法務委員会 第3号
- 発言数
- 172 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2014/03/13
会議録
○委員長(荒木清寛君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房政府広報室長武川恵子さん外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(荒木清寛君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(荒木清寛君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、法務行政の基本方針に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山下雄平君 自由民主党の山下雄平です。 今国会でも恐らく度々、度々質問をさせていただくことになろうかと思います。谷垣大臣始め法務省の皆様、そして最高裁の皆様、何とぞよろしくお願い申し上げます。(発言する者あり)ありがとうございます。 まず、質問に入る前に、一昨日、三月十一日、東日本大震災の発災から丸三年を迎えました。私も追悼式に出席させていただきました。その追悼式で、震災で避難誘導をされている最中に津波で息子さんを亡くされた遺族の女性の方が追悼式で、あなたは母の誇りですと、私たちの子供に生まれてきてくれてありがとうとおっしゃったのを聞いて、私は涙が抑えられませんでした。 どうか、被災地の隅々にまで希望の光が届くことを、そして尊い命をなくされた御霊が安らかであることを祈ってやみません。私も、国会議員の一人として、復興のために汗を流していくことをこの場でお誓いしたいと思います。 それでは、質問に入らせていただきたいと思っております。 最高裁判所の長官の竹崎博允さんが健康上の理由で退官を表明されました。後任に寺田逸郎さんが就任することが決まりました。二代続けて、親子二代で最高裁の長官になるということは非常に異例なことだとは思いますけれども、法務省に二十年以上出向されていた方が最高裁の長官になるということも、またこれも異例なことではなかろうかと思います。 行政に長く身を置かれたということは、行政のことについて精通されているというメリットもあると思います。一方で、司法と行政の緊張関係の中で三権分立が成り立っていると、そうした中で司法のトップとして行政に対して厳しいことが言いづらいんじゃないかなというような懸念がないわけでもありません。 新しく最高裁長官になられる方に対して、谷垣大臣としてどういったことに期待されるのでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、新しく最高裁長官に寺田さんが、四月一日からですか、就任をされるということについての私の考え方をお問いかけになりました。 もちろん、最高裁長官、司法部のトップでいらっしゃるわけですが、今、長い間行政におられた、法務省におられた、そのことによって何か懸念はないのかというお考えも示されました。当然のことながら、司法の独立ということは、元々裁判官でいらっしゃいますから、深く心に留めて運用をされていくことは私は信じているわけでございます。 それで、今、司法部、最高裁も今日は来ておられると思いますが、私、余り司法部のことを言ってはいけないのかもしれませんが、司法部が扱われている事件も非常に多様になってきておりますので、伝統的な司法のイメージだけではなかなか裁けない案件が多くなってきているという感じを私は受けております。そういう新しい時代の司法に的確に対応していっていただけるのではないかと期待をしております。 それから、私の立場からしますと、行政にいる、法務行政を扱っております私の立場からしますと、司法部とは緊張感を持ってやっていかなければならないことはもちろんでございますが、同時に、大きな意味での協力関係をしかなければならないことがたくさんございます。 それで、特にその中で司法改革をどう進めていくかということで、法務省で長い経験をお持ちでございますから、緊張感を保ちつつも大きな意味で協力関係をしいていくことができるのではないかと、こんなふうに思っているわけでございます。
○山下雄平君 ありがとうございます。 就任予定の寺田さんには頑張っていただきたいと思っております。 次の質問に移らせていただきたいと思います。 火曜日の谷垣大臣の所信表明では、冒頭で、犯罪防止対策の推進、とりわけ再犯防止について触れられました。罪を犯さないこと、犯罪が起きないことが最も望ましいことではあると思います。しかし、残念ながら罪を犯してしまった人が二度と罪を起こさせないようにすることも非常に重要だと思っております。 残念ながら、刑務所を出たり入ったりというような人が少なくないとも聞いております。近年の刑務所の入所者の実情がどういうふうになっているのか、当局にお聞かせ願えればと思います。
○政府参考人(西田博君) お答えいたします。 直近でございますと、平成二十四年一年間に新たに刑務所に入所した受刑者の人員は二万四千七百八十人でございますけれども、そのうち再入者、つまり入所が複数回目である者、この人員は一万四千五百五人、割合は五八・五%ということになっております。
○山下雄平君 再犯をされる方が少なくないということであろうかと思います。 政府が掲げる世界一安全な日本の実現のためには、再犯防止対策は不可欠です。そのためには、受刑者への矯正教育や出所した後に社会に復帰できるように、職業訓練であったり職場、雇用の受入先の確保など、総合的な取組が必要だと考えますし、谷垣大臣も所信表明でそのことに触れられました。政府として、再犯防止対策を強化することはもちろんですけれども、民間の方との連携も大事だと思います。 刑務所ではありませんけれども、先日、委員会派遣で皆様とともに少年院に視察させていただきました。そこでは、社会復帰に向けて、グループワークをNPOの方が汗をかいて一生懸命やられていました。改めて再犯防止対策に対して民間の力が重要だと感じました。 法務省として再犯防止対策にどうやって取り組んでいくのか、そして、民間との連携をどのように進めていこうと考えていらっしゃるのか、お考えをお聞かせください。
○副大臣(奥野信亮君) 世界一安全な日本を実現する上で、刑務所出所者等の再犯防止対策は喫緊の課題であると私も認識しておる次第であります。 このような中、本年二月、与野党の垣根を越えた多数の先生方の御賛同を得て、再犯防止対策を進めるための超党派の議員連盟が設立されるなど、再犯防止対策について国会の関心が高まっているということは、本対策を最重要課題として取り組んでいる法務省の副大臣として大変有り難く、心強いと感じている次第であります。 私は随分いろんな施設を見てまいりました。私の率直な感じを申し上げると、中で刑期を終えた人たちが出ていった後の就職する場面で、職業訓練が十分に、刑を受けている間にももう少し積極的にやらなきゃいけないんではないか。出ていってから、出所してから後、職業訓練をするような制度もありますけれども、これはおっしゃるとおり民間との間がまだ必ずしもしっくりいっているというふうに見受けられません。両方やることが一番大事だろうと思います。 私が一番感心したのは、網走刑務所へ行って、大変厳しい環境の中で牛の養育をしている、そして年間四十頭ぐらい出荷している。あるいは、林業の木を伐採するような作業をして木を出荷している。そういう作業というのは、将来、出所した後で仕事をする上で非常に足しになると思います。そういうようなことを積極的に我々のところも考えなくちゃいけないということを今事務方に言っているところでありまして、一方で、今度は出ていった後の、出所した後の民間との協力については、受け入れてくださると言って手を挙げている企業はたくさんあるんですけれども、実際に使っていただいている企業というのは非常に少ない。そういうような問題もありまして、まだまだ我々の努力が足らないというところがあるように感じる次第であります。 これから関係省庁や民間団体との連携を更に深めながら、より実効性のある、要するに刑務所を出所した後仕事がなかったらやっぱり再犯してしまうという、そのロジックを変えていかなくちゃいけない、これが私どもの仕事だろうなと、こう感じている次第であります。
○山下雄平君 社会に復帰できずに軽微な犯罪を犯して、刑務所を出たり入ったりしていくうちに重大な犯罪を犯してしまうという事例もあると聞きます。是非とも総合的な取組の強化をよろしくお願い申し上げます。 最近、各地の図書館で、本屋で、アンネ・フランクの日記が破られるという事件がありました。非常に憤りを感じております。今朝になって三十代の男が犯行をほのめかすというようなニュースが飛び込んできましたけれども、まだそれがどういう意図だったのか、どういう背景があるのかというのは分かっておりません。しかし、中には、この日本の空気が原因じゃないか、つまり、いわゆるヘイトクライムの一種なのではないかというような指摘をされる方もいらっしゃいます。 外国人を排斥するようなことを大声でがなり立てるヘイトスピーチ、そういったような問題がこの日本でも顕在化するようになってきました。この国会の周りでもそういった罵声を耳にすることもあります。対外関係の緊張が外国政府への敵がい心を強め、それがその国の人たちへの敵意にもしかしたらつながっているのかもしれません。政治の問題では私も思うところはいろいろあります。しかし、そうしたことを理由にその国の人々への差別的な感情になるとしたら、それはやり過ぎだと言わざるを得ません。 私事なんですけれども、先日、友人の結婚式に、結婚披露宴に出席いたしました。私の友人は在日朝鮮人の方と結婚されました。その披露宴は、朝鮮の衣装だったり踊りだったり音楽だったりと、非常に民族色に富むものでした。私にとって初めての経験でしたけれども、そこの人たちが祖国の文化に誇りを持っていらっしゃるんだなということがよく分かりました。 北朝鮮の政府について言えば、拉致問題や核実験など、我々として看過できない問題ばかりです。北朝鮮政府に対しては圧力を強め、問題の解決まで一歩も引くべきではないと考えています。しかし、人間誰しも自分の祖国は選べません。また、国によっては自分たちの手で政治体制を選べないような国もあります。政治体制はいろいろあるかもしれません。仮に政治体制に問題があったとしても、その国の人たちが自分の国の文化や民族を愛し、そのことを誇りに思うことは当然ではないでしょうか。日本は、その国の政府を恨んだとしても、その人民まで敵視する国ではないはずです。生まれてきた出自だけを問うてその国の人を排斥するようなことを、私が愛する誇り高き日本は、日本国民は許してはならないと思います。 ヘイトクライムのような問題は、表現の自由とも関わり難しい問題だとは思いますけれども、国連も各国に人種差別の扇動や思想の流布を法律で犯罪として禁じるよう求めています。人権問題を担当する法務省として、外国人への差別的言動についてどのように対応していくおつもりなのでしょうか。
○副大臣(奥野信亮君) 山下先生の主張はまさしく私の考え方と一致するものでありますけれども、日本の国も昨年外国人が一千万人訪ねていただいた。これから六年後にはオリンピックが開かれて外国人との交わりがどんどん増えてくるわけでありますから、そういう意味で、今おっしゃったヘイトクライムというものに対しても、ヘイトスピーチとともにしっかりと対応していかなくてはならないんだろうと思います。 特にヘイトクライムというのは、百科事典によりますと、偏見を動機とする嫌がらせ、脅し及び身体的暴力というようなことで定義されているようでありますけれども、まだまだ確立した概念はしっかりと定まっていないというふうに感じております。しかしながら、特定の国籍の外国人を排斥する趣旨のいろいろな対応については、しっかりと私どもとしては対応していかなくてはならぬと思います。 こうした言動が民法の不法行為に該当する場合にはそのような行為を行った者に損害賠償責任が発生しますし、また一定の場合には刑法の業務妨害や名誉毀損罪等の犯罪が成立し得るというふうに考えております。他方、民法上の不法行為にも刑事罰の対象にもならない行為に対する規制については、表現の自由との関係を慎重に検討しなければならないと承知しております。 一人一人の人権が尊重される豊かで安心できる成熟した社会を実現する観点からは、こうした行為への対応として啓発活動が大変重要であるということも私どもとして重要視しているところであります。すなわち、啓発活動を通じて社会全体の人権意識を高めて、こうした行為が許されないことであるという認識を醸成することによって外国人に対する差別や偏見の解消につなげていきたいと、こんなふうに考えているところであります。 このような観点から、法務省では、昨年五月及び十月の法務大臣記者会見での発言を法務省のホームページに掲載して周知を図ったのを始め、法務省のホームページに外国人の人権に関するページを新設したほか、全国の法務局、地方法務局においても、中高生を対象にした人権教育など様々な機会において外国人の人権に関する積極的な啓発活動を実施しております。 今後も、外国人に対する偏見や差別の解消を目指して人権擁護行政に取り組んでまいりたいと考えておる所存であります。
○山下雄平君 副大臣がおっしゃったように、差別をなくしていくためには一人一人の意識を変えていくことが非常に重要で、法務省が今取り組んでいらっしゃる人権啓発、人権教育を更に取組を強化していくことをお願いし、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○有田芳生君 おはようございます。民主党・新緑風会の有田芳生です。 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック、どうしても成功させなければならないと思います。特に若い人たち、それから子供たちに希望を与える、そういう方向に向かって日本社会が進んでいく、そのためにも、今、山下委員からも御発言がありましたけれども、日本が抱えている大きな課題の一つである日本における差別の土壌をどうしていくのか、そのことについて真剣に考えていかなければならないと考えております。 今日は、世界が憂える日本のヘイトスピーチ、つまり差別扇動発言、あるいはヘイトクライム、差別犯罪についてお尋ねしたいと思います。 先日の谷垣法務大臣の所信表明の一項目めで、世界一安全な国日本の実現に向けた犯罪対策の推進と、そういうことが取り上げられております。政府としても、昨年十二月十日に「世界一安全な日本」創造戦略、これが閣議決定されている。その下でこの谷垣大臣の所信表明が更に細かく触れられていると思うんですが、そこにこう触れられております。外国の方々に安心して訪れていただけるよう、世界最高水準の安全なサイバー空間の構築等々ということで、とにかく日本社会がオリンピックに向けて本当に安心、安全な社会に、それが日本人だけではなくて外国人にとっても、本当に日本に行こうと、オリンピック・パラリンピックに行こうじゃないかと、そういう社会をつくらなければいけない、そういう趣旨だというふうに思います。 ところが、世界から今の日本を見た場合、非常に危惧が行われている。まず、外務省にお伺いしたいんですけれども、イギリス政府が日本に観光で来たいという人たちに対してどのような渡航情報を流しているか、特に政治的状況についてどう触れられているかということに、まずお尋ねいたします。
○大臣政務官(木原誠二君) お答え申し上げます。 英国政府のホームページにおきまして、日本に向かいます渡航者に対しまして日本における様々な情報について記載をされております。 今委員の方から御指摘をいただきました政治情勢の部分について御説明をさせていただきたいと思いますが、この政治情勢という項目におきまして、日本は安定した民主主義国であると、市民による騒乱や暴力的なデモはまれであるとした上で、時折、国粋主義的なデモにおいて外国への敵意が示される場合があると、最新の情報入手に努めるようにということが記されているところでございます。
○有田芳生君 これはまさしく、日本は民主主義的国家であって、暴力や暴動というのはほとんど起こらないと。しかし、まあいろんな訳ができるわけですけれども、ナショナリストが外国に対して敵対するデモが行われていると。今お示しになりませんでしたけれども、その文章の最後には、このことに常に注意し、デモに気付いたらすぐにその場所を離れることと。これはイギリス政府が、日本に行く観光客に対して何と二〇一二年からこういう掲示を、警告を発しているんですよね。 日本の状況というのは、例えば、後でお話を伺いますけれども、差別デモなどがどんどんどんどん頻発化してくるのは二〇〇九年、一〇年、一一年、一二年。このイギリス政府が示したのは二〇一二年なんですが、皆さん御承知のように、日本で特に差別デモ、とんでもない発言が行われているのは二〇一三年、去年が一番のピークになっているんですよね。だから、そのイギリス政府の不安、警告から更に一年後に更に事態は深刻になっている。 そのことを前提に更にお聞きをしたいんですけれども、例えば今年のアメリカの国務省の人権報告書、そこには日本について触れられているんですけれども、それは何か御準備されていますでしょうか。
○大臣政務官(木原誠二君) 大変申し訳ありません、準備を十分にしていないところでございます。
○有田芳生君 今年の二月二十七日、アメリカの国務省が二〇一三年版の人権報告書を発表しました。その中に、日本における差別についてこのように触れられております。極右団体が、東京の在日韓国・朝鮮人が多い地域、これは新大久保が中心ですけれども、多い地域でデモ活動を行った、団体のメンバーは人種的に侮辱する言葉を用いたと非難をしたんですよね。 これは非常に抽象的な報告なんですけれども、各委員にお配りして見ていただいた方もいらっしゃるかも分かりませんけれども、特に二〇一二年、一三年に東京の新大久保、大阪の鶴橋、あるいは川崎、神戸、名古屋、京都、福岡、北海道札幌などなどで行われている人種差別デモというのは、もうここで語るのが恥ずかしい、怒りをもう禁じ得ないようなひどいものがずうっと続いているわけですよ。それに対してアメリカの国務省が、今言ったように人権報告書の中で警告を発している。 さらに、在日韓国・朝鮮人だけではなくて、人権報告書には、日本に住むマイノリティーについて、在日韓国・朝鮮人に限らず、中国人、ブラジル人、フィリピン人なども社会的差別を受けているんだと、そういう警告が発せられているんです。 さらに、それが実際の現実にはどのような形で表れているかといいますと、例えば一月十九日、今年ですけれども、西川口で行われた差別デモでは何と、皆さんに御配付した二枚目の写真見ていただきたいんですけれども、ハーケンクロイツですよ、ナチス・ドイツの、ハーケンクロイツを背中にマントにまとって、よく見ていただきたいんですけれども、口のところは防毒マスクなんですね。こういうことを公然とデモ行進で、一月十九日、西川口で行っている。 これはこれが初めてではありません。例えば昨年の三月三十一日、大阪の鶴橋で、やはり同じような差別デモの中でハーケンクロイツ、ナチス・ドイツの象徴が表れているんですよね。もう今回に限らず、前からそういうことが続いている。 しかも、今日は映像を見ていただけないんですけれども、昨年だったと思いますけれども、東京の新大久保における差別デモの中には、シュプレヒコールで、新大久保を更地にするぞ、ガス室を造るぞというようなことを語っている、そういうデモが横行しているんですよ。それの一環として西川口でもあからさまにこういうことが起きている。 先ほど山下委員が発言されましたように、アンネの日記の破損事件についても、確かに今日の報道、NHKもやりましたけれども、三十代の男性が建造物侵入ということで、池袋のジュンク堂書店に入ってうろうろうろうろして、なぜ逮捕されたかというと、チラシを貼ったから建造物侵入で逮捕されて、今事件についてほのめかしをしていると。これが背景がどうなのか、単独犯なのか、さらに複数なのかということも含めて、この事件についても解明をしなければいけないというふうに思っております。 それだけではないんですよね。例えば、安倍首相を総理大臣にしたいと民間人で頑張ってきた方々がいらっしゃるんですけれども、その中の一人に金美齢さんという評論家の方がいらっしゃいます。安倍首相も親しいんですが、私も親しい方なんですから、いささかちょっと複雑なんですけれども、例えば、そういう影響力を持った評論家の方が人気テレビ番組の中で次のようなことを二月二十三日に語っている。四月下旬にオバマ大統領が訪日をするわけですけれども、非常に重要な事業が待っているわけですけれども、テレビで公然と金さんはこう語った。そもそもね、オバマ氏が出てきた大統領選挙、もしオバマさんが白人だったら、あのレベルの政治家では大統領に当選しなかったと私は思っているんだと。あの当時、ある種の旋風が巻き起こったんです。そういう発言をされているのが、これはまた日本だけではなくて国際的にも影響を与えつつあるということが、もう切りがないほど今の日本社会では残念ながら続いているんですが。 そこで、外務省にお聞きをしたいのは、そういう一連の事態が今、日本で進行していることについて、外交上、あるいはオリンピック、あるいは貿易などに対して影響が起こっているのか起こっていないのか、そのような情報、例えば海外のマスコミとか海外の政府とか、そういうところがどのように認識をしているというようなことも含めて、外務省としてはどう判断されているんでしょうか。
○大臣政務官(木原誠二君) お答え申し上げます。 今委員の方からるる様々な事案について御紹介をいただいたわけでございます。それぞれの事案について私の方から一つ一つお話しすることは適切でないかな、こう感じます。 そういうことを前提にした上で、冒頭のイギリスの渡航情報の御紹介の際に委員の方からも、基本的には民主国家としてしっかり認知をされているということであろうというふうに思います。そういう意味では、我が国は世界から最もある意味での好影響を与え得る成熟した民主国家として認識をされているということは、これは基本的には言えるんであろうというように思います。 他方で、残念ながら、特定の国籍を持つ皆さんに対するある種の恣意的、威嚇的行動があることについては、やはり多様性を重んじるべき民主国家として非常に遺憾な状況であると、このことは申し上げておきたいというように思っております。
