北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会 第3号
- 発言数
- 152 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2014/06/13
会議録
○委員長(小泉昭男君) ただいまから北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官能化正樹君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小泉昭男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(小泉昭男君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に参考人として横田滋君及び横田早紀江君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小泉昭男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(小泉昭男君) 北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山谷えり子君 自由民主党、山谷えり子でございます。 拉致問題の解決、被害者全員の御帰国、一日も早く実現させなければなりません。日朝政府間協議で拉致の被害者の調査をするということで合意がなされました。特別調査委員会は来週にも立ち上がるのではないかという報道もございます。これは、これまでの日本独自の制裁、そしてまた北朝鮮が大変に今困った状況であること、また、日本が主導して国連に調査委員会を立ち上げていただいて、今年の三月、北朝鮮の人権状況、拉致問題を含む人権状況の報告が出て、厳しい決議が採択されたことなどがあるというふうに考えております。 特別調査委員会でありますけれども、立ち上げたからといって、すぐに日本側は同時に制裁解除ということにはならないと考えています。これまで北朝鮮に私たちは度々だまされたり、翻弄されてまいりました。まず、その調査委員会の権限、あるいは責任者、構成がきちんとそうした権限があるものであるのかどうか、また、金正恩第一書記の直轄のものであるのかどうか、きちんと確認が必要だと思いますけれども、その辺は、古屋大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(古屋圭司君) 今般、こういう形で日朝の合意ができたということですけれども、いよいよこれがスタートラインですよね。これからが本当の胸突き八丁の交渉が始まっていきます。やはり過去のいろいろな、北朝鮮が不誠実な対応をしてきたということは厳然たる事実でもございますので、今回はそういうことがないような対応を政府を挙げてしていかなきゃいけない、これは申し上げるまでもないことです。 それで、その上で、やはり今委員が御指摘になったように、幾つかの、ここ合意に至った要素はあると思う。まず日本の政権がしっかり安定をしていると。それで総理大臣が、一番拉致問題で詳しくかつ厳しいスタンスを取り続けている議員が総理大臣になっている。それから、今御指摘の国際社会、国連に対する働きかけを、強烈に我が政府あるいはそれぞれの政党が連携を組んで国際社会に働きかけをした結果、あのCOIの厳しい報告書が出た。今後は、それをいかにフォローアップをしていくか、こういったこともしっかり私たち対応しております。もう一つの要素としては、やはり金正恩という若い指導者、直接拉致には加担をしていない人間が第一書記になっている、こういった要素があったと思います。 しかし、これからが本当の勝負でございますので、今委員が御指摘があったように、まず、どんな組織、特別調査委員会ができるのか。それは、その委員会の組織であるとか構成、責任者等々について、北朝鮮が程なくこちらの方にそういった趣旨の通知をしてくると思われますので、私たちはそれをしっかり見極めた上で対応していくということが極めて重要であるということはもう申し上げるまでもないことであります。 引き続きオールジャパンでこの問題解決のため頑張ってまいりたいと思いますので、委員各位の力強い御支援を心からお願いを申し上げたいというふうに思います。
○山谷えり子君 拉致問題の解決なくしては国交正常化なしと小泉総理は度々おっしゃっていらっしゃいました。現安倍内閣も政府方針としてはそのようでよろしいでしょうか。
○国務大臣(古屋圭司君) 私たちの考え方は全くそのとおりでございます。拉致問題の解決なくして北朝鮮との国交正常化はあり得ません。 そして、私たちのもう一つの正式な政府のスタンスは、拉致、核、ミサイルを包括的に解決をしていく、そして究極的には日朝国交正常化を目指していくということでありますけれども、まずその入口の拉致問題の交渉が始まったということであります。
○山谷えり子君 被害者の北朝鮮での身の安全をまず要求していただきながら、一つ一つ確認作業を厳しく行いながら協議を進めていただきたいと思いますが、拉致問題の解決というのはどういうことでしょうか。
○国務大臣(古屋圭司君) 私たちの拉致問題に対する政府の基本方針は、政府認定の有無にかかわらず全ての拉致被害者の帰国、そして原因の究明、実行犯の引渡し、これが私たちの政府の拉致問題に対する基本的なスタンスでございます。
○山谷えり子君 家族会、救う会、拉致議連、これまで一生懸命共に働いてまいりました。そしてまた、政府認定の有無にかかわらずと今大臣はおっしゃられましたけれども、特定失踪者問題調査会、いろいろな調査をしてまいりました。協議が進む途中で、場合によってはそうした関係者と意見交換をするという場もあるのではないかと思いますけれども、その辺はいかがお考えですか。
○国務大臣(古屋圭司君) 今までも家族会、救う会始め関係者の皆様とは連携を密にして、そして意見を伺いながら対応してまいりましたが、いよいよこの胸突き八丁の交渉が始まってくるわけでございまして、当然のことながら、そういった皆様方の御意見もしっかり拝聴しながら政府として方針を決め、そして交渉に当たっていく、これはもう申し上げるまでもないことであります。
○山谷えり子君 国連の調査報告書では、日本の拉致の被害者というのは百人くらい、そして拉致の疑い事案が排除できないケースとして八百六十人という数字が出ておりますけれども、大臣としては、その全員の帰国といった場合には、この八百六十人といいますか、どういうふうに数をお考えでいらっしゃいますか。
○国務大臣(古屋圭司君) 今、警察が拉致の疑いを排除できない事案として八百六十人をリストアップさせていただいております。既にその中でいわゆるDNA鑑定を家族の皆さんが御了解をいただいた件数が六百十六件だったですかね、五月三十一日現在であります。今後は、やはりこの家族の皆さんの御了解等をいただきつつ、引き続きこのDNA鑑定、ごめんなさい、六百十四人でございました、五月三十一日現在で六百十四人でございます、訂正をさせていただきたいと思います。 今後は、やはりこの八百六十人全員のDNA鑑定を確保するのが理想でございます。しかし、一方ではやはり家族のいろいろなお考えもございますので、丁寧に一人一人の御家族に説得をした上で対応していきたいというふうに思っております。 私たちは、この八百六十人がもう拉致の疑いを払拭できない事案でございますので、我々は八百六十人という認識でこの拉致問題、全ての拉致被害者というときにはこの八百六十人というのが前提になるということであります。
○山谷えり子君 再調査といっても、北朝鮮は全てを把握しているわけでございます。もうすぐにでもまずどういう状況にあるのか報告せよということから冒頭始めたら、協議をですね、いかがかと思いますが、どうでしょうか。
○国務大臣(古屋圭司君) これは、五月の末の例の協定書ですね、あれでもああいう形で具体的に向こうも協定に応じてきたわけですよね。いよいよこれから始まるんです。ですから、当然拉致したのは日本ではなくて北朝鮮でありますから、当然北朝鮮はある程度のものは承知をしている、要するに、情報を持っているというのは容易に想像ができるところであります。 しかし、今後は交渉、協議が始まるわけでございますので、しっかりその協議を厳しく私たちは見守りながら、そして彼らがどういうことを言ってくるかということをしっかり総合的に分析しつつ、なおかつ私どももあらゆるチャンネルを通じて情報の入手はいたしております。厳しい態度で接していくということが大前提にあるということは申し上げるまでもないことであります。
○山谷えり子君 本日は、横田めぐみさんの御両親でいらっしゃいます横田滋さん、早紀江さんにおいでいただいております。家族会の前代表としても長く長く解決のために闘ってこられました。そしてまた、偽の遺骨を渡されたりという本当に地獄のようなときも過ごされました。今回の協議スタートということをお聞きになられて、今どのようなお気持ちでいらっしゃいますでしょうか。
○参考人(横田滋君) 横田でございます。
○委員長(小泉昭男君) どうぞお座りになってください。
○参考人(横田滋君) 二〇〇二年のときに死亡者等のデータが入りましたんですが、非常に不自然な事故死が多いということ、それから、死亡時期や場所が異なるにもかかわらず、一か所で死亡診断書を書いたとか、それから遺骨があったんですけれども、めぐみの方はありましたけれども、それ以外の人はみんな洪水で流されてしまったというようなことで、余り真剣にやったんじゃないような気がいたしましたので、今回は、そういったいいかげんなことをするのではなくてきちんとしたもので、大勢の人、八百数十人の方のものですと、本当にいいかげんなことをしていてはなかなか見付け方が難しいので、是非真剣に正確なデータを提出をしていただければと思っております。
○参考人(横田早紀江君) ようやく今回の日朝協議において今までと違った北朝鮮の交渉の仕方が初めて分かりまして、今度こそ何とか子供たちが全部が助け出されるのではないかという希望を持って、また反面、どういうふうな形で、以前のようなことが起きてくるのかもしれない、みんながそういう思いで、不安な中で日朝会議のこれからを見守っております。 国民の方々も本当にたくさんの方が御支援くださいまして、我が事のように、こんな大変なことをされたままでこれを放置しておくことはできないと、絶対に今回はもう最後だと、本当にこれがもう最後のチャンスかもしれないという思いで見守っていてくださいますので、本当に向こうが誠実に交渉をして、そして、日本もだまされないように、きちっと言うことは言って、犯罪であるということがもうまず大きなこれはもとにありますので、そのようなことはもう人間として許せることではないんだということをはっきりと向こうに伝えていただきたい。そして、そのことが、みんなが帰ってくれば、家族はみんな本当にもうそれで報われるぐらいうれしいことですので、後の日朝関係もとても和やかなものになるのではないかということもあちらにお伝えいただければ有り難いと思います。
○山谷えり子君 しっかりと受け止めて、皆で解決に向けて進んでいきたいと思います。 今週の火曜日、六月十日、国会の議員会館で横田めぐみさん、そしてまた特定失踪者を含む拉致の被害者の皆さんの写真展がなされました。昨日終わりました。オープニングには総理を始め、古屋大臣、そして各国の関係者七十七か国から、大使御本人も四十六か国から、大使御自身が御家族を連れて駆け付けるというような状況もございました。 横田滋さん、早紀江さん、それぞれ総理、また各国大使とお話をなさられたと思いますけれども、どのようなやり取り、状況でございましたでしょうか。
○参考人(横田滋君) 議員会館でああいった大規模なことをしたのは初めてでございます。 以前、官邸であれと似たようなものをもう少し小規模でやったわけですが、しかし、アメリカの方とか、特定失踪者のことなんかを御存じの方というのは意外と少なくて、何といいますか、そんな方々がたくさんいるのかというふうに、日本の被害者というのは政府認定の人だけと思い込んでいる人もたくさんいらっしゃいましたんですが、最近はそういったことは、皆さん、だんだんそういったことをよく知るようになってこられまして、特定失踪者のことも含めていろんなお話をなさいますので、やはりこれまでの、そんなところでやったのを積み重ねて議員会館でしたわけでございますが、やっぱりそれなりに効果があったと思っております。
○参考人(横田早紀江君) 写真展は、私のマンションの住人の方々が積極的に展開をしてくださったことで、今までから、何度もあちこちで展覧をしていただいております。 私たちはもう普通の庶民でありまして、本当にどこのおうちにでもある、どのお父様、お母様が撮っていらっしゃるのと同じような写真なんですが、たまたま拉致をされたということで、こんなに普通の家族が全くこのような地獄のような人生を送らなきゃならない。まだ私たちは、親であって悲しみはあっても、こんなに自由な国の中で生きていられることは本当に有り難いと思っております。あちらに連れていかれた方は、本当にもう自由のない監視の中で長い長い年月、めぐみは三十七年という長い間、何度か死にたいと思ったと思います。それを乗り越えて生きていてくれると私は信じています。 そして、本当に最後にこのことが良い方向に、日朝関係にとっても、世界中がこのことに目覚めていただいて、たくさんの方々、もう本当に、こんなこと私の子供だったらもう耐えられないですということも、どのお父様、お母様も、外国の方もおっしゃっておりましたけれども、お一人お一人がそうお思いになってくだされば、本当にもう大変なことが日本で起きているんだということを分かっていただける良い機会になったと思いますので、国際的にも北朝鮮に目を向けていただいて、これだけはこのまま放っておくことはできないことですよということを日本と一緒に声を上げていただきたいと願っております。
○山谷えり子君 政府認定の被害者で御両親がおそろいになるのは、もう横田さんと有本さんのところだけです。そして、特定失踪者の御家族の方も御高齢が進んでいます。本当に一日も早く、時間との闘いだというふうに思っております。 岸田外務大臣にお伺いをいたします。 日朝協議の合意文書のところなんですけれども、日本側は、北朝鮮側に対し、一九四五年前後に北朝鮮域内で死亡した日本人の遺骨及び墓地、残留日本人、いわゆる日本人配偶者、拉致被害者及び行方不明者を含む全ての日本人に関する調査を要請したと書いてありまして、拉致の被害者及び行方不明者というのは五番目、六番目に書かれているんですね。 しかし、拉致の被害者の救出というのは本当に時間との闘いですから、最優先できちんとしたことを出せと言っていただきたいんですけれども、これはどういうことでこういう順番になっているんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、拉致問題に対する我が国の取組、これは、我が国の取組におきましても最も重要な課題であり、政府としましても全力で取り組まなければならない課題であります。 そして、御指摘の点ですが、今回の合意におきましては、全ての日本人の問題について対象とし調査を行うということにさせていただきましたが、これは文書におきまして、北朝鮮側、調査は一部の調査のみを優先させるのではなく、全ての分野について同時並行的に行う、こういったことを確認しております。そして、協議の場でも、この拉致問題が決して後回しにされるなどということは絶対ないということ、こういったことをしっかり確認しているわけであります。 これは、順番の問題、並べ方の問題について御指摘がありましたが、この拉致問題について、優先度が低くなる、低くなっているなどということは決してありません。この協議の場を通じましても、拉致問題についてしっかりと対応する、これは確認をしているところであります。
