文教科学委員会 第16号
- 発言数
- 278 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2014/06/03
会議録
○委員長(丸山和也君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、堀内恒夫君が委員を辞任され、その補欠として赤池誠章君が選任されました。 ─────────────
○委員長(丸山和也君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、文部科学省生涯学習政策局長清木孝悦君外一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(丸山和也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(丸山和也君) 地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○赤池誠章君 自由民主党の赤池誠章です。 第一次安倍内閣におきまして、戦後初めて教育基本法が改正をされました。そして第二次安倍内閣、下村文科大臣の下で改正教育基本法の実現に向けて教育再生への取組がなされており、国民の期待も高く、時宜を得た意義あるものだと感じております。 今回、その教育再生の一環として、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案、教育委員会改革を実施しようとするわけでありまして、以下、質問をさせていただきたいと思います。 文部科学省は毎年、全国各地、都道府県・政令指定都市六十七、市町村の教育委員会千七百二十を対象とした現状調査を行っております。その調査結果を見て真っ先に感じましたのは、首長と教育委員会との意見交換会が余り開催されていないのではないかということであります。都道府県・政令市の約四割、市町村の約六割が意見交換会を開催をしていないという調査結果でありました。首長と教育委員会との関係は、人事の関係や日頃の当然交流というのもあるのでしょうが、やはり正式な会合の中できちっと議論がなされていない、これで連携が大丈夫かということも感じたところであります。 改めて、今回の改正によりまして首長と教育委員会の連携は強化されるのかどうか、下村大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(下村博文君) 現行制度におきましては、首長は予算の編成、執行や条例案の提出、教育委員の任命等を通じまして教育行政に大きな役割を担っておりますが、御指摘のように、この首長と教育委員会の意思疎通が十分でない、そのため、地域の教育の課題やあるべき姿、共有できていないと、そういう課題があるということが指摘をされているところであります。 改正案では、地域の民意を代表する首長が教育行政に連帯して責任を果たせるような体制を構築するため、首長が現行の教育長と教育委員長を一本化した新教育長を直接任命、罷免する、また、首長による大綱の策定を義務化する、さらに、首長が招集する総合教育会議を新設し、首長と教育委員会が協議、調整を行うなどの案を今提出をさせていただいているところであります。 これらによりまして、首長と教育委員会が相互の連携を図りつつ、より一層民意を反映した教育行政を推進していくことを期待をしたいと思います。
○赤池誠章君 ありがとうございます。 教育委員会というのは政治的中立性ということが大事であるということは言われております。当然、政治的中立性は大事なわけでありますが、その政治的中立性という言葉が独り歩きをして、また行き過ぎることによって首長さんと教育委員会が意思疎通、議論をしなくてもいいかのようなことになってしまったら、これは政治的中立性の履き違えではないかというふうにも感じているところであります。 大臣が御指摘のように、住民から選ばれた首長でありますから、予算の施行権や条例の制定権もあります。しっかり教育委員会と連携をしていくということが教育行政を円滑に執行することにつながると思っているところでございます。 大臣が御説明になった今回の法改正は大変重要であるということは改めて認識したところであります。 さらに、先ほどの文科省の調査結果を見ていて気になる部分がまたございました。それは何かといいますと、保護者や地域住民の声が余り反映されていないのではないかということであります。学校や教育委員会事務局に寄せられた保護者や住民の意見というものを教育委員会会議において紹介をしているかという質問に関して、都道府県・政令市で二割弱、市町村では、身近な市町村でさえ四割弱しか意見紹介を会議の場で行っていないということであります。さらに、保護者や地域住民との意見交換会、公聴会等を開催しているのが、都道府県・政令市で五割、市町村で三割しかないという結果でございました。 当然、保護者が教育委員のメンバーに入っているということは平成十三年改正から行われて、ほとんどの教育委員会には保護者の方が入られているという結果もあるわけでありますが、それにしても、住民の意向を反映するということの教育委員会の役割からいうと、大変このデータというのは少ないなという感想を率直に持ちました。これはもっと当然実施されてしかるべきというふうに考えるわけでありますが、文部科学省として促していくべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。
○政府参考人(前川喜平君) 平成二十四年度におきまして、教育委員会の会議で学校や事務局に寄せられた意見等を紹介したという教育委員会は、御指摘がございましたとおり、都道府県・指定都市では一六・六%、市町村で三七・七%にとどまっているわけでございます。また、公聴会等によりまして保護者や地域住民の意見等を聴取し意見交換を行う機会を設けたという教育委員会は、都道府県・指定都市で五一・五%、市町村で三〇・七%となっております。 これらの取組は、教育委員会に義務付けられているものではございませんけれども、教育委員会の活性化のためのアイデアとして紹介し調査を行うことを通じまして普及に努めようとしているものでございます。 文部科学省といたしましては、各教育委員会が保護者や地域住民の意向を的確に把握し施策に反映していく機会を積極的に設けるよう、様々な機会を通じて今後とも促してまいりたいと考えているところでございます。
○赤池誠章君 教育委員会の特色として、いわゆるレーマンコントロールという、住民統制みたいなことが言われるわけであります。保護者を含めた住民の多様な代表を教育委員会に選任しているというわけでありますから、保護者や住民の生の声を教育委員会事務局が、数が多くなればきちっと整理して集約をした上で、教育委員会会議において議論の俎上に上せていくということは大変重要ではないかというふうに考えております。引き続き文科省として指導、助言をよろしくお願いを申し上げます。 次に、現行の地方教育行政法第十九条第八項には、教育委員会は、教育行政に関する相談に関する事務を行う職員を指定しなければならないと規定をされております。その指定状況というのはどうなっているでしょうか。また、指定していないところに指導していくべきではないかと考えますが、文科省の見解をお伺いいたします。
○政府参考人(前川喜平君) 文部科学省の調査では、平成二十四年度間におきまして、都道府県・指定都市で九八・五%、市町村では九一・四%の教育委員会で教育行政に関する相談に関する事務を行う職員を指定しておりまして、都道府県・指定都市でいいますと一・五%、市町村では八・六%の自治体が指定を行っていないという数字が出ております。 この規定は、これ地教行法第十九条の八項の規定でございますけれども、この規定は、教育委員会が住民から意見や要望に的確に対応するという観点から、その相談窓口を明示するために設けられたものでございまして、保護者や地域住民の意向を的確に把握し、施策に反映していくためにも重要なものでございます。 文部科学省としては、このような状況を改善する必要があると考えておりまして、今後、相談に関する事務を行う職員を必ず指定するよう指導を徹底してまいりたいと考えております。
○赤池誠章君 前問でも公聴会とか意見紹介という話を聞かせていただきまして、改めて、それは法律に定められていない、ただし当然やるべきだろうと。この教育相談に関してはもう法律に明記をされているということでありまして、改めて、法律に指定をしても、まあほとんどの教育委員会は指定をして教育相談をやっていらっしゃるということは分かるわけであります。これ、逆を言うと、一・五%都道府県・政令市、八・六%と、これ逆に計算すれば一体、それもどこがしていないかということは明確になっているわけでありますから、なぜ指定しないのか、その辺は理由は余りないと思います。その後は多分事務局の問題とかこの後質問させていただく問題があるとはいえ、積極的に、やっぱり教育相談というのは教育委員会の法律に明記された仕事であるということでありますから、もう来年はゼロ%、指定していないところがないということを是非文科省として強力に指導していただきたいと思います。 こういうところで例えば日頃から声を聞いたり、危機管理対応ですね、そういったところにどういうものがあるかということが見極める一つのきっかけになると思うんですね。当然いろんな多様な声がある中で、一つ一つ全てをどれだけ対応できるかというのは教育委員会の規模とかそういった問題に関わるとはいえ、その声をしっかり集約、分析するというのは教育行政をより良くする一つのきっかけになると思いますし、それによって教育行政が見直されて、またそれが保護者、住民にどうなったかという、こういう政策の好循環を実現するきっかけにもなると思っておりますので、是非ゼロ%に向けて指導をよろしくお願いをしたいと思います。 続きまして、住民の声を聞いたり教育相談をするためには当然事務局体制というものが大変重要になってくるわけであります。教育委員会の事務局、これも量、質、これ両面というものの充実強化が大変重要であります。残念ながら小規模な市町村ほど指導主事さんや事務局体制が脆弱ではないかという指摘も受け、また是非強化をしたいので支援をしてほしいという現場の声もあるわけであります。 改めて、指導体制が十分なのかということ、そして指導主事さん始めその育成支援のための研修はどうなっているのか、さらに事務職、教育行政職の人材育成を含めて、文部科学省の見解をお伺いいたします。
○政府参考人(前川喜平君) 教育委員会事務局の職員数が十人以下の市町村や充て指導主事を含め指導主事が置かれていないという市町村では、事務体制が脆弱であるために学校指導などが必ずしも十分に行き届いていないことが課題となっているわけでございます。このため、平成二十二年度より市町村に係る地方財政措置におきまして指導主事に関する経費が措置されていることを明示してきたところでございますけれども、今年度の地方財政措置におきましては、都道府県教育委員会における指導主事の地方交付税措置につきまして、十五名から二十一名と六名分を増員することといたしまして、都道府県教育委員会による市町村教育委員会に対する支援の強化を通じて、市町村教育委員会の学校指導体制の充実を図ることとしております。 都道府県教育委員会等におきましては、指導主事として必要な専門的知識や指導技術の習得のために、例えば新任の指導主事を対象とした研修でありますとか、授業改善など都道府県の重点施策に関わる研修、また都道府県教育委員会、教育事務所、市町村教育委員会の指導主事を対象とした教科別の研修などの研修を行っているところでございます。 また、文部科学省といたしましても、独立行政法人教員研修センターにおきまして指導主事等を対象とした研修を実施するなどの取組を行ってきておりまして、今後ともこのような取組を進めてまいりたいと考えております。 またさらに、教育長や教育委員を支える事務局職員の資質の向上に向けまして、教育委員会におきましては、教員出身者のみならず、教育行政の専門性を有する行政職員の計画的な育成が重要であります。また、一般行政部局との人事交流も含めまして、適切な人材育成が行われる工夫が必要であると考えております。 国におきましては、現在、様々な研修を実施しているところでございますが、今後、各都道府県教育委員会等とも連携いたしまして、更にその充実方策について検討してまいりたいと考えております。
○赤池誠章君 当然、第一線の教育委員会自体から、またこの衆参の国会審議の中でも、教育委員会事務局体制の充実強化というのは必要不可欠であるという認識だと思っております。引き続き文科省の支援をお願いをしたいと思います。 そのような中で、文部科学省の官僚の方々は、現在、各地の教育委員会に出向、派遣、地方自治体、教育委員会からの要請で各地域に数十名程度派遣をされているということを聞いております。文部科学省に入られると、研修として全職員の方が数週間各教育委員会に研修で行かれたり、また、Ⅰ種の方は課長レベルとしてまた各都道府県始め教育委員会に行かれたり、さらに、先ほど言いましたように、教育委員会からの要請で、是非次長さんとか教育長さんへというような形で文科省の方々が行かれているということは聞いているんですが、これは、財政上の問題はあるとはいえ、これ是非大臣に御検討いただいて、全ての職員が、若手の方ですね、数週間というのは本当研修と、まあ言ってみれば知る程度でありますから、やはり仕事として一年以上教育委員会に出向をしてきちっと仕事をしてくる。 文科省の役人の方々にとっては第一線を知るという大変貴重な経験だと思いますし、また、小規模になればなるほど教育委員会にとってもやはり即戦力の優秀な人材というのは大変有り難いことにもなると思っておりますので、そういう面での人事の交流、積極的な出向、派遣、これは押し付けになってはいけないわけでありますから、教育委員会の状況を見ながらということだと思うんですが、これだけ厳しい財政状況で、教育委員会の事務局体制の充実強化というものが要望が上がっている以上、お金とともに、人材という面で積極的な文部科学省がバックアップに行くということも是非御検討いただければなというふうに考えている次第であります。 次の質問なんですが、現在、約五割の市町村において、教育委員会会議の議事録が公表されていないという、文部科学省の教育委員会現状調査で明らかになっております。その理由というのがどのようなものと把握をしているか、また、今回の法改正によって議事録の公表、作成というものが努力義務と盛り込まれているわけでありますが、できるだけ議事録の作成、公表がなされるよう文部科学省として促していくべきだと考えております。御見解をお伺いいたします。
○政府参考人(前川喜平君) 平成二十四年度におきまして、教育委員会会議の議事録若しくは議事概要を公開していないという市町村は四八・七%となっております。公開していない理由につきましては市町村の規模や状況に応じ様々と考えられるわけでございますが、例えば、これまで議事録や議事概要の開示を求められたことがないというケースでありますとか、法律上義務付ける規定がないため、公開はしていないけれども請求があれば開示しているというケース、また、職員の人数が少なく、通常業務に加えて教育委員会のやり取りを一言一句記録し、委員への照会、訂正、さらには個人情報等に係る取扱いの決定、ホームページへの公表という一連のプロセスを行うのは負担が大きいというケースなどがあると聞いているところでございます。 今回の改正案におきましては議事録の作成、公表を努力義務としておりますが、これは、全ての教育委員会に対しまして議事録の作成、公表を義務付けることが、特に事務局の人数が少ない市町村教育委員会などにおいて過大な事務負担となりかねないということを考慮したものでございます。 しかしながら、住民への説明責任を果たし、その理解と協力の下に教育行政を行うことは重要でありますことから、法案が成立した暁には、施行通知や説明会等の機会を活用いたしまして、可能な限り議事録を作成し、公表するよう指導してまいりたいと考えております。
○赤池誠章君 当然、全て、行政にとどまらず、物事を進めていくために記録を取るというのは大変大事なことでありますし、それがどのように次につながったのか、できるできない含めて、それが住民に密接になった教育であればなおさらだというふうに思っておりますので、引き続き御指導いただきたいというふうに思っているところであります。 その中で、現行の地方教育行政法第二十七条では、教育委員会は、毎年、自己点検、評価を行い、その結果を議会に報告するとともに公表するということが規定をされているというふうに聞いております。その実施状況というのはどうなっているでしょうか。また、実施していないところにはこれもまた指導していくべきではないかと考えますが、文部科学省の見解をお伺いいたします。
○政府参考人(前川喜平君) 文部科学省の調査では、平成二十四年度間におきまして、都道府県・指定都市では全ての教育委員会で点検、評価が実施されているわけでございますけれども、市町村におきましては九四・八%にとどまっているという数字でございます。 この点検・評価報告書の議会への報告の方法といたしましては、本会議、委員会等で説明し審議するというものが都道府県で一三・四%、市町村では一二・八%、本会議、委員会で説明するというもの、これが都道府県で四三・三%、市町村で三三・二%、書面による提出のみというケースが都道府県で四三・三%、市町村で五三・六%という形になっております。 実施していない理由について市町村に聞きましたところ、自治体独自の事務事業評価を別途行っているので地教行法に基づく点検、評価を行っていない、あるいは首長部局実施の事業評価との関係を整理している、あるいは、これはやむを得ない事情かもしれませんが、東日本大震災の影響により実施できなかった、このような理由が聞かれているところでございます。 しかしながら、この地教行法二十七条は必ず守っていただかなければならない規定でございます。文部科学省といたしましては、点検、評価の実施は、議会や住民への説明責任を果たす観点から重要であり、法律で義務付けられているものでありますことから、今後指導を徹底してまいりたいと考えているところでございます。
○赤池誠章君 私どもでさえ点検・評価書がどのような形かということを審議の過程でなければなかなか目にすることも少ないということもありますので、議会に送る、当然、議会、地方議会の方々も教育に関しては大変熱心に取り組まれている地域が多いというふうにも思っておりまして、その中でどのような形で自主点検、評価がなされているかということを有機的に、もっと積極的に公表すれば、より良い審議、またより良い地方教育行政につながるというふうに思っておりますので、その辺、当然、内容的にどうなのか。これはそれぞれ地方に任されたこととはいえ、やはりこれ文部科学省としても、全体として、一々どの地域にホームページでチェックしに行くとか公表するしないがありますから、まずそういった情報を一度集約して、各地域でこのような形で点検、評価がなされているということを情報アクセスみたいな形でホームページ上にきちっと、一覧表でもいいので、やっていただくようなことも是非御検討いただきたいなというふうに思っているところであります。 続きまして、学校の裁量拡大について御質問をいたします。 現在、学校管理規則で学校の各種取組について許可、承認による関与を行わないこととしている全国各地の教育委員会がほとんどだというふうに聞いております。それで、逆に、裁量権を任せて非常に責任ある学校運営、独自の学校運営、特色のある運営をしていただくというプラス面と同時に、任せきりにはなっていないのかという逆の懸念も感じておりまして、そのような形で、裁量拡大で学校に権限をお渡しすることによるデメリットですね、それで一体学校実態が果たしてどれだけ把握ができるのかという、そんな懸念もございます。改めて文部科学省の見解をお伺いいたします。
○政府参考人(前川喜平君) 各学校がそれぞれの教育理念や教育方針に基づき、地域の状況等に応じまして自主的、自律的な学校運営を行えるようにするために、各自治体では、学校予算の配分方法の工夫等によりまして学校の裁量を拡大したり、また学校における日常的な取組について教育委員会の許可、承認に係らしめず、学校の自主性を促すなどの取組を行っているところでございます。 ただし、学校における補助教材の使用につきましては、現行地教行法第三十三条第二項によりまして、教育委員会の承認に係らしめない場合におきましても必ず教育委員会への届出を行わなければならないこととされておりまして、教育委員会においてその実態を把握しているわけでございます。 また、各教育委員会におきましては、学校に対して様々な調査を行うとともに、指導主事や人事を担当する管理主事等の事務局職員が日常的に学校を訪問いたしまして、校長や教職員との面談を行って学校運営の状況を把握しているものと承知しております。 それ以外にも、教職員を集めた会議や研修、保護者や住民からの御意見等の機会を通じまして学校の状況を把握し、必要に応じ指導を行っているものと認識しております。
○赤池誠章君 以上、現行の法律に基づいて、各教育委員会の実態について御質問をさせていただいております。首長と教育委員会の連携、保護者や住民の意見集約、教育相談、指導や事務局体制、議事録公表、点検、評価、学校裁量の拡大という、そういった仕組みを御質問させていただきました。 これが好循環に回れば大変自主的で地域の個性に合ったすばらしい地方教育行政ができるという反面、これが歯車が崩れて、危機管理体制の不備であったり、逆に、国は地方に任せている、地方は教育委員会に任せている、教育委員会は学校に任せているというような形で、これが悪い方に回れば無責任体制みたいなものの連鎖、悪循環になりかねないということにもつながるんではないかなということも感じているところであります。 文部科学省は毎年、御質問させていただいたり、また局長が答えていただいたように、教育委員会の現状調査というものを行っているわけでありますが、今回の法改正をきっかけにして、当然、地方分権、地域の自主性を重んじるということと同時に、法律を我々このような形で議論する以上は、実態が分からないとこの法改正が果たしていいかどうかも分からないと。これがまた、全国これだけの、先ほど言ったように千七百以上の多様な自治体、教育委員会が自主的にやっていると、これが例外なのか、全体の一つの特色なのかということの見極めもこれなかなか難しいところがあるということでありますから、改めて、毎年やっている文部科学省のこの教育委員会の現状調査、是非、これを見たら全体としての実態が分かるということのような形で更に工夫をしていただいて、調査の充実強化ということも是非検討していただきたい。そして、それを文部科学省としても、地域の自主性に任せるんだけれども、情報に関しては文部科学省の、先ほど言いましたように、ホームページのこの部分見れば全国各地域の教育委員会の取組が分かるというような形でのポータルサイト的な情報集約ということはできるのではないかなというふうに思っておりますので、是非御検討をいただければなというふうに思っている次第であります。 続きまして、今回の法改正によりまして権限が強化された新たな教育長ということでありますが、これ、人格、識見のすばらしい方を首長さんに任命していただくということなんですが、これをどのような形で評価し任命をするのか。また、任期が三年間ということであります。権限が強化をされているわけでありますから、三年間の教育長の職務の実施状況は誰がいつどのような形でチェックするのかということが大変大事になってくるというふうにも感じております。文部科学省の見解をお伺いしたいと思います。
○副大臣(西川京子君) 御承知のように、この今回の改正案におきましては、教育行政の責任体制をより明確化するということで、教育委員長さんと事務局を総括する教育長、これを一本化したわけでございます。ですから、当然新たに、教育行政に識見があるものという、教育委員とは別の要件、これが加わってくることが考えられます。 そういう中で、教育行政に、じゃ、識見があるものとはどういうものかと。これは、教育委員会の事務局やあるいは教職員の出身者には限らない、教育行政を行うに広く識見を有した必要な資質を備えていれば幅広く該当するものという解釈を持っております。特に改正案におきましては、新教育長は首長が議会の同意を得て直接新教育長を任命するわけですので、もちろんこの首長の人を見る目も問われるわけでございますけれども、首長により任命責任が明確にあるということになります。議会による新教育長の資質、能力のチェック機能もそれだけ厳しくなるということだと思っております。 それと、先生が御指摘の、では、そのチェック、事務執行のチェックはどうなっているんだと、そういうことに関してでございますが、教育長の罷免や解職要求については現行法の教育委員と同様の要件を規定しております。特に、罷免要件につきましては、新教育長が常勤の職であり、他の委員と比べてもより幅広い職務を担当する者ということでございますので、負っている職責に応じて罷免事由の一つである職務上の義務違反と判断されることにはかなり様々なケースがあると思われます。 そういう中で、教育委員による教育長のチェック機能を強化する観点からも、教育委員の三分の一以上の要求があれば会議を招集しなければならない、そして教育長は遅滞なく会議を招集し議論をしていかなければいけないということが十四条二項で改正案の中に書き込まれております。教育長が教育委員会から委任された事務の管理、執行状況についてはまた報告をしなければならないということが改正案の第二十五条三項にも規定しております。 以上のようなことを総合的に考えまして、新しい教育長の、より幅広い人材の中から選ばれ、なおかつその執行状況を厳しくチェックする、そういう体制は整っているのではないかと考えております。
○赤池誠章君 当然、権限が強化をされるとなるとそこに責任という大変重い使命が課せられてくるわけでありまして、当然、首長さんもリコールみたいなこともあるわけでありまして、教育長さんはそのようなことはないと信じたい反面、でも制度的にはきちっと直接請求、リコールもできるということがあって、それだけ重い職務だということがますます教育委員会、今までもそうだったんですが、より今後も問われてくるということだと思っておりますので、この制度的な担保がしっかりできているということを確認をさせていただいたところであります。 次に、今回の法改正の契機というのは、御承知のとおり、いじめ自殺事件でありました。改めて現在、大変痛ましいわけでありますが、子供の自殺数、いじめ数がどれくらいあって、その推移はどうなっているのか、その原因把握は、また再発防止策というのは十分なのかと。さらに、今回の法改正、教育委員会改革によって、いじめ事案に対する対応、ましてや自殺なんというものがあってはならないわけでありまして、改めて文部科学省の見解、決意をお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) いじめの問題については、いじめは絶対に許されないとの意識を社会全体で共有し、子供を加害者にも被害者にも傍観者にもしない、そういう教育を実現することが必要であると考えます。 いじめの認知件数につきましては、ここ数年間は七万件台で推移をしておりましたが、平成二十四年度の文科省調査では小中高等学校合わせまして約十九万八千件となりまして、大津の事件もありまして大幅にこの認知が進んだところであります。これは、いじめが多くなったというよりは、そういうふうに認知されたということでもあるのではないかと思います。 文科省としては、昨年成立したいじめ防止対策推進法を踏まえた必要な対応が各地で適切に実施されるようしっかり取り組んでまいりたいと思いますし、また、これに併せて各自治体でも条例等を作っていただくことによって、それぞれの自治体でも努力をしていただきたいと思います。 また、子供が自ら命を絶つということは理由のいかんを問わず決してあってはならないことでありまして、自殺予防に向けた取組は教育上の重要な課題であります。平成二十四年度の文科省調査による自殺者数は小中高等学校合わせて百九十五人となっておりまして、ここ数年は微増、減増を繰り返している状況があります。 現在、有識者会議におきまして、子供の自殺の原因把握や再発防止のため、子供の自殺が起きたときの調査の指針について、調査組織の設置の在り方や調査で得られた情報の取扱い等に関し必要な見直しを検討しているところであります。さらに、児童生徒を直接対象として自殺予防教育を導入する場合の配慮事項など自殺予防教育の在り方について検討しておりまして、これらについては六月中にも結論を得る予定でもあります。 今回の地教行法の改正によりまして、教育長の責任が明確化するということから、いじめ事案への対処についても教育長がまず責任を持って取り組むこととなります。また、教育長は、教育委員会の主宰者となるということでありますので、迅速に教育委員会を招集していじめ事案への対処方法を決めることが可能にもなるわけであります。 また、首長が総合教育会議を招集していじめ事案等の緊急の場合に講ずべき措置について協議することによりまして、首長と教育委員会の連携による効果的な対応も更に可能になってくるわけであります。加えて、学校や教育委員会の対応についての事後検証や再発防止策の検討、立案について総合教育会議で議論することも考えられます。 こうした取組によりまして、いじめなどの事案についても迅速かつ適切に対応できるようになるものと考えております。
○赤池誠章君 是非、いじめ、特に自殺というものは根絶するという強い決意の下、大臣の強いリーダーシップで引き続き対応をよろしくお願いをしたいと思います。 そこで、気になりますのは、地方分権、国の関与の問題であります。教育委員会制度というのは、御承知のとおり、戦前の中央集権、国家統制が過ぎるというその反省から、昭和二十三年にGHQの占領政策の一環ということもありまして導入をされました。その後、三十一年に見直しがなされて今日まで、地域の住民の意向を反映した主体的な教育行政、そして地方公共団体の責任の拡大という、地方分権化ということが一貫して図られてきたわけでありますが、しかしながらその一方で、今回のようないじめ自殺のような危機管理問題が起こるたびに、当然、その当該の教育委員会の問題とともに、国民の皆さん、国、文科省は一体何をしているのかというふうに批判、指摘もされるところであります。 しかしながら、文部科学省は、御承知のとおり、指導、助言、援助という法的拘束力のないという権限しかもうないわけでありまして、当然、法令違反があれば是正の要求はできても、指示ができない。平成十九年改正によりまして子供たちの身体や生命の危機があれば指示ができるといいながら、一度も使わないと。今回も、法改正がなされてより強力になったという指摘がある反面、まさに伝家の宝刀ということで、これをなかなか、指示というのは難しいということも指摘をされているわけでありまして、伝家の宝刀でいいんですが、これ抜かずの宝刀になってさびついてしまわないかという、そんな懸念も逆にあるわけでありまして、国民は、国はもっとしっかりやってくれ、文科省しっかりやってくれ、でも実態は地方に任されているんですよというこの乖離というのは相当大きいのかなと。 国民の理解としては、地方分権ですからと言えば分かっていただける反面、やはりいざ何かあればきちっと国がやっていくというところが大事ではないかというふうに思っていまして、私自身は、個人の意見でありますが、やはり最近は地方分権そのものが行き過ぎているんではないかというふうな懸念を持つところであります。教育は国家百年の大計と言いながら実は自治事務だという、このずれが相当今後も課題になるんではないかなというふうに思っています。 そんな中で、行き過ぎた地方分権の悪い例ということになるのかもしれませんが、最後の質問として、教科書採択問題がございました沖縄県の竹富町の対応について、地方自治法に基づいて違法であるとして是正要求をしているわけでありますが、今後の文科省の対応について御見解をお伺いいたします。
○政府参考人(前川喜平君) 沖縄県竹富町教育委員会は八重山採択地区協議会の規約に従ってまとめられた結果と異なる教科書を採択しているわけでございまして、これは、共同採択地区内の市町村は協議して同一の教科書を採択しなければならないと定めた教科書無償措置法に違反するものであります。このため、本年三月、竹富町教育委員会に対しまして地方自治法に基づく是正の要求を行ったところでございます。 一方、このような中、先月、沖縄県教育委員会は竹富町を単独の採択地区とすることを決定いたしました。この決定は必ずしも教科書無償措置法の共同採択制度の趣旨に即したものとは言い難いわけでございますけれども、採択地区の決定は、法律上、都道府県教育委員会の権限とされておりますため、文部科学省としては沖縄県教育委員会の決定をそのとおり受け止めざるを得ないわけであります。 竹富町が単独採択地区とされたことによりまして来年度以降竹富町において使用される教科書につきましては違法性の問題は生じなくなるわけでございますが、今年度使用している教科書の採択についての違法性は何ら変わるところはございません。そのため、法律論としては、さらに、違法確認訴訟を提起するということも可能であるわけであります。 しかし、訴訟には一定期間を要するために、学年の途中で使用教科書を変更すると生徒の学習上の支障が生じかねないこと、年度を超えて判決を得て竹富町の違法が確認されても実質的な意義がないと考えられることから、あえて提起することはしないということを文部科学省として決めたところでございます。
○赤池誠章君 教育というのは、当たり前の話なんですが、知徳体、学力、体力、そして規範力、身に付けさせる。その教育の執行機関である教育委員会自らがルールを守らない。地域の住民、様々な事情があるとはいえ法令を守らないということはあってはならないことだと思っております。先ほど言いましたように、行き過ぎた地方分権の実例だと思います。このようなことが許されるのであれば法治国家は成り立たないと、そのことを強く訴えて、私の質問を終わらせていただきます。
○二之湯武史君 自民党の二之湯武史です。 私は、まず、今回の法改正の理念といいますか、そういうところからお聞きをしたいというふうに思っております。 当初、教育委員会の在り方に関して我が党でも大きな議論がございました。当初、政府から出てきたA案というものに対して、いや、A案は行き過ぎだ、B案だと、こういうところから始まりまして、つまり教育行政というものの在り方、その理念というものが私は大きく議論されているというふうに思っております。 個人的には、私はA案というものではやや行き過ぎだと、そういう観点で自民党でも議論させていただきました。つまり、教育行政というものが、地方自治体において首長部局の一つの局としてなされるべき行政なのか、それとも、教育委員会というものを執行機関として置いて、ある種首長から独立した行政委員会として行う行政分野なのかと、そもそもそういった根本的な教育行政の在り方、こういったものから、私は今回、この法改正において、我が党ないしこの委員会でも議論されているというふうに考えます。 本日は、大臣お越しですので、そういった一番根本的なところにおける大臣のお考え、教育行政というのはいかにあるべきかと、こういうことに関して是非、まず根本的な見解をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 教育は人格形成の途上にある児童生徒に対して重大な影響を与えるものでありまして、誤った教育が行われるということになりますと取り返しが付かないことになってしまうわけであります。とりわけ、そういうことから、教育におきましては政治的中立性が求められるのではないかというふうに認識をしております。 このため、今回の改正案は、教育の政治的中立性、継続性、安定性の確保に留意をしつつ、教育委員会を引き続き執行機関として、総合教育会議の設置、また大綱の策定を通じ、首長が教育行政に連帯して責任を負う体制を構築するというふうにしたものであります。
