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186回国会参議院2014/05/20

内閣委員会 第15号

発言数
164
登壇者
22
会派数
7
開催日
2014/05/20

会議録

水岡俊一民主党・新緑風会

○委員長(水岡俊一君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、山口和之君、北村経夫君、山東昭子君及び神本美恵子君が委員を辞任され、その補欠として薬師寺みちよ君、堀内恒夫君、高橋克法君及び足立信也君が選任されました。     ─────────────

水岡俊一民主党・新緑風会

○委員長(水岡俊一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  健康・医療戦略推進法案及び独立行政法人日本医療研究開発機構法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官中垣英明君外十四名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

水岡俊一民主党・新緑風会

○委員長(水岡俊一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

水岡俊一民主党・新緑風会

○委員長(水岡俊一君) 健康・医療戦略推進法案及び独立行政法人日本医療研究開発機構法案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

上月良祐自由民主党

○上月良祐君 おはようございます。自由民主党の茨城県の上月でございます。よろしくお願い申し上げます。  まず最初に、健康・医療戦略の目的につきまして、官房副長官にお尋ねをいたしたいと思います。  前回、参考人質疑がございました。野党の推薦の先生ではございましたが、生田診療所所長の武村先生が、医学のためなのか経済発展のためなのかといったようなお話をされておられました。医学の進歩の目的は、人の健康を守ったり病気を救うことだと、それが結果的に経済発展に資するならばいいけれども、経済発展のために医学の研究をするというのはちょっと違和感があるなというようなお話をされておられました。これは、茨城県が全国的にも医師不足が大変厳しくて、いろんな数字がありますけれども、十万人対医師数では四十六位なんです。県におって働いておりますときから大変いろいろ苦労をしましたからそう感じるというだけではなくて、そういった懸念には私は傾聴すべき点があるというふうに思っております。  しかし一方で、充実した医療サービスを受けるというためには、社会保障全体の枠組み、あるいはそれを支える財政基盤が必要であるとも思っております。急速な高齢化が進む我が国でそれを維持していくためには、経済成長による経済基盤、財政基盤を安定化させることが欠かせないんだと思います。そしてそれを、経済成長していくことこそが健康長寿社会の形成につながっていく、そういう面もあると私は思っております。少子化対応も含めまして、経済基盤をどういうふうに強くしていくか、あるいは成長させていくかというのが大変重要であろうかと思っております。  健康・医療分野というのは成長戦略の柱の一つでもありまして、例えば医療ツーリズムなども取り上げられることがよくあります。こういった医療ツーリズムも大いにチャレンジしていくべきだと私は思っておりますが、例えば医療の分野を限るとか地域を限るとか、あるいは限定的に始めてみるとかということで、是非、国民医療、地域医療への配慮も忘れてはいけないんだというふうに思っております。  ここでお尋ねしたいのは、戦略の目的として、国民医療の充実と経済成長との関係をどのように考えていらっしゃっているのか、そして医療を含む社会保障全体の枠組みと経済成長との関係をどういうふうに捉え、この戦略を作って、そして動かしていこうとされていらっしゃるのか、このことについて副長官のお考えをお尋ねしたいと思います。

世耕弘成自由民主党内閣官房副長官

○内閣官房副長官(世耕弘成君) この法律は、まず一義的には、やはり国民が健康な生活及び長寿を享受することができる社会を形成するために、医療分野の研究開発を戦略的に推進をして、国民が世界最高水準の医療を享受できる、そういう環境を実現していくこと、これが一義的な目的であります。  その上で、今後、やはり成長分野と言われている健康・医療に関連する産業を戦略産業として育成をしていくこと、これも重要であるという認識の下、この戦略的な推進に必要な体制を整備しようということでこの法律を提出をさせていただいております。  具体的には、新たに内閣に設置する健康・医療戦略推進本部がありまして、これが医療分野研究開発推進計画を策定をして、おおむね五年間の計画として、再生医療とかがんといった重点的、戦略的に推進すべき領域を定めることとしておりますが、その際には当然、医学界を中心に、学識経験者など専門家を始めとして関係各層から広く意見を伺った上で決定をしていくことになると思います。そのときには地域医療といった視点も入ってくるのではないかというふうに思っています。  また、医療分野の研究開発の推進については、健康・医療戦略推進法第十条の基本的施策において規定するように、世界最高水準の医療の提供に必要な医療分野の研究開発の推進及びその成果の実用化を図るために実施するものであります。  こうした医療分野の研究開発を推進した上で革新的な医薬品の開発等を図ることで、新たな産業活動の創出等にもつながって、我が国の経済成長に資するものになっていくというふうに考えております。

上月良祐自由民主党

○上月良祐君 ありがとうございました。  大変安心をいたしました。国民医療、地域医療も考えながら、更に経済成長も考えていかれるということで、是非そういう方向で成果を出していただきたいと思います。そういう視点で、以下、何問かお聞きをいたしたいと思います。  まず、機構への補助金の在り方、研究費の補助金の在り方につきまして御質問したいと思います。  新しい機構をつくるということです。研究段階から実用化までシームレスに研究費の支援もしていこう、あるいはワンストップでできるように対応していこうというような形で言われております。研究者の事務的な負担はできるだけ減らしていただきたい、是非研究に没頭して、成果が出るような研究に励めるようにしてあげていただきたいというふうには思います。  そういう観点から見たときに、この機構に文科、厚労、経産から予算が集約されているわけでございますけれども、やっぱり各省からの補助金とされているのはちょっとどうなのかなというふうに私は思います。  予算を集約するということですから、ばらばらに各省が執行しているよりは、確かに重複を排除したり連携を強めたりするという点において一定の改善があるんだというふうには思います。しかし、例えば機構の方々の立場で見ていただきたいんでございますけれども、三省からばらばらに来ている補助金、これは三省との間で補助金の関係のやり取りは膨大な資料のやり取りをしなきゃいけないわけです。その中で、一旦予算があって、しかし、やっていく中でこの補助金とこの補助金連携させたいとか、こっちを一部こっちに持っていきたいとかという場合には、その三省と、あるいは内閣府を含めた四府省と調整をしなければいけないわけです。  これは、政治家としてはちゃんと調整しておけということなのかもしれませんが、役人の作業としては膨大な作業が必要になるわけです。例えば、三省分まとめて内閣府から一括交付金のような形で機構に渡してあげる。ミシン目は付けた上で、あるいはこういう分野は意識しろよと、こういう部門はちゃんとやってくれという本部の決定をちゃんと下ろしながら、あとは、何というんでしょうか、その機構にある程度の裁量を与えてあげる。そういうふうにすることで、より事務的な負担は軽減できて、成果につながるような形にできるのではないかなというふうにも思います。  どうしても機構と役所の間の関係でいうと、ある種の内部管理事務だと思うんです、国民目線から見た場合には、機構、独法と国の間というのは。そこを、その面倒くさい作業を幾らやっても成果という観点ではほとんど意味がないんですね。むしろ、それにとらわれている時間分だけ人が減っているような状況になるんだと私は思います。そういう仕事は極力減らして、そして成果につなげていくようなところに傾注していただきたいというふうに思うんでございますけれども、補助金の在り方につきまして、副長官のお考えを聞かせていただければと思います。

世耕弘成自由民主党内閣官房副長官

○内閣官房副長官(世耕弘成君) 今の御質問は、やはり内閣に今度設置される推進本部と、そしてこの機構との関係性をどういうふうに考えるかというところだというふうに思うんです。  まず、今度内閣に設置されます推進本部においては、先ほども申し上げたように再生医療やがんなど、どういった研究領域に重点的に配分を行うのかなどのまず資源配分の基本的方針について、有識者の意見も聞きながらまず本部で決定をさせていただきます。一方で、個別の研究課題についてはこの機構の方で、推進本部が作成をした方針に基づいて、この機構に置かれる研究マネジメントに優れたプログラムディレクターですとかプログラムオフィサーの下で、専門家の評価もいただきながらそれぞれ採否を決定をして研究費の配分をしていくということになります。これが、ですから本部と機構の関係であります。  こういった本部と機構の役割分担ということを考えたときに、やはり本部の方針を機構の業務運営で確実に反映をさせていく、そのことを担保するという観点から、我々は、機構における研究開発関係の事業費というのは、渡し切りの運営費交付金にするのではなくて、やはり補助金として措置をした方がいいというふうに考えたわけなんです。  しかし一方で、御指摘のように、研究現場でやはり柔軟に対応していくということも必要だというふうに思います。これは非常に重要だというふうに思います。ですから、そのために、内閣府に計上されている科学技術イノベーション創造推進費、これ五百億円ほどあるわけですが、その一部、百七十五億円を調整費として活用して、これはもう省庁関係なく、省庁をまたいで機動的に効率的に予算配分を行うことができるようになっておりまして、この百七十五億円の配分に関しては機構の理事長の裁量も発揮できるように工夫をしてやっていきたいというふうに思っております。

上月良祐自由民主党

○上月良祐君 ありがとうございます。  百七十五億円につきましてはよく分かります。実は調整費というのは、しかし、仕組みとしては大変、私は余り良くない仕組みだと思っているんです。  特区のときにも大臣と御議論させていただきましたけれども、予算で付いているのに財務省によくよく説明をしなければいけない。そして、内閣府が使えないんですね。各省に出して使うということになっております。何重にもバリアがあるんです。これは内閣府の予算で持っておけばいいんじゃないかと思います、百七十五億、調整費ではなくて。内閣府の予算、官房長官の予算として持っていて、必要だったらそのままずばっと出せばいいんだというふうにも思います。しかし、これはできたばかりの機構です。なので、いろいろ試行錯誤もしながら、是非より良い運営になるようにしていただきたいと思います。  一点、ちょっと注意しておいていただきたいなと私が元役人として思いますのは、やはり各省それぞれに補助金は持っておきたいわけですね。その補助金を出したい。そうすると、その壁のところは、例えばまたがるような運用をしようと思ったり、一部を振り替えて使おうと思ったら余計に難しい、何というんでしょうか、調整を強いれば強いるほど、要するに壁は守られるわけです。  なので、例えば、使いたいと思ったのに、駄目駄目と言いたくて物すごく面倒くさい調整をしたりするようなことが決してないように、より良く柔軟に使えるように是非とも御配慮をいただきたい、目くばせをいただきたいと、これは本当に思います。そうでなければ、成果が私はなかなか出ないんだ、つながらないんだと思っておりますので、これは御要望を申し上げたいと思います。よろしく是非お願いいたしたいと思います。  それから、済みません、その次に、研究の継続と淘汰というんでしょうか、その点につきましてちょっとお尋ねをしたいと思います。  研究開発というのはいろんな研究開発があるんだと思います。大変困難だろうと思うけれども、大きな成果につながるかなという可能性のあるような研究もいろいろあるんだと思います。といいますか、本当は大きな成果につながるようなものほど困難なんだというふうにも思います。そういった研究開発には、当然時間も掛かればお金も掛かる。いわゆる死の谷なんかも、実用化まで考えると、あったりするんだと思います。  しかし、時間が掛かろうが、費用が、もちろんそれはコストベネフィットはありますけれども、掛かろうが、絶対に成し遂げないといけないものもやはりあって、それこそが安倍政権にとっても重要かもしれませんけれども、日本にとって私は重要だというふうに思っております。  そういうときに、遠い将来を見通して、今あるシーズをどういうふうに見極めて、そしてどれに予算を付けるかということを判断して、そして長い期間掛かるその間、例えば科学技術でもFIRSTから今度ImPACTに変わるというような制度の変遷もあるんだと思います。そういった変遷も乗り越えて、継続性を維持していって予算を付けていくか、付けれるかどうかということは大変重要だというふうに思います。  一方で、継続性を意識することと併せて、予算をやっぱり淘汰していくということも大切なんだと思います。予算を削る、今まで付けてきた研究の予算を削るというのは付ける以上に難しいんじゃないかなというふうなこともあると思います。泣いて馬謖を斬るような話もあるかもしれません。顔を知っている研究者に付けている補助金を切らなきゃいけないというのは大変難しいこともあるかもしれませんが、やはり淘汰をすべきものを見極めて、もう全然成果が出なくなってからではなくて、ある程度のところで見極めて淘汰をしていく、そういうことによって、本来付けるべき、何というんでしょうか、将来に向けての投資ができるというようなこともあろうかと思います。  そういった意味で、どういうふうに継続性を確保していく、どういうふうに淘汰をしていくのかという点につきましては、大変重要な点があろうかと思います。ただ、ライフサイエンスの分野を取りましてもいろんな研究があると思います。全然違うものをどう評価するのか、そして異質なものをどういう尺度で取捨選択を考えていくのか、将来の投資を考えていくのか、どんな基準や考え方でやったり、どんな仕組みや体制でやったりするのかなというところが大変難しいところだと思います。しかし、難しいけれども、そここそがポイントでもあろうかというふうに思います。  これは各国みんな同じなんだと思います。その中で、各国との競争という面もあろうかと思いますので、この考え方について、これは政府参考人の方で結構でございます、どんなふうな考え方、体制で臨むのか、教えていただきたいと思います。

菱山豊内閣官房内閣審議官

○政府参考人(菱山豊君) 日本医療研究開発機構におきましては、プログラムディレクターの下で専門家の評価も得ながら具体的な研究テーマを決定いたしまして、研究費の配分、それから研究管理、支援等を行うということになります。  このようにして機構が採択した個別の研究課題につきましては、機構の中に評価のための専門家による会議を設置いたしまして、このプログラムディレクターが研究の進捗に応じてその専門家の評価も得ながら、中間評価それから事後評価、そういった評価を行っていきます。そういった評価の結果をその後の研究計画や研究費の配分の見直しに適切に反映していきたいというふうに考えております。  また、必要に応じまして、研究だけではなくて、知財の取得とか、他の研究プロジェクトの連携、そういったことなど、専門的、技術的な観点からの助言を行うことによって、より効果的、それから効率的な医療分野の研究開発を推進していきたいというふうに考えております。

上月良祐自由民主党

○上月良祐君 ありがとうございます。  有識者による評価ということなんですが、研究者の方々とお話をしていますと、どうしても、専門分野、深いんですけれども、どちらかというと幅が限られた専門分野の専門家の方々がたくさんいて、それをまたがるような評価というのは、サイエンスコミュニケーターというんでしょうか、その通訳をしてくれる人がいないと、役人の官僚の皆さんとの間でも政治家との間でもなかなかその評価というのは難しいんだと思うんです。  ただ、そこが、そここそがポイントだと思いますので、是非その点について、これも試行錯誤が必要なんだと思います。最初からもう誰がやってもできるというような簡単な問題じゃなくて、大変難しい問題だと思いますけれども、その点を是非とも頑張っていただきたいと思いますので、この点につきましては、官房長官も来られました、副長官もいらっしゃいますので、その点につきましては是非、その仕組みづくりというんでしょうか、そこが大切だということでしっかり取り組んでいただきたい、これはもう御要望申し上げたいと思います。  長官来られましたので、ちょっと順番変えまして、PD、POの話ではなくて、長官に、時間も限られておりますので、お伺いしたいと存じます。  私は、是非この健康・医療戦略、成果を出していただきたいというふうに思っております。先ほども申し上げたんですが、これは安倍政権にとって三本目の矢という意味で大変重要なことだと思いますけれども、それだけではなくて、日本の将来にとっては本当にこれほど重要なものがないんだと。ですから、絶対に成果を出していただきたいんだというふうに思っております。  そして、この研究開発というのは大変時間が掛かるものだというふうに思っておりますが、誰かがしっかりそのプロジェクトを見続けないといけないんだというふうに思います。研究者やPD、PO、こういった方々を支える官僚組織、役人の皆さんが一年あるいは二年でころころ替わっていくというようなことでは、成果には絶対つながらないと私は思っております。  例えば、どこかの会社があるとしまして、会社の命運が懸かっているようなビッグプロジェクトがあれば、そこにはやっぱり優秀な人を配置するんだと思います。そして、通常の人事があるとして、通常の人事が例えば一年、二年で回るとして、ビッグプロジェクトをやっている優秀な人を通常人事だからといって替えたりはしないんだと思うんです。そこは社長がやっぱりその人をちゃんとつかまえて、そしてミッションを与えてきちんと成果が出るようにやってもらう、やらせるということが大変重要じゃないのかなというふうに思います。  実は、官僚にとって一年、二年で替われるというのが、言葉はちょっとおかしいかもしれませんけれども、私は、最大の特権というんでしょうか、つつがなく過ごせば上がっていくというのでは私は駄目なんだと思っております。やはり成果が出た人が良くなっていく、出るまでちゃんと、特にスペシャルタスクの場合は是非ともいてもらってきちんとそこの仕事をしてもらう、そういったことが必要ではないかなというふうに思っておりますけれども、この点について、長官のお考え、どんなふうに考えていらっしゃるか、是非お聞かせいただきたいと思います。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) 委員の私はおっしゃるとおりだというふうに思います。委員も自らの官僚の生活の経験の上での発言であるというふうに思っています。  しかし、残念なことに日本という国は、一、二年で異動する人が何となく次のポストが待ち受けてという、その間は大過なく過ごしていくと。こういうことを私たちは払拭をしたいというふうに思っております。内閣人事局、創設したのもその一環であります。  いずれにしろ、国益のために懸命に努力していただいている方、そうした方をしっかりと働くことのできる環境を整備していくというのが私たちの役割だというふうに思っております。そういう意味におきまして、この機構においても、マンネリではなくて、やはり一つの目標に向かって成果を上げることのできるような環境を整備していくのが政府の役割だというふうに思っていますので、御指摘をしっかり受け止めさせていただいて、そういう体制をつくり上げていきたいと思います。

