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186回国会参議院2014/04/08

内閣委員会 第8号

発言数
259
登壇者
26
会派数
7
開催日
2014/04/08

会議録

水岡俊一民主党・新緑風会

○委員長(水岡俊一君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、新妻秀規君、滝沢求君及び大野元裕君が委員を辞任され、その補欠として秋野公造君、石田昌宏君及び難波奨二君が選任されました。     ─────────────

水岡俊一民主党・新緑風会

○委員長(水岡俊一君) 国家公務員法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  本日は、本案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。  本日御出席いただいております参考人の方々を御紹介いたします。  東京大学先端科学技術研究センター教授牧原出君でございます。  早稲田大学社会科学総合学術院教授・同大学副総長・常任理事清水敏君でございます。  専修大学法科大学院教授晴山一穂君でございます。  この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、御多忙のところ本委員会に御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。  参考人の皆様には忌憚のない御意見をお述べをいただきまして、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。  議事の進め方でございますが、牧原参考人、清水参考人、晴山参考人の順にお一人十五分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。  また、御発言の際は、挙手していただき、その都度委員長の許可を得ることになっておりますので、御承知おきください。  なお、参考人の御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、まず、牧原参考人にお願いいたします。牧原参考人。

牧原出東京大学先端科学技術研究センター教授

○参考人(牧原出君) 東京大学先端科学技術研究センターの牧原でございます。  専攻は、行政学、政治学で、行政学者として、国と地方の行政制度、政策の在り方について、先進諸国を中心に比較研究しつつ、他方で政治学者として、戦後日本の官僚制が政治に果たした役割を歴史的視座から分析しております。そうした研究成果を踏まえつつ、本日は、国家公務員制度改革について幾つかの意見を申し上げさせていただきます。  現在国会で審議されている国家公務員法の改正案は、政と官の関係を政治主導の下で新しく定式化し直す改革であると考えてよいものと思われます。その場合に、まず二点、念頭に置かなければならないことを申し上げます。  第一には、公務員制度は他の行政制度と比べて極めて重要性が高い制度であることです。  戦後日本の代表的な行政学者である辻清明は、これを、人事行政は基盤行政であり、司法制度、地方自治制度と同一の次元で捉えるべき統治的性格を持つとまとめています。したがって、みだりに制度いじりを行うのではなく、改革を行うのであれば極めて慎重な対応が望まれます。  一九九〇年代の地方分権改革を進めた地方分権推進委員会の中間報告は、こうした統治的性格を持つ制度改革について、必要な姿勢を次のように述べています。相互に複雑に絡まり合っている諸制度の縫い目を一つ一つ慎重に解きほぐし、システムの変革に伴いがちな摩擦と苦痛の発生を最小限度に抑えながら、諸制度を新たなデザインに基づいて順序よく縫い直して、その装いを新たにしていくべき事業である。この表現にあるとおり、公務員制度改革については、慎重に縫い目を解きほぐし、更に縫い直すための審議を尽くす必要があると言えます。  国家公務員制度改革は、省庁再編を検討した行政改革会議後に始まったものですけれども、そこから二十年近くがたち、様々な検討が積み重なり、今国会の法案によって、その一つの到達点を迎えつつあると言えるかと考えております。  第二には、日本においてこの二十年間は、政治システムの移行期であったことです。そしてその移行期は、今新しい局面に引き継がれ、今後まだまだ続くと考えられます。  一九九四年に成立した政治改革関連法によって、国会と政党の風景はそれ以前と大きく変わって現在に至っています。その後の省庁再編、地方分権改革、司法制度改革によって、言わば統治的性格を持つ制度が大きく変わりました。その帰結が、二〇〇九年と二〇一二年の二度の政権交代だと考えられます。  二〇〇九年以前は、自民党を中心として与党の枠組みが半ば永続することを前提に政治を考え、制度改革を検討してきたと言えますけれども、二〇〇九年以後は、どのような枠組みで政権党が形成されるのかは分からない、いろいろな政党が政権党になり得ることを想定しながら制度改革を考えなければならなくなってきています。  今回の国家公務員法改正に関して、現政権の閣僚は運用に慎重を期すると国会で度々発言しておられます。それは、国民としても専門家としても安心できることですけれども、将来の政権が同じような対応をするとは限りません。今後生じるであろう新しい政権が、選挙に勝った余勢で恣意的な人事を行う可能性をどの程度排除できているのかという目で法案を検討する必要があると言えます。更に言えば、現在は政党システムがシステムという名で呼べるほど安定しておらず、今後どのように変わるかは予測できません。この点では、今回の改正案に、与党の自民、公明だけではなく、野党の全部ではないとしても民主党が合意した点は、意義ある改革だと考えられます。  しかし、将来においてある程度政党の枠組みが安定したとすると、それは現在の政党とは全く異なる政党である可能性すら今では排除できないと言えます。そこに至るまで移行期が続くとすれば、この間の人事の運用がどうなるかは、その先の段階の安定した政党システムにおける政と官の関係に決定的な影響を与えます。移行期において人事運用に失敗し、公務員制度ひいては行政システムが崩壊すれば、それは国民生活に甚大な影響を及ぼすのではないでしょうか。  以上のように、国家公務員法の改正とは、統治的性格を持つ制度に対して可能な限り政党間のコンセンサスを得た上で改正し、その運用についても、緩やかな意味で政党間でコンセンサスないしルールが共有されるべきであると言えます。そうした性格を持つ法律改正について、現在の案を見渡して、以下の二つのトピックについて幾つかの意見を申し上げさせていただきたいと思います。  第一に、内閣人事局を設置し、ここで幹部職員の人事を一元化する点に関してです。  選挙で勝利して過半数議席を得た政党が、内閣を組織し、官僚をコントロールしながら公約を実施していくという民主主義の論理からいえば、人事についてもまた政治がコントロールする必要があります。分担管理原則の下で各省の大臣が人事権を持っている現行制度の下で、内閣がこれに関与するために幹部について一元化の人事を行うというのは、その限りでは望ましい制度改正です。しかしながら、ここでの問題は少なくとも二点あります。一つには、情実人事になるのを防ぐことができるか。二つには、行政が所管する政策を十分に立案、実施できるよう適切な人事配置を内閣が行うことができるかであります。  もし、ある政府において情実人事が起こるとすれば、現行制度の場合は人事権者である大臣が人事に不当に介入することであり、過去にそうした例とおぼしきケースがないではありませんが、戦後の歴代内閣の大臣はこれをおおむね自制して、各省の人事に委ねてきました。  これに対して、内閣で人事を一元化する場合には、利害関係者と深く結び付いた一部の政治家から人事に横やりが入り、これを首相、官房長官などが拒めないというケースが考えられます。人事を扱う範囲が全省にわたるため、介入する圧力も高まるということが想定されるわけです。  これを封じる条件は、内閣が与党を圧する官邸主導、そしてそれにふさわしい権力を持つことです。しかし、内閣支持率の低下などで党高官低ともなれば、今後の歴代内閣は果たして人事への介入圧力をはねのけることができるのでしょうか。現行制度では、現行制度、すなわちこの法案における制度の建前では、適格性審査によって能力にふさわしい人材が選定されることが期待されていますけれども、これをどう厳格に行うかが制度の運用のポイントではないかと考えられます。  次に、政権が戦略的人事配置を行った結果、とんでもない政策の失敗、事務の停滞などが起こる場合です。これが起こるとすれば、起用された人材とその人物が業務を行う組織環境とのミスマッチです。ミスマッチを防ぐために政治の側に必要なのは、政策転換のための準備とこれにふさわしい人材の選定、そして当該ポストの組織環境についての十分な理解であります。それらを満たす条件は、選挙で勝利する前の公約作りの段階で念入りな準備を行うことです。  政権交代が常態化したイギリスでは、総選挙が終われば、勝利した与党も敗北した野党も、次の総選挙を目指して党首を中心に新しい政策の準備に入ります。以後、次の総選挙までに党首が交代するということは考えられません。ところが、二〇〇九年、二〇一二年の政権交代では、事情は異なるとはいえ、選挙数か月前に野党の党首は交代していました。党首を中心とする幹部集団の組織化と、年数を掛けるべき公約の作成とが別次元で進んでいたと言わざるを得ません。  政権交代をルーチン化させたイギリスと比べて、政権を動かす準備が不足している党幹部が選挙で勝利して内閣を組織したのだとすれば、人事をむやみに動かすのは計り知れない政策の停滞を呼ぶ可能性があります。幸いなことに、これまでそのような人事配置はなされず、国会審議を見る限り、現内閣もそうした運用をしないと明言されています。  いずれ、各党の党首の任期は衆議院議員の任期に合わせ、党首を中心に公約の作成に十分な年月を掛けて選挙に臨むということも日本の日常的な政治風景となるのではないかと私は予想していますけれども、そのような様々な準備が整わないうちに行政を混乱させる人事がなされないことを強く希望しています。  やはり、今は長い移行期の中にあることを政権担当者は十分理解していただきたいと考えます。そして、この際に参考になるのは、橋本龍太郎内閣が設置した行政改革会議の最終報告書です。現在の省庁編成を決定付けたこの改革では、内閣機能の強化について、日本国憲法のよって立つ権力分立ないし抑制、均衡のシステムに対する適正な配慮を伴わなければならないと述べた上で、国と地方との関係を挙げた上でこう述べています。適正な抑制、均衡の観点は、中央省庁の大くくり再編についても生かされなければならない、省間の力のバランスを確保するとともに、省間の政策論議についても、新たな省間の調整システムの確立など、透明なプロセスの確保が必要である。  つまり、各省セクショナリズムを乗り越えるには、特定のスーパー官庁をつくるべきではないという考えです。特定の官庁や官僚集団が政権と妙な癒着をすることを防ぐことも、公正な人事行政には必要不可欠ではないでしょうか。選択と集中は、市場の論理であっても公務の人事の論理ではないと考えます。  行政改革会議の最終報告は、新制度の発足を見越して行政の混乱をもたらさないための知恵とでも言うべきものが含まれています。内閣人事局の発足に当たって、こうした視点を貫徹していくことが制度の円滑な運用のためにも極めて重要であると言えます。  そして、公務員制度が政治的中立を保ち公正に運用されるには、第三者機関が人事行政を監督することが不可欠であるということをもう一つ申し上げたいと思います。一九九〇年代後半以降にOECDが発表した公務員制度改革に関する報告書は、冷戦が終結したこの時期を振り返って、先進諸国では、厳しく予算が制約される中で、公務に対して市民から高い要求が求められ、それに応えるとすれば、サービスの向上に限界がある以上、公務員は厳しい倫理を満たしていることで対応しなければならないと主張しています。つまりは、公務員への視線が厳しいのは日本だけではなく、広く先進諸国で見られる現象です。  これに対して、報告書は、公務について、倫理インフラストラクチャーを構築すべきことを提言しています。そこでは、政治的リーダーシップの下で、必要な法的枠組みと倫理規範を整備し、これを調整機関が管理していくという構成を取っています。調整機関とは、問題調査、監視、諮問・勧告、倫理の奨励といった機能を果たすこととされています。これが内閣人事局のみによって担われるとは到底考えられません。  人事行政を知悉した第三者的な専門機関と国民各層をバランスよく代表する諮問機関等によって、この調整機関は構成されるべきでしょう。こうした第三者機関の必要性は、公務員倫理に限らず、試験、任用、昇進、研修、退職の一連の過程の全てにわたるものです。つまりは、人事行政は内閣が一定範囲で権限と責任を持つとしても、他方で、専門的見地からこれに対して勧告、監視、調査といった作業を行う機関が不可欠です。つまり、そこでは集団的リーダーシップと分権的な監視とが両立しなければならないのです。それによって政策革新と権力の公正とが確保されると言えます。  そもそも、政府の官職が膨大多岐にわたる以上、これを総合的に把握するには、長年にわたって専門知識を蓄積した第三者機関が不可欠であります。現行制度において人事院以外にそうした機関はなく、人事院の一層の活性化こそが今後の運用において不可欠であると言えるでしょう。もちろん、長期的に見た場合には、第三者機関の在り方も変わってくることは十分想定されますが、移行期の人事行政において混乱を避けるとすれば、内閣人事局と人事院との適切かつ安定的な機能分担が必要不可欠です。その典型が級別定数の問題についての事務分掌であり、これは既に決着していると聞いております。また、協約締結権を広く公務員に認めるための条件がいまだ具体的に議論されていない以上、人事院の代償性を内閣と内閣人事局は今後とも十分尊重すべきであると考えられます。  翻って考えてみれば、公務員制度改革は、かつての自民党政権の下では政権から見て政権が適切に制度を運用していることを正当化するものであり、野党にとっては自民党政権が官僚主導となっていることを批判するために持ち出される傾向にありました。しかし、政権交代が二度生じた移行期の現在、新政権に必要なのは、慎重審議が必要で現場に混乱をもたらしかねない制度改正に着手することではなく、新政権が確実に政策の転換を果たし、新しい政治の地平を切り開くことと思われます。二度の政権交代を経た現在、公務員制度改革にエネルギーを割くのではなく、人事を適切に運用し、混乱を起こさずに政策転換を果たして国民の負託に応えることが現在の政権と明日の政権の課題です。  今回の改革は一見手堅い改革にも見えますが、その適切な運用のためにはかなりのコストが掛かると予想されます。今後、こうしたコストを最小限に抑え、制度から政策へと政治の焦点が次第に変わることで移行期から安定期に変わっていくということを強く希望する次第であります。

水岡俊一民主党・新緑風会

○委員長(水岡俊一君) 牧原参考人、ありがとうございました。  次に、清水参考人にお願いいたします。清水参考人。

清水敏早稲田大学社会科学総合学術院教授同大学副総長・常任理事

○参考人(清水敏君) おはようございます。  私は、早稲田大学の社会科学総合学術院というところで労働法を担当しております。あわせて、今、大学の法人担当の副総長及び常任理事として大学のマネジメントの一端を担っております。  本日は、先ほど申しましたように、私の専門が労働法でございますので、この立場から意見を申し述べたいと存じます。  さて、今回の改正点は極めて多岐にわたっておりますけれども、その改正点の一項目に、職員団体は、職員の勤務条件につき、人事院に対し、人事院規則を制定し、又は改廃することを要請することができるという旨の規定が新設されるということになっております。  本来、公務員といえども、勤務条件決定に当たりましては職員団体の参加を促進すべきであるというのが後ほど触れますグローバルスタンダードでございますので、この観点から見ますと、新設される措置は差し当たり歓迎すべきことではないかというふうに思っております。もっとも、勤務条件決定過程への労働組合若しくは職員団体の参加に関するグローバルスタンダードから眺めますと、現在の国家公務員法の参加の仕組みはなお根本的な課題を抱えているというふうに思っております。  そこで、やや今次改革の焦点とずれが生ずるかとは存じますが、このグローバルスタンダードから見た場合に、国家公務員法がどんな今課題を抱えているかということを中心にして私の意見を述べさせていただきたいと思います。非常に雑駁なレジュメが出ておりますが、このレジュメに沿ってお話を申し上げたいと思います。  まず最初の一のところでございますが、公務における勤務条件決定システムに関するグローバルスタンダードとは一体何かということでございますが、ここでは皆さん御承知のようにILOを念頭に置いておりまして、ILOの条約監視機関がこれまで示してまいりました様々な見解がそのグローバルスタンダードに当たるというふうに思います。  ILOの条約監視機関の一つでございます条約勧告適用専門家委員会というのがございますが、これが二〇一三年の二月に公務における団体交渉という報告書を提出しております。これは一般に、一般調査といいましょうか、ゼネラルサーベイと呼んでいるんですが、一般調査という呼び方が一般的ですので、本日もこれに従いまして一般調査と呼びますが、この報告書が作成をされまして、国際労働総会で承認をされたところでございます。この文書におきましてこのグローバルスタンダードの概要が示されております。本日、急いで翻訳したものですから必ずしも適切ではないかもしれませんが、その一端を、関連するところを抜き出しましたので、お手元に届いていると思いますけれども、それを御覧いただきながらお聞きいただければ幸いでございます。  公務員の交渉システムに関連しますILO条約には、これも御案内のように、九十八号条約であるとか百五十一号条約、それから百五十四号条約などの条約がございます。これらの条約に基づきまして、公務員の勤務条件を決定するに当たりまして公的機関が一方的に勤務条件を決定することは好ましくない、民間の労使関係制度と同様に、原則として公務員労働組合との団体交渉によって決定すべきだというのがこの一般調査に見られる専門家委員会の今日の見解でございます。これは参考資料の五百八十一項のところを御覧いただきますとうかがい知ることができるかと思います。  すなわち、団体交渉は基本的に交渉当事者の自由かつ任意の交渉に委ねるべきであり、国家が不必要に介入すべきではないという原則が採用されているわけでございます。これも五百九十三項を御覧いただきますとそれが確認できるかと思います。  これは、団体交渉における当事者自治の原則というふうに一般的には呼ばれております。この原則は官民両労使関係に適用されるものですけれども、専門家委員会は、この当事者自治の原則というものに立脚しながらも、公務員の勤務条件決定に当たっては議会あるいは国会の持つ権限との関係を何らかの形で調整する必要がある、したがって民間には例外なしに適用される当事者自治の原則の適用に当たっては一定の柔軟性を容認しております。  じゃ、この柔軟性、公務に適用されるこの柔軟性とは一体何を意味するかということでございますが、この一般調査によりますと、公務部門における団体交渉システムを構築する場合、例えば、議会又は予算権限を有する政府機関が賃金交渉に当たり賃金の、給与の上限又は下限を設定するというようなことは許される、あるいは、団体交渉に際して直接の使用者たる機関のみならず財政当局の出席を求めるような制度はILO条約と両立し得ると、こういう見解を示しているところでございます。これは五百九十七項に示されていると思います。  さらに、問題になりますのは、長期にわたる経済的不況の中で政府の財政状況が著しく悪化しているというような場合にも、ILOとしては、当局は具体的な賃上げ率を一方的に決定することはできるだけ避けるべきであるとしつつも、にもかかわらず財政状況がこれを許さない場合には政府が一方的に賃金を決定する、あるいは議会が、国会が一定の賃上げとして規制を加えるということを肯定をしている、非常に厳しい条件を付けていますが、それを肯定しているということですね。これは第六百項を御覧いただければ、それは確認していただけるかと思います。  したがいまして、このILOの考え方というのは、一方における交渉当事者の自主性をできるだけ尊重するという姿勢と、他方において、予算上の困難を克服するために政府や議会がとらざるを得ない措置というのがあると。この間でいかに公平かつ理性的な調整ができるか、こういう形で、この当事者自治の原則を公務については一部修正をしているということでございます。  以上のことからうかがい知れますのは、公務の勤務条件決定に当たりまして適用されます当事者自治の原則というのは、議会の予算の統制権限や当局の予算調整権限によって場合によっては修正されることがあり得る、そういうことを認めているということでございます。そういう意味では、この予算によるコントロールというものをILOの条約監視機関も肯定しているということを確認をする必要があろうかと思います。  なお、時間の関係上、詳細は避けますけれども、いわゆる代償措置論と言われるものは、今日のグローバルスタンダードにおきましては肯定されていないということでございます。  さて、二番目に移りますが、このグローバルスタンダードに立ったときに、我が国の公務における勤務条件決定システムはどんな問題があるかということについて少し説明をさせていただきます。  このグローバルスタンダードに照らしてみたときに、我が国公務員の勤務条件決定システムにはいろいろ問題がありますけれども、基本的な問題は、先ほど申し上げました当事者自治の原則と議会の統制権限とをどう調整するかということがこの問題の焦点にあるというふうに思います。  これを、現在のまず我が国の法制度を幾つか例を挙げて見てみますと、まず法令によって勤務条件を統制している例としては、国家公務員法やそれから地方公務員法がございます。  国際的に見ますと、公務員制度におきまして、任用の手続であるとか、あるいは服務規律であるとか分限とか懲戒とか、そういう公務員制度の根幹を形成する事項に関しましては、これは法律で定めるということが一般的に行われております。しかし、問題は、これに加えて職員の給与や勤務時間、休日又は休暇等の具体的な勤務条件も法律で厳密に規律するかどうかと。  これは、国によって、国の立法政策によって違いがございます。我が国の国公法は、もう御案内のように、法令によって勤務条件を詳細に規律をいたしまして、これを勤務条件詳細法定主義と呼びますが、この原則に立っているということが言えると思います。そして、労使交渉によって勤務条件を決定する余地を制度上はほとんど認めておりません。  こうしてその国公法は、勤務条件を詳細に法律で定めるという原則に立って当事者自治の原則というものを排除している。その前提としては、勤務条件詳細法定主義と当事者自治の原則とは基本的に相入れないものだという前提に立っているということですね。そして、勤務条件法定主義の原則に優位性を付与して、当事者自治の原則を実質的に排除しておりますので、その意味では、先ほど申しましたグローバルスタンダードに照らしたときには大変大きな問題を抱えているということが言えるかと思います。  それに対しまして、地方公営企業の場合、予算による統制がなされているんですが、これは勤務条件を法律や条令で詳細に定めるということをやっておりません。基本的には労使自治に委ねます。ただ、その場合に何が問題かというと、当初予算を超えて給与の引上げに関する労使合意がなされ、それを実施しようとするときに議会の権限との抵触関係が生じますので、地方公営企業等労働関係法は御案内のようにそれを調整するための規定を設けております。したがいまして、法律や条令で勤務条件を定めないけれども、予算によってコントロールするという手法が取られているわけでございまして、その意味では、この地方公営企業におけるやり方というのは、議会の予算統制権というものを留保しつつも、勤務条件決定については基本的に当事者自治の原則に立脚をしておりますので、ほぼグローバルスタンダードに合致したものというふうに見ることができるかと思います。  さらに、もう一つ、間接統制がございますが、これは特定独立行政法人の場合に採用されているものですが、これは議会の予算統制は更に遠くなります。御案内のように、あらかじめ使途を定めない運営費交付金が交付されまして、その使い方については弾力的な使い方が認められておりますので、議会との抵触関係というのは基本的には生じない仕組みになっているということでございますので、地公労法のように、議会との関係でいうと予算との抵触関係も生じないということになります。その代わり、勤務条件を一種の就業規則のようなものに定めまして、これを公表することによって事後的なコントロールをするというやり方が取られているということでございまして、同じ国家公務員、地方公務員でもその勤務条件決定の在り方というのは、今申し上げましたように、幾つかの種類があるということを御確認いただければというふうに思います。  以上、申し上げましたように、我が国の公務員の勤務条件決定システムは、いずれの法律も勤務条件詳細法定主義の原則と当事者自治の原則とが、これはもう相入れないものなんだという前提に立って制定をされているわけですね。すなわち、国家公務員法は勤務条件詳細法定主義の原則を採用しておりますし、独立行政法人の場合には当事者自治の原則を採用しております。  これに対しまして、平成二十三年六月に衆議院に提出されましたいわゆる国家公務員制度改革四法案は、勤務条件詳細法定主義の原則を堅持しつつも、当事者自治の原則を採用して、両原則が両立し得るということを前提として策定された法案でございました。これは、長年の論争に終止符を打つため、関係者が両原則の両立というかなり困難な課題に挑まれまして、努力と妥協を重ねて到達した成果であったというふうに思います。

水岡俊一民主党・新緑風会

○委員長(水岡俊一君) おまとめください。

清水敏早稲田大学社会科学総合学術院教授同大学副総長・常任理事

○参考人(清水敏君) はい。  同時に、この法案はグローバルスタンダードをほぼクリアする内容を持っておりました。  このような法案が廃案になったことは残念でございますけれども、今次の衆議院の附帯決議にもございますように、今後とも国家公務員制度改革基本法十二条に基づいて自律的労使関係制度の構築のために合意形成に努めていただければということを祈念いたしまして、意見陳述を終了いたします。  御清聴ありがとうございました。

水岡俊一民主党・新緑風会

○委員長(水岡俊一君) 清水参考人、ありがとうございました。  次に、晴山参考人にお願いいたします。晴山参考人。

晴山一穂専修大学法科大学院教授

○参考人(晴山一穂君) 専修大学の晴山です。本日はよろしくお願いをいたします。  私は、行政法という法律の一分野を専門としておりまして、その中でも特に公務員法を中心にこれまで研究してまいりました。その観点から、本日議題になっております国家公務員法等の一部を改正する法律案について私の意見を述べさせていただきたいというふうに思います。  レジュメを用意してありますので、それに沿ってお話をさせていただきます。  最初、1のところでありますけれども、現在、公務員の在り方をめぐって様々な議論がされているわけですけれども、私は、公務員の在り方を考える場合、次の二つの視点を踏まえることが重要であるというふうに常々考えております。  その一つは、我が国の最高法規である日本国憲法の視点であります。  御承知のように、日本国憲法は十五条の第一項で、「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。」と、そして第二項で、「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。」と規定をしています。これは、言うまでもなく、明治憲法の下で戦前の官吏が国民から遊離した、懸け離れた天皇の官吏であったということの反省の上に立って、日本国憲法の国民主権の原理を踏まえて、公務員は全て一部の奉仕者ではなくて国民全体に奉仕すべき存在であるということを定めたものであります。  戦前の官吏は、今言いましたように、専ら天皇とその政府に奉仕すべきものとされておりましたため、官吏制度の在り方を決定するのは天皇の大権事項であるという、いわゆる任官大権というものが、そしてまた、官吏を任命するのも天皇の専権事項であるという、いわゆる任官大権が明治憲法十条で定められておりました。  これに対して、日本国憲法は、今見た十五条の一項で、任官大権を否定をして、公務員を選定、罷免することは国民固有の権利であるということを定め、また二項で、全て公務員は全体の奉仕者であるということの定めを受けて、これは憲法の七十三条四号の方になりますけれども、官制大権を否定して、公務員制度の基本的内容は国民主権に基づいて国会が法律で定めるというふうにしたわけであります。  以上のように、現行憲法下の公務員は、一党一派のためではなく、国民全体のために奉仕すべき存在であること、そして公務員の地位は究極的には国民の意思によってのみ成立するものであるという、この二つのことが日本国憲法の定める公務員像にほかならないということでありまして、このことは明治憲法の天皇主権から現行憲法の国民主権への転換の当然の帰結ということができるわけであります。  それから、(2)のところですが、公務員制度を考えるに当たってのもう一つの視点は、公務員制度の歴史を踏まえた上で現在における公務員の役割をどう考えるかという視点であります。  この点で非常に参考になるのがアメリカの公務員制度の歴史であります。すなわち、かつてのアメリカでは猟官制という制度が取られていました。これは、簡単に言えば、大統領選挙で政権が替わるごとに大量の連邦公務員を更迭するというものであります。アメリカでは早くから二大政党制が発達するわけですけれども、その下で、ある政党の大統領が当選すると、その政党の支持者を公務員に任命する。そして、次の選挙で別の政党の大統領が当選をすれば、これまでの公務員を更迭をして、新たに勝利した政党の支持者で入れ替えるというのが猟官制の基本的な仕組みであるわけです。これはある意味では民主主義の究極の形態というふうにも言えるわけで、実際アメリカではそういう理念で出発をするわけですけれども、官職を得るために政治家と癒着をするなど行き過ぎた猟官運動が広がる中で、次第に当初の民主的な理念を失って腐敗の度を強めていくという歴史をたどります。  他方で、これはまたその腐敗の問題とは別でありますけれども、公務員の担う職務内容そのものが当初の比較的単純な職務から複雑高度で専門的な職務へと時代とともに大きく変化をしていき、選挙のたびに大量に入れ替わるような公務員によってそれを担うということはもはや不可能になってきます。こうした時代背景の下で、アメリカでは長い歴史を経て猟官制から成績主義への移行が進められることになります。  成績主義というのは、党派的立場によってではなく、公務の担い手としての客観的な能力や資格を備えているかどうかを基準に公務員の任用を行うというものであります。ここでは、公務員は時の政権の支持者として政権のために尽くすのではなく、政権交代のいかんにかかわらず、自らの専門的能力を踏まえて永続的な立場に立って国民全体のために尽くすことにその基本的な役割があるということになるわけです。  こうしてアメリカでは長い時間を掛けて猟官主義から成績主義へと転換することになるわけですけれども、現在の日本の公務員制度は、まさにこうして確立したアメリカの公務員制度に範を取って、日本国憲法の制定に伴って戦後つくり上げられたものにほかなりません。その特色を一言で表現すれば、民主的でかつ科学的な公務員制度であるということに集約できるのではないかと私は考えております。  次に、レジュメの2のところでありますけれども、以上のように憲法の視点と公務員制度の歴史という視点を踏まえるならば、現在の公務員という存在は、一党一派に奉仕するのではなく、自らの専門的能力や資格を踏まえて国民全体に奉仕すべきものであるということになるわけですが、それでは一体、このような公務員の役割を踏まえた上で、政治部門である内閣と官僚、公務員の関係ですね、いわゆる政官関係というものをどのように考えたらよいのかということが次に問題となってくるわけです。  この点については、議院内閣制の下では当然のことながら公務員は最終的には内閣の意思に従わなければならないということは、これは当然のことであります。しかし、重要なことは、そのことを踏まえた上で、日常の職務遂行において公務員が全体の奉仕者としての役割を最大限発揮できるようにすること。  具体的に言えば、内閣や上司の言うことに盲目的に従うのではなく、常に行政の専門家としての立場から自らの意見を述べ、それを政策の決定や執行過程に反映をさせていくこと、そして、政治部門である内閣はそれをできるだけ尊重した上で、その上で最終的には内閣の責任で政策を決定、執行する、こういう関係が日本国憲法の下での政官関係の望ましいやり方ではないかというふうに私は考えております。  そうしますと、このような公務員の役割を十分に発揮できるようにするためには、少なくとも次の二つのことが必要になると考えられます。  その一つは、公務員がみだりにその身分を脅かされない、とりわけ政治部門によって身分を左右されないというための身分保障であり、もう一つは、人事行政の公正中立を確保するために政府から独立した存在としての第三者機関であります。この二つは現代の公務員制度の最も重要な柱であり、憲法の定める全体の奉仕者を実現するための不可欠の前提であると考えられます。  以上が、前置きということが長くなってしまいましたが、そこでレジュメの3に入ります。  以上の点から今回の法案を見ますと、今私が最後のところで挙げた二つのいずれの観点から見ても重大な問題が含まれているのではないかというのが私の率直な意見であります。  まず第一に、幹部職員の人事管理の一元化でありますけれども、法案では、内閣総理大臣の委任を受けた内閣官房長官が幹部職についての適格性審査を行った上で幹部候補者名簿を作成をし、任命権者である各大臣が内閣総理大臣、内閣官房長官と協議して幹部職員の任命を行うというふうにされているわけでありますが、ここで問題となるのは、果たして内閣官房長官が、各府省にまたがる幹部職員あるいは各大臣が推薦した者について、正確で客観的な適格性審査ができるのかという点であります。  審査は、各大臣の人事評価を基本にして、幹部職に係る標準職務遂行能力の有無を確認するということにされていますけれども、現行の標準職務遂行能力を見てみますと、これ自体が非常に抽象的な内容にとどまっていますので、内閣官房長官がどういう具体的な基準に基づいてどれだけ公正な審査ができるのか、大きな問題となってくるというふうに思われます。  また、審査に当たっては、政府全体の人事方針と整合性が取れているかを確認するというふうにされておりますけれども、政府全体の人事方針は誰がどういう手続で定めるのか、また、その時々の内閣の都合で恣意的な審査に陥る危険性はないのか、十分な検討が必要かと思われます。  それから、二つ目の問題は、幹部職員の降任について、その要件を弾力化し、任命権者の裁量で降任できるような規定が盛り込まれている点であります。  この点は、幹部職員も含めて全ての一般職公務員に対して与えられている現行国公法の身分保障の原則を幹部職員について除外するということを意味しておりまして、現行国公法の基本原則、身分保障の原則に風穴を開けることになりかねないか、非常に私は危惧をしております。  そして最後に、第三として、内閣から独立した人事行政機関である人事院に関わる問題であります。  今回の法案の大きな特徴は、これまで人事院が持っていた様々な権限を人事院から内閣に移すという点にあります。この点については、これまで議論されてきていますように、労働条件とも関わって、級別定数の設定、改定に関する権限が非常に大きな注目を集めて議論されているわけですが、私はそれだけではなくて、あるいはそれ以上に、採用、任免、研修といった人事行政の重要な柱を成す分野において人事院の権限を内閣に移し、それに伴って、これまで人事院規則で定められてきた事項を政令事項とするというふうにされていることであります。  先ほど述べましたように、内閣から独立した第三者的な人事行政機関の存在、現行でいえば人事院の存在というものは、人事行政の公正中立性、ひいては国民に対する行政そのものの公正中立性を確保するための不可欠な要素を成すものであり、それは単に独立した機関が存在するというだけでは不十分であり、それに対して十分な権限と役割が与えられていることを必要とするものであります。この点で、今回の法案における人事院の権限、役割の縮小には、人事行政の公正中立、そして国民に対する行政そのものの公正中立が形骸化しないか、大きな危惧を感じるものであります。  このほか、労働基本権の問題等、法案にない問題も含めて様々な問題があるというふうに私は感じておりますが、今回の国公法改正法案そのものの中身については、以上述べました三点が非常に検討事項として重要な問題を含んでいるのではないかということを再度指摘をしまして、私の意見とさせていただきます。審議の参考にしていただければ幸いです。  ありがとうございました。