○山谷えり子君 拉致の被害者は非常に厳しい中で生きていらっしゃるわけですから、最優先で取り組んでいただくようにきちんと要請をしていただきたいと思います。 あともう一つ、気掛かりな文章があります。北朝鮮側なんですが、調査の過程において日本人の生存者が発見される場合には、その状況を日本側に伝え、帰国させる方向で去就の問題に関して協議し、必要な措置を講じることとしたというふうにあります。帰国させる方向で去就の問題に関して協議し、必要な措置を講じることとしたという、これ、ちょっと意味がよく分からない文章なんですね。どういうことなんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、今回の合意におきましては、北朝鮮側がこの調査に関しまして特別調査委員会を立ち上げるということをしっかりと確認したわけでありますが、この調査委員会の調査の実効性をしっかり確保しなければなりません。まずは、その文書の中で、実効性を確保するために、しっかりとした北朝鮮側からの通報を受け、そしてそれをしっかり確認する、この具体的な方策を文書の中で確認をしたわけですが、あわせて、これ文書の中において、帰国させる方向、帰国というこの文言をしっかり入れるという点、これが重要であると我々認識をし、しっかり協議をいたしました。 そして、結果として文書の形で、調査を行い、その結果を受け、そして帰国をさせる、こういった点を確認できたということは、これは一つ大きな意義があったと考えています。是非、この点をしっかりとした手掛かりとして、具体的な結果を出すよう全力で取り組んでいきたいと考えています。
○山谷えり子君 帰国という文字が入ったのはいいのかもしれませんけれども、しかし、御帰国既になさられた被害者たちは、やっぱり日本に帰られてから、日本にとどまると、当然のことですけれども、そういうことを決断できる状況になったわけですよね。北朝鮮ではその決断ができなかった、殺されてしまうかもしれないという状況の中でですね。 ですから、北朝鮮で去就の問題に関して協議し、御本人に聞くというような形ではなくて、まず帰国していただく、そういうことが筋ではないんでしょうかね。
○国務大臣(岸田文雄君) おっしゃるように、帰国を果たしていただくためには、過去の経緯等もしっかり念頭に、具体的に対応を考えていかなければならないと思います。 これから調査が進み、その調査の結果が出、そうして更なる具体的な対応を考えていかなければならない。具体的な取組、やり方につきましては、これは真剣に検討をしていかなければならないと思っていますが、その際に、まずスタートになります今回の文書において、帰国させるという、この大きな方向性を明記すること、これが大変重要であったと考えています。是非この方向性に基づいて、具体的な結果につながるよう、あらゆる方策を考え、最も効果的な対応を考えていきたいと考えます。
○山谷えり子君 幾ら協議をしても、全員の帰国というのが全ての結果でありますから、それを確実にするように協議を進めていただきたい、そして必要な措置をとるように要求していただきたい、実現していただきたいというふうに思います。 昨日、官邸で、総理、古屋大臣御出席の下、政府・与野党拉致問題対策機関連絡協議会が開かれました。私も委員として出席をいたしましたが、その席で、自民党として、実は御帰国された被害者の支援ですね、給付金を含む、それが今年度で、二十六年度で期限が来ますので、新たな法整備を議員立法で考えていきたいということを申しました。そして、これから帰ってこられるたくさんのたくさんの被害者の方たちのことも考えながら幅広く検討をしていきたいというふうに考えているところでございます。 八月が概算要求でございますので、それに間に合うように、自民党としても、そして今日こちらにいらっしゃる各党、協力して被害者帰国に向けての支援法成立に向けて検討を進めてまいりたいと思いますけれども、政府のお考え、聞かせてください。
○国務大臣(古屋圭司君) 昨日も与野党連絡協議会、官邸で開かせていただきまして、委員も御出席ありがとうございました。 今委員御指摘の、来年三月で給付金の期限が切れますので、今もうその作業をさせていただいておりまして、局長級の関係省庁で今たたき台を作って各政党にもお示しをさせていただきました。ポイントは、現在の給付金をどういうふうに取り扱っていくか、二つ目は新たな老後の支援策、三つ目が新たな拉致被害者帰国に向けた対応、この三点でございまして、是非、関係の政党ともしっかり密に連携をしながら、御意見もしっかり反映をさせて概算要求、そして来年の法案の改正に向けて取り組んでいきたいと。その過程において、家族会の皆様方の、そして関係者の皆様方の御意見をしっかり反映していくということは申し上げるまでもないことであります。
○山谷えり子君 正念場です。オールジャパンで頑張って、全員の帰国に向けて進みたいと思います。 ありがとうございました。
○赤池誠章君 自由民主党の赤池誠章です。 今回、拉致問題解決に向けて日朝協議が大きく進展をいたしました。その原動力は、何といっても、安倍総理、古屋担当大臣、そして岸田外務大臣、強い決意とリーダーシップのたまものと思っております。被害者や特定失踪者と呼ばれる家族の方々、救う会、拉致議連、長年にわたる熱意ある運動のたまものだと存じます。今までも、そして今後何よりも重要になってくるのが国内外の世論の後押しということではないかとも感じております。 そこで、まず、古屋大臣に改めて御決意、そして御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(古屋圭司君) 安倍政権は、この拉致問題の解決を最優先課題の一つとして取り組んでいます。もう御承知のとおりでございます。そのためにも、オールジャパンの取組をしていく。例えば、今、山谷委員から御指摘のあった、官邸の中に与野党の議員が入って、それぞれの政党で、拉致問題の解決のために組織のある政党は全て入っていただきました。それから、本部も全ての閣僚が本部員として入っていただいた。そしてまた、国際社会に対しても、総理が海外であるいは日本で首脳会談をするときは常にこの拉致問題のことに言及をして協力を要請しています。そして、共同コミュニケの中にも必ずこの問題は入っています。 それから、COI、要するに国連の人権委員会に対しても、我が国が主体的に国際社会に働きかけました。その結果、先ほど横田さんからも言及があったように、特定失踪者、言わば、いわゆる拉致の疑いを排除できない事案についても、全ての国際社会の皆様方、国連の関係者の皆様が知ることになりました。北朝鮮けしからぬ、こういう意思を持つようになった。こういったことが大きな今うねりになりつつあって、結果としてこういった協議がスタートをいたしました。 これからも、国内にあっては、やはり啓蒙活動を徹底をしていくことが極めて重要でございますので、これからもその啓蒙活動にいろいろ知恵を絞って取組をしていきたいと思います。是非、委員におかれましても、その取組についての御支援を心からお願いを申し上げたいと思います。 安倍政権の間に必ずこの拉致問題を解決をする、総理御自身も、家族の皆さんとそして被害者が抱き合う日が来るまで私の任務は終わらないと言明しております。私も担当大臣として全力を尽くしてまいります。
○赤池誠章君 古屋担当大臣の強い決意の下で、現在、政府が取り組まれている国内外での教育普及活動、様々あるとは思いますが、最近の特徴的なところを御教示ください。
○政府参考人(片山一夫君) お答えいたします。 国内での最近の広報啓発活動の例といたしましては、まず、津川雅彦氏をモデルとした新たな啓発ポスターを全国に約四十万枚配布しております。国の機関や地方公共団体のほか、全国の小中学校、高校、大学や、鉄道各駅等の公共交通機関、郵便局、金融機関、農協、漁協などの場所で掲示をお願いしているほか、国会議員の方々にも掲出について御協力いただいているところでございます。 また、教育現場におきましては、昨年、アニメ「めぐみ」のDVDを全国の小中学校、高校へ児童生徒への貸出し用として追加配布し、その視聴率の引上げに取り組んでいるところでございます。今後とも、文部科学省と連携して啓発活動を推進したいと考えております。 昨年十二月の北朝鮮人権侵害問題啓発週間におきましては、拉致被害者救済への思いを一つにするとの観点から、大規模なふるさとの風コンサートを実施し、会場への来客に加え、全国約三十か所でのパブリックビューイングや、インターネットによる中継、配信等も実施したところでございます。 また、本年三月及び四月には、若い年齢層も含めた国民の方々の心に直接訴えかけるアピール度の高い新たな広報活動の試みとして、拉致問題啓発演劇「めぐみへの誓い」の公演を新潟市と横浜市で開催し、約三千名の方々に観劇いただいたところでございます。 こうした取組の結果、平成二十四年に内閣府が実施いたしました特別世論調査によりますと、国民の九六%が拉致問題の内容を認識しておられるとの結果が出ております。 一方、国際的な活動の例といたしましては、安倍総理による首脳会談を始め、海外の要人との各種会談、会合において拉致問題の提起、理解、協力要請を行ってきております。特に、北朝鮮と国交を有し、我が国とも友好関係にある諸国への働きかけを重視しているところでございます。 北朝鮮における人権に関する国連調査委員会の活動に関しましては、昨年の三月の設立以降、八月の来日時の対応を含め、その後の報告書作成作業に対しまして一貫して日本政府として支援、協力をしてきたところでございます。これが本年二月に発出されました北朝鮮に対する極めて厳しい内容の報告書につながったものと認識しております。 また、昨年五月には、米国ワシントン及びニューヨークで拉致問題に関するシンポジウムを開催いたしまして、本年度もこのような活動を継続し、国際社会に対して拉致問題の早期全面解決を訴えてまいりたいと考えております。
○赤池誠章君 引き続き、是非徹底的な普及啓発をお願いをしたいと思います。 若い世代への普及啓発というと、やっぱり何といっても学校教育ということが大事だと思っております。現在、小中高校の学校で教科書にどのような形で拉致問題が掲載をされているか、文部科学省にお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。 拉致問題に関する教科書の記述状況につきましては、小中学校の社会科の全ての教科書におきまして本件が記述されております。また、高等学校につきましては、政治経済の教科書の全ての教科書、それから日本史につきましては十五点中十四の教科書、さらに現代社会につきましては十二の教科書のうち十点、これらの教科書できちんと拉致問題について記述がなされております。 具体的に申し上げますと、例えば小学校におきましては、平成十四年の日朝首脳会談で、北朝鮮は過去に日本人を無理やり連れ去ったという事実を認めましたという記述がしてあります。また、中学校の教科書におきましては、北朝鮮から帰国した拉致被害者の写真を掲載した上で、いまだに行方の分からない被害者も数多くいるため、日本政府はその消息と帰国を求める交渉を続けていると記述しております。さらに、高等学校の教科書では、日本人拉致問題に関するコラムを設けまして、北朝鮮による日本人の拉致の目的や拉致問題の推移などについて具体的に取り上げているという状況でございます。
○赤池誠章君 私も全部見せていただきましたけれども、まだまだ記述の温度差があるなと。やはり中学校の公民の育鵬社、自由社は、一ページ以上特集をして大変詳しく書かれているんですが、それ以外は本当に今御紹介いただいたような形でありますので、これは是非、学習指導要領、そして解説書にしっかり拉致問題のことを書き込んでいただいて、より充実した掲載の強化をお願いをしたいと思います。 それに併せて、拉致だけの問題ではなくて、学校での危機管理、そういった問題も大きく、防犯とか安全対策というようなことも、この拉致問題のみならず大変重要だと考えておりまして、学校では文部科学省、また学校外では警察庁から、それぞれ取組をお聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(永山賀久君) まず、学校における防犯への取組でございますけれども、文部科学省におきましては、学校の危機管理マニュアル、これは登下校時を含めまして学校で様々な緊急事態がありますけれども、その対応等を示してございます。そういったものを作成、配付いたしましたり、あるいは通学路等で子供たちを見守る体制を強化するためのスクールガード・リーダーの配置やスクールガードの要請、さらに防犯教室の講師となる教職員に対する講習会の実施に対して支援を行っております。そういったものを通じて、学校だけではなくて警察ですとかPTA、ボランティア、家庭などと連携した取組を促進してきたところでございます。 また、各学校では、児童生徒が日常生活の中に潜む様々な危険を予測しまして、それを回避して安全な行動を取ることができるようになるために、特別活動の時間などを利用しまして、警察などの外部の専門家と連携した防犯教室ですとか、子供たちの手による防犯マップ作りなどを行ってございます。 今後とも、警察などの関係機関と連携いたしまして、児童生徒が事件に巻き込まれることのないように、防犯に関する取組を強化してまいりたいと考えてございます。
○政府参考人(宮城直樹君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、犯罪に巻き込まれないためには、国民一人一人が自らの安全は自ら守ると、こういった意識を持ちまして、自ら危険を回避し危険に対処できる能力を身に付けることが重要と認識してございます。 警察におきましては、関係機関、関係団体と連携し、地域の安全は自分たちで守るという自主防犯活動の支援を行っているところでございます。特に、子供の犯罪被害を防止するためには、通学路等の安全対策でありますとか、子供が被害に遭った場合の事案等の発生に関する情報の提供を行っておりますほか、アニメを用いましたテキストを用いまして危険を回避する能力、例えば、みんなと一緒にいる、あるいは大声で助けを呼ぶ、あるいは危ないと思ったら逃げると、こういった基本的な能力を身に付けさせるための参加体験型の被害防止教育を学校と連携して実施しているところでございます。 今後とも、関係機関等とも連携いたしまして、国民等が犯罪に巻き込まれないための取組を推進してまいりたいと、このように考えてございます。