上月良祐自由民主党

○上月良祐君 ありがとうございます。  もちろん、全てが一瞬で全部が変わるというのは、これは難しいんだと思います。しかし、やはり十年前、二十年前とは日本の置かれている環境が大きく変わっていることも事実だと思います。  地方自治体、県庁の例ではありますけれども、やはり課長、二年ぐらいで替わるというルールを基本的に、私いるとき見直しました。二年三か所ではなくて三年二か所というような形で長く務められるようにする、新採の人もころころ出先と本庁を行ったり来たりするのではなくて、長く担当の人もいてもらう、そういうふうに原則と例外を変えました。それは、やはりこれほど難しい課題がたくさんある時代だから、十年前、二十年前のルールと変わっていてしかるべきだと思うんです。同じことをやっていて違う環境に対応はできないと私は思います。  特に、先ほど長さの話も申し上げましたけれども、もう一点申し上げたいことがありますのは、例えば、先ほど実は補助金の、三省の、厚生労働と文科と経産の補助金が三つ流れることになっております。補助金を三つ流すのは縦割りに基本的にはなっているわけではございます。  しかし、例えばその補助金を少し一部流用して、流用というか組み替えてこっちに使うとか、つなげて使うとか、そういったような形をやる。そうすることによって、例えば自分の役所の補助金が減ってしまうかもしれないんですね。しかし、成果を出すためには、日本の国益のためには大変重要だという運用かもしれないわけです。  しかし、そういうことをやって自分の予算を減らした役人というのは、基本的に役所では評価されないわけですよ。そうしたら誰もやらないですよ。政治家だって役人だって一緒です。評価されるからやるわけで、こんなことをして評価されないんだったら誰もやったりはしないですよ。  なので、私、役所を動かすときには、やっぱり役所の評価軸を変えなければ、その役所の権益を果てしなく守ろうとするような動きではなくて、それも全部ぶっ潰してくれと言うつもりはないです。しかし、せっかくNIHをつくって長官がヘッドになっていらっしゃるわけですから、そういう意味では、ほんの少しでもやはりそういうふうに柔軟に動かす、そういったことをやってくださるような人こそが評価されるべきだし、そういうふうなことを評価するということがなしに役人組織は動かないです。評価軸を変えなければ、やはりその役所を動かす、これを変えろと言ってもそれが評価されないんだったら、やっぱりそういうふうなビヘイビアにはならなくて、そういったことをやることがプラスに、例えば官邸から、今もう本当、政権の中枢にいらっしゃる菅長官、副長官からそういったことが重要だと言われている、評価されているということが分かるから皆さん動くようになるんだと思います。  一個一個のことの敷居、境目を変えることよりは、そういうふうなマインドになってくれば本当に役人組織というのが動き出すんだと私は思います。そうでなければ、この予算をいかにして守ろうかというふうについついなってしまいがちだと、こういうふうに思いますので、その点につきましては、是非とも私は成果につなげていただきたい。その思い、一心で、是非ともそういうふうな運用を、全部を長官が細かいところまで見るのはこれは無理でございますので、そういう意味では役人のヘッド、今回は和泉補佐官がいらっしゃいますから、本当に優秀で実行力があってすばらしい方です。そういった方を本当うまく使っていただいて役人組織を動かしていただきたい。是非そのことをお願いをその点は申し上げたいと思います。  それからもう一点は、医療戦略、今回やはり成果を出すための基盤づくりの方なんですが、そこが大切ではないかと思う点でございます。  とにかく成果を出そうと私なんかも意識していたので、成果成果というふうにちょっと思っていたんですが、先日の参考人質疑で、これ専門家の会議の方のトップをやっていらっしゃる永井先生ですね、東大の先生で、今は自治医大の学長をやっていらっしゃる永井先生が、成果を余り急ぎ過ぎても駄目だよというふうに言われました。永井先生の言葉ですから大変重く私も受け止めた、確かにそういうところあるなと。  むしろ、今の話もその一つなんですが、成果を、直接の成果、一戸の館を建てることをそれを急ぎ過ぎるんではなくて、大きな建物、ビルを建てるときに基盤のところを一生懸命造って、なかなか建物が建たないなと。基礎をやっている時間すごい長いですけれども、基礎が建てれば上の建物は意外に早く建つわけです。しかし、その基礎がしっかりしていなければ大変もろいものだと、これは名古屋大の総長さんもおっしゃっていましたけれども、まさに私はそう思います。  そういう意味では、研究機関と医療機関のネットワークをどうつくっていくかとか、企業の投資意欲を引き出すために投資減税とかなんとかなのかもしれませんが、研究開発減税かもしれませんけれども、そういったものをどういうふうにやっていくのか、知財をどういうふうに活用していくかのサポート体制をどうやっていくのか。そして、何といっても、先ほど言ったような役所の体制、こういったものをどう動かしていくような土壌にするのか。そういったことを、やはり土壌づくりというんでしょうか、そういった基盤があればそのイノベーションはあふれ出すように出てくるようになってくるんだと思うんですが、それをつくらずに一個だけ、一個だけの成果だけを急いでいると、結局、人が替わればまた元のもくあみみたいになってしまう、そういうふうな危惧があります。  そういう意味で、その基盤づくりの大切さというのこそが本当はこの医療・健康戦略の一番重要な点なのかもしれないなというふうに思うんでございますけれども、その点につきまして長官のお考えを是非お聞かせいただきたいと思います。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) 今委員から御指摘を受けましたことは、一々私もっともな、適切な指摘だというふうに受け止めております。  そういう中で、今回この法案を提出させていただいたというのは、まさに今言われたようなことを実行に移すために法案を提出をさせていただいたということであります。それぞれの省庁の縦割りじゃなくて、まさにこの連携を深めながら、国民の皆さんの健康長寿に役に立つことができる、あるいは日本の医療関係の技術というものを世界に輸出をしていくと、そして人類の健康長寿のために日本がしっかりと果たしていくという、そういう思いの中で法律を提出させていただいたわけでありますけれども、今委員から御指摘のありましたその人事の問題、極めて大事だというふうに思っています。  さらに、委員の体験の中から、その中で懸命に努力した人をしっかりと対応する、また、一年二年で替えることでなくて、そういうことも含めてしっかりと対応していきたいというふうに思っています。

上月良祐自由民主党

○上月良祐君 ありがとうございます。  今回の、もういわゆる日本版NIHとは言わないようですけれども、私はアメリカのNIHと似ていようが違っていようが全然関係ないんだと思うんです。別に比較何とか学をやっているわけではなくて、違っているのか似ているのか同じなのかとかということではなくて、日本のこの社会にどれだけ機能するのかを議論すべきなのであって、いいところはもちろん取り入れればいいと思うんですけれども、本当に機能するような、日本にとって意味のあるようなものを是非ともこれをきっかけにつくっていただきたいというふうに心からお願いをしたいと思います。  そして、もう一つ、是非ともお願いがあるんですけれども、役人のことを言ったんですけれども、その前に、やはり長官とか総理、やっぱり長くいていただいてずっとやっていただくということが、いや、本当にこれほど重要なことは私はないと思っているんですよ。役人の人というのは、やっぱり上がころころ替わるようでは思いがあってもなかなかというところがございますから、まずはそれもしっかり継続的に是非ともやっていただきたいと。これは私ごときが言うのも本当僣越な話ではありますけれども、是非ともそういうふうに私は思っております。  医薬品であれ医薬機器であれ結構でありますけれども、このチャレンジの中から世界を驚かすような成果を是非とも出していただきたいと、そういうふうなシーズがたくさんあると思います。国家戦略特区にも、そして私、つくばでずっと関わってきた国際戦略総合特区にも本当にそういうふうな芽があります。そういったものを絶対に成果につなげていく、それが安倍政権で菅長官の下でできたんだというふうに是非ともしていただきたいというふうに思っておりますので、そのことを是非ともお願いを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 おはようございます。民主党の足立信也でございます。  今日は厚生労働委員会から出張してまいりまして、随分部屋が狭いので、官房長官と密に質疑ができるかなと大変喜んでおります。  芝理事から、あんた質問してくれというふうに言われたんですが、私がここに呼ばれた理由としては、私は二つだろうと思っています。一つは、私自身がやっぱり研究者であって、これは上月理事御存じのように、研究者に対しては非常に厳しい見方を私持っています。これが一点。それから二点目は、ライフ・イノベーションプロジェクトとして二〇一一年に薬事戦略相談、それから薬事戦略懇談会というのを打ち出しました。そして、医療イノベーション五か年戦略として二〇一二年に創薬支援ネットワーク、これは基盤研ですけれども、これを打ち出しました。平成二十五年度の予算の概算要求は、文科、厚労、経産、外務、総務、環境、この六つの省を集めて毎回合同会議をやって、そして一本化していったという経験がありますので、恐らくその二点で芝理事がやってくれというふうに言われたんだろうと思います。  まずは研究不正問題なんですけれども、実は理研の小保方さんの件で三月十四日に会見があったときに、もう一つ重要な会見が東大であったんですね。全く同じ日で、新聞もテレビも一切報道されなかったですが、ノバルティスと東大との不正関与、五件あったんです。白血病治療薬のタシグナの件は皆さんもう報道されていて御案内だと思いますけど、ほかに四件、これはどういう内容なのか、簡潔に、どの薬のどういう関与が不正だということなのか、説明してもらいたいと思います。

神田裕二厚生労働大臣官房審議官

○政府参考人(神田裕二君) 委員御指摘のように、三月十四日に東京大学の中間報告の発表において、SIGN試験以外に四件の医師主導臨床研究においてノバルティス社の関与があるということが公表されたところでございます。  昨日、ノバルティス社が公表した報告書によりますと、四件いずれもがノバルティス社製の製品でございますグリベックとタシグナに関する研究でございまして、四件のうち二件が東京大学が中心の研究でございますけれども、残り二件の研究については、東京大学も関与しているものの、事務局機能は東京医科大学が主に担っていたということでございます。  この内容についてでございますが、報告書によりますと、度合いに差がありますものの、四件の研究全てでノバルティス社のMRが、研究計画書の作成でありますとか、症例登録票、同意書などの文書の下書きの作成などを行うという何らかの関与があったということでございます。ただ、データの改ざんや研究結果が不当にゆがめられた事情は認められなかったというふうにされております。  いずれにいたしましても、東京大学におきまして事実関係も含めて調査中ということでございますので、その結果を踏まえて必要に応じて指導を行うなど適切に対応していきたいというふうに考えております。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 あの理研の記者会見が三月十四日に決まって、急遽三月十三日の夜に東大が記者会見決めたということでございますので、これから先、官房長官に感想を求めますので、もうちょっと説明します。  今五件ありましたね。実は、ハーバード大学とその関連病院でも四月に相次いで二件、論文撤回というのがあるんです。四月八日に、サーキュレーションという雑誌ですね、これは有名な雑誌です。二〇一二年の論文。十一日にはランセットです、これまた有名な、二〇一一年の論文、これ撤回申入れしているんですね。いずれも一人の教授なんです。  ちょっと内容を言いますと、心臓の筋肉、心筋というのは再生しないと、一度死んでしまったら再生はしないということなんですが、この研究は実は再生するんだと、しかも旺盛にやるんだということを言った画期的な研究で、みんなびっくりしたんです。それぐらいの研究で有名な教授なんですが、これ一人なんですね、関与は、同じ人なんです。  この教授は、アメリカ国立衛生研究所、NIHから二〇〇〇年以降五十八億円、二〇一三年には七億円受け取っているんです、公金ですね。私は、研究不正というのは公的資金の流用だと思います。これはやっぱり犯罪につながる話だと思っていますので、その件。  それから、小保方さんのSTAP論文ですね。やっぱり一人に帰することが多いんですよ。そして、今年の二月に岡山大学の森山薬学部長の内部告発で、実は全部調べたら論文不正は二百本以上というショッキングな報道もありました。今やっぱり日本の研究の質が問われていて、非常に危機に瀕している。  私、研究者の立場でと申しましたが、結構一人に帰するところが、個人に帰するところが多いんですね。私も博士論文の審査会のときに教授に言われたことは、研究者というのは、最後は自己規律といいますか、自分がどの程度の段階まで行って、それを批判する力があるかどうか、そのことが教育につながっていくわけです。自己批判の精神を持っていないと研究者としては駄目なんですね。野依理事長が未熟と言いましたが、今私が挙げたのは教授ですよ。教授です、今挙げた例は。やっぱりそこまでなっていると。これは非常に、もちろん成長戦略にとっても信用がなくなったら何にもなりませんからという説明を聞いて、官房長官、率直にどのように感じますか。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) 私も含めて一般の国民は、やはり研究者の皆さんは極めて真実を追求をする非常に真面目な方だというふうな思いというのは、日本人は多く持っているんじゃないでしょうか。そういう中で、この小保方さんの問題から今もう一度見直しをさせる、そういう意味で、今委員から自己批判という話がありました。まさに自らを律することの必要性というものを、通常の人よりもやはり大事なんだろうというふうに思っています。  今回この法案を作るに当たって、新しい機構には、この研究不正の問題について、自らが配分する研究費については専門の部署を置いて、そこはしっかり公正で適正な実施の確保を図っていくということを実は設けさせていただく予定でありますけれども、こうしたことも今までは日本の研究の中にはなかったことであります。一連の様々な問題の中で、こうした対応をしっかり取っていかなければならないというふうに思っています。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 資料を御覧ください。この資料を出すと、皆さんこればかり読まれてちょっと質問は聞いてもらえないんじゃないかと思うんですけど、今までは私、研究者の態度ということについて言いましたが、これは全く質が違う話です。私も武田薬品、付き合い随分ありますし、懇意にしている方ももちろんいらっしゃいますけど、研究データと異なる広告宣伝ということです、一言で言ってしまえばですね。  ここ、長い文章で、これ「選択」に出ていたものですけれども、長いので、できれば概要を簡略に説明していただきたい。この内容と、分かっている中で違うところがあればそれも含めて説明していただきたいと思うんですが、簡潔にお願いします。

成田昌稔厚生労働大臣官房審議官

○政府参考人(成田昌稔君) 今御指摘いただきました資料の中の試験はCASE―J試験であろうかと思いますが、CASE―J試験につきましては、京都大学を中心として実施された武田薬品工業の高血圧症治療薬のブロプレスと既存の治療薬とを比較した大規模な臨床研究でございます。平成十八年十月に国際高血圧学会で発表され、論文については平成二十年の二月に発表されているものでございます。  これに関しまして、試験結果につきましては、両薬剤において心血管系疾患の発生に差はないというものであったということでございますが、これに関しまして、同社のこの研究結果を用いまして、ブロプレス錠について行った広告について、既存の治療薬との比較で統計学的に有意差がないのに、心血管系疾患の発生に一定期間経過後に差があるかのような誤解を与えたのではないかというような御指摘がされているというふうに理解しております。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 もう少し簡略に私がポイントだと思うところを申し上げます。  今の、医師主導、大規模の臨床試験なんですけど、データセンターは京都大学、この記事によりますと、そこでそれを仕切っていたのが武田の社員だと。二〇〇〇年から二〇〇八年の間、武田から京大への奨学寄附金は二十五億円以上ということが書かれています。最初に投稿した論文は拒否、拒絶、リジェクトですね、されたわけですが、最終的に通った論文では、おかしいんではないかと言われているデータのところが削除されているということで、その後、仕切っていたと今申し上げましたが、その人は京都大学に移って、このデータを利用しながらサブグループ解析という、いろんな条件付けをやって有意性を度々論文として発表してきたということなんです。  この研究が始まった二〇〇一年、それから終わった二〇〇五年、そして直近といいますか、二〇一二年のこのブロプレスの国内の売上額はどうなっているんでしょうか。

神田裕二厚生労働大臣官房審議官

○政府参考人(神田裕二君) 販売元の武田薬品工業によりますと、ブロプレス錠の国内売上高は、二〇〇一年度が五百三十六億円、二〇〇五年度が千二百三十五億円、二〇一二年度が千三百四十億円というふうになってございます。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 研究が始まる前から、時間的な経過もありますが、二倍以上になっているということなんですね。五百三十六億が千三百四十億ということです。  個人的にどうこうというわけではありませんが、もちろん長谷川閑史さんは皆さん御存じの方で、産業競争力会議の委員ですね。この長谷川さんは、ほかに政府の会議はどういうものに籍を置いておられるんでしょうか。

