総務委員会 第25号
- 発言数
- 227 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2014/06/05
会議録
○委員長(山本香苗君) ただいまから総務委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 行政不服審査法案外二案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務省行政管理局長上村進君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本香苗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(山本香苗君) 行政不服審査法案、行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び行政手続法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○井原巧君 おはようございます。 今日は、行政不服審査法関連の質問ということでありますけれども、なかなか関心のないような質問でもあるんですけれども、実は私が市長時代に、この質問を考えながら、思い出した、一致するような話がありましたので、少しその話をしてから質問に入りたいと思いますけれども。 合併したときの新市というのは、みんなゼロからのスタートだと思っているんですけれども、どちらかというとマイナスからのスタートであった感があるんです。それは、これは住民心理もありますけれども、新しい町になると市長さんはほかの町の人になるかも分からないとか、地元の要望が通らなくなるかも分からないということで、駆け込み心理というのがすごく働いて、財政調整基金を使い切ったり、あるいは大方起債をするんですけれども、起債というのは総務省も丁寧に三年据置きの四年目支払とかということになりますから、起債の償還は新市にどうせ引き継がれていくと、こういうマイナス的要素があったわけなんですね。 そういうことを知らずに私も市長に就任したんですけれども、当然もう目の前には、行財政改革をせざるを得ないし、合併調整をせざるを得ないというすごい壁にぶつかったときあるんですね。そのときに実は一番感じたのが、改革しなきゃならないんだけれども、住民の行政に対する意識の壁というのにすごく当時私はぶつかった思いがあります。市民もそうでありましたけれども、市の職員も市会議員さんも実は旧市町村への帰属意識が大変強くて、新しい改革しようにしても、どうしてもその意識が抜け切れないのでなかなか協力をしてくれないし、新しい市役所に対して市民の皆さん方が不安感とか不信感というのがスタートとしてありましたから、とにもかくにもそこの信頼というのをどうすればいいのかなということで悪戦苦闘したというのが経験としてあります。 ですから、新しい町づくりは市役所が市民から信頼を得ることから始まるというのが私の就任の挨拶だったんですけれども、もう一つ職員にお願いしたのは、そういう信頼を得るためには、一番分かりやすいのは、市政は家庭に考えて、そして市民は家族と考えたら、家族というのはうまく共同でやれているじゃないかと。そのキーワードを一つ一つ拾い上げていって政策にしていこうじゃないかと、こういう話をさせていただきました。 大体三つに収れんされたんですね、当時。 一つは、家族の場合はとにかく隠し事をしないということですね。情報を共有しようということと、積極的にやっぱりふだんから話をして説明をしていこうじゃないかと。これは法律で言うところの情報公開法とか、あるいは役所の説明責任ということ、これが一つ信頼の基だったですね。 二つ目が、家族で物事を決めるときに、昔はお父さんがおいということで決めていましたけれども、家族同士でお互い議論をして、そうして決めることで納得感があるので、たとえ失敗したときでもそれは家族の崩壊につながらないので、やっぱり政策立案の過程をルール作りしようということになりました。 三つ目が、これが今日と共通しますが、誰か家族の一員の中で家族に対して不満とか不公平感を持ったときに、やっぱり聞く耳を持つ体制をとにかくしようじゃないかと。失敗したときにはおわびする体制をつくろうじゃないかというようなことで、本日のこの行政不服審査法につながってくるわけでありまして、そういう理念で市役所も運営しましたから、私自身、この今回の関連法案の審議でありますけれども、間接的で非常に関心もひょっとしたら低いことなのかも分からないし、住民には直接益が出るものではないですけれども、これはやっぱり政府、行政、あるいは地方自治体の政治の姿勢というか、行政の姿勢を示す大事な法案でありますので、そういう観点に立って質問に入らせていただけたらというふうに思っております。 そういうことで、まず一点目なんですけれども、そういう私にとっては非常に重要だなと思うこの法案でありますけれども、制定以来、昭和三十七年ということなので私が生まれる前の年ということになりますけれども、そのとき以来五十年間この法案の改正が進んでいなかったというようなことでございまして、救済制度である本法改正に先立って、新藤大臣が今回五十年ぶりにやろうという、決めたことについては非常に私も評価するんですけれども、逆を言うと、この五十年間この法案が手付かずだったことはどうだったのかなという疑問も湧くわけでありまして、その経緯と御所見を新藤大臣にまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(新藤義孝君) 非常に井原委員にうまくまとめていただきまして、特に家族をうまくいく秘訣というのは、隠し事をしない、みんなで決める、聞く耳を持つと、これはとてもいいことであって、委員は実践されているんだなということをよく分かったわけでございます。 それで、この行政不服審査法、これ、そもそもが、行政の自己反省機能を生かして、また迅速に国民権利の救済を図ると、これが法律の趣旨であります。行政不服審査につきましては、これは各分野に幅広く共通するものであるということでございます。したがって、この制度の検討に当たっては幅広い関係者による慎重な検討が必要であったということ、まずそれが原点にあります。 一方で、この五十二年間何もしなかったのかということではなくて、行政の公正性や透明性の向上、また時代の要請というものに応じまして、例えば第一次臨調、昭和三十九年であります、それから第二次臨調が五十八年です、さらには行政手続法、これ平成五年、情報公開法が平成十一年、個人情報保護法は平成十五年、このように行政の基本的な法制度の整備は順次進めてきたということなんでございます。こういう中で、さらに平成十六年には行政事件訴訟法が四十年ぶりに抜本改正をされました。その中で、行政不服審査制度について、簡易迅速性であるとか権利救済が本来予定していたものになっているかどうかと、こういう御指摘をいただいたという、ずっと順を追った経緯がございます。 しかも、平成十八年から結果的に八年間の検討になりましたけれども、行政不服審査制度検討会というものを設けて、平成二十年には、福田内閣でございますけれども、改正法案を出したんです。しかし、残念ながら審査に至らずに解散とともに廃案になったと、こういう経緯の中で、私とすれば、今般、今までのことも含めまして、関係者の広く意見を聞いた上でこの法案を取りまとめをして御審議をお願いしていると、こういうことでございます。
○井原巧君 経緯について十分分かりましたし、その他、通則法でありますから御苦労もあったというふうに思います。 少し実務的な話にさせていただきたいと思うんですけれども、この法律は、裁判に、訴訟するのと比べると、無料であって手続が非常に簡便であり、また迅速であるということで非常に評価もされているわけですし、大事な制度だと思いますし、裁判所というのは違法性を審議することですけれども、この法律は、いいことは、違法ではないけれども不当な処分についても扱ってくれるという制度でありますから、そのメリットは大きいものと思います。 ただ、反面、いろいろな専門家からの意見を聞くと、無料で簡便性を確保するということでありますから、できるだけお金掛けずにですから、独立機関でなくてまず行政庁自らが審査するため、国民から見て多少公正性に不安が残ったり、不服申立ての種類が、たくさん種類がいろいろややこしくありまして使いづらかったりという声も聞くところであります。 この改正によりまして、国民にとってどのように制度の公正性や利便性が向上するのか、そのポイントについて確認したいと思いますので、上川副大臣、よろしくお願いいたします。
○副大臣(上川陽子君) 今、井原委員から御指摘のとおりでございまして、行政不服審査法は裁判手続によらずに簡易迅速に国民の権利利益の救済を図るということで、特に、公正な制度であること、そして利便性の向上ということについては大変大事な点でございます。 例えば、手続の公正性につきましては、処分に関与していない者、審理員が不服申立ての審理を行うことを法律上明らかにしております。また、さらに第三者機関による点検を行うということでありますし、証拠書類等の写しの交付を求めることができるとする、こうしたことによりまして、その手続の公正性についての向上を図るとしているところでございます。 また、国民にとっての使いやすさということでございますが、現行の異議申立てを審査請求に一元化することとしますと同時に、処分庁への申立てといたしまして選択制の再調査の請求を導入すると、こうした手続に関しましても国民の選択の幅を広げるということを決めているところでございます。また、不服申立て期間を延長するということなどによりまして、その向上を図ることとしているところでございます。
○井原巧君 ありがとうございました。 私、何か質問時間二十分しかないので、少し質問の順番を変えさせていただいて質問を進めたいと思うんですけれども、今度、この改正案につきまして、地方自治体への影響について少し質問したいと思いますが、先般いただいた資料を見ると、二十三年度の調査によると、国への不服申立てというのは約三万件あって、認容率は一〇・六、地方自治体では不服申立ては約一万八千件で、認容率は大変低く僅か二・八%というふうになっております。迅速性の観点から見ると、国では約九割が一年以内に処理できているが、地方自治体では四割しかできていないと。 こういうデータでありまして、私も非常に関心を持ちまして、それを実は細かく、自治体の規模で載っていましたから、調べていきました。数字言うと少し時間がないので、その結論ということでありますけれども、国と小さな市町村、だから上と下ですね、国と小さな市町村では迅速性もあり認容率も比較的高いデータが出ていると。都道府県とか大きな政令指定都市とか県庁所在都市、そういうところでは処理に時間が掛かりかつ認容率も低いという結果になっているんです。 一年だけのデータで結論ということは難しいですけれども、私の経験で類推すると、小さな市町村はふだんから多分市民と顔が見える関係にあります。だから、恐らく申立てになる前に相談段階で丁寧に対応が比較的できるので不服申立て件数が比較的少ないのではないかなと、処理期間も早くできているのではないかなと、こういうふうに類推するわけですけれども、今度逆に、しかし認容率は高いわけですね。認容率高いのは、精度が高いのかというと、ちょっとそうでもないのかなというふうに思いまして、一つは、前段階の相談業務が機能しているので、解決できなかったやつだけが不服申立てになってくるので、その分認容率は上がっているというのが一つ。反面は、これは私の町もそうだったんですけれども、小さな町なので、役所がやっぱり専門性が高くないんですね。総合職みたいな感じになっていますから、多少ミスも出ることもややあったのかなと、こういうふうな感じもするわけでありますけれども。 この調査結果についてどのような所見をお持ちか、まず松本政務官にお聞かせ願いたいと思います。
○大臣政務官(松本文明君) 先生よく御理解をいただいているなと思って感謝をいたします。 認容率、処理期間というのは、原処分の内容に依拠する面が大変多くあります。処分には不服申立ての性質によって大きく異なるということがありまして、国、都道府県、市町村で対象となる処分が大きく違って、認容率等について単純に、いいとか悪いとか適当であるとか適当でないというようなことを単純に判断することは難しいというふうに考えております。 また、特定の地方公共団体に対して一時的に大量の不服申立てが行われる場合には処理期間が長期化する傾向が見られます。また、御指摘の平成二十三年度における都道府県、政令市等の数字にも、対象となる処分の違いや特定の地方公共団体に対する大量の不服申立てが処理されたという特殊要因の影響が現れているものと考えております。他の年において調査結果を見ても、同様の特殊要因の影響などから、同じ地方公共団体の種類においても年度によって認容率等の大きな変動が見受けられるところであります。 いずれにしても、総務省としては、迅速かつ公正な裁決が実現するように、施行通知等で地方公共団体などに改正法案の趣旨の徹底を図るとともに、審理手続についての標準的なひな形などを作成して情報提供をすることなどを通じ、各地方公共団体において適切な運用がなされるよう努めてまいります。 以上です。
○井原巧君 よろしくお願い申し上げたいと思います。 次に、本法案の公正性の向上という観点からでありますけれども、職員のうち原処分に関係しない者が審査請求等の審理を行う審理員制度が導入されるということになっておりますけれども、具体的にどのような者が審理員に指名されると考えているのかということをお聞かせ願いたいと思うんです。政府答弁では官房系統とか総務部門の管理職クラスというのが先般答弁されていたようでありますけれども、私は、特に気になっているのはさっき言った小さな自治体の方なんですね。 小さな自治体は、良くも悪くも組織が小さいので、職員が日常業務においてもふだん部署を超えて連携しておりますから、公正性の理念のとおりの全く影響を受けない部署から審理員を決めるというのはまず難しいというふうに思います。といいながら、しかし、新たな人員を構えるには非常に負担も掛かってしまうと。また、申立て期間の延長等の今回緩和もされていますから、地方自治体の件数もまた増えてくるというふうなことも懸念されるわけでありまして、この改正案がしっかりもう地方まで有効に活用されるためにも、是非、総務省におかれては、小さな自治体に対し、何らかの工夫とか指導や支援をしていくべきと考えるわけでありますけれども、上川副大臣にお伺いしたいと思います。
○副大臣(上川陽子君) 今般の改正法案におきましてのこの趣旨でございますけれども、首長の下で専門性のある職員が審理員として審理を行い、不服申立ての判断の案を作成すると。首長がしっかりと責任を持って判断を行えるようにする、その上で第三者機関が審理の公正性を客観的にチェックすると。この審理員につきましては、原処分に関与していることが少ないと考えられる総務部門などから、審理員の職務にふさわしい責任の持てる者として管理職相当の職員が指名されるということを想定しているわけでございます。 特に、小さな規模の地方自治体におきましては、必要に応じまして、外部の適当な人材を非常勤あるいは任期付職員として任用いたしまして審理員に指名することもあり得るというふうに考えております。 審理の手続、段取り、その他詳細に解説したマニュアル等を作成するとともに、地方自治体の職員に対しまして研修を実施するというようなことを通じて、地方自治体に対してのサポートをしっかりと進めてまいりたいというふうに考えております。
○井原巧君 時間の都合もあるんですけど、ひとつ端的に、行政手続法改正も今回提案されているわけですが、行政指導について処分性がないものが、今回、処分等の求めができるようになりました。その創設の趣旨や効果について上川副大臣にお伺いします。
○副大臣(上川陽子君) 現行の行政手続法でございますけれども、事業者等の法令に違反する行為によりまして国民に不利益を被る場合があっても、その是正を行政庁等に求める手続は設けられておらず、国民の救済手続の充実、拡大が求められていたところでございます。 また、行政庁の側から見ましても、適正な行政運営の観点から、法令違反の事実を是正すべきであるということは当然のことでありまして、直接不利益を被る者でない者からの申出であっても適切な対応をすることが求められるものでございます。こうしたことを踏まえまして、法令違反の事実を知る者からの申出に基づきまして行政庁が必要な調査を行い、必要な処分等を行う仕組みを法律上設けることにしたものでございます。 この制度は、申出を受けた行政庁等には、必要な調査を行い、その結果必要があると認めるときには当該処分等をする法律上の義務が課されるということから、行政庁におきましての権限の発動が適切になされる契機となるものと期待することができまして、国民の権利利益の保護に資するものというふうに考えております。
○井原巧君 最後の質問ですけれども、今日、行政管理局長にもお越しいただいたんですけれども、最後の答弁大臣に是非いただきたいので、本法施行に向けた取組と、機を見て敏のやっぱりこれからは常日頃の検証と検証の上の改正というものが私は必要だと思っておりまして、大臣の今後の取組についての決意をお述べいただいて、質問を終わりたいというふうに思います。
○国務大臣(新藤義孝君) この改正法の円滑な施行のためには、国、地方を通じて関係者にしっかりと周知をしていただく、また御理解をいただくことが重要だと、このように思います。したがって、それぞれの自治体におきましても、説明会を開催したり、それから条例整備の参考となるような資料、これは提供させていただきたいと、このように思っております。 そして、これは今般五十二年ぶりの改正になりますが、今後も不断の見直しを行って、社会情勢に応じてそれぞれの検討は行っていかなくてはいけない、見直し等というものはこれは不断に行っていくと、また法律の中でもそのような規定を設けていただいたところでございます。
○井原巧君 以上で質問を終わります。
○石上俊雄君 おはようございます。民主党・新緑風会の石上俊雄でございます。 行政不服審査法関連三法について質問をさせていただきますが、前回というか、五月三十日の本会議の中でも質問をさせていただきました。(発言する者あり)ありがとうございます。 この三法案なんですけれども、本当に幅が広くて、関連する法律については三百六十一本もあるわけでありますので、一つ一つ確認していると相当深い内容になるわけであります。調べれば調べるほど疑問点というか、どうなっているんだろうなという内容がありまして、前回、本会議の中では、一般法としての行政不服審査法として、そのことについて確認をさせていただいたり、自己反省と外部登用の関係ですとか、審理員の内部基準への拘束、あとは民主党案のセントラルパネル方式への優劣についてお伺いしたり、審査請求期間、さらには質問回答義務、調査メモの閲覧、謄写、審査会の体制、委員の選考、さらには審査庁裁決における参酌の規定についてお伺いしたり、トータル十二項目について触れさせていただいたわけであります。 今日はそれ以外のところについてちょっと触れさせていただきたいと思いますが、まず初めに行政不服審査法の条文の中の疑問点に触れさせていただき、その後、関連する法に対しての改正がどんな感じになっているのか、具体的に労働者災害補償保険法と国税通則法、この二点についてお伺いし、その後に行政手続法についてお伺いすると、こういうふうな段取りでさせていただきたいと思いますので、是非よろしくお願い申し上げたいと思います。 この行政不服審査法というのは、せんだっての参考人質疑、参考人の皆さんからの御意見を賜る機会でもいろいろ教えていただいたんですが、明治二十三年の訴願法というのがこの基になっておりまして、明治二十三年から七十年たってようやく、今回のその前の行政不服審査法ですね、昭和三十七年に制定されたということであります。 ですから、明治二十三年から七十年掛けて変わり、更に五十二年掛けて今回見直されるということでありまして、この行政不服審査法というのは本当に国民の皆さんの権利利益、これを救済していくという大変重要なものであるわけであるんですが、そのスタートが明治二十三年の訴願法、これがどうかというと、国民の皆さんからのいろいろな不服というか意見をもらうことによって行政機関を自らチェックするという、そっちの方に重きを置かれていたというものであります。 今回の改正、昭和三十七年に改正されたものというのは、国民の皆さんの権利利益の救済というところに軸足が置かれる改正になっているわけでありますから、やっぱりこの法というのは幅広く国民の皆さんに知っていただいて、使っていただいて初めて重きが出てくるというか、意味があるものになるんじゃないかという、そういうふうに思いますので、そういう視点で今日は質問をさせていただきたいなと、そういうふうに思います。 それでは、早速質問に入らせていただきますが、まず、行政不服審査法の第二条のところに「処分についての審査請求」という項目がございます。そこの中の不服申立人の適格という、不服申立てをする適格という、これはどういう内容なんだろうなと。 中身をよく読んでいきますと、第二条に、「行政庁の処分に不服がある者」との規定があるわけでありますけれども、この不服がある者とは、前の判例で、行政訴訟法の九条で定める原告の適格、法律上の利益を有する者であるというふうに出てきているわけでありますが、それと同一と考えていいのかどうかというところであります。 実際に、行政訴訟法の原告適格は、二〇〇四年の改定で設けられた九条の二項で、法律上の利益の有無を判断するに当たっては、当該処分又は裁決の根拠となる法令の規定の文章のみによることなく、これは長いので、ちょっと読みますが、当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮するものとすると。要は、文言に書いてある内容だけではなくて、そこの法令の趣旨とか目的をしっかりと確認した中で決めていかないといけない。さらには、この法令と関係がある法令、その内容についてもしっかりと確認をした中で決めていくんだということなんであります。 したがって、こういうことを見ていきますと、実質的に申立人のこの適格というのが拡大されていっているように思われるわけでありますけれども、この行政不服審査法による不服申立人の適格もこれと同等だと、同じだと考えてよろしいんでしょうか。御答弁をお願いします。
○政府参考人(上村進君) お答えいたします。 この行政不服審査でございますが、国民の権利救済を主たる目的としておりまして、不服申立人の権利利益の救済に役立つと、この限りで提起し得る手続と、いわゆる主観訴訟というふうな類型に属するものでございます。 この不服申立人の適格でございますが、改正法案第二条、これは現行の第二条と同じなのでございますが、今委員から御引用いただきましたとおり、不服がある者、これが審査請求ができることと規定しております。 この具体的判例につきましては、判例におきまして、当該処分において審査請求をする法律上の利益がある者、これも委員が今御引用いただきました行政事件訴訟法第九条の取消し訴訟の原告適格、これを有する者との具体的範囲と同一であると、こういう理解が定着しているところでございます。 まさに、これも二〇〇四年、平成十六年になりますが、行政事件訴訟法でこの第九条に第二項が追加されまして原告適格の解釈規定が置かれたわけでございます。この範囲は、今御指摘いただきましたように、実質的拡大が図られていると解釈されているわけでございますが、この行政不服審査法の申立人適格もこれと同一という解釈が定着しておりますので、これと連動いたしまして、行政不服審査法上の申立人適格についても実質的な拡大が図られていると考えているところでございます。
○石上俊雄君 ありがとうございました。理解ができたところであります。 次に、第九条の審理員についてお伺いをしたいというふうに思います。 昨年の六月の総務省まとめ、行政不服審査制度の見直し方針、結構厚いんですが、そこの中に、審理員は内部基準等に拘束されるとの記述があるわけであります。法案の条文では、直接的な表現、いろいろ読んだんですけれども、直接的な表現は見当たらないわけでありますが、その内容はどこをこういうふうに読むとそういうふうに見れるのか。もしその規定を書いていないのであれば、何かその含意、何か思いがあるのか、その辺についてお伺いしたいと思うんです。 これは本当にちょっと重要なことだと思っているんですが、後半の質問でも触れさせていただきますけれども、個別法の各分野で、まさにこの内部基準をめぐって訴訟に発展し、そして国が敗訴し、その結果内部基準が変更されてきた例がたくさんあるわけであります。したがって、結構葛藤になると思うんですけどね。内部基準を抜本的に見直さない限り、新たな状況で救済されるべき国民の権利利益というのが、そっちの方に、その救済が実現できないんじゃないかというふうに思うんです。 ですから、結果的に要は訴訟まで持っていかないとやっぱり直らない。それは、内部の基準に拘束される、それが強いからではないかというふうなところにも行き着いてくるわけでありますので、その辺についてのお考えをちょっとお聞きしたいと思います。