○二之湯武史君 ありがとうございます。 今の御答弁、私なりに理解するのは、教育というのは、いわゆる政治的な中立性、安定性、継続性というものが求められるがゆえに、他の例えば産業政策や社会福祉政策、そういったものとはある種違うと。そういった中で、さはさりながら、今回の大津のような重大事案、これに有機的に対応できなかったと、こういう反省を生かして、首長のある種のリーダーシップというものも最大限生かしていくと。そういう中での非常に現実的な改革案になったというふうに私は個人的には評価をしているところでございまして、先ほど赤池委員からもありましたが、今回の改正によって、あのような重大な事案に対して今まで以上に機動的に対応できるんだということを私もお聞きしようと思ったんですが、先ほどの御答弁において、総合教育会議というものが設置をされて、そして今まで以上により柔軟にスピーディーに対応することができると、こういう御答弁だったというふうに私は理解をしております。 そういった中で、もう一点、私もまさに大津の地元、滋賀県選出の参議院議員でございます。いろんな形で地元の方ともお話をしたり、やっぱりそれぞれいろんな事情等々もございました。そういった中で、やはり教育委員会組織若しくは当該学校のいわゆる村意識といいますか隠蔽体質、そういったものもやはり今回あったということは見逃せないというふうに私は思っております。 それは各自治体、各教育委員会によって組織の在り方若しくは組織の風土というものは違いますが、概して教員出身者が教育委員会の事務局ないしは教育委員会の幹部、いわゆる教育長といったところに、ポストに就けば、これは一般論ですが、そういう傾向が高いと。そういう委員会においては、やはりなかなか、身内を切るというか、自分の部下なり上司なりを、それもずっと同じ教育の世界にいた人たちを客観的に若しくは組織のガバナンスとして適切な対応を取ることが組織の論理として難しくなっていると、こういう現状は残念ながら認めざるを得ないというふうに私は思っております。 そういった中で、今回のこの教育委員会の改革によってそういった教育現場や教育委員会のガバナンス若しくはそういった身内意識といったものが改善をされるのであろうか、若しくは改善をされるとすればどのような論理でそういったものが期待できるのかということを改めてお聞きをしたいというふうに思います。
○副大臣(西川京子君) 先生、滋賀の御地元で大変いろいろと間近にそういう体質を見てこられたからの御質問だと思います。 その中で、確かに、各、全国の教育委員会、非常に濃淡があったと思うんですね、本当に機能しているところと、まあはっきり申し上げて形骸化しているところ。そういう意味では、今回の改正は全国の教育委員会が押しなべてそこまで濃淡がないような形で動いていかざるを得ない制度にしたと言えるのではないかなと私は思っております。 一つのこととして、やはり責任体制が明確化された、教育長に責任体制が明確化、一本化されたということだと思うんですね。まず、責任を持ってこの教育長さんがまず問題が起きたときに取り組む、そして教育長自身が教育委員会の主宰者でありますから、迅速に教育委員会を招集してその問題対処に当たって方針を決めることができるということでございます。 それともう一方では、片方の責任者である首長が招集して総合教育会議を開ける、そこで本当に明確な責任を持っている同士がきちんとした意見の調整あるいは協議をできるという、この制度によってかなり首長と教育委員会の連携による効果的な結果が得られる、可能になると思っております。 そしてもう一つ、隠蔽体質ということですが、教育委員会及び総合教育会議は原則公開であるということで、議事録についても作成、公表が努力義務とされたところでございます。こういうことをきちんとやっていただければ、その隠蔽体質、そして迅速に対応すると、そういうところはかなりの部分、改善されるのではないかと思います。
○二之湯武史君 是非、今御答弁いただいたような内容で、そういう方向性で現場が動いていくということを心から念じるものでございます。 〔委員長退席、理事石井浩郎君着席〕 一方で、今回のこの改正によって、ある意味では教育委員長というポストがなくなったと、教育委員長と教育長を合体させたというよりも、実質的には教育委員長というポストがなくなって、より教育長というものの、名実共にまさに教育行政の責任者となったというふうに私は理解しているんです。 うまくいっている教育委員会、例えば、私、京都出身です。京都市で教育を受けましたが、個人的にも、今の門川さんや前の桝本さんという市長さん、共に教育委員会御出身で、京都市なんかはいわゆる行政マンというものも教育委員会のプロパーでございまして、そういった非常に先駆的な取組をしているところ、そういう教育委員会においては今回の改正案のようなことをもう既に実地で行っていると。さっき副大臣がおっしゃったように、そういうものを全国にある程度緩やかに強制をしていくという中で、そういう運用を是非改善ができるように期待をしていると、こういう中身だと思うんですが。 先ほど申し上げたように教育長というものが名実共に教育行政における責任者になっていくという中で、やはり特に小さな自治体、こういったものを中心に、それだけの本当に資質若しくは能力、経験、識見、こういったものを備えた教育長というものを、先ほどお話あったように千八百人弱ぐらい必要なわけですけれども、そういった人材を本当に発掘できるのかと。 今、民間出身の教育長の方も増えておられます。私は個人的な偏見というか先入観を持っておりませんが、我が県下でも民間出身の教育長という方が何人か若干名おられますが、やはり今までの在り方ではないというか、やはり民間なり様々な自分の人生経験若しくはガバナンスにおける様々なノウハウを実際教育委員会に導入をして、そしてそれまでになかったような画期的な取組をされているという方は概してそういう方が多いと、これは一般論ではございません、私の見た範囲の具体論ですが。 そういった中で、教育長というものの資質若しくは能力の開発、そういったものにおける今まで以上の取組というのがこれから求められるのではないかなというふうに思っております。 先日、当委員会の参考人質疑においても、兵庫教育大学の学長さん来られましたけれども、当大学ではいわゆる教育長を養成するという特別なカリキュラム、それもいわゆる行政的な手腕だけじゃなくて、実際、各皆さんも選挙区なりで行かれたら、教育長というのは、教育行政も当然行っておられますけれども、各地域に回ったり、我々議員とも付き合いをしたり、地域の自治会長とか様々な各種団体、こういった方々とのお付き合いというのもこれも一つの業務なんですね。こういったものが、含めて、総合的な、まさに政治的な能力も行政的な能力もこれもう統合して必要だというのがこの教育長というポストだと思うんですが、そういった教育長を今まで以上に合理的にカリキュラムで更に研修を積んでいくというようなもの、そういった取組というのが今まで以上に必要になるんじゃないかなと私個人的には思っているんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 今回の改正によりまして新教育長は教育行政にこれまで以上に大きな権限と責任を有することになりますことから、その人選でありますとかその人材の確保は極めて重要でございます。 教育長の人材の確保に当たりましては、先ほど御指摘のございましたように、京都市の教育委員会におきましては専門性を持った人材の計画的な育成ということについて取り組んでおられるということで先進的な事例であるというふうに考えております。 また、教育長の資格要件につきましては、当該地方公共団体の長の被選挙権を有する者のうちから任命するということになっておりまして、必ずしも当該地方公共団体に住所を有する者である必要はないわけでございますので、小規模な自治体におきましても、広い視野に立ちまして教育長にふさわしい人材を確保する努力が期待されるところでございます。 その教育長の資質の向上につきましては、昨年十二月の中央教育審議会の答申におきましても、「教育長には、強い使命感を持ち常に自己研鑽に励む人材が求められ、「学び続ける教育長」の育成を担保するため、国、都道府県、大学等が主体となって、現職の教育長の研修を積極的に実施することが必要である。」、その際、「教育の専門的知識だけではなく、福祉、雇用、産業、環境等様々な分野に関する知識の習得が求められる。」とされているところでございまして、教育長のリーダーとしての資質や能力を高めるための方策といたしましては、現在、国におきまして市区町村の教育長等を対象といたしまして事例発表でありますとか研究協議等を行う研修会を実施しておりますが、御指摘のありました兵庫教育大学におきましても市区町村教育長のリーダーシップを支援することを目的といたしました研修プログラムを実施しているところでございまして、今後、こうした取組につきましても充実を図ってまいりたいと考えているところでございます。
○二之湯武史君 是非その部分の充実、一層の充実ですね、若しくはその回数を増やすとか研修時間をもっと増やすとか、そういう実質的な取組を是非期待をしたいと思います。 先ほど申し上げましたように、教育委員会において教育委員長というものが実質的になくなるという中で、今までですらなかなか審議等々が活性化してこなかった教育委員会のいわゆる平の委員さんですね、平委員さんの役割とかモチベーションというものが今まで以上に低下をしてしまうんじゃないかと、そういうような懸念をする嫌いもこの前の参考人質疑の点であったんですが。 そこに関しては、もしそういう事態になってしまいますと、いわゆる教育委員会がその本質としているレーマンコントロールというものが弱まってしまう。ある種でいうと教育のプロである教育長さんと政治家である首長がリーダーシップを持って教育行政を推進していく、こういう点は非常に評価できることだと思うんですが、一方で、教育委員会の本来の建前であるレーマンコントロールというものが弱まる可能性もあるのではないかと一方で指摘する専門家もいるわけですけれども、その点についての見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(前川喜平君) 今回の改正案におきまして、教育長と教育委員長を一本化した新教育長は、日常的な事務執行をつかさどり、教育委員会の招集権を有するなど権限が強化されるわけでございますが、一方で、合議体である教育委員会の意思決定に基づき事務を執行するという立場であるということについては変わりはございません。 また、今回の改正案におきまして教育行政の責任者としての教育長のリーダーシップは高まるわけではございますけれども、教育委員の職業等に偏りが生じないよう配慮するとの現行法の規定も維持しておりまして、教育の専門家ではない一般の住民の意向を教育行政に反映していく必要があるということから、いわゆるレーマンコントロールの考え方を引き続き維持しているところでございます。 なお、今回の改正案におきましては、教育長の権限が他の委員と比較して強いものとなりますことから、議会や教育委員のチェック機能を強化するという観点から、教育長の任期を教育委員よりも一年短い三年としているほか、教育委員による教育長のチェック機能を強化するという観点から、教育委員の三分の一以上の委員から会議の招集を請求された場合には教育長が遅滞なく会議を招集しなければならないこと、また、教育長が教育委員会から委任された事務の管理、執行状況について報告しなければならないことなどが規定されているところでございます。
○二之湯武史君 要は、今までの答弁というものをよく考えますと、確かに教育委員会の制度改革は行いますと。しかし、今までの制度でもうまくやっている自治体というのは存在をしているわけで、例えば総合教育会議のようなものを週に二回、三回、首長と教育長が行っている、若しくは教育委員も入れてやっているというような自治体も実際あるわけでして、やっぱり、何というんですかね、そこのみそというのは、いかに制度改正を運用の改善につなげていくかというところだと思うんです。 運用の改善をしていくのには、これはある種のパラドックスがあるんですが、長年のノウハウの蓄積が必要だと思うんですね。特に京都市なんかを見ていますと、やっぱりもう数十年にわたってそういう教育プロパー行政職員の育成であるとか様々な市長部局との人事交流であるとか、若しくは、先ほど申し上げたように、教育長というのは、教育行政にとどまらず、町の地域の人々やステークホルダー、様々なステークホルダーとのコミュニケーション、そういったものも一朝一夕にできるものではないと思うんですね。 だから、制度改正をして一気に良くなるというのではなくて、やはり長年組織として組織風土とか組織文化というものが高まっていく、それはやはり何にも増して様々なノウハウ、運用を蓄積していくということだと思うんです。ですので、制度改正によって全てが良くなるというようなものではなくて、やはりそれぞれの組織が自らの運用をそれぞれ改善をしていくと、こういったことが私は今回の制度改正において一番大事なことだというふうに思っております。 ですので、運用を改善していくと、こういうことを是非文科省としても各自治体、教育委員会に指導をしていただきたいというふうに思っておりますし、それぞれのうまくいっている教育委員会の事例というものを、先ほどもおっしゃいましたが、そういうものを、やはりうまくいっているところというのは、教育長のリーダーシップなり、先ほど申し上げたように組織としての運用の蓄積なり、そういったものがあるわけですから、そういう好事例を全国に、やっぱり横のつながりとして様々な場を活用して様々な教育長に伝えていく、共有をしていくと、こういった取組においても是非、文科省、リーダーシップを持って今まで以上にやっていただきたいというふうに思います。 ここからちょっとあれなんですけれども、要は教育再生、これは安倍内閣の二本柱の一つであります。 その教育再生の中身、今回のこの教育委員会というのは、やはり主に初等中等教育というところが主眼になっているというふうに思いますが、私は、これは前回、前回というか前の委員会でも質問をしましたが、学力という結果だけ見れば初等中等というのは非常に私はうまく機能している面も多いというふうに思います。特に、国際的な学力調査等々でいえば、日本の小中学生の学力というのは非常に世界で見ても高水準にある、これは我々自身が誇るべき事実だと思います。一方で、高等教育、特に文系の高等教育、職業教育というものが世界的に見ても非常に低い水準にとどまっていると。つまり、私は、初等中等と高等教育というのが車の両輪のごとく動いて初めて教育再生というものが完成するというふうに個人的には考えております。 ですので、今回の教育委員会制度改革というのは、初等中等の部分でうまくいっている中でも、やはりいじめ自殺のような非常に重大な事案、様々な民意を反映するところが少し弱まっていたと。こういうところを改善していく一方で、やっぱり高等教育、特に、前も大臣にも御質問申し上げましたが、理系はかなり世界の最先端を走っている大学というのが日本にもあります。安倍内閣はベストハンドレッドに十校の大学を入れるということで今その教育改革を行っておりますが、理系の部分でいえば、ベストテンにもう四校、五校入っているような分野がたくさんあるわけですね。一方、例えばビジネススクールとかロースクールとか、こういった分野においては非常に日本のその大学院というのは厳しい状況にあると。 こういった高等教育の改革というものを是非この初等中等と併せて車の両輪のごとく動かしていくと、こういったものに関する大臣の御決意というかお考え、これをもう一度お聞かせいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように初等中等教育段階における学力が世界トップクラスというふうに評価されているわけでありますが、必ずしも手放しで喜べないところがありまして、子供の学習意欲というのは諸外国に比べて低いという部分があります。ですから、受け身になって勉強させられていると。結果的に学力は付いたかもしれないけど、自ら学ぶ意欲については初等中等教育においてもやはり課題があるというふうに思います。 それ以上に、御指摘のように、やっぱり高等教育、大学教育については問題があるというのは私もそのとおりだと思っております。我が国の大学は、大学生の学習時間がアメリカの学生に比べて二分の一以下で、勉強していない、世界的な御指摘のように大学ランキングにおいても評価が高いとは言えない、また社会の期待に十分大学教育が応えられていない、こういうことがあると思います。 〔理事石井浩郎君退席、委員長着席〕 その原因としては、入学前に本来大学で学ぶために必要な学力が身に付いていないこと、また大学に入学することが目的となってしまって入学後の学習に対するモチベーションが弱い、さらに大学において主体的な学習を促す工夫などの大学教育の質的転換が十分進んでいない、また就職の際に大学での学習成果が余り評価されていない、あるいは国際的に見て留学生や国際共著論文が少ないなど大学の国際化そのものが遅れている、社会人の受入れや地域の産業界との連携が十分でない、こういうような問題、さらに大学のそれぞれの特色や強みを最大限に生かすための学内組織の改革等がスピード感を持って行われていない、こういう問題があると思っておりまして、大学ガバナンス法案を今国会で提出をさせていただいておりますので、是非参議院において議決をしていただきますように、これからお願いをさせていただきたいと思っております。 それは、グローバル化の進展など社会構造の変化や少子高齢化が進む中で、日本が今後も世界に伍して発展していく、そのためには、様々な分野で次の時代を担い、活躍する人材がこれまで以上に必要だという認識があるからであります。 まさに大学力というのは国力そのものでありまして、近年大きく成長している国々はいずれも高等教育を重視しております。我が国も大学における人材養成を質、量共に一層充実する必要があると考えております。 このため、教育再生実行会議や中教審の議論や提言を踏まえまして、一つは、大学教育の充実のための大学教育の質的転換に取り組む大学への重点的な支援を行う。また、高校教育、大学教育及び大学入学者選抜の在り方を一体的に改革する高大接続の抜本的な見直しを行う。大学入学試験そのものも見直しを行う。それから、「トビタテ!留学JAPAN」キャンペーンなどによりまして双方向の留学生交流と、スーパーグローバル大学創成支援事業などによります大学の国際化についての促進を行っていく。さらに、地(知)の拠点整備事業やインターンシップの推進など、大学と地域、産業界との連携強化などを進めるとともに、学長のリーダーシップの下で戦略的かつ迅速な大学運営が行われるような大学ガバナンス改革、これが今国会法案として提出をしているところであるということでありまして、これらの取組を通じまして、我が国の大学力の抜本的な強化を是非図ってまいりたいと考えておりますので、御協力をよろしくお願い申し上げたいと思います。
○二之湯武史君 大変力強い御認識を持っていただいているということで、心強く感じます。 最近、私、個人的に様々な、一部上場企業の経営者たちとお話をするべくいろんな方とお会いしているんですが、やはりみんな共通しておっしゃるのは、とにかく大学が、社会の欲しい、企業の欲しい人材をつくるということを相当怠っていると。怠っているというか、そういうカルチャーがなかなか日本には実はなかったんだと。今までは、本当に企業にも余力があって、入って五年、十年でその企業に向く人材を育てていったけれども、今このグローバル化の時代で非常にスピードが高まっている時代、やっぱり大学も在り方を考えてもらわないといけないと。もう文教委員会所属なんだったら頑張ってくれよと、こういう声をいろんなところでいただくことがあります。 やっぱり今までアカデミックに少し偏っていた大学教育の在り方というものも、今おっしゃったように、産業や企業、ひいては社会全体が必要とする人材を大学でいかに育てるかといった論点で、今大臣がおっしゃったような様々な論点を議論して改革していく必要があると。そういった高等教育と初等中等が先ほど申し上げたように車の両輪とならない限りやっぱり真の教育再生にはつながっていかないんじゃないかというようなことを最後申し上げて、その一つの両輪の片輪であるこの初等中等の教育委員会制度改革、是非運用の改善に向けて文科省も引き続き努力をしていただきたいとお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(丸山和也君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、赤池誠章君が委員を辞任され、その補欠として堀内恒夫君が選任されました。 ─────────────
○斎藤嘉隆君 民主党の斎藤でございます。今日はよろしくお願いをいたします。 冒頭、ちょっと今回の法案とは話がずれますけれども、先週の土曜日、国立競技場のSAYONARAのイベントがありまして、私もお邪魔をさせていただきました。非常に印象的なというか感動的なというかイベントでありましたし、大臣の御挨拶も多方面に気をお配りいただき、ちょっと長かったかなと思いますけれども、非常にすばらしい御挨拶をしていただいて大変感謝をしております。関係の皆さんやJSCの皆様方に感謝を申し上げたいと思いますし、また、先般の委員会で、私、ちょっと進捗状況をお聞きをしましたけれども、国立競技場の様々な物品の今後の扱いについて、自治体へ寄附をしていただいたり、あるいは一般に広く売出しをしていただくというような取組も積極的にしていただきまして、大変有り難いと思っております。そのことをちょっとまず冒頭に申し上げたいと思います。 もし何か、大臣、コメントあれば。
○国務大臣(下村博文君) 前回の委員会で斎藤委員から御指摘されたことについては、すぐ私の方からJSCの河野理事長に連絡をいたしました。あのSAYONARAのセレモニーのときは、無償で配付をするということで、代表で岩手県の北上市の市長に来ていただきましたが、それ以外、御指摘のように、是非、有償で有効に再活用していただくようにお願いしておりますので、前回の趣旨にのっとった対応をしていただいているところでございます。
○斎藤嘉隆君 ありがとうございました。感謝を申し上げたいと思います。 それでは、本論の方に入りたいと思います。 まず冒頭、今回の地方教育行政改革に当たって、基本的な部分をお聞きをしたいと思います。この地方教育行政法で定めている教育委員会制度、この制度を導入をしているそもそもの趣旨についてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 教育委員会制度は、教育の政治的中立性の確保、教育の継続性、安定性の確保、地域の多様な視点を反映することを趣旨、そのことによって設けられたものであります。 教育の政治的中立性とは、多数の者に対して強い影響力を持ち得る教育に一党一派に偏した政治的主義主張が持ち込まれてはならないことを意味するものであり、継続性、安定性の確保とは、教育は中長期的な計画の下に一貫して行う必要があるということを意味するものであります。このため、首長一人の判断によって教育内容等が大きく左右されることがないよう、合議体によって判断する必要があるということであります。また、地域住民の意向の反映とは、教育が住民の日常生活に関係の深い地域的活動であることから、教育行政を専門家の判断のみに任せるということだけでなく、幅広い地域住民の意向を十分に反映できる仕組みとする必要があるということであります。
○斎藤嘉隆君 教育の自主自律というか、そういった本質を守っていくために、つまりは、今大臣の御答弁にもありましたけれども、一党一派の、様々な権力も含めて、不当に教育に介入をするということに一定の制限を、歯止めを掛けていく、これが大きなこの制度の導入をされた理由だと思います。大きく言えば、憲法に保障された教育権というものを、学習権というか、それを保障するためにつくられたものだというように言えるかと思います。 これを六十年近くぶりに変更していくわけです。もちろん必要な法改正は不断に続けていかなければいけない、このことは当然でありますけれども、当然、法改正に当たっては、これは制度の改革でありますから、現行制度に何らかの弊害がやはりある、明らかな弊害がある、それが先ほど私も述べました、また大臣も言われた、教育の本質的な面、あるいは子供たちの学ぶ権利というものを阻害をしている、だから変えるんだという明確な理由が、当然でありますが、必要だと思います。 今回の改正につながりますいわゆる立法事実というのが問われればどのように答えるのか、その立法事実についてお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 今回の改正のきっかけは、大津市におけるいじめ事件であります。生徒の生命に係る重大かつ緊急の事態にもかかわらず会議が速やかに招集されていないなど、教育委員会による責任ある迅速で的確な対応がなされなかったということが問題であるというふうに認識をしております。 しかしながら、これは大津市の教育委員会だけの問題ではなく、現行の教育委員会制度について、一つは、教育委員長と教育長のどちらが責任者か分かりにくい、二つ目に、いじめ等の問題に対して必ずしも迅速にほかの自治体、教育委員会においても対応できていないところが見られる、また、地域の民意が十分に反映されていない、さらに、地方教育行政に問題がある場合に国が最終的に責任を果たせるようにする必要がある、このような課題があると考えております。 そこで、昭和三十一年の地教行法制定以来抱えてきたこれらの課題を解消するため、今回、抜本的な改革を行うということにしたものであります。
○斎藤嘉隆君 私どもの党も衆議院において改正案を提出をさせていただいておりますので、改正そのものが必要でないという思いで申し上げたわけではなくて、制度を変えるための今回法改正でありますから、先ほど答弁でもございましたけれども、大津の事案、事件、これが本当にこの教育委員会制度、制度に起因をするものである、したがって今回教育委員会制度を改革をするんだと、もちろんそれだけが理由ではないんですけれども、基本的にはこういう認識でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 現行制度であっても、的確に対応、いじめ問題等ですね、できている教育委員会もあることは事実だと思いますが、ただ、先ほど申し上げたような、現在における教育委員会のいろんな問題点、これはやっぱり課題であるということでありまして、課題があるということで、大津の問題等は人為的な問題もありますが、この教育委員会の制度的な問題もやはり大きな要因であろうということをもって教育委員会そのものの抜本的な改革をやはりする必要があると、そういう認識であります。
○斎藤嘉隆君 じゃ、ちょっと局長にお聞きをしたいと思いますけれども、私は、こういう問題について二つの視点できちんと検証する必要があると思います。 一つは、先ほど来出ております例えば大津のいじめの事件も含めて、こういう事案が生まれているこの状況が、今も大臣の御答弁の中にもありましたけれども、一部の地域や教育委員会のことではなくて、広く全国の教育委員会あるいは教育行政の中で幅広く見られる状況であるのかどうかということが一点。 それからもう一点は、教育委員会制度という制度上の問題であるのか、あるいはそこで仕事をしていらっしゃる教育委員あるいは事務局あるいは教育現場との関係とか、いろんな運用上生じた問題であるのかどうなのかということなんですね。 法律、制度を変える以上、私たちも立法府の一員として、ここのところ、ちゃんと事実に裏付けられた立法事実としてこういったものがあるので、だからこの改正を進めていくんだという点をきちんと認識をする必要があると思います。今申し上げたこの二点について、私はもう今の時点できちんと検証されている必要があるというように考えますが、この点は、局長、どうでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) いじめ、体罰等の事案が多々見られたところでございますけれども、こうした事案が全国各地で起きたという経緯がございます。その中で、教育委員会の対応につきましては、もちろん的確に対応したというところもあるわけでございますけれども、責任ある対応ができなかったというケースも多々見られたということでございまして、これにつきましては制度に起因する問題もあるというふうに考えたところでございます。これは、やはり責任体制が不明確であるということが一つの大きな問題となっているのではないかというような認識の下で今回の改正が行われたということでございます。 もちろん、これは制度の問題と併せまして人の問題、運用の問題もあると考えておりますけれども、運用によりまして制度の不備をカバーするということはできるわけではございますけれども、やはり制度的な対応をしなければ、運用だけでは全国的な問題の解決にはならないのではないかということで今回の改正案に至ったというふうに認識しておるところでございます。
○斎藤嘉隆君 分かりました。 ただ、少なくとも明確な検証をされた事実として今回の改正に結び付くようなことというのはまだまだ十分ではないと思いますし、議論はやはり必要だなというように思います。 若干、ちょっと話がいろいろ行きますけれども、私、印象とかイメージとか一面的な考えというものではなくて、教育に関わるこの制度の改革というものは、先ほど来出ておりますけれども、まさに子供たちにとってその一瞬一瞬、例えば小学校六年生の子供はその一年しかないわけで、極めて制度を改革をしていく上では慎重な対応、慎重な上にも慎重な対応が必要だというのが自分の認識なんです。 現在の学校教育はかつてに比べて教育力が非常に低下をしているとか、あるいは子供の学力がかつてと比べて低下をしている、学校五日制になって、ゆとり教育の弊害で子供たちは勉強しなくなったとか、あるいは今の子供たちは道徳性が低い、だからそこのところを規範意識をきちんと身に付けていく必要があると、こういったことが、その辺の居酒屋で議論されるならともかく、教育の場でも本当によく語られるんですね。教育、いや、政治の場でもよく語られるという。 ただ、これは本当なのか、本当にそういう状況なのかというのをきちんとみんなが平たく議論していくことが私は必要だと思います。今の子供たち、僕は、かつてよりよっぽど学力は高いんではないかなと、少なくとも私が子供の頃と比較をしてですね。その頃と比べて今の子供たちの犯罪率というのは本当に高いんでしょうか。戦前と比べて、例えば殺人などの凶悪事件を起こす子供たちというのは比べ物にならないぐらい少ないわけですね。もちろん社会の背景が違いますのでそれは一概には言えませんし、それも私の印象かもしれませんけれども、ボランティア精神に僕はあふれた子供はこの間非常に増えているのではないかなというように思います。 教育の現場でも多くの子供たちを見てきましたし、今日もこの委員会に出向く前に地元から来た中学生数名と話をしてまいりましたけれども、今回の法案とは直接関係ないと思われるかもしれませんが、教育を語る視点としては私は外してはならない視点で、そういった点で僕たちはすごく謙虚であるべきだなというように思っています。 これが政治といわゆる教育との一定の距離感であって、中立性というものにもつながる考え方ではないかと思いますが、是非こういう点について下村大臣の御見解というかお考えを少しお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 斎藤委員も学校の先生、市の教育研究員として国立大学の小学校への内地留学もされておられるということですから、優秀な先生として御活躍をされたのではないかと思います。 そういう観点から、子供は、児童生徒はですね、我々は、いつの時代であっても、よりその一人一人のチャンス、可能性を提供できるような、その子の持っている内在力、潜在的な能力を最大限引き出してあげることに対して、これは妥協してはならないのではないかと思うんですね。それを実際つかみ取るかどうかはそれぞれの個々の志とか思いとか方向性によって違いますけれども、でもそのチャンスや可能性は常に提供してあるよと。その中でそれぞれの子供たちが、ベストの状況をつくる中、後は本人が努力をすれば人生に対して自分が可能性を更に切り開いていけることができると。 そういう場を教育の中で提供していくことが必要であると思いますから、必ずしも、かつての時代に比べて今の方がいいのではないか、だから現状維持でいいのではないかということではなくて、やっぱり常に子供にとって最良な教育環境は何なのかということについて我々は努力を怠ってはならないと、そういう中での教育については日々改革を、子供たちのための改革を進めるということは、これは必要なことであるというふうに思います。
○斎藤嘉隆君 まさにそこは同感でございます。子供たちのための改革をしていくために不断の努力を続けていくと、そのことは重要でありますので、それは共に議論を進めてまいりたいと思います。 ただ、今後の教育行政を進めていくに当たって、私は、やはりある程度具体的な事実、検証に基づいた慎重な改革というのを望むんです。教育再生ももちろん結構でありますけれども、次々と矢継ぎ早にいろんな改革案が現場あるいは地方の教育委員会に下りてくる。その中でその対応に困惑をしている状況があることも確かでありますから、この点については是非慎重に状況を見ながら必要な子供たちのための改革を進めていく、そのことを改めて申し上げたいと思います。 それでは、もう少し法案の中身についてお聞きをしたいと思います。 局長にちょっとお伺いをしたいと思いますが、今回の法改正で、いじめなどの事案が発生した場合の教育委員会としての対応、具体的にこれまでとどう変わるのか、その点をお聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(前川喜平君) 今回の改正によりまして、教育長と教育委員長が一体化した新教育長が置かれることとなるわけでございます。これによりまして、教育委員会の代表者がすなわち執行の責任を負う教育長であるということになりますことから、まず、いじめ等の事案が生じたときには、この教育長が第一義的に責任を持ってそれに対処することになると考えております。 また、教育長が教育委員会の主宰者でもありますことから、迅速に教育委員会を招集いたしましていじめ事案への対処方針を決めるということも可能になるというふうに考えております。 また、首長が総合教育会議を招集いたしましていじめ事案等の緊急の場合に講ずべき措置について協議するということができますので、首長と教育委員会の連携による効果的な対応が可能になるというふうに考えているところでございます。
