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186回国会参議院2014/04/08

文教科学委員会 第9号

発言数
218
登壇者
15
会派数
7
開催日
2014/04/08

会議録

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、警察庁長官官房審議官塩川実喜夫君外二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

石井浩郎自由民主党

○石井浩郎君 おはようございます。自由民主党の石井浩郎でございます。時間も限られておりますので、早速質問に入りたいと思います。  この改正案の背景には、沖縄県八重山採択地区における教科書採択をめぐる問題があります。このような問題の再発を防いで適正な教科書採択を確保するということでありますが、法律の条文自体は簡単に見えても、これはなかなか一筋縄ではいかない問題であると思っております。とても難しい判断の下に提案された法案であると思っております。このような改正案になっている理由を、質疑を通じて分かりやすく説明していただきたいと思います。  まず、改正案の中には、教科書採択地区の単位、市又は郡の区域又はこれらを併せた地域から、市町村の区域又はこれらを併せた地域に変更するという内容が含まれております。改めて、この改正の趣旨をお聞かせください。

前川喜平文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(前川喜平君) 近年の市町村合併の進行によりまして、一郡内に一町あるいは一村しかないという地域が増えたり、あるいは町村が飛び地になっているというそういう郡が生じたりするなど、そういった事態が生じております。これによりまして、郡という行政区画を採択地区の設定単位とする意義が失われつつあるという現状にございます。  今回の改正案につきましては、こうした現状に鑑みまして、都道府県教育委員会が設定する採択地区の単位を市郡から市町村に改めまして、郡の区域にかかわらず、柔軟に採択地区を設定できるようにするというものでございます。なお、全国町村会からもこのような改正を行ってほしいとの要望をいただいているところでございました。

石井浩郎自由民主党

○石井浩郎君 ありがとうございます。  今御説明いただいたようなことは地方からも要望が出ていたということでありますので、このように現場の意見を踏まえた制度改正を進めていくという姿勢は大変すばらしいことだと思っております。ただ、市郡単位から市町村単位に変わるということだけを聞きますと、何か採択地区がどんどん細かくなっていくような印象を受けますし、現にそのような報道ぶりも多いように思われます。  確かに、今回の改正案が通れば、郡内の町村は別々の採択地区を構成することが法律上は可能になるということだと思います。制度の趣旨としては、小さな町村は近隣の別の市町村と共同採択地区を構成することを念頭に置いていると思いますが、沖縄県八重山採択地区の八重山郡など単独の採択地区になろうとする町村も出てくるのではないかと思っております。このことにつきましてはどのような御認識を持っているか、お聞かせください。

前川喜平文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(前川喜平君) 先ほど申し上げましたとおり、今回の改正につきましては、郡という単位の意義は失われているということから行うものでございます。  したがいまして、今回の改正によりまして、共同採択制度の趣旨を一切変更するというものではございません。各都道府県教育委員会による採択地区の設定につきましては、教科書無償措置法が共同採択制度を採用しているという趣旨を十分に踏まえ、設定しようとする採択地区において十分な教科書の調査研究が可能であるかどうか、また地理的に近接しているかなど、自然的、経済的あるいは文化的な条件を踏まえて行われることが必要であるというふうに考えておりまして、このことに変更はございません。  なお、八重山採択地区につきましては、地理的、社会的条件や関係自治体の規模などから考えまして、一つの採択地区として設定すべきものであるというふうに考えております。

石井浩郎自由民主党

○石井浩郎君 この改正案を見まして、大臣は沖縄県の八重山採択地区の問題への対応と政策的に必要な制度改正を切り分けて考えているなと、判断されているなと思っております。  先ほどの御説明のとおり、竹富町は人口規模も少なく、八重山地域で一体の生活圏、文化圏を成しているわけでありますから、協議が調わないからといって安易に単独採択地区になって、責任のある教科書採択ができるのか疑問に思うところであります。  それでも、今回の改正では、沖縄県に採択地区の設定権限がある以上、竹富町が単独採択地区になることも法令上可能になります。もし竹富町への対応だけを念頭に置いているのであれば、このような改正案を提出することはなかったのではないかと思っております。一方で、郡が採択地区の単位になっていることによって困っている市町村が実際にあります。  法律を守らないでいる自治体への対応で政策がゆがめられるようなことがあってはならないと思いますし、やはり実際に困っている自治体への対応を優先させて、真に政策的に必要な改正案を考えるのが行政と立法のあるべき姿だと思っております。  このような観点から考えますと、第十二条の改正案を提案するのはとても難しい判断だったと思いますが、非常に評価したいと思っております。  次に、共同採択地区における採択に当たっての協議の方法を定める第十三条の改正についてお尋ねしたいと思います。この改正部分について、もう一度その内容と趣旨をお聞かせください。

前川喜平文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(前川喜平君) 御指摘のとおり、近年、沖縄県八重山採択地区における問題を始めといたしまして、共同採択に当たって協議が難航するという事例が生じているわけでございます。このため、第十三条を改正いたしまして、共同採択に係る協議の場として採択地区協議会の設置を義務付ける、また規約で議決の方法等について定めておくべきことなど、採択地区協議会の組織及び運営に関し必要な事項について政令で定めることとする、また採択地区内の市町村教育委員会は協議の結果に基づき同一の教科書を採択すべき旨を明記する。これらの規定の整備を行いまして、共同採択地区における市町村教育委員会の協議の方法に関して規定を明確化する、また、これによりまして、採択地区内で採択する教科書が同一とならないために国による教科書の無償給与ができないという事態の再発を防止したいという趣旨でございます。

石井浩郎自由民主党

○石井浩郎君 ありがとうございます。  八重山地区の問題は、思想的な問題と手続的な問題が絡み合って複雑化したのではないかと考えております。本来、この問題は、共同採択制度の手続を守らない自治体が出てきたときに法律を守ってもらうよう文科省が指導したという事案にすぎないのでありますけれども、特定の教科書を国が押し付けようとしているとか、二つの法律が矛盾しているとか、そのような問題にすり替えられて問題を大きくされてしまっているのではないかと思っております。こうしたときこそ、地に足を付けて現場のニーズや政策的な必要性を客観的に考えて案を出していくべきだと思っております。  そこで、あえてお聞きしますが、沖縄県八重山採択地区におけるこのような問題を完全に防ぐためには共同採択制度自体を廃止するというような案も考えられるわけでありますが、そうしなかった理由をお聞かせ願えますか。

前川喜平文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(前川喜平君) 公立義務教育諸学校における教科書の採択は、当該学校を設置する地方公共団体の教育委員会の権限と責任において行われるべきものでございますが、共同採択制度につきましては、教科書の採択に当たっての調査研究に地区内の多くの教員等が参画でき、教科書内容についての綿密な調査研究が可能となること、また地区内の教員が共同で教材研究や授業研究を行うことが可能になることなどについて意義があることから、教育委員会の採択権限の行使に関する特例として設けられているものでございます。  また、全国町村教育長会からも共同採択制度を存続してほしいという意向が示されているところでございまして、文部科学省といたしましては、この共同採択制度は今後とも維持すべきものと考えているところでございます。

石井浩郎自由民主党

○石井浩郎君 ありがとうございます。  教科書の研究だけは共同でやって教科書の採択は別々でやればいいのではないかというような意見もありますが、やはり研究と採択というのを別々にしてしまっては教科書の研究や採択の実効性を確保することというのが難しくなってくるのではないかと思っております。  それでは、これもあえてお聞きしますが、都道府県教育委員会が採択地区を設定するのではなくて、共同採択と単独採択を各市町村教育委員会が選択できるようにすればよいのではないかという案についてはどういうお考えを持っているか、お聞かせください。

前川喜平文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(前川喜平君) 仮にお尋ねのような制度とした場合におきましては、小規模な自治体が共同採択を希望していたとしても、近隣の市町村教育委員会の意向により共同採択を行うことができないというような事態も考えられるわけでございます。したがいまして、十分な調査研究に基づく責任ある教科書採択を実現するためには、都道府県教育委員会が採択地区を設定する現行制度は維持すべきものであると考えております。  なお、現行制度におきましても、教科書無償措置法第十二条第二項に基づきまして、都道府県教育委員会が採択地区を設定するに当たりましては市町村教育委員会の意見を聞かなければならないということでございまして、市町村の意向は反映されるような仕組みになっているところでございます。

石井浩郎自由民主党

○石井浩郎君 ありがとうございます。  小さな自治体ではなかなか単独で採択事務を行っていくということは難しいと思いますし、共同採択について自主性に委ねているのでは、仮に近隣の市町村がここの村とは一緒にやりたくないといったときに孤立してしまうおそれもあります。だからこそ現在の共同採択制度が取られているのだと思っております。  八重山採択地区の問題によって共同採択制度の不要性が露呈したといった事実があるかどうかといいますと、そうではないのではないかと思っております。八重山採択地区において問題となったのは公民の教科書であって、その他の教科書は特に問題もなく共同採択がうまくいっていたというわけであります。ですから、この事例だけを捉えて制度を全てなくしてしまおうという議論は少し乱暴なのではないかと思っております。  共同採択制度につきまして多くの自治体が存続を求めている中、国としてできるのは共同採択制度をいかに使いやすいものにしていくかだと思っております。このような認識に立ちますと、今回の問題を拡大解釈して共同採択制度全部を壊してしまうのではなく、現在の共同採択制度に立脚して、八重山地区における問題のそれぞれに対応する形で協議の方法についての制度の改善を図るというのは、現状においては妥当な案であると思っております。  教科書採択の権限と責任といったものを考えたときに、責任を持って教科書採択の権限を果たしていただくためにはまさに責任ある体制が必要であります。そのための共同採択制度でありますが、もし教育委員会がしっかりと力を付けて単独で採択をできるようになってくれれば、本当はそれが望ましいのではないかと思っております。これからまた是非議論していっていただきたいと思っております。  それではまた、別の改正点についても質問させていただきます。  今回新たに第十五条を新設して、教育委員会や私立学校の校長が教科書を採択した場合に、その教科書の採択の結果や理由を公表するよう努めることとするということでありますが、これにつきましても、衆議院における審議を拝見していますと、これはむしろ義務化すべきだというような意見が多かったように思います。  しかし、これはむしろ、今回努力義務ということで妥当であると思っております。といいますのも、特別支援学校や必ずしも一律に義務化がなじまない学校もあると思いますし、建学の精神に基づいて比較的自由に教育を行っている私立学校にまで完全な義務というのは国による過剰な規制となってしまうおそれがあると思っております。もちろん、学校教育におきまして重要な役割を果たす教科書について、どのような学校であっても説明責任を果たすということは重要であります。その意味で、まずは努力義務という第一歩を踏み出したということは大変意義のあることだと思っております。  文科省として、これから教科書の採択結果、理由等の公表をどのように促していくのか、お聞かせください。

西川京子自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(西川京子君) 石井先生にお答えさせていただきます。  今先生のおっしゃるとおり、教科書採択の経緯、これを明確に公表するということは透明性を図るという意味でも大変大事なことだと思っております。そういう中でおのずと、やはりそれぞれの学校がありますので、これを強制という、義務というふうにするには、やはり先生のおっしゃることと同じ思いでございまして、それぞれの立場でしっかりとこの説明責任、透明性を保つ、公表ということをやっていただきたいと思っております。特に、公立の小中学校におきましては、地域の教科書採択ということに対しての関心も大変高いわけでございますので、公表を強く促していきたいと思っております。  その際、例えば公表を促していく大きな例としては、各教育委員会の採択結果、理由などを、公表状況を調査して公表していくというのが一つの大きな有効な手段かなと思っておりまして、今後もそのような方法を含めて、具体的にその在り方については今後検討していきたいと思っております。  ちなみに、各採択地区における公表状況が、採択理由については約三割、三一・五%、採択結果に関しては六割、五九・二%が公表しているのが現状でございますので、更にこの数字を高めていきたいと思っております。

石井浩郎自由民主党

○石井浩郎君 ありがとうございます。  各地域における努力を、住民や保護者だけではなくて、国にもしっかりチェックしていただきたいと思っております。  それではまた、次の質問に移ります。  下村大臣を先頭に、昨年の教科書改革実行プランの発表以来、今回の法案のことだけではなく、この教科書検定制度の見直しについても積極的に取り組まれておりまして、また先般、教科書検定基準の改正も行われたと承知しておりますが、これはまだ基準が変わっただけで、実際の検定はまさにこれからの仕事だと思います。  この春から始まります中学校の教科書検定に向けて、意気込みをお聞かせください。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 教育基本法にのっとってバランスよく記載された教科書で子供たちが学ぶことができるようにすることは重要なことでありまして、このため、昨年十一月、御指摘をいただきましたように、教科書改革実行プラン、公表いたしました。これに基づきまして、本年一月十七日に教科書検定基準、改正したところであります。  この検定基準の改正では、社会科について、一つは、未確定な時事的事象について記述する場合に特定の事柄を強調し過ぎていたりするところはないということ、それから二番目として、近現代の歴史的事象のうち、通説的な見解がない数字などの事項について記述する場合には、通説的な見解がないことが明示され、児童生徒が誤解しないようにすること、三番目に、閣議決定その他の方法により示された政府の統一的な見解や確定した判例がある場合には、それらに基づいた記述がされていることといった内容を新たに盛り込んだところでございます。  この改正後の検定基準は、御指摘のように、平成二十六年度に行う中学校用教科書の検定から適用することになっております。今後、改正された新しい検定基準に基づき、バランスの取れたより良い教科書になるよう、しっかり検定に取り組んでまいりたいと考えております。

石井浩郎自由民主党

○石井浩郎君 ありがとうございます。  この改革によりまして、今後、教科書検定制度はもっと良くなると期待しておりますが、教科書の検定と教育委員会による検定済教科書の採択がその機能を十分に発揮して初めて地域に最も合った教育が実現されるものだと思っております。  このような制度の下では、教科書を選ぶ権限を有する教育委員会が、地域にとって最も良い教科書を単なる印象論や前例踏襲ではなく、十分な教科書の調査研究に基づいて客観的に判断をして選んでいくことが極めて重要であります。  一方で、教科書の調査研究に基づいてといいましても、その調査研究資料自体にバイアスが掛かっていたり特定の教科書に絞り込んで調査が行われているようでは、教育委員会が客観的に判断することができず、その権限と責任を十分に果たすことができないのではないかと思っております。  最後にお尋ねしますが、私としては、教科書の調査研究を充実させていくことも必要でありますが、その調査研究資料が偏りのない客観的なものとなっていくよう教育委員会に指導していくことが重要ではないかと思っておりますが、大臣の見解をお聞かせください。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、教科書の採択は、教育委員会等の採択権者の権限と責任において、十分な調査研究に基づいて行われることが極めて重要であると考えます。  具体的には、教育委員会が教科書採択の参考とするために教科書を調査研究させる調査員や選定委員会等を置き、これらによる調査研究の結果を参考として教育委員会が採択を行うことが通例であります。その際、調査員等からどのような形で報告を求め、またそれをどのように受け止めるかは教育委員会の判断に委ねられております。しかし、その調査研究資料が全部の教科書を対象としていなかったり、その内容が公正なものではないような場合は、教育委員会の責任ある判断を妨げるものであるわけでありまして、適切なものではないと考えます。  文科省としては、今後とも引き続き、採択権者の明確な権限と責任の下、適正な調査研究が行われるよう各教育委員会を指導していきたいと考えております。

石井浩郎自由民主党

○石井浩郎君 ありがとうございます。  まだ時間が少し残っておりますけれども、これで質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。     ─────────────

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、松沢成文君が委員を辞任され、その補欠として和田政宗君が選任されました。     ─────────────

