法務委員会 第25号
- 発言数
- 92 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2014/06/19
会議録
○委員長(荒木清寛君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、三木亨君及び長峯誠君が委員を辞任され、その補欠として森まさこさん及び石井準一君が選任されました。 ─────────────
○委員長(荒木清寛君) 戸籍法の一部を改正する法律案を議題といたします。 発議者前川清成君から趣旨説明を聴取いたします。前川清成君。
○前川清成君 おはようございます。 ただいま議題となりました戸籍法の一部を改正する法律案について、発議者を代表いたしまして、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。 平成二十五年九月四日、最高裁大法廷は、民法第九百条第四号ただし書のうち、嫡出でない子の相続分を嫡出子の相続分の二分の一とする部分は憲法違反であるとの決定を下しました。この決定を受けて、政府から、当該部分を削除する民法の一部を改正する法律案が提出され、成立したところであります。 ところで、戸籍法には、出生届書に嫡出子又は嫡出でない子の別を記載すべきものとする規定が存在しております。 そもそも、戸籍法は、実体法である民法によって決定された身分関係を記録する手続法たる位置付けにあります。民法改正により、嫡出子と嫡出でない子の区別のうち最も重要である相続分の区別をなくすのであれば、手続法たる戸籍法についても改正すべきであります。また、現在、子の出生に伴う戸籍に関する事務の処理において、出生届書に嫡出子と嫡出でない子の別を記載させることは便宜上のものに過ぎず、不可欠の要請ではないことは、平成二十五年九月二十六日の最高裁判決も認めているとおりであります。 こうした事情に鑑みれば、同判決の補足意見も述べるように、出生届書の記載の仕方という子本人の意思では左右し難い事情に起因して子自身に種々の不利益や不便さが生じる事態は確実に避けるべきであり、したがって、嫡出でない子の権利の保護を図る観点から、出生届書において嫡出子又は嫡出でない子の別の記載を不要とするべきであります。 そこで、戸籍法第四十九条第二項第一号の規定のうち出生届書に嫡出子又は嫡出でない子の別を記載すべきものと定める部分を削除するため、この法律案を提出した次第であります。 以下、その概要について御説明申し上げます。 第一に、出生届書の記載事項から嫡出子又は嫡出でない子の別を削除することとしております。 第二に、施行期日について規定するとともに、所要の関係法令の整備を行うこととしております。 以上がこの法律案の提案の趣旨及び内容であります。 なお、さきの臨時国会におきまして、議員立法により、本法律案と同内容の法案が、本委員会において可決されております。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。 以上でございます。
○委員長(荒木清寛君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 ─────────────
○委員長(荒木清寛君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 会社法の一部を改正する法律案(第百八十五回国会閣法第二二号)外二案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務省民事局長深山卓也君外二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(荒木清寛君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(荒木清寛君) 会社法の一部を改正する法律案(第百八十五回国会閣法第二二号)、会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び会社法の一部を改正する法律案(参第一〇号)を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○小川敏夫君 民主党の小川敏夫でございます。 これまで何回かにわたって特別支配株主による株式等売渡し請求について質問してまいりました。私の方は、強制的に取り上げるということの趣旨に疑問を呈するとともに、強制的に買い取られた少数株主に対する代金の支払が確保されていないのではないかという点について指摘させていただきました。 これについて、私が問題としている趣旨は受け止めていただいたというようなたしか御答弁をいただいておりますが、では、何かその中で、政令としてできる範囲で対応したいようなお話も、この委員会での答弁か、あるいは委員会の質疑に先立つ打合せの際にお話しいただいたことがございました。 では、具体的にどういうようなそうした手だてを考えているのか、これを説明いただけますでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 小川委員とはいろいろこの問題について議論をさせていただきました。 それで、株式売渡し請求につきましては、集団的、画一的な株式の移転というキャッシュアウトの本質的な要請といいますか、それに応えることから、株式の移転と代金の支払を同時履行とはしていない、そこに問題が伏在しているのではないかという委員の御指摘でございました。 できる限り売渡し株主への代金不払という事態が起こらないように、制度としては相応の配慮をしていると考えております。その中心となるものが株式売渡し請求についての対象会社の取締役ないしは取締役会の承認でございます。そこで、株式売渡し請求の承認に際して、取締役は善管注意義務に基づいて判断するわけでございますが、特別支配株主から通知を受けた事項そのほかの取締役が把握した情報に照らして、対価の交付の見込みといったことも含めて株式売渡し請求の条件や内容が適正なものであるかどうかをチェックしなければならないことになるわけでございます。 委員から、売渡し株主への代金支払を確保すべきであるという御指摘をいただいたことも踏まえまして、対象会社の取締役が対価の交付の見込みを確認することを法務省令で担保することを検討しております。 具体的には、対象会社が売渡し株主の閲覧に供する事前開示事項というのがございますが、この事前開示事項として、特別支配株主から売渡し株主に対する対価の交付の見込みを定める方向で検討しております。これによりまして、対象会社の取締役ないし取締役会は、対価の交付の見込みも確認した上で株式売渡し請求を承認するかどうかを判断して、これを承認した場合には、対価の交付の見込みを売渡し株主に対して開示するということが明らかとなってくると、こういうことを今検討しているところでございます。
○小川敏夫君 資金確保の手段ですか、これについて、裏付けとしての確認の書類ということを提出させるということでありましたが、仮に、特別支配株主がそうした書類を提出しないとか、あるいは虚偽の事項を記載した書類を提出したというような場合には、そうするとこれは省令違反になると、このような構成なんでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) そういうことだと考えております。
○小川敏夫君 そうすると、省令違反であるから、これは法令違反として、この手続の取りやめ請求でしたか、取消し請求でしたかの対象、あるいは違法で無効の対象ということになると、こういうような構成でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) そういうことで結構だと考えております。
○小川敏夫君 そういう方策を取ることは有益であることは認めますが、私の気持ちとしてはまだまだ不十分というふうに思っておりますが、そのほかには何かまた政令で対応する点はあるんでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほど、対価の交付の見込みを定めるとしておりますが、もう少し具体的に申しますと、対象会社の取締役が確認いたしますのは特別支配株主から売渡し株主に対する対価の交付の見込みでございますから、対象会社の取締役は、特別支配株主の資金確保の手段だけではなくて、その負債の面も含めまして、特別支配株主が売渡し株主に対して対価を交付するということが合理的に見込まれるかどうか、これを確認しなければならないと、こういう仕組みにしたいというふうに考えているわけでございます。 それで、具体的には、資金確保の手段としては特別支配株主の預金残高証明書であるとかあるいは金融機関からの融資証明書等々、それから特別支配株主の負債については特別支配株主の貸借対照表等を確認することが想定されるわけでございます。もっとも、特別支配株主が法人でありますならば今のような手段がございますが、自然人ということになりますと、対象会社の取締役は特別支配株主に対して聞き取り調査等々の手段を取りましてその財産状況を確認するというようなことになると考えられます。 それから、その聞き取り調査等を踏まえた対価の交付の見込みに関する事前内容の虚偽があると考える売渡し株主は、そのことを理由として売渡し株式の取得の差止め請求をすることができるようになると、そういうような手だてを講じるということではないかと思っております。