○斎藤嘉隆君 いじめなどの事案が生じた場合に、今のお話だと、今回の法改正によって教育長が責任を持って迅速に対応することが可能になるということでありますけれども、地域の教育委員会とかにお邪魔していろんなお話を伺っていますけれども、本当にそれは本当でしょうか。本当にそうなるのでしょうか。 いじめの事件などが発生をしたときに、現在のいじめ対策推進法が機能している中で、これまでの教育委員会では迅速に対応できないと。言い換えれば、教育長が、例えば、教育委員長もいるから責任は自分一人ではないのでまあまあじっくりとなんというケースはまずあり得ない、あり得ないと思います。いじめの重大な事案が起きたときに、じゃ教育委員会を開いて対応をちょっと検討して、皆さんで協議をしてから動きましょうと、そんな悠長に構えているような教育長とか教育委員会事務局が僕は今存在するとはとても思えないんですけれども。 迅速に対応できるようになるという認識について、もう少し分かりやすく、どこがどう迅速に、どの部分が対応できるように、今の現状と比べて、なるのでしょうか、具体的に少しお話しください。
○政府参考人(前川喜平君) 現状におきましては、教育長はあくまでも教育委員会の部下であるということでございまして、教育委員会の下に置かれているということでございます。したがいまして、教育委員会としての対応を対外的に説明する責任を果たすのも本来的には教育委員会を代表する教育委員長であるということになるわけでございますけれども、この点につきまして、教育委員会が十分これまで機能しているとは言えないという批判があるわけでございます。 教育長は教育長といたしまして、現場の責任者といたしまして、これはこれまでも迅速に対応する責任はあったわけでございますけれども、教育委員会全体として責任を負って動くというときには、委員長と教育長を一体化した新教育長の下で教育委員会が対応するということがより効果的な対応になるというふうに考えているところでございます。
○斎藤嘉隆君 教育長が教育委員会の部下であるかどうかというのは、ちょっとこれは少し、そういう認識でいいのかどうかは考えていく必要があると思いますけれども。 確かに、教育委員長が一義的に教育の判断、行政についてですね、責任を持つというのはありますけれども、現実的に、本当に、じゃ地方の教育委員会でそのような対応がなされているのか。制度上はそうなんです。制度上はそうなんですけれども、一刻を争うような事案が起きたときに、じゃ、教育委員会の非常勤の皆さんを臨時で集めてそこで対応を協議してこうでああでなんということは、僕はほとんどの教育委員会、事務局、教育長の下でそういったことは行われていないと思います。基本的には、教育長がある程度のイニシアチブを取って一定の判断をして、並行的に教育委員の皆さんと協議をしながら進めていくというような形になっていると思いますので、必ずしも、今回の法改正によってこの部分が迅速に対応ができるようになるというような認識を余り強く持ち過ぎると、本当はそのためにしなければいけない改革案を見過ごしてしまうんではないかと、そのように思っています。 現場で起きていることとか地方教育行政の中の状況とか、文科省の皆さんもいろいろ話を聞いたり、あるいは実際に行ったりして見聞きをしていらっしゃると思いますけれども、もっとその辺りを知っていただきたいなというように思います。 今、学校現場に近づけば近づくほど、責任を有する者というのは緊張感を非常に持っていると思います。文科省よりも地方の教育委員会、地方の教育委員会よりも現場の校長の方が非常に緊張感を持ってやっていると思います、僕は。 私の友人で中学校の校長をやっているのがいて、この間もちょっと話を聞きましたけれども、今、自分の学校でいじめはないか、本当に自殺につながるようなそんな重篤な事案はないか、あるいは不登校は一人でも二人でも増えていないかとか、それはそれは大変な思いというか緊張感の中で職務に当たっている者がほとんどでありますから、今回の改革によってこれまで以上にこういったことに迅速に対応できるというような、余りにもそういう評価をし過ぎてしまうと、先ほども申し上げた本来すべき環境整備だとか現場の支援がおろそかになってしまうんではないか。 運用上の課題の克服も私は重要な案件だと思いますので、教育委員会の事務局が、地域の住民からの苦情電話が来て、一日中その苦情電話に対応して何も仕事ができない、こんなことはごく普通にあるんですね、今。彼らは怠慢だと、何も仕事が十分できていないんじゃないかと、そういったことを幾ら語っても、そこの部分を改善をするような何らかの手を打たないと、やはり幾ら制度を改善してもいい方向にはつながらないんではないかなというように思います。 地方教育委員会の声というのをもっと吸い上げて施策に反映すべきだと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 教育委員会制度の運用につきましては、これは制度の問題と人の問題、制度を動かす方の問題と、これは両方の問題があるというふうに考えております。 今回、制度改正をお願いしておるわけでございますけれども、この制度を改正した暁には、それを動かしていく人の問題につきましても更に私どもとしてきちんとしたフォローアップをしてまいりまして、これは、地方の教育委員会の意見も十分吸い上げながら、様々な機会をつくっていくことによりまして、それぞれの教育委員会が十全に機能を発揮できるように環境整備を図ってまいりたいと考えております。
○斎藤嘉隆君 是非、今回のこの議論を通して、その点についても更に強化をしていくようによろしくお願いをいたします。 それでは、もう少し細かな点についてお伺いをしたいと思います。 まず、総合教育会議についてでありますけれども、これ、開催は随時だと思いますが、どの程度の頻度で開催すべきものと考えていらっしゃるのか。大綱を策定をしていくということであれば年度末とか年度初めなどに多く設定されることも予想されていますけれども、これ、教育委員会の会議でさえ、今、一般市町村で年に十五・四回、都道府県・政令市で年に二十九・八回です。これに普通に考えれば上乗せをするということになりますけれども、これまでも非常勤であるがゆえになかなかこういった会議、会合を持つことが困難であったということであります。 ここのところが、初めてのことで、地方の教育委員会もなかなか想定できない、イメージできないでいるんですけれども、文科省としての現段階でのこの点のイメージについてお聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(前川喜平君) 総合教育会議は、年に何回開かなければならないと決まっているわけではございません。首長あるいは教育委員会が協議すべきものと考える事項があるときに、あるいはまた緊急事態が生じたときに、随時開催されるものであると考えております。もちろん定例の会議というものを設けるという道もあるわけでございますけれども、その開催の回数や頻度につきましては当該自治体の首長と教育委員会の意思によって決めていくべきものであるというふうに考えているところでございます。
○斎藤嘉隆君 そうしたら、もうあくまで自治体の判断で、例えば教育委員会会議を開くときにその前後でこういった総合教育会議のようなものを首長の都合が付けば開くとか、あるいは緊急的な事案等が想定できるものがなければ大綱を策定をした後は特に必要がなければ開かなくてもいいと、このぐらいの考え方でいいんでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 総合教育会議の会議の運営に関することにつきましては、これはこの改正案におきましても総合教育会議で定めるということになっております。これはすなわち首長と教育委員会の間で決めていくということでございますので、それぞれの自治体におきまして適切な運営の仕方について決めていただければよろしいのではないかと考えております。
○斎藤嘉隆君 それでは、もう一点、総合的な施策の大綱を総合教育会議で協議した上で定めるというように規定がされています。大綱を作成するに当たって、一点は、都道府県の教育委員会と市町村の教育委員会とで定める大綱、あるいは協議、調整をする内容、事柄について、どのような関わり、関連があるのか、あるいはもう全くないのか、この辺りをお聞きをしたいと思います。
○副大臣(西川京子君) 基本的に大綱は、今回、教育基本法に基づいて策定された国の教育振興基本計画、基本的な方針、これを参酌して策定するものでございまして、詳細な施策の策定までは求めているものではないということでございますので、基本路線は県の教育委員会でも市の教育委員会でもそれは変わるものではないと思っております。 例えば、大綱に定める具体的な事例としては、結局予算との関連もありますから、目標年度を、どの年度までに全学校の耐震化を完了するとか、学校の統廃合を推進する、あるいは少人数制学級をどうするとか、こんなことが基本的に大綱で決められる一つの具体的な例ではありますけれども、その盛り込むべき大綱の事項についてはやはり各地方教育委員会の団体の判断に委ねられているということでございます。
○斎藤嘉隆君 その点は分かりました。 ただ、これはやはり地方の教育委員会にしてみれば意外と重要な問題で、県と市町村とのこの大綱の関係というのはやはりある程度整理をする必要が僕はあると思います。市町村立学校の対象の内容について、県と市町村の大綱が全く無関係ということはやはりなかなか考えにくいと思います。 例えば県が総合教育会議で今副大臣おっしゃったみたいに少人数学級の推進についてその方向性を定めるとなったときに、当然、市町村立の小中学校の教職員って県費負担教職員でありますから、県内の市町村でも何らかその必要性について協議あるいは調整をする、そういった場が必要だと思いますけれども、国の方針は参酌をするとしつつ、都道府県の大綱や協議事項について余りそこのところが明確な方針が示されていないんでありますけれども、ここのところ、もう一度改めてお聞きをしますが、県と市の大綱の内容については、そんなに深く、市町村が大綱を策定をするときに都道府県教委の大綱の中身については、そんなに気にする必要はないということでいいんでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 義務教育に関する教育行政におきましては、基本的には市町村が学校の設置者としてその学校の運営について責任を負うことになるわけではございますけれども、県費負担教職員制度を通じまして都道府県がその教職員の給与を負担し、また任命権を行使する、研修なども実施するという、こういう関係にあるわけでございます。 その給与負担をしている関係から、都道府県におきまして、教職員の定数を決める、あるいは学級編制の基準について設定する権限が都道府県の教育委員会の方に与えられているわけでございますけれども、市町村におきましても独自に少人数学級を進めるというようなことはできるわけでございまして、市町村が独自に教員を自らの財源で任用するという道も開かれておりますし、それによりまして独自の学級編制をするという道もございます。 したがいまして、県費負担教職員に関しましては、基本的には都道府県の方針というものが先にあり、それを踏まえて市町村の方針というものが立てられるということになると思いますので、市町村におきまして大綱を作って少人数学級を進めていくというようなことを決めるという場合には、当然、都道府県の側の大綱というものを参考にしながら、それを踏まえた上で策定するということになるであろうと考えております。
○斎藤嘉隆君 ということは、ある程度都道府県の大綱の中身も横目で見ながら市町村には大綱の策定をしていただきたいと、そのようなことなのかなとも思いますが。 これ、実際にあった話ですけれども、かつて大阪で、市町村別の学力・学習状況調査の結果の公表が原則認められていなかった、そういう状況の中で、府がこの市町村別の結果公表をするという方針を打ち出したという事例が二〇〇八年でしたか九年でしたかにありました。多くの市町村教育委員会ではこの結果公表による弊害を考えて公表せずという方針をこのとき定めたというふうに思いますけれども、当時の知事は結果公表をしない市町村には少人数学級の人件費予算を付けないというようなことも考えとして述べられて、大変混乱をしたということがあります。 府と市教委、市町村教委との間で随分な厳しいやり取りがあったんですけれども、例えばこの学力テストの公表などというものも、これは大綱の内容にはならないかもしれませんが、局長、これまでも答弁の中で、自由闊達に協議をする内容としてはそういったこともあり得るということを述べられていますので、この総合教育会議の中でこういったことが何らかの形で協議をされ調整をされるということもあるのかもしれない、市町村によってはですね。 こういった状況の中で、当然でありますけれども、県と市町村で考えが違うということも今後出てくると思います。特に調整の必要はないけれども若干気にしつつというような、そういう対応でこれよろしいですか。もう一度確認です。
○政府参考人(前川喜平君) 都道府県の教育委員会と市町村の教育委員会の関係につきましては、具体の事項ごとに関係は異なるわけでございますけれども、ただいま御指摘のございました全国学力・学習状況調査の公表の在り方ということにつきましては、これは今年度の調査におきましては市町村教育委員会にその判断を委ねているということでございまして、市町村の教育委員会においてその方針を決めると。これは、学校の名前を公表した上で学校ごとの結果を公表するということも一定の条件の下では構わないということでございますし、ただ、都道府県の教育委員会におきましては、これは各市町村教育委員会の了解を得た上でなければその公表はできないと、こういう考え方に立っているところでございます。 したがいまして、この学力調査の結果を公表するしないという問題につきましては、これは基本的には市町村の教育委員会の問題になっていると、今年度以降ですね、そういうふうに考えているわけでございます。 これを総合教育会議で議論できるかということでございますが、自由な意見交換という意味での協議をすることはこれは可能ではあると考えますけれども、学力調査の結果を公表するしないの判断はあくまでも教育委員会の専権事項として留保されておりますので、これを決めるのはあくまでも教育委員会であるということだと思います。
○斎藤嘉隆君 分かりました。ということは、自由に意見交換はされるけれども、例えば今申し上げたような事柄については、総合教育会議で何らか調整される、あるいは大綱に定められるという事柄には入らないということであろうと思いますが、そういうことでいいですね。
○政府参考人(前川喜平君) 大綱に記載するような事項としてはなじまないというふうに考えております。
○斎藤嘉隆君 そこがやっぱりどうしても議論がこの先進まないというか、どうしても曖昧になってしまうので、もう少しちょっと詳しくお聞きをしたいと思います。 大綱は、教育振興に関するもので、恐らく明文化をされて示されるというものだと思います。その他重要な施策、緊急の場合の措置について協議、調整を行うということになります。もう一点付け加えると、調整をされたことについて、執行機関はそれを、調整の結果を尊重しなければならないというのが一条に規定をされているわけです。 曖昧な規定で、何でもかんでも様々な事項について、執行が、今言った結果を尊重しなければならない、義務付けられるというようなことでは困ります。ここで言う調整が付くというのはどのような状況を指しているんでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 改正法案の第一条の四第八項におきまして、「総合教育会議においてその構成員の事務の調整が行われた事項については、当該構成員は、その調整の結果を尊重しなければならない。」と定めているところでございます。 この意味するところでございますけれども、総合教育会議におきましては様々な問題につきまして協議が行われるわけでございますけれども、そのうち、首長の職務権限と教育委員会の職務権限、これが重なり合うような問題、例えば財政措置を講じた上で少人数教育を進めていくというようなことでありますとか、不登校対策のために、これも財政措置を講じてスクールカウンセラーを増員するというようなことでありますとか、こういったことにつきましては、それぞれの、予算の編成、執行という首長の権限、また、学校教育、学校の管理を行うという教育委員会の権限、これが重なり合っているということでございまして、その間の調整が必要になってくるということでございまして、そういう問題につきましてはこの調整をすると。調整をした結果、調整の付いたもの、調整が付くというのは、これはお互いが合意をするということでございまして、お互いの意思が合致するというものにつきましては、これにつきましてはお互いに尊重をしなければならないということでございます。 その他のケースといたしましては、首長の所掌事務と教育委員会の所掌事務とが隣接している、例えば保育所と幼稚園との関係について調整をするというようなケースが出てくるわけでございますけれども、こういった場合につきましても、お互いの調整が付くというのはそれぞれが意思が合致するということでございまして、その意思が合致したことにつきましてはお互いにその結果を尊重しなければならないというのがこのただいまの第八項の趣旨であると考えております。
○斎藤嘉隆君 ということは、今お話があったように、それぞれの権限として重なり合う部分について、これがいわゆるここで言う協議、調整が必要となる事柄であって、それ以外の、それぞれが独自に持っているいわゆる執行権限に関わるものについては、自由な意見交換はあっても、協議、調整をされる内容とは違うと。 したがって、それぞれが権限が重なり合う部分について協議、調整がされ、お互いがそれについて意思が合致をしたような場合、そのことについていわゆる執行段階での義務が生じると、こういうことでよろしいですね。
○政府参考人(前川喜平君) そのとおりでございます。
○斎藤嘉隆君 分かりました。 尊重するように義務付けられているものですから、例えば教育委員が調整された内容に疑義を唱えて、そのことで服務違反などに問われるということになるケースがあるのかということもお聞きをしようと思ったんですけれども、今の御答弁であれば、執行権限が例えば教育委員会にあるようなことで総合教育会議の場で意見交換がされて何らか調整がされる、そんなようなケースは基本的にはないということでありますから、今僕が申し上げたような危惧はないのかなというようにも思います。確認をさせていただきたいと思います。 もう一点、この総合教育会議の具体的な運営について少しお伺いをしたいと思います。 これ主宰者は首長でありますから、当然ながら、会議の具体的運営準備、あるいは議事録の作成、公表などについては首長の部局が行うということでよろしいでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 首長が総合教育会議を設置し招集するということになっておりますので、総合教育会議の事務局は首長部局が担当するということになるわけでございますけれども、これは各地方公共団体の実情に応じまして首長と教育委員会とが協議いたしまして、例えば地方自治法に基づく事務の委任又は補助執行によりまして教育委員会の事務局が担当するということも可能でございますし、両者が協力して事務局を務めるということも考えられるということでございまして、それぞれの自治体の判断に委ねられている部分も大きいということでございます。
○斎藤嘉隆君 じゃ、ちょっと一点確認させてください。 本会議で大臣の答弁の中で、総合教育会議の議事録の作成、公表を義務付けるべきだという、ここにいらっしゃいます石橋議員の質問に対して、総合教育会議及び教育委員会会議の議事録の作成、公表を義務付けることは、特に事務局の人員が少ない市町村などにおいて過大な事務負担となると考えているため、努力義務にとどめることとしたという答弁がございました。私聞いていて、文脈から、教育委員会会議の議事録の作成云々とあるものですから、これで言う事務局というのは教育委員会事務局を指すと思っておったんですが、これはそうではないということですか。
○政府参考人(前川喜平君) 総合教育会議には総合教育会議の事務局機能というものがいずれかに置かれるということになります。教育委員会事務局、これは教育委員会の会議の事務局を教育委員会事務局が担うということになるわけでございますけれども、総合教育会議の議事録の作成、公開につきましては、やはり特に職員の少ない地方公共団体におきましては過大な事務負担となるというふうに考えているところでございます。
○斎藤嘉隆君 法律案を見ていてもちょっとよく分からないんですね。十七条において教育委員会に事務局を置くことというのは規定をされているわけですね、「教育委員会に事務局を置く。」。事務局と書いて、教育委員会に事務局を置くとなっています。総合教育会議にも事務局を置くということですか。それは、どこの規定に基づいて総合教育会議にも事務局を置くとなっているんですか。
○政府参考人(前川喜平君) 総合教育会議の会議の運営に関しましては、改正法案の第一条の四の第九項で、「総合教育会議の運営に関し必要な事項は、総合教育会議が定める。」とされているところでございますが、この総合教育会議が定めるというのは、すなわち首長と教育委員会との合意によって決めていくということになるわけでございますけれども、その際に、総合教育会議の事務局機能をどこに担わせるかという、そういったことにつきましても決めることになるであろうというふうに考えております。
○斎藤嘉隆君 それならば、この法律の中になぜ規定を、そのことをされないんですか。 これ、何でこんなことを言っているかというと、各自治体が混乱をするんです。一義的には、今のお話で、首長部局の方で事務局機能を担う、地方自治法に基づいて教育委員会事務局がそれを実施することもできるというようなお考えでありますけれども、そのようなことは地方の教育委員会は現在ほとんど想定はしていないと思いますよ。地方の教育委員会事務局は、自分たちがこの総合教育会議についても何らか運営、事務局機能を担わなければいけないというようなことを今現在は考えているだろうと、そのための準備をしているのではないかというように思いますけれども、きちんとそこのところを明確に、必要であるならば規定をすべきだというように思います。 総合教育会議の主宰者は首長ですから、首長が主宰する会議の事務を委任をされた教育委員会事務局が行うということも可能だというような御答弁でありますけれども、そこのところ、明確に何らかの形で規定をすべきではありませんか。いかがでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 総合教育会議を置き、またその招集をするのが首長であるということから、その事務局機能は当然に、本来的には首長の下に置かれるということが当然に解釈されるわけでございますけれども、しかし、地方自治法上の事務の委任あるいは補助執行という方法はございますので、必要であれば教育委員会の事務局にそういった形で事務局機能を担わせるということも可能であるということでございまして、この辺は一義的に法律で決める必要はないことではないかというふうに考えております。
○斎藤嘉隆君 くどいんですけれども、総合教育会議は、その責任者は首長でありますから、首長が主宰をする総合教育会議の事務局をそもそも全く関係のない、全く関係のないとは言いませんが、そうではない教育委員会事務局が担うということをある程度想定をされていらっしゃるみたいですが、考えれば考えるほど、そこにもやっぱり一定の矛盾を感じますし、そこで規定をされ、大綱として示され、あるいは協議、調整をされた事項として示されることというのは、その責任については、総合教育会議で話し合われたこととはいえ、これは首長が担うわけですね。ですから、ここのところのちょっと考え方の整理を是非文科省としてもきちんとして、その上で各自治体にお示しをしていただきたいと思っています。 先ほど来僕も申し上げております協議をする内容や調整をする内容、大綱に定める事柄、それから、大綱に定めるといいながら、例えばこんなことも起きるんですよ。教育振興基本計画を自治体ごとに定めている自治体はたくさんあります。今まさに作って、例えば、ある自治体では来年四月一日から新しい教育振興基本計画の下で教育行政を進めていこうとしている。で、四月一日からこの法律が施行をされて、そこでまた別に大綱を定めろということになるわけですね。その大綱の中身は首長さんと教育委員会が協議をして定めるということになっていますから、その以前に決めた教育振興基本計画とは言ってみれば無関係な大綱になるわけです、ほかっておけばですね。 ここのところで、じゃ、どういうふうにここ整合させていくのかとか、割と地方は、今回の法律案を見れば、恐らく事務レベルではすごく混乱をすると思いますから、丁寧にそこのところを示していかないと、基本的には丸投げになって、地方の教育委員会が混乱をして、一々細かなことを文科省さんとやり取りして、これはどうですか、ああですかなんということ、いつもと同じことがまた起きるわけですよ。そこのところを是非明確にしていただきたいと思います。 教育振興基本計画との関わりについてはいかがでしょうか、大綱との関わり。
○政府参考人(前川喜平君) 教育振興基本計画のうち、その大きな方針に関わる部分につきましては、これを大綱とみなすことは可能であるというふうに考えておりますので、教育振興基本計画につきまして、その中身に着目して、その方針に関する部分を大綱だというふうに首長としてお考えになるのであれば、これは教育委員会と協議の上、この部分を大綱として捉えることとして、改めて別の大綱を作らなくてもいいというふうに私どもとしては考えております。
○斎藤嘉隆君 それは文科省さんはそうやって考えるかもしれませんが、じゃ、実際、総合教育会議の場でどういう議論がされるか分からないわけですよね。そこで、例えば、恐らく教育振興基本計画というのは、多くが、もう首長さんも加わってある程度の調整というか話合いがされた上でできているものがほとんどだと思いますけれども、中には教育委員会主導でこういったものを定めているというところもあるかもしれません。そういったときに、首長さんが新たにその大綱の内容に振興基本計画とは若干違うような中身を組み込んでいきたいというようなケースも多々あるのではないかなと思います。そのときに無用な混乱が起きないようにしないといけないし、そういったことも広く考えて、今回の法律案、規定を本来すべきであったんではないかなと思いますが、若干そういう混乱のもとを残しているような気がして仕方ありません。 なかなかこの委員会の議論の中で全てを明らかにして議論するというのは難しいんでありますけれども、今後、施行に向けてそれぞれの地方の教育委員会と詰めをしていく段階で、是非、今、僕申し上げたような懸念についても具体的な対策、方針をお示しをいただきたいというように思います。 最後に、もう余り時間がありませんけれども、首長さんの立場、役割を考えたときに、選挙公約と自治体の財政というものとの観点がどうしても重視をされてくる、教育行政においてもです。そこのところを教育委員会とどうすり合わせをしていくか、これがまさに総合教育会議の非常に大きな役割であろうというように思います。 選挙公約という観点で、直接法案とは関わりはありませんが、教職員人事について一例を挙げて認識を伺いたいと思います。人事のことでありますから、これはもう基本的には教育委員会の専権事項だというように思いますが。 例えば大阪市で小中学校、高校の校長が公募を今されています。多くの民間人が登用されましたけれども、報道されているだけで、セクハラまがいの行動、虚偽の理由でのアンケート実施、職場離脱、自主退職が二名、四月以降五月の中旬まで六日しか出勤しない校長がいて更迭をされる、十一人採用して七回の不祥事という報道がされています。 私は、校長云々というよりも、このことが大阪で子供たちに一体どんな悪影響を及ぼしているのかなということが心配でならないんですね。子供の学ぶ権利というのを阻害しているおそれもあるのではないか。このような校長が学校で起きた様々な事案について責任を持った行動ができるとは思えないんです。 例えばこのことは、今回、教育委員会制度の改革を幾らしても、こういったことが総合教育会議の場で規定をされてそういった方向性が示されてくると、もうどうしようもない、どうしようもないわけですよね。僕はこういったことについてこそ文科省としてきちっとした対応をあるいは考え方を示すべきだと思っていますが、現実こういうことが起きていることについてどのような印象を大臣はお持ちでいらっしゃいますか。
○国務大臣(下村博文君) 校長は所属職員を監督する立場にある者でありますので、大阪市において民間出身の公募校長による不祥事が続いているということは、これは大変遺憾であるというふうに思っております。 リーダーシップを発揮し、組織的、機動的な学校運営を行うことができるような適任者を校長に確保するため、教育委員会が教員出身でない者を校長に任用するということは一つの方法であると思いますが、採用の際に資質、能力について十分な選考や研修を行うとともに、採用後の学校における状況について適宜把握し、必要な支援を行っていく必要があると考えております。 大阪市教育委員会からは、今後、公募校長について、人数ありきの採用でなく、しっかりと見極めを行い、一定水準以上と判断した者を採用するということ、また、採用前の研修や採用後のフォローなどを通じて支援し、校長が十分力を発揮できるような制度運用を行っていくこと、さらに、一年ごとに適格性審査を実施して、不適格と判断された校長等については厳格な対応を行う等の取組を行っていくというふうに聞いているところであります。 文科省としては、教員出身者でない者を校長に任用することを含め、校長に適任者が確保されるための取組が進むよう、引き続き都道府県教育委員会等を指導してまいりたいと考えております。
○斎藤嘉隆君 是非お願いをいたします。僕も別に、校長を民間の方がすることについて、そのことについて問題があると思っているわけではありませんので、ただ、そのことがもう子供たちに良くない影響を与えているとすると、我々が幾らこの場で制度の改革を議論をしたとしても根本的な諸問題の解決にはつながらないと思いますので、是非その点をお願いをいたします。 最後に一点だけ、文科省による教育委員研修の話がいろいろ出ておりますけれども、現状行っている教育委員研修、内容や時間、時期、どのようなものが行われているのか、ちょっとお知らせをください。
○政府参考人(前川喜平君) 文部科学省におきましては、教育委員を対象とした研修といたしまして、毎年、都道府県、指定都市の新任教育委員に対し研修を行っております。これは、新たに教育委員になった方々に対しまして、教育委員としての職責、職務内容についての講義でありますとか、学力向上、生徒指導など教育に関する課題についての意見交換等を内容としているものでございます。 また、文部科学省と都道府県教育委員会の共催で、市区町村の教育委員等を対象とする研修会も実施しております。これは、毎年全国二か所で実施しておりまして、教育行政に関する講義、事例発表、研究協議等から成るものでございます。 教育委員の研修は、こうした国の研修及び都道府県、市町村の段階で実施されておりまして、教育委員の資質の向上を図っているものでございますけれども、文部科学省といたしましては、今後ともその充実を図ってまいりたいと考えております。
○斎藤嘉隆君 分かりました。是非、中身についても現場の教育行政に資するようなものに是非していただきたいと思います。 以上で終わります。ありがとうございました。
○委員長(丸山和也君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時七分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(丸山和也君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○那谷屋正義君 民主党の那谷屋正義でございます。よろしくお願いいたします。 地方教育行政の組織及び運営に関する法律ということで本当に大変重要な法案だということ、これは衆議院での審議時間もそうでありますし、この間のいろいろな質疑のやり取りの中でもそのことがうかがえる法案であると、そして傍聴者の方もかなり大変やはり関心を持って、教育委員会の行方はどうなるのかということで関心を持たれているのではないかということで、是非私の方も真摯な討論ができるように頑張っていきたいというふうに思います。 まず最初に、午前中、同僚の斎藤委員の方からある種のそもそも論的なものが議論されましたけれども、もう少し私の方もそれを深掘りというわけではないんですが、更にもっとそもそも論ということでまず議論をさせていただきたいと思います。 法案が出るときに政府から三点セットなるもので、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案要綱というのがあります。この要綱を見させていただいたときに、その要綱の中で提案の理由というのが出ています。その提案の理由の冒頭に「教育の再生を図るため、」と、このように書かれてございます。この間、教育再生という言葉がいろいろなところで使われているわけでありますけれども、どうしても私自身腑に落ちないといいますか、再生というのは辞書を見ますと様々な意味がありますけれども、いわゆる文科大臣が使われる教育の再生というものはどのような意味に使われているのか、まずそれをお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 安倍内閣における教育再生は、世界トップレベルの学力と規範意識を育む教育を実現することを目標としております。そもそも教育の役割は、個々人の潜在能力を最大限引き出して、互いに認め合い、社会に貢献しながら自己実現を図ることにより、一人一人の人生が幸福でより良く生きられるようにするための手だてを提供することであると考えます。 しかしながら、いじめや体罰を始めとした教育現場を取り巻く問題に現行の教育行政では迅速に対処できていなかったなどの課題を抱えており、教育がその役割を十分に果たせていない状況にあると受け止めております。このような状況を改革することが教育再生であり、引き続き安倍内閣の最重要課題である教育再生の実現に向けて全力で取り組んでまいりたいと思います。
○那谷屋正義君 教育再生といいますと、これはうがった見方をすると、これまでの教育の在り方が余りにもおかしな方向にあったとか、だからその在り方を変えるんだというような受け取り方をされがちでありますけれども、今の大臣の御答弁によりますと、この教育再生というのは、いわゆるこれまで使われてきた教育改革という言葉に更に魂がこもった言葉だというような理解でよろしいのでしょうか。もう一度、済みません、確認をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) おっしゃるとおりでありまして、特にこれから二十一世紀、国が果たすべき役割は、それまでは、十九世紀まではどちらかというと夜警国家的な安心、安全、治安というのが国の果たす役割であったと思います。 二十世紀になって、プラス福祉国家的な部分で、これは揺り籠から墓場までが典型的な事例でありますが、二十一世紀はまさに教育立国といいますか、これは、どんな人でもチャンス、可能性はやっぱり教育によって初めて開花され提供できるという部分があるわけでありまして、その本来の教育というのが、先ほど申し上げたようないじめとか体罰とか、そういう教育現場の状況によって必ずしも発揮できていないという状況がある、それを発揮できるようにするということが本来の教育の再生であるというふうに考えております。
