本会議 第24号
- 発言数
- 64 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2014/05/23
会議録
○議長(山崎正昭君) これより会議を開きます。 この際、お諮りいたします。 青木一彦君から裁判官弾劾裁判所裁判員予備員を、有田芳生君から裁判官訴追委員を、丸川珠代君及び田城郁君から同予備員を、それぞれ辞任いたしたいとの申出がございました。 いずれも許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎正昭君) 御異議ないと認めます。 よって、いずれも許可することに決しました。 ─────・─────
○議長(山崎正昭君) この際、欠員となりました 裁判官弾劾裁判所裁判員予備員一名、 裁判官訴追委員一名、同予備員二名、またあわせて 検察官適格審査会委員、同予備委員各一名の選挙 を行います。 つきましては、これらの各種委員の選挙は、いずれもその手続を省略し、議長において指名することとし、また、裁判官弾劾裁判所裁判員予備員、裁判官訴追委員予備員の職務を行う順序は、これを議長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎正昭君) 御異議ないと認めます。 よって、議長は、 裁判官弾劾裁判所裁判員予備員に川田龍平君を、 裁判官訴追委員に田城郁君を、 同予備員に真山勇一君及び東徹君を、 検察官適格審査会委員に江崎孝君を、 同君の予備委員に渡辺美知太郎君を、 それぞれ指名いたします。 なお、裁判官弾劾裁判所裁判員予備員の職務を行う順序は、川田龍平君を第二順位といたします。 また、裁判官訴追委員予備員の職務を行う順序は、真山勇一君を第二順位に、東徹君を第三順位といたします。 ─────・─────
○議長(山崎正昭君) この際、日程に追加して、 地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎正昭君) 御異議ないと認めます。文部科学大臣下村博文君。 〔国務大臣下村博文君登壇、拍手〕
○国務大臣(下村博文君) 地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。 今日、児童生徒等の生命、身体や教育を受ける権利を脅かすような重大な事案が生じる中で、地方教育行政における責任の所在が不明確であること、迅速な危機管理対応ができていないこと、民意を反映した地方公共団体の長と教育委員会の連携が十分でないこと等が指摘され、地方教育行政に係る制度の抜本的な改革が不可欠な状況となっております。 この法律案は、こうした状況に対応するため、教育の政治的中立性、継続性、安定性を確保しつつ、地方教育行政における責任体制の明確化、迅速な危機管理体制の構築、地方公共団体の長と教育委員会との連携の強化を図るとともに、地方に対する国の関与の見直しを図る等の必要な見直しを行うものであります。 次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。 第一に、従来の教育委員長と教育長を一本化した新たな教育長を、地方公共団体の長が議会の同意を得て、三年の任期で任命することとし、新たな教育長が、教育委員会の会務を総理し、教育委員会を代表することとしております。 第二に、地方公共団体の長が、教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策の大綱を策定するものとしております。また、大綱の策定に関する協議及び教育を行うための諸条件の整備等を図るため重点的に講ずべき施策や、児童生徒等の生命又は身体に現に被害が生じ、又はまさに被害が生ずるおそれがあると見込まれる場合等の緊急の場合に講ずべき措置についての協議を行い、地方公共団体の長と教育委員会の事務の調整を図るため、地方公共団体の長及び教育委員会をもって構成する総合教育会議を設けるものとしております。 第三に、教育委員会の法令違反や怠りがある場合であって、児童生徒等の生命又は身体に現に被害が生じ、又はまさに被害が生ずるおそれがあると見込まれ、その被害の拡大又は発生を防止するため、緊急の必要があり、他の措置によってはその是正を図ることが困難な場合、文部科学大臣は、教育委員会に対し指示できることを明確化することとしております。 このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手) ─────────────
○議長(山崎正昭君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。石井浩郎君。 〔石井浩郎君登壇、拍手〕
○石井浩郎君 自由民主党の石井浩郎です。 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案について質問いたします。 教育委員会制度の改革については、自民党内では野党時代から時間を掛けて議論をしてまいりました。今回の改革は、昭和三十一年に教育委員の公選制が廃止されて以来、およそ六十年ぶりの大改革となります。まずは、今回の制度改正に臨む決意と改革の必要性について、安倍総理と下村大臣、お二方にお尋ねいたします。 今回の改革の最大の目的は、教育行政の権限と責任の明確化であります。これには、教育委員会内部の権限関係と、首長と教育委員会との関係という二つの側面があります。 教育委員会内部の権限関係は、これまで、教育委員会の会議を主宰し代表する非常勤の教育委員長と、教育委員会の指揮監督の下で実務を取り仕切る常勤の教育長の二本立てでありました。今回の改正案は、両者の役割を併せ持つ新たな教育長を置くというものですが、これまで両者が分かれていた理由と、今回これを一本化する意義について下村大臣の御見解をお尋ねします。 次に、首長と教育委員会との関係ですが、改正案では、首長が議会の同意を得て教育長を直接任命することとなっています。確かに、非常勤の教育委員の中から常勤の教育長を互選するという現行制度には無理があり、今回の改正は、実態と乖離していた制度を実態に合わせるという面もあると考えます。その点も含め、首長が教育長を直接任命することとした趣旨について下村大臣にお尋ねいたします。 改正案には、首長による大綱の策定や、首長と教育委員会による総合教育会議の創設も盛り込まれています。ここでは、教育内容について首長がどこまで関与するのかが焦点となります。個別の教科書採択や人事などについては、首長が口を出すことは政治的中立性の観点から問題があると考えます。 一方で、首長が定める大綱は、教育振興基本計画の基本的な方針を参酌して定めるとなっています。教育振興基本計画は、その半分が教育内容について書いてあります。それを参酌して定める大綱も、当然教育内容について書く必要があるでしょう。大綱について議論する総合教育会議でも、もちろん教育内容について議論が行われるはずであります。 大綱や総合教育会議を通じて、首長がどこまで教育内容に関与するのか、その際に、教育の政治的中立性、継続性、安定性の確保はどのように図られるのか、下村大臣にお尋ねします。 次に、スポーツ行政の振興について下村大臣にお尋ねします。 大綱では、教育、文化及び学術の振興について策定するとされています。スポーツ行政は、ここで言う教育、文化に含まれると理解しています。したがって、スポーツに関することも大綱に定めるものと考えていますが、そのような理解でいいのか、伺います。 また、大綱の策定に当たっては、教育振興基本計画を参酌しますが、スポーツ基本法に基づいて国が定めるスポーツ基本計画と、地方公共団体が定めるよう努める地方スポーツ推進計画については参酌するのかも含めて、今回の大綱とこれらの計画との関係についてお尋ねいたします。 最後に、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックについてお尋ねします。 二〇二〇年に向けて、活躍する選手は現在の中学生や高校生も多いと想定され、地域におけるスポーツの底上げが大事だと考えます。二〇二〇年に向けた地域スポーツの振興策について安倍総理に伺います。 政府全体としてしっかりと取り組んでいただくことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。(拍手) 〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 石井浩郎議員にお答えをいたします。 今回の制度改正に臨む決意と改革の必要性についてお尋ねがありました。 現行の教育委員会制度は、これまで約六十年にわたり、教育の政治的中立性の確保等に重要な役割を果たしてきましたが、今般、いじめ等の重大な事案が生じる中で、責任の所在の不明確さ、危機管理能力の不足などの課題が顕在化しております。 今回の改正案は、政治的中立性、継続性、安定性を確保しつつ、教育行政における責任体制の明確化、迅速な危機管理体制の構築、地域の民意を代表する首長と教育委員会との連携の強化などを行うものです。今回の改正により、教育委員会制度の抜本的な改革が図られ、安倍内閣の大きな柱である教育再生の基盤が築かれるものと考えております。 地域スポーツの振興策についてのお尋ねがありました。 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、トップレベルの選手の競技力向上はもとより、日本全体で、子供から高齢者、女性、障害者など、誰もがスポーツに親しめる環境を整備していくことが重要と考えます。 政府としては、地域の拠点となるスポーツクラブにトップアスリートを指導者として招く取組を推進するなど、中学生や高校生も含めた地域スポーツ活動の活性化に取り組んでまいります。 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手) 〔国務大臣下村博文君登壇、拍手〕
○国務大臣(下村博文君) 石井議員から六つの質問がありました。 最初に、今回の制度改正に臨む決意と改革の必要性についてお尋ねがありました。 安倍内閣における教育再生の実現のためには、責任ある地方教育行政体制が構築されることが重要であると考えます。 現行の教育委員会制度については、教育委員長と教育長のどちらが責任者か分かりにくい、いじめ等の問題に対して必ずしも迅速に対応できていない、地域の民意が十分に反映されていない、地方教育行政に問題がある場合に、国が最終的に責任を果たせるようにする必要があるといった課題があると考えております。 このため、改正案において、政治的中立性、継続性、安定性を確保しつつ、教育行政における責任体制の明確化、迅速な危機管理体制の構築、地域の民意を代表する首長との連携の強化を図り、いじめによる自殺事案等の問題に対して国が最終的な教育行政の責任を果たせるようにすることにより、教育委員会制度の抜本的な改革に向け、全力を尽くしてまいります。 次に、教育委員長と教育長の両者が分かれていた理由と、今回これを一本化する意義についてのお尋ねでありますが、これまで、合議体としての教育委員会会議の主宰者である教育委員長と、事務局を指揮監督して具体的な事務執行を行う教育長の役割分担を図る観点から、教育委員長と教育長を別に置くこととしておりました。 しかしながら、教育委員長と教育長のどちらが責任者か分かりにくい、いじめ等の問題に際し、必ずしも迅速に対応できていないなどの課題があることから、責任体制の明確化、迅速な危機管理体制の構築の観点から、教育委員長と教育長の職を一本化することとしたものであります。 次に、首長が教育長を直接任命することにした趣旨についてのお尋ねであります。 