文教科学委員会 第13号
- 発言数
- 104 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2014/05/13
会議録
○委員長(丸山和也君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、小坂憲次君及び中曽根弘文君が委員を辞任され、その補欠として水落敏栄君及び長峯誠君が選任されました。 ─────────────
○委員長(丸山和也君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、外務大臣官房国際文化交流審議官齋木尚子君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(丸山和也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(丸山和也君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○二之湯武史君 おはようございます。自民党の二之湯武史です。十二分しかありませんので、早速始めさせていただきます。よろしくお願いいたします。 本日は、文化行政について質問をさせていただきます。 先日、この文化芸術立国中期プランというのを拝見をさせていただきました。この中身の戦術、手段の前に、一番根本的な質問をしたいと思っております。つまり、この文化芸術というものが何を指しているのかということです。 それはどういうことかといいますと、文化芸術というのが、つまり我が国固有の日本の伝統文化のことを指すのか、若しくは、それはそういうものにとどまらず、洋画やクラシック音楽のような西洋芸術も含んだものの意味なのか、そういったことをどう捉えればいいのかということを御質問したいというふうに考えております。つまり、過激な言い方ですけれども、私は、戦後のGHQの占領政策、いろんな観点で語られますけれども、この文化政策というのは一番実は浸透しているんじゃないかなというふうに考えています。 先日、この文化芸術立国中期プランをプレゼンをしていただいた自民党の文化伝統調査会というのにも私、出席をさせていただきましたけれども、出席者を見ますと、会長、事務局長と私だけでした。三人しかいないと。もう全然関心がそちらに向いていない、これが今の私は偽らざる文化芸術、文化行政というものを取り巻く政治の側の環境じゃないかなというふうに考えております。 私は、この文化というのは本当に大事であると、もう根本的な一番大事なものであると言っても過言ではないというふうに考えております。つまり、日本というこの文明圏が数千年にわたってこの極東の島国に存在してきたあかしそのものが私は文化だというふうに考えています。それは日本語や宗教、そしてこういった美術、芸術を含めた、こういったものがまさに日本が存在をしているというあかしなんだというふうに思っております。 そして、そういったものを考えますと、我が国の文化芸術、若しくは文化行政といった場合のこの文化や芸術というものが一体何を指しているのかというのが非常に曖昧であるということを、私、事あるごとに部会やこの委員会でも申し上げてきたつもりです。 そういった中で、例えば小学校で今、英語教育についての議論が盛んになっていると思います。この英語教育についての議論の場合、やはり保守的な考え方の方からいうと、いや、そんな英語なんていうのを勉強させる前に日本語だろうみたいな、こういう議論もあるわけでございますけれども。 例えば、この文化芸術の世界の政策の議論等々で、いや、まず日本の伝統文化だろうという話がなかなか出てこないというのは、私は、まさに先ほど申し上げた占領政策が一番実はうまく機能しているのがこの文化芸術というものなんじゃないかなと。これはずっと十数年、これ、議員になる前から私ずっと問題意識を持ってきたことで、本日やっと質問をさせていただく。ただ、十二分しかないんですけれども、いつか二時間ぐらい議論させていただきたいなと思うんですが。 和辻哲郎の「風土」という書物、大臣、お読みになったことあるでしょうか。この中には、砂漠型、モンスーン型、そして牧場型と三つの類型に、自然風土によって文化の類型を分けているんですが、和辻さんがおっしゃるには、気候風土というのは、これは単なる自然現象ではないと。これは、宗教や芸術や風習など人間の精神に対する自己了解と一体化したものであると。つまり人間存在そのものが気候風土なんだと。そして、その気候風土、つまり日本であれば四季があり、ようやく梅雨の季節に入りますが、そういったじめじめとした季節があり、明確な四季があり、台風が来、そういった自然そのものが我々日本文化を形成する最も根本的なものだと、こういう御意見をおっしゃっておられる。 だからこそ、この精神と身体の自己認識を一体化させた、こういった我が国固有の文化芸術を子供たちに継承するということが、私は日本の文化行政の、まずもう特に義務教育行政における根本的な命題ではないかと、このように考えておるんですけれども、大臣の御見解を是非お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 大変に格調ある話で、おっしゃるとおりだというふうに思います。 二之湯委員の選挙区である滋賀県からも、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックに向けて是非、文化遺産等が眠っていると。それだけではなく、今実際に、それぞれの滋賀県内においても伝統文化行事、すばらしいものがたくさんあると。これを世界に発信するチャンスとして、是非二〇二〇年オリンピック・パラリンピックをスポーツの祭典だけでなく文化芸術の祭典として、なおかつ東京だけでなく滋賀県、日本全体が活力を取り戻す、それはこの文化芸術であるというふうに私自身も思っておりまして、森組織委員会会長にお願いして、橋本先生も理事で入っておられますが、この文化芸術ジャンルからも、これは組織委員会にほかから二人、私の方から推薦して入れていただいて、そして、その中に今後文化における専門委員を別につくって、二〇二〇年に向けて、まさに日本の強みというのは文化芸術であるというふうに思いますし、それを是非世界で発信するチャンスをつくってまいりたいと思います。
○二之湯武史君 ありがとうございます。じゃ、今の御発言では、要は文化芸術というのは基本的には日本の伝統文化を指すというふうに了解をしていいということでしょうか。まあ、そういうふうに考えております。 時間がないのでこの資料を見ていただきたいんですが、そういった大臣の御発言は大変心強いんですけれども、二ページのこの第一節、「人をつくる」というこの資料を見ていただければ、実はこれ、施策六まであるんですね。で、写真一枚しかないんですよ。その一枚がピアノ、バイオリンとクラリネットの三重奏なんですね。施策一から六、ずっと読みますと、伝統文化のことが大体七割から八割ぐらい書いてもらっているんですが、一枚しかない写真がこれではいかがなものかと。これは非常に細かいことですが、根本的なことだと私は思います。 是非、資料等々を作る際に、こういったものがその根本にある考え方を表しているとは私は思いたくありませんけれども、こういった細部に、私は日本文化至上主義者ではありませんけれども、こういったところには是非配慮をいただきたいというふうに考えております。 それで、一番申し上げたいのが、この文化芸術立国中期プランのサブタイトルが「二〇二〇年に日本が、「世界の文化芸術の交流のハブ」となる」と、このハブという言葉に私はかみつきたいと思っております。 つまり、ハブというのは、ハブ・アンド・スポーク、一つの結節点なんですね、これは。ここから出ていって、ここから人が来て、出ていく、その一種のプラットホームなんです。つまり、私は、文化芸術という中身、これが日本の伝統文化だということをはっきり示さないがゆえに、何か、オリンピックなので人がいっぱい来るので、アメリカ人が来る、アフリカから来る、南米から来る、ヨーロッパから来る、来た人がお互いの文化を持ち寄って交流する、その場をオリンピックをたまたまやる日本が提供しますよというようなイメージに私はこれは見えてしまうんですね。 恐らくこのタイトルだけを見た人、これ文化庁の方にもレク来ていただいていろいろ説明をいただいたんですが、説明をしないと分からないものはサブタイトルに私は決してならないと。つまり、やはりここは、例えば、二〇二〇年、日本文化が世界の人々を魅了するとか、何かそういった積極的な前向きな、誰が見てもああそうかと、二〇二〇年というのをきっかけに日本の文化を掘り起こして、そして育てて、そして世界からたくさん人が来るオリンピックのときに日本の文化を一気にプレゼンをするんだと、こういうようなものがぱっと一発で分かるような、役人のプレゼンが必要のないサブタイトルを是非作っていただきたい。 私は、文化伝統調査会でもそれを申し上げたんですが、一人でちょっとエキサイトしてしまいまして、余り伝わっていないので、この委員会でも申し上げたいと思うんです。ハブという言葉は、やはり私はハブ・アンド・スポーク、結節点にすぎない、もっと積極的な意味をこれに持たせるべきだというふうに私は考えております。 私は、自分自身でも実は修験道の行者、十四年間、世界遺産の大峰山というところで実は二十三のときからやっております。大先達の称号もいただいておるんです、実は。つまり、道という、道を極めるというものが私は日本の文化の真髄、本質だと思うんです。 そういった意味で、我々日本というのは数千年にわたってしっかりとした文化を持っているわけですが、それを政策、政治の側が認識できていない。先ほど申し上げたように出席者一人ですから、平場で。そういった調査会になってしまっているというのが私は非常に問題であると。 そして、まさに戦後の日本のアイデンティティーの混乱が最後まで続いているのが、教育行政は、今の大臣の下で本当に日本を取り戻す、まさに取り戻しつつあるという私は実感がありますが、この文化行政に関しては全然取り戻せていないと。取り戻すものが何かもまだ見えていないような状況ではないかと率直に思っております。ですので、是非この文化芸術立国、まさに文化芸術というのは、日本固有、古来の伝統文化というものをもう一度しっかり取り戻すんだと、こういったものであるということを、是非最後に大臣からの御決意をいただいて、私の短い質問を終わらせていただきたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 私も文化芸術については話したいことはたくさんありますけど、あと一分しかありませんので。二之湯委員の日本の文化芸術を誇りに思うその思いは全く同じでありますし、是非それを二〇二〇年、世界の方々に知っていただきたいと思います。 しかし、ハブというのは、やっぱりそこが世界における文化芸術の中心的なものでなかったらなかなかハブにはなり得ないというふうに思うんですね。当然日本の伝統文化は大切にしますが、同時に、二十一世紀は日本が世界全体の文化芸術の中心になっていくような、つまり文化芸術についてのイベント、人も、日本にいればそれが広がっていく、そして日本によって世界における文化芸術の大きな拠点となると、そういう意味でこのハブという言葉を使っているわけでありますが、いずれにしても、その中心は、世界が、日本がまさに文化芸術のすばらしい発信の国であるというところから始まってくると思いますし、そういう観点からしっかり対応してまいりたいと思います。
○二之湯武史君 是非また議論をさせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○大島九州男君 民主党の大島九州男でございます。 それでは、早速質問に入らせていただきますが、昨年の理科教育設備整備費補助の交付実績について、申請の上がってこなかった都道府県があるかどうかをお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(前川喜平君) 平成二十五年度の理科教育等設備整備費補助につきましては、四十七都道府県全てから申請があったところでございます。
○大島九州男君 具体的に都道府県立学校分と市町村立学校分とで申請状況を見た場合には、申請の上がってこなかった都道府県名を具体的に教えていただければと思います。
○政府参考人(前川喜平君) 市町村立学校分につきましては全ての都道府県から申請をいただいたところでございますが、都道府県立学校分につきましては、北海道、茨城県、静岡県、愛知県、徳島県の五道県からは申請がなかったものと承知しております。 なお、県立学校分として昨年度申請がなかった五道県でございますが、そのうち茨城県、静岡県、徳島県の三県につきましては、今年度の事業計画の申請を受けているところでございます。
○大島九州男君 申請が上がってこない原因の一つとしては、自治体の自己負担分の予算確保の問題があるというふうに考えますけれども、文部科学省としてはより多くの都道府県における申請を促すためにどのように取組をされているのかと。
○政府参考人(前川喜平君) 理科教育振興法上、国の補助は二分の一とされておりますため、自治体における負担分につきましては各自治体において予算措置していただくことになります。このため、自治体によっては財政状況等を理由に補助の申請を行わないところもあるものと承知しており、平成二十五年度予算の執行に当たってもそのような状況が見られるところでございます。 一方で、理科教育の充実のためには、理科教育設備の整備を通じまして、各学校における理科の観察、実験活動の充実を図っていくことが極めて重要でございまして、平成二十四年度の全国学力・学習状況調査の理科の結果におきましても、自らの仮説を基に観察、実験の計画を立てる指導でありますとか、観察、実験の結果を整理して考察する指導などを行っている学校ほど正答率が高いという傾向が出ております。 文部科学省におきましては、平成二十五年度におきましても、公益社団法人日本理科教育振興協会の協力も得つつ、各地で補助金に関する説明会を開催するなど広報活動に努めたところでございますが、引き続き本年度におきましても、教育委員会等を対象とする会議等におきまして、理科教育における観察、実験の重要性について周知を行いつつ、各自治体における当該補助金の活用を促してまいりたいと考えております。
○大島九州男君 それこそ、子供たちが生まれ育った地域、そういった場所によって格差が生まれないように、今後も文部科学省には強いリーダーシップで発信をしていっていただきたいということを強く要望をさせていただきたいと思います。 それでは次に、原子力損害賠償紛争解決センター、ADRの関係の和解事例については周知をされているということは前回もお聞きしましたが、裁判判例について把握して周知する必要があるというふうに考えておるところでありますけど、大臣の御見解を。