○有田芳生君 谷垣大臣にもこの委員会で何度かお聞きをしたテーマではあるんですけれども、昨年、谷垣大臣も何度かこの問題について答弁いただきました。あるいは、昨年の五月の七日の参議院の予算委員会では安倍総理が、やはり、オリンピック招致を前にして、そういった事態についてはゆゆしきものであるというような趣旨を語ってくださいました。そして、谷垣大臣、さらには古屋国家公安委員長、さらには菅官房長官もそういう事態については憂慮するという旨を語っていただきましたが、しかし、その後も同じような状況がずっと続いているどころか、そこにとどまらず、日本社会の中で様々な問題、差別問題が広がりつつあるというふうに私は認識しているんですが。 昨年、谷垣大臣が憂慮する旨の発言をしてくださった以降、先ほど副大臣からもお話がありましたけれども、法務省としてどのような具体的な取組をなさってくださったのか、そしてまた、これからどのように取り組んでいこうと考えていらっしゃるのか、さらには、先ほどお示しをした幾つかの事例だけでも、谷垣大臣が今どのように認識をされているかということについてお答えください。
○国務大臣(谷垣禎一君) オリンピックの誘致に成功しまして、法務行政を所管している者としてはいささか我が田に水を引くようなことになるかもしれませんが、この日本の高い治安水準といいますか、安全、安心に生活を送れるということがあずかって大きな力があったんではないかとひそかに思ってまいりまして、現在でもそれはそう思っております。 しかし、今の御議論のように、国際的に、何というんでしょうか、寛容さといいますか、おおらかさという言葉で表現していいかどうか分かりませんが、そういうものが失われていく状況に懸念が示されている、今まで私どもが日本のいいところとして誇りに思っていたところを否定されるような気がいたしまして、私も大変残念に思っているわけです。 それで、こういうことは、私の認識は、実は委員からは、この質問の前に見ておくようにとDVDいただいたんで見てまいりました。一言で言って、まあこういう表現がいいかどうかは分かりませんが、誇り高き日本人はどこへ行ってしまったんだろうというような思いも私はいたしました。こういう、本当に嫌悪の情を禁じ得ない面が私はございます。単に嫌悪の情を禁じ得ないというだけではなく、何というか、社会の中に、あるいはいろいろな中に対立感を引き起こしていくというふうに私は思っております。 それに対して法務省として何をやってきたかということでございます。なかなか事柄の扱いは簡単ではございません。まず第一に、非常に、やや迂遠なことを申し上げますが、やはり啓発活動というのが私は一番大事なのではないかと思っておりまして、そこで、法務省では、五月、十月、私、記者会見で比較的長くこの問題に触れたことがございまして、こういう発言を法務省のホームページにも掲載いたしました。そして、さらに法務省のホームページに外国人の人権に関するページというのを新設いたしまして、それから、事務的な連絡でございますが、各地の法務局あるいは地方法務局に対して、そういった私の記者会見あるいは新しいホームページを作られたことを踏まえた上で、啓発活動に、その点に意を配るようにという事務連絡を発出しました。 それから、全国の法務局あるいは地方法務局でいろんなことをやっているんですが、一つの例を挙げますと、中学生や高校生を対象とした人権教室などを開きまして、様々な機会に、その意味合いといいますか、啓発活動を行っているところでございます。 それから、あと、このヘイト、この頃はヘイトスピーチとかヘイトクライム、クライムということになれば犯罪ということでしょうから、それは、我が国の議論の立て方としては、当然、罪刑法定主義というものがなければなりません。それで、かなりの部分は今までの立法で、先ほど副大臣も山下さんに対する御答弁の中でおっしゃったけれども、かなりの部分はそれはできる余地もあると思います。しかし、難しいのは、何というんでしょうか、どこまで刑事法規を使うかというのはなかなかデリケートなこともあるのも事実でございます。 ですから、更に幅広く私どもも目を開いて耳をよく澄まして、どういう問題が起こり、どういう対応がいいのか、それに対しては神経をこれからも配っていきたいと、このように思っております。
○有田芳生君 ビデオを見ていただいてありがとうございます。 昨年、谷垣大臣がやはりそういう事態に対して憂慮する発言をされたら、すぐに谷垣法務大臣はけしからぬというデモが地元の京都の福知山で行われたんです、まあ僅か数人ですが。そういうことがあるものだから、先ほど山下委員が取り上げてくださいましたけれども、この問題についてなかなか触れたくないという気持ちの方がやっぱり国会議員の中でも多いんですよね。だから、そういうことでいえば、先ほど質問していただいて有り難かったし、そういう、谷垣大臣が率先してビデオを見ていただいたというのは本当に有り難いことだというふうに思います。 しかし、一方で、現実というのはやはり豊かなものであって、様々な問題がありまして、罪刑法定主義に基づいてやはり刑事上の問題は対処していると。確かにそうなんですけれども、今日それがテーマではないからもう指摘するだけにとどめますけれども、東京でも、特に大阪、神戸なんですけれども、差別主義者がデモをやると、それに反対する人たちが二倍、三倍、四倍の数で、けしからぬというようなことで、本当に良き日本をつくろうという思いで本当に個人の意思で集まってくるんですけれども、今、警察の方々はそちらの方の取締りが強くて、だから、外から見ていますと、差別をする発言をしてデモをやる、集会をやる人たちが警察に守られてやっているように見えてしまうんですよ。だから、そういう問題もあるんですけれども、今日はちょっとテーマが違いますので、そういう現実であるということだけは指摘しておきたいというふうに思います。 しかし、そういった突拍子もない異常な、ハーケンクロイツをまとったりガスマスクをしてデモをやるような人たちがいるんだけれども、それは物すごく特殊なものに見えるんだけれども、日本社会に実は幅広く差別の土壌というものがずっと続いてきたのではないかと。 それで、二番目の問題に行きたいと思いますけれども、今日の新聞各紙でも報道されておりますけれども、サッカーの浦和レッズのサポーターが差別横断幕を掲示した問題、このことについて次にお聞きをしたいと思います。 まず、文科省、細かい経過説明をお示しいただきたいんですが、お願いします。
○政府参考人(永山賀久君) 本件につきまして、浦和レッズが所属するJリーグから報告を受けてございます。 三月八日の試合当日の経過ですけれども、まず、当日十七時頃、浦和レッズのクラブスタッフから浦和レッズ試合運営本部に対しまして、埼玉スタジアム内にジャパニーズオンリーという横断幕が掲げられているという報告が入ったと。これを受けまして、十七時九分、浦和レッズ試合運営本部より警備会社スタッフに対しまして速やかに横断幕を撤去するよう指示を行ったと。ただ、横断幕の撤去に当たっては、通常、トラブルを防ぐために当事者との合意の上取り除く手順となっているが、試合中であったこともあり当事者を特定することができず、最終的には試合終了後の十八時四分に強制的に撤去することとなったと。 以上でございます。
○有田芳生君 この問題、なかなかそこまで報じられておりませんけれども、日本の新聞は今朝も報じていますけれども、実は、例えば、外国でいえばカナダ、オーストラリア、あるいは報道機関でいうとアル・ジャジーラ、それから韓国の報道メディアですね、世界的にもう報道されている。これまた日本は一体どうなっているんだという問題として捉えなければいけない。 これは差別的行為じゃなくて差別なんですよね。初めは浦和レッズの方は、差別的行為になるかもしれないと、掲げた人間がどう考えているか分からないというような対応だったんだけれども、皆さんに、資料一の左側ですけれども、その浦和レッズのサポーターが掲げたジャパニーズオンリー、この写真です。その背景、ちらっと出ていますけど、旭日旗もそこにあるんですよね。これは、ビデオも含めて、現場に行った方々なら分かるんですけれども、日本全国で今なお続いている差別デモがやはり旭日旗とともに行われている。しかも、この浦和レッズの問題は、これまで土壌があったというふうにやはりクラブの方でも今認識しつつあるということなんですよ。 これ非常に深刻な問題なのは、国際的に報じられているというだけではなく、浦和レッズの社長が昨日記者会見をやりまして、クラブの危機だと、あの状況は差別と捉えるしかないと、差別なんだと。それを浦和レッズのサポーターが行ってしまったという非常に危機感を示されていて、社長は、横断幕に気付いたのに試合が終わるまで外せなかったことが大きな問題だと。そういうしっかりとした対応をしてくださっているんですよね。この差別横断幕を掲示したのは複数で、浦和レッズとしても、何度か事情聴取を行ってその背景なども明らかにしながら上部組織に報告をして、金曜日に報告というふうに聞いておりますけれども、厳正な処罰が行われるというふうに浦和レッズからも返事が来ております。 かつても、浦和レッズからの文書によれば、二〇一〇年の五月十五日に宮城スタジアムで行われた試合で、浦和のサポーター、もうこれはごくごく一部なんですけれども、浦和レッズの真面目なサポーターの方々や選手の方々には本当に不幸なことなんですが、あの当時も差別的発言が行われて、帰りのバス乗り場においても仙台のチームバスに対して差別的発言があって、Jリーグから譴責及び制裁金五百万円が科せられたと。非常に厳しいんですよ。これは、FIFAも含めてそういう差別事案については徹底してなくしていかなければいけないという立場ですから、そういう厳しい対応が行われている。 しかも、問題なのは、ジャパニーズオンリーという掲示がなされただけではなくて、特定の選手に対するブーイング、差別的発言が行われているんですよ、これまでも、先日も、このジャパニーズオンリーが掲げられたときも。それも今、浦和レッズは調べているんですけれども、韓国人で在日四世の選手で日本に帰化した方なんですけれども、その選手に対して差別的な発言が行われている。そのことも、スタンド内に配置した警備会社スタッフから試合中に差別的な発言が聞こえたとの報告を受けており、今浦和レッズは事実確認をしているというんですよね。 こういうことが起きている。だから、FIFAとか日本サッカー協会とか、様々な罰則規定は、Jリーグの規約とかサッカー協会の懲罰規定、いろいろありますけれども、非常に厳しい対応を取るという、そういうことが浦和レッズは今取り組んでいらっしゃる。 何度も繰り返しますけれども、これもう本当にごくごく一部の行為、差別行為によって多くのサッカーファンに非常に衝撃を与えているだけではなくて、国際的にも、繰り返しになりますけれども、報じられてしまっている。そういう状況の下で、このジャパニーズオンリーというのは、これ、日本選手が頑張ってくれということじゃないのとか、そういうような解釈をする方が、メディアでも行われて、新聞記者なんかもツイッターでそういう発言をしていたんですけれども、果たしてそうなのか。まあその新聞記者は後で謝罪、訂正をしておりますけれども。 外務省にお聞きをします。これまでホワイトオンリー、資料の一の右側に写真を掲げておきましたけれども、アメリカの黒人差別あるいは南アフリカのアパルトヘイトなど、このホワイトオンリーというのはどういう意味合いで歴史的に使われてきたんでしょうか、お答えください。
○大臣政務官(木原誠二君) お答えを申し上げます。 既に委員の方から答弁のかなりの部分をおっしゃっていただいたかというふうに思いますが、ホワイトオンリーとは、まさに米国やあるいはアパルトヘイト政策が取られた南アフリカにおいて、かつて、公共交通機関や施設の利用、そういったことに当たって白人のみを優遇するために取られていた政策であると、このように理解をしております。
○有田芳生君 差別ですよね。そういうことが歴史的にもホワイトオンリーという掲示で行われてきたのが、日本でジャパニーズオンリーということが今日もマスコミの問題になっている。 しかし、確かに、FIFAそれから日本サッカー協会、Jリーグなどがそういう厳しい対応を取ってくださるというのは、非常に、差別をなくしていく上で、啓発としても現実的な対応としても重大な措置だというふうに思いますけれども、例えば、法務省にお聞きをしたいんですけれども、イギリスにサッカー犯罪法というものがあるというのはお聞きでしょうか。
○政府参考人(萩原秀紀君) ただいまの御質問についてはまだ把握をしてございません。
○有田芳生君 申し訳ありません。把握されていないというのを分かって、ちょっと意地悪があったかも分かりませんが、お聞きをしました。 つまり、まだまだ出発点に我々はあるということだと思うんですが、イギリスは公共秩序法というものが元々あって、それに基づいてサッカーのフーリガンの対策でそういうものは厳しく対処するということがあったんですけど、ただし、公共秩序法では差別的なやじなどには対処できないということで、一九九一年にサッカー犯罪法というのを作ったんですよ。それで、法務長官による同意は不要で軽犯罪として起訴ができるようになったんです。 ただし、サッカー場で一斉にはやし立てたら誰が言ったのか分からないということになりますから、ある特定の人物が人種差別的な発言を行った場合にはその人だけでも起訴できるというふうに、一九九九年にサッカー犯罪法が変わるんですよね。だから、そういう法律がイギリスにはあって、例えば二〇一〇年から二〇一一年度の一年間でサッカー犯罪法によって起訴されたのは十一件あるんですよ。だから、そういうものがイギリスには例えばある。 今回の浦和レッズの問題についても、日本にそういう法律がないですから困ったものですというサッカー関係者もいらっしゃるわけで、これはまた新たなテーマとして、人種差別撤廃条約に基づいて四条の(a)項、(b)項を留保している日本だけれども、だから、そこでいいのかどうかという、新しい法的な対応というもの、つまり法規制の是非について、谷垣大臣も含めて、これからやはり日本は議論をしていかなければいけない段階だというふうに思っております。 その浦和レッズの今ジャパニーズオンリーの問題を指摘をしましたけれども、実は、これは今回多くのマスコミがジャパニーズオンリーという写真を掲げて、これは差別だなという認識が特に浦和レッズの厳正なる対処によって広がりつつあるんですが、実はジャパニーズオンリーというのは今回にとどまらないんですよ。例えば、後でお聞きをしますけれども、一九九九年に小樽で、外国人がお風呂に入ろうとしたら、外国人お断りということで排除をされたんですけれども、ずっと日本社会では外国人お断り、ジャパニーズオンリーという掲示は当時も今もなされている。私が確認しただけでも、現在ですよ、ジャパニーズオンリーというものを掲げた例えば飲み屋さんとかスナックとか、そういうのが北海道、青森、秋田、埼玉、東京、群馬、静岡、名古屋、山梨、京都、岡山、広島、福岡、沖縄、まだまだあると思われますが、ジャパニーズオンリー、そういう差別掲示が行われているお店がいっぱいあるんですよね。 そこで、外務省にお聞きをしますけれども、自由権規約委員会が昨年の十月に問いを発していて、その十番目に対する回答を外務省が行われる予定ですけれども、どういうことが自由権規約委員会の質問として掲げられているんでしょうか。
○大臣政務官(木原誠二君) お答えを申し上げます。 今委員から御指摘いただきましたとおり、自由権規約委員会の方から質問票というものをいただいております。その問い十のところでは、特定の集団を標的とした憎悪や差別を扇動する声明やスピーチへの対処のために締約国がとった措置、この場合の締約国、日本がとった措置、及び人種的優越性プロパガンダの流布や、日本人のみといったビジネス指定及び部落民の否定的な固定観念に対処するために日本政府が行った努力について回答をしろということで質問をいただいているところでございます。
○有田芳生君 その訳がなかなかこなれていなくて、申し訳ないんですけれども、もう少し分かりやすく言うと、日本人に限るとした商業上の表示、つまりジャパニーズオンリーというような表示をしていること自体が問題ではないかと。それに対して情報を提供してくださいという質問なんですけれども、外務省としてはどのような返答をされるんでしょうか。
○大臣政務官(木原誠二君) 今の問い十に対する回答としては、先ほど谷垣大臣の方からも若干御説明がありました、法務省における例えば人権擁護機関の取組といった啓蒙活動の点、また厚労省によります雇用の観点からの取組、あるいはまた文科省における教育学校現場での教育の観点といった取組について回答をするということにしております。
○有田芳生君 ジャパニーズオンリーを含めた外国人差別に対して、人権擁護局はどのように把握されていらっしゃいますか。
○政府参考人(萩原秀紀君) ただいまの御質問の趣旨は、店舗などに外国人入店お断りというような趣旨の掲示がされている事案のことを指すものと考えられます。そういった事案につきましては網羅的に把握しているわけではございませんが、人権相談などを取り扱う中におきまして、今申し上げたような掲示に関するものを含めて、国内の人権状況の把握に努めていると、こういうことでございます。
○有田芳生君 ジャパニーズオンリーという、日本人のみという差別掲示が行われていることは、これは民事、刑事において合法なんでしょうか。お答えください。法務省に。
○政府参考人(萩原秀紀君) 人権擁護機関の立場からお答えさせていただきます。 法務省の人権擁護機関では、個別の事案によって対応をしているために、一概にただいまの御質問に対してお答えすることはできませんが、例えば、ただいまの例に関連しますと、外国人の方が実際に入店を拒否されるなどの差別的な取扱いを受けた旨の被害の申告を受けたような場合には、人権侵犯事件として所要の調査を行い、事案に応じた適切な措置をとるようにしております。 以上でございます。
○有田芳生君 つまり、簡単に言ってしまうと、ジャパニーズオンリーという掲示があっても、それは法に問われない現実があるわけですよね。 例えば、二年前ですか、東京都内の焼き鳥屋さんに外国人が入って、座って、注文しようとしても注文取りに来ない。だから、それで、注文お願いしますと外国人が言ったら、外国人はお断りだということを言われた。だから、そういう個別の事例だったら、民事で訴えればこれまでの判例からいっても問題になるわけですけれども。 谷垣大臣、どうですかね、つまり、掲示があっても法に問われない、だけど個別が問題があればそれは法に問われる、これは法の欠陥じゃないでしょうかね。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私も実はいろいろ考えを巡らせているんですが、なかなかすぱっとしたお答えができるかどうか分かりません。 私、昔、ある店に行きましたら断られたことがございます。それは、一見さんはお断りやと言って入れてもらえませんでした。じゃ、そういうのは、日本の文化といいますか商慣習の中に一見さんお断りというのがないわけじゃありませんし、店によっては一見さんお断りと書いてあるお店もありますね。だから、それと例えば今の外国人お断りとかジャパニーズオンリーというのはどう違うのかなと。違うような、確かに人種差別的な意味で私も違うだろうと思います。 ただ、それをすぐ犯罪にできるのかどうかと。どういうそれに対する規制の対応をしていくのかというようなことになりますと、少し相当詰めて考えないといけないなとも思ったりしておりまして、実はまだ明確なお答えが私自身整理されていない、もう少しよく議論もしてみたいと、こんなふうに思っております。
○有田芳生君 人種差別撤廃条約に加入した欧米含めて、諸外国ではそういうことが違法になるんですが、それは、今日の議論はもうそこでやめておきますけれども、時間との関係で、いろいろ聞きたいことあるんですが、要するに、法務省にお聞きをしたいんですけれども、やはり、訴えがあってそこで問題になったとしても、法務省としてどんな措置がとれるんでしょうか。強制力はあるんでしょうか。
○政府参考人(萩原秀紀君) お答え申し上げます。 法務省の人権擁護機関では、先ほど人権侵犯事件というのを申し上げましたけれども、被害の申告を受けるなどした場合に、人権侵犯事件として調査を開始し、関係者の事情聴取を行ったり、資料を入手するなどをしております。その結果に基づいて、事案に応じて、被害者等に対する援助、被害者等と相手方との関係の調整のほか、人権侵犯に当たる事実が認められる場合には相手方等に反省を促す説示や勧告などの措置を講じておりまして、それらには強制力はございません。
○有田芳生君 説示そして勧告、で、強制力はないと、それが日本の今現実なんですが。 もう一点法務省にお聞きをしますけれども、人権侵犯事件について、例えばこの五年間の推移、お聞かせ願えますか、何件あったのか。そしてさらには、その中で外国人差別の件数と具体的な内容、典型的なものをちょっとお示しいただけますでしょうか。
○政府参考人(萩原秀紀君) お答え申し上げます。 ただいまの御質問の中で外国人に関して申し上げますと、過去五年間における外国人差別に関する人権侵犯事件の新規開始件数の動向でございますが、平成二十一年が九十九件、平成二十二年が八十件、平成二十三年が六十九件、平成二十四年が九十六件、平成二十五年が六十九件となっております。 その内容で典型的なものといたしましては、外国の国籍を有する方が理容店で理容サービスの提供を受けようとしたところ、外国人であることを理由に理容サービスの提供を拒否されたというそういう事案などがございます。
○有田芳生君 お風呂に入るのを拒否というケースはなかったんですか。今、理容店ですよね、散髪ですよね。
○政府参考人(萩原秀紀君) ただいまのは、申し上げましたのは理容店の件でございまして、入浴の関係は把握しておりません。
○有田芳生君 九十九件、八十件、六十九件、九十六件、六十九件と、それだけあるんだけれども、入浴拒否は確認されていないということですか。
○政府参考人(萩原秀紀君) ただいま確認できておりません。
