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186回国会参議院2014/06/19

文教科学委員会 第20号

発言数
245
登壇者
22
会派数
7
開催日
2014/06/19

会議録

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  学校教育法及び国立大学法人法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府政策統括官倉持隆雄君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 学校教育法及び国立大学法人法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

二之湯武史自由民主党

○二之湯武史君 おはようございます。では、引き続きよろしくお願いいたします。  前回質問させていただきましたときに、まず教育再生における高等教育の重要性というものをしっかり確認をさせていただきました。その中での大学ガバナンスの改革、これはやはり、現在の大学というものが若干やっぱり社会の期待に応えられていないところがあるんじゃないかと、経済若しくは社会に対する大学の重要性、こういったものを果たし切れていないのではないかと、そういう問題意識からこの大学ガバナンスの改革の必要性、こういったものが生まれてきたといったことを確認をさせていただきました。  また、いわゆる国際ランキングというものの中で、表面的に見ても日本の大学というのは確かに不振なんですが、その要素を細かく見ていく必要があると、そういったお話もさせていただきました。そういった中で、例えば留学生の数であるとか外国人の講師の数、若しくは国際的に引用される論文の数、こういった国際性という分野において日本の大学は若干見劣りするんじゃないかと、そういったものが日本の大学の国際的な評価を押し下げているのではないかと、こういったお話もございました。  また、分野においては、いわゆる人文科学や社会科学の分野において日本の大学はやや弱点があるのではないかと、こういった事実の確認をさせていただいたところでございます。  本日は、それを踏まえまして、そもそも大学というものは一体社会の中でどういう役割を果たすところなのかと、こういったところからお話をさせていただきたいと思います。  具体的に申し上げますと、これもしつこいぐらいに私この委員会でも申し上げていますが、主要先進国におけるいわゆる普通教育と職業教育、特に高等教育段階における普通教育と職業教育というのは大体四対六若しくは三対七ぐらいであるというふうに認識をしております。当然、職業教育の方が多いわけですね。  そういった中で、日本における大学という教育機関は、普通教育を担う教育機関なのか、それとも職業教育を担う教育機関なのか、この辺からちょっとまず御認識をお伺いしたいと思っております。

吉田大輔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(吉田大輔君) 高等教育機関の中にも様々な学校種がございます。大学、またその大学の中には短期大学という形で含まれているものもございます。また、高等専門学校、それから、いわゆる専修学校の専門課程、いわゆる専門学校と言われるものもございます。  それぞれがそれぞれの目的を持っているわけでございますけれども、例えばその中で、大学は、これは学術の中心として高い教養と専門的能力を培うということ、ここのところに力点がございますので、普通教育というものを中心としながら、併せて職業的な教育についても視野を広げているということがございます。  それに対しまして短期大学の場合には、大学のグループでございますから、もちろんそういった普通教育の面もあるわけでございますけれども、少し職業教育という面も重視した教育を行っているということがございます。  それから、高等専門学校の場合には、むしろこれは技術者の養成ということを主たる目的としておりますので、そういう意味では実社会で活躍できるような中堅技術者、これの養成を目的としておると思います。  それから、専門学校の場合には、これはもうまさに職業教育ということに相当重点を置いた教育が行われていると、こういうふうに仕分できるかと思います。

二之湯武史自由民主党

○二之湯武史君 ありがとうございます。  つまり、大学は普通教育を中心とした部分に重点を置いている、それ以外の学校種は職業教育の方が重点を置いていると、簡潔に言うとそういうことだと思います。  そういった中で、よく日本の大学進学率とかいろんなお話がされる中に、やっぱり今の大学の、要は、担う機能というのを踏まえた話というのが私は必要だと思うんですね。大事だと思うんです。前回の委員会で、日本の大学生は勉強時間が短いとか、入学当時の学力が低い、つまり大学に入ってから高校の教育内容を補習しなきゃいけない、そういった大学生が増えている、若しくはそういう学業に対する問題意識が低い学生が増えていると、こういったようなお話がございました。  確かに平均値で見るとそうかもしれません。私が申し上げたいのは、要は大学生若しくは大学と一口に言っても、平均すればそうかもしれません、先ほどの問題の所在がどこにあるかというのを細かく見なきゃいけないと思うんですね。私は、本来今の普通教育を担っている大学に行くべき適性がない学生まで今大学に行ってしまっているという状況があるのではないかということを申し上げたいというふうに思っております。  つまり、先ほどから申し上げているように、大体、主要先進国では三対七なんですよね。本来はその七に行くべき人間が日本の場合は大学という枠組みの中に行ってしまって、そういった子供たちが学業への問題意識若しくはそういった大学という場に学ぶだけの前提を踏まえないまま、要は何となく大学に行ってしまっていると、こういった現状が私は日本の社会にあるのではないかと。  そういった意味でいうと、要は職業教育に本来は適性がある人間まで普通教育を中心に行っている大学に行ってしまっていると、そういう現実があるのではないかと。そういうために勉強時間が短いとか学力が低いというような、そういう批判が出てきているのではないかというそういう仮説を私は持っているんですが、それに関してはどういうふうにお考えでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) それちょっと違うのじゃないかなというふうに私は率直に言って思います。  それは、社会が高度化、複雑化してきている中で、そもそも大学は普通教育という位置付けではないと思うんですね。これは教育基本法第七条で大学についての定義がされているんですけれども、大学は学術の中心として高い教養と専門的能力を培うとともに、深い真理を探究して新たな知見を創造し、これらの成果を広く社会に提供することにより社会の発展に寄与する、これが教育基本法における第七条の大学の定義でありまして、まさにそのとおりだというふうに考えておりますから、必ずしも普通教育というような限定ではない位置付けであるというふうに思います。  その中で、社会が高度化、複雑化する、さらに、例えばアベノミクス三本目の矢、これは科学技術イノベーションを更に高めていく、国としてもバックアップするという中で、それを支えるための高度な人材育成が必要であります。そのためには、高等教育機関、つまり大学とかあるいは専門・専修学校も含めてですけれども、よりそういう機関がその時代のニーズに対応できるような高度な人材力を養成するということが必要でありまして、それが必ずしも普通教育と職業教育に分けて、高校ではそういう分け方をしていますが、大学においてそれが六四とか七三というような切り口ではなくて、求められているというふうに思います。  ですから、ただ単に教養としての大学の位置付けということでは十分に社会的な対応できる人材育成ということはできないということはもうそのとおりでありますけれども、いかにそれぞれの学術的な部分から、これは教育研究という部分から、それぞれの専門性をどう高めていくかという意味では、これは単純に普通とか職業とか分けられない部分というのはたくさんあるわけでありますね。  例えば文学の部分においても、社会におけるすぐ学術的な教育研究ということではないかもしれませんが、しかし、広い目で見たとき、やっぱりそういう分野も大学においては大変重要であることもこれは否定できない事実でありまして、それに沿った人材育成を大学側がどうするかということが今大学には問われているというふうに思います。  必ずしも勉強が付いていけない学生が大学にいると、前回、四割の大学が高校以下の補習授業をしているという話がありましたが、これは、大学入学試験とそれから高校以下の教育にも問題があるというふうに思っておりますから、トータル的に、大学だけではありませんけど、日本の教育力をどう高めるかということが今我が国に求められていることだと思います。

二之湯武史自由民主党

○二之湯武史君 ちょっともう一回確認したいんですけれども、冒頭に、要は、大学、今の大学が日本の社会におけるある種の期待に応え切れていないと、そういう問題意識があっての、まず、じゃ、ガバナンスを変えましょうと、こういう話だったと思います。  その中の社会の期待といったものは、じゃ、どういったものなのかと。これやはり私は、今のその御見解とはちょっと違うのかもしれませんが、私が現場、実地で見聞している、若しくは、大臣も同じですが、私も塾の経営者として特に高校生を多く育ててきましたから、そういった子たちの現状を見たときに、やはり大学の提供している教育と本人の持っている適性、若しくはそれを伸ばしていくべき個性みたいなもののギャップをすごく私はずっと感じてきたんですね。  そういった中で、要は大学に行かざるを得ない状況がある。要は日本人独特の横並び意識というものもありまして、若しくは、保護者、親の世代における大学神話みたいなものもございまして、とにかく子供を大学までは行かせたいと。例えば大学と専門学校に行くという選択肢があったら、やっぱり大学に行かせたいというようなものは実際問題の社会の風土としてあるような気がするんです。そういったものが能力と教育内容とのミスマッチを生んでいるんじゃないか、ギャップを生んでいるんじゃないかと、そういう問題意識を私持っていまして、そういった意味では、大学の教育サービスというのは社会の期待に応えられていないと。  そういう、私は、どっちかというと職業的な教育、いわゆる実学と言ってもいいかもしれませんが、それは別に特化しているわけじゃないんです。大臣がおっしゃるところと私は大分かぶっていると思うんですが。当然、職業教育だから、全く普通科なくて、要はそういう教養なくてということではなくて、やっぱり、大学で学んだ内容がすぐに、今以上に産業、社会と密接な結び付きを持ってその子たちのキャリアの形成にもつながり、ちょうど今、実は昨日の参議院の政審や自民党の部会でも、そういったまさにこの職業教育を早い段階で子供たちに意識をさせ、そしてそういったものが大学教育と結び付いていく、まさに高大接続の部分だと思うんですが、ただ接続するじゃなくて大学の教育内容ももっと変わっていかなきゃいけないと。そういった中で、今大学の教育内容の中で足りていないのは、どっちかというとやはりそういうキャリア実践教育なんじゃないかと。  こういった問題意識を私は申し上げているんであって、明確に切り分けるというそういう話ではないんですが、そういった意味での社会の期待に応えられていない大学があるという、そういう私の問題意識に関してはどうお考えでしょうか。もう一度お願いします。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) まず、二〇一一年の大学進学率、我が国は五一%、OECDは六一%、アメリカ、韓国は七〇%を超えておりまして、世界で一番大学進学率が高いのがオーストラリアで九六%。この二十年間を見て経済成長した国というのは、大学教育を含めた高等教育に力を入れている、それが結果的に経済成長に資する、人材がそれを支えているということにもつながってきていますから、私は日本の大学の質と量を高めていくということは、今後日本が発展をしていく、それは一人一人の豊かさを享受するためにも必要なことだというふうに思います。  しかし一方で、今の大学に付いていけない学生がいるということについては、日本の学生が劣っているということではなくて、諸外国と比べてですね、やはりそれは、おっしゃったような大学の教育の在り方、あるいは大学入学試験の在り方、また高校以下の教育の在り方においても相当な問題点があるというふうに思います。  今の大学が、今の視点からの御質問に対して端的に答えれば、やっぱり象牙の塔になっているところはあると思うんですね。つまり、社会的なニーズとそれから大学側の教育研究がずれている部分というのはやっぱりあると。その部分として、的確に、大学に入って四年間学ぶということがその人の更なる学術研究におけるレベルアップになって、社会においてより有為な人材として大学の教育機関が一人一人の学生に提供すると、そういう視点から各大学は更に努力をしていただく必要があるというふうに考えます。

二之湯武史自由民主党

○二之湯武史君 いや、だから、同じだと思うんですね、言っていることは。今よく分かりました。  これ事実だけをちょっと確認したいんですけど、政府参考人に。いわゆる諸外国の大学進学率といった場合の大学というのは、例えばアメリカでいえばユニバーシティーとコミュニティーカレッジ、カレッジといったものを含めて大学進学率なんですよね。

吉田大輔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(吉田大輔君) そうでございます。

二之湯武史自由民主党

○二之湯武史君 ということであれば、日本の大学進学率といった場合にも、高等教育進学率というような新たな概念をつくったらどうかなと私は思うんですけれどもね。  日本の専修・専門学校とか高専とか、そういった学校種というのは、アメリカでいえば限りなくコミュニティーカレッジに近い部分があると思うんですね。そういう意味では七十数%になるんだというふうに思っておりますし。大学というふうに切ってしまいますと、いや、もっと大学進学率を上げようという話になって、今でも私は若干過剰ぎみだと思いますが、更に大学を増やそうとか定員を増やそうみたいな、やっぱりそういうような話にもなってしまうところがありますので。さっき大臣がおっしゃったように、高等教育の進学率が高まることが経済成長なり一人当たりのGDPの成長率につながっていくという意味では、私はそこに日本の場合は専修・専門学校も入れた高等教育進学率という、そういう考え方をすることによってですね、大学という言葉が持つ幅広さとか概念が曖昧なので議論が余りかみ合わないところがあると思うんですね。そういったところは私はそういうことを提案したいというふうに思っておりますし……

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) いいですか。

二之湯武史自由民主党

○二之湯武史君 はい。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) その大学進学率というのは国際基準というのがやっぱりあるんですね。ですから、専修・専門学校を日本は入れるということは、これは該当していないんです。なぜかというと、三年制以上、つまり大学並みの教育がされているかどうかというのが国際基準ですから、今の日本の専修学校、専門学校はその基準に該当していないです。ですから、おっしゃるとおりに、もし該当すれば、それは七〇%を超えます。  ですから、今後、これは、実は今日官邸で教育再生実行会議があるんですが、その中で専修学校、専門学校についても、学校教育法の中に位置付ける、つまり一条校として位置付けるような形で、実際今年の四月からは文部科学大臣認可の新たな課程というのがつくられるようになりましたが、それでもその教育課程は二年ですから、それは諸外国のいう大学進学率の対象校にはやっぱりならないですね。その対象校になるためにするわけじゃありませんが、もうちょっと専修学校、専門学校のより充実な位置付け、助成含めて、そしてそこにおける、高等教育におけるバックアップや各学校の努力、それが結果的には大学、一条校として認められる、あるいはそういうことを目指す、そういうようなインセンティブに対しては国として今後十分検討していかなければならない時期に来ているというふうに考えております。

二之湯武史自由民主党

○二之湯武史君 ありがとうございます。今の御提案は大変私も心から賛同したいと思いますし、非常に大事な提案だと思います。  そういったところが今まで学校種という枠組みでなかなか高等教育機関として見られてこなかったと。しかし、実際社会においては、やはり非常に、ある種でいうと、高い人材育成機能を担っているというのも間違いないと思いますし。私の生まれ故郷の京都なんかは、いわゆる専門学校、専修学校の集積地の一つですけれども、いわゆる大学で担い切れないような、例えば料理人の育成であったりとか、いわゆる伝統工芸関係の職人さんの育成であったり、そういう幅広い社会の人材を育成するという意味では、今までの実績とそういった経験がありますので、その上で、今おっしゃったような国際的に認められる、そういったものへの努力に対しては国として積極的に応援していくことによって更なる幅広い高等教育の充実に向けて是非御努力いただきたいというふうに思います。  そういった意味で、もう一つ、日本は二十五歳以上のいわゆる学び直しという、最近それもよく教育の関係で聞くワードになってきました。つまり、一度社会に出て問題意識を、実際の社会を過ごすことによって問題意識を持って、もう一度問題意識を持って学ぶと、そういったときの学びの吸引力というのは恐らく十八歳当時と比べれば数倍になっているんだというふうに思いますけれども。そういった学び直しの場合は、一回目の学びよりも更に私は実学という要素が強いのではないかなというふうに思っております。  特に欧米の大学院というものはまさにその実学とアカデミックの融合でありますが、やはりそこを学ぶことによって実務的な能力も増す、若しくは社会における人材の評価も上がる、会社にとっても当然自らの会社の業績に大きく貢献する人材としてみなす、そういった意味で、当然給与の待遇も上がっていくと、こういった学び直しの好循環、こういったものをつくっていくためには、当然、大学院の充実ということもありますが、社会、企業側の理解、若しくはそういったことを教えられる教員、人材の確保、こういった様々な課題があると思うんですが、こういう部分もやっぱり今回のガバナンス改革において大きく進歩する、進歩というか、進展をする可能性があるんだろうと思いますけれども、その辺に対する大臣の問題意識というか、お聞かせいただければと思います。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 二十五歳以上で日本の大学生の割合は二%で、ヨーロッパ諸国は御指摘のように二五%を超えています。ですから、そもそも、これを話したとき、日本では、そんなにヨーロッパでは浪人生が多いのかと、留年生が多くて、つまり二十五歳以上になっても卒業できないのがそんなに多いのかというふうに取る人が最初多かったのはびっくりしたんですが、そうではなくて、御指摘のように、十八歳で一旦社会へ出て働いて、で、もっとやはり自分は勉強する必要があると、あるいはもっと学びたいと、そういう思いで社会人として大学や大学院に学び直しで入ると。それの方が、おっしゃるとおり学問に対する意欲、志というものが更に高く取り組めるという意味では、より効果が上がるというふうに思います。  ですから、必ずしもヨーロッパも実学的な部分ということではなくて、そういう意味での社会的な今までの習わしの中でやってきた部分があると思いますから、日本でいう専修・専門学校的な実学的な位置付けとしての大学とか大学院じゃなくて、それは日本でいう、そういう、それがすぐ社会に役立つかどうかは別にしても、やっぱりもっと学問を勉強したいということで大学や大学院に入り直すと、そういうシステムだというふうに理解をしております。  ただ、今後、これから日本が少子高齢化の中で経済的な発展をしていくためには、やっぱり社会人の学び直しというのは絶対に必要なことだと思います。高齢者の、それから女性の、また、一旦社会へ出てやっぱりスキルアップをしなければ次の職業、転職したときのステップアップになりませんから、そのために大学や大学院に入り直して学びたいと。それができるような大学側の受皿も、十八歳人口そのものはこれから減少していくわけですから、最初に御指摘されたように、このままでは大学経営そのものも成り立っていかないと。しかし、新たな需要は、十八歳人口ではなくて社会人というもっと膨大な人が大学や大学院に入って学び直しができるような環境を、これは社会全体でもつくらなくちゃいけませんが、大学側もそういうものを用意することによってこれから十分発展していくと、そのための大学のガバナンスというのは、旧来の発想における大学ではなくて、そういう経営的な部分、それから社会的な変化に対応できるような学長の能力、手腕等もこの大学ガバナンスによってより担保されるというふうになってくると思います。