水岡俊一民主党・新緑風会

○委員長(水岡俊一君) 晴山参考人、ありがとうございました。  以上で参考人の方々からの意見の聴取は終了いたしました。  これより参考人に対する質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

上月良祐自由民主党

○上月良祐君 参考人の皆様、貴重な御意見をいただきまして、本当にありがとうございました。  まず、牧原参考人にお伺いをさせていただきたいと存じます。  人事行政は基盤行政であるという御発言がございました。司法制度や地方自治制度と同一の次元で捉えるべき大変重要な基盤的な制度であるという意味だということでございますけれども、私はどんな制度も時代と共にあるんだというふうに思っております。すなわち、昭和の時代と違う、今の日本が置かれた環境、状況、国際的な、国内的な環境全てを含みまして、そういうふうな中でこの国家公務員制度改革が行われた、あるいは行われる必然性があったのかなというふうに思っておるところでございます。  そういう意味で、今の日本にとって、まずはやはり経済的な競争力というんでしょうか、活力というんでしょうか、そういうものをやはり、日本の国力とでも言うべきものかもしれませんが、それを取り戻すことなしに日本の将来はないんだというふうに私は感じておるところでございます。また、少子高齢化といったような、それこそ社会の基盤を揺るがすような大変難しい状況にもある状況でございます。こういうふうな大変厳しい日本が置かれている国内、国際環境の下で、今回の国家公務員制度改革が行われた。  そして、それが仮に同じような改革が昭和の時代に行われたとしても、その持つ意味が違うのかなと、そういうことは多分ないんだと思いますが、持つ意味が違うんだと思います。今回、今置かれているような日本の環境下におけるこの公務員制度改革の意義というものがどういうものなのか、先生の御意見をお聞かせいただきたいと思います。

牧原出東京大学先端科学技術研究センター教授

○参考人(牧原出君) 国家公務員制度改革が一定の必然性があったのではないかという御質問だったと思います。  冷戦が終結して様々な制度変更を一九九〇年代に行おうとして、国家公務員制度に関してはやや積み残しという形でその後十年以上にわたっていろいろな議論をしてきた、その結論がようやく一つ出つつあるのではないかという意味で、その意味で今回の改革には一定範囲の意味があったと私は考えております。  ただ、他方で、グローバル化の中で今先進国で言われているのは、政権が替わる、これは同一与党の中で内閣替わる場合もそうなのですけれども、シームレスに、切れ目なく政策を立案し実行していくということが非常に重要であると言われておりまして、シームレスにその新しい政権が政策を実行していく場合に、制度改革というのはむしろその後であろうと。まずは政策を実行して、状況に対応しながら、一定範囲で安定した段階で必要に応じて制度を変えていくということが必要になると、そういう潮流があるということを申し上げたということでございます。

上月良祐自由民主党

○上月良祐君 ありがとうございます。  今先生がおっしゃった、そのシームレスな政策の実行、確かに政権交代があるような時代になっておるわけでございますので大変重要なことだと思うんですが、そのシームレスな政策の実行をしていくという観点から見て、今回の制度改正の中で運用上特に気を付けた方がいいのではないかと思われる点がありましたらば教えていただきたいと存じます。

牧原出東京大学先端科学技術研究センター教授

○参考人(牧原出君) やや繰り返しになるかもしれませんけれども、内閣が戦略的人材配置を行うとともに総合的な人材戦略というものを立てるというようなことを国会審議で大臣御発言になっていたと思いますけれども、そういったものを慎重に作成しながら人事を考えていくということは私は有意義ではないかと考えております。

上月良祐自由民主党

○上月良祐君 ありがとうございました。  それから、いわゆる国家公務員制度基本法の第十二条に自律的労使関係制度という、国民に開かれたと付いておりますが、自律的労使関係制度につきまして条文が置かれております。この条文につきましては、費用、便益を含む全体像を示して、国民の理解を得て、そしてというふうに書いてあるのでございますが、今のところそういうふうな状況にないと、これは人事院も指摘しているところでございます。  労働条件というのを主体的に、自律的にというのは意味が難しい点もあると思いますけれども、こういうふうにすることで職員の参加感はもちろんあるんだと思うのですけれども、上がるところも下がるところも出てくるんだと思います。大変な交渉をした上で給与が下がるところも出てくるんだと思うのですが、そういうふうな中で職員の納得性が高まって、士気の向上とか組織全体のパフォーマンスが上がるというようなことがメリットとしては言われているわけですけれども、そういったことが本当にあるのかなと。現場で交渉などにも今まで取り組んできた、公務員行政にも携わってきた者としては、大変私としては疑義を持っておるところでございます。  そもそも、市場の抑制力が働かない中での交渉というのは大変コストが大きくなってしまうんではないかと。国民の目線というのは大変厳しいものがある中で、そういった可能性があるというのは制度としてどうなのかなというふうに心配をいたしておりますけれども、その辺りにつきましての先生のお考えがありましたらば教えていただきたいと思います。

牧原出東京大学先端科学技術研究センター教授

○参考人(牧原出君) 協約締結権の問題は、これもまたいろいろ議論されているところです。労働基本権が労働者に原理的にはあると、これは当然でありますけれども、それが、一定の制約もまたこれもあり得るわけでありまして、どういう条件があれば、具体的な条件があればその制約を除くことができるかということについての議論は、むしろこれからなのではないかと私は考えております。  やはり、労働交渉には一定のコストがあり、これが今回そういう協約を認めることによってコストが上がるのか下がるのかということまでは予断を許さないと思いますけれども、少なくともコストがあることは間違いないと思います。このコストをやはり考えて、それをどうやったら下げることができるかという議論があった上で、その問題の具体化ということが議論になるのではないかと考えております。

上月良祐自由民主党

○上月良祐君 ありがとうございます。  国民に開かれた自律的労使関係制度というふうに書いておりますけれども、先生から見ましての国民に開かれた自律的という言葉の意味というのは、これはなかなか難しい、これまでの審議の状況を見ましても難しい言葉となっておりますけれども、字義で解釈していくしかないというふうに言われておりますが、牧原先生から見られてその言葉の解釈というのをどういうふうに思われていらっしゃるか、そこにつきましてお考えがありましたら教えていただきたいと存じます。

牧原出東京大学先端科学技術研究センター教授

○参考人(牧原出君) 国民に開かれたということは、その交渉過程の透明性が増すということではないかと思います。

上月良祐自由民主党

○上月良祐君 ありがとうございました。  それでは、続きまして清水参考人にもお聞かせいただきたいと存じます。  十二条のいわゆる自律的労使関係につきましてでございますけれども、先ほど申し上げましたように、財政状況も踏まえて交渉はせざるを得ない面もあります。そういう意味では、交渉の結果、今とほとんど同じような状況になるところもあると思います。上がるところもあるかもしれません、しかし間違いなく下がるところはあるであろうというふうになります。  そういうふうな状況になろうかというふうな前提があろう中で、大変なコストは掛かると思うんですけれども、交渉がゼロからということになりますので、となった中で、もし下がるようなところが出てきましても、これはどちらかといいますと国家公務員というよりは地方公務員の場合だと思いますけれども、職員の士気が上がったり、組織のパフォーマンスが上がる、その交渉に参加感が出てくるんだと思います。  これが、自分たちが決めて下げるんだから、これで頑張ろうよということに本当になっていくのかなと私は非常に心配をいたしておりますけれども、その辺りにつきまして、先生、どんなふうに思っていらっしゃるか教えていただければと存じます。

清水敏早稲田大学社会科学総合学術院教授同大学副総長・常任理事

○参考人(清水敏君) 御質問ありがとうございます。  法律の仕組み、国家公務員法の仕組みを前提にして考えますと、上意下達といいましょうか、上から一方的に指揮命令があって、それに対して応答する仕組みが公務員法の中では必ずしも十分つくられていないのではないかということを、一番根本としてそういう思いがございます。  したがって、公務員が仕事をするという場合、極めて法律でいろんな規制がありますし、仕事のやり方についても仕事の中身についても法律の規制があります。それから、上司の命令もございます。にもかかわらず、そのそういう上司の命令や法律や規則に縛られていない空白の部分が、仕事を遂行する上で常に残るわけですね。この空白の部分において、公務員が全体の奉仕者として言わば住民や国民に向けて仕事ができるかどうかということが、実は非常に重要なのではないかと。  ところが、受け身の仕事のやり方がこれまで一般的であって、主体的に国民や住民に向けて仕事をする、あるいは合理化するにはどうしたらいいか、そういうことを職場の中で労使で話し合うという余地というのが極めて狭いといいましょうか、ほとんどないに等しいと、法の仕組みの中では。ここのところを是正することによって公務の能率の問題はかなり解決するであろうということでございます。  それから、非常に長くなって恐縮ですが、労使交渉に掛かるコストの問題ですが、これは、コストが今の状況とかかつての状況を前提にしてずっと掛かり続けるというふうに考えるかどうか。やっぱり、良好な労使関係が形成できるならば、このコストは将来に向かって相当程度縮減されるというふうに考えるべきではないかと。交渉システムが十分じゃないところで交渉が行われたものですから、今まで交渉が紛糾したりそういう形でいろいろコストが掛かってきたということはこれはあるかと思うんですが、そこをより円滑にすることによってコストを削減するという方向性を追求すべきときではなかろうかというふうに思います。

上月良祐自由民主党

○上月良祐君 ありがとうございます。  確かに、そういうふうにしていって、どんな制度であれコストは意識してやらないといけない時代だというふうに私も存じております。  それでは、晴山先生にも一問お聞きいたしたいと思います。  今申し上げたようないわゆる国民に開かれた自律的労使関係制度に関しましてでございますけれども、私が危惧しておりますのは、一つはこういうことでございます。三分の一ぐらいはそのままなのかもしれない、地方団体でございますが、そのまま制度が基本的に落ちていく、パラレルにできるだろうということになろうとした場合にですね。三分の一ぐらいはそのままなのかもしれない、不交付団体なんかは人材獲得競争もありますからすごく上がるかもしれない。その一方で、過疎地を含めた大半の町村、市町村は、恐らくは財政状況の厳しさから下がるかもしれない。  特に過疎地みたいなところは、そこで、例えばその地域の給与水準に合わせてもっともっと下げろという声が、そういう状況、そういう制度になれば厳しくなると思います。そうなると絶対水準も下がる、そして地方団体の間で物すごく差が開いてくる、どんどん開くんじゃないかと。そうした場合に、非常に苦しい市町村ほど本当は人材が必要なんだと思うんですけれども、ますます人材が獲得できなくなるのではないかと。その結果、更に格差というのが、まあ何を意味するかはありますが、差がどんどん開いていって非常に厳しい状況になるのではないかと私は危惧しております。  そういう点、先生、どんなふうに思われるかということをお聞かせいただきたいと思います。

晴山一穂専修大学法科大学院教授

○参考人(晴山一穂君) 現実は、確かにそういう現実があるのは事実だと思うんですが、それは、労働基本権の問題というよりも、むしろ今の国と地方の関係、あるいは地方財政が置かれている状況のいろんな問題だというふうに思います、私は。そこの改善に着手しないと、そこを前提として労使交渉で切り下がるところもあるという議論はちょっと逆ではないのかなと。私は法律をやっているものですから、やっぱり労使交渉の問題は憲法上の労働基本権の問題ですので、その観点を踏まえて、それが実現するために、財政状況も含めてそちらに合うように改善をしていくというのが本来の在り方だと思いますので。  確かに言われる現実はあって、非常に実際の労使の問題になっていくと大変なことが出てくるというのは私も予想されますし、大変だなとは思うんですけれども、考え方の筋道としてはむしろそういうふうに考えるべきではないのかなというのが私の意見です。

上月良祐自由民主党

○上月良祐君 どうもありがとうございました。

難波奨二民主党・新緑風会

○難波奨二君 おはようございます。難波奨二でございます。  三人の参考人、大変貴重な御意見をいただきましてありがとうございます。  まず最初に、牧原参考人と晴山参考人にお聞きしたいと思いますが、幹部人事を一元化をしていく、そうした場合に恣意的な人事にならないか、あるいは猟官制というような危険性もないか、こうしたお話ございました。それで、お二人とも、人事というのは中立性、公平性、こういうものが求められるよねと。そして、それを担保するためには第三者機関の存在といいますか利用といいますかが重要だというふうに御指摘されておられるわけでございますが、それぞれの参考人の第三者機関のイメージというものを少し分かりやすくお教えいただきたい。  そして、その第三者機関というのが仮に設置できないというようなことになった場合、今回の法改正、そして現状ある役所の機構の中でどのセクションがそのチェック役といいますか、対処をしていく部署で考えられるかというこの二点をそれぞれお聞きしたいと思います。

牧原出東京大学先端科学技術研究センター教授

○参考人(牧原出君) 第三者機関のイメージということですけれども、第三者機関、まず第一義的には人事院であろうと思われます。先ほどの意見の中で、倫理インフラストラクチャーというOECDの報告書に関して述べるそこの調整機関というところまで膨らませるならば、人事院あるいは人事院等に含まれる様々な諮問機関もその一部であろうと思われます。  これを万が一設置できないとした場合、どこのセクションがというのはなかなか難しい問題でありまして、基本的に第三者機関を設置できないということは、それ自体人事行政の根幹を成すという説明を申しましたので難しいところでございまして、やはり内閣を長とするいわゆる行政府の中にそれを入れることはできないのではないかと思います。やはり、第三者機関は何らかの形で必須であろうと考えておるところでございます。

晴山一穂専修大学法科大学院教授

○参考人(晴山一穂君) 私も今の牧原参考人と基本的に同じ考えでありまして、第三者機関のイメージとしましては現行人事院がやはり浮かぶわけですね。  人事院創設当初はその在り方をめぐっていろんな議論があって、例えば公労使構成がいいのかとかそんな議論もあったわけですが、日本ではやっぱり人事院制度というのがそれなりに定着をしてきたというふうに私は思っております。むしろ、天下りのチェックを含めて人事院はそれなりの機能を、限界がいろいろ指摘されながらも行使をしてきたのが国公法の改正で、例えば天下りについては二〇〇七年の国公法改正で今のシステムに代わって人事院のチェックに代わる新しいものができて、人事院のチェックはなくなったとかいうことで、むしろ人事院そのものをもっと第三者性を強化をしていくべきだというふうに私は思っておりますので、今回の法案もそこは非常に問題が含まれているのではないかというふうに思います。  そうしますと、仮に人事院がないという事態を想定した場合の人事行政の公正中立、どこがチェックできるのか。これも、今牧原参考人が言われたように、非常に難しいというふうには思います。ただ、日本のこれまでの縦割り行政といいますか、縦割り行政というと弊害がイメージされますけれども、分担管理体制ということで、各省庁の中でいろんなことを踏まえながらやってきたという慣行はそれなりにやっぱり重いものがあって、第三者機関がなくてそれを内閣が一元的に管理する、幹部職員について、ということになると、私はやはり恣意的な人事であるとか政治の介入とか、牧原参考人も言われたような、そういうことが出てきはしないかというのを危惧しております。

難波奨二民主党・新緑風会

○難波奨二君 ありがとうございました。  牧原参考人に一点ちょっと関連で質問をさせていただきますけれども、現行公務員制度については、今もお話がございました人事院があります。今度は内閣の人事局になるわけですよね。そして、総務省には人恩局等もございます。そして、財政的にはこれ財務省も人件費を含めて関わりを持っておるわけですよね。今お話もございましたけれども、結局、省庁をまたがって公務員制度というものを管理運営をしているわけなんですけれども、今後の将来像といいますか、先生のお話でいくと、安定期に向けてというお話ございましたが、今後の移行の段階において、今申し上げた各省庁が公務員制度に関わっているという現状をどう道筋的に変化を付けていくべきと、今お考えがありましたらお聞きしたいというふうに思います。

牧原出東京大学先端科学技術研究センター教授

○参考人(牧原出君) 私も、これはなかなか難しい予測になるわけですけれども、政治の側が幹部職員を一体的に運用し、そこが情実もなく公正な人事が一方で行われるとした場合に起こり得ることは、今各省縦割りという御指摘がありましたが、その縦割りがもっと薄れていくのではないかと思われます。  つまり、日本国公務員制度というものをつくるべきであるというのが戦後の行政学の大きな課題であったわけですけれども、各省分担の管理が薄れて公務員の側の一体性が増す可能性があるわけです。そうなったときに、今度はどういった仕組みをつくることが必要かということが問題になった。つまり、各省の公務員がかなり一体になって、それは相当の実はパワーになり得るわけでありまして、今度はこれをどう政治がコントロールするかという次の課題が出てくるのではないかと考えております。  その間、内閣、各省の中で人事の在り方を議論するよりは、それをやはり離れたところの第三者機関が重要であり、私は、例えば地方制度で、地方制度調査会というような伝統ある諮問機関で制度を慎重に議論する慣行がありますけれども、公務員制度に関しては公務員制度調査会というものがかつてはあったわけです。これは、どちらも非常にバランスの良い人選の中で制度を諮問して、それについて審議する場があったわけですけれども、そういうものもやはり含めて第三者機関というものを考えていくということが必要になるのではないかと考えております。

難波奨二民主党・新緑風会

○難波奨二君 それでは、清水参考人にお伺いしたいと思いますけれども、私は郵政の労働運動を長くやってきた人間でございまして、現業時代の経験と、そして民営化以降の運動も経験してきたわけですけど、世の中の心配事に、先ほども御意見ございましたけれども、協約締結権、まあ団体交渉権を認めると賃金がもうかなりアップするんじゃないかという、こういう危惧も非常に多いのも事実なんですね。  しかし、私の経験からいえば、そういうことはもう一切なくて、先生の方からもお話ございましたけれども、やっぱり労使自治というのは非常に大事なんですよね。労だけが当然飛び抜けたり、あるいは逆に使用者だけが飛び抜ける、こういうバランスというのは、非常にこれは労使にとっても不幸でございますし、元々そういう関係では労使自治というのは存在をしないわけでございますけれども、労使がやっぱり責任を持って労働条件を決定するという、私は、この労使自治の原則というものは非常に重要であり、そのことが早く実現すべきだというふうに思っておるんですけれども、国民の皆さんの多くの心配があるわけですが、参考人からしてみると、基本権付与をしたことによるメリットとデメリットですね、国民の皆さんにどのように説明したらそのことが理解いただけるのかというところをお聞きしたいと思います。

清水敏早稲田大学社会科学総合学術院教授同大学副総長・常任理事

○参考人(清水敏君) 御質問ありがとうございました。  まず、協約とか交渉とかというシステムが確立したときにどういう問題が生ずるか、先ほど来少し議論がありましたけれども、市場の抑制力が働かないじゃないかと、そういうところで交渉と協約を結んだ場合に労働条件は歯止めなく上昇してしまうんじゃないかという素朴な疑問は出てくるわけですね。  ところが、今のパブリックサービスというか公務全体を見たときに、以前と違いまして相当市場の影響、市場原理が公務の中にも入ってきていると。例えば、先生方御存じのように、市場化テストが入ってきたり、それから民営化、それから委託とかという形の、要するに、公務が非効率になってしまいますと、あるいは非常にコストが上がりますと、職そのものを失う可能性があると。現に地方ですと、市立の病院の経営が立ち行かなくなって、これが民間に売却されるというような事例があり、そのことによって公務員が仕事を失った例はかなりたくさんあるわけです。そういう意味では、公務というのは市場原理と無関係だというふうに思われがちなんですが、実は近年の状況はそうではなくて、市場の原理というものがかなり浸透してきているという状況の中でこの問題を考える必要があると。  そういう意味でいうと、いかに効率的に仕事をこなし、そして、そのことが国民や住民の期待に応えることになるわけですけれども、同時に、そのことによって自分たちの職をキープするか、確保するかということを一人一人の公務員がもう考えなきゃならないところに来ているし、それを一人一人が考えるだけではなくて、集団で、職場の労使でいかにして自分たちの職場を守っていくかということを、そういう努力をするということがやはり必要になってきている。そのことを後押しする、サポートする仕組みが必要なのではないかと。これが、今日お話ししたグローバルスタンダードの交渉システムの確立ということでございます。  言わば、昔、かつての親方日の丸であった時代の交渉というのは市場原理が必ずしも貫徹しなかったものですから、特に地公の場合に、非常に交渉にコストが掛かるというイメージを強く持っていらっしゃる方がいらっしゃることは事実だと思うんです。ただ、先ほど申しましたように、まずどうして公務において民間企業のようなああした労使関係が形成できないのかということですけれども、先ほど来申しましたように、一番の心配はコストが掛かるということだと思うんですが、交渉も長いし、何回も交渉しなくちゃいけないしという問題がありますよね。これは、やはり労使関係が円滑になればなるほど、要するに労使の信頼関係が確立すればするほどこのコストは下がっていくというふうに思います。そういう意味では、当面、場合によるとコストが掛かるというデメリットが出てくるかもしれませんが、これは、労使が努力することによってこのコストを削減することはそれほど難しいことではないのではないかということでございます。

難波奨二民主党・新緑風会

○難波奨二君 時間が来ましたから終わりますけれども、今後とも、基本権付与の問題、重要なテーマでもございます、公務員制度の抜本的な見直しの大きなテーマだというふうにも思っておりますので、引き続いていろいろ御指導いただければと思います。  ありがとうございました。

浜田和幸新党改革・無所属の会

○浜田和幸君 新党改革・無所属の会の浜田でございます。  まず、牧原参考人にお伺いしたいんですけれども、東京大学の先端科学技術研究センターに所属されているわけですから、いわゆる先端技術といったものが、やっぱり国家公務員の能力の向上ですとか、あるいは倫理観を高めるという意味で、今は一般化していないけれども、研究段階の技術でもって、そういう今問題になっている課題に対して何かプラスが期待できるような、そういう研究が行われているのであれば、ちょっと今日の御報告とは若干かぶっていないんですけれども、せっかく先端科学技術を研究されている部門におられるわけですから、何か新しい可能性を感じさせるようなものがあれば是非御披露いただきたいと思います。

牧原出東京大学先端科学技術研究センター教授

○参考人(牧原出君) 東京大学先端科学技術研究センターは、科学技術のみならず社会科学も含めて先端研究を行うということでありまして、私なりの先端研究の成果を本日申し上げたつもりでおりますが、科学技術も含めて何か申し上げるというのであれば、私の同僚の幾つかの研究成果を拝見しても、やはり情報技術の一層の拡大あるいはビッグデータの処理、こういった問題がどのように今後行政に影響を与えるかというのは、これはまだまだ未開拓の分野だと考えておる次第でございます。ただ、私自身は、それを研究しているわけではありませんので、そういった研究を見守っていきたいと思っております。

浜田和幸新党改革・無所属の会

○浜田和幸君 今、ビッグデータの話が出ましたけれども、例えば人事というもののミスマッチを防ぐ、一人一人の国家公務員の能力とマーケットというか、求められている技術あるいは能力といったものをやっぱりマッチングさせるということも、効率性を高める上では極めて重要な課題だと思うんですよね。ですから、牧原先生のところでは、そういういわゆる科学技術的な研究の成果と社会科学的な研究の成果をマッチングさせる、そのことによって日本全体の公務員の能力を高める、そういうような発想、そういうようなアプローチというのはまだないんでしょうか。

牧原出東京大学先端科学技術研究センター教授

○参考人(牧原出君) 今のところまだ研究途上でございますけれども、お話をお伺いして、今後研究のためにまた所内でも議論できればと思っております。

浜田和幸新党改革・無所属の会

○浜田和幸君 ありがとうございました。  それでは、清水参考人にお伺いしたいんですけれども、法人担当の副総長でおられるわけですから一般の企業との接点も多いと思うんですよね。今官庁の間でもいわゆる官民の人事交流とか盛んに展開されています。やはり民の持っているいろんな現場のニーズと官が対応できるような、そういう仕組みをお互いにこの人材交流によって高めようということなんですけれども、清水参考人の現場感覚として、こういった今官民の人事交流に対する評価、民間の企業だけでなく、例えば大学とか研究機関の間でも様々な人事交流が行われているんですけれども、今の早稲田大学の研究者の方々、教授陣から含めて、官の研究機関に入ってそこで仕事をしてやろうというようなそういうムードがあるのかどうか、その辺りの現状についてちょっとお聞かせいただきたいと思います。

清水敏早稲田大学社会科学総合学術院教授同大学副総長・常任理事

○参考人(清水敏君) 官民交流のお話ですが、直接的なお答えとはちょっと別ですけれども、官民交流の促進というときに、やはり現在の国家公務員法と民間との間に法的な壁があるということを御認識いただければと思うんですが、一つは国家公務員の勤務関係というのは契約ではないんですよね。ところが、民間の場合には、これは完全に労働契約という契約になっているわけです。ですから、その公務の世界と民間の世界とは全く別の世界、労働法から見ると別世界、こっちは契約の世界で、こっちは契約の世界ではないわけです。  そういう世界が違うところで人事交流をやろうとする場合に、法的には面倒くさいといいましょうか、簡単にはいかないいろんな問題が起こってくるということで、その官民交流というものを一層進めようとする方向性に立つならば、言わば勤務関係の在り方は今のままでいいかどうかということを一度検討をする必要があるのではないかということでございます。  それから、官民交流は一般的には大変促進すべき事柄で、それぞれに、民から官へ、官から民へも様々な経験を積むことができるということでございまして、いろんな形で大学からも各省庁なり、あるいは附属機関に出向等していますけれども、感想を聞くと、早稲田大学は大変いい大学だったという感想を持つ人が多くて、個人的に言いますと、少し人事管理が甘いかなというふうに思っていますけれども。  いろんな形で我々としても積極的に教員のみならず職員も官の世界を見てきてほしいということで送り出しておりますし、受け入れる方はなかなか難しい問題があるんですが、これも我々として公務員経験者を受け入れるということも努力をしているところでございまして、今後とも促進をしたいというふうに考えております。

浜田和幸新党改革・無所属の会

○浜田和幸君 ありがとうございます。  晴山参考人にお伺いしたいんですけれども、先ほどの報告の中でアメリカの公務員制度の歴史に触れられまして、当初は政権が替わるごとに大量の連邦公務員が更迭されたと、しかし、そういう状況、問題点が明らかになってきたので最近は成績主義に転換してきたんだというお話でありました。  それで、私の質問は、国家公務員の行政官の方々が長期に在外研究員として海外に出かけるという制度があるんですね。その現状を見ますと、昨年度百二十人の方々が海外に行っているんですけれども、うちアメリカに七十三人、イギリスに三十三人、フランス五人、ドイツ四人と、もう圧倒的に欧米志向なんですね。中国にはたった二人、韓国にも二人しか行っていません。アメリカのそういった公務員制度の問題点が明らかになって、やはりもっと違う制度設計が日本にも求められていると思うんですけれども、何かまだ依然としてアメリカ偏重の傾向があるように思うんですけれども、このままでよろしいんでしょうか。あるいは、もう少しこれからの日本の国際環境を考えれば、アジア諸国あるいは途上国との人材交流といったものをもっと積極的に進める方が理にかなっているように思うんですけれども、晴山参考人のお考えをお聞かせください。

