内閣委員会 第3号
- 発言数
- 254 件
- 登壇者
- 33 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2014/03/13
会議録
○委員長(水岡俊一君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 内閣の重要政策及び警察等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官武藤義哉君外二十三名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(水岡俊一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(水岡俊一君) 内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、去る十一日に聴取いたしました国務大臣の所信に対し、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○大野元裕君 おはようございます。民主党・新緑風会の大野元裕でございます。 今日は最初にお時間をいただきまして、官房長官と古屋国家公安委員長に質問をさせていただきたいと思います。時間の関係もありますので、簡潔に御答弁を賜れればと思っております。 それでは、まずは官房長官にお伺いいたしますが、官房長官の所信の表明におきましては、初めて、国家安全保障戦略に基づいて国家安全保障会議、いわゆるNSCを司令塔として外交・安全保障戦略を機動的、戦略的に遂行していくという表明がありました。私も、このラインについては全く同感であります。 しかしながら、中身を見てみますと、外交・安全保障戦略の基礎となる国家安全保障戦略、これは安倍政権鳴り物入りで作成されたものであります。しかしながら、この戦略、十年程度を見越したものであるはずなのに、中身は、余り細かい話はしませんが、例えば中国、北朝鮮に対するその記述、現状把握は、単年度で作成される防衛白書の記述と大差がないように思われて、十年間ほとんどもたないのではないかというふうに私は思っています。 一例を挙げれば、北朝鮮に関しては、金正恩が体制固めをしており注視が必要と結論付けていますけれども、本当に十年間北朝鮮の状況は変わらずに、このような現状認識で国家安全保障戦略を位置付けていいものかというのは大きな疑問が残ります。 官房長官、このような国家安全保障戦略に基づいて戦略を構築していくのが本当に適当なんでしょうか。あるいは、来年度にでもまた、この国家安全保障戦略、書き直すおつもりなんでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) まず、国家安全保障戦略を初めて策定に当たり、我が国の国益を中長期的視点から見定めた上で安全保障の確保に取り組んでいくという前提の中に立って、その内容についてはおおむね十年程度と、そういうふうに申し上げているところであります。 ただ、戦略の中にも書かれておりますけれども、各種政策の実施過程を通じて国家安全保障会議において定期的に体系的な評価を行って適時適切に戦略を発展させていくこととし、情勢に重要な変化が見込まれた場合にはその時点において検討を行っていくというふうに考えているところでありますけれども、昨年十二月に策定した戦略を現時点で修正することは考えておりません。
○大野元裕君 定期的に見直すことは私も大事だと思っています。 しかし、その戦略というものは、事実関係と現状というものをしっかりと把握をする、そしてその上でしっかりと構築していくというのが通常のパターンだと思いますので、現状認識については、例えばアメリカのQDRもそうですけれども、アジアの状況について俯瞰した議論をまずしてから行っています。 また、民主党政権での二二大綱においては、確かに戦略という別なペーパーは作りませんでしたが、しかしながら、将来における南西諸島や海洋安全保障等の時代が来るとの認識から、動的な防衛力というビジョンを示させていただきました。これは、一六大綱で自民党が脱却が必要としながらも示せなかったものをしっかりと示したという意味では、実は我々の方がしっかり戦略を見据えていたというふうに考えざるを得ないと思います。 私は、そういった意味では、名ばかりの戦略を作るよりも中身をしっかりと作ることの方が重要だと思っていますが、この国家安全保障戦略、NSCが何回か開催されているようですけれども、そこで御議論をされたんでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) 昨年の十二月十七日に閣議決定を行った国家安全保障戦略については、閣議決定の前に、国家安全保障会議設置法が、設置をされたのが十二月の四日でありまして、それの四日に開催された四大臣会合において審議を行い、同じく十二月十七日に開催された九大臣会合において審議、決定を行ったという、そういう過程をたどっております。
○大野元裕君 それではお伺いいたしますが、十二月四日、確かにその資料にもお示ししましたけれども、NSCにおいて国家安全保障戦略が議論をされています。四大臣会合で議論をした法的な根拠は何ですか。
○国務大臣(菅義偉君) 四大臣会合において議論した根拠ということでありますけれども、十二月四日に施行された国家安全保障会議設置法に基づいて、国家安全保障に関する外交・防衛政策の基本方針及び重要事項についての審議を行うこととなっておりまして、具体的な審議内容については時々の安全保障情勢に応じ総理大臣が総合的に判断を行うと、そういうことになっていますので、それに基づいて四大臣会合で審議をしたということです。
○大野元裕君 それではもう一度、国家安全保障戦略が、十二月十七日、これ閣議決定の前だと理解をいたしますけれども、ここでは九大臣会合で諮られています。九大臣会合で行った法的根拠は何ですか。
○国務大臣(菅義偉君) 国家安全保障会議設置法の中に、国防の基本方針だとかあるいは国家安全保障に関する重要事項、そうしたことがうたわれていますので、そういう中で九大臣会合で議論をしたということであります。
○大野元裕君 資料の二枚目にございますけれども、確かに、この第二条のこれは九号になるんでしょうか、第二条の九号に当たる国家安全保障に関する云々というところについては四大臣会合、それから一の国防の基本計画であれば九大臣会合、これは法で定められたことだと私も理解をしております。 しかしながら、同じテーマが違う項目で読み込まれて、そして四大臣会合、九大臣会合というのは、私はいかがなものかと思っています。というのは、それだけではないんです。 国家安全保障戦略は、所信の中でもあったとおり、防衛の大綱あるいはNSCにおける機動的、戦略的な遂行の基礎だというふうに位置付けられています。 次のページの資料を御覧をいただくと分かると思うんですけれども、四日に四大臣会合で議論されました。よろしいですか。四日に四大臣会合で議論されました。これは、実は今回の国家安全保障戦略は様々な大臣の所掌が入っています。これ、実は四大臣だけではないんですね。残りの五大臣はそこには参加しないで議論が行われ、それを基礎として、十日には防衛計画の大綱、これが九大臣会合で議論されているんです。最初は、五大臣、分からないんです。分からないというか、多少は知らされているでしょうけれども、議論に加わらない。防衛の大綱がその基礎に従って行われるのに九大臣会合で行われて、十七日の閣議決定の前で再び九大臣会合。これ、分からないままに基礎となるものが議論されて、その次に防衛の大綱が議論されて、そして最後に決定という。 これ、手順としては、私、必ずしも適切ではないし、あるいは海外、国内から見ていても、きちんと国家安全保障戦略が議論されて大綱に結び付いて戦略ができたというふうには見られないのではないかというふうに思いますけれども、官房長官、こういったきちんとした手順は法的な裏付けを伴う形でしっかりとした順番で行うべきではないんでしょうか。いかがでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) 国家安全保障戦略は、まず、昨年の九月十日の閣僚懇談会において安倍総理大臣からの指示があったことを受けて、安全保障と防衛力に関する懇談会において有識者の意見を聴きながら、関係閣僚会合や旧安全保障会議、これは九大臣会合でありますけれども、において総理を始めとする関係閣僚によって議論を行い、策定作業を始めたところでありました。 その上で、与党とも相談をして、最終的には国家安全保障会議設置法に基づいて、四大臣会合、さらには九大臣会合において議論を行った上で国家安全保障会議として決定をし、閣議決定に至ったという経過をたどっているわけでありまして、適切な手順によって作成されたと、このように考えております。
○大野元裕君 私は、中には入っておりませんので、外からこういったホームページでの資料等を見ていて、決してそうは見えないんです。例えば、先ほどお示しをした二条の第二号でございますが、第二号には防衛計画の大綱というものがしっかりと示されております。これはとても外から見ても分かりやすい。つまり、ほかの国に対してもメッセージになるものであります。 これ、日本と同じではございませんが、例えば、先般示されたアメリカのQDRなどでは、目的の中に、国家の戦略を示すとともに、国家の戦略というものを対外的に示すことによってアメリカの国益を守る、例えば書いてあるんです。こういった、私、役割は多分大綱にもあるんだと思います。最終的に別表だけが大事なわけではなくて、しっかりと大綱を示す、しっかりと戦略を示すということは、我が国がどこを向いていて、我が国がどこを最低限守るところであって、我が国はそのためにこれだけ傾注するんだ、こういったことをしっかりと示すことを、国民に対しては安心を、そして国外に対しては我が国の国益を示すという目的が私はあると思います。そうだとすれば、やはりどたばたの中で決められたようにしか私には見えない。あるいは、そう見られては決していけない類いのものだと思っています。 防衛計画の大綱が二号に示されている以上、私は、本来は法定でまず定めること。これ、しかも、官房長官がしっかりと肝煎りで作られた国家安全保障会議設置法を議論したところなんですよ。できたほやほやのところで、どっちの号に該当するか分からないものが、しかも手順が、最初に入らない大臣が次に入って、この手順で、ばたばた感の中で決められてしまうということは、私は日本の国益にとってもマイナスだと思いますけれども、改めて、法的な手続を定めて、いつ次に改定されるか私には分かりませんけれども、その中で作り上げるべきものだとはお思いになりませんか。
○国務大臣(菅義偉君) 今、私は、昨年のまず九月十日の閣僚懇談会において安倍総理から戦略策定の指示があったという話をさせていただきました。そして、国家安全保障戦略は、国家安全保障会議設置法第二条第一項第一号に言う、先ほど申し上げました国防の基本方針、そして同第九号に言う国家安全保障に関する外交政策及び防衛政策の基本方針並びにこれらの政策に関する重要事項、そして、先ほど言いましたように、これも十一号、その他国家安全保障に関する重要事項に該当することから、戦略が国家安全保障会議の審議事項に含まれていることは明らかであるという考え方に立ちまして、国家安全保障会議設置法を改正してこの戦略を条文上明記する必要があるとは考えておりません。
○大野元裕君 大変残念でございます。 先般の特定秘密保護法案の議論におきましても、国会が軽視するとか強引だとか、そういった報道がなされていることは、これは事実でございます。そういった印象の中で十年の刑を作ってしまうのは、私は、その安倍政権云々という話ではなくて、日本にとってマイナスだと思っておりますので、そこはしっかりとお考えをいただきたいと思いますが。 時間の関係もあるので、官房長官にもう一つお伺いしますが、この鳴り物入りでつくり上げられましたNSC、アメリカでは、御存じのとおり、特定の案件ですとか、あるいは国、日本に対するものだとか、ポジションペーパーというものを作って、その中でどう接するかという基本ラインを作っています。そして、それを定期的に見直しているというのが私の理解でございますが、日本のNSCではこういったポジションペーパーというものを議論して、作り上げて、それを基に外交・安全保障政策を構築していく体制になっているのでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) この件につきましては、NSCを設置するときにいろいろな議論をさせていただきました。その際にも申し上げましたけれども、我が国は国家安全保障戦略において特定の案件又は地域に焦点を置いた政策方針を明確にしているということであります。また、国家安全保障局では、日頃から関係省庁と緊密に連携をしながら、我が国の安全保障に影響を及ぼし得る地域や国の情勢を随時把握するように努めております。その上で、特に重要な案件については、国・地域の情勢について、四大臣会合において、閣僚レベルで情勢認識のすり合わせ、これを実は行っておりまして、それに基づいて対応方針を、方向性を定めているところであります。 したがって、今委員から御指摘のポジションペーパーという文書の形式にこだわる必要はないだろうというふうに思っております。
○大野元裕君 確かに形式ではない、それは同意いたします。ただ、そのすり合わせをするときのやはり各省の根拠というものが、これはNSCは官邸において国家の戦略を一手に担われて、そこに関係する省庁がそれに基づいて様々な施策を講じるという類いのものだと私は考えておりますので、そこはやはりすり合わせのところをしっかりとした形で持たれることが僕はとても重要だと思っています。 そうだとすると、ちょっとさっきの話に戻りますけれども、安全保障戦略で、私は十年もたないんじゃないかというような、そういった戦略が、最初、情勢認識がありましたと。他方で、それに基づいて機動的、戦略的に外交を進めるという所信を表明をされておられますが、だとすれば、やはり変わり行く情勢にも鑑みて、少しずつ見直されるという話もございました。そういったものを、ポジションペーパーという名前じゃなくてもいいんですけれども、そこをやはりしっかりといま一度持たれた上で戦略を構築するようなプロセスというものをつくらなければ私はならないと思うので、所信表明に対しては、もちろん大臣の意気込みはとてもよく分かります。しかしながら、もう一度お考えいただくことが私は肝腎ではないかというふうに思いますが、国家安全保障戦略についてはほかにも私たくさん感じることがありますので、それはちょっと別途お時間をいただいて別な機会に議論をさせていただきたいと思っています。 古屋大臣にもお越しをいただいておりますので、大臣にお伺いをしたいんですけれども、大臣の国家公安委員長としての所信におかれましては、サイバー関連項目の重要性への認識が高まっているように思います。過去の大臣の所信と比較しても、例えば昨年三月の所信では、最初の項目のところの後に、「また、」として付け足しで来ています。前回の所信では、新しい犯罪のワン・オブ・ゼム、一つとしてサイバー対処が取り沙汰されていますが、今回はとうとう単独で最初の項目に来ています。 これだけ重要視しているということは、予算、体制等の相当な裏付け、拡充というものがあるというふうに理解してよろしいんでしょうか。
○国務大臣(古屋圭司君) 委員御指摘のように、サイバー空間の脅威に対する対処というのは極めて重要で喫緊の課題であるという認識をいたしておりまして、したがって、警察として今重点的に取り組んでいます。 まず、体制面の整備は、サイバー犯罪取締り強化のため、二十五年度までの三年間で九百三十人の地方警察官を増員しましたけれども、今回は、平成二十五年度にも、サイバー攻撃対策をつかさどるいわゆるサイバー攻撃対策官、これは技術の専門官でございますが、これを新設をいたしました。また、全国の主要都道府県警察へサイバー攻撃特別捜査隊などを設置をさせていただいております。 また、二十六年度では、サイバーセキュリティー対策の司令塔機能を強化するため、この対策全般の統括、調整を行う長官官房審議官を置かせていただこうと、こういうふうに考えております。あわせて、その審議官の下で長官官房参事官の新設、それと、サイバー犯罪等に対処するための最先端技術の研究や捜査員の研究を実施するサイバーセキュリティー研修センターの設置、こういった体制の強化を予算でも要望させていただいております。 それからもう一つは、サイバー空間の脅威に対処するため、新たな産学官連携の取組、これを私たち、日本版NCFTA、こういうふうに言っておりますが、この創設に向けた作業を今加速をさせていただいております。 それから、予算においても、平成二十六年度は、サイバー空間の脅威への対処のため、捜査・分析用資材の整備、民間事業者の知見の徹底的な活用、こういった必要経費を計上しておりまして、対前年比で約二二%プラスという予算を計上させて、このサイバー対策への拡充を図らせていただきたいというふうに考えております。
○大野元裕君 おっしゃるとおり人員も増えて、まあ今まで増え続けてきたわけですが、更に増やしていただいて、予算についても全体で二二%、そのとおりだと思います。しかし、これ実は中身を見ると、必ずしも私、そうなっていないように思います。 警察庁の予算、私、過去五年ずっと、与党時代、我々与党時代も含めて、実は毎回項目変わっていて、その中にこっちから入れたりあっちから張り付けたりとよく分からないんですが、私も、これいろいろ聞いてみると、確かにおっしゃるとおり全体では増えているんです。しかしながら、PCだとか霞が関WAN、いわゆる広域ネットワークですとか、それを含むような、あるいは情報解析の体制、こういった情報技術解析体制、執行力の確保については大幅に増えているんですが、この所信で表明されているような対処能力の向上のところだけ見ると、実は減少しているんです。実は減少しているんです、そこだけ見ると。二十四、二十五、二十六と減少しているんです。 これは、中をやっぱりきちんと見ていただいて、何をどういう形でめり張りを付けて増やしていくのか、あるいは減らすところももちろんあるかもしれませんが、それは政策にのっとった形でやらなければならないというふうに私は思っていますので、そこは是非もう一度、帰って見ていただきたいと思っています。ちょっとこれは通告していないので質問はしませんが。 このサイバー犯罪の深刻化、あるいはこれまでサイバー攻撃の増大といった言葉遣いを所信で行っておられましたが、今回、サイバー空間の脅威に向けた的確な対処というふうに大きく踏み出したように私には見えるんですね。サイバー空間全体に対して国家公安委員長は責任をお持ちになると、そういう意味なんでしょうか、これは。
○国務大臣(古屋圭司君) 今御指摘のように、サイバー空間の脅威については、例えばインターネットバンキングに対する不正アクセス事件のサイバー犯罪が非常に多発しております。また、政府機関などがサイバー攻撃を受けたり、非常に深刻化をしておりまして、こういったことに対して総合的な対策を強化することが課題である、こういう認識の下で、私の所信において、サイバー空間の脅威に的確に対処すると、こういうことで述べさせていただきました。 もちろん警察としては、警察法に定められた責務を果たすべく、サイバー空間においてもその安全、安心の確保に努めてまいるというのは、これは当然のことでございます。 なお、サイバー空間の脅威については政府全体として取り組む課題であるということも認識しておりまして、内閣官房並びに関係省庁と緊密な連携をして、我々警察としての責務を果たしてまいりたいというふうに思います。
○大野元裕君 その問題意識は、私、全く共有しています。サイバー空間の脅威は多様化していて、なおかつ悪質になっていると思います。 ただ、全体としてということであれば、官房長官に是非お伺いをしたいんですが、政府のサイバー空間の脅威に向けた的確な対処と安全を全体として指揮されるのは内閣官房のNISCであろうというふうに私は思います。現在、来年度に向けてNISCの機能強化が議論されているというふうに私は聞いております。他方で、政府全体の対応能力を強化するためには、行政の縦割りの限界というものも残念ながら存在をしています。今議論されている中で、是非、各省の会議において調整するような、それを強化するようなやり方ではなくて、実質的な統合というものを進めるべきではないかと思っています。 かつて民主党が与党時代に、私この委員会で、統合タスクフォース、アメリカが持っている、こういったものの日本版の設置をされてはどうかという議論もさせていただきました。小手先の改革ではなくて、抜本的にサイバー対処を考えるちょうどいい時期、来年度に向けて議論をしている時期ですから、そこについては、官房長官、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) まず、このサイバー攻撃への対応は、やはり国家の安全保障とかあるいは危機管理にとって極めてこれは重要な課題だということをまず認識をいたしておりまして、昨年の十二月の国家安全保障戦略あるいはサイバーセキュリティ戦略、これにおいて各省庁の役割を明確にすると同時に、内閣官房の情報セキュリティー、いわゆるNISCがその司令塔機能を果たすと、その下に政府全体として取り組んでおるところであります。 そして、今御指摘いただきましたけれども、本年の六月頃を目途に、二十七年度から機能強化を図っていくべく、その方針を決定をしていきたいというふうに思います。その方針決定の際には、今御指摘をいただきました点も参考にさせていただきながら、関係機関の役割を最大限発揮できるように、ここはしっかり対応していきたいというふうに思います。
○大野元裕君 是非そこはお願いしたいんです。 国家公安委員長に聞きますけれども、極端な例ですけれども、例えば防衛省の文書によると、武力攻撃の一環としてサイバー攻撃が行われるときには、防衛省・自衛隊が対処するとしているんですね。ところが、実際には、武力攻撃が行われていても、例えば民間の重要インフラに対してサイバー攻撃が行われたと、それは多分警察に通報されるんだと思うんです。それを警察が受けた段階で武力攻撃の一環と判断する必要が例えばありますし、誰がそれを判断して、警察がどの段階で民間重要インフラに共有して、そういった判断と情報の共有をどういう形で例えば今されるという形になっているんでしょうか。
○国務大臣(古屋圭司君) 今委員御指摘のは、武力攻撃事態の認定が仮になされた場合、そうしたら武力事態対処法がございますので、これに基づいて、全閣僚を構成員とする武力攻撃事態等対策本部が設置をされます。こういった状況の中で、警察が重要インフラに対するサイバーテロ等を認識をした場合は、武力攻撃事態に関する情報ということで、速やかに同本部を通じて防衛省など関係省庁とその情報を共有をするということになります。警察としては、その本部の下で、関係省庁と緊密に連携をして的確に対処をしていくという流れになります。
○大野元裕君 いや、私は正直、そのまさに武力攻撃の中で、一環で出た中で、各省で例えばnicterであればそういった流量が見えますけれども、そうじゃないんだと僕は思いますよ。 韓国では、例えば、様々な事態が起こると、イエローアラート、レッドアラートというふうにできていて、重要インフラの中に、その中で何が起こっても、何が起こってもですよ、サイバー攻撃だけではなくて、そのまさにレッドアラートの中で対処するような形に既になっていて、パケットの流量が絞られるというようなことがあります。アメリカでは、サイトMと呼ばれる施設の中に、実はUSサイバーコム、JOCというものが中心になって、インテリジェンスコミュニティーの中のサイバー分野が物理的に同居しているんですよ。そういった統合をするからこそ、恐らくサイバー攻撃って、防衛省に聞けばあれでしょうけれども、簡単に武力攻撃と認定するのはなかなか難しいんだと思うんですね。 そんな中で、お互いの情報共有をしないと、サイバー攻撃についてはこれ国境ありませんから、アメリカだからひどい攻撃があるとか、北朝鮮だからって話じゃないですから。これ、どこをステップにするって、日本も同じだと思っていいと思います。そういう体制をつくるためには、私は、だからこそ今NISCが中心になって行っているものについてはしっかりとやっていただきたいし、そのときに物理的なもの、全体の、例えば日本はSCADAのようなシステムはないですから、重要インフラみたいなものを守る原則みたいなものがまずないです。そういう中で、第一歩として統合を進めていただきたい。 そして、最後の質問になるかもしれませんけれども、官房長官、このサイバーセキュリティー体制を万全にするためには、一つの司令塔からしっかりとしたものを下ろす必要があります。 例えば、先ほど申し上げたアメリカのDHSの下の統合タスクフォース、私が数年前に提言させていただいたものは、八つの分科会があって、民間のインフラストラクチャーを担うような業者、これ、サイバー防衛をするには金が掛かりますから、インセンティブないんですよ。その中の一つの部会にはインセンティブ部会というのがあって、例えば税制を考えてやろうとか、そういったサイバーセキュリティーを講じた場合には、そういった場合にはこういうインセンティブを与えてあげようとか、そういったことを政府全体の中でDHSが主導を担って、例えばNTTでもいいです、例えば原子力発電所でもいいです、そういったものが全て実は統合してやっているんですよ。 ただ、これをやるためには、大きく欠けているものが統合した組織ともう一つあります。NISCの法的根拠です。まさにNISCを活動させるための法的根拠というものが、私は、全くないとは言いませんけれども、希薄だと思っていて、そこがしっかりとした法的な裏付けを持って全体を統括できる体制を一刻も早く法定化して、ここで議論をして、つくり上げるようなことを御提案したいんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) 先ほど、御指摘も含めて検討したいということを私申し上げました。そして、今、そのNISCのこれは機能強化というのは極めて大事だというふうに思います。そういう中で、法制度の在り方を含めて検討したいと思います。それと同時に、関係機関の連携強化とそれぞれの責任の明確化、役割分担ですね、そういうものもしっかりと図って体制強化、これに努めていきたいと思います。
○大野元裕君 最後の質問と申し上げましたが、あと一分時間があるので、防衛省にちょっとお伺いしたいと思いますけれども、防衛省もこれに協力してほしいんです。 例えば、武力攻撃事態があったときに、防衛大臣の電話に対して、TDoSというのがあるんですね、電話に対してたくさんの電話が掛かってきて、掛からなくなる。これ、コンピューターを経由してやります。そうすると、日本国内だろうが北朝鮮だろうが韓国だろうがアメリカだろうが、そういったコンピューターから一気に来ますが、最初はこれ分からないし、恐らく大臣の秘書官なんかは、最初はNTTにどうなっているんだと話聞くんだと思うんですね。こういった実は全く離れて起こるような事態が全体として起きるのがサイバー攻撃の可能性があるし、それを行っている主体は国ではない可能性も相当高いと思います。 そういった意味で、防衛省・自衛隊は、例えばTDoS攻撃が防衛省の重要な大臣とかに撃ち込まれた場合に、どういう対応を今取ろうと考えているんでしょうか。
○政府参考人(中島明彦君) まず、武力攻撃事態の対処に係ります自衛隊の具体的な対応につきましては、状況に応じましていろいろあろうかと思います。一概に申し上げることはちょっと難しいかもしれませんけれども、防衛省としては平素から様々な機能についての検討を行っております。 今御指摘いただきましたTDoS、何らかの機械的な手段で特定の電話番号にアクセスを集中させるというものだと承知いたしておりますけれども、防衛大臣など高官の連絡手段、これは多様なものがございます。仮に何らかのある一部分の通信の妨害がなされたとしても、他の手段をもちまして対応する等の措置をとっておるところでございます。
○大野元裕君 よく分かりませんが、時間なので終わります。 どうもありがとうございました。
○佐藤ゆかり君 自由民主党の佐藤ゆかりでございます。 本日は、まず、科学技術の司令塔強化についてお伺いをしたいと思います。 昨日、政府は、総合科学技術会議で研究開発型の独法二法人、理化学研究所と産業技術総合研究所を特定国立研究開発法人に指定することを決定したと聞いております。 この背景としましては、独法法人の改革の一環でもありますけれども、世界最高水準の新たな研究開発法人制度を創設しようということで、特に国家戦略に基づいて世界最高水準の成果を目指していくために独法を改革して、研究開発型の法人を取り出して、その中で特に二つ若しくは三つの法人について特定国立研究開発法人として新たな別法を設けて、特例措置を設け、奨励をするというような方向性からこの二法人が指定をされたわけでございます。 この別法で定めるルールというのはこれから特例措置を決めるというふうに伺っておりますが、主務大臣としては内閣総理大臣、そして総務大臣等が所管をいたしまして、この特定国立研究開発法人の目標ですとか評価、業務運営等に関わるものを積極的に主務大臣や総合科学技術会議が強く関与をしていくという特例措置になっているわけであります。 そこで、まず山本大臣にお伺いしたいと思いますが、これらの特定法人に対して具体的にどのように国が司令塔機能の権限を強化していくイメージなのか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(山本一太君) 総合科学技術会議は、昨日、研究開発型独法二法人を特定国立研究開発法人の候補として決定をいたしました。国際競争の中で世界トップレベルの研究開発成果を生み出し、そうした成果を科学技術イノベーション創出につなげていくというのは、大変重要な課題だというふうに認識をしています。 こうした観点から、科学技術イノベーションの基盤となる世界トップレベルの成果を生み出す創造的業務を担う法人を特定国立研究開発法人、これはまだ仮称ですが、こういうふうに位置付けて、総合科学技術会議、主務大臣及び法人が一体となって科学技術イノベーションに取り組んでいくということが必要だと考えています。 このため、昨日の総合科学技術会議、先ほども申し上げましたが、対象法人候補を含む特定国立研究開発法人の対象法人の考え方についてが決定されました。この考え方を踏まえて、できるだけ早期に、関係省庁と協力しながら具体的な法案を取りまとめてまいりたいというふうに考えております。 新たな国立研究開発法人の制度においては、総合科学技術会議や主務大臣の強い関与として、主務大臣が法人に対して状況の変化に応じた的確な指示を出すことを可能にする、さらには主務大臣が行う法人の目標設定、目標終了時の見直し等に関して総合科学技術会議が関与すると、こういうことを今想定をしております。