○有田芳生君 次に、もう一度法務省にお聞きをしたいんですが、一九九九年に北海道の小樽で問題になった小樽入浴拒否訴訟というものがありましたけれども、どういう事案で判決はどうだったのか、お示しください。
○政府参考人(萩原秀紀君) お答えいたします。 お尋ねの事案は、公衆浴場を経営する事業者が、外国人の入浴を一律に拒否するという経営方針の下で外国国籍を有する方とか日本に帰化した方の入浴を拒否したということにつきまして、これらの方々が当該事業者などに対して損害賠償を求めた事例であると承知しておりますが、札幌地方裁判所は、外国人一律入浴拒否の方法によってなされた本件入浴拒否は、不合理な差別であって、社会的に許容し得る限度を超えているものといえるから、違法であって不法行為に当たると判示いたしまして、当該事業者に対して損害賠償を命じたものと承知しております。
○有田芳生君 損害賠償は幾らですか。
○政府参考人(萩原秀紀君) 失礼いたしました。 ただいまちょっと金額についての資料を持ち合わせておりませんので。
○有田芳生君 たしか百万円だったというふうに私は理解しておりますけれども。 そういったことが今でも、風呂場を拒否するというようなことが、当時も、例えば本当に見た目で外国人で分かるという人が拒否されて差別だということで裁判にもなって問題になったんだけれども、おかしなことに、例えば中国人の奥さんが彼らと一緒に入ったときは、中国人は入れているんですよ。だけど、この人中国人だから入れるんだけどと言ったら、ああ、じゃ、外国人だから駄目ですというようなことになったり、子供たちだけ入ってみんなで出てきたり、あと、ハーフですから、見た目どう見たって日本人の子供さんは入れる。だけど、そうでない人は駄目だというようなばかな話がずっとあったんですよ。 そういう土壌がいまだ日本の、全国各地と言いたくはないですけれども続いているというそういう土壌のところから、やはり谷垣大臣がおっしゃる啓発活動も含めて、しっかりともっと深めていかなければいけないというふうに思っております。これが日本の現実なんですよ。 そして、重大なことは、差別の問題というのは、まず偏見が植え付けられる、偏見から差別になる、そしてヘイトスピーチのような行動に行く、そしてさらにはヘイトクライム、犯罪に進んでいく。さらに、ルワンダの例を見ても分かるように、それが究極な場合にはジェノサイドにまで行く。だからこそ差別の土壌というものを本当に掘り起こして、なくしていかなければいけないという重大な課題だと私は理解しているんですよ。 そこで、この日本で、二〇〇九年に京都朝鮮第一初級学校が襲撃をされて、去年、京都地裁で判決が出ました。千二百万円相当の損害賠償を払えということで、今月大阪高裁に行って、恐らくこの流れでいくと、今年中に最高裁まで行ったとしても確定をするんですけれども、既に、そういうヘイトスピーチ、差別扇動だけではなくてヘイトクライム、犯罪が起きているんですよ。 そこで、警察庁に伺いたいんですが、一月二十二日、神戸の朝鮮高級学校が襲撃をされました。この件についてお答えください。
○政府参考人(荻野徹君) お答え申し上げます。 御指摘の事件につきましては、本年一月二十二日午後零時十五分頃、神戸朝鮮高級学校の校舎内に男が侵入し、同校教員に対して所持していた鉄の棒で殴ってけがを負わせ、同教員に現行犯逮捕されたというものでございます。 なお、本件被疑者につきましては鑑定留置中ということでございまして、その他捜査中の事柄につきましては答弁は差し控えさせていただきます。
○有田芳生君 そのとき三階に上がっていった男が対応した教師に対して、おまえ朝鮮人だろうということを発しているんですが、それは確認されておりますか。
○政府参考人(荻野徹君) お答え申し上げます。 先ほど申し上げたとおりでございまして、現在事件につきましては捜査中ということでございまして、詳細につきましては答弁は差し控えさせていただきます。
○有田芳生君 さらに、二月二日、川崎駅ホームで模造刀によってある人が、襲撃っていうのか攻撃を受けた。この件について、どういうことだったのかお答えください。
○政府参考人(塩川実喜夫君) お答えします。 お尋ねの事件の概要は、平成二十六年二月二日、JR川崎駅京浜東北線ホーム上において、被疑者が被害者に対して所携する模造刀剣類で切り付け傷害を負わせたというものでありまして、被疑者は事件を起こす前、いわゆる右派系市民グループが川崎市内で開催したデモに参加しておりました。 神奈川県警察では、その後の捜査により、三月三日、被疑者を逮捕しております。
○有田芳生君 その暴力を振るうときに掛けた言葉、発した言葉は何でしょうか。
○政府参考人(塩川実喜夫君) 現在捜査中でありまして、その点については答弁を差し控えさせていただきたいと思いますが、被害者は、川崎差別デモを許すななどと記載されたビラをJR川崎駅周辺においてたまたま受け取った後、同駅のホームに向かい、同ホームにおいて被疑者に切り付けられたというものでございます。
○有田芳生君 おまえ日本人かと叫んで模造刀で攻撃を仕掛けたんです、普通のビラ読んでいた人に、ごみ箱に捨てようとしたときに。そういうことがもう起きているんですよね。 今日は触れませんけれども、その彼らのデモ、写真などを見れば分かりますけれども、デモの最中、最初から最後まで模造刀持ったままなんですよ。すぐ横に警察官いっぱいいらっしゃったんですよ。それでも、一時保管もされない状況の下でそういう事件が起きてしまっている。 だから、もう日本は今、偏見からヘイトスピーチ、さらにはヘイトクライムがあちこちで起こりつつあるという憂慮すべき事態にいる。だからこそ、谷垣大臣始めとして、これからこの差別問題というものをどう解決していかなければいけないのかということを、国会議員全体として、日本社会全体としてやはり考えていかなければいけないというふうに思っております。 法務省にもう一点伺いたいんですが、最近の右派系市民運動、在日特権を許さない市民の会、いわゆる在特会を始めとする右派系市民系団体の動向をどのように把握されていますでしょうか。
○政府参考人(寺脇一峰君) お答え申し上げます。 排外主義的な主張を掲げて活動しておりますグループに関しましては、いわゆるコリアンタウンの周辺などでヘイトスピーチとして問題視されるような言動を伴う活動を展開しておりまして、種々の社会的問題を引き起こしていることは承知をしております。関心を持って見ているところでございます。 公安調査庁といたしましては、引き続きこうしたグループの動向を注視してまいりたいと考えております。
○有田芳生君 統計的にどのぐらいの件数があるかとか、そういう把握はされているんでしょうか。
○政府参考人(寺脇一峰君) お答え申し上げます。 具体的な数字を今手元に持ち合わせておりませんが、従来から調査をしておりまして、例えば私どもが出しております回顧と展望にも記事を掲載しておるところでございます。関心を持って調査をしております。
○有田芳生君 今度の日曜日、十六日にも東京の池袋、豊島公会堂、そして四時半からはその前の公園で差別集会とデモが行われて、もちろん私も抗議に行きますけれども、そういった動きがやまないんですよね。そういうのがやまないどころか、アメリカの国務省に評価されたんだというようなとんちんかんな認識をしたり、世界にそうやって自分たちが広がったんだというようなことで、全然やむことがないこの事実、そしてまたさらには、今日お話を聞きましたけれども、その土壌というものがなかなか掘り崩されていかないということについて、これは人種差別撤廃条約は日本は加入を一九九五年にしているわけですから、諸外国並みの国際人権基準というものを日本でも具体的に更に進めていかなければならないと私は考えております。 最後に、今日の一連の質問に対して、谷垣大臣、今後の取組の抱負とか、こういうことをちょっと考えるべきかなというようなことがあれば、最後に一言お願いいたします。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今日の御議論の中で、先ほど有田委員がおっしゃった模造刀を持って襲いかかるなんというのは、これはもう明らかに犯罪行為でありますから、そういうものに対する摘発というようなことはきちっとしていかなければいけないんだろうと思いますね。 結局、この話が悩ましくなりますのは、今までの民法上の不法行為に当たるとか、あるいは刑法上の違法行為に当たるということであれば、当然それはそういうものできちっと対応していかなきゃいけないんですが、そこから先に、今までの民法上の不法行為にも当たらない、それから今までのものでは刑法上の適用ということも考えにくいというようなものにどう対応していくのかということになりますと、なかなか悩ましい問題が出てくるんだと思います。 それで、今まで、先ほどのお話のように、イギリスではサッカー犯罪法があるという御指摘は、やっぱりそれだけフーリガンと言われるようなものの活動が目に余るものがあったということで、今までむしろそういうものがなかったのは、問題点もあったろうけれども、考えずに済んできたということはむしろ幸せだったのかもしれないなと思ったりもいたします。 何が必要なのかということについては、私も細かに注意を払って御議論も見守ってまいりたいと思いますし、私自身もよく考えてまいりたいと思います。
○有田芳生君 人種差別撤廃条約に基づいて国際的な人権基準というものに日本が一刻も早く到達をしなければならないと私は考えております。ヘイトスピーチ、差別扇動発言についても、表現の自由を守るためにもヘイトスピーチを規制しなければいけないと、私はそのような考えでこれからも大臣に幾つかの問題、お聞きをしていきたいと思いますが、今日は時間が過ぎておりますので、これで終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○小川敏夫君 民主党の小川敏夫でございます。 今日は、法曹養成制度の中で特に予備試験について質問させていただきます。 私の質問するその理由につきまして概略申し上げますと、法曹養成、それまでの司法試験といった言わば点で選考するという仕組みを改めて、法科大学院、二年間あるいは三年間という言わば長い期間でしっかりとした教育、そしてトレーニングというものを踏まえて、法曹としての豊かな見識を備えた法曹を養成したいということがロースクール制度、法科大学院制度の理念だったと思うわけでありますが、その中で予備試験というものがあって、経済的事情等で法科大学院に行かれないという場合の人を救済するという、言わば例外的な仕組みとして予備試験というものが設けられていると。しかし、近年その例外的な存在、位置付けであった予備試験が、言わばロースクールをパスしてすぐに司法試験に受験資格を得るという一つの道として定着しつつあるというところ。 そうすると、そもそも予備試験というのは、一回試験で、言わば昔の司法試験の点での選抜ということにもなるでしょうし、予備試験の合格者はロースクールでの教育やトレーニングを受けないということにもなるわけでありまして、そうすると、この法曹養成制度、果たして、予備試験が例外的な位置付けでなくなってきてそちらが拡大してくると、法曹の養成という面から見て適切なのかなという疑問を持っておりますので、そうした観点から今日は質問させていただきます。 まず、この予備試験ですけれども、非常に年々年々倍々ぐらいにして合格者が増えてきております。これは最新、最新ですと昨年ですか、昨年の予備試験の合格者、これをまず大臣、今把握されておられるでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 昨年、平成二十五年の予備試験でございますが、結果ですか。
○小川敏夫君 結果だけで。
○国務大臣(谷垣禎一君) これは、合格者数三百五十一人ということになっております。これはその前の年の二百十九人に比べますと百三十二人増加しているということでございます。
○小川敏夫君 本当に年々年々増えていますので、私の全く個人的な推測でしかないんですけれども、今年は五百人になるんじゃないかと。あるいは来年はもっと増えて、数年以内にそれこそ千の大台に行ってしまうんじゃないかと。 ある意味では、法曹を目指す人はまず予備試験受けて、それで受かったらそれでいいんだと。しかし、予備試験が駄目だったら、じゃロースクール行って、ロースクール行っている間、もう予備試験に受かっちゃえばそれでロースクールは中退しちゃってということで、その方が早く司法試験に受験できるということになれば、これはみんな受けるようになってしまうと。こういう構造になると、法科大学院できちんとした法曹にふさわしい人材を輩出するための教育というものが全く形骸化してしまうと思うわけなんですが。 しかし、受験生に、君は受けちゃいけないと言うわけにはいかないし、何らかの差別をするわけにもいきませんから、現実に予備試験というものがある以上、私は、まず法曹を目指す人は予備試験を目指して、予備試験が駄目だったらロースクールという構造になってしまうと思うんですが、こういう問題意識を私感じているんですが、大臣どうでしょう。この予備試験制度というものについて、あるいは予備試験に限らずこの司法試験の在り方について、やはり抜本的に考えて対策を練らなくてはいけないんではないかと私は危機感を持っておるんですが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) いろんな議論がございますが、私、今の委員の問題意識とちょっと違うことをまず申し上げますが、やっぱりこれ、制度をつくりますと、完璧な制度というのはなかなかないのかもしれませんが、それで問題点が出てくる。で、いろいろ議論が進んでいく。 今、私、受験生の心理から見ますと、やっぱり、例えばこうした方がいい、ああした方がいいという議論がありますと、例えば試験科目を減らせとか増やせとか、いろんな議論がございますね。そうすると、受験生としては非常に、どうなっていくんだろうと、今俺がやっている努力がそのままつながっていくんだろうかとか、いろんな不安心理に駆られる。で、あんな訳の分からないところは行きたくないなと思う者が出てくるかもしれない。 ですから、私は、いろいろな議論をある程度整理して、何というんでしょうか、収束させるというと言葉が悪うございますが、ある程度結論をきちっと出して、そして受験生にも安心して司法試験を受けてもらえる、こういうことをしなければいけないなということをまず感じております。感じておりますが、非常にまだ、率直に申しますといろんな意見の対立が非常にある状況でございますね。 今のこの予備試験も、明らかに小川先生が、小川先生も法務大臣をお務めになってその中で御苦労をされましたのでよく御存じでございますが、元々は経済的な、何というんでしょうか、恵まれていない方々にロースクールに行けなくても法律家になる道を開こうということでございましたが、今は確かにロースクールに行っている者がどんどん受けるというような状況があって、若干最初のと違うのではないかという議論が起きていることも、これは事実でございます。 それで、また他方、その一方、という議論をすると、今の小川先生のように、本来ロースクールを、本来であるから、予備試験の道は余り広げるなと多分おっしゃったんだと思うんですが、他方、その試験、いろんな議論の中には、予備試験を受ける者の負担を余り重くしていってはいけないと、軽くせよというような御議論もあるわけでございます。 それで、実はそこで私も、早く答えを出さなきゃならないみたいなことを最初申し上げて、実は非常に悩んでいるんですが、今のところは、昨年七月十六日の法曹養成制度関係閣僚会議の決定では、予備試験の結果、必要なデータをきちっと収集して、法科大学院教育の改善状況も見ながら予備試験制度の在り方について検討して二年以内に結論を得ると、こうしております。ですから、この中でまずしっかり議論を詰めていただくということが肝要かなと、このように思っております。
○小川敏夫君 大臣も大変にお悩みのところがあると思います。私も、これはそんな簡単に解決できる問題だとは思っていません。大変に大きな問題でありますし、時間を掛けた議論が必要であるという認識は持っておるんですが、しかし、今法曹を目指す者から見れば現実の問題として起きておるわけでありますし、また、これはまた改めて聞きますけれども、ロースクール卒業生と予備試験合格者、同じ大学で同じ卒業年次なのに、結果的には予備試験受かった人の方が入省年次は、あるいは任官年次は早くなってしまうと。法曹養成の本来の道である法科大学院を経た人は二年も入省が遅くなってしまうなんということが、人事のゆがみも出てきてしまうんじゃないかというふうにも思っておりまして、私は早くこれを、困難な問題であるけれども、しかし早く解決することが大変重要ではないかなというふうに思っております。 法曹養成に関する取組をしていることはよく承知しておりますが、しかし、審議会など、あれ立ち上げてからももう既に大分時間もたっておるようでありますから、ここは大きな政治的な決断ももって、いい形でこの法曹養成制度をまた国民の信頼を得られるような在り方にしていただきたいというふうに思います。 話は今度はもう一つ個別な話になってまいりますが、この予備試験の在り方なんですが、これは同僚の前川議員も前から指摘しておったんですが、予備試験というのは、言わばロースクールに行けない人のための制度としてあるわけで、司法試験の受験資格を得るための試験です。そうしたことから、法科大学院を卒業したと同程度の能力といいますかあるいは学力を有する者をもって合格するということになっておるわけです。 そうした観点で見ますと、私、予備試験の中で一般教養科目というのがございます。これが本来、予備試験の在り方として必要なのか、あるいはそういう科目があることが逆に不公平を招いているのではないかという疑問を感じております。要するに、本来のその趣旨からいけば、予備試験から一般教養科目というのは外してもいいのではないかというふうに思っております。 具体的に言いますと、予備試験の場合には一般教養として数学だとか国語だとか世界史だとか、英語も入っていたかな、何かそういう一般教養科目が入っておるわけですけれども、ロースクールではそういった科目は教えていません。ロースクールで教えていないようなそうした科目について、ロースクールの卒業程度の学力を判定する試験においてそういう科目を出すというのは、私は論理のつじつまが合わないのではないかと思いましたので、予備試験から、一般教養科目というのは科目からは外すべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、小川委員がおっしゃった点は、去年九月に法曹養成制度改革推進会議ができまして、その下で推進室というのが内閣官房に置かれておりますが、今検討しているところでございます。その中で、その予備試験科目の改革については、特に今おっしゃった一般教養科目については、一つは、論文式試験を廃止して短答式試験のみとすることはどうかと、それからもう一つは、短答式試験についても大学卒業者については免除したらどうかというようなことを含めて検討している最中でございます。
○小川敏夫君 検討しているということでしたら、是非早急に結論を出して、言わば私としては論理の筋に合わないことだと思っております。 それからもう一つは、実際上不公平が生じていると思います。一般教養科目というのは、どうも遡りますと、大学受験のときに国公立受けた人は五科目受験、英語、数学、理科系、それから社会系と、英、国、社、数、理ですよね、その五科目系を国公立の人は一生懸命勉強して受けているわけですが、私立の人は言わば数学と理科系はないですね。英語、国語、社会系ということで受験している人が多いと。あるいは、そもそも附属高校の場合に受験しない人はそういう特別な受験勉強もしていないと。理屈の上では、同じように、みんな高校を卒業をしているんだから同じ学力があって当然だというのは理屈の上では分かりますが、実際にはやはり理科系の科目というのは私立の社会系を受ける人は余り勉強していないと。しかし、予備試験の中ではそうした科目が出てくるとなると、事実上の問題として、国公立大学の人が結構有利なんじゃないかというふうにも思います。 今大臣が言われたように、であれば、大学を卒業していればそういう学力はみんな持っているんだろうということで免除するという議論があるようですから、それはそれで是非そういう方向で進めていただきたいと思いますし、大学の卒業じゃなくて、昔の司法試験みたいに一般教養科目が終わったというところでそれを免除するというのが私はいいのかなとも思いますが、まあ検討しているということですので、またしっかり、早い時期にまた結論を出していただきたいというふうに思います。 今日は文部科学副大臣にお越しいただきました。私は、今ロースクールが大変に困難な問題を抱えていると。本来、司法制度改革審議会の制度設計では、中身が濃い教育をして、そしてロースクールを修了した人の大体七割とか八割が法曹になるというような制度設計で描いたわけでありますけれども、しかし、実際には、法曹の人数が当初二千人、まあ最終的には三千人にするんだという目標の中で、しかし文部科学省は、ロースクールの定員を、六千人近くのロースクールを認可してしまったと。 そうすると、出発時点では大体二千人ぐらいしか合格しないのに、ロースクールの定員を六千人近くにもすれば、当然これ、数的にロースクールを修了した人の半分にも到底満たないような数しか法曹になれないわけでありまして、そもそもの出発から、文部科学省のロースクールを設置したその認可の段階から、もう既にロースクールの理念が実現できないような、そんなロースクールというものを認めてしまっておるわけであります。 ですから、ロースクールで学べば七割、八割の確率でしっかり頑張れば法曹になれるということで、社会人からロースクールに学んだ人もおりますし、様々なそうした意欲に燃えてロースクールに学んだけれども、結局は二割、三割しか受からないと、受からないまま終わってしまったという方も随分多いわけであります。 どうでしょう、文部科学省としましては、やはりこの本来の司法試験、法曹養成制度の在り方からすれば、中身が濃いロースクールの教育ということと、それから、やはりその教育をしっかり学んだ人の七、八割が法曹になれるというこの制度の理念、これを実現できるような法科大学院、ロースクールの在り方にまた持っていくよう努力するべきではないかと思うんですが、文科省いかがでしょうか。