晴山一穂専修大学法科大学院教授

○参考人(晴山一穂君) まさにそのとおりだというふうに思います。  アメリカが多いのはこの国公法がアメリカをモデルにというのもあるのかもしれませんが、あるいは、より以上、それよりも今の日米関係の方が密接だというふうなこともあるのかもしれませんけれども。  私は、外国の公務員制度としてはフランスをちょっとやっておりまして、最近もちょっと聞き取りに行ったりしているんですけれども、やっぱりヨーロッパを見ると非常に日本と違っていて、しかし、同じ共通の課題はやっぱり抱えている。グローバル化、市場化はやっぱりフランスでも関わってきて、それにどう公務員が対応するのか、イギリスのニュー・パブリック・マネジメントをどうフランスに持ち込めるのかとか、そんな議論をしてやっぱり普遍的な課題を抱えている。  それから、労働基本権についても、フランスはスト権も公務員に認められてストライキも頻繁にするんですけれども、協約締結権はないんですね。これは法令で決まっている関係で、ストライキ権は認めてストライキもさせるけれども、最後は政府が法令等で対応するというふうなことになっていまして、各国を見ますと、日本の今の抱えている課題というだけではない、非常に広い視野でいろんな公務員が抱えている課題というのが見えてくるということがあります。  それから、他方で、やっぱりアジアがこれから非常に重要になってきて、特に日本は法整備支援等で公務員制度も中国とかに人事院の方から行ったりというふうなこともやっているわけなんですけれども、アジアの中で日本がそういう主導的な役割と言うと大げさですけれども、そういうことで近代的な法制度を、公務員制度を広げていくという役割も独自にやっぱりあろうかと思いますので。  今の留学の数は私も知りませんで、聞いてちょっと驚いたんですが、英米が余りに偏重されているなというのはそのとおりだと思います。

浜田和幸新党改革・無所属の会

○浜田和幸君 ありがとうございます。  最後にもう一回牧原参考人にお伺いしたいんですけれども、いただいた資料の中の③のところで第三者機関の重要性に触れられていますよね。OECDの報告書でも、倫理インフラストラクチャー、あるいは調整機関による法的枠組み、倫理規範の管理が行われると。そういう観点で、欧米というか、そういうところで倫理インフラストラクチャーというものがどういう形で機能しているのか。我が国でも人事院の方の研修の中で倫理観を高めるための様々な研修制度が行われておりまして、例えば古典を通じた深い思索力の涵養ということや国民生活の実態に触れる現場体験といったことが行われているんですけれども、ここで述べられている倫理インフラストラクチャーと日本のそういった公務員の倫理観を高める研修との違い、あるいはお互いの学び合う点、どういうところがあるんでしょうか。

牧原出東京大学先端科学技術研究センター教授

○参考人(牧原出君) ここで言う倫理インフラストラクチャーは、非常に広い意味で第三者機関と捉えております。ですので、例えばイギリスの場合ですと、公務に関わるおよそもろもろの集団、例えばこれは日本でいう独立行政法人のようなものもそうですし、あるいは省庁のアドバイザーですね、スペシャルアドバイザーもそうですし、あるいは地方議員といった、それぞれの集団についてどのような倫理というものがあるべきかということを、非常に網羅的にインタビューをしたり調査をしたりして報告書を積み上げていくというものをここ十年以上やっているわけでございます。  そのような形で、倫理とは何かということを幾つかのキーワードから出発して、それを議論して具体的な例を積み上げていくということを長い、それも十年以上掛けてやっていくということの意味合いも非常に重要でありまして、そのようなプロセスの中で、例えばヒアリングに出る、あるいはその報告書を読むということによって公務員の研修といったものも図られる面もあろうかと考えております。あくまでも一例でございます。

浜田和幸新党改革・無所属の会

○浜田和幸君 ありがとうございました。終わります。

江口克彦みんなの党

○江口克彦君 先生方、御丁寧なお話をお聞かせいただきましてありがとうございました。  お三方、先生方に御質問をさせていただきます。共通の質問をさせていただきたいと思いますけれども、今回の法案では、公募制についての具体的な規定が見送られているわけですね。全体像が見えない状態であるというふうに私は理解しているわけですけれども、今後、民間と外部の専門家を国家公務員に登用して、高度な専門知識が必要な場面においてその識見を生かすことができるような制度設計をするべきというふうに考えているんですけれども、公募制を導入する上で期待できること、あるいはまた検討すべき問題点について、三人の先生方、お一人お一人お聞かせいただければと思います。よろしくお願いいたします。

牧原出東京大学先端科学技術研究センター教授

○参考人(牧原出君) 公募制の導入も一つのアイデアだと思います。その留意点としては、やはり労働市場の流動性が公募制を割と広く導入しているアングロサクソン諸国よりも高くないという状況の中で、どういう広い人材プールというものをやはり確保していくかということが非常に第一の条件でありまして、第二の条件は、やはりそういう人材プールの中でどういう人材がそのあるポストにおいて適切かということが問題になるかと思っております。  またイギリスの例で恐縮ですけれども、スペシャルアドバイザーというその外部の専門家の多くが実はメディア対策でありまして、これは、ある意味非常に重要になってきている部分があるのかなと考えております。行政の在り方をどう説得的に外部に伝えるかということについてのアドバイスというものが、やはり意味を持つ時代にますますなってきていると思います。そういうある種の専門家についての分野を政治が発見していくことによって、一般的な官職というより、ある特殊な分野の専門家を導入して、いい具体例を積み上げていくということも期待できるかと思っております。

清水敏早稲田大学社会科学総合学術院教授同大学副総長・常任理事

○参考人(清水敏君) 必ずしも専門ではないものですから、適切なお答えができるかどうか分かりませんが、こういう制度を導入するときに、今お話がございましたように、日本の労働市場は、必ずしも流動性、今後どうなるかまだ見極めが付きませんが、アメリカのようにいろんな形で官から民へ、民から官へという形で、言わば、さっき言った官民交流とは違って仕事を辞して移っていくということが前提として必要になってくるわけですが、そのときに身分保障をどうするか。そして、有期雇用、有期任用の場合には、じゃその処遇をどうするかというような問題も併せて考えなくてはならない課題だということは認識をしておりますけれども、今後それをどうすべきかということについては、大変申し訳ありませんが、今、私個人としての意見は持ち合わせておりませんので、お許し願いたいと思います。

晴山一穂専修大学法科大学院教授

○参考人(晴山一穂君) 公募制は今の一つの流れで、地方公共団体ではかなり進んでいるところもあって、公募制というものをどう公務員制度として位置付けていくのかというのは、一つの大きな課題だろうというふうに思っています。  あわせて、先ほども出てました官民交流も公募制と共通の問題があって、民のいいところを官にどう持ち込んでくるのか。逆、官から民へをどうするのかということで、官民交流も一つの時代の流れというふうになってきている。そのことは私も認識をしておりますし、それなりの一定の必要性があるということもそのとおりだろうというふうに思います。公務員だけで全ての問題に対応できるというふうな状況ではありませんので、民の持っているいいところを官の中に持ち込んでくるということの必要性は否定はできないんだろうというふうに思っています。  ただ、先ほどもお話ししましたように、公務員というのは、やっぱり憲法上の基礎付けがあって、全体の奉仕者ということになっていると。最終的には、公務員の選定、罷免は国民固有の権利だということになっているわけです。それとの関係で、公務員独自の身分保障があり、人事行政の公正中立という観点から第三者機関の存在もあるというふうな枠組みがある中で、官民交流なり公募制というものをどううまくそこに位置付けて、埋め込んでいくのかということは非常に難しい課題であって、全体の奉仕者というところからでき上がっている今の公務員制度そのものを崩す形で官民交流なり公募制というものが拡大をしてくるというのは、私は問題だろうというふうに思っています。そこを維持しながら、一定の範囲で官民交流、公募制で民の力を官の中にというのは必要だと思うんですが、そこをやはり最終的にチェックできるのは第三者機関であるというふうに私は思っています。  天下りにせよ官民交流にせよチェックするのは、やっぱり公正な立場からチェックできる第三者機関が必要で、そこのチェックがあれば必要な官民交流が実現をしていく、公募制についてもそうだというふうに感じております。

江口克彦みんなの党

○江口克彦君 ありがとうございました。いろいろ考えてみます。  最近の行政改革への評価と今後の課題について、これも三先生にお尋ねを、またお教えをいただきたいと思います。  無駄の撲滅、縦割り行政の排除等を目指しまして、ここ十年ほどで省庁再編あるいは公務員人件費削減、行政事業レビュー等、行政改革をめぐる様々な議論、取組が行われているわけでございます。それらをどのように先生方は評価しておられるのか。また、今後の行政組織と国家公務員制度の在り方を考える上で、現行の制度の何が問題なのか。もしお教えいただければと思います。

牧原出東京大学先端科学技術研究センター教授

○参考人(牧原出君) ここ十年以上の長い時期における行政改革の積み重ねについての評価であろうと思われます。  いろいろなタイプの改革が行われ、行政実態は多岐にわたるんですが、ただやはり、それによって、例えば民主党政権の行政刷新会議なんかもそうだと思いますけれども、国民に、何がどういう無駄があって、それがどういうものなのかということのイメージがかなり共有されてきたということは、私は大きな評価すべき点であると思います。これは現政権もそれに類していろいろな試みをしているところと考えております。  そういう形で行政を改革していくわけですけれども、最近ニュー・パブリック・ガバナンスということが言われておりまして、行政をスリム化する、あるいは分解するというのをニュー・パブリック・マネジメントという、ここ九〇年代の改革で行ってきた。その次にあるのは、その縮小した行政が例えばNPOとか民間の団体とどう協力しながら政策を実現していくかということが課題だということが実は次、言われてきているわけであります。  ですので、一方で、やはり無駄というのはこれ絶えず生じますから、こういうものを排除するということもあるわけですが、その次の課題として、今度は、縮小した行政が行政の守備範囲をきちんと守るために、どう民間、行政外の組織と言わばパートナーシップの関係に立つかということが、次のある種の意識というか、組織の在り方の改革の課題になっていくのではないかと考えております。

清水敏早稲田大学社会科学総合学術院教授同大学副総長・常任理事

○参考人(清水敏君) 行政改革、丸ごと全て評価するということはなかなか難しいと思うんですが、私のような労働法を学ぶ者からしますと、行政改革を進めるときに、今日お話ししたことと関わるわけですが、やはり職員の協力というか、合意というものをやはり得て進めることが必要ではないかということで、手続的な面で整備の必要性があるというふうに思います。  例えば、先ほど出ました無駄をなくすということについても、職場で一体どういう形で合理化ができるか、無駄をなくすことができるかと。やはり一人一人の職員の士気といいましょうか、やる気の問題が当然出てくるわけでございまして、そういう意味では、大きな団体交渉も一つ視野に入れる必要があるんですけれども、言わば職場ごとの小さな交渉といいましょうか、管理者と職員との意思疎通ということを進めていく、これをやはり進めていかないと行政改革もスムーズに進まないのではないか。同じように、人件費を削減するにしても、一方的ではなくて、やはり合意の形成を図りつつ進めていくというこの手続のところが私は大変重要なのではないかなというふうに思っております。

晴山一穂専修大学法科大学院教授

○参考人(晴山一穂君) 非常に御質問のテーマが大きくて一言では答え難いんですけれども、無駄は確かにいろんなところであって、誰が見ても無駄というのはあるとは思いますが、やはり何を基準に無駄と考えていくのかということの国民的な合意がない中で、無駄だということでやっぱり必要なところが切り捨てられていくということも現実にあるんではないかというふうに私は危惧しています。  私は、行き着くところはやっぱり憲法の視点で、公務員について言えば、今日私が報告したような、憲法はどういう公務員像を描いているのかというところから考えていって、無駄かどうかもそこから考えていく必要があるし、国民の権利についてもやっぱり日本国憲法を基準に考えていくべきだろうというふうに思っています。  日本の場合、やっぱりその辺が非常に憲法的な権利なり、憲法というものがなかなか裁判所の関係もあって国民の間に定着していないんですけれども、この間、私はフランスに行って調査してきたんですけれども、PFI制度をフランスで導入したんですけれども、それの個々の法律の条項について憲法裁判所に提訴をして、違憲判決が幾つか出ているんですよね。これは余りに大企業偏重で中小企業を擁護するという趣旨から外れているからここの条項は憲法違反だというふうなことがあって、フランスではよくそういうことがあって、法律の条項が憲法違反だという憲法院の判決がいろいろ出て、国民の間に憲法的な感覚というのは非常に定着している。  ですから、行政改革にしても、憲法から見てどうなのかという、比較的国民意識としても入りやすいということがあるので、日本もそういうふうになっていったらいいんじゃないかというふうに期待はしているんですけれども、私の考えは、最終的にはやっぱり憲法に基づいて無駄かどうかを判断すべきだというふうに思っています。

江口克彦みんなの党

○江口克彦君 時間がなくなってしまったので、一問だけまた晴山先生にお尋ねしたいんですけど、先生のレジュメで法案の問題点というふうに幾つか、これ幾つか御質問をさせていただきたいんですけど、時間がありませんので一点だけ。  一番上の幹部職員の人事管理の一元化というその下に、正確で客観的な適格性審査ができるのかというふうに御指摘されています。それでは、現在は適正な審査が行われているのかと、もし行われていないとするならば、どちらも行われていない、じゃ、晴山先生の適正に審査するそういう方法は何かお持ちなのかどうかをお教えいただきたいと思います。

晴山一穂専修大学法科大学院教授

○参考人(晴山一穂君) 牧原参考人の方がその辺は詳しいかと思うんですが、やっぱりどういう幹部人事を公正にやるかというのは非常に難しい課題であるというふうに私も思います。今がちゃんとできているかというと、それはできていないところもかなりあるんだろうと、余り実態分析、私していませんのであれですけれども。ただ、牧原参考人も最初の報告で言われたように、それなりに、かなり問題のある事例がまれにはあるけれども、省庁の積み上げの中で行ってきたというのはそれなりのやっぱり重みがあるんだろうと私は思っています、一〇〇%いいとは思いませんけれども。  それとの関係で、今回のように内閣が一元管理するというときに、本当にそこをちゃんと分かった上で内閣ができるんだろうかと。政府の全体の人事方針に適合しているかということも基準に入っているわけですけれども、じゃ、その政府全体の適合する基準というのは何なのか、そこがはっきりしないと、やはりこれまで積み上げられてきた省庁ごとのあれを崩して恣意的に政治の力でやられないかなということが私は非常に危惧するんですね。  そこをチェックするのは、じゃ、省庁が任せていればいいか、一〇〇%いいかともならないので、やはり何度も話は行き着くんですが、第三者機関の一定のチェックというのがあってしかるべきじゃないかと。人事院がかつてやっていた時期が、課長以上でしたかね、あるというふうに私記憶しているんですが、今はそれなくなっているんですけれども、その辺も含めて、第三者機関がやっぱり一定のチェックは必要ではないかなというふうに思います。

江口克彦みんなの党

○江口克彦君 先生方、どうも本当にありがとうございました。  これで終わります。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。お三方、ありがとうございます。  まず、晴山先生に質問させていただきます。  先生のレジュメの政と官の役割分担のところで、これは大変深い大事な御提起だと感じました。議院内閣制の下では公務員は最終的には内閣に従わなければならない、しかし日常の職務遂行において全体の奉仕者としての公務員の役割の発揮が大事なんだと、上司に盲目的に従うだけでは駄目なんだという御趣旨のことを言われました。  こういう立場が大事なんだということの理由といいますか、理論的な背景、それから同時に、実際問題、例えばこんな場面でこういうことが大事なんだという具体例、もしおありでしたら教えていただきたいと思います。

晴山一穂専修大学法科大学院教授

○参考人(晴山一穂君) やはり公務員が、アメリカの歴史をちょっと御紹介したんですけれども、百年以上の歴史の積み上げの中で公務員が独自に担っている役割というのは、これは各国共通してあって、政治家の役割とは違うわけですね。政治家、言うことをそのままやることが公務員の独自の役割かというと、そうではなくて、最終的にはもちろん国民主権ですので選挙で選ばれた内閣に従うと、これは当然ですし、地方でいえば首長に従うというのは、これは当然民主主義からいってそうなんですけれども、それを前提とした上で、公務員の独自の役割、政治家にはできない独自の役割というのは、やっぱり全体の奉仕者として公務というものをきちっと押さえて、その特質を専門家の立場から反映させていく、上司なりに対してそれを意見を述べて、こうあるべきだということのやり取りをする中で、最終的には内閣が政策を決定していく、これはごく当然の公務員の役割だと思うんですね。  これは、戦前のあの官吏服務紀律でも同様で、あのときは特権的な官吏ではあったわけですが、政治家と違って、官吏はやっぱり公務の担い手として、上司の職務命令に意見を申し出ることを得というのが官吏服務紀律にもありました。戦後、国公法を作るときもごく当然のこととしてそれを入れて、最初にできた国家公務員法は、職員は上司の職務上の命令に対して意見を述べることができるという規定を盛り込んだんですね。  ところが、それが一九四八年のあのスト権のときの国公法改正で一緒にそこがなくなってしまっています。どうしてなくなったかとちょっと調べてもはっきりしないんですけれども、それでも人事院の今の解説では、なくなってはいるけれども、職務命令に意見を述べる権利というのはこれは当然の権利で、公務員として、規定にはないけれども、当然のことだというのはそのままありますので。  私は、これはもちろん最終的に内閣に従わなきゃいけない、これはもう当然の前提ですけれども、そこに行く過程で、最大限、やっぱり公務の担い手としての公務員の独自の役割というのをいかに発揮できるのか、職務命令に意見を述べる権利だとかそういうこと、制度化も含めて今後の大きな検討課題だというふうに考えております。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 続いて、晴山先生に。  幹部職員の人事管理の一元化についての問題点の御指摘がありました。私も、正確で客観的な適格性審査が果たして本当にできるのかと。内閣総理大臣あるいは官房長官が、幹部職員、現職の方で六百人、それから候補者の方も含めますので相当な数になります。そういう適格性審査が果たしてできるのかという思いがありまして、なかなか難しいんじゃないかと。  そうしますと、結局、幹部候補の皆さん、あるいは幹部候補になろうとされている皆さんは、行政の専門性よりも時の政権の意向をおもんぱかって、全体の奉仕者とは逆の作用をもたらすことになりはしないか。ヒラメ公務員というような方々が、この幹部人事管理の一元化によってより一層広がることが危惧されないか、そう思うんですが、その辺りいかがでしょうか。

晴山一穂専修大学法科大学院教授

○参考人(晴山一穂君) そういう危惧も出てくるかというふうに私は思います。ただ、内閣としては、内閣が決めた方針に従うことが国民全体のためになるんだと、議院内閣制ではそうなんだということになるかと思いますので、結局、そこでは本当に公務の特質ということもよく踏まえた上で、どういう人材がふさわしいのかということを具体的な基準に基づいてチェックできる仕組み、これがやっぱり必要だろうというふうに思います。  また第三者機関の話になるんですけれども、その点をきっちりさせた上で、一定程度内閣の意向を反映させてということはあり得るかというふうに私は思いますけれども、そこのところが非常にはっきりしない。標準職務遂行能力というのも、何百ページというのが今あるんですけれども、それを見ても、例えば倫理という項目だと非常に抽象的な、全体視野にわたって見れることとか、そういうふうな規定になっていまして、どうでも取れそうな抽象的な規定なわけです。果たして数百人という対象者でそういう基準でやっていけるのか、もっと具体的な基準が当然必要になってくると思うんですけれども、じゃ、それを誰がどうやって作るのかというふうなことがはっきりしないで一元管理だけ決めてしまうということになると、非常にやっぱり混乱するんじゃないかなというふうに思います。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 牧原参考人も同じ趣旨なんですが、幹部職員人事の一元化について、情実人事をどう防ぐかという問題意識を御披露されましたけれども、今の同じ質問なんですが、いかがでしょうか。

牧原出東京大学先端科学技術研究センター教授

○参考人(牧原出君) 非常に候補者が多数いる中で、それを一件一件、適格性を審査するとした場合に、やはり各候補者についてのその情報が一番あるところは現段階では各省でしょうから、そこでの情報を十分よく内閣でそしゃくしながら人事を進めるというのが当面のところであろうと思われます。  しかし、それが徐々に進んでいった先にどうなるかということは、ここはかなりいろいろなケースが考えられて、内閣あるいは政府の側で各省とは別に人事情報が蓄積されることによって、今度はまた新しい人事の在り方というものが模索されていくということはあり得ると思いますけれども、しかし当面は、一足飛びにそこに行くよりは、既存の人事情報をきちんとどこにあるかを把握しながら慎重に人事を進めていくということが肝要であろうと思われます。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 再び晴山先生に伺います。  幹部職員の降任の弾力化について問題意識をお持ちでした。私も、この降任というものが更に拡大されると、この間担当大臣に聞きましたら、その人に問題点があるわけではないが別の人に替えたいから降任ということもあり得るんだなどなど、かなり拡大されると。そうすると、一層そういう全体の奉仕者性との相矛盾というものが促進されるんではないかという、この降任の拡大という点についての御心配の点、もう少し詳しく述べていただけますでしょうか。

晴山一穂専修大学法科大学院教授

○参考人(晴山一穂君) ここが国公法の身分保障の要を成すところで、分限免職あるいは降任するための法定事項としては四つに限定をしているわけですね。四つ以外の理由では免職、降任してはならないというのが身分保障の要ということになるわけです。  ところが、今度、幹部職員について見ますと、そこの条項に該当しなくても三つの条件に合えば降任できるということになっていますので、これは幹部職員に差し当たり限定されているというところなわけですけれども、これまでの国公法の基本原則からすると、幹部職員に限定していても、そこが、つまり法定でこれ以外では絶対降任してはならないという身分保障の原則規定が該当しなくてもできるというふうな規定をするということは、非常にやはり身分保障の一角を崩すことになる。幹部だからということで果たしてこれは済むんだろうか、場合によっては、それが管理職員に将来的に拡大すると一体どういうことになるんだろうかというふうなことがちょっと危惧しているものですから、ここは非常に国公法の今の在り方を崩すものというふうに危惧しております。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 最後に、労働基本権問題について清水参考人と晴山参考人にも質問したいと思います。  私は、公務員の労働基本権と全体の奉仕者性というのはかなり深い関係があるのではないかと考えております。自らの基本的人権が不当に制約されているまま国民の権利、人権に敏感であれるのかという問題意識があるからであります。愛情たっぷりに育てられた子供は愛情を知るとも言いますけれども、やはり人間が人たるに値する暮らしを営もうと思ったら、労働者の場合は圧倒的な力を持っている使用者に対して労働基本権をしっかりと保障されることによって対等に対峙することができる。その基本権、基本的人権が制約されたまま国民全体の奉仕者として国民の権利を守ることができるのかという観点からも、私は労働基本権の回復というのは一刻も早くなされるべきではないかと考えるんですが、清水参考人と晴山参考人の御意見、伺いたいと思います。

清水敏早稲田大学社会科学総合学術院教授同大学副総長・常任理事

○参考人(清水敏君) 労働基本権というものが、いかなる根拠で憲法上の労働者の基本権として保障されているのかということに関わる御質問かと思います。  確かに、今御指摘のような側面はあろうかと思います。ただ、労働基本権といっても様々ですが、今日お話しした団体交渉システムとの関係でいうと、基本的には保障しながらも、議会の権限との調整をどうするかという部分は残るであろうと。  同じように、将来的に仮に、労働基本権の一部には争議権もありますので、争議権の問題を考えるときにも、やはり国民生活との調整を、業務が停廃したときの国民生活との調整というものをどう具体的に図っていくかというようなことはやはり考えなくてはいけない。まさに国民の基本的人権を守る、それに非常に敏感な公務員であるからこそ自分たちの権利の行使に当たってもその点を十分考える。権利の行使によって国民にどういう影響が出てくるかということ、これを考える必要があるわけで、その限りで様々な制約がそこに生ずるということは、これはそれなりにリーズナブルであろうというふうに考えております。ちょっと抽象的ですが。

晴山一穂専修大学法科大学院教授

○参考人(晴山一穂君) 私も基本的に同じ考えなんですが、まず前提として、公務員も憲法二十八条の勤労者に含まれるというところから、労働三権、労働基本権が公務員にも保障されているということになっていて、これは最高裁でも一貫して認めているところなわけですね。認めているんだけれども、現行法による制約は合憲だというのが今の最高裁の考え方なんですが。  私は、公務員も労働者なんだと、労働基本権を持っているんだというそこのところが一番大事で、その上で、公務の特質等から様々な制約がこれ出てきます。フランスでも協約締結権がないというのもその一つですし、いろいろ出て、民間と同じようにいかないのはそのとおりなんですが、一番基本のところで、公務員も憲法上の権利として労働基本権を持っているということが大事だというふうに思っております。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 ありがとうございました。

秋野公造公明党

○秋野公造君 公明党の秋野公造でございます。  今日は、牧原先生、清水先生、そして晴山先生、本当にありがとうございました。  三人の先生方に伺いたいと思います。  まず一つ目は、政治主導という方向性の中で、新しい政と官との関係を考えるときに、そして、先ほど牧原先生のお言葉を借りますれば縮小した行政ということで、民間との連携もこれからどんどん広めていかなくてはならないような状況の中で、国民の期待に応えるために行政官が兼ね備えるべき資質というものをどのようにお考えになるかということ、三人の先生方に伺いたいと思います。順番にお願いします。

牧原出東京大学先端科学技術研究センター教授

○参考人(牧原出君) 民間との協力という意味では、ある種のガバナンスの能力というものが要求されると思います。そこに必要なのは、ある種の上意下達の統制に依拠するのではなくて、調整といいますか、対等の立場で連携するような、そういう能力がかつてよりも一層要求されるのではないかと。つまり、強力な調整能力のようなものが行政官の資質としては重要ではないかと考えております。

清水敏早稲田大学社会科学総合学術院教授同大学副総長・常任理事

○参考人(清水敏君) 先ほど少し関連することをお答えしたんですが、基本的に、公務員が職務を遂行するという場合に、法律の縛りがあり、そして上司の命令に従うという構造になっているわけですが、にもかかわらず、これは民間の労働者も同じなんですけれども、日常的な職務の遂行に当たってそういう法律や上司の縛りに掛からない部分、空白の部分がたくさんあるわけですね。ここを、要するにどうやってそれを、誰にも指示されないけれども、国民のために、あるいは住民のためにという、その顔を国民や住民の方に向けて職務が遂行できるかどうかということが、多分この行政官、上から下までいろいろあると思いますけれども、共通して求められるのではないかと。言わば、上にへつらうとかではなくて、さっき申しました余白の部分、空白の部分、ここをいかに全体の奉仕者として職務を遂行することができるか、そのための仕組みづくりが重要なのではないかというふうに考えております。

晴山一穂専修大学法科大学院教授

○参考人(晴山一穂君) 私は、行政法をやっている関係もあって、行政に携わる公務員は民間とは違うやはり公務の特質というものがあって、それは、最終的には全体の奉仕者として国民の権利保護のために尽くすというところに帰着はするわけなんですが、そこを踏まえた公務の特質というのがやはり否定できない、今の官から民への時代であってもやっぱりそれはあって、そこを担うのが公務員の独自の役割で、政治家ともそこはやっぱり相対的に独自な公務員の固有の役割だというふうに思っています。  そこを日頃の研修等でいかに公務員が自覚できるかというのが非常に大事だというふうに思っていて、それを踏まえた上で、先ほど言いましたように、政治との関係はきっちりと職務命令に意見を述べることも含めて確立し、官から民との関係も一定必要なところはあるわけですので、そこを踏まえた上で、必要な民のいいところを官に持ち込んでくるということは、これは必要だというふうに思いますが、一番原点である公務の特質というのを踏まえて、公務員が全体の奉仕者として尽くすというところは一番重要なところかというふうに思っております。

秋野公造公明党

○秋野公造君 調整能力というところに尽きるのかと思いますが、もう多くの委員の先生方から、人事行政の公正性というものをどう担保するのかという質疑が続いておりますのは、要は、公務員、どう優秀な人材を確保していくのかということに帰着するんだろうと思います。  私が今ずっと、前回の対政府に対する質疑についても聞き続けているところ、そこが、一番よく分からないのが、適格性審査の中の特に公務外の方をどう採用していくかということであります。公務の中にいる人は人事評価等がありますから、客観的な、採用試験もあり、そして人事評価もあり、客観的なものがあるんですが、ここについてどう客観性を担保していくのか。すなわち、それが担保できないなら優秀な人材が結果として入らない懸念というものを、これからの対政府の質疑に対してもしていこうと思っているんですが、決して公務外の優秀な方は入れるべきではないというスタンスではなく、どんどん入ってきていただければいいとの思いから、どう優秀な人を確保するかということについて伺いたいんですが。  その客観的な指標ということをつくることをまず可能だとお考えになるかということ、もしもこれが難しいのであれば、もう個別に聞く、すなわち、第三者委員会になるのか、あるいはもう第三者委員会でさえも、もう専門性も様々なところに広がっていきますと第三者委員会でさえも拾えないような領域もあるのならば、もう個別に聞くようなことも含めて、そして、私は、対政府に対してはこれまで果たしてきた役割を踏まえて人事官もそういったことを担うべきではないかという提案を申し上げているところでありますが、そういった意味で公務外の適格性審査による採用についてのお考え、二点、伺いたいと思います。順番にお願いします。