○小川敏夫君 今大臣から、対象会社の取締役の確認義務ということを中心にしてお話しいただきましたが、そうすると、取締役の確認義務というのは、その確認義務を怠ればそれは取締役の少数株主に対する善管注意義務を怠ったと、このような構成と考えてよろしいわけでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) おっしゃるとおりでございます。
○小川敏夫君 これもそういう手だてがあることは有益であると思っておりますが、だからといって、それで私が指摘した懸念が全て解消されたわけではありませんということを指摘させていただきます。そのことについての議論はもうこれまでに多々行っておりますので、ここでは具体的には述べませんが。 ただ、大臣、どうでしょう、この問題について言わば最後にお気持ちをお尋ねいたしますけれども、結局、この法が施行されて、この売渡し請求が運用された段階で、私は、どの程度の数になるか分からないけど、間違いなく、売渡し株主が株を取られたけどしかし代金は取りっぱぐれたという例が生ずると思うんです。将来、そういうことになってしまった売渡し株主から、何でこんな法律を作ってくれたんだなどという抗議を聞いた場合、大臣としてはどのように説明されますか。
○国務大臣(谷垣禎一君) これは繰り返しになりますが、委員はずっとそのような御懸念を表明されてこられました。 それで、先ほど来申し上げましたように、現状でそういう事態を回避するための手段というものは相当取り入れていますし、先ほどのような法務省令というのも、そういった事態を回避するには私は有益だろうと思います。 その上で、将来どういうことが起こってくるかということは全部これは分かりませんが、実際のどういう事例が起こってくるかということを我々も注視していなければならないと思います。その上で、委員がおっしゃったように、あるいは少し制度的な不備と申しますか、そういうものがあり得るとすれば、その状況に応じましてまた必要な措置を、手当てを検討するということもあり得るとは存じます。
○小川敏夫君 全くちょっと別のことについて質問させていただきます。 石原環境大臣が、いわゆる中間貯蔵施設ですか、廃棄物の、これについて、最後は金目だというような発言をして、関係住民のお気持ちを逆なでする、国民の大変な信頼を損ねているような発言があったんですが、これについて、大臣は同じ閣僚の一員としてどのように捉えておられるでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私は、石原大臣がおっしゃったこと、詳細な事実関係というのはよく承知しておりません。報道で拝見するというのを超えないわけでございますが、若干舌足らずといいますか、そういうところがあったことは否定できないのではないかと、こういうふうに思っております。 舌足らずな表現であった、誤解を招いたということは御自分でおっしゃって、そこは謝っておられるということでございますが、私ども、やはりこういう大きな災害が起こりまして、非常に被災地の、何というんでしょうか、いろんな意味でのトラウマというようなものも当事者はお持ちだと思います。そういうことにも我々は思いを致して仕事をしなければいけないのではないかと。 他山の石と言ってはいけませんが、そういうことを私どもも肝に銘じたいと思っております。
○小川敏夫君 今の質問は冒頭にした方が位置付けが良かったようにも思いますが、またこの会社法の方に移らせていただきます。 今度は、法案の中身の問題というよりも、この法律の規定の仕方という面で質問をさせていただきますが、先般、同僚の前川委員からも、この法律の規定の仕方が非常に分かりにくいというような指摘がありました。文章の中に括弧が何重も出てくるという、非常に分かりにくいという指摘がありましたが、私も非常に分かりにくい。 そもそも、法律というのは国民に対して適用するわけですから、それを読んだ人がすぐに分かるような条文じゃなくちゃいけないと思いますし、あるいは、もっとグローバルな考え方としまして、国際取引が増えてくると、国際取引において、我が国の法律を準拠法とするのかあるいは取引相手の国の法律を準拠法とするのかということで、非常に大きな利害が絡むわけです。そうしたときに、我が国の法律が、読んだだけではちょっと分からないような非常に分かりにくい法律ということは、これは準拠法を我が国の法律にするという面でマイナスになるのではないかというふうにも思います。私は、そういう面で、法律というのは読んだらすぐ分かるような、そうした記載をすべきだと思うんですが、そうした観点から質問をさせていただきます。 ちょうどこの条文の例として挙げるのはまた株式等売渡し請求なんですが、例えばこの百七十九条であります。括弧がしこたま随分あって分かりにくいんだけど、その中で、例えば株式会社の総株主の議決権の十分の九、これ括弧を除きますと、以上を当該株式会社以外の者及び当該者が発行済株式の全部を有する株式会社その他これに準ずるものとして法務省令で定める法人が有している場合における当該者をいうというんだけど、何かさっぱり分からないですよね。 これ、民事局長に答弁いただくと、要するにこれは株主が自分一人で九割以上持っていなくちゃいけないという規定なんだというふうに説明をいただきましたけれども。どうなんでしょうね、この文章の書き方、この当該株式会社以外の者というのは、要するに当該株式会社が持っている株式は別だというんだから、会社の自己株式は除くという意味ですよね。だから、自己株式を除くというんだから、この当該株式会社以外の者というのはこれは自己株式を除く全ての株主をいうわけで、それから、「及び」の以下の当該者が発行済株式の全部を有する株式会社その他これに準ずるものとして法務省令で定める法人というのは、もう少し分かりやすく言えば、その株主の完全子会社ということを言っているわけですよね。 それを要約すると、まとめますと、株式会社の総株主の議決権の十分の九以上を当該会社以外の者及びその完全子会社が有している場合における当該者をいうと、こういうふうになるんだけど、そういうふうにやってみてもよく分からないですね。「及び」の前、だからこの読み方、国語的には、株式会社の総株主の議決権の十分の九以上を有している株主は誰でもと。「及び」というこの言葉の意味が、その完全子会社ということを意味するのかどうか、非常に分かりにくいんですが。 これちょっと、この法律の構成、どういうことを想定して、どういう場合であるのか、どういうふうに読むのか、ちょっとここを説明していただけますか。
○政府参考人(深山卓也君) 今御指摘のあった百七十九条の一項ですけれども、しかも、その特別支配株主の後に書いてある括弧、これいわゆる括弧定義という、言葉を定義した部分です。 これは、まさに今委員御指摘のとおりだと私たちも思っているんですが、株式会社の総株主の議決権の十分の九、括弧は除きます、読みにくいので、以上を、その会社自身以外の者ですから、自己株式を持っているその会社以外の普通の株主さんのある人と、そのある株主さんの一〇〇%支配会社が持っている。つまり、十分の九を誰が持っているかというと、ある株主さんと、その株主の完全支配をしている子会社が十分の九を持っている場合のそのある人をいうんだと、こういうことです。
○小川敏夫君 説明を聞けば、ああ、そういうことですかという気もするけれども、法律でも専門家でもない人がすすっと読んで何か分かるような文章とはちょっと思い難いんですが。 例えば、株主の数を言いますと、帳簿閲覧権がありまして、百分の三以上を持っている株主はこの帳簿閲覧権があると書いてあります。そっちの場合、百分の三を持っている株主はという場合には、それは一人の株主じゃなくて、株主をたくさん合わせて百分の三になればいいということに解釈されていますけれども、こちらの方は十分の九を寄せ集めちゃ駄目なので、一人の株主が持っていなくてはいけないと、こういう規定だとあるわけです。 じゃ、その違いをこの条文の中でどういうふうに読んだらそれが理解できるのか。私はなかなか条文を読んでもすぐには理解できないんですけれども、どういうふうにそれを読むのか、これをまた説明していただけますか。
○政府参考人(深山卓也君) これ、先ほど少し私が言ったものの続きで申し上げますと、この括弧書きの中で書いてある議決権の十分の九以上をある株主さんとその株主さんが一〇〇%支配している会社が持っている、その場合のある株主さんのことをいうと、こういうことですので、この「当該者」ですね、条文でいえば、これがそういう言葉を用いているところである株主さんを指しているんだと。複数の寄せ集まりではなくてある株主さんを指しているということが、読んでそういう意味であるということが分かるということと思います。
○小川敏夫君 法律立案者のプロがそういうことだということで、そういう趣旨で記載したんでしょうから間違いはないと思いますけど、ただ、先ほど言いましたように、やはり法律というものは読んだらすぐ分かるような条文になっていないと、私はやはり国民に対して不親切というか、誤解を招く部分があるのではないかという観点からお尋ねしたわけです。 だから、こんな難しい書き方はしないでもっと分かりやすく、じゃ、特別支配株主というのは、会社の自己株式を除いて、それ以外の株主が自ら、若しくはその株主の子会社も含めていいから自ら十分の九を持っている者をいうんだというふうに、私が今言葉で分かりやすく説明させていただいた、そういう分かりやすい言葉で法律の条文というものは作れないんでしょうか、私は作れると思うんだけれども。 何か、法律のプロの世界だけで、いろんなルールを分かっている人が記載して、分かればいいよなんというふうに陥っちゃって、国民に対して分かりやすい、あるいは海外の人から見てすぐに分かりやすいような条文の作りになっていないんじゃないかと、こんな観点で指摘させていただきました。もうこれは答弁いただいても議論になりませんけれども、是非、これからもいろんな場面で出てくるでしょうから、すぐ国民が読んで、法律のプロでもなくて普通の一般市民が読んですぐ分かるような、そういう文章になった法律作りというものを是非心掛けていただきたいと思います。 これは、私の言いたいことも、大臣、賛同していただけますですよね。