○大臣政務官(上野通子君) 先生の御指摘のこと、よく分かっております。 文科省においては、最初の法科大学院について在り方を検討したときに、司法試験合格率や入学競争倍率などにおいて深刻な課題を抱える法科大学院、これですね、最近、法科大学院は御指摘のとおり深刻な課題がたくさんありまして、自主的な組織見直しを促進するために公的支援の見直しを実施しており、これまでに八校が学生募集停止を実施又は公表しているものの、いまだ深刻な課題を抱える法科大学院は存在していることから、現行の施策の効果を見極めつつ、これを更に促進する方策を加速、強化するとともに、また、法科大学院として今大変問題を抱えていて、一つの学校でなかなか支え切れない部分は、連携強化や改革、転換等を促すなど積極的な改革策についても進める必要があると考えており、また、このような課題を抱える法科大学院への裁判官及び検察官等の教員としての派遣についても、同様に見直しを行うべきと思っております。 さらに、これまで、先ほど大臣からもお話がありましたように、法曹養成制度検討会議などの議論や関係閣僚会議決定を踏まえて、中教審の審議会において、法科大学院教育の質の向上の観点から、入学の定員の在り方や適正なクラス規模の在り方について議論がなされてきたところでございます。 これを踏まえながら、更に検討していきたいと思っております。
○小川敏夫君 今取り組んでいるというお話を聞きました。 これは今の副大臣に言っても始まりませんけれども、そもそもの始まりのときに、何でこんなふうにロースクールをつくってしまったんだというような私はことで、文科省に対して、そもそも今のこの法曹養成制度の、法科大学院制度の困難の一番の元凶はこうした文科省の姿勢にあるんじゃないかというふうに思っておりまして、大変抗議したいんでありますけれども、それを副大臣に言っても始まりませんから、それはそれとしまして。 ただ、そうしたことの取組として、例えば成績が悪い法科大学院については補助金をカットするというか減額するのかというような方法で、言わば自然退場を待っているような、あるいは安楽死するのを待っているような形がしますけれども、どうもそれもまたおかしな、いびつな構造になってしまうんではないかと。 つまり、元々このロースクール制度をつくるときの理念として、幅広い人材を、社会の各層から幅広い人材を集めて養成する、教育すると。それからもう一つ、地域に偏在しないと、すなわち、都市部に偏在しないで地方にもやはり充実した法曹養成の大学を設けてということが大きな理念としてあったわけであります。しかし、今現実に見ますと、どうしても都会の有名大学のロースクールにばっか人が集まってしまって、地方にできたロースクールほど厳しいと。地方に設立したロースクールは、言わばなかなか人が集まらない結果、合格者も出ないと。そうすると、それは、成績が悪いから補助金を削られて、自然退場をするのを待たれているというのはおかしいと思うんですね。そうすると、それがどんどん進めば、結局地方のロースクールというものは消えてしまって、残るのは都会の有名大学ばっかになってしまって、まあ都会の有名大学が悪いとは決して言いませんけれども、都会のそうした有名大学ばかりが法曹を出すというのもこれもおかしな構造でありますし、そもそも幅広い人材を地域に満遍なくというこの本来の制度の理念から外れてしまっておるわけです。 ですから、文科省が、言わば増え過ぎちゃったロースクールの定員を減らして、つじつまを合わすためにといって、ただ単に成績が悪いという一事をもって自然退場を待つというのは、私は少し配慮が欠けているのではないかと。やはり地域に、あるいは個性的な、あるいは幅広い人材を集めるために努力している小規模なロースクールというものも、これもやはりそうした存在価値があるわけですから、そうした配慮も必要なのじゃないかなと思いますが、もしそうした観点から御意見をいただければと思いますが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(上野通子君) 御質問に答えさせていただく前に、先ほどちょっと間違った数字を申してしまって大変申し訳ございません。最大できたのは七十四校でしたが、この全国的に配置された七十四校の中の現在十校が廃止に向けて、また停止、八校じゃなくて十校が募集を停止したり、また廃校に向けて、廃止に向けて動いているところでございます。失礼いたしました。 そのような状況もありまして、平成十六年以降、法科大学院が実際に学生の受入れを始めた後、司法試験の合格状況や入学定員の充足率の低迷などの深刻な問題を抱える大学院が存在していることから、文部科学省としましては、まず入学定員の削減など抜本的な組織見直し、さっき先生がおっしゃったようなことを促してきたところでございますが、これでもなかなか地域への配慮というものがなされないのが現状でありますので、その際には、地域適正配置への一定の配慮をこれからする必要があると考えており、昨年公表した公的支援の見直しの更なる強化策の中で、法科大学院を評価する際の指標の一つに地域配置や夜間開講の取組の有無を挙げるとともに、課題の解決に資する、先ほどちょっと話しましたが、連合とか連携の取組はどうかを審査し、公的支援の加算の可能性を示す配慮をしているというところでございます。 つまり、様々な学校の取組としてなされているアイデアとか、例えば夜間も開講しますよという、そのような独自の施策とかアイデアを取り入れた学校をきちんと審査して、そこには公的支援をこれから入れようという取組をなすところでございます。
○小川敏夫君 このロースクール問題、大変に様々な意見があって困難な問題でしょうけれども、しかしまた現実の問題でもありますので、早急に取り組んで、なるべく早い対応をしていただきたいというふうに思います。 私はこのロースクールの在り方、例えば都会の大型校、まあ一番いい例は東大でしょうけれども、そうした教育を否定する気などは全く毛頭ございません。是非そうしたいい法曹をそうしたところで輩出していただきたいと思いますが、しかし、そうした大型校ばかりに人を集めるというのもやはり問題ではないかと。例えば、東大が二百四十人学生集めて百二十人しか受からないというんだったら、百二十人集めて百二十人受からせろと、それが言わばトップの学校としてやるべきことじゃないかと。大型校ばかりに定員を多くしないで、もっとそうした本来の理念に合うような、そうした法科大学院制度にしっかりと構築していきたいという私のこの思いを述べさせていただきまして、今日の私の質問は終わります。 ありがとうございます。
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかでございます。 まず冒頭、今月十一日で三年を迎えました東日本大震災で尊い命を犠牲にされた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、御遺族の方々、また被災された全ての方々に心よりお見舞いを申し上げます。復興への道のりも四年目となったわけでございますけれども、どこまでも被災地に、また被災者の皆様に寄り添い、復興の加速に取り組んでまいることを改めて深く決意をいたしております。 さて、質問に入らせていただきますけれども、大臣は先日の所信表明で、少年矯正の基盤の整備、また再犯の防止対策の推進にも取り組んでいかれると、このようにおっしゃっておりました。今国会では、少年院法案、少年鑑別所法案の提出も予定をされているところであります。そうしたことに関連をいたしまして質問をさせていただきたいと思いますけれども、私は先日、神奈川医療少年院を視察をさせていただきました。全国で五十一か所少年院があるというふうに聞いておりますけれども、その一つであります。 まず、この神奈川医療少年院に入院をしております少年の特徴について教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(西田博君) お答えいたします。 神奈川医療少年院は、知的障害によりまして専門的な医療措置を必要とする少年や、情緒的に未成熟で社会的な不適応が著しいために専門的な治療処遇が必要な少年を収容している施設でございます。 このような少年は、出院後も福祉的な配慮が必要であるほか、保護者が少年の身元引受人になることを拒否したり、あるいはその家庭環境に問題があるといった理由からなかなか帰住先の確保が困難な場合が多い少年が多いところでございます。
○佐々木さやか君 要するに、知的な障害であったりとか、あと発達障害ということもあると伺いましたけれども、そうした障害、そして情緒的に未成熟で社会への不適応が著しい少年が入院の対象になっているというふうに聞いております。今おっしゃっていただきましたとおり、そうした少年たちの処遇において最も大変なことの一つが、少年院を出た後の帰住調整、これが非常に困難であると、その困難者が半数以上であるというふうに聞いております。 こうした少年たちの処遇を行うに当たって、地域生活定着支援センター、こことの連携が重要になっているというふうに聞いております。この地域生活定着支援センターの事業について、どのような内容なのか、御説明をお願いいたします。
○政府参考人(古都賢一君) お答えを申し上げます。 ただいま、医療刑務所も含めまして矯正施設に入所されております障害者や高齢者に対しましては、矯正施設入所後、障害者手帳などの取得の支援、あるいは社会福祉施設の入所あっせん等、福祉サービスの利用支援を入所中から行う地域生活定着支援センターというものを整備を進めております。平成二十一年度から進めておりまして、平成二十三年度末には全ての都道府県でセンターの設置をしたというところでございます。 この地域生活定着支援センターの業務といたしましては、まず第一に、先ほど委員から御指摘ございましたように、矯正施設に入所している人の出所後の居住先の確保、あるいは福祉サービスの利用調整などのコーディネート業務。二つ目に、センターが調整を行った人が矯正施設を出所後に社会福祉施設などの利用を開始した場合に、本人が入所した社会福祉施設の職員などに対しまして助言などを行うフォローアップ業務。三番目といたしまして、地域に居住する矯正施設出所者やその家族、福祉施設などからの相談に応じる相談支援業務を行っておるところでございます。 実績といたしましては、平成二十四年度に全国の地域生活定着支援センターにおきまして、コーディネート業務を実施した人は千二百四十人、フォローアップ業務を実施した人は千八十一人、相談支援業務を実施した人は九百二十六人となっており、いずれも前年度の実績を上回っているところでございます。
○佐々木さやか君 御説明ありがとうございます。 今お話がありましたように、非常に処遇が困難な、また家庭も、家庭環境も劣悪でおうちに帰ることもできない、とはいえ障害も抱えていらっしゃいますので受入先も見付からない、そうした少年たちに対して細やかな様々な福祉との連携を行っていただいていると。こうした地域生活定着支援促進事業、これが始まったことで神奈川医療少年院においても非常に助かっていますと、このようなお話をいただきました。 ただ、地域定着支援センターのこの事業について一点問題だなというふうに思いましたのが、この事業というのは都道府県の事業であるということで、自治体によるようですけれども、自治体によっては一年ごとにこの地域定着支援センターの事業について公募を行って入札が行われると。その結果、一年間委託をしてきたその事業の団体が交代をしてしまうと。こういうこともあるそうでございます。そうなりますと、特にこうした神奈川医療少年院に入院をしております少年のような場合には、帰住調整に入院中に取り組むとしても時間が非常に掛かると。せっかく個別の少年について一生懸命取り組んできたものが途中で入札によってまた担当者が替わってしまって、そこまで積み重ねてきたものがまた一から取り組んでいかなければならなくなってしまうと、こういう問題があるそうであります。 ですので、直接的には都道府県の事業と伺っておりますけれども、こうした地域定着支援センターの事業については継続性を重視をしていただきたいですし、またそれを委託する事業者が替わったとしても、その引継ぎについては十分に配慮がされるべきだと思いますけれども、この点についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(古都賢一君) お答え申し上げます。 先生御指摘のように、この地域生活定着促進事業の実施主体は都道府県と、自治体といたしております。その上で、実務を様々考慮して都道府県が適切な運営が確保できるというふうに認めた社会福祉法人あるいはNPO等の民間団体に事業を委託するということができるとしております。 都道府県は、公募によりまして選定された適切な法人に運営を委託して本事業を実施しておりますが、県によりましては、何年かに一回とか公募されているところがあるというふうには聞いております。 実際上は引き続き同じ法人が受託をされるということもございますが、このように定着支援センターの運営を受託する法人が変更されることは当然仕組みとしてあり得ることでございますが、何よりも、矯正施設に入所中の障害者、高齢者の出所後における福祉サービスの利用調整の業務の継続性というものは必ず確保されなければならないというふうに思っております。 その意味で、業務の継続性を確保するためには、都道府県が受託事業者の変更を行う場合に業務の引継ぎに特に配慮をしていただくというように、厚生労働省といたしましても、引継ぎに当たっての留意事項等を今後周知徹底をしていきたいというふうに考えております。
○佐々木さやか君 是非よろしくお願いをいたします。やはり少年の生活状況だったりとかその少年の心の問題についても、いろいろとよくよく分かった上で帰住調整を行っていただかないといけないですので、本当にその継続性というものが重要なのではないかなと思っております。 そして、一点、大臣にお伺いしたいと思っているんですけれども、こういった地域定着支援センターの努力のかいもあって帰住調整について取り組んでいただいているわけですけれども、そうした努力によってもやはりまだ調整が困難な少年もいらっしゃると。神奈川医療少年院で伺ったお話では、少年の標準の入院のための期間は十一か月ということなんですけれども、帰住調整が困難だということを理由にそれを大幅に超えて一年、二年と、長い少年では数年入院しているということもあるそうでございます。 こうした少年たちへのいわゆる少年院を退院するときの出口支援というものは本当に重要でありまして、これからも是非取り組んでいただきたいと思うんですけれども、この点についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 佐々木先生に行っていただいた神奈川医療少年院、これは障害あるいは疾病、こういうものを有する少年を収容する施設でありますけれども、そういったところを中心に、まず少年院の体制としても、精神保健福祉士であるとかあるいは社会福祉士といった福祉の専門スタッフをきちっと配置して、そして少年院に収容されている少年たちの必要に応じた専門的な観点からの支援ができる体制をつくらなきゃいけないと。今その体制を構築することを急いでいるというか努めているところでございます。 そして、なかなか帰住先、この調整が困難なものがこういう中には多いわけですが、その帰住先あるいは引受人確保といったことをきちっとやっていくことが再犯の防止、再非行防止という上で極めて大事だと思います。 それで、先ほどお話がありました地域生活定着支援センターについてですが、これは平成二十一年度以降、自立支援の困難な人たちについて、出院後必要な福祉サービスにつなげていく特別調整ということを平成二十一年から始めております。 それで、その中で、少年については、特に少年院に入ってきた早期から関係機関が集まって、帰住先の確保とかあるいはどういう福祉の支援が必要なのかというのを検討する場を設けまして、できるだけ早く帰住先の確保やあるいは出院後の生活設計を固められるように、個別にやはりきめ細かくやらないとなかなかこれは進まないなと。それからもう一つ、少年院を出ました後はほとんどが保護観察を受けます。したがって、少年院在院中の処遇状況、これらを更生保護官署との連携をよくしてその情報を共有するということも極めて大事でございまして、この連携が必要でございます。 それで、このようにやはりもう再犯防止とか再非行防止には福祉機関との連携が極めて重要でございまして、今後ともその方向は力を入れて努力していきたいと思っております。
○佐々木さやか君 ありがとうございます。 今おっしゃっていただきました刑事司法と福祉の連携というものは、私も非常に重要なものであると思います。是非これからもよろしくお願いを申し上げます。 私が伺わせていただきました神奈川医療少年院ですが、その施設自体が大分老朽化をしておりました。それで、やはり心配になりましたのは耐震性の問題なんですけれども、神奈川医療少年院に限らず、全国にある少年院施設の老朽化の状況と、それから耐震性の状況について教えていただきたいと思います。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 少年院の中には、老朽化の著しいものや現在の耐震基準に適合していないものが多数存在しております。そのため、大規模災害等が発生したときには、収容されている少年、来庁者及び職員の生命、身体の安全を害するおそれがありますほか、収容されている少年の逃走等、重大事故の発生が懸念されるところでございます。 そこで、昭和五十六年以前の旧耐震基準によって建設された少年院につきましては、優先的に耐震化を実施する、あるいは建て替えを促進することとしております。また、新耐震基準によって建設された少年院につきましても、その建物の長寿命化を図ることといたしております。
○佐々木さやか君 事前に御説明いただきました内容ですと、やはり昭和五十六年でしょうか、それ以前に耐震化基準を満たしていない少年院も結構な数あったというふうに記憶をしております。重要な点ですので、是非取組をお願いしたいと思っております。 そして、この神奈川医療少年院でいいますと、特に見せていただきました体育館がひどい状況でございまして、全体の老朽化もそうなんですが、体育館の屋根も剥がれて雨漏りがひどいんだそうです。私が伺わせていただいたときは雨は降っておりませんでしたけれども、大雪がございましたので、雪がまだ残っているので、その雪解け水が雨漏りになって、そのときも晴れていたにもかかわらずバケツを置いてあるというような状況でございました。雨の日は本当にひどくて、体育館自体が利用できない状況にあるということでございます。 少年院では保健体育の教育活動というものがございます。ですから、神奈川医療少年院に限らずどこでも体育館は重要な施設なわけですけれども、特にこの神奈川医療少年院のような場合には、先ほどから申し上げているとおり、知的な障害ですとか発達障害ですとか、精神的に困難を抱える少年の処遇を行っておりますので、そういった保健体育活動、体を動かす活動というのが重要であるというふうに聞いております。 そして、先ほども申し上げましたが、神奈川医療少年院での入院期間というのは標準で十一か月ということで、じゃ、例えば梅雨の時期なんかに掛かってしまった場合に、長期的に体育館が使えないということになりますと、体育の教育活動ができないわけですので、少年の処遇計画にも影響が生じるのではないかと、支障が生じるのではないかと思います。 また、この神奈川医療少年院の場合には、小学校、中学校が隣にあるんですけれども、この小学校、中学校というのが、相模原市ですが、相模原市から避難所指定を受けているということで、何かあった場合、災害時にはその小学校、中学校の体育館なんかは避難所にまさになるわけですけれども、隣接している神奈川医療少年院についても、敷地も広いですし、例えば物資を置くとか、そういう一体的な使い方をしようということで、市と神奈川医療少年院との間では話もされているそうなんですね。 しかしながら、その体育館が雨漏りで全然使えないというようなことですと、そういう場合にも支障も生じますので、非常にこの雨漏りで使えないという状況は問題であると思っておりますが、具体的に、神奈川医療少年院の体育館について早急に修繕していただきたいんですが、修繕の計画というのはどのようになっていますでしょうか。
○政府参考人(西田博君) お答えいたします。 おっしゃるとおり、神奈川医療少年院は昭和五十四年の建築でございまして、もう三十五年経過している老朽施設でございます。経年に伴う劣化が随所に見られまして、御視察いただきました体育館も、おっしゃるとおり雨漏りがございます。このままではいけないというふうに私ども思っておりますので、速やかに補修工事を実施するような手続を進めたいというふうに思っております。 以上でございます。
○佐々木さやか君 是非よろしくお願いいたします。平成二十六年度中にはというか、もうできるだけ早く行っていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 先ほども申し上げましたように、神奈川医療少年院だけでなくほかの施設も、恐らくもっと古い所はもっと大変なのかなと思いますので、調査とともに御対応をお願いしたい思っております。 それから、体育館のお話をしましたので、その関係で申し上げようと思うんですが、私、八王子の少年鑑別所の方にも伺いまして、いろいろと見学、視察をさせていただきました。その中で、この少年鑑別所にも体育館があるわけですけれども、この体育館を、夜は少年、そこに収容される少年たち、もう使いませんので、夜の時間帯、一般市民の方に開放をしていらっしゃるそうなんです。ですから、その体育館を使って地域の住民の方たちが、ママさんバレーだったりとかバスケットボールだったりとか、いろんな活動をされているということでした。予約もたくさん入りまして、非常に人気だということです。 実は、この八王子少年鑑別所のもうすぐ隣に体育館があるんですね。市の体育館かちょっと分かりませんけれども、公共の体育館もあるんですけれども、そこは非常に、どこも体育館はやっぱり人気で、予約がもういっぱい。ですから、もうそのすぐ隣にあるんですけれども、少年鑑別所の体育館も市民の皆様に非常に使っていただいていると、こういうお話でした。 少年鑑別所の場合と少年院の場合とでは、例えば立地だったりとか施設の状況だったりとか違いもあるかもしれませんけれども、少年院についても、標準的な教育活動でいいますと、体育館を使うような活動というのは夕食前の午後五時ぐらいまでというふうに聞いておりますので、例えば社会人の皆さんで、お仕事終わりに体育館で夜フットサルをしたいとかバスケットボールをしたいとか、そういう方もたくさんいらっしゃると思うんです。 ですから、是非、少年院においてもこうした取組をしていただけたらいいんじゃないかと思っているんですが、現状、少年院でそういった取組をされているところがあるのかどうか、まずお聞きしたいと思います。