○赤池誠章君 引き続き、充実強化をよろしくお願いをいたします。 拉致問題といえば、北朝鮮による本国の対外工作活動、それから日本国内の出先機関である朝鮮総連、そしてその強い影響下にある朝鮮学校の役割というのは見過ごすことができません。それぞれ、北朝鮮本国、朝鮮総連、朝鮮学校の果たしている役割、動向について、警察庁とそれから公安調査庁にそれぞれお伺いをいたします。
○政府参考人(高橋清孝君) お答え申し上げます。 北朝鮮につきましては、過去に重大な国際テロ事件や拉致容疑事件を引き起こし、さらには、依然としてよど号ハイジャック事件の犯人グループを保護するなどしているところであります。警察におきましては、戦後約五十件の北朝鮮工作員関係の事件を検挙しておりまして、こうした事件捜査等を通じて、工作員による我が国への不法な侵入、違法な情報収集等、北朝鮮による対日有害活動の実態を明らかにしているところであります。 朝鮮総連につきましては、こうした北朝鮮を支持する在日朝鮮人等で構成された団体であり、北朝鮮と極めて密接な関係を有しているものであります。警察では、北朝鮮工作員の密出入国や北朝鮮への大量破壊兵器関連物資等の不正輸出に朝鮮総連の構成員やその関係者が関与しているという事例を把握しているほか、拉致容疑事案においても朝鮮総連関係者の関与が確認された事例も把握しているところでございます。 また、朝鮮学校につきましては、民族教育を重要視する朝鮮総連が同校の教育内容、財政等に影響を及ぼしている状況にあるものと認識しております。 こうした北朝鮮や朝鮮総連の動向につきましては、朝鮮学校に及ぼす影響も含め、警察では重大な関心を払って情報収集を行っているところでございます。
○政府参考人(小島吉晴君) お答えいたします。 北朝鮮は、核開発やミサイル発射、大量破壊兵器の保有、拡散などの問題があるほか、日本人拉致問題も解決されないままでございまして、我が国の公共の安全に重大な影響を及ぼしているところと認識しております。 また、朝鮮総連はそのような北朝鮮の強い影響下にございまして、北朝鮮の指示、指導を受けつつ、北朝鮮に対する支援活動や我が国に対する働きかけなど、様々な活動を行っているものと認識をしております。拉致に関連いたしましては、朝鮮総連関係者が拉致事件に関わっていたということも承知をしておるところでございます。 続いて、朝鮮人学校につきましては、朝鮮総連は朝鮮人学校での民族教育を愛族愛国運動の生命線と位置付けておりまして、北朝鮮、朝鮮総連に貢献し得る人材の育成に取り組んでいるところでありまして、朝鮮総連の影響は朝鮮人学校の教育内容、人事、財政等に及んでいるものと認識をしております。 公安調査庁におきましても、北朝鮮や朝鮮総連及び朝鮮人学校など北朝鮮、朝鮮総連の影響下にある諸団体も含めまして、その動向につきまして引き続き重大な関心を持って関連情報の収集、分析に努めていく所存でございます。
○赤池誠章君 朝鮮学校につきましては文部科学省の資料をいただきました。七十一校、七千人の子供たちが通学をしていると。国からの支援はないわけでありますが、都道府県では十九府県、総額二億六千万円、全国の市区町村では百二十九が総額二億二千万円、合計四億八千万円の補助金を出しているという実態がございます。 これは国がどうこう言うものではありませんけれども、我々は改めて地方自治体に対して、北朝鮮の動向、そして朝鮮総連の強い影響がある朝鮮学校についてきちっと指摘をしていきたいなというふうに思っている次第であります。 こういった問題を考えるときに、やはり対外情報機関をしっかり日本も持つべきだというふうに考えているところであります。これも内閣官房の情報調査室からいただいている資料でありますが、例えば北朝鮮は現在推定で七万人から九万人の工作活動に従事している方々がいらっしゃると。チャイナが四万人、米国のCIAが二万人、韓国でも七万人以上の方々が従事をしているわけであります。残念ながら内閣官房情報調査室は二百五十人体制という形でありまして、改めてきちっとした形での対外情報機関の設立を熱望するところであります。 時間が参りましたので、最後の質問となります。 山梨県甲府市在住でありました、特定失踪者であります山本美保さんが突然失踪して三十年の月日がたっているわけであります。改めて警察庁に、この事案についての認識、そして私が平成十七年に国会で質問して以来、山本家に対してどのような事情を説明してきたのか、そして、今回の八百六十人の情報リストの中にこの特定失踪者である山本美保さんが入っているかどうか、外務省にお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(高橋清孝君) お答え申し上げます。 警察といたしましては、血液型、性別、推定年齢、推定身長、DNA型鑑定結果といった様々な要素を総合して、昭和五十九年当時山形県で発見された御遺体が山本美保さんと同一人物であったというふうに判断しているところでございます。ただ、本件は失踪から死亡に至る経緯が現在も不明であることから、山梨県警としましては、拉致の可能性を含め、事件、事故等、あらゆる可能性を念頭に置いて現在も捜査を継続しております。 それから、山梨県警察といたしましては、平成十七年十月に委員の質問がなされて以降、御家族のお求めに応じまして平成二十一年に文書による回答を行ったほか、平成二十三年には山梨県警察本部においてDNA型鑑定書をお見せしながら説明も行ってきたところでございます。また、そのほかにも御家族の代理人に対して説明を行うなど、御家族の御理解を求めるため真摯に対応しているところでございます。 警察としましては、節目節目で家族連絡を実施するなど、今後とも、御家族の心情に配意しつつ、説明を尽くしてまいりたいというふうに考えております。
○赤池誠章君 外務省の方から。
○委員長(小泉昭男君) いや、もう時間が参っておりますので。簡潔に。
○赤池誠章君 分かりました。 時間が参りましたので、是非、引き続き拉致問題解決、また特定失踪者問題解決に向けて御努力をいただきたいと思います。 ありがとうございました。
○白眞勲君 民主党の白眞勲でございます。 先日行われました日朝協議につきまして、まず古屋大臣にお聞きしたいというふうに思います。 北朝鮮側は、今回の合意文では、全ての日本人に関する調査を包括的かつ全面的に実施し、最終的に、日本人に関する全ての問題を解決する意思を表明したということでありますけれども、何というんでしょうね、この再調査、今回、例えば拉致以外にも日本人妻とか遺骨とかも議題になっているわけですから、再調査を開始しました、一部制裁も解除しますというと、私もあれっと思ったんですね。何か、結果が出て、それでいて制裁を解除するというんであるならば分かるんですけれども、再調査を開始したというだけで、はて、制裁を解除するというのはちょっと何か国民の中にも納得いかない人も結構いらっしゃるんじゃないかなというふうに思うんですよ。そうはいっても、今もいろいろな議論がありましたけれども、北朝鮮側はもう拉致の被害者をある程度把握しているということは容易に想像が付くわけですね。ですから、これは私は、そうはいっても政府側で、調査を開始した、で、一部制裁を解除という一つの政治的な判断だろうとは思います。 しかし、やはり国民は、特に何らかの拉致問題に関する具体的な状況ですよね、例えば被害者の帰国とかがある程度、調査を開始した時点ですぐにその辺が実現、帰国とかが実現されないと、私、国民は納得しなくなっちゃうんじゃないかなというふうに思うんですよ。つまり、被害者の御家族のみならず、これ日本人みんなが待っている話です。ですから、その辺りについて、まず古屋大臣、その辺どうでしょうか。
○国務大臣(古屋圭司君) 今度の日朝合意の前に、私、第二回日朝首脳会談十周年に際しての拉致問題担当大臣古屋圭司の談話というのを発表しています。 もちろんこれは、政府の中でもしっかり連携をしながら発表したんですけれども、その中でこういうくだりを書いているんですね。拉致問題の解決に向けた北朝鮮の具体的な行動なくして、いかなる人道支援、制裁解除もありません。同時に、問題解決に至る過程で北朝鮮側が前向きな措置をとるのであれば、我が方も、行動対行動の原則に基づき、国連安保理決議に基づくもの以外、我が国の独自にとっている措置を段階的に解除することは排除しません。これは私の見解であります。したがって、今回も具体的行動対行動原則に基づいてやると。 ただし、まだどんな調査委員会ができるのか、組織も人選も全くこちらには通知来ておりませんので、我々は、そういったものを見極めた上で、どういう対応をするかということを総合的に判断をしていくということになります。
○白眞勲君 今、古屋大臣おっしゃられました具体的行動というのは、私は、再調査の開始だけではてはて具体的な行動というふうに国民が納得するかどうかなんですね。ある意味、具体的な行動というのは、北朝鮮側が何らかの形でもう何かを出してくるというところ、つまり、調査を開始した後の何かが出た時点で具体的な行動があったなということを我々は認識できる部分とのこの辺の差というのは、今、古屋大臣との、ちょっと一般国民との私は認識の違いもあるんではないんだろうかというふうに思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
○国務大臣(古屋圭司君) いや、むしろ私は、今、白委員からそういう声が上がるということは、私はある意味で歓迎をしたいと思っているんです。なぜか。やはり、実際、行動対行動、今まで北朝鮮が不誠実な対応をずっと取り続けてきたんですね。ですから、今度は、やはりいろんな環境が変化してきていますから、今度同じことをやったらもう通用しませんよということを、やはりしっかり北朝鮮に対するメッセージ、ある意味では圧力なんでしょう、そういう意味からも、私は、そういう声が出るということはごくごく自然なことだし、私も歓迎を申し上げたいと思っているんです。 しかし、今後は交渉でございますから、じゃどういうときに解除していくのかとかそういったことは、まだ全く通知が来ておりませんので、この時点で申し上げるわけにはいかないということであります。
○白眞勲君 解除についてはある程度の、昨日の、官房長官が三制裁を同時解除するんだということももう話されているわけですよね、新聞で出ております。そういう中で、人的往来規制、北朝鮮への送金報告の義務、人道物資目的の北朝鮮船舶の入港禁止の三項目の制裁解除を同時に実施する考えを明らかにしたというふうに出ているわけですよ。 ですから、やっぱり何か我々の方が若干ちょっと前のめりになっているんではないのかな。ただ、私も最初に申し上げたとおり、それも政治的な判断なんだと、胸突き八丁の交渉がこれから待っているんだ、あるいはこれからが本当の勝負だと今、古屋大臣もおっしゃいました。それで、そういう判断なら判断で私はそれでいいと思っているんです、私自身は。 ただ、そういう中で、やはりすぐにある程度の結果が出てこないと困りますよねというところが私はポイントなんですよ。その辺についてどうでしょうかということを私お聞きしているんですけれども。
○国務大臣(古屋圭司君) この合意書を見ると、一つ一つ段階的に書いてありますよね。もし見付かった場合は帰国させるとか、あるいは、調査の進捗に合わせて、我が方が提起する問題を協議あるいは確認をする方法等について規定をしているとかいろいろ、そういうプロセスについてもかなり具体的にこの協定書の中には書いてありますね。ですから、そういったものを一つ一つ我々もチェックをしながら対応を考えていくと。 もちろん、我々も、具体的なことは申し上げられませんけれども、あらゆるチャンネルを通じて、もうこれは政府の八つ目の方針に、もうその他あらゆる手段を通じて解決のための対応をすると、これは情報収集も含まれているわけでございますので、そういったことをしっかりと総合的に加味をしながら対応をしていくということであります。
○白眞勲君 そういう中で、もし古屋大臣、これ、北朝鮮が調査の開始でこれからいろいろな通知をしてくる、それを見極めた上だということですから、当然、その中で、場合によっては制裁の解除の中止というんでしょうか、制裁の解除の解除というのかな、要は、制裁を解除と言っていたけれどもやっぱりそれじゃできない、制裁の解除はできないということも選択肢としてあるということでよろしゅうございますか。
○国務大臣(古屋圭司君) それは、今後どういう中身が来るかによりますので、ここでそうだと、いや、そうじゃないということを言うのは余り好ましくないというふうに思います。要するに、我々のある意味で手のうちを出していくことになりますので、委員のおっしゃっていることはよく分かります。しっかりそういったことを我々もかみしめた上で、今後の対応をしていきたいというふうに思います。
○白眞勲君 大臣は、これはテレビで、総理は、交渉のための交渉ではなくて、本当に拉致問題を解決するための話だったら堂々と金正恩第一書記と会う用意はあると言っているとテレビでお話しされました。 私も本当そうだと思うんですよ。これ、可能性があるならば総理が行かれても私もいいと思っています。この辺は国民も望んでいるんではないんだろうかなというふうに思いますが、古屋大臣、その辺はいかがでしょうか。
○国務大臣(古屋圭司君) 私、テレビで申し上げたのは、本当に解決のための交渉をするということならば、総理御自身もそれは公の場で、委員会あるいはテレビでも、インタビューでもおっしゃっていますよね。ただし、現時点ではそういう環境にはまだありません。ですから、それはそうではないんですが、総理はおっしゃったのはそういう意味合いであります。我々がそれぐらいまなじりを決して、覚悟を決めてこの拉致問題解決のために政府を挙げて取り組んでいるということであります。
○白眞勲君 終わります。
○委員長(小泉昭男君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(小泉昭男君) 速記を起こしてください。