○国務大臣(谷垣禎一君) もう委員のおっしゃるように、法律というものはやはりプロが読まなきゃ分からないというのではいけないので、一般の国民に読んでいただいて分かるということが大事だと思います。 委員もそうでいらっしゃると思いますが、私ども、まだ会社法が商法の中身として規定されている時代に勉強したわけでございますけれども、当時から商法は民法の条文等に比べると若干複雑、技術的で分かりにくい面はあったにせよ、現在の会社法はまた格段に難しくなっているというのは、私も実感をするところでございます。 やはり、厳密を期すということもそれは一方で必要なことだと思いますが、余り分かりにくいのはいかがかと。それから、やっぱり一度そういう複雑な条文になりますと、その体裁に合わせて次の条文も書かれるということもどうもあるのではないかと。ちょっとそういう、何というんですか、一度そういう複雑な条文ができてしまうと、それが自己増殖をすると言うとちょっと言葉が過ぎるかもしれませんが、そういう面もなきにしもあらずではないかという気もいたしております。 委員が先ほどから御指摘のように、特にこういう商事取引なんかがグローバル化してまいりますと、他国の方にも理解していただかなければならないという面もございます。ですから、英訳等をどういうふうに工夫していくかということも考えなければいけないと思いますし、自己増殖というような言葉は法務省の事務方が使った言葉ではございませんで、私が読みながらちょっとそういうことを感じたものですから、できる限り今後分かりやすい表現を工夫していくということを心掛けさせたいと私も思っております。
○小川敏夫君 当委員会も、この通常国会では一番最後の質疑の日となると思います。 それで、また谷垣大臣と質問の機会がいつ持てるか少し分からないところがありますので、一つだけちょっと復習的に、復習というのは仕返しをする復讐じゃなくて勉強を復習する方ですけれども、質問をさせていただきますが。 私が、三月の当委員会で土地家屋調査士さんについて、この制度についてまだ国民の認知度が低いのではないかと、ですから、これについてより国民に制度の趣旨を周知するような手だてを法務省としても努力をしてもらいたい、したらどうかという趣旨で質問をさせていただきましたところ、大臣からも前向きに取り組むというような答弁をいただきました。 それで、一年ぐらいたってから聞くのがいいんですけれども、取りあえず、大臣といつ質問できるか分かりませんので、三か月たった今の時点で、前向きに取り組むと言ったことについてどのような取組をされていたのか、この取組内容について説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 三月でしたか、委員とそういう議論をさせていただきました。 私も委員と同じように、法務省を所管しておりますと、不動産表示に関する登記の代理権、あるいは登記所備付け地図の作成に関与と、非常に登記制度を支える、我が国のもう非常に大事なインフラであります登記制度を支える大事な専門家集団であるというふうに思っておりますが、なかなか、司法書士さんの方がもう少し国民の理解は進んでいると思いますが、まだ十分御理解が行き渡っているというふうには言えない面がありますので、法務省としても引き続き努力をしなければならないわけですが。 この前御答弁した以降でございますと、今年の三月末に、土地家屋調査士会の連合会で土地家屋調査士白書というのをお作りになりました。それで、これは土地家屋調査士に関する様々なデータを一般国民に公開することによって制度の周知を図っていこうという狙いで作られたものでございますが、その発刊に当たりましては法務省もいろいろ必要なデータ等を提供する等々の協力を行ってまいりました。 それから、今年十一月に日本土地家屋調査士会連合会主催で、土地境界紛争が起きない社会という名前で一般国民向けの公開シンポジウムが行われるわけでありますが、そこにも法務省の職員がパネリスト等々として参加させていただくということを予定しております。 まだあれ以来御報告できるのはその程度のことでございますが、引き続き土地家屋調査士会といろいろ御相談しながら、周知徹底といいますか、啓蒙活動を図っていきたいと考えております。
○小川敏夫君 是非、具体的成果が出るような取組をしていただきたいということを述べさせていただきまして、私の質問を終わります。
○真山勇一君 日本維新の会・結いの党、真山勇一です。 今月、今の時期は各会社の株主総会が行われているというふうに伺っています。今回のこの会社法の改正というのは、大変大事な、会社にとって本当に基本法と言われているぐらいですから、大事な改正がたくさんあるんじゃないかと、ですから、株主総会をしている企業の方も大変この会社法の改正を気にしながらやっているというようなことも話で伺っております。横目でにらみながら、株主総会で株主にはいろいろ説明をしているということではないかと思いますけれども、それほど大事なこの今回の会社法の改正なんですけれども、分かりにくいという話が出ておりました。私も実はそういう印象を持っています。 今回のこの会社法改正について、趣旨説明、もちろん読ませていただきました。それから、改正のポイント、こうしたもののまとめもあります。いただいたものを目を通しました。ですけれども、やっぱりいま一つよく分からない。今回の改正というのが一体誰のための改正なのか、何のための改正なのかという辺りがどうしても、何かぼんやりしていてうまくつかめないんですね。 この辺をどう考えればまずいいかということで、私、今回、会社法のこの質問初めてなので、まず、よく分からない、何のため、誰のためという辺りのことで伺いたいのは、この今回の改正で目指す基本理念みたいなものは何なのかということからお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、現行の会社法は平成十七年にできまして、その翌年、十八年の五月から施行されているわけでございますが、この中で、会社法におけるいわゆるコーポレートガバナンス、これに関する規律につきましては、経営者からの影響を受けない社外取締役の機能を活用するなどして取締役に対する監査、監督の在り方を見直すべきではないかというような御指摘がずっとございました。そして、この指摘の背景には、日本の企業は十分なコーポレートガバナンスが行われていないのじゃないか、このことが外国企業と比較して日本企業の収益力も低くしているし、株価も低迷している原因なのではないかと、主として内外の投資家といいますか、主として欧米等々の投資家からそのような不信感があるということが今まで議論をされてまいりました。 それからもう一つは、我が国の会社法制では親子会社に対する規律の在り方が十分整備されていないのではないかという御指摘もございまして、平成十七年の会社法案の国会審議に際しましても附帯決議で、親子会社関係に関する取締役等の責任の在り方等、いわゆる企業結合法制について検討を行うことという附帯決議がなされているわけでございまして、そういう必要性の整備は継続的にずっと指摘をされておりました。 ですから、今申し上げたことをまとめますと、一つは、コーポレートガバナンスを強化してコンプライアンスの強化あるいは企業経営の効率性を図るということが一つでありますし、それからもう一つは親子会社に関する規律を整備していこうと。 それで、結局何を目的とするかというお問いかけでございますが、こういう改正をいたしまして日本企業に対する内外の投資家からの信頼を高めていこうということでございますが、この信頼が高まれば、日本企業に対する投資も促進され得る、それから日本経済の成長にひいては寄与してくるだろうと。 ですから、会社法の改正は、会社やそれを取り巻く利害関係者というだけではなくて、もちろんそういう方を対象としておりますけれども、そういう利害関係者だけではなくて日本経済の成長であるとか国民全体の利益に資する、そういうことを狙って今回の改正を行うと、こういうふうに私は考えております。