赤石浩一内閣官房日本経済再生総合事務局次長

○政府参考人(赤石浩一君) お答えいたします。  私ども、日本経済再生本部として把握している限りでは、現在、知的財産戦略本部の本部員を務めておられる、そのように承知してございます。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 産業競争力会議の委員が、今私挙げただけでも、これはかなり、これ見ると、ノバルティスより悪質な不正と、こう書かれているし、記事によりますとですよ、その産業競争力というのは一体何なのかと。しかも今、知財の本部員ということですが、知財に不正が関わっていたら一体どうなるんだろうと。  これは余り報道されていないんですけれども、官房長官、これ相当注意をしてやらないと、こういうことが表へ相当これから出てきますと、今はノバルティスだけ集中的になっているようですが、トップメーカーですよね。これが、しかも政府の委員になっている、産業競争力会議と知財と言われると、本当かよという感じがします。  この件は、だから答弁はどうこうということは難しいでしょうから答弁は求めませんけれども、本当にこのメンバー構成でいいのかなと。しかも、いろいろ発信力ある方ですから、特に業界について、あるいは医療界、医薬界に相当影響力がある方ですから、ここはしっかり調べてただしておかないと後々響きますよ。  もし、答弁求めませんと言いましたが、所見があれば、相当な大きな影響力があるということを含めて、是非それはお答えください。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) 長谷川社長は、我が国の経済団体の一つでありますこの同友会の代表幹事の方であります。日頃、その経営手腕というものを私たちは評価をしてお願いをしたわけでありますけれども、今委員からいろんな御指摘もありました。そこはこれからしっかり注視をしていきたいというふうに思っています。(発言する者あり)

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 今フロアから意見があるように、これは報道でとどまっていますので、実際のところどうなのかという調査はしていただきたいし、この委員会に報告してもらいたいし、是非ともそこを、委員長、検討していただきたいと思いますが。

水岡俊一民主党・新緑風会

○委員長(水岡俊一君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議をいたしたいと思います。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 そこで、ちょっと最後の質問に、流れからいって飛びます。  やっぱりこの不正研究問題、先ほど、ハーバードの件もNIHから相当な金額が出ていると、公金不正流用ではないかと言いました。これからは日本版NIHでやはり同じように公金が出ていくわけですね。それを実際の実施部隊として新機構が所掌していくわけですけれども、今回の法案でいろいろ読めるところはあるのかもしれませんが、直接的にやっぱり研究不正に対してどう取り組むかということが条文に書かれていてほしかったわけです。  これはずっと私、提出前に申し上げてきたんですけれども、ここがそこを見張る機能あるいはフォローする機能、そしてただす機能、そこをしっかり持っていないと、これ日本にとっては相当マイナスだと思いますので、条文には書かれていませんけれども、あるいは機構だけでできる話ではなくて、ほかの省庁との連携あるいは学術団体との連携、ここら辺は非常に大事なことですから条文に書いてはほしかったんですが、今後どうするか、明確にちょっと答えていただきたいと思います。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) 先ほど申し上げましたけれども、まずこの機構自身については、自らが配分する研究費、これによって実施される研究については、専門の部署をつくって公正で適切な実施を確保していきたいというふうに思っています。さらに、そうしたものの蓄積されるものについて、そのノウハウを政府全体の不正防止にも活用できるようにしていきたいというふうに思っております。  さらに、この法案の中では、国の基本的な施策として、医療分野の研究開発の公正かつ適正な実施の確保に必要な施策を講じる、こういう規定になっているところであります。ここを踏まえまして、推進本部がまとめる戦略の中に、関係機関等との連携を深めて医療分野の研究開発が公正で適正に行われるように必要な施策というものを盛り込んでまいりたいというふうに思います。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 戦略の中にしっかり書き込むという答弁でございますので、是非それを拝見させていただいてまた審議できればと、そのように思います。  以上のような様々な研究者のサイド、あるいはそれを開発する、あるいはそれを販売する側のサイドのいろんな不正があることを前提に、法案の質疑に入っていきたいと思います。  まず、一条の目的ですが、先ほどもお答えになられておりました。国民が健康長寿社会を享受すること、これが大目的だと思います。  ということは、健康長寿社会というのはどのような認識で言われておられるのか。健康長寿社会、その説明を伺いたいと思います。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) 若い世代から高齢者に至るまで国民誰もが健康な状態を維持して、本人が希望するライフスタイル、そこで活躍をしたり余暇を楽しんだりする、そういう中の豊かな生活、そういうものを意識をいたしております。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 ちょっと私は違うように捉えておりまして、今、ちょっと古いかもしれません、女性の平均寿命が八十三で、七十二が健康寿命だとすると、十一年か十二年ぐらいのいわゆる健康じゃない時代がある。男性は、七十九歳平均寿命で、七十歳まで健康寿命だとすると九年。女性で十二年、男性で九年、これをどう縮めるかというのが私は健康長寿社会ということなのかなと実は思っていたんですが、そういう意味でもないということなんでしょうか。それも含めているということなんでしょうね。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) まず、今申し上げたような社会を構築していく、ここは物すごく大事だというふうに思っています。  当然、健康な状態で長生きをしたい、これはまさに人類の夢でありますから、そうしたものを日本は世界の中でいち早くこれ実現をしてきているというふうに思っています。今委員から御指摘ありましたように、男性はもう八十になろうとしていますし、女性も八十六歳ですか、これだけ長生きをすることのできる社会を私たちはつくることができたと思っています。しかし、残念ながら、健康な社会でないという、健康寿命というものを考えたときに、まだまだこれは対応していく必要があるというふうに思っています。  いずれにしろ、こうした健康長寿社会というのは、若い世代から高齢者に至るまで国民誰もが健康な状況を維持して一生を送ることができれば一番いいのかなというふうに思います。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 今日は厚生労働分野に造詣の深い委員もたくさんいらっしゃるので思うんですが、今の平均寿命と健康寿命の差をできるだけ短くしようとするならば、私は、高齢者の介護であるとか介護予防であるとか、あるいは福祉の分野もそうです。それから、議員立法で全員で一昨年通しましたように口腔の健康を保つこととか、そういった分野が非常に重要になる。  今回、健康長寿社会を享受するということで、それが目的で、医療研究のみなのかというのが若干私としては引っかかるんですよ。目的と手段が合わないんじゃないか、あるいは物すごく矮小化されているんじゃないかという懸念があるんですね。それは、今回は目的はそう書いてあるけれども、その中でも医療研究というところだけにほぼ特化していて、それ以外のところは各省の取組等々でやっていただくと、そういう理解なんでしょうか。参考人でも結構です。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) 基本的には、今の委員の御指摘の考え方であります。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 ちょっと先走って私の方から言ってしまったのがいけなかったのかなという気もしますが、そういうことなんです。目的がそうであるならば、ちょっと違うぞという感じはします。それはそうなんですけれども。  二条の基本理念で、先端的研究開発及び新産業創出によって世界最高水準の医療の提供に資する、一番。二番は、海外における医療の向上に寄与する。そして三番、我が国の経済の成長に資する。  皆さん御案内のように、今回は、この機構の所掌する範囲に難病克服プロジェクトというものが移管されるんですね。難病あるいは小児慢性特定疾病に関して法制化されるのは私は大歓迎ですけれども、難病対策の部分、機構に移されるのが約八割です。こうなった場合に、しかも基本理念の我が国の経済の成長に資するというふうに書かれると、成長戦略であるならば、やっぱり希少疾患にはなかなか光が当たらないんじゃないかという懸念がどうしても生じてしまいます。  基本理念と、そして難病克服プロジェクトがほとんどが、八割がこちらに移管されてくるということについてちょっと心配をするんですけれども、その点についていかがなんでしょう。

三浦公嗣厚生労働大臣官房技術総括審議官

○政府参考人(三浦公嗣君) 御指摘ございましたように、現在、厚生労働委員会で審議中の難病法案におきましては、診断、治療方法に関する調査研究についてのみならず、難病の発病の機構に関する研究についても国が推進するということを目的としているところでございます。  厚生労働省といたしましては、引き続き、必要な予算を確保しつつ、目標を達成するため、新独法とも連携しながら、より戦略的に難病の克服に向けた研究開発を推進していきたいと考えているところでございます。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 今の三浦さんの答弁ですと、引き続き厚生労働省が財務省と掛け合ってしっかり難病対策の予算は取りますという話をされているんですが、機構と連携をしながらとこそっと言われましたけれども、機構に移ってもそれは実施するのかもしれませんけれども、メーンはやっぱりこの分野について、あるいはほかの分野も、今の分野でいいますと厚生労働省が財務省と掛け合って、本部の方針がそれはやらない方がいいと言われればどうしようもないかもしれませんけれども、そこは各省と財務省の間でやっぱり取り組むべきことだという答弁だったというふうに理解していいですね。

三浦公嗣厚生労働大臣官房技術総括審議官

○政府参考人(三浦公嗣君) 御指摘のとおり、予算につきましてはやはり厚生労働省が一定程度責任を持って対応する必要があるというふうに考えておりまして、そのために私どもとしては努力をしていこうということでございます。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 ああ、そうなのかなとだんだん皆さん疑問に思ってこられたと思います。その件についてこれから進めていきますが。  まず、六条、七条、責務のところです。医療機関及び事業者、国、地方公共団体、これ協力努力義務があります。私は、ずっと医療に関すること、介護に関することで、それらは提供する側と受ける側の共同作業なんですね。提供する側に一方的に責務を課しても、受ける側がどういう役割を果たしていただいて、ある意味どういう責務があるのかということは極めて大事なことなんです。  なぜ、国民の責務あるいは役割というのがこの法案からないんでしょうか、法案には。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) 今回、国民の位置付けについてでありますけれども、法案が対象としております医療分野の研究開発や健康長寿産業の創出、活性化の実施主体ではなくて、その施策の推進のために必要な協力をしてその成果を享受するものであるというふうに認識をしております。  このため、国民の責務や役割といったものは推進法案において規定はしておりませんけれども、法案の目的を達成するために国民の理解と関心が不可欠であることから、この推進法第十五条において、国が国民の理解と関心を深めるよう必要な措置を講じる旨を基本的施策の一つとして規定をしたということであります。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 資料の二を御覧ください。時系列で最近の方から書いております。介護保険法は、これは平成九年ですから、そこにはもう既に国民の努力及び義務があります。それより上は、私もかなり改正に向けて努力してきましたし、関わってきた法案が列挙されております。二十三年、二十五年、二十五年、二十六年と、全て国民の責務、役割というものが書かれております。その書き方は様々、その法律によっては違いますけれども、先ほど申し上げましたように、提供する側だけの責務ではないんです。やはり、受ける側、役割をしっかり理解してもらわないと困るということで、全部国民の役割、責務を入れてきたんです。そして、あしたから参議院で審議されます医療法の改正でも国民の役割というものは書かさせてというか、書くように調整を私なりにしてきました。  こうやって並べてみますと、この法案だけないんです。健康・医療戦略推進、そこに受け手側の役割が一切示されないということは法律としては私は非常に未熟だと思いますよ。今、官房長官から戦略で云々という話がありましたけれども、やはり法律を初めて作るときに国民は一体どうなんだということが書かれないということは、私は法律としては非常に寂しいというか、何年前の法律なんだという気がします。  新産業に向けてと言いましたが、決して国民の皆さんを被験者あるいは研究対象というようなことを言っているわけではないんですよ。ここを、三本の矢という話は先ほど上月さんからありましたが、本当に推進する気だったら、国民はどういうふうに役割を果たしていただくということは堂々と書くべきですよ。そのことが、私は何度もこの法案について修正を求めましたけど、かないませんでしたので、今の私の意見に対して、済みません、これ感想で結構ですから、どのように思われるか、お聞きしたいと思います。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) 先ほど私答弁したことに尽きるわけでありますけれども、実施主体ではなくその成果を享受するものであるという考え方の中でも、やはり国民の理解と関心というのは不可欠であるという、そういう思いの中でこの十五条に理解と関心を深めるようなものを入れさせていただいたということで御理解をできればというふうに思います。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 議事録としては残りますから、そういう意図だということは受け止めますけれども、一歩後退した法案だなという気が私はしております。  そこで、次の、条文にどんどん入っていくんですが、まず、基本理念にのっとって政府が健康・医療戦略を定める、そして、計画は、健康・医療戦略推進本部、総理が本部長ですね、で医療分野研究開発推進計画を作成する、そして、機構はその計画の中に機構が中核的な役割を担うように作成する、本部が事務をつかさどり、戦略、計画、予算、人事等を作成する、機構に意見を述べる、二十七条、事務は内閣官房で処理すると、こういうふうになっている。  これが先ほど来出ております本部と機構の関係ということにつながっていくわけですが、この本部の事務というものは健康・医療戦略室が行うということでよろしいんでしょうか。

中垣英明内閣官房内閣審議官

○政府参考人(中垣英明君) 今委員御指摘のとおり、健康・医療戦略推進法第二十七条におきまして、「本部に関する事務は、内閣官房において処理し、命を受けて内閣官房副長官補が掌理する。」というふうに規定いたしております。  したがいまして、内閣官房健康・医療戦略室におきまして本部の事務を処理することとなるというふうに考えておるところでございます。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 そうすると、その推進室、これ、以前は医療イノベーション推進室だったと思うんですが、この人事構成、どれぐらいの人がいて、出身省庁はどうなって、民間の方はどうなっているという、私どものときはトップは民間の方にしたわけですけど、これはどうする予定なんでしょうか。

中垣英明内閣官房内閣審議官

○政府参考人(中垣英明君) 現時点の状況についてお話しさせていただきたいと思いますけれども、現時点におきまして、私どもの内閣官房健康・医療戦略室に常駐して職務に従事しておる職員は合計三十三名でございます。  その内訳でございますが、二十三名が官公庁関係者、十名が民間企業あるいは大学等の出身者となってございます。また、この二十三名の官公庁関係者の出身元でございますけれども、総務省から一名、外務省から一名、財務省から三名、文部科学省から六名、厚生労働省から八名、経済産業省から四名となっておるところでございます。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 分かりました。それが本部の事務をつかさどっていくわけですね、三十三名。  そこで、これからその本部、戦略室、それと機構の役割をちょっと聞いていきたいんですが、まず安倍総理の施政方針演説で、「日本版NIHを創設します。医療分野の研究開発の司令塔です。」というふうに発言されている。この総理の言う日本版NIHと今官房長官が答弁に立たれているこの新しい機構、これは同じものなんでしょうか。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) 総理が申し上げたこの日本版NIHというのは、医療分野の研究開発の司令塔機能というものを指しているわけであります。  今回御審議をお願いしているこの二法案については、内閣に設置をする健康・医療推進本部、それと新たに設立をする日本医療研究開発機構、今回この二つを一つにした、このことと総理の言われる日本版NIHというのは同じというふうに考えています。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 総理がおっしゃる日本版NIHは、本部とそれからこの新しい機構、両方合わせたものだと。ということは、役割は司令塔ですというところが引っかかるんですね、医療分野の研究開発の司令塔です。今、条文をずっと私、順次述べていきましたが、結局は、本部が司令塔で機構はその実施部隊ということではないんでしょうか。全体が司令塔ですか。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) 基本的には、委員のおっしゃるとおりであります。  実際、司令塔の本部として、内閣に総理大臣をヘッドとする、担当大臣、関係大臣からもこの推進本部というものを設置をします。そして、基礎から実用まで切れ目のない研究管理、その実務を行うのが独立行政法人、この機構、そういうふうに考えて設計をさせていただいております。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 数のことは皆さんもう何度か質疑されていると思いますけれども、今、本部の事務を扱う戦略室が三十三名、新しい機構は百二名の常勤と、トータルで三百名ですか。これ御案内のように、アメリカの本家のNIHは一万八千人以上います。それから、今現在三十七ある研究開発法人、これ、六つのナショナルセンターが入る前が一万五千六百人ですから、それでもNIHよりもはるかに少ないという形になっています。  そこで、今、戦略室が本部の事務機能を扱うというふうになったわけですが、これは総理通達で室長は総理補佐官の充て職ですよね、充て職というふうに書かれています。僕が懸念するのは、総理がもし替わられたら当然補佐官は替わられる、補佐官が替わられれば充て職である室長も替わられる。そこで、戦略というものがずっと継続性といいますか、持続性があるのかなというのがちょっと心配なんですね。  ちなみに、私が調べた範囲では、総理補佐官が内閣官房のある室の室長であったことは、どうも過去に一回じゃないかと思うんです。小泉総理のときの郵政民営化準備室長ですね。これがその後どうなったかということを思い起こして、想起してほしいんですが、私は、補佐官が充て職でこの室長をやる、それが本部の事務機能をつかさどる、これについては機能的に本当に継続性、持続性、発展性があるのかなという懸念があるんですけど、そこを説明していただきたいと思います。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) 今回の法案の中で、戦略的そして継続的に取組を進めることができる強固な体制を制度的に構築をすることになっております。そういうために今回の関連法案を提出をしたのでありまして、内閣が替わった場合にも継続されていくというふうに私たちは考えております。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 そうですね、組織としての形は継続するでしょうけれども、中身が、総理が本部長で補佐官が室長で、そして戦略を書くわけですね。それがやはり替わったら変えざるを得ないんではないかということが当然のことながら出てきますので、私はそういう意味で非常に心配します。であるから、新機構の独立性というものが重要になってくるんだろうと。であれば、新機構が定めた中期計画にのっとってやれるということが担保されるんではないかと、私はそういうふうに考えます。  民主党時代の独法改革の考え方は私は当然理解しているつもりなんですが、今の自民党といいますか自公政権の独法改革、ちょっとよく分かりづらいんですよ。  そこで、ちょっとお聞きしたいんですけれども、新しい機構は、研究開発法人、国立大学法人、私立大学、国立研究所の研究開発及びその環境の整備というふうになってくると思うんですね、条文上。これは、今通則法でこれから審議されると思うんですけれども、国立研究開発法人というのと研究開発力強化法、今現在ですね、これに基づく研究開発法人というのは何が違うんだろうという、よく改革案の趣旨が分からないもので、お聞きしたいんです。