○国務大臣(下村博文君) 今般の事故に伴う東京電力による損害賠償に係る訴訟は、東京電力によると本年五月九日時点で百九十七件あり、そのうち判決が出ているのは十六件であると聞いておりますが、これらは被災者と東京電力との間での裁判であることから、文部科学省としてはその内容について公表する立場にはないと考えております。 なお、主な判決は裁判所が運営するウエブサイトにおいて広く提供されていると承知をしておりますが、これら十六件の判決についてはそのウエブサイトには提供されていないということであります。 一方、ADRセンターの和解事例に関しては、代表的な例として考えられる七百八十六件についてADRセンターのホームページで提供するとともに、避難区域ごとに比較的多く見られる事例については、その概要を約百五十例ずつ紹介した二種類の冊子を被災自治体等に配布するなど情報提供に努めているところでございます。 今後、今般の事故に伴う判決が広く提供されるようなことがあれば、これらの情報とADRセンターの和解事例とを被災者の方々が共に見られるように工夫するなど、被災者の方々に役立つ情報の提供を検討してまいりたいと考えております。
○大島九州男君 先日も福島県田村市の都路地区に行ってきて住民の皆さんのお話を聞かせてもらったんですけれども、二十キロ圏内、三十キロ圏内と当然賠償も違っていると。同じ地区に住んでいながらそういう状況に陥っている住民の方もたくさんいらっしゃる。それぞれ、いろんな意味で、この賠償の部分についても住民の要望を聞かれて、文部科学省ではその賠償の指針というものを進化をさせてきたということは承知しておりますけれども、どうしてもまだまだその内容が不備であるという声をたくさん聞くわけであります。 特に、昨年末の四次追補にしても、更なる精査を行って、そして現場に沿った対応をしてもらいたいと。具体的に言うと、距離だとか線量だとかということで一義的に決めるんではなくて、総合的な判断を持ってその対応をしてもらいたいという、そういう要望を受けまして、なるほど、そうだなということを強く感じたところでもあります。 是非その住民の皆さんの声をしっかりと受け止めて、一日でも早く、いっときでも早く、一人でも多くの人がその苦しみから解放される、まさにそのことをやはり我々はしっかり取り組んでいかなければならないというふうに強く考えておりますので、引き続きその住民の声を、そしてその対応をしていただくことを要望をしておきます。 そして、当然その賠償に使われる原資が問題であるわけでありますけれども、その使われる原資、当然、原子力損害賠償支援機構法に基づくそれぞれ電力会社が出す負担金、こういったものが主になってくると思うんですけれども、その負担金の額及び負担金を納付する主体の定義について経産省の方からお願いします。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。 原子力損害賠償支援機構法におきまして、負担金につきましては、機構の業務に要する費用に充てるため、発電原子炉を保有する又は核燃料物質の再処理に係る事業を行ういわゆる原子力事業者が納付することとされてございます。 負担金は一般負担金と特別負担金とで構成されておりまして、それぞれ機構法の要件に基づきまして機構の運営委員会の議決を経て定めることとなってございます。 まず、一般負担金の金額でございますけれども、これは東京電力を含む原子力事業者から機構に対して納付されることとなっておりまして、具体的な金額といたしましては、平成二十五年度におきましては千六百三十億円ということとなっております。 それから、特別負担金につきましては、これは交付国債に基づく資金援助を受ける事業者、具体的には東京電力になりますけれども、東京電力から機構に納付されることとなっておりまして、平成二十五年度におきましては五百億円というふうに議決されていると承知しております。
○大島九州男君 今のお話の中で、二十三年度は負担金が八百十五億円だったんですね。二十四年度には千八億円、二十五年度には一千六百三十億と計算された。 これ、中身を聞きましたら、二十三年度の九月にこの原子力損害賠償機構法に基づく負担金をいただくということを決めたので、それでちょうど半年分だから八百十五億なんだと。じゃ二十四年度はどうなのと話を聞いたら、一千八億円ですから何か合わないねという話をしたら、いや、それは機構法の要件に基づいて、当然その原子力事業者の経営内容を見て、そして十二分の七ということで少しおまけをしてあげたという、そういう現状だったと。なるほどそういうことかと。そして、この特別負担金というのは、その交付国債に基づく資金援助を受けている東電だけが払うんだと。ああ、そういう仕組みになっているんですかと。これでその原資、お金の集め方というのは少し理解したんですけれども。現実として、そのお金を賠償に充てるということはなるほどと、でも、まあ多分これでは当然足りないので、いろんな意味で東電に支援をしているわけでありますが。 今般、この機構を、原子力、この廃炉機構と言われる機構をつくって、そしてそれを、また更なる廃炉だとかそういう汚染水対策だとかにいろいろ取り組んでいくという姿勢を示されたわけですけれども、この機構の将来像というか、この機構がどういうふうに進化をしていくというようなイメージを持っているのかというのを副大臣の方から御答弁いただければと思います。
○副大臣(赤羽一嘉君) 福島第一原発の廃炉、そして汚染水対策につきましては、今でもこれから三十年ないし四十年掛かる大変な大事業でございます。 第四号の使用済燃料の取り出しは極めて順調に進んでおりますが、第一号機から第三号機まで、これはまだ大変放射線量も高いですし、中に実際人が入れないような状況の中でどうデブリを取り出し、プロセスを進めていくのかという大変な状況でございます。 これまでは、起こった直後から、何というか、起こったことに対して当面の課題をこなしてきたと。しかし、昨年九月から国が前面に出て、そして今回、今委員御指摘のように、国会で御審議をいただいておりますが、原賠機構法を改正していただいて、その中にも廃炉を位置付けているということでございます。この中では、恐らく事故炉の廃炉に関する、研究開発を通じて廃炉に関する最新の技術情報ですとかノウハウが集約されることとなると思います。 こうしたことを、今回の福島第一原発の廃炉・汚染水対策をやり切るというのはこれ当然のこととして、これを国内にとどめるのではなくて、国際社会に広くこれを開示をして、国際社会における原発の安全性の向上に資するものにしていかなければいけないと、これ、委員かねてから国会で御指摘をいただいている、私はそのとおりだというふうに思っております。 そうした意味でも、今回の法改正、今参議院の経済産業委員会で審議をしていただいていると思いますが、新しい機構の業務の中に廃炉等に関する情報の提供ということも追加をしておりまして、こうした今回の福島第一原発の対策において得られる知見、教訓を幅広く世界に発信していけるような機構にしていきたいと、こう考えておるところでございます。
○大島九州男君 赤羽副大臣は積極的に現地の方に出向かれて、一生懸命取り組んでいただいているということには私も感銘を受けて、本当に尊敬をさせていただいております。 まさに、今そこで得る知見、そういったノウハウ、我々が本当に多くの国民の皆さんの苦労をいただきながら取り組んでいかなければならないこの原発の処理と、そして今後見込まれる通常廃炉については、やはり日本が今回の事故を教訓として、本当にそれを世界に貢献できるような、そういうものとして進化をさせていかなければならないと。今回、法律の附則の中に、汚染水対策だとかこういったものは喫緊の課題だと、福島第一原発の部分については政府を挙げて取り組んでいくんだという決意を込めた附則を入れていただいているということも本当に私は有り難いことだなというふうに受け取らせていただいております。 まさに、この新機構が国内のみならず世界でも見込まれる廃炉について積極的に貢献することが、この機構の立て付けの法律では可能になっているというふうに思っているところであります。是非ここは副大臣として決意を述べていただいて、私の質問を終わりたいと思います。よろしくどうぞお願いします。
○副大臣(赤羽一嘉君) 重ねての答弁になりますが、今回の福島第一原発の廃炉・汚染水対策は、ある意味では人類史上初めてのチャレンジだと考えております。こうした大変なチャレンジに向かう以上、そこで得られた知見、教訓については、先ほど申し上げましたように、幅広く国内外にそれを共有しながら世界中の原子力発電の安全性の向上に資するようにしっかりと取り組んでいきたいと、こう決意をしておるところでございます。
○大島九州男君 是非、これは副大臣、経産省、全ての政府一体となってやっていただくように、また大臣にもそこら辺の現場の声をしっかり積極的に受け止めるようにしていただくことをお願いして、終わります。 以上です。
○斎藤嘉隆君 民主党の斎藤嘉隆でございます。今日はよろしくお願いをいたします。僕も余り時間がありませんので、早速質問をさせていただきたいと思います。 今日はまず冒頭、日本スポーツ振興センター、いわゆるJSCの災害共済給付制度、この制度について少しお伺いをしたいと思います。 私もかつて学校に勤務をしておりましたときに、大変この制度が子供たちにとっても保護者にとっても有意な制度であるというのはもう身にしみて分かっております。学校での活動全てにおける子供たちの事故あるいは災害等、例えば通学中なんかも全て該当すると思いますけれども、こういう学校管理下での事故、災害などに対して医療費あるいは見舞金といったものが給付をされるということで、ある意味で教育の現場で子供たちの指導をするに当たって大変安心をしてこういったことができる、いわゆる保険であります。 今、子ども・子育て新システムが今後導入をされてくるという中において、これ先般も予算委員会でも議論になったかというふうに思いますけれども、現状は、この制度、小中学校や高等学校ですとかあるいは幼稚園ですとか認可保育所、こういったところなどが対象になっておりますけれども、この子ども・子育て新制度の下で小規模の認可保育所は現状においてはなぜか対象外ということになっております。これ繰り返しますが、かつて委員会でも議論にはなりましたけれども、私、どうしてもここのところがよく分からないんです。 今後、この子育て支援を政府・与党としてもしっかり充実をしていくという中において、この小規模の認可保育所が対象外になっているということのまず理由をお聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(久保公人君) この問題につきましては、法律に基づきまして、基本的に学校の管理下による災害に対して補償するということでございまして、幼稚園から高校に至るまでを対象としてまいりましたけれども、制度の創設時から保育所については例外的にこれも対象にしてまいりました。今後それを広げる過程におきまして認定こども園まで対象にしたわけでございますけれども、地域型の保育事業といたしましての小規模型の保育事業につきましては、その制度的な基準等、法定の位置付け、あるいは掛金等の仕組みがどの程度になるかまだ決まっておりませんでしたもので、今対象にしていないという経緯でございます。
○斎藤嘉隆君 JSC、まさに文科省所管の独法でありますし、これ先回、大臣も前向きに検討するというふうに御答弁をされています。厚労大臣は、文科省の方で是非対象として中に入れてほしいというようなことも言われておりましたけれども、これ、あのときに、予算委員会では、検討を今後していくというような旨の御答弁をされていますけれども、今の具体的な検討状況をお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 今、斎藤委員御指摘がありましたように、この災害共済給付制度の対象に地域型保育事業を加えることについて、国会、予算委員会の議論を受けて、事務的な検討を開始いたしました。具体的には、今年の四月に文科省と厚労省の担当課長による連絡会議を行い、前向きに検討を進めるという方向性を確認しつつ、地域型保育事業について保育所と同等の施設としての法的位置付けを明確化すること、それから地域型保育事業に関する基準の内容と実際の事故の発生状況の詳細な検討等の課題について検討を開始いたしました。 今後とも、地方型保育事業を災害共済給付の対象とすることについて、厚労省と連携しつつ、これらの解決の課題に向けて検討を進めてまいりたいと考えております。
○斎藤嘉隆君 是非、早急に方向性、方向性というか、決定をしていただきたいと思います。小規模認可保育所、地域型の保育所をこれからやっぱり増設をしていかないと、待機児童の問題も含めて、やはり解決にはつながらないと思っておりますし、その一つの重要な要素であるというように考えています。 それからもう一点、保育所に限定をして言えば、若干今変わっているかもしれませんけれども、この保険料が子供一人当たり三百円台だったと思います。半分程度は保護者負担でありますし、また残りは設置者である市町村の負担ということでありますけれども、これ、安全の確保、担保という点も重要ですけれども、この保険料をこれから若干少なくしていくといったことも検討していくべきではないかと思いますが、この点はいかがでしょうか。
○政府参考人(久保公人君) この掛金の話につきましては、全体の経費が掛金で賄われるということでございますので、その設置者、保護者の負担割りをどうするかというのは、事故率それから全体の規模の中で、センターの中での適正な経営という観点もにらみ合わせながら決めていくことになりますけれども、今先生おっしゃったような観点も、それに併せましては当然組み込みながら検討していくものと考えております。