○真山勇一君 経済のグローバル化の中で日本の企業が世界に受け入れられるために、遅れているところがある、そういう辺りを是非改正していきたいというようなことではないかというふうに思うんですが、そして、この改正で日本の経済の成長につなげていくという目的があるというふうなことだというふうに伺いました。 そうすると、やっぱり日本のこれまでの会社法ではその辺りが十分でなかったのでしょうか。どこにそうすると問題というのがあったのか。それから、海外の投資家、そうした人たちへの逆に言えば説明が不十分だったということもあるのではないかと思うんですが、その辺りはどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今回の議論の背景には、幾つかの企業で不祥事が起こったというようなことが背景にあるだろうと私も考えておりますが、制度からいいますと、内外の投資家の不信感がよって来るゆえんは、主に上場会社の大多数が監査役会設置会社という形になっております。それで、私は率直に申しますと、こういう監査役制度というものも相当日本の法制度の中で今まで議論をして改良を積み重ねてきて、全くこの監査役ではコーポレートガバナンスができないというようなことではなく、相当工夫されてきたものであるというふうに私自身は思っているんです。 しかし、聞いてみますと、監査役というのはほかの国ではほとんどない、日本独自の制度と言ってもいいと。そういう中で、言わばコーポレートガバナンスを高めるために、こういう言葉が適切かどうか分かりませんが、独自の進化を遂げてきたというところがございまして、よそから見ると、あれは一体何なんだと、機能や役割が理解されにくい、それから、いわゆるボードメンバーになっておりませんので、業務執行者の選定、解職に関する権限を有していないから十分機能しないんだと。海外の投資家から見ますと、コーポレートガバナンスの仕方として分かりにくかったと。かなり制度としてはいろいろ整えてきたんですけれども、そういう独自の進歩で、外から見たのでは分かりにくいという面も私はあったんだろうというふうに思います。 そこで、こういう社外取締役をより活用するという方向にして、そのような誤解を取るようにしなきゃいかぬと、こういうことですが、そういう制度的な改正と同時に、今委員がおっしゃいましたように、日本会社法制の特色というようなものも、これは十分に、余り独自であり過ぎるというのは問題もありますが、またその独自性も十分私は説明していく必要があるんだなということを強く感じております。
○真山勇一君 監査役というのが言わば日本独自の、日本の特色だということを伺ったんですけど、ちょっとここで整理をさせていただきたいんですけれども、今の現行法の中での会社の組織というのは、私の理解では二つのタイプに分けられる、二つの組織に分けられる。一つは監査役会設置会社、大臣もおっしゃいました、それからもう一つは委員会設置会社というのがあるというふうに伺っています。この二つに、今回改正で新たなまた組織の在り方が加わってくるんですが、これが監査等委員会設置会社というふうに理解しております。 取りあえず、ちょっと整理をさせていただく上、そして、大臣の方から今、今回この改正が目指すところはコーポレートガバナンスと、それからもう一つは、それに関わることで監査役とか社外取締役ということなので、今の現行法であります会社の組織、監査役会設置会社と委員会設置会社というのがあるんですが、これ、今の上場会社ではどちらに、組織を持っている会社というふうになるのかどうか、その内訳、それからもう一つは、社外取締役などは置いてあるのかどうか、この辺りの実際の具体的な数字をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(深山卓也君) まず最初の方の、監査役会設置会社とそれから委員会設置会社の割合ですけれども、東京証券取引所の上場企業二千二百七十五社のうち九七・八%、もうほとんどですけれども、九七・八%が監査役設置会社で、委員会設置会社を採用している上場企業は二・二%、具体的な数は四十九社にすぎないものと承知しています。ちなみに、基準時は平成二十四年の九月十日現在です。
○政府参考人(氷見野良三君) 後段についてお答えさせていただきます。 東証が六月十七日に公表いたしました最新の調査によりますと、東証一部上場企業で社外取締役を選任する企業の割合は、二〇一〇年時点では四八・五%と半数を下回っておりましたが、二〇一三年八月末時点では六二・三%、さらに本年六月十六日時点では七四・二%にまで増加しているものと承知しております。
○真山勇一君 今の数字見ますと、まず監査役会設置会社の方が圧倒的にほとんど、九七・八%ということで、委員会設置会社、もう一つのタイプは二・二%しかないということで、そしてその中で、そうすると、日本の企業の形というのは監査役会設置会社であり、そしてあと社外取締役を置いている会社というのが、今の数字ですと、このやっぱり十年余りの間に大変増えてきているということが言えるのではないかというふうに思うんですね。 そうすると、何というんですか、企業の全体的な大きな流れの中では、海外が求めている、あるいは海外が注目している社外取締役を置くべきだという、そういうふうな一つの流れで大きく日本の企業も変わってきているんではないかというふうに思うんですが、そこへ、ここで今回新たに監査等委員会設置会社というのを三つ目の会社の組織の在り方としてつくるということなんですけれども、今までのこの二つの会社の組織の在り方のどちらかでもこうやって海外から求められているような会社の変化というのはできてきているんですけれども、なぜ新たなこの監査等委員会設置会社というのを今回つくらなくちゃいけないのかということと、それから、そうなると、前のこの二つの組織のうちでも十分機能しているんではないかというような印象も受けるんですけれども、その辺りはどういうふうにお考えなんでしょうか。
○政府参考人(深山卓也君) 今御指摘のとおり、監査役会設置会社と委員会設置会社では、圧倒的な大部分が監査役会設置会社の状況です。委員会設置会社につきましては複数の社外取締役の必置になっておりますので、ごく少数ですけれども、委員会設置会社については社外取締役は既に複数いるというのが前提です。 大部分の監査役会設置会社については、少しずつ社外取締役の選任の割合は増えておりますけれども、ただ、監査等委員会設置会社で社外取締役を導入する際に一つ問題になるのは、上場会社の監査役会設置会社については社外監査役が複数名設置することがまた法律上義務付けられていますので、既に社外の役員が二人社外監査役という形でいて、さらに社外取締役と、もう一人あるいは二人社外の人を来ていただかなくちゃいけない。ここに重複感があったり、人材の確保の点で難しい点があると、こういうような指摘がございました。 そこで、今回の監査等委員会設置会社は、社外取締役を最低二人以上置くことが要件ではありますが、その反面で、監査役会の設置が必要がないということになっていて、今必ず二人置いている社外監査役を置く必要がない、こういう形にして、この重複感を解消して、監査役会設置会社からこちらへ言わば移行していただくことによって社外取締役の導入を推進しようと、こういう狙いでございます。
○真山勇一君 移行ということが狙いというふうに今伺いましたけれども、私は、その移行するのも狙いでしょうが、監査役会設置会社でも十分に社外取締役を置くということが数字の上でも随分出てきているというわけなんですが。この辺り、そうすると、このままでは、あと残りが何%ですか、七四ですから、あと社外取締役を置いていない会社が上場企業に関していえば二六%ぐらいということなんですが、この監査役会設置会社ではもうこのまま進まないというふうに考えていらっしゃるのか、新しくできたこの監査等委員会設置会社の方へスムーズに移行して、こちらの方が目指す一〇〇%により近い数字になってくるのかというふうな見込みを持っておられるのかどうか、その辺りを聞かせてください。
○政府参考人(深山卓也君) 今回の改正法案で設ける監査等委員会設置会社は、委員御指摘のとおり、三番目の類型の機関構成でございまして、もちろん、それを選択するかどうかは各会社の御判断ということになります。 ただ、ですから、今、二五%程度いる社外取締役が一人も置かれていない上場企業について、監査等委員会設置会社を選択していただくという選択肢を増やすことによって、自らの選択でそちらに行くという会社がある程度出る、相当程度出ることは期待しておりますが、全部がそこに行くべきだと言っているつもりではございません。 今回の改正法案では、社外取締役を導入する施策として、この監査等委員会設置会社の創設のほかに、上場会社で社外取締役を置いていない場合には、定時総会で置くことが相当でない理由を取締役が説明しなくちゃいけないという義務を課したり、あるいは、東証の規則で既に手当てがされていますけれども、上場会社というのは独立取締役を一人以上置くという努力義務を課すというようなことが相まって、全体として、それぞれの会社の実情に応じて、機関構成を変える会社もあるでしょうし、それから機関構成は変えずに置いていくと、社外取締役を、そういう選択をされる会社もあって、それはどちらでもよろしいんだろうと思っていますが、総じてそちらの方向に促進をしたいと、こういうことでございます。
○真山勇一君 私が難しいな、分かりにくいなと感じている部分の、ある程度理解も、これまでいただいた御説明で少しずつ理解ができてきたような、そんな気がしております。 日本のこれまでの、従来の日本型の一つの企業の在り方と、海外から求められている例えば企業のガバナンスとか、そういうものをもう少しはっきりさせてほしいという、そのことがあって、今はちょうど言ってみればそれがミックスした形になってきているのかなと。そのためにこういう、どれを選んでもいいけれども、それぞれ、社外取締役を増やすための会社の組織の在り方というものを、二つあったところにもう一つ加えて、どれでもよろしいですよ、社外取締役を増やしていただけるならこの三つの会社の組織どれでも選んでくださいというようなことが今回の改正ということになってくるのかなというふうな理解をしておりますけれども、それでよろしいですか。ちょっと念です。
○政府参考人(深山卓也君) 大きく言えば、そういうことだと思ってはおります。
○真山勇一君 それから、ちょっと細かいことですけれども、私もこだわってみて気になるのは、今度新たにつくられる監査等委員会設置会社の監査等の等という、これはどういうものというふうに考えればよろしいんでしょうか。