○政府参考人(上村進君) 結論から申しますと、まず今のような、御指摘になったような明文規定というのは今般の法案には書いてございません。 それで、この内部基準というものでございますけれども、組織法令上、訓令とか通達という形で定められておりますと、これは職員を拘束するものと一般に解されております。今御指摘いただきましたこの行政不服審査制度の見直し方針の記述もこうした解釈を踏まえたものでございます。この点からしますと、審理員は審査庁の職員でございますので、審理のプロセスで判断するに当たっては一義的には内部基準を踏まえて判断をすると、こういうことになると思います。 ただ、一方、訓令とか通達は内部のものでございまして、行政組織外部の者は拘束することができないと、こういうふうに解釈されておりますので、国民一般から申立てを受けてこれを裁決するときにこうしたものを根拠とすることは許されないものだと解されております。 また、審理員は、この改正行政不服審査法におきまして、本案におきまして固有の権限が与えられております。したがいまして、実際の事案によりましては、この根拠法令の趣旨に立ち返って、内部基準等と異なる法令解釈、これによって裁決を行うべきであると、こういう意見を述べることも可能であるというふうに考えてございます。 今申したようなこういう事由から、この法案にはそうした規定は置いていないと、こういうことでございます。
○石上俊雄君 ありがとうございました。 それでは次に、何か専門用語がたくさん出てくるのであれですけど、一方的通信の禁止とあるんですが、要は何かといいますと、処分庁など一方から審理の主宰者にインフォーマルな形で主張や証拠が示される、これは、今回のこの中で本当は公平に内容が公開されていかないといけないわけでありますが、インフォーマルにこの情報が入る、それによって裁決の内容に左右するという内容に至る場合があるわけであります。 そして、これを見ていくと、この一方的な通信というかインフォーマルでの情報提供、このことに対して禁止をするという内容が入っていないわけであります。入れることによって、補充意見書というのをしっかり提出をさせて、全体にそのやり取りを公表させるというか目に見えるような形にするという、そういう仕組みが必要じゃないかというふうに思っているわけであります。 これはアメリカの連邦行政手続法の中にもこういうやり方というのは書いてあるわけでありまして、この辺について、必要じゃないかなと考えるんですが、御見解をお聞きしたいと思います。
○政府参考人(上村進君) お答えいたします。 御指摘のとおり、法律上に明確に書かれました手続と別に、インフォーマルな形で処分庁等が審理員に対して主張を行うとか、それから証拠資料を提出するということになりますと、この改正法案では、審査請求人、申立人が処分庁に対して適切な反論をできるような、こういう仕組みを整備している、こうした趣旨に反することになります。こうした仕組みといいますのは、例えば弁明書を処分庁が出すわけですが、これが出されたときには審理員は審査請求人にそれを送るとか、それから処分庁が提出した証拠書類に閲覧、謄写ができるとか、こうした手続を定めているわけでございます。 こうした手続外のインフォーマルな形で一方的な証拠提示がなされるというのは望ましくないと思ってございますので、総務省といたしましても、このような改正法案の趣旨を施行通知などで示すと、そうした形で周知徹底を図ることによりまして適切な運用がなされるよう努めてまいりたいと考えております。
○石上俊雄君 是非円滑に行われるように対応いただきたいと思います。 それでは次に、審理員の補助体制についてお伺いをしたいというふうに思います。 審理員の補助体制でありますけれども、今回、よく見ていきますと特段な規定がないわけであります。何か検討されているのかお聞きしたいと思います。 その場合、補助職員さんが行う職務というのは、文字どおり事務の補助的な業務に限られるのか、若しくは、じゃなくて、審理員の意見書の起案や作成の実質肩代わりまで許される場合があるのかどうか。そうなってきますと、補助職員さんと言われても、審理員と同様に、原処分への関与がない、中立公平、あと職能分離というのが求められてくるんじゃないかなというふうに思うんですが、この辺についての御見解をお伺いします。
○政府参考人(上村進君) 御指摘のように、補助職員についての規定は特段ないわけでございますけれども、この審理員制度、この趣旨でございますが、独立して職権を行使するという趣旨を踏まえますと、口頭意見陳述の主宰、それから審理意見書案の作成、これはまさに独立した審理員に与えられた権限でございますので、こうした事件の判断に関わるような事務について審理員が自ら行うべきでございまして、ほかの者が代わって行うということは、これは許されないというふうに考えております。 他方、審理員が行う仕事につきまして、その補助的な業務というのがございます。例えば公表情報を収集、整理する、それから審査請求人に対する日時連絡、そういったような事件の判断に関わらない事務、これは、運用上、補助的な補佐する職員を置いて行うことは妨げられないと思っております。 ただし、こうした仕事でありましても、法律上は公正性の担保ということで特段書いていないわけでございますけれども、除斥事由自体は規定していないわけでございますけれども、原処分に関与した者は避けるなど、やはり改正法案の趣旨に即した選任が求められると考えております。 こうした趣旨を含めまして、具体的な運用につきましては、先ほども申しましたけれども、一連の施行通知等の中で明らかにするなど、適切な運用が図られるよう努めてまいる所存でございます。
○石上俊雄君 それでは、是非お願いいたします。 続きまして、第二十九条の弁明書の提出についてお伺いをしたいと、そういうふうに思います。 この条文を読んでいきますと、二十九条の二項であります。審理員は、相当の期間を定め、処分庁等に対して弁明書の提出を求めるものとするとあるわけでありますが、処分庁側に、要は、審理員は相当の期間を定めて処分庁等に対して弁明書の提出を求めるというものであります。 ちょっと心配し過ぎかもしれませんが、処分庁側に弁明書の提出の義務はこの文章を読んでいくと掛からないのかななんていうふうに見えるんですが、本当にそうなんでしょうか。もしそうであれば、その理由についてお伺いしたいと、そういうふうに思います。
○政府参考人(上村進君) この審理員と申します者は、原処分に関与していない者ですから、当然原処分が何たるかというのを知らない者でございます。 一般に、審査請求書の記載だけでは、どういう原処分が行われて、その違法、不当性というのを判断するには十分ではございませんので、事案の概要ですとか原処分の理由等をきっちり処分庁から書いた書面を出していただくと、こういう手続が必須となってまいります。このため、改正法案の二十九条二項によりまして、処分庁等に対して必ず弁明書の提出を求めることとして、こうした点を明らかにさせる必要があるということでございます。 処分庁は、こうした趣旨からしますと、この求めに誠実に対応しまして提出すべきことは当然のことでございますので、法律上の提出義務としてまでは書いていないと、こういうことでございます。
○石上俊雄君 ありがとうございます。理解をしました。 続きまして、三十一条の口頭意見陳述についてお伺いをしたいと、そういうふうに思います。 口頭意見陳述は本案審理についてのみ認められているのかどうかといったところなんですね。要は、中に書いていないので、要件審理についても認められるところがあるのかといったところについてお伺いしたいと思います。不適法が明確である場合以外は保障すべきじゃないかなというふうに考えるんですけれども、その辺の御見解をお聞きしたいと思います。
○政府参考人(上村進君) お答えいたします。 今委員が御指摘いただきましたように、改正法案におきましては、審査請求が不適法であって補正することができないことが明らかな場合、こうした場合等を除きまして、審理員による審理手続を保障すると、こういうことになってございます。こうした場合は、審査請求人から申立てがあれば口頭意見陳述の機会が保障されるということになってございます。 したがいまして、こうした口頭意見陳述は要件審理についても認められるものでございまして、例えばでございますけれども、第三者からの審査請求があった場合、この第三者が実際に処分の取消しを求める法律上の利益を有しているか否か、あるいは、審査請求期間を徒過してしまった場合、それを、何といいましょうか、正当化するような正当な理由があるか否か、こうしたいわゆる適法要件、これについて審査請求人が意見を述べるということはあり得るというところでございます。
○石上俊雄君 ありがとうございます。分かりました。 続きまして、第三十三条になりますが、物件の提出要求についてお伺いをしたいと、そういうふうに思います。 この法案の中身、条文を読んでみますと、審理員は、審査請求人若しくは参加人の申立てにより又は職権で、書類その他の物件の所持人に対して、相当の期間を定めて、その物件の提出を求めることができるというふうにあるわけであります。 これは先ほどの弁明書の提出と同じ書きぶりでありますので、多分当然のことというふうになるんだというふうに思いますが、この文章だけを見ると、提出の義務掛かってこないんじゃないかというふうに読み取れないこともないわけでありまして、もう一度その辺の御回答をお願いしたいと思います。
○政府参考人(上村進君) 改正法案第三十三条の規定による物件の提出要求の件でございますが、委員が今引用していただきましたとおり、審査請求人若しくは参加人、参加人というのも入っているわけでございます。第三者である参加人等も入ってくるということでございます。そういう意味では、処分庁、審査請求人に限定されませんで、審理員が審理に必要であると判断した物件を所持している全ての者が対象となるわけでございます。 この処分庁とか審査請求人は、改正法案第二十八条に別途規定がございますが、審理に協力する責務を負っておりますし、この審理遂行の趣旨からいたしましても物件の提出の求めに誠実に対応することは当然でございますので、これは義務を課すまでもなく当然のことながら提出されると、これは先ほどの弁明書の話と同じでございます。 他方、参加人の提出要求もございますので、これは第三者でございますので、そこに法律上の提出義務まで課すのはいかがなものかという議論もありましたので、そういう点も勘案しまして法律上はこうした義務は課していないと、こういうことでございます。
○石上俊雄君 ありがとうございました。理解をしたところであります。 次に、四十三条の行政不服審査会への諮問についてお伺いをしたいと思います。 この行政不服審査会への諮問について、審査庁は、審理員意見書の提出を受けたときでも、この法案の四十三条の五号に規定するこの項目のときは、こういう内容のときは行政不服審査会への諮問を不要とするというふうに、不要、やらなくてもいいというふうになっているわけです。これは何かというと、国民の権利利益及び行政の運営に対する影響の程度その他当該事件の性質を勘案して、諮問を要しないものと認めたものである場合という、このときは要らないというふうになっているわけであります。 この諮問を要しないものというのは、具体的にどのような判断基準を持たれておられるのか、この辺についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(上村進君) お答えいたします。 今委員から御指摘のございました改正法案の第四十三条第一項第五号でございますけれども、これは、国民の権利利益及び行政の運営に対する影響の程度その他当該事件の性質を勘案して、諮問を要しないと、こう認められたものについては諮問をしないと、こういうことでございます。 具体的に何かということでございますけれども、例えばでございますけれども、この処分の要件、処分するに当たっての要件が法令におきまして非常に客観的な、例えば数量的な指標でありますとか、そうしたものによって明確に定められている場合がございます。かつ、それに適合しているかどうか、ある意味では計測するとか、その適合性を判断すると。そうしたことは、非常に客観的に判断が可能である場合、これはもうそういう意味におきましてはあえて諮問するまでもないであろうという、こういう類型が一つございます。 それから、例えばでございますけれども、類似したような内容の審査請求が大量にあるという場合も想定されるわけでございます。こういうものにつきましては、不服審査会ないし第三者機関等で審議をしていく中で一定の、何といいますか、裁決例というのが蓄積をされていく中で判断がある種類型化されていくと、こういうことも考えられるわけでございます。こうした場合につきましては、重ねて行政不服審査会が関与すると、こういう実益がないのではないかと、こういうふうに判断されるところもある場合でございまして、こういう場合を念頭に置いているということでございます。 ただ、実際に、具体的にこれどういう案件が本号の対象となってくるかということは、先ほど申しましたけれども、第三者機関ないし行政不服審査会、これが実際に審議を重ねていく中で、個々の審査請求の案件の内容とか性質等を勘案して個別の判断になってくると、こういうことだというふうに考えております。
○石上俊雄君 ありがとうございました。 ということは、行政不服審査会の、決まってからスタートするんでしょうけど、その後の積み上げの結果でこれ見えてくるという内容だというふうに思うんです。年間二百件程度の処理を予定しているということでありますから、一年ぐらいしっかりとイメージ立てられればいいのかなと思いますので、是非よろしくお願いしたいと思います。 続きまして、七十一条と七十三条、ここの専門委員と事務局についてお伺いをしていきたいと思います。 七十一条では、審査会に、専門の事項を調査させるため、専門委員を置くことができる、専門委員は学識経験のある者のうちから任用するとうたわれておるわけであります。 これ、いろいろ周りの学者の方々が言っている内容等を見ていきますと、ここで想定されるのは職員OBなのかどうかというところに、指摘になるわけであります。職員OBで大学の教員の肩書を持つ方が専門委員になられますと、見方によっては審査会委員を誘導する、専門委員が、懸念があるんじゃないかということであります。職員のOBさんですから先輩であります。さらには、大学の教授ということの肩書が付いていますと、考え方が沿っていってしまうようなことも考えられる、そういうふうな懸念も聞かれるわけでありますが、その辺、総務省としてどのような認識を持たれているかといったところをお伺いしたいのと、あと、七十三条に定める審査会の事務局は、文字どおりその事務の処理に徹するのかといったところです。 先ほども審理員の、事務職員のところでもお聞きしましたが、単なる事務の処理なのか、それとも答申書の起案なども許されるものなのか、その辺の御見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(上村進君) お答えいたします。 まず、専門委員の御質問でございますけれども、行政不服審査会、これはもう様々な分野、それから様々な態様の事件が諮問されることになりますので、行政不服審査会の九人の委員のみでは調査審議を行っていくことが困難な場合もこれは想定されるわけでございます。こうした場合にある意味備えるということになりますけれども、必要に応じて専門的知識を有する者を臨機に活用することができるよう、この七十一条で専門委員の規定を置くこととし、必要に応じ任命することができるというふうにしているところでございます。 お尋ねの点につきまして、具体的にどのような者を専門委員に任命するかということにつきましては、非常に幅広い分野の申立て事件がございますので、この幅広い分野に対し専門的な事項に対して調査を行うと、こういう役割に照らしまして、それに必要な能力、経験に着目して、具体的には総務大臣が適切にこれを判断していくことになると考えております。 それからもう一方、事務局の御質問がございました。事務局につきましては、年間御指摘いただきましたように二百件ほどございますので、これのそれぞれにつきまして調査審議に要する資料等を準備する、収集、整理する、それから審査請求人でありますとか審査庁とかの間の連絡調整、こうしたものを行う必要がございます。 こうした補佐事務でございますけれども、審査会の運営に関する庶務量というのは相当程度に上ると思っております。したがいまして、行政不服審査会には専らその補佐等の事務を行う独立の事務局を設けるというふうにしているところでございます。これは七十三条の規定、委員御指摘のとおりでございます。 御指摘の、例えばこの事務局の職員が答申書等の原案を起案することができるのかということでございますけれども、これはケース・バイ・ケースであるとは思いますけれども、答申書自体の決定といいますのは識見を有する委員の合議で決定をされるものでありまして、そういう意味では、まずその原案の作成も、この委員会の委員の指揮監督の下で具体的な指示を受けて、その指示に基づいて事務職員が何らかの形で原案の作成に関与するということは排除するほどのものではないのではないかなと、現時点ではそういうふうに考えているところでございます。
○石上俊雄君 専門委員の選任においては、周りの方が懸念されることが、懸念というか、本当にならないように、是非徹底した対応をお願いしたいと、そういうふうに思うところであります。 それでは次に、新たな救済の対応というか、多様な裁決のメニュー化ということで、これまで行政不服審査法、改正するというか、新たなものにしていくという議論の中で上がってきておったと聞いておるんですが、今回の内容の中に出てきていないわけでありますけれども、非申請型義務付けとか差止め、仮の義務付け、仮の差止めなど、こういったものが載っかってきていないんですけれども、この設けなかった理由についてちょっとお考えをお聞きしたいと、そういうふうに思います。
○政府参考人(上村進君) 非常に法律上のちょっとテクニカルなタームでございますので、なかなか御説明は難しいところがございますけれども、まず非申請型義務付けについて申し上げたいと思います。 こうした申請をするということにつきましては、名前の示すとおり、申請権を前提としない処分を求めるということですので、例えば法令違反を発見した場合これを是正すると、こうした処分が想定されるわけでございますけれども、こうした処分をする権限というのは一般に個別の法律、作用法等で権限を行政庁に付与されまして、行政庁がその処分を行うに当たって必要な手続を行っていくと。例えば、法律に基づき考慮すべき要素がございますので、そうした情報を収集するとか必要な調査を行うとか、それから処分対象者に対する聴聞を行うと、こうした手続を行った上で行使をするということになるわけでございます。 この非申請型義務付けというのは、御承知のように行政事件訴訟法にあるわけでございますけれども、裁判の場合は、そういう意味では行政の部外の立場から争訟手続を行っているという点がございます。行政の内部にこれを導入するということになりますと、それとは違いまして、今私がちょっとるる申し上げました個別法に基づく権限、これの行使、これを行使をする主体、それと争訟、この手続が導入された場合の争訟を行う主体というのが同一になってしまうということがあるわけでございます。そこである意味二重化してしまうということがございまして、混乱を招くおそれがあるのではないかと。したがいまして、この見直しの手続として導入することは適切ではないのではないかと考えたところでございます。 他方、法令違反を是正するための申出の手続ということは非常に重要な話でございますので、これは先ほど私が言いましたのは、慎重な事後手続として位置付けるのではなくて、職権発動の端緒とすると、こういう観点から、行政手続法の処分等の求め、こちらの方でこれを定めることとしたというのが検討の経緯でございます。 それから、ちょっと長くなって恐縮でございますけれども、次に御指摘の差止めでございますけれども、これも基本的には今申し上げた考え方と同様になるわけでございますけれども、仮に行政に対して、行政の内部にこうした差止め手続というのを導入した場合には、これはまさに個別法に基づいて現に処分を行っている主体、行政庁等と、他方でこの争訟によってこれを見直そうとする、そういうプロセスが同時並行するわけでございますので、主体が同じになってしまうと。そういうことで、先ほどと同じような混乱を招くおそれがありますので、これも適当ではないのではないかと考えておるところでございます。 それから最後に、仮の義務付けとそれから仮の差止めについて御指摘がございましたが、これはちょっと一括して申し上げたいと思いますけれども、こうした仮の義務付け、仮の差止めということにつきましては、こういった特段の制度を設けなくとも、迅速な救済が必要であると、こういうふうに行政庁が認めた場合は、これは権限を持っているのはその行政庁でございますから、自ら法令の範囲内で柔軟に必要な措置を行うことができるわけでございます。 さらに、裁判の場合は、一般に言って審理に長期間要しますので、こうした仮の手続というのを設けておくという実益はあろうかと思いますけれども、こちらの方の、行政不服審査法というのは趣旨からしまして簡易迅速な手続でございますので、短期間で結論を出すと、こういう想定になってございますので、こうした制度を導入する意義は乏しいのではないかなと考えているところでございます。 それからもう一つでございますが、仮にこうした仮の義務付けないし仮の差止めというのを制度化することになりますと、これはもうきっちりした争訟手続になりますので、そのための審理が必要になってございます。したがいまして、これは、不服審査を申し立てる、これを扱う審理と併行してと申しますか、別途の審理が必要となってくることになりますので、そうした結果といたしまして、本案審理の遅延、それを招くおそれもあるわけでございます。そうしたことを考えますと、こうした審理を新たに導入するというよりは、むしろ本案審理を迅速に終結させて早く国民の権利救済、権利利益の救済を図るということの方が本来の姿ではないかと考えておりまして、こうしたことにつきましては改正法案上規定していないと、こういうことでございます。
○石上俊雄君 いろいろ検討の中身がよく分かりました。要は、やっぱり国民の皆さんの救済といったところをいち早くということで対応するということでありますから、是非運用の中で柔軟に対応できるようにお願いしたいと思います。 それでは、続きまして、行政不服審査法の地方公共団体関連の内容について御質問をさせていただきたいと思います。 八十一条のところで地方公共団体に置く機関についてというふうな項目があるわけでありますが、そこの中で、地方自治体は規模の差が大きく、それぞれ第三者機関を設置するということになっているわけでありますけれども、その設置のスタイルがどのような形になるかというのは様々だというふうに思うんです。 この選択肢というのがどれぐらいのものがあるのか、さらには請求ごとに設置するのか、さらには今既に存在する情報公開審査会とか個人情報保護審査会との統合設置というのもいいのかどうか、この辺について御見解をお伺いしたいと思います。
○副大臣(上川陽子君) 御指摘のとおり、地方公共団体の規模は多種多様でございますし、また不服申立ての件数も様々でございます。 こうしたことを踏まえまして、地方公共団体における第三者機関の組織、運営につきましては、地方公共団体の状況に応じて条例又は規約において柔軟に定めることができるということでございます。 具体的なところでございますが、地方自治法に基づきまして情報公開審査会など条例に基づく既存の附属機関にその役割を担わせるということも可能でございます。また、他の地方公共団体と共同で設置をするということも可能になります。また、他の地方公共団体に業務を委託するということもできるということでございまして、さらに、御指摘ございましたけれども、これは改正法案の第八十一条の第二項ということで、事件ごとに臨時に設置をすると、こういう選択肢の幅を持たせているところでございます。 一般に、例えば都道府県あるいは政令指定都市のような規模のところでいきますと、不服申立ての件数ということを勘案いたしますと、第三者機関を単独で設置をすることになるというふうに考えられますし、また、それ以外の地方公共団体につきましては、共同設置あるいは他の団体への委託などの方法を選択する場合も多いというふうに想定しているところでございます。また、不服申立て件数が年に一件もないような町村もございますので、こうしたところにつきましては事件ごとに臨時に設置するということも想定されるところでございます。 いずれの場合におきましても、総務省として的確に、適切に情報提供を行うことなどを通じまして、こうした地方公共団体の状況に応じて適切な措置がとられるようにしっかりとサポートしてまいりたいと考えております。
○石上俊雄君 ありがとうございます。 この八十一条の中に、「地方公共団体に、執行機関の附属機関として、この法律の規定によりその権限に属させられた事項を処理するための機関を置く。」というふうにあるわけであります。 地方公共団体に第三者機関委員というのを配置するというのは、すごく不当性の審査とか民主制の重視から意義があるものだというふうに考えるわけでありますけれども、この委員を住民からの公募というのは法的に許されるものなのか、この辺について総務省の見解をお聞きしたいというふうに思うんです。 もし地方が許されるということであれば、国のレベルではそうなっていませんので、国と地方でちょっと異なりが出てくるのでありますけれども、この辺について新藤大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(新藤義孝君) 今回の改正法におきましては、地方公共団体に設置される第三者機関の委員の任命については特段の規定を設けていないということでございます。したがって、条例設置を行う地方公共団体の判断によって委員の任命が行うと、そしてまた、それに先立って候補者の公募を行うこと、これは排除はされていないということであります。 一方、国に置かれる第三者機関につきましては、これは法律上で、「審査会の権限に属する事項に関し公正な判断をすることができ、かつ、法律又は行政に関して優れた識見を有する者のうちから、両議院の同意を得て、総務大臣が任命する。」と、このように定められているわけであります。 地方の第三者機関についても、諮問される案件等の違いはあるものの、機能は国と基本的に同じでございます。ですから、案件が適切に処理されることを第一にして、各それぞれの任命権者において適切な判断がなされるものと、このように考えております。