現行制度においては、首長が議会の同意を得て教育委員を任命し、教育委員会が委員の中から教育長を任命することとされておりますが、実態としては首長が教育長になるべき方を選んでおり、制度と実態に乖離があると言われております。 新教育長については、首長が議会の同意を得て直接任命することとなり、制度と実態の乖離がなくなり、首長の任命責任が明確になるとともに、議会による教育長の資質、能力のチェック機能の強化に資するものと考えております。 次に、首長の教育内容への関与と教育の政治的中立性、継続性、安定性の確保についてのお尋ねであります。 今回の改正では、首長が、教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策の大綱を定めることとするとともに、首長と教育委員会が協議、調整する場としての総合教育会議を設けることとしております。 その際、首長が、大綱や総合教育会議の場において教育内容について取り上げることもあると考えられますが、今回の改正案においては、教育委員会を合議制の執行機関として残すとともに、教育委員会の職務権限は変更しないこととしていることから、最終的な決定権限は教育委員会に留保されており、教育の政治的中立性、継続性、安定性の確保が図られております。 次に、スポーツに関することを大綱に定めることについてのお尋ねでありますが、今回の法案において、大綱とは、教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策を定めるものであると規定されており、教育、文化に含まれると解されているスポーツについても大綱の対象となるものであります。 次に、大綱と地方スポーツ振興計画との関係についてのお尋ねであります。 大綱において、スポーツに関する事項を記載するに当たっては、国が定めるスポーツ基本計画を参酌することが望ましいと考えております。また、既に地方スポーツ推進計画が策定されている場合には、その目標と施策の基本的な方針に当たる部分について、総合教育会議において協議の上、当該部分を大綱の一部として位置付けることも可能であります。 以上であります。(拍手) ─────────────
○議長(山崎正昭君) 石橋通宏君。 〔石橋通宏君登壇、拍手〕
○石橋通宏君 民主党・新緑風会の石橋通宏です。 ただいま議題となりました地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、会派を代表して質問いたします。 冒頭、まず、安倍総理に、戦前の教育制度への反省と、戦後、憲法が国民に保障してきた教育権の内容についてお聞きします。 第二次世界大戦以前の我が国の国家教育法制は、国が国民を統制するための手段として、中央集権的な教育課程行政を実行し、その教育を受けることが国民の義務とされ、結果、戦争の惨禍に国民全体を引きずり込む一つの大きな要因となりました。 その大いなる反省を基に、戦後、憲法では、第二十六条第一項に教育を受ける権利の保障を掲げ、その具現化を図る教育基本法において、教育の機会均等の原則、義務教育の無償化、教育の政治からの中立性などを定め、子供たち一人一人の学習権を確保してきました。 しかし、現在、安倍政権が進めている一連の教育制度改革を見ますと、まるで戦前の中央集権的な国家統制型教育を取り戻したがっておられるように見えてなりません。私が決めるんですといって憲法九条の解釈を覆し、立憲主義を破壊しようとしている安倍総理とはいえ、まさか教育権の解釈まで変えてしまおうとお考えなのではないと信じますが、そのことをまず確認するためにも、戦後、政府は、戦前の教育体制をどのように総括し、また、現行憲法が保障する教育権の内容をどのように解釈し、その実現に努めてきたのか、安倍総理の認識を御説明ください。 その上で、憲法が国民に保障した教育権を、全ての国民、とりわけ子供たちに確保するため、これからも引き続き全力で努力していくことについて総理の決意をお示し願います。 以下、政府提出法案の具体的な中身についてお伺いします。 まず、地方教育行政における責任体制の在り方をどのように改革するのかという点についてお聞きします。 政府は、本法案の提案理由について、現状では国・文科省と、都道府県の教育委員会、市町村の教育委員会、そして学校現場との四重構造で、どこに責任があるのか分からないため、地方教育行政においては最終的な責任は教育長にあるとするのが今回の改正案であると説明しています。 しかし、今回の改正案では、教育委員会制度を現行のまま執行権限とともに残しつつ、首長主宰による総合教育会議を新たに設置して屋上屋を重ねた結果、地方教育行政に四重構造どころか五重構造を生み出しているように見えます。 まず、政府案が、かえって責任体制に混乱を引き起こして、意思決定や教育行政の遂行を停滞させるのではないかという懸念に対し、そうならない保証が今回の法案上どこにどうあるのか、これでなぜ責任体制がより明確になると言えるのか、安倍総理にお聞きします。 その上で、総合教育会議の創設と教育委員会との関係について伺います。 安倍総理は、総合教育会議は決定機関ではなく、決定権者も決まっておらず、あくまで首長と教育委員会という執行機関同士が協議し、調整を図りつつ、民意を反映した教育行政を推進していくことを目的としていると説明しています。 しかし、改正法案では、総合教育会議で議論できる課題に明確な制限はありません。とすれば、首長が、又は首長と首長によって任命される教育長との連携によって、総合教育会議の議題を政治主導で決定し、本来教育委員会に属すべき権限の範疇まで踏み込んだことを議論して、総合教育会議の場で教育の方向性と大枠を決めてしまうことも可能になるのではないでしょうか。そうなれば、後ほどお聞きする監査体制の脆弱性とも相まって、教育委員会を執行機関として残した意味がなくなり、教育の政治からの中立性も確保できなくなるのではないでしょうか。 安倍総理、そうならないというのであれば、是非その根拠を具体的に示しながら御説明ください。 続いて、総合教育会議で決定されるべき大綱の位置付けと内容について伺います。 政府は、大綱の決定権者は首長であると明確に述べつつも、これによって教育委員会の権限に属する事務の管理、執行権を首長に与えたものではないとも説明しています。しかし、その一方で、あらゆる課題を議題にのせて協議することは否定されないし、かつ、その上で大綱に記されたことは実行に移されるのは当然とも言っています。この矛盾に満ちた説明をどう理解すればよろしいのでしょうか。 結局、首長がそう決めれば、大綱に教育委員会が同意しないことまで記載され、首長に任命されている教育長はそれを実行せざるを得なくなるのではないでしょうか。まして、先ほど指摘したとおり、首長と教育長が協力すれば、大綱にあらゆることを書き込んで教育委員会の権限と役割を制限してしまうことも可能であり、政治の暴走を止めることができなくなるのではないでしょうか。 下村大臣、首長が、大綱を利用して、本来教育委員会の権限に属する事務の管理、執行権を侵したりしないことをいかに法令上担保されるおつもりか、明確な説明をお願いします。 次に、教育長の任期を三年とした理由についてお聞きします。 政府は、教育長を首長の直接任命とした理由は、首長の任命責任が明確化することだと説明していますが、一方で、教育長の任期を三年としたことによって、任命した首長が選挙で交代してしまった場合には、その任命責任が失われてしまうことになります。新しい首長の教育方針が前任者と異なる場合には、首長と教育長との間に溝が生まれ、かえって教育行政を混乱させる結果を招くのではないでしょうか。また、結果的に、首長が交代した場合には教育長も辞めざるを得なくなる状況を招き、かえって制度の形骸化を招く恐れはないのでしょうか。 これら二つの懸念について、下村大臣の御説明をお願いします。 次に、教育長の権限拡大についてお聞きします。 まず、今回の法案によって、教育長の権限は現行と比べてどの領域でどれだけ強化されるのか、具体的に御説明を願います。あわせて、なぜそのような権限強化が必要なのか、それによって現状の地方教育行政上の課題がいかに解決されるのか、下村大臣、是非分かりやすい具体例を挙げて明確に御説明をお願いします。 その上で、それだけ権限が強化される教育長が万が一にも暴走してしまった場合、またそのような暴走を未然に防ぐために、誰がどのように教育長の職務執行状況とその内容をチェックして歯止めを掛けることができるのでしょうか。 今回の改正法案提出の一つのきっかけとなった二〇一一年の大津市いじめ事件では、事件後、第三者調査委員会が報告書の中で、教育委員に対して教育委員会事務局や学校側から詳しい情報提供がなく、委員が重要な決定のらち外に置かれていたことを指摘し、重要なのは教育長以下事務局の独走をチェックすることであるとして、教育委員会事務局が執行する事務を監査する部署を外部に設置することなどを提言しています。 しかし、今回の政府案には、教育委員会事務局の強化や体制の見直し、第三者による監査制度の導入などの具体的な改善策は見当たりません。本法案において、教育長や教育委員会事務局に対する有効なチェック機能がどう確保されているのか、また、教育長と教育委員との間の情報格差をなくすためにどのような対策が講じられるのか、下村大臣、御説明をお願いします。 加えて、学校当事者や市民などによる有効なチェック機能を働かせるためにも、総合教育会議及び教育委員会での議事録の作成及び公開の義務化は必須だと考えますが、なぜ義務化されないのでしょうか。下村大臣は、可能な限り、議事録を作成し、公表するよう指導していくと説明されておりますが、そうであれば、むしろ原則義務化して、規模の小さい教育委員会には必要な支援や補助を提供する方がよっぽど改革の整合性があると考えますが、なぜそうしないのか、併せて御説明をお願いします。 最後に、教育に学校現場の当事者の実質的な参加、参画を確保することの必要性についてお聞きします。 下村大臣は、衆議院の答弁の中で、緊急のいじめ問題への対応については、基本的には学校現場で解決すべきであって、一々総合教育会議にかけることではないと説明しています。とすれば、今回の改正案においては、むしろその学校現場での対応力強化について具体的な策を講じるべきだと思いますが、この点について政府案では何ら改善策を示しておりません。 そもそも、緊急事態に限らず、個々の子供たちの興味や個性に応じた豊かな教育を提供していくためには、学校現場の教育関係者や当事者である親御さんたち、またそれぞれの学校を支える地域のコミュニティーの皆さんが学校運営に参加、参画し、子供たちに最も近いところで様々な課題が迅速に解決される仕組みこそ必要なのだと思います。 この点について、なぜ今回の改正でそのことに焦点が当てられていないのか、今後、学校運営協議会を全ての学校に必置にして、現場における教育体制をより充実強化していく考えはないのか、安倍総理の見解をお願いします。 以上、政府提出法案に対する質問を申し述べました。 安倍総理は、衆議院本会議における我が党の菊田真紀子議員の代表質問に対して、民主党政権は、政権を担っていた三年間、教育改革に何をやったのでしょうかと驚くべき発言をされています。しかし、安倍総理御自身が一番よく御存じのはずです。民主党政権下では、教育予算の拡充、公立高校の授業料無償化の実現、国際人権規約の留保撤回、奨学金の拡充、少人数学級の推進、そしてコミュニティ・スクールの導入促進など、具体的な改革を実現しているのです。 そもそも、着実に成果を出していた公立高校授業料の無償化を、その意義も理解せず、政権に戻るやわざわざ撤回したのは安倍政権ではないですか。その一方で、少人数学級や奨学金制度など、民主党改革のいいところはそのまま維持、推進しながら、それをあたかも自分の手柄のように言い回っているのもあなたの政権ではないですか。民主党政権の手柄を、成果を苦々しく思うのはいいですが、事実をねじ曲げて、政局判断でいい政策を潰して、子供たちに被害を与えるのは到底看過できません。 