○政府参考人(深山卓也君) 監査等委員会の等ですけれども、これは、監査等委員会が業務執行者を含む取締役の人事、人事というのは、取締役候補者として誰を指名するか、そして取締役にどれだけの報酬を払うかと、こういうことを人事と言っていますが、この人事について株主総会における意見陳述権というものを有しております。 このことから、業務執行者に対するいわゆる監査機能だけではなくて監督機能も担っているということを表す意味で監査等、等は、ですから監督が含まれるという意味で、監査だけではない監督機能もあるということで等を付け加えていると、こういうことでございます。
○真山勇一君 つまり、普通の監査よりも取締役会に対する権限が更に加えられてあるというふうに考えてよろしいんですね。それによって、会社のいわゆるコンプライアンスというかそういうものに対する監視の機能を強めると、そういう意味でよろしいですか。
○政府参考人(深山卓也君) 先ほどの御説明にちょっと付け加えた方がいいと思いますが、監査と監督という日本語はよく似ていると言えば似ているわけですが、会社法上、定義規定があるわけじゃないんですけれども、一般的に、監査というのは業務執行の適法性を確保する、つまり違法や不正なことが行われないようにすると、こういう観点から業務執行の適否を判断することを監査と言っております。監督というのは、業務執行の効率性を確保する観点から、つまりより効率的な経営をしているかということをチェックする観点からその適否、業務執行の適否を判断することをいいます。 したがいまして、監査だけでなくて監督の機能もあるということは、適法な経営、不正をしないということのみならず、より資本を効率的に回して利益の上がる経営をしているかというところまでチェックをするということで、そういう意味では、監査にとどまらない、より幅広い権限を持ってチェックを強めていると、こういうことを表しているわけです。
○真山勇一君 ありがとうございました。 これまでの、従来どおりの二つのタイプ、そしてそれに、今度は新しい一つの組織の在り方というのが加わるというようなことは分かりました。 大体概要をつかめたというふうに思いますので、その中でもう一つまた質問させていただきたいのは、今御説明の中で、日本の上場会社がほとんどがこの仕組みであり、その中で社外取締役を置いているという監査役会設置会社、これについて伺いたいんですが、今回の改正の中で、その中で社外取締役設置を義務化、これまでしてあるけれども、その義務化が非常に弱いということで、今回、義務化をすることを強める一方で、進める一方で、理由さえあれば、しかるべき理由があれば社外取締役を置かなくてもいいというようなことが加わっておりますけれども、これは、むしろ、これからのことを考えれば社外取締役は置くべきであるよというような方向で行った方がいいと思うんですが。 この辺り、しかるべき理由があれば置かなくてもいい、そういうことも認めるということになると、やはりせっかくこうやって、大きな流れの中では社外取締役を置く会社が増えているわけですから、この辺りの条件をわざわざ付けたのは、何かかえって後退するような感じ、中途半端な感じもするんですけれども、ここのことは考え方はいかがでしょう。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、真山委員の御趣旨は、義務化まで進まなかったのはなぜかということだと思うんです。 それで、まず、社外取締役に関する議論は、これは業務執行者から独立した地位にあるということが要件でございますから、代表取締役に遠慮したり、あるいは社内のしがらみにとらわれることなくて、取締役会で忌憚のない意見を述べる、あるいは議決権の行使をすると、そのことによって取締役会が活性化して、取締役会として業務執行者に対する監督機能が発揮されるだろう、強化されるだろうと、だから社外取締役を置くことを推し進めていこうという流れが基本にあったことは間違いございません。 それで、いろいろこれ法制審議会で議論をいたしましたときに、社外取締役の選任を義務付けるべきであるという指摘もいろいろありまして、これは重要な検討課題として議論の中心的な課題であったわけでございます。 それで、義務付けに賛成する意見としては、要するに、自律性に期待していてはもうなかなかこれ以上進まないぞという、限界があるぞという御意見もありました。それから、それで義務付けることによって内外の投資家の期待に応えることができると、これが賛成論の主たる論拠でございますね。それから、それに対しまして、義務付けるとかえって各会社の規模とか業種とか業態等に適した企業統治体制をつくっていくことを阻害するんじゃないか、各会社の自由な選択に任せるべきであるという御意見も一方で強くございまして、それからもう一つ、社外取締役というような方を十分得られるのかどうか、つまり人材供給源と申しますか、そういう点に関しても、義務付けた場合そこまで行けるのかなという不安感も表明されまして、相当厳しい意見の対立がございました。これで相当何度も議論したんですが、結局のところコンセンサスが得られなかったということでございまして、法務大臣に対する答申ではそれが織り込まれなかったと、こういうことでございます。 しかし、そういう議論の経過を踏まえまして、今、いわゆるコンプライ・オア・エクスプレーン・ルールというように言われておりますが、そういう形で問題の解決を図ったということでございます。
○真山勇一君 今大臣がおっしゃられた、コンプライ・オア・エクスプレーンというのは、まさにこれは海外の、私はイギリスで始まったというふうに伺っていますけれども、ルールに従いなさい、従わないならばその理由をちゃんと説明しなさいというのがコンプライ・オア・エクスプレーンというふうに伺っていますけれども。 確かに、そういう意味でいうと、今回はこういうことを付けても海外からは理解を得られやすいのかなと、そういうような気もしてまいりました。選択肢を増やして、ただ、目指すところはコーポレートガバナンスを充実させるということと、そのための社外取締役を増やしていくという、方向としてはそれで間違ってはいないのかなという気がしておりますけれども。 これから、実際に果たして全部そういうふうにうまく動いていくかどうかというところが今後の課題となるのではないかなというふうに思っているんですが、時間がちょっと迫ってきていますので、もう一点、別の観点から、先ほども取り上げられていた株式売渡し請求のことでひとつ伺いたいなと。 これを今回創設したということなんですが、キャッシュアウトという全株取得はこれまでもあったということなんですが、今回、九〇%以上持った特別支配株主でありさえすれば、キャッシュアウト、株式売渡し請求が強制的にできるということなんですが、今回のこの改正でのメリットというのはどういうところにあるんでしょうか。
○政府参考人(深山卓也君) 今御指摘のとおり、キャッシュアウトをするという会社法上の手法というのは、現行法においても、現金を対価とする株式交換や全部取得条項付種類株式を取得することによってキャッシュアウトを行うと、こういう方法がございました。 ただ、現金を対価とする株式交換につきましては税制上の理由から利用がしにくい場合があるという指摘がありましたし、全部取得条項付種類株式の取得につきましては、取得する側の株主がどれだけたくさんの株を持っていても必ず株主総会の特別決議を経なくちゃいけない、特別決議ですから三分の二以上持っていればそのとおり成立するのは分かっていても、制度上それをやらなくちゃいけない。そのことが、キャッシュアウトをするときにもう大部分の株は持っている株主にとっては時間やコストが掛かることになっていたと。 そういった既存の制度を使ったキャッシュアウトの使いにくさを改善をする新たな制度として、三つ目の手段ですけれども、今回の株式等売渡し請求制度を設けたものでございます。
○真山勇一君 先ほどの小川委員の質問の中でちょっと感じていたのは、特別支配株主が株を買い取るときやはり支払が担保されていないということで、いろいろな対策があるということは伺いましたけれども、企業じゃなくて、やっぱり私がちょっと気になるのは、企業の場合は取締役会でいろいろやったり預金残高を証明したりということができるかもしれませんけれども、やっぱり自然人なんかの場合は、財産の状況を確認するといっても私は難しいことがあるんじゃないかなということが一つと、それから何かあったら裁判でやればいいと言いますけれども、やはり少数株主、本当にちっちゃな株を持っている人が一方的に取られてしまうというのは、その裁判をやるということもこれは大変だなと。むしろ、やはりこれはすっきりと、株を買うなら代金をちゃんと支払いなさいというような仕組みの方が、私は一般的に言って受け入れやすいものではないかなというふうに感じております。 この辺りは、ですから、小川委員がいろいろ言っていることは私も理解できるし、普通のやっぱり財産、株でも財産ですから、幾ら少なくても、その財産を一方的に取り上げられてしまう、そのためのやはり支払は保証するよというのは、これは逆に言えば、買ったときに現金を受渡しする、その時点でやるぐらいの法律の仕組みというのをつくった方が一般的には分かりやすいんじゃないかなという気がしております。 それから、一言、やはり大臣も難しいと認めていらっしゃいます。分かりにくいんです、確かに。だから、これから表現工夫されるとおっしゃっていたので、是非そういうふうにしていっていただきたい、この会社法大事なので。私は会社の経営者でもないし、それから株主でもないんです。だから、やっぱりこれは分かりにくいです。一般の人が見ても分かるような、そういうやはり仕組みにしていってほしいということを、最後にちょっと伺って、終わりにしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、幾つか御指摘いただきました。この法律が施行されました後、どういう問題点が起こるのかを、ある程度それを防ぐ手段は講じているつもりではございますが、どういう問題が起こってくるのかということは注意深く見ていかなければいけないと思っております。 それからもう一つは、分かりにくいというまた御指摘がございまして、これは本委員会でもそのような御指摘を数多くいただきました。今後の立法に当たっては、その辺り十分、これは法制局と十分御相談をしなければいけないわけですが、我々としてもそこはきちっと頭の中に入れておきたいと、努力をしたいと思っております。