○佐藤ゆかり君 特に国の戦略を推進するということで、国が強く関与するこの特定国立研究開発法人等につきましては、やはり長く制度が進んでいきますと、どうしても既得権益との関連が懸念されると思います。そういう意味では、やはり既得権益にならないように、徹底した成果給の導入ですとか、あるいはプロジェクトが打切りもできるような判断機能ですとか、そういったものを担保していくことが極めて重要ではないかというふうに思うわけでございます。 そこで、少し具体的な最近の事案についてお伺いしたいと思いますが、この一つの法人であります理化学研究所でありますが、先日、一月に小保方晴子研究ユニットリーダーらが発表をいたしましたSTAP細胞について、実はこれ非常にiPS細胞に次ぐ画期的な発表だということでニュースをにぎわしたわけでありますけれども、実はその後になりまして、この論文について、既存論文からのデータの使い回しと研究成果の信憑性に疑いが生じたということで、理化学研究所としては、英科学雑誌ネイチャーへのこの論文の掲載を撤回することを検討すると発表いたしております。 具体的には、この小保方さんの博士論文で既に掲載をされていたSTAP細胞とは関係のないと見られるものの画像が今回の論文で掲載された画像と極めて酷似しているというようなことで、疑義が上がっているということであります。まだ不正かどうかは分からないわけでございますけれども、少なくとも撤回を検討するというふうに理研は発表しているわけであります。 そうなりますと、この国の司令塔強化の下で、こうした特定国立研究開発法人等について国の権限を強化するということは、国の権限強化イコール国の責任の拡大でもあるわけでございます。そうしますと、こういった研究不正の事案、あるいは科研費の不正使用の事案、こういったものは、昨年の秋以降、実は政府も頭を悩まして、いろいろ研究対策チームを組んで、文科省でも厚生労働省でも、特に医療分野における研究不正の事案等については対策を打ち出しているところでございます。 そういう中で、菅官房長官にお伺いしたいと思いますが、特に官房長官は医療分野についてこれまで健康・医療産業推進戦略を中心にお取りまとめをされてこられたというふうに認識しておりますが、この国の権限強化の下で国の責任も拡大していく中で、お尋ねしたいのですが、この研究不正についての責任の所在ですけれども、これは一義的に研究者にあくまでも帰属するという認識でよろしいでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) 研究者というのは個々の高い倫理観の下に公正に行うべきものであると思っていますので、不正が行われた場合には、その責任は第一義的には研究者にあると思っています。 さらに一方で、再発防止、そうしたものの原因究明の観点から、組織としての対応、これもやはり不可欠だろうというふうに思っています。こうしたことを考えたときに、ガバナンス体制を構築をしていくということは極めて重要だというふうに考えます。 いずれにしろ、科学技術の司令機能の強化は山本大臣でありますので、大臣を中心に各府省庁における取組をしっかりと進めてまいりたいと思います。
○佐藤ゆかり君 ありがとうございます。 一義的に研究不正の責任というのは研究者に属すると、これは当然のことでありますが、なかなかこれがうたわれていなかったものですから、その点を確認させていただきました。 それがうたわれていないということで、実はこういう事例があるんです。昨年の秋に、こういった様々な科研費の不正使用ですとか研究不正の事案が日本でも上がっておりますし、世界的にも出ているわけでありまして、そういったことを受けまして、政府の取組として、昨年の十月に、これは医療分野ですが、医療分野の研究開発に関する専門調査会というのが開かれまして、「研究に関する不正への対応方針について」というものを十月二十一日に発表いたしております。 その中に、厚生労働省の方の対応として、「研究費補助金の不正使用及び研究不正への対応」ということで、様々な対応策を検討しているというものが、九月付けのものが出されているわけでありますが、私はこれを拝見したんですけれども、実は残念なことに、組織としてのその監督責任とか、監督責任者を設定するとか、組織論的な対応策というのはるる羅列をされているわけでありますが、その疑義が生じた、あるいは不正を行ったと認定をされた研究者、当該研究者本人に対する罰則規定ですとか、その検討ですとか、本人に対する処置というものが何ら記載をされていないということであります。 ですので、そこで改めてお伺いしたいと思いますが、国家戦略推進を促進すると、そして再発防止をすると、先ほど官房長官お答えくださいましたけれども、このような事案が上がった場合には、私は、検証委員会等を立ち上げて、しっかりと、研究成果に不正がきっちりと客観的に認められた場合には研究者本人から、あるいは研究者チームから科研費の払戻し請求をできる手続規定ですとか、処分内容ですとか、あるいは国立研究開発法人の研究機関としての世界的な名誉が毀損された場合の罰則規定ですとか、こういったものまで今回は明文化をしておく必要があるのではないかと思いますが、官房長官、いかがでしょうか。
○国務大臣(山本一太君) 私の担当なので、私の方からお答えします。 まず、佐藤委員の方からSTAP細胞のお話ありました。あのSTAP細胞に関する研究は、これまで医学の常識を覆すと期待されたものですけれども、研究成果の信憑性に疑いが持たれているということは大変残念に思っていまして、早急に調査結果が公表されるということを期待しております。 科学研究は、研究者が高い倫理の下で公正に行うべきものであって、特に科学技術イノベーションの源泉となる基礎研究、これは研究者の知的好奇心や探求心に根差して、その自発性、独自性に基づいて行われるものであることから、不正が行われた場合は、今、佐藤委員がおっしゃったように、その責任は一義的には研究者が負うべきものだというふうに考えています。 このため、内閣府が主導し関係府省間で申合せをしている競争的資金の適正な執行に関する指針において、研究上の不正使用、これは捏造とか盗用ですが、あるいは研究費の不正使用、預け金とか私的流用などに対しては新たな研究資金への応募制限を課しております。一方、研究費の不正使用、この預け金、私的流用については、補助金適正化法、これは補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律に基づいて、交付決定の取消しとか、交付した研究資金の返還請求を行っています。 さらに、不正の再発防止、原因の究明等の観点から、組織としての対応も不可欠であり、例えば研究機関内にコンプライアンス推進責任者を配置して責任の範囲を明確化するとか、そうした組織的なガバナンス体制を構築することも大事だというふうに考えております。 今後とも、科学技術の司令塔機能を生かし、内閣府が事務局を担う競争的資金に関する関係府省連絡会などを用いて、不正防止に向けた対応の方向性の周知を図るとともに、関係府省が連携して取組を進めてまいりたいと思います。 特定国立研究開発法人については、これから総合科学技術会議の決定を踏まえて対象法人を決定をすると。さらに、その中で法案をきちっと準備していくわけですが、今、佐藤委員のおっしゃった問題意識も受け止めて、これからしっかりと法案を検討させていただきたいというふうに考えております。
○佐藤ゆかり君 ありがとうございます。 結局のところ、私も、この国が進めます国家戦略の一環としての科学技術の司令塔強化、そして世界に冠たるこの研究開発法人というものを推進していくという、それを成功に導いてほしいという思いがございます。 そういう中で、その一部の研究者の、特定国立研究開発法人も理化研にしても産総研にしても様々な研究プロジェクトを抱えているわけでありまして、一部のプロジェクト、一部の関わった研究者の研究不正によって組織全体がペナルティーを受けて、そしてその科研費が減らされると。そのことによってほかの研究者が、全くプロジェクトに関わっていなかった別のプロジェクトの研究者まで影響を被るというような、責任の所在を明確にしないことによってほかにまでその影響が及ぶようなことのないように、そういう意味でも責任の所在の明確化が必要ではないかというふうに思うわけでございます。 そこで、残された時間、国家戦略特区について少しお話を移らさせていただきたいと思います。 実は、イギリスでは金融ビッグバンというのがありまして、ロンドンを中心に経済再生の一つの大きなきっかけになったという歴史的な背景がございます。配付資料でございますけれども、こちら横長の地図が書いてございますが、ロンドンのシティー地域が、真ん中にロンドンと書いてあるところですけれども、この周辺の半径五十キロメートル前後の圏内に、実はシティー周辺には六つの空港が存在をしております。その中心はヒースローとシティー空港でありますけれども、五十キロ圏内ですと、ガトウィックからルートン、スタンテッド、そして少し離れてサウスエンド空港まであるわけでございます。 実は、このロンドンの周辺の六つの空港というのは役割分担をしておりまして、例えば北のルートン空港やスタンテッド空港の場合には格安航空会社が拠点にしていたりして入っておりまして、格安航空会社の運航と、あと長距離については特に貨物、貨物便を中心にこういった空港に入ってくると。そして、シティー空港というのはまさに金融街シティーの中心にある空港で、むしろビジネス向けの航空便が多く入ってきているというような役割分担で活性化をしているわけであります。 特にロンドン・シティーになりますと、こういった金融ビッグバンの結果もありまして、二〇〇九年とやや古いデータではありますけれども、シティーに住む居住人口は僅か一万一千五百人なんですけれども、シティーで雇用されている雇用人数は三十一万六千七百人と、三十倍ぐらい雇用が多いわけでございまして、そこまで東京都が居住人口が減らして雇用だけ、流動人口、交流人口だけ増えなさいという話ではないんですけれども、そこで、東京都が申請をしている国家戦略特区申請について関連でお伺いしたいと思います。 国家戦略特区の今回の申請の認定については六つの評価基準があるということで、今、東京、神奈川、横浜を中心とした地域と、それから大阪、神戸を中心とした地域が広域経済圏として二つ挙がっているというふうに聞いております。東京についても、その六つの評価の中に、一つにはその申請内容を実現するためのインフラ、環境の整備ができることという、そういう見込みであることということも評価基準の一つに入っているわけであります。 その関連でお伺いしたいんですけれども、このシティーにもありましたように、六つもロンドンの場合には空港がある。東京の場合には成田と羽田空港でございます。成田はもう六十キロぐらい離れているわけですからそんなに近距離の空港ではないとなると、実質的に、東京都をこれから世界で最もビジネスのしやすい都市に再生をすると、そういうプランで進める場合に本当に東京国際空港、羽田空港だけで大丈夫だろうかというふうになるわけであります。 かつてから横田基地の軍民共用化というのが案件に上がっておりまして、実は平成十五年、小泉政権時代からブッシュ大統領と軍民共用化の実現可能性の検討で合意をしている経緯がありまして、この間、何回もこの話が出てきて、出ては消えているわけであります。 この際に、横田基地を、共用化を交渉を進めて、関東地域の西部の一般旅客並びに貨物をそこに集約して、羽田、東京国際空港をより東京の国際都市としての位置付けで、ビジネス便の発着、これをもう少し増やす、今そこがボトルネックだというふうに聞いているわけでありますが、東京国際空港のビジネス便の発着を増やす方向で横田基地に対する対策をどうお考えになるか、お伺いします。
○大臣政務官(伊藤忠彦君) 国家戦略特区につきましては、ただいま、具体的な地域や地域ごとの方針につきましては三月に示すことを目指しまして、国家戦略特区諮問会議等において検討がなされているところでございます。 なお、委員御指摘の横田基地の軍民共用化の実現につきましては、アメリカ政府との調整といった課題があると承知をいたしておりますが、国家戦略特区として取り組む前に、そういった状況の推移を見極める必要がある事項だと考えております。 以上でございます。
○佐藤ゆかり君 中途半端にやはり国家戦略特区の構想が終わることのないように、やはりやるならやると。やるならば、東京都をもし選定するということになれば、東京を本当に世界で最もビジネスがしやすい都市に再生をするということであるならば、ほかの都市と比べても、今、東京国際空港はやはり極めてビジネス機の受入れ体制が不十分であるという指摘が内外から上がっているわけであります。これは日本商工会議所のみならず、在日の米国商工会議所からも、東京国際空港のビジネス機受入れの必要性の増加というものが意見としてかなり強く出ている現状にありますので、やはりそういったところをトータルに考えながら、国家戦略として特区というものを全力的に進めていただきたい、お願いを申し上げまして、私の質問を終わらさせていただきます。
○上月良祐君 質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。茨城県選出の上月良祐でございます。 まず、甘利大臣に地域経済の状況等につきまして何点かお尋ねをいたしたいというふうに思っております。 いよいよ消費税の税率アップの時期が近づいてまいりました。駆け込み需要の動きなど盛んに報じられております。平成九年の頃、三%から五%に上がった頃とはかなり経済情勢が違うというふうにも言われております。私もそういうふうには認識をいたしております。しかし、当然反動減というのは起こると思いますし、また家計防衛もしなければいけませんから、消費抑制といったような動きも出てくるんだというふうには思っております。 ちょっと心配いたしておりますのは、十日に発表されました、昨年、二〇一三年の十—十二月期のGDP、これは速報値からの改定ということでございますので、その改定の内容を余り心配してもしようがないのかもしれませんけれども、二月の速報値に比べまして下方修正をされてはおります。中身が、設備投資の増加率が下がったり、個人消費や住宅投資も下方修正されているという形でございまして、内容がちょっと心配かなというふうに感じたりもいたしております。一月の国際収支も経常赤字が最大になっているということもありますし、円安になってもなかなか輸出が戻っていかないという問題もあります。 実は、何というんでしょうか、様々な経済指標は出ておりますけれども、一国会議員の立場ではそれを深く分析するということがなかなかできないというのも事実ではあります。詳しいデータ、そういうものは政府にたくさんありまして、官庁エコノミストの皆様方がたくさんいて、そしていろんな面から深く分析されているんだと思います。熱があるというふうに言いましても、いろんな原因があるんだと思います。なぜ熱があるのかが分からなければ、それを治すこともできないんだろうというふうに思っております。 政府としては、消費税率引上げに伴う見通しとしましては、需要減、反動減はあるだろうと、しかし年間を通して見れば、堅調な内需に支えられた景気回復があるのではないかというふうに見通しておられるようではありますけれども、最新の状況、表に出てこないような分析なども含めて、大臣がどういうふうに四月以降の景気に対する影響、経済に対する影響を想定されていらっしゃるのか、その辺りの見通しについてお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) 御指摘のとおり、直近の十—十二月の改定値では、速報値よりもマイナスになっております。具体的に言いますと、速報値で、前期比、年率成長が一・〇だったものが〇・七に修正、若干下方修正されております。その内訳は、今御披瀝のとおり、各般の項目にわたって若干の下方修正がなされています。 しかし、直近の例えば機械受注で見ますと、過去二番目、たしか過去二番目ぐらいの上がり方で、その前月の下がりに対するカバーするような動きになってきております。これは、機械受注は設備投資の先行指標とも言われますから、これから民需が次第に市場にその影響を発揮をしてくるのではないかというふうに思っております。 消費税の駆け込み増と反動減は、民間調査機関が、大体駆け込みも反動減もGDPに与える影響が〇・四%くらいではないかと、二兆円弱ぐらいになるんだと思います。 そこで、補正予算を組みましたときに、一つは、反動減をしっかりとカバーするだけのものにすると。そうすると、じゃ二兆円でいいのかという話になりますけれども、それだけではなくて、反動減を埋め戻す効果があるだけではなくて、その後の成長軌道、成長軌道と申しますのは、今後十年平均で名目三パー、実質二パーでありますけれども、そこにしっかり戻していくだけの補正の量を確保するということで、補正金額で五・五兆。これはその外側に税、減税措置が一兆円あります。 こういう総合対策を講じて、消費税の影響を最小限にし、成長軌道に戻すだけのものにしていこうというふうにしたわけであります。 民間の予測でありますと、この四—六はもちろん消費を中心に経済が落ち込みますけれども、その後の七—九については順調に回復するという見通しを民間は立てております。その民間予測に従っていくように、しっかりと経済運営に目配りをしていきたいというふうに思っております。
○上月良祐君 大臣、ありがとうございます。 大体今までの見通しなのかなというふうにちょっと安心をいたしたところであります。 心配なデータもいろいろありますけれども、消費税の影響という面は一旦ちょっと横に置くといたしましても、まだまだこれから日本の景気、経済が回復していくというのは大変難しい道のり、ナローパスなのだろうというふうに思っております。特に、やはり国、地方を合わせた借金が一千兆を超える、一%上がれば十兆負担が増える、これは消費税にすると四%ぐらいになるんでしょうか、そういうふうな大変厳しい状況であるということはもう言うまでもないと思います。 これから国債の消化というのは楽になっていく場面ではないのかなというふうにも思います。異次元緩和の影響もあるのかもしれません。特に、私は地方で財政の仕事などもやっておりましたけれども、投資の余力という観点から見ると国の方はかなり厳しいのではないかなというふうに、相対的に見ましてでございますけれども、思ったりもいたしておりました。 円安になってもなかなか輸出が戻らない、その原因は何なんだろうかと。企業も生き物でございますので、大概の円高には何とか我慢して、息を止めてじっと我慢をするのかもしれませんが、あれほど長い円高では、どんなに屈強な人でも、無酸素の状態で我慢していろと言われて、これは時間が長くなれば死んじゃうわけでございまして、それは我慢できる期間にも限度があるんだろうとも思います。やはり、超円高、長らくの超円高を放置した責任というのは本当に大きいんじゃないかなと、私は大変、懸念といいますか残念に思っているところではございます。 こういった状況ではありますけれども、消費税の状況を取りあえず横に置いたとして、これからの日本経済、景気の回復に向かっての、投資余力が減っていく中、そういった中での見通しというんでしょうか、道のりというものに関しまして大臣のお考えを是非お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) アベノミクスが三本の矢で構成されているというのは御案内のとおりでありますが、金融緩和、これは過去にやったことがないような大胆な緩和措置をすると。目標年次を決めてどれくらい緩和をしていくかということを設定して、物価安定目標に向かって金融を動かしていったわけであります。その次に、機動的な財政出動を行いました。需給ギャップを公需で埋めていくという作業に直ちに掛かったわけであります。そして、三点目が一番大事なところであります。委員御指摘の、どうやって投資を促していくかということであります。 公需で需要をつくり続けるということは物理的に不可能でありますから、公需は民需を動員していく際のきっかけをつくるといいますか、適切な導入策であるべきだというふうに思っております。そして、民需を導入していくためには幾つかの環境整備が必要です。税制による環境整備、投資を行った方がいい環境をつくっていくということがあります。これは、税制でつくっていくことと、それから規制緩和でつくっていく、両面があろうかと思います。 それから、大きなフロンティアの目標を作っていくことが大事だと思います。企業としても、もちろん投資行動というのは企業の自主判断でやるべきでありますけれども、当然なんでありますが、しかし、政府としては、従来フロンティアでなかったところをフロンティアとして掲げて、そこの環境整備をしていくということが大事でありまして、フロンティアとして成長戦略で掲げましたのは、日本が抱えている社会課題です。社会課題というのは普通はマイナス要因です。こういう頭の痛い問題がありますよということなんですが、実はアベノミクスの成長戦略では、頭の痛い社会課題を逆手に取ってフロンティアにしてしまおうと。例えば、少子高齢化の中でどういう社会をつくっていくかということは、健康長寿社会をつくっていくということであります。そこをフロンティアにしていきますと、医療や介護の新しい制度開発や技術開発が生まれてくる、そこから製品やサービスが新しくデビューしてくるわけであります。 そして、日本が抱えている社会課題は、少子高齢化にせよ、あるいはインフラが耐用年数を一斉に迎えてしまうことでも、電力の制約でも、あるいは地域経済をどう振興していくかでも、このソリューションができれば、それは日本だけのものではなくて、海外でも、時間差はあれ、同じ問題を迎えるわけであります。そのときに日本はソリューションパッケージを持っていればそれ自身が売り物にもなるということでありまして、そういう投資環境を整備をすること、税制や規制緩和、そして、どこに向かって経済投資がこれから進んでいくのかというあらあらの目標を示すことによって民間投資を拡大をしていこうというふうに考えております。 もちろん、対内投資の倍増計画とか農産物輸出の倍増計画、いろいろの計画を年次をしっかり切って取り組んでいくということを通じて、民間投資の拡大、そして対内直投の拡大をしていくということで推進をしていくことにいたしております。
○上月良祐君 ありがとうございます。まさにおっしゃるとおり、ピンチをチャンスに変えていく、そういう発想がなければ日本の経済というのは元に戻っていかない、新たな成長段階には入れないんだというふうに思っております。キャッチアップではなくて新しい価値観を提示できるような、そういうふうな戦略、それが必要なんであると思いますし、それは、やはり特区というのは一つ大きな切り口になるんだと思っております。今日は特区の議論をする時間がちょっとありませんので、これはまた別にと思っておりますけれども、是非そういう方向で頑張っていただきたいと思っております。 消費税の転嫁につきましても、ちょっとこれは要望にさせていただきたいと思います。 これはもうどの先生もそうだと思いますが、御地元を回られておられますと、これは大臣もそうだと思いますけれども、転嫁がなかなかできないんじゃないかということに関して非常に懸念の声、特に内税表記のままだと苦しいぞというふうな話をお聞きします。この辺は法律も作っていただきましたりしまして、非常に一生懸命やっていただいておる、この点は感謝をいたしたいと思います。 是非、このことにつきまして、これからも更にしっかり現状を見ていただいて、私ども、これは自民党の中でも言われておりますけれども、多分そういう声が一番早く届くのは政治家じゃないかというふうにも言われております。そういった点がありましたらば我々からも情報提供をどんどんさせていただきたいと思っておりますので、しっかり転嫁の監視というんでしょうか、促進というのもおかしいですが、監視をしていただきたいと、これは要望をさせていただきたいというふうに思います。 アベノミクスに関しまして、なかなかまだまだ恩恵が地方経済には波及していないぞという声が大きいです。私も、確かにそういうふうに思う点も大きいです。総理は、今年は全国津々浦々まで景気回復の実感を届けるんだというふうにおっしゃっております。総理がおっしゃっている、できるのかできないのかじゃなくて、できるように、国会議員、特に与党の議員が頑張らなきゃいけないんだというふうに私は思っております。 その中で、ちょっと一点お聞きしたいことがあります。これは政府委員の方で結構でございますけれども、地方の景気が良くなるかどうかというのは、ちゃんとセンサーを働かせていただかないといけないんだというふうに思っております。地方の実情をきちんと認識しなければ、その景気が、何というんでしょうか、届いているのかどうかということだって分からないという中の一つの例でございますけれども、有効求人倍率という指標、皆さん御存じのとおりの指標がございます。 これに対して、私は非常に前から、不思議というんでしょうか、疑義を持って思っておるんですけれども、有効求人倍率って、働いているところの倍率では必ずしもないんですね。要するに、統計が届けられたところの都道府県のデータになっていると。どこかの大きなチェーン店があるといたしまして、小売をやっているチェーン店があるとして、支店がいっぱいあると、まとめて本社でどこかの県で報告したらそこの雇用ということになって、実際に就職しているところと違うわけなんですね。 こういうのはどっちにも悪くて、何というんでしょうか、雇用があるのにない県にとってもきちんと認識できていないし、雇用がないのにあるというふうに言われている県にとっても、対策を取るという意味では非常に、何というんでしょうか、余り良くない指標だと思うんです。 こういうのは、このITの時代に幾らだって直しようはあるんだと思いますがと思ってお聞きしましたら、就業地別の有効求人倍率を一度試算をされていらっしゃる、一年ぐらい前ですけれども、試算をされていらっしゃるようではあります。しかし、やっぱり就職しているところに、実需があるところに有効求人倍率があるというふうにきちんとそのデータは整理してもらわないと、こんな基本的なデータがずれているということでは大変まずいと思うんですが、この点につきまして、これは政府委員の方で結構でございますが、御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(宮野甚一君) お答えをいたします。 ただいま委員から御指摘がございましたように、現在公表しております地域別の有効求人倍率につきましては、それぞれの地域のハローワークが受理した求人数を用いて計算をしております。したがって、全国の各支社の求人を本社が一括して提出をするという場合など、求人を受理したハローワークの都道府県と実際の就業地となる都道府県が異なるというような場合がございます。こうした点を踏まえ、通常の有効求人倍率に加えまして、就業地別に見た有効求人倍率につきましても、平成二十四年の数値を試算し、公表したところでございます。 さらに、月別の数値でございますけれども、これは季節的な変動要素を含んでおりますので、それを除いた季節調整値を使用していくということが必要になります。これにはある程度のデータの蓄積が必要でございますけれども、ただいまの委員の御提案もございましたので、今後、就業地別の有効求人倍率につきましても季節調整値を算出して計算結果を検証し、月別の数値についても積極的に公表するという方向で早急に検討してまいりたいというふうに考えております。