二之湯武史自由民主党

○二之湯武史君 ありがとうございました。  しつこいようですけれども、やはり私は大学院における教育というのは、学び直しというワードも確かに該当する方々がおられると思うんですけれども、それと、もうやっぱりキャリアアップという言葉も大事なんだろうというふうに思います。  そのキャリアアップという中身には、当然実務能力のアップ、そして給与、待遇のアップですね、こういったものが実現すれば、当然社会的な循環として、例えばアメリカのように三十ぐらいになれば一度やっぱりMBA取ろうかと、一度経営、会計、ファイナンス、こういったものを学ぼうかと。しかも、それが高度に職業的であれば、自分のもう一回キャリアを積む上で自分の実務能力向上できると、社会にとってもやっぱりそういう期間が二年若いときにあって、そして能力を飛躍的に、まあ飛躍的かどうか分かりませんが、能力を向上した人間が再度労働市場に入ってくると、非常に労働市場も活性化しますし、日本の企業の競争力も上がると思いますし。今は残念ながらそういったことを担っている大学院というのは本当に数えるほどしかありませんし、若しくはもう民間のNPOでやっておられるような、そういったところが多いんだと思うんですね。若しくは、思い切ってアメリカやヨーロッパの大学院に年間三百万ぐらいの学費を払って行くと。  やっぱり私は、日本にキャリアアップの大学院というものを整備することによって、日本人もそうですが、アジアからそういった学ぶ意欲を持った社会人を一つの集めるプラットホームのような形になれば、先ほどおっしゃったように、大学の新しい、少子化の中でも、経営モデルというのもできるでしょうし、ひいて言えば日本の社会に高度な能力を持った人材が集積する、そういったような知のプラットホーム、まさに冒頭おっしゃった大学の本当の在り方というものが、日本ではなくてアジア、若しくはひいては世界という枠組みで実現するような、そんなガバナンス改革になればいいなというふうに私も思っておりますし、今後、引き続き様々な見聞を広げていきたいというふうに思っております。  今日はどうもありがとうございました。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 民主党・新緑風会の石橋通宏でございます。  おとといに続きまして今日も質疑をさせていただきますが、今日は、本題に入ります前に、下村大臣に一点見解を伺いたいと思います。  今週十六日に石原伸晃環境大臣が、東京電力福島第一原発事故の除染で出た汚染土などを保管する中間貯蔵施設建設をめぐる被災地の皆さんとの交渉に関して、最後は金目でしょという発言をしました。これを暴言と言わずして何を暴言と言うのかというぐらいとんでもない発言だと思いますし、私自身も激しい憤りを感じているところであります。  この問題に関して、本来は即刻辞任されて被災された皆さんに謝罪すべきだというふうに私は考えておりますが、まさに原子力損害賠償問題などを所管され、被災された皆さんに寄り添った対応が求められている文科大臣として、下村大臣、この石原環境大臣の発言をどう受け止めておられるのか、どうお考えなのか、是非最初に見解をお伺いしたいと思います。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 言葉が足りなかったところがあったのではないかというふうに思います。ですから、石原大臣本人が発言の真意について説明し、誤解を招いたことに対しておわびをされているというふうに承知をしております。  当然でありますが、被災地の方々に寄り添った復興最優先で取り組むということは、これは安倍政権の最重要課題の一つでありますし、そういうことを各閣僚はしっかり肝に銘じて行っていく必要があると思います。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 被災地からも本当に残念だという声が上がっております。  この問題については後ほどまた大島委員からいろいろ質疑があろうかと思いますので、大島委員に後のフォローをお願いしたいと思いますが、本当にとんでもない発言だということを改めて指摘をさせていただきまして、私は本題の議論に入らせていただきたいと思います。  そこで、おとといの質疑でいろいろ大臣とやり取りさせていただきまして、確認をさせていただいた課題、整理させていただけたところと、なかなかちょっとまだ議論がかみ合っていないなと正直思うところと幾つかございましたので、その辺をちょっと中心に今日残りの質疑をさせていただきたいと思いますが。  おととい、大臣が繰り返し、今回の改正法の趣旨というのは学長と教授会の役割分担を明確化することだというふうにおっしゃっておりました。しかし一方で、しかし最終的な決定権限は学長にあるんだということも繰り返しおっしゃっておりました。これは裏返せば、現在、大学の自治の下で、学長さんから教授会に権限が移譲されて、委任されて、そういった中で大学の自治が運用されている。しかし、それすら否定をされて、教授会には教学に関わる事項についても決定権すらないんだということを今回の改正法がやろうとされているということなのかなというふうに思うわけですが、この点について、大臣、昭和三十八年五月のポポロ事件最高裁判決がございます、大臣もよく御存じだと思いますが。  この最高裁判決において、大学の学問の自由、自治ということについて判決文の中で記載されておりまして、ちょっとだけ引用させていただきますと、直接的には、教授その他の研究者の研究、その結果の発表、研究結果の教授の自由とこれらを保障するための自治とを意味すると解されるというようなことも含めて、とりわけ大学の教授その他の研究者の人事に関して認められ、大学の学長、教授その他の研究者が大学の自主的判断に基づいて選任されるというようなことも含めて判決があるわけでありますけれども、今回の改正法案、このポポロ事件判決に照らし合わせて、整合性があるとお考えでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 今回の法改正は、現行法でも規定されている大学における学長と教授会の関係を明確化するものでありまして、教育研究に関する審議機関としての教授会の役割を制限するものではありません。  現行法においても、九十三条で、「大学には、重要な事項を審議するため、教授会を置かなければならない。」と。この解釈が、大学によっては教授会が決定権も持っているというふうな解釈をされて行われている部分があるわけでありますが、しかし、現行法においても、最終権限は学長にあるということはこれははっきりしているわけでありますが、この九十三条が、その辺が解釈によってといいますか、取り方によっていろんな幅があるということが問題であるということで、これを整理するための一つとしてこの九十三条の改正を行うものでありまして、今回の改正によって教授会の役割を制限するとか、そういうことではないということをまず申し上げたいと思います。  御指摘の東大ポポロ事件判決でありますが、大学の自治の内容として学長や教員の人事が大学の主体的判断によって行われることを挙げておりますが、今回の法改正によって人事に関する大学の主体的判断が当然変更されるということではないわけでありますし、また今回の改正が大学の自主性そのものを制約するということでは全くない改正案であります。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 今大臣、解釈の問題というふうに言われましたけれども、これは解釈の問題なのか。果たして、現行法の下で、おとといも繰り返し申し上げましたが、大学の自治の観点から、運用の中で大学とそれから教授会の皆さんがいろんな協議をされ、その大学にとって最もふさわしい意思決定のプロセス、方式というものを決めてこられた、積み上げてこられた。これは運用の結果であるということを考えれば、逆に言えば、改めて、大臣、今回その権限の明確化をしていただいたけれども、それ以外のものを変更するわけではないんだということであれば、引き続き運用の問題として現場でやられるということについて否定するものではないということを導き出せるんだと思いますが。  もう一点、重要な、私も今回初めて知りましたが、二〇一一年に発生した鈴鹿医療科学大学の配置転換事件というのがあります。これ、女性研究者の配置転換命令の合理性が争われた訴訟でありますけれども、地裁判決では、教授会の審議を経ずになされた命令というのは人選の合理性が高いものとは言い難いということで、この配置転換に係る教授会審議の欠如というのが人選の合理性を低めるという判断を下しておられます。そして、高裁判決の方は、更に進んで、教授会権限が後退させられている慣習というものを是認せずと、そして、教員にとって不利益な学内慣習の効力を否定して、教授会審議の欠如は手続上の瑕疵であるという判断まで高裁はされているということであります。  ここでも、今大臣は、先ほどのポポロ事件最高裁判決、これと整合性があるんだというような話でしたが、この鈴鹿医療科学大学の配置転換事件の地裁判決、高裁判決、これとも照らし合わせて、改めて、教授会のそういう人事、人選に関する役割ということ、これはこの判決とも、今回の改正法案、決して整合性がないものではないという御理解でよろしいですか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) そもそも今回の学校教育法の改正は、運用レベルの問題ではなくて、法の趣旨にのっとって各大学で適切に対応していただきたいということで、大学における教授会の役割について明文化するものであります。  そして、この鈴鹿医療科学大学の問題でありますが、御指摘の判例については、当該大学の学則において教員の人事に関することが教授会の審議事項とされているのにもかかわらず、教授会の審議を経ずに教員を医療職員へ配置転換させたことに対して、手続上の瑕疵であることを認めたものであるというふうに認識をしております。  改正案の成立を受けまして、各大学におきましてこの改正の趣旨を踏まえた内部規則の点検を行っていただいた上で、各大学の規則の定めに沿った大学運営が適切に行われるべきであるというふうに考えております。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 やっぱりそこがちょっと、大臣、話が違うんじゃないかと思うわけです。大臣は運用の話じゃないと。いや、これは運用の話で、権限を明確化していただく、これは九十二条で既に明確化をされていたところで、それを現場の大学自治に基づく運用の中でそういう決定をされてきた。まさにこの鈴鹿医療科学大学でも、そういう中できちんと大学が決めておられたにもかかわらず、それが無視されたということ。まあそれだけではない部分も判決の中にはありますけれども。  そうすると、大臣、これ、前回の最後の方でやり取りさせていただきましたけれども、その見直しを、今回点検をしていただくと。しかし、点検をされた結果として、学長さんが、まさにこれは現場の、やっぱり教授会の皆さんの方が、専門性そして学生に近い形、そういったことも含めて、決定すべきであるというふうに考えられた事項について教授会に権限を移譲される、委任される、つまり引き続きこれまでの学則どおりであるということを点検の結果として確認をされるということについて、これは法律上否定できないと思いますが、これ、大臣、改めて確認をさせていただきますが、そういう学長さんの御判断を妨げる法律というのはあるんでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) そもそも、鈴鹿医療医科大学について、これは運用云々とおっしゃっていましたが、この鈴鹿医療科学大学ですか、この五十二条の中に、これは学則の中ですけど、学則の五十二条で、「本学の各学部に重要事項を審議するため教授会を置く。」という中の項目の三項の五のところに「教員の人事に関すること」というのが入っているわけですね。この学則を無視して大学側が行ったということで手続上の瑕疵があるということで、これはそのとおりだというふうに思います。  ただ、本来の法の趣旨における教授会の審議については、それは審議ですから、最終決定は学長があると、だから最終決定は学長があるという上での教員の人事に関すること、これを教授会で審議するということについては妨げるものではありませんし、今回改正案が成立をさせていただければ、その法の趣旨にのっとった、改正案の趣旨にのっとった学則であれば、それは全く問題ないということであります。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 大臣、お答えいただいていないので。  改正案の趣旨にのっとって点検をしていただいた結果、学長さんがそう判断をされて、教授会に引き続き一定の教学に関わる部分について教授会の判断に委ねる旨の学則を決定する、権限を移譲すると、これを妨げる法律というのは存在するんでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) その権限を移譲するという、何をもってどういうふうに移譲するかという定義の問題がありますが、学長が本来決めるべきことを自ら決めないで教授会に移譲するということは、これは法の趣旨に反します。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 その法の趣旨に反する。いや、それは権限を移譲、委任できないという、そういう具体的な法律はあるんですか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 一つ一つ立法の場ですから定義をしていく必要があると思うんですね。まず、移譲ということを定義すると、これは、広辞苑の定義では、他に譲り移すことということになります。それから、委任、これは、委ね任せること、事務の処理を他人に委託すること、一定の事務の処理を他に委託することと。委任、移譲ですね、それぞれ、つまり移譲と委任でも定義が違います。ですから、例えば、学長が最終的な判断権が担保されていて、そして学長の主体的な判断に基づくものであれば、教授会に委任するということは法律上禁止されないというふうに思いますが、それを移譲と、つまり、もう全部任せる、任せたんだから学長の判断は、それはもうその後判断についても拘束する、つまり学長の判断よりも教授会の判断が優先するということは、これは法の趣旨に反します。  ですから、その辺の定義の問題なんですが、委任ということであれば、つまり最終的な判断権が学長にあるということが担保されているということであれば、これは法律上禁止されることではないと思います。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 委任はできるということは今確認をいただきました。  しつこくて済みませんが、移譲はできないというのは、これは何か、それは単なる法の解釈上、移譲というのは、これは一般的に、行政の中で権限を持っておられる例えば行政府の長ですとか様々あると思いますけれども、そういった方がその御自分の権限を移譲するということは、これは一般的にできないということがこれは法律上確定をしているということなんでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 先ほど申し上げましたように、移譲という定義は、広辞苑では他に譲り移すことという定義がありまして、法律の中では中央省庁等改革基本法という法律がありまして、その中の例えば第二十二条の中で国交省は云々という文言の中で、さらに、地方公共団体への権限の委譲、国の関与の縮減等を積極的に進めるほか、徹底した規制緩和、民間の能力の活用等を用いることの中で、この地方公共団体への権限の委譲というのは、これは完全に譲り移すことという定義でありますから、ですから、この移譲という言葉を先ほど石橋委員は使われましたので、学長の権限を教授会に移譲しちゃうということは法の趣旨にこれは反するということですが、先ほど、委任すると、任せるけれども、しかし最終的には学長が自ら判断するという、その判断権が担保されているということであれば問題ないということであります。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 今御説明をいただきました移譲については私ももう少しきちんと勉強させていただきながら、また機会を改めていろいろ質疑させていただければと思いますが、少なくとも委任するということは今回も問題ないということでしたので、それはきちんと改めて周知をしていただければと思います。  あと、私の持ち時間なくなりましたので、最後に、これも前回の最後にちょっとだけお伺いをしたので今回もう一点だけ、有識者会議についての位置付けだけ確認をさせていただければと思いますが。  大臣、おとといの質問のときに、大学のガバナンスに精通している人を委員にするんだというふうに発言になりました。確認は、この有識者会議は、これはいかなる法令に基づく有識者会議ということなのかということで、そこだけちょっと確認をさせていただいて、それによって、ちょっと、じゃ、どういうメンバーかということが影響を受けるんだと思います。これ大臣の全く私的な懇談会なのであればこれは委員も大臣が選抜されるんだろうなと思いますが、しっかりとした法律に基づくものであればそれなりの要件があると思いますので、この有識者会議の、これはいかなる法律に基づいて設置される会議になるのか、それに応じてどういうメンバー構成になるのか、その辺について今の段階の御説明をお願いします。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 前回申し上げましたが、今回の法改正案を国会において決議していただければ、各大学において法律改正の趣旨を踏まえながら、また踏まえたガバナンス体制の総点検と必要な見直しが円滑に行われるよう施行通知を発出していきたいと考えます。  これ、もし法律を成立させていただければ来年四月からの施行ということになりますので、それに間に合うような施行通知を発出する必要が、考えております。この施行通知に盛り込むべき事項などを検討、点検していただくために、法律改正後速やかに大学のガバナンス改革の推進方策についての有識者会議を立ち上げたいと考えております。有識者会議の設置根拠については、新たに設置要項を定めることになると考えます。また、構成メンバーについては、大学のガバナンスに精通されている方々にお願いしたいと考えております。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 ありがとうございました。終わります。

大島九州男民主党・新緑風会

○大島九州男君 民主党の大島九州男でございます。  本日は、学校教育法及び国立大学法人法の一部を改正する法律案について質疑をさせていただく大切な時間をいただいているわけでありますけれども、先ほど理事会におきましても理事の先生方に御理解をいただいて、先般の環境大臣の発言について、そしてまた、環境省がどのようにお考えになられてこの賠償関係のことを進めているのかということについて、質問をさせていただくお時間をいただいたことに心から感謝を申し上げます。そしてまた、井上副大臣におかれましても、今、環境委員会の中、わざわざおいでいただいたことに感謝を申し上げたいと思います。  おわびをしなければならないのは傍聴者の皆さんにであります。本来、この学校教育法の関係の質疑を傍聴に来られたと思いますが、後半、しっかり確認をさせていただくことがございますので、前半はしばらくお許しをいただきたいというふうに思います。  本来であれば、環境大臣、直接お話を聞かせていただくべき問題でありますが、これは文教科学委員会でございますので、冒頭、委員長に、是非、環境、文科、そして経産、復興、この連合審査を要求をし、そして、やはり福島に、被害に遭った皆さんに寄り添った政策を我々国会が一体となってさせていただくことが必要と、その観点で、野党の先生方にも御理解をいただいて、是非このことについて連合審査を要求したいと思っておりますので、お取り計らい、よろしくお願いします。

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 拝聴いたします。

大島九州男民主党・新緑風会

○大島九州男君 それでは、まず、十六回今まで説明会が行われたと聞いておりますが、その説明会に石原大臣以下政務三役は一度も参加をしていないというような状況を聞いておりますが、それはなぜでしょうか。

井上信治自由民主党環境副大臣・内閣府副大臣

○副大臣(井上信治君) まず、お許しをいただければ、冒頭、私の方から、今回の石原大臣の発言に関しまして、被災者の方々、国民の皆様に誤解を与え、不快な思いをさせてしまったことを、改めておわびを申し上げたいと思います。  そして、今朝の環境委員会の冒頭、石原大臣からも改めておわびをし、また発言の撤回をし、そして、国会が終了後、速やかに福島に行って、そして直接地元の方々に謝罪をする旨、これを申し上げさせていただいたところであります。  そして、いただいた御質問でありますけれども、全十六回の説明会、石原大臣そして私も出席をしておりません。その理由といたしましては、今回の住民説明会におきましては、やはり詳細に丁寧に住民の方々に御説明をする、技術的なことも含めて丁寧にやっていくということで、事務方、しかも実際一番分かっている担当の課長、室長レベルで対応をさせていただきました。  あわせまして、やはり、大臣あるいは私が訪問するということになりますと、国会開会中でもあり、全十六回全て出席するということは難しいと考えまして、であれば、一回あるいは複数回出席ということになりますと、じゃ、なぜそこの会場だけ出席をしたのか、こういう話になってもいけないというようなことも考えた上で、あえて出席をしないと、そういった方針を取らせていただきました。

大島九州男民主党・新緑風会

○大島九州男君 実は、私は与党時代、発災当初から毎週のように被災地の方に行かせていただいておりました。そして、当時の環境大臣の皆さんも政務官も、ほとんど週末、そしてまた平日でも、お声が掛かれば現場に行かせていただいておりました。大臣、副大臣、政務官と、それだけの人がいらっしゃって、交代して行けば十分その十六回はフォローできたと、現実的に私たちはさせていただいていた経験から、行けないことはないんだということをまず申し上げたい。  そしてまた、その説明会に今日出ていらっしゃった方に来ていただいておりますが、その中で、大臣は何で来ないんだとか、政務官はどうしたという声は上がらなかったですか。

小平卓環境省放射性物質汚染対処技術統括官付参事官

○政府参考人(小平卓君) お答えさせていただきます。  今先生が御指摘になりましたような御質問については、各会場、必ずしも常にということではございませんけれども、そういう御質問はいただきました。  我々といたしましては、実務的にしっかり説明してくるようにという大臣の御指示を受けて説明に来ているんだという御説明をさしあげております。

大島九州男民主党・新緑風会

○大島九州男君 実は、私は別に大臣でも副大臣でもないけれども、やはり現場に行って、ああ、与党の先生がちゃんとその話を聞いてくださったということで、それだけでも有り難いというふうに言うお言葉をいただいた経験上、大臣、副大臣と政府のそういう方がいらっしゃれば、それだけでも被災者の皆さんは安心できる部分があるんです。  ところが、今言うように、役所の皆さんは、言われれば、それは検討しますとしか言えないでしょう。だから、私たちは、行かせていただいて、そういう、大臣、副大臣に必ず確認を取ってそれでお伝えさせていただきますと、そこまで政治家ですから言えますけど、事務方の皆さんはそんなこと言えませんよね。だから検討検討で、わざわざ時間を取って参加をしているのに何の答えも出てこないと、どうしたと、だから大臣、何で来ないんだという、そういう話になるのは当たり前なんですよ。  だから、そういう現場の声を受け止めるからこそ、ちゃんとその被災者に寄り添って政策をつくらなきゃいけないなと。だから私は、毎回毎回、ここの文教科学委員会で、一日でも早く全ての人の心が救われるような賠償を決めるべきですよねということをいつも言わせてもらっている。それはなぜか。それは、その被災した人の心に寄り添って、その立場になったらそういう発言になるんですよ。  ところが、霞が関や永田町で人の話だけ聞いて、ああ、そうか、ああ、じゃ、最後は金目だなというような話になるのは、現場に行かないからでしょう。そういうことを受け止めてやるのが、今の安倍政権の、被災者に寄り添っていく、そういう政治じゃないでしょう、それ。まるっきり違うじゃないですか。  まず、その被災者の皆さんがどういう心で日々過ごされているか、そういうことをしっかり感じて、今後、全ての説明会に環境省としては大臣、政務官、そういう人が必ず参加すると約束できますか、井上さん。

井上信治自由民主党環境副大臣・内閣府副大臣

○副大臣(井上信治君) 説明会につきましては、全十六回で一通り終了いたしました。  今後、説明会をまた再度開くのか、あるいはどういった人間が対応するのか、そのことに関しては今後検討させていただきたいと思います。

大島九州男民主党・新緑風会

○大島九州男君 それじゃ、聞きますが、事務方がいろんなことを聞いて、そしてそれを報告するんですね。どういう報告したかは今聞きますけど、その報告を聞いた大臣が答えたことが、金目でしょと言ったんですよ。  じゃ、どういう報告したんですか。

小平卓環境省放射性物質汚染対処技術統括官付参事官

○政府参考人(小平卓君) 十六回にわたる住民説明会の中で、非常にいろいろな質問がございました。それにつきましては、例えば、例えばというか、例えばだけでもかなりの量になりますけれども、こういうカテゴリーの質問をいただいたということにつきまして、大臣、副大臣、政務官にも我々としては御報告させていただいております。

大島九州男民主党・新緑風会

○大島九州男君 いや、そのカテゴリーはいいんですよ。だから、どういう説明をしたら金目でしょという回答が大臣から出てくるのかと聞いているんですよ。だから、どういう説明をしたんですか。

小平卓環境省放射性物質汚染対処技術統括官付参事官

○政府参考人(小平卓君) まず、事実関係としまして、住民説明会でどのような御意見があったのかということについて御説明をさしあげました。  今、カテゴリーというふうに言ってございましたけれども、例えば具体的な補償額については示せないのかであるとか、新しい交付金をつくると言っているけれども、その中身であるとか規模というのがよく分からないではないかとか、施設の安全性はどうなのかとか、我々の将来像はどういうふうに考えたらいい、町も含めた将来像はどう考えればいいのか等々のいろいろな御意見をいただいております。そういう御説明をさしあげました。  結果的に、お金に関わるものというのは確かに多数いただきました。そういう御説明は大臣にも副大臣にもさしあげております。

大島九州男民主党・新緑風会

○大島九州男君 じゃ、その答えを環境省の今の皆さんのレベルでできる問題ですか。回答できる問題ですか、できない問題ですか、それだけ答えて。

小平卓環境省放射性物質汚染対処技術統括官付参事官

○政府参考人(小平卓君) 予算につきましては、非常に大きな政治的な判断を伴うものだと考えてございます。  我々も、事務方としまして今関係省庁と連携の下で、できるだけ対応を図りたいと思ってございますけれども、最終的には大臣、副大臣、政務官のお力の中でやることが非常に多いのではないかと考えております。

大島九州男民主党・新緑風会

○大島九州男君 ということは、井上副大臣、説明会が一通り終わりましたと、十六回。そこで出た問題は、いろいろ受けて、報告受けましたと。そしたら、次の出番は誰ですか。

井上信治自由民主党環境副大臣・内閣府副大臣

○副大臣(井上信治君) まずは、住民説明会で様々な御意見が出てきた、その御意見に対してどのように対応していくか、考え方をしっかり整理をして、それを地元に伝えていくということだと思います。  対応につきましては、大臣なのか副大臣なのか、そこはしっかり検討させていただきたいと思います。

大島九州男民主党・新緑風会

○大島九州男君 そうでしょう。大臣、副大臣、政務官、政治家が行ってやるから政治主導ですよね。そして、被災者に寄り添う安倍政権の政治なんですよね。  ということは、今後の説明会にそういう担当官行かせて、また答えも出ない、住民の皆さんが余計不安になるようなそういう説明会が開かれることはないですね。確認します。

井上信治自由民主党環境副大臣・内閣府副大臣

○副大臣(井上信治君) 先ほどとちょっと繰り返しになりますが、説明会、そもそもこれからまた開催をするかということも含めて、対応もしっかりこれから検討させてもらいたいと思います。

大島九州男民主党・新緑風会

○大島九州男君 開かないなんという選択はありませんからね。  それで、今日は、私は何度も石原大臣に話を直接聞きたいと言ったけれども、それはルールでできないから、じゃ環境省の井上副大臣が、石原大臣の心になって参加させてもらいますと言ったから私は受けましたので、しっかり答えてくださいね。  石原さんは、幹事長時代、福島第一サティアンとか、第一原発のことをそういうふうにサティアンというふうに例えたんです。これはどういう意味ですか。井上副大臣、石原大臣の心になって答えてください。

井上信治自由民主党環境副大臣・内閣府副大臣

○副大臣(井上信治君) その発言につきましては、石原大臣御自身から、大臣に就任した直後の二〇一二年十二月二十七日に福島県庁を訪問した際、幹事長時代のサティアンとの発言は不適切な発言で、サイトと言うべきところを言い間違えた軽率なミスでありました、申し訳なく思っているというふうに申し上げており、私としてもそのように理解しております。

大島九州男民主党・新緑風会

○大島九州男君 サイトとサティアンを言い間違えたと。なるほどね。  いやいや、まあまあ、じゃ、それはよしとして……(発言する者あり)いや、そういうふうに石原さんが言ったんでしょう。私はちゃんと通告していますからね、これ。ちゃんと通告して、石原大臣にその心を聞いて答弁してもらうようにということで、ちゃんと質問通告をして、今私が回答を得たわけですから、そういうことを石原大臣が言ったということで間違いないということですね。  これも通告していますから。鉢呂大臣が失言されたときに、万死に値する発言だというふうにおっしゃったと記憶しております。じゃ、鉢呂大臣がおっしゃったその言葉が万死に値するなら、今回の石原さんの自らの発言は何に値するんですか。これ、昨日通告させていただいていますから、しっかり答えてください。

井上信治自由民主党環境副大臣・内閣府副大臣

○副大臣(井上信治君) 実は、先ほど今朝の環境委員会で同趣旨の質問が委員の方からございました。そのときに石原大臣御本人が答弁をいたしました。  その答弁の趣旨は、住民説明会の結果、最後は用地補償の額や生活再建策、地域振興策の規模を示すことが重要な課題となるということを申し上げたんだと。そして大臣より、誤解を招いたことによって陳謝し、撤回をさせていただいたということでありますから、何に値するかという御質問であれば、まさに陳謝に値し、撤回に値するものだと考えております。

大島九州男民主党・新緑風会

○大島九州男君 いやいや、今のは井上副大臣の見解でしょう。  いや、私が聞いているのは、石原大臣が、私は、だから今日その環境委員会で石原大臣が誰に答弁したか知りませんよ、私が聞いたわけじゃないんだから。私は昨日質問通告をしたのは、鉢呂大臣のあの発言に対して、石原さんが万死に値するという発言をされましたねと、だから、今回の石原さんの自分の、自らの発言は何に値するんだと。だから、石原さんがこの質問通告に対してどう答えたかを答えてください。

井上信治自由民主党環境副大臣・内閣府副大臣

○副大臣(井上信治君) 石原大臣がどう今回の発言について、何に値するかということを石原大臣がどのように考えているかと、という御趣旨の御質問でしょうか。であれば、であればですね、私も大変恐縮ですが、これは大臣御自身のお考えということで、まさに今朝環境委員会で、これは私ではなくて、大臣の方から同趣旨の質問に対して答弁をいたしました。そこが石原大臣のこの回答だということで今御紹介をさせていただいたところです。  ですから、私自身の考えというよりも、大臣の考えとしてお答えしたということでお願いします。

大島九州男民主党・新緑風会

○大島九州男君 だから、私が言っているのは、その環境委員会で質問した人に答えたのは、私の趣旨とはちょっと違うんです。だから、私は昨日通告して、石原大臣が私に対して、この通告に対してどういう回答だったかというのをちゃんと聞くからねと言って通告しているんですから、それをちゃんと答えてください。

井上信治自由民主党環境副大臣・内閣府副大臣

○副大臣(井上信治君) 私も今朝の環境委員会、出席をしておりまして、まさに同趣旨で委員から質問がありました。万死に値するという発言の紹介もあって、それについて大臣は、じゃ今回の発言、何に値するのかという御質問だったので、大臣がお答えをしたということです。  そのお答えした内容が、住民説明会の結果、最後は用地補償の額や生活再建策、地域振興策の規模を示すことが重要な課題となるということを申し上げたものであると。そして、誤解を招いたことには陳謝し、撤回をさせていただくという答弁がありました。それが石原大臣の今回の委員からの質問に対する答えでもあると理解しております。

大島九州男民主党・新緑風会

○大島九州男君 いやいや、だから、昨日私言っているんですけれども、副大臣は大臣の代わりにちゃんと答弁する。だから、ちゃんときっちり質問通告して、それに答えられないですから、話が違いますから、ちょっと、これ、委員長止めてください。納得できませんね。納得できませんよ。(発言する者あり)違う、違う。私の通告に対してですから。(発言する者あり)

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 井上副大臣、質問の趣旨について分かりやすいような形で、石原大臣はこう答えたということで、それに、期待に応える答弁であるかないかは別にして、もう一度答えていただけますか。

