正の残された大きな課題でありました基礎年金国庫負担割合二分の一の恒久化により、年金財政が安定化されました。また、世代間公平の観点などから、年金支給額のいわゆる特例水準も解消されることになりました。 こうして、公的年金制度は一つの新しい時代に入ったのではないかという印象を持っております。 制度改正において常に基本にあるのは、国民皆年金制度、そしてそれを支える国民の皆様からの公的年金制度への信頼であります。信頼の形というものはいろいろありますが、年金については、国民年金の保険料の納付率というものが一つの信頼のあかし、バロメーターではなかろうかと思っております。 まず初めに、保険料納付率についてお伺いします。 国民年金法第八十八条第一項には、「被保険者は、保険料を納付しなければならない。」と規定されております。保険料の納付は義務とされておりますが、国民年金第一号被保険者の保険料納付率を見てみると、一九九〇年代にはそれまで八〇%を超えていたものが、低下を続け、今では六〇%となっております。 厚生労働大臣にお伺いしますが、保険料納付率はなぜ低下してきてしまったのか、その原因、背景をどのように分析しているのか、御説明をお願いします。 さらに、年金保険料納付率の向上に向けた取組についてお伺いします。 具体的には、納付猶予制度の対象拡大、新たな保険料後納制度の創設、滞納された保険料の延滞金利率の軽減などであります。いずれも、年金保険料を納めやすくするための制度、納めてもらうための制度としてその実現が望まれるものであります。 もちろん、こうした施策以外にも、政府においては、年金保険料納付率の向上に向けてこれまでも多くの保険料徴収の取組がなされており、今回も督促の範囲の拡大などを通じて保険料納付に結び付けていく方向性が示されております。特に、市町村民税が非課税となるような低所得者の方については免除や猶予制度がありますが、今回の改正案においては、対象者の拡大や申請手続の簡便化を図り、より利用しやすくしていくという方向性が示されています。 しかし、年金額への反映という観点から見ると、免除や猶予を受けただけでは、免除の場合は国庫負担分のみで半額になってしまい、猶予の場合には年金額に結び付きません。保障の充実という観点からは、免除や猶予を受けた期間の保険料について将来追納をしていただくことが非常に重要なことだと思いますが、この点について御所見を伺います。 逆に、一定の所得のある滞納者にはしっかりと保険料を納めていただくために、今後どのように取り組んでいくお考えでしょうか。納付率向上に向けた政府の取組についてお伺いします。 また、本年は五年に一度の公的年金制度の財政検証が予定されておりまして、経済社会状況の分析などをベースとして、年金財政について様々な検証がなされます。財政検証の結果を踏まえ、マクロ経済スライドの調整の在り方に関する具体的な検討や、今後の年金制度において必要な改革がなされていくということになりますが、今回の財政検証では、昨年八月の社会保障制度改革国民会議報告書や、それを踏まえた社会保障制度改革プログラム法を受けて、マクロ経済スライドの在り方や短時間労働者への適用拡大など、今後の年金制度改正の検討に資する材料としてオプション試算というものがなされると伺っております。 財政検証における検討の今後の見通し、オプション試算について厚生労働大臣より御説明をお願いします。 公的年金制度については、今後の高齢化の進行や平均寿命の延びを考えますと、高齢者の多様な働き方や暮らしに応じて、一人一人の状況を踏まえた柔軟な年金受給の在り方についても考える必要があるのではないでしょうか。これについては、厚生労働大臣も先日、テレビで、年金の繰下げ受給を七十五歳まで認めることにするという案も存在することを御紹介されました。 そこで、今後の柔軟な年金受給の在り方について厚生労働大臣のお考えをお伺いします。 次に、国民年金と並んで、公的年金制度のもう一つの柱である厚生年金保険の適用漏れの問題について伺います。 厚生年金保険の場合、保険料の徴収は事業主から行い、滞納した場合にはすぐに督促を掛ける仕組みとなっており、徴収率は高い一方、そもそもの適用から漏れている場合があるのではないかという指摘があります。 この厚生年金保険の適用漏れも、国が制度として用意している社会保障が十分に行き渡っていないという点で、国民年金保険料の納付率が低い問題と同様に問題と考えますが、厚生年金保険の適用漏れ対策にどのように取り組まれているのでしょうか。この点についての見解を伺います。 次に、年金記録の訂正手続の創設についてお伺いします。 今般、年金記録の訂正手続を年金法の中に整備することにより、被保険者や受給権者の権利保護がどのように高められるのかについて、今回の手続の創設に至った趣旨、背景なども含めて、厚生労働大臣にお伺いいたします。 また、今回の新たな年金記録の訂正手続におきましては、国民の皆様から見て、公平性、透明性が確保されるような仕組みが幾つか用意されております。 具体的には、厚生労働大臣が被保険者及び受給権者から年金記録の訂正請求を受け付けて、訂正の可否を判断するに当たっては、行政外部の有識者から成る合議体の審議を経ることや、あらかじめ厚生労働大臣が審議基準などを基本方針として明確に定めることなどを講じておりますが、これらの公平性、透明性を高める仕組みについて厚生労働大臣にお伺いいたします。 いずれにしろ、年金制度は日本の社会保障政策の柱であり、長寿社会を豊かに安心して生きるために重要な制度です。この制度を維持するためには、年金を納付すれば必ず返ってくるという信頼感が重要です。そのための制度づくりに一層の努力を私も政府とともにしていくことをお誓い申し上げ、代表質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣田村憲久君登壇、拍手〕
○国務大臣(田村憲久君) 三原じゅん子議員から八問御質問をいただきました。 国民年金保険料の納付についてのお尋ねがございました。 国民年金保険料の納付率につきましては、今年三月末で六〇・二%となり、当面の目標とする六〇%を超えたものの、依然として低い水準であると考えております。 納付率の低下につきましては、無職者やパート労働者などの増加といった就業構造の変化や、所得水準の低下、年金制度に対する信頼や納付意識の低下などの要因が複合的に影響していると考えており、納付率の更なる向上に向けて、今後とも、納めやすい環境の整備や強制徴収の強化など総合的な対策に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、国民年金保険料の追納についてのお尋ねがございました。 国民年金保険料の免除や納付猶予については、十年間の追納期間を設けており、将来の年金額を増やすためにもできる限り追納していただきたいと考えております。 これまでも、免除や納付猶予の期間を有する方に対して、日本年金機構から保険料の追納についての個別のお知らせを送付するなど取組を行ってきておりますが、今後とも、制度の周知に努め、追納勧奨にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 次に、国民年金保険料の納付率向上に向けた取組についてのお尋ねがございました。 