○藤田幸久君 民主党の藤田幸久でございます。 横田夫妻、またお戻りいただきましてありがとうございます。 先ほど拉致被害者の支援の給付金の延長のお話が出ておりましたが、ちょうど三年前、私、当委員会の委員長をしておりまして、曽我ひとみさんを委員会で訪問をさせていただきました。その際に、曽我ひとみさん始め皆さんの方から延長のお話がございまして、私どもこれは超党派で、中山先生も御一緒でございましたが、延長させていただいたという経緯もございますので、是非、政府関係者及び各党の皆さんにおかれましても、来年の三月という期限がございますので、取り組んでいただきたいということをまず冒頭申し上げておきたいと思っております。 私も、BSフジで古屋大臣のテレビを拝見しておりました。その中で、特別委員会、調査委員会ですけれども、過去の委員会と異なり、当事者能力とマネジメント能力のある人で構成されているというふうに大臣はおっしゃっておられましたが、どんな組織のどんなレベルの方々で構成されていくのかということについてお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(古屋圭司君) 今回の合意では、全ての機関を対象とした調査を行うことのできる権限が付与された特別委員会を立ち上げる、こういうふうになっていますので、私はテレビで、よりコロキュアルに分かりやすいようにそういう発言をさせていただきましたが、言っている中身は基本的に同じであります。 実際、どんな委員会の中の組織とか構成とか責任者が出てくるのか、まだ実際に通知が具体的に来ておりませんので、我々はその内容を見極めた上で総合的な判断をしていくということになると思います。
○藤田幸久君 ただ、コロキュアルといっても、能力とマネジメントという場合には、大体どういう組織のどういうレベルの方々、それが分からなければ今おっしゃった権限付与ということにならないと思うんですが、大体どのような組織のどういう傾向の方々ということだけおっしゃっていただきたいと思います。
○国務大臣(古屋圭司君) 私どもも政府を挙げて、もちろん民主党政権のときも同様だったと思いますけど、北朝鮮に関する情報、インテリジェンスは相当入手をするために努力をしております。 したがって、どういった組織、人間が来るのかということをそういった私どもが入手している情報等々と照らし合わせた上で判断をしていくということでありまして、じゃ、具体的にこういう組織だとか、こういう組織だと、ちょっとそういう具体的なことをこういった公の委員会の場で申し上げるのは控えさせていただきたいというふうに思います。
○藤田幸久君 岸田外務大臣に伺います。 今回、調査の対象は日本人全員ということですが、その中で特定失踪者、日本人配偶者、御遺骨などを含めると膨大な数に上ると思います。これを一年以内に終えるのはかなり難しいと思うんですが、そこで私は、やっぱり生存している拉致被害者の皆さんにまず集中して当たっていただいて、次にほかの日本人の方を対象にするというように、段階的に私は進めていくべきだということを要求すべきだろうと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、調査の終了時点につきましては、現時点で定めているものではありませんが、迅速に措置をとることになっており、拉致問題につながる具体的な成果を得るべく最善の努力をしていきたいと考えております。 調査の具体的な進め方、これにつきましては、今後北朝鮮と協議の中で調整していくことになりますが、今回の合意文書において北朝鮮側は、調査は一部の調査のみを優先するのではなく、全ての分野について同時並行的に行う、こうしたことを確認しております。これは拉致問題が後回しにされるということがない、こういったことをしっかり確認したものであります。この調査が進捗する過程において、随時通報を受け、協議することとしております。そして、調査の結果を直接確認する仕組み、この文書において確認をいたしました。 我が国の主権が及ばない地域で行われる調査において具体的な実効性を確保するために、我が国としまして、こうした仕組みを活用しながら全力で臨んでいきたいと考えております。
○藤田幸久君 同時並行ということと、やはり生存している拉致被害者の方々を加速し、そちらをどんどん進めて、それが分かり次第、また次に展開していくという、そういう意味での同時並行をしながら段階的、そして、古屋大臣も先ほどの答弁で、まず拉致が入口とおっしゃったので、そういう抑揚を付けた、優先的に生存している拉致被害者の方々を特にやっておかれるということを要請することは私は構わないと思うんですが、いかがでしょうか。簡単にお答えください。
○国務大臣(岸田文雄君) 作業につきましては、先ほど申し上げましたように、同時並行的に進めるとされています。その中にありまして、この拉致問題、我が国にとりまして最重要課題の一つであるということ、これは言うまでもありません。是非、我が国のこういった姿勢をその結果に反映するよう努力をしていきたいと思っています。
○藤田幸久君 続いて伺いますが、やはり合意文書で、生存者の帰国を含む去就の問題について日本側と適切に協議とありますが、この生存者という場合には、かつて北朝鮮側が例えば八人死亡というようなふうに死亡としていた人で、実際には生存しているという方も含まれるんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 政府としましては、この安否不明の拉致被害者は全て生存しているという前提に立って、北朝鮮に対しまして、全ての拉致被害者の安全確保、即時帰国、そして拉致に関する真相究明、そして拉致実行犯の引渡しを求める、こういった立場は一貫しております。是非、この基本的な立場に基づいてしっかりと対応をしていきたいと存じます。そして、具体的な成果を上げるべく全力で取り組んでいきたいと考えます。
○藤田幸久君 一方で、先ほど横田滋さんもおっしゃっていましたけれども、前回非常にいいかげんだったという話ございました。例えば、北朝鮮の方が生存者をお骨に変えて引き渡すというようなことが通じないんだと。先ほどはそんな話も出ておりましたけれども、例えば日本のDNA技術というのは、例えばいつお骨になったかというようなことも含めて認定ができるんだと。ですから、前のようなことは通じないんだというようなことをこちらから伝えていくということも重要ではないかと、今度の調査においては、と思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 今回の合意におきましては、調査が進捗する過程においても、北朝鮮側から随時通報を受けて協議をするとしております。そして、この調査の結果を直接確認する仕組みということで、日本側の提起があれば、北朝鮮は、関係者による北朝鮮滞在、関係者との面談、あるいは関係場所の訪問を実現させ、関係資料を日本側と共有する適切な措置をとるとしておりますし、また、北朝鮮側が提起すれば、日本側関係者と面談や関係資料の共有について、日本側としても適切な措置をとっていく、このように、双方向でしっかりと協議をしていく、こういった具体的な対応を文書において確認をしております。 その中にあって、御指摘のように、過去の様々な経緯を踏まえて、我が国として何を求めているのか、どういった方針で臨んでいるのか、しっかり相手方に伝え、具体的な結果を導き出すべく努力をしたいと考えています。
○藤田幸久君 横田御夫妻にお伺いしたいと思っております。 私もこの間、国会内のめぐみさんの写真展、オープニングに行かせていただきました。それから、最近は茨城県の那珂市で開かれました政府及び県主催の集会にもお越しいただきましてありがとうございました。 まず、横田滋さんにお伺いしたいと思いますが、先ほどもおっしゃっておられましたけれども、前回のいろんな問題があったと。そんな中で、今回の再調査に関しては、北朝鮮に何を特に望みたいかということについてお答えいただければ幸いでございます。
○参考人(横田滋君) 前回のときですと、死亡したといっても、それは、八人死亡と言っていましたけど、骨があるのはめぐみ一人だということでした。あとの人はみんなもう、土まんじゅうみたいなものがあったけど洪水で流されてしまった。それから、松木さんだけは、その少し下流の方で骨があったから、もしかしたら混ざっているんじゃないかということで、本人のものとは言わなかったんですが、渡されましたが、それらは全く松木さんのものではなかったというような状態だったわけです。 ですから、我々としましては、めぐみの例に取りますと、一番初めに政府の人のところに持ってきたのは、お母様の写真だということで、約四十歳ぐらいの写真を持ってきました。そして、そのときに北朝鮮は、二十八歳で死亡と言って、後ですぐに二十九歳で死亡ということに直しましたんですが、そんなようなことで、普通なら四十歳の写真なんというのは存在しないわけですけど、そんなものを出してきたり、それから、北朝鮮から直接くれたものはやっぱり、さすがそんな矛盾はしないような若いものだけを持ってきました。 そして、骨を持ってきたときも、夫は、これは自分が病院の共同墓地から持ち帰って、そして知り合いの人と一緒に火葬にしたということですが、それで、それも警察の方が調べたら、もう色が白くて小さく砕いてあるから、恐らく、何といいますか、DNAは鑑定できないだろうと言われたわけですが、しかし、実際に鑑定してみますと別人のものが二種類出てきたということで、ですから、骨の鑑定なんということで向こうが出してきても、必ずしもこれまではきちんとしたものではなかったので、今回からはそういったことは、何といいますか、被害者の立場に立って是非きちんと試料を出してほしいと思います。
○藤田幸久君 ありがとうございました。 それから、奥様にお伺いしたいと思います。 最近奥様が雑誌で語られた中に、今回の交渉は期待半分、不安半分と、それから、この先もただ時間だけが過ぎていくならば日本という国が恥をかくことだけですとおっしゃっておられたのが大変心に響きました。 いつも拝見しておりまして、大変つらい思いをされながら頑張ってこられた、その奥様を精神的に支えてきたものは何なのかということについて、もしお答えいただければ幸いでございます。
○参考人(横田早紀江君) 私は、めぐみを育ててきました。二人の弟も、三人の子供たちを育てましたけれども、本当に元気な明るい子で、私、二人の親の子供としては、とても明るく元気で、そして思いやりがある良い子に育ってくれたと思っております。 そのような大切な子供がこのような恐ろしいことに巻き込まれて、そして三十七年間もまだあちらで、姿も見えない、声も見えない、本当に生きているか死んでいるか、本当のことすら分からない。それでも、元気な子供が一人生まれて、ウンギョンちゃんという元気な、二十六歳にもなった、子供に育っていました。 そういう不思議なこともありますけれども、そのような普通の人間として当たり前のことを、このような国家犯罪として、指令を出して、そして工作員を送り込んで、何の罪もないたくさんの若者たちを日本から連れ去ったままで、家族から引き離し、自分の国の都合のいいように教育をして育てているような国、そのようなことをされて、何でこんなに何年も何年もそのことに対して解決ができないんだろうという、その思いが私は非常に大きくて、親として、私は小さな力しかありませんけれども、私はめぐみを助けたいという一つの思いだけで、そしてたくさんの人が私と同じような、お母さん、お父さん、苦しんでいる人がもっといらっしゃるんだということを思って、日本がこんなことでは大変だと、そのことだけを思って今日まで頑張ってきました。 たくさんの方に支えていただいて、本当に感謝しております。
○藤田幸久君 ありがとうございました。 是非、私どもも応援をさせていただきますので、頑張っていただきたいと思っております。 では、これで質問を終わらせていただきまして、後は有田委員の方に移りたいと思います。
○委員長(小泉昭男君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(小泉昭男君) 速記を起こしてください。
○有田芳生君 民主党・新緑風会の有田芳生です。 今日は、北東アジアに大きな平和を実現するために日朝交渉にどういう課題があるかという点について幾つかお尋ねしたいと思います。 後にも触れますが、今表現しました大きな平和というのは、二〇〇二年に小泉当時の首相が訪朝したときに官房長官をやっていた福田康夫さんが、北朝鮮問題というのを北東アジアの中にどのように位置付けてこれから進めていかなければいけないのかというときに、この大きな平和を実現するということを表現されたので、後ほどこの点についてはお聞きをしたいというふうに思います。 まず、岸田外務大臣にお聞きをします。 先ほどから話題になっております北朝鮮による特別調査委員会の立ち上がりというのは、来週十八日で間違いありませんね。
○国務大臣(岸田文雄君) 特別調査委員会を立ち上げて調査を開始するめどとしまして、約三週間ということにおいて両国間で合意をし、意思疎通を図っている、合意をしていると認識をしております。
○有田芳生君 五月二十九日に発表された日朝の合意文書でも明らかになっており、先ほども少し言及がありましたけれども、当然拉致問題を全面的に解決をしなければいけないんですが、同時に日本人問題を全て解決していくという、その日朝の合意がなされた。その一つの問題として、いわゆる日本人遺骨の問題について、まずお聞きをしたいというふうに思います。 一九四五年の八月九日にソ連軍が日本に参戦をしてきて、旧満州地域にいる人たち、あるいは北朝鮮北部にいる人たちが、これは大変なことになるということで、何万人もの人が日本に逃げようとずっと南下をしてこられました。 例えば、そのとき平壌の第一中学に学んでいた当時十二歳の五木寛之さん、後ほど作家になられますけれども、五木さんが十二歳のときに、ソ連軍が自分の家に入ってきて病気で寝ていらしたお母さんに暴力を振るって、そしてお父さんも五木さんもそれに抗することができなかった、そして結果的にお母様は自ら命を後に絶たれるというような悲惨なことがあった。そういうことも含めて、日本に戻ってきた五木寛之さんの御家族は、五木さん御自身でいえば、十二歳のときのその悲惨な経験を何と五十七年間作品にすることはできなかった、封印してきた。それが二〇〇二年に単行本「運命の足音」というものに著されました。もう二度とそういうことは書かないと、そういう悲惨な経験を例えば五木さんの御家族もなされました。あるいは、作家の新田次郎さん、奥様である藤原ていさんが、「流れる星は生きている」、ソ連軍が入ってきた、逃げなければいけないというんで、中国からずっと南下をして平壌、そして日本に戻ってこられるんですけれども、その作家の新田次郎さんもいろんな多くの作品を書かれましたけれども、北朝鮮での経験というのはほとんどお書きにならなかった。五木さんも書けなかった。 だから、そういう、日本人には余り十分知られていないけれども、悲惨な歴史というものがあったということを私たちはこの機会に見詰めなければいけないというふうに思っております。 そして、まずお聞きをしたいんですけれども、厚労省にお聞きします。今、北朝鮮には日本人墓地というのは幾つあるんでしょうか、そしてまた、遺骨は何体あると確認されておりますでしょうか、その根拠も含めてお示しください。