井上信治自由民主党環境副大臣・内閣府副大臣

○副大臣(井上信治君) 私の説明不足かもしれませんが、もう一度お答えしたいと思います。  石原大臣がどう御自身の発言について、何に値するか、どう考えているかということであれば、先ほど環境委員会でほぼ同趣旨の御質問がありましたので、それに対して大臣御自身が自分の答弁をされました。その内容が今回の大島委員からの質問の答弁にも当たるというふうに考えております。  繰り返しますと、住民説明会の結果、最後は用地補償の額や生活再建策、地域振興策の規模を示すことが重要な課題になるということを申し上げました。そして、大臣より、誤解を招いたことについて陳謝をし、撤回をさせていただいたところです。(発言する者あり)

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 委員長としましては、質疑者の質問に対して環境副大臣が、石原大臣はこのように答えたという回答はあったと思います。  ただ、中身が合致しているか別かは、これはまた判断の問題ですけれども、そういう答えがあったということが井上副大臣からの質疑に対する答えじゃないでしょうか。

大島九州男民主党・新緑風会

○大島九州男君 私が言っているのは、昨日通告したことに対して石原大臣がこういうふうに答弁をしたという答えを聞いているんですよ、それを。昨日通告した、私の通告に対して答えるのが筋でしょうと言っているの。分かりましたか。

井上信治自由民主党環境副大臣・内閣府副大臣

○副大臣(井上信治君) そういう意味では、大臣に対する通告が環境委員会で別途ありました。ですから、それと同趣旨のお答えを、こちらの委員会では私が答弁者ですから、それを引用し、紹介をしたと。それが大島委員の通告に対する答弁であると理解をしております。

大島九州男民主党・新緑風会

○大島九州男君 じゃ、確認します。  同趣旨の質問だったので、それを引用して答えたと。  昨日の段階では事務方は大臣にそのことはちゃんと伝えているんでしょうね。その確認。

井上信治自由民主党環境副大臣・内閣府副大臣

○副大臣(井上信治君) 伝えております。

大島九州男民主党・新緑風会

○大島九州男君 それで、金目の話ですねという、その金目の話というのは、じゃ、どういう意味かというのをちょっと説明してください。

井上信治自由民主党環境副大臣・内閣府副大臣

○副大臣(井上信治君) 住民説明会の結果といたしまして、住民の方々から様々な御意見が寄せられました。その中でも多くの意見が、用地補償の金額でありますとか、あるいは地域振興策、生活再建策などの内容についてと、こういった言わば金額に関わる、予算に関わる、そういったような御意見が多数、多かったので、そういう意味では今後、最終的にはそういった課題が焦点になると、そういう意味で大臣は発言をされたと理解をしております。

大島九州男民主党・新緑風会

○大島九州男君 今日のやり取りを聞いていて、現場では十分、十六回のその説明会の中でいろいろ要望はお聞きしたと。そして、その行った環境省、経産省、その担当の皆さんが、今後はそういう補償だとか金額の問題であるとか非常に高度な判断なので、それは大臣、副大臣、政務官という責任ある人たちが判断をし、そして対応すべきような問題であったというふうに私は受け取ったんですね。  今後は、そういう場所において説明会をしないで終わるなんということはあり得ないはずですよ。普通、ちゃんと問題を提示して、そしてその中の解決策をまた提示して、何度もそういうやり取りをする中で、そして被災者の心に寄り添って、そしてそれを政治主導でやっていく。私はそのように、私は思うんですが、環境副大臣として、副大臣はどのように受け取られておられますか。

井上信治自由民主党環境副大臣・内閣府副大臣

○副大臣(井上信治君) 委員がおっしゃるように、被災者の心に寄り添って事業を進めていくということ、大変重要なことだと思っております。  そういった観点も踏まえまして、今後の説明会の開催あるいは対応者など検討していきたいと思います。

大島九州男民主党・新緑風会

○大島九州男君 じゃ、そのことにしっかり期待をしておりますので、冒頭言いました環境、文科、経産、それから復興、そういった皆さんと一緒にしっかりとこの委員会でも議論をしていきたいというふうに思っていますので、再度そういう連合審査を要求して、次の質問に移りますけれども。  国立大学法人の学長選考会議は、学内者と学外者がそれぞれ同数で構成されていることとされており……

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) ちょっと待って。  井上副大臣、退席していただいて結構です。

大島九州男民主党・新緑風会

○大島九州男君 済みません。ありがとうございました。  今回の改正により、学外委員を過半数とした経営協議会と比較して、学内の意見をより重視する構成となっていると私は認識しておりますけれども、学長選考については、今後も学内の意見をしっかりと受け止めて行われるという、そういう判断でよろしいでしょうかという質問です。

吉田大輔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(吉田大輔君) まず、経営協議会でございますけれども、経営に関する重要事項について審議を行います経営協議会につきましては、国立大学の運営に社会のニーズを反映しつつ、その経営基盤を強化する観点から、専門性を有する学外の知見を積極的に活用するために設けられたものでございます。従来から学外委員の割合を半数以上としておりましたが、今回、国立大学が社会や地域のニーズをより的確に反映した運営を確保するため、学外委員の割合を過半数としたところでございます。  一方、学長選考会議は、経営に責任を持つ法人の長としての役割と教学の長としての学長の役割を等しく重視する観点から、原則として、経営協議会から選出された学外者と教育研究評議会から選出された学内者を同数として構成をされているところでございます。  今回、学長選考につきましては、学長選考会議による主体的な選考の促進や手続の透明性を確保するための改正をお願いしているところでございますけれども、学長選考会議については、構成が変更されるものではなく、引き続き学内者、学外者それぞれの意見が反映される仕組みを維持しているところでございます。

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 途中ですが、小平参事官、退席いただいて結構です。

大島九州男民主党・新緑風会

○大島九州男君 ありがとうございました。  じゃ、確認ですが、経営に関する事項についての経営協議会というのは、社会のニーズをより的確に反映する運営を確保するために過半数というふうにしましたよと、一方、学長選考会議は同数になっていると。そこは変わっていないということは、私の受け取りとしては、今後の学長選考会議というのは、学内者等の主体的な選考やその手続の透明性を高める、そういう意見が反映されるような仕組みになっているというような、そういうことでいいんですよね。    〔委員長退席、理事石井浩郎君着席〕

吉田大輔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(吉田大輔君) 学外と学内と、その意見を的確に反映されるような仕組みになっております。

大島九州男民主党・新緑風会

○大島九州男君 じゃ、次に、国立大学法人化以降、国立大学法人運営費交付金の初の増額になったというふうに理解をしておりますが、やはり予算の関係、今後、運営費交付金の確保に向けて更なる努力をしていただきたいというふうに思っているんですけれども、その大臣の決意はいかがでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 各国立大学の強み、特色を生かした教育研究を伸ばしていくために、教育研究活動の基盤を支える国立大学法人運営費交付金の確保、これは重要だというふうに考えております。  国立大学法人運営費交付金については、法人化した平成十六年度から昨年度まで減額が続いてきた中で、今年度予算におきまして、御指摘いただきましたが、対前年度三百三十一億円、三・一%増の一兆一千百二十三億円を計上し、各国立大学の強み、特色を最大限に生かした教育研究の実施などの機能強化に取り組む大学に対して重点支援を行うこととしたところであります。  文科省としては、引き続き、各大学の強み、特色を伸ばす取組に対して支援するため、運営費交付金の確保に努めてまいりたいと考えております。

大島九州男民主党・新緑風会

○大島九州男君 当然、その運営費交付金の確保、他省庁との協議を踏まえて予算をしっかり取っていただくことは大変重要なことですので、そのことは引き続き要望をしていきたいというふうに思っていますが。  やはり経営の安定とか、そういうことをよく言われるわけであります。今回の改正においても、先ほど説明がありましたように、社会のニーズをより的確に反映した運営を確保するためというようなことで学外委員の割合を増やしたと。そして、経営を非常にスピーディーにいろんなことができるようにということで、経営経営というふうにおっしゃっているんで、やはりそういう意味では、経営基盤を安定させる、そういう交付金の部分について増額をされていくことは、学校の先生たちが余り金目のことを考えなくても研究できていくということにつながっていくので、そのことは大変重要なことだというふうに思いますから、しっかり予算の確保を努めていただきたいというふうに思っています。  当然、今回、学長のリーダーシップというふうに聞こえると非常にいい言葉ではあるんですけれども、それを独裁だとかそういうふうにイメージするような、そういったことにつながっていくというのが非常に危惧されるわけでありますけれども、学長の独裁的な経営とか人事が行われるんじゃないかというふうに危惧されていらっしゃる方が多くいらっしゃるので、いろんな質疑が形を変えいろいろ出てきたわけでありますが、本来、学長がいろんな教員のポストを考えるという、それこそ大学の規模もたくさんありますから、全てが目が届く人もいれば全然目の届かないこともあれば、当然、千差万別だとは思います。その学長が教員ポストの配置を行う際には、当然でありますけれども、学内の意見を聴きながら行うことをされるというふうに私は理解するわけですが、そこら辺、今回の、文科省はどのように指導をしたり受け取ったりしているんでしょうか。

吉田大輔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(吉田大輔君) 教員人事につきましては、中教審の審議まとめでも示されておりますけれども、配置と選考というふうに分けて考える必要があろうかと存じます。そのうち、教員の配置、教員をどのポストに配置するかということにつきましては、これは学長が全学的な視点から判断すべきものというふうに整理をされております。  ただ、もっとも、学長が教員ポストの配置を判断するに当たりまして、各学問分野の重要性ですとか大学としての強みなどを踏まえることはこれは必要なことでございまして、そのために学内の意見に広く耳を傾けることが望ましいというふうに考えております。

大島九州男民主党・新緑風会

○大島九州男君 ちょっと確認ですが、それを決める際、教授会を含めた教員の組織の声を聴きながら行うことが重要だと認識していますか。

吉田大輔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(吉田大輔君) 先ほど申し上げたとおりでございますけれども、配置それ自体については学長の権限でございますけれども、その際、学問分野の重要性ですとか強みなどを把握をするという意味で学内の教員の意見を聴くということについては、それは望ましいことだと考えております。

大島九州男民主党・新緑風会

○大島九州男君 今確認をさせていただきましたので、そのことをしっかり指導をしていくことを文科省には要望をしておきます。  次に、学部の再編に際して、関係学部の教授会や全学的な教員組織等の関係者の意見を幅広く聴くことは当然だというふうに私は思っておりますが、それについてどうお考えでしょうか。

吉田大輔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(吉田大輔君) 学部の再編ということにつきまして、これは各大学の経営方針を踏まえて最終的には学長がその権限と責任において判断すべき事柄でございます。  ただ、学部の再編を行うに当たりましては、教育研究活動への影響や再編の効果、それから大学としての強みなどを踏まえた上で判断をしていくということも必要でございます。そのためには、関係する学部の教授会や教職員を含め、幅広く意見を聴取をしていくということが重要であると考えております。

大島九州男民主党・新緑風会

○大島九州男君 そのことは私も認識が一緒ですので、まさにそのことを実践されるかどうかというものを文科省がきっちり情報を取り、そして指導をしていくことが大事だということであります。  先ほどの、石原大臣じゃありませんけれども、現場の声に、そして現場に触れなければそのことが分からないわけであります。だから、いろんな報告だけ聞いていると、最後は金目かなという話になって、補助金だけやればいいのかという方の話につながっていきかねませんので、ちゃんとそういう現場の声を聴き、そしてそういう正しい運営が行われるように文科省には指導をしていただきたいということをお願いをします。  それから、国立大学法人法の参議院における附帯決議第二項の精神がありますが、改正法案が成立した後も引き続きそれは守られるというふうに認識をしていいのかの確認でございます。お願いします。

吉田大輔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(吉田大輔君) 平成十五年に国立大学法人法が制定された当時、参議院の文教科学委員会から附帯決議をいただいております。それにつきましては、これまでと同様、今回の法改正後におきましても十分にその趣旨を踏まえまして対応していく必要があると考えております。

大島九州男民主党・新緑風会

○大島九州男君 先ほどから石橋委員からも話がありました。運用という意味では、やはり文科省の指導、そして文科省がどのように考えているかというのを一番皆さんしんしゃくされて運営をされるわけであります、特に国立大学法人においては。そういった意味において、やはり文科省の皆さんがしっかりそのことを踏まえて指導監督していただければ問題は起こらないというふうに私は認識をしておりますので、是非その思いを持って今後の運営に当たっていただきたいというふうに思います。  それから、最後になりますけれども、今回の法改正というのは学長のリーダーシップを強化するものと捉えている人が多いけれども、現場の意見を聴いた民主的な大学運営が行われることが重要だというふうに下村大臣はお考えになられているというふうに思います。  今までのこの文教科学委員会における大臣の答弁を聞かせていただいても、まさに地方教育行政の改革、教育委員会の機構改編といいますか、首長が教育長を指名する制度においても、しっかり地域の人の声や学校に携わる多くの人の意見を聴いて総合教育会議は運営していくべきだと、そして、本当にすばらしい教育が行われるようにやるべきだというふうに御答弁をいただいた、そういう精神からして、今回のこの学教法の改正についても同じような私はその趣旨の心をお持ちだというふうに思っておりますので、最後に大臣から総括的な今までの質疑を踏まえた御意見をいただきたいと思います。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 今回の改正は、学長が大学の最終的な決定権を有すること、また教授会が学長に対して意見を述べる関係にあることなど、権限と責任の一致の観点から学内の各組織の役割を明確化するものであります。  大学の運営においては、トップダウンとボトムアップの両方のバランスが重要であるというふうに思います。学長が適切なリーダーシップを発揮していくためには、御指摘のとおり現場の教職員の声にしっかりと耳を傾けていくことは重要なことであるというふうに認識しております。

大島九州男民主党・新緑風会

○大島九州男君 ありがとうございます。  まさに、そういう大臣の思いを受けて、やっぱり現場、またその監督をする文科省、そしてまた学長さん、そして教職員の皆さんが心を一つに一体となった大学運営をしていただくことを望みたいというふうに思います。  最後になりますが、今日この文教科学委員会において石原大臣の件について質疑をさせていただいたその最大の目的は、やはり私たちこの文教科学委員会は原子力の研究開発や賠償の問題について真摯に議論をする委員会であります。まさに私たちが、委員会で、原子力発電におけるあの事故の被害に遭った人たちの賠償、その指針、そしてその方向性をしっかりと受け止めて、一日も早い被災者の人たちの救われを目標に頑張っていかなければならないという強い思いで質疑をさせていただいたことに御理解をいただいた皆さんに感謝を申し上げて、質問を終わります。  以上です。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 本日は、産学連携の促進、そして寄附の受入れ体制への環境整備、そして教育予算の増額、また授業料免除制度の拡充について質問をさせていただきます。  まず、産学連携の促進についてお尋ねをします。  今回のガバナンス改革におきまして、学外の声がより大学の経営に反映されやすくなると承知をしております。これによって、産業界との連携も加速をしていく、このように期待をしております。  産学の間には基本的な性格の違いがあるというふうに思います。これについては、衆議院の文部科学委員会の参考人質疑において、名古屋大学の名誉教授である池内参考人よりこのような意見表明がありました。  産業界というのは短い時間で物事を考える。大学というのは近視眼的な成果を求めない、じっくりと物事をより次の世代に生かせるような技術の展開に持っていく。そういう産学連携というものを考えていくのはあり得る。こうおっしゃっております。  このように性格が異なる産業界と大学がお互いに持っているものを出し合って新しい価値を生み出すためには、様々な課題があると考えます。産学連携を促すためにどのような具体的な取組が望ましいか、御答弁をお願いいたします。

川上伸昭文部科学省科学技術・学術政策局長

○政府参考人(川上伸昭君) 今先生御指摘のとおり、大学と産業界というのは、目的でありますとか、それから強み、いろいろな面で異なっているところがあるというふうに思います。そういった異なった組織をつなぎ合わせて産学連携を促すためには、まず一つは、複数の分野の大学と企業が一体となって議論や研究開発などに取り組むことで、それぞれの専門分野や特徴を生かした最適な組合せをつくっていくということや、それから産学協同研究の進展の段階に応じた適切な支援を実施していくことが望ましいというふうに考えるわけでございます。  そのため、具体的な取組といたしまして、文部科学省におきましては、一つは、プロジェクトリーダーに産業界の人材を設定をいたしまして、産と学が一つの屋根の下で市場目線で研究開発に取り組むセンター・オブ・イノベーション・プログラムや、他方、産業界への技術移転の模索段階から企業が主体で取り組む本格的な実用化の研究まで、研究開発の進展に応じまして産学の役割が段々変化していくということを捉えた、切れ目ない支援を行う研究成果最適展開支援プログラムといったようなものを実施をしているところでございます。  今後も、引き続き、大学の革新的な研究開発成果が着実に実用化に結び付けられるよう、大学と産業、双方の強みを生かした産学連携政策に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。  よろしくお願いいたします。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 今、組合せという話がございましたが、産業界が持っているものと求めるもの、大学が持っているものと求めるもの、それをつなぎ合わせるマッチング、これについてはいかがでしょうか。

川上伸昭文部科学省科学技術・学術政策局長

○政府参考人(川上伸昭君) 先ほどCOIプログラムのところで産業界のプロジェクトリーダーを得てというようなことを申し上げましたが、大学の持つシーズと産業界のニーズをつなぎ合わせる、マッチングさせるというのは非常に重要でございます。そして、それにたけた人材というのも必要でございます。  その例といたしまして、現在、東日本大震災の復興事業の一環として東北の被災三県にマッチングプランナーを置きまして、ニーズの調査を行い、そしてシーズを結び付けるという作業をしてございます。この際、もちろん地元の大学と地元の産業界というのは重要なんでございますが、それにとどまらず、全国の大学にありますシーズをその被災県の中小企業と結び付けることによって良い成果が得られるということが見えてきているところでございます。例えば、高知県の大学と岩手県にある中小企業との間でマッチングすることによって新しい製品が生まれるというようなこともできてきております。  このように、マッチングの専門人材を育成をし、そしてそれを活用することによってマッチングを良くしていくということが、一つ産学連携を進める上で大切なことであるというふうに考えてございます。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 是非とも、こうした成功事例を積み重ねていって、産学連携が更に促されるような指導をお願いをしたいと思います。  次に、寄附の受入れ体制の環境整備についてお尋ねをします。  中教審の審議のまとめでは、このような指摘があります。大学と社会の相互の発展のためには、社会から大学への更なる支援が必要であり、国においても、寄附金の自主的、積極的な受入れに資する環境を一層整備するとともに、大学側も、寄附を受けるにふさわしい大学運営体制の整備を行う必要がある、こういうふうに指摘されております。  また、先日も紹介いたしました五月一日付けの日経新聞、山中伸弥教授の「イノベーションの条件 研究に専念できる体制を」の中にもこのような意見の表明がございます。ちょっと長文ですが、引用します。   米国では一兆円以上の規模の大学基金も複数あり、運用益を研究環境の整備などに回している。卒業生を中心とする高額寄付者に支えられており、国、州政府による研究費と並ぶ「研究資金の三本柱」の一つになっている。米国の研究機関にも非正規雇用の研究者、研究支援者は多いが、雇用継続の裏付けとなる財源の多寡では大きな差がある。   日本の寄付への税制優遇は諸外国並みになってきているが、国立大学への寄付には税額控除が認められておらず、小口の寄付者にとってメリットが小さい。これが解消されれば大学が積極的に寄付を呼びかけたり、市民が寄付したりするインセンティブ(誘因)が大きくなる。米英のように研究機関の資金調達を担う人材も育成する必要がある。 そして、こう結んでいらっしゃいます。  国には、競争力のある研究環境を構築するために、寄付を後押しする政策や柔軟な研究資金の提供などのサポートを期待したい。 このように山中教授も指摘をされてございます。    〔理事石井浩郎君退席、委員長着席〕  このような指摘を文科省としてはどのように受け止められるでしょうか。また、具体的に今どのような環境整備が考えられるでしょうか、御答弁をお願いします。

吉田大輔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(吉田大輔君) 御指摘のように、大学の教育研究の充実に向けましては、公財政による支援の充実に加えまして、寄附金を始め民間資金など多様な財源を積極的に導入していくことが重要であるというふうに認識をしております。このため国立大学及び公立大学につきましては、平成十六年の法人化以降、法人に対する個人寄附に係る税制改正を継続的に要望するなど、寄附税制の拡充に向けて取り組んでいるところでございますが、今先生の方から御紹介をいただきましたように、この部分につきましてはまだ税額控除というようなものが導入されていないというような課題も指摘されているところでございます。  また、私立大学につきましては、平成二十三年に学校法人への個人寄附に係る税額控除制度が導入をされ、寄附を促進する環境を整備をしてきたところでございますけれども、引き続き寄附税制の更なる拡充に向けて取り組む必要があろうかというふうに認識をしております。  文部科学省としては、引き続き、税制上の優遇措置の充実に努めるとともに、大学としての情報発信、そういったものにも留意をしながら、大学に対する寄附の促進効果が生まれるように取り組んでまいりたいというふうに考えております。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 継続的で実効性のある取組の推進をお願いをしたいと思います。  次に、教育予算の増額についてお尋ねをいたします。  衆議院の参考人質疑におきましては、先ほど申し上げました名古屋大学の名誉教授の池内参考人より、日本の大学を良いものにしていくためにはどのようにしたらいいかという委員からの質問に対して、高等教育の予算倍増、予算を二倍にしなさい、もう単純明快に回答されていらっしゃいました。実際、OECDの諸国ではこの高等教育への予算、GDP比一%以上なのに対して、日本では〇・五%、半分以下という非常に寂しい状況にございます。さらに、池内参考人は、こうしたことを委員会としてきちんと政府に言ってほしい、このように意見表明をされております。これを受けまして、本委員会で改めて政府にお願いを申し上げたい、このように思います。  教育は国家百年の大計、未来への貴重な投資であることは言うまでもありません。高等教育を含めて、教育予算の増額への大臣の御決意をお伺いします。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 少子高齢化が急速に進展する中にありまして、今後とも我が国が引き続き成長、発展を持続していくためには、一人一人の能力や可能性を最大限に引き出し、付加価値や生産性を高めていくことが重要でありまして、そのためには教育投資の充実、これは必要不可欠であるというふうに思います。このような観点から、平成二十六年度予算におきまして、大学等の海外留学支援制度及びスーパーグローバル大学等事業の新たな設立、また大学等奨学金事業、無利子奨学金の拡充、そして幼児教育に係る保護者負担の軽減、このような充実を図ったところであります。  こういう取組を更に充実し、高等教育を含め全教育段階においてOECD諸国並みの公財政教育支出を目指すためには、その財源の確保が御指摘のように大変重要でありますし、私もできたら一日も早く一%、〇・五%といっても実際は二・五兆円ぐらいに当たるわけでありますが、これを目指すということは大変重要なことであるというふうに思いますが、そのために、文部科学省でも、昨年の暮れから、有識者の知見を活用しながら勉強会を積み重ねて、提案も作っているところでございます。  是非、与党、公明党におかれましても、また、これは参議院の文教科学委員会の委員の皆様方も総意としては文教関係の方々は皆さん思っていただいているのではないかというふうに思います。それを作っていかなければ、これは高等教育だけでなく全ての教育について言えることでありますが、この教育投資の意義それから効果と、積極的に我々の方も発信をしながら、国民の理解が得られるように努めてまいりたいと考えます。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 前向きな御答弁ありがとうございます。本委員会の委員として、また与党の一員として、しっかりと働いてまいりたいと思います。  最後に、授業料免除制度の拡充についてお尋ねをいたします。  大臣は常々、経済の格差が教育の格差になることは断じてあってはならない、このように訴えていらっしゃいます。能力とやる気のある若者が教育の機会を得られるように、ただいまもおっしゃいましたように奨学金の拡充など取り組んでいただき、本当に感謝を申し上げます。  ここで是非ともお願いを申し上げたいのが、大学での授業料の免除制度です。私も学生時代、ラーメン屋を営む両親が家計が本当にぎりぎりの状態でありましたが、能力はありませんでしたが、やる気だけはあった私が大学また大学院に学ぶことができたのは、まさにこの制度のおかげです。ここで大臣に、授業料の免除制度の拡充について、御決意をお願いします。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 私も九歳のとき父が交通事故で亡くなった中で、高校、大学進学できたのは二つの奨学金、当時は日本育英会は給付型の奨学金がありましたので進学できたというふうに思っております。当時以上に今の社会の方が格差社会が進んでいて、低所得者層の家庭の子供にとっては大学進学することがより難しい状況があるというふうに思います。  二十六年度予算においては、国立大学については対前年度十三億円増の二百九十四億円、それから私立大学においては対前年度十一億円増の八十一億円を計上して、経済的に困難な学生が経済的な理由により修学を断念することがないような措置を更に充実をして図っているところでありますが、今後とも、意欲と能力ある学生が経済状況にかかわらず修学の機会が得られるよう、大学における授業料減免等の充実にしっかり努めてまいりたいと考えます。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 前向きな答弁ありがとうございます。是非ともやる気と能力のある若者が本当に希望がある、そうした教育制度になるように、また御尽力をお願いしたいと思います。  以上で質問を終わります。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。  質問に入る前に、冒頭、一言。私、隣の新妻議員と、先々週、福島の富岡へ行ってまいりました。先週も、双葉から埼玉に来られている方のお話もお伺いもして、今週も予定が合えば月曜日、楢葉に行く予定ではあったんですが。特に、富岡など、住宅地の中で帰還困難区域と居住制限区域が分かれている、コミュニティーが分断されているという状況を見てまいりました。  そういう意味でも、本当に、寄り添っていく一人の政治家として、私、しっかりとこれからも復興に向けて寄り添う思いで頑張っていきたい、これを改めて決意として、まず冒頭述べさせていただきたいと思います。  質問、入らせていただきます。  五つ通告していたんですが、ちょっと冒頭の一つは、既にもう審議もされている部分もあるので飛ばさせていただきます。  次に、質問なんですが、先ほど、大臣、教授会への権限について、移譲は駄目である、委任は良いと。私、理解としては、この移譲というのは、要は譲り渡すこと、これは当然ですけど、権利は持っていても譲り渡すことができないということは、強行法規的に定めている例は、法律、ほかにもあると思います。  委任はできると。その上で、大臣、先ほどの御答弁では、この委任ができるための要件としては、最終的な決定は学長にある、その上で、その委任をする行為そのもののことだと思うんですが、委任することが学長の主体性であってということ、この二つがまず要件として挙げられているというふうに私は認識をいたしました。  それで、例えば、現行の学内規程、これが今どうなるのかということが現場の中でもいろいろ御関心があるところだと思います。今の大臣がおっしゃった二つの要件がしっかり満たされているかどうかというところが大事だと思いますが、これが有識者会議で、またガイドライン等でこれから検討されるという理解でおります。その上で、どのような点がポイントになるのか、文部科学省の見解をいただければと思います。