平成二十六年度においては、控除後所得四百万円以上かつ未納月数十三月以上の全ての滞納者に督促を実施することとし、強制徴収の強化を図ったところであります。納付率の向上に向けた取組については、この法案に盛り込んだ施策のほかにも、年金制度への理解を深め、自主的な納付を促すための年金制度の周知、広報や、口座振替の促進などの納付環境の整備に取り組むほか、更なる強制徴収の強化を図ってまいりたいと考えております。 次に、年金の財政検証についてのお尋ねがございました。 財政検証については、本年三月の社会保障審議会年金部会の議論を踏まえて、プログラム法に規定された年金制度の課題の検討に資するようなオプション試算を行うこととしております。現在鋭意作業を進めているところであり、結果がまとまり次第公表することといたしております。 今後の制度改正については、財政検証やオプション試算の結果も材料としながら、プログラム法で規定された課題も踏まえ、社会保障審議会年金部会等において御議論をいただきたいと考えております。 次に、柔軟な年金受給の在り方についてのお尋ねがございました。 少子高齢化が進行する中、日本社会全体の活力を維持していくため、意欲と能力のある高齢者ができるだけ長く働き続けられる社会の構築が求められております。このような状況では、年金制度についても、個々人の状況を考慮し、多様な就業と引退への移行に対応できる弾力的な年金受給の在り方を検討する必要があります。 この点については、現在作業中の財政検証において、保険料拠出期間と年金受給年齢について様々なバリエーションを設定したオプション試算も行うこととしており、この結果も材料としながら、今後具体的な議論を進めてまいりたいと考えております。 厚生年金の適用漏れ対策についてのお尋ねがございました。 対象となる事業所を厚生年金に適切に加入させることは極めて重要な課題であり、これまでも雇用保険情報や法人登記簿情報の活用のほか、地方運輸局等との連携により適用の促進に努めてまいりました。 さらに、今後は、国税庁から稼働中の法人に関する情報提供を受けることとするなど、関係機関との連携強化も図りつつ、引き続き厚生年金の適用漏れ対策に取り組んでまいります。 続きまして、年金記録の訂正手続の創設の趣旨、背景についてのお尋ねがありました。 新たな訂正手続につきましては、総務省の第三者委員会の仕組みと比較して、外部有識者による判断を維持しつつ、現在はあっせんとして行っているものを法的権利、処分として位置付け、不服申立て手続や司法手続への移行の道を開くものであります。これは、過去の年金記録の誤りのほかに、比較的最近の事業主の届出漏れ、誤りに起因する訂正事案も発生していることを受けて、恒常的に対応する手続として整備するものであり、年金記録問題の再発の防止や正確な年金記録の管理にも資するものと考えております。 最後に、年金記録の訂正手続の公平性、透明性についてのお尋ねがありました。 新たな訂正手続においては、民間有識者から成る合議体の審議に基づき訂正決定を行うこととしており、その構成員としては、現行の総務省の第三者委員会と同様に、社会保険実務や会社の経理等に詳しい専門家の方々を想定いたしております。また、新たな訂正手続における判断基準等についても、あらかじめ社会保障審議会に諮問し、策定、公表することといたしております。 これらの仕組みにより、処分の公平性、透明性が確保されるものと考えております。 以上でございます。(拍手) ─────────────
○議長(山崎正昭君) 森本真治君。 〔森本真治君登壇、拍手〕
○森本真治君 民主党・新緑風会の森本真治です。 ただいま議題となりました国民年金法等の一部を改正する法律案につきまして、会派を代表して質問いたします。 田村大臣、冒頭まずお聞きしなければならないことがあります。 先ほど大臣から陳謝がありました地域医療・介護確保法案の趣旨説明、議員に配付された文書に、昨年の社会保障プログラム法案の内容を一部加えて提出されました。単純ミスとも聞いていますが、昨年、我々はプログラム法案の審議ができませんでしたから、実はもう一度審議し直してほしいという意味だったのではないでしょうか。どちらにしても、この度の事態が国会の審議日程に大きな影響を与えたことは間違いありません。 会期末も迫っており、厚生労働委員会だけで十一本もの法案を審議しなければならず、国会を空転させるわけにはいきませんので、異例の措置ではありますが、国民年金法改正案を先に審議することとなりました。与党の皆さんもさぞかし苦渋の御決断だと思いますが、このような事態を招いたこと、単に職員の気の緩みで見過ごされる話ではありません。 そもそも、地域医療・介護確保法案は関連する法案が十九本もあり、それを一つの法案にして通すことに無理があります。職員のオーバーワークが原因ではないのですか。全く中身が固まっていない中で提案された、要支援者に対するサービスの自治体への移管など、ガイドラインの作成、国会への説明、自治体への説明など、同時並行で幾つもの作業を行わなければならない状況に職員が悲鳴を上げているのが目に浮かびます。 法案提出の在り方がそもそも今回の原因をつくったと考えますが、田村大臣の認識と反省の言葉を求めます。 さらに、今国会では、労働者派遣法改正案での条文の間違い、短期集中特別訓練事業における不正入札問題と、国民の信頼を失墜する問題が続発しています。 田村大臣、御自身の監督責任をどのようにお考えか、自らへの処分をどのように下されるのか、併せてお答えください。 それでは、本題に入らせていただきます。 現在、我が国の年金制度につきましては、急速な少子化や高齢化を受けて年金財政は持続可能であるのか。ライフスタイルや働き方の変化、非正規労働者の増加などへの対応が十分なのか。さらに、先進国中、中の下に位置する我が国の標準的な給付水準が今後更に低下することが予想されるなど、適切な給付水準の確保がなされるのか。そして、これまでの消えた年金問題などによって年金制度に対する国民の不安が頂点に達している中で信頼を回復させることができるのか等、多くの課題が山積しています。 我が党はこれまで、年金制度改革として、年金の一元化と最低保障年金を柱に議論を重ねてまいりましたが、現行制度から理想とする制度へどのように移行するのか、その具体的道筋を示していく必要があると、党の社会保障総合調査会の下に年金制度ワーキングチームを設置し、私もそのメンバーとして再度検討を開始したところであります。 そんな中、この度の本法律案の提案がなされているわけでございますが、どちらかというと、喫緊の課題に対応していくということが主たる目的ではなかろうかと思います。しかしながら、年金制度の信頼構築に向けて地道に取り組まなければならない点も多く含まれていると思いますので、以下質問を行います。 まずは、財政検証についてお伺いします。 本年は、五年に一度の年金財政の現況及び見通しについて、いわゆる財政検証を公表する年に当たっています。現在の検討状況と財政検証の結果の公表はいつになるのか、さらには、この結果に基づいた年金制度改革の議論をどのように進めていくのか、まず田村大臣にお伺いします。 次に、年金積立金の運用についてお伺いします。 