○政府参考人(西田博君) お答えいたします。 少年が使用しておりません夜間ですとか休日につきましては、所在施設の近隣にございます町内会ですとかあるいは地元の少年スポーツ団とか、そういったところに体育館を利用していただいております。我々使っていない時間帯でもありますし、それから、地元住民の理解を得たり、あるいは様々な形で地域との共生を図る意味でも重要なことと思っておりますので、今後もそういった利用をしていただくようなことをしたいというふうに考えております。
○佐々木さやか君 ありがとうございます。 私は、八王子の少年鑑別所に伺って初めてそういう施設の開放ということをしているというふうに聞いたものですから、従前から少年院でもそのように取り組んでいただいていると聞いて、よかったなとも思いますけれども。 私が、体育館を一般市民の方に使っていただいているというのを聞いて、ああ、いいことだなと思ったことの一つは、もちろん少年院とか少年鑑別所では地域の皆さんとの交流をいろんな形でして取り組んでいらっしゃると思うんですけれども、体育館を使うということになると、それまでそんなに少年院自体に余り、何といいますか、関心がない方でも、例えばさっき申し上げた普通の社会人のフットサルチームの方々とか、そういう方も気軽にといいますか来てくださると思うんです。それをきっかけに、また少年院とか少年鑑別所のような施設にも、またそこに入所している少年たちについても関心を持っていただいて、理解を深めていただけるいいきっかけになるのではないかなと思います。 ですので、先ほど耐震性の話をしましたけれども、これから施設を改修とか又は建て替えなどをしていくときには、そういった市民の皆様への開放をしやすい工夫をしていくとか、施設自体にそういったことも是非観点として取り入れていただけたらなと思っております。 大臣にお伺いしたいんですけれども、今申し上げました体育館のような施設の開放なども含めて、より幅広い方々に少年院、また少年院についての理解を深めていっていただく、そうした活動を取り組んでいただく必要があると思いますけれども、この点についてお考えを聞かせていただければと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私は、やっぱり少年院というのがどういうところで何をやっているのかということを広く知っていただくというのが極めて大事じゃないかと思います。知りませんと、やっぱり何かえたいの、えたいの知れないと言っちゃ言葉が悪うございますが、何か悪いことをした子が行くところであるというようなことになって、それが、何というんでしょうか、ある場合には、中にいる人に対するレッテル貼りになったり、なかなかその後の帰住先を探したり仕事先を探したりするのにも理解が得られないということになっていくのじゃないか。やっぱり、少年院はなるほどこういうことをやっていることだということを理解していただくということは極めて大事なんじゃないかと思います。 そういう意味では、今おっしゃった、体育館を一般市民の方に使っていただくということもやってまいりました。そのほかにもいろんなことを工夫していかなければいけないと思っておりまして、中にいる少年たちの社会性といいますか、そういうのを育んだり、あるいは、俺はもう決して社会に疎外されているわけじゃないんだと、社会の中で俺がやれることがあるんだという有用感といいますか、そういうものを育てていくというのは非常に大事なことでございますので、例えば公共の場所での清掃活動とか、あるいは福祉施設で介護活動をするような社会貢献活動でしょうか、そういうこと、あそこで少年院の子供たちがそういうことをやっているということを知っていただくのも大事だと思います。 それから、地域住民とスポーツ交流などをしているところもございまして、そういうことも少年院の存在を知っていただく上には大きいのじゃないか。 それから、もう一つやっておりますのが、参観希望者を募りまして募集参観ということをやっておりまして、これは、何というんでしょうか、広報活動の一環でございますが、大分認識を高めていただくためには役立っているのではないかと思います。 今後とも、こういうことは工夫して、少年院の存在を理解していただく一助にしたいと、こう思っております。
○佐々木さやか君 是非今後ともよろしくお願いいたします。 残り時間があと僅かになってまいりました。残り時間で司法ソーシャルワークについてお聞きしたいと思います。 大臣は、法テラスによる司法ソーシャルワーク、この促進に取り組んでいただいております。私も、先ほど刑事司法と福祉の連携と申し上げましたが、言わばこの司法ソーシャルワークはより広く司法と福祉の連携なのではないかなと思っておりますが、非常に重要であると思います。これから超高齢化社会を迎える日本においては、いろいろな面で司法もまた高齢化に対応していかなければならないのだと思います。その一つが司法ソーシャルワークではないかなと思っております。 この司法ソーシャルワークといいますのは、高齢者の方、また障害者の方、こういった弁護士へのアクセスが、法的サービスへのアクセスが困難な方、そうした方々が適切に法的サービスを受けるために、そのために、行政だったり福祉関係の団体の方々だったり、そうした方々の協力を得て要支援者を見付け出す、そして弁護士その他の必要な支援者につなぐと、こういったいわゆるアウトリーチの連携手法でございます。こうした手法は非常にこれから大事になってくると思います。 その司法ソーシャルワークが進んでいる事例として法テラス佐渡がございますけれども、ここでは、認知症の高齢者の方が高額な布団を買わされてしまったと、督促状が来ているんだとか、それから、一家、家族全員が障害をお持ちで、そうしたことからなかなか必要な支援に結び付かないといったような、行政関係の方だったり福祉機関からの相談、これが法テラスの方に日常的に寄せられているというふうに伺っています。そうしたことに対して出張相談をしたりとか、それから、福祉関係、また弁護士を交えて、その方のためにどうしたらいいのかというケース会議を開催をしていると聞いております。 こうした司法ソーシャルワーク、是非進めていっていただきたいと思いますけれども、今後どのように推進をしていくのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(小川秀樹君) お答えいたします。 御指摘いただきました司法ソーシャルワークにつきましては、本年二月、法務大臣が定めました法テラスの第三期中期目標において、高齢者、障害者については、自らが法的問題を抱えていることを認識する能力が十分でなかったり、意思疎通自体が困難であるなどの理由で自ら法的支援を求めることができない例が潜在していることが明らかになってきたところであり、これらについては、支援センターが福祉機関や民間の取組等と連携を図り、当該高齢者、障害者にアウトリーチをするなどして、その法的問題を含めて総合的に問題を解決していく必要性があるとしておりまして、さらに、司法ソーシャルワークに係る検証調査で得られたデータや地域のニーズ等の把握に基づく事業計画及び具体的目標を平成二十六年度中に策定した上で、効率的かつ効果的に事業を実施するとしているところでございます。 今後、法テラスがこれに沿って取組を進めていくことを期待しているところでございます。
○佐々木さやか君 私、この司法ソーシャルワークをこれからそのように進めていただけるということで、ありがとうございます。 進めていくに当たって一つ重要だと思いますのが、地域包括支援センターとの連携であると思います。 地域包括ケアシステムというのは、一人のお年寄りの方がその地域で安心をして生活をしていただけるように様々な専門家の方々がチームを組んで支えていくと、こういった制度でございまして、例えば、その中に医療、介護だけではなくて生活支援というものもございますけれども、これには、家事の援助だったり、外出の支援だったり、安否確認、そのほか権利擁護というものも含まれるというふうに私は読みました。 こうした地域包括ケアシステム、地域包括支援センターとの連携を是非法テラスの方で十分に取っていただいて、例えば地域ケア会議と言われる会議にスタッフ弁護士の方に積極的に出ていただけるようにするとか、そういった連携を進めていただきたいと思うんですけれども、この点について現状はどのようになっているのか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(小川秀樹君) 司法ソーシャルワークの重要な担い手であります法テラスの常勤弁護士、いわゆるスタッフ弁護士でございますが、このスタッフ弁護士が、地域包括支援センターが主催するケース会議、これは、自治体の職員や地域包括支援センターの職員などが協働して困難な事例などの個別ケースについて総合的な解決に向けた支援策を協議するというものでございますが、こういったケース会議への参加をすることなどを通じまして、情報を共有し、自ら法的支援を求めることができない高齢者が抱える法的問題の解決に現状としても取り組んでいるところでございます。
○佐々木さやか君 ありがとうございます。 地域包括支援センターだったり、福祉との司法の連携が法テラス佐渡のようなところでは非常にうまくいっているところもあるんですが、それが本当に今現状、全国的にうまくいっているかというと、そうではないというふうに私は思っております。ですので、是非全国的に進めていっていただきたいと思います。 最後に、この地域包括支援センターとの連携という点からも、司法ソーシャルワークの推進、是非取り組んでいただきたいと思いますが、最後に大臣に一言、御決意をいただければと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほど少年院と福祉の連携ということで御議論をさせていただいたわけですが、法テラスの活動にとりましても、今まで佐々木委員がおっしゃったように、福祉との関係というのは大変大事だと思います。 高齢化社会でだんだんお年取ってみえますと、自分が法律問題を抱えているのかどうかということもよく分かっておられない方も増えてくると。そういう方に法テラスが手を差し伸べていくのは大変重要なことでございますが、それをするに当たっては、先ほど来お話しのように、地域包括支援センターとの連携をよくしていくということが意味があるのではないかと思っております。 法務省としましても、そういったことをバックアップしていかなきゃいけませんので、厚労省のその担当のところとの連携等々をしっかりしながら、サポート体制をしっかりしていきたいと思っております。
○佐々木さやか君 厚労省との連携もしっかりしていただくということで、お言葉をいただきました。ありがとうございます。 時間が参りましたので、残りの質問についてはまた別の機会にさせていただければと思います。 以上で終わります。
○委員長(荒木清寛君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時十六分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(荒木清寛君) ただいまから法務委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、法務行政の基本方針に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○行田邦子君 みんなの党、行田邦子です。よろしくお願いいたします。 二〇一一年三月十一日、東日本大震災が起きてから、一昨日、三周年ということでありました。私自身も岩手県の生まれという、被災地に多くの親戚を残しているという立場からも、一日も早く復興を果たせるように、私もこの国会で、特に法務委員会で臨んでいきたいと思っております。 それでは、質問をさせていただきます。 先日、谷垣大臣から所信をお聞かせいただきました。非常に幅広い分野における法務行政について、大変丁寧に所信をお聞かせいただきました。けれども、今日私が取り上げたいテーマというのは先日の大臣の所信の中には触れていなかったことでございまして、何かといいますと、民法の家族法、特に婚姻、離婚規定についてでございます。 まず初めに、民法の家族法、特に婚姻、離婚規定についてどのような作業がなされてきたのかを振り返ってみたいというふうに思っております。具体的には、民法でいいますと七百三十一条、七百三十三条、そして七百五十条ということに当たります。 まず、法制審議会におきまして、民法の婚姻、離婚規定の見直し作業というのが着手されたのが今から二十三年前、一九九一年というふうに認識をしております。このときに法制審議会で見直し作業に着手されたその経緯とまた背景をお聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(深山卓也君) お尋ねの件につきましては、長い経緯がございますので少し遡って説明をさせていただきます。 民法のうち家族法に関わる部分は現行憲法の制定に伴って昭和二十二年に全面改正されましたけれども、改正作業の時間が十分でなかったことから、憲法に抵触しない規定については明治民法の規定がそのまま残されており、改正法案が成立した際に衆議院において、「本法は、可及的速かに、将来において更に改正する必要があることを認める。」という附帯決議がされました。 こういった背景事情もございまして、昭和二十九年に法務大臣からその諮問機関である法制審議会に対しまして、民法に改正を加える必要があるとすればその要綱を示されたいと、こういう包括的な諮問がされました。法制審議会の民法部会に設置された小委員会というものにおきまして、家族法の全面的な改正のための調査審議がその時点から開始されました。そして、その結果を受けて、昭和三十七年及び昭和五十五年の相続法の改正、昭和六十二年の養子制度の改正などが順次行われたところでございます。 もっとも、御指摘の婚姻、離婚に関する法制につきましては、昭和二十二年の改正以降、根本的な部分の見直しがされないままであったところ、戦後約半世紀が経過し、この間に我が国の社会情勢や国民の生活が大きく変化をし、家族の構成員である個人の人生観や価値観も多様化してきたこと、また諸外国の法制の動向なども踏まえまして、平成三年から婚姻、離婚等に関する規定の見直しの作業が開始されたものでございます。
○行田邦子君 ありがとうございます。 そして、こうして法制審議会におきまして一九九一年から民法の婚姻、離婚規定の見直し作業が続いていたわけですけれども、その五年後、一九九六年に法制審議会による最終答申がなされました。また、その法案要綱といったものも答申をされました。 それを受けて、法務省の中では法案提出の準備が一旦なされたわけでありますけれども、にもかかわらず、民法の婚姻、離婚規定に関する法案の改正案が閣法として国会提出に至らなかった、その理由をお聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(深山卓也君) 御指摘のとおり、法制審議会は平成八年、一九九六年二月に選択的夫婦別氏制度の導入を含む民法の一部を改正する法律案要綱を法務大臣に答申いたしました。 法務省としては、この法律案要綱に基づいて、平成八年の通常国会に民法及び戸籍法の一部を改正する法律案を提出すべく関係方面と折衝を行ってまいりましたが、与党を始め各方面に様々な御意見、御議論があったことから、国民の意識に配慮しつつ、更に慎重な検討を行う必要があると考え、法案の提出を見送ったものでございます。
○行田邦子君 こうして法案の提出を見送ったということですけれども、その後、民主党政権になりまして、二〇一〇年の一月に民法及び戸籍法の一部を改正する法律案が政府からの提出法案として予定をされていましたけれども、ここでも閣議決定がされずに国会への提出が見送りといったこともございました。こうして、一九九一年に法制審議会で初めて民法の婚姻、離婚規定に関する見直しが行われて、二十数年間たってもなおいまだに国会に閣法として法案が提出されていないという状況であります。 そこで、確認なんですけれども、法務省所管の法律におきまして、政府案ができ上がっていながら長期にわたって国会に提出されていなかった例というのはあるんでしょうか。
○政府参考人(深山卓也君) 法制審議会による法律案要綱の答申がされたものの、いまだ法案を提出したことがないという例は、民事法に関するものとしてはほかにございません。もっとも、民事法以外の分野では、昭和四十九年五月に答申をされた改正刑法草案、これは刑法の全面改正に関するものですが、これがそのようなものでございます。
○行田邦子君 法制審の答申がなされていながら閣法として国会に提出されなかったものというのは極めてまれなのかなというふうに認識をいたしました。 ここで少し視点を変えまして、それでは、国連などの人権機関からどのようなことが今の日本の家族法について言われているのかといったことをなぞってみたいというふうに思います。 国連人権機関から日本政府に対してなされた民法の差別的規定改正の勧告がありますけれども、これは何度かなされていると思いますけれども、具体的には、民法の差別的規定というのは、婚外子の相続差別、それから選択的夫婦別姓を取っていないという夫婦同氏ということ、それから婚姻最低年齢、それから再婚禁止期間と、この四つかと思うんですけれども、これらについての国連人権機関からの勧告の内容、その概略を簡潔にお答えいただけますでしょうか。
○政府参考人(深山卓也君) 我が国は、国際人権諸条約に基づいて国連に設置された委員会から、御指摘の民法の規定について、差別的な規定を廃止し又は条約に適合するように民法の規定を改正するよう繰り返し勧告を受けているのは事実でございます。 例えば一例を挙げますと、女子差別撤廃委員会は、平成二十一年八月、我が国に対し、男女共に婚姻適齢を十八歳に設定すること、女性のみに課されている六か月の再婚禁止期間を廃止すること、及び選択的夫婦別氏制度を採用することを内容とする民法改正のために早急な対策を講じるよう要請すると。さらに、嫡出でない子とその母親に対する民法及び戸籍法の差別的規定を撤廃するよう要請するといった勧告を受けております。
○行田邦子君 このような国連人権機関、主に女子差別撤廃委員会からだと思いますけれども、何度かにわたりまして勧告がなされ続けているという状況であります。 そこで、今日は内閣府の男女共同参画局長にお越しいただいていますので、ここで質問したいと思います。 このような何度かにわたる国連人権機関からの勧告を日本政府が受けているということに対して、男女共同参画の立場からどのように受け止めていらっしゃるのか、そしてまた、こうした勧告を受けた立場として、それに対してどのような対策を取ったのか、教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(佐村知子君) 御指摘の民法改正の問題につきましては、直近、平成二十一年、二〇〇九年ですが、女子差別撤廃委員会の最終見解におきましても早急な対策を講じるようにという要請がなされておりますが、その一方で、婚姻制度や家族の在り方と関連して、これまでも様々な議論が行われてきたと承知をしております。 平成二十二年の十二月に閣議決定をされた第三次男女共同参画基本計画におきましては、この女子差別撤廃委員会の最終見解における指摘事項も点検をしつつ策定いたしておりまして、計画の中では、「女子差別撤廃委員会の最終見解も踏まえ、婚姻適齢の男女統一、選択的夫婦別氏制度の導入等の民法改正について、引き続き検討を進める。」といたしております。 この課題につきましては、第三次男女共同参画基本計画に基づき、国民意識の動向や法務省における今後の対応も見ながら、引き続きしっかり取り組んでまいりたいと存じます。
○行田邦子君 今、こうした国連人権機関、具体的には女子差別撤廃委員会の勧告を受けて、第三次男女共同参画基本計画の中ではそれを受けてのコメントというかが盛り込まれたということでありますけれども、ここでちょっともう少し具体的に教えていただきたいんですけれども、先ほど局長がおっしゃられました引き続き検討を進めるというところなんですけれども、それでは、具体的にどういう検討を今進めているのか教えていただきたいんです。
○政府参考人(佐村知子君) 例えば、私どもの男女共同参画会議の中では監視専門調査会というのがございますけれども、そちらで取組状況に関して検討を行い意見を取りまとめるなど、そういうことを進めております。