吉田大輔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(吉田大輔君) 今回の改正案は、権限と責任の一致の観点から、大学の決定権者である学長がリーダーシップを発揮し、教授会を始めとした学内の組織との適切な役割分担の下で責任ある大学運営を行っていくことを目指すものでございまして、改正案が成立した際には、各大学におきまして改正の趣旨を踏まえた内部規則の点検が行われることが必要であると考えております。  先ほど来申し上げておりますように、文科省としては、法律成立後速やかに有識者会議を開催をし、各大学における内部規則の解釈や運用等も含めて見直しの在り方について検討を開始したいと思っておりますが、御指摘の論点についてもその中で取り上げて検討してまいりたいと考えております。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 様々、大学の自治という形で、いろんな事情もあって決断されている大学の事情もあるかと思います。その大学の現場がしっかりと混乱しないように、この辺りを、現場に混乱を与えないための明確なガイドラインというのを示していただけるように、今後もしっかり指導をいただければと思います。  二点目になります。国立大学法人法の改正に関しまして、国立大学法人における学長の権限濫用を抑える措置、具体的には学長選考会議やまた監事制度などが私はあると認識をしております。  特にこの監事について、これまでそれはどのように機能していたのか、機能をそもそもしていたのか、今後、機能を強化するためにはどういう措置が必要であると思っているのか、これも文部科学省から意見をいただければと思います。

吉田大輔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(吉田大輔君) 国立大学の学長がその権限を適切に行使をしていく必要があるわけでございますけれども、その際、監事による監査や、それから学長選考会議による業務執行状況の評価などを適切に行っていくことは重要な課題であるというふうに考えております。  監事につきましては、これまでも国立大学法人法に基づきまして、財務諸表、決算報告書に関する意見を作成するほか、監査の結果に基づき学長に意見を提出するなど、国立大学法人の業務の適正化に役割を果たしてきたものと考えておりますけれども、先日、可決、成立いたしました独立行政法人通則法の改正に伴いまして国立大学法人法の改正も行われ、その中で監査報告の作成義務ですとか、あるいは役員による法令違反、不正についての学長及び文部科学大臣への報告義務の新設など、監事機能の強化を図るための措置も講じられたところでございます。こういった法改正を踏まえて、更に監事が役割を果たすことを期待しているところでございます。  また、今回の法改正によりまして、学長選考会議が主体性を持った選考を行うことを促進するということとしておりますけれども、中央教育審議会の取りまとめにおきましても、学長選考会議が学長の業務執行状況について恒常的な確認を行うことが求められておりまして、この点については施行通知等において周知を図り、各国立大学における取組を促してまいりたいと、こう考えております。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 ガバナンスという点で、やはりガバナンスという言葉の中の肝は権限濫用へのチェックであると思います。その趣旨からも、その方面での対策もしっかりまた今後御検討をいただければと思います。  続きまして、今度はまた、やはり日本の大学の質の向上ということが今言われている、私も常々日本の大学生の学ぶ意欲をどうやって高めていけばいいのかなということは考えております。私も大学へ入ったときに非常に驚いたのが、大学でクラスで集まってまずやったことは、試験対策委員会というのを立ち上げて、それについての対応を協議をするという、大学ってそういうところなのかなというのを非常に衝撃を受けた記憶はあります。  他方で、その後、アメリカで学ぶ機会も与えていただいたんですが、皆さん、非常に学生勉強もされている。大変な勉強ぶりで、夜も寝ないでこんな分厚い本を百ページも読んできて、それで授業をするというような人々ばかりでした。  これは私ではなく私の友人の話なんですけど、私の友人があるアメリカの大学生にノートを見せてくれというふうに言ったら、非常な勢いで怒られて、君は僕がこのノートに、作るまでにどれくらいお金を掛けていると思っているんだと、もうふざけるなというふうに怒られたと、私ではなく私の友人が言われたわけですけど、そういうような経験もありました。  やはり大学生の学ぶ意欲をしっかり高めていく。なぜ日本の大学でこういうようなことになっているかといえば、私個人の意見ではありますけど、先ほど二之湯委員の問題意識もひょっとしたらかぶるのかもしれないんですが、やはり大学に入ってさえいれば大丈夫だという安心感がまだどうしても風潮として残ってしまっているのかなと思っております。これをどうやっていくか。裏を返せば、大学卒業した方とそうでない方のやはりある意味格差がまだある部分もあるのかなという部分も感じているところです。  私も社会の友人、出ている友人、いろいろいるんですけど、当然大学卒だけではなく大学出ていないで仕事をしている方もいっぱいいる。専門学校に行っている方が多いんですけど、料理学校を卒業して料理人になった方であるとか、IT卒業して非常にIT関係で頑張っていらっしゃる方、またアニメの専門学校へ行ってアニメ業界で非常に頑張っている方、皆さんいらっしゃって、本当に人格的にもすばらしい人たちばかり。ただ、いかんせん、実際の技能とかその掛けている時間に比べて給与面というのがやはり少ないなというふうな友人がいっぱいいる。何とかそういう人をしっかり押し上げていくことが、私、ある意味、日本の大学生が少し安住しちゃっているところに対してちょっと刺激を与えることにもなるんじゃないかなと、これがひいては大学の質を高めることにもなるのではないかなというふうに、一面ではありますけど、思っております。  それで、先ほど大臣、既にお答えくださったところと若干かぶるところはあるんですが、私も報道で確認しましたけど、政府の教育再生実行会議が、高校卒業後に進学できる職業教育学校の創設、今提言されていると。これは、そういうような大学ではないけど、しっかり技能を付けた方の社会的地位も高めるとともに、待遇もしっかり高めていくというような位置付けもあるかと思います。やはり、こういうような方々の技能が正確に職業や給与に反映される社会をつくっていくことが、ひいては大学の質を私は高めていくことになるとも思っておりますが、この点、大臣の御見解をいただければと思いますが。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) おっしゃるとおりだと思います。特に、これから社会経済の高度化、複雑化、グローバル化が進む中で、様々な分野で高度な人材が求められるようになっております。ここで言う高度な人材とは、当然ながら学歴ではなく高い実力を備えた人材のことであります。だからこそ、高度人材の育成を担う大学の役割はますます重要であり、各国が競うように高等教育の充実に努めているのもそのためであるというふうに考えます。  我が国の大学は、先ほどもちょっと答弁をさせていただきましたが、アメリカに留学されていますからよく御存じでありますけれども、やっぱり日本の学生の方がそもそも勉強していないと。これは、大学側の問題である、学生の問題というよりはそういう大学のシステムの問題だと。つまり、学生の知力を最大限に伸ばすような教育が十分に対応としてできていない。それから、成績評価についても甘さ、それはもう指摘されております。  ある世論調査では、多くの国民が日本の大学は企業や社会が求める人材を育てることができていないという厳しい見方をしている、それが実態としてあると思います。その背景には、大学が社会の変化やニーズに的確に対応できておらず、学生から見ても大学での学習が実社会で役立つ必要なものと感じられていないと、そういう考えがあるのではないかと思います。各大学においては、このような社会からの厳しい評価を謙虚に受け止め、改革に努める必要があると思います。  具体的には、学生の能力を最大限に伸ばすため、大学での学習や実社会とのつながりを意識させる教育の充実や、能動的な活動を取り入れた授業や学習方法、それから双方向の授業展開、教育方法の工夫、改善、厳格な成績評価により学習を促す環境を充実する、そういうところも大学はもう努力をしなければならない。既にしている大学も相当ありますが、更に努力する必要がある。  文科省としても、大学教育の質的転換に取り組む大学への重点支援を更に高めていきたいと。また、厳格な成績評価の結果、留年者が増えた場合でも、文部科学省として定員管理を柔軟化して、予算を削減するというようなことはもうしないと。それから、大学入学者選抜の在り方を含む高大接続の抜本的見直し、大学入学試験そのものの見直し。それから、大学と地域、産業界との連携強化などを進め、学生の学習意欲を高める大学教育の実現を目指す。そういうことをまさにオールジャパンで取り組むときに来ているというふうに認識しております。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 大臣、意気込みのある御答弁、大変にありがとうございます。  大学をしっかりサポートしていく中で、やはりどんな人でも頑張れば頑張るほど報われていくという社会をつくっていくこと、これ教育面から支えていくという意味合いでもやはり大事であると思います。  最後に、また大臣にお伺いしたいんですが、やはりいろいろ、様々これまで議論もあったとおり、例えばグローバルなランキングの中で日本の大学のランクはなかなか低いところもある、ランキングの様々な問題点もひょっとしたらあるのかもしれないですが、そういうような事実もあり、今回もこういう議論はやはりグローバル化の中で日本の大学の質そのものも高めていかなければいけないという問題意識が当然ある一方、大臣も今少しおっしゃってくださいましたが、各大学で非常にいい取組もしているところも当然あるかとは思います。  今後は、やはり海外の留学生に対して、しっかり日本の大学、こういうところも非常にいいところがあるんだということをアピールもして、来てもらう、その意味でも、内なるグローバル化を進めていくという意味合いでも日本の大学のいいところをしっかりまた海外発信していくということを、これもやはり国としてやるべきではないかと思っておりますが、大臣の御見解をいただければと思います。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 既にボーダーレス化しているわけですから、国内外から優秀な学生をいかに集めるかということに対して日本の大学は更に努力をすべきだというふうに思います。そのために積極的に海外に発信する大学についても支援をしていきたいと思います。  今日でも多くの大学が海外に向けての情報発信を行っております。文部科学省が平成二十四年度に実施した調査では、インターネット上で英語などの外国語により教育研究活動等の情報を公表する大学数は全大学の半数近い三百六十五校に上がっております。また、昨年度までの事業である大学の国際化のためのネットワーク形成推進事業に採択された十三大学が合同で開設した英語によるウエブサイトには、世界から年間約三十五万件のアクセスがあります。さらに、近年では、海外に拠点を設けて情報発信や学生のリクルートを行う大学も増えつつあります。  このほか、日本学生支援機構においても、日本留学希望者向けに海外で留学フェア等を実施しているほか、英語などによる日本への留学をナビゲートするゲートウエー・ツー・スタディー・イン・ジャパンを開設しておりまして、アクセス数は年間約六十万件に達するなど、日本留学の情報発信に努めております。  文科省としても、今年度から開始するスーパーグローバル大学創成支援事業などによりまして、海外に向けての情報発信や海外展開を含め、我が国の大学の国際通用性、国際競争力を高める取組を強力に支援していくほか、留学コーディネーターの配置等による日本留学に関する情報発信の強化にも取り組んでまいりたいと考えております。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 ありがとうございます。  終わります。

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十五分休憩      ─────・─────    午後一時開会

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、水落敏栄君が委員を辞任され、その補欠として三木亨君が選任されました。     ─────────────

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 休憩前に引き続き、学校教育法及び国立大学法人法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

藤巻健史日本維新の会・結いの党

○藤巻健史君 日本維新の会・結いの党、藤巻です。よろしくお願いします。  質疑の前に、ちょっと前々回、田村委員の方から、首長の暴走例として大阪の公募校長の導入の話がありましたので、多少、ちょっと聞いていまして事実と違うなという認識がありましたので、一言だけコメントをさせていただきたいと思います。  公募校長のひどい例として、例えば修学旅行でラフティングで生徒を川に突き落とす、生徒の顔を水につける、とんでもない校長がいらしたという発言がありましたけれども、私も、数年前に吉野川で家内と一緒にラフティングをやっておりまして、川に突き落とされました。でも、私、ワイフを決して非難しているわけではなくて、珍しく久しぶりに彼女から感じた愛情でございました。  それと、梅香小学校の民間校長でいらっしゃる、民間公募で選ばれた玉川校長が、スカイプを使ってトンガの人たちと話をして海外を知ってもらうというすばらしい教育をしているということで新聞でも取り上げられましたので、公募校長でもすばらしい校長がいらっしゃるということも認識していただけるというふうに思います。  次に、質問に入りたいと思いますんですが、おととい松沢委員が、日本の高等教育がいろいろ問題がある、根本的問題は何かということについて質疑をされていらっしゃいましたので、私も同じ観点で考えて、それに沿って質問、そして論じたいというふうに思っております。  まず、大学のランキングについてちょっとお聞きしたいんですけれども、私は、一種のボランティアとして一橋大学経済学部で十三年間、そして早稲田の大学院である商学研究科と、あと公共経営研究科とかいうところでやっぱり六年間、非常勤として講師をやっておりました。毎年半年ずつ授業をして期末試験もやっておりましたので、今の学生の勉強ぶりとか学力とかいうことについてはかなり理解しているつもりです。  そしてもう一つ、私、民間企業にいたときにアメリカのケロッグスクールというところに社費で留学させていただきました。ケロッグスクールといっても別にコーンフレークの作り方を教えている大学じゃなくて、ケロッグ社が大量の寄附金をしたからケロッグスクールという冠の付いた学校なんです。  ちょっと脱線しますけれども、日本もやっぱり資金の問題がありますので、そのように大量の資金を引き受けてそれを冠にするというアイデアも、これはアメリカらしいなと思ったんですけれども、大学でもそういう制度があるということを一つ頭に入れておいていただきたいなという気もいたします。  ケロッグスクールというのは、実は私が入ったときは全米ランキング七位の学校だったんですね。ビジネススクールとしては七位。余り大した学校じゃないと思っていたんですけれども、そのうちにランキングでナンバーワンを取りました。ハーバードとかスタンフォードを抜いてナンバーワンを取りました。もう学生から教師から大喜びで、それでまた寄附を募って、みんなが寄附をして、また一位をキープしようということで非常に寄附も集まった。  それから、学校としては、またナンバーワンというランキングをキープしようということで、いい教師を引き抜いたり、そして、校舎を改築したり海外留学生を選んだり奨学金制度を充実させたりという努力をして、いつも一位にしよう、もう一度、少なくとも一つずつ順位を上げようという努力をしていたわけです。東大のように、日本みたいに、ずっと一位ということはなくて、どんどん変わっていっちゃうわけなんですけれども。  私は、そういうことを経験していますと、このアメリカでのランキング、これはもうかなりいろんなところでやっていて、皆さん気にしているランキングなんですけれども、そのランキングというのがアメリカの大学を強くしている一つの理由じゃないかと思うんですね。だが一方、日本にいますと、ランキングをすると受験競争が過激化するとかいろんな反論があるんですけれども、果たしてそのランキングというのは悪いものだろうかと。  私は、アメリカの大学の強さというのは、競争心、ランキングによる競争心だと思っているんですけれども、文科省はどう考えるのか、お聞かせいただければと思います。

吉田大輔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(吉田大輔君) 御指摘の大学ランキングについてでございますけれども、タイムズ・ハイアー・エデュケーションが行っております世界大学ランキングなど、外国の民間企業などが独自に設定する指標に基づいて世界大学ランキングを公表しております。これらは、やはり我が国の大学の国際的な評価や課題を把握し、一層の改善を図っていく上で参考になるものだというふうに捉えております。昨年六月に閣議決定されました日本再興戦略でも、今後十年間で世界大学ランキングトップ百に我が国の大学が十校以上入ることを目指すという、そういう目標も掲げているわけでございます。  大学の質を高めるためには、各大学が社会の要請や期待を的確に受け止め、教育研究の充実や国際化、地域貢献、産業界との連携強化などに積極的に取り組むことが不可欠でございまして、そのためには各大学が互いに競いつつ高め合う競争的な環境といったものが重要であるというふうに考えております。

藤巻健史日本維新の会・結いの党

○藤巻健史君 参考にしているのはいいかもしれないですけど、アメリカではまさにそのランキングが全て的なところがありまして、厳しい競争をしている、だからアメリカの大学の質は高いのかなというふうに私は感じております。  次に、国際競争等についてお聞きしたいんですけれども、質疑を聞いていますと、どうもやはり皆さんが、教育や研究の国際競争に勝つためにと質問者も回答者もおっしゃるわけですけれども、所詮、企業でいうと、国内でぬるま湯につかっている企業が国際競争で勝てるわけないですよね。ぬるま湯的な業界は大体潰れちゃうわけで、国際競争に勝つ教育並びに研究をしようと思えば、当然のことながら国内での教育も、というか競争が必要不可欠だと思うんですね。ところが、やっぱり日本というのは全て平等というのが余りにも前面に出過ぎていて、東大を頂点とするこういうハイアラーキーもいけないとか、全て平等な観点が出ているわけです。  ちょっと教育ではないんですけれども、私もモルディブに行ったときに、モルディブというのは多くの島で成り立っていて、一つの島はホテル、一つの島は飛行場、一つの島はくずを捨てるところ、廃棄物というような島で、いろんな島で成り立っているんですけれども、私が泊まっていたホテルも、そのホテルだけの島だったんですね。そこに勤めているモルディブ人というのは、いたんですけれども、聞いていたら、イスラム教ですからお酒飲めない、従業員に女性はほとんどいない、楽しみはテレビだけ、一年間に一遍だけ実家の島に帰れるという話だったんですけれども、全て平等なんですよね、モルディブ人の間は。  ただ、島を訪ねる欧米人と若しくは日本人とモルディブ人には物すごい格差があるわけです。人生いろんな考え方がありますから、平等で貧しい方がいいという考え方もあるんですけれども、やはり競争をさせないで全てみんなが平等平等ということになると、一種のモルディブ人みたいな状況、みんな格差はないけれども、物すごい欧米とは格差があるというような状況になってしまう可能性もある。また、それ、どっちがいいかというのはそれは人生観によりますけれども。  教育も、ある程度国内での競争をさせないと、もっと激しい競争をさせないと、今と同じような例で、日本の大学間では競争はないけれども、国際競争では大負けして教育三流国になってしまうというリスクがあると思うんですが、やはりそういう学校間での競争とか、それからエリート教育を是認するとか、そういう考えは文科省にはあるのかないか、その辺を聞かせていただければと思います。

吉田大輔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(吉田大輔君) 大学教育の質を高めていく上では、国内でも各大学がお互いに切磋琢磨する競争的な環境をつくっていくことは重要だと思っております。それがひいては国際的な競争力ということにもつながっていくんだろうと、こういうふうに考えておりまして、文科省としても改革に前向きに取り組む大学に対しまして重点的な支援を行うと、こういう姿勢を取っているところでございます。  今回の法改正も、各大学が社会の要請や期待に迅速かつ適切に対応し、それぞれの特色や強みを生かして改革が進められるようにするものでございまして、そういう意味で、我が国の大学教育の体質強化につながっていくものだというふうに考えております。

藤巻健史日本維新の会・結いの党

○藤巻健史君 切磋琢磨で重点配分をするというお話ですから、まだやはり、全く他国に比べて、特にアメリカに比べて競争がないというふうに私は感じております。  それに関連してですけれども、大学の教授というのは二つの役割があると思うんですね、教育ということとあと研究ということで。多くの教授は、確かに教育に一生懸命やっていらっしゃる方もいるんですけれども、一般的に言うと、やっぱり研究の方にしか目が向いていないんですね。なぜかというと、学者としての評価というのは、学術論文を何本書くかと、それもスコアによって決まるわけですけれども。そういうところで評価されますから、いかにいい授業をしても評価されない。特に一流大学ではそうだということだと思います。  私は先ほども言いましたようにボランティアで授業をしていましたから、かなり熱血授業をしていたと思いますけれども、それはボランティアだからであって、もし私が教授でそこで評価されるんだったら、きっと私も研究の方に力が行っちゃっているんじゃないかと思うわけですね。  そういう先生とちょっと話していると、教授会に出るのは時間の無駄だ、研究の邪魔だとおっしゃる方もいらっしゃるわけで、そういうことを聞いていると、教授会というのはまさに形骸化しているのじゃないかなという気もしているんですけれども、その辺をどう理解されているでしょうか。

吉田大輔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(吉田大輔君) 大学によりまして教授会の実態には差がございますので、形骸化しているかどうかについて一概に評価は難しいものというふうに考えております。  今回の改正案は、教授会が本来果たすべき役割を明らかにするため、各学問分野における専門的な知見を有する教授会が教育研究に関する事項について審議する機関であることを明確化をし、教授会には、その専門性を発揮し、大学の教育研究力の向上に寄与することを期待をしております。

藤巻健史日本維新の会・結いの党

○藤巻健史君 これ、次の質問、ちょっと、質問通告していないですから感想だけでもいいんですけれども。  どうも、今日も午前中も聞いていますと、大学の自治という問題が出て、度々聞くわけですけれども、私は民間出身で民間のことしか知りませんけれども、民間では自治ということはほとんど出てこないわけですよね。確かに、さっき言いました教育と研究ということがあって、研究の方は自治というのは極めて重要だと思うんですね。やっぱり、研究の分野に国が口を出してくればそれは本当に正しい研究できないと思うんで必要ですけれども、どうして、教育の方でなぜ自治が必要なのかというのがよく分からないというか、民間で余り自治ということを聞かないし、何か教育だけ自治自治と言うんですけれども。民間で何か出てくるといえば、そうですね、在外公館が治外法権ということで出るのかもしれない。あとは何にも聞かないんですけど、どうして教育になると途端に自治が出てくるんでしょうか。