現在、年金積立金管理運用独立行政法人、GPIFでございますけれども、その運用については気になる動きが出ています。財政検証の結果が出る前から運用対象の多様化が着々と進められ、公的年金の投資先としてふさわしいのかどうか、リスクが増大していくのではと疑問を抱かざるを得ないものが含まれているのではないでしょうか。 特に、安倍総理自ら、ダボス会議やロンドン・シティーにおける晩さん会において、GPIFについては成長への投資に貢献することとなるでしょうと発言されていることなど、本来の目的を逸脱しているのではないかと危惧します。 財政検証の結果を待たずに運用対象の見直しを先行して進める理由は何なのか、また、厚生年金保険法の、専ら厚生年金保険の被保険者の利益のために、長期的な観点から安全かつ効率的に行うとの整合性は取れているのか、併せて田村大臣の見解を求めます。 次に、国民年金保険料の納付率の現状についてお伺いします。 第一号被保険者の保険料納付率を見てみると、かつて八〇%台を維持していたものが、この二十年近く低下傾向にあり、現在では六〇%前後の水準が続いています。このように、保険料の納付が法的には義務とされながらも納付率が伸び悩んでいるという現状について、田村大臣の認識をまずはお伺いします。 次に、納付率の向上策について、納付猶予制度の対象拡大と保険料の全額免除制度の見直しについてお伺いします。 納付猶予制度は、平成十六年改正において導入され、対象は三十歳未満の者ですが、本法律案では、対象者を五十歳未満まで拡大することとされております。その背景には、若年者のみならず中高年の非正規労働者が増加していることが挙げられます。こうした中高年の低所得者が増加している現状についての田村大臣の認識、あわせて、納付率の低下が非正規労働者の増加が一因であるならば、現在安倍政権が進める労働者保護ルールの改悪により、非正規労働者を増やす政策を進めることは年金制度にとってもマイナスの影響を与えることになりますが、田村大臣の御所見をお伺いします。 また、保険料の全額免除制度の見直しについては、この度、その手続上の負担を軽減し、全額免除等の申請の機会を拡充することを目指すとされています。 納付猶予の拡大や免除対象者を増やすことによって、見かけの納付率は向上し、年金財政維持には貢献するかもしれませんが、健全な年金制度の構築、適切な無年金・低年金対策とはならないと考えますが、田村大臣の御所見をお伺いします。 これからマクロ経済スライドの発動も見込まれ、結果的には年金額が低下する中で、どうしたら低年金者は一定の年金額を確保できるのかという課題に直面し続けます。この点では、本法律案で、事務処理誤り等に関する特例保険料の納付を可能とする制度や、付加年金制度についても特例を設けることとしておりますが、抜本的な低年金対策となるかは疑問です。 どちらにしても、無年金・低年金者対策は、小手先の対応ではなく、抜本的な制度改正の中で考えていく必要がありますが、政府の認識と今後の支援の在り方についてどのようにお考えか、田村大臣にお伺いします。 無年金・低年金対策に関連して、短時間労働者の厚生年金適用拡大についてお伺いします。 平成二十四年の社会保障と税の一体改革における年金機能強化法の成立以来、短時間労働者への被用者年金の適用拡大の方向性が打ち出されております。政府の現在の検討状況はどうなっているのでしょうか、田村大臣にお伺いします。 続いて、年金制度の信頼確保と悪質な未納者に対する徴収強化についてお伺いします。 厚生労働省は、一定の所得を有する年金保険料滞納者への強制徴収の取組を強化する方向性が示されておりますが、このほかに、従来、国税庁に強制徴収を委任するスキームなども実施されております。こうした政府における取組について、これまでの実績と今後の取組強化策について田村大臣にお伺いします。 また、徴収を強化しようとすると、どうしても一定のコストが必要であると考えます。昨年の年金保険料の徴収体制強化等のための検討チームにおける議論では、強制徴収するのに保険料百円当たり約九十円掛かるとされました。そういう意味では、強制徴収に至らないうちに年金保険料を納付してもらえるような取組の重要性は高いと言えるわけですが、一方で、こうした徴収のコスト削減に向けた努力も求められると考えます。この点について、政府としていかなる取組がなされているのか、田村大臣にお伺いします。 次に、年金記録の訂正手続の創設についてお伺いします。 本法律案では、新たに被保険者による訂正請求を可能とし、民間有識者から成る新たな合議体により訂正の審査がなされることとされます。一方で、これまでそうした審査を行ってきた総務省の年金記録確認第三者委員会は廃止されることになりますが、両組織における訂正の手続や審査基準について整合性はしっかり確保されているのでしょうか。 国民の側からすると、言わば年金記録の訂正という同じ一つの行為について、それを実施する主体が引き継がれるような格好に見えますが、請求者に不利益があるようでは年金制度の信頼性が損なわれます。例えば、審査の処理に掛かる所要期間などはもちろんのこと、第三者委員会においては訂正が認められたものが認められなくなったりと、不公平がないような制度設計が求められますが、田村大臣の御所見をお伺いします。 次に、年金記録問題との関係をお伺いします。 総務省の第三者委員会は、そもそも、消えた年金問題を受けて、当事者である厚生労働省以外に設置されたものでありまして、本法律案により、国民に年金記録問題への取組の幕引きと受け取られかねない懸念を感じるところがあります。また、同じく総務省の年金業務監視委員会も三月末になくなり、年金制度の具体的な運用状況については、従来の行政評価制度で見ることとされました。 これらにより、言わば年金記録問題以前の状態に戻った格好となりますが、今後十分なチェック機能を果たしていけるのでしょうか。国民からの理解、納得を得ることが重要だと考えます。この点について田村大臣の御所見を伺います。 こうした質問をしてしまうのも、民主党政権以前の第一次安倍政権においては、安倍総理は、最後の一人まで解決する固い決意を持って臨むと述べられておりましたが、昨年、我が党の長妻議員が衆議院本会議において、現在も同様に最後の一人までという決意かとただしましたところ、安倍総理は、「さらに、一人でも多くの方の記録の回復につなげていきたい」との御答弁をされておりまして、意気込みがトーンダウンしたのかなとも感じているからであります。 厚生労働省の年金関連の予算を見ても、正確な年金記録の管理と年金記録問題への取組については、昨年度五百九十二億円だったものが今年度百四十六億円となっています。今後の年金記録問題への取組が十分になされていくのかどうか、安倍総理が決意した、最後の一人まで解決するという約束は守られるのか、田村大臣にお伺いします。 以上、数点にわたり質問しましたが、大臣の明瞭な御答弁をお願いし、質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣田村憲久君登壇〕