○上月良祐君 ありがとうございます。 これは正直、私も役人をやっておりました。しかし、これは、こういうふうに実需と実態のデータが違うと、例えば東京は、この一年前に試算されたやつだと、受理地でいくと一・〇八倍なんですが、実際の実需というのは〇・八四倍なんですね。福島県は〇・九六倍なんだけど、一・〇九倍なんですよ、二十四年のデータですけれども。全然違うんですね。そんな状況で議論したって始まらないでしょうと。 一生懸命企業誘致して、企業は伸びていても、その前の本社のところで出されたらその県の数値になっていないということでは、何というんでしょうか、地方の活性化のベースがやっぱりおかしいということですから、今の御答弁は大変有り難い御答弁です。地方も頑張らないといけない、津々浦々まで届けていかないとというときには、きちんとやはり地方でもそういったことを自分たちで分析して次の手段を取っていかなければいけませんから、是非ともその件はお願いをいたしたいというふうに思います。今の御答弁には大変感謝をいたしたいと思っております。 そして、アベノミクスの先ほどの津々浦々の件なんでございますが、これは、私はちょっとこう思っておるんでございます。最近、まだまだ届いていないという声は多いんです。私もそれは事実だと思います。 しかし、アベノミクスって、さんさんと照らしてくれる太陽であったり、あるいは恵みの雨であると思うんですけれども、田畑を耕したり、種をまいたり、それを育てていくというのは、やはり地方がやらなきゃいけないことなのではないかというふうに思います。追い風を吹かしてくれても、帆を張らないと追い風を受けられないんだと私は思っております。その帆を張る、あるいは田畑を耕して種を大切にまいて育てていくということは地方の大切な仕事、それに追い風を当てていただくのがアベノミクスなんじゃないかと思います。種までまいて、田畑も耕してくれなきゃ駄目だと言われても、そんなことを全部国ができるわけはないし、そんなんだったら自治体の必要性がないんだと私は思っております。 そういう意味でも、是非、自治体、県であれ市町村であれ、一生懸命やっているところがあります。そして、例えば商工会議所、商工会、あるいはJC、一生懸命やっているところがあります。例えば、茨城でも今、偕楽園の梅祭りというのをやっております。年に一日だけ夜梅祭りというのをやっておりまして、これは若手の経済界の方々が一生懸命やり始められたことなんです。九回目ですけれども、夜の梅祭り、偕楽園がもう本当に人混みで満員になるんです。そうしたら、泊まってくださる人も出てくる。どうしても茨城は東京に近いから日帰りが多いところを、そういうふうな祭りをすることで、何というんでしょうか、新しいチャンスをつくられる、そんな若い人の活躍でございます。そういった取組を支援していく。これは自治体がやるのであれば、自治体のそういう意味では地方交付税ということになったりするのかもしれませんけれども、そういうこと全般につきましても是非ともお目くばせをいただきたいということを是非ともお願いをしたいというふうに思っております。 金融の役割について、一点お尋ねしたいと思います。 秋の臨時国会で茨城県の大先輩でもあります岡田副大臣に、金融機関の役割につきまして、これから民間経済が活性化していくときに、やっぱり血液ですから、それを循環していく、回していただかないと、民間企業、頑張ろうったってなかなか頑張れないぞということを申し上げたところ、ちょうど金融庁もそういうふうな方向で一生懸命考えてくださっていると。昨年九月に策定した監督方針には新規融資に関する取組状況等を重点的に確認する旨を明記したんだと、これから中小企業等の経営改善や育成、成長につながる新規融資の取組を促していきたいんだというお話をしていただきました。 余り性急に、何というんでしょうか、その結果をどうこう言うつもりはありません。けれども、四半期以上です、四か月強たっております。何かいい指標などは出始めているのかどうか、出始めていないんだったらまた頑張っていただければいいと思います、方向が間違っているわけではありませんので。その辺りにつきましての概況を、もしあればお答えいただければと思います。
○副大臣(岡田広君) お答えいたします。 日本経済がデフレから脱却し、力強い成長を実現していくために、金融の役割は大変重要であると考えます。金融機関には、新規融資を含む積極的な資金供給を行い、顧客企業の育成、成長を強力に後押しするという役割を一層発揮していくことが求められていると考えております。 この点につきましては、昨年の十一月五日の当委員会におきまして、上月委員から、地域経済の活性化に向けた地域金融機関の前向きな対応を促すために金融庁更にしっかり頑張れというエールも含めた御質問をいただき、金融庁としてもこの役割、使命を再認識して今頑張っているところであります。 金融庁としては、金融機関による先進的な取組等を取りまとめた事例集を公表し、関係者に広く還元することにより、金融機関の創意工夫を凝らした取組を促しているところであります。 さらに、財務局長会議において、財務局長に対して、地域金融機関への積極的な働きかけを促すとともに、先月開催されました全国信用保証協会等代表者会合、あるいは今月開催されました年度末金融の円滑化に関する意見交換会においても、成長分野などへの新規融資を含む積極的な資金供給を行っていくよう要請したところであります。 さらに、現在、全国十一か所におきまして、年度末も控えまして、地域密着型金融に関するシンポジウムを開催しているところであり、私も、香川県高松市で開催された四国ブロックのシンポジウム、あるいは東京都渋谷区で開催されましたシンポジウムにも参加、出席をして、四国高松ではパネリストを務めさせていただきまして、地域金融機関に対し、成長分野などへの新規融資を含む積極的な資金供給を行っていくことをお願いをしたところであります。 地域の金融機関におきましては、太陽光エネルギー、農業の六次産業化、医療・介護施設といった成長分野への新規融資など、地域経済の活性化に向けた前向きな取組が見られるところであります。また、金融機関の中小企業向け貸出残高につきましても、前年同期比で増加してきております。 このように、徐々に成果が出始めておるわけでありますが、引き続き、金融機関に対し、中小企業等の経営改善や育成、成長につながる積極的な取組を促してまいりたいと考えております。 以上です。
○上月良祐君 ありがとうございます。 貸出残高は伸びているようなんでございますけれども、その質の方がこれからは大切になってくるんだと思います。是非、その内容もよくよく見ていただいて、本当に成長につながるような貸出し、これは目利き能力というか目利き力が大変重要だと思うんですけれども、そこを何とか頑張って伸ばしていっていただいて、結果につながるように是非頑張っていただきたいと思います。また、チャンスがありましたらば、そこはお尋ねしたいと思います。 それでは、TPPのことにつきまして、大変厳しい交渉をしていただいております甘利大臣に私のような一回生が聞くのは大変どうかなとも思いますけれども、茨城は、余り知られていないところもあるんですが、北海道に次ぐ大農業県でございます。私も大変、地域を回っておりまして、このことを心配していらっしゃる方の声をたくさん聞かせていただいております。余り声が上がっていないからと思わないでいただきたいと前も申し上げました。みんな情報がないので固唾をのんで見守っている、そういう状況でございます。日本の国益を守るということで、農林水産委員会の決議も踏まえて厳しく交渉していただいておりますことを、本当に心から御礼を申し上げたいというふうに思います。 ちょっと一点、心配していることだけ申し上げさせていただきたいんですが、交渉の最終局面に近づいているのかどうか分かりませんが、そういう場面がいずれはやってくる。そういったときには、最後ぎりぎりの決断というものが必要な場面もあるんだというふうに私は思います。 ですが、当然これだけ大きな交渉ですから、最後の最後、ぎりぎりの決断をしないといけない場面というのが来るというのは、これはもう長年与党をやっていた自民党ですから、こんなことは織り込んでいるんだと思うんですね。その上で、五品目等は守るんだという公約だったんだと私は思っているんです。最後ぎりぎりの場面があったら折れるよというんだったら、そんなことは言っちゃいけないんだと私は思っております。そして、その公約を信じて投票してくださった方のおかげでねじれが解消したんだというふうに私は思っております。 したがって、これから本当に厳しい場面になると思います。おまえなんかに言われなくても本当に厳しい場面はあるんだって思っていらっしゃるんだとは思いますけれども、これはエールでもあるんです。是非とも、本当にぎりぎりの場面になりましても、この公約、農林水産委員会の決議、こういったものを守って交渉していただけるんだということ、その御決意を是非聞かせていただきたいと思っております。
○国務大臣(甘利明君) 別に遠慮される必要性はありませんから、厳しく質問をいただいて結構なのでございます。 それぞれの国にはそれぞれの国が持っているセンシティビティーというものがあります。十二か国のうち、これが全くないという国は、私は交渉参加していて感じることですが、それはないと思います。もちろん、全くないというのは、物品の関税についてはないという国はあるかもしれません。しかし、それ以外の、物品以外の市場アクセス、例えば国有企業についてこういうルールを導入するということに対して、それは勘弁してくれという国はあるでしょうし、あるいは、国がいろいろ調達することに関して、それを内外に開放するのでも、全く内資と外資を一律にはできないという事情を抱えている国だってありますから、それぞれの国に、形の違いはあれ、センシティビティーはあるんですね。それに、それぞれの国がセンシティビティーを持っているということを認識した上で、野心、野心というのは自由化度合いということですけれども、野心の度合いをどこまで上げられるかというのがこのTPPであります。 ですから、日本がTPPに入るときに、安倍総理はアメリカに、ワシントンに入りまして、日米首脳会談を行いました。何でアメリカがTPPの代表かとよく言われるんですけれども、TPPの一番のチャーターメンバーではないでしょうけれども、しかし、圧倒的経済力を持っているといいますか、終身議長みたいな立場になっているわけであります。そこで、日米で確認をしたのは、最初からこの聖域は設けられないんだということを前提の交渉だったら日本は入れませんということで確認をしました。最初から聖域なき関税撤廃、それが前提ではないと。ただし、交渉の中でそれは最終的に得られるものであると。つまり、交渉でそれぞれの国が勝ち取っていくものであるということが分かったわけであります。 そこで、日本は私が交渉の責任者としてセンシティビティーを勝ち取るべく交渉を今しているわけであります。そのバックボーンになっているのは、一番のバックボーンになっているのは、衆参の国会決議であり、我が党の公約であります。これは、こういうことを守っていきますということを国民に対して約束をした、あるいは周知したということでありますから、私としましては、それを常に念頭に置きながら、中身の条文のこれはどう解釈するんだなんというのが予算委員会でも随分出たようでありますけれども、除外というのはどういう意味だって、学者によって意味合いが違いますよとかいろいろな答弁があったようですが、要するに、日本が得ることができた最終案が果たして国会の決議と整合性が合うのか合わないのか、公約と整合性が取れるのか取れないのか、これは党が判断をし、あるいは国会が最終的に判断をすることでありますけれども、この結果だったらぎりぎり整合性は取れていると判断をできるよと言っていただけるように、今厳しい交渉をしている最中であります。 毎回申し上げていますけれども、衆参農水委員会の決議というのはしっかり重く受け止めて、その上で厳しい交渉をしているというのが実情であります。
○上月良祐君 ありがとうございます。改めまして決意を聞かせていただきまして、少し安心もいたしました。これからが本当の本番かもしれません。甘利大臣には大変に厳しい交渉ですが、是非頑張っていただきたいと思います。 そして、TPAの関係でございます。これも言わずもがなでございますので、質問ではなくて、御要望といいますか要請にさせていただきたいと思いますが、先般、担当大使の方の御説明が、これは党本部だったか、であったときに聞きましたら、TPAがなかなか通らないけれども、これはどうなるんだろうかと聞きましたら、TPPの合意内容の見通し次第でしょうと。大体これぐらいでいいのかなと思えば、TPA通してくれるんじゃないですかみたいな話だったんです。秘密交渉なのに、そんな言い方いいのかなと私はちょっと思いましたけれども、それはいいです、あうんの呼吸がアメリカにもあるのかもしれませんから。 それはいいとして、やはりそういうふうなものであればあるほど、議会側が納得できないぞと思っていればいるほど、TPAが通らない。その状況で実質合意して、全部カードを切っちゃったら、絶対もう一回言われるに決まっているわけですね、議会側が納得していないからTPA通していないんだとすれば。そういう状態になってから、最後煮え湯を飲まされるような決断を迫られるというふうなことは、もう本当に絶対に避けていただきたいというふうに思っております。 こんなことは言わずもがなだと思っておりますが、是非ともTPAの関係は考えながらのうまく交渉をしていただきたいと思っております。日本にとってのTPAは、先ほど申し上げました、議院内閣制でございますから、自民党の公約やあるいは国会決議というのがまさに日本におけるTPAだと思いますので、そのことを大いに持ち出していただいて、是非とも交渉結果を勝ち取っていただきたいというふうに思います。お願いをいたします。 最後になりました。ちょっと時間がなくて申し訳ありませんが、特定秘密保護法の関係で、森大臣にちょっと確認といいますか、状況を含めまして、ちょっと時間がないので一点、まず聞かせてくださいませ。 私は、チェックがきちんとできなければ絶対駄目だということをNSC特委でもお聞きをさせていただきました。これは行政機関内部のそもそも話です。そんなことは国会に言われなくても、国民から言われなくても、行政機関自身がまずはきちんとチェックできる仕組みが必要なんだというふうに私は思っております。 その上で、国会によるチェックや国民によるチェック、それは情報公開であったり文書の保存であったりすると思いますけれども、そういうのが必要だというふうに思っておりまして、まずは、一義的にはこれは行政内部のチェックが絶対に重要だと思っておりまして、経過を見ておりますが、情報保全監察室が私はコアなのかなと。その上にいらっしゃる独立公文書管理監ももちろん重要ではありますけれども、そこがコアなのかなと思っておりますが、そこの仕事がどうなっていくのかなというところをちょっと心配をいたしておるといいますか、考えておるところでございます。 前、行政の中にもおりましたので、どういうふうにチェックをして牽制機能を働かせれば一番うまく回るのかなというふうに自分なりには思っておりますが、私は、何か情報があったときだけ出かけていってチェックをするということではなくて、実態はそうなってもいいんですけれども、権限としては、いつでも抜き打ちで検査できるんですよという権限を持っておかないと、何かたまたま情報が来たときだけ動き出すということではいけないのではないか。もちろんいきなり、いつもしょっちゅう抜き打ちでやってくれと言うつもりはありません。 けれども、この情報保全監察室が二十人規模で立ち上がるというお話も聞いておりますけれども、二十人というと大分、物すごい数ですから、その人たちが、単に情報来てそれをホッチキスで報告するみたいなことではいけませんから、適切にきちんとチェックをしていただきたい、能動的なチェックの少なくとも権限、所掌事務がないとまずいと思っておりますが、その辺りにつきましてどんなお考えかをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(森まさこ君) 今御指摘のありました情報保全監察室(仮称)でございますけれども、これは昨年十二月の四党協議の結論に書いてございます、独立した公正な立場において検証し、及び監察することのできる新たな機関として設置するものでございますから、米国の情報保全監督局も参考としつつ、今御指摘のあったように、しっかりとしたチェック機能を持たせたものにしたいというふうに思っております。 その持っている権限でございますけれども、四党協議におきまして、特定秘密の指定及び解除の適否を検証及び監察し、不適切なものについては是正を求めることはもちろんのこと、これを含めて六項目の権限が所掌事務として定められておりますので、こうした機能を果たすために二十人規模で業務を開始するということが必要であろうというふうに認識をしておりまして、米国においても、参考までに、情報保全監督局というのがございますけれども、こちらの体制は二十八名であるというふうに承知をしております。 そういった諸外国の例も参考にしながら、具体的に、いかなる事務を持たせて、そしてしっかりとしたチェック機能を持たせていくべきかということについては、今、上月委員の御指摘も踏まえまして、それから、まさに今開催中であります情報保全諮問会議、有識者から成る会議でございますが、こちらの有識者の御意見も伺いつつ、しっかりと検討してまいりたいと思います。
○上月良祐君 ありがとうございます。 各省が指定したものを一個一個全部チェックするとか、そういうことはする必要は絶対ないんだと思います。そんなエネルギーは全く私は無駄なんだと思いますが、いざというときに牽制機能があったり、いざというときにちゃんとチェックできる、そういうふうな要所をつかんだというんでしょうか、是非そういうふうな機関であってほしいなというふうに思っております。 もう、ずうっとの審議を通じて、森大臣の超人的な働きぶりというんでしょうか、御活躍をよく見させていただいておりまして、御答弁もしっかりされていると私は思っております。なので、これからの監察室の企画立案に当たりましても、是非ともしっかりやっていただければというふうに思っているところでございます。 そのほかにも、結構私もフェイスブックなどで細かく審議の状況などを皆様方に伝えております。お伝えしなきゃと思って伝えておりますけれども、結構誤解も多いんですね。まだまだ誤解も多いです。何か大変怖そうな法律ですけどやっぱり必要なんでしょうかみたいなことを言われるので、そうではありません、一般の人が急に逮捕することは、そんなことはないんですということをちゃんと私自身も発信をいたしておりますが、今後とも、是非、折を見てというんでしょうか、節目節目でそういった情報は適切に出していっていただければと思いますので、是非よろしくお願いします。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。 安倍総理は、所信や委員会答弁で、全ての女性が活躍できる社会をつくる、仕事と子育てが両立しやすい環境をつくると述べられています。男性も女性も、仕事と育児など、家族の時間を大事にできる社会の実現は大変急がれている課題だと思います。日本の既婚女性は、結婚や妊娠、出産で過半数の人が仕事を辞めています。一年以上離職して転職した人を加えますと、八割の人が離職、転職をしております。 新日本婦人の会あるいは全労連女性部のアンケートに寄せられた声を紹介したいと思います。 結婚したいが、今のように年の半分は土日も休めず毎日残業という状態では、家庭を持つ意味があるのかと思う、子育てなんてあり得ないし結婚しよう、産もうという気にならない、二十代女性。今の働き方では子供を産んで育てるのは困難、欲しいけど諦めるしかない、二十代女性など、仕事と結婚、子育てのどちらかを選択しなければとても両立できないという長時間労働の実態があります。 それから、既に子供を持ち、働き続けている女性の声も紹介したいと思います。 できればパートなど短時間勤務で子供との時間をつくりたい、自分の趣味、子供との時間を我慢し、親のことも気になるが、自分たちの生活で精いっぱい。別の方。保育所への子供のお迎えはいつも一番最後、うちに帰って御飯、お風呂、寝るまでに二時間掛かり、二十二時就寝で子供は毎日寝不足、子育てのため地域の活動も必要だと思うができないなどですね。パートでと思うんでしょうけれども、やはり賃金が低いから、生活を維持するために子育ての時間を削っているという実態であります。 森まさこ男女共同参画担当大臣に伺います。こういう実態と声があることについて、まず受け止め、感想を聞かせてください。
○国務大臣(森まさこ君) 我が国において、女性が子供を持ちながら働き続けることが非常に困難な状況であること、これが長い期間続けられてきました。こういった状況を解消して、子育て又は家庭での介護等と仕事、どちらか選択しなければならないような状況を解消して、全ての女性が生き生きと輝くことができる状態をつくり続けることが安倍内閣の目指している状況でございます。 しかしながら、我が国では、第一子出産を機に六割の女性が離職をしておりまして、女性の労働力率が子育て期に当たる三十代で低下をするというM字カーブ、これがいまだに続いております。今、先進諸国では台形型になっておりまして、このM字カーブがほとんど見られない状況になっておりますので、この第一子出産を機に離職をする女性の減少を図ることが喫緊の課題であり、様々な御指摘を踏まえて政策を展開してまいりたいと思っております。
○山下芳生君 今、森大臣もおっしゃったように、政府の統計でも第一子の出産を機に離職する人が、女性が六割。育児休業を利用して就業を継続している人は一七%にすぎません。 資料一枚目に配っておりますけれども、離職した理由、正社員の場合を調べますと、家事、育児に専念するため自発的に辞めたという方が三五%、就業時間が長い、勤務時間が不規則ということでお辞めになった方が二六%、両立支援策が不十分が二一%になっておりますが、私はこれはゆゆしき問題だなと思ったのは、解雇された、退職勧奨されたという方が一四%あるんですね。妊娠、出産の時期に一割の女性が解雇、退職強要されている。 まず、森大臣、妊娠、出産を理由にした退職強要は違法ではありませんか。
○国務大臣(森まさこ君) 違法です。 末子妊娠時に正社員が退職した理由として、今委員のお示しになった資料で一三・九%の女性が退職勧奨された又は解雇されたというふうに述べております。これは、妊娠、出産、育児休業の取得等を理由とする解雇等の不利益取扱いに当たりますので、男女雇用機会均等法及び育児休業・介護休業法により禁止をされております。
○山下芳生君 違法なんですよ。しかし、こういうことがあるんですね。 ちょっと具体的な例を紹介したいと思いますが、ある大企業の関連会社の契約社員をしていたBさん。年末に妊娠を上司に告げると、産休も育休も取れないと言われ、ひどいつわりや切迫流産で二、三週間休む中で、上司から、出勤は三月末まで、十月までの半年は雇用を継続するが、出勤はしないでくださいと言われたと。その間は無給で、保険料は支払うように言われていると。妊娠安定期に入るか入らないかのときに上司三人に囲まれ、あなたに妊娠されて、休まれて、会社としてはすごく迷惑です、新人を雇うとまで言われ、本人はおかしいと思ったが、体調が悪いこともあり、訴える気力もなく泣き寝入りしたと。退職手続で会社は自己都合と書いてきたが、そこだけは会社都合に変えさせた。 同じ大企業の別の関連会社で契約更新を繰り返して働いてきた三十歳過ぎのMさん。妊娠七か月のときに会社から呼出しを受け、いつ辞めますか、予定日のぎりぎりまで働きますか、その前に辞めますかと問い詰められたというんですね。 私は、このBさんもMさんもどんなに悔しかったろうと、この話聞いて思いましたよ。しかも、大企業の職場でこういうことが横行している。 森大臣、派遣や契約社員であっても、妊娠した女性への不利益な取扱いは禁止されているはずだし、妊娠中の解雇は違法だと思います。産休、育休は権利として保障されなければならないと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(森まさこ君) おっしゃるとおりでございます。 労働基準法においては、雇用形態にかかわらず、産前は女性が請求した場合に六週間、産後は原則として八週間女性を就業させてはならないというふうに規定をされております。また、育児休業法においては、いわゆる非正規雇用である有期契約労働者についても、一定の要件を満たす場合には育児休業を取得できるというふうにされております。
○山下芳生君 ところが、実態はそうなっていないんですね。さっき紹介したとおりです。しかも、それ確信犯でやられております。 このBさん、Mさんですが、派遣、契約社員でも産休、育休がありますという労働組合のビラを見せても、うちは一般とは違います、産休も育休もありませんと言われたというんですよ。Mさんの場合は、労働相談をして、労働組合に加入して、交渉する中でやっと取得を認めさせることができました。しかし、少なくない人がこういう権利を知らずに、契約更新を繰り返していても、妊娠や出産予定が発覚したら契約満了などとして、事実上解雇、退職強要をされているわけですよ。 森大臣、大企業職場でマタニティーハラスメント、産休切り、妊娠切りと言われるような事態が横行しております。私は、厚労省と内閣府がこれしっかり連携して、緊急に相談窓口を開設するなどして、実態をつかんで、違法な事業主に対してはしっかり指導、是正勧告、事業所名の公表をすべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(森まさこ君) 法に違反する企業に対しては厳正な是正を指導していくべきというふうに思います。 今御指摘のような法律違反については、都道府県の労働局雇用均等室で厳正な是正指導を行っておりますので、内閣府としても連携して、法の周知、都道府県の労働局雇用均等室の紹介を幅広く行うなど、引き続きしっかりと指導を図ってまいりたいと思います。
○山下芳生君 やっていても今こういう状況にあるので、とにかくやり方が足らないと思うんですよ。私、さっき紹介したのは、もう誰でも知っている超大企業ですから。これ、具体的な事例を後で森大臣に御報告しますので、きちっと対処していただきたい。 それと、実際に妊娠、出産などで正社員でも一割の女性が解雇、退職勧奨されているわけですので、これは明らかに違法状態ですから、さっき言ったように、森大臣、やっていると言うんだけれども、そうなっていないんです。是正されていないわけですから、これは緊急に政府として特別の体制を取ってやるべきではないかと思います。 例えば、ブラック企業については、去年の九月に一か月間集中的に立入調査やって、結果として十二月に八割の対象企業で違法行為があったと出ましたよね。ちょっと徹底してこれ集中してやらないと、女性が活躍できる社会と言うんだったら、本当に本気でやらないと駄目だと思うんですが、今までの延長では駄目だ、特別に体制取ってやるべきだ、これいかがですか。
○国務大臣(森まさこ君) 委員の御指摘もございましたので、事実関係をしっかり調査をして、今御指摘の点、検討してまいりたいと思います。
○山下芳生君 次に、総理は、我が国の女性の労働力率は子育て期に一旦低下するというM字カーブを描いており、希望しながら就業できない女性が三百万人以上いる、まさにこの三百万人の方々こそ大きな力だと述べました。 就業を希望しながらもなぜ就業できていないのか。働く女性が子育てしながら働き続けるために最も重要だと考えているのは、厚生労働省の調査でも、配偶者、パートナーを含む家族の支援、これが五二%でありました。中でも一番望んでいるのは、配偶者、パートナーが平日も家事、育児に協力してくれることとなっております。 そこで伺いますが、三十代、四十代の子育て期に当たる男性の労働時間はどうなっているか、加えて、週六十時間以上働いている人はどのぐらいいるか、お答えください。
○国務大臣(森まさこ君) 御質問の子育て期における男性の労働時間でございますが、平成二十五年では、三十代、四十代とも約二千三百七十時間となっております。週労働時間は、六十時間以上の男性就業者の割合が平成二十五年で、三十代で一七・六%、四十代で一七・四%でございます。三十代、四十代の男性について、このように年間労働時間及び週労働時間六十時間以上の割合とも他の年代に比べて高水準となっております。
○山下芳生君 年間二千三百七十時間というのは、物すごい長いんですよね。政府は元々、年間千八百時間を目指すと国際公約してきたんですが、これ一日当たり、休日除けば平均十時間働いているということになります。それから、週六十時間以上働いている人が二割、これ週五日制で換算しますと毎日十二時間労働していることになります。月に換算しますと残業時間が八十時間以上となって、これ、厚労省の告示で出している過労死基準を超えるもの、そこに二割の方が働かされているということになります。 連合総研が五十歳未満の既婚の民間労働者の生活時間の国際比較調査をされております。これによりますと、日本、アメリカ、フランスなどの平日の生活時間の比較をしているんですが、日本の男性は他国と比べて在社時間が平日二時間長いというふうに出ております。フランスやアメリカの男性は、六時過ぎには帰宅し、家事や育児をしています。驚いたことに、日本の正社員の女性は、アメリカやフランスの男性よりも帰宅が一時間も遅い上に、他国並み以上の家事時間をこなしております。日本の男性の家事、育児時間は平日僅か二十六分しかありません。睡眠時間は他の国と比べて一時間以上短く、男女とも六時間半しかありません。 森大臣、女性が働き続けるためには、女性の労働条件改善とともに男性の労働条件改善も大きな課題となっている。この事実、どう受け止めますか。
○国務大臣(森まさこ君) 議員御指摘のとおり、男性の家事関連時間一時間七分、そのうち育児の時間は三十九分にすぎません。男性の育児休業の取得率も一・八九%でございまして、男性の家事、育児への参画は低調にとどまっています。これは、男性の長時間労働が大きな要因であると考えております。女性の継続就業のためにはパートナーである男性の子育てへの参画が重要であり、男女が共に育児と仕事を両立できる環境整備を進める上で、長時間労働の抑制など、働き方の改革が必要であると考えております。
○山下芳生君 今、森大臣が一時間何分とおっしゃったんですけれども、これこんなに長いこと家事、育児、日本の男性ができるのかなと私は思ったので。これは休日も含めた数字なんですよ。休日固めてやる人が多いんです。しかし、平日だと、さっき言ったように、連合の調査では二十六分なんですね。この平日に頑張ってほしいというのが女性の願いなんですよ。 内閣府の世論調査でも、子育て世代の男性で仕事も家庭も大事にしたいと思っている人が七割いるんですね。仕事を中心にしたいという人はたったの四%しかおりません。 私もまだ小学生の息子が一人おりまして、地元に帰ったときの私の家事分担は朝御飯作りと洗い物です。家事は楽しいし、気分転換にもなりますね、子育ては。しかし、実態は、過半数の男性が仕事中心の生活を強いられているということになっております。 政府は、ワーク・ライフ・バランス、仕事と生活の調和ということで様々なキャンペーンを張っておりますけれども、日本における異常な長時間労働は是正されておりません。男女共同参画、仕事と家事、育児の両立できる社会に向けて、女性も男性も長時間労働の是正は大きな課題となっていると思います。 そこで、これは子育てしている夫婦だけの問題ではなくて、やはり日本の労働者全体の異常な長時間労働を是正することを土台にしなければ、これは幾ら多様な働き方をといっても、結局育児する者へのペナルティーになります、肩身の狭い思いをして早く帰らなければならないということになりますから。 そこで、先ほどの週六十時間以上の労働時間は労働基準法での法定労働時間を大きく超えているわけですが、なぜそれが可能となっているのか。厚労省、三六協定について簡単に説明してください。