吉田大輔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(吉田大輔君) 大学の場合には、午前中の質疑でもございましたけれども、大学の自治ということがございます。これは、大学の長年の歴史の中で、ある意味では公権力から一歩距離を置いて学問の自由を守り又は教授の自由といったものを確保すると、そういうところからこれは形成されてきた制度でございまして、憲法上の要請としてもあるものだというふうに認識をしております。

藤巻健史日本維新の会・結いの党

○藤巻健史君 時代は刻々と変わっているので、昔あったから自治が重要という、まあ自治は重要なんでしょうけれども、教育だけ自治というのは何となく合点がいかないような気がしております。  次に、やっぱり、何度も言いますけど、私は民間の出身ですので、どうも俗に言う教育村のロジックとか理由のバックグラウンドとか、非常に腑に落ちないところがたくさんあるんですけれども。  次にちょっといつも腑に落ちないところは、先日の地方教育行政法のときもそうでしたけど、教育の継続性と安定性というのがいつも出てくるんですけど、これ金科玉条のように使われているわけなんですけれども、民間、例えば企業で継続性と安定性を重視していますなんという企業があったら、まず間違いなくすぐ倒産なんですよね。常にいつも時代の変化とともにすぐ判断してすぐ実行力を伴って変化していく、そして、それも一人の人がわっと決めて、それ合議制じゃないですよ、じゃなくてきちんとリーダーシップの下にいろいろ動いていかないと企業なんというのは潰れちゃうわけです。  先ほども、何回も、学長の独裁制という話が出ていたんですけれども、企業の話をしているときに社長が独裁だという非難が絶対に起こらないと思うんですけれども、リーダーシップのまさに最たるものなんですけれども。それが教育になると合議制というのが問題になってしまうし、それから、継続性と安定性がいかにも一番重要なようなことで出てくるわけですけれども。先日の質疑でも、十年間同じノートを使ってやっている教授、これは非常に非難的なことで例として出てきましたけれども、十年間同じノートを使っているなんというのは継続性と安定性そのものだと思うんですけれども。それでもやっぱり継続性と安定性が重要なのかどうか、私はそれよりも時代にマッチした変化を求める体制の方が重要だと思うんですけれども、いかがでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) それは前回、私が、私の学生時代は十年一日のごとく大学の教授が同じ講義をしていたと、同じノートを使っていたと批判的に申し上げたわけでありまして、それを継続性とか安定性とはもちろん言わないと思うんですね。それは問題だというふうに思います。  ただ、委員がよく企業とそれから大学を比較して言われますが、私は、やっぱりまさにカルチャーが違うと思うんですね。企業論理が全て大学において適切なのかどうかと。また、企業論理が社会全体において全て適切なのかどうかということについては、私はそういう見解を持っておりません。ただ、その教育村と言われるような旧態依然たる状況がそのまま継続するということがあってはならないというふうに思います。  特に、これから大学の質の向上を図る上で、各大学が互いに切磋琢磨して高め合う、競争的な環境を醸成するということは、これは大変重要なことだというふうに考えます。同時に、教育は、国民の人格の完成を目指し、国家及び社会の形成者としての国民の育成を期して行われる公の性質を有するものでありまして、このような公教育を行う場として学校教育法に規定する学校においては、継続性、安定性を制度的に確保することが必要であるわけであります。  大学においても、学生が複数年にわたる一定の期間を大学に在籍し、その教育を受けることになるということから、学生の不利益になることがないよう教育の機会が安定的に継続して提供されることが求められます。幾ら社会的なニーズが変わったからといって途中でその学部がなくなってしまうとか、あるいは名前が変更するとかということでは、やっぱりそれは無責任だということになるわけで、そういう意味での、学生にとっての安定的に大学に勉強できるという意味での継続性とか安定性が必要だということで、大学の教育研究が十年全く変わらないということが継続性や安定性ということを申し上げているわけではそもそもないわけであります。  大学は、この教育機関という性格と同時にまた学術研究の中心として、我が国における知の継承と発展を担うという使命を有する機関でもありまして、そのように歴史的、世界的にも認められる大学の在り方から、これは一定の継続性、安定性が、大学が継続するという意味で、それからきちっと安定的なものがあるからこそ学生に対しても責任を持ってその場を提供できるということからも、これは当然求められることであるというふうに考えます。

藤巻健史日本維新の会・結いの党

○藤巻健史君 企業論理と教育論理が違うっておっしゃいましたけれども、確かにもうけを求めるか否かという違いはあるんですが、少ない投資でより良いリターンを求めるというのでは、組織論としては、私は教育も企業も同じかなというふうに思っております。  やはり旧態依然とした体質をどんどん変えていかなくちゃいけないというのは教育でも同じだと思うし、私が見る限り、アメリカの大学はどんどんいろんなところで変わっていくんだと、これは体験論ですけれども、日本は全然昔から変わっていないという印象を持っていることは事実であります。  次の質問ですが、これは当たり前の質問というか、お答えいただくのは簡単な御質問だと思いますけれども、大学は教授の仕事場のために存在するのか、若しくはいい教育を学生にするために教授を集める、要するに、学生のために存在するのか、どちらかお答えください。

吉田大輔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(吉田大輔君) 大学では教員と学生が共に集って教育と研究を一体的に行うという側面もあるわけでございます。そういう意味では、教員のためのもの、学生のためのものと、いずれの側面もあろうかと思いますけれども、ただ、やはり高等教育機関ということで捉えてみますと、受け入れた学生に対して質の高い教育を通じてその能力を伸ばす義務を負っていると言うべきでありまして、そのために教員が努力を傾注すべき、そういうものであるというふうに考えております。

藤巻健史日本維新の会・結いの党

○藤巻健史君 まさに私も当然そう思いますけれども、そのためにもやっぱり学長はリーダーシップを取るというのは望ましい改善かなというふうに思っております。  次に、リーダーシップの必要性についてお聞きしたいんですけれども、これも企業と同じだと言えば論理は違うと言われればそれまでかもしれませんけれども、町内会とかその辺の組織なら別ですけれども、合議制で物を決めている今の現状の教授会、大学の運営にも参加してしまう大学の教授会、そんな組織というのはやっぱり教育以外にないと思うんですよね。  企業で合議制で物を決めていたらば、どこに工場を移すとか人事とか、そんなことを合議制で決めていたら一発で倒産ですし、この委員会にもプロ野球出身の先生が二人いらっしゃいますけれども、作戦を合議制で決めていたら一発で負けてコールドゲーム負けだと思うんですけれども。やっぱり組織がきちんと運営するためには、誰かが責任を取って、ある程度ハイアラーキーがあって決めなくちゃいけないわけで、合議制だったらちっとも物事が進まないと思います。ちょっとこの辺はコメントにしておきます、ちょっと質問がしにくいので。  だから、そういう面でいうと、やっぱりリーダーシップをきちんとするべきかなというふうに思っております。  次に、ちょっと経営協議会についてお聞きしたいんですけれども、今回の法律改正で、経営協議会では学長が理事を選び、議長に就くというふうになっておりますけれども、経営協議会というのはやっぱり経営サイドなんですね。だけれども、学長というのは所詮は、所詮はと言うと失礼、学者さんであって経営のプロではないわけです。経営をやるべき経営協議会に素人の人がトップになるというのは、これはいかがなものかなと私は思うんですね。アメリカだったら、経営者というのは本当にプロ中のプロで、仕事の職務として確立しているわけで、素人が経営協議会のトップになるというのは、ちょっと文部省の方は経営に対して甘っちょろい考え方を持っているんじゃないかなと私は思ってしまうんですけれども、いかがでしょうか。  経営協議会の議長は別に外部から経営のプロを常勤で、これ非常勤はまずいですから常勤で招聘して、学長も単なる経営協議会の一メンバーであると、こういう組織というのは考えられないんでしょうか。

吉田大輔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(吉田大輔君) 経営協議会のお話でございますけれども、国立大学法人の世界の話だというふうに受け止めさせていただきまして、国立大学法人におきましては、その法人化以前から国立大学において学長を中心とした意思決定が行われてまいりました。  教学と経営の一体的な合意形成という要請を踏まえまして、学長が教学と経営の双方について最終的に責任と権限を有すると、こういう立て方になっているわけでございます。このことは、国立大学の教育研究を活性化をし、強力なリーダーシップを発揮して効果的な大学改革を進めていく上では効果的だというふうに考えているところでございます。  国立大学法人の理事ということに関しましては、教学、経営双方について学長を補佐する役割を有しておりまして、人事面におけるリーダーシップを発揮する観点からも学長が自らの責任において選んでいるという、こういう実態がございます。  また、国立大学法人においては、教学、経営双方について学長が最終的な責任と権限を有しておりますけれども、教学面については教育研究評議会が、経営面については経営協議会が学長の意思決定を支える仕組みとして設けられているところでございます。この両者の観点を調和をさせて国立大学法人が一個の組織体として円滑に機能し得るように、学長が双方の議長として議事の整理等を行うことも定められているところでございます。  その上で、経営協議会については、国立大学の運営に社会のニーズを反映しつつその経営基盤を強化する観点から、専門性を有する学外の知見を積極的に活用するために設けられたものでございまして、学長を経営面で支えるというそういう重要な役割を十分に果たしていただきたいというふうに考えておりますし、また、そのことを促進するために、今回の法改正におきましても学外委員の割合を過半数というふうにしたところでございます。

藤巻健史日本維新の会・結いの党

○藤巻健史君 国立大学法人では、その両方、協議会と教育の方を兼ねるというふうにおっしゃいましたけど、私学の方では理事長と学長は違うわけですよね。私はそっちの方がより、何というか、マネジメントがうまくいくと思うんですけれども、それをどうして国立大学法人だけには適用しなかったのかなというふうに思います。これはちょっと質問通告していないんで、もし答えられればで結構ですけれども。

吉田大輔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(吉田大輔君) これは国立大学法人法を作成いたします際に様々な形で議論をされた論点でございます。  それで、先ほど申し上げましたように、従来からの国立大学におきましては、学長にそういう意味では教学と経営に関しましての権限を集中させて、そこで大学運営を行ってきていると、そういう実態も踏まえて、それを継承するような形で法制化をするのが適当であるというふうに判断されたものでございます。

藤巻健史日本維新の会・結いの党

○藤巻健史君 次に、副学長についてお聞きしたいんですけど、一番の懸念というのは、副学長が文科省の天下りポストになるんじゃないかなという懸念があるんですけど、それはどうでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 天下りというのは一人もいません。出向というふうにおっしゃるのであれば、そもそもこの副学長を置くかどうかというのは、どのような人材を副学長とするかについて大学運営上の観点から学長が決定することでありまして、文部科学省職員の天下り先として設けている職ではありませんから、これは文科省から要請するということはそもそもないし、そもそもそれは天下りとして副学長に出向している人は今もゼロであります。

藤巻健史日本維新の会・結いの党

○藤巻健史君 次に、ちょっと、学長や学部長というのは教員の選挙で選ばれているわけですけれども、そういう人が本当の真の改革ができるかというのは非常に疑問に思っているわけで、また民間の論理でいうと、民間の場合、リーダーというのは選挙でなんか選ばれるわけないわけで、選挙で社長が選ばれるんだったらばやっぱりその会社って潰れちゃうわけだと思うんですけれども、民間でいえば前任の社長が後任の社長を選びますけれども、そういう仕組みというのはまずいですか。

吉田大輔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(吉田大輔君) 学長の選考ということに関しましては、国立大学法人の場合には学長選考会議が、また、私立大学の場合におきましては、これは理事会が主体的にその選考を行うという、こういう仕組みになっております。  今委員御指摘のように、教員間の選挙結果をそのまま例えば国立大学法人における学長選考会議の選考結果に反映させるなど過度に学内の意見に偏るような選考、これは不適切であるということは、これまでも何度かコメントをさせていただいているところでございます。  前任の学長が後任のという部分につきましては、これは、学長の選考については先ほど申し上げたような仕組みがございますので、私どもの考えとしては、そういった制度を尊重するべきだというふうに考えております。

藤巻健史日本維新の会・結いの党

○藤巻健史君 私自身は今回の法案の改正というのは賛成なんですけれども、社会というのはシステムを変えればいいというものじゃなくて、そのシステムを構成する人がどう動くかということで決まると思うんですよね。この法案は私は絶対必要だと思うんですけれども、これが通ったから日本の教育が果たして本当に良くなるかというと、私はそうでもないと思う。  それはなぜかというと、やっぱり先ほどちょっと申し上げましたけど、大学間に競争がないんで、大学の向上意識が日本では少ない。アメリカはランキングを上げるために一生懸命競争する。  それから、学生ですけれども、私先ほど申しましたように一橋で十三年教えていましたけれども、一橋の学生って、私の学生のときよりも物すごく勉強するようになったし、それから授業中に私語を交わす人も携帯電話を鳴らす人もなくて非常に勉強するようになったし、出席率も昔に比べればかなり上がっていると思うんですけれども、でも、やっぱりアメリカの学生に比べると勉強量は雲泥の差なんですよね。  それはなぜそんなに差があるかというと、アメリカのビジネススクールを卒業した人は、成績によってどこの会社に入れるかが決まるわけです。私がいた頃は、当時は、インベストメントバンクか若しくはコンサルティングファームに入ると。でも、初任給は段違いで、生涯年俸にしたらもう雲泥の差になるわけで、みんな必死で勉強するわけです。要するに、勉強が、いい成績を取ることが、将来を、リターンに物すごく違うということで、だから勉強をしていたと思うんですよね。  日本の場合、一橋もそれなりにほとんど大体行きたい会社入れるんですけれども、それでも、入ったところで初任給は余り変わらないし、生涯年俸といってもそんなに変わらないわけですよ。これじゃやっぱり勉強しようという気にならないだろうなというふうに私は思っています。要するに、大学も競争がないし、日本は社会にも競争がないんで、勉強するモチベーションがどうしても欠けちゃう、あめがないですから欠けちゃうなというふうに私は思っています。  先ほど矢倉委員が、アメリカ人は友人にはノートを見せてくれなかったというお話ありましたけれども、それはそうなんで、友達がいい成績を取って生涯年俸ぼおんと上がっちゃったら、それはたまったものじゃないですから、それはもう見せるわけがないなと思いながら私は聞いておりました。  それから、やっぱりモチベーションというのは非常に重要であって、例えばこの前、「ビートたけしのTVタックル」で、ある回にアンケートを取ったら、十一人中十人の理系の学生が海外で勉強したくないと言っているわけですよ。日本でずっと研究続けたいと。まあ草食系に変わっちゃったというふうにも言えるんですけれども、これも、リターンが変われば話変わってくると私は思っているんです。  例えば、これ一回申し上げたかもしれませんけれども、例えば四万ドル年俸もらえるんだとすると、今は一ドル百円ですから約四百万円。日本で働けば三百万円だけれども、四百万円と三百万円じゃ、それは海外行こうとは思わないかもしれないけれども、一ドル千円の時代が来れば、これは四万ドルもらえれば四千万円ですから、二年働けば日本で帰ってきて家が建つということで、そういうモチベーションがあれば、きっとみんな海外行って、みんなとは言いませんけれども、かなりの人間が海外行って研究すると思うんですね。  要するに、あめがないとみんなチャレンジしないということで、なかなかシステムを変えただけでは難しくて、やはり競争心をもっと、競争のある社会をつくっていかないと根本的には教育の程度は上がらないかなというふうに私は思っています。  もう一つ、大学だけの問題、それから生徒の問題もそうなんですけど、もう一つは教師もそうなんですね。アメリカの教師ってむちゃくちゃに熱心に教えます。私も、私の大学の先生の岡本先生なんて物すごい熱血教師で、私はもう物すごく尊敬しているんですけれども、なかなかああいう熱血教師は日本では見られない。アメリカの授業、本当に教師は真面目なんです。それはなぜかというと、別に研究だけじゃなくて教育にも評価が与えられて、あそこは終身雇用じゃないですから、七年か何かで首切られちゃうわけですよね。だから、競争があって、みんな一生懸命やる。日本の教師もやっぱりもう競争がなくて、これじゃやっぱりいい教育も限度があるなと思ってしまうんですが、いかがでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) アメリカの大学には日本の大学が学ぶべきことはたくさんあると思いますが、ただ、アメリカ型の競争社会が本当に理想とする日本にとって社会なのかということを考えれば、私は必ずしもそういう社会を目指すべきではないというふうに思っております。ですから、アメリカナイズされたような形に変えていくことが日本にとっていいとは思っておりません。  大学については、しかし、グローバル社会の中で、今までは、藤巻委員が御指摘のように、やっぱり護送船団方式の中で日本の教育もあったということはもうそのとおりだと思うんですね。しかし、もうそんな時代はとっくに終わってしまったわけですから、やはり優秀な学生は国内だけではなくて海外から集める、また国内の優秀な学生が海外の大学にどんどんこれから行ってしまうかもしれない、国際バカロレア等を導入すれば更にそういうふうになってまいります。  そのときに世界に伍してそういう大学と闘っていける、つまり優秀な学生と優秀な教授陣が集められるような大学にどうするかという意味で、今国会、大学ガバナンス法案をお願いしているわけでありますが、それはしかし、アメリカ型の競争社会を導入するということとはまた違う視点だということについては、法の趣旨はそういうことであるということであります。

藤巻健史日本維新の会・結いの党

○藤巻健史君 時間が来ましたので終わりにしますけど、最後に一言だけ。  ただ、競争を否定していると、先ほど申し上げたモルディブ人みたいな生活に、みんなが平等で貧しくと、貧しく平等にということで、欧米社会とは格差ができてしまうのかなというふうに私は懸念しております。  以上で質問を終わります。

松沢成文みんなの党

○松沢成文君 みんなの党の松沢成文でございます。  おととい、火曜日の質問で私も、多くの委員も取り上げておりましたが、日本の大学の国際社会の中で見たランキングを含めて評価の低さ、これどこにあるのか、こういうこともお聞きしまして、大臣からも様々な見解をいただいて、賛同できるものが本当に多かったです。  ほかの委員さんからも今日もいろんな質問がありましたけれども、私なりにちょっと総括させていただくと、日本の大学というのは、大学経営というガバナンスとかマネジメントの分野でも、あるいは大学の研究や教育を担当する教授陣の分野でも、それから学ぶ側の学生たちの分野でも、やっぱり藤巻先生言うように、なかなか競争原理というのが働いていないなと。ただ、企業のような競争原理だけじゃ大学教育というのは割り切れない部分があると思いますから、言葉を換えるとすると、より良きものを求めようとするインセンティブ、あるいはそのためのモチベーションを発揮しやすいような組織とか運営がしっかりできていないから、日本の大学の国際的な評価が低いんじゃないかなというふうに総括すると感じたんですね。  今日はちょっと具体的に、そういう観点から、幾つかの問題点を指摘させていただいて質問をさせていただきたいと思います。  まず第一点目は、学長の選考会議なんですけれども、国立大学の学長選考というのは、国立大学法によって、経営協議会の学外委員、これ外部の意見と、教育研究評議会の学長、理事を除く委員、学内の委員、それぞれ同数をもって構成される学長選考会議において、学内のみならず学外の意見も反映しつつ適任者を選考するというふうになっています。これ、言葉を捉えると理想的な制度なのかなとも思います。  ただしかし、ここにはまた大きな情報格差があって、学外委員の方は年に何回かしかこういう会議に出てこないわけですね。ですから、大学の中の状況というのは分かっていません。もちろん、世間一般の動きについては、様々な専門分野で、大学の中にいる方が知れない部分を持っているんだと思いますが、ただ一方、学内の委員さんたちは教授陣ですから、学内の情報にたけているだけじゃなくて、その情報をうまく交換し合って、一つの作戦も練れるわけですね、言い方は悪いですけれども。それでまた、学外の委員は一人一人が個の状況ですから、一緒で連携して動くというよりも、その専門的な意見を聴いていくわけですね。そうすると、力関係で見ると、議論のリードの仕方を見ると、やっぱり圧倒的に情報量の格差で学内委員主導の学長選考が行われていく傾向が強いんですよね、強いんです。  実は私も、ある私学の、これは理事長選考でしたけれども、その選挙に巻き込まれた経験がありまして、大変な多数派工作です。最後はやっぱり教授陣たちの連携、良く言えば連携ですよね、チームワーク、悪く言えば談合の力みたいなもので持っていかれちゃうわけですね。ですから、なかなか既得権維持で新しい外の風が入らないというか、そういう抜本的に民間の人に新しいマネジメントをやらせてみようという形になっていかないわけなんですよ。これ、情報の格差があるんですね。今回、半数半数にしても、私はこの実態というのはなかなか変わっていかないんじゃないかなという危機感を持っているんですね。  それで、この情報格差を埋めるために、より一層学長候補の、あるいはそれを選ぶ環境の情報の提供、開示というのは必要だと思うんですが。アメリカでは、ここで外部のリサーチ機関を使って、どういう人材がいるのか、あるいはその人材がどういう実績を持っていて、どういう能力があるのか、これも全てこのリサーチ機関が提供して、そういう情報を基にしっかりと誰が適任かを選んでいくと、こういう形になっているんですね。  そこで、この学長選考会議において、そのような外部のリサーチ機関を使うなり、日本でそういう機関があるかどうか分からないけれども、あるいは国立大学においては、文部科学省がそういうリサーチも要望があれば助けてあげる、あるいは文科省が直接やるのは難しいとしたら、各大学に外部のリサーチ機関も使ってそこに委託してしっかりとした情報を集めて適正に判断してほしいというような方向付けをしてあげる、こういうことが私は必要じゃないかなと思いまして、まず大臣の御見解を伺いたいと思います。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 学長選考会議は、学内のほか、御指摘のように社会の意見を学長選考に反映する仕組みとして設けられたものでありますから、学長選考会議が主体的に選考を行うためにも、学内委員だけでなく学外委員に対しても十分な情報を有した上で学長選考に携わることは、これは必要なことだというふうに思います。  文科省としては、経営協議会の学外委員がその求められる役割を十分果たすことができるよう、学外委員に対する積極的な情報提供、また多くの学外委員の出席が可能となる会議日程の設定、あるいは欠席した学外委員に対するフォローアップなど、経営協議会自体の運用の改善を促していくこととしているところであります。  同時に、学長選考会議についても、特に学外委員について、会議への出席の確保、積極的な情報提供に努め、議事に積極的に関与することができるような運営に努める必要性について、施行通知等を通じて周知を図っていくこととしております。  また、今回の法改正においては、学長選考会議が定める基準により選考を行うことを義務付けることとしているということもあります。この基準は、学長選考会議による学長候補者の所信表明の機会の設定やヒアリングの実施など、学長選考会議自らが主体的な選考に当たって必要な情報を得ることができるような具体的な方法が盛り込まれていることを想定をしております。  大学の学長については、学長選考組織が自らの責任と権限の下で選考すべきものでありまして、国が学長候補者に関する情報を調査するリサーチ機関を設置することや各法人にリサーチ機関を利用することを一律に求めるということは考えておりませんが、各大学において学長選考会議、経営協議会における運用の改善等が進むことによりまして、学長選考会議の学外委員と学内委員の情報格差の是正が進むことが期待できるのではないかというふうに考えております。