牧原出東京大学先端科学技術研究センター教授

○参考人(牧原出君) 客観的指標については、これは非常に難しいと思います。民間は公務外の様々な職種があり、これは時代によって非常にその変化も激しい職種があると思いますので、それを、それについて包括的な情報管理がある段階でもし可能であるならばそこから客観的指標をつくることはできるかもしれませんが、今の段階では到底無理であり、個別的に聞くしかないということではないかと思います。  ですので、そうだとした場合に、内閣人事局でどこまで適格性審査に当たっての情報をそろえることができるのかと。どうしてもそれはやはり専門的な機関での調査が人事局の外で不可欠であろうと思いますので、そうなると、やはり人事院を活用するということも非常に重要な選択肢かと思うところでございます。

清水敏早稲田大学社会科学総合学術院教授同大学副総長・常任理事

○参考人(清水敏君) これも必ずしも私の専門ではないので的確なお答えができるかどうか分かりませんが、民間企業でも必要な労働力を中途採用という形で採用することは多々あるわけですね。そういう意味では、内部で必要な労働力を調達できない場合には外部からということは、これは一般的に民間ではあり得る話でありまして、ただ、その場合にどんな基準かということについては、民間は言わば自己責任でそれをやるわけですけれども、公務員の場合にはそれがなかなか、その責任の取り方が難しいということもありまして、こういう外部の方を採用するということは非常に難しいんだろうというふうに思っています。  そういう意味で、また客観的な基準というものを設定するということもこれは難しいと。したがって、ある程度の基準を設定した上で、民間的な発想でいうと、有期的な任用をして内部でやはり試みに何年か使ってみるということをやるしかないのかなと。初めから、雇用する、任用する前からもう絶対だということを測る指標を作るということは、現実問題としては、民間の例を見るとなかなかそれは難しいんだろうというふうに思います。

晴山一穂専修大学法科大学院教授

○参考人(晴山一穂君) 私も非常に難しい課題だなというふうには思います。  ただ、現在のこの標準職務遂行能力というものは基準としては余りに抽象的過ぎますので、それよりはもうちょっと具体化した基準を盛り込んだ基準策定というのは必要になってくるのではないかというふうに思います。  その上で具体的な人選ということになりますので、これは人の評価ですので非常に難しい問題ですので、私は公募制そのものに、そういう基準がはっきりしない中で拡大していくということには消極的なんですけれども、やるとした場合には、やはりその基準に照らしてこの人はこういうことでということをオープンにして、採用した結果も一定程度たった後で周りからも評価できるような、そういう仕組みを導入をして進めていくということにならざるを得ないのかなということを思います。  もちろん、第三者機関が、今人事院があって、人事院ができる限りのコントロールを及ぼしてもらえればそれはそれで一番いいと思うんですけれども、それで一〇〇%いく保証もありませんので、入れるとしたら基準の今よりの具体化と、採用、その基準に適合したかどうかも含めてそれを公にして検証できるような仕組みというのが必要ではないかなというふうに思います。

秋野公造公明党

○秋野公造君 最初の質問に戻りますが、社会が非常に高度化をして多様化をしているということで、意見をしっかり述べることができる公務員は必要だと思いますが、その価値観が多様化していることに気付かないままに、あるいは専門化がどんどんしている中にそれに気付かないままに耳を塞いだ状況で調整能力というのは発揮できないんだろうというのが私の考えです。  そういった意味では、これからの公務員は専門性を高めていかないと民間の方とも話がしっかりできないし、政との、政治との関係も、政治家は現場を知っているわけでありますので、そことの関係にも調整能力を発揮できないと思います。  最後に伺いたいと思います。専門性を高めるに当たりどのような専門性が必要とお考えなのか、これは簡単で結構でございます、教えてください。順番にお願いします。

牧原出東京大学先端科学技術研究センター教授

○参考人(牧原出君) 大変難しい御質問ですけれども、やはり調整能力自体が一つの専門能力である部分が一方であると思います。ですから、それを柔軟に、異質なものをぶつけ合いながらその中のある種の均衡点を見付けていくという意味での専門性ですけれども、しかし、それを知るためにはやはり何か幾つかの分野の政策知識が不可欠でありまして、つまり、例えばある種の、内閣だけでキャリアを積めばいいというわけではなくて、各省の原局原課に入っていくということも不可欠であると。  そうすると、一体何のために公務員になったかということが重要でありまして、ただ全体の奉仕者になりたいというわけではなくて、やはり具体の政策を実現したいという気持ちが強いということだと思いますので、その部分の熱意というものが、やはり熱意とその専門能力というのがひとつ大きな資質であろうかと考えます。

清水敏早稲田大学社会科学総合学術院教授同大学副総長・常任理事

○参考人(清水敏君) これも私としてお答えしにくい問題なんですが、要するに、牧原さんがおっしゃったように、専門性を非常に高度化しなきゃいけないと。高度な専門性を持つ職員を育成しなくちゃいけないということは事実だと思うんですが、同時に、これは調整能力がどうしても必要であると。そうすると、ある程度の、オールラウンドプレーヤーである必要はないんですが、いろんなその職務上の経験をして、専門性を持った職員をまとめ上げる能力というものも非常に組織としてはやっぱり必要になってくるというふうに思います。  そういう意味では、言わば、まとめる、調整する能力を持つ人をいかに養成するかということが、それぞれの専門性を高めれば高めるほど必要になってくるのではないかと。そういう言わば調整能力を持った人を養成するためには、やはりいろんな仕事を経験してもらわなくちゃいけないわけですから、そういう調整能力を持った専門性のある方を私は意識的に養成することが今後必要なのではないかというふうに思います。

晴山一穂専修大学法科大学院教授

○参考人(晴山一穂君) 私も非常に難しい課題だなというふうには思います。  私のレジュメでも専門性ということをいろんなところに出しているわけなんですけれども、一つは、その職務そのものが持っている専門性、他の職務とは違う固有の専門性というのがあって、これはそれぞれ専門職としてきっちり養成しなければならないということになるわけですけれども、私は、これを専門性と呼ぶかどうかは別として、やはり公務員としての資質といいますか、憲法十五条を踏まえたような公務員としての資質、そしてそれを踏まえた公務員としての職務遂行への姿勢といいますか、そういったものを公務の中でいかに培っていくのか、そういうことを培えるような研修システムというのをいかにつくっていくのかというのが非常に大事だろうというふうに思います。  ですから、狭い意味での専門性に閉じこもるとそれこそ調整能力とかも出てこなくなりますので、そういう観点から公務員としての役割というのを踏まえて、国民、民間との間の調整をどう図って公正な行政をしていくかということが一番視点としては大事だろうというふうに思っていますので、その辺になるとやっぱり第三者機関の研修制度とか、その辺にこれまでも期待をしてきましたし、今後も期待をしたいなというふうに思っています。

秋野公造公明党

○秋野公造君 先生方ありがとうございました。  終わります。

山本太郎各派に属しない議員

○山本太郎君 ありがとうございます。ありがとうございます。新党ひとりひとりの山本太郎と申します。  参考人の先生方、今日は貴重なお時間をいただきましてありがとうございます。私からは質問を二問、三人の先生方に、お一人お一人にお聞きしたいと思います。お答えいただきたいと思います。  まず最初に、私は先日の本委員会におきまして、質疑で、去年六月二十八日、国家公務員制度改革推進本部決定の今後の公務員制度改革についてという文書に、誤った政治主導を是正し、政と官の役割を明確にすることにより、相互の信頼の上に立った本当の意味での政治主導を確立する必要があるというふうに書いてあったんですけれども、私、稲田大臣の方に、誤った政治主導、誤った政治とは何ですか、本当の意味での政治主導とは何ですかという質問をしました。  稲田大臣のお答えはこのようなものでした。私が考える誤った政治主導というのは、政と官の在り方において、官僚をうまく生かすことができず、むしろ官僚を排除する形で政治主導を発揮するということはかえって国益を損なうことになると思います。反対に、中立公正に行政を行っている官僚にうまく能力を発揮していただき、そして政治家がきちんとその方向性を示し、最終的な責任は政治家が取るというのが真の意味での政治主導だというふうに考えておりますという答弁でした。  そこで、参考人の先生方お一人お一人にお伺いします。  先生方は、誤った政治主導、本当の意味での政治主導をどのように考えておられますか。よろしくお願いします。

牧原出東京大学先端科学技術研究センター教授

○参考人(牧原出君) 政治主導が誤っているか正しいかということの判断というのは、これは恐らく同時代ではなくて、やはり歴史の先にそれを評価するものではないかと思います。その意味で、現段階で、これまだ政治主導と言われたのは割と直近の過去ですので、これについての評価というのは非常に難しいと思います。  実態も、私自身よく分かっていないところ多々ありますが、政と官の在り方について、正しいかどうかはともかく、良好な関係というのがあるとすれば、やはり私は、政と官がある種競争関係に立つことではないかと考えております。  それは、官は官の力を出していくということで、これで政への力が上がると当然官の力が強くなってしまって、ある種官僚主導的になる。逆に、官が弱くなって政だけが強くなると今度は手足がなくなって、政治が幾ら方針を出してもそれが実行できないということになる。双方の力を強めながら、どう新しい今後のグローバル化あるいは少子高齢化に対して政府が、それに対して適切な対処をしていくかということを考えていくということが必要だと思いますので、政は政でその力を発揮できるようなある種の自己改革が必要だと思いますし、行政は行政の側で、萎縮したりすることなく、しかも、ある意味で過剰に自己主張することなく、法律にのっとり、しかし、やはり先見的なものはしっかり受け継ぎながら、それを摂取しながら新しい時代に適応していくということなのではないかと考えております。

清水敏早稲田大学社会科学総合学術院教授同大学副総長・常任理事

○参考人(清水敏君) この件につきましてはちょっと私の専門を大きく離れますので、大変恐縮ですが、これについての私の意見は控えさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

晴山一穂専修大学法科大学院教授

○参考人(晴山一穂君) 政治主導一般が是か非かという問題はなかなか難しくて、結局、そのときにやろうとしている政治の中身がどういうものかということによって客観的な意味は全く異なってきますので、だから、いい政治だったら政治主導でいい、悪い政治だったら良くないというふうにも言えない。一般論として政治主導がいいかどうかというふうに問われるというのは、非常に難しい問題だというふうに思います。  しかし、現実には政治を選んでいるのは国民ですので、内閣は国民の多数派によって形成されるという議院内閣制になっていますので、それを前提とした上で政と官ということのそれぞれの独自の役割をどううまく関係付けるかという、そういう課題はあろうかと思うんですね。  その限りで言えば、先ほど紹介された大臣の発言は、比較的、その限りで私には近いというふうに言っていいと思います。政治の決めたことを無条件に従って政権に奉仕することが官の役割だというふうには私は思いませんので、先ほど言いましたように、やっぱり公務員、官に独自の役割、官でなければできない役割というのがあると。  それをいかに現実の政策決定過程で発揮をさせるかというところが政治家の役割で、そこをやっぱり聞いた上で最終的には政治判断ということになるわけですけれども、ただ聞くだけじゃなく、本当の意味で公務員として言っていることを尊重しつつ政策決定をしていくかということは、政治家として非常に重要なあれだろうというふうに思いますので、先ほどの大臣の発言は、その意味では私は共通するところがあります。

山本太郎各派に属しない議員

○山本太郎君 ありがとうございます。  もう一つですけれども、天下り問題についてなんですけれども、これはもう解決したんでしょうか、それともまだ解決していないのか。解決していない場合、どうすればいいんでしょうか。先生方のお考え、教えてください。お願いします。

牧原出東京大学先端科学技術研究センター教授

○参考人(牧原出君) いわゆるかつて言われたような天下りというものが様々な意味で規制をされているというのが現状であろうと思われます。  ただ、そうだとすると、今度は公務員の定年、国家公務員の場合の定年ですね、定年まで雇用するということになった場合にどうその人事配置をするかということで恐らく今試行錯誤しているところではないかと思いますので、そこが天下りを規制した先に生じたある種の問題であろうと思われます。  公務員、国家公務員を適格性、いろいろな標準職務遂行能力があるとして採用し、任用しているとすると、その人材をどう社会が生かすかということは、これはやはり考えなければいけないことでありまして、政府の中でも活用するということも考えられますし、より広く社会でそれを活用するということもあり得ると思いますけれども、そこをどうするかということは決定的な解はなくて、様々なところでそういう人材を生かしていく、少なくとも腐らせないということが必要であろうというふうに考えております。

清水敏早稲田大学社会科学総合学術院教授同大学副総長・常任理事

○参考人(清水敏君) この天下り問題全体がどうなっているかということは私よく分かりませんけれども、経験的に私、大学のマネジメントをやっていますから、関係省庁から人をお迎えするということは時々ございます。  そういう意味では、我々の方からも、こういう方に来ていただきたい、こういう仕事を担っていただきたいという形で我々の側の意向というものを十分お伝えをして推薦をしていただくというようなことをやっておりまして、そういうのは天下りと言わないんだと言われると、また違うのかもしれませんが、そういう形で、言わば有能な公務員の方を我々の側としても積極的に活用していくという姿勢は持っておりまして、そういう意味で、受け入れる側としては、本当に活躍していただける方、そして、先ほど牧原先生がおっしゃったように、ここに来て腐ってしまうようでは困りますので、不幸ですので、そういう意味では、辞めて民間に来ていただく方については相当官民の間の意思疎通をやっていくということが必要かなというふうに、これは経験的なことですけれども、そんな感想を持っています。

晴山一穂専修大学法科大学院教授

○参考人(晴山一穂君) 天下りはかつては原則禁止ということになっていまして、二〇〇七年の国家公務員法改正前まではそうだったんですよね。離職前五年間いた職務と密接な関係のある民間企業に離職後二年間は行ってはならない。ただし、人事院が承認した者は例外だという非常に限定付きでしたので、二年たてば行けるし、特殊法人は入っていませんでしたので、特殊法人を経由して天下ったと。  これが非常に批判されていたわけですけれども、原則、天下りは禁止だという原則自体はあったんですよね。それはなぜかというと、やっぱり官と民が癒着して公務をゆがめるんだと。天下りにはそういう弊害があるから原則禁止だけれども、一定の範囲で人事院がチェックしてやりますよと。抜け道がいろいろあったけれども、それなりにやっていたんです。  ところが、二〇〇七年の第一次安倍内閣のときの国家公務員法改正でその規定を全部なくして、省庁ごとにあっせんする天下りは禁止をする。刑事罰まで設けますよということで、安倍さんはあのとき天下りこれで根絶できると、根絶規定だということで改正をしたんですね。ところが、それは省庁あっせんするものを禁止する、あるいは自分から働きかけるのを禁止することであって、そうじゃない天下りというのは逆に野放しになったわけですよ。だから、今でも現実に、じゃ、なくなっているかというと、もう多分もっと増えているんだろうと思うんですね。それは、でも、国公法を通らない形でやっているものなので、私は逆にあれで天下りをもう放任した改正だったというふうに思っているんですが。  だから、天下りを本当に規制するためには、官民癒着の疑いのある天下りは原則禁止だと。ただ、清水さん言われたように、例えば大学の研究者になるとか、そういう癒着の可能性のない天下りというのか、再就職はあり得るわけで、そこはやっぱり第三者機関がチェックをして、人事院がオーケーしたものはいいですよということで、前もやっていたわけで、そこでもまた第三者機関になるんですが、そういう仕組みに私は作り上げるべきだというふうに思っています。

山本太郎各派に属しない議員

○山本太郎君 済みません、二問だけと言ったんですけれども、まだ二分半ほどあるので、もう一問だけ聞かせていただいていいですか。  これ、例え話です。例え話で、この法案に先生方が採決する権利を持っていらしたら、現時点でのこの国家公務員法等の一部を改正する法律案に賛成できますか、賛成できませんか。賛成できない場合は、ここが足らないんだという部分を少し教えていただけると助かります。よろしくお願いします。

牧原出東京大学先端科学技術研究センター教授

○参考人(牧原出君) 採決できる権限があったといたしましても、多少は勉強しておりますけれども、個々の法案のこの細かい部分を議員の先生方のようには知らないということでございまして、私は採決では棄権をいたします。

清水敏早稲田大学社会科学総合学術院教授同大学副総長・常任理事

○参考人(清水敏君) 私も法案の全てを読み尽くしているわけではございませんので、客観的に賛否を問われたときに大変逡巡すると思います。  ただ、私の専門からすると、この法案はまだ不十分なところがあるということですので、それ以外の部分について評価をしなくちゃいけないんですが、それ以外の部分について言うと、私はそれを評価できる立場にございませんので、牧原先生と同じように多分棄権をすることになるかなというふうに思います。

晴山一穂専修大学法科大学院教授

○参考人(晴山一穂君) 私は曲がりなりにも公務員法を専門にしていると言いましたので棄権するわけにいきませんので、これは反対します。

山本太郎各派に属しない議員

○山本太郎君 最後のむちゃぶりまでお付き合いいただきまして、ありがとうございました。  終わります。

水岡俊一民主党・新緑風会

○委員長(水岡俊一君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人の方々に一言御礼の御挨拶を申し上げます。  本日は、長時間にわたり御出席を賜り、貴重な御意見をお述べをいただきまして誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。(拍手)  午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。    午後零時三十三分休憩      ─────・─────    午後一時三十分開会

水岡俊一民主党・新緑風会

○委員長(水岡俊一君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。  この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、石田昌宏君が委員を辞任され、その補欠として堀井巌君が選任されました。     ─────────────

水岡俊一民主党・新緑風会

○委員長(水岡俊一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  国家公務員法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官北村博文君外七名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

水岡俊一民主党・新緑風会

○委員長(水岡俊一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

水岡俊一民主党・新緑風会

○委員長(水岡俊一君) 休憩前に引き続き、国家公務員法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。  まず、菅官房長官に質問をさせていただきます。  安倍政権は公務員制度改革について、省益を排し、官僚が動くために行うんだと述べておられますが、そこで確認なんですが、私は厚生労働省の職員の方が労働者保護の立場に立って仕事をすることはこれは省益のためではないと考えますが、いかがでしょうか。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) まず、安倍内閣の縦割り、省益を排除するためにこの公務員制度改革を目的としている、そのことは私たちはそう思って行っております。  そしてまた、厚生労働省では労働者が働く環境の整備という任務の達成のために労働者の保護の事務をつかさどっていると、このように理解をいたしております。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 その厚生労働行政の重要な労働者保護という仕事について少し疑問を生じざるを得ないことが生まれておりますので、続いて質問したいと思います。  国家戦略特区の特区計画に基づく雇用労働相談センターで活用されるものとしてきた雇用指針というものがあります。これは、国家戦略特区指定の閣議決定はまだこれからですから、そこで特区ごとに特区会議を立ち上げて特区計画を策定するわけです。その上で雇用労働相談センターをどこに置くかということを決めていくわけですが、この特区計画の策定そのものが早くて七月頃になるというふうに聞いております。ところが、四月一日にはこの雇用指針なるものが各都道府県、政令市、それから労働局に、労働基準局長と特区室長の連名で通知をされました。まだ特区指定も決まっていない段階で、なぜ急いでこれを各地に送付したんでしょうか。

大西康之厚生労働大臣官房審議官

○政府参考人(大西康之君) 委員御指摘の雇用指針でございますが、国家戦略特別区域法第三十七条二項に基づきまして策定するものでございます。同項につきましては本年四月一日施行とされております。  また、この国家戦略特別区域法に基づきまして、本年二月の二十五日に閣議決定されました国家戦略特別区域基本方針において、法律の施行日までに諮問会議の意見を聴いてこの雇用指針を作成すると、そういうことにされておりますので、特区法の根拠規定の施行日であります四月一日付けで通知したものでございます。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 まだ、しかし、それぞれの特区の地域指定という、それから、そこにおける特区計画というのはこれからなんですね。  そもそもこの指針は、雇用労働センターで専門家が行う相談、助言活動に活用されることを想定して作成されてきた。にもかかわらず、何か全国の自治体にこれが配られているということになっているわけであります。えらい変わってきたということですね、性格が。  しかも、この指針の内容なんですけれども、これまでの国会答弁では雇用のルールと裁判判例の類型を紹介するとしてきたんですが、私、これ見ますと、今日資料に抜粋で載せておりますけれども、紛争を未然に防止するためにという欄がいろんな項目ごとに入っているんです。その部分だけ抜粋をいたしました。  そこを見ますと、例えば、労働契約書や就業規則に定め、それに沿った運用をすれば紛争を未然に防げるとして、例えば、この一番箱の上の下の方ですけれども、解雇をする場合には、雇用期間その他の事情を考慮して一定の手当を支払うことなどとあります。契約書にこういうことを書き込めば解雇できるというふうに読めるわけですね。  これまで厚労省は、相当の理由がなければ解雇権の濫用になると、整理解雇四要件とか、あるいは能力不足などを理由とした普通解雇も、事業主側が能力発揮への努力をしているかどうかなどが必要だというふうに強調されてきました。解雇というのは厳しい要件が課せられていたんですが、この紛争を未然に防ぐためにという指針の部分だと、そういう厳しい要件は抜け落ちていて、一方で、紛争未然防止のために事業主側の例えば弁護士などが、事業主にこういうやり方がありますよというふうに解雇指南できるような内容になっていると、私には読み取れるわけです。  これ、厚生労働省に確認しますけれども、今年に入ってこの案を作成したということですが、この未然に防止するためにという項、この概念ですね、これまでの労働行政の中でここまで踏み込んで書いたものがありますか。これが一点。それで、作成過程の中で原案の段階からこういうことが入っていたのか、途中から入ったとしたらそれは誰からの要請だったのか、お答えください。

大西康之厚生労働大臣官房審議官

○政府参考人(大西康之君) 委員御指摘の雇用指針におきましては、労働契約に関する裁判例の分析、類型化と併せまして、これに関連する主な制度、あるいはグローバル企業等において特に紛争が生じやすい項目について、紛争を未然に防止するための具体的な助言を掲載しているものでございます。  これは、まさに国家戦略特別区域におきまして個別労働関係紛争を未然に防止するという趣旨に即したものでございまして、こういったものにつきまして、厚生労働省のパンフレット等において何か先例としたというものではございません。  また、この雇用指針の作成の過程につきましてでございますけれども、雇用指針につきましては、労使関係者の意見を踏まえつつ、厚生労働省が中心となって、関係府省が連携しながら政府として策定したというものでございます。  この最初の原案というのがどの時点をもってというのがちょっとよく、まあ何をもって原案というのかは難しいところでございますけれども、この国家戦略特別区域法の趣旨に即して、この紛争を未然に防止するという、こういったことについて必要なものではないかという具合に考えておるところでございます。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 特区に絞ってと言いながら全国に送付しているということ自体がおかしいという点は、さっき指摘しました。  それから、経過ですけど、内閣府と厚生労働省が私の事務所の問いに対して、経過の中で、国家戦略特区ワーキンググループの八田座長などと一月以降三回にわたって相談会を持って、その中で、判例だけでなく紛争を未然に防ぐアドバイスをとの提案があったということを認めています。そういうことですね。事実確認ですが。

大西康之厚生労働大臣官房審議官

○政府参考人(大西康之君) 元々、この国家戦略特別区域法におきましては、国家戦略特区の諮問会議の意見を聴いてというような法律上の規定もございますし、その中で、国家戦略特区ワーキンググループというのは、委員御指摘のとおり、この八田座長がされているわけでございますが、そういうワーキンググループからヒアリングを受けたという事実はございます。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 そのワーキンググループからのヒアリング受ける経過の中で、これが入ってきたんですよ。  八田氏は、三月二十八日、国家戦略特区諮問会議で、この雇用指針では、過去の判例における判断基準を明確化し、その基準に沿ったものを書面で契約することを勧めている、そうした場合は、日本の裁判例はちゃんと尊重してきたという事実を前提として書かれていると発言されています。要するに、契約書面で書かれれば裁判はそれを尊重すると、こういうやり方でやれば、お金さえ払えば解雇できるんだということを書面で契約しておけば裁判でも大丈夫なんだという、そういうことを意味するこれ指針になっているわけですね。  官房長官、伺いますけれども、契約書に書き込めば裁判所もそれを尊重する、あっ、済みません、順番ちょっと変えます、官房長官の前に厚労省に確認しますけれども、そういう書面で書かれれば尊重されると、そういう雇用指針だということでいいんですか。

大西康之厚生労働大臣官房審議官

○政府参考人(大西康之君) 雇用指針では、もちろん労働契約に関する裁判例の分析、類型化と併せまして、これに関連する主な法律、制度とか、特に紛争を生じやすい項目について紛争を未然に防止するための具体的な助言を記載しているわけでございますが、これは解雇権濫用法理等のそういった判例法理を変更するものではなく、個別の紛争に当たってはこれまでどおり個々の事案の実情に応じて司法判断がされるというものであります。  先ほど御指摘の解雇事由等を労働契約書に記載した場合でありましても、個々の事案ごとに、経済とか産業の情勢、あるいは使用者の経済状況や労務管理の状況、こういったものが総合的に考慮されて個別に司法判断がなされると、そういったものと考えております。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 また大事な答弁です。  仮に契約書にこうすれば解雇できますよと書かれてあっても、それが個々の事実に照らして、これまでの判例に照らして認められなければ駄目ですよという立場を今厚労省はお述べになりました。  そうすると、官房長官、この雇用指針のこの部分というのは、これは実態に合わない不正確な内容に私はなっていると思うんですが、今厚労省が述べたことが政府の立場だと、これは共有できますよね。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) これは私の所管外のことでありますので、今日は政府参考人出席していますので、政府参考人が答えるのが適当かと思います。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 じゃ、もういいです。  この八田氏を座長とする国家戦略特区ワーキンググループは官房長官が決裁してできたワーキンググループですので、そういうことも聞いてみたわけですね。  そうしたら、もう厚労省に聞きます。  厚労省は、書面で書いても駄目なものは駄目だとおっしゃいましたので、そうしたらそういうことをちゃんとこの指針にも書かなきゃ駄目だと思うんですよ。読んじゃったら、書面に書かれれば、書いて契約書にサインしてしまったらもう解雇されても仕方がないのかなと思っちゃうんですからね。  そうじゃないんですよということを、これ書いていますか。

大西康之厚生労働大臣官房審議官

○政府参考人(大西康之君) 委員御指摘のとおり、解雇権濫用法理の判例法理を変更するものではなく、個別の紛争に当たっては、これまでどおり、個々の事案の実情に応じ総合的な判断、こういったものが司法でなされるという具合に考えております。  この点につきましては、この指針の総論部分におきまして、本指針に関しましてはあくまでも一般論であり、個々の事案ごとに、経済や産業の情勢、使用者の経済状況や労務管理の状況などを考慮して判断がなされると、こういう記載をしているところでございます。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 その箇所を私も探して見付けましたけど、この分厚い三十八ページの指針の中に本当に二行だけそういうことが書いてあるんですよ。肝腎の太枠で囲んだ未然防止のためにという箱の中にはそういうことは一切ないんですよ。だからいろいろ、じゃ契約に際してとか解雇に際してとか箱の中を見たら、あたかもこれを書面で契約すれば解雇が認められるかのようにそこの部分だけ見れば受け止められかねないんですね。こういうものを私は全国に配るということはいかがなものかというふうに思いました。  それからさらに、この未然に防止するとして述べられている中に、管理職又は相当程度高度な専門職、あるいは高額、あるいは相応の待遇を得て即戦力として、あるいは労働者保護に欠けることがない場合という一応前提は付いているというふうに読み取れるんですが、ここに書いてある今私が述べたケース、それぞれ具体的にどういう人を想定しているんでしょうか。

大西康之厚生労働大臣官房審議官

○政府参考人(大西康之君) 御指摘のあった点につきましては、例えばでございますが、上級の管理者とか高度の専門知識や技能を有する技術者などで、なおかつ、その技術、能力を評価、期待されて特定の職務のために即戦力として採用されているという、そういった方が一つ当たるんではないかと。一般の労働者の労働条件を普通は相当程度上回っており、労働条件の決定においてもかなりこの労働者の交渉力というのが期待できる、そういったものが想定されているところでございます。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 その相当程度というのは、なかなかこれを読んだだけでは分からないんですね。今、名ばかり管理職ということも大変社会問題になっておりますし、ワーキングプア、貧困化が進んでおりますので、例えば年収五百万、六百万円であっても相当の待遇と思われる、これ相対的には。そういう環境だってあるわけですから、具体的にどのような人を想定しているのかという点がこれ読んだだけでは分からないので、使用者側の方が、あなたは専門的な能力があります、即戦力として頑張ってほしい、それなりの待遇しますと、こう言われたら、私はそういうことかなと。そして、書面でもう金銭的な解雇もできるというふうにサインしちゃったら、ああ、これはもう仕方がないのかなと思わせられかねないこれはやはり表現になっております。  そういうことを指摘して、これは、こういうことを、大事な労働者保護の観点が弱く、非常に誤解を招く内容が書かれていることを普及しちゃいますと、結局労働者へのこれは解雇などの説得材料に使われかねない。司法に持ち込まれれば個々に判断されるといっても、労働者はよっぽどのことがなければ裁判に訴えることはできませんから、こういうものが独り歩きしたら、それこそ解雇特区がもう全国に広がっちゃうということになりかねません。  私は、こういうものをまくんじゃなくて、是非労働者にとってもっと大事な情報を提供するべきだと思うんですよ。厚生労働省がちゃんとそういうものを作っておられます。労働基準局監督課が作られた、「知っておきたい働くときのルールについて」というこの冊子を見ますと、これだともう本当に分かりやすいですよ。  労働法とは何だろう、労働法の役割とはということで、働く人というのは給料をもらわなければ生きていけない。したがって、悪い条件でも仕方がないなと思ってしまうこともあるだろう。しかし、こういうふうに全く自由にしてしまうと、実際に立場の弱い労働者にとって低賃金や長時間など劣悪な労働条件の不利な契約内容となってしまうかもしれません。そうしたことにならないよう、労働者を保護するために労働法は定められています。労働法について知識を付けておくことが皆さん自身の権利を守ることにつながりますというふうに、もうそこから、労働法というのは皆さんのためにあるんですよという、いいこれはパンフレットだと私は思いましたが。  一方で、こういう逆の指針を全国にばらまくんじゃなくて、私はもっとこっちの方を積極的に活用する。全国の自治体にこういうものをちゃんと配付して、雇用指針だけじゃなくて、こっちの方もきちっと活用してもらうようにすべきではありませんか。