冒頭、私の懸念を申し上げましたが、今、政府が進めようとしている教育改革は、教育における国の介入を強化し、国家の意思や特定の思想信条を教育現場や子供たちに押し付け、さらには、テストの点数で子供たちや学校を競わせて、その結果のみで優劣を付け差別化するなど、国が子供たちを自分たちの思う方向へ誘導する、まるで戦前の教育への回帰を図っているのではないかと思えてなりません。 今回の地教行法の改正は、六十年に一度の大改正であり、憲法で保障された教育権を、そして日本の次代を担う子供たちの豊かな学びの権利を地域社会全体で支え、強化していくための改正でなければなりません。そのためには、責任体制を明確化しつつも、教育の政治からの中立性と地域の独自性を確保し、子供たちに最も近い学校現場の教育体制を強化していくことこそ、私たちが実現しなければならないことだと信じます。 これから始まる参議院での審議を通じて、より望ましい方向に地方教育行政を進めていくことができるよう与野党挙げて取り組んでいくことを同僚議員の皆様に要請し、私の質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手) 〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 石橋通宏議員にお答えをいたします。 戦前の教育の反省と日本国憲法が保障する教育権についてお尋ねがありました。 戦前の教育については、明治以降、日本を近代化するという役割を果たしつつも、戦争を遂行するために国家というものを余りに重視し過ぎて、個人の権利その他が抑圧されたとの反省に立って改正前の教育基本法が制定されたものと理解しております。 また、日本国憲法二十六条においては、第一項で、全て国民はその能力に応じてひとしく教育を受ける権利を有すると定めるとともに、第二項で、保護者が子供に教育を受けさせる義務と義務教育の無償について定めています。これを受け、国は無償での義務教育を提供するとともに、家庭の経済状況等によって子供の教育の機会が妨げられることのないよう支援をしてきたところであります。 政府としては、子供たちが教育を受ける権利を享受し、その能力を伸ばすことによりそれぞれの夢を実現できるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。 総合教育会議の設置と教育行政の責任体制の明確化についてお尋ねがありました。 改正案においては、教育委員長と教育長を一本化した新教育長を置くこととしており、これにより教育行政の責任体制の明確化が図られると考えております。 また、予算案の編成及び執行や条例案の提出等の権限を持っている首長と教育委員会が、相互の連携を図りつつ、より一層民意を反映した教育行政を推進するため、総合教育会議を設置することとしております。これにより、首長が連帯して教育行政に責任を負う仕組みが整うこととなり、その役割が明確になるものと考えております。このため、責任体制に混乱を引き起こしたり、意思決定や教育行政の遂行を停滞させたりするとの懸念は当たらないと考えております。 総合教育会議と教育の政治的中立性についてお尋ねがありました。 総合教育会議は、首長と教育委員会という執行機関同士が協議し、調整を図るものであり、両者で調整が付いた事項については、それぞれの結果を尊重して事務を執行するものであります。 また、今回の改正案においては、教育委員会を合議制の執行機関として残すとともに、教育委員会の職務権限は変更しないこととしております。さらに、教育委員の側からも会議の招集を求めることができることや、教育委員会から委任された事務について教育長は報告しなければならないことを規定しております。これらにより、教育の政治的中立性、継続性、安定性は確保されるものと考えております。 学校運営協議会を必置とすることについてお尋ねがありました。 地域や子供の実情に応じた質の高い教育を実現するためには、学校運営に保護者や地域住民の参画を得ることが重要です。このため、教育委員会が指定する学校に、保護者等が学校運営に参画する学校運営協議会を設置できることとし、その促進を図っているところです。なお、その設置については、地域や保護者の状況が多様であることから、一律に義務付けることとは考えておりません。 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手) 〔国務大臣下村博文君登壇、拍手〕
○国務大臣(下村博文君) 石橋議員から六つの質問がありました。 最初に、大綱と教育委員会の執行権限についてお尋ねがありました。 首長が大綱を定める際には、執行機関である教育委員会と十分に協議し、調整を尽くした上で策定することが肝要であります。仮に十分な協議、調整がなされないまま首長が大綱に記載した場合、当該事項の執行については、執行機関である教育委員会が判断することとなります。 首長に大綱の策定権限を付与したことについて、首長に教育委員会の権限に属する事務の管理、執行権限を与えたということにはならず、この旨は改正法案第一条の三第四項において明示的に規定をしております。 次に、教育長の任期と形骸化についてのお尋ねであります。 改正案における教育長については、現行制度よりも一層首長の意向を反映しやすくするという観点から、任期を首長の任期四年よりも一年短い三年とすることで、首長の任期中、少なくとも一回は自らが教育長を任命できるようにしております。しかしながら、首長から独立した委員会を設置した趣旨に鑑み、身分保障の観点から、限られた場合を除き、任期途中において罷免できないこととすることにより、教育の継続性、安定性の確保が図られると考えております。 こうした仕組みにより、首長の意向とその反映、教育行政の継続性、安定性の確保とのバランスを取っており、教育行政の混乱や形骸化を招くものではないと考えます。 次に、教育長の権限の強化についてのお尋ねであります。 現行制度においては、教育長は、教育委員会の権限に属する全ての事務をつかさどるとともに、事務局を統括し、所属の職員を指揮監督するとされております。新教育長は、現行の教育長と教育委員長の立場を一本化したものであることから、現行の教育長が有するこれらの権限に加え、現行の教育委員長が有する教育委員会の会議を主宰し、教育委員会を代表する権限を持つということとなります。これにより、教育行政における責任体制が不明確であるという従来の課題が解消し、教育行政の第一義的な責任者が新教育長であることが明確となります。 また、新教育長が教育委員会会議の招集権者となることにより、会議を招集すべき時期や議題とすべき事項について適時適切に判断できることとなるとともに、緊急の対応が必要な問題に対しても迅速かつ適切な教育委員への情報提供が可能となります。その結果、教育委員会における審議が活性化するとともに、いじめ等の問題に対しても、責任ある迅速な危機管理体制の構築が図られるものと考えます。 次に、教育長へのチェック機能についてのお尋ねであります。 教育長の権限が大きくなることから、首長や議会のチェック機能を強化する観点で、教育長の任期を首長よりも一年短い三年としているほか、総合教育会議という公開の場で民意を代表する首長と協議、調整を行うことにより、より一層教育行政における民意の反映が図られると考えております。 また、教育委員による教育長のチェック機能を強化する観点から、教育委員の側から会議の招集の請求や、教育委員会から教育長に委任した事務の管理及び執行の状況の報告をしなければならないことを新たに規定をしております。さらに、住民によるチェック機能を強化する観点から、教育委員会会議の議事録を作成し、公表するよう努めなければならないことを規定しております。これらを通じて、教育長への適切なチェック機能が働くことになるものと考えます。 次に、教育長や教育委員会事務局に対するチェック機能及び教育長と教育委員との間の情報格差をなくすための対策についてのお尋ねであります。 教育長や教育委員会事務局に対する第三者によるチェックについては、現行法においても、教育委員会自らが行う事務の管理及び執行状況に関する点検・評価報告書の議会への提出が規定されているほか、議会において教育委員会の事務執行についての質疑が行われております。 教育長と教育委員との間の情報格差をなくすための対策については、今回の改正において、教育委員自らが情報の把握を行うことができるよう、教育委員会から教育長に委任した事務の管理及び執行の状況の報告をしなければならないことを新たに規定をしております。 また、教育委員の資質向上のため、文部科学省においては、毎年、都道府県、指定都市の新任教育委員や市町村教育委員会委員等を対象とした研修を実施しており、今後も研修の充実を図ってまいります。 次に、議事録の公表についてのお尋ねであります。 全ての地方公共団体に対して、総合教育会議及び教育委員会会議の議事録の作成、公表を義務付けることは、特に事務局の人員が少ない市町村などにおいて過大な事務負担となると考えているため、努力義務にとどめることとしております。 一方で、住民への説明責任を果たし、その理解と協力の下に教育行政を行うことは重要であることから、法案が成立した場合には、施行通知や説明会等の機会を活用して、可能な限り、議事録を作成し、公表するよう指導してまいりたいと考えております。 なお、国が地方公共団体に対して職員の増員などの財政的支援や補助を行うことは困難であると考えております。 以上でございます。(拍手) ─────────────
○議長(山崎正昭君) 新妻秀規君。 〔新妻秀規君登壇、拍手〕
○新妻秀規君 公明党の新妻秀規です。 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、安倍総理大臣及び下村文部科学大臣に質問をいたします。 今般、地方教育行政制度の改革が行われることとなった発端は、いじめや体罰を苦にした子供の自殺など、教育現場で生じた重大な問題に対し、現行の教育委員会制度は必ずしも適切に対応できていないとして、その責任体制の不明確さや緊急事態対応の体制不備、審議の形骸化等が指摘されたことにありました。そのような問題のある教育委員会は不要であると廃止を求める声もあります。しかし、教育委員会の存在が問題なのではありません。本来の教育委員会制度の趣旨が必ずしも十分に生かされていないことこそが問題なのです。 教育は、個人の精神的な価値の形成を目指して行われるものであり、子供の健全な成長発達のため、学習期間を通じて一貫した方針の下に安定的に行われることが必要です。そのため、教育行政の執行に当たっては、政治的中立性、継続性、安定性を確保することが欠かせません。 教育委員会は、首長から独立した執行機関として、教育の政治的中立性、安定性、継続性を担保する存在として大きな役割を果たしてきました。また、多様な属性を持った複数の委員による合議制により、様々な意見や立場を集約した意思決定を行うとともに、レーマンコントロールという地域住民の意向を反映させた行政を行う仕組みとして、地方教育行政の根幹を成すものであると認識しております。こうした教育委員会制度の存在意義は今も失われていないと考えます。 このため、公明党としては、教育委員会制度を維持し、その本来の制度の趣旨を生かすとともに、指摘されている様々な問題に適切に対応できるような教育委員会制度改革を一貫して訴えてまいりました。 本改正案では、教育委員会制度が維持され、地方教育行政における教育委員会と首長のそれぞれの職務権限が変更されておりません。我が党はこの点を高く評価しております。 そこで、まず、安倍総理大臣に改めて確認をいたします。地方教育行政について最終的な責任を負うのは合議体の執行機関である教育委員会である、このことを安倍総理大臣から明確にお示しいただきたいと存じます。 