市川健太内閣官房行政改革推進本部事務局次長

○政府参考人(市川健太君) 御答弁申し上げます。  研究開発力強化法において研究開発法人とは、独立行政法人であって、研究開発等、この等には成果の普及、実用化も含まれます、研究開発等、それから、研究開発であって公募によるものに係る業務又は科学技術に関する啓発及び知識の普及に係る業務を行うもののうち重要なものとして規定されておりまして、同法の中で三十七法人が具体的に指定されております。また、今般の日本医療研究開発機構法案において、この機構も同法上の研究開発法人に位置付けられることとなっております。  また、機構は、今御指摘もありましたとおり、別途国会にお諮りしております独法改革法案におきまして、独法の一類型である国立研究開発法人に位置付けられることとなりますが、国立研究開発法人は同法案上二条三項にその定義がなされております。  長い定義ですのでその要点を申し上げますと、国立研究開発法人とは、公共上の事務等のうち研究開発に係るものを主要な業務として、国が中長期的な期間について定める業務目標を達成するための計画に基づき行うことにより、研究開発の最大限の成果を確保することを目的とする独立行政法人として個別法で定めるものとなります。  この二つを比較いたしますと、研究開発力強化法における定義の方が、例えば科学技術に関する啓発及び知識の普及に係る業務というものが示されており広がっているという点、それから、国立研究開発法人は、研究開発を主たる業務として行っているという点に着目して、特有の目標管理の仕組みの適用を独法通則法上定めているという点で異なっておりまして、法人数も三十一に限定されております。  以上でございます。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 という説明ですね。  資料の三を御覧いただきたいんですが、となると、私ちょっと疑問が二つぐらい生じてくるんですね。  今、三十七ある研究開発法人、これ役割から見ると、一つは研究開発等、その上の段ですね、二番目が資金配分、もちろん重複するものはありますから下線が引かれております、それから三番目が啓発・知識普及と、こういうふうになっているわけです。  研究開発法人というのは広い範囲、今の話ですと広い範囲。でも、国立研究開発法人というのは研究開発に特化していると堂々と説明されたわけですけれども、でも実際はファンディング機能でしょう、この新しい機構は。どこに独立性があるのかな。今までの説明、そして推進法案の二十一条では、本部が事務をつかさどり、戦略、計画、予算、人事等を作成、機構に意見を述べると、こういうようになっているわけです。そうすると、新しい機構の独立性はどこにあるのかなということと、ファンディング機能をやるのに研究開発に特化したと言われると、それはどうかなという大きな疑問があります。  まずは、本部との関係でこの機構の独立性というのはどのように担保されているんでしょうか、独立行政法人、研究開発法人として。

中垣英明内閣官房内閣審議官

○政府参考人(中垣英明君) 本部と独立行政法人、機構の関係でございますけれども、この機構につきましては、当然、独立行政法人通則法の規定に従って運営するわけでございますけれども、さらに、ここまでるるお答えしておりますように、この機構というのが本部が定めます大きな方針にのっとって事業を遂行していくということでございますので、そういった観点から個別の法律の中で本部の関与といったものを規定しておるというものでございます。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 その研究開発に特化したというところをもうちょっとお聞きしたいんですが、先ほど三浦審議官の答弁では、難病対策のことで、引き続き厚生労働省、財務省との間で難病対策に必要なものはしっかり予算としてやっていくんだと言っていて、今の説明ですと研究開発に特化しているんです、でもファンディング機能しか持っていない。どうも言っていることが誰が聞いていても合わないなという感覚は持つと思うんですよ。  研究開発に特化しているってどういう意味ですか。

市川健太内閣官房行政改革推進本部事務局次長

○政府参考人(市川健太君) 御答弁申し上げます。  今御指摘のファンディング機能とおっしゃるのは資金配分という御指摘だと思いますが、これにつきましては、研究開発力強化法上、「研究開発であって公募によるもの」という書き方をしております。  ただ、その公募を通じた研究開発といっても目的は異なっておりまして、他の研究機関等が行っている研究を助成するということもございますし、それから、自らが行う研究開発を委託等により行わせる法人も存在いたします。  例えば、科学技術振興機構や新エネルギー・産業技術総合開発機構、これはいわゆる資金配分を行うという法人というふうに理解されておりますが、これは法律の業務規定上こうした委託研究は自ら行う研究開発というふうに位置付けられているところでございまして、この日本医療研究開発機構の業務規定も同様であるというふうに理解しております。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 もう審議は終わりましたけれども、医薬基盤研究所、そして健康・栄養研を一緒にするという法案が成立しましたね。医薬基盤研の最大の機能というのは創薬支援ネットワークなんです。ここで開発、実用化を早くしようと。その機能が丸々新機構に行くんです、ファンディング機能として。そして、独立行政法人の基盤研と健康・栄養研は研究開発に特化していく形になるんです。そう説明をずっとされてきている。今の研究開発に特化という話は、ファンディング機能も含めてという話で、このやっぱり新機構はどう見てもファンディング機能がメーンなんですね。  そうなると、これ衆議院の参考人質疑で京都の山中教授やあるいは慶応の末松教授がおっしゃっているように、このファンディング機能というのはやっぱりトップダウン型なんです。恐らくそれをやりたいと思われている。トップダウン型なんですね。しかしながら、彼ら実際の現場の研究者は、幅広いボトムアップ型の基礎研究がこれがやっぱり大事で、これが生みの親、それに対して実用化を図るにはファンディング機能を持ったトップダウン型が必要であると。メーンはやっぱりボトムアップなんですね。この分野が実は医療、医学の研究開発のやっぱり本当にボトムであって、重要なところなんですね。彼らも、やっぱり生みの親が科学にとっては最も重要であるとおっしゃっています。  これを当てはめますと、官が規制する薬事を加速させるためにつくりました薬事戦略相談も、その種となるものを選別する創薬支援ネットワークもやっぱりトップダウンなんですよ、形として。その前にはボトムアップ型のアカデミアの自由な発想がどうしても必要なんですね。  私懸念するのは、やっぱり新機構でトップダウン式になってしまうと、研究の偏りが生じるということです。昔から日本人というのは、一つが話題になると全部そちらの方向に行って、研究費もそれに関係することばかりが付いてしまって、重要な裾野の広い研究が置き去りになってしまう。それが十年たったら、ああ、この分野は誰もやっていなかったな、あるいはやっていても気付かれなかったなと、そういうふうになってしまうんですよ。これが日本の研究の実は物すごく弱いところなんですね。  さらに、彼らは、アカデミアのボトムアップのところの自由な発想が大事だということはイコールどういうことか、それを強化するというのはどういうことかというと、やっぱりアカデミアに勤めている研究者あるいは研究補助者の不安定雇用をやめることなんですね。専門職十年にという話がありましたけれども、実はそこで切れてしまってもまた何にもならないんですね。この不安定雇用を安心して働ける環境に変えなきゃいけないし、そのために、あしたから審議される法案でも、臨床研究中核病院の機能強化というのがこれ法制化されるわけですよ。  ですから、繰り返してまとめますけれども、どちらにしてもトップダウン型だけでは駄目と、ボトムアップのところをいかに裾野の広い自由な研究をしていただくか。科学にとってはそれがおろそかにされると非常にマイナスだということなんで、その点について、是非とも裾野の広い、生みの親である基礎研究分野、ここのところを、ボトムアップ型を重要視するというところをどういう政策で表していくのかということの説明を求めたいと、そのように思います。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) 先ほどから議論もありますけれども、今回のこの機構に集約する予算というのは、内閣に置かれるこの推進本部、これによって定めた戦略に基づくトップダウンのものであります。その研究を行うために研究機関に配分される研究費、同時に、今委員から御指摘のありますように、将来における学術的な新知見だとかイノベーションの芽を絶え間なく育んでいくということも極めて大事だというふうに思っています。  そういう中で、研究者の皆さんが自由な発想で研究するボトムアップ型の基礎研究、それについては、文部科学省の科学研究費助成事業という従来の仕組みというのはそのまま残しておりますので、そこで必要な予算の確保も図っていくということで御理解をいただければと思います。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 先ほど独立性のところはちょっと疑問が残るなと本部との関係で申し上げましたけれども、文科省の科研費のところはそのまま残るわけですが、いずれはやはりボトムアップ型の研究を支援するという分野、私は新しい機構がちょっと独自性を持ってもいいんじゃないかと、その枠ぐらいは確保しておいた方がいいんじゃないかと思うんですね。本部からの戦略どおりじゃない部分も、是非ともそれをやってもらいたいなと、そのように思います。  最後になりますが、先週、蓮舫議員の質問の中で、独法ですから自律的な業務運営が、その権利が与えられているわけで、引換えに事後評価というものがあるわけです。事後評価というものは、この前、主務大臣が四人いて、そしてそれぞれがというような答弁があったというふうに私理解していますが、やっぱり事後評価というのは一元的にすべきだと、そのように思います。  新機構の、新しい機構の事業年度ごとの業績を評価する評価委員会、これはどこに設置されるんでしょうか。

中垣英明内閣官房内閣審議官

○政府参考人(中垣英明君) 独立行政法人評価委員会につきましては、独立行政法人通則法第十二条におきまして主務省に置くと規定されているところでございます。独立行政法人日本医療研究開発機構法案におきましては、第十八条第三項に機構に係る通則法における主務省は内閣府とすると規定しておりますので、機構の業務の実績評価は内閣府の評価委員会が行うこととなるところでございます。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 内閣府だということでございます。  今日、研究不正の問題からスタートしましたけれども、私は実際にその場にいて、やっぱり研究者倫理の問題というのは競争的資金、これが非常に大きいと、理由として、そう思いますし、不安定雇用というものにもやっぱり関連している。何とか期間内に成果を出さないと自分が危ないということですね。もう一つ、ちょっと今の日本人として残念なところはありますが、見付からなければいいという感覚ですね。見付からなければ、有名な雑誌に出ていればそれはもうステータスを与えられたことになりますので、そういう感覚もある。  今、我々が恐らくどれだけの捏造ができるか見当も付かないと思います。山中教授のiPSの初期の頃の実験ノートの話が出ましたが、例えば十年前、画像を切り張りして新たな画像を作り出すなんて、私自身もできませんでしたよ、そんなこと。僅か十年でいとも簡単にできてしまうんですね。あるいは、昔の、この前、円谷プロのをやっていましたが、昔の特撮、誰が見てもこれは作っているなと分かるんですけれども、今のSFXとかコンピューターグラフィック、見て分かりませんよね。(発言する者あり)昔は特撮。こういうことは本当に分からないです。  じゃ、どうすりゃいいんだと。私はアカデミアで教育するしかないと思いますよ。先ほどの自律ということをおっしゃいました、自己批判ということもありました。こういうことをしっかりやっていかなければいけない。その分野が今できるのは、もちろん大学独自の取組、研究所独自の取組あるでしょうが、研究開発推進という中に、繰り返しになりますけれども、そこの不正に対する倫理的な教育も含め、どう研究者はあるべきかというようなことはしっかり戦略の方でやっぱりやってほしいんですね。  じゃないと、博士を持った、私ももう二十五年ぐらい前になりますけれども、博士号を持っている人間というのは研究者として指導する立場であって、一人前になっていると判断するのが当たり前で、今回の理研の件で日本の学位というものへの不信感が世界中に広まっているんですよ。こういうところを変えていかないと、幾ら産業振興につなげていこうといっても、信用されなければ何もなりません。そのことを申し上げて、時間ですので私の質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。

秋野公造公明党

○秋野公造君 公明党の秋野公造です。お役に立てますよう頑張ってまいります。  まず、この法案の基本的理念、あるいは第二の基本的施策の一とか四とか、そういったところに示されております実用化という言葉の考え方についてまず確認をさせていただきたいと思います。

中垣英明内閣官房内閣審議官

○政府参考人(中垣英明君) 今回の二法案でございますが、これは、世界最高水準の医療の提供に資する医療分野の研究開発等を推進し、健康長寿社会を形成することを目的とするものでございます。  その観点から申し上げますれば、医薬品あるいは医療機器、また再生医療等製品であれば薬事承認を受けることを指し、それら以外の医療技術であれば医療の現場で使われる段階に達することを指すということでございます。

秋野公造公明党

○秋野公造君 今、薬事承認というお話がありました。みんなで力を合わせて薬事承認まで持っていって現場で使えるようなところまでしていこうというお話でありましたけれども、そして、この二法案でそういう実用化件数も増やしていこうということでありますが、医療を受ける側から申し上げますと、例えば先進医療や高度医療については国が例外的に認めたものを除いて保険診療との併用が認められていないなど、医療を受けることができなければ国民がその恩恵になかなか浴することができないのではないかという意見もあるかと思います。  その意味では、先進医療、高度医療でも安全性や有効性が認められるものは全て保険適用を目指していくのが筋であり、その意味では、実用化の先には保険適用というものがある、それこそが真の実用化ではないかと考えますが、見解を伺いたいと思います。

神田裕二厚生労働大臣官房審議官

○政府参考人(神田裕二君) 先生御指摘のとおり、健康・医療戦略の成果や実績については国民に還元されるべきでございまして、国民皆保険の下、患者が必要かつ適切な医療を迅速に保険診療で受けられるようにすることが基本であるというふうに考えております。  このような観点から、原則として、有効性、安全性が確認された上で薬事承認を受けたものについては迅速に保険適用をしていくとともに、薬事承認前の先進的な医療についても一定の有効性、安全性を確認した上で保険導入のための評価を行うものとして、保険診療との併用を認めているところでございます。  今後とも、こうした仕組みを通じまして、研究の成果について適切に保険適用を進めることによって、国民が一定の負担の下に公平に医療が受けられるように努めてまいりたいというふうに考えております。

秋野公造公明党

○秋野公造君 薬事承認されたものは迅速に保険適用していくという方向性、示していただきました。  先日の参考人質疑の中で、育薬という御表現を使いまして、今ある薬剤から適応を拡大するということが重要であるといった御指摘がありました。創薬といっても、限られた適応からスタートするといったことを踏まえてのことではありますが、同時に、改めて状況の変化に応じて創薬をしていかなくてはならないものもあるかと思います。すなわち環境の変化、すなわち病原体との闘いでありまして、薬剤が常に効き続けるかどうか分からないものについては、それが効かなくなればその病原体との闘いに人間は敗れてしまうわけでありますので、ちょっと確認だけしておきたいと思います。  この革新的医薬品というものの中には、耐性を持った、あるいは多剤耐性の病原体に対する例えば抗生物質や抗結核菌薬や抗ウイルス薬、こういったものの開発が想定に入っているかどうかということを確認したいと思います。

中垣英明内閣官房内閣審議官

○政府参考人(中垣英明君) 御指摘のような多剤耐性病原体に対する抗生物質や抗結核菌薬、抗ウイルス薬の開発というものも革新的医薬品の開発分野におきまして、日本医療研究開発機構が支援する医療分野の研究開発に含まれるものというふうに理解しております。

秋野公造公明党

○秋野公造君 ありがとうございます。  前回の質疑で、輸入超過のことを少し伺いました。医療機器についても六千億円の輸入超過ということでありまして、例えば消耗品でありますとか人工呼吸器、人工血管、こういったものが非常に輸入に大きく依存をしている状況であります。  みんなで力を合わせて薬事承認あるいはこういった保険適用とか目指していこうという方向性の中で、日本の持つ優れた例えば物づくりの力というものがなかなか医療の開発において生かし切れていない部分もあるのではないかと思いますが、特に中小企業が有する優れた物づくりの技術が生かせるような、そういった円滑な参入を可能とするような制度、あるいはオールジャパンで取り組む意味でも中小企業が医療機器市場に参入することができるような環境整備というのが重要であるかと思いますが、そもそも中小企業はどうしてこういう医療機器市場に参入しづらくなっているのかということ、その理由を伺いつつ、改善方策について伺いたいと思います。