○石上俊雄君 ありがとうございます。理解をしたところであります。 次にちょっと行っちゃいますが、いわゆる裁定的関与ということについてお伺いをしたいというふうに思うんです。 いろいろ中身を見ていきますと、要は、あるケースで、産廃場の申請に対して県としては不許可にしました、しかし、さらに国に申請、業者がしたことによって国は許可を出した、そのことによって県は渋々許可に回った、しかし住民が訴訟を起こして負けてしまったとなると、県としては初めから止めたのに、裁判で負けたので県の責任となるわけであります。 こういうような裁定的関与という事案がある中で、この今回の行政不服審査法の見直しで、やっぱり国民の権利を救済をしていく、利益を救済していくという中で、うまく運用していく中で、今回この点について、どのような形でここら辺を改善していこうとこの見直しに携わられたのか、その辺についてちょっと御見解を新藤大臣、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(新藤義孝君) この裁定的関与と言われるものにつきましては地方分権の観点から見直しを行うべきではないかと、こういう意見があることは承知をしております。この裁定的関与、いわゆる地方公共団体が行った処分について国等に審査請求や再審査請求をすることができる仕組みということでありますが、例えばこれは法定受託事務など、各地方公共団体間でその処理や判断がばらばらにならないようにするために、全国的な判断の統一性確保の観点から設けられているということでございます。 今回の法案につきましては、喫緊の課題であります審理の公正性の確保など、時代に即した制度の見直しを行うということでこの見直しを行ったわけでありますが、この裁定的関与の制度の見直しにつきましてはそこまでには至っていないと、こういう状態でございます。 今後、新たな行政不服審査制度が運用される中で、これは、様々な観点から議論になることにつきましては我々も不断の検討を行ってまいりたいと、このように考えております。
○石上俊雄君 これが決まれば運用が始まりますので、その中で是非様々な観点から検討をいただきたいと、そういうふうに思っているところであります。 それでは次に、整備法案件の関連についてちょっと質問を移させていただきたいと思います。 平成二十三年度における整備法関係の不服申立て件数は、三百六十一法律にわたりまして、国で二万九千七百二十八件ですね、地方公共団体が九千九百二十件、トータル三万九千六百四十八件あるわけでございます。そこの中で、これが、不服申立てが多いからどうのではないですけれども、多いベスト六で全体の六六%を占めているわけでありまして、その中から今回はちょっと二件について御質問をさせていただきたいと思います。 まずは労働保険関係についてであります。労働者災害補償保険法に関係する内容であります。まず、労働保険の審査請求の流れ、今回の行政不服審査法の改定によってどのように変わるのか、さらに、その変わることによって審査、裁定、その独立性、権限はどのようになっているのかについてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(安藤よし子君) お答え申し上げます。 今般の行政不服審査法及び関係法律の見直しは、行政庁の処分又は不作為に対する不服申立て制度について公平性及び利便性の向上を図る観点から、行政不服審査制度について政府全体で抜本的な見直しを行ったものでございます。 労働保険審査制度につきましても政府全体のこのような方針に沿って見直しを行ったところでありまして、主な変更点といたしましては、不服申立ての二重前置を廃止し、再審査請求を経なくても裁判所への出訴を可能とすること、また審査請求期間を現行の六十日から三か月に延長すること、また迅速な審理を確保するため標準審理期間を設定することなどが盛り込まれております。 なお、労働保険審査制度につきましては、簡易迅速性と厳格性、慎重性の両方を確保するという観点から、今回の改正におきましても、労働保険審査官及び労働保険審査会、この二つによる二審制の形を維持することとしております。労働保険審査官につきましては、公正かつ迅速にその事務を処理することとされておりますし、労働保険審査会は独立してその職権を行うこととされている委員から成る合議体と、このような形になっております。
○石上俊雄君 ありがとうございます。 それで、最近の労災審査請求についてお伺いしたいと思いますが、最近は主にどのような争点での不服が出ているのか、そこに何か特徴があるのかどうかについてお伺いしたいと思います。 また、脳・心疾患や精神疾患、メンタル、過労死などが近年特に、かなり前からですけれども、急増しているというふうに聞くわけでありますけれども、その請求内容ではどのような区分に属するのか。また、そのときのその認容率が全体としてどのような状況になっているのかについてお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(安藤よし子君) お答え申し上げます。 最近の労災保険審査官に対する審査請求の件数はおおむね千八百件前後で推移しておりまして、このうち業務上の災害として認められるか否か、業務上外というふうに申しておりますが、これを争点とするものが全体の約半数を占め、また障害等級、これを争点とするものが約四分の一となっておりまして、この二つで全体の約四分の三を占めるという特徴が見られております。 御質問にありました脳・心臓疾患や精神障害に係る審査請求は、業務上の災害として認められるか否かという、それを争点とするものの中に含まれているものでございまして、具体的に申し上げますと、平成二十五年度の審査請求件数千八百七十一件のうち、脳・心疾患に係るものは八十五件、精神疾患に係るものは三百四十六件というふうになっております。また、お尋ねのありました平成二十五年度に労災保険審査官が決定を行った千七百三十二件のうち、取消し件数は二百十件でございまして、取消し率は一二・一%となっております。
○石上俊雄君 ありがとうございました。 そうですね、これ多いのかどうかというのがちょっとよく分からないんですが、最近報道で、特に、何ですかね、くも膜下出血とかで倒れられた、これが労災認定下りるかどうかという中でマスコミも取り上げられますので、全体の中ではそんなに多くないのか分かりませんが、どうも何か多いなというふうに感じるわけであります。 これが、要は労災認定がそれでいいかどうか、そのことが、先ほどちょっと前段の質問でもさせていただきましたけれども、この内部基準といったところをどう考えるかであります。訴訟に持ち込まれて、要はこれは労災だよというふうに認めるべきだというふうになってきて、昔は、何というんですかね、過重性の評価期間というのが発症前のおおむね一週間の業務の量で判断をしていたわけでありますが、これが裁判とかの訴訟によって負けてきたということによってだんだんとその期間が長くなってきて、今六か月になってきているわけであります。これ、まさしくその基準が動くんです、基準が。しかし、この不服申立てで動いてるわけじゃないんです。裁判の訴訟で動いているんですね。 したがって、葛藤だと思うんです、多分行政の方も。不服申立てで本当は、何というんですかね、行政の自らを省みてこの不服の件数を減らしていくという、そういうふうな要は改善につなげていくといったところも働かせないといけないんですが、実際は訴訟にならないと変わらないという現実があるわけでありまして、この辺についてどのように今後取り組んでいかれるのか。さらには、この辺の御認識についてお聞かせいただきたいと、そういうふうに思います。
○政府参考人(安藤よし子君) 委員の御指摘のありました脳・心臓疾患の事例につきましては、平成十二年の七月に最高裁判決が出まして、これを受けて、医学専門家等から成る専門検討会を立ち上げて医学面からの検討を行って、平成十三年にその時点における最新の医学的知見を踏まえた認定基準に改正したと、こういう経過があったものでございます。 しかしながら、一般的に申し上げますと、労災の認定基準の見直しにつきましては、裁判における判決を契機としてのみ行われるというものではございませんで、これまでも新たな医学的知見を踏まえて随時見直しを行ってきたところでございます。最近では、精神障害の認定基準について、新たな医学的知見を反映させるということとともに、労災請求の審査の迅速化、効率化を図るという観点から平成二十三年に見直しを行ったと、こういう事例もあるわけでございます。 厚生労働省といたしましては、今後とも労災疾病を取り巻く課題の把握、また医学情報の収集に努めまして、最新の医学的知見に基づき労災認定基準の見直しを適時適切に図ってまいりたいと考えております。
○石上俊雄君 ありがとうございます。一義的には労働災害というのが起こらない方向をしっかりやらないといけないわけであります。労働災害が起こったらやっぱり申請される方というのはその遺族の方が多いわけでありまして、そうだったらやっぱり早急な対応というのが重要になってくるので、是非的確な対応をお願いしていただきたいと思います。 それでは次に、国税の不服審査についてお伺いしたいと思います。 この国税通則法に絡む不服申立てというのが全体の中で九千百九件で一番多いわけでございます。この国税不服申立て制度について、今回の改正において変わる点について御説明を賜りたいというふうに思います。
○大臣政務官(山本博司君) 今回、行政不服審査法の改正に併せまして、国税における不服審査制度につきましても見直しを行っているところでございます。具体的には、現行の異議申立てを選択制の再調査の請求に改めた上で、これを経ずに直接審査請求することを可能とすること、また、不服申立て期間を二か月間から三か月に延長することといった見直しを行うこととしております。より一層、国民の権利利益の救済等に資する不服審査制度になるものと考えております。
○石上俊雄君 ありがとうございます。 改正の中に、何ですかね、国税審判官の外部登用といったところについて、ここが進んでいるようにお聞きしているわけでありますが、国税審判官への外部登用の拡大というのは、我が民主党政権下の税制改正大綱の方針、これは平成二十二年の大綱で、審判官の多くを国税庁の出身者が占めることは問題だという指摘の中で、平成二十三年大綱の中で、三年後の平成二十五年度までに五十名程度を民間から任用することにより、事件を担当する国税審判官の半数程度を外部登用とするということに基づいた対応ではないかなというふうに思っているわけでございます。 まず、その進捗状況についてお伺いしたいのと、さらにはその外部登用をすることによってどんなメリットが出るのか、この辺について、御認識というか御見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(坂元弘一君) 国税不服審判所では、平成十九年から国税審判官への民間専門家の登用を実施いたしておりまして、平成二十三年度税制改正大綱に基づいて公表いたしました工程表のとおり、平成二十五年七月には、事件を担当いたします国税審判官九十九名の半数に相当いたします五十名が民間専門家としたところでございます。その内訳は、弁護士二十五名、税理士十七名、公認会計士八名となっております。 民間専門家の審判官への登用につきましては、平成二十三年度税制改正大綱におきまして、国税不服審判所における審理の中立性、公正性を向上させる観点から拡大することとされたものと承知いたしております。様々な専門的知識や実務経験を有します民間専門家が入りますことによりまして、幅広い視点からの議論が行われて合議が活性化するといった効果があったものと認識いたしております。
○石上俊雄君 ありがとうございました。是非、国税に関して一番件数が多いわけでありますので、迅速な対応、さらには公正な対応で国民の皆さんの権利利益の救済に当たっていただきたい、そういうふうに考えるところでございます。 時間の関係がありますので、本当は再調査の請求という用語について御質問するところでありましたが、ちょっと飛ばさせていただきたいと思いますので御容赦いただきたいと思います。 それでは次に、行政手続法についてお伺いをさせていただきたいと思います。 この三十六条の二で、法令に違反する行為の是正を求める行政指導の相手方は、当該行政指導が当該法律に規定する要件に適合しないと思料するときは、当該行政指導をした行政機関に対し、その旨を申し出て、当該行政指導の中止その他必要な措置をとることを求めることができるとあるわけであります。同様に、その二の次の三では、何人も、法令に違反する事実がある場合において、その是正のためにされるべき処分又は行政指導がされないと思料する場合は、行政庁又は行政機関に対してその旨を申し出て当該処分又は行政指導をすることを求めることができるとあるわけであります。 要は、これは、そもそもこの申出をするわけでありますけれども、その申出に対して応答する、応答しなかったらこれ何か罰則があるのかというか、何か処分の対象になるのかというようなところがないと、こういう文言があるんですけれども、ちょっと弱いような気がするわけでございます。この辺について御見解、御認識をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(上村進君) お答えいたします。 今委員御指摘の行政指導の中止の求め及び処分等の求めでございますけれども、これらにつきましては、いずれもこの申出を受けた行政庁の側におきましては必要な調査を行いまして必要と認める場合には相応の措置をとる、そうした法律上の義務を負うものでございます。その観点から、国民の権利利益の保護に資するものとして今回改正案として御提案をさせていただいているものでございます。 しかしながら、その応答につきましては法律上これを規定することとはいたしておりません。その意味で、これを不服申立てとか訴訟の対象となる処分という位置付けとはしていないということでございます。 まず、この行政指導の中止の求めの方でございますけれども、行政指導というものは、国民それから民間事業者に対して、強制ではなくて、その必要性に理解を求めて自主的な協力を要請する、そうした能動的な働きかけであると、こういうふうなことになっております。したがって、そういう意味ではこういう法的効果を持たない行為ということになります。 そうした行政指導の性格を踏まえますと、申出への応答性にこれに仮に処分性を持たせるということになりますと、申立人がこれに対する、すなわちその応答に対する不服申立てや訴訟ができるということになってしまいまして、そこは法制上の整合性をやや欠くことになるのではないか、そういう意味で適切ではないのではないかという判断に至りまして、今回の法案でこの申出への応答を規定しておらず、したがって処分と位置付けていないということでございます。 それから、もう一つの方の処分等の求めでございますけれども、この処分等の求めも、何人も、第三者であっても、行政庁に対してこの是正を求めることができると、そういう意味におきましては、通常の処分のような一対一関係、つまり国民、被処分者と行政庁、処分庁の関係とは違うというところがございます。そういう意味で、何人でも申出を行うことができる、かつ、通常はこの処分を受ける者でない者が申出を行ってくるのであろうと思っております。他方、この申出を受けた方の行政庁でありますけれども、これは、適正な行政運営を確保する、こういう観点から処分を行うか否かを判断する、すなわち必要な調査等を行うと、そういう面で裁量が入るわけでございまして、裁量に基づき是正のための処分等を行うということになっております。 そういった意味で、以上のような観点からしますと、通常の処分で見られるような国民と行政庁との関係とはこれは大きく異なっております。そうした意味で、法制上の観点を含めまして、申出への応答を処分とは今回位置付けていないということでございます。
○石上俊雄君 ありがとうございます。 関連して、三十六条の二と三についてまたお伺いしたいんですが、それぞれその三項に、申出があったときは、必要な調査を行い、当該法律に規定する要件に適合しないと認めたときは、当該行政指導の中止その他必要な措置をとらなければならないとあるわけでございます。 調査を行ったか否か、調査判定はどうだったか、必要な措置をとったのか否かを申し出られた本人に通知する義務は、これ読むと、あるのかな、どうなのかというところが疑問になるわけであります。 独占禁止法のちょっと条文を読んでいきますと、四十五条などを見ると、何人もこの法律の規定に違反する事実があると思料するときは、公正取引委員会に対してその事実を報告し、適当な措置をとるべきことを求めることができるとあって、第二項では調査の義務付け、第三項では、適正な措置をとり、又は措置をとらないとしたときには速やかにその旨を当該報告をした者に通知しなければならないと規定しているわけでございます。 したがって、独占禁止法の中では通知は義務化されているんですが、この行政手続法においては通知を義務化していない、ここは何か意味合いがあってそうされているんだというふうに思うので、その辺の考え方、御認識についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(上村進君) 今御指摘の独占禁止法の規定があることは私どもも承知をしております。他方、今委員御指摘の行政指導の中止の求め、それから処分の求めにつきましては、先ほども少しお答えをさせていただきましたけれども、通知と申しますか、応答の義務は法律上書いていないわけでございます。 これは一つには、先ほど申しましたような法制上の整合性という問題もございますし、それから、独禁法の対象、これがある程度一定の範囲内に限られて、その中で一種の整合性が保たれているのに対しまして、こちらの方は、どういう申立てが来るか、どういう処分の対象になるか、あるいはどういう事実行為たる行政指導がこの申出の対象となってくるかというのが全く事前に予測が付かない、ある意味ではもう何でもあるというようなことでございますので、そういうものを前提として、今一律に処分性なり通知義務というのを課してしまうというのはやや我々としてもちょっと無理があるのではないかという判断に至ったところでございまして、そういう意味で、この法律の対象としている案件の性格の違いというふうにもし御理解を賜れば、これは大変幸いだと思ってございます。 その上ででございますけれども、しかしながら、できる限りそうした、どういう措置をとったかということを通知をしていく、申出の方に通知をしていくというのは当然のことながら望ましいことでございますので、できる限り、この処分の申出等に関しては可能な限り通知をするようにということは我々何らかの形で運用指針等で示してまいりたいと思っております。 それから、行政指導につきましても同様なのでございますが、行政指導と申しますのは、その性格上、かなり行政指導を受ける側と行政庁との関係が密接なところがございまして、そうしたものが中止されたかどうかというのはかなりすぐに分かるという面もございます。そういうことでありますので、あえて通知義務を課すまでもなく、そうした措置がとられたか否かは知り得る場合が通常であろうとは思っております。 いずれにいたしましても、その辺のことは施行通知なり運用指針等で明らかにしてまいりたいと考えているところでございます。
○石上俊雄君 是非、徹底して運用の中で対応いただきたいと、そういうふうに思います。 次に、法令違反型の行政指導と同様に、権限濫用型の行政指導の中止等の求めでも対象とするべきと一般的には思うわけでありますけれども、今回見送られているように見受けられるんですが、その理由についてお聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(上村進君) お答えいたします。 委員先ほども御引用なさいましたと思いますけれども、平成十九年の行政不服審査制度検討会最終報告におきまして、委員御指摘のような権限濫用型の行政指導の是正を求めると、そういった手続が必要ではないかという指摘はございます。この権限濫用型の行政指導が何かということでございますけれども、この最終報告に書いてあるところによりますと、行政機関が有する許認可等に関する一定の権限を行使することができない場合において、当該権限を行使し得ると、そうした旨を殊更に示すことにより、相手方に行政指導の内容を実行させ、又は有する権利を制限することと、こういうふうにこの中では書かれているわけでございます。 実はでございますけれども、このような権限濫用型の行政指導といいますのは、既に現行法三十四条で禁止規定がございます。これは、許認可等の権限に関する行政指導という条文がございまして、若干読み上げさせていただきますと、第三十四条でございますが、許認可等をする権限又は許認可等に基づく処分をする権限を有する行政機関が、当該権限を行使することができない場合又は行使する意思がない場合においてする行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、当該権限を行使し得る旨を殊更に示すことにより相手方に当該行政指導に従うことを余儀なくさせるようなことはしてはならないというふうなことでございます。 この趣旨といいますのは、権限を濫用するということに伴いまして、行政指導に従うか否かというのは本来受ける側の自由意思なんでございますけれども、判断の任意性が損なわれてしまうということから、ここで禁止をしているわけでございます。 他方でございますけれども、この三十四条の規定はあるのですが、では、この行政指導を受ける側が、果たしてその行政機関は本当にそうした権限を持っているかどうかというのは外形的にはなかなか分からないと。分からないということになりますと、この三十四条で禁止されている行政指導なのかどうかというのも分からないことになります。結果として、その行政指導に従ってしまうということになります。 それで、今回でございますが、今回はそういう意味でこうした権限濫用型の行政指導の中止の求めを行うと、そういった事後的な規定ではございませんで、言わば事前的な、予防的な規定といたしまして行政手続法三十五条に新たに第二項を追加してございます。 この第二項といいますのは、行政機関の職員が行政指導をする際に、当該案件に関して許認可等の権限を行使し得ると、そうした旨を示すときは、その相手方に対してその許認可等の根拠条項、それから当該権限の行使が許認可等の要件に適合する理由、これを併せて示さなければならないこととしてございます。こうしたことによって、当該行政指導、この問題となっている行政指導が三十四条で禁止されているものに当たるかどうかというのを明確にしたということでございます。 こうした措置を講ずることによりまして、行政指導の透明性が高まるということと併せて、先ほど来述べております現行法三十四条のような不適切な行政指導の防止が徹底されるものと考えております。
○石上俊雄君 ありがとうございます。 それでは、もう少しで時間になるので端的に聞きたいと思いますが、法令違反の事実を発見しました、しかしどこの、何というんですか、行政機関に出していいか分からない、誤ったところに出しました、そして誤って出したときに、いや、ここは違いますよ、これは、この案件はあちらですというふうに教示しないといけない、しかしこの教示をするというこの義務というか、そういう内容が入っていないんですね。 公益通報者保護法の十一条ではそういった内容が入っているわけでありまして、今回の行政手続法でも義務化をするようなことをしたらいいんじゃないかなというふうに思ったんですが、その内容についてお聞きしたいと思います。
○政府参考人(上村進君) この処分権限を有する行政庁はどこかというのは、通常法令には明記はされているわけでありますけれども、そうはいいましても、御指摘のとおり、国民から見てどの行政庁がそれに当たるのかというのはなかなか分かりにくいという場合はあり得ると考えております。 したがって、こういう場合は、法律にあえて教示義務を課すまでもなくて、実際の運用において、誤った申出を受けた行政庁等が、その実際の権限を有する行政庁を可能な範囲でこれを確認して申出人にこの情報提供を行うべきであると、これが法律の趣旨であろうと考えておるところでございます。そのために、私どもといたしましては、こうした趣旨のガイドラインを整備するなどとして可能な限り使い勝手の良い制度にしていきたいと考えてございます。 なお、公益通報保護法の制度についても我々承知しているところでございますが、これもまた法律の性格の違いというお答えになってしまうと大変恐縮なんでございますが、公益通報保護法、御承知のように、内部者が告発した、例えば勤務している先の企業の犯罪行為を通知するといったような非常に重大な行為でございますので、この通知先を誤った場合、公益通報保護法の予定している保護をこの通知者が受けられないという非常に重大な結果を引き起こす可能性がありますので、あえてこうした義務を課しているものではないかと我々としては判断しているところでございます。