本改正案は、教育委員会制度を維持した上で、現行法における教育長と教育委員長の職を一体化した新教育長が教育委員会を代表し、会議を主宰するとともに、教育委員会の具体的な事務の執行について一義的な責任を負うこととしております。 現行法については、教育委員長と教育長が存在することから、地方教育行政の責任の所在が曖昧であるという批判がなされておりますが、新教育長の設置により、この曖昧さが解消されると考えます。他方、新教育長に権限が集中し、いわゆるスーパー教育長が誕生することになることから、新教育長が職務を適正に執行することを担保するため、教育委員会が新教育長に対して十分な監督を行うことが極めて重要です。 本改正案においては、教育委員に教育委員会の会議の招集の請求権を与えるとともに、教育委員会が教育長に委任した事務について教育委員会への報告義務を課すなど、新教育長による事務執行の適正化を図るための新たな仕組みが設けられており、評価をいたします。 これに加え、新教育長の職務の適正化を図る観点から、新教育長に委任した事務について、教育委員会が必要に応じて執行方針の策定、是正の指示、委任の解除を行うといった権限を行使することを通じて、合議体としての役割を積極的に果たしていくことが重要であると考えます。文部科学大臣の見解を伺います。 〔議長退席、副議長着席〕 教育委員会は、教育行政の政治的中立性、安定性、継続性を確保する上で重要な役割を果たしてきた一方で、その審議が形骸化しているとの指摘がなされてきたことも事実であります。したがって、教育委員会制度を維持するからには、その審議の活性化をいかに図っていくかが重要であると考えます。その際、教育委員会によるレーマンコントロールを担保しつつ、これを地域に開かれた存在とするとの視点が不可欠です。 具体的には、多くの住民が参加できるように、教育委員会の会議の開催日時や場所を柔軟に設定したり、教育委員の提案に基づき議題を設定したりするなど会議運営上の工夫や、教育委員についてコミュニティ・スクールの関係者を登用したり公募制を実施したりするなど人選上の工夫を行うことなどが考えられます。本改正案が成立した暁には、教育委員会の審議を活性させるための取組を政府は積極的に後押しを行っていくべきだと考えます。 教育委員会の審議を活性化するため、具体的にどのような取組を考えておられるのか、文部科学大臣にお伺いします。 本改正案においては、総合教育会議を設置することとしております。 総合教育会議は、教育委員会及び首長という二つの執行機関が対等な立場で参加するものではありますが、首長が主宰することとされているほか、教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策の大綱について首長が決定するとされております。 先ほども述べましたとおり、本改正案におきましては、教育行政についての教育委員会と首長の権限の配分に変更は加えられておりませんが、総合教育会議における協議、調整の名の下に、首長が教育委員会の執行権を侵食するようなことがあってはならないと考えます。総合教育会議が設けられることによってこのようなことが起こることがないものと理解をしておりますが、この理解でよいのか、文部科学大臣に伺います。 総合教育会議における協議、調整の対象とされる事項は三つに限定されております。このうち、緊急事態への対応については、今回の制度改革の議論の発端でもあったいじめ等の問題について、教育委員会と首長が協議、調整し適切に対応することを狙いとするものであると理解をしておりますが、このほかの協議、調整の対象である大綱に記載される事項と、教育を行うための諸条件の整備等を図るため重点的に講ずべき事項が何なのか必ずしも明らかではありません。具体例を示しつつ、それぞれの事項としてどのようなものが想定されているのか、そして両者の関係はどのようになっているのか、文部科学大臣に伺います。 衆議院の審議の中では、教職員の人事や教科書採択のように政治的中立性の要請が高い事項については、そもそも総合教育会議の協議の対象にはならないとの答弁がなされております。 それでは、教職員の人事や教科書採択等についての方針や基準の策定についてはどうでしょうか。仮に事実上の協議が行われることがあっても、これらの事項も政治的中立性の要請が高いものであり、調整の対象にはならないと理解をしておりますが、そのような理解でよろしいか、文部科学大臣に伺います。 以上、質問をしてまいりましたが、教育は国家百年の大計であり、人づくりは国づくりです。今般の地方教育行政改革は、そのための新たな一歩になるものと認識をしております。 教育は子供の幸福のため、この目的を達成するため力を尽くし続けることを誓い、質問を終わります。(拍手) 〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 新妻秀規議員にお答えをいたします。 地方教育行政の最終的な責任についてのお尋ねがありました。 今回の改正においては、教育の政治的中立性、継続性、安定性を確保する観点から、引き続き教育委員会を合議制の執行機関として残すとともに、教育委員会の職務権限は変更しないこととしております。したがって、今回の改正後も、合議制の執行機関である教育委員会が学校の管理や教職員の人事等に関する事務の管理、執行について権限を有することとなり、その責任を負うこととなります。 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手) 〔国務大臣下村博文君登壇、拍手〕
○国務大臣(下村博文君) 新妻議員から五つの質問がありました。 最初に、教育委員会が新教育長に委任した事務に関し、教育委員会が合議体として果たす役割についてお尋ねがありました。 教育委員会は、教育委員会規則の制定や学校の設置、廃止など改正法案の第二十五条第二項において教育長に委任できないものとして規定されている事項を除き、その権限に属する事務の一部を教育委員会規則で定めるところにより教育長に委任することができます。 今回の改正案においては、教育長の権限が大きくなることを踏まえ、教育委員会によるチェック機能を強化する必要があることから、教育長に委任された事務の執行状況の報告に関する規定を盛り込んだところであります。また、教育長に委任する事項についても、必要に応じて、方針を定めたり、事務の執行を是正し、又は委任を解除することができるものであり、このことについて、法案が成立した場合には、改正法の施行通知や説明会等を通じて適切な運用が行われるよう周知してまいりたいと考えております。 次に、教育委員会の審議の活性化についてのお尋ねであります。 今回の改正により、現行の教育委員長と教育長の役割を一本化した新教育長を置くこととしており、これにより、迅速かつ適切な教育委員への情報提供や会議の招集が可能となり、教育委員会の活性化に資するものと考えます。 また、保護者や地域の関係者、教育に関する高度な知見を有する者を教育委員として選任し、地域の多様な民意を反映するとともに、教育委員の研修を充実することも有効な方策であると考えており、今後、教育委員の人選の工夫を一層進めるよう促してまいりたいと考えます。 次に、総合教育会議における協議、調整についてのお尋ねであります。 総合教育会議は、首長と教育委員会という執行機関同士が協議し、調整を図るものであり、両者で調整が付いた事項については、それぞれその結果を尊重し、事務を執行するものであります。 また、今回の改正案においては、教育委員会を合議制の執行機関として残すとともに、教育委員会の職務権限は変更しないこととしており、改正案第二十一条に規定する教育に関する事務の管理、執行についての最終的な執行権限は教育委員会に留保されているものであり、首長がその権限を侵すことはないと考えます。 次に、大綱に記載されている事項と、教育を行うための諸条件の整備等を図るための重点的に講ずべき事項の内容についてのお尋ねであります。 大綱は、当該地方公共団体の教育の振興に関する総合的な施策について、その目標や施策の根本となる方針を定めるものであり、例えば、学校の統廃合の推進、少人数教育の推進といった事項が考えられ、詳細な施策まで定めることは想定をしておりません。 また、総合教育会議において協議、調整をする事項として定められている、教育を行うための諸条件の整備その他の地域の実情に応じた教育、学術及び文化の振興を図るため重点的に講ずべき施策としては、例えば、どの地域の学校についてどのような手続で統廃合を推進するか、どの学年で少人数学級を行うかなど、具体的に講ずべき施策について協議し、調整することを想定をしております。 次に、教職員人事の方針や教科書採択の基準の総合教育会議における扱いについてのお尋ねであります。 教職員人事異動の方針や教科書採択の基準については、予算等の首長の権限に関わらない事項であり、総合教育会議における調整の対象にはなりませんが、自由な意見交換としての協議を行うことは考えられます。 ただし、今回の改正案においては、教育委員会を合議制の執行機関として残すとともに、教育委員会の職務権限は変更しないこととしていることから、最終的な決定権限は教育委員会に留保されているものであります。 以上でございます。(拍手) ─────────────
○副議長(輿石東君) 柴田巧君。 〔柴田巧君登壇、拍手〕
○柴田巧君 日本維新の会・結いの党の柴田巧です。 私は、会派を代表して、ただいま議題となりました地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案に関して質問をいたします。 まず最初に、校内人事問題についてお尋ねをいたします。 先般、大阪市立の中学校で、人事委員会といった組織を設け、教員による話合いや選挙等を行うことにより、教務主任や学年主任などの校内人事が事実上決められていたことが明らかになりました。 これを受けて、大阪市教育委員会が全ての市立学校四百五十八校を調査したところ、六十一校に選挙規定があることが分かりましたが、その後、大阪府の多くの公立学校や他県等でも同様の事例が相次いで判明をいたしました。学校教育法では、「校長は、校務をつかさどり、所属職員を監督する。」としており、このような校内人事は同法違反のおそれがある極めて不適切なものです。 大阪市教育委員会は、かねてから校内人事の実態を把握していたものの、教育委員会には教員や校長出身の職員が大半で、学校現場と教育委員会の長年のなれ合いが問題を長期化させました。このような不正常な状況はいち早く是正すべきでありますが、安倍総理の所見をお伺いをいたします。 さて、下村文部科学大臣は、先月十六日に行われた衆議院文部科学委員会で、日本維新の会の遠藤敬委員の質問に対し、「ほかの都道府県でも問題なのかということは、十二分に文部科学省としてもいろいろと事情を聴取する必要があると思います。」と答弁されました。 校内人事問題を根絶するには、まず徹底的な調査が必要です。しかし、あれから一か月余り経過をしていますが、いまだ全国的な調査が行われておりません。実態把握を急ぎ、法にのっとって適切な人事配置が行われるよう是正を進めるべきです。 そこで、校内人事問題に関してどのように全国調査を実施し、また、いつまでに結果をまとめ、いかに是正をしていくのか、文部科学大臣にお聞きをいたします。 次に、本法律案についてお尋ねいたします。 安倍内閣においては、教育再生を経済再生と並ぶ重要政策の一つとして掲げ、並々ならぬ熱意を持って教育改革に邁進されるその姿勢には、心からの敬意を表したいと存じます。しかしながら、この度の教育委員会制度改革案に関しては、極めて不十分な内容と言わざるを得ません。 総理は、今通常国会での施政方針演説において、教育現場の問題に的確で速やかな対応を行えるよう、責任の所在が曖昧な現行の教育委員会制度を抜本的に改革してまいりますと述べられました。 