○政府参考人(大西康之君) 三六協定についての御質問でございます。 労働基準法では、委員御指摘のとおり、一日八時間、週四十時間の労働でございますが、これにつきまして、労働基準法第三十六条に基づきまして、労使で協定を締結し、監督署長に届け出ることによりこの時間を延長できるという仕組みになっております。これを三六協定と呼んでおるわけでございます。 この三六協定の内容につきましては、厚生労働省の告示で定めた限度基準というのがございまして、一か月四十五時間、一年三百六十時間という、こういった限度基準もあるわけでございます。
○山下芳生君 特別条項。
○政府参考人(大西康之君) はい。 ただ、特別な事情が予想される場合には、この基準に定められた時間を超えて労働させることができるという、これを特別条項と俗に呼んでおりますが、こういった協定の締結も可能ということになっております。
○山下芳生君 つまり、厚労省の基準で、特別条項付きの労使協定を届け出れば残業を青天井でできるという仕組みになっているんですね。 従業員三百人以上の事業所のうち年間三百六十時間以上の時間外労働などの特別条項付きの協定はどれほどか。また、過労死基準とされる月八十時間以上の残業が可能な協定のある事業所はどれだけか、お答えください。
○政府参考人(大西康之君) 昨年の四月から六月にかけまして厚生労働省において実施した実態調査によりますれば、御質問の、延長時間が年三百六十時間を超える事業場の割合は三百一人以上事業場の全体の約七二%、特別延長時間が月八十時間を超える事業場の割合は三百一人以上事業場全体の約二六・三%と、そのような結果になっております。
○山下芳生君 今あったとおり、三百人以上の事業所全体で見ても月八十時間以上の残業の協定を結んでいるところが大変多いわけですね。 それで、資料二枚目に東京新聞、二〇一二年七月二十五日付けが一面トップで、「残業協定最長月二百時間 大手百社調査 七割過労死基準以上」という衝撃的な報道をしているものを紹介しました。厚労省が事業所名を公表しないので、東京新聞が一部上場売上げ百社について情報公開を求めて各社にアンケートしたものですが、トップは大日本印刷の月二百時間、関西電力、たばこ産業、三菱自動車、NTT、ソニー、丸紅、清水建設、ドコモ、昭和シェルが残業時間上位テンです。 それから、二〇〇九年、資料三枚目ですが、株主オンブズマンが当時の日本経団連会長、副会長の企業を調べたものでは、キヤノンは一日十五時間、一か月九十時間、一年間千八十時間、トヨタが一日八時間、月八十時間、年間七百二十時間、新日本製鉄が一日八時間、一か月百時間、年間七百時間、パナソニックが一日十三時間四十五分、一か月百時間、年間八百四十一時間という残業を認める三六協定を結んでいるんですね。 これ労働時間じゃないんですよ。延長できる残業時間だけの数でこれだけになっているんですね。まさに青天井なんですね。働き盛りの三十代、四十代の男性が最もこの協定の下で影響を受けております。 厚生労働省は、一方で、過労死認定基準として、発症前一か月に百時間あるいは二ないし六か月に月八十時間を超える残業は業務との因果関係が強いと大臣告示しながら、一方でその基準を超えるような届出を受け取っている、認めているんですね。ワーク・ライフ・バランス、男女とも仕事と育児を両立できるどころか、命と健康をむしばむようなことを厚労省が認めているんです。 森大臣、このような実態、どう率直に思われますか。
○国務大臣(森まさこ君) 長時間労働の実態を今委員からお示しなられましたけれども、先ほどからの質問のとおり、男性の長時間労働によって男性の家事、育児の時間が減り、そして、女性までも帰宅時間が先進国、欧米に比べて遅い中で全ての家事、育児をしているという現状でございます。 先ほど平日二十数分という男性の家事、育児時間、これなぜ二十数時間かと、二十数時間というのは……(発言する者あり)あっ、二十数分ですね、これはもう諸外国の中でも本当に最低の恥ずかしいレベルなんですが、やっている人がいまして、その人の平均なので、実はゼロ時間、ゼロ分という男性が約八割います。家事、育児をやっていない男性が八割もいるという現状なんです。そして、その要因が今御指摘の長時間労働にあるというふうに思います。 政府では、仕事と生活の調和推進のための行動指針において、長時間労働を抑制するという観点から、週労働時間六十時間以上の雇用者の割合を二〇二〇年に五%とする目標を定めております。その目標に向かって、長期的な傾向を見ますと、低下をしているものの、依然として高い状況にございます。二〇一三年で今八・八%という統計が出ております。長時間労働の抑制に向けて、厚生労働省では、時間外労働そして休日労働の削減に向けた監督指導の徹底などに取り組んでいるというふうに承知をしておりますが、政府全体としても、仕事と生活の調和推進のための行動指針に基づき、数値目標の達成に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
○山下芳生君 そのためにも、労働時間を青天井にしている労働基準法の三六協定の特別条項がこれは非常に問題ではないかということを問題提起しているんですが、厚労省に聞きます。このような時間外の基準、抜け道の合法化を認めている特別条項をなくして労働時間の上限規制をやはりするべきだと、今検討中だと聞いていますが、間違いありませんね。
○政府参考人(大西康之君) 労働時間法制につきましては、日本再興戦略を踏まえまして、現在、労働政策審議会で総合的に御議論いただいているところでございます。その中で、委員御指摘のとおり、長時間労働を抑制するための対策についても議論がなされておりまして、特に労働者側から特別条項の運用の見直しや労働時間の量的上限規制についての意見が出され、使用者側から慎重な意見が出されていると、そのような状況でございます。
○山下芳生君 森大臣、今あったように、厚労省内部で検討しているんですよ。綱引きが起こっているんですよ。そういうときに、やはり日本社会が長時間労働を乗り越え、文字どおりワーク・ライフ・バランスを実現できるように、これは国務大臣、男女参画担当大臣として、残業の上限規制への抜け道を塞ぐように労働時間の上限規制、労働基準法の改正にこれはもう大臣としては決断して当たるべきじゃありませんか。
○国務大臣(森まさこ君) 長時間労働の抑制に向けてしっかりと発言をしてまいりたいと思いますが、労働時間法制については、現在、厚生労働省の労働政策審議会で議論をされていると承知しております。 私といたしましては、長時間の労働時間を抑制するために必要なこととして、評価のシステム、これが、短時間で質の高い仕事をした場合の評価する仕組みの構築、又は、担当者がいなくても他の人が仕事を交代でできる体制づくりなどの雇用管理の改善をしっかりと取り組んでいくことも大きな課題であるというふうに承知をしておりまして、企業の経営者や管理職の意識改革を促し、評価の在り方等について手法を共有するためのセミナー等を開催をすることを取り組んでいるところでございます。
○山下芳生君 森大臣、逃げちゃ駄目ですよ。 三六協定の特別条項が男女共に労働時間を青天井にしている要因になっているのははっきりしているんですよ。今検討がされているんです。男女共同参画担当大臣として、直接の担当ではないからなかなか物が言いにくいかもしれませんが、ここはやっぱり言わないと。 じゃ、角度を変えましょう。この三六協定の特別条項が青天井に労働時間をして、それが男性、女性共に大変な長時間労働を招いて、家事、育児と仕事の両立が困難になっている、その要因に、この抜け穴が大きくなっているということについての事実認識、いかがですか。
○国務大臣(森まさこ君) 三六協定の特別条項によって長時間労働が起こっていると、委員の指摘をしっかりと受け止めまして、長時間労働の抑制に向けて男女共同参画の視点からも発言をしてまいりたいと思います。
○山下芳生君 ぎりぎりですけれども、前向きの答弁だと受け止めました。是非、真剣にやっていただければ、我々もその方向で提起したいと思います。言うだけではないということをしっかりと見届けさせていただきたいと思います。 最後に、官房長官に来ていただいておりますが、規制改革委員会、競争力会議で、裁量労働の範囲の拡大、規制緩和などで、今労働時間規制が見直されようとしていると承知しております。既に厚労省では検討に入っておりますが、長時間労働を助長するのが私は裁量労働制だと思っております。 専門業務型では、一日のみなし労働は平均八時間三十二分ですが、実際の労働時間は十二時間を超えて働いている労働者がいる事業所が半数を超えております。適用者の平均で十時間以上が三〇%以上となっておりますし、十二時間以上が一割あるわけですね。八時間しか働いていないとみなされても実際はもう十二時間以上働いているということが常態化されている、中には十八時間を超える労働者がいる事業所もあります。企画業務型でも同様の傾向があるんですが。 これは、官房長官、男女参画会議の議長が官房長官であります。それから、産業競争力会議の委員でもありますし、財政諮問会議のメンバー、政権の要として大事な役割を持っておられる官房長官が、今ずっと議論を聞いていただいて、男女共同参画という点でも長時間労働を男女とも是正することがもう要だと。そういう一方で、長時間労働への逆行を裁量労働制はすることになる。そういうことじゃなくて、長時間労働の規制、特に労働時間の上限規制を、さっき森大臣にも申し上げましたけれども、これが大事なんだという御認識であるべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(菅義偉君) まず、安倍内閣が目指しています女性が輝く社会というのは、仕事と子育てを両立できる社会、そうしたことを目指している、そのことをまず冒頭申し上げたいというふうに思います。 その上で規制改革会議や産業競争力会議では、労働時間法制について、多様な形態で働く者それぞれの健康を確保しながら、創造性と高い生産性を発揮できる柔軟な労働環境をつくる観点から、現在検討が行われているということであります。 そして、こうした検討に配慮し、先ほど厚生労働省の事務方から話がありましたけれども、現在、厚生労働省の労働政策審議会において、こうした日本再興戦略を踏まえて、本年秋の取りまとめに向けて、ワーク・ライフ・バランスや労働生産性の向上の観点から現在総合的に検討をされております。その中で、裁量労働制を始めとする弾力的な労働時間について、その制度見直しについて労使から様々な意見が活発に出されている状況であるということも私ども承知をいたしております。 私も、この議長として、女性の活躍や仕事と子育ての両立の着実な推進、このことができるように、まさに森大臣と力を合わせてしっかり対応していきたいと思います。
○山下芳生君 時間が来たので、終わります。
○浜田和幸君 新党改革・無所属の会を代表して、幾つか質問をさせていただきたいと思います。 まず、古屋大臣に。 今、サイバー犯罪対処能力の強化に向けた緊急プログラムを進めておられるという具合に承知しております。いわゆる遠隔操作ウイルス等による犯行予告事案、こういう問題が近年たくさん報道されるようになっている。これに対してやっぱり警察の能力の向上ということは欠かせないと思うんですけれども、この緊急プログラムの中に、その捜査手法に関して、ハッカーからの協力の確保ですとか、あるいは民間事業者等の知見を活用する意味で、アンチウイルスベンダーとの情報共有、こういうことが今具体的に検討されているということなんですけれども、この辺りの具体的な中身、ハッカーと協力するというのは逆に内部情報を盗まれるようなことになるんではないかと危惧するんですが、その辺り、いかがでしょうか。
○国務大臣(古屋圭司君) 今冒頭にハッカーとの協力と、いや、そういうことではなくて、総合的な対策を進めていこうということで、取りあえず、今サイバー空間への脅威が非常に喫緊の課題でございますので、では警察としてどういうことを重点的に取り組んでいるかということをまず説明させてください。 まず、警察の対処能力の向上、やっぱりこれ極めて重要で、職員一人一人の能力の向上、いろんなプログラムやっています。そのときに、やはり民間企業に講義の委託をしたり、あるいは民間の知見の活用をしたり、こういったプログラムは徹底的にやっています。 それから、もう一つ、セキュリティーコンテスト、我々はセクコン、セクコンと言っているんですが、このセキュリティーコンテストにも警察庁の職員をどんどん出てきてもらっています。かつてタイガー・ウッズも、最初に出たときは予選落ちだったそうですから、やはりそうやって出ることによって自分の能力は上がるんですね。今度出た方は、一人は決勝戦まで進んでいますよ。ですから、そういう意味での能力の向上には、私はメンタリティーも高まっていくという意味でも非常に効果があると思います。 また、体制の整備としては、二十六年度に向けてサイバーセキュリティー対策の司令塔機能を強化するため、サイバーセキュリティー対策全般の統括調整を行う長官官房審議官を置かせていただこうという方針を決めております。その下にも長官官房参事官の新設をして、体制の強化も図っているということであります。 今委員からも御指摘のあった民間事業者等の知見の活用の部分ですけど、これはまず、新たな産学官連携のための組織、私たち日本版NCFTAと、こう言っておりますけれども、この作業を加速化していく。あるいは、ウイルス対策ソフトの提供事業者との情報の共有等々もございます。それから、海外の捜査機関との連携では、いわゆる刑事共助条約、これは協定ですね、ICPO等の国際捜査共助の枠組みの活用を行っています。 いずれにしても、やはりサイバー空間の脅威に対処するため、総合的な対策を講じていく。また、平成二十六年度の予算でも、大体サイバー対策については二二%ほど増額で要求をさせていただいております。
○浜田和幸君 ありがとうございました。 それで、DNAの鑑定に関して随分警察庁の方は知見があるという具合に理解しておりますが、サイバー犯罪とも関連するんですが、これまで犯罪を犯した人たちのDNA情報というようなものを蓄積、分析していけば、将来、こういうDNAの特質を持っている人はこういう犯罪を起こしそうだというような予防、予測ができるんじゃないかという研究も一部海外で行われているんですけれども、日本の場合は、犯罪者のDNA情報というようなものを将来の犯罪予防に生かすような、そういう考えはおありでしょうか。
○国務大臣(古屋圭司君) 事前にその質問通告はいただいておりませんので、日本は、例えばそういった身元特定とかそういったツールとしては指紋がありますよね。指紋はこれ百年の歴史があって、一千万人の指紋がトータルであります。DNAは、まだ始めて間もないですね。今年の予算でも、ちょっと正確な数字、事前に通知いただいたらちょっと覚えていたんですけど、これもかなり増額をして、DNAをできるだけ効率的に検査をするツールとか、そういったものを導入をしながら、このDNAのデータベースをどんどん増やしていくと、こんな作業もしております。 まだ一千万人という指紋と比べると桁が全く違う数字ではございますけれども、いずれにしても、こういったDNAデータベースをしっかり蓄積をしていくということは、新しい科学技術を駆使をした捜査という視点からも極めて重要だというふうに考えております。
○浜田和幸君 ありがとうございました。 新藤大臣にお伺いしたいと思います。 前回もお伺いしたんですが、国家戦略特区、この三月には最終的に決まるということを聞いております。 そこで、やはり最初のサイバーセキュリティーの問題とも関連するんですけれども、この国家戦略特区のセキュリティー対策、これはやっぱりしっかり内外にPRしなければ、これなかなか最先端の企業ですとか研究者がこの日本の新たに選ばれた国家戦略特区に進出することにならないと思うんですけれども、いろいろと今工夫をされていると思うんですけれども、現状どうなっているのか。特に、海外に向けてのPR、その戦略をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(新藤義孝君) いつも建設的な御意見をいただいて、ありがとうございます。 それで、国家戦略特区自体は、今まずは規制改革項目を使って何ができるかと、こういう御提案をいただきながら、地域を選定して、そしてそこで行う事業の内容ですね、こういったものを確定していこうということ。それは第一弾が三月中に決定すると。こういう方針を出して、鋭意作業をしているところであります。 しかし、その特区は同時並行で幾つも進んでおりますので、準備の整ったものから指定をしていくということであります。そして、国家戦略特区に指定をされますと、そこから今度は特区会議という一つの事業ごとに会議が設けられて、そこで民間の代表、それから地方団体の代表、そして戦略担当大臣が三者で集まって、その仕事をどうやって進めていくか、もっと膨らますにはどうしたらいいかと、こういうふうに決まった後から更に深掘りをしていく。そして、そういったことをどんどんアピールしながら、そういう仕事ができるんならば自分も参加しようと、それは国内からでも海外からでも誰でもが入ってこられるように、そしてそれが世界で最もビジネスがしやすい、仕事がしやすい環境を提供することによってこの国の新しい経済を扉を開こうと、こういう仕組みになっているわけであります。 ですから、このサイバーセキュリティーの関係は、規制改革項目とは少しジャンルが違うかもしれません。しかし、私は、こういう、この特区としてその価値を高めるためにも、今必要な、またこれから取り組むべきいろんな国の施策も併せて追加をさせていかなくてはいけないと、そして複合させなければいけないと、このように思っているわけであります。その中で、今委員の御指摘のこのサイバーセキュリティーの環境というものは極めて重要だと思います。 私は、前回の御答弁でも申し上げましたが、日本一国で保たれるものでもありません。ですから、世界全体のネットワークを組むんですけれども、まずは我が国はASEANとのサイバーセキュリティーネットワーク、昨年、私が主宰をして通信大臣会合やりました。各国の大臣来てくれて、今仕事が既に始まっております。それから、政府と民間企業との合同による演習、これも国内で初めてでありますけれども、始めました。そういうサイバーセキュリティーの、今政府の中では、このサイバーセキュリティー立国と、こういうものが情報セキュリティ政策会議の中で決定されております。 ですから、そういう政府が政策展開していくものを特区の中には優先的に、また集中的に投下することによって相乗効果を上げていきたいと、こんなふうに考えているわけでございます。
○浜田和幸君 もう一つ総務大臣にお伺いしたいんですけれども、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、海外からもたくさんの方々が来られる。皆さんも通信機器を使うわけですよね。そうすると、二千万人近くこれから海外の人を呼び込もうというときに、その通信の言ってみればキャパシティーが足らなくなるということがもう歴然としているんですけれども、その辺りの対策、これもないと、この地域の活性化とか国家戦略特区にも悪影響出てくると思うんですけれども、その辺りの見通し、対策はどう考えておられますか。
○国務大臣(新藤義孝君) これは、二〇二〇年に世界最大のイベントが我が国で行われるわけであります。東京オリンピックでありますが、これを機に日本の魅力を世界に伝えたい、そして日本に来る方が、これは一回ではありません、何かの機会で一つつくってもらったら、それがまた次なるリピーターになるような、そういう展開が必要だ、そして全国でおもてなしの精神を持って我々はイベントを行おうではないかと、こういう気持ちでそれぞれ各省の大臣たちと協力しながらやっているわけであります。 ロンドン・オリンピックですとかほかのときにも、皆さんが行くと、結局、今はもういろんなこのツールがあります。で、すぐ回線が遅くなってしまったりとかということがあります。それから一方で、外国人が日本に対して、外国人旅行客の中で最も不満が高くてかつ要望が強いのは、これは公衆WiFiですね、この無線回線の整備というものがあります。ですから、こういう、世界で最速の、しかも大容量のICT環境を整えることは、これはもう絶対にやらなきゃいけないことだと思います。そのICT環境の整備とセキュリティーの整備というのは、これ車の両輪ですから。 ですから、そういう意味におきましても、便利にすればするほど安全性も高めていかなければいけないと、こういう観点で作業をしていきたいと思います。
○浜田和幸君 是非よろしくお願いいたしたいと思いますし、外国からの訪問客に対して日本語以外の多言語でサービスが受けられるような、そういう機能も是非一緒に御検討をいただきたいと思います。 山本大臣に、やっぱりこのパーソナルデータの利活用に関する点で質問したいと思います。 今、この六月をめどに大綱の作成が進んでいるという理解をしているんですけれども、六月まで三か月ほどしかありません。このビッグデータを活用した新しい成長産業を起こすという意味で、プライバシーとこのパーソナルデータの活用、このせめぎ合いだと思うんですけれども、三か月の日程で大綱の決定間に合うのかどうか、その三か月間の工程をお聞かせください。
○国務大臣(山本一太君) 浜田委員にはいつもIT戦略本部でしっかりとIT政策に横串を刺せというふうに激励をいただいているんですが、もうIT利活用を拡大するための一番のキーは、やはりパーソナルデータとどう取り組んでいくかと。これは各国全部同じだと思います。 今、IT戦略本部の下にパーソナルデータに関する検討会をつくって議論を重ね、その中で、昨年十二月に利活用に関する制度見直し方針というのを作りました。これを踏まえて、今おっしゃったように、六月までにこの中身を大綱として作成をして、来年の通常国会の法案提出を目指しております。 今、IT戦略本部の事務局で、各論点について、かなり多い、いろんな事業者の方々のヒアリングを踏まえて今検討しておりまして、できるだけ早期にこの検討会をもう一度再開をさせていただこうというふうに思っていまして、論点、実はいっぱいあります。例の第三者機関、プライバシーコミッショナーの体制整備の話とか、国際的な調和を図るために必要な事項とか、どこまでをプライバシー保護として考えればいいのかとかいろいろあるんですが、これは六月の大綱策定までにかなり濃密にやらなきゃいけないと、五回、六回ぐらいの検討会を予定しておりまして、精力的にまとめていきたいと、こういう流れですので、是非六月までにはまとめたいと思います。 なお、この検討会、一応一般公開も可能で、完全にオープンにやっておりますので、透明性を持って議論してまいりたいというふうに考えております。
○浜田和幸君 六月までの限られた時間の中で五回、六回と検討の会合を重ねられるということなんですけれども、是非、今大臣おっしゃったように、諸外国の制度との整合性、これも大事になってくると思うんですよね。しかし、諸外国の制度を比べると、アメリカ式かヨーロッパ式か、プライバシーに関する基本的な考え方はかなり違っていますよね。オプトインとオプトアウト、ある意味では正反対。その中で、日本式の、日本的な制度設計、これをどういう方向で導こうとしているのか、担当大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(山本一太君) これまでも今おっしゃったような論点出てきていますし、これからいろいろ議論しなきゃいけない。先生も本当によく御存じのとおり、アメリカとヨーロッパで少し考え方が違ったりするというところなんで。 ただ、有識者の方々の議論で少しずつ論点が整理されてきているので、今おっしゃった日本型といいますか、日本にとってどういう制度が一番いいのかということ、論点を忘れずに、引き続き今おっしゃったようなポイントも踏まえながら議論してまいりたいと思います。
○浜田和幸君 是非、検討のほど、よろしくお願いいたしたいと思います。これがやっぱり三本目の矢の成長戦略に欠かせない基盤になると思いますね。 甘利大臣がお越しいただいていますので、是非お伺いしたいと思っている件がございます。 これは、「選択する未来」の委員会、もう私この名前を聞いただけで震えが出るような感じがするんですけれども、やっぱりこれから五十年先、百年先を見据えた日本の経済の在り方、これを、未来の視点から今を捉えて何が必要なのかということを検討されているということだと思うんですが、この「選択する未来」の委員会を立ち上げられたその背景、狙い、この辺りについて是非直接お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) 「選択する未来」委員会は、日本経済財政の運営の司令塔であります経済財政諮問会議の下に設置をいたしました。 そして、この「選択する未来」という命名ですけれども、委員会の会長である三村日商会頭の強い思い入れでこういう命名になりました。それは、これから五十年くらい先を見越して、どういう課題が五十年後に顕在化してくるかということを考えると。手をこまねいていて黙って半世紀先を迎えるとこんな未来になってしまうと。しかし、委員御指摘のとおり、ならばこれを解決するために今からどういう準備をしていくかということによって未来は変わるんだと。つまり、未来というのは、手をこまねいていて迎えるんじゃなくて、自分で選択できるんだと。ですから、いい未来を選択しようとしたら、今から半世紀先の課題を手掛けていけばいいんだということで命名されたことです。 例えば、すぐに思い浮かぶのは人口減少ですね。五十年後に日本の人口がどうなるかというと、今の約一億二千七百五十万から恐らく八千万台になってしまうと。そうすると、ありとあらゆるシステムが現状のままでは機能しなくなると。人口が減っていく中で応急処置でやることはありますけれども、抜本的に人口が減らないようにしていくということが長期的な課題としてもあると。人口一つ取ってみても、五十年後の未来を大きく変えてしまうことであります。そういう半世紀先にこのまま日本が進んでいくとどういう大きな課題が出てくるか。それをいい方向にしていくために、じゃ今から何をすべきか。今からすべきこと、二〇二〇年東京オリンピックを迎える辺りまでにやるべきことを手掛けていこうということで、この「選択する未来」委員会ができたわけであります。 半世紀先にこのメンバーの誰が生きているんだよなんて話がありますけれども、半世紀先を見越して、今からやるべきことを取り上げていくということで立ち上げた委員会であります。
○浜田和幸君 この委員会の話を聞いて、かつてアメリカで、アル・ゴア副大統領がまだ上院議員だった頃に、やはり同じような、アメリカと世界の未来を見据えた、未来から今何が政策的に必要かということを検討する委員会が立ち上げられて、私も大変勉強させてもらったんですけれども。 甘利大臣が個人で考えられておられる五十年後の日本と世界の姿、これはどうあるべきだと、大きなくくりで結構ですけれども、お考えをお聞かせください。
○国務大臣(甘利明君) 五十年後は私も生きていないんでありますけれども、五十年後に、恐らく世界の人口はかなり増えていく中で、日本は圧倒的に減っていくわけですね、ほっておけば。しかし、五十年後の未来にあっても、日本が世界にいろんな意味でプレゼンスをしっかり示して、経済を始めとする、あるいは文化も外交もあるでしょう、いろいろな世界課題を率いていくようなリーディングカントリーになっていかなきゃならないというふうに思っています。そのために、今から未来を見越して出てくるであろう課題を、処方箋を作ってそれに備えていくということが大事だと思います。 昔も今もこれからも、日本はいろんな意味で世界をリードする国であってほしいと思っています。
○浜田和幸君 ありがとうございます。 五十年後に生きていないというのは、ちょっと御自分で余りにも未来を狭められているんじゃないかという気がしますね。もうこれからは平均寿命百二十、百五十、当たり前の時代、それもあり得るわけですから、是非先頭に立って五十年後ももう現役で百年後を目指して頑張る、そういうメッセージも是非発信していただきたいと思います。 それで、森大臣にお伺いしたいんですが、私は、今の人口減少の中で、外国からやっぱり日本に来ている人たち、こういう人たちが日本の言葉や文化を身に付けて定住していく、あるいは日本の国籍を取得していくということも今の人口減少問題に対して一つの解決策になるんではないかと思うんですね。 特に、日系の定住人口を増やすということは、とても論理的には現実性高い課題だと思うんです。特に、かつて日本が移民を送り出したブラジル、ペルー、そういうところは日本には今二十万人強の人たちが来ているわけですよね、外国人全体は二百万人以上いるらしいんですけれども。やっぱり、アジア系プラス中南米の日系の人たちが定着してもらうためにはいろんな課題があるように聞くんですけれども、その課題をどう認識されているのか。また、そういう課題を克服するために具体的などういった地域を含めたサービス、これを支援しようとしておられるのか、その辺りのお考えをお聞かせください。
○国務大臣(森まさこ君) 昨夜、ちょうど私、日系外国人の皆様と懇談をする機会があったんですけれども、定住の方ではないんですけれども。 御質問は日系定住外国人ということで、リーマン・ショック後、減少傾向にあるんですけれども、永住の資格を有する方の割合は高くなっておりまして、日本社会の一員として受け入れていくことが重要であると認識しております。そして、御指摘の少子化問題の一つの解にもなると思っております。 日系定住外国人に関しては、日本語能力が不十分であるということによって、子供の教育、就職、地域社会とのコミュニケーションで支障が生ずること等の課題が指摘されているところでございます。そのため、政府としては、これまで日本語教室の実施、公立学校における受入れ体制の整備、日本語コミュニケーション能力の向上等を目的とした就労準備研修、定住外国人の施策ポータルサイトによるポルトガル語、スペイン語等多言語での国の制度の情報提供等を実施してきたところであります。 内閣府としては、関係省庁や地方自治体ともよく連携しながら、引き続き日系定住外国人施策を進めてまいりたいと思います。