○那谷屋正義君 よく分かったと思います。 それで、少し、大臣、答弁にありましたけれども、教育の再生と今回の本法案との関係について、今少し述べられましたけれども、もう少し詳しくお答えを聞かせていただけたらと思いますけれども。
○国務大臣(下村博文君) 今回の法案の理由で述べている教育再生は、すなわち安倍内閣における教育の再生のことでありまして、この教育再生の実現のためには責任ある地方教育行政体制が構築されることが重要であると考えております。 現行の教育委員会制度については、教育委員長と教育長のどちらが責任者か分かりにくい、いじめ等の問題に対して必ずしも迅速に対応できていない、地域の民意が十分に反映されていない、地方教育行政に問題がある場合に国が最終的に責任を果たせるようにする必要があるといった課題があると考えております。 このため、改正案において、政治的中立性、継続性、安定性を確保しつつ、教育行政における責任体制の明確化、それから迅速な危機管理体制の構築、地域の民意を代表する首長との連携の強化を図り、いじめによる自殺事案等の問題に対して国が最終的な教育行政の責任を果たせるようにすることなどによりまして教育委員会制度の抜本的な改革が図られることにより、教育再生の基盤が築かれるものと考えます。
○那谷屋正義君 今日、午前中の斎藤委員の質問の中にもありましたけれども、現在の教育委員会制度の様々な問題点、今大臣も幾つか言われましたけれども、その問題が本当にそのような問題点として全国を覆っているのかどうなのかということは、これはこの法案が出されたときに、国民がやはり大変そこのところに注目をした部分ではないかというふうに思っています。 特に、この法案のきっかけが、もうこれも午前中ありましたけれども、大津のいじめ事件というふうなことでありましたけれども、この大津のいじめ事件と本法案との関連性について、もう一度確認をさせていただきたいと思いますけれども、どのように捉えていらっしゃるでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 大津における自殺事件におきましては、生徒の生命に係る重大かつ緊急の事態であったにもかかわらず会議が速やかに招集されていないなど、教育委員会による責任ある迅速で的確な対応がなされず、大きな社会的批判を浴びることとなったというふうに認識をしております。 改正案におきましては、教育委員会の責任の明確化を図る観点から、教育委員長と教育長を一本化した責任者として新教育長を置くこととしておりまして、緊急時には、まず新教育長が迅速に対応し、教育委員への適切な情報提供や会議の招集等が行われると考えております。また、今回の改正では、緊急時には、総合教育会議において講ずべき措置について首長と教育委員会が協議を行うこととしておりまして、首長と教育委員会の役割分担の下、適切な対応が行われるものと考えております。
○那谷屋正義君 流れとしては大体よく分かるんですけれども、例の事件の件では、まず、いつ起こっていたのかとか、それから、起こってから自殺という残念な結果になるまでの経過の時期ですとか、あるいはその事後の処理ですとか、幾つかパターンがある、パターンというか段階があると思うんですけれども、この教育委員会制度の見直しというのはそのどこに当てはまるというふうに考えたらいいんでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) いじめに対する対処といたしましては、まず、いじめの未然防止が必要であるということ、また、いじめについて早期発見で早期対応することが必要であるということ、また、万一重大な事案が生じた場合には、これにつきましてその事実関係をきちんと解明し再発防止につなげると、こういったことが必要になってくるわけでございます。これら一連のいじめ対策につきまして、昨年の通常国会におきましていじめ防止対策推進法を制定していただいたところでございまして、今回の地教行法の改正と相まって、いじめに対する対応については効果的な対応ができるようになるものと考えているところでございます。 いじめ問題につきましては、まず、いじめ防止対策推進法におきまして、国におきましてはいじめ防止基本方針の策定が義務付けられております。また、学校においてもいじめ防止基本方針の策定が義務付けられているわけでございます。地方公共団体におきましてはそのいじめ防止対策基本方針の策定は努力義務でございますけれども、これは極力策定していただくように促してまいりたいというふうに考えているわけでございます。 仮にいじめが発生した場合、これは、学校は、重大事態が発生した場合につきましては教育委員会を通じて首長に報告しなければならないという義務が課されておりますし、また教育委員会又は学校が組織を設けて調査を行い、調査結果をいじめを受けた児童等及びその保護者に説明するとともに、首長にも報告することが必要になります。その報告を受けた首長は、必要があると認めるときは組織を設けて再調査を行うこともできるとされているところでございます。 今回の地教行法の改正によりまして、首長は総合教育会議を招集いたしましていじめ事案等の緊急の場合に講ずべき措置について協議ができるということになっているわけでございますけれども、仮に重大事態が発生したという場合につきましては、教育委員会が首長とあらかじめ協議した上で、教育委員会がいじめ防止対策推進法第二十八条第一項の調査を行うということ、あるいは首長が教育委員会と十分に情報の共有を図った上で、いじめ防止対策推進法第三十条第二項の再調査を行うということも考えられるわけでございます。 また、いじめの未然防止につきましては、いじめ防止基本方針というものを地方公共団体が策定するに当たりまして、総合教育会議におきまして、児童福祉や青少年健全育成、私立学校などを所管する首長と公立学校を所管する教育委員会との間で十分な協議、調整を図った上でこのいじめ防止基本方針を策定するということが期待されるところでございます。
○那谷屋正義君 今局長の方からいじめ防止対策推進法についてのお話もございましたけれども、当時議論をされていたときの教育委員会というものと今後出てくる教育委員会というものは、やはり今、少し変化といいますか、新たなものも加えられるというような認識でいいのかどうか、もう一度その辺をお尋ねしたいと思いますけれども。
○政府参考人(前川喜平君) 今回お諮りしております地教行法の改正案、これが成立いたしますと、教育行政につきまして各地方公共団体におきまして大きな変化といたしましては、首長が大綱を策定するということ、また総合教育会議の場におきまして首長と教育委員会が協議をし、また調整の付いたことについてはそれぞれが尊重して執行していくと、こういう首長と教育委員会とが連帯して責任を負う体制がつくれることになるわけでございますけれども、いじめ防止対策推進法の運用に当たりましても、この首長と教育委員会とが連帯して進めるという体制がうまく機能することになるであろうと考えているところでございます。
○那谷屋正義君 この法案が成立したときに、もういじめ問題がなくなるんだということではないというふうに思うわけです。これはよく大臣も言われていますけれども、いじめはいつでもどこでも起こり得る問題である、しかし決して許される問題ではないと、私もそのように思うわけであります。 この教育委員会制度が変わることによっていじめ問題がなくなるということではないということだと思いますし、また昨年成立いたしましたいじめ防止対策推進法、これができたからいじめが起こることはないんだということではなくて、事を早期発見それから再発防止というふうなところに重きが置かれるんじゃないかなというふうに思うわけでありますけれども、ちなみに、いじめの未然防止という意味ではどんなことをちょっと考えられているか。これちょっと通告していないんですけれども、局長、もしお答えありましたらお願いします。
○政府参考人(前川喜平君) いじめの未然防止につきましては日々の教育活動の中で各学校において取り組んでいただくということが大事だというふうに考えておりますけれども、その大きな方針につきましては、それぞれの地方公共団体において策定するいじめ防止基本方針、さらに各学校が策定いたしますいじめ防止基本方針の下で組織的な対応をしていただく必要があるというふうに考えております。 その中には、様々な教育活動、特別活動でありますとか道徳の時間にいじめ問題を取り上げてその自覚を促していく、あるいは生徒会活動を通じて子供たちの間にいじめに対してこれを許さないという態度を養っていくと、このようなことが地道な活動として必要ではないかというふうに考えているところでございます。
○那谷屋正義君 とにかく教育行政としてできる範囲のことの中で、今言われたようなことでやっていこうと。 本当は、いじめの本質というのはもういろいろありますから、未然に防止するためにどうしたらいいのか。あるいは、それがまだ起こりたてのときに教員が気が付かないだとかそういうこともあると思いますし、気が付いたときに、じゃ、その加害者という立場の子供と被害者になっている子供との、その両方の育ちを保障していかなければならない先生としては現場では様々なジレンマがあって、そして事の対応が遅れてしまうというようなことというのは往々にして今までもあったんだと思いますけれども、やはりここは、大臣がよく言われるように、絶対に許されることではないという、そういう毅然とした態度の中でやはりこれについて取り組むということを今回全国の皆さんに言ってみれば喚起したような、そういうような法案だというふうにも取れるわけですけれども、そのような受け取り方で、大臣、よろしいですかね。
○国務大臣(下村博文君) おっしゃるとおりだと思います。 私、ある小学校の創立記念の式典に出席したことがありまして、事前にそこの小学校の校長先生にこの学校はいじめがありますかと聞きましたら、結構自信を持っていじめは一切ありませんというふうにおっしゃったんですね。私は、それをそのまま信じて、校長先生に別に恥をかかせるつもりはなかったんですが、その式典には小学校五、六年生が来ていまして、いじめがあると感じる人と言ったら、八割ぐらい手を挙げているんですね。 だから、先生と子供たちの感覚が違う部分があるわけで、実際、小中高合わせていじめの件数、認知度が十九万八千件もあるわけですから、年間を通してですね、子供にとってはやっぱり日常茶飯事的に結構あるというふうに思っている子がたくさんいるんじゃないかなと思うんですね。 ですから、一番大切なのは、いじめの加害者にも被害者にも傍観者にもさせないという、子供たち自らいじめをなくすという、そういう思いを持って子供同士の中でそれを解決するような、育んでいく努力を必要としているというふうに思いますが。しかし、もちろんそれだけでは解決できない問題がありますし、ましてや子供が、自殺に追いやるようなことというのは相当深刻なことですから、それは、子供というよりは学校現場や教育委員会、それから行政、そういういろんな配慮をすることによって防ぐということについて、今回の教育委員会制度改革、あるいは昨年の通常国会で成立をしていただいた議員立法のいじめ防止対策推進法等を組み合わせることによって制度的にはきちっとしたフォローをすることによって、子供たちに対して守り、またいじめは許さない、また起きたときにはきちっと守るというような体制整備が着実に進むようになるというふうに思っております。
○那谷屋正義君 これは、この法案とは直接関係ありませんけれども、やはりそういったものを早期に発見する、あるいは未然に防止するためにも、先生方一人一人が、自分のクラスあるいは学年、学校の子供たちの様子がよく見えるということがまずすごく大事なことではないかと思いますけれども、そういう意味では、今なかなか現場はそうなっていない、もうある意味、多忙でそういう余裕すらない中でありますから、ここのところを国こそが、国の文科行政こそが解決に向けて頑張っていかなければいけない、やることをしっかりやっていかなければいけないというふうに思うわけでありまして、これについては答弁はいただきませんけれども、そんなふうに思いますので、これからも是非よろしくお願いをしたいというふうに思います。 なお、この教育委員会の見直しについて、いじめの事件がきっかけということでありましたけれども、実際には、教育委員会が関わる問題というのはもう様々多岐にわたるわけであります。教育的な諸課題というのはもう山積しているわけでありますけれども、そういったものもこの本制度改正によってしっかりと機能するというふうなことが言えるのかどうか、大臣にお答えいただけたらと思います。
○国務大臣(下村博文君) 今回の改正案で、まず、教育委員長と教育長が一本化した新教育長を置くことによりまして、教育委員会における責任の所在が不明確であるという従来の課題が解消し、教育行政の第一義的な責任者が新教育長であることが明確になると考えます。これによりまして、いじめ等の事案に対して、対処することに対して教育長がまず責任を持って取り組むということができるわけであります。 首長におきましても、総合教育会議を通じて連帯して教育行政に責任を負う仕組みが整うこととなることによりまして、よりその役割が明確となります。いじめ事案等の場合には、緊急の場合に講ずべき措置におきまして、首長が総合教育会議を招集し、協議することにより、首長と教育委員会の連携による効果的な対応も可能になってくることから、いじめだけではありませんが、そこの地方自治体における教育問題について責任体制の明確化とそして迅速性と、また住民の方々の意向に沿った対処がきちっとできるということが望まれると思います。
○那谷屋正義君 今言われたことについてはある意味理解はできるんですが、実は、先週参考人質疑ということでこの委員会で行われまして、実は、今の教育委員会制度においてもそれぞれの責任ははっきりしているんだというような御意見もございました。つまり、これは、そこに関わっている、教育委員会なら教育委員会に関わっている人たちの意識あるいは人間性、あるいはやる気というか、そういったものが往々にして左右をするのではないかというふうに思うわけでありまして、責任体制が明確化すればあのような事件にならなかったのかどうなのかということが私はもう一つすんなりいかない部分がございます。 ですから、誰々に責任、新しい教育長に責任があるんだというふうになったときに、その新教育長は様々な対応を自分の責任においてやるという、そういうふうなことになるんだろうと思うんですけれども、それはあくまでも行政側のサイドとしての見方であって、本当にそれで、例えば今回の責任体制の明確化をすることによっていじめ問題というのはあのような事態にならないで済んだのかどうなのかということについては、一面的にそういうふうに、一面というか、それでいいのかどうかということを私は常々思っているんですけれども、これについてどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) それは、基本的にはそのとおりだと思います。どんな制度も、その制度によって全ての問題が解決するというようなパーフェクトな制度設計というのはこれはあり得ないわけでありまして、やはりそこに存在する人による部分が大きいわけであります。 ですから、現行制度の中でも、結構うまくいっているというふうに言われておられる教育委員会関係者も何割かはいることは間違いないことでありますし、一方で、大津のような事件の場合、人の問題もあるかもしれませんが、やっぱり構造的な問題もこれはあると。それは、大津だけでなく、同じような事例がほかのところにもあるということでありますから、新しい制度設計になることによって全てが解決するということはあり得ないわけですけれども、より構造的な欠陥を指摘されているわけですから、それを改正することによって少しでも軽減すると。 しかし、問題は、そこにどんな教育長なり、あるいは教育委員の人が責任を持って職務に励むような、そういう人的な能力も問われてくるわけですから、そういう部分の更なる研修なり、あるいはそういう指導体制を取っていくと。これは首長と連携をしてのそこの自治体の話でありますけれども、そういうことも併せてしていかなければ、制度設計をしても、全てがもちろんおっしゃるとおり解決するというほど簡単な、短絡的なことではないということはおっしゃるとおりだと思います。
○那谷屋正義君 よく分かりました。 構造的なものをまず今回整えていく必要があるという考え方の中でこのような法案が出てきたというふうな理解をさせていただきたいと思いますが、もう一つ、教育行政における迅速な危機管理体制の構築というふうなことがこの法案の目的の中に出ているわけですけれども、これといじめ問題との関連性についてどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 今回の改正案では、教育委員長と教育長が一本化した新教育長は教育委員会の主宰者となることから、迅速に教育委員会を招集していじめ事案への対処方針を決めることが可能ということになります。その上で、教育委員会の対応だけでなく、首長と教育委員会が連携して対処しなければならないような場合、例えば、緊急にスクールカウンセラーを増員するため予備費を支出する必要がある場合とか、あるいは児童虐待など児童相談所や青少年健全育成部局と連携する場合等におきまして、総合教育会議を開催して首長と教育委員会が協議、調整を行うことでこれまで以上に迅速な対応が可能となるというふうに考えております。
○那谷屋正義君 ありがとうございます。 そして、もう一つ、首長と教育委員会との連携強化ということもうたわれておりますけれども、これと、取りあえずいじめ問題についてどのように関連性があるのか、見解をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 今回の改正案では、首長が総合教育会議を招集していじめ事案等の緊急の場合に講ずべき措置、これは改正案第一条の四第一項第二号でありますが、これについて協議することにより、首長と教育委員会の連携による効果的な対応が可能となります。加えて、学校や教育委員会の対応についての事後検証や再発防止策の検討、立案について総合教育会議で議論することも考えられます。
○那谷屋正義君 私は、この首長と教育委員会との連携強化ということは、懸念される部分も実はなくはないんですが、というか、多分、多くあるんですけれども、しかし、かつて体罰事件があって、これでもってやはり生徒が命を落とすというようなことがありました。そのときに、教育委員会の方ではもうとにかくテレビの画面でも平に謝っていたというふうに記憶していますが、そのときの首長さんが、とんでもないことだと、ゆゆしきことだと、まるで他人事のように平気で批判をしているというそういう場面があって、これは何ということだということで私自身すごい怒りを覚えたのを覚えておりますけれども、こういったことによってそういうふうな首長さんの無責任な態度というものがある程度払拭できるというふうな考え方でよろしいでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 今回の改正案においては、教育委員会を合議制の執行機関として残すということとともに、教育委員会の職務権限は変更しないということにしておりますので、最終的な決定権限はこれは教育委員会が持っているということであります。 また、教育長、教育委員については、一つは、同一政党所属委員が委員会の二分の一以上を構成しないようにすること、また、服務等の規定の中で政治的行為が制限されていること、さらに、罷免要件を限定することによって身分保障が講じられていること、そして、教育委員は毎年一、二名ずつ交代し委員が一斉に交代しない仕組みを取るということ、つまり、現行制度における政治的中立性等への配慮を定めた規定について、これも変更はしないということであります。 また、首長から任命されたとしても、首長から指揮監督を受ける立場ではなく首長の部下となるわけではないということから、教育の政治的中立性が損なわれるというものではないというふうに考えております。
○那谷屋正義君 今の大臣の御答弁は次の質問に対するあれであって申し訳なかったんですけれども。 これ、例えばですよ、下村文科大臣を任命されたのは安倍総理でありますけれども、この安倍総理のいわゆる教育的な考え方と下村大臣の考え方が一〇〇%一致するということは恐らく、違うそれぞれの人間ですから、ないと思うんですけれども、そこで、安倍総理の言われていることと大臣のお考えが違うときに、いや、それはやはり教育的見地から考えてそれはできないというようなことが言い切れるのかどうなのかというところは非常に今回のこの法改正で多くの方が注目するところではないかなと思うんですけれども、その辺についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 私と総理との関係は、議院内閣制の下で、総理が閣僚を任命をしてそれぞれの所轄の長になるということと、それから地方自治体においては、これは二元代表制で、首長は国会と比べるともう大統領的な権限を持っているわけであります。一方でそれに対して議会があるわけでありますけれども、教育委員会というのは、これは行政委員会の一環として、首長が大統領的な権限を持っているがゆえに、教育委員会においては政治的中立性、継続性、安定性を担保するための合議制としての教育委員会としての執行機関としての権限を持たせるということでありますから、首長が教育において思いを持っていても、それは総合教育会議の中で協議、調整をすることはもちろん今度できるわけでありますが、しかし、教育委員会の権限まで首長が侵食するということではありません。 つまり、教育委員会の役割は今までと変わらないわけでありますから、そこで協議して、その結果、大綱に盛り込まれる部分についてはそれは尊重義務はありますが、教育委員会のメンバーが首長の考えと調整できなかったという部分についても首長が大綱に盛り込んだとしても尊重義務はないということでありますので、そこまで強制力もないということが法律上担保されているということであります。
○那谷屋正義君 大臣の言われることはすごくよく分かりますし、そういう意味で政治的中立性をしっかりと担保するということを今言われたんではないかなと思うんですけれども、とかく今この日本を取り巻く環境が必ずしもそうなっていない中で大丈夫なのかというところがまず一つ国民は大きな不安を抱いているのではないか。 例えば、これは全然違う話で申し訳ありませんが、NHKの会長人事ですとか、それから今回の安保懇のメンバーですとか、そういうふうなのを見ると、どうしてもやはり安倍総理のお友達のその関係のメンバーだとかというふうなことを考えると、その人たちが安倍総理に対して異論があったときに本当にその異論をはっきりと言い切ることができるのかというような懸念がある中で、このように首長が教育に関わる話が出てきておりますので、そういう状況の中でそういう疑問が起こってきてもおかしくないというか、それはあるべき一つの疑問だろうなというふうに思うわけで、そういう意味では、何としても政治的中立性はこれからも担保していくんだという、堅持していくんだということをもう一度、済みませんけど、決意、いただければと思います。
○国務大臣(下村博文君) 我が国は法治国家ですから、法にのっとって制度設計をすべきことであるし、また、そうされているわけでありますから、属人的な形で、そのときの人間関係によって制度を超えてしまった権限を行使するということがあってはこれはならないわけで、まさにそれは違法状態そのものなわけです。 そういう意味で、教育委員会は、これは執行機関としての権限が明確にあるわけでありますから、その中における教育長や教育委員は、その自分たちの執行機関としての責任者の立場として責任を持って、その地方における教育については責任を持つというのが、これは制度上当たり前のことでありますし、一方で、首長は、教育については予算編成権等は持っているわけであります。 それぞれが執行機関として別々にやるわけですから、それぞれの執行機関の自分の職分の中でそれぞれ責任を果たすということに対して、新教育長においても、あるいは教育委員の方々も自覚を持ってやっていただきたいと思いますし、また、そのためのこれから研修等もする必要があるというふうに思いますが、いずれにしても、法治国家としてのそれぞれの役割を、きちっと果たすべき職務をそれぞれが全うしていくというのは当然のことだと思います。
○那谷屋正義君 今大臣の言われたことについては今後もしっかりと注視をしていきたいというふうに思っているところでございます。 今、権限と責任というお話がございました。この法案について言えば、首長が教育行政に関して権限とそれから責務があるという部分と、それからもう一つは、教育長、これは新たに教育長ができるわけですけれども、その教育長の権限と責任というふうなことを考えたときに、実は、教育行政というものに対して一体どのようにチェックしていくのか。 例えば、島根県の松江市の教育委員会、松江市で、いわゆる特定図書閲覧禁止というのを突然教育長が打ち出したわけでございます。それについてのてん末については御案内のとおりだというふうに思いますけれども、こうしたことについて、教育長のそういった話を教育委員会がきっちりこれからも、そのことについて阻止、阻止というか、きちっと反対ということの表明をできるのかどうなのかというところがすごく大事なところだと思うんですけれども、それについてはいかがでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 今回の改正案では、教育長の権限が強いものになるため、教育長に対する首長や議会のチェック機能を強化するという観点から、教育長の任期を首長よりも一年短い三年としているほか、教育委員のチェック機能を強化する観点からは、教育委員の三分の一以上の委員から会議の招集を請求された場合には教育長が遅滞なく会議を招集しなければならないこと、また、教育長が教育委員会から委任された事務の管理、執行状況について報告をしなければならないことを規定しております。 加えて、教育委員会会議の透明性の向上を図り、教育委員会に対する住民のチェック機能を強化する観点から、従来の教育委員会会議の原則公開に加えまして、教育委員会会議の議事録を作成し、公表するよう努めなければならないことを新たに規定しております。 さらに、首長及び教育委員会に対する住民によるチェック機能を強化するという観点からは、総合教育会議について会議を原則公開とするとともに、議事録を作成し、公表するよう努めなければならないことを規定しておりまして、教育長の事務の執行につきましては、これらの規定によるチェックが働くものと考えております。
○那谷屋正義君 今、私は、教育長のぽんと特異な発言というか、そういったものについての例をお示ししたわけですけれども、教育長のみならず教育委員会全体が、やはり少し住民にはなかなか理解できないような方向性、出したとしたときに、どのように今回はチェックをすることができるんでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 現行制度におきましても、教育委員としての任命、罷免に当たり議会同意が行われておりまして、教育委員の資質、能力を議会によりチェックできるという仕組みであるわけであります。 また、毎年、教育委員会自らが行う事務の管理及び執行状況に関する点検・評価報告書の議会への提出が規定されているほか、議会の本会議や文教委員会等におきまして教育委員会の事務執行についての質疑が行われておりまして、これは改正案においても変更はありません。 さらに、教育委員会会議は原則公開であるとともに、教育委員会会議の透明性の向上を図り、住民によるチェック機能を強化する観点から、教育委員会会議の議事録を作成し、公表するよう努めなければならないこと、これは第十四条第九項でありますが、こういうふうに規定をしておりますので、このような観点から教育委員会に対するチェック機能が十分働く仕組みであるというふうに考えます。
○那谷屋正義君 今お話しいただいたとおりだと思いますけれども、次に、大綱と総合教育会議との関係についてお伺いをしたいというふうに思います。 午前中ちょっとありましたけれども、地方教育振興計画、これは今努力義務になっているわけでありますけれども、その策定の実態あるいは策定名義の実態についてどのようになっているか、よろしくお願いします。
○政府参考人(清木孝悦君) 地方公共団体におけます教育振興基本計画の策定状況でございますが、まず都道府県につきましては、今年の二月現在で四十七のうち四十六で策定がなされております。また、市町村につきましては、昨年七月現在で千七百四十のうち千二十九、五九%に当たりますが、におきまして策定がなされております。 また、策定名義でございますが、都道府県と政令指定都市の状況を文部科学省としては把握をしておりますが、都道府県につきましては、四十六のうち教育委員会の名義によるものが二十二、都道府県と教育委員会の連名によるものが十九、都道府県という名義が五となっております。また、政令指定都市、これは全て二十の政令指定都市で計画が策定されておりますが、そのうち、教育委員会の名義が十四、市と教育委員会の連名によるものが四、市の名義が二となっているところでございます。
○那谷屋正義君 ありがとうございました。 市町村としては全体の六割ぐらいが策定しているということでありますけれども、これは、これまでの様々な議論の中で、大綱との関係ということで、この教育振興計画をもって大綱に代えることができるという、そういうことだというふうに思いますけれども、それでよろしいですかね。もう一回確認です。
○国務大臣(下村博文君) 地方公共団体において教育振興基本計画を定める場合には、その中の施策の目標や施策の根本となる方針の部分が大綱に該当すると位置付けることができるものであり、首長が総合教育会議において教育委員会と協議し、当該計画をもって大綱に代えることと判断した場合には、別途大綱を策定する必要はないと考えます。
○那谷屋正義君 そこで、大綱と総合教育会議、これも衆議院の議論もたくさんございましたし、本院でもいろいろ議論がされました。 地方教育振興計画をそのままということであれば、それは教育委員会の中で話がされている中で特にこれまで問題があったということはないと思いますけれども、実は、首長さんの、大綱というのは首長が策定をするということになっておりますから、その首長さんのこれまた飛び出た発想といいますか、これはいい悪いはあるとは思うんですけれども、具体的に言うと、某県知事さんが、学力テストの扱いであります、学力テスト。まあ学力テストだけではないんですけれども、特に学テの状況が際立って進歩したところに実は県の予算をはたいてその学校に百万円を渡すという、そういうような発想が実はありまして、このことというのは一般的にどのように捉えたら、私はあってはならぬなと思うんですけれども、文科省としてはどのようにこのことを捉えるか、お尋ねしたいと思います。
○政府参考人(前川喜平君) 一般論で申し上げますと、困難な状況の中で成果を上げつつある学校に対しまして、その取組の充実を支援するとともに、その成果を他校に普及するよう図るという意味で、財政的な支援も含めた支援をするということはそれなりに意義のあることではないかと考えますが、同時に、多くの教育課題を抱えて厳しい状況にあって思うような成果が上がらないという学校に対しまして教育委員会として支援を行うということも重要であるというふうに考えます。具体的にどのような取組を行うかにつきましては、地域の実情等踏まえまして、各地方公共団体において創意工夫の上実施すべきものではないかと考えます。
○那谷屋正義君 いや、それは先ほどから地方分権、地域主権という、地方分権のお話もありましたけれども、今、文科省の見解、認識としてそれでいいんですね。じゃ、優秀なところにはお金を知事の権限でもって配るというようなことがあってもそれは構わないと、このように判断をするというふうな理解でよろしいか、もう一回お尋ねします。
○国務大臣(下村博文君) 学力テストということでいえば、これは小中学校の話だというふうに思いますが、小中学校の設置主体は市町村でありますから、これは基本的には市町村の教育委員会がそのように判断をするということで、予算権を持っているそこの市長、村長がそういうふうなことに対して同意をするということであれば、今のようなことはあり得る話だと思います。 ただ、知事がやるということは、これは越権行為でありますから、それは本来望ましいことではないと思います。
○那谷屋正義君 安心しました、大臣のそのような答弁で。おっしゃるとおり、知事ですから、これは都道府県、県ですね。だから、仮に百歩譲って高校に、高校には全国学力状況調査ありませんけれども、高校のそういう教育のありようによってそういうことをやろうというふうなことというのは、権限と責任の中においてはやれるかもしれません、いい悪いは別にして。しかし、義務制の学校というのは市町村でありますから、そういう意味では、市町村の教育委員会のそういった権限と責任を差しおいてそういうことをやるよというふうなことというのは、そういう問題が一つと。 それから、やっぱりテストでいい点取ったから、百万円ですかね、あげるとか、あるいは、その学校の例えば子供たちの態度が、子供たちの様子が非常に良くなった、指導が良くなったから、その御褒美に百万円あげるとかというやり方というのは、これで本当にいいのかどうかということについては、しっかりとやっぱりそれこそ教育委員会で議論がされなければいけない話ではないかなというふうに思うわけであります。 むしろ、私から言わせれば、逆に言うと、問題を抱えてそれがなかなか解決しない学校ほど実は予算というのは必要なのではないかというふうに思うわけでありまして、こういったことが首長さんの独断と偏見で行われるようなことがあってはならないということで、そういったことも今回の法案の中では、もしそれがおかしいとなればきちっと歯止めを掛けることができるという理解でよろしいでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) ちょっと質問の、今、趣旨がちょっといまいちよく理解ができない部分があったわけですが、大綱の策定ということでよろしいんでしょうか。
○那谷屋正義君 結局、今のことを大綱に、知事さんですね、知事さんが載せたいというふうになった場合、それを、先ほどから言われているように、いや、それは我々は認められないというか、教育委員会、教育長を中心としてそれは駄目だというふうなことが本当に言い切れるのかどうかということについて確認をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) まず、知事が県下の教育環境について改善を図りたいと思っても、市町村に関わることについて県が大綱の中で書き込むということは、これは越権行為で、それはあってはならないことだというふうに思います。 県における教育行政において、これは総合教育会議において県の教育委員会と一緒に今後の県における教育について協議、調整をして、そしてそれを大綱に書き込もうと、しかし県の教育委員会は、教育委員会の分野のことについては知事の思いとこれは同意できなかったということについても、しかし知事が大綱で書き込んだということであったとしても、それは尊重義務はありません。