○斎藤嘉隆君 是非早急な御検討と、その上での決定を改めてお願いをさせていただきたいと思います。 次に、新国立競技場というか、国立競技場の改築の課題について少し確認をさせていただきたいと思います。 まさにスポーツの聖地でありますし、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックのメーン会場ということで、私も、我が党が与党時代から、この改築については全面的に前向きにいろんな御提言をさせていただいてまいりましたけれども、現状、この新国立競技場の建設について、これ新聞報道も含めてでありますけれども、総工費の一部を東京都に負担をしていただく、五百億円というような報道もされておりますが、そのような要請をしたところ東京都が対応を留保していると、そのような報道がたしか二月の末にあったかと思います。 この報道によりますと、前の知事と大臣との間で昨年の十一月会談をされまして、競技場の本体は国が負担、周辺の整備については都が一部負担と、こういう方針が確認をされていたということでありましたけれども、この前知事が辞職をされて、その後、下村大臣が五百億円という都の負担額を示し、都がそれについては現状においては十分理解をしていない、一旦白紙に戻すというようなことも言われておるということでありますけれども、この建設費用負担の現状、これは今どのようになっているんでしょうか。
○政府参考人(久保公人君) 費用負担につきましては、この建設費につきましては、基本的に国立の施設でございますので国費、それからスポーツ振興くじの一部をこれに充当、売上げの五%を充当する、さらに東京都にも負担をということで、これは文部科学省から東京都の方にお話をしてきておりまして、知事が替わられましてもそれは変わらないわけでございますけれども、ただ、東京都といたしましても東京都議会あるいは都民への説明もあり、具体的な関係につきましては、取りあえず実務的にどうするかというのを協議を進めているという状況にございます。 今後、その具体的な話を決めていきますに当たりましては、基本設計の策定等の過程を通じて、さらに実施設計過程を通じまして具体的な競技場の姿が明らかになってまいります。特に基本設計ができ上がりますと大体具体的な形が明らかになりますので、より詳細な打合せが進むものと考えているところでございます。 具体的な費用分担について、決定するのがいつ頃になるかという具体的な段階ではまだないわけでございますけれども、合意に向けて引き続き協議を進めてまいるというような状況にあるわけでございます。
○斎藤嘉隆君 若干心配をしておりますのは、以前の改築の工程表を見ますと、今年の七月にも解体工事が始まって、来年の十月にも建設工事というか改築工事が始まってくるという、こういうスケジュールが示されていたかと思います。二〇二〇年もそうですけれども、二〇一九年にはラグビーのワールドカップもこの新しい、新装成った国立競技場で開催をということでありますけれども、スケジュール的に、今ちょっと、本当に大丈夫なのかということを個人的には若干危惧をしておるんですけれども、こういう観点からいかがでしょうか。
○政府参考人(久保公人君) 新国立競技場の建設に当たりましては、今先生おっしゃられましたように、今年度に実施設計を行います。それから、解体工事を七月にもう着手すると。それから、来年度には本体工事に入るということはもう既定路線で、予算も付いておりますし、その方向で着実に進んでございます。二〇一九年のラグビーワールドカップ、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会には確実に間に合うように着実に進めていきたいと思っているところでございます。 最初、先生がおっしゃられました改築に要する費用につきましては、後年度になれば多額の費用を要することになります。そのための財源といたしまして国費、スポーツ振興くじ、東京都、様々な財源、多様な財源により確保することを想定しておりまして、文部科学省といたしましては、毎年度必要な予算要求を行っていくことになるわけでございます。 これらの経費負担に支障が生じないように関係者と調整を図りつつ、いずれにいたしましても、二〇一九年のラグビーワールドカップ、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会会場としては確実に間に合うように進めてまいりたいと考えております。
○斎藤嘉隆君 もう一点、この新しい国立競技場の形というか形態でありますけれども、これJSCさんの試算だと、収入が、建築後ですね、年間四十五億円余り、支出が四十一億円ほどということで、収支がきちんと取れるんだということであります。 もちろんこういった形で進めていただきたいと思っておるんですが、この中で例えばスポーツとコンサート利用の予想を見ますと、年間四十八日間、十億円ほどの収入を見込んでおるということであります。これ、コンサートだけに限って言えば、屋根付きの競技場であれば年間十二日程度は可能だということでありますけれども、屋根がないと騒音の対策等含めて四日程度ということだそうです。収支見込みがもうこのことだけで大きく変わっていくわけですね。 屋根付きになるかどうかというのは、これは財務省とか財務大臣の決裁が現状下りていないということも聞いておりますけれども、この新しい基本設計が今月中にも完成をするということであって、それをもって財務省と交渉するということであろうかと思いますが、このような形でよろしいんでしょうか。
○政府参考人(久保公人君) 御指摘のとおりでございます。手順的には昨年度基本設計、それが今年度に少しずれ込んでおります。今年度は実施設計、その実施設計に入ります前提といたしまして基本設計を確実にし終えて、そしてその収支計画でどれぐらい採算性が取れるかということを詳細な検討結果をお示しして了解いただくことになってございます。 この収支計画につきましても、おっしゃられたとおり、屋根付きで、取りあえず昨年の十二月時点で、収入が約五十億円、支出が約四十六億円、収支差が約四億円の黒字と試算しているところでございますけれども、さらに、現在、日本スポーツ振興センターにおきまして、この基本設計作業を通じた中での施設規模の精密化、イベントの専門業者等へのヒアリングやアンケート調査などを行いまして、試算の精密化を図っているところでございます。基本設計の仕上げと同時に、この詳細な調査を合わせまして、センターにおいて民間の専門機関の検証も活用しながら実現可能性の精査を進めまして、具体的な了解を取りつつ、実施設計に円滑に入ってまいりたいと考えているところでございます。
○斎藤嘉隆君 是非正確な精査をしていただいて、このことについて、完成後の収支についても、ここで巨額な財政負担がまた生まれてくるということを是非避けなければならないと思います。その辺り、改めてお願いをさせていただきたいと思います。 日産スタジアムや埼玉スタジアムの現状を見ますと、例えば日産スタジアムでありますと、収入は十億円でありますけれども、これは横浜市から現状四億円の運営委託料が出ているということでありますし、埼玉スタジアムの利用料収入は三億五千万円でありますけれども、さいたま市から委託業者に支払った委託費は二億五千万ということを聞いております。いずれも、サッカー、二十日間ほど年間実施をしておるという状況の中でこの今申し上げたような状況でありますので、甘い見込みはやはり望ましくないと思いますので、きっちりここのところは先ほど申し上げたみたいに精査をしていただきたいと思います。 この国立競技場に関わってもう一点質問をさせていただきたいと思います。 たしか、SAYONARA国立競技場、フォー・ザ・フューチャーという催しが間もなく五月の末に実施をされます。いよいよ解体工事が始まってということであろうと思いますけれども、二〇一〇年のことでありますが、広島の市民球場を解体をするときに、この市民球場の様々な資財、物品をオークションで販売をしたということがあります。かなりの額で売却ができたということであります。例えば、野球場のベンチの椅子とか、あるいはプレートとか、あるいは球場の椅子とか、様々なものがあろうかというふうに思いますけれども、これ、例えば、国立競技場の同様の資財についても、このような形で処理をして、そこで生まれてくる資金というのを例えばパラリンピックなどの運営に充当していくということも可能ではないかなと思います。 国立競技場ですから、国際大会で使われた例えば競技用具、ハードルとか、あるいはサッカーゴールとか、ラグビーのポールとか、例えばこういったものを、本当にスポーツなんかに力を入れている自治体とか、あるいは学校とか、こういったところでは非常に、ある程度の価値を持って、欲しがるんではないかなとも思います。有名選手のサインなんかがあるとなおのこといいかなというふうに思いますけれども、あるいは芝生なんかも、どうやって処理をするのか分かりませんけれども、広島市民球場の場合は学校とか施設に無料で配付をしたというふうに聞いておりますけれども、是非こういったことも検討してはどうでしょうか。 もう時間的にちょっと難しいということがあるかもしれませんが、手間は掛かりますけれども、少なくともこの国立競技場の改築に関して多くの国民の理解を得るということにもつながるんじゃないかなと思いますけれども、いかがですか、ちょっと急な質問で申し訳ありませんが。
○政府参考人(久保公人君) 先生おっしゃられたような方向で日本スポーツ振興センターも今検討しておりまして、国立競技場の改築に伴って不用となります設備、物品、椅子とかいろいろございます。その中で再利用が可能なものについて、資産の有効活用、あるいは国立競技場の歴史、スポーツのすばらしさを未来に伝えるという観点から、無償でお渡しする、あるいは売却によって処分する予定と聞いているところでございます。 具体的には、例えばスタンドの座席等につきましては、地方公共団体へ無償譲渡することといたしまして、四月二十八日から公募を開始しております。他方、その他の設備、物品等につきましては、販売することも含めまして、その処分方法を現在検討しているところでございます。 その具体的な方法につきましては、他の官公庁の事例も参考にしながら、スポーツ振興センターにおいて適切に判断するものと考えておりますけれども、私どもといたしましても、その辺の動きをサポートしていきたいと考えているところでございます。
○斎藤嘉隆君 もちろん、こういう公的ないろんな施設の改築とか改修に関わって、今まで、まあ学校なんかもそうなんですけれども、基本的に不必要な物品は廃棄をして処分をするということがもうほとんどのケースであります。それがやはり一番手っ取り早いというか簡単でありますから、そういった方法を取っているんだと思いますけれども、これは国立競技場でありますので、まさにもう繰り返しになりますが、もう我が国のスポーツの歴史そのものでもあろうかと思います。極力再利用できるものは再利用し、そして子供たちがスポーツについて将来にわたって何か夢を持てるような、そんな有効な活用も今後是非、局長の御答弁にもありましたけれども、前向きに御検討をいただきたいと思います。 最後に大臣にもちょっとこの件について御所見をお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 今、斎藤委員が御指摘されたことは大変にすばらしい案だというふうに思います。今JSCでもそのような検討をされているということでありますが、河野理事長に改めて今日のことについて私の方からもお話をさせていただきたいと思います。
○斎藤嘉隆君 是非お願いをいたします。 もう一点ちょっと聞きたいこともありましたが、時間がもうほとんどありませんので、これで終わりたいと思います。
○矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。よろしくお願いいたします。 このゴールデンウイーク、オーストラリアに滞在いたしまして、多くの国会議員と会談をしてまいりました。日豪若手政治家交流プログラムという二十三年間続いている公式プログラムに基づくもので、大臣も過去に行かれていた。私も後輩という形になりますが、滞在の合間にシドニー大学を訪問いたしまして、教授陣や留学している日本人学生さん二十人弱と議論する機会を得ました。そこで感じたことを中心に、まず二、三御質問をしたいと思います。 最初に、社会人の留学サポートについてです。 留学生二十人弱のうち、四名ほどが会社を辞めて留学されている方でありました。女性が大半です。元の職場では自分輝くことができなかったので、自分の人生を自分で切り開こうと思ったと、力強く語ってくれました。 日本学生支援機構が二〇一二年三月に十八日間掛けて無作為に抽出した留学経験者千五百人ほどから行った海外留学者追跡調査によりますと、約二三%の留学生が会社を辞めて無職の状態で留学をしている。今や個人での社会人留学は当たり前の時代になったと思います。 その社会人出身の女性の方から言われたのが、日本は社会人留学に決して優しい国ではないと。例えば、日本学生支援機構が貸与型として留学支援金を提供していますが、学生支援機構によるものという面もあるんですが、卒業後二年以内の人が対象でありまして、社会人留学は門前払いだと訴えられました。 終身雇用も崩れまして、若者が自分の力でキャリアをつくっていかなければいけない時代になりまして、企業を辞めて留学する方への支援も充実させるべきと考えますが、この点、いかがでございましょうか。
○政府参考人(吉田大輔君) 社会経済のグローバル化に伴いまして日本企業等が世界に展開している中、個々の能力を高めましてグローバル化した社会で活躍する人材を育成することは喫緊の課題であるというふうに認識をしております。 今御指摘の、企業を辞めて留学をする社会人につきましては、そのような方も含めまして申請可能な奨学金制度といたしまして、海外の大学院で修士又は博士の学位取得を目的として一年以上の期間留学する者への支援制度を設けております。平成二十六年度の予算におきましても、この制度による支援を拡充したところでございまして、二十五年度までの二百人の枠を二百五十人に拡大をしてきているところでございます。 私どもとしては、昨年閣議決定されました第二期教育振興基本計画、あるいは日本再興戦略におきまして、二〇二〇年までに日本人の海外留学の倍増を目指すという目標がございますので、その点も踏まえながら海外留学の促進に取り組んでまいりたいと思っております。
○矢倉克夫君 今御説明いただいたのは、給付型の奨学金であると認識しております。その方向性、正しいと思いますので、是非一層受給者の数を増やすよう、よろしくお願いいたします。 留学という観点に限らず、社会人始め学ぶ人全ての学ぶ意欲を手助けするためには、可能な限り給付型の奨学金を増やすべきであると思います。返済に苦しむ人の話を多く聞くにつれまして、貸与型ではやはり夢をかなえる手助けにはなかなかならないのではないかという実感があります。 国の財政的制約の問題からやむを得ず貸与ということになったとしても、例えば条件を満たせば返還を猶予する、免除する、そういう条件付貸与や条件付給付と言ってもいいかもしれませんが、イメージとしては、昔あった教員になられた方には奨学金免除をされるというような制度があったと思います。ああいう形でのより柔軟な奨学金の設計の在り方、これも一層社会人含めた学ぶ人への支援のために考えるべきであると考えますが、大臣の御所見をいただければと思います。