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 民主党・新緑風会の石橋通宏でございます。今日も質問の機会いただきましてありがとうございます。  早速質問に入りたいと思いますが、今日、本題であります教科書無償措置法改正案に関する質疑を行う前にちょっと一つ取り上げさせていただきたいと思いますが、今お手元に資料を配っていただいておりますが、大臣、もう既に御覧になっていると思いますけれども、四月四日の朝日新聞朝刊で、「就学援助 縮小続出」という記事が出されました。  これ、大臣、約束が違うんじゃないでしょうか。昨年の生活扶助費、生活保護費縮小議論のときに、盛んに大臣も含めて政府からは、ほかのところに、施策には影響を出さないと。とりわけ、大臣、この就学援助については、自治体にもしっかりとお願いをして影響が出ないようにするということで答弁いただいていたと思いますが、結局こういうことになっているわけです。  大臣、まずこの状況についてどういう御認識か、御説明をお願いします。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 生活扶助基準の見直しに伴い、地方単独事業である準要保護者に対する就学援助制度への影響については、政府の対応方針に基づき、極力影響を生じさせないよう依頼してきたところでございまして、準要保護に係る認定の所得基準を引き下げる市、区があるとの報道があるということは非常に残念であります。  文科省としては、平成二十六年度の準要保護の認定基準の状況については現時点では把握しておりませんが、各市町村の平成二十六年度の準要保護の認定基準の引下げの有無を含め、基準がどのように運用されているかの実態を早急に調査することとしたいと思います。また、この結果を踏まえつつ、引き続き、各市町村に対して、就学援助を適切に実施し、子供たちの教育に影響を生じさせないよう要請してまいりたいと考えます。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 今、大臣答弁いただきましたけれども、把握をしておられなかったと。昨年、これ、一年以上前にこの議論、国会で盛んにされていたわけで、この一年間、もちろん文科省として大臣としても取組を自治体への要請含めてされてきたんだろうと思うわけです。しかし、今大臣、把握をされておられないと。そして、現実的にもう市町村でこういうふうに実態的に起こっているわけ、影響出ているわけです。  これ、大臣、あれだけ答弁いただいて、影響を出さないように努力するといただいて、実際に既に影響が出てしまっている。大臣、まだ文科省としては把握をされていない。これは余りに文科省として無責任な対応ではないでしょうか。これ、早急に調査をされると言われておりますが、調査にどれぐらいの時間が掛かって、いつまでに当委員会にも報告をいただける約束をいただけるんでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 就学援助については、平成二十五年度当初に要保護者として就学支援を受けていた者については、引き続き要保護者として国庫補助の対象とすることとしております。平成二十六年度予算においても、平成二十五年度と同様、従来ベースの事業実施に必要な予算を措置しているところであります。  また、地方単独事業である御指摘の準要保護者に対する就学援助についても、国の取組を説明の上、その趣旨を理解した上で各自治体において判断していただくよう平成二十五年五月十七日付けで通知するとともに、同年九月四日付け通知及び平成二十六年二月二十六日付け通知でも再三依頼したところでありますが、準要保護の認定基準を早急に調査し、その結果を踏まえつつ、引き続き子供たちの教育に影響を生じさせないよう各市町村に要請をしてまいりたいと思います。  文科省としては、今後とも、経済的な理由により生徒や学生が進学することを断念することがないように一層の支援の充実を図ってまいりたいと思っておりまして、これは各市町村がいつまでに答えるかということにもなりますが、早急に要請をして、その結果については早めに公表したいと思っています。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 早急にやっていただくということですから、大臣、これ是非、大臣の責任において早急に調査していただいて、これはしっかりとその調査結果に基づいて、本当に子供たちに影響出ないように、これはもう与党も野党もない話だと思いますから、是非大臣の責任でしっかりとやって、当委員会にも説明をいただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。  それでは本題に入ってまいりたいと思いますが、まず、三月十三日の本委員会で、私も八重山採択地区の教科書問題について取り上げさせていただきました。お手元の資料三にそのときの答弁記録を抜粋してお示しをしておりますので、改めて御参照いただければと思いますけれども、その際の議論で明らかになったことは、一つは、現行の教科書無償法第十三条第四項の解釈について、これは、各採択地区の教育委員会の皆さんにしっかりと協議をしていただいて同一の教科書を採択するようにしていただくと、ただし、協議の方法については、これは当該採択地区の教育委員会に委ねられているということを確認をさせていただきました。その上で、今回の問題は、結局、八重山協議会規約の解釈に大きなそごがあるということも明らかになったというふうに思っております。  今日改めて、委員の皆さんにも八重山地区協議会の規約をお配りをしております。資料の四を御参照いただければと思います。四の一、四の二、表、裏で全文を示しておりますけれども、大臣、これ改めて、第三条に目的が書いてあります。この第三条の目的に、協議会は、諮問に応じて、教科書をまとめて、採択地区教育委員会に対して答申するということがこの協議会の目的であると明確に規定をされております。答申することが目的で、決定することは目的だと一切書いてありません。  その上で、先日の斎藤委員からの質疑でも議論させていただいておりますけれども、第九条の第五項がポイントになるわけです。第四項で、採択地区教育委員会は、協議会の答申に基づき、教科用図書を決定すると。ただし、五項で、もしその教育委員会の決定が答申と異なる場合には、再協議することができるということがこれまた明確に決められております。  ここで明らかになるのは、この規約に基づいて解釈すれば、決定権が各教育委員会にあるということはここに明確にされております。決定が答申と異なる場合というのも、これは明らかに想定をされているわけであります。その場合には、再協議をして調えるんだということも決められているわけであります。  八月三十一日に再協議が行われているわけですが、私改めて議事録を読ませていただきましたけれども、協議会の会長も協議はまとまりませんでしたがという発言を最後にされております。つまり、協議がまとまっていないわけです。だからこそ、その後九月にも引き続き、沖縄県教委からの働きかけもあり、九月八日に改めて教委の皆さんが三教委全て集まって協議をされていると、こういう経過をたどっているわけです。  こういうことから判断すれば、大臣、協議が調っていないことは明らかではないですか。何をもって文科省はそれを勝手に国の権限で解釈を行って協議が調ったと言い張るわけですか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) まず、教科書無償措置法第十三条第四項において、共同採択地区内では関係市町村が協議して種目ごとに同一の教科書を採択しなければならないと定めているわけでございます。これに違反しているとして、これは石橋委員の民主党の政権のときから、平成二十三年のときから、これは政府は違法状態として県教委を通じて指導してきた経緯があるわけでありまして、自公政権になって急に法解釈を変えたというわけではないということについては、是非これは事実として理解をまずしていただくことが必要だというふうに思います。  内容でありますけれども、沖縄県八重山採択地区において、この教科書無償措置法第十三条第四項の規定による協議を行うための組織として、関係市町村教育委員会の合意により規約を定めて八重山採択地区協議会が置かれており、八重山採択地区協議会の規約に従ってまとめられた結果が教科書無償措置法第十三条第四項の規定による協議に当たると認められるわけであります。  八重山採択地区の平成二十三年度の教科書採択においては、八月二十三日に八重山採択地区協議会の答申が出されており、また八月三十一日の同協議会の役員会での再協議においても、採択地区協議会の会長である石垣市教育長から竹富町に協議会の結果どおりの採択を行うよう求めていることから、当該答申及び再協議の結果が協議の結果であり、これを受けて、当時も、民主党政権においても違法状態ということでこれを指導してきたわけでございます。  そして、九条第五項の再協議のところについても御指摘がありましたが、これは八重山採択地区協議会規約の第九条第五項において、採択地区教育委員会の決定が協議会の答申内容と異なる場合は、沖縄県教育委員会の指導・助言を受け、役員会で再協議することができると定められているということから再協議をしたわけでございますが、先ほど申し上げましたように、八重山採択地区の平成二十三年度の教科書採択において八月二十三日に八重山採択地区協議会の答申が出された、協議会規約に基づく協議会としての意思決定が行われたということは、これは事実であります。で、この八月三十一日の同協議会の役員会で再協議が行われましたが、ここにおいても、採択地区協議会の会長である石垣市の教育長から結果どおりの採択を行うよう竹富町に対して求めているということでありまして、これは、当該の答申及び再協議の結果が協議の結果であるというふうに取るのは、要するに政権が変わって解釈を変更したということでなく、当時から、民主党政権のときから政府は違法状態だということでずっと指導しているということで、法解釈そのものは全く変わっていないということについて御理解いただきたいと思います。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 大臣、協議会の議事録、会議録は大臣御自身でお読みになったのかどうか分かりませんが、先ほど大臣、会長が求めているということをもってと言われましたけれども、その会長御自身が、この八月三十一日の協議の最後に、全会員の一致は見られませんでしたと発言をされております。これ、大臣御存じなんでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) もちろん存じ上げています。  最後の会長の言葉で、全員の意見の一致は見られませんでしたけれども、役員会として竹富町教育委員会に対しまして答申どおりの採択をお願いする要請文を出すということで今日の会はこれで終わりたいというふうに思っていますというふうにおっしゃっているわけです。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 それはつまり調っていないということですよね。協議は調っていないんだと。ただ、引き続き要請を掛けながら三教委でしっかりと協議を続けていく、そのことがここで示されているだけの話で、これをもって協議が調ったというのは、これは逆に一方的な解釈ではないかというふうに思います。  それで、今日、例えば資料五に、これは竹富町教育委員会から文科省に対して、この間の経緯ということで経過説明があった資料をお示しをしております。  委員の皆さんも文科省が我々に提供した経過説明の資料は御覧いただいていると思いますが、随分違うんです。文科省の経過説明は大事なところが省かれておりまして、本当に現実的に何があったのかということについて、大切な情報はむしろこの竹富町教育委員会から提供された経過説明の中でいろいろと示されております。  多々ありますが、例えば、この最新の協議会の規約が決定をされた。元々六月の二十三日にこの規約改正のプロセスがあったわけですが、私も改めて議事録も読ませていただきましたけれども、そのときにもその中で、決定権というのは各教育委員会にあるんだと、つまり協議会の答申がそのまま採択にはならないんだということは議事録の中でも確認をされております。  その上で、これちょっと指摘しておきたいのは、先ほど大臣も答弁の中で、これはやっぱり十分な調査研究を行うことが大事なんだ、調査員がしっかりと研究をしてそれを提供するんだというふうに言われましたが、これ、今回八月二十三日に教科書選定されているわけですけれども、調査員からの調査報告、実は選択された育鵬社、マイナス点が圧倒的に多いんですね。ほかの教科書と比べても調査員は明らかに評価が低いということが明確になっています。これまた、調査員の報告書も私も読ませていただきました。これも明らかです。つまり、調査員がしっかりと調査をしたにもかかわらず、そのことも尊重されていないと。だからこそこういう問題が起こっているのではないかというふうに思うわけでありますけれども。  裏側を見ていただいて、九月八日の三教委による協議が行われて、改めてここで全員協議をした結果として、統一的に公民の教科書については東京書籍を採択するということを決定いただいているわけですが、九月の十五日に三教育委員会が連名で、この九月八日の全員協議は有効であるということを文科省に対して言っております。しかし、文科省は、手続で印鑑がないどうのこうので、これを認めていないということ。しかし、こういう経過を見れば、改めて三教育委員会はしっかりと、やっぱり協議が調っていないので、努力をされて、沖縄県教委も助言をされながら教委として協議をして、そして結果を求める努力をされていたと。しかし、文科省は、いやいやいや、八月の協議が調ったから駄目なんだ、竹富町だけが違反をしているんだ、そういうことを勝手に解釈をして、むしろこの三教委による努力を侵害をしているのではないかというふうに考えるわけであります。  その後の資料を見ていただいて、資料の六に、竹富町から、文科省から様々質問があった中で回答、再質問等々が行われておりますが、明らかに竹富町側は、協議会の先ほどの規約について、文科省の解釈が間違っていると、勝手に解釈しないでくれというふうに言われています。  これ、繰り返しますが、協議会の規約というのは三教委によって決められているものであって、これは国に解釈権があるものではないと。つまり、当事者である竹富町が、これまで規約を決定した経過に基づいて、こういう規約になっているんだというふうに解釈をされて説明をされているわけです。にもかかわらず文科省が違う違う違うと勝手に言っているというのが今の構図ではないかと思いますが、大臣、これ、文科省に解釈権ないわけですから、竹富町のこの解釈、これをしっかりと尊重するのが本来あるべき姿ではないでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 私からすると、石橋委員は相当都合がいい解釈をされているような今質問をされているとしか思えないんですね。  それは、当時、二十三年のときの文科省、文科省と言われていますけれども、これは民主党政権下における政府なわけですね。このときに特に強調されていたのは、これは政務三役によって決めるんだと。これは文科省の中でも再三そういう話がありました。自民党、当時野党でありましたが、文科省の役人を呼んでもなかなか即答できない部分が多々ありました。それは最終的には政務三役で決めることだから、これは役人の立場でなかなか即答できないということが答弁の中にもしょっちゅうありました。  ですから、当時から違法状態であるということを文部科学省が県教委を通じて指導していたということについては、民主党政権における政務三役も当然それは分かっている中でのこれは文科省の指導であったということについては、これは是非石橋委員は理解をしていただく必要があると思いますね。  それからもう一つは、調査員の問題も相当都合良く先ほどは解釈されましたが、私が申し上げたのは、調査員がいろいろな調査をするにしても、最終的な判断は教育委員会が自ら権限と責任を負って教科書採択について判断すべきだということを申し上げたわけであって、調査員のその調査の結果をうのみにすべきだということを一言も申し上げていませんので、その辺は正確に是非聞き取っていただきたいというふうに思います。  繰り返すようですけれども、文部科学省は、政権交代の前から、当時の平成二十三年度から同じ指導をずっと一貫してしてきたわけでありますし、そもそもこれは法律の解釈を、竹富町がこういう解釈するからそれでいいんだということには、これは法治国家としてあり得ない。国としてどういう判断するかということをもって指導するのは当然の話であります。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 民主党政権時代から文科省がそういう判断をしてきた、それは事実、私もそれは当然踏まえて、認識はしております。  我々自身、当時の政権の判断、これが本当に正しかったのかということは、実は今回の議論の中でも党内でも議論させていただいて、当時の政務三役に対しても、この件については我々として見解を改めてただしていく場も持たせていただきました。そのときを振り返っての、今からの反省も含めて、これはやはり協議会の解釈というのは、これは国が勝手に解釈をできる問題ではないのではないかと。大臣、そのことには全然お答えをいただいておりません。  民主党政権時代から文科省としてはそういう判断をしていたということは事実として受け止めさせていただいた上で、この規約の解釈の権限は、これは三教委、これを決めた三教委にあるということは、これはお認めになるわけですね。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) これは協議会の、先ほどから何回も申し上げておりますが、八月二十三日の協議会の答申、そして八月の三十一日の再協議含めたそういう事実関係の中で判断、文科省としてしていることであります。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 お答えいただいていませんが、規約の解釈は、これは決めた当事者である三教委にあるということでよろしいですね。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 国は基本的に教科書無償措置法に基づいて教科書の無償給付を行う責任を有しているということですから、国が判断をすることができるというのも当然でありますけれども、今までの協議会の経緯の中で、これは適切な判断を法律にのっとってしているということについて申し上げたいと思います。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 今のは大変踏み込んだ答弁で、果たしてそれが地方自治の観点から正しいのかどうかというと、大変大いに疑問のある答弁を大臣なさったのではないかなというふうに思います。  特に、やっぱり我々今回問題だと思っておりますのは、文科省がいよいよ地方自治法第二百四十五条の五に基づく是正要求、これまずは沖縄県教委に出されて、そして今回初めて二百四十五条の五の四項を使って竹富町にも出されたという、このことが、私たちは、やっぱり大変大きな問題で、まさに地方自治に国が介入をしてしまった大きな道を開いてしまったのではないかというふうに思うわけです。  資料の七に、これはいっぱいあったので全部付けられなかったので重立ったものだけ、沖縄の地元新聞でこの件についてどういうふうに報道されているかということを資料でお付けしております。これが沖縄の反応です。国が介入していると。竹富町の判断こそ正当な判断なのであると。むしろ、これは政府の意向に沿う教科書を採択させようとする国の強権的な対応ではないか。現場では、子供たち、地元の御努力で教科書は無償で配付をされて、問題なく教育も行われていると。何で、にもかかわらず、この是正措置がとられたのかということについて、大きな疑問を持って報道されているわけであります。  資料の八に、これ過去の本院の委員会の決議でもございますけれども、国が地方自治体に関与する場合にどういう対応をするべきかということについて、ここに明確に我々議会の意思として国に対して要請を決議をしております。自治事務に対する是正の要求については、地方公共団体の自主性及び自立性に極力配慮して、当該事務の処理が明らかに公益を侵害している、かつ当該地方公共団体の運営が混乱、停滞している。  大臣、これを読んでいただいて、竹富町若しくは八重山で、明らかに公益を侵害している、当該地方公共団体の運営が混乱、停滞している客観的な事実を示してください。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 平成十一年の七月の参議院行財政改革・税制等に関する特別委員会の附帯決議では、御指摘がありましたが、「自治事務に対する是正の要求については、地方公共団体の自主性及び自立性に極力配慮し、当該事務の処理が明らかに公益を侵害しており、かつ、地方公共団体が自らこれを是正せず、その結果、当該地方公共団体の運営が混乱・停滞し、著しい支障が生じている場合など、限定的・抑制的にこれを発動すること。」とされているわけであります。    〔委員長退席、理事石井浩郎君着席〕  文科省としては、関係教育委員会の取組による自主的な解決を促すため、平成二十三年九月以降、民主党政権のときから二年以上にわたり繰り返し指導を行ってきたところであります。また、昨年四月には、沖縄県教育委員会からこの問題の解決に向けた取組を積極的に行う旨の報告があったことを踏まえ、沖縄県教育委員会の主導による解決を期待してその取組を見守ってきたところであります。  しかしながら、昨年九月、平成二十六年度から使用される教科書については同一の教科書の採択に至らなかったとの報告があったことから、昨年十月、沖縄県教育委員会に対し竹富町に是正の要求を行うよう指示したものであります。その後、是正の要求の指示について沖縄県教育長に対して直接指導したり、沖縄県教育委員会からの質問状に対して迅速に回答したりするなど丁寧に対応してまいりましたが、五か月近く経過してもなお沖縄県教育委員会が是正の要求を行わないままに新年度が迫ってきたということから、竹富町教育委員会に対して、三月の十四日、直接、是正の要求を行ったものであります。  このように、文科省としては、関係教育委員会の自主性や自立性に極力配慮した丁寧な対応を行ってきたものと考えておりまして、竹富町教育委員会に対する是正要求は妥当なものであると考えます。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 残念ながら、客観的に、いかに公益が侵害されているのか、いかに運営が混乱、停滞しているのかということについて、大臣、答弁いただいておりませんので、恐らくそれは答弁できないんだろうというふうに思います。  現実的に、この新聞記事にもありましたように、竹富町では、子供たち、今もしっかり教科書無償配付をされて、そして教育を受けているということで、運営が現場で混乱、停滞している事実は起こっていないわけであります。にもかかわらず、今回この二百四十五条の関与をしたということについては、これはやはり地方自治の本旨にももとる大変問題ある対応だったと言わざるを得ません。  その上で、今回の無償措置法の改正案についてでありますけれども、果たして、じゃ今回の改正は、大臣、地教行法の第二十三条六号、自治体が、教育委員会が持つ教科書の選定決定権、これを尊重する方向での改正になると。つまり、今回こういう問題が起こったけれども、やっぱり今後はしっかりと地方自治体が持つ、市町村教委が持つ、教科書選定をする、この方向で今回それが促進される、これが保障される、そういうふうに理解をしてよろしいでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 先ほど、公益を害し、著しい停滞について答えられないというふうにおっしゃっていましたが、答えているわけであります。  改めて、もう一度別の観点から申し上げますが、平成……

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 いいです。大臣、いいです、繰り返さなくて。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 別の話です。  平成二十三年八月に教科書無償措置法に違反する採択を行って以来、累次にわたる改善指導をしたにもかかわらず法にのっとった採択を行おうとしていないこと、そして、竹富町の生徒が教科書無償措置法により権限と責任を有する国から教科書の無償給付が受けられない状態が二年以上にわたり継続していると。現場は何ら混乱していないということでありますが、違反状態の中で篤志家が教科書を購入してそれを生徒に配付をしていますから、生徒にとっては無償で配付されているのと同じ状況でありますが、しかし、法にのっとった本来の教科書の無償給付が受けられない状態が二年も続いているということは、これはまさに違法状態が継続しているということであります。  それから、今回の法律改正案は、これは、教科書無償措置法にのっとって共同採択地区で選ばれた教科書はきちっと選んでもらう、そのために、共同採択における協議会における規約等が明確でないために今回のような混乱が生じたということを踏まえて、法律改正をし、採択をされる教科書については、それは協議会で選んだ教科書、そのままきちっと採択できるような法的なルールの明確化を図るということであります。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 今の御説明によると、むしろ今回の改正によって協議会の設置を共同採択地区には義務付けると、法律によって。そして、その決定を尊重させると。これが今回の目的であるとすると、これはむしろ地方自治の本旨、いわゆる地方公共団体、市町村教育委員会が教科書決定採択権を持つということに反することになるのではないかというふうに思います。であれば、これはかなり問題ありと言わざるを得ないかもしれません。  今日、お手元に、ちょっと時間がなくなりましたので後は同僚の那谷屋委員に譲りたいと思いますが、お手元の資料の九に、先ほどの質疑でもございましたけれども、一町村で採択地区を設定してやっておられるところが十二町二村、十四、合計あります。今回、人口規模がどうなのか、小学校の数、教員の数がどうなのか調べていただきましたけれども、小さいからできないということじゃないんだと思うんですよ。こういうふうに、地理的要因で、採択地区、共同ではできない、でも、現場の御努力でしっかりと調査研究をされて、教科書をまさに自らの権限として選定、決定をいただいているわけであります。十分可能なんです。  であれば、今回改正案が成立した暁には、先ほどもちょっと若干議論ありましたけれども、これは沖縄県教委がこれ採択地区をどうするか、沖縄県の中で決定権、これは沖縄県教委が決めるわけですから、沖縄県教委が現場との協議でそう決めれば、これは竹富町なり、これは単独で採択地区を決定できるということでよろしいかどうか、そこだけ確認させてください。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 基本的に教育委員会が教科書採択についてはその判断について尊重するということでありますが、これは地方教育行政法ですね。  しかし、無償措置法がなぜあるのかということについては、これは共同採択権を持つということでありまして、なぜ共同採択権を持つということについては、各町村教育長会等から要請があると。なぜ要請があるのかということについては、例えば政令指定都市については指導主事が二十人近くがいますが、小さな教育委員会はゼロのところも相当あります。つまり、独自の調査能力が十分でないということから、共同採択地区を設けることによって共同採択、共同研究をするという意味で無償措置法もあるわけであります。  そして、その無償措置法の対象になる共同採択地区については、これは都道府県の教育委員会が決めるということでありまして、国が決めるわけではありません。しかし、都道府県の教育委員会がどういう判断で決めるかというのは、今委員がちょっと触れられましたが、共同的な文化的なエリア、経済的なエリアあるいは自然的なエリアの中で共同採択地区を都道府県の教育委員会が判断するということであります。  八重山地区については、これは石垣市もありますから、市としては単独で採択することができるわけですけれども、竹富町と与那国町があると。この三つが一緒になって八重山地区として共通の自然的、経済的、文化的なエリアということで共同採択地区が今まで行われてきたわけでありまして、自然的な形でいえば、その形がそのまま存続されることは望ましいことであるというふうに思います。ただ、最終的な権限、決定は都道府県の教育委員会が持っているということであります。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 時間が来ましたので終わりますが、一番最後のところで、決定権は沖縄県教委、都道府県教委にあるということでありますので、そのことを確認させていただいて、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 民主党の那谷屋正義でございます。  冒頭、今の八重山地区の置かれている状況というのが、ある種というか、今回議論をされている法案に対して、抵触している部分があるというのをずっと放置していてはならないという思い、これは私どもも同じでありまして、そういう意味では、こうした議論の場を設けていただいたということにはある種感謝を申し上げたいというふうに思います。  ただ、それに当たって、法案の中身に触れる前に幾つか申し上げておきたいことがあります。  一つは、今同僚の石橋委員が質問を幾つかさせていただきました。そのときの答弁の必ず冒頭に、その頃は、当時は民主党政権であったと、このように必ず言われるわけであります。しかし、そのことを承知の上で質問をさせていただいているわけでありますから、そのことは、答弁の冒頭におっしゃるということはどうも責任転嫁をしているような感じがしてしようがないわけでありますから、それはやめていただきたいというふうに思います。  なぜならば、民主党政権のときにこれはすばらしいと思っていた政策、自画自賛と言われるかもしれませんけれども、そういったものについても踏襲したかというと、それは踏襲しないんです。やっぱり自民党政権の考えの下で、今、例えば高校の無償化を変えたわけですから、だったらば、当時、民主党政権の判断が、そのまま判断したからということじゃなくて、自民党なり今の与党なりに判断したことによった答弁をされるというのが本来あるべき姿だろうというふうに思うわけでありますから、そのようなことというのは余りふさわしくないのではないかということと、もう一つ、これは衆議院においても相当議論がされておりますけれども、その中でどうしても看過できない大臣の発言がございました。  その前に一つ局長にお聞きをしたいんですけれども、現行の地教行法に基づく教育委員会の教科書採択等の趣旨、目的、これについて改めてお尋ねをしたいと思います。