○浜田和幸君 ありがとうございます。 是非日本人のDNAが地球上から絶滅してしまわないように、そういう特に日系移民の方々が日本に戻ってこられる、そういう動きを地域含めて応援していく、そういう体制を御支援いただきたいと思います。 それで、最後に、経産省の方、お越しいただいているので、そういった日本が世界に誇るべき新しい産業の一つの柱になる医療、この国際化ですね、これについて質問をさせていただきたいと思います。 今、一般社団法人のメディカル・エクセレンス・ジャパン、ここがいろんな機能を果たそうということで、海外との医療機関との連携ですとか、メディカルツーリズム、外国の富裕層を中心とした病気を抱えている人たちを日本に受け入れてサービスを提供していこう、様々な試みがなされているようですけれども、このMEJの今の現状、そして、今後政府としてこういう動きを加速する上で何が課題になっているのか、その辺りの現状をお聞かせください。
○政府参考人(富田健介君) お答え申し上げます。 まず、御指摘をいただきましたMEJでございますけれども、一般社団法人メディカル・エクセレンス・ジャパンということで、元々外国人の患者を日本に受け入れると、いわゆるツーリズムという、そういうことを目的に設立をされておりますが、実は昨年、その機能に加えまして、日本の医療技術を海外に展開をしていくということで体制強化を図っているところでございます。現在三十七社、これは医療機器のメーカーでございますとかあるいは病院関係の方々、大勢の方々の御参画を得まして、御指摘をいただきましたような事業を展開をしているという状況でございます。 政府としての医療の国際展開の取組でございますけれども、もちろん医療を国際的に展開をしていくということは、相手国の医療水準を向上させるということにとどまらず、日本国におきましても新しい経済発展、成長につながっていくものだという認識でございます。 再興戦略の中におきましても、二〇二〇年までに海外の医療技術・サービス市場一兆五千億円相当獲得をする、あるいは、新興国を中心に日本の医療拠点を十か所程度創設をするといったような目標、中期的な目標を掲げまして進めているところでございます。 私どもといたしましては、先ほど御指摘いただきましたMEJも、民間団体でございますけれども、そこともしっかり連携をしながら海外展開案件の具体化を図っていくための、例えば現地の法制度の調査でありますとか、現地の医療ニーズの調査、こういったことを支援をするということ、それから、あわせまして、政策金融等も積極的に活用しながら日本の医療拠点を積極的に海外に展開をさせていきたいというふうに考えてございます。 今後とも、内閣官房それから厚生労働省ともしっかり連携をしながら、官民一体となって取り組んでいきたいというふうに考えてございます。
○浜田和幸君 その関連で、例えば来週はベトナムから国家主席一行が来られますよね。ベトナムも日本の医療制度、あるいは医療機器そのもの、病院経営のノウハウに対する関心が大変高いと聞いています。そういう意味で、この新興国を中心にした日本式の医療拠点構築のための事業性調査、これは経産省がバックアップしていますよね。これは公募でやっておられるということですけど、その現状について、どういう国からどういった日本の医療技術、これの事業化の調査が行われているのか、その予算の規模ですとか今までの成果、その辺りについてお聞かせください。
○政府参考人(富田健介君) 御指摘をいただきました調査でございますけれども、医療機器・サービス国際化推進事業という事業でございまして、平成二十五年度十億円の予算を頂戴をしながら事業を進めているところでございます。 御指摘いただきましたような医療ニーズが急拡大をする新興国市場におきまして日本式の医療拠点を事業化を図る、このために、先ほど申し上げたMEJ等とも連携をしながら、具体的な事業性の調査を委託という形で進めてございます。 平成二十五年度でございますが、十五か国で合わせて二十九の事業性調査を進めてございます。御指摘ありましたベトナムも含めて、ASEAN、それから中東諸国、さらにはロシア等も含めまして調査を進めているということでございます。 こういった調査の中から具体的な事例も実は出てまいっておりまして、二〇一三年の五月でございますが、ウラジオストクに日本の医療機器関係の共同出資によりまして画像診断センターを設立をいたしました。これにつきましては、現在、毎月五百名程度の患者さんが訪問をされて、自立的な運営が緒に就いているというふうに承知をいたしております。また、カンボジアでございますが、昨年十一月に安倍総理が御訪問されたまさにその際に高度救急救命センターの設置というものが合意されてございまして、これも政府出資等を活用しながら何とか今年中に着工、それから来年からは事業の開始というふうに進めていきたい。 こういった事例も出てきておりますので、今後とも更に力を入れて進めていきたいと思っております。
○浜田和幸君 ありがとうございました。 以上で終わります。
○委員長(水岡俊一君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時三十二分休憩 ─────・───── 午後一時三十四分開会
○委員長(水岡俊一君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 この際、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 内閣の重要政策及び警察等に関する調査のため、本日の委員会に、政府参考人として外務大臣官房審議官新美潤君及び厚生労働省健康局長佐藤敏信君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(水岡俊一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(水岡俊一君) 休憩前に引き続き、内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○神本美恵子君 民主党・新緑風会の神本美恵子でございます。 一昨日、三・一一から三年目を迎えました。質問に先立ちまして、東日本大震災及び福島原発事故の傷痕に改めて思いを致したいと存じます。巨大地震、津波、原発事故を含む震災や原発事故では多くの方々がお亡くなりになり、また行方不明となられました。先日の追悼式に皆様も御参加になったと思いますけれども、私も、その場で御遺族の方々の言葉を聞きながら、改めて、決して消えることのない悲しみを日々感じていらっしゃるということを感じさせていただきました。今なお、およそ二十六万人の方々が仮設住宅や借り上げ住宅で避難生活を送られている。また、現在も捜索活動が行われており、多くの方々が尽力くださっていますけれども、御遺族の方や被災された方、捜索活動に携わっておいでの方々、御関係全ての方々の悲しみを思い、復興への努力に敬意を表するとともに、これからも心を添わせてまいりたいと思っております。 さて、この東日本大震災における経験は、たとえそれが困難であっても、想定外であったということは許されないということを改めて大きな犠牲とともに私たちは知ったところでございます。この悲劇を繰り返さないためにも、この点に立脚して災害対策を深めていくことは、冒頭で述べましたような状況にある方々の痛切な願いに応えることでもあると思っております。 そこで、地殻変動に伴う地震及び火山の災害対策についてお聞きをしたいと思います。ここは防災担当の大臣もいらっしゃると思ったんですけれども、内閣委員会でその担当大臣をお呼びすることができないということを昨日知りまして、防災については災害特でやることになっていると聞きまして、ちょっと残念でありますけれども、今日は担当の副大臣においでいただいております。この火山については、参議院の予算委員会でも原発の再稼働審査と関連して質問がなされているところでありますけれども、私は防災の観点から質問をいたしたいと思います。 まず、先日、本委員会でも委員派遣として兵庫県の方に視察に参りましたけれども、そのときに、E—ディフェンスということを視察させていただきました。兵庫県にある阪神・淡路大震災記念人と防災未来センター、あるいは兵庫耐震工学研究センターにも伺いました。その際、防災科研で実大三次元震動破壊実験施設、いわゆるE—ディフェンスというのを見せていただきました。ここは実験棟などの大型の建造物を試験体として、そこに大きな地震の揺れを前後、左右、上下の三次元に加えることで、揺れによる損傷や崩壊の過程を詳細に検討する世界最大級の実験施設であるというふうにお聞きをいたしました。そのときいただいた資料には、構造物の耐震性向上に関わる研究開発と実践を促進する究極の検証手段というふうに記載されておりました。非常に高度で精密な研究ができる施設だということを私たちも目の当たりにしたわけですけれども、そこで得られたデータや実験の研究成果、そのようなものはどのように実際の構造物の建築や耐震技術に反映されているのかなということをそのときに私は疑問に思ったわけです。 当日の配付資料には、例えば鉄筋コンクリート建物の場合は、ワイヤーで部品同士を締め付けることで接合する工法が優れた耐震性を保有するという実験報告や、また古い木造住宅でも、当日の資料の中には、伝統的な建造物である学校の木造の二階建てか三階建ての校舎であったと思いますけれども、そういうものでも適切な補強を行うことで倒壊を防ぐことができるというようなことも報告がございました。 こうした研究成果が実際に防災や減災の向上につながらなければ有効に働いているとは思えないんですけれども、実はちょっと意外に思ったのは、そのときいただいた、第九回成果発表会という防災科研の発表会の資料をいただきました。この中に書かれている、資料の中に、「もうすぐ十年 E—ディフェンスの新たな試み」ということでセンター長さんが書かれているんですが、最後にというところで、E—ディフェンスの成果の普及ということがよく話題にされるが、これまでの研究の成果が国の防災、減災力向上にどれほど影響しているか定量的に評価することは難しい。しかし、国民の防災、減災の意識を向上させることが国の防災、減災力の向上につながることは明らかでありと。これは、当然、私もテレビでこのE—ディフェンスのことを見まして、是非これは実際に見たいなと思ったものですから、減災に役に立つんだなということまでは感じさせていただいたんですけれども、このことが国民の防災、減災意識向上に少なからず貢献していると思われるということで終わっているんですね。 ですから、せっかくこれだけの世界に例を見ないような大きな規模の実験施設を持って、そこで研究成果が次々と現れていると思われるんですけれども、それが意識向上だけでいいのかなというふうに思います。 そこで、お伺いしたいのは、ここで得られた知見が、建築の耐震技術の向上や建築基準、耐震基準などにどのように反映され、取り入れられていくのか、その具体的な道筋をお伺いをしたいと思います。
○副大臣(西村康稔君) お答えを申し上げたいと思います。必要があれば文科省からまた補足をしていただければと思いますが。 御案内のとおり、今委員御指摘のとおり、世界最大のこの震動破壊実験施設でありまして、実物大の構造物を使っての実験ができるということで、御覧いただいたとおり、普通でいきますと六階建てぐらいまでの実験ができますし、縮小して、例えば三分の一に縮小して、全てのあれを三分の一にしていけば二十階建てのものができるとかですね、そういった実験を行っておりまして、様々な構造物の耐震性能評価、いわゆる免震とか制震とかと言われますけれども、そうした効果の検証を行って、これを、そのデータを取って防災対策に生かしていくということで、関係省庁においては、こうした各施設の耐震性能の向上、あるいは耐震基準への反映、こうした点に生かしていただいておりますし、今後も生かしていただけると。 それから、我々、内閣府防災としても、例えば家具の固定がどれだけ効果があるのかというふうなこととか、そういった面での評価を行った上でそうした周知、あるいは耐震化の周知、こうしたことを行っておりますし、よく言われます長周期地震動ですね、高層ビルのずっと揺れが続く、これについての今研究を進めておりまして、調査を進めておりまして、いわゆる建築研究所とゼネコン、あるいは大学含めて、こうした成果を、データを我々は生かして今後の対応に当てたいということで今研究調査を進めているところでございます。
○神本美恵子君 これ、実際所管は、防災科研というのは文科省ですけれども、ここで得られた知見あるいは研究成果というものが今具体的にはどのように生かされているのか、補足をお願いしたいと思います。
○政府参考人(磯谷桂介君) お答え申し上げます。 先日の御視察、ありがとうございました。 委員御指摘ありましたように、防災科学技術研究所では、世界最大の実際の地震を再現できる実験施設としてE—ディフェンスを活用した研究に取り組んでおります。 例えば、これまでも、阪神・淡路大震災の規模に、地震に耐えられるような医療施設ですとか、東日本大震災規模の地震に耐えられる大規模な空間のつり天井、あるいは想定される南海トラフ地震に耐えられる高層ビルに関する研究等を進めておりまして、その成果は実際の建物の耐震補強に活用されるなど、対策に寄与しているところでございます。 また、具体的には、国土交通省あるいは建設関連企業が、E—ディフェンスを活用して都市部での構造物の安全性検証に関する振動実験を行っておりまして、それらの成果は建築基準の検討あるいは免震住宅の開発等に役立てられているところでございます。今後とも地震に強い国づくりに貢献してまいりたいと存じます。
○神本美恵子君 実際にはそういうふうに生かされているというふうに今御答弁聞いたんですけれども、この防災科研として研究している方たち、しかも、そのセンター長さんを責めるわけではもちろんありませんけれども、この施設が国の予算を投入してやられているわけですから、そこでやっていることを国全体の防災や減災にどのように役立てていくのかというような、その道筋というのを私は是非内閣府の防災のところで明確にすべきではないかというふうに思いますので、これは意見として申し上げておきたいと思います。 次に、火山観測と研究のための人材育成についてお尋ねしたいと思います。 世界の火山のうち、私も今初めて知ったんですが、約一割がこの日本にある、日本は火山王国というふうに言われております。我が国の火山研究者数は、これも今回調べて分かったんですが、約四十人ということだそうです。ヨーロッパの火山大国と言われますイタリアでは約六百人の火山研究者がいるということですけれども、我が国のこの火山の研究や観測体制が余りにもこの研究者数を見ただけでも脆弱ではないかということを知りました。 そこで、現在、我が国の百十の活火山のうち、気象庁火山噴火予知連絡会が選定した四十七火山のみ二十四時間体制の常時観測監視が行われているということです。百十ある全ての火山に常時観測監視等がなされないというのは、これは予算の関係なのか、その研究人員が少ないのか、どちらかだとは思いますけれども、火山の研究者は現在気象庁、政府研究機関、大学などに分散していますが、気象庁では火山や地震の専門家は最近増えているものの、まだまだ十分でないというふうに聞いております。 気象庁の観測網だけでは信頼性の高い活動把握ができない現状にあって、大学の観測に頼るところが大きいわけですけれども、国立大学でも、予算削減によって老朽化した火山観測機器の更新や火山観測施設の維持が難しくなっているというふうに聞いております。この観測網が縮小、廃止されると、火山噴火の前兆を捉えるための異常の検出ができず、最も重要な火山災害リスクの把握ができなくなるおそれがあると思います。 そこで、火山研究の予算、ポスト数の見通しは暗い中で、研究者の養成にはなお長い時間が掛かるわけですので、今からこの研究者の増加、養成に着手しないと、将来我が国の火山防災が成り立たなくなるおそれがあるのではないかというふうに懸念をいたしております。さきの参議院予算委員会で安倍総理からは、火山の監視観測及び調査研究体制を充実させるという御答弁があっております。 以前、私、福井県に行きました折に福井県知事から、若狭湾の地震予測、長期評価を十年後、たしか十年だったと思いますが、掛かってやるというふうに聞いているけれども、これを前倒ししてくれないかと。原発再稼働の問題もありまして、その長期評価を前倒しをというふうな御要望がありまして、文科省内に持ち帰りましたところ、地震の研究者も非常に少ないと。なぜ少ないかといいますと、それは結局、研究や予測とか観測とか、そういうことだけで実際に就職口として非常に狭いので、そういう人材がなかなか残らないし養成も進まないというようなことをお聞きしたんですけれども、火山の研究についても同じような問題があるのかなと思いますが、先ほど言いましたように、余りにも少ない、四十人しかいないという現状の中から、火山災害の事前防災の観点から、監視観測網の予算増加の必要性と、また研究者の増加に向けた取組、人材育成、これは長期間要しますので、是非その課題について問題意識を持っていただきたいと思いますが、文科省の方にはその現状と、それから内閣府の副大臣の方には今申し上げたような問題意識についてどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(磯谷桂介君) お答え申し上げます。 火山研究に関する観測網充実と人材育成についてのお尋ねがございました。 これに関しましては、昨年十一月に文部科学省の科学技術・学術審議会で決定いたしました災害に貢献するための地震火山観測研究計画におきまして、複数の教育機関あるいは防災関係機関が連携しまして、観測研究を生かした教育活動を継続して、あるいは観測網を充実した上で、地震や火山の若手研究者、技術者、あるいは防災対応に携わる人材を育成するということにされておるところでございます。 文部科学省といたしましては、本計画を受けまして、若手研究者の育成、確保の観点から、あるいは観測充実の観点から、全国の大学や独立行政法人防災科学技術研究所が火山研究を計画的、継続的に実施できるように支援をしているところでございます。 また、火山研究は、地震研究あるいはそのほかの分野の研究と様々な共通部分の学問的背景、すなわち地球科学分野の背景がございますので、地震分野の研究計画と一体的に進めることにより、また他機関との連携を進めることにより、研究人材の交流も促進され、裾野も広がるものと考えております。 文部科学省といたしましては、火山研究に関する人材の育成、確保につきましては、これからの社会構築のために不可欠であるというふうに認識しておりまして、しっかりと取り組んでまいります。
○副大臣(西村康稔君) 委員御指摘のとおりでありまして、我々も、地震学者の方はまだかなりの数いまして、七百人ぐらい全国でおられるようでありますけれども、火山の方は御指摘のとおり四十名ぐらいで、しかも今博士課程にいる学生は四名というふうに聞いていますので、これはもう今後の研究体制考えれば、大変な危機感を我々持っております。 昨年五月にもこの点も含めて大規模火山災害対策への提言というものを有識者に取りまとめていただきまして、将来にわたって十分な数の火山専門家が確保されることが必要だという提言もいただいております。 どうするかなんですけれども、気象庁には、実は全国にこうした常時監視、先ほどの常時監視あるいは噴火警報の発表をしたりするに際して様々な職員の方々が全国に百五十名ぐらいおられますので、こうした中から是非研究の道に進む人も出てきてもらう、あるいは気象庁もまたそうした専門の方を採用してもらうというようなことを含めて、少し研究に携わる方の確保をしっかりやっていかなきゃいけないという問題意識、我々持っておりますので、取り組んでいきたいと思っております。 内閣府のこの火山の関係の予算は僅かなんですけれども、昨年三千五百万だったのを今回予算案では五千六百万円を政府案に、少しだけ増額をさせていただいていまして、まさにこうした視点から、研究者のネットワーク、関心のある方々、知見を共有していく仕組み、こうしたものを少し幅広に構築をしていこうということで我々としても取り組んでいきたいと思っておりますし、まさに監視の方も、常時監視は四十七でありますけれども、地震と違って火山は予知ができますので、山が膨らんできますので、その山の傾きがだんだん緩くなってきますとか、空気が若干振動してくるとか、いろんな予知が可能でありますので、こうした観測機器の増設とか、こうしたことにも是非進めていきたいというふうに思っておりますので、御指摘の点を含めてしっかりと対応していきたいというふうに思っております。
○神本美恵子君 ありがとうございます。 私も初めて知ったことですけれども、先ほど申しましたように、この研究者の少なさというのは、火山噴火した場合の、あるいは予知の場合の災害リスクといいますか、そういったものの研究も進まないということですので、観測監視体制と同時に、そういった災害リスクを減災していくという、そういった観点からも是非力を入れて予算も配分していただきたいなというふうに思います。 次に、インクルーシブ教育についてお伺いをしたいと思います。 障害者権利条約が本年一月十九日に国連に批准書を寄託されて、二月十九日から国内発効をしております。前回のこの内閣委員会で私この点についても一度お聞きしたことがあるんですけれども、この障害者権利条約第二十四条、「教育」のところで、特にインクルーシブ教育を推進するということで、国内的にもそのシステムを構築していくということが、取組が始められております。障害のある子供の教育について、国内法整備の一環として、昨年、学校教育法施行令が改正されて、昨年の九月から施行されております。これは国内法整備の一環として取り組まれたものであります。 ところが、例えば幾つかの私のところに届いている声として、県の説明会で、学校教育法施行令が改正されたけれどもこれまでと何も変わらないという説明を行っている県があるというふうにお聞きをしております。 今日、なぜこれを取り上げたかといいますと、今三月ですよね、四月から、今年の四月からの入学する子供たちの就学指導手続が今まさに行われている最中でありますけれども、せっかく障害者権利条約批准して、国内法整備で学校教育法施行令を変えて、そしてインクルーシブ、共に学ぶ教育の方向へかじを切ったにもかかわらず、これまでと何も変わらないというような説明が県教委で行われ、それが市町村教委で行われているということは、ちょっと看過できないなというふうに思っておりますので、そういった現状を文科省として把握していらっしゃるのかというのが一点と。 私は、やっぱり従来の就学指導の手引とか教育支援資料みたいな、そういう手引を見直すべきだと思うんですね。前回のときには、今日おいでいただいている上野政務官にも、外務大臣の答弁と同じように、これまでは障害児学校に行くことがまず原則で、しかし本人、保護者の希望があればその意向を聴取して地域の学校で共に学ぶこともできるというふうになっていたのを、施行令改正によって、原則一緒ですよと、インクルーシブ教育が受けられるというふうになったんだと。そのためには、本人、保護者の意向が十分に尊重されるというふうにしなければいけないというふうにお聞きをしたんですけれども、そういうことが手引の中に書かれていない。 これまでと何も変わらないというような指導が行われていることは看過できないと思いますので、文科省として現状を把握していらっしゃるのか、いらっしゃらなければ把握する必要があるということと、そのための手引改正、作成を是非行っていただきたいということを申し上げたいと思いますが、御答弁お願いします。
○大臣政務官(上野通子君) 神本委員にお答えいたします。 まず、委員がおっしゃったように、ある県では、その県の就学指導の手引等を改訂して、本人が望まなくても特別支援学校へ就学を検討するという記述があったりするのが問題になっているともお聞きしていますが、各都道府県の手引の改訂状況等について、現在、文科省としては網羅的な調査は行ってないというのが現時点での状況でございます。 文科省としては、引き続き、各都道府県また市町村委員会において制度改正の趣旨を踏まえた適正な教育相談等を行われるよう、説明会を通じて、理解、啓発に取り組むとともに、必要な指導を行ってまいりたいと思っているところでございます。
○神本美恵子君 必要な指導というのをもう少し具体的にお知らせいただけませんか。
○大臣政務官(上野通子君) 先生おっしゃるように、インクルーシブ教育の目的をもっとはっきりとお伝えしなきゃいけないと思っています。 インクルーシブ教育の目的というのは、あくまでも障害のある児童生徒に十分な教育を提供することであり、障害の状況を踏まえて、通常の学校への就学では本人に十分な教育を提供できないような場合には特別支援学校への就学を検討することは何ら問題がないということであって、全ての子供たちが普通教室で学ばせてあげたいという思いはありますが、ベストよりもよりベターの教育現場で環境を整えてあげるということも当文科省としての役目だと思っております。 一人一人の子供たちによってよりベターな教育環境をつくることが大切であり、障害児と共に教育を受けられる、障害児と健常者が共に教育を受けられる環境がベストではありますが、障害によってはなかなか普通教育では困難という子供たちもおりますので、そこを踏まえて、総合的な観点から就学先を決定する仕組みというものがあり、文科省としても可能な限り共に学ぶことをようやくしておるところでございます。
○神本美恵子君 原因が分かりました。 文科省自身がこれまで、本人、保護者から意向は聴取するけれども、総合的に判断して各都道府県教委が特別支援学校に行きなさい、あるいは地域の学校でもいいですよというような判断をしていたのを、今度の施行令改正ではインクルーシブ教育の方向へかじを切ったわけですから、本人、保護者の意向を聞いただけではなくて、その意向を尊重するというふうに国内法整備の中で施行令改正が行われたわけですよね。 そういう指導をしていただかないと、今政務官がお答えになったようなことでは、その子にとってその教育環境がベストではないので、ベターな状態よりもベストな方はこっちですよというふうにやるのであれば、それは今までと何ら変わりがないことですので、そこは今日はちょっと私、次の質問がありますのでここまでにとどめておきますけれども、是非、今まさに、今日も恐らくこの質問を受けて、各地教委や県教委と保護者、本人、保護者、意見を聞いて、進学先をどうしようかというふうな話が行われている、注目されていると思いますので、是非文科省としては、この施行令改正何のために行ったのか、障害者権利条約の批准のための国内法整備ですよ、ですから、それに沿ったものにならなければ、指導がそこから逸脱しているような内容ではこれは本当に大きな問題だと思いますので、また後日これについては質問をさせていただきたいと思います。 次に、従軍慰安婦の問題についてお伺いをしたいと思います。官房長官においでいただいております。 この日本軍従軍慰安婦制度について、二〇〇七年に第一次安倍政権は狭義の強制はなかったとして国際社会における日本の信頼を失墜させ、現在の第二次安倍政権においても、発足当初から河野談話の見直しを明言していらっしゃいました。同盟国とされる米国からも批判を受けるなど、この安倍政権の慰安婦制度に関する事実を認めない態度によって、日韓関係の悪化、あるいは国際社会からの批判など、大きく国益を失っているのではないかと私は思っております。 過去のこういった事実をねじ曲げるのではなくて、改めて事実を確認することによって国際社会からの信頼を取り戻さなければならないというふうに思いますので、その立場から質問をいたしたいと思います。 官房長官は、二月二十八日の衆議院の予算委員会で維新の会の山田宏議員への答弁の中で、河野談話にまつわる検証を政府内にチームをつくり秘密裏に検討する旨のことを述べられておりますけれども、それについてお尋ねをしたいと思います。 この山田議員の質問の中で取り上げられていたと思いますけれども、昨年十月十六日報道の産経新聞、その中で書かれておりました産経新聞が入手したとされる十六人の聞き取り調査報告書、これは、従来から官房長官がおっしゃっているように、非公開とされている政府が持っている聞き取り調査報告書と同じものであるかどうか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(菅義偉君) 私、その予算委員会の際にも申し上げたんですけれども、この慰安婦についての聞き取りというのは非公開が前提で行われたものであります。ですから、私たち日本政府は、そうした約束で行ったものでありますから、それについて公開する意思はないということを実は申し上げたところであります。 そして、今御指摘の報道についてでありますけれども、まさに特定の個人を識別することができるような情報を記録していること、さらに、今申し上げましたように、非公開を前提としたものでありまして、その内容については公表しないことになっています。ですから、御指摘の報道された文書が同一であるか否かについて、政府としてお答えすることは差し控えたいと思います。
○神本美恵子君 産経新聞が入手したとされる資料は、中身はもちろん非公開で言えないでしょうけれども、新聞報道によりますと、A4判、A4判だったかな、A4判の十三枚というふうに書かれているんですが、政府が今非公開で持っていらっしゃる報告書というのは、その外形ですね、A4の十三枚なんでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) 今委員の御指摘でありますけれども、御指摘の報道の文書のサイズや枚数についても、先ほど申し上げた理由で、答えることは差し控えたいと思います。
○神本美恵子君 もしも同じもので、この場では同じであるかどうかコメントできないということですが、もしも同じものであれば、これは内部の資料が流出したということですから、どなたかがリークしたということになると思いますが、それについて調査なさるおつもりはありませんか。
○国務大臣(菅義偉君) 今の御質問は文書が同一であるということを前提にした上のお尋ねであるというふうに思いますので、そうしたことについて答えることは控えたいと思います。