○国務大臣(下村博文君) 私も、五月の連休、アメリカのワシントン、それからASEANではシンガポール、インドネシア、マレーシアに行きまして、二〇二〇年までに、これから六年後ですが、留学生を送り出しも倍にする、また迎え入れも倍にするということで、各国の担当大臣等と協議をしてまいりました。そのために、このバッジを付けていますが、「トビタテ!留学JAPAN」、これは官民ファンドですね。政府も、文部科学省も、今年、留学予算を倍増いたしましたが、民間からもファンド、寄附を積極的に今協力をいただいているところでありまして、このことによって、今年、取りあえず大学生対象に、これは給付型で奨学金で海外に送り出すということを始めました。 〔委員長退席、理事石井浩郎君着席〕 是非、これを将来的には拡充をして、矢倉議員御指摘のように、社会人まで広げていくようにすることによって、日本の、もう一度輝く自分を取り戻したい、それを留学によってチャンスをつかみたい、そういう意欲のある、志のある若者に対してフォローアップするような体制を考えていくことは非常に重要なことだというふうに思います。 まずはそういうふうな、今の学生から給付型の奨学金で留学生枠を広げていきたいと思っておりますが、将来は社会人まで広げていくことも視野に置いて検討してまいりたいと思います。
○矢倉克夫君 学ぶ人の意欲を満たしていく、夢をかなえるという意味合いで、是非今の大臣の御決意のまま御対応いただければと思います。 続きまして、同じまたシドニー大学での懇談に話を戻しますが、やはり多く受けた相談は、就職が心配であるという点です。就職活動をしたいが、留学生用のキャリアフォーラムについての情報もない、日本に帰る期間も短い中で就職する機会もない、卒業しても学位を尊重してくれないと、不安の声が非常に多くありました。 今、留学しよう留学しようという形で若者に促しているわけですが、留学した先のその後が就職難という点になりますと、無責任な対応というふうに言われかねない部分も出てくるかと思います。その辺りの留学生に対する就職支援、これについての国の対応を御回答いただければと思います。
○政府参考人(吉田大輔君) 御指摘のように、帰国後の就職支援を充実させることは大変重要でございます。 独立行政法人日本学生支援機構では、大学と企業の関係者が一堂に会し、学生等の就職及び採用活動について情報交換を行います全国就職指導ガイダンスを開催しているほか、厚生労働省ではハローワークを中心とした就職支援などを実施してきているところでございます。 また、国家公務員採用試験におきましても、外国の大学を卒業した者を採用する機会を増やすことを念頭に置きまして、秋に試験を実施する試験区分も設けられたところでございます。 また、就職・採用活動時期の関係につきましても、再チャレンジ担当大臣、文部科学大臣、厚生労働大臣及び経済産業大臣の連名で、主要な経済団体や業界団体の長に対しまして、海外留学からの帰国者の就職活動の改善を図ることを目的とした、就職・採用活動開始時期の変更を要請したところでございまして、二十七年度からそれが変わってくるということになりますけれども、この要請に沿った運用が徹底されるよう、引き続き周知に努めることとしております。 また、先ほど大臣から御発言がございましたけれども、若者の海外留学支援制度ということで新たに官民ファンドを用いたプログラムを設けておりますけれども、この中で、社会が求める資質、能力を持ったグローバル人材の育成を図ることとしておりますが、このプログラムの中には、帰国後のインターンシップですとか、あるいは企業説明会の開催など、就職支援につながるような取組も盛り込んでいるところでございます。 文部科学省としては、これらの取組を通じまして、関係府省庁、産業界、大学等と連携し、日本人留学生の就職活動に対する不安を解消し、日本人の海外留学数の増加に努めてまいりたいというふうに考えております。
○矢倉克夫君 最後に、話題を変えまして、学童保育の問題、質問をしたいと思います。 小一の壁、小四の壁という言葉があります。子供が小学校に入る、あるいは学童保育の多くが対象は小学校三年までですので、これを過ぎると預け先がなくなり、親が仕事を辞めざるを得ないという問題がございます。この解消のため期待されるのが、学校の空き教室、この利用、学童保育所としての活用でございます。 予算委員会の場で、我が党の山本香苗議員からの質問に対し、大臣は、教室利用が現状まだ進まない、この理由につきまして、教育と福祉の関係間における意識の壁、言及くださいました。その過程の中でまた教育委員会の問題も言及されていたわけですが、この問題について具体的にどのように対策をお考えか、御所見をいただければと思います。
○国務大臣(下村博文君) 放課後児童クラブ等への学校の余裕教室等の活用については、今年三月の産業競争力会議において私の方から、厚生労働省と連携を図りながら、一体型を中心とした放課後児童クラブと放課後子ども教室の整備等を通じて最大限進めていきたいというふうにプレゼンをいたしまして、また今、政府としてそのように厚労省と一緒になって進めているところでございます。 教育と福祉の関係間における意識の壁、これがやはりあると。これを越えるために、さらに、今これ衆議院の方で審議中でありますが、教育委員会制度抜本改革案、この中で総合教育会議を設けるということになっております。これは、首長とそれから教育長が一体となってその地域における教育行政を進めるということでありますが、このような首長と教育委員会が十分に協議する機関を設けるということによって、学校の余裕教室等の積極的な活用が更に促進されるということに制度設計の中でなってくるというふうに期待をしております。 こうした学校の余裕教室等の活用の促進と併せまして、全ての子供たちを対象とした放課後の学習支援や多様なプログラムの充実も含めた総合的な放課後対策を推進してまいりたいと考えております。
○矢倉克夫君 特に少子化はオールジャパンで取り組む問題ですので、縦割り等の意識がもし仮に存在するのであれば、打破する対策を引き続きよろしくお願いいたします。総合教育会議について今お話もありました。行政の縦割り解消という意味合いでのこの運用の在り方も、また引き続き議論をさせていただきたいと思います。 最後、一言だけ。 オーストラリアに行ってお土産いろいろ渡してきたんですが、一番実は喜ばれたのが、二〇一九年のラグビーのワールドカップのバッジを非常な興奮で皆さん受け取ってくださいましたので、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックとともに日本が世界に非常に発信するスポーツ大会として二〇一九年のラグビー大会、こちらの大成功もまた大臣のリーダーシップで是非よろしくお願いいたしますとお伝えして、質問を終わらせていただきたいと思います。
○松沢成文君 みんなの党の松沢成文でございます。 大臣も、安倍内閣の一員として文科大臣に就任されて五百日を超えたと。日々充実した活動を送られていることと拝察をいたします。 大臣はこれまで、御自身の教育理念、政治理念も含めて、様々な改革を打ち出してこられました。その中で、特に高校日本史の必修化とか、あるいは道徳教育の充実とか、これまでになかった改革の方向も打ち出していただいて、私はその多くを評価をさせていただいているところでありますが、一つ、大臣の打ち出す改革で方向性、内容が分からないというのがございます。それは、学校週六日制の導入というか土曜日の活用の仕方について、自民党の総選挙の公約にもありましたし、大臣の思いを込めて改革の方向を打ち出したんですが、ちょっとその内容が、文科省にもいろいろ聞いたんですが、方向性が分かりにくいということで今日はちょっとお伺いをしたいと思います。 〔理事石井浩郎君退席、委員長着席〕 まず、その議論に入る前に、学校週五日制というのが一九九二年の月に一回の導入から、九五年の月に二回、それから二〇〇二年には全面的に導入されて、十年間掛けてかなり慎重に、徐々にこれ学校週五日制に移行してきたわけですね。それからもう十数年がたっております。 さあそこで、この学校週五日制の意義、目的に照らして、どういう効果があったのか、その実績等について大臣の意見をお伺いしたいんですが、学習指導要領では学校週五日制実施の趣旨というのがこう書かれているんですね。子供たちの学校外での生活時間の比重を高め、主体的に使える時間を増やす中で、学校、家庭、地域との連携の下、社会体験や自然体験などの様々な活動を経験させて、生きる力を育むことにあるというふうに書いてあります。 この二十年、こういう理念の下に学校週五日制が推進されてきたわけでありますが、大臣はこの学校週五日制の趣旨、目的に照らして、教育現場でどういうことが行われて、それに対してどういう評価をされているか、ここを伺いたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 学校週五日制は、学校、家庭、地域の三者が連携し、役割分担しながら社会全体で子供を育てるという基本理念の下、御指摘のように平成十四年度から完全実施をされているものであります。この基本理念は平成二十年の学習指導要領改訂の際にも受け継がれており、学校週五日制を前提に授業時数や教育内容の充実等の改善を図っているところでございます。 一方で、子供たちの健やかな成長のためには土曜日においても有意義な教育活動が展開されることが重要でありますが、必ずしも現状は十分な状況となっていないというふうに思っております。 これを踏まえまして、子供たちの土曜日の教育活動の充実を図るため、学校週五日制の基本理念は保持しつつも、学校、家庭、地域が連携して、学校における授業や地域における多様な学習機会の充実に取り組むことが重要であると考え、省令改正をし、土曜日は特別な理由があれば土曜日授業ができるという内容を、教育委員会の判断で土曜日も授業ができるようにすると。 しかし、その土曜日授業というのは、必ずしも学校の先生が土曜日も授業すると、それも可能ですが、是非地域の方々に、それぞれが我こそはという方々に、これは勉強だけでなく、いろんな自然体験やあるいはスポーツ、趣味分野を含めて、中には地域寺子屋というような形で命名してやっているところもありますが、そういう意味で、地域参加型で子供たちを学校の場を拠点として育むような、そういうことについて促進を、この土曜授業、土曜学習によって進めていきたいと考えております。
○松沢成文君 土曜日の活用の仕方がまだまだ十分でないところがあるので、それを推進するためにも今後しっかりやっていきたいということでしたが。 一昨年の十二月の総選挙のときに大臣の所属する自由民主党が、土曜日の活用の仕方というよりも、学校週六日制の導入、つまり土曜日にも授業をやるんですよという方向で、私は、政策を打ち出した、公約を打ち出したというふうに認識をしているんですね。昨年の一月に大臣もそれを受けて、記者会見の場ですけれども、土曜日の使い方という表現もありますが、学校週六日制に向けての検討をしていくと、そういうふうにマスコミでは報じられたんですね。 この自民党の政策、大臣の方針の目指すものは何なんでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 自民党においても、それから私自身も、現時点において学校週六日制の導入を前提として土曜授業を位置付けているということではありません。 ですから、土曜日については、基本的にはそれぞれの自由参加の下で、しかし、土曜学習ができるような環境づくりをしていくことによって、子供たちに、それぞれ学ぶ意欲、それから集団的な体験、これは自然体験であったりスポーツであったりしますが、地域の方々と一緒になって土曜日の活用を図るということを是非していただきたいというふうに考えております。 それは、あくまでもやっぱり地域の実情等がいろいろあると思いますので、それを踏まえながら、今申し上げたような学校における授業と、それから地域における様々な教育活動の両面から取組を充実させることが大切ではないかと。それを文科省としても支援をしていきたいと考えております。
○松沢成文君 今ようやく大臣の目指す方向性が私も把握できましたが、もう一回確認しますと、この土曜日の活用というのは、学校の授業を六日制に戻して学校授業で使っていくという位置付けではなくて、学校週五日制のままで、土曜日を学校、地域、家庭による連携によって様々な地域に根差した学習を取り入れて進めていく、授業の学校六日制ではない、授業は五日制で、土曜日はあくまでも地域の学習の充実に努めるんだと、こういう方向でよろしいんですね。
○国務大臣(下村博文君) おっしゃるとおりでありまして、土曜日の活用については、全国一律の学校週六日制に戻すという趣旨ではなくて、それぞれの学校や地域、子供たちの実情に応じて、学校、家庭、地域が連携し、学校における授業や地域における多様な学習機会を一層促進させながら、子供たちの土曜日の教育活動全体の充実を図ることが重要であるというふうに考えております。 省令改正することによって、今民間の方々が物すごく関心を持っておられまして、それぞれの企業においても、是非社員を土曜日に、今までの学校教育の中でできないような部分、金融教育であったり、それから新たなベンチャービジネスを育成していくための創業家精神を養うための授業であったり、あるいは子供たちに、これは会社によってそれぞれコンセプト違いますけれども、身近な環境が例えば掃除とかそういうことをきちっとすることによって健康が守られると、それぞれの企業コンセプトによって良かれと思うことを、子供たちの発達段階において、土曜日という時間を使って学校で出前授業のような形で活用して是非教えたいと、こういう企業が今たくさん出てきております。 最終的にそれを取捨選択をして、どのような授業をするかはそれぞれの教育委員会における判断でありますし、また、その土曜日の実際に授業に出るかどうかは子供の希望ですから、学校が平日授業のように必修化させるわけではありませんので、土曜日授業出なくても、部活動を優先したいとか、本来、子供たちが土日にいろんなお稽古事なりあるいはスポーツをやっているからそちらの方を優先したいということは、それはそれでそれぞれの家庭のあるいは子供の判断でされるわけでありますが。 しかし、土曜日という学校の空間を使って社会の方々がいろんな形で、出前授業という言い方をしたり土曜学習という言い方をしたりして、関わりながら、子供たちをより学習やあるいは教育環境に対して意欲、やる気を持たせながら好環境をつくっていくというようなつながりが土曜日にできれば大変にすばらしいというふうに考えて、文部科学省では平成二十六年度予算において土曜日の教育活動推進プランとして十四億円を計上いたしました。 既に五月に入っておりますが、今、小中高合わせて五千校以上がこの予算に合わせた土曜学習プランを考えているという取組についても報告を受けておりますし、この土曜によって学校が更に活性化になるようなそういう手だての一助になればというふうに考えております。