前川喜平文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(前川喜平君) 地教行法における趣旨というお尋ねでございますけれども、地教行法第二十三条の第六号におきまして、公立学校の教科書採択は当該学校を設置する地方公共団体の教育委員会が行うこととしているわけでございますが、これは、学校教育の主たる教材である教科書の重要性に鑑みまして、学校の設置者として、学校の包括的な管理を行い、当該地域の教育に対し責任を負っている教育委員会が教科書を採択するということが重要であるということによるものでございます。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 市町村教委が責任を持つということが大事なところだというふうに思います。  ところが、衆議院の我が党の中川委員の質問の中、大臣が、我が国の教科書採択が教育委員会採択さらに無償化措置法による共同採択にせざるを得ないのは、一つにはやはり私は組合の問題があると、その後も様々なこれについてやり取りがございました。  もちろん、私は日教組出身でありますから、このまま捨ておくわけにはいかないという思いもありますけれども、また大臣の日教組に対する思いというのもある程度察しておりますので、こういう発言がされた本音というのも分からなくはないんでありますけれども、しかし、この発言のように、あたかも組合が教科書採択に影響を与えているかのような答弁、これは認識が全く誤っておると言わざるを得ないということを指摘したいと思います。今局長から答弁があったように、組合が教科書採択に関与する制度にはなっておりませんし、またそうした事実もないということをまず申し上げておきたいというふうに思います。  そして、いよいよこの法案の中身について、もう少し法案の前なんですけれども、今、是正要求についてございました。著しいいわゆる支障それから行財政運営の混乱、停滞等についてはずっと違法状態にあったからだというふうな、そういう今答弁があったというふうに思いますけれども、それが、実はこの竹富町にどういう著しい支障があるというふうに言えるのでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) まず、冒頭お話がありましたが、民主党政権の中でもいいものは継承することは当然のことだと思います。那谷屋委員とも意見が相当異なる部分もありますが、意見が合うところもやっぱりあるんですよね。これはほかの委員会等でも御質問があったとき何度もお答えしたような項目については、これは那谷屋委員と全く意見が重なる部分も、特に教育における公財政支出を更に拡大するとか、それから教員の確保とか、これは党派を超えても同じ文部科学関係、文教科学関係において党派を超えて共通する認識としてあるというふうに思いますから、全部を否定するつもりは全くありません。  ただ、事実は事実として、民主党政権のときの、この竹富町の問題は違法状態であるということを、当時から中川文部科学大臣が国会答弁でされてきたということについての経緯を申し上げたわけであって、自公政権になって急に解釈を変えたということではありませんし、そもそも法律の解釈そのものは、政権によって解釈を変えることがあってはならないわけでありまして、法治国家としてそれを継続するということは当然のことであると思います。  それから、今回、竹富町に対して是正要求を行わざるを得ないということに至った経緯等についてちょっと申し上げたいと思うんですけれども、これは先ほど石橋委員にも答弁の中でもお答えをした部分もありますが、地方自治法第二百四十五条の五第四項では、市町村の事務の処理が法令の規定に違反していると認められ、かつ緊急を要するときその他特に必要があると認めるときに各大臣が市町村に対して是正の要求ができるというのがございます。  竹富町教育委員会は八重山採択地区協議会の規約に従ってまとめられた結果と異なる教科書を採択をしていると、これは、当時の民主党政権のときからこの解釈についてはそういうふうにされてきた経緯があるということについては、是非これは承知おきしていただきたいと思います。このことは、つまり共同採択地区内の市町村は協議して同一の教科書を採択しなければならないと定めた教科書無償措置法第十三条第四項に違反しているということであるわけであります。    〔理事石井浩郎君退席、委員長着席〕  また、昨年十月には、沖縄県教育委員会に対し竹富町に是正の要求を行うよう指示したところでありますが、五か月近く経過してもなお是正の要求が行われないまま新年度が迫ってきたことから、特に必要があると判断して、本年三月、直接、竹富町教育委員会に対して是正の要求を行ったと、そういう経緯であります。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 法律の解釈が政権によって変わってはいけない、当然国民が混乱しますから、それはそうだろうというふうに思うんですけれども。  しかし、このときに、下村大臣がまだ衆議院の文科委員でいらしたときに、当時の平野文科大臣に質問をやっぱりされています。そのときには、地教行法に基づいて是正要求をすべきだというふうに主張されたわけですけれども、時の平野大臣が答弁の中では、そのときの違法状態は確かに違法状態であるけれども、しかしそのことによって現地が異常な混乱が起こっているというようには認め難い、だから是正要求にまで至らなかったという答弁をしているんです。この部分についての解釈は変わっちゃったわけですね。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) いや、その後の二年間の、先ほどもちょっと答弁の中で申し上げましたが、二年間の経緯の中で、国として、これは指導してきたにもかかわらず何ら改善が見られないという、その二年の経緯の中での最終的な判断でございます。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 ですから、大臣としては、その二年間の中でのうちの答弁をしていただければいいんであって、民主党政権だったということは多分余分じゃないかなというふうに思うんですけれども、まあそれはいいです。  今、二年間の間何もされてこなかったというふうなお話でしたけれども、実は県教委が自主的に状況を是正すべく検討を今まさに行っているんです。例えば、採択地区の見直しですとか、そういったことについてやろうと行っているそのやさきのこの是正要求だったということでありまして、これはやはり国として介入のし過ぎ、あるいはもう少し言葉を換えると勇み足、特にこの法案が衆議院にかけられているそのさなかにこの是正要求が行われる、そういう状況にあったということで、やはりこの是正要求はちょっと行き過ぎているものではというふうに思いますけれども、認識はいかがでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) まず、四月、今月から新年度になって、にもかかわらず、この違法状態については何ら改善をしないと。ぎりぎりの判断が三月の十四日でありました。そして、是非、沖縄県教育委員会も竹富町教育委員会も私は謙虚にやっぱり物事を捉えていただきたいと思うんですが、違法状態の中でずっと二年間指導していく中で、そして今回このような法律改正をするということについて、それはこの八重山地区の問題が大きな問題点でもあったということでありまして、それは八重山地区の竹富町のその主張が通るような法改正ではなくて、逆に、無償措置法によって、協議会によって定められたものについてはきちっと守るということをより法律によって明確化しようということでありますから、こういう法律改正をせざるを得ないということについて、これは、沖縄県教委も竹富町も当事者として謙虚にこれは受け止めていただきたいと思います。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 法律の改正を行わなければならないという部分については私も同意いたします。しかし、今言われたように、竹富町の言い分を聞くのではなくてという言い方というのは果たしてそれでいいのかどうかという問題は私は疑問を申し上げておきたいというふうに思います。  ちょっと、少し視点を変えさせていただきます。お手元に資料を配らせていただいております。まず、上の方でありますけれども、平成二十一年、これは、当時、麻生内閣でありましたけれども、規制改革推進のための三か年計画、教科書採択地区の町村単位の設定の容認ということで、将来的には学校単位での教科書選択の可能性も視野に入れて、教科書採択地区の小規模化を検討すると、このように閣議決定をされているわけでありますけれども、この閣議決定の趣旨は今でも生きておりますか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) これは別に、その後、変更ありません。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 そうすると、行く行くは、将来的には学校単位でというふうなところがあるにもかかわらず、今回は逆に共同採択地区でそれを採択をするというふうなことになっているわけですけれども、これはこの閣議決定に反するのではないでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 今回の法律改正は、新たに共同採択地区を設けるということではなくて、共同採択地区については、市町村合併によって相当変わりましたから、当時と比べて、現状に合わせた共同採択地区について都道府県の教育委員会がより適切に判断できるようにするための法律改正でございます。  そして、今回、共同採択地区を無償措置法によって設けるというのは、これは町村教育長からの要請でもありますが、それは、一つにはやっぱり教育委員会そのものが小さな教育委員会であると、先ほどもちょっと申し上げましたが、指導主事がゼロのところも実際のところは七割以上あるわけでありまして、なかなか当事者能力として十分ではないと。もっと広域の例えば教育委員会であれば独自にそこで判断するということはできるかもしれませんが、小さな町村であるがためになかなか十分な調査研究ができないという部分から共同採択を是非してほしいという町村教育長からの要請でもありまして、そういう現場の声に対しても国は適切な対応をしていく必要があるのではないかと思います。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 今、現場の声を大切にするということは確かに大事なことだと思いますが、しかし、そのことについてちょっと、後ほど議論したいと思いますけれども。  もう一つ資料、これは中教審の初等中等教育分科会、「教科書採択の改善について(意見のまとめ)」ということで、平成二十五年十二月二十六日に出されておりますが、この②、例えば、採択のための教科書の研究は共同で行いつつ、採択自体はそれぞれの市町村教育委員会において行う、若しくは、市町村教育委員会の希望に応じて共同採択を選択できるようにするなど、現行の共同採択制度と市町村教育委員会による単独採択とする制度との折衷的な方策も考えられるという、大変現場の実態に合った柔軟なまとめをしていただいたんですが、これについて衆議院で実は質問があったんですね。  そうしたら、大臣は、これはいわゆる裁判で言う主文と傍論であって、こちらは傍論の方だというような答弁をされておりますけれども、しかし、中教審のまとめとして出されて、しかも四番の「今後の検討課題について」というふうに載っているんだから、これを傍論という扱いで済ませるというのは余りにも乱暴ではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) その黄色のラインの上のところですね、今回、初等中等教育分科会としては、教科書改革実行プランの方向性を踏まえ、主に現行制度の改善という観点から審議を行い、その内容についてはおおむね妥当と考えるが、その審議の過程においてはということで①から③についての事項があったわけであります。この①から③については今後の検討課題が審議の過程において意見として出されたということでありまして、そういう意味で裁判の傍論という位置付けということで申し上げたわけでありますが、だからといって、これは無視するということではなくて、中教審で実際に議論をされた中での、審議の過程において出された意見でありますから、それは、中教審の全体的な意見としての取りまとめではありませんけれども、しかしそういう意見は意見としてこれは謙虚に耳は傾けたいというふうに思います。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 是非謙虚に傾けていただいて。といいますのは、上の閣議決定の中身、これがまだ生きている。そして、中教審のこのまとめの中の、検討事項であるけれども、そういう過程の中での話だけれども、こういう意見があるということによって、やはり文科省の方向としては、今後、採択地区ということではなくて、まだ将来的といっていますからいつというふうには断言できないと思いますけれども、やはり将来的には学校単位でのという、そういうふうなことが当然方向としては向くべきところだろうというふうに思いますけれども、もう一度、今回のそれが、それとは逆行している、今回の法案の中身が逆行しているということについてどのようにお考えでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 今回の法律改正案は、現状の状況により的確に対応した法律改正案だというふうに考えております。今後、我が国の将来の状況においては「今後の検討課題について」、これを中心的な議論にすることも将来あり得ることかもしれませんが、現段階においては今回の改正案が最も各地域の状況に応じた適切な法律改正案だというふうに判断しております。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 もう少し中身に触れていきたいと思いますが、第十五条に関してであります。  採択地区協議会の民主的な運営と審議の透明性を確保するための規定を今回は努力義務というふうにしていますけれども、私たちは、やはりこれは義務化するべきだというふうに考えております。  それは、衆議院等のやり取りの中では私学は建学の精神に反するというふうなことがありましたけれども、されどもしかし税金を払った教科書を使うわけですから、やはりそれについての最低限の説明は必要だというふうに思いますし、特別支援学校のいわゆるプライバシーの問題というのもあるかというふうに思いますけれども、その辺は、原則やはり説明をするというふうなこと、そしてプライバシーに関わる問題については配慮するというふうな書き方にしないと、そういうふうにするものとするというふうにするのと努力目標にするのとでは全然現場の対応が違うわけです。  先ほど副大臣がお話ありましたように、実際には三割あるいは六割、その程度の公表しかされていないわけですから、そういう意味では、法律の中に原則はやはり義務化する、そして、そうでない部分についてやはり配慮するというような文章にしていくべきだというふうに考えますけれども、その辺はいかがでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 学校がどのような設置主体、学校種であろうと、教科書の採択権者が教科書採択に関して保護者や地域住民に対して説明責任を果たすのは、これはおっしゃるとおり当然のことだというふうに私も考えます。ただ、そのような説明責任は、保護者や地域住民といった、採択権者、それぞれのステークホルダーに対して負っているのでありまして、国民全体や政府に対して負っているわけではないと考えます。  仮に、採択の結果、理由その他省令で定めるべき事項について一律に公表を義務付けた場合、ステークホルダーが求める水準を超えた過重な義務を課す場合等が生じることもあり得る、制度の趣旨と異なる結果が生まれる場合が想定をされることもあり得るというふうに思います。  したがって、法制上は努力義務とし、個々の状況に応じ取組を促していくこととしたということでありまして、政策目的に照らし手段が過剰でないかを適切に判断した結果であるというふうには考えますが、採択地区協議会の議事録等、こういう部分は対象となる法令上の措置を講ずるとともに、積極的な公表を強く促してまいりたいと。つまり、公立の一般の学校に対しては積極的な公表を促してまいりたいと思います。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 義務化をするというところには御賛同いただけないところが残念でありますけれども、是非、極力そのことが行われるように文科省からのこの部分については指導を是非お願いをしたいと、省令あるいは施行通知の中でしっかりとうたっていただきたいというふうに思います。  次に、教科書を使う立場の学校現場や保護者、地域のやはり意見というものが私はこの協議会の中に反映されるべきだというふうに思うわけであります。調査官がどういう方がなるのかということにも当然なってくるだろうと思いますけれども、そうしたことをやはり目指していくということで理解をしてよろしいかどうか、お願いをいたします。

西川京子自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(西川京子君) 公立学校の義務教育諸学校におきまして、教科書の採択は当該の学校を設置する地方公共団体の教育委員会の権限と責任において行われるべきものだと思っております。この採択地区協議会の委員が十分に協議して採択すべき教科書を決定する必要があるわけですが、当然、その中に教科書を調査研究させる調査員や選定委員会等を置く。そのときに、調査研究の結果を参考にすることが多いわけですから、調査員、選定委員として多くの教員や保護者、これをまた入れていくということは当然のことだろうと思っております。  ちなみに、採択地区の調査員数というのは圧倒的に先生が多くて八四%なんですね。そういう意味では、保護者、もう少し子供たちの親の意見というか、その辺のところも参考にしながら、十分に、学校現場や保護者の意見も含めた教科書の調査研究に基づく責任ある教科書採択ができるように考えております。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 おっしゃるとおり学校の先生が多いというのは、これは仕方ないことだろうと思います。ただし、やはり私、冒頭申し上げましたように、保護者、地域の理解を得るということにおいては、例えば調査官が教員だったとしたときに、その教員が、この市町村の教育委員会としてはこの教科書を採択しようとしているのはこういうことなんだということを是非やっぱり説明をしていくような、そういうふうなシステムも今のような状況であれば必要だろうというふうにも思いますし、とにかく勝手に学校側が、あるいは先生側が勝手にそういうのを決めたということではやはり問題だろうというふうに思いますので、説明責任、透明性、しっかり果たしていかなきゃいけないというふうに思います。  先ほど是正要求のところで質問させていただきましたけれども、この竹富町では、これはテレビで、たしかあのとき放映少しされたと思います。これも多分一面かもしれません。しかし、我々はその一面しか見れないのであれなんですけれども。お兄ちゃんと教科書が変わってしまうということに対して不安がいっぱいというような保護者の意見等々もあるわけでありまして、そういう意味では、法律的に違法であったとしても現実に学校現場ではそういった混乱が起こっていない、むしろ、それを変えることによって、是正要求を受けて、その要求を受けて変えることによって現場あるいは保護者の方が混乱を招くという、そういう事態も私は出てくるのではないかというふうに思うわけです。ですから、その現場、地域、そこを大事にするというのは、そういうことが大事にするということではないかなというふうに思うわけであります。  そんな中で、今、教員が多いとおっしゃいましたけれども、実はこの調査研究等、場所だとか時間だとか、人数、確かに人数が少ないから共同採択をするんだというお話でしたけれども、非常にありません、現場では。もう本当に限られた時間の中で、ある項目があって、そしてこの項目についてこの教科書は付いているか付いていないかと、マル・バツ、ちゃっちゃっちゃっちゃっとチェックしていくという、そういうのがもうせいぜいであって、本当にこの教科書がうちの学校の生徒に合っているのかどうなのかということについて検討するというところまではなかなか難しい状況にあります。それでも頑張っているところもあります。是非、そういう意味では、その調査研究等の充実に向けた条件整備の必要性というものについてどのようにお考えか、お答えいただけたらと思います。