○行田邦子君 ということですけれども、それでは大臣に伺いたいと思います。 先ほども男女共同参画局長から答弁がありましたけれども、二〇〇九年第六回女子差別撤廃委員会におきまして日本政府は勧告を受けました。その内容というのは、具体的には、男女の婚姻年齢を共に十八歳にすること、それから、女性のみに課せられている六か月の再婚禁止期間を廃止すること、また、選択的夫婦別氏制度を採用することを内容とする民法改正のために早急な対策を講じるよう締約国に要請するということ。そしてまたさらになんですけれども、本条約の批准による締約国の義務は、世論調査の結果のみに依存するのではなく、本条約は締約国の国内法体制の一部であることから、本条約の規定に沿うように国内法を整備するという義務に基づくべきであることを指摘する。このような勧告がなされているわけであります。それに対しての大臣の所見を伺いたいと思います。 そしてまたさらになんですけれども、二〇〇九年に女子差別撤廃委員会からの勧告を受けて、そして何度か日本政府としてもコメントを出しています。そういったやり取りがあったわけですけれども、二〇一四年、今年七月までに、八回目に当たるかと思いますけれども、八回目あるいは九回目の報告書を提出することになっています。この報告書の作成状況、またどういった方向性で議論がなされているのか、政府内の議論等教えていただければと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 二〇〇九年に国連女子差別撤廃委員会最終見解という中で、今、行田委員がおっしゃったような指摘を受けていることは私も承知しております。 それで、世論調査によるのではなくというような記述がございますが、私は、例えば選択的夫婦別氏制度、こういったものの導入は、導入をするということになりますと、やはり家族に対する考え方に大きな影響を与え得るものだと思っておりまして、こういう制度は国民の理解を得て行わないと、なかなか、不要な摩擦が起こったり、定着しづらいということがあろうと思います。したがいまして、世論調査等々によって国民意識の動向を把握するということは不必要とは言えないというふうに考えております。 それから、御指摘の勧告の中の記述として、我が国が選択的夫婦別氏制度の導入等の民法改正を行わないことが条約に違反していることを前提にしているように、前提としていると読めなくもない部分があるわけでございますが、我が国としては、民法改正を行わないことは条約に違反するものではないというふうに認識をしております。 それで、今後とも、女子差別撤廃委員会の勧告に対しては我が国の状況について説明をきちっとしていきたいと思っておりますが、お尋ねの報告書、これは今内閣府で取りまとめ作業が行われているものというふうに承知をいたしておりますが、法務省におきましても、最高裁判所の違憲決定を受けまして、昨年十二月に行った嫡出でない子の相続分の同等化に関する民法改正の内容、それから選択的夫婦別氏制度の導入等の民法改正をめぐる我が国の状況等を説明することを検討をしております。 今後、関係の省庁と内容を調整した上で報告書が取りまとめられることになると考えております。
○行田邦子君 今大臣から、特に選択的夫婦別氏制度などのようなものは家族に対する考え方に非常に大きな影響を与えるという、それゆえ、世論の動向というか、世論がどのように考えているのか、国民がどのように捉えているのかを知る必要があるという御答弁もありました。私も確かにそれは一理あると思っております。 そこで、世論調査、内閣府で行っている世論調査についてお聞きしたいと思います。 内閣府におきましては、定期的に家族の法制に関する世論調査というものを行っています。私が今持っているデータでは、昭和五十一年ぐらいからずっと継続的に行っているものなんですけれども、その中で、選択的夫婦別氏制度についてどう思いますかという質問を、これをずっと定期的に質問をし続けているんですが、今皆様のお手元にお配りしている資料を御覧いただけたらと思うんですけれども、これは今、最近、直近で行われました平成二十四年度の家族の法制に関する世論調査、内閣府が行ったものです。これの選択的夫婦別氏制度についてのアンケートの結果、調査の結果でございます。一番上が三千四十一人のサンプル数での結果でありますけれども、現在の法律を改める必要はないという反対が三六・四%、そして、法律を改めても構わないが三五・五%と。この結果ですと、この数字を見ると、改める必要はないという方の方が僅差で上回っているという状況です。 これを受けまして、この内閣府の世論調査が発表されたときに各メディアが、今回の調査においては選択的夫婦別氏制度については反対が上回った、賛成より反対が上回ったといった報道もなされたことを私自身も記憶しているところであります。 それで、この結果、調査結果を見ますと、まず興味深いことというのが、全体の三千四十一の結果は、僅差で改める必要はないということなんですけれども、これを年代別にどう答えているのかというのを見ますと、高齢者の方、七十歳以上の方が、五八・三%が改める必要はない、反対ということになっています。一方で、二十代の方は、二一・九%が改める必要はない、反対、そして、改めても構わないが四七・一%と。この件というのは世代によって考え方が非常に分かれる、大きく異なるという結果が見て取れます。 そして、そこでもう少しよく見てみますと、この平成二十四年度に行われた調査の該当者数というところ、括弧で書いてある人数なんですけれども、ここを見ると、おやと思うんですが、年齢のところの、年齢が書いてある右横の括弧の人数を見ていただきたいんですけれども、二十代が二百四十二人、三十代が三百六十九人、四十代が五百六人、五十代が四百七十九人、六十代が六百九十九人、七十歳以上が七百四十六人というサンプルの割り付けになっています、有効回答人数ですね、割り付けになっています。これは人口分布に合っていないんじゃないかと、余りにも七十歳以上の方の割合が多過ぎるんではないかなという疑問を感じました。 そこで、今日は内閣府大臣官房政府広報室長に来ていただいていますので、この調査を担当されているということですので、なぜこのような結果になったのか、そして、更に伺いたいのは、この三千四十一の該当者、サンプル数を、これを人口分布にウエートし直した場合、どのような結果に変わるのか、教えていただきたいんです。
○政府参考人(武川恵子君) お答えいたします。 まず、内閣府の世論調査でございますけれども、サンプル数は人口構成に従ってサンプルを取るんですけれども、近年の調査環境が悪化しておりまして、若年層を中心に調査に協力を得られないとか在宅しておられないという方が増加しております。その結果、人口構成と比較しまして回収数で見ますと若年層の割合が低くなってしまうということでございます。 それを、この性・年齢別の回答結果に総務省人口推計による性・年齢別の人口構成比率を掛けて補正いたしますと、まず選択肢の一番目でございますが、夫婦が婚姻前の名字を名のることを希望している場合には、夫婦がそれぞれ婚姻前の名字を名のることができるように法律を改めて構わないとする回答は、公表数値は三五・五%でございますが、三六・六%に増加いたします。選択肢の二番目、婚姻をする以上、夫婦は必ず同じ名字を名のるべきであり、現在の法律を改める必要はないとする回答は、公表数値は三六・四%でございますが、三四・六%に減少いたします。三番目の選択肢、夫婦が婚姻前の名字を名のることを希望していても夫婦は必ず同じ名字を名のるべきだが、婚姻によって名字を改めた人が婚姻前の名字を通称としてどこでも使えるように法律を改めることについては構わないとする回答は、公表数値が二四・〇%でございますが、二五・〇%に増加いたします。 なお、内閣府におきましては、適切な政策判断に資するという観点で、世論調査の公表に際しましては必ず性・年齢別などにブレークダウンしたデータを併せて公表しているところでございます。
○行田邦子君 選択的夫婦別氏制度のように、世代によって大きく意見が分かれる、このような案件については、やはり内閣府としても制度設計をきちんと行っていただきたいと、調査の制度設計をきちんと行っていただきたいと思います。そして、正しく適切に世論が反映できるような、そのような調査を行っていただきたいというふうに思っております。 最後の質問になります。 政府参考人に伺います。諸外国での夫婦の氏の選択制度、夫婦同氏制を日本のように採用している国がほかにどこにあるのか、また、婚姻最低年齢が男女で異なる国はどこなのか、教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(深山卓也君) 現在、法務省で把握している限りではございますが、まず最初の氏の問題ですが、日本と同様に、婚姻後は夫婦のいずれかの氏を称するといういわゆる夫婦同氏制を採用している国は承知しておりません。 それから、婚姻最低年齢についてですけれども、婚姻最低年齢に男女の差を設けている国は、日本のほかには中国、インドがあるものと承知しております。
○行田邦子君 日本には日本の家族に対する考え方があるという意見もありますけれども、さはさりながら、諸外国はどうなっているのかということも踏まえて、この民法の家族法について、婚姻、離婚規定について、法務省についても更なる検討をしていただきたいことをお願いを申し上げて、質問を終わります。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。 今日は、司法修習生の貸与制移行の悪影響と給費制の復活という問題について、大臣及び最高裁と少し議論をさせていただきたいと思っています。 私は、貸与制移行を前にした二〇一〇年の六月にこの委員会で質問したことがございます。給費制だった当時でさえ、既に司法修習生は、法科大学院の高学費、司法試験合格までの生活費など多額の負債を抱えて、深刻な就職難の下で弁護士登録後も収入の保障がない、あるいは弁護士登録さえできないと、こういった問題が現れていたわけですが、二〇一一年に六十五期司法修習生から貸与制が開始されて、私は、大臣、事態は急速に深刻化していると思うんです。 お手元に資料をお配りしたかと思いますが、一枚目が貸与制の仕組みですね。修習生に従来の給与支給に代えて基本月額二十三万円を貸し付けるというものなんですが、この貸与の実情を最高裁に表にしていただきました。それがその裏の二枚目です。 最高裁、まず、六十五期と六十六期について、貸与月額とその人数、貸与月額ごとの人数だけで結構ですから、紹介いただけませんか。
○最高裁判所長官代理者(垣内正君) お答えいたします。 六十五期の司法修習生の貸与額別の人数でございますが、貸与最終日時点で、貸与月額十八万円が三十九人、二十三万円が千三百二十一人、二十五万五千円が三百三十七人、二十八万円が四十四人でございます。 それから、同様に、六十六期の司法修習生につきましては、貸与月額十八万円が四十三人、二十三万円が千二百七十人、二十五万五千円が三百三十六人、二十八万円が四十二人でございます。
○仁比聡平君 ありがとうございました。 御紹介いただきましたように、法曹となって二年目に入りました六十五期、二千一人いらっしゃるそうですが、このうち八七%が貸与を受け、この冬、法曹資格を得たいわゆる一年目の六十六期の皆さんは二千三十五人で、八三%が貸与を受けていらっしゃるわけですね。 修習生に聞きますと、親が高収入で仕送りが受けられる方、あるいは配偶者の所得で扶養されている方以外はほとんど借りているというのが実感だそうです。 晴れて司法試験に合格して司法修習生になったら、一年間収入はなくて、逆におよそ三百万円の借金を負うことになると。法科大学院の学費も合わせると例えば六百七十万円借金があるとか、中には大学の学費から一千万円を超える借金を負って法曹になるという人が決して珍しくなくなっているわけですね。私たちがよく考えなければならないと思いますのは、この借金の返済がこれからの司法を担う若手弁護士にとってどれほど重圧かということです。 ある登録二年目の女性弁護士の声をちょっと紹介させていただきたいと思うんですが、家族が経済的な苦境に陥って一旦は司法試験を断念しかけながら、母親の強い支えで合格して三百三十万円の貸与を受けているそうです。その三百三十万円をためる自分に対するノルマを課して、これが達成できているかどうかということを通帳で確認することが癖になっているというんですね。それは五年据置きですから返済が四年ほど後に始まるわけですけれども、この四年後に返済が始まるけれども、一回でも支払を怠れば期限の利益を失って遅延損害金も含めて一括返済を迫られることになる。貯金のない自分にはそんなことは到底できないと。そういう不安があるからなんですよ。 そこで、最高裁に、この貸付けの仕組みですが、貸与金の回収はこれ、指定金融機関が行うことになると思いますが、それはどこが委託を受けているのか、返済が一回遅れると直ちに期限の利益が失われ一括返済が迫られるという約定は本当か、それからその際の延滞利息、これが年利何%か、御紹介ください。
○最高裁判所長官代理者(垣内正君) 修習生であった者が返済をいたします相手は裁判所でございます。委員御指摘の機関保証、保証機関というのが保証をしております。保証人を二人付けることができない修習生は保証機関と契約をして保証していただくと、こういう仕組みになってございます。現在、保証機関はオリコでございます。保証機関が代位弁済をいたしましたときには、その元の修習生に求償をするということになります。そのときは所定の遅延損害金を請求するということになっております。 よろしいでしょうか。
○仁比聡平君 その損害金の利息は、利率は。
○最高裁判所長官代理者(垣内正君) 六%でございます。年六%でございます。
○仁比聡平君 延滞利息は年一四・五%じゃありませんか。
○最高裁判所長官代理者(垣内正君) 裁判所に対する弁済についての延滞利息と、それから今申しました求償をする場合の延滞利息は別でございまして、今私の方で御説明申し上げましたのは、オリコが求償する場合の延滞利息でございます。
○仁比聡平君 いずれにしろ、借りた修習生、元修習生の方が負う利息は一四・五%ですね、延滞利息は。それから、一回遅延をすれば期限の利益を喪失するというのは、これは私、裁判所の担当の方に伺いましたところ、そうですとおっしゃっておりましたが、そのとおりですか。
○最高裁判所長官代理者(垣内正君) おっしゃるような仕組みでございますが、請求をして期限の利益を喪失させるという形になっておりますので、こちらの方で請求をするかどうかと、延滞させるかどうかという、そういう、何というんですか、間にもう一手間といいますか、一つございます。
○仁比聡平君 払えればもちろん払うわけですから、請求を前に置いたからといって実際には何も変わらないわけですよね。つまり、オリエントコーポレーションの督促に弁護士がおびえるというような事態が冗談ではなくなりかねないんですよ。 大臣、いそ弁ならぬ即独とか軒弁という言葉は御存じだと思いますし、この委員会でも何度か話題になったことがあると思うんですけど、携帯弁という言葉が今や若手弁護士の中で当たり前になっているそうなんですけど、御存じだったでしょうか。私、インターネットで検索をしたら、コトバンクなんかにぽんと出てくるんですけど、もし御存じだったら。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今の携帯弁はちょっと存じませんでした。
○仁比聡平君 この委員会にも法曹の先輩方たくさんいらっしゃるんですけれども、つまり即独、事務所に所属できずに独立せざるを得なかった若手弁護士が、法律相談が入る見込みも立たないわけですよね。事務所も実質上ないわけです。ですから、携帯電話が連絡先。弁護士仲間のつてで、法律相談代わってくれないというようなメールだとか連絡だとか、そういうものを携帯で待つ、実質上待つしかないというような若手の困窮を示す言葉のようです、携帯弁と。 資料を二枚、三ページ目といいますか、弁護士の事業所得階級別の人員の割合という資料が、これ最初、神戸新聞で報道されたのを私は拝見しまして、国税庁に確認をしたらこういう表を作ってくださいました。 弁護士の中で、確定申告を二〇一二年行った二万八千百十六人のうち、七十万円以下であると、所得が。ちょっと考えてみていただきたいと思うんですが、弁護士活動をやり、事件の報酬などもあるんですが、経費を除いて所得が七十万円以下であるという弁護士が、二〇〇八年一一・三%、一番左側の棒ですが、二〇〇九年以降二〇%前後ですよね。つまり、二割の弁護士がこうした状況にある。 これは、もちろん修習期別とか年齢別ということの要素は入っていない数字ですから弁護士全体を示すものなんですけれども、この中でも、私は、就職難と収入減、そして借金というこの三重苦が貸与制の世代にとって極めて深刻になっているんじゃないのか、こうした実態が当然、司法修習生や法曹志望者の意識に反映しているんじゃないのかと思うんです。 そこで、ちょっと最高裁にお尋ねしますが、司法修習生の経済状態、どれぐらいの借金をしているかとか、それから法曹資格取得後の進路や就職について、今現在はどんな把握をしておられますか。
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) お答えいたします。 法曹の養成に関するフォーラム、これにおきまして、平成二十三年五月の中旬から六月中旬までの間に司法修習終了者の所得や奨学金などの経済的な状況に関してアンケート調査が行われたところでありまして、その結果については私どもも承知しております。 それから、修習生の状況でございますけれども、これにつきましては、日本弁護士連合会の方で新六十五期修習生を対象にして行われたアンケートの結果について承知しておるところでございます。
○仁比聡平君 裁判所が修習生のプライベートなところまで踏み込んで継続的につかむみたいなことはなかなかやりにくいし、やることがどうかという問題もあるかと思うんですけど、ただ、今お話の出たフォーラムのときに行われた実態調査が、これアンケートによるものなんですが、これが本当にその時点での実態を反映、正確にですよ、つかめたものなのかと。実際は、そのフォーラムで行われた調査だとか、それを踏まえたいろんな議論だとか、その後取りまとめが行われたというのは、今日別の質問の中で大臣もお答えがありましたけれども、それが今現実の、とりわけ若手弁護士のその実情を本当につかんだものと言えるのかということについて改めて見直す必要があるんじゃないかと思うんですね。 大臣、以前、谷垣大臣ではございませんが、法務省は、修習を終えれば、判事、検事、弁護士の法曹に進むわけで、修習を終えた後は経済的には特に困窮するということがない、安定した収入が得られる、法曹になった後は返済能力は十分にあると答弁をされたことがあるんですね。 実態は、そういう認識をはるかに超える、余り使いたくない言葉なんですけれども、経済的困窮が進行しているのではないかと。大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私の手元にある資料ですと、これはいろんなばらつきはあるんだろうと思いますが、これはフォーラムでの調査、私はフォーラムでの調査を見ているわけですが、例えば修習の返還が開始される弁護士六年目の平成二十二年分所得額は平均値が千七十三万円、中央値が九百五十七万円であったと。それから、弁護士六年目から十五年目まで、十年間で返すことになっていますから、修習資金の返還を行う期間、この間の平成二十二年度分所得額分布は六百万円以上が七九%を占めていたと。他方、二百万未満は五・五%、二百万以上四百万円未満が六・七%であったというのが手元にございます。 私どもは、今、それが良かった、きちっと実態を反映していたのかどうかということをおっしゃったんだと思いますが、私どもは一応この調査というものを前提として考えてきたということでございます。
○仁比聡平君 これまでの議論がその調査を前提として行われてきたこと、あるいはそのときにそういう調査が行われたこと自体も私は否定するものではないんです。 実感として、これ、私も詳細な調査を自ら行えるわけではありませんから、だから大臣にこうした議論をしているわけですが、実感として、返済五年猶予して、十年間この支払は続けられますよとか、あるいはフォーラムで今出たそういう所得の中央値が、今弁護士になりたてだったり、あるいは司法修習中のこうした世代に、そういう道が開けているかと、先輩たちのように自らを自己研さんしていけば、事件に向き合っていけば、そういう道が開けていますというふうに保証ができるかというと、なかなかそれは難しいというのが現実じゃないかと思うんですね。 ちょっとここで紹介するつもりなかったんですけれども、資料の一番最後の裏に、修習期別の弁護士の数のピラミッドを日弁連の資料でちょっと紹介させていただいたんですが、今大臣が紹介されたフォーラムのアンケートの対象になっている弁護士たちはもちろん貸与制世代ではないわけですね、現実に稼働している弁護士ですから。 ちなみに、私、四十六期なんですけれども、この四十六期の辺りまでと、その後、司法試験の合格者数や修習生が増加する特に六十期以降の数というのは、これはもう全くボリュームが違いますですよね。先ほどの七十万円所得が二〇%かというような実情もこの辺りに起こっている出来事なんですよ。その前の先輩たちの世代、フォーラムのアンケート調査の対象になった世代の弁護士たちは、その下の分布の中で司法試験に合格して、弁護士登録をし、その中で事件を通じて、あるいは同僚たちと共に鍛えられながら、そういう弁護士としての生活、人生をつくっていくわけですけれども。 私が問題にすべきだと今改めて思うのは、今の若手弁護士や修習生に、あるいはロースクール生に、法曹志望者に、この道が本当に開けていると言えますかと、自信持って。そこに、本当に自信持って、いやいや、そんなことはないと、頑張ればやれるというふうに言えないのならこの貸与制も含めてやっぱり見直すべきだし、すぐにそうした結論を大臣がお述べになることにはならないかもしれないけれども、やっぱり少なくとも日弁連とも連携をしながら、現時点に立った、本当にどうなっているのかという詳細な実態把握をする必要があるんじゃないかと思うんですよ。大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(谷垣禎一君) あのフォーラム以来いろいろ確かに議論がございまして、その議論を重ねまして、去年六月に法曹養成制度検討会議で、これは貸与制を前提としているわけでありますが、司法修習生の経済的な対応をもう少し変えられないかという議論の中で、昨年十一月修習開始の六十七期ですが、その修習生から、分野別実務修習開始時の移転料の支給等の措置を実施すべきであるとまとめられまして、七月の関係閣僚会議で認められたと。 それで、六十七期からこういうことが行われたところでございますので、最高裁とも連携しなきゃいけませんが、こういった取組を着実に進めていくということが今の段階であろうと思います。もちろん、実情がどうかということはよく見ていかなければいけませんが、現段階ではこういうことをしたというところでございます。