○神本美恵子君 それでは、同一のものであるかどうかもここではコメントできないということですので、私たちにはそのことがどちらかということは何とも判断ができないということだと思います。 改めてお伺いいたしますけれども、検証するというふうに御答弁をなさっていますけれども、何をどんなふうに検証されるのかということが、御答弁何度も読んだんですけれども、いまいち分からないんですね。改めてお伺いします。この検証されるその目的と、何を検証されるのか、その内容についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(菅義偉君) まず、二月の二十日、衆議院の予算委員会において、当時事務方の責任者でありました石原元官房副長官が証言に立ちまして、副長官より、元慰安婦の聞き取り調査結果について裏付け調査を行っていなかったという旨、証言がありました。さらに、河野談話の作成過程で韓国側とすり合わせを行ったのではないかという可能性があるという趣旨の発言がありました。さらに、一旦決着をした日韓間の過去の問題が最近になって再び韓国政府から提起される状況を見て、当時の日本政府の善意が生かされていないのではないか、非常に残念であると、そういう趣旨の証言があったわけであります。 そうした証言を受けて、政府としては、これ秘密保持約束していますから、慰安婦の聞き取り調査については、それで非公開でありますので、そうした中で、河野談話の作成過程については、国民への説明責任を果たす、そういう意味合いからも、実態を把握をしてしかるべく形で明らかにすべきでないかなというふうに考えているところであります。 具体的には、河野談話の作成過程で韓国側と意見のすり合わせがあった可能性については、政府の中に極秘の検討チームをつくって実態を把握した上で、その扱いについてはこれは検討していきたいと思います。さらに、慰安婦からの聞き取り調査は、先ほど来申し上げましたように、非公開が前提で実施されたものであり、日本政府は約束したことは守る国でありますから、機密を保持する中で政府として確認だけはしておきたい、それが今回、衆議院の予算委員会の中で私が申し上げたことであります。
○神本美恵子君 その検証チームが行う検証の方法についてなんですけれども、例えばその十六人の聞き取り調査の裏付けが取れていないというのであれば、もう一度その十六人、十六人が御存命かどうか、私もどうなったか分かりませんけれども、確かめられるのか。また、日韓との両政府のすり合わせがあったのかどうかということについて確かめるということですが、それはどのような方法で確かめられるんでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) まず、慰安婦の聞き取りについては、そこは非公開で行われて、そこは表に出さないということの約束になっていますので、そこについては、当時の文書を、そこを確認するだけにとどめたいというふうに思っています。 そしてまた、そのすり合わせが行われた可能性について言及されていましたので、そこについては、これ日韓間のやり取りがありますから、そうしたものを検証すべきだろうというふうに思っています。
○神本美恵子君 ということは、そのときの調査報告書、十六人の聞き取り調査の文面を見るということと、すり合わせがあったかどうかは政府の報告書の中に書かれているものを見るということで、新たな資料を探すとか聞き取りをやるとかいうことではないんですね。もう一度お願いします。
○国務大臣(菅義偉君) まさに、この保秘の中で有識者を入れて政府部内に少人数の検証チームをつくってそこは行っていきたいというふうに思っていますので、具体的にどういう形かということはここで申し上げることは控えさせていただきたい、これから検討していきたいというふうに思いますが、慰安婦の部分については非公開を前提に行ったことでありますので、当時また裏付けも行っていなかったということもこれ事実であります。そうしたことについて検証することは、私は不可能だろうというふうに思っています。
○神本美恵子君 裏付けとする政府の資料が発見できなかったというふうにたしか、それは全てではなくて、強制があったかどうかを裏付ける政府の資料は見付からなかったということを二〇〇六年か、第一次安倍内閣のときに当時の塩崎官房長官が答弁なさっているんですね。という、そういったことは、新たな政府資料を探すということでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) そこは考えておりません。 第一次安倍政権の中で、軍隊や官憲による強制的な連行は見当たらなかったということを、これ国会の答弁書の中でそういう回答をしていますので、そこについて新たに検証するということは考えていないということであります。
○神本美恵子君 私は、その点について今日委員の皆さんのところにも資料をお配りしておりますけれども、「終りなき海軍」という書籍の一部と防衛研修所戦史室の資料のコピーをお配りしております。これは、中曽根康弘元総理が海軍主計大尉として文章を載せておられるものであります。 昨年の三月に、衆議院の辻元清美議員が安倍総理に直接質問をされたんですけれども、慰安所を設置する際の日本軍の関与、海軍主計大尉としての中曽根元首相の関与が明らかなことがこれを見ていただくと分かると思います。ちょっと非常に見にくいんですが、資料の二枚目の裏になりますが、ちょっと間が飛んでいるんですね。二枚目の表と裏はページが飛んでいますけれども、「三千人からの大部隊だ。やがて、原住民の女を襲うものやバクチにふけるものも出てきた。そんなかれらのために、私は苦心して、慰安所をつくってやったこともある。」というふうに御自身が書かれております。これについては、中曽根元総理にただしたら、これは別に慰安所をつくったのではなくて、娯楽場をつくったんだというふうにおっしゃっていたそうですけれども。 その次の防衛研修所の戦史室の資料を見ていただくと分かりますように、四枚目のところで、ちょっと見にくい資料で申し訳ないんですが、ちょっと線を引いているところです。「主計長の取計で土人女を集め慰安所を開設 気持の緩和に非常に効果ありたり」というふうに資料がございます。 それから、その裏に、これは第二設営班の矢部部隊というところですけれども、この設営班の中に、「主計長」として、「海軍主計中尉 中曽根康弘」とありますので、ここで言う、その前のページの「主計長の取計で」というのは中曽根元総理のことだということはこれでお分かりいただけると思います。 ここに、「土人女を集め慰安所を開設」、それから、御本人の「終りなき海軍」という文章の中にも、「慰安所をつくってやったこと」、「苦心して、慰安所をつくってやったこともある。」というふうに書かれておりますが、こういう記録の中に、政府答弁書として書かれた、人さらいのようにして強制的に連行した事実はないというような答弁が書かれていますけれども、果たして、こういう政府のいろんな文書の中に、人さらいのようにして強制連行をしたというようなことが、普通書かれないですよね、常識的に考えて。どのようにして集めたかというようなことも書かれないと思うんですけれども、こういうことから分かるように、直接の関係者がいらっしゃる、今も幸いにして御存命と言ったら失礼ですけれども、お元気でいらっしゃるようですので、例えば、秘密裏に検証されるとすれば、中曽根元総理もお呼びしてお話を聞くというようなことも考えられないでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) 政府としては、中曽根元総理から聞き取りを行うことは全く考えておりません。
○神本美恵子君 私は、こういった慰安所開設に携わられたという明白な資料があるわけですので、是非公の場で私は聞かれるべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) 今申し上げたとおりであります。
○神本美恵子君 先ほど来お聞きしているこの検証の目的をお聞きしますと、官房長官自身、菅官房長官自身はこの河野談話についてはこれまでの官房長官と同様に継承されるおつもりだというふうに理解してよろしいでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) 私は安倍内閣の官房長官であります。第一次安倍内閣で閣議決定された答弁書に示しておるとおり、政府の基本的立場は従来の官房長官談話を継承することでありますから、当然私もそうであります。
○神本美恵子君 であれば、それをまた検証するということに私はいま一つ納得できないところがあるんですけれども、今日、皆さんのお手元にも河野官房長官談話そのものをお配りをしておりますけれども、この中の、例えば三行目辺りから、長期に、かつ広範な地域にわたって慰安所が設置されたことや、それから、当時の軍当局の要請により設営されたもの、それから、慰安所の設置、管理、慰安婦の移送については旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した、募集については事業者が主としてこれに当たった、その場合、甘言、強圧による、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあるというようなことが書かれておりますが、このことについても官房長官自身はそのまま踏襲されるんでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) 談話を踏襲することを私たちは第一次安倍内閣で閣議決定をしておりますので、私も官房長官としてそこは継承するという話をさせていただきました。 特にどの部分を継承するかということでなくて、全体として継承するということであります。
○神本美恵子君 であれば、最初に戻りますが、全体としてこの談話を継承する、しかし検証するというのは、やっぱり何のための検証になるのか、そこがちょっとよく分からないんですけれども、改めてお願いします。
○国務大臣(菅義偉君) 是非御理解をいただきたいんですけれども、二月二十日、衆議院の予算委員会において、当時この河野談話を作成したときの事務方の責任者です、官房副長官の石原さんが証言をされまして、元慰安婦の聞き取り調査結果について裏付け調査を行っていないということを言われました。さらに、河野談話の作成過程で韓国側との意見のすり合わせがあった可能性があるという趣旨の発言もされました。さらに、当時そのことによって、この日韓関係の過去の問題については、この慰安婦問題については決着をしたと、にもかかわらず、過去の問題が最近になって再び韓国政府から提起される状況を見て、当時の日本の善意が生かされておらず非常に残念であるという、こういう証言があったわけですから、そうした証言を受けて、政府としては、秘密保持というものを前提に、そこはどのような形でこの談話ができ上がってきたのか、そうしたことをやはり検証することはこれは国民に対しての責任じゃないかなというふうに思ったところであります。
○神本美恵子君 私は、今のお話の、最近になってまた韓国政府からこの談話について云々というふうにおっしゃいましたけれども、それは冒頭申し上げましたように、安倍政権が河野談話の見直しということを、昨年ですか、一昨年の選挙の頃からおっしゃっておりますので、そういうことが影響しているのではないかと、この談話そのものの内容ではなくて、それについて韓国政府が言っているのではなくて、そうではないかというふうに思います。 それで、この検証されたその結果はどういうふうなものになるのでしょうか。談話はそのまま見直しはしない、継承するというふうにおっしゃっていますが、検証した結果、何かいろんな疑義、裏付けはやっぱりなかった、これはなかったというふうなことになったら当然この談話そのものを否定しなきゃいけなくなると思うんですけれども、それは結果を見なきゃ分からないんですが、いろいろ考えられる中で、結果、どのように反映されるんでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) まず、委員の発言に、私、誤解があると思うんです。安倍内閣が発足してから、この河野談話を見直しをするということは一回も言ったことがありません。従来、第一次政権で閣議決定したその答弁書に書かれているように、そこは従来の内閣と同じように継承するということを私どもは度々これは言い続けてきました。ここは是非御理解をいただきたいというふうに思います。そして、この談話を見直しすることはいたしません。ここも私、国会でここは明言をいたしております。 ただ、この談話を作成する過程において、やはり今まで事実でなかった、韓国側とすり合わせをし、韓国側に配慮した中でこの談話が作られたというような趣旨の証言を当時の事務方の責任者の官房副長官がされたわけですから、そしてまた、その談話を発表したことによって日韓関係というのは良くなったというんです。しかし、今になってまた、この当時、善意という表現をされていましたけれども、韓国側から問題が提起される状況を見て、当時日本の善意が生かされていないことは非常に残念なことであるという証言がありましたので、そうした部分についてこれもう一度検証するのは政府の私は責任だろうというふうに思います。そして、国会の私は質問の中で、国会からその検証した結果について提出を求められればそこは提出をしますよという話をさせていただいたところです。
○神本美恵子君 私がお伺いしているのは、その検証の結果、すり合わせをして、善意でこういうふうな取りまとめになったということが検証されたとしますよ。それはどうするんですか。国会で求めがあれば報告をするということなんですか。
○国務大臣(菅義偉君) 今申し上げたとおりでありまして、国会からその要求があれば、そこは国会に提出をしたいということを申し上げてきたところであります。
○神本美恵子君 それでは、河野談話は見直さないと。しかし、その結果を国会の求めがあれば報告をするということで、新たな官房長官談話を出すとか、例えば来年は戦後七十年になりますが、その七十周年の何かの決議なり談話なりをするときに、その検証の結果を何らかの形で出すとかいうことは考えていらっしゃらないんですか。
○国務大臣(菅義偉君) この河野談話については考えておりません。ただ、村山談話については、これは七十周年ということで、安倍総理として未来志向の談話というものをこれは発出をしたい、こうしたことは私たち、政権の座に就いてから申し上げています。いずれにしろ、有識者の皆さんから、様々な検討会、会合を開く中でそこは考えているところであります。
○神本美恵子君 続けて、慰安婦問題なんですが、談話ではありませんけれども、先日、一月二十九日、参議院の本会議で私、代表質問をさせていただきました。そのときに、昨年の国連社会権規約委員会と国連拷問禁止委員会が慰安婦問題に関する勧告を出しておりますけれども、それについて安倍総理は、事実誤認に基づいていると、その社会権規約委員会と拷問禁止委員会の国連勧告は事実誤認だというふうな御答弁をされておりますけれども、その二つの機関が出している勧告の事実誤認というのは何を指しているのか、お答えいただきたいと思います。
○副大臣(三ッ矢憲生君) 一月二十九日の参議院の本会議におきまして、委員からの御質問で総理がお答えになった点だと思います。 御指摘の点につきましては、例えば拷問禁止委員会の最終見解には、被害者に対する適切な補償とリハビリテーションを提供していないと、こう書いてあるんですね。ところが、我が国は、委員も御承知のとおり、アジア女性基金を通じまして、医療・福祉支援事業や償い金の支給等をもう既に行ってきているところは、もう御承知のとおりでございます。 それから、A規約委員会の最終見解には、慰安婦が被った搾取について公衆を教育することを勧告すると記されておりますが、日本の学校教科書には既に慰安婦に関わる記述がなされていること等が挙げられると、このように考えておるところでございます。 慰安婦問題につきましては、安倍総理、かねがねおっしゃっておりますが、筆舌に尽くし難いつらい思いをされた方々のことを思い、非常に心を痛めていると。この点についての思いは、安倍総理も歴代総理と同じ思いだというふうに考えております。これまでの歴史の中では多くの戦争があり、その中で女性の人権が侵害されてきたのは事実でございます。二十一世紀こそ人権侵害のない世紀にすることが大切でありまして、日本としてもこの点に関して全力を尽くしていく考えでございます。 国連人権条約委員会に対しましても、このような我が国の考え方を丁寧に説明していくことが重要であり、引き続きその路線で取り組んでまいりたい、このように考えております。
○神本美恵子君 今、教育はやっていると、教科書に記述されているというふうにお答えになりましたけれども、現在もそれ、記述されておりますか。
○副大臣(三ッ矢憲生君) 全ての教科書というわけではございませんが、ございます。
○神本美恵子君 たしか、これも第一次安倍内閣のときに、教科書の記述は適切でないということで、二〇〇六年度までは記述された教科書があって、使用されていたんですけれども、二〇〇七年度からもう記述がなくなったというふうに私は認識しておりましたが、これはどうでしょうか。
○副大臣(三ッ矢憲生君) 私が今手元に持っております資料でございますが、平成二十五年のものに記述がございます。
○神本美恵子君 国連からのこういった勧告について、二〇〇六年に、国連人権委員会の事務局に対して、政府は、慰安婦制度を性奴隷制度と捉えるのは不適切であるというふうに日本政府のコメントを出されておりますけれども、これについては、その根拠は何でしょうか。どのような調査によって性奴隷制度と捉えるのは不適切であるというふうに政府としてのコメントを国連の事務局に対して出されたんでしょうか。
○副大臣(三ッ矢憲生君) 委員の御指摘の点は、ディエヌ特別報告者からの報告のお話のことだと承知しております。 二〇〇五年七月に日本に来られまして、翌年にこの報告書を人権委員会にディエヌさんが提出されておるわけでございますが、この中で、慰安婦問題を、我が国政府としては用いたことのない性奴隷と、性奴隷制度という言葉を使っているということがまず第一点。それから、いわゆる従軍慰安婦に関して記述する歴史教科書が存在しない、先ほど触れた点でもございますが、そういった点で事実関係に誤認、誤りがあるということで、その年の五月、二〇〇六年の五月でございますが、国連に対して政府の見解を提出したところでございます。 それから、我が国は人権理事会等の場において、慰安婦問題に関しこうした事実誤認に基づく記載が見受けられる旨、適宜申入れを行ってきておるところでございますけれども、その後実は特段の反応はございません。
○神本美恵子君 お聞きしたのは、こういう反論をしたその根拠、性奴隷制度ではないと、これは不適切であると言われるその根拠をお聞きしたんですけれども。
○副大臣(三ッ矢憲生君) 繰り返しになりますが、我が国としてそういう言葉をまず今までも使ったことがございませんし、それから、これまでの一連の慰安婦問題に関する政府の見解、これを踏まえて反論を行ったということでございます。
○神本美恵子君 我が国が使っていないからそれは不適切だというのは理由にならないと思うんですね。 それで、これも本会議で私質問したんですけれども、国連安保理決議一三二五に基づく国別行動計画に今外務省も、政府としても着手していらっしゃると思うんですけれども、これに慰安婦問題等の問題も入れるべきではないかということを私は申し上げたんですが、慰安婦問題等の過去の問題を扱うものではないというふうな答弁がございました。しかし、この国連安保理決議一三二五は、女性・平和・安全保障に関する問題ですので、紛争下における性暴力等をなくしていくために女性も参画して平和構築に貢献するということで上げられた非常に希有な私は安保理決議だと思うんですが、そこの中の現状認識において、過去にこういう従軍慰安婦というようなものがあったということは、これは紛争下における性暴力そのものでありますので、当然入れるべきだと思うんですけれども、その現状認識のところにおいても、この慰安婦問題は触れられるつもりはないんでしょうか。
○副大臣(三ッ矢憲生君) 女性・平和・安全保障に関する行動計画の策定、これは安倍総理が昨年の国連総会におきまして打ち出しました女性が輝く社会の実現に向けた施策の一環でございます。そのために、市民社会と連携しつつ政府全体で策定作業を行っているところでございますが、この行動計画の策定は、女性の力の更なる活用等の現代的課題について、国際社会との協力や途上国支援の強化を目的とするものでございます。我が国としても、二十一世紀の今なお世界各地で起こっている紛争下の暴力の根絶に向け、国際社会と緊密に連携協力していきたいというふうに考えております。 一方、行動計画は過去の問題を扱うものではございません。慰安婦問題につきましては、筆舌に尽くし難いつらい思いをされた方々のことを思い、非常に心が痛むわけでございますが、いずれにせよ、この問題を政治問題化、外交問題化すべきではないと考えております。
○神本美恵子君 もう時間が来ましたので、私としては、今の政府の国際社会に対するコメントも非常にやはり弱いと思うんですね。ですから、きちっとしていくためには、官房長官にもお願いですけれども、この慰安婦問題についてはしっかりとした調査研究をして、そして真相を究明していただきたいというふうに思います。 それに関わってちょっと最後に二点、外務省にお伺いします。 先日、和田春樹さんがアジア女性基金について、被害者のというか、償い金を渡した数字を新聞、何かで発表していらっしゃいました。韓国六十人、台湾十三人、フィリピン二百十一人、オランダ七十九人というふうに出されておりますが、これは正確な数字なのでしょうか。それから、そのときにアジア女性基金でいろいろ調べた調査の資料などは今どこに保管されているのか、その二点だけお願いします。
○委員長(水岡俊一君) 三ッ矢外務副大臣、時間が来ておりますので短めに。
○副大臣(三ッ矢憲生君) はい。 最初に、後の方の御質問からお答えしたいと思います。 このアジア女性基金の事業は、当該国や地域の政府ないし政府の委任による機関が認定した元慰安婦の方々を対象にして実施されたものでございまして、御指摘の記録については、当該国や地域の政府ないし政府の委任による機関にあるものと考えられます。日本政府としては、これについては保有、管理はしておりません。 それから、この当該国や地域の政府ないし政府の委任による機関からこの基金に対して慰安婦の関連情報が上がり、それらの機関を通じて……
○神本美恵子君 数が正しいかどうかだけで結構です、償い金を渡した数が。
○副大臣(三ッ矢憲生君) これまでにもフィリピン、韓国、台湾において最終的な事業実施者数は二百八十五名となったということはお伝えしてきたとおりでございますが、具体的な内訳については、個々人の特定につながる可能性が排除されませんので、政府としてお答えすることは差し控えたいと思います。
○神本美恵子君 終わります。済みません。
○秋野公造君 公明党の秋野公造でございます。お役に立てますように質疑をしてまいりたいと思います。 第三の矢、私は国家戦略に大変期待をしています。規制緩和による産業の国際競争力を強化して、国力を是非高める努力を頑張っていただきたいと思いますが、少し資料もちょっと、前回配らせていただいたものと全く同じではありますが、今後の方針を伺いたく、少し整理をさせていただきたいと思います。 私は、国家戦略特別区域諮問会議の議事録等もしっかり読ませていただきまして、物申したいと思っておりますけれども、この後のまず議論から聞きたいと思います。 国家戦略特区会議、特区ごとに設置されるものでありますが、ここには議長は置かないのでしょうか。誰が牽引をするのかというのが明確ではないように思います。国が積極的に牽引をするべきであるとの思いで、ここに議長を置くのか置かないのかということをまず一番目に聞きたいと思います。
○政府参考人(川本正一郎君) お答えを申し上げます。 御指摘のありました区域会議、これは、国家戦略特区の指定がありました後に、各特区ごとにおいて、その区域の中で行われます具体的な事業、それを議論をいたしまして、事業計画の策定に当たる機関でございます。 この区域会議におきましては、国と地方と民間が一体となって対等な場で議論をしていくということを考えておりまして、いわゆる議事を整理をするというのと違って決定権を持つような議長というものを置くということは、性格上想定をいたしておりません。ただ、三者で対等で議論する中で議事の整理というのは当然必要になってまいります。それについては、特区の指定を国が行って、その特区ごとにどうしていくのかという区域方針も国の方で作っていくという事柄の性格上、国家戦略特区担当大臣が全体の調整役を務めると、そのように想定をいたしております。
○秋野公造君 対等の立場ということで理解をいたしました。 しかしながら、この特区の取組の状況、これ評価することについて、法律の第十二条で評価を行うということが明確になっているわけでありますが、この規制緩和を全国展開をするときに、どういうルールの下に、それを検討する場所が明確でないように思います。これについて教えていただきたいと思います。
○政府参考人(川本正一郎君) お答えを申し上げます。 国家戦略特区法の基本方針、二月の二十五日に閣議決定をいたしました。そこで、この特区ごとの評価につきましては、今申し上げました特区ごとに置かれる区域会議において評価をした上で、内閣総理大臣は、その区域会議からの報告を受けたときは、特区の諮問会議にこれを提出をして、諮問会議の意見を聴取するということにいたしております。 基本方針の中に書いてございますのは、諮問会議は、この評価結果について調査審議した上で内閣総理大臣に必要な意見を述べる、特に、規制の特例措置の調査審議に当たっては、規制の所管省庁からの意見を聴き、特例措置については全国展開の可否についても議論をして、必要性等も含めて検討するということを基本方針で定めておりまして、この諮問会議において実際に行われております特区ごとの状況というものを整理をした上で全国展開できるかどうかということを御議論いただくと、このように考えております。
○秋野公造君 諮問会議でしっかり見ていただくということを理解しましたが、議事録を見ると、どういうプロジェクトを進めていこうかという議論がなかなか見にくいように感じます。 何をするのかということ、何のための規制緩和なのかということを明確にしておきませんと、これ手段と目的が間違うようなことになってはならないかと思います。どういうプロセスでプロジェクトが示されていくのかということを今後教えてください。
○政府参考人(川本正一郎君) お答えを申し上げます。 国家戦略特区、先ほども触れましたように、国と地方と民間の三者が一体となって取り組むプロジェクトで、日本経済の再生に資するようなものというものをこの特区のプロジェクトとして取り上げたいと、このように考えております。 特区のこの具体的なプロジェクトについては、先ほども触れました区域会議において策定をいたします区域計画においていろいろ具体的な中身というものを決めていくということになるわけでありますが、この区域計画については、あらかじめ内閣総理大臣が各区域ごとに諮問会議の意見を聴いて定める区域方針というのを定めることにいたしておりまして、その区域方針に即して具体的な事業を盛り込むことといたしております。その上で、区域方針に沿ってどういったプロジェクトをやるかについては、民間事業者からいろいろ御提案をいただき、それを区域の会議の中で議論をし、計画に昇華させ、内閣総理大臣の認定を受ける、こういったプロセスでございます。
○秋野公造君 そうはいっても、具体的な議論が深まっているようには見えませんので、これ区域計画ではなく、選ばれてから好き勝手に話し合う、対等でということではありますが、もう少し区域方針に具体的な規制緩和のことも含めて書き込むべきではないかと考えますが、御所見を伺いたいと思います。
○政府参考人(川本正一郎君) お答えを申し上げます。 区域方針そのものは、政令で指定をされましたそれぞれの国家戦略特区について性格付けを行いまして、そこで区域計画を構成します国と地方と民間、この三者がその区域のあるべき将来像について共通認識を持つ、共通的な政策課題というものを抽出するといったことを目的とするものでございまして、具体的な事業については、先ほども触れましたが、区域計画の中で定めていくということを想定をいたしております。 ただ、当然、抽象的に特区をここで決めて、後は全部区域会議の方にお願いしますということではなくて、区域方針の策定に当たっては、これは昨年来、民間事業者も含めていろいろ御提案をいただくヒアリング等も行っております。そういったものも想定をしながら、具体的にその区域の中でどういったことが行われるのかということを頭に置いて区域方針というものは定めたいと、このように考えております。
○秋野公造君 となりますと、諮問会議の議論はより大事になりますが、この区域方針や区域の指定に当たっては、この諮問会議の議論がそもそもそのまま政令や総理大臣の決定になるということになりましょうか。
○政府参考人(川本正一郎君) お答えを申し上げます。 区域を指定をして区域方針を作っていくということになるわけでありますが、当然、区域方針の案をこの諮問会議の中で御議論をいただくという段階では、対象となる地方公共団体等ともまだ十分な調整が行われているわけではございません。したがいまして、諮問会議で御議論をいただいた案を基にして、関係地方公共団体とも調整をした上で区域方針というものを確定していきたいと、このように考えております。
○秋野公造君 先ほど、民間の方も意見も聞くという話がありました。特区会議の民間事業者というのは公募又は政令で選ぶことになるかと思いますが、最初からいないということになるんじゃないかと思います。どこから議論に加わることになりますか。