西川京子自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(西川京子君) おっしゃりますように、要は、教科書会社が採択に基づいて教科書を作るわけですけど、その作業と、それでできたときにすぐ送付、できるだけ速やかに送付をする、それから最終的な決定までの時間というのが、今おっしゃいますように大体二か月半ぐらいが今現実なんですね。そういう中で、教科書の調査研究を任された学校の先生たちが十分に調査研究ができるように、教育委員会においてもこの調査期間の確保ということがかなり大事なことになると思っております。  そういう中で、文部科学省としては、これまでも再三にわたりまして通知を出しておりまして、教科書発行者に対して、教科書見本を作成次第速やかに送付することを求めております。それからまた、都道府県教育委員会に対し、市町村教育委員会からの需要数の報告の期限などを含めまして、採択スケジュールについて再検討することを促しているところでございまして、これが実際にはもう六月いっぱいとか、非常に早い段階でいっている県教育委が多いんですね。なるべくそれを七月の末ぐらいまでに遅らせて、なるべくこの期間を長く確保するように通知を出しているところでございます。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 私も教育現場にいたことはありますけれども、いわゆる夏休みにやはりそういった研究をするということは結構十分な時間なるんじゃないかなというふうに思うんですね。  ですから、今のような六月ですと、まだ一番忙しいさなか、プールも始まって、雨で今日はプールをやろうかやるまいかとか迷って、そういうことに忙しい時期ですから、そんな中でこの教科書の研究というのはなかなか十分に行えないわけで、是非その辺のことについての条件整備をお願いをしたいというふうに思います。  最後の質問になりますけれども、ここが実は私の最も言いたいところでありまして、先ほど大臣は、いわゆる小さな市町村では十分な研究がなされない、そういった市町村からの要望もあると、このようにお答えになりましたけれども、先ほどのうちの同僚の石橋委員の資料の中にも、例えば竹富町よりももっと小さなところでも単独できちっとやっているところもある。したがって、やはり日本全国、様々な形態の市町村があるということを認識しなければならないというふうに思うわけであります。  そのときに、法に触れるというところが出てきてはやはりいけないというふうに私も思います。だとすると、そういうふうにするということになると、やはりこれは、共同で採択をするのではなくて、共同で調査研究は行う。先ほど石井委員も言われていました。こういう意見がありますけれどもと言われたけれども、恐らく石井委員自身もそのようにきっと思われているのかななんて思うんですけれども。  要するに、共同で調査をするということは、私は大いにやるべきだというふうに思います。しかし、最終的には、地教行法にある市町村教委が採択を責任を持って行うということで何も問題はなくなるんじゃないかなと。そうすると、今の八重山の問題、どこも法に触れるところがなくなるんではないかなというふうに思うわけでありまして、文科省としては、現場を大事にするんだということであるならば、やはりその現場の意見を最大限尊重できるような法の体系にする。そのためには、これを、共同地区で採択したものを採用するということではなくて、研究は共同で行っていいですよと、だけど、採択は最終的にはそれを踏まえながら市町村で行いなさい、市町村教委が行いなさいというようにしてあげるのが本来の文科省の在り方ではないかなというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 我が国は人治国家ではなく法治国家ですから、やっぱり法律にのっとって運営をしていくということが必要であります。  今回の改正案については、市町村の教育委員会の意見を聞きながら、最終的には都道府県の教育委員会が共同採択地区については決定するということですから、そういう自主性というのは担保されているわけであります。  その中で、この教科書無償措置法に定める共同採択制度のそもそもの意味でありますけれども、教科書内容についての綿密な調査研究が可能となるなど教科書採択の適正を確保する上で意義を有していること、また、教育委員会や採択地区協議会の採択方針に基づき教科書の調査研究が行われることにより初めて全体として責任ある教科書採択が実現するものであって、教科書の調査研究と採択とが一体となって行われることが重要であること、また、全国町村教育長会は共同採択制度を存続してほしいという意向を示していること、そういう観点からこの教科書無償措置法に定める共同採択制度を行うものでございます。その見直しについては考えておりません。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 ここが大きく意見が分かれるところだろうというふうに思います。やっぱり、地元、現場を大事にするということであるならば、それは法治国家ですから、だからそれがかなうような法にしていくということがやっぱりある意味大事なことだというふうに思いますので、そういう意味では、これは共同研究をすることによって十分そういったことがかなうわけですから、それを、なぜ採択を同じものをしなきゃいけないのかという、そこのところがどうしてもやはり一歩考えなければならない、そこが私どもにとっては大変大きな疑問でありますので、そういう意味では是非これを研究にとどめていただきたいということを要望いたしまして、一応私の質問、終わりたいと思います。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 私は、これまで八重山の問題、再三論じられてまいりましたので、あくまで私は法文上確認をしておきたいこと、これについて質問をさせていただきたいと思います。  まず、採択地区の設定単位の変更についてお尋ねを申し上げます。  今回の改正案では、第十二条、都道府県の教育委員会が設定する採択地区の設定単位を市、郡から市町村に改めるとされています。また、今回変更されることはない十二条の第二項には、都道府県の教育委員会は、採択地区を設置し、又は変更しようとするときは、あらかじめ市町村の教育委員会の意見を聞かなければならない、このようにされております。  質問に入ります。  まず、都道府県の教育委員会の採択地区の設定、変更の意向が市町村教育委員会の意向と異なった場合はどのような対応になるのか。また、逆に、市町村の教育委員会が採択地区の合併や分割を都道府県の教育委員会に求めたときに折り合いが付かなかった場合、これはどうなるのか、お示しください。

前川喜平文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(前川喜平君) 採択地区の設定につきましては、教科書無償措置法第十二条におきまして都道府県教育委員会がこれを行うということとされており、また、この場合において、都道府県教育委員会はあらかじめ関係する市町村の教育委員会の意見を聞かなければならないということとされております。  都道府県教育委員会はこの市町村教育委員会の意見を尊重しなければならないと考えておりますが、最終的には、教科書無償措置法が共同採択制度を採用している趣旨等を十分に踏まえまして、都道府県教育委員会の判断で採択地区を設定することとなるわけでございます。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 分かりました。  じゃ、次に、先ほど石橋委員また那谷屋委員も触れられた点でございますが、重ねて質問をさせていただきます。  教科書の研究が十分できないような小さな単位の採択地区を都道府県が市町村の教育委員会の意見を聞いて設定しようとした場合、若しくは設定してしまった場合、政府としてどのような対応を取るのでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 都道府県が採択地区を設定するに当たっては、市町村からあらかじめ意見を聞いた上で、採択地区を設定しようとする地域の自然的、経済的、文化的諸条件を吟味し、教科書の採択に当たっての調査研究に地区内の多くの教員等が参画でき、教科書内容についての綿密な調査研究が可能となる、また、地区内の教員が共同で教材研究や授業研究を行うことが可能となる、そのような共同採択制度の意義が十分に発揮され、同一の教科書を使用することが適当と認められるかどうかを慎重に検討して設定すべきものと考えます。  文科省としては、採択地区設定については、権限と責任を有する都道府県教育委員会が共同採択制度を採用している法の趣旨にのっとって適正な判断を行うことが重要と考えておりまして、改正法が成立した暁には、都道府県教育委員会に対し今日の改正趣旨や共同採択制度の趣旨を徹底するための施行通知を発出するなど、丁寧な指導に努めてまいりたいと考えております。具体的な採択地区の設定については都道府県教育委員会の判断に委ねられるべきものではありますが、仮に共同採択制度の意義に照らして不適切な事例が見られる場合には、文部科学省として指導、助言を行うこともあり得ると考えております。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 分かりました。  ちょっと通告していない質問でございますが、この不適切かどうかという基準について何かお考えというのはもう既におありなんでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 先ほど申し上げたように、自然的、経済的、文化的諸条件を吟味した地域ということでありますが、これは誰が見てもそういうことに当てはまらないことで決まったという場合については、指導、助言を行って確認をするということはあり得るかもしれないということです。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 了解いたしました。  続きまして、採択地区協議会について質問をさせていただきます。  法文を読みます。今回の改正案では、第十三条四項、採択地区が二以上の市町村の区域を併せた地域であるときは、当該採択地区内の市町村の教育委員会は、協議により規約を定め、当該採択地区内の市町村立の小学校及び中学校において使用する教科用図書の採択について協議を行うための協議会を設けなければならない。また、十三条の五項、前項の場合において、当該採択地区内の市町村の教育委員会は、採択地区協議会における協議の結果に基づき、種目ごとに同一の教科用図書を採択しなければならない。そして、十七条、採択地区協議会の組織及び運営は政令で定める。  また、衆議院の附帯決議が加わります。政府は、採択地区協議会の協議結果に疑義が生じることを防ぐため、関係市町村教育委員会が協議して定める採択地区協議会に関わる規約が明確なものとなるよう、採択地区協議会の組織及び運営に関わる法令の整備に万全を期することとあります。  質問に移ります。  まず、採択地区協議会を設置するための規約を定めるための協議が調わなかった場合は、都道府県の教育委員会はどのような対応を取るのか、また、このような対応は政令に盛り込まれるのか、お示しください。

前川喜平文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(前川喜平君) 採択地区協議会の規約につきましては、各市町村教育委員会の意向を反映し、採択地区協議会の組織運営にとって根本となるものでございます。各市町村教育委員会がこれを協議して定めるわけでございますが、これは協議が調うまで協議を継続していただくほかはないわけでございます。  その際、無償措置法第十条の規定によりまして、都道府県教育委員会は、域内の市町村教育委員会が行う採択に関する事務について、適切な指導、助言、援助を行わなければならないということとされておりますので、採択地区協議会の規約を定める際に関係市町村間の協議が難航するような場合があった場合には、都道府県の教育委員会がその指導、助言、援助の責任を果たすことによりまして関係市町村教育委員会の間の調整を行うと、こういったことが期待されているわけでございます。  このことは既にこの無償措置法に条文がございますので、今回新たに法令で定めるというものではございません。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 続きまして、関係市町村の教育委員会が定めた規約の内容、これ自体に不備がある場合、例えば採択地区協議会の協議が調わなかった場合の対応が明記されていない、こうした場合などは、都道府県の教育委員会はどのような対応を取るのでしょうか。また、この場合についての対応の方針は政令に定められるのでしょうか。お示しください。

前川喜平文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(前川喜平君) 採択地区協議会の規約につきましては、必要最低限の内容が適切に盛り込まれるよう、協議会における議決の方法など規約に定めるべき事項を政令において規定することを想定しております。規約に定めるべき事項の具体的な内容につきましては、各市町村の教育委員会が協議して規約において決定するものでございますが、特に協議会における議決の方法につきましては、関係市町村の教育委員会が納得し、かつ必ず協議の結果が出るようなものにしていただくよう、各教育委員会の取組を促してまいりたいと考えております。  その際、教科書無償措置法第十条の規定によりまして、都道府県教育委員会は、域内の市町村の教育委員会が行う採択に関する事務につきまして、適切な指導、助言、援助を行わなければならないこととされておりまして、採択地区協議会の規約が不十分なものとならないように、必要に応じて関係市町村の教育委員会に対する適切な指導等を行う必要があると考えております。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 ちょっと聞き落としてしまったかもしれないんですけれども、そのような対応の方針は政令に盛り込まれるかどうか、済みません、もう一回お示しください。

前川喜平文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(前川喜平君) 政令におきましては、協議会における議決の方法などを規約で定めなさいということを政令で定めたいというふうに考えております。具体的にどのような議決の方法にするかということについてはその規約でしっかりと定めていただくと、こういうことになるというふうに考えております。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 それでは、その規約の具体的な中身、これとこれとこれとこれを盛り込みなさいまでのことは政令には定めないということでしょうか。

前川喜平文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(前川喜平君) 具体的なその議決の方法あるいは採択すべき教科書の選定の方法といったことにつきましては、これは規約において当事者である教育委員会の間で決めるということが期待されているわけでございまして、その議決の方法などについて規約で定めるべきということを政令で定めるということを考えているわけでございます。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 では、そうした議決の方法などを規約の項目には盛り込めということを政令に定めるという理解ですけれども、それでは、この政令以外に更に詳細なガイドラインのようなものを発出することはお考えでしょうか。

西川京子自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(西川京子君) 今おっしゃいましたように、議決の方法など、そういう中身について規約で定めるということを規定しているのが現実でございまして、具体的な議決の内容等については一律に政令で定めるということは今考えておりません。  ただ、採択地区協議会の規約の内容が適切なものとなるように、改正法や新たな規定する政令の内容の趣旨について通知を更に徹底していくということは図りたいと思いますが、新妻委員のお考えもありますので、ガイドラインを示すということについて今後検討してまいりたいと思っております。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 現場がスムーズに検討できるような環境づくりをお願いをしたいと考えております。  次に、採択した教科用図書の種類等の公表について質問させていただきます。これはこれまでも再三議題になっていることでもございますが、改めて問わせていただきます。  十五条、改めて確認をします。市町村の教育委員会、都道府県の教育委員会及び義務教育諸学校の校長は、義務教育諸学校において使用する教科用図書を採択したときは、遅滞なく、当該教科用図書の種類、当該教科用図書を採択した理由その他文部科学省令で定める事項を公表するように努めるものとする。  そして、衆議院の附帯決議、政府は、採択地区協議会における十分かつ慎重な協議を確保し、採択手続の透明性が高められるよう、市町村教育委員会が教科用図書を採択した理由等の公表を促進するための方策を講ずること、このようにございます。  先ほども委員も取り上げられていましたが、衆議院の審議見ても、また今回の答弁でも、一般の公立学校については公表を強く促す、指導すると繰り返されていらっしゃいますが、具体的にはどのような方法で指導し、促していくのか、お示しをください。

西川京子自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(西川京子君) 先ほども申し上げましたように、教科書採択に関する説明責任を果たすのはこれは当然のことだと思っております。ただ、やはり私立その他、学校種やそれぞれの設置主体がありますので、その在り方はおのずと異なってくる、そういうことが今の見解でございますけれども、今回の改正の趣旨、周知徹底をいたしまして、この採択の結果、公表を強く促してまいりたいということは先ほど申し上げました。  その中で、やはり具体的に、どの程度しているかというような数字を発表することによりまして、様々な透明を図る、公表の促進を考えてまいりたいと思っております。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 それでは、今のところまだ強く促す、指導する方法についてはまだ検討中ということでよろしかったでしょうか。

西川京子自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(西川京子君) この公表は義務で言えるわけではありませんので、あくまでも指導というかお願いということで、その方法論をいろいろ考えているということでございます。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 今に関連する話なんですが、それでは、一般の公立学校で公表を拒む教育委員会また校長が現れた場合、どのような対応をお取りになるのでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 現状においても、採択理由や結果などについては、請求に応じて公表するものも含めれば、実際のところはもうほとんどの教育委員会において公表されているわけでございますが、改正法成立により公表努力義務が課せられた場合には、全ての教育委員会で積極的な公表が行われるべきものと考えておりまして、まずは今回の改正の趣旨を周知徹底するとともに、特に公立の小中学校については公表を強く促してまいりたいと考えます。  その上で、仮に採択結果、理由等を積極的に公表しない教育委員会等がある場合には、各教育委員会の公表状況を調査し、その名を明らかにすることも手段の一つでありますが、その具体的な在り方については今後検討してまいりたいと考えます。  なお、都道府県教育委員会においても、域内の市町村教育委員会が行う採択に関する事務について適切な指導等を行う責任を有しているということから、必要に応じて適切な指導等を行う必要があると考えます。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 それでは次に、この十五条の条文に、その他文部科学省令で定める事項とありますが、その公表を努める項目として指定してあるこの項目、具体的にはどのようなものを想定されているのか、お示しください。

前川喜平文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(前川喜平君) 御指摘の省令におきましては、採択に当たって作成した教科書の研究資料、あるいは教科書の採択に係る教育委員会の議事録について規定することを考えております。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 分かりました。  次に、情報通信技術を用いた教育についてお尋ねをいたします。  現在、情報通信技術、いわゆるICTを活用した教育は黎明期にある、このように理解をしております。私も超党派の勉強会に参加をしましたときに、携帯用端末、またデジタル黒板、パソコン、また顕微鏡などを組み合わせた授業を体験したんですけれども、大変に大きな効果と可能性を感じました。もちろん、紙の教科書の良さ、長所は十分認識しておるものの、これからいわゆるデジタル教科書のようなものの普及も徐々に進んでいくのではないかな、このように予想をしております。  まず、お尋ねをいたします。情報通信技術、ICTを利用した教育を推進していくことが重要だと考えますが、政府の見解はいかがでしょうか。

清木孝悦文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(清木孝悦君) 御指摘のとおり、教育においてICTを活用することは、子供たちの学習への興味、関心を高め、分かりやすい授業や子供たちの主体的な学びを実現する上で効果的であり、確かな学力の育成に資するものでありますことから、大変重要であるというふうに考えております。  文部科学省といたしましては、昨年度まで学びのイノベーション事業といたしまして、学校におけるICT活用の実証研究を実施をしてきたところでございまして、これまでのところ、その成果といたしまして、子供の学習への関心、意欲の向上につながっていることや、教員のICT活用指導力の向上が見られることなどの効果について把握がなされているところでございます。  さらに、二十六年度におきましては、最先端のICTを活用し、学校同士や学校と家庭が連携した教育体制を構築するための実証研究や、またICTを活用した効果的な指導方法や教員の指導力の向上を図るための方法の開発などの事業を実施する予定でございまして、これまでのこれらの取組の成果を生かしながら、更に教育におけるICT活用を積極的に進めてまいりたいというふうに考えております。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 是非、積極的な推進をお願いをしたいと思います。  私も、それまでは本当に、紙の教科書だけで育ってきた世代だったものですから、デジタル教科書とかそうしたICTを利用した教育というのは果たしてどんなものかなと、半ば疑いの目で見てきたところがありましたが、本当に、実際その現場を体験するに当たって、これは面白い、これは興味がかき立てられるような、そういうわくわく感を非常に強く感じまして、子供の主体的な学びにつながるものだというふうに本当に強く実感をしておりますので、是非とも積極的な推進をお願いをしたいと思います。  次に、将来的にいわゆるデジタル教科書、これも教科書の検定にするかどうか、これは今検討を進めていくのでしょうか、お示しください。

前川喜平文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(前川喜平君) 教科書の在り方も含めまして、教育においてICTの活用を推進していくということにつきましては、子供たちの学習への興味、関心を高め、分かりやすい授業や子供たちの主体的な学びを実現する上で効果的であるというふうに考えております。  デジタル教科書につきましては、現在においても副教材として使用することは制度上可能でございます。しかし、これを教科の主たる教材である教科用図書として位置付けるためには、様々な検討課題や整理が必要になってくるわけでございます。具体的には、デジタル教科書を活用した教育の効果、影響を検証した上で、学校教育法の改正でありますとか、教科書検定や発行に係る関係法令、規定の整備、また無償措置等の関係の整理などが必要になってまいります。  デジタル教科書の教科書制度への位置付けにつきましては、政府全体におきまして、知的財産推進計画でありますとか世界最先端IT国家創造宣言の工程表におきまして一定のスケジュールが定められております。そのスケジュールにおきましては、実証研究等の状況を踏まえつつ、平成二十六年度までに課題を整理し、平成二十八年度までに導入に向けた検討を行うということとされているところでございます。このスケジュールに沿って必要な検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 導入に向けた検討が進んでいるということを確認させていただきました。ありがとうございます。  最後に、こうしたICTを利用した教育の推進に備えまして、教員の養成段階においてこうした情報通信技術の習得が重要だと考えます。先ほども答弁にもありましたけれども、こうした教員がいるかどうかによってこうした教材が導入できるかどうかが決まってしまって、結局導入できないところとできるところで教育格差が生じることがあってはならないと考えております。  こうしたICT、情報通信技術の習得を教員の養成段階にどのように組み込んでいくか、こうしたことについて政府の見解をお尋ねいたします。