松沢成文みんなの党

○松沢成文君 是非ともそういう情報開示が進むように、しっかりとサポートはしてあげていただきたいなと思います。  次に、学長、いいリーダーが選ばれた、そのリーダーに今回の法改正によってある意味で権限が強化されるわけですね。教授会との関係も、自分が選ばれた以上、かなりその人のポリシーに従って大学運営ができるようになったわけなんです。  ただ、もう一つ、本当にリーダーシップを発揮させてあげるには、権限をしっかり与えることと、その権限に見合った財源、つまり、自分のポリシー、政策を進めるための権限と同時に、それを行うための予算、これが車の両輪としてないと、結局何もできないことになってしまう可能性も強いわけです。  それで、国立大学における学長の裁量経費が大学予算の一%にも満たないというところも多いやに聞いているんですけれども、私も知事をやった経験から、人に物を任せるとき、どこかの機関の長に任せるときには、その権限と同時にしっかりと予算も保証してあげないと、やっぱり改革というのが前に進んでいかないんです。  そういう意味で、学長がリーダーシップを発揮して抜本的な改革を進めるためには、学長の裁量経費を拡大をしていくこと、これは私は絶対に必要であると思うんですが、もちろん大学の自治の問題があるので文科省が各大学の予算をこうしなさいと上から強制することはできませんが、やはりそういう方針は打ち出していただかないと本当のリーダーシップは取れないのじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 松沢委員から御質問、通告を受けていましたので、一%にも満たないということですね。各大学がどれぐらいか、ちょっと私調べてもらったんですけれども、全部は申し上げませんが、例えば東京大学は学長裁量経費が〇・八%、運営費交付金に対する割合ですね、一%満たしてはいないんですが、しかし予算は七億円なんですね。これは大臣の裁量レベルから比べると百倍以上のレベルだなと思ったところであります。  ただ、御指摘のとおり、国立大学において学長がリーダーシップを発揮して改革を進めていく上で更に学長裁量経費を有効に活用していくということは、これは極めて重要であるというふうに考えます。現在、全ての国立大学で学内資源の総点検や寄附金などの自己収入の拡大努力などを通じ学長裁量経費を設定しておりますが、その充実のため、国としては基盤的経費や競争的経費の間接経費を確実に措置することが重要な方策の一つと考えております。  このため、厳しい財政状況の中ではありますが、平成二十六年度の予算において国立大学法人運営費交付金の増額を図るとともに、文部科学省の所管する競争的資金の全てにおいて間接経費を三〇%確保したところでもあります。  今回の法案によりまして学長のリーダーシップを高めるとともに、今後とも各大学が学長裁量経費を拡充できるよう支援することによりまして、それぞれの特性を生かした改革が進められるよう、その環境醸成に努めてまいりたいと考えます。

松沢成文みんなの党

○松沢成文君 よろしくお願いしたいと思います。  次に、ちょっと私学の件をもう一度伺いたいんですけれども、今回の改正案では、副学長や教授会の役割の明確化というのを除くと、主に国立大学についての改正項目が多いわけですね。  ただ、一方で、この前も議論しましたが、全国の今の大学数が七百八十二校、そのうち国立大学というのは僅か八十六法人ですよね。したがって、日本では私立大学が六百六法人と、約八割弱の大学は私学なわけですね。したがって、安倍総理が目的にしている世界で勝つ大学というのを目指すのであれば、国立大学だけじゃなくて私立大学の強化についても私は様々な改革の方向性をやはり示していくべきだというふうに思っているんです。  そこで、これもアメリカの大学の比較になってしまいますが、アメリカの大学というのはほとんど私学で、国立はありませんから、公立の大学というのは州立大学ぐらいですよね、ごく僅かですが、この研究資金の八割を外部から調達しているんですね。このことが、大学間だけじゃなくて、実は研究者個人までこの競争原理が働いているというところが大きな特徴だと聞いております。こうやってアメリカの大学というのは日々競争にさらされているからこそ優秀な研究者を確保する、それが研究資金の増大につながる、そして世界での評価の向上につながって、優秀な学生もどんどん集まってくるという好循環が生まれているそうであります。  世界で勝つ大学というのを目指すのであれば、より一層大学間、研究者間で競争が図られて民間から資金が集まるような、そういう仕組みにしていかないといけないと考えますけれども、この辺りは、大臣、いかがお考えでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 私の友人にもハーバード大学の教授がいるんですけれども、日本人でですね、教授を続けられるかどうかは自ら資金が集められるかどうかに懸かっているということで、日本の大学の教授とは全然違うと。それはそれで相当大変でありますが、それだけやりがいもあるという感じもいたしますが、かなり過酷な競争原理の中でやっているというところは違うところがあると思います。    〔委員長退席、理事石井浩郎君着席〕  現在、日本の私立大学の収入は、御指摘のように約八割が学生等納付金で賄われ、私学助成による収入は一割にとどまっていると。私学助成の拡充による財政基盤の充実が、これは当然重要なことであるというふうに思います。また、教育研究の更なる充実のためには、寄附金を始め民間資金など多様な財源の確保や競争的資金の獲得に努めるなど、大学間で互いに切磋琢磨することもこれから更に重要だというふうに思います。  学校法人に対する寄附については税制上の優遇措置が設けられているところでありますが、平成二十三年には学校法人への個人寄附に係る税額控除制度を導入するなど、寄附を促進する環境整備に努めてきておりますが、まだ十分に知れ渡っていないというふうに思いますし、また寄附文化のアメリカとはちょっと違うところがあって、必ずしもアメリカのようにすぐ広がるということではないと思いますが、しっかり促進をさせるようなフォローアップは必要だと思います。  また、研究資金につきましては、国公私に共通するものとして、多様で独創的な研究活動の推進を図るため科学研究費助成事業などの競争的資金が設けられるとともに、大学教育改革の支援のため競争的な事業を実施するなど、教育研究の競争的な環境の形成に取り組んでいるところでもあります。  文科省としては、引き続きトータル的な施策、また多様な財源の活用等を図ることによって教育研究の充実、特に私学においては大変に経営厳しいところもある中、そのような直接的な支援と間接的な支援、またその環境整備に向けてしっかり対応してまいりたいと思います。

松沢成文みんなの党

○松沢成文君 私もちょっと勉強させていただいたんですが、アメリカにおける私学の資金調達のパターンというのは二つあると聞きます。一つ目が、研究者が提案したものを同じ分野の他の研究者が評価して、それをパスした提案に研究資金が渡されるというもの、これは主にバイオテクノロジーなんかで有名なNIH、国立衛生研究所やNSF、全米科学財団などで採用しているそうです。二つ目が、あらかじめ決まっているプロジェクトを実行する上で最もふさわしい研究機関あるいは研究者を政府が選ぶという方式、これは国防関係やNASAのプロジェクトなどに使われているそうであります。  これに対して、大臣のお話にもありましたが、日本の私立大学は、私立大学等経常費補助等、基本的に大学単位にまとめて資金がどんと渡されて、半自動的に研究者へもそこから資金が入ってくる仕組みになっているんですね。  また、資金配分基準に関しても、微調整はあるものの、大学あるいは研究者の研究成果にかかわらず、過去の配分実績でそれを基に毎年同じように支給されると。  これじゃ大学間あるいは研究者間で競争のインセンティブが働かないですね。教育者がその結果育たないだけでなく、大学自体が衰退してしまうと思うんです。  したがって、今後、国からの補助金に対しても、大学間あるいは研究者間において競争が図られるような仕組みを導入していかないといけないと考えていますけど、大臣、いかがでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 私立大学等経常費補助金は、私立大学等の教育条件の維持向上、学生の修学上の経済的負担軽減、私学経営の健全性の向上を目的として、教職員数や学生数に基づいて算定される一般補助を基本とした基盤的経費であります。  一方、私立大学等の教育研究の活性化に向けためり張りある配分を行うため、一般補助について学生定員の充足状況等に応じた傾斜配分を行うとともに、大学院機能の高度化や国際化など、各種の取組に対応して算定される特別補助という仕組みもあります。  また、平成二十五年度より、私立大学等における一層の改革を促すため、私立大学等改革総合支援事業を実施しております。これは、全学的な教育の質的転換を行うとか、また地域社会への貢献、社会人受入れの強化をするとか、あるいは産業界や国内の他大学との連携を行うとか、語学教育強化、国際環境整備などのグローバル化を行うと、こういう四つの観点についてそれぞれ積極的な改革を行っている私立大学等を選定して重点的な配分を行うというふうにしております。  文科省としては、私立大学等経常費補助金の配分に当たりまして、基盤的経費の安定的な配分と教育研究の面で取組に応じた重点的な配分、その両方を通じまして私立大学等の基盤整備と改革を促してまいりたいと考えます。

松沢成文みんなの党

○松沢成文君 最後に、競争的資金制度についてちょっと内閣府の方に伺いたいんですけれども、この競争的資金制度というのは、競争的な研究環境を形成し、研究者が多様で独創的な研究開発に継続的、発展的に取り組む上で基幹的な研究資金制度だと言われています。  アメリカでは、徹底的に第一線の研究者の精査を受けるわけですね。全米科学財団の例では、研究者の提案全てに最低三名以上の第一線で活躍する研究者の評価を受けることになっています。また、評価を受ける研究者は、大学に所属する研究者に限らず、産業界の研究者や外国の研究者までも含まれて、こうした厳格な審査を経るからこそ、研究の成果だけでなく、研究者の質も併せて向上するそうです。  ちなみに、アメリカでは、研究内容に主軸が置かれるために、ノーベル賞受賞者の提案も落とされたり、あるいは無名大学の若手教授の提案だって中身が良ければどんどん採択されると、こういう形になっているそうなんですね。  日本でも、実は、大学間若しくは研究者間で競争が図られるということを目的にこの競争的資金制度を設けておりますが、この適用範囲が狭いことや審査内容も不十分なことが多い。特に、審査過程では、各省庁によって、各省庁持っていますので、審査規程、審査委員の選考基準など統一的なルール化がされておりませんで、省庁によっては、研究内容はもとより、提案してきた教授が著名だからとかいうのでその大学が、あるいはその大学が有名大学であるからといった、そんな要素が影響しちゃっているんじゃないかとも言われております。  したがって、この競争的資金制度に対する予算の拡充に併せて、この審査過程、審査委員の選考基準などの最低限の統一的な審査基準ということを設けていくということを検討する必要があると考えますけれども、内閣府の方でいかがでしょうか。

倉持隆雄内閣府政策統括官

○政府参考人(倉持隆雄君) お尋ねの基幹的な研究資金制度であります競争的資金制度でございますけれども、これは目的や特性に応じて今現在多様な制度が設けられております。これらにつきましては、制度の目的に応じて、御指摘のように、専門家による評価に基づく課題選択というものが行われておりますけれども、公的研究費による支援対象にふさわしい優れた研究が選定されるために十分な審査が行われる必要があるということは御指摘のとおりだというふうに認識しております。  この競争的資金制度が我が国の研究力の強化につながっていくことが非常に重要であるということから、去る五月二十三日の総合科学技術・イノベーション会議に原案が提出された科学技術イノベーション総合戦略二〇一四というのがございますけれども、そこでも研究資金制度の再構築に取り組もうというふうにしているところでございます。  具体的には、この競争的資金につきましては、研究者が研究活動に専念できて、基礎から応用、実用までシームレスに研究を展開できるように、制度間のつなぎや使い勝手に着目した制度の再構築に取り組むとともに、まさに御指摘のように資金配分機関におけるマネジメントを強化すると、そういったことを進めることとしております。こうした取組の中で、公正かつ透明で質の高い審査が確保されるように努めていくということとしております。  御指摘のように、各省いろんな制度がございますので、その実態についても我々としても把握して進めていきたいと考えておるところでございます。

松沢成文みんなの党

○松沢成文君 最後に。これ、文科省の競争的資金制度の審査基準とか規程はかなりしっかりされているんですよね。ただ、どことは言いませんが、他の省庁だと結構曖昧なところがあって、その学者さんにすごくお世話になっているとか、いろんな審議会で委員を協力してもらっているとかいうのもあるのかもしれませんが、かなりきちっとした基準の中で審査されているというよりも、様々なコネクション重視かなというところもあるので、是非とも内閣府の方で、政府として統一的なきちっとした透明な基準を作っていって、本当にいい研究に対してきちっとサポートできるようにしていただきたいなというふうに思います。  以上、要望です。ありがとうございました。

田村智子日本共産党

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。  学校教育法の改定九十三条二項では、学生の入学、卒業について学長は決定を行うに当たり教授会に意見を求めることを義務付けています。  例えば入試についてですが、実際には学長から教授会に権限が移譲され、あるいは教授会の下に置かれた合否判定委員会にまで権限が移譲されて合否判断が行われ、大学名や学長名で合格者に通知するというのが実態だと思います。  受験者数というのは一大学数千人あるいは万単位にもなりまして、現実問題として学長がその一人一人について判断をするということはこれは不可能です。卒業についても同じで、大学によっては万に近い数の卒業者がいるわけで、教授会の意見を聴いて学長が一人一人について卒業は可か否かと判断すると、これはあり得ないことだと思うんです。  こういう学生の入学、卒業、修了、つまりは九十三条二項の一号、二号については、教授会が決定し、その判断を学長が執行するということが可能でなければ円滑で公正な大学の運営はできないと思うんですけれども、いかがでしょうか。

吉田大輔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(吉田大輔君) これはもう何度もこの委員会でも出ましたけれども、学校教育法九十二条第三項では、学長は、校務をつかさどるということで、大学の最終的な意思決定権者として位置付けられているわけでございます。大学として意思決定を行うに際して、学長が教授会等の学内組織に実質的な検討を行わせることは可能であるとは考えられますけれども、あくまでもその際に学長が最終的な決定を行うことが担保されているということが必要でございます。  ただいまの御質問では、教授会で決定し、学長は執行するという、こういう過程ではどうかということでございますが、これはやはり学長が最終決定を行うと、そういった観点からいたしますと問題があろうかと思います。

田村智子日本共産党

○田村智子君 これ、教授会などが決定した合格者をそのまま認めるのも駄目だと、こうなりますと、じゃ、法案にそのまま忠実に沿えば、学長が受験生を一人一人チェックして判断するということになるんですよ。例えば早稲田大学では二〇一三年度の一般入試は、受験者数だけで八万人を大きく超えています。東京大学は、記述式の試験で受験者数は九千人を超えています。これ、どうやって学長が判断するんですか。あるいは、教授会の判断、それは違うよと、じゃ、この人を入学者の中に入れなさいという判断を行うということなんですか。

吉田大輔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(吉田大輔君) 先ほども申し上げましたように、教授会等の学内組織に実質的な検討を行わせるということは、それは可能でございます。  多くの大学では、合否判定委員会などの専門的な委員会を通じて、学生の入学等についての判断といいましょうか、その可否を検討してきているかと思いますが、ただ、最終的に入学の許可などを行うということ、これはもうやはり学長の名前で行っていくわけでございますから、最終的にその学長の責任といったものが全うできるような体制にしておくことが肝要かと思います。

田村智子日本共産党

○田村智子君 形式的に学長の名前で行うというのは分かりますよ、それは。だけど、この合否判定についてまで教授会の決定権限を認めない、決定権限は学長だというふうに強調される。だから、この法案審議が進めば進むほどに、全国の大学の教員の方、教職員の方からは、この法案が大学の自治を壊すんだという声がどんどん寄せられてくるわけです。この学生の合否判定や卒業について、学長一人で判断などとてもできないと。  それだけじゃありません。カリキュラムの編成、それに基づく教員の採用なども、全ての専門分野にわたって学長一人が情報を解析し、決定するというのも、これも現実的ではないわけです。だからこそ教授会が、教育課程の編成、採用、昇任の教員人事などを実質的に審議、決定してきた。それを学長が尊重して執行するという運営が幾つもの大学の中で行われてきたわけです。  そうすると、この法案を根拠に、教授会は審議機関だからと、教授会の審議の結果を学長が覆す、こういうことが起きてくると、それは逆に、学長の恣意的な判断が行われたのではないかという疑念や混乱が生じかねないわけです。  教授会が審議した結果を学長は尊重する、審議の結果と異なる判断をする場合にはその理由を説明するなどは、この法案の運用としては当然のことだと考えますが、いかがですか。

吉田大輔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(吉田大輔君) 今回の改正案では、学校教育法九十三条二項、ここにおきましては、学長がこの二項に掲げております各事項につきまして教授会の意見を聴くということが決められておりますけれども、これはあくまでも教授会が述べた意見を参考にした上で学長が決定をすると、こういう仕組みでございまして、その際に、必ずしもその教授会の意見に拘束されるというものではございません。学長が教授会の意見と異なる決定を行った場合でも、法的にはその教授会に対しまして理由を説明する義務はないわけでございます。  ただ、円滑な大学運営を図るという観点では、やはりその教授会と適切な意思疎通を図ることが望ましいと考えております。

田村智子日本共産党

○田村智子君 今日の朝日新聞で、筑波大学教授の中教審のメンバーでもあった金子教授が寄稿しているんですよ。例えば、改正九十三条、学長個人が経営的な観点から特定の学生の入学や卒業を決定することを許容するのだろうかと、こういう疑問の声が中教審のメンバーだった方からも寄せられてくるわけですよね。    〔理事石井浩郎君退席、委員長着席〕  これ、恣意的な判断、許しちゃ駄目ですよ。これは、教授会の判断を尊重する、もし意見が違うことをやるんだったら丁寧に説明する、これは当たり前のことだと思います。そういうことが望ましいと思いますが、いかがですか。

吉田大輔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(吉田大輔君) 入学、卒業など公平、客観的な判断が求められるものについては、やはり専門的な見地からの意見を十分に徴した上で学長が決定することが必要でございます。  そういうことから、今回の九十三条の二項におきましては、学長が意見を聴くべき事項として、入学、卒業等のことを決めているわけでございます。

田村智子日本共産党

○田村智子君 本当に陳腐な法案だと私言わざるを得なくなってくるんですね。だから、これを運用されるときに歯止めを幾つも掛けていかなければいけませんので、そういう意味でお聞きします。続けます。  九十三条二項三号、これまでの答弁では、教育研究に関する重要な事項で、学長が教授会の意見を聴くことが必要と定めるものについて、例示としてキャンパス移転が挙げられました。しかし、これは大学の中ではまれな事例で、これはやっぱり通常の大学運営の中でどのようなものが入り得るのかということを私の方から例示を示して確認したいと思います。  入試制度、学部、学科の改廃、新設などの組織再編、全学的な各種会議、委員会等への委員の選任又は推薦、教授会が属する学部の運営方針、教員の昇任、降格に関わる業績審査、教授会が属する学部の規程の制定、改廃、これは教育研究に関する重要な事項で、学長が教授会の意見を聴くことが必要であると定めるものに含まれ得るのかどうか、お聞きします。

吉田大輔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(吉田大輔君) これまでの議論の中で、九十三条二項第三号の教育研究に関する重要事項には教育課程の編成や教員の教育研究業績の審査等が含まれているというふうにお答えしてきたところでございます。これ以外にも、キャンパス移転ですとか組織再編などについて、この教育研究に関する重要事項に含まれ得るというお答えをしてきたかと思います。  その以外に今御提示いただきました事項につきましても、教育研究に関する重要な事項で学長が決定を行うに当たりまして専門的な見地から教授会の意見を聴くことが必要と判断する場合にはこの三号に該当するということになってくるわけでございますけれども、具体的にどのような事項を含めるかにつきましては、学長が各大学の実情等を踏まえて判断すべきものと考えております。

田村智子日本共産党

○田村智子君 事前にこういうことは含まれ得るのかと渡しているんですよ、昨日、一つ一つ。含まれ得るのかどうか、文科省の認識を示してください。

吉田大輔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(吉田大輔君) 申し上げましたように、この三号につきましては、教育研究に関する重要な事項で学長が決定を行うに当たって専門的な見地から教授会の意見を聴くことが必要と認められるものということでございまして、これにつきまして、今提示されたものについて一概にこれはこうだということは申し上げるのは困難でございます。

田村智子日本共産党

○田村智子君 ちょっと、昨日、私たち一時間ぐらい、もう質問通告終わってからやり取りしたんですよ。それで、私が、例えば学部内の教員ポストの配置、これは確認できるかと言ったら難しいとか、次から次へと言うわけですよ。入学定員、それは含まれ得るというのはなかなか難しいとか。私はそういうものをそぎ落として、これは含まれ得るというふうに、文科省の方でそれは答弁できますよと言ったものさえ局長答えない。大学の判断だということですから、これは大いに大学の中で含めていってほしいと思いますし、もう本当に上からここまで大学を統制しようとしているのかということを、私、逆に危機感を大変覚えています。  もう確認になるのかどうか分かりませんが、続けます。  学長が学部長を選任するに当たって、学部教授会の投票を経てとか、学部教授会が推薦した候補者を選任するなど学内規程で定めた場合、文科省として是正を求めるということはありませんか。

吉田大輔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(吉田大輔君) 学部長の任命を含めました人事につきましては、学長や理事会が最終的な決定を行い任命することが法律上明らかにされております。  今御提示いただきました、学部教授会の投票を経てですとか、あるいは学部教授会の推薦するなどの学内規程につきましては、その学内規程の全体構造を見てみる必要がございます。学長の最終決定権が明示され、教授会の投票や推薦の結果に任命権者が拘束されないなど、任命権者の決定権が担保されているかどうかという観点から吟味することが必要でございまして、一概に判断することはできないと考えております。

田村智子日本共産党

○田村智子君 ちょっと待ってください。文科省は学内規程に対して是正を求めることがあるのかどうかと聞いているんですよ。

吉田大輔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(吉田大輔君) 法の趣旨に反する学内規程ということにつきましては、これは私どもの方からその点の問題点を指摘することはあろうと思います。

田村智子日本共産党

○田村智子君 もう一つ、学長選考基準についてお聞きします。  一般論で確認しますが、あくまで法律に基づいて自主的、自律的に大学が定めるべきものであって、文部科学省は決定過程に干渉すべきではないし、決定後に変更を求めるべきではないと考えますが、どうですか。

吉田大輔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(吉田大輔君) 学長選考の基準につきましては、学長選考会議が、その責任と権限の下、各大学の特性やミッションを自ら検討、勘案しつつ、主体的に定めるものでございます。その決定過程及び決定後を問わず、その内容について文部科学省が関与するものではございません。

田村智子日本共産党

○田村智子君 やっと明らかに関与しないって出てきたんですね。ここまで大学の内規に手を突っ込むような答弁が続くと、本当に私も危機感をこの審議の中で募らせざるを得ません。  こういうカリキュラム編成など大学の教育研究に直接関わる事柄でも教授会の権限を法律で縛ろうとする、やっぱりこの法案通しちゃいけないなということを改めて感じるところなんですけれども、このまま通していいのかなと思うところなんですが。  今日は、もう一つ、大学の学問研究の自由の問題についてもお聞きをしなければなりません。  いわゆる東大ポポロ事件最高裁判決でも認められたように、大学における研究の自由にとどまらず、研究に基づく発表、教授の自由について、これは完全に認められなければならないと思います。この法案によっても憲法二十三条が保障する学問の自由は何ら制限を加えられるものではない、そういうことでいいのか、大臣に確認します。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、学問の自由は憲法第二十三条の規定により保障されているものであり、大学における学問の自由は、大学における教授その他の研究者の研究と教授の自由をその内容とするものであります。  今回の改正案は、学長や教授会等の学内の組織について、それぞれの役割を明確化し、大学運営における責任と権限の一致を図ることを目的とするものでありまして、学問の自由に何ら制限を加えようとするものでは全くありません。

田村智子日本共産党

○田村智子君 ところが、この法案が衆議院で審議されているさなかに、この学問の自由、とりわけ教授の自由への文科省の姿勢が問われる事態が起きているので、このことはどうしてもここで質問しなければなりません。  本年四月、広島大学で日本軍慰安婦を取り上げたドキュメンタリー映画「終わらない戦争」を上映し、担当教員がコメントを付す形で講義が行われました。この講義に対して、授業ですね、に対して非難をする記事が五月二十一日、産経新聞一面に報じられました。日本科学者会議広島支部幹事会は、報道の直後に、「「産経新聞」報道を契機とする言論への圧力を許さず、学問の自由を守ろう」という声明を出しています。声明では、「そもそも、学問の自由は日本国憲法が保障する基本的人権のひとつであり、大学の授業で教員は、自身の学問的信念に基づいて教育研究を行う自由をもつ。もちろん、その教育研究に対して学生が異議を唱えることも当然の権利であり、教員はその異議を受け止め、相互理解を深めることによって、学問の府である大学の教育研究が深化する。」と述べています。これは至極当然の指摘です。これこそ、学問の自由と、それを保障する大学の自治のあるべき姿だとも思います。  問題は、産経新聞の報道にとどまらなかったんです。五月二十三日の衆議院内閣委員会で、広島大学でのこの講義の内容を問題だとする質問があり、上野政務官は、広島大学の授業で行われたことについて、こちらとしても調査してきましたと答弁をされました。  文科省に確認します。どういう調査をしたんですか。広島大学に講義の内容の照会を行いましたか。