○那谷屋正義君 今のような形でいくと、これも衆議院でありましたけれども、我が会派の笠衆議員の方から質問しましたけれども、そうなると、やはり現場が混乱するのではないだろうかと。例えば、総合教育会議というのは公開制でありますよね。そうすると、首長さんはこう言っていると、しかし教育委員会はそれをノーと言っていると、一体どうなるんだということで、教育現場の対応として非常に困ってしまうことが起こるんではないかというふうな懸念を示さざるを得ないわけでありますけれども、そういう意味で、総合教育会議の公開制、これも議論をされていますけれども、この公開制についてどのように今回なっているのか、再度改めてお聞きしたいと思います。
○政府参考人(前川喜平君) 改正案第一条の四第六項でございますが、ここで、「総合教育会議は、公開する。ただし、個人の秘密を保つため必要があると認めるとき、又は会議の公正が害されるおそれがあると認めるときその他公益上必要があると認めるときは、この限りでない。」とされているところでございます。 また、第七項におきまして、「地方公共団体の長は、総合教育会議の終了後、遅滞なく、総合教育会議の定めるところにより、その議事録を作成し、これを公表するよう努めなければならない。」とされているところでございます。
○那谷屋正義君 つまり、公開をされる、特別なとき以外は公開をされるということであります。しかし、会議が公開をされるというのは、この参議院の文教科学委員会の傍聴席というのはかなりありますから今日はたくさんの方いらしていらっしゃいますけれども、しかし実際問題、この総合教育会議が行われるところで傍聴するということでも、人数的にはやはり、制限がどうしても、限られてしまいますね。人数が限られてしまうということがあって、そういう意味では、やはり議事録というのはどうしても重要になってくるというふうに思います。 先ほど議事録についての議論も、やり取りもありましたけれども、ここはやはり原則議事録を作成し、公開するものとするというふうにすべきではないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 総合教育会議の議事録の作成、公表につきましては、御指摘のように、第一条の四第七項によりまして努力義務としているところでございます。これは、平成二十四年度の文部科学省の調査におきまして、教育委員会の議事録の公開については約半数、四八・七%の市町村教育委員会が公開しておらず、小規模の地方公共団体においては、首長、教育委員会にかかわらず、職員が少ないということから、総合教育会議の事務局を首長の部局が担う場合においても過大な事務負担となることがあるということで配慮して、努力義務と法律の中ではしたところでございます。 しかし、御指摘のように、住民への説明責任を果たし、その理解と協力の下で教育行政を行うということは大変重要なことでありますので、法案が成立した場合には、施行通知や説明会等の機会を活用して、可能な限り議事録は作成し、公表するようにということを指導してまいりたいと考えます。
○那谷屋正義君 本当は法文上に入れていただきたいというのが思いなんですけれども、是非そういう意味ではしっかりと指導をしていただきたいというふうに思います。 これは余談になりますけれども、議事録、つまり公文書ですけれども、公文書というのは今学校現場でどのように扱われているかというと、職員会議、これも公文書ということで、これも請求があれば当然公開しなければならない。ところが、ちょっとした、学年の、机が並んでいる同士で、こういうことだよといってメモ的なものを渡す、あるいは電話でメモを書く、これも実は公文書だということで、これをも本来ならば公開を求められたときには公開しなければならないというような状況で、そのときは、事務負担のことが云々とかそういうことではなくて、あるいはその体制が十分であるとかということではなくて、もういやが応でもやられるんだというふうに私は現場にいたときに言われたわけであります。 そういう意味では、やはり公務に携わる中で説明責任を本当にしっかりと果たしていくためには、今大臣から言われたように、しっかりとこの重要性を御指導いただきたいということを改めて申し添えておきたいというふうに思います。 最後になりますけれども、教育行政における国と地方との関係ということであります。これも実は多くの方が懸念をされている部分でありまして、これまで地方が自分たちの独自性を持って教育に関わってきた、そこに国が口出しができるようにしてくるという、そのことに対する懸念であります。 これは、法案によりますと大変限定的でありますから、本当にそれだけであるということであるのかどうかということがまず大事なことなんですけれども、一つの風穴を開けるという言い方は変ですけれども、そこからだんだんだんだん大きくなっていく、広がっていってしまうというようなことは心配がされているわけですけれども、そういう心配について、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 結論から申し上げまして、今回の改正は、あくまで要件の明確化、そのための改正でありまして、要件を何か追加して国の関与を更に少しずつ強化させるための施策ということでは全くありません。 なぜこの要件の明確化をするかということについてですけれども、現行法第五十条は、平成十九年改正におきまして、いじめによる自殺等の事案において教育委員会の対応が不適切な場合に、文部科学大臣が教育委員会に対して是正の指示ができるよう設けられた規定であります。しかしながら、大津市におけるいじめによる自殺事案の際に、児童生徒等の生命又は身体の保護のためという要件については、当該児童生徒等が自殺してしまった後の再発防止のためには発動できないのではないかという疑義が生じました。 現行法においても再発防止のために指示ができるという解釈も可能ではありますけれども、指示は、地方自治制度の中で非常に強い国の関与であり、国会審議においても抑制的に発動すべきことが何度も確認され、附帯決議においてもその旨示されているということから、解釈が曖昧なまま発動することは困難であるため、事件発生後においても同種の事件の再発防止のために指示ができることを明確化するための法改正を行うものでありまして、今回によって更に拡大的に国の権限を地方に行使するというような法改正案では全くありません。
○那谷屋正義君 以上で質問は終わりますけれども、冒頭、そもそも論から入らせていただいて、そして多くの国民が今回の法案に対しての懸念する部分についてお伺いをしてきました。まだまだ、そういう意味では、教育の中立性、安定性、継続性、こういったものに関して、まだまだお聞きしなきゃならないものがたくさんあるということで、これからも真摯に議論を続けさせていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
○新妻秀規君 本日は、これまでの衆議院そして参議院の本委員会での質疑を踏まえて、実際の運用に役立つように具体的な問題について質問をしてまいろうと思います。 まず、町村、町、村で例外的に認められている三人体制の教育委員会について質問をいたします。 改正案の法文第三条において、教育委員会は、教育長及び四人の委員をもって組織するとされまして、原則は五人以上で構成をされると承知をしておりますが、同じ条文には、町村及び地方公共団体の組合のうち町村のみが加入するものの教育委員会にあっては教育長及び二人以上の委員をもって組織することができるというふうにありまして、町村への例外規定として三人体制の教育委員会を認めている、このように承知をしております。 衆議院の質疑にて、教育長及び委員二名の三名体制の教育委員会では教育長の力が強くなり過ぎるので、チェックをしっかり掛けるため、また議論を活性化させるために原則教育長プラス委員四名の五名の体制にすべき、この質問に対して、前川局長より五名以上になるように指導をしていくとの答弁があったと理解をしております。 ここで、町村のような小さな自治体にあっても多様な民意が教育に反映され、そして新教育長へのチェック機能が十分に果たせるためには、五名体制を確保するために実効性のある指導を行うことが極めて重要と考えます。具体的にどのように指導をしていくのか、答弁を求めます。
○政府参考人(前川喜平君) 御指摘のとおり、町村につきましては例外的に教育長を含め三人以上で構成することができることとしているわけでございますけれども、原則は五人ということでございまして、地域の多様な民意を反映するとともに、新教育長のチェック機能を果たすという観点からも、教育委員会がなるべく教育長と四人の教育委員以上で構成されることが望ましいと考えております。 文部科学省といたしましては、各自治体においてそうした運用を目指して努力していただくよう、法案が成立した暁におきましては、施行通知で指導するとともに、説明会等を通じ、またその他のあらゆる機会を通じまして丁寧に周知してまいりたいというふうに考えております。
○新妻秀規君 衆議院での答弁と同じだというふうに認識しているんですが、実効性を確保するような指導をお願いをしたいと思います。 次に、新教育長の資質の向上についてお尋ねをいたします。 新教育長は、御案内のとおりですが、現行制度での教育長と教育委員長の両方を兼ねるため、スーパー教育長ともいうべき大きな権限を持つものと認識をしております。 このため、衆議院の審議でも、役割と権限が増す新教育長には資質向上のために研修プログラム等の導入をとの質問が出されました。この質問に対しては、大臣より、教育長のリーダーとしての資質や能力を高めるための方策としては、現在、市町村の教育長を対象とした研修会を実施しておりますが、今後、国、都道府県、大学等による研修のプログラムについて充実を図ってまいりますとの答弁があったと承知をしております。 ここで、研修プログラムを具体的にどのように充実をしていくのでしょうか、また教育委員会や教育長に対してどのようにプログラムの活用を促していくのでしょうか。 先週の本委員会での参考人質疑において、兵庫教育大学での教育長養成プログラムについて御紹介がありました。高い専門性が要求をされる教育長の育成には大変に有効なプログラムである、このように感じました。こうした教育プログラムは是非とも全国展開をすべきと考えますが、いかがでしょうか。 また、さきの大臣答弁、御紹介をさせていただきました大臣の答弁にも触れられていましたが、昨年の年末に行われました全国市区町村教育長セミナーのような取組は、今後とも、質的そして量的にも拡大、拡充をしながら更に推進をしていただきたいと思いますが、今後の推進予定についてはいかがでしょうか、答弁を求めます。
○政府参考人(前川喜平君) 新教育長は教育行政に大きな権限と責任を有することになりますことから、その適任者の確保とその資質の向上は極めて重要でございます。 現在の教育長のリーダーとしての資質や能力を高めるための方策といたしまして、国や大学において市町村の教育長を対象とした研修会を実施しておりまして、今後、国としても、大学等と連携を図りながら研修の充実に努めるとともに、その実施、活用について周知してまいりたいと考えております。また、各都道府県教育委員会に対し、域内の市町村教育委員会教育長に対する研修の実施及びその内容の充実に努めるよう指導してまいりたいと考えているところでございます。 御指摘の兵庫教育大学におきましては、変革型の応用力を持った教育長の育成ということを目指しまして、平成二十八年度より、現職教育長や教育委員会事務局職員等を対象とした大学院教育長養成コース、仮称でございますが、このコースの設置を予定しているものと承知しております。新教育長は教育行政に大きな責任、権限を有することから、兵庫教育大学の取組のような体系的な教育長の養成プログラムの実施が他の大学等にも広がるよう、国としても必要な支援を検討してまいりたいと考えております。 また、兵庫教育大学におきましては全国区市町村教育長セミナーを開催しているわけでございますけれども、これは全国の市区町村教育委員会教育長を対象とした研修プログラムでございまして、市区町村教育長のリーダーシップを支援すること及び情報交換の場を提供することを目的にいたしまして、平成二十三年度より実施されて、今年度も全国三か所で開催予定であるというふうに承知しております。 このような取組につきましても大変意義あることと考えております。国としても、研修の推進について必要な検討を図ってまいりたいと考えております。
○新妻秀規君 こうしたすばらしい取組の効果を実際にきちんと評価をして、そしてこうした取組が広がるような積極的な後押しをお願いをしたいと思います。 次に、教育委員の人選におけるレーマンコントロールの重要性についてお尋ねをいたします。 衆議院の審議にて、現在の制度は教育の専門家や行政官ではない住民の代表である教育委員が専門的な行政官で構成される事務局を指揮監督するレーマンコントロールの考え方に立っている、専門家の視点を入れようとした場合、レーマンコントロールをどう担保するのか、この質問に対して、教育に関する高度な知見を有する方の選任などの人選の工夫が重要とする一方で、レーマンコントロールは重要として、地域住民や保護者等が幅広く教育委員として選任されるように促す、こういう答弁がありました。 また、違う質疑におきましては、教育委員にどういう方を任命するのが望まれるかとの質問に対して、一般的な識見だけではなく、教育に対する深い関心や熱意が求められるとした上で、コミュニティ・スクール等の関係者を選任したり、教育に関する高度な知見を有する研究者を含めるなど幅広い人材を得ることが必要との答弁があったと承知をしております。 今回の改正案においても、これまでの衆参の審議を通して、レーマン、つまり予断を排して判断に臨む人物の重要性は全く変わらない、このように理解をしております。 〔委員長退席、理事石井浩郎君着席〕 ここで、教育委員の人選に際し、レーマンコントロールを実際に担保をするために、教育関係者だけではなく幅広い人材を求めるように施行通知に明記をすべきと考えますが、答弁を求めます。
○政府参考人(前川喜平君) 今回の改正案におきまして教育行政の責任者としての教育長のリーダーシップは高まるわけでございますが、教育委員の職業等に偏りが生じないよう配慮するとの現行法の規定も維持しており、教育の専門家ではない一般の住民の意向を教育行政に反映していく必要がありますことから、いわゆるレーマンコントロールの考え方を引き続き維持しているわけでございます。 こうした観点から、教育委員会において、地域の多様な民意が反映されるように、例えばコミュニティ・スクールや学校支援地域本部の代表を教育委員に選任するなど、地域の幅広い関係者から教育委員を人選する工夫を一層進めることが有効であると考えております。 法案が成立した場合には、こうした趣旨が徹底されるよう施行通知にも明記するとともに、説明会等を通じまして周知してまいりたいと考えております。
○新妻秀規君 前向きな答弁ありがとうございます。今回の改正でも本当に非常に大きなポイントだと思いますので、今の御答弁を聞いて安心をいたしました。 次に、服務等の規定についてお尋ねをいたします。これは、大臣に答弁を求めさせていただきます。 改正案の法文第十一条の八項には、「児童、生徒等の教育を受ける権利の保障に万全を期して当該地方公共団体の教育行政の運営が行われるよう意を用いなければならない。」とあります。 ここで、衆議院での質疑、この規定が設けられた理由としては何かとの質問に対して、大臣より、教育長及び教育委員の職務遂行に当たっての留意事項についての訓示的規定であるとの答弁がありました。この答弁によって、この服務等の規定は教育長及び教育委員の当然の責務を確認的に明らかにしたということは理解できたのですが、仮に万一、児童生徒にそのような権利の侵害が起こってしまったとしても、そのこと自体が教育長及び教育委員の罷免要件を構成しない、このように理解しておりますが、この理解でよろしいでしょうか、答弁を求めます。
○国務大臣(下村博文君) 第十一条第八項の改正の趣旨は、深刻ないじめや体罰の問題など、児童生徒等の教育を受ける権利に関わる問題が発生していることを踏まえ、教育長及び教育委員は教育を受ける権利の保障に万全を期して教育行政を運営する必要がある旨を法律に明記することとしたものであります。 第十一条第八項は、特定の事務の執行を義務付けるものではなく、職務遂行に当たって心掛けておくべき留意事項を示す訓示規定であり、仮に児童生徒の教育を受ける権利の侵害が起こったとしても、この規定を根拠に罷免事由に該当するものではないと考えます。 ただし、児童生徒等の教育を受ける権利の侵害が起こった場合において教育長に義務違反がある場合においては、第七条第一項に規定する職務上の義務違反として罷免事由に該当することがあり得ると考えます。
○新妻秀規君 よく分かりました。 次に、総合教育会議についてお尋ねをいたします。 まず、総合教育会議での協議、調整についてお尋ねをいたします。 これまでの衆参の審議を通しまして、総合教育会議では、個別の教職員人事や教科書の採択等の政治的な中立性の要請が高い項目については協議の議題として取り上げるべきではないと繰り返し答弁されていると承知をしております。 ここで、仮に首長がこうしたテーマについて協議の議題にしようとした場合、又は議題ではないが突然総合教育会議の場でこうした政治的中立性の要請が高い項目について言及をした場合、教育委員会は協議に応じる必要はないという理解でよろしいでしょうか、答弁を求めます。
○政府参考人(前川喜平君) 教科書の採択や個別の教職員の人事など特に政治的中立性の要請が高い事項につきましては、教育委員会制度を設けた趣旨から、総合教育会議の協議題としては取り上げるべきではないと考えているわけでございます。 この点、協議題として取り上げるべきではない事項を協議題として会議が招集されることがないように首長と教育委員会があらかじめ協議題を調整する必要があり、その旨、改正案第一条の四第九項に基づきまして、総合教育会議の運営に関し必要な事項としてあらかじめ定めておくことも考えられるわけであります。 また、総合教育会議の場で事前に調整された協議題以外に首長から協議題として取り上げるべきではない事項について提案が行われたというような場合におきましても、教育委員会が協議に応じないという判断をすることは可能であるというふうに考えております。
○新妻秀規君 分かりました。 次に、あくまで確認で質問させていただくんですが、非公式に首長と教育委員が話合いを持って合意をした場合の取扱いについてお尋ねをいたします。 総合教育会議は、法文上、地方公共団体の長と教育委員会をもって構成をされまして、地方自治体の長が招集をする、このように定義をされておると認識をしております。 ここで、例えば首長と教育長が非公式に話をして何らかの合意に達したとします。このように地方公共団体の長と教育委員の一部が非公式に合意に達したとしても、これはもちろん総合教育会議での協議、調整とはみなさないと理解をしておりますが、この理解でよろしいでしょうか、答弁を求めます。
○政府参考人(前川喜平君) 総合教育会議は、首長から教育委員会への招集行為があって初めて開催されるものでありまして、また、原則として公開であり、会議の開催についても事前に公表されるものでございます。そうしたことから、一部の委員との非公式な合意を総合教育会議の協議、調整とみなすことはできないと考えております。
○新妻秀規君 よく分かりました。 次に、大綱についてお尋ねをいたします。これは大臣より答弁を求めたいと思います。 衆議院の審議にて、大臣より、首長と教育委員会が総合教育会議で調整できなかったことを大綱に盛り込むことは基本的にはあり得ないとしつつも、それでも盛り込むということになれば、首長としての強い意思であるから教育長も尊重をされると思うとの答弁があったと承知をしております。 しかし、今回の改正案の法文第一条の三の四項には、第一項の規定、すなわち大綱の策定は、地方公共団体の長に対し、第二十一条に規定する事務、すなわち教育委員会の職務権限の事務、これを管理し、また執行する権限を与えるものと解釈してはならないと規定をされております。 この法文の趣旨は、首長が大綱の策定を通じて教育委員会の執行権を侵食してはならない旨を明確化したものであり、法律上は、あくまで調整できなかった事項についての尊重義務は生じないものであると理解をしておりますが、この理解でよろしいでしょうか、答弁を求めます。
○国務大臣(下村博文君) 改正案第一条の三第四項は、首長の大綱策定権限は、教育委員会の権限に属する教育に関する事務の管理、執行権限を、これを首長に与えるものではないという趣旨を確認的に規定したものであります。 首長と教育委員会とが協議し、調整を経て策定された大綱については、首長と教育委員会の双方に尊重義務が生じます。これは第一条の四第八項であります。しかし、調整が付かなかった事項についてはそもそも尊重義務は生じません。 仮に首長が教育委員会と調整が付かなかった事項を大綱に記載したとしても、権限を持つ教育委員会が執行しない事項を記載するということはそもそも意味がないわけであります。したがって、こうしたことのないよう十分な協議、調整が必要と考えます。
○新妻秀規君 分かりました。 次に移ります。次に、大綱にて参酌をする教育振興基本計画における基本的な方針についてお尋ねをします。 今回の改正案の法文第一条の三には、地方公共団体の長は、教育基本法第十七条第一項に規定する基本的な方針を参酌し、ちょっと中略しまして、大綱を定めるものとするとあります。 衆議院の審議にて、参酌すべき教育基本法第十七条第一項の基本的な方針とは具体的にはどこに当たるのかという質問に対して、答弁の中で、「第一部 我が国における今後の教育の全体像」とする一方で、この基本的な方針は第二部についても一部該当する部分があると答弁をされていると承知をしております。第二部は、今後五年間に実施をすべき教育上の方策について記述されているところと認識をしております。 大綱は、第二部のうち、個別具体の施策について詳細に記述するものではないとの理解ですが、この理解で正しいでしょうか。また、第二部のうち、基本的な方針に一部該当するところとは具体的にはどこなのでしょうか、答弁を求めます。
○政府参考人(前川喜平君) 今回の大綱につきましては、国の教育振興基本計画の基本的な方針を参酌して施策の目標や施策の根本となる方針についての策定を義務付けるものでございまして、詳細な講ずべき施策の策定までを義務付けるものではございません。 また、「第二部 今後五年間に実施すべき教育上の方策」でございますけれども、これは、基本的には講ずべき施策を明記したものでございますので、個別の施策についてまで参酌する対象になるわけではございませんが、この部分、この第二部のうち目標を掲げている部分、目標部分につきましては基本的な方針に該当し得ると考えられるわけでございます。 具体的に申しますと、教育振興基本計画第二部に記載されている成果目標といたしまして、八つの成果目標が掲げられております。一つは生きる力の確実な育成、二番目に課題探求能力の修得、三番目に生涯を通じた自立・協働・創造に向けた力の修得、四番目に社会的・職業的自立に向けた能力・態度の育成等、五番目に社会全体の変化や新たな価値を主導・創造する人材等の育成、六番目に意欲ある全ての者への学習機会の確保、七番目に安全・安心な教育研究環境の確保、八番目に互助・共助による活力あるコミュニティーの形成、こうした目標が掲げられておりますけれども、こういった部分につきましては参酌すべき部分に当たるのではないかと考えております。
○新妻秀規君 今の御答弁なんですけれども、今までの衆議院、参議院の質疑にはなかった新しい答弁だと思います。 こうしたことは、やはり大綱を策定するに当たって現場の方が必要な情報だと思います。こうしたことを、済みません、これ通告していない質問なんですけれども、施行通知に盛り込むことは可能でしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) こうしたことにつきましても施行通知の中で明らかにし、周知してまいりたいと考えます。
○新妻秀規君 分かりました。 次に、教育長の緊急事態への対応力の向上についてお尋ねをいたします。 衆議院の審議において、緊急時の対応について大臣より、教育においては、教育委員会の権限において、執行機関であるその責任者たる教育長が判断をするということが法律上最も適当、このような答弁があったと理解をしております。そうであれば、児童生徒の身体、生命の保護を始め、こうした緊急時においては教育長の緊急事態への対応力が非常に重要になる、このように考えます。 先週の参議院での本委員会の参考人質疑でも、参考人のお一人から、緊急時の対応において、教育長と教育委員長が一本化された新教育長が責任者となることが期待されるが、この緊急時の対応の成否は個人の資質によるところが極めて大きい、こうした意見陳述がございました。 緊急時における教育長の対応能力の向上を国としてどう具体的に図っていくのか、答弁を求めます。
○政府参考人(前川喜平君) 新教育長は、教育行政に大きな権限と責任を有することになりますので、危機対応力を始め、その資質の向上は極めて重要でございます。 昨年十二月十三日の中央教育審議会の答申におきましては、「教育長には、強い使命感を持ち常に自己研鑽に励む人材が求められ、「学び続ける教育長」の育成を担保するため、国、都道府県、大学等が主体となって、現職の教育長の研修を積極的に実施することが必要である。」とされているところでございます。 教育長のリーダーとしての資質や能力を高めるための方策といたしましては、現在、国や大学において市町村の教育長を対象とした研修会を実施しておりまして、今後、危機対応力向上の観点も含めまして、国、都道府県、大学等による研修のプログラムについて、その充実を図ってまいりたいと考えております。
○新妻秀規君 分かりました。 次に、大綱やその他総合教育会議での協議事項の議会報告についてお尋ねをいたします。 衆議院の審議において、大綱やその他総合教育会議での協議調整事項については、民意を代表する議会に対する説明を通じて住民への説明責任や議会によるチェック機能が果たされることは大変に重要である、また、各地方公共団体においては大綱の取扱いについて適切な運用がなされることが期待される、こうした答弁があったと承知をしております。 この大綱やその他の総合教育会議での協議事項について可能な限り議会報告を行うべきこと、これを施行通知で明らかにすべきではないかと考えますが、いかがでしょうか、答弁をお願いします。
○政府参考人(前川喜平君) 今回の改正案におきましては、大綱や総合教育会議における協議に関する議会報告についての規定は盛り込んでいないところでございますが、透明性を確保するため、大綱を策定又は変更した際には公表することとされているほか、総合教育会議における協議はそれ自体が公開されるということでございまして、また議事録の作成や公表についても努力義務とされているところでございます。 民意を代表する議会に対する説明を通じて住民への説明責任や議会によるチェック機能が果たされることは重要であると考えております。このことにつきましては、各地方公共団体において適切な運用がなされることが期待されているところでございます。 議会との関係でどのような対応を取るかにつきましては、各地方公共団体の判断であると考えております。文部科学省として一律に指導するということは考えておりませんが、各地方公共団体の実情に応じた取組がなされるよう、情報提供を行ってまいりたいと考えております。
○新妻秀規君 次に、教育委員会の議事録作成また公表義務についてお尋ねをいたします。 衆議院の質疑におきましては、事務負担が過重になる小規模自治体を除いて教育委員会が議事録の作成、公表をするような運用を担保すべきではないか、この質問に対しまして、議事録の作成及び公表を努力義務としていますが、住民への責任を果たすため、可能な限り議事録を作成し、公表するよう各教育委員会に対して指導していくとの答弁がありました。 ここで、具体的にどのように指導をしていくのでしょうか。また、先ほどもありましたが、施行通知を出すことなどは検討できないのでしょうか、答弁を求めます。
○政府参考人(前川喜平君) 総合教育会議や教育委員会会議における議論を住民に公開し、住民への説明を果たすとともに、その理解と協力の下で教育行政を行うという趣旨をより徹底するために、改正案におきましては、会議の公開を原則とした上で、議事録の作成、公表を努力義務としているところでございます。 法案が成立した暁には、改正法の施行通知や全国の教育委員会関係者を対象とした説明会等を通じまして、可能な限り議事録を作成し、公表するよう指導してまいりたいと考えております。施行通知にはこの旨を明記してまいりたいと考えているところでございます。
○新妻秀規君 前向きな答弁をありがとうございます。 次に、首長と教育長の関係についてお尋ねをいたします。 衆議院の質疑におきまして、下村大臣より、首長と前の首長が任命をした教育長の政策が合わない場合には、教育長が自ら判断するべきこともあるのではないか、このような答弁があったと承知をしております。 これは、首長が交代をしたときに教育長が任期途中で辞表を提出することを推奨するような趣旨ではない、このように理解をしておりますが、確認のため、この理解で正しいかどうか、答弁を求めます。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘の答弁は、政治的中立性、継続性、安定性の確保は必要という前提に立った上で、新たに就任した首長が示す方針にどうしても納得できないという場合には、教育長が自ら判断をするということもあり得るということを述べたものでありまして、首長が交代した場合に教育長が任期途中で辞表を提出することを当然推奨するものではありません。
○新妻秀規君 分かりました。 これから、施行通知で周知すべきではないかというふうに私が考えていることについて六問お尋ねをいたします。具体的な答弁は既にこれまでの審議で出ておりますが、やはりこうした議事録を全て読み込むというそうした教育関係者の方々、そう多くはないと思います。なので、これから六問、具体的な問題について取り上げていこうと思います。 まず、大綱のイメージについてお尋ねをします。 衆議院の審議におきまして、大綱に記載するイメージはとの質問に対し、耐震化、学校統廃合、少人数学級推進などとの御答弁がありました。こうしたことについて具体的なイメージのこのあり姿、施行通知で明らかにすることはできないでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 大綱に盛り込むべき事項につきましては各地方公共団体の判断に委ねることが適当であると考えておりますが、例えばということで、目標年度までに全学校の耐震化を完了すること、学校の統廃合を推進すること、少人数教育を推進することなどが考えられるということでございます。 このような大綱の記載事項のイメージにつきましては、これらの例示で、これだけでよいかどうかという問題はございますけれども、そのイメージが教育委員会にも正確に伝わるように、法案が成立した場合には、改正法の施行通知でありますとか、また全国の教育委員会関係者を対象とした説明会等におきまして周知してまいりたいと考えております。
○新妻秀規君 次に、大綱と地方の教育振興計画の位置付けの違いについてお尋ねをします。 これも何回も取り上げられてきた課題ではありますが、全ての自治体で大綱の策定が義務付けられているのに対して、教育基本法第十七条第二項で、地方の教育振興基本計画の策定は努力義務とされております。この位置付けの違いについて、衆議院審議の答弁にて、大綱は、国の計画の基本的な方針を参酌して策定しなければならないが、詳細な施策の策定までは求めないため、地方の計画とは矛盾しない、こうした答弁がありました。このような位置付けの違いについても施行通知で明らかにすることはできないでしょうか。答弁をお願いします。
○政府参考人(前川喜平君) 地方の教育振興基本計画は努力義務でございますが、大綱については詳細な施策の策定を求めるものではないため策定を義務付けていることについて、法案が成立した場合には、改正法の施行通知や全国の教育委員会関係者を対象とした説明会等において丁寧に説明してまいりたいと考えております。
○新妻秀規君 次に、この今の教育振興基本計画と大綱の関係についてお尋ねをいたします。 これも、これまで、本日の委員会でも質疑がございました。衆議院の審議にても、また本日の委員会審議にても、教育振興基本計画と大綱の関係はとの質問に対して、教育振興基本計画の中の施策の目標や施策の根本となる方針の部分が大綱に該当すると位置付けられるとの答弁がありました。これについても施行通知の中で明らかにすることはできないでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 地方公共団体において法案の趣旨に基づいた大綱が定められるよう、法案が成立した場合には、教育振興基本計画の中の施策の目標や施策の根本となる方針の部分が大綱に該当すると位置付けられることなどにつきまして、改正法の施行通知に明記し、併せて説明会等において周知してまいりたいと考えております。
○新妻秀規君 また、引き続きまして、教育振興基本計画についてお尋ねをします。 教育振興基本計画が既に定められている場合の大綱の取扱いについてお尋ねをいたします。 本日もございましたが、衆議院でも質疑がございましたが、教育振興基本計画をあらかじめ定めている場合、大綱をどうするのかとの質問に対して、首長が、総合教育会議において教育委員会と協議をして、この計画をもって大綱に代えることを判断した場合は別途大綱を作成する必要はないとの答弁がありました。これも施行通知で明らかにできませんでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 首長が、総合教育会議におきまして教育委員会と協議し、教育振興基本計画をもって大綱に代えることと判断した場合は別途大綱を作成する必要はないということにつきましては、施行通知に明記し、説明会等において周知してまいりたいと考えております。
○新妻秀規君 施行通知関係あと二問です、済みません。 次に、重点的に講ずべき施策についてお尋ねをします。 衆議院質疑での重点的に講ずべき施策とは何かとの質問に対し、調整を行う事項としては、教育委員会の権限に属する事務のうち、予算の調製、執行や条例提案など首長の権限との調和を図ることが必要な事項とした上で、その例として、学校等の施設の整備、教員の定数等の教育条件整備に関する施策、予算の編成、執行権限や条例の提案権を有する首長と教育委員会が調整をすることが必要なもの、また保育と幼稚園、あるいは青少年健全育成と生徒指導、放課後子どもプランのように首長と教育委員会の事務の連携が必要なもの、こうした答弁がありました。 〔理事石井浩郎君退席、委員長着席〕 こうした具体的な重点的に講ずべき施策についての中身について、施行通知で明らかにすることはできませんでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 改正案第一条の四第一号に規定する重点的に講ずべき施策とは、教育委員会の権限に属する事務のうち、予算の調製、執行や条例提案など首長の権限との調和を図ることが必要な事項や、首長と教育委員会の事務の連携が必要な事項のことであり、その趣旨や具体例につきまして、法案が成立した暁には、施行通知に明記し、説明会等において周知してまいりたいと考えます。