○真山勇一君 ありがとうございました。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。 まず、今回新設されようとしている多重代表訴訟について伺いたいと思います。 多重代表訴訟を我が国の会社法に設けること、このこと自体は極めて重要なことだと私思っているんです。ですが、改正案にある最終完全親会社の議決権の一%条項を中心とした極めて限定的なものとされているのは大いに疑問があるわけです。 そこで、まず最高裁にお尋ねしたいと思いますけれども、現在の株主代表訴訟について、この五年間のいわゆる新受件数はどんな推移でしょうか。
○最高裁判所長官代理者(永野厚郎君) お答えいたします。 平成二十五年の全国の株主代表訴訟の新受件数は九十八件でございます。平成二十一年以降、およそ七十件から百十件の間で新受事件は推移している状況でございます。
○仁比聡平君 この年間百件にも満たない、百件前後という株主代表訴訟の件数を踏まえて、日弁連や東京弁護士会からは、これが濫訴の傾向があるなどとは言えないという指摘があるわけです。 法制審の中間試案に対するパブリックコメントでは、経団連や全銀協などのいわゆる経営側から濫訴のおそれがあるという反対意見が強く出された、そういう経過があるわけですけれども、年間の新受件数およそ百件というのは、日本の株式会社は約二百四十八万社あるんですね、上場企業は約三千五百社と、この全体の会社の数から見たって少ないと言うべきだと私は思います。 そこで、法務省に伺いたいと思うんですが、現行の株主代表訴訟について、濫訴であるという認識がおありなんでしょうか。あるいは、何をもって濫訴と定義をするんでしょうか。
○政府参考人(深山卓也君) 今委員も触れられたとおり、この改正法案の前提となる法制審議会の会社法制部会の議論の中で、多重代表訴訟制度を創設すると濫訴を招くおそれがあるという指摘がされました。ただ、この部会の議論の中で、どういうものが濫訴であると、あるいは具体的にどういう類型の濫訴が想定されるというような細かな議論、指摘がされたわけではないものと承知しています。 一般的に、濫訴に該当する代表訴訟の類型としては、その提起が原告である株主あるいは第三者の不正な利益を図ることを目的とする場合、あるいは、株式会社またその最終完全親会社等に損害を加える、嫌がらせ等々ですが、損害を加える目的で訴え提起をする場合というものが挙げられると、一般論としては思います。 そして、改正法案では、こういった場合には多重代表訴訟の提起は認められないというルールを設けているところでございます。
○仁比聡平君 今局長が、こういった場合が一般的には問題ではないかというふうにおっしゃった類型のようなものは、現在でも詐害的なものとして現行法でも制約されている、そうしたものではありませんか。
○政府参考人(深山卓也君) もちろん、現行法の下でも制約をされているというのはそのとおりです。
○仁比聡平君 例えば、責任追及等の訴えが当該株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式会社に損害を加えることを目的とする場合はこの限りでない、その場合は株主代表訴訟を認めないというふうになっているここのただし書なんですけれども、この現行法によるただし書と、法制審の中間試案をめぐって議論をされた濫訴のおそれがあるという際の濫訴というのは、これは同じ定義ですか。
○政府参考人(深山卓也君) 先ほどもちょっと申し上げたとおり、法制審議会の議論で、こういう類型の濫訴がある、こういう類型の濫訴のおそれがあるということが具体的に特定されて議論がされたわけではございませんので、定義が同じかと言われるとちょっとお答えに困ってしまうところがあるんですが、一般論として申し上げれば、先ほど言ったとおりのものが濫訴であり、という意味では共通だろうと思います。
○仁比聡平君 結局、濫訴のおそれがあると、何だかよほど大変なことが現場の株主代表訴訟をめぐって起こっているかのような議論がされながら、その定義さえ明らかにされないままなんですよね。 実際、経団連などからは、経営のダイナミズムが失われるとか、戦略的な親子会社関係の構築がためらわれるとか、訴訟リスクへの対応に多大なコストがあるなどの反対意見が述べられてきたかと思います。そうした中で、多重代表訴訟の権利行使を濫訴と言うのかと、あるいは現行の株主代表訴訟の提訴を濫訴と言うのか。 最高裁にもお尋ねしておきたいと思うんですが、中間試案に対して最高裁からも、濫訴防止のため、多重代表訴訟の提起権を少数株主権とすべきであるという意見が述べられていると思います。これは、現在の株主代表訴訟がいわゆる単独株主権であるということに対して、そのまま多重代表訴訟を認めるべきではないと。この改正案では一%というふうになった少数株主権とすべきであるという御意見だと思うんですが、最高裁も株主代表訴訟は濫訴であるという認識なんでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(永野厚郎君) お答えいたします。 まず、パブリックコメントに対する回答について御説明させていただきます。 会社法制の見直しに関する中間試案に対して最高裁が提出したパブリックコメントは、これは、最高裁が中間試案について現場で裁判実務を担当している裁判官に情報提供をし、これに寄せられた意見を取りまとめて提出したものでございます。したがいまして、これは最高裁としての意見を表明しているものではございません。ただ、取りまとめた意見の中に濫訴防止を指摘する意見があったことは委員の御指摘のとおりでありますけれども、その意味内容等については、一般的に濫訴のおそれとして理解されているところのものを指しているというふうに承知しているところでございます。
○仁比聡平君 つまり、一般的な理解というものを超えるものではない。年間およそ百件の提訴されている株主代表訴訟が、その訴権を濫用しているものであるだとかいうような具体的な分析が少なくとも示されているわけではないと思うんですね。 取りまとめたという御答弁でしたのでちょっとお尋ねをしますけれども、何人ぐらいの裁判官から濫訴という趣旨の意見があったんですか。
○最高裁判所長官代理者(永野厚郎君) お答えいたします。 情報提供をして、それに対して意見のあったものを集約しております。今、記憶は定かではございませんけれども、幾人かからの意見の中にそういう指摘があったというふうに記憶しております。
○仁比聡平君 幾人かと。幾人というのは、つまり一桁くらいの裁判官の認識という意味にしか取れないと思うんですが、ちょっと念のために確認します、そういうことでいいですか。
○最高裁判所長官代理者(永野厚郎君) お答えいたします。 ちょっと記憶が定かでありませんので具体的なことを申し上げることはできませんけれども、ただ、濫訴のおそれの具体的な内容についてまで指摘していた意見はなかったのではないかというふうに記憶しているところでございます。
○仁比聡平君 結局、濫訴のおそれということが新設される多重代表訴訟を極めて限定されたものにしてしまう根拠とされて、そこに最高裁の名前まで出てくると、そうした意見を述べたという者として最高裁の名前まで出てくる。やっぱり最高裁が言っているといったら、これはよほどのことかというふうに思われるのかもしれないが、実際には幾人かなどという話でありまして、どうも根拠がないのではないか、濫訴のおそれというのは決め付けなのではないかと私は思わざるを得ないわけです。 日弁連や東京弁護士会、あるいは株主代表訴訟を行使してきた弁護士のグループなどからは、濫訴の実態に関する立法事実は何ら示されていない、あるいは、親会社の取締役と子会社の取締役との間の人的関係から見ると、子会社の株主である親会社が子会社の取締役の責任を追及する訴えを提起することを期待することは必ずしもできるとは言えないと、そうした意見が述べられています。まして、この新設しようとしている改正案は、いわゆる最終完全親会社の株主についての権利なわけですから、最終完全親会社の取締役がその子会社の取締役の責任を追及するかというこの場面というのは期待ができないではないかという声が上がるのは当然の批判だと思うんです。 そこで、法務省に改めて、そもそも株主代表訴訟というのはどういう趣旨、意義が求められているのか、そして、多重訴訟を今回新設する、その要件は別として、その趣旨は何なんでしょうか。