○政府参考人(川本正一郎君) お答えを申し上げます。 区域会議に参加をいただく民間事業者については、法律上、公募その他の方法で定めるということが規定をされているわけでございます。 ただ、この区域会議そのものは、今も申し上げましたように、国と地方と民間が三者でその地域を具体的にどうしていくのかということについて議論を行って事業の組立てを行っていくわけでございますから、民間の参加は必須でございます。したがいまして、区域を指定をして区域方針を定めた後において民間公募を行って、そこで参加する民間の方を決めてから区域会議が具体的にスタートをすると、そういった手順を想定をいたしております。
○秋野公造君 どうかこれはしっかりと、日本の国力を付けるために必要なものでありますので、これからもよろしくお願いをしたいと思います。 次に、日本再興戦略について伺いたいと思います。 資料の三枚目、A3の三枚目に、消防車の資料を今日は準備をさせていただきました。 軽自動車は、日本が世界に誇る環境に優しい自動車ということになります。世界の環境保全に貢献をするということを考えるならば、日本はこれからも、軽自動車の開発というものにこれから力をもっともっと入れるべきであると思います。 中でも、やっぱり付加価値の付いた軽自動車をしっかり開発していくことが重要ではないかとの思いから実例を挙げてお話をしたいと思いますが、資料の三枚目に付けさせていただいているのは、軽自動車の消防車ということになります。高品質を保ちながら軽量化と小型化を実現したということで、長崎県大村市にありますナカムラ消防化学さんが開発をしたものであります。素材などを工夫をしながら、軽自動車でも消防活動が行うということを可能にした画期的なものであります。参考までに、隣のページに書いてあるのは、階段などを上っていかなくてはいけないときに、動力を使って車輪が動かすことによって、坂をずっと、階段の上でも上っていくことができて、消防活動に使えるというものであります。 こういったものというのは、私は、世界にもニーズがあり、そして密集地、市街地などの密集地、国内における密集地においてもニーズは大変高いものではないかと考えますが、まずは消防庁に伺いたいと思います。 こういった小さな、小型化、軽量化を可能とした消防車は、密集市街地等における火災において有効であるとお考えになりましょうか。
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。 小型又は軽の消防車両について、有効性についてお尋ねがございました。 道路が狭隘で進入が困難な密集市街地において火災が発生した場合におきましては、この小型又は軽消防車両は、機動力を生かし、早期に火災現場の間近に到着できるという利点があるところでございます。したがって、我が国におきましては、消防団において、この有効性を踏まえまして、小型動力ポンプ付積載車などの導入例が多く見られるところでございます。 なお、常備の消防機械におきましては、隣接建物への延焼火災阻止というために、多量の放水量で強力に消火活動を行う必要があることから、ポンプ能力の高い消防車両による対応が基本となっているところでございます。 以上です。
○秋野公造君 インドとかでは軽自動車の生産等も始まっていると聞いています。アジアにおいても軽自動車の有用性というものは非常に認められてきているというところであるかと思いますが、もちろん、先ほど申し上げた密集市街地というのは日本だけの話ではありません。 こういった車、付加価値のある車、あるいは消防の車が、海外展開の必要性について消防庁はどのようにお考えになりましょうか。
○政府参考人(武田俊彦君) 我が国の消防車両、消防資機材につきましては、世界的に見ても品質、性能の面で高く評価されているところでございます。そのような消防車両や資機材が途上国に導入されれば、その国の消防力の向上に寄与するのではないかというふうに考えてございます。 消防庁といたしましては、各国の消防部局と共同で開催する国際消防防災フォーラムにおきましても、消防関連企業の参加も得まして、製品の紹介、展示を行うなどの取組を実施しているところでございます。また、ODAを活用した新車の消防車両の供与、中古の消防車両の寄贈なども実施されているというふうに承知をしております。 しかしながら、この我が国の消防車両、資機材につきましては、途上国や中国等の製品と比較いたしますと、なかなか高価格であるなどの理由により、導入はやや進んでいないのが実情でございます。消防庁といたしましては、我が国の優れた消防車両、資機材について、様々な機会を活用して途上国などに幅広く紹介するとともに、ODAの活用などによって消防車両、資機材の海外展開に引き続き取り組んでまいりたいと思っております。
○秋野公造君 値段を紹介するのはやめようと思いますが、大型のものと比較するとかなり安くなっておりまして、これは命を守るものでありますから、高品質で性能が高いというようなもの、そして小型化を可能にするというのは、これは日本得意なテクニックだと思いますので、私は海外と勝負ができるのではないかと思いますが、そして、アジア、やはり都市の密度が非常に高いということでありまして、消防庁の今の御答弁にございましたように、こういったことは、日本再興戦略においてインフラシステムの輸出というのを積極的に行っていくという方針を示しておりますけれども、こういう付加価値のある軽自動車、コンパクトな消防車みたいなものは、日本の優れた消防システムとともに防災技術の海外移転を後押ししていくべきだと考えますが、内閣官房の見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(赤石浩一君) お答えいたします。 先生御指摘のとおり、世界の膨大なインフラ需要を積極的に取り込むことは日本経済の成長にとって重要な課題でございまして、日本再興戦略においてもインフラシステム輸出の推進を施策の重要な柱として位置付けております。 昨年五月に経協インフラ戦略会議において決定された輸出戦略では、我が国の防災先進国としての経験や技術を生かしたまさに新興国等に対する消防車両あるいは消防用設備の海外展開というのも明確に位置付けられているところでありまして、こうした施策の推進はまさに成長戦略にも資するものと考えております。
○秋野公造君 どうかよろしくお願いをいたします。 今日は山本大臣、お忙しいところお越しをいただきまして、ありがとうございます。 日本はやっぱり技術力、科学力で勝負をしていくべきだと思います。そういった中で、来年から始まる戦略的イノベーション創造プログラムの対象課題の中に、次世代海洋資源調査技術というものが対象課題の一つとして追加をされています。 私は、これまで、文部科学省が持つ「ちきゅう号」、そして資源エネルギー庁が持つ「白嶺」、こういったものを使って、例えば「白嶺」を使って沖縄の熱水鉱床を長期間に調査を行っていくべきではないかということを提案をさせていただいて、熱水鉱床が深く、そして広い範囲で見付かったといったようなうれしい報告もいただいたところでありますが、大変興味があるところであり、日本の国力を高めていく上で非常に重要な取組であると思えばこそ、山本大臣に直接伺いたいと思います。 内閣府、今後どのように関わっていくのか、この方針について教えていただきたいと思います。
○国務大臣(山本一太君) 私は、科学技術イノベーション担当大臣であると同時に海洋政策も担当しておりまして、今の点は秋野委員と全く同じ感覚を持っております。 そこで、SIPなんですけれども、日本再興戦略及び科学技術イノベーション総合戦略において、総合科学技術会議が司令塔機能を発揮して、自ら重点的に予算を配分する戦略的イノベーション創造プログラム、SIPを創設するということが明記されました。 本プログラムの特徴は、府省や分野の枠を超えた横断型であること、さらに基礎研究から出口、実用化、事業化までを見据えて、規制・制度改革、特区制度の活用等も視野に入れて推進すること、さらにはプログラムディレクターを選定し、強力なマネジメント権限を付与する等が挙げられています。 これを早期に実現するために、平成二十六年度の予算案では、関係府省の協力を得て、内閣府に計上する科学技術イノベーション創造推進費五百億円、確保させていただきました。 現在、次世代海洋資源調査技術に関する検討に当たっては、東京大学名誉教授の浦辺徹郎氏を政策参与として今内閣府にお迎えをしておりまして、研究開発計画及び実用化、事業化に向けた出口戦略等の具体化を精力的に進めております。 さらに、関係府省庁としては、内閣府が中心となって、文部科学省、経済産業省のほか、国土交通省、総務省等が積極的に加わっておりまして、関係者一丸となって来年度早々のプログラム立ち上げに向けて取り組んでおります。
○秋野公造君 大臣の下に、関係省庁を束ねるそういう調整を行う人も資金とともに付いたということで、期待をしたいと思います。 沖縄の問題について少し伺いたいと思いますが、沖縄久米島町の鳥島は日本のEEZを確保する貴重な島であります。米軍の射爆撃場となっておりまして、島の形が変わってしまうくらいまでの状況でありまして、これ、領土、領海が失われるようなことがあってはなりませんので、しっかり守ってもらいたいということを国会でも取上げをさせていただきました。 その後、この保全対策をどのようにやられているのかということを伺いたいと思います。
○政府参考人(長田太君) お答え申し上げます。 先生御指摘の沖縄県久米島町の鳥島でございます。排他的経済水域の外縁の根拠となる低潮線がございまして、これを保全するために、その低潮線の周辺を低潮線保全法に基づきまして低潮線保全区域に指定をしているところでございます。 法律上、この低潮線保全区域に指定されますと、人為的な損壊を未然に防止をするために、海底の掘削、土砂の採取、あるいは施設、工作物の新設等の行為を法律で原則禁止をしているところでございます。 また、この鳥島におきましては、先生御指摘の損壊があると大変でございますので、その損壊の有無につきまして、国において低潮線保全区域を定期的にヘリコプター等々で巡視をしておりますほか、衛星写真も使いましてその損壊の状況の調査をしておりますが、これまでのところ、そういった違反行為とか低潮線の後退というものは確認されていないところでございます。 政府といたしましては、今後とも、この低潮線の保全に着実に取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。
○秋野公造君 ありがとうございます。 もう一点、沖縄について最後に伺いたいと思います。 資料の四枚目に、「脊椎脊髄損傷アドバンス」という本の表紙が書かれてあります。真ん中の図を見ていただきますと、MRIの写真で、こう切った断面を側面から見た写真でありまして、脊髄が分断するぐらいの大きな事故が起きているのが分かるかと思います。 こういった状況になってしまいますと、そこから下はもう動かすことができないと。例えば、四番目の頸椎からやられてしまいますと、もう顎しか動かないといったような状況になるわけでありますが、こういった患者さんを二週間以内に福岡県飯塚市にあります総合せき損センター、ここの、書いてありますが、そこに搬送することができますれば、八〇%が社会復帰を十か月のリハビリを経てできるという、すごい日本にはセーフティーネット機能がありますが、この恩恵を受けることができなかったのが沖縄県でありました。航続距離が届かずに搬送することができなかったというわけでありまして、これを改善していただきたいということで、平成二十四年七月に当時の野田総理にお願いをいたしました。 その後どうなっているか、検討状況を伺いたいと思います。
○政府参考人(石原一彦君) 沖縄県におきます医療提供体制でございますけれども、県が医療計画を策定して取り組んでいるところでございます。この中で、脊髄損傷患者の治療につきましては、県内の急性期医療及び回復期リハビリを担う医療機関において患者の状態に応じた医療の提供が行われているという現状にございます。 委員御指摘の前回の国会での議論があって、我々の方といたしまして国会の議論をお伝えしたところでございますけれども、現状におきましては、沖縄県からは、今御紹介申し上げましたこれらの医療機関の連携を推進するという中で脊椎損傷患者への適切な医療提供に努めていく方針というように聞いているところでございます。
○秋野公造君 しかしながら、私は、その後、沖縄のやりたいと言っている医療機関とも、また脊損の、脊髄損傷を起こした患者団体ともお会いをさせていただきました。ニーズも受皿もあるのではないかと思っています。そして、最近も、石垣島に住む中学生が脊髄損傷に遭い、治療を受けたかったところではありますが受けることができず、移送できる段階まで待ってからこの総合せき損センターに搬送をさせていただく仲介をさせていただきました。 もうちょっと積極的に検討させるべきではないかと思いますが、何か問題でもありましょうか。
○政府参考人(石原一彦君) 委員御指摘の点について沖縄県から伺いましたところ、沖縄県におきましては、脊髄損傷の治療は、急性期の治療から回復期や住宅におきますリハビリまで、それぞれの機能に応じた専門医が必要でありますところでございますけれども、県内で全ての機能を担う施設を整備するということに当たりましては、最大の問題はその専門医の確保ということでありまして、なかなか、残念なことではございますけれども、現状におきましてはこのような専門医の確保が困難ということで、今御紹介ありましたような一貫したその治療を行う機関というものが整備する計画にはないというふうに伺っているところでございます。
○秋野公造君 最後に提案をしたいと思いますが、十か月間継続してリハビリを行い続ける中に八割の社会復帰が確保されております。そういった意味では、連携というのはなかなか私は合わないんじゃないかとやっぱり思っています。 医師確保が難しいのであれば、まさにこの総合せき損センターからの医師派遣などを政府全体として協力を要請してみるような、そういう仲立ちを買ってみてはいかがでしょうか、最後に提案をしたいと思います。
○政府参考人(石原一彦君) ただいまの委員の御提案につきましては、内閣府といたしましても、沖縄県、厚生労働省などの関係機関に対しましてしっかりと伝えてまいりたいというふうに考えてございます。
○秋野公造君 終わります。ありがとうございました。
○山本太郎君 政党要件は満たしておりませんが、新党今はひとり、山本太郎です。よろしくお願いします。 我が国は一九五六年より国連に加盟していますよね。国際社会の一員として、我が国ができる範囲で国連での責務を果たすということは、これはとても重要なことだと思うんです。先日、国連の特別委員会で、国連北朝鮮人権調査委員会、この中で、日本人等の拉致を人道に対する罪に当たるという報告書を公表したことについて、安倍総理、三月三日の予算委員会で、国連の特別委員会の調査報告が出たことは、世界が共通の認識を持つに至ったということであり、北朝鮮に対して大きなプレッシャーになっているのではないかと述べました。 国際法上の人道に対する罪というものに国連が勧告を出した。国連からの勧告を受けた北朝鮮もこれを受け止め、改める必要があるというのは当然のことだと思います。国連の勧告というものはそれほど重要で大変重たいものだと私は考えますが、官房長官もそう思われませんか。
○国務大臣(菅義偉君) そのとおりだというふうに思います。特に、我が国としては、御指摘の北朝鮮における人権に関する調査委員会による最終報告書を歓迎するとともに、同報告書による勧告を真摯に受け止めているところであります。
○山本太郎君 ありがとうございます。 国連から与えられた勧告に耳を傾け、そして改善する努力を見せてこそ国際社会の一員として迎えられる、当然のことだと思います。ありがとうございます。 ところで、国連の重要な人権条約の一つであります社会権規約、我が国も当然批准しておりますよね。日本国憲法九十八条二項で定められているとおり、日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを遵守するということで、官房長官、よろしいでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) 国際社会における法の支配の確立を外交政策の柱の一つとして位置付けておる我が国でありますから、御指摘の社会権規約を始めとする条約及び国際慣習法が求める義務を遵守することは当然のことであるというふうに考えます。
○山本太郎君 ありがとうございます。 こちら、フリップになるんですけれども、(資料提示)この社会権規約、この社会権規約というのを僕最近知ったんですね、情けない話ですけれども。この社会権規約の十二条第一項におきまして、「すべての者が到達可能な最高水準の身体及び精神の健康を享受する権利を有すること」、これ、いわゆる健康権が認められているんですよね。この権利、日本ではきちんと守られていると思われますか。
○政府参考人(佐藤敏信君) お答えをいたします。 今議員からお示しのありました社会権規約でございますけれども、そもそも各締約国は立法措置などの適切な方法によりましてこの規約において求められる権利の実現を漸進的に達成するための行動を取ることが求められていると、このように承知をしております。 とりわけ、今ございました御指摘の健康権でございますけれども、具体的な措置としましては、幼児の死亡率を低下させるための対策、あるいは伝染病などの疾病の予防、それから治療及び抑圧、制圧ということでしょうけど、制圧などが示されておりまして、我が国におきましては、具体的なことを申しますと、例えば新生児あるいは乳児の死亡率、こういったものは世界一低いという状況にありますし、また、御存じのように、平均寿命はもとより健康寿命におきましては世界最長を達成するなど、その達成もできていると思いますし、またその努力も日々重ねているということが言えると思います。 いずれにしましても、国民の皆様が受けていただきます健康の水準が更に向上するように努力をしてまいりたいと考えます。
○山本太郎君 では、この健康権、これからもきっちりと、しっかりと守っていくと。世界のトップ狙っていくぞというぐらいの勢いだという感じなんですかね。菅官房長官、短い受け答えで立ったり座ったりさせて申し訳ございません、よろしくお願いします。
○国務大臣(菅義偉君) 当然そのように努めていきたいと思います。
○山本太郎君 ありがとうございます。 しかし、どうやら国連から見たら、世界から見たら、この社会権規約十二条一項、「すべての者が到達可能な最高水準の身体及び精神の健康を享受する権利を有することを認める。」、これが達成された社会かどうかというところで、日本は守られていないんじゃないのという見方もあるようなんですね。 国連人権理事会の特別報告者でありますアナンド・グローバーさん、二〇一二年十一月に来日されまして、調査の上、二〇一三年五月に国連人権理事会として日本政府に勧告をしたことを御存じだと思います、皆さん。このアナンド・グローバーさん、別に訳の分からない外国人が勝手に調査をして個人的な見解を適当に報告して帰っていったというわけじゃないんですよね。国連人権理事会の特別報告者という立場で来られた。これ、どのような立ち位置なのかというのを、このように、もう皆さん重々御存じだと思うんですけれども、フリップを作ってきたんですね。余計なお世話かもしれませんけれども、少しお付き合いください。一番上に総会がありますね。総会がありまして、その下に人権理事会があるよ、人権理事会から任命された人が特別報告者という存在なんだよということなんです。 話は続けるんですけれども、この国連人権理事会特別報告者、これ国連広報センター、広報センターに聞きましたところ、どういう立場なのかということを聞いたんですね。国連人権理事会により任命された個人の独立専門家で、特定の国における人権状況やテーマ別の人権状況について調査、監視、公表を行うと、そういった役割で、もっと言えば、テーマ別で、例えば拷問であったり、子供であったり、テロ対策、女性への暴力、教育、教育に関する権利、特別に調査をし、報告をする。国連の人権理事会の下に置かれて、国際社会の誰もが認める専門家、そういう権威ある立場だと。これが国連人権理事会特別報告者という存在なんですね。 どんな方なのか、少し興味が湧きましたか。こういうお顔をされた方なんです。済みません、フリップ何枚作ってんねやという話になるんですけれども、この方なんですね。このアナンド・グローバーさん、健康を享受する権利に関する特別報告者として二〇〇八年に任命されたインド人です。インドの方、健康問題専門の弁護士さんです。 このアナンド・グローバーさんが報告されたことをざっくり説明すると、福島の東電原発事故による影響を受けた人々が社会権規約と照らし合わせて人間らしい扱いを受けているのかどうか、この方は調査されたんですね。そのグローバー勧告、報告書、官房長官は目を通されましたか。
○国務大臣(菅義偉君) このグローバー特別報告者が来日をし、そしてそのことに基づいて報告書を提出したことは、私は承知をしています。ただ、全体に目を通したわけではありませんけれども、報告書に記載をされた勧告について関係省庁がそれぞれ連携をしながら回答したということは承知しています。
○山本太郎君 ありがとうございます。 その中で一番核となるのが、年間一ミリ以上の地域に居住し、被曝されている方々に対して健康管理調査を実施すること、また希望者には全員、福島県民でない方々にも健康調査が必要ではないか、また甲状腺のみならず血液、尿も検査すべきだと勧告で言っているんですよね。 今発言の中にありました年間一ミリという単位なんですけれども、これは放射線業務従事者ではない一般人が許容できるとされる被曝量、これが年間一ミリというところから始まっているんですよね。 アナンド・グローバーさん、報告書の七十七項の(b)、こちらです。健康管理調査は、年一ミリシーベルト以上の全ての地域に居住する人々に対し実施されるべきであると勧告されております。これに対して政府はどう対応するつもりなんでしょうか。よろしくお願いします。
○政府参考人(塚原太郎君) お答えします。 今般の原発事故に係る住民の方々の健康管理は、医学の専門家の御意見を聞きつつ進めることが重要だというふうに考えております。 福島県内におきましては、今御紹介ありましたように、追加被曝線量が一ミリシーベルト以上であるかないかにかかわらず、全ての県民を対象とした県民健康管理調査において健康管理が実施をされております。 一方、県外につきましては、これも同じ国連の関係機関でありますけれども、WHOでありますとか、国連科学委員会、UNSCEARにおきましては、がんなどの健康影響の増加が認められる見込みはないというような評価は一方ではいただいております。 また、福島県の近隣県におきましては、県が設置をいたしました有識者会議でも科学的には特段の健康調査は必要ないとの結論が出ているものと承知をしておりますが、国として改めて住民の被曝線量を正確に把握するため、平成二十六年度予算におきまして、福島県外の汚染状況重点調査地域におきまして、空間線量からの被曝線量の推計ではなく、個人線量計を配布をいたしまして、個人個人のレベルで外部被曝線量を正確に把握する予定としております。
○山本太郎君 まあ反論したいところはたくさんあるんですけれども、この先にも聞かなきゃいけないことがたくさんあるので、とにかく、福島県内だけではなく、それ以外の地域にもその健康調査広げた方がいいよね、やりたいと手を挙げる人に対しては全てに反応できるような状況をつくった方がいいよねというお話なんですけれども、いろいろと御説明ありがとうございました。 もう一度、話は戻りますね。 年間一ミリって何なんですかという話なんですけれども、我が国で一九九九年に起こりましたジェー・シー・オーの東海事業所における臨界事故。(発言する者あり)大丈夫ですよね。どきどきさせないでください。オリンピックのことを言っちゃったかなと思って。済みません、大丈夫ですね。はい、もちろんです。戻ります。一九九九年に起こったジェー・シー・オーの東海事業所における臨界事故。このときに、原子力安全委員会、そして健康管理検討委員会が出した報告書によりますと、このように書かれております。 健康に関する一般的な助言に資するための健康診断については、公衆の線量当量限度、自然放射線の地域差等を考慮し、評価された線量が一ミリシーベルトを超える者で、かつ健康診断を希望する者を対象とすることが適当である。また、評価された線量が一ミリシーベルト以下であっても、避難要請区域内の住民については、行政的に避難要請が行われたことを鑑み、希望者を対象範囲とすることが望ましい。 少しちょっと長い文章でしたけど、言ってみれば、言ってみればというよりも、ここに書かれてあることは、一ミリということがキーワードになっているということなんですよね。 この年間一ミリ、以前我が国で起こった、ほかにどんなことがある、原子力関係。原子力じゃなくてもありましたよね。原爆投下されました。もっともっと時を遡って、原子爆弾が投下された後、原爆症認定制度という中で医療特別手当を受けられる人、これ爆心地から三・五キロまでですよね。この三・五キロでの被爆というのは年間一ミリとされていますよね。以前あった原子力の事故、そして、原爆症の認定制度の中での医療特別手当、爆心地から三・五キロまで年間一ミリ、全て一ミリということがキーワードになっている。 話は戻ります。 国連人権理事会の健康に関する特別報告者であるアナンド・グローバー氏が来られて、このようなことを述べています。国連特別報告者は、日本政府に対し、放射線量に関連する政策、情報提供に関し、以下の勧告を実施するように要請する。避難区域及び放射線の被曝量の限度に関する国家の計画を最新の科学的証拠に基づき、リスク対経済効果の立場ではなく、人権を基礎に置いて策定し、かつ年間被曝線量を一ミリシーベルト以下に低減することとあります。 そこで、官房長官にお聞きする前に、またまたフリップの登場です。こちらです。 このフリップのとおり、二〇一三年九月のオリンピック招致プレゼンテーション、安倍総理が、健康問題については、今までも、現在も、そして将来も全く問題はないということをお約束いたします、さらに、完全に問題のないようにするために、抜本解決に向けたプログラムを私が責任を持って決定し、さらに着手しております、実行していく、そのことをはっきりとお約束を申し上げたいと思いますとおっしゃいました。 そして、以前の内閣委員会で私が質問をいたしました、菅官房長官に対して。菅官房長官、この安倍総理のお約束、政府として責任を持って実行されますか、そのように私が菅官房長官にお聞きしたところ、菅官房長官は男らしくこのように答えてくださいました。「総理の約束は政府の約束でありますから、そこはもちろんしっかりと責任を持って対応するのは当然のことであります。」。 この答弁、今も変わりはございませんでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) 当然そのとおりであります。
○山本太郎君 あのときの答弁を聞いたまんま、男らしい感じで、本当にうれしい限りです。 そして、またまたこのフリップに戻るんですけれども、とにかく菅官房長官、ジェー・シー・オーの被曝事故、そして原爆症認定制度、そしてアナンド・グローバーさん、勧告を出されました。全てこれ、つながりがあるのは一ミリシーベルトを基準にしているということですよね。 本当に、総理がおっしゃったとおり、この言葉ですよね。健康問題については、今までも、現在も、そして将来も全く問題はないということをお約束します、さらに、完全に問題のないようにするために、抜本解決に向けたプログラム、私が責任を持って決定し、さらに着手しております、実行していく、と言うのなら、原発事故、被曝線量一ミリシーベルト以上の地域に居住する人々の健康管理調査、政府はしっかりと責任を持って対応するべきではないでしょうか。菅官房長官、いかがお考えでしょうか。
○政府参考人(塚原太郎君) 一般環境中の放射線量に関する健康管理につきましては環境省の方で担当させていただいておりますので、答弁させていただきたいと思いますけれども、人権委員会のグローバー氏からこのような提案がされていると、報告がされているということは承知しておりますけれども、先ほどるる御答弁申し上げましたように、内外の専門家等々、医学の専門家等々の御意見を聞きながら健康管理はきちっとやっていきたいというように考えておりますので、繰り返しになりますけれども、科学的な根拠に基づいて住民の健康管理は進めてまいりたいと、積極的に対応してまいりたいというふうに考えております。
○山本太郎君 なるほど。科学的な根拠に基づきというお話でしたけれども、じゃ、このアナンド・グローバーさんの言われていることは科学的根拠には基づいていないという御見解でよろしいんですか。
○政府参考人(塚原太郎君) あくまでも人権の専門家というふうに承知をしておりますので、科学的な根拠に基づいていないとは申しませんけれども、国連の放射線に関する科学委員会ですとか、別のいろんなところでの議論もありますので、そういったようなところを踏まえて総合的に対応を検討していきたいというように考えております。
○山本太郎君 では、一ミリという基準に対して、余り乗り気ではないと。乗り気ではないというか、ちょっと乗れないというお話ですよね。 では、じゃ、幾つからが大丈夫だという話になるんですかね。アナンド・グローバーは一ミリという話をされています。じゃ、環境省としては、国としては幾つからオーケーなんですか。
○政府参考人(塚原太郎君) 放射線と健康の関係につきましては、これまでの医学的な知見等々踏まえますと、一般的には百ミリシーベルト以上の被曝を受けたときに一定の健康影響が検出できるというふうなことが言われております。 したがいまして、医学的な知見からいいますと、一つの線は百ミリシーベルトということになろうかと思いますけれども、政策を、被曝防護という観点からいきますと、いろんなレベルでの考え方というのがありますので、恐らく一ミリシーベルトというのも一つの考えだろうと思いますけれども、健康管理につきましては、その辺も踏まえまして、専門家の御意見もお聞きしながら企画立案をしていきたいというように考えております。
○山本太郎君 これやっていると多分朝まで掛かりそうなので、その先に進ませていただきたいと思います。 続いてのフリップ、こちらです。グローバー勧告七十七項の(e)は、子供の健康調査は甲状腺に限らず実施し、血液、尿検査を含む全ての健康影響に関する調査に拡大することというものになっております。これに対する政府の対応、いかがでしょうか。