大西康之厚生労働大臣官房審議官

○政府参考人(大西康之君) 雇用指針につきましては、労使の意見も聴いたということを先ほど申し上げたわけでございますけれども、そうした労働政策審議会においても雇用指針全体が基本的には了解されているものと理解しておりますし、あわせて、その中で、労働者に対しても周知すべきだという御意見もいただいたところでございます。そういった意味で、私どもとしても、労働者保護の観点からそういった周知に努めるというのは大変重要なことだと思います。  そうした中で、委員が御指摘いただきましたパンフレットでございますが、こちらの方につきましても、当然非常に重要な内容が含まれておりますので、雇用指針を活用する際には、委員御指摘のパンフレット含めまして、個別のいろんな労働者の保護のための法制度を解説した既存のパンフレット、こういったものも活用しながら、そういったものが図られるというようなことをしてまいりたいという具合に考えております。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 官房長官、こういうことを是非バランスよくやっていただく必要があると思うんです。解雇指南書ではなくて、労働者保護の立場に立ったこういうパンフレットあるわけですから、官房長官、全体を見渡して、こっちの活用を是非推進していただきたい。いかがでしょうか。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) いずれにしろ、特区のことについては特区の法律に基づいて今雇用指針というものも出されたわけであります。まさにそこには、今政府委員から話がありましたけれども、労使の参画をしている審議会で理解もいただいているということでありますので、また特区は特区として必要なものについてはやはり進めていく必要があるだろうというふうに思いますし、特区を全国に広めるということでなくて、この指針に基づいて自分が特区をやりたいという手を挙げたところから選定をするわけでありますから、全国に広がることは、当初は、特区についてどういう効果があるのかということからまず始めていくという形になるだろうと思います。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 官房長官、ありがとうございました。以下の質問は別の大臣にさせていただきますので、もしよろしければ御退席いただいて結構です。

水岡俊一民主党・新緑風会

○委員長(水岡俊一君) 菅内閣官房長官、御退席いただいて結構でございます。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 続いて、国家公務員の解雇、分限免職について伺いたいと思います。  二〇〇九年十二月三十一日、社会保険庁の解体によって五百二十五名の公務員が分限免職となりました。当時、社会保険庁の職員一万二千五百六十六人のうち、日本年金機構に採用された者一万六十九人、全国健康保険協会に採用された者四十五人、厚生労働省などへ転任になった者一千二百九十三人ということになっておりまして、残る方々は十二月三十一日付けで離職になりまして、そういう方々が一千百五十九人。このうち勧奨退職が六百三十一人、自己都合退職三人、そして分限免職処分、いわゆる整理解雇の方が五百二十五人になったわけです。  この分限免職処分に対して、七十一人の公務員の方が処分の取消しを求めて人事院に申請をされました。昨年五回にわたって判定が出され、昨年の十二月二十日の最後の処分取消しの判定までに四年間の歳月が費やされたわけであります。この結果、七十一人のうち二十五人の分限免職処分が取り消されました。  国が行った処分に対して三人に一人の処分が取り消されるということになったわけですが、事実関係、間違いありませんね。

江畑賢治人事院事務総局公平審査局長

○政府参考人(江畑賢治君) お答え申し上げます。  社会保険庁の廃止に伴います分限免職処分の審査申立てにつきまして、七十一件の判定を行っておりますが、そのうち二十五件が処分を取り消す判定だったということは間違いございません。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 どういうこれは一体処分だったのかと私は率直に思う、取り消されるのはいいことですがね。  それで、取り消されなかった方が今裁判に訴えておられますが、何人かは、その中のお一人、女性の方ですが、免職の処分が承認され、どうして解雇されたのか、その一点に納得がいかない。私としては、一人一人の方が手続さえしておけばもらえるはずの年金がもらえなかった、そんなことにならないよう法制度の範囲内でできるだけのことをやってきたと思います。ところが、社会保険庁というと、年金問題に伴う報道などのために、税金泥棒のようなイメージを持たれている方がたくさんいらっしゃいます。そのため、私は、自らの解雇について周りの方に話をすることもできません。ですが、年金問題によって五百人もの解雇を許していいのかという思いで裁判に踏み切りましたと。  相当年金の問題で社会保険庁の職員の方はバッシングされましたから、こういう整理解雇、分限免職された方も、なかなかそのことを声を上げて言えない状況がずっと続いてきたわけですね。  そこで確認をいたしますが、分限免職のうち、国家公務員法第七十八条四号、「官制若しくは定員の改廃又は予算の減少により廃職又は過員を生じた場合」の免職ですが、つまり、政府の都合と責任で行われた業務の廃止などによる免職の場合は、これは本人に全く責めがないと言っていいと思うんですが、そういうことをやる要件、これまでどう定められているでしょうか。

千葉恭裕人事院事務総局人材局長

○政府参考人(千葉恭裕君) お答え申し上げます。  国家公務員法第七十八条四号は、「官制若しくは定員の改廃又は予算の減少により廃職又は過員を生じた場合」と規定をしておりまして、これに該当する場合には職員をその意に反して免職することができることとなっております。民間における整理解雇につきましては、判例や学説等におきまして、人員削減の必要性があるか、解雇回避のための努力が行われているか、人選の合理性があるか、解雇手続に妥当性があるかといった要素を踏まえまして総合的に妥当性が判断されるものと承知をしておりまして、公務部門における分限免職におきましても、このような考え方を踏まえながら対処することが適当であると考えております。  このような中で、過去に地方公務員関係におきまして、任命権者において被処分者の配置転換等が比較的容易であるにもかかわらず、配置転換等の努力を尽くさずに分限免職した場合には権利の濫用になると判示されている例があるところでございます。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 要するに、配置転換等の努力を尽くさずに分限免職、すなわち解雇を行った場合には権利の濫用となるということでございまして、そこで、二〇〇六年六月の閣議決定で、退職不補充によっても定員の純減が困難な農林統計関係、食糧管理関係、北海道開発関係の組織再編に伴って、二〇〇七年から二〇一〇年度まで四年掛けて全省庁挙げて配置転換を行ったということがあります。その結果、一人の分限免職も出さなかったわけですが、そのときの経過について御報告いただけますでしょうか。

川淵幹児内閣官房行政改革推進本部国家公務員制度改革事務局次長

○政府参考人(川淵幹児君) お答え申し上げます。  先生御指摘の点につきましては、平成十八年六月の閣議決定で、国家公務員の配置転換、採用抑制等に関する全体計画という閣議決定がございます。この閣議決定は、平成十八年に成立いたしましたいわゆる行革推進法に基づきます国の行政機関の定員の純減について、これに基づきまして定員の純減を図るに当たり、関係職員の雇用の確保を図りつつ進めることが重要であるということに鑑みまして、公務能率の維持向上にも十分配慮しながら、退職者不補充によっても純減計画の達成が困難な部門につきまして、平成十九年度から二十二年度の四年間にかけましておよそ二千九百人の職員の配置転換が必要と見込みまして、政府全体で配置転換、採用抑制等の取組を行うということになったものと承知しております。  この四年間の取組によりまして、国の行政機関で二千五百人弱、国の行政機関以外において百人弱の受入れが進みまして、合わせて二千六百人弱の受入れがなったものというふうに承知しております。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 これ、実際は二千九百人余りの配置換えが必要になったんですが、今言われたような努力をやって二千六百人近く配置転換やったわけですね。退職者が何人かは出ましたけれども、分限免職は一人も出ておりません。そういう努力は過去やったんですよ。ところが、今回、社会保険庁の解体に伴うやり方は、分限免職五百二十五人ですから。  実際、そういう分限免職回避努力義務が果たされたのかということですが、私は果たされていないとこの間ずっと指摘してきたんですが、人事院がこの間いろいろな申立てを受けて判定を下した中に、この問題についてどういうふうに総合的に判断されているでしょうか。

江畑賢治人事院事務総局公平審査局長

○政府参考人(江畑賢治君) お答え申し上げます。  処分を取り消した事案の概要について申し上げますと、その取消し事由、必ずしも一様ではございませんが、基本的には、組織の廃止に当たり分限免職処分を行う場合には、処分を行う前提として分限免職回避に向けてできる限りの努力を行うことが求められ、本件については、社会保険庁及び厚生労働省は分限免職回避に向け処分直前まで種々の取組を行ったと認められるが、新規採用を相当数行ったこと、他府省による受入れは金融庁及び公正取引委員会の計九人と限定的なものにとどまっていること、各般の取組の開始時期が遅かったこと等、分限免職回避に向けての取組には不十分な点も認められ、公務部門における受入れ枠の増加は限定的なものであるものの、少なくとも一部増加させる余地はあったと認められると判断したところでございます。  そうした中、地方厚生局等に転任候補者として選考された職員と同等以上の評価を受けたと認められる請求者を処分者が分限免職処分に付したことは、人事の公平性、公正性の観点から妥当性を欠き、取り消すことが相当であるとしたものでございます。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 処分が取り消された方はいますけれども、その前提として、分限免職回避努力が極めて不十分だったというのは、人事院全体がこの社会保険庁の解体に伴う分限免職について結論出したんですね。  稲田大臣に伺いますが、これ政府が閣議決定でやったことなんですよ、社会保険庁の解体は。その中でそういう努力がされずに首切りがされちゃった、大変な思いをされている方がいる。これは是非、政府全体でこういう方々の救済について改めて、今こういう人事院の判定が出たわけですから、何らかの善処をされるべきじゃないかと、これが一点。今後、行革の名において、こういう回避努力義務なしに分限免職が安易にやられるようなことは絶対にあってはならない、そのことを教訓とすべきではないか。二点、お答えください。

稲田朋美自由民主党内閣府特命担当大臣(規制改革)

○国務大臣(稲田朋美君) まず、第一点目の社会保険庁の分限免職問題につきましては、社会保険庁廃止に伴う職員の取扱いについては、当時決定をされた枠組みの中で厚労省において分限免職回避措置について相応の努力はされたものだというふうに思っております。  ただ、今委員が御指摘のように、人事院においてその処分の取消しの判定がなされたわけでありまして、そのような事例に関しては厚労省において適切に対処されるべきであるし、対処されているものというふうに考えております。  二番目の、行革の一環として組織の改編を行った場合、そのような場合にはきちんと職員の雇用に配慮をした進め方をしなければならない、委員御指摘のとおりだというふうに思います。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 最後、確認ですが、処分取消しされた方はちゃんとやってほしいというんじゃないんですよ。分限免職された方全体として、分限免職回避努力義務が不十分だったということが人事院の判定の中に共通して書かれているんですね。だから、取り消した、取り消されない、関係ないんですよ。分限免職を避ける努力がされていなかったというのは大きなことですから、その点で、今救済されなかった方も含めてもう一度善処をされるべきではないかということを申し上げているんです。

稲田朋美自由民主党内閣府特命担当大臣(規制改革)

○国務大臣(稲田朋美君) 本件についての担当は厚労大臣であって、厚労委員会でも大臣が答弁をなさっているところでございます。当時の枠組みの中においては、その分限免職回避の措置を厚労省においてとられたものというふうに認識をしております。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 時間ですので、終わります。

秋野公造公明党

○秋野公造君 公明党の秋野公造です。お役に立てますよう頑張ってまいります。  改正国家公務員法第三十三条第二項第二号には、国家公務員の任用に関しては、新たな行政需要の変化に対応するために行う優れた人材の養成及び活用、これに関する事項が追加をされているわけでありますけれども、内閣総理大臣はこの規定に基づいて採用昇任等基本方針を定めるとありますが、具体的にどのような内容を規定するのか、立法趣旨を明らかにする意味で、稲田大臣にお伺いを申し上げます。

稲田朋美自由民主党内閣府特命担当大臣(規制改革)

○国務大臣(稲田朋美君) 国家公務員制度を社会情勢の変化に対応するために、多様な能力及び経験を持つ優秀な人材の登用を促進していくことが重要な課題となっております。  そのため、法案では、従来、人事院が一元的に担っておりました国家公務員の任用に関する事務のうち、行政需要の変化に対応するための優れた人材の養成及び活用の確保に関する事務を内閣人事局が担い、必要な指針を採用昇任等基本方針に盛り込み、閣議決定することを法定をいたしております。改正国公法第三十三条の二、五十四条第二項でございます。  具体的な内容は、内閣人事局発足後、関係機関と連携しつつ定めていくことになりますが、内閣の重要政策を担う内閣官房長官、内閣人事局長となる内閣官房副長官の下、行政ニーズと行政管理を連携させるとともに、今回、内閣人事局が担うこととなった機能を総合的に活用するとの観点から、幹部人事の一元管理と能力・実績主義の徹底、安倍内閣が進める女性が輝く日本の実現に向けた取組の一環としての女性の活用の促進、政府として求める人材像を明示した人材確保や各省面接の在り方など、任用と採用、採用試験の連携、実効的な人事評価の仕組みの整備、人事評価結果を活用した人材の養成、活用など、任用と人事評価の連携、他府省や国際機関、民間等で勤務経験や研修の受講経験を考慮した任用など任用と育成の連携等に関する指針を盛り込むことを考えております。

秋野公造公明党

○秋野公造君 方向性はそういうことなんだろうと思いますが、先ほども私申し上げましたように、優秀な人材を養成し活用するということは、人事の質が担保されるということが重要であります。  その中で、前回も御指摘を申し上げましたが、やっぱりちょっと私がまだ理解が不十分なのは適格性審査に係るところであり、特に公務外の者に対する適格性審査に対してはどのような内容をこの政令の中で盛り込むべきなのか。  午前中も参考人に対して御質疑をさせていただきましたが、なかなか基準というのは作りにくいということでありました。ならば、人に聞くしかないということになるんじゃないかと思いますが、その具体的な手続というのは政令でしっかり定めるべきと考えますが、改めて稲田大臣にお伺いをしたいと思います。

稲田朋美自由民主党内閣府特命担当大臣(規制改革)

○国務大臣(稲田朋美君) 本法案におきまして、適格性審査に関して、その実施方法等については、技術的な細目的事項であることから、政令で定めることにより行う旨を規定をしているところでございます。  政令の内容については今後検討していくことになろうかと思いますが、前回の委員会において議員から御指摘がありました、第三者、有識者の意見を適格性審査に反映していくということもあり得るのではないかという御提案をいただいたところでありまして、この点も含めまして、特に公務外の適格性審査については、透明そして公正なるものになるよう検討してまいりたいと考えております。

秋野公造公明党

○秋野公造君 この審査なんですけれども、官職の標準職務能力を有することを確認するという定義になっているんですけれども、これ単に標準職務遂行能力を見るだけでは、要は専門的な能力が評価されていないのではないかという問題意識でありますが、この適格性審査においては専門性も重視されるべきではないかと考えますが、大臣の見解を伺いたいと思います。

稲田朋美自由民主党内閣府特命担当大臣(規制改革)

○国務大臣(稲田朋美君) 御指摘のとおり、公務員の専門性というのはますます重要性を増してくるかと思います。  適格性審査は、幹部職員として一般に求められる能力を有しているかどうかを判断するための審査であります。その際の基準としての標準職務遂行能力でございますが、その中には、豊富な知識、経験に基づく判断といった委員御指摘の専門性に着目をした項目、また、強い指導力を発揮し、組織の統制を行うといった業務の管理能力に着目した項目が含まれております。  職員に対する審査では、人事評価を用いて、職務を通じて発揮された専門性を人事評価の結果を通じて確認していくことになり、その際、専門性も判断されることになろうかと思います。他方、公務外の者に対する審査につきましては、当該者の経歴などを参酌をして、専門性などを判断しながら、標準職務遂行能力を有しているかを確認をしていくことになろうかと思います。  いずれにせよ、委員御指摘のとおり、適格性審査においては専門性等も重要な判断要素の一つとなろうかと思います。

秋野公造公明党

○秋野公造君 今回の法案作成に当たっては、恐らく皆さんの調整能力などが最大限に発揮されながらこの法案作成に当たったのではないかと思いますが、特にサービスが現場に近いものになってきたりしますときに、なかなか調整能力だけではうまくいかないようなところもあるかと思います。そういった意味では、この現場の専門性などを高めていただくようなことは、どうかよろしくお願いをしたいと思います。  この適格性審査なんですが、対象となりました部内の職員自身の適格性審査の経過がどうなっているのかということ、あるいは自身が幹部候補者名簿に記載をされているのかどうかということにつきましては、そもそも通知をされているものでしょうか。あるいは、本人が、自分がいわゆる名簿に載っているのでしょうかということを問い合わせれば教えてもらえるような立て付けになっているのでしょうか。伺いたいと思います。

川淵幹児内閣官房行政改革推進本部国家公務員制度改革事務局次長

○政府参考人(川淵幹児君) お答え申し上げます。  御指摘の適格性審査の結果あるいはその幹部候補者名簿の記載についてでございますが、これらにつきましては具体的な人事を行うに当たっての検討過程でございまして、本人に通知すること、あるいは本人の求めに応じて通知することは想定していないところでございます。

秋野公造公明党

○秋野公造君 ちょっと、ついでにという言い方は変なんですが、本人が知らないということでありますが、では、幹部候補育成課程に属しているかどうかということはいかがでしょうか。  つまり、実質的にはこれは幹部職員に登用される第一歩でありまして、育成課程に属することとなったかどうかというのは、その本人のモチベーションなどを考えたりする上でも将来を左右する重要な事項でありまして、こちらは直接通知すべきではないかと考えますが、育成課程から外れる場合も含めてお答えをいただけますでしょうか。

川淵幹児内閣官房行政改革推進本部国家公務員制度改革事務局次長

○政府参考人(川淵幹児君) お答え申し上げます。  幹部候補育成課程の対象者ですけれども、内閣総理大臣が定める統一的な基準の下、各大臣等が一定の勤務期間後に本人の希望及び人事評価に基づきまして随時選定するということとしております。また、引き続き対象者とするかどうかにつきましても、人事評価に基づき定期的に判定することとなります。具体的なこの内閣総理大臣の基準につきましては現在検討中でございますが、この判定の結果につきましては、その本人の自覚を促す観点等から本人に対し通知する方向で検討をいたしております。  また、課程対象者に選定されない場合でございますけれども、希望したにもかかわらず結果が分からないということは望ましくないというふうに考えられるので、選定されない場合についても、職員が求める場合には本人に選定の結果あるいはその理由を説明する方向で現在検討しているところでございます。

秋野公造公明党

○秋野公造君 ありがとうございます。  任免協議についてちょっと伺いたいと思いますが、任免協議においては、日頃から各府省において、誰が何をよく知っているか、つまり課題を把握し、幹部職員のふだんの働きぶりを一番近いところで見ている大臣がやっぱり私は主導的な役割を果たすべきではないかと思っています。  懸念されることは、大臣がせっかく取りまとめた人事案が任免協議で修正されるようなことがありますと、各府省の業務を統括する大臣のリーダーシップが弱まって人事に対する信頼性も損なってしまうのではないかということを懸念いたしますが、この点について稲田大臣の見解を伺いたいと思います。

稲田朋美自由民主党内閣府特命担当大臣(規制改革)

○国務大臣(稲田朋美君) ただいまの委員の御質問は、任免協議を入れることによって大臣のリーダーシップが損なわれるのではないかという御質問です。  任免権自体は今回の改正でも大臣にあります。ただ、今回導入をいたしました任免協議は、任免権者たる大臣が作成した人事案について大臣と内閣総理大臣及び内閣官房長官が任免協議を行うこととしていまして、各大臣のあくまでも任命権を前提とした仕組みでございます。国家公務員法第五十五条の任命権は各大臣に属するという規定は、今回の改正でも変更はありません。  局長級以上の幹部職員については現在も内閣による承認が行われているところでございますが、任免協議では、部長級以上の幹部職員の人事案について複数の視点によって確認が行われることにより、政府全体として客観的かつ公正に適材適所の人事配置を目指すことを法律上明確にするものでございます。  協議である以上、任命権者である大臣の意向を無視して人事案について成案を得るということはないというふうに思いますが、今御指摘の点も踏まえ制度が的確に運用できるように努めてまいりたいと考えております。

秋野公造公明党

○秋野公造君 大臣、安心をいたしました。  大体、今日は懸念するところ全部聞かせていただきました。時間が少し余っておりますが、終わりたいと思います。  ありがとうございました。

難波奨二民主党・新緑風会

○難波奨二君 民主党の難波奨二でございます。  少し質問も小さい部分があるかと思いますが、よろしくお願いしたいと思います。  公務をめぐる改革を振り返ってみますと、大きな政府から小さな政府へと、こういう議論が先行しまして、官から民への流れ、そして政府機関が独立行政法人に移行していくとか、こういうどちらかというと行財政改革というものが先行してきたように思うんですよね。付随をする今回の法案でございますけれども、公務員制度の改革というのは、確かに、その採用とか任用とか試験とかこうした問題、あるいは官民の交流とか、そんなことも随時改革というのはなされてきましたけれども、どちらかというとダイナミックな改革というのはなされてきていなかったんじゃないかというふうに私は認識をしております。  そこで、御質問をさせていただきたいと思いますけれども、この国家公務員制度というのは、行政、国政を支える基盤となる制度というふうに思いますけれども、公務員制度とはいかなるものかという大臣の御認識をまずお伺いしたいというふうに思います。

稲田朋美自由民主党内閣府特命担当大臣(規制改革)

○国務大臣(稲田朋美君) 行政を担っている国家公務員についてのその制度、そして改革というのは、まさしく行政の基盤でありますし、行政が効率的に、そして効果的に運用されるためにも、この国家公務員制度改革というのは大変重要な行政における核となる制度であるというふうに認識をいたしております。

難波奨二民主党・新緑風会

○難波奨二君 今大臣の方からもございましたけれども、公務員制度というのは行政を支える重要な基盤なんだと、そして、国民の負託に応えていく、そういう公務員像をつくっていくんだということでございます。  その上で申し上げますと、やはりこの公務員の制度というのは硬直的であってはならない。また、近代化といいますか、こうしたことも必要なんだと思いますね。柔軟性を持ったやっぱり制度というものを随時構築していかなくちゃならない、改革をしていかなくちゃならないということなんだろうと思います。  これはちょっと古い話になって大変恐縮でございますけれども、平成二十一年の二月十四日の新聞のインタビュー記事でございますが、当時、麻生内閣の甘利行政担当大臣が新聞で答えられておられるんですけれども、今の公務員制度は制度疲労を起こしている、二十一世紀型に変革しないと日本が世界から取り残される危機感があると、このように申されておられるわけですよね。  そこで、お伺いするわけでございますけれども、大きく社会経済の環境が変化してまいりました。グローバル化もそうでございます。そして、東日本大震災という未曽有の災害も起きたわけでございますが、大臣は、現行のこの公務員制度、どこにどのような問題点があるか、どのように御認識されているか、お伺いしたいと思います。

稲田朋美自由民主党内閣府特命担当大臣(規制改革)

○国務大臣(稲田朋美君) 一つは、今回の法案の目的である行政の縦割りの弊害を排するということであります。  これはもう既に戦前からずっと行政の縦割りの弊害を言われてきましたが、右肩上がりの日本であれば、それぞれの省庁がそれぞれの省益を背負って政策を立案し実行していって、総合的に国益に合致すると、そして日本経済も日本も発展していくという時代はもう終わっているのではないかというふうに思います。  そして、今まで経験しなかったような少子高齢化社会であったり、財政再建の必要性であったり、また、省庁縦割りでは解決できない、例えばTPPのようにもうほとんど全ての省庁の問題が関わるようなそういう外交課題であったり、そういったものを解決するには、やはり省庁の縦割りの弊害を排さなければならない。  それと、やはり、国家公務員が自分の能力を高めつつも、自分の仕事に誇りと使命感を持って、そして国益のために、国民のために頑張っていくことができる、そういう公務員制度というものをつくる必要があろうかというふうに考えております。

難波奨二民主党・新緑風会

○難波奨二君 御指摘のとおりだというふうに思います。  そして、午前中の参考人質疑でもございましたけれども、この人事制度含め公務員制度の改革というのは極めて慎重にやっぱり取り扱うべきというのが参考人の方の共通した御意見であったというふうに思いますし、まだこの法案には足らずがあるということも御指摘をなされておられるわけでございまして、それは労働基本権の問題をおっしゃっておられるわけでございますけれども、そういう現状にあるということでございます。  そこでお伺いしたいというふうに思いますけれども、公務員制度改革のスタートですね、端緒というのは、いわゆる橋本行革から遡ることができるというふうに思っております。  具体的に申し上げますと、橋本総理自らが会長となられました、平成九年十二月三日に最終報告がなされました行政改革会議は、公務員の労働基本権の在り方については幅広く専門的な検討を行うことが重要であるというふうに、もうこの時点でこのように御指摘をなされております。  また、平成十二年の十二月一日に閣議決定されました行政改革大綱においては、平成十三年一月六日を期して行われる中央省庁新体制の発足に臨み、公務員制度の抜本的改革を行うとされているところでございます。  そこで御質問でございますけれども、省庁再編が実施される直前の行政改革大綱における指摘を始め、二〇〇〇年代でございますけれども、以降課題となってきたこの公務員制度改革が、この政府提出法案が三度も廃案になったわけでございまして、極めてそういう意味では不幸といえば不幸な法律というか、全体的な共有の認識とか合意が得られないという非常に難しい、悩ましい問題であるというふうに私も理解をしておりますけれども、なぜ今日まで三度の廃案というような事態が起きる状況になったのか、稲田大臣の御見解をお聞きしたいと思います。

稲田朋美自由民主党内閣府特命担当大臣(規制改革)

○国務大臣(稲田朋美君) 大変難しい質問なんですが、なぜ廃案になりここまで来たのかという御質問ですが、委員御指摘のとおり、橋本行革のときにも、この公務員制度改革の必要性、そしてその大きな提言もなされたわけであります。  ただ、この公務員制度改革に関する考え方は、今回の法案の審議でもそうですけれども、議員によって、また政党によって、有識者によって、学者によって、重大な改革であるがゆえに様々な御意見があります。なかなかそれを一つにまとめていくというのも難しいし、ただ、平成二十年に国家公務員制度改革基本法というプログラム規定ができて、それに基づいて三度法案が提出をされたわけでありますけれども、そのいずれも、様々な議論があったり、またそのときそのときの政治情勢も絡んでいたかというふうに思いますけれども、労働基本権の問題、また人事院勧告制度の問題、そしていろいろな点についての議論が合意に至らず法案が成立しなかったものというふうに認識をいたしております。

難波奨二民主党・新緑風会

○難波奨二君 いいところまでは来ておったんですよ。そして、スタートもそれは間違いじゃなかったんですよね。ところが、政権の交代とかいろんなこともありました。そうしたことも理由の一つかも分かりませんけれども、やっぱりこれは国民的な当然課題でもありますし国家的な課題であるわけでございますから、各党と合意ができるような努力をやはり今後も政府は続けていかなくちゃならないんだろうというふうに思うんですね。  そのことは申し上げまして次の質問を行いますけれども、国家公務員制度改革の基本法というのは、今も大臣の方からございましたが、第一次安倍内閣の平成十九年四月二十四日に閣議決定されました「公務員制度改革について」が指摘しました、引き続き公務員制度の総合的な改革を推進するため基本方針を盛り込んだ法案が結実したものと承知しておるところでございますが、今回提出されましたこの法案の中に、国家公務員制度改革基本法が定める目的、基本理念、国の責務、改革の基本方針との関係に関わる認識、これはどのように稲田大臣お持ちか、お伺いしたいと思います。

稲田朋美自由民主党内閣府特命担当大臣(規制改革)

○国務大臣(稲田朋美君) 委員御指摘になりましたように、第一次安倍内閣で具体的に始まった公務員制度改革が、平成二十年の国家公務員制度改革基本法というプログラム法で結実をいたしております。  そして、今回の提出をしております私たちの法案も、この二十年の改革基本法の一条の理念に基づきまして、また、五条以下の規定された改革の基本方針に即してそれぞれ改革項目を法案化したものでございます。

難波奨二民主党・新緑風会

○難波奨二君 今の答弁のとおりでございまして、第一次安倍内閣で自ら御提起なされた基本方針、これが法案化されて、現在の基本方針も成立をしたわけでございまして、第二次安倍内閣においてもやっぱり責任を持って、第一次内閣でやられたわけでございますから、第二次内閣でやっぱり責任持ってこれを具体化、そして実現をしなくちゃならないというふうに思うんですね。これも総理の言われる戦後レジームの私は一つじゃないかと思うんですよ、公務員制度のこの改革というのも。  是非とも、その重大な安倍内閣としての責務があるというこの私の問いに、大臣の決意をお聞きしたいと思います。

稲田朋美自由民主党内閣府特命担当大臣(規制改革)

○国務大臣(稲田朋美君) まさしく、今回の改革は第一次安倍内閣において始められた国家公務員制度改革の延長線上にあるというふうに認識をいたしております。  また、第一次安倍内閣において、総理自ら戦後レジームからの脱却の中核にこの国家公務員制度改革があるのであるということもおっしゃっておりましたし、そしてその延長線上に二十年の改革基本法があり、その一条にある公務員が自らの能力を高めつつ国家国民のために邁進することができる制度、そして行政の縦割りの弊害を排して政府一丸となった人材戦略を策定するという趣旨を体現するために今回改革の法案を提出させていただいた次第でございます。