前川喜平文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(前川喜平君) 教育現場でのICT活用の促進に向けまして、教員を目指す学生がICTを活用した教育力を身に付けることは大変重要であるというふうに考えております。  現在の教員養成課程におきましては、情報機器の操作、情報機器の活用に関する科目が必修とされているところでございます。具体的には、例えば電子黒板を活用した教育方法やデジタル教材の利用など、ICTを効果的に活用した教育を行うための知識、技能の習得が行われているということでございますが、今後、教員養成課程につきまして大幅に見直していきたいということを考えているわけでございます。  その際に、例えば道徳教育や英語教育の充実に向けた改善も課題でございますけれども、あわせまして、このICTを活用した教育力の向上も重要な課題と認識しておりまして、今後併せて検討してまいりたいというふうに考えております。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 本当に教員の養成において今御答弁いただいた内容をしっかり推進していただくことをお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。

和田政宗みんなの党

○和田政宗君 みんなの党の和田政宗です。  まず、私は歴史教育の観点から質問をいたします。  先日、ドイツを訪れた中国の習近平国家主席が講演で、支那事変時の日本軍による南京攻略戦について、日本は三十万人以上を虐殺した、また、支那事変全体で中国人三千五百万人以上に死傷者が出たと発言しました。この問題では中国の主張に根拠がないことは明白です。また、アメリカ南部バージニア州で、公立学校が使用する教科書に国際的に確立した日本海の表記と韓国政府が主張する東海を併記するよう定めた州法も成立しています。  最近は、中国にせよ韓国にせよ、連携しているかは分かりませんけれども、歴史認識の問題で日本を直接非難するのではなく、他国にいわゆる御注進をしたり他国民にうそを吹聴する戦略を取っています。政府として、中国、韓国が他国でそのような活動をするたびに厳重な抗議をし、他国が誤解しないように訂正していくことが重要ですけれども、個々の日本人も、中韓の主張をうのみにするのではなく、その数字は違いますよ、事実も違いますよということを言えるようにしなければなりません。その意味で、歴史教育は極めて重要と考えます。  下村大臣は、教科書改革実行プランを発表され、今年一月には教科書検定基準の改正をされましたが、今後、南京攻略戦のように、中国、韓国などが事実と異なる主張をする事案についてどのように教科書に記載されるのが望ましいか、お答えをお願いいたします。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 歴史の中で事実と異なることが独り歩きするということは本当に遺憾なことであるというふうに思います。歴史については光と影の部分があり、影の部分のみならず光の部分も含めてバランスよく教えることが必要であり、子供たちが我が国の歴史について誇りと自信を持つことが大切であるというふうに思います。教科書についても、教育基本法の趣旨にのっとったバランスの取れた記述になっているということが重要であるというふうに考えます。  このような問題意識に立ち、御指摘がありましたが、今年の一月には教科書検定基準を改正したところでありまして、社会科については、一つは、未確定な時事的事象について記述する場合は特定の事柄を強調し過ぎていたりするところはないということ、二つ目に、近現代の歴史的事象のうち、通説的な見解がない数字などの事項について記述する場合は、通説的な見解がないことが明示され、児童生徒が誤解しないようにすること、三つ目に、閣議決定その他の方法により示された政府の統一的な見解や確定した判例がある場合には、それらに基づいた記述がされていることといった内容を新たに盛り込んだところでございます。  この改正後の新しい検定基準は、本年度、平成二十六年度の中学校用の教科書の検定から適用することになります。今後、改正された新しい検定基準に基づきまして、バランスの取れたより良い教科書となるよう、しっかりと検定に取り組んでまいりたいと思います。

和田政宗みんなの党

○和田政宗君 しっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。  次に、竹富町の教科書採択問題について聞きます。  竹富町の教育委員会が採用しなかった育鵬社の教科書ですが、これは前提としてそもそも教科書検定を通っているものです。我が国は法治国家ですから、当然、法律の趣旨や文部科学省からの指導に従うべきだと思いますが、竹富町教育委員会の今回の一連の行動、極めて問題だと考えます。政府の見解、いかがでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 竹富町教育委員会は、八重山採択地区協議会の規約に従ってまとめられた結果と異なる教科書を採択しておりまして、共同採択地区内の市町村は協議して同一の教科書を採択しなければならないと定めた教科書無償措置法第十三条第四項に違反をしております。  このことについては、文部科学省として平成二十三年度より再三にわたり沖縄県教育委員会や竹富町教育委員会に対して指導してまいりましたが、違反の是正が行われないため、昨年十月、沖縄県教育委員会に対し地方自治法に基づいて竹富町に是正の要求を行うよう指示したところであります。その後、五か月近く経過してもなお是正の要求が行われないまま新年度が迫ってきたことから、今年の三月に、直接、竹富町教育委員会に対して地方自治法に基づく是正の要求を行ったところであります。  このような状況においてもなお現在に至るまで違反の是正が行われていないことは大変遺憾でありまして、また、竹富町から文科省の是正要求について何ら返答が今日になってもまだ来ていないということも大変遺憾なことだというふうに思います。地方自治法の規定に基づき、是正の要求を受けた市町村は違反の是正のための必要な措置を講ずる法律上の義務を負っているものでありますから、竹富町教育委員会においては直ちに違反の是正を行ってほしいと思います。

和田政宗みんなの党

○和田政宗君 引き続き、文科省に当たってはしっかりとした対応をお願いしたいというふうに思います。  それで、竹富町の教育委員会の懸念として育鵬社の教科書が大東亜戦争時における沖縄戦に対して記述が少ないということであれば、副読本を採用すべきだと思います。副読本の採用に当たって基準はどうなっているんでしょうか。また、補助などはあるんでしょうか。

前川喜平文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(前川喜平君) 各学校におきましては、地域の実情や児童生徒の興味、関心、意欲、理解の状況等に応じまして、教科書を補充するため補助教材を用いることができるわけでございますが、その使用に当たりましては、教育基本法、学校教育法、学習指導要領等の趣旨に従っていること、また児童生徒の発達段階に即したものであること、また政治、宗教について不公正な立場のものではないことなどについて十分留意する必要がございます。これを担保するため、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第三十三条第二項におきまして、教材の承認等の取扱いにつきまして、教育委員会において規定を設けることを定めており、権限と責任を有する教育委員会において教材が適切に使用されるよう管理に努めることが必要でございます。  個別の教材に係る費用負担につきましては、基本的に設置者において負担しているものでございまして、国からの補助は行っていないということでございます。各教育委員会や学校においてそれぞれ判断していただくべきものであるというふうに考えております。

和田政宗みんなの党

○和田政宗君 私は、沖縄戦についてはしっかりと教育現場で学べるようにしなくてはならないというふうに思っておりますし、教科書でも学べるようにできたらというふうに考えております。  例えば、戦中最後の沖縄県知事島田叡については、お手元に資料ありますけれども、沖縄の方はよく知っていても本土ではよく知られていないという実情があります。沖縄戦の二か月前に沖縄県知事として赴任して、沖縄の方々のために最後まで尽くし、沖縄で亡くなられた方です。こうした島田叡のような人物を教育現場で取り上げるなどして真の沖縄戦の理解に努めるべきだと考えますが、政府の見解はいかがでしょうか。

西川京子自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(西川京子君) 沖縄戦に関しましては、先生おっしゃるように、大変、国内の最大の地上戦でありますし、大きな犠牲が出た、そして言わば本土の防波堤になったという、そういういろんな位置付けもありまして、この辺のところはしっかりと歴史の授業の中で教えていくべきものだと思っております。  そのため、平成二十年、二十一年に改正されました小中高等学校学習指導要領の解説におきましては、第二次世界大戦について学習する際に、新たに沖縄戦など我が国の国民が大きな惨禍を受けたことなどを記述し、指導の充実を図っているところでございます。  各学校の授業において歴史を具体的に理解させるために副読本というのは大変重要な役割を果たすと思いますけど、その各学校の実情を踏まえまして、是非、これをどういうふうに使用するかというのは指導を充実する上で大変大事なことだと思いますので、これは各現場に任されているわけでございますけど、この副読本の充実ということもしっかりと図っていきたいと思っております。  先生のお示しいただいたこの島田知事の話は私も正直存じ上げませんでして、大変感銘を受けました。言わば日本の教科書の中で戦争にまつわる話というのは悲惨な部分と、マイナス、日本にとってマイナスイメージのものがほとんどだと思うんですが、実はそういう中で本当に立派な日本人という立場でのそういう話、いい話というのはいっぱいあるわけですから、そういう意味でも是非このすばらしい副教材のこれからの利用というのを大いに考えていきたいと思います。  そういう中で、文部科学省としては、今後、沖縄戦を始めとする歴史教育の本当に充実を図ってまいりたいと思っております。

和田政宗みんなの党

○和田政宗君 その副読本の関連で質問しますけれども、私は、教育勅語について、学校、教育現場で活用すればとても良い道徳教育になると思いますが、米国占領下の昭和二十三年に国会で排除決議や失効確認決議がなされています。こうした決議は関係なく、副読本や学校現場で活用できると考えますが、その見解でよろしいでしょうか。できれば大臣にお願いしたい。

前川喜平文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(前川喜平君) 各学校において教材を選定する際には、教育基本法、学校教育法、学習指導要領等に照らして適切なものを選定する必要があると考えております。  教育勅語は、明治二十三年以来、およそ半世紀にわたって我が国の教育の基本理念とされてきたものでございますが、戦後の諸改革の中で教育勅語を我が国の教育の唯一の根本理念とする考え方を改めるとともに、これを神格化するような取扱いをしないこととされ、これに代わって教育基本法が制定されたという経緯がございます。  このような経緯に照らせば、教育勅語を我が国の教育の唯一の根本理念であるとするような指導を行うことは不適切であるというふうに考えますが、教育勅語の中には今日でも通用するような内容も含まれておりまして、これらの点に着目して学校で活用するということは考えられるというふうに考えております。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 今局長から答弁あったとおりでございますが、教育勅語そのものを学校で副教材として使用するということについては、歴史的な経緯がありますので、教育勅語そのものというよりは、そういう歴史的な中でいろんな要らぬ議論が出てくることが予想されます。  ですから、そのものを使うということについては相当理解を求める必要があるというふうに思いますが、ただ、その内容そのもの、教育勅語の中身そのものについては今日でも通用する普遍的なものがあるわけでございまして、この点に着目して学校で教材として使う、教育勅語そのものではなくて、その中の中身ですね、それは差し支えないことであるというふうに思います。

和田政宗みんなの党

○和田政宗君 お手元に教育勅語の口語訳もありますけれども、私はこういったしっかりとしたものを道徳教育で使っていくべきだというふうに思いますので、引き続き御検討をお願いしたいというふうに思います。  では、教育委員会の教科書の採択の話、進めていきますけれども、教育委員会の教科書の採択に当たっては、まず第一段階として、教員から成る調査員が教科書の特徴等を分析するということですけれども、この調査した教科書に順位付けをする場合や、特徴についての記述で優劣を記した場合、教育委員会の採択の際に調査員の評価が大きく影響すると思いますが、そうした評価まで教員のみのメンバーがするのは問題だと思いますが、政府の見解はいかがでしょうか。

前川喜平文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(前川喜平君) 各採択地区において採択すべき教科書の決定を行うに当たりましては、教科書を調査研究させるために、主に教員で構成される調査員や、教員や保護者等から構成される選定委員会等を置きまして、これらによる調査研究の結果を参考にする例が多いと承知しております。平成二十三年度の時点におきましては、調査員については全採択地区のうち九七%、選定委員会につきましては全採択地区のうち約六〇%が設置していると承知しております。  なお、沖縄県の八重山採択地区協議会におきましては、教科用図書調査員を置きまして採択地区協議会に教科書の調査研究結果を報告させ、その結果を参考にしつつ採択すべき教科書を決定していると承知しておりますが、いわゆる選定委員会については設置していないと承知しております。

和田政宗みんなの党

○和田政宗君 確認ですけれども、教科書の採択、調査員の調査の後、第二段階で選定委員会というものを設置できるということになっていますけれども、これは教員だけでなくPTAなど外部の方も入るために、しっかり活用できれば客観的視点での評価につながっていきやすいというふうに思いますけれども、今回の竹富町の教科書採択問題ではその選定委員会は設置されなかったということでしょうか。

前川喜平文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(前川喜平君) 八重山地区の協議会におきましては、この選定委員会というものは設置されておりません。ただし、その協議会自身の中にPTAの代表でありますとか有識者が入っているというふうに承知しております。

和田政宗みんなの党

○和田政宗君 いろいろ実地で話を聞いておりましても、現場の教員が教科書の採択に大きな影響を及ぼすということが分かるわけですけれども、であれば、教員は中立的な立場を取るべきであると思います。しかしながら、教職員が加盟する日教組などでの教員の発言を見てみますと、およそ中立的ではない立場の発言が行われています。さらに、左翼的な発言をする教員がいるのを実際に私も見ております。  こうした流れ、食い止めなくてはならないと思いますが、そこで懸念があるのは過激派による教員に対する工作活動についてです。教員を左翼思想に取り込もうとする過激派の工作活動にはどんなものがあるんでしょうか。

塩川実喜夫警察庁長官官房審議官

○政府参考人(塩川実喜夫君) お答えします。  警察としては、極左暴力集団の動向には重大な関心を持ち、その実態解明に努めているところであります。  極左暴力集団は、一般に、労働組合が主催する定期大会の会場周辺に押しかけ、自派の主張を掲載したビラを配布するなどして組合員への働きかけを行っているものと承知しております。

和田政宗みんなの党

○和田政宗君 しっかりと注視をしていただいて、しっかりとした対処をお願いしたいというふうに思います。  次に、法の趣旨を守るという観点からも、教育現場での国旗・国歌のことについて聞きますが、私が通っていた東京都小金井市の小学校では、私は先生に音楽の教科書に載っている国歌君が代を教えてくださいとお願いしたんですけれども、その先生にはそのうちにねと言われて、結局、小学校でも中学校でも国歌を教わりませんでした。当時、日教組が極めて強い地域で、教師の発言では、天皇陛下をばかにするような、とんでもない、理解できないような発言というのもある、あり得ない状況でございました。今でも学校の入学式、卒業式などの国歌斉唱時において起立斉唱をしない教員がいると聞いております。  国旗や国歌を敬えないというのは極めて恥ずかしいというふうに思いますけれども、政府としてどのように認識しているでしょうか。

前川喜平文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(前川喜平君) 学習指導要領におきましては、入学式、卒業式などにおきまして国旗を掲揚し、国歌を斉唱するよう指導するものとするとされているところでございます。この学習指導要領等の法令に基づきまして校長が国旗・国歌の指導を実施するため国歌を斉唱するよう職務命令を出した場合に、その命令を受けた教職員は国歌斉唱すべき責務を当然負うものでございます。  したがいまして、教職員が校長等の当該職務命令に違反したような場合につきましては、当然懲戒処分等の対象になり得ると考えております。

和田政宗みんなの党

○和田政宗君 国旗・国歌につきましては掲揚、起立斉唱が当たり前であり、それができないのは恥ずかしく感じます。国会においても、本会議場の登壇、降壇の際、国旗に礼をすべきであると思いますが、素通りする議員もおります。  国旗・国歌を敬うことを当然のものにしなくてはなりませんが、実際に大人がそうなっておりません。国民に対して、国旗・国歌を敬うことを当然にするために、どのように政府として教育、指導をしていくんでしょうか。

西川京子自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(西川京子君) 先生御指摘のように、自分の生まれた国に対する思い、それを誇りとすることは当然なことだと思っております。  一つの例ですが、オリンピックのときに、やはり優勝、金メダルを取った国の選手が皆、国歌が流れるときに胸に手を当ててきちんとしている姿はやっぱり見ていて気持ちのいいものだと思います。  そういう中で、児童生徒が将来、国家、社会の責任ある担い手となり、国際社会においても尊敬され、信頼される日本人として成長していくためには当然のことで、我が国、自分の国に対しての思いを育てる、それは当然のことだと思いますが、もちろん、我が国のみならず、他国も含めて、よその国の国旗も含めて、国旗・国歌の意義を理解し、それらを尊重する態度を育むことは大変重要だと考えております。  このため、学校教育現場においては、学習指導要領に基づき、社会科や音楽科において国旗・国歌の指導を行うとともに、入学式や卒業式などにおいて、その意義を踏まえ、国旗を掲揚するとともに国歌を斉唱するよう指導が行われているところでございまして、先生が中学のときに教えてもらえなかったというのは大変問題でございまして、これ今、学習指導要領で、例えば音楽科では小学校の全学年において国歌を歌えるように指導するということをきちんと明記しておりますので、学習指導要領に沿って学校現場で正しく行われるように指導していきたいと思います。

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 和田君、質問時間が参っています。

和田政宗みんなの党

○和田政宗君 はい。正しい指導が行われるようにお願いいたします。  終わります。

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 午後二時に再開することとし、休憩いたします。    午後零時十七分休憩      ─────・─────    午後二時開会

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

田村智子日本共産党

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。  今回の法案は、沖縄県八重山地区での教科書採択をめぐる混乱や問題を理由としているものです。文部科学省は、二〇一一年に起きた八重山地区の問題を受けて、翌二〇一二年九月二十八日、「教科書採択の改善について」とする初中局長通知を出し、今回の法案の内容にもつながる、市町村教育委員会と採択地区との関係の明確化を求めています。文科省は通知に平成二十四年と記しているので、混乱しないように私もここでは二十四年通知と略します。  この二十四年通知には、これまでも文部科学省では、平成二年通知や平成十四年通知を通じて教科書採択の改善について通知してきたと書かれています。ところが、一九九七年九月十一日に出された平成九年通知については一言も触れていません。この平成九年通知は有効ではないのでしょうか。

前川喜平文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(前川喜平君) 教科書採択の改善につきましては、平成九年九月十一日付け、文部省初等中等教育局長から各都道府県教育委員会教育長宛てで通知を発出しているものでございます。この通知の趣旨は現在においても有効なものでございます。

田村智子日本共産党

○田村智子君 この九年通知は政府の行政改革委員会の意見を受けて出されたもので、別添二として、行政改革委員会がまとめた規制緩和の推進に関する意見を示しています。その結論部分とも言える最後の文章をちょっと読み上げます。  私立の小・中学校においては、各学校の教育課程に合わせて学校単位で採択が行われている。公立学校においても学校単位で自らの教育課程に合わせて教科書を採択する意義をより重視すべきであり、将来的には学校単位の採択の実現に向けて検討していく必要がある。このような観点に立って、当面、現在の共同採択制度においても、教科書の採択の調査研究に当たる教員の数が増えるのは望ましく、各地区の実情に応じつつ、現在三郡市程度が平均となっている採択地区の小規模化や採択方法の工夫改善を図るべきであると、こう述べられています。  文科省も、これが教科書採択の目指すべき方向だという認識でしょうか。