○石上俊雄君 ありがとうございました。 最後の質問になりますけれども、時間が参りましたので。 一般論として、国民全員が不服申立ての仕組み全般に詳しいわけじゃありません。私も余りよく分からない中でいろいろ調べていたんですけれども、要は、行政指導を含めた行政全般に対しての不服、不満、さらには苦情、陳情、相談、単なる抗議等を口頭で表明するということも多いわけであります。こうした国民の様々なレベルの意見表明に対して、法令の文言にとらわれず、その趣旨に即してきちんとした対応を是非行政としてお願いしたいと思うんです。その一つがやはり行政不服審査法だというふうに思うんです。この運用をしっかりと充実することが大切だと思うんです。 最後に、新藤大臣、締めくくりとして、この運用をしっかりしていくんだという決意表明をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(新藤義孝君) 御指摘のとおり、国民全員がこの不服申立ての仕組みに精通しているわけではない、限らないわけでありまして、まずは各府省や地方公共団体において、その相談の窓口となる、そこが適切な対応をすることが望ましいわけであります。したがって、それには、まずその対応する職員、窓口がその制度を理解をして、そして適正な運用をすることが必要であります。それに向けて、我々も説明会であるとかいろいろな様々な情報提供はしていきたいと考えております。 あわせて、今回の改正では、こういった不服申立てのやり方等に関して必要な情報の提供に努めなければならないと、こういう規定も新たに設けさせていただいております。そうした中で、これが国民の権利救済に資するように我々としても心掛けて、この運用が適切に行われるようにまた指導してまいりたいと、このように考えております。
○石上俊雄君 ありがとうございました。 初めてのケースが多い内容だというふうに思うんですけれども、充実した運用をしっかりやっていただく中で、国民の権利と利益の救済、これをしっかりしたものにするように努めていただくことをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○藤末健三君 民主党の藤末健三でございます。 私は、行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、この第七十五条におきます出入国管理及び難民認定法の改正を中心に御質問させていただきたいと思います。 この改正点につきましては、一昨日の参考人質疑におきましても、日弁連の斎藤浩参考人から、難民認定制度への影響が懸念されるという話をいただきましたが、まず初めに、今般の行政不服審査法本体の改正法案の三十一条一項では、不服申立人等の口頭意見陳述権を保障した上で、同項ただし書において、当該申立人の所在その他の事情により当該意見を述べる機会を与えることが困難であると認められる場合のみをその口頭意見陳述の例外として定めてございます。 これに対しまして、この整備法七十五条によりますと、入管法の難民不服審査手続においてはこの例外を読替規定でわざわざ追加しております。口頭意見陳述を聞かなくてもよい範囲を拡大しているわけでございます。 現行法では、難民調査官が主宰する口頭意見陳述に難民審査参与員が立ち会うことができるという、できる条文になっていますが、実際にはこの大部分の事案で立会いが行われると聞いております。これに対しまして、改正後は、口頭意見陳述の主宰者は難民審査参与員ということになりますけれど、この参与員の面前で口頭意見陳述を行う権利に着目した場合には、口頭意見陳述の参与員立会い率が果たして本改正によって低下することがないかどうかということが非常に重要となり、この点を斎藤浩参考人も懸念を表明しているという状況でございます。 御質問でございますけれども、この現行制度が始まりましたのが平成十七年度以降でございますけれど、この口頭意見陳述への参与員立会い率はどのように推移しているか、具体的な数値を教えていただきたいと思います。その上で、本改正が行われた後に参与員立会い率が現行法の下と同等かそれ以上になると予測できるかどうか、そして予測できるという場合にはその根拠を示していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○大臣政務官(平口洋君) お答えをいたします。 口頭意見陳述において難民審査参与員が立ち会った比率についてでございますが、平成二十二年以前については記録を取ってございませんので、平成二十三年以降の推移について申し上げますと、平成二十三年は九七・六%、平成二十四年は九七・五%、平成二十五年は九九・一%となっており、いずれも高い水準で推移しております。 本改正後の口頭意見陳述実施率の見込みについてでございますが、口頭意見陳述を実施するか否かの判断は個々の案件の内容に大きく影響されると思われることに加え、手続の主宰者となる難民審査参与員が行うため、今後の実施率について同等かそれ以上などと推測を申し上げるのは難しい面がございます。 もっとも、これまでは入国管理局職員である難民調査官が審理手続の主宰者であって、難民審査参与員は口頭意見陳述に立ち会い審尋することができるにとどまる地位であったものが、本改正後は、国連難民高等弁務官事務所や日弁連等から推薦を受けている外部の有識者である難民審査参与員が公正中立な立場から審理手続を主宰することになるため、口頭意見陳述の実施を含め、これまで以上の役割を果たしていただけるものと期待をいたしてございます。 以上でございます。
○藤末健三君 今回の法改正は、やはり公正性の向上とか、あとは救済手段の充実、拡大ということでございますので、やはり法改正をすることによって劣化することがないように是非きちんとやっていただきたいと思います。 次の質問でございますが、この整備法七十五条におきまして、「申述書に記載された事実その他の申立人の主張に係る事実が真実であっても、何らの難民となる事由を包含していないこと」とは、難民の定義に関する国連難民高等弁務官事務所の見解を前提として、当該主張の内容を当てはめしても難民該当性が認められる余地が一切ないという趣旨で解釈、運用されると考えてよろしいでしょうか。これは非常に重要なことです。お願いします。
○大臣政務官(平口洋君) 入管法における難民とは、入管法第二条第三号の二に規定されてございますとおり、難民条約第一条の規定又は難民議定書第一条の規定により難民条約の適用を受ける難民をいうことから、「申述書に記載された事実その他の申立人の主張に係る事実が真実であっても、何らの難民となる事由を包含していないこと」とは、難民条約及び難民議定書上の難民となる余地がない場合のことを示してございます。 なお、原則として、国連難民高等弁務官事務所の見解、例えばそこが出しております難民認定基準ハンドブック、それ自体に法的拘束力が認められるものではないため、その見解が前提となるものではないと考えておりますが、国連難民高等弁務官事務所の見解はもとより十分に配慮しなければならないと、このように心得てございます。 以上でございます。
○藤末健三君 後で最後に申し上げようと思いますけれども、この難民の問題はすごく国際的な問題でございまして、正直申し上げて、我が国はすごく劣化しています、対応が。是非政務官にもお願いしたいのは、国際的なやはり定義と同じにしていただきたい、運用を。それは是非徹底していただきたいと。そうしないと、日本国だけが難民の扱いがおかしいじゃないかという話に必ずなるし、もうなっていると思いますよ、私は、国際的な常識でいいますと。是非お願いしたいと思います。 引き続きまして、先ほどの条項、すなわち改正行政不服法案三十一条の一項ただし書の読替え関連でございますけれども、後段に、その他の事情により当該意見を述べる機会を与えることが適当でないと認められる場合となっております。つまり、その他の事情の解釈、運用次第では、口頭意見陳述の機会を与えなくてもよいという例外が非常に拡大してしまうおそれがあると懸念されます。 そこでお聞きしますけれども、その他の事情の解釈として、現段階で想定されている具体例を列挙していただきたい、全て列挙していただきたいと思います。また、難民審査参与員には独立性がございますが、その中において、その解釈をいかなる方法で難民審査参与員に周知徹底するかという点についてお答えいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○大臣政務官(平口洋君) 御指摘の点でございますが、改正法の下で新たに審理手続の主宰者となる難民審査参与員が個別の案件ごとに判断することになるため、確定的に列挙することは困難でございますが、御指摘のその他の事情としては、例えば、一度難民不認定処分を受けた後に改めて難民認定申請を行い従前と全く同様の主張を繰り返すと、こういったような場合が想定されるところでございます。 一方、難民認定申請の回数や難民認定申請までの期間のみによって一律に口頭意見陳述の機会を制限することは想定されません。 難民審査参与員への解釈の周知につきましては、年に二回開催してございます難民審査参与員協議会等において御説明をしたいと、このように考えているところでございます。
○藤末健三君 私が心配していますのは、その他の事情というものが、例外規定がどんどんどんどん拡大されますと、やはり口頭意見陳述という大事な手続が省かれる可能性があるのではないかというのを非常に憂慮しております。 ちなみに、今の難民申請の状況を申し上げますと、昨年、難民の申請の数が三千二百六十人あったという中で、難民として認められたのは六人しかいません、これ。かつ、認められるための手続の平均待機期間が三年という、長い時間ずっと待たされて決まるという状況にあるということです。 私は、多分、今の法務省の方々は一生懸命現場では仕事していただいているというのは分かります、正直申し上げて。どうしてかと申しますと、二〇〇五年の時点を見ますと、この難民の申請者数、五百人いっていないんですね。それがもう十年間でどんどんどんどん増えて、今三千二百六十人までになっているという状況でございますので、是非、この制度を、何というか、逆に利用しないで、きちんとした運用をしていただき、一番大事なことは私は体制をきちんと整えていただくことだと思います、これは、人を増やして。それを是非政務官にお願いしたいと思います。 次に、今般の行政不服審査法の改正案のうちに、三十一条五項ということでございまして、口頭意見陳述における処分庁への質問というものが定められております。これに関連しまして、整備法の七十五条によりますと、入管法の難民不服審査手続においては、処分庁等の口頭意見陳述への招集につき例外規定をわざわざ追加しているという状況でございます。この場合には、申立人の直接質問権は保障されない結果となる、わざわざ例外規定をつくっておりますので、その例外に当たった場合には申立人の直接質問権が保障されなくなっているということでございます。 そこで、この規定に関する質問でございますけれど、難民審査参与員が、あらかじめ異議申立てに係る事件に関する処分庁等に対する質問の有無及びその内容について申立人から聴取した上で、当該聴取の結果、処分庁等を招集することを要しないと認めるときとはどのような場合であるのかと、解釈と想定を教えていただきたいと思います。また、現段階で想定されている具体例を、またこちらも列挙していただきたいと思います。また、その解釈をいかなる方法で参与員に周知徹底するかという点についてもお答えいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○大臣政務官(平口洋君) 先ほど来の委員御指摘の点につきましては、私ども、厳に心してきちんとした難民の認定の行政を行っていきたいと、このように思います。 そこで、御指摘の点につきましては、改正法の下で新たに審理手続の主宰者となる難民審査参与員が個別の案件ごとに判断することとなるため、確定的に列挙することは、先ほどの問いと同じでございますけれども、処分庁等の招集を要しない場合としては、例えば、申立人が一次審査の不認定理由について具体的な反論を行わないもの、単に難民として認定してほしいとの要望のみを述べるもの、一次審査では主張していない新たな事情を述べるもの、就労目的で難民認定をしたと自認するもの、このような場合などが想定されるところでございます。 他方、申立人が原審の不認定理由に対しこの部分がこれこれの理由で納得できないので具体的な説明を求めるなど、具体的に反論がある場合には、口頭意見陳述の場に処分庁等が出席し、処分庁等から申立人に説明することが必要である、このように考えられるところでございます。 そしてまた、参与員への解釈の周知でございますが、これも年に二回開催している協議会等において説明をしたい、このように考えております。
○藤末健三君 多分、今法務省の方で答弁できる限界の答弁をいただいたと思いますが、少なくともこの法律、全体としては僕は非常にいいことだと思うんですけど、この七十五条につきましては、逆に不服審査というものを劣化させるんじゃないかということをすごく危惧しています。 なぜかと申しますと、例外規定が増えているということでございまして、その例外規定の運用もどうなるか分からないような状況、今の答弁ですと。ですから、どんどんどんどん例外が増えて、本来権利がある口頭意見陳述ができなくなってしまう、そういうことが想定されますので、是非運用をきちんとやっていただきたいということをお願いさせていただきたいと思います。 私自身、この難民の問題は、非常に今危惧していますのは、先ほど申し上げましたように、今、難民の申請数がどんどんどんどん増えている状況の中で、昨年ですと三千二百六十人、そして難民として認められた人が六人しかいないという状況、そしてまた、この認められた方々の手続を見ると、平均的に待機していた時間、待っていた時間が三年ございます。じゃ、その三年間どのようにして暮らすかということを見ますと、公的支援も十分にない状況のままずっと待たされるということになっているという状況でございますので、この期間もいかに短縮するかということもやっぱり是非御検討いただきたいと思いますし、あと、また、先進国の難民の受入れの数を見ますと、例えばアメリカですと、二〇一二年のデータでございますが、大体二万人強の難民受入れをしていると。カナダが約一万人、イギリスも約一万人、オーストラリアも約一万人、ドイツも約一万人でございます。じゃ、日本は一方どうかと申しますと、難民の受入れの数は二〇一二年で十八人しかいないという状況です。 実際に、いろいろなこの認定率を見ますと、先ほど三千二百六十人中六人ということで申し上げましたけれど、実際に国別に見ますと、ミャンマーとかトルコとかの方々、いろいろ申請されているわけでございますが、他国に比べますと異常に低いデータになってございます。 私が是非ともちょっと御検討いただきたいのは、私は、今、安保法制懇なんかの議論におきまして、例えば朝鮮半島が有事の場合邦人を輸送しなきゃいけないと、じゃ、その護衛をどうするかという議論とか行われているわけでございますが、恐らく朝鮮有事の場合にもっと問題なのは、大量の難民が発生すると。恐らく百万人規模だと思います。そのときの法制度は整っているかというと、私がこの関係で勉強した範囲では法制度は整っていませんし、同時に体制も整っていないんじゃないかという。ですから、是非とも法務省としてこの出入国管理そして難民の認定というものについて体制を強化していただき、きちんとしたシミュレーションを行い、また法制度も併せて議論をしていただきたいということをお願いしたいと思います。 少なくとも今回のこの改正におきましては、この七十五条においては、私は逆に不服申立てという意味では劣化しているというふうに思いますので、是非とも、今日の答弁でもお答えいただくのは限界があるかもしれませんが、きちんとした運用をしていただきたいと思いますし、私自身もこれからの運用をチェックさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。 もしよろしければ平口政務官に御意見いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。お願いします。
○大臣政務官(平口洋君) 委員の御指摘の点、十分理解したつもりでございます。ただ一方、日本の国はまだ難民の問題について余り歴史的に蓄積、知識、こういったようなものが十分でございませんので、これらについては難民高等弁務官の国連の組織などともよく連携をしながら、委員御指摘のように、難民の関連の行政が今後ともきちんとできるように陣営を整え、頑張っていきたいと、このように考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○藤末健三君 是非、平口政務官、お願いでございますけれども、国際的な状況はどうなっているかという比較とかやっぱり現状の問題、かつ、恐らく実際に実務をなされている方は相当忙しい思いをされていると思います、このデータを見ますと。是非とも法務省内で検討だけでも今進めていただきたいと思います、これは、検討だけでも。もうやるという動きではあるというのは聞いていますけれども、是非とも大きな視点から政務官のお力できちんとした難民の認定制度そして受入れ制度等を整備していただくことをお願いしまして、質問を終わらさせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(山本香苗君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時四十九分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(山本香苗君) ただいまから総務委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、行政不服審査法案、行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び行政手続法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○若松謙維君 公明党の若松謙維です。 一昨日、この行政不服審査法の審議が始まりましたが、その際、参考人を呼んでいただいて議論したということは非常に私はすばらしい委員会の在り方だと思っておりまして、御尽力いただきました吉川委員に心から感謝申し上げます。 まず最初の質問でございますが、これは国税庁、大変こういう行政不服審査の起きるところでありまして、国税庁にお伺いしますが、国税通則法の再調査の請求という点から質問いたしますが、この改正案におきましては、異議申立てから再調査の請求に名称を変更いたしましたけれども、納税者には税務調査のやり直しという印象になってしまうと納税者に誤解を与えるのではないかと、そんな危惧がいろいろ関係者から聞かれます。そういうことですので、例えば処分見直しの請求と名前を変えたりとか、又は救済制度としての位置付けを周知徹底するとか、そういう行政庁としての運営上の整備が必要と考えますけど、いかがでしょうか。
○政府参考人(上羅豪君) お答え申し上げます。 まず、行政不服審査法の見直しにおきましては、再調査の請求が処分内容を把握している処分庁において事実関係を改めて調査することにより簡易に処分を見直す手続であることから、その内容を適切に表すため、異議申立てに代えて再調査の請求との名称とされたものと承知しております。 また、国税通則法におきましても、行政不服審査法の見直しの内容に合わせ、現行の異議申立てにつきまして再調査の請求という名称が用いられることになると承知しております。 この再調査の請求は、不服申立ての一類型として行政不服審査法や国税通則法において明確に位置付けられているものでございまして、こうした再調査の請求の趣旨が適切に理解され、納税者等に誤解を与えることのないよう、税務当局といたしましても周知に努めてまいりたいと考えております。
○若松謙維君 是非よろしくお願いいたします。 続きまして、行政管理局にお伺いいたしますが、いわゆる第三者機関というのが法的に位置付けられております。特に、この国税不服審判所の審判官は、税理士、公認会計士、弁護士等が五割入っているということでありますけれども、特に今後、地方公共団体の不服申立て、これがいろいろと出てきまして、地方税がかなり増えてくるんではないかということもありまして、今回設置されます地方公共団体の第三者機関につきまして、是非やっぱり税理士ですか、税務の専門家を入れるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(上村進君) お答えいたします。 今回の改正法案によりまして、地方公共団体に置かれます第三者機関の組織及び運営は条例又は規約で地方公共団体ごとに定めることとしてございまして、委員の人選につきましては、不服申立ての件数、それから諮問が多く見込まれる分野などに応じまして、任命権者、地方の場合は知事、市町村長等でございますが、において判断されることになります。 それで、委員御指摘のように、地方公共団体に置かれる第三者機関の場合は、諮問はまさに御指摘のとおり地方税関係が多うございまして、約四割を占めるということと想定してございます。したがいまして、任命権者の判断によりまして、こうした分野の専門家であります税理士等を第三者機関の委員に選任するということは十分あり得ることであろうと考えております。 このように、第三者機関の委員につきまして、諮問が見込まれる案件等に応じて税理士を始めとする外部の専門家を任命するなど、任命権者が柔軟に選任をすることは可能であり、適切な人選になるようになることにする旨ということにつきましては、今後、私どもといたしましても法案成立後の施行通知等により各団体にしっかりと周知をしてまいりたいと、こう考えているところでございます。
○若松謙維君 是非、その地域での適切な専門家の活用をよろしくお願い申し上げます。 三番目の質問ですが、今回のこの行政不服審査法を改正するわけでありますけれども、国際比較と比べると我が国のいわゆる行政不服審査の容認率というんですか、が非常に低いということがありまして、それがいろんな捉え方ができるわけでありますが、ちょっと大臣にお伺いしたいんですけれども、今回、この行政不服審査法の改正によりまして、いわゆる容認率又は行政不服審査の利便性、スピード、運営の公開、透明性等について、こうあるべき、またこういうふうに変わっていく、良くなっていくということを期待される、そんな、何というか、目標レベルというんですか、これ非常に数値化する話でもないんでしょうけど、やっぱり良くなっていく、容認率が多くなってくるんだとか、どんなイメージをされて今後どういうふうに運用されるのか、ちょっと御意見お願いします。
○国務大臣(新藤義孝君) 不適切な処分が正されること、それは行政不服審査制度の目指すところでございます。一方で、認容率と申しますが、これが高いか低いかは結果論であります。そもそも最初の行政処分が不適切であるものが多ければ、それを、不服申立てがなされて正される率は当然のように高くなると。一方で、これが当初から処分が適切なものが多ければ当然その不服申立ても少なくなると思いますし、またその認容率も下がる傾向にあるということでありまして、これが一概に高い低いをもって評価が、うまくいっているかどうかというのは、これは個別それぞれの判断になると、このように思っているわけであります。 私とすれば、まず何よりも、行政不服審査制度に頼るのは、これは行政の自己反省機能を強化しようということでございまして、本来はそういったものがないようにまず行政処分が適切になされることが重要なのでありまして、その場合の救済手段の申立て制度というものを今回スピードであるとかそういった公開、透明性、こういったものを更に充実をさせるべく改正をお願いしていると、こういうことでございます。 したがいまして、今後それぞれの場面においてどのような推移がなされていくか、これは、今回の改正後の運用状況を見ながら適切に我々もこれは全体を管理していかなくてはいけないと思っておりますから、そういう状況を見ながら必要なものについてはまた改善の検討をしていかなくてはいけないと、このように考えているところでございます。
○若松謙維君 今大臣が自己反省機能を高めるというお話で、私もそのとおりだと思います。 済みません、私、仕事が公認会計士の監査をやっていまして、企業の内部統制、これを見ます。そのときに大事になるのが、英語で言うとプリベンティブコントロールと言っているんですけど、要は予防機能ですね、これが大事でありまして、もし日本の行政のサービスがこの自己チェックが非常に良くなれば、もちろんこういう行政不服審査ですか、の利用率が減るわけでありますので、それは望ましいことと。それでもある意味で間違いが起きたということで、そういうことを救済するのが今回のこの行政不服審査法のある意味で改正かなと、そのように理解しているところで、同じ理解をしていただいていると思うんですけれども。 そうした場合に、今度、いざ国民の皆様が行政不服審査にのっとって申請した場合、当然、先ほどの自己反省機能というかチェック機能が厳しければ厳しいほど、もう絶対に受けないと、こういうバリアみたいに張る傾向が、今我が国の公務員は非常にレベル高いですので、そういう意識も強いので、安易に何でもかんでも閉じてしまうというか、聞く耳をいろんな理由を付けて排除してしまうと、そういうあしき面もありますので、これはやっぱり、そんな公務員の側も余り構えないで、そういう意見があったら気軽に話し合えるような公務員の意識改革、これも同時並行で必要と思うんですけれども、それについて、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(新藤義孝君) これは衆議院の方でもそういった御指摘がございました。公務員は身内に甘いのではないか、また自らが、自分たちが下した処分に対してそれを改めることをちゅうちょするんではないかと、こういうような御指摘、また御心配があったわけでありますが、本来公務員というものは、これは国民の奉仕者として遵法精神を持った方々がなるわけでありますし、また、なった後もそういう研修、教育を受けるわけであります。ですから、行政処分を下す者も、これは自分の役割においてきちんと処理しようと思って行っている。一方で、行政不服の申立てを受けたその審査をする側も、それを自分たちの仕事として捉えるということだと思います。 ですから、身内に甘いのではなくて、それは自分の仕事になるわけでありますから、私は、十二分にそういった精神においてそれぞれが、行政処分を行う者にもこれまで以上の正確さが求められるし、仮にそれでもうまく処分ができなかった、間違いがあった場合には、それを正す役割の人たちもそれを正すことを自分の使命としてやっていくわけですから、十二分にそこはうまく運用できるんだと、このように思っておりますし、それは運用しなければいけないわけであります。我々はそれを全体的に管理していく、また働きかけていくということでございます。 もとより、そうはいいながらも、今委員が冒頭お話しされたようなことはあってならないことでありますから、しっかりとしたモラルを持ってもらうこと、それから、処分に関与した者はこの審理に加わらないと、こういうようなことを、あえてそういった規定も設けているわけでありますから、更にこの制度はきちんと担保できるのではないかと、このように考えております。