○政府参考人(塚原太郎君) お答えします。 放射線によります甲状腺の影響につきましては、福島県が実施をしております健康管理調査におきまして、事故時十八歳以下であったお子様三十六万人を対象に実施をされております。この検査におきましては、エコーにおきます一次検査を行いまして、必要と認められた場合には、二次検査において血液検査でありますとか尿検査も含む精密検査が実施をされております。 また、警戒区域から避難された方々、あるいは当初四か月間の外部被曝線量を測った結果、相当程度の被曝のあるというような方につきましては、血液分画の検査なども実施をされておりますので、甲状腺だけの検査をしているわけではなく、必要に応じて血液検査あるいは尿検査がされているということで御理解をいただければと思います。
○山本太郎君 今の話を何となく聞いていると、じゃ、甲状腺もやって尿も血液もやられているんだねという雰囲気になるんですけれども、そうじゃないですよね。甲状腺で何か異常が出た、次のステップに進む、二次検査でやっと違うものも入ってくるということですよね。だから、途中途中で、どうして最初に全てをやらないのかという話なんですよね、甲状腺も尿も血液も。最初にやれば、それだけ守備範囲が広くなるわけじゃないですか。どんな病気が出てくるかということがはっきり分かる。どうして少しずつしか前に進まそうとしないのか、何か不都合でもあるんですか。
○政府参考人(塚原太郎君) 御答弁が少し舌足らずであったと思いますが、直接、福島県におきまして原子力災害の関係で実施をしております検査というのは、甲状腺の検査とそれから今申し上げました一部の血液あるいは尿検査でございますけれども、そもそも一般的な健康管理施策、厚労省さんが担当しております四十歳以上の一般の健康診断とか、そういうものも実施をされておりますので、そういうデータも合わせていただきながら、全体的な健康管理、健康状況の把握というものを一元的にやっていくということになっておりますので、決してそれだけ、血液検査あるいは尿検査が、私が申し上げましただけがされているということではなく、広く一般的に子供の学校で行われているような健診でありますとか、そういうところの検査も十分活用をさせていただいて、全体的な健康管理に努めていくというようなことで考えて実施をされておられます。
○山本太郎君 一年に一回の元々予定されていた健康診断がどうしたこうしたという話をしているわけじゃないんですよ。事故からの影響を調べるための調査をすべきだという話なんですよね。尿検査は、甲状腺の一次が終わってから、二次に行く人に対して行われていますよね、例えば尿だったりとかするってことは、尿という部分においては。そのほかのことはどうして、最初にどうしてやらないのかという話を言いたいんです。全て最初にやればいいじゃないかって、何か不都合でもあるんですかという話なんですよね。やりづらいとかあるんですか。
○政府参考人(塚原太郎君) この福島県の県民健康管理調査は、発災直後に福島県におきまして専門家を集めた委員会を開いて、そちらの方でこれまでの国連科学委員会の知見でありますとか、広島、長崎のデータ、あるいはチェルノブイリの医学的知見というものを総合的に判断して、必要な検査を選んで、それで今実施をされているというところでございますので、必要な検査を今、必要な対応をされているというふうに認識をしております。
○山本太郎君 二〇一一年七月二十四日に福島県民健康管理の検討委員会で委員の方々が言っているんですよね。ホール・ボディー・カウンターだけじゃなくて、ほかもやった方がいいんじゃないのって。要はホール・ボディー・カウンター重いから、台数も限られているから、いろんなところに持っていけないよねって、すぐには。だったら、持っていけないところに対して、尿検査をやったりだとか血液をやったりだとかというような検査の仕方でいろいろデータを取っていくというような意見も二〇一一年の時点では出ているんですよね。最初の時点で、どうして、これちょっとホール・ボディーの話に今変わっちゃいましたけれども──はい、どうぞ。あっ、僕じゃない、済みません、委員長でした、指名するのは。
○政府参考人(塚原太郎君) ただいまホール・ボディー・カウンターの検査につきまして、要するに内部被曝を尿でも、尿とか血液でもやったらどうかという、そういうような御質問だと理解をいたしましたけれども、これも、発災後なるべく正確にということがありまして、ホール・ボディー・カウンターとそれから尿検査、尿で放射線量を測るというようなものを試験的にやってみまして、やはりホール・ボディー・カウンターで検査をするというのが正確性、いろんな意味から適切じゃないかという評価があって、内部被曝についてはホール・ボディー・カウンターで実施をしていこうということでありまして、重いから検査が大変じゃないかというような御意見がありましたので、福島県が持っておりますホール・ボディー・カウンターの装置は全部車に搭載してありまして、福島県のみならず、福島県から県外に被災している方も含めて機動的な検査をされておりますので、非常に使い勝手が悪いとかという問題は克服しつつあるというふうに御理解をいただければと思います。
○山本太郎君 機動的なのであるならば、もう福島県民の調査終わっていると思うんですけどね、ホール・ボディー・カウンターにおいて。とにかく、台数も限られているという部分もあるから、回りづらいという部分もあると思うんです。 それだけじゃなくて、やっぱり血液検査、尿検査、もちろんそのホール・ボディー・カウンターという部分に含めても、とにかく希望者には全てそれが受けられるというふうな状況にしていただきたいと。例えば尿検査、一日に何回も取るからなかなか大変だろうという話もあるかもしれないけど、それを希望されている方ならば、それは苦にならないはずですよね、例えば尿検査においては。 それとか、とにかく、一ミリ以上、一ミリということを基準にというのは、昔日本で事故があったときもそれ以降もずうっと踏襲してきたことじゃないですか。原爆のときもそうだった、ジェー・シー・オーのときもそうだった。元々被曝限度というのを一ミリというふうに考えていた、公衆の被曝というのを一ミリということを決めていたという部分があるんだから、その範囲で、それ以上の線量のところにいらっしゃる方々、年間一ミリ以上の被曝される方というのには、もちろんそれぞれに権利がありますよね、だって事故起こしたの東電なんですもん。それ責任取るというのは僕もちろん必要あると思うんですよね。その事故によって今も、だって止まっていないじゃないですか。漏れ続けていますよね、海にも流れ続けていますよね。 ホール・ボディー・カウンターだけでどうして駄目かといったら、ホール・ボディー・カウンターで発見できるものなんて限られているじゃないですか。ストロンチウム見付かりますか。尿検査しないと駄目でしょう。海に垂れ流されている汚染水は。ストロンチウム、トリチウム、いろんなもの混ざったような魚が生体濃縮していって、台所の上に上がったりとかする可能性あるわけですよね。だとしたら、広い範囲でもっとやっていかないと、この先どうなるか分からないですよね。今やらないと駄目なんだというところにあると思うんですよ、この状況というのは。 済みません、ちょっとテンション上がってしまいましたね。
○委員長(水岡俊一君) 質問ですか。
○山本太郎君 今のですか。何かお言葉があるなら。お言葉があるならというのもなんですが、何か。
○委員長(水岡俊一君) 塚原環境保健部長、時間が来ておりますので、短めに。
○政府参考人(塚原太郎君) ホール・ボディー・カウンターも、これまで三年間の間に約二十万近くの方、機動的に県の方で御尽力いただきまして実施をされております。預託線量といいまして、内部被曝の向こう五十年間の被曝線量が最大で一番多かった方で三ミリシーベルトということで、ほとんどの方は一ミリシーベルト未満ということが分かっておりますので、そういうデータもあるということは御理解をいただきたいというふうに思っています。
○山本太郎君 それはホール・ボディーでセシウムだけを測った場合の話ですよね。 とにかく、二十ミリを下回ったら帰還させるということには一生懸命なんですけれども、一ミリシーベルト以下に、一ミリシーベルト以下を実現させるということに関しては余り力が入っていないように思うんです。 とにかく、子供たち、未来の納税者……
○委員長(水岡俊一君) 山本委員、もう時間来ていますから。
○山本太郎君 有権者を守るためにも、是非お願いします。 済みません、ありがとうございました。
○江口克彦君 みんなの党の江口克彦でございます。 官房長官が四十五分にはお立ちにならないといけない、こういうことですので、質問も一問で終わるかもしれません。どうぞ、二番目はまた次回に回しますので、御質問をさせていただきます。 官房長官、先ほどもお話がありましたけれども、河野談話の根拠となった韓国人元慰安婦十六人の証言内容などを検証して、結果を国会に報告する考えを示されました。談話の見直しは考えていないというふうに述べてもおられます。 そこで、ちょっと質問、時間の関係で突然の質問になるかもしれませんけど、この問題については政府内で検証するというふうに言われておられますけれども、どうせ断ってくると思いますけれども、韓国と合同検証を一応申し入れておくということは次の段階で有効な手ではないだろうかというふうに思うんですけれども、この点が第一点、いかがかなということであります。 それから、第二点目は、実質的な検証をすれば、実質的な河野談話を見直しをしなくても見直す内容になってくるというか、私はそういう結果になると思うんですけれども、検証の結果の取扱いをどうされるのか。国会から求められたら応じるということでありますけれども、当然求められると思うんですね。ですから、求められなくても、もう公表されたらどうかなというのが二点目。 それから、三点目ですけれども、政府内の検討チームの設置時期、それからどれぐらいの期間、検討する期間として考えておられるのか、あるいはまた、検討メンバーですね、どういう方を今、具体的にはまだお考えになっておられないというふうに思うんですけれども、大体どういった方々を何人ぐらいメンバーとして今想定されておられるのか、六分ぐらいでお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(菅義偉君) まず、今回の検証の背景になったということについてまず御理解をいただきたいんですけど、先ほど来申し上げていますけど、当時この河野談話を作成をされたときの事務方の最高責任者であった石原元官房副長官が、衆議院の予算委員会の中で、この元慰安婦の聞き取り調査結果について裏付けは行っていなかったという証言をされました。そしてまた、河野談話の作成過程で韓国側とすり合わせをしたと、そういうことが推測をされたという証言がありました。さらに、この河野談話の発表によって日韓関係というのは一旦友好関係になったと、しかし、今日になって日韓の過去の問題が再び韓国政府から提起される状況を見て、当時の日本の政府の善意が生かされておらず非常に残念であったと、そういう趣旨の証言があったわけです。ですから、政府としては、こうした証言を受けて検証をし、実態を把握をすることにしたわけであります。 ただ、その中で、慰安婦についてでありますけれども、これについては非公開だと、その上で慰安婦の皆さんから聞き取り調査しました。そしてまた、聴取はしたんですけれども、その裏付けは行っていなかったわけでありますから、そこについてはやはり、正直言って検証することは難しいというふうにこれは思っています。ですから、その事実関係だけは確認をしようというふうに思っています。 また、その作成過程で韓国側とのすり合わせですか、それがあったかどうかということについては、現在、今までの交渉経過というのは残っていますから、そうした中でそれなりのことは検証できるんだろうというふうに思っております。そういう状況の中で、衆議院の国会の質疑の中では、国会から要求をされたらそこは提出をする用意がありますよと、そういうことを私、申し上げました。 今、江口委員からの提案でありますけれども、韓国と共同検証したらどうだということであります。そこは意見として受け止めさせていただきたいというふうに思います。 また、期間、メンバーでありますけれども、これについては、期間、メンバー、その時期ということについては今検討中でありますので、いずれにしろ、機密保護の中で行いたいということも国会の場で申し上げていますので、そういうことも含めて、現在はまだこの場でお話しすることは控えさせていただきたいと思います。
○江口克彦君 ありがとうございました。 始められる時期とかメンバーは当然秘密にされると思うんですけど、その検証の期間も、内々でというか、公開はせずにおやりになるんですか。いつ始まったか分からないということになるんですか、我々は。
○国務大臣(菅義偉君) 当然、国会で発言しましたので、その準備はしていますけれども、具体的なことについては、また明らかにするときが来たら明らかにしたいと思います。
○江口克彦君 じゃ、ちょっと時間がありますので、ちょっと二問目、簡単に。恐縮でございます。 冷戦構造の終えんを転機といたしまして、国際情勢の変化に伴い、集団的自衛権の必要性、重要性が私は増してきているというふうに思うんですね。集団的自衛権を否定的に捉える人は、相変わらず東西冷戦構造の前を基準にして考えている。後になった今は、むしろ集団的自衛権は、自衛は私は抑止力にあるというふうに解釈をいたしておるんですけれども、そういう意味で、そういう集団的自衛権の見直し、是非前向きに進めていただきたいというふうに思っているんですけれども、丁寧に説明を重ねながら同時に検討を進めるべきだと思っているんですが、官房長官、ちょっと一言。
○国務大臣(菅義偉君) 政府としても、我が国を取り巻く安全保障の環境というのも一層厳しさを増しておる中で、一国で国民の生命、財産を守ることはなかなか厳しい状況になってきているということも、これは事実だろうというふうに思います。 そういう中で、集団的自衛権の行使の問題でありますけれども、現在、安保法制懇というものを行っていただいていまして、様々な問題を整理をいただいています。そこからその整理をしていただいた報告書を提出をしていただいて、その後に、これは当然政府・与党との間でこの問題について丁寧にしっかりと協議をし、その上でどうするかということを決めていきたいというふうに思っております。
○江口克彦君 官房長官、どうぞ。
○委員長(水岡俊一君) 菅内閣官房長官、御退席になって結構です。
○江口克彦君 それでは、森大臣に御質問をさせていただきます。 我が国の安全保障上、秘匿の必要性の高い情報を保護するための特定秘密保護法の必要性というのは、私は論をまたないというふうに思っておるんですけれども、その題名や目的において、秘密として保護すること、つまり国民に知らせないことを重視、強調し過ぎたため、秘密を適正に管理することの重要性が十分な説得力を持って伝わらなかった向きがあるというふうに思うんですね。私は、この秘密という言葉をどうして使われたのかと思うんですよ。大辞林という辞書を引けば、秘密っていったら、隠して人に知らせないこと、公開しないこと、もっとあるのは、人に知らしめないようにこっそりとすることと、こういう秘密というのは言葉の意味なんですよ。 それをわざわざこういう大事な内容の法案に秘密という、私は物書きでもありましたから、この秘密という言葉、言葉に神経質で、なぜこれ使われたのかなと。どのような経緯でこの題名を特定秘密の保護に関する法律というふうに決められたのかということですね。また、その際に、国民の疑念を招くおそれを鑑みなかったのか。私だったら絶対使いませんね、文章書いているときに。 特定秘密保護法の題名や目的規定について、森大臣のお考えを、私、質問主意書で出したんですけれども、極めて簡単に、お答えいただけなかったんで、是非丁寧に森大臣の御説明をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
○国務大臣(森まさこ君) 江口委員から今御指摘いただいたように、秘密を適正に管理することの重要性、これが十分な説得力を持って伝わらなかったのではないかというふうな御指摘をいただきました。真摯に受け止めて、これからも政府としてしっかり国民に対して御説明をしてまいろうかと思うんですけれども。 お尋ねの特定秘密保護法の題名でございますけれども、この法律の内容は、我が国の安全保障に関する情報のうち特に秘匿を要する情報、これを漏えいの防止を図っていくということを、今まで法制度できちっと定められていなかったものを制度化しようというものでございます。 実は、今でも行政上の情報に秘密というものはございまして、秘という印が付けられたり、極秘という名前が付けられてここに記されたり、極秘というスタンプが押してあったりしますものですが、そういったものを法律ではないけれども特別管理秘密として扱っております。こういった情報を今特別管理秘密というふうに名称が付けられておりますが、秘密と付いております。秘密というふうに称することについては、法律上、これまでも自衛隊法上の防衛秘密というものもございますし、日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法でも特別防衛秘密というふうに称されているわけでございます。 そういった経緯等もございまして、この法律では秘密の指定、秘密の取扱者の制限、秘密の提供というふうにして共通ルールを整備したものでございまして、法律の内容、制度の内容を示すものとして題名も特定秘密の保護に関する法律というふうにしたものでございまして、これまでの経緯、それから現行の扱い、それから他の法令との関連、そういったものからこういった題名になったわけではございますけれども、御指摘の、国民に御懸念や誤解が生じないようにするべきだという御指摘、真摯に受け止めまして、今後もこの法律の趣旨というものを国民の皆様に丁寧に御説明をしてまいろうと思います。
○江口克彦君 今おっしゃられました厳秘であるとかいろいろ、防衛秘密とか、それは分かるんですよ。だけど、情報ですよ、これ。特定秘密保護法ということになって、国民向けになっているんですよ。国民がこれ見るわけですよね。もちろん防衛秘密、防衛秘密だったら国民の方はすぐぴんと来るし、それはそうだろうなというふうに思うし、外交秘密だったら、そう。だけど、特定秘密保護法というのは、これは情報、もちろんそういうふうな表現をしたいということはそれなりの御説明でしょうけれども、これは本当は私は使うべきではなかったというふうに思う。 これを使った以上は、森大臣がよほど国民に対してもう責任を持って丁寧にこの内容を説明するとか、あるいはまた、もういつも安倍総理が予算委員会等で、また本会議場でも質問されていますけれども、だけれども、一番の担当責任者はやっぱり森大臣ですから、そういうことになってくれば、森大臣がいかに国民と相対して、相まみえて、そしてきっちりとこの特定秘密というのはどういうことなのかとやらないと、もうこれどんどんどんどん糸がもつれていくという懸念を私は持って、非常に心配しているんですけれどもね。 そういった活動というか、そういった動きを、発言をというか、森大臣、具体的に今どうされたい、どうしようというふうに私の話を聞きながら思われましたか。
○国務大臣(森まさこ君) まず、現在の取組でございますけれども、内閣府のホームページの方に本法律の内容に対する場所を設けまして、そちらの方でQアンドAという形で国民の皆様から寄せられている御懸念、御質問等に対して答えております。また、動画でも、私の方から国民の皆様からよく寄せられる質問について一問一答の形で御説明をしております。 今申し上げました内閣官房のホームページでの説明以外にも、日本記者クラブ等の、記者クラブその他の場所で私も御説明の機会をいただきまして、説明をし、また質疑応答にも答えているわけでございます。また、意見書等をいただいた議会の方にも私の方から返信をして、その御懸念について説明をしているところでございます。 今後も、あらゆる機会を捉えて、丁寧に御説明をしてまいりたいと思います。
○江口克彦君 山本一太大臣が、沖北のときですけれども、私が、山本一太大臣が、ロシアの方がどんどん北方領土に首相とか幹部が行っているんだから山本大臣も行かれるべきじゃないですかと言って、そうしたら、考えてみます、できれば行きたいと思っていますという答弁があったんですよ。本当に行かれたんですよ。今度沖北の委員会のときに、山本一太大臣にお礼と、またよく行ってくださったというふうに申し上げたいとは思っているんですけれども。 私が今言っているのは、ホームページとかなんとかじゃないんですよ。もうそんな、ホームページは森大臣自身で作っておられないはずですよ。誰か周囲の人たちが作っておられるわけで、だから、森大臣がもう行脚されるとかそれぐらいしないと、今やっぱりこの問題を押さえておくということ、森大臣自身が回られるぐらいのことをおやりになった方がいいと思いますよ。いかがですか。
○国務大臣(森まさこ君) 御提案の点も含めまして、国民の皆様にこの法律の趣旨をしっかり理解していただくような活動をしてまいりたいと思います。
○江口克彦君 森大臣には、実行、実行、実行で是非よろしくお願いしたいと思います。 甘利大臣にお尋ねいたします。 TPP交渉についてでございますけれども、シンガポールの会合においても交渉締結は見送られたという、先行きは非常に不透明な状況になっていると思うんでございます。TPPの枠組みを頓挫させないように、今後も慎重に交渉を進めつつも、決断すべきところは決断しなきゃならないのではないだろうかというふうに思っているわけであります。 例えば、聖域五品目のような国内への影響の大きいものは、国内でも早めの対策を講ぜられるようにしておく必要が私はあると思うんですね。最悪の事態というか、そういうふうなことも考えて交渉に臨んでおかれるということが必要ではないかと思うんですけれども、交渉事ではありますけれども、国民に適時適切な説明を、ただ何となくうまくまとまりませんでしたということではなくて、どうしてまとまらなかったのか、今後どうしてこのTPP交渉に取り組んでいくのかというようなことを考える必要があると思うんですけれども、甘利大臣、そういうようなことについてはもう十分考えておられると思いますけれども、お考えをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) シンガポール会合は妥結に至らなかったわけですが、それは物品の市場アクセスを始め残されている部分がまだあるということで、そこは今後の交渉に託すということになったわけであります。 ただ、進まなかったかどうかという視点で見ますと、かなり未解決の問題が処理できたというところもあります。ただ、残されている部分で、我が国でいえば農産品のセンシティビティーの部分でありますし、各国もセンシティビティーを抱えている部分、物品以外の部分についてはやはり課題が残されているわけであります。ですから、難しいところが次第に絞られて残ってきているという状況であります。 手順といたしましては、日米が大枠で妥結するということが非常に大きな要素になっています。なぜなっているかといえば、それはTPP十二か国のうち日米で経済シェアは八割になるからであります。日米の懸案事項というのは、当初、日米首脳会談で確認されたとおり、農産品の一部であり、工業製品、向こうでいえば工業製品の一部と、これを言わば同時進行で今解決のための作業をいたしております。 そこで、早めの国内対策というお話でありますが、国内対策は最終的に当然必要になってくると思います。今まで開放したことがない重要品目以外の部分も含めてそれを開放していくわけであります。でありますから、最終案が固まり次第、国内対策が必要な部分はしていくということであります。 あわせて、五品目につきましては、衆参の農水委員会の決議があります。それ、決議イコールタリフラインのここまでをきちっと守れというような、そういう完全にコンクリートしたものではないと思いますが、最終的にでき上がった案が決議と整合性がぎりぎり取れるのか取れないのか、それは最終的に国会の判断に委ねるしかないわけでありますが、我々はこれならば何とか御理解をいただけるだろうというところを目指して今やっているところであります。 でありますから、最終的な着地点が固まり次第、それに対して国内対策の必要性があるところは直ちにそれの策を打っていく、打っていくというか図っていくということになろうかと思います。 いずれにいたしましても、かなりこれから大詰めになってまいります。今、日米で事務交渉をしましたけれども、まだまだ、じゃ、それで全部済むかといえば、かなり政治家同士で解決しなければならない問題も残っているわけであります。 いずれにいたしましても、アメリカも中間選挙モードに入ってくるわけでありますから、次第に残されている時間は少なくなってくると思いますが、しっかりスケジュール感を持ってタフな交渉に取り組んで引き続きいきたいと思っております。
○江口克彦君 時間がありませんので飛ばしまして、新藤大臣に御質問をさせていただきます。それも幾つか時間がありませんので飛ばして、一つだけ御質問をさせていただきます、最後に。 道州制についてでございますけれども、これについては、もう第二次安倍政権が発足して一年余りたったんですけれども、道州制が具体的にどういうふうに動いているのかというようなことは、個人的に言うならばいろいろと耳には入ってきているんですけれども、そして質問を新藤大臣にも何回かさせていただいている。そうすると、自民党、政府・与党の方でいろいろと今検討している最中であるからして、それを待って、また政府として受け止めて道州制について考えたいというような、そういう御発言が、お答えが非常に多いんですけど。 今度の春闘ですけど、春闘、ベアが上がりましたけれども、昨日今日のテレビででもどこの新聞でも報道されていますけど、あれ、賃金交渉というのは本当は労使でやるんですよね、本当。だけれども、この頃の労働組合頼りないから、結局、使にやられてしまっているような状況で、こんなことではデフレ脱却できないということで、政府が、安倍総理が乗り出していってという、政労使かな、政労使でやって、あれ実現したわけですよね。 だから、道州制の方も、政党の問題だ、与党の問題だと、与党が答え出してこないとこれは政府として、私としては考えられないというようなことではなくて、乗り出していただきたいんですよ。 今日も四国のある市長が来て、市長の人たちは道州制を進めてほしいんだと、反対するのは町村の首長の人たちだけれども、市長のレベルでいくと道州制を是非進めてほしい、四国はそれによって発展するという確信を持っているんだというようなことを訴えている。 だから、ちょっと新藤大臣、いつもお尋ねすると、それは政府・与党、政府・与党といって言われる。別に逃げておられるというふうに申し上げるつもりは更々ありませんけれども。それはそのとおりだと思います。けれど、ここでもう一押しするために、せっかく道州制担当大臣になられているわけですから、政府がというよりも大臣がやっぱり後押ししていただくということが私は必要ではないか、それをやっていただけないかというふうに思うんですが、最後です、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(新藤義孝君) まず、第一次安倍内閣で道州制のビジョン懇があって、江口委員がその座長として取りまとめをいただいたわけであります。ですから、今御質問されながら、そのもどかしさといいますか、なぜここが今足踏み状態なんだと、こういう思い、これは私も受け止めをしたいと、このように思います。 そして、前政権においては道州制担当大臣は置かれておりませんでしたから、第二次安倍政権となって道州制担当大臣置かれて、私が今拝命をしているわけであります。 しかし、私は、これが足踏みとは思っていないんです。そうではなくて、やはりまず最初にビジョン懇で基本的な枠を固めました。それから、かなり具体的な踏み込んだ提案が、いろんなところでお考えがあって、そして結果としてそういうものが見えてくることによって様々な意見が出てきていると。それは、推進されたい方もいらっしゃれば、本当にここまで進むと思わなかったので、そこまでやるんならばここは大丈夫かとか、そういう議論が今入ってきているわけですね。 これはもう委員はよく御存じだと思いますが、取りあえずやってみようとか、一回形つくって後から直せばいいやでは済まないのが道州制だと思います。これは統治機構を根本から変えるわけでありますし、財源と税源とそれから権限ですね、さらに人間とおっしゃっておりますけれども、そういうものを用意周到してこれは組み立てていかないと、これは地域や国民生活に直結する問題ですから。 ですから、私は、まず、この地方と国の在り方というのをどうするのかと。ある方によっては対立の概念だと言う方もいらっしゃるし、国がいるから、それが邪魔となって本来の発展が阻害されているんだと、こういうような方もいらっしゃるし、また、国、県、市は分け目なくシームレスに一つの地域の中に存在しています。そして、自分たちの暮らしの中に国、県、市は全部重なっているわけであります。ですから、どうやって仕分をして望ましい仕組みを、住民の地域の活性化と住民の国民の利便性が向上するとともに、国全体としてもやはりこれは統治機構が強化されると、こういうものをつくらなければいけないわけでありますから、そのための私は今必要なプロセスを経ているんだと思っています。 もどかしいのは分かりますが、これだけの国を揺るがす大きな問題について、しかもこの政治の場で各政党がいろんな御意見を持ち、また与党においてもそういった作業を進めていく中で、与党の方も必死で法案提出に向けて作業しているところでありますから、私たちとすれば、そういったものを踏まえながら、行政は必要に応じて適切な対応をしたいと、このように考えているわけでございます。
○江口克彦君 ありがとうございました。
○委員長(水岡俊一君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時六分散会