○国務大臣(田村憲久君) 森本議員から全部で十三問御質問をいただきました。ありがとうございます。 まず、医療・介護総合確保推進法案の趣旨説明の誤り等についてのお尋ねをいただきました。 本法案は、地域における医療や介護の総合的な確保を推進するために必要な改革でありますが、五月二十一日の本法案の趣旨説明に際し、参議院事務局を通じ議員の皆様へ事前に配付した資料に誤りがあり、これにより参議院の議事運営に重大な混乱を招いたことについて、誠に遺憾であり、深くおわびを申し上げます。 二度とこのような不適切な業務処理が生じないようにすることが最も重要であり、今後、私も責任を持って、省を挙げて再発防止に努め、業務遂行上の誤りをしない組織づくりに全力で取り組みたいと考えております。 次に、財政検証についてのお尋ねがありました。 財政検証については、本年三月の社会保障審議会年金部会の議論を踏まえ、現在鋭意作業を進めているところであり、結果がまとまり次第公表することといたしております。今後の制度改正については、財政検証の結果も材料としながら、プログラム法で規定された課題も踏まえ、社会保障審議会年金部会等において御議論をいただきたいと考えております。 次に、年金積立金の運用についてのお尋ねがありました。 デフレ経済下から脱却し、名目で経済成長をしていく状況にある中で、運用環境も変わりつつあります。この中で、年金財政上必要な利回りをしっかりと確保しながらリスクを抑えていく運用が必要であり、GPIFにおいて、運用対象の多様化等、できるものから取り組んでいきます。こうした運用は、御指摘の厚生年金保険法等の規定に沿ったものであり、今後も安全かつ効率的な年金運用に努めてまいります。 国民年金保険料の納付率についてのお尋ねがありました。 国民年金保険料の納付率については、今年三月末で六〇・二%となり、当面の目標とする六〇%を超えたものの、依然として低い水準にあると考えております。 納付率の低下については、無職者やパート労働者などの増加といった就業構造の変化や、所得水準の低下、年金制度に対する信頼や納付意識の低下などの要因が複合的に影響をしていると考えており、納付率の更なる向上に向けて、今後とも、納めやすい環境の整備や強制徴収の強化など、総合的な対策に取り組んでまいります。 中高年の非正規雇用労働者の増加と年金制度への影響についてのお尋ねがありました。 今回の法案では、中高年齢層における無職者や非正規雇用労働者が占める割合の増加を踏まえ、中高年齢層においても所得が低く国民年金保険料の納付が困難である方がいるという認識の下、納付猶予制度の対象年齢の拡大を図ることといたしております。これにより、中高年の低所得者にも、障害や死亡の場合に一定の保障が受けられるなど、年金受給権の確保が図られるものと考えております。 なお、雇用ルールについては、経済社会構造の変化に応じて見直しを行っているところであり、こうした見直しは、雇用の安定を図りつつ、働く方々の多様なニーズに応じた働き方の実現を目指すものであり、非正規雇用を増やすための施策ではありません。 次に、納付猶予の拡大と免除制度の見直しについてのお尋ねがありました。 今回の法案による納付猶予制度の対象拡大や免除制度の改善は、障害や死亡といった万が一の場合の年金受給権の確保につながるものであり、納付率の向上だけではなく、セーフティーネットの充実の観点から必要な施策であると考えております。 また、免除や納付猶予の制度を利用していただければ、免除等を受けた月分の保険料は、その後十年間は追納することが可能となり、保険料納付機会の確保につながるものであり、低年金・無年金対策という観点でも意義があるものと考えております。 無年金・低年金問題についてのお尋ねがございました。 社会保障・税一体改革の過程における三党協議の中で、年金、医療、介護は社会保険制度を基本とすることについて合意がなされております。その上で、無年金・低年金問題に対しては、負担に応じた給付という社会保険制度の枠組みの中で取り得る対策として、一体改革関連法により、受給資格期間の短縮、短時間労働者に対する厚生年金の適用拡大、低所得かつ低年金の高齢者に対する福祉的な給付金制度の創設などの措置を講じているところであります。 引き続き、年金制度の持続可能性を強固にしつつ、社会経済状況の変化に対応したセーフティーネット機能の強化に努めてまいります。 被用者年金の適用拡大についてのお尋ねがありました。 社会保障・税一体改革の一環として、平成二十八年十月に実施される短時間労働者に対する厚生年金保険の適用拡大について、着実に実施してまいります。 被用者保険の適用拡大は、国民年金被保険者の中に被用者性を有する被保険者が増加している中で、こうした方々に被用者としてふさわしい保障をするために必要であり、昨年成立したプログラム法でも検討課題とされております。 本年実施する財政検証において、更なる適用拡大を仮定したオプション試算を行うこととしており、この結果も検討材料として、適用対象を更に拡大するための検討を進めます。 年金保険料の強制徴収の強化についてのお尋ねがありました。 年金保険料滞納者への取組については、これまで、免除制度の周知、勧奨や、未納者への納付督励などの業務を民間に委託する市場化テスト事業の強化、一定期間納付しない未納者に強く納付を促すための特別催告状の送付、高所得者に対する強制徴収の強化、悪質かつ徴収が困難な滞納者に対する国税庁への滞納処分権限の委任制度の活用などに取り組んできたところであります。 今後とも、強制徴収の取組の強化を進めるとともに、国税庁への委任制度についても積極的に活用を図ってまいります。 次に、国民年金保険料の強制徴収に掛かるコストの削減についてのお尋ねがありました。 国民年金については、滞納者一人当たりの債権額が少額でかつ大量に発生するため、事務処理コストが高くならざるを得ない事情があります。一方で、強制徴収の効率化に取り組むことは重要と考えており、職員の配置の見直し、外部委託の活用、徴収事務のシステム化等について検討をしてまいります。 次に、年金記録の訂正手続についてのお尋ねがありました。 新たな年金記録の訂正手続は、総務省の第三者委員会の取組を参考に、事実関係をできるだけ明らかにするために、関係機関に資料提供等を求め、丁寧な調査を実施の上、民間有識者から成る合議体の審議結果に基づき訂正の決定を行うことといたしております。この訂正決定の審議、判断基準等については社会保障審議会に諮問をして定めることとなりますが、基本的には、当面、総務省の第三者委員会における考え方と同様の判断基準が適当と考えております。記録訂正の決定までの期間については、現行の総務省の仕組みよりも遅くならないよう、しっかりと取り組んでまいります。 年金記録問題や年金制度の運用状況についてのお尋ねがありました。 これまで、年金記録問題への対応については、年金記録問題に関する特別委員会において御審議いただき、また、年金の業務運営を担っている日本年金機構の業務実績等については、日本年金機構評価部会において御審議いただき、それぞれ評価を行ってきました。 今般、社会保障審議会に、これらの後継組織として、年金記録問題への対応も含め、年金事業の運営の在り方について御審議いただく年金事業管理部会を設置したところであり、本部会を活用しつつ、国民からの理解を得られるよう業務運営の実施に努めてまいります。 最後に、年金記録問題への取組についてのお尋ねがありました。 安倍総理は、本年二月の予算委員会においても、「さらに一人でも多くの方の記録の回復につなげていきたい、この思いに、決意に変わりはございません。」と答弁されていますが、担当大臣といたしましても当然同じ考えであります。 今後とも、国民の皆様に説明し、協力をいただきながら、更に一人でも多くの方の記録の回復につながるよう、あらゆる機会を捉えて効果的な取組を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。(拍手) ─────────────