○若松謙維君 今、モラル、また独立性ということをおっしゃいましたが、是非それは研修制度等充実して徹底していただければと思います。 次の質問に移りますけれども、審理員の専門性をどう確保するかという観点ですけれども、やはりこの審理員という、ある意味でチェック機能ですね、自らの行政をチェックするという、まさにそういう観点の専門性、プロフェッションが必要になると思うんですけれども、これを確保するためには資格制度とかマニュアル策定とか研修制度等考えられるんですけれども、今後どういう対策を進めていかれるのか。また、特に都市部は比較的人材が豊富なんでしょうが、地方に行きますと、この審理員の人材確保、なかなか難しいんではないかと。そういうことも含めて、どのように確保されるのか、併せて答弁願います。
○大臣政務官(松本文明君) 新たな行政不服審査制度においては、専門性のある職員を審理員として審理を行わせることによりまして、大臣答弁させていただきましたとおり、行政の自己反省機能を発揮すること、これも大きな一つの柱であります。 また、御指摘のとおり、審理員の専門性を確保することは重要な課題であります。直ちに資格制度のようなものを導入することは考えておりませんが、今後、地方公共団体や関係団体とも相談をしつつ、審理の手続、段取りなどを詳細に解説したマニュアル等の作成や地方公共団体の職員に対する研修、これをしっかり実施をすること、こんな措置を講じてまいりたいと、こう考えております。 また、地方の人材確保につきましては、行政事務及び審理の進め方等に関する研修などもしっかりやっていく必要があると、こう考えておりまして、総務省といたしましては、地方公共団体への協力をしっかり行ってまいります。また、小規模な団体などにおきましては、弁護士など外部の人材を任用し審理員に指名することも有効な方法の一つだと考えておりまして、こうしたことが可能であるということを地方自治体に周知を図る、このことも重要だと、こう考えております。また、士業団体に協力を求める、これも重要であります。総務省として、全力を尽くしてサポートしてまいりたいと考えております。 以上です。
○若松謙維君 資格制度は当面考えていないということでありますけれども、いずれにしても、実効性ある対応をよろしくお願い申し上げます。 次に、今度は審理員の独立性の確保ということ、先ほどは専門性で今度は独立性の確保ということでありますが、この独立性を確保するために、例えば任期付職員とか外部任用ですね、こういったものを活用すべきではないかというのがまず一点であります。次に、審理員の独立性を確保するためのマニュアルの作成とか、また案件ごとに独立性をチェックするチェックリスト等もちゃんとやりながら、後で指摘されないような、そういう独立性の制度的な担保も必要ではないかということで、もしそれが、独立性が担保されない場合には審理員として不適格とする、また採用しないというような制度的な仕組みが必要ではないかと思いますけれども、これは行政管理局でしょうか、よろしくお願いします。
○政府参考人(上村進君) お答えいたします。 まず最初の外部登用についてでございますけれども、御指摘のように、地方公共団体におきまして、それぞれの地域の実情それから団体の規模、予想される不服申立ての内容などにつきまして、先ほど来お答えを申しておりますように、外部の人材を任用し審理員に指名すること、これは専門性のみならず審理の公正性を確保するための重要な方法の一つであると私どもも認識しております。こうした点は、法案成立後の施行通知等でしっかりと周知をしてまいりたいと思っております。 それから、審理員の独立性を確保するためのマニュアルないしチェックリストということでございますが、今御提案をしている法律案では九条第二項で、審理員の除斥事項と申してございますが、例えば処分に関与した者は審理員になれない、あるいは審査請求人の親族であるとか利害関係人はなれない等、七項目にわたる除斥事由をここに掲げているわけでございます。これらに該当する職員は指名されることができないということでございます。 ただ、実際の運用に当たりましては、これをもう少し細分化といいますかブレークダウンする必要があるだろうと思っておりまして、例えば処分に関与していない者とはいかなる者か、今私どもが考えていますのは、例えば原処分の決定書を起案した者、それから決裁権者等、稟議書に押印した者というのはこれに当たると。例えばこういった解釈ないし解説というのが今後必要となってまいりますので、こうしたものを詳細にチェックリスト化して、様々な自治体の方々がこういうものを判断される際の御参考に示すことができるのではないかと思っております。 また、具体的な審理におきましても、独立性を確保するために、今度は独立性の観点からのマニュアルでございますけれども、双方の言い分をちゃんと公平に聞くこと、それから必要な審理を尽くしてそれを審理員意見書にきっちり反映すること、事実認定とか法律の解釈は合理的、適正にやることと、こうしたチェックリストを作るということも一つ考えられるかなと思っているところでございます。 さらに、今回の改正案では、第三者機関というものが、国の場合であれば行政不服審査会になりますけれども、こうした審理員のプロセスの適切性、特に公正性の観点からいいますと、先ほど申しましたマニュアルに示された留意事項等がちゃんと実行されているか、こういうことを第三者機関がきっちり見ることで、言わば牽制効果といいますか、審理員が公正な審理をすることに寄与することになるというふうに考えております。 こういうことでございますので、そういうことで、マニュアル等も作ってきっちりとやることで適正になると考えてございます。
○若松謙維君 ということで、御丁寧に答弁ありがとうございます。 私は公認会計士なので、必ず監査する場合に独立性チェックリスト、厚いのがあるんですよ。是非に参考にしてください。無料で差し上げます。 最後の質問ですが、これは副大臣でしょうか、地方在住者の利便性確保ということで、中央省庁絡みの行政不服審査になりますと、当然、地の不利性がありますので、そこをどう克服されるのか、また運用上の工夫等についてどのようにお考えなのか、答弁願います。
○副大臣(上川陽子君) 行政不服審査法におきましての審理手続は原則書面で行うということでございますので、不服申立人が審査庁に直接出向くという必要はないわけでございます。審査請求書につきましても、郵送によりましても出すことができますし、あるいは処分庁に直接提出することもできるということであります。また、反論書、証拠書類等につきましても郵送で提出できるということとされているところであります。また、書面審理の例外である口頭意見陳述につきましても、審理員が現地に出向いて行うことなどが考えられますので、必ず地方在住者が上京しなければならないというわけではないということであります。 御指摘の工夫ということでありますが、ICTの活用ということでございます。書面のオンラインによる提出などによりまして、審理手続におけるICTの活用によりまして、地方在住者の利便性の向上を図ってまいりたいと思いますし、また行政の効率化にも資するものと考えております。また、一部の手続につきましては、遠隔地に住んでいらっしゃる居住者の皆さんの利便性向上ということで、テレビ会議によります審理も導入されているということでございます。 総務省におきましても、こういう関係機関に対しましてこうした対応が可能である旨を施行通知等の中で示すことによりまして、審査請求の各現場において地方在住者の利便性に適切に配慮した対応が行われるように、改正の趣旨の徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。
○若松謙維君 終わります。
○片山虎之助君 それでは始めます。どうも同じような質問が続きますので、少し変わった質問をします。 この前の一般質疑の積み残しといいますか、この前、私は、市がいろんな種類があって大変分かりにくいという話をしましたが、政令指定市なんですよね。昔は百万以上というやつを、平成十三年の八月から合併の促進のために七十万に下げて、二十二年三月末までの合併ならそれが有効だと。何で七十万にしたかといったら、副大臣おられますけれども、静岡、清水の合併のために、政令市にしてくれたら合併するというものだから、それならしてやるといって、ただ、将来は百万になってくれと、なっていませんけどね。そういうことでありまして、七十万に下げて七つ増えたんですよ、政令指定市が。それまでは十三だった。七つ増えて今は二十になったんです。 そして、二十二年三月でやめたでしょう、七十万を。それはもう増やさないんですか。政令指定市というのは名前だけなんですよ、あれは。簡単に言うと、国や都道府県の権限を移譲するんですよ。移譲するところを政令指定という名前を付けているので、私は国や都道府県の権限をやる能力があって意欲があるところにはどんどん移譲すればいいと思っている、市町村に、市に。そういう政令指定市はこれで打ち止めにするという政策でいいのかなという気がしているんですが、大きい方針は大臣、もう少し細かいことは局長答弁してください。
○国務大臣(新藤義孝君) 私は、ちょうどその平成十三年頃に政務官をやっておりましたから、あのとき省内で、いや、九十万でいいのかとか、八十万でとかって、まあ百万があるんだからそんなに緩和しなくてもいいじゃないかという声も半分ぐらいありました。一方で、今、大臣時代に、おっしゃったように、そういうのはありました。私も七十万がいいと言いました。それは、ちょうど全国で、合併をして、そういう七十万ぐらいですと合併して可能になる町が幾つかあったんですね。ですから、そういった可能性を是非開こうではないかと。また、それは市町村の合併を促進することにもなる。実際には、市町村合併支援プランというものを策定したわけでありまして、平成二十二年三月に市町村合併支援本部が廃止された時点でまた元の百万に戻したということであります。 ですから、これから将来どうなるかは、またその時々の社会情勢があると思いますが、いずれにしても、現状において、今ここでまたその要件を緩和することは考えておりません。今、市町村合併をした後の今度はその推移を見ながら、そして適宜検討していくべきだと、このように考えております。
○政府参考人(門山泰明君) 今大臣から方針について御答弁ございましたが、経緯といたしましては、三十一年当時、五大市でスタートしておりますが、このときに、昭和二十二年にできておりました旧特別市のときに一番人口が少なかった神戸市が五十万人を僅かに超えたところだったというのが五十万人という法律の規定になった理由でございまして、これが三十一年当時に指定都市制度に変わりましたときもやはり神戸市が九十八万だったと。僅かに百万に及ばなかったということで今の制度になっているわけでございまして、合併後の運用につきましては、今大臣のお答えがあったとおりでございます。 これにつきましては、やはり指定都市と県との意見が一致しているということが重要なポイントかと思いますので、そういったことで、今のところ、特段、指定都市にという直接的な御要望は伺っておりませんので、そういうことかと思っております。
○片山虎之助君 五十万以上ですよ、法律は。五十万以上で政令で決めたらどこでもなれるんで。だから、五十万は下げられるんですよね。名前をどうするかじゃないんで、権限移譲のためなんだから、権限移譲をもっと促進するような仕組みを考えてくださいよ。名前とあれがくっついているからややこしいんですよ。 それと絡んで、この前、増田さんという総務大臣がおりましたよね、岩手県知事の、彼が日本の自治体は半分以上がなくなるという割にショッキングな、それは今の大都市圏への人口流入ですよ、地方の流出、大都市圏への流入が続くと、二十代、三十代の女性が半減するというんだね、地方では。そうすると、人口どんどん減りますから地域社会がもちませんから、八百九十六なくなると。今千七百ですよ、市町村。九百なくなるというんだよね。もうそれは大都市圏だけ残るんですよ、首都圏と大都市だけ。そんな国にしちゃいかぬので、これは止めにゃいけませんわね。 そこで、大臣に、この増田さんのレポートについての感想と、止めるためにはやっぱり地方で強力な都市つくらにゃいかぬのよね。それが皆さんが言う地方中枢都市圏構想だと思うんですけれども、あれは結局お金を見るだけの話なんですよ。私はお金を見るだけじゃ止まらぬと思いますよ。もっと有効なあれを考えないと、総合的な政策を。それについて何か御所見があれば言ってください。
○国務大臣(新藤義孝君) まず、二〇四〇年にこのままいけば八百九十六自治体が消滅する可能性があると、ショッキングな数字でありますが、それは何もしなければということなんであります。あわせて、都市部にのみ人口が集中するといいますが、それも実は都市部も減るんです。減った都市部には今度は物すごい高齢化が発生するわけであります。したがって、都市も地方も含めて日本が危機的な状況になると、こういう警鐘を鳴らしていただいたという意味においては傾聴に値すると。しかし、我々はそのことについては国家的課題として既にトレンドは承知しているわけでありますので、これをどう対策を、何もしなければという条件があるならば、さあ、みんなでやりましょうという機運が今大いに盛り上がっているところだと思っております。 今後の在り方としては、強い都市をつくると今おっしゃいましたけれども、果たして、人口が減少していく中で、減少傾向歯止め掛けるにしても、今よりももっと増えるということはなかなか考えづらいとするならば、一体全体、人を集めて都市にすればいいのかと。そうではなくて、私は、それぞれの地域で定住化を促すような、自分たちの町で地域を強くして、そしてそこにとどまって、またそれに魅力を感じて移動していくような、そういう町づくりというものが必要だと。それは一挙に百人増えましたとかではないんです。地方においては、これは、二十人増えた、もっと言えば十人増えたでも立派なこと。もう人口の減少はそこで歯止めが掛かるわけでありますから、大都市問題、そしてコンパクトシティーにしてそういう地域圏をきちっとつくることと併せて、もう少しきめ細かな私は町づくり、地域活性化の政策というものを打ち出すべきだと思って、今様々な御提案をさせていただいているところでございます。
○片山虎之助君 大臣の言われるとおりなんですよ。今地方は前期の高齢者がみんな後期に移行しているんですよね。地方では前期高齢者というのは主要な働き手なんですよ。それが今どんどんどんどん引退しているんです。大都市圏では今度は前期高齢者が今増えているんですよ。大都市の前期高齢者は担い手じゃないの、これお荷物なんですよ。だから、本当に日本の国がいびつになっているんですよ。 そこで、やっぱり都市圏でも地方でも、コミュニティー再生みたいなことで公は大きくなるんだから、しかし官は大きくできないので、それみんなで分け合うような仕組みをつくって、それぞれが今言われるように定住、定着することを考えていかなければなりませんので、それはお金だけじゃないんですよ、財政措置だけじゃできない。だから、総務省が音頭を取ってそういう全省庁的な体制を是非取っていただきたいと、こういうふうに要望しておきます。 そこで、今度の行政不服審査法の改正なんだけれども、我々賛成しますけれども、これは例の訴訟制度が変わりましたよね、平成十六年かな。あれとはずを合わせる、連動しているというんですけれども、どこがどうなっているんですか、簡潔に説明してください。
○政府参考人(上村進君) 簡潔に説明申し上げます。 平成十六年の行政事件訴訟法の改正、いろいろポイントありますけれども、一つには、処分がされる前の段階で行政に処分を命ずるよう求める義務付けの訴えを作ったということが一点、それから出訴期間三か月を六か月に延長した等、こうしたものが大きなポイントであろうと思ってございます。 今回、私どもが提案している改正案では、一つには、審査請求期間をそういうことで六十日から三か月に延長すると。それから、争訟の一回的解決の観点から、申請拒否処分に係る審査請求が認容裁決した場合、併せて当該申請に対して一定の処分をすることができるようにしたということ。それから、行政手続法の方になりますが、法令違反の事実を発見した場合、それの是正の措置を求めることができるという手続を新たに導入したと。大きくこういった点であろうと考えております。
○片山虎之助君 そうですよ。前は前置主義だったわね、訴願前置主義といって、あれは昔習いましたけれども。そういう意味では、今度はかなり簡素になったよね、実質的に私はなったと思うんだけれども。 この行政不服審査法、不服申立ての基本は、行政庁、処分した行政庁の反省なんですよ。自己反省なんですよ。自己反省によるいろんな、何というのかな、チェックというのか、直すというのか、自己是正みたいな、こういうことなんで、心掛けなんですよ、一番必要なのは、制度じゃなくて。それをどうやって徹底するかということは、大臣、どうですか、その点。
○国務大臣(新藤義孝君) まさにそれが今回の法改正の主目的であるわけでございますが、行政の内部において自己反省をさせる、最終的な判断の責任を各大臣と首長とに残しつつ、中立的な審理員による審理を導入して自己反省機能を強化する、また、それを第三者機関に客観的にチェックさせることによって行政が自ら正すべきものをしっかりと正すような仕組みとしたわけであります。 それで、その仕組みと併せてやはり精神を、全体のために奉仕するんだと、そして正しいことを行うんだと、こういう精神の醸成が私は併せて必要だと、このように考えております。
○片山虎之助君 それで、今度は地方自治体もやってもらわにゃならないのですが、皆さん質問しているように、審理員をどうやって置いて、どういう人にやってもらうとか、第三者機関はどうだとか、閲覧、謄写ですか、その手続が今度、行うようになるんだけれども、そういうことをちゃんとできるかどうかなんですよね、全部の地方自治体が。そうなると、国が相当てこ入れをしないと、教えないと、情報の提供をしたり研修をしたり。そういうことは今お考えですか。
○国務大臣(新藤義孝君) それは、まずきちんと説明できる資料を用意して説明会をやるということでございます。それから、例えばでありますが、連携協約結べるようになりました。その連携協約の範囲でもあるんですね。ですから、それは自治体のいろんな工夫で負担の軽減も図るし、またこの制度の実効性というものは高めていきたいと、このように考えております。
○片山虎之助君 それから、世の中にはこれこそマニアみたいなのがおるんだよ。もう一人でいっぱいやりたがる、面白がるような、愉快犯じゃないけれども。それから、生活保護だとか保育所の問題だとか、これは悪いやつが指導して集団でいっぱい出てくるようなおそれがあって、場合によっては悪用されると地方自治体の行政が私混乱すると思うんです、支障が出る。これもどうやって、どうするかということを私はちゃんとノウハウを地方自治体に教えてやらにゃいかぬと思うんですけれども、いかがですか。
○政府参考人(上村進君) 御指摘のとおり、特定の団体に一時的に大量の処理申立てがあるということはよく承知をしております。これで処理期間が非常に長期化しているということもございまして、この対処は大変重大な課題だと考えております。 他方、大量であることをもってこれをないがしろにするとか受け付けることをしないということもできないわけでございまして、今回、改正法案では、例えば不適法な不服申立てである場合はこれはもう明確に却下することができる、例えば個別の処分ではなくて一般的な制度改正要望のようなものはこれは受け付けないとか、それから、大量に同じような種類の申請がある場合にはこれを一括して併合して手続を進めることができる、それから、似たような結論になることが予想される場合には第三者機関に諮問をしないとか、こういうことは可能としているところでございます。 ただ、これだけでも足りませんので、場合によりましては、審理員に外部の者を任期付きで任用するとか臨時的に増員するとか、第三者機関の開催頻度を増やすとか、いろいろな方策はあると思います。 いずれにしましても、ただ、現時点でこれが決め手というものはなかなか難しゅうございます。我々としましても、これは重要課題と認識して、今後とも研究はしてまいりたいと思っております。
○片山虎之助君 行政手続法も今度直しますよね。行政指導や何かについての法律が要るのかなと私個人的には思っているんですよ。ただ、勝手なことをやられちゃ困るから、根拠がなけりゃ駄目よというのは、やっぱりそういうことはやむを得ないのかなと、こう思いますけれども。 今度は、行政指導をやめなさいとか処分をやめろとかという、求めることを認めるんでしょう、法的に。今まで何でそういうことは認めないというか、そういう仕組みはなかったんですか。
○政府参考人(上村進君) もちろん、これまでも、陳情、請願とかいう形で、あるいは要望という形でできたわけでございますけれども、今回の法案は、これを受け取った行政庁の側が必要な調査をするという義務を課す、必要があればそれに更に措置をするという義務を課すと、こういう法的義務を課したということが今回大きな違いであろうかなと考えております。
○片山虎之助君 それで、こういうことは地方自治体にやらせるの、やらせないの。
○政府参考人(上村進君) まず、この行政手続法自体は自治体には適用になりませんが、同時に、この手続法で自治体は同様の措置をとることを求めるということになっています。 典型的には、行政手続条例というものはもう各自治体で制定されておりますので、そういうところにこうした類似の条項を書いていただいて実際に運用していただくということを我々の方からお願いすることになると思っております。
○片山虎之助君 四十六条で包括的にやれるんですよ、条で書けば、地方自治体は。それ、やらせるんですか、やらせないの。やらせるという今答弁だったような気がするけど。
○政府参考人(上村進君) 失礼しました。 やっていただきたいと思っております。
○片山虎之助君 それじゃ、ちゃんとそうしてくださいよ、地方自治体への対応を、それをお願いして、終わります。 ありがとうございました。
○寺田典城君 寺田でございます。 上村局長殿、通告はしてないんですが、一九九九年に情報公開が施行されました、成立しましたね。そのとき、行政に対する影響というのはどうでした。それから、何と思いました。そのことから聞いていきます。
○政府参考人(上村進君) 情報公開制度というのはそれまで大変長い議論を経てできたものでございまして、委員もよく御存じのように、まず、これは自治体の方が先行して始まったものでございます。それを、各自治体の経験を踏まえて国に適用するということには非常に長い議論が掛かったわけでございますが、それは、ちょっと私の口から言うのもなんでございますが、それなりのインパクトがあったと。要するに、情報というのは誰のものか、あるいは行政の透明化を図らなければならないと、こういう意識改革を伴うような大きな改革であったというふうに私は考えております。
○寺田典城君 私も、地方行政の中で、役所の隠蔽体質、隠されたことがもうあらわにされて、とにかく隠されたものは必ず現れるという形の下で、行政の原点というのはやっぱり情報公開だと思うんですよ。そのほかに地方には住民監査請求というのがありますから、これによって地方もいろんなこと出てきました。国よりも早く情報公開がなされたわけですから、そういう点では良かったなと思っているんです。 それで、そのことに関連するわけじゃないんですが、今回の行政不服審査に対して、可視化というんですか、録音、録画、これは検討することができますか。
○政府参考人(上村進君) 法案の規定上はそういうものを、何といいましょうか、許されないというような規定はございません。できることになってございます。 ただ、実際の運用はいろいろと問題がございます。一つには、何と申しましょうか、非常に個別の処分でございますので、プライバシーに係る機微な問題を扱うということ、それから、そうした、何といいましょうか、録画されることによって率直な発言が阻害されるのではないか、あるいは件数も非常に多い手続の場合ですとなかなかそれ自体手間が掛かるということもございます。 他方で、審理の公開、これは、例えば、審理員意見書を不服申立人に送付するとか、それから、第三者機関の裁決は最終的に答申は公開するということにしておりますので、透明性も確保されますので、現時点では、これはなかなかすぐに導入するということは難しいのではないかなと考えているところではございます。
○寺田典城君 確かに、書面審査でも、これは不服申立てについて審査されるわけなんですが、私は、今優れている、録音だってすぐ文言になって出てきますし、録画だってそんなにコスト掛かるわけじゃないし、これによってお互いにやはり緊張もするし、やはり専門家の方がもし本当の争いになった場合はこれはどういうふうな、内心の意思はどうなのとかということが出てくると思うんですよ。ですから、私は、こういう近代的な機械というのはこれからますます必要な時代となっていくと思うし、それから、審査についてこれからまた一つあれするんですが、不作為的な行動を取った者についてはおかしいじゃないかとか、それから作為的な行動を取って不利益を及ぼしたりということだってあり得る、行政側って何やり出すか分からないんですから。その辺を、自分の身を守るためですよ、私、経験してきた者としてそれをよく分かっておるんで、その辺もう少し考えてください。