○新妻秀規君 次に、じゃ最後に、施行通知のラストの質問です。 教育委員会が教育長に委任した事務の解除についてお尋ねをします。 衆議院の質疑におきまして、教育委員会が判断をして教育長に委任をした事項については教育委員会が委任の一部を解除することができること、これが明らかにされていると理解をしております。これについても施行通知で明らかにすることはできませんでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 教育委員会が教育長に委任を行った事務につきましては、教育委員会がその委任を解除することは可能でございます。このことにつきましては、改正法の施行通知に明記し、説明会等においてその趣旨を周知してまいりたいと考えております。
○新妻秀規君 次に、特に小規模な自治体の事務局機能の強化についてお尋ねをいたします。 衆議院での質疑では、事務局の人員が少ない小規模な自治体を中心に新しい教育委員会制度が機能するように応援をすべきではないか、この質問に対して、答弁としては、地方財政措置の活用促進や市町村教育委員会に対する必要な助言や情報の提供を通じて体制強化を図る、こうした答弁がございました。 ここで、体制強化の具体的な取組はどのようなものを考えていらっしゃるのでしょうか。 私の友人の現職の教員に聞き取りを行ったところ、この私の友人は、小規模の自治体ではないんですが、愛知県の一般市に勤める教員ですが、先ほどまさに斎藤嘉隆委員がおっしゃっていたように、事務局の職員は、日中は本当に苦情の電話の対応でもういっぱいいっぱいで、本業に取りかかれるのは本当に夕方以降だと、こんなお話を聞いております。その電話の対応が終わってからようやく膨大な事務作業に臨んで深夜になるまで帰れない、こんなような話を聞いております。マンパワーの面も含めて、やはり事務局の機能強化が本当に求められているんだなということを感じております。 その一方で、福岡県の春日市の例のように、事務局の業務の一部を学校との合意の下で学校に一部移管をして負担を軽減した結果、事務局の教育政策の立案能力が向上した、こうした成功事例もある、このように伺っております。 ここで、事務局の機能を特に小規模の自治体において具体的にどのように強化をしていくのでしょうか、答弁を求めます。
○政府参考人(前川喜平君) 市町村教育委員会事務局への指導主事等の職員の配置につきましては、現行地教行法第十九条の第二項に規定されているところでございまして、平成二十二年度以降は地方財政措置の上でもその経費が明示されているところでございますが、小規模市町村の教育委員会の事務局体制を強化するという観点から、今年度の地方財政措置におきましては、都道府県の教育委員会の指導主事の地方交付税措置につきまして六名分を増員しているところでございまして、都道府県教育委員会の指導主事の配置により市町村の指導主事の支援を行うことによりまして、市町村教育委員会の学校指導体制の充実が図られるものと考えております。 また、ただいま御指摘のございました春日市に見られるように、教育委員会と学校との関係を見直して、予算等に係る学校の裁量を拡大したり学校に対する調査等の業務を削減したりすることによりまして、市町村教育委員会が自ら行うべき事務に集中できることにつながったという事例もございます。 文部科学省といたしましては、こうした教育委員会の優れた取組を全国に紹介することなどによりまして、小規模市町村の教育委員会の事務処理体制の強化を図ってまいりたいと考えているところでございます。
○新妻秀規君 済みません、確認なんですけれども、この指導主事を六名分増やすというのは全国で六名分ということですか。
○政府参考人(前川喜平君) 標準規模の都道府県において十五名から二十一名へと六名増員する、それに対応する地方交付税措置が講じられたということでございます。
○新妻秀規君 分かりました。じゃ、そのような具体的な取組を推進をしていただけますよう、お願いをいたします。 次に、教育委員会と学校現場の間の連携についてお尋ねをいたします。 衆議院での質疑におきまして、学校現場と教育委員会をもっとしっかり連携をするべきだ、こうした質問に対しまして、大臣より、教育委員会の委員の方々は、できるだけ学校現場に積極的に足を運んでいただいて生の声を把握するということを、是非これをきっかけに、これは法案の通過ですね、法案の成立をきっかけにやっていただきたいと思います。ちょっと中略しまして、学校現場と教育委員会の間でより一層緊密な連携が図れるように、文科省として指導をしていくとの答弁がありました。 私も現場の状況どうなっているのかなと調べようと学校現場の教員に聞き取りを行ったところ、残念なことに、教育委員長とか教育長の名前すら知らない、こうした回答が戻ってきました。本当ごく一部ではございますが、私が見たこうした一面からも学校現場と教育委員会の間にやはり乖離があるのだなと現実に感じました。 先週の本委員会での参考人質疑でも、学校現場の抱える様々な問題に教育委員会が積極的に取り組んで、教育委員会と学校現場の一体感、そして連帯感を醸成すべき、このような意見もございました。このような意見をどのように受け止め、そしてどのような対応を取られるのでしょうか。答弁を求めます。
○副大臣(西川京子君) 実は、今回の制度改革、これを幾らしっかりやっても、実は本当に一番大事なことは、この教育委員、教育長、そういう立場の人たちが本当に学校現場のことをよく分かっているか、お互いにそれぞれが、学校現場の方も教育、そういうところに、例えば呼出しがあったり、総合会議に招聘があった場合に伺ったり、行ったり来たり、それが実は一番実効性のあるものにしていくことだと思います。 ですから、今回、このような観点でいえば、校長や教職員、そして教育長や教育委員が日常的に会議や学校訪問を通じて意思疎通を図るとともに、緊急時には迅速に会議を開いて方針を共有する、こういう方策が考えられるわけでございますが、実は、私はこのことが一番大事なことのように思います。是非こういうことをしっかりと進めていただくように、全国にもお願いしてまいりたいと思います。
○新妻秀規君 分かりました。 こうした学校現場と教育委員会の連携が具体的に進むような実効性のある推進をお願いをしたいと思います。 最後に、教職員の方々の処遇の改善についてお尋ねをいたします。 先週の参議院の本委員会での参考人質疑におきまして、子供たちに最終的に対応するのは教師である、優秀な若者が教師を目指すよう、教師の職場環境、処遇の改善を図るべきである、こうした大変に強い主張の声がございました。 私の友人にも小学校、中学校の教員がたくさんいるのですけれども、本当に部活とか保護者の対応とか、あと成績付けたり、それから事務仕事、本当に忙殺されていまして、寝る時間、家庭生活なんかは本当時間ない、そんなような状況を本当に身近に見てまいりました。決して望ましい状況ではないんだろうなというふうに思っております。 また、今回の衆議院の文部科学委員会の参考人質疑の参考人の方とつい先日懇談をする機会がございまして、その方もおっしゃっていたんですけれども、梶田先生という方なんですが、教育の充実のためには良い教員を確保することが何よりも重要である、そのためには処遇改善が鍵となる、こうした大変強い御主張をされていらっしゃいました。 ここで、文科省として、教職員の処遇改善についてどのように問題意識を持ち、そして取り組んでいかれるのでしょうか、答弁を求めます。
○政府参考人(前川喜平君) 御指摘のとおり、現在の学校現場では、いじめ問題、特別支援教育の対象となる児童生徒の増加、あるいは家庭の経済状況による教育格差など、対応すべき多くの課題を抱えているわけでございます。このような課題に対応するためにも、教師の目が十分に行き届き、子供一人一人に対してきめ細かく対応できる指導体制の充実が必要であると考えております。 文部科学省といたしましては、真に頑張っている教員を支援するため、平成二十六年度の予算におきましては部活動指導手当等の増額を計上しているところでございまして、引き続きめり張りある給与体系の確立に向けた取組を行ってまいりたいと考えております。また、中長期的な教職員定数の改善計画を進めていくこと、またスクールカウンセラーなど多様な専門職の配置充実に努めることなど、これらを通じまして教職員の職場環境の充実に努めてまいりたいと考えております。
○新妻秀規君 以上で終わります。 大変にありがとうございました。
○藤巻健史君 日本維新の会・結いの党、藤巻です。よろしくお願いします。 前回、矢倉委員の質問に対して、元明治大学教授で日本教育政策学会会長の三上参考人が、教育委員会制度はアメリカで発達して日本に紹介されたと発言されたんですけれども、そこでまず、アメリカの教育委員会の仕組みについて知りたいと思います。 アメリカの教育委員会の委員というのはどのように選ばれるか、まあ州知事かもしれませんし、それとも公選制なのか知りませんけれども、どのように選ばれるのか、そして教育委員会というのは執行機関なのか、それとも諮問機関なのか、その辺をお教えいただければと思います。
○政府参考人(前川喜平君) 連邦制でございます米国の教育行政の体制は州によって異なるわけでございますけれども、一般的には、州と、州の下に一般行政単位とは別に設置される教育専門の行政単位である学区によりまして運営されておりまして、州教育委員会や学区教育委員会という合議制機関を意思決定機関とし、その下に執行者たる州教育長や学区教育長を置いているわけでございます。したがって、教育委員会は諮問機関ではないと理解しております。 また、委員の選任方法につきましては、全米州教育委員会協議会、NASBEの資料によりますと、州教育委員会においては、三十三の州で州知事による任命であると、六州で州民の投票による選出であるということでございまして、そのほかに、一部の委員を知事による任命とし一部の委員を投票による選出としている州もあると承知しております。学区の教育委員会におきましては、多くが地域住民の投票による選出であるというふうに承知しております。
○藤巻健史君 ちょっと通告になくて、聞いていてちょっともう一つだけお聞きしたいなと思ったんですけれども、連邦制ですから当然州単位でそういう組織があるのは分かるんですが、私は教育全く素人なのでちょっと恥ずかしい質問かもしれないんですけれども、国にはペンタゴンとか財務省ありますけれども、日本の文科省に相当するような省庁というのは、国で、連邦としてはあるんでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 連邦にも教育担当する省はございますけれども、この仕事といたしましては、州の間の調整でありますとか州に対する支援ということで、主に教育行政は州以下で行っているというのが実態でございます。
○藤巻健史君 ということは、教育というのは大統領とかそういうことじゃなくて地方に全て任せるという理解だと思います。これはちょっと最初の質問だけだったんであれですけど。 もう一つ、最初に質問したいんですけれども、さらに、前回、やはり矢倉委員の質問に対して三上参考人が、この行政委員制度というのは確かに国際的に見てもそんなに数があるわけではない、やはりユニークな制度ではあると思いますとお答えになっているんですけれども、このような行政委員制度というのを採用している国というのはどのくらいあるんでしょうか。教えていただけたらと思います。
○政府参考人(前川喜平君) 諸外国の地方教育行政制度は様々でございますけれども、ただいま御紹介いたしましたアメリカにおきましては、州及び学区単位で教育委員会が置かれているということでございます。 また、韓国におきましては、地方議会の議員と有識者により構成される教育委員会が設置され、地方教育行政を担っております。 イギリスにおきましては、議会から選出されたリーダーが率いる内閣が地方行政における政策決定を行う、リーダーと内閣による制度を採用している地方自治体が多いと承知しております。日本におけるような教育委員会制度は採用されておりません。 ドイツ及びフランスにおきましては、地方においても州政府や国の出先機関が教育行政を担当しておりまして、そもそも教育は地方の事務ではないと整理されております。 このように、ヨーロッパ諸国では教育委員会制度が採用されておりませんけれども、ヨーロッパでは住民の直接選挙で選ばれる首長は一般的ではなく、住民選挙による議会が立法権、行政権を有し、議会から選出される執行部、執行機関や議会の下にある各種の常任委員会、例えば教育であれば文教委員会のような委員会が行政運営を行うという仕組みが一般的であるという特徴が挙げられると考えております。
○藤巻健史君 今の例ですとフランスが入っていましたけど、フランスって大統領制ですよね。それで、先ほど下村大臣が、教育委員会という行政委員会を設ける理由として、首長は直接選挙だから極めて大統領的に権限が強い、だから行政委員会を設置する。要するに、直接選挙、大統領的に強いから行政委員会を設置するという御回答だったと思うんですが、そうなると、フランスなんかは当然、行政、大統領制ですし、韓国も、先ほど、今、例に入っていましたが、韓国もそうだし、ロシアも大統領制ですから、明らかに行政委員会たる教育委員会を設けているはずだというふうに、ロジック、論理からいくとそうなっちゃうのかと思うんですけれども、フランスでは行政執行委員会を、教育委員会を設けていないと。日本で教育委員会、行政委員会を設ける理由等が何か希薄に今の回答を聞いていると聞こえてきたんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 日本とフランスはかなり異なる仕組みになっているわけでございますけれども、フランスは伝統的に中央集権的な教育行政制度が採用されておりまして、中央に置かれている国民教育省が、初等中等教育について、教育課程の基準の設定から予算、また人事まで広範な領域に権限を有しているわけでございます。 地方におきましては、教育行政に当たる地方自治体の各レベルには国民教育省の出先機関が置かれておりまして、大学区長や大学区国民教育事務局長等が国民教育省からの命令を受けてその遂行に当たるという構造になっているということでございまして、中央集権的な特異な教育行政システムが設けられているということでございます。
○藤巻健史君 いろんな組織聞いていたので頭がちょっと整理できなかったので、もう一回議事録を読んでから、次回質問する機会あると思うので、その辺は次からちょっとお聞きしたいと思います。 一応、今のは私の基本的知識の蓄積のために質問させていただいたんですけれども、これから質問は、一応私は、教育委員会はやはり諮問機関であるべきであって執行機関であるべきではないと思っておりますので、その観点から質問をさせていただきたいと思います。 まず、前回の質疑のときに政府参考人、前川局長が、私が昔は教育委員会はどうやって選ばれたんですかとお聞きしたときに回答がありまして、昭和二十三年の教育委員会法の制定によりまして、教育委員会制度は、導入された当時は委員は直接選挙で選ばれておりました、この昭和二十三年の十月には第一回の教育委員の選挙が行われたわけでございますけれども、昭和二十五年の八月に文部省が第二次アメリカ教育使節団に提出いたしました報告書によりますと、国民一般が教育委員会制度を理解する程度が低く、その結果棄権率も相当高く、また、野心家に利用されやすい、教員組合はその組織力を利用して自己の代表者を委員に選出し、その委員を通じて教育委員会をコントロールしようとする傾向が見られる、単一選挙区制のため選挙費用がかさみ、金のある野心家か組織的地盤のある者でなくては当選できない現状であり、日本の社会の現状は結果的には直接公選制の狙う公正な民意の反映、市民委員の進出をゆがめている嫌いがあると指摘しておりまして、公正な住民の意思を行政に反映するという狙いとは異なるものとなってしまったということでございました、このため、昭和三十一年に教育委員会法に代わりまして現在の地方教育行政の組織及び運営に関する法律、地教行法が制定されまして、公選制が廃止されたものでございますと、こういうふうに前川局長はお答えになりました。 これ普通に考えれば、公選制で選ばれた人の方が、誰か一人又は数人に選ばれた人よりも、明らかに民意が反映していると思うんですよね。しかし、その昭和二十三年の教育委員会法では公選制だったわけで、その公選制で選ばれた人でさえ民意を反映できなかったんですけれども。それよりも一般的に言えば民意を反映していないと思われる少人数若しくは一人が選ぶ教育委員というのは、民意を反映していると一〇〇%断言できますか。若しくは今後とも、今民意を反映していても、今後民意を反映すると言えるのでしょうか、お答えください。
○国務大臣(下村博文君) 首長は地域の民意を反映する存在でありまして、教育行政に連帯して責任を果たせる体制にすることは必要であるということから、今回の改正案においても、首長が現行の教育長と教育委員長を一本化した新教育長を直接任命、罷免することができるということ、また、首長による大綱の策定を義務化することを新たに設けたということ、そして、首長が招集する総合教育会議を新設し、首長と教育委員会が協議、調整を行うと、そういう新たな仕組みを盛り込んだところであります。 一方、教育委員会はより多様な民意を反映する仕組みとして機能してきたところでありまして、今回の改正案においても、教育の政治的中立性の観点も踏まえ、引き続き現行制度と同様に執行機関としているところであります。したがいまして、今回の改正案は政治的中立性の確保と民意の反映との両者のバランスを取った案であると考えております。 なお、例えば衆議院では、維新それから民主が、教育委員会を廃止する、首長の判断により教育事務が執行されるという対案を出されたわけでありますが、首長の考えによっては教育内容等が大きく左右されるということが起きることもあり得るということから、教育の政治的中立性、継続性、安定性が損なわれるおそれがあると考え、元々教育再生実行会議や中央教育審議会でも、午前中、A案、B案という話がありましたが、A案というのはまさに首長に対する権限を強化するということであったわけですが、そのときに政治的中立性が継続性、安定性とともにどう担保されるのかということで、中教審においてもB案が付記されたという経緯の中で、与党協議の中で両者のバランスを取って政治的中立性の確保と、それから一方で、その首長を選んだという意味での民意、この反映の両者のバランスということで今回のあの改正案が出されているわけであります。
○藤巻健史君 大臣は教育委員会を設けるとより多様な民意とおっしゃったんですけれども、まず首長は明らかに極めて強烈な民意だと思います。これは先ほどちょっと読み上げました、直接選挙制の狙う公正な民意の反映をゆがめると。先ほどの文部省のにも書いてあったように。やはり直接選挙で選ばれた首長というのは公正な民意だと思うんですね。 それと、かつ、この前、前回の参考人で来ていただきました国立大学法人兵庫教育大学長の加治佐先生ですけれども、先生も、民意代表者である首長と教育行政の専門家である教育長との協働によるとおっしゃっているわけで、首長が明らかに民意の反映だとは間違いないことだと思うんですけれども。 先ほど最初に質問しましたように、教育委員というのは民意の表れかどうかというのは一〇〇%確かじゃないですよね。確かに首長を選んだかもしれませんけれども。だからといって、直接選挙で選ばれた首長よりは民意を反映しているとは言えないと思うんですけれども。せっかく民意を反映した首長がいるのにもかかわらず、民意を反映しているかどうかが分からない教育委員会が執行機関として入ってしまえば、民意がゆがめられちゃうという可能性はないんでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 基本的に今回の改正案は、新教育長もそれからその教育委員も議会の同意が必要だということでありまして、議会がその辺はバランスチェックを行うということであります。 そして、教育委員会のその位置付けとしては、これは教育における政治的な中立性、安定性、継続性という視点からの執行機関として残すということでありまして、必ずしも首長と同じような民意という観点だけの話ではないわけでありますけれども、しかし、当然、教育における政治的な中立性、安定性、継続性という、それにふさわしい教育委員を選ぶという意味でのこれはそういう議会同意でもあるわけですから、民意の反映というのは当然そこにも行われるというふうに承知をしております。
○藤巻健史君 先ほども申しましたように、首長は明らかに民意の反映であって、民意に反すれば当然議会からチェック受けるし、リコールというのもあるわけですから、たとえ教育が一部分であるとしてもリコールの対象になるわけで民意の反映と言えるんですけれども。やっぱり教育委員会というのは、本当に、公選制のときでさえ民意を反映できなかったのに、そんな一人が任命する、たとえ議会がチェックするにしても、民意の反映の仕方は程度が低いんじゃないかなと私は思うんですね。 それに、あと、最近モンスターペアレントとかいろいろそういうニュースがありましたけれども、とかく誰かが直接選挙で選ばれない組織というのは、声の大きいマイノリティーが入っちゃう可能性があるわけですよ。やっぱり選挙だとサイレントマジョリティー、声なき大衆の意見がぼんと行くわけですけれども。どうしても選挙じゃないというところは民意をゆがめる可能性があると私は思うんですが、それでもやはり教育委員会制度というのは、教育委員会というのは必要なんでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 維新の会それから民主党が衆議院で出されたものについては、教育委員会は廃止する、代わりに監査委員会制度を設けるということであったわけでありますけれども、これは先ほどからちょっと申し上げましたが、教育再生実行会議やあるいは中教審のA案も結構それに近い考え方の部分もありました。そのときにやはり危惧されたのが、じゃ、政治的な、教育における、中立性や安定性や継続性はどう担保するのかということがやっぱり問題になったわけですね。 それは、過去の事例において、首長は確かに民意によって選ばれるわけですから、しかし民意に選ばれた首長が何をやってもいいのかということについては、過去の事例において、例えば国立市、東京に国立市というところがあるわけですが、そこで首長の判断で、日の丸・君が代問題で入学式や卒業式にそれを出さないということで、結果的にそういうことによって小学校六年生に校長先生が土下座させられたみたいな経緯もありましたし、あるいは福岡においては、新しく選ばれた首長によって、それまでの教職員の義務違反等について、法的な措置についてはこれは抹消したというような経緯もあった中、果たして首長によってそういうことが起きたときにどう対応するのかという問題が今回の制度改正の中でも議論された中で、その中で、やはり教育委員会ということを現状どおり執行機関として残しながら、やっぱり教育においては、子供にとっては、やはりそのとき、六年間、小学生であれば、中学生で三年間、そのときにどんな教育が行われたということについては生涯において影響される時期でもあるものですから、やはり教育においては政治的な中立性や安定性や継続性をきちっと担保していくことが必要だろうということで、教育委員会そのものの執行権限は現状のように維持していく必要があるだろうと。 一方で、首長と教育委員会との関係、それから教育委員会における権限、それについてはより明確化しながら、より相乗効果を上げることによる地方における教育成果、効果が上がるような制度設計改正案を提案しているということでございます。
○藤巻健史君 国立市というところがあるんですけれどもとおっしゃらなくても、私、国立市で勉強していたのでよく存じ上げていますけれども、それはともかくとして。 政治的中立、今、だから教育委員会は必要だとおっしゃっていますけれども。特に人事、教員人事になる、だから特に政治的中立が重要だ、人事だから政治的中立が重要だと何度も今まで回答出てきたと思うんですけれども。安倍首相が下村大臣を選んだという人事においては、下村大臣が無政府主義者だとか大軍国主義者だったら困っちゃうわけで、それこそ一番重要な要ですから政治的中立が保たれなくちゃいけないと思うんですけれども、そこで政治的中立のトピックが出ないで、どうして地方行政、教育になると政治的中立がそう前面に出てくるんでしょうか。 もし下村大臣が物すごく変な人だったら子供全員が変な目に遭っちゃうわけですけれども、そこで政治的中立が出てこないで、どうして地方行政のところで政治的中立がもう超前面に出てくるのか、よく理解できないんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) そもそも、国は議院内閣制であるということと、それから、地方においては二元代表制であるという制度上の大きなまず違いがあるということが一点あります。それからもう一つは、国は、直接的に教育において行使するということではなくて、学習指導要領とか教育条件の確保等、間接的な部分で義務教育について支援をすると。地方自治体、特に市町村においては、これは人事においても教科書採択においても直接的な、まさに政治的な中立性、継続性、安定性にタッチしている部分ということであるところが国と地方自治体の違いであるというふうに考えます。
○藤巻健史君 議院内閣制と直接選挙を考えれば、直接選挙の方がより民意を反映していると思うんですけれども、それでも政治的中立性をより一層求めなくちゃいけないというのは何か矛盾しているような気がするのと、あと、やっぱり国の教育と地方の教育ってどっちが本当に、いや、両方とも当然重要なんですけど、より間違えたときのダメージが大きいかというと、国ですよね、だって全員がダメージ受けちゃうんですから。人数的に言えば、一地方で間違えた方が少ないわけです。少ないからいい、オーケーというわけではないんですけれども、やはり国の教育行政というのはよっぽど重要であって。だからといって私は政治的中立というわけじゃないんですよ、やっぱり国の仕組みでいいと思うから地方の方をそれに合わせてもおかしくないんじゃないかという議論なんですけど、いかがでしょうかね。
○国務大臣(下村博文君) それはやっぱり制度設計の違いで、議院内閣制とそれから二元代表制の違いであるというふうに思います。ですから、それは、一つは地方自治の在り方そのものを制度設計を変えれば、それはその教育委員会を変えるということにもつながってくるというふうに思いますし、今時点でも、別に、そもそも教育委員会の廃止論が法案としても衆議院で出ていたわけですから、それは通ればそういうことは可能でありますけれども、ただ、今回の政府案では、それは余りにもリスクがやっぱり大きいのではないかと。 確かに首長が民意によって選ばれるということであっても、民意で選ばれた首長だったら教育において何をしてもいいのかということについては一定のやはり制限を設けておく必要があるのではないかと。それは、現行の教育委員会を存続させるということにおいてそういうリスクを回避するということでありまして。これは制度論ですから、確かに優れた首長が出ることによって、教育委員会が逆にないことによって、そこの自治体における教育が大きく子供にとっても発展をしていくということも当然あり得る話だと思いますが、一方で、予期しない人が首長になって教育行政をすると、首長の選挙においても別に教育だけで選挙公約で訴えるわけではありませんから、いろんな公約の中の一つとして教育行政もあった中でこういう首長を選んじゃったけど、それは住民が選んだんだから四年間は我慢しろというわけにはやっぱり教育においてはいかないのではないかということから、教育委員会というのは執行機関として残すことによって、その辺における担保は現状のように持つべきであるというのが政府案の考え方であります。
○藤巻健史君 私は元々トレーダーだったものですからリスクを取るのが好きなので、どうしても過激な意見を言っちゃうのかもしれないんですけれども、ただ、首長の方はやっぱりリコールという民意を反映する手段があるのに対し、教育委員会は誰もリコールする人がいないし首も切られないとなると、ちょっとやっぱり、なかなか危ないんじゃないかなと。私、そっちの方が危ないんじゃないかなと思います。 時間が来ましたので、これで終わりにいたします。ありがとうございました。
○柴田巧君 日本維新の会・結いの党の柴田巧です。 先ほどからもいろいろ出ておりますように、今般の地方教育行政法の改正というのはあの大津でのいじめ事件に端を発しているわけで、また、今回のこの教育委員会制度の改革も、その責任体制、そういういじめ事案などに対して責任体制の明確化とか、あるいは迅速なそういう危機管理への体制をどう構築するかということが大きな関心、テーマになっているわけでありまして、まずこのいじめの問題からちょっとお聞きをしていきたいと思います。 御案内のように、今から三年前になりますが、大津でのあの事件を受けて、教育委員会の隠蔽体質ですとか不適切な学校の対応が問題視されたわけですが、それらを受けて、いじめへの抜本対策としていじめ防止対策推進法が昨年成立をしたわけであります。 九月には施行され、十月には国としての基本方針が示されて、その後、自治体に対して、この基本方針を参考にそれぞれの地域の基本方針を策定すること、あるいは、いじめ、自殺などの重大事案が発生した場合に調査する附属機関の設置を求めているということであります。 そして、学校においては、その防止対策基本方針を策定したり、そういう重大事案が起きた場合に、また学校や教委が調査組織を設置をして迅速に調査して、先ほどもありましたが、被害者に対して適切に情報を提供するということが義務付けられたわけであります。 あれから、成立して施行されてやがて一年になろうとするわけですが、実際にその基本方針なりこの法律が機能しているか、やっぱりチェックする段階に来ているのではないかと思っております。そういう意味でも、その実態を把握をして、しっかり具体的な、そして実効性のある手だてを講じていくというのが大事で、作ってしまってそれで終わりということではなくて、先ほどもありましたように、作ったからあしたから自殺が急になくなるわけでもありませんから、しっかり作った法律あるいは仕組みが機能しているかどうかチェックをするべきだろうと思います。 そこで、施行後、このいじめ自殺をめぐって、例えば教育委員会、学校などと遺族の間でトラブルなどが起きているかどうか、起きているとすればどういうことが生じているのか、まずこの点からお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(前川喜平君) いじめ防止対策推進法の施行後の事例で見てまいりますと、例えば調査組織の事務局をどこに置くかについて、あるいはその組織の構成、またアンケート調査の結果の取扱いなどにつきまして、遺族との意見一致に至っておらず調整が難航しているというような例がございます。 文部科学省といたしましては、引き続き、遺族への適切な情報提供を含めまして、いじめ防止対策推進法に基づく必要な対応が各地で適切に実施されるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○柴田巧君 今もありましたように、施行後もいろいろなトラブル等が生じているのはどうも事実、実際のところでありまして、そういうこともあり、今、文科省では、このいじめ防止対策推進法が定める、先ほども申し上げましたが、いじめ防止組織の設置であるとか学校いじめ防止基本方針の策定が義務付けられたことを受けて、各学校の取組状況などについての実態を把握すべく調査をしていると聞いております。 そこで、この全国調査、どういう内容で、どういうスケジュールで今実施がされているのか、具体的なことをお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(前川喜平君) 文部科学省では、いじめ防止対策推進法に基づく取組状況につきましては、平成二十六年二月に発出いたしました平成二十五年度児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査及びいじめ防止対策推進法を踏まえた学校の取組状況に関する調査におきまして、全国全ての小中高、特別支援学校について調査を実施しているところでございます。 これら両調査によりまして、全国の学校におけるいじめ防止基本方針やいじめの防止等の対策のための組織の設置状況、また全国の自治体におけるいじめ防止基本方針やいじめ問題対策連絡協議会等の組織の設置状況など、いじめ防止対策推進法により求められている対応についての状況を把握することとしております。これら両調査につきましては六月末を締切りとしておるところでございまして、文部科学省において取りまとめた上で、九月を目途に調査結果を公表する予定でございます。 なお、これらの調査とは別に、都道府県、政令指定都市の取組状況につきましては、本年四月一日現在の状況を調査しております。その結果、地方いじめ防止基本方針の策定状況に関しましては六十七県市のうち四十五が策定済みであると、また、教育委員会に置く附属機関の設置状況に関しましては二十五地域が設置済みであるという回答を得ているところでございます。
○柴田巧君 今ほどの結果も受け、また六月いっぱいまでに調査がまとまる、九月に公表されるということでありましたが、大事なことは、先ほども申し上げましたように、その結果を受けて、自治体や学校の間でそういういじめ防止対策の格差が生じないように、その調査結果を基に実効性のある具体的な対策を講じていくべきだと思いますが、この調査の結果を受けて、九月以降ということになるんだろうと思いますが、今申し上げたように、実効性ある対策を取るべくどういうふうな手だてを講じていく予定なのか、お尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(前川喜平君) 文部科学省では、国が策定したいじめ防止基本方針に基づきまして、有識者によるいじめ防止対策協議会をこの六月中にも設置いたしまして、いじめ防止対策推進法に基づく対策に関するフォローアップでありますとか関係機関の連携体制の推進などについて協議していただくこととしております。 文部科学省としては、今後、問題行動調査の調査結果でありますとか、いじめ防止対策協議会における協議結果等を踏まえながら、いじめ問題に関する好事例の取りまとめなど、いじめ問題に関するより効果的な対策について検討してまいりたいと考えております。 あわせまして、各地域の関係者の集まる普及啓発協議会やいじめの問題に関する指導者養成研修などを通じて、各地域において実効性のある具体的な対策が講じられるよう支援してまいりたいと考えているところでございます。