しかるに、国会に提出された法案は、教育委員長と教育長の統合で新教育長を設けるなど一定の前進を見ておりますが、他方、執行機関としての教育委員会は存続させるなど、現状を微調整して追認したにすぎず、誠に落胆を禁じ得ません。 総理、あなたのおっしゃる抜本的に改革とは、この程度のことを言うのでしょうか。内閣の最重要政策課題に位置付けた教育再生に総理大臣としてリーダーシップを十分に発揮できたと本当に言えるのか、総理、お答えをください。 では、法案の具体的中身についてお尋ねをしていきます。 改めて言うまでもなく、教育委員会制度改革の大きなきっかけとなったのは、あの大津市のいじめ事件でありました。あの事件で最も問題視されたのが、情報を必要な部署に開示せず、調査を途中で打ち切り、その理由を明らかにしなかった教育委員会の隠蔽体質でした。このような教育委員会の隠蔽体質こそ問題の根源であり、それをつくり出すいわゆる教育村のなれ合いから明確に脱却を目指すものでなければ、教育行政の改革は不可能です。 教育委員会というものは、制度上どうしても住民からの監視が弱く、教育村を温存させ、隠蔽体質にならざるを得ません。したがって、この際、教育委員会のこの仕組み、在り方を抜本的に見直すべきです。 そこで、教育委員会制度は既に制度疲労を起こし、もはや運用で改善できる限界を超えており、存続ありきの議論では根本問題が解決しないと考えますが、総理の御所見をお伺いをいたします。 また、大津の事件では、教育行政の権限と責任の所在は一体どこにあるのかと厳しく問われました。そういう意味でも、責任体制の明確化を図ることが今強く求められていますが、本法案では、責任と権限の所在が極めて不明確で、結局誰が教育の責任を担っていくのかよく分かりません。 本法案においては、教育委員長と教育長を統合し、教育委員会の最高責任者は新教育長となりましたが、首長と教育委員会の分断は依然残ったままです。このため、両者が参加する総合教育会議が設置されたわけですが、これが誠に曖昧で、最終決定権者が不明確です。 特に、本法案では、首長は当該地方公共団体の教育、学術及び文化の振興に関する総合的施策の大綱を同会議において協議した上策定するとしていますが、首長と教育委員会の方針が食い違い、協議が調わなかった場合にはどうなるのか判然としません。こうなったのも、責任所在の明確化よりも、与党内で妥協に妥協を重ね、教育委員会存続が優先されたからであります。 そこで、総合教育会議で首長と教育委員会との協議が調わない場合、誰がどのような手続で決定を下すのか不明であるなど、本法案では大津の事件が問いかけた教育行政の責任所在の明確化という問題提起に応えることができないと考えますが、総理の見解を求めます。 なおまた、この法案の問題点は、暴走、独走する教育長を辞めさせることが難しいということです。 本法案では、教育長は教育委員長と一本化され、教育長の地位、権限は大きくなります。もし教育長が首長と意見を異にし暴走、独走したら、誰がストップを掛けるのでしょう。 確かに、本法案では、第七条で、教育長の罷免について、心身の故障のため職務遂行に堪えられない場合、職務上の義務違反、その他委員たるに適しない非行があると認められた場合に議会の同意を得て罷免できると規定されていますが、現行の教育委員に対する規定と何ら変わりません。これでは強大化する教育長を限定的にしか罷免することができません。 そこで、本法案によって教育長の権限、責任を大幅に拡大させるなら、教育長の独走防止の制度的担保のために罷免要件を緩和させるべきですが、総理の見解を求めます。 加えて、総合教育会議の問題は、緊急対応が本当に可能かということであります。 本法案によれば、同会議は、児童生徒等の生命又は身体に被害が生じる等の緊急の場合に講ずべき措置についても協議を行うとされていますが、さきにも述べたように、現行法の首長と教育委員会の権限分配が基本的にこの改正案でも変わらず、首長と教育委員会の責任と権限の所在は不明確なままです。それゆえ、同会議のような合議体の組織がいじめによる自殺や感染症対策などといった緊急課題に迅速、適切に対応することは難しいと考えますが、総理の見解を求めます。 一方、法案では、国の地方公共団体への関与の見直しとして、児童生徒等の生命又は身体への被害の拡大や発生を防止する緊急の必要がある場合に、文部科学大臣は教育委員会に対して指示できることが明確になりました。 しかし、当該地方自治体の首長に指示権がないのに文部科学大臣に指示権を認めることは、地方分権に明らかに反するものと思われます。国が地方の教育に過度に関与するのではなく、首長を教育行政の責任者として、地方の自立的な教育行政を展開できるようにしなければなりません。 そこで、首長に教育委員会に対する指示権を認め、地方の実態を踏まえたより実効性のある対応を可能にすべきでありますが、総理の答弁を求めます。 最後に、教育行政制度の見直しに当たっては、教育村から脱却し、責任と権限の所在を一致させ、よりよく民意を反映させることを明確に目指すものでなければ、改革の名に値しません。そういう観点で、私たち日本維新の会・結いの党は、本法案をただしていくことをここで改めて申し上げ、私の質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 柴田巧議員にお答えをいたします。 教員の選挙等による校内人事の決定についてのお尋ねがありました。 学校教育法において、校内人事は、校長が自らの権限と責任において定めるべきものであり、教員の選挙等により校内人事を決めることは、法令に違反し、極めて不適切であると考えております。法令に違反するような学校運営はあってはならないことであり、文部科学省において、今後厳正に指導してまいります。 今回の制度改正における総理大臣としてのリーダーシップについてお尋ねがありました。 山積する課題に正面から取り組み、これからの日本にふさわしい教育体制を構築していくため、私が主宰する教育再生実行会議において様々な議論を行い、その提言を踏まえ、教育再生に全力を尽くしているところです。 今回の改正案では、責任体制の明確化を図るため、従来の教育委員長と教育長を一本化した新教育長を置くとともに、民意を代表した首長と教育委員会との連携の強化を図り、危機管理においても迅速に対応するため、総合教育会議を設置することとし、あわせて、文部科学大臣より、いじめによる自殺等の再発防止のための指示ができることを明確化することとしております。これらは、教育委員会制度を六十年ぶりに抜本的に改革するものであり、教育再生の基盤が築かれるものと考えております。 教育委員会のいわゆる隠蔽体質の改善についてお尋ねがありました。 今回の改正では、首長が大綱を策定するとともに、総合教育会議を招集して、いじめ事案等の緊急事態について協議することにより、首長と教育委員会の連携による効果的な対応が可能となります。また、教育委員会及び総合教育会議は原則公開とされていることなどから、いじめ事案等への対応状況についても可視化が進むものと考えております。 これらの改正により、より一層民意を反映した開かれた教育行政の実現が図られると考えております。 教育行政の責任の所在の明確化についてお尋ねがありました。 改正案においては、現行の教育委員長と教育長を一本化することにより教育行政の責任の明確化を図っており、いじめ事案の発生などの緊急時においても迅速かつ適切な対応が可能となると考えております。 また、具体的な事務の執行に当たっては、学校の管理や教職員の人事等に関する事務の管理、執行については教育委員会が、教育に関する予算の編成、執行等については首長がそれぞれ最終的な権限を有しており、責任の所在は明確になっていると考えます。 なお、総合教育会議は、どちらかが決定権者というものではなく、首長と教育委員会という執行機関同士が協議し、調整を図りつつ、より一層民意を反映した教育行政を推進していくことを目的としています。 教育長の罷免要件についてのお尋ねがありました。 新制度における教育長は、教育委員会の構成員であり、かつ代表者として、首長が議会同意を得て任命するものであります。地方公共団体に置かれている様々な委員会の委員の罷免については、首長から独立して委員会を設置した趣旨に鑑み、身分保障のため要件が限定されており、教育委員会の構成員である新教育長の罷免についても同様の要件とするものであります。 緊急事態への対応についてお尋ねがありました。 改正案では、教育委員長と教育長を一本化することとしており、いじめ等の緊急事態においては、まずは学校現場の状況を把握している教育長が迅速に判断し、対応することとしております。また、総合教育会議については首長が随時招集することができることとされております。さらに、非常勤の教育委員に対して、教育委員会事務局から日常的に情報提供が行われております。 このようなことから、緊急事態が生じた場合においても柔軟で迅速な対応が行われるものと考えております。 首長の教育委員会に対する指示権の付与についてのお尋ねがありました。 改正案では、総合教育会議を設け、首長と教育委員会という執行機関が協議し、調整を図ることとし、これまでの職務権限は変更しておりません。一方、住民の安全確保について広く責任を負う首長は、総合教育会議を招集し、いじめの対応等、緊急の場合に講ずべき措置について協議、調整し、教育委員会と連携して効果的な対応を行うことが可能としております。 なお、今回の改正は、いじめによる自殺等が起こった後、同種の事件の再発防止のために文部科学大臣が教育委員会に指示できることを明確にするための改正であり、国の関与を強化するものではありません。 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手) 〔国務大臣下村博文君登壇、拍手〕
○国務大臣(下村博文君) 柴田議員から、校内人事問題の全国調査についてのお尋ねがありました。 法令違反になるような学校運営があってはならないことでありまして、このような状況の是正のために厳正な対応を行ってまいります。 現在、大阪市教育委員会等からヒアリングを行っているところであり、そうした事情聴取の結果等を踏まえて、全国的な実態の把握をどのように行うかについて速やかに検討してまいります。 以上であります。(拍手) ─────────────
○副議長(輿石東君) 松沢成文君。 〔松沢成文君登壇、拍手〕