○政府参考人(古都賢一君) お答え申し上げます。 北朝鮮におきます日本人墓地の数につきましては、旧厚生省が昭和三十八年に編集いたしました「続々・引揚援護の記録」という資料によりますと、七十一か所ということになっております。 また、北朝鮮に残された御遺骨の柱数につきましては、旧厚生省が平成九年に監修いたしました「援護五十年史」という資料によりますと、戦没者概数は三万四千六百人であり、これまでに日本に持ち帰られました御遺骨が約一万三千柱ということになっておりますので、残存している御遺骨の柱数は約二万一千六百柱と推計いたしております。
○有田芳生君 あの混乱の中、お父さんもお母さんもおじいさんもおばあさんも赤ちゃんたちも、ずっと逃げてきた。さっき取り上げました藤原ていさんは当時、五歳、三歳、そして生まれて一か月の女の子を抱えて、お母さん一人で逃げてこられました。そういう悲惨な経験、体験を日本人はする中で、今お話がありましたように、いまだ二万体以上の日本人遺骨が北朝鮮地域に眠っております。 その中でも一番多くの犠牲者が出たのが、平壌の郊外、大体車で二十分ぐらいのところにある龍山墓地というところ、今皆様方にお示ししておりますけれども、資料の中に、平壌駅から、赤く塗ってありますけれども、龍山墓地というものがあります。これ、後に移転をしましたけれども、そこに日本人が二千四百二十一体少なくとも眠っております。当時、悲惨な状況の下で、寒さの中、栄養失調そして発疹チフスが発生する中で多くの人たちが亡くなっていきました。 日本人というのは私は優れたものだなと思いますのは、当時、平壌に暮らしていた、その龍山地域にいた人たちが、当時ですよ、こういうものを作っているんですよ。(資料提示)これ全部、龍山墓地に埋められた方々の日本人一人一人のお名前、二千四百二十一人、これが昭和二十一年の四月四日現在なんですよ。こういうものを当時、本当にあの飢えの中で日本人が作られた、これが戦後日本に持ち帰られているんですよ。 さらに、このお一人お一人の遺体がどこに埋められていたのかと、そのことが分かるように、やはり当時のこういう地図ができているんですよね。一、二とか、イ、ロ、ハ、ニというような数字がありまして、こっちの遺体の、お亡くなりになった方の名簿にやっぱりイとかロとかハとかあるんですよ。だから、この地図とこの名簿を照合すればお墓のどこに埋められているかということが分かるように二千四百二十一人分示された、それが戦後日本に戻ってきた。 ただ、今お話ししましたように、昭和二十一年の四月四日現在ですから、それ以降もお亡くなりになる方がいらっしゃって、恐らく三千人以上の方がこの龍山墓地、一番多くの犠牲者が出たそこに日本人として眠っているという現実があります。 そして、先ほども申しましたけれども、初めあった龍山墓地が北朝鮮側の開発によって、発電所のようなものを造るために移動したんですよね。近くの小高い山、それも資料をお示ししましたように、この写真に出ておりますけれども、ここに日本人の遺骨は移動したんです。大体、小高いこんもりしたところに五体から六体、日本人の遺骨が今でも埋まっているというふうに関係者から聞きました。 この墓地について、やはり墓参をしたい、もう八十、九十になっている方々がいらっしゃいますから、例えば関西地方の九十を超えたある女性なんかは、この墓地に二歳の娘さんが亡くなったので埋葬したと、だけど戦後ずっと墓参りに行くことができなかった。だけど、墓参が最近ちょくちょくありますから、行った方に石でもいいから持ってきてくださいということで、石を持ち帰って、私は行くことができないけれども、行きたいけれども行くことができないので、自分が亡くなったときにはこの娘代わりの小石をひつぎの中に入れてくれという話があるんです。 そのような思いをしている方がいっぱいいらっしゃるんですよ。だから、この事業もやはり戦後残された課題として前に進めていかなければならないというふうに思っております。 そこで、外務省にお聞きをしたいんですけれども、最近、一部報道などで、水面下の情報として、北朝鮮がこの遺骨問題において一体につき二万ドルを要求しているという話がテレビでも、あるいは週刊誌、新聞などでも書かれましたけれども、この間の日朝交渉においてそのような事実はあったんでしょうか。
○政府参考人(下川眞樹太君) お答え申し上げます。 今議員御指摘ございました日本人遺骨の問題は、戦後未解決の重要な人道上の問題であるというふうに認識しておりまして、そのような観点からこれまでも北朝鮮との間で議論を行ってきているところでございます。 こうした議論において、北朝鮮側がこの問題の解決のために金銭を要求してきているということはございません。
○有田芳生君 平壌・龍山会、先ほどのこういう詳細なものを作られた方々の御家族、遺族の方々が、二〇一二年の十月一日に十六人で墓参を果たしました。それ以降も、去年の九月三十日から十人程度の人たちが墓参をしたいという要求を表明しておりましたけれども、国内的な事情で、ここではそれ以上言いませんけれども、墓参ができませんでした。今また十人を超える方々が、もう八十を超えた方々が墓参に行きたいんだというふうに言っておりますけれども、日本側のある事情で墓参が果たせない現状があります。 こうした問題について、今後、外務省は平壌・龍山会などに対して御協力いただくことはできますでしょうか。墓参実現のための御協力ですが。
○政府参考人(下川眞樹太君) 御遺族の方々、関係者の方々による北朝鮮への墓参の時期、場所等の調整につきまして、これまで政府といたしまして直接関与してきたわけではございませんが、北朝鮮に残されました日本人の遺骨の問題につきましては、引き続き人道的な観点から政府として適切に対応していきたいというふうに考えているところでございます。
○有田芳生君 時間の都合でちょっと早めさせていただきたいと思います。 先ほど申しましたように、二〇〇二年に小泉元首相が訪朝を果たしました。そのとき、国際情勢として、やはりブッシュ政権の厳しい対応、そして韓国においては金大中政権の太陽政策、そういう国際的枠組みの中で日朝が進んでいったわけですけれども、私は、そのときやはり小泉さんが日朝平壌宣言に掲げられた、これはもうずっと日本政府が言っていることですけれども、日朝平壌宣言に基づき、そして拉致、核、ミサイルの包括的解決を図り、不幸な過去を清算して、国交回復を目指すと。そこをきっちりと握り締めていたからこそ、北朝鮮側も乗ってきたという側面は否定できないというふうに思うんですよ。 それを、やはり福田当時の官房長官は、大きな平和を北東アジアでつくるためには日本側は拉致問題を解決していかなければいけない、だけど、北朝鮮側にも、やはり北東アジアで核・ミサイル問題を含めて平和をつくっていくために、やはりそこできっちりとした交渉をしていかなければいけないということだったと思うんですが、二〇〇二年小泉訪朝が実現した教訓は何だったと岸田外務大臣は今認識されていますでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 二〇〇二年の小泉総理の訪朝ですが、その際の基本的な考え方に、御指摘の日朝平壌宣言の考え方があります。そして、政府としましても、その後、この日朝平壌宣言にのっとって、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算し、国交正常化を図るべく努力をする、こうした方針は全く変わっていないと認識をしております。 今回の合意の文書におきましても、冒頭で「双方は、日朝平壌宣言に則って、」という文言が加わっております。こうした考え方につきまして、日朝双方によって確認したと認識をしております。
○有田芳生君 古屋大臣も先ほど引用されました五月二十二日の、小泉さんの日朝首脳会談、二回目の、十周年に対する談話の中でも、やはりそこのところが非常にきっちりと位置付けられていると思います。これまでにないと言っては失礼ですけれども、本当に思いのこもった、いい談話だなというふうに思いました。 今外務大臣もおっしゃった、そして古屋談話にもありますように、やっぱり平壌宣言に基づいてあらゆる問題を解決して国交回復に向かうと、ここのところが、最後にお聞きをしたいことは、小泉さんが訪朝して、ずっと歴代政権、野田政権までそのことはきっちりと位置付けられていたんです。第一次安倍政権もそうでした。 しかし、第二次安倍政権になって、例えば施政方針演説あるいは所信表明演説の中でそこのところが抜けているんですね。抜けている。日朝平壌宣言や日朝国交正常化という表現はなかったんですよ。これは何か理由があるんでしょうか。岸田さんとか古屋さんがおっしゃっているということはもう明らかなんだけれども、第二次安倍政権ではそういう表現がなかったのはどういうことなんでしょうか。
○内閣官房副長官(世耕弘成君) 御指摘の総理の所信表明演説あるいは施政方針演説の内容については、内外の諸情勢を勘案して閣議で検討を行った上で、最終的に内閣として決定をさせていただいているものであります。 ただ、第二次安倍内閣でも、安倍総理は、例えば本会議とか衆参の予算委員会の答弁では、当然、日朝平壌宣言に基づきとか、日朝平壌宣言にありますようにと書いておりますし、あるいは、最も重要な安全保障戦略である国家安全保障戦略の中にも日朝平壌宣言という言葉は引いておりまして、先ほど外務大臣も答弁されましたように、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、日朝国交正常化を実現するという北朝鮮との関係に関する政府の方針は一貫をいたしております。
○有田芳生君 もう時間がありませんからやめますけれども、やはり皆さん方はそういうことをずっとおっしゃっていたのは分かっているんですよ。安倍首相の全ての発言を繰り返して確認をしても、やはり施政方針とか所信表明とか、やはり対外的にもアピールするようなところでそこは少し弱いのかなというような気がしたものですから、やはりここは今後、日朝交渉が進む上において落とし穴にならないように、しっかりと日本の立場を表明しながら交渉を進めていっていただきたいと思います。 もう時間ですので終わりたいと思います。ありがとうございます。
○矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。 先ほど横田御夫妻の切なる思いをお伺いして、改めて解決に向けて頑張らねばならないと決意をいたしております。 さて、先日の日朝合意、私も大変驚きました。まさに電撃的であったなと思います。合意に向けて、関係者の方の御尽力、敬意を表したいと思います。 その上で、まず、政府参考人、今日来ていただいておりますが、合意文書作成の経緯、御説明をいただければと思います。 特にお聞きしたい点は、この合意文書、五月二十六日から二十八日のストックホルム会議で一気にまとめ上げられたのか、それとも、三月末に北京で局長級で会議されていたんですが、そこからストックホルムの会議まで二か月間あったわけです、その二か月の間で下準備をした上で草稿としてまとまっていたものが最終的に合意をされたのか、その点も含めて、御意見をいただければと思います。
○政府参考人(伊原純一君) 今回の合意につきましては、五月二十六日から二十八日の政府間協議において、この前の三月の北京における協議も踏まえまして、双方が関心を有する幅広い問題について集中的、真剣かつ真摯に議論を行い、その結果を代表団としては本国に持ち帰って報告をした上で、四大臣会合を受けて、日朝両政府間の合意として確認し、発表に至ったと、そういう経緯でございます。 三月の協議という土台はございましたけれども、基本的には、ストックホルムで二日半にわたって、相当長時間、集中的に真剣に議論した結果が今回の合意であるということであると思います。
○矢倉克夫君 二日の期間で集中的にこのような形で文案をまとめていただいた。その後、政治主導というリーダーシップを発揮された上でこういう合意になったという報道は今確認されたと思います。他方で、まだ事務方レベルでは具体的な詰めはこれからまた更なる課題であるなどというのは改めて伺いました。まさにここからが勝負であるかとは思っております。 ただ、他方、とはいいましても、これまで北朝鮮は、この問題に関しては解決済みだということをずっと言っていた、それを今回、合意という形でまさにこの場に引っ張り出してきたというのは、私は大きな成果であるかと思っております。 それも踏まえまして、外務大臣より、まず、現時点において、日本がこの合意において何を勝ち得たのか、その辺りの御意見をいただければと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、今回の合意におきましては、拉致問題につきまして、拉致被害者及び拉致の疑いが排除されない方々、こういった方々はもちろんでありますが、あわせて、先ほどの質疑にもありました墓参の問題、あるいはいわゆる日本人配偶者の問題等、こうした全ての日本人に関する問題につきまして包括的、全面的な調査を実施する、こういった目標を対象とするということとなりました。そして、それに際しまして、日朝双方がとるべき行動措置について文書の形において明確にお互いの意思を確認することができた。また、先ほども質疑の中に出ておりましたが、この文書の中で、日本人の生存者が発見される場合には帰国させる方向で必要な措置を講じる、こういった一文も明記することができました。 まずはこういった点を確認し、そして調査を行うことになったわけですが、ただ、この調査につきましては、実効性をしっかりと担保しなければなりません。今回の合意は大きな一歩ではあると認識しておりますが、この調査の実効性をしっかり担保し、そして具体的な結果につながるべく、これからしっかり努力をしていかなければいけない、このように認識をしております。