○議長(山崎正昭君) 薬師寺みちよ君。 〔薬師寺みちよ君登壇、拍手〕
○薬師寺みちよ君 みんなの党の薬師寺みちよでございます。 私は、みんなの党を代表いたしまして、ただいま議題となりました政府管掌年金事業等の運営の改善のための国民年金法等の一部を改正する法律案について質問させていただきます。 まず冒頭、厚生労働大臣に申し上げます。 五月二十一日の本会議が、厚生労働省の資料配付ミスによって流会となりました。議院運営委員会で開会を決定した本会議を一省庁のミスによって流会したこと自体、前代未聞であります。加えて、既に国会に提出していた労働者派遣法一部改正案においては、記載の内容に誤りがあるなど、官僚の体質そのものが問われているのではないでしょうか。 本国会では、医療事故に係る調査の仕組みについて審議いたしますが、まさに厚生労働省は、原因を究明し、国民への説明責任を果たすとともに、再発防止に取り組むべきであると強く抗議いたします。厚生労働大臣の再発防止に向けての決意をお聞かせください。 本法案の内容について質疑を行う前に確認をさせていただきます。 二〇〇六年、全国各地の社会保険事務所において、本人からの申請がないにもかかわらず、約二十二万件の国民年金保険料の免除が行われ、関与した職員千七百五十二名が処分された国民年金の不正免除問題は、皆様も記憶に残っていることと思います。 本法案は、年金保険料の納付率向上に向けた施策が大きな柱となっておりますが、納付率向上を目標に掲げただけでは、安易な方策へ帰着するおそれもございます。二〇〇六年の国民年金の不正免除問題での教訓が本法案にどのように生かされているのか、お聞かせください。 近年、無年金者、低年金者の問題が深刻化いたしております。現時点で無年金者の正確な数値は把握されておりませんが、厚生労働省によれば、平成十九年度で、将来無年金に陥る人は百十八万人に上ると推計されております。また、低年金のため年金と生活保護を併給している高齢者も増加しており、十三年前と比較してその数は倍増いたしております。 生活保護予算は二十六年度事業費ベースで三・八兆円、この二十年で約三倍に膨れ上がる急速な増加傾向を示しております。その中でも、高齢者世帯が占める割合は四五%と高く、今後もその割合が増加することが懸念されております。現行の年金制度のままでは、無年金、低年金の高齢者が生活保護に流れ、国民皆年金の大前提が崩れ始める危険性もございます。公的年金の役割を生活保護が事実上肩代わりしている実態や、将来の年金給付額の水準が生活保護よりも低い場合には納付意欲に影響を与えかねません。このようなモラルハザードを防ぐために、厚生労働省はどのような取組をお考えでしょうか。厚生労働大臣の御答弁を求めます。 皆様は覚えていらっしゃいますでしょうか、二〇一〇年七月、足立区に住む百十一歳男性が白骨化した状態で発見され、解剖の結果、三十年以上も前に死亡していたことが明らかになった事件のことを。この事件を契機として、公的記録上では生きているけれども、実際の生死や住所などの確認が取れなくなっている消えた高齢者の存在が社会的な問題となりました。 しかし、これらの事件にはもっと深い闇が隠されておりました。子が親の死を隠し、親の年金を不正に受け取り続ける年金の不正受給問題、そして、親の年金に依存する中年の子供、年金パラサイト問題です。厚生労働省は、サンプル調査で、八十五歳以上の年金受給者のうち三%に不正受給の疑いがあることを公表いたしました。年金の不正受給の是正は重要な課題でありますが、厚生労働省の対策についてお伺いいたします。 では、年金保険料の納付率向上について質問させていただきます。 平成二十三年の国民年金被保険者実態調査によれば、未納者の比率が低所得世帯で高い一方、年収一千万以上の世帯では一〇%、五百万円以上の世帯でも一七%にも及んでいることが分かっております。また、未納者の五割は生命保険や個人年金に加入しており、決して低所得だけが未納の主たる要因とは考えられません。 本来、国民年金は給付費の半分は税金で賄われるお得な年金商品であり、税制上も極めて優遇されております。にもかかわらず、納付率が低下傾向にあるのは何が原因だとお考えでしょうか。厚生労働大臣にお伺いいたします。 次に、年金財政についてお尋ねいたします。 老後の所得保障の支柱である公的年金制度の信頼性が揺らぎ、将来世代へも不安を与えております。政府・与党は、平成十六年の年金改正法を百年安心プランと名付け、給付と負担の見直しにおける抜本的な改革だと国民に太鼓判を押しました。しかし、現実は、少子高齢化の進展で前提条件は既に崩れ、年金財政は危機に瀕していると言わざるを得ません。 本年は、五年に一度の財政検証が行われます。現制度では持続可能性がどの程度困難なのか、政府が公表する見通しがどの程度的確な仮定に立っているのか、また、その仮定が変更されるとどのように影響を受けるのか、今こそ国民に説明責任を果たすべきではないでしょうか。厚生労働大臣の率直なお考えをお聞かせください。 また、年金財政を語る上で忘れてはならないのが、年金積立金管理運用独立行政法人の存在です。このGPIFは、厚生年金と国民年金の積立金約百三十兆円を運用しており、年金において世界最大の運用機関です。しかし、このGPIFの資産運用の在り方をめぐっては、今までも国内外から様々な問題点が指摘されておりました。OECDは、GPIFのガバナンス及び資産運用方針改善案の中で、ガバナンス上問題点があり、その運用方針に明確な正当性はなく、OECD諸国の準備基金の中でも特異であると、極めて低リスク資産に偏重しているその運用スタイルを批判的に指摘しました。 GPIFの職員は、専門家に乏しく、運用の大半は外部委託に頼っているため、七十名足らずしかおりません。運用資産規模がGPIFの約八分の一のカナダでさえ約八百名の職員を抱えていることからも、専門人材を適切に確保し、高度なリスク管理が可能となるガバナンスの構築が急務ではないでしょうか。 現在、GPIF改革の議論が進められておりますが、検討状況について教えてください。 最後に、歳入庁設置について質問させていただきます。 みんなの党は、増税の前にやるべきことがあると一貫して主張してまいりました。そのやるべきことの一つが、社会保険料徴収の不公平是正であります。そのためには、歳入庁を設置し、国税庁や厚生労働省、日本年金機構に分散されている税や保険料の徴収業務を一元的に管理することが必要です。歳入庁設置により、国民の利便性を向上させるとともに、年金保険料の徴収漏れの防止、社会保険未加入事業所の解決など実現できます。 本法案のような小手先の改正ではなく、歳入庁の設置など抜本的な改革が必要かと思われますが、厚生労働大臣の御見解を伺います。 「人の為」と書けば「偽」となります。「不正」と書けば「歪」となります。公的年金制度は、なれ合いやもたれ合いではなく、それぞれの立場、考えを自覚し尊重する共同の精神から発したものです。持続可能な公的年金制度の確立のため、もう一度原点に立ち戻り、今後の議論も進めていただけることを願い、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。(拍手) 〔国務大臣田村憲久君登壇、拍手〕