吉田大輔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(吉田大輔君) 五月二十三日の衆議院内閣委員会におきまして上野政務官が答弁いたしました調査とは、文部科学省の職員が広島大学のホームページからシラバスの情報を入手し、新聞報道に取り上げられた授業の位置付けを確認したということを意味するものでございます。  また、シラバス情報の入手とは別に文部科学省から広島大学に問合せを行っておりますが、それは個別の授業の内容についてではなく、あくまでも事実関係について正確な情報を得るためのものでございました。

田村智子日本共産党

○田村智子君 講義の内容について文科省が調査を行えば、それだけで圧力になり、学問の自由を侵しかねません。ましてや、国会で議論があるということを伝えた上で調査を行うと一層の圧力になる、こういう認識は文科省にありますか。

吉田大輔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(吉田大輔君) 私どもは事実関係を調査したのみでございます。

田村智子日本共産党

○田村智子君 そうしましたら、政務官の答弁ではこうも言っているんです。一般的に、一面的な見解のみを取り上げるのではなく、多様な見解があることを取り上げ考察することは、科学的あるいは批判的な思考力を、思考的な能力を養うためにも重要であると考え、文科省としましては、各大学で適切な対応が行われているかどうか、必要な助言を行ってまいりたいと思いますと。  広島大学について必要な助言を行った、あるいは今後行うということがあるんですか。

吉田大輔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(吉田大輔君) 今回の件に関しまして、これまでの間、文部科学省から広島大学に対しまして助言を行うことはしておりません。また、広島大学から特に求められない限り、今後も何らかの助言を行うことも予定はしておりません。

田村智子日本共産党

○田村智子君 これ、じゃ、大臣にもお聞きしたいんです。  そもそも大学における講義というのは、教授会などによってカリキュラムが定められ、それに沿って講義のテーマも決まり、個々の教員が自らの研究と学問的信念に基づいて行うものです。その内容は教授の自由によって完全に保障される。もちろん、教員同士あるいは学生も含めて議論をして、講義の内容の批判も行う。学内での自由な議論によって自分の認識も相互理解も進むと。これら全てが学問の自由によって保護されているということだと思うんです。  文科省が講義の内容について、各大学で適切な対応が行われているかどうかを判断して必要な助言を行うと、こういう方針を持つこと自体がこの教授の自由、学問の自由と両立しないと思うんですが、いかがですか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) まず、一般論として、国会で質問されれば、田村委員の質問もそうですけれども、特定の大学に対しての質問であれば、当然、事実関係として文部科学省はその大学に問合せするのはこれは当然の話でありまして、それと学問の自由というのは全く別次元の話であるというふうに思います。  田村委員の御指摘の学問の自由は、憲法により広く全ての国民に保障されたものであり、特に、大学における学問研究及びその成果の発表、教授が自由に行えることを保障したものであるという位置付けであるというふうに承知しております。文科省としては、当然、学問の自由を尊重する立場であるわけでありまして、大学における個々の教員が行う個別の授業内容について、その是非を直接判断するという立場ではもちろんないわけでございます。  また、大学における授業は、関係法令に従った上で、各大学における教育課程の編成や実施に関する方針に基づいて行われるべきものであり、個別の授業についても、その内容や方法がカリキュラムポリシーに沿ったものであると大学が判断しているかが重要であるというふうに考えます。このため、文科省としては、各大学が自主的に定めたカリキュラムポリシーに基づき適切な教育活動が行われるよう対応してまいりたいと考えます。

田村智子日本共産党

○田村智子君 大臣、文科省は講義の内容についての確認を行っていないんですよ。そんなことやっちゃいけないという立場なんですよ。そのことは私、一言言っておきたいと思います。  じゃ、進めます。私、これ何で取り上げるかというと、この答弁、本当に問題なのは最後のところなんですよ。特に政治的なものであれば、政治的な中立性を保ちつつ子供たちに何を学ばせるかという、そこのところが大切であると思っておりますという答弁もされちゃったんです。これは、率直に申し上げますと、大学教育や学問の自由に対する誤解があるのか、はたまた批判的精神を抜きにして国家の望む人物の育成を大学教育の中で求めるのかと、こういう意向の反映なのかと思わざるを得ないような中身なんです。  大学において学生は子供ではありません。講義で示される見解を批判的に受け止めて教員に対して質問や意見を述べる主体であって、講義の内容を無批判に受け止める、これはもう大学教育とは言えません。どのような講義も学問的な気付きのきっかけにすぎず、そこから何を学び、どう考え、調べ、自らの意見を持つのか、それを行うのが大学と大学の教育なんだ、だから学問の自由と大学の自治は守らなければならない。  講義内容がどうだったかなんということを文科省が確認したら駄目なんですよ。そういうことだということを感じるんですが、大臣、見解いかがですか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 最初に申し上げたのは一般論とというふうに申し上げましたが、国会で聞かれれば、それはやっぱり文科省としては大学に事実関係を確認するということはあり得るということを申し上げたわけでありますが。  まず、今の御質問に対する答弁でありますが、文部科学省として、大学における個々の教員が行う個別の授業内容についてその是非を判断する立場ではありません。大学自らの判断に基づき対応すべきそもそも事柄であるわけであります。

田村智子日本共産党

○田村智子君 さきに紹介しました日本科学者会議広島支部幹事会の声明ではこうも言っているんです。「ドイツでは、政権獲得前のナチス党が、その青年組織に告発させる形で意に沿わない学説をもつ大学教授をつるし上げさせ、言論を萎縮させていった歴史がある。その忌まわしい歴史を彷彿とさせる本件にたいして、われわれが拱手傍観しているようなことがあれば、特定の政治的主張をもつ報道機関がその意に沿わない講義のひとつひとつを論評し、特定の政治的主張をもつ外部のものが大学教育に介入してくるきっかけを与えることになる。」と。もっともな指摘なんです。  私は、残念ながらこの国会の審議の中で、衆参見てみますと、学問の自由とは何かとか大学の自治とは何かという根本の認識が欠落した議論、これが悲しいかな行われているんです。そういうときに文科省が少しでも迎合するかのような態度を取ったら駄目だと思います。大学教育への介入を許さないという姿勢を貫かなければ駄目だというふうに思うんです。  今日の法案の審議の中では、本当に教授会の権限を縛っていって、これで果たして大学での教授の自由を守り発展させていく、そういう教授会を育てることができるんだろうかというような危惧も持たざるを得ませんでした。  文科省に対しては、何というんですか、介入に対して一分たりとも迎合しないという姿勢を是非とも貫くということを強く要求をしたいというふうに思うのと、やっぱりこの法案、大学の中に手を突っ込んで内規の改定までこの法案によって求めていくと。入試や卒業の、その当たり前に行われてきた決定権限でさえも法律が認めないと。こういう法案は廃案にするしかないということを最後に申し上げて、質問を終わります。

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

田村智子日本共産党

○田村智子君 日本共産党を代表して、学校教育法及び国立大学法人法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。  第一に、教授会の審議事項を制限し、実態として学長の諮問機関化することは、大学の自治、学問研究の自由を脅かすものです。多くの大学で教授会は、憲法二十三条が定める学問の自由を保障し、大学の自治の根幹を担う機関として、教育課程の編成、予算、採用、昇任等の教員人事、学部長の選考、学生の身分等の教育研究に関する重要な事項について実質的な審議・決定権を有してきました。こうした教授会の役割を否定し、各大学が現に行っている大学運営の見直しを求め、学長による上意下達の大学運営を確立しようとすることは、大学自治を掘り崩すものです。  第二に、国立大学の学長選考の基準を定めることで、学内の意思を民主的に反映させてきた学長選考意向投票制度を一層骨抜きにすることは反対です。文科省は、学部、学科の再編なども視野に入れた改革を運営費交付金の重点配分を圧力に進めようとしており、こうした改革を押し切れる学長を選考させようという狙いは明らかです。また、副学長について法定化することも、学長の権限強化を更に補強するものと言わなければなりません。  第三に、経営協議会の学外者を二分の一から過半数に改定することは、大学経営を一層学外、とりわけ産業界の意向に沿わせるものです。産業競争力を重視する余り、基礎的研究や教育が軽視される懸念があります。  学長のリーダーシップ、予算の重点配分による競争の重視、その一方で基盤的経費への予算は国立、私立とも絞り込むという大学改革は二十年以上にわたって進められてきました。これが大学の疲弊、停滞を招いていることは明らかであり、根本からの見直しが求められています。教授会を始め、大学内での民主的な討論、意思決定こそ大学発展の力であることを指摘し、反対討論を終わります。

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  学校教育法及び国立大学法人法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、柴田君から発言を求められておりますので、これを許します。柴田巧君。

柴田巧日本維新の会・結いの党

○柴田巧君 私は、ただいま可決されました学校教育法及び国立大学法人法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会・結いの党及びみんなの党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     学校教育法及び国立大学法人法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。  一、学校教育法第九十三条第二項第三号の規定により、学長が教授会の意見を聴くことが必要な事項を定める際には、教授会の意見を聴いて参酌するよう努めること。  二、憲法で保障されている学問の自由や大学の自治の理念を踏まえ、国立大学法人については、学長のリーダーシップにより全学的な取組ができるよう、学長選考会議、経営協議会、教育研究評議会等をそれぞれ適切に機能させることによって、大学の自主的・自律的な運営の確保に努めること。  三、学長選考会議は、学長選考基準について、学内外の多様な意見に配慮しながら、主体性を持って策定すること。  四、監事の監査、学長選考組織による選考後の業務評価等学長の業務執行状況のチェック機能を確保すること。  五、国立大学法人の経営協議会の委員の選任や会議の運営に当たっては、学内外の委員の多様な意見を適切に反映し、学長による大学運営の適正性を確保する役割を十分に果たすことができるよう、万全を期すこと。  六、本法施行を受け、各大学等の学内規則の見直しと必要な改正が円滑に行われるよう、説明会の開催等関係者に改正の趣旨について周知に努めること。  七、私立大学の自主性・自律性・多様性、学問分野や経営規模など各大学の実態に即した改革がなされるよう配慮すること。  八、大学力を強化するため若手研究者や女性の登用が積極的に行われ、若手研究者等の意欲を高める雇用形態が整備されるよう、その環境の整備に努めること。  九、国のGDPに比した高等教育への公的財政支出は、OECD諸国中、最低水準であることに留意し、高等教育に係る予算の拡充に努めること。    右決議する。

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) ただいま柴田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 多数と認めます。よって、柴田君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、下村文部科学大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。下村文部科学大臣。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  学校図書館法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務省自治行政局公務員部長三輪和夫君外一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 学校図書館法の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、発議者衆議院議員笠浩史君から趣旨説明を聴取いたします。笠浩史君。

笠浩史民主党・無所属クラブ

○衆議院議員(笠浩史君) ただいま議題となりました学校図書館法の一部を改正する法律案につきまして、提出者を代表して、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  学校教育において、児童生徒の確かな学力の育成には、言語活動や探究的な学習の充実が必要であり、同時に、読書活動等を通じて児童生徒の豊かな人間性を形成していくことが求められております。これらの活動の充実のためには、学校図書館を利活用できるよう整備を進めることが重要であります。  本法律案は、この重要性に鑑み、学校図書館の運営の改善及び向上を図り、児童生徒及び教員による利用の一層の促進に資するため、司書教諭等と連携しながら、その機能向上の役割を担う専ら学校図書館の事務に従事する職員を学校司書として位置付け、これを学校に置くように努めること等について定めるものであります。  まず、第一に、司書教諭のほか、専ら学校図書館の職務に従事する職員を学校司書として位置付けることとし、学校に置くよう努めなければならないこととしております。  第二に、国及び地方公共団体は、学校司書の資質の向上を図るため、研修の実施その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならないこととしております。  第三に、この法律は、平成二十七年四月一日から施行することとしております。  第四に、附則において、国は、この法律の施行後速やかに、施行の状況等を勘案し、学校司書としての資格の在り方、その養成の在り方等について検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとしております。  以上が、本法律案を提出いたしました理由及び内容の概要であります。  何とぞ御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 民主党の那谷屋正義でございます。よろしくお願いします。  平成九年に、十二学級以上の学校に司書教諭が必置となったわけであります。しかし、その実態はといいますと、この司書教諭、担任を兼務していたりということで、図書館にほとんど人がいない、いわゆる司書教諭がいないという、そういう状況の中で、法は作ったものの、なかなか魂が入っていない。今回、この学校司書について、これまで制度上も法律上も全く何も記されていなかったものについて、ここで改めてこういうふうに登場してきたということについては、ある意味評価ができるんではないかというふうに思います。しかし、これをやっぱり魂を入れていく方向で、今回の法案ではまだまだ不十分な部分もございますので、今後の方向性というものをやはりしっかり確認をさせていただきたいという、そういう観点で質問をさせていただきたいと思います。  まず最初でありますけれども、骨子案には、骨子案というか、学校司書の資格要件というものについて具体的に触れていない、今後検討というふうになっているわけであります。しかし、学校では、図書館に行ったときに司書教諭がいたりあるいは学校司書がいたりということで、子供たちあるいは保護者にとってはみんな図書館の先生であって、この人が学校司書なのかそれとも司書教諭なのかということは全く分かりません。とにかく図書館の先生なんです。  そのときに、やっぱり即戦力にならなければならないという本来の図書館の機能というものがございます。三つあるというふうに思いますけれども、そういったものを、機能を果たすためには、やはり学校司書に資格を求めるということは今後必要になってくるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

笠浩史民主党・無所属クラブ

○衆議院議員(笠浩史君) 今回の改正案を提出するに当たり、これは超党派各党の議員の方々が参加をしていただいております学校図書館議員連盟において関係団体からもヒアリングを行いながら検討を進めてまいりました。  その際、今、那谷屋委員からも御指摘のあったような、やはり学校司書に資格が必要だというような御意見もございました。ただ、学校司書としてのこの資格の在り方については、図書館法の司書資格が基本となるべきという意見、あるいは全く新しい資格が必要ではないかという意見など、学校図書館関係者の間でも様々な御意見があったと承知をしております。  また、学校司書の配置については、地方自治体の自主的な様々な今取組が先行しており、現在も様々な資格の方が働かれている現状にございます。  そこで、今回の改正案では、附則において学校司書の職務の内容が専門的知識及び技能を必要とするものであることを明記して、学校司書の専門性について配慮し、この法律の施行後速やかに、新法の施行の状況等を勘案し、学校司書としての資格の在り方、またその養成の在り方について検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものと規定したところでございます。  今般の法改正は議員立法によりなされるものであり、改正後の状況については我々も責任を負っていることを認識をしながら、関係団体と意見交換を行いつつ、より良い学校図書館の運営が行われるよう更に努力をしていきたいというふうに考えております。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 先ほど申し上げましたように、学校図書館の機能として三つ挙げられるというお話をさせていただきました。読書センターとしての機能、それから学習センターとしての機能、そして情報センターとしての機能と。  これで、ちょうど、先ほど申し上げました平成九年改正時の司書教諭というものの必置化のときに議論がしっかりとされてはいたんですけれども、それがやはり先ほど申し上げましたように兼務化されちゃっておりますから、実際には機能していないと言っても過言ではない状況になっています。そういう意味では、やっぱり必ず子供たちのニーズに応じた今のその三つの機能を果たすべく、機能に応じたことを言うならば、やはりこれは一定教育職的なニュアンスを持たせるべきだということを改めて申し上げさせていただきたいというふうに思います。  また、そのときに、司書教諭の専任化とか学校司書を専任とする法制化の流れに合流していくという議論があったわけでありますけれども、その議論については引き続き引き継がれるのかどうか、また、今後も検討されるべきだというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。文科省の考えをお聞きしたいと思います。

上野通子自由民主党文部科学大臣政務官

○大臣政務官(上野通子君) 先生御指摘のように、学校図書館、現在は司書教諭が十二学級以上の学校には必ず必置となっておりますが、先生も二十年間小学校の先生をされたということなので、図書館の忙しさ、多忙さ、図書館の司書教諭の先生が今平均で週当たり約一時間しかいられないというこの忙しさは御存じと思います。  さらには、今学校の図書館にはもう一つの役割と機能が必要となっております。それは心の居場所でございます。子供たち、学校に登校してきても教室に入れない子供たち、いわゆる学校に来ても不登校の子供たち、また、いじめや虐待等様々な問題を抱えて相談相手の必要な子供たち、その居場所としての機能も強化されているということで、必ず誰かがいなければならないという状況でございます。  私も、高校でございますが、教員をやりながら司書教諭もやってきましたのでその忙しさはよく存じておりますので、今御指摘のありました司書教諭の専任化、併せて学校司書の専任化のことでございますが、まず、司書教諭の職務の在り方については、衆議院における附帯決議を踏まえて今後検討してまいりたいと思っております。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 是非前向きに検討していただいて、もう平成九年の話ですからやっぱり形にしていかなければいけないというふうに思います。  そして、学校司書というものの重要性について今回の法案の中でうたっているわけでありますが、先ほど自治体ごとというふうなお話がありましたけれども、高校で自治体独自の取組が先行しているわけであります。正規、専任で勤務する学校司書が多いわけでありますけれども、これまで学校司書として働いてきた者にとって、本法制化によって職務内容だとかあるいは処遇が制限をされたりあるいは低下するのではないかという職場の声も実は寄せられているところでございます。職場からの声が寄せられているところであります。  第四次学校図書館図書整備五か年計画というのは、これは私たちが、民主党が政権取ったときでありますけれども、小中学校に単年で百五十億円の地財措置がなされ、これはおおむね小中の二校に一人で一日に六時間の職員配置が可能と。これを一人当たりの人件費として割り出すと、年間百五万円程度ということになります。  図書館教育の意義、目的を欠落させた財政合理主義に貫徹されるならば、高校を始めとする正規の学校司書がこの処遇に合わされていく、あるいは新規採用が逆になくなっていく、この処遇の司書が増えることも懸念せざるを得ないところであります。そういうふうにならないようにやはりしていかなければいけないというふうに思うんですけれども、これは発議者の方に決意をお聞きしたいと思います。

笠浩史民主党・無所属クラブ

○衆議院議員(笠浩史君) 今指摘がありましたようなこと、これもヒアリングの中でもやはり同内容の御懸念もございました。  学校図書館を活用した教育の重要性が増していることに鑑み、学校司書を法律上明確に位置付け、学校において学校司書が置かれるべきであるとの方向性を明確に示すという今回の改正の趣旨からして、提出者としては、今、那谷屋委員が御指摘のような事態が実際に起こることは決してあってはならないというように認識をしておりますし、この点については衆議院の文部科学委員会の全ての委員が認識を共有したものでございます。  このため、衆議院文部科学委員会の附帯決議において、政府及び地方公共団体は、本法の施行に当たっては、学校司書の重要性に鑑み、必要な学校司書の配置を進めることとし、その際、現在の配置水準が下がることのないよう留意することや、あるいは、政府は、学校司書の配置の促進のために現在講じられている措置の充実に努めるとともに、地方公共団体にその趣旨を周知するように努めること、さらには、政府及び地方公共団体は、学校司書の職務の重要性を踏まえ、学校司書が継続的、安定的に職務に従事できる環境の整備に努めること等が全会一致で決議されたものでございます。  本改正に合わせて、適切な対処を政府及び地方公共団体に今後もしっかりと働きかけてまいりたいと考えております。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 今、少し答弁でいただきましたけれども、今度はそれを文科省の方にお尋ねをしたいと思います。  この法案の趣旨からすると、文科省もやはりその趣旨はしっかりとのみ込んでいただけるというふうに思うわけでありますけれども、学校司書にはいろんな役割があって、そこで、資格そしてあるいは養成というものが重要であるとするならば、やはりこれを一つの職としてきちっと確立をするべきではないかというふうに思うわけであります。  今言った、百五万円の年収ではとても生活が成り立つわけがありません。そういう中にあって、やはりこれをきちっと一つの職として確立をしていくということが私は大事ではないかというふうに思います。そのための予算の確保も大事だというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

上野通子自由民主党文部科学大臣政務官

○大臣政務官(上野通子君) 専ら学校図書館の職務に従事する職員、いわゆる先生がおっしゃっております学校司書については、その職務には専門的知識及び技能が必要と考えられることに鑑み、本改正法案の附則第二項に、資格や養成の在り方について今後の検討規定が設けられているものと確認しております。  よって、文部科学省としましては、地方交付税措置は地方団体における取組が前提となっているものであるため、本改正法案において学校司書の職務の重要性が位置付けられたことを踏まえて、地方公共団体に対して丁寧な説明を行いつつ、学校司書の配置の充実が図られるよう十分に努力してまいりたいと思います。  また、今後、学校司書の職の在り方等についても、地方公共団体が自主的に推進している取組に十分配慮しつつ検討してまいります。  また、処遇改善等についての御質問でございますが、学校司書の職の在り方については、衆議院の附帯決議も踏まえ、今後検討してまいります。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 是非これも前向きに検討していただいて、財務省との交渉であれば我々も全面的に応援をさせていただきますので、よろしくお願いをしたいと思います。  ただ一方で、そうはいっても、今、自治体にということがあるわけで、その自治体の財政状況によってはどうしてもここが非常勤だったりなんかすることがあるわけで、そうなると、先ほど、一週間に一時間しかいられないということが多少増えたとしても、いつもいるということにはなかなかなってこないわけであります。  そこで、今日は総務省の方においでをいただいておりますので、是非お答えいただけたらと思いますが、地公法、地方公務員法において臨時非常勤職員はどのような場合に任用できるというふうにしているのか、ここで言う学校司書が果たしてそういった任用の場合の中に入るのかどうか、ちょっとまあそこは総務省ですから答えられないかもしれませんけれども、お答えをお願いいたします。

三輪和夫総務省自治行政局公務員部長

○政府参考人(三輪和夫君) お答え申し上げます。  地方公務員法におきましては、臨時的、補助的な業務や特定の学識経験を要する職務に任期を限って任用する職員といたしまして、法三条三項三号に基づく特別職非常勤職員のほか、法十七条に基づく一般職非常勤職員、また法二十二条に基づく臨時的任用職員といった任用形態が用意されているところでございます。  このうち、例えば三条三項三号に掲げます特別職の非常勤職員は、主に特定の学識経験を必要とする職に自らの学識経験に基づき非専務的に公務に参画する労働者性の低い勤務形態、勤務態様が想定をされているところでございます。  現在、地方公共団体におきましては、より良い行政運営のために様々な任用、勤務形態を組み合わせるなどの工夫を重ねているものと理解をいたしておりますけれども、どの業務にどのような任用や勤務形態の職員を充てるかということにつきましては、これは各地方公共団体が先ほど申しました地方公務員法の趣旨とそれぞれの実態を踏まえて責任を持って適切に判断をされるべきものと、このように認識をいたしております。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 労働者性の低いものを特別職とするということの中で非常勤というふうな話、例えば学校でいえば学校医さんなんかはそういったものに当たるのかなというふうに思うわけであります。しかし、学校医さんというのはいつも学校長の管理下にあるわけではないですから、そういう意味では、もう本当に特別職という形でそこにいらっしゃるわけですね。  今のお話を聞いていると、これは発議者にお伺いしますけど、やっぱり学校司書というのは常勤の任用をもってすることがやはり原則となるべきだと。今回は置くように努力義務になっていますけれども、やはり常勤の任用をもって原則となるべきだというふうに私は確信するところでありますけれども、その辺についてはどのようにお考えでしょうか。