難波奨二民主党・新緑風会

○難波奨二君 重ねて申し上げておきますけれども、どうか強いリーダーシップを持って取り組んでいただきたいというふうに思います。  次でございますけれども、法案の検討過程におきまして、政府は昨年六月二十八日に決定した「今後の公務員制度改革について」では、平成二十一年の麻生内閣時に提出したこの法律案というものを基本として制度設計を行うと、このように御決定をされておられるわけでございますが、平成二十一年法案以降、民主党政権下では、政府法案及びこれに対する自民党、公明党さんを始めとする対案修正、これがございまして変化してきたわけでございますけれども、平成二十一年法案を基本としたこの意味合いを大臣にお伺いしたいと思います。

稲田朋美自由民主党内閣府特命担当大臣(規制改革)

○国務大臣(稲田朋美君) 私、就任をいたしましてから第一次安倍内閣で始めた公務員制度改革を、それを形にしたいという思いで、平成十九年以来の検証、そして二十年の基本法に基づいた法案を提出するということを決めて、その上で、三回の出された法案について検証し、また有識者の意見交換を続けてきました。そして、その中で、やはり平成二十一年に甘利大臣のときに出されたこの二十一年法案が最も二十年の基本法にも即していて、それを基本として、その後の状況の変化によって変えた部分もありますけれども、それを基本に提出をしようというふうに考えた次第でございます。

難波奨二民主党・新緑風会

○難波奨二君 二十一年法案を基本として今回の法律というのは作られたということでございますけれども、その中で具体的な措置という項目があるわけでございますが、これは二十一年法案と同様なものとなっているのか、また異なっているとすれば、相違している事項ですね、どのようなものがあるのか、お聞かせ願いたいと思います。

川淵幹児内閣官房行政改革推進本部国家公務員制度改革事務局次長

○政府参考人(川淵幹児君) お答え申し上げます。  今回の法案は、平成二十一年の法案を基本といたしまして、基本法の条文に即し、近年の公務員をめぐる状況、環境の変化を踏まえて立案したものでございますが、相違点でございますが、具体的には、一つが、東日本大震災を受けました迅速かつ機動的な人材配置の必要性の高まりを踏まえまして、緊急時における任免協議の特例に係る規定を追加したこと、これが一つでございます。  それから、二つ目ですが、内閣人事局の機能移管につきまして、近年の労働基本権をめぐる議論の状況等を踏まえまして、職員の勤務条件への配慮や人事行政の公正確保についての配慮をより明確に反映する方向で修正を行ったところでございます。  また、三番目といたしまして、過去に多数の政治的任用が行われ批判があったことを踏まえまして、国家戦略スタッフにつきましては、内閣総理大臣補佐官として五名以内を置くこととしたこと、また政務スタッフにつきましては、大臣補佐官として大臣が特に必要な場合に限り各大臣に一名を置くことができることとしたところでございます。  以上のような見直しは行いましたが、今回の法案は、幹部人事の一元管理の目的である内閣の重要政策の実現などのための戦略的人材配置を実現すること、また、内閣人事局における総合的人材戦略の推進によって、公務員が責任を自覚し、誇りを持って職務を遂行できる体制を実現するという今回の改革の目的に照らしては十分なものとなっているというふうに認識しております。

難波奨二民主党・新緑風会

○難波奨二君 それでは、内閣人事局と人事院の関係につきましてお伺いをしたいというふうに思いますが、例えばでございますけれども、平成二十一年法案では、内閣が政令を定めるに当たってあらかじめ人事院の意見を聴くと、このようにされておったわけでございますけれども、今回の法案は、政令を定めるに当たって、あらかじめ人事院の意見を聴き、指定職の号俸決定、級別定数に関しては人事院の意見を尊重すると、このようになっております。  内閣人事局への事務権限等の機能移管を中心とした措置が平成二十一年法案とこのように相違することになった理由、つまり、意見を聴く、意見を尊重する、この違いがあるわけでございますが、この心といいますか中身をお教えいただきたいと思います。

川淵幹児内閣官房行政改革推進本部国家公務員制度改革事務局次長

○政府参考人(川淵幹児君) お答え申し上げます。  今回の法案化の過程につきましては、各方面から、人事行政の公正確保それから職員の勤務条件の確保の重要性に関する指摘が多くなされたところでございます。このため、今回は人事院とも協力いたしまして、これらに対する配慮を法律上明確化するために、平成二十一年法案を基本としつつ、内閣人事局の機能に必要な変更を行ったところでございます。  ちょっと具体的に申し上げますと、任用につきましては、内閣人事局が任用の基準全体を担うというふうにしていたものを、行政ニーズの変化に対応するための優れた人材の養成及び活用の確保に関する機能は内閣人事局が担うと、また公正な任用の確保に関する機能は人事院が担うこととするといたしております。また、御指摘の級別定数でございますけれども、内閣人事局が人事院の意見を聴いて設定、改定するというふうにしていたものを、人事院の意見を十分に尊重するということにいたしました。  このように、内閣人事局と人事院との間で適切な役割分担をすることとしているところでございます。

難波奨二民主党・新緑風会

○難波奨二君 つまり、分かりやすくお聞きいたしますけれども、人事院の権限といいますか、権能というものがより強くしたと、強くなると、そういうことでよろしゅうございますか。

川淵幹児内閣官房行政改革推進本部国家公務員制度改革事務局次長

○政府参考人(川淵幹児君) 強くなると申しますか、委員御指摘のとおり、二十一年法案との比較で申し上げたことでございますけれども、今回の法案は、繰り返しになりますが、各方面からの人事行政の公正確保、それから職員の勤務条件確保の重要性に関する指摘を踏まえまして、今申し上げたような見直しを行ったということでございます。

難波奨二民主党・新緑風会

○難波奨二君 じゃ、次の質問をいたしますけれども、今回の法案では、人事院から内閣への意見、この関係があるわけでございますけれども、新たに措置されます人事院規則の制定改廃に関する内閣総理大臣及び登録職員団体からの要請、このことについてお伺いをいたしますけれども、人事院規則は、法律の委任に基づき、人事院が自らの権限で制定改廃することができるものとされています。今回、内閣総理大臣又は登録職員団体が新たに要請を行えることとした意義、これをお伺いしたいと思います。

川淵幹児内閣官房行政改革推進本部国家公務員制度改革事務局次長

○政府参考人(川淵幹児君) お答え申し上げます。  今回の法案に盛り込みました内閣総理大臣による人事院規則の制定改廃の要請でございます。  政府全体の人材戦略を推進する使用者としての内閣総理大臣が中立機関としての人事院に対して要請を行う仕組みを法律上新設するものでございます。これによりまして、中央人事行政機関相互の意思疎通が深まり、緊密な連携の下、より良い人事行政が実現していくものというふうに考えております。  また、これに対応する形で、職員の代表としての職員団体が人事院に対して人事院規則の制定改廃の要請を行う仕組みについても法律上新設することとしたところでございます。  これらの規定によりまして、人事院が労使双方から話を聞いた上で人事院規則について検討を行うというバランスの取れた仕組みとなっているものと考えております。  なお、これらの要請の仕組みでございますが、第三者機関である人事院の位置付けに影響を与えるものではありませんで、人事院を法的に拘束するものでもないということでございます。

難波奨二民主党・新緑風会

○難波奨二君 そこで、引き続きお聞きするわけでございますけれども、今回の、今の制定改廃に関する要請の案件について、内閣総理大臣とそして登録職員団体の扱いというのは、これはもう労使平等、対等でございますので、公平でなくちゃ当然ならないわけでございます。  そこで、人事院規則の制定改廃の要請について、人事院は労使の意見や要望というものを十分に聞いて、その是非にかかわらず、両者の納得を得られるように努力をしなくちゃならないと、このように考えるわけでございますけれども、要請を法定化するということになれば、当然といたしまして、人事院は、登録職員団体からの要請を内閣総理大臣の要請と同等に真摯な対応、公平感ある対応をしなくちゃならない。これは極めて重要だというふうに思うわけでございますけれども、人事院はそのような考え方をお持ちということでよろしゅうございますか。

永長正士人事院事務総局総括審議官

○政府参考人(永長正士君) お答え申し上げます。  改正法案第二十三条の二に基づく内閣総理大臣の要請、それから第百八条の五の二に基づく職員団体の要請、これは、使用者の立場たる内閣総理大臣又は職員団体としての、それぞれの立場からの意見表明でございます。  今事務局からも御答弁申し上げたとおり、それ自体の法的効果といたしましては、中立第三者機関としての人事院の判断を拘束するものではございませんが、法律に基づくものでございます。要請を受けた際には、人事院といたしましては、人事院規則の制定又は改廃について、その要否を含めまして、真摯に検討を行うことになります。

難波奨二民主党・新緑風会

○難波奨二君 是非とも、最後ございましたけれども、真摯な対応を重ねてお願いをしておきたいと思います。  その要請でございますけれども、人事院規則の定めるところによりと、このようにあるわけでございますが、その趣旨及び具体的に人事院規則に定める内容、これはどのようなものをお考えになっておられるのか、お聞きしたいと思います。

永長正士人事院事務総局総括審議官

○政府参考人(永長正士君) お答え申し上げます。  お尋ねの登録職員団体からの職員の勤務条件についての人事院規則の制定改廃に係ります要請に関する人事院規則、これにつきましては、その内容でございますが、要請の手続でありますとか、要請を受けた際には速やかに公表と法律で書いてございます、その公表の方法などを定めることを想定しております。

難波奨二民主党・新緑風会

○難波奨二君 次の質問に移りますけれども、国家公務員制度改革基本法と今回提出されましたこの法案の関係でございますけれども、これまで措置されたもの、そして法案において措置しているもの、そして残された課題という形で三つのカテゴリーに分かれるというふうに思いますが、時間がもう余りございませんので、残された課題ですね、これはどういうものがあるのか、お答えをいただきたいと思います。

川淵幹児内閣官房行政改革推進本部国家公務員制度改革事務局次長

○政府参考人(川淵幹児君) お答え申し上げます。  今回の法案によりまして、基本法が求めるもの、おおむね措置されることになるものと考えておりますが、引き続き残された課題としては、基本法十二条にあります自律的労使関係制度の措置があるというふうに承知いたします。これまでの経緯を踏まえれば、多岐にわたる課題がありまして、これを措置することについてはいまだ国民の理解が得られるような段階にはなく、引き続き慎重に検討する必要があるというふうに考えております。

難波奨二民主党・新緑風会

○難波奨二君 今ほどございました自律的労使関係制度というのは置いてけぼりにされたわけでございまして、ここでお伺いをするわけでございますけれども、この問題の前提となる国家公務員制度改革基本法第十二条ですね、今もございました。当時の政府原案は、「政府は、国家公務員の労働基本権の在り方については、協約締結権を付与する職員の範囲の拡大に伴う便益及び費用を含む全体像を国民に提示してその理解を得ることが必要不可欠であることを勘案して検討する。」と、このようにされていたわけでございます。ところが、自公民の三党による共同修正によりまして、「政府は、協約締結権を付与する職員の範囲の拡大に伴う便益及び費用を含む全体像を国民に提示し、その理解のもとに、国民に開かれた自律的労使関係制度を措置するもの」と、このような形に変化をしてきたわけでございます。  そこで、大臣にお伺いをいたしますけれども、政府原案、これ基本法十二条制定当時でございます、この政府原案、そして今申し上げたように国会修正、そして成立というふうな流れが手順で踏んできたわけでございますが、その大臣の変化の経過の御認識と、また、政府原案と成立した条文との関係でございますが、具体的にどのような違いがあるのか、御認識をお伺いしたいと思います。

稲田朋美自由民主党内閣府特命担当大臣(規制改革)

○国務大臣(稲田朋美君) 国家公務員制度改革基本法については、平成二十年四月に内閣提出法律案として国会に提出され、衆議院における法案修正、参議院における附帯決議を経て、平成二十年六月六日に自民党、公明党、民主党などの賛成多数により成立し、六月十三日に公布をされました。  基本法第十二条については、内閣提出法律案では政府が国家公務員の労働基本権の在り方について検討すると定めておりましたが、法案修正により、政府に対して自律的労使関係制度を措置することを求める法文になったというふうに承知をいたしております。

難波奨二民主党・新緑風会

○難波奨二君 つまり、三党合意によってこの基本権というものは大きく前進をさせると、こういう意味合いがやっぱりあったというふうに思うわけでございます。  そこでお尋ねをいたしますけれども、今回の法案に、先ほど役所の方からもございましたけれども、自律的労使関係制度、これが措置されなかった理由、これを大臣、何度も国会で答弁されておりますけれども、改めてちょっとお聞きしたいと思います。

稲田朋美自由民主党内閣府特命担当大臣(規制改革)

○国務大臣(稲田朋美君) まず、十二条は、協約締結権を付与する職員の範囲の拡大に伴う便益、費用を含む全体像を国民に提示して、その理解を得て、また国民に開かれた自律的労使関係制度を措置するものとするというふうに規定をされております。  その自律的労使関係制度に関しましては、民主党政権下で平成二十三年六月に国会に提出をされた国家公務員制度改革関連四法案が廃案となった経過、また、その後の状況、環境の変化等を踏まえれば、多岐にわたる課題があるのではないかというふうに考えております。また、私の下で昨年開催をいたしました今後の公務員制度改革の在り方に関する意見交換会では自律的労使関係についてかなり多くの様々な意見もいただきましたし、まず、それに対して心配する意見もございました。  それらの経過を鑑みて、自律的労使関係制度につきましては引き続き慎重に検討する必要があるというふうに考えて、本法案では措置をしないこととしたわけでございます。

難波奨二民主党・新緑風会

○難波奨二君 大臣答弁のポイントは二点に絞られるんだろうと思いますけれども。  この間の、私、ずっとお話ししてまいりましたように、政治的には手順を踏んで、内閣の意思決定の下に、そしてまた国会での審議の下にこの問題というのは手順を踏んで進んできたわけですよ。そして、今大臣おっしゃいましたけれども、今国会でも大臣お答えになっておられますけれども、その後の状況や環境の変化があったんだと、このように一点申されているんですよね、その後の状況や環境の変化があったということ。もう一つは、多岐にわたる課題があると、このように何度もお答えになっておられるわけですよね。  重ねてお伺いいたしますけれども、この今二点をもう少し具体的に、国民の皆さんがいろんな意見があるとかそんな話じゃなくて、もう少し、どう言いますか、法律のまさに真髄になるような、そういうちょっと御答弁をいただきたいと思いますけれども。

稲田朋美自由民主党内閣府特命担当大臣(規制改革)

○国務大臣(稲田朋美君) まず、平成二十三年六月に出された改革関連四法案、これについてもこの十二条の基本権の問題は課題になったかと思います。そして、廃案になった後に、十二月に政権交代がありました。また、平成二十五年十月十八日に与党の方から、国民的議論を踏まえて引き続き慎重に対処すべきであるというような申入れがなされているところでございます。さらに、平成二十五年十二月三日の臨時国会の会期中には自公民三党で、「自律的労使関係制度について、国家公務員制度改革基本法第十二条の規定に基づき、職員団体と所要の意見交換を行いつつ、合意形成に努めること。」というような附帯決議もなされております。これらの経過があったということをまず申し上げました。  また、意見交換会でどのような意見があったかというと、やはり公務員の労使関係には民間に見られない特殊な点もあり、短時間の間に何か変えようというと副作用も多く、この問題については慎重に時間を取りながら少しずつ検討をすべきではないかという意見など、また、労使関係が安定している時期になぜ協約締結権の問題を提起されるのか理解できないなど、否定的な意見も結構あったということを指摘したわけでございます。

難波奨二民主党・新緑風会

○難波奨二君 くどく私もお聞きしたくないんですけれども、私二点というふうに申し上げましたが、この問題が前進をしないどのような環境の変化があったのかということですよね。それが政権交代だとおっしゃられるのなら、それも、大臣、答弁の一つなんですよ。だけど、それは私は違うと思いますよね。手順を踏んでお話ししてきたとおりなんですよ、流れは。多岐にわたる課題というのは、これは国民の皆さんの声だけじゃないと思うんですよね。その辺がちょっと明確にならないと、国会での審議というのはずれちゃうんですよ。そこを改めてちょっと、大臣、お聞きしたいと思います。

稲田朋美自由民主党内閣府特命担当大臣(規制改革)

○国務大臣(稲田朋美君) 政権交代は関係ないというふうにおっしゃったわけですが、その前にこの四法案も廃案になっているという事情もあります。また、国民的議論を踏まえて引き続き慎重に対処すべきであるというふうに与党からの申入れもあるところであります。  また、意見交換会では、有識者の方々から公務員の労使関係の考え方についていろいろと意見を伺いました。主な意見としては、公務員の労使関係については、憲法の規定等から、民間のように労使の当事者間の利害調整だけでは完結しない部分があり、国民の利益も考慮した枠組みが必要である。また、労使交渉に係る費用と得られる便益は実際の労使関係により変化し得る相対的なものである。  また、第七回では、使用者、職員団体双方からヒアリングを実施して、それぞれの立場から幅広い御意見をいただきました。使用者側からの主な意見は、労使交渉の長期化による業務執行への影響に留意すべきであるとか、先ほど私が申し上げた意見もありました。ただ、職員団体の方からは、労使関係について民間の制度と同様にすることが基本であるとか、労使交渉によって職員の納得性が高まってパフォーマンスが高まるのではないかというような様々な意見交換がなされたところであり、現時点で法的な措置をするにはまだ慎重な検討が必要だというふうに考えた次第でございます。

難波奨二民主党・新緑風会

○難波奨二君 済みません。もうかみ合いませんが、議論はかみ合いません。時間がないんで、次に行きますけれども。  この基本法にある便益及び費用を含む全体像を国民に提示すると、このように記載をされておるわけでございますが、現政権において、今申し上げました便益及び費用を含む全体像を国民に提示をなされたのかどうかと、この事実関係をお聞きしたいと思います。

川淵幹児内閣官房行政改革推進本部国家公務員制度改革事務局次長

○政府参考人(川淵幹児君) お答え申し上げます。  委員御指摘の便益及び費用の点でございますが、稲田大臣の下で開催いたしました意見交換会におきましても、有識者それから使用者、職員団体の双方から、これらの点に関しても幅広い御意見をいただいております。  代表的な意見といたしましては、労使交渉に係る費用と得られる便益は実際の労使関係によって変化し得る相対的なものではないかということ、また、労使交渉の長期化による業務執行の影響に留意すべきであるということ、また一方では、労働条件について、労使交渉で主体的、自律的に決定することにより、職員の納得性が高まり、士気が向上することで組織全体のパフォーマンスが高まる、こういった御意見もございましたが、いずれにいたしましても、幅広い御意見があったということでございます。  これらに鑑みまして、便益及び費用を含む全体像を示して国民の理解を得る段階ではないというふうに判断して、引き続き慎重に検討していく必要があるというふうに考えているところでございます。

難波奨二民主党・新緑風会

○難波奨二君 じゃ、かいつまんで申し上げますけれども、広く国民にそういう議論があるものだから、今私がお尋ねした便益及び費用を含む全体像というのは国民に提示することが今はできる段階ではないということでよろしゅうございますか。

川淵幹児内閣官房行政改革推進本部国家公務員制度改革事務局次長

○政府参考人(川淵幹児君) お答え申し上げます。  そのように考えているところでございます。

難波奨二民主党・新緑風会

○難波奨二君 分かりました。非常に残念ではありますけれども。  それでは、次の質問でございますけれども、今回の法案では内閣人事局は、当分の間、国家公務員制度改革の推進に関する企画及び立案等に関する事務をつかさどると、このように記載をされているわけでございますが、今、随分議論してまいりましたこの基本法十二条についても内閣人事局が責任を持って検討すると、こういうお考えであるということでよろしゅうございますか。

稲田朋美自由民主党内閣府特命担当大臣(規制改革)

○国務大臣(稲田朋美君) 委員おっしゃるとおり、基本法第十二条に定める自律的労使関係制度に関しては、内閣法附則第三項に基づいて内閣人事局において所掌することとなるというふうに認識しております。

難波奨二民主党・新緑風会

○難波奨二君 続けて関連の質問でございますけれども、法案では、内閣人事局長は内閣総理大臣が内閣官房副長官の中から指名する者をもって充てると、このようにされております。これまでは担当の責任者は大臣が、稲田大臣がなされてこられたわけでございますが、今度内閣官房副長官の中から指名するということになりますと、副大臣級の方が責任者となることも想定をされるわけでございます。また、事務の官房副長官、この就任もあり得なくはないわけでございまして、少なくとも政府における政治的責任が後退をすることなく対応をしていただきたいと、このように思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。そのような考え方でいいかどうか。

稲田朋美自由民主党内閣府特命担当大臣(規制改革)

○国務大臣(稲田朋美君) 今御指摘のとおり、内閣人事局の局長は内閣官房副長官の中の一人が充てられることとなっております。そして、十二条は、この基本法に定められている政府の責務でありますので、政府全体として検討していくことは法律上の責務であろうかと考えます。

難波奨二民主党・新緑風会

○難波奨二君 それでは、最後に申し上げておきたいというふうに思いますが、ILOの勧告も数次にわたってなされております。その内容というのは、ILO第三百五十四次報告、これは二〇〇九年六月でございますけれども、本委員会は、日本が批准した八十七号条約と九十八号条約に示されている結社の自由の原則の実行に必要な措置を効果的かつ遅滞なく実施することを目的として全面的な社会対話の促進を確保する措置を継続するよう求めた政府への前回の勧告を強く繰り返す、このようにあります。これは、合意すべき内容、目的を明確にした上で手段としての対話を重視しているということと私は承知しておるところでございますが、引き続き、政府におかれましては、ILOに対する適切かつ誠実な対応を政府に求めておきたいと思います。  また、法令を遵守した業務の遂行というのは職員は当然のことであるわけでございますが、しかし、それに依拠して事務に従事していることのみで公務の責任が果たされるというものではありません。労使が公正な職場秩序の確立を通じて常に業務についての疑問や問題点を協議して事務内容等を不断に見直すことは、国民の視点に立った公務運営を図ることの重要性に寄与するものであるというふうにも考えております。まさに自律的労使関係制度が今後の厳しい行財政運営の基盤となるものと信じるところでございます。  労使関係を、一方的な対立の構図として捉えるのではなく、組合に対して、その社会的責任の自覚等、少なくとも公務サービスを充実するための活動の重視を求め、労使が共に政策業務を充実する欠くことのできないパートナーとして捉えるよう促す、そのためにも自律的労使関係制度の確立が不可欠であるということを申し上げまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。

佐藤ゆかり自由民主党

○佐藤ゆかり君 自由民主党の佐藤ゆかりでございます。  国家公務員法等改正案について、今日は法案審議をさせていただきたいと存じます。  国家公務員の制度の在り方というのは、絶えず歴史的に改正の対象になってきたわけでございまして、特に、この財政が逼迫する我が国日本の現状にありまして、公務員制度の在り方、そしてより国民目線で、効率的で、そして質の高い行政サービスの確保に向けました制度改革というのは極めて重要である、その中での今回の法改正であるというふうに理解をいたしております。  まず、国民の皆様方の前で確認をさせていただきたいと思いますが、我が国日本の場合には、国家公務員というのは、当然ながら国民一般の利益を考慮して職務に当たるもの、そして、その公務員給与については、当然国民の税負担でありますから公務員の勤務条件は国会が専権的に決議し執行する、そういう法律的な根拠が憲法上規定されているわけでございます。  この具体的な憲法上の規定について、国民の前で確認をさせていただきたいと思います。上川総務副大臣、お願いします。

上川陽子自由民主党総務副大臣

○副大臣(上川陽子君) 御質問の憲法上の規定ということでございますけれども、憲法の第十五条第二項におきまして、公務員は国民全体の奉仕者であるとされております。さらに、憲法第七十三条第四号によりまして、官吏に関する事務を掌理する基準は法律で定めることとされているところでございます。これを受けまして、一般職の国家公務員の給与につきましては、国家公務員法第六十三条等におきまして法律により定めることとされているところでございます。  この点につきましては、いわゆる全農林の警職法事件の最高裁判決におきまして、公務員の給与の財源は国の財政とも関連して主に税収によって賄われるということでございますので、その勤務条件につきましては、全て政治的、財政的、社会的、その他諸般の合理的な配慮によりまして、民主国家のルールに従い、立法府において議論の上決定されるべきものとされているところでございます。

佐藤ゆかり自由民主党

○佐藤ゆかり君 まさにそのとおりでありまして、国民主権の民主主義におきまして、公務員の勤務条件については国会で一義的に、専権的に決議をするということだと思います。  そこで、今回の法案でございますけれども、衆議院の法案審議におきましては附帯決議が採決されております。このいわゆる自律的労使関係に関する附帯決議でございます。  一般的に、この自律的労使関係でございますが、これはどういうことかと改めて復習でございますが、労使が職員の勤務条件について真摯に向き合い、当事者意識を高め、自律的に勤務条件を決定し得る仕組みに変革をし、時代の変化や新たな政策課題に対応し、主体的に人事給与体制の改革に取り組むことにより、職員の意欲と能力を高め、有為な人材を確保、活用することと、これが、当初、平成二十二年十二月の国家公務員制度改革推進本部の事務局の資料の中でうたわれた考え方であったわけでございます。  こうした自律的労使関係について、今回附帯決議で合意形成に努めることというような趣旨の内容の附帯決議が衆議院で議決をされたわけでございます。これは国会の議決ではございますけれども、稲田大臣、もし政府側としてこの附帯決議付与の経緯について御存じでしたら、少し御説明を願いたいと思います。

稲田朋美自由民主党内閣府特命担当大臣(規制改革)

○国務大臣(稲田朋美君) 衆議院での修正、附帯決議の経緯は、国会、政党間でなされたもので、具体的にどのようなやり取りがあったかということについては承知をいたしておりませんけれども、昨年十二月三日に自民党、民主党、公明党が閣法の修正案や附帯決議すべき事項について合意された後、本年二月二十一日に自民党、公明党、民主党により閣法の修正案を提出され、三月十二日に衆議院内閣委員会で附帯決議が議決されたというふうに承知をいたしております。

佐藤ゆかり自由民主党

○佐藤ゆかり君 ありがとうございます。  この自律的労使関係については、民主党政権に替わりましたその頃に、やはり公務員制度改革につきましていろいろな物の見方が当時吹き荒れていたという状況にあったと思います。これは決して公務員制度の改革について、選挙絡み、政治絡みで物事を考えるべきではないと私は思うわけでございますが、当時はあいにく選挙の前というような状況もございまして、ともすれば公務員制度を改革するんだというような声も先行し、それは正しい議論も中には当然あるわけでありますが、そういう中で自律的な労使関係というものが概念としていつの間にかどこからか入ってきたというふうに私も記憶しているわけであります。  そこで、この自律的労使関係といいますと労働基本権になるわけでありますが、仮に労働協約権が付与された状況を想定いたしたいと思います。この場合に、団体交渉で締結した協約内容が結果としては、手続上、我が国の憲法上の規定では、今確認しましたように、協約内容が国会決議で審議をされるわけでありますけれども、その国会決議の結果、場合によっては否決をされたり、あるいは修正をされたり、そういう可能性も残す憲法上の規定に我が国はなっているわけでございます。  そうしますと、一方でこの自律的労使関係というものを仮に付与する制度構築をしたとしても、そこで公務員の方々の労働基本権という権利を約束をしたとしても、そこの権利を行使して結果として締結された協約が国会の決議によって否定若しくは修正されると、国会の権利というのは憲法上保障されているわけでありますから、この日本の我が国の制度的な話の中ではともすれば二つの、相反するとまではいきませんけれども、二つの独立した権利をどう並立させるかと、そういう議論を私どもは行っているわけでございます。  そこで、この締結した協約の中身が憲法上の制度の下で国会決議で否決又は修正され得る現行制度の下で、あえて協約権というものを付与する意義について、もし大臣の御所見があればお伺いしたいと思います。

稲田朋美自由民主党内閣府特命担当大臣(規制改革)

○国務大臣(稲田朋美君) まず、自律的労使関係制度という言葉は、平成二十年のこの基本法の審議の中で、国会の修正の中で出てきた言葉でございます。そして、その定義については先ほど委員御指摘になられました。そして、その具体的な制度設計については、いろいろな制度設計が考えられるというふうに思います。ただ、どのように措置しようとも、公務員の労使関係は、先ほどの憲法十五条の全体の奉仕者であるという規定、そして、公務員の地位の特殊性に鑑みると、その勤務条件について国民の代表から成る国会の関与というものは当然に必要となろうかと思っております。  今御指摘になった締結された協約に基づいて内閣が提出した法律案が国会において修正又は否決されることがあり得る、御指摘のとおりだというふうに思います。そして、そのような場合に、協約締結権に係る労使交渉に一体、ではどのような意義があったのかという点についても、この自律的労使関係制度の制度設計に当たって論ずべき、検討すべき論点の一つではないかなというふうに思っております。  いずれにいたしましても、この自律的労使関係制度については、御指摘の点も含めまして多岐にわたる課題があって、引き続き慎重に検討する必要があろうかというふうに思っております。

佐藤ゆかり自由民主党

○佐藤ゆかり君 まさにそのとおりだと思います。大臣御答弁くださいましたように、公務員の方々の労働基本権という権利と、それを上回る憲法上の国会の決議という権利、これをどう整理していくかということは、非常に長い議論を要する問題点ではないかというふうに私も認識をするわけでございます。  そこで、少し切り口を変えまして、労働協約権そのものについて、私は問題が少し運用上もあるような気がしてなりません。  例えば、現在は労働協約権というのは付与されていないわけでございまして、そうはいっても、公務員の方々は、職員団体、登録団体としては労使の交渉をすることはできるようになっているわけでございます。労使交渉をしても、これは協約権ではありませんので法的拘束力はないわけでございますけれども、しかしながら、いろいろな職員団体というのが存在する中で、職員団体に入っている公務員の方々と未加入の、入っていない方々と、それぞれお立場があるわけであります。  そこで、問題となりますのは、公務員の方々の勤務条件の統一性、その職員団体に入っている、いわゆる労働組合に入っておられる方々が職員団体で労使交渉をして一定の話合いの結果を結実させたとしても、その職員団体に全く入っていない公務員の方々も一方でおられると。こういった方々は、労使交渉の結実した結果をメリットとして得ることができるのかできないのか。これは外国によって扱いも違うわけでございますが、我が国においてはこういった不均等な結果になり得ないものですから、結果としては、勤務条件の統一性というものを確保するために最終的には人事院の勧告というものがあるわけでございます。  人事院の勧告が毎年夏に出まして、それを受けまして公務員の給与法改正案が臨時国会に提出をされ、そしてそれが成立すれば、その当該年度、四月に遡って給与改定が行われると。そしてまた、同時に、その給与法改正案の中身を受けまして、次年度の予算要求にも新たな給与水準を予算要求するというような流れになっているわけでございますが、この現行制度における統一的勤務条件の確保におきまして、人事院勧告の意義について、内閣から独立した行政機関としての人事院の意義について御答弁いただきたいと思います。人事院の方でも結構でございます。