○柴田巧君 是非、先ほど申し上げたような格差などが生じないように、そして何よりもいじめの早期発見、再発防止に、またいじめの抑止につながるように調査結果を生かしていただきたいと思いますが。 一方で、いじめに関係して、先般、文科省の有識者会議で、いじめなど子供の対人関係に関わる問題への対応に脳科学であるとか、あるいは心理学の研究成果を応用することを求める報告がまとめられるという記事がございました、報道がありました。これは例のいじめ対策推進法の審議の際にも私指摘をした経緯があるんですが、いじめられるといいますか、いじめの被害者の心理的、肉体的な影響だけではなくて、加害者とされる子供の心理や行動などについてもやはり十分に研究をする、あるいはそういう知見を蓄積するということがいじめの抑止やあるいは早期発見や防止につながっていくんではないかというふうに申し上げた経緯があるんですけれども。 ややもすれば、目に見えるいじめの問題に焦点が合わされがちなんですが、その背景に実際何があるのかということをもっと理解をする、研究調査をするということが、そしてそれを教育現場で、教育行政で生かすということが大事なんだろうと思います。そういう意味でも、今までいわゆる脳科学とか心理学とか、そういったものの研究成果と、あるいは研究者と学校や教育現場、教育行政というのは余り密接な関係がなくて、十二分にそういう調査の研究結果などが還元されてこなかったというところがあると思います。 加害者になる子供の、いじめをする子供の背景をたどっていくと、例えば小さいとき虐待に遭ったとか、いろんな情緒不安定がそうさせるということなどなどもあると言われておりますが、そういうような脳科学や心理学、こういったものをしっかり研究成果を応用していくということがこれから非常に大事だろうと思っておりますが、この報告を受けて、大臣としてはそれをどう教育現場に、あるいは学校現場に生かそうとされておられるのか、お考えをお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、文部科学省では、情動の科学的解明に基づく教育課題への対応の在り方に関する調査研究として、脳科学や発達心理学の有識者による調査研究を行っているところであります。この場合の情動というのは喜怒哀楽という言葉に代表されるような人間の内的な状態を表すものでありまして、この情動を適切に理解することは社会における円滑な人間関係をつくり出すことにもつながるとされている、そういう定義であります。 現在、この会議で審議まとめに向けた最終調整をしている最中でありますけれども、その内容としては、脳科学や心理学等の基礎研究の成果を教育現場で生かす仕組みづくりに向けまして、研究者と教育関係者の情報共有ができるプラットホームの在り方について提言しようとするものであります。 文科省としては、引き続き、多様な研究成果がいじめの問題など生徒指導上の諸問題への対応や子供の健全な発達にも生かされていくことを目指して、研究機関と連携しながら検討を進めていきたいと考えております。
○柴田巧君 ありがとうございました。 是非、これは教員養成課程からもう場合によればそういう研究成果、研究を反映させることが大事なんだろうと思いますが、またそのことも含めて検討をしていただければと思います。 さて、改正案の方に移っていきたいと思いますが、今ほどのいじめ防止対策推進法もそうでありますが、先ほども大臣おっしゃったかなと思いますが、法律や制度ももちろん百点満点というものはなかなかないわけで、実際施行して、いろんな問題あるいは足りない問題などなど、あるいは機能していないという部分も将来はあり得ることだろうと思っております。 そういう意味でも、今仮にこの地方教育行政法の改正案が成立をして施行されるとしても、その施行後に例えば今申し上げたこのいじめ事案、いじめ自殺事案などに対するそういった危機に対して迅速に対応する体制が本当に確立されているか否か、これらの状況をやっぱり検証するということがいずれかの段階で大事なことだろうと思いますし、またその結果について必要な措置を講じていくべきだろうと思っておりますが、これは衆議院での附帯決議の中にもおおよそ盛り込まれていることではありますが、そういう認識で大臣も共有されているか、お考えが同じかどうか、確認をしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 今回の地教行法の改正によりまして教育長の責任が明確になることでありますので、いじめ事案への対処についても、教育長がまず責任を持って取り組むということになるわけであります。また、教育長は教育委員会の主宰者となるわけでありまして、迅速に教育委員会を招集して、いじめ事案への対処方針を決めることが可能ということになります。また、首長が総合教育会議を招集して、いじめ事案等の緊急の場合に講ずべき措置、これは改正案第一条の四第一項第二号でありますが、これについて協議することによりまして、首長と教育委員会の連携による効果的な対応が可能となります。 さらに、いじめ防止対策推進法においては、いじめ自殺等の重大事態が生じた場合、学校は教育委員会を通じて首長に報告するものとされておりまして、首長は学校又は教育委員会の行った調査が不十分と判断した場合などについては自ら再調査を行うことができるということもされているわけであります。 これらによりまして、いじめ自殺事案等への迅速な危機管理体制の構築が可能となるものと期待されますが、実際に適切な体制が取られるかどうかについては具体的な事案に即して検証が必要であり、その結果、文科省としても必要な指導等を行うことも考えられるというふうに思います。 改めてこの制度の見直しを行うことについては、将来的にはあり得る話であるというふうには思いますが、そのときの状況によりまして適切に判断すべきであるというふうに考えます。
○柴田巧君 実際施行されて、本当にどういう対処、できているのかできていないのか、やっぱりいずれかの時点でチェックもしなきゃならぬと思いますし、場合によれば見直しというものも必要なんだろうと思います。大臣もそういうお考えがあるということは確認をできましたので、次に移りたいと思いますが。 次に、先ほどからもありますように、この巨大化する教育長をめぐる問題をお聞きをしたいと思いますが、任命されるに当たって議会でもいろいろチェックを受けるということでもありますが、その教育委員会の中での巨大化する教育長に対するチェックの在り方というのもよく考えてみなきゃならぬのだろうと思います。 今回は教育委員会の教育長に対する指揮監督権というものはなくなるというふうになるわけですが、したがって、そういう意味でも、そのチェック機能をどう実際に果たしていく仕組みをつくるか、あるいは運用を図るかというのは大事なんだろうと思いますが、そういう意味でも、教育委員会がチェックをして、点検、評価が必要だと思いますが、どのように実施をすべきだとお考えになっているのか、大臣にお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 今回の改正案では、教育長の権限が他の委員と比較して、おっしゃるとおり、強いものとなるわけであります。 議会や教育委員会のチェック機能を強化するという観点から、教育長の任期を教育委員よりも一年短い三年としているほか、三分の一以上の委員から会議の招集を請求された場合には教育長が遅滞なく会議を招集しなければならないこと、あるいは、教育長が教育委員会から委任された事務の管理、執行状況について報告をしなければならないことを規定しているところであります。 また、現行法においても、教育委員会は、毎年、その権限に属する事務の管理及び執行の状況についての点検及び評価を行い、その結果に関する報告書の作成、議会への提出、公表が義務付けられておりまして、その過程において教育長に委任した事務の管理、執行状況についても点検、評価が行われるということになるわけでありまして、このような形でチェック機能が働くというふうに考えます。
○柴田巧君 ちょっと通告はしてありませんが、今思い出しましたが、この前の参考人質疑の中で、そういえば東大の村上准教授が、そのチェックの運用の工夫の一つとして、教育委員会であるいは総合教育会議で、教育長が席を外してもらって教育委員会のメンバーだけで、あるいは首長と教育委員会のメンバーで、教育長のその職務執行について評価をするというやり方もあるんじゃないかということをおっしゃいました。 この点について、大臣、御感想か何かあればお聞きをできればと思います。
○国務大臣(下村博文君) 今回の法律案では、総合教育会議ではそういうことは想定はしておりませんが、構成としては、首長とそれから教育委員、その中にですから教育長も入っているわけですね、それから、必要に応じては有識者の方々に入っていただくと。それから、緊急の場合には、首長と教育長で二人で対応するということもあり得ます。 そういういろんな想定は、バリエーションはあると思いますので、そういうことを考える自治体があったとしても別に法的に排除する内容ではないと思います。
○柴田巧君 ありがとうございました。 いずれにしても、しっかり巨大化した教育長が本当に職務を遂行しているのかどうか、あるいは住民の期待に応える成果を上げているかどうか、その点検、評価の在り方、チェックの在り方、やっぱりいろいろこれから工夫が必要なんだろうと思います。 次に、今日は何回も出ておりますが、この巨大化する教育長の研修の在り方、あるいは計画的な養成の在り方がこれから求められると思います。 少しずつその研修の在り方、中身も見えてきたような感じが今日の答弁ではありましたが、これまでは研修を充実させるという方向は示されましたが、どう充実させるのかというのはまだいまいち分からないところがありましたけれども、だんだん見えてきたなという感じは、今日の、若干はするところでありますが、せっかく、せっかくというか、その巨大化する教育長にふさわしい人をどう育成、確保していくか、資質の向上を図るか、そういうソフトな部分の中身がまだまだ不十分だというところがあると思います。 この前の参考人質疑でも、先ほど出た加治佐学長からも、教育長に必要な能力、力量として、学校教育、社会教育の改善能力、教育委員会の政策やビジョンの創造と共有化の能力、合理的組織運営能力、そしてステークホルダーとの関係構築能力、政治的能力が求められるとおっしゃいました。 これだけの本当に能力、力量のある人だったら、教育長もさることながら、文部科学大臣でも総理大臣でもなれるんじゃないかと思って聞いておりましたが、いずれにしてもこれまでにない力量がこの改正案が通れば求められるのは間違いないわけであって、そういう教育長の計画的な養成がこれから必要だと思っております。 時間がなくなってきましたので、まず大臣に、そういう将来の教育長候補者の計画的な養成、これはどういうふうに取り組んでいくお考えか、お尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、今回の改正によりまして、新教育長は教育行政にこれまで以上に大きな権限と責任を有するということでありますので、その人選、人材の確保、これが極めて重要であるというふうに思います。 教育長の人材の確保に当たっては、例えば京都市教育委員会において、行政職の職員を長期にわたって教育委員会事務局に勤務させ、教育内容や学校運営を理解し、教員出身の職員とともに政策立案、学校の指導ができる専門性を持った職員として育成し、その中から教育長となる人材を確保すると、こういうことをしているということでありますが、こういう取組も有効であるというふうに考えます。 文科省としては、こうした取組を促すとともに、教育長のリーダーとしての資質や能力を高めるための方策として、現在、国や大学において行っている教育長を対象とした研修についても充実を図ってまいりたいと考えております。
○柴田巧君 これで時間も来ましたので終わりますが、この前の参考人質疑でも、アメリカでは教育長になる人は教育行政学の博士号の基本的に取得者であるということで、教員の経験、学校管理者、それで経験を経て、四十代で大学院で徹底的な訓練を受けると。その後、初めは小さな町の教育長からやっていって、いろんな経験を積んで、問題の解決に貢献すれば大きな町の、都市の教育長に選ばれていくということでしたが、そういう具合に教育長の養成システムをしっかりつくっているわけですが、我が国においてもどう具体的なそういう研修システムをつくっていくか、あるいは教育委員、そして教育委員会事務局の研修の在り方も含めて、また次回お聞きをしてみたいと思います。 今日はこれで終わります。ありがとうございました。
○松沢成文君 みんなの党の松沢成文でございます。 いつも私の質問時間は大体三時から四時の間で、もう委員の皆さんも大臣も副大臣も一番お疲れが出て、簡単に言えば眠くなる時間なんですね。ただ、議論活性化のために元気にやりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。 今日は傍聴の方も大勢いらっしゃいますので、ちょっと我々みんなの党のこの法案に対する主張を改めて申し上げますが、みんなの党は、教育委員会の必置規制というのはなくして、各地方自治体が自分たちの地域に合った地方の教育制度を選べるような選択権、自主決定権を持たせてあげないと本当に地域で教育を自分たちでつくっていこうというインセンティブが働かないということで、地方分権改革がこれだけ叫ばれている時代の中で、地方の教育のシステムまでも国が、あるいは国会が一つに決めて、それをもう小さな千人ぐらいの町や村からあるいは人口何百万の大都市、これだけ多様化している地方自治体が、いろんな地方自治体があるのに、一つの制度で国が押し付けて、この制度でやりなさいというのはもう地方分権改革に逆行していると。 今、地方にはどの制度を選んでやってもしっかりと教育を運営できるだけの私は力もあると思いますし、それに挑戦することこそ地方からの教育の活性化につながるというふうに思っておりまして、教育委員会制度を継続して、この制度でやっていきたいという自治体があったらそれもよし。そして、維新や民主党が衆議院で出したように、首長を中心にしっかりとリーダーシップを取って教育改革を進めたいというところがあればそれもよし。そして、今回の政府案のように、そのいいところを合わせた形で、教育の政治的な中立性だとかあるいは責任の明確化、こういうところをバランス取って教育委員会と首長が連携して進める制度、これでいこうじゃないかという自治体もあってよしと。やはりこれを地方に選ばせるということが一番の地方分権改革だし、地方からの教育の活性化につながる。したがって、選択制が望ましいんじゃないかということで修正案も提出をしているところですが、なかなか委員の皆さんに御理解いただけなくて、それが審議に付されないわけですけれども、こういう議論を大臣とも何度かしてきました。 我々が教育委員会の必置規制はなくしていくべきだという見解に対して、今日も委員の皆さんから質問がたくさんありましたが、大臣は三つほどいつも理由を挙げるんですね。 一つは、教育行政における国の役割と地方の役割は違うんですよと。 国は、教育基本法を決めたり学校教育法という枠組みを作ったり、あるいは学習指導要領という全体の基準を作ったりするのが主な仕事でしょうと。一方、地方は、特に市町村ですね、義務教育を抱えるのは、ここにおいては、もう教科書の検定あるいは教員の人事、いじめの対策、現場を抱えて様々な現場対応をしていると。だから、こういうところには政治的中立性も大事だし、継続性、安定性が大事だから教育委員会が必要なんですよという、この地方と国の役割が違うというのが一つですね。 それから二つ目に、もう少し大きく、統治機構ですね。 国は議院内閣制だと。地方は二元代表制で、特に市長や知事に権限が集中していると。教育委員会がなくなってしまうと、この知事や市長のもしかして暴走が起きたときに、多くの子供たちの人権も含めておかしくなっちゃ困るので、やっぱり地方は権限が集中しているだけに、教育委員という行政委員会を持って、少し分けて役割分担しながらやった方が安定するんだというのが二点目ですね。 三点目に、行政委員会という政府の権限から一歩離れたところで政治的な中立性を保ちながらやっていくという制度は地方にも国にもあるんです。ただ、国の場合は教育はこういう形になっていないんですけれども。この辺がちょっと分からないんですけれども、例えば、ほかに公安委員会とか労働委員会とか、あるいは公正取引委員会とか、こういう行政委員会が国にもあるけれども、教育には独特の多分理由があってこういう行政委員会制度は望ましくないというお考えもあるんだというふうに思います。 ちょっと私なりに大臣の考えを少し先行して代弁をさせていただきましたが、大臣がいつも言うのは、教育には政治的中立性、継続性、安定性が必要であり、そのためにも地方自治体には教育委員会制度は必要なんだということなんですね。 じゃ、逆に聞きますけれども、なぜ国には教育委員会制度が必要ないんでしょうか。ということで、お答えいただければと思います。
○国務大臣(下村博文君) 非常に整理して私の今までの答弁をお話をしていただきましてありがとうございます。 基本的に国の考え方は、地方分権を教育の分野において進めるという方向でずっと戦後においても進めてきているという経緯についてはあるわけで、何が何でも全部国がやるべきだという考えは持っていないということでありますし、文部科学省の考え方、私の考え方も、できるだけ子供に近い現場がより責任と権限を持てるような体制になる方向になっていくことの方が望ましいというふうに思っておりますから、今回においても、例えば県費負担教職員、これを中核市から中心に、設置主体である市町村の方に移譲していくという方向性については更に進めていくべきだというふうに思っておりますから、基本的に地方分権を否定しているわけではなく、その流れの方向に行くということは望ましいと思っていますが。 しかし、一方、何でも地方にもう任せて地方の判断でいいということは、これは無責任なことになってしまうのではないかと、その場合の負の現象が起きたときに誰が責任を取るのかということを考えると、そこまで、負が起きる可能性もあるわけですから、場合によってはですね、そのときのリスクを誰が責任を取るのかというところまで法治国家としてはやっぱり責任を持って考えていくべきであるというふうに思っておりますので、教育委員会の設置判断を自治体に任せるということは、これは国としては無責任であるというふうに考えているわけでございます。 国においては、もう御指摘いただきましたが、議院内閣制を採用している、内閣がその責任において行政運営を行うことを基本としていると。行政委員会が設置されているのは、個人の人権に直接的に関与するという事務の性質から政治的中立性の確保が要請されるもの、例えば国家公安委員会等ですね、それから、所掌事務のうち準立法的又は準司法的権限を有するなど特に慎重、公平な事務処理を必要とされるもの、人事院とか公正取引委員会、こういう分野においては、これは行政分野とされているわけでございます。 教育行政については、国は、学校教育法等の制度の枠組みとしてどうすべきかとか、それから学習指導要領といった全国的な基準を定める、あるいは教員給与等の財政負担を行うということを役割としていると。学校設置者としての、児童生徒に直接教育を行ったり、教職員人事を行うといった立場を国は持っているわけではないということであります。ですから、独立した教育委員会を設ける必要はなく、文部科学大臣が教育行政を行っているというものであります。
○松沢成文君 私も、何も教育において国の役割は必要なくて、全部地方に任せるべきだという極論を言っているんじゃ全然ないんですね。やはり国として、例えば義務教育だったら、ナショナルミニマムですね、最低限の水準はどこの地域に住んでいてもきちっと日本では教育が保障されるんだというこのミニマムを保障する制度ですとか、あるいはナショナルスタンダードですよね、義務教育を標準的に進めるにはこういうガイドラインがあるよと、それを決めなさい、学習指導要領なんかもそういう分野に入ると思います。ただ、そのほかの教育実務については、やっぱりできるだけ現場、子供たちに近いところで、つまり学校で、あるいはもう少し広いんだったら市町村の教育委員会、もう少し広域だったら都道府県の教育委員会にどんどん下ろしていって、そこで地域の特色を生かした教育をやる、こういう役割分担が必要じゃないかという意味なんですけれども。 さて、じゃ、国の教育行政も、じゃ果たして現場を抱えていないかといったら、そうではないんですね。義務教育ではもちろん市町村教委が中心ですけれども、例えば大学教育、これは高等教育ですけれども、国立大学どころか、国の場合は私学も含めて様々な助成をしていますよね。これからもしかしたらこの国会で議論をするかもしれません今回の学校教育法の改正案なんかも、もうまさに大学の現場で学長と教授会の関係をもう少し学長のリーダーシップを取れるように改革しようというのが主眼ですよね。これはまさしく今市町村の小中学校で起きている校長と教員会議のこの力関係、最近でも教員会議が、本来持つべき校長の人事権に対して、様々、投票で決めていた、これは問題だなんという事件もありましたけど、それと同じことを大学教育では国が抱えているわけですよね。 大学は独法化しましたけれども、こういう現場を国も抱えているわけで、じゃ、そこには政治的な中立性だとかあるいは安定性だとか継続性というのは必要ないんでしょうか。私は、国が管轄する教育分野の中でもそれをきちっと担保しなければいけない部分があるんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) まず、大学についてでありますけれども、憲法第二十三条に基づき学問の自由や大学の自治が保障されていることを踏まえまして、教育基本法第七条第二項におきまして、「大学については、自主性、自律性その他の大学における教育及び研究の特性が尊重されなければならない。」というふうに規定をされておりまして、基本的に各大学の自主性、自律性に基づき教育研究活動が行われているということが法律に明確に書かれているというところが、これが大きな特徴であります。 国立の小中高等学校についても、これも国ではないかということでありますが、現在、全て国立大学法人が教育研究の一環として設置、管理を行っているものでありまして、国立大学法人に対する国の関与については、先ほどの憲法、それから教育基本法、これにのっとって、学長の任命は国立大学法人からの申出に基づき任命するとともに、教員等の任免は学長が行うこととされているということ、それから、中期目標の策定に当たって、あらかじめ国立大学法人の意見を聴き配慮しなければならないこととされているなど、限定されていることでありまして、そのことから、政治的中立性に係る問題はそもそも生じないというのが憲法上、教育基本法上、位置付けられているということであります。 また、国立大学法人については、六年単位で中期目標、計画を定めるなど、一定の期間を見据えて業務を行うこととされておりまして、国立大学及びその附属学校における教育の安定性、継続性は担保されているものと考えております。
○松沢成文君 大学に対する行政というのは、義務教育と恐らく法的にも違う部分があるんだというふうには思います。 ただ、もう少し議論を進めますと、じゃ、国が担当する教育行政の分野で政治的な影響、例えば党派、政権政党が替わることによって政策が変わってしまって、それが義務教育の学校現場にも大きな影響を及ぼすというのも私はあると思っているんです。 その一つが、この前の質問でも御指摘させていただいた高校の授業料無償化の問題ですよね。これは自民党から民主党に政権交代して、民主党の政策として、教育のある意味では機会を保障するという、そういう理念の下に全ての高校生、授業料はなしにするということで進みました。これは制度化されて、それで現場で政策として進んだわけですね。私はどちらがいい悪いというんじゃなくて、今度自民党に政権が返ったら、自民党はそれに対して、理念が違う、やはりばらまきに近い、これはきちっと所得制限を入れようといって、制度自体がごろっとまた一年で変わっちゃうわけですね。これ、現場は混乱していると思いますよ。期待していた保護者の皆さんも、あら何よ、やってくれたと思ったら一年で変わっちゃうの、こんなの計画が狂うわよとなった人もたくさんいると思います。 もう一つ例を挙げるとすれば、全国学力テストであります。これもいろいろ議論がありましたけれども、これは二〇〇七年、第一次安倍内閣のときなんかにも議論があって、自民党政権下で小学校六年と中学校三年で、ある意味ではゆとり教育だとか学校週五日制での反省から、もう少し学力を回復させなきゃいけないということで、その資料にするためにも全国で学力テストをやろうといって、全校でだあっとやり始めたんです。また政権交代があって、今度民主党政権になったらば、それはやり過ぎだと、学力テストの結果を学校の序列化や、あるいはいい学校、悪い学校、そこにいる頑張っている先生、サボっている先生、こういうふうに決め付けるようなやり方は駄目だと、あくまでも学力テストの結果というのは今後の教育に生かすための資料として使っていくべきだということで、がたんとこれ全校でやるのやめて、三割の学校にしたんですね。これもう猫の目行政で、ある意味で、地元からしてみると。何だよ、また変わるのかと。今度、また自民党政権が復活すると、民主党政権のやり方を否定して、また全校でやらなきゃ駄目だと、こう来るわけですよ。 国の教育の役割は、確かに私は、ナショナルミニマムとナショナルスタンダード、この基準をしっかりと作っていくことだと思いますが、この作り方だって、政権の交代、つまり政治の影響を受けてあっちへ行ったりこっちへ行ったりして、現場の子供たちや保護者や先生たちは大きな迷惑被って混乱しているという部分もあるんですよね。 そういう意味では、私は、国のやる教育行政もやはり政治的な中立性、継続性、安定性、これ求められるべきであって、そういう意味ではやはり国に中央教育委員会というのをつくるという議論があってもしかるべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) そもそも、今御指摘された全国学力テストとか高校授業料無償化の見直しは、これは政治的中立性とか安定性とか継続性という概念に当てはまらないものであるというふうに思います。 民主党政権でも、全国学力テストそのものが廃止されたわけではなくて、悉皆調査から三割抽出調査になったと。しかし実際は、地方自治体が希望されていましたから、七割ぐらいはテストを受けていたんですね。ですから、何か一〇〇からゼロになったということではまずないということと、それから、高校授業料無償化については、概念は変わったかもしれませんが、しかし、九百十万以上については無償化はなくなりましたが、その部分を、つまり所得制限を設けたことによって、九百十万以上の所得の高い家庭の子供に配付していたそのお金で低所得者層に対して更に手厚い、あるいは公私間格差を是正する、それから、あとは給付型奨学金をするということですね。一〇〇からゼロに変えるとか、そういう極端なことをまずしているわけではないということでありますが、そもそも教育行政において国と地方の役割は違いがあるというふうに思います。 先ほどちょっと申し上げましたが、国は、学校教育法等の制度の枠組み、それから学習指導要領といった全国的な基準も定める、あるいは教員給与等の財政負担を行うことを役割としている一方、地方は学校の設置管理者として児童生徒に直接教育を実施したり教職員人事を行うという役割を担っているということで、教育内容に関する政治的中立性、それから人事における政治的中立性、それから日々の教育活動に関する政治的中立性が地方においては求められるということであります。 こういうことから、直接的に教育行政を実施する地方において教育の政治的中立性を確保するという観点から教育委員会が設けられているものでありまして、先ほど御指摘のあった全国学力テスト、それから高校授業料無償化の見直し、こういう国の政策の在り方、これはそもそも、この教育委員会、地方で言われるですね、政治的中立性、教育における、継続性、安定性とはこれは全く違うことであるというふうに捉えております。
○松沢成文君 地方における政治的中立性を担保するための教育委員会の設置の必要性というのは大臣の答弁でも私は合点はいくんですね。 じゃ、もう一度、国ですよね。じゃ、国にもいろんな種類の行政委員会があります。もちろん一番有名というか、国家公安委員会もありますよね。あるいは、ちょっと司法的な役割を果たしている公正取引委員会とか、あるいは労働委員会みたいなもの。労働委員会や公安委員会は国も地方もあるんですね、国も地方もある。 公安委員会の目的の一つに、やっぱり政治的な中立性、これ、治安維持の警察権力というのは権力持っていますから、これに政治がくっついてしまうと、これまた危険な方向に行ってしまったり、あるいは弾圧があったり、いろいろ心配があるので、政治的中立性、やっぱりこれ継続性、安定性というのが必要だと思います。もちろん教育も将来の世代を、子供たちの人権も保障しなきゃいけない、大変重要な分野だというけれども、治安維持だって大変重要な分野ですよね。それで国の方では国家公安委員会というのをつくって、そしてこれ、大臣委員会ですよね。大臣が国家公安委員長になって、そのほかの公安委員と協議しながら政治権力とは離れたところで政治的な中立性、安定性、あるいは継続性というんですか、これを遂行していく。 そう考えると、私は、例えば総理大臣が文科大臣を指名する、この文科大臣が中央教育委員会の一人になって、それもトップになって。だから、ちょうど地方における教育委員会の中の今度の新しい新教育長のような感じですよね、それが知事や首長に指名されますが、地方は。総理大臣から指名されて、大臣の下に中央教育委員会の皆さんが、大臣がリーダーになってですよ、政治的に中立性、あるいは安定性、継続性を担保した国の教育行政を進めるという、こういうやり方があってもいいんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 国においては議院内閣制を、先ほどから申し上げていますが、採用しておりまして、内閣がその責任において行政運営を行うことを基本としているわけであります。 私は先週、韓国に行ってまいりましたが、韓国でも、これは大統領制ではありますが、首相がいて、やはり議院内閣制的な構成でありますが、それぞれの省庁のトップは韓国では政治家ではなくて、政治家がなってもいいんですけれども、向こうは大臣じゃなくて長官という言い方をしていますが、それぞれの役所の、日本では事務次官がその後長官になると。つまり、役人がそのまま行政のトップになっているというのが今の韓国では一般的でありますが。我が国は、それは憲法によってこれは半数以上は国会議員でなければならないと。それぞれの国によって憲法における規定がありますから、必ずしも、制度がそれぞれ違いますので、比較、単純にはできないわけでありますけれども。 我が国における行政委員会が設置されているという理由は、一つは、個人の人権に直接的関与するという事務の性質から政治的中立性の確保が要請されると。それが御指摘があった国家公安委員会ですね。それから、先ほどもちょっと申し上げましたが、所掌事務のうち、準立法的又は準司法的権限を有するなど、特に慎重、公正な事務処理を必要とされるような行政分野もあるわけであります。 教育行政については、国は学校教育法等の制度の枠組みとかあるいは学習指導要領といった全国的な基準を定める、こういうような役割で、国が全部国立の小学校とか中学校だったら別ですけれども、基本的に義務教育はこれは地方自治によって、つまり学校の設置者というのは区市町村が設置主体なわけですね。この設置主体であるところが児童生徒に直接教育を行う、それから教職員人事を行う、そういう立場であると。国はそういう立場じゃないということから独立した教育委員会のような委員会を設ける必要がなく、文部科学大臣が教育行政を行っているという整理であります。
○松沢成文君 少し議論を進めたいと思うんですけれども、地方自治体に教育委員会は必置でいった方がいいんだと。それは政治的な中立性とか安定性とか継続性も含めて様々な理由があるのは大臣の見解としては分かります、受け止めます。 ただ、私はちょっと疑い深い人間で、そのほかにも、やはり各自治体全部に教育委員会というのがあった方が国の行政をやりやすいという面があるんじゃないかというふうに思っているんですね。 つまり、日本の国の教育行政というのは文部科学省を頂点に、義務教育だったら、今日、前川局長来ていますが、初等中等教育局ですか、ここを頂点に都道府県の教育委員会、市町村の教育委員会、そして義務教育の学校と、もう縦系列に大変大きな官僚機構ができ上がってしまっていて、これは戦後、教育委員会制度は地方分権のある意味で一つの受皿として地方独自のやり方で進めましょうというのがその一つの目的、理念でした。 ところが、広い意味での教育委員会、つまり教育委員会の下にある教育委員会事務局というのは、もうこれパーキンソンの法則じゃないですけれども、文科省、都道府県教委、市町村教委、どんどんどんどん増殖をしていって、ここの中で国が決めたことをできるだけ効率的に学校まで下ろしていく一つの仕組みをつくり上げてきていて、それが壊れるのがやはり嫌だというか、なので教育委員会の必置をずっとやはり言い続けているんじゃないかなというふうに私はちょっと疑っているんですね。 局長にお聞きしますが、例えば昨年度、文科省から都道府県教委、市町村教委に直接行くのもあると思いますが、ここに出された指導、助言、援助、あるいは通知、通達、あるいは是正要求、指示、これ、どれぐらいの件数あるんでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 平成二十五年の一月から十二月までの一年間でございますが、この間に文部科学省から全国の各教育委員会に発出された通知、これは約百三十件でございます。 指導、助言、援助ということにつきましては、これは折に触れていろいろな形でやっておりますので、公文書による通知によるもののほか、会議の場でありますとかあるいは電話連絡等によっても助言などはしておりますので、これは正確な件数を確認することは困難でございます。 また、是正の要求及び指示でございますが、これは平成二十五年の十月及び平成二十六年の三月、いずれも八重山の教科書採択に関するものでございますが、地方自治法第二百四十五条の五第二項に基づく指示及び第四項に基づく是正要求を各一件行っているものでございます。
○松沢成文君 私も知事経験しましたので教育委員会事務局の連中の様子というのは伺っていたわけなんですけれども、当然、文科省からかなりの数の通知だとか通達だとか、あるいは指導、助言も含めて下りてくるわけですね。それと同時に、これ通知で来るのか分かりませんが、何かあると調査しろと。調査の件数を上げろと。県からまた市町村に行って、市町村から学校に行って、よし上げてこいとなるわけですよ。もう文科省からだあっと上意下達で命令が行って、それを下からがあっと上げて、文科省は一つの方針を考えていくわけですね。そのための官僚機構のでっかいのができ上がっちゃっているのが今の現状だというふうに思うんです。 ちょっとこれ通告ないので分かったらでいいんですけれども、今、都道府県と市町村の教育委員会事務局、だから、教育委員会の職員数というのは先生が入っていますよね、その先生を抜いた総人数というのはどれぐらいいらっしゃるか分かります。分からなければいいんです、分からなければ。ないですか。
○政府参考人(前川喜平君) ただいま数字の持ち合わせがございません。