○松沢成文君 大臣や文科省の方向性は確認できたわけなんですが、ただ、そうするとちょっとこういう問題が出てくると思うんですね。 大臣が昨年の一月に学校週六日制に向けての改革ということをおっしゃったときに、併せて、この改革の方向は世論の大きな支持もありますよということをおっしゃっているんです。 それから、幾つかのメディア等が教育に関するアンケート調査なんかをやると、大体聞き方は、土曜日の授業化、つまり学校を週六日にすることについてどうお考えですかというクエスチョネアになってしまっているんですが、確かに七〇%、八〇%以上が、父母の方のアンケートですが、賛成なんですね。 ただ、その理由は、まず一番多いのが、学力の向上につながる、二番目が、過密な授業スケジュールを土曜日を授業化することで緩和できるじゃないか、三つ目は、学習塾に通う子供との教育格差の解消につながる、四つ目が、家庭では十分な教育ができない、あるいは五つ目に、私立や一部の公立校で既に実施しているのでうちもやってくれなきゃ困る、こういう意見なんですね。 つまり、土曜日の社会体験教育とか自然体験教育とか地域の様々な参加によって教育力で土曜日を有効に活用してほしいというよりも、父母の皆さんは、とにかく学力を付けてほしい、それで受験にも成功させたいと。土曜日ないと塾に通わせるんだと。ちゃんと土曜日もやってよねと。学力が落ちてきている、あるいは自分の子供にきちっと学力を付けさせるためにも土曜日もう一回しっかり授業をやってください、こういう意見なんですね。 ですから、そういう意味では、大臣が世論の支持があるというのは、むしろ土曜日の授業化によってきちっと先生が学校の教室で土曜日も授業を行ってくれることに対する賛成が多いんです。こういう世論の動向には今の大臣あるいは文科省の改革の方針だと応えられていないんじゃないですか。
○国務大臣(下村博文君) そういうニーズもあるというふうに思いますが、しかし、学校の勉強はそれだけではないというふうに我々は思っておりまして、それだけではない材料を是非それぞれの教育委員会において地域の方々に提供、提案をしていただきたいと思いますし、その提供、提案に資するようなフォローアップを文部科学省としては支援をしてまいりたいというふうに思います。 ただ、御指摘のように、昨年十一月に学校教育法施行規則の改正を行いましたから、設置者の判断で土曜日を授業とすることは可能である、そういう趣旨がより明確になったことによって、実際に教育委員会においては、土曜日、平常の先生が、教師が土曜日授業を教える、そういう学校もこれは増えていることは事実でありまして、それを否定するつもりは全くありません。 この学校における土曜授業の実施については、子供たちの土曜日における教育環境の充実を図るための方策の一つとして捉えたいと思っておりますので、各教育委員会においてそういう適切な判断の下でいろんな選択があっても私はいいというふうに思います。それは、学校が行う土曜授業だけでなく、先ほど申し上げたような地域の実情に応じた多様な学習や体験活動等の機会の充実も図り、総合的な観点から子供たちの土曜日の教育環境の充実に取り組んでいくということが期待されることだというふうに思います。 それぞれの教育委員会が創意工夫をすることによって、トータル的に学力だけなく子供たちの生きる力あるいは学習に対する意欲、それを育むようなことについて、いい意味で競争し合って活性化するような活用をそれぞれの教育委員会で是非考えていただきたいと思います。
○松沢成文君 そうしますと、ゆとり教育の反省から、現行の学習指導要領は以前のものよりもかなり授業時間数も内容も増えているんですね。それを、今、学校週五日制の中でどうにか閉じ込めようとするから、もう毎日、放課後がなくて六限目まであって。本当は放課後を使って、例えば進路指導だとかあるいは生活指導だとか、あるいは学校行事だとか、こういうものも使いながら学校生活の幅を広げたいという学校現場の思いもあるんですね。 今度、土曜日が授業化できれば、その分、週五日の授業の中で少しゆとりが生まれて、毎日の放課後なんかを利用しながら様々な形で幅広い教育ができるという期待感も学校現場にあるんですが、じゃ、それは今回の改革ではないわけですね。 土曜日の授業化ではなくて、土曜日はあくまでも地域の力による学習で、それぞれの自治体で新しい方向を見付けてやってもらうということで、授業を土曜日の分増やすということは、まあ教育委員会によってはそれを選択するところはあるかもしれませんが、国全体としてそれをやらせるのではないという理解でいいですね。
○国務大臣(下村博文君) おっしゃるとおり、国として週六日制に学校を戻すという考えは現在ありません。 ただ、教育委員会によって、今御指摘のように、そういう取組をこの四月からの省令改正によって行っている教育委員会も今増えつつあることは事実でありまして、それはそれぞれの教育委員会の判断で、結果的に子供たちにとって一番いい学習環境を考えていくということをそれぞれの教育委員会で柔軟に判断をしていただきたいと思います。
○松沢成文君 最後にしますが、学校教育法の施行規則ですか、これが変わって、各教育委員会でも土曜日の使い方をきちっと授業化をできるようになったということは一つ前進だと思うんですが、実は、神奈川県内においても、こういう規則の変更があった中で、じゃ、うちもやってみようということでいろんなトライアル、チャレンジが進んだかというと、そうなっていないんです。今、待ちになっちゃっているんです。 といいますのは、恐らく大臣の方向だと学校週六日制の制度改正があるから、それを待って今は動くのをやめておこうと、こういう誤解があるんですね、実は。ですから、ここはやはりしっかりと、学校週六日制、土曜日の授業化に戻すのではなくて、あくまでも学校は週五日制で、土曜日は地方それぞれが地域の力で様々な充実した学習が進むように地域に任せることなんですよと、だから皆さん積極的に考えてくださいねということをしっかりと大臣あるいは文科省からアナウンスしていただかないと、この改革の方針には大きな迷いが今生じちゃっていると、私は神奈川にいても思うんです。 是非とも大臣、そういう方向をしっかりとここで打ち出していただけませんか。
○国務大臣(下村博文君) それは是非、松沢委員が、前神奈川県の知事でもあるわけですから、神奈川県に対してしっかりとそれは松沢委員も指導といいますか、PRをしていただければというふうに思います。 子供たちの土曜日の教育活動を推進するために、ありとあらゆる資産、財産、それは学校だけではなく民間の方々にも協力をしてもらうということが必要であるということで、特に平日の教員を土曜日活用するということだけでなく、我々は、地域や企業等の協力を得て、社会人の方が実社会での経験を踏まえた学習会を行うなど、土曜日ならではの生きたプログラムを活用、充実するようにしていただきたいというふうに思っております。そのための土曜日の教育活動推進プランの中で、地域や企業と連携した多様な学習体験プログラムに対する支援策ということで行っております。 四月の二十六日に、象徴的な例として、私も参加して、品川区の小中一貫校で土曜学習フェスタを開催いたしました。このときには、文科省の職員も積極的に参画をして、チアリーダー、教師として参加しておりましたが、民間からもたくさんの企業が参加をして、それぞれのブースを造ってといいますか、それぞれの教室の中で子供はそれぞれ好きなのを選択することができるんですが、そういう取組をしたりしておりまして、この取組は全国で五千校でありますが、しかしまだ少ないということではそのとおりだと思っておりまして、是非、残念ながら国の予算は五千校程度限定なわけですけれども、これを拡充をしていきたいと思いますし、積極的にPRをしてまいりたいと思います。
○松沢成文君 時間ですので、以上で終了します。ありがとうございました。
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。 私立高校の学費負担について質問いたします。 今年度の新入生から、低所得者世帯の高校生には就学支援金が増額されることとなりました。ところが、保護者の学費負担は支援金の増額分が反映していないという指摘があります。全国私学助成をすすめる会と全国私立学校教職員組合が共同で調査を行い、四月十八日その結果を記者会見されています。資料でもお配りをいたしました。 国の施策の拡充を受けて新たに低所得層への支援を拡充した県等がある一方で、独自の補助制度を廃止又は減額した都道府県が多数に上ることが分かりました。県の単独補助、減免制度を削減したために、年収三百五十万円未満の世帯の学費負担が変わらないということが明らかになったのは、これ調査の結果だけでも十五道府県に及びます。 こうした問題については、就学支援金の法案審議の際にも指摘がされ、また四月の本委員会でも民主党議員から指摘がされていました。 文科省はこうした実態を把握されておられますか。
○政府参考人(前川喜平君) 平成二十六年度の入学生から私立高校等の就学支援金の加算が拡充されることを踏まえまして、文部科学省におきましては、各都道府県が授業料減免事業等をどのように見直しているのか実態を把握するため、この四月七日に調査を依頼しているところでございます。現在、回答を回収しているところでございまして、その結果につきましては、まとまり次第公表したいと考えております。
○田村智子君 調査の結果を見ますと、岩手県、沖縄県では県の減免制度を新入生から廃止をしています。今新入生ですけど、来年は一、二年生、その次は三年生、このままでは二年後に全面的な廃止になってしまうんじゃないかということが危惧されるわけです。 また、都道府県の私立高校生に対する減免制度の予算、それを見ると、三十二道府県が結果として減額になっている。削減幅が大きい順に、山梨、沖縄、栃木、茨城、福島、愛媛、秋田、熊本、これ、二割以上の予算の減額ということになっています。 大臣、こうした実態をどのようにお考えになりますか。
○国務大臣(下村博文君) 高校無償化制度の見直しによりまして、本年四月に入学する生徒から就学支援金の加算が拡充されたことを踏まえまして、これまで都道府県において授業料減免に充てていた財源は、低所得者層への更なる支援や中間所得層の支援に充て、家庭の教育費負担の軽減を図っていただきたいというのは当然の考えであります。 このため、昨年十二月と本年三月に、都道府県に対し、現在実施されている高等学校の生徒等への経済的負担の軽減や教育条件の維持向上に係る事業等を拡充するなど、支援の充実に引き続き努めていただきたい旨要請をいたしました。 御指摘のこの調査は、全国私教連が各都道府県ホームページの情報、聞き取りに基づいてまとめたものと承知しておりますが、先ほど局長から答弁をさせていただきましたように、文部科学省としても、結果取りまとめ次第公表したいと考えております。
○田村智子君 この低所得者層への就学支援金の拡充は、高校授業料無償化を廃止し、公立のですね、公私立高校とも就学支援金の支給に所得制限を設けるということと言わば引換えに行われたものです。 それだけに、本委員会の附帯決議には次のような内容が盛り込まれました。「所得制限の導入により捻出される財源については、公私間格差の縮減や、奨学のための給付金の創設など教育費負担軽減施策に確実に用いること。そのために、平成二十六年度予算はもとより、今後の予算編成を通じて最大限の努力を行うとともに、その財源が地方公共団体によって確実かつ継続的に就学支援の拡充のために使われるよう、強く要請し、毎年その状況について調査・確認を行うこと。」と。 先ほど大臣が答弁されましたように、実態把握を行って公表する、これ大切だと思うんですけれども、私は、それにとどまらず、就学支援、減免制度、この制度を後退させた都道府県については、国の施策の趣旨を徹底をして、補正予算を組むなどして今年度中にも授業料の負担の軽減が実態として図られるよう、これ強く要請を行うべきだと思いますが、大臣いかがですか。
○国務大臣(下村博文君) 今回の高校無償化制度の見直しは、低所得者支援を充実し、実質的な教育機会の均等を図るものでありまして、都道府県でもこの趣旨を踏まえて家庭の教育費負担の軽減を図っていただきたいと考えております。ただし、授業料減免制度については既に充実した支援を行っている都道府県もあり、今回の見直しに当たっては、授業料減免制度の充実だけでなく、その他の経済的負担の軽減策等についても併せて考慮しなければならないとも考えております。 いずれにしても、今回の調査結果を公表するとともに、必要に応じて都道府県に対して支援の更なる充実について要請してまいりたいと考えております。
○田村智子君 是非、強く要請をお願いしたいと思います。年収が二百五十万円未満の世帯で保護者の負担変わっていないなんという現状が現にありますので、是非お願いしたいと思います。 今回の国の就学支援金は、生活保護世帯及び年収二百五十万円未満の世帯については年二十九万七千円としています。ところが、授業料がこれよりも低いと授業料相当分のみとなってしまいます。一方で、施設整備費の負担は軽減がされません。 この調査によりますと、十四県で私立学校の授業料の平均額が二十九万七千円に達していないということから、相当数の低所得者世帯が国の就学支援金の基準額に届かずに学費負担をしているということが推測をされます。保護者や私学関係者からは、施設整備費も対象とした学費補助制度とするよう繰り返し要望が寄せられています。 就学支援金制度の補助対象を授業料だけではなく施設整備費を含めた学費として、少なくとも年収二百五十万円未満の世帯が、二十九万七千円はこれ学費として超えているんだったら、その二十九万七千円が受け取れるように、その分が減額されるようにというような施策の拡充が図られるべきだと思うんですが、大臣、検討をお願いしたいんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 今回の就学支援金は授業料に着目した視点での、今までの年収二百五十万以下の私立学校等における就学支援金加算を二倍から二・五倍にして、御指摘のように二十九万七千円にしたという経緯がございます。 私立学校における授業料以外の教育費については、国として平成二十六年四月以降に入学した低所得世帯に対する授業料以外の支援として、これと別に、御承知のことだと思いますが、返済不要の奨学のための給付金制度を創設をいたしました。これで該当させるということで、施設整備についてもここでフォローするということでありますが、今までもこの教育研究活動等の基盤となる施設設備費の整備支援は国として行っておりますが、これを更に拡充をしていくことを今後とも国としては検討課題にしていきたいと思います。 引き続き、全ての意志ある子供たちが家庭の経済状況にかかわらず高等学校における教育を受けることができるよう、私立学校における教育費負担の軽減に努めてまいりたいと思います。