笠浩史民主党・無所属クラブ

○衆議院議員(笠浩史君) 現在、学校司書は、常勤又は非常勤のいずれかで任用するかは各地方公共団体にその判断は委ねられております。  もっとも、学校図書館関係団体の方々からは、今委員が御指摘あったように、何とか常勤の職員としての処遇を求める御要望も強いことは私どもも十分に承知をしております。ただ、提出者としては、このような御要望を強く受け止めるものではありますけれども、学校司書については、学校図書館の運営に必要な職員として地方自治体の自主的な取組として、先ほど政府の方からも御説明があったように、様々な形態で配置が進んできたという経緯もございます。  このため、まずは政府及び地方公共団体が、その職務の重要性を踏まえ、学校司書が継続的、安定的に職務に従事できる環境の整備に努めることが重要であると考えており、この点についても衆議院の文部科学委員会の附帯決議においても示されたところであり、本改正に合わせて適切な対処を政府及び地方公共団体に働きかけてまいりたいというふうに考えております。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 是非お願いをしたいと思います。  ただ、そこで、地方が主体的にやるのはこれはいいんですが、どうしても財政の面から非常勤を仮に置くと、その非常勤を置くときに、いわゆる派遣業者からそういったところへ派遣するだとか、そういうふうなことが出てくるわけですよね。  例えば、これは今議論になっていませんが、学校の用務員さんを一遍民営化しようじゃないかというような話があった。ところが、先ほど政務官言われたように、学校教育というのは教室だけではない、担任だけではない、用務員さんも含めて全てのスタッフが学校教育というものに関わって一体となって取り組んでいるわけであります。ここは民営化ということで民間がそこに入ってきた途端にその体制がなかなかままならない状況というのが生まれるのは、もう火を見るより明らかであります。  そういう意味では、やはりこれはきちっと、学校司書が置かれたときに、校長の管理下の中にあって学校の一スタッフとしてきちっと位置付けられるようにすべきだというふうにこの法案の趣旨から考えるところでありますけれども、最後に、これは質問通告具体的にはしていなかったんですけど、上野政務官、どのようにお考えでしょうか。

上野通子自由民主党文部科学大臣政務官

○大臣政務官(上野通子君) 先生御指摘のように、今までも学校司書として、例えば地域のPTAの方とか民生委員の方が手弁当でボランティアでやっていただいて、それが語り部になったり子供たちの相談相手になったりして大変いい効果を上げている、特に小学校では多いということを承知しておりますので、その辺も鑑みながらきちんとした位置付けを文科省としても考えていかなければいけないと思っております。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 終わります。

田村智子日本共産党

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。  学校図書館は、子供たちの読書活動のみならず、豊かな学校教育にとって不可欠なものですが、その役割を十分に果たせるか否かは学校司書に懸かっていると言っても過言ではありません。  今年三月、文科省の学校図書館担当職員の役割及びその資質の向上に関する調査研究協力者会議が報告をまとめています。その中で学校司書についてどのような役割が期待されているとしているのか、端的にお願いします。

前川喜平文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(前川喜平君) 御指摘の報告書におきましては、学校司書に求められる役割は、第一に、学校図書館の運営管理に関する役割、第二に、児童生徒に対する教育に関する役割の二つであると整理されております。その上で、運営管理につきましては、情報機器やネットワーク、情報検索に関すること、著作権や個人情報等の関係法令に関することなど、また、教育につきましては、各教科等における指導内容に関することや発達段階に応じた読書活動の指導の方法等についての知識、技能を習得することが求められるとしているところでございます。

田村智子日本共産党

○田村智子君 大変専門性の高い役割なわけです。  私も、岡山市の取組を視察をいたしまして、学校教育を豊かにする学校司書の役割、実感してまいりました。  視察をしました小学校では、低学年のクラスの授業が学校図書館を教室にして行われていて、ちょうど動物園の遠足の前だったんですね。動物についての本とか動物園についての本など、学校司書の方が次々に紹介をしていく。これ、読み聞かせかなと思えばそうではなくて、子供たちが自分で読みたくなるような絶妙な紹介なんです。これは、本についての専門的な知識や造詣がなければとてもできないことだと実感をいたしました。  授業の後でお話を伺いましたところ、学校行事のときには、学年の先生方と相談して、行事に意欲的に取り組めるような本、事前学習や事後の学習に役立てる本や資料を紹介しているということでしたし、通常の授業でも、先生方から、この単元を進めるのに分かりやすい本や資料はあるかという問合せが恒常的にあるんだと。学校図書館の蔵書だけでなく、公立図書館からも本や情報を取り寄せて届ける、また、要望に応えるだけでなく、自ら教科書を読むなどして、授業に資する本や資料を提供しているということなんです。こうした取組は、教員と同じ勤務時間で、また職員会議にも出席をする、そういう専任の学校司書だからこそ可能なのだということもお聞きしました。岡山市では、学校司書、図書館司書の資格を持っていることが採用の条件なんですけれども、やはり授業に必要な資料の紹介などは司書としての専門的知識が欠かせないんだというふうに私も実感をいたしました。  そこで、提案者にお聞きします。  一校に一人、図書館学などに基づく専門性を持つ専任の学校司書、それが正規職員、少なくとも常勤職員として配置されている、これが岡山市のような豊かな取組を可能にしていると思いますが、いかがでしょうか。

笠浩史民主党・無所属クラブ

○衆議院議員(笠浩史君) 今委員から御紹介あった岡山の例、私も伺って、すばらしいことだというふうに思っております。そうした子供の学習の向上に寄与する先進的な取組というものが、各自治体で非常に広がっていくことが望まれるのではないかというふうに思っております。  学校図書館関係団体の方々からは、今専任、正規の職員としての処遇を求める要望も非常に強く出されておりました。提出者としては、学校図書館の先進的な取組を一層可能とするためにも、このような御要望を強く受け止めるものではございますが、学校司書については、学校図書館の運営に必要な職員として、地方自治体の自主的な取組として様々な形態が、配置が進んできたという経緯もございます。このため、まずは政府及び地方公共団体が、その職務の重要性を踏まえて、学校司書が継続的、安定的に職務に従事できる環境の整備に努めることが重要であると考えており、この点について、衆議院文部科学委員会の附帯決議においても示されたところで、しっかりとそうした政府及び地方公共団体の対応、また働きかけを行っていきたいというふうに考えております。

田村智子日本共産党

○田村智子君 副大臣にもお聞きしたいんです。  衆議院の審議でも紹介されていましたが、岡山の学校司書の皆さんの調査では、常勤の学校司書が一校に一人配置されている、そういう岡山市内の小学校、子供一人当たりの本の平均貸出冊数は八十三・三冊。ところが、同じ岡山県内の別の自治体、一人で三校兼務、こういう配置の学校では四十七・八冊とか三十一・五冊と、大きな差があるわけです。学校図書館の役割を発揮する上で、やはり専任、専門、正規、常勤ですね、この職員の配置がより大きな効果を発揮している、このことは確認できると思いますが、副大臣、いかがですか。

西川京子自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(西川京子君) 学校の司書につきましては、今先生がおっしゃったように、岡山市のような先進的な例、その他各地方自治体でかなりのいろんなケースがあると思うんですね。そういう中で、やはり学校図書館の運営に必要な職員として、地方自治体の自主的な取組として様々な形態の配置が進んできたと、そういうのが現状であると思っております。  今後、学校司書の職の在り方などにつきましては、地方公共団体が自主的に推進している取組ということに十分配慮しながら、文科省としてもしっかり検討していきたいと思っております。

田村智子日本共産党

○田村智子君 この法案によって、専門性を持った学校司書が専任で各学校一人、正規、少なくとも常勤で配置されるようになるのか、それとも非正規で、複数学校の兼務で、学校図書館の整理係のような配置になってしまうのか。雲泥の差なんです。このことを学校司書として働いてきた皆さんは一番懸念をされている。  一九九七年、前回の学校図書館法の改正では、司書教諭の配置が義務化される一方で、学校司書の配置については何も手当てがされませんでした。我が党は、この法案については、自治体が独自に予算措置をして学校司書を配置している学校で、司書教諭を配置したことを理由にその予算が縮小され、学校司書が外される、あるいは非常勤化する、そういうおそれがあるんじゃないかということで反対をいたしました。当時、学校司書について独自の施策を充実させるべきという附帯決議は付されました。しかし、その後の状況を見ると、残念ながら懸念が現実になってしまった自治体が少なくありません。  例えば、東京都の日野市。一九九〇年から嘱託職員を導入して、司書教諭が学校にいない状況をカバーするために、本の分類や整理、読書相談、図書室の環境整備など行われていました。しかし、司書教諭の配置が義務化された後、二〇〇三年にはこの独自の制度を廃止して有償ボランティアに置き換えてしまった。  また、岡山県倉敷市。学校司書配置は、臨時職員から始まって、皆さんの運動でようやく嘱託として一年を通した勤務というのが可能になった。ところが、司書教諭の義務化によって、退職者が出るとその後配置される方は臨時採用になってしまった。  司書教諭の義務化が結果的に学校司書の廃止や身分の不安定化につながった、こうした附帯決議とも逆行する事態が生じた、このことについて文科省はどのように受け止めておられるか、お答えください。

西川京子自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(西川京子君) 司書教諭は、学校図書館法において、学校図書館の専門的な職務をつかさどる者として位置付けられておりまして、その職務の重要性に鑑み、先生御指摘のように、平成九年の本法律改正によりまして、十二学級以上の学校においては必ず置かなければならないこととされているものでございます。そういう中で、結果として実は学校の司書のお仕事の方が、やや、その仕事が外されるというような、そういう事態があるという、今個別のお話でございますけど、その個別事案についてはちょっとまだ把握していないところがございますので、実態としては司書教諭と学校司書は連携して学校図書館の運営に当たっているものと認識しております。  今回、各学校の実態に応じそれぞれの役割が果たされていることを期待しておりますけれども、専任の学校司書がその職から外されたというようなこと、聞かれた場合もあるようでございますから、学校司書の職の在り方などにつきましては、今回衆議院における附帯決議を踏まえまして今後検討してまいりたいと思っております。

田村智子日本共産党

○田村智子君 文科省の資料を見ても、高校の学校司書の方などはぐっと非正規の方が増えたんですよね。増えているんですよ、この間も。常勤という方が逆に伸び悩んじゃっているというのがもう明らかに表れているんです。現在、この学校司書の皆さんからは、一九九七年の体験も踏まえて、専任、専門、また正規の学校司書配置を書き込んでいないこの法案が、非正規や無資格、また複数校兼務、こういう学校司書を増やしてしまうんじゃないのか、こういう全国の学校司書の配置、後退させるんじゃないかという懸念の声が連日ファクスでも寄せられているわけです。  提案者の方にお聞きします。こういう声をどのように受け止められますか。

笠浩史民主党・無所属クラブ

○衆議院議員(笠浩史君) 今委員御指摘のような事態が実際に起こるということは、決してこれはあってはならないことだというふうに考えております。  それは、私だけでなく、今日、衆議院の文部科学委員会の全ての委員も認識を共有し、その下で、先ほど申し上げたように、この附帯決議の中で、本法の施行に当たって、学校司書の重要性に鑑み、必要な学校司書の配置を進めることとし、その際、現在の配置水準が下がることのないように留意すること、また、政府は、学校司書の配置の促進のために現在講じられている措置の充実に努めるとともに、地方公共団体にその趣旨を周知するように努めること、また、政府及び地方公共団体は、学校司書の職務の重要性を踏まえ、学校司書が継続的そして安定的に職務に従事できる環境の整備に努めること等が全会一致で決議をされたものでございます。  ですから、この改正に合わせまして適切な対処を政府及び地方公共団体にしっかりと働きかけをしてまいりたいというふうに考えております。

田村智子日本共産党

○田村智子君 文科省にもお聞きします。  今回も自治体に対して施策の後退が起こらないようにと、これ委員会として附帯決議もこの参議院でも予定されているんですけれども、これはやはり一九九七年時の、同じことが、後退を一部であれ自治体の中で起こしたと、こういうことを繰り返さないことが本当に重要だと思うんです。  そうすると、文科省として、この法律の趣旨であるとか、あるいは先ほど答弁いただいた調査研究協力者会議で示された学校司書、担当職員ですね、の役割であるとか、あるいは先進的な取組であるとか、こういうことを丁寧にしっかりと地方自治体に周知を行うべきだと思いますが、いかがですか。

西川京子自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(西川京子君) 今回のこの学校図書館法の改正は、児童生徒の豊かな人間性を育む読書活動や確かな学力を育成する言語活動、探究的な学習の充実を図るために豊富な図書を有する学校図書館の利活用が大変重要である、このために学校司書の配置を努めなければならないこととするものと十分承知しております。  法案が成立した場合には、今回の改正法の内容やその趣旨について、そしてまた今回の附帯決議の趣旨も含めまして、施行通知や説明会において十分周知してまいりたいと思っております。

田村智子日本共産党

○田村智子君 法案では附則で、法施行後直ちに学校司書の資格や養成の在り方について検討を行うとなっています。学校教育についての知見が必要ということはもちろんですが、やはり土台となる専門性は図書館の司書としての図書館学等の知識だと私は思うんです。  司書資格を持つ学校司書の方にお話をお聞きしますと、子供たちが、分からないこと、知りたいことがあったら図書館に行こう、これが学校図書館だけでなくて、学校を卒業しても図書館を利用できるようにしていくんだと。そのために、学校図書館に図書館としての機能を持たせる、そしてその利用方法についても子供たちに指導している。とても大切だと思うんです。  学校司書の専門性の検討に当たっては、図書館の運営に関する専門知識、図書館学やその資格ということがとても大切だと思いますが、提案者の方の見解をお願いします。

笠浩史民主党・無所属クラブ

○衆議院議員(笠浩史君) 私も、今おっしゃったような、御指摘のような学校司書としての資格や専門知識は必要だというふうに思いますし、そうした意見もこれまでにも各団体の皆様方からも伺ってまいりました。  ただ、最も必要とされるこの学校司書としての資格や専門知識の中身については、御指摘のような図書館の運営に関する専門知識が必要だという意見、そのほか様々な御意見が関係者の皆様方の間からも出されております。そして、学校司書の配置については地方自治体の自主的な様々な取組が先行しており、現在も様々な資格の方々が働かれている現状にございます。  これらの点を踏まえまして、今回の改正案では附則において、「この法律の施行後速やかに、新法の施行の状況等を勘案し、学校司書としての資格の在り方、その養成の在り方等について検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。」、規定し、学校司書としての資格の在り方について検討することを明確にしたところでございます。  学校司書としての資格の在り方、その養成の在り方等の検討に当たっては、今御指摘のような御意見も含む様々な観点を踏まえながら、より良い学校図書館の運営が行われるように検討し、必要な措置が講じられるよう努力をしていきたいというふうに考えております。

田村智子日本共産党

○田村智子君 御答弁いただいたように、本当に専門性もあり知識もありという方を配置していくんだと。ところが、やはりその財政措置が、地方自治体への財政措置がそれにふさわしいものではなく余りに貧弱だと。これが専任、専門、正規の司書配置が難しい、学校司書配置が難しいという現状だと思うんです。  例えばある自治体、全員が常勤ではある、だけどその多くは一年更新、非正規だと。図書館司書の資格を持っているんだけど、給料の水準も低くて昇給も僅かであると。正規職員の拡大をということで、学校司書の皆さんは教育委員会に毎年のように要請しているんですけれども、今でも国の財政措置の基準をうちの自治体は上回っているんだ、現段階で正規枠の拡大は困難だと、こういうふうに答えられてしまうわけです。  非正規でしかも複数校に一人という配置が前提とした水準になっているんですね、地方財政措置が。専任で常勤の学校司書を配置するというのは本当に困難なんです。求められる学校司書配置を進めるためには、これ、地方財政措置の予算額だけでなくて、学校教職員への定数に入れるということまでも含めたような検討、これを行っていくことが必要だと思いますが、副大臣、いかがでしょうか。

西川京子自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(西川京子君) 文部科学省といたしましては、本改正法案において学校司書の職務の重要性というのは十分位置付けられましたし、皆さんの共通認識だと思うんですね。その中で、地方公共団体に対して丁寧な説明を行っていくということ、それから学校司書の配置の充実が図られるように十分私たちの方も説明をして努力してまいりたいと思っております。  地方交付税措置に関しましては地方団体が取り組むことが前提となっておりますので、文部科学省としては、まずこの実態の充実、地方公共団体に対して、この学校司書の大切さ、そういうことをしっかりと説明しながら、実態の充実をした後に地財措置が多分図られるものと期待しております。

田村智子日本共産党

○田村智子君 これ地方交付税の措置というのは、どういうふうな算定基準にするかというと、やっぱり前年度がどうだった、前々年度になるのかな、がどうだったかということを踏まえていくものですから、これ抜本的に拡充しようとしたときには、この交付税措置だけでやっていくのって非常に困難なんですよね。お聞きしましたら、文科省の方は、今だってこの財政措置は実情よりは高いんですよ、確かに配置されてないところがあるので実態よりも高い水準だと言うんですが、これでは本当に専門性発揮して学校司書の方々を配置できるというふうになかなか進んでいかないんですよ。  それだけに、これ立法府としての責任もあると思うんです、こういう法律作るからには。やっぱり、法律の施行後、引き続き資格や養成の在り方ということにとどまらず、そういう資格や、どう養成していくか、専門性のある方配置するんだと、じゃ、そのための予算措置というのはどうあるべきなんだろうかと。学校の教職員の定数の中に栄養職員のように入れていくことはできないんだろうか、栄養教員でしょうか、教諭でしょうか。そのように学校司書ということを定数の中に入れていくことはできないのか、そういうことも含めたやっぱり検討ということを、立法府としても法案を作った責任としてこれはやっていくことが求められると思いますが、どうでしょうか。

笠浩史民主党・無所属クラブ

○衆議院議員(笠浩史君) 委員御指摘のとおりだというふうに思っております。  今回の法改正はこれは議員立法によりなされるものでございますから、この改正後、更にどういう検討をしていくのか、あるいは更にこの環境というものを前へ進めていく、充実をさせていく、その責任は私どもも負っているものというふうに考えております。政府だけでなく、立法府であるこの国会においてもいろんな形からのやっぱり検討を行う必要があると思っております。  そしてまた、御指摘のように、この附則第二項の検討状況における検討主体を、私ども、そのため、国として、政府だけでなく、国会においても検討を行うことを明確にしたところでございます。  学校図書館の運営の改善及び向上を図るため、国会においても今後も現行の仕組みを含む様々な学校図書館の運営に関する事項について広い観点から検討をし、また必要な措置を講ずることができるように努力をしてまいりたいというふうに考えております。

田村智子日本共産党

○田村智子君 終わります。

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。     ─────────────

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、堀内恒夫君が委員を辞任され、その補欠として石井正弘君が選任されました。     ─────────────

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 本案の修正について田村君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。田村智子君。

田村智子日本共産党

○田村智子君 私は、ただいま議題となっております学校図書館法の一部を改正する法律案に対し、日本共産党を代表して、修正の動議を提出いたします。  修正案の内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。  これより、その趣旨について御説明申し上げます。  学校図書館は、学校教育をより豊かにする上で欠くことのできない基礎的な設備であり、学校における図書活動の中心として大きな役割を発揮することが期待されています。  学校図書館を図書館として十分に機能させるには、図書館司書など図書館の運営について専門性を有する専任の人の配置が必要です。そのためには、国の責任で学校図書館の専任職員を配置し、既に配置されている職員については、正規の専任職員として身分の安定を図るとともに、給与や研修の保障など、処遇の改善を図るべきであります。  この点、今回の改正案は、学校司書を法律上位置付ける点では一歩前進ではありますが、学校司書を置くよう努めることとすることにとどまり、専任の職員の配置義務付けまでは踏み込んでおりません。学校図書館の関係団体からは、学校司書を法律上位置付けるとともに、各校に専任、専門、正規の学校司書の配置を求める要望も出されております。  そこで、豊かな学校図書館活動をより発展させるために、司書教諭と協力して学校図書館の運営に当たる専任、専門、正規の学校図書館担当職員としての学校司書の配置を義務付ける修正案を提出するものでございます。  次に、修正案の内容について御説明申し上げます。  第一は、学校には、司書教諭に加えて学校司書を置かなければならないこととし、その職務は、司書教諭と協力して、学校図書館の専門的職務に従事することとしています。  第二は、学校司書の資格及び講習について規定を設けています。その際、現に学校図書館職員である者については、雇用形態のいかんを問わず、一定の経験年数と講習で学校司書に移行できるようにしています。  第三は、学校司書は、高校、中等教育学校、特別支援学校に必ず置くこととし、小学校、中学校においては特別の事情のあるときを除き必ず置くこととし、三年間で段階的に配置することとしています。義務教育諸学校においては、県費負担職員としています。  第四は、学校図書館及び学校教育において学校司書の果たす役割を勘案し、改正法施行後三年以内を目途として、学校司書の職務に応じた給与、研修その他の処遇に関し検討を行い、その結果に基づいて所要の措置を講ずることとしています。  これによる平年度の国庫負担の増額は約百五十億円を見込んでいます。  以上であります。  何とぞ、委員各位の御賛同をいただきますようお願い申し上げます。

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) ただいまの田村君提出の修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本修正案に対する意見を聴取いたします。下村文部科学大臣。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 学校図書館法の一部を改正する法律案に対する修正案については、政府としては反対であります。

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) これより原案及び修正案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  学校図書館法の一部を改正する法律案について採決を行います。  まず、田村君提出の修正案の採決を行います。  本修正案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 少数と認めます。よって、田村君提出の修正案は否決されました。  それでは、次に原案全部の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、松沢君から発言を求められておりますので、これを許します。松沢成文君。

松沢成文みんなの党

○松沢成文君 私は、ただいま可決されました学校図書館法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会・結いの党及びみんなの党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     学校図書館法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府及び関係者は、本法の施行に当たり、学校図書館が子供の育ちを支える重要な拠点であることに鑑み、次の事項について特段の配慮をすべきである。  一、政府及び地方公共団体は、専門的知識や技能を必要とする学校司書の職務の重要性に鑑み、学校司書の配置を進めること。その際、現在の配置水準が下がることのないよう留意するとともに、その配置の在り方について、将来的な学校司書の定数化や全校配置を含め、検討を行うこと。  二、政府は、地方財政措置など学校司書の配置の促進のために現在講じられている取組の充実に努めるとともに、地方公共団体に対し、その趣旨を丁寧に周知すること。  三、政府及び地方公共団体は、学校司書の職務が、継続的な勤務に基づく知識・経験の蓄積が求められるものであること等に鑑み、学校司書が継続的・安定的に職務に従事できる任用・勤務条件の整備に努めること。  四、政府は、司書資格の保有状況など学校司書に係る実態調査を速やかに実施すること。また、その結果を踏まえ、学校司書の教育的役割を十分に考慮した位置付け、職務の在り方、配置の促進、資質の向上のために必要な措置等について、検討を行うこと。  五、政府及び地方公共団体は、司書教諭の職務の重要性を踏まえ、十一学級以下の学校における司書教諭の配置の促進を図ること。  六、政府及び地方公共団体は、多くの司書教諭が学級担任等を兼務しており、学校図書館に係る業務に時間を費やすことが困難である現状に鑑み、担当授業時間数の軽減等の校務分掌上の工夫など司書教諭がその役割を十分果たすことができるよう、検討を行うこと。  七、政府は、司書教諭及び学校司書について、平成九年の学校図書館法の一部改正時の衆参両院における附帯決議のほか、今後の実態調査等を踏まえ、職務の在り方について検討を行い、その結果に基づいて所要の措置を講ずること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) ただいま松沢君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 全会一致と認めます。よって、松沢君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、下村文部科学大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。下村文部科学大臣。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時二十三分散会

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