石川正樹経済産業大臣官房審議官

○政府参考人(石川正樹君) ただいま御指摘ありました中小企業の医療機器開発への参入でございますけれども、おっしゃるとおり、やはり中小企業にとって幾つか大きく三つぐらいの課題があろうかと思っております。  例えば、一つ目には、やはり中小企業にとって病院などの医療現場でのニーズを把握するということが容易ではないというようなこと。それから、二つ目でございますけれども、やはり医療機器につきましては、最終的に薬事承認を得るということで当然手続への対応が必要になるということ。また、三番目に、医療機器開発は一定の時間が掛かりますけれども、その間、中小企業ですとやはり資金調達などの問題があるということでございます。  こういったような問題については、きめ細かく関係省との連携の下に取り組まさせていただいているところでございます。特に医療現場のニーズ把握につきましては、ニーズを把握するような調査を政府の方でも実施させていただいた上で、各地の商工会議所などの産業支援機関を通じまして、医療現場と中小企業のマッチングということを進めさせていただいております。  また、薬事承認の手続につきましては、薬事法の法律改正によりまして医療機器の製造業に関する制度が簡素化されるなどの制度見直しも行われておりまして、そういった状況の下で中小企業は参入しやすくなるという状況でございますし、これに対応しまして、政府の方でもガイドラインなどを作らせていただきまして、中小企業がスムーズに医療機器開発に入っていけるというような環境の整備をさせていただいております。  最後に、医療機器の資金の関係でございますけれども、特にこちらは医工連携というコンセプトの下に、医工連携の下で優れた技術を事業化するという中小企業に対しては予算的な支援、バックアップをさせていただいておりまして、またそれに併せまして、様々な技術面でのコンサルティング、専門家によるコンサルティングも併せて実施をさせていただいております。  こういったような政策を更に推進させていただきまして、中小企業のバックアップをさせていただきたいと考えております。

秋野公造公明党

○秋野公造君 マッチングは特に大事かと思いますので、どうか支援していただきますようによろしくお願いをしたいと思います。  官房長官にも予算委でも伺ったんですけど、特に人工呼吸器は九八%も輸入品の率が高いということで、こういうことで例えば日本人の顔に合うマスクができていないということで、非常に機能が結果として悪くなっているような状況もあるかと思います。  今の御答弁踏まえまして、改めて人工呼吸器の開発、実用化については積極的に取り組んで輸入依存率を下げていただきたいと思いますけれども、見解を伺いたいと思います。

中垣英明内閣官房内閣審議官

○政府参考人(中垣英明君) 御指摘のような人工呼吸器を始めといたしまして、医療現場には様々なニーズがあるということを承知いたしております。そのようなニーズに対応可能な革新的医療機器を開発することは健康長寿社会の実現や我が国医療機器産業の国際競争力の強化につながる重要な課題と認識しております。  健康・医療戦略推進本部の下、新たに設立する日本医療研究開発機構を中心に、先ほど経済産業省の方からお答えを申し上げましたような取組を始めといたしまして、私どもといたしましても、関係省庁とも密接に連携を図りながら革新的医療機器の研究開発に積極的に取り組んでいきたいというふうに思っておるところでございます。

秋野公造公明党

○秋野公造君 中小企業との技術のマッチングは今までなかなかなかったと思いますので、よろしくお願いします。  難病対策というか、正確に言うと多分希少疾病対策と思いますが、平成二十四年度に希少疾病医薬品開発支援制度というのが実現をしているわけでありますが、こういう難病制度に位置付けられていない希少疾病というのが存在をしているということにも配慮をしながら、こういった薬ができることを希望しますけれども、がん患者にとっては、治験の段階でそういう希望が与えられるならもう待てないと、そういったお声もあります。神経難病などの患者さんがどんどんどんどん進行して筋力が落ちていって生活ができないような、そういったような状況の中で、治験の段階からもう使わせていただきたいといったような声というのは非常にあるわけでありますが、こういう進行性でかつほかに治療法がない疾患については、患者さんから希望があるものについては、治験のフェーズⅡ又はフェーズⅢの段階から参加をできる、投与できるコンパッショネートユースを積極的に認めることも検討すべきではないかと思いますが、見解を伺いたいと思います。

成田昌稔厚生労働大臣官房審議官

○政府参考人(成田昌稔君) 今御指摘いただきましたいわゆるコンパッショネートユースについてでございますが、致死的な疾患や日常生活に著しい支障があり、その医薬品を使用する以外には治療法がない疾患について、医師主導の治験を活用し、治験の参加基準に外れるなどの理由で治験に参加できない患者ができるだけ早く当該医薬品にアクセスできるよう、新たな仕組みの導入について検討しているところでございます。  今年一月にまとめられました成長戦略の実行計画においては、この新たな仕組みについて平成二十七年度からの運用開始とされたところでございまして、運用開始に向けて現在パイロットスタディー、パイロット事業を実施しているところでございます。  パイロット事業におきましては抗がん剤を対象としておりますが、難病等を含め対象となる患者などを引き続き検討し、この新しい仕組みの導入に向けて取り組んでいきたいと考えております。

秋野公造公明党

○秋野公造君 抗がん剤だけでなくという方向性、ありがとうございます。  遠位型ミオパチーの治験が途中の段階で、本当に患者さんたちは使いたいという希望が非常に多くありますので、こういったものも検討していただきたいと思います。  最後に、官房長官に伺いたいと思います。  研究不正についての懸念といったことがずっと質疑をされているわけでありますが、将来こういった仕事に就きたいと願う子供たちも多いわけでありまして、不信があるといったようなことというのは非常に危惧される状況だろうと思います。質も、そして研究者の在り方、様々な点からもそうなんですけれども、いま一度研究に対する信頼感を取り戻すため、新しい組織が担う役割や具体的な取組を最後にお伺いしたいと思います。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) 今度の機構においては、自らが配分する研究費によって実施される研究については、専門の部門を置いて、公正に、適切にこの実施の確保というのを図っていきたいというふうに思っています。そして、この機構によって蓄積をされたノウハウというものをほかの研究機関、政府全体に適用されるようにしていきたいと思います。  いずれにしろ、この革新的な医療技術を実用化するに当たって、研究不正によって我が国の信頼性失うということは看過できないことでありますので、まずこの新しい機構につきましては専門部門の中でしっかり対応していきたいというふうに思います。

秋野公造公明党

○秋野公造君 どうかよろしくお願いをします。  終わります。

薬師寺みちよみんなの党

○薬師寺みちよ君 みんなの党の薬師寺みちよでございます。  足立委員同様、いつもは厚生労働委員会の方で医療について論じておりますけれども、今日はNIHということで、こちらの内閣委員会の方にお邪魔をいたしております。官房長官には予算委員会以来でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。  実は私、官房長官のペーパー、産業競争力会議の中で、まさにMEJとNIHと両輪となって日本のこの医療というものを牽引していこうじゃないか、大変頼もしく拝見をさせていただいたところでございました。まさにこの高齢化社会という問題は、私ども日本人にとりましてこれから将来にわたり何十年にも掛かって大きく肩にのしかかってくる問題なんでございますが、しかし一方で、これを裏返してみましたら、二〇三〇年、医療福祉の分野、九百八万人雇用者を生むと、成長産業なんですね。であれば、この成長産業を更に広げていくために、このNIHというものが貢献していただけるのかどうか、しっかりと今日は審議を尽くさせていただきたいと思います。  まず、お尋ねをしたいんですけれども、この健康長寿分野、科学技術イノベーション総合戦略の重点課題に位置付けられております。先般、こちらの委員会でも議論していただいた内閣府設置法の一部を改正する法律案でも、総合科学技術・イノベーション会議というもの、ございました。しかし、その総合科学技術・イノベーション会議というものが所管せずに、健康・医療戦略推進本部が今回所管をすることになった。その必要性があるのか、またその経緯についても教えていただけますでしょうか。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) まず、この総合科学技術・イノベーション会議、これは科学技術イノベーション政策の全体の推進のための司令塔としての役割を果たしております。一方、今回のこの推進本部は、医療分野の研究開発に関する総合調整を行うものというふうに考えています。  その背景としては、医療分野の研究開発を戦略的に推進することで世界最高水準の医療を実現するとともに、現在は二兆二千億円の輸入超過になっております健康・医療産業を戦略産業として育成をしていきたいというふうに考えています。また、医療分野の研究開発が人を対象とする臨床研究というものを伴うので、他の研究分野にはない過程を必ず得なければならない特殊性というものもあります。そういう中にあって、医療分野の研究開発に関する予算の総合調整というのはこの健康・医療推進本部が行うことにしたところであります。  いずれにしろ、この総合科学技術・イノベーション会議と今度新しく推進本部、この間に相互に連携をしっかり取りながら推進をしていきたいというふうに思います。

薬師寺みちよみんなの党

○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。  ようやく日本の医療が持てるべくポテンシャルというものに、日本も注目してくださったのかなと。医療と経済がウイン・ウインの関係を築いていける、それに当たりまして、ちょっと私疑問に思ったことがございます。  健康・医療戦略推進本部が設置をされても、先ほど上月委員からもございましたように、必要な事業、そして研究の予算要求というものは変わらずに三庁、厚労、文科、経産と、三庁ごとに行うということになっております。これでは、まさに省庁の深い溝、高い壁というものが越えられずに、医療分野の研究開発を総合的に推進する司令塔の機能というものが果たせるのかどうか疑問に思っておりますが、その辺り御説明いただけますでしょうか。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) 今回の法案では、全閣僚が構成員となって総理が本部長とするこの推進本部、ここにおいて研究開発の計画を策定をするとともに、毎年、重点配分領域等を定めた基本的方針を決定をすることになっております。  さらに、各省庁はこれ概算要求の前からこの予算要求の内容を内閣官房に提出をして、その指示に従うなど、内閣官房の指導力の下に予算配分、調整を行うものであって、今までと比較をするとはるかに強力な政府一体となった対応が可能だというふうに考えています。  また、執行面におきましては、各省の関連予算を新しくできる機構に集約をするとともに、その機構においては、本部の方針に基づいて各省の枠を超えて領域ごとに置かれるPD、POと言われる下で一貫した研究マネジメントを行うことができると。そのことによって、基礎から実用化まで切れ目のない研究支援を一体的に行うことができる、このように考えております。

薬師寺みちよみんなの党

○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。  しかし、予算だけではないですよね。結局、その予算も三庁それぞれが要求をしていく。かつ、今回研究所もそのままでございます。  例えば、米国立保健研究所、その傘下の中に二十七の研究所とセンターを持ちます。しかし、今回、この法案の中でも全く触られておりませんが、類似の研究を行うような文科省のJST、経産省のNEDO、また先ほど足立委員からもございました、これと代替として統合されます医薬基盤・健康・栄養研究所、それをしっかりと統合した上で新たな仕組みをつくっていくべきではないかと考えますけれども、いかがでしょうか。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) まず、この医療分野の研究開発については、人を研究対象として健康への悪影響を及ぼしかねない臨床研究があるということです。さらにまた、委員がよく御存じの、約定に基づく承認申請が必要であると。他の研究分野にはない特殊性が医療分野にあるということをまず御理解をいただきたいと思います。  そういう上に立って、研究開発を効果的に実施するために、専門知識を有する者による研究支援や、約定に基づく承認という、ゴールを見据えた一貫した研究マネジメントを行う機能が不可欠であるという形の中で、今回、医療分野の研究開発の特性に最適化した専門機関に医療分野の研究開発プログラムを集約をして、基礎から実用化まで切れ目のない支援を実施できるこの独立行政法人をつくることにしたということであります。

薬師寺みちよみんなの党

○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。  しかし、この指示命令系統さえも総合科学イノベーション会議、そして健康・医療推進本部、各所管大臣というところもございます。これ、でも三本ございますですよね。ですから、予算もばらばら、研究所もばらばら、指示命令系統もばらばらになりかねないと。これ、どう考えても効率的ではないと言うしかないと私は考えております。  そこで、人材の育成ということで先ほどから取り上げられておりますけれども、この橋渡し研究というものをやっていく上でも、この橋渡し研究を担える人材の育成がどのように今後発揮されていくのかというものが問題になってくるかと思いますけれども、現在の育成状況についても教えていただけますでしょうか。

菱山豊内閣官房内閣審議官

○政府参考人(菱山豊君) お答え申し上げます。  健康・医療戦略推進法の第十六条におきまして、人材確保を基本的施策の一つに位置付けてございます。そこでは、専門的知識を有する人材の確保、養成及び資質の向上に必要な施策を講ずるというふうに規定しております。それに基づきまして、政府として積極的に取り組んでいくこととしております。  また、御指摘の橋渡し研究を担える人材の養成に関しましては、大学における臨床研究に関する教育の充実や、医学系及び生命科学系の若手研究者への持続的な支援などにより基礎から臨床研究、治験まで精通し、世界の最先端医療の研究開発等をリードし、将来的に成果を国内外に普及できる実行力を備えた人材の育成に努めてまいりたいというふうに考えております。

薬師寺みちよみんなの党

○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。  私もちょっといろいろ調べてみました。そういたしましたら、医療分野の研究開発に関する総合戦略の中でも、卒前教育に臨床研究方法論、そして臨床疫学、生物統計学を組み込みと、学生にも、もう既にしっかりと育成をするシーズを植え込んでいこうじゃないかということもここに書かれておりますけれども、既に文科省の方にも養成をされていらっしゃるんでしょうか、教えてください。

菱山豊内閣官房内閣審議官

○政府参考人(菱山豊君) 関係省、文部科学省とも連携を取って進めてきております。  具体的には、文部科学省におきましても、例えばメディカルイノベーション推進人材の養成とか、リサーチマインドを持った総合診療医の養成と、そういったようなプログラムも文科省で行っておりまして、それらも私どもと連携を取りながら進めているところでございます。

薬師寺みちよみんなの党

○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。  しかし、先ほどお答えいただきましたメディカルイノベーション五か年の計画の中で、メディカルイノベーション推進人材の育成、これは二十五年度限りの事業となっておりますよね。継続か中止かというのは全く白紙です。人材育成というものが今本当に白紙の状況で、これから大変重要になってくるよということが分かっている。  今後、内閣府としてはどのようにそれを推進なさっていくのか、具体的にもう一度教えていただけますでしょうか。

菱山豊内閣官房内閣審議官

○政府参考人(菱山豊君) 先ほど御紹介したプログラム以外にも、例えば橋渡し研究加速ネットワークプログラムなども行っておりまして、そこでは臨床医の先生方がしっかりその研究にも参加できるように、また医師以外にも生物統計家とか知財などの方にも入っていただいて育成できるようにしていきたいというふうに考えております。

薬師寺みちよみんなの党

○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  私も医学部出身者でございますけれども、更にこういう知識を得ようと思いましたら、数年間にわたって、もちろんその現場のこともそうです、若しくは、机上の空論と言われるかもしれませんけれども、しっかりとした座学も必要となってきます。ですから、もうちょっと長期的にしっかりとした計画を立てていただかなければ、人材育成と一言で言っても、これからまたまた様々な問題が出てくるかと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。  時間もございませんので、次の質問に移らせていただきます。  今国会に提出をされております独法通則法ということもございます。この通則法の改正案では、日本医療研究開発機構のような研究開発型法人の目標、評価については総合科学技術・イノベーション会議というもので指針案を作成することとなっております。しかし、この一方、今回の法案の中では、中期目標を定める場合には健康・医療推進本部の意見を聴かなければならないと。  イノベーション会議と推進本部で違った考え方が示された場合にはどのように対処をされるべきなのかとお考えでしょうか。

菱山豊内閣官房内閣審議官

○政府参考人(菱山豊君) 日本医療研究開発機構の中長期目標の策定につきましては、あらかじめ健康・医療戦略推進本部の意見を聴くということになっておりまして、それとともに総合科学技術・イノベーション会議が作成する指針案を反映した総務大臣の定める指針に基づいて作成することとされているところでございます。  御指摘の点につきましては、総合科学技術・イノベーション会議は国立研究開発法人全般についての指針案を作成し、一方で、推進本部は日本医療研究開発機構への個別の意見を述べるということで、両者は性格が異なっているということでございます。また、推進本部では指針等も考慮しながら意見を述べるものであるということから、両者が矛盾することにはならないものと考えております。  いずれにいたしましても、健康・医療戦略推進本部と総合科学技術・イノベーション会議とが相互に密接に連携協力を図りつつ、医療分野の研究開発の推進に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

薬師寺みちよみんなの党

○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。  今回の健康・医療推進本部及び日本医療研究開発機構のこのスキーム、独法から独法への資金が垂れ流しする抜け穴ではないかという指摘もございます。このスキームで本当に日本再興戦略に記載されているような規制、制度の改正、官業の開放を断行するという成長の道筋に寄与するのかどうかと、どのようにお考えなのか、済みません、最後に教えていただけますでしょうか。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) 今回の二つの法案は、昨年の六月に閣議決定をいたしました日本再興戦略、ここを実行するために国会に提出をさせていただいておるものであります。  具体的には、国民が健康な生活及び長寿社会を享受することのできる社会を形成をするために、医療分野の研究開発を戦略的に推進をし、世界最高水準の医療を実現していくこと、このことと同時に、健康・医療分野については世界的にも今後極めて成長が見込まれる、そのように考えておりまして、我が国としても健康・医療に係る産業を戦略産業として育成をしていきたいというふうに思っています。こうしたことを実現をするために、それぞれの府省庁連携をしてしっかりと取り組んでいきたいというふうに思います。

薬師寺みちよみんなの党

○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。  官房長官、これで終わりではなく、更に改善していい制度につくり上げていただきたいと私は願っております。まさにこの省庁の壁というものが岩盤規制そのものでございます。ですから、その岩盤規制、ドリルでしっかりと横穴を空けた上で、更にいい制度になっていくことを私も願いまして、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

水岡俊一民主党・新緑風会

○委員長(水岡俊一君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十九分休憩      ─────・─────    午後一時一分開会

水岡俊一民主党・新緑風会

○委員長(水岡俊一君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。  この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、堀内恒夫君及び足立信也君が委員を辞任され、その補欠として二之湯武史君及び神本美恵子君が選任されました。     ─────────────