○田村智子君 これ、保護者にとっては、授業料なのか施設整備費なのかは本当関係なく一括で払っているものですから、是非、学費全体の負担軽減が図られるよう、更なる施策の拡充をお願いしたいと思います。 次に、特別支援学校の医療的ケアの問題についてお聞きします。 二〇一三年度の文科省調査、特別支援学校における医療的ケアに関する調査結果によりますと、医療的ケアを必要とする幼児児童生徒数は、訪問教育も含めて全国で七千八百四十二人、この五年間で一千人増加をしておりまして、年々医療的ケアを必要とする生徒児童数が増えていると、この傾向はもう明らかになっています。 札幌市のある特別支援学校では、保護者の常時付添いを入学要件にしていて、保護者が登校から下校まで学校の中に待機している、こういう状況が開校以来三十数年続いているとお聞きしています。保護者の方は、夜中も喀たん吸引などを必要としますので睡眠も十分ではなくて、ほとんどの方が過労の状態です。また、自分の具合が悪いとか、ほかの家族の介護が必要なときなど、子供さん本人は通学できる状態なのに欠席をさせなければならないという事態です。これは札幌市だけではなくて、愛知や岐阜、宮城県など、各地で日常的に保護者の付添いや学校での待機、これを求めているんだということをお聞きしています。 文科省は、こうした保護者が付き添わなければならない、こういう実態は把握されておられますか。
○政府参考人(前川喜平君) 保護者の付添いあるいは待機につきましては、学校の実態に応じてそういう事実があるということは承知しております。ただ、それを入学の要件、条件としているような学校がどの程度あるかないかということにつきまして、文部科学省ではその具体的な実態は把握しておりません。 文部科学省といたしましては、平成二十五年度から特別支援学校への看護師の配置に係る経費の一部を補助する制度を創設したところでございまして、引き続き、医療的ケアを必要とする児童生徒等に対する支援の充実には努めてまいりたいと考えております。
○田村智子君 札幌市の事例では、訪問教育だけだったという子供たちが通学ができるようにということを保護者も要望して、そのために付添いを条件としたという経緯があるということはお聞きしているんです。しかし、それは三十数年前のことで、それから障害者の権利保障というのは大きく前進をしています。 昨年の国会では障害者差別解消法が成立をし、障害者権利条約も批准が承認をされました。この条約は既に発効しています。その過程で、障害者への差別的な取扱いを禁止するために合理的配慮をどのように実行するかということが議論の焦点の一つにもなりました。 中教審でもこのことが議論され、二〇一二年七月の初等中等教育分科会の報告には見解がまとめられています。それによれば、学校における合理的配慮は、一人一人の障害の状態や教育的ニーズ等に応じて決定されるものであり、全てが同じように決定されるものではない。例えば、設置者及び学校が、学校における保護者の待機を安易に求めるなど、保護者に過度の対応を求めることは適切ではないと、こう書かれています。 医療的ケアが必要な児童生徒の保護者に一律に日常的な付添いを求めるということは、これは合理的な配慮を欠いているというふうに言わなければなりません。都道府県教育委員会に合理的配慮というのはどういうことなのかと、この理解の促進を図ることが急務だと思いますが、大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘の合理的配慮は、障害者の権利に関する条約上の定義によれば、障害者が他の者と平等に全ての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないものとされているところであります。 合理的配慮は、この定義からも明らかのように、一人一人の障害の状態や教育的ニーズ等に応じて個別に決定されるものであり、また、学校や設置者に過度の負担等が生じない範囲で求められるものであります。したがって、児童生徒の障害の状態等を踏まえ、設置者や学校が真に必要と判断する場合には保護者の付添いを求めることが常に合理的配慮の欠如に当たるとは言えないと考えます。 他方、合理的配慮については、可能な限り、設置者、学校と保護者等との関係者間で合意形成を図った上で決定し、双方が納得した上で提供されることが望ましいと考えておりまして、文部科学省もそういう視点から指導してまいりたいと思います。
○田村智子君 そうです、一律ではなく、やっぱり話し合って合意ということが、それが重要だということが法案の審議の中でも繰り返し述べられてきたので、是非これお願いをしたいと思うんです。 特別支援学校の現場では、子供たちの学習権保障されるために様々な努力が行われてきました。保護者からの要望もあり、やむにやまれず教員が喀たん吸引なども行ってきて、本来医療行為であるために、厚労省の医政局通知ということでこれ認めてきた経緯があります。これが二〇一二年度からは、社会福祉士及び介護福祉士法の改正があって、研修を受け、一定の条件を満たせば教員が医療的ケアをすることが法律上も認められることとなりました。 ところが、この法改正が新たな登校制限を生じさせています。 兵庫県西宮市では、教員が医療的ケアを行うための研修を受けていないため、これまで行っていた喀たん吸引や胃瘻からの栄養剤の注入ができなくなりました。市教育委員会は、これは看護師が行うべきであるというふうにしているんですけれども、実際にはその看護師さんの人数が足りなくて、登校日数の制限とか、新入生には保護者の付添いが登校の条件となっているという実態もあります。また、ほかの学校でも、教員の医療的ケアの研修には一か月を必要とすることから、四月からゴールデンウイーク明けまでの一か月間保護者に付添いを求め、付添いができないのならば学校を休んでくださいというような事例も生じています。 それから静岡県では、お母さんが共働きで付き添えないので、子供さんが通うデイサービスの看護師さんが、私が付き添いますよというふうに了承してくれた。ところが学校では、外からの看護師さんは駄目よといって認めなかったと、こんな事例も聞いているんですね。大臣、これはやっぱり改めるべきだと思うんです。 ちょっと具体的な提案も行いたいんですけれども、これはやっぱり、教員の医療的ケアの研修実施、その期間を四月からとやっちゃえば、当然その間教員が学校からいなくなっちゃう。これ前倒しして春休みの期間に行えるようにするとか、こういう工夫ができるというふうに思うんですね。 また、その研修がどうしても学校の期間に掛かっちゃうということであれば、看護師を派遣することを支援するとか、静岡でお母さんがやったようにデイサービスとの連携をするとか、こういった工夫を国としても具体的な施策として示して、学習権が保障されるようにしてほしいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 特別支援学校等における医療的ケアの実施に当たっては、看護師等の適切な配置を行った上で、教員等が連携協力して対応することが肝要であると思います。また、学校と保護者との相互の連携協力が不可欠である一方、保護者の待機を安易に求めるなど、保護者に過度の対応を求めることは望ましくないと考えておりまして、先ほどの事例のようなことについては、子供の学習がきちっと確保されるのであれば柔軟に判断してもいいのではないかというふうにも思います。 文科省としては、平成二十五年度から、新たに特別支援学校への看護師の配置に係る経費の一部を補助する制度を創設し、その充実に取り組んでいるところであります。また、今御指摘ありましたが、各都道府県における研修の実施時期については、教員等による特定行為を年度当初から開始するため、前年度末までに講義等の基本研修を終えるなどの取組を行っている例もございまして、会議等を通じてこれらの周知、情報共有を図ってまいりたいと思います。 引き続き、医療的ケアを必要とする児童生徒等に対する支援の充実に努めてまいります。
○田村智子君 この医療的ケアは本来は医療行為であって、私はやはり看護師が行うことが望ましいというふうにも思います。 お話あったとおり、昨年度から看護師配置のための補助事業、国が費用の三分の一を補助する、これは現場で歓迎されているんですけれども、やはりこれでは足りなくて、多分予算が足りないから、じゃ、教員の人件費を削って看護師配置に充てているというようなところも少なくないわけです。 冒頭申し上げたとおり、医療的ケアを必要とする児童生徒の数は急増とも言えるぐらい増えているんですね。やっぱり、これに対応して、看護師を義務的経費の中に入れる、定数の中に入れるということも検討必要だと思いますが、最後に大臣の見解をお聞きして、終わりたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 日常的に医療的ケアを必要とする児童生徒等に対する学校における対応については、医師、看護師その他の医療関係者や保護者等との連携協力の下に体制を整備することが必要であり、設置者が、在籍する児童生徒の実情等を踏まえ、必要に応じ看護師の配置等を行っているものと認識はしております。 しかし、こうした取組を支援するため、文科省として、二十五年度からこの看護師配置に係る経費の一部を補助する制度を創設したところでありますが、十分でないというような今御指摘もございました。引き続き、医療的ケアを必要とする児童生徒等に対する支援の充実、これは国としても図ってまいりたいと思います。
○委員長(丸山和也君) よろしいですか。
○田村智子君 終わります。
○藤巻健史君 日本維新の会・結いの党、藤巻です。 最初に、神学論争からやらせていただきたいと思うんですけれども、四月十四日の参議院の決算委員会で、私は森少子化担当大臣にお聞きしたんですね。どのくらいの少子化の予算を立てているのかとお聞きしましたら、GDPの一%ということで、ということは大体四百八十兆円の一%で約五兆円弱だと思うんですけれども、それを少子化対策に使っていると。今年度の税収が五十兆ですから、約一〇%を少子化対策に使っているわけです。 なぜ少子化なのかとお聞きしましたら、原因は未婚化と晩婚化だというわけですね。かつ、森大臣は、その未婚化と晩婚化並びに子供をつくらないのは、将来の生活への不安感、子育て中の孤立感や負担、それから核家族への、というようなこともおっしゃっていたわけですけれども、すなわち経済的不安がかなり大きいウエートを占めていると。だから、約五兆円近い少子化対策費を出しているわけなんですね。 これを私、聞きまして、これ本当かいなと思ったわけなんですけれども、なぜかというと、今の合計特殊出生率一・四一なんですが、昔、戦争直後、丸山委員長の時代だと思うんですけれども、その頃は四・五四。かなり今豊かになっていると思うんですけれども、減っているわけです。それから、地域的に見ても、日本の一・四一に比べてアフガニスタン五・四とか、ソマリア六・七七とか、ウガンダ六・〇六ということで、豊かになっているがゆえに逆に少子化が進んでいるのかなということで、経済的にちょっと問題があるから少子化が進んでいるという森大臣の御回答は本当かいなと思ったわけなんですが。 実は、今月の五月四日にゲーリー・ベッカー教授が亡くなったんです。これ、シカゴ学派の大御所で、かなり少子化問題とか教育問題、家族問題について発言されていた教授なんですけれども、この先生のことについて五月九日の産経新聞、ポトマック通信というコラムに先生の発言のコメントが出ていたんですね、「大経済学者の理論」というタイトルなんですけれども。これによりますと、「ベッカー氏は人間は豊かになると、優れた教育などで子供の質を高めようとすると論じた。冒頭の疑問」、この冒頭の疑問というのは「人々が豊かになればなるほど子供が減るのはなぜか。」、そういう質問だったわけですけれども、それについて答えていわく、「親が豊かになって金銭的な余裕ができると、子供の能力の向上にお金や時間をかけることを優先し、子供の数は増やさないと説明したのだ。」。 これ、おっしゃること、私のさっきの疑問と同じなんですが、豊かになると子供をつくらない、まさに地理的にも歴史的にもそうである、そのとおりだなと私は思ったんですけれども、もう一つ先生がおっしゃっていることは、豊かになると子供の教育にお金を掛ける、それも個々人の教育にお金を掛けるからたくさん子供をつくらないよとおっしゃっているわけなんです。これは、私の経験とか感覚からいっても非常に合っていて、森大臣の御回答よりも非常によく合っている主張だなというふうに思ったんですけれども。 それを考えますと、今政府というのは、森大臣を、担当大臣をつくっているくらいに少子化対策に邁進しているわけです。それから、中長期国家目標も、五十年後に人口一億人程度を維持するという中期目的をやっているわけですね。そうすると、その中期目的と教育を一生懸命やるということは全く矛盾しちゃうわけですね。教育をすればするほど少子化になっちゃうわけです、ベッカー先生の議論によると。これ、どういうふうに整理したらよろしいのかということをまずお聞きしたいんですね。 極論すると、ベッカー先生のおっしゃることは正しい、教育をすればするほど子供が少人数になるということだったら、どんなに金掛けたって少子化、子供の、日本人の人数って増えないわけですよ。逆の極論を言えば、日本を貧乏にすれば子供増えるわけだし、文科省をなくして教育しなければ人口増えちゃうわけなんですけれども、それに対して文科省はどうお答えになるかをまずお聞きしたいなと思います。