○国務大臣(田村憲久君) 薬師寺議員からは八問ほど御質問いただきました。ありがとうございます。 まず、厚生労働省の事務処理誤りの再発防止に向けての決意についてのお尋ねをいただきました。 厚生労働省において不適切な業務処理が続き、参議院の議事運営にも重大な混乱を招いたことは、誠に遺憾であり、重ねて深くおわび申し上げます。 二度とこのような不適切な業務処理が生じないようにすることが最も重要であり、今後、省を挙げて再発防止に努め、業務遂行上の誤りをしない組織づくりに全力で取り組みたいと考えております。 次に、国民年金保険料の免除等の不適正事案の教訓についてのお尋ねがありました。 平成十八年に問題となった免除等の不適正事案は、本人の申請意思を確認しないまま承認手続を行うなど、被保険者本人の意思に反するおそれや、法令で定めた手続にのっとっていないという点で問題があったと認識いたしております。 本法案においては、厚生労働大臣が指定する民間事業者が被保険者からの全額免除等の申請を受託できる制度を設けることとしておりますが、過去の事例の反省を踏まえ、本人の意思確認の徹底など、適切な運用を確保するための仕組みを構築していきたいと考えております。 次に、低年金・無年金問題と生活保護についてのお尋ねがありました。 生活保護は、事後的な救貧施策として、自分が受け取る年金を含めた収入や資産だけでは生活の維持ができない者を対象に、最低生活費から収入を差し引いた差額分を支給するものであり、資産等の調査を要します。一方、年金は、保険料の納付実績に応じて給付がなされるものであり、生活保護の方が年金より得と言えるものではありません。また、高齢者の貧困率の推移を見ても、近年低下傾向にあり、年金は防貧機能を一定程度果たしていると考えております。 低年金・無年金対策としては、一体改革において、受給資格期間の短縮などの措置を講ずる一方、無年金、低年金の発生を防止する観点から、保険料の収納対策の強化に取り組んでいるところであります。こうした取組を通じて、年金が稼得能力の喪失に対する備えとしての機能をきちんと果たしていけるように努めてまいります。 次に、年金の不正受給対策についてのお尋ねがありました。 年金受給者が死亡した後の家族による不正受給については、平成二十二年から二十四年にかけて、後期高齢者医療の受給状況を調査し、年金受給者の死亡や行方不明が確認できた場合には支払の差止めを行ったところであります。また、本年二月からは、七十五歳以上で住民票コードが不明な年金受給者に対し調査を行っております。 今後も、受給者の実態把握に努め、不正受給の防止に向けて取り組んでまいります。 次に、国民年金保険料の納付率についてのお尋ねがありました。 納付率の低下については、無職者やパート労働者などの増加といった就業構造の変化や、所得水準の低下のほか、年金制度に対する信頼や納付意識の低下などの要因が複合的に影響していると考えております。納付率の向上に向けて、保険料納付のメリットを実感していただけるよう、年金教育や年金制度の周知、広報を行うほか、納めやすい環境の整備や強制徴収の強化など総合的な対策に取り組んでまいります。 年金財政についてのお尋ねがありました。 平成二十一年財政検証では、年金財政の持続可能性が確保されていることが確認されております。また、本年の財政検証では、経済前提について、経済、金融の専門家の議論を基に幅広い経済前提を設定し、人口の前提も複数のケースを設定しております。これにより、経済や人口の変化を想定した年金財政の姿を幅広くお示しし、様々な議論を行う材料にしていただくこととしており、国民に対する説明責任を果たしていきたいと考えております。 GPIFのガバナンス体制についてのお尋ねがありました。 GPIFは、公募により選定された内外の優れた運用機関への委託運用を中心に運用を行っており、また、職員数七十五名ながら、民間金融機関における運用経験等のある職員が全職員の四割であるなど、専門性を確保した運用を行っております。GPIFのガバナンスについては必要な体制の強化を進めていく必要があると考えており、昨年末の閣議決定を踏まえ、三月に、中期目標等について、職員数、給与水準、経費等の面での制約を弾力化する変更等を行い、現在は報酬体系等の見直しを行っているところであります。 厚生労働省としては、今後も、閣議決定の内容に沿って、早急にできることからGPIFのガバナンス体制の改革を着実に実施していきたいと考えております。 最後に、歳入庁創設についてのお尋ねがありました。 この問題につきましては、内閣官房副長官を座長とする年金保険料の徴収体制強化等のための検討チームが昨年八月に公表した論点整理において、組織を統合して歳入庁を創設すれば納付率向上等の課題が解決するものではないと指摘されております。 厚生労働省としては、現在の体制の下で、今回の法案による制度の見直しや強制徴収の強化等に取り組むとともに、国税庁からの情報提供により、厚生年金適用対策の促進、電子申請の推進による国民の利便性向上などに努めてまいります。 以上でございます。(拍手)
○議長(山崎正昭君) これにて質疑は終了いたしました。 ─────・─────
○議長(山崎正昭君) 日程第一 平成二十三年度一般会計東日本大震災復旧・復興予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書 日程第二 平成二十三年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書 日程第三 平成二十三年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書 日程第四 平成二十三年度特別会計予算総則第十七条第一項の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書 日程第五 平成二十四年度一般会計経済危機対応・地域活性化予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書 日程第六 平成二十四年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1) 日程第七 平成二十四年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1) 日程第八 平成二十四年度特別会計予算総則第二十二条第一項の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1) 日程第九 平成二十四年度特別会計予算総則第二十二条第一項の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2) (いずれも第百八十三回国会内閣提出、第百八十六回国会衆議院送付) 日程第一〇 平成二十四年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その1) 以上十件を一括して議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。決算委員長金子原二郎君。 ───────────── 〔審査報告書は本号末尾に掲載〕 ───────────── 〔金子原二郎君登壇、拍手〕