○矢倉克夫君 大臣御答弁のとおり、成果は上げられていると思っております。 ほかにも、例えば、北朝鮮に対して、全ての機関を対象とした調査を行うことができる権限を持った特別な調査機関の立ち上げ、全ての機関ですので、これまで北朝鮮、国内での秘密機関がやったことであるから分からないというような抗弁も言ってきた部分はあったと思うんですが、それに対してしっかりと封殺するような形での合意もできたことはあるかと思います。 ただ、今大臣おっしゃったとおり、これから実効性を上げることが非常に大事。我々の目的をまず考えるのは、あくまで全ての被害者の方が帰還されるということがこの目的である。そこから考えますと、今現時点ではまだやっとスタートラインに立ったということは、あくまで言うまでもないことであるかと思います。 他方、北朝鮮側が今回この合意によって何を得たのか。その部分に関しては、やはり成果の一部、彼らが望むものの一部はやはり手に入れたということは言えるのではないかと思います。例えば、北朝鮮のこれまでの様々な貢献に対して日本が一定程度の評価をしているということ。これは、今現状は北朝鮮は世界各国からもう人権侵害ということでいろいろ非難されている部分があったわけですが、その中で当事者の日本がある程度評価をしたということを北朝鮮はこれからどうやって使っていくのか、そこは気を付けないといけないと思います。 そして、何といっても、経済制裁一部解除という文言がしっかり入ったというのは彼らにとっては大きな部分はあるかと思います。言わば、日本は、まだ種をもらっている状態、この種を植えて本当に大きな木がなって実がなっていくのかというのはまだ分からない状態、ひょっとしたら芽すら吹かないというようなこともあり得る。他方、北朝鮮は、明らかに果実というのを持つ可能性は十分あるという点はあると思います。 ここで確認したいのは、調査開始のみをもって制裁解除に合意した意図はどういう点であるかという点です。調査の開始といいましても、北朝鮮が自ら犯したこの行為についての調査を自らするということ、そういう点では、自らの行為を自ら調べること、これの開始のみで制裁解除を認めたという部分はあるわけですが、ハードルが余りにも低いのではないかというようなお声も当然あるかとは思います。 また、よく引き合いに出されている二〇〇八年の合意において、それと文言を考えてみますと、二〇〇八年の合意においては、この調査というのは生存者を発見し帰国させるための調査、そのような前提でおりました。それに比べて今回の合意は、まだ開始すべき調査というものがどの程度のものなのか、ここからはまだ見えてこない。 もうこの段階で解除という、制裁解除というものを明記をしたその意図について、政府参考人より御意見をいただければと思います。
○政府参考人(伊原純一君) 今委員御指摘のとおり、今回の合意におきましては、政府として、北朝鮮側が全ての日本人に関する包括的、全面的調査を実施するための特別調査委員会を立ち上げ、調査を開始する時点で部分的な制裁解除を行うこととしております。 ただ、この調査を開始する時点というのが、単なるその言葉ではなくて、実際の行動でなければならないというふうに思っております。したがいまして、北朝鮮側は、調査開始前にその特別委員会の具体的な組織、構成、責任者等を日本側に通報するということを今回約束しております。 政府としては、こういった情報を十分把握して、具体的な結果が得られるように取り組んでいきたいと思っておりますし、我が方が制裁解除をするに際して、そのようなきちんとした調査が開始されるということを見極めた上でこれを行っていきたいというふうに思っております。 それから、二〇〇八年の合意との比較について御指摘がございましたけれども、今回、二〇〇八年のときとは違って、合意の中に、拉致問題については、日本人の生存者が発見される場合には、その状況を日本側に伝え、帰国させる方向で去就の問題に関して協議し、必要な措置を講じるということが明記されておりまして、この点は、二〇〇八年の合意よりも、より具体的な今後の対応として北朝鮮にはっきりとこの点を確認したということは一つの成果であるというふうに考えております。
○矢倉克夫君 何をもって開始する時点というか。先ほども確認したとおり、これからこの合意も、詰めもしていかなければいけない段階であると思います。しっかりと厳密に確認をいただければと思います。 肝腎なのは、やはり相手方に余り簡単に果実を与えないことである、特に、相手方が満足するような十分過ぎる果実をやはり与えてしまわないということではあるかと思います。向こうが十分に満足してしまえば、もうそこでそれ以上進めるモチベーションは当然なくなってしまうわけでありますので、その点で、制裁解除の具体的内容についてお伺いしたいんですが、例えば人的往来の制裁措置、このような形で解除の内容として今書かれていますが、これの内容についてはまだこれから詳細は詰める余地はあるのでしょうか。そうであれば、例えばその人的往来というのも、全ての人間という形で、その前提で議論するのではなく、やはり部分的に段階的に、往来ができる人の人的要素というのをこれから段階的に解除していくというやり方もあるかとは思っております。 また、ついでに申し上げると、同じく解除の中で、人道目的の船舶入港の禁止について述べられておりますが、人道目的の船舶の入港かどうかというものはなかなかこの判断が難しい。これをチェックがしっかりしないと、結局抜け穴になってしまうというようなこともあるかと思います。この辺り、どのようにチェックをされていくのか、今後の方針をまたお伺いしたいと思います。
○政府参考人(伊原純一君) まず、人的往来につきましては、今回の規制解除によって二〇〇六年七月五日以前の方針に戻るということになりますけれども、その手続の具体的な詳細につきましては、今後関係省庁間で調整をしていきたいというふうに考えております。 それから、人道目的の北朝鮮船舶の入港禁止措置の解除の実施のための手続の詳細につきましては、これは基本的には、二〇〇八年の当時、相当限定的にしか認めないという話はしておりましたけれども、こういった点を改めて関係省庁で調整をしていくということになると思います。 いずれにしましても、ここでいう人道目的が指す内容については、食糧、衣料、医薬品を中心とする生活・衣料物資を想定しているというところでございます。
○矢倉克夫君 人的往来範囲、以前に戻るというところでありますが、安易に広げ過ぎないように、そこはしっかりとまた協議もいただければと思います。また、人道目的も、これから国土交通省等ともまた連携を組むんですが、手続的なところもしっかりときっちりと監視できるような体制を是非よろしくお願いいたします。 とはいえ、北朝鮮が今までの態度を変えてきた、本当に僅かな契機かもしれませんが、見えてきたという部分は何らかのシグナルではないかとは思っております。 外務大臣にお伺いしたいんですが、北朝鮮がこのように軟化をしてきた背景、様々言われております。中国との関係が悪くなってこの四か月間、原油も止められている、そういうような中国との関係が、今まで後ろ盾だった中国との関係が悪くなって、何とか局面を打開したいというところでより寄ってきたというような部分もある。また、経済制裁がやはり効いてきたというような部分もある。 そのような外部要因が彼らを追い込んだというような意見もある一方で、北朝鮮の中で何か動きがあるんじゃないかというような意見もあるかと思います。例えば、李秀勇外相が就任をされたわけですが、元々、金正恩第一書記の腹心だったからというような部分での意見もあれば、やはりスイス大使を務められたぐらい国際感覚豊かな方が、そのような方が入ったことで何らかの国内の中でもいろいろ状況があるんじゃないかというような御意見もある部分ではあります。 その辺り、外務大臣、今、北朝鮮の中での情勢をどのようにお考えか、御意見をいただければと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、北朝鮮のこの内部の動向につきましては、政府としまして絶えず大きな関心を持ち、注視し、そして分析をしてきております。ただ、公の場でこの北朝鮮の内部の動向について、あるいはこの背景について申し上げるというのは控えなければならないと考えます。 ただ、御指摘の中国との関係につきましては、経済関係を含めまして、北朝鮮、中国と密接な関係を現在でも引き続き持っております。中国が国連の常任理事国の一国であるということ、あるいは六者会合の議長国であるということ等を考えましても、この朝鮮に対して中国が大きな影響力を持っているということは間違いないところであると考えております。 そして、李秀勇外務大臣の就任についてでありますが、李秀勇外相、本年、最高人民会議において就任したということ、もちろん承知しておりますが、この動向につきまして引き続きしっかり注視はしたいと存じますが、具体的に私の立場からコメントすることは控えさせていただきたいと存じます。
○矢倉克夫君 引き続きよろしくお願いいたします。 古屋大臣にお伺いしたいんですが、この拉致問題の解決、これは大臣も常々おっしゃってくださっているとおり、特定失踪者を含めた全ての被害者の帰還である、このように、私も全くそのとおりであるかと思います。 それで思い返されたのが、昨年七月の閉会中審査で藤田隆司さんが発言されていたこと、これは藤田進さんの弟さんのお言葉ですが、東京都内の大使館五十か国以上を回って驚いたと、どこの大使館も拉致問題について非常によく理解はしているんですが、特定失踪者のことは全く知らなかったと。進さんのことを話すと驚かれるし、こんなにいるのかと改めて事の重大さを再認識したと。 その後、大臣の御尽力等もありまして、先ほども話もありました横田めぐみさんの写真展、各国大使もどんどん来た、その場で特定失踪者というのがいるんだということも更に皆様理解もされたと。当時の状況に比べれば、拉致被害者というのはもっと大きくいっぱいいらっしゃるんだと、政府認定の方だけではなくて本当に多くの人がいるんだということが世界各国でも知れ渡るような状況になってきたと思います。やはり、こういう点での国際世論を味方に付けていく、情報戦というのは非常に重要であるかと思っております。 大臣より、今後引き続きどのように各国に対して、この拉致被害というのはこれだけ大きなものなんだということを発信されていくにはどのようになされるおつもりか、取組を、御意見をいただければと思います。
○国務大臣(古屋圭司君) 今委員御指摘のように、一昨年ですか、藤田さんがジュネーブ訪問をして、実際に拉致の疑いを排除できない事案、いわゆる特定失踪者、国連関係者でさえもほとんど認識していなかったんですね。私は、その話を聞いて大きな危機感を持ちました。だからこそ、私どもは、国際社会、そして国連に対して北朝鮮の拉致問題という一つの象徴的なテーマでしっかりとした決議をしていただく必要があるだろうということで、国際社会に働きかけて、政府を挙げて、外交チャンネルも駆使して、結果的にCOIの決議ができたんですね。各政党にも大変御尽力をいただきました。私は感謝改めて申し上げたいというふうに思いますが。 これによって、やっぱり北朝鮮は何百人にもわたる拉致をしたということが知られることになったんですね。カービーさんの、あのカービー委員会のレポートにも百人単位の数字が出ています。こういった国際社会の圧力というのが、北朝鮮が結果として今回の合意をせざるを得なかったというところにつながっていると思います。北朝鮮からすれば、我々は拉致問題も含めてそういった対応をしますという姿勢を見せざるを得なかった。だから、今度は、そういう意味で、総理の決断によってドアをこじ開けたということは、本当に解決に向けての一歩を踏み出した。 何度も申し上げるように、しかし、これからが本当に胸突き八丁の交渉であります。それは、二国間の交渉だけではなくて、世界に対しても今後もしっかりアピールしていく必要があります。国際社会に、政府が主催をして昨年度からやっている取組を継続してやっていく、あるいはジュネーブとかワシントンとかニューヨークとか含めて取組をしていく、こういったことは当然必要でありますので、引き続きしっかりやっていきたいと思います。 一方では、やっぱり国内の啓発ですね。これも極めて重要でございますので、是非各党におかれましてもそういった国内の啓発活動に対して全面的なお力添えをいただきたいと。このことが北朝鮮に対する圧力につながります。 御承知のように、北朝鮮は、意外なことなんですが、本当に細かい情報を気にしていますよ、彼らは。ですから、今日、この委員会でどんな議論をしているかということも恐らく彼らは全部キャッチしているでしょう。そういう意味では、私たちが強い情報発信をしていくということが極めて大切だと思います。 引き続き、この安倍内閣の下で拉致問題を解決をするために、担当大臣として全力を尽くしてまいります。
○矢倉克夫君 全ての方の帰還のために、私も全力で頑張りたいと思います。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。 ありがとうございました。
○井上義行君 みんなの党の井上義行でございます。 今日は、まさに古屋大臣が言った、もうオールジャパンでこの拉致被害者全員を取り戻す、これが我が国の方針だと私は思います。ですから、今日は厳しい意見も言うかもしれませんけれども、建設的な意見だということで受け止めていただきたいというふうに思います。 私は、今回の合意の中で調査委員会ができて制裁を解除するというのは、少し早かったのではないかというふうに思います。なぜなら、この拉致というのは、主権を侵されて、そして殴られて袋詰めされて、そして連れていかれた。本来であれば、現状に戻すのが当たり前なんですね。なのに、彼らはしてこなかったから制裁を掛けたわけですよ。ですから、調査をしただけで制裁を解除するというのは、私は非常におかしいという強い思いがあります。しかし、今回の合意を得て風穴を開けたわけですから、これをてこにして、北朝鮮から全員が早く帰国をしていただきたいというふうに思います。 なぜそのようなことを言うかというと、私もこれまで、安倍総理大臣とともに、もう十何年この問題を扱ってきました。北朝鮮にも極秘で訪朝したこともありますし、あるいは拉致問題をやっているときに、二〇〇四年、小泉総理が金正日から白紙に戻して調査をするという約束をして、そして日本調査団が北朝鮮に行く。ところが、北朝鮮は何をしたかといえば、青い紙を赤い紙に変えただけだったり、あるいはいろんな、そのめぐみさんの死亡の状況も、たしか二〇〇三年というふうなことを言っていたのが、二〇〇四年まで生きていたじゃないか、こう言ったら、あっさりとそれを認める。非常にいいかげんな調査だったということを非常に克明に覚えています。 ですから、私は、長いこの拉致被害者の帰国というストーリーの中に今回の調査があるということであれば、私はいいと思うんですね。ところが、先ほど古屋大臣が申し上げた、ここからだ、ここからだという意味が、いわゆる全体のストーリーの中で、まあ北朝鮮も突然拉致被害者をぽっと帰すわけにいかないから、調査をして、調査をした格好をして拉致被害者を帰すというならいいんですけれども、これから調査をして交渉が始まるということになると、これは北朝鮮が時間稼ぎをする可能性も十分あるわけですね。 例えば、宋日昊大使は早速日本に対して牽制を掛けているわけですね。朝鮮総連の建物の話や、あるいは、包括的な範囲で合意がなされたのであるから、できる問題から行動に移し、関係改善の雰囲気をより高めなければならない。つまり、彼が言おうとしているのは、我々はできる問題からやる、そして日本というのは、できる問題、制裁解除をどんどんどんどんしなさいよ、そして雰囲気をどんどんどんどん高めて、そしてやっていきましょうよというふうに聞こえるんですね。 ですから、私は、是非この調査におきましては、いろんな重要な事項が日本の課題としてはあります。しかし、北朝鮮人権法等にあるように、この拉致問題というのは特別な重要な事項なんですね。国の主権を侵されて、そして拉致をされたという重要な問題だからこそ北朝鮮人権法等というものを作って、それを帰国させるのは国の責務だということをうたっているわけですよ。 ですから、今回の調査において拉致問題を優先に扱うべきだということを強く北朝鮮側に伝えたのかどうか、局長、事実関係をお願いいたします。