前川喜平文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(前川喜平君) 平成八年十二月に行政改革委員会から出されました規制緩和の推進に関する意見におきまして、御指摘のような提言が行われているわけでございます。  行政改革委員会の意見は、それ自体が文部科学省の方針にストレートになるというわけではございませんが、これを踏まえて平成九年三月に閣議決定されました規制緩和推進計画がございます。この規制緩和推進計画におきましては、将来的には学校単位の採択の実現に向けて検討していく必要があるとの観点に立ち、当面の措置として、教科書採択の調査研究により多くの教員の意向が反映されるよう、現行の採択地区の小規模化や採択方法の工夫改善についての都道府県の取組を促すとされており、この考え方は現在においても有効でございます。

田村智子日本共産党

○田村智子君 今大変いい答弁をいただきまして、私、だから、この九年通知がなぜ行革委員会の意見のまとめの方を付けて、その半年前に行われた閣議決定、今局長が言われた閣議決定を付けなかったのかなと、これは大変疑問に残るところなんですね。  ただ、いずれにしても、将来的な学校ごとの採択、あるいは多くの教員が教科書の研究に関わることと、これは九年通知で示された方向は有効だということです。  では、二十四年通知ではそのことが一言も出てこないのはなぜ、九年通知ということが一言も出てこないのはなぜなんでしょうか。

前川喜平文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(前川喜平君) 御指摘の平成九年の通知は、平成二年の通知で要請いたしました教科書採択の改善のうち、なお改善に取り組むべき事項や、御指摘の採択地区の小規模化等につきまして各都道府県教育委員会に対し指導したものでございます。  この平成九年の通知の趣旨、内容につきましては、平成十四年の通知におきましても内容としては言及しているものでございますので、平成二十四年の通知におきましてはこの平成十四年の通知を引用すれば足りると判断いたしまして、平成九年の通知については特段引用しなかったということでございます。

田村智子日本共産党

○田村智子君 これは行革委員会の意見の取りまとめの過程では、文科省、文部省ですね、当時は、文部省は学校単位での採択ということには大変強固な反対の立場を主張され続けたわけですね。この九年通知でも、別添としては意見を付けた。だけど、文部省自らが書いた文面の中では、将来的な学校単位での採択などには全く言及がされていなくて、採択地域の適正化という言葉を記しただけで、それは以後出される通知も同じなんです。  閣議決定では、将来的には学校単位の採択の実現に向けてと、当面は採択地区の小規模化ということが、これは石橋議員の資料の最後のところのページで出していただいているんですけど、これ何回も出てくるんですね。  私は、それが真面目に文部省、文部科学省の中で検討されたのかということは大変疑問に思わなければならない、そう感じています。  まして、小規模化と言われていますが、横浜市は市の中にある十八地区の採択地区を全市一地区の巨大採択地区にしてしまいました。現在、次の採択に向けて大阪市も八地区あるものを全市一地区にすることが検討されていると、こういう報道もあります。私は、これは事実上、文部科学省が九年通知を棚上げしてきたと、こう言えるんじゃないのかということをここで厳しく指摘しておきたいと思います。  こうした将来的であれ学校単位での採択という検討は、具体的にどんな検討がされたのか何も出てこない、通知の中にも。そのままに、今度の法案では、共同採択を前提として採択地区協議会を法制化する、各教育委員会をその協議結果に従わせようという法案を出す、これは私は余りに御都合主義だというふうに言わなければならないと思います。  これは文部科学省認めるとおり、きっかけになったのは、直接の動機は八重山地区での問題を受けてのものです。八重山地区の三市町の教育委員会は、長きにわたって、学校現場の意見を踏まえ、協議によって合意を形成し、問題なく教科書の採択を行ってきました。二〇一一年の教科書採択についても、一教科について三人の教員を調査員として、調査の結果が協議会に示されていました。ところが、公民の教科書のみ調査員による評価が完全に無視をされ、調査員がマイナス点を付けた教科書が無記名の多数決で採択された。  これ私も議事録を読んだんですけれども、二人の方が私はこういう観点で公民の教科書を選びますということを発言しただけで、それがどの教科書のことなのか、出版社名を挙げて発言することもこの議事の中では一切禁じられていたという異様な議事なんですよ。結果、なぜ教員がマイナス評価を付けた教科書を選ぶのかということは、中身について何の議論もないまま採択が行われていたんです。  さきに挙げた今も有効である九年通知、その別添二、行革委員会の意見には、共同採択の意義について文部省が主張した内容が記されているんですね。こういう中身です。採択地区内の教員による教科書の共同研究や教員研修を可能とするとともに、多くの教員による調査研究に基づく綿密な採択や、教科書の迅速かつ確実な供給などの面で共同採択は利点があると、こういうことが挙げられていると。多くの教員による調査研究に基づく綿密な採択、これが共同採択の利点であるというのが文部省の当時主張されてきたこと、今も有効な九年通知に書かれていることです。  この観点から見て、私が今述べた八重山地区の公民教科書をめぐる議論は、これは問題があると考えますが、大臣、いかがでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 文部科学省としては、十分な教科書の調査研究を行った上で、採択権者である教育委員会の権限と責任において教科書採択を行うよう指導しております。このことは、教員の調査研究結果をそのまま追認することを求めるということではなく、あくまで教員等による教科書の調査研究結果を踏まえつつ、採択権者が責任を持って判断することを求めているものであります。  したがって、共同採択地区において、教員等による教科書の調査研究における評価の工程と採択地区協議会における選定が一致しないことはあり得ると考えます。

田村智子日本共産党

○田村智子君 結論としてそれはあり得るかもしれませんが、その評価について議論もしていないんですよ。議論もしていない。教員による調査研究に基づく綿密な採択という観点からは、これは問題があるんじゃないですか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 今回は、この共同採択の協議会の在り方を含め、それをより明確化することによって今後問題が起きないような、そういう法改正をお願いしているところであります。

田村智子日本共産党

○田村智子君 大変苦しい答弁だなと思います。  これは育鵬社の教科書をめぐって起きたことです。採択協議会では、この八重山地区だけでなくて、それ以前にももめた案件があります。一体どのような教科書をめぐるものが採択協議会の中でもめる事案となったのでしょうか。

前川喜平文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(前川喜平君) 過去の教科書採択において協議が難航した事例といたしまして文部科学省が把握しているものでございますが、まず、平成十三年度の栃木県下都賀採択地区でございます。ここでは東京書籍版と扶桑社版の中学校歴史教科書をめぐって協議が行われまして、最終的に東京書籍版を採択しております。  次に、平成十三年度の福岡県北九州採択地区でございますが、ここでは大阪書籍版と扶桑社版の中学校公民教科書をめぐって協議が行われまして、最終的に大阪書籍版を採択しております。  次に、平成十七年度の茨城県第三採択地区でございますが、ここでは日本文教出版版と扶桑社版の中学校歴史教科書をめぐって協議が行われまして、日本文教出版版を採択しております。  また、平成二十三年度の石川県小松・能美採択地区でございますが、ここでは、まず帝国書院版と育鵬社版の中学校歴史教科書をめぐって協議が行われ、帝国書院版を採択していると。また、帝国書院版と育鵬社版の中学校公民教科書をめぐって協議が行われ、帝国書院版を採択している。また、東京書籍版と教育出版版の中学校歴史教科書をめぐって協議が行われ、東京書籍版を採択しているというふうに承知しております。

田村智子日本共産党

○田村智子君 これ、一事例を除いて全部扶桑社、育鵬社、つまり二〇〇一年に新しい歴史教科書をつくる会が主導する扶桑社の教科書が登場してからもめ事が始まっている。今度はそのもめ事を収めるために法律出してきて、多数決で決めなさいと求めるということなんですね。  当時、二〇〇一年当時の新聞報道によると、栃木県下都賀採択地区では、歴史教科書の調査報告書には扶桑社の名前はなかった。調査員の報告書、中学校側の希望でも、扶桑社を望む学校はごく少数だった。同社の教科書に関する質疑応答もほとんどなかった。にもかかわらず、無記名投票で行われた採択の結果は扶桑社が一位だった。複数の協議会委員の声として、余りに突然で驚いた、よもやの事態とも報道されています。  その後、協議会を構成する教育委員会が扶桑社を採択せず、再協議を行い、今度は挙手による投票で東京書籍が採択をされたと。協議が紛糾する、再協議になる、この直接の要因としては、教員や学校の意見が軽視されるという問題が共通をしています。  その一方で、別の方向からの意見が教育委員会や協議会に影響しているのではないかと思われる点があります。  二〇〇五年八月七日、朝日新聞の報道です。岡山県総社市長が、当時文科省の下村政務官に電話をし、教育委員の中に扶桑社の教科書がいいという声があるが、採択地区協議会では通りそうにない、何かいい方法はないかと話し、下村氏は、市単独で採択地区になるか、副読本として買うかだと答えたと。市長への取材を記事にしたものですが、大臣、これは事実でしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 御指摘の記事はかなり以前のやり取りに関するものでありまして、当時の正確な事実関係について、詳細については記憶はしておりませんが、おおむねそのようなことを言ったかなという記憶はあります。  一般論として、市の教育委員会が域内の児童生徒の手に取らせたい教科書があるのであれば当該教科書を採択地区として採択することが適当であり、仮に教科書として採択しない場合は副読本として購入し配付するという方法も考えられるところであります。

田村智子日本共産党

○田村智子君 開き直るような答弁なんですけれども、私はこれ自体大変問題だなと。政務官という立場ですからね。そういうサジェスチョン与えるということ自体非常に問題なんですが、次に進みます。  今年、二〇一四年四月号のWiLLという雑誌で下村大臣は、戦後の自虐史観教育や約十五年に及ぶデフレなどの経済停滞によって自信や誇りを失い、若者たちの間でなぜこんな世の中に生まれてきてしまったのかと悲壮感が蔓延した日本の状況を変えなければなりません、こういうふうに述べられているんです。日本の歴史教育は自虐史観に基づくものであったという見解を述べられたわけですけれども、そのような認識なんでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) これは個人的なことですが、私の名前は下村博文、伊藤博文から取ったのではないかということを、父は早く亡くなりましたから直接は教えてもらえませんでしたが、母から聞いたことがございます。  例えば、伊藤博文の記述の中で、安重根に射殺されたという言葉が入っているんですね。私は、射殺という言葉、ほかの全ての教科書ではないんですが、一般的には暗殺というふうに言われているというふうに思うんですが、暗殺という言葉をあえて射殺という言葉にして、なおかつ安重根の口絵があって伊藤博文についてはないということが自虐史観ということを申し上げたことがあります。  これは、暗殺をあえて射殺という言葉に変えたというのは、暗殺というのは、これは広辞苑によれば、「ひそかにねらって人を殺すこと。多く、政治的に対立している要人を殺すこと。」という意味で使うわけですね。ですから、日本の教科書で伊藤博文をそもそも要人としても位置付けていないという意味で射殺という言葉を恐らく教科書として使っているんだろうというふうに思うわけでございます。  教科書というのは教育基本法の趣旨にのっとったバランスの良い記述となっていることが重要でありますが、今申し上げたように、現在発行されている教科書の記述の中には必ずしもそうなっていないものも見られるのではないかと考えております。特に歴史については光と影の部分があり、影の部分のみならず光の部分も含めてバランスよく教えることにより、子供たちが我が国の歴史について誇りと自信を持つことが重要であると考えておりまして、雑誌WiLLにおいてもその旨の発言をしたものであります。  このような問題意識に立ち、昨年十一月には、今後の教科書改革に向けた総合的な政策パッケージとして、教科書改革実行プランを発表いたしました。これは、教育基本法にのっとってバランスよく記載され、採択権者が責任を持って選んだ教科書で子供たちが学ぶことができるよう、教科書の編集、検定、採択、各段階において必要な制度改善を行おうとするものであります。  この教科書改革実行プランに基づき今年一月には教科書検定基準を改正したところであり、この改正後の新しい検定基準は本年度の中学校用教科書の検定から適用することになっております。今後、改正された新しい検定基準に基づき、バランスの取れたより良い教科書となるよう、しっかり検定に取り組んでまいりたいと考えております。

田村智子日本共産党

○田村智子君 射殺と書いたから自虐史観だというのはちょっと、全然違うでしょう。日本の歴史教育が自虐史観だとあなた述べられているんですよ、大臣は、大臣の肩書で。  今も伊藤博文の記述のことありました。こう書いているんですよ。最近の記述は安重根に射殺された人物ということになっていますと。今は射殺から暗殺という記述に変わりましたが、それでも記述の中心となるのは安重根で、韓国では記念切手になっていると写真付きで紹介されているのに、伊藤博文の写真は掲載されていませんと。  私、本当かなと思って、育鵬社と自由社以外の教科書全部見ましたが、全部写真は載っているんですよ、ちゃんと。載っているんですよ、伊藤博文って写真載っていますよ、載っています、載っています。果たしてこれちゃんと御覧になったんだろうかというふうに思わざるを得ないわけですよ。さらに、例えば東京書籍は、政府の中心人物として憲法の制定に力を尽くした、政党政治への道を開きましたなどの記述をしているんです。  現に伊藤博文の写真が載っているのに何で載っていないなんということを言うのか。そういうゆがんだ宣伝をやって、今の教科書は問題だと宣伝するのは、私は大臣がそんなことをやるのは非常に重大な問題だと思いますが、そういう認識ないんですか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) まず、私は事実を申し上げたわけでありまして、本年度まで使用されている前回の高等学校学習指導要領に基づく日本史Bのある教科書においては、伊藤博文の肖像写真を掲載せず、一九〇九年十月、義兵闘争の指導者の一人安重根は、前総監伊藤博文をハルピン駅頭で射殺したと記述するとともに、安重根については、肖像写真とともに、韓国ソウルの南山には安重根義士記念館があり、安重根に関する写真、遺品などを展示しているという説明を付けて記述したものがありました。  歴史についてはやはり、先ほど申し上げましたように、光と影の部分があり、影の部分のみならず光の部分も含めてバランスよく教えることにより、子供たちに我が国の歴史について誇りと自信を持つことが重要であると考えます。

田村智子日本共産党

○田村智子君 ちょっと一言だけ、済みません。  光というならば、その侵略戦争に反対する運動が国民の中にもあったということこそ私は光だと思います。  戦争の政治責任をごまかすような、こういう教科書への……

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 田村君、質疑時間が終了しております。

田村智子日本共産党

○田村智子君 攻撃というのは、絶対に許されないと申し上げて、質問を終わります。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 日本維新の会、藤巻です。  教育といいますと必ず出てくるのが政治的中立ということで、これが金科玉条のごとく語られておりますけれども、その根拠というのは教育基本法第十四条だと思うんですね。第一項で、良識ある公民として必要な政治的教養は、教育上尊重されなければならない。第二項で、法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。  これに基づいて政治的中立という言葉が使われているんだと思うんですけれども、そもそも何が政治的中立かということをまずお聞きしたいんですが、どうも政治的中立という言葉が独り歩きしているようで、突き詰めて考えると、政治的中立、政治家というのは基本的には選挙で選ばれていますから、民意を反映されているわけで、それから中立であれということは、なるべく民意から離れれば中立になるというふうな理解もできてしまうんですけれども、それが本当に教育の目指すところなのか。要するに、民意から懸け離れた教育をするのが教育の本質であるのか、必要なことであるのかどうか、その辺をちょっとお聞きしたいんですけれども。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 藤巻委員から御指摘がありましたように、この政治的中立については、教育基本法第十四条第二項において、法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならないと規定されるなど、多数の者に対して強い影響力を持ち得る学校教育に、一党一派に偏した政治的主義主張が持ち込まれてはならないことを意味するものであるというふうに思います。  ですから、議会制民主主義で自公が政権を取っていても、自民党、公明党の考え方を学校教育の中で押し付けるということにおいては、これは自戒すべきことであるというふうに思いますし、また、この教育基本法を踏まえまして、各学校において教育基本法や学校教育法、学校教育法施行規則に基づき文部科学大臣が公示する学習指導要領等に従い、地域や学校の実態、児童生徒の発達段階等、十分考慮して、適切な教育課程を編成し、教育を行うものとしているわけであります。  教科書検定においても、学習指導要領に基づき、教科用図書検定審議会の学術的、専門的な審議に基づいて公正中立を行うこととしているわけでありまして、たとえ政権を取っている政党であっても、その辺は抑制的に教育においては対応すべきだと思います。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 大臣のお答えで自公の考えている教育を押し付けるべきではないというふうにおっしゃいましたが、他国はどうなっているかをまずお聞きしたいと思うんですが、北朝鮮とか中国が政治的中立の教育をしているわけがまずないと思います。これは聞くまでもないかと思うんですね。中国でも毛沢東の頃はそれほど反日ではなかったと思うんですけれども、それ以降はかなり反日になっていると思いますが、それもかなり教育のせいだと思われますし、韓国の反日感情というのもかなり教育に影響されているのではないかと思うわけですね。  ですから、それらの国々が決して政治的中立の教育を行っているとは思えないんですけれども、じゃ、逆に、民主主義国家である欧米諸国、アメリカとかイギリスとかドイツ、これは私全く知らないんですけれども、その辺は政治的中立を何か法律等でうたっているのでしょうか。

前川喜平文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(前川喜平君) 教育の政治的中立に関しまして国の方針、法令などにおいて明確にうたっている国といたしましては、例えばイギリスや韓国が挙げられます。イギリスでは、一九九六年教育法におきまして、公立学校では教科の指導において党派的、政治的見解を推進することが禁じられております。韓国では、憲法におきまして政治的中立性が規定されているということでございます。具体的には、教育の自主性、専門性、政治的中立性及び大学の自律性は法律の定めに基づき保障されるという条項がございます。  なお、国、連邦レベルではございませんが、例えばアメリカのアリゾナ州におきましては、州の教育法によって学校や授業での偏った政治的教育は認められていません。また、ドイツでは、例えばノルトラインウェストファーレン州の公立学校教員の服務規定におきまして、職務を不偏不党かつ公正に遂行することが定められております。  これらのことから考えまして、全ての国や州の事例を調べたわけではございませんけれども、いわゆる先進国におきまして、いわゆる党派的な政治的教育に対して何らかの制約を加えている例が多いと承知しております。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 韓国では憲法で政治的中立をうたっていると御回答でしたけれども、それでこんな反日になるような教育が起こっているということ、日本人ってよっぽど嫌なやつだということになっちゃいますけれども、本当に韓国は憲法でうたっている政治的中立の教育をしているんでしょうか。もししていないんだったら当然文句を言うべきであって、韓国で伊藤博文の事件をどう教科書に書いてあるかとかその辺もチェックして、文句を言うべきところは文句を言うべきではないかと、これは通告していませんけれども、思うのですが、いかがでしょうか。