○政府参考人(上村進君) 将来にわたっての検討課題の一つではあると認識しております。 繰り返しますが、法令上それを禁止しているというわけではございませんので、個別の審理において、審査請求人それから処分庁それから審理員、いろんな方々の意見一致すれば、そういうことはあり得るとは思います。ただ、一律にそれを進めるというふうなことまでは今私どもは考えていないということであります。
○寺田典城君 次に移りますけれども、午前中、石上議員さんが仮の義務付けのことについて詳細な質問あったようなんですが、私の場合は、要するに通常の場合はいわゆる公定力ですね、違法な処分であっても処分が取り消されるまでの間適法な処分とみなされると、行政側は有利なルールを作っているわけなんですね、これは。歴史的にずっと活用されてきているわけです。 不服申立ての対象になっている項目を見ると、地方公共団体からいくと、介護保険だとかそれから生活保護だとか、こういうものは要するに本人にとっては死活問題、介護はあしたからにしてくださいというわけにいかないんですよ。ですから、仮の義務付けだって、これある面では考えてみてもいいんじゃないかなと思う、そういう点では、みなしでですね。認めない方向でよく行政は進めるんですよ。要するに、何というんですか、余りにも要求が多いからと言われればそれまでなんですけれども、まあ適正を期するためということなんですが、その辺はどう思います。
○政府参考人(上村進君) 午前中の質疑でもお答えしたと思いますけれども、基本的にはやはり審理を早くして早く結論を出すというのが本当は本筋なんだろうと思います。他方、非常に長期間時間が掛かってしまっている審理というのもあります。 そういう場合の救済をどうするかということでありますけれども、それは、先ほども申しましたように、裁判所がやるのではなくて、行政庁自身でいろいろな権限を持っているわけですから、そこは運用で可能だと思います。そういうことを図っていくのではないかなと思います。
○寺田典城君 要するに、裁量行政の中で可能であるというふうに理解すればいいですか。
○政府参考人(上村進君) そのように考えていただいて結構でございます。
○寺田典城君 それでは、次に移らせていただきます。 審理員の独立性というか、公務員は一般的に、行政処分に瑕疵があったとしても、一旦決めたことについてなかなか覆さない傾向にありますね。国民の目線から見て、審理員による公平な審理をどのように担保していくかということなんです。一般的にはそういうことなんです。公務員というのは、自らの仕事については正当性を最後まで主張します。それはあなただってそうでしょう。自分の非というのは認めないのが一般的に公務員の、それで組織の中にいるんですからなおさらなんですよ。それでこの審理員の独立性ってそれで保てますかということなんですよ。 ですから、先ほど専門性とか独立性というのも出ていました。だから、組織のというのは非常に、決めた判断については、明快な情報開示によって誤りがない限りは、何というか、それを蓋してしまうというか、そういうふうな形に持っていってしまうんです。非常に、だから行政サイドに有利なもののシステムでいっているということなんです。 そういう点について、一般的に管理局長はどう思います、行政マンとして。
○政府参考人(上村進君) そのような御批判があったことを踏まえまして、今回いろいろな工夫を私どもとしてはやらせていただいたつもりでございまして、まさに審理員が直接の現場でそういう、その案件にタッチした者でない者を指名するとか、さらに、その審理プロセスを重層構造にはなりますが第三者機関でチェックするとか、それから審理員の除斥事項を決めると、そういうことを運用を重ねる中でそうした見直し機能が発揮されるということを期待しているところでございます。 先ほど認容率のお話がございましたけれども、国の場合で一〇%、決して高くないという御意見もございましたが、逆に一割程度は見直されているということでございます。これがどう推移するかはちょっと私どもも今は何とも申せませんけれども、今後の適切な運用を通じまして国民の救済の向上を図ってまいりたいと考えております。
○寺田典城君 これ、どういうわけかは知らぬですけれども、不服申立ての救済率というのは御存じのとおり国は一〇%ぐらい、地方は二・八パーと、たかだかそうなんですね。これがどういう内容なのかというのは私も心配しているんです。 それで、本当に裁判になってくれば、行政事件訴訟では二割近いあれだと、韓国では三八%というんですか、日本の行政がしっかりしておるからだということと情報公開法がしっかり動いているのか、働いているのかという、そんな思いもしているんですが、要するに、私は、任期付採用、そういうことで第三者的に専門的な知識なくてもこれ勉強すればできることですから、それなりの能力ある人たくさん世の中にいますので、そういう人材もいますから、国で採用していって、例えば足りなきゃ地方に指導するとかと。 消費者庁なんかは地方にもうはっきり言って根付いちゃって、あのとおり、いろんな問題は消費者庁が取り上げて、上で旗頭みたいになって方向付けしてくれれば、それで物は進んでいくようになっていますので、その辺を事務的にもう少し、局長はどう考えますか。その後、大臣に聞きたいと思いますので、まず局長から聞いて。
○政府参考人(上村進君) 主として審理員の独立性の御質問かなと思いますけれども、外部者を登用するということにつきましては、この委員会でも先ほど来答弁をしておりますとおり、専門性のみならず公正性を高めるという意味でも意味のあることだと思っております。その辺りは、個別の任命権者でありますところの首長、地方でいえば首長が内部と外部の組合せをどういうふうに考えて判断されるかということではないのかなと思っております。
○寺田典城君 総務大臣の強いリーダーシップで、要するに、独立性というか、それを発揮させるように、何か前向きな御答弁をお願いしたいんですけれども。
○国務大臣(新藤義孝君) 私は、今回制度の改正をお願いしているわけであります。 先ほども申しましたが、制度の改正と併せて、やはり本来の公務員の役割というものを更に皆さんに自覚をしてもらう。そして、これは人間でありますから、間違いを犯すこともあります。しかし、何よりも、何事にも全力で当たる、そして遵法精神をもって当たる、かつ間違った場合にはこれを正す者もそれも仕事として取り組むと、このことを突き詰めていけば私は制度が適正なものとして運用なされるというふうに思っております。 性善説に立って、しかし、それに対してルールを破った者はこれはきちっと処分をすると、こういう姿勢が必要ではないかと、このように思います。
○寺田典城君 今回は、第三者機関、行政不服審査会というのもつくるような、これ、国も地方もそれを認めてきていますからあれなんですが、やはり前の、一九六二年ですね、の当初の法律よりもましなことは事実なんですが、やるんだったら徹底してやっぱり信頼されるようなことを、要するにノーリターンルールだとか、役所というのは、私も地方自治体で十八年おったんですけれども、何かでぽんとここをたたくと、ゴムの中に入った水みたいなもので、ぐっと周りに膨れていっちゃうんですよ。国なんかもうとにかく恐ろしくなるぐらい、ばしんと行革とか何かやるといったって別の方にぼっと逃げちゃうんです。 だから、政治主導、政治主導とよく言うんですけれども、省益というのはもうとにかく国家より利益だなと、そのぐらいやっぱり私は、そしてこんなに、その何というんですか、財政的に赤字でも各省は全部それを、何というか、自分の予算分捕りで、物を削るということを知らないんです。だから、今回の行政不服審査のことの法ができたら、できたんだけれども、そうしたら何か一つ法律を削りますと、その辺まで行かなければ。行政管理局、その辺の将来の考え方はどうです、局長。
○政府参考人(上村進君) 今回御提案している行政不服審査の改正案は、我々がいろんな制約条件がある中で現時点でのベストの案であると思ってお示ししているわけでございまして、その中でできることを精いっぱいやっていくということだと思います。 委員、ノーリターンルールということもおっしゃられましたけれども、そういうのも一つの審理員についての考え方であろうと思います。ただ、審理員の供給源の制約とかいろいろな問題もあります。それは各自治体の実情に応じてお考えになることかなと思います。国の場合は少なくともなかなか一律にそういうことを考えるとか、そういうことまでは今の段階ではちょっとできないかなと思っております。
○寺田典城君 あと、最後なんですが、局長に、行政の公定力の恐ろしさというものをよく理解しながら物を進めてください。 以上でございます。
○渡辺美知太郎君 みんなの党の渡辺美知太郎であります。 五十二年ぶりの行政不服審査法の改正ということで、三つの観点、公正性の向上、それから使いやすさの向上、そして国民の救済手段の拡充ということでありますが、私は、今回の質疑、公正性の向上を主に取り上げたいと思っております。また、先日三日に行われた参考人聴取の議論も踏まえて質問したいと思っております。 まず、今回の改正で第三者機関の設置がなされました。国レベルでは総務省に行政不服審査会を設けるということでありまして、この審査会には九人の委員を設置をするということでありました。先日の参考人聴取にもあったんですが、この九人という人数、そもそも扱う件数の多い例えば社会保険審査会、それから労働保険審査会といった案件の多いものは存置ということでまた別に行われるということでありますが、この行政不服審査会では行政領域が非常に広いということで、参考人聴取でもちょっと九人という数字はかなり少ないのではないかという指摘がありました。 これについて、衆議院の答弁では、二百件を大体予想しているので九人という数字になったとおっしゃっていましたが、この参考人聴取を踏まえて、改めて総務省の見解と、あと審査会の規模の見直しや対策についてちょっと伺いたいなと思います。
○政府参考人(上村進君) 委員御指摘のとおり、現時点での調査から将来を推計した件数は一年間に二百件程度というふうに思っております。それを処理するのに足りる人数ということで考えて九人ということにしたわけでございます。かつ、特に当初はいろいろな案件をゼロベースで審議をしていくということになりますので、そういう意味では、この九人、非常に厳しい、何と申しますか、仕事をするということになります。そこで、私どもとしましては、これは三人ずつの部会、計三つの部会になりますが、これを頻繁に回すことによって効率的に調査を審議したいというふうに考えております。 こうして当初は回してまいりますが、将来におきまして、諮問件数でありますとかその内容とかの変化がありましたら、その段階でまた適切にこれは見直していくべきことは当然だと考えております。
○渡辺美知太郎君 今回、総務省に設置するということで、一方で行政機関の肥大化が懸念をされるわけではありますが、やはり五十二年ぶりの見直しということで、是非円滑な運営をしていただきたいなと思っておりまして、例えば見直し期間などについては何か考えられているんでしょうか。
○政府参考人(上村進君) 見直し、法律全体の見直し期間ということでございますか。済みません、申し訳ございません。
○渡辺美知太郎君 ごめんなさい。 人数が少なかった場合とか、あるいは余ってしまった場合とかそういった、何か実際やってみて、見切り発車でやってみてどのぐらいの期間を置くとか、何か考えられていますか。
○政府参考人(上村進君) 大変失礼をいたしました。 ちょっと私先ほど口走りましたのは、御承知のとおり衆議院の審議における修正で五年後見直しという規定が付されております。これは、私ども、五年後経過した段階でこの行政不服審査法の全般的な運用状況をよく見直して、必要があれば措置を講じろと、こういうことだと認識しておりますので、そうした中で、この行政不服審査会の運用というものが適切に行われていたのか、また、今委員がおっしゃったような体制が十分であったのかというのも当然その中での検討課題になってくると考えております。
○渡辺美知太郎君 そうですね、五年の期間がありましたね。分かりました。 ちょっとこれに関連して、この行政不服審査会、平成二十年度に提出された法案では、既に実績のある十五人の委員から成る情報公開・個人情報保護審査会を母体として当初構想練られていたわけですけれども、この情報公開・個人情報保護審査会は存置されていまして、つまり行政不服審査会とは別になったわけでありますけど、そのてん末についての一応御説明いただけますでしょうか。
○政府参考人(上村進君) お答えいたします。 この法案の前に出しました二十年法案は、まさに委員御指摘のとおり、新設する行政不服審査会と内閣府に置かれている情報公開・個人情報審査会の関係につきまして、当時の考え方といたしましては、不服申立てを各省から受けるという機能は共通である、それから情報公開の制度と不服審査の制度の所管を一体化することによって効果的な運営ができると、こういう考え方に立って、この両者を統合してやっていこうというふうな考え方だったわけでございます。 ただ、この二十年法案を出した後にいろいろこの法案に対する御批判もございまして、その中の一つに、この情報公開・個人情報保護審査会と統合するということは、これはこの審査会の専門性を阻害するものであると、主として情報公開の方の専門性を阻害するというものの批判があったところでございます。 そういうことも踏まえまして、また、情報公開審査会は御存じのようにインカメラ審理とか非常に特殊な審理規定を持っておりまして、まさにこの情報公開審査会自身が我々の法案で言う審理員のような機能も同時に果たすというような特別な審査会でもございます。そうしたことを勘案いたしまして、今回の法案では、二十年法案と違いましてこれを別々に設置をすると、こういうような判断に至ったということでございます。
○渡辺美知太郎君 それについては分かりました。 引き続き、行政不服審査会について質問をしていきたいと思います。 行政不服審査会、委員の条件として、公正な判断ができる人材、それから法律と行政にたけた人材ということが条件になっておりまして、前者は公正性ということで独立性も求めるわけでありますが、その後ろの部分の行政と法律要件が、例えば公務員のOBがその委員に就くんじゃないかという懸念があって、あれですよ、さっきお話ありましたけど、私は別に公務員だからサボるとかそういった話ではなくて、外形的に見て、例えば公務員のOBが多数を占めてしまった場合などに、第三者機関も身内じゃないかと、そういった批判が出る可能性があると思うのですが、そういった公務員のOBを想定されているのか、それから、公務員のOBが就く場合に、何かこういった制度があるから大丈夫ですよといった公正性の担保みたいなのって考えられていますか。
○国務大臣(新藤義孝君) これは、そもそも行政不服審査会には様々な分野の事件が諮問されるわけでありますから、必要に応じて専門的知識を有する者を臨機応変に活用すると、このために専門委員を任命することができるということになっているわけであります。それは、具体的にどのようにするかは、幅広い申立て事件に対して専門の事項に関する調査を行うと、こういうことで、専門委員となるべき者の能力、経験に着目をして、そのときに適切に判断するということでございます。 したがって、あらかじめどの人が駄目であるとかということを制約を設けているわけではありません。仮に公務員OBであっても、法曹や学術、教育研究、様々な分野で活躍している者が専門委員に任命されることはあり得るというふうに思います。 あとは、全体的に、今外形的というお話もありましたが、これは全体的に適切な判断がなされているかどうかということになると思います。
○渡辺美知太郎君 今ちょっと大臣から答弁をいただけると思わなかったので。 引き続き、じゃ、大臣に是非ちょっとお尋ねしたいんですけれども、さっき、衆議院の議論でもあった、公務員はサボるんじゃないかと、そういった話があって、それは私はちょっと、もう公務員の性善説とか性悪説とかそういった話になっちゃうのでそういう話はするつもりないんですけれども、その今言いました専門委員とか審査委員会にOBが入るという批判に対して、一方で、その検討チーム、私、この間の参考人聴取でも言ったんですけれども、検討チームの先生方の中にもやはり行政経験のある行政マンOBがいないと形だけになってしまうんじゃないかといった指摘もあるわけなんですよね。 そこで、大臣のビジョンとしては、この一見すると二律背反する、つまり公正性を追求するのであればできるだけそういった公務員のOBは入れない方がいいとか、あるいは逆にやはり行政経験のある人間も入れないといけないのである程度別に制度をつくって担保させて公務員のOBも入れていくと、そういったことについて何かビジョンがあれば是非ちょっとお示しいただきたいんですけど。
○国務大臣(新藤義孝君) これは何よりも人物本位で行われるべきであって、その選ばれた人間が、それは一人ではありませんから、そこの中で構成される組織がそれで全体的に良いバランスになっているか、それを任命権者が適切な判断をしているかどうかと、こういうことをチェックするし、またチェックされるわけであります。 そういう中で私は良い制度、組織をつくっていけばいいと、このように思っているわけでありまして、形の中で、この人は駄目とか、じゃ、この中で何人までいいとかと、これは、私はそういう検討ではなく、もっと中身を重視をして人物本位でやればいいのではないかなと、このように考えております。
○渡辺美知太郎君 もちろん、私も何人までにした方がいいとか、そういったつもりでは聞いてはいないんですけど、やはり私も柔軟に制度とそのメンバーは見た方がいいんじゃないかなと、それは私も思います。 引き続き、大臣の任命で、今度は審査会の委員のほかに専門的な事項を調査するということで専門委員を置くことができます。この専門委員、その想定している人材とか、どういう方を念頭に置いているのか、そのもしビジョンがあればちょっとお尋ねしたいんですけれども。
○政府参考人(上村進君) お答えいたします。 これにつきましても、大臣からお答え申し上げました委員の場合と基本的には同じでございます。考え方としては同じでございます。 ただ、専門委員は、この法律の規定上もそうでございますが、委員のみでは扱うことが難しいような専門的な分野についてその知識を有する者ということになっておりますので、そうした範囲内でこれを臨機に活用することができるようにしようとしているものでございます。 どういう人をこれを任命するかということでございますが、現時点で特にそういう、まあ何と申しますか、そうした方の属性といいますか、どういう専門分野かということを現在具体的に想定しているわけではございません。今後、行政不服審査会の審議が進む中で、どういった専門分野が必要になってくるか、知見が必要になってくるか、そういうことを踏まえつつ総務大臣が適切に判断をしていくことになると、こう考えております。
○渡辺美知太郎君 これから始まる制度でありますので、そこについてはいろいろと議論いただきたいなと思っております。 続いて、ちょっと今度変えまして、地方自治体における行政不服審査制度について質問したいと思っております。 さっき片山先生も少しだけ触られていましたけれども、今回の改正で、地方においても第三者機関、行政不服審査会同様の機関を設けることとしております。国では一応総務省に置くということでありますが、地方については自由とされています。 もちろん、既に自治体によっては、有名な事例はたくさんありますが、第三者機関に相当する機関を置いている先進的な事例もございますし、一方で、結局その委員だけでは、人材的な制約、それから財源的な制約もあって身内の委員だけではどうしても専門性に欠けるといった自治体もこれから出てくると思います。そういった自治体についてはいろいろと余地があるわけでありまして、例えば地方自治については専門委員については触れてはおりませんが専門委員会を置くとか、あるいはちょっと専門性は下がるかもしれないですけど住民公募も考えられるとか、あるいは外部からの第三者機関としてもう全く外部に頼んでしまうと、そういったこともあると思います。 先日の参考人聴取では、総務省がマニュアルやサポート体制など支援を改正法実施までに間に合わせるみたいなことを参考人がおっしゃっていたと思うんですが、これは現実問題として間に合うのかなとちょっと疑問に思うわけなんですよ。 というのも、総務省自体も自分たちの行政不服審査会を設置しなきゃいけないですし、そういった自分たちの件も入っておりますし、あと、やっぱり全面的に、自分たちのこともありますから、サポートが全て手厚く、地方自治体に専念できるわけでもないんじゃないかという気はするんですが、その辺についてちょっといかがお考えでしょうか。
○政府参考人(上村進君) 御指摘の点は非常に私どもも、この法律施行後の話でございますけれども、心配をしているところでございます。 この法律自体は、行政手続法はもう少し早いのですが、行政不服審査法、この第三者機関に係る部分は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内、具体的には二十八年のどこかということを念頭に置いているわけでございまして、それまでに準備をするということではございますが、各自治体で条例を作っていただいたりして、第三者機関を設置していただく、審理員を任命していただく、場合によって標準審理期間を設定していただくと、いろいろなことをしていただく必要があります。 国においても大変でありますが、自治体の方においても一層大変なことと思います。これは我々何をおいても、これが円滑にスタートし的確に運用されるようなマニュアルと申しますか、各種通知類を始めとしてチェックリスト、マニュアル、それから研修の教材、いろいろなものはこれは必死になってやっていかなければいけないと、こういう覚悟は決めているところでございます。
○渡辺美知太郎君 これは規模とか、まだそういうのは全然決まってないですよね。要は、その地方公共団体を支援するチームの検討はまだされてないという理解でよろしいですか。
○政府参考人(上村進君) 正直に申しまして、まだそこの具体的なところまでは思いが至っておりません。これからの検討課題になってまいります。
○渡辺美知太郎君 じゃ、地方自治体ということで、苦情処理手続との関係をちょっとお尋ねしたいなと思っていまして、なかなか、住民が行政に不服を申し立てるのとは別にまた住民申立ての手続があるわけで、まだこれは残っているわけで、ちょっと意地悪な言い方なんですけど、要は、その行政不服審査やそういった手続を嫌がって苦情申立てをやってくださいと、そうやって誘導する可能性はないわけじゃないわけですよね。 それについて、一方で、自治体のその苦情手続というのは結構よく使われているものですからなくすわけにはいかないと、そういった説もあるんですけれども、その関係について、どうやって例えば苦情申立て濫用にならないようにするかとか、そういった指導などは考えておられるんでしょうか。
○政府参考人(上村進君) 非常に難しい御質問ではございますけれども、一般論で申し上げますと、不服申立てをしようとされている国民ないし住民の方に対し、それはこちらにと無理に誘導するというようなことはあってはならないわけでございますし、実際そうした事例が多く頻発しているというふうには私は必ずしも思っておりません。大多数は適正に運営をされているものだと思っております。 ただ、仮にもそういうことがあってはいけませんので、これはやはり何と申しますか、公務員の心構えの問題ということにもなってくるのかもしれませんが、私が言うのも大変僣越でございますが、この改正法案の趣旨というものをよく自治体の方、国の行政機関もそうですが、御理解いただき、国民の権利救済が第一であるということをよく認識していただくということに尽きるのではないかなというふうに思っているところでございます。
○渡辺美知太郎君 最後に、総務省が認識をしている今後の課題についてお尋ねしたいなと思います。 先日の参考人聴取では、例えば強力な独立性を有する行政審理院の設置、あるいは行政通則法の定期的な見直しなどが議論に上がりました。まあ行政審理院の設置とかなっちゃうとまた話は大きくなっちゃうと思うんですけど、今現在で総務省が課題として考えられている事項はどういうものがございますかというのと、あと、それらに対する対策などもしおありでしたらそれをお尋ねして、私の質問を終わりたいと思います。
○政府参考人(上村進君) お答えいたします。 もし御質問が行政不服審査法に関してということでありましたらば、現在、私どもはこの法律を通していただき的確に運用していくことに全力を懸けるということに尽きるわけでございまして、参考人質疑始めいろいろいただきました課題については我々としても真摯に受け止めて研究をしていく、その中で、今回の改正法案の運用を通じてそういう研究課題を現実化する必要が出てきた場合においては逐次そうしたものを現実化に向けて検討を進めていくということだと思っております。
○渡辺美知太郎君 終わります。ありがとうございました。
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。 まず、審査請求への一元化について確認をしたいと思います。 行政不服審査法案では、原則として異議申立てをなくして審査請求に一元化しますが、例外として再調査の請求を置くこととしています。なぜそのような制度となったのか、その理由を総務省、説明してください。