○松沢成文君 局長がすぐ分からないぐらいたくさんいるんですよ。すごいんです。 例えば、私、神奈川県でやっていましたから神奈川県の数字で申し上げると、皆さんもちょっと想像してみていただきたいんですが、まず神奈川県の教育委員会職員、先生も含めて一万一千六百十人いる中で、約千人が教育委員会事務局の職員なんですね。それから、市町村の教育委員会は三万七千八百三十三人の教職員がいますが、そのうち教育部局の職員が約千九百人で、これ学校に行っている職員もいますから二千人以上いるわけです。神奈川県は政令市があるので、ほかの政令市がない県よりも県職員全体の中での教育関係職員の割合は少ないんですけれども、人口が九百万人の大きな県ですからこれだけの数がいると。 恐らく四十七都道府県、全ての都道府県の教育委員会の職員が恐らく百人単位でいて、市町村も合わせると千人以上の大きな官僚組織ができ上がっているんですね。これは、文科省が方針を出し政策を進めるに当たって、これを上意下達で指令を下ろしてまた情報を下から集めてくるのには非常に有効に働く制度なんです。 しかし、こういう官僚機構というのは非常に閉鎖的になるし、自分たちの専門性というのはいい言葉ですけれども、世論から少し隔離されて自分たちの論理で既得権を守るために動くようになってしまうんですね。私はこれが、教育委員会制度は地方分権に合った制度なんですよと皆さん言いますけれども、本当に地方から教育改革が進んでいかない私は最大の理由なんじゃないかなというふうに思っているんです。 文科大臣、私に言わせると、これが教育村なんです。文科省を筆頭に教育委員会、学校現場まで、そこには職員ががっちりテクノクラートですよ。その仕事は文科省からの政策を下に伝えていくこと、下からのものを上に伝えていくことと、こっちの方が弱いんですけれども、それで教育の自由化とかあるいは教育の多様性とか、地域からの教育改革がなかなか進まない、官僚統制になっている。それを維持するためには教育委員会必置じゃなきゃ困るわけです。 地方自治体によって、うちは教育委員会はやめて首長中心でいくよとなったら、首長は地域の住民から選ばれているのでかなり地域性を言いますよね。そうしたら文科省の言うことなんか冗談じゃないよと、俺らは俺らのやり方でやるという自治体が出てくる可能性は強まります。それが自治体の独善と見るか、上からの統治の論理でいくと、あんな困った首長が出てきて地方が困っているよと見るか、あるいは地方住民から見ると、文科省の上からの強制なんかに従わずに自分たちの教育は自分たちでつくろうよ、こういう自主性として捉えるか、これ両方あるんですよね。 大臣、大臣としてもう一年以上やっていると思いますが、このでかい教育委員会、文科省の官僚機構、官僚の方いて、私、決してそれを悪く言っているわけじゃないんですが、事実としてそういう体制になっちゃっています。それを守るために教育委員会は必置でなければ困るという私の見方に対しては、どういう見解をお持ちでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) それは端的に言うと思い込みだというふうに思います。 それは、確かに教育村と言われるような、実は上意下達ではなくて、私は、ある意味では四重構造、文部科学省と都道府県の教育委員会と区市町村の教育委員会と学校現場ですね、悪いときにはもたれ合いになっている部分があると思います。本当は自分たちでやるのに、それを何か責任転嫁しているところもあるのではないかというふうに思いまして、教育は既に相当地方分権が実際は進んでいるわけですね。 ですから、前回、田村委員から批判されましたが、例えば道徳の教材を全ての小中学生人数分だけ作って、是非家庭でも読んでもらえるように配ってくださいと言っても、配る配らないは教育委員会が判断するから配らないということで、実際は配られていないという状況だってあるわけなわけですね。ですから、これはお願いベースなわけです。是非家庭で持っていってくださいとお願いベースで、強制はできません。 同じように、これは明らかに違法ですけれども、竹富町の問題だって、結果的には訴訟まではもうしないということでこちらの方は収めましたけれども、しかし、それも強制的にできなかったんですね。 それから、今までの教育委員会制度の中でも、相当、自治体の首長とそれから教育委員会の意欲によって教育改善を今現在でもやっている自治体は相当あると思いますよ。実際に、神奈川県の知事をされていて、かなりいろんな教育改革を松沢委員が実践されているじゃないですか。ですから、やろうと思ったらできる部分というのは相当あって、それを何か文部科学省の責任にして、転嫁してやらないというような自治体も相当私は一方であるんじゃないかなというふうには思うんですね。ただ、今回は、より現場における責任体制の権限の明確化を図ると。 それから、そもそも教育行政というのは、国と地方の適切な役割分担、それから、相互の協力の下、公正かつ適正に行うことが必要であるという仕組みの中、それぞれの自治体がやろうということについては相当やれる話であって、それを法律改正しなければできないというのは、教育委員会の必置義務等はありますけれども、それ以外の現場における教育については、今現在でも相当創意工夫の中で実際はやっている自治体はたくさんあるんですね。 全員が同じような金太郎あめみたいなことをやっているわけではないわけでありまして、もっともっとこれから、新しいこの改正案が成立した以降は、それぞれの自治体が創意工夫によって今まで以上に、かなりそれぞれの自治体に合った教育改革が促進されるという、そういう改正案でもあるというふうに思います。
○委員長(丸山和也君) 松沢委員、時間です。
○松沢成文君 時間ですので、終わります。 ありがとうございました。
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。 国と首長の関与は教育の自主性を侵すのではないかということがやはり法案に対する最も大きな懸念だと思います。そこでまず、この国の関与について私も質問したいと思います。 法案第一条の三によって、地方公共団体の長は、国が定める教育振興基本計画の基本方針を参酌して大綱を定めることが義務付けられます。これは地方自治体を国の基本方針どおりに従わせようということなのかどうか、局長、確認したいと思います。
○政府参考人(前川喜平君) 教育行政は国と地方との適切な役割分担の下に行われるべきものとされていることに鑑みまして、大綱の策定に当たりましては国の教育振興基本計画に明記された大きな方向性を参考にすることが望ましいことから、国の教育振興基本計画の基本的な方針を参酌するとしたものでございます。 この参酌とは参考にするという意味でございまして、また教育の課題は地域によって様々であることを踏まえまして、地域の実情に応じこの大綱を策定するということになっているわけでございまして、国の方針どおりに大綱を定めなければならないということではございません。
○田村智子君 あくまで参考であるということを確認いたしました。 憲法や学校教育法など基本的な法律に基づいてそういう地方自治体が教育の方針を作るというのは、これは当然のことで、私は、わざわざ国の基本方針を参酌するよう義務付ける必要もないんじゃないかというふうに思います。子供の権利擁護と地方自治の本旨に基づいて地方の判断で作成できるというようにするのが本来の在り方ではないかというふうに考えるわけです。 具体的にちょっとお聞きします。 茨城県美浦村の教育振興基本計画は、国の計画に挙げられている教育の目標については、これは行うことが当然なので、美浦村の計画には書かないということをわざわざ明記しています。 最も重視しているのは、ゼロ歳から九十歳までの社会力を育てるということで、人と人とが結び付く力、社会力の不足が現在の子供や青年の抱える問題の中心にあるのではないかと、こういう分析に基づいた計画になっています。学力向上という言葉も出てきません。社会力を育てることが学力につながるんだと、大変創意ある計画になっています。 また、美浦村の主要産業である農業について、その重要性、米作りの将来の見通しなども含めた教育をやるとか、地元の高校に通学するための交通の確保などを計画に盛り込むなど、国のものとは随分と異なるものになっています。 こうしたユニークな大綱が作られた場合に、今回の法改定を理由に、国の計画を参酌するようにと国からの関与を新たに強めるということはないのかどうか、これも確認したいと思います。
○政府参考人(前川喜平君) 大綱は、教育の課題が地域によって様々であることを踏まえ、国の教育振興基本計画を参酌しつつ、地域の実情に応じ策定することとされておりまして、国の方針どおりに大綱を定めなければならないというものではございませんので、独自性が高いという理由で大綱について国から指導等を行うことは想定しておりません。
○田村智子君 新たに国の関与を強めるものでもないということも確認しました。 教育委員会制度の第一の眼目は、やはり教育の地方自治だと私は理解します。美浦村の教育振興基本計画は、子供たちの成長のために、また学校や教職員を支援するために、一人一人の村の皆さんが何か自分ができることからやろうじゃないかと、そういうふうに呼びかけるような内容になっていて、やはりこういう自分たちで作り上げた大綱だと地方自治体が確信できるものこそ必要だと。国のひな形になぞって作るようなものではなく、むしろこういうものこそ必要だということをアピールしてほしいぐらいだというふうに思っています。 次の質問に進みます。 先日の参考人質疑でも、日本の地方自治は首長に権限が集中していることが特徴だという指摘がありました。だからこそ、首長による教育への介入の懸念があり、不当な介入を防ぐ教育行政の仕組みが必要だということも議論になりました。この議論の中では、今日も言われていましたが、政治的中立性ということが強調されていて、これは大臣の答弁を私も読んでみますと、一党一派に偏した政治的主義主張が持ち込まれないことという答弁が繰り返し行われています。この偏したとか偏っているというのは、これはなかなか判断の基準というのは私は難しいんじゃないかというふうに思うんです。 これは局長に確認をしたいんですが、中教審の答申では、教育委員会制度の持つ政治的中立性、継続性、安定性についてはどのように述べているでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 教育の政治的中立性の確保に関しましては、平成二十五年十二月十三日の今後の地方教育行政の在り方についての中央教育審議会の答申におきまして、次のように記述されております。「公立学校等における教育の方針や内容については、多様な属性を持った複数の委員による合議が関与することにより、様々な意見や立場を集約した中立的な意思決定をし、首長の属する党派の利害に左右されることなく、個々人の判断や恣意の介入を防ぐ仕組みは、新たな地方教育行政制度においても必要であると考える。」。 以上でございます。
○田村智子君 そうなんですね。教育が知事や市町村長が属する党派の利害に左右されることがなく、個々人の判断や恣意の介入を防ぐ仕組みと、こういう指摘なんですね。 大臣にお聞きをしたいんですけれども、やはり今回の法案は、この中教審答申を踏まえて合議制の教育委員会を維持したものと考えますが、その点いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 今回の改正では、教育の政治的中立性、安定性、継続性を確保する観点から、引き続き首長から独立した合議制の執行機関として教育委員会を残すことにしたものでありまして、首長の属する党派の利害に左右されることなく、個々人の判断や恣意の介入を防ぐとの答申の趣旨に即したものと考えております。
○田村智子君 もちろん私も、どの政党、党派であろうと政治的主義主張を教育に持ち込むべきではないということは、もちろんそのとおりだと思うんです。 ただやはり、中教審はそれを前提として、地方自治体において大きな権限を行使し得る首長の属する党派の利害に左右されることなくと、こういうふうに答申をまとめた。ここはよく押さえておくことが必要だというふうに思います。 先週の質疑で公明党の矢倉委員が、教育が首長による民意だけで判断されるべきではない、この理由についてどのようにお考えかというふうに質問されて、初中局長は、民意を代表する立場の首長の意向の反映がより図られるということと、より一層多様な民意を反映し、地域の状況に応じた教育行政の展開を図るという観点から、合議制の教育委員会が教育行政の管理、執行に当たると、こういう答弁をしています。私は、この質問と答弁、大変重要な内容だなというふうに聞いていて思いました。 もちろん、首長にも公約への思いはありますから、それを示しつつも、しかし自治体を代表する立場ですから、より広い住民や保護者などの多様な民意を反映する努力というのは、これは首長にも求められていると思います、自分の考えだけでなく。同時に、合議体の教育委員会は、多様な立場の教育委員で構成されるからこそ多様な民意を反映する仕組みとしてやはりふさわしいんだというふうに考えますが、これも大臣、見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 教育委員会は、これまでも地域の多様な立場の人たちの視点を反映する観点から重要な役割を果たしてきたと認識しております。 一方で、現行の教育委員会制度については、地域の民意が十分に反映されていないとの指摘もあることから、今回の改正では、合議制の執行機関としての教育委員会を残しつつ総合教育会議の設置等を規定することにより、地域の民意を代表する首長が教育行政に連帯して責任を果たせるような仕組みを構築するものであります。
○田村智子君 もう一度お聞きしたいんですけれども、やっぱりより多様な民意を反映するという意味において、というのは、民意の反映ということが、首長が関与することが民意の反映ということがずっとやり取りがされていて、もちろん首長さんも民意を受けて当選されている方ですからそれを反映するというのはあるでしょう。しかし、より多様な立場でより多様な民意を反映するという役割を教育委員会が負っているということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 先ほど答弁いたしましたが、教育委員会は、地域の多様な立場の人たちの視点を反映する観点から重要な役割を果たしてきたというふうに認識しておりまして、その教育委員会は執行機関として残すということであります。
○田村智子君 実は、中教審の中では首長の関与について民意の反映ということは一切語られていないんですね、そういう問題意識もあってちょっと質問したんですけれども。今大臣もおっしゃられたように、地域の民意が十分に反映されていない、これが教育委員会改革の眼目だと、私もそれは本当に必要なことだと思うんです。 では、今言ったように、中教審では民意の反映イコール首長の関与ということにはなっていないんですよ、答申は。であれば、教育委員会が地域の民意をより反映していくというためにどういう改正が必要なのか、また、今回の法案の中でそのことが条文としてどのように盛り込まれているのか、これは局長に確認したいと思います。
○政府参考人(前川喜平君) 従来より、教育委員会は、多様な地域の立場の方々の視点を反映するという観点から重要な役割を果たしてきているわけでございますけれども、そのことにつきましては、これまでの現行法におきましても担保されている規定があるわけでございます。 具体的に申し上げますと、教育委員会の委員の任命につきまして、現行法においても、多様な民意の反映を目的として、年齢、性別、職業等に著しい偏りが生じないように配慮するとともに、保護者が含まれるようにしなければならないと、このような規定がございまして、これは改正後も同じでございます。 また、これに加えまして、これは運用上の問題でございますけれども、今まで以上に民意を反映し教育委員会を活性化するためには委員の人選の工夫も重要であるというふうに考えておりまして、委員の選任に当たっては、コミュニティ・スクールや学校支援地域本部など地域の関係者を教育委員として選任したり、あるいは教育に関する高度な知見を有する者も含めることも有効な方策であると考えております。 今回の改正案の中では、教育委員会の会議の透明性の向上を図り、住民によるチェック機能を強化するという観点から、会議の公開に加えまして、議事録を作成し、公表するよう努めなければならないということを規定しているところでございます。 加えまして、地域の民意を代表するという立場の首長と教育委員会とが連帯して教育行政に責任を果たせるようにするという観点から、首長による大綱の策定や首長による総合教育会議の設置についての規定が設けられているところでございまして、これらを通じましてより一層民意を反映した教育行政の推進が期待されるところでございます。 また、この総合教育会議におきましては、必要に応じ、関係者又は学識経験者から意見を聴くことができるとされているところでもございまして、多様な民意を反映するための方法として活用されることが期待されるところでございます。 また、この総合教育会議につきましても、透明性の向上、住民によるチェック機能という観点から、その公開制、また議事録の作成、公表の努力義務が規定されているところでございます。
○田村智子君 現行法では不十分だということでの改正だと思うんですね。確かに会議録の公表ということは行いますと。これは民意の反映というよりも情報開示ですよね。そこから住民の意見や要求を取るというような仕組みとはまたちょっと違うと思うんです、情報開示である、まあ前提であるかもしれませんけれども。やっぱり出てくるのは首長の関与に関わる条文だけなんですよ。首長が総合教育会議を主宰する、大綱を作る。そうすると、教育委員会そのものが本当に多様な民意を反映し活性化をしていくというような直接的な法の改正、条文の改正というのは、今回の法案の中では私は見付けることができないわけです。議事録の公開ぐらいなのかなと。 では、本当に現行法で保障しているから大丈夫なのかということで確認をしたいんですが、これは、今日午前中、自民党の議員からも質問があったんですけれども、改めて私も確認をしたいと思います。 地域の民意を十分に反映するという点で、現在の教育委員会の現状がどうかと。教育委員会で学校や事務局に寄せられた住民や教職員の意見の紹介を全く実施していない、そういう教育委員会の割合、これ一点目。それから二つ目に、公聴会など保護者や地域住民の意見を全く聴取をしていない、そういう教育委員会の割合。そして三点目、これは自民党の議員の質問になかったことですけれども、保護者や住民のアンケートなどを実施していない教育委員会。これ、それぞれどれぐらいあるのか、直近の数字でお答えください。
○政府参考人(前川喜平君) 平成二十四年度間の教育委員会の現状に関する調査におきましては、教育委員会の会議で学校や事務局に寄せられた意見等を紹介していない教育委員会の数、都道府県・指定都市におきましては八三・三%、その他の市町村におきましては六二・三%でございます。 公聴会等の意見交換を行っていない教育委員会の数、これは都道府県・指定都市では四八・五%、その他の市町村では六九・四%でございます。 世論調査、アンケート等を実施していない教育委員会の数、都道府県・指定都市では六八・七%、その他の市町村では八九・五%となっているところでございます。
○田村智子君 本当に残念ながら、多数の教育委員会が、アンケート実施せずが市町村で八九・五%ということは、本当に九割近い市町村の教育委員会でアンケートもやっていないと。意見を直接聞いているところがまあ半数ぐらいはあるのかなというのはあるんですけれども。それにしても、保護者や住民あるいは教職員の意見、これやっぱり聞くということもしていない教育委員会が多数ある。これが、教育委員会が形骸化というふうに指摘されてきた私は大きな要因の一つではないかというふうに考えざるを得ないわけです。 住民の意向とか要求に教育委員会が耳を傾けるんだという、そういう抜本的な教育委員会の改革が必要ではないかというふうに考えますが、これ、大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 確かに、この数字において、それぞれ教育委員会はもっと努力を是非してもらいたいというふうに思います。 地域住民や保護者の要望等について事務局から教育委員会に報告したり、それから教育委員が学校を始めとした所管施設も積極的に訪問するなどの取組も更にしていただきたい。また、教育委員会における審議を活性化するために、地域の多様な民意が反映されるよう、保護者や地域の関係者を教育委員として選任したり、教育に関する高度な知見を有する者も含めることも有効であるというふうに思いますし、そういうことも含めて、文部科学省としても、様々な機会を通じてこうした取組を教育委員会が是非行ってもらうよう、その活性化について図ってまいりたいと思います。
○田村智子君 大臣もこういう改善が必要だというところではお認めいただいたと思うんです。 それでは、今度は局長にお聞きしたいんですよ。これまで文部科学省は、そういう教育委員会の活性化についての通知、こういうのを出してきたんだろうかと。公聴会やアンケートあるいは学校訪問などを行うことが大切なんだと。多様な民意を反映するよう促すような指導、援助、こういうのは私は必要な指導、援助だというふうに思うんですね、活性化させるために。そういう通知などは、先ほど年間百三十件出されているとお聞きしましたけれども、そういう百三十件の中に、毎年百三十件ぐらい出しているのかと思いますけど、果たしてそういう通知というのは、この間発して、指導、援助、助言、行ってきたんでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 実のところ、この教育委員会の現状に関する調査におきまして、今申し上げたような調査をしていること自体がこういう取組を促す意味でやっているわけでございまして、まだまだ不十分であるという実情はございますけれども、こういった調査を通じましてこの取組を更に促してまいりたいと考えているところでございます。 多様な民意の反映という趣旨での指導、助言につきましては、これまでも制度の見直しの機会などに通知などによりまして指導してきたところでございます。 例えば、平成十三年の地方教育行政法改正におきまして、委員の任命に当たって、委員の年齢、性別、職業等に著しい偏りが生じないように配慮する旨の規定を設けたわけでございますけれども、その際の施行通知におきましては、教育委員会が、教育、文化、スポーツ等に関する要望等の広がりに対応する観点から、地域住民や保護者等の意向等を的確に把握し、地域の状況に応じた主体的かつ積極的な教育行政を展開するため、教育委員の構成を多様なものとすることを留意事項として示しております。 また、平成十九年の地教行法の改正におきまして、この際には、都道府県又は市の教育委員会にあっては六人以上の委員とすることができるという改正が行われたわけでございますけれども、この際の施行通知におきましては、多様な地域住民の意向を教育行政に一層反映することができるよう、教育委員会の委員を増員する等ができるようにすることを留意事項として示しているところでございます。 また、同じ改正におきましては、委員のうちに保護者が含まれるようにしなければならないということとしているわけでございますけれども、その際に保護者の意向が教育行政に適切に反映されるようにすることを留意事項として示しているところでございます。 教育委員会の会議で学校や事務局に寄せられた意見を紹介するなどの取組につきましては、教育委員会の活性化の観点で有益なものであると考えておりますので、文部科学省といたしましては、こうした取組の状況について更に引き続き調査を行いまして、教育委員会の取組を促してまいりたいと考えております。
○田村智子君 これは、大臣にも伺いたいんですね。 各教育委員会へのアンケート調査で言わば喚起しているというんですけれども、しかし出てきている数字、だから毎年のように調査やっているんですよ、それで改善していればまだ分かります、アンケート調査やって年々改善しているぞと。でも、アンケート実施せずが市町村で約九割ですからね。これは、アンケート調査をやっていても改善しているとはちょっと私は、全く改善してないとは言いませんよ、でも、それでは不十分ではなかろうかと。やはり教育委員会の活性化の鍵ともいえる多様な民意を直接つかむということについて、やっぱり現場に歓迎されるような、実際改善につながるような指導、援助、それはもっと行っていいんじゃないかと思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(下村博文君) そういう指導、援助、助言はしろということでありまして、この新しい改正案が成立をさせていただければ、これは先ほどからも議論がありましたが、制度を変えたからといって、あしたからいじめがゼロになるということにはならないわけですし、やはり教育委員会そのものの構成メンバーの意識改革も必要だと思います。その中の一環として、そういう努力をしている自治体の事例等を紹介しながら、もっとそれぞれの教育委員会が地域住民の声をしっかりと教育現場に把握できるような、そういう教育委員会の活性化について、文部科学省の方でも必要に応じて指導、助言等行ってまいりたいと思います。
○田村智子君 私は、そういうことが一番の教育委員会改革として必要なことだろうと思うんですね。 もちろん、今も民意反映の努力を行っている教育委員会というのはあります。例えば、比較的小さな自治体の中には、教育委員の皆さんが小まめに学校訪問をして子供たちの様子を見ていたり、校長先生や教員の皆さんとも懇談をして、そこで直接につかんだ声を教育委員会の会議の中で発言をして、それに応える施策を求めるということをやっているんですね。例えば、学校訪問したら男子トイレが本当に臭いんだと、あの臭いはどうにかならないのかと。なぜ施設改善もっと進まないんだというふうなことも教育委員会の中で発言されている議事録を私も幾つか読みました。これは本当に歓迎されますよね、学校現場からも子供たちからも。 あるいは、埼玉の鶴ケ島市教育委員会、ここは条例で教育委員会の下に十五人以内の教育審議会の設置というのを決めているんです。この目的は、地方自治の本旨に基づき市民の参加と協働により、市の実態や特色に応じた鶴ケ島市らしさのある教育改革を進め、教育の真の目的を実現するためだというんですね。この鶴ケ島市教育振興基本計画、これ策定に当たって、この審議会が教育委員会からの諮問を受けて、児童生徒への、これ全児童生徒対象アンケートやったり、それから計画の素案も一か月間パブリックコメントを掛けているんですよ。そういう中身を教育委員会にも報告をしていると。とても大切な取組だと思います。 私たち日本共産党は、本法案への言わば対案として教育委員会の改革提言というのを発表しています。その改革の第一に、やはり教育委員たちが、保護者、子供、教職員、住民の不満や要求をつかみ、自治体の教育施策をチェックし改善する、これが必要だということを提言をしたんですけれども、大臣、このことには御賛同いただけると思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) それは適切なすばらしい提案だと思います。
○田村智子君 すばらしい提案と、ありがとうございます。そうなるように、だからそういう法案を出していただけたら私たちもそれはいい法案だとなるんですけれども、そういうところの直接の条文がないというのが非常に残念なところなんです。 私も校長先生を務めておられた方からもお話お聞きしたんですけれども、本当に教職員の声も本当につかんでほしいんだと。校長先生でいいますと、いろんな問題が今学校で起きると。いろんな先生は問題起きたときに、じゃ、副校長に相談しようかなと。副校長は本当に困ったら校長に相談しようかなと。ところが、校長はもう後ろを振り返っても誰もいないんだと。そういう孤独感の中で仕事しているんだとおっしゃる方がいたんです。そういうときに、あっ、あの教育委員の方に相談したら答えてくれるよな、相談乗ってくれるよな、そういう教育委員の顔が思い浮かぶかどうかというのが学校にとっては決定的だというふうにおっしゃっていたんですね。そういう教育委員会になるような努力が求められていると思うんです。 教育委員の皆さんたちが、そういう多様な民意を反映すべく活動を活性化させる、そのためには、やはりそのための条件整備というのが欠かせないと思います。 先日の参考人質疑で、横浜市の教育委員長さんだった今田参考人は、まず、委員たちの机と椅子がない、直ちに用意しろというところから仕事を始めたというお話をされました。これ、同じような状況は少なくない自治体にあると思います。机、椅子、パソコン、資料を置く場所、これはもう本格的な活動をする上では欠かせないことだと思います。 また、ある教育委員の方にお話伺ったら、本格的に活動しようと思ったら毎週会議が必要だと。時には週に二回以上集まることも必要になってくると。では、その活動をどう保障するか、手弁当でいいのかという問題も出てくるわけです。 私たちは、教育委員会改革の柱の第二として、会議の公開とか教育委員の待遇改善、支援、教育への見識や専門性を持つ人物の確保など、教育委員会の役割が確実に果たせる体制の整備が必要だと、こういうことも提言をいたしました。これについても大臣の所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) まず、教育委員会において、教育委員は非常勤ではありますが多様な民意を反映することが期待をされているわけでありまして、保護者や地域住民の不満それから要望等を的確に把握し、教育行政に生かすことは御指摘のように大変重要だというふうに思います。 この保護者や地域住民の不満や要望等を把握するため、公聴会等を開催し、保護者や地域住民の意見等を聴取し、意見交換を実施すること、また、教育委員が学校を始めとした所管施設を積極的に訪問すること、教育委員会の会議で学校や事務局に寄せられた意見等を情報公開することなどが考えられるというふうに思います。 限られた予算の中で、また行革に相反しない中で、教育委員の方々にはこういう取組について是非していただければと思います。
○田村智子君 もう一点、そうした体制つくっていくためにはやっぱり予算が必要で、これまでの審議の中では教育委員会事務局の指導主事の配置についてはこれ充実していきたいというお話があったんですけれども、私は教育委員への活動の支援、これはやっぱり必要だというふうに思うんです。特に小さな規模の自治体では負担が重いというふうにも思いまして、この教育委員の活動を下支えするような予算の支援、この点についても、大臣、要望したいんです。是非やってほしいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 教育委員の下支えをする予算ということですか。教育委員そのものに対する予算ということではなくて。
○田村智子君 そうです。教育委員の活動そのものですね。
○国務大臣(下村博文君) 教育委員そのもの。
○田村智子君 はい。
○国務大臣(下村博文君) 教育委員そのものは、やはりレーマンコントロールの中で、非常勤の扱いということの中で対応していただいているというのが現行制度、それから改正案でもあるわけでありまして、その範囲内の中でではありますが、教育委員の方々がしっかり地域の適切な、不満、要望等を捉えて、それを教育行政の中で反映できるような支援については検討してまいりたいと思います。
○田村智子君 是非お願いしたいと思います。 最後に、教育長と教育委員会の関係について質問をいたします。 スーパー教育長という言葉がこの委員会の中でも何度か出てきているんですけれども、教育長は、教育委員会からの委任を受け、教育委員会の意思決定に従って具体的な事務の執行に当たると、この点については現行法と同じだと思うんです、法案も。教育長のみの判断で何でもできるということではないと思いますが、これ局長に確認したいと思います。
○政府参考人(前川喜平君) 改正案における新教育長は、執行機関である教育委員会の代表者となるわけでございますが、合議体としての教育委員会の意思決定に基づき委任を受けたことについて事務を執行するということについては現行と変わりございません。
○田村智子君 これ、スーパー教育長という言葉が独り歩きすると誤解が広がりかねないというふうに私は思っているんです。教育委員会においては教育長は代表、法案でも代表であって、それは、決定権限は合議体である教育委員会にあるんだということはしっかりそれぞれの自治体の中に、法案の中身、知らせていかなくちゃいけないというふうに思っています。だけれども、一方で、教育長への指揮監督という権限は教育委員会から奪われました。教育長、教育委員会事務局へのチェック機能をどうするかということは、やはり大きな問題だと私も思います。 先ほどもありましたが、参考人質疑で中教審メンバーでもあった村上参考人から、教育委員会が教育長への勧告を行うなどの運用の仕組みがあってもいいんではないかという提案があったんです。とても大切だと思うんです。これ、法案では、教育長は教育委員会に事務の執行についての報告をするということが義務付けられています。では、報告を受けて、教育委員会がその内容を議論をし、そして教育長への勧告を議決した場合、不十分だとか、それはやり過ぎだとかということを含めて、それは学校教育にちょっと口を出し過ぎじゃないかということとか、あるいはこういう施設整備はもっと早くやるべきなのになぜなかなか進まないんだと、そういう事務の執行について勧告が必要だと委員会が判断し、これを決議した場合、それは教育長はこの勧告に従う義務が生じると思いますが、これは大臣に確認したいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 改正案第二十五条第三項におきまして、教育長は、教育委員会から委任された事務の管理及び執行の状況について教育委員会に報告しなければならないこととされております。教育長の事務の管理及び執行について、教育委員会において審議し合議体として意思決定を行った場合には、教育長は当該意思決定に従う必要があると考えます。
○田村智子君 勧告を行った場合にはそれに従う必要があるということを確認をいたしました。 この村上参考人の運用に対する仕組みの提案というのは非常に大切なものが幾つもありまして、これちょっと通告していなかったので質問にはしないで、これ確認が必要だったら次回確認したいと思うんですけれども、例えば教育委員会の議決は、これもう教育委員会の会議の主宰を教育長にしちゃったものですから、であるならば、教育委員会の議決は教育長を外してまず行うと、そして可否同数だった場合に教育長の判断によるというふうにしてはどうかという提案があったりとか、あるいは教育長の任命、罷免についても教育委員会の承認を必要とする、こういうようなことをやっていかなければ、チェック機能という役割が教育委員会果たせなくなってしまうんじゃないかということを中教審のメンバーで教育委員会の改革についてまさに協議したその方が提案をしているんですよ。 私は、これ、どうなるかということはまた後日確認はしたいと思っているんですけれども、本来、やはり教育委員会のチェック機能の強化ということを言うのであるならば、それは今、村上参考人から提案されたような内容は、これは法案の中に含んで、だからチェック機能は後退しないんだと、指揮監督権というのは外したけれどもチェック機能は法律がちゃんと保障しているんだということを盛り込むことが必要だというふうに思うんですよ。これ、今からだってそういう修正が行われるのであれば、やっぱりやらなきゃいけないというふうにも思うぐらいなんです。 本来、責任の不明確ということも言われてきましたけれども、これ、教育委員会の制度の発足時を見てみれば、教育委員会にはそもそも教育長は含まれていなかったわけです。組織的には事務局というのと教育委員会というのは分離をしていて、教育長も教育委員会の外に置かれていたわけですよね。そして、教育委員会には意思決定や指揮監督の責任があり、教育長はその教育委員会の意思決定に基づいて日常的な事務統括を行うという責任があったと。 もし責任の不明確さということを問題にするのであれば、やっぱり私は原点に立ち戻ってそのぐらいの改革を行うということが求められていたんじゃないのかということも思わざるを得ないんですね。そのことを指摘しまして、今日は時間になりましたので、本日の質問は終わりたいと思います。
○委員長(丸山和也君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時四十九分散会