○政府参考人(伊原純一君) 委員御指摘のとおり、今回は、北朝鮮は拉致被害者や拉致の可能性が排除できない人を含む全ての日本人に関する包括的、全面的な調査を実施するということで合意をしたわけですが、私ども、こういう議論の中で、まさに今委員がおっしゃったとおり、様々な日本人に関わる問題はあるけれども、拉致というのは日本にとって特別に重要な問題なんだと、したがって、包括的だからといって拉致の問題が後回しされたりほかの問題でお茶を濁すと、もうそういうことがあってはならないということは強く指摘をしております。 実際、今回の合意文書の中にも、調査は一部の調査のみを優先するのではなく、全ての分野について同時並行的に行うと、こういうことを明記した趣旨は、都合のいいところだけ進めて拉致を後回しにするようなことは許されないということを確認した結果としてこういう文言になっているということでございます。
○井上義行君 まさに局長の力強い答弁をいただいて本当に頼もしいというふうに思いますので、これからも是非北朝鮮に対して、拉致問題というのはもう特別な問題だということを強く迫っていただきたいと思います。 そこで、古屋大臣、先ほど北朝鮮がこの委員会を見ているということもおっしゃっておりました。拉致問題が後回しにされた場合、元の制裁に戻す、更に制裁を強化するということを是非明言していただきたいと思います。
○国務大臣(古屋圭司君) 今回の合意の背景は、やっぱり二〇〇八年当時とは大きく変わっているんですね。もうこれ委員御承知のとおりですよ。ですから、今までと同じようなことをして、不誠実な対応、偽りを告げる、こういうことをしたら、もう北朝鮮は立ち行かなくなりますよ。もうこれは彼らもよく認識しているはずであります。 ですから、今度の合意がしっかり履行されていく、着実に履行されていく、彼らがそれがなければ、ある意味で今度が北朝鮮にとっても最後のチャンスなんですね。だから、これを履行していくことが何よりも大切なんです。恐らく、このことを北朝鮮も聞いているでしょう。ですから、私は強くそれを申し上げたいというふうに思います。それなくして、私たちは、拉致問題の完全解決、すなわち全ての拉致被害者の帰国なくして、もちろん国交正常化はないし、支援をするということもないわけでありますから、これだけははっきり我々は押さえた上で今後のこの胸突き八丁の交渉に臨んでいきたいというふうに思います。
○井上義行君 今の発言ですと、拉致問題を後回しにした場合には制裁は元に戻すよ、北朝鮮に対してもっと圧力は掛けるよという意思の表れだというふうに受け止めさせていただきたいと思います。 そこで、今回の報道によりますと、特別委員会の立ち上げに三週間ぐらい掛かると、そして調査期限は一年くらいということを、たしか官房長官の記者会見ですかね、おっしゃったと思うんですが、合意文書の中には具体的な三週間、一年というものは書いてないんですが、どういうような根拠からこの三週間あるいは一年ということが出てきたんでしょうか。
○政府参考人(伊原純一君) 今委員御指摘の最初の三週間程度、調査の開始について三週間程度、これは合意文書の中では具体的な措置については速やかにという言葉になっておりますけれども、この速やかにというのは約三週間だということはストックホルムでの協議の場で北朝鮮と話をしております。もちろん、三週間きっちりということではなくて、三週間ぐらいを目途に調査を立ち上げ、日本側も措置をとると。 ただ、一年という二つ目のお話につきましては、まだ北朝鮮との間で具体的にどのぐらいのめどでこの調査を終了させるかということについて十分協議を行ってはおりません。これは、だらだらといつまでもやっていたらいいという話ではもちろんございませんから、今後の協議の中でそういった目標を設定していく必要はあると思いますけれども、北朝鮮と何らかの合意をした目標期限があるということでは現時点ではございません。むしろ、官房長官は官房長官としてのお考えを述べられたというふうに理解しております。
○井上義行君 そうすると、いよいよ来週にこの三週間がやってくるわけですけれども、通告はしておりませんけれども、外務大臣、来週、三週間目に当たりますが、いろんな水面下の交渉をしていると思うんですね、今、重要な局面だと思いますが、今、山登りでいくと大体何合目ぐらいだというふうな認識をしていますでしょうか、外務大臣、お願いいたします。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、来週が三週間程度のこの時期に当たると認識をしております。今回の合意におきまして、北朝鮮側は特別調査委員会の立ち上げを約束し、そして一方、我が国の方は北朝鮮に対する措置の一部の解除、これを確認したわけですが、こうした合意に向けて今現在は関係省庁との間において調整を行っている、こういった段階であります。 そして、来週、この三週間程度という時期を迎えるに当たりまして、まずは北朝鮮側からこの特別調査委員会の組織、構成、責任者、こういったものを明らかにするということになっております。まずはそれをしっかりと確認したいと存じます。それを確認した上で、我が国としてしっかり見極めを行い、我が国の措置を実行するということになると考えております。 こういった段取りにつきまして、我が国としましても万全の準備をしていきたいと考えています。
○井上義行君 ようやく安倍総理がこの風穴を開けた、この風穴を全て開けて、そして解放に向けて動いていただきたいと思います。 そして、最後に、古屋大臣から、拉致被害者、そして先ほども話のありました特定失踪者、こうした方々が全て帰国をする、それまで日本というのは一切支援というものはないんだということを是非決意の下にお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(古屋圭司君) もう我々の目指す究極は、拉致、核、ミサイルを包括的に解決をして国交正常化を目指すということでございまして、この北朝鮮に対する例えば経済的な支援、協力というのは当然国交正常化の後でございます。 今どの段階かというと、要するに、まず拉致問題について交渉が始まったということなんですね。先ほど委員もおっしゃったように、ドアが開いたということなんです。これから、何度も申し上げているように、胸突き八丁の交渉が始まります。しっかりそれを見極めて、そして私たちは一歩一歩確実に拉致問題解決に向けて取り組む、そして全ての拉致被害者を取り戻すために全力を尽くしていく、これに尽きると思います。
○井上義行君 是非、全ての拉致被害者、特定失踪者の方々が帰るまで我々の闘いは終わらないというふうに思います。 そして、最後にもう一つだけお伺いしたいんですが、今回の合意事項の中には平壌宣言という言葉は載っているんですが、多分そこでミサイル、核の問題が言及されているとは思うんですけれども、今回、そのミサイルと核という問題が、要は今回、人道上の問題だけに終始したということを思っているんですが、当然アメリカとかその話になると、平壌宣言ができたときにまだ北朝鮮は核実験をやっていなかった、しかしその後、核実験をして国連による経済制裁が行われたということもありますので、最後に一言だけ局長に聞きたいんですが、今回の交渉の中でこうした核問題が議題に上がったかどうかだけ最後にお答えを願いたいと思います。
○政府参考人(伊原純一君) 北京での協議もそうですが、今回のストックホルムにおきましても、日本側から核、ミサイルの問題の重要性について大変強く明確に北朝鮮側には主張をし、申入れをしております。
○井上義行君 是非この問題を解決して、家族が本当に抱き合うまで我々の闘いは終わらないということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。 まず、今回の日朝政府間協議と合意の評価について伺います。 我が党は志位委員長の談話で、これは拉致問題などを解決する上で重要な前進の一歩である、我が党は、北朝鮮が合意を確実に実行するよう強く求めるとともに、日朝双方の行動により、拉致被害者の帰国の実現を始め、日朝平壌宣言で合意された諸懸案が前進することを願うものであると述べました。 そこで、岸田外務大臣、古屋拉致問題担当大臣は今回の合意についてどのように評価されているか、伺いたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 今回の日朝政府間協議の結果、全ての日本人に関する包括的かつ全面的な調査を実施すること、これが約束をされました。そして、北朝鮮側が、全ての機関を対象とした調査を行うことができる特別の権限を有する特別調査委員会を立ち上げること、さらには、この調査の過程において日本人の生存が発見された場合には、その状況を日本側に伝え、帰国させる方向で去就の問題に関して協議し、必要な措置をとる、こういったものを文書でしっかり確認した次第であります。 こうした日朝双方がとるべき行動措置について文書の形で明確にお互いの意思を確認をできた意義は大きいと思っていますし、これは大きな一歩であると認識をしております。 是非、今後とも、この調査、我が国の主権の及ばない地域において行われる調査が実効性をしっかりと確保できるということをしっかりと担保しなければいけません。そして、具体的な結果を得るべく全力で取り組んでいきたいと考えています。
○国務大臣(古屋圭司君) 安倍政権は、安倍総理御自身が強い決意の下、この拉致問題解決をするというこの姿勢、一貫しています。 いろんな取組してきました。そして、今回はこういう形で合意をしたと。総理もいつも言っているように、チャンスがあればしっかりそれを捉えて前進をすると、このまずスタートラインに立ったということだと思います。これからまさしく胸突き八丁の交渉が始まります。私も全力で頑張ってまいりたいと思いますが、まずは、この調査委員会、どんなのが立ち上がるか、組織とか人とか、こういうものをしっかりまず見極めるということですね。 やっぱり、ここまである意味では北朝鮮が合意をせざるを得なかった背景は三つあると思いますよ。一つは、やっぱり政権が安定している、厳しいスタンスを取る議員が内閣総理大臣であるということ。二つ目、国際社会の圧力。三つ目、やはり金正恩という若い指導者に替わっていると。こういったものが背景にあると思いますが、しっかり私ども、政府を挙げて、それを是非オールジャパンで、この問題解決に向けて、全ての拉致被害者の帰国に向けて全力を尽くしたいと思います。
○山下芳生君 日朝合意文書の冒頭に「日朝平壌宣言に則って、」とされているのが重要だと思います。拉致問題と併せて、核、ミサイル、植民地支配の清算などを包括的に解決するという平壌宣言の立場で進めることが鍵だと考えますが、外務大臣の認識、いかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 政府の基本的な方針ですが、日朝平壌宣言にのっとって、拉致、核、ミサイル、こうした諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算し、国交正常化を図るべく努力をしていく、こうした方針につきましては一貫しており、全く変わっておりません。 そして、今回のこの合意文書の冒頭に「日朝平壌宣言に則って、」というものを明記し、これを日朝双方においてしっかりと確認をしたということであります。是非、こうした確認した基本的なこの方針に基づいて、しっかりと結果を出すべく努力をしていきたいと考えております。
○山下芳生君 次に、拉致問題の包括的で全面的な調査について伺います。 今回の日朝合意文書では、北朝鮮側は、過去北朝鮮側が拉致問題に関して傾けてきた努力を日本側が認めたことを評価し、従来の立場はあるもののとして、調査を包括的、全面的に実施し、全ての問題を解決する意思を表明したとあります。 伊原局長に伺いますが、この努力を日本側が認めたことを評価し、それから、従来の立場はあるもののという意味について説明いただけますか。
○政府参考人(伊原純一君) 今委員御指摘の部分は、非常に重要な合意文の箇所でございます。北朝鮮は、事あるごとに拉致問題は解決済みだという立場を今まで表明して、したがって、これ以上やることはないとか、やるべきことは全部やったとか、そういう立場を取っていた。ここを改めさせて、日本側がこれまでも求めてきたような全面的な調査に踏み切らせる、そのためのやり取りの中で今委員御指摘の文章は作られたということでございます。 したがって、従来の立場はあるもののという、ここでの従来の立場というのは、拉致問題は解決済みとしてきたこれまでの立場はあるもののという意味でございますし、そこにある意味持っていくために、私ども、これまでの北朝鮮のやってきた調査の結果を受け入れたり評価したりしたことはありませんが、北朝鮮は北朝鮮として努力をしたということをある意味でアクノリッジ、英語で言いますと、するということで、彼らが従来の立場はあるものの、全面的な調査をするということを受け入れたと、そういうことでございます。
○山下芳生君 次に、特別調査委員会の設置について伺います。 日朝合意文書では、北朝鮮側は「特別の権限(全ての機関を対象とした調査を行うことのできる権限。)が付与された特別調査委員会を立ち上げることとした。」とありますが、外務大臣、これはどういう意味でしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 過去の調査におきましては、特殊機関の存在がこの拉致問題の真相究明に大きな障害になってきた、こういった経緯があったと認識をしております。こうした経緯を踏まえまして、御指摘の特別な権限という部分ですが、北朝鮮側が特殊機関も含めた全ての機関を対象とした調査を行うことが必要であるという観点から、こうした権限が付与された特別委員会を立ち上げる、こういった合意に至った次第であります。 今申し上げましたような経緯を念頭に、是非この特別調査委員会に実効性を与えるためにこういった文言を加え、双方で一致したという次第であります。
○山下芳生君 今の御答弁にも関することですが、北朝鮮は十年前にも、政府から必要な権限を与えられた調査委員会を立ち上げて、特殊機関を含む関係機関も調査対象にした再調査を行ったわけですが、伊原局長、どういう結果になりましたでしょうか。
○政府参考人(伊原純一君) 当時のいわゆる白紙に戻しての再調査というものについて、日本政府としての評価は、北朝鮮側の結論というのは客観的に立証されておらず、我が方としては全く受け入れられないというものであったわけです。また、前回の調査は、北朝鮮側は、特殊機関が関与した事案であるとして満足な回答を行わなかったり、あるいは特殊機関の関係者であるので面会は実現できないなど、特殊機関の存在が真相究明にとって大きな障害になっているということが我が方の評価としても明らかになっております。 したがって、今回全面的調査をするに当たっては、私どもとしてはこの点が非常に重要である。すなわち、今回の特別調査委員会というのは、こうした特殊機関についてもしっかり調査ができる権限を与えられたものであることが重要であるということで、今回は文書にこの点を明記させたということでございます。