○松沢成文君 みんなの党の松沢成文でございます。 ただいま議題となりました地方教育行政法改正案に関して、みんなの党を代表して質問をいたします。 安倍内閣は、教育再生を政権の最重要課題の一つと位置付け、様々な改革に取り組んでおられます。それらに対しては、賛同できるものも異を唱えたいものもありますが、その実行力は評価するところであります。 第一次安倍内閣では、教育基本法の改正を成し遂げました。第二次安倍内閣では、教育再生実行会議で議論を積み上げ、いじめ対策や道徳教育の教科化、そして、ただいま議論しております教育委員会制度の改革を進めております。また、今後は、高校日本史の必修化や六三三の学制見直しも検討すると伺っております。 改革には理念と目的が重要です。そこで、初めに、安倍内閣における教育改革の理念と目的はどのようなものか、改めてお伺いいたします。 次に、幾つか具体的な問題について見解をただします。 下村文部科学大臣は、過日、高校日本史必修化の検討を表明されました。日本人として自国の歴史、伝統文化をしっかり習得することは、アイデンティティーの確立につながり、これこそが真の国際人となる条件だと考えます。神奈川県では、私が知事を務めていたときに、教育委員会と連携して、全国で初めて高校日本史必修化を実現いたしました。したがって、安倍内閣の方針にはエールを送りたいと思いますが、私は、自らの経験から、近現代史については日本史と世界史を統合すべきと考えております。 我が国が、幕末、明治維新以降、厳しい国際情勢の中で必死にもがき続けて近代国家をつくり上げてきた歴史は、日本史と世界史の動きが複雑に絡み合い、分けることは困難であります。そして、この近現代史の習得なくしては日本の未来を考えることはできません。 そこで、高校段階においては、日本史と世界史を併せた近現代史という科目を新たに設け、必修化するという学習指導要領改正を目指すべきと考えますが、安倍総理の見解を伺います。 次に、土曜日の教育活動についてお伺いいたします。 自由民主党は、さきの衆議院議員選挙の公約で土曜日授業の実現を打ち出し、それを受けて下村大臣も改革の検討を表明されました。メディアでは学校週六日制の復活とも報じられ、ゆとり教育に対する反省から、学力向上を目指す改革として多くの国民から期待や賛同の声が上がりました。 しかし、私がさきの文教科学委員会で下村大臣の見解をただしたところ、この改革は学校週六日制による土曜日授業を再開するものではなく、学校週五日制を維持した上で、地域の教育委員会主導によって、自然体験やスポーツも含めた様々な学習を地域の方々と協働で行う土曜日学習の充実を推進するとの答弁でありました。しかし、この答弁は、多くの国民が抱いている脱ゆとり教育や学力向上への期待とは方向性が異なるように思われます。 そこで、安倍総理に改めて確認をいたします。 学校週六日制による土曜日授業の復活によって学力の向上を目指すのか、それとも、学校週五日制のままで地域社会との連携による土曜日学習の充実によって人間力の向上を目指すのか、どちらの方針なのか、政府の見解をお答えください。 それでは、政府提案の地方教育行政法の改正案について質問をいたします。 これまで日本の公教育は、文部科学省の指導の下に、地方自治体の教育委員会が実施してきたわけでありますが、かねてより、教育の政治的中立性や指導力の確保、審議の形骸化などの様々な課題が指摘されてきたところであります。 そのような中で、大津市のいじめ自殺事件に端を発し、地方教育行政における責任体制の確立、迅速な危機管理体制の構築、首長と教育委員会の連携などの必要性が改めて議論されるようになりました。こうした議論に応え、今般、政府が地方教育行政の新しいモデルを提案したことは評価をいたします。 しかしながら、これを国が、つまり文部科学省が全国一律の制度として地方に押し付けるというやり方は間違っています。地方分権改革を進めるという時代の要請の中で、地方行政制度の在り方についても、地方自治体の自主決定権、選択権を最大限尊重すべきだと考えます。 これまでも、全国知事会、全国市長会を始めとする地方六団体からは、教育委員会制度の改革について数多くの要望が出されております。例えば、全国市長会と全国町村会はこう訴えています。公立学校施設整備を始め、地方行政全般に責任を持つ地方公共団体の首長が、一体的に教育行政に意向を反映させることができるようにするため、必置規制を緩和し、地方公共団体における教育行政の実施について、教育委員会を設置して行うか、首長の責任の下で行うか、選択可能な制度とするよう強く要望する。 また、総理の諮問機関である第二十八次地方制度調査会は、次のように答申しております。教育委員会を必置する理由として、教育における政治的中立性の確保や地域住民の意向の反映等の必要性が掲げられているが、地域住民の意向の反映はむしろ公選の長の方がより適切になし得ると考えられる。このため、地方公共団体の判断により教育委員会を設置して教育に関する事務を行うこととするか、教育委員会を設置せずその事務を首長が行うこととするかを選択できることとすることが適当である。 さらに、内閣府の規制改革・民間開放推進会議も同様に、教育委員会の必置規制を撤廃し、首長の責任の下で教育行政を行うことを自治体の選択に委ねるべきだと提言をいたしました。 このように、地方行政推進の当事者である地方六団体や政府の審議会が、教育委員会制度について、教育委員会を存続させる、あるいは廃止をして首長に地方教育行政を委ねるのかについては、あくまでも地方の自主性や選択権を尊重すべきと訴えているのです。 そもそも、人口僅か千人にも満たない小さな自治体から一千万人を超える巨大な自治体まで存在するにもかかわらず、十把一からげに全国一律の制度で縛ろうとすることには無理があります。 それぞれの自治体は、人口、人材、経済力、そして歴史、文化、風土までも多種多様であります。その地域の特性を生かした地域の教育文化に合う制度を、首長、議会、地域住民が議論し、判断し、そして導入することが民主主義や地方自治の推進につながります。 そこで、まず下村大臣にお伺いします。 今国会においても、衆議院の方で、教育委員会を廃止した上で、首長が教育長を任命して教育行政を行い、議会において選挙された委員から成る教育監査委員会がそれを監督するという法案が提出されました。この法案は、地方の要望にもかなう有力な選択肢であるとも考えられますが、この法案のどこに問題があるのか、なぜ政府・与党として受け入れ難いのか、見解を求めます。 さて、私たちみんなの党は、かねてより地方分権を推進する立場から選択制を主張し、第百八十回国会では、地方教育行政改革の推進に関する法律案を提出いたしました。今回の政府案に対しても、文教科学委員会にて選択制を実現するための修正案を提出する予定でありますので、多くの皆様に御賛同をお願いいたします。 最後に、安倍総理に伺います。 地方分権と規制改革は時代の大きな要請であります。にもかかわらず、当事者である地方の声を無視し、国が決めた制度を一方的に押し付けるという中央集権的発想では、地方の自主性や特色を生かした活力ある教育改革は到底なし得ません。 そこで、私たちみんなの党が提案する改革案、つまり、教育委員会の必置規制を外し、地方自治体が自らの責任の下に地方教育行政の改革の在り方を選択するという案について総理の見解を求め、質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 松沢成文議員にお答えをいたします。 教育改革の理念と目的についてお尋ねがありました。 子供たちには無限の可能性が眠っており、それを引き出す鍵は教育の再生であります。誰もが日本に生まれたことを誇りに思える品格ある国家を目指し、全ての子供たちが夢を実現するため、世界トップレベルの学力と規範意識を身に付ける機会を保障することが教育の重要な目的であり、国の責任であると考えます。 このため、教育再生実行会議の提言を踏まえ、今般の改正法案により、責任の所在が曖昧な現行の教育委員会制度を抜本的に改革していくなど、安倍内閣の大きな柱である教育再生に全力で取り組んでまいります。 高等学校における近現代史の必修化についてお尋ねがありました。 次代を担う子供たちが歴史教育を通じて歴史や伝統に対する理解を深めることは極めて重要と考えます。高等学校における歴史教育については、日本人としてのアイデンティティー、日本の歴史と文化に対する教養などを備え、グローバルに活躍できる人材を育成する観点から、近現代史の扱いも含め、より望ましい在り方について今後検討を進めてまいります。 土曜日の教育活動についてお尋ねがありました。 土曜日の教育活動については、全国一律の学校週六日制に戻すのではなく、それぞれの学校や地域、子供たちの実情に応じて、学校における授業や地域における多様な学習機会の充実を図り、学力、規範意識、学ぶ意欲などの総合的な力を育むことが重要と考えています。 今後とも、それぞれの学校や地域の創意工夫を生かした土曜日の教育環境の充実が図られるよう、支援に努めてまいります。 教育委員会設置の選択制についてお尋ねがありました。 各自治体が独自の工夫により特色を生かした教育に取り組むことは意義あることであると考えます。一方、地方教育行政については、どの地域においても責任ある体制を構築する観点から統一的な仕組みとすることが必要であり、こうした考えから、今回の改正案においては、選択制とはせず、全国全ての地方公共団体において同様の仕組みとしております。 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手) 〔国務大臣下村博文君登壇、拍手〕
○国務大臣(下村博文君) 松沢議員から、衆法第一六号に対する見解についてのお尋ねがありました。 民主党及び日本維新の会が衆議院に提出した法案は、教育委員会制度を廃止し、首長が新たに地方公共団体における教育事務を一元的に管理、執行するとともに、首長が行う事務の評価、監視、勧告を行う教育監査委員会を設置するものと承知をしております。 地域の民意を代表する首長が教育行政に連帯して責任を果たせる体制にすることは必要と考えますが、教育委員会が廃止され、首長の判断により教育事務が執行されることとなると、首長の考えによっては教育内容等が大きく左右されるなど、教育の政治的中立性、継続性、安定性が損なわれるおそれがあると考えます。 また、教育は人格形成の途上にある児童生徒に対して重大な影響を与えるものでありまして、誤った教育が行われると取り返しが付かないことから、教育監査委員会による事後的な評価、監視、勧告では不十分であると考えます。 以上です。(拍手) ─────────────
○副議長(輿石東君) 田村智子君。 〔田村智子君登壇、拍手〕
○田村智子君 日本共産党を代表して、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案について質問します。 今回の法案は、教育の自主性を保障するためにつくられた教育委員会の制度を大きくつくり替えるものです。教育委員会を代表する教育委員長のポストをなくし、その職務を教育長に与える、教育長は首長が任命するとしています。 現在の教育委員会は、教育長を任命し、罷免もできる、また教育長を指揮監督する権限を持っています。ところが、立場は逆転し、教育長が教育委員会のトップとして大きな権限を持つことになります。 下村文科大臣は、衆議院の審議で、首長が教育長を任命するに当たって、自分の選挙公約はこうだ、あるいは住民に対して自分の考えている教育政策はこうだということをきちっと伝えるという答弁をしています。これでは、首長が教育長を代理人として自分の意に沿う教育行政を行わせることになるのではありませんか。総理並びに文部科学大臣に伺います。 子どもの権利・教育・文化センターが行った全国の教育委員へのアンケート調査では、このように首長の意向がより反映しやすい仕組みに変えられることに反対あるいはどちらかといえば反対との回答が約七割に上ります。 また、全国連合小学校長会会長、全日本中学校長会会長は、連名で、首長の個人的な思想、信条により教育施策がゆがめられることがないよう歯止めを掛ける制度の検討を要望しています。 総理、首長の意向で教育施策がゆがめられるという教育現場からの懸念にどう答えますか。それが杞憂だというのならば、そうならない保証が法案のどこにあるのか、明確にお答えください。 法案は、地方自治体の教育政策の方針となる大綱を首長が決定することとしています。この大綱には、本来教育委員会の権限に属することまで盛り込むことができます。例えば、愛国心教育に最もふさわしい教科書を採択するなど、首長の政治的意向を込めた方針や、愛国心を通知表でABC評価するなど、子供の思想、良心の自由を侵すような内容まで書き込めるのではありませんか。 大綱は、首長と教育委員会で構成する総合教育会議で協議するとしていますが、大綱の決定権限は首長にあります。では、協議がまとまらなかった場合にはどうなるのか。衆議院の審議では、それでも首長の権限で大綱を決定することができる、しかし、教育委員会は同意していない内容については拘束されない、つまりは執行しなくてよいという答弁がありました。 執行できない大綱を作る意味がどこにあるのでしょうか。なぜ総合教育会議で協議し、合意することを前提としないのか。結局、大綱を圧力として教育委員会を首長に従わせることになるのではありませんか。