○政府参考人(深山卓也君) 株主代表訴訟は、株式会社の取締役、監査役、執行役等が株式会社に対して損害賠償責任を負う場合に、その株主が株式会社に代わって取締役等の責任を追及する訴えを提起することができると、こういう制度でございます。 これは、取締役等の間の人的な関係や仲間意識から株式会社が取締役等の損害賠償責任を追及することを怠るおそれが類型的、構造的に存在していると、そのために、株式会社の損害が賠償されず、株式会社ひいてはその株主が不利益を受けることから、株主自らが取締役等の責任を追及する訴えを提起することを認めようという趣旨に基づくものです。そして、こういった株主代表訴訟には取締役等の任務懈怠を抑止する機能もあるという指摘がされております。 ところで、今回設けようとしている多重代表訴訟ですけれども、これは、企業グループの頂点に位置する株式会社の株主がその子会社や孫会社の取締役等の責任を追及する訴えを提起することができることとする制度でございます。 近年、御案内のとおり、持ち株会社形態や完全親子会社の関係にある企業グループが多数形成されるようになっておりまして、こういった企業グループにおきましては、実際に事業活動を行う完全子会社の企業価値がその完全親会社である持ち株会社の企業価値に大きな影響を与えることとなっております。 他方で、株式会社の取締役等が株式会社に対して損害賠償責任を負っている場合には、株式会社の取締役等とその完全親会社の取締役との企業グループ内の人的関係や仲間意識から、同様にやはり完全親会社が株主としての代表訴訟を提起して取締役等の損害賠償責任を追及することを怠るおそれが類型的、構造的に存在しております。そのため、株式会社の損害が賠償されない、結果として、完全親会社ひいては完全親会社の株主の利益が損なわれるということになるおそれがあります。そこで、こういった地位に置かれる完全親会社の株主を保護するために多重代表訴訟制度を今回新設するということにしたものでございます。
○仁比聡平君 まず、最後におっしゃった株主を保護するためにという趣旨というのはそのとおりだと思うんですけれども、株主代表訴訟が提起されることによって企業経営を事後的に監視するという有効な仕組みではないかと思います。経営責任がこの株主代表訴訟を通じて明確になっていくという、そういう効果もあるのではありませんか。
○政府参考人(深山卓也君) 御指摘のとおり、株主代表訴訟制度、あるいは多重株主代表訴訟でも同じですけれども、取締役の任務懈怠を抑止する機能がございますので、株主から取締役に対するチェックの機能もあると思っております。
○仁比聡平君 にもかかわらず、先ほど局長が御答弁の中でおっしゃったように、親子関係において責任追及を怠るおそれがあるわけです。実際、親会社と子会社の代表取締役が同一人物であるというケースは多々あるじゃないですか。資本は子会社を完全に支配している、実際の事業はその子会社によって行っているんだが、重大な失敗、経営責任が追及をされる事態が起こっても、親会社は、自分が支配しているし、代表者は自分であるから、だから責任追及がなされないという中で、社会的に企業が担っている事業や、私がこの会社法の審議の中でずっと申し上げている、その従業員も含めたステークホルダー、この権利や利益が大きく害されていく、損なわれていくということがあってはならない。株主代表訴訟や新設される多重訴訟がきちんと経営を監視するという機能を果たしていかなければ、作った意味がないと思うんですよね。 例えば、近時問題になりましたカネボウの化粧品をめぐる事件がありました。あの事例というのは、カネボウは花王の一〇〇%子会社で個人株主はいないわけです。株主代表訴訟が提訴されてもおかしくない事例だけれども、だけどもそうした実態にあるという企業がたくさんあって、もちろん親会社の株主も損害を受けているんだけれども、個人株主で一%条項ということになると、これをクリアできる株主というのはなかなかいないんですよね。 実際に今の日本の証券市場を考えてみましたら、公開会社で一%条項という原告適格に該当するのはいわゆる大株主になるかと思います。相互の持ち合いなどをしている機関投資家ももちろんあるでしょうし、事業にはさして関心はない巨額の投資家という人たちもたくさんいるだろうと思うんですね。こういった人たちが、株価が最大のときを狙って売却してその利益を得るということを中心にその証券をどうするかということを考えているときに、多重代表訴訟を提訴するなら自らが株主であり続けなきゃいけないということのために売却もできなくなる、自ら自身の損害ではないという会社の不利益や将来の会社事業の健全な発展のためにということで手間暇掛かる株主代表訴訟を提訴するのかというと、これはなかなか期待できないじゃないかという批判が上がるのは、私当然だと思うんですね。 これ、どうして一%条項ということにこだわられたんですか。
○政府参考人(深山卓也君) 既に委員が触れられたとおりですが、現行の株主代表訴訟制度は、いわゆる単独株主権、その提起権は単独株主権とされております。 ただ、今回設ける多重代表訴訟は、通常の株主代表訴訟とは異なって、原告となるべき最終完全親会社の株主と、責任を追及される完全子会社の取締役等との間の関係が完全子会社を介した間接的なものになります。そのため、多重代表訴訟は最終完全親会社の株主が完全子会社が被っている損害についての利害関係をある程度強く有している場合に提起権を認めるのが適切であるというふうに考えられます。そこで、多重代表訴訟の提起権は、最終完全親会社の株主が一定割合以上の議決権又は株式を有していることを要する権利、すなわち少数株主権とするのが相当であろうと考えられました。 もっとも、多重代表訴訟制度を導入する趣旨から考えますと、親会社の株主の保護ですから、持ち株要件を殊更に過重なものとするのはもちろん適当ではございません。そこで、現行法上、少数株主権として要求されている持ち株割合として最も小さいものが総株主の議決権の一%であることを踏まえまして、今回の改正法案ではいわゆる今の一%条項という要件を入れたものでございます。
○仁比聡平君 この点で大臣に、御感想でも結構なんですけれども伺いたいと思うのは、この当委員会の参考人質疑で、法制審の会社法制部会長をお務めの岩原紳作先生がおいでいただいて、その御意見の中で、濫訴の懸念等の御主張もありましたので、非常に限定的な多重代表訴訟の制度にしておりますという御発言だったんですよ。私は伺っていて、そうした主張があるものだからそんなふうになっちゃっていると、どうも岩原先生の御本意でもないのではないかというほどのニュアンスを私は感じたんですけれども。 先ほど来確認をされている多重代表訴訟を新設する経営監視の機能、そうした趣旨が結局実質的に機能しないと、現実の株主構成だとかその思惑だとかいうことの中で現実には機能しないということになったら、結局、仏作って魂入れずということになるのではないかと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私は、株主代表訴訟それから多重代表訴訟、先ほど局長が答弁いたしましたように、取締役の任務懈怠を防いでいくというか抑止していくという機能を持っていまして、それは非常に有益なものだと思います。 他方、株主代表訴訟の場合は単独株主でもできる、こっちは一%だと、それはおかしいじゃないかという御指摘ですね。しかし、私も確かに子会社の方が、先ほど民事局長が答弁したとおりでございますが、間接的なものになっているから、どこが妥当なのかというのは、何%が妥当なのか、あるいは一%が多過ぎるじゃないかとかいろんな御議論があると思いますが、今までの会社法の少数株主を見ますと、一%というのがあるわけでございまして、その少数株主権というのは必ずしも機能していないわけではないんだろうと思います。 私も、今後いろんな事案が起きますときに、果たしてこの一%がどういう機能を発揮するのかというのは、今後とも関心を持って見ていきたいと思っております。
○仁比聡平君 私は、実際によく状況を見極めながら見直していくべきだと思います。 最後に、水俣病問題について改めて伺っておきたいと思います。 まず、特別議決の適用除外にするんだという修正案の提案者に今日もおいでいただきましたが、当委員会の参考人として不知火患者会の大石会長がおいでになりました。その御意見についての提案者としての御認識を伺う機会が持てませんでしたから今日お尋ねしたいと思うんですが、痛みを感じない、自らの腕をはさみで突き刺してやっぱり痛みを感じないということを確認したことが大石さんはあります。また、あの会議録などをお読みになられたかもしれませんけれども、かわいい孫を風呂に入れてやろうとあやしながらつかったらそれが熱湯で、自分は熱湯でも熱さを全く感じない、だけど孫が泣き叫んで、慌てて飛んできた奥さんから殺す気かと言われた。こうした水俣病被害者の苦しみをどう受け止めているのか。 問題は、そうした被害者がなお多く手を挙げられないでいるということなんですね。それは、これまで地域だとかあるいは年齢で線引きをしたり、あるいは認定基準を極めて厳しいものにして水俣病被害だと認めないできた、そうやって切り捨ててきた国の、政府の水俣病政策の結果なんですよ。にもかかわらず、どうしてチッソの責任逃れに手を貸すのかと。残されている多数の被害者がチッソから補償が受けられなくなる。この叫びに提案者はどう答えるんですか。
○衆議院議員(西田譲君) もう仁比議員の被害者の方々に本当に気持ちを寄せられるお話に、私はいつも敬意を持って拝聴させていただいているところでございます。 そして、せんだっての大石参考人のお話でございます。この水俣病の公式認定から五十八年になります。本当に長い間その被害に苦しむ方々に私自身も思いをはせながら拝聴させていただいたところでございます。 だからこそ、水俣病の被害についてこれ以上地域の紛争を長引かせてはいけない、あるいはそういった意味で、水俣病の被害者の方をあたう限り救済するんだということの中で、平成二十一年の自民、公明、民主の先生方における協議の中でこの水俣病特措法が成立したものだというふうに改めて認識をしたところでもございます。 そして、大石参考人もおっしゃっておられました、チッソを優遇するような修正案ではないかということでございましたけれども、これは、この修正案の提出の趣旨の説明でもさせていただきましたが、決してチッソを優遇するといったことではなく、水俣病特措法のスキームを維持すると。 今回の会社法の改正というのは、まさしくコーポレートガバナンスの強化若しくは株主の保護、こういったことでございますが、水俣病特措法は、もう先生十分御承知のとおり、被害者を救済するためのものでございますから、そこに今回の会社法修正といったものによって法的根拠を追加するようなことがあってはいけないと。また、こういったことにつきましては、我が党の園田議員から事前に大石参考人の方にも説明をさせていただいたところでございます。しっかりと理解をしていただくように努力をしていかなければならないと改めて感じたところでございます。