○国務大臣(下村博文君) まず、客観的な調査ですが、国立社会保障・人口問題研究所の調査によりますと、夫婦に尋ねた理想的な子供の数が二・四二人であるのに対し、実際に夫婦の間に生まれた子供の数は一・九六人にとどまっております。その原因として、子育てや教育にお金が掛かり過ぎることを挙げる夫婦が六割を超えております。 そのことを考えると、これから日本が目指すべき方向は、じゃ、本当に今御指摘があったように、国が貧しくなる、文部科学省が要らなくなる、廃止するということで子供の数が増えるのかという理屈は私は成り立たないというふうに思うんですね。確かに発展途上国等において、我が国もそうでしたが、貧しいときに子供の数が多かったという時代はありますけれども、貧しさと子供の数は正比例するものではないというふうに思うんですね。 今後、文部科学省として少子化対策を行っていく対策としては、余りにもやはり私的な教育費投資が多過ぎるというところが問題だと思います。 我が国では、例えば中学まで公立で、私立に高校、大学入れるとなると、一人当たり一千三百万円掛かると。子供が二人いると二千六百万円掛かります。そうすると、普通の家庭であれば、とてももう私立の高校、大学に子供二人を同時に進学させること自体が相当な負担になるということを考えて、残念ながら、このデータにあるように子供はもう増やさないということにやっぱりなってくるわけですから。 これから日本が目指すべき方向は、子供の数を増やすために貧しい国にするとか文科省をなくすということではなくて、逆に教育における公財政支出を高めることによって、親が経済的な負担がなくても、子供が希望すれば、意欲と志があれば大学や大学院、あるいは海外まで留学できるような環境をどうつくるかということが目指すべき日本の方向性であるというふうに思います。
○藤巻健史君 多少のお金を国が援助したところで二人つくっていたものを三人にするかというと、これ極めて私は疑問だと思うんですけれども。 その前に、ベッカー教授ってなかなかいいことを言っていまして、これちょっと脱線なんですけど、これ二〇〇七年の週刊東洋経済なんですが、日本の格差社会など取るに足らないと。これは非常に私が米銀に勤めていたときに部下の欧米人がみんな言っていたことは、日本は一番世界で格差のない国だと言っていたので、格差格差とみんな騒いでいると冗談じゃないと私は思っていたんですけど、まさにそのベッカー教授がそうおっしゃっているんですけど。 その原因というのは、教授によると、教育機会の差、彼はいつも言っているのは、教育をすればするほど所得が高くなるよということをおっしゃっているんですけれども、教育機会の差が所得格差をもたらすのはヨーロッパや日本以外のアジアの国々でも見られますと。その点、日本は国際的に見ても教育の格差は少ないとおっしゃっているんですよ。まさにこれ文部省を褒めている言葉だと思うんですけど、日本は既にもう格差はないと。だとすれば、現在の所得格差など一時的なものにすぎず、日本経済が成長するにつれて雇用機会が増え、所得格差も解消に向かうんだと。 要するに、日本は教育がきちんとできていて格差がないから、いずれ経済全体が良くなればみんな豊かになるんですよというふうに、所得格差もなくなっていっちゃうんですよということをおっしゃっているわけで、非常にすばらしいことをおっしゃっていると私は思っているんですけれども、私の論に合っているなというふうに思うんですけれども。 その話をちょっと元に戻して、大臣のお答えのとおり、私も別に文部省をなくせばいいとか貧乏にした方がいいとかいうことは決して思っていなくて、なぜならば、当然のことながら教育を良くすればみんなの所得が良くなって、一人一人の生活が良くなるわけですから、それはいいと思うんですけど、ここで私が申し上げたいのは、本当に少子化対策って必要なのという点なんですよ。 私、少子化でいいんじゃないのというのが昔からの持論なんですけど、あえて駄目なのは年金だけなんですよね。年金は確かに駄目なんですけど、これは確定給付から確定拠出に変えればいいだけの話であって、年金だけのために少子化対策が必要なのかという話であってね。さっき言ったように、ベッカー教授の言うように、教育を一生懸命やるほど少子化が掛かるんで進むんだったら、それでいいんじゃないの少子化と私は思っているんです。 例えば、全体のGDPが下がるといったって、それは、人口も減るんだったら一人当たりのGDPは上がっていって、かえって一人当たりはいいじゃないのということ、確かに過渡期はちょっと大変かなと思うんですけれども。 ということがありまして、文部省としては少子化はどうでもいいと閣議のときに言っていただきたいなと思う、これが私の結論なんですけど、一応それが最初に申し上げた神学論争ということで、文部省の立場からしても少子化関係ないと是非言っていただきたいなと私は思っております。それが一つ。 二番目に、現実的な話に入りまして、現実的な話で、NHKとのコラボの問題なんですけど、私、前に、NHKのEテレの英語教育いいから、どうして文科省はそれ使わないのという質問をしたと思うんですけれども、別に英語だけじゃなくて、Eテレの「日曜美術館」とか「N響アワー」というのは、これは私、すばらしいと思うんですよね。 二之湯委員の方からも、文化芸術立国中期プランというのが出ていて、子供の文化芸術体験を充実させるというふうに書いてある、発言があったんですけど、これやっぱり音楽教育とか美術教育で一番重要なのは感性を高めることだと思うんです。感性を高めるためには、失礼かもしれないけど、音楽大学出ただけの音楽の先生のピアノを聴くよりは、N響の音楽を聴いた方が、よっぽどコンサートをずっと一時間聴かせた方がいいと思うんですよね。 ということは、そういう「N響アワー」を一時間聴くとか、それから「日曜美術館」を一時間見せるとかいうのをカリキュラムの中に突っ込んじゃって、美術とか音楽は超一流のものを見せて聴かせて感性を高めるという方がよっぽど日本人の子供たちのためにはいいんじゃないかなと。 英語も、正直に言って、日本人の英語、私の英語なんか聞いて習ったって全然うまくなるわけないんでね。それよりは、Eテレの、母国語を英語としている人たち、ネーティブの人たちの英語を聞いてうまくなる。 ということで、もっと文科省としてはNHKと、まあNHKのことをいろいろ、いろんな方はいろいろあると思うんですけど、経営の話は別として番組は非常にいいと思いますので、是非カリキュラムの中にEテレを入れてほしい、そして実際に超一流の芸術家に触れてほしいと、こう思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) まず、質問をされていませんので簡単に答えたいと思うんですが、少子化はそれはやっぱり過渡期の問題というのは非常にあって、今のような極端な少子高齢化が我が国で進むときには、これはこの国の経済的なことを含め国力の大幅なダウンになることはこれは間違いないことであって、やっぱり少しでもこの少子化を食い止めるための施策をしていくということは、この国の活力を継続的にまた発展させていくためには、これはもう必須条件であると思います。 ただ、何百年か先に少しずつ少子化になるということについては、それは地球規模から考えて、果たして人類がこの地球社会の中でどれぐらい、その資源の問題、環境問題の中で適正規模なのかどうかということは問われるかもしれませんが、現在における今のようなものを、そのまま少子化をほっておくということはあってはならないことであると思いますが、質問をされていませんのでこれ以上はちょっと申し上げません。 それから、感性教育は、御指摘のとおり、大変にそのとおりだと思います。 ただ、一番大切なのは、やはり子供たちが優れた文化芸術に直接触れたり体験するということが、子供たちの感性、情操、それから創造性を育む上で重要であり、学校教育においてそうした機会の提供を努めるということが第一義的には最も大切なことだと思います。なかなかそういう機会がないために、今委員が御指摘がありましたように、NHK、Eテレ等を活用するということは、それはできるだけ活用するということは工夫としてあってしかるべきだと思いますし、特に語学、英語等は、これはもうちょっとテレビ等を、これはICTも含めてですけれども、活用するということについてはおっしゃるとおりだというふうに思います。 文部科学省としては、学習指導要領において、地域の美術館や文化施設の活用を更に促進をさせようと、子供たちが一流の文化芸術団体や芸術家による質の高い様々な文化芸術を鑑賞、体験する機会を提供する事業、これを是非促進をしていきたいと思っております。 テレビもいいんですけれども、N響をテレビで聴くよりはやっぱり生で、N響レベルではないかもしれないけれども、しかしその地域地域で、一つの単独の小学校では無理であれば地域自治体が一堂に子供たちを集めて、最寄りの文化センター等でできるだけトップレベルの交響楽団に来てもらってコンサートを聴かせるということの方が、私はもう何十倍かの子供の感性を育むということにはなってくると思います。 是非、本物を子供たちに接する機会をつくることによって感性教育高めるようなバックアップをしてまいりたいと思います。
○藤巻健史君 Eテレの方は非常によく分かりました。 ただ、最初の質問に戻りますけれども、少子化が経済的に大ダメージを与えるということこそ私は間違いだと思っておりまして、確かに少子化の進捗度というのは日本は速いんですけど、私の記憶によりますと、香港もそうだな、シンガポール、韓国、日本よりよっぽど少子化が進んでいます。それでも別に騒いでいないんです、ほかの国は。日本だけですから、少子化で騒いでいるの。 あと、それから、少子化だからデフレだという議論もよく聞きますけど、それもおかしい話であって、ほかの国々は少子化でもインフレになっているわけですね。イタリアなんかはきっとインフレなんです、あれ、少子化でも。 ということであるし、それから、企業は、確かに一企業は少子化だとダメージを受けると思うんです。でも、例えば円安になれば、海外にお客さんはたくさんいますから売る方もいいし、それから、よく日本人って誤解するんですけど、日本名の企業はいいから日本人にとっていいかというと違うわけであって、例えば日産なんというのは、あれは完璧に外国企業なわけです。カルロス・ゴーンが社長で、それから経営陣も外国人で、ルノーが四十何%を持っていて、株主はみんな、七〇%外国人なんです。でも、あの企業がいいのは日本人を雇っているからなんですよ。だから、要するに、雇ってさえくれれば、別にそれは日産がどうなろうと関係ないわけです、日本は、日産の企業の話。 ということであって、何を言いたいかというと、少子化が経済に悪いということ自身を、ちょっと文科省関係じゃないんですけど、是非根本から検討していただきたいなというふうに私は思っております。 時間ちょっとだけありますので……
○委員長(丸山和也君) まだあります、二分ぐらい。
○藤巻健史君 大丈夫ですか。 次の質問、富岡製糸工場、世界遺産ということで、非常におめでとうございます。 おめでとうなんですけど、ちょっと私ひねくれ者なので、選定した世界遺産委員会が本当にきちんとした組織なのかだけをちょっとコンファームしておきたいなと思うんですが、世界遺産委員会、これはどういう組織であるかということと、なぜそういう質問をしたかというと、私、まだ三十代ぐらいのときだったかな、ユネスコってすごく悪いイメージ、一度、私だけじゃなくてみんな持ったと思うんですね。不正経理とか放漫経営とか政治活動をやっているとかということでアメリカとかイギリスが脱退したくらいの組織だったと思うんですが、それはきちんといい組織に戻っているのか。そして、その組織として、その委員会がきちんとした委員会なのか。 それからもう一つは、ちょっと悪い言葉で言うと、お金をどのくらい日本は分担しているのか。何を言いたいかというと、お金で買ったんじゃないよねということをちょっとコンファームしたいんですけど、その辺についてちょっとお聞きできればと思います。
○政府参考人(齋木尚子君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、英国そして米国は、それぞれ一九八五年、一九八四年になりますけれども、ユネスコの政治化傾向及び予算管理の問題を理由としてユネスコから脱退をしたところであります。しかしながら、その後ユネスコの改革が進展をいたしまして、英国は一九九七年にユネスコに復帰をしました。さらに、一九九九年には日本から松浦事務局長が新しくユネスコ事務局長に就任をいたしまして、ユネスコ改革を一層強化をいたしました。この結果、二〇〇三年にはアメリカもユネスコに復帰をしたところでございます。 松浦事務局長の改革路線は二〇〇九年に就任したボコバ事務局長にも引き継がれておりまして、教育、科学、文化の分野での国際協力に携わるユネスコの役割はますます重要となってきていると認識しております。日本といたしまして、ユネスコの引き続いての改革努力を支援するとともに、ユネスコとの連携を一層強化していく考えであります。 また、世界遺産委員会でございますけれども、これは世界遺産条約に基づいて設立をされております。二十一か国から構成をされておりますが、日本も委員国になっております。 ユネスコの分担金と世界遺産基金への分担金は別でございますが、御質問ございました世界遺産基金への分担金で申しますと、これはユネスコ分担金の一%というふうに条約上決まっております。したがいまして、ユネスコの分担金と世界遺産基金への分担金はちょうど相対する格好になるわけですけれども、上位から申しますと、米国、日本、ドイツ、フランス、英国となっております。
○藤巻健史君 終わります。