○仁比聡平君 今大臣が後段で、もちろん実情はよく見ていかなければならないと、そこをおっしゃったことが私は大事だと思うんですよね。三つの方策が定められて進められているというのは私も承知しておりますし、抜本的に問題を解決することにはならないと思うけれども、それぞれはニーズがちゃんとあるわけですから、それはしっかり進めていきたいと思うんですよね。 制度や法曹養成制度全体、あるいは司法のこれからということを考えたときに、私たちが問題としなきゃいけないのは、貸与制が前提だという結論で本当に問題が解決するのかということなんですね。 給費制が維持された六十四期までは、就職の不安はありながらも、少なくとも修習中の生活の不安はなくて、修習と進路選択に専念することができたと思いますけれども、六十七期の修習生と話をしていて、私はこの貸与制が修習そのものに深刻な悪影響を与えているんではないのかと痛感をしています。実際の修習生の言葉として言うと、生活費を確保するのにいっぱいいっぱいで、ロースクールまでの奨学金の返済もある。だから、二十三万円貸与を受けるんですけれども、そのお金をなるべく使わないで貯金をしようとしてしまう、できたらバイトしたいという、そういう意識が自分から離れないというわけですね。 しかも、深刻なのは、僅か一年間しかないわけですよ。大臣や私たちの世代とは違う。この一年間の司法修習の期間中に就職活動に焦り続けるというのが現実の実態なんですよね。修習の期間がもう僅か一年ですからどんどん進んでいきますけど、これ、どんどん進む間にその焦燥感というのは募るばかりでしょう、どんどんどんどん強い不安感が迫ってくるでしょう。だって、このまま決まらなかったらと、収入がなかったらと。やっぱりそういう不安というのは夜も眠れないような思いなんじゃないかと思うんですけれども、これで修習に専念ができるでしょうかということなんです。 私は、戦後の法曹養成制度の法曹一体、統一修習という理念は大事なことだと思うんですね。法曹三者、自分の希望進路と違う別のそれぞれの立場にも立ってとことん事件に取り組む、事件に向き合うと。目の前にある証拠を見極め、供述をしっかり聞いて、事実を見抜いて、権利の実現のためにという法と良心をしっかり鍛えていく、先輩実務法曹や同僚の修習生と徹底して議論をして実務法曹としての修練を積んでいくと。修習に専念するというのはそういうことなんじゃないでしょうか。修習先によるでしょうけれども、ですから、決め付けるわけじゃないんですよ。 だけど、ちょっと現場の様子を聞きますと、例えば裁判修習で、かつては記録の検討だとか、判決の起案だとか、裁判官との合議だとか意見交換だとかで裁判所に私もかなり居残っている方でした。けれども、そういう居残る修習生というのは随分減って、指導官の中には、お金ももらっていないんだからそんなに残る必要はないよと口にする方もあるそうです。二か月しか裁判修習ないんですけど、法廷傍聴は一か月だけで、あとの一か月は、課題は出るけれども好きにしておいてというようなところもあるそうなんですね。そのことを、先輩で実務法曹のお一人は修習が薄まっているというふうに表現をされましたし、ある修習生は、修習生はお客さんなんでしょうかと、こういうふうにおっしゃいました。 もしこういう実態が広くあるとするなら、私は、修習の理念そのもの、法曹養成の理念そのものが壊れてしまうのではないかという懸念を我々持つべきだと思うし、その一因として貸与制というものもこれやっぱり役割を買って出ている、そういうことになっているんじゃないかと思うんですよ。 私、こういう観点も含めて、実態を是非とも大臣に調べて、給費制の復活、貸与制は見直すという方向を打ち出していただきたいと。時間がなくなりましたから、強く要望をさせていただきたいと思います。 いずれにしても、先ほどお示しをしたこの貸与制に、これから今のままではなっていくこの世代が我々日本の司法を担っていく世代です。この一人一人がどんなふうに自らを磨いていくことができるのかというのが日本の司法の将来の質を決めるわけですよね。私は、どんな権力からも自由で、事実と証拠に基づいて権利を実現する、社会正義を実現をするために法と良心を働かせるという、そういう法曹として、全ての志望者がそうした道をたどれるように、やっぱり私は抜本的に今考え直すべきだと思います。 そのことを強くお願い申し上げまして、質問を終わります。
○谷亮子君 生活の党、谷亮子でございます。 谷垣法務大臣の大臣所信につきまして伺わせていただきたいと思います。 さきの大臣所信の中で谷垣法務大臣は、適切な出入国管理の実現のところにおきまして、適正な出入国管理に努めるとともに、東日本大震災からの復興や我が国の経済成長に資するため、外国人観光客や我が国の活力となるべき外国人の円滑、適正な受入れの促進が重要な課題であると認識し、適切な対応を進めてまいりますと述べられていらっしゃいました。これに関連いたしまして、適正な出入国管理の実現ということで、外国人労働者の受入れ拡大につきまして今日はお伺いさせていただきたいと思います。 政府は、二〇一四年、本年一月二十日に開きました産業競争力会議におきまして、外国人労働者受入れ拡大や制度の見直しを、二〇一四年六月に予定されている安倍政権の成長戦略の改訂に向けた検討方針の柱に、雇用分野の規制緩和策の一つとして盛り込んでおります。 東日本大震災からの復興や施設の老朽化対策など公共工事に加えまして、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに伴う工事などの増加が見込まれるため、三月末までに緊急対応策をまとめられるということを伺っておりますけれども、また、この中では制度の見直しも同時に行われるようでございまして、外国人技能実習制度の期間延長や職種の拡大が提言されております。これを受けまして、即戦力となる技能労働者の入国要件を緩和するほか、技能労働者の再入国を認め、滞在期間を二年間延長して最長五年とする、五年に延長する方向で検討するということや、現在認めていない特定の専門技術分野を持たない単純労働者も、受入先が厳格に管理をするという条件で一定期間入国を認めるという方向も検討されております。 このように外国人労働者の国内への受入れを緩和する方針を固めつつある現況にあると思いますけれども、こうしたことを全て踏まえました上で、本年一月二十四日に外国人労働者の受入れを拡大する谷垣法務大臣を始めとする閣僚会議が開かれております。 改めまして、外国人労働者の受入れ拡大につきまして、政府の方針と緊急対応策はどのようになりましたでしょうか。谷垣法務大臣にお伺いさせていただきたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、谷委員がお触れになりました政府の産業競争力会議で成長戦略進化のための今後の検討方針が一月に決定されたわけですが、その中では、外国人材の受入れに関しまして、「労働人口の減少等を踏まえ、持続可能な経済成長を達成していくために必要な外国人材活用の在り方について、必要分野・人数等も見据えながら、国民的議論を進める。」とされたわけです。 そこで、基本的な考え方ですが、外国人労働者の受入れにつきましては、専門的あるいは技術的分野の外国人は我が国の経済社会の活性化に大いに、何というんでしょうか、寄与していただけるという観点から、これは積極的に受け入れていこうと。特に高度人材については、その受入れを推進するためのいわゆる高度人材ポイント制、それを見直しをして、もう少し、何というんでしょうか、高度人材入って使い勝手が悪いという御批判がありましたので、それを変えていこうという措置をとったところでございます。 それから、他方、外国人労働者の受入れ範囲をどうしていくか、拡大していくというようなことにつきましては、これはいろいろ考えていかなきゃならないことがございます。我が国の産業であるとかあるいは労働市場への影響等も勘案しなきゃなりません。そこで、国民的なコンセンサスを踏まえて、政府全体で検討していくということがなきゃならないと思っております。 それで、法務省としては、そういう政府全体の検討によりまして、現行の外国人の受入れ範囲を拡大するという方針が出た場合はもちろんそれに適切に対応していかなきゃいけないわけですが、一応大きな、基本方針はそういうことになっております。 そこで、特に建設分野における人手不足が言われておりまして、緊急対応策をつくらなきゃいけない。三月十一日、この間過ぎたばかりでございますが、震災復興の阻害要因になっても困るし、東京オリンピック・パラリンピック等の成功にも必要だとすれば、その対応策は取らなきゃいけないと、こういうことでございます。 そこで、一月二十四日の関係閣僚会合では、建設分野における外国人材の活用について、さっきおっしゃいましたが、年度内、つまり三月ですね、これをめどに当面の時限的な緊急措置の決定を目指すと確認されておりまして、今事務レベルで対応策について詰めを行っているところであります。 法務省として、どういう対応が適切か、建設分野の実情やニーズを踏まえなきゃなりませんが、我が国の産業、それから治安、労働市場への影響等国民生活全体への影響も十分考慮して、今関係省庁と検討を進めて、今詰めをやっているところでございます。
○谷亮子君 谷垣大臣、丁寧に御説明いただきましてありがとうございます。 やはり、労働力不足、労働をしていただく方たちの人材不足といった部分からのこうした外国人労働者の受入れというのが検討されていると思いますし、中でも、高度人材外国人の受入れ制度というのも二〇一二年に導入されておりますので、こうしたことへの検討というのも今後更に行われていくと思います。そしてまた、谷垣大臣からお話ありました建設業界からの要請というのもありますし、復興工事等、そして東京オリンピック・パラリンピックへの公共工事等の問題もあり、また老朽化対策等もあると思いますので、そうしたことから、いろいろな面で今後検討をされていく必要があると私も思っております。 そして、やはりそういったことと同時に、国内における若者や女性、そして高齢者といった国内の労働力、潜在力というものも大変重要でございますし、これは基本にあるというふうに思います。しかし、日本はこれから少子高齢化を迎えまして日本の人口そのものが減少していくということが考えられている中で、やはり経済の活力を維持し続けていくためには、今回もこうして外国人労働者の受入れ等の検討、また議論が行われているということは、政府として外国人労働者を海外に求めていくという方針が明確にされたものというふうにも受け取れると思います。 最終的な取りまとめにつきましては、大変な御努力が必要になると思いますけれども、実際の外国人労働者の受入れの在留資格の許否判断につきましては、入国管理局、また地方入国管理局の最上級行政庁である谷垣法務大臣の裁量によるものとされていると思いますので、今後は、最終的には意見そして検討の集約等を谷垣大臣が積極的に取り組んでいかれると期待を申し上げておきたいというふうに思います。 そこで、その検討の内容について現況と確認をさせていただきたいと思うんですけれども、外国人労働者の受入れが本格的に検討され始めている中で、技能労働者につきましては滞在期間を五年間延長していくということや、単純労働者につきましては受入れ解禁も中期的に検討対象に浮上してきているという状況でございまして、今新たに検討がなされておりますが、国内における、今度は受入先、受入れ側の雇用側については、技能労働者や単純労働者が新たに検討されているように、こうした受け入れる雇用側にも新しい検討というのはなされているのでしょうか。また、検討されているとしたら、どのようなことが必要となり、またどのような必要な措置を講じなければならないのか、例えば技能労働者を雇用する場合には実施状況等の報告をしなければならないとか、そういったことがあるのかどうか、伺いたいと思います。
○政府参考人(榊原一夫君) お答えいたします。 委員御指摘の雇用主側の義務に関連する現行の規律についてまず申し上げます。 最初に、中長期在留者であります外国人を受け入れている公私の機関には、法務大臣に対し、当該外国人の受入れの開始、終了、その他の受入れの状況に関する事項を届け出るよう努めなければならないこととされております。また、雇用対策法に基づきまして、事業主は、新たに外国人を雇い入れた場合又はその雇用する外国人が離職した場合には、その氏名、在留資格、在留期間等を確認し、厚生労働大臣に届け出なければならないこととされており、厚生労働大臣は、法務大臣から求めがあったときには、当該届出に係る情報を提供するものとされております。 入管当局におきましては、これらの届出によりまして中長期在留者に関する在留状況の把握に努めているところであり、現段階におきましては、外国人労働者の受入れを拡大を前提に雇用主側の義務に特化して検討していることは行っておりません。しかしながら、今後、外国人労働者の受入れを更に拡大することになりますれば、適正な外国人労働者の受入れを行っていく上で雇用主の義務等の在り方につきまして検討されなければならないものと考えております。
○谷亮子君 御説明ありがとうございました。 各省において役割等々があるという現状が分かりました。そして、労働力の促進という観点だけではなくて、やはり労働する側、そして雇用する側がより充実した、また安定した環境をつくっていくことによってその活力というものが更につくられていくものだというふうに思います。 そして次に、高度人材外国人、先ほどからも話の中で出ておりますが、この受入れにつきましても伺っておきたいと思います。 法務省入国管理局では、イノベーション創出などに貢献できるような高い能力、資質を有する外国人、いわゆる高度人材外国人の受入れを促進するために、二〇一二年五月、高度人材外国人に対しまして、ポイント制を活用した出入国管理上の優遇措置を講ずる高度人材に対するポイント制による優遇制度が導入いたしております。この制度を導入いたしまして我が国への受入れ促進を図られた成果につきまして、導入後一年十か月が経過いたしておりますので、どのような成果がおありだったのか伺います。
○政府参考人(榊原一夫君) お答えいたします。 高度人材外国人の活動の成果につきましては、その所属等する機関に対して報告を求めることは行っておりませんが、入国管理局におけるこれまでの認定実績といたしまして、平成二十四年五月の制度導入後本年一月までに高度人材外国人として認定した件数は約九百件となっております。活動類型別では、高度専門・技術活動が約七八%で最も多く、次が高度学術研究活動が約一六%、高度経営・管理活動が約六%となっております。このように、企業で活躍する高度人材外国人の方が最も多い状況となっております。 入国管理局といたしましては、今後も関係省庁と連携いたしまして、高度人材の受皿となる企業、大学等を中心に、制度に関する広報活動の充実に努め、積極的に高度人材外国人の受入れ促進に貢献してまいりたいと考えております。
○谷亮子君 ありがとうございます。 やはりその制度後まだ短い期間でございますので、今後もそうした外国人の、高度人材外国人につきましては受入れ検討というのが必要になってくると思いますし、またその取組自体も今後検討されていくと思います。 そして、この外国人労働者の雇用の在り方につきましては、独立行政法人労働政策研究・研修機構からの報告、アンケート調査の平成二十五年五月三十一日のものを見てみますと、国内では、外国人雇用の方針は、外国人を雇用すること自体考えたことがないという企業が多くございまして、外国人の高度人材の雇用についても消極的でございました。また、過去三年間の外国人の高度人材の採用実績は、一度もしたことがないという企業が七割近くありまして、七一・二%、そして過去三年間に採用したことがあるという企業が一六・六%、そして過去三年間採用したことはないがそれ以前に採用したことがあるという企業が九・六%ございました。また、二〇一二年に導入されたポイント制につきましては、九割近い企業がそのポイント制の導入を知らなかったとお答えいただいているところが多くございました。 ですから、この雇用する側は、その外国人高度人材に対して期待する人材像というのは、やはり日本人と同じような、高度人材同様の役割を果たしてくれるというところを求めておりまして、また八割以上の方が仕事でかなりの日本語能力というものを求められていると。やはり日本語というよりも漢字の読み書きだと思うんですね。その辺が非常に複雑で難しいということだと私も思っております。 また、今後におかれましては、法務省入国管理局におかれましては、政府の指針も踏まえた上で、今後、高度人材外国人の受入れにつきまして、今後の新たな検討というのがあれば教えてください。
○政府参考人(榊原一夫君) お答えいたします。 高度人材の受入れにつきましては、平成二十五年六月に閣議決定されました日本再興戦略を受け、高度人材の日本での活躍を促進するための総合的な環境整備推進の一環といたしまして、高度人材ポイント制について、年収基準の緩和等の認定要件の見直しや、家事使用人等の帯同をしやすくするなどの優遇措置の見直しを行い、平成二十五年十二月二十四日から新たな制度を実施しております。 また、日本再興戦略や本年一月二十四日に閣議決定された産業競争力の強化に関する実行計画を受けまして、高度人材を対象とする在留資格、高度専門職第一号を創設するとともに、当該在留資格をもって一定期間在留した者が在留期間の制限なく在留することができる在留資格、高度専門職第二号を創設することなどを内容といたしました出入国管理及び難民認定法の一部改正法案を今国会に提出させていただいております。 以上です。
○谷亮子君 ありがとうございました。 やはりこの高度人材外国人の更なる検討というものを期待してまいりたいというふうにも思っております。 そして、次に、ちょっと時間の関係もございますので一つ省かせていただいて、その次を伺わせていただきたいと思っております。 今こうして日本でも外国人労働者の受入れの議論が行われておりますけれども、世界各国政府の外国人労働者の受入れの在り方につきましては、日本と同じように高度人材外国人の受入れを長年にわたって行っております。グローバル化による市場競争が激化する中で、EU経済圏として競争力を強化するという目的からEUとしての統一的アプローチを開始し、域外高度人材の域内での移動を自由にするEUブルーカードを導入いたしております。現在、イギリス、アイルランド、デンマークの三か国を除く二十五か国が共通の枠組みで同制度の推進に向けた作業を行っているようでございます。 また、グローバル化の進展に伴う市場競争の激化というのは、これは世界共通のものでございまして、アメリカやアジアの国々も高度人材外国人の囲い込み戦略を講じつつある現況になっております。また、少子高齢化のスピードが非常に速く進むと考えられている国では、こうした施策というものが非常に速い速度で進められているということであります。 そこで、日本は、経済連携協定、EPAですとか、さらには自由貿易協定、FTA等で物流、そしてサービス、そして人の移動というものも含まれておりまして、現在、日本は、EPA、FTAの現状は、十三の協定の締結が完了いたしておりまして、十一と交渉段階でございます。そして、交渉前の共同研究段階が一国ございます。安倍総理も、総理大臣に御就任されましてから、協定が締結している十三中十国に既に訪問をされておりますし、交渉段階の十一中三国にも訪問され、交渉前の一国に対しましてもこれは訪問をされております。 国としての外国人労働者を受け入れる場合と、これは日本から諸外国に行く場合等もここでの人の移動には含まれているのかもしれませんけれども、こうした現況を踏まえまして、出入国管理行政とEPAの人の移動につきましての施策の連携というのは不可欠であるというふうに思っておりまして、今後、外国人労働者の受入れにつきましてどのような新たな進展がおありでしょうか。 また、これに関連いたしまして、本年、平成二十六年度より受入れを開始するベトナム間との在留資格等はどのようになりましたでしょうか、お伺いさせていただきます。
○政府参考人(榊原一夫君) お答えいたします。 EPA、経済連携協定によります看護師、介護福祉士候補者の受入れにつきましては、インドネシアからは平成二十年、フィリピンからは平成二十一年にそれぞれ開始しておりまして、ベトナムからは本年六月から開始予定となっております。 平成二十六年度から開始するベトナムからの看護師、介護福祉士候補者につきましては、これまでのインドネシア及びフィリピンの例と同様に特定活動の在留資格を付与されることとなりますが、日本語能力要件につきましては、入国時の条件として、日本語能力試験N5程度が課されているインドネシアや日本語能力要件が課されていないフィリピンの場合とは異なりまして、ベトナム人看護師、介護福祉士候補者は日本語能力試験N3以上に合格していることがマッチングに進む条件とされているほか、日本語研修期間も、ほか二国については訪日前と訪日後にそれぞれ六か月実施しているのに対しまして、ベトナムにつきましては、訪日前が十二か月間、訪日後は二か月間となっている点が異なっているところでございます。 委員が御指摘いただきましたように、EPAなどによりまして、人的交流の促進に加え、観光立国の推進により今後ますます外国人入国者が増大することが見込まれます。このような中におきまして、入国管理局におきましては、厳格な出入国審査を図りつつ、出入国手続の更なる迅速化を図るため、例えば出入国管理上リスクが少ない、頻繁に我が国を訪れる外国人を新たに自動化ゲートの利用対象とする制度を導入するため、今国会に入管法改正案を提出したところでございます。 以上でございます。