○金子原二郎君 ただいま議題となりました平成二十三年度及び平成二十四年度予備費関係九件並びに平成二十四年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その1)につきまして、決算委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 まず、平成二十三年度及び平成二十四年度予備費関係九件は、憲法及び財政法の規定に基づき、予備費の使用等について、国会の事後承諾を求めるため提出されたものであります。 これらの主な費目について申し上げますと、まず、一般会計東日本大震災復旧・復興予備費の使用は、原子力発電所の事故により放出された放射性物質の除染事業に必要な経費などであります。 次いで、一般会計経済危機対応・地域活性化予備費の使用は、保育所緊急整備事業に必要な経費などであります。 次いで、一般会計予備費の使用は、衆議院議員総選挙及び最高裁判所裁判官国民審査に必要な経費などであります。 次いで、特別会計予備費の使用は、東日本大震災復興特別会計における震災により被害を受けた中小企業等のグループ施設等復旧整備事業に必要な経費などであります。 次いで、特別会計予算総則の規定による経費の増額は、地震再保険特別会計における再保険金に必要な経費の増額などであります。 次に、平成二十四年度一般会計国庫債務負担行為総調書は、大型巡視船の代船建造等に多くの日数を要するため、債務負担行為を平成二十四年度に行ったことに伴い、財政法の規定に基づき国会に報告されたものであります。 委員会におきましては、これら十件を一括して議題とし、まず財務大臣から説明を聴取した後、尖閣諸島周辺の領海警備に係る予備費使用の妥当性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して田村委員より、平成二十四年度一般会計経済危機対応・地域活性化予備費、平成二十四年度一般会計予備費(その1)、平成二十四年度特別会計予算総則の規定による経費増額(その1)及び平成二十四年度国庫債務負担行為総調書(その1)に反対し、その他六件に賛成する旨の意見が述べられました。次いで、社会民主党・護憲連合を代表して又市委員より、平成二十四年度一般会計経済危機対応・地域活性化予備費、平成二十四年度一般会計予備費(その1)及び平成二十四年度国庫債務負担行為総調書(その1)に反対し、その他七件に賛成する旨の意見が述べられました。 討論を終わり、採決の結果、平成二十三年度及び平成二十四年度予備費関係九件は、いずれも多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。 次に、平成二十四年度一般会計国庫債務負担行為総調書は、多数をもって是認すべきものと議決されました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ─────────────
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。 まず、日程第一ないし第四、第七及び第九の予備費使用総調書等六件を一括して採決いたします。 六件を承諾することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百三十六 賛成 二百二十三 反対 十三 よって、六件は承諾することに決しました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────────────
○議長(山崎正昭君) 次に、日程第五の予備費使用総調書について採決をいたします。 本件を承諾することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百三十四 賛成 百九十三 反対 四十一 よって、本件は承諾することに決しました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────────────
○議長(山崎正昭君) 次に、日程第六の予備費使用総調書について採決をいたします。 本件を承諾することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百三十四 賛成 二百五 反対 二十九 よって、本件は承諾することに決しました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────────────
○議長(山崎正昭君) 次に、日程第八の経費増額総調書について採決をいたします。 本件を承諾することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百三十六 賛成 二百十一 反対 二十五 よって、本件は承諾することに決しました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────────────
○議長(山崎正昭君) 次に、日程第一〇の国庫債務負担行為総調書について採決をいたします。 本件を委員長報告のとおり是認することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百三十六 賛成 二百七 反対 二十九 よって、本件は委員長報告のとおり是認することに決しました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────・─────
○議長(山崎正昭君) 日程第一一 道路法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員長藤本祐司君。 ───────────── 〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕 ───────────── 〔藤本祐司君登壇、拍手〕