○山下芳生君 もう一度確認的に聞きますが、前回調査では、先ほど外務大臣から御答弁あったように、北朝鮮の特殊機関の存在が真相解明にとって大きな障害となっていることが明らかとなったと日本側の報告書ではされております。 二点確認したいんですが、特殊機関は今も存在しているのか。それから二つ目、全ての機関を対象とした調査を行うこと、当然この中に特殊機関も調査対象に含まれているのか。いかがでしょうか。
○政府参考人(伊原純一君) 北朝鮮のそのいわゆる特殊機関について、これまで北朝鮮側からその具体的な内容について説明を受けているわけではございません。 ただ、今回私どもから何度も強調したのは、全面的な調査というのは、やはり全ての機関、その全ての機関の中には、特殊機関も含まれるこの全ての機関を対象とした調査でなければならないということを主張し、その結果として今回のような合意文に至ったということでございますので、この全ての機関の中には当然に特殊機関も含まれているというふうに考えております。
○山下芳生君 非常に大事なポイントだと思うんですが。 私たち日本共産党は、拉致問題の真相解明と解決のためには、北朝鮮側の交渉当事者並びに調査の責任者については、拉致問題の全容を知っており、問題の解決に責任を負うことができ、その権限を持った人物が当たらなければならない、こう考えております。要するに、きちんとした権限を持った人物が調査の責任者であり、日本側との交渉の当事者でなければならないと考えておりますが、外務大臣、この点の御認識いかがですか。
○国務大臣(岸田文雄君) これから開始されます調査の実効性をしっかりと担保する上においても、御指摘の点は大変重要なポイントであると認識をしております。 まず、調査が開始される前に、北朝鮮側から特別調査委員会の組織、構成、責任者、これが明らかにされ、我が国に通報されるとされています。これをしっかりと確認し、見極めた上で、我が国の対応も進めていきたいと考えております。
○山下芳生君 残り時間で核問題について伺います。 今回の日朝政府間協議で、日本側からは、北朝鮮による核・ミサイル開発及び地域・朝鮮半島の緊張を高めるような挑発行動について、北朝鮮の自制を求め、日朝平壌宣言や関連国連安保理決議、六者会合共同声明等を遵守するよう求めたとされておりますが、伊原局長、相手側の反応はどうだったんでしょうか。
○政府参考人(伊原純一君) 今委員御指摘のようなその日本の立場については、今回の協議の際も明確に北朝鮮側に我が方の立場を伝え、それから申入れを行いましたが、こういう外交上のやり取りですので、北朝鮮側の発言の一つ一つを具体的に御紹介することは差し控えたいと思いますが、北朝鮮側からは、核・ミサイル開発を含む安全保障問題に関する北朝鮮の従来の立場を繰り返していたということでございます。
○山下芳生君 G7の首脳宣言でも、我々は北朝鮮の核及び弾道ミサイル開発の継続を強く非難するという文言が入っております。そして、二〇〇五年九月の六者会合共同声明の下での約束を完全に遵守するよう要請する。もちろん、国連安保理決議の下での義務ということも入っております。 外務大臣、こういう立場、非常に大事だと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 我が国としましても、日朝平壌宣言にのっとって拉致、核、ミサイル、諸懸案を包括的に解決していく、こういった方針で取り組んでおります。 そして、特にこのミサイル、核につきましては、御指摘のように様々な国際場裏におきまして問題が指摘をされ、そして取組が確認をされております。 また、拉致問題につきましては我が国が主体的に取り組まなければならない大変重要な課題だと認識をしております。 いずれにしましても、米国、韓国を始めとする関係国としっかり連携をしながら、こうした諸懸案を包括的に解決するべく、我が国としても全力で取り組んでいきたいと存じます。そして、その大きな一歩が今回のこの日朝政府間協議の合意でなければならないと考えています。全力で取り組んでいきたいと考えます。
○山下芳生君 終わります。
○中山恭子君 日本維新の会・結いの党の中山恭子でございます。 昨日は、政府・与野党拉致問題対策機関連絡協議会、開催していただきまして、ありがとうございます。 今日は、今回の日朝の合意の中で、日本人拉致問題についてお伺いいたします。 今回のこの日朝協議の合意、これは一体何を意味するだろうか、これからの拉致問題をどのような形に持っていくことになるんだろうか、今回の合意についてその意味をずっと考えておりますと、今回の合意の中で、幾ら読みましても、そこに拉致被害者に対する国家の責任の念、救出しなければとの真剣な思いが伝わってまいりません。総理始め拉致関係閣僚の皆様が全ての拉致被害者を日本に連れ戻そうと真剣に活動してくださっている、そのように考えてくださっているということ、また、担当の公務員の中にも真剣にそのように考えて動いている方がいる、そのことはよく承知しております。ただ、今回の合意がその方々の思いと余りにも懸け離れている合意であるということを非常に心配しております。その意味で、あえて質問いたします。 これまでにも、この委員会で多くの委員の方々からお話が出ました。調査委員会が立ち上がり、調査を開始する時点で、日本が北朝鮮にとっている規制措置を一部解除するということになっております。ただ、これは余りにもアンバランスな合意とはっきりと申し上げたいと思います。やはり、行動対行動の原則に従って、これまでにもお話がありましたが、北朝鮮が例えば拉致問題について何らかの具体的な行動を取る、その段階で規制解除をする、又は厳格な法執行の措置についても検討するということであれば納得できますけれども、調査を開始しますという言葉に対して日本側が規制を解除するという行動を取るということはあってはならないことだと考えております。 古屋大臣、先ほど御自身でおっしゃられました大臣談話の中で、北朝鮮側が前向きな措置をとるのであれば我が国も対応する、措置をとると、具体的な措置が必要だということをおっしゃっていらっしゃいましたが、当然のことだと思いますが、この合意ができた以上、調査を開始するということイコール何らかの具体的措置が必要なんだという形で問題を進めていただけないかと思いますが、この点についてどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(古屋圭司君) 昨日の与野党拉致問題連絡協議会の中でも、御党から五項目にわたる御提言、そして、ある意味で私どもの合意に対する意見が付されてまいりました。私は、そういった意見を出していただけるということは非常に健全だと思っていますし、むしろ歓迎を申し上げたいというふうに思います。 確かに、そういう委員がおっしゃるような懸念が一〇〇%ないかといったら、そうではないと思います。しかし、ずっとここで否定し続けては、一歩も前に進むことができない。だからこそ、ドアをこじ開けると。最終的に一番この拉致問題解決のために熱い思いと覚悟をしている総理自身がその決断をされました。この決断を非常に私は重く受け止めております。 その上で、例えば、今の委員御指摘のように、私が十周年に際しての談話を発表させていただきましたけれども、ここでも、やはり具体的な行動対行動の原則に基づいて、その行動がなければ、いかなる人道支援、制裁解除もしませんと、しかし一方で、そういった具体的行動があるならば、国連の制裁以外の我が国独自のとっている措置を段階的に解除することは排除しませんと、こういうふうに言っております。 ですから、今回は、どういった組織が立ち上がって、どういったメンバーになってくるのかということが全くまだ通知をされていません。先ほど岸田大臣も答弁をされましたように、それをしっかり見極めた上で今後の対応をしていくということに尽きるというふうに思います。
○中山恭子君 今回の合意を読みますと、裏のルートがどのようなルートで、別の約束があるかどうか、これはちょっと分かりませんけれども、この合意文書を読みますと、二〇〇二年の平壌宣言を成立させたときの日本側の考え方、つまり北朝鮮との国交正常化をすることが日本政府の仕事であり、その目的達成のためには拉致被害者が犠牲になっても致し方ない、この考え方が今回の合意の基底に入っていると言っても過言ではないと考えております。それを大臣、閣僚の皆様で何とか阻止をして、拉致問題、全ての拉致被害者を帰国させるということが国家としての仕事であるということを明確に打ち出していただきたいと考えております。 今、古屋大臣おっしゃいましたように、具体的な何らかの措置がない限り、この制裁措置というのは、北朝鮮が日本人被害者を帰国させるという決断をする、それを、決断を迫るためにとっている措置でございますので、今回の合意では北朝鮮側が全ての被害者を帰国させるという決断があったとは考えられませんので、今後の動きの中で、そういった決断をしたという動きが見て取れる、それを見極めることができるような、例えば北朝鮮側が被害者の名簿を提示してくる。これは、被害者の名簿というのは日本ではなかなか難しい。古屋大臣は八百六十人とおっしゃっていますが、これを特定できますのは北朝鮮でしかないということですので、北朝鮮が持っている名簿を必ず日本側に提示する、そういった具体的な行動がない限り、制裁措置を解除するということは言葉対行動になってしまいますので、行動対行動という原則を貫いていただきたい。名簿の提出を強く要求する、これが交渉であろうと考えております。 今回の交渉のこの合意については、北朝鮮としては非常にやりやすい合意であっただろう。外務省の皆様が非常に努力していらっしゃるということはよく存じておりますけれども、日本側として、交渉するのであれば、名簿を提出するように言うこと、それから、発見したときには、人定確認の上、直ちにそのメンバーを日本に帰国させる。 これは、拉致については原状復帰というものが当然のこととしてあります。北朝鮮の中で被害者の去就について検討するということは決してあってはならない。必ずその拉致された現場に戻すというのが当然のことでございますので、その点も、この合意事項にではなくて、国際法上も、通常の考え方からも当然のことを、北朝鮮側に帰国させるということを要求していただきたいと考えております。この点について、岸田大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず最初に、御指摘いただきましたように、我が国としましては拉致問題解決なくして国交正常化はあり得ないというこの基本方針の下に、全ての拉致被害者の方々の安全確保とそして帰国、そしてこの拉致の実態の真相解明、そして拉致実行犯の引渡し、これをしっかりと求めていく、こういった方針については全く変わりがないと考えております。 そして、この調査につきましては、しっかりと実効性を確保しなければなりません。調査に当たりまして、この実効性をしっかり確認するための日本の関与につきましては文書の中で具体的に示しているわけでありますが、より具体的な部分につきましては日朝間で協議をしながら確認をしていくことになると存じます。 しっかりとした成果を、我が国の主権の及ばない地域におけるこの調査に実効性を与えるために、しっかりと我が国としましても北朝鮮側に求めるものは求めていかなければならないと考えております。御指摘の点等も念頭にしっかりと対応していきたいと考えます。
○中山恭子君 古屋大臣、名簿の提出などの要求について、それがなければ制裁措置の解除はしないというような、調査の開始と名簿の提出というのは同時期と考えてよろしいかと思うんですが、その点、いかがでいらっしゃいますか。
○国務大臣(古屋圭司君) 私どもは、今、岸田大臣が答弁させていただいたように、全ての拉致被害者を取り戻すことなんです、これが目的なんです。そのための交渉が始まっています。 したがって、その交渉の中でどういう対応をしていくかということは、あらゆる情報とそしてあらゆる要素を総合的に判断をして対応をしていきます。ですから、今委員がおっしゃったことも一つの考え方でありましょう。そして、そのほかのいろんな考え方もありますので、総合的に私たちは勘案して、ゆめ間違っても、今まではどちらかというと北朝鮮に不誠実な対応を常に取られてきたというのが現実ですよ。ですから、今回、北朝鮮はやはり譲歩するものはほんのちょっぴり、取るものは山ほどというのが彼らの言わば常套手段ですから、そういうことは絶対に今度はさせてはならない、それは通用しないということをしっかり分からせる協議をしていくことが大切であります。そういった気持ちに立って私も頑張ってまいりたいと思います。
○中山恭子君 日本側からしっかりした要求を北朝鮮にしていく、今その要求を通せるチャンスであると考えておりますので、きちんとした、バランスの取れた要求を貫いていただきたいと思っております。 また、今回のこの合意があったということで、これは言葉にしたくないことではありますが、この合意された内容に基づいて北朝鮮がつくる、何人か帰して、それで終局ということを北朝鮮が想定して、その局面に合わせた状況をつくり出すということすらあり得ると考えております。 北朝鮮は、日本のDNA鑑定技術に関する情報収集を精力的に進めているという情報があります。もちろん大臣も御存じのことと思います。また、欧州のある国ではDNAは識別できても死亡時期までは判定できない、その火葬の温度は何度かといったようなことを調べているという情報もございます。 日本のDNA鑑定技術は世界一であるということを是非主張して、被害者の身の安全確保に努めていただきたいと思いますが、一言だけお答えいただいていいでしょうか。お二方から。
○国務大臣(古屋圭司君) もう時間来ているようですから。 私の二十二日の談話ではっきりそれを記しているんです。エキスだけ申し上げます。 一時的なポーズを取って時間稼ぎをしても実利の獲得にはつながらない。拉致被害者の存在を隠匿することで拉致問題の終息を図っても、日朝関係を取り返しの付かない状況に追い込むだけ。御家族に死亡を納得させたり、関係者を離間させたりすることによる問題風化の試みも一切通用しません。こうした策動により拉致被害者の無事帰国を求める日本国民の声を収拾することは不可能です。 これが私たちの強い、北朝鮮に対するメッセージであります。
○中山恭子君 ありがとうございます。強い態度でしっかりとした対応を、要求もしていただけたらと思います。 ありがとうございました。
○委員長(小泉昭男君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時三十六分散会