前川喜平文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(前川喜平君) 当面、私どもとしてはそういうことは考えておりません。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 できれば、韓国、言われっ放しじゃなくて、やっぱり指摘すべきことは指摘するということは非常に重要ではないかと思います。  それから、アメリカでも何かどこかの州ではやっているということですけれども、規定していない州もあるということは、これも一つの考え方だなというふうに思っております。アメリカで、ほかの州なんですけれども、確かにこれも感想でしかないんですけれども、インディアン問題とか、その他マイノリティーに対する差別をしてはいけないというようなきっと条項はあるんじゃないかなと、全く知りませんけれども、思うんですね、アメリカの社会のことを考えると。  しかし、歴史的問題で何かいろいろアメリカで教育論争があったのかどうか。例えば南北戦争の意義とか、そして原爆投下問題とか、そういう歴史的認識でアメリカでは大問題になったということはあるのでしょうか。

前川喜平文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(前川喜平君) 具体的な事例については私ども承知しておりません。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 私も、アメリカは歴史的認識でこんなに国がもめるということはないんじゃないかなというふうに思っております、一応感想だけですけれども。  次に、私は、やっぱり今日本人は、大臣のおっしゃるように誇りを失っていると私自身は思っているわけですね。やっぱり教科書というのは非常に重要であって、子供たちの生き方を、実は昨日も我が党で勉強会をしていたときにある識者の方が、マッカーサーの公聴会での意見、あれは、第二次世界大戦というのは日本の自衛戦争であるということを言ったというふうにおっしゃって、それが教科書に載せようと思うとやっぱり検定で引っかかって駄目だとか、南京虐殺がないという事実を教科書に載せようと思ったら検定で駄目だったとかいうことをおっしゃっていたんですけれども、これはきちんと、やはりそういう問題があるのであるならばきちんと、それが事実に近いということであるならばやっぱり教科書に載せるべきでないかなというふうに私は思っております。  そして、かつ、やはり、先ほども申し上げましたけれども、教育委員というのは別に民意を反映してとは言い難いわけですね、要するに選挙で選ばれたわけでもないですし。ということで、もうちょっと私自身は政権与党の考え方を反映した教科書でも教育制度、悪くないと思っているんですね。  なぜならば、少なくともそのときの民意を反映しているのがその党の政権ですから、それを、ある程度そちらの方にバイアスが掛かっていたとしても、決して私は文句を言えないんだと思うんです。もしその教育が嫌であるならば、おかしいと思うのならば、次の選挙で政権を替えさせればいいということでありますので、それは政権の方向と反対側の方にバイアスが掛かっている教科書はともかくとして、政権に近い方にバイアスが掛かっている、それは極端に北朝鮮とか韓国、中国みたいなのはまずいですけれども、多少なりとも政権にバイアスが掛かっている教科書というのは、これはやっぱり民意を反映しているという意味ではおかしくないんではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 国は適切な教育政策を樹立、実施する権能を有し、国会は、国の立法機関として、教育の内容及び方法についても、法律により直接に又は行政機関に授権して定める権限を有しております。このことを踏まえ、教育基本法や学校教育法、学校教育法施行規則に基づき、文部科学大臣が公示する学習指導要領等に従い、各学校において適切に教育課程を編成し、検定教科書等を用いて授業が行われているわけでございます。  このように、学校教育においては、法令によって定められた基準に基づき適切な教育が行われるべきものでありまして、教育基本法第十四条第二項で禁止されているような、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他の政治的活動を行ってはならないということは当然のことでありまして、安倍政権においても、法令に基づく適切な教育行政の遂行に努めているところでございます。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 法令がある以上、当然そういうことになるかと思いますけれども。  次に、ちょっと竹富問題に移りたいと思うんですけれども、今回提出されているこの法律が通った後でも、教科書が国の無償供与の対象にならないケースが出てき得るのかどうかということをお聞きしたいと思います。  その場合、今回の竹富町のように、篤志家の人の寄附により教科書の配付が行われた場合は、これは法律でもいいのかどうか、法律上許されるのかどうかという、ちょっとお聞きしたいと思います。地方公共団体自ら教科書を購入して生徒に無償で供給することは法律上禁止されているものではないという法制局の判断が出ているようですけれども、一般の人の寄附により教科書の配付が行われているというのは法律上許されているのか、問題はないのかどうかということをお聞きしたいと思います。  例えば、検定を通ったとはいえ、大金持ちの人が自分の好きな教科書をこれ使えよということで、寄附するからこれ使えよということが許されるのかどうかという問題なんですけれども、要するに、個人の寄附によって教科書が配られるということはいいのかどうかということをお聞きしたいと思います。

前川喜平文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(前川喜平君) 今回の改正によりまして、共同採択地区における市町村教育委員会の協議の方法に関する規定の整備などを行うこととしておりまして、これによりまして、各採択地区内であらかじめ協議のルールが明確になり、採択地区内で同一の教科書とならないという事態の再発は防止できると考えております。  ただ、万が一、ルールが決められているにもかかわらず、ルールに反して同一の教科書を採択しないという市町村教育委員会が出てきた場合のことでございますけれども、法律に違反して教科書を採択するということ自体は、これはもう明らかな違法行為であるということで必要な是正措置が講じられなければならないということになります。ただ、その場合に、当該地方公共団体が自ら教科書を調達し、生徒に無償給付することまで禁じられているとは言えないということでございまして、現在の竹富町につきましても、その採択した教科書を寄附によって調達し配付するということまで法律で禁じられてはいないと考えているところでございます。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 ちょっと早いんですけど最後の質問になりますけれども、琉球新報の二〇一四年一月四日に、米ニューヨーク・タイムズ紙が二〇一三年十二月二十九日付けで八重山の教科書問題について触れているという記事を載せているんですけれども、そのタイトルが、歴史修正の中心にということ、そして竹富教科書、米紙が右傾化懸念というタイトルになっていますが、私、それでちょっと英語の原文を読んでみたんですけれども、右傾化懸念というタイトルを付けるほどの内容じゃなかったかなと私は思ったんですけれども、私の英語の能力が悪いのか、それともちょっとタイトルの付け方が悪いのか、どうかなというふうに思ったんですけど、文部科学省はこの新聞読まれましたでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 御指摘の記事について質問があるということで、私も読ませていただきました。  竹富町教育委員会に対して是正の要求を行っているのはそのようなことではなくて、竹富町教育委員会の教科書採択が教科書無償措置法の規定に違反している状態を是正することを求めるというものでありまして、決して特定の教科書を押し付けるというものではないわけでございます。琉球新報とかニューヨーク・タイムズはそういう事実関係について理解をしていただきたいと思います。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 マスコミですからなかなかクレームを付けるのも難しいと思いますけれども、その辺はきちんとおっしゃっていただければというふうに思います。  以上で質問を終わります。

柴田巧結いの党

○柴田巧君 結いの党の柴田巧です。  私で衆参合わせてこの法案の審議の十九人目でございまして、正直、お聞きをしたかったこと、ほとんど聞かれてはおりますが、最終バッターということでお許しをいただいて、確認の意味も込めて、以下、お聞きをしていきたいと思います。  基本的に、私どもは、衆議院でも我が党の井出議員も申し上げましたが、今回のこの竹富町の事例をもって今直ちにこの法律を変える緊急性、必要性が本当にあるんだろうかというのを大変疑問に感じておりまして、その前にやるべきことがあるんではないか、あるいは問題の本質がちょっと違うんではないか、目指すところが異なっているんではないかという感じがしてなりません。また、我が国始まって以来という地方自治法による竹富町への是正要求を出すことが本当にこれ適切なのかどうか。まるで、意に沿わない小さな町を何とか力ずくで無理やり方針を変えさせようという感じがしてならないわけですけれども。  そういう観点で幾つかまずお聞きをしたいと思うのですけれども、竹富町は、先ほども前の質問者の方もお触れになっておりましたが、まず、この答申の決定過程、八重山地区協議会におけるこの協議の手順の正当性に疑義を唱えてきたわけですね。先ほどもありましたように、この答申が協議会で出るまでの過程というのは、本当にまともな手順を踏んだのかどうかというのは私もやはり疑問に思わざるを得ないと思います。  先ほどもお話がありましたように、調査員の事前の順位付けを廃止して、調査員の推薦のない教科書も対象に加え、これは育鵬社ということになりますが、無記名投票で決めるという方式にまあ事前に変えられる、変わったということで、独断的な規約の改正や運営がなされたと言っても言い過ぎではないんじゃないかと思いますが。  これが事実として、文科省としてはこの答申に至るまでの過程というのは本当に問題がないという認識に立っておられるのかどうか、まずこの点からお聞きをしたいと思います。

前川喜平文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(前川喜平君) 平成二十三年度の八重山採択地区協議会のまず規約の変更でございますが、いろいろこれにつきましては経緯があったと承知しておりますが、最終的には関係者の合意により行われたものと承知しております。  また、採択すべき教科書の決定につきましては、八重山採択地区を構成する教育委員会があらかじめ合意して定めた規約に基づいて行われたものというふうに承知しております。  いずれにせよ、八重山採択地区協議会の規約に従ってまとめられた結果が教科書無償措置法第十三条第四項の規定による協議の結果に当たるというものでございまして、竹富町教育委員会はこの協議の結果に基づいて教科書を採択しなければならないと認識しているところでございます。

柴田巧結いの党

○柴田巧君 そうおっしゃいますが、どこを見ても、あるいは議事録等々、何回も読んでも、どうも、何といいますか、正当なものじゃないんじゃないかということを私も感じざるを得ません。  そして、竹富町だけが一応悪いということに、違法だということにしておられるわけですけれども、是正要求をもし本当に出すとすれば、これまでも議論がありましたが、本来はやはり三つ、石垣市、与那国にも出すのが本来の在り方なんじゃないかと思うんですね。基本的に全構成者が受け入れられないような答申を出すこと自体が、採択地区協議会としては十分にやっぱり機能していない、仕事をしていないということなんだと思いますが、こういう具合に、本来ならば同一の教科書が採択される、そういういろんな環境整備を整えるというか、こういうことも本来、是正要求を出す前にあってしかるべきだったんではないかなという感じが拭い去れないわけですね。  大臣は記者会見でもおっしゃっていましたが、衆議院の文部科学委員会で我が党の井出議員の質問に対しても、育鵬社をメーンで使いながら、一方で東京書籍も使ったらいいという、そういうやり方もあったんじゃないかということをおっしゃっていたと思います。ある意味、大人の知恵の一種なのかもしれませんが、もしそういうお考えを持っておられたのだとすれば、そういうことを、あるいは竹富町側に何らかの形でお伝えになったことがあるのかどうか、大臣にちょっとお聞きをしたいと思います。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) そもそも、教科書無償措置法第十三条第四項に基づいて、これは竹富町がほかの自治体と同じように同じ教科書を採択すべきであると。それが、していないという違法状態二年間続いていた、それを是正するための措置ということで是正要求もしているわけでございますが、その中で、私があの記者会見やあるいは衆議院の文部科学委員会で述べたことについては、竹富町がまずルールを守ってください、従ってくださいと。しかし、どうしてもそれ以外の教科書も使いたい、東京書籍を使いたいということで、なおかつ篤志家によって寄附がもう既にされているということであれば、東京書籍版の公民教科書についても副教材として使えばいいのではないかと。つまり、二つの教科書を読み比べることによって子供もより多角的な角度からいろんなことが考えるきっかけになるのではないかということを申し上げたわけでございます。  この趣旨は今年三月十八日の閣議後記者会見でも発信しておりまして、このことは新聞報道もなされているところでございますので、このメッセージは竹富町にも伝わっているものと考えております。

柴田巧結いの党

○柴田巧君 伝わっているものと大臣が思っていらっしゃるわけで、実際にはやり取りをされたわけじゃないんだろうと思いますが。  やはり、問題をこじらせる前に、それが、今のが妥当かどうかは別にして、何らかのそういう大人の知恵を働かすようなことがあっても私は正直よかったんではないかなと。要するに、極端な話、育鵬社も東京書籍も、ほかの適法の教科書であれば基本的には大きな問題にはならないんだと思うわけで、AとBでもめるなら例えばCでまとめるというやり方もあるんじゃないですかと。実際にまとまるかどうかは現場が判断することですけれども、そういうやり取りもあってしかるべきだったんじゃないかと思いますが、この点は大臣、どういうふうにお考えになりますか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 先ほど田村委員からも御指摘がありましたように、私、大臣政務官のときから、自治体からそういう話があったとき、やはり正規の教科書は無償措置法の中できちっと是非これは使うべきで、これはルールですから、法律は従ってくださいと、どうしてもほかに教科書が使いたいということであればそういうふうな形で使う方法はあるのではないですかということは、これはもう文科大臣政務官になったときからそういう話は言っておりました。

柴田巧結いの党

○柴田巧君 今お聞きをしたのは、それとは別に、AとBがあって、C、Dがあって、AとBじゃなかなかまとまらないと、その地区の協議会がですね。例えば、じゃCという手があるんじゃないですかという具合に、実際に決めるのは現地で決める、協議会で決めるわけですが、そういったやり方でまとまるようにむしろ環境を整える、あるいはサジェスチョンをしていくということなどがあってもよかったのではないでしょうかということをお聞きをしているということです。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) それは国の越権行為だと思います。基本的にはまず教育委員会で決めるべきことでありますが、ただ、共同採択地区については無償措置法によって共同採択地区の協議会で決めるということでありますから、そこで決めるというのが当然の話でありまして、私も、決まった教科書はきちっと使ってくださいと、それ以外にどうしても使いたい教科書があれば副教材で使うということもあり得る話だということは申し上げたことはありますが、国がA、B以外のCを提案するということは、これはまさに法律違反になると思います。

柴田巧結いの党

○柴田巧君 私が申し上げたいのは、例えばそういう例も出しましたが、まとまるように、是正要求をどんと出す前にいろんな努力があってしかるべきではなかったんでしょうかということを申し上げたいということであります。  いずれにしても、先ほどからも申し上げていますように、今回の竹富町への是正要求というのは、先ほどもお話があったように、教育の現場は何も混乱していない、困っているわけでもないですし、だからこそ恐らく地教行法によっての是正要求を出さなかったんだろうと思いますが、いずれにせよ、今度の法改正では町村単位でも採択地区は認めてもいいという改正案になっているのにもかかわらず、竹富町には採択を変えよと迫るのは、私は言っていることとやっていることが一貫していないというか、そういう感じを持つわけであって、やはりそこら辺がどうも私は理解に苦しむわけですけれども、そこら辺の、この法改正で目指している町村単位でもいいじゃないかと、一方で、竹富町はこの採択を変えよというのは首尾一貫していないと思いますが、その点はどのような認識でしょうか。

前川喜平文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(前川喜平君) 今回の改正は、近年の市町村合併の進行によりまして、一郡内に一町あるいは一村しかないという地域が増えたり、また町村が飛び地になっている郡が生じたりするなど、郡という行政区画を採択地区の設定単位とする意義が失われつつあるということから、郡の区域にかかわらず柔軟に採択地区を設定できるようにするというものでございます。  したがいまして、今回の改正によりまして共同採択制度の趣旨を一切変更するものではございませんで、採択地区の設定は教科書無償措置法が共同採択制度を採用している趣旨を十分に踏まえて行われるべきであること、また共同採択地区内の市町村教育委員会は同一の教科書を採択しなければならないということに変更はないわけでございます。  また、今回の法改正の成否にかかわらず、八重山採択地区において、これまで竹富町教育委員会が規約に基づく採択地区協議会の協議の結果に反する採択を行ってきたという事実に変わりはございません。  したがいまして、今回の法律改正と、竹富町に教科書無償措置法違反の是正を求めていることとの間には矛盾はないと考えております。

柴田巧結いの党

○柴田巧君 そこはどうも考えが大きく違うようですけれども。  ちょっと質問を前に進めますが、先ほどから小さな町村では事実上教科書の調査研究等が難しいんじゃないかということが言われているわけで、例えば沖縄県教委が八重山地区を竹富とそれ以外で分けるとしても、それは実際分ける、決めるのは県教委としても、文科省としてはどうも否定的な見解が先ほどから続いておりますが、実際にこの調査研究というのは十二分に、先ほどの石橋先生からも出ている資料も見る限り、十分できると思いますし、教科書の採択に関する調査員の一採択地区の平均の調査員は四十四・六人と言われておりますので、竹富町は今六十人余りいらっしゃるということからしても、物理的には恐らくこれはできることなんだと思いますけれども、この点はどのように考えておられるんでしょうか。

前川喜平文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(前川喜平君) 採択地区の設定につきましては、都道府県教育委員会が、その採択地区に関する関係市町村教育委員会の規模でありますとか、またその教科書の調査研究の能力、また関係市町村間の地理的な近接でありますとか、自然的、経済的、文化的な諸条件を踏まえて判断すべきものであると考えております。  文部科学省といたしましては、八重山採択地区につきましては、そういった観点から申しますと、一つの採択地区であるべきものであるというふうに考えております。

柴田巧結いの党

○柴田巧君 いや、私がお聞きをしているのは、物理的に現時点で一採択地域での調査員が四十四・幾つだと平均値が出ているわけで、今、竹富町に六十人余りの教員がいらっしゃったら、その方に調査員をやってもらうとしたらできる数字なんじゃないですか、物理的に可能なんじゃないですかと、そのことについての見解をお聞きをしています。

前川喜平文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(前川喜平君) 教科書の調査研究の体制あるいは能力というものがあるかどうか、これは都道府県の教育委員会が採択地区を設定する際に勘案すべき要素の一つではございます。  この観点から、竹富町につきましても、沖縄県の教育委員会がその点は判断すべきであると考えますけれども、採択地区の設定につきましては、その要素だけで決めるわけではないということでございます。

柴田巧結いの党

○柴田巧君 あるいはまた、県教委のいろんな精査した内容を踏まえて、あるいは、要するに簡単に言えば、県教委と共同してそういう作業もできるものだと思いますが、それは間違いないですね。

前川喜平文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(前川喜平君) 都道府県教育委員会が採択地区を設定あるいは変更する場合には、あらかじめ関係する市町村教育委員会の意見を聞かなければならないということとなっております。これは現行法に規定されているものでございます。その意見は当然尊重しなければならないということになります。  しかし、仮に市町村教育委員会の意向のみに基づいて採択地区を設定するということになりますと、小規模な自治体が共同採択を希望していたとしても、近隣の市町村教育委員会の意向により共同採択ができなくなるというような事態も考えられます。全国町村教育長会からも共同採択の存続は要望されているところでございまして、都道府県の教育委員会が判断するということでございます。

柴田巧結いの党

○柴田巧君 その質問はまだしておりません。  私がお聞きをしたいのは、市町村教委と県教委が共同して、連携して教科書の調査研究というのはできるんでしょうと。つまり、県教委が目安とかそういったものをつくって、そうなれば、市町村教委の負担は軽減されるわけです。そういうことは可能なんですよねということを今お聞きをしたわけです。

前川喜平文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(前川喜平君) 都道府県の教育委員会は、必ず採択すべき教科書に関しまして資料を整えて市町村に提供することになっております。これはどの採択地区においても、都道府県の教育委員会が作った資料は一つの参考資料として使っているところでございますが、採択に直接関係をする調査研究、これはそれぞれの採択地区の責任においてやっているということでございます。