水岡俊一民主党・新緑風会

○委員長(水岡俊一君) 休憩前に引き続き、健康・医療戦略推進法案及び独立行政法人日本医療研究開発機構法案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

田村智子日本共産党

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。  健康・医療戦略推進法案第二条、基本理念では、創薬や先端的医療機器技術、再生医療などの実用化、産業化、海外への展開を掲げ、国はこの基本理念に沿った施策を行う責務、地方公共団体にも基本理念にのっとった施策を行う責務を課しています。  地方公共団体についてはどのようなことが期待されるのでしょうか。

中垣英明内閣官房内閣審議官

○政府参考人(中垣英明君) 今委員御指摘のとおり、健康・医療戦略推進法案第四条では、地方公共団体は、健康・医療に関する先端的研究開発及び新産業創出に関し、国との適切な役割分担の下、地方公共団体が実施すべき施策として、その地方公共団体の区域の特性を生かした自主的な施策を策定し、及び実施する責務を有する旨を規定いたしておるところでございます。  この趣旨でございますけれども、地方公共団体につきましても、国との役割分担をしつつ、健康長寿社会の形成に向けて当該地域にとって必要な施策を企画立案し、実行に移していくべきであるというこの旨を法案に定めたものでございます。  したがって、法案の趣旨を踏まえまして、各地方公共団体におきましては、地域の研究開発でありますとか産業の状況に応じた特色ある様々な取組が進められることを期待しているというものでございます。

田村智子日本共産党

○田村智子君 推進法八条は、国、地方公共団体、研究機関、医療機関及び事業者の間の連携を図るための施策を講ずることとなっていますが、どのようなものが想定されるのでしょうか。また、これまでの政府の施策で八条に該当する施策というのはあるのでしょうか。

中垣英明内閣官房内閣審議官

○政府参考人(中垣英明君) 健康長寿社会の形成に向けましては、施策の実施主体、又はそれに協力する主体でございます国、地方公共団体、研究機関及び事業者のそれぞれが相互に連携を図って施策の効果的な実施を図ることが必要であります。そのため、健康・医療戦略推進法案では連携の強化について規定しておるところでございます。  具体的にでございますけれども、例えば、国、研究機関及び医療機関の連携といたしましては、研究機関における基礎的な研究の成果を医療機関における人を対象とした臨床研究につなぐといった国の支援によります橋渡し研究でありますとか、地方公共団体、また研究機関及び事業者の連携としては、地方公共団体が間に入って、地方の大学にある研究シーズを地域に根差した民間企業で実用化につなげ、地域発の産業振興を行うといった施策が当たるものと考えておるところでございます。

田村智子日本共産党

○田村智子君 これは、文科省の知的クラスターなどもこういうものに当たるのではないかというふうに思いますが、よろしいでしょうか、文科省が進めている知的クラスター。

中垣英明内閣官房内閣審議官

○政府参考人(中垣英明君) はい、該当するものと考えております。

田村智子日本共産党

○田村智子君 国と連携したそういう研究に地方自治体も取り組んでいくことになると。じゃ、具体的にどういうことが起こるのか。  神戸市は、二〇〇二年に文科省の知的クラスターに指定をされています。現在、ポートアイランドに理研などライフサイエンス関係の研究機関、企業、先端医療センター等の高度専門病院群などを集めた医療産業都市、その構築を進めています。これは言わば、今確認をいたしました推進法の基本理念、あるいは四条、八条を先取りしたものだというふうに考えます。  十五日に行われた参考人質疑で兵庫県保険医協会の武村参考人が、ここで何が起きているのかということを具体的に述べられました。  神戸市は、医療産業都市の一画に神戸市立医療センター中央市民病院を移転しました。この病院は元々ポートアイランド内に建設をされていて、阪神・淡路大震災の際に、神戸大橋の損傷による通行止め、周辺の液状化などにより、三次救急機関として機能しなかったという痛苦の経験を持っています。それにもかかわらず、更に海側に、僅か一・三キロですが、移転をして新築する。しかも、九百十二床あった病床を七百床に減らしてしまいました。多くの市民や医師会が計画段階から強く反対したのは当然のことだと思います。  神戸市は移転の理由として、臨床部門の核とするために先端医療センターの隣に移転する必要があるというふうに説明しました。先端医療センターを運営する先端医療振興財団の井村理事長は、中央市民病院の患者などを対象に最先端医療の応用研究を進めている、このためにも、また救急事態への対応に際しても市民病院があると便利と語りました。当時の先端医療センター長はラジオ番組で、やっぱり中央市民病院の患者さんや一般の人が必要である、新しい医療が生まれるためには膨大な人体実験が必要でしょうとまで述べました。  先端医療センターで開発を進める臨床研究の被験者を中央市民病院の患者から集める、被験者が急変をしたら中央市民病院に救急搬送する、だから移転が必要だったということを赤裸々に語っておられるわけです。  法案が目指す基本理念に沿った自治体の施策、国との連携の施策、これで目指すのはこういう神戸市のようなことなのでしょうか。官房長官、お願いします。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) 地方公共団体についても、国との役割を分担しながら、地域の経済や産業の状況を踏まえて、健康長寿社会の形成に向けて当該地域にとって必要な施策を企画立案し、実行していくべきである、そのことをこの法案には趣旨として書き込んでおります。  なお、この地域の医療提供体制というのは、都道府県が中心となって、それぞれの地域の実情を踏まえて、関係者の意見を聞いた上で医療計画を策定し、これに基づいて医療行政が行われているというふうに理解をいたしております。  神戸市の事例についても、そうした地域の医療提供体制の確保という問題も含め、様々な点を総合的に考慮した上で対応していると、このように聞いております。

田村智子日本共産党

○田村智子君 現実には市民や県民に何がもたらされているのか。神戸市は、三百八十二億円の建設費だけでなく、毎年五十億円もの市税を病院の運営費として投入をしています。一方で、中央市民病院の二次救急患者の受入れ停止は、二〇一二年、二千七百十八時間、これは移転前の二〇一〇年の二・七倍にも及びます。市民病院機構の菊池理事長は、病床数が減ったから救急の受入れができなくなったと認めておられます。また、中央市民病院が担ってきた高度医療も、臨床研究レベルの先端的医療以外は受けにくくなっているという声も聞かれます。  市民、県民への影響はこれにとどまりません。兵庫県立こども病院も二〇一五年に医療産業都市に移転の予定です。子供の病院をわざわざ液状化や津波被害のおそれがある埋立地に移す、しかも周辺は様々なウイルスなどを保管する研究機関が集中をしている。周産期センターを持つ中央市民病院の目と鼻の先に総合周産期センターを持つ県立こども病院を移転させる。医療界、県民、自治体からの疑問や反対がどれだけ出されようとも、強引にこうした計画が進められようとしています。  神戸市は、研究成果を市民にいち早く還元し、市民の健康、福祉の向上ということを掲げていますが、実際には市の中心部から更に離れた場所に病院が移転をすることで、一般患者さんへの利便性は低下をしています。救急医療機能も低下をしています。医療産業都市は地域医療を犠牲にして成り立っているというのがこの神戸の実態だと思うんです。  この法案によって、同じように結果として地域医療が犠牲になりかねないというふうに危惧をしますが、官房長官、いかがですか。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) 先ほど申し上げましたけれども、この地域の医療提供体制というのは、都道府県が中心となって、地域の事情を踏まえて地域の皆さんから様々な意見を聞きながらその計画を実行しているというのが基本であります。  今御指摘をいただいておりますこの神戸市の市民病院の移転についても、病院の開設者であります独立行政法人の神戸市民病院機構が住民を始め関係者の皆さん等の意見を聞きながら、また兵庫県とも相談しながら適切に実行したというふうに聞いております。  いずれにしろ、この法案によって、地域の医療提供体制についてこのような考え方が特段の影響を受けるものではないというふうに考えています。

田村智子日本共産党

○田村智子君 中央市民病院の移転も一万三千を超える市民の反対署名というのが集められたんですよ。医師会もこうした病院の移転には反対ということを言い続けてきた。これで地域の皆さんの意見聞いていたなんというのは全然成り立たない議論だというふうに思いますよ。  続けます。  推進法第二条の基本理念には先端的医療技術の展開も盛り込まれています。医療機関と医療機器メーカーの海外展開の支援、外国人患者受入れ支援などを行うMEJを中核とすることが想定をされています。  医療機器の国際展開というのが、その利益や成果を日本の国民にも還元をするという仕組みづくりとともに行われるということを私も否定はしません。しかし、医師、看護師不足の中で、海外に展開するんだとか外国の患者さんも受け入れるんだとか、こういうことには疑問を抱かざるを得ません。  神戸医療産業都市では、生体肝移植等を行うKIFMECというのが行われています。それから、二〇一六年度開設予定のアイセンター眼科病院、これが国際展開の中核施設として位置付けられて、海外からの患者の受入れや医師の海外派遣を行う計画となっています。KIFMECでは当初、海外からの患者を対象に年間五十例の生体肝移植を行うというふうにしていました。アイセンターでは、iPS細胞を使った目の網膜の再生医療だけではなくて、日本では保険適用であります白内障や緑内障の手術も行うということが言われています。  海外から患者を受け入れた生体肝移植というのは、臓器移植に関するイスタンブール宣言に抵触する臓器売買のリスクが指摘をされて、兵庫県も営利を目的とした生体肝移植を行わないと医療計画に盛り込んだ上で病院を認可せざるを得ませんでした。  海外からの患者は日本の公的医療保険の対象外です。当然、全額自費診療で、その値段というのは医療機関が自由に価格設定をすることができます。保険診療よりも収益が上がる海外の患者を優先するのではという懸念が今広がってきています。だから、医師会始め医療関係者が様々な働きかけを、懸念を表明するということを行う事態となっています。  法案が目指す海外展開によって同じような問題が全国的に起こるということはないでしょうか、官房長官。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) まず、神戸の今御指摘をされています生体肝移植については、現地の医療関係者によりますと、国内外の患者を問わず、他の病院で対応できないなどの事情を踏まえて行われるものであって、海外の患者を優先するものではないということであります。  また、今回の法案では、我が国の優れた医療品、医薬品、そうしたものを世界に先駆けて開発することによって、国際的な医療ニーズを踏まえ、世界に流通をし、日本の医療技術そしてサービスの国際展開を推進していこうというものであります。御指摘のような問題にも配慮しながらしっかり対応していきたいと思います。

田村智子日本共産党

○田村智子君 これは、今でも医師の不足から、入院がなかなか決まらないとか手術の期間がなかなか決まらないという事例は全国でも起きているわけですよ。これが先端医療となれば、ますますこういう事例というのは起こってくると思うんです。それでも海外からどんどん受け入れていくと。倫理上の問題や医師不足から引き起こされる問題というのを危惧せざるを得ません。  では次に、先端的医療技術の開発による経済効果についてもお聞きをいたします。  神戸医療産業都市の経済効果、これについて神戸市は、二〇一〇年度、一千四十一億三千百万円の経済効果があるという試算を出しています。これまでに市や国が投じた税金は一千三百億円ですから、それとの関係でどこまで経済効果が上がっているかということは疑問に思わざるを得ませんし、これは武村参考人からも指摘をされました。  神戸市は、いやいや、進出企業は増えているんだと、こういうことも強調されています。しかし、二〇一〇年には、この十年間で進出した医療関連企業の約三割が撤退したと日経新聞は報道しています。さらに、国の補助金も含めて二十二億円を投じられて設立した国際医療開発センター、これは半年余りで破綻をして、市の外郭団体が八億円の負債共々引き取るという事態になっています。しかも、税金投入して進めた臨床研究、治験段階の医療、これは何も兵庫県民や神戸市民でなければ受けられないというものではないんですね。なぜ国の税金ではなくて、市や県がそこに巨額のお金を投じていかなければならないのかという疑問も起きてくるわけです。  先ほど指摘した公立病院の移転のデメリットと比較しても、県民、市民にとって果たしてどういうメリットがあるんだろうか、そのメリットが大きいということが言えるんだろうかと、これは私は到底言えないというふうに思うんです。  法案が目指す経済成長は、地域医療の機能低下、自治体の財政負担の増加などのデメリットと比較して、これを超えるというものになるのかどうか、これも、官房長官、お答えください。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) 神戸市の事例については医療法に基づき適切に進められるというふうに聞いております。さらに、地域医療の機能低下等の大きなデメリットは生じていないということであります。  いずれにしろ、今回の法案というのは、医療分野の研究開発を戦略的に推進をして世界最高水準の医療を実現をしていくとともに、健康・医療に係る産業を戦略産業として育成していくことが重要であるという認識の下に推進体制を整備をする極めて重要なものであるというふうに考えています。

田村智子日本共産党

○田村智子君 現実に起きていることと官房長官の答弁というのは非常に乖離があるように感じます。  推進法第五条は、大学、研究開発法人に対して先端的、学際的、総合的な研究を行うよう責務を課しています。この大学、研究開発法人には大学病院や国立がんセンターを始めとするナショナルセンターが含まれていて、健康・医療戦略本部などで研究の方向性が決められ、基本理念に沿った研究や運営を行うことになります。  こういう方向を強めると、これらの高度医療機関が担ってきた三次救急医療などの政策医療、あるいは高度医療も含みますけれども、こういうものや地域医療に果たす役割というのが後退するのではないか、こういう懸念がありますが、官房長官、いかがですか。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) 今度の法案、推進法の第五条においては、基礎から実用化までの一貫した研究開発の推進とその成果の円滑な実用化というものが求められております。そういう中で、大学や研究開発法人等の研究機関が医療分野の研究開発やその成果の普及、人材の育成に積極的に努めるとともに、医工連携などの融合分野の研究に努めるべきであるというふうに期待をいたしております。  一方、政策医療への影響については、こうした研究を進めることが例えば難治性、希少性の疾患といった政策医療の充実にもつながるものと考えておりまして、地域医療の確保については従来から医療法に基づき計画的に進められており、この法案が成立したからといって特段に支障が生ずるとは思いません。

田村智子日本共産党

○田村智子君 これは人も施設も限界があるわけです。そして、今まで作られてきた計画に新たなものがどんどん加わっていく。そのときに起きる矛盾ということに対して、余りにもそれは検討されていないと言わざるを得ません。  次に、研究推進体制の問題についてお聞きをいたします。  これ、十三日の委員会ではSTAP細胞をめぐる問題も議論されました。私はちょっと違った角度から議論したいと思います。  推進法十八条の医療分野研究開発推進計画は集中的かつ計画的に研究開発を進めるために策定をされ、具体的な目標と達成期間も定めることとなっています。期限を切って成果を出すということが求められており、それがなかなか成果につながっていない、次につながらないと、こう判断をされれば研究が打ち切られるということもあるのでしょうか。

菱山豊内閣官房内閣審議官

○政府参考人(菱山豊君) 医療分野研究開発推進計画に基づきまして医療分野の研究開発を推進するに当たりましては、研究事業や採択した研究課題につきまして、その成果を適切に評価することが大変重要だというふうに考えております。  このため、この計画に基づきまして研究開発の中核組織として研究管理の実務を担う日本医療研究開発機構におきまして、個別の研究課題の評価に当たってプログラムディレクターが外部の専門家の評価も得ながら課題ごとの目標の達成度について評価を行うこととしております。機構は、こうした評価結果を踏まえまして、その後の研究計画や研究費の配分の見直しに適切に反映していくということになっております。

田村智子日本共産党

○田村智子君 これは、見直しを行うということは研究が打ち切られることがあるということです。これ、研究打ち切られると多くの研究員などが行き場を失うことになります。こうした競争的資金では、プロジェクト限定で研究員を雇うことしかできないんです。  国立大学や独法の研究機関の運営費交付金、どんどん減らされて、基盤的な人材確保に苦労する状況が生まれています。参考人質疑でも、運営費交付金というのは、これは言わば大学のお米でございます、今は人件費を払うだけでもうほとんど手いっぱい、それも払えない大学も増えている、これはかなり危機的な問題と名古屋大学総長の濱口参考人が述べておられました。  研究開発法人の研究職員の状況をまとめた資料を配付しています。見ていただきたいんですけれども、これ、足下に研究機関を有しない法人を青くマーカーをして、そして研究職員が百人以上の法人を肌色でマーカーをいたしました。さらに、任期付研究員プラス非常勤職員、期間限定の皆さんですね、この割合が研究職員全体の五〇%を超えているところを赤く囲みました。逆に、任期の定めのない職員の割合が五〇%を超える法人、これが緑で囲っています。これ、一目瞭然なんです。厚労省、文科省所管の研究法人に赤枠がずらりと並ぶわけです。  中でも、任期付研究員の割合、理研は突出しています。二千百十七人の研究職員の約七五%、研究の現場は五年たてば全員が入れ替わる、こんな巨大組織は世界でも珍しいのではないか、こういう指摘が報道されていましたが、成果を出さなければ人も組織もなくなってしまう、こういう事態なんです。こういう組織の実態がSTAP細胞論文の問題の温床ではないかと考えますが、文科省、いかがですか。