総理の答弁を求めます。 そもそも、今回の法改正は、学校現場や教育委員会などが求めたものではありません。日本教育新聞が行った市区町村教育長のアンケートでは、この法改正は有効との回答は僅か〇・四%、どちらかといえば有効を含めてやっと二割強。一方、有効とは言えないは一五・六%、どちらかといえば有効とは言えないを含めれば過半数に達しています。自治体はこのような法改正を必要としていない、このことをはっきりと示しています。 〔副議長退席、議長着席〕 法改正の最大の根拠とされてきたのは責任の所在の不明確さでしたが、いじめ事件などで子供の命に関わる問題は、現行法制度の下でも自治体の首長に市民の生命を守る責務があることは明瞭です。また、教育委員長は合議制である教育委員会の代表という立場であって、執行上の責任を負っているのではありません。今でも、教育長は教育委員会から委任を受け、教育行政への直接的な責任を負っている、このことは衆議院の議論で文部科学省自身が認めています。 責任の所在の不明確さという理由さえも破綻しているのではありませんか。現職の教育長の多くがこのような法改正は有効ではないと答えていることをどう受け止めますか。 教育委員会は、教育の地方自治、首長からの独立性、教育についての多様な民意の反映という三点を眼目として、住民を代表する組織として発足しました。衆議院の審議では、三つの眼目は今も変わらない旨の答弁がありましたが、総理はどうお考えですか。 我が党は、教育委員会が国民から期待される役割を発揮できるような改革こそ、今求められていると考えます。教育委員たちが保護者、子供、教職員、住民の不満や要求をつかみ、自治体の教育施策をチェックし、改善すること、教育への見識や専門性を持つ人物の確保、憲法と子どもの権利条約の立場に立って行政を行うことなどによって教育委員会を活性化することこそ求められていると考えますが、総理の所見を求めます。 最後に、安倍内閣が掲げる教育再生についてお聞きします。 第一次安倍政権は、愛国心を盛り込んだ教育基本法を成立させました。そして、政権に返り咲いた総理は、この教育基本法の目標の達成を事あるごとに強調しています。 昨年四月十日、衆議院予算委員会で、かつて総理とともに教科書議連のメンバーであった議員が、従軍慰安婦、そういう者はいなかった、南京事件もなかったと、従軍慰安婦や南京事件を記述する歴史教科書を否定する質問をしました。これに対し総理は、教科書の検定基準において改正教育基本法の精神が生かされていなかったと思う旨の答弁をしています。 今日の歴史研究は、南京虐殺も日本軍慰安婦も、旧日本軍の侵略と植民地支配の中で起きた極めて深刻な残虐行為、人権侵害行為であったことを動かし難い事実としています。政府も河野談話でこのことを認め、外務省ホームページで国内外に政府の立場を示しています。 総理にお聞きします。南京での虐殺並びに日本軍慰安婦の事実を教科書で記述することは教育基本法の精神に反しているのでしょうか。 河野談話では、歴史の真実を回避することなく、歴史研究、歴史教育を通じて長く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという決意を表明しています。つらい事実から目を背けずに正面から受け止め、そこから教訓を導き出して新しい歩みを始める、この立場こそ真の愛国心を培うものではありませんか。逆に、歴史の事実をゆがめることは、ゆがんだ愛国心をもたらすのではありませんか。 子供たちにお国のために血を流せと教えた戦前の教育は、国による教育の支配によってもたらされました。この痛苦の反省に立って、憲法は、政治権力による教育内容への介入、支配を厳しく戒めました。そして、教育の自主性を守るために教育行政を首長から独立させた、それが教育委員会制度の出発点です。 国家が愛国心教育を押し付け、政治介入に道を開く教育委員会制度の改悪を行うことは、現行の憲法の下では決して許されない暴挙です。法案の廃案に力を尽くす決意を述べ、質問を終わります。(拍手) 〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 田村議員にお答えをいたします。 首長の意向のみで教育行政が行われるのではないかとのお尋ねがありました。 改正案では、首長による大綱の策定や総合教育会議の設置を通じて、より一層民意を反映した教育行政の推進を図るとともに、首長が教育長と教育委員長を一本化した新教育長を直接任命、罷免することにより、首長の任命責任を明確化することとしております。 その一方で、教育委員会を引き続き合議制の執行機関として残すことにより、教育の政治的中立性、継続性、安定性を確保するとともに、首長が教育長を任命、罷免する際には議会の同意を得ることとし、議会において教育長の資質、能力を三年ごとに丁寧にチェックすることとしております。したがって、首長の意向のみで教育行政が行われるとの懸念は当たりません。 大綱の記載内容についてお尋ねがありました。 大綱は、地方公共団体の教育の振興に関する総合的な施策について、その目標や施策の根本となる方針を定めるものですが、教育委員会が適切と判断した場合においては、教科書の取扱いに関することなど、首長の権限に関わらない事項について記載することも可能です。ただし、この場合においても、子供の思想、良心の自由を侵すような内容を記載することは適切ではないと考えております。 大綱の決定権限についてお尋ねがありました。 教育行政における地域住民の意向をより一層反映させる等の観点から、大綱は首長が策定するものとし、教育委員会との合意までは必要としておりませんが、策定の際には、教育行政に混乱が生じないようにするためにも、首長と教育委員会との間で十分に協議し、調整を尽くすことが重要であると考えております。 仮に、教育委員会と調整が付かない事項を首長が大綱に記載した場合には、当該事項について教育委員会には尊重義務がなく、その執行については教育委員会が判断するものであることから、大綱を圧力として教育委員会を首長に従わせるとの御懸念は当たらないと考えております。 責任の所在の不明確さという法改正の根拠と現職の教育長の受け止めについてお尋ねがありました。 現行の教育委員会制度においては、合議制の執行機関である教育委員会、その代表者である委員長、事務の統括者である教育長の間での責任の所在が不明確であるという課題が指摘されています。 このため、教育委員長と教育長を一本化した新教育長が地方公共団体の教育行政の第一義的な責任者として教育事務を行うよう、現行制度を見直すこととしています。また、新教育長については首長が直接任命することとしており、首長の任命責任が明確になると考えております。 なお、全国市長会からは、今回の改正により、首長の権限が強化され、責任の所在の明確化が図られることとなることを期待すると表明されていると承知しております。 いずれにせよ、関係者に対しては、今回の改正の趣旨等について丁寧に説明してまいります。 教育委員会制度の趣旨等についてお尋ねがありました。 これまで、教育委員会制度の趣旨とされてきた教育行政の地方分権、首長からの独立性、住民の意思の反映といった考え方については、改正案においても基本的には変わらないものと考えております。一方で、現行の教育委員会制度については、責任の所在が不明確である、地域の民意が反映されていない、危機管理能力が不足しているという課題が顕在化しております。 もとより、教育委員の人選の工夫や教育委員自身による努力と責任の自覚といった運用の改善により教育委員会の活性化を図ることは当然ではありますが、このような運用の改善だけでは十分ではなく、制度の抜本的な改革が必要と考えております。 教科書の記述と愛国心についてお尋ねがありました。 伝統と文化を尊重し、それらを育んできた我が国と郷土を愛する態度を養うことができるよう、我が国の歴史について子供たちの理解を深めることは重要と考えております。 教科書にどのような事項を取り上げ、どのように記述するかは教科書発行者が判断し、申請した内容について、先般改正した検定基準に基づき検定がなされるものであり、南京事件、慰安婦についてもその中で取扱いが検討されるものと考えます。 今後とも、教育基本法の趣旨を踏まえ、バランスよく記載された教科書を用いながら、我が国の歴史について子供たちがしっかりと理解を深めていくことができるよう取り組んでまいります。 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手) 〔国務大臣下村博文君登壇、拍手〕
○国務大臣(下村博文君) 田村議員から、首長が教育長を代理人として自分の意に沿う教育行政を行わせるのではないかとのお尋ねがありました。 首長が教育長の任命に当たって教育行政の方向性を示すことは当然にあり得るものと考えます。また、大綱の策定や総合教育会議における教育委員会との協議を通じて、首長はその意向を教育行政に反映できるようになります。 しかしながら、改正案においても、新教育長は合議体である教育委員会の意思決定に基づき事務を執行する立場であることは変わりがありません。 したがって、首長が教育長を代理人として自分の意に沿う教育行政を行わせるものではないかとの御指摘は当たらないものと考えます。(拍手)
○議長(山崎正昭君) これにて質疑は終了いたしました。 ─────・─────
○議長(山崎正昭君) 日程第一 金融商品取引法等の一部を改正する法律案 日程第二 保険業法等の一部を改正する法律案 (いずれも内閣提出、衆議院送付) 以上両案を一括して議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。財政金融委員長塚田一郎君。 ───────────── 〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕 ───────────── 〔塚田一郎君登壇、拍手〕
○塚田一郎君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。 まず、金融商品取引法等の一部を改正する法律案は、我が国の金融・資本市場について総合的な魅力を高めるため、インターネットを通じて多数の者から少額ずつ資金を集める仕組みを取り扱う業者に係る規制の整備、上場企業に係る開示規制の見直し、ファンドの販売を行う金融商品取引業者に係る規制の強化等の措置を講じようとするものであります。 次に、保険業法等の一部を改正する法律案は、保険募集の形態の多様化が進展している状況等を踏まえ、保険募集に係る規制をその実態に即したものとするため、保険募集人の体制整備義務を創設する等の措置を講じようとするものであります。 委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、投資型クラウドファンディングの業者に対する監督上の課題、ファンド販売業者に対する規制の必要性、保険募集における委託型募集人の規制の在り方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。 質疑を終了し、順次採決の結果、両法律案はいずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、金融商品取引法等改正案に対し附帯決議が付されております。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ─────────────
○議長(山崎正昭君) これより両案を一括して採決いたします。 両案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百三十五 賛成 二百二十三 反対 十二 よって、両案は可決されました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────・─────