○藤本祐司君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。 本法律案は、多様な資金の活用により高速道路の適正な管理を図るため、立体道路制度の拡充、スマートインターチェンジの整備に関する貸付制度の創設、高速道路の料金徴収期間の満了日の変更等の措置を講じようとするものです。 委員会におきましては、参考人から意見を聴取するとともに、料金徴収年限を十五年延長する理由、高速道路の更新の内容とその債務の償還方法、債務償還後における維持管理費用の負担の在り方、スマートインターチェンジの整備効果等について質疑が行われました。その詳細は会議録によって御承知願います。 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して辰已孝太郎委員、社会民主党・護憲連合を代表して吉田忠智委員よりそれぞれ反対する旨の意見が述べられました。 次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本法律案に対して附帯決議が付されています。 以上、報告いたします。(拍手) ─────────────
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百三十五 賛成 二百十九 反対 十六 よって、本案は可決されました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────・─────
○議長(山崎正昭君) 日程第一二 重大な犯罪を防止し、及びこれと戦う上での協力の強化に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の実施に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長水岡俊一君。 ───────────── 〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕 ───────────── 〔水岡俊一君登壇、拍手〕
○水岡俊一君 ただいま議題となりました法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を報告申し上げます。 本法律案は、日本国政府及びアメリカ合衆国政府が、日米査証免除制度の下で安全な国際的な渡航を一層容易にしつつ、両国の国民の安全を強化するため、重大な犯罪を防止し、及び捜査することを目的として、相互に必要な指紋情報等を交換するための枠組みを定めた、いわゆる日米重大犯罪防止対処協定を締結することに伴い、その実施に関し、アメリカ合衆国に入国した特定の者に係る指紋情報が照合用電子計算機に記録されているか否か等について合衆国連絡部局から照会を受けた場合の措置等を定めようとするものであります。 委員会におきましては、情報の目的外利用等について国家公安委員会が関与する必要性、協定の対象となる犯罪類型の内容、米国に提供される指紋情報の範囲等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。 質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本共産党の山下理事より反対の旨の意見が述べられました。 次いで、採決を行った結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本法律案に対し附帯決議を行いました。 以上、報告申し上げます。(拍手) ─────────────
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百三十六 賛成 二百二十 反対 十六 よって、本案は可決されました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────・─────
○議長(山崎正昭君) 日程第一三 地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。総務委員長山本香苗君。 ───────────── 〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕 ───────────── 〔山本香苗君登壇、拍手〕
○山本香苗君 ただいま議題となりました法律案につきまして、総務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 本法律案は、地域の自主性及び自立性を高めるための改革を総合的に推進するため、国から地方公共団体又は都道府県から指定都市への事務権限の移譲等を行おうとするものであります。 委員会におきましては、事務権限の移譲に伴う地方公共団体への人員及び財源措置の必要性、ハローワーク、農地転用、自家用有償旅客運送等の権限移譲に関する見解、国の出先機関の見直しの在り方、地方分権改革の課題と今後の検討方針等について質疑が行われました。 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して吉良よし子委員より反対する旨の意見が述べられました。 討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ─────────────
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百三十六 賛成 二百二十四 反対 十二 よって、本案は可決されました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────・─────
○議長(山崎正昭君) 日程第一四 司法試験法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。法務委員長荒木清寛君。 ───────────── 〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕 ───────────── 〔荒木清寛君登壇、拍手〕
○荒木清寛君 ただいま議題となりました法律案につきまして、法務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 本法律案は、司法試験の試験科目の適正化及び法科大学院における教育と司法試験との有機的連携を図るため、短答式による筆記試験の試験科目を憲法、民法及び刑法とするほか、受験期間内に受けることができる司法試験の回数についての制限を廃止しようとするものであります。 委員会におきましては、今回の法改正の趣旨、司法試験において受験期間制限を設ける理由、法科大学院創設の本来の趣旨を実現するための方策、司法修習生への修習資金貸与の現状の問題点、法科大学院における共通到達度確認試験の問題点、司法試験合格者数の削減が将来の法曹人口不足を招くことへの懸念、改正後の司法試験の具体的実施方法の周知等について質疑が行われました。 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ─────────────
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百三十四 賛成 二百三十四 反対 〇 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────────────
○議長(山崎正昭君) 本日はこれにて散会いたします。 午後零時十三分散会