○谷亮子君 ありがとうございます。 EPAを通じての人の移動というものは、これまで外国人労働者として、一人として受け入れていたと思うんですけれども、逆に、外国人労働国として、国と国とのつながり、交渉等を続けていくことによって、やはり一つ懸念されております犯罪等への払拭等も含まれていると思いますので、国と国との信頼、そしてさらには責任というものもEPAに含まれて、今後、しっかりとした、高度人材外国人も含めましてより良い方向に向かっていくのではないかなと私は考えております。 そして、次に谷垣大臣にお伺いしたいんですが、二〇一四年一月二十四日、谷垣大臣は閣議後の会見で、外国人労働者受入れの拡大につきまして次のように述べられていらっしゃいました。抜粋させていただきたいと思うんですけれども、やはり治安の面も考えていかなければならないということだろうと思います、そういう中で、足らざる部分は外国人の力を借りなければならないけれども、それをどういう手法でやるのかということはいま少し幅広に検討しなければならないのではないかと、そんなふうに思っておりますと述べられていらっしゃいました。 外国人労働者の受入れ拡大につきましては、政府は、これまで単純労働者を受け入れない方針を取ってきたようでございまして、経済界や産業界で外国人労働者の需要が高まってきていることを受けまして、今回条件付ではありますが、単純労働者の入国も検討されております。そして、これまで入国した外国人労働者の滞在は短期を前提としていたものが今は長期化する傾向にございまして、それに伴いまして、当初は想定していなかった不法就労や医療費の未払、そして社会保険の未納や外国人の子供の不就学など、社会的な影響もこれは大変懸念されているところでございます。 法務省によりますと、十年前の不法残留外国人は二十二万人を超えておりましたけれども、取締りを強化した結果、約六万二千人となりまして、七割減少していると報告を受けております。このような現況もございまして、外国人労働者の受入れ拡大につきましては、これは併せて取り組まなければならないのがやはり治安悪化への問題が一つあると思います。 法務省として犯罪、また再犯に対しての対処を抜本的に検討する必要があると思いますけれども、谷垣法務大臣にお伺いさせていただきたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) この問題で、いろんな側面がございますが、一番考えなければならないのは不法滞在等々をどう防いでいくかということだろうと思います。 これについては今新しいやり方の中でどういう問題があるか詰めているところでございますが、今お引きになりましたように、警察等々関係機関と連携して不法滞在に対する対応はかなり強めてまいりまして、今不法滞在者はかなり減ってきております。今後ともこういう努力は続けていきたいと、このように考えております。
○谷亮子君 ありがとうございました。 やはり、今後、出入国管理及び難民法の一部を改正する法律案の審議もございまして、またそこでも重ねてお伺いさせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○糸数慶子君 無所属の糸数慶子です。よろしくお願いいたします。 私も、先ほどから多くの委員の皆さんがおっしゃいましたように、三月十一日、東日本大震災で亡くなられました多くの方々、犠牲者の御霊に心から哀悼の意を表するとともに、御遺族の皆さんがこれからまたお元気で生きていけますように応援をしてまいりたいと思います。 極めて個人的なことでありますが、私も二月の下旬に福島、飯舘村にお招きをいただきまして、菅野村長さんから、沖縄の戦後、戦火の中をどうくぐり抜けて今元気で生きているのか、そこから元気をもらいたいということで講演をさせていただきました。沖縄の方は、やはり伝統的な文化という、すばらしい歌と踊り、伝統芸能によって、その後ろ盾で命どぅ宝ということを前面に出して今は頑張っていますということで、私なりの応援をさせていただきました。 さて、それでは質問に入らせていただきます。 まず、法務省の女性の活躍促進についてでありますが、これ十一日の閣議で人事院総裁に一宮なほみ人事官を任命することが決定しました。人事院制度が発足して初めて女性が総裁になるわけです。新聞では女性の活用に積極的な姿勢をアピールする狙いがあると報じられましたが、一宮さんは人事院きっての政策通と高く評価されており、女性だからというよりは、やはり優秀な人材が女性でも主要ポストに就けるようになったということだというふうに高く評価したいと思います。 ところで、政府は、二〇二〇年までに指導的立場に三〇%以上を女性にする目標を掲げております。安倍総理も国内外で積極的にアピールをし、首相秘書官に初めて女性を起用されました。昨年は厚生労働事務次官、そして文部科学審議官、外務報道官に女性が起用され、局長級以上の管理職も過去最高の六人となりました。また、裁判所の書記官およそ九千五百人の最高ポストである最高裁大法廷首席書記官に初めて女性が就任いたしました。優秀な女性が適切に評価されるようになったということを歓迎いたします。 そこで、法務省の女性の登用状況についてでありますが、法務省の局長級また管理職に女性はどれぐらい起用されているのでしょうか、お尋ねいたします。
○政府参考人(黒川弘務君) お答えいたします。 平成二十五年の十月の時点で申し上げますと、法務省全体の行政職の課長室長相当職以上の人員は四百十二人でございましたが、そのうち二十六人が女性でありまして、率にして六・三%という状況でございます。
○糸数慶子君 今四百十二人中二十六人、そして女性六・三%の登用率ということでありますけれども、女性の活躍促進について、この数を踏まえて谷垣大臣の御決意といいましょうか、お考えをお聞かせ願います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今官房長から説明を申し上げましたが、法務省全体の課長室長相当職以上は六・三%ということでございますが、これは一応、第三次男女共同参画基本計画の定める政府目標は五%でありますから、まあそれはクリアしているということでございます。 今後とも女性の力を活用するといいますか、女性の活躍の場を広めていきたいと思っておりますが、私、一昨年の暮れ就任いたしまして、いわゆる昔でいうと上級職と申しますか総合職、昨年の四月の採用は三十三人のうち十七人が女性でございました。女性の方が多い状況になってきております。それで、今度の四月はまだ最終的にどうなるのか私報告は受けておりませんが、ほぼ半分は女性が占めるということだろうと思います。それから、検察官の場合は、昨年の暮れに就任した新しい検察官でございますが、こちらの方は四割弱、ほぼ四割に近いところまで来ていると。かなりその採用においては、女性が随分近年の採用では頑張ってきたと思います。 上の方はまだ必ずしも、男性が多かった時代でございますが、一つ、これは別に役所が書いてきた原稿にあるわけではございませんが、官房の課長というのは今までは女性はおりませんでした。この間、官房の会計課長が女性が就任するというようなことで、今後とも女性の登用をいろいろ図っていかなければならないと思っております。
○糸数慶子君 ありがとうございました。 女性が大分活躍する場所が増えてきているということですが、是非局長クラスにもまた女性の登用をよろしくお願いしたいと思います。 次に、裁判所の設備の充実についてであります。 これは東京家裁の調停室についてなんですが、調停委員の皆様へということで、遺産分割事件を除く調停について、家事調停事件の増加によって、家裁庁舎の調停室だけでは対応が困難になったということで、合同庁舎調停室を利用しての調停が始まっています。ただ、一旦、当事者、調停委員、全てが家裁に来る必要があり、調停室だけが離れた合同庁舎に行かなければならず、結構大変だという声も上がっています。 裁判所の施設が十分でないということだと思うわけですが、家事調停事件の増加による施設の充実を御検討いただければと思いますが、いかがでございましょうか。
○最高裁判所長官代理者(垣内正君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、東京家裁では、家事事件の増加等によりまして調停室等が不足する状況が生じておりました。これを庁舎改修等によって解消するには一定の時間を要しますので、昨年十二月以来、東京高地裁合同庁舎の調停室等の一部を家事事件に利用するという対応を取っておるところでございます。東京高地裁合同庁舎、東京家裁庁舎と隣接していて地下通路でつながっておりますので、行き来に困難を伴うということではないんですけれども、これはあくまでも一時的な対応でございます。 東京家裁庁舎の庁舎改修等の機会を捉えまして、可及的速やかに庁舎内に必要な調停室等を設けることができるように努力してまいりたいと考えております。
○糸数慶子君 ありがとうございます。是非そういう要求にお応えいただきますように、よろしくお願いしたいと思います。 次に、先ほど行田委員の方からも質問ございましたけれども、改めてお伺いをしたいと思います。 女性差別撤廃条約政府報告についてでありますが、国連の女性差別撤廃委員会は、二〇〇三年の第四回、五回報告書審査の総括所見、これ最終見解で、婚姻最低年齢、それから再婚禁止期間、夫婦別氏選択の各規定の改正を勧告いたしました。さらに、二〇〇九年の第六回報告書審査の総括所見でも同様の勧告をいたしました。二〇〇九年の勧告内容十八をお読みいただいてお示しをいただきたいと思います。
○政府参考人(佐村知子君) 御指摘の女子差別撤廃委員会の最終見解のパラグラフ十八の内容は次のとおりのものです。 委員会は、男女共に婚姻適齢を十八歳に設定すること、女性のみに課せられている六か月の再婚禁止期間を廃止すること、及び選択的夫婦別氏制度を採用することを内容とする民法改正のために早急な対策を講じるよう締約国に要請する。さらに、嫡出でない子とその母親に対する民法及び戸籍法の差別的規定を撤廃するよう締約国に要請する。委員会は、本条約の批准による締約国の義務は、世論調査の結果のみに依存するのではなく、本条約は締約国の国内法体制の一部であることから、本条約の規定に沿うように国内法を整備するという義務に基づくべきであることを指摘する。 以上でございます。
○糸数慶子君 今御紹介をいただきましたけれども、昨年の九月三日、日本政府が提出していた民法改正の二度目のそのフォローアップ報告についてでありますが、これ、委員会は勧告は実施されていないというふうに指摘しています。次回定期報告についてどのような措置を講じているのか、更に情報提供を勧告をされて、求められています。 今年の七月が報告期限となっておりますが、そこで、その政府の取組について、報告までのスケジュール、これを具体的にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(佐村知子君) お答え申し上げます。 我が国は、女子差別撤廃条約の締約国として、条約第十八条の規定に基づきまして、国連事務総長に対し、我が国が条約実施のためにとった措置について報告することとされております。次回の報告は、今お話ありましたように、女子差別撤廃委員会から本年七月に提出するよう求められております。 現在、内閣府において報告内容の取りまとめを行っておりまして、政府部内の調整、また外務省における正文である英語訳の取りまとめを経まして、求められた期日までに国連事務総長宛てに提出したいと考えております。
○糸数慶子君 先ほどもありましたけれども、やはりその人権という部分で何度も勧告を受けているわけですから、きちんとやっぱりそれに応えるように準備をしていただきたいと要望したいと思います。 女性差別撤廃委員会からだけではなくて、国連の主要な人権委員会が度々勧告をしているのは、やはりこの問題が女性差別や人権問題だからというふうに思うわけですが、そういう認識でよろしいでしょうか。改めてお伺いいたします。
○政府参考人(佐村知子君) 御指摘の民法改正の問題についてでございますが、平成二十一年、二〇〇九年の女子差別撤廃委員会の最終見解におきまして、差別的な法規定が撤廃されていないことについて懸念を有するとされておりまして、先ほど読み上げましたように、民法改正のために早急な対策を講じるよう要請されているところでございます。 例えば、選択的夫婦別氏制度を取ってみますと、婚姻により氏が変わることが多い女性が不利益を被っているという意見がある一方で、婚姻制度や家族の在り方と関連しましてこれまでも様々な議論がなされてきていると承知しております。
○糸数慶子君 そこで、また改めて大臣にお伺いしたいと思いますが、今年の二月六日の参議院予算委員会で谷垣大臣は、選択的夫婦別姓については、法務省もかつて法制審議会からそのような答申をいただいていることは事実でございます。しかし、選択的夫婦別姓にするかどうかというのは、家族の在り方、家庭の在り方というのに大きく影響いたしますから、国民意識と余り離れたところで物事を進めるわけにはいかないと私は思っております。そして、国民意識もまだこれ多様でございますので、私はもう少し慎重に考えるべきではないかと思っておりますと答弁されました。これは先ほど行田議員にも答弁をされているところでありますが。 そこでお尋ねいたしますけれども、昨年の三月六日に厚生労働省が公表いたしました二〇一〇年度人口動態職業・産業別統計の概況によりますと、婚姻時に夫婦とも有職、職を抱えているその割合が六七・九%で、過去最高を記録しております。仕事上名前を変えることに不都合を感じる方も多く、特に働く女性から選択的夫婦別姓制度を求める声が高まっています。ここは、通称使用やそれから事実婚を選択するカップルも多く、夫婦が違う名前を名のることが珍しくなくなっています。 谷垣大臣は、家族の在り方、家庭の在り方に大きく影響するという御認識ですが、実際にはどういった影響、あるいは不都合があるというふうにお考えなのか、具体的にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私が大学で民法の親族法や相続法を勉強した頃の考え方でいいますと、こういう夫婦が同一の氏、同一の姓を名のるというのは、家族というのは社会の基本的単位と考えまして、特に夫婦を中心とした核家族を社会の基本的単位として、その名称として、私の場合でいえば谷垣という名字が付いているわけですが、その呼称として使われているという理解、私の理解が正しいかどうかは分かりませんが、そういう理解を私はしてまいりまして、現在でも多くの方がそういう意識で受け止めている面があるんだろうと思います。 これに反対する立場の方、選択的別氏制度導入に反対をされる立場の方からは、そういうことを認めると今のような家庭の一体感というものが失われてしまうのではないかということが懸念されているというふうに思います。私もそういう時代に民法を学んだせいかもしれませんが、私の頭の中にはやはりそういう考え方がないわけではございません。そういう中で、また今、糸数委員が御指摘になりましたように、いろいろな、何というんでしょうか、仕事の在り方や、それから離婚される方などもかなり増えている状況の中で、いろんな不利益を回避するためには別氏制度の方がいいという御意見もあることも私は十分承知しております。 いずれにせよ、社会の基本単位としての家族といいますか、そういうものをどう見ていくかということに関連してくると私は思っておりまして、余り、何というんでしょうか、十分な合意がないときに無理に進めると、無理というのはちょっと語弊があるかもしれませんが、そこは私はやや保守的に考えておりまして、できるだけ多くの方の御理解を得ながら物事を進めるというのがこの分野ではよいのではないかと思っているわけでございます。
○糸数慶子君 所信表明で谷垣大臣は、一人一人の人権が尊重される豊かで成熟した社会を実現するためには、人権擁護行政の推進が極めて重要だとおっしゃっていらっしゃいます。社会的関心を集めているいじめへの対応を含め、引き続き、人権啓発活動の効果的な実施に努めるほか、人権侵犯事件の調査・救済活動を適正に行ってまいりますと述べていらっしゃいますし、大臣は、この選択的夫婦別氏、別姓を人権問題として捉えていらっしゃらないのかというふうに今の答弁を聞きまして感じるんですが、先ほど行田委員にも答えていらっしゃいました、世界のいろんな地域で、じゃ、どこがそういうふうにやっているのかというと、今はないということでございます。 そういうところから考えましても、この選択的夫婦別氏制度、これ、同姓を希望する人には同姓でもよく、それから別姓を希望する人に選択肢を増やす、そういった多様化したニーズに応えることも大事ではないかというふうに思うんですね。家族という共同体の枠組みの話ではなく、人権問題として見ていただきたいというふうに思います。民法を改正することは、一人一人の人権が尊重される豊かで成熟した社会になるというふうに私は思っております。 そこで、平成十五年の、二〇〇三年の七月十八日、法務委員会での参考人陳述で、大森政輔元内閣法制局長官はこのように述べていらっしゃるんですね。 法制審議会の答申を受けた立法作業が滞っている間にも、男女共同参画社会の形成に向けた歩みは着実に進みまして、夫婦同氏を強いる現行制度は、男女が社会の対等な構成員として自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保される上で、いろいろな支障が生じている。そしてまた、婚姻に際して氏の変更を強いられる者は、これを苦痛に感じることが少なからずあると見受けられますというふうにおっしゃっていらっしゃいます。 我々は、これを率直に受け止めて、婚姻後も別氏を望む者の意思を尊重し、それを実現できる法制度に変えていく、これを二十一世紀の我が国の社会の在り方としたいものですとおっしゃっていらっしゃいます。 自分は同氏を選ぶが、別氏を選びたい者の気持ちはそれとして尊重するという、自分と異なる意見に対する寛容の精神を基本として対応すべきものであります。そうはいいましても、家族は社会を構成する基本的な単位であり、その在り方については、社会、国家として関心を持ち、一定の規律をすることが必要であるということは言うまでもありません。しかし、家族の形態は多様であり、それに対応して、構成員たる夫婦の考え方も一様ではありませんから、家族に関する法制度と申しますのは、それを包含できる弾力的かつ柔軟性のある制度であることが望ましいと考えておりますというふうに答えていらっしゃいます。 その観点から考えましても、やはり人権という視点でこの問題を是非とも捉えていただくことを希望いたしまして、時間、あとまだございますよね、あとしばらくございますので、もう一点、もう一度大臣の御決意をお伺いいたしまして、最後の質問をしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、大森元法制局長官の御答弁を糸数委員がお引きになりました。 大森さんの御意見は御意見といたしまして、私は、委員のお問いかけですが、必ずしも人権問題という捉え方はしているわけではございません。それは、現実に、社会の中で旧姓を使用するとか、そういうような慣行もかなり確立してきておりますので、いろいろな対応ができるのではないかと思っておりまして、現段階で人権問題だという捉え方は、私は、ちょっと委員に叱られるかもしれませんが、捉えていないところでございます。
○糸数慶子君 ありがとうございます。 今後、御期待を申し上げまして、やはり在任中に是非この問題をしっかりと解決をしていただきたいというふうに思います。 次に、女性に対する性暴力についてお伺いをしたいと思います。 警察庁が二月十三日に公表いたしました二〇一三年度中の人身取引事犯の検挙件数によりますと、二〇一三年の人身取引事犯の検挙件数は二十五件、これ前年比マイナス四三・二%です。それから検挙人員は三十七人、これも前年比でいきますとマイナス三一・五%。被害者数が十七人、これも同マイナス三七・〇%と減少しています。いずれも減少しておりますが、被害者総数十七人は全て女性で、被害形態は売春等の性的被害が十五人、八八・二%に上がっています。被害者総数が減少する中、日本人被害者割合が前年から一八・一ポイントも増加しています。ところが、人身取引被害者サポートセンター、ライトハウスの日本初の人身取引に関する意識調査によりますと、日本国内で日本人が人身取引の被害に遭っていることへの認知度、僅か一八・七%だったということが分かりました。 そこで、人権を所掌する法務省としても人身取引という重大な人権侵害について周知する必要があると思いますが、今後の取組についてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(萩原秀紀君) お答え申し上げます。 人身取引につきましては、重大な犯罪であり、基本的人権を侵害する深刻な問題であるという認識を有しております。そこで、法務省の人権擁護機関では、まず人身取引をなくそうということを人権啓発活動の年間強調事項の一つとして掲げ、毎年発行している「人権の擁護」と申します啓発冊子に人身取引に関する記事を掲載の上、一年を通して全国各地で配布しているほか、法務省ホームページ内に人身取引をなくしましょうのページを設けて人身取引に関する周知を行うなどの啓発活動を実施しております。 このほか、毎年発刊しております人権教育・啓発白書におきましても、人身取引に関する項目を設け政府の取組等について記述し、これは法務省ホームページでも公開し、国民の皆さんの目に触れるようになってございます。 そういうことでございますので、人身取引につきましては関係省庁が協力して取り組んでいるところでございますので、法務省の人権擁護機関といたしましてもこうした啓発活動に引き続き取り組んでまいりたいと思っております。
○糸数慶子君 ありがとうございます。今後とも頑張っていただきたいと思います。 最後になりますが、IPU、列国議会同盟は、三月四日、二〇一三年の各国議会に占める女性割合の調査結果を公表しました。各国議会の女性割合の平均は二一・八%で、昨年の二〇・三%から一・五%改善しています。世界の下院議員の女性の割合のランキングでは日本は八・一%で百二十七位となり、昨年の百二十二位から更に後退しています。ただし、IPUは同順位を一とカウントしているため、百八十九か国の中で百六十三位と、先進国では最も低い位置にあります。 一方、OECDが三月八日の国際女性デーを前に発表した調査では、加盟三十四か国のうち、最も家事に協力していた男性はノルウェー人で三時間、最も協力的でなかった男性は日本人で一・二時間だったことが分かっています。 昨年十月二十五日に世界経済フォーラムが公表した男女格差指数では、日本は百三十六か国中百五位で過去最低となっています。 民法改正も実現できない、政治や経済における女性の地位など、日本の状況は国際社会から見ていきますと厳しい批判にさらされているという現実がございます。このことを指摘をいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(荒木清寛君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後二時四十四分散会