○政府参考人(上村進君) お答えいたします。 今回御提案している改正法案におきましては、先生もよく御存じのとおりと思いますが、審理員制度の導入によりまして公正性が向上した手続、これを審査請求制度ということに一本化しまして、それをしっかりやっていこうと、こういう考え方に立っておるわけでございます。 これに比べまして、その前に更に異議申立てという現行の手続がありますと、結果的に審理期間が長くなる、それからいろいろな制度があると分かりにくい、いろいろな問題がございましたので、先生御指摘のとおり、こうしたものについては、審査請求の前に置かれる処分庁に対する異議申立てということですが、これは廃止をすることとしております。これは原則でございます。 ただし、事実関係の誤りとかそうした不服申立てが大量に行われる場合、これは、私が今言いましたような審理員とか、こういう慎重な手続を経るまでもなく、処分庁が自らのやった処分について、例えば関係書類、そうしたものをもう一度見直すということで簡単に見直しができると、こういう場合も当然あるわけでございます。そうした場合までこの審査請求の方に持ってくるという必要もないと考えられましたものですから、そうした新たな、そういう意味での簡単な手続に乗るものについて迅速に見直しを行っていただくという観点から、例外的に再調査の請求として残すことにした、かつこれを申立人の選択にしようと、こういうふうに考えたというのが今回の御提案の趣旨でございます。
○吉良よし子君 では、ここで財務省に確認をいたします。 国税通則法上での異議申立ては、先ほど来あるように再調査の請求と変わりますけれども、それによって何が変わるのか、お答えください。
○大臣政務官(山本博司君) 今回、行政不服審査法の改正に併せまして、国税通則法におきまして、現行審査請求を行う場合には原則として異議申立てを経ることとされているところを、この異議申立てに代えまして選択制の再調査の請求を設けて直接審査請求を行うことを可能とする、こうした見直しを行っているところでございます。 この再調査の請求につきましては、基本的には現行の異議申立ての手続と変わりのないものとなっております。
○吉良よし子君 次に、環境省に確認します。 公健法上でも異議申立てから再調査の請求となりますが、具体的に何が変わるのか、お答えください。
○政府参考人(塚原太郎君) お答えします。 再調査の請求につきましては、現行の異議申立てにございました参考人の陳述や鑑定などの規定は置かれないという点で相違があると承知をしております。しかしながら、現行の公健法の運用におきましては、主治医の診断書や医学的検査結果等の専門的な資料に基づきまして原処分が行われておりますので、異議申立ての手続上、改めて参考人の陳述や鑑定等までは要しておりません。このようなことから、改正前後におきまして現行と同様の権利救済が行われるものと考えております。
○吉良よし子君 陳述や検証等がなくなるかもしれないということがありましたけれども、改めてここで総務省に伺います。 異議申立てから再調査の請求へとなるに当たって具体的に何が変わるのか、法律上準用されなくなるものというものはあるのかというところを具体的にお答えください。
○政府参考人(上村進君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、なくなる手続というのはございます。 具体的に申しますと、現行法の参考人の陳述及び鑑定の要求、これは現行法四十八条で準用しておりますところの二十七条でございます。それから処分庁による物件の提出要求、これは同様に現行法第二十八条が準用されております。それから処分庁による検証、これは同様に第二十九条、それから、審査請求人又は参加人の審尋という手続がございます。これは第三十条になります。こうした手続につきましては、改正法の三十三条から三十六条までに定める手続について準用規定は置かれていない、すなわちなくなるということでございます。
○吉良よし子君 四つなくなるということでした。 実際、再調査の請求について、法案の説明資料には、簡易な手続で事実関係の再調査をして処分の見直しを行うと書いています。ですが、要するに、参考人からの陳述もなくなる、検証もなくなる、審尋もなくなると、これでは今までの異議申立てという形から実際問題はやっぱり後退してしまうのではないかと考えますが、その点、大臣はいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(新藤義孝君) これは、この再調査の請求は、現行の異議申立てを審査請求に一元化することの例外措置として設けたものでありまして、処分の内容を把握している処分庁が簡易な手続で関係資料を改めて調査すると、そのことによって迅速に見直しを行うことができる、この目的とした手続でございます。改正法の三十三条から三十六条までの手続につきましては、審査請求の段階でしっかり担保されているわけでありまして、再調査の請求の段階ではこれらの手続を取る義務を改めて課す必要はないと、このように考えたわけであります。
○吉良よし子君 審査請求できちんと審理するというお話ですけれども、私は、やっぱり再調査であっても、陳述も検証もないとなると、もうこれは申立人にとってはおざなりな対応だとしか言えないと思うんです。簡易迅速とおっしゃいますけれども、それは申立人のためではなく、再調査をする行政側のための簡易迅速化を進めようということになるのではないかと。でも、そもそもこうした不服審査制度を活用する申立人の思いというのは、自分の権利や利益などを認めてほしい、守ってほしいということのはずです。 その申立人が、おざなりな再調査ではなく、より丁寧な審理を求めようとすれば、国税の場合は不服審判所、公健法では公害健康被害補償不服審査会への審査請求をすることになりますが、この審査請求する先ですが、それが、支所などを含めた不服審判所は全国に約十九か所、不服審査会は東京に一つしかないと。公健法でいうなら健康被害を抱える申立人に上京せよということになるのです。上京するという経済的な、また精神的な負担が重荷となって審査請求をかえって遠ざけてしまうことになるのではないかと思うのですが、その点、総務省、いかがでしょうか。
○政府参考人(上村進君) お答えいたします。 基本的に、この行政不服審査の手続というのは書面主義でございまして、書面でもってやり取りをして審理をするということでございますので、必ず申立人が審査を行う場所に行かなければならないというものではないと、この点だけまず申し上げさせていただきたいと思います。 その上で、実際にどこかに赴く必要があるというのは、例えば口頭意見陳述の場合でありますとか審議会の場に出るということになりますが、これは先ほど来の質疑の中でも出てきておりますが、いろいろなやり方は可能だと思っております。例えば、審理に当たる者が申立人のいるところに出向くでありますとか、またICTの活用でありますとか、いろいろな方法は可能であると思っております。
○吉良よし子君 書面によると言いますけれども、丁寧な審理してほしいという方はやはり直接お話聞いてほしいという要望もあるはずなんですね。やっぱりそういう方たちに様々な手段で最大限負担を掛けないようにするというのはもう当然のことだと思いますし、全国のどこにいても申立て者が不利な状況に置かれることのないようあらゆる手段を講じるよう強く求めまして、次に、法改正以前の行政不服審査制度そもそもについて伺いたいと思います。 行政不服審査法を含むいわゆる行政争訟制度の意義は、簡単に言えば、行政が行ったこと又は行わなかったことで被害を受けた国民の被害救済のための手続を定めたものと言ってよいと思いますが、総務省、これについて、それでよいかどうか、はいかいいえで簡潔にお答えいただけますか。
○政府参考人(上村進君) こういう一般の行政争訟制度といいますものは、まず一つには、当然、この申立てをされる国民の方々の権利利益の保護というのがございますが、当然、それの裏側といいますか、同様に重要な目的として、今おっしゃったような適正な運営の確保というのはあると考えております。
○吉良よし子君 であれば、一般論となりますけれども、行政が行ったこと若しくは行わなかったことが、その時点では問題があると行政側には認識されていなかったとしても、不服申立ての手続を通じてそれまで行政が認識していなかった問題が明らかになるということもあると。その結果、その後のより良い行政の改善にもつなげていくことも広い意味では期待されているものと考えますが、その点はいかがでしょうか。総務省、お願いします。
○政府参考人(上村進君) お答えいたします。 その点につきましても、この審議を通じまして、大臣からも行政の自己反省機能の発揮ということを申し上げていると思いますけれども、こうしたことを通じまして行政の改善あるいは制度の見直しというふうにつなげるということは非常に重要なことであると思いますし、そういうことは十分考えられると思っております。
○吉良よし子君 では、ここで環境省に伺いたいと思います。熊本県から水俣病の認定申請を棄却処分とされた水俣市の男性が、棄却処分の取消しを求めて審査請求を行いました。その結果、昨年十月、国の公害健康被害補償不服審査会が認定が相当だとして県の棄却処分を取り消しました。 では、環境省、ここで、熊本県が当初認定申請を棄却処分としたその理由は何だったのか、お答えください。
○政府参考人(塚原太郎君) お答えします。 御指摘の裁決の中で、引用させていただきますが、有機水銀に対する暴露歴は認められますが、症候については、神経学的に四肢末梢優位の感覚障害は認められましたが、その他有機水銀の影響によると考えられる症候は見られませんでしたというような部分があるということは承知しております。
○吉良よし子君 引用していただきましたが、これはいわゆる昭和五十二年の判断基準に照らしてその認定を棄却したということだと思います。 これについては、昨年四月十六日、最高裁で、その五十二年判断条件について、一定の合理性は見られるものの、行政庁の運用指針としての昭和五十二年判断条件に定める症候の組合せが認められない四肢末梢優位の感覚障害のみの水俣病が存在しないという科学的な実証はないという判断を示しました。そして、先ほど、熊本県から認定を棄却された男性から審査請求をされた国の公害健康被害補償不服審査会は、この最高裁の判決も参考にして、県が行った棄却処分を取り消すという裁決を行ったということです。 改めて、環境省、この審査会が処分取消しの裁決を行った理由について、どう書いてあるか御紹介ください。
○政府参考人(塚原太郎君) お答えします。 御指摘の裁決におきまして処分を取り消すこととした理由につきまして、これも引用で恐縮ですが、指定地域内において、魚介類に蓄積されたメチル水銀を経口摂取することにより起こる神経系疾患であり、現に生じた発症の機序を内在する客観的な事象として、水俣病に罹患していることが確認されたということである。したがって、請求人について、公健法における水俣病として、行政認定することが相当であるとされております。
○吉良よし子君 引用していただいたんですけど、その前に、昭和五十二年判断条件には適合していないがという文もありますよね。
○政府参考人(塚原太郎君) 裁決書の中身については書いてあるとおりでございますので、それについてはそのとおりでございますが。
○吉良よし子君 昭和五十二年判断条件には適合していないが、こうしたことで罹患していることが確認されたと、棄却を取り消したという話だったと思います。 私は、この経過というのは、やはり行政不服審査制度というものが非常によく機能した例なんじゃないかと思っております。特に、行政側が持っている判断の認定の基準が最高裁の判断を受けて変更されると、その過程の中で救済されたということは特筆すべきだったことだと思いますが、これについて大臣はいかが感想をお持ちでしょうか、いい事例なのではないかと思うんですけれども。
○国務大臣(新藤義孝君) それはそのときの判断がなされたということでありまして、これはケース・バイ・ケースということで適切な判断がなされるべきものと、このように考えております。
○吉良よし子君 ケース・バイ・ケースということですけれども、もう一度お願いしますが、要するに、県が一度棄却処分としたものを最高裁などが、昭和五十二年の判断条件に照らして認定を棄却したわけですけれども、それが最高裁ではひっくり返ったと。その判断条件に照らしてのみだけでは判断し切れない部分もあるよねという最高裁判決を受けて、審査会の方でそれをひっくり返したという事例だと思うんです。やっぱりそういうのが、この行政不服審査制度というのが非常によく機能した例だと思うんですが、その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(新藤義孝君) ですから、それはケース・バイ・ケースなんでございますが、だけれども、結局、行政の不服申立ての制度と、それから訴訟というものがあるわけです。それは、それぞれが機能した結果、結果的に連鎖して最終的にそういう判断が出るとするならば、それはその後の行政処分にも影響が出るということだと思います。
○吉良よし子君 その後の行政処分にも影響が出るというふうなお話もありました。 先ほど申し上げた行政争訟制度の本旨からいえば、こうした経過を踏まえて行政庁は今後の改善も見直しするべきだと思うんですね。いわゆる自分が、自らが定めた五十二年の判断条件そのものの見直しにも着手するべきだと私は考えるんです。 ところが、環境省は、現在、処分を取り消す旨の裁決は対象となった個別事案への対応について拘束力を持つものである、このため、裁決の中に示された制度一般やその運用の在り方についての判断がその後の行政庁の制度の運用を拘束するものではないと言っております。 大臣、これは直接には環境行政に関わる問題ではありますが、おとといの参考人質疑の中でも、参考人からは、行政の適正化のためにも審査制度はもっと活用されるべきだというような内容の指摘もありました。行政庁のこうしたかたくなな態度はやはり行政不服審査制度そのものへの信頼を失わせるものとして、政府全体として検討するべきじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(新藤義孝君) それは、所管の官庁の判断がまず一義的にございます。 一方で、政府全体として、これは行政制度というものは国民のためのものであって、もしそれに判断の違いがあるならば、それを、自己反省機能を生かしつつ簡易迅速に救済をしようと、こういう私たちの制度と、それから本来の権利義務を訴訟によってきちんと明白にすると、こういう二つのものがあって私たちの国の権利というものは守られていくんだというふうに思います。 ですから、これまでの事例というものを十分に参考にしつつ、また、行政判断というものは時代とともに社会情勢によってやはり変化すべきものであります。ですから、それが、情勢の変化とまた制度の変化が、それが連携するかどうか、そこはきちんと我々は検討を不断に続けていかなくてはいけないと、このように考えております。
○吉良よし子君 自己反省の機会であるとか、若しくは社会の変化に合わせてということですので、是非こうした行政不服審査制度そのものの信頼を向上させるためにも、行政の適正化を進めていくためにも活用していただきたいと思いますし、今回の行政不服審査法等関連法案については、審査請求期間の延長や証拠書類等の謄写、審理において申立人が処分庁への質問権など、権利や利益の救済にとっての改善点もあります。 しかし、参考人質疑の際にも明らかになったように、審理員や行政不服審査会における公正性の担保や、審査庁から独立して審理に当たるための具体的な手だてなどもはっきりしておらず、救済の仕組みが後退しかねない重大な問題も含んでいると思います。 多くの課題を残したまま行政不服審査法を改正することはやめるべきであることを述べて、質問を終わります。
○又市征治君 社民党の又市です。 初めに、法務省に伺ってまいります。 〔委員長退席、理事二之湯智君着席〕 法務大臣は、私的諮問機関である出入国管理政策懇談会の中に各界の専門的知見を有する者を集めた難民認定制度に関する専門部会を昨年十一月に設置をされて、その結論も参考に難民認定制度の改革を進めるべく今春から本格的な論議を始めて、本年十二月をめどに結論を取りまとめるとされておるわけですね。そのような論議が行われているさなかに、行政不服審査法に関連して、関係法律の整備に関する法律案の中のいわゆる入管法も改正されようとしているわけですが、これに対しては議論が緒に就いたばかりの段階で、既にその議論に関して結論が出ているかのような法案が国会に提出されているという事態は、出入国管理政策懇談会での専門的かつ多様な知見に基づく意見を参考にして出入国管理や難民認定に関する政策を決定するというこれまでの方針にも反するものではないかと日本弁護士連合会の会長声明が出されて指摘されているわけですね。 今回の入管法の改正というのはこの専門部会の議論に影響を与えるのかどうか、この点、まずお聞きをします。
○政府参考人(杵渕正巳君) お答え申し上げます。 今般の入管法の改正は、行政不服審査法の改正に伴って新設される審理員などにつきまして、難民認定における難民審査参与員制度の存在などを踏まえ位置付けを明確にするなど必要な改正を行うものであり、この点も含め御指摘の難民認定制度に関する専門部会において議論していただくこととしておりまして、専門部会における今後の議論を制約するものではございません。
○又市征治君 答弁のとおり、まさに専門部会での議論を通して審査請求人の権利が十分に尊重されることを強く期待をしたいと思います。 そこで、確認ですが、迅速、適正な難民認定手続の実現のための諸方策は、出入国管理政策懇談会の議論の結果を踏まえ、かつ国際水準にのっとって具体的に定めていくという、こういう理解でよろしいですね。簡潔に答えてください。
○政府参考人(杵渕正巳君) 適正、迅速な難民認定手続のための諸方策につきましては、御指摘の専門部会におきまして、国際法及び行政法分野の学識経験者、難民支援団体の関係者及び日弁連から推薦のありました弁護士から成る委員に加えまして、国連難民高等弁務官駐日事務所などからもオブザーバーとして参加していただき、昨年十一月から議論を進めているところでございます。 専門部会では諸外国の立法例や国際機関の取組なども参照しながら議論が進められており、法務省といたしましては、専門部会での議論の状況や検討結果を踏まえながら、難民条約上の難民に該当するかどうかの審査をより適正かつ迅速に進めるとともに、難民に該当しなくても人権、人道上の問題を抱えて国際的な保護を要する者への配慮などにつきまして必要な見直しを行っていく所存でございます。
○又市征治君 それじゃ、次に、改正案について具体的に伺いますが、この行政不服審査法の改正を受けて入管法関係では不服申立てのシステムがどう変わるのか。ちょっと持ち時間が少ないですから簡潔に答えてください。よろしく。
○政府参考人(杵渕正巳君) 御指摘の入管法改正につきましては、簡潔に申し上げますと、主な変更点としましては、難民審査参与員を審理員とみなすことになりまして、これまで難民調査官が主宰しておりました口頭意見陳述を難民審査参与員が主宰するということになります。
○又市征治君 つまり、難民審査参与員は従来の審査よりも大きな権限を持つということになるわけですね。そして、審査請求人からの申立てがあった場合、参与員は意見を述べる機会を与えなきゃなりません。 〔理事二之湯智君退席、委員長着席〕 しかし、この行政不服審査法改正案では、「ただし、当該申立人の所在その他の事情により当該意見を述べる機会を与えることが困難であると認められる場合には、この限りではない。」、こうなっていますね。さらに、入管法では、それにプラスをして、「申述書に記載された事実その他の申立人の主張に係る事実が真実であっても、何らの難民となる事由を包含していないことその他の事情により当該意見を述べる機会を与えることが適当でないと認められる場合には、この限りでない。」と、こういうふうに追加されているわけですね。 この項目の追加というのは、今回の改正の趣旨である公平性の向上にどのようにつながるのか、この点、お伺いいたします。
○政府参考人(杵渕正巳君) お答え申し上げます。 先生がおっしゃるとおりの文言が入ってございますけれども、この口頭意見陳述の除外規定につきましては、法律上、審理手続を主宰する難民審査参与員が行政の外部から就任するものであるということにも考慮いたしまして、解釈に疑念の生じることのないよう除外規定を法律上明確化するというものでございまして、運用面におきまして実質的な変更はございません。
○又市征治君 「何らの難民となる事由を包含していない」、こういう場合は意見を述べる機会を与えなくてもよいとなっているわけですね。まさにそのことが今争われているのであって、裁決の前段でそれが判断されるというのはどうも私はおかしい、こう感じざるを得ないんですね。また、「その他の事情により当該意見を述べる機会を与えることが適当でないと認められる場合」というのは実に抽象的であって、その結果、参与員が恣意的に審査請求人の意見を述べる機会を奪ったりする危険が生じたり、あるいは意見を述べる機会を与えるかどうか、その判断に困ったりする場合が出てくるんじゃありませんか。その点、どうお考えですか。
○政府参考人(杵渕正巳君) 今回の改正によりまして、これまでのように当局の職員による審査手続に代わりまして、難民審査参与員、これは民間の有識者でございますが、公正中立な立場から審理手続を主宰するということになります。 また、今回の改正案によりますと、形式的に申述書に何ら難民となる事由が記載されていなければ機械的に口頭意見陳述を付与しないといったような扱いではなく、審理手続を主宰いたします難民審査参与員が口頭意見陳述の機会を付与することが適当でないと認める場合の判断を行うということでございますので、権利保障に欠けるといったようなことにはならないと考えてございます。
○又市征治君 抽象的な文章というのは恣意的な解釈を生むことが少なくないわけですよね。審査請求人の立場に立ってその権利を守る視点から改正をされるべきだと、私はそのように思います。 これまでこういうことがあったから、例えば借金から逃げ出してきたとか、どうも仕事しに来ているんじゃないかとかという、過去の幾つかのそういう例を基にして読み替えてこういう挿入をするというのは行き過ぎじゃないか、こういう意見、様々現に懸念があります。このことは是非指摘しておきたいと思います。 以上述べたように、入管法の今回の改正には大きな懸念を持たざるを得ない、こういうことがあるわけですが、難民不服審査手続については国際機関から指摘を受けている適正手続の基準を踏まえて運用していく、こういうふうに理解をしてよろしいか、この点をもう少し説明ください。
○大臣政務官(平口洋君) お答えいたします。 委員御指摘の難民認定に係る不服申立て手続を含む難民認定制度につきましては、現在、法務大臣の私的懇談会である第六次出入国管理政策懇談会の下に設けられた難民認定制度に関する専門部会において、各界の有識者に加え、国連難民高等弁務官事務所の協力も得て議論が進められているところでございます。 法務省としましては、今委員御指摘のように、難民認定に関する適正手続の確保に関する各方面からの指摘、あるいは国際的な動向、さらには先ほどの難民認定制度に関する専門部会の議論の結果、こういったようなものを踏まえながら公平性、透明性の確保などについても十分配慮しつつ適正かつ迅速な対応を図っていくと、こういう観点から、制度、運用両面について所要の見直しを行ってまいる所存でございます。
○又市征治君 いずれにしましても、やっぱり国際機関からの指摘をしっかり受け止めて対応して、正しく運用してほしいと思うんです。 日本における難民の認定申請は急激に増えているわけですね。昨年は三千二百六十人の申請がなされたわけですけれども、実は、難民認定を受けた人はその中のたった六人ですよね。これは世界で最も少ない、こういう状況にとどまっているわけで、難民認定率は〇・一%、こういう状況にあります。 今回の改正案の運用や今後の議論が難民認定率が改善される方向で行われるように、これはやっぱり各界から求められているわけでありますし、是非この点は私も強くこの機会に要請をして、この件についての質問は終わりたいと思います。 次に、労災、公務災害補償の不服審査の扱いについてお尋ねをしたいと思います。 二〇〇八年法案に対しては多くの反対意見が出されたことは御承知のとおりでありまして、それに対し、今回は現行どおりとされたことは一定評価をしたいと思います。しかし、それはまた現行がベストであるということを言っているわけじゃありませんで、改善の余地がまだまだあるということでもあるんですが、現状では一定評価をしたいということです。 例えば、都道府県労働局の労働者災害補償保険審査官は厚生労働大臣が任命をするとされて、厚生労働省の職員なわけですね。厚労省の職員であるがゆえに行政通達に当然拘束されているのが実態ですから、元身内が出した判断をノーとはなかなか言えない、こういう状況、これが実態であろうと思う。 行政救済には専門性、独立性、市民の目が必要なわけであって、審査官制度を残すのであれば、厚労省の労基署が出した判断に公平な目線で審査ができる人間を審査官として配置してこそ真の審査制度になる、こんなふうに思うんですが、この点についての厚労省の見解はいかがですか。