○柴田巧君 日本維新の会・結いの党の柴田巧です。新会派となって初めて質問させていただきます。よろしくお願いします。 今日は、学術雑誌、いわゆるジャーナルと言われておりますが、この問題を取り上げたいと思います。 改めて言うまでもありませんけれども、学術研究の成果というのは、一般的にはこのジャーナルに掲載をされて、これが発信をされ共有をされる、そして、それが引用されたり再引用されたりすることなどによってまた新たな研究成果を生み出して、それがひいてはイノベーションの創出につながっていくということが期待されるわけですが、そういう意味でも全ての研究者が、どこに所属をしているかは別にして、自由にそういうジャーナルにアクセスできることが望ましいと考えられるわけですが。 ところが、昨今、これをめぐっては大変な状況になりつつあるわけで、お手元に大学図書館資料購入費の減少という資料をお配りをしましたが、これを見ていただければすぐお分かりのように、大学の運営費交付金の減少などもあって、近年、ずっと大学図書館の資料購入費は減少する傾向にあります。これ、一番最新で二〇一一年になっていますが、ざっと十年前と比べていただくとお分かりだと思いますが、大体二〇%から二五%ダウンをしておるのが現実です。 一方、次のページをめくっていただくとジャーナルの購読価格の高騰の状況がお分かりになると思いますけれども、一方でこのジャーナルの購読料というのはだんだん、年々購読料が値上がりをされて、二〇一〇年と一一年を比べてみても、例えば化学では九・一%、物理では七・四、生物では七・九など、全体で、全分野でいうと七・八%、八%弱ぐらい上昇しているということであって、大学で、研究所でジャーナルを読めるのは当たり前だと思われていたことが、これらのことによって当たり前ではなくなってきつつあると。大学といえども論文が読めないところになりかねないということが懸念をされるわけですが。 こういった状況を打開すべく、文科省としても、先般、ジャーナル問題に関する検討会が立ち上がったわけですが、このジャーナルがちゃんと流通するかどうか、そしてそれがしっかり循環をして、それが促進されてイノベーションなどにつながっていくかどうか、こういう学術情報基盤の整備というのは日本のこれからの学術研究の将来を左右する問題だと思われますので、しっかり現状を把握をして、有効な手だてをやっぱり早急に講じていく必要があると思います。 これまでこのジャーナルの問題というのは取り上げられることは余りなくて、研究者の育成とか研究予算をどう重点配分するかといったことなどが特に関心事とされてきましたが、このジャーナルの問題は本当に大きな柱だと、学術活動を支える大きな柱だと思いますので、この問題にやっぱり無関心ではいられないと思いますし、早急に有効な手だてを講じていかなきゃならぬと思いますが、まずこのジャーナルが高騰している要因、これはどういうふうに分析をされているのか、まずお尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(小松親次郎君) お答えを申し上げます。 ただいま御指摘の学術ジャーナルの購読経費でございますけれども、私どもが毎年実施をいたしております学術情報基盤実態調査というものがございますけれども、これで申しますと、例えば平成十九年度に百五十五億円というのが全国の国公私立大学が負担したいわゆる学術ジャーナルの経費でございますが、これが五年間で、平成二十四年度には二百二十七億円というふうになっておりまして、これは主として電子化されておりますけれども、差引きしますと四六・五%伸びているというような状況でございます。 今先生おっしゃられたように、図書館の費用とかが厳しい中で、ジャーナルの方が値上がりで増えていくという状態になっておりまして、一番の要因は、一つは、世界的に論文数が情報化の時代で非常に増えておりますので、その査読等を作るにも発行コストが非常に上昇しているという面がございます。 それからもう一つは、実態として海外の大手出版社の相当な寡占状態がございます。大学図書館のコンソーシアム連合の調査では、上位六社で六割を占めているというような状態がございます。 三つ目に、研究者といたしましては、今先生おっしゃられたとおり、研究活動上不可欠のものでございますので必ず読まなければいけない、そういうことで、いわゆる通常の経済市場における価格競争、そういったものが働かない。 これらが複合して今御指摘のような状況が起こっているものと認識いたしております。
○柴田巧君 ありがとうございます。 そういう状況、要因があって今高騰してきていると。そして、今、ちょっと先ほども触れましたが、具体的に実際的に大学などではこのジャーナルの購読料が高騰することによってどのような問題に直面しているのか、あるいは研究活動に支障を来しているのか、教えていただければと思います。
○政府参考人(小松親次郎君) お答え申し上げます。 大学等におきましては、一般的にまず御指摘のように大学図書館が中心の予算部局でございます。そこがジャーナルの購入を担当しておりますが、大学等の財政事情が昨今極めて厳しい中で、ジャーナルの購入費は研究振興の観点からどんどん削減するというようなことは極めて難しいということもございまして、まず一つは、大学の予算全体においてはほかの経費よりも削減幅は少なくするということにはなっておりますけれども、このことによって大学の図書館や経常的経費全体を圧迫しているということが非常に多く指摘されております。 それからさらに、それでも賄えずに、ジャーナル価格の高騰に伴って従来の購読料が負担できなくなるということも生じておりまして、一部の購読を取りやめるというふうに、ジャーナル購読の対象範囲を見直さざるを得ない大学もあるというふうに聞いております。この辺りが一番大きな問題かと思います。
○柴田巧君 こういう具合にいろんなところで大変な状況が起きつつあるわけですが、そういう中で、学術情報基盤の整備に貢献をするためということで、平成二十三年に、大学やあるいは大学共同利用機関、また省庁の大学校等の五百二の図書館によって大学図書館コンソーシアム連合、JUSTICEと一般に呼んだりしますが、これができて、教育研究機関において不可欠な学術情報の確保と発信の一層強化を図ることを期待をされてできたわけですが、このJUSTICEにおいて、この問題に、このジャーナルの価格高騰化に対していろんな取組をしているということですが、どういうふうにされているか。また、一番根本的な価格高騰そのものを抑制するということが果たしてそのJUSTICEの活動で可能なのかどうか。ここら辺も含めてお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(小松親次郎君) ジャーナルの価格高騰につきましては大学共通の課題であるということから、ただいまお話のございましたように、平成二十三年の四月に大学図書館コンソーシアム連合というものができて活動いたしております。 これは国公私立大学等が連携協力をして、ただいまのお話の範囲で申しますと、学術ジャーナルなどを出しております商業出版社と価格交渉を行うといったような活動をいたしております。私ども承知しておりますところでは、大学コンソーシアム連合では毎年五十社以上、まあ五十社からあるいは六十社台くらいの出版社と直接の交渉を行っておりまして、価格上昇率を一定程度は抑制する成果を上げているというふうに聞いております。 これは今お尋ねの活動状況ということになりますが、しかしながら、もう一つお尋ねの価格上昇の要因そのものを取り除くということまではなかなか難しいと。世界各国同じ問題で悩んでおりますけれども、その問題には引き続き直面をしているというふうに承知しております。
○柴田巧君 今御答弁あったように、幾らか抑制する機能を果たしているのは事実ですが、対症療法的なと言ったらちょっと言葉はあれですが、根本的な問題の解決にはなかなかまだ至っていないということですが。 このジャーナルの高騰の問題は、日本だけではなくて、今おっしゃったように世界的な問題として認識をされていて、G8の科学技術担当大臣等々でも議題として取り上げられているわけですが、その中で、世界的にはいわゆる論文などの研究成果を無償でアクセスできるオープンアクセス、略してOAと言っていますが、これを確保すべきだという流れが、潮流が強まっているのは事実で、アメリカのNIHであるとかEUのファンディングなどでもそれを義務化するという方向になってきていると聞いておりまして、これがジャーナル問題の解決の一つの糸口になるだろうと現時点では見られているわけであります。 そこで、日本においてもそのOA化の推進をこれから図っていかなきゃならぬのだと思っておりますが、我が国における現状と、この推進を実際するに当たって課題があるとすれば何なのか、この点を併せてお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(小松親次郎君) お答え申し上げます。 ジャーナルの価格の高騰問題につきましては、平成二十五年の六月にロンドンで開催されましたG8の科学技術大臣、それからアカデミーの会長なども集まった会合でも世界的な課題として取り上げられまして、その対応策としてオープンアクセスが議題として取り上げられたという状況にございます。 オープンアクセスそのものにつきましては、広く利用者が無料で論文にアクセスできる手段を確保できるという状態を指しているわけでございますが、現状ということにつきまして申し上げますためにちょっと説明させていただきますと、大きく言えば二点ほど特色ございまして、一点は、学会などの学協会というところで無料で購読できるジャーナルを発行していただくと。これオープンアクセスジャーナルというふうに呼んでおります。この方法と、もう一つは、ジャーナルで発表した論文を後で著者自らがインターネット上などで公開をするという場を各研究機関ごと、例えば各大学ごとに設けるという方法で、これは各機関ごとという意味で機関リポジトリという、この二つの方法が大体主な方法として追求されております。 そこで、取組の現状ということを申し上げますと、我が国では、第四期の科学技術基本計画において国はオープンアクセスを促進するという方針を掲げております。これに基づきまして、先ほど申し上げましたオープンアクセスジャーナルの刊行につきましては、科学研究補助金の研究成果公開促進費というもので学協会によるオープンアクセスジャーナル刊行のための経費を助成すると。それから、科学技術振興機構がオープンアクセスジャーナルを流通させるためのプラットフォームというものを無償で提供すると。こういったような形でオープンアクセスジャーナルの後押しをする。 もう一つが機関リポジトリの構築でございますが、これは国立情報学研究所が各大学が共用できるようなリポジトリのシステムを提供しまして、各大学のリポジトリがより容易に形成できるように支援する、こういったようなことを行っているわけでございます。 課題ということのお話がございましたが、課題と申しますと、まず一つは、このオープンアクセス化自体が、これを推進すること自体が一つの私どもとしての大きな政策課題であると考えます。それからさらに、論文を発表する研究者自身がそのオープンアクセスの必要性について理解をしていただいて積極的に取り組んでいただくということが重要な課題であると考えます。 このために、大学関係者向けの会議やシンポジウム等の場を通じて啓発活動などに努めておりますが、冒頭にお話ございましたように、平成二十六年、今年の三月からその有識者によるジャーナル問題に関する検討会を設置して審議を行っていただいているところでございます。この中でもそのオープンアクセスの対応は主要な検討課題というふうになっておりますので、今夏をめどにその審議内容を取りまとめていただくというふうな形で取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
○柴田巧君 いろいろ課題等分かりましたが、いずれにしても、欧米との違いはオープンアクセスを義務化というところまで至っていないということなんだと思いますね。科学技術振興機構なども推奨するという言葉は使っていますが、義務化というところはまだ出てこないので、やはりこれはOAを義務化をしていくという方向をやっぱり模索をする必要があるんではないか。 この学術情報の循環やイノベーションの創出の促進のためにも、その義務化をできるだけ推進をして、日本独自の世界に誇れるOA環境をつくっていくということが私は大事なことなんだと思いますが、この点の大臣の御見解をお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 学術研究の成果は人類共通の知的資産として共有されることが望ましく、また我が国の更なる学術水準の向上や科学技術の進展のためにも研究成果の発信と共有は不可欠であり、誰もが研究成果を利用できるオープンアクセスの環境確保は極めて御指摘のように重要だというふうに考えます。 他方において、論文の公表方法はそれぞれの研究者の自主性に負うことなどから、一律に義務化することは困難と考えられますが、文科省においては、オープンアクセス環境の充実の観点から、一つは科学研究費補助金や科学技術振興機構による学協会の取組に対する支援を行うこと、また、国立情報学研究所による各大学における取組に対する支援などの促進策を講じてまいりたいと考えております。 文科省としては、研究者等の一層の理解増進を含めて、我が国としてのオープンアクセス環境の構築に今後とも積極的に取り組んでまいりたいと考えます。
○柴田巧君 是非、このOAをめぐって本格的なこれから議論が必要だと思いますし、先ほどから指摘をしていますように、今ジャーナルをめぐっては大変な状況にありますので、これがいろんなイノベーションの創出などにつながっていくことを妨げることのないように、促進される方向で是非いろんな検討をしていただきたいと思います。 これが最後の質問になると思いますが、このジャーナルに関連して、もっともっと日本としてリーディングジャーナルを、研究成果を発信をしていく、強めていくという観点からも、リーディングジャーナルの必要性があるんじゃないかと思っていまして、今正直なところ、日本のこの研究競争力に比べると、世界の中で日本の論文誌の世界的な占有率というのは非常に低い状況になっています。情報主導権が、分かりやすく言えば海外に取られていると。日本の優秀な優れた論文が海外の情報誌といいますか、雑誌に、ジャーナルに載って、その高い雑誌を日本が今買っているという状況にあるという、空洞化が起きているといってもいいんだと思いますが。 そこで、やはりネイチャーやサイエンスといった魅力のある、国内外の研究者が発表したくなるようなやっぱりリーディングジャーナルというのを日本でもつくっていく必要があると思います。もう既に中国はそういったことを念頭に、世界的に優秀な科学雑誌の編集者を招聘してそういう作業を始めておりますが、やはりこの我が国の研究成果の発信力の強化に向けても、日本発のリーディングジャーナルの育成ということもこれから真剣に考える段階に来たと思いますが、大臣に御見解をお聞きして、最後にしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 我が国の学術研究は多くの分野において世界トップクラスの業績を上げておりますが、国際的な流通しているとされる論文の多くが海外のジャーナルに掲載されており、日本自らが学術情報を発信する場としてのジャーナルの整備については十分な成果を上げていないというのは御指摘のとおりであります。日本学術会議や科学技術・学術審議会からも、我が国において国際的に通用する有力なジャーナルを育成するべきだというような指摘がされております。 文科省としては、このような状況を踏まえ、科学研究費補助金において、平成二十五年度から新たに国際情報発信力強化のための取組に幅広く使える助成制度を創設したところでございます。 引き続き、国際的に通用するジャーナルの育成に努め、我が国の研究成果の発信力強化に取り組んでまいりたいと考えます。
○柴田巧君 どうもありがとうございました。
○委員長(丸山和也君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後零時二十五分散会