柴田巧結いの党

○柴田巧君 いずれにしても、能力的には十分できるはずだと思われますが、したがって、非常に否定的な見解ばかり出ますけれども、まずその点を取っても十分可能なんだろうと思われます。  それで、もう時間が参りましたので、最後の質問にさせていただきたいと思いますが、先ほどからも出ておりますけれども、やはり、この採択の単位を将来的には学校単位にしていくということがこれまでの閣議決定でもなされていることであり、また学校教育の多様化がますます進んでくる、また独自の工夫が求められる中で、この学校単位の採択をやっぱり目指していくということが、一歩進めていくということが大事なんだろうと思いますが、大臣にそこら辺のお考えをお聞きをして、最後にしたいと思います。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 学校単位で自ら採択できることが望ましいという話でありますが、例えば先ほどの竹富町も、児童が小学校で二百三十九人、中学校で百十四人ですから、学校単位そのもののようなものであります。ただ、学校はもっと数がありますけれども。この中で、小学校だけで五十一種類二百八十冊の教科書があるわけです。中学校では六十六種類百三十一冊の教科書があるわけで、これを本当にその限られた竹富町の教員全員が、四十人ですけれども、本当にやれるのかどうかということはやっぱり問われるのではないかというふうに思います。そういう意味で、この共同採択制度というのはこれは町村教育委員会から是非堅持をしてほしいという意向が出ているわけでございます。  今後、この共同採択制度を含めた教科書制度の在り方については、一つは学校教育の自主性、多様性を確保するという観点とともに、適正かつ公正な採択を確保することの重要性を踏まえ、市町村教育委員会の意向を十分に聞きながら、検証、検討していくべき課題であると考えております。

柴田巧結いの党

○柴田巧君 時間が来ましたので、終わります。  ありがとうございました。

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  本案の修正について那谷屋君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。那谷屋正義君。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案を提出したいと思います。今からその趣旨説明を申し上げます。  私は、ただいま議題となっております義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会を代表いたしまして、修正の動議を提出いたします。  修正案の内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。  これより、その趣旨について御説明申し上げます。  内閣提出の法律案は、共同採択地区内の市町村教育委員会に対し、採択地区協議会の協議結果に基づいて種目ごとに同一の教科書を採択するよう義務付けるものであります。しかし、現在の共同採択制度の意義は、政府の説明によれば、いずれも行政効率上の要請によるものにすぎず、存続させるに足る合理的な理由はありません。  義務教育については、教育における地方分権の流れに鑑み、できる限り市町村や学校現場に委ねることこそあるべき教育の姿であり、教科書採択に当たっても、地域や学校の実情に応じた多様な教育の推進を図るため、段階的に市町村や学校単位での採択に移行していく必要があります。このような観点から、各市町村の教育委員会がそれぞれの実情に応じた教科書を自ら採択できることとする本修正案を提出いたしました。  修正の要旨は、次のとおりであります。  第一に、教科書採択地区の制度は廃止し、二以上の市町村の区域を併せた地域である教科書採択地区内の市町村立の小中学校において使用する教科書について、種目ごとに同一の教科書を採択しなければならない旨の義務付けを廃止することとしております。  第二に、二以上の市町村の教育委員会は、これらの市町村立の義務教育諸学校において使用する教科書の採択のための研究を共同して行うことができるものとすることとしております。  第三に、政府は、この法律の施行後五年を目途として、施行状況を勘案し、学校ごとの教科書の採択制度を全ての種類の学校について導入すること等について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする旨の規定を加えることとしております。  このほか、採択した教科書の種類等の公表について、内閣提出の法律案では努力義務とされているものを、義務規定に改める等の修正を行っております。  以上であります。  何とぞ、委員各位の御賛同をいただきますようお願い申し上げます。

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) ただいまの修正案に対し、質疑のある方は順次御発言願います。

石井浩郎自由民主党

○石井浩郎君 修正案に対しまして質問をさせていただきます。  まず、修正案が原案と最も違う点は、共同採択制度を全て廃止して、代わりに共同研究の制度をつくるということだと思っております。この制度では教科書の調査研究と教科書の採択が切り離されるわけでありますが、これで本当に教科書の調査研究が実効的になるものなのか疑問に思います。  教科書の調査研究ということの意義を重視するのであれば基本的に現行制度を維持すべきと思いますが、採択に当たって教科書の調査研究を行う意義をどのように考えているのか、伺います。  また、その意義を実現するために、共同研究委員会における教科書の調査研究を実効的なものにするための手だてがあるのであれば、教えてください。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 答弁させていただきます。  その前に、この修正案に対しまして、委員長を始め各理事の方、各委員の方々に、このような審議の場を設けていただきましたことに心より感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。  それでは、答弁をさせていただきたいと思います。  義務教育において使用する教科書は、全ての児童生徒が使用する最も重要な教育文書であります。したがって、多数ある教科書のいずれを採択の候補とするかについて綿密な調査研究が必要になるわけであります。具体的には、多数の教科書を十分に読み込み、分析し、及び比較した上で、それらの差異や長所短所を踏まえた採択の基礎資料を作成することが、内実を伴う教科書採択の実現及び採択した教科書の円滑な活用のために重要であります。しかしながら、小規模な町村など、十分な人員を確保できない場合も考えられるために、そのような場合には、他の市町村と共同で研究を行うことによりこうした作業を充実させることが期待されるところというふうに考えております。  二つ目の質問の共同研究委員会の調査研究を実効的なものとするための方策という御質問でございますけれども、やはり共同研究をする際の委員会のスタッフをまず充実させるということ。例えば、教員というのが多いということでありましたけれども、教員、PTA、あるいは学者等々、地域のそういった方々をスタッフにして充実をさせると。また、そのスタッフが十分な研究がやはりできる時間等の諸条件を確保するということが大事ではないかというふうに思っているところであります。

石井浩郎自由民主党

○石井浩郎君 時間が五分という短い時間でありますので、もう一点だけ伺いますけれども、手短にお願いいたします。  採択結果及び理由の公表につきまして、政府原案では努力義務としていますが、修正案では義務としております。特別支援学校や私立学校でも教科書の結果や理由等が公表されていない学校が一校でもあれば、これは法律違反になるという理解でよろしいのか、お伺いいたします。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 これは私の質問のときにも質問させていただきましたけれども、基本的には、私学といえども公費を使っての教科書ということでありますから、その説明責任は必ず負うというふうに考えておりますので、まず原則、やはり義務化するということでございます。その上で、特別支援学校等について、公表内容によっては個別の児童生徒やその障害の特性が特定されることを拒む保護者、本人もいらっしゃると思いますので、そのことについては文部科学省令において、そしてまた、そのような事項が明らかになる資料が含まれないように定めるなど、公表対象の資料を作成する中でそのような記述をしないよう、運用において工夫することが可能だというふうに考えているところであります。

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 石井君、時間が来ております。

石井浩郎自由民主党

○石井浩郎君 はい。全ての学校、全ての教科書について公表を義務付けるというのは少し行き過ぎではないかと申し上げまして、質問を終わります。  ありがとうございました。     ─────────────

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、斎藤嘉隆君が委員を辞任され、その補欠として江崎孝君が選任されました。     ─────────────

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 民主党・新緑風会の石橋通宏です。  先ほどの閣法についての質疑に続きまして、修正案に対して、民主党・新緑風会を代表して質疑させていただきます。  最初に、この修正案の意義についてお伺いをしたいと思います。  先ほど、政府案に対する質疑でも、やっぱり本来あるべきは地教行法で保障された市町村の教育委員会が本来この教科書の選定権、決定権を持つべきだ、しかし、この現行の教科書無償法の下で共同採択地区、こういうことが設定をされて、今回の八重山のような課題が出てきているということを鑑みますと、やっぱりこの教科書無償措置法、これは本来あるべき市町村の教育委員会が持つ教科書選定決定権、これをしっかり保障する方向で改正をすべきだというふうに思っておりますが、この修正案がその方向に進むものなのかどうか、まず、この点確認させていただきたいと思います。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 御指摘のとおり、民主党といたしましては、義務教育については、教育における地方分権の流れに鑑みまして、できる限り市町村や学校現場に委ねることこそあるべき教育の姿と考えており、教科書採択に当たっても、地域や学校の実情に応じた多様な教育の推進を図るため、まずは市町村別の採択を可能とした上で、段階的に学校単位での採択に移行していく必要があると、こういうふうに考えているところでございます。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 御説明いただきました。まさにあるべき方向性での改正、修正になるというふうに思っております。  しかしながら、先ほどの質疑でも多々ありましたけれども、中には、規模が小さかったり様々な要因があって、せっかく教科書を共同研究するんだから、採択もできれば今のように一緒にやるのがいいねという自治体があるかもしれません。例えば、今回の修正案で、共同研究はするんだけれども、採択地区そのものは廃止をすると。しかし、その上で、もし自治体がそう望んだとき、市町村の教育委員会が様々な御事情によりそう望んだときにどうなるのかと。  これは、現行の地方自治法の下でも、自らの選択によって協議会を設置をして、そこで共同で自治事務を行うことができるという規定がございます。まさにこの趣旨にのっとって、地方自治の本旨にのっとって、自らの選択によってそういうことを実施すると、このことは当然妨げられないという理解でよろしいでしょうか。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 御指摘の件につきましては、可能であるというふうに考えております。  いずれにしても、最終的には地教行法に基づく市町村教育委員会がその責任において教科書採択を行うというところでございますので、そのようなことも可能だというふうに思います。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 まさにこれがあるべき姿だと思っておりまして、地方自治体、そして市町村の教育委員会が本来主体的に判断できる、それを保障するべき方向に持っていくことが必要だというふうに思っております。  最後に、やっぱり我々が一番考えなければいけないのは、子供たちの学びの環境、学習環境というものをしっかり向上させてあげることだというふうに思っております。今回のこの修正案がこの子供たちの学習環境の向上にどのような影響、効果を予定されているのか、そのことについてお伺いして、質問を終わりたいと思います。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 民主党といたしましては、将来的には学校単位での採択に移行していくということが必要だというふうに考えておりますが、それはなぜかといいますと、教科書採択をするときに、例えば社会科の教科書を採択するときに、うちの学校の子供たちは資料の読み取りが弱いとか、あるいはもっと地図を読み取る力が欲しいとか、そういったものを見ると、教科書によってやっぱり資料の数だとか地図の多さだとかというのは大分違ってくるわけでありまして、そういう意味では、その子供たちの実態に合った、その子供たちの学びを伸ばそうとするその考え方の中で教科書が採択されていくということが望ましいというふうに考えているところであります。  以上です。

石橋通宏民主党・新緑風会

○石橋通宏君 終わります。

田村智子日本共産党

○田村智子君 質問の冒頭なんですけれども、八重山地区では、竹富町だけでなく石垣市の市民の皆さんも含めて多くの方々が民主的な協議によって同一の教科書採択をするということを今も求め続けています。共同採択をやめればいいということでは八重山地区の要求はないということは冒頭ちょっと指摘をしておきたいというふうに思います。  修正案についてお聞きします。  政府提出の改正案は八重山の教科書採択をめぐる問題を契機に準備が進められたものです。本修正案によって竹富町への文部科学省の是正指導というのはどうなるのか、お答えいただきます。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 今般、文部科学省が行った竹富町に対する是正要求は、現行法における採択地区の仕組みを前提としているものであります。  本修正案が可決された場合には、新たな採択の仕組みは平成二十七年度以降の採択について適用されるものでありまして、文部科学省が違法と主張している平成二十三年度の採択に遡って適用されるわけではないため、本修正案によって直ちに是正要求の効果が左右されるものではございません。  ただ、もっとも、市町村の自主性を尊重するという修正案の趣旨に鑑みれば、本修正案が可決された場合、竹富町に対する是正要求も撤回することが望ましいものと考えております。

田村智子日本共産党

○田村智子君 修正案によっては、今の是正指導は法的には撤回ができないということになってしまうわけですね。  もう一度お願いします。この修正案によれば、今行われている是正指導もこれは撤回されるということに……

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 いや、二十七年度以降。

田村智子日本共産党

○田村智子君 ではないわけですね。分かりました。  それで、そういう介入がふさわしくない、望ましくないということは先ほど来の民主党の議員の皆さんの質問を聞いていてもよく分かるんです。今後はそういう介入を起こさないようにという修正案であるということも分かります。  それで、那谷屋議員に聞くのはちょっと酷かもしれないんですが、しかしやはり八重山の問題で竹富町が違法の状態だとされたのは民主党政権下の下での判断だったわけで、私は、現行法に基づいても、それは三つの教育委員会が同一になっていないのだから、竹富町だけが違法状態というのは違うと思うんです。法律に基づけば、三つの教育委員会が協議によって同一のものになるようにということしか言えないはずだと思うんですね。  なぜ民主党政権の下で竹富町の決定を尊重するような、あるいは現行法に基づくようなもの、あるいは竹富町が違法の状態というふうにならないような改正とか対応というのができなかったのか、これ那谷屋議員に聞くのはちょっと酷かもしれないんですけれども、お答えいただきたいと思います。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 本修正案に対する直接の質問ではないし、また大変酷な質問と自ら言われましたけれども、大変厳しい御指摘だと思います。  確かに、この間議論がされていますように、民主党政権のときにこのことの判断が下されていたわけでありますけれども、そのことを党に戻って政務三役からいろいろお聞きをしたところ、それはおかしいではないかという議論がかなり出てまいりました。その中で今回のような修正案が生まれてきたというふうに御理解をいただけると有り難いというふうに思いますし、あの当時も、竹富町が法にかなっていないというそのことはあったとしても、でも、じゃ、一方の石垣や与那国がそれで法にかなっていたのかということについての議論が十分なされていなかったということは大きく反省をさせていただいているところであります。

田村智子日本共産党

○田村智子君 終わります。

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 他に御発言もないようですから、これより原案及び修正案について討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

田村智子日本共産党

○田村智子君 日本共産党を代表して、義務教育教科書無償措置法の一部を改正する法案に反対の討論を行います。  義務教育教科書無償措置法の目的は、憲法第二十六条の義務教育無償の原則を実現することであり、教科書の無償供与は全ての児童生徒に与えられた権利です。この当然の権利を保障するための制度を教育への国家介入のてことすることは許されません。教科書の採択、選定も憲法の精神にのっとり行われるべきです。大事なことは、学校教育の実践を担う教員による十分な調査や研究を踏まえ、地域住民の意見を尊重し、地域が自主的に教科書を採択することです。  ところが、今回の法案は、無償措置法が採択手続として定める広域の共同採択地区においては、採択地区協議会を設置することを法律で義務付け、教科書採択権を持つ各教育委員会に対して、採択地区協議会の協議の結果に基づき、同一教科書を採択する責務を課そうとするものです。これは、憲法の義務教育無償の原則を実現するという法の本来の目的を逸脱し、共同採択地区の協議でまとまらなかった場合に同一教科書を各教育委員会に押し付ける仕組みを強化するものです。地方教育行政の自主性を踏みにじるものであって、到底認められません。  本法案の契機として、二〇一一年の沖縄県八重山採択地区での中学校公民科教科書の採択問題が挙げられています。八重山の教科書採択問題の根本は、地区協議会会長が特定の教科書を選定しようとして独断的な規約改正や運営を行い、調査員の調査で最もマイナス点の多かった教科書を議論もなく選定したところにあります。それに対して文科省が、地方教育委員会の権限に属する採択方法にまで立ち入って介入したことが問題をこじらせました。今回、文科省が竹富町教育委員会に直接是正要求するという強権を発動したことは、異常としか言いようがありません。改めるべきは文科省の不当な介入であり、法まで変えて介入を正当化することは本末転倒も甚だしいと指摘しなければなりません。同様に、民主党の修正案も賛成できません。  八重山の問題は、当該地区教育委員会の話合いと努力に委ねるべきであり、現にそうした努力が続けられてきました。文科省は教育への不当で強権的な介入を直ちにやめることを重ねて求め、反対討論を終わります。

柴田巧結いの党

○柴田巧君 私は、結いの党を代表し、義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律の一部を改正する法律案並びにその修正案に反対の立場から討論を行います。  両案とも、沖縄県八重山採択地区における教科書採択問題を契機として提出されたものでありますが、この竹富町の例だけをもって現行法を直ちに改正する必要性、緊急性はないというのが我が党の基本的な考え方であります。  八重山教科書問題に際し、文部科学省は竹富町教育委員会に対して直接の是正要求を行いましたが、市町村に対し直接の是正要求を行うことは地方自治法上初めてのことであります。当該要求への対応に関しては、竹富町教育委員会側には国地方係争処理委員会への不服申立ての手続が、文部科学省側には違法確認訴訟の手続が残されております。こうした現行法上の規定された手続を尽くした後に法改正を慎重に判断すべきであります。  また、そもそも、八重山採択地区において教科書を一本化する責任は構成市町全体にあることから、竹富町だけに是正要求をすることに対し疑問の声があります。  さらに、現行法を改正をしても、地方教育行政法と教科書無償措置法の矛盾はそのまま残されており、再び同様の問題が発生する可能性も否定できません。今求められているのは、法を改めて再発防止を図るよりも、それぞれの現場に根差した採択の在り方こそ真剣に検討することにあります。  将来的に学校単位での教科書選択の可能性も視野に入れ、教科書採択地区の小規模化を検討するとの閣議決定をしております。学校教育の自主性、多様性を確保することの重要性に鑑み、将来的には教科書の採択権限を学校に与えていくことこそが必要と考えます。  以上のことから、現行法を直ちに改正する必要はないと考えますので、両案に反対を表明して、私の討論を終わります。

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律の一部を改正する法律案について採決に入ります。  まず、那谷屋君提出の修正案の採決を行います。  本修正案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 少数と認めます。よって、那谷屋君提出の修正案は否決されました。  それでは、次に原案全部の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、大島君から発言を求められておりますので、これを許します。大島九州男君。

大島九州男民主党・新緑風会

○大島九州男君 私は、ただいま可決されました義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。  一、都道府県の教育委員会は、採択地区の設定・変更に当たっては、関係市町村の教育委員会の意見を十分に尊重すること。  二、採択地区協議会の組織及び運営に関して定める政令については、採択地区協議会の透明性が確保される内容となるよう万全を期すこと。また、採択地区協議会が公正に運営されるよう努めること。  三、採択した教科書の種類等の公表に係る文部科学省令で定める事項については、採択手続の透明性を確保する観点から、採択結果や採択理由のみならず、協議の経過が明らかとなるよう、教育委員会の議事録や調査研究資料を含めるとともに、採択地区協議会の議事録についても同様の措置を講じ、広く周知に努めること。また、教育委員会等に対し、これらの事項の公表を積極的に促すよう十分な施策を講ずること。  四、教科書採択における調査研究の重要性を踏まえ、調査研究の体制充実に努めること。また、共同採択地区において共同して行われる調査研究の成果が、採択地区協議会による協議において十分に活用されるよう配慮すること。  五、政府は、障害者の権利に関する条約に掲げるインクルーシブ教育システムの構築に向けて、障害のある児童生徒が十分な教育を受けられるよう教科書・教材の充実等必要な諸条件の整備に努めるとともに、教育委員会等に対し、教科書のバリアフリー化への配慮を促すこと。また、デジタル教科書・教材の活用などICT教育の充実が図られるよう、実践的な調査研究を推進すること。    右決議する。

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) ただいま大島君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 多数と認めます。よって、大島君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、下村文部科学大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。下村文部科学大臣。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時二十三分散会

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