○政府参考人(安藤よし子君) お答え申し上げます。 行政不服審査制度は、行政庁の処分を行政庁自らが審査する仕組みでありまして、柔軟かつ簡易迅速な手続で処分を見直して国民の権利利益の救済を図るとともに、行政庁の自己統制の一環として行政の適正な運営を確保することを目的とするものでございます。 労働保険については、大量に不服申立てがなされ、かつ高度の専門技術性を有する処分であることから、簡易迅速かつ公正な審理に重点を置いた独任制の審査官と、厳格かつ慎重な審理に重点を置いた合議制の審査会の二つのものになります二審制を採用しているところでございます。 このため、審査官による審査請求については、簡易迅速かつ公正な審理を行えるよう、制度及び実務に精通した職員を審査官として任命しておりまして、労働保険審査官及び労働保険審査会法第四条において、審査官に対し公正かつ迅速な事務処理を義務付けているところでございます。また、審査官の審理の際には、労使の代表である参与から意見を聴取いたしまして、審理の慎重、公平を担保しているところでございます。 さらに、今回の改正によりまして、審査請求に係る処分に関与した者等を審査官から除外するということを法律上明定しておりまして、今後更なる専門性、独立性を確保しつつ、簡易迅速、さらには公正な国民の救済を図っていくこととしております。
○又市征治君 大変丁寧な説明でございましたが、二日前にこの場で参考人お呼びをして意見を聞きましたが、かなりそういう意味では参考人の先生方がおっしゃることと乖離があるな、こういうふうに感じざるを得ません。これもまた後ほども申し上げますが、五年後の見直しということもありますが、そういう中でもしっかりとそれに向かって改善を図ってほしいものだ、やはり申請人の立場に立って改善を図っていくという努力をしっかりと受け止めてほしいと、こう思っています。 そこで、公務災害補償基金や労働保険審査会が権利救済機関としての十分な役割を果たすためには、対審構造化などの行政不服審査法改正の原則を導入をして、厚労大臣所管の労働保険審査会は廃止をし、労使の参与制度は存続しつつ、各都道府県の労働局ごとに独立した第三者機関の地方一審制を目指すなどの課題が残されていると思います。 そこで、行政不服審査法案について衆議院で修正がされて、政府は、この法律の施行後五年を経過した場合に、この法律の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする、こういう検討条項が附則に加えられました。整備法のうち、取扱件数の多い労働保険、公務災害補償制度について引き続き改善を図るべき点が多いと考えることから、これらについても五年後に必要な見直しを行うべきだというふうに私は思いますが、それぞれ厚労省と総務省、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(安藤よし子君) お答え申し上げます。 今般の行政不服審査法及び関係法律の見直しは、行政庁の処分又は不作為に対する不服申立て制度につきまして公平性及び利便性の向上等を図る観点から、行政不服審査制度について政府全体で抜本的に見直しを行ったものでございます。 行政不服審査法の改正法案につきましては、衆議院において一部修正があり、施行後五年を経過した時点での検討規定というものが置かれたというふうに承知しておりますが、労働保険審査制度につきましても、国全体の行政不服審査制度の一角を成すものでございますから、行政不服審査法の施行状況の検討状況、そうしたものを踏まえつつ必要に応じて対応してまいりたいというふうに考えております。
○副大臣(関口昌一君) 地方公務員災害補償制度においても、今後の行政不服審査法の見直しの状況等を踏まえつつ、必要に応じて適切に対応してまいりたいと思います。
○又市征治君 過労死、過労自殺などでは、労働基準監督署、地方公務員災害補償基金支部で業務上あるいは公務上の認定とされることは極めて少ない実態にあって、不服審査を請求しても最終の労働保険審査会あるいは地方公務員災害補償基金本部審査会の審査結果が出るまでに五年から六年掛かる、こういうこともまれでないというのが今の実態ですね。 しかも、この判断が変わり、救済される被災者あるいは遺族は、労働保険審査会では五%前後、基金本部審査会でも九%前後と極めて少数、これが今日の実態です。ですから、遠い、遅い、悪い、こう呼ばれてもやむを得ないのが今日の実態と、こうなっているわけでありまして、こういう実情の改善のために是非今申し上げたような見直しについても、さっきも申し上げましたが、申立人の権利、こういう立場に立ってしっかりと進めていただくように強く要請をして、私の今日の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○主濱了君 生活の党の主濱了であります。 この度、五十年を経ての大改正、関係された皆様に敬意を表するものであります。 早速質問に入ります。第一問は、先ほど吉良委員の方からも大方あったわけなんですが、不服申立ては審査請求に一元化されるということでございます。現行の六条、現行の二十条の異議申立てのまずはこれまで果たしてきた役割について、また法案第五条の一項、再調査の請求を設けた理由と、具体例としてどんなことを想定しているのか、これを併せてお伺いをいたしたいと思います。
○副大臣(上川陽子君) 現行法におきましては、審査請求ができる場合であっても、個別法におきまして異議申立てをすることができる旨の定めがある場合には異議申立てを行うことができると。この場合につきまして、二段階の不服申立ての仕組みとなっているところでございます。 このような仕組みとしている意義ということでございますが、大量集中的に行われる処分であって、当該処分に対する不服申立てが概して要件事実の認否に関わるようなものにつきましては、審査請求手続を取る前に処分の事案、内容を把握している処分担当者が処分を見直すことにより、審査庁の負担軽減、また不服申立人のより簡易迅速な救済が図られる点が挙げられております。 他方、異議申立てについてでございますが、審査請求に比べまして弁明書、反論書の提出、あるいは証拠書類等の閲覧が規定されていないということで、手続としての公正性に劣る面があるということでございますので、これを経ることによりまして国民にとって分かりにくい制度となってしまう、あるいは簡易迅速な国民の救済を妨げるおそれがある、こうしたことにつきましても指摘があったところでございます。 したがいまして、国民が迅速かつ公正に救済を受けることを目指した今般の見直しの趣旨に照らしまして、異議申立てのうち、申立て件数が少なく審査庁の負担軽減の意義が乏しいものにつきましては廃止をし、なお処分庁が見直すことに意義のあるものにつきましては再調査の請求として存置をしたところでございます。 再調査の請求を設けた理由ということでございますけれども、この改正法案におきましては、審査請求手続、これも、審理員の制度の導入などによりまして公正性を向上させるということでこの審査請求の手続を国民に保障することとしておりますものでございますので、審査請求の前に置かれる処分庁への異議申立てについては原則として廃止をすることとしているところでございます。 ただし、事実関係の誤りに係る不服申立てが大量になされる処分につきましては、処分の内容等を把握している処分庁が簡易な手続で関係資料を改めて調査することで迅速に見直しを行うことができるということが考えられますので、例外的に、これも申立人の選択によりまして処分庁に対する再調査の請求として存置をしたところでございます。具体的には、国税通則法、関税法、とん税法、特別とん税法、そして公害によります健康被害の補償等に関する法律の五法律でございまして、これにつきましては再調査の請求を設けることとしたところでございます。
○主濱了君 ありがとうございました。 それで、次は、審理員についてお伺いをいたしたいと思います。 法案第九条の第二項第一号では、審理員は審査請求に係る処分の決定に関与した者以外の者でなければならないと、こう規定されているわけであります。この審査請求に係る処分の決定に関与した者とは、要するに、単に当該事案の決定に関与していなければそれでいいのか。さらに、これまで類似の事案の決定に関与していないこと、行政というのは行政実例がずっと積み重なってきます、今は担当していないんだけれども実はあの行政実例は俺が作ったんだと、よくあるんですよ、こういうようなのが。そういうふうなものをも要件とするのか。この辺を伺いたいなと思います。
○副大臣(上川陽子君) 改正法案の第九条第二項第一号ということで御指摘がございましたこの審理員の資格ということでありますが、除斥事由といたしましてこの法律の中で規定している中には、御指摘の過去に類似の事案の決定に関与した者などについては法律上の規定はございません。 実際の審理員の指名につきましては、個別事案ごとに各審査庁の判断によりなされるということになります。審査庁の規模によりましては、専門性の問題等もございまして、御指摘のようなケースを一律に排除するということにつきましては困難な場合もあり得るというふうには考えておりますが、しかし、過去に類似の事案に関与し一定の予断を持っている者を審理員に指名することは、申立人や国民から見た場合に公正性に疑念を持たれかねず、総務省としてはできるだけ回避するべきものと考えているところでございます。
○主濱了君 まさに、できる限り排除するといいますか、そういうふうな方向が私はいいと思うんですよ。でないと、要するに、過去にそういうふうな事案を扱っておって、もう対応が決まっていると、こういうことであれば、ちょっと、今回この審理員を設けました、これはもう公正性を旨とするものでありますと、こういうことは余り言えないんじゃないかなと思うんですよね。 というのは、現行の三十一条の審査庁の職員、これだってよく考えてみるとほとんどの人がこれには該当しないのではないかというふうに思います。新たな法案の九条の二項の審理員も当然当該処分に関与なしということで、ほとんど実態は変わらないんじゃないかなというふうに思うんですが、時間の都合上、先を急ぎます。 次は、審理員の養成についてお伺いをいたします。 中央省庁はもちろんのこと、地方公共団体も行政改革でぎりぎりの人員で行っている、ぎりぎりまで人員を削減をしているわけであります。このような中で、この度の法改正に伴って、特に地方は審理員を新たに養成しなければならないわけであります。 総務省として、この審理員の養成をどのように考えて、どのように地方公共団体、支援をしていくのか、この辺についてお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(新藤義孝君) 新たに職員から指名されることになる審理員は、専従の職員が置かれるわけではございませんので、新たなる人員増の要因になるわけではないわけであります。一方で、その審理員になった者が責務を果たすためには適切な養成が必要であることは御指摘のとおりであります。 したがいまして、総務省としても、地方公共団体等とも相談しつつ、制度に対する理解や実践的な運用方法を習得していただくためのマニュアルを策定したり、それから研修を実施するなどの人材養成は、これは是非進めていきたいと考えております。 また、小規模な地方公共団体等におきましては、必要に応じて外部の適当な人材や非常勤、また任期付職員としての任用、そういった方々が審理員に指名をされることもあり得ると考えておりますし、士業団体への協力要請なども含めて適切な運用がなされるように働きかけをしてまいりたいと、このように考えております。
○主濱了君 まさに今大臣がおっしゃられたとおりで、新たに職員を雇うわけではない。しかしながら、その職員には新たな業務が付加されます。これは大変なことなんですよね。労働過重になります。それから、例えば非常勤として弁護士を雇う、これはもう新たな職員を雇うことになります。様々なこれ市町村あるいは都道府県に対してある程度負担を掛けることになると、この辺は重々見込んでおいていただきたいものだなというふうに思います。 次に、不服申立てによる救済についてであります。 行政不服審査法に基づく不服申立ての処理で、その容認率は国においては一〇・六%、そして地方においては二・八%と、こういうふうなことであります。 先日、六月三日、おとといですね、斎藤参考人のお話を伺ったわけですが、日本の行政不服審査請求の救済率がアメリカあるいは韓国さらには台湾と比べて低いと、こういう御認識でありました。また、国内におきましても、行政裁判では一九%が救済されている、これと比べてもやっぱり低いんじゃないかと、こういう御認識でありました。 で、質問なんですが、行政不服審査法の容認率が低いという認識はおありでしょうか。それから、その御認識があるとすれば、原因は何と考えているんでしょうか。この度の法改正でこの容認率というのはどうなるのか、どのように想定しているか。これについて伺いたいと思います。
○大臣政務官(松本文明君) 先生がお示しいただきましたとおり、認容率、他国と比べて数値として低いということは承知をいたしております。しかし、そのことが直ちに、この不服審査制度が日本で機能していないのではないかといいますか、他国よりも劣っているのではないかというふうには判断できない。むしろ、日本の行政の原処分が正しく行われている割合の方が高いのではないかというふうに私どもは考えておりまして、今回の法改正でその認容率がどうなるかということにつきましては、根拠となる制度ごとに処分の内容や不服申立ての内容が異なることから、具体的に想定することは困難であります。 しかし、いずれにしても、国民の権利救済の向上に資するよう、行政不服審査制度の適切な運営を心掛けてまいります。
○主濱了君 実は、斎藤参考人に対する質問の私の軸足も、今の御答弁のような、やはり日本の行政というのはしっかりやっているんじゃないかと、こういう立場からの質問だったのですが、斎藤参考人からは、行政裁判ですら二〇%近い容認があるんですよと、そういうことなんですよね。それと比べてもう極めて低い、こういうこと、ここのところは私どもしっかりとまずは認識をし、はて何だろうか、本当に日本の行政がしっかりしているからだけなんだろうか、ここはしっかりと見ていかなければいけないと、このように思っております。 では、先を急ぎまして、次は、行政不服審査会についてお伺いをいたします。 審査庁は、法案第四十三条一項の各号に該当する場合を除きまして、行政不服審査会に諮問しなければならないと、こういうふうにされているわけであります。一方、法案の第七十四条で、審査会は、必要と認める場合、必要な調査をすることができる、これ、かなり裁量ありますよね。そういうふうな規定を含んだ第二款で調査審議の手続が定められております。 結局、行政不服審査会はどのようなときにどれぐらい開催されるんだろうかという問題、そして、いずれ対処すべき件数はどれぐらいあって、九人の委員の体制で十分なのだろうかと、この辺についてお伺いをいたしたいと思います。
○大臣政務官(松本文明君) 御指摘の行政不服審査会は、おっしゃられるとおり、審査庁からの諮問を受けて開くということでございます。そして、その中で、部会、三人で三チームということでございますが、三チームを回転をさせてといいましょうか、一年間の諮問件数を今までの事例に当てはめて推定したときに、二百件程度ということで推定をしたときに、およそ百回程度部会が開かれるということであります。 また、総会というのは、会長の互選であるとか、運営規則を決定する場合など、あるいは部会の意見が過去の答申に反する場合、こういった場合にその委員全員をもって構成する総会を開くということであります。その開催回数は年間数回程度と予定をいたしております。
○主濱了君 いずれ、ここのところはほとんど、その四十三条一項の各号に該当しないものは全て多分諮問されてくるわけですから、本来は本当にこれで大丈夫なのかなというふうな気がするわけでありまして、ここはしっかりとチェックをしていくべきところであろうというふうに思っております。 では、次は地方公共団体に置かれる機関についてお伺いをいたします。 法案の八十一条の一項、これは、「地方公共団体に、執行機関の附属機関として、この法律の規定によりその権限に属させられた事項を処理するための機関を置く。」とされているわけであります。一方、この第二項によりまして、条例により事件ごとに置くことができると、こういうふうにも書かれているわけであります。要するに、常時設置と事件ごとに置くことの選択が可能であるんだというふうに私は見ております。こういう状況で、地方において行政不服審査法の適正な審査機能の確保、これは十分であろうかというふうに思っているところでありますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(新藤義孝君) 市町村の規模によりまして不服申立ての件数は様々であります。場合によりますと、一年間不服申立てのない市町村もあるケースもございます。したがって、常設の第三者機関を設置するかどうかにつきましても各自治体の判断によるということになるわけです。が、しかし、その第三者機関を常設しない場合であってもこの不服審査制度が十分機能するように、事件ごとに第三者機関を設置することができること、このようにもしているわけであります。ですから、そもそもこの第三者機関は審理員の行った審理の客観性、公正性を担保するための機関でありますから、その機能が十分に果たされるように、設置すべき機関の組織や運営についてはあらかじめ条例で定めておくというふうになっております。 また、運営においても、あらかじめこの第三者機関の委員の候補者を確保しておくなど、必要になった場合に滞りなく任務が果たされるように準備をしておくこと、これが重要であると思いますし、総務省としてもそういったことをしっかりとサポートしていきたいと、このように考えております。
○主濱了君 私も確かにその辺はちょっと心配しているところなんですよね。事件ごとに置く、あるいはたまにしか来ないと、こういうときにきちっとした、審査体制が十分なんだろうかというふうなことでありますので、その辺はしっかりと見ていただきたいというふうに思います。 次の問題ですが、審査請求の審査手続の中で、法案の第三十一条第五項で、口頭意見陳述に際し、申立人は、審理員の許可を得て、審理請求に係る事件に関し、処分庁等に対し、質問を発することができる、こういうふうな規定があります。申立人が疑問点について端的に質問ができるという、もうこれは画期的な措置ではないだろうかというふうに思っているんですよ。 それで、よく考えてみますと、申立人の質問についてはきちっと明示をされております。でも、相手方の処分庁の回答あるいは答弁、これについてはどのように扱われるかはちょっと不明であります。端的に言って、その場で答弁をもらえる、回答をもらえる、それが保障されているのかどうか、この点について伺いたいと思います。
○副大臣(上川陽子君) 現行法での口頭意見陳述についてでございますが、処分庁を含む全ての審査関係人を招集して行うものとはなっておりません。したがって、申立人からの意見を一方的に聞くだけのものというふうになっていたところでございます。 改正法案におきましては、この点を改めまして、口頭意見陳述につきましては、審理員の主宰の下で処分庁を含む全ての審査関係人を招集して行うということで規定をしたところでございます。この改正の趣旨を踏まえますと、不服申立人の質問に対しましては、法律上の回答義務規定はございませんけれども、適切に回答がなされていくものと考えております。
○主濱了君 確かに、法律を私も何回も読み直してみましたけれども、回答、答弁については触れられていないんですよね。ただ、法案を提出した側としては、その場で回答が保障されるというか、そういうふうな解釈でよろしいわけですね。是非ともこの点は励行をしていただきたいというふうに思います。 最後、実は行政救済ということで、先ほど水俣病の関係で、後でその事案が容認をされた、要するに水俣病として認められたと、こういうふうな、あったんですが、これ事案はいいんですが、経済的な救済をどうするか。これは後日の問題にいたしたいなというふうに思います。 以上で終わります。ありがとうございました。
○委員長(山本香苗君) 他に御発言もないようですから、三案に対する質疑は終局したものと認めます。 これより三案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○吉良よし子君 私は、日本共産党を代表して、行政不服審査法案並びに同法の施行に伴う関係法律の整備に関する法案に対する反対討論を行います。 まず、審査請求への一元化により異議申立てを廃止することは、国民の権利や利益の救済にとって後退と言わざるを得ません。公害健康被害補償法に基づき、患者らは、企業や国の責任と併せ、健康被害の認定や補償給付の決定など、地方自治体の処分に対する異議申立てを通して公害被害に対する行政の在り方を問うてきました。本関連法案によって異議申立てが廃止され再調査の請求となりますが、異議申立てで行われてきた処分庁による検証や参考人の陳述や鑑定の要求、審理員による処分庁や審理請求人への質問などは、再調査の請求ではされません。これで処分の見直しにつながるはずもなく、問題です。 また、健康被害を抱える申立て者らは、今まで都道府県への申立てで済んでいたのに、東京にしかない公害健康被害補償不服審査会宛ての審査請求を行うことになります。地方からの上京を余儀なくされるなど、精神的、物理的な負担から審査請求が申立て者らから遠ざけられることになりかねず、重大です。 国税通則法も異議申立てに代わって再調査の請求が導入されます。国税通則法には、税務調査の一環として再調査が導入されています。罰則付きの質問検査権に基づいて行われる再調査と本関連法案の再調査の請求が混同されることで、納税者が不服申立てをちゅうちょすることも懸念されます。 審査請求期間の延長や審理における質問権の付与、不服申立て前置の縮小、廃止などは改善点です。しかし、不服申立て前置は四十九法律で存置され、今後の増加を止める手だてもありません。 また、審理員や第三者機関制度の真の公正性を担保するための具体的な手だてがないことなどの問題もあることを指摘しておきます。 最後に、行政手続法改正案については、権限濫用型の行政指導からの救済規定、処分や行政手続についての申出制度の追加であり、権利救済に資するものとして賛成であることを申し述べて、討論とします。
○委員長(山本香苗君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 まず、行政不服審査法案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(山本香苗君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、吉川沙織さんから発言を求められておりますので、これを許します。吉川沙織さん。
○吉川沙織君 私は、ただいま可決されました行政不服審査法案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会・結いの党、みんなの党、社会民主党・護憲連合及び生活の党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 行政不服審査法案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、次の事項についてその実現に努めるべきである。 一、行政不服審査制度については、公正で利用しやすい簡易迅速な手続により、国民の権利利益の救済を図り、あわせて行政の適正な運営を確保し、国民の行政への信頼を維持するための制度であることに鑑み、客観的かつ公正な審理手続を一層充実することなどにより、制度本来の目的が最大限発揮できるよう、制度改正後の実施状況を踏まえつつ、今後とも不断の見直しを行うこと。 二、今般の制度改革に伴い、国及び地方公共団体が行った処分については、審査請求すべき行政庁等、新たな行政不服審査制度を利用するに当たって必要となる情報を、懇切・丁寧な広報活動により国民・住民に周知徹底すること。なお、再調査の請求については、処分庁が簡易な手続で事実関係の再調査をすることにより、処分手続の見直しを行う事後救済手続であることを、十分説明すること。 三、有識者から成る第三者機関及び審理員制度の運用に当たっては、権利利益の救済について実効性を担保できるよう、適切な人材を選任すること。特に、地方公共団体において、各団体の実情を踏まえつつ、申立ての分野に応じた高い専門性を有する人材が確保できるよう格段の配慮を行うこと。 四、証拠書類の閲覧・謄写については、審理手続における審査請求人の権利の拡充や透明性の向上を踏まえ、適切な主張・立証ができるよう、審理関係人又は参考人の陳述内容が記載された文書の閲覧、謄写等について、今後とも検討すること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(山本香苗君) ただいま吉川沙織さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(山本香苗君) 全会一致と認めます。よって、吉川沙織さん提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、新藤総務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。新藤総務大臣。
○国務大臣(新藤義孝君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
○委員長(山本香苗君) 次に、行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(山本香苗君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、行政手続法の一部を改正する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(山本香苗君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本香苗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時十六分散会