山脇良雄文部科学大臣官房審議官

○政府参考人(山脇良雄君) 委員御指摘のとおり、理化学研究所では、現在、研究職員の約八割が任期制となっております。一方、今般のSTAP論文における研究不正の要因につきましては、研究者本人の倫理の欠如でありますとか、シニアな研究者を始めとする研究チームの責任分担の不明確さ、理研としてのチェック機能やプロセス管理の問題など複合的な要因があったと考えられます。これを踏まえまして、理研におきましては研究不正再発防止のための対応について検討がなされているところでございます。  具体的には、外部有識者から構成される研究不正再発防止のための改革委員会で検討が実施されているところでございますが、この改革委員会におきましては、これまでのところ、研究者が任期制の身分であることが今回の研究不正の要因であったという指摘はなされていないというふうに聞いているところでございます。  いずれにしましても、理化学研究所は、今般の研究不正の問題についてしっかりと要因分析を行いまして、それを踏まえた再発防止対策を講じることが重要であると考えております。

田村智子日本共産党

○田村智子君 これ、非正規で研究を打ち切られるかもしれない、成果出さなきゃいけない、そういうことが温床になって倫理の欠如が生まれているんじゃないかと、この問題、ちゃんと見るべきだと思います。  今回の法案で中核的な役割を果たすことが期待される理研を始めとするナショナルセンターなどを見ると、非常勤職員を含めると研究職員の八割が非正規職員。これは、特定国立研究開発法人に指定された産業技術総合研究所が二千六百九十六人の研究者のうち七五%が任期なしであることと比べても極めて異常だというふうに思います。  政府が引き続き重視すると言った基礎的研究には、長期的な視野や安定した体制が求められます。創薬などの臨床研究も、一定の成果や実用化までは、これは少なくとも五年や十年は掛かると言われています。ほとんどが非正規の研究員で、常に成果を上げなければ次のポストがなくなる、こういう下では不正への誘引圧力というのは緩和がされません。法案が強化すると言っている医療分野での研究開発能力は、むしろ弱くなっていくという懸念が拭えません。  こうした医療研究の基盤、土台が崩れかねないという事態、基盤的経費である運営費交付金の大幅な増額が今こそ急務だと思いますが、官房長官、いかがでしょうか。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) まず、この人材でありますけれども、人材は、新たな価値を生み出し、競争力を強化するための原動力であって、優れた研究者を確保することができるのかどうか、そのことがイノベーション創出を大きく左右するものであります。そのために、研究者の活躍の場が広がり、彼らが将来に向けてキャリアアップを描くことができるように、適材適所で安心をして働くことができる体制をつくることが極めて大事だというふうに考えております。  そのために、総合科学技術会議における検討を経て、昨年六月、閣議決定をいたしました科学技術イノベーション総合戦略においては、国内外の優秀な人材の流動化の促進や、人事・給与制度の改革、多様な人材がリーダーシップを発揮できる環境の構築などを打ち出しているところであります。この推進本部においては、このような政府全体の方針の下に、関係する研究開発法人の能力を活用し、医療分野の研究開発を戦略的に、総合的にしっかりと推進していくことになるというふうに思います。

田村智子日本共産党

○田村智子君 終わります。

浜田和幸新党改革・無所属の会

○浜田和幸君 新党改革・無所属の会、浜田和幸です。  官房長官に質問をさせていただきたいと思います。  健康・医療、この戦略というのは、単に国内の健康長寿大国を目指す国民の関心を満足させるだけではなくて、広く海外にも波及効果があると思うんですよね。そういう意味で、我が国の外交ですとか経済戦略にとっても、この医療やあるいは健康分野というのは極めて重要な意味を持つと思います。  特に、日本の場合ですと、お隣の中国からほぼ毎日のようにPM二・五のような招かれざる訪問客が来ておりまして、私の地元鳥取県でも、連日、不要な外出は控えるようにと、このPM二・五。ただ、このPM二・五は、日本の国内で健康被害をもたらしているだけでなくて、もう本家本元の中国でも大きな社会問題になっていますよね。  こういう問題を日本の技術や日本の医療機器によって克服していくということは、日本の新しい医療外交という意味でもとても大きな意味があると思うんですけれども、今回の新しい健康・医療戦略の中で、この国際展開ということについてどういうような考えを官房長官はお持ちなのか、それを具体的に御説明いただければと思います。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) この本部におきましては、我が国の優れた医薬品また医療機器、再生医療製品等を世界に先駆けて開発するとともに、国際的な医療ニーズや市場動向を踏まえ、世界に輸出をして、日本の医療技術、サービスの国際展開を推進していきたいというふうに思います。  そのために、政府は、この推進本部の下に医療国際展開タスクフォース、その場を活用しながら、一般社団法人メディカル・エクセレンス・ジャパン等とも連携をし、途上国や新興国の特性に対応した日本の医療技術、サービスの採用促進、個別の医療機関等の構築、運営支援、人材育成などの取組を総合的に行って、戦略的に展開をしていきたいというふうに考えております。

浜田和幸新党改革・無所属の会

○浜田和幸君 是非積極的に進めていただきたいと思うんですね。  海外から、メディカルツーリズムというか、なかなか難しい手術等についてやっぱり日本の医療機関で受けたいと、そのようなニーズもこれから高まってくると思います。また、日本社会というのは世界に先駆けて高齢化、猛スピードで進んでいますから、そういう老人医療という分野でも日本は世界に共有できる、そういう技術のノウハウの蓄積があると思うんですね。  今おっしゃった人材育成とか、やっぱり海外との関係を考えたときに、例えば日本政府が、そういう海外での、言ってみれば日本発の医薬品ですとか医療器具を宣伝するそういう海外でのPRの拠点、あるいはそういうものに対する、日本の企業や日本の大学の研究機関が出るときに、そういうものをバックアップ、応援するというようなことも今回の新しい戦略の中には含まれるんでしょうか。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) 従来は、今委員から御指摘もいただきましたようなことが非常に不足していたというふうに思っています。  今回、先ほど私が申し上げましたように、国際的な医療ニーズや市場の動向等を踏まえながら積極的に海外展開をしていくという、そういう考え方からして、今回、今委員から御指摘のありましたことは、この中に含まれております。

浜田和幸新党改革・無所属の会

○浜田和幸君 是非、海外からの人材を日本の医療機関で研修を受け、日本の器具に慣れさせていく。そして海外に戻って、その国の医療機関でやはり日本発の薬ですとか機器を使ってもらうということが、一番新しい成長産業として、日本の医療器具メーカーにとっても製薬メーカーにとってもプラスになると思いますので、是非、そういう海外での活動、力を入れていただきたいと思います。  次の質問は、やっぱりそういった健康とか医療戦略を進める上で、やっぱり諸外国との連携協力ということが、最先端の医療分野、いわゆる西洋医学だけではなくて、やっぱり日本はアジアの国であり、東洋医学というか、そういう非西洋的な、医学的な効能はあるけれども、まだ科学的には十分立証、証明されていない、しかし民間療法という形で広く行き渡っている、指圧であったり、気功であったり、はりであったり、いろんなものがありますよね。そういったいわゆる統合医療という観点も、これから日本が世界に打って出るときには必要だと思うんですけれども。  日本版NIHということが話題になりましたけれども、本家本元のNIHでは、アメリカインディアンがふだん使っている祈祷、お祈りのパワーとか、中国からわざわざ気功師を呼んで、気の力でどうやって病気を治すとか、そういうような、西側というか西洋的な医学と東洋的な民間療法をミックスする、そういうような研究も随分盛んに進んでいると聞いております。  そういった意味で、統合医療を今回どのような形で新しい健康・医療戦略の中に絡めていかれようとしているのか、そういう余地があるのかどうか、その辺りについてお聞かせください。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) まず、この統合医療についてでありますけれども、その安全性だとかあるいは有効性、これに関する科学的知見を収集するということが、我が国にとってはこれが大事だというふうに思います。さらに、必要な情報を広く発信をしていくこと、このことも課題だというふうに思います。  平成二十六年度予算においても、厚生労働省の方で必要な金額を計上し、対応しているというふうに承知をしております。この法案が成立した後に、健康・医療戦略本部の下で健康・医療の戦略を進めていくことになりますけれども、その際には、これらの研究成果を踏まえるとともに、有識者を始め広く御意見を伺いながらその取扱いというものを検討してまいりたいと思います。

浜田和幸新党改革・無所属の会

○浜田和幸君 是非、日本古来というか、アジア、東洋に広く使われている民間療法のプラス面といったこともやはり積極的に、日本文化の言ってみれば一翼を担う重要な要素だと思いますので、西洋的な医学の分野だけではなくて、漢方ですとか、はり、きゅうですとか、そういうことも組み合わせることによって相乗効果が生まれる。そういうことに対しては、環境的に言うと、日本が一番恵まれたそういう環境にあると思いますので、この健康・医療の戦略の中にも統合医療の要素も是非積極的に取り入れていただきたいと思います。  それで、次の質問は、医薬品ですとか医療器具に関しまして年間二兆円近く日本は入超というか、せっかく日本には基礎研究ですばらしいものがたくさん蓄積されていながら、それが具体的な医薬品とか医療器具という言わばビジネスの部分になると、どうしても諸外国に押されぎみの、そういう傾向があると思うんですね。  知的財産を守るという観点からも、やっぱりある程度国が積極的にこういう知財、あるいは民間の研究機関や大学の研究を後押ししていく、そういうことによって、今の入超を出超というか黒字転換するということが成長産業として欠かせない今回の目的だと思うんですけれども、この分野においてどのような支援を考えておられるのか、官房長官のお考えをお聞かせください。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) まず、医薬品や医薬機器の産業は、これから我が国の成長産業の一つとして国を挙げて育成をしていく必要があるというふうに考えております。一方で、今委員から御指摘をいただきましたけれども、欧米諸国と比較をして新薬が出にくい、あるいは医薬品、医療機器、約二兆三千億円、これは多額の貿易赤字が生じている、このことが従来から指摘されているところであります。  このため、今回の法案では、政府が一体となって強力な研究開発の推進体制、その構築を目指して、健康・医療推進本部や新しい機構の創設を図ることにいたしております。また、知財戦略等に関する相談、支援を含め基礎研究の成果というものを実用化につなげていくための支援を行う創薬支援ネットワークの構築、さらには臨床研究の中心的な役割を担う臨床研究中核病院の整備など、研究開発から実用に至るまで、この支援に関して様々な施策を強力に推進をしていきたいというふうに思っております。  今後とも、これらの取組を通じて我が国の医薬品、医療機器、その開発体制が切れ目なく一層強化をされていくように、関係府省庁一丸となって取り組んでいきたいというふうに思います。

浜田和幸新党改革・無所属の会

○浜田和幸君 官房長官の意気込みは大変強く受け止めることができました。  具体的に、いろんな日本国内における臨床データには、個別の大学病院ですとか、やっぱりどうしても規模が限られているという意味で、新薬に必要な立証というんでしょうか、検証になかなか時間が掛かっている。そういうことに対してどういうような、政府として臨床データが十分新薬として世界的な認証が得られるような形で応援していくのか、今の日本の縦割りのいろんな、あるいは地域割りの弊害、それをどういう形で今回の新しい体制の下で乗り越えていくことができるのか、その道筋を最後にお示しいただきたいと思います。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) 日本の国民皆保険制度、そうした中、またアメリカはそうした制度が普及をしていません。そういう中で、治験はアメリカの方が数多く短期間の間に取れるということもそれは事実であります。  そういう中にあって、今回この機構を創設することによって、先ほど申し上げましたけれども、臨床研究の中心的な役割を担う中核病院の整備など、まさに研究開発から実用化に至るまで、この機構を中心に総体的にしっかりと対応していきたいというふうに思っています。

浜田和幸新党改革・無所属の会

○浜田和幸君 ありがとうございます。  それで、我が国は科学技術立国とイノベーション立国、この委員会でいろんな形で議論をしてきました。それで、年間四兆円を超える科学技術振興のための予算、それと今回の新しい健康・医療に特化したこの戦略、その辺りの整合性というか連携について、もう一つ最後にお聞かせください。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) まさに全体の中で、今回この法案を提出させていただいたのは、医療分野というのはまさに健康長寿、国民のこれは大きな期待であります。そしてまた、医薬、医療機器、この分野についてはこれからの成長戦略の分野であります。ですから、ここを、医療、医薬関係を全体として新たな法案を提出をさせていただいて、この分野に特化する中で、政府を挙げて取り組んでいくという体制を何としてもつくり上げていきたいというふうに思います。  まさに基礎から実用化に至るまで切れ目のない体制をしっかりつくっていきたい、そのためには、例えば医療だけでなくて専門的な方も必要であります。そうしたものを含めて、この新しい機構の中で政府の本部の指針に基づいてしっかりと対応していき、国民の皆さんの健康長寿、そして医療、医薬、医療機器、そうしたものの成長戦略として海外に輸出することができる、そうしたものをしっかりとつくり上げていきたいと思います。

浜田和幸新党改革・無所属の会

○浜田和幸君 是非、新しい日本の健康・医療戦略が外交あるいは経済戦略としても一体化して、日本の存在を高らしめるように進めていただくよう御期待して、私の質問を終わります。  以上です。

山本太郎各派に属しない議員

○山本太郎君 何とか早く政党要件を満たして政党になりたい新党ひとりひとりの山本太郎でございます。よろしくお願いします。  今日、小学館のビッグコミックスピリッツという雑誌の「美味しんぼ」という作品に登場した福島県双葉町の前町長の井戸川克隆さんを参考人としてお呼びしてお話を伺いたく、御本人にも御出席を快く承諾していただいておりましたが、残念ながら、理事会におきまして全員一致での御了解が得られませんでした。参考人としてお呼びすることができませんでした。今後も機会がありましたらお願いをしたいと思います。よろしくお願いいたします。  前回の質疑で私は、今回の健康・医療戦略推進法案はアベノミクスの成長戦略法案ですかと菅官房長官に質問いたしました。官房長官は、成長の産業として育成していくということもその一つであることは間違いないわけでありますけれども、ただ、その前提として、やはり多くの国民の皆さんが健康で安心をして長生きをすることのできる社会を形成するということが大前提としてあるわけでありますと答弁されました。  そこで、官房長官にお伺いしたいと思います。  ビッグコミックスピリッツに掲載された「美味しんぼ」の福島の真実編、一連のテーマは当然、東電福島第一原発事故による被曝の問題です。私は、この被曝の問題、官房長官が答弁された、多くの国民の皆さんが健康で安心をして長生きをすることのできる社会を形成するために政府が取り組むべき重要課題だと思いますが、官房長官、御見解いかがでしょうか。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) この問題も極めて大事な重要な問題だというふうに考えております。

山本太郎各派に属しない議員

○山本太郎君 ありがとうございます。  私、国会図書館にお願いをしまして、風評被害と非難され、表現の自由が脅かされようとしている「美味しんぼ」、福島の真実編の第二十回から昨日発売されました二十四回までを読みました。官房長官、「美味しんぼ」はお読みになられましたか。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) 新聞報道で知っている程度であります。

山本太郎各派に属しない議員

○山本太郎君 この作品の中で放射能の影響で鼻血が出たとも受け取れる表現に対し、デマだ風評被害だと行政と大手マスコミぐるみのバッシングが盛り上がったようなんですけれども、原子力災害があったチェルノブイリでも、事故後の症状の一つに鼻血が出たという話は当たり前にあるんですよね。私も、二〇一一年、訪れた際に、ベラルーシ、ウクライナで住民の方々から直接お聞きしました。我が国のいつ収束できるかも分からない東電原発事故の後も、鼻血についてはよく聞く症状の一つでありました。  国会におきましても、当時野党でした自民党の心ある議員の方々から鼻血の件も含めた質問が実際に行われております。例えば、福島県選出森まさこ大臣も、二〇一二年六月十四日、参議院復興特別委員会で、子供が鼻血を出した、これは被曝による影響じゃないかというような心配の声が寄せられたと質問されていますし、本委員会の山谷えり子委員や、そして熊谷大議員、あるいは長谷川岳議員が質問された参考人の方からも事故後の鼻血について触れられています。  質疑をしていただいた心ある自民党議員の皆さんが国会内でデマをばらまいたというわけではないですよね。国民の声に真摯に耳を傾けて、国民の健康と生活を守るためにも、事故後に体調変化のあった一例を持ち出して鼻血の話に触れられたわけだと思うんです。  官房長官、少なくとも原発事故後、鼻血の症状が多く現れたということは事実だと思います。御理解いただけますか。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) 福島において事故に伴う放射線の住民の被曝と鼻血の関係にあると、これについては考えられないという専門家が評価をしているというふうなことは私承知をいたしております。

山本太郎各派に属しない議員

○山本太郎君 お手元の配付資料一を御覧いただきたいんですけれども、これは熊本学園大学の中地重晴教授の論文です。十八ページ十一というところを御覧ください。中地教授が岡山大学の津田敏秀先生、頼藤貴志先生、また広島大学の鹿嶋小緒里先生と共同で、二〇一二年十一月に質問調査し、去年八月、双葉町に中間報告された双葉町民の健康調査のレポートです。  政府はこの報告、御存じですかね。