○議長(山崎正昭君) 日程第三 健康・医療戦略推進法案 日程第四 独立行政法人日本医療研究開発機構法案 (いずれも内閣提出、衆議院送付) 日程第五 国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院提出) 以上三案を一括して議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長水岡俊一君。 ───────────── 〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕 ───────────── 〔水岡俊一君登壇、拍手〕
○水岡俊一君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を報告申し上げます。 まず、健康・医療戦略推進法案は、国民が健康な生活及び長寿を享受することのできる社会の形成に資するため、世界最高水準の医療の提供に資する医療分野の研究開発及び新たな産業活動の創出に関し、基本理念、国等の責務、基本的施策、健康・医療戦略の作成、健康・医療戦略推進本部の設置等について定めようとするものであります。 なお、衆議院におきまして、附則に、臨床研究において中核的な役割を担う医療機関における臨床研究の環境整備の状況についての検討規定を追加すること等を内容とする修正が行われております。 次に、独立行政法人日本医療研究開発機構法案は、医療分野の研究開発及びその環境の整備の実施、助成等を行うため、独立行政法人日本医療研究開発機構を設立し、その名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めようとするものであります。 委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、参考人から意見を聴取するとともに、健康・医療戦略の推進体制及び予算編成の在り方、健康・医療戦略推進本部の総合調整の在り方、研究不正への対処方策、基礎研究の重要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。 質疑を終了し、討論に入りましたところ、みんなの党の薬師寺委員より両法律案に反対、日本共産党の田村理事より両法律案に反対の旨の意見がそれぞれ述べられました。 次いで、順次採決を行った結果、両法律案はいずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、両法律案に対し附帯決議を行いました。 次に、国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案は、国民の祝日に、新たに八月十一日を山の日として加え、山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する日としようとするものであります。 委員会におきましては、発議者を代表して衆議院議員衛藤征士郎君より趣旨説明を聴取した後、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 以上、報告申し上げます。(拍手) ─────────────
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。 まず、健康・医療戦略推進法案及び独立行政法人日本医療研究開発機構法案を一括して採決いたします。 両案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百三十六 賛成 二百九 反対 二十七 よって、両案は可決されました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────────────
○議長(山崎正昭君) 次に、国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百二十八 賛成 二百十三 反対 十五 よって、本案は可決されました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────・─────
○議長(山崎正昭君) 日程第六 地方自治法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。総務委員長山本香苗君。 ───────────── 〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕 ───────────── 〔山本香苗君登壇、拍手〕
○山本香苗君 ただいま議題となりました法律案につきまして、総務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 本法律案は、地方制度調査会の答申を踏まえ、指定都市制度の見直し、中核市制度と特例市制度の統合、新たな広域連携の制度の創設等の措置を講じようとするものであります。 委員会におきましては、参考人から意見を聴取するとともに、総合区制度の創設の意義と導入の見通し、指定都市都道府県調整会議に係る総務大臣の勧告の位置付け、特例市から中核市への円滑な移行のための支援策、連携協約制度の運用の在り方、新たな広域連携の制度と市町村合併との関係等について質疑が行われました。 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して吉良よし子委員より反対する旨の意見が述べられました。 討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ─────────────
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百三十五 賛成 二百二十三 反対 十二 よって、本案は可決されました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────・─────
○議長(山崎正昭君) 日程第七 難病の患者に対する医療等に関する法律案 日程第八 児童福祉法の一部を改正する法律案 (いずれも内閣提出、衆議院送付) 以上両案を一括して議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。厚生労働委員長石井みどり君。 ───────────── 〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕 ───────────── 〔石井みどり君登壇、拍手〕
○石井みどり君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、厚生労働委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 まず、難病の患者に対する医療等に関する法律案は、難病の患者に対する医療その他難病に関する施策に関し、基本方針の策定、難病に係る新たな公平かつ安定的な医療費助成の制度の確立、難病の医療に関する調査及び研究の推進、療養生活環境整備事業の実施等の措置を講じようとするものであります。 なお、衆議院において、附則の検討規定について、「施行後五年を目途」を「施行後五年以内を目途」に改める修正が行われております。 次に、児童福祉法の一部を改正する法律案は、小児慢性特定疾病に係る新たな公平かつ安定的な医療費助成の制度の確立等の措置を講じようとするものであります。 なお、衆議院において、附則の検討規定について、「施行後五年を目途」を「施行後五年以内を目途」に改める修正が行われております。 委員会におきましては、両法律案を一括して審議し、難病対策の対象となる疾病の要件、難病患者等の医療費自己負担の在り方、小児慢性特定疾病児童等の成人後の医療及び自立支援、難病に関する調査及び研究の推進等について質疑を行うとともに、参考人より意見を聴取いたしましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。 質疑を終局し、順次採決の結果、両法律案はいずれも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、両法律案に対しそれぞれ附帯決議が付されております。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ─────────────
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。 まず、難病の患者に対する医療等に関する法律案の採決をいたします。 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百三十六 賛成 二百三十五 反対 一 よって、本案は可決されました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────────────
○議長(山崎正昭君) 次に、児童福祉法の一部を改正する法律案の採決をいたします。 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百三十六 賛成 二百三十六 反対 〇 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────・─────
○議長(山崎正昭君) 日程第九 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。環境委員長佐藤信秋君。 ───────────── 〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕 ───────────── 〔佐藤信秋君登壇、拍手〕
○佐藤信秋君 ただいま議題となりました法律案につきまして、環境委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 本法律案は、最近における鳥獣の生息の状況及び狩猟の実態に鑑み、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化の一層の推進を図るため、集中的かつ広域的に管理を図る必要がある鳥獣の捕獲等をする事業の創設、鳥獣の捕獲等をする事業の認定制度の導入等の措置を講じようとするものであります。 委員会におきましては、参考人から意見を聴取するとともに、地域の狩猟者団体と認定事業者との調整、連携の必要性、捕獲等に対する財政支援の重要性、野生鳥獣肉の利活用の推進等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。 なお、本法律案の審査に資するため、栃木県日光市におきまして現地調査を行いました。 質疑を終局いたしましたところ、本法律案に対し、日本共産党の市田理事より、本法律案の措置を講じないこととした上で、特定鳥獣保護管理計画制度の拡充強化を図ること等を内容とする修正案が提出されました。 順次採決の結果、修正案は否決され、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ─────────────
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百三十五 賛成 二百二十三 反対 十二 よって、本案は可決されました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────────────
○議長(山崎正昭君) 本日はこれにて散会いたします。 午後零時十三分散会