○仁比聡平君 園田議員がどんな説明をどなたにされたか知りませんけれども、これほどの怒りが噴き上げている。実際に特措法も、そしてその申請の打切りも、政府が行うことによって、多くの被害者たちが切り捨てられようとして、苦しんで叫びを上げているじゃないですか。問題を解決したいというんだったら、その被害者たちの声を聞くということが当然大前提でしょう。 時間が迫りましたから環境省にお尋ねをしたいと思いますけれども、この六月の五日、加害企業チッソは、最大の被害者団体である不知火患者会の協議の申入れ、懇談の申入れを門前払いして拒絶をいたしました。昨年の六月も同様です。その話合いに、申入れに応じないという、今年五月二十九日付けのチッソ株式会社代表取締役社長森田美智男氏の回答書には、当社といたしましては、貴申入れに応じなければならない状況にはないものと認識しておりますので、貴申入れにつきましては固くお断りいたします。 こんな態度を取っている加害企業チッソ、被害者の声も聞かない、自らの株主の議決もこうして適用除外をさせる。そんなふうにして、多数党に支えられた、環境大臣の認可さえあれば事業会社の株式を全て売り払って責任逃れるなんというようなことを、そんな認可をあなた方するんですか。私、絶対に許されないと思いますが、御認識を伺います。
○政府参考人(塚原太郎君) お答えいたします。 水俣病対策を進めるに当たりましては、議員御指摘のように、被害者の声をよくお聞きすること大変重要であると思います。環境省といたしましても、日頃から真摯に被害者の方々のお声を伺うよう努めているところでございます。 また、一般論といたしまして、水俣病の原因企業が被害者と向き合うことは極めて重要であり、チッソにもそのようにお伝えをしているところでございます。 また一方、個別の団体の個別の面会要請に応じるか否かといったような問題につきましては、個々の当事者間の関係の中での判断も入るということと思いますのでこの場でコメントをすることは差し控えたいと思いますが、いずれにしても、被害者の声を聞きながら水俣病対策に取り組んでまいりたいと考えております。
○仁比聡平君 向き合っていないじゃないか。 終わります。 ─────────────
○委員長(荒木清寛君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、森まさこさんが委員を辞任され、その補欠として高橋克法君が選任されました。 ─────────────
○委員長(荒木清寛君) 石井準一君。
○石井準一君 私は、会社法の一部を改正する法律案(第百八十五回国会閣法第二二号)及び会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の質疑を終局することの動議を提出いたします。
○委員長(荒木清寛君) 石井君提出の動議を議題とし、採決を行います。 本動議に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(荒木清寛君) 多数と認めます。よって、石井君提出の動議は多数をもって可決されました。 これより両案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○小川敏夫君 会派を代表して、本法案に反対の立場から討論いたします。 まず、多数をもって質疑を打ち切ったことについて抗議を申し上げます。 次に、本法案は多岐にわたる改正事項があり、次に述べる特別支配株主による株式等売渡し請求を除いては賛成し得るものと考えておりますが、同売渡し請求については本委員会における質疑におきまして許容し難い欠陥があることが明らかとなりましたので、結論として本法案に反対するものであります。 同売渡し請求の問題点について述べる前に指摘しなければならないのは、法務省において質疑に先立って行った我が党ら議員に対する法案説明において、同売渡し請求の新設を除外して説明を行ったことであります。 このような不当な説明によって、同売渡し請求に係る審議が行われず、あるいは充実した審議が行えないおそれを生じさせたものでありますし、国会を軽視するも甚だしい行為であると言わざるを得ません。法務省においては、かかることが二度と行われることのないよう猛省を求めるものであります。 同売渡し請求については、少数株主の財産権をその意に反して奪うものでありますから、そのような制度の導入に当たっては、合目的性、売渡し株主の正当な対価の確実な保証がなされなければならないことは至極当然であります。 しかし、法務省は、合目的性について、会社の長期的経営戦略を容易にするなどといった抽象的な説明をするのみであって、人の財産権を強制的に取得することを正当化する合目的性としては甚だ脆弱であって、具体性に欠けた説明しかしておりません。 また、そもそも、法文上はいかなる目的であっても、あるいは何らの理由も持たずとも、特別支配株主に当たれば売渡し請求を行うことができるものとなっております。これらは人の財産権をその意に反して奪うことを正当化できる合理的な根拠に欠けていると言わざるを得ず、憲法で保障する財産権の侵害に当たることさえ考えられるものであります。 また、売渡し株主が受けるべき対価について、正当な対価が確実に支払われることが絶対に必要でありますが、本法案は、代金の支払が未了のまま売渡し株主の株式が強制的に特別支配株主に移転することとなっており、売渡し株主の同時履行の抗弁権を奪っている上、その後の履行を確保する十分な手だてが講じられておりません。これでは、特別支配株主の意図や都合で行われる同売渡し請求手続によって、売渡し株主が代金回収不能のリスクを一方的に負わされるもので、著しく公平を欠いたものであると言えます。 よって、このような欠陥条項を含んだ本法案に対しては反対せざるを得ないのでありますから、反対いたします。 以上でございます。
○仁比聡平君 私は、日本共産党を代表して、合意のないまま動議によって審議を終局したことに抗議するとともに、会社法改正案、同整備法案及び同修正案に対し、反対の討論を行います。 改正案は、経営の自由度を高めた二〇〇五年会社法の下で資金調達、買収防衛などの問題が目立つようになったこと、また、一九九七年の独禁法改定により持ち株会社が増大したが、親子会社を規律する制度が不十分であるなど種々の問題から初めて改正提案されたもので、全体として、九四年商法改正以来の規制緩和を一定程度転換し、企業経営の規律強化を図ることを目的としています。 しかしながら、その内容は、新設される監査等委員会設置会社は、従来の委員会設置会社に期待された取締役人事や報酬に対するガバナンスさえ緩和するものであり、また、社外取締役による監督強化を言いながら設置義務化は見送るなど、必ずしも企業統治の監視機能が強化されるとは言えません。 親会社の株主が子会社取締役を訴えることができる多重代表訴訟制度の新設も、経営者団体などの反対で、提訴できる株主の適格要件の一%条項など極めて限定的にとどめることによって代表訴訟の適用場面を著しく制約し、取締役などの任務懈怠をただす経営監視機能を著しく弱めるものとなっています。 第三者割当て増資に際する既存株主保護を新設する規定についても、その水準は欧米諸国の常識的レベルと比較して余りに不十分です。 こうした我が国会社法制の規律の不十分さは、海外投資を呼び込むと言いながら、逆に悪質ファンドに付け入る隙を与え、健全な企業経営の発展をも危うくしており、その下で懸命に働く労働者の労働基本権、生活権を侵害しています。二十一世紀の会社法制には、企業経営を透明化し、不祥事を未然防止する企業統治の規律強化とともに、短期的な株価対策にとどまらない経営の中長期的視点、株主利益だけでなく、従業員、労働組合、取引関係者などステークホルダーの利益考慮の方向性が求められます。そうした必要性から見ると、法案は余りに経営者団体の意向に配慮した不十分なものであり、反対せざるを得ません。 衆議院における修正案は、水俣病問題の現実を直視せず、加害企業チッソ株式会社を利するだけのものであり、到底認められません。 民主党提案の社外取締役の義務化を中心とする法案は当然であり、賛成をすることを述べまして、反対討論といたします。
○委員長(荒木清寛君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより順次採決に入ります。 まず、会社法の一部を改正する法律案(第百八十五回国会閣法第二二号)の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(荒木清寛君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(荒木清寛君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(荒木清寛君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時四十五分散会