永長正士人事院事務総局総括審議官

○政府参考人(永長正士君) お答え申し上げます。  議員御指摘のように、国の行政機関におきましては、職員団体に加入していない職員が多い、それから複数の職員団体が存在する、さらには各省によっていろんな状況が様々であるという、こういう実態がございます。統一的な勤務条件を決めるための協約締結権について議論を行うということになれば、職員団体の交渉当事者としての代表性、これをいかに確保するのかと、こういった重要な論点がある、こういったことにつきましては、ほかには、例えば市場メカニズムが働かない、そういうことでありますとか、先生今御指摘にあったような使用者側の当事者能力、こういった問題などとともに、これまで人事院としても問題提起をしてきたところでございます。  人事院勧告の位置付けでございます。国家公務員につきましては、民間とは異なり、労働基本権が制約され、その給与は法律で定められております。このため、労働基本権制約の代償措置として設けられました人事院勧告、これは国家公務員に対し社会一般の情勢に適応した適正な給与を確保する、こういった機能を有するものでございます。  この勧告を行うに当たりましては、人事院は、民間準拠を基本として、各府省の人事当局、さらに職員団体などの要望、意見を聞きながら、給与水準の改定を始め俸給制度、諸手当制度の改定について検討を行っております。  人事院勧告は、職員団体への加入の有無にかかわらず、労働基本権が制約される職員を対象としております。勧告に基づく給与法の改正によりまして、先生おっしゃいますように、国家公務員の勤務条件の統一が確保されているところでございます。

佐藤ゆかり自由民主党

○佐藤ゆかり君 今御答弁いただきました中に重要な点がございましたが、それは、要するに、人事院勧告というのは、いわゆる労働基本権が制約をされている公務員という立場の方々に対して人事院勧告が必要であるということでございまして、逆に言いますと、労働基本権が制約されていなければ、労働基本権が付与されていれば逆に言いますと人事院勧告も要らなくなるというような状況ではないかということでございます。  ですから、そうしますと、仮に自律的労使関係というものを措置した場合に、あくまでこれは理念上でありますけれども、理念上は、この独立した人事院勧告等、こういったものは必要なくなるというふうになるわけでありますが、ただ、実際には、これ運用上は極めて混乱を来すということだろうというふうに思います。  今御答弁の一部にもありましたけれども、労働基本権を付与することによる便益とコスト、先ほど来大変議論の対象になっておりましたけれども、便益の方は、公務員の方々にやる気を抱いていただいて意識改革をして、そして質の高い行政サービスの提供につなげていくということだと思いますけれども、コストの方もかなり多大になってくるということだと思います。これは先ほど、午前中の参考人陳述にもあったとおりでありまして、この労働協約権を付与することによってかなりその協約に至るまでの交渉プロセスにおけるコストが多大になる可能性があるという御指摘が参考人の中からもあったとおりでございます。  それはどういうことかと申しますと、配付資料を御覧いただきたいと思いますが、これは一覧表でありまして、国家公務員の方々が登録、加入をしておられます職員団体、いわゆる労働組合の登録状況を昨年の三月三十一日現在で示した一覧表でございます。  各省庁、上は内閣府からずっと下がって会計検査院、その他まであるわけでございますが、二十五年三月三十一日現在でこの登録職員団体数総計が千四百八十団体も存在いたします。大変多くの数が政府の中に、この団体が存在をしているわけでありまして、一番多いのは、御覧いただきますと、財務省七百九十九団体、組織人員数三万九千二百七十六人、組織率六四・五%。次が国土交通省四百四十四団体、組織人員数一万八千三百六十一人、組織率四九・二%。少ないのになりますと、例えば経済産業省、僅か三団体、千二百二十八人、組織率一七・七%と。要するに、省庁によって組織率も六〇%以上のところから二〇%以下のところまでまちまちというのがこれ現状でございます。  そうしますと、先ほど来私が問題提起をしています、やはりこの勤務条件の統一性の確保、これを、仮に、理念上、労働基本権を付与することによって、第三者機関若しくはこういう人事院のような機能を果たす機関が理念上必要がなくなるわけでございますけれども、果たしてそういうものなしに、これだけ組織率も違う政府内の省庁を、統一勤務条件というものをどのように図るのか。これについて何かお考えがあれば、稲田大臣にお伺いしたいと思います。

稲田朋美自由民主党内閣府特命担当大臣(規制改革)

○国務大臣(稲田朋美君) まさしく、今委員が御指摘になったような点、それが今回、その自律的労使関係を提起するに当たって便益及び費用を含む全体像を国民に提示するために、協約締結権を付与する職員の範囲をどうするのか、また、便益及び費用をどのように示すのかについて検討しなければならず、それが難しい点であるというふうに認識をしています。

佐藤ゆかり自由民主党

○佐藤ゆかり君 まさに大臣、難しい点であるというふうに御指摘くださいました。実際そうだと思います。  実はこういう、先ほどの一覧表でありますけれども、団体についても、大方は連合か全労連、これが大きな職員加入数を持っている団体ではあるわけでございますが、こういった各々の系統の職員団体についても、省庁横串で、そのそれぞれの系統で交渉に当たって調整をしていく可能性というのはあるんだろうと思いますけれども、それぞれの職員団体の異なる職員団体同士で政府との折衝に当たる事前調整をするということはほとんど考えづらいわけでございます。  といいますのは、事前に個別の、別個の連合体が交渉をするということになれば、そもそも別個に連合体が存在する意義がなくなるわけでございますから、通常はそれぞれ違う利害を持って連合体が存在しているわけでございますから、事前交渉というのは可能性として少ないのではないかと思われるわけでありますから、そうしますと、統一的な基準を引き出すには相当のコストが掛かる。  そうしますと、先ほど来の便益とコストの比較でありますけれども、便益は質の高い行政サービスの確保というようなものがございますけれども、私はこれほどのコストを掛けてまでその便益を獲得するよりは、やはり内閣人事局を中心とした主導型の人事管理、そして人材育成も含めて、こういったところで十分にうたわれた便益というものがより低コストで確保できるのではないかというふうに考えるわけでございます。  稲田大臣、もし御所見があればお答えいただければと思います。

稲田朋美自由民主党内閣府特命担当大臣(規制改革)

○国務大臣(稲田朋美君) 今、委員が御指摘になりましたように、協約締結権を付与する職員の範囲をどうするのか、また全体像を国民に提示するためには、それだけではなくて、便益及び費用について国民が理解をいただけるような形で提示することを検討していかなければならないというふうに思っております。  そういう意味で、自律的労使関係制度の具体的な制度設計というのは、職員の範囲をどう規定するかによっても変わり得るものであって、その意味からも、便益及び費用の範囲について現時点でお答えすることは大変困難であり、その全体像を示して国民の理解を得る段階ではないと判断をして、引き続き慎重に検討する必要があると考えております。

佐藤ゆかり自由民主党

○佐藤ゆかり君 そのとおりだと思います。  先ほど来、この一覧表を使わさせていただいておりますが、このように、これだけ多数の職員団体が存在する、そして組織率もかなり上から下まで各省庁によってまちまちである。中で勤務条件の統一性を確保するために、曲がりなりにも、また第三者機関を設けるとか、そういうことで調整機能を外に求めるというようなことになれば、やはり原点に戻って、そもそも協約締結権付与の意義そのもの自体が損なわれるということになるわけでありますから、やはり制度的に何となく私はこの議論は自己矛盾を来しているのではないかなというようなおそれを感じるわけでございます。  さらに、労働基本権付与によりまして若干懸念されますのは、この協約権の行使によって締結した給与水準などが給与法改正で法律上措置をされたといたします。しかしながら、何らかの財政的逼迫が生じて、次年度の予算編成で、この改正された給与法の中身がそのまま予算要求できないような、そういう事態も場合によっては考え得るわけでございますが、仮に労働基本権で付与されて守られた公務員給与水準というものが、その場合に弾力的な調整が難しくなって、極端な話、結果として政策的経費の方に第一義的な予算減額の措置のしわ寄せが及んでくるようなおそれがないかどうか、稲田大臣、いかがでしょうか。

稲田朋美自由民主党内閣府特命担当大臣(規制改革)

○国務大臣(稲田朋美君) 十二条の協約締結権の付与を含む自律的労使関係制度については、様々な制度設計が可能であるというふうに思います。  御指摘になられたように、労使間で締結された協約に基づいて、内閣が提出した法律案が国会において成立したその後に予算の大幅削減が求められた場合の公務員給与の取扱い、民間準拠に基づく人事院勧告制度をどのように考えるかについても重要な論点の一つになろうかというふうに思っております。  いずれにいたしましても、そういう多岐にわたる論点、課題がありまして、引き続き慎重に検討する必要があるというふうに考えております。

佐藤ゆかり自由民主党

○佐藤ゆかり君 今大臣の御答弁にございましたように、結局、急な財政的逼迫の要因が生じて予算要求額が減額措置をしなければならないとか急な事態への対応を考えますと、何らかの調整機関、これまでであれば人事院の人事院勧告とかで改定をする勧告が出るですとか、そういう措置があれば調整はしやすいんだろうと思います。ただ、立て付けとして、労働基本権を付与して人事院が要らないんだと、理念上ですね、そういうことになればそういう調整機関すらなくなってしまうわけでございまして、どのように対処していくかという問題が非常に私は懸念をされるわけであります。  結論としまして、こういう問題意識、いろいろな課題があると思います。特に争議権なき協約締結権の付与なわけでありますから、そういう問題と、労働交渉が不調の場合に中央労働委員会の仲裁を仰ぐのかどうかという労使関係の問題というのもありますし、さらにその後、仮に協約が締結されたとして、その後に国会議決を仰ぐ手続があると、その結果、議決で内容が覆される可能性をはらんでいる等々、これらの観点をいろいろと考慮をいたしますと、協約締結権そのものの制度的な整合性というものが危ぶまれるこれは構想ではないかなというふうに私は危惧をいたします。  そういう意味で、国家公務員制度改革基本法第十二条で自律的労使関係の構築というものをうたっているわけでございますけれども、この基本法第十二条を私は将来的には削除を検討する、そして削除を検討して、内閣人事局主導の下で人材育成や人事管理というものを一体的に行って公務員の意識改革や質の高い行政サービスの提供に努める制度の方が、便益の確保ができる一方でコストは低いということでより明確に国民的な理解を得やすい制度設計になるのではないかというふうにも考えるわけでありますが、これは将来的な道筋として、十二条の削除、大臣はいかがお考えでしょうか。

稲田朋美自由民主党内閣府特命担当大臣(規制改革)

○国務大臣(稲田朋美君) 今日委員が様々な課題を提起をされまして、そういったこともありまして、政府は、十二条の自律的労使関係制度に関しては、多岐にわたる課題があって、引き続き慎重に検討する必要があるというふうに考えております。ただ、この基本法十二条の自律的労使関係制度に関しましては、平成二十年のこの基本法の政府提案では政府は検討するということになっていたのを、国会による法案修正で、政府に対して自律的労使関係制度を措置することを求めるものに国会修正でなったという経緯もございます。  いずれにせよ、慎重に検討してまいりたいと考えております。

佐藤ゆかり自由民主党

○佐藤ゆかり君 ありがとうございました。これで私の質疑を終わります。     ─────────────

水岡俊一民主党・新緑風会

○委員長(水岡俊一君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、秋野公造君が委員を辞任され、その補欠として新妻秀規君が選任されました。     ─────────────

堀井巌自由民主党

○堀井巌君 自由民主党の堀井巌でございます。  本日は、内閣委員会にて質問の機会を得られましたことを大変光栄に存じ、感謝を申し上げます。  国家公務員制度改革についてこれまで何度も議論がなされましたが、頓挫をしてまいりました。しかしながら、今般成案がまとめられ、衆議院で可決をされ、今参議院で審議が行われるに至っております。これまでの稲田大臣のリーダーシップ、そして政務三役の皆さん、関係職員の方々の尽力に心から敬意を表したいと思います。非常に重要な問題ですから、これは様々な意見、与野党内、あるいは与党の中、あるいは政府部内でもあったろうと思います。その中での御尽力に心から敬意を表します。  中で、時間もございませんので、私は、労働基本権問題について質問したいというふうに思います。  国家公務員制度改革において、仮にこの自律的労使関係制度措置、すなわち労働基本権の回復という言葉を使われる方もいらっしゃいます。具体的には、端的に言えば、労側に労働協約締結権を付与するというこのことについては、今の日本のこの法制あるいはこの基本法の中では地方公務員にも同様の措置がなされるということが予見されるわけであります。  すなわち、三十万人弱の国家公務員、非現の国家公務員のみならず、二百万の地方公務員にも当然これ影響してくるということで、国、地方を通じた公務員制度全体の中でどのような変化が生じていくのかというのを考えることが重要であるというふうに思います。  付言するならば、地方公共団体、今千七百余ございますが、そちらではもう既に国以上に労使交渉が行われ、その中で、真摯な交渉の中で給与決定あるいは勤務条件の決定も相当程度行われているという、そのことも実態としてあるわけでございます。  このことに関して、労働協約締結権の付与に関して、まず地方団体の方の使用者側からは、この労使関係のバランスに変化が生じるということで懸念の声が一様に示されています。すなわち、労側に権限を付与するわけですから労側が強くなるということで、本当に円滑な労使の交渉結果がまとまるのかという懸念もございます。  また、労側の方は、もちろんこれは権限を付与してもらう、これは好意的な意見も多いかと思いますが、一部には、人事院勧告やあるいは人事委員会の勧告という国民に一定の理解を得ているものを横に置いて、労使の交渉で決まったことでその理解や納得が住民の方に果たして得られるんだろうか、ひょっとしたらその水準や仕組みについてもどうなんだろうか、理解得られるんだろうかと、このような心配の声も私も直接耳にしたところでございます。  また、住民、国民の方からは、やはりこの公務員の給与を中心とした勤務条件については様々な厳しい御批判があることも事実でございます。多くの団体においては労使交渉、真摯に行われていますけれども、一部の団体においては、やはりその交渉の方の結果として例えばいわゆるわたり等の不適正な運用が行われ、批判を受けてきたという、こういう経緯もございます。  私は、なぜこれ前進しないのか、一番のポイントは国民のやっぱり理解を得られていないということだろうと私は思っています。今、労使交渉の中で、要するに今一定の信頼と理解を得られている、支持も得られているこの人事院勧告だとかあるいは人事委員会の勧告というのをやめて、労使で交渉して、しかもその労の側に労働協約締結権を付与するということが、今の給与決定以上により一層国民の信頼と納得を得られるような結果をもたらすのかということについてのまだまだ国民の理解が得られていないんだろうというふうに思うんです。私は、まず、今でも労使交渉が行われている、この現在の労使交渉が国民の十分な理解と支持を得られると、よし、じゃ、その次に自律的労使関係制度の措置ということもいいじゃないかと、こういう話もあり得るかもしれない、まだそれに至っていないんではないかというふうに私は思うわけであります。  この自律的労使関係制度の措置については、私は慎重に検討していくことが必要だというふうに考えておりますが、これまでも、大臣もその点、慎重に検討していくということをお述べになっておられまして、私も全く同感でありますが、改めて御見解をお聞かせいただきたいと思います。

稲田朋美自由民主党内閣府特命担当大臣(規制改革)

○国務大臣(稲田朋美君) 先生が御指摘になりました地方公務員の労働基本権の問題につきましては、改革基本法附則第二条で、「国家公務員の労使関係制度に係る措置に併せ、これと整合性をもって、検討する。」というふうに定められております。  民主党政権では、平成二十三年六月に国家公務員制度改革関連四法案が提出されたことを受け、地方公務員の自律的労使関係制度について、全国知事会を始め地方六団体から、地方の特性や多様性が考慮されず国家公務員の制度を基本とする制度設計となっていることの問題や、いまだ議論が尽くされていないとの意見が示されたことは承知をいたしております。  また、私が昨年開催をいたしました意見交換会でも、有識者又は実務者から、国家公務員の制度が地方公務員の制度に与える影響について十分に配慮すべきなどの意見もいただいているところであります。  何度も答弁しておりますが、この問題、多岐にわたる課題があり、引き続き慎重に検討する必要があり、その際、地方公務員制度に与える影響など、地方自治体の懸念についても十分に配慮をしていかなければならないと考えております。

堀井巌自由民主党

○堀井巌君 ありがとうございます。  地方公務員に対する視座もお持ちの中で御検討いただける、大変感謝を申し上げます。  次に、じゃ現行制度の下でどのように勤労者である公務員の権利をしっかり守っていくのか、私は代償措置、これ非常に重要だというふうに思うわけでございます。  歴代内閣、殊に自民党政権、そして今のこの自公政権は一貫して人事院勧告等に見られる労働基本権制約の代償措置、これをしっかりと尊重していくという姿勢を保ってまいりました。ところが、労側の一部からは、これはちょっと私、最初はよく分からなかったんですが、例えば人事院勧告でも、余りこれはそこに立脚しない方がいいんじゃないかという意見があったり、あるいは今回も、級別定数の人事院による意見の申出についても、その部分についての努力をできるだけ限定的にした方がいいんじゃないかというような思いの意見も一部見られるというふうに私は感じております。  恐らく、自律的労使関係制度を措置してほしいという立場からすれば、政府が、こういう代償措置の部分について内閣が責任持たないよ、尊重しないよということであれば、やはり基本権を措置して労使交渉で決めていくしかないじゃないかという流れになっていくという、恐らくそのような考え方も中にはあるのではないかと。これは私がそのように推察しているわけでありますが、いずれにしても、現行制度の下でしっかりと基本権制約の代償措置を守っていく、人事院勧告あるいは今回の級別定数に係る人事院の意見、これを尊重していくというこの基本姿勢に変わりがないかどうか、端的に大臣にお答えいただきたいと思います。

稲田朋美自由民主党内閣府特命担当大臣(規制改革)

○国務大臣(稲田朋美君) 今、憲法二十八条の勤労者の中に公務員が含まれており、この代償措置、人事院の担う代償措置の機能というのは憲法上の要請でもあるというふうに考えております。でありますから、人事院が引き続き担う労働基本権制約の代償機能の重要性については、引き続き政府としてその重要性を認識をして運用していくべきであるというふうに考えております。

堀井巌自由民主党

○堀井巌君 ありがとうございます。  人事院総裁お見えでございますので、今度は、勧告なり代償機能を発揮する立場として、その重要性についての御認識、お伺いしたいと思います。

原恒雄人事院総裁

○政府特別補佐人(原恒雄君) 人事院勧告制度につきましては、最高裁の判例でも述べられているように、憲法上保障された労働基本権制約の代償措置でございまして、公務員にとって適正な給与等を保障するための重要な制度であるところでございます。公務員の給与改定は勧告に基づいて行われる必要があるというふうに考えてございます。  政府におきましても、人事院勧告について、現在、ただいまお答えがございましたが、労働基本権が制約されている現行制度においては人事院勧告制度を尊重することが基本であるという考え方に立ってその取扱いを決定していただいているところでございます。  今般の級別定数に関する意見につきましても、級別定数は勤務条件の側面を持つものでございますので、労働基本権制約の下におきましてはこれまでと同様に代償機能が確保される必要があります。人事院の意見は労働基本権制約の代償機能として位置付けられる重要な機能でございますので、法律上十分尊重されることとされており、その運用におきましても、人事院が提出する意見につきまして内閣人事局がそれに基づいて設定、改定を行うことが基本になるものと考えているところでございます。こういった形により代償機能が確保されることになると考えているところでございます。

堀井巌自由民主党

○堀井巌君 ありがとうございました。  これから新制度が導入されましたら、人事院の役割というのも、例えばこの級別定数については、これまで決定をされてこられた立場から今度は意見を述べる立場に変わるわけであります。しかしながら、私は、この新しい制度が円滑に国民に信頼される制度としてきちんと機能していくためにも、人事院におかれても新しいこの制度の下でしっかりとした役割を果たしていただきたいと、このように期待するものでございます。  私、級別定数というのは、公務員をしているときに級別定数表見たことがございます。ざあっと数字が羅列してあるようなものだったというふうに記憶をいたしております。  例えば、給与の勧告の場合でも、給料表だけをぱっと見せるわけじゃなくて、そこにあるきちんと考え方をしっかりと書かれて、内閣総理大臣始め国会に対してもしっかりと丁寧に考え方を説明しておられて、説明責任を果たしておられるというふうに思うわけでありますけれども、今度のこの意見の有無につきまして、今まで決定する立場ですからぱっと数字だけで各省に、はいと、こういうことでいいのかもしれませんが、これからは、意見を申し出て、それを今度は内閣総理大臣が判断をしていくということになりますので、また、これは内閣総理大臣だけではなくて国会あるいは国民も、ああ、これは代償機能がきちんと発揮されているなと、勤労者である国家公務員に対してもそうであると思いますけれども、そういったことが極めて重要であるというふうに私は思うわけであります。  改めて人事院総裁にお伺いしたいんですけれども、とにかく、この今度の新しい役割におかれましても、これまで人事院勧告等で培ってこられたような工夫等も生かしながら、丁寧で分かりやすく、様々な各方面にもその考え方がきちんと分かるような形でその意見を申し述べていただければと期待いたしますが、いかがでございましょうか。

原恒雄人事院総裁

○政府特別補佐人(原恒雄君) 今回の法案におきまして、級別定数の設定、改定に係る機能は内閣人事局に移管されることになります。労働基本権制約の下におきまして、これまでと同様、代償機能が確保される必要がございます。人事院といたしましては、代償機能を確保すべく、運用を含めてその役割を十全に発揮してまいりたいと考えているところでございます。  級別定数の改定、設定に当たりまして、御質問にありましたように数字の羅列でございまして膨大な資料になってございますが、これまで人事院は毎年、定数改定の方針や改定の考え方を各府省にお示ししてきたところでございますが、今後とも、級別定数の設定、改定案を策定し、意見として提出するに当たりましても、その考え方を各方面にお示ししてまいりたいと考えている次第でございます。よろしくお願いいたします。

堀井巌自由民主党

○堀井巌君 間もなくこの新しい公務員制度がこれから導入されていくことが期待されるわけですけれども、私はこの新しい制度が、結局、制度を運用するのは人でありますので、人の知恵と努力によって、国民に信頼される、また公務員にも信頼、支持をされるすばらしい制度になるように、是非とも引き続きの御努力をお願いしたいと思っております。  特にこの人事権、これは組織マネジメントを行う上での私は最大の権力と言ってもいいかと思います。六百人という数字を、六百人の人事が一元で行われると聞いたときに霞が関の方でも多分そこはかとない不安があったことも、私は今でもあることも事実だろうというふうに思います。  これは決して何も、霞が関の職員の方々が各省別人事、縦割り人事を続けてほしいとか、その次元で捉えているんではなくて、やはり日本の公務員制度、特に人事に関しては情実人事というものをできる限り排して、政治的な中立性ですとか公正性というものを担保しながらやってきたという、一人一人の中にもやっぱり誇りと自信があるんだと思います。これまで政権交代も日本は経験しましたですけれども、そういった中でもこの公務員の官僚組織というのは、円滑にしっかりとそれぞれの時の政権を支えながら、また継続性もしっかりと担保しながら仕事をしてきたということがあったんだと思います。  先日、参議院の国の統治機構に関する調査会で、参考人でありました石原信雄参考人にそのことについて、六百人の人事についての要諦を私が尋ねましたところ、それぞれの省庁の意見を十分に参考にしていただきたい、あるいは、もうくれぐれも思い付きで行われることがあってはならない、官僚諸君が国政に全力で取り組むことができるような環境をつくるということがどの内閣にとっても重要なことだ、信頼関係が失われないようにしてほしい、これはもう十分御理解をいただいた上で今ここまで進めていただいておると思いますけれども、そういった先人の方々の声をしっかりとこれはみんなで受け止めながら、みんなでいい制度にしていくということが重要だというふうに私は思っております。  これ通告していませんけど、もし感想がございましたら大臣に一言お願いをして、私の質問を終わりにしたいと思います。

稲田朋美自由民主党内閣府特命担当大臣(規制改革)

○国務大臣(稲田朋美君) 今議員が御指摘になったように、この公務員制度改革については、先人の議論の積み重ねの上に、またその理念の下に今回改革法案を提出をするわけですが、その入れ物を作ってもその中に魂が入らないと、またその理念に合った運用がなされないとせっかくの改革も無駄になると思いますので、今国会で委員の先生方からいただいた議論をきちんと生かして制度を運用してまいりたいというふうに思っております。

堀井巌自由民主党

○堀井巌君 ありがとうございました。終わります。

江口克彦みんなの党

○江口克彦君 みんなの党の江口克彦でございます。  稲田大臣に御質問をさせていただきます。  今般の国家公務員制度改革は、人事管理を通じて官僚の縦割りの意識を排除しようとするものであるというふうに私は捉えております。しかし、我が国の行政組織の制度そのものに起因する問題を残したままでは、時代の変化に対応して国民のニーズに合致した行政の実現などは不可能ではないだろうかというふうに思うわけであります。そのために必要となるのが行政改革であり、いかにして行政改革の成果を最大限にできるかどうかということが極めて重要だということになると思います。  実は私は、さきにこの行政改革に関する質問主意書と、それから法律の整備改廃に関する質問主意書というものを提出いたしまして、安倍政権の行政改革に関わる認識を伺ったわけでございますが、答弁書がいかにも官僚答弁そのものでありました。非常に失望いたしました。そこで、今日は改めて、この質問主意書の内容を含め、行革の責任者である大臣に、大臣のお言葉でお答えをいただきたいというふうに思うわけでございます。  そこで、行政改革の総括ということで、数々の政権で行政改革が随分唱えられて久しいわけでありますけれども、稲田大臣はこれまでに行われてきた行政改革を総括してどのように評価しているのか、その目的を達成できたというふうに思われておられますか。

稲田朋美自由民主党内閣府特命担当大臣(規制改革)

○国務大臣(稲田朋美君) 私、行政改革はもう与党も野党もないというふうに考えています。  また、何のためにこの行政改革をやっているのかというと、行政の政策の実施の効果を最大限にするため、また国民の行政に対する信頼を取り戻すため、そしてあるべき国家像に向かって不断に行革というのはやっていかなければならないというふうに考えています。  民主党政権でやられたことも、例えば行政事業レビューなど、蓮舫大臣、そこにいらっしゃいますけど、私は、すごく自らのPDCAサイクルを回すという意味で非常にいい取組だったというふうに思います。そして、与党も野党もなく、不断に取り組んでいくのが行政改革であるというふうに考えております。  その中で、今おっしゃった今までの行政改革を総括してどうですかということですが、橋本行革で省庁再編をして内閣の機能を強化した。しかし、その一方で、今審議いただいている公務員制度改革はずっと手付かずに来ている部分もあります。また、独立行政法人改革もこの国会で改革の集大成という改革法案を出そうと思っておりますが、それもいまだ道半ばであるというふうに考えております。  そういう意味において、今まで不断の改革で進んでいるものもあれば、まだそうでないものもあるし、この公務員制度改革をやることによって、各府省において自ら事業、規制等を見直した官僚をきちんと登用できる仕組みをつくることによって、行革も進んでいくのではないかというふうに考えております。

江口克彦みんなの党

○江口克彦君 今、行革で進んでいるものもあるし、進んでいないものもあるというお話がございましたけれども、それでは、進んでいないものもあるというその進んでいないものは、例えばどのようなものだというふうに御認識をされておられますか。

稲田朋美自由民主党内閣府特命担当大臣(規制改革)

○国務大臣(稲田朋美君) 一つは、今国会で成立を期しておりますこの公務員制度改革も一つの改革であります、今まで進んでこなかった。  また、これから出そうと思っております独立行政法人改革の改革もまだ改革の集大成ができていないと思っております。また、今、規制改革会議で、行政事業レビューと同じように規制についても、自ら各府省が要らなくなった、時代に合わなくなった規制を自らPDCAサイクルを回して改革していく仕組みも是非つくりたいというふうに思っています。もちろん、行革本部ないし行革担当大臣がいろいろ指摘することも重要ですけれども、自ら回していくということが最も効率的ではないかというふうに思っています。

江口克彦みんなの党

○江口克彦君 まだまだ取り組まなければならないテーマというのはたくさんあると思います。しかし、そういう御認識を持っておられるということは分かりました。大変私は期待を申し上げたいというふうに思います。  ところで、この質問主意書の答弁書に私はちょっと今日はこだわっているわけですけれども、さきの行政改革に関する質問主意書に対する答弁書ですけれども、私は非常に丁寧に質問しているわけですよ。ところが、複数問への回答を一からげに、こうした取組を行うために必要な体制は整えているという、ほとんどこれだけの答えなんですよ。しかし、実際、私が提案した行政改革に関し検討から結果の検証までを担う組織というのは現在の政府には見られない。建設的な提案に対する答弁としては、私としては、いかにも私は不誠実な答弁。大臣がお書きになったものでもないはずですし、誰か官僚に書かせた、それで大臣ということになるんでしょうけれども、そこはこれちょっといかがなものかと。いかにも不誠実な答弁だったと私は感じているわけですが。  そこで、改めて提案するんですけれども、今PDCAという言葉も使われましたけれども、行政改革における適切なPDCAサイクルを確立して、一時的ではなく持続性のある改革を実現するためには、行政改革の検討、立案からその結果の検証までを一括して実施する、恒常的な組織を設ける必要があるのではないかという、こういう提案をしているんですよ、質問主意書で。これはもう言ってみれば、質問のための質問じゃなくて、きっちり提案をさせていただいているんですよ。それに対して、二十六行私が書いたのに対し、丁寧な質問主意書を出しているのに対して、回答は六行ですよ、半ページしか返ってこないと。これ、皆さん、ほかの人たちもそうかもしれませんけど、これはいかにもやっぱり不誠実極まりないと。攻撃のための質問しているわけじゃない、むしろこうした方がいいんじゃないですかといって、むしろ好意的に親切に提案してさしあげているのに、それに対する答えが六行、半ページしかないというのは、これどういうことなのかと。  是非、それはともかくとして、恒常的な組織を設けることが必要だというふうに提案をしましたので、一遍、それについて大臣の御感想なり、あるいはまた御意見なり、あるいはまたこれを検討してくださるかどうか、ちょっとお話をお聞かせください。