塚原太郎環境省総合環境政策局環境保健部長

○政府参考人(塚原太郎君) お答えします。  議員御指摘の調査につきましては、双葉町の健康調査の中間報告といたしまして、他地域と比べ、何らかの健康影響を示唆する結果が得られたとするような報告が大学の研究所が発行する雑誌に掲載されたということについては承知をしております。

山本太郎各派に属しない議員

○山本太郎君 十八ページの赤い線を引いたところに、双葉町と宮城県丸森町の両地区で、多変量解析において滋賀県長浜市木之本町よりも有意に多かったのは、体がだるい、頭痛、目まい、目のかすみ、鼻血、吐き気、疲れやすいなどの症状であり、鼻血に関して両地区とも、これ丸森、双葉ですね、両地区とも高いオッズ比を示したと書いてあります。  配付資料二を御覧いただきたいんですけれども、ちょっと枚数が多いですけれども、大丈夫ですね、北海道がんセンター名誉院長西尾正道先生の鼻血論争についてというコメントと西尾先生が作成された資料でございます。  西尾先生が作成された資料、昨年八月三十日にイギリスの科学雑誌サイエンティフィックリポーツに掲載された論文の内容をまとめたものです。この論文、気象庁気象研究所の足立光司さん始め四名の方々の論文。西尾先生は、事故直後の放射能プルームに多量のセシウムの微粒子、セシウムホットパーティクルというそうですが、このセシウムホットパーティクルが含まれているというこの論文から、放射性微粒子が湿潤した鼻、喉頭、口腔、咽頭の広範囲な粘膜に付着すると影響が強く出る、健康影響は不溶性の放射性微粒子が粘膜に付着した準内部被曝という観点から評価すべきだとおっしゃっています。この方は北海道がんセンターの名誉院長の西尾先生、今のコメントですね。  菅官房長官、菅官房長官は五月十二日の会見で、住民の放射線被曝と鼻血に全く因果関係はない、専門家の評価で明らかになっているとおっしゃったようなんですけれども、実はこの低線量被曝というものについてはまだまだ分からないことがあるんですよね。  前回の参考人質疑、この場にお越しいただきました。医師で名古屋大学総長の濱口先生、私の質問に対しまして、この放射能被曝による被害の問題で一番よく分からないのが低線量被曝だと思います。従来の研究は、高濃度で短期間掛けたらどういう影響が出るかという研究がほとんどでありますし、広島、長崎の結果も高濃度被曝、瞬間的なもののフォローアップであります。ですから、実態がよくまだ見えていないというところが正直なところであるとおっしゃいました。そして、もう一方、医師で自治医科大学学長の永井先生、低線量被曝の問題は、非常に確率が低いけれども重大な結果をもたらすかもしれないという、この辺の事実をやはりしっかり押さえるという問題ではないかと思います。まず事実、言わば疫学でございますね、PDCAサイクルのチェック、アセスメントをしっかりするということで、この調査をすることは非常に大事だと思っておりますとおっしゃっております。  濱口先生の低線量被曝は実態がよくまだ見えていない、永井先生の調査をすることは非常に大事、このお二方の御意見から、やるべきことははっきりしているというふうに思われませんかね。  やるべきことって何なんだよと。ストロンチウム90など多核種に及ぶ土壌汚染調査や、ベータ線を含む食品の検査、尿中セシウム定量調査や遺伝子検査を含む健康調査などを福島県だけでなく東日本の広い範囲で長期間、継続的に調査していくこと、それはまさに政府の責任だと思うんです。先日、総理の言われた言葉、根拠ない風評に国として全力で対応するというのはこのことじゃないんでしょうか。  これらの提案、一刻も早く実行に移していただけませんか。これができないというならば、できない理由を簡単に教えていただけますか。

岡本全勝復興庁統括官

○政府参考人(岡本全勝君) 原子力事故からの収束に関する御質問で、本来、原子力災害対策本部の所管でございますが、私の方からお答えさせていただきます。  三種類の調査でございますが、まず土壌汚染調査につきましては、事故発生当初、ガンマスペクトル分析等によりまして、ストロンチウム90などの多核種の土壌調査を行っております。現在は、原子力規制委員会及び東京電力が福島県内において、あるいは福島県外につきましても、第一原子力発電所の八十キロ圏内におきまして、セシウム134及び137についての土壌調査を行っております。あわせて、全都道府県におきまして、毎年度国の予算の下で水準調査によりまして、ストロンチウム90、セシウム134、137についての土壌調査を実施しております。  次の食品検査につきましては、これは厚生労働省におきまして次のようなことを行っております。  食品中の放射性物質に関する検査は、放射性セシウム、ストロンチウム90、ルテニウム106、プルトニウム238などを考慮に入れまして設定しました基準値に従い全国で実施しております。この基準値は、放射性セシウム以外の核種からの線量を含めまして、食品を摂取することによる被曝線量が年間一ミリシーベルトを超えないように放射性セシウムの濃度を設定したものでございます。このため、放射性セシウムを検査対象とすることでストロンチウムなどから受ける線量も含めました管理が可能であるため、検査による食品の安全性は十分確保されていると考えております。  三つ目の健康調査につきましては環境省において所管していただいておりますが、福島県やその近隣県におきまして地元の医師、専門家による有識者会議が設置され、健康管理の在り方について議論が行われたと承知しております。その中で、原子放射線の影響に関する国連科学委員会、いわゆるUNSCEARでございますが、二〇〇八年報告など、医学の専門家のコンセンサスとなっております様々な蓄積に基づき地元の医師や専門家による会議が行われ、対象者も含めて必要と判断された健康調査が行われたと承知しております。これらの結果は全て公表しております。  御指摘のように、土壌、食品、健康についての検査を行っておりまして、復興庁といたしましても、これらの取組を踏まえまして引き続き正確な情報提供を行い、風評被害の払拭に努めてまいります。

山本太郎各派に属しない議員

○山本太郎君 ありがとうございます。ある程度想定された答えだったと思うんですけれども、ありがとうございました。  質問時間がどんどんなくなっていくので進めたいと思います。  十九日に行われた福島の県民健康調査の検討会、ここで甲状腺がんの診断が確定した子供、甲状腺がん決定した子供ですよね、前回よりも十七人も増えているよと、五十人になったんですね。がんの疑いがある子供も三十九人、合計八十九人。小児甲状腺がん、百万人に一人か二人と言われていたのが、もう疑いも含めて八十九人までになっているよと。これ、普通な状況なんですかね。どう考えてもおかしいと思うんですけれども。それだけ細かくいろんなことを調べていただいているんであれば、これが影響がないということにはなっていかないと思うんですけれども。  そして、先ほど永井参考人のお言葉の中から疫学という言葉が出てきたと思うんですよね、意見の中に。疫学という言葉が出てきた。疫学って簡単に言うと何だ、統計だよと。  低線量被曝の影響がはっきりと分からないと言われる中で健康調査を続けることはすごく重要だと思うんです。統計を取るためにも必要で大切かもしれない。けれども、もし将来、低線量被曝、実は人体に多大な影響あったみたいですというような疫学上の答えが出た場合、そのとき既にもう手遅れなんですよね。低線量被曝で健康被害に遭った人が存在するということになりませんか。この国に生きる人々は動物実験のための家畜でも何でもないんですよね。安全か危険かがはっきりしない事柄に関しては、予防原則にのっとって危険側に立って対処する、これ常識ですよね。この国に生きる人々の健康と生活を守る国の役目だとも思うんですけれども。  菅官房長官にお願いをしたいんです。低線量被曝による健康影響の実態がよく分からないんですから、福島県だけではなく、東日本の広い範囲にわたって福島第一原発事故による被曝を心配している方、移住を希望する方たち全員にチェルノブイリ法と同等以上の避難の権利を認めるべきだと思うんですよね。官房長官の御見解、お聞かせ願えますか。

岡本全勝復興庁統括官

○政府参考人(岡本全勝君) 被災者の方々の中には、戻りたいと考えておられる方々、戻らないと考えておられる方々、なお判断にまだ迷っておられる方々など、様々な方がおられます。政府といたしましては、このような様々な住民の声に応えるために、帰還支援と新生活支援の両面の支援策により支援をすることとしております。この中で、避難指示区域以外の区域につきましては避難することは義務付けられておらず、被災者の方々が自主的に避難するか、住み続けるかを自ら選択されておられます。  政府といたしましては、被災者の方々の生活を守り支えるため、自主的に避難されている方の生活上の負担の軽減や、また被災地に住み続ける方々の健康上の不安の解消に向けた施策を共に充実させることで被災者の方々にきめ細かな支援を行ってまいります。

山本太郎各派に属しない議員

○山本太郎君 避難したいんだったら勝手にどうぞというのがスタンスじゃないですか。それを選択する権利を与えてくださいと言っているんです。  官房長官、是非そのことに関しても内閣で議論を深めていただけませんか。一言、もしよろしければ。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) 今政府委員の答えを山本委員は誤解されているのかなというふうに思っています。そこで生活をしたい人、そうでなく新しい生活をしたい人、被災地から出てですね。従来、なかなか帰還支援と新生活支援の両面の支援というのは成り立たなかったんですけれども、新たな生活支援もできるように、政府としてはそういう対応策を取らさせていただきました。  いずれにしろ、この原子力災害から福島の復興再生、これを是非政府としては何としても加速をしていきたい、その思いで取り組んでいきたいと思います。

山本太郎各派に属しない議員

○山本太郎君 済みません、時間がもうなくなってしまったので、この話についてはまた官房長官、お話を聞いてください。  ありがとうございました。

水岡俊一民主党・新緑風会

○委員長(水岡俊一君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。  これより両案について討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

薬師寺みちよみんなの党

○薬師寺みちよ君 私は、みんなの党を代表し、健康・医療戦略推進法案及び独立行政法人日本医療研究開発機構法案に反対の立場から討論を行います。  本二法案の趣旨は、健康長寿社会を形成するために、医療分野における研究開発を総合的に推進する司令塔機能を創設し、研究の基礎段階から実用化まで切れ目なく支援することにあります。生活習慣病やがん、神経疾患の革新的予防、診断、治療法の開発に取り組み、世界に先駆けた健康長寿社会の実現を目指すことは歓迎すべきことです。また、新たな健康・医療関連産業を創出し、我が国発の革新的医薬品や医療機器等の開発を促進することが医薬品、医療機器産業の国際競争力の強化にもつながります。  今回、新たに生まれる独立行政法人日本医療研究開発機構は、当初、日本版NIHとして米国立保健研究所をモデルに、再生医療、創薬など最新の医療技術の新たな地平を開くことが想定されていました。しかし、残念なことに、日本医療研究開発機構の役割は日本版NIHと呼ぶには程遠く、厚労省、文科省、経産省に関わる競争的資金など、研究者、研究機関に配分される研究費及び研究に係るファンディング機能の集約と一元管理を行うにすぎず、各省庁から権限と予算を分離することもできませんでした。  健康・医療戦略推進本部の策定する推進計画に基づき、基礎研究の段階から実用化まで切れ目なく研究開発を推進するための司令塔機能を担わせるのであれば、米国立保健研究所の組織と同様に、日本医療研究開発機構の下に、類似の研究を行う文科省のJSTや経産省のNEDOの研究医療関連部門、新設される医薬基盤・健康・栄養研究所などを統廃合すべきではないんでしょうか。  また、今回の健康・医療推進本部及び日本医療研究開発機構のスキームでは、日本再興戦略で掲げている規制・制度改革と官業の開放を断行できず、新たな日本経済の成長エンジンの役割も担えません。  省庁の深い溝と高い壁を乗り越え、省益を廃した真のNIH構想が実現することを強く求め、反対討論といたします。

田村智子日本共産党

○田村智子君 日本共産党を代表して、健康・医療戦略推進法案、独立行政法人日本医療研究開発機構法案に反対する討論を行います。  反対の理由は、予算配分の重点化による基礎研究体制の弱体化、また、地域医療の機能を低下させないことなどへの懸念、情報が国民に開示されないこと、国民全体が医療研究の成果を享受できるものではないなどの重大な問題があるからです。  法案は、医療分野の研究開発関連予算を一元化し、重点的な予算配分を行うとしています。しかし、戦略本部によって医療分野に特化した研究開発に偏重した予算配分を行うことは、研究者の自由な発想に基づくボトムアップ型の研究をサポートする唯一の公的研究資金である科学研究費補助金の相対的低下を招くことになりかねません。国内の三十四の関連学会、ノーベル賞受賞者である利根川進氏など、多くの方が同様の懸念を表明しています。  法案は、自治体に対しても、先端的医療研究の実用化、産業化を掲げる基本理念に沿った施策を求めています。  法案の先駆けとも言える神戸市では、先端的医療技術研究のために中央市民病院の移転が医師会や市民の強い反対を押し切って強行されました。市民などから指摘されていた救急機能低下など、地域医療に現に影響が出ています。こういう事態が全国で起こりかねません。  法案は、医療開発の計画から出口戦略までの全ての過程において、国民と国会による検証と関与を排除しています。  特に、研究成果の実用化の立場で検討する創薬支援ネットワーク協議会は、会議の内容が原則非公開とされています。しかも、その非公表措置が妥当か否かを点検する担保措置もありません。結局、総理が委員に任命した製薬業界の利益代表が検討過程を掌握する下で、国民の目が届かないところで医療戦略を決めることになります。  産業競争力会議や規制改革会議では、国民皆保険制度を崩す混合診療の拡大を議論しています。社会保障予算の抑制と国民負担増の路線の下では、国民の税金を使った医療の研究成果に基づく新薬や医療機器の恩恵が、国民全体の医療・健康増進に結び付かないことにもなりかねません。  以上を指摘し、反対討論を終わります。

水岡俊一民主党・新緑風会

○委員長(水岡俊一君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  まず、健康・医療戦略推進法案の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

水岡俊一民主党・新緑風会

○委員長(水岡俊一君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、独立行政法人日本医療研究開発機構法案の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

水岡俊一民主党・新緑風会

○委員長(水岡俊一君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、蓮舫君から発言を求められておりますので、これを許します。蓮舫君。

蓮舫民主党・新緑風会

○蓮舫君 私は、ただいま可決されました健康・医療戦略推進法案及び独立行政法人日本医療研究開発機構法案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党及び新党改革・無所属の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     健康・医療戦略推進法案及び独立行政法人日本医療研究開発機構法案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。  一 医療分野の研究開発において、裾野の広いアカデミア等の基礎研究を奨励するとともに、大学、国立高度専門医療研究センター、臨床研究中核病院等の臨床研究を行う機関を一体とした臨床研究基盤を構築し、医薬品・医療機器等の開発から実用化までの取組を加速化させること。  二 臨床研究等の推進・活性化のため、国際共同治験にも対応できる臨床研究・治験のための拠点整備に努めるとともに、臨床研究コーディネーター、倫理・医学統計等の専門的な人材の育成を図ること。  三 医薬品や医療機器に関連する企業・団体からの透明性が確保された拠金を原資として、臨床研究の推進に資するための組織を公的機関内に整備することについて検討を行い、適切な措置を講ずること。  四 基礎研究及び臨床研究における不正防止の取組を推進するため、独立行政法人日本医療研究開発機構は、業務を通じた医療分野の研究開発に関する研究不正の防止に関するノウハウの蓄積及び専門的な人材の育成に努めること。  五 健康医療情報を健康・医療に関する研究開発に有効活用するため、これらの情報の適切な電子化及び研究開発の目的に応じた統合について検討を行うとともに、電子カルテの活用等ICTによるビッグデータの活用を含む実践的なデータベース機能の早急な整備、健康・医療に関する研究目的での利用に向けた健康医療情報の第三者提供の在り方について検討を行い、適切な措置を講ずること。  六 医療分野の研究開発の成果が健康長寿社会の形成において重要な役割を果たすことに鑑み、医療分野の研究開発の重要性に対する国民の関心と理解を深めるよう努めること。  七 医療分野の研究開発における重点領域の設定に当たっては、国民・患者のニーズも踏まえること。  八 創薬支援業務等に関する独立行政法人医薬基盤研究所から独立行政法人日本医療研究開発機構への業務移管、特に創薬支援ネットワークの本部機能の円滑な移行に向け万全を期すこと。また、医療機器の開発を進めるため、大学、研究開発法人、その他の研究機関及び企業等からなるネットワークの設立に向けての検討を進め、適切な措置を講ずること。  九 機構の役員の選任に当たっては、幅広い視点と中長期的な視点から公正な判断ができる人材の登用に努めること。また、公募を経て選定された場合を除いては、公務員OBを役員に選任することを認めないこと。  十 この法律の施行後五年以内に、健康・医療戦略推進本部及び独立行政法人日本医療研究開発機構の各府省及び各独立行政法人間の調整機能を強化し、その司令塔機能を発揮させるため、予算の編成及び執行等の在り方並びに組織の在り方を含め、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

水岡俊一民主党・新緑風会

○委員長(水岡俊一君) ただいま蓮舫君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

水岡俊一民主党・新緑風会

○委員長(水岡俊一君) 多数と認めます。よって、蓮舫君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、菅内閣官房長官から発言を求められておりますので、この際、これを許可します。菅内閣官房長官。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨を踏まえまして配慮してまいりたいと存じます。

水岡俊一民主党・新緑風会

○委員長(水岡俊一君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

水岡俊一民主党・新緑風会

○委員長(水岡俊一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時八分散会

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