稲田朋美自由民主党内閣府特命担当大臣(規制改革)

○国務大臣(稲田朋美君) 行革の重要性は大変認識をしています。そして、行革を強力に推し進めるためにはどうすればいいかという一つの御提案として、委員からは恒常的な行政組織を設けるべきであるというような御提案があったわけです。  私も、そういう在り方はあると思います。ただ、私自身のこの行革に対する考え方は、やっぱり先ほど申し上げたみたいに、モグラたたきではなくて、各府省自らが、要らない事業であったり要らない規制であったり、それをきちんと検証してやめる、そして、要らない事業をやめ、要らない予算を削り、要らない規制を改革をした官僚がきちんと登用される仕組みをつくることによって進めることができるのではないかというふうに考えております。  恒常的な組織という御提案ではありますが、今総理を中心とした行政改革推進本部を設置をしてPDCAサイクルを回したり、あと、規制改革会議において自律的なPDCAサイクルを回す、そういう仕組みづくりをやっておりますので、現時点ではこの方法で行革を進めていきたいなというふうに思っております。

江口克彦みんなの党

○江口克彦君 今お話しいただいただけでも大体五百字ぐらいはあるんですよ。お分かりになりますか。それを質問主意書の答えに、答弁にちゃんとお書きになったらいいというふうに思うんですよ。これ、たった六行ですよ。こっちは一生懸命考えて、真剣に考えて質問しているわけですよ。だから、それに対しては、今お話しになったことを速記するだけで五百五十三字ぐらいにはなっています。だから、そういうふうなことをきっちりおやりにならないから、余計誤解を生み、反発を生じさせてしまうわけですよ。  だから、我々少数政党は、自民党とか民主党さんみたいに大人数じゃないですから、質問時間だってないんですよ。そうすると、質問主意書で大臣の、あるいはまた政府の見解をたださなきゃいけない、確認しなきゃ、そのすべがないんですよ。言ってみれば、この質問主意書で勝負しなきゃいけないわけですよ。その勝負しなきゃならない答えがこんないいかげんな、こんな簡単な一言で済まされたら、少数政党としてその立場というか、そういう少数政党こそ大事にされる、少なくともこういうものについての誠意は見せてほしいというふうに思うということです。  あと二、三分しかないんで、一言、もう一問、法律の整備改廃についてお尋ねしたいと思うんですけど、不要な法律の整備改廃というのは、合理的、効率的な行政の実現のために不断に見直していく必要が私はあるのではないだろうかと。これも、さきの法律の整備改廃に関する質問主意書に対する答弁書によると、実効性を喪失した法律の件数は百五十五件もあるんですよ。百五十五件もあるんですね。なぜ実効性を喪失した法律を速やかに廃止しないのかということが私にはよく分からない。また、既存の法律の整理と合理化の検討状況を尋ねたところ、今後、必要に応じて検討してまいりたいとのことで、全くやる気が感じられない答弁書なんですよ、これ、これもね。  この際、行政改革の一環として、全ての法律の必要性を検証し、役割を終えた法律というのはもう次々に廃止していかなきゃいけない。六法全書の厚さがどんどんどんどん増えていくばっかりですよ。既存の法律体系の整理統合を私は行うべきではないだろうかというふうに思うんですよ。あれ、六法全書、もう御専門だから、お読みになったら要らぬものいっぱいありますでしょう。素人の私が読んでも、あれ読んだことがあるんですけど、実に、こんなことが決められているのかとあきれ返った法律がいっぱいあるんですね。そういうことで、行革に関わる恒常的な組織にこそ、その役割を私は担わせる必要があるんじゃないかというふうな思いを持っているんですけれども、それについて、大臣、ちょっとお答えいただいて、私の質問を終わりたいと思います。

水岡俊一民主党・新緑風会

○委員長(水岡俊一君) 稲田国務大臣、時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いします。

稲田朋美自由民主党内閣府特命担当大臣(規制改革)

○国務大臣(稲田朋美君) はい。  行政推進本部を中心に行政の無駄排除をやっておりますけれども、今御指摘になった百五十五件のもう実効性を喪失した法律を含め、そういった課題に併せて取り組んでまいりたいというふうに思っておりますし、先ほど申しましたPDCAサイクルを回す中で、事業の無駄、規制の無駄を排する中で、また要らなくなった法律、その規制を排することによって要らなくする法律も出てくるのではないかというふうに考えております。

江口克彦みんなの党

○江口克彦君 これで質問を終わります。ありがとうございました。

浜田和幸新党改革・無所属の会

○浜田和幸君 新党改革・無所属の会の浜田です。  まず、稲田大臣に、国家公務員法の改正と特定秘密保護法との関連性についてお伺いしたいと思います。  国家公務員、特にその幹部職員の方々が職務上知り得た様々な情報、これが特定秘密保護法の指定項目に当てはまる当然可能性があると思うんですけれども、この指定項目も今四十万件以上と言われていますから、それをどのような形で、言ってみればこういった情報が特定秘密保護法に指定されているものかどうか、またそれが、幹部の方々が様々な場面において情報を外部に提供した、その場合にこれが項目に当てはまるものかどうか、それの審査というものはどういうような形で行われているのか。これ、罪刑法定主義に引っかからないようにするための何か手だてが講じられているものなのかどうか。その辺りについて大臣のお考えをお聞かせいただければと思います。

稲田朋美自由民主党内閣府特命担当大臣(規制改革)

○国務大臣(稲田朋美君) 国家公務員法においては、主に国家公務員の服務規律の維持を目的として守秘義務を規定をしております。また、特定秘密保護法は、我が国及び国民の安全を確保することを目的として特定秘密の指定やその漏えいに対する罰則等を定めております。  国家公務員の守秘義務と秘密の保護法の目的、また趣旨が異なっておりますので、罪刑法定主義の観点からも別個に適用をされるものというふうに承知をいたしております。

浜田和幸新党改革・無所属の会

○浜田和幸君 例えば、業務上知り得た情報、これを一定の意図を持って漏らす、いわゆるスパイ行為と言ってもいいですよね、そういう場合にはどういうような今回の国家公務員法の改定の中では処罰の対象になるのか。それとも、あるいはそれはもう特定秘密保護法の中で言ってみれば対象となるのか。その辺りのすみ分け、区別はどういう具合になっているんでしょうか。

北村博文内閣官房内閣審議官

○政府参考人(北村博文君) ただいまのお尋ね、まず最初の点でございましたが、どういう形でその職員あるいは幹部職員というものが、それが特定秘密に該当するかということが分かるのかというお尋ねでございました。  この点につきましては、特定秘密保護法におきましては、特定秘密として指定をいたしましたときには、行政機関の長の方におきまして、それが、特定秘密が記録された文書等につきましては、それが特定秘密であるよということを表示しなければいけないとなってございます。また、場合によりまして、その表示が困難だというような場合には、関係する職員に対しまして、特定秘密を取り扱う職員に対しましてそれが特定秘密である旨を通知するという形になってございます。  これによりまして、特定秘密を業務として取り扱うという者につきましては、どれが、何が特定秘密であるのかというのが分かる仕掛けとなってございます。  他方、その次に御質問をいただいておりますけれども、従来の国家公務員法における守秘義務違反というものと、この特定秘密をスパイ行為などで漏らした、漏らさないという場合の関係はどうなるのかということでございます。特定秘密の取扱いの業務、これに当たっております者がその業務上知り得ました特定秘密、これを漏えいしたと、あるいは特定秘密保護法では、例えば十条の規定で公益上必要な場合に特定秘密を関係するところに提供するというようなことがございますけれども、こうした規定によりまして特定秘密を知り得たというような者がそれを、特定秘密を漏らしたということになりますと、これは、スパイといいましたような目的あるいは動機というもののいかんにかかわらず、特定秘密保護法で処罰されるということになってございます。  それでは、そうした場合の国家公務員法との関係でございますが、行政機関の職員、これが特定秘密を故意により漏らした、動機のいかんを問わず故意により漏らしましたという場合には、特定秘密の漏えいの罪、これは特定秘密保護法でございますが、の罰則、それから国家公務員法の守秘義務違反というものが、観念的には双方が成立しておるという形になりますけれども、こちらの、刑法の五十四条第一項に規定がございまして、より重たい方の法定刑により処断するというふうにされておりますので、この場合にはより重い特定秘密保護法違反と特定秘密保護法の罰則により処断されるということになってございます。

浜田和幸新党改革・無所属の会

○浜田和幸君 よく分かりました。  それで、例えば最近話題になっているのは、アメリカのスノーデンという人物が言ってみればアメリカの情報収集の違法な手段を使っているということで義憤に駆られて内部告発、今ロシアの方に短期的に亡命というような形になっていますよね。日本の場合だって国家公務員の方々が、これはちょっとおかしいんじゃないかと、全体の利益を考えたときにどうしてこういうことがまかり通るのかという正義の観点からおかしいという内部告発、あるいはそういう情報を外に漏らす、そういうような場合の救済措置というものはあるんでしょうか。

北村博文内閣官房内閣審議官

○政府参考人(北村博文君) 先ほど米国のスノーデンさんの関係のお尋ねがございましたけれども、お尋ねの事案につきましては、この方は国家公務員ではございませんし、またアメリカの案件でございまして、私ども事実関係の詳細を承知いたしておりませんのでお答えは差し控えさせていただきたいとは存じますが、他方、一般論という形で申し上げますと、先ほどの繰り返しになって恐縮でございますが、特定秘密保護法の二十三条の罰則におきましては、目的あるいは動機といったものにかかわらず、これを故意に漏らしたという場合には処罰の対象とするということになってございます。  なお、更に場合分けをいたしまして、これ万が一ということになりますけれども、仮にでございますが、公益通報者保護法というものがございますけれども、その公益通報者保護法の中では、犯罪行為でありますとか、罰則により担保された行政処分の理由となるような事実、要は違法な犯罪類似のような行為といいますか、そうしたものを通報対象行為としております。仮に法令違反行為というものが特定秘密に指定されていたと、そういうことはあってはならないことだと思っておりますけれども、仮にもそういうことがされておったという場合には、その指定そのものが違法行為、犯罪行為を隠すための指定など、それは指定そのものが有効ではないというふうに理解いたしておりますので、そのような場合にその通報対象事実を公益通報者保護法の規定に従いまして通報したという場合には、特定秘密の漏えいには該当しない、したがいまして処罰はされないというふうに理解いたしております。

浜田和幸新党改革・無所属の会

○浜田和幸君 そこで、最後にもう一度確認したいんですけれども、その公益通報者の保護、これは対象になるのかどうかというのは、どこが、どういう判断で決めるんでしょうか。

北村博文内閣官房内閣審議官

○政府参考人(北村博文君) 客観的にその判断がされることもございますが、ぎりぎりと申し上げますと、最終的にはそれが仮に刑事事件として取り扱われるようなことがありました場合には裁判所におかれまして、また、その前提といたしまして、それが犯罪に該当するか否かということにつきましては捜査機関におきまして判断がされ、最終的には裁判所が判断されるということになろうかとは存じます。

浜田和幸新党改革・無所属の会

○浜田和幸君 ありがとうございました。  それと、次の質問なんですけれども、国家公務員の勤務評価、降格人事も幹部職員に対してはあり得るということはこれまでずっと議論されてきたんですけれども、その降格人事が行われる場合の判断基準ですよね。  それはいろんな能力的な問題もあるでしょうし、勤務態度、もろもろあるんでしょうけれども、その降格人事が上司によって決められた場合に、本人がそれに不服があるという場合も当然あるでしょうけれども、不服申立てのルール、これはどういうような形で、公務員の言ってみればやる気にも関わってくることだと思うんですけれども、どうやって、その公平性を担保するためにこの不服申立てのルールというものはどういうように今回の改正の中に盛り込まれているんでしょうか。その点についてお伺いしたいと思います。  万が一またその降格人事がなされた場合に、具体的に降格人事というのは配置転換なのか、給与的な面での処遇なのか、その辺り、具体的なオプションはどういうようなことが降格人事の中身として考えられているんでしょうか。

稲田朋美自由民主党内閣府特命担当大臣(規制改革)

○国務大臣(稲田朋美君) 今回の法案では、成績不良でなくても一定の要件の下に降任を可能とする新しい制度として特例降任制度を設けています。  要件は、同じ組織で同じクラスの他の幹部職員と比較をして、勤務実績が相対的に劣っていること、その人に代えてそのポストに任命すべき適当な者がほかにいる場合であること、他のポストに転任させることができない等、降任以外の方法がないことの三要件を満たした場合に、幹部職の範囲内において直近下位への降任が可能となる仕組みとしております。  また、国家公務員法の規定に基づいて、特例降任制度により降任処分する場合には本人にその事由を記載をした説明書を交付することにいたしております。  降任処分を受けた職員が不服である場合には、人事院に対して不服の申立てをすることが可能というふうになっております。  また、特例降任制度によって降任となる幹部職員の人材配置については、降任前における幹部職の官職に係る標準職務遂行能力を引き続き備えているということを踏まえて、能力・実績主義の下で適材適所の配置がなされるものというふうに認識をいたしております。

浜田和幸新党改革・無所属の会

○浜田和幸君 ありがとうございます。  官民人事交流、前回もいろいろとお伺いしたんですけれども、官民人事交流がこれからも必要だということは大臣も認識されていると思うんですけれども、これまでの官民人事交流の評価ですよね。  いろんなデータを出していただいて、役所と民間の間の人事交流、人事派遣、いろいろと教えていただいたんですけれども、一体それがどういう形で役所の公務員のサービスにとってプラスになっているのか、あるいは何か問題点があるのかどうか、その辺りの評価に関する指摘が全くないので、その辺りをしっかりと評価を下さないと、今後の官民人事交流も実りのあるものにならないと思うんですけれども、具体的な何人がどこに行っているという話は聞いたんですけれども、それに対する評価というものはどういう形で行われているんでしょうか。

稲田朋美自由民主党内閣府特命担当大臣(規制改革)

○国務大臣(稲田朋美君) 過去、制度を利用した民間企業からは、人材育成、相互理解の深化に資するという評価がなされて、今後も人事交流を行いたいという意向は多く示されています。  また、各府省にとっても、民間の効率的な経営手法を体得させるとともに、民間の実情を理解させることができて、行政課題に柔軟、的確に対応できる人材の育成に資するというふうに積極的に評価をされているものと認識をしております。  ただ、直接のデメリットではないですけれども、民間企業へ各府省から働き盛りの若手、中堅層を派遣することが難しいとか、給与は派遣先の制度の下で派遣先から支給されるが、派遣前の給与との関係で不利益が生じる場合があるというような意見があることも承知をいたしております。  いずれにいたしましても、官民人材交流、極めて有効であるというふうに考えておりますので、官民人材交流法について、透明性を確保しつつ、対象の拡大、手続の簡素化等の措置を行うことを踏まえ、今後、制度の更なる活用を推進していきたいというふうに考えています。

浜田和幸新党改革・無所属の会

○浜田和幸君 最後にもう一点、人事交流の一環として海外との人事交流も盛んにしていくべきだと思うんですね。  行政官の長期在外研究員制度、これは午前中の参考人質疑でも確認したんですけれども、今、百二十人のうち、アメリカに七十三人、イギリス三十三人、フランス五人、ドイツ四人と、ほとんど欧米集中型の派遣になっているんですね。やっぱり、中国にはたった二人、韓国にもたった二人しか派遣されていない。この辺り、やはり日本のこれからの外交関係を考えても、もう少しアジア方面に派遣を増やすべきだと思うんですけれども、大臣のお考えをお聞かせください。

稲田朋美自由民主党内閣府特命担当大臣(規制改革)

○国務大臣(稲田朋美君) 私も、委員御指摘のとおり、偏ることなく、やはり直面する課題に応じた人材の育成という観点からはアジアについてももっと拡大をすべきであると思っておりますし、採用昇任等基本方針について、具体的な運用状況も見据えつつ更なる推進を図っていきたいと思っております。

浜田和幸新党改革・無所属の会

○浜田和幸君 ありがとうございます。以上で終わります。

山本太郎各派に属しない議員

○山本太郎君 ありがとうございます。  国会議員は今はまだ私一人なんですけれども、政党要件は満たしておりませんが、新党ひとりひとり、山本太郎でございます。よろしくお願いします。  今回の国家公務員法等の一部を改正する法律案の三つのポイントの一つ、幹部職員について質問させてください。  前回の質疑で、内閣総理大臣補佐官、大臣補佐官に民間人の方を任命する場合、給与、報酬は幾らぐらいになりますかとの私の質問に対しまして、民間等から入られる場合は、事務次官級の給与水準、俸給月額で百十九万八千円を基本とすると答弁がありました。  そこでお聞きしたいんですけれども、幹部職員の中で事務次官級の給与は年収では幾らになりますか。また、局長級、そして審議官・部長級では月額、年収それぞれ幾らになるでしょうか、詳しく説明してください。

古屋浩明人事院事務総局給与局長

○政府参考人(古屋浩明君) この四月時点におけます事務次官等の年間給与、月例給ということでございまして、事務次官に関しましては俸給月額は百十九万八千円、年収で二千二百六十五万二千円、それから本省局長級でございますが、局長につきましては俸給月額が九十一万二千円、年収で千七百二十四万四千円、それから審議官・部長級では俸給月額で八十三万四千円、年収で千五百七十六万九千円となっております。

山本太郎各派に属しない議員

○山本太郎君 ありがとうございます。  国会法第三十五条というのに、「議員は、一般職の国家公務員の最高の給与額より少なくない歳費を受ける。」と規定されています。  この規定の意味というのは、国会議員の歳費は事務次官の給与と同じということでよろしいでしょうか。

郷原悟衆議院事務次長

○参事(郷原悟君) お答え申し上げます。  御指摘のとおり、国会法第三十五条には、「議員は、一般職の国家公務員の最高の給与額より少なくない歳費を受ける。」と定めております。  したがいまして、国会議員は、原則として、一般職国家公務員の最高俸給であります指定職俸給表の八号俸を受けております事務次官等より少なくない歳費を受け取ることとなっております。

山本太郎各派に属しない議員

○山本太郎君 ありがとうございます。  ということは、国会議員の歳費、これを恒久的に二割削減するということを法律で決めれば、自動的に事務次官の給与も二割削減されるということでよろしいですか。

古屋浩明人事院事務総局給与局長

○政府参考人(古屋浩明君) 今御議論ございましたように、国会議員の歳費につきましては国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律において定められているところでございます。事務次官の給与につきましては、これは一般職の職員の給与に関する法律において定められておりまして、人事院がその改定について国会及び内閣に対して勧告を行うという仕組みになっているところでございます。  今言及されました国会法の三十五条の規定がその両者を言わばつなぐ規定になっておるところでございますが、そういう意味では、仮に今御指摘の国会議員の歳費を恒久的に削減するという場合には、まず御指摘の三十五条の在り方の議論から始まるのではないかというふうに考えているところでございます。

山本太郎各派に属しない議員

○山本太郎君 じゃ、連動して下がるということはないということですか。まずは議論が必要だということですか。

古屋浩明人事院事務総局給与局長

○政府参考人(古屋浩明君) 今、国会法三十五条は少なくない歳費を受けると、そちらの方からのつなぎの規定ということになっておりますので、どちらの方を優先するかということでなく両方の議論を進めないといけない、それとそのつなぎの規定をどうするかを考えなければいけないということで、三十五条を含めた議論が必要ではないかということを申し上げたところでございます。

山本太郎各派に属しない議員

○山本太郎君 ありがとうございます。  今年の五月から国会議員の歳費が元に戻るんですよね。僕、それ知らなかったんですよ。えっ、二割増えるのと思ってちょっと心躍ったんです、実は一瞬。でも、そうじゃなくて、元々のものを二割削減していたんだよ。ごめんなさい、これ、ネット見ている方は多分御存じないと思うので、少し説明させてください。  二〇一二年の五月から二〇一四年の四月の末までの二年間、国会議員の歳費を減額する特例法ができたんだよ。何のため。東日本大震災の復興財源に充てますというためにです。その一部カットが二年続いていたと、その二割削減されたものが今年五月から戻るというような形だと。  一瞬は喜んだんです。政治というか政治活動がこんなにお金掛かると思っていなくて。意外と少ないんだなというか、いろいろ引いていったら意外と少ないんだなということを正直思ったんですよね。でも、二割今から増えたとしても、それでいいのかなと思って。というのは、国民に対して、この国に住む人々に対して痛みを強要するというか、しようがないんだということで、例えば消費税だとかほかのものもいろいろ国民に対して求めているのにもかかわらず、何といいますか、国会議員であったりとか、そういう人たちがやっぱりこのまま二割削減という部分を続けていくということも必要なんじゃないかなと僕は思ったんですよね。  私は、幹部職員でない一般の公務員の方々の給与を削減する必要というのは全くないと思っているんですよね。私たち国会議員と国家公務員の幹部職員の方々については恒久的に歳費又は給与を二割削減するべきじゃないかなと思っているんです。  かつて安倍総理は、消費税を引き上げて税負担を求めていく以上、政治家も身を切る決意を示さなければならないということから国会議員の歳費二割削減も決まっていったというような趣旨のことをおっしゃっていますよね。平成十九年四月二十四日、第一次安倍内閣で閣議決定された「公務員制度改革について」という文書には、「公務員は、まず、国民と国家の繁栄のために、高い気概、使命感及び倫理観を持った、国民から信頼される人物である必要がある。」と書いてあります。  稲田大臣、私、国会議員の歳費二割削減と同時に、国会議員と同等の給与を受けている幹部職員の給与二割削減、実現するべきじゃないのかなと思うんですけれども、大臣の御見解、お聞かせ願えますか。

稲田朋美自由民主党内閣府特命担当大臣(規制改革)

○国務大臣(稲田朋美君) 今回の消費税の決定の閣議決定の中でも、きちんと行政改革にも取り組んで増税を国民に理解してもらうという趣旨のことが含まれていました。その意味において、無駄な予算、無駄な事業は削るという行革も必要ですし、国会議員自身が身を切る改革、それは歳費を下げることだけでなくて、例えば定数の削減とか、いろんな方法があろうかと思います。そういう国民の理解を得るための身を切る改革であったり行政改革は私は必要であるというふうに思っております。  ただ、この幹部職員の給与に関しては、やはり人事院勧告制度があって、今日もこの委員会で議論になりましたように、基本権が制約されている我が国における人事院の代償機能としての人事院勧告というのは、憲法上の要請としても尊重をしなければならないのではないかというふうに思っています。  その上で、公務員の人件費の抑制については、地域間、世代間の給与配分の見直しなどを内容とする給与制度の総合的な見直しの検討を早急に進めるとともに、内閣人事局が設置をされれば新たに国家公務員の総人件費の基本方針を内閣人事局で策定をすることになりますので、そういったことも重要になるのではないかというふうに思っております。

山本太郎各派に属しない議員

○山本太郎君 本当にこの公務員の方々の人権が守られるというのは物すごく大事なことだと思うんです。でも、この幹部職員の方々にとっては、普通の公務員の方々よりもやっぱりお給料をたくさんもらっているという部分で、本当に人権というならば、消費税が上がったりとか、例えば生活保護が引き下げられたことによって三十八もの制度が、要は基準となる生活保護費が下げられてしまったから今まで受けられていたサービスも受けられなくなったというような状況もありますよね。例えば、就学援助であるとか、保育料の減免、老人ホームの入所、障害福祉サービスの負担上限、交通遺児らへの貸付金、公営住宅の家賃減免など、本当に人権という意味で今すぐ手を差し伸べなきゃいけない人たちが今首絞まっている状況なんですよね。  そういう意味で、国会議員そして幹部職員という部分において、まずは態度でというか、本当に分かりやすい形で見せていくということがすごく重要なんじゃないかなと思いました。済みません。  公明党の皆さんは、国会議員の歳費削減の延長、また元々は国会議員の歳費を恒久的に二割削減すべきだと主張されていると伺っております。私たち新党ひとりひとりも同じ考え方に立って今後提案していきたいと思います。よろしくお願いします。  次に、前回質問しました鹿児島県の川内原発再稼働問題についてお伺いします。  私は、原発の過酷事故に対する地域防災計画、住民避難計画の策定、国民と行政の信頼関係、国民、住民が我が国の公務員制度を信頼できるかどうかの、これ根本的な部分ともつながっている部分だと思うんですよね。このことを踏まえまして質問をさせていただきます。  前回の質問、原子力規制庁から、原子力災害対策指針におきまして、地域防災計画作成の際にSPEEDIを活用するようには位置付けられておりません、そのようにおっしゃっていました。それだけじゃなく、SPEEDIの問題に関しましては、今、原子力規制委員会が考えておりますのは、そもそも、いわゆる拡散予測に基づいて避難行動を起こす、あるいは防護活動を行うということは基本的には行わないこと、あくまでも実測のモニタリングの数値、それをもって避難行動あるいは防護活動を行うというのが原則として決められておりますとの答弁がありました。本当にびっくり答弁、ありがとうございました。  五重の壁で守られているから安全ですと言われていた放射性物質ですよね。それが外に漏れ出しているという状況の中で、待ってくださいね、実測のモニタリングをやらせていただきますからって。あっ、待ってくださいね、その後にシミュレーションをやりますからって。余りにもおかしな話ですよね。住民は、じゃ、その間どうすればいいのかって。放射能が来ないようににこにこと笑っていればいいのかって。専門家の方言われていましたものね、にこにこ笑っているところには放射能来ないよって。  まず住民の皆さんに被曝していただきますということ前提のこの災害対策ってあり得ないと思うんです。子供が聞いても怒ると思うんですよ、僕。事前に放射性物質の拡散予測を立てられるシステム、SPEEDI、これ百十六億円、税金でつくったんですよね。どうしてつくったの、理由は何なんでしょうか。原子力災害時に住民を被曝から守るため、物すごくクリアですよね。簡単な答えが返ってくると思います。もっと真剣にやっていただきたい。この国に生きる人々の生命と財産を守る仕事をやっていただきたい。今このSPEEDIを活用せずにこの避難計画を立てるというのは、手抜き以外の何物でもないと思うんです。  そして、私が前回言ったのは、事故が起こってからのことではないんですよ。住民避難計画を作成する段階、まさに今じゃないですか。今できること、今やらなきゃならないことをお話ししたわけなんですけれども、ちょっと違う答えが返ってきたという感じだったんですね。だから今日もう一度お聞きします。  住民避難計画を作成する段階で、福島第一原発の実測の、あるいはそのほかの放出量データを使って、SPEEDI、ほかにも特に広範囲の拡散予測ができるWSPEEDIを活用して、鹿児島の川内原発の屋内退避指示も含めた住民避難計画作るべきだと思うんですけれども、提案したわけなんですけれども、済みません、皆さんに資料をお配りしたやつ、パネルにしてきました。今日は一枚だけですから、御心配しないでください。(資料提示)  これは、WSPEEDIを使った二〇一一年三月十六日午前零時のセシウム137の拡散予測図ですよね。非常に広範囲に、福島東電原発から二百五十キロ離れた東京周辺にも影響が及んだということははっきりと分かると思います。こんな図が出せるんですよね、WSPEEDI。  福島第一原発一号、二号の放出量データを使って、既にもうデータありますものね、このデータを使って川内原発一号、二号の仮定過酷事故における拡散予測図を作って、関連する全ての自治体で住民避難計画作るべきじゃないかなと思うんですけれども、手短にお答えください、よろしくお願いします。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) お答えいたします。  東京電力福島第一原子力発電所事故を踏まえまして作成されました原子力災害対策指針でございます。  原子力施設からおおむね三十キロメートルを原子力災害対策重点区域としておりまして、関係の道府県、市町村において現在地域防災計画、避難計画の策定が進められているところでございます。  原子力災害対策指針におきましては、地域防災計画作成の際にSPEEDIを活用するよう位置付けられてはおりません。さらに、緊急時につきましては、原子力災害対策指針では、放射性物質放出後の防護措置の実施については、SPEEDIを活用した拡散計算による予測ではなく、緊急時モニタリングを行った結果としての実測値等に基づいて判断することとされております。  以上でございます。

山本太郎各派に属しない議員

○山本太郎君 ありがとうございます。  ほとんど九割ぐらい聞き取れない状況だったんですけれども、とにかく、前回質問したときに、国民の皆さんに提供するとの答弁があったと思うんですよ。であるならば、私、山本太郎が請求した場合、この福島のデータを使って全ての風向きに対応する川内原発一号、二号の仮定過酷事故の拡散予測図を作ってほしいと環境省の国会連絡室を通して資料請求したら、作成して、提供していただけますか。

水岡俊一民主党・新緑風会

○委員長(水岡俊一君) 時間ですので。

山本太郎各派に属しない議員

○山本太郎君 済みません。じゃ、次回に。

水岡俊一民主党・新緑風会

○委員長(水岡俊一君) 次回でよろしいか。

山本太郎各派に属しない議員

○山本太郎君 はい、次回に持ち越させてください。ありがとうございました。

水岡俊一民主党・新緑風会

○委員長